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梓「あったかいんですから」
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〜お昼休み!
純「いや〜午前中いっぱい勉強した後に食べるお弁当は旨いね!」パクパク
梓「何言ってんのよ、さっきまでグースカ眠ってたくせに」
純「いやいや、それはポカポカとあったかくなったこの気候が自然と私をウトウトと…」
梓「あーそう…」
憂「でも最近やっと春らしくあったかくなったよね」
梓「まあそれはね、今年はあったかくなるのが遅かったし」
純「でしょー、だからこのあったかい春なんだからちゃんと眠っておかないと春という季節に失礼というものだよ」
梓「じゃあ今度のテスト前にちっともノート取ってなくても文句言わないでね、私は見せないよー」
純「えっ!? えーっとそれはその……う、憂〜」
憂「純ちゃん、眠ってるだけじゃ何も出来ないよ? めっ」
純「あうう…申し訳ございませんでした、極力起きてちゃんと授業受けますでございます〜」
梓「よろしい」
憂「じゃあ反省したご褒美にデザートの苺を一個……はい、あーん♪」
純「ああ、神さま仏さま、憂さま……あーん♪」パクッ
梓「反省したご褒美って斬新に思うんだけど…」
"
"
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__
ジャー・・・
梓(さてと、お昼も食べたしお手洗いも済ませたし五時間目始まるまでどうしようかな)
梓(ん? あの外にいるのって……)ヒョイ
梓(ちょっと気になるな…行ってみよう)
__
梓「えっと、確かこの辺りにいたんだけど…」キョロキョロ
「あれ、梓? こんなところで何してるんだ?」
梓「あっ、見つけましたよ澪先輩っ!」
澪「え、何か私に用事でもあったのか?」
梓「そ、そういうわけではないんですけど…あそこのトイレの窓から澪先輩が外に歩いていくのが見えたので」
澪「それで気になって来てみたってところ?」
梓「は、はい///」
澪「ふふっ、そっか。梓もよかったらこっちの桜の木の下に座らないか?」ポスン
梓「えっとじゃあ…失礼します」ポスン
澪「梓さえよければもう少し近くに…隣に来ていいよ」
梓「で、ではお言葉に甘えて…」ススッ
澪「ん、よしよし」ナデナデ
梓「あ、ありがとうございます///」
-
__
梓「それで澪先輩はどうしてこんな場所に?」
澪「ああ、この桜の木…こうして校舎の隅の方にひっそりとあって」
澪「桜の種類が違うらしく、四月の下旬になって咲き始めたのにもなんか惹かれてさ」
澪「だから今の時期、昼休みになるとここにきて本を読んだり新しい歌の歌詞を考えたりしてたんだ」
梓「そうなんですか…私、桜ってソメイヨシノぐらいしか知らないですけど何の種類なんでしょうね」
澪「桜の色はソメイヨシノと同じ淡い紅……でも白が強めということを考えるとイチヨウかフゲンゾウだけど」
澪「四月の下旬に咲き始めたということは恐らくフゲンゾウだと思う、イチヨウは四月中旬には咲くから」
梓「澪先輩すごいです、よく知ってるんですね」
澪「いや、こんなこと知っててもどうしようもないけどさ」
梓「そんなことありません、ちょっとした勉強になりました」
澪「そ、それなら良かった…かな?」ポリポリ
梓「はいっ」
梓(私のことも…澪先輩にはもっと知っていただきたいかな)ボソリ
澪「ん、何か言った?」
梓「な、なんでもないです!」
-
__
梓「それにしてもあったかいですね…」ウトウト
澪「眠い? よかったら私にもたれかかって寝てもいいよ」
梓「いいんですか?」
澪「うん、もちろん」
梓「じゃ、じゃあちょっとだけ…」ポフ
澪「梓がこうして近くにいると私もあったかいよ」ナデナデ
梓「はい…わた…しも…」
梓「すー…すー」
澪(寝つきいいな梓……これだけぽかぽかしてあったかいなら眠くなっても当然かな)
澪(このまま梓の寝顔を見ながらお昼寝といきたいけど流石に午後の授業をさぼるわけにはいかないし)
澪(今はこうして梓と二人でいられる時間を、じっくり大事に感じるだけにしておくか…)ギュッ
__
澪「…梓、あーずーさ、そろそろ起きろー」
梓「んー……?」
澪「そろそろ戻らないと五時間目始まっちゃうぞー」
梓「んー……」
澪「おーい、あーずさー!」
梓「Zzz……」
澪「まずい、全く起きないな…」
澪(かといって起こすためにげんこつとか手荒いことを梓にしたくないし)
澪(だけどこのままだと五時間目に間に合わなくなるのは確実だし、どうしようか…)
澪(…………)
澪(……よし、こうなったら)
-
__
梓「ん…ううーん…?」パチリ
梓(あれ、ここって教室? 確かさっきまで澪先輩と一緒だったのに)
梓(夢だったのかな……ってもう五時間目の時間に入ってるじゃない!)
純「ようやく起きたな〜このねぼすけネコめ」ズカズカ
梓「えっ、ちょっと純? 今五時間目…」
純「あいにく五時間目は自習だよこいつめー!」ガシッ
梓「な、なにするの、いたたたた!」
純「律先輩直伝のソフトコブラツイストをくらいやがれー!」キリキリ
梓「も、もうくらってるし! というか純って意外と律先輩と仲いいのー!?」バタバタ
憂「純ちゃん、もうそれぐらいで」
純「だってこの子ったら澪先輩にあんなことされながら戻ってきたからさー」
梓「あ、あんなことってどういうこと?」
憂「梓ちゃん、さっきお昼休みの終わり頃に…」
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憂「遅いね梓ちゃん、もうすぐ五時間目が始まっちゃうよ」
純「ううむ、これはもしかしたら大かな?」
憂「もう純ちゃんったら」
純「まっ、ちょっと外のぞいたらちょうど戻って来てたりしてね…試しにのぞいて見ますか」スタスタ
キャ-キャ-…
純「んん? なんかちょっとばかし廊下が騒がしいような…」ガラッ
"
"
-
澪「あ、鈴木さん! そのまま教室の戸を開けてもらってていいかな」
梓「くー……すー」
純(えーっと、この構図って)
純(澪先輩が左腕で梓の肩から首にかけて支え、右腕で両足を支えて梓を抱き抱えてます)
純(澪先輩は左利きだから左腕で抱き抱えている相手の肩から首を支えているという違いはあるけど)
純(あとはどう見てもお姫様抱っこです、本当にアリガトウゴザイマシタ)
澪「鈴木さん、聞こえてる?」
純「ハ、ハイ、ドウゾオハイリニ」
澪「ん、ありがとうな」
二年生1「きゃっ、澪先輩よ!」
二年生2「ちょ、ちょ、ちょっと! 澪先輩にお姫様抱っこされてるのって中野さんじゃない!」
二年生3「な、なんてうらやましい…///」
憂「み、澪さん!? どうしたんですか梓ちゃん抱き抱えて!?」
澪「憂ちゃん、梓の席どこかな?」
憂「あっ、はいこっちの席ですけど」
澪「ありがとう、んしょっと」トサッ
梓「んー…むにゃ」
憂「それでこれはその、どういう…///」
澪「説明したいのは山々だけどもう五時間目始まる直前だからあとで梓から聞いて、じゃ!」タッタッ
憂「は、はい……」
純「」
憂「あれ、純ちゃん?」
純「」
憂「じゅ、純ちゃん呼吸止まってる!? 戻ってきてー!」ユサユサ
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梓「じゃ、じゃあ私澪先輩に運ばれて…///」
純「ほんとにねー、澪先輩に抱えられて戻ってくるとかいったい澪先輩と何してきたのよー」
二年生1「まっ、まさか保健室辺りで澪先輩と…」
二年生2「そ、それで終わってから中野さん疲れて眠って起きなかったから…」
二年生3「ベースとは違って中野ちゃんはきっと高い声出たんだろうね、澪先輩は指使い上手いし…」
憂「梓ちゃん、そんな大人の経験を…///」
純「梓…死への秒読みやってみるかい?」ゴゴゴ
梓「は、話が飛躍しすぎ!/// ちゃんと話すから…」
__
〜放課後!
梓「…そんなわけでクラスのみんなに誤解を解くの苦労しました」
澪「ま、まあでも二人して授業さぼるわけにはいかなかったからさ」
梓「そ、それはそうですけど///」
律「それにしても梓を抱いて校内を歩き回るなんてやってくれますなあ、澪しゃん?」
唯「澪ちゃんいいなあ〜、あずにゃんと二人きりでお昼休み過ごせて」
紬「ああ…そのどちらの一部始終すら見れなかったのは悔やまれるわ…」シュン
澪「も、もうこの話はこの辺りで勘弁してくれ…流石に恥ずかしい///」
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律「そのわりに昼休み終わる直前に教室に戻ってきた時は意外とけろっとしてたぜ?」
澪「んー…あの時は梓を抱き抱え終わって戻ってきて、ちょっと誇らしい気持ちだったから…かな」
梓「み、澪先輩///」
紬「まあまあまあまあ!」
唯「やっぱりあずにゃんは可愛いからね〜、なんだか分かるなあ」
律「澪をそんな気にさせるとは梓もニクいねえ」ポンポン
梓「はうう///」
唯「そうだ、帰りにちょっとその桜の木のとこ行ってみようよ」
紬「いいわね、澪ちゃんと梓ちゃんがいちゃいちゃしてた場所…一度見ておきたいわ」
律「な、なんかムギがまた燃えてるような…まあいいけどさ」
澪「しょうがないな…ならそれまでちゃんと練習するぞ、みんな準備して」
唯律「ほーい」
紬「はーい♪」
澪「ほら梓も、さっきから口元にケーキのクリームついてるぞ」フキフキ
梓「す、すいません!///」
__
唯「へー、校舎の端っこにこんな桜の木があったなんて知らなかったよ」
律「ちょうど表側からだと死角になってるから今まで分からなかったんだな」
紬「いい場所ね…それで二人は昼間どの辺りで身を寄せ合って過ごしていたの?」
梓「な、何聞いてるんですかムギ先輩///」
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澪「えっと、こっち側の木の根元に二人で座って過ごしてたかな…///」
梓「澪先輩も正直に答えなくていいですよ///」
紬「ね、澪ちゃん。よかったらここでもう一度梓ちゃんをお姫様抱っこしてみてくれない?」
澪「なっ///」
梓「ム、ムギ先輩ったらまた何を!?///」
紬「澪ちゃんが梓ちゃんをお姫様抱っこする姿を見たい人ー♪」サッ
唯律「はーい!」サッ
紬「というわけで多数決により…ね?」
澪「は、謀ったなムギ! ……仕方ないな」
梓「え、えっと、私はどうしたら…///」
澪「梓はそこに横に立って」
梓「こ、こうですか?」
澪「んしょっ…と」ヒョイ
梓「ふわあっ///」
律「おおっ、軽々と抱っこしたな」
唯「あずにゃんはちっちゃくて軽いから抱っこしやすそうだよ〜」
紬「いい、いいわ! すごく絵になるわやっぱり!」
澪「一応誉め言葉として受け取っておくよ」
梓「な、なんだか夢みたいです、澪先輩にこんな…///」
澪「ありがとう、私も梓をこうして抱っこ出来るのは嬉しいから…」
梓「澪先輩…やっぱりあったかいです」ゴロゴロ
澪「ん…」
律「…っと、私達は邪魔にならないうちに帰るとするかな」
唯「うん、ムギちゃんもいくよー」
紬「ま、待って! 額縁に入れて飾るためにもカメラに…」
律「はいはいまたいつかな」ズルズル
紬「ああーん!」
おしまい!
"
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