梓「……うーん、こういう小さめな装飾品のほうがいいかなあ……」
梓「でもやっぱりもうちょっと大きくて、それなりに目立ったもの方が……」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ
澪「さて、ノートにボールペンも買ったし次は……」ﾃｸﾃｸ
澪「ん？ あれって」
梓「あっ、こういうアクセサリーとか先輩に似合いそうだけど……」
梓「あまり高いと申し訳なく思われて気まずい感じになっても嫌だし……」
澪「私は梓からもらえるなら何でもいいけど、梓の懐具合にあまり負担をかけない程度のものにしてほしいかな」
梓「そのバランスが難しいんです、誕生日プレゼントというだけでなく澪先輩への日頃の感謝も込めての……」
"
梓「え？」ｸﾙﾘ
澪「よっ、梓」
梓「きゃああああ！？ 澪先輩なんでここに！」
澪「私は買い物の帰りにここの雑貨屋の前を通りがかったら」
澪「外から見覚えのあるツインテールの子が見えたから、挨拶ついでに」
梓「えーっと、その……何か今聞いてました？」
澪「うん、私への誕生日プレゼントだけじゃなく日頃の感謝も込めてって……ちょっと恥ずかしいな」
梓「はう……///」ﾌﾟｼｭｰ
澪（真っ赤になって固まっちゃった）
澪「梓、おーい戻ってこーい」ﾕｻﾕｻ
梓「はっ、うう……前日に誕生日プレゼントを選んでいる所を見られては身も蓋もないです」
澪「いやいや、私としては何だか申し訳ないというか何というか」
梓「…………///」
澪（う、ちょっと気まずい雰囲気）
澪（……よし、こうなったら）
澪「ええっとじゃあ梓、私ちょうど今欲しい物があるんだけどプレゼントとして買ってもらえないかな？」
梓「は、はい！ 澪先輩に今欲しい物があるなら誕生日プレゼントとして買わせていただきたいです」
澪「ありがとう、じゃ行こっか？」ｽｯ
梓「え、何かアクセサリーとかじゃないんですか？」
澪「うん、ほら」
梓「は、はい」
ｷｭｯ
澪（何気なく手を繋いだけど梓の手、ちっちゃいな）
梓（澪先輩の手、やっぱりあったかいなあ）
ｱﾘｱﾄﾔｼﾀｰ
澪「梓、ありがとうな誕生日プレゼント」
梓「えっとその、お粗末さまでした///」
澪「ベース専用の真円形のピック欲しかったんだ、これ5枚入りのだしさ」
梓「あんまりベース専用の丸いピックって知らないんですけど、普通のピックとは音の出方が違うんですか？」
澪「うん、ベースの場合普通のピックで演奏すると音が硬くなりがちでどうもしっくりこなくて」
澪「……ってまだ私も最近知ったばかりなんだけどね」
梓「なるほど……ふふっ」
澪「どうかした？」
梓「いえ、音楽関連の物をプレゼントして喜んでいただけて私も何だか嬉しくて」
澪「私も嬉しいよ、他の誰でもない梓からプレゼントをもらえるのが」
梓「言いすぎです、何だか照れちゃいます///」
澪「あ、でもまだ誕生日前日だしこれは明日貰わなきゃダメだよな」
梓「そ、そうですか？」
澪「うん、だからこれはまだ梓が持ってて」ｽｯ
梓「分かりました、明日の部活の時に改めてプレゼントします」
澪「ちょっと帰りにドトールにでも寄ってこうか、お礼にコーヒーでもおごるよ」
梓「そんな、いいんですか？」
澪「もちろんだよ」
梓「ではせっかくなので、お言葉に甘えさせていただきますね」
澪「よしよし」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ
梓「えへへ……」
＿＿
〜よくじつ！
律「では次は梓のプレゼントを澪に……贈呈！」
梓「贈呈だなんてもう、律先輩ったら大げさですよ」
唯「ちゃ〜んちゃ〜かちゃ〜んちゃ〜ん、ちゃかちゃかちゃんちゃんちゃ〜ん」
梓「唯先輩も歌わなくていいですから…澪先輩、こちらがプレゼントです」
澪「ありがとう梓、あっベース専用の真円形のピック！ それも5枚入りの！」
紬「音楽に関連したものをプレゼントなんて梓ちゃんらしくていいわね〜」
澪「これ欲しかったんだ、ありがとう梓ー！」ﾀﾞｷｯ
梓「ひゃっ、そんな大げさですよう」
律「なんとっ？」
唯「澪ちゃんがあずにゃんをハグしに行くとは実にめずらしいっ！？」
紬「まあまあまあまあ！」ﾀﾞﾀﾞｯ
梓（というか、昨日の時点でもうプレゼントするもの分かっちゃってるんですし）ﾋｿﾋｿ
澪（いいじゃないか、嬉しいものは嬉しいんだし）ﾋｿﾋｿ
梓（少しはその、日頃の感謝の気持ちも伝えられたでしょうか？）ﾋｿﾋｿ
澪（うん、だから本当に嬉しいよ）ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ
梓（ふわあ、柔らかくてすごくいい香りがします澪先輩///）ｺﾞﾛｺﾞﾛ
"
紬「二人とも、1＋1はー？」
澪梓「にーっ」
ﾊﾟｼｬｯ
紬「はいOKよー♪」
澪「ん？ OKって……」
梓「わわっ！？ ムギ先輩なにカメラに撮ってるんですかー！？///」ﾊﾟｯ
紬「だって澪ちゃんと梓ちゃんが密着してる構図なんてめったにないんだもんっ！」
律「梓もすぐ澪に身を寄せにいくとはなんて甘えんぼうなんてざんしょねえ〜」ﾆﾔﾆﾔ
唯「あずにゃん可愛いし、澪ちゃんうらやましいですっ！」ﾌﾝｽｯ
紬「もちろん二人に今撮った写真は贈るから安心して楽しみにしててね♪」ﾆｺﾆｺ
澪「あー、いやあの、誕生日だしせっかくだからと少し積極的に梓と接しただけというか……って梓？」
梓「…………///」ﾌﾟｼｭｰ
澪「ま、また固まってる……梓戻ってこーい！」ﾕｻﾕｻ
おしまい！