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平成仮面ライダーバトルロワイアルスレ5
162
:
加速せよ、魂のトルネード
◆JOKER/0r3g
:2020/09/06(日) 16:29:27 ID:6c9iHJDY0
「もうこれ以上、あなたの悪趣味に付き合う理由はありません、ラ・バルバ・デ。他ならぬ私の眷属に、人間を殺させるなど……そんな光景を、私はこの目に映したくはないのです」
「お前は、奴らがこのままお前の眷属に敗れると思っているのか?」
バルバの問いに、首領は深く頷きを返す。
その心に一切の迷いすら感じさせぬ彼の仕草にバルバは呆れたように眉を顰めて、しかし視線を一切外すことなく続けた。
「案ずるな。人間は、リントとは違う」
人間と、リント。
その言葉の意味する些細な機微を正確に知ることが出来るのは、恐らくバルバだけに違いない。
だがそれでも、創造主でありながら人間への理解において異形たる彼女にすら劣る首領がその意味を察することなど、出来るはずがなかった。
「ラ・バルバ・デ、それはどういう……」
「……始まったぞ」
首領の言葉を遮って、バルバは妖しい笑みを浮かべる。
その視線の先に映るのは、一つのモニター。
一体何が始まるというのか、そんな問いを新たに発することすら出来ぬままに。
首領もまた、その光景を見届けることしか出来なくなっていた。
◆
赤いクウガの猛る拳が、水のエルを打ち据える。
揺らいだ身体を支えんと反撃代わりに振るわれた長斧を青のクウガに変じて躱し、その勢いのまま飛びのいて緑のクウガで敵を射抜く。
さした効果すら齎さず距離を詰められ長斧が身体を蹂躙するかと思われたその瞬間には紫のクウガへとその身を変え、重厚な鎧で以て敵の攻撃を凌ぎきる。
目前で繰り広げられる死闘と呼ぶべき一進一退の攻防に、一条は思わず息を呑んでしまう。
小野寺ユウスケの戦い方は、確かに五代のそれと比べれば粗削りで、危なっかしいものであることに違いはない。
だがそれでも、その敵を打ち倒さんとする鬼気迫る勢いだけは、或いは闇にその身を堕としてでも成し遂げるという覚悟の分だけ、五代を上回るものと言って過言ではなかった。
(小野寺君……)
そんな必要などなかったはずなのに、一人で戦うクウガの姿。
またしても背負わせてしまったその重圧に胸を締め付けられながら、今の一条にはただそれを見守るしか出来ることはなかった。
「薫」
苦悶の表情を浮かべた一条に対し、降る声はディケイドのそれだ。
クウガから視線を外すことも出来ず、返事をするだけの気力もない一条は半ばその声を無視したように無言を貫くが、ディケイドはその心情を察しているのか、気にする様子もなく続ける。
「あのアンノウンのことはユウスケに任せて、俺らは逃げるぞ、いいな?」
「……」
ディケイドの問いかけに、一条は答えない。
聞こえていない訳ではない。
むしろその言葉の意味するところまで理解した上で、一条は答えない。
幼稚だと罵られようとも、沈黙こそがその問いに対する一条の答えだった。
「一条、早く離れないとユウスケが――」
「門矢さんは、それでいいんですか……?」
「あ?」
「彼を……小野寺君を、究極の闇にしても良いって言うんですか――!?」
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