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純「でも憂って猫っっていうより犬っぽいよね」
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お昼休み。
いつものように純と私で憂の机を囲み、三人でお昼ご飯を食べていた。
梓「そうだ。憂、誕生日おめでとう」
各自食べ終わった頃を見計らい、はいこれ、と憂へオレンジのリボンがついた薄いグリーンの袋を手渡す。
純「はい、これは私から!憂、おめでとう!」
続いて元気な声とともに純が水色と黄色の縞々の紙袋を憂に渡すと、周りにいたクラスメートも
「憂ちゃん、今日お誕生日なの?」「おめでとー」「平沢さん、このお菓子あげる」と、憂に声をかけていた。
そんなクラスメートの声に丁寧にお礼を返し終わった憂は少し照れたように笑いながら私達の方へに向きなおした。
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憂「そうだ、プレゼント開けてもいい?」
梓「もちろん」
純「どうぞどうぞ」
憂「じゃ、純ちゃんのから…、あ、お菓子だ」
純の紙袋からはカラフルな駄菓子がわらわらと出てきて机の上を埋めていった。
梓「…すごい量だね」
純「いや、なんか沢山!って感じにしたくて」
憂「ホントにすごい!お菓子の山だねえ。ありがとう、純ちゃん!」
純「いや〜、どれもおいしそうで迷っちゃったよ」
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憂「ふふ、じゃ、次は梓ちゃんのを。…これは猫のミニチュア…?あ、キーホルダーなんだ」
梓「そうそう。スコティッシュフォールドっていう猫なんだって」
憂「結構凝った作り…。かわいいね!」
純「また憂っぽい毛色だね」
梓「まあそれも選んだ理由なんだけど」
純「他にも理由あんの?」
梓「えっと2月22日って、にゃんにゃんにゃん、で猫の日なんだって」
憂「あ、それ聞いたことある」
梓「で、ちょうど商店街の雑貨屋さんで猫フェアしてて、そこで見つけたの」
純「なるほど、語呂合わせか」
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憂「あれ?梓ちゃんも黒猫さんのキーホルダー付けてる…?」
梓「あ、うん。これはボンベイって猫」
純「黒猫…このあずにゃんこめ…」
梓「何よ、その言い方」
憂「そうなんだ、その子もかわいいね」
純「へぇー、お二人でお揃いですかー。いやー、妬けますなー」
少し予想していた純の台詞にこちらも続けた。
梓「純のもあるよ」
純「えっ」
憂「わぁ」
二人の驚いた声と嬉しそうな声にちょっとむずむずしながら桃色の袋を純に押し付けた。
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梓「た、たまたま純っぽいのもあったから!ついでだからね、ついで!」
純「そ、そんなについでついで強調しなくても…。でもまあ、ありがと」
憂「よかったね、純ちゃん」
梓「私だけ仲間ハズレだ!とか言われると厄介だからね」
純「へへっ。では開けますよーって、なにこの猫…」
梓「それはペルシャだったかな?なんか純っぽいなって」
憂「モフモフしてて可愛いね!」
純「…なんか複雑だけどせっかくだから付けたげるわよ」
憂「これで三人お揃いだね。ありがとう、梓ちゃん」
梓「喜んでもらえたならよかった」
純「しかし梓にしては粋な計らいだよね」
梓「あ、純の分は次の誕生日の前祝いってことでよろしく」
純「おい、私の感動を返せ、あずにゃん」
梓「にゃん禁止!」
憂「あはは…」
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とりあえずプレゼントは渡したけれど、実は唯先輩の計画により今日の放課後は部室でサプライズパーティーをすることになっている。
普段から憂のなにかとお世話になっている私達軽音部員に断る理由などなく、皆喜んでこの日にむけて準備していた。
放課後ティータイムによるバースデーソングの演奏とムギ先輩がまかせて!と言っていたケーキ。
それに前もって呼んである和先輩と、憂を連れてくるよう頼んである純と、何も言ってないけど多分来ると思うさわ子先生と私達の8人でお祝いだ。
いつも周りの事ばかり考えている憂にたくさんの笑顔をあげられるといいな。
そんな事を思いながら憂の方を見ていると、同じく憂を見ていた純と目が合った。
お互いににやりと目を細める。
純から貰ったお菓子を片づけていた憂がそんな私と純を見て首を傾げた。
憂「梓ちゃん、純ちゃん、どうかしたの?」
梓「ううん。何でもないよ」
純「そうそう、何でもない」
憂「そう…?」
梓「あ、そろそろ次の授業の準備しないと」
憂「そうだ!次、移動教室!」
純「やばっ、急げー」
放課後まであと数時間。
誕生日はまだ終わらない。
おしまい!
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憂ちゃん、お誕生日おめでとう! Smile!It's your birthday!!
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あ、スレタイ間違えてる…。
純「でも憂って猫っていうより犬っぽいよね」です…。
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