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仮面ライダーオーズバトルロワイアル Part4

339交わした約束と残した思いと目覚めた心(前編) ◆z9JH9su20Q:2016/08/21(日) 18:18:20 ID:UHAKG6eE0

「……メダルを切らしおったな、馬鹿めがっ!」
 罅割れた仮面の下の表情は、未だ余裕がなく凍結したまま固まっていても。本来ならばこの体そのものを砕かれていた一撃が届く前に、生身を晒してしまった小野寺ユウスケを狙って、アポロガイストは火球を飛ばす。

《――ETERNAL!!――》

 しかし逆転のための一撃は、夜闇を切り裂いて現れた、蒼白い光に遮られる。
 それを為したのが何者であるかなど、最早考えるまでもない。
 アンクから与えられたコアメダルを使って再変身した美樹さやか――仮面ライダーエターナル。
 先程己がクウガに救われたように。今度はエターナルが、メダルを得たことでその真価を取り戻したあの絶対防御のマントで以て、グリードの放つ猛火を完全に防ぎきっていた。

「小娘……っ!」
「――これで、終わりだ!」

 目前の勝利を阻まれる――その再演を歯噛みするアポロガイストに、今度は仮面ライダーが勝利宣言を叩きつけた。

《――ETERNAL!! MAXIMUM DRIVE!!――》

 マキシマムドライブ――名前の通り最大出力に達したガイアメモリのエネルギーが、エターナルの全身へと伝播されて行く。
 そしてエターナルが一度に発動できるマキシマムは、一本だけではない。

《――JOKER!! MAXIMUM DRIVE!!――》
 アンクが投げ渡していた新たなガイアメモリもまた、エターナルの手でその真の力を起動する。
 全身に拡散していたエターナルの蒼白いエネルギーが、ジョーカーの放つ紫電によって導かれ、エターナルの足元へと帯雷して行く。

「だぁああああああああああああああっ!!」

 討つべき悪を目指し、吹き荒れる雷嵐を従えて、エターナルが宙に跳ぶ。高々と、力強く。
 それはまるで、左翔太郎と大道克己――同じく風都の希望たる仮面ライダーでありながら、在りし日に相容れることは遂になかった二人の力が今ここに合わさったかのような、ツインマキシマムのライダーキック。
 悪を駆逐するそれを名付けるならば、そう――死神の鎮魂歌(ジョーカーレクイエム)。

「りゃあああああああああああああああああああっ!!」

 黒白の螺旋を描く両足は、アポロガイストが迎撃に放った火球を易々と貫き、二枚を重ね最後の守りとした両翼さえも突き破る!

「ぐぬぁっ!?」

 そうして到達した両足は、アポロガイストの胸郭を踏み砕き――そこから膨大な稲妻を体内に流し込んだ。
 全身の内で莫大な電圧が荒れ狂い、灼き尽くす。圧倒的な力の炸裂に耐え切れず、アポロガイストは弾かれたように吹き飛ばされた。

「お……おのれエターナルッ!」

 立ち上がった瞬間、膝が折れる。致命傷を受け崩れ行く肉体は、限界を迎えたことを告げていた。
 だが、そのまま敗北を受け入れることをアポロガイストの矜持は認めなかった。

「……これで勝ったと思うな。私は必ず、宇宙で最も迷惑な存在として蘇ってやる……っ!」
「だったらまた倒してやる。克己の祈りを受け継いだあたしや、あたしの次の他の誰かが、そのたびに!」
 崩壊までの、わずかな猶予を振り絞って吐き出されたアポロガイストの捨て台詞を、即座にエターナルは切って捨てた。

「あんたの思い通りになる時なんか、もう二度とやって来ない――永遠に!」
 先代となる男を喪った事実を受け止めた上で、それを二度と繰り返させないと、決意を表明したエターナル=さやかは、その左手の親指を下に突き出した。
「だからあんたは、せいぜい……地獄を楽しんできな」

 別れの言葉を告げられた次の刹那――ハイパーアポロガイストの肉体は遂に限界を迎え、爆散した。


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