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さわ子「今日私の誕生日なんだけど」
-
梓「なにバカなこと言ってるんですか」
梓「今日は野球殿堂入りの奪三振王、ノーラン・ライアンの誕生日ですよ」
さわ子「バ……えぇ?」
梓「彼は人類で初めて時速100マイルの壁を破った投手とされていて……」
さわ子「どうでもいいのよそいつは」
さわ子「顔面をブチ破るわよ」
梓「処女膜だけじゃなくて生徒の顔面まで粗末に扱う気ですか」
さわ子「大事にしてたのがバカらしくなる時があるのよ」
梓「生々しいなぁ」
さわ子「そうじゃなくて、誕生日なんだけど」
梓「私が?」
さわ子「私が」
梓「私は?」
さわ子「何か私に言うべき言葉があったりしないの?」
梓「恋人いない歴は?」
さわ子「うっさい」
梓「そういえば1月31日は語呂合わせで『愛妻家の日』らしいですよ」
梓「皮肉なものです」
さわ子「知るか」
"
"
-
梓「先生は異常なまでに若さに執着しているので
あえて誕生日の話題にふれないようにしてたんですよ」
さわ子「サプライズで誕生日パーティーの準備をしてたとかそういうこと?」
梓「そんなわけないじゃないですか、どこまでおめでたい人なんですか」
さわ子「誕生日なんだからおめでたい事くらい言うわよ」
さわ子「っていうかあなたが私におめでたい事を言いなさいよ!」
梓「おめでたなんですか?」
さわ子「ご無沙汰してるわよ」
梓「ご愁傷さまです」
さわ子「私は仕事に生きるからいいのよ」
さわ子「まあ仕事もできてないんだけどね」
梓「おめでたい人だ」
-
梓「先生がまたひとつ年を取ってしまうという事態なのに
我々が安易にお祝いできるわけないじゃないですか」
さわ子「まあこの年になると実際そんなにめでたくもないからね」
梓「じゃあ逆にお悔やみ申し上げればいいですか?」
さわ子「そんなバカな話があるか」
梓「でも何かというと女子高生の若さに嫉妬してるし」
さわ子「全員早くババアになればいいのにって思ってるだけよ」
さわ子「女の子同士でキャッキャしてる余裕なんてなくなればいいのに」
梓「三十路前だからってそんなに焦らなくても」
さわ子「なによ、ちょっと若いからって偉そうに……」
さわ子「あなた達だって高校出たらあっという間に年を食っていくんだからね?」
梓「そ
さわ子「誰が年を食ってるのよ!!」
梓「大人になってください」
-
梓「何回目の誕生日なんですか?」
さわ子「ほっといてよ」
梓「じゃあ今日はそっとしておくという事で」
さわ子「そうじゃなくて」
梓「どうしたいんですか」
さわ子「祝ってよ」
梓「ここまできたらもう逆に何もしないほうがおいしいじゃないですか」
さわ子「若手芸人みたいな扱いをしないで」
梓「若手?」
さわ子「芸人全体でいったら若いほうじゃない!!」
梓「必死だなぁ」
さわ子「もういいわよ、他の女子高生に祝ってもらうから……」
梓「お疲れ様でした」
さわ子「引き止めてよ!!」
梓「女心ですね」
さわ子「えへっ」
梓「ふふっ」
梓「めんどくさいなぁ」
-
さわ子「もう気持ちじゃなくて物だけでいいから何かよこしなさいよ」
梓「もはやただの恐喝だ」
さわ子「あなたが素直に祝ってくれればこんな真似せずに済むのに」
梓「昔の軽音部の連中に祝ってもらったらいいじゃないですか」
さわ子「別に現役軽音部の連中に祝ってもらっても問題ないんだけど」
梓「一大イベントの夏フェスすらドタキャンされるような交友関係しかないから
もう誕生日おめでとうのメールすら来なくなったんですか」
さわ子「あの時はたまたま一人残らず予定が合わなかっただけだもん!」
梓「もん! とか言って可愛いのは十代までですよ」
さわ子「結婚式にも呼んでもらったし!」
梓「それは自分の幸福な姿を見せつけたかっただけですよ」
さわ子「風邪ひいた時もお見舞いに来てくれたし!」
梓「人が弱ってる姿を見るとなんか見下して安心できるじゃないですか」
さわ子「誕生日だっていつも……ええと」
梓「今日は何人くらいから誕生日おめでとうメールがきたんですか?」
さわ子「きてねえよ!!」
"
"
-
梓「そういえば昔の軽音部って何人くらいいたんですか?」
さわ子「何が? 経験人数が?」
梓「じゃあもうそれでいいです」
梓「先生は?」
さわ子「言えるもんか」
梓「クリスティーナだのキャサリンだの痛々しい二つ名で呼び合ってたくせに
今さらそんな事で恥じらわないでください」
さわ子「あなたは人のこと言えないでしょ」
梓「私のは愛称ですから」
さわ子「私のだって愛称よ」
梓「当時の軽音部もガチ百合女とかベタベタひっついてる幼馴染どもがいたり
先輩と後輩の関係を越えたロマンスとかがあったんですか?」
さわ子「あなた達そんなにドロドロしてたの?」
梓「愛にはいろいろな形がありますから」
さわ子「私たちの頃は毎日ダラダラくっちゃべってスイーツを食い散らかしたり
部費をちょろまかそうとした挙句に何故か亀を飼い始めて新入部員だと言い張ったり
やれ暑いからクーラーつけろだの亀の水槽を運んで来いだのとわめき散らしたり
もともと貰い物のケーキのくせにイチゴを食った食わないでガチ泣きして
面倒くさい揉め事を起こしたりはしなかったかな」
梓「私はデスデビルどもの日常パートじゃなくて部活動の話を聞いてるんですよ」
さわ子「お前らの事を言ってんのよ」
梓「そんなやる気のない軽音部が存在するわけないじゃないですか」
さわ子「私もびっくりよ」
梓「イチゴを食った食わないって性的な隠語じゃないですよね?」
さわ子「性的に食った食わないの揉め事があったの?」
梓「私なんか先輩の妹に返り討ちにされて殺されかけましたから」
さわ子「もう何なのよあなた達」
-
梓「私たちのティータイムはバンドの一体感を高める上で必要な
コミュニケーションの一環でですね」
さわ子「楽器でコミュニケーションを取れば済む話じゃない」
梓「いや、そんな感じの屁理屈を言ってたベーシストの先輩がいまして」
さわ子「空調完備の部室で毎日毎日優雅に高そうなお茶を飲みやがって」
梓「そんな暴挙がまかり通るなんて顧問が相当イカれたヤツなんでしょうね」
さわ子「顧問に発覚した時点で手の施しようがなかったのよ」
梓「ガチで一切練習しない日が大半でしたからね」
さわ子「私たちの頃はギターのテクニックを競い合って切磋琢磨してたのに」
梓「ギターのテクニックって男根の隠語とかじゃないですよね?」
さわ子「なんでこのタイミングで性的なテクニックについて力説しなくちゃいけないのよ」
梓「いや、そっちのテクニックをギターのストロークに応用したのかと」
さわ子「なにその金を稼げそうな練習法」
-
梓「先生って見た目は若く見えますけど、本当は何歳なんですか?」
さわ子「見た目も中身も若いわよ」
梓「しかし賞味期限が
梓「そもそも『さわ子』って名前からして古くさ…古風じゃないですか」
さわ子「話題の方向転換ができてない」
梓「なんか『リング』のエロパロとか痴女物のAVに出てきそうな名前だし」
さわ子「痴女?」
梓「さわ子だけに」
さわ子「さわっちゃった☆」
さわ子「いい加減にしなさい」
梓「ノリツッコミのセンスが古いんですよ」
さわ子「そうそう、乗り突っ込みといえばあなたたち初体験はまだなの?」
梓「その下品極まりない連想は嫌いじゃないですけど」
さわ子「わかばガールズを名乗るからにはやっぱり全員処女なんでしょ?」
梓「名乗るっていうか勝手にレッテルを貼られたようなもんですけどね」
さわ子「本当はわかばガールズじゃないの?」
梓「純が一番怪しいと睨んでます」
さわ子「あの子はともかく、先輩の圧力で後輩を問い詰めたりしてないの?」
梓「だって力づくで膜を確認しようとしたら全力で拒否されたんですよ?」
さわ子「他になにか方法がなかったの?」
-
さわ子「あなた年上好きのくせになんで山中先輩には辛辣なの?」
梓「だって特に技術的な指導をしてくれるわけでもないし、
他の部と顧問を兼任してる割には軽音部に入り浸っていろいろ食い散らかしていくし、
女子高生にコスプレさせる事で自身の欲求不満を解消しようとするし」
さわ子「HTTのTシャツは評判よかったじゃない」
梓「ええ乳のTシャツ?」
さわ子「あなたは乳だけじゃなくて品性の欠片も持ち合わせていないのね」
梓「乳といえばあの薄手のシャツのおかげでライブ中に先輩たちの透けブラが見れたんですよ」
さわ子「酔っぱらってるのかしらコイツ」
梓「その点では感謝してますけど、それ以外となると……」
さわ子「梓ちゃん、さっきから私が無能な顧問だと言わんばかりにボロクソ言ってるけどね」
梓「はい」
さわ子「ギター弾きながら歌えなかった唯ちゃんをあそこまで育てたのは、
私の的確な技術指導があったからなのよ」
梓「アソコまで?」
さわ子「アソコまで」
梓「唯先輩を自室に監禁してギターを弾かせながら局部を刺激することで
自然と声を出させたというアレですか」
さわ子「それなんてAV?」
梓「指導料を身体で払えとか言い寄ってないでしょうね?
だって聞いた話だと声が枯れるほど喉がヤられてたそうじゃないですか
どうせ夜通しヒィヒィ言わせてたんですよね?
指導と称して教師が教え子を自室に連れ込むなんて卑怯じゃないですか
その夜の特訓を撮影したビデオとかないんですか?」
さわ子「そういう気色悪い事ばかり言ってるから唯ちゃんにフラれるのよ」
-
梓「だけど過剰なスキンシップでさんざん誘惑してきたくせに
こっちがその気になったらストーカー扱いとか酷くないですか?」
さわ子「そりゃ部屋に忍び込んで寝込みを襲おうとしたり
誕生日とかクリスマスに自分をプレゼントと称して性的に食べさせようとしてたら
いくら天然で純真無垢な唯ちゃんだってドン引きするわよ」
梓「誰に聞いたんですかその話」
さわ子「本当にやってたの?」
梓「最近は変装した妹を身代わりにしてまで私を避けようとするんですよ」
さわ子「だからあの子たちは胸の大きさで判別すればいいのよ」
梓「あの人も順調に発育してるから最近はマジで見分けがつかないんですからね!?」
さわ子「そういう目でしか見てないからダメなのよ、変態」
梓「褒めたって何も出ませんよ」
さわ子「褒めてないのよ」
-
梓「好きな人の近くに居たいって気持ちはそんなにおかしい事ですか?」
さわ子「一回距離をおいて、自分の気持ちを客観的に整理してみるのもいいんじゃないかな」
梓「それができないから、こんなに苦しんでるのに……」
さわ子「どんなに想っても届かない気持ちはあるの」
梓「届かないって知ってても、私はやっぱり諦めきれないです」
さわ子「自分の素直な気持ちを伝えて、それでもダメだったら吹っ切って忘れなきゃ」
さわ子「それがお互いの新しい幸せに繋がることだってあるのよ」
梓「大切な人を無理に忘れて、それでどうして幸せになれるんですか」
さわ子「つらいかもしれないけど、それは新しい恋をするために必要なことなのよ」
梓「私は…どんなに避けられたってこの気持ちを手放したくないです……」
梓「こんなに好きなのに……」
梓「まあマトモな恋愛ができてない人に恋愛相談したって意味ないんですけど……」
さわ子「てめえぶっ殺すぞ!?」
-
紬「梓ちゃん、遅いわね……」
直「あっ、戻ってきました」
純「何やってたの梓、先生連れてきた?」
梓「職員室から部室に来るまでずっと気を引いてたんだけどさ、
危なくぶっ殺されそうになって逃げてきた」
澪「なんでだよ」
律「どうせまたアホな事を言い合ってたんだろ」
梓「いや、いろいろと話をしてたら急に怒り狂ってですね」
純「何の話?」
梓「昔の軽音部の話とか、純が処女かどうか怪しいとか」
純「何の話!?」
梓「あとさわ子先生と唯先輩の関係についてとか」
唯「えっ」
憂「あ?」
菫「あの、それより先生はどこに……」
梓「いっ…唯先輩! 憂が足を踏む!」
唯「私も踏めばいいの?」
梓「お願いします」
唯「………」
純「これはひどい」
直「あっ、先生もやってきましたね」
さわ子「中野っ……って唯ちゃんたちじゃない」
唯「あっさわちゃん先生、久しぶり」
律「あと誕生日おめでとう」
さわ子「えっ、そんな話のついでみたいに?」
-
さわ子「じゃあ私の誕生日のためにみんな集まってくれてたのね」
律「準備に時間がかかって大変でさー」
梓「私は先生が部室に来るまで気をそらしておくのが大変で」
さわ子「私はネチネチと精神的に追いつめられて大変だったのよ」
純「いや、あのほら、わざと冷たくしてからのほうが喜んでもらえると思ったんじゃ」
梓「変化球の後の直球って凄い効果的じゃないですか」
さわ子「初球から殺す勢いの危険球がグイグイ投げ込まれてきたんだけど」
直「まあコンプレックスの化身みたいな部長ですから仕方ないですよ」
梓「自分だってコンプレックスの塊だったくせに……」
菫「でも先生の誕生パーティーを開こうって言い出したのは梓先輩で」
澪「えっ、そうなんだ」
菫「このケーキもみんなで作ろうって」
律「おお、いつの間にそんな部長らしくなって
直「って言えと言われました」
律「………」
-
純「いや、でも発案はマジで梓なんですよ」
憂「実際に準備を進めたのは私たちで」
菫「直ちゃんがプレゼントの準備とか段取りをしてくれて」
梓「ムギ先輩の奴隷は?」
菫「私はケーキの用意を
菫「奴隷!?」
律「えっ、あのムギのバージョンアップ版みたいな子ってムギの奴隷なの?」
紬「バージョンアップがどうしたって?」
憂「紬さんの家でメイドをしてる子なんですよ」
澪「なんだ、私はてっきり」
梓「性的なお世話もしてるんだよね?」
直「してません」
純「なんで直がそんなムキになるの」
菫「あっ、でもたまに私の
紬「斉藤」
菫「メイドです」
-
さわ子「プレゼントってどこのブランド物?」
唯「それはもうちょっと後のお楽しみで」
律「っていうかそんな金ないから」
さわ子「あなた達が1人1枚ずつ下着を売ってくればそれなりの額は稼げるでしょ?」
澪「なんなんだこの教師」
さわ子「それよりこのケーキのロウソクの数なんだけど」
梓「足りなかったですか」
さわ子「多すぎるのよ」
梓「よかれと思って」
さわ子「よくねぇよ」
梓「だって意地でも年齢を教えてくれないから適当に……」
さわ子「1〜2本多いくらいならネタにもなるし笑って見逃せるわよ」
さわ子「けどピチピチの20代に対して何十本用意してくれてるのよ」
梓「でも四捨五入したらどうせ30だし、別にいいかなって」
さわ子「端数を切り捨てればまだハタチだし」
梓「端数を切り捨てたらこの学校の生徒は全員10歳になっちゃいますよ」
さわ子「私だって10歳くらいからやり直したいわよ!!」
梓「子供みたいなこと言ってないで早く火を吹き消してください」
さわ子「消せないじゃない……!」
-
聴いて欲しい贈り物があるの、と彼女たちが歌い始める。
確かめ合うように、ゆっくりと。
まだ幼く、拙く、粗い音に乗せて。
触れたら壊れてしまいそうな音。
まるで、この子たちそのものみたいな音。
頼りなく響く彼女たちの音が、やがてひとつに重なった。
-
少女と大人の間で揺れる彼女たちの、
希望と願いの全てが込められたような贈り物。
きっと、それぞれの気持ちを書き連ねて、
何度も書き直した言葉を繋ぎ合わせてくれたんだろう。
この日のためだけに時間を見つけては集まって、
練習を重ねてくれたんだろう。
このままでいいよ このままがいいよ
好きな歌うたって みんなでお茶でホッとして
宝物の日々 まばゆく光る日々
ハートの五線譜に書いてある無数のリフマーク
大きな声で伝えあっていこう しあわせ
泣いちゃいけない。
そんな強がりができるほど、私は大人になりきれていなかった。
-
きっとそれは、今の彼女たちだからこそ奏でられる曲なんだろう。
偶然の積み重ねで巡り逢って、いくつもの音を重ね合わせて、
目に映るすべてがキラキラ輝いて見えた毎日。
終わる事を意識した途端に愛おしく感じた、何気ない毎日。
そのままでいいよ そのままがいいよ
普通の女子だけどスター みんなでやたら褒め合って
宝物の日々 一緒に泣き 笑う日々
大きな愛に包まれているから ありがとう
あなた達に出逢うずっと前に、私も同じように過ごした。
いつか思い返すとき、青春と呼ばれる特別な時間を。
-
私は、私たちはいつ大人になるんだろう。
少しずつ変わっていく毎日と、変わらずにいたかった毎日の間で。
もしあの日 出逢えずにいたなら
どんな今日だっただろう
帰り道コンビニで立ち読み
ひとりファーストフードとか お昼寝とか?
ねえ、あの頃の私。
今の私はどんな大人に映ってる?
あなたが背伸びをして憧れていた大人みたいに、うまく笑えてる?
このままでいいよ このままがいいよ
好きなこと頑張って みんなとお菓子頬張って
宝物の日々 まばゆくひかる日々
ハートの五線譜に書いてある無数のリフマーク
大きな声で伝えあっていこう しあわせ
あなたが想い描いた理想の大人にはなれなかったけど、
こんなに素敵な天使たちに出逢えたよ。
あの頃と同じ気持ちで、こうして軽やかな音を楽しめてるよ。
-
卒業は終わりじゃない。
あなた達が見つけた答えを、これからも大切にしてね。
あなた達が私と同じ年になったころ、
誰かに笑顔をもらえるような大人になっていてね。
今日の私と同じくらい幸せになっていてね。
そんな願いを込めて、子供みたいな涙を拭いて、
私はロウソクの火を吹き消した。
ありがとう。
私はまた新しい明日を歩いて行ける。
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私はきっと、あなた達の贈り物をいつまでも忘れない。
卒業の日、黒板いっぱいに書いてもらった
さよならとありがとうのメッセージを。
ご丁寧にも油性マジックや白ペンキや
よくわからない塗料を使ってくれたおかげで、
違う意味でどうしても消せなかった事を。
大きく私の名前を書いてくれたおかげで責任を追及され、
2度とクラス担任を任されなかった事を。
なんで梓ちゃん達が卒業する時までわざわざ同じ事をしてくれたの。
放課後に差し込む夕日は、いつまでもあの頃のままだった。
おわれ
"
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