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梓「唯先輩、ホワイトデーに贈る下着ってどういうのがいいですか?」
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唯「ねえ澪ちゃん、ここのみょ〜んっていうやつなんだけどさ」
澪「前にも教えただろ、それはチョーキングって言って……」
唯「ギターの専門用語って覚えにくいんだもん」
梓「ダメですよ、そういうのもちゃんと覚えないと」
唯「ややこしい名前にしないでさ、ぎょ〜ん、とかぎゅい〜ん、とかでいいのにね」 ミョ〜ン
澪「まあ弾けるならなんだっていいけどさ」
梓「でも天才タイプってこういうものかもしれませんね」
澪「頭空っぽのほうが夢を詰め込めるって言うからな」
唯「みょ〜ん」 ミョ〜ン ミョ〜ン
澪「お気に入りだな、それ」
唯「えへへ」 ミョ〜ン ミョ〜ン
澪「あははっ」
梓「ふふっ」
梓「ところで夢といえばホワイトデーの下着の話に戻るんですけど」
澪「お前が正気に戻れよ」
唯「おもむろにギターを弾き始めた時点で察してよ」
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梓「その一瞬で笑顔を消す技をやめてください」
澪「だったら真顔で変なことを言い出すな」
梓「さっきまでの笑顔はどこに行っちゃったんですか、なんていう技術なんですかそれ」
唯「話題そらし奏法」 ミョ〜ン
梓「くそっ、可愛いっ」
唯「ということでその話はまた今度ね」
梓「この機会を逃したらもう下着の話に持っていけないじゃないですか!」
澪「ホワイトデーに下着の話をふっかけてくるのが無茶苦茶なんだよ」
梓「去年も同じようなこと言ってはぐらかされてるんですよ?」
澪「去年からそんなこと言ってたのかお前は」
唯「ホワイトデーまで気を使わなくていいから」
梓「でもほら、先輩にはいろいろお世話になってますから」
梓「いろいろと……」
澪「そのうすら笑いをやめろ」
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唯「まあ気持ちを受け取るだけなら別にいいんだけどさ」
梓「ダメですよ、ちゃんと着けてくれないと」
唯「はいはい」
梓「後でちゃんと確認しますからね」
唯「わかったってば」
唯「……確認?」
梓「サイズが合ってるかどうかとか、心配じゃないですか」
澪「サイズが合わなかった時点で着けてこないけどな」
梓「困りましたね、じゃあ私の目の前で着けてみてもらわないと」
唯「そんな張り切らなくていいから」
梓「大切な想いのこもったプレゼントですから、記念の写真も撮っておきたいですし」
澪「どっちにとってのプレゼントになるんだそれは」
梓「可愛い後輩から可愛い下着をプレゼントしてもらえたら嬉しいですよね?
そんな先輩の下着姿を見れたら私も幸せですし、誰も損をしないんですよ?」
唯「あずにゃんの頭はハッピーセットなの?」
梓「わかりました、生着替えが恥ずかしいならサイズを教えてください」
澪「なんで恥ずかしげもなくそういうことを言えるんだお前は」
梓「じゃあ私が測りますよ、仕方ないなぁ」 スッ
唯「澪ちゃん、そこのギターケースとって」
ゴ シュッ
-
梓「そんな凶器で後輩を脅してどうするつもりですか」
唯「身の危険を感じたから……」
澪「お前みたいなのがチョコのお返しに下着を贈るとかいう意味不明な風習を始めたんだろうな」
唯「そもそもバレンタインに何もあげてないのに」
梓「何もくれなかったんだからちょっとくらいサービスしてくれてもいいじゃないですか」
澪「サービスってお前なぁ」
梓「そういえば私がバレンタインに貢いだチョコケーキのお返しも貰ってないし」
澪「貢ぐとか言うな」
梓「本来なら私がホワイトデーのお返しを受け取る側なんですよ!?」
唯「アメあげたじゃん」
梓「えっ、あれ本当に正式なお返しだったんですか?」
唯「受け取ったよね」
梓「唯先輩のあれに見立てて舐め回してやりましたよ」
唯「………」
-
梓「そんなことよりむしろ私にホワイトデーのあれをください」
唯「あれって?」
澪「お前の存在がもうアレだよ」
梓「って言われても急にお返しなんて準備できないでしょうから」
唯「じゃあ今年はしかたないね」
梓「代わりに先輩の下着をください」
唯「………」
澪「………」
梓「どうしました?空いた口が塞がらないんですか?口で口を塞いであげましょうか?」
澪「いいか、そのカメラから手を離してそれ以上近寄るな」
梓「新品じゃなくてアウトレットで手を打とうって言ってるんですよ」
澪「お前の発言がアウトだよ」
"
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梓「そもそもホワイトデーに下着を贈る風習ってどう思います?」
唯「変態」
澪「変態」
梓「……かつてローマ帝国の兵士たちは婚姻を禁止されていたんですけど、
それでも恋人と贈り物を受け渡ししていたのがバレンタインの起源とされていて」
澪「ローマ?」
梓「戦に赴く兵士たちは、故郷に残していく恋人の幸せを祈って、
自分の身に着けた衣服を渡して故郷を後にしたといいます」
澪「それがホワイトデーの起源だと」
梓「だから先輩たちが卒業した後も、
その脱ぎたて下着を身に着けていれば私だって……」
澪「梓……」
唯「あずにゃん……」
澪「そんな与太話で納得すると思ってんのか」
唯「どうせサイズ合わないじゃん」
梓「そんなの試してみないとわからないじゃないですか!!」
-
梓「そこまで言うならサイズを教えてもらいましょうか」
唯「澪ちゃんの?」
澪「おい」
梓「なんで澪先輩のサイズ知ってるんですか」
唯「見た感じでなんとなく……」
澪「おいやめろ」
梓「なんなんですかその羨ましいスキル」
澪「見るな!」
梓「そういえばデスデビルどものメイクも見破ってましたよね、唯先輩」
澪「なんでそういう洞察力が無駄に高いんだ」
梓「無駄に絶対音感も持ってるし」
唯「天才ですから」
梓「ムギ先輩の体重とかも見た目でわかるんですか?」
唯「なんとなく」
梓「律先輩のカップサイズとかも?」
唯「それは自分の胸に聞いてみなよ」
梓「誰がうまいことを言えと言ったんですか」
-
梓「貧乳だからって一括りにカテゴライズしないでください」
梓「ていうか大して上手い返しでもないし」
梓「自分の胸に聞いてみろってどういう意味なんですか」
梓「そんなことより私は唯先輩のサイズを唯先輩の口から聞きたいと言ってるんですよ!」
唯「アメ食べる?」
梓「アメ食べる!?」
梓「食べますけどまず私の話を」
唯「食べるんだ……」 コロコロ
梓「なんで不満そうなんですか」
梓「ってなんで自分で食べてるんですか」
梓「あっ、口うつしで受け取れってことですね?」 ウヒョッ
ゴ シュッ
-
澪「うまく口に入ってよかったじゃないか」
梓「顔面に投げつけなくても……」
唯「アメ食べたいって言うから」
澪「唯、最近ピック投げの練習してたからなぁ」
唯「手首のスナップが大事なんだよ」 フンス
梓「そういう無駄なスキルばかり磨かないでください」
梓「ピック投げなんか練習して何の意味があるんですか」
唯「あったけどね、いま」
梓「唯先輩に口内を犯された気分ですよ、もう……」
唯「たくましいなぁ」
澪「その不屈の精神があれば来年も大丈夫だな」
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梓「まあバレンタインやホワイトデーなんて、各業界が儲けるために
後付けで作り出された文化にすぎませんけどね」
梓「そんな特別な日の力を借りて自分の気持ちを伝えることが大切なんですよ」
澪「さっきからセクハラまがいの下心ばかり伝わってきてるのが問題なんだよ」
梓「痛いところを突きますね」
梓「どうせなら痛いところより気持ちいい所をつつき合ってみませんか?」
澪「お前は何を言っているんだ」
梓「ところで卒業式の直前なのになんでギターの練習してたんですか」
澪「えっ、いや別に」
唯「ちょっと新曲をね」
澪「おい、唯」
梓「新曲?」
唯「そう、私たちの」
天使に贈る歌をね。
おわれ
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ホワイトデーってもう卒業シーズンじゃんって途中で気づいて
急にこんな感じになりました
そしてホワイトデーに間に合わなかったという
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まさかいい話になるとは
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うん、これはいい話だ
"
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