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【妄想爆発】チラシの裏【大上等】

853パルギア〜(^-^):2015/04/08(水) 21:46:45 ID:W.2gy1wo
 微かな細波が空間を渡っていく。
 それは音のようでもあり風のようでもあった。音であるならば、それは眠りを妨げないほどの静かで穏やかな、低い響きを伴った「何かの声」。

 それに気付いたパルキアは、応じるように一声かけて、この空間のはざまに通じる道を開いてやる。
 そうして現れたのは、鋼のきらめきを纏った「時の守護神」だった。

「しばらくぶりだな、ディアルガ」
 気易く声をかけてくるパルキアに、ディアルガは蔑むような視線を投げる。
「随分お楽しみのようだったからな。遠慮してやっていた」
 いきなり痛いところを突かれて、パルキアが返答に詰まる。
 そんな相方の様子を鼻で笑って、ディアルガはパルキアの腕に抱かれたそれを無遠慮に覗き見た。

「ほう、どれだけ欲深く穢れた面をしているかと思ったが、随分可憐で美しいではないか。これがどのような姿になってお前を誘っているのやら」
「……な、なんのことだ」
「私の居るところまで鳴き声が聞こえていたぞ。さぞかし激しく責めたのであろうな」
「いや、それは……」
 もごもごと口ごもるパルキアの様子は、ディアルガには端から想定内だったようで、それ以上無益な言葉虐めをすることもなく、眠っている白い生き物に顔を寄せた。
「魂の呼吸が滞っている。お前が眠らせたのか?」

 本来はディアルガに属している、時を操る力。そのささやかな真似事で、小さな対象物の時を止めるぐらいの力なら、パルキアにも使うことが出来た。そうして無理やり「眠らされた」者は、体だけでなく魂の呼吸までも不自然な形で動きを止めてしまう。

「……ああ、まぁ、な」
 ディアルガには何でもお見通しと悟って、パルキアは諦めたように頷いた。
「己の身が保たぬと怖れたか」
「ちげーよ! ……いや、ちょっとはそれもあるが」
「ふん」

 ディアルガの面白くなさそうな声に、パルキアは居心地悪くため息をついた。
「思ったより、手強くてな」


 誰も立ち入ることが出来ない筈のパルキアの領域で、漂っていたそれを見つけたのが始まりだった。
 「ルギア」と名乗ったその白い生き物を捕らえ、何かに駆られるかのように手篭めにした。
 拒絶も抵抗も何も無かった。
 ただ、熱く爛れて蕩けそうな性の快楽だけがあった。
 辱められ、犯されながら泣くルギアは、それでもパルキアに縋り付いて「もっと」と乞うた。けれどルギアの望みのとおりに責めれば責めるほど、ルギアはさらに餓えていくようだった。
 終わりが見えないほどひたすら溺れながら、互いの魂だけははっきりと醒めたままで。
 体を重ねるごとにその違和感は大きくなって、やっとパルキアは、捕らえられたのが自分の方だったのだと悟った。

 誰かの身代わりとして、ただ、ルギアの体の乾きを慰めるためだけに。

 ───このままでは、壊れる

 そんな焦燥の末、パルキアはルギアの「時」を止めたのだった。


「今更だろう。軽々しく手を出すからだ。自業自得と思え」
「……ごもっともです」
 らしくもなく殊勝に返すパルキアに、ディアルガはふと嫌な胸騒ぎを覚えた。
 形のない、暗く乾いた何かの気配。

「深みに……はまるなよ」
 その気配を消したくて、ディアルガはやや強く言いつけたが、パルキアは惑うように言葉を返せないでいた。
「パルキア」
「わ、かってる……」
 その声はまさに、判っていても過ちを犯してしまう者の悪あがき。
 もう既に、パルキアは深みにはまってしまっている。

「私が……始末してやろうか?」
 静かに言い放ったディアルガの言葉に、パルキアがはっと顔を上げる。
 鋼の刃のような鋭さと冷たさを帯びた視線が、そこにある。
「ディアルガ……」


泥沼の予感(´∀`*) ………つづきません


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