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雑談・SS投下スレッド

300玄米茶:2020/05/09(土) 05:15:13 ID:rqT4Q1HM0
心に話す女にもう一人の女は煙草を吹かしながら聞いた。
「あのさ、ドーパミンが快感をくれるって言うけどさ、
 煙草を吸った時以外では、どんな時にドーパミンって出るわけ?」
『たくさんあるわよ。
 好きなことをしているとき、成功したとき、褒められたとき、
 やる気が出ているとき、美味しいものを食べたとき、
 恋愛しているとき、セックスしているとき、それから…」
「そんなに!?もう人間なんて、
 ドーパミンっていうご褒美をもらうために生きてるようなものね。
 ん?ということは?
 もしドーパミンを脳に溢れさせるクスリがあったら…
 いろいろしなくてもハッピーになれるってこと?」
『ある意味そうね。
 人間のなすことの多くがドーパミンによる快感のため。
 だとするなら、
 ドーパミンを出すクスリが人生の優先順位の1位になっても、
 何の不思議もないわ。
 モラルよりも、名誉や財産よりも、友達よりも、家族よりも。
 高邁な勉学や達成のための努力なんて、ゴミクズみたいに思えるかも。
 なぜならクスリが、
 それらを上回る幸福を与えてくれるんだから。』
「けはははは!」
聞いていた女はケタケタと笑った。
「なるほどね。
 あたし、知ってるかも。そういうクスリ、そういう連中!」
『でもそれは幸福の前借り。行く手にあるのは…
 そうそう、脳は一度覚えた強い快感を決して忘れはしない。
 覚えた快感を得る術を反復できないとストレスにすらなる。
 だから、また欲しくなるの。
 強烈な幸福を生むクスリならなおさらでしょうね。』
「あたしはニコチンで十分さ。」
女は口を大きく開けて、煙草の煙を吐いて見せた。


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