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アニメキャラ・バトルロワイアル4th part4

93題名不明 ◆WqZH3L6gH6:2017/08/18(金) 08:12:32 ID:dyexpAT.0

・承太郎2

きな臭い煙の匂いがする。承太郎の瞼が震え、僅かな光が目に入った。
吸い込まれるような眠気が彼の意識を再び刈り取ろうとするのを感じた。

「っ……」

承太郎は気合を入れ目を見開く。
夜空の何割かを遮る木の葉の隙間から、ごく微弱なオレンジ色の光が見えた。
慌てて上体を起こす。すぐ近くに火の熱と煙はない。
彼はすぐ立ち上がろうと思考したが、身体はまだ満足に動かせそうになかった。

承太郎は仕方なく引き摺るような感じで後ずさりをし、木の幹にもたれ掛かる。
少々和らいだ疲労と痛み、焦りが彼の心身を巡る中、彼は亡き戦友の忠言を思い出した。

――待つのは君だ、承太郎!

ついさっき理世を追いかけようとした時も傷が開いたのも思い出す。

――その怪我で行けば殺されるだけだ

「くっ」

今の状態で風見雄二に加勢しようとした所で何になる。
承太郎は現状を憂いた。だが彼は弱さに屈せず不調の身体の代わりに頭を働かせた。

ここで、ある事に気づく。セイバーから奪い、言峰に託された黒カード。
特にセイバーの黒カードはチェックさえしてない。

「やれやれだぜ……」


承太郎はため息を付きつつ小声でぼやきながら、再度も含め黒カードを確認し始める。

「………………」

全ての黒カードの裏面確認が終わった。その中で彼が強く意識させるカードは2つ。
ただのと思っていたが、実際は体力回復の効用があるとの説明書があった酒。
そして、もう1つは遊月が所持していたのと同種のルリグカードが含まれた、カードゲームウィクロスの
カードセット レッドアンビジョンだった。

言峰が生前、その正体を知りたがっていた読心能力を持つカードの中の少女ピルルク。
彼がそれを知る事が不可能となった今、それは……。
沈んだ表情のまま、承太郎は思案した。彼は木と木の影に身体を移動させながら、瓶の蓋を回そうとする。

「……!」

その時、彼は思い出した。
ゲーム開始時の繭の説明と、カードから出てきた龍の腕を。
そして殺人ゲームに巻き込まれる前の旅の最中戦った、魂を形にするスタンドの事を。

「カードの中の女、カードに封じ込まれた魂……まさかな」


彼にはカードに封じられた魂の解放方法も、死者の魂との交信方法も知らない。
だがルリグやあるいはスタンドの使い方によっては、白カードからの魂の解放は不可能ではないのではないかという推測は立てられた。
これまでは実行しなかったが、スタンドは魂に触れられるのではという可能性。
主催の打倒には直接結びつかない、加えて制限が課せられている事もあり、試みようとした所で失敗に終わる確率が高い試み。
いずれも0に等しい行動かも知れない。だが探る価値はあると思った。


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