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タイムマシン

1 : くさにんげん :2017/07/15(土) 13:50:46
登場人物
深谷晴彦(25)
若くしてタイムマシンを開発した男で、大の難産好き。タイムマシンはまだ世間に公表していない。
深谷知子
晴彦の母。晴彦が5歳の時、37歳で2750gの女の子を39週目で出産。息子に続き安産だった。

この話は、晴彦が母の出産(妹の方)を難産に変えるという話です。胎児の重さは4300gまで、42週までなら続けて構いません。



ある日、俺はタイムマシンで母の出産を難産にするという計画を立てた。そのために、母の母子手帳を読み漁った。難産にするために書き出した計画はこうだ。
・母の妊娠期間を延ばす。
・母の子宮口を硬くする。
・前期破水をしないために羊膜を強化する。
・胎児に少しずつ栄養を送り、胎児の重さを4000g以上にする。
・母に1人で産ませる。
これらを実行するには、36週目、つまり臨月初めから行動しなければならない。そこで俺はタイムマシンで4/12日、36週初めの日へと向かった。


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2 : くさにんげん :2017/07/15(土) 13:52:06
>>1 あと少し書いてからリレーお願いします


3 : くさにんげん :2017/07/15(土) 21:20:33
さて、まずは母の子宮に潜入しなければ...そこで役に立つのがこの腕時計である。赤血球並みの大きさまで体を縮められるし、戻りたいときはいつでも戻れる代物だ。それを使い、母の膣から子宮に潜入する。すると...36週にしては少し小さめのサイズの、我が妹がいた。さて、まずは羊膜の強化だな...これは、羊膜を特殊な膜でコーティングして、前期破水、早期破水などをしないように開発されたもので、その強度は折り紙つきだ。持ってきたその膜を腕時計で大きくして羊膜に貼り付けていく。

リレーお願いします


4 : 名無しさん :2017/07/15(土) 21:29:34
まず、バレてしまう訳にはいかない。
次にやることは一つだ。
膜を貼り終える前に、今度は栄養強化剤の出番。
これを羊水に溶かし込んで、妹の肉体を少しずつ大きくする。
少しずつ消化器官も動き始めていて、羊水を呑み込んだりする時期だからこそ使えるものだ。
濃度を考え……そうだ、倍の5500g辺りがちょうどいい。
そう設定し、指定の量を注入してからそこに膜を貼る。
これでバレないだろう。
そして子宮頸管に細胞増殖剤を投与して、強度を倍に。
栄養強化剤には胎盤機能強化の効果もあるので、それなりに期間は延びるだろう。
俺は母の膣から脱出し、元の時代に戻ることにした。
俺が居てはマズイので、時空間超越カメラを置いていったのだ。


5 : 出産好きの名無し :2017/07/15(土) 21:41:17
帰ってきてから、順調に母の胎児は成長していっている。胎盤は母の年齢もあって、43週までしか持たないようだ。まあそこは計算済みだ。しっかりとそこまでに5500gまで育つよう設定しておいた。
母の外から常に母を撮影するカメラも見てみた。ちょうどお風呂に入っている。お腹は超細身の影響か、肌は伸びて光っている。だが、妊娠線はないのがすごいとこだ。


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6 : くさにんげん :2017/07/15(土) 21:44:13
>>5 すいません、兄の名前で投稿してました


7 : 名無しさん :2017/07/15(土) 21:58:01
さすが母だ……。
さて、次は出産環境のセッティングだ。
あらゆる可能性を考えて、候補をいくつか用意する。
出産日程は当時の俺がお泊り保育中になるようにスケジュールを書き換え。
あとは……停電でも起こして電話が通じないようにしようか。
もし外出してるなら、そこで一人取り残されるように。
下準備のため、俺はまた過去に飛んだ。


8 : くさにんげん :2017/07/15(土) 22:14:59
セッティングのついでに母の検診でもみていくか...さて、お医者さんはなんて言ってるかな?
「成長が加速してますね...いい傾向です。もともと小さかったですしね。」
「そうですかぁ...これ以上お腹大きくなるんですねぇ」
どうやらまだ異常とまではいかないようだ。


9 : 名無しさん :2017/07/15(土) 22:23:11
「このままだと発育不良の疑いもあったので、いいことだと思います」
「はあ、そうですか……」
診察室を母が出たので、すぐさま準備。
おおよその予定日にあわせて、様々な事をする。
大停電をおこすため、発電所の送電線を劣化させる。
20年前では思いつきもしなかった手段を使うので、バレることはない。
お泊まり保育のスケジュールはすり替えておいたし、完璧だ。
外出するようなら、それはそのときに仕込もう。
さて、後はそのときがくるまで眺めるだけだ。


10 : くさにんげん :2017/07/15(土) 22:28:40
送電所までたどり着き、俺はとある機械をセッティングする。これは時空を早く進めるもので、これで電線を劣化させるのだ。こんな発明をするあたり、俺ってやっぱ天才かもな。使い所は知らんけど。


11 : 名無しさん :2017/07/15(土) 22:38:08
イヤ、使い道はあるな……ダイヤルを逆にすれば新しくすることもある程度できるため、古いモノの修理なんかには役に立つのだ。
今回は逆の使い方をするけどな。

ダイヤルをセットして、俺は発電所を出る。
俺は元の時代に戻り、一週間後の母の様子をカメラで見ることにした。
今度は、さすがにはっきりと差が出る頃のはずだ。


12 : くさにんげん :2017/07/15(土) 22:42:15
「これは...大きいですねぇ...」
そう言われている母。
「このままもし42週を迎えたら、おそらく胎児は5000gまで重くなります」
「私のお腹これ以上大きくなれるのかしら...」
よし、計画通りだ。あとは来週、39週目の5/3、ここで前期破水が起きなければ俺は妹の誕生を遅らせることに成功したこととなる。


13 : 名無しさん :2017/07/15(土) 22:51:42
母が帝王切開を選ぶかどうかだが、これに関しては気にする必要もない。
部屋を出て、呼んでみる。
「おい、みのり」
「何、兄さん?」
すぐさま声が聞こえてきて、廊下の奥から走り寄る影。
俺の妹、みのりだ。
俺より背が低くて、ともすれば子供にみえるのは変わらない。
なので、思い切って聞いてみる。
「おまえの生まれたときの話って、どんなんだったっけ?今度の誕生日に合わせてヒストリーブックを作ってて、俺はそのときのことよく知らないからさ」
すると、みのりは少し考え込んでから答えた。
「すごい大変だった、ってきいたかなあ……何日もかかって、お母さん死んじゃうかと思ったって」


14 : くさにんげん :2017/07/15(土) 23:01:07
要するに、今の所計画は正常みたいだ...ただ、元々の現実、と言うものの力は怖い。若干恐れながら、39週を迎えた。果たして...
やった!前期破水は起きなかった。観察してる間に、お風呂姿を見たのだが、おへそも見えないくらいツルツルで大きなお腹。妊娠線はない。母が立ち上がった時に、お腹は前にすごい出っ張っていた。


15 : 名無しさん :2017/07/15(土) 23:09:21
何cmあるんだろうか……。
すると、母は突然メジャーを取り出した。
……105cm!
なかなかの大きさだが、まだ大きくなるのだ。
これは気になるぞ…。
俺は期待しながら、次を待った。
さすがに入る服もなくなることだろう。
そのとき、母はいったいどうするのか…。


16 : 出産好きの名無し :2017/07/15(土) 23:18:36
それから毎日、俺は母の記録を取り続けた。母の巨大腹を抱えた裸体を真ん前から見たときはもうやばかった。うん。そしてついに大台の40週。5000gに到達したが、まだ入院も帝王切開もしない。そう操作しているのだ。


17 : 名無しさん :2017/07/15(土) 23:25:26
電磁波を使った医者と母、両方の意識操作だ。
便利な技術だと自分でも思う。

で、当時の俺はというと、無邪気に甘えている。
……思えば、このときの母に甘えていたのが俺の妊婦好き、出産好きの原因な気がするぞ……。
そんな母の姿はというと、部屋の中というのもあり服をまくり上げてお腹をむき出しにしているほど。
まあ、下げたところでほとんど隠せやしないサイズになってきているのだが……。


18 : くさにんげん :2017/07/15(土) 23:52:06
とにかく大きいお腹。これから最後の仕上げと行くか、、、
5500gなどでは物足りない。大台の6000gにあげよう。そうして、俺は新たに栄養を送り込んだ。
これの効果は2週間で地道に現れて行くはず...


19 : 名無しさん :2017/07/15(土) 23:55:51
6000gといったら、通常の胎児、その倍の体重だ。
そうなれば、母のお腹は大きくなり、それこそ臨月の双子並みといえるだろう。
いよいよその時が近づいてきていると感じる。
画面の中の母も、このお腹にぐったりとしているぐらいだ。
この調子だと、陣痛も長引くことは間違いないだろう……。
オレは、その時を待ちわびて高ぶっていた……。


20 : くさにんげん :2017/07/16(日) 00:15:49
お腹が前にせり出し、もう線という線がなくなり、お腹のてかりはすごいことになっている。
さて、母の陣痛前最後の裸体を拝もう。


21 : 名無しさん :2017/07/16(日) 00:22:12
尻は小さく、細身で小柄、
だが、胸と腹だけが過剰なまでに大きくなっている。
どんな難産を見せてくれるのか、オレは楽しみで仕方ない。
カメラを操作して、オレは母の巨腹を何度も見回した。

そしてその2日後。ついに大難産が始まったのだった……。


22 : くさにんげん :2017/07/16(日) 00:25:06
陣痛の兆候があった時点で、俺は大停電を起こした。復旧まで2週間はかかるだろうな...
確か、今のところ母は5日かけて妹を生んだことになってるから、最低1週間はもがき苦しんでもらわなきゃ...


23 : 名無しさん :2017/07/16(日) 00:37:25
母は不安そうな顔であたりを見回している。
まあ、当然だろう……。
こっちの時空間超越カメラは、まるで昼間のようにはっきりとその様子を写している。
さて、どうなるか……。

1時間もすれば、母は落ち着いた。
ここからどういう行動に出るか、それが見ものだな……。


24 : くさにんげん :2017/07/16(日) 00:43:33
とりあえず周りの安全を確認する母。そしてそのわずか後には、布団を敷いて寝てしまった。
まあいい。
これから陣痛で眠れなんてしなくなるからな。それに、布団の上で痛みに暴れる母を見て見たい。


25 : くさにんげん :2017/07/16(日) 10:14:15
母は全裸で眠っている。布団もかぶっていないので、大きすぎるお腹が丸見えだ。腹囲は驚異の150cm超え、これが今から母を苦しめながら出てくるのだ。母が息を吸ったり吐いたりするたびに少しずつ揺れるお腹は、とても母の尻から出てくるとは思えない。
今のうちに母の子宮口の硬さを見ておこう...

よし、計算通りだ。子宮口はちゃんと、母の子宮が出せる最大出力の陣痛でしか開かず、さらにその陣痛が最低6日は続かなければ全快しない硬さにまで仕上がっている。


26 : 名無しさん :2017/07/16(日) 10:26:44
さて、そんな母だが意外と落ち着いている。
パニックを起こすよりはいい、と考えたのだろうか。
それはそれで悪くない。
そして
お腹をなでながら、どうも何かを言っているようだ。
いったい、何だ?
それが気になって仕方ないので、俺はカメラについたマイクのボリュームを上げた。
そして、聞き取れる。
母の言っていた言葉とは??


27 : くさにんげん :2017/07/16(日) 11:24:00
「お母さんいくらでも苦しんだって構わないから、元気に産まれてきてね」
そんなことを言っていた。これは....
さらなる難産要素を追加しても構わないってことかい?
そう言う風に捉えた俺は、きっと悪だろう。


28 : 名無しさん :2017/07/16(日) 11:48:47
だが、俺はふと手が止まった。
妹だ。
もしやり過ぎて、母子ともに死亡する結末を迎えたら?
妹の存在はたちまち消え失せ、思い出すこともできなくなるだろう。
止めておこう。
さすがに、妹を消すことは望んでない。

そしてしばらく。
陣痛は少しずつ強さを増しているようだが、母は苦しげにしつつも声は上げない。
精神力を垣間見る。
こんなに、強い人だったのか……。


29 : くさにんげん :2017/07/16(日) 11:54:31
そりゃそうだ。以前見たまだ俺が歴史を変えてない時代にあった母の出産ビデオでも、極期の陣痛にも顔をしかめるだけだったしな...
と言うことは、今きてる陣痛は母が苦しそうにしてることからかなりの痛みなことがわかる。


30 : 名無しさん :2017/07/16(日) 12:01:10
時たま体を少し揺らしたりはするが、母は大変落ち着いている。
俺は、いつしか固唾をのんで見守っていた。

「ダメだわ、ここで産むしかない」
そう口走ったのはいつだったか。
どうやら、しばらくは陣痛をやり過ごして助けを呼ぶ気だったようだ。


31 : くさにんげん :2017/07/16(日) 12:09:43
それから少しした頃...
「うっ、いつうぅ。。」
母がかすかにだが声をあげだした。陣痛が少しずつ強くなっているのだろうか。母の表情もしかめっ面というより歯をくいしばるというのがただしような顔になっている。ただこれだけじゃ物足りない。俺はとある装置を作動させた。
それは母の脳みそで行われている思考を可視化するものだ。さて、母は今何を思ってるのか...
『痛い、春彦の時より...サイズも大きいし、体力もつかしら...あっ、痛っ!うっ、ぐぅ...』


32 : 名無しさん :2017/07/16(日) 12:27:46
やはり、今回は少し警戒していると見ていいだろう。
これからどうなるのか。
俺はただ、その推移を静かに見守ることとした。
さあ、どうなるのやら……。

「ふー、ふぅー……」
呼吸を整え、痛みをやり過ごす母。
苦しそうな様子は、一旦なりを潜めている。
そして、母は立ち上がり部屋を出た。
どうやら、シャワーを浴びるようだった。


33 : くさにんげん :2017/07/16(日) 12:39:45
巨大なお腹を伝う水滴が妙にエロい。裸なせいで、陣痛がきた時の子宮の収縮がよくわかる。かたく、石のように張り詰めているそのお腹は、水を浴びながら硬さを増し、母の苦しみを増大させる。


34 : 名無しさん :2017/07/16(日) 18:50:11
だが、それでもだ。
叫んだり、声を上げたりというようなことは極めて少ない。
落ち着いて、呼吸こそ荒くなったりはするが、冷静に陣痛をやり過ごしているようだった。
別に辛くないというわけではないのは、その苦しげな息づかいで明らかだ。
静かだが、これはこれで悪くない……。


35 : くさにんげん :2017/07/16(日) 20:06:08
「ふっ、はぁ〜〜、はぁ〜〜はぁ〜〜」
しかめっ面の母。陣痛の強さを数値化した値では、母の陣痛の最大値を1000としたときの今の陣痛は98。まだまだ全然だ。


36 : 名無しさん :2017/07/16(日) 21:30:36
その98が、120くらいになったり、かと思えば85くらいまで落ちたり。
規則的なのに強さはまばらな陣痛が続いているらしい。
辛いと言えば辛いのは、間違いないはずだ。
それでも母は取り乱したりしない。
あくまでも落ち着いて、穏やかに陣痛を耐えていた。


37 : 出産好きの名無し :2017/07/16(日) 21:58:07
この数値の陣痛でも、普通なら絶叫するくらいだ。それを母は黙って耐えている。一方脳みそでは...
「いったああああい!やっぱり大きいと違うわね...」
かなり痛みに苦しんでるみたいだ。


38 : 名無しさん :2017/07/16(日) 22:24:15
この痛みでも声を出さない。
もう、何回母に感心しただろうか。
同時に、歴史改変が上手く行っている実感もつかめてきた。
俺の中の母の記憶が変わりつつある。
そう、母は妹を産んで、数ヶ月間入院せざるを得なくなったのを覚えている。
そんな記憶が俺にある。
つまり、俺の目論見は成功したのだ。
俺は笑顔を崩さぬまま、画面を見つめ続けた。


39 : くさにんげん :2017/07/16(日) 22:31:44
母は静かに耐えて、耐えて、耐えてを繰り返している。顔にぎゅっとシワがより、痛みが着実に強くなっていることを物語っている。ちなみに俺は陣痛も強弱を調整できたりするが、その機能はいらなかったかもな...


40 : 名無しさん :2017/07/16(日) 22:41:11
それに、いじって何かトラブルがあったら困るのはこっちもだ。
もしそれで母に何かあってはまずいのだから。

しばらくして、陣痛は確実に強くなっていた。
今はピークで350,陣痛のないときでも100はある、といった状態のようだ。
それでもまだ母は耐えた。
ぐっと口を閉じ、目を瞑り、顔をしかめ。
辛いだろうに、それを口に出すことはない。
少し、母が神々しく見えてきた……。、


41 : くさにんげん :2017/07/16(日) 22:47:17
ただ、350まで行ったときはすごかった。なんと母が身をよじらせ、少し目に涙を浮かべたのだ。相当な痛みだったらしい。これは、1000まで行った時の苦しみ方に期待が持てそうだ。


42 : 名無しさん :2017/07/16(日) 23:00:48
だが、その一度だけだ。
それ以降は、なんと耐えてみせた。
母の思考を覗き見すると、何故耐えているのか、それが少しながら見えてくる……。
(駄目、私が先に音を上げちゃ、赤ちゃんだって危険になるもの……それに、晴彦を放っておいてなんて、出来ないわ)
オレは、またあっけにとられた。
自分じゃない。
母は、あくまでもオレと妹のことを心配して、だからこそ声を上げずに耐えているのだ。
なんて精神力……これが母性、なんだろうか。


43 : くさにんげん :2017/07/16(日) 23:24:32
その母性とは関係なく少しずつ進む陣痛。それが母を徐々に追い詰めていることは事実だ。
苦悶の表情が少しずつきつそうになっていっている。


44 : 名無しさん :2017/07/16(日) 23:36:48
それでも思考も、表情も変えない。
なんて強さだ……。
だが、そんな母の様子が変わりつつある。
「う……っ……」
とうとう、声を漏らし始めた。
ふと数値を見ると、525。
とうとう、大台に乗り始めたのだ。


45 : くさにんげん :2017/07/16(日) 23:41:12
母は涙を流し、歯を食いしばり、凄まじい痛みに耐えていたのだ。
声が出たのはむしろようやくだろう。
それから、安定して500位の数値になった。
「ううっ、うっ、ふぅぅぅぅ...」
かなりの痛みに、さすがの母も相当きついらしい


46 : 名無しさん :2017/07/17(月) 00:04:07
それでも思考は変わらない。
いや、変えようとしていないのだ。
辛くてたまらないだろうに、使命感で。
使命感で耐え抜こうとしているのだ。
陣痛はどんどん強まり、流石に母も天を仰ぐ。
それでも、まだ耐え続ける。
破水は、まだまだ先のようだった。


47 : くさにんげん :2017/07/17(月) 00:14:44
というか、まだ子宮口すら1cmしか開いていないのだ。
そう、ここから母の地獄が始まる。高出力の陣痛でも全く開こうとしないという、
恐ろしく硬い子宮口の責め苦が母を襲うのだ。


48 : 名無しさん :2017/07/17(月) 01:17:32
「〜〜〜〜〜〜〜!!」
声を上げないようにしながら、母は下腹をぐっと掌で押さえている。
子宮口が開いていないのに、頭が下がりつつあるようだ。
おそらくだが、頭の位置を確かめているのだろう。
ますます激しくなる一方の陣痛に、辛そうな様子を見せる。
一体どうなってしまうのか。
俺は期待に満ちタメで、画面を食い入るように見ていた。


49 : くさにんげん :2017/07/17(月) 09:43:47
母に陣痛がきて1日が経過した。数値は520前後で安定している。普通なら子宮口が9cmは開き、お産まであと少しというとこだ。だが母は、まだ1cmしか開いていない。カメラを透視モードにして、母のお腹を見てみると、胎児が開かない子宮口に頭を押し当て、頑張ってこじ開けようとしていた。でも、そんなことで開くほどこの子宮口はやわじゃない。


50 : 名無しさん :2017/07/17(月) 18:00:52
というか、これはもっとマズイものな気がする。
胎児が自力で下がっているんじゃなくて、押し出されている。
なのに、子宮口は開かない。
そんな現状なのだ。
そして陣痛の数値も550、575と徐々に上がっていく。
ぎゅっと目をつむり、顔をしかめて深呼吸する母。
まだ、声は上げなかった。


51 : くさにんげん :2017/07/17(月) 18:23:12
そして600まで上がったとき...
「うぐっ...いたぁぁぁい...」
ついに母が声を出し始めた。まあ当たり前だ。普通なら排臨まで進んだ時くらいにこの値になるのだ。


52 : 名無しさん :2017/07/18(火) 11:53:33
それでも、母はすぐに口を閉じる。
まるで、声を出してはいけないというかのようだ。
息も激しくなっている。
そして、ついにそのときは来た。
「んんうぅう゛ぅーーーーー!!」
破水も、子宮口もまだだ。
だが、母の限界を超えた。
いきみ始めてしまったのだ。


53 : くさにんげん :2017/07/18(火) 18:17:30
「うぐぁぁぁぁ....イグギイイイイ....」
これでもまだ700強なのである。一体1000までいったら母はどんな苦しみかたをするのだろうか。そういうことは置いておいて、母がいきみはじめたことだ。産道が少しずつ押しつぶされて行っている。このまま完全に潰れてしまったら、想定していたより3日はかかるかもしれない...


54 : 名無しさん :2017/07/18(火) 18:27:31
「がぁっぐ…うっぎぃいいいいいいーーーーーーーーーー!!」
不思議といえば、不思議な事が起きた。
こんなの、前例がない。
母がいきむのに合わせて、いや、いきんだときだけだ。
連動するかのように陣痛が強まり、子宮口が開き始めている。
まるで、本能がそう働いているかのようだ。
がんばれ、母さん……!
俺は拳を握り、さっき以上に熱中していた。


55 : くさにんげん :2017/07/18(火) 20:47:29
だが、いきむたびに母の苦痛は増していく。このままいくと1000、いや、そのあとに続く危険範囲、最大2000の発狂レベルの痛みにまで到達するかもしれない...現に、現在の母の痛みの数値は800、さっきから一回いきむたびに20〜30ほど上昇しているのだ。


56 : 名無しさん :2017/07/18(火) 22:04:56
2日目ももうすぐ終わる。
いまは870、早ければ次にでも900を超える。
救いがある、といえば一つ。
子宮口は何度もいきんだおかげでかなり開いてきていることだ。
陣痛の付き方も問題はなく、例えばこのままということはなさそうだ。
当然、いいことだけというわけには行かない。
破水していないのもその一つ。
どこまでかは分からないが、母は破水しないまま、羊膜に包まれた妹をある程度いきんで出さねばならない。
その負担は計り知れないだろう。


57 : くさにんげん :2017/07/19(水) 17:06:35
「ううっ、ぐううううう...あああああ!」
ついに900に突入した陣痛。通常ならまずまともではいられない痛みだ。それでも母は、身をよじり、歯を食いしばり、唸り声を上げるだけだ。その下には、母の汗と痛みのあまり流れる涙の作った小さい水溜りがある。破水もまだまだ先なのに、水溜りができてしまうほどに母は長い時間苦しんでいる。


58 : 名無しさん :2017/07/19(水) 17:16:18
「入った……!」
俺も思わずそう口走る。
それでもなお耐え続け、いきみ続けた結果だ。
破水こそしていないものの、ついに頭が子宮口を抜け始めた。
同時に、母の様子も少し変わる。
いきむ。
ただひたすらにいきみ、息が詰まるまで、顔を真赤にしていきんでいる。
なんとしても出そうと、体がそう動いている。
体制を変え、四つん這いの姿勢になり、母はまだいきみ続けた。


59 : くさにんげん :2017/07/19(水) 17:37:34
そんな時だった...
「あがっ!?うがああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」
母がついに叫んだ。数値を見ると1000。ついに到達したのだ...だが、明らかに1000では胎児が出てきそうにない...


60 : 名無しさん :2017/07/19(水) 17:58:14
「あっぐ、ぐぎいいいいい!!」
だが、母はすぐに口を閉じ、叫びを噛み殺した。
1010……1020……1030。
どんどん数値は上がっていくが、母はそれでもいきむ。
想像もつかないほどの痛みだろうに、それでもだった。
そして体勢が崩れ、母が股を大きく開いた瞬間だった。
数値が1080まで上がり、同時に羊膜が見え始めた。


61 : くさにんげん :2017/07/19(水) 18:13:42
だが、非情にもその羊膜は破れる気配はない。そのまま母のお腹の奥深くへと戻って行ってしまう。なにせ羊膜はツルンツルンなのだ。戻るときに勢いがついてしまうのだ。破水しなければ、これは永久に続くだろう...


62 : 名無しさん :2017/07/19(水) 18:38:25
それを知ることが出来ないからか、それとも他に理由があるのか。
そんな状況でも母はいきむことをやめようとしていない。
なんとしても産む。
その意志が、画面越しに伝わってくるかのようだ。
陣痛の数値はますます上がっていき、1100を超える。
そして、とうとうそれは起きた。
大きな頭が産道内部で引っかかりを生んだらしく、羊膜が戻らなくなったのだ。


63 : くさにんげん :2017/07/19(水) 21:35:55
そこからお産は全然進まず、陣痛だけが際限なく強くなって行く。羊膜の強化が、この状況を招いたのだろうか...


64 : 名無しさん :2017/07/19(水) 22:08:02
母はまだいきんでいる。
いや、いきむしかできなくなっているのだろう。
体が反応するままに、なんとしてもいきんで出すほかない。
そういう状態だ。
数値もそれに応じて上がっていくが、止まらない、止めようがない。
それに、いくらかかろうと、膜は膜。
余りに高まった陣痛に、とうとう弾けた。
漸く、破水したのだ。


65 : くさにんげん :2017/07/19(水) 22:15:51
その破水の勢いのせいで、胎児は一気にお腹に押し戻される。それが刺激となって、陣痛をさらに強めた。1700、普通なら気絶レベルの激痛だ。


66 : 名無しさん :2017/07/19(水) 22:36:34
さらに、状況自体がただ事じゃない。
いきむ度に胎児は少し出つつ、また戻っていく。
排臨というには余りにダイナミックだ。
それを繰り返すうえに、陣痛は強くなるばかり。
正直、俺だって目を背けてしまうような光景が繰り広げられていた。


67 : くさにんげん :2017/07/19(水) 22:44:31
「うぐっ、いぎいいいい!!!!ぐうううううぅぅぅぅっぅ...」
さすがの母もきついらしい。
痛みが襲うたびに目も当てられないような苦しみ方をする。
産道が用水でびしょ濡れなせいで、母の胎児は少し出てきても引っ込むくらいしかできない。


68 : 名無しさん :2017/07/19(水) 23:07:36
だが、その振れ幅も少しづつ大きくなってきている。
もうすぐだ……!
そう思って、拳を握り締める。
そして、頭がひときわ大きく見えた。
「あがっ!?」
母の悲鳴に何事かと目を見開く。
そして、俺は悟った。
頭が大きくて、完全にはまりこんでしまったのだ。


69 : くさにんげん :2017/07/19(水) 23:22:41
どういうことかと言うと、骨盤に胎児の頭が挟まったのだ。これから抜け出すにはよほど強い陣痛を最低15時間は乗り越えなければならない。


70 : 名無しさん :2017/07/20(木) 00:28:11
ただ、悪いことばかりとも言えない。
母はもう破水した。
つまり、早く産まないと胎児に危険が及ぶ。
だが、こうやってはまりこんでいる限りは胎児の頭でせき止められてしまうため、当面の危機は回避できるということだ。
そのぶん、母が苦しむことになるが……


71 : 正和 :2019/08/04(日) 08:31:07
母はその状態で息もうとするものの、胎児の頭はまるで個体されたかのように動かなかった。
「うぎぎぎ・・・・・うぐうううううううーーーーーー!!!!」
母その激痛に悲鳴を上げるだけだった。
暫く間母は悲鳴を上げるばかりで出産は全然進まなかった。
そしてその状態は15時間どころか次の日の朝を迎えてしまうのだった。


72 : nemesis :2019/09/07(土) 22:21:31
ついに三日目を迎えてしまった。
しかし進展もあった。
胎児が産道を進み始めたのだ。
そして胎児の頭が少しずつ見え始め、ついに・・・・・・
ズリュッ!!
大きな音と共に胎児の頭が完全に出たのである。
これは大きな一歩だ。


73 : 正和 :2019/09/14(土) 23:23:42
とは言えこれで終わりではない。
母に休んでいる暇はないのだ。
今の状態だと母の膣が胎児の首を絞めている状態になる。
このままだと妹は母の膣に首を絞めつけられて窒息死すると言うなんともあれな死に方をしてしまう。
「や、やっと頭が出た・・・・」
母は苦しそうな顔で胎児の頭が出たことを確認した。
そして呼吸を整えて一息付けた後再び力強く息んだ。


74 : nemesis :2019/09/15(日) 01:01:42
母は顔を真っ赤にして顔を強く強張らせて息んだ。
その様子はまるで鬼のように見えた。
(女性でも必死になるとあんなすごい表情を作るんだな。)
俺はその様子を感心しながら見ていた。
そうしている内に胎児は肩の辺りまで出てきた。


75 : 正和 :2019/09/22(日) 22:52:28
(あともう少しだ・・・・・)
僕はその光景を興奮して息をハアハアさせながら見ていた。
母は少し疲れたのかしばらくの間息まず、息をゼーハーさせていた。
そして20分たった頃に再び息み始めた。


76 : nemesis :2019/09/23(月) 08:36:11
「ふぐぅーーーーーーーー!!!ふぎぃぃぃぃぃぃぃーーーーーーーーーー!!」
母は再び顔を真っ赤にして息み続ける。
(それにしてもかなり体力を消耗しているはずなのにあの力はどこから出てくるんだろう?)
僕は母の底抜けの体力に感心していた。
(これぞ正しく母は強しと言うやつだな。)
僕はその母の力強さに一種の感動を感じていた。
そして遂に胎児は腰の辺りまで出てきた。


77 : 正和 :2019/09/24(火) 13:28:24
(よしあともう一息だ!)
僕はいよいよ母の出産が最後の大詰めを迎えようとしているのをじっと見ていた。
「こ・れ・で・・・・・うぎいいいいいいいいいいいーーーーーーーーーーーーーー!!!」
母はありったけの力を振り絞って息んだ。
そして・・・・・・・・・


78 : nemesis :2019/09/28(土) 16:39:36
ズッポオオオオオォォォォォォォォォォンッ!!!!!!
大きな豪快な音と共についに妹は産まれたのだった。
妹を産んだ母はその場で力尽きてしまい気を失ってしまった。
その後母の事態に気付いた当時の俺が助けを呼びに行った。
そして妹と母は救急車に乗せられ病院へと運ばれた。
妹は普通の赤ん坊と比べるとサイズが大きいことを除けば特に問題なく健康だった。
母は数ヶ月間入院することになったものの、命に別状はなく数か月後は無事に退院できた。
「よし計画は無事に完了したな。」
その様子を最後まで見ていた俺は充足感に満ちていた。
さては次はどうしようかな?
そうだ自分の妻を母と同じような難産にさせるのもいいな。
と言っても自分はまだ結婚していないし、そもそも彼女すらいないけど・・・・・・
まあそれは将来の楽しみにとっておくとするか、当分の間は母さんの映像で楽しめるしな。

タイムマシン
  END


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