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投句板 〜自由律俳句〜

1湯原/海紅社★:2012/10/06(土) 21:37:56
自由律俳句・随句・自由律句・自由律
定型俳句もOKです

2渋谷/海紅社:2012/10/07(日) 13:12:01
空から降りるひかりが海までまっすぐに降る
山の端の月がぽっかりと空いている空だ
長き夜をただ眠るだけの男なんです
青い空が憎い
こんなにも慕っております
しぐれてゆくとはこういうことか

最近の句です。(ツイッター上でつぶやいた)

3:2012/10/07(日) 18:37:23
日の光水底に突き刺さる
渋谷さんに連れ句です。

山が産み夜にポトリ丸い卵
長い夜に沈みぱなしでいる
空が青すぎて嫉妬
慕う心の空回り
空に時雨の字を探す

4渋谷/海紅社:2012/10/07(日) 22:51:12
ゆ様
どうもありがとうございます。
日の光水底に突き刺さる
神秘的な光景を頭に描きました。光の強さに圧倒されます。

5渋谷/海紅社:2012/10/08(月) 09:01:00
水面に映す顔モノクロの空が広がる 渋谷

色々勝手に想像したらこうなりました。

6:2012/10/08(月) 10:39:12
連れ句です。

水面の空モノクロに知らない顔  ゆ

7渋谷/海紅社:2012/10/08(月) 16:18:29
顔出さない不実に寒露の日あたる

連れ句です。

8:2012/10/08(月) 23:15:37
想い溜まれば目から寒露  ゆ

9渋谷/海紅社:2012/10/09(火) 22:10:51
寒露の夜のどこかで鳴いているコオロギよ 渋谷

10:2012/10/09(火) 23:22:29
冷えた夜は虫の声が布団  ゆ

11渋谷/海紅社:2012/10/10(水) 06:42:50
布団を変えた寝床からみる月 渋谷

12:2012/10/10(水) 17:48:03
闇を掬って三日月  ゆ

13渋谷/海紅社:2012/10/10(水) 18:30:00
闇夜の黒猫の目の二つ 渋谷

14:2012/10/10(水) 21:41:16
ポーが見た40歳の闇  ゆ

15渋谷/海紅社:2012/10/10(水) 23:08:46
四十手前となり蛍の光かかる店内

16:2012/10/11(木) 20:19:35
嵐の灯の揺らぐ不安  ゆ

17渋谷/海紅社:2012/10/11(木) 21:09:59
蝋燭の灯ゆれている少し落ち着きました 渋谷

18フロヤマ:2012/10/11(木) 23:43:25
落ち着く先に杖

19渋谷/海紅社★:2012/10/12(金) 00:17:42
鶏頭を曲がれば家の灯り見える 渋谷

20さはらこあめ/層雲:2012/10/12(金) 14:19:25
窓明かりひとさじ分の鶏頭が染みる

21フロヤマ/海紅:2012/10/12(金) 15:18:21
窓を開ければ身にしむ風に雲よ海よ

22いつ藻:2012/10/12(金) 16:29:30
海よりの風が来て山葡萄のぽつちやり

23:2012/10/12(金) 17:18:45
彼女が来る笑顔のそよ風  ゆ

24さはらこあめ/層雲:2012/10/12(金) 18:51:19
少女いま折り鶴になる

25渋谷/海紅社★:2012/10/12(金) 20:57:03
折り鶴飛んでゆけ木々のざわめく 渋谷

26さはらこあめ/層雲:2012/10/12(金) 21:16:42
諦めた街の木々がこんなにも青く

27鴨芹:2012/10/12(金) 22:33:17
こんなにも青く水瓶座のない宙 鴨芹

28白川 玄齋:2012/10/12(金) 22:43:28
憂いは妄想に過ぎなかったあの人は優しかった  玄齋

29さはらこあめ/層雲:2012/10/12(金) 22:43:43
青いところまでが空です水をください

30さはらこあめ/層雲:2012/10/12(金) 22:50:22
捨てられた道に優しい人が居た

31:2012/10/12(金) 23:09:13
捨てられた軍手がピースサイン  ゆ

32フロヤマ/海紅:2012/10/12(金) 23:10:47
絵の具を捨てた空の高いところ

33渋谷/海紅社★:2012/10/13(土) 01:05:05
オリオン冷えている空を横目に寝る

34鴨芹:2012/10/13(土) 01:58:49
オスプレイ飛ぶ島のオリオン冷えている 鴨芹

35渋谷/海紅社★:2012/10/13(土) 07:00:06
冷えた夜の底から太陽昇りました 渋谷

36フロヤマ/海紅:2012/10/13(土) 11:51:06
太陽がやさしいこんにちは

37錆助@草原:2012/10/13(土) 16:04:07
風が夕暮れ

38渋谷/海紅社★:2012/10/13(土) 17:00:01
夕暮れまで寝ていた 渋谷

39さはらこあめ/層雲:2012/10/13(土) 18:24:20
夕焼けへ飛んでった鴉

40鴨芹:2012/10/13(土) 18:35:47
帰るところある鴉見上げる 鴨芹

41錆助@草原:2012/10/13(土) 20:14:29
鴉も包み込んで夜が来た

42さはらこあめ/層雲:2012/10/13(土) 20:15:06
街灯に立つ鴉見上げる月の尾

43渋谷/海紅社★:2012/10/13(土) 20:26:20
月光降ればコオロギなきたり 渋谷

44:2012/10/13(土) 20:41:44
月に詩心が遠吠え  ゆ

45渋谷/海紅社★:2012/10/14(日) 00:59:48
こんな夜中にも鳴きおる犬が居て隣家 渋谷

46さはらこあめ/層雲:2012/10/14(日) 08:14:03
遠吠え忘れた眼にうつる人の間

47フロヤマ/海紅:2012/10/14(日) 09:04:57
涙を忘れた俺の背中を色なき風が

48さはらこあめ/層雲:2012/10/14(日) 09:15:12
この風にどの色を塗ろうか

49渋谷/海紅社★:2012/10/14(日) 11:28:16
秋風に吹かれてきたよ落葉 渋谷

50鴨芹:2012/10/14(日) 11:37:13
落葉還る土がない 鴨芹

51フロヤマ/海紅:2012/10/14(日) 18:29:22
今夜はカレー土の香りでいただきます

52渋谷/海紅社★:2012/10/14(日) 21:22:49
雨上がり土の匂いいっぱいにして行く 渋谷

53:2012/10/14(日) 22:08:01
行き場のない雨で冠水の道  ゆ

54さはらこあめ/層雲:2012/10/14(日) 22:22:31
どしゃ降り連れて歩くかかと

55フロヤマ/海紅:2012/10/15(月) 09:17:53
ふと手をやすめ見る外は秋時雨

56渋谷/海紅社★:2012/10/15(月) 19:11:28
ポツリと鼻にあたってからのしぐれだ

57さはらこあめ/層雲:2012/10/16(火) 09:28:41
やさしい雨が真っ直ぐに落ちる

58:2012/10/16(火) 13:55:09
海に雨どうせ同じ水  ゆ

59フロヤマ/海紅:2012/10/16(火) 17:14:26
海辺に墓標のようである芒

60渋谷/海紅社★:2012/10/16(火) 17:55:24
夕日に染まる芒の向こう側が海である 渋谷

61さはらこあめ/層雲:2012/10/17(水) 14:45:07
ゆっくり歩こう海がきえる

62渋谷/海紅社★:2012/10/17(水) 21:08:32
海の向こうに見える雨雲 渋谷

63鴨芹:2012/10/17(水) 21:38:19
海からやってきた雨もいのちも 鴨芹

64:2012/10/17(水) 22:46:28
どこまでも泳いでゆけそう青い空  ゆ

65フロヤマ/海紅:2012/10/17(水) 23:09:58
ひとり泣ける空の高さよ

66さはらこあめ/層雲:2012/10/17(水) 23:33:07
しっとり泣けて雲が流れる

67渋谷/海紅社★:2012/10/17(水) 23:37:29
雲が泣いている空もあり 渋谷

68さはらこあめ/層雲:2012/10/17(水) 23:58:14
ありがとう秋の雨かたむいて

69鴨芹:2012/10/18(木) 00:05:48
かたむいているから秋の次は冬 鴨芹

70さはらこあめ/層雲:2012/10/18(木) 00:18:32
首かしげあと少しの寒さ待つ

71フロヤマ/海紅:2012/10/18(木) 19:56:30
こんな夜長に待たせる身も辛い

72渋谷/海紅社★:2012/10/18(木) 20:15:39
鶏鳴!長き夜を終わらせよ

73:2012/10/18(木) 22:29:52
夜が短すぎて悪夢が醒めない  ゆ

74さはらこあめ/層雲:2012/10/18(木) 23:26:03
残り火に火傷しながら手をかざす

75フロヤマ/海紅:2012/10/19(金) 13:02:39
握りしめた手の秋惜しむ火傷痕

76渋谷/海紅社:2012/10/19(金) 21:47:02
山の向こうに沈む木々燃えてゆく 渋谷

77:2012/10/19(金) 23:02:57
東の空の夕焼けの中  ゆ

78フロヤマ/海紅:2012/10/20(土) 16:36:21
途方にくれて夜がきた

79さはらこあめ/層雲:2012/10/20(土) 19:28:54
暮れてフェンスを越える鴉

80鴨芹:2012/10/20(土) 20:20:45
フェンスの向こうにも影落としました 鴨芹

81渋谷/海紅社★:2012/10/20(土) 20:45:42
フェンスの向こういい事ある気がしていた夏終る

82:2012/10/20(土) 20:48:03
恋の間に自我のフェンス   ゆ

83鴨芹:2012/10/20(土) 21:09:07
自我という言葉知った日大人になった日 鴨芹

84渋谷/海紅社★:2012/10/20(土) 22:01:42
自分を嫌いだと知った日の夕陽重く落ちる

85フロヤマ/海紅:2012/10/20(土) 22:16:31
大嫌いな俺抱き締め夜明けを待つ

86さはらこあめ/層雲:2012/10/21(日) 06:44:21
大っ嫌いな夜明けにハエとり蜘蛛来てくれた

87渋谷/海紅社★:2012/10/21(日) 18:40:32
山路を行けば蜘蛛の網ばかりよ

88フロヤマ/海紅:2012/10/21(日) 21:50:07
山深く天狗かもしれぬ羽音

89:2012/10/21(日) 23:10:42
一人居の窓に物の怪の衣擦れ  ゆ

90さはらこあめ/層雲:2012/10/22(月) 02:33:48
今日も夜で始まるひとり寝の窓

91さはらこあめ/層雲:2012/10/22(月) 02:36:10
今日も生きている夜で始まる

92さはらこあめ/層雲:2012/10/22(月) 02:38:40
日が落ちて子宮ひとつ

93さはらこあめ/層雲:2012/10/22(月) 02:41:36
子宮しぼんで泣いた赤おに

94さはらこあめ/層雲:2012/10/22(月) 03:03:55
次から次へと過去になる煙草燃える

95さはらこあめ/層雲:2012/10/22(月) 03:07:33
やはりひとりでいようか水たまり

98渋谷/海紅社★:2012/10/22(月) 19:40:19
水たまりにまだ雨降る

99フロヤマ/海紅:2012/10/22(月) 20:16:46
雨かき消してくれ晒し首

100渋谷/海紅社★:2012/10/22(月) 21:52:26
晒し首のように会議の冒頭にいる

101さはらこあめ/層雲:2012/10/23(火) 15:05:50
女の匂いを首にまく猫

102渋谷/海紅社★:2012/10/23(火) 20:57:01
あの女の猫だろう

103フロヤマ/海紅:2012/10/24(水) 13:39:14
仕方なく遊んでくれている猫じゃらし

104いちろう:2012/10/24(水) 15:20:18
未練のボタンを外して散骨

105田中並:2012/10/24(水) 19:33:58
風呂桶よりも軽い悩みだ

106田中並:2012/10/24(水) 19:36:25
澄んだ空に影の置き場所を捜す

107田中並:2012/10/24(水) 19:38:52
咳をしてもひとりだひとりだから咳して

108田中並:2012/10/24(水) 19:41:37
そのまま下がれば美しくなるのに

109田中並:2012/10/24(水) 19:42:54
筋書きにない檸檬を隠したり出したり

110田中並:2012/10/24(水) 19:50:18
肉眼で見てもうつくしかった

111渋谷/海紅社★:2012/10/24(水) 21:39:47
ざわついた風金木犀が香る

112さはらこあめ/層雲:2012/10/24(水) 22:26:03
そっとしといてくれ金木犀

113フロヤマ/海紅:2012/10/25(木) 20:02:07
ほおっておけない人もいて宴の続き

114:2012/10/25(木) 20:33:45
終わった宴会の畳に徳利と寝る  ゆ

115さはらこあめ/層雲:2012/10/25(木) 21:14:16
徳利にゃかなわないそのくびれ

116フロヤマ/海紅:2012/10/26(金) 19:45:25
くびれ指這わせて哭く六弦

117:2012/10/27(土) 13:50:50
マンレイのヴァイオリンがキキと鳴く  ゆ

118さはらこあめ/層雲:2012/10/28(日) 08:18:08
乾ききった絵筆かさぶたの色

119:2012/10/28(日) 18:59:06
失った恋のかさぶた残っている  ゆ

120渋谷/海紅社★:2012/10/28(日) 21:10:41
あかね雲がこころの火を灯し

121さはらこあめ/層雲:2012/10/28(日) 21:11:55
ずっと笑っている寂しい写真

122フロヤマ/海紅:2012/10/28(日) 21:35:44
指輪のあと消えて冬がはじまる

123さはらこあめ/層雲:2012/10/28(日) 21:45:16
足跡から冬がなる

124:2012/10/28(日) 23:18:52
枯葉の足音に追い越される  ゆ

125さはらこあめ/層雲:2012/10/29(月) 00:54:39
枯葉が咲いた

126渋谷/海紅社★:2012/10/29(月) 07:19:27
枯葉落葉踏みしめて来た父よ

127フロヤマ/海紅:2012/10/29(月) 08:11:52
これからは三つになる雪の足あと

128:2012/10/29(月) 10:35:44
ぬかるみに杖の足跡  ゆ

129渋谷/海紅社★:2012/10/29(月) 17:08:32
杖の先で示す

130さはらこあめ/層雲:2012/10/29(月) 17:51:28
遠い目でさす

131:2012/10/29(月) 20:28:01
遠くが見えないまして自分も  ゆ

132フロヤマ/海紅:2012/10/29(月) 21:03:02
石焼き芋屋友と追いかけた日も遠のいた

133さはらこあめ/層雲:2012/10/29(月) 21:10:30
石に焼かれた芋やさし

134渋谷/海紅社★:2012/10/30(火) 21:53:23
お芋を掲げて国獲ったよな顔だ

135:2012/10/30(火) 23:23:52
夜道にスマホで浮かんだ白い顔  ゆ

136さはらこあめ/層雲:2012/10/31(水) 19:57:16
雪ひとつぶあなたの顔でとけていく

137フロヤマ/海紅:2012/11/01(木) 13:26:50
あなたより高い空みることできるとしたり顔

138さはらこあめ/層雲:2012/11/01(木) 20:15:26
何処までが空なのか燕は去った

139:2012/11/01(木) 23:23:19
空にぽこぽこひつじ雲  ゆ

140フロヤマ/海紅:2012/11/02(金) 00:54:36
火に通された鰯雲お腹が空きました

141渋谷/海紅社★:2012/11/02(金) 06:41:36
秋風に流れて来たのは秋刀魚だろうか

142天坂寝覚:2012/11/02(金) 22:43:18
秋刀魚のはら噛んで小言にはうなずくばかり

143さはらこあめ/層雲:2012/11/03(土) 10:26:11
小言のみこんで大根すりつぶす

144:2012/11/03(土) 12:59:59
考えても仕方ない大根すり終わる  ゆ

145渋谷/海紅社★:2012/11/03(土) 13:14:19
知らぬ間にこんなところ赤まんまが咲いて

146さはらこあめ/層雲:2012/11/04(日) 00:04:08
散っても赤い

147フロヤマ:2012/11/04(日) 10:12:34
拾い集めたいつかの破片秋も暮れゆく

148渋谷/海紅社★:2012/11/04(日) 10:46:53
落葉拾い集めて焚くところなし

149:2012/11/04(日) 14:29:56
田んぼが道になりどんど焼の煙消えた  ゆ

150渋谷/海紅社★:2012/11/04(日) 14:52:08
柿二つ田んぼの畔の柿の木

151フロヤマ:2012/11/04(日) 17:29:53
公園に佇む柿だタバコに暮れている

152さはらこあめ/層雲:2012/11/04(日) 21:37:39
あの時の煙草だひんまがって

153フロヤマ:2012/11/05(月) 11:25:10
ひんまがった俺でいる月曜の朝だ

154さはらこあめ/層雲:2012/11/05(月) 12:00:10
ひんまがったまんま電線を這う月

155渋谷/海紅社★:2012/11/05(月) 21:37:53
月夜、電線と電線が繋がっている

156フロヤマ:2012/11/05(月) 22:43:48
Wifiでもいい月みている

157さはらこあめ/層雲:2012/11/07(水) 08:54:06
月のほつれてカーテンつきぬけて

158渋谷/海紅社★:2012/11/08(木) 18:40:39
白けた空に月が消えていく

159さはらこあめ/層雲:2012/11/08(木) 19:13:20
低空で消えった

160さはらこあめ/層雲:2012/11/08(木) 19:23:05
低空で消えてった

161:2012/11/08(木) 23:08:52
青空にキラリと海保機  ゆ

162さはらこあめ/層雲:2012/11/09(金) 09:30:04
海坊主さがすか空すっぱだか

163フロヤマ:2012/11/09(金) 22:10:05
星のドレス着た空に願いごとひとつあり

164渋谷/海紅社★:2012/11/10(土) 18:56:41
願いごと無いわけではないコスモス夜に揺れ

165さはらこあめ/層雲:2012/11/10(土) 20:41:51
願うの止めてコスモス解体していく

166:2012/11/10(土) 23:33:31
愛してる愛してない玉ねぎで涙  ゆ

167はるか/海紅:2012/11/11(日) 11:44:33
愛って何なのかわからないまま

168渋谷/海紅社★:2012/11/11(日) 14:24:52
犬よボール咥えて来たか遊ぼう

169さはらこあめ/層雲:2012/11/11(日) 20:15:44
野良犬と野良人三叉路で抱き合う

170フロヤマ:2012/11/11(日) 21:44:55
犬よ別れが惜しいか芒もしょぼくれている

171さはらこあめ/層雲:2012/11/11(日) 22:00:45
あの芒の下へわたしを埋めてあるんだ

172:2012/11/11(日) 23:14:30
傷痕は埋め切れない心の刻み痕  ゆ

173はるか/海紅:2012/11/12(月) 14:54:57
冷たい雨が古傷抉る十一月

174さはらこあめ/層雲:2012/11/12(月) 18:00:29
やさしい雨がまっすぐ落ちる

175フロヤマ:2012/11/12(月) 20:26:39
水滴まっすぐに何度も何度も

176はるか/海紅:2012/11/12(月) 21:40:50
まっすぐな瞳をたしかに知っていた

177渋谷/海紅社★:2012/11/13(火) 11:54:12
あの頃の君と居た明け方のゆめでした

178さはらこあめ/層雲:2012/11/13(火) 20:29:02
あの頃の夜と呑み直さないか

179フロヤマ:2012/11/13(火) 20:56:18
二十年ぶりかアイツと酒飲むモニター越し

180:2012/11/13(火) 22:25:24
寝る前のモニターの向こうは朝の挨拶

181さはらこあめ/層雲:2012/11/14(水) 18:21:30
おやすみのあといった

182フロヤマ:2012/11/15(木) 19:55:31
昨夜のことば朝ふたたび目覚める

183渋谷/海紅社★:2012/11/16(金) 21:08:07
言葉発すれば白い息

184さはらこあめ/層雲:2012/11/17(土) 03:19:26
白い言葉を吸い込む

185フロヤマ:2012/11/17(土) 12:41:08
虚しさ口にする喫茶店

186渋谷/海紅社★:2012/11/17(土) 12:48:23
その口から毒吐く

187はるか/海紅:2012/11/17(土) 13:03:24
吐いた毒がぐるぐる身内を巡る

188さはらこあめ/層雲:2012/11/17(土) 13:33:44
どくどく走るどくろ

189フロヤマ:2012/11/17(土) 18:06:59
全力疾走ゾクゾクしている

190さはらこあめ/層雲:2012/11/17(土) 19:43:25
青い星の黒い道に土踏まずみぎひだり

191白松:2012/11/18(日) 11:40:56
ドナルドではないダーナだよと孫に教わる

192フロヤマ:2012/11/18(日) 21:45:22
夢語るバーガーショップの梟たち

193はるか/海紅:2012/11/21(水) 07:40:31
引きよせる掴む抱くみな夢

194さはらこあめ/層雲:2012/11/22(木) 18:58:28
ずっと走る夢を見ながら寝ている

195渋谷/海紅社★:2012/11/26(月) 21:27:12
夢が昨日のつづきの悪夢

196さはらこあめ/層雲:2012/11/27(火) 12:07:45
昨日のつづきを酒とやり直す

197フロヤマ:2012/11/27(火) 21:08:25
頭のなか探す昨日の酒だ

198渋谷:2012/12/05(水) 22:39:11
霧深く靄がかる記憶未完の句あり

199さはらこあめ/層雲:2012/12/11(火) 15:03:08
埋めた記憶が芽吹いていた

200はるか/海紅:2012/12/18(火) 21:38:04
桜の枝剪られても冬芽ふくらんでいる

201渋谷/海紅社★:2012/12/20(木) 19:13:49
もくれんの夢ふくらんでいる

202熊野:2012/12/24(月) 19:34:53
いま生きる 百一賀の 聖女あり (今生きる 百一歳 青女あり)

203渋谷/海紅社★:2013/01/11(金) 23:06:38
水飲むのどがうるさい

204恭平:2013/06/21(金) 17:30:02
人の底見つめる仏か、私の濁りが雨になる

205恭平:2013/06/21(金) 17:31:35
蓮の華咲く富士よ、大局の見えぬ二十六歳

206恭平:2013/06/26(水) 05:16:35
さみだるる着物の女が何処へもいけず喫茶

207熊野:2013/07/28(日) 22:58:37
探し人七十九さいいずこ行く

208恭平:2013/08/24(土) 19:47:12
畑も秋夜

209恭平:2013/09/30(月) 17:53:38
鈴虫啼きつづく山門不幸

210恭平:2013/10/15(火) 11:49:49
雨の山思いつつコーヒーに牛乳注ぐ

212恭平:2013/10/22(火) 15:10:33
雲の中へ入る

213恭平:2013/10/24(木) 15:55:35
言葉は変わらない季節は霜下りて何故か台風が来ている

214恭平:2013/10/28(月) 17:11:31
猫二匹ぐるぐると啼き添い寝している

215恭平:2013/10/29(火) 10:28:29
今朝はケーキドーナツを食べ胃の中がドーナツとなる

216恭平:2013/10/30(水) 14:46:19
風の道を通る

217恭平:2013/10/31(木) 13:37:13
ほんとう落ち着きました枯葉の雨のなか

218恭平:2013/10/31(木) 14:29:07
しんじつ落ち着いたところへ窓に小鳥が当たっていった

219恭平:2013/10/31(木) 20:23:46
いい湯頂いて秋の花いちりんにりん

220恭平:2013/11/01(金) 08:06:38
たのしい夢より覚めて孤独の旅路へ戻る

221恭平:2013/11/01(金) 15:46:01
病院帰りにロックンロールを聞きにゆく

222恭平:2013/11/04(月) 17:31:05
冬入りの風鈴が寂しい

223恭平:2013/11/05(火) 18:05:06
ざらざらの舌で猫偽餌舐めている

224恭平:2013/11/06(水) 16:32:19
酔えない私が錠剤服用して詩に震える

225恭平:2013/11/07(木) 10:17:26
いい湯頂いて秋の花いちりん

226恭平:2013/11/11(月) 06:54:17
あおうと啼く猫の本日去勢手術餌はやれない

227恭平:2013/11/18(月) 21:14:32
蜜柑を食べる苦渋の青空覚えておく

230恭平:2014/02/17(月) 12:07:51
父の戦い今宵は乾杯するだけだろう

231恭平:2014/02/17(月) 19:57:42
雪の庭に黴ついた蜜柑を投げる

232恭平:2014/02/19(水) 18:32:05
切れた口で花を食む

233恭平:2014/02/19(水) 18:33:03
溜息集めて泡になってゆく午前二時

234恭平:2014/02/20(木) 10:29:56
梅となってからんころん下駄を鳴らし往く

235恭平:2014/02/21(金) 12:58:47
ごしごし床を拭いては汚してくれる子猫たち

236恭平:2014/02/22(土) 11:40:55
鳥の目覚めはそのまま鳥の旅立ちだった

237恭平:2014/02/23(日) 03:01:28
夜更けの病者だ猫は寝ている

238さはらこあめ:2014/02/28(金) 00:32:50
夜更けにもたれる猫へ甘える

239さはらこあめ:2014/02/28(金) 00:36:22
畳に臥して夜を見上げる

240恭平:2014/02/28(金) 08:34:20
あっかんべーしたら舌が白いらしい

241さはらこあめ:2014/02/28(金) 09:34:42
あっかんべぇの舌がメロンシロップ

242さはらこあめ:2014/02/28(金) 17:34:38
あっかんべぇ褪せた鳥居の鴉の巣

243さはらこあめ:2014/02/28(金) 22:19:02
ありきたりな日の鳥居をくぐる

244さはらこあめ:2014/02/28(金) 22:22:06
雪をくぐる女の無音

245さはらこあめ:2014/02/28(金) 22:23:14
まぶたがいやとうつむいた

246さはらこあめ:2014/02/28(金) 22:24:37
うつむいた人のうなじが富士山

247さはらこあめ:2014/02/28(金) 22:26:15
山のてっぺんから朝になった

248さはらこあめ:2014/02/28(金) 22:27:21
短い吸い殻ばかりだもう朝か

249さはらこあめ:2014/02/28(金) 22:29:22
指先まで風を吸う

250さはらこあめ:2014/02/28(金) 22:31:07
呼吸の音ひとつに空調の音仲間入り

251さはらこあめ:2014/02/28(金) 22:33:40
空調の音がするまだ生きていられる

252さはらこあめ:2014/03/01(土) 08:37:58
別れた帰りらっぱすいせんひっそり一輪

253さはらこあめ/草原:2014/03/01(土) 09:02:32
揚げた鶏を買い漁る飛ばなきゃいけねぇんだよ

254さはらこあめ/草原:2014/03/01(土) 09:06:25
断ち切るべきなんだ帰る道にらっぱすいせんひっそり一輪

255さはらこあめ/草原:2014/03/01(土) 09:19:01
顔の言葉消して心が鬼になる

256さはらこあめ/草原:2014/03/01(土) 09:19:52
どうにでもなれよ腹減ったな

257恭平:2014/03/01(土) 17:59:17
草となって猫の遺体見ている

258さはらこあめ/草原:2014/03/01(土) 19:31:02
あの芒の下へ私が埋まってるんだ

259恭平:2014/03/03(月) 11:43:23
ヤハウェヤハウェ芒の中へ火事となる

260恭平:2014/03/03(月) 18:35:11
春の雨去れフォースと共にここにいる

261さはらこあめ/草原:2014/03/03(月) 22:12:12
春のなか埋まらぬ距離の雨宿り

262恭平:2014/03/04(火) 08:26:57
やっと青空観音さまが遊んでいる

263さはらこあめ/草原:2014/03/05(水) 12:36:11
空白のまま太陽に照らされる

264恭平:2014/03/05(水) 17:14:30
真っ暗な半日を夜だと言ってみた

265さはらこあめ/草原:2014/03/05(水) 18:15:35
目を閉じても夜

266恭平:2014/03/06(木) 17:22:58
寂しさ冷たい布団を仕舞う

267さはらこあめ/草原:2014/03/06(木) 19:34:37
空しい体を布団へ仕舞う

268恭平:2014/03/08(土) 17:08:21
夢にМ氏を丹念に火葬していた

269さはらこあめ/草原:2014/03/08(土) 20:11:40
丹念に拭いて40歳のツラがある

270恭平:2014/03/09(日) 19:16:06
脱げない仮面が日々小さくなってゆく

271恭平:2014/03/10(月) 17:44:08
濁水をたんぽぽへ注ぐ

272さはらこあめ/草原:2014/03/12(水) 17:07:35
歩きなさい何かあったら手を伸ばすこと

273恭平:2014/03/12(水) 19:45:05
海より吹く風のひとつを持ち帰る

274さはらこあめ/草原:2014/03/12(水) 20:36:33
風の名を春と呼びたくなる歩道

275恭平:2014/03/13(木) 11:42:05
>風の名を春と呼びたくなる歩道
イイネ。

春の小雨を財布ひとつ握りしめ歩く

276さはらこあめ/草原:2014/03/14(金) 23:06:05
ありがとうございます。投句したあとに、自由律俳句フォーラム用にとっときゃよかったと後悔しました。

277さはらこあめ/草原:2014/03/14(金) 23:08:18
財布がない葉っぱ集める

278恭平:2014/03/16(日) 11:35:04
酒に梅浸し飾ってある

279さはらこあめ/草原:2014/03/18(火) 09:58:58
梅干し含み向かいの屋根雨で濡れていた

280恭平:2014/03/20(木) 10:52:15
雨という字を筆ペンで書いて嬉しい雨の日

281さはらこあめ/草原:2014/03/23(日) 17:21:30
お米炊けました雨だそうです

282恭平:2014/03/24(月) 19:10:14
ぴちゃぴちゃちゃぷちゃぷあらあら又猫が死んでいる

283さはらこあめ/草原:2014/03/25(火) 09:12:07
猫が居る人が死んだ空き地

284恭平:2014/03/28(金) 20:32:08
竹の秋として空き地に揺れとる

285さはらこあめ/草原:2014/03/30(日) 19:24:50
空き地で揺れとる首輪

286恭平:2014/03/31(月) 18:33:25
逃げ出した犬たちは何処へ消えたのかともう四月です

287恭平:2014/04/01(火) 09:36:38
今朝も甘いものづくし机の上の花散る

288恭平:2014/04/03(木) 19:10:36
屋根に雨音聞ける身でさいわい

289恭平:2014/04/05(土) 12:10:17
春という季節の酔いを居間より眺め

290さはらこあめ/草原:2014/04/05(土) 20:39:02
春らしく笑えて居間の紅茶

291さはらこあめ/草原:2014/04/05(土) 20:42:40
屋根に今ごろ桜のうろこ

292さはらこあめ/草原:2014/04/06(日) 08:27:06
甘いもので埋めていく机

293さはらこあめ/草原:2014/04/06(日) 19:09:03
辺りは暗い足で辿る

294:2014/04/08(火) 22:10:58
手探りの人生転がっている  ゆ

295さはらこあめ/草原:2014/04/08(火) 22:39:27
ころがるころがる土手の思い出

296田中恭平:2014/06/05(木) 07:30:06
冷えた高みの紅茶一杯

297田中恭平:2014/06/05(木) 20:23:54
ふるさとふるふる雨ふるさとふるふるフルニトラゼパム

298田中恭平:2014/06/13(金) 00:41:22
昼寝が祟り眠れないでいる、雑巾を絞る

299田中恭平:2014/06/13(金) 00:42:21
草茂りすべてが月を称えている

300田中恭平:2014/06/13(金) 00:43:51
夜が朝を犯しこみ昼の首を締めあげる

301田中恭平:2014/06/13(金) 02:32:36
溜息は草よりいでし天の川

302田中恭平:2014/06/13(金) 02:34:57
クスリ効いてきて紫陽花をカメラに納めては揺らいで歩く

303田中恭平:2014/06/13(金) 02:37:06
夜がひっくりかえって呑み込んでいた屍を吐き出す

304田中恭平:2014/06/13(金) 03:02:56
くさはら座る仏の子供たち

305田中恭平:2014/06/13(金) 05:00:03
夜が明けて金魚のように眠りけり

306ちつこ:2014/07/11(金) 10:53:20
冷えたバス来て乗るだれもいない

307田中恭平:2014/10/03(金) 18:02:57
・バイク修理より帰るの愉しみ、色んな処へ電話した

・狂い花その白花に水滴一滴

・夜にぽっかり穴が開いてなんにも来ない線路だよ

308田中恭平:2014/10/03(金) 20:52:17
・雨に灰が混じる、床屋のカミナシさんが走ってゆく

・噴火しても私には変わらない日々嗚呼窓から今朝は不気味富岳山

・灰は風下に向けて平等に降る、嗅覚を磨けよ

309田中恭平:2014/10/03(金) 20:57:03
・林は隙間風に語りときどき口づけを交わす

・だから神は病が癒えることを禁じた、謂われ無き罰が歩く

・枝葉は広がり私を隠し明星に翳になっていた

310田中恭平:2014/10/03(金) 21:03:52
・ホテルの狂い花散るがいまもあなたを呼ぶ声がする

・坂道を濡れてゆくぽつぽつ明るい京都に

・ニュース映画のフィルム写されコオロギりんりん鳴く

・裸足で国会議事堂は泣いている、事故が起きても飛行機は飛ぶと

311田中恭平:2014/10/04(土) 10:06:56
・本日は普通でいられるか監視妄想を齎す母の誕生日

・生きたまま死に死んだまま生きて二年半

・穏やかな朝に身を寄せるきみなく隣ぽっかり空いている

312田中恭平:2014/10/04(土) 18:23:25
・みんな何かに依存しており竹の春

・御腹が減ってアイスコーヒーで充たす、家が恋しい

・秋の夜の野仏の隣に座り墜落していた

313田中恭平:2014/10/04(土) 20:36:29
・意味を貪りナイフで手相の線を長くする 恭平

314田中恭平:2014/10/05(日) 04:54:16
・台風が来ている暗いキッチンに薬瓶が光る

315田中恭平:2014/10/05(日) 10:04:49
・弥勒菩薩を待って稲荷ずしを分け合って食べている

316田中恭平:2014/10/06(月) 21:51:03
・野分来て野仏を洗い去る

・野仏を去る、去った、去ってゆく

・雷激しく木造の家震えあがる

・つとめて寂しい夜からは俳の鬼

・肉食らいつくこと妹の顔真剣

・姉は看護婦深夜番の嵐の夜は心配する

・問いなき答えだけが降り積もる金木犀

・病に怯え暮らす日々に手を振る、グッドバイバイ

・ラジオ放送終わり眠られず月を仰ぐ

・眠れない夜ついに眠らないと決め部屋に風を入れる

・くさはらにたなびくかげの雲ふたつみっつ

317田中恭平:2014/10/07(火) 00:11:51
・弥勒を待ちつつ陽のなか庭の金魚に餌やる

・錆びた脚を叩いてほぐして天井眺める

・ニコチンガム九十個買ってくちゃくちゃ噛みつつ安気で居る

・枯葉と泥散るまちづくりセンターを風のように去る

・こがらしこがらし鬱を飛ばして吹いてゆけ

・働く時期だと医師は告げる寂しくもあり嬉しくもある

・発達障害の子から意味不明に想い溢れたメール来る

・眠れないから筆を走らせる他なく

・猫の可愛さの前に無力で残ったしらす全部やる

・家族みんな病みつづく眠れないで句作している

318田中恭平:2014/10/07(火) 11:49:48

・薬品の中に静かに眠る鳥

・爽やかな風吹く私は私を変えてゆく

・掴みあうこともせず家族であったか枯葉散る

・歩きつづける天気と口内炎が気になるけれど

・シカゴⅣ聞きつつ隣の寺に烏歩むのを眺める

・裸木露に湿気る

・この哀しみはいつ棄てられる

・妹風邪気味で掃除機掛けている

・絶望の果てにあかゆるく枯葉降る

・譲り合いありがとう譲ってばっかりだ

319田中恭平:2014/10/07(火) 18:35:07
2014年10月7日(火)。

・台風一過みんな程よく疲れて金木犀薫る

・信じることをやめず観た月のあたらしいこと

・死に近い男の匂いする寝室に風通す

・秋、自殺者に煩悩はなかった、馬鹿にするな

・とんまな猫で隠れても直ぐに見つかるのです

・これからは不安の波音、じっと青を目に焼きつける

・鶏頭を背景としていまあなたを写します

・弥勒菩薩待ちつつ今朝も残っているシチューを温める

・あの爺さんは毎日犬を苛めてあやして暮らしている

・霧日となり現れるから一千年あなたに悩みつづける

320田中恭平:2014/10/08(水) 10:35:51

・起き抜けとんぼう見てはとんぼうあたらしい

・たのしげに歩いているが心は若く腐りやすく

・週刊少年ジャンプ買ってはホープを買わない、煙草屋での朝

・爽やかな風吹くにこにこ笑って深呼吸

・くさはらさわやかくさはらさわやか又陽がのぞく

・宇宙より府中は近く「こち亀」読みつつ電車に揺られ

・COSMO抱いて生きる私にもう責められない一生です

・水分が鶏頭に滲んでこの暇に美を与えるのです

・傍に白い秋蝶虫の生に迷っていたのです

・未来より眺める過去は檸檬の香薫る畦道

321田中恭平:2014/10/08(水) 10:44:45

・闇より陽が出る陽を出す闇が

・私にはもう下手な句しかない、職も財布もなく

・図書館に着ては特別休館と知り帰りゆく男達

・この家の病みつづくこと秋の夕暮に浄化され

・この道往けば家へ帰れるがその家がおぞましい

・カームダン含みやっと普通ということが判ってきました

・はてないうつくしい水のもとに草を抜いていたのです

・今朝は寒いこと陽に焼けた肌に爽やかな風あたる

・ひとり自分の道を往くことの道は好きなもので溢れてほしい

・しんとした心のまま紅葉の下を歩む

322田中恭平:2014/10/08(水) 19:36:46
・自分の少しひしゃげた感性も信じて梅を剪定する

・児童虐待が疑われる隣のマンションの声に耳を注ぐ

・母はテレビを観つつ笑って父はパソコンを眺め静か

・毎日を陽と共に力強く生きたいと思いつつ泣く、しぐれ

・しぐるるや澄んだ目で濁った世界を見ている猫を中に入れる

・昨晩は酷い幻聴だった、そんなことのみ健忘しないでいる

・ロリポップ聞きつつニコチンガムをくちゃくちゃ噛みきる

・狂ってゆく世界で正常でいようとするのが異常なことで秋

・病院の向かい仏具屋鳥が渡る

・桔梗活け棄教しきれば余生かな

323田中恭平:2014/10/09(木) 05:09:13
・仏は喉仏として喉に棲む

・のらりくらり夜を越えて窓が寒風に縮むのを見ていた

・暖房に心落ち着き抗不安剤に眠くなる、秋薔薇

・ひみつひとつを墓にいれるとして一体いくつ墓が必要?

・存在に意味はないのだ、サルトルサルトル夜更けに悟る

324田中恭平:2014/10/09(木) 10:56:13
2014年10月9日(木)。

・涼しい風の日陽は霧雲に隠れ

・石に意志あり私にも少しあり

・彼岸花も見なくなって鶏頭も寒風に縮こまる

・学び舎はこの体、ひたすら読み、書く

・火忌つり笑いの私はじゃぶじゃぶ洗顔をする

・覚めないであって欲しかった浄土にいた夢

・秋の花集まられ鮮やか鮮やかアフリカほど

・月もないか

・障子に目あり、指を差し込んでみる

・雨雲の流れ来てここに居ようか帰ろうか

325田中恭平:2014/10/10(金) 11:21:15
2014年10月10日(金)。

・今朝は陽に向かって歩く

・久しぶりによく歩いた脚嬉しがっている

・穂のなか音に溶ける

・永すぎる道ゆっくり行こう

・陽の下を選んで歩む

・白髪のお爺さんが何か言いたげだが黙している

・セブンのnanacoポイント全然溜まらない日々を
生きる

・灰皿煙っている、私は通り過ぎてゆく

・聖俗混濁してもう駄目なんだ、枯れた向日葵

・鶏頭蹴って歩いた

・完全に憧れて濡れた髪乾かす

・自動販売機となり眠りつつ働きたいのです

・柔らかいと思って蹴ったら固いスポンジ

・生死の中の鐘鳴り響く

・路上、光るマスクが舞っている

・悪夢に叛くようにここに着てこがらし

・寒風は北より着て南へ向かう

・陽が明けても不自由に違いなし─尊重を求める

・じっくり脚をほぐして一日に備える

・のぞまれて白百合のビニールハウスに眠りたい

・ブルース止まず指から指から溢れ出す

・ブルースの園に眠り草を食らって暮らすだけ

・明けない夜はないが病深まる
・歩き疲れて帰り道の脚が重たい

・寂しさ増して風邪こじらせて日が暮れて

・不機嫌な父を見ないように家へ帰らない

・ニヤニヤ笑っているオッサンを見つつ雑草気にしているように努める

・減りつづく体重の体で月食を見ていた

・女の部屋にテレビが二台在る

326田中恭平:2014/10/11(土) 11:29:16
2014年10月11日(土)。

・自らを自らで救い秋薔薇の咲く

・空を歩む私の話を君は聞こうとしない

・満月に願い眠って心の芥が流れてゆく

・土曜日の昼ごろ草の花に包まれて

・八木重吉借りる手の小指が震えてしまう

・朝になれば昨日の労忘れしゃかりき歩む

・果てのない未来を惜しみ筆をとる

・暮れなずみ子供の声が大きくなってゆく

・秋風さわやか同性愛の少年ほど

・咳をする老人多し誰かはひとり

327田中恭平:2014/10/12(日) 17:46:06
・悟ることなく今夜も眠れよ枯葉のように

328田中恭平:2014/10/13(月) 10:17:25
2014年10月13日(月)。

自由律俳句、今朝の十句

・昨日は歩いて今日は野分に歩けず何故か安心している

・今朝の洗顔のお湯に私がいっぱいになる

・食パン齧って今朝は挨拶がある朝

・昨晩は狂っちまって脳は一晩で回復する

・成長しないこころその微妙な変化を日記は映すのであって

・眠剤飲んだら体安らぐ眠剤依存症かも知れず

・必死に悪人の私の顔を洗う

・ニコチンガム噛みつつ今の所病以外に迷いなし

・野分来て本を返しに行けない子

・破芭蕉の下黒猫寝ている、私は文芸のことに不機嫌

329田中恭平:2014/10/14(火) 21:28:47
切れ痔して椅子に座れずまともに句も書けない、紅葉

330田中恭平:2014/10/15(水) 11:20:10
2014年10月15日(水)。

・書き出しの一句を捜し図書館の本棚に倚る
・朝起きてまずさぐる尻は病んでいる
・頭の次に尻を病み仰ぐ曇天
・バファリン二錠含み低気圧と頭痛が去るのをじっと待つ
・雨で歩けない日は寂しくて図書館の暖房に頬緩む
・食パンにピーナッツバター塗ってまるで晩年のエルヴィス
・今朝もしゃかしゃか掃除していらっしゃる図書館の掃除婦
・雲に雲重なり富士山見えない今朝も歩む
・何がどう効いているのかもう判らない今朝も向精神薬服薬
・惜しいに赤い月であったかと雑誌を棚に戻している
・御金はないが頭にことばが詰まっています
・便箋百枚買って詩を書き落としつづける日々のはじまり
・日陰の本を借りる
・何かおかしく何かわからず私はニヤニヤしていた
・オオイヌタデの花房握りつつひとり冷えていた
・イヌタデの道を帽をしっかり抑え歩む
・病む頭に共鳴するようにイヌタデ水滴に光る
・風吹いても風に滋養なし陽の射すことものぞんでいない
・自分に文書けばそれは自由律俳句として鳴るよ
・長袖の人ばかり青空も一日であった野分明け
・ヤレバショウの下黒猫死んでおり掌(て)を合わせる
・酒で脳味噌溶かしゆく贅沢な友にこの一句を
・とにかく水飲む痔が治る
・小さなのぞみにして見えないだけさ細々暮らす
・愛くるしい猫なだめつつ床に臥せっておった
・何かがおかしいと思いつつ歩むから曲がる道筋
・ひとり一合の飯を唯一夕餉に頂く
・寂しさ極まって洗顔しては項垂れて
・しんじつ善人になれました、私の日記の最後の頁
・菊花薫るこのごろ私の薬は増えるばかりですよ

331田中恭平:2014/10/16(木) 10:53:13
2014年10月16日(木)。

・飽きるまでままごとしろよ秋の朝

・朝の快便待つことじっと青い鳥が来ている

・無我にして怖れてしまう秋の森

・疲れちまって仮面を窓辺にかけておく

・脚本のない人生を演じけり

・今朝は純心ああこんなにも鶏頭の花は残った

・病人になり友減りつづくこと句作が親友

・実存の限り書くがそもそも論実存がよくわからん

・儚いし力の限り登山する

・こうこうと肺碧きまで空のぞむ

332田中恭平:2014/10/17(金) 19:11:27
2014年10月17日(金)。

・脳髄の隅にちらつく幽霊よ

・脳髄の底に沈みゆく船よ

・脳髄の隅の辺りの小さな火

・脳髄の底に仔馬がいて涙

・脳髄の隅に豆腐の冷たさよ

・脳髄の底に木乃伊の居り踊る

・脳髄の隅に晩秋芥川

・脳髄の底に晩年芥川

333田中恭平:2014/10/17(金) 21:29:04
2014年10月17日(金)。

・愛に充ち故に憎しみに充ち木々の影

・閉じた目を開けてはならぬ幻聴夜

・扉開けこころを入れてあげましょう

・靴に息を吹きかけ拭いて明日の朝に備える

・ハイウェイは案外静かで月が出ている

・好きな場所を増やししあわせに生きてゆく

・ディラン聞きつつ県道を往く、布団など蹴りつつ

・エミネムで病態悪化秋の暮

・書くことに命を捧げ私は秋も蛍

・眠り薬を牛乳で飲む、針が10を指すのを待つ

334田中恭平:2014/10/18(土) 09:49:50
2014年10月18日(土)。

・いつも物食べている女の出てくる小説を開く

・禁煙ガム旨しそれはそうと富岳冠雪三日目

・寒ン空の翳に隠れて枯葉のその裏の粘菌

・コーヒーの香りのついたコート出す

・理数系男子の疎い定家の歌を諳んじつつ草の上を歩む

・卵割る度どこかでさようならと言っている

・難解書読む脳味噌があと二つ欲しい

・おそい足取り秋風揺らす金木犀の裏に冬は隠れて

・何より自分その他に親それ以外なし

・財布空っぽになって軽くなった足取りで歩く

335田中恭平:2014/10/19(日) 11:38:05
・死んだものとして文書くとたのしく指が震える

336田中恭平:2014/10/20(月) 11:19:13
・まだ生きており飼い猫を秋のそとに慣れさせている

337田中恭平:2014/10/21(火) 20:44:28
・生かされており砂漠に水を撒くわざしかなく

338田中恭平:2014/10/22(水) 11:19:43
・道が分かれるその内しろい一本の道を選んで急ぐ

339田中恭平:2014/10/22(水) 21:18:12
2014年10月22日(水)。

・善人にはなれないと悟って帰り道

・大きなものも愛そうと思い空ばかり観る

・父の皮肉に笑う余裕もなく影薄くなりゆく

・疲れて草となって黙り込んだ

・薬五錠飲みやっと普通になれて文芸する

・どこまでも飛べ山に海鳥来ていたよ

・疲れて泣きつつ書くより他癒える術知らず

・くたばれ鬱!とどこまでもどこまでも青い空

・安易な音楽選択でもツボに嵌まって許されて

・糸が切れてしまいもう戻れないし雨降る

・涙は涸れました御飯は炊けました

・救われるとしんじて歩む道の風が冷たい

・橋の上は溜息をつかない、俺の哲学

・寂しさを磨いたナイフでころしてしまう

・やっと安心して何にもない日常に戻ってゆく

・疲れて薬に頼って恋までしている

・善人になれないと自分で考え酒を雨に棄てる

・煙草辞めました体重減りました─山、山、山

・歩けなかった日に来る懺悔にもう蟋蟀も啼かず

・大きなものしかし阿弥陀如来は小さいと思う、愛す

・吹かれて風のそのまま行く

・私を支えてくださらないがにこにこしている地蔵様

・寂しさ酔い止めの薬も充分持っております

・御金も尽きて親の愛も尽きことばに弄ばれる他なく

・森は良いが只観照するより他なく寂しくさせる

・化学反応のこころ持って妹に疎まれていた

・どこまでつづくこの地獄の道

・はてない旅の書いても書いてもはみ出すこころ

・眠れない日は寂しく立って母のいびき聞く

・猫に餌やれる身分かよと思いつつカリカリやる

・失業者に煙草全部やって私の断煙ははじまりました

・懸命な祖父を思うと私はひたすら書くより他なく

・キッチンでも仕事のはなし私は父を肯定する

・寂しさ極まってナイフがうつくしく思えてくる

・旅に出れない身のゆるされて百合の園に眠りたい

・ひと救われ易く堕ち難し、遅い秋雨の降る

・どこか自力も信じているがすべては阿弥陀如来に任す

・山越えれば次の山があってときに夏の花まだ咲いている

340田中恭平:2014/10/22(水) 21:19:08
・人間は雑草に負けるか、歩き、書きつづける

・寂しさ背負って分け入れば青い山

・故郷降る降る貰ったカーディガンを羽織る

・薬効いてきてやっと普通になれて指も震えない

・とおく大きく一歩を歩む

341田中恭平:2014/10/22(水) 21:21:19
・がんばれ、どこかでがんばりすぎるなと、紅葉

・心身弛緩してゆく、このままお湯になってしまう

342田中恭平:2014/10/22(水) 21:27:04
・俳の道に入れば苦しみも肯定されると思いつつ秋雨
・あなたは鴉をまじまじ見たことあるか、うつくしいぞ
・雨の日も風の日も歩いては書く
・幻聴もなくなり寝室がしんと少し涼しい
・やっぱり普通が良い、適度に冷たい水を頂く
・その苦しみはその日のみ、それが案外難しく秋雨
・ついに悟って猛烈に大説書く、疲れて眠る
・鳥渡る病院の反対側は仏具屋であった
・がんばれ、どこかでがんばりすぎるなと、紅葉
・心身弛緩してゆく、このままお湯になってしまう
・俳の道に入れば苦しみも肯定されると思いつつ秋雨
・あなたは鴉をまじまじ見たことあるか、うつくしいぞ
・雨の日も風の日も歩いては書く
・幻聴もなくなり寝室がしんと少し涼しい
・やっぱり普通が良い、適度に冷たい水を頂く
・その苦しみはその日のみ、それが案外難しく秋雨
・ついに悟って猛烈に大説書く、疲れて眠る
・鳥渡る病院の反対側は仏具屋であった
・やっぱり自由律俳句しかない、キーボードを丹念に拭く
・涙堪えて男の道と母は知っていた
・統合失調症抱え今日も狂いを正しい日本語へ
・夜が世界を締め上げて空より水が落ちてくる
・とても酷いことになったが風呂に入れば極楽浄土
・やはり酒は合わない、文学の毒を摂る
・簡素な飯頂いて風呂に入るまで鬱であった
・野良猫が家猫になってしまって又寂しい
・草食って暮らせば一抹のひかり射すのか
・どこまでつづく道の途中に草となり
・風吹けば病んだ体更に病む、棒切れを西方に指す
・又救われて又白い道
・夜を怖れて薬の数数えておった
・罪を忘れて生まれ変わって阿弥陀如来に生死を任す
・疎ましく思われて二年いまはいないものとされる
・狂いに似て常識というものあり時に餓鬼道をのぞく
・炎天思い出しこころが白い煙を上げた
・詩友もなく孤独に震え不安が私に何を書かせる
・逃げないで立ち向かうことを知らず森のなかへ
・疲れて日記も書かず流れるままにこの詩を書く
・木々は語らっている、私に語らう友なく
・睡眠薬に沈殿し目をこすりつつイメジに遊ぶ
・翼をもがれた鳩、わたしのことだ
・腹に怒りが溜まりゆく、尻の穴に軟膏を刺す
・思考に悩み身体に悩み指標が清貧しかなくなった
・健忘ひどく毎日毎日鮮やかな道と園を周っている
・尻の軟膏少し零れた
・午後十時まで眠ること許されず籠のなかの鳥
・伝えたいこと沢山あるが悪人なので黙すに努める
・父の撒く水に濡れゆく竹の春
・書けばさいわいならば何処かこころ欠損している
・眠剤飲んだに眠気来ず深刻な夜
・私に仏性はない、そう告げて貰いたく寺へ行こうとする

343田中恭平:2014/10/22(水) 21:28:13

・鬱そのままにボソボソ御飯を頂きます

・善人になるのは無理であった、そして神の監視も薬で消えた

・私は貧しいこころも貧しい、花を見ている

・歩かなかった日は眠くならない、それが私を不安にさせる

・貧しい山を観て私はそれを羽織る

・どうして生きると問われて書く為と応える、草の花

・母に全財産を渡して忘れて貰いたい

・家の灯りが近づくころ私は不安に襲われる

・脈の遅い今朝やっぱりこんな最低な日になると思ったよ

344田中恭平:2014/10/23(木) 05:43:09
・文学という毒持て他に毒要らず

345田中恭平:2014/10/24(金) 05:20:56
・早く起床し過ぎ家族に疎まれる病者、あんなにこころ晴れていたのに

346田中恭平:2014/10/24(金) 19:36:30
2014年10月24日(金)。

・病みつづくこと鶏頭は枯れ寒風吹きすさぶ

・どうしようもない涙も涸れきった

・遅い晩の月が耐え抜く寒風

・句を書くと嬉しい青空

・病という泥にまみれ過呼吸になる私です

・耐えても神はいない夜

・どこか狂って可笑しくて笑う可笑しくない

・みんな好きなことばかり言っている先生を信じる

・あの声に耐えられなくて扉を閉める

・世界の終わりの寂しい限りをハアハア歩く

・夜道を往く寂しい皇帝ペンギンと化しつつ

347田中恭平:2014/10/24(金) 20:00:46
2014年10月24日(金)。

・神のいない空に手を振る

・本当を求めることを諦め秋の夜の道

・寂しさしたしく羽織って歩む

・気分良いこともなく只管書き綴る

・ざわめき連れず烏飛んでいる

・逃げ場所もなく夕暮眺めてもからっぽ

・消毒アルコール手に塗って日陰の本を抜く

・繋がることもなく携帯電話下げて歩む

・絶望の今宵ほんに月がうつくし

・居場所無くしてただ手を繋いでいるだけ

・高架線下で泣いていた顔を夢にみた

348田中恭平:2014/10/24(金) 20:22:31
2014年10月24日(金)。

・寂しさ置いておく机が欲しいだけ

・もう諦めてしまって月がとおくなりゆく

・とれたての林檎を齧りよろけ歩む道

・語り合い弱さ見せあい眠るだけ

・家族の傷となり膿を孕みつづける

・逃げられずロックンロール聞きつつ座り込む

・一本道ずっと青信号

・地獄の底に花を咲かせる

・溜息ばかりのまだ歩ませる体

・月を見よと目の見えない方が告げ空を仰ぐ

・やっとここまで生きていました鶏頭の花

349田中恭平:2014/10/25(土) 07:29:54
2014年10月25日(土)。

・砂糖のようにひととき固くなり哀しみは溶けゆく

・無為な日々つづき手を広げ空吸い込む

・静かな朝に花、静かな朝にスウィートジェーン

・遠すぎる明日が確実来るよう静かにしている

・この人生、悔いばかりのこの町に教会はなく

・病んだ頭を下げて寒風爽やか

・壊れたラジオが唯一の娯楽の和室に眠る

・朝来て闇は去る、嗚呼人生は期待と虚しさの繰り返し

・温水で温める指先まで震え病んでいる統合失調症

・朝陽したしくルー・リードしたしくことばと遊ぶ

・鬱ひどく肩こる、もう逢えない友がいる朝

350田中恭平:2014/10/26(日) 09:51:46
2014年10月26日(日)。

・熱っぽい夜只脚を温水で洗い眠る

・沢山観た夢のなかに宝石を掴んでいた

・サンデーモーニング、寒さに慣れていないか山よ

・心底落ちつけて風のない部屋

・午後は陽を浴びにゆくと決心すればもう午前十時

・もう御金のない身の清貧に努め断捨離している

・猫が啼きますそれは深い寒ン空に

・今朝もルーリードの声の暗さ明るさにわざを始める

・鶏頭咲きつづくこと冬の到来は遅いらしい

・ニコチンガム噛みつづくこと後三個でガムも尽きる

・文字書くに嬉しい寒ン空

351田中恭平:2014/10/26(日) 10:27:07
・夕暮れの陽に仏をみて枯野を急ぐ

352田中恭平:2014/10/26(日) 19:07:32
2014年10月26日(日)。

・ことば無力なること宇宙に書き出されことば何を思う

・鬱から転調し何を聴いても微笑む秋の午後

・今朝も音ひとつ立てず眠っていたらしい秋薔薇

・ヒーロー現れず土壇場は隠していた本心が出る

・風吹けば揺れる鶏頭すこし撫でて去りゆく

・この秋空に神さまはいない神学論にも飽きてしまって

・疲れても秋日照ること憎みもせず又歩きだす

・やはりふざけた病であったと調子のいいとき大いに笑う

・夢は文士になること風呂掃除のスポンジ絞りつつ

・あなただけ思い出せれば私の人生盤石であり青空

・しぐれて寝室に薄く音楽かける

353田中恭平:2014/10/27(月) 02:38:55
2014年10月27日(月)。

・早く目覚めて静かに努めるいつも静かだが

・鬱寄せて返すさざなみのひとり砂浜に遊ぶ

・しんじつ孤独は孤高と遠い秋桜の花

・書いて埋め合わせる心の穴

・祈り飽きてやはり神さまはいないと思いつつ神さまに書く気で書く

・左脹脛痛むやはり無理に歩いていたかと気づく真夜中

・晴れの日をのぞみ借りたままのCD三点重ね置かれて

・見なくなったつくつくぼうし歩みつづける赤い帽子

・鳥が寒ン空に冷え動かない

・明るい心持ちの今朝の白米御飯を頂きます

・寂しさ埋め合わせる為書きつづく

354田中恭平:2014/10/27(月) 03:11:04
2014年10月27日(月)。

・ラジオ放送も終わり空白の時間八木重吉詩集捲る

・何が欲しかったのだろうとコンビニで溜息つく

・秋の星空体育座りで眺め友がなかった

・考えないように努めることも又難しく寒ン風

・汚れちまった哀しみの必死猫の毛を服よりとる

・大きな星の輝きひとつ光る道往く

・真夜中起きていることのこころに拡がるみずうみ

・ぐさり!とやってしまいたい夜もあり寝るに努める

・別れの涙思えばまだやっていける郊外の夜

・孤独擦り合わせあなたは都会の方であった

・どれだけ辛くいるか分らないよう手紙を書く

355田中恭平:2014/10/27(月) 10:11:18
2014年10月27日(月)。

・爽やかな朝が台無しな人生を憎む

・病態悪化していると告げたのに聞き入れて貰えない私です

・泣きたい朝のひとり歩んでひとり頷く

・病的エゴイストに振り回され病者にされたわたし

・いいかげんにしてくれと顔に冷水浴びせる

・疲れて疲れすぎて自殺願望さえもう湧かない

・死は眼前にありいつでも私を見つめています

・なぜこんな幼い人物ばかり寄ってくる

・ひとをあやめたい!朝の一本道をとぼとぼ歩む

・居場所なくしぶらぶらしている今朝の寒ン風吹く

356田中恭平:2014/10/28(火) 09:07:02
・木の葉散る考えつづける

・凩の先に陽を浴び座っている

・依存するから鎮痛剤を流し捨て確証はないが又善人になる

・耐え忍ぶこころ最近は敬遠されそれでも耐え忍ぶわたしの道

・次は浄土で逢おうと其々の道往く

・馬鹿だから風邪をひかない、くじをひく

・退屈な病室、週刊少年ジャンプだけが明るい

・ルーリード聞き惚れて溜息をつきつつ詩を書く

・爽やかな朝の誰にも邪魔されない善人の王国を築く

・しぐれない夜の満天の星落ちてくる

357田中恭平:2014/10/28(火) 19:25:53
2014年10月28日(火)。

・夜は怖いが豚汁と鯖味噌と家族の前で笑っていた

・カームダン含み効いてくるのを待つに頭掠める地獄の日々

・白鳥は夕陽に溶けてゆきにけり

・こころがわりは化学反応に依り起こって鶏頭黒ずむ

・安らか安らか何より今も生きていたこと

・凍える声の録音されてルーリードの「ベルリン:ライヴ」のロックメヌエット

・物語は終わらない風切って歩く

・安心増すことやっと笑える

・蟋蟀も聞かなくなって相変わらず疲れて寝ていたよ

・ボロボロの靴今日も丁寧に履く

358田中恭平:2014/10/29(水) 07:48:16
・寂しさ野良猫のドンの目が病み

・雨降り何も買いにゆけない父の誕生日

・こだまさない山眠りつづく

・困り果てた親の肩なだめている

・寒風に風呂の窓鳴り目を閉じ居場所はないと呟く

・鶏頭病みつづく我が魂も病みつづく

・ついに御金がない、キッチンに料理酒光る

・詩を書くものもいる、踊るものもいる路上

・寂しさ食いつつ句を書いていた

・なぜ淘汰されないのか分らず自分の役割捜す

359田中恭平:2014/10/29(水) 17:45:01
2014年10月29日(水)。

・秋、今朝も美味しい珈琲を頂きました

・今朝も良い日のお弁当できました

・父にこにこ母にこにこ猫が庭で遊ぶ秋の朝です

・ヘリコプターの音のみ聞こえ風に任せて南進して

・ようやく闇より解放されて秋日に空気澄みゆく

・平和の祈りは無意味、だが止めませんずっと

・寂しさ通り越し何もない朝の爽やかなこと

・陽が強く下を向いて歩こう

・鳥も見ない秋に飼い猫草木にじゃれている

・孤独を書き尽してひとり

・詩人は異形の者か、病みゆく鶏頭にうつくしさ

360田中恭平:2014/10/29(水) 17:45:41
2014年10月29日(水)。

・みんな自分のことばかり、私もわたしのことばかり

・醒めない夢の句を書き綴り続ける

・黒いジャンパー着込んで白い街を何処へ往く

・まつりの次の日の図書館静かで本捜している

・しっかり立って富士山を見つめる

・疲れてひとりまじない唱える

・痛んだ左足首時々さすっては歩むのをやめない

・ゾピクロンまだ効いていて苦い冷水を飲みます

・病んでお守り握って寝ていたよ

・薬効いてきてやっと安心の御茶を頂く

・転がる石のように生きてゆきます

361田中恭平:2014/10/29(水) 17:46:17
2014年10月29日(水)。

・震える枯葉に触れて溜息ひとつ

・この人生にひとつひとつ鍵を閉めて安心する

・新しい病院から電話の掛かってこない朝又溜息つく

・明るい顔で頭中に拡げていた宇宙

362田中恭平:2014/10/31(金) 19:35:29
2014年10月31日(金)。

・ラーメン食べつつ父母に今日もありがとうと告げなくちゃ

・私の王国としてノート一冊ナップサックへ入れる

・空がブラック、乳粉として溶けゆく体

・今日は外を歩けなかった、窓より空の深さ増して

・飛翔して星を掴んで大火傷

・郊外に灯の一つありこがらし吹く

363田中恭平:2014/11/01(土) 03:19:47
2014年11月1日(土)。

・淋しいぞ畑に積木を埋めておる

・目をこすり物書く真夜中に雪を幻視した

・火を起こし白い煙流れる寒ン空

・ひと救われ易く父怒り易く私の家は浄土です

・益々自閉してときとして風と戯れる

・生きる活気なく眠りつづけるほうほう梟

・病みつづくこと寒ン空に釘を打ちにゆく

・病みつづくこと闇続く、月がぽっかり

・光溢れる浮き草にあなたのこころを見ていた

・やっとひとりの夜を好める

364田中恭平:2014/11/02(日) 10:37:29
2014年11月2日(日)。

・秋日高く救われつつも救われようとする 恭平

・今朝は富士見えず真に孤独を思わせる 恭平

・寝疲れた朝も大望に白紙の頁をひらく 恭平

・無用の者寄り添い風に別れゆく 恭平

・さよなら晩秋時計の針を正して眠る 恭平

・家に倚り冷えた茶を飲む 恭平

・善人悪人の問いが又浮上してしぐれる 恭平

・無用の者が有用な者を助く日であり鶏頭 恭平

・句にて自分の城築く 恭平

365田中恭平:2014/11/03(月) 11:45:57
2014年11月3日(月)。

・蛾の火より出でて一瞬顔となって去る

・罪人のその後は仏黄葉散りゆけばわたしの道

・子供向け三国志読みはじめ戦闘場面息をひそめる

・明治節ひとり貝殻に海を聞く

・希望の朝だって自分で言うな、歌うな

・叱られて思考分断ロシア領

・西行の返り桜に肩寄せる

・手をさして水の色見る天高し

・無用の者として今朝も出せない手紙書く

・正岡子規も見たかったかな富士の冠雪

366田中恭平:2014/11/04(火) 11:30:04
2014年11月4日(火)。

・無用の者同士歩いてゆくロードムーヴィーめいて来る

・統合失調症の俳句狂いと伝うべし

・夜が世界を締め上げて少しずつ苦くなりゆくミルク

・暖房の効いた部屋多幸感いっぱいに冷たいミルク飲む

・しぐれけり空想に建つ満腹寺

・貶される快感夜寒余生観

・ヒーローついに現れず現実を知りまた大人になる

・あの台風も忘れそう青空つづく晩秋

・腰痛を労わり抱くや黄色と白の猫

・どれだけ惨めでも生きていきます温かに墓

367田中恭平:2014/11/04(火) 14:24:36
2014年11月4日(火)。

・無用の者とて天が高いと喜ぶぞ

・また生と遊べる

・寂しさを噛みしめ眠り過ぎた朝

・心の貧しさの実感脚の痛みかな

・夜を越え若くなりゆく心かな

・秋日の麦藁帽子畑に水撒く

・腰痛の厳しさにして秋日照る

・水を撒かせて貰いなおあたらしき心かな

・燃え残る大望の火を掌で守る

・名月や洒落た女の水かがみ

368田中恭平:2014/11/05(水) 23:57:28
2014年11月5日(水)。

・アルバムそっと開いて自分の写真の少なさに気づく

・死の観念が額に貼りついている

・やっと弛緩して気楽となり妹と俳句鑑賞している

・苦いと牛乳を棄てつづける夢を観た

・猫撫でる快感夜寒余生観

・妹帰り明るい家庭となって起きている

・じっと手を見る失くした指がついている

・地球蹴って海がざわつく

・一途青空を毎日眺める

・寂しさが痛みとなった鶏頭花

369田中恭平:2014/11/06(木) 09:12:06
2014年11月6日(木)。

・暮れの秋私を罰する者はなし

・天上の道を見つけた暮れの秋

・暮れの秋季節外れの花火かな

・暮れの秋腰を痛めて立っている

・涙さえ涸れきるころの暮れの秋

・テーブルに卵ころがす暮れの秋

・静けさに氷となって暮れの秋

・妹の帰るは零時暮れの秋

・一抹の痛みの緩和暮れの秋

・寝つづける猫うらやまし暮れの秋

370田中恭平:2014/11/06(木) 14:56:52
2014年11月6日(木)。

・枕辺に子規句集ありあがなうわれら

・疲れては晩秋休み休みかな

・石語る思想ひとつや黙して伝う

・変身のつづく毎晩床に冷や汗

・朝は躁夕方は鬱心なる庭

・力尽き遂に地に着く秋の蝶

・さいわいの今朝訪れてひとり林檎を齧る

・病み深くしかしさいわいな朝、旗流れる

・ようやく静かになりました、己の業を滅しつづけ

・監視妄想耐え難きかな秋の暮

371田中恭平:2014/11/07(金) 20:06:36
2014年11月7日(金)。

・夕暮落ちつけず腹膨らむまで水を飲む 恭平

・命の軽さを載せ身体は歩きつづける 恭平

・愛していた原付が動かず坂道を押してゆく 恭平

・カームダン効きはじめやっと小指の震え止まります 恭平

・腐葉土の香りのなかに猫捜す 恭平

372田中恭平:2014/11/08(土) 12:48:08
2014年11月8日(土)。

・観音の夢観た日スーパーで仏花買う

・皆疲れて眠る昼病者ひたすら昼食を待つ

・マーヴィン・ゲイに少し小躍りしつつ小春を歩む

・無用の者セブンイレブンのアイスコーヒーを大切に飲む

・武器には花を持って闘う日々つづく

・狂気の家をとおく離れてひたすら歩む

・余所行きの恰好をしていつまでも洗顔している

・インディアンサマーにて白煙上げる灰皿よ

・ツルツルの声の時期のディラン聞きつつ南下してコンビニへ

・小春日の墓へと花を供えけり

373田中恭平:2014/11/08(土) 21:40:48
2014年11月8日(土)。

・石握り浮かぶ奇想もない

・石放り良い石だったと思う

・薬に酔い道が光って見える

・憂鬱に家へと帰り道

・図書館の本を返さず陽に眠る

・腹立って何で雨かと空へ告ぐ

・とんぼの群れ見ず秋終えて茶を頂く

・疲れちまってスリッパ壁に叩きつける

・恥ずかしい私の前に水かがみ

・あとは眠るだけの時間持て余している

374田中恭平:2014/11/09(日) 20:18:12
2014年11月9日(日)。
・抗不安薬効いてきてわたしは孤立無援の花ではない

・明日はどんな一日わくわくして安々眠れない

・鶏頭の花枯れ残る冬帝にひれ伏すことになるのか

・父に評価され泣くのをぐっと堪えお好み焼き頂く

・猫餌用意する、母は皿洗いして八時にはキッチンの電気消す

375田中恭平:2014/11/10(月) 10:54:27
2014年11月10日(月)。

・句を書けばこの世極楽冬黄葉

・カームダン一錠がないために今日も夕方辛いな

・一人寝の冷たい風が窓叩く

・冬日の温かさ他力也紙に句を書きつけること他力也

・立冬よりはじめの印象冠雪富士

376田中恭平:2014/11/10(月) 17:16:23
2014年11月10日(月)。

・悪くなった頭で考えること悪いことばかり冬紅葉

・逃避してひとりになって夢はない

・どこに行けばいい細すぎる指に訊ねていた

・吐く息が白い普通の散歩の先いつもの家

・ただこうふくなる頭中が欲しく飲み干すコーヒー

・いつもの雨がこころに降っていた

・highになって救われるならこの世界を壊していいよ

・獣になって幽閉されて詩を紡ぐのみ

・書いた詩なのか、書かされた詩なのか分らず七日

・みんななんでそんなに急ぐひとり空を仰ぐ

377田中恭平:2014/11/10(月) 17:24:44
2014年11月10日(月)。

・連れてってくれないか普通の世界のなかへ

・物音がする完全になれない体で暗号を解こうとする

・ディス・ボーイ、絶望の戸しか開いていない

・薬含んでしんしん揺れて只手を繋いでいるだけ

・レシートでパンパンになった財布、普通のズボンに差し込む

・夕飯の服薬を待つのが辛い、夕暮が世界を泣かせている

・ことば紡ぐこと紡がされているのか、神はいないとして悪魔に

・母との約束破ってそれからおかしくなってしまって天罰をみたよ

・詩を書くと赦されず癒されて買ってきた仏花眺める

・まずは正しくあることが肝要、私は私を否定する

378田中恭平:2014/11/10(月) 17:32:36
2014年11月10日(月)。

・禁煙は三日の我慢菊の花

・ニコチンの離脱症状か鬱病か、ドクターがいなくなっちゃった

・自分の頭で考えられずいつも多忙な母に訊ねてしまう

・輪郭も忘れた女性のことで今も時々泣く

・宗教は浄土真宗、只己を救う為己教を築き上げる

・いちばんつらいのは母、今はもっと信じられるよう病を癒す

・シヴァ大神、大きな罰を与えないでよもう受けている

・仏壇に飴を供えて己の為だけに南無観世音

・ときとして時間は人を殺めそして反省はなし

・統合のとれない精神、ひきつり顔で只詩を書き綴る

379田中恭平:2014/11/10(月) 17:43:32
2014年11月10日(月)。

・愛したと過去形になるわたくしに罰を与えて雨よ上がれ

・朝の光りのなか死んだ目の私だれの所為でもなく

・嘘をつき自分を傷つけ埃っぽい寝室に詩を綴る

・朝が来て空っぽになるのが愉しい、後の月

・おかしくなった原因は嘘になるとして詩人は全員おかしいか

・寒ン空にひこうきぐもの幻覚でした

・人生はつづく、頭に嘘乗っけたまま歩く

・この道の見飽きたところあなたは立っていました

・痛みを伴って歩き往くひとの群れに私は加わります

・憂鬱は青ではなくてましろなる頭(限界極点)

380田中恭平:2014/11/10(月) 18:04:34
2014年11月10日(月)。

・心の黄金を捜して憂鬱なる午後四時五時代をいま抜けます

・変われても自由になれる身でもなし

・愛される資格なくして今日も利用されないバスケットゴール

・公然と愛していると歌うなかれ冬黄葉

・雪を見て感じることの生と死のちがいが私とあなた

・光のなかを歩く勇気なくコンビニ前に立ち尽くす

・ミスターロンリー雨の日も合羽で畑を見てまわる

・生きる術だけ授かって闇に放り出された

・この世に存在する恐怖感じつつ顔を洗う

・罪感じつつ今日は今日のごはん頂く

381田中恭平:2014/11/10(月) 22:41:31
2014年11月10日(月)。

・痩せゆく体に魂協力することにも臆してしまう

・無用の者として生きる覚悟や菊の花

・安倍総理許せない即刻国民の信を問うべきだ

・段々自分を見捨ててゆくわたしに声を掛けない父であったよ

・ちょっと無理を押して句を書く、ちょっと希望が見える

・私は気がおかしいけれど父母を想う気持ちは持っていたよ

・風吹いて就寝前を不安にさせる

・もう疲れてしまったのです、永久風に吹かせて

・庭の隅に罪は消えない、鬼が立っている

・疲れて九時間眠ってぼうとした頭に起きる

382田中恭平:2014/11/10(月) 23:10:31
2014年11月10日(月)。

・善を積み悪徳ひとつに崩れさる

・なにもなかったようなうみがつづく

・下等遊民が羊を飼って羊はすぐに亡くなりました

・排水溝に詰まった髪の毛を今日も取り除く

・弱い私は変身願望の塊として石を握る

・眠りたい、眠れない、夜の底が白く光った

・静かな夜、石が伝える、黙すということ

・叫び出したい夜必死に堪え枕を濡らす

・エアコンが切れたら布団に入ろう、満月

・明日こそとおく歩いて自分を救う

383田中恭平:2014/11/10(月) 23:33:31
2014年11月10日(月)。

・今宵の詩の収穫、充実を感じつつ野菜ジュースで乾杯

・父眠り取り残されてひとり咳をして

・病んだ町に善人としてシャキシャキ歩む

・頭に夢が侵入してきて言葉を失う

・瞼というブラインドを下げて一句頂く

・ひれ伏す神もなく仏壇に花を供える

・心底病んでお尻が痛い

・鏡に魔法が掛かったのか、私の頬がこけている

・妹夜学より帰宅して溌剌、元気を貰う

・泣ける曲を捜してitunesを色々弄る

384田中恭平:2014/11/11(火) 10:48:03
2014年11月11日(火)。

・食パンひとり頂き朝のわざをはじめます 

・抗不安剤効くまで今朝は懸命に顔を洗う

・冬なれば早七週のことしかな 

・快晴もコート必須に年のくれ

・冬富士は雲へと隠れ模様替え

・蟲を食う夢より覚めて吉兆らし

・凩の吹くこの頃の悪時世

・目を覚ましまずは柿食い句を成しぬ

・立冬の子等微笑ましくも変わりゆく

・疲れてはベンチに腰掛け鶏頭花

・ひとつだけ大望を得て鰯雲

2014年11月11日(火)。

・やや健康やや病んでおり年のくれ

・明日もなき身に吹く風は凩や

・大望を抱き筆持つ冬安吾

・一句得て一句忘れる白き菊

・凩のなかを南下し黒き石

・壊れゆく車のなかの一台かな

・しぐれけりしばし傘開き歩むとす

・湯を待って立ちつつ眠る洗面所

・ひらける道に狭まってゆく心かな

・しぐれつつ暮れゆく里に涙かな

・しぐれけりタイヤの下の軍手かな


・風邪ひいてうつす来賓もなかりけり

・しぐれつつ弧寒染み入るひとりかな

385田中恭平:2014/11/11(火) 16:46:51

・母姉の化粧短し冬黄葉

・充実の一日にして息白し

・財布へと薬忍ばせレストラン

・妹の車を洗う父の背よ

・ロックという聖域をこころのなかに悪の華

・冬霧の中にて唱える呪文かな

・恙なく我写生せり冬黄葉

・庭の壁ひとつ無くなり冬の雨

・こころねのそこに不安の塵ひとつ

・くしゃみして妹健気に夜学へと行く

386田中恭平:2014/11/11(火) 17:37:35
・それでも信じることを止めない路傍が夜に埋まっても

・歩いて羽ばたく軽い風になる

・コンクリ粉まみれの父風呂に入れて寝室で詩を書いている

・違った夜の感じ、頭はセロトニンにみちて

・生と死は対立概念ではなく冬黄葉凍りつく

・変身したくて歩きつづけて得たものはほっこりとした安堵だった

・なぜそんなに急いでいる、夜は平等に訪れる

・地獄抜けてあたらしい地獄しかし日々は進んでゆく

・寂しさ雪のようだと思っていたら冬の霧

・はやく浄土に行けないかなと絵本めくっていた

387田中恭平:2014/11/11(火) 20:01:01
・はいくとはいのちのすべてかんなづき
・泡のように消えてなくなるそんな素直な性が良い
・歩きつかれてベッドに深く沈みこむ
・けんめいにくさはらを駆けるわたしはわたしを追って
・だらくでありついらくでなし低空飛行に句を書きつづく
・薬が胃のなかでカクテルされていますごくいたい
・さとうきびばたけにねむるみいらかな
・ふにゃりふらふらひらがなはひらけてぱっかり
・あきらめて幽玄のにわは父にこわされた
・十一月十一日のよるのひこうきのおと

388田中恭平:2014/11/12(水) 11:22:29
・発達障害の女性を待つ図書館前、来ないかも知れず

・あてもない人生に疲れては昔の日記読みかえす

・今日午後一時あたらしいバイクが来る冬黄葉

・この冬もしばし悪人とならん寒椿

・夢も見ず今朝目覚めてはふっくらフレンチトースト

・曇天しかし降らず午後は図書館にCD返そう

・充実の昨日今日しかし詩の降りず霜降りる 

・わざわざと悪に染まらず冬の昼の月見ている

・ひょいひょいと保険の話だけ聞く秋の朝

・ぱらぱらとしぐれ身をうつ年もくれ

389夢空:2014/11/13(木) 14:49:42

・ 天高く羽毛がふわり金の風

・ 天高く光風とともに走る子等

・ 天高くぬくもり探す銀の羽

390田中恭平:2014/11/13(木) 21:05:15
・寒ン空、あたらしい病院になっても健気にしてゆきます

・また母が一緒に問診受けてくれてありがたい診察室

・デイケア見学する、みなさん一日精一杯生きてる

・あたらしい薬で楽になってもう必要もない煙草

・昨晩の残りの豚汁に味噌と水足して今晩は豚汁うどん

・あたらしいバイクでツーリングすることのろまな風となる

・私の中に仏がいることのあなたの中にも仏がいます

・やさしいひとに頼ってばっかりだ頼られるひとになりたい

・曇天が私のこころ温かい湯呑みを握っている

・無用の者とて風切ってぐんぐん歩む

391田中恭平:2014/11/13(木) 22:21:53
2014年11月13日(木)。

・見上げれば眩暈がするや冬銀河

・宛てもなく旅する日々も終わりかな

・眠剤や少し酔い仰ぐ冬銀河

・今生は己に仏感ずべく

・悪人は日々好日に還るべし

・ぽつぽつとしぐれない夜は幻聴夜

・寂しさを禁煙ガムに紛らわす

・戸を開ける戸を閉められず猫二匹

・今生に花とし生けるものすべて

・病み軽く途端半日笑っている

392田中恭平:2014/11/14(金) 10:08:11
・不眠甚だことばととかしあいすくりん

・夜更け静かに詩を書いて冬の水と化す

・青空のもと無用の者同士集い笑いあう

・心臓重たし朝の坂道ゆっくり急ごう

・青空パリッと割りつつ鴉が飛んで去る

・充実は平凡に似て力漲るJAZZを聞いている

393田中恭平:2014/11/15(土) 10:50:20
・冬日眺め残りの月日想い水と化す

・さよならテレビあたらしい手帳を手にし旅へ出る

・冬銀河仰ぎ全身でペンを握っている

・改めて野をゆく日々や昼の月

・顔ジャブジャブ洗うしんじつの顔で外へ出る 

・野に遊び暮れて眺める手塚漫画

・こうふくのじかん、どれ程風に冷えているのか 

・ハレルヤと明日晴れるよと鉛雲

・雪遊び見つからないのは誰の子か

・全身でペン握りつつ一句得る

・だらけては立つ秋晴れのひとひかな

394田中恭平:2014/11/16(日) 07:03:49
2014年11月16日(日)。

・日曜日の朝の感興に、指のふるえが止まらない

・身力のほどなく抜けて冬にお湯

・冬山、ひめしゃらは立ったまま眠る

・ひとり齧る食パン寂し冬の朝

・歩き眺める沼は男をやさしくす

・山茶花の向こうましろき日下に猫通す

・冬月やなお文学を志す

・朝七時の鐘鳴り無為なる一日本日も又

・運命に逆らって寂しホットコーヒーを頂く

・陰性症状に黙々とキーボードを打つ

395田中恭平:2014/11/17(月) 17:45:54
2014年11月17日(月)。

・女子中学生に励まされては暮れる郊外の道

・徳を積み上げること一回の悪にすべて崩れる

・これ以上痩せなくてはと考えずコンビニのチキンを齧る

・好きなものに囲まれる生き方はせず本をまた捨てる

・さよなら私の古い世界死にたいなんて考えないよ

396田中恭平:2014/11/17(月) 17:46:42

・秋晴や湧き立つ熱い水に手を

・蒲団から蒲団に移り猫と居り

・夕落葉これが万札だったなら

・愚に生きて愚に死ぬべきか山眠る

・咳をして病気を払い金払う

397田中恭平:2014/11/18(火) 11:01:28
2014年11月18日(火)。

・哀しみは人生の花、鶏頭まだ咲いている

・理由のない罪悪感が続く、床を磨きつづける

・宛てもない人生は旅に似て温かいコーヒー頂く

・冬空の青さより影薄らいで静かに眠る

・鬱と化しつつ花はようござんす一輪抜いて帰る

・寂しさのない人間は鈍感、畑を耕す

・息つく暇もない人生に会いたくて原付走らせる

・寂しさまったく雲のない空に合掌

・寂しさも人生の花、花弁を一枚一枚抜いてゆく

・寒風勝ること、もう宛てのないひとだ私は

398田中恭平:2014/11/18(火) 16:38:03
2014年11月18日(火)。

・冬が深くなる、胃が荒れている

・ひとり昼食を頂いては寂しく泣いている

・悪癖断ってしんじつ愚のまま歩む

・凩吹くことわっと鳴り窓を閉める

・暗いこころに灯りを点す

・胃が荒れることしんじつ癒されない寝室であり

・眠い時間帯の過ぎること草だらけの道

・水を飲みつづくことこころより澄みゆく

・何を怖がって勝とうとしないで寝ようとするの

・赦されつづける長い道行く

399田中恭平:2014/11/20(木) 18:13:30
2014年11月20日(木)。

・初デイケア缶コーヒーを差し出すことより始まった

・唯一知る「ふじのたかねにゆきはふりつつ」獲る百人一首

・中島美嘉流れつつも曇天のデイケアは静かなり

・眼前に黙々漫画読む男居り全身雪のように白し

・見守られつつ放っておかれデイケアは雨に濡れつつ

・「努力はひとを不幸にする」という文字眺めデイケアの壁温し

・今朝は抗不安剤の服用忘れ勇み足にも扉を開ける

・雨本降りしかし帰りの心配はせず万感に句作する

・場所が変わっても辛さ苛立ちは抜けず耐える他なく


・冬の雨旅慣れている漢居り

・冬の雨ひとりひとつの席を持つ

・冬の雨デイケア掃除準備かな

・冬の雨野に立つ煙のなかに立つ

・冬の雨世に旅慣れて漢かな

・今生のいまは凍て星やけのはら

400田中恭平:2014/11/21(金) 17:16:06
2014年11月21日(金)。

・明日のデイケアに緊張し眠れなくなり句を綴る

・ひとりの朝食頂き寒ン空を往く

・龍の絵画いて龍の目玉が私を見ている

・ぽかぽかと草ながめいる一日かな

・昼食愉しみに少しずつ集いゆく人々

・寂しさの遂に入る余地なくデイケアかな

・今生の孤独を忘れシーフード・カレー頂く

・明るみに出てはたなびく旗を見る

・陽に病んで静かに花を握りけり

・孤独とは感情の問題冬黄葉

・仏は私のなかにも居り冬黄葉

401田中恭平:2014/11/22(土) 10:13:17
2014年11月22日(土)。

・バイクについて語りあうこと三人の漢

・久々の休日にして午後は富士文芸講座

・さまざまなことを願いつつ冬の寺

・様変わりした居間一度ながめ外へと出る

・爽やかな朝、昨日の夜を孕みつつ眠る

・週刊少年ジャンプ携えて冬の空を戻る

・富士山は冬をどさっと被り冬の装い

・童謡つぶやきつつ冬の畑ながめる

・寒ン空ひとりひとつの命を持つ

・午後の文芸講座愉しみに今朝はゆらゆら歩んでいたよ

402田中恭平:2014/11/22(土) 18:27:35
2014年11月22日(土)。

・歩みゆくこともなくなり今日も変わらずお茶を頂く

・路傍に花が咲いている、来世は私になる花が咲いている

・鶏頭は枯れゆくままだ、新しい人生に馴染めないでいる

・寒ン空に死を感じては安心したり怖れたり

・凩の吹くに任せてあたらしい街となりゆく

・陽に病んでやっと起きて空は真っ暗でした

・只寡黙に句作つづけること時代おくれの男となり

・本当に喉が渇くのは薬の所為と自分に言い聞かす

・天空にひとり眠ること、大忙しの母を鑑みず愚か者

・デイケアに行けず寂しさ少し、砂を握る

403田中恭平:2014/11/22(土) 19:30:38
2014年11月22日(土)。

・我慢の日々つづきだからといって安心の日々は遠く

・しんじつ不安な頭にじわじわ薬効きゆく

・夕飯頂きあとは疲れて寝てしまうよ

・寝室の蜘蛛を放っておいたこと、私に消せない傷のあること

・水に似た感情にして天高し

・寒く火を見つめては眼の光る

・世に泣く

・詩と寝る

・火に似る

・詩の降りて息で指を温める

404田中恭平:2014/11/22(土) 19:41:38
2014年11月22日(土)。

・不安増し木陰

・心の嵐のあとに窓拭く

・湯と遊び沈む

・落葉し病気のひとが多くなる

・ガムに茶を飲み横になる

・垂直のこころ天まで届く

・あったまって寒ン空

・ひきこもりみのむしでしたよ

・雪に灯が当たる

・風があおいろ

405田中恭平:2014/11/22(土) 20:26:54
2014年11月22日(土)。

・風吹いてみのむし

・木々の影避け陽のなかを往く

・空があいいろ

・懐かしい匂り煙草の匂り

・風切る

・目と寝る

・震えつつ握手する

・善を尊ぶ、凩吹く

・風邪ひいて馬鹿じゃなかった

・薬飲んで溶ける

406田中恭平:2014/11/23(日) 04:24:38
2014年11月23日(日)。

・夜明け待つ鴎となりつつ

・句を待つ

・比喩練り夜明け前

・鼻暮れのこり凍り

・序を去る

・冬銀河に白い息

・野へ酒

・冬着く

・樹と立つ

・日と惑う

407田中恭平:2014/11/23(日) 04:56:28

・手が白

・傷をそのまま眠る

・詩に書かせられている

・まだ寝言の範疇で午前四時冗談を言う

・しんそこ落ちつけず指の任せるままとする

408田中恭平:2014/11/23(日) 10:26:11
2014年11月23日(日)。

・亀の啼く国に生まれて大津波

・若さとは心のことや秋のくさはら

・句を書くにまるでナイフを研ぐように

・寒ン空の富士の麓に元気です

・寒ン空の富士の麓の南瓜かな

・寂しさの増すこと薪を割っている

・しぐれやまず鳥たちの声はやみ

・心病み夜に枯草と化しにけり

・私も還るあの寒ン空の冷えている

・寒ン空が頭痛と共に襲いくる

409田中恭平:2014/11/23(日) 10:50:03
2014年11月23日(日)。

・霜降や送り迎えの侘しさと

・朝霧の向こうに鬼の居ておりし

・水を飲み爽やかの増す体かな

・濁水流れ込むオーシャンに身を清めけり

・寒ン空に水、青と透明

・ジョンレノン聞きつつ膝を抱く

・カラフルなバスが往くのを猫とみる

・本当に思いのままの心なら善い

・こころはないからだがあるだけ

・起きて地獄の眠り天国

410田中恭平:2014/11/23(日) 18:18:21
2014年11月23日(日)。

・震える指を握って眠っていた

・寒暮に起きて飯頂いて又眠る

・病んだ体懸命に温めている

・うらうら蝶は死んで静かだ

・霜晴、今朝も御飯炊けたか

・ひとり冬日のあたたかく野原

・ごみだらけの道も生死の道

・夜も深くなり溶けた水の又凍りはじめる

・どうにもならない私が熱い湯のなか

・明日も休みの頭が曇りはじめる

411田中恭平:2014/11/24(月) 05:51:10
2014年11月24日(月)。

・山里や寒ン空を切る鴉翔ぶ

・ひとりチーズを頂くこと夜が明けない

・異性になる夢観たあと冷たい水を頂く

・凍て星の雲っていてもうつくしき

・又眠る準備整え起きており

・猫に餌やり冷たい朝を過ごしていたよ

・くさはら向かい風私は私を断罪する

・なおつづく詩の旅にして山を観ている

・病んで今朝は元気がなくて泣いている

・ほんに哀しいそんなこと知らず凩吹く

412田中恭平:2014/11/24(月) 10:33:06
2014年11月24日(月)。

・冬日温かほっこり行こう

・腐れば匂い立ち窓を開け放つ

・寂しさ抱えてぶらぶら何処へ

・詩に病む

・冬日ほっこり洗濯物を出して眠る

・休みに寂しく詩で癒されている

・おどけて寂しい空は寒ン空

・曲がれば我が家の道をけさはまっすぐ進む

・竹ばかりの故郷の花が枯れました

・体を丹念に洗い丹念に拭いている寒暮

413田中恭平:2014/11/25(火) 08:05:38
2014年11月25日(火)。

・今朝は昼の雨となりけりおりしも昼食バーベキューと

・架空を乗せて母の自動車は行ってしまった

・よく眠り今朝は食パンを食べ薬にしんそこ落ちつけました

・鉛空に幼稚園児の列が行く

・私の悪などこれっぽちのものだチョコクリーム塗り過ぎる


・今朝は爽やかの増し体冷えきってしまった

・ジャージで出歩くこと今日はバーベキューなのですと告げた

・アルバイトで疲れた妹は眠り兄はデイケアに行ってきます

・鉛空に病んで錆ついていた

・夜を越えた顔冷水で洗っている

414田中恭平:2014/11/25(火) 17:47:25
2014年11月25日(火)。

・夜を越えて静かに三国志めくりけり

・嗚呼遠し雨の日のデイケアへの道

・火に疲れては手帳を開く

・寂しさそれと日に疲れては横になり眠る

・雨の日あたたかいお茶を頂く

・騒がしい雨を避け頑なにここに居る

・ひとり疲れては路地の寂しい火だ

・ぐしょぐしょに濡れた靴私を呪う

・野に咲く花避けて通るのは私の良い部分だ

・ひらりひるがえりどこ往く鴉

・ゆるしてくれカンパネルラと冬空を仰ぐ

・野原をながめていれば空っ風

・ふるさと自分を憐れんでは空っ風

・泣き疲れ眠る他ない冬の一日

・孤独抱きしめて抱きしめられてありがとう

・ひとりひなげしのように咲くべし

・ひとりの焼き芋を頂く

・ぽっかり空いた時間を自由律俳句で埋め尽くす

・とうとうと雨に打たせるこの身愛さずにおる

・髪がそっと抜けてそれからながい旅

・愚かに汚れるこの身清めようと雨に打たせる

・どれ程寂しい雪山のぞんでも

・激しい寂しさにこの身伏せておる

・冬の夜銀色の月がぽっかり

・眠たい、薬よく効いて雨空

・くらがりを往く暗いこころもちぐっと抑え

・苛々しつつ耐え抜く雨の道

・苛々しつつ耐え抜く心は鶏頭だ

・苛々しつつ耐え抜く心は赤い花だ

・一息に冬の午後は眠っていたよ

415田中恭平:2014/11/26(水) 10:37:06
2014年11月26日(水)。

・雨の日の雲静かなり冬黄葉

・こころ和やかこころ和やか温泉ほど

・雨に降られてひとり歩んで休日かな

・寂しさを句に紛らわし休日かな

・果てるまで歩む性だよ鶏頭花

・夜を越え草と語らう

・この世から消えて浄土に眠りたし

・十一月青空は傷つき血として雨

・この身憎んで汚れちまった哀しみと

・何の為日々を記載し生きるのか

・万感の朝することは少なくもありしよう

・鴉啼くその声は迷いがないようだ

・砂とじっと考えごとしていた

・雨が混乱させるからまっすぐ歩けない

・冬色めく樹々の影に泣いていた

・寂しさ、心臓に巣食う心の翳は

・私のなかの仏と遊ぶ

・暗がりひとりの荒野に遊ぶ

・雨の日暗がりのこころを放っておく

・薬の酔いより覚めて光る水滴

・風邪ひきつつ鳩に餌やっている

・汚い歯おし隠して笑っていたよ

・十代は飲めなかったコーヒーで朝を始める

・炭の火にあたり野に笑う人、ひと、ひと

・病んだ体寒ン風にあたらせている

・ストーヴ職人さんの頭に巻いたタオルの頼もしさ

・この道で善い、句を書きつづく

・雨に冷えた体炭火にあててこれも万感

416田中恭平:2014/11/27(木) 17:37:04
2014年11月27日(木)。

・冬帝にひれ伏しデイケアへの道

・小鳥囀る和やかな朝は

・陽にもう疲れ一日苦楽をはじめよう

・乾いた風吹く顔を洗っている

・冬日、走りだせば煌めく海

・とうとうと流るる雨水を頂く

・煎餅二枚頂きデイケアは朝の歌に溢れる

・休み明け病み上がりのデイケアの戸開く

・カームダンよく効きつつ雨上がりの道

・寒風に吹かれつつ職人さんは煙突建てる

・寂しさ冬日に病みつつ歩きはじめる

417田中恭平:2014/11/27(木) 17:37:40
・名前を呼ばれて嬉しい冬の日

・眠たくて名もない花になりたいよ

・冬日のラジオ体操水滴きらきら光る

・夜風の音思いつつ泣きそうになっていた

・ふるさと冬もあたたか

・手をこすってあったまる冬の日

・そっと手をふる冬の坂道をYさんがのぼってくる

・寒ン空、冷えた指で遊んでいたよ

・きらきら窓辺水滴光ってはひとり佇む

・やっと永い夜越えて椅子に座って安心していた

・この雨の鬱陶しいこと母に叱られていた

・脚をこすってはムズムズ症に耐えておる

・まひるのあおぞらにさくしろいはないちりん

・つとめて寂しい御金のない身を寄り合わせ

・私の道を往く句を書きつづける

・寂しさひるがえりひるがえる旗の翳

・寝転んで安心することなく夜の明けきる

・すすきも水滴に濡れましろく光る

・果てない旅のこの世のつづくこと街を見る

・風邪ひきつつ歩めばふわりとする世界

・くさはらさわやか靴を濡らして歩む

・野に咲けば酷い雨の後悔しつづける

・飛ばない鳥ながめいり心開かれる

・雪の降らない朝安心のずっとつづいて

・陽にあたる漢のぼうとしている

・くさはらさわやか風のように往こう

・なつかしい匂いコロッケの香りにしばし佇む

・冬の雨に打たれつつ歩む

・くさはらさわやかそこにこっそり水音

・目の笑っていない漢と歩む

・つねに星となること考えつつくさはら

・哀しみ服薬してやっと止まる指の震え

・お腹空かせた女性とだらだらしゃべっている

418田中恭平:2014/11/27(木) 17:38:53
・なつかしい夏の星座を思い描きつつ眠り

・空ッ茶の恭平でござい観音様

・改めて禁煙の誓い新たに冬日浴びる

・私は私それで宜しい寒ン空

・ひとりひとつの命頂きありがたい冬陽

・冬萌ゆる芽のあり寒ン空

・脚の付け根痛める男が少しずつ歩む

・食前にお茶を一服、しんじつ落ちつく

・こころ洗われること熱い空ッ茶であった

・ひとり救われてくさはらに冬の花々

・冬の厳しさに耐えかねて凍った花だ

・極地で救いを求めモールス信号打ちつづく

419田中恭平:2014/11/28(金) 17:43:09
2014年11月28日(金)。

・曇天に病みひとりのお湯を頂く

・降ったり止んだりこころいったりかえったり

・眠るという孤独の道往けばさびしさ

・囚われ惑い昼寝して諦める

・己を恥じて冷たい空気吸っている

・石と石ぶつけるように文字書き怒り晴らしていた

・雨が又石打つ永遠に?

・温かなそば啜り諦めておった

・病んで情けない、降ったり止んだりの昼過ぎよ

・病みつづく、眼で空捉えつづける

・昇る陽と会話しておる

420田中恭平:2014/11/28(金) 20:25:54
2014年11月28日(金)。

・火を見つめゆるりと思想する父

・悪癖よりついに脱却して禁煙ガムを噛みつづく覚悟

・デイケアでのこと母に語ってふたり安心していたよ

・さっきまでしかめっつら今は笑うデイケアではよくあること

・ひとり笑うこと今日の安堵の笑みだったよ

・たらふく水飲む、ひとりひとつの胃袋を充たす

・今日が終われば明日がやってくる当たり前のこと噛みしめる

・自分の世界持て、語れ、それがデイケアの洗礼だった

・今生救われつづけるに申し訳ないデイケアでの日々

・やさしいひとばかりのデイケアで空ッ茶又頂く

421田中恭平:2014/11/29(土) 04:20:09
2014年11月29日(土)。

・爽やかな朝のわざ済ませ水で一服している

・雨降りしきるしずかに屋根の病んでゆく

・回想すれば夕焼け空

・小鳥よ、冬もふんだん啼けよ

・静かな朝を満喫しつつこころは蒲団に焦がれて


・今日は統合失調症講演会のしっかり聞こうとする

・爽やかな朝掃除を始めるに顔洗っている

・悪を晴らすように丹念に顔洗っている

・鬱を晴らすように丹念に顔洗っている

・こころが何処かへ行きそっと見送る

422田中恭平:2014/11/30(日) 12:03:39
2014年11月30日(日)。

・教えふにおちるところあり昨晩はぐっすり眠れ

・寂しさ昇天の児を仰ぎ歩む

・ひとひ囚われを捨てて蜘蛛を殺していた

・温かなこの地で観るにパソコンウィンドウの冬ざれ

・休み堪能しつつひたすら床を磨く

・清水港の愉しきかな海鳥と共にこころ翔びゆく

・猫に餌やり自分の弁当買いに冬の道へ

・父母を見送り妹を見送り自分を見送る

・帆立のクリームパスタ頂きつつ静かな政治の動向を見ている

・お地蔵さんの首に誰が編んだか花飾り

423田中恭平:2014/12/01(月) 06:34:39
2014年12月1日(月)。

・夜が明けるや枝身震いするや

・神経の海に漂う水母かな

・降ったり止んだり勇気を持ったり怖気たり

・「ありがとう」万感の末、口にする

・しあわせを掴まえ朝はこっくり眠る

・デイケアで内職をする年のくれ

・浜辺にて貝殻鳴らすふたりかな

・樹の裏に小鳥

・今朝はやっと服薬してしんそこ落ち着く

・たらふくコーヒー頂き酔っちまって床に就く

424田中恭平:2014/12/01(月) 18:07:34
2014年12月1日(月)。

○デイケアで健康チェックの合間に書いた句

・雨だれの音にも汗かいた

・ゆったり過ごそう、雨の音にも汗かいた

・まったく寒い、ひとのことばにあたる

・温かい冬日に涼しい風吹いた

・重たい荷物の精一杯歩む

・何でもない時間がつづく冷たい雨

・午後は晴れるだろうと懸命歩む

・笑いの汚らしい男が雨に濡れとる

・しずかのつづいてひとり

・慣れるだろうかデイケアの戸の開くのを待つ

425田中恭平:2014/12/01(月) 18:08:12
・席につき朝いちばんの温茶頂いている

・鴉も啼かない寒ン空見ている

・疲れて正しい道のり

・春を待ち疲れて歩みつづける

・脚を丹念揉む、疲れて寝てしまう

・雨に濡れつつ世間でじたばたしとる

・寒ン空涼しい足跡を訪ねて

・鯉に餌やりにゆく漢の背中が濡れている

・白い息吐いてアスファルトも呼吸しとる

・岩の上の小鳥もう死んでしまっていた

・只管ピコピコ静かな世界に沈みけり

・雨のなかサンドウィッチ食みつつ何処へ行こう

426田中恭平:2014/12/01(月) 18:09:19
・靴が歪んでこころ歪んで静かなり

・この雲が去れば万感

・今朝は家族揃って騒がしい食卓

・雨にしんどく座ってお茶ばかり飲む

・会話愉しく雨音も跳ねていた

・闇に親しく障子の穴のぞいていた

・よくしゃべる男に雨音聞いていた

・水のように生きる

・水も留まれば腐る

・風邪ひいて雨音

・ひたすら寂しい後の月観ている

・紅葉も白くなり私も疲れきる

427田中恭平:2014/12/01(月) 18:09:55
・哀しみ溜めこんで句にて出す

・暮れきって雨音

・火を大きくするように勇気リカバリーしてゆく

・のぞみどおりになるものすくなくあたまは苦をえらぶ

・さすれば寂しい幼少期

・火を大きくするように元気になってゆく

・だらだら永い雨音つづく

・明日も魂癒して歩む

・癒して冷たい魂であった

・こころ軽くのっぱら続く

・ふりむけば波音

・さすらえば雪落ちる音

428田中恭平:2014/12/01(月) 18:10:31
・生死のなかの往きたい方へ往く

・こころ安らか詩友とおれば

・焼いた檸檬懐に病院を彷徨う

・疲れて落ち着いたのが地蔵のとなり

・安らかな根と根親しあう

・ふざけて殺した虫に夢のなかで殺される

・お茶を飲みきる、ひとり腐っている

・和やかな風吹けば風濡れている

・なにか間違って小鳥死んでおる

・私のなかに仏と道化

・ひとり多くの米を頂く

・気楽に往けばじき空も晴れる

429田中恭平:2014/12/01(月) 18:11:08
・仰げば晴れ夜の君の星座

・こころ留めておけば調子に乗られ冬の夜

・雨の打つこと小鳥の眠ること

・障子替えしている家を通り過ぎて犬と化す

・哀しいおめめの鯉寄ってくる

・温かくしておれば雨風

・孤独喰らって大きくなるよ

・すべを失くしてとうとう眠ってしまった

・山を雲が包む

・こころ軽くこのまま空まで昇ってゆこう

・薬忘れて寒い風吹く

・正しい暮しに寒ン風は吹く

430田中恭平:2014/12/01(月) 18:20:31
・清い心のただ歩む

・ひどい私を雨に打たせる

・正しい道を選べず眠る

・身体が上手に動かない、薬が効くのを待つ

・ひどい雨の野菊しかと咲く

・寂しい、昼の雨音

・しんそこ落ちつけてひたすら謝っていた

・月の童子の声ももはや聞こえず冬の月

・なつかしい話題に笑っている

・病みつづくことお昼御飯となった

・黙しつづける乙女の瞳の深いこと

・空の深くなること背を伸ばす

431田中恭平:2014/12/02(火) 07:45:48
2014年12月2日(火)。

・寒い朝来てコーヒーを飲みストーヴにあたっている

・今朝も内職の日が明けきる

・寒い朝来て姉も妹も眠っている

・困ってしまい今朝は今朝の無常を嘆く

・私のなかにも仏様


・ロックンロールにてささやかな朝しっかりとする

・雪のひとりの女の朝にも陽が射した

・手を温めつつ歩くこと爽やかさも極まった

・今朝のウォーキングの何にもおかしいところなんかない

・青空や火を起こしても歩んでも

432田中恭平:2014/12/02(火) 16:39:38
2014年12月2日(火)。

・寒い道歩いて白い息して生きていて

・冷たい空気吸って私は私の道を往く

・母に見送られデイケアへの道

・陽に比べ尊い命だと思えるか

・さびしさ膨らんで風船飛んだ

・陽に当たる女性と空見ていた

・句に命傾け朝からうんうん唸っていた

・今朝は寂しさもなく薬もよく効いている

・今朝は晴れ間の雲ひとつなく

・私の人生は句だと言いきれるか

433田中恭平:2014/12/04(木) 07:09:38
2014年12月4日(木)。

・生憎雨模様今日は診察がある

・疲れるな食パンに北九州のハムを挟み

・今朝のコーヒー旨しやはり母が淹れると違うとおもう

・風と化しみんなに会いにゆくからね

・宛てもなく彷徨う日々の後ろすがた


・痔が治って小雨降る

・朝のしずかの永さの喜んでおる

・今朝は万感のはやくデイケアへと行きたくて

・息のつまる家で脚ムズムズしとる

・猫が啼いては鈴がチロチロ鳴っている

434田中恭平:2014/12/04(木) 17:34:25
2014年12月4日(木)

・秋より来て冬へと逃げる風の行き先

・荒れた胃にあたたかなお茶注ぐ

・爽やかな冬の朝のひとり句を拾う

・「雪の華」聞きつつ温かいお茶飲んでいる

・影のように寂しさついてきて逃げる


・すすき揺れる路傍歩んできた

・小鳥囀らない冬やってきた

・ひたすら歩むこと汗と共に光のなか

・ゆっくり行こう騒がしい街は越えた

・ちょっとのぞけば寒椿の花凍っている

435田中恭平:2014/12/04(木) 18:23:47
2014年12月4日(木)

・山ひとつ越えてデイケアの扉の開く

・「こゝろ」読みつつ朝のあたたかさに浸る

・冬山拝して苛めの重さについて考える

・ひたすら歩むに今朝はあたたかな道

・過去を恨んで陽の暮れて


・こころの傷そのままにお昼の準備ができました

・ひとり遊ぶことの雲ながめとる

・唐松親しく雨の打つ音聞いている

・鶴のめおとが雪の地を蹴りつづく

・心乱れる雨風に人が騒げば

436田中恭平:2014/12/04(木) 19:57:05
2014年12月4日(木)

・風の止むこと雨が直線に落ちる

・薬忘れて昼休みを音楽で盛り上げる

・皆同情を感じて朝焼け

・たゆまず生きることたんたんとご飯を頂きました

・万感のこの世にひとり霜を踏む


・しんしんと冬を迎えて滝のもと

・秋より来て何処へ逃げる、風

・咲く花は夢のようで在ってくれてありがと

・ひどい寒さの明るさを辿る

・闇に親しく寒さに目を閉じる

437田中恭平:2014/12/04(木) 20:03:54
2014年12月4日(木)

・イエスも聞いたであろう孤独の雨音

・ひとりひとつの命確かに和室で眠る

・私の句から血の風味がするか

・ひたすら病みつづくこと空の雲愉し

・かえらない日々、野菊ひっそり咲いた


・雨音微かに調子速めた

・ひたすら富岳が出るのを待つそんな日も善い

・水たまり凍っている、きらきら光っている

・凩吹きすさび或いはお元気で

・冬の月に厳しい私の顔が映る


・寂しさ、それは厳しさ菊の枯れていた

438田中恭平:2014/12/05(金) 16:26:31
2014年12月5日(金)。

・今朝の寝室掃除終え冷水を頂く

・私は歩く水である

・寒椿凍ってそれも又見事で

・今朝も狂いなく寂しさのみあり

・デイケアにて内職をする年のくれ


・雨につまらないことを愉しく、愉しいことを深く

・家族の家にいないこと寂しく夜の煌めくのを待つ

・あれも幻覚これも幻覚、いまとても眠い

・心に親しく同じズボンを履きつづけていた

・猫と遊ぶ他なく鬱の四時代を抜けてゆく

439田中恭平:2014/12/05(金) 16:53:02
2014年12月5日(金)。

・こんなに爽やか永久につづけば善い

・陽に入りて雑草抜いとる

・ひたすら病と共生すること爽やかな朝

・薬効いてひたすら爽やかな朝

・しんじつこのままで善い訳ないがこのまま


・感情の沈む午後は句心に任せて

・本日は給食当番の水光り皿洗っている

・さんざめく池の鯉ながめている

・遥かな道を一人、一人と別れゆく

・青空に何か足らない、鴉だと考える

440田中恭平:2014/12/05(金) 17:16:27
2014年12月5日(金)。

・服薬終えると脚のムズムズが収まりました

・青空の澄みきるを一句頂く

・寒風言いたいことの尽きたこと味わう

・白い車の増えた不景気の冬に震えている

・厳しい、宛てのない手紙書いている


・吹かれるままに何処まで行ける、風に吹かれて

・薬効いてきて今朝は寂しくなく寒ン空

・テーブルピカピカお昼の時間です

・死の観念がちらつく頭のなかに雪ふる

・水ばかり飲んではこの冬の便秘つづく

441田中恭平:2014/12/05(金) 17:33:33
2014年12月5日(金)。

・枯草抜くこと爽やかな朝

・手と手を合わせ静か仏と通じ合う

・陽の強いことしかし寒いこと

・野良猫を見る度涙するまなこをどうする

・寂しさ極まって、たらふく水飲む


・すき焼きうどん頂いて日の限り遊ぶ

・バナナ一本頂くことの朗々と北風

・服薬のちしんじつ落ちつけました

・午前と午後の間に薬一錠転がって

・風邪に病む方のあしつきふらふら

442田中恭平:2014/12/05(金) 17:39:09
2014年12月5日(金)。

・オカリナ聞きつつ目を閉じれば冬のくさはら

・あの鳥は何を必死に啼いている

・Y先生に語ることY先生にっこにこ

・啼くはどの鳥よ窓開け放してある冬の日

・夕焼けのぞんでゆっくり行こう


・疲れてひたすら赦されるのを待つ

・寂しさ充ちること田畑に水の充ちる如

・ブルース流れている、人生はおまつりだよ

・汗を拭い風を受ける

・星を詠み孤独に漢

443田中恭平:2014/12/05(金) 17:43:51
2014年12月5日(金)。

・只ここに在るということ灯のもとで聖書を読む

・くらがり明るさを選んでゆっくり行こう

・水絶えることここが私の今朝の居場所

・寂しさ、小唄聞きつつデイケアの一番隅

・オカリナ愉し目を閉じれば北の海

444田中恭平:2014/12/06(土) 06:53:05
2014年12月6日(土)。

・死から遠く行くこと冬の電灯きらきら

・気付けば夜は明けて、仰いでまなこ保養しておる

・今朝のコーヒーの旨いことそれも寂しい

・病との共生ということ、永い旅つづく

・みんな起きてこない寒い朝、薬でぼうっとしとる


・パジャマのままに冬に出てみるマヨネーズ

・汚れつつ雨のなか泥を弄るに愉しい

・涙に触れれば火傷してしまいそうな、崩れる

・PとⅤ、Aを眺めて去る蠅よ

・デイケアに魂灯し年のくれ

445田中恭平:2014/12/07(日) 09:54:14
2014年12月7日(日)。

・しんじつ爽やかな朝を破る防災訓練のアナウンス

・町内清掃我が家の庭は貰ってきた薪だらけ

・自由なく娯楽無限の今生で

・陽に入りて適当に心を書いてみました

・日曜日ふじの山も休んでいる


・屍として働くひと観ている

・日曜の朝、人も見ない道をひたすら歩む

・草水滴光らせて頼りなげなしんじつ話す

・今朝は悪徳すること罪なし、神はおらず

・まったく青空で水が旨い

446田中恭平:2014/12/08(月) 02:43:11
2014年12月8日(月)。

・冬の路傍を歩く枯葉とりとめなく思考とりとめなく

・現在病の他に悩みなく爽やかなる哉夢もない朝

・手帖見かえし明日のデイケアに備えるに深夜二時

・眠り過ぎた夜は墓よりふと呼ばれ墓へといけば草茂るのみ

・夜に惑い薬を含む


・薪だらけの庭を誇りつつも金のない身にしずか病む

・妹も眠り入り父起き出す父を心底心配し何も為さず

・冷えた手で触れられそれは私の顔

・デイケアに数人しずか眠ること病人には辛い鉛空つづく

・果てない旅、それは人生の途中だと文には匂わせず

447田中恭平:2014/12/08(月) 20:16:04
2014年12月8日(月)。

・我が生死極楽にして明日はなし

・寂しさの庭の草木の水光り

・疲れては歩む他なし紅葉極楽

・世の匂い嗅ぐ鼻もなく年のくれ

・陽に病み志のまま進む


・草の根の白さを見れば喜ぶ

・名を呼ばれ「はい」と高らかにデイケア

・冬陽烈しくもうあたたかに坂を越え

・爽やかに雪の降るなりふじの山

・穏やかな雪の降るなりふじの山



2014年12月8日(月)。

・寂しさを溜めこんでいるデイケアの一番隅

・難しい問題を解いている朝泣いてしまう

・我慢して静かに夕べ暮れるべし

・火となって君の夕べに暮れるべし

・鉛空ずっと見ていて首に悪寒


・今朝は心に余裕なく己を責める

・夢に観た対決とはこのことか、普通でいる

・大海をこの冬のたりのたりだな

448田中恭平:2014/12/09(火) 19:37:12
2014年12月9日(火)。

・気怠い朝に清い唄流れる

・今朝も陽をのぞんで何を求める

・耐えること知らず寒風に吹かれる

・こころ軽く歩むこと草ざわつく

・温水で手を温めること爽やかさ戻ってくる


・静かな庭の黒い鯉に餌やる

・ひとり服薬すること秘密を持った心地

・壁に背もたれて過ごすこと静かなデイケア

・安心のこころに充ちて白き花揺れる

・冬陽の影となって歩む



・夜の明けて澄むこころなく残念がる

・年の瀬を宝石の如孤独かな

・駅を出て宛てにし帰る灯りかな

・町の灯をたずねて帰るひとりかな

・寂しさに冬の蛍を求めけり

449田中恭平:2014/12/10(水) 08:29:37
2014年12月10日(水)。

・マシマロ口に運びつつ今日は天気が良い

・万感に黙って泣いて生きてゆく

・「赦して下さい」と寝言で言っていたK氏を想う

・さあ一緒に行こうよ遥かカナダ

・何もなかったところに私がいて滲む瞳だ


・「一歩前進」と書いてある一歩前進して用を足す

・冬空憎んでデイケア休日は終わるのか

・火を消して誰もいなくなった部屋に冬陽射す

・柔らかい枕となりて陽にあたる

・よく分らない人間ばかりでうどんすすっとる

450田中恭平:2014/12/11(木) 06:34:27
2014年12月11日(木)。

・陽が落ち影のなくなるのを待つ

・朝爽やかにして筋肉弛緩しておる

・狭い世界にして自ら王様となり原稿で埋める

・雨降るか降らんかと幻聴

・早い朝爪を切りひとりううと泣く


・世界が動く、ついていけない私の骨のみ残る

・夜が明けてきて弥勒菩薩の指のみ見える

・家族に相談できない身の自分を紛らわす

・らんらんとのっぱら往けば僕は風の児

・夜明け呪いの歌聞いとる

451田中恭平:2014/12/12(金) 19:25:21
2014年12月12日(金)。

・常に迷いの、時々極めて爽やかな朝

・夜儚く散りゆきて空は曇天

・孤独の道つづく長い草に触れれば傷

・弛緩して空に溶けゆく体かな

・白紙のコピー用紙の厚さを眺め幸せで


・曇天を気掛かりとして厳しい顔で歩む

・冬の坂あがる懸命手を振りつつ

・水母となりつつ涙に包まれて居る

・自棄願望抱きつつ母に笑って語る午後五時

・降りそうな朝ずっと我慢して居る

452田中恭平:2014/12/13(土) 21:55:19
2014年12月13日(土)。

・愚に生きて雨降りの道愉し気に歩む

・薬効いてきてライフ輝いて句を書きつづく

・今日はよく寝た空も眠りそう

・問題がなくなって寒風に吹かれつつ一息ついとる

・子規ファンとなり快活な随筆読んでいて気持ち良い


・夜がやっと落ち着いて財布の中身を確認せず眠る

・師走の空を先生が昇天なされました

・ゆったりとした夜、温まってジャズ聞きつつ句作する

・問題がなくなったといえば嘘になりつつ一方発展しとる

・夜が零れる

453田中恭平:2014/12/15(月) 05:01:05
・星うつくしくこれは古の俳人の夢観た空

・居るだけの仕事で行方知れずは私と同じ

・冬陽をのぞみ遺伝子の乗り物揺らして暇を潰す

・寂しさや寒さに軋む骨の音

・雀も来なくなった窓辺に顔白くして居る

454田中恭平:2014/12/16(火) 05:49:47
今日の自由律俳句(今朝分五句)

・ブラック・アイスコーヒーのような深い夜を越えてゆく

・最後にニンマリと笑って牡丹の花のように崩れて眠る夜

・執着な夢観てまだまだ甘いと思いつつ自分を笑う

・自分大好き薬品に依存していても友達いなくとも

・夜が明けます寝室見渡せば解決できない問題ばかり

455田中恭平:2014/12/17(水) 05:13:16
今朝の自由律俳句、2014年12月17日(水)。


・雨上がり病み上がりの軽い体で星空仰いだ

・今日こそ人生が変わるだろうと毎朝毎朝夢を育てる

・陶器のコップに夜空──コーヒーを注ぐ

・句を書きしあわせ感じること弥勒を待ちつつ

・まだまだ青い私の顔面は今朝蒼白だ

456田中恭平:2014/12/17(水) 20:31:25
2014年12月17日(水)。

・姉に勇気の言葉頂きそのまま日記に記す

・雨上がりついに悩みなくなったことの温かい満足感で居る

・夜に紛れて帰れなくなってしまうひたすら歩む

・秘密ひとつ持ちしかし善い秘密であって嬉しくなる

・寂しさそれも又夜が抱擁しておる


・死んでいた欲望の芽が生えてきたよ

・どこまでも川沿いを進む、雨に降られている

・笑い顔忘れた私が歩いている

・たらふく水飲む、病んだ舌を正してゆく

・明日も晴れるか、旗掲げてゆこうよ

457田中恭平:2014/12/18(木) 18:03:22
今日の自由律俳句五句。

・はてしらず、それは心のことと句を書きつづく

・冬陽受けくさはらを往く、万感

・寒月に見守られつつ仮家で眠る

・体調悪し仏のみ心のままに赦して横になる

・寒風、ここに冷えた魂が在る

458田中恭平:2014/12/18(木) 21:07:11
今日の夜の自由律俳句の話
・久しく父と母と語り私は私を肯定できた
・認められなくとも文士になる、枯葉舞い散る
・姉風邪気味にして心配なる弟として眠る
・明日デイケアクリスマスパーティ、シャンパン下げて行く
・鬱の芽萌えること宮澤賢治の活字の雨に打たれる

459田中恭平:2014/12/20(土) 19:32:44
2014年12月20日(土)。

・冬の雨いちにちつづく線路かな

・書にふけて病に痩せる若さかな

・妹の車に手を振り家へと帰る

・着込んだら鍵探すのも一苦労

・晩婚で済まそうとする吾に老女満足せず


・薬品の匂いの薫る体かな

・よく食べてよく眠っている猫の皿

・耐え難き猫三匹の走る音

・感情がなくなり穴を掘らんとする

・爪を切り又明日歩く体かな

460田中恭平:2014/12/22(月) 07:45:53
今朝の自由律俳句 五句

・唯一の悩みも失せて卓上の沈丁花

・我が家族無礼にして歳末はひとりでおる

・詩神往く海道にほら波の花

・物に惑い怒号も出るや年のくれ

・我が宝日記でありし年のくれ

461田中恭平:2014/12/22(月) 17:18:54
2014年12月22日(月)。

・デイケアにて無為なる日々と決別する

・冬陽あたたかなこと見下ろす田園

・深夜二時に目覚め星の声聞いている

・爽やか極まること万感の朝焼け

・赦されぬまま止まった時計眺めている

・古里の雪は幻の庭に出ている

・狸も出たか霜の畑に小さな足あと

・ひととき自分を信じて過ごすこと暖かな部屋

・忘れてしまうこころを怖れ書くに書く

・騒がしい心に観れば荒れた庭よ

・水依存激しくこの冬は自分の顔ばかり見つめる

・コップに水光り渇く喉は求めてしまうよ

・もう夢は見たくないと泣いて朝を迎える

・霜降りて今朝は万感の白い息

・寂しくはないしんに孤独となれば

・火を見れば怖れ水を見れば怖れ立ち尽くす

・くしゃみして紙一枚ない寝室に居る

・寒風の夜を孕みつつ代通寺

・古に倣いて過ごす寝正月

・寂しさや家族でこの傷は癒えない

・平凡に暮らすとしては寝正月

・書書くとき脚の震える辛さかな

・我が身不幸を風下として歩むかな

・いちにちは海を眺めて過ごすかな

・鬱の華咲き誇らんと冬至かな

・初雪を拝んで他郷歩むべし

・何物にも変身できず雪の宿

・山寺や酒飲む罪はなかりけり

・我が身枯れあすくさはらへ還るべし

・優しく赦され祖母の墓前に泣きにけり

462田中恭平:2014/12/25(木) 03:51:05
2014年12月25日(木)。

・寂しさに星燃えるなり星月夜

・夜の闇に眼球二つ動きけり

・不調なり句を書いてなお不調なり

・冬至より断酒断煙世界が尚も狭くなり

・文人として六畳一間で済む身かな


・午前三時の祈りの如く詩を綴る

・首の裏痛めつづけてクリスマス

・最終のバスに乗りつつソウビを抱え

・クリスマスすることもなく部屋掃除

・天罰を受け入れて尚眠るかな

463田中恭平:2014/12/26(金) 16:24:42
2014年12月26日(金)。

・孤独感じつつ本日一日誠実でいる

・悩みしつこく寂しいこと泣いている

・赦されず歩むもう頼るひともなく

・この一瞬を生きその後の一瞬を生きる

・反省しこのまま敗れつづける、冬陽


・冬陽照ること、無常であっても赦されない

・赦されないのは己の所為で寒風

・己を責めつづける、寒風吹きつづける

・緩やかに自責すること夜も年老いた

・まだ生きているから賀状を出す冬の星のもと

464田中恭平:2014/12/27(土) 18:00:50
2014年12月27日(土)。

・富岳にて失調寸前荒療治

・野に灯あり狸も詠める俳句かな

・文人志願の縁なし仮屋にて眠る

・冬苦い薬を含みよく眠る

・明日も休日今朝筆跡を強くする


・冬の野火家事かも知れずじっと視る

・こころざしだけでつづけてゆくことに

・父母に虚ろはなくて病者の息子

・被験者の棚よりキャラメルあらわれる

・原発の背も綺麗なり年のくれ

465田中恭平:2014/12/28(日) 16:14:41
2014年12月28日(日)。

・午後四時となり幽霊は出る準備する

・幽霊も身震いするかこの寒さ

・文人となるや父方祖父の命日に

・冬夕焼け隣のマンションを赤くさせて

・魂と水混じりこぼるる年のくれ


・悪徳を庭の隅にて積にけり

・赦しては赦されず往く遍路かな

・もうこれで善いのだ人生諦めて

・我が道と思えず歩む統合失調の道

・祖父いなくてあゝ仕舞われた桐箪笥

・日曜の天使の足に虹かかる

466田中恭平:2014/12/29(月) 05:31:44
2014年12月29日(月)。

・雨降りの今日はしずかに大掃除

・感情平坦男、私、アカシジアに立っており

・ガムを噛むガムに憎しみの在る如く

・我病みて水槽の底にじっとして居る

・不自由なベッドに横臥し句を成しぬ


・寂しさや一人の朝や冬の月

・外来の花咲きにけり冬の土

・内臓を痛ませ眠る孤独かな

・骨と肉そして少しの魂よ

・胃を病んでそれから永い峠かな

467田中恭平:2014/12/30(火) 12:46:02
2014年12月30日(火)。

・己宥めて草に水滴ひかる道往く

・太陽の芯を求めくさはらのなかを彷徨う 

・どうしてもひとりになりたがる未熟な果実

468田中恭平:2014/12/30(火) 20:29:14
・薬で弛緩してゆく筋肉のこのまま水母になりたい

469田中恭平:2014/12/31(水) 01:54:49


今宵の自由律俳句 2014年12月31日(水)。

・冬枯れその酷さに脚をとめる南無阿弥陀仏

・寒さ厳しく震えて文士の日記を指で追えば大晦日

・結局変われなかった一年を暖に当たって送る

470田中恭平:2014/12/31(水) 09:27:34
2014年12月31日(水)。

・死と遊びもう泳がない海を見ている

・冬陽親しくすべてのひとひに祝福を

・普通のひとには成れず只管胡桃割りつづく

・呪われた寝室、コピー用紙だけがまっしろ

・孤独を食べてこんなに痩せた私です

471田中恭平:2014/12/31(水) 21:21:26
今日の自由律俳句

・回心し露草のなかゆっくり急ぐ大晦日 恭平

・ゆっくりと死につつあゝ寝正月の明日明後日 恭平

・halleluiahと呟いた唇が十字架にかけられる 恭平

・人それぞれの世界で一輪の花となりはつはる 恭平

・自分の動かなくなってゆく頭に向いてゆく興味 恭平

472田中恭平:2015/01/01(木) 19:35:42
2015年1月1日(木)。

・火の前で父と語らう御元日

・日記初めの掃除初めや荷風に倣い

・断煙をつづけて年を越しにけり

・心臓を大事に歩む初春の道

・素直になって日々是好日、白い畑


・不安となりデパスを含む就寝前

・元日にゾンビ映画をぼうっと眺め

・人生はつづいて元日という区切

・病永くて今年も参る雑煮哉

・真剣に素直になろう御元日

473田中恭平:2015/01/01(木) 19:36:19
2015年1月1日(木)。

・火の前で父と語らう御元日

・日記初めの掃除初めや荷風に倣い

・断煙をつづけて年を越しにけり

・心臓を大事に歩む初春の道

・素直になって日々是好日、白い畑


・不安となりデパスを含む就寝前

・元日にゾンビ映画をぼうっと眺め

・人生はつづいて元日という区切

・病永くて今年も参る雑煮哉

・真剣に素直になろう御元日

474田中恭平:2015/01/03(土) 18:05:01
2015年1月3日(土)。

・白い空青い空よりよき眠り

・午後五時の鐘鳴り母はゆっくり急ぐ

・ソナタ聞くカーディガンのあなた初春のくさはら

・小鳥囀り椿蹴り落とす初春がやってきました

・初夢に観た富士山のオレンジ色であったこと


・冬、柳のもと女は狐に変わりけり

・初春を暗い部屋目を光らせて過ごしけり

・脳病も愛には勝てず冬枯れの道

・魂の救済に初湯に遊んでいる

・非俗しかし聖(ひじり)でもなき病者かな

475田中恭平:2015/01/04(日) 06:32:39
2015年1月4日(日)。

・初春の病み深くなり寝室に吐血する

・寂しがらせるな嗚呼みんな自分のことを考えている

・眠りたがる頭を支えてチーズバーガーに食らいつく

・夜に問う

・涙乾かして夕闇の道を帰ってきた

476田中恭平:2015/01/05(月) 02:51:11
2015年1月5日(月)。

・寒風も吹かない只しんしんと垂直に冷える初春

・ひとり正しくなって正しさの非力なこと、蟲

・陽は出ようとしつつ私は眠り直そうとしつつ夢が怖い

・真夜中水を飲みつづくこと水母になってゆく

・幻覚にやられてひとり吐くことの静か真夜中


・初鶯のその声聞けず来た道を戻る

・くさはらここがさいわいと体操座りして目を閉じる

・どれほど寂しい今朝も富士によく雪降っとる

・胃の痛むこと孤独つのらせて屋根も漏ったか

・薬含むこと万感の今朝は囚われずゆく

477田中恭平:2015/01/06(火) 20:24:47
2015年1月6日(火)。

・鴉を見ない冬の燃えるゴミの日

・寒さ極まってひとり筆をとること何も浮かばず

・弧寒極まることくさはらに白い花となる

・青空のぞむことどうにもならない筆のゆきかた

・薬効くこと多幸感じつつ草を抜く


・どうして寂しい今朝の米を頂く

・汗かいて体冷えること益々冬を嫌ってゆく

・体温めて眠りに就くこと安心のデイケア

・新年の小唄愉しく御茶を頂く

・体温めて横になっていると餅を焼く匂い

478田中恭平:2015/01/06(火) 22:16:49
2015年1月6日(火)。

・蟲を殺した手で合掌して念仏唱えている

・山下さんより黒いコート頂き詩人に近づく

・夜の散歩の愉しきかな父母に黙ってゆけば

・善い月が出て歯に沁みる光だったよ

・書くこと愉しい今日は沢山書いてしあわせ


・私には中身がない、猫に優しくしつづける

・土地神参りてそこに生きていることの重みを背負う

・デイケア愉しいみんな真面目の頑張り屋さん

・私は病んでいたけれど寒ン空にそんなこと忘れる

・ときに悪と化す私を閉じ込めよ夜の精神科病院

479田中恭平:2015/01/06(火) 22:54:28
2015年1月6日(火)。

・紅葉且つ散り赤い絨毯を敷いたような我が庭よ

・眠れない、から、惰性で句を書いている

・口内苦くなってゾピクロン錠がじわじわ効いて多幸する

・寂しく痩せつづける、あたらしい病気かも知れず不安がる

・嗚呼ゆるされて百合のビニールハウスに眠りたい


・積み上げても積み上げても尽きないひとひ

・寝室を音楽で色付けして寝室掃除はじめる夜更け

・そして生き返る自由律俳句書きつづく

・松も闇のなか

・椅子軋ませてアカシジアに悩みつつ書くに書いている

480田中恭平:2015/01/07(水) 06:15:45
2015年1月7日(水)。

・筋肉だるく重たくしんじつ水母になりたい

・午前六時まだ陽の昇らず闇に抱かれた窓

・薬疑いつつ薬飲む朝の多幸感訪れる

・薬の副作用にて古椅子軋ませて雑煮頂く

・思い通りにならない体、猫が羨ましく走る


・音もなく朝か

・風もない冬の静かな支度

・些事に過ぎない悪夢書きおこして疲れて

・体疲れているのだここらが峠

・峠越えれば又あたらしい白い道

481田中恭平:2015/01/07(水) 17:30:04
・「いいよ全然信じ無いから、僕」白菊となって凍っている

482田中恭平:2015/01/08(木) 08:48:50

・デイケアへとお休みの電話入れて冷えたままの世界で 

・寝室に自ら閉じ篭りことば書く、たのしい

・気疲れ起こして寝室に眠ること必死だった

483田中恭平:2015/01/08(木) 17:17:52

・書き残しても詠み人知らず風邪のひとひ 恭平

・冬の川訪ねては富士より俳味ながれくる 恭平

・白桃の種の燃え立つ薪ストーヴ 恭平

484田中恭平:2015/01/09(金) 08:15:58
2015年1月9日(金)。

・すっかり冬めく庭の花ぜんぶ枯れちゃった

・だるい体にこころ軽くストレンジ・ストリート

・松明や薬品苦し父厳し

・ジョージ・ハリスン聞きつつ薪ストーヴに指先温め

・今朝も陽にあたった草の匂い

485田中恭平:2015/01/10(土) 20:42:14
2015年1月10日(土)。
*晩の自由律俳句

・腹充ちて日向に菊となる

・尻の穴火事、小火とのことと文に書く

・少しずつ弱りゆく体、寺の鐘の音響く

・神経の海に漂う薬瓶かな

・水依存症にして水不足の夏を今から心配しとる

486田中恭平:2015/01/10(土) 20:51:04
田中恭平*筆者近況
正月は、家でひたすら寝正月。
マア、睡眠薬がないと眠れない体質になっているので、横になっても意識はあり
薬の副作用であるアカシジアに悩まされ、ずっと楽な姿勢を探す、手探りの寝正月でした。
抗不安剤デパスへの依存が強く、それは必死に抑えておりました。
以前のように幻聴や、妄想に苛まれることなく、寧ろ
抗不安剤の多幸感で、人生の時期で言えば、収穫の秋さえ感じている冬でありました。
何より皆様の一年のご多幸をお祈り申し上げます。

487田中恭平:2015/01/11(日) 18:52:50
2015年1月11日(日)。
*晩の自由律俳句

・人間は考える管足穂の忌

・はつはるのコーラ尽きけり冷蔵庫

・壊滅世相闊歩してゆくダンディズム

・かれはらに肥しの匂い陽の匂い

・美少女人形指の先より茶を出して


・迷惑の種を埋めては育てゆく

・時々は力を抜いて水母となり

・寂しさにふっと被せる藁帽子

・母不機嫌に私の病みを酷くさせ

・チョコを食べチョコになりゆく脚の親指──秘密

488田中恭平:2015/01/13(火) 06:28:10

2015年1月13日(火)、今朝の自由律俳句

・冬銀河その星のひとつになる日も近くなったか

・爽やかな朝に選ばれこの日は起きた

・体のなかで煙の騒ぐ

・風が吹いている、淘汰されるべきもの集っている

・水たらふく飲み水母となりたいよ

489田中恭平:2015/01/14(水) 07:31:56
2015年1月14日(水)。今朝の自由律俳句

 ・デイケア休日無為にして眠れない頭よ

 ・永すぎる一日に困惑しつつしっかりと墓まで歩む

 ・冬菊活けて線香は折って供える南無阿弥陀仏

 ・こころがやっと帰ってきて街に冬陽照る

 ・無用な者よゴー野菜食ってゴー

490田中恭平:2015/01/15(木) 19:42:46
2015年1月15日(木)。

晩の自由律俳句五句

・薬で酔っちまって焼き芋の匂い嗅いで満足だ

・己の頭を叩いてみれば何処か寂しい音のする

・雨上がりの道を歩く幻聴と二手に別れつつ

・薬で多幸しつつ冴えない夜に音楽を薄くかけて

・機械と化した体横にしつつ歳月がはやく進む

491田中恭平:2015/01/16(金) 03:57:25
2015年1月16日(金)。

○朝の自由律俳句

・哀しみは箱のなかの箱のなかの箱・・・否何もない

・チョコレット齧って歩む帰り道空気晴れ上がっている夜

・覚めない夢のひとり歌えば

・薬品が引力を持ち断薬できずにいる、冬、冬、ふゆ

・寂しさ窓を開ければ幻聴の雨おと

492田中恭平:2015/01/17(土) 20:31:39
2015年1月17日(土)。

・急がずいこう花はまだ凍っている

・洗面所に笑顔を忘れた、黙して青空を仰ぐ

・寒くなるという四枚着て眠る

・泣きたいのに愉しいふりをするのは簡単だね

・愉しいものばかり集めた部屋にみのむし


・親指出血している気にせず歩む

・あなたと出会って完成する宇宙が在る

・痛みが優しさになるまで傍にいてねとくさはらで

・人間は考える管胃に錠剤を三錠通して

・小さな目を持って小さな力を見てみたい

493田中恭平:2015/01/18(日) 06:27:07

・寝不足さえ連れて往こう枯原をゆく

・私の一日に雀が寒椿を落としていく

・寒過ぎる夜が朝になるころ目を覚ます

・苦痛な日々をつづける抗不安剤にも飽きちまって

・暗い夜を暗い色のコートで歩む

494田中恭平:2015/01/18(日) 18:45:26
2015年1月18日(日)。
晩の自由律俳句

・顔の冷たく不安なまま壁にもたれて座っている

・やっと善人になれました囀る小鳥もなく

・回心の日曜日あらたな息吹と緑の萌えている

・どこまでも青空それは希望か絶望か

・薬を飲んで吐くに吐く何ひとつ正しくもなく


・わかってもらえなくて冷たい水を飲む

・今日も必死で生きて冷たい水に又薬飲んで寝るだけ

・寂しかったなぁ風呂場で野良猫洗っている

・ひょろひょろ歩けば吐きそうで薬漬けでした

・失くしたもの全部帰ってこいと神頼み

495田中恭平:2015/01/20(火) 07:46:47
2015年1月19日(火)。

・凍りし花の寄り添うように二輪かな

・まだ眠りたいもう眠れないデイケアがある

・夢の中で夢辞典をめくっていた

・朝はコーンポタージュ頂けて庭のプランターに花

・時代がめぐり詩は歴史性に対し垂直に立つ


・雲を数える

・こころ落ち着かない寝室のこうもり傘

・ごみだらけの部屋にごみと化している

・本のみ綺麗に片付けられた部屋です

・そろそろ今日は今日の旅ゆく

496田中恭平:2015/01/20(火) 17:24:55
>495 
×2015年1月19日(火)。→○2015年1月20日(火)。

2015年1月20日(火)。

・陽を風が押している枯原

・ひとり蜜柑齧るこの蜜柑は死んでいる

・夢を次々見てはやっと朝の青空

・淋しい森を抜けてきた風がいまここらに

・頭のなか冷たくなって夜は明けない

497田中恭平:2015/01/22(木) 19:51:08
2015年1月22日(木)。

・ツイてない日はひたすら眠る霧の夜

・インヴェガという新しい薬しずかな唇に入れる

・愛の裂け目に何か入れたり出したりしている

・久々に鳥囀るや宮沢賢治の偉業に啼くや

・自己人体実験開始、文系と理系の境なしくさはらに


・雪を舐め私正しく生きてゆく

・さっきの私、別段憎からずじっと手を見る

・寺に立ち作法もなく弥勒菩薩を待つ

・繰り返す私は正しく生きてゆく

・母親の無関心寂しい統合失調症者の夕

498田中恭平:2015/01/23(金) 06:56:26

2015年1月23日(金)。・朝の五句

・曇天の朝雲の黒さが目にかすむ

・洗顔して言いたいこと洗面所に置いてきた

・今日も「賢治コート」で往く、腰に手をあてて歩む

・星空のひとつとなってあなたを照らす

・冬の今朝のコーラ、机の上には薬のタブレット

499田中恭平:2015/01/24(土) 08:26:02
2015年1月24日(土)。
朝の自由律俳句
・図書館へ行こうとする壮大な夢のさなか

・降りそうな空、模型飛行機を寝室に眺めている

・綺麗な部屋のバイクの鍵が見つからず

・星めぐりの歌を聞きつつ薬効いてきて目を閉じる

・鬼のように柔らかに土手を歩く病者であろう

500田中恭平:2015/01/24(土) 11:49:58
・服薬し弥勒待とうか路地の影 恭平

501田中恭平:2015/01/24(土) 12:48:56
2015年1月24日(土)。

・脳冷えてエアコンの音煩くて切る

・雲厚し、二段のカステラにザクッとフォーク刺す

・牛乳を温めて飲んで牛の子となる

・うどんほくほく大根に汁が滲んでいるね

・冬の月に触れて頭がおかしいのは元々だ

502田中恭平:2015/01/24(土) 15:11:17

・今宵の月は重いと空が嘆いて雨

・風のつきぬけている空を捜してひょうひょうと

・星空に惚れて真っ赤な葉

・大寒の今宵何に酔い眠るのか

・鶴が来てその白さで私の翳を笑う

503田中恭平:2015/01/24(土) 19:19:51
・ほくほくとキャベツ焼き食べ畜生と化す 恭平

・哲学を好まぬひとの印刷機 恭平

・白鳥を見たことある?と猫に問う 恭平

・幼児転んだ白梅のあと紅梅のころ 恭平

・剪定のあと枝を集める父の作業着 恭平

504田中恭平:2015/01/24(土) 23:04:59
2015年1月24日(土)。

・修羅の私に恋愛する資格などなし

・いま鴎がとおく飛んだ──私は時間を掛けた自殺していた

・石の声聞こうとして無言だから放る

・夜の散歩のしんとして静かで愉しい

・眠れない夜の様々な要因を想いペン握る


・淋しいことなんかないと月を指さす

・天上への還り道捜し本日も路傍の草となり

・想えば崩れてゆく天候に笑っちゃう

・私は普通ですよという嘘が行き交う駅前

・私に明日なし自由律俳句書きつつくしゃみする

505田中恭平:2015/01/24(土) 23:15:46
2015年1月24日(土)。

・睡眠薬の効かない敗因を考えて冬銀河

・やっぱり何か欠損している冬薔薇咲いていた

・狂いはじめているのだろうか瞼

・悪路もやはりうきうきする夜の散歩

・淋しいが答えはないだろう仏壇に花


・動かなければ確かに眠いみのむしとして

・昨日の今日で違う夜をオール漕いでゆく

・きちんと無となって椅子も鳴らさず深夜十一時

・夢の川辺を往こう冬に咲く花を見よう

・すると善も悪もないが後悔こころから拭えない

506田中恭平:2015/01/25(日) 13:26:01
*昼、自由律俳句五句
 
・ひとり線路を歩いていくんだよ冬銀河

・さびしさは石を磨いて誤魔化す噴水前

・断捨離の中途読み耽る俳本かな

・抗不安剤二錠含んで晴れた枯原

・夢にみたこと骸骨島を踏めばパキパキ鳴る

507田中恭平:2015/01/26(月) 18:47:23
○本日の自由律俳句三句

・私は私のこころのなかに浮いている 恭平

・このひとには大切なこと指を使って伝えよう 恭平

・短髪となり頭の上で小人がサッカーしている冬 恭平

508田中恭平:2015/01/27(火) 20:36:01
2015年1月27日(火)。

・初心者呼ばわりされて後々傷つくデイケアに翳

・Nさんに本貸して頂けて明日は俳句三昧になるでしょう

・Aさんの原付と私の原付がすれ違う路にたんぽぽ

・インヴェガ含んで頭明晰─クリア─になって芋煮ている

・住んでいた町を辿る脚が水たまりに二本浸かる


・ぽっと梅咲き流れる河

・星一つへたゆまず歩むに汗一滴

・ちょっと多幸しているとさっと風に時間は吹かれる

・嗚呼、友は先に灰になったか

・澄んだ青空に澄んだこころで動く

509田中恭平:2015/01/28(水) 19:16:55
2015年1月28日(水)。

・もう凩は吹かない心のなかを歩いてゆく

・しんじつ金なく病気は酷くしかし今朝も善い日で

・風流でゆく判断は風に任せて

・のっぱらやさしく微熱でいた

・ひとりの夢でたらふく食べていた


・病気のことも詠めばよいと諭され青空

・今宵は幻聴もなくしんじつ静かな寝室です

・「死」というタイトルの本正座して読む

・急がず散歩しよう落としてきた脳の欠片を捜そう

・多幸しつつそれは終焉の感覚に充ちております

510田中恭平:2015/01/29(木) 20:29:48
2015年1月29日(木)。

・夜──、モーツァルト聞きつつ機械人間は畦道を往く

・闇を二つ抱えて参る

・痩せた体で畑(はた)も打てない

・お菓子以外に囚われず私は自由に書く指

・風鈴の音もない仏間に安心している


・薬と仏と安心して眠る

・陽が射して不安はどこにも落ちてはいない

・アブラカタブラ星が一つ落ちましたよね

・こんなに兎が血の涙を出し──、私の友は何処にいる

・チェロが先導するが何故この道を往くか知らない

511田中恭平:2015/01/30(金) 19:41:51
2015年1月30日(金)。

・難あって人生止まる一夜です

・寂しさの冷たい窓にハート書く

・祈りあり千の鴉が夜を成す

・ピアノの音降り来る空が紫に

・朝八時家の全ての鍵を掛け


・母不徳しかし叱れず眠ります

・鬱酷く総てが詩へのレールかと

・手招いて来る犬もなく大柳

・冬の夢うどんを外で食べたいよ

・昼休み雨の中行き安心する

512田中恭平:2015/01/30(金) 22:50:21
2015年1月30日(金)。
詩誌空想用原稿

・月となり背中が寒い、抗不安剤

・ねぇ水が歩いてくるよ枯原を

・地球に飽きて正座を崩す傍に模型飛行機

・天体を家へと入れたい意地に泣く

・湧き水が全部毒だと鬼が吐く


・竹槍をいま何故創る躁総理

・寒さより逃れはできず御花散り

・箱庭の猿が俺なり独りなり

・祭とて死の哀しみは癒されず

・落下する林檎に学ぶことはなし

513田中恭平:2015/02/05(木) 19:57:44
・苦しみもなく一句も得られず春

514田中恭平:2015/02/05(木) 22:34:21
2015年2月5日(木)。

・降りしきる雪もなく枯草している

・夕飯の魚が善かったそんなこともどんどん忘れる

・書庫に姉の部屋の光が入って逃げ道を捜している

・不思議な水を飲む心の芥、浮いてはまた沈んで

・風に白い砂かけていて老人


・あたらしい印刷用の紙が届いて万感である

・はためく黒い旗下げる方法は知らない

・今日も不安定であって仮面が取れないように必死でした

・素敵な水の青空を眺めて飲む

・句があって善かった、句に救われていた

515田中恭平:2015/02/05(木) 22:47:34
2015年2月5日(木)。

・死と遊ぶ今宵野良猫が過ぎ行く

・骸骨となり誰も入ってこない寝室に眠る

・やっと薬が効いてきて安堵する

・疲れすぎた体は眠り動かない

・ひとそれぞれ闘っている、笑えやしない


・どろっとした血巡りして今宵も星を嗜好します

・しんじつ静かになって私は句作する理由忘れた

・天に届くまで句作する毎日が大望

・自殺念慮烈しく硝子に映る私をみていた

・風吹いて爽やかな夜にペン握っている

516田中恭平:2015/02/06(金) 19:43:29
・酔う位旨い水飲める富士の麓で

517田中恭平:2015/02/07(土) 20:49:47
2015年2月7日(土)。
今日の自由律俳句十句

・白い樹の下で白い本開く

・一日を酒で潰した男が歩いている

・妹の寝室にデパス、不穏

・これが幸せなのでしょう句を書きつづく

・前進できているのか、デイケアに西日射す


・世界がなくなれば私がなくなれば信仰のお祈りはできない

・ひとのことばかり熱心でしんじつ御金がない

・ふわっとふくらんだ枯原にポツポツ青い花

・夜空を叩けば星の降る

・酒に強い身の亡き祖父の血を感じた

518田中恭平:2015/02/08(日) 20:41:33
・星を眺めようと出たベランダの板が雨に濡れ冷たい 

・今朝もヒトリの食パンをボソボソ頂く

・書きに書き積み上げた紙にまだ充たされず書く

519田中恭平:2015/02/10(火) 18:06:38
2015年2月10日(火)。

・青い夜の明かりぽつんと消えた

・硝子に写る私を嫌ってカーテン閉じていた

・鴉ににらまれて傘ふりまわす

・かなしみをちからに一輪咲いた

・かなしみをちからに一人歩いた


・何かで埋め合わせたいだけ、心の隙間

・きっと頭も良くなるから、社会の闇も知っているから

・苦吟の日々が続く、それは平穏な日々で雪

・私の、いてもいなくてもよい人間の寝室だ

・頭中に泥色の雪降る

520田中恭平:2015/02/11(水) 13:28:32
今日の自由律俳句

・ひとつふたつ忘れ物しつつ原付を飛ばす
・春の陽、干された掛布団が少し揺れている
・飴が大好き、小さなメロディー大好き、春を散策

521田中恭平:2015/02/12(木) 20:04:02
2015年2月12日(木)。

・熱いこころが謝って謝って鉄となった

・「それでは善い日を」と砂の建物を去った

・箸一膳巧く握れず二十八歳になる

・眼前にちらつく死を肴に晩酌しとる

・できないことばかり己励まそうと月観る


・宇宙の塵のなかに宇宙あり、春

・約束できず家族で拉麵がとおくなる

・春の雨降る山だちょっと休んだ

・もう春という春が近く又歩きはじめる

・白梅の花薫って目は直線に青空へ

522田中恭平:2015/02/13(金) 21:23:53
2015年2月13日(金)。

・魂が硬化したまま春の浜

・のっぱらのっぱら、さよならを告げる相手もいない

・真に書斎に落ちつきつつも夜の散歩をしたい

・弥勒菩薩待ちつつ私はあたらしい眼鏡を選ぶ

・よく書いてまだ足らない、頭のなかに詩神が座る


・薬が睾丸にじわりと効いてもう去勢された猫です

・雨降らずの春にあなたの匂いがする

・この峠は永いと薬に酔いつつ句を書いていた

・断捨離します、私のこころも軽くなります

・よく食べてよく眠るのは物の少ない部屋です

523田中恭平:2015/02/13(金) 22:17:12
2015年2月13日(金)。

・死んだ枝が星を実らせている

・今日も新聞が読めなかった、寒風吹きすさぶ

・冬に青い花咲く、私の目がじっと濡れた

・山を分け入るとぶちまけられてのり弁

・濡れすぎた私を母は急いで迎えてくれる


・やっぱり酒か、山頭火のいそうな昼ののっぱら

・不治の病持ち私も一人

・生きる態度の今日は酔い潰れたい、圧倒した冬

・枯葉舞う、思い詰める

・野良猫最近よく観る、他人の罪に罰が悪くなる

524田中恭平:2015/02/14(土) 14:15:34
2015年2月14日(土)。

・書を待ちつつ薬を含む影の薄く在るキッチン

・梅にうぐいす、悟ったことを明かせないまま昼休み

・ときは充ちてきらめき苛々して刃物を入れる

・春の陽が夕暮となり復讐してくる

・血の味がして席に過呼吸しとる


・まだ無色なる明日に青い心持ちで往く

・長いお別れになるまで帰路手を繋いで行く

・なかなか溶けないこころのまま風呂に入(い)る

・あなたのことは私のこころと同じでわからないんだ

・バスに乗ってとおく行くきみ、空をのぞいている

525田中恭平:2015/02/15(日) 13:51:26

・春めいてコロン沢山並べている

・クスリやっと効いてきて陽を愛せる

・酒に溶けて小便として出る脳みそか

526刹那 ◆GbvohmL8bU:2015/05/08(金) 11:11:02
蝉時雨儚い命恋模様

527yuri.:2015/06/06(土) 17:38:10
アザレア枯れて葉に重たし

528yuri.:2015/06/09(火) 15:48:01
曇り空にアザミ曇れり

529yuri.:2015/06/15(月) 19:28:28
すれちがう人に死の匂いしたる

530yuri.:2015/06/21(日) 20:43:12
あぢさゐに蝶咲いている

531yuri.:2015/06/23(火) 23:29:51
階段に星の止まり木

水たまりの地図広がる雨上がり

闇の中から雨降りぬ

532yuri.:2015/06/24(水) 00:26:40
闇の中から雨落ちて来る

533yuri.:2015/06/24(水) 10:46:43
水たまりの地図に広がる雨の王国

534yuri.:2015/06/24(水) 17:40:35
文字と話す女

535yuri.:2015/07/01(水) 22:00:32
紫陽花の枯れ花に一つ青

自転車止めたら蜘蛛乗っていた夕暮れ

536yuri.:2015/07/03(金) 21:42:29
闇雨に降っている

537yuri.:2015/07/04(土) 17:11:59
雨の糸に絡まる心

闇に雨の音降っている

538yuri.:2015/07/05(日) 14:42:49
小熊座届いて開く星空

539yuri.:2015/07/06(月) 20:51:17
石ころみたいに蹴られる平和

540yuri.:2015/07/08(水) 18:43:42
蝉のモールス信号聞こえた夏の朝

541yuri.:2015/07/11(土) 19:00:36
蝉降る前のしづけさ

影も蒸発する炎天

542田中恭平:2015/07/11(土) 20:31:11

 あじさい崩れて半日すうすう寝ていたようだ  恭平

543田中恭平:2015/07/12(日) 05:53:19
 梅雨空マスカット実る道へあなたと逃避する 恭平

544yuri.:2015/07/12(日) 13:11:22
「復帰したんですね。よろしく。自由に発表出来る場にしましょう」。

545田中恭平:2015/07/12(日) 17:46:27
「宜しくお願い致します。」

546田中恭平:2015/07/12(日) 19:05:10
風鈴ほのかすゝしく葉のおと 恭平

547田中恭平:2015/07/13(月) 17:13:40
(福)と旗に画かれた船は雲峯のむこうひかりへ  恭平

548田中恭平:2015/07/14(火) 08:15:01
夕栄そして月もでていて雲峯  恭平

549田中恭平:2015/07/14(火) 19:56:54
大鍋のしろいけむり届いたのは雲峯  恭平

550田中恭平:2015/07/15(水) 11:30:57
焼砂に中也の御墓雲の峰  恭平

551yuri.:2015/07/15(水) 19:07:11
炎天に影を探しているのか蟻

星のように言葉を置く夜空に

552yuri.:2015/07/15(水) 21:15:29
舵を切つた空が泣いている

553田中恭平:2015/07/17(金) 01:08:42

夏の夜の明けはじめへと社あり  恭平

554田中恭平:2015/07/17(金) 21:56:52
夕立や煙草の煙押さへこむ  恭平

555田中恭平:2015/07/18(土) 08:51:35
夕立とおいあなたを思うはだかにて  恭平

556田中恭平:2015/07/18(土) 19:28:16
夕立雀がともだち夏の内  恭平

557田中恭平:2015/07/20(月) 09:15:46
短夜明ければ軍手落ちているみち  恭平

558yuri.:2015/07/20(月) 19:11:51
夕焼け歩いて来る

559田中恭平:2015/07/20(月) 19:55:31
短夜明けかねこのままとまれと腕時計にぎる  恭平

560_:2015/07/21(火) 00:54:43
友の鼻を笑う他愛もない日

561_:2015/07/21(火) 00:55:51
憂鬱が夏の風に炙り出される

562_:2015/07/21(火) 00:57:35
寝苦しい夜 空き缶が転がる

563_:2015/07/21(火) 00:59:19
頭を抱える 友の名を呼ぶ

564_:2015/07/21(火) 01:05:06
覚醒剤に溺れ 誰とでも寝る君

565_:2015/07/21(火) 01:07:43
思いだせない君の名を呼ぶ

566_:2015/07/21(火) 01:11:33
君は自由と言う名

567yuri.:2015/07/21(火) 09:33:43
これ以上ここに俳句を投稿すると何かと誤解を受けそうなので、止めることに致します。いちいち説明するのも、馬鹿馬鹿しいですが。

568田中恭平:2015/07/21(火) 16:52:56
わたしももう投稿はしないようにします。Twitterやっておりますので、そちらで作品発表行います。

569yuri.:2015/08/21(金) 11:56:01
自分がトットちゃん並みにそそっかしいと、この年になって気が付きました。名無しの方の投稿があったんですね。いつの間にか。でもやはり何か名前を名乗って欲しいです。

570yuri.:2015/08/22(土) 18:03:36
投句再開します。

571yuri.:2015/08/22(土) 18:05:23
白く濁る昼の月

572yuri.:2015/08/22(土) 19:09:40
月は空のタマシヒだろか

573yuri.:2015/08/22(土) 23:57:17
昼に濁る月 推敲

574yuri.:2015/08/23(日) 16:18:50
しわくちゃの手でしわくちゃの日傘たたむ老婆

575yuri.:2015/08/23(日) 16:25:01
違ふ空の色がそこまで来ている

576yuri.:2015/08/23(日) 16:42:46
違う色の空がそこまで来ている 推敲

577yuri.:2015/08/23(日) 19:39:41
空を仰げば何もない空

578yuri.:2015/08/23(日) 23:42:33
意志あるように落ちている手袋

鶏頭ぐんぐん雨をすつたようだ

579yuri.:2015/08/24(月) 18:28:51
つくつくぼうしに風暮れてゆく

580yuri.:2015/08/24(月) 22:04:22
夕焼けついて来る

581yuri.:2015/08/25(火) 00:06:44
夕焼けついて来るふりかえればもうない

582yuri.:2015/08/25(火) 00:08:54
違う色の空がそこに見えている

583yuri.:2015/08/25(火) 09:17:33
星をねだれば卑しき言葉

584yuri.:2015/08/25(火) 10:33:53
悲しい朝に悲しい色の朝顔だ

585yuri.:2015/08/25(火) 11:13:58
むかで空に投げても星にはならず

586yuri.:2015/08/25(火) 19:27:43
夕焼けついて来る坂登りきるまで

587yuri.:2015/08/25(火) 22:54:42
坂を登りきるわたしと夕焼け

588yuri.:2015/08/27(木) 15:50:52
うつむいても向日葵

589yuri.:2015/08/28(金) 08:32:10
蝉の翅が一枚秋を指している

590yuri.:2015/08/28(金) 23:39:21
ひとしきり鳴いただろう翅落ちている

591yuri.:2015/08/30(日) 23:59:53
鉦叩に秒針動いたり止まつたり

592yuri.:2015/08/31(月) 18:25:32
蝶群れ飛ぶ星のうら

593yuri.:2015/09/01(火) 20:41:47
蝶群れ飛ぶ星のうら側 推敲

594yuri.:2015/09/01(火) 22:05:21
雨ふる虫の声にふる

595yuri.:2015/09/01(火) 22:47:00
雨音虫の音にふる

596yuri.:2015/09/05(土) 22:09:48
女郎花白粉花厠に秋桜

597yuri:2015/09/07(月) 10:03:00
水鏡のひかりに遊ぶ秋の蝶

598yuri.:2015/09/07(月) 17:31:07
触れなばががんぼ人臭く

599yuri.:2015/09/07(月) 23:34:47
水鏡のひかりに群れる蝶の影    推敲

600yuri.:2015/09/09(水) 16:43:33
晴れてまた空高くなりし

601yuri.:2015/09/28(月) 22:17:24
TV時々秋の虫

602yuri.:2015/10/01(木) 16:07:18
ほおづきに灯る月

603yuri.:2015/10/02(金) 15:08:22
青空に指先踊る晴れ

604yuri.:2015/10/04(日) 16:30:46
ふらふらと教会に入りそうになつた

605yuri.:2015/10/04(日) 16:32:33
青空に指先踊る晴れの空

月灯るほおづき

606yuri.:2015/10/17(土) 21:47:45
夜に瞑る三日月

607yuri.:2015/10/26(月) 18:57:07
サイレンの音に運ばれてゆく夜

無くしたものが星になるなんて何て陳腐な銀紙の星だ

608yuri.:2015/12/25(金) 14:12:36
空かき分けて月が出ている

病院の窓が月

609yuri.:2015/12/25(金) 18:12:11
病室の窓が月 推敲

610yuri.:2016/01/12(火) 22:36:09
明日の珈琲のために眠る

611yuri.:2016/01/14(木) 20:41:53
薬かき分けて探す君を

612yuri.:2016/01/14(木) 21:07:34
闇に腫れている月

613yuri.:2016/02/10(水) 18:16:36
三日月に載るほどの空だ

614yuri.:2016/03/01(火) 21:46:40
さくらを見せてあげたかつた

615yuri.:2016/03/04(金) 18:28:56
鳥籠に大きな鴉飛び込んだ

616yuri.:2016/03/05(土) 17:51:40
浚っても浚っても薄汚い心

617yuri.:2016/03/05(土) 17:53:10
鳥籠に大きすぎる鴉が啼いてゐる 推敲

618yuri.:2016/03/05(土) 18:42:21
言葉を張り付けにしている自分を張り付けにしている

619yuri.:2016/03/05(土) 18:45:16
アドラーさん私には関係ないことだよね

620yuri.:2016/03/06(日) 21:41:51
自分という薬飲みきって人は皆死ぬのだろうか

621yuri.:2016/03/09(水) 16:47:23
僧祈るガレキの町に雪が舞う

622yuri.:2016/03/28(月) 18:33:44
さよならに一つしか意味が無いことを知る

623yuri.:2016/06/08(水) 14:45:41
青い毬も赤い毬もあぢさゐ

624yuri.:2016/06/13(月) 17:28:21
フェンスするり夏蝶

625yuri.:2016/06/14(火) 22:54:21
シャボン玉に一瞥されたり

626yuri.:2016/06/15(水) 17:59:04
抵抗されればされるほど力の入る正義だ

627yuri.:2016/06/15(水) 23:01:06
見上げれば名も無き星の涼しさよ

628yuri.:2016/06/29(水) 17:43:00
本当はため息つきたいこともある

629yuri.:2016/06/29(水) 21:36:13
ミトコンドリアも笑うらし

630yuri.:2016/07/05(火) 22:41:11
本日を持ちまして、こちらの掲示板への書き込みを終了致します。今までお読み下さりありがとうございました。

631if:2016/08/10(水) 14:08:59
仮想空間に仮装する心

632if:2016/10/21(金) 22:40:57
世界が風船のように飛んでいった

633if:2016/10/21(金) 22:42:34
平和は色褪せているくらいがちょうど良い

634if:2016/10/22(土) 19:00:45
世界が風船みたいに飛んでいつた 推敲

635if:2016/10/23(日) 19:09:01
毒林檎齧らされたままの世界

636if:2016/10/23(日) 21:10:32
君は本当の砂漠を見たことがあるか

637if:2016/10/24(月) 00:11:44
話せば話すほど何も話さない

638if:2016/10/24(月) 18:33:50
死んだ言葉並べて威張っている

639if:2016/10/24(月) 23:37:45
話せば話すほど何も話していない  推敲

640if:2016/10/25(火) 09:55:09
人間は砂漠の砂じゃない

641if:2016/10/25(火) 13:39:54
もらった憎悪をまた誰かに投げる

642if:2016/10/26(水) 15:46:36
あかとんぼう風の四角

643if:2016/10/26(水) 23:30:39
今朝もまだあるみのむしアパート

644音順和 otosuna:2016/10/27(木) 08:22:35
よい日の今朝はずっとみんなについて考えちょる

645if:2016/10/28(金) 10:10:54
otosunaさん連れ句ありがとう。よろしく。

予告編みたいな空を見ている

646音順和 otosuna:2016/10/28(金) 18:10:10
いつか弥勒来ていたか時計の針がとまったか

十一月より仕事ただひたすら学ぶことの書くことの

罵りでなくうらめつらめの二十九歳あたらしい水

苦しいことの苦しいことのただ書き落とす

あなたの話がながく一虫の豊光に満たされて

いつか宮沢賢治さんいたか頭の想像の中に

はじめから書きはじめることしっかり疲れている

今朝のシャワーのこんなに緊張しても指は動く


ずっとブルーズのその中で一人欠伸している

太陽にこにこ太陽を今朝見ておれば帰り花

ドンドンドンドン進んでいく少しの幸せのため

ドンキホーテに昨日は右目だけが泣いていた

私は私のあくがれていくしかしここににこにこ

思い違いすらそのままに灯の灯る夜こえて

けものみち葉の茂り葉の茂り歩いて行った

頭のぐちゃぐちゃになっているから詩の道をいくよ

ひどく険しいこの道深く畦道

ゆったりと森林にあった白い鉄の手すりを辿る

理性でなし日の当たる朝ホットコーヒー飲む

声に酔ってまぼろしの声今朝は明るい

どこへ向かえどすべて夢のように秋は学ぶこと


人様に見せるうたでなし富士の高嶺に雪がちらほら

猫が卓状にいる親鸞上人のごとくうた書きつづく


単純な純なままここにあること頭の中をぐるりとさせる

右耳が悪い堕落したこころのもう一度立ち上がる

今朝ももの書くことすすきのひかりその風吹くこと

よしなにしなさいただあなたがうつくしかったいつかの日

これから寒くなるあなたに手紙を書いて笑えることの良し

きみを愛する未来派として後ろから風受けつつ

647if:2016/10/29(土) 08:44:36
未来の森に人間は必要ですか

本の森イマココの森

友の手紙よく晴れている

ブラックバード掴む黒い森

648if:2016/10/29(土) 20:59:12
ブラックバード掴む黒い森を羽根の下に 推敲

649if:2016/10/31(月) 16:48:29
幸福な空に雨落ちている

冷やかして冷えるのは自分の心

ぐちゃぐちゃな雨も降る時は真っ直ぐ

寒いを思い出している10月尽

650if:2016/10/31(月) 18:11:28
649を推敲

幸福な空に雨落ちている

冷やかして冷えてゆく心

ぐちゃぐちゃな雨も降る時は真っ直ぐに

寒いを思い出している10月尽

651if:2016/10/31(月) 18:14:24
>>648 推敲失敗。if

652if:2016/11/01(火) 14:15:46
疵無きものに花も無く

653if:2016/11/01(火) 18:51:05
疵無きものには花もなく 推敲

654if:2016/11/12(土) 00:08:10
小鳥鳴かなくなってひとつ目の冬

655if:2016/11/12(土) 21:37:12
本当に取り残されているのは誰なんだ

656if:2016/11/14(月) 22:31:07
闇のようにひかる月

657if:2016/11/14(月) 22:42:43
擦り切れた言葉を紡ぐ人

幸福な空に色褪せた鶴を飛ばす

658if:2016/11/15(火) 00:36:32
音も無く傷は進むヒコーキ雲

659if:2016/11/17(木) 14:01:45
ほらほらクリスマスだよとのぼり旗

660if:2016/11/19(土) 22:01:28
悲しいねと言われて悲しくなった

661if:2016/11/21(月) 23:25:42
この世はセカイで満ちている

662if:2016/11/28(月) 18:20:53
ここは地獄だから善人が増えては困るのだよ

663if:2016/11/28(月) 22:39:08
幸福な空に色褪せた折鶴

664if:2016/11/29(火) 22:19:43
仕事帰りの一杯のhot soup

黒いまあるい月が出ている

665if:2016/12/08(木) 18:36:29
いつかは最後の手紙をもらうんだ

666if:2016/12/10(土) 23:16:51
言葉は小鳥、とほくへ

667if:2016/12/11(日) 15:24:29
命懸けで言葉守っている詩人だ

668if:2016/12/16(金) 23:02:48
人の声で部屋を温める?

669if:2016/12/17(土) 22:47:05
怯むな猫

670if:2016/12/19(月) 21:37:30
自分にはよく毒が回らないな

671if:2016/12/22(木) 23:30:20
夜の窓を這う雨

672if:2016/12/25(日) 18:36:42
一枚の写真に宿る言葉をこえたもの

673if:2017/01/04(水) 15:26:08
妄想か人かどちらかが死んだ

674if:2017/01/10(火) 14:13:31
みづからを弔うやうに雪降りぬ

675if:2017/02/15(水) 18:21:59
この世界で知っているもの二人だけテキまれいたそ

676if:2017/02/15(水) 18:22:40
ネットの外は自由だね

677if:2017/02/19(日) 23:31:51
ドブ川にドブの色した春の月

678if:2017/03/10(金) 01:10:17
詩をはさんで向かい合わせの二人

679if:2017/03/10(金) 08:54:27
あれは日記なのです

680if:2017/05/04(木) 21:00:21
かたちを確めたくて何度も顔を見てしまう

681if:2017/05/24(水) 13:21:26
友達はそういうことをしないんだよ

682if:2017/06/05(月) 21:49:12
文脈は分かりすぎるほどよく分かっているのです

683if:2017/07/21(金) 11:19:32
女など止めようと思っていた矢先に

望まれるうちは女なのですか

太宰不足天ぷらどんぶり

684if:2017/08/17(木) 00:16:40
傘を開いて心を閉じた

自らを弔うやうに降る雪と

美しくなくなつたら死にたいのだよ

685if:2017/08/28(月) 23:23:30
蜩の声高くなる二月堂

今までお読み下さりありがとうございました。if

686yuri.:2021/02/15(月) 14:43:18
気配だけが住んでいる街並み

赤いマフラーに雪

戻らない友のある日を生きてみる


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