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OP投下スレ

30 ◆wKs3a28q6Q:2012/05/13(日) 11:32:41 ID:Q/4nBtBM

「来るなッ! 風香! 史伽ッ!」

風香達の常識では、焼死させるには何らかの武器と動作がいるものである。
その前に楓が有効打を入れ、攻撃されずに済む公算の高いものである。

「――――――え?」

だがしかし、現実は――否。ファンタジーは非情である。
少女の炎は見つめるだけで発生する類のものだ。
風香と史伽への攻撃を完全に防げるような有効打を入れる余裕、とてもではないが存在しない。

「か……」

本当なら、風香か史伽を犠牲に、ここで少女を倒すのが正解だろう。
そうすれば、少なくとも1人は助かる。

だがしかし、楓にはそれができなかった。
妹同然の2人を前に、体が自然と動いてしまった。

「かえで姉ェェーーーーーーーーー!!」

単純なこと。
少女と風香・史伽の間に割り込めば、一回は死を防げる。
パワーやスピードが高水準で求められる『有効打を叩きこむ』という動作と違い、スピードだけで達成できる目標だ。
割って入ることくらい、楓にはなんてことない。
少女の炎は、楓にとってなんてことないとは、とてもではないが言えなかったけど。

「すま、ない……2人とも……麻帆良に、帰、して……」

楓の背中は、炭と化していた。
ボロボロと忍装束が崩れ落ち、同時に背中の皮膚までもが崩壊していく。
そして、楓の意識も、急速に落ちていった。

「……嫌な仕事だ。無関係な旧世界人を直接虐殺するなんてのは」

楓の死により、拮抗は崩れ去る。
没キャラの鳩尾には、少女の拳がめり込んでいた。
崩れ去る没キャラの首に、手刀が叩き込まれる。
文字通り刀のような鋭い一撃で、没キャラの頭部は体と離れ離れとなった。

「ましてや……他の部屋に見せしめとしてもっていくため、五体をバラさねばならないというのだ」

楓と没キャラ亡き今、少女についてこられる人間はいない。
強い人物が固まりすぎないように、ドラフトできちんと分けた成果があったというものだ。
ナビゲーターを倒せたとしても大切な人を守り抜けないだろうメンツでグループは固めてあるため、
他の部屋にこの惨状を見せつければそう易々と反乱は起きまい。

「この部屋が、みせしめでよかったよ」

声を発することもなく、風香の首がねじ切られる。
お姉ちゃん、と叫ぼうとした時には、史伽の首は宙を舞っていた。

「おかげで一番嫌な仕事が、私の担当で済んだ。
 ……栞達に、この任務は重すぎる」

言いながら、少女はソファへと歩みを進める。
残る獲物は3人。
いずれも、ソファの裏に隠れている連中だ。


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