紬「澪ちゃんそれなに！ なに食べてるの？！」
澪「……え？」ｽﾞﾙｽﾞﾙ
紬「そうめん！？」
澪「ううん、ちがうよ」*ｽﾞﾙｽﾞﾙ
紬「じゃあおうどんさん！？」
澪「ううん、ちがう。おうどんさんじゃない」ｽﾞﾙｽﾞﾙ
紬「じゃあなに？！ なに食べてるの！？」
澪「ひやむぎ」
紬「ひやむぎ？！」
澪「そう、ひやむぎ」
紬「ひやむぎ………」
澪「それより新しい歌詞ができたから、お昼ごはん食べ終えたら曲つけてもらいたいんだけど」ｽﾞﾙｽﾞﾙ
"
澪「………たべてみる？」
紬「えっ、でも……悪いわ」
澪「いいって。ひやむぎくらい」
紬「…………」ｶﾁﾝ
澪「………ムギ？」
澪「ん？ いや…バカにはしてないけど」
紬「バカにしてるわ！ “*ひやむぎくらい”って言ったもの！！」
澪「いやまあ言ったけども」
紬「おなじ“*むぎ”として黙っていられないわ…」
澪「食べないなら全部食べちゃうぞ」
紬「食べます！」ﾌﾝｽ!
澪「…どう？ 普通だろ？」
紬「………」ｽﾞﾙｽﾞﾙ
澪（……無心で食べてるよ）
紬「………」ｺﾞｯｸﾝ
澪「じゃ。食べ終えたことだし歌詞を…」
紬「ひやむぎもらっちゃったし、お詫びにわたしのお昼ごはんあげるね」
澪「いいよいいよ」
紬「遠慮しないで〜わたしのも普通のお昼ごはんだから〜」
紬「ハイ。うなじゅう！」
澪（胸が痛い……）
紬「どう？ 普通？？」
澪（これがほんとうのうなぎなのか…もしかしてわたしが今までうなぎだと思ってたのって…）ﾓｸﾞﾓｸﾞ
紬「普通よね〜」
澪「あなごだったのかも…」ﾎﾞｿ
紬「？？？」
澪「ううんなんでもない。……めちゃくちゃおいしいよ、これ」ﾓｸﾞﾓｸﾞ
紬「じゃあもっと食べて！ はいあげる！！」
澪「ええっ、もう食べられないよ。それより歌詞……」
紬「そのかわりにもっとひやむぎちょうだい！！」
"
紬「え……」
澪「じゃあ食べ終えたことだし歌詞を……」
紬「澪ちゃん」
澪「さて……と。これ、昨日徹夜で書いたんだ。好き合ってるのに素直になれない恋人同士をイメージして……」
紬「ねぇ澪ちゃん」
澪「……言葉にできない気持ちを歌詞で表現するのが難しくって……」
紬「ねぇねぇ澪ちゃん」
澪「……歌詞つくりにはいつも苦労するんだけど今回はとくに……」
紬「ねぇねぇねぇねぇ」
澪「まぁでも苦労した甲斐あったかな？ 我ながら中々の出来だと思うんだ」ﾌﾌｯ
紬「“*ひやむぎ”ってどこで買えるの？」
澪「だから早くムギに見てもらって曲つけてもらいた……」
紬「澪ちゃん！！！！」ﾊﾞｧﾝ!!!
紬「“*ひやむぎ”ってどこで買えるの！！？？」
澪「………へ？ ひやむぎ？？ あ、んー…スーパー？ コンビニ？ とか？？」
紬「コンビニね…」ｽｯ
澪「ム、ムギ？？」
紬「わたし帰る！ コンビニでひやむぎ買ってくる！」
澪「歌詞…ていうか午後の授業…」ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ…
澪（よーし、今日こそはムギに曲をつけてもらうぞ！）ﾊﾟｸﾊﾟｸ
紬「澪ちゃん！」
澪（おお！ 今日はムギもやる気まんまんだ！）ﾓｸﾞﾓｸﾞ
紬「それなに？！ ごはんがところどころ茶色っぽいわ……」
澪「ん、これはむぎごはん……………あ」
紬「むぎごはん……」ｳｯﾄﾘ
澪「……………」ﾓｸﾞﾓｸﾞ
おしまい！