澪「……え？」ﾋﾟｺﾋﾟｺ
紬「見たことのないゲーム機ね…」
澪「ああこれ？ アハハ。ムギ見るのはじめて？」ﾋﾟｺﾋﾟｺ
紬「うん！ なにこれなにこれ〜〜？」
澪「スーファミ」ﾋﾟｺﾋﾟｺ
紬「スーファミ？！」
澪「そう、スーファミ」ﾋﾟｺﾋﾟｺ
紬「スーファミ………」
澪「ごめん。もうすぐセーブポイントだから。それまで待ってもらっていい？」
紬「うん………」
澪「今回の歌詞、自信作なんだ〜♪ 作曲よろしくな♪♪」ﾋﾟｺﾋﾟｺ
"
紬「……………」ｼﾞｰ
澪「あ、ムギ…もしかしてちょっとやってみたい？」ﾋﾟｺﾋﾟｺ
紬「ううん。だいじょうぶ！ 見てるだけでおもしろいから！」
澪「そおか？」ﾋﾟｺﾋﾟｺ
紬「……………」ｼﾞｰ
澪（気が散る………）ﾋﾟｺﾋﾟｺ
澪「ごめんごめん。もうすぐやめるから、ちょっと待って」ﾋﾟｺﾋﾟｺ
紬「”スーファミ”って、」
紬「どういう意味なの？」
澪「え……意味？ さぁ………」ﾋﾟｺﾋﾟｺ
紬「”スーパーファミコン”？？」
澪「スーファミの前に”ファミコン”っていうのがあって…それがその、なんていうか…パワーアップしたのが”スーパーファミコン”」ﾋﾟｺﾋﾟｺ
紬「ファミコン……」
澪「ファミコンは”ファミリーコンピューター”の略」ﾋﾟｺﾋﾟｺ
紬「ファミリーコンピューターなのに…」
紬「ファミリーじゃなくてひとりでやってるのね」
澪「………………」ﾋﾟｺﾋﾟｺ
紬「スーファミは”スーパーファミリーのコンピューター”…」ｺﾞｸﾘ
澪「いやいや……」ﾋﾟｺﾋﾟｺ
"
澪「ちがうだろ。”スーパー”は”ファミリー”じゃなくて、”コンピューター”にかかってるんだろ」ﾋﾟｺﾋﾟｺ
紬「ちがうわ澪ちゃん。それじゃ”スーパーコンピューター”じゃない。スパコンになっちゃう」
紬「そんなハイテクなものが一般家庭にあるはずないわ」
澪（メンドくさい……）ﾋﾟｺﾋﾟｺ
紬「スーパーなファミリー…」ｳｰﾝ
澪（まだ考えてるよ…）ﾋﾟｺﾋﾟｺ
紬「…………」
澪（ﾊｧ………）ﾋﾟｺﾋﾟｺ
澪（スーパーがどうとか…なんでもいいじゃないか）ﾋﾟｺﾋﾟｺ
澪（そんなこと考えてるヒマがあったら、わたしの歌詞見てほしいよ）ﾋﾟｺﾋﾟｺ
澪（わたしがレベル上げしてる間に曲のイメージ膨らませたりさ）ﾋﾟｺﾋﾟｺ
澪（もっとやることあるだろ）ﾋﾟｺﾋﾟｺ
澪（まぁいっか、しばらく放っておけば）ﾋﾟｺﾋﾟｺ
澪（おっ！！ レアアイテムゲット♪）ﾋﾟｺﾋﾟｺ
紬「澪ちゃん！！！！！」
澪「」ﾋﾞｸｯ!
澪「！？？！？！」
澪（わわわ……ム、ムギが、怒った？？！！？）
澪「ご、ごめん、ムギ！！ わたしが悪かった！！！」ﾌﾟﾁ
紬「………………」
澪「そうだよな…せっかくムギがウチまで来てくれたのに、ずっとひとりでゲームしてて感じ悪いよな……ごめん……もうやめるよ」
紬「………………」
澪「……………ごめん」
紬「………………」
澪「じゃあ改めてだけど…これが新しい歌詞で……」
紬「………………」
澪「このゲームをやってたら思いついたんだ。夢と冒険をモチーフにしたファンタジックな世界観で…」
紬「澪ちゃん」
澪「魔法が使えちゃったり、空が飛べたり、世界中を駆け巡って…」
紬「澪ちゃん」
澪「ときにはくじけそうになっちゃうけど、そんなとき顔をあげると隣に仲間達がいて…」
紬「澪ちゃん」
澪「大冒険の末に魔王を倒して世界を救う！ みたいな、さ…」
紬「澪ちゃん」
澪「わたしがこのゲームに夢中になったみたいに、この歌詞を聴いたひとにも夢中になってほしいな〜…なんて///」
紬「澪ちゃん！！」
澪「ﾋｯ!? な、なに…？？（やっぱり怒ってる！？）」
澪「…メーカー？」
紬「スーファミつくってるメーカー！ ”スーパーファミリー”ってなんのことか問い合わせてみる！」
澪「えっと、メーカーは……………」
紬「あれ？ なぁ〜んだ。これおじさまのとこでつくってたんだ〜」ﾋﾟﾎﾟﾊﾟ
澪（まさかの知り合い……）
紬「もしもし紬です！ おじさまいらっしゃる？？」
澪「歌詞……ファンタジー……世界を救う……」
澪（結局昨日は曲つけてもらえなかった）
澪（よーし、今日こそはムギに曲をつけてもらうぞ！）ﾋﾟｺﾋﾟｺ
紬「澪ちゃん！」
澪（おお！ 今日はムギもやる気まんまんだ！）ﾋﾟｺﾋﾟｺ
紬「それなに？！ なんのゲーム！？」
澪「これはゲームボーイ……あ」ﾋﾟｺﾋﾟｺ
紬「ゲームボーイ！？」
澪「……………」ﾋﾟｺﾋﾟｺ
おしまい！