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和「ちょっと律!」
17
:
いえーい!名無しだよん!
:2016/05/10(火) 08:24:09 ID:twVSXLYY0
梓「今日から3年2組に仲間入りする中野梓です。よろしくお願いします」
それまで騒ついていた教室は、時間が止まったかのように鎮まった。
誰も声を上げず、ヒヤリとした空気が私の汗を冷やす。
私は一度深く息を吐き、意を決してから、自分の教室から苦労して運んだ自分の机を、唯先輩と立花先輩の間に差し込んだ。
姫子「……」
彼女からの反応は無かった。
姫子先輩、名前が漢字一文字では無い時点で彼女はモブである。
超主役級である私が恐れることなど何も無い。
見た目は一見ヤンキーだが、律儀にシャツをスカートに仕舞っている。
内申点への執着が捨てきれていない証左である。
律先輩のように豪快に内申を放棄するレベルでなければ、私を牽制することは出来ない。
胸だって澪先輩の方が大きい。
私はなんだか気持ちが軽くなった。
姫子「君、資格は?」
梓「え……?」
姫子「し、か、く」
梓「資格……?」
姫子「一級平沢唯取扱者認定資格、持ってる?」
梓「……」
私は困惑した。
姫子先輩によると、唯先輩の前後左右の席に着くには国家資格が必要らしい。
一級平沢唯取扱者認定資格を所持していれば平沢唯保護監督責任者を名乗ることが出来る。
梓「……持って、無いです」
姫子「じゃあダメだね」
姫子「出直しておいで」
梓「そんな、机と椅子、凄く重くて……階段とか、運ぶの大変だったのに……」
唯「あずにゃん、泣かないで」
唯先輩が私の頭を優しく撫でてくれた。
頭のてっぺんに残った唯先輩の暖かさを逃がさぬように、私はポケットに忍ばせておいた唯ツを頭に被った。
唯ツは私のツインテールを優しく包み、宇宙的な慈愛と慈悲のパワーを私に宿した。
梓「控えおろう!」
姫子「なっなに?」
梓「唯先輩の御前であるぞ!」
読者が何か言いたげな表情でこちらを見ていた。
梓「我輩はあずにゃんである。胸はまだ無い」
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