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紬「梓ちゃんが 『ムギ先輩』 って呼ぶのはおかしいと思うの」
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梓「えっ」
紬「 『琴吹先輩』 とか 『紬先輩』 から少しづつ打ち解けていくならわかるけど、
いきなり 『ムギ先輩』 はちょっと馴れ馴れしいんじゃないかなって」
梓「今さら!?」
紬「告白もキスもされないうちに中出しされたら流石に嫌でしょ?」
梓「そういう強引なのが好きな人もいるんじゃないですかね」
紬「梓ちゃんは中出し大歓迎かも知れないけど、私はあなたと違うの」
梓「私だって違いますよ!」
紬「どうだか……」
梓「というか他にもっと品のいい例え方がなかったんですか」
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紬「私、最初はよそよそしかった二人が親しくなるにつれて
少しづつ呼び方が変わっていくみたいな感じが夢だったの?」
梓「私に聞かれても」
紬「エヴァでいうとシンジ君とカヲル君みたいな感じ」
梓「はあ」
紬「 シンジ 『渚君』
カヲル 『カヲルでいいよ』
シンジ 『じゃあ僕も…シンジでいいよ』 」
紬「みたいなね」
梓「でもあの二人ホモですし」
紬「こっちだって似たようなものじゃない」
梓「でも私そういうのじゃないんで」
紬「じゃあ相手が唯ちゃんだったとしたら?」
梓「問題ない」
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梓「なんでまた急に面倒くさそうな言いがかりをつけてきたんですか」
紬「さっき憂ちゃんと会ったんだけどね」
梓「はあ」
紬「紬さん、って響きに迂闊にもときめいてしまって」
梓「災難でしたね」
紬「なにが?」
梓「いえ、憂が」
梓「変なのに目を付けられちゃって大変だな……って」
紬「あなたはもう少し憂ちゃんを見習うべきだと思うわ」
梓「何がですか? 胸をですか?」
紬「それも含めて」
梓「何がおかしいんですか」
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紬「どうでもいいのよ貧乳の話は」
梓「こっちは笑いごとじゃないんですよ」
紬「それより梓ちゃん、唯ちゃんのことはなんて呼んでる?」
梓「性奴隷」
紬「心の中でなんて呼んでるかじゃなくて」
梓「ついうっかり」 テヘペロ
紬「澪ちゃんのことは?」
梓「援交」
紬「澪ちゃん、援助交際してるの?」
梓「してそうだったので……」
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紬「じゃありっちゃんのことは?」
梓「デコリン先輩」
紬「呼べるもんなら呼んでみなさいよ」
梓「律先輩」
紬「それよ」
梓「どれですか」
紬「りっちゃんのことはりっちゃん先輩なんて呼ばないでしょ?」
梓「やめてくださいよ、気持ち悪い」
紬「私たちは同級生だからりっちゃんと呼んでいるわけだけど、
先輩に対してりっちゃんとか呼ぶわけにはいかないでしょ?」
梓「まあ曲がりなりにも部長ですし、一応後輩ですし」
紬「一応って……普通に後輩よね?」
梓「そんなに大人びて見えましたか」
紬「冗談は乳房だけにしてちょうだい」
梓「………」
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紬「同級生が親しみを込めて私をムギと呼んでくれてるわけだけど、
あなたまで便乗してムギ先輩とか呼ぶのはおかしいと思うの」
梓「ああ、なるほど」
紬「アナル?」
梓「誰が性感帯の話をしたんですか」
梓「要は他の先輩に対してもムッツリスケベとかデコ助野郎とか、
ちょっとくだけた呼び方をしないと不公平だわこのド低能が、と言いたいんですね?」
紬「方向が真逆だし、後でみんなにバラすわよ」
紬「このクサレ脳ミソが」
梓「わかりました、逆にもっと罵る感じでいけばいいんですね?」
紬「何がわかったの?」
紬「ねえ、何がわかったっていうの?」
梓「おいメスブタ」
紬「………」
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梓「後輩を痛めつけるのがそんなに楽しいですか」
紬「こいつの口を塞ぐにはもうこれしかないって思って……」
梓「鳩尾に掌底を叩きこむ以外にも方法があるでしょう」
紬「口を口で塞ぐみたいな感じのほうが良かったかしら」
梓「ははっ、冗談は眉毛だけにしてくださいね?」
紬「ふふっ、ムリヤリ押し倒して上下関係を叩きこんでやろうかしら」
梓「というかムギ先輩って呼ばれるのがそんなに嫌だったんですか」
紬「そういうわけじゃないけど」
梓「私が細身だから嫉妬しているんですね?」
梓「自分のだらしない身体に比べて華奢で小柄な私が憎たらしいんですね?」
紬「梓ちゃん、呪いとかって信じるほう?」
梓「だいたい自己管理ができてなくて体重がアレなくせに逆恨みぐ ぼしゅっ
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紬「私ね、梓ちゃんに紬先輩って呼ばれてみるのも新鮮で悪くないかなって思うの」
梓「それより後輩を殴りつけて言うことを聞かせようとすることについてどうお考えですか」 ゲホッ
紬「試しに一回 『紬先輩』 って呼んでみてくれない?」
梓「1文字増えただけじゃないですか」
紬「梓ちゃんだって胸囲が1センチ増えたら嬉しいでしょ?」
梓「先輩なんてウエストが1センチ増えたらもう ぉごふっ
紬「あっ、琴吹先輩っていうのもいいかも」
梓「今さらそんな堅苦しいのはいいですよ」 ゴホッ
梓「急にかしこまった感じで呼んだら私が距離を置こうとしてるみたいじゃないですか」
紬「後輩がかしこまって何の問題があるというの」
梓「でも唯先輩に中野、とか呼ばれたらちょっと興奮しますよね」
梓「気持ちはなんとなくわかります」
紬「うん、まあそんな感じ」
紬「………」
紬「それとはちょっと違うわ」
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紬「じゃあ逆に私があずにゃんとか呼べばいい?」
梓「は?あれは唯先輩だから許可してるんですけど?」
梓「おぞましいことを口走らないでください」
紬「ふふっ、お前にだけは言われたくないのよ」
梓「私がかしこまってあなたが馴れ馴れしくなったら不自然じゃないですか」
梓「まるで私が弱みを握られて脅されてるみたいで」
梓「実際ムリヤリ脅迫されてるようなもんですけど」
紬「じゃあ梓ちゃんが初対面の後輩からあずにゃん先輩とか呼ばれたらどう思う?」
梓「押し倒してひん剥いて上下関係を身体に教えこんでやりますよ」
紬「奇遇ね」
紬「このドブネズミが」
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梓「私に親しまれるのがそんなに不愉快だったんですか」
紬「違うけどその可能性は否定しないわ」
梓「私のこと、嫌いなんですか?」
紬「バカなこと言わないの!!」
梓「だって……」
紬「そりゃあ好きか嫌いかで言ったら特別お気に入りの生き物ってわけでもないけど」
梓「生き物」
紬「確かに入部初日から上等かまして先輩が立ち上げた部の慣習を根底から否定するようなガキだけど」
梓「正論で指摘して何が悪いんですか」
紬「後輩の分際で先輩にお茶を注がせて平気な顔で座ってるし」
梓「ティータイム否定派が率先して手伝ったら立ち位置がおかしくなるじゃないですか」
紬「背が低いくせに上から目線だし、貧乳のくせに態度だけは大きいし」
梓「いま胸の話関係ないですよね」
紬「だけどね」
紬「いくら生意気でちんちくりんの小娘でも、私たちにとっては初めての、たった一人の後輩部員なの」
紬「妹みたいで、子供みたいな、イタズラ好きの小さい子猫」
梓「………」
紬「嫌いになんかなれるわけないでしょ?」
梓「さっき思いっきりブン殴られたんですけど……」
紬「それは好きな子をわざとイジメるみたいなアレじゃない」
-
梓「私だって……」
紬「?」
梓「私だって、こんなに心を開いて下ネタを言い合える人たちに出会えたのは初めてなんです」
紬「それはそれでどうなのかしら」
梓「うわべだけ仲が良い振りをして、コソコソと陰口を言い合うような友達じゃなくて、
本人が居ないところで褒め合えて、お互いに面と向かって本音を言い合えるような」
梓「ずっとそんな関係に憧れていたんです」
紬「………」
梓「私は昔からそうでした」
梓「誰からも嫌われないように、心の声を塞いで、本当の自分を閉じ込めて」
梓「本当は寂しかったのに、意地を張って孤立して」
紬「周りの笑顔がだんだん嘘に見えてきて」
梓「他人と自分を隔てる壁がどんどん高くなって」
紬「どうして自分だけがって勝手に思いこんで」
梓「それでも、そんな自分を変えたくて」
紬「遠回りしたけど、音楽を通してみんなに会えた」
梓「………」
紬「私も梓ちゃんと同じよ」
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梓「私、軽音部を選んで…先輩たちに出会えて、本当に良かったと思ってます」
紬「私だって」
梓「口うるさくて生意気な私も受け入れてくれて、私の居場所になってもらえて」
紬「だけどアレね、 『 生イキ 』 って書くとまるで避妊具を着けないでアレしたみたいね」
梓「人がいい感じの雰囲気で収拾つけようとしてるのになんなんですか」
紬「梓ちゃんが中出し好きな理由、わかった気がする」
梓「誰もそんなこと言ってませんけどね」
紬「梓ちゃんは自分なりに軽音部に溶け込もうと必死だったのね」
梓「そんなつもりじゃないですよ」
梓「……琴吹先輩」
紬「それはもういいの」
梓「いえ、紬先輩がそれを望んだので」
紬「もう充分わかり合えたでしょ?私たち」
紬「ムギでいいわ」
梓「………」
梓「ムギ先輩」
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律「ちょっ……押すなって!」 ヒソヒソ
唯「だって〜」 ヒソ
澪「おい、ちょっと静かにしろ!」 ヒッソォォ
ガチャッ
バタバタバタ
梓「なにやってるんですか」
律「いや、だって面白い組み合わせだったから」
唯「どんな話してるのかなって」
梓「どうりで唯先輩の匂いがすると思いました」
唯「………」
澪「というか本当に何の話してたんだお前ら」
律「体型の話をしながら突然殴りあったり」
梓「殴りあいっていうか一方的に暴力を振るわれたんですけどね」
唯「涙ぐんだかと思えば微笑みあってたり」
梓「それは」
紬「ちょっと仲良くなったの、ね?」
梓「はい」
澪「奴隷とか援助交際がどうのこうのって話してなかった?」
紬「それは澪ちゃんの話」
律「えっ」
唯「えっ」
澪「えっ!?」
おわれ
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なんか気づいたら16話のあれになってた
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いいね!
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続きは?
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何気なく読んだらおもしれwww
-
乙www
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うn
"
"
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