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平成仮面ライダーバトルロワイアルスレ5

109第四回放送 ◆JOKER/0r3g:2020/02/11(火) 12:14:32 ID:UFvFTXtk0

(なっ……!?)

驚愕に声を漏らしたつもりだったが、しかしそれすら叶わない。
そして同時、理解する。
今この瞬間、まさしくこの場の全てが平等に制止しているのだ。

喧噪に喘ぐ戦闘員達も、光も音も、そして――能力を発動したカッシスワーム自身すらも。
いや実際の所、それすら正確ではない。
フリーズを発動したはずのカッシスすら身動き一つ取れないその空間の中で、ただ一人、それまでと何ら変わらず悠然と足を進める存在が、そこにいたのだから。

コツリ、コツリと靴音を響かせて、それまでと一切変わらぬ速さでこの瞬間唯一自由にこの場を自由に出来る者……黒い服の青年が、カッシスの目前にまで歩みを進める。
労せず命を刈り取れると甘んじていた相手に、いつの間にか自分の生殺与奪の権利を握られているというのに、カッシスには抵抗は愚か身じろぎすることすら許されない。
いよいよ男が歩みを止めその鋭い眼差しをカッシスへ向けると同時、思わず彼はその身に迫る“死”を強く意識した。

「……私には、時間の流れなど意味がありません。この宇宙に“時間”をもたらしたのは、他ならぬ私なのですから」

言葉を言い終えると同時、青年は何らの思念をカッシスへと飛ばした。
特別な動作など何一つ存在しない、言ってしまえばそれはただの鋭い眼光に過ぎない。
だがしかしその一瞬だけで、カッシスは鋭い激痛と共に止まった時の中から弾き飛ばされてその身を床に横たえる。

突如として起こった急展開に、周囲で跪いていた戦闘員達も皆驚愕と歓喜の声を上げる。
この場にいる誰もが、今二人の間で何が起こったかを理解するよりも早く青年の勝利を悟ったのだ。
だがしかし、切り札たるフリーズを攻略されてもなおカッシスの戦意は尚衰えない。

時を司るから何だというのだ。
正直呆れるような能力ではあるが、だからといってここで退く手など残されてはいない。
最強たるは我なのだと自身を鼓舞した彼は、未だ直立不動の姿勢でこちらをじっと見つめる青年に向けてその両掌を翳した。

「――喰らえッ!!!」

そして放たれるのは、その場の全てを飲み込まんとする質量の闇。
或いはこれによってこの放送用の部屋ごと本部が打ち壊される可能性も高かったが、その程度問題ではない。
今はとにかく、この男を殺し自身こそが全てを統べるに相応しい強さを持つ存在なのだと証明する。

絶えぬ支配欲と勝利への渇望が、暗黒掌波動にこれまでにないほどの破壊力を携えさせる。
この直撃を喰らえば、恐らくはあのライジングアルティメットでさえ無傷では済むまい。
そう確信できるほどの威力とその余波が周囲の戦闘員達を飲み込んでいく圧倒的な光景を前に、カッシスは思わず腹からの哄笑を漏らした。

先ほどは些か驚きこそしたが、この威力を前にしては彼であろうとも立ってはいられまい。







――そんな風に抱いた思いが自分の願望に過ぎなかったという事が分かるのは、それからすぐの事だった。
その視線の先、立ちはだかる全てを飲み込み噛み潰すと思っていたその闇が、とある一点に吸い込まれ消えていく。
まるで元々そこが在るべき場所だったかのような、そんな予想外の光景にカッシスが笑みを絶やす一方で、闇の中から一人の青年がその姿を晒す。

黒い服を着た茶髪の青年……即ち、大ショッカーの首領が、その瞳に先ほどまでとは違う明確な断罪の意思を携えて。

「貴方は私の忠告を無視し、力を行使した……だから私は貴方に、罰を下さねばなりません」

言い終えると同時、青年の殺意がそれまでと桁違いに膨れあがる。
これは不味い、と逃走を促す生存本能が働きすらしなかったのは、青年の瞳を前に感じていたからだろうか。
――これは避けられぬ、天罰に違いないと。


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