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OP投下スレ

28 ◆wKs3a28q6Q:2012/05/13(日) 11:29:57 ID:Q/4nBtBM

「……バカだな。お前らは。本当にバカだ」

モニターを、少女が見る。
それから、少し悲しそうに、言った。

「一番乗りだ。他はどこも、ナビゲーターに手を上げていない」
「亜美達、もしかして大金星?」
「そうじゃない。あったんだよ、隠れた指示が。
 お前達のように殺し合いを信じないだろう連中に、殺し合いを信じさせるため必要な命令が」

モニターから、少女が視線を戻す。
その顔は、どこか悲しそうだった。

「――――危ないッ!」
「うわあああああああああッ!?」

嫌な気配を察し、楓が少女から飛び退く。
その際、両の腕で風香と史伽を抱えるのが、楓に出来る精一杯のことだった。
次の瞬間、突如炎が燃え盛る。
――双海亜美の、上半身で。

「あ、亜美ィ!」
「うわっ!? うわあっ!?」

一瞬にして、少女の位置が移動する。
今はもう、恭子と漫の目前まで移動していた。
その手には鈍色の首輪が握られており、そして――

「あがッ!」

後頭部から地面に叩きつけられる際、漫の首にすっぽりとはめられた。

「みせしめは、いる。殺し合いを実感させるためにも、首輪の威力の証明のためにも」
「ちょっ、そんな……話が違いますやん末原セン」

パンッ。
炸裂音が辺りに響く。
首輪を引きぬいた少女の腕。
炸裂した銀の首輪。

宙を舞った、漫の首。

「あ……あああああああああああああッ!」
「……なんでわざわざ、数人単位で部屋を分けたか。聞かなかったが、冥土の土産に教えてやる」

絶望と恐怖と嘆きと悲しみと。
様々な感情を爆発させた恭子の顔を、少女が掌で覆う。

「恐怖を植え付けるために、虐殺の必要があったからだ。
 ……誰一人生き残らない、そんな凄惨な場所をどこか作る必要があったからだ」

目。鼻。口。耳。
その他穴という穴から、恭子は炎を吹き出した。
悲鳴はすぐに聞こえなくなり、ただの燃え盛る肉の塊へと化す。

「真っ先にナビゲーターに手を出さなければ、こんなことにはならなかったんだ。
 素直に首輪をはめていたら、こんなことにはならなかったんだ。
 ……恨むのなら、愚かな自分達を恨め」

まるで気を紛らわすように言葉を紡ぎ続けながら、背後から襲い来る楓の攻撃を受け流す。
それでも攻撃の手は緩めず、楓は何度も少女目掛けて拳を繰り出し続けた。
拳の雨をやませてしまうと、死者が増えてしまうかのようで。
拳を止めるわけにはいかなかったのだ。

「音声がないがライブ中継だ。
 モニターも今やこの部屋しか映していない。
 ……思う存分目立つがいい」
「亜美! 亜美ィ!」

拳を交える楓と少女から離れた位置で、亜美の命が燃え尽きる。
その亡骸に縋る真美に、洋榎は何も言うことが出来なかった。

「チックショー! 主人公に絡めないまま死んでたまるかー!」

没キャラが吼え、拳撃の嵐の中へと突っ込んでいく。
拳法使いの殺し屋設定だっただけあり、没キャラもなんとか動きについていくことができた。
援護が加わることにより、楓達が押し始める。


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