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SS投稿スレ

1 名無しさん :2013/05/09(木) 22:20:36 ID:fVY.qOZE
かつてwiki板にSS投稿スレがあったようです。
wiki板が避難所に移って以降、SS投稿関連のスレは立っていません。
そこで、ないなら立ててしまおうと思ったので立ててみます。

千客万来、割り込み上等。
あなたの萎えは、誰かの萌え。
基本的には、そうしたごく普通のエチケットだけで十分でしょう。
わたしたちの中には、すでに『エロ』と『ロマン』という共通言語が存在しているのですから。

あなたの中の文才が勢い余って迸ってしまった時、このスレに吐き捨てるのも一興。
あるいは、そうやって書きなぐってしまったブツをよそから眺めて、ひとこと突っ込むのもアリでしょう。
VHを愛する、すべての人へ。一介の紳士として、SSを楽しんでみませんか?

スレ立てついでに、不肖>>1が生産中のブツを投下してみます。

2 1 :2013/05/09(木) 22:23:27 ID:fVY.qOZE
某ゲーム01の牛の依頼のお嬢様ルートのifです。

--------------------

今日、ヒトの雌と戦い、勝った。
朝日に照らされる稲穂よりもまばゆい色の毛をもつ、まだ幼く小さいが強く美しく気位の高い、よい雌だ。
手放すのは惜しいと思われたので、手元に置くことに決めた。
実は自分が女を傍に置くのは、これが初めてだ。兄は既に十と二の雌を手元に置いているが、自分はどうも気が引けてまだ試みていなかった。
今日はその記念すべき日。彼女に対する思いが募るばかりだ。日記に残すことにする。

--------------------

娘は力ある貴族の家に生まれた、見目麗しき子女である。
自分が住居に招いた商人が家宝を無断で持ち去ったと見なし、それを追って若干十一歳にして市井を奔走する、若き冒険者である。
彼女自身の戦士としての力はそこいらの武術家の娘と大差ない。しかし、その手に持つ魔道具は他に替えるものが少ない貴重で、強力な武器。
権威と出生と幸運を携えて、娘は無類の活躍を世に示していた。
そして、あまたある下働きの一つとして、また「たっときもの」の務めの一環として、逗留先の街に無体を働くと言う牛頭の巨漢を懲らしめにその根城へと赴いた。
そこまでは、彼女の日常に違わぬありふれたものだった、はずだ。

この時世、女性が一人で旅をするのは危険極まりない。
いつの世も旅に危険はつきものだが、こと怪物……否、人ならざるものと数多く対面する『冒険者』などはとりわけ危険が伴う。
命の危険は、実はそれほど多くない。男に比べれば。むしろ、命落とす女性は数えるほどしかいないだろう。……己の手によるものを除けば。

人によっては命よりも貴重なもの……貞操、純潔。あるいは純心。そういったものに関しては、危険どころの話ではない。
ひとたび平穏を離れれば、そも、そんなものは既に失われたものと心を定めなければならない。その程度には、容易く損なわれるものだ。
ましてや、年にしてわずか十に少々足した程度の小娘。たとえ多少の学や力があろうとも、驕りや慢心が抜け切ることのない、好奇心にあふれる年頃。
これまでそんな皮一枚で保たれるような他愛ないものが損なわれることのなかった、それそのものが神か何かの気まぐれに等しいものであっただろう。

それは言葉を変えれば、神の采配一つ……それどころか気の迷いのほんのひと匙で、たやすく消え去ってしまうような。
そんな偶然の産物、いや……文字通りの『奇跡』そのものだったのだろう。
だから、

彼女が自分の想像以上の強さであった牛頭の怪物になすすべもなく敗れ、
絶対の不可侵を信じて疑わなかった純潔を、自身の好物であるケーキを頬張るかのようにいともたやすく奪われ、
そして気まぐれでその掠奪者――彼らからすれば侵入者にして殺し屋である娘の撃退に対する正当な報酬であるが――の虜囚となったのも、

世にありふれた事柄の一つであり、当然の成り行きであったのだろう。彼女が受け入れるかは別にして。

--------------------

奪われた。囚われた。涙はとうに枯れたけれど、股から溢れるものはいまだに潤ったままだ。
許せない。認めない。信じない。
わたしはこんなもの、受け入れるつもりはない。

かあさま、わたしを導いてください。


====================

3 1 :2013/05/09(木) 22:27:26 ID:fVY.qOZE
稲穂のような輝きの娘。仮に「イナホ」と呼ぼう。
イナホが寝床から離れ、部屋の中を調べていた。
自分が部屋に入ると、イナホは身体を震わせ、ひどく怯えていた。

イナホの世界では、自分たち牛の民を捕えた時、ヒトがそれほどの無体を働いているとでも言うのだろうか。
ともあれ、抗おうとする者には抑えるように当たるのが礼と言うものだろう。少々乱暴に扱うことにする。

--------------------

あの大きな体を見た瞬間、すべての感覚が消えたように感じた。
ようやく意識が焦点を結んだ時、わたしの体は既にかの牛めによって組み敷かれていた。
大きい。苦しい。でも、痛くはない。なぜ?

あまりに強引だ。そして、あまりに圧倒的だ。
わたしが押し潰されてしまう。わたしが、なくなってしまう。

嫌だ。こんなの、いやだ。

--------------------

人々が瞠目し、無条件にひれ伏すであろう家格としての権威は、しかしそんなものと縁のない別の世界のはぐれ者にはほんの価値もない、意味を為さないものであり。
国を治めるにも匹敵する強い貴族の次女と言う出生は、しかし子を為せる種族の若く美しく気高い『雌』と言う娘の本質以上の価値はなにひとつ持たず。
そして、彼女の旅路を支え、これからも支えていくだろう無自覚、しかし最たる要にして根幹である運の巡りは、神のたゆまぬ努力の末、些細な気紛れによってその意味を失った。

娘は心に高貴と貞淑を保ったまま、しかし純潔も抵抗の術も、そして神の祝福すらも失った。
後に残ったのは、心折られた美しい娘と心地よい肌触り、そしてほんの一欠けの気高さだけ。

それとは別の、他の何物にも代えがたいものを既に彼女は手にしていたが……
それに気づくにはしばらくの時間を必要とするだろう。


====================

4 1 :2013/05/09(木) 22:29:49 ID:fVY.qOZE
今日も相変わらず、イナホは部屋の中を動き回っている。
今日は、水の流れるところを見つめていた。外から流れてくるものが恋しいのだろうか。
きっと、彼女と言葉を交わすべきだ。そうすれば、通じあうものがあるかもしれない。

だが、何はともあれ彼女にきつく当たらなければならないだろう。
外を望むということは、自分のもとから離れようとすることなのだから。

--------------------

娘は、世のありとあらゆる理不尽と暴虐の限りをその身に背負わされたと感じていた。
無理もない。娘にとっては、男女のまぐわいと言うのは友誼を結び、愛を育んだその果てに行きつく、愛と情を交わす神聖にして絶対の儀式であったから。
少なくとも、怯えとまどう者に対して、力をもって抑えつけ、相手の意思を顧みず、身の丈にそぐわぬ熱く凶悪な代物を叩きこまれるコトガラとは訳が違う。
そう、それは何も間違っていない認識だ。

少なくとも、彼女の生きていた世界においては。

生きる時、場所、環境といったものが異なれば、それに伴うものもまた自ずと異なるものだ。
食事、住居、言語、そしてつきあいかた。
だが、『価値観』というところには、似通うものも多少ならず存在する。
力と勝敗が尊ばれる。信賞必罰を宗とする。囲われるものは囲うものに礼を尽くし、また逆にそれに相応しい礼を返される。
ヒトならざる牛頭の巨躯といえども、服を着、道具を用いる。いわば『文明人』だ。ヒトに非ず、ではあるが。
だから、ヒトの娘と、ウシの青年。立つところは違っても、思うところはたいして違わないのかも知れない。
ただ、互いにまだ理解してはいないだけだ。

一つ間違いないのは、娘は敗れ、青年は勝った。ゆえに、勝者の権利として青年は娘を囲っている。
実に分かりやすい話ではある。

--------------------

ひどい。苦しい。
心が、痛い。誰か、助けて。
分かっている。助けなんて望めない。

出口を。出口を探さなければ。
わたしは、そうしないといけない。
わたしが、そう望む限り。


====================

5 1 :2013/05/09(木) 22:31:47 ID:fVY.qOZE
イナホが、自分の腹を撫でている。何かを気にしている。
与えた食事がよくなかったのか? それとも、寒さにやられたのか?
人のことは詳しく分からないが、分からないなりに細心の注意を払っているはずだ。
こればかりは、医術に聡くない自分にはどうしようもない。

せめて、彼女が寒くならないように気を配ることにする。
ためしに『イナホ』と声をかけてみたが……彼女に通じただろうか?

--------------------

お腹の収まりが悪い。食事が障ったのだろうか?
無理もない。火も使えない、味付けもない、そんなところで肉と葉っぱだけでは。
心がさびれていくのを感じる。日の光が恋しい。

牛めが何故かよそよそしい。今さら、何を。わたしのことで知らないことなど、わたしの心くらいだろうに。
わたしの股は、もうあ奴を抵抗なく受け入れる。せいぜい、時間潰しに利用してやることにしよう。

私とつながっている時に何かを口にしたようだが。
『イダフォ』? なんのことだろうか。

--------------------

そのとき、娘は気付いていなかったが、既に青年を受け入れる心積もりが芽生えつつあった。
人の言葉に、「男女が三日も共に過ごせば、嫌いになるか好きになるかのどちらかしかない」というものがある。
娘は、おぼろげではあるものの、青年の己に対する気遣いに目を向けた。向けてしまった。
姿かたちが違えども、親切に対する礼をわきまえないほど娘は不躾ではなかった。

故に、気づいてしまった。仇とし、討つべき相手の、純心に。礼に。気配りに。
ともすれば、同族たる人からのものよりもまっすぐで混じり気のない、素直な気遣いの与える、ぬくもりに。


====================

6 1 :2013/05/09(木) 22:34:10 ID:fVY.qOZE
イナホの腹が小さくならない。
心配になって兄に尋ねてみたところ、大きく笑って背を叩いてきた。痛い。
自分は、親になるのか。なんということだ。

彼女のさびしげな瞳が、気になる。相変わらず、名を呼び掛けてみる。

--------------------

お腹が、小さくならない。掻きだすほどのものは、もう残っていないはずだが。
たまに、むかむかとする。腹の中のものを戻すのは、なんとなく気に食わないので控えているが。

まさか、とは思う。思うが……言葉にできない。したくない。とても、無理だ。
わたしは、たっときもの。そんな己が、認められるようなものではない。

意識をしていないのに、涙がこぼれていた。
牛のが、わたしを抱きしめていた。優しく私に囁きかけてきた。

いなほ。そう、『稲穂』と、確かに言っていた。

麦の収穫はしばらく遠い。なぜ、稲穂?
なぜ、わたしはこやつの言葉が分かるのだろうか。
いよいよ気が触れたか? それこそ今さら、か。


====================

7 1 :2013/05/09(木) 22:38:31 ID:fVY.qOZE
イナホがゴミ捨て用の穴を見つめていた。なるほど、確かに目の付けどころがよい。
下は無数のスライムが住むところだ。だが、扉以外ではこの部屋から外に繋がる唯一の場所とも言える。
彼女は外の世界を懐かしんでいるだろう。問題は、彼女が本気でそれを望んでいるか判別がつかないことだ。

礼の一環として、ひどく扱うことにした。彼女が考えたものは罰に繋がるものだと、そう伝わればよいが。

--------------------

ひとすじのこうみょうを、かいま見た気がする。
下につうじる『あな』がある。見えにくいが、人ひとりはとおれそうな『あな』だ。
きっと、あそこからなら出られるだろう。

でも、なぜか出られなかった。
なぜ? わからない。なぜ? わたしは『そと』にでたい。そのはずなのだ。

牛めは私につらくあたった。
とうぜんだ。わたしはやつからのがれようとしたのだから。

牛めのひとみを見ると、なぜか考えていることがおぼろげにわかる気がする。
とうとうわたしは、あたまがおかしくなりはじめたのだろうか。

--------------------

娘は、己の精神が異常をきたしていると感じていた。だが、実際はその真逆であった。
牛の青年との暮らしに順応し始めており、彼女の精神は次第に明瞭になってきていた。
そうすると、彼女の高慢ながらも聡明で思慮深い思考は、青年を観察し、やがて考察にふけるようになった。

人の身からすれば、それは狂気の沙汰であったかもしれない。
だが、彼女は確かに考え、そして答えを求めていたのだった。
自分の思考の末が、自分の根幹を打ち砕くことになるかもしれない。
そう仄かに感じながらも、益体のない思索を止めることは今の彼女には不可能であった。


====================

8 名無しさん :2013/05/09(木) 22:39:11 ID:RInFHOg.
オナホ?(難聴)

9 名無しさん :2013/05/09(木) 22:48:13 ID:.lRQfWHY
茶化すなよ

10 1 :2013/05/09(木) 22:49:11 ID:fVY.qOZE
イナホが面白いことをした。

自分が部屋に入ってきたとき、彼女はこちらを見た。
何をするでもなく、ただこちらをじっと見つめているのだ。
彼女の寝どこからやや離れたところで、自分をただ見つめていた。

いつもの通り、彼女を抱きすくめようと近づくと、手を伸ばせば届くくらいの距離で、彼女の手がそっと上がった。
まるで、押しとどめようとするかのように。
思わず、止まってしまった。

彼女はそのまま、自分を見つめている。

瞬きを3、4回ほどしただろうか。彼女は自分の寝床に向かって歩いていく。
そして、今度は両腕を自分に向かって差し出した。
いや。自分に向けて、広げてきた。まるで……そう、まるで、受け止めるかのように。
向けるまなざしは変わらぬまま。イナホと自分を試している気さえした。

--------------------

つねひごろ、かんがえてはいた。
なぜ、あの『うし』めはわたしをかきいだき、つらぬくのか、と。

わたしのはらには、やつの『こ』がいる。
つまり、『こをなす』というのがやつめのねらいならば、わたしはとっくにやつのねがいをはたしていることになる。
だが、それにかかわらず、やつはわたしをもとめてきた。

はらの『こ』ではない。やつは『わたし』を、もとめている。

そして、わたしのなしたことに『ふさわしい』みかえりをあたえている、そんなきがした。

いなほ。いねのほ。ひかりをあびると、こんじきにひかる。
こんじき……そう。わたしのかみのいろだ。
やつは、わたしになまえをつけたのだ。いなほ。
こんじきのかみのむすめ。

くすぐったい。

ならば……

私も、彼のことを知る必要があるだろう。きっと。

--------------------

11 1 :2013/05/09(木) 22:50:17 ID:fVY.qOZE
ちゃかされたーww

イナホが、自分を迎えている。落ち着いた目で、自分を見つめながら。
顔が引き締まる気がした。股のものは、強く猛っていた。
再び彼女のそばに近寄ると、イナホはイナホ自身の頭の毛を指して、

『いなほ』

そう言ったのだ。
そのひとことに、自分は息を止めてしまった。
『開いた口が塞がらない』とはよく言ったものだと、益体もないことを考えていた。

そうすると、イナホはイナホの体を指して、言った。

『せれな』

イナホ…… 彼女の名前は、せれな、というらしかった。
せれな。セレナ。いい名前だと、何故か思った。

そして、イナホ……セレナは、今度は自分の……僕の方を指した。そして『うしめ』と言い、そして、首をかしげた。
何も言わずとも、分かった。僕は、言葉を発した。
一つは、彼女の発した言葉を。そして、もう一つは僕のものを、ヒトの言葉で。

僕の名前を。

--------------------

牛の言葉はよく分からない。そう思ったが、なんとか通じたらしい。
牛のは、自分自身を指して『ウシ・ノ』と言った。
『牛』と『の』が別のものだと理解しているのだ。なんということだ。
そして、やつは私の目を見つめながら、くぐもった、しかしはっきりとした言葉で、こう言ったのだ。
『ジユウ・ナル・カゼ』と。

自由なる、風。

ああ、やはり。と、腹に落ちてくるものを感じた。
牛めは、ただの乱暴者ではなかったのだ。
こ奴は、見てくれこそ違うが、
言葉を交わし、情の通じ合う。

『人』なのだ、と。

====================

12 1 :2013/05/09(木) 22:52:40 ID:fVY.qOZE
とまあ、このあたりでいったん打ち止めなのです。
まだ醍醐味の『おめでた』まで行ってないので、もちろん終了ではありません。
書き殴りが止まったので、ちまちま更新に移ります。

妄想いいじゃないか!
さあ、つぎはきみのばんだよ(

13 1 :2013/05/09(木) 23:14:30 ID:fVY.qOZE
すごくはずかしいんですが一応訂正を。

>>11
『うしめ』と『ウシ・ノ』で違うじゃん!!
風くんは『ウシ・メ』と言ったことにしてください。サーセン。

14 名無しさん :2013/05/10(金) 01:20:30 ID:.UOpk6mY


15 名無しさん :2013/05/10(金) 21:40:53 ID:.lRQfWHY
乙、作品への愛を感じた
これからもどんどん書いていいのよ

16 こんにちは :2013/05/11(土) 01:29:43 ID:NUw8oNDE
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17 1 :2013/05/11(土) 09:55:22 ID:fVY.qOZE
>>14>>15 楽しんでもらえたようで何よりです 励みになります

18 名無しさん :2013/05/13(月) 02:18:48 ID:UHcamYpk
続きが楽しみです。

19 1 ◆Bly7fh4wyo :2013/05/15(水) 15:57:04 ID:fVY.qOZE
b&b 2 1/3

20 1 ◆Bly7fh4wyo :2013/05/15(水) 15:59:40 ID:fVY.qOZE
ひー 途中送信ごめんなさいー

----------

美少女と野獣
 副題:セレナたんは俺の嫁

〜前回までのあらすじ〜

ちっちゃな冒険者、セレナちゃん。今日も冒険頑張る!
でもディスプレイの向こうの神様が気を抜いて牛さんにこっぴどくやられちゃったよ!
完膚なきまでに犯されて、ついでに監禁だ!お腹がどんどんおっきくなるよ!さすがVHやでぇ…
でもセレナ改めイナホちゃん、ウシ君と仲良くなったよ!家族が増えるよ!やったねイナホちゃん!
めでたしめでたし。

で終わらせてたまるかぁあ!
と いうわけで、続きです。

----------

21 1 ◆Bly7fh4wyo :2013/05/15(水) 16:00:13 ID:fVY.qOZE
イナホ
:セレナ・フオーコ・ル・ブリランテ・ド・ラ・グラツィア(都の衛士に対する大音声の名乗り上げより)
 新進気鋭の冒険者。ちっちゃな小生意気。
 調子に乗って盛大にずっこけ、牛さんの嫁になる。今日も元気にひぎぃしてます。
牛め
:ミノタウロスの青年=自由なる風(S嬢の誠心誠意のコミュニケーションにより聞き取る)
 牛の民の青年。知的な眼差しでイナホさんを見守る。
 日記を書く、人語を解するなど、いろいろと異端。もしかして:ロリk

====================

22 1 ◆Bly7fh4wyo :2013/05/15(水) 16:01:35 ID:fVY.qOZE


どうやら、イナホは僕を受け入れることにしたらしい。
互いにつたないながらも言葉を交わし、意思を伝えあうことが増えた。
言葉が途切れればいたたまれない雰囲気になり、それをごまかすかのように互いを求め合う。
我ながら随分と虫のいい話だとは思う。

どうやらイナホはたっときものの娘であり、その務めとして僕らを誅しに来たらしい。
戦いを宗とする牛の民として勝負に応じたが、ヒトから見れば自分たちは無法の輩なのだと言う。
これは困った。
何らかの対策を講じなければならないだろう。彼女とは話すことが増えそうだ。

話し合いの結果、彼女の呼び名は「イナホ」「セレナ」どちらでもよいということになった。
僕としては思い入れの深いイナホを推したいところだが…これは時と場合によるだろう。
逆に僕の呼び名は「長いからお前の名前なんぞ『風』で十分だ」と言われてしまった。解せぬ。

--------------------

23 1 ◆Bly7fh4wyo :2013/05/15(水) 16:02:10 ID:fVY.qOZE


もう、わたしには牛めをただの無法者としては見られないだろう。
わたしとあ奴、互いに思うところはあるだろうが、少なくともやり取りのできない獣の類でないことは分かった。
そうと決まれば肝が据わったのか、わたしは思うところを隠すところなく洗いざらい伝えていた。

我ながらやけに舌が回ったと思う。
他者との触れ合いに久しく縁がなかったというのも一因だろうが、随分とほだされたものだ。
貴族のしがらみと言うものは、思っていた以上に私をかたくなにしていたようだ。

いまさら些事ではあるが、静かになるたびに身体を求めるのは奴の悪い癖だと思う。
あ奴なんぞただの『風』で十分だ。『自由』などという大層な名前は奴には勿体ない。

腹のややこも随分と威勢がよい。間もなく、私も人の親になるのだろう。人? いや、些細なことか。
痛いだろうか。痛いだろうな。ちょっと、怖いな。

--------------------

24 1 ◆Bly7fh4wyo :2013/05/15(水) 16:03:12 ID:fVY.qOZE
『風』こと牛の弟は思慮深く、ただ一人イナホことセレナ嬢に心を注いでいるが、彼の行いは当然ながら牛の民においても異端に当たる。
これに対して兄の方は並いる者どもをちぎっては投げ、ちぎっては投げして、男は得物を奪って捨て置き、女は犯して捕えるを繰り返している。
これは牛の民…と言うよりは武に厚い民の風習に倣った至極当然の行いであり、風は兄弟のよしみでそれに渋々付き合っているという構図になる。

だがこの二人、対峙した者の命を取ることだけは控えている。
なぜなら、牛の兄弟ははみ出し者であることを十分以上に自覚しているからだ。
文化的集団から離れて生活を営むものは、詳細は多々あれども基本的に無法者かそれに類する立場のものである。
この二人は牛の民の住処から遠く離れて暮らしており、コミュニティからの恩恵は一切受けられない。
故に、社会との距離を適切に取るのもまた、自助努力の範疇となる。

討伐の依頼が出されて久しいのも、彼らが人との立ち位置を適切に取っているが故なのだ。
少なくとも、人の内で勘のよいものはそれに気づいており、敢えて強硬な態度を控えている節がある。
知恵の回る相手は敵として厄介ではあるが、場合によっては互いの運命をつなぐ取引相手にもなりうるからだ。
そしてそれを解さないものが手を変え品を変え二人に挑んでは敗れ、相応のものを引き換えにしている…つまりはそういうことだ。


もっとも、純潔を奪われた女たちは数多く自ら命を絶ち、力尽きた男たちはその多くが他の獣たちの獲物になるし、
またそれらの風評がことごとく『それらしい見栄えの』彼らに向けられることになるが…
少なくとも牛の兄弟がそこまで無法を働くことは、まずないだろう。
彼らはまったき武人であり、理に叶わないことにはこだわらないのだ。

とはいえ、同じ性格の持ち主なら醜女より美女の方がよく扱われる、ということからも見られるように、
やはり見てくれと言うのは人付き合いに大きな影響を及ぼすものである。
セレナ嬢が自由なる風に見初められ、半ば一方的な蜜月を送るのも、セレナ嬢の類稀なる美貌が占めるところは大きいだろう。


====================

25 1 ◆Bly7fh4wyo :2013/05/15(水) 16:52:09 ID:fVY.qOZE


生まれた!
僕とセレナの子どもだ。

セレナちゃん可愛い。

--------------------

26 1 ◆Bly7fh4wyo :2013/05/15(水) 16:53:09 ID:fVY.qOZE


ついに、生まれた。生まれてしまった。わたしは、人の親になったのだ。
信じられないほど痛かった。腹が裂けて、そのまま魂が抜けてしまうかと思った。
だが、信じられないのはそれがえもいわれぬ心地よさを伴ったことだ。

それだけ、風ののいちもつが相当に大きく逞しかったということだろう。
わたしの体は、すっかり慣れてしまったのだろう。わたしの心もそれにつられているのだろうか?

初の子は、角の生えただけの人の子だった。股にものが付いていない所から見るに、きっと女の子だ。
ミノタウロスの子はミノタウロスに似るかと思っていたが、案外そうでもないものだ。
よくよく見れば、かあさまの面影を感じる。つまりは、わたしによく似た娘ということなのだろう。

産後、いきなり風のが襲いかかってきたのにはさすがに肝を冷やした。
自分に似ない子に無体を働くのかと思ったら、はるか斜め上を目指していた。
へその緒も未だ外れない私に極太の肉を突き込んで来たのだ。
わたしを何だと思っているのか。わたしは体の良い玩具か何かか?

セレナちゃん可愛いなどと言われても、許すわけにはいかない。嬉しいが。
…わたしは何を思っているのだ。これではまるで…これではまるで、ただののろけではないか。


ここ最近、食生活や住環境が著しく改善していっている。
火を使って肉を焼き、拾ってきてもらった器で煮炊きする。
砂糖の類はないので甘味が恋しいが、渋みやえぐみのきついだけの食事からは間違いなく進歩した。
寝どこも柔らかい藁を敷き詰め、上には冒険者の方々から拝借した布を張り、その様相はちょっとしたベッドだ。
これなら愛しいわが子に与える乳も安泰だろう。

そう、乳が出るのだ。わたしの胸から。
人体の神秘とでも言うべきか。乳房は一向に大きくなる素振りを見せないのが不満だ。
これで我が娘が素晴らしい乳の持ち主になろうものなら、わたしは世界を呪うだろう。

--------------------

27 1 ◆Bly7fh4wyo :2013/05/15(水) 16:56:06 ID:fVY.qOZE
温泉街には牛頭の戦士に関する噂が流れていた。
いわく、牛頭は二匹おり、その片割れは美しい娘を嫁に持っている。
いわく、牛頭の輩は親書を脅かす輩を襲うが、街や旅人を襲うことはない。
いわく、牛頭は知恵が回り、洞窟を縄張りにしているが礼には礼で返す。
などなど。

セレナ嬢の入れ知恵は思いのほか有効に働き、牛の兄弟のもとを訪れる乱暴者はその数を減らしつつあった。
例外として、頻繁に勝負を挑んではあっさりと負け、喜んで体を差し出す赤髪の娘などがいたが、それは余談だろう。


====================

28 1 ◆Bly7fh4wyo :2013/05/15(水) 16:57:18 ID:fVY.qOZE
訂正…親書 → 寝所

なんか独壇場になってる… やっぱりSS人気ないのかなぁ

29 名無しさん :2013/05/15(水) 17:04:22 ID:RInFHOg.
いいえ見させてもらってます。他ssが上がらないのは筆進めては抜き進めては抜きで書いてる内にいつの間にか設定が明後日の
方向にいってる内容を見て悶絶してはテキスト引き千切るをやってて一向に上げれる程の書き溜めが出来ないだけです

30 1 ◆Bly7fh4wyo :2013/05/15(水) 19:15:12 ID:fVY.qOZE
>>29
書いちゃってもいいのよ
なあに 初めに譲れない大筋だけ作っちゃえば、よほどの大作でもない限りなんとかなりますって

ちなみにこっちの話の大筋は一応固まっています
あとは時間経過でTPを貯めて…あれ、ゲーム違う

31 名無しさん :2013/05/20(月) 00:53:17 ID:eISNfQsw
こんな良SSが投下されていたとは気付かなかった…素晴らしい
セレナのSSとは実にありがたい。しかしミノさんも良いけど温泉街の宿屋親父との絡みとか見たいですねぇ

32 名無しさん :2013/05/22(水) 02:45:03 ID:C2RSvUwQ
乙です

33 <削除> :<削除>
<削除>


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