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唯「恥ずかしがり推移録」
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始まりは、高校一年のあの日のこと。
あの日私は、なんやかんやで軽音部に居残ることになって、初めて部員の子たちとちゃんと一人一人向き合って、みんないい子ばかりだと知りました。
ただ、その中で一人だけ、見た目と中身のギャップからか、ちょっと距離のつかみにくい子がいたんです。
私はその子と仲良くなりたかった。距離がつかみにくいから、とにかく近づこうとしたんです。
でもその子は、私が近づくと顔を赤くして少し逃げてしまうんです。
その多くは日常の中での出来事だったけど、一つだけ、わかりやすく私とあの子の距離感の違いを表せる長きにわたるエピソードがあります。
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最初は、出会って間もない頃。
唯「よろしくね、澪ちゃん!」
澪「ああ、よろしく、唯」
唯「えへへー、これで私たち、友達だね!」
澪「えっ」
唯「……えっ?」
澪「……さ、最初は「知り合い」くらいで……」
唯「ええ〜!?」
……顔を赤くした澪ちゃんは可愛かったですが、知り合いから始めないといけない理由は今でもよくわかってません。
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しばらくして、合宿や学園祭などのイベントを乗り越え、絆も深まったと私は思っていた頃。
唯「これだけの苦楽を共にした私たちは、もう親友と言っても過言じゃないよね!」
澪「えっ」
唯「……えっ?」
澪「えっと……「仲間」くらいで……」
唯「……仲間と友達ってどっちが上なの?」
澪「……友達、かな」
唯「ええ〜??」
聞いておいて私もどちらが上かはわかりませんでしたが、澪ちゃんの中ではそういうことらしいです。
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二年生になり、新歓ライブで息の合ったダブルボーカルを披露するくらいに澪ちゃんとシンクロしてきたと私は思っていた頃。
唯「今度こそ親友だよね!」
澪「……と、友達じゃダメ?」
唯「やったー!レベルアップしたー!」テッテレー
澪「あ、いいんだ……ちょっと罪悪感感じてたんだけど」
唯「次は親友目指して頑張るよ!」
澪「う、うん……」
澪ちゃんが恥ずかしがりなのはよくわかっているので、認識のズレに落ち込んだりはしませんよ。元々私が近づきたくてやってるだけだしね!っていうかだんだん楽しくなってきた!
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学園祭で迷惑をかけちゃったりしてちょっと落ち込みつつも、進級するまでにはこれを聞いておきたいと思っていた頃。
唯「そろそろ親友かな?」
澪「……うん」
唯「やったー!目標達成!ありがと、澪ちゃん!」
澪「……ううん。私の方こそ、ありがとう、唯。こんな私と……一緒にいてくれて」
唯「澪ちゃん……「こんな」なんて言わないで」
澪「……この性格、なんとかしたいとは思ってるんだけどな……」
唯「………」
表情を曇らせて俯く澪ちゃんは綺麗だったけど、手が届かない感じがして見ていたくはありませんでした。
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私の望みは叶ったから、次は澪ちゃんの望みを叶えてあげたい。澪ちゃんが恥ずかしがりを治したいって思ってるなら、どうにかして手伝いたい。
そんな思いを抱えながらも、夏フェスに行ったり、最後の学園祭があったりといろいろなことがありすぎてすごい早さで過ぎていく毎日を過ごすことで精一杯だった、三年生のある日。
澪ちゃんは言いました。「みんなと一緒の大学に行きたい」と。
唯「……嬉しいな。澪ちゃんを散々恥ずかしがらせてきたのに、もっと一緒にいたいって言ってもらえるなんて」
唯「……もっと、一緒にいていいのかな」
唯「……もっと恥ずかしがらせていいのかな。もっと近づいていいのかな」
唯「そうだよね、きっとそれが澪ちゃんの恥ずかしがりやさん克服にもなるよね!だからいいんだよね!」
唯「だから……もっと、好きになっていいんだよね」
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次の日。進路表をさわちゃんに提出した、その日。
唯「というわけで、恥ずかしがりを克服したい澪ちゃんのためにこれからも恥ずかしがりそうなことを言っていこうと思います」
澪「えっ?何が「というわけ」なんだ?」
唯「というわけで恥ずかしそうな言葉だいいちだーん」
澪「え、あ、ああ、よし来い!」
唯「えっと、ね、大学も一緒に行くことになった私たちだけど、その先もずっと一緒にいちゃダメかな?」
澪「……え、えっ?」
唯「澪ちゃんのことが、好きだから」
澪「……ええええっ!?」
唯「あ、真っ赤」
澪「い、いくら私のためとはいってもそんな冗談言うな!」
唯「……さすがの私でもこんなこと冗談じゃ言わないよ」
澪「ほ、本当なのか?」
唯「うん」
澪「……へ、返事は今しなきゃダメ?」
唯「今返事したら、私たちの関係は「親友」から「恋人」になるね」
澪「……えっと、じゃあ「親友以上恋人未満」で……」
唯「保留ってことだね!まあ大学卒業するまでに返事もらえればいいんだけど」
澪「い、いや、いいのかそれで……保留した私が言っていいことでもないけど」
唯「だってそもそも大学に受かるかどうかがまず問題だからね……」
澪「あ、遠い目」
そうしていろんな誘惑を断ち切った結果、どうにか合格できました。
ちなみに合格発表の日に澪ちゃんは返事をくれました。
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このように、彼女…澪ちゃんの恥ずかしがりからくる距離感の違いと戦い続けてきた私ですが、この戦いにそろそろ決着がつきそうです。
決着をつける方法についてですが、結局のところ、距離を埋めるのではなく重ねればよかったのです。
二人の時間を重ねていけば、自然と一番上のところで頭打ちになっていつかは並ぶのです。
今の私達が、相手のことをどう表すか。言葉は一つしかありません。
「「ウェディングドレスがとても似合ってる」」
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おわり
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屑カプで2度と書くな‼
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頭のおかしい人は気にせず、また素敵なssを書いてください。
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頭のおかしい奴って言うのは>>11の様な池 沼 在 日カプ厨の事だ
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