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律「明日澪の誕生日なんだけどさ」
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律「それでさ、明日澪に
梓「告白するんですか?」
紬「もう付き合ってるんでしょ?」
梓「澪先輩とはどこまでいったんですか?」
紬「キスくらいはしたのよね?」
梓「律先輩が揉みまくったからあんな乳に育ったんですか?」
紬「夜はどっちから誘うの?」
梓「週に何回くらいするんですか?」
紬「澪ちゃんはやっぱりベットの上でも左利きなの?」
梓「律先輩はなんでハーモニカを持ち歩いてるんですか?」
律「待って、ちょっと待って」
律「お前ら頭おかしいのか」
紬「おかしくねーし!!」
梓「これが落ち着いていられますか!!」
律「話す相手を間違えた」
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"
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律「澪の誕生日に軽音部一同でなんか贈ろうと思ったんだけど
お前らに相談した私が馬鹿だった」
紬「澪ちゃんの趣味嗜好を知る上でいろいろと情報が必要なのに」
梓「バーカ」
律「中野」
梓「いや、今のはもっと我々を頼ってくれていいのに、って意味ですよ」
梓「胸だけじゃなくて頭まで足りないんですか」
律「お前に言われたくないんだよ」
梓「私はまだ伸びしろがあるので……」
紬「それはどうかしら」
梓「揉むと大きくなるっていうじゃないですか」
梓「その理屈でいくと金持ちのお嬢様は全身マッサージされる事によって
全身ふくよかな……」
紬「はいはい、可哀想に」
律「くそっ、勝ち誇った顔しやがって」
紬「梓ちゃん」
紬「可哀想に……」
梓「貧乳は貧乳で需要があるんですからね!?」
律「その見下した目をやめろ!!」
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律「私は胸の話じゃなくてプレゼントの話をしたいんだよ」
梓「真面目な話、恋人からもらった物ならなんでも嬉しいと思いますよ」
梓「あとムギ先輩は金さえあれば人の心すら買えると思わないで下さい」
律「話の前提がおかしい」
紬「それより会話の流れがおかしかったわ」
梓「律先輩はいつまでシラを切るつもりなんですか?
澪先輩の事をどう思ってるんですか?」
律「ただの幼なじみだから」
紬「でも好きなんでしょ?」
梓「胸に手を当てて考えてみて下さい」
梓「おっと、当てられるほどの胸がないんでしたね」
梓「………」
梓「大きなお世話なんですよ!!」
紬「梓ちゃん、うっとうしいからあっちで亀と話しててくれる?」
律「よし、私も一緒に」 ガタッ
紬「なんで逃げるの? 話題にもされたくないくらい澪ちゃんが憎いの?」 ガシッ
律「なんでだよ」
梓「本当に憎たらしいのはムギ先輩のほうですよね?」
紬「誰が肉よ」
梓「言ってません」
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紬「好きだけど恋愛対象としては見れないとかそういうアレなの?」
梓「生徒会長に澪先輩を取られそうになって寝込むほど取り乱してたくせに」
律「うっさい」
紬「そのあとベットの上で仲直りしたんでしょ?」
梓「澪先輩の手を握ったまま失神してましたよね?」
律「看病してもらってただけだって何回言わせんだよ」
紬「浣腸?」
梓「看病と称してそんなプレイまで……?」
律「何をどうしたらそう聞き違えるんだよ」
梓「勘違いといえば
何をどうしたらあの歌詞をラブレターと勘違いできるんですか」
律「…………」
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律「なんか死にくなってきた」
梓「あの赤メガネに取られるくらいなら澪先輩を殺して自分も死ぬ、みたいな?」
律「誰がそんな重苦しい話をしてんだよ」
律「私はただ普通の誕生日プレゼントを普通に渡したいだけなんだよ」
梓「それは難しい相談ですね」
梓「何が普通かなんて誰にもわかりませんから……」
紬「澪ちゃんがもらって喜びそうなものといえば、りっちゃんじゃないの?」
律「なっ………」
梓「なにニヤニヤしてんすか」 チッ
律「苦笑いしてんだよ」
紬「じゃあ私がプレゼント☆っていうのをやってみたら?」
律「じゃあって何だ」
梓「全裸にリボンを巻いて?」
律「お前と一緒にすんな」
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梓「律先輩を与えるのがダメとなると、もうどうしたらいいのか……」
紬「りっちゃんの肉体以外で澪ちゃんが欲しがりそうなものねぇ……」
律「人を生贄みたいに言うな」
紬「なんかこう、素敵な…恋人をプレゼントしてあげるというのはどう?」
梓「そういえば『今は軽音が恋人だ』とか気味の悪い事を言ってましたね」
紬「二次元嫁を公言したも同然だから何とかしてあげなきゃ」
律「その前にお前らの思考回路を何とかしてくれ」
紬「あっ、それなら軽音部の部長なんかピッタリじゃない?」
梓「では部長を全裸にしてリボンで縛りつけて部室に放置しておきますか」
律「なにその性的な暴行現場」
紬「でも極限状態で結ばれたカップルはうまくいくって言うし……」
律「私だけ極限状態で結ばれててどうすんだよ」
紬「澪ちゃんのトラウマになって彼女の中で永遠に生き続けられるわ」
律「むしろ私のトラウマになりそうなんだけど」
梓「あと極限状態で結ばれたカップルは長続きしないそうなので
その女に騙されないでください」
律「お前らみたいな性欲の化身の何を信用すればいいんだよ」
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梓「もう澪先輩に何が欲しいか聞いてきたらいいじゃないですか、面倒くさい」
律「先輩の誕生日を面倒くさいとかぬかすな」
梓「さっきからちっとも話が進まないんですよ」
律「誰のせいだよ」
梓「だからヘタレ同士をどうやってくっつけるか考えてあげてるんじゃないですか」
律「ヘタレって……」
紬「二人とも押しが足りないから見ていてもどかしいのよ」
律「お前らが本能に従順忠実すぎるだけだと思うんだ」
紬「じゃあ澪ちゃんに欲しいものを聞いて 『律が欲しい』 とか言われたらどうするの?」
律「………」
律「どうしよう」
梓「なに笑ってんすか」 チッ
-
律「お前らは私達をどうしたいんだよ」
紬「りっちゃんは澪ちゃんをどうしたいの?」
律「どうって……」
梓「よく考えてください、もし律先輩が大学受験に失敗したとして」
律「もう少し受験生に配慮して例えてくれ」
梓「澪先輩と離れ離れになってしまってもいいんですか?
このまま目の届かないところに行ってしまってもいいんですか?」
律「いや、でも二度と会えなくなるわけじゃないし……」
梓「澪先輩は大学で律先輩の知らない誰かと出会うし、例のストーカーもいるし、
澪先輩と同じ大学に受かる可能性の高いムギ先輩がこの機を逃さず
力づくで澪先輩を寝取ってしまう恐れだってあるんですよ?」
紬「それはそれでいいわね」
梓「えっ」
紬「違うのよ」
-
紬「あっ、そういえば唯ちゃん遅いわね」
梓「澪先輩と一緒に掃除当番でしたっけ?」
紬「何で知ってるの?」
梓「何がですか?」
律「前から思ってたけど、どうやって唯の行動を把握してるんだよ」
梓「それにしても遅いですね」
律「ムギ、盗聴器の発見機とか持ってない?」
紬「偶然持ってたわ」
紬「この機器が盗聴電波を検出するとこうしてピコピコと
梓「なんでこの部室で反応があるんですか?」
紬「だから違うんだってば」
律「聞くんじゃなかった」
梓「いや、聴かれてたんですけどね」
梓「何もかも……」
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紬「澪ちゃんと唯ちゃん、教室で何してるのかしら」
梓「掃除にしては時間がかかりすぎですね」
律「いや、やめろよ……」
梓「掃除当番とか言いながら、まさか……」
紬「誰もいない放課後の教室で……」
梓「お互いの身体を丹念に……?」
梓「くそっ、そうはさせませんよ!?」
ガチャッ バタン
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
ウォォォォォァ ヤッテヤルデスー!
紬「イっちゃったわね、梓ちゃん」
律「あいつはもともとイっちゃってるよ」
律「頭が」
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―― 教室 ――
澪「いくら食べても体重が増えないってどういう事なんだよ!!」
唯「えっ 突然キレられても」
澪「特に運動してるわけでもないんだろ?」
唯「ウチでは一生懸命ゴロゴロしてるよ」
澪「食事は全部妹に作らせて」
唯「食べるのは手伝ってるけど」
澪「そのうえ夕方まで甘い物ばっかり食べて」
唯「それは別腹だから」
唯「美味そうな物を視認すると脳の視床下部からオレキシンが分泌され、
胃が収縮活動を起こして胃の内容物を小腸に送り出す事で
胃にスペースができるという科学的根拠があるんだよ」
澪「なんっ…えぇ?」
唯「澪ちゃん、そんなに体重ばっか気にしなくていいのに」
澪「でも体重が増えないなんて羨ましすぎる」
唯「胸が大きいからじゃないの?」
澪「なっ……」
唯「……またちょっとおっきくなった?」 モミュ
澪「やめっ……唯だっておっきくなってるだろっ」 ムニュ
唯「あはは、ちょっ…ダメ〜」 キャッキャッ
澪「あぁ、私は唯の体質が欲しいよ……」
唯「ちょっと、誰か来ちゃうって」
ガラッ
梓「唯先輩の身体が欲しいってどういう事なんですか!!」
澪「えっ」
唯「ほら、めんどくさいのが来ちゃった……」
-
澪「梓、いま掃除中だからさ、また後でな」
梓「掃除って……いまなんか乳繰り合ってたじゃないですか!」
唯「えっなにが?」
唯「ごめんいま掃除に集中してたから全然聞こえない、無理」
梓「私が触ろうとしたらゴミを見るような目で睨みつけるくせに」
唯「そりゃ掃除中だからゴミ屑を見るような目つきにもなるよ」
梓「まぁそれはそれで望むところですけど」
澪「お、落ち着けよゴミ虫」
梓「誰がクソ虫ですか」
ガチャリ
唯「あずにゃん、なんでいま教室の入口にカギかけたの?」
梓「唯先輩は人に見られると興奮するタイプなんですか?」
澪「お前は何を言っているんだ」
澪「おい、それ以上近寄るな」
唯「ちょっ
-
―― 部室 ――
紬「りっちゃんは行かなくていいの?」
律「なんでだよ」
紬「もしかしたら、って不安にならない?」
律「そんな大げさな」
紬「……ずっと一緒だった人がいつまでも隣にいるとは限らないのよ?」
律「あいつは私をただの幼なじみとしか思ってないよ」
紬「どうしてそんなこと言い切れるの?
そうやっていつまでも自分の気持ちをごまかして、
後回しにして、それで本当にいいの?」
律「私の気持ちって……でも澪は」
……律のドラムがないと、ちょっと寂しいかな
紬「理由もなく毎日会えるって、当たり前の事じゃないんだよ?
後悔しないように、今のうちにしっかりつかまえておかなくていいの?」
律「もしかして、梓はそれを言おうとしてたのか?」
紬「離れ離れになる寂しさを一番よく知ってるのは、梓ちゃんだから……」
律「……どうしたら」
律「どうしたらいいんだろうな、この気持ち」
私、走りぎみでもさ、
活きがよくてパワフルな律のドラム、好きなんだよ
律「何を…なんて言えばいいんだよ、今さら……」
紬「それは他の誰にもわからないわ」
紬「りっちゃんの代わりはどこにもいないんだから」
-
いつからだったろう。
気がつくと、隣にはいつも澪がいた。
小学校も、中学校も、高校も、軽音部も、ずっと一緒だった。
いつの間にか、それが当たり前になっていた。
初めてのバンドも、ライブも、大学に行っても。
これからも、ずっと一緒だと思ってた。
キミがそばにいる事を当たり前に思ってた
こんな日々がずっとずっと続くんだと思ってたよ
私だけがわかる澪の足音。澪のリズム。
澪の背中を見ながら力いっぱいドラムを叩くのが好きだった。
私だけが知ってる澪の素顔。
少しだけわがままで、照れ隠しに怒った後に見せる、子供みたいな笑顔。
いつか終わりが来るなんて、考えた事さえなかった。
ごめん 今は気付いたよ 当たり前じゃないことに
まずはキミに伝えなくちゃ ありがとうを
ドラムはいつも走りすぎてたくせに、こんな時だけモタついて。
自分をごまかす言い訳を探して、遠回りして。
気がつくと、私はムギに促されるまま教室に駆け出していた。
バカにされたっていい。笑われたっていい。
ただ、無性に澪の顔が見たかった。
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教室の入口には、何故かカギがかかっていた。
ムギと梓の悪い冗談が頭をよぎる。
もしかしたら澪と唯が、この中でカギをかけるような事を?
私がはっきりしないからダメだったのか。
また私の勝手な思い上がりだったのか。
変な想像を消し去ったのは、澪の声だった。
「律? 律だろ? カギ開けるからちょっと待って」
「澪……?」
「……わかるよ、律の足音は」
教室の扉がゆっくりと開く。
閉じかけていた私の心と一緒に。
「……どうしたんだ?」
「あの……ほら、誕生日のプレゼントについてちょっと」
「誕生日、明日なんだけど……」
あまりにも近すぎて、気付けなかった想いを伝えよう。
当たり前すぎて、ずっと言えなかった言葉を贈ろう。
私の知らない澪を、もっと教えて。
やっぱり澪が好きなんだ。
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私は、ずっと二人を眺めていることしかできなかった。
がんばったね、りっちゃん。
おめでとう、澪ちゃん。
ちょっと早かったけど、素敵な誕生日プレゼントがもらえたね。
やっぱり私はりっちゃんに敵わなかった。
私の前では見せてくれなかった澪ちゃんの笑顔が、すべてを物語っていた。
もともと私が入り込める隙間なんてどこにもなかったけど、
やっぱり澪ちゃんにはりっちゃんが一番似合ってるね。
内緒のまま好きな、あなたの誕生日。
なぜか全裸にリボンを巻き付けてハァハァ言いながら現れたりっちゃんの恰好が
すべてを台無しにしていたけど、私はそっと空気を読んだ。
きっと、この頭のおかしい後輩がまた何か絡んでいたに違いない。
腹いせに背中を強めに小突いたら、
に゙ゃっ!? とか言いながら嬉しそうな顔で痛がった。
涙色の空に、今日も私たちの放課後が暮れていった。
おわれ
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おまけ
ttp://gazo.shitao.info/r/i/20150114004537_000.gif
思いついたやりとりを片っ端から無理矢理ねじ込んだり
同じネタを何度も流用する癖をいい加減に直したいと思います
なんなんだこれ…
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