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ロリショタバトルロワイヤル2014 part2
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ここは、ロリショタバトルロワイヤル2014の本編SS投下用スレッドです。
【バトルロワイアルパロディについて】
小説『バトルロワイアル』に登場した生徒同士の殺し合い『プログラム』を、他作品の登場人物で行う企画です。
詳しくは下の『2chパロロワ事典@wiki』を参照。
ttp://www11.atwiki.jp/row/
企画の性質上、版権キャラの死亡描写・流血描写・各種ネタバレなどがあります。
閲覧の際は十分なご注意の上で、ご覧下さい。
書き手は常に募集しております。
ルールを守っていただければ、何方でもご自由に参加出来ます。興味のある方はこのスレにてご予約ください。
まとめwiki ttp://www61.atwiki.jp/ls2014/pages/1.html
暫定管理サイト ttp://ls2014.jimdo.com/
【舞台】
ttp://www20.atpages.jp/r0109/uploader/src/up0285.jpg
【予約】
・予約はこのスレでトリップをつけて行う
・期限は1週間
・三作以上投下した書き手は三日間の延長権あり
・投下完了宣言から24時間後に対象キャラの予約解禁
・破棄宣言の無い予約期限切れの場合翌日0時に予約解禁
前スレ
ロリショタバトルロワイヤル2014
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/14759/1391227457/
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【主催】
○ポーキー・ミンチ@MOTHER3
【参加者】
4/6【遊戯王ZEXAL】
●九十九遊馬/○神代凌牙/○神代璃緒/○真月零/●ドルベ/○トロン
4/5【魔法少女リリカルなのはシリーズ】
○高町ヴィヴィオ/○アインハルト・ストラトス/○星光の殲滅者/●雷刃の襲撃者/○闇統べる王
3/4【ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁】
○アベル(主人公・幼年時代)/○ビアンカ(幼年時代)/●レックス(主人公の息子)/○タバサ(主人公の娘)
2/4【ロウきゅーぶ!】
○湊智花/●香椎愛莉/●三沢真帆/○袴田ひなた
3/3【艦隊これくしょん】
○雷/○電/○響
3/3【Fate/kaleid liner PRISMA ILLYA プリズマ☆イリヤ】
○イリヤスフィール・フォン・アインツベルン/○美遊・エーデルフェルト/○クロエ・フォン・アインツベルン
2/3【クレヨンしんちゃん】
○野原しんのすけ/●風間トオル/○佐藤マサオ
2/3【ドラえもん】
○野比のび太/○剛田武/●骨川スネ夫
3/3【真・女神転生デビルチルドレン(漫画版)】
○甲斐刹那/○要未来/○エレジー
2/3【魔法少女まどか☆マギカシリーズ】
●鹿目まどか/○千歳ゆま/○鹿目タツヤ
2/2【金色のガッシュ!!】
○ガッシュ・ベル/○ゼオン・ベル
1/2【カードキャプターさくら(アニメ)】
○木之本桜/●李小狼
2/2【名探偵コナン】
○江戸川コナン/○円谷光彦
2/2【東方Project】
○フランドール・スカーレット/○因幡てゐ
2/2【ちびまる子ちゃん】
○永沢君男/○藤木茂
2/2【Fate/Apocrypha】
○黒のアサシン/○ジーク
2/2【MOTHER3】
○リュカ/○クラウス
0/2【ゆるゆり】
●赤座あかり/●歳納京子
1/1【サザエさん】
○磯野カツオ
1/1【ポケットモンスター】
○サトシ
1/1【チャージマン研!】
○泉研
1/1【コロッケ!】
○アンチョビ
1/1【鋼の錬金術師】
○プライド
1/1【Fate/EXTRA CCC】
○メルトリリス
1/1【GOSICK】
○ヴィクトリカ・ド・ブロワ
計48/60
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【基本ルール】
OPのSS参照
【スタート時の持ち物】
※各キャラ固有のアイテム(変身アイテム、召喚に要するアイテム、装備品など)は本人支給となる。
ただし参戦時期がそのアイテムを失っている期間の場合、他の参加者に配布しても良い。
※ゲーム開始直前に、各参加者は以下の道具を渡される。
1.ランドセル どんな大きさ・物量も収納できる。以下の道具類を収納した状態で渡される
2.スマートフォン 通話機能は無し。細々としたルールの説明と会場の地図と現在位置にメモ機能、書き手枠を除く参加者名簿。時計機能。
3.参加者名簿 書き手枠を除く、参加者の名前を記した冊子
4.ランダム支給品 何らかのアイテム1〜3個。出展作品からか、本企画オリジナルの品に限る
5.水と食料 「一般的な成人男性」で2日分の量
6.ランタン 電球式の照明器。子供でも持てる軽量さ
【侵入禁止エリアについて】
※放送時点から、1時間後、3時間後、5時間と、順次1エリアずつ侵入禁止エリアとなる。
※禁止エリアはゲーム終了まで解除されない。
【放送について】
※バトルロワイヤル開始から6時間毎に、主催側から侵入禁止エリア・死者・残り人数の発表を行う。
【状態表】
【現在地/時刻】
【参加者名@作品名】
[状態]:
[装備]:
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:
1:
2:
※その他
【作中での時間表記】(0時スタート)
深夜:00:00〜02:00
黎明:02:00〜04:00
早朝:04:00〜06:00
朝 :06:00〜08:00
午前:08:00〜10:00
昼 :10:00〜12:00
日中:12:00〜14:00
午後:14:00〜16:00
夕方:16:00〜18:00
夜 :18:00〜20:00
夜中:20:00〜22:00
真夜中:22:00〜24:00
制限ルール
※共通の制限:人間以上の能力に対し、消耗の増大・効果の低下
固有の制限1:メルトリリス「メルトウィルス」:レベル吸収は強者のみ可能、容量吸収は不可
2:黒のアサシン「暗黒霧都」:魔術師は敏捷低下、それ以外は常に小ダメージ、範囲は0.5エリア
3:遊戯王ゼアル「カード」:支給品「決闘盤」必須、遊戯王ゼアルからの参加者は各デッキとともに本人支給
カードは使った戦闘の終了以降は使用不可、種類はアニメ中で使われたカード限定、強度は書き手に一任
4:アンチョビ「完全再生」:1〜2時間の連続使用で強制解除
5:ガッシュ&ゼオン「魔本」:人間なら誰でも読める・唱えられる、燃えたら呪文は一切使えなくなる
6:ゼオン「記憶操作」:基本的に読取りのみ、抹消は消費極大で「5W1H」のどれか1つのみ
7:甲斐刹那&要未来「悪魔召喚」:1度に召喚できるのは1体、召喚できるのは作中でデビライザーに入った事がある悪魔限定
8:木之本桜「クロウカード」:原作にあるクロウカードのうち「風」以外の高位カードを抜いた14枚を本人支給、それ以外は他に支給可
1度使い終えたクロウカードは、その後1〜2時間使えない
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スレ建て乙です。
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乙です
このロワって何だかんだで王道だなあと思う
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立て乙です
まだ第一時放送すら来てないのにサクサク進むから見てて飽きないなぁww
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スレ立て乙
wikiの死亡者リストみたけど4(+1)のアサシンちゃんがぶっちぎりすぎるw
ようやく撃退できたけどまだ生存中だし
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そういえばまだタイトル元ネタのリンクついてないんだな
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ある程度SS増えてから項目作ろうかなと自分の中では思ってたけど
よく見たらもう50話目前か。
作ってみようかな
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艦これ勢の戦い方がいまいちイメージしにくくて、画像とか色々見てたんだけど
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org4946004.jpg
(拾い物)
こういう風に海の上で戦ってるような感じでいいのかな?
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漫画なんかもそんな状態だったはず
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魚雷やら艦砲射撃食らっても服が破れる程度だったり
重そうな金属の塊を平然と背負ってる辺り、単純な身体能力ならかなり強そうに見える
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vividの連載やってるコンプエースには暁型駆逐艦隊の漫画が連載中みたいだね
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そういや暁だけ参加してないんだな
不憫だ…
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>>14
逆に考えるんだ一人前のレディーとして扱われたのだと
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書き手枠で参戦したかもしれなかっただけに、惜しかったな
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紗季「」
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紗季「」
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被るなwww
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これは確信犯ですね、間違いない
ロウきゅーぶキャラもなかなかハードモードだな
ゆるゆりほどではないけど
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参加しないことが一番の護身だから
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分かってるんだけどwikiのまどかの死因「ボルガ博士」に吹いた
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艦これがアニメ化すると聞いた
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今日アニメジャパンの艦これイベント行ってきたけど、アニメビジュアル出てたよ
加賀さんが凛々し可愛くなってた
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わた赤城さんも可愛かったでしょう
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艦これRPGでは注訳で兵装(艤装)を纏うと水面を歩くことができるって書いてあったな
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響、木之本桜、ビアンカ、佐藤マサオ 予約します。
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予約延期申請します
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甲斐刹那 予約します。
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星光の殲滅者、美遊・エーデルフェルト投下します。
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―――パチリ、と。
歩を進めるシュテルの左手からスパークが生じる。
「……まだ、完全には馴染みませんか」
レヴィの魔力がシュテルの躯体から溢れようとしているのだ。
元より、シュテル達の体は他者の魔力を丸々一人分取り込むことなど想定されてはいない。
事実、システムU-Dとの戦いの最中にシュテルとレヴィの魔力を取り込むこととなったディアーチェは、
その魔力量に躯体の強度が持たず、その身が崩壊しかねないところであった。
(今の状態へ習熟する時間も、もう少し必要となりますか)
無駄な時間を扱えるような状態ではないが、レヴィの力はそれ以上に有用だ。
レヴィは力任せに撃ちこむ事が殆どであったが、雷撃の持つ応用力はとても高い。
シュテルの目的はあくまでもディアーチェの敵となる者の殲滅。
例えば、高町なのはのようなディアーチェ側から危害を加えさえしなければ、
間違いなく安全だという相手ならば――そしてそれを確認する術があれば――無理に殺す必要はないと言えよう。
そういった相手と交戦になった場合には、元より持っていた炎熱の魔法よりも、雷による麻痺を狙った方が有効だ。
(王の敵とならない者……ですか。やはり、矛盾していますね。私は)
先程相まみえたあの少年。
彼は間違いなくディアーチェの味方となるだろう、そうと確信していなければ、すぐ側でディアーチェ自身を消耗させる真似などしない。
それでも、次に出会うこととなれば必ずあの少年を殺すと、そうシュテルは決意を固めている。
ポーキーを打倒する策がないからか? 何の力も持たない子供が側にいてはディアーチェの足手まといとなるからか?
(いいえ、きっと、私は―――)
―――パチリ。
二度目の放電現象。
自らの左手に視線を向け、苦笑混じりの表情を浮かべる。
「心配いりませんよ、レヴィ。私のやるべきことに、迷いはありません」
今やるべきことは、ただ一つ。
敵の焼滅、その役目を貫くのみ。
【B-2/早朝】
【星光の殲滅者@魔法少女リリカルなのはシリーズ】
[状態]:健康、レヴィの魔力を引き継ぎ
[装備]:ルシフェリオン@魔法少女リリカルなのはシリーズ、決闘盤(遊馬)&D・ゲイザー@遊戯王ZEAL、デッキ(遊馬)@遊戯王ZEAL
[道具]:基本支給品一式×4、ランダム支給品3〜7
[思考・行動]
基本方針:ディアーチェを守るため、殺し合いに乗る
1:参加者は見つけ次第、燃滅
2:ディアーチェは……
3:少年(光彦)は次会えば絶対に殺す。
※A’s PORTABLE -THE GEARS OF DESTINY-のSEQUENCE10、消滅後からの参戦です
※レヴィの魔力を引き継ぎました
詳細は不明ですが、雷の魔力変換を行えるようになったかもしれません
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「……サファイア、あの子」
『はい、美遊様。この顔、高町なのはで間違いないかと』
シュテルとは大分離れた岩陰から、美遊はサファイアを介してその姿を捉えていた。
髪型や衣装が大きく変わっているため、最初は気づくことができなかったが、
サファイアから「この顔に覚えがある」と言われようやく思い出す。
かつてイリヤと共に異空間で出会い、共に戦った少女。
圧倒的な高出力の魔法と、その純真さにイリヤと共に驚きを隠せなかった。
(あの子も、ここに……)
名簿に名前はなかったはず、だとすればポーキーの言っていた『特別ゲスト』とやらなのかもしれない。
『ですが美遊様、わざわざ殺し合いに否定的になるであろう人間を――』
「良かった……」
『美遊様?』
『高町なのは』と共にいた時間は極僅かだ、彼女の人間性の全てを見れたわけではない。
ならばポーキーが特別扱いしていることも考慮すると、『高町なのは』が殺し合いに乗っている可能性もあるのではないか。
そう考えたサファイアだったが、美遊の様子に首を(杖の先端を)傾げる。
「あの子なら、きっとイリヤの力になってくれる……」
『……そうですね。必ずイリヤ様を助けてくださるはずです』
美遊の口元にまで持って来られていなければ、聞き逃していたであろう程に小さな声での呟きに、サファイアは口を閉ざす。
平時の美遊であれば、サファイアと同じように考え、『高町なのは』を無条件に信頼することは無かったはずだ。
だが、今の彼女はそこまでの余裕が無い。
むしろそういった考えを自ら排除していると言ってもいいだろう。
大罪を犯し、頼れる相手もいない過酷な状況。
彼女の心は、無意識の内に縋ることのできるモノを求めていた。
その事を察したサファイアも、自らの内に湧いた疑惑を伏せて美遊の意に賛同する。
ここで『高町なのは』を避けることがプラスになるかは分からない。
せめてどのような方針で動いているかだけでも探りたいところだ。
だが、それで万が一にでも彼女が殺し合いに積極的だと知ってしまえば。
美遊はまた人を殺めることとなる、既に崩れつつある心を無理矢理に封じ込め、その手を血に染めることに。
(美遊様に大罪を負わせた私が、願う資格などありはしないのは承知の上です。
ですが、どうかお願いします、『高町なのは』。
どうかイリヤ様を……そして、美遊様をお救いください―――)
彼女達がシュテルを高町なのはだと勘違いしていたのは、誰よりも美遊本人にとって幸運なことであった。
サファイアが危惧していた通り、実際に出会っていれば否が応でも解らされていたはずだから。
彼女が人々を守る魔法少女ではなく、王の敵を殲滅する破壊者(ディストラクター)であることに。
【B-3 /早朝】
【美遊・エーデルフェルト@Fate/kaleid liner PRISMA ILLYA プリズマ☆イリヤ】
[状態]:疲労(小)、全身に軽い切り傷(回復中)、精神的疲労(大)
[装備]:マジカルサファイア@Fate/kaleid liner PRISMA ILLYA プリズマ☆イリヤ、燦然と輝く王剣(クラレント)@Fate/Apocrypha
[道具]:基本支給品一式
[思考・行動]
基本方針:イリヤを生きて帰す。
1:首輪の解除が終わるまで、ポーキーが殺し合いの中断(首輪の爆破)をしないよう殺し合いを進め上手く立ち回る。
2:イリヤに害を為す危険人物や弱者の排除。有用な参加者は殺さずポーキーに気付かれぬよう補助。
3:今は休息を取り心を落ち着かせる
※参戦時期は少なくともイリヤ、クロエの和解以降。
※アベル、愛莉、ジャイアン、永沢達からの情報を得ました
※星光の殲滅者を高町なのはだと思っています。
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投下終了です
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投下乙です。
奉仕マーダー同士のニアミス。
そうか、なまじ美遊はなのはを知ってるだけに勘違いしてしまいそう。
どっちも元が生真面目タイプなだけに、普通に会えば友人になれそうなのにね…・・
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響、木之本桜、ビアンカ、佐藤マサオ 投下します。
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「もう……」
「あはは、ごめんごめん。もうしないから」
「約束だよ……」
コワモテかかしで驚かされて逃げたマサオを捕まえ、ようやく宥めたビアンカ。
特に明確な目的地もなく、誰かに会えるだろうとD-2エリアへと入ってきた。
「でも大分遠回りしちゃったわね。街の一番南まで行っちゃったし」
「うぅ、それって僕のせいだって言いたいの?」
「そんなこと言ってないでしょ。さ、もう少し歩きましょ」
(アベルと同じくらいの子よね。
もうちょっとしっかりして欲しいけど。
……アベルが生意気にもしっかりしすぎてたのかしら)
右手でマサオを引いて歩き出すビアンカ。
レヌール城へお化け退治に行った時のようだと、アベルを思い出しながら歩く。
「……アベルも、ちゃんと歩いているかしらね」
空を見上げて。
「アベルって、さっき言ってた友達の?」
「そう。6歳のくせにめげない頑張り屋で。優しそうな顔して、意外と負けず嫌いなのよ」
「僕のひとつ上なんだ。そっか、早く会えるといいね」
「うん、ありがとう……きっと無事よね」
すると、ビアンカの左手の蒼と翠のリングが光る。
「ん……?」
「わわっ!な、なに!?」
不思議そうに指輪を眺めるビアンカと、吃驚してうろたえるマサオ。
「もしかして……私のこと慰めてくれてるの?」
ぴかぴかと光る指輪。
「ふふ、あなた、私の言葉が分かるのね。ありがとう。
えっと……クラールヴィント、だったわよね。これからよろしくね」
「ビ、ビアンカちゃん。な、なんなのその指輪……」
「クラールヴィントって言う名前らしいの。
魔力が籠ってるみたいだけど、妖精の持ち物だったりするのかしら?」
「ま、まりょく?ようせい?な、何を言ってるの……?」
「あら。知らないってことは、もしかしてマサオ君は田舎から連れてこられたの?」
「田舎って……カスカベは結構都会だと思うけど……サトーココノカドーだってあるし……」
「ふーん?聞いたことない町ね。
私の家は宿屋だから、旅人さんから色々な情報を聞けるのよ。それにほら」
ビアンカが指先から小さな炎を出す。
「これが魔法よ」
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「ひっ!?な、なな、なにそれ!?マジック!?」
「うん、そうとも言うわね。素質がない人は、大人になっても全く使えないみたいだけど」
「そ、そうなんだ……」
「クラールヴィントが魔法の道具なら、いろいろ助けてくれるかもしれないわね。
……そういえば、マサオくんの道具はカカシ以外に何があったかしら」
「ビアンカちゃんが僕の道具見てたのに、途中で驚かしたりするからじゃないか……えっとね」
ごそごそとランドセルを探して。
「……なんだろう?鉄の筒?
メモが入ってるけど……漢字だ。風間くんなら読めそうなのに」
「貸して、私、宿帳整理のお手伝いとかしてるから、字の読み書きできるわよ」
バッとメモをひったくり。
「『空気砲』ですって。腕に嵌めて『ドカン』って合言葉を言うと、圧縮した空気が発射されます、だって。
アベルのバギみたいなものかしら?はい、ちょっとやってみて」
「え、ええ〜!?」
「ほら早く。あの壁に向かってでいいわ」
ビアンカに促され、しぶしぶ鉄の筒を右腕に嵌めるマサオ。
へっぴり腰で、コンクリートの壁に向かって右腕を向ける。
「ど……ど……」
「ドカン!」
「わあ!」
びっくりして飛びあがるマサオ。
「もう!脅かさないって約束したのに!」
「あはは、ごめんごめん。
でもそのまま撃ったら危ないわ。空気の呪文が出る道具なら、反動が後ろに来るはずよ。
もっとこう、腰を落として構えて、右腕を左腕で支えて」
「え?あ、う、うん。こう?」
「そうそう、そんな感じ」
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ビアンカに触って教えられて、ちょっとドギマギとする。
今度はしっかりと腰を落とし、右腕に左腕を添えて構え直す。
「さ、今度こそどうぞ。後ろで支えてあげるから」
「う、うん。ありがとう。じゃ……ど、『ドカン』!」
マサオの右腕から圧縮された空気が前に飛びだし、数メートル先の壁を打ち砕く。
反動で尻もちをつきそうなところを、ビアンカが後ろから支える。
「ひぃぃぃぃ、なにこれ」
「すごいわね、それ……」
空気砲の威力に茫然とする二人。
「うわーん!こ、こんな怖い道具使えないよ!」
腕から空気砲を外して、逃げだそうとするマサオをむんずと掴まえ。
「だめよ。あのポーキーって人にぎゃふんと言わせないと。
その道具、ちゃんと使えるようにした方がいいわ」
「ぎゃふんなんて言わないんじゃないかな……」
「言わせるの!で、練習するの?しないの?」
「は、はい!します!!」
怖い顔で凄まれて、条件反射的に承諾してしまう。
(うぅ、ネネちゃんといい、ビアンカちゃんといい、なんで女の子ってこんなに怖いんだろう……)
「はい、じゃあしっかり構えて!今度は私が支えなくても撃てるようにね」
「は、はい!」
何度も空気砲の練習をする二人。
夜の時が流れていく。
■■■
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「―――ぶっ飛ばすぜ!Baby!!『ドカン』!!」
咥えた葉っぱをプッと吹き。
右腕を伸ばし左腕で支え、腰を落として空気を解き放つ。
その空気の塊によって、壁の上に置いた空き缶が拉げ、吹き飛ばされる。
「フッ、俺の腕ならザッとこんなモンだぜ!」
空気砲の銃口をフーっと吹き。
後頭部をパコーンと叩かれると、マサオは我に返る。
「いたー!?……あ、ビアンカちゃん」
「調子に乗らないの。でもいい感じね」
「そ、そう?良かった〜」
「お疲れ様。その辺りの家で休憩しましょ。
水分とって、トイレも済ませておかないと」
「その辺りって、他人の……あっ」
止める間もなく、適当な民家のドアをガチャっと開け、
ずかずかと入っていくおさげの少女。
「大丈夫、誰もいないわよー!使わせてもらいましょ」
「も、もうー!」
きょろきょろと辺りを窺って、こそこそと中に入っていく。
■■■
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「ふう、落ち着くわね……」
「お、落ち着かないよ。家の人が帰ってきたらどうするの」
「帰って来るわけないじゃない。むしろ帰ってきて欲しいくらいだわ」
ビアンカは家にあったお煎餅をバリバリと食べ。
マサオもそれに倣って食べている時に。
ズズーンと、東の方向から轟音が轟く。
「わぁぁぁぁぁぁ!!??」
「な、なに?」
窓を開け空を確認するビアンカ。
マサオは机の下に隠れている。
「雨……は降ってない、わよね……。
雷が落ちたような音だったけど……」
(私が使える、メラやギラのような規模の音じゃない……)
ごくり、と思わず唾を飲み込む。
マサオが机の下からのそのそ出てきて、恐る恐る外を覗く。
「に、逃げようよ、ビアンカちゃん……」
「うん……悔しいけど、逃げましょう」
「えっ!?」
当然見に行こう、と言い出すと思っていたマサオは吃驚する。
ビアンカを見ると、真面目な顔をして、悔しそうに拳を握っている。
(これだけ勝気なビアンカちゃんが、こんな顔するなんて)
ぶるぶると震えが来た。
「忘れ物はないわね?行きましょう」
「う、うん」
マサオの手を引いて、音のした逆方向へと走り出す。
■■■
-
―――栗色の髪の少女を背負う、白き髪の少女。
響は、『一度通った道』を使い、正確に西へと引き返している。
船にとって、一度切り開いた航路というのはとても重要である。
地形の安全性などが保証され、不慮の事故が発生する可能性を下げることができる。
(目的地は『鎮守府』。真逆だけれど。
あの轟音を聞いて、向かってくる危険人物と鉢合わせする可能性が高い。
今通ってきた道なら、西の先が海である以上、
危険人物に出会う可能性は少し下がるし、土地勘も少しだけある。
ドルベを失い、桜も消耗した今、連戦して生き残ることができる確率は低い)
慎重な響は賭けを嫌い、すぐに鎮守府に向かうのではなく一度西へ戻って、
アメストリス軍中央司令部付近を迂回する方針を取ったのだ。
「的確に指示を出してくれる司令官も。
私に道を示してくれたドルベも。
―――もう、ここにはいない。
桜に、その重荷を背負わせるわけにもいかない。
……私が、自分自身で考えないといけないんだ」
今までは兵器だと割り切り、自分自身で道を作ることはしてこなかった。
しかしもう、他人にすべてを預けることが、できないのだ。
ずり落ちそうになった桜を抱え直す。
(ドルベの『光天使』、桜の『盾』などのカード。
戦力として、どう見ても私が一番劣っていた。
やはり、12.7cm連装砲や10cm連装高角砲などが欲しい。せめて、機銃でもいい。
こんなおもちゃでは、さっきの仮面のような異能力の者とは渡り合えない)
基本艤装だけは荷物に入っている。
だがこれのみでは海を進むことができるだけで、武器を取り付けなければ戦力は変わらない。
鎮守府ならば、もしも響の知っている構造と同じであるならば、響用のドックに専用装備がある可能性がある。
問題は、どうやって鎮守府に辿りつくか、だ。
「海……海、か」
桜一人だけならば、抱えていくことで海上を移動することができる。
片手で端末を取り出し、地図を確認する。
―――D-2北西の湾岸から海に出て、沿岸を進んでいけば、遠回りでも鎮守府へ辿りつける。
A-5の海峡が狭そうだが、あえて待ち伏せされていない限りは、問題なく突破できるだろう。
「よし、桜。まずは湾岸に行こう」
気を失っている僚友に一声かけ、歩き始める。
■■■
-
街の中で一番遠くに逃げるため、海岸沿いへと向かっているビアンカとマサオ。
「で、でもそこまで行ってからどうするの?」
「考えてないわ」
「えぇ〜!?」
不安そうな表情になるおにぎり少年。
「仕方ないでしょ。でもそうね……信頼できる相手とパーティーを組みたいわね」
「パーティー?お祝いをするの?」
「違うわ!一緒に戦う仲間、力を合わせる仲間のことよ。
レヌール城のおばけの親玉も、私一人ではきっと勝てなかったけど、
アベルと連携したことで倒すことができたの」
「そうなんだ。僕達がバスの運転手をみんなで交代して、オトナ帝国に乗り込んだようなものかな……?」
話していると、左斜め前方に海岸線が見えてくる。
「わー、海が見えてきたね。この後はどうしよう?」
「そうね、この後は……っ!誰か来る!」
「え?ええ?」
「下がって、マサオ君!」
右手側、東の方向からの人影を発見する。
轟音がした方向からだ。
刃紋のついたサーベルを抜き、マサオを背後に隠す。
「……こちらに敵意はないよ。見ての通り、倒れている人間もいるのでね」
「おばけの親分も、そうやって相手を油断させたものよ」
油断なく白い髪の少女に構えるビアンカ。
「すまないが、通してくれないか。……見たところ、君達からは悪意を感じない。
こちらがやる気なら、そもそも彼女を担いだまま来ないよ」
「む」
「ビアンカちゃん、この人達、悪い人じゃなさそうだよ……」
「……そうね。……あの魔物が持っていたような悪意は、感じないわね」
マサオに頷いて、サーベルを鞘にパチン、といれる。
「ありがとう、勇気ある少女。私は響。こっちは桜だ」
「……ビアンカよ」
「佐藤マサオ、です……」
■■■
-
湾岸のレストハウスのベッドで桜を休ませ、
金髪おさげの少女と、いがぐり頭の少年に、東の轟音の正体について話す。
「……私達のリーダーも、その仮面の男に殺されてしまった」
「そう……許せないわね」
「ひぃぃぃぃぃ!!」
泣きそうになるマサオと、拳を握り義憤に駆られるビアンカ。
「私達も協力するわ!私一人じゃ勝てないかもしれないけど、みんなで力を合わせれば」
「え、えええええ!?」
「一緒に艦隊を組むということか……」
目を瞑り、考える。
桜よりも更に幼い二人、明らかに足手纏いだ。
連れていけば危険が増す可能性がある。
(だが、ドルベなら、どうしただろう……)
きっと、ひとしきり悩んだ後で、押し切られる形で連れて行くことにしただろう。
少しだけ、響が笑ったような表情になる。
「……分かった。一緒に協力してくれるかい?」
「ええ!もちろんよ!」
「ええ!?は、はい……」
どん、と胸を叩くビアンカと、不安そうに頷くマサオ。
「君達の道具は何が支給されただろうか?」
「私はこの剣と、クラールヴィントっていう魔法の指輪。
あ、それとは別にメラ、マヌーサ、ルカナン、ギラの呪文は使えるわよ」
「呪文、か……その方面は疎くてね。
桜がそっちは得意だから、起きてきたら一緒に教えてくれるかい?」
「ええ、いいわよ。あとは……あ!この本。よく意味が分からないんだけど、見てくれる?」
「なんだい……?」
ビアンカから渡された薄い本をめくり、表情を変えないままパタンと閉じる。
「こういうのは、あまり見ない方がいい。後、桜には見せなくていいから」
「そう……?なんなのかしらね?」
たしなめる響の耳が少し赤くなっていることにビアンカは気がつかず。
響は視線をマサオに向ける。
「君のは?」
「は、はい!えっと、この人を驚かせるかかしと、空気砲っていう武器です」
「威力見せてあげたら?」
「うーん、そうだね」
おどおどしていた少年が、急に自信を取り戻したかのように背筋を伸ばす。
「オラオラ!目ん玉かっぽじってよく見やがれ!!これが俺の空気砲だああ!!!」
レストハウスの扉を開け、舗装された道に向かって空気砲を放つと、
空気の塊が地面に炸裂し、コンクリートが抉られたように穴を開ける。
「ま、ざっとこんなもんだぜ!!……いたー!?な、なにするのビアンカちゃん」
「……とまあ、こんな感じよ」
「そうか……ありがとう」
思ったより戦力になりそうであるが、これらを有機的に組み合わせないといけない。
司令官なら的確に配置するのだろうけど、それが自分にできるだろうか。
-
「ん……ここは……」
「気がついたか、桜」
二人の道具についての説明を聞き終わった頃。
桜が目を開き、ベッドから身を起こす。
「そっか……ここまで運んできてくれたんだ。……ありがとう、響ちゃん」
花のような笑顔が似合う少女が、暗い顔をしている。
ぽむ、と頭に手を置く。
「ドルベは、きっと桜に感謝しているよ。
あの誇らしげに説明していた光天使が、桜のおかげで最期まで力を発揮できたんだ。
あれはきっと、白き盾の誇りの象徴なんだろう」
「うん……」
「それにしても。仲間の死というのは、何度経験しても、慣れないな……」
涙を流し始める桜を、ぽむぽむと背中を叩いて抱き締める。
事情を聞いていたビアンカとマサオは、心配そうにその様子を見ている。
■■■
しばらく泣いて落ちついた後、ビアンカとマサオに自己紹介を済ませた桜。
二人には、参加者が『時空の垣根を超えて集められている』という、ドルベの残した仮説を伝えていた。
「呪文、か……。あの仮面の人も、道具を使わずに雷の魔法を使ってたよね」
敬語が取れ、響へ親しい雰囲気を出し始めた桜。
「ああ、叫んだだけで手から効果を出していたな」
「あの仮面の人も、ビアンカちゃんの呪文と同じような感じかもしれないね」
「そう……あの音だけで判断すると、ギラの最上級の呪文を使えるのかもしれない」
―――今いるメンバーで、敵と戦う際の戦術を組み立てる響。
桜とビアンカを見て、二人の魔法とやらについて考える。
桜のカード魔法は強力だが、カードから発動させるためどうしてもワンテンポ遅く、必ず相手に先制を許してしまう。
ビアンカのメラやギラなら初動が早く、威力は低くても牽制にはなるだろう。
二人を組み合わせることで、上手く機能させることができるかもしれない。
あの少年については、幼すぎる。あの砲撃をたまにしてくれるだけで御の字くらいだろう。
-
「それで、これからどうするの?」
戦術を考えている響に、話を聞いてもちんぷんかんぷんだったマサオが問いかける。
「あ、ああ。海から、C-4『鎮守府』を目指そうと思う。
そこで私の専用武装と、首輪解除に使える道具などが見つかるかもしれない。
……とりあえず、湾岸を見に行ってみようか」
レストハウスを出て、全員で港へと向かう。
(桜一人なら、背負って行くつもりだったんだが……)
流石に3人抱えるのは無理そうである。
「わー、たくさん船があるね」
「私、まだ船に乗ったことないのよね」
港にはヨットやクルージングボート、フィッシングボートなどがいくつか係留されている。
「ふむ……これに皆を乗せて、私が曳航していけばいいか」
「え……?響ちゃん、どういうこと?」
基本艤装を取り出し、背部に装着する響。
(暁や雷なら、久々の海ではしゃいだりするんだろうが……)
海の上に立ち、水飛沫を上げながら、スケートのように海上を進んでいく響。
「すごーい!」
「かっこいい〜!」
きゃっきゃとはしゃぐビアンカとマサオ。
桜は首を傾げ。
「響ちゃーん!ちょっと戻ってきて!!」
「……なんだい?桜」
何か少し高揚しているように見える響。
「響ちゃん、船の運転はできないの?」
「は……?」
鳩が豆鉄砲を食らったかのような表情を見せる響。
「私が……?」
「うん」
「船を……?」
「うん」
「……考えたこともなかったな……」
-
手頃な大きさの、10人乗り用クルージングボートを調べてみる。
燃料は満タン入っている。
小さいがブリッジがあり、子供4人なら十分、全員中に入れるだろう。
コックピットには舵代わりの車のようなハンドル、シフトレバーなどがあるだけの簡易操作仕様。
広めの海域に出れば、操舵を桜に任せ、自分が海上哨戒に当たることも可能そうだ。
放送まで残り2時間を切っている。
そこで進路上が禁止エリアとなった場合、そこから1時間で通行できなくなる。
放送次第だが、午前7時までには、鎮守府に到着する速さで航行しなければならない。
「な、なにあれ!!」
ブリッジの外に出ているマサオが南の空を指す。
外に出て指す方向を見ると、巨大な光の線が南の空を貫いている。
霧の艦隊と呼ばれる連中と戦ったことがある。
あれらが使っていた武装、レーザーのようにも見える。
「桜、ビアンカ、どうした?」
驚いた顔をして光を見る二人。
「なんて魔力……」
「あんな呪文、見たことないわ……」
「ひいいいいい!」
茫然としている二人と、デッキで蹲っているおにぎり少年。
「あれも魔法とやらなのかい?
位置的に空中から撃ってるんだろうか……魔法で空も飛べるのかい?」
「うん……って前も説明したよ?響ちゃん」
「あ、ああ、すまない。あまり理解していなかったんだ。
……戦力の把握は、司令塔に任せておけばいい、と判断していたんだ」
「……そっか」
「ええ!?空飛べるの!?」
「ええ!!??」
食い気味に桜に詰め寄るビアンカと、純粋に驚いているマサオ。
「そうか……海上だけじゃなく、空中も警戒しないといけないな」
響が戦っている相手、深海棲艦も空中戦力は持っている。
つまり、いつもと同じように警戒すれば良い、ということだ。
「そろそろ出港する。みんなブリッジに入ってくれ」
「「「はーい」」」
操舵輪であるステアリングを握り、エンジンを始動させる。
『―――響、みんなを頼む』
そんな、ドルベの声が聴こえたような気がした。
「了解。白き鋼―――いや。
白き盾、響。出撃する」
――― 一隻の船が、海上へと出撃していく。
-
【D-1/湾岸(海上)/一日目 早朝】
【響@艦隊これくしょん】
[状態]:疲労(小)、白き盾の名を継ぐ
[装備]:基本艤装@艦隊これくしょん、水平二連式散弾銃@Fate/Apocrypha
[道具]:基本支給品一式、通常弾×4、魔弾@Fate/Apocrypha×2
クルージングボート@現実
[思考・行動]
基本方針:殺し合いの打破。一人でも多くを生きて帰す
1:戦力を整える。仲間を守る。
2:首輪の解析、解除を行う方法を探す。
3:鎮守府に行き、響専用ドックで武装の調達、及び首輪の解析・解除に役立ちそうなものを探す。
4:航行中、海上及び空中も警戒。
5:雷、電と合流を目指す。
6:ベクターなる人物には注意。
7:暁がいないのは……ちょっと安心、かな。
※参加者達が時空の垣根を超えて集められているという仮説を聞きました。
※ドルベ、木之本桜のカード能力について知りました。
※ビアンカの呪文について知りました。
【木之本桜@カードキャプターさくら】
[状態]:疲労(中)
[装備]:星の杖@カードキャプターさくら
[道具]:基本支給品一式、さくらカード(14枚)(『風』『盾』『幻』1時間使用不可)、ランダム支給品1〜2
[思考・行動]
基本方針:殺し合いはしない。一人でも多く死なせずに帰りたい。
1:首輪の解析、解除を行う方法を探す。
2:鎮守府に行き、首輪の解析・解除に役立ちそうなものを探す。
3:小狼くんと合流したい。
4:残りのさくらカードを探したい。
※参加者達が時空の垣根を超えて集められているという仮説を聞きました。
※ドルベのカード能力について理解しました。
※ビアンカの呪文について理解しました。
※No.102 光天使グローリアス・ヘイローをさくらカード化させましたが制限はDMカード通り使用不可です。
※さくらカード化は一度の使用で気絶するほどの魔力を消費します。
【ビアンカ@ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁】
[状態]:健康
[装備]:さやかの剣@魔法少女まどか☆マギカシリーズ、クラールヴィント@魔法少女リリカルなのはシリーズ
[道具]:基本支給品一式、桂美々著の同人誌セット@Fate/kaleid liner PRISMA ILLYA プリズマ☆イリヤ
[思考・行動]
基本方針:アベルと一緒に家に帰る。殺し合いには乗らない
1:アベルを探す
2:マサオ、響、桜と共に行動
3:他の人に会ったら、この本の意味を聞いてみたい
※少なくともギラまでの呪文を習得しています。
※参加者達が時空の垣根を超えて集められているという仮説を聞きました。
【佐藤マサオ@クレヨンしんちゃん】
[状態]:健康
[装備]:空気砲@ドラえもん
[道具]:基本支給品一式、コワモテかかし@DQ5
[思考・行動]
基本方針:皆を探して合流。殺し合いには乗らない
1:しんちゃんと風間君を探す
2:ビアンカ、響、桜と共に行動
3:あの本って何だろう……?
※空気砲の扱いについて自信を持ちました。
※参加者達が時空の垣根を超えて集められているという仮説を聞きました。
【空気砲@ドラえもん】
佐藤マサオに支給。ドラえもんの秘密道具における主力兵装。
大砲の砲口部を模した筒状で、手にはめて「ドカン」と言うと空気の衝撃波が発射される。
数百キログラムのロボット兵器を吹き飛ばす威力がある。空気砲で岩山を砕きながらトンネルを掘った実績もある。
【基本艤装@艦隊これくしょん】
響に支給。艦娘が海上で戦うための基本兵装。
背部推進ユニットを装備することで、艦娘は海上に浮かぶことができる。
なお、武装はすべて取り外されている。
【クルージングボート@現実】
全長8m、定員10名のクルージング用ボート。
ブリッジ内にはコックピットと、4人が座れるラウンジシートがついている。
また、大人2人が横になれるバウバースと、トイレもついているセレブマシン。
湾内だけでなく、沿海での航行が可能。
-
以上で、投下終了です。
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投下乙です
桜と響はドルべの意思を受け継いでくれそうで一安心
この中だと弱者なマサオ君は果たしてこのロワで生き残れるんだろうか...? ガンバレ!!
そしてビアンカw いい加減それから興味を無くせwww
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投下乙です
プリヤとコラボした劇場版のなのはと比較したらシュテるんは大分見た目も違うんだが…美遊の余裕のなさが伝わるなぁ
こっちの二組は平和的に合流できたが頭になるブックス!が欠けてしまったのがどう響くか…
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投下乙
調子乗りおにぎりwww
しかしマサオ君、このメンバーで唯一の男なのに戦力外って、立つ瀬がないなあw
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投下乙
>大切な人
ミユとシュテルの直接対決はなしか
精神的な消耗が激しいな
そしてサファイアも苦労がにじみ出てる
>白き盾
頑張ってる響可愛い
ブックス死んで意識が変わってきたんだな
そして艦これ勢で着水一番乗りか
ビアンカとまさお君はいい掛け合いだな
そして野獣まさおw
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投下乙です。
シュテルをなのはと誤認か。
クロエみたいなのが他にもいるとは思わないものな。
無事に合流できた二組。
遂に意味が解る者に出会えた本は、静かに閉じられるのだったw
海を北回りだと、遭遇しそうなのがマーダーばっかだな。
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投下乙です
シュテルん美遊
ここで誤解ネタと来たか。コラボ経験が仇となったなあ
クルーザー組
響は対主催の軸になりそうだな。そして、マサオは覚醒したかw
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予約延長お願いします
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研、のび太、タバサ、真月、電投下します
-
泉研はジュラル星人殲滅のスペシャリストであり、戦力としては申し分ない。
だが、彼の世界の価値観は異質であり、他の参加者との断絶を生み出してしまう。
ゆえに、同伴する者は、万全の対策を練らなくてはいけない。
「お前はジュラル星人だな」
「ふぇっ、電は殺しに乗ってないのです」
少女は咄嗟にバックステップし、アルファガンの射線から離脱する。
そこへ慌ててフォローに入る二人組。
「研さん、撃つより先にスマホで確認でしょ。そんなやり方じゃ、なかまは増やせないわ」
タバサが間に割り込んで諍いを抑止し、
「いきなり怖い目に合わせちゃって、ごめんね。
研くんも思い込みが激しいだけで、ホントは頼りになる正義の味方なんだ」
のび太がお詫びにみずいろまんまる、つまりはソーダ味のペロペロキャンディーを差し出す。
「どうも、ありがとなのです」
少女はきょとんとした後、嬉しそうに受け取った。
「はぁ、はぁ、電さーん、僕をおいていかないで〜」
そこに、彼女の味方らしき少年が呼吸を乱しながらやってくる。
電と真月は北の爆発を聞きつけて、争いを止めようと駆けつけたらしい。
-
「えっと、君たちも殺しに乗ってないってことでいいんだね?」
「のび太くん、タバサさん、一緒にポーキーを懲らしめましょう!」
研がひと通りのジュラル星人検査を済ませた後、情報交換が始まった。
最初は平穏に、つつがなく進んでいった。ジュラルの話題になった時、厄介ごとが発生した。
「よかれと思って、ジュラル星人を見つけたら仲間にしましょうよ」
「バカバカしい考えだよ。いいジュラル星人は死んだジュラル星人だけさ」
「ええっと、電は敵もできるだけ助けたい。もしかしたら、改心するかもしれないのです」
「ジュラル星人に心はない、信じても裏切られるだけだ!」
研と正反対のスタンスの真月、それをフォローする電。ひとりとふたりの意見は平行線だ。
実を言うと、研は彗星衝突の危機にジュラル星人と協力したことがある。
また、ごく稀にジュラル星人が人類愛に目覚めるケースもあった。
だが、研の固定観念が強すぎて、忘却の彼方だ。
「そもそも、この島にジュラル星人はいるのでしょうか」
「さあ……。僕もネッシーの証明なら大好きだけど、こんな場所まで来て熱くなれないや」
「ノビタさん、ネッシーとはいったいなんですか?」
「ええと、大昔の恐竜の生き残りで、イギリスのスコットランドにある――」
小声でささやく外野二人組。
研にジュラルの不在を説くのは、無駄と思い知ったので控えている。
そろそろ、不毛な議論を止めさせようと思った矢先、真月がさらなる爆弾発言を投下した。
「よかれと思って、殺し合いが潰した後に生き返らせちゃえばいいんです。
これで間違って善人を殺しても、うっかり悪人に殺されても問題ありません」
「ええっ!」
のび太は思わず目を丸くする。
彼はなんども危険な冒険をしてきたものの、ここまで割り切った発想をしたことはない。
どうしたものかと、タバサの様子を伺ってみる。なぜか無表情で心境を読み取れなかった。
-
「ジュラル星人が何度蘇ろうと、そのつど滅ぼし尽くしてやるぞ」
「ええと、ジュラルのことは脇に置いておいて、名案について詳しく知りたいな」
だが、彼は研をなだめるのに精一杯で、彼女がそうなる理由を察する余裕はなかった。
「はわわ、真月さんの言っていることが分からないのです。人間も艦娘も死んだら、生き返れないのですよ」
「ああ、まだ言っていませんでしたね。ランドセルにこんなものが入っていたんですよ」
少年は決闘盤から1枚のカードを取り出して見せた。
『No.96 ブラックミスト』、両胸に焔を宿す黒き悪魔のカード。
のび太はそれを見つめる内に、触りたい、自分のものにしたいという強いに思いに囚われた。
だが、真月がナンバーズをデッキに戻すと、奇妙な衝動もすぐに消えた。
不吉なものかもしれないけれど、特別な力があるのは間違いない。
「僕の世界に伝わる伝説なんですけど、ナンバーズを100枚集めると、
ヌメロンコードが完成して、どんな願いも叶っちゃうんですよ」
「それは素敵なのです。誰か願いを叶えた人はいるのですか」
「ええっと、全部集めた人を見たことはないので分かりません。
でも、ホントだと思っていた方が希望を持てていいでしょ?」
のび太は真月と電の楽しそうな様子を見て、アイディア自体は悪くないと思い始めた。
当然、これに納得できない者もいる。
「すぐにそのカードと腕輪を捨てるんだ!」
「研くん、そんなに怖い顔をしてどうしたんです?」
「これはジュラル星人の罠だ。島に眠るカードを集めさせて、死んだジュラル星人を蘇らせるつもりなんだ」
「ナ、ナンダッテー!?」
のび太と電は同時に驚きの声を上げる。
-
「渡せません、よかれと思っても絶対に渡せません。これはみんなを救う希望のカードなんです」
真月は研の要求を拒み、必死に腕のデュエルディスクを庇おうとする。
「君は敵が何の理由もなしに怪しいカードを配ると思っているのかい?」
意に介さず詰め寄る研。両者とも悪い人間じゃないのだろうが相性は最悪だ。
のび太の胃がストレスで針を刺すように痛む。だから、思いつきの言葉で場を収めようとする。
「別にナンバーズで揉めなくても大丈夫だよ。ひみつ道具を使えば似たことができるから。
こっちは未来デパートに売っていて、ジュラル星人の計画と関係ないよ、うん」
ひみつ秘密道具には並行世界を移動する『もしもボックス』だけでなく、
ウソ800やアトカラホントスピーカーのように、因果を改変する道具も存在する。
それにも関わらず、未来は戦争もなく平和な社会が保たれている。
未来人に頼めば、悪人のちょっかいを受けずに皆を救えるだろう。
「未来世界はそんなに凄いんですか。聞いているだけでワクワクしちゃいますね」
「とんでも過ぎて、頭が追いつかないのです」
「ドラえもんは前に、いきものを生き返らせるのは無理だって言っていたけど、
ここまでポーキーに無茶苦茶にされたんだから、絶対に説得してみせるよ」
あのネコ型ロボットの無理とは、あくまで道徳的なものだろう。
実際、タイムマシーンと未来の薬を使って、しずかの愛犬を生き返らせたこともあるのだ。
のび太は周囲の反応を伺ってみる。
「そんな裏技があるのなら、ナンバーズは途中まで集めて様子見でも良いかもしれませんね」
「あの子を復活させて、深海棲艦を元に戻してあげて、スペシャルパフェの山盛りを頼んで、司令官さんと……」
タバサは無言。先程より顔色が悪い。風邪でもひいたのだろうか。
ともかく、この状況でサポートして貰えないのはかなり辛い。そして、肝心の研は、
-
「のび太くん、失望したよ。まさか、君にジュラル星人の友人がいたなんて」
「うへぇ、なんでそんな話になるのさ」
「自分の家にしか、ロボットが来ないことを不思議に思わなかったのかい。
ジュラル星人は500年先の科学力を持っているんだ。未来人と偽るのは簡単だろう?」
「もう勘弁してよー」
いつも通りの反応だった。
◆ ◆ ◆
のび太は誤解を解くのに、そこから、数十分も掛かってしまった。
結局、真月はナンバーズを捨てるつもりはないし、研もカードの破壊を諦める気はない。
また衝突が起こりかねないので、両者の同行は諦めることにした。
「我がまま言っちゃって申し訳ありません。島を脱出したら、みんなでデュエルしましょう」
「タバサさん、のび太さん、研さん、皆さんの武運を祈るのです」
のび太たちは二人を見送り、こうして今に至る。
「や、やっと、おわったぁ……」
電柱を背にもたれ掛り、ゆっくり膝を曲げる。
話術平凡な小学生にアクの強い二人を取り持つのは無茶な話なのだ。
目の前にいるのが年下の異性でなくドラえもんだったら、
彼は泣きながら不満を爆発させるところだろう。
「お疲れ様。研の面倒は私が見ているから、楽にしてて良いわよ」
タバサは公衆トイレの前に立ち、周囲を警戒しながら言った。
ちなみに研はトイレの最中である。
-
「具合の方は大丈夫なの?」
「だいぶん、心の整理がついたから平気よ」
彼女はそう言って、左右の緑のリボンを外して、新しいリボンをつけ直していた。
その血色はだいぶ回復したように見える。
(ああ、やっぱり病気じゃなかったんだ)
では、蘇生の話題であれだけ気分を悪くしたのはなぜだろう。
すると、のび太の頭にひとつの光景が再生された。
――ザオリク! ザオリク!
――お兄ちゃん、もうやめてぇっ!
――ザオリク! ザオリク!
初めの会場で金髪の少年を止めようとしていたのは、タバサだったのではないか。
「ねえ、タバサ。ザオリクって――」
「ノビタさん、貴方のことは絶対に守りますだから、貴方も命を無駄にしないでください」
彼女は彼の問いかけを遮るように、真摯な瞳で念を押してきた。
良く分からないが、触れてはいけない話だったようだ。
「あ、うん……それにしても、研くんは遅いね。おおきい方だったのかな」
「ノビタさん、女の子の前でそういう下品な……あ、まさか!」
二人は顔を合わせ、そしてため息をつく。
のび太が慌てて男子トイレを確認すると、研は既にいなくなっていた。
-
◆ ◆ ◆
「島にもちゃんと川が流れていたんですねー」
電はしゃがみ込み、楽しそうに水の感触を味わっていた。
前日に雨が降った様子はないものの、川の水量はそれなりに高くなっている。
「全体マップだと見られませんが、拡大モードなら載っているんですよ。
川沿いに東へ向かえば、鎮守府はすぐそこです」
「待ち遠しいけれど、変なことになってないか、ちょっぴり不安もあるのです」
彼女は真月の方を振り返る。そして突然、びっくりしたように南西を指差した。
「今、研さんがビルの谷間を飛び跳ねたのです」
「ええと、僕には暗くて見えませんが、電さんは目がいいですね」
スマホを見ているふりをして、こっそり首輪探知機で確認する。
真月はまだ、この装置の存在を他人には知らせてない。
確かに、赤い点がひとつ、急接近しているではないか。
(この点が研なら、こっちがヤツで……チッ、よからぬことが起きそうだぜ)
-
「今度は、はっきり見えるのです」
視線を上げる真月。人影はこちらの光源に気づいたのか、建物を飛び越え一直線に近づいてくる。
その軽妙な身のこなしは、日本古来に実在したとされる伝説のNINJAだ。
「おーい、研さーん。こっちですよー」
真月は嬉しそうにランタンを振って、存在をアピールする。
「なんか様子が変なのです、後ろに下がっていてください」
電は彼の前に出て、基本艤装を装着する。
研はガレージに飛び乗って仁王立ちする。街灯が鬼の形相を照らし出す。
服装は少し変化しており、奇妙なヘルメットをかぶっている。
電はそれを見て、小さな悲鳴を上げたものの、勇気を振り絞って言葉を紡ぐ。
「研さん、タバサさんやのび太さんはどうしたのですか」
「安全な場所で眠らせているよ。君達をジュラルの手下だって認めたくなかったみたいだからね」
研に宿る断罪の瞳は、正義に燃える少年ヒーローと害虫駆除に精を出す庭師が混在している。
「僕はジュラル星人じゃないですよ。信じてください」
真月は前に駆け出し、必死に誤解を解こうとする。
電は無防備すぎる彼をみて、咄嗟に庇える位置に立つ。
「騙されないぞ、ジュラルの悪者め!」
「君もスマホのファインダーで確認したじゃないですか」
「じゃあ、ジュラルの人間ロボットだな、死んでしまえ!」
その台詞を言い終えるや否や、光線銃を抜き撃ちしてきた。光線の標的は電の方だ。
背後には真月がいるので、避けるのは無理だ。ならば、自分の艤装で受け止めて見せる。
電がそう覚悟を決めた刹那、
-
「トラップ発動、《シャイニング・スタント》っ!
このカードの効果により、相手モンスターの攻撃を無効にし、バトルを終了させる!」
真月の渾身のシャウト。電の前に一枚のカードが現れ、緑色の閃光で赤い光線をかき消した。
「そして、その攻撃力の半分のダメージを―――――ボクが受ける!!」
苦痛に顔を歪ませながら、片膝をつく。
「はわわ、真月さん、大丈夫なのですか」
「はは、死んでもどうせ生き返れるんですから、僕の命なんて安いものです」
彼は弱々しく微笑む。
「気持ちは嬉しいけど、無理はいけないのです。
生き返りの話が本当でもウソでも、死んだらとても痛いのですよ」
「すみません、こんなヘタレでも電さんの役に立てると思ったら、つい張り切っちゃって」
電は真月を背負い、橋脚に向かって走り出す。
身長差のせいで、彼の足を地面に引き摺るかたちになっている。
「彼女を庇うなんて、やっぱり君もジュラルの手下だったんだね」
研は銃口を向ける。だが、指先が動こうとしない。
これは彼のバトルフェイズが一時的にスキップされたためだ。
ただし、この効果は数十秒経つか、敵が攻撃した時にキャンセルされる。
「おのれ、ジュラル星人、姑息なマネを」
真月は研な罵声を聞きながら、面倒なことになったと心で舌打ちする。
泉研とは、巡り巡ってこちらに被害を及ぼす、いわば無能な味方だ。
だから、善意を装って研と意見対立し、そのまま別れるつもりだった。
そのせいで研に命を狙われたのは、彼にとっても予想外である。
電は走りながら、駄目元で交渉を持ちかける。
「研さん、ナンバーズを渡したら見逃してくれないですか」
「お前たちはそうやって、こちらの隙を突こうとするんだろ」
少年は彼女を睨みつけた後、アルファガンの異変を確かめる。
-
「うぅ…ぜんぜん聞く耳持ってくれないのです」
「電さん、僕をおいて逃げて下さい。貴女だけなら助かります」
「そーゆー、ブラックな命令は司令官さん以外はしちゃいけないのです」
今の彼女は年相応の幼女ではなく、戦う兵士の覇気を纏っていた。
真月はそれに気づいて、秘かに口角を歪ませる。
(ホントはてめえの魂食らってライフ回復するつもりだったけどよ。
思ったより傷は浅えから、試食品から保存食に格上げしてやるよぉ。
手間暇かけて絶望させるのも面白そうだしな)
「しまった。うっかり麻酔銃モードにしたままだったよ。
これじゃ、人間ロボを撃っても破壊できないね」
研はアルファガンのスイッチを破壊光線モードに切り替える。
刹那、真月の威勢の良い掛け声を聞き、視点を川岸に戻す。
「よかれと思って、ライディングデュエル、アクセラレーションッ!」
電が水面走りで水飛沫を立てながら、その上に真月を肩車していた。
「はぅ、これはちょっと恥ずかしいのです」
「水適応Aの機動力で、僕がデュエルで牽制する。逃げるには完璧な布陣でしょ」
-
はしゃぐ少年に先ほどの疲労の色は見えない。
「そんな綺麗な目で語られると。何も言えなくなってしまうのですよ」
電は観念したような表情を浮かべる。
そして、充分に勢いをついたところで滑走モードへ移行、更に加速する。
彼らが目指すのは川の終着点、鎮守府近くの入り江だ。
「ジュラル星人め、今度こそぶっとばしてやる!」
研もガトロシューズから炎を噴出し、宙に浮いて並走してくる。
真月はデッキから得意気にカードをドローして、
「ここは僕に任せて下さい。シャイニング・スライを表側守備表示で召喚!」
モンスターゾーンにカードを横向きに設置する。
すると、三角帽を被る仮面男がローブを纏って現れる。
「わあ、元がペラペラのカードなんて信じられないのです」
「帽子の色と鼻の形がジュラルの魔王だ。やっぱりジュラル星人だったんだな!」
研のアルファガンから、黄色の破壊光線が発射される。
仮面男は絶叫を上げながら、あっけなく蒸発した。
「ああっ、シャイニングスライが。黄色い光線は赤いビームよりも威力が高いみたいです」
「真月さん、ナンバーズのカードを召喚できないのですか」
「すみませんっ、あれはエクシーズ召喚しないと強くないんです。
でも、ボクはデュエルが下手で出し方が良く分からなくて……」
研の引き金は容赦なく、二発目の光線を放つ。
「全速前進なのです!」
電は急加速して、これを回避。そこから滑るように蛇行して、照準を合わせづらくする。
「素晴らしいですよ、電さん。この調子でアイツを引き離しましょう」
「ま、前に屈まれると、前が見えないのですよ」
電はバランスを崩し、単調な直線に戻ってしまう。
研はその隙を見逃さず、照準を彼らに合わせる。
-
「ご、ごめんなさい! 僕はシャイニングボンバーを守備表示で召喚!」
対爆スーツのモンスターが間一髪で、真月への攻撃を阻む。
けれど、肉壁が壊れるのも時間の問題。また撃たれれば、今の電に避ける余裕はない。
が、真月は姿勢を正し、研を見据えて宣言する。
「僕だってタダではやられません。
このモンスターは破壊された時、相手に爆発のダメージを与えます!」
シャイニングボンバーは起爆レバーを押し込む。研は閃光混じりの爆発に襲われた。
刹那、真月と電も背中に強い衝撃を受ける。
「しまった!? 効果の範囲が全員だったのを忘れていましたあああっ!」
爆風の力で電の滑走速度は爆発し、研との距離を一気に突き放す。
「ちょっと痛かったですが、人生塞翁が馬ですね」
「はわわ、勢いが止まらないのです」
減速は間に合わず、カーブを曲がり切れずに突っ込んだ。
その弾みに真月は後ろに放り出され、電は顔から地面に突っ込んだ。
◆ ◆ ◆
-
研は超能力を使って、電を生身の人間ではないと察知していた。
彼女は自分のことを妖精さんに建造された艦娘と誤魔化していた。
きっと、ジュラル星人に改造された人間ロボットに違いない。
真月の様子もおかしかった。機械ではないものの、ただの人間でもなさそうだ。
その上、ジュラル星人を庇うだけでなく、怪しいカードを集めているのだ。
いつぞやのミイラ怪人のように、ジュラルと同盟を組む宇宙人に間違いない。
地球は様々な敵性宇宙人に狙われているのだ。
それなら、彼らがスマートフォンに映らなかった説明もつく。
人間でなければ、アルファガンで一人残らず滅ぼしても構わないだろう。
けれど、仲間のタバサとのび太は彼らを仲間と信じて疑わない。
研はふたりを麻酔で眠らせて、ひとりで討伐に向かった。
だが、標的はいつものジュラル星人よりもしぶとかった。
「このモンスターは破壊された時に、相手に爆発のダメージを与えます!」
研は横転しながら受け身を取り、爆発のダメージを最小限に留める。
すぐに起き上り反撃を食らわせようとしたものの、敵は既に遠くへ逃げ去っていた。
思えば、電達の行動は妙だった。避けに徹して、必要最小限の反撃しかしてこなかった。
いつものジュラル星人なら、伏兵を用意して襲い掛かってきただろう。
その時、チャージマン研の灰色の脳細胞に電流が走る。
これは居残り組を襲うための陽動作戦だ。
電は、雷や響という仲間がいると言っていたではないか。
ジュラルの抹殺は大切だが、今はタバサ達の安全を優先だ。
ジェット噴射を全開にし、待ち合わせ場所へ飛び帰る。
「のび太くーん、タバサさーん、いたら返事しておくれよー」
口に手を当て、腹の底から呼びかける。されど、自分の声が夜の公園に響くのみ。
嫌な予感がして、彼らと最後に話した場所に戻る。
公衆トイレの近くの茂みを掻き分けると、心臓が止まりそうになった。
のび太が目を剥いて、仰向けで倒れているではないか。
ただ眠っているだけではないかと、僅かな期待を胸に脈と呼吸を確かめる。
けれど、悪い予想は的中してしまった。
「……ジュラル星人め、なんて卑劣なことをするんだ」
-
殺害方法はいつもの破壊光線ではないだろう。それだと肉片残らず燃え尽きるはずだ。
キチガイレコードのような特別な兵器を使ったに違いない。
麻酔銃で眠っていたために、逃げることさえできなかったのだろう。
無抵抗な人間を襲うとは、ジュラル星人らしい悪行だ。
研は後悔する。のび太達に気を遣わず、問答無用で射殺すべきだったと。
直観の命じるままにアルファガンを撃った時も、すべてジュラル星人だったではないか。
「のび太くん、君の仇を討つために、ランドセルを使わせてもらうよ」
続けてタバサを探してみるも、その遺体は見当たらない。
彼女がのび太の下手人とは考えたくない。おそらく、ジュラル星人に拉致されたのだろう。
彼らは研と有利に戦うために、家族や仲間を人質に取ることも多いからだ。
「ジュラル星人、必ず息の手を止めてやるから待っていろよ!」
研は拳を強く握りしめ、決意を胸にスカイロッド号へ向かって歩を進める。
通信手段なしに人質を取ってもあまり意味がないとか、
電達を独りで追いかけたのは、研の思い付きだとかは考えてはいけない。
経験則だと、ジュラル星人は決戦の場をお膳立てしてくれるのであり、自分は好きに動けばよい。
そして、今回も都合の良いタイミングで、南西に光の柱が天を貫いていた。
泉研は人道主義者である。たとえ銀行強盗であろうと、人間に破壊光線は使わない。
そんな彼のために、後日、アルファガンに麻酔銃機能が搭載された。
だが、それで眠らせたのはライオン、しかもジュラル星人が鍛えた個体だけだった。
その直後に、うっかり麻酔銃モードのまま撃って、相手を蒸発させている。
だが、それは宿敵のジュラル星人だったので、気にも留めなかった。
-
それは彼の大きな過失である。
普通のスタンガンでさえ、当たり所が悪ければショック死してしまうケースがあるのだ。
高出力の麻酔ビームを小学生に直撃させたならば、どんなことが起こるだろうか。
もっとも、研は真実を知ったとしても、深刻にとらえるかは別問題なのだが。
【野比のび太@ドラえもん 死亡】
【D−4 市街地/早朝】
【泉研@チャージマン研!】
[状態]:ほぼ無傷
[装備]:アルファガン@チャージマン研!、スペクトルアロー@チャージマン研!
[道具]:基本支給品一式×2、まふうじのつえ@DQV、ランダム支給品×0〜1
ランダム支給品(のび太)×0〜2、みずいろまんまる×11@リリカルなのはシリーズ
[思考・行動]
基本方針:ジュラル星人に化けた老人を殺す
0:ジュラル星人に対する激しい怒り
1:スカイロッド号を目指す
2:タバサを浚ったジュラル星人を退治し、のび太の仇を討つ
3:あの光の柱は?
4:超能力で人外と分かった相手は全て警戒、もしくは殺害
※真月を敵性宇宙人、雷、電、響をジュラルの人間ロボットと考えています
※のび太の支給品を手に入れました
【みずいろまんまる@リリカルなのはシリーズ】
のび太に支給。ソーダ味のペロペロキャンディ1ダース分。雷刃の襲撃者の大好物。
【ガドロシューズ@チャージマン研!】
脚部に装着されているカセット式ジェット噴射靴。
これを使ってある程度自由に飛行することができ、いざという時には攻撃にも利用可能。
スペクトルアローで変装時、自動的に装着されるのでランダム支給品にはカウントされない
◆ ◆ ◆
-
わたしのココロは殺し合いの最初から、ちょっとヒビが入っていた
――ザオリク! ザオリク!
あ兄ちゃんの必死なさけび。私は止めてと言いながら、冷めた心で気づいていた
神様のえこひいきがなくなって、全滅しても教会に戻れない
それどころか、ここで命を落としたら、二度と復活できなってしまう
ひみつ道具を使えば、そんな世界を作れてしまう
ノビタさんは分かってないけど、ドラエモンの言っていることは本当
復活できなくなった死人を生き返らせるのは、因果律がどうのこうので難しい
お父さんも過去世界でゴールドオーブを取り戻せても、おじいちゃんを救えなかった
大昔のロザリ―さんのような特別な奇跡は、誰もが受けられる訳じゃない
からだの震えが止まらない
防具を全部脱がされて、土砂降りに放り出されたような気持ちがする
いっぱい泣いて弱音を吐きたい
だけど、甘えていたら、誰も助けられなくなる
わたしはお父さんとお母さんの子どもだから、頑張れる
ぜんぶの参加者を救えないのは分かっている。元の世界もそうだから
それでも、一緒にいる仲間くらいは守り切れると信じていた
強い自分を演じて、ココロがバラバラになるのを抑えていた
でも、そんな私の決意はあっという間に粉々になった
――悪いけど、急がないといけないんだ。君達にはすこし眠っていて貰うよ
つまみ食いした子をお仕置きする調子で、ノビタさんの命を奪っていった
わたしは信じられなかった、あんな顔をしながら、人を殺せる子どもがいるなんて
ホントのアナタは非力な憶病者、誰も守れやしないのよ
そんなことないよ、ふいうちでなければ、ノビタさんを守れたもの
言いわけに意味はないわ、失敗したら終わりじゃない
止めて、そんなこと言わないで、私を責めないで
-
止めてもいいけど、どんどんみんな死んでいくよ
さあ、どうするの。さあ、さあ、さあっ!
なにかしなきゃいけないのに、まわりはぜんぶ真っ白で
ココロが脆いガラスみたいに割れていく
――待ち合わせは公園のベンチにしよう。すぐに戻ってくるから安心して
あたまがだるい。でも、もっともっと遠いところに逃げないと
はやくしないと、アイツに追いつかれちゃう
逃げないと、にげないと、
こわい こわい こわい こわい こわい こわい こわい
おとおさん、おかさん、おにいーちゃん、だれかタスケテ
【C−3 市街地 早朝】
【タバサ@ドラゴンクエストV 天空の花嫁】
[状態]:恐慌状態、麻酔銃による軽い倦怠感
[装備]:ようせいのリボン@MOTHER3
[道具]:基本支給品一式、不明支給品0〜1(確認済み)
[思考・行動]
基本方針:ポーキー・ミンチを倒す
1:研から逃げる
2:家族と合流
3:敵の排除
※この島で死ぬと蘇生は不可能だと思っています
※参戦時期は、両親の石化を治して以降です。
※ようせいのリボンのお陰で麻酔の影響を殆ど受けませんでした
【ようせいのリボン@MOTHER3】
タバサに支給。眠りに耐性を与えるリボン。防御力もそれなりにある。
◆ ◆ ◆
-
「あうぅぅ……」
電は両手抑えて痛みをこらえている。
真月は伏せた体勢のまま、首輪探知機で赤い点の移動を確認する。
「研さんは追ってこないみたいですね。鎮守府もすぐ傍ですし、ひと休みできそうです」
彼女の頭を優しく撫でる。
「これもみんな電さんのお陰です。僕は状況を悪くしてばっかりで、申し訳ありません」
すると、電は彼の方に向き直り、首を左右に振った。
「ぜんぜん、そんなことはないのです。
真月さんがモンスターを出してくれなかったら、アイツに撃たれていたのです」
実際、シャイニングボンバーの爆発で視界から逃れなければ、
研は仲間の元に戻るよりも、彼らを狩ることを優先しただろう。
「えっ、僕が役に立った……?」
「はい、二人でつかんだ勝利なのですよ」
電はのび太に貰ったみずいろまんまるを、包装ごしに二つに割って、真月の前に出す。
彼の顔を見ると瞳が僅かに潤んでいた。
「すみません、僕はよかれと思ってやっても、いつも裏目ばっかり出て、
だから、電さんの役に立てて、嬉しくなっちゃって……」
真月は零れる涙を拭い、まっすぐな笑顔でソーダキャンディを手に取った。
-
(ンフフフフヒャハハハアハハハ、チョロすぎて涙が出てくるぜえ。
ごほうびに、別れた連中がどんなことになってるか――――教えてやんねーっ!)
真月零ことベクターは、首輪レーダーでタバサとのび太の状況を推理していた。
彼らの内、どちらかが研の手により死亡、残りは心を折られて逃走か。
これを電に伝えると生き残りを保護する必要が出るし、首輪探知機の存在もまだ伏せておきたい。
それに、彼女はまだ、一度仲間になった相手を信じたい節がある。
だからこそ、研を積極的に攻撃する選択肢を取らなかった。
(落とすときは一気に落とすのがオレ様の美学だ。早々と覚悟完了されちゃつまんねえんだよ。
……ソーダキャンディ、悪かねえな。そういや、くれたメガネのガキが面白いこと言っていたな)
どんな願いも叶えるひみつ道具があるという。
ポーキーがそれを用いて殺し合いを開催したのなら、こちらに勝ち目はあるのだろうか。
ベクターはあると考える。ひみつ道具は誰でも使えるアイテムに過ぎない。
本来は、のび太を巻き込むのは愚の骨頂。友人の未来人に干渉される危険がある。
すると、ポーキーはひみつ道具よりも上位の力を持っていると考えるのが自然だ。
だが、そこに矛盾がある。
それだけの力を持ちながら、彼はなぜか苦しそうに咳込んでいた。
不老不死に飽きての病弱プレイか。いや、あれは見栄を張るタイプだ。
可能ならば健康体で他人の前に現れたはずだ。
(要するに、あのジジイは何かの『力』を完全には使いこなせてねえ。
下手すりゃ、奴自身も『力』の支配下にあるな)
お手軽な因果操作では太刀打ちできない、ヌメロンコードに匹敵、下手するとそれ以上の力。
それが人格を持つ黒幕なのか、強力なアイテムなのかは分からない。
だが何にせよ、ポーキー自身の力でないのなら、出し抜きやすくなったのは確かだ。
ベクターは全ての力を手中に収めんと胸の内で邪悪に哂う。
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【C−4 鎮守府前/早朝】
【真月零@遊戯王ZEXAL】
[状態]:軽傷、疲労(小)、人間態
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、決闘盤とカード(ベクターのカード)@遊戯王ZEXAL、首輪探知機@LSロワ2014オリジナル、
不明支給品×0〜1
[思考・行動]
基本方針:良からぬことを企む
1:真月零の姿で殺し合いに乗っていない者達の中に潜む
2:電が利用できる存在か見極め、用済みならば魂を喰らう
3:遊馬とアストラルは必ずぶっ殺す!
4:主催者を乗っ取りさらなる力を得る
※アニメ130話、メラグとナッシュがバリアン世界に戻る直前からの参戦です
※バリアン体での分身能力、瞬間移動が可能かどうかは不明です
※バリアンズスフィアキューブなしでバリアルフォーゼは可能ですが、体力を消耗します
※電やのび太、タバサ、泉研と情報交換し、平行世界の存在を確信しています
※ポーキーの背後に黒幕、もしくは特殊な力が存在すると考察しました
※シャイニングスライ、シャイニングボンバー、シャイニングスタントは一枚ずつ使用済。デッキ内に何枚ずつ入っているかは後続にお任せします。
【電@艦隊これくしょん】
[状態]:軽傷、披露(小)
[装備]:基本艤装@艦隊これくしょん
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×0〜2
[思考・行動]
基本方針:殺し合いには乗らない
1:真月さんと鎮守府に向かう
2:司令官や響、お姉ちゃんに会いたい
3:研さんと仲直りしたいが、今は会いたくない
4:ナンバーズとひみつ道具に関心
※真月零に信頼を寄せています
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投下終了です。
タイトルはパラノイアの処刑SEから
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投下乙です。
もしもボックスで「もしも、死んでも蘇生できなかったら」って言えば、蘇生を制限できるんだな。
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投下乙
研の行動読んでると頭痛くなってくる・・・
のび太くんとタバサが研の被害者になったか
これ誤殺・・・でもないし何になるんだw
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投下乙です。そういや時期が時期だけにミストラルさん確保済みか、つーかやっぱりよかれの方がよっぽど頼りになる件wどうせ後でジャンジャジャーンってなるけどw
で、このキチガイ早く始末しないと無駄な被害が広がるばかりだ…まあ真ゲス的にはメシウマなんだろうがw
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投下乙です
研は案の定暴走しちゃったか...
のび太は死んじゃうしベクターは良からぬ事考えてるし電はそんな「真月」を信じてるし
あげくにはタバサぶっ壊れそうだし... これで放送聴いちゃったらエライこっちゃ
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投下します
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「どうしたら…」
智花の心中は不安でいっぱいだった。
残ったあの少年は無事なのかどうか。
湊智花は一般人だ。
吸血鬼でも妖怪でも魔法少女でもなく、聖杯戦争とも関わりを持つわけでも錬金術を使えるわけでも、魔物の子供と心を通わせたわけでもない。
だが、あの空を飛んでいた少女が只者でないということだけははっきりと認識できる程には現実逃避をしてはいなかった。
そして、あの場に残った少年も。
自分があそこにいたところで何ができるわけでもない。
手元に抱かれたブックルは、何か不満そうに唸ってる。
まるで飼い主から引き離された子猫のように。
それでも離れることに抵抗しないのは、きっと彼も自分と同じ気持ちなのかもしれない。
一瞬振り返った後ろで閃光が走ったのを感じ取った。
あの少年がきっと戦っているのだろう。
今自分にできることは―――――
一刻も早く、あの少女から逃げること。
そして――――
「た、助けてください!」
せめて、彼を助け得る人に手助けを求めるなければ。
◇
「お?」
慧心学園へと向かう三人の元にいきなり現れた、小さな動物を連れた少女。
しかしその焦りようは只事には見えなかった。
-
「た、助けてください!」
そう言って走り寄ってきた少女を見た一同―――クロ、しんのすけ、ゆま。
最初に彼女が近づいてくることに気付いたのはしんのすけだった。
その声に反応してそちらを向いたところで、少女の助けを求める姿が他の二人にも目に入ったのだ。
少女の顔は疲労からくる汗に濡れており、猫らしき動物も体のあちこちに傷があった。
少女自身には傷はないものの、顔色は優れていない。
「あ、あそこで、羽の生えた女の子が…、男の子と…あの…その…!」
「あなた、落ち着きなさい。とりあえずまずこの水を飲んで」
息切れと焦る心のせいで言葉がかなり乱れはっきりしない少女に対し、クロが水を差し出す。
ペットボトルを受け取り、水を口に含む。
飲み口から口を離し、一息つくのを待つ。
「自分の名前は?言える?」
「み、湊智花…、こっちの子はブックル…」
「何があったの?」
「羽の生えた女の子に襲われて…、マントを着た男の子に助けられたんだけど…、私逃げることしかできなくて…」
「グゥゥ」
智花の言葉に悔しそうに唸る猫のような動物。
「お願いします…、あの子を助けてあげてください!」
「それはできないわね」
しかしクロは、智花の懇願に対してきっぱりと告げる。
即決であり、あまりにはっきりとしたその拒絶に思わず言葉を失いかける智花。
「その男の子がもし少女を倒す、ないし追い払ったのなら自然にこちらへと追いついてくるはずよ。
もしそうじゃないのなら、その子は既に死んでいる、と考えるべきでしょうね。
生憎こちらも死体探しまで付き合うことはできないわ」
「そ…んな…」
絶望的な表情を浮かべる智花。
その今にも泣き出しそうな顔に、ゆまとしんのすけが思わず声をあげる。
「そ、そんな言い方ってひどいよ!」
「そうだゾ!かーちゃんも言ってたぞ!女の子には優しくしてあげなくちゃいけませんって!」
「…私も女の子なんだけどね。
ともかく、私達が向かわなくても、その子が無事ならそのうち戻ってくるはずよ。
確認したいんだけどその女の子がいたっていう場所、どこ?」
そう問われて智花は静かに、その後ろを指差した、その瞬間だった。
-
暗い夜の空に、星の煌くような輝きが走ったのは。
皆が一様に、(あ、綺麗)――――などと思う暇に、唯一にして真っ先に反応したクロ。
一瞬毎に大きくなる光を前に、クロは咄嗟に前に飛び出た。
「熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)!!!」
クロのその叫び声と共に、三人の前面に4枚の赤い花弁の盾が展開され。
次の瞬間、その星のように見えた光弾が一斉に降り注いだ。
一発一発は大きな威力ではないものの、隙間がありこそすれかなりの広範囲を覆った光の弾。とっさにアイアスが出せたのは運が良かったとしかいいようがなかった。
「きゃあ!」
「おおお!?」
しんのすけと智花は驚きの声を上げる。
ゆまは驚いてこそいるようだったが、焦っているようではなかった。
そこはさすが魔法少女とでも褒めるところなのだろうか。
「へぇ〜、綺麗な盾ね。まるでおやつの時間に飲む真っ赤な紅茶みたいな色」
光の弾が収まったところで視界に収まるところで宙に浮いていたのは、金髪で真っ赤な目と服の、羽の生えた少女。
その口には人間のものにはないであろう、鋭い牙のような歯が見える。
「智花、こいつであってるのかしら?」
「うん…。あなた、さっきの男の子はどうしたの?!」
「うーん、何かね。色々遊んでくれて楽しかったんだけど、ちょっと力入れたら壊れちゃった。やっぱり人間って脆いのね」
「……!」
「ガルルルルルルル!」
智花の表情から血の気が消え、ブックルが怒りを表すかのように牙をむき出す。
しかし少女はそんな彼らをまるで空気でも見ているかのように流す。眼中に入っていないのだ。
なぜなら目の前に、もっと楽しませてくれそうな存在がいるのだから。
「でも、あなた達ならどうかしら?私を楽しませてくれる?」
狂気に満ちた笑みを浮かべながらも尚も光弾を弾幕のごとく撃ち込んでくる。
クロはその両手に投影した干将・莫耶で体に命中しそうなものを弾き。
ゆまもまた動物の手のようなハンマーでどうにか防いでいた。
-
威力自体は大したものではない。クロやゆまにとってなら一発や二発の着弾なら戦闘継続には問題ないだろう。
だがしんのすけや智花は当たればただでは済まないだろう。
現に智花はゆまの後ろで蹲っているしかない。
「おおっと…!ほっ、ほっ、ほっ…!」
しんのすけは焦ってこそすれ、ギリギリのところで回避しているが。
運がいいのもあるのだろうが、すごい身体能力だ。何だこの幼稚園児。
「伏せなさい!」
クロが叫ぶと同時、ゆまがしんのすけと智花を伏せさせた。
その瞬間、どこからともなく現れた剣が3人の頭上に盾になるように突き立った。
さらにクロはその剣を足場に飛び上がり。
「―――消し飛びなさい」
弾幕の射線から逃れると同時、矢を射出。
直線的な矢の軌道は少女には読まれてしまい悠々と回避されてしまう。
が、回避したその背後でその矢が爆発。
「キャッ!」
流石にそこまでは予想外だったのか、対応できず爆風に吹き飛ばされる少女。
同時に弾幕が止む。
「今のうちよ、速く行きなさい!」
「クロはどうするの?!」
「すぐに追いつくわよ!先に慧心学園に向かってなさい」
「え、慧心学園…?」
その名前に反応を見せた智花。
しかしそれに反応する暇もなく、少女が宙に姿を見せる。
「ゆまちゃん、二人をお願い!」
「あ、分かった。任せて!」
と、ゆまはクロの乗っていたママチャリに智花としんのすけを乗せて走り出した。
「後で絶対くるんだゾー!」
気配が遠ざかっていく後ろでしんのすけがそう叫ぶ声を聞きながら、目の前の少女を見据えた。
◇
-
(そういえば最初にしんのすけに会った時、正義の味方みたいだ、なんて言われたっけね)
特に意味はないだろうが、何故かそんなことをふと思い出す。
「やっぱ、ガラじゃないわ、ね…、そういうのは!」
大量に張られた弾幕を干将・莫耶で弾きながら移動するクロ。
「キャハハハハハハ!うまく避けるね!でも避けてばっかりだと弾幕ごっこにはならないわよ!」
さっき防いだ弾幕も合わせればこれで数度目になる弾幕。
しかしそこまでくると、何となく目の前の少女の狙いのようなものが見え始めていた。
弾幕の威力や密度は確かに脅威的なものではあったし、様々なバリエーションに富んだものだった。
そして、その中には幾つかの規則性のようなものも存在しているようだった。
避けることは困難だが、しかし決して避けられない弾幕ではない。
どの形にも、確実に小さな穴のようなものが存在した。クロから見れば、埋めようと思えばそう難しくもないだろう、小さな隙間。
弓兵の視力を持ったクロがそれを見抜くのにそう時間はかからなかった。
加えてたった今彼女の言った弾幕ごっこという言葉。
(なるほど、要するに遊びってことね)
そう、こちらにとっては必死な命のやり取りでも、彼女にとっては遊びでしかないのだ。
少女、フランドール・スカーレットにとっては、あくまでこの殺し合いという環境も遊びくらいにしか捉えていない。
その遊びの結果命を落とすものがいたとしても、特に気に留めもしない。先に殺したレックスの時のように。
弾幕の死角に移動したクロは、左右の手に3本ずつの直剣を投影。
計6本のそれを2本ずつ、タイミングをずらしつつ投げつける。
狙い自体は正確だったそれらはしかし、顔色一つ変えることなく避けられる。
同時にクロはその手に生み出した計2組の干将・莫耶を投擲。
4枚の刃はフランを取り囲むように周囲を旋回し、つがいの剣が引き合うかのように彼女の体を斬り裂かんと迫った。
しかしその旋回する刃もフランを捕らえることはなく、ぶつかり合って互いに弾き返されるだけに終わった。
「そんな薄い弾幕じゃつまんない」
呟いてクロの方へと目を向ける。
が、ついさっきまでそこにいたはずの相手の姿がどこにも見えない。
「あれ?」
周囲をキョロキョロと見回すフラン。
弾幕の射線どころか視界で動くものが見えない。
-
と、ふと後ろに影が差したことに気付いたフラン。
咄嗟にレヴァンティンを構えるのと、クロの干将・莫耶がフランに襲い掛かるのはほぼ同時であった。
ガキン!
「あはははははははは!!ワープなんてできるんだ、あなたなかなか面白いね!」
「ちっ、しつこい!」
受け止められた剣をそのままに、フランの体を蹴り飛ばし後ろに下がるクロ。
「いいわ、こっちもスペルカード使って相手してあげる」
と、フランドールは先の弾幕より大きな弾を作り出す。
それはスペルカードの名前――かごめかごめの童謡のように、周囲をまるで檻のように覆った。
警戒しつつも下手に動けば何が起こるか分からない。
軌道、何か起こるであろうきっかけを見極めるために宙を舞う光弾を見据える。
と、それらはゆっくりと距離を狭め、少しずつこちらへと迫ってきた。
速度自体は大したことはないが、如何せん数があまりに膨大だった。
避けるためにも、目の前を動く弾を確実に避け―――
「!」
ていたところで、それまでのものとは比べ物にならない速度と大きさの弾が迫った。
不意打ちであったそれをどうにか避けるために体を捻る。しかし回避しきれず体を掠った衝撃で後ろに飛ばされるクロの体。
痛みに顔をゆがめつつ、周囲を見回し。
「やってくれたわね…」
起き上がった場所、そこは周囲を隙間なく弾幕に埋め尽くされた空間だった。
ゆっくり迫るそれらを、避ける隙間などどこにもなく。
少しずつのタイムラグをおいての光弾が次々と炸裂。
爆発と共に周囲に土埃を巻き上げ視界を覆い隠す。
「もう終わったの?つまんない」
そこそこ期待していただけに、若干の失望が混じった声を発するフラン。
若干、であるのは、視界が塞がってしまったため目の前にいる少女がまた倒れていない可能性に期待したが故である。
もし視界が晴れた際にそこにあるのがまた壊れてしまった子なら面白くも何ともない。
だから、特にフランは目の前で巻き上がった砂埃の向こうに追撃をかけるのを、敢えて止めていた。
そして視界が晴れようとした次の瞬間だった。
フランの目の前で、晴れかけた煙を切って何かが飛び出してきた。
赤い魔力を纏った高速の矢。
一瞬で距離を詰め肉薄するそれを、しかし間一髪のところで避けるフラン。
たとえどれだけ高速であろうと、大量の弾幕をかいくぐることを遊びとする彼女にとって直線的な矢の一発くらい避けられないものではないのだ。
「それで終わり?じゃあこっちからいくよ」
若干の失望を感じつつも剣に力を込める。
それは先ほどレックスに使ったものと同じ、膨大な魔力を込めた一撃。
その一撃を射手に対して放とうと腕を振り上げた、その瞬間だった。
-
シュン
脇腹辺りを赤い何かが通り過ぎていったのは。
体勢を崩しながらも通り過ぎていった何かに目を動かす。
たった今避けたはずの、漆黒の矢が赤い魔力を纏ってこちらに飛来したのだ。
真っ直ぐに飛翔するはずの矢が、軌道を変えてこちらへと向かい来る。
「何で?!」
クロに向かって放つはずだったレヴァンティンを思わず翳して防ぐ。
矢は逸れてあらぬ方向へと弾かれたはずなのに、それは再度こちらへと飛来する。
思ってもみない軌道を描く矢に焦ったフランは思わず背を向けて最大速で飛び立つ。
しかし矢は如何なる軌道を描こうとも、放たれた当初と変わらぬ速度を保ったままこちらへと迫ってくる。
矢の速度から、振り切ることはほぼ不可能。
ギリギリで回避し続けるものの、それもそろそろ限界。
「きゅっとして、」
と、宙に留まったフランは、真っ直ぐにこちらへと迫る矢を。しっかりと見据え。
「――――ドカーン!!」
拳を握り締めた。
漆黒の鏃は目の前、その体を射抜くかどうかという場所で、粉々に砕け散った。
「……あ、あははははははは!びっくりした!」
驚きと、スリルからくる歓喜の声を上げるフラン。
気がついたら周囲には矢の射手の姿はない。
今は探す気にはならない。
それより気になったのは、さっききゅっとしてドカーンを使ったときには完全に破壊しきることはできなかったのに、今の矢は完全に壊せたということだ。
大きさの問題なのか、あるいは何かあの時の盾とはまた違うものだったのか。
「……あれ?」
と、ふと手を見る。
赤い。
真っ赤に濡れている。
ペロリ、とその真っ赤な液体を舐めた。
「―――血だ」
これまではずっと、紅茶やケーキに入っているものしか取り込んだことのなかった血。
これほど新鮮なものを口にしたのは初めてかもしれない。
「そうだったのね。血ってこうやって採るものだったんだ。
でも、あんまりおいしくない」
自分の血であるが故なのか、これまでティータイムの時間に採ってきたそれよりも色々な味が足りていない。
じゃあ、他の人間のものはどうなのだろうか。
「もっと、おいしいのかな?」
そう考えれば、さっきのあの男の子は惜しいことをしたかもしれない。
帰るまでに、もう少しでもこの、もっとおいしくて新鮮な血の味を味わって帰るのも。
「あはは」
悪くないかもしれない。
◇
-
「ホント焦ったわ…、何なのよあの子…」
周囲を弾幕で囲まれてしまったクロが咄嗟に選んだのは、周囲に剣を作り出すことによる防御。
なるべく硬めの剣を投影し、更にその向こうで赤原猟犬(フルンティング)を引き絞って放った。
咄嗟の判断で魔力を十分に込められなかったため、威力はそこまで出なかったようだが、少なくともこの場をやり過ごすことには成功したようだった。
少なくともあいつの向かった方はしんのすけ達を逃がした場所ではないはず。
一刻も早く合流するべきなのだろうが、しかし今のクロには一つ、大きな問題があった。
「やば…、魔力消耗が激しい…」
そこまで激しく魔力を使うものは投影しなかったはずなのに、いつものノリで戦っていたら何故か思った以上に消耗してしまっていた。
慧心学園に向かう前に、それだけはどうにかしておかなければ。
どうにかして、魔力補給を、――――――――キスすることができる対象を、探さなければ。
でなければ、もし今のまま向かってしまえば。
――――最悪、千歳ゆまを、押し倒しかねない。
【D-4 市街地/一日目 早朝】
【野原しんのすけ@クレヨンしんちゃん】
[状態]:健康
[装備]:少年探偵団バッジ@名探偵コナン
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜2、ローラースルーGOGO@ちびまる子ちゃん
お菓子(たくさん)、飲料水(たくさん)
[思考・行動]
基本方針:殺し合いには乗らない。
1:風間くんとマサオくんを探す。
2:クロちゃん、ゆまちゃんに着いていくゾ。はぐれないようにするゾ。
3:ゆまちゃん、もえPみたいでかっこいいゾ
4:セリムくん……。
※セリムをアメリカ大統領の息子だと思っています。
【千歳ゆま@魔法少女まどか☆マギカシリーズ】
[状態]:健康
[装備]:少年探偵団バッジ@名探偵コナン
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜2
お菓子(たくさん)、飲料水(たくさん)
[思考・行動]
基本方針:キョーコのところに帰る
1:クロが戻るまでしんのすけと智花を守る。
2:キョーコが褒められて嬉しい。クロがちらちら見てたけどなんだろう?
※本編2巻終了後からの参戦です
【湊智花@ロウきゅーぶ!】
[状態]:疲労(中)
[装備]:自転車(ママチャリ)@現実
[道具]:基本支給品一式、プックル@DQV、ランダム支給品0〜2
[思考・行動]
基本方針:殺し合いから脱出する
1:あの場から離れる
2:慧心学園に向かってるの…?
【C-3 市街地/一日目 早朝】
【クロエ・フォン・アインツベルン@Fate/kaleid liner PRISMA ILLYA プリズマ☆イリヤ】
[状態]:ダメージ(中)、魔力消耗(中)
[装備]:少年探偵団バッジ@名探偵コナン
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜3
少年探偵団バッジ@名探偵コナン×2、お菓子(たくさん)、飲料水(たくさん)
[思考・行動]
基本方針:殺し合いには乗らない。
1:イリヤ、美遊との合流の為、柳洞寺に向かう。
2:慧心学園付近まで移動したいが、その前に魔力をどうにかしないとやばい。
3:その後しんのすけ、ゆまと合流する
4:ゆまちゃんから魔力を供給して貰うのは、大変な状況の時だけよね、うん。
5:本当にアメリカ大統領の息子が居るのかしら?
※参戦時期は少なくともイリヤとの和解以降。
【D-2 市街地/一日目 早朝】
【フランドール・スカーレット@東方Project】
[状態]:ダメージ(小)、疲労(中)、脇腹に切り傷、全身に細かな傷
[装備]:レヴァンティン@魔法少女リリカルなのはシリーズ(カードリッジ残り3)
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜2
[思考・行動]
基本方針:殺し合って帰る
1:色々見て回る
2:次に誰かに会ったら血を味わいたい
-
投下終了します。おかしなところなどあれば指摘していただけると幸いです
-
投下乙です
研は危険対主催じゃなくて対主催マーダーって感じ
真月の方が対主催っぽいのはどういうことだ
電は着々と信頼しちゃってるなあヤバそうだ
フランは危ない趣味に目覚めてそうだし
クロの魔力不足は真面目に命の危機だから早めに補給しないといけない
どこも対主催は苦戦する運命なのか
-
投下乙です
何とか猛攻をしのぎ切ったか、フランはまだまだ余裕だなあ
クロはガス欠になったってことは、次回に恒例シーンがくる流れですね
ろうきゅーぶ組は比較的安全地帯に逃げ込めて、カワイソス脱出か
>運がいいのもあるのだろうが、すごい身体能力だ。何だこの幼稚園児。
まさにスーパー園児w
-
投下乙!
もっかんギリ逃げられたか、良かった
クロかっけえ!って全力だからか!ゆまちゃんのファーストチッスが危ない!
そのゆまちゃんも流石歴戦だけあって落ち着いてるな
そしてしんちゃんすげえ
フラン、アサシン、メルトリリス、ミユ、シュテル
この辺りのトンデモ系女性マーダーが誰ひとり死んでないのが怖い
トロン組とか真ゲス組とかもいるし、この島死地すぎるw
-
あぁ、そういや有力マーダーは女性ばっかだった。うわようじょこわい
-
男のマーダーの実力者は積極的に殺し合わずに姑息な策を好むのが多いな
-
フランに傷を付けたクロ
アサシンを吹っ飛ばしたヴィヴィオイリヤ
メルトリリスに痛手を負わせたメラグ
シュテルを言葉で退けた光彦
対主催だって負けてないさ!
-
ゼオン「あのっ」
-
遅ればせながら投下乙
>ZAP!ZAP!ZAP!
真ゲスが絶好調だなw電ちゃんは
王子時代のベクターと被る部分もあるし、
とことん落とすつもりかもな
>弾幕と剣製
弾幕避けるしんのすけにフイタw
フランちゃんは強いな
マーダーキャラは少数だけど抜きん出た強いキャラが
多い感じ
-
ウィキの死亡者リスト見てみたら、のび太の最期の台詞www
どこまでも不憫だ…w
-
投下乙です。
フランがこれからは吸血目的なら、多少は隙になるかな?
ゆまにとっても魔力は死活問題だし、クロにはどうにか余所で魔力を調達してほしいな。
-
そういえばソウルジェム関連の制限ってあったっけ?
ゆまちゃんが仮に魔力使い切って魔女化してもどうなるのか分からないな
LSオリジナル魔女でいいのかしら
-
まどかは魔女化の概念消滅後、タツヤは消滅前(後かもしれない)っぽいから
ゆまがどんなことになってるのか分からん
ついでにまど神様を封じ込めてるから
ポーキーがQBや悪魔ほむらクラスの力を持っているのは明らか
-
ほむらが劇場版でモニューンってやったんならなんとかなるんじゃない?
-
死亡、ないしはまど神様お迎え的消滅とか?オリジナルはいささかリスキー
……ま、とりあえず「なってから考えよう」で良いんじゃないか
この事案発生するのゆまだけなんだし
-
経緯はよく分からないが
全てブックス!んだ!
というとんでもない半公式ネタが生まれていた。
ドルベ、死してなお君は……(生きていたら絶対ロワ内でネタにされていただろうなぁ)
※EDのボーカルの人がガチ替え歌披露した
-
黒のアサシンは活躍してるし、ジークも2人が書き手枠狙ってたのに
ジークがなかなか予約されないのは、このロワ、ハガレンとアポクリ同時把握者が少なかったのか
-
あ、すまん、なんか催促みたいにカキコになってしまってた
あくまで把握率って予想外のことが起きるなあって意味で
-
まあこのロワいろいろとおかしなことがシリアスなまま展開していくからな(主にチャー研)
逆にこれまでの予約ペースが早かったんじゃないだろうか
-
闇統べる王、光彦、メルトリリス、藤木予約
-
お、ここのパートも予約来たか
これで、キャラの生死が危ういパートは全部そろうのかな
-
光彦が死にそうだな
-
それでも光彦なら何とかしてくれる...よね?
-
刹那の期限が今日の1時だな
過ぎちゃってるので、できれば何かしらの報告を頼む
-
甲斐刹那の予約縛り解除か
まあ、すぐに予約来るようなキャラじゃないけど
-
デビチル勢空気やなw
-
綺麗に残っちゃったなぁ。
-
シャークやカツオ達もデビチルと絡む可能性あるから予約しづらいね
もう開き直ってもスルーしてもいいやと考えが傾きつつあるが
-
ううむ、こういう場合はどう進行すればいいんだろう
ぶっちゃけ三作以上書いてる常連さん達全員把握してない感じだよね
-
あんまりデビチル知らんから何か怖いってのもある
キノコ食わされた刹那とか
-
ジンとアキラのほうならわかるんだけどなあ
-
ブックオフ三軒ほど回っても置いてないという悲しみ
-
ホントにどうしようもない場合は
某ロワ旅の扉システムのごとく放送でいきなり死者扱いかなあ
-
無理に書く必要も無いし
大体のキャラの時系列が進んだところで登場話だけでも放送行けばいいだろ
あまりに空気ならその内死ぬだろうし
もしかしたらデビチル把握してる書き手がその内来るかもしれない
-
近くに研がいるからなんの問題もない
-
まるで研が無差別マーダーみたいじゃないか
-
無差別マーダーのほうがまだマシだと思う
-
研の悪評を流すとは、おのれジュラル星人!
-
この前ベクター以下かもって言われてたけど現状そうなっちゃってるってのがなw
-
この前ベクター以下かもって言われてたけど現状そうなっちゃってるってのがなw
-
対主催である研君の悪評をばらまくことは許されないんDA
-
でも実際、今の研は人外が全て敵だと考えてるから、エレジーは勿論デビチルの二人も危ない。
-
対主催?現状ただの人殺しなんですがそれは、てめえはよかれと思ってやったんだろうがなぁ!(真ゲス顔)
-
それで?っで平然とベクターを殺しに行きそうなのが研の恐ろしいところだな
-
でも地味にベクターを悪だと見抜いてるのも事実なんだよな
-
悪人だと見抜くのと、
端から「貴様は悪だ」と言い続けた中にたまたま悪人が混ざっていたというのでは天と地以上の差があるのだ
-
死者スレ(仮)でボルガ博士が複雑な心境で研を見ている気がする
-
なまじ正義感が強いぶんHIGUMAよりたち悪いな
-
HIGUMA……?
ニコロワγの研はキチガイでも戦ったのは全てマーダーとキチガイだけだったのにここの研はどうしてこうなった……
同じキチガイの筈だというのに
-
クラウス、カツオ、てゐで予約
-
お得意の詐術が通用しない相手が来たけどカツオとてゐ・・・
と思ったけどクラウスも重傷か一体どうなるやら
-
そういや、放送後は自己リレーもありの方向で良いのかな
-
自己リレーはできればしたくないって思ってる書き手さんの個々の縛りであって、
ルール的には全く問題ないはずだよ
過疎ってるロワだと成り立たなくなっちゃうし
-
そういえば放送でルールが発表されるんだよな
ニヤリ
-
そんな話あったっけ?<放送でルール発表
-
無い。
-
たしか優勝条件がまだ知らされてないんじゃなかったっけ?
-
完結視野に入れて普通に進行するなら、
もうちょっと引っ張ってもよさそうだけどね
ただ、テコ入れも兼ねて
ホントに特殊な勝利条件にしちゃっても良いかもしれない
そこは書き手次第
-
最後閉めやすいように終盤まで緩いままでいい気がするね
-
ぶっちゃけポーキーの事だしてめーらには教えてやんねーくそして寝ろ!でも驚かない
-
ま、今必要なのは放送よか、それに到達するまでの作品投下だな
デビチルやジーク君は置いておくとしても、
サンデー組とひなた回すためには、◆PsYvyHEupY氏が失踪しちゃったのが結構痛い
-
そういえばそっち予約されてたのか
-
サンデー組とひなたはPsさん→Hoさんで全く同じリレー人なのかw
把握してる常連が最低2人いればセルフは避けられるんだよね
ツイッターの方も動きなしなのかな
-
サンデーはさほど問題ないだろう
-
神代凌牙とリュカを追加予約します
-
ギミック上、要未来は予約しませんが実質拘束になると思います
-
一応、光彦の命運は今日までに決まる予定なのか
-
光彦もだけどシャークもそうとう面倒なことに立て続けにあいそう
-
なぜバーローに期待する人がいないんだ
-
バーローはポジション的に替えがきくからね
しかたないね
-
でも現状光彦やヴィクトリカもそこまで情報集められてないし 同行者もピンチで
何だかんだでバーローの代わりはまだ誰も務まらない気が
-
朝にちょっと用事があるため昼前に投下します。
-
これから投下します。
-
「息は……あるみたいですね」
ひとまずディアーチェの生死を確認した光彦は、それでも困ったように頭をかいていた。
どういう事情かは分からないが、とにかく飛び立っていった人物とディアーチェには何らかの関係があり、そして意見が食い違ってしまったのは部外者である光彦から見ても明らかだった。
しかしその事情や関係はもちろん、彼女達が使う「魔法」すら光彦にはいったい何なのかさっぱり分からない。今の彼にできることは倒れたディアーチェの無事を確かめることくらいである。
「えぇっと、怪我は……」
とりあえずランタンの光を頼りに出血してないか確かめた後――もちろん男として許される範囲でだが――ようやく安心したように一息つく。
今までさんざん殺人事件に首を突っ込んできたとはいえ、やはり殺人が起きた後に推理するよりはそれを防げるほうがよっぽどいい。とは言え、仮に怪我をしていたとしても光彦にできるのはコナンに教えてもらった捻挫の手当くらいだが。
もちろん、まだ完全に安心できるわけではない。ここにディアーチェを寝かせておけば危険人物が来た時どうしようもないのは容易に想像できる。
「あの人の話を聞く限り、たぶんディアーチェさんを殺すつもりはないんですよね……
何をしたのかはよく分かりませんけど、上手く手加減してくれた事を祈るしか」
どうするにせよ、確固たる「事実」を推理するには材料が少なすぎる。ディアーチェの腹部にあった炎弾がどんなものか(それどころか炎弾ということすら)光彦には分からないのだ。
ひとまずどこか物陰にディアーチェを運ぼうとした光彦は、向こうから誰かが走ってくることに気付いた。
まずい、と光彦は周りを見渡す。
少し離れたところにはラセツ族アジトなるものがあるらしいが、この周辺は何の障害物もない平原だ。武器も無ければ助けてくれる仲間も居ない。
もしあの相手にいきなり襲い掛かられれば完全に詰んでしまう。光彦の背中に冷たいものが走る。
「た、助けてー!」
だから、走ってきた少年がそう叫んだ時は不謹慎ながら安堵した。
■
-
「た、助けてー!」
「大丈夫ですか!? その怪我は……」
そんな言葉が返ってきて、走ってきた少年――藤木は色んな意味で安堵した。
怖い人を誘導するよりは普通の人のほうが楽だとか、ご主人様から自分を守ってくれないかとか、様々な考えがごちゃ混ぜに浮かんでいく。
助けてと叫びながら走ったのも、「こう言えばうまく騙せるかもしれない」という嘘と「ご主人様から助けてほしい」という本音が入り混じった叫びだった。
「ぼ、僕、すごく怖い人に襲われて……」
「落ち着いて下さい。今、追いかけてきている人はいません。
下手に叫んで目立つほうが危険ですよ」
「あ……う、うん」
「誰に襲われたか、どんな相手だったか分かりますか?」
そうして藤木は出会った相手が自分より年下の少年らしいことに気づき、そしてその少年がやけに冷静なことに気付いた。
藤木はクラスでもっとも背が高く、一方で出会った少年――光彦は小学一年生。体格は明らかに藤木のほうが大きいが、事態への対応力は全く逆だった。
なんとなく劣等感を抱きながら、藤木は襲撃者の名前を言おうとして……
「え、えっと……」
言うわけにはいかない事を今更ながら思い出した。
本心としては言いたいのだが、今も見張られているのではないかと思うたびに喉が震え、声が詰まる。
結局、藤木は適当にごまかしてお茶を濁すしかできなかった。
「ご、ごめん……どんな相手かわからないうちに襲われて……名前も言われなかったし」
「まあ、犯人がわざわざ名前を言うはずはありませんからね……
特徴が分からないということは、飛び道具で遠くから襲われたんでしょうか?」
「ううん、押し倒されて刺されて」
「? 間近にいたってことですか?」
「い、いきなり襲われたんだし、近くにいたのに分からなくても仕方ないじゃないか」
細かいところを指摘され、しどろもどろになりながらごまかす藤木。もっとも光彦の方も深く突っ込む気はないらしく、再度周りを見渡して安全を確認している。
「とりあえず、飛び道具じゃないのなら今ここで遠くから襲われることはなさそうですね……
僕の名前は円谷光彦です。名前を教えて下さい」
「ふ、藤木……藤木茂」
「分かりました。今は安全とはいえ、こうやって立っているだけじゃ危険です。
最低限の情報交換をして、すぐにここを離れたほうがいいと思います」
「移動?」
「はい。僕達だけならともかくそこの……ええっと、ディアーチェさんが倒れたままですし。
仮に殺す気のある人がここにやってきたら、眠っている彼女はまず助かりません」
同時に、近くの草むらを身振りで示す。そこを見れば確かに、一人の少女がうつ伏せで倒れているのが見える。要するに、彼女を隠す場所を探そうということか。そこで藤木はふと閃いた。
-
(それなら、そこにご主人様を連れてくれば……)
あらためて光彦を見つめる。体格はやはり藤木より小さい上に、武器らしいものも持っていないように感じた。
下手をすれば今襲いかかっても勝てるのではないだろうか?そんな考えが頭に浮かび、劣等感は優越感に裏返った。
「……どうしたんですか? その傷が痛むとか」
「あ……い、痛いけどそうじゃなくて、言い忘れてたんだけど、襲われてた時、助けてくれた人がいるんだ」
「本当ですか?」
どうやら藤木は知らず知らずのうちに変な表情をしていたらしい。
光彦から声をかけられ、慌てて会話を続けた。自分にとって都合のいい話題を振った上で。
「うん。名前は……聞いてないけど、近くに建物に集まるって約束なんだよ」
「ラセツ族アジトですか?」
「そ、そう。それ」
藤木は光彦のフォローに内心でほくそ笑む。別にラセツ族アジトでも無くとも近くの建物ならどこでもよかった。
言うまでもなく建物に誘い込んだ後にメルトリリスを呼び寄せよう、という腹づもりである。相手は藤木より小さな少年と眠っている少女の二人、メルトリリスどころか武器さえあれば藤木でも勝てそうだ。
(連れて来いって、卑怯な真似をしろって言ったのはご主人様だ。
殺すのも僕じゃなくてご主人のほうなんだしさ)
心中で藤木はそう呟く。一方で、一気に2人を差し出したとなればいい武器がご褒美として貰えるんじゃないかと期待しながら。
そんな藤木を他所に、光彦は話を続けていく。
「なるほど……でも、アジトへ向かう前に他に出会った人がいれば教えてください。あと、助けてくれた人の特徴もできれば。
途中で誰か見かけるかもしれませんしね」
「あ……う、うん、助けてくれた人は……」
問いに答えようとして、またしても藤木は口ごもる。
出会った相手の話を聞かせてくれと向こうから言ってきた時は命令をこなせると思ったものの、助けてくれた相手の特徴をどう言えばいいかさっぱり分からない。なにせ、そんな相手はいないのだから。
メルトリリスのことを言おうかと思ったが、彼女を「助けてくれた人」として述べるのはなんとなく抵抗感があった。
「確か、前に突っ張った髪型で――」
結局、藤木が述べたのはスネ夫の特徴だった。もう死んでいるのだからいくらでもごまかせると判断したのだ。
持っていた道具やその時の状況を適当にでっち上げた後、さっと切り上げてメルトリリスに伝えろと言われた事へと話題を移す。
「それで、他に出会った人は……メラグっていう、『氷の剣』を名乗る青い髪の女の人で、
そいつは他人を安心させた後、変身して人を襲う化物だから、気を付けないと。
あと、永沢くんっていう、タマネギ頭の男の子……も、危ない、やつだよ」
そうして、藤木は本来不必要なはずの情報も述べた。なぜこんな事を言ってしまうのか、やはり藤木は自分でも分からなかった。
-
「分かりました、ありがとうございます」
「そういう君は、誰かと出会っていないの?」
「すみません、ディアーチェさん以外とは誰とも出会っていません」
「そう」
まあその辺りはどうでもいい、と藤木は思った。
どうせメルトリリスに言われた命令はこなしたのだし、後はメルトリリスがやることだ。自分がやらなきゃいけない事はやりきったと、安心しきっていた。
そんな藤木に構うことなく、光彦は相変わらず丁寧な口調で話を続ける。
「すみませんが、先にアジトへ行って助けてくれた人と合流してくれませんか?
ディアーチェさんを運ばないといけないんですが、藤木さんはその腕ですから」
「うん」
ツイてる、と内心で喜びながら提案を承諾する藤木。
向こうへ勝手に連れて行ってくれるというのならそれに越したことはないし、何よりこの隙にメルトリリスと合流してアジトへ呼び寄せることもできるだろう。
「では、アジトで落ちあいましょう」
「うん、ありがとう」
本心から礼を言いながら、藤木はその場から走り去るのであった。
――光彦の嘘にも、気付かずに。
■
■
■
「……なるほど? そういう約束をして私をここまで連れてきたと」
「は、はい!」
「それなら、その二人はここにいるはずよね?」
「そ、そうです。そう!」
「なぜ、このアジトには人の気配が全くしないのかしら」
カン、とメルトリリスの具足が金属音を鳴らす。藤木は倒れこんだまま、目の前に立つ「ご主人様」を見上げることしかできなかった。
ここはラセツ族のアジト。光彦が誘い込まれた「はず」の場所。少なくとも藤木はそう思っていたし、メルトリリスにもそう伝えた上で連れてきた。
だが、その光彦が見当たらない。どこかに隠れているのかと思ったが、そんな気配はまったくない。ただ誰かが少し荒らしていったような形跡が残っているだけだ。
藤木にとっては不可解極まりない事態なのだが、そんな事は知ったことではないと言わんばかりにメルトリリスの足が藤木へと向けられる。
-
「どうしてこんなことになったのか、考えてみましょうか?
可能性その1……フジキ、貴方は私に嘘を吐いた」
「そ、そそそそんなことないです!」
目の前に迫る剣先に、藤木は慌てて首を振る。だが、メルトリリスは足を戻した。
「その2、光彦とかいう子はここにたどり着く途中で誰かに襲われて死んだ」
「そ、そうです、きっとそ」
「その3……貴方の嘘が下手すぎて見抜かれた」
「ひっ!」
それこそ触れ合いそうなくらい、間近に迫ってくる冷たい美貌。
状況が違えば男にとって最高のシチュエーションだろうが、今の藤木には命の危険しか感じない。
「ぼ、僕は変なこと言ってないです、ちゃんとやりました!」
「そうねぇ、相手の頭がよかっただけ、相手が悪かったって可能性もあるわね」
「は、はい、たぶんそっああああああああああああああぁっ!?」
「でも許さない」
発信機を埋め込まれた傷のすぐ傍に、メルトリリスの具足が突き刺さる。
痛みに悶えようとする藤木の体はしかし、もう片方の足で無理やり押さえつけられた。
「あんまり暴れないほうがいいわよフジキ?
せっかく致命傷にならないよう、重要な血管や筋を外してあげているんだもの。
でもあんまり貴方が暴れたり、もしくは貴方が愚図すぎて私がイライラすると……
『うっかり』足先が狂うかも」
「ひぃぃぃっ……!」
その言葉を聞いて、もはや藤木は吐息を漏らすことしかできない。
ただでさえ青い唇はいつも以上に青くなり、その体は痛みすら忘れたように硬直している。
その様子を見て、メルトリリスは熱い吐息を漏らした。
(あぁ、楽しい! 最っ高……!)
歓喜。
怯え惑う藤木の姿を見て、メルトリリスの胸中に快楽が満ちる。
このまま藤木の腕をぐりぐりと抉りたい衝動に駆られたが、さすがにそれは自重した。一気に殺してしまっては元も子もない。殺すのは使い道がないと判断してからだ。
火照る体を冷やしながら、腕に突き刺した具足を引き抜いた。
「次は上手くやることね、フジキ。
――もっとも、いつまで『次』があるかわからないけれど」
カクカクと藤木の頭が上下に揺れる。
彼は、何をどう言い訳したところでメルトリリスは意に介さないだろうという事に、ようやく気付いた。
【B-3 ラセツ族アジト/一日目 早朝】
【メルトリリス@Fate/EXTRA CCC】
[状態]:負傷(小)、疲労(小)
[装備]:無し
[道具]:基本支給品一式×2、受信機@魔法少女リリカルなのはシリーズ、ランダム支給品×2
首輪(スネオ)、拳銃@現実、ふっかつのつえ@DQ5
[思考・行動]
基本方針:このゲームをクリアして、月の裏側に帰還する。
1:お人形さん(藤木茂)を餌に釣りを楽しむ。
2:メラグ(神代璃緒)に復讐。
3:まあ、タマネギ男(永沢君男)は見つけたら殺してあげる。
4:メルトウィルス、やっぱり使えないわね……。封印でもされてるのかしら。
※原作5章からの参戦です。
※クライムバレエとメルトウィルスの制限に気づいています。メルトウィルスは封印されていると思っています。
※メルトウィルスは少なくとも人間態の璃緒レベルの相手には使えません。
※一人生き残こることが、必ずしもゲームの勝利条件だとは考えていません。
※BBが主催者の背後にいると考えています。
【藤木茂@ちびまる子ちゃん】
[状態]:左腕負傷(小)
[装備]:発信機@魔法少女リリカルなのはシリーズ(左腕埋め込み)
[道具]:基本支給品一式、どくさいスイッチ@ドラえもん(使用済)
[思考・行動]
基本方針:仕方ないから殺し合いをする
1:参加者を見つけてメルトリリスのところに誘導する。
2:メルトリリスに従って参加者を減らす。
3:メルトリリスを出し抜く方法を考える。
4;でもあの人、綺麗だな……。
5:メラグ(神代璃緒)が危険人物だと流布する。
6:永沢君を……。けど、仕方ないよね……。
※銃が効かない化物クラスが参加者にいることを把握しました
-
ラセツ族アジトの南。木々がぽつりぽつりと生えるだけの原っぱで、人影が一つだけ動いていた。
「……さ、さすがに、疲れました」
ただし、そこにいるのは二人だが。
ディアーチェを背負って歩く光彦の額には、汗が滲んでいる。光彦は運動神経に優れ探索にも慣れているとは言え、ディアーチェの体格は小学三年生のそれに近い。男女の差を考慮しても、光彦よりは体格が大きいのだ。運ぶには文字通りの重荷であった。
それでも草原が途切れる辺りまで何とか歩いてきた光彦は、適当な木陰にディアーチェを降ろし自分も座り込んだ。
既に朝日が昇り始め、周辺は明るくなってきている。できればもう少し人目を避けられそうな場所で休みたかったが、やむを得なかった。
「追いかけてきていないといいんですけどね……」
息を切らしながら北を見る。その方角は彼が歩いてきた経路であり、ラセツ族アジトのある方向でもあった。つまり、光彦はラセツ族アジトと正反対の方向に歩いてきたことになる。
なぜ光彦はあのような会話をしながら、こちらへと歩いてきたのか。
「……でも、恐らくあんな話をするくらいなら追ってはきませんよね。
藤木さんは『誰かに助けられて』『ラセツ族のアジトで待ち合わせする予定なのに』僕の方へ助けを求めながら走ってきた。
そのまま受け取るには、明らかに不自然です」
理由は単純、推理したからだ。光彦はあの会話の中で、不審な点に気付いていた。
シュテルの存在を藤木に言わなかったのもそのためである。危険人物とはいえディアーチェの知り合いである以上、信頼できる相手以外には言わないほうがいいと判断したのだ。
「もちろん、助けてくれた人が今も戦っていて、それを助けるために走ってきたという可能性もあります。
だけどそれなら、アジトじゃなくて襲われた場所へ行くことを提案するはずです」
考えを整理するように光彦は自分の行なった推理を口に出し、見落としがないかトレースして確かめていく。
不安を真実で拭い去るため、ジグソーパズルのパーツを再度見直す。
「単純に迷子になってアジトへ向かう道を逸れたという可能性……
それなら先に行って欲しいと言った時に、一人で行けないはず。
――やっぱり僕をあそこを誘い込みたかった、というのが自然ですね。
誰かと組んでいるのか、罠があるのかは分かりませんけど。
でもわざわざ誘い出そうとするくらいなら、追ってくるまでには時間があるはずです」
そこまで来たところで、安心したように息を吐く。
それが結論。限りなく「真実」まで近い所まで迫った、光彦の推理である。
元々、光彦は小学一年生としては破格の頭脳を持っている。さすがに江戸川コナンには劣るものの、コナンの事情――特に実年齢――を考えれば本当の意味で小学生離れしているのは光彦のほうという見方も可能だろう。
事実、コナンの代わりに光彦が事件を解決したこともあるのだから。
-
「問題は、彼の言っていたことです。
単純に考えると、全て嘘と考えるべきなんですが……」
汗を拭きながら、光彦は次の思考に移る。藤木は怪しい人物だと判断したのだから、それで考えを打ち切るのもありだろう。しかし、光彦には少し気になる点があった。
「まず襲われた状況とか助けてくれた人は、間違いなく嘘として。
どうもひっかかるんですよね……メラグという人と藤木という人で、あの人の話し方が違ったような」
藤木の二人に対する微妙な感情の違いも、光彦は感じ取っていた。
実際、藤木がメラグ――神代璃緒と永沢を危険人物だと述べた理由はそれぞれ異なる。そして、その違いは藤木の口調にも現れていた。藤木に不審なものを感じた光彦が、それを気にしないわけが無かった。
元々の素質に加え、少年探偵団として数多の事件に関わってきた経験が光彦の推理に影響している。その頭脳は平凡な大人よりは上のレベルであり、状況と運に恵まれればコナンに匹敵する推理を行うことも可能だろう。
「恐らく、嘘は片方だけ。
そしてどちらかが嘘かと言えば、やはり永沢という人が危ないというのが嘘ですね!」
――ただしそれは、状況と運に恵まれれば、の話だ。
「メラグという人は名簿に載っていない、いるかどうかも不確かな存在……恐らく、
何らかの異名か偽名です。
仮に危ない人だと嘘をつくなら、名簿に載った名前のほうが効果があります」
少年探偵団としての経験は、ここに来て逆に作用した。
光彦の体験してきた事件は計画的な準備かその後の後始末、或いは両方が行われ綿密に隠蔽された犯行が多い。その場では発想すらできないような物もある。そして、光彦を誘い出そうとする藤木の行動はあきらかに計画的な犯行だった。そのため、藤木の嘘は全て計画的に考えられた上でのものと考えた。
結果、光彦は「その場で半ば衝動的に言ったかどうか」の違いではなく、嘘を吐いているかどうかによるものだと判断してしまったのである。
藤木の永沢に対する複雑な感情を知らない光彦は、メラグと永沢についての供述に違いがある事に気付いてもその理由を正確に推理することはできなかった。
実際のところ、藤木の話し方に差異があったのはメルトリリスに言われた部分と藤木が自分で考えた部分という区分が大きい。そもそも誘き出すという行動からして、メルトリリスの立てた策である。しかし、光彦はそこまで思い至らない。
これがコナンであれば、情報が少なすぎるとして結論を出すことを控えただろう。そもそも証言の食い違いではなく、単なる話し方の違いを証拠とするのはコナンでも難しい。だがいきなり殺し合いに放り込まれた不安が、見知らぬ「魔法」を見た混乱が、傍に気を失っている人物がいるという危機感が光彦を焦らせ、誤った推理へと導いてしまった。
-
そんな「真実」に気づく様子もなく、光彦はスマートフォンのメモ機能を使い自分の推理を記録した。藤木自身も知らないことであるが、結果的にメルトリリスに言われた仕事をある程度はこなしたと言える。
「とにかく、青い髪の女の人には気を付けたほうがいいですね」
そう肝に銘じる光彦。
真実への道は、未だ遠い。
【C-3/早朝】
【闇統べる王@魔法少女リリカルなのはシリーズ】
[状態]:気絶
[装備]:エルシニアクロイツ@魔法少女リリカルなのはシリーズ、紫天の書@魔法少女リリカルなのはシリーズ
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜2
[思考・行動]
基本方針:首輪を外し反抗する手段を探す、仇なす者には容赦せぬ!
0:……
1:島の全景の確認
2:シュテル、レヴィ……
※A’s PORTABLE -THE GEARS OF DESTINY-のSEQUENCE10、システムU-Dとの対決前からの参戦です。
※肉体の制限に気付きました。
【円谷光彦@名探偵コナン】
[状態]:疲労(中)
[装備]:無し
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0〜2(光彦が見て武器になるものはなし)、全自動卵割り機@サザエさん
[思考・行動]
基本方針:殺し合いから脱出する
1:コナンとの合流
2:ディアーチェが目を覚ますまで面倒を見る
※メラグを危険人物、永沢を信頼できる人物と推理しました。
-
これで投下終了です。
タイトルは真実への道でお願いします。
-
投下乙!
光彦生存、圧倒的生存・・・!良かった
藤木は焦ってべらべら喋り過ぎたな
マーダーだらけの北部地帯からじりじりと抜け出せそう
ただメルトの毒が広まっていくな、メラグだんだん知らないところでピンチになっていきそう
-
ところどころで改行を間違えていたので修正します
>>168
「でも許さない」
発信機を埋め込まれた傷のすぐ傍に、メルトリリスの具足が突き刺さる。
↓
「でも許さない」
発信機を埋め込まれた傷のすぐ傍に、メルトリリスの具足が突き刺さる。
>>170
「メラグという人は名簿に載っていない、いるかどうかも不確かな存在……恐らく、
何らかの異名か偽名です。
仮に危ない人だと嘘をつくなら、名簿に載った名前のほうが効果があります」
↓
「メラグという人は名簿に載っていない、いるかどうかも不確かな存在……
恐らく、何らかの異名か偽名です。
仮に危ない人だと嘘をつくなら、名簿に載った名前のほうが効果があります」
-
投下乙です
光彦凄いな。でも詰めで推理ミスをするのが彼らしい
永沢は知らないところでラッキーパワーが働いたね
-
投下乙です!
光彦の脳細胞がフル回転している……詰めが甘いのは仕方ないとしてもすごい
光彦が事件を解決したことがある、って鍾乳洞のときかな?
今回も藤木の言葉から嘘を見抜いたわけだし、確かに小学一年生とは思えないな
あとメルトさんが楽しそうでなによりです
それと、疑問点がひとつあります
「まず襲われた状況とか助けてくれた人は、間違いなく嘘として。
どうもひっかかるんですよね……メラグという人と藤木という人で、あの人の話し方が違ったような」
ここの「藤木」は、文章の流れからして「永沢」が正しいのではないでしょうか
-
投下乙です。
光彦の名推理が冴え渡る!
結論を焦ってしまったが。
-
投下乙です
光彦スゲエ! ...まだまだ問題はあるけどさw
藤木君がウッカリやらかすのもリアルと言うか
書き手さんの力量がよく感じれるお話だったと思います
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投下乙です
光彦スゲエ! ...まだまだ問題はあるけどさw
藤木君がウッカリやらかすのもリアルと言うか
書き手さんの力量がよく感じれるお話だったと思います
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>>176
指摘の通りこちらのミスです、申し訳ありません。
wiki収録の際に修正して頂けると幸いです。
-
メラグが危険ってのもあながち間違いじゃないんだよな実際
兄貴死んだら何しでかすか分からんし場合によっては奉仕になってもおかしくないからな
海老も死んだしガッシュは参戦時期が違ってゼオンが思うような影響は与えられんだろうし
しかし玉葱を信用してしまうのはいかんな
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焼き玉葱も根はクズじゃないから改心する可能性も・・・
-
しかしメラグの件は命令だからいいとして
永沢くんをナチュラルに連続で売っている件を皆が自然に受け入れてるのが何か笑えるw
-
投下乙です
メルトリリスが楽しそうで何よりですw
光彦初予約の頃のズガン予想が懐かしくなるほど成長してるなあ
-
念の為延期申請します
-
結局のところ、あと誰が書かれれば放送行けるんだろ?
彷徨ってるだけのパートは必ずしも必要ではないようだし
-
要未来
ジーク、プライド
エレジー
やっぱりここじゃない
まだ深夜なんだよ
ただ、焦って放送書いてもいいことなさそうだけども
単独やペアで無理やり書けないまま進んでも、問題は解決しなそう
-
カツオ、てゐ、クラウス、シャーク、リュカ投下します
独自したらばあったら仮投下してたかな
-
クラウスはポーキーから派遣された内通者、いわゆるジョーカーである。
だが、彼は支給品で優遇されているわけではない。そのアドバンテージは情報だ。
隠し施設やトラップに関する情報を数多く所持している。
当面の課題は先の戦いで受けた怪我の手当と疲労回復である。
後者の遂行には、吸血鬼の飛び回る戦場を横切らなくてはいけない。
そこで前者を優先、ふたば幼稚園で救急セットを拝借し、職員室を後にする。
彼は主人の忠実な操り人形であり、自我は完全に失われてしまった。
過去の記憶はないし、善のココロも悪のココロも持ってはいない。
だから、何も感じない。響達との敗北に思うところはなく、
木之本桜の覚醒にも、ドルべの自己犠牲に動かされることもない。
リュカとの戦いに悲しむことも、その涙の叫びに応えることも、
―**どに ふたりも こど*を さず*るな**ね。
―ひ**じゃ できない**も **りなら で*そうね。
―*っぱ* け*かもす**ろうな。
―たす**ったりも *そう。
―クラ*スと **カ・・・。
脳内に唐突なノイズ。彼にはその意味を理解できない。
ただひとつ分かるのは、それがポーキーの命令には邪魔なもの、あってはならぬものだということ。
目を強く瞑り、両耳を抑え、頭痛が過ぎ去るのを待つ。
そのことが、彼らの接近を許す原因となった。
-
白昼夢から覚めた時、目の前に棒を振り上げる少年がいた。
クラウスは反射的に剣の柄を握る。
「うわっ、起きてた」
丸刈りの少年は驚きの声を上げ、武器を落としそうになる。
その腰は引けており、膝も笑っている。事前の情報通り、磯野カツオは戦いの素人だ。
彼はとてもいいぼうを構えたまま語り掛けてくる。
「あのぅ、つかぬことをお伺いしますが。ポーキーの部下だったりします?」
クラウスは質問を無視して状況把握に努める。
まず、カツオの装備しているゴキブリ帽子。あれは逃げ足と回避能力を飛躍的に高くする。
今のコンディションで、彼を剣で殺し切るのは難しいだろう。
「ええと、僕たちはポーキーさんの計画を邪魔するつもりはないんで」
そして、彼から少し離れた位置にいるウサギの妖怪。スペルカード発動の備えを見せている。
仮に超能力でカツオを潰しても、そこで精神力が尽きて、てゐの弾幕を防ぎ切れない。
先に彼女を仕留めるのも無理だ。この距離では喰らいボムのカウンターを受けるだけだ。
厄介な状況である。だが、カツオにクラウスを殺せるわけでもない。
彼らが殺意を持って戦術を組んでいれば、手早く満身創痍の相手を殺せたのではないか。
「何か役に立つものを貰えれば、見逃してあげてもいいかなあと」
カツオの口調は少し棒読みで、天に向けて語っているようだった。
実は真相に近づいた訳ではなく、戦わない理由をでっち上げ、運営者に言い訳しているだけである。
要するに、ふたりは殺しに乗ったフリをしているのだ。まるで遊びのように、ただし全力で。
クラウスはそれを知ろうが知るまいが、一方的に損をする交渉に応じる気はない。
だから、予定通りの計画を遂行する。
「あのー、もしかして日本語通じていませんか。ゆー、きゃん、じゃぱにーず?」
クラウスは背後のドアを二回ノックした。
-
◆ ◆ ◆
≪きゅうきょくキマイラ≫
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廴:_:_:_:_:)^¨¨^´ ー
職員トイレの壁をぶち破り、姿を現したのはヒグマ以上の巨躯だった。
肌は赤紫で、蝙蝠の翼と矢じりの尻尾を持っており、身体の半分以上が裂けた口で出来ていた。
なぜか、頭に可愛らしいヒヨコの玩具を乗せている。
カツオは驚愕で口が開いたままになる。これはいったい、なんなのだろう。
敢えて言えば、テーマパークのアトラクションに出てくるファンキーなクリーチャーである。
おぞましくも憎めない外見だが、ノコギリの歯に噛み砕かれたらひとたまりもなさそうだ。
-
怪物の巨大なあぎとは開かれ、鼓膜破れんばかりの咆哮を放つ。
大気は震え、大地は震撼し、カツオは尻持ちをついてしまう。
これは現実ではなく夢のはず。だが、覚めて欲しい最低の悪夢だ。
「てゐ、君だけでも早く……てっ、うぇ、そりゃないよー」
振り返ると、相方は既に逃げ去った後だった。
無事を祈る気持ちと、見捨てられた悔しさがないまぜになる。
この場に残っているのはカツオ、怪物、そして、仮面の男だけだ。
彼は怪物のぎらついた視線に怯むことなく、不動の姿勢で向かい合っている。
正体不明のキャラが巨大な怪物を一刀両断するのはお約束の展開だ。
カツオは自分が襲おうとした相手だということを忘れ、彼に一縷の望みを託す。
おおきなかいぶつは、みえないはやさで、かめんのおとこをぱくりとのんだ。
希望は一瞬で砕かれた。夢のジャンルはオサレヒーローではなく、シュールホラーだったらしい。
カツオは肌が粟立ち、身体の至るところから体液が漏れるのを感じていた。
だが、今の彼にとって、そんなことは些事でしかなかった。
狩るものと狩られるものの絶対的な格差。確実に迫る己の死。
カツオは必死に起き上がろうとするも、腰が抜けて力が入らない。
怪物は食事を終えると、その双眼を残された獲物に向けてくる。
頭の中が真っ白になり、意味不明な叫びを上げた。
その時、生への執着にゴキブリ帽が反応した。
手足の筋肉に電気刺激を与え、這う姿勢のまま逃走を開始する。
あの秘密道具は本来、両足を素早く動かすだけだが、これに両手も加わり速度も二倍。
生き延びるため、二足歩行と人の尊厳を捨てて、虫のように走り出す。
◆ ◆ ◆
-
神代凌牙は幼き少女と共に夜空を見上げていた。
地上にいかなる喧騒が起ころうと、天空の星々は静かに瞬いている。
空気が澄んでいるせいだろうか、照明の多い市街地でも北斗七星ははっきりと見えていた。
彼は7つの星の中で、特におおぐま座イータ星、別名ベネトナシュが好きだった。
あの青白い輝きを見ていると、なぜかとても懐かしい気持ちに駆られるのだ。
「ちっ、星空だけじゃ、北半球ってことしか分からねえな」
「ここは日本でもイギリスでもないわ」
「おい、この島が何処か分かるのか?」
ナッシングは首を左右に振る。確かに、彼女は人より夜目が利く上、
創造主たるクロウリードから占星術の基礎知識、つまり世界各地の星図を授かっている。
だが、今の星空はどこにもないと言う。
もしかすると、この島は地球とは別の星なのだろうか。
それとも、サルガッソのような次元の狭間にあるのだろうか。
少し気になったのは、少女の語る地名が自分の知るものとは微妙に違うこと。
間違って覚えているのか、そもそも来た世界が違うのか、言葉足らずの情報でははっきりしない。
「なんだ、あの馬鹿げた窓は」
あれこれ頭を捻っていると、4メートルほど上空にシンプルな小窓が現れた。
間をおかずにガラスがスライドし、中から男の子が放り出される。
凌牙は全力で走り、落下する少年の重みを両腕で受け止める。気を失っているようだ。
「お姫様抱っこね」
「ナッシング、下らんことを言うな」
彼を静かに降ろし、その頬を叩く。
「きゅ、きゅうきょくキマイラ……」
うわ言のように呟いた後、意識を取り戻した。名前はリュカと言うそうだ。
彼はふたば幼稚園から雄叫びがするのを聞き、要未来と一緒に探索していたらしい。
だが、きゅうきょくキマイラの奇襲を受け、仲間は反撃する間もなく呑み込まれてしまった。
リュカは必死に抵抗したものの歯が立たず、同じく餌食になってしまった。
-
「それで、気がついたらここに放り出されていたと」
「うん、僕の話、信じてくれる?」
リュカは相手の顔をじっと見上げて、次の言葉を待っている。
ノーと言ったらショックで立ち直れなくなるのでは、という程の期待に満ちていた。
「悪いな。オレはお前の苦労話に興味はない。
それより、お前は何をして貰いたいんだ。それは俺にとってどんなメリットがある」
だが、凌牙は敢えて突き放し、ドライな言動を取る。
殺し合いの場で安易な馴れ合いは身を滅ぼすと考えているからだ。
彼自身にとってもリュカにとっても。
「あの、僕と一緒にきゅうきょくキマイラと戦ってください。お礼は後でなんでもするから」
少年は逆風に構わず、まっすぐな声で頼み込んでくる。
「凌牙、何でもしてくれるらしいよ。私が決めてもいいかな?」
「いいから、お前は黙ってろ。話が終わったら、また相手してやるから、な」
凌牙はナッシングの背中を優しく押して、会話の輪から遠ざける。
彼女は頬を膨らませながらも、空を飛んで街路樹の枝に腰掛けた。
この欲望に忠実過ぎる少女にビジネスライクな関係は無理である。
「リュカ、そういう約束は気軽に口にするもんじゃねえ。
それに怪物に挑んでどうするつもりだ。要未来のためと思っているなら無意味だぞ』
彼女はリュカと同じく、どこかに飛ばされただけだろう。仇討ちする必要はない。
それに幼稚園に近づくことを警戒するだろうから、そこに戻っても再開は難しい。
凌牙はそう諌めようとする。だが、リュカの意図は少し別のところにあった。
「僕も早く、未来と合流したいよ。
でも、それよりまず、キマイラを退治しないと何も知らない参加者がやられちゃう」
「こりゃ参ったぜ。お人好しなだけでなく責任感も強いのか」
-
凌牙は呆れたように肩をすくめる。抑えのアストラルがいない分、遊馬よりも面倒かもしれない。
放置したら、ひとりで危険なところに突っ込んで勝手に死んでしまうのではないか。
「アイツの弱点を知っているのは多分僕だけだから、僕にしかできない仕事だから」
リュカは自分に言い聞かせるように呟く。そこで凌牙は直観する。
この少年は深い悲しみを紛らわすため、皆に尽くそうとしているのではないか。
恐らく、未来との別離よりももっと大きなことを背負い込んでいる。
凌牙は詮索するつもりはない。だが、彼のもっとも大切な親友、どんな苦境の中でも
他人のことばかり気に掛ける少年を思い出してしまい、いつの間にか口を開いていた。
「お前は、前からきゅうきょくキマイラを知っていたようだな」
「うん、ポーキーが部下に研究所で作らせた電脳キマイラだよ」
きゅうきょくキマイラはゼロから作られた無敵のロボットだった。
研究員でも制御しきれず、暴走の限りを尽くしていた。
だが、リュカの仲間に弱点を突かれ、やっと機能停止したらしい。
「そうか、化け物はポーキーの部下か。だったら話は別だ。
丁度オレも、俺達を弄んだブタ野郎に一泡吹かしたいところだったからな」
リュカは部下という単語に反応して、少しだけ顔を曇らせる。
だが、すぐに笑顔に花を咲かせ、握手を求めてきた。
「ありがとう。この借りは絶対に返すよ」
「勘違いするな。俺がてめえを利用するだけで、お節介を焼いたつもりはねえ」
クールな関係を築くつもりが、結局お守り役になってしまった。自分も大甘だなと自嘲する。
その時、ナッシングが凌牙の服の裾を引っ張り、会話に割り込んできた。
「ダメ、私の約束が先」
「あんたのお友だちの方はまだ居場所が分かってねえだろう」
「あっちから、声が聞こえたの。急がないと遠くに行っちゃう」
彼女の小さく白い手は湾岸の方向を指さした。
-
【D-1 市街地 /早朝】
【神代凌牙@遊戯王ZEXAL】
[状態]:健康
[装備]:デッキ(神代凌牙)@遊戯王ZEXAL、デュエルディスク@遊戯王ZEXAL
[道具]:基本支給品一式
[思考・行動]
基本方針:殺し合いをぶっ潰す
1:悪人(?)の木之本桜を探しに湾岸へ向かう?
2:遊馬、璃緒を探す
3:ベクターを見かけたら、ぶちのめす
4:リュカのきゅうきょくキマイラ討伐に付き合う
5:ナッシングの力を警戒
※参戦時期は、真月零がベクターだと判明してからナッシュの記憶を思い出すまでです。
【『無』@カードキャプターさくら(アニメ)】
[状態]:魔力消費(小)
[装備]:無し
[道具]:無し
[思考・行動]
基本方針:お友達(さくらカード)を返してもらう
1:港湾に行って木之本桜を探したい
2:お友達を探すのを邪魔するものは消す
【リュカ@MOTHER3】
[状態]: PP消費中、疲労小
[装備]: 無し
[道具]: 基本支給品一式、不明支給品0〜2
[思考・行動]
基本方針:殺し合いには乗りたくない
1:凌牙と同行する
2:きゅうきょくキマイラを機能停止させる
3:要未来を探す
4:クラウス兄ちゃん……
※クラウスが仮面の少年であることに気づきました。
※支給品の『マジックタルト@MOTHER3』を食べて、少しだけPPを回復しました
※要未来はきゅうきょくキマイラによって、どこかに飛ばされました
アスモデウスも彼女のワープにより、一緒に強制転移させられています
-
◆ ◆ ◆
「うわっ、ゴキブ……じゃないわね。カツオ、無事だったのね!」
てゐの声で我に返る。いつの間にか、幼稚園から出てクローバー畑に入っていたようだ。
それでもカツオの緊張は収まらず、心臓は早鐘を打ち続けている。
「た、助かったのかな。僕は生きているんだよね、生きてるってことで良いんだよね?」
「幽霊には見えないわ。その代わり、顔が酷いことになってるけど。はい、チリ紙」
てゐは罪の意識を感じてるのか、バツの悪い表情でティッシュ箱を四葉の上に置く。
「じゃあ、ご好意に甘えて……これは花粉症の人のための高級ティッシュだね」
「職員室にあったから、魔理沙じゃないけど借りパクしちゃった」
カツオはしっとりやわらかな感触に安らぎを覚えつつ、鼻水と涙を綺麗にふき取る。
しばらくすると、気持ちが落ち着いてくる。よく見ると、自分の手に幾つものかすり傷がついている。
四つん這いで悪路を逃げた時のものだろう。興奮で痛覚が鈍っていたせいで気が付かなかった。
普段から野原を駆け回っているカツオにとっては、よくあるレベルの怪我だ。大したことはない。
それでも、手のひらの赤い筋は、彼の思考を真実の境界線に誘導する
実はこの傷口は夢想の存在ではなく、本物なのではないか。
いや、そんなはずがない。悪夢が現実だったなんて考えるだけで恐ろしい。
けれども生々しい光景は、夢と思えないほど鮮明に、彼の脳裏でリピートされる。
「カツオ、さっきから自分の手を見つめてどうしたの?」
「あ、えっと、嘘情報で誰かを怪物のところへ誘導したらいいんじゃないかなって」
「あれだけの目に遭って、もう新しい作戦を考えているの?
ホント、あなたは転んでもタダじゃ起きないわね。こっちも負けちゃいられないわ」
そういう彼女に後ろめたさはなく、普段通りの表情に戻っていた。
ああそうだ、ここは夢なのだから、どんどん気持ちを切り替えるが正しい過ごし方だ。
皆がそれで楽しめるのなら、夢だと割り切って何が悪い。カツオはそう結論付ける。
-
だが、それは大きな勘違いだ。子供の火遊びであっても、建物も燃え移れば大参事になる。
彼は神代凌牙に付いた嘘がどのような影響を与えるか理解していない。
「んじゃ、そろそろいいわよね」
てゐはそう言うと、小走りで5メートルほど距離を取り、鼻を摘まむポーズをしてから、
「さっきから臭ってるんだけど、漏らしちゃった?」
「えーと、生き延びるためにあらゆるものを犠牲にしまして、面目ない」
「早く身体拭いて着替えてこないと、コンビ解散するわよ」
ランドセルからトイレットペーパーを放り投げてきた。
カツオはキャッチボールの要領で受け止める。
「これもどこかで拾ってきたのかい?」
「厠の京花紙はぜんぶ回収しているの。後からトイレに入った人が困ってくれるでしょ」
実は、この島での紙の調達は案外面倒である。
市街地には多くの家屋はあるものの、大部分は電灯がぽつんとあるだけのハズレ施設だ。
だから、参加者は地図上の『みまつや』や『野比家』で食料雑貨を集める必要が出てくる訳だ。
ちなみにカツオは磯野家で自分の衣服を調達している。
だから残念ながら、全国のコスプレショタ好きの紳士淑女の期待に沿う展開はない。
「うへぇ、地味に陰湿なイタズラだねえ。女の人にはかなりキツいんじゃないの」
「これはイタズラじゃないわ。ポーキーの殺し合いをスムーズにするための策略よ。
もし、紙の代わりに下着を使ってくれれば、防御力が落ちて『殺しに貢献』できるわ」
てゐは胸を張り子供っぽい笑みを浮かべ、
それからクルリと背を向けてカツオが着替えるのを待つ。
先の主値用が詭弁なのは彼女自身分かっている。これも単なるごっこ遊びだ。
彼女は初め、カツオを得体の知れない人物と警戒していた。
だが、交流している内に、単なる楽観的な享楽主義者だと評価を改めつつあった。
それでも彼を見捨てないのは、肉盾目的だけでなく、精神安定剤の役割を果たしているからだ。
-
彼女の住む迷いの竹林は、幻想郷に存在する。
そこでは、妖怪は人を食おうと襲い、人間は妖怪を恐れて退治する。実際、犠牲者も出る。
されど、幻想郷の結界を維持するためには、個体バランスは一定に保たれなくてはいけない。
そのため、両者に決定的な対立は存在せず、決闘も儀礼的な意味合いが強くなる。
象徴的なのはスペルカードルール。死の危険が少なく力量の差も出にくい弾幕ごっこである。
異変が起きた時も、住人達はてゐを含め、多くの場合はこれを使って解決する。
つまり、今の幻想郷は遊びによって成り立っている世界だ。少なくとも強者の視点では。
対して、この殺し合いの場には、遊びの余地は全く存在しない。
ついでに死んだら復活するどころか、冥界に行けるかどうかも疑わしい。
てゐは他人を欺き、貶め、踏み台にし、醜くも生き延びるつもりでいた。
でも、あの少年は非力な人間の癖に、この状況をまるでゲームのように楽しんでいる。
ならば、自分も幻想郷にいた時のように、もっと余裕を持っても良いのではないか。
慢心するつもりはない。自身の生存が最優先だ。けれど、気楽に過ごしていても、
誰かが勝手に問題を解決してくれるのではないか、そんな気がしていた。
「なかなか面白いアイディアだけど、ポーキーが納得してくれるかなあ。
……いや待てよ。僕らがトイレットペーパーを独占すれば、他の人との取引に使えるんじゃないか」
「あ、面白そうね、それ採用」
だから、てゐはカツオがゲームじみた提案をしても、咎めずにむしろ悪乗りをする。
彼がここを夢の世界と誤解し続けているのは、彼女の振る舞いも一因である。
だが、夢はいつか覚めるものである。現実が彼に何をもたらすのかは、まだ分からない。
【E-3 草原 /早朝】
-
【磯野カツオ@サザエさん】
[状態]:健康
[装備]:ゴキブリ帽子@ドラえもん、とてもいいぼう@MOTHER3
[道具]:基本支給品一式
[思考・行動]
基本方針:あらゆる手段で生き延びる
1:殺しに乗ったフリをする。ただし、いざとなったら本当に殺す
2:偽りの情報で他の参加者をかく乱する
3:生活用品を手当たり次第収拾、独占して交渉材料にする
※これを夢だと思い込んでいる、もしくは自己暗示をかけています
※てゐを非力な年下で力のない妖怪と思い込んでいます
※神代凌牙から真月零の情報を聞きました
【因幡てゐ@東方Project】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、毒殺ティーセット@名探偵コナン、カツオと交換した支給品
[思考・行動]
基本方針:あらゆる手段で生き延びる
1:殺しに乗ったフリをする。ただし、いざとなったら本当に殺す
2:偽りの情報で他の参加者をかく乱する
3:生活用品を手当たり次第収拾、独占して交渉材料にする
※ゴキブリ帽子とカツオの何かの支給品と交換しました
※『人間を幸運にする程度の能力』の制限を一部確認しました。自分には使えないようです。
そのほかの制限は他の書き手にお任せします。
◆ ◆ ◆
-
クラウスは東京タワーの特別展望台で、下界を見渡している。
既に応急手当は完了した。次は疲労回復のための休息が必要になる。
休息と言えば温泉、これはノーウェア島の住人には常識である。
そして、C−3の隠し施設に宝具で作られた温泉が存在する。
現在地はそこから大して離れていない。トラップを使った転移は成功だったといえる。
きゅうきょくキマイラは参加者ではなく、殺しを促進するための舞台装置である。
直接、参加者に手を下すのではなく、団結した反逆者達を強制分断するのが狙いだ。
腹には秘密道具のどこでも窓が埋め込まれており、食われたものはランダムにワープする。
彼はそのカラクリを知った上で、キマイラを利用したわけだ。
だが、今はまだ動くべき時ではない。暫くすれば、一回目の放送が始まる。
その内容に応じて、方針を多少軌道修正する可能性もあるからだ。
クラウスは死者発表にはさして興味はない。この身が続く限り、殺戮を進めるのみ。
仮面に隠れたリュカとそっくりの顔は、ただ無慈悲に時が流れるのを待っていた。
【C-4 東京タワー /早朝・放送直前】
【クラウス@MOTHER3】
[状態]: 左手に火傷(処置済み)、PP消費(大)、ダメージ大(処置済み)
[装備]: クラウスの剣、刹那のバイク
[道具]: 拡声器、救急セット、基本支給品一式
[思考・行動] 基本方針:殺戮
1:放送を待つ
2:C−3にある温泉に向かう
※温泉が穂群原学園の屋上にあるかは不明です。
-
【きゅうきょくキマイラ@MOTHER3】
ノーウェア島のキマイラ研究所で作られた電脳キマイラ。
原作では触れるだけでゲームオーバーになり、戦闘に持ち込むことさえできない。
このロワでは参加者の殺生をしないようにプログラムされており、呑み込まれると
どこでも窓@ドラえもんの力で、域外に飛ばされる(ワープする)スマブラX仕様である。
背中のスイッチを押すと機能静止するが、しばらくすると頭のヒヨコが再起動させてしまう。
あくまでトラップの扱いであるため、活動範囲はふたば幼稚園だけなのか、
外へ移動するのか、それとも散策して二度と出なくなるのかは後の書き手にお任せします。
【どこでも窓@ドラえもん】
どこでもドアの機能を持つ小窓。
ただし、組み込まれたきゅうきょくキマイラ@MOTHER3に
場所を指定する知能はないので、ランダムに飛ばされる。
【救急セット@現実】
一般家庭にあるような医薬や包帯など救急用具一式が入った箱。
使っても急にHPが回復したりはしない。
-
投下終了です。何か問題があればご指摘ください
-
おと、補足し忘れていた
狙いあっての強引なデビチル分断話なので
そこまで無理する必要がない、とか意見があれば
撤回とか問題部分除いて再構成(おそらく、ただの2作品投下になってリュカや未来が消える)
とか考えています
先に書いたようにホントは仮投下したかった作品なので
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投下乙です。
予約してない未来を動かしすぎだと思います。
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貴重な一押しをありがとうございます
未来を強制離脱させないのなら、この段階でキマイラを出したくないのと、
こちらの見立て違いで、キマイラを外したクラウスパートの再構築が思いのほか困難だったので
数日お時間をいただいて、シャークパートだけ再構築、残りのキャラパートを
破棄させていただきます。長期間のキャラ拘束、申し訳ありませんでした。
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む?
これはどう見るべきか
というかどうなるんだ
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投下乙
破棄する必要ないんじゃないかな
未来の結果
【要未来@デビルチルドレン 場外退場】
の一行だけ追加すればいいわけで
オブラートに包んでるから分かりにくいだけで
持て余した作品の処理をしてくれた、
かつ他に持て余したキャラを弾ける仕組みを作ってくれたってことでしょ
ぶっちゃけこのままだとかなり高い確率でロワ停滞しちゃうわけで俺は賛成する
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え? これで死亡扱いなの? 別のエリアに飛ばされたんじゃなくて?
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別エリアぶっ飛ばしでいいんじゃないの
最悪続き書かれなかったらいしのなかにいるオチとかで処理できそうだし
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台詞無しでも描写はあるから未来の状態表を加えてくれればそれでいいと思う
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消息不明っつうことにしておこうってことか
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お手数掛けました。未来はあくまで別エリアに飛ばされたという扱いです
では、
>>196の末尾に状態表を追加して、そのまま投稿します
【リュカ@MOTHER3】
[状態]: PP消費中、疲労小
[装備]: 無し
[道具]: 基本支給品一式、不明支給品0〜2
[思考・行動]
基本方針:殺し合いには乗りたくない
1:凌牙と同行する
2:きゅうきょくキマイラを機能停止させる
3:要未来を探す
4:クラウス兄ちゃん……
※クラウスが仮面の少年であることに気づきました。
※支給品の『マジックタルト@MOTHER3』を食べて、少しだけPPを回復しました
【?? 消息不明 /早朝】
【要未来@真・女神転生デビルチルドレン(漫画版)】
[状態]: ――
[装備]: 未来のデビライザー
[道具]: 基本支給品一式、不明支給品0〜1
[思考・行動]
基本方針:――
※きゅうきょくキマイラによって、どこかに飛ばされました
アスモデウスも彼女のワープにより、一緒に強制転移させられています
基本的に、この島にいると想定していますが、
他の可能性も否定せず、後続の書き手にお任せします
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この流れ見て思ったんだけどもういっそ放置されてるやつらは放送ま
おっと、誰か来たようだ
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最悪、放送でデビチル組をズガン……は気の毒なので、
場外追放して、描ける書き手が来たら復帰させるでも良いかもしれない
復帰時にフラグ貰えるから、それまでの蓄積無くても活躍できるよ
ひなたが野比家向かってるから、
サンデー組との兼ね合いだけは何とかしないと放送行けない
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デビチル把握するには漫画喫茶に行って読めばいいじゃないか
当然料金は掛かるが
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漫喫にあるのデビチル?
2,3箇所で探したけど見つからなかった
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濃いところ限定じゃねえかなあ……いっくらワイド版で出てるとはいえ。
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1キャラだけならまだごまかしも利くけど3キャラいるからなあ
この状況で常連誰かが満喫で見つけて一人が書けるようになったとしても、リレーという仕組み上非常にしんどい
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他ロワとの掛け持ち書き手が多そうなのが結構響いてるかな
片手間で把握できないとハードル高くなる
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ゲーム版だったらアーカイブあるのになぁ、漫画版はどこにもねぇ……
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たぶんゲーム版でもバレないと思うんですけど(名探偵)
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>>名探偵
金田一か何か?(すっとぼけ)
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俺んとこのブックオフには新装版全巻売ってんだけどなぁ
やっぱ田舎だからちょっと並びが違うってことか
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売り手も少なそうだし買い手も少なそうだもんな
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ジーク、プライド、甲斐刹那、クロエ・フォン・アインツベルン、フランドール・スカーレット予約します
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ついに難関組が予約来たー
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まさかプライドや刹那がここまで予約されないとは思わなんだ
組み合わせが悪かったのか?
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ハガレンは知名度高い方だと思うんだけどなぁ
プライドが不人気なのか
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ハガレンはプライドの正体が違う1期しか知らないって人も居そうな気がする
原作や2期でも出始める時期が他のホムンクルスより遅いからある程度読んでないと分からないだろうし
(後半からの)出番や人気は結構あるんだがなぁ...
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ジークとプライドの組み合わせだから難しくなった
んであって、それぞれ単発だと把握はそこまでって気も
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Apoは、このロワで初めて小説だと知った。
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俺もハガレン一期は映画まで全部みたけど、二期はなんか中華な女の子が出てきた辺りからかなり自信がない
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単独参戦キャラは離したほうがよさそうかも
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単独参戦なのに無駄に存在感が強いキ○ガイがいるらしい
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>>235
ジュラル星人め!
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僕が滅ぼしてやる!
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あのキチガイはネットで有名になってる話しか見てない書き手がほとんどだと思うし、それで十分なキャラだとも思うw
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アニメ見てないのにMADで理解できてしまうキチさん
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ジュラル星人め、死ねえ!と善良な対主催を誤殺するだけの簡単なお仕事です
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そもそもあいつまともな把握必要なのか?
ってレベル
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下手なマーダーよりも暴れそうだからな研
地味に本人のスペックも高いし
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キマイラよりぶっそうだな
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きゅうきょくキチガイ
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ジュラルが関わってる→ジュラル星人め、許さないぞ!
ジュラルが関わってない→ジュラル星人が化けてるんだ、許さないぞ!
どないせっちゅーねん
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研がサーヴァントとして扱われたら確実に精神汚染持ち扱いされるな
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設定で精神汚染持ちが明言されてるアサシン相手なら研とまともな会話が出来る可能性が微レ存?
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話がなんか通じそうなのはしんちゃんかな
アサシンやフランみたいに真っ直ぐに殺しにくるのは逆に苦手じゃないか
誤解も何もなく研がまともに戦うことになってしまう
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つまり常識人キラー
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書き手の都合で真っ当な対主催でもキチガイでもいけるのが研です
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刹那がいるから対話(物理)で分かり合おうか
なのはもやってる手段だ
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刹那?ヤツなら消えたよ(未来予知)
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雑談フリーでも展開読みや展開潰しは自重しよう
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トランザムの方を思い出してごめんなさい
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まどかタイタスは一度ロワで実現したい
まどかがタイタスに乗るとかでもいい
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>>244
笑ってしもうたやないか
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そういえばエレジーってどうする?
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放送時に場外除外で名前呼ばせればいいんじゃないかな
例の怪物に飛ばされた扱いで
待つにしても期限切りたいな
せっかく貴重な順調ロワだったのに本当に停滞してしまう
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また研のキルスコアが上がるのか
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んなくだらねえこと言ってるから停滞するんだよ
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とりあえず、明日が投下予定日と言うか予約期限なんだから
どういう話になるか楽しみに待とう
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社会人としての都合上、期限時刻ギリギリになってしまいそうですが、投下は必ず間に合わせます
どうかご了承下さい
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たとえリアルが忙しくても締め切りに間に合わす書き手の鑑(ハードルを上げる)
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ハードルは 超えるのでなく 潜るもの 書き手心の一句
投下を始めます
-
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
濁流に飲まれていた意識が、砂浜に打ち上げられる。
塵のように放り出されて、甲斐刹那は覚醒した。
「……………………ぁ」
時間の経過が思い出せない。
方向の感覚が定まらない。
今何処にいて、どれぐらいの時間が過ぎたのか。そもそも自分の身に何が起きたのか。
何もかも置き去りにされていた刹那には、過去の記憶の反芻にすら幾ばくかの空白を要した。
それでも暫くすれば、弱まっていた脳の動きも再開を始める。
魔界の騒乱を潜り抜けた百戦錬磨の戦士、デビルチルドレンとしての性が目覚めていく。
急速に解凍される記憶。
流れる回想は全てを刹那に思い出させる。
孤島に開かれたバトルロワイヤル、戦端を開いた仮面の少年、戦う自分とパートナーのデビル。
そして―――ずっと会いたいと願っていた、少女が、。
「―――!未ら……ッ!?ゴホッ!ガ、ぁ――――――ッ!!」
立ち上がり名を呼ぼうとした途端、口の中に広がる鉄の味に咳き込んだ。
凝固しかかった赤黒い塊が、唇から糸を引いて地面に落ちる。
血の味は初めてではない。何度も味わい、浴びてきた臭いだ。
けどこの気持ちの悪さには、相変わらず慣れない。吐きそうになる気持ちを抑えられない。
倒れていたすぐ傍に落ちていたランドセルから基本支給品にあったペットボトルを取り出して、中の水で口をゆすいだ。
「〜〜〜〜〜ッッ!?!?!?」
瞬間、含んだ水を盛大に噴き出した。
口内に広がった、水とは思えない刺激的な味。
焼けるような、痺れるような、溶けるような、とにかく得体の知れない味だった。
ただの水だと思い込んでいた安堵からの落差もあって、混乱は更に深まっていく。
結局、発作が収まるまでに更に数分を要した。
「……くそ、最悪だ」
意識がハッキリしたのだけは不幸中の幸いか、と立ち上がる。
とにかく、動けるなら今すぐ動くべきだ。そして探すべきだ。未来を。
混乱から完全には冷めやらぬ刹那にとって、真っ先に頭に浮かんだのは、再会を果たした要未来のことだ。
大魔王を倒し、魔界を救う。デビルチルドレンの使命の重さは身に余るほど感じている。
だがその重さと比べ物にならないほど重く、大きな願いが自分にはあった。
もう一度、未来に会いたい。会って、話がしたい。
別れてからの旅の大半はそれが理由だった。
その願いを握り締めて戦い、死にもの狂いで生きてきた。
手がかりはないがなんてことはない。ついさっきここで会ったばかりだ。
何処にいるかも分からなかった今までに比べれば遥かに近い。
手に届く距離にまで迫った姿を、今度こそ掴む。そして離さない。
「―――よっし。行くか!」
顔を叩いて、前を見据える。
これから進む、希望を手にする新たな道程を。
-
「――――――――――――な?」
そして、今しがた口にした言葉は大きな間違いだったと、目の前に広がる景色を見て思い知った。
空の模様が、腐った色に染まっている。
様々な色彩を考えなしに混ぜ込んだ絵の具で、子供が描いた画用紙の落書きのように。
地面も建物も、同じように狂った色に変わっていた。
どこからともなく、子供達の声が聞こえてくる。
可笑しくて可笑しくて仕方なくて、絶え間なくあげられる笑い声だった。
笑い声は合唱になり、反響し、わけのわからない暴音が耳をかき回していく。
辺りを見回しても、誰もいない。何もない。
なのに声は聞こえる。不気味な笑いが途絶えない。
なのに誰かに見られている感じがある。不気味な目だけが自分を盗み見ている。
最悪な目に遭った、などでは終わらない。
これから始まるのが、真の最悪が始まる。
世界が、甲斐刹那を侵していく。
-
≪⦿≫≪⦿≫≪⦿≫≪⦿≫≪⦿≫≪⦿≫≪⦿≫≪⦿≫≪⦿≫≪⦿≫≪⦿≫≪⦿≫≪⦿≫
「平気か、セリム?」
「ちょっと疲れましたけど、まだまだ大丈夫です。少し休めば平気ですよ」
居間に腰を下ろすセリムを気遣いつつも、意識は外に変化がないかを注視し、気配がないかを敏感に探査する。
偶発的に接触し、共に行動をすると決めたジークとセリム・ブラッドレイ。
視界が悪い暗闇の森という暗殺者にとって絶好の狩場を、セリムに負担をかけない範囲で出来るだけ足早に抜け出してから、
二人は今、地図に載ってる施設で最も近場のみまつやという見せでひとまずの休息を得ていた。
駄菓子の類から生活用品まで、雑多な商品が所狭しと並ぶ店内はジークにとって見慣れぬものだった。
人間的な生活を行える自由を得てから未だ三日足らずなジークには当然といえた。
黒のアサシン探索に赴いたトゥリファスの街並みにもない光景だ。
店名からしても東洋風、それも聖杯戦争誕生の地である日本の様式らしい。
碌に備わってない多文化の知識を捻り出しながら、ジークは思う。
こんな風に、自分の考えにはない文化を知り、会ったことのない人を知り、世界の広さ、多様さを知る。
成る程。黒のライダー(アストルフォ)が言ったように、その生き方はきっと素晴らしい。
ささやかで穏やかで、たまらなく平和であろう未来。彼が自分にそんな道を促してくれたのにも頷ける。
仲間を救うという自分の選択に後悔はない。けど、そんな可能性があの時の自分には確かにあった。
たったそれだけの事実も、水槽の中の餌という意義(いのち)しかなかったこの身には望外の幸福だったのだ。
見れば、セリムも物珍しいのか目線をせわしなく左右に動かしつつ店内を物色している。
未知なるものに目を輝かせるのに、出生や種族の垣根はないのかもしれない。
-
「……気になるものがあれば、幾つか持っていけばどうだ?」
何となしに、そんな言葉をかけてみる。
ジーク自身は特に必要に感じないが、栄養補給という観点で食料の調達はこの環境では必需といえる。
……脳内に浮かぶ二人の健啖家を思い浮かべる。特に一方にとっては行動不能に陥る危険もあるほどの死活問題だ。
「駄目ですそんなの!僕お金持ってませんし……ジークさんは?」
「生憎だが、俺にも貨幣の持ち合わせはない」
というより、金銭を所持した経験がない。
縋るようなセリムの視線に申し訳なさを思いつつ、正直に財政状況を伝えた。
……申告して気づいたが、実社会において自分の状況というのは、かなり問題のあるものではないだろうか。
ホムンクルスである時点で、今更な話ではあるのだが。
「お店から勝手にものを取っちゃったら泥棒になっちゃうんですよ?」
「それは早計かもしれない、セリム。この店には商売を仕切る者、いわゆる店主やそれに準じる従業員がいない。
この会場の支配者はポーキーだ。彼の所業は許せるものではないが、それでもこの一帯の所有者(オーナー)には違いない。
その彼が配置した店に何の支払いのシステムも搭載されていない。
であれば『この島にあるものは好きに使っていい』という意思表示である可能性も―――」
「それはないです」
「しかし」
「ないですって」
なるべく望みに沿うよう妥協案を示したつもりだったのだが、セリムは取り付く島もない。
法外の下で生まれたジークと違い、健全な教養を受けてきた人間には当然の価値観なのだろう。
「……む」
良い解決法が見つからず思案に耽るが、ここでふと思い出す記憶があった。
手に提げていたランドセルに手を入れ、中身に重量を感じさせる袋を取り出す。
「セリム。これは貨幣の代替にはならないだろうか?」
袋の中から摘み出したのは、星の型が彫られた一枚の金貨だった。
中にはまだ相当量の同じ種類の金貨が収められている。
材質も確かに金だ。売買は成立してると見なされてもいい筈だ。
「え―――その…………それなら、大丈夫、じゃないですか?」
「俺は平気だと思う。少なくとも買い手としての義務は果たしていると判断しているが」
「う、うん。そうですね、念の為二枚置いておきましょう!それなら万全です!」
「わかった。そうしよう」
後押しもあって、ようやく納得し得るだけの材料が揃ったらしい。
衝動を縛る枷が外れて、セリムは目を輝かせて店を駆け回る。
本当はもっと前からそうしたかったが、様々なしがらみがその自由を縛っていたようだ。
それが後々彼の人生に影響があるなど想像は出来ない。
ひょっとすれば、情操面に悪い成長を促してしまい、将来父母が嘆くかもしれない。
ただ、独り怯え、死の恐怖に固まるかもしれない末路を思えば、見た目相応の少年らしさでいられる今の方が尊いものであると、そう信じたかった。
ジークもレジスターに金貨を二枚置き、目についた適当な食糧をランドセルに放り込んでいく。
自分には必要ないかもしれないが、他の者もそうであるとは限らない。
傍らにいた、可憐な見た目と裏腹に良く食べる少女を見て憶えた事だ。
-
僅かとはいえ思考をセリムとの対話に向けていた、そんな時だった。
店の外から、甲高い金属のようなもの同士の激突の残響を聞き取ったのは。
「―――――――――?」
胸に収められた心臓が、その時、一巡だけ刻む鼓動を強めた。
何者かが、それも音から察すれば、二人の人物が近くで戦っているという可能性に緊張した―――わけではない。
殺し合いという環境上、戦闘が発生し、それに遭遇するのは承知している。
まして自分も仮にも英霊の闘争を直に味わった身。委縮するには値しない。
竜殺しの英雄の心臓が送り出した一瞬の血潮は、昂揚とも衝動とも呼べる、曰く言い難い熱があった。
まるで先の発生源へ向かうのを急き立てるような、心臓自体がそこへ馳せようとし、それに体が引き寄せられるような。
英雄より与えられし新たな心臓が並々ならぬ現象を起こすのはこれまで何度もあった。
だがこんな反応は初めての事だ。予測できず、予想もつかない展開に戸惑いが生まれる。
「……セリム」
音はセリムにも聞こえていたのだろう。こちらは些かの不安を混じらせた顔でジークを見ている。
「向かうんですか?」
「様子を見に行く必要はある。
一方的に襲われているのなら救助する必要があるし、場合によってはそのまま戦闘にもつれこむ場合もある。
君はここで待っていてくれ。先の守るという言葉を反故にするつもりはないが、わざわざ危険地についてくる事もない」
「……はい」
詳細な状況も掴めない場所に一緒に連れていくよりは、ここで隠れてもらった方が危険はまだ少ない。
その理論自体は承服してるのだろう、セリムは素直に首肯する。
しかし、やはり取り残されるという事実に心細さを覚えているのか声は細切れになっている。
「―――大丈夫だ、すぐに戻ってくる」
そんな意気を少しでも慰めてやりたいと、そう宣言した。
戦いに絶対はない。それは分かっている
敵も味方も判明しない戦場で自分にどれだけの事が出来るのか、断言できるものではない。
冷静に判断するならば、ここでの確約を果たせる確率など見積もる段階にも届いてないのは明白だ。
それでも、口にする。
ただセリムを元気付けたいだけではない。己にとっても、これは現実にしなければならない言葉だ。
「……分かりました。約束ですからね!」
そんな思いは届いたのか、少しだけ明るい語調でセリムは返事をくれる。
彼への信頼に報いるためにも、なおさら約束は守らなければならない。
扉を出て、セリムに背を向けて走り出そうと足に力を込めて。
-
「ジークさん」
呼び止められた声に、無防備だた背を庇うように反射的に身構える。
振り向いた先にいるのはセリムただ一人だ。自衛の力にも乏しい脆弱な、されど懸命に生きている命。
店の照明の下に立つ少年の濃い影が、地面に映っている。
「あなたは、何の為に戦うのですか?」
その問いは、今まで接してきたセリム・ブラッドレイとは微妙に乖離を感じさせる言葉だった。
埋もれた疑念が再び膨れるが、この質問そのものにそれほど意味はないのだと理解する。
問われた以上は、返すのが礼儀だろう。逡巡の後、ジークの基盤となった思いを口にした。
「―――恩人達に、恥じない生き方をするため。
何もない俺に救いの手を差し伸べてくれたように、俺もまた、誰かに手を差し伸ばせる一個の命でありたいからだ」
その答えを聞いて刹那の間、セリムはまた新たな表情を見せた。
羨むような、好むような、怒るような、驕るような、けれど悪意は感じられない顔。
「……必ず帰る。少しだけの辛抱だ」
体を反転させ、今度こそジークは朝靄のかかる街を駆けだした。
-
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
あてのない疾走は、停止のタガが外れてしまったように止まらなかった。
目指す先など定めておらず、見えもしないものから追い立てられている恐慌が背中を押していた。
「ハ―――ハッ――――ハア―――――――!」
休みなく動かしてきた両足が痺れ痛切に訴えてる。
空気を入れては出してを繰り返した肺は呼吸の度に苦しげに締め付ける。
苦しくて、苦しくて、苦しくてたまらない。
早く止まりたい。体を休めたい。
けれど、止まれない。
止まってしまえば、苦しいだけでは済まされない。
呼吸が足りず、酸素が足りず、意識が朦朧とする。
そうしていた方が、この景色を再認するよりまだましだ。
「……ッ!!」
そんな不注意が祟り、段差に気づく事なく足を踏み外す。
バランスを失った体は受け身を取る余裕もないまま地面に投げ出される。
打ち所は悪くならなかったものの、痛みが全身を駆け巡り、次いで溜まり切った疲労の反動が押し寄せる。
「グ、ァ―――!アアハ―――アァ―――――!」
仰向けに倒れた姿で何度も胸を上下させる。
後先考えない全力疾走は、鍛えた甲斐もあってかなりの距離を稼いだ筈だった。
けれど目を開けた先に待っていた空は、先と全く変わりのない壊れた空のみ。
おかしくなる笑い声も、依然として消えてない。
いったい、どうなってるのか。
胸中を埋め尽くす疑念が心身を苛ませる。
この光景は果たして現実なのか。虚構なのか。
形を変えて問うならば。狂っているのは世界か、自分か。
それは自分では測れるものではなかった。狂人は異常者だという自覚がないからこそ狂人なのだ。
確証が欲しい。
自分以外の誰か。その者にはこの場所はどう見えてるのか。
そこまでして、自分の手にいた仲魔を遅まきながら思い出した。
だがパートナーであるクールは既に呼び出してしまったか、という予想とは裏腹に、愛銃にはケルベロスの刻印が刻まれた魔弾が備わっていた。
戻した記憶はないが、ここにある以上疑う余地はない。
-
「コール」
銃弾を装填し、引き金を押し放つ。
閃光と衝撃。姿を見せたデビルに事の状態を見てもらう。
「クール。早速で悪いけどさ。
今お前には、この景色がどう見え――――――――――」
「景色?そんなん真っ暗闇に決まってんじゃねえか。
お前と俺の先には、血が凝り固まって出来たみてえな黒い孔しか待ってないだろ?」
二の口が利けない。
表れたデビルは、クールではなかった。
だが、知らないデビルでもない。
白い体毛。大きな体躯。
甲斐刹那の前で、初めて散らした仲魔。
「……ダス、ト」
掠れきった声。
知らない声が、死者の名を答える。
「どうしたの刹那?そんな呆けちゃって。
私達を呼び出したってことは、もう一度戦ってくれるんでしょう?
いいわよ、戦いましょう!一緒に精一杯、戦って死にましょう!
だって私達、もう死んでるんだから!」
「ネコ、マタ?」
答えた時には、名前とは違う姿が立っていた。
猫の耳。白い肌。明るい配色の女性。
-
「それで刹那」
二人(ダレカ)は笑う。
「次は誰を殺すのに」
顔を盛大に歪ませた、不気味な笑顔で。
「私達を消費し(つかっ)てくれるの?」
いつの間にか握り締めていた破邪の剣を、目の前の悪魔(ナカマ)に横一線に振り払う。
悪魔は攻撃されることを想定してなかったのか、無防備にもその一撃を受け、艶めかしい血を噴き出した。
「アアアアアアアアアアアアアアッ!!!」
肉を切り裂いた感触。
舞い散る血飛沫。
響き渡る絶叫。
どれも幻にしては臨場感のありすぎる、リアルの情景。
「やっぱりそうか!お前は人殺しが好きなんだ!!この人殺し!!俺達を殺したいんだ!!!
一度死んだ私達をもう一度殺そうだなんて!!そんなに私達に死んで欲しいの!?」
二人の声の混じりあった罵倒が胸を焦がし、刺し穿つ。
彼らは本当に、幻ではないのだろうか?
そうに違いないと思ったからこそ剣で斬り付けた。死んだ命は決して蘇らない。
彼らの命は、自分が奪った。少なくとも一方は確実にそうだ。
ここにいるのは自分に邪魔な存在、要てはならないものだと決めつけて、躊躇なく殺しにかかったのではないのか?
震える腕を必死に押さえつける。
そうでなければ、この腕は自動的に二人へと下ろされてしまう気がして。
「刹那」
懐かしい、聞いたばかりの少女の声が、耳朶を侵す。
その正体も薄々確信しつつ、呼びかけられた方へ目線を贈る。
-
「――――――未来」
唐突に出てきた、待ち望んでいた筈の少女も、同じ薄ら笑いを張り付けていた。
「そう、未来よ。あなたが会いたがってた未来。あなたが見捨てた未来。
あなたが思いッッッ切り殺してくれた未来が、もう一度。あなたに会いに来たのよ」
右手に持つのは、赤いマフラーを巻き付けて形成されたサーベル。
未来の顔をしたナニモノか(ドッペルゲンガー)は、愉悦を煮えたぎらせた破顔でこちらを見つめている。
「ホンモノはもうあなたと会いたくないの。未来は永遠に私達のものだから。
だから代わりに、私が一緒にいてあげるワ。嬉しいでしョ?嬉しいワヨネ?」
「テメエ……」
明確な殺意に火が灯る。
剣の柄を握る指に、満身の力を込める。
これが幻であったとしても。
彼女の姿を取ったモノがこんな真似を取る事自体、断じて許せない―――!
「これ以上、未来を穢してんじゃねえぞォォォォッッ!!」
白銀を迎え撃つ鮮血。
交差した刃を押し合って、主導権の競りになる。
力では向こうが勝るのか、こちらの剣は赤剣に阻まれたまま前に動かない。
「ギラッ!!」
閃熱の呪法を詠唱する。
零距離からの熱波は敵の上半身を呑み込み、後方へと弾き飛ばす。
発動が近過ぎた故の自己の損傷など、気にするものではない。
「何い言ってるのの?穢したたのははアアアナタデショショショショ?」
所々に火傷を作っているが、敵は健在のまま気の障る台詞を吐き続ける。
邪魔な口を黙らせるべく猛然と斬りかかる。
敵は反撃の余力もないのか、連撃を辛うじて逸らすのみだ。
優勢を取りこぼす愚は犯さない。このまま攻め切り、殺る。
剣から片手を離し、デビライザーを振りかざす。刻印銃は入れていない。フェイクだ。
ブラフの召喚を警戒し退避の態勢に入る敵。
その隙を突き、魔法を放つ。慮外の攻撃に虚を打たれ、咄嗟に構えた剣で防御する。
問題ない。不意打ちのギラに対応し耐え切るまでが想定内。
態勢の崩れたところを、直接の斬撃で決壊させる。
衝撃を逃がしきれず、武器を取りこぼした。―――――止めだ。
-
今も嗤う敵の顔を叩き潰そうと、最後の一撃の為の溜めを作る。
染みついた経験通りの動作。蓄積から爆発まで、二秒もない。
その後にこの顔は真っ二つに裂かれ、ひとつの骸を晒す。
予測通りの結末が訪れる、直前。
「ッッッ!?」
横合いからの、何か巨大な質量の衝突に全身が飛ばされる。
ちょうど人間大の大きさと重さが全力で走った後肩口から思い切りぶつけられれば、こんな風になるだろうという傷み。
足が地を離れ重心を失い、それでも肉のバネを引き回して剣を唸らせ、襲撃者に反撃を加える。
当たりはした。だが直撃には遠い、肉を僅かに抉る程度の手応え。
地面を転がるようにして受け身を取り、すぐさま起き上がる。
そこにいたのは、誰だったか。
銀色の髪に、赤い瞳。
右手にぽっかりと空いた傷穴から、誰かの忍び笑いが聞こえてくる。
そうだ。あれは、
刹那(オレ)だ。
甲斐刹那が、要未来を守るようにして、知らない誰かの前に立ち塞がっていた。
-
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
姿を見てから、とにかく無我夢中だった。
心臓が猛り、躰のブレーキが一気に外れ、大地を踏む足の力が倍加した。
己の命の保身という考えも、この時ばかりは完全に失念していた。
去来するのは、一言では説明しきれない複雑な言語の羅列。
『護れ』。『戦え』。『奪い取れ』。『倒せ』。『叶えろ』。
統一性のない、砂嵐のような言葉の暴力。
これは己から湧き出た感情ではない。もっと奥底、魂の一片に刻まれた命令(コマンド)。
劣化型の消耗品である自分ではもう思い出せない、冬の聖女の血の共鳴。
震える心臓も、己の意思によるものではない。そもそも自分を生かす心臓に意思などが介在する余地はない。
この心臓は元はサーヴァントのもの。サーヴァントとは聖杯戦争の為に英霊の座より招かれた戦闘代行者。
その共通目的はサーヴァントの撃破。そして、聖杯の獲得。
戦いを円滑に回す為に聖杯から与えられる、「サーヴァントを倒せ」という高揚感(システム)。
襲撃者は、一撃を入れてすぐさま立ち直るが、こちらを見た途端、不利を悟ったのか逃げ出した。
無差別に人を襲う手合いなら追撃をかけたかったが、負傷者を二名放置していくというのには気が引けたし、セリムへの約束もある。
座り込む少女には見たところ大きな傷はないが、疲労のせいなのか活力が失せているように見える。
銀の髪、浅黒の肌、紅玉の瞳。
肌の色さえ除けば、自分達(ホムンクルス)と大差のない容姿。
……吸い込まれそうになる自分を律し、立ち上がらせようと手を伸ばす。
「―――大丈夫か」
「……何とかね。お礼は言っておくわ。
ああくそ、カッコ悪い言い訳だけど油断してたわ。
こっちは必死に待てっていうのに、あっちは聞く耳持たずで剣向けてくるんだもの。
それで仮にも恩人に対してちょっと失礼だと思うけど―――あなた、なに?」
怪訝な表情、警戒はしてないが疑念を抱いた目で少女は睨む。
「名前を問うているのなら、ジークだ。
この殺し合いについての立場についてならば、反抗するつもりでいる」
「いや、それもそうだけどもっと大事な……はあ、私の周りにはこんなのばっかか」
頭に手を当て、何やら一人で納得した風になる。
どうやら一件落着らしい。ならここからは後処理だ。
-
倒れているもう一名、犬に近い姿をした、使い魔らしき獣の傷は深いが、まだ救命の見込みはある。
最後の支給品は、確か治癒に効く道具であったはずだ。
賢者の石、などという知る者にとっては物々しい名称だが、ただの複製品であると受け止めた。
なによりも、複数人を一挙に治療できるという効果はこの場では都合がいい。
人であるかないか、消耗される命かどうかで救いの手を止める事はしない。
そうやって基準の選別をしていれば、自分もまた救われるに値しない命だったのだから。
「済まないが、君の名前はまだ聞いていなかった。
差支えがないようなら、教えて欲しいのだが」
「私?いいわよ。困るようなものじゃないし」
済ませるべき事を考え終えて、始めに聞いておくべき事を忘れていた。
一拍子遅れて、目の前の少女の素性を知る。
自分にとって忘れられない、大きな意味を持つであろう銘を。
「クロエ。クロエ・フォン・アインツベルンよ。
今後とも宜しくね、おかしなホムンクルスさん」
【C-3 市街地/一日目 早朝】
【ジーク@Fate/Apocrypha】
[状態]:健康、右手甲に傷
[装備]:アストルフォの剣@Fate/Apocrypha
[道具]:基本支給品一式、小さなメダル×n@ドラゴンクエストⅤ、
けんじゃのいし@ドラゴンクエストⅤ、雑貨多数(食料多め)
[思考・行動]
基本方針:参加者を保護し、殺し合いを打破する。
1:クロエと使い魔(クール)を治療後、セリムの元へ戻る。
2:セリムと同行するが、警戒は解かない。
3:黒のアサシンは早急に排除する。
4:魔術の秘匿についてどこまで徹底するかは、もう少し情報を集めてから考える。
※原作第三巻終了時点からの参戦です。
※『竜告令呪――デッドカウント・シェイプシフター――』残り三画。
※暗示の魔術は制限されています。
【ちいさなメダル@ドラゴンクエストⅤ】
名の通りのちいさいメダル。相当量支給。
たくさん集めるといいものと交換してもらえるがそんな場所がここにあるかは不明
【けんじゃのいし@ドラゴンクエスト】
パーティー内の仲間全員を回復できる石。
回数制限があり、最大3回使うまでにランダムの確率で壊れる。
【クロエ・フォン・アインツベルン@Fate/kaleid liner PRISMA ILLYA プリズマ☆イリヤ】
[状態]:ダメージ(中)、魔力消耗(中)
[装備]:少年探偵団バッジ@名探偵コナン
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜3
少年探偵団バッジ@名探偵コナン×2、お菓子(たくさん)、飲料水(たくさん)
[思考・行動]
基本方針:殺し合いには乗らない。
1:イリヤ、美遊との合流の為、柳洞寺に向かう。
2:慧心学園付近まで移動したいが、その前に魔力をどうにかしないとやばい。
3:その後しんのすけ、ゆまと合流する
4:ゆまちゃんから魔力を供給して貰うのは、大変な状況の時だけよね、うん。
5:本当にアメリカ大統領の息子が居るのかしら?
※参戦時期は少なくともイリヤとの和解以降。
【C-3 みまつや/一日目 早朝】
【プライド@鋼の錬金術師】
[状態]:健康、苛立ち(極小)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜3 、雑貨多数
[思考・行動]
基本方針:未定。少なくとも今はまだ動かない。
0:ジークの帰りを待つ。
1:ジークを利用する。
2:無害な参加者に紛れ情報を集める。
3:光源の確保。
4:しんのすけと再会してしまった時は状況を見極め、冷静に対処する。
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「ガ、は―――あ――――」
息が続かず、倒れ込む。
尽きかけた体力で無理やり走れば、ガス欠になるのも当然だ。
それ以外のものも、尽きかけてしまっている。
逃げてしまった。戦いから。
余りに非常識で、戦意はその時に折られていた。
魔界に訪れて救世主として戦乱に身を投じる、なんて最上級の非常識に遭っていながら、
それを吹き飛ばすほどに目にしたものは受け入れ難い光景だった。
未来がいて。
刹那がいて。
それならいったい、俺は誰だ?
世界の居所が分からない。
自分の名前、自分の姿、自分の声。
己が誰であるかの自信がない。
偽物だと疑わないのに。今でもそうと思っているのに。
それでも、自分の意識と自分の存在が、合致しない。
今までそうであったと信じたものが、あっけなく引き裂かれる絶望感。
自己の喪失の危機に、正気はガリガリと削られていく。
耐えなければ、人として死ぬ。
だが耐えていても、いずれ壊れる。
「そんなところで蹲って、どこか痛むのかしら、お兄さん?」
聞こえたのは、至って普通の、どこでも聞けるような、そんな声。
-
「あら、あなた――――――」
膝を屈めて自分を見ているのは、金色の髪の少女。
興味深そうに凝視する瞳には、何の邪気も悪意もない。
「ふぅん。これが狂ってるってことなのかな。
お姉様も咲夜もみんな、私をこんな風に見ていたのかな?」
平和を謳い支配を強制する傲岸な天使とは違う。
世界に蔓延る穢れを癒すような、本物の天使がいた。
「ホントは誰か見つけたら頂こうと思ってたんだけど、やめた。
あなたとは一緒に遊んだ方が楽しそうだもの。
折角おなじひとと出会えたんだもの、すぐ壊しちゃ勿体ないわ。
あなたも、そう思うでしょう?」
その問いにどう答えたのかは、よく憶えていない。
ただこの意味の悪い世界においてただひとつ輝いていた彼女の近くに居たくて。
そうしていれば悪夢は覚めると、乞わずにはいられなかった。
「そう。嬉しいわ。じゃあ海岸の方へ行きましょう。さっき空から何かが落ちていくのを見つけたの。
きっとたくさん遊び相手がいると思うわ!
あ、いけない。名前がまだだったわね。
私はフランドール。フランドール・スカーレット。フランでいいわ。
今後とも宜しくね、壊れたお兄ちゃん?」
◆アクマのフランドールが 仲魔になった!
たぶん。
【D-2 市街地/一日目 早朝】
【フランドール・スカーレット@東方Project】
[状態]:ダメージ(小)、疲労(中)、脇腹に切り傷、全身に細かな傷
[装備]:レヴァンティン@魔法少女リリカルなのはシリーズ(カードリッジ残り3)
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜2
[思考・行動]
基本方針:殺し合って帰る
1:壊れたお兄ちゃん(刹那)と一緒に遊ぶ。
2:海岸の方に行ってみる。
3:次に誰かに会ったら血を味わいたい。お兄ちゃんは今は我慢。
【甲斐刹那@真・女神転生デビルチルドレン(漫画版)】
[状態]: ダメージ小、おげんき
[装備]: 無し
[道具]: 基本支給品一式、刹那のデビライザー、破邪の剣
[思考・行動]
基本方針:――
0?????
※元々狂っているフランドールは、おげんき状態でも意思疎通ができるようです。たぶん。
見た目も綺麗に見えるフィルターがかかってるようです。たぶん。
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タイトル忘れてた。「コンゴトモヨロシク」です。
投下終了です。時間食ってすみません
まずい点があれば指摘をお願いします
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投下お疲れ様です!!
狂気に蝕まれ、己の過去の暗い部分と首根っこ掴まれて強制的に対面せざるを得ず、
そこから本人も知らぬままに罪を重ねていくその姿、
圧倒的な描写力で書かれたそれは、もう心に迫るという他ありません。
素晴らしいSSを読んだ喜びで胸が満たされます。
改めて投下お疲れ様でした!
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投下乙です
刹那が順調にバッドトリップしてやがる‥‥バーサーカー系のフランに文字通りのバーサーカーと化した刹那、これはとめられないな
そしてジークもいろんな意味でめんどうくさそうなことに
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投下乙です。
プライドはクロの事知らないけど、クロはセリムの名を聞いてる。はてさて。
しかし、人外だらけだな。
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投下乙です!
上でも触れられている刹那の描写もさるものながら、ジーク絡みも圧巻の一言
原作のルーラーとのやり取りを思い出させるセリムとの言い合いにニコリとさせられるだけでなく、描写全般が原作の雰囲気を再現する素敵な文章で、読んでいるだけで嬉しくなりました
パラレルだけれど共通しているFateシリーズの設定まで動員してのクロとの出会いも、この先が気になる魅力的なもので本当に素晴らしかったです
改めて投下お疲れ様でした!
-
投下乙
やはり、刹那には効果てき面だった、おげんきになるきのこ
このまま在庫処分になるのでは、と危惧していたので
彼の物語も紡がれ初めて楽しみです
つか、このロワはマーダー怖いよなあ
そして、主人公っぽいルートを辿りつつあるジーク君
プライドはずっと本性を隠しているが、どこまでそれを貫けるものやら
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そしてwikiも更新されたか
後一組ぐらいで放送いけたかな?
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wiki見てきたら
深夜で止まってるのがエレジー
黎明までがサンデー組・ブラコン組・アベル組・ひなた か
トロン、雷、アインハルト達は一応無しでも放送出来るみたいだけど...?
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特定キャラを書きたい人はまだいるみたいなので、
放送まではしばらくはスローテンポで行くしかないんじゃないの
あと、ロワ回すために全把握してやるって、意気込みの書き手がいたら
それにつられて書く人も多分出る
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だがロワ内での時間の経過に遊びがあれば描写の幅が広がる
とキンクリを勧めてみる
ハイテンポもありなんじゃないの?
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待っていたら刹那書ける書き手さんが現れたわけだし、
しばらく待っていていいんじゃない
放送行けるって言っても早朝組だってまだそれぞれ一話だから、
書きたい人は放送までの間に整理話やパーティ掘り下げる話書いたっていいわけだし
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同意
ゆっくり待とうよ
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ちょうどこれからゴールデンウィークだしそれくらいは待っていいんじゃねえ?
さすがにこれだけ休みがあっても全く来ないようなら考えたほうがいいだろうけど
-
エレジー@デビチルを予約します
-
おお、エレジー来たか
-
投下します
-
エレジーがその異変に気づいたのは走り出して数分後のことだった。
とりあえずの目標として目指した赤いタワー――東京タワーの方角から海風に乗って彼女もよく知る戦闘音が聞こえてきたのだ。
(今のは‥‥)
一度立ち止まって耳をすませるエレジー。
既に誰かがいるかを判断できるほどの音は無く、街らしき方に異変は見つけられない。
(勘違い――じゃない!」
音より早く見えた光景。
街の中に小さな雷が落ちたのを彼女は見逃さない。
「近くにタワーがあるのに街に‥‥それにあの感じ‥‥」
言い終わるより早くエレジーは再び走り出す。さきほどの雷はほぼ確実に戦っている者達の攻撃だろう、そう判断して周囲への警戒を大幅に引き上げながら戦場へと向かっていく。
と、途中で近くの建物に滑り込み息を静める。どこか刹那と似たような顔立ちの少女が見たことの無い悪魔を連れて走り去っていくのを遣り過ごすと、直ぐにまた走り始める。
今のところ、エレジーに他の参加者に接触する気は無い。迂闊に話しかけて長々と時間を取られるよりも島中を走り回った方が見つかりやすい。というよりも刹那の行動を考えるとほぼ確実に戦闘になっているはずなので、戦いが起こっている場所に向かえば会える、と判断した。
――もっとも自分の立場上接触する相手を選ばなくてはならないというのもあるが。
ようやくハッキリと聞こえるようになった剣劇の音を頼りにさきほどよりも更に注意深く進んでいくと、戦っている二つの人影が見えた。
(悪魔ともう一人は‥‥人間?)
一人はかなりの実力があると見られる悪魔。変わった翼や分身などの能力を持っているがおそらくはバンパイアだろう。
もう一人は何か嫌な感じがする人間らしき少年。圧されてはいるようだがそれでも互角に立ち回っているのを見るとただの人間ではないのだろう。なんかムカツク。
エレジーは考える。この戦闘に横槍を入れるのは得策ではない。どちらと接触するのもかなり面倒な予感がする。
だが、だからと言ってこの二人を野放しにするのはそれはそれで刹那の脅威になりなねない。
結果、彼女がとったのは様子見。どちらが勝っても勝った方を尾行する。あれだけハデな戦いをするこの二人なら今後戦うたびに刹那が気づいて向かってくる可能性もある。
刹那を探すことと監視を同時に行う。そのために、今は静かに夕焼けに鎌を研ぐ。
なぜかあがっていた息を整えるためにも近くの建物に潜み、ほどなく、一際大きい音を最後にエレジーの耳は戦いの音を捉えなくなった。
【C-4 深夜】
【エレジー@真・女神転生デビルチルドレン(漫画版)】
[状態]:疲労(微小)、魔力消費(微小)、ムカツク
[装備]:無し
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜3
[思考・行動]
基本方針:刹那を探す
1:‥‥終わった?
2:刹那を探すついでにさっきの戦いで勝った方を尾行する。
3:要未来に会ってみたい
4:制限がムカツク
※参戦時期は新装版第2巻での要未来のドッペルゲンガーとの交戦後です。ロール髪です。
※自身の制限について、威力の減少と魔力の燃費の悪化、疲れやすさを自覚しています。
-
投下終了です
タイトルは
探索者/追跡者
です。
エレジーとか内面描写ムズすぎもぅマヂ無理。。リスカしょ・・・
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江戸川コナン@名探偵コナン、ガッシュ・ベル@金色のガッシュ!!を予約します
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投下乙です。
このままフランを尾行すれば、刹那に会えるな。
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投下乙です
ちゃっかりレックス見殺しにしてやがる...
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投下乙です
このまま尾行してたら無事に会えるかなあ…
キャラの内面描写はみんな書くの難しいみたいだから気にするな
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投下乙です
ついに彼女も動いたか
エレジーの最終時刻が深夜になってるけど
前の投下から時間を動かさなくていいのかな、
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>>302
レックスとフランの戦いが終わったのが深夜だから、エレジーの時刻も深夜で合ってる。
-
例え短くてもありがたい
これでエレジーが黎明組と会っても違和感は無くなる
サンデー組はひなたとは会わない感じなのかな
-
せっかくなんでトロン、雷、アインハルト、アンチョビ予約で
-
予約キター
-
サンデー組は今日だったか
-
投下します
-
(これであらかた集まったかな。)
野比家にて雑貨を調達していたはじめてから小一時間、コナンは小休止するために腰を下ろす。
(こんなに運ぶのは無理でも、どこかに隠しておいたほうがいいな。)
いまコナンの目の前にはいままでに集めた雑貨が山になっている。
包丁などの調理器具にドライバーなどの工具、鉛筆などの文房具などだ。そしてこれとは分けてバールやフライパンなどの大きめの物を集めた。持ち運ぶには不便で凶器になりそうなものは、この家の住人には悪いが隠させてもらうことにしたのだ。もちろんこの家のものだけ隠してもほとんど意味はないのだが、地図に乗っていることや名簿にこの家の住人らしき名前を見つけたことでいちようの予防策とすることにする。
ガッシュのザケルの跡を見る。普通ならありえないことが当たり前におこるここでは気休めにしかならないが、ならばなおさら自分が知る範囲でおきる殺人は防いでおきたい。
簡単な道具やちょっとしたトリックで殺人は起こせるのだ、注意しすぎるということはないだろう。
「さて、詰め込んでいくか‥‥?」
コナンが違和感を覚えたのはランドセルを勉強机に置こうと持ち上げたときだ。
(やけに軽いな‥‥いや、重さわ変わってない‥‥?)
現在、ランドセルは雑貨を詰めるために一度空にしてある。それなのになぜか空にする前と重さが変わらないのだ。元から荷物の割りに軽すぎるとは思っていたが全く重さが変わらないというのはいくらなんでもおかしい。
いちおう持ってきておいた量りに、支給品の水のペットボトル(これが2リットルのものであることは量りを使って確認した。というかどうみても2リットルのペットボトルだったので量りが壊れていないか確認したというほうがいい)を入れた状態と抜いた状態のランドセルをそれぞれ乗せてみる。
やはり、重さは変わらなかった。
(おいおい‥‥ワープの次は無限に入るカバンか?ほんとにファンタジーだな‥‥)
ためしにフライパンを入れてみたら明らかに小さいはずの入れ口にすんなり吸い込まれていく。集めた雑貨を入れていくと数分もしないうちに全てランドセルに収まった。
(重さも大きさも無視できるランドセルか‥‥こんなものを配るぐらいなら銃ぐらい簡単に支給してるだろうな。)
「なんでも入るならこの辺りの家の物を全部入れちまうってのもありか‥‥ハハハ、自分で言っててバカらし――」
「コナン!これを見てほしいのだ!」
突然、一階からガッシュの声が響いてくると階段を駆け上がる音が響く。その音に思わず身構えながらサバイバルナイフを持ったコナンの前にガッシュは荒い息をつきながら現れると一枚の赤みがかったメモ用紙を見せた。
「ゼオンは――私の兄なのか!?」
-
「ウヌ、洗面所はこのくらいだな。」
ふう、と息を吐きながら額に薄く浮かんだ汗を満足そうにぬぐう金髪の少年。
目の前には洗面所はもとより風呂場やトイレなどから集められた様々な物が転がっている。それらのうちのいくつかを抱えると、ガッシュは二階へと上がっていった。
最初は物資の調達を二人でしていたのだが予定より多く集めた物を仕分けるため、コナンが二階の雑貨の収集と仕分け、ワープ装置の警戒を、ガッシュが一階の雑貨収集と二階への運搬、そして一階の警戒をすることになった。(ちなみに物の多い一階をガッシュが担当したことで用途不明のガラクタも多数運ばれることになったが、コナンはなにが殺人に使われるかわからないのでとりあえず黙認していた。)
「次は居間だな――ヌ?」
ふと、居間の前で足を止めるガッシュ。ふんふんと自分の匂いを嗅ぎ、次に部屋の匂いを嗅ぐと首を傾げる。
「なぜこの部屋からブリの匂いが‥‥?」
ガッシュの魔物特有の鋭敏な嗅覚は芳しきブリの薫りを居間から感じ取った。もしこれが普通の魔物なら見落としちゃってたね。
するはずのない部屋からするブリ匂いの出所を探すべく、居間をくまなく探索するガッシュ。
「そこだぁっ!!」
みごと部屋の中央のちゃぶ台の裏に貼り付けられていたメモ用紙を見つけ出す。どうやらブリの血で貼り付けられていたらしく、血に染まったそれからはブリ特有の匂いがする。これがブリ以外の匂いに思えるだろうか、いやない。
「なぜ、こんなところに?」
それとは別にガッシュは再び首を傾げる。自分がこの家に来たときはブリの匂いはしなかった。そして、ブリを食べ終わった今ブリを食べていない居間からブリ特有のブリの匂いがして、ブリの血で貼り付けらたメモ用紙が現れた。
これはいったいどういうことなのか?
「!コナン!これを見てほしいのだ!」
その疑問を解決すべくメモ用紙に目を通したガッシュは驚きの声を上げ二階のコナンの元へと走る。
一気に上がった心拍数と息を気にもせず、叫ぶ。
「ゼオンは――私の兄なのか!?」
-
(俺たちが天空への塔に行っている間に‥‥いくらなんでもできすぎじゃないか?だがこの書き置きの内容はある程度ガッシュを知っていなければ書けないはず‥‥それにブリの血で貼り付けるなんてふつう考えつかないだろ。)
ガッシュが書き置きを見つけてから更に小一時間、時刻はもうすぐ4時になる。その間、二人は書き置きを見て言葉少なに会話していた。
書き置きの内容はガッシュのことを知らなければ書けないような内容だが、肝心のガッシュが記憶にないためいかんせん真偽が不明。かといって隠して方を考えると少なくともガッシュの嗜好は理解しているはずという代物。
(どうする、この書き置きを信じてみるか?それとも‥‥)
幸いにして書き置きに記された時間は12時。合流地点もここからならさほど時間をかけずにたどり着けるだろう。
(まずは安全な拠点を作るほうが大事か?怪我人が出たときに休めるような場所を作っておかないと。いや、明るくなるまではここにいたほうがいいか?この辺りは住宅街だしこのランドセルもうまく使えば‥‥)
時刻は4時五分前、二人は書き置きを挟んで静かに考える。
【C-5 野比家/一日目 黎明】
【江戸川コナン@名探偵コナン】
[状態]:健康
[装備]:赤い魔本@金色のガッシュ!
[道具]:基本支給品、サバイバルナイフ@現実、アクション仮面のフィギュア@クレヨンしんちゃ ん、バスケットボール@ロウきゅーぶ!、えんぴつ、ノート、ビニール紐、セロハンテープ、ガムテープ、タオル、ティッシュ、お裁縫セット(糸、針、ハサミ)、+―ドライバー、トンカチ、包丁、その他の調理器具や工具
[思考・行動]
基本方針: 殺し合いを潰し、この島から皆で生きて帰る
1:ガッシュを相棒とし、元の世界に帰してやる。
2:ひとまず近くに安全な拠点を作る。現地調達できるものがあれば借りる。
3:情報を集める。
4:この書き置きは――
5:光彦を探してやる。
6:鍵を見つけて天空への塔の扉を開く。
7:他の施設にもワープする泉(旅の扉)があるかもしれない。
8:明るくなるまではここにいたほうがいいか?
※ガッシュから魔物の王を決める戦いについて聞き ました。
※魔本に表示されている呪文は第七の術〝ザグルゼム〟までです。七つの術の効果について理解しました。
※ガッシュとは別の世界から来ており、他の参加者も別の世界から呼ばれていると考えています。 ※C-5『野比家』とE-7『天空への塔』が旅の扉で繋 がっていることを知りました。 天空への塔の先に行くには鍵が必要だと認識しました。
※他の施設にも旅の扉があるのではないかと推測 しています。
※ランドセルが質量を無視して入れることができると把握しました。
※ランドセルに詰めるだけ物を詰め込みました。
※ゼオンの書き置きを読みました。
【ガッシュ・ベル@金色のガッシュ!】
[状態]: 健康、清麿と再会するための熱意、動揺?
[装備]: なし
[道具]: 基本支給品、モンスターボール(中身不 明)@ポケットモンスター、力の種@LSロワ2014オリジナル
[思考・行動]
基本方針: あの者(ポーキー)を倒し、殺した皆に 謝らせる。清麿の元へ帰る。
1:コナンをパートナーとし、元の世界へ帰る。
2:ゼオンは――
3:鍵を見つけて天空への塔の扉を開く。
4:野比家の人間に会ったら、勝手に物を借りたことを謝ろう。
※千年前の魔物編終了後からの参加です。
※コナンから魔本が使える仮説を聞きました。
※コナンから別の世界についての仮説を聞きました。 ※コナンから施設間の旅の扉の仮説を聞きました。
※C-5『野比家』とE-7『天空への塔』が旅の扉で繋 がっていることを知りました。天空への塔の先に行くには鍵が必要だと認識しました。
※ゼオンの書き置きを読みました。
【ゼオンの書き置き@新LSロワオリジナル】
ゼオンが野比家に置いてきた書き置き。ガッシュが食べたブリの血を利用して居間のちゃぶ台の裏に貼り付けられていたため、血で染まっている上に若干生臭い。ガッシュがゼオンの弟であることや12時にどこかで合流することが書かれている。ガッシュについて書かれているが当のガッシュに記憶がないため真偽は確かめられない。
詳細な内容は後続の書き手にお任せします。
-
以上で投下終了します
たぶんこの二人は明るくなってから動き出すと思う(チラチラ)
-
投下乙です
メモがエラくど直球な内容...w
間違っちゃいないんだけど状況が状況だから深読みせずにちゃんと信用してくれるかな?
-
投下乙です
コナン君ファンタジーの連続だw
12時集合は展開的に良いフラグになりそう
-
投下乙です。
血で机の下に貼り付けるって、なんかダイイングメッセージみたいだw
-
投下乙です
これはまた誤解されそうな展開だわw
それともなんとかなるのかなあ…
-
名探偵さんのことだから表面上の情報で判断するんじゃなく本質的に考えてくれる…と思うw
-
今回に関してはあまり悩みどころもないしな
場所はどこなんだろ
ゼオンが確認した地点で近場と言えば城かな?
-
すみません、延期申請します
-
雷、トロン、アインハルト、アンチョビ投下します
-
「その場合、次元断層から虚数空間が生じるらしいです」
「じゃあ、ひとつ増やして24次元方程式かな」
トロンとアインハルトは、脱出のための方策を真摯に語り合っている。
彼が彼女の世界の科学について質問し、その返答を聞いて一方的に納得しているだけだ。
けれど、雷はそれ以前に、専門用語だらけの会話をさっぱり理解できず、強い疎外を感じてしまう。
それに幾ら司令の考えがあるにしても、艦娘の捜索をここまで後回しにするのも不満がある。
「司令が使っているノートパソコンは私の支給品なんだからね」
「雷、心にゆとりを持ってくれないかな。あと少しで何かを掴めそうなんだ」
「すこし、すこしって、あれから何時間も経って何もないじゃない」
雷は不貞腐れながら紅茶を一気飲みする。彼女の顔は苦々しい。
「うへぇ、ミルク入れ忘れた」
アインハルトは雷にすまなさそうに頭を下げ、
「申し訳ありません、無限書庫のデータがあればもっと貢献できたのですが」
「アインハルト、それだけでも僥倖さ。君のお陰で知見は大いに広がったよ。
ルームガードのロックを掛けたまま、空間転移する方法も思いついたしね」
トロンの両手はアインハルトの右手をしっかり覆い被せる。
彼女は急なスキンシップに少し困惑し、相方のぬいぐるみは警戒してにゃあと鳴く。
「はいはい、ナンパもその辺にしましょうね。この娘は真面目だから、あんまり困らせちゃ駄目よ」
雷はふたりの間に割り込み、トロンの手を引きはがす。
-
「アインハルトは気にしなくていいの。アナタには何の責任もないわ。
悪いのは全部、鈍感な司令よ……私だって、司令に頼られたいのに」
最後の方は周りに聞こえないか細い声だった。
彼にことごとく無視されたせいで、彼女と張り合う気力はあまり残されてなかった。
トロンは俯き加減の少女を凝視した後、穏やかな声で言う。
「確かに、そろそろ仲間集めを再開しないといけないね。
雷、食器を洗うのを手伝ってくれないかな。アインハルトは先に身支度していてくれ」
雷は少し拗ねながらも、素直にトロンについていった。
アインハルトはふたりがキッチンへ向かうのを見届ける。
トロンのことは未だに信用しきれない。けれど、雷の笑顔のため、二人の仲は良好であって欲しいと願う。
彼女の持つ覇王イングヴァルドの記憶は、戦場で慕う相手の役に立てない苦しみを刻み込んでいるから。
雷はトロンと一緒にティーカップ一式を水道水で濯ぐ。
彼との共同作業に喜びはあるものの、やっていることは子どもの手伝いである。
いつもならそろそろ、司令がスイーツで彼女を宥めようとする頃だ。
「雷、ちょっといいかな」
「今日はクリームソーダじゃ、誤魔化されないんだからね」
「は、君は何を言ってるんだい」
「えっ、違うの。じゃあ、白玉ぜんざいかしら」
トロンはティーセットをランドセルに仕舞いながら、軽くため息をつく。
「君は本当に食いしん坊だなあ、もっと真面目な話をしたいんだけど。
これから言うことは、僕と君だけの秘密にしてくれないかな」
-
ベージュの瞳は戦場にいる時のように真剣だった。雷は思わず唾をのみ込む。
彼女にとって、ふたりだけの秘密という言葉は魅惑的でプライドをくすぐるものであり、
「私の口は甲鉄板よりも硬いわ。戦艦に乗ったつもりで任せなさい」
平坦な胸を軽く叩き、得意顔で反り返った。
「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうよ。
今まで隠していたけど、僕は君たちの世界の住人ではないんだ」
一瞬、場を沈黙が支配する。だが、雷はすぐに笑顔を作り、
「またまたー、しれいの実家のことは前にも話してくれたじゃない」
「あれは、さる人物に作って貰った偽りの設定さ。信じるかどうかは自由だけどね」
トロンは彼女のリアクションを気にする様子もなく話を続ける。
それは友に裏切られ、異次元に飛ばされた惨劇だ。ただし、肝心な単語は都合よく置き換える。
流れ着いた場所をバリアン世界から雷達の世界に、命の恩人をバリアン人から鎮守府の関係者に。
「初めは墓場まで秘密を持っていくつもりだったんだけどね。
雷にだけは、いつか故郷のことを話そうと思っていたんだ」
話は生々しく、特に友の裏切りの場面で見せた憎悪は、雷の肝を震え上がらせるほどだった。
彼が3人の子持ちの男やもめという衝撃の真実を、吹き飛ばしてしまうくらいに。
彼女はその時点で、トロンをもっと警戒しても良かったかもしれない。
-
「水臭いわね。昔がどうであっても、司令は司令よ。他に悩みがあれば全部吐いちゃいなさい」
けれど、雷は彼の言葉をそのまま受け止めることにした。
本物の司令との間で培われた信頼ゆえ故に。ずっと隠していた胸の内の苦しみを打ち明けてくれた嬉しさ故に。
「信じてくれるのかい。君は僕の見込んだ通り優秀な艦娘だね」
彼はそう言って、雷の頭を優しくなでる。
「ふふーん、もって私を誉めてくれてもいいのよ。
そうだ、司令。私が頑張って、故郷を見せてあげるから、絶対に死んじゃ駄目よ」
「ありがとう。その言葉、忘れないからね」
(ふふ、飴とムチ作戦は成功かな。彼女の母性が強くてよかったよ)
トロンは腹の奥底でどす黒く笑う。
記憶操作はいわば、雷の固有名詞を入れ替えただけの状態だ。
ちょっとした記憶の齟齬で、自身の記憶操作を疑い出すかもしれない。
だからといって強く洗脳して催眠状態にすれば、今度は第三者に奇異に見えてしまう。
ならば、司令への好意を利用して、トロン自身を慕うように誘導していけばよい。
記憶に疑問を持ったとしても、彼を信じることを優先するようになるだろう。
彼と司令への想いがごちゃ混ぜになり、分離できなくなれば、洗脳はより強くなる。
トロンは己の歪みを自覚している。だが、それを改めるつもりは全くない。
呪われるべきは、歪みを刻み込んだドクターフェイカーその人だ。
自分はただ、彼への復讐のために生き続ける、かつて人だったものの残滓。
-
ふたりは待ち合わせた入口の門の元へ向かう。
雷は緑髪の少女、アインハルトを認めると、嬉しそうに声を弾ませる。
「アインハルト、勉強ではほんのちょっと遅れをとったけど、
実戦ではアナタにも負けないんだからね」
アインハルトは元気になった彼女を見て、安堵の色を浮かべていた。
★ ★ ★
アンチョビの世界には、沢山集めればどんな願いも叶える禁貨が存在する。
彼の父、Dr.フォアグラーは禁貨を簡単にサーチできる禁貨ゴーグルを発明した。
だが、ならず者はこれに目を付け、父を殺して奪ってしまった。
残されたアンチョビは兄のカラスミとふたりぼっち。平和な家庭は絶望の世界へ突き落された。
彼らは幼く非力で、ゴロツキ共から一方的に虐げられ、搾取され続けていた。
そこから得た教訓は、この世は力が全て、力無き者は死あるのみ。
アンチョビは血のにじむ努力で強大な力を手に入れ、幾度となく手を血に染めてきた。
だから、彼はポーキーに殺し合いを命じられた時にも、疑問に持たずに参加した。
老人に制裁を加えたいと思っているものの、それは勝ち残った後でやれば良いことだ。
-
――全て殺して願いを叶えたところで……貴方はきっと、貴方の望んだ結末へは辿り着けない……!
アンチョビは先に戦った少女の言葉を思い出す。
彼女はおそらく、殺しに参加せず、ポーキーに抗うつもりなのだろう。
あの時に交えた拳から、その意思がしっかりと伝わってきた。
だが、彼女は甘い。本当の地獄の何たるかを分かっていない。
バンカーは夢の実現のため、時に友とも殺し合わなければいけないのだ。
自分は兄のカラスミを救うため、力をもってこの戦いを勝ち残るのみ。
これまでそうやって生きてきたのだから、今度も同じように進むだけ。
チームを作るなら、力の支配と利害で結ばれた関係の方が良い。仲間というものは無縁な言葉だ。
あの価値観の違う女とは、いずれ殺し合うことになるだろう。
けれども、すぐにではない。だから、最終形態を温存するために、別の姿をとっている。
アンチョビの変身能力をもってすれば、どんなかたちも思いのままだ。
総合力は最終形態には及ばないものの、雑魚を蹴散らすには充分なスペックがある。
「どこかでお会いしませんでしたか」
「さあ、オレは弱い相手のことはイチイチ覚えてないからね」
(おいおい、なんでコイツがいる。何故こんな隅っこに引き籠っているんだよ、馬鹿だろ)
アンチョビは山道でアインハルトと対面し、己の運のなさを呪う。
今の彼は大柄で仮面を被る黒マントの男、殺しの戦力として売り込むための姿。
そのせいで、アインハルトは前回会った時よりも、警戒の態度を強めている。
「偏見からくる不躾な所業なのは理解しています。ですが、貴方はあまりにも不審過ぎて……」
-
彼女は毒舌なのか弁明なのか判断のつかない説明を始める。
だからと言って、正体をばらす訳にはいかない。変身能力は秘密にしたい虎の子だ。
いっそ、勝気な美少女にでも化けておくべきだったかもしれない、と軽く後悔する。
「そこの怪しい男、手を挙げて降参しなさい!」
突然、奥の岩陰から、茶髪の少女が銃を構えて飛び出してきた。
アンチョビは彼女の動きは素人ではなく、軍人ではないかと看破する。
彼は演技力に優れており、他人を欺くことも多いので、観察力にも優れているのだ。
もっとも、慢心している時はその限りではないが。
「えっ、あの雷さん。今は出るタイミングではないはずですよ」
アインハルトは構えの姿勢を保ったまま、焦ったように声を出した。
(ちっ、あの女、オレに先回りして新しい仲間を見つけていたか。一対二じゃあまりに分が悪いぞ)
「いや、僕が命令を変更したんだよ。面白い人材が見つかったみたいだからね」
続けて、仮面をつけた少年が石段を降りてくる。
優雅な足運びは戦士というより貴族のもの、だが、立ち振る舞いに隙は無い。
そして、鉄製のマスクから覗かせる老獪な瞳は、生半可な嘘ならば見抜いてしまいそうだ。
(って、一対三かよ。僕は兄さんの為に生き残らなきゃいけないのに)
「黒マントの男が逃げないよう、照準は合わせたままにしておいてよ」
「りょーかい。そーゆーことだから、アナタは司令の質問に付き合ってね」
-
親しげに掛け合いをする二人。アンチョビはアインハルトに向けて疑問をぶつける。
「怪しさなら、そちらの仮面も似たようなもんだよね。オレにだけ突っかかるのは不公平だろ」
「あら、分かってないわね。こういうのはミステリアスな魅力って言うのよ」
「すみません、危険人物でないと確認が取れ次第、すぐに開放しますのから」
「そう、君が潔白だと分かれば、何も問題はないのさ、何もね……」
アンチョビはこのまま流されていたら酷い役回りを押し付けられるのでは、と悪寒を覚える。
特にあの仮面男は何を抱え込んでるのか分かったものではない。
この島に来てから、全てが裏目に出ているような気がする。
(いや、落ち着け、チャンスは絶対あるはずだ……そうだ、そろそろあの時間だ)
アンチョビの狙いはポーキーの放送だ。
彼が何か言ってくれれば、殺し合いの状況に何かしらの変化が生じる。
最低、死者の発表だけでも充分だ。そこに付け込んで活路を見出せばよい。
幼いころから逆境には慣れている。何としても切り抜けてみせる。
【G-6 /一日目 早朝・放送直前】
-
【アンチョビ@コロッケ!】
[状態]:疲労(大)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜3(武器はない)
[思考・行動]
基本方針:殺し合いに乗る。勝つための条件は複数あると推測
1:放送を待って、包囲網をなんとかする
2:殺しあいに乗ってないと言ってチームを組む。自分より強い相手は数でぶち殺す。
3:さっきのアイツ(アインハルト)はいつかぶち殺す
【トロン@遊戯王ZEXAL】
[状態]:疲労(中)
[装備]:決闘盤(トロン)@遊戯王ZEXAL
[道具]:基本支給品一式、ノートパソコン@現実、ランダム支給品0〜1
[思考・行動]
基本方針:生還する。手段は選ばない。
1:雷・アインハルトと共に情報収集。
2:九十九遊馬の排除。神代凌牙は保護するが、最悪の場合は切り捨てる。
3:ポーキーの言葉を真実と確信できた場合は優勝を目指す。
4:この会場で怒りの感情を集めておく。
5:雷は駒。役目を終えたら切り捨てる。
6:『ポーキー打倒』を名目にアインハルトを誘導・操縦する。
7:アンチョビに興味
※WBC本選開幕前からの参戦。
※"紋章"の行使には体力を消費します。
※「No.69 紋章神コート・オブ・アームズ」は現在使用できません。
使用には他者から一定量の怒りの感情を回収する必要があります。
※柳洞寺に【ルームガードセット@ドラえもん】を設置しました。
※柳洞寺のお堂に紋章を設置しました。柳洞寺へワープホールを作成し移動することが可能です。
ワープは再使用に6時間かかります。ルームガードにロックを状態でも使用可能です。
-
【雷@艦隊これくしょん】
[状態]:健康、記憶改竄
[装備]:ライディングボード@魔法少女リリカルなのはシリーズ
[道具]:基本支給品一式、マミのティーセット@魔法少女まどか☆マギカ
[思考・行動]
基本方針:殺し合いには乗らない。皆で生きて帰る。
1:今は司令官の指示に従う。
2:他の姉妹達と合流したい。ただ、姉妹達が操られている可能性を持っておく。
3:司令官は大切な人。何としてでも守り抜く。
4:アンチョビを警戒する
※記憶操作によりトロンを"司令官"だと認識しています。ノートパソコンをトロンに渡しました。
【アインハルト・ストラトス@魔法少女リリカルなのはシリーズ】
[状態]:強い決意、疲労(小)
[装備]:アスティオン@魔法少女リリカルなのはシリーズ
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜2
[思考・行動]
基本方針:殺し合いを打破し、ポーキー・ミンチに罪を償わせる
1:トロン・雷と共に情報収集。
2:ヴィヴィオさんを捜したい。
3:トロンへの警戒は緩めない。
4:アンチョビを警戒する
※無限書庫編開始直後からの参戦です
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投下終了です
-
投下乙!
やっぱりトロンの人心掌握術が鬼畜すぎるw
真ゲスと方向性は違うが、個人的にトロンの方が無理がなくおっさんの分長けている気がする
雷を完全に掌握することで、雷自体は洗脳されているわけじゃないから性格はそのまま、
芋蔓式にアインハルトが雷を信用するし。上手いなあ
そしてアンチョビ不運が続くなあw
放送は電も響もヴィヴィオも健在だから、揺さぶられる可能性が低いんだよねw
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投下乙です
アンチョビが真綿で首を絞めるように追い込まれていく
単独参戦だから自分の情報がもれる可能性も低いのにどうしてこうなった
一方のトロン側は雷を手懐けてアインハルトは雷を気にかけている
誰がどう動くか、アンチョビに気づけるのかでどうこの状況が動くのかわからないな
-
投下乙です。
雷「今までの司令と違和感が……」
トロン「実は、今までは嘘をついていたんだ」
「な、なんだってー!」
虚実織り交ぜ、雷が誘導されていく。
「本当の司令を知ってるのは、自分だけ」という思いから、他の艦娘に指摘された時の予防線ができちゃったな。
-
探偵組がなかなかステルスと接触できない状況だからねえ
珍しくステルス無双なロワ
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まったく別のところにいたり離れていくばっかりだからな
ところでアンチョビもステルスと言っていいのだろうか
どっちかっていうとサ(ry
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wikiにも収録されてる!
これでいつでも放送いけますね
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エレジーは時間帯深夜のままだけどいいの?
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尾行してるフランが早朝までいってるし大丈夫
それにリレーしづらいのは先に進めた方が状況変わってやりやすいかも
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放送へ行けるようであれば今夜放送案を投下します。
-
了解です
まあ、どうしても放送前を動かしたい人は放送案の後に
予約してもいいわけだし大丈夫じゃないの
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焦りすぎてない?
せめて日程と期間、決定方法を決めてから放送案を募った方がいいと思う
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同意
焦り過ぎでは
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異論が出たので議論が終わるまで投下はやめておきます。
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アベル組とひなたは一応まだ書けるかな?
>>340
なるほどありがとう
-
なら、全員が深夜まで行くか、
最終投下から2週間予約なしで放送受付開始、くらいが妥当?
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個人的には今週の週末に放送案投下
↓
翌日投票とかでもいい気がするがちょっと早すぎるか?
続きが書きたいならは募集案の投下までに書く
と、ふだん締切間際にならないと書かない俺が言ってみる
-
流石に短すぎるのでは
>>347さんの案を修正して
・全員が早朝まで書かれる
または
・投下完了から一週間予約なし
で第一回方法前までの予約締切、凍結期間
募集は凍結から一週間
募集終了の翌日0時〜23時に投票
その翌日0時に放送後予約解禁
こんな感じ?
-
では久々のリハビリに
袴田ひなた、江戸川コナン、ガッシュ・ベル
を予約します。
恐らく放送案の内容には影響しない、短めのものになる予定です。
-
お、これでだいたい放送に行けるかな
>>349
さんに一票
-
>>349
別に全員が早朝までいかなくてもいいと思う
みずほみたいなひたすら逃げに徹するステルスとか面白そうだし
-
早朝を何のイベントも無く通過できそうなら律儀に書く必要はないと思う
イベントを起こしたいならともかく
-
懸念だったひなたのとこは無事予約入ったし
後はアベル組が来たらすんなり放送で良さそう
-
袴田ひなた、江戸川コナン、ガッシュ・ベル 投下します。
-
「おー。『野比家』、こっち」
ふわふわピンクの少女がスマホを見ながら指差し。
右肩にふわふわ浮かんでいるウサギのぬいぐるみがこくこく頷き、
抱えたランタンで夜道を照らす。
慧心学園を出た袴田ひなたと二匹のぬいぐるみの一行は、
野比家を目指して、てくてくと歩いている。
「フー子、このあたりみおぼえある?」
「フーン……?」
大きなリボンをつけた恐竜のぬいぐるみが、
きょろきょろと辺りを見回し、首を振る。
「そのたてものだけが同じなのかなー?」
思えば慧心学園も、周りの建物は普段通学した時に見えるものとは違っていた。
「ここはー……違う。
ぶー。この辺りのはずなんだけど」
地図が示す付近の家を、ひなた達は一軒一軒表札見て確認していく。
―――黎明から早朝になろうかという頃。
「フーン!フーン!!」
フー子がある家を丸い手で指し示す。
「おー。あそこが野比家?」
「フーン!」
「おー。行ってみよー。
行くよ、フー子、クリス」
意気揚々と、赤い屋根の木造住宅へと向かう。
■■■
-
野比家の二階、子供部屋で書面に見入る二人の少年。
(そもそも何故、ガッシュがここに居たことに気がついたのか……)
眼鏡の少年は、金髪の少年を見、続けて廊下の壁の焦げた跡を見つめる。
(あれ、か……)
―――もしあの跡を見て、ガッシュの技だと気がついたのだとしたら。
ガッシュと世界を同じにする者がこの紙に書いたのだろう。
ガッシュ自身には彼の友人―清麿と言うらしい―らと会う前の、魔界での記憶がなく、
当然ガッシュやその友人達も『兄』の存在を知るはずはない。
仮に敵対する相手がガッシュを引っ掛けるために行うのだとしたら、
『兄』の存在すら認識していなかったガッシュに対し、わざわざ『兄』などと偽らなくても、
もっと他に信じやすい嘘を付いた方が成功率は高くなるだろう。
ならば―――
「そうだな……本物の可能性は、高いかもしれない」
「おお!本当かコナン!!」
身を乗り出すガッシュを抑えつつ。
「それに12時という時刻。このB-6『グランバニア城』という場所。
仮に罠を仕掛けていたとしても、この『野比家』から近く、十分に調べられちまう時間だ。
場所も北東の奥地。元々その城を知ってる奴以外、わざわざ向かう場所じゃない。
仮にこのゼオンって奴が実際に先に見て、危険な施設ではないと判断したのなら、
待ち合わせをするにはなかなか優れた立地だ。
―――まあ最も。
その『兄』とやらがガッシュの『味方』なら、って話だがな」
「ウ、ウヌ……?」
コナンの眼鏡が光り、たじろぐガッシュ。
「恐らくこれを書いたのはゼオン・ベル―――ガッシュの兄貴で間違いないんだろう。
だが兄との関係性の記憶がない以上、敵としてガッシュを呼び出している可能性もある、ってことさ。
お前の話だと、王になれるのは一人なんだろう?
ライバルの可能性だってあるし、逆に後押ししてくれる存在の可能性だってある。
誰にも邪魔されたくない、お前と一対一で直接勝ちたい、とかな。
味方にしろ敵にしろ、兄と会うかどうかは。
―――ガッシュ、お前が決めることだよ」
兄弟で殺し合うケースなど、いくらでも見てきた。
財産だったり、恋愛だったり。勿論誤解による殺人もある。理由も様々だった。
それでも、肉親であるのなら。選択権はガッシュに委ねるべきだ。
「ウヌ……。私は……」
-
―――ピンポーン。
ガッシュが答えを口に出そうとしたところで、
野比家のインターホンが鳴る。
二人は思わず顔を見合わせる。
ガッシュに待てというジェスチャーを行い、即座に思考を走らせる。
――まずこの野比家の人間であれば、チャイムなど鳴らさず、そのまま入ってくるはずだ。
相手に危害を加えようと狙っている相手ならば、
ご丁寧に存在を知らせることなどせず、音を立てずに忍び込んでくるだろう。
では仲間を集めようという人間ならばどうか。
この家にいる人間が殺人鬼である可能性を考えれば、やはりインターホンなどは鳴らさず、
家の様子を窺うなどするのではないか。
―――ピンポーン。
もう一度インターホンが鳴る。
コナンは慎重に窓から外を覗く。
玄関自体は屋根で死角になっていて直接は見えないが、
見える範囲での人影はない。少なくとも大人数ではないのだろう。
何が出てきても対処できる自信のある人間か。
あるいは、全く何も考えていない子供か。
どちらにせよ、奇襲のセンは薄い。
「……ガッシュ、警戒しながら出てくれ。
俺は隠れて、すぐに術を唱えられるようにしておく」
「ウヌ!任せるがよい!」
二人は一階へと用心しながら降りる。
コナンは玄関から向かって左の壁の陰に隠れ、魔本を開く。
ガッシュはコナンに頷くと、用心しながら玄関のドアを開ける。
すると―――
「おー。ドアひらいた」
可愛らしい少女が、そこに立っていた。
■■■
-
玄関から出てきたのは、金髪でマントを羽織った小さな少年。
こちらを丸い目で見つめている。
残念ながら、眼鏡はかけていない。
「おー。開けてくれてありがとう。ひな、袴田ひなた」
ぺこりとお辞儀する。
「ウヌ、これは丁寧に。私はガッシュ・ベル。優しい王様になる者だ」
ガッシュもぺこりとお辞儀する。
「おー。おうさま。すごい!」
「フフフ、そうであろう」
「ひなもおうさま、なれますか?」
「む……優しい王様になるのはなかなか大変なのだ」
「おー」
ほんわかとした空気が玄関を包む。
「待て待て待て待て」
やや脱力した風の少年が玄関脇から姿を見せる。
そして彼は、眼鏡をかけていた。
「おーめがね!?フー子、あの人のびた!?」
「ふーんふーん……」
ひなたの左肩に乗ったフー子がふるふると首を振る。
「ぶー。ざんねん」
ひなたの後方に浮かんでいたクリスが、よしよしとフー子を撫でる。
「ハハハ……。喋るぬいぐるみに、飛ぶぬいぐるみね。
今度はファンシーなファンタジーだな……」
眼鏡の少年が目を座らせながら、ひなたとぬいぐるみ達を眺めている。
■■■
-
ひなた達を居間に通し、改めて自己紹介をする。
「俺は江戸川コナン。探偵だ」
「さっきも言ったが、ガッシュだ。ガッシュ・ベル」
コナンはひなたを改めて見る。
ふわふわとした人形のような愛らしい少女だ。
身長は歩美より少し大きいくらい。
この子もガッシュのように、特殊能力はあるのだろうか。
「おー。ひな、袴田ひなたです。小学6年生。
バスケでスモールフォワードをやってます。
こっちはフー子で、こっちがクリス」
ひなたは恐竜とうさぎのぬいぐるみをそれぞれ紹介する。
―――ひなたは学校の友人である『湊智花』『香椎愛莉』『三沢真帆』を探していること。
フー子は『野比のび太』とその友達の『剛田武』『骨川スネ夫』、
クリスは『高町ヴィヴィオ』とその友達の『アインハルト・ストラトス』を、
それぞれ探しているとのことだった。
地図上で『野比家』を発見し、『野比のび太』の手掛かりがないかを探しに来たのだと言う。
「始まってからほとんど俺達はこの野比家に留まっているが、
のび太って奴は多分来てないと思う」
「ウヌ。私もこの家の道具を借りているから、のび太とやらには挨拶したいのだが」
もし仮にゼオン・ベルの同行者として来ていたとしても、
この家の住人だとしたら、もう少し長い時間留まっていたのではないだろうか。
「ぶー。残念……」
「だが、ここがのび太って奴の自宅なら、ここを目指して来る可能性は高いだろう。
ここで待っていれば会えるかもしれないな」
「おー!」
コナンはスマホで地図を開き、テーブルの上に置いてみんなで地図を覗きこむ。
「ひなたは月峰神社から来たんだったな」
月峰神社から慧心学園、そして野比家まで、
この無防備とも言える少女が無事に移動できたと言う。
もし殺しを行う人間がこの少女を見つけたとしたら狙わないはずがないし、
もし善良な人間が見つけたとしたら、保護欲を誘うであろうひなたを一人で行かせるとは思えない。
-
「ひなた、道中、灯りは付けてきたのか?」
「おー。クリスが照らしてくれた」
「ウヌ、この夜の町を進んできたのか。ひなた達は勇気があるのだな」
ひなたに呼ばれたうさぎのぬいぐるみが、ランタンを机の上に置く。
――であれば、尚のこと目立つはずである。
地図を念入りに見直す。
「北部の荒野なり、南部の森なり、島の端に配置された場合。
やはり、まずは中央の都市部に向かう確率が高い。
ひなたが全く人に出会わなかったことから、
この島の東部の配置は、かなり少なかったということになるな。
今、野比家から見て西の中央エリアに、参加者がかなり集まっていると考えられる。
都市部に目立つランドマークが他にある以上、
殺しを目的にする奴も、人と合流を目指す奴も、
この時点でわざわざ東北のはずれにある『野比家』に来る人間はほぼいないだろう。
目指して来るとしたら、ゼオンのようにここより東にいた者か、あるいはこの家に関連がある者だけだ。
つまり。
のび太に会いたいのなら、なんの情報もなく探しまわるより、
ここで待っている方が危険も少なく、会える可能性も高い手ってわけだな」
きらきらした目で、2人と2匹がコナンを見ている。
「おー。こなん、かしこい」
「凄いぞコナン!まるで清麿のようだ!」
「フーンフーン!」
「……!」
くるくるとコナンのまわりをぬいぐるみ達が空中を回る。
「ハハ…さいですか……」
もはやファンタジーの一部となりつつある自分に諦め。
-
「……それに、放送を待ちたい。
どれだけの馬鹿が、参加しているかも分かる」
「ばか?」
「ああ―――殺人なんてのを行う、馬鹿どもがな」
辺りの空気が引き締まる。
ポーキーによって殺された少年達を、ひなたもガッシュも思い出す。
「ウヌ……」
「……ともか、まほ、あいり」
フー子とクリスをぎゅっと抱きしめるひなた。
「っと、暗くなっちまったな。
……あ、そうだ。
ひなた、バスケをやってるって言ったよな」
「おー?」
ランドセルに手を伸ばし――どうやって取り出すんだよと逡巡した後――
思い描いた物を取り出し、ひなたに渡す。
「おー!バスケットボール!」
「ああ。キック力増強シューズも無い以上、持っていてもあまり活用できない。
ひなたにやるよ」
パァァァとひなたに笑顔が戻る。
「おー。こなん、ありがとう!」
バスケットボールを抱え、無垢なる笑顔でお礼を伝える。
―――その笑顔を見て、引き込まれそうになっていた自分に気が付く。
『あら。身体に合わせて、ついに対象年齢も下がったのかしら、工藤君?』
なんて、ニヤリと笑う奴の幻聴が聞こえる。
「ハハハ……これがひなたの特殊能力ってやつかな」
-
【C-5/野比家/一日目 早朝】
【江戸川コナン@名探偵コナン】
[状態]:健康
[装備]:赤い魔本@金色のガッシュ!
[道具]:基本支給品、サバイバルナイフ@現実、アクション仮面のフィギュア@クレヨンしんちゃん
えんぴつ、ノート、ビニール紐、セロハンテープ、ガムテープ、タオル、ティッシュ、お裁縫セット(糸、針、ハサミ)
+―ドライバー、トンカチ、包丁、その他の調理器具や工具
[思考・行動]
基本方針: 殺し合いを潰し、この島から皆で生きて帰る
1:ガッシュを相棒とし、元の世界に帰してやる。
2:野比家で放送を待つ。
3:近くに安全な拠点を作る。現地調達できるものがあれば借りる。
4:情報を集める。
5:ゼオンの待ち合せ場所に行くかはガッシュの判断に委ねる
6:光彦を探してやる。
7:ひなたとぬいぐるみ達の探し人を見つけてやる。
8:鍵を見つけて天空への塔の扉を開く。
9:他の施設にもワープする泉(旅の扉)があるかもしれない。
※ガッシュから魔物の王を決める戦いについて聞きました。
※魔本に表示されている呪文は第七の術〝ザグルゼム〟までです。七つの術の効果について理解しました。
※ガッシュとは別の世界から来ており、他の参加者も別の世界から呼ばれていると考えています。
※C-5『野比家』とE-7『天空への塔』が旅の扉で繋がっていることを知りました。天空への塔の先に行くには鍵が必要だと認識しました。
※他の施設にも旅の扉があるのではないかと推測しています。
※ランドセルが質量を無視して入れることができると把握しました。
※ランドセルに詰めるだけ物を詰め込みました。
※ゼオンの書き置きを読みました。12時にB-6『グランバニア城』での待ち合せすることが書かれています。
【ガッシュ・ベル@金色のガッシュ!】
[状態]:健康、清麿と再会するための熱意
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、モンスターボール(中身不明)@ポケットモンスター、力の種@LSロワ2014オリジナル
[思考・行動]
基本方針: あの者(ポーキー)を倒し、殺した皆に謝らせる。清麿の元へ帰る。
1:コナンをパートナーとし、元の世界へ帰る。
2:ひなた達を守ってやる。
3:兄(ゼオン)とは――
4:鍵を見つけて天空への塔の扉を開く。
5:のび太に会ったら、勝手に物を借りたことを謝ろう。
※千年前の魔物編終了後からの参加です。
※コナンから魔本が使える仮説を聞きました。
※コナンから別の世界についての仮説を聞きました。
※コナンから施設間の旅の扉の仮説を聞きました。
※C-5『野比家』とE-7『天空への塔』が旅の扉で繋がっていることを知りました。天空への塔の先に行くには鍵が必要だと認識しました。
※ゼオンの書き置きを読みました。12時にB-6『グランバニア城』での待ち合せすることが書かれています。
【袴田ひなた@ロウきゅーぶ!】
[状態]:健康
[装備]:台風のフー子@ドラえもん、セイクリッド・ハート(クリス)@魔法少女リリカルなのはシリーズ
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0〜1、バスケットボール@ロウきゅーぶ!
[思考・行動]
基本方針:みんなで帰る。悪いことはしない。
1:ともかたちと、フー子の友達(のび太たち)、クリスの友達(ヴィヴィオ達)を探す。
2:野比家でのび太を待つ。
3:こなん、いい人。頭いい。
4:がっしゅ、おうさま。
-
以上で、投下終了です。
-
投下乙です。
放送後は待つ意味無くなるし、どう動くかな。
-
投下乙〜相変わらず早い
コナン君が(変態の付かない)紳士で良かったw
ひなたちゃんかわええのう
ひなた組が探してる8人の内半分の4人死んでるのが酷い、まだ一回目の放送なのにw
-
投下乙です
何とも微笑ましい光景だけど放送後がかなり怖い...
-
投下乙です
ほんわかしてるなあ
これがあと数十分で壊れるのか
-
投下乙です
探し人の何人かがキチガイとガチマーダーの被害者だからなぁ…合流できた分危険は少なくなったと取るかサンデー組が気まずくなったと取るべきか
-
期間的に切り悪いから
5/23(金)23:59まで放送前予約待ち
上記までに予約がない場合、予約凍結
(予約がある場合はまた別途日程構築)
5/24(土)0:00〜5/30(金)23:59 第一回放送案受付
5/31(土)0:00〜22:59 投票・最多投票の案を決定
6/1(日)0:00 放送後予約解禁
こんな感じでどうだろう
-
放送案を一週間募集する気か?
-
放送後予約を週末にするにはってことなんじゃない
まあ、それ考えなければ、予約受付は3日間くらいでも大丈夫のような気がする
-
基本的に死者放送とキングのおことばを書くだけだし
大作にするほどの時間は要らないと思う
5/24〜5/28に放送案募って、
5/29に複数の案がある場合はそれを決めて、
5/30に予約解禁でもいいんじゃね
-
>>373で良さそう
-
OPのときみたいに一日でいいんじゃないか
死亡者名とおことばだけ変えれば大丈夫だろ
-
第一回放送だし、単純なのでいいんじゃないかな
-
ぜったい今から書き始めてる人いそう
-
放送案って書き手デビューしやすいからね
ちょいちょい期間作ってもいいかもしれない
-
ロワ語りは無事に終わったな
平和に進んで何より
-
いい感じだったねえ
-
このロワの安定感すごいよな
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今は流石に最初と比べると少し落ちたとは言えそれでもそこそこの頻度で投下来るしね
多分放送越えたらまた再燃すると思う
-
0時から予約凍結、放送案募集開始かな
-
放送案を投下します。
出先からの投下のため少しお時間を頂きます。
-
「臨時ニュースをもうしあげます。
ポーキーさまの言う通り殺し合っているよい子も、ポーキーさまに逆らおうとする悪い子も聞いて下さいね」
この舞台で殺しあう全ての少年少女の元へ、なんの前触れもなく気取った声が響いてきた。
どこから響いてくる、あからさまな機械越しの音声。
それは紛れも無くポーキーのものだったが、音量などが補正されているのか、はじまりの場所で聞いたポーキーの肉声よりずっと聞きやすかった。
「楽しくやっている奴も、楽しくやっていない奴もいるみたいだな。
お前達がどう思ってるかどうかなんて、僕には関係ないけどね。
でも、あんまり面白くない事ばかりやってる奴は、面倒だから殺しちゃうぞ。
僕がたいくつじゃないか」
あらかじめ自分を落ち着かせてから口を開いているのか、ポーキーの台詞は咳などをする様子もなく流暢に紡がれていく。
或いは、放送用に合成音声を使っているのかもしれない。
「そういえば言い忘れたんだけどさ、この殺し合いには禁止エリアって奴があるんだ。
そこに入ると首輪が爆発する。君達が引きこもってばっかりだと、僕がつまらないだろ?
……ルールには書いてあったかな?」
その言葉を境にして、放送はしばらくの間無言で止まった。
大方、近くにいる誰かに確認させているのだろう。
「ある? じゃあ問題ないよね。ルールを読まない方が悪いんだからさ……読んでない奴はちゃんと読んでおくように。
禁止エリアは7時からBー7、9時からA―3、11時からGー4だ。
まだ始まったばかりだから、君達が動きやすいよう注意して決めてるんだ。僕は気が利くからね……
ついでに気を利かせて、誰が新しく参加したかと誰が朝までに死んだか言おうか。
新しく来たお友達はドルベ、トロン、鹿目タツヤ、歳納京子、ジークの五人だ。
仲良くやらないと駄目だぞ……あ、こいつらはもう二人死んでるんだっけ?
じゃあ次、死んじゃった奴の発表。
鹿目まどか
李小狼
三沢真帆
九十九遊馬
風間トオル
雷刃の襲撃者
骨川スネ夫
レックス
香椎愛莉
赤座あかり
ドルベ
歳納京子
野比のび太
以上、13人。
つまんない死に方をした奴もいれば、傑作だった奴もいたよ。
博士が光ったとかさ、まぬけすぎてさぁ、あははははは、あは、ゲホッ、ハァーハァー」
今までとは微妙に違う様子の声が響いた直後、笑いすぎたポーキーが咳き込み始める。少なくともこの感想は自分で喋ったらしい。
十秒ほどポーキーの呼吸が乱れている様子が続いた後、ようやく放送が再開された。
「ゼイゼイ……ああ、言ってないと言えば何をどうすれば優勝かも言ってないんだっけ。
でも、言ってあげません……うそ、うそ。僕はいい奴だから教えてやるよ。
じゃあ、言うぞ。ちゃんと耳を澄ませてくれよ。
僕を一番楽しませた奴が優勝だ。やり方はなんでもいいから、僕を満足させるような殺しをしろ。
あは、あはははは、べろべろべー!」
果たして本気でそういうルールを設定しているのか、或いは嘲るために適当な嘘をでっちあげただけなのか。
ポーキーは全く何の目安にもなっていない言葉を言い残して、放送を打ち切った。
それはルールとしても冗談としてもあまりにも無茶苦茶で……「子供のわがまま」と言うべき内容だった。
-
以上です。
禁止エリアはこちらで決めてよろしかったのでしょうか?
-
放送投下乙
ポーキーらしさが出ててナイスです。
禁止エリアは書き手さんが決めてオーケーだと思います。
そっちの方がすっきり決まる感じだと思いますし
-
あら、何かトラブルあったのかな?
-
おとと、ブラウザが不具合起こしてるだけだった
では、改めて、投下乙です。煽ってくるなあ
そして、偽名名乗ってたプライドは果たしてどうなるか
禁止エリアは自由に決めてよいと思いますよ
-
夜も更けてきたので放送案東海します
-
夜も更けてきたので放送案投下します
-
ある者は悲しみに囚われながらも主催者への反抗を決意していた。
ある者は探し人とすれ違い、それでも会おうとしていた。
ある者は探し人の死を知らず、しかし、やはり会おうとしていた。
ある者は失った仲間のことを、殺せなかった標的のことを、見失った同行者のことを、偉大なる主のことを、親愛なる友人のことを――
託された任務を
託された魂を
苦楽を共にした幼馴染みを
苦楽を共にした親友達を
見捨てることになった犠牲者を
捨て石になった犠牲者を
任せられた命を
果たすべき使命を
信頼できる仲間を
利用している道具を――
恐怖を、愉悦を、打算を、計算を、逃避を、計略を、苦悩を、義務を、興味を、疲労を、困惑を、混乱を、狂気を、酔狂を。
ゲームが始まってわずかに六時間。
十三人の死者と四七人の生者を前にポーキー・ミンチの放送が始まった。
-
ぴーんぽーんぱーんぽーん
「六時になりました。みんな大好きポーキーさまのありがたい放送のじかんです。」
「よおお前たち、元気に殺しあってるな。そんなに暗い夜なのによくやってるよ。それとも夜のほうが殺しやすいかな?もお十三人も死にました〜。」
「死んだのは
鹿目まどか
李小狼
三沢真帆
九十九遊馬
風間トオル
雷刃の襲撃者
骨川スネ夫
レックス
香椎愛莉
赤座あかり
ドルベ
歳納京子
野比のび太
の十三人で〜す。――ゴホッ、ゲハッ、ゴホゴホッ‥‥」
「ハァ‥‥ハァ‥‥次は何だっけ?‥‥ああ、名簿にないやつらの紹介だっけ。」
「じゃあ繰り上げ合格したお友達の紹介で〜す。
ドルベ
トロン
鹿目タツヤ
歳納京子
ジーク
の五人。あれっ?もう二人死んでる?もっとがんばんなきゃだめだぜ。」
「あ、そうそう一番大事なこと言い忘れてた。おまえらにどうすれば優勝するっていってなかったっけ。なんで今から優勝する方法を決めま――ゲフッ、ハァ、ハァ。」
「――ふぅ、じゃあなににしようか。なんかよさそうなの――ああっ、じゃあこうしよう。みんなで手をつないでよ。数は――じゃあ二四人。一人でも多かったり少なかったりしたら――ゴフッ――だめだぜ。二四人で輪になって手をつないでよ、そしたら優勝。」
「超簡単だよね。今生きてるやつの半分は生きて帰れるとかポーキーさまやさしい。」
「あー、でも殺すのが好きってやつも――ゲホッ、ゴフッ――いるみたいだね‥‥じゃあ、半分。半分の十二人殺したら優勝でいいよ。MVPとしてなんでも一つ願いを叶えてあげるよ。でもつまんない願いなら殺すぜ?」
「タイムリミットは六時間。それまでに優勝できるかな?まあ安心してよ。優勝者が出なかったらまた新しいルールブック考えるから。じゃあね。」
ぴーんぽーんぱーんぽーん。
-
「あっ、言い忘れてた。禁止エリアを発表しゲホッ、ゲフッ、ハァーハァー‥‥」
「ハァ‥‥あぁ‥‥じゃあE1とE5とA5の順に禁止エリアにするから‥‥ゲフッゲフッ!ハァ‥‥あとはルール見ろ‥‥」
「ゲフッ。」
-
以上で投下終了です。
良かれと思って対主催がまとめて生還できるルールにしてみました!
これで半分以上のキャラが無事優勝できると思います!
みんなで協力して優勝を目指すという新しいタイプをやってみたいと思いこんなのを書いてみましたが皆さんどうでしょうか?
是非投票お願いしま〜す
(真面目に書いた人がいるからえげつないルールでも大丈夫かなと思った。反省はしている。)
-
投下乙です
優勝を明言した(けど6時間限定)っていうのは面白いです
2作以上投下が来たので投票が必要だね
今日締切だと急すぎるし明日いっぱいで締切くらいで
5/27(火)23:59 第一回放送案受付終了
5/28(水)0:00〜22:59 投票 23:00〜23:59 集計・最多投票の案を決定
5/29(木)0:00 予約解禁
こんな感じ?
もっと書きたいよって人がいればスレで申請してもらって週末くらいまで伸ばしても良さそうだけれど
投票はこのスレでいいのかな
同票の場合は投下が早かった方とかでどうだろうか
-
放送案投下乙です。
殺さずに優勝できる方法ってのは新しいね。
-
今日いっぱいが放送案募集か
まだくるー?
-
執筆中の人がいたら宣言してもいいのよ?
その分時間の融通とかしてもいいと思う
-
俺もそう思う
2作出てるから、もし書き途中の人がいたら思い切って手をあげて書き上げればいい
安心して作品を出してみるチャンスだしね
ちなみに投票は
◆LS20fpS0gY に一票
◆qB2O9LoFeA に一票
みたいにコテハン名をレスに書けばいいかね
-
すみつき括弧で括るだけでいいんじゃない?
-
投票は『>>111』みたいな風にアンカーにするの?それともコテハン名?
-
【コテハン名】
じゃないかな
多分目視で数えられるくらいだとは思うけど、
念のため集計ツールとか検索とか使えるように書き方は統一した方がいい
-
>>403でOK?
-
おkじゃね
-
OK、了解〜
5/28(水)0:00〜22:59 投票期間、 【コテハン名】 で投票
23:00〜23:59 集計・最多投票の案を決定(同票の場合先に投下した作品)
5/29(木)0:00 予約解禁
-
自分はもうちょっと考えてからにするけど、もう投票始まってるんだよな?
-
終了一時間前に駆け込むか結果が見えて棄権するのかってのがけっこういそう
あ
【◆qB2O9LoFeA】
に一票で
-
ミス
【◆qB2O9LoFeA】
-
【◆LS20fpS0gY】
-
【◆LS20fpS0gY】
-
【◆qB2O9LoFeA】
-
【◆qB2O9LoFeA】
-
【◆LS20fpS0gY】
-
【◆qB2O9LoFeA】
-
【◆LS20fpS0gY】
-
【◆LS20fpS0gY】
-
【◆LS20fpS0gY】
-
【◆qB2O9LoFeA】
-
【◆LS20fpS0gY】
-
【◆qB2O9LoFeA】
-
【◆qB2O9LoFeA】
-
【◆qB2O9LoFeA】
-
【◆LS20fpS0gY】
-
【◆qB2O9LoFeA】
-
【◆qB2O9LoFeA】
-
【◆LS20fpS0gY】
-
【◆qB2O9LoFeA】
-
今んとこ
12 ◆qB2O9LoFeA
*9 ◆LS20fpS0gY
-
【◆qB2O9LoFeA】
-
【◆LS20fpS0gY】
-
【◆LS20fpS0gY】
-
【◆qB2O9LoFeA】
-
投票〆切りだね
【◆qB2O9LoFeA】さんので決定かな
おめでとうございます!
予想以上にたくさん投票参加してくれる人いたねえ
ありがたや
-
◆qB2O9LoFeA氏ので決定かな?
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予約解禁は0時からだよね?
-
だね
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美遊・エーデルフェルト、クロエ・フォン・アインツベルン、ジーク、泉研予約
-
クロエ・フォン・アインツベルン、ジーク、プライド予約します
-
アベル、剛田武、永沢君男、神代凌牙、リュカ、黒のアサシン 予約します。
-
、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン、サトシ、高町ヴィヴィオ、ヴィクトリカ・ド・ブロワ、鹿目タツヤで予約します
-
久々の予約ラッシュ&予約被り!
-
同時に予約メンバー被っちゃったけどどうするの?
-
勝算がないわけではなかったがまさか本当に採用されるとは!
万歳三唱も終わったんで
黒のアサシン
を予約します
-
あっ
調子乗ってすいませんでした取り消します
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>>438
>>440
>>441
が予約成立だね
-
まあ、アポはもうじき出る新刊発売してから動かしても良いかもな
>>443
先着優先、というか遅れた方は既に別の予約してるね
放送案が特殊だったので、こちとら、じっくりと誰を予約するか考えるか
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って、スマン、アサシンも予約被りでの破棄か
-
要未来を追加で予約します
-
現状でのまとめー
名前: ◆LS20fpS0gY 投稿日: 2014/05/29(木) 00:00:00 ID:gy3XMgoUO
美遊・エーデルフェルト、クロエ・フォン・アインツベルン、ジーク、泉研予約
名前: ◆HoYWWMFJdI 投稿日: 2014/05/29(木) 00:00:04 ID:PEJDEV7A0
アベル、剛田武、永沢君男、神代凌牙、リュカ、黒のアサシン 予約します。
441 名前: ◆2kaleidoSM 投稿日: 2014/05/29(木) 00:01:45 ID:Qn.llGzc0、
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン、サトシ、高町ヴィヴィオ、ヴィクトリカ・ド・ブロワ、鹿目タツヤで予約します
名前: ◆2kaleidoSM 投稿日: 2014/05/29(木) 00:11:06 ID:Qn.llGzc0
要未来を追加で予約します
未予約一覧
エレジー(深夜)
ゼオン、璃緒(黎明)
(以降、早朝)
マサオ、ビアンカ、響、桜
タバサ、電、ベクター
しんのすけ、ゆま
トロン、雷、アインハルト、アンチョビ
光彦、ディア―チェ、
藤木、メルトリリス
クラウス
てゐ、カツオ
刹那、フラン
プライド
ガッシュ、コナン、ひなた
-
トロン、雷、アインハルト、アンチョビで予約します
-
アベル、剛田武、永沢君男、神代凌牙、リュカ、黒のアサシン 投下します。
-
香椎愛莉の命が失われ、無言で歩く一行。
未だ目を覚まさない永沢を背負い、美遊とは逆の方角へとアベルの手を引いて行く。
「…………タケシは、ここに連れてこられる前は、どんなことをしていたの?」
ようやく落ち着いてきたのか、アベルが歩きながらジャイアンに問いかける。
「ん?ああそうか、お前の話だけを聞いたんだったな。
そうだな……。
俺達の世界は、魔術師とか魔法なんてのはなくてな。
小学校っていう……勉強したり運動したり、大勢の仲間と一緒に生活する場所にいたんだ」
「へ〜、たくさんの仲間が一緒なんて、なんだか楽しそうだね」
「ああ。そこでスネ夫やのび太達と毎日遊んだりしてな。
学校が終わった後も、野球をしたりして遊ぶんだよ」
「ヤキュウ?アイリが言っていたバスケみたいなものかな」
「……そうか、あの子はバスケが好きだったのか」
落ちそうになった永沢を背負い直し。
「そうだな。野球ってのは手を握ったくらいの大きさの球を投げて、
バットっていう棒で打つ遊びだ。
投げる奴と打つ奴だけじゃなく、打った球を取るために守る奴もいてな。一人じゃできない。
たくさんの仲間がいないと、できない遊びなんだよ」
「ふふ、面白そう。僕にも教えてくれる……?」
無理やり笑顔を作るアベルを見て、握った手を離してくしゃくしゃと頭を撫でる。
「わっ、わっ」
「はっはっは、もちろんだ。
あんな重そうな剣を振れるんだ、きっとアベルは強打者になれるぞ。
ただ、このジャイアン様の特訓は厳しいぞ。
スネ夫やのび太も誘ってみんなでやろう」
「うん!ありがとう、タケシ」
-
二人で自然、笑顔でいると。
突然、ジャイアンの頭に嵌められていた風の子バンドが頭上へ飛ぶように外れ。
―――そのまま頭上で待ち構えていた右手が、バンドを掴みそのまま元の頭の位置へと嵌める。
「な、な!てめえ起きてやがったのか!!」
「あーあ。せっかくのチャンスだったのに、君は甘いねえ」
風の子バンドのことか、それとも気絶している間に自分の対処をしなかったことか。
背中の永沢が救いようがない、とばかりに溜息をついて首を振る。
「この野郎!!!」
「あー『寒い』『寒い』吹きっ晒しで眠っていたから『寒く』てかなわないや」
「いでででででで!!!」
「タ、タケシ!?」
タマネギ頭の少年は、背中からぴょんと飛び下り、のたうち回るジャイアンを見下ろす。
心配そうにジャイアンをさするアベル。
「くそ……覚えてやがれ……」
「さあ?もう忘れたよ。
で、どこへ向かっているんだい」
「もう。喧嘩はよくないよ……。
とりあえずハートランドってところに向かってるよ」
「ふーん……」
永沢はスマホを取りだし、現在地を確認する。
(そういえば、スタジアムからハートランドの間にも×印はあったな……)
「くそ……」
ジャイアンが立ち上がり、再び文句を言おうと口を開いた時。
―――ソレは突然、大地を揺らしてやってきた。
■■■
-
「あーー!あれ!凌牙あれ!」
ナッシングに引っ張られ、湾岸に向かっていた神代凌牙とリュカ。
そのナッシングが、既に遠くに見える船影を指差して悔しがる。
「追いかけて凌牙」
「無茶を言うな」
凌牙は溜息をつく。
「ほらほら、この子使ってよこの子」
いつの間に抜き取ったのか、『ビッグ・ジョーズ』のカードを突きつけるナッシング。
「なっ、てめえそれは!」
「大事にしてくれるのは嬉しいけど、もっと使って欲しいって言ってるわよ」
「フン、大きなお世話だ」
親の形見でもあるカードをナッシングから引っ手繰る。
ぷくーっとナッシングが頬をふくらます。
「とりあえず北に向かったのが分かっただけでも収穫だろ。
……次は、あの化け物退治の番だ」
「あ。ありがとう」
リュカがびっくりした顔をして、慌ててお礼を言う。
「フン。さっきも言っただろ。あのブタ野郎へ反撃するためさ。
別にお前のためなんかじゃねえ」
「テンプレなツンデレね」
「馬鹿言ってねえでさっさと幼稚園に向かうぞ」
リュカとナッシングを従え南東へと向きを変え。
「あ、あれ……!!」
リュカの指差す方向。
―――三人の少年達が、巨大な怪物と対峙している。
「チッ、移動しちまってたのか!いくぞ!」
「うん!」
■■■
-
「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!」
その咆哮で辺りの家々が震え。
―――巨大な牙を、エクスカリバー・ガラティーンが受け止める。
が、少年の小さな体では踏ん張りきれず、そのまま場外……ではなく遠方へと吹き飛ばされる。
「うわっ……!!」
アベルは吹き飛ばされた先でごろごろと転がって受け身を取る。
「アベル!!くそ、なんだこの化け物は!」
ジャイアンは熱線銃を取ろうと腰に手をまわし、丸腰であったと気がつく。
「おい永沢!非常事態だ!銃を貸せ!!
―――ってどこ行ったアイツ!!」
振り返ると、傍に居たはずの永沢の姿がそこにない。
更に後方、永沢はアベルが吹き飛ばされた辺りの家の郵便受けを、何故かごそごそと漁っている。
「おい永沢!何やってんだ!銃を早く投げろ!!うわ!!」
鋭い牙の口を開け、食べようとしたところを横に飛んでやりすごす。
叫ぶジャイアンを尻目に、永沢はぶつぶつと呟く。
「……フン、聞こえているさ。そんなもの使わなくったって……えい」
印のあった場所、郵便受けの中に隠されたボタンを押す。
―――すると。ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴと地鳴りが聞こえ。
化け物とジャイアンの周りの地面一帯が大きく陥没を起こし始める。
「うわああああ!?な、なんだ!?」
「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!」
ガン!ガン!とアスファルト同士がぶつかり。
地面から水が噴き出し、付近の家も飲み込まれ。
ジャイアンときゅうきょくキマイラが崩落に巻き込まれていく。
「ふうん、巨大な落とし穴ってわけか。
……ありがとう剛田くん。君の死は無駄にしないよ」
陥没の淵を覗き込み。
フフフ、と笑いながら勝ち誇る永沢。
-
―――が。
「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!」
怪物は変わらぬ咆哮を叫び。
地面に巨体を一度沈み込ませた後、大きく跳躍してくる。
瓦礫を辺りに撒き散らしながら、大きく空中を跳ぶ。
そしてドスン!と、永沢の前へと、地面を震わせ着地する。
「な、な、な、な……」
怪物の尋常ならざる存在感を前に。
ガクン、と腰を抜かして尻もちをつく永沢。
「お、おい。カード、なんとかしろよ、おい。ラッキーなんだろ」
ラッキーへと呼びかけるが何も返事はなく。
「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!」
怪物が飲み込むために巨大な口を開け。
「ナガサワ!!逃げて!!!」
アベルが体当たりで永沢を弾き飛ばし。
代わってそこにいたアベルを、パクリ、と飲み込んだ。
「あ……ああ……」
「クソッ……!!いったいどうなって……アベル!!!」
びしょ濡れになって、陥没した地面をよじ登ってきたジャイアンも、その光景を目にする。
■■■
-
「あそこだ!!リュカ、アイツの弱点ってのはなんなんだ!!」
走りながらキマイラへと近づく凌牙とリュカ。
「背中にボタンがあって、それ押せば停止するはずなんだ。僕ならその位置も分かる」
「よし、分かったぜ。それなら……!!」
凌牙はデュエルディスクを展開し、カードを置く。
「俺は、ビッグ・ジョーズを召喚!!」
すると、掛け声と共に巨大な鮫が凌牙の前に現れる。
「わ。すごい!」
「よしリュカ、こいつに乗れ!あの化け物の背中まで連れて行ってやる!」
「う、うん!わかった!」
ふわふわ付いてきたナッシングも凌牙の隣に追いつく。
鮫の背中にリュカが跨り。
「よし、いいぞ。続けてマジックカード、アクア・ジェットを発動!!」
再びカードを置くと、ビッグ・ジョーズの体に、機械の翼とジェット噴射装置が取り付けられる。
「ふーん。つまり、マジックコンボってワケかしらね」
「やかましい。準備はいいか、リュカ!」
「うん、大丈夫!!」
「よし、行け!ビッグ・ジョーズ!!」
リュカはしっかりと鮫の背に掴まり。
ひと声吠えると、ジョーズはリュカを乗せて、きゅうきょくキマイラの方向へと飛んでいく。
――『ぴーんぽーんぱーんぽーん』
その最中、辺りに設置されたスピーカーから大音量で放送が流れ出す。
――『六時になりました。みんな大好きポーキーさまのありがたい放送のじかんです』
「チッ、こんな時に!」
■■■
-
リュカは放送に意識を傾けず集中し、ジョーズに掴まってキマイラへと接近する。
それに気がついたジャイアンは腰を抜かした永沢から熱線銃を奪い、
キマイラの注意を自分に向けさせようとする。
「……くそっ!!この化け物野郎!アベルの仇だ、喰らえ!!」
強力な熱線をキマイラへと発射する。
「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!」
咆哮を上げ、熱線を弾き。キマイラには傷一つつかない。
「な……全然効いてないだと!?なんなんだコイツ!!」
熱線が向かってきている鮫へ逸れないよう、注意して正面に撃っては、横へと逃げる。
――『鹿目まどか』
その間も放送が流れ続けて、死者の発表が始まっている。
ジョーズはキマイラの上へと到着し。
リュカが飛び降り、キマイラの背後へと着地する。
ビッグ・ジョーズはそのまま正面に回り、体当たりでキマイラの動きを止める。
「誰だか分からねえけど助かる!!」
ジャイアンは熱線銃で援護しようと構え。
――『骨川スネ夫』
「なっ!?スネ夫!?」
ジャイアンが驚きの余り硬直し。
そこへジョーズごと飲み込もうと、大口を開けた怪物が。
……口を開いたまま、動きを止めた。
役目を果たしたビッグ・ジョーズは姿を消し。
―――『野比のび太』
十三人目の死者が呼ばれた頃。
「ふう……大丈夫?」
キマイラから降りたリュカは、二人の少年に近づく。
-
「……フン。僕は、助けてくれなんて言った覚えはないんだ。
それをアイツ……。
でもそうさ、向こうは二度助けて、僕は何も払ってない。
大人の取引なら大儲けってやつさ。これで良かったんだ……」
玉葱頭の少年は何かをぶつぶつ言い。
「アベル……スネ夫、のび太……!!
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
大柄な少年は、顔を憤怒の色に染め。
停止したキマイラに対し、力いっぱい殴りつける。
「くそっ!!くそっ!!くそっ!!!
なんでだ!!
なんでこんなことをするんだ!!!
くそっ!!くそっ!!くそっ!!
許さねえ!!ポーキーの野郎、絶対に許さねえ!!」
右手が赤くなるくらい殴り続け。
リュカは悲しそうに、ジャイアンと、キマイラとを見ている。
―――そこへナッシングが近づいてきて。
キマイラを、傍にいたひよこごと黒い球体に包み、そのまま無へと消滅させる。
再度殴ろうとしたジャイアンの拳は空を切り、そのまま地面に倒れ伏す。
「うぅ……クソ……クソ!!」
地面を叩いて涙を流し始める。
「あ……」
「大丈夫よ。あの子、『無』から生まれたんでしょう?『無』に帰してあげただけよ」
「そっか……ありがとう」
「別にあなたの……ってこれじゃ凌牙よね」
ナッシングは後ろを振り向いて凌牙を指差し。
「その凌牙がなんか茫然としてるのよ。何とかしてきて」
「凌牙が?」
ナッシングに頷き。
リュカが走って凌牙に近づくと、放心したように呟いていた。
「……遊馬が、死んだ……だと……?」
そして永沢少年は、ひとりごちる。
「……やっぱり生きてたね。卑怯者な藤木くん。
それにしても。
二十四人で輪になるか、十二人殺せ、だって……?」
-
【D-2/市街地/一日目 朝】
【神代凌牙@遊戯王ZEXAL】
[状態]:健康
[装備]:デッキ(神代凌牙)@遊戯王ZEXAL、デュエルディスク@遊戯王ZEXAL
[道具]:基本支給品一式
[思考・行動]
基本方針:殺し合いをぶっ潰す
1:遊馬が死んだ……だと……?
2:リュカは信用できそうだ。
3:悪人(?)の木之本桜を探しに北へ向かう?
4:璃緒を探す。
5:ベクターを見かけたら、ぶちのめす。
6:ナッシングの力を警戒。
※参戦時期は、真月零がベクターだと判明してからナッシュの記憶を思い出すまでです。
※使用済カード:ビッグ・ジョーズ×1、アクア・ジェット×1
【『無』@カードキャプターさくら(アニメ)】
[状態]:魔力消費(中)
[装備]:無し
[道具]:無し
[思考・行動]
基本方針:お友達(さくらカード)を返してもらう
1:北に行って木之本桜を探したい。
2:お友達を探すのを邪魔するものは消す。
【リュカ@MOTHER3】
[状態]:PP消費(中)、疲労(小)
[装備]:無し
[道具]:基本支給品一式、不明支給品0〜2
[思考・行動]
基本方針:殺し合いには乗りたくない
1:凌牙と同行する。
2:凌牙が心配。
3:要未来を探す。
4:クラウス兄ちゃん……。
5:あの二人(永沢、ジャイアン)が気になる。
※クラウスが仮面の少年であることに気づきました。
【永沢君男@ちびまる子ちゃん】
[状態]:上半身に大きな切り傷、偽ナンバーズの影響下(強運)
[装備]:No.7 ラッキーストライプ(偽)、賢者のローブ(ボロボロ)
[道具]:基本支給品、パネル地図、ランダム支給品×1
[思考・行動]
基本方針:殺しに乗りつつ生き残る
1:放送の内容を整理したい。二十四人で輪になる……?
2:アイツら(凌牙、リュカ、ナッシング)は利用できそうか見極める。
3:他のマーダーと手を組むか、対主催に紛れ込んでキルスコアを狙う。
4:ジャイアンを利用してから不要になったら処分する。
5:助けてくれたアベルに対する複雑な感情。
6:やっぱり生きてたね。卑怯者な藤木くん。
※偽ナンバーズの影響を受け、少し大胆になっています。
※ジャイアンからのドラえもんや秘密道具に関する情報を得ました
※時代的に漫画ドラえもんは存在しますが、メタ知識は制限されています
【剛田武@ドラえもん】
[状態]:健康、疲労(大)、頭部に軽い打撲、全身に打ち身、ずぶ濡れ
[装備]:熱線銃、風の子バンド
[道具]:基本支給品
[思考・行動]
基本方針:殺し合いを阻止して、ポーキーをぶん殴る
1:ポーキーに対する憤怒。
2:スネ夫、のび太を失ったことに対する悲しみ。
3:アベルを守れなかった悔悟。
4:リュカ・凌牙に対する感謝。
5:永沢をぎゃふんと言わせ、ナンバーズを奪い取る。
■■■
-
―――闇が消え、木漏れ日が辺りを照らし始める。
数刻前の騒乱が嘘のように、森に相応しい静寂が訪れている。
どすん。
再び静寂を破ったモノは、上体を起こし頭を振る。
「いたた……。ってあれ、生きてる……?」
手を握って開いてみる。どちらの手も大丈夫。
(僕は怪物の口にぱくん、と食べられて。それで……?)
見上げると、ちょうど頭の上辺りに小さな窓。
どうやらあそこから落ちてきたらしい。
立ち上がって覗こうとしたら、窓は消えてしまった。
「どうなってるんだろう……?」
剥き出しだったガラティーンを鞘へと納め。
どうも食べられた後、あの窓からここに来たみたいだ、と推測する。
そして隣の木をふと見ると。
「ん……?あっ大変!怪我してる!!」
背中を木に預けて眠っている女の子がいる。
肩から血を流し、服もぼろぼろだ。
だけど近づこうとしたら。
その子は急に跳ね起き、ナイフを抜いて僕を警戒している。
「大丈夫、キミを傷つけたりしないよ。それよりキミの傷、早く治さないと」
だけれど、女の子は警戒をやめようとしない。
(怪我をして警戒するのは、仕方ない、よね)
両手をあげて害意がないことを伝えてみる。
―――が、その子と向き合うと。
不吉な、禍々しい気が襲ってくる。
そう。
ちょうど魔術師ゲマと対峙した時のような。
『死』そのものを感じるような。
圧倒してくる気を感じる。
(でも……)
ゲマとは全く違う、見捨ててはおけないもの。
もっと純粋な何かを、目の前の少女から感じる。
■■■
-
(わたしたちが気がつかなかった……?)
いくら眠っていてもアサシンのクラスである以上、
もっと遠くから接近してきた時点で分かったはずだ。
そして彼女はスキル『気配遮断A+』を持っている。
いくら霊体状態になれないとは言え、
例えば目の前にいきなり現れでもしない限り、
彼女が『そこ』にいることに気が付かず、通り過ぎるはずであった。
(むー。これもあのイリヤと金髪の子にまけたせいだ)
イリヤに背後を取られ、金髪の子の魔力砲の直撃を受けた悔しさを思い出す。
(どうせまたこの子も『光』ばっかりでおいしくないだろうけど……。
おなかもすいてるし、さっさと食べちゃおう)
黒のアサシンは解体聖母を構え、『暗黒霧都』を発動しようとする。
そしてそれに呼応するように、
少年の『転輪する勝利の剣』の柄――疑似太陽が内蔵されている――が光り始める。
「むっ、また……!?」
「わわっ?」
少年も驚いたらしく、鞘ごと地面に置き、更に害意がないように伝えようとしている。
「……ばかな子」
自分を説得しようとした、桃色の髪の子供を思い出し、首を振ると。
一瞬で少年の目の前へと移動し、左肩にナイフを突き立てる。
-
「くっ……!大丈夫。怖くない、怖くないよ」
刺された肩をそのままに。
警戒する獣を安心させるかのように。
ぽんぽん、と近づいたアサシンの頭を撫で。
「かの少女を癒したまえ―――ベホイミ」
「なっ、なにを」
少年は安心させるようにぎゅっと抱きしめると、回復魔法を彼女へと行使する。
―――すると、ゆっくりとアサシンの肩の傷が塞がっていく。
「………………あったかい」
魔術の効果なのか分からないが。
アサシンには、その回復魔術が。とても暖かく感じた。
「うん。これで少し違うと思うけど……どうかな?」
抱きしめていた腕を離し。
心配そうにこちらを見つめてくる。
銀髪の少女のアイスブルーの瞳と、
紫のターバンを巻いた少年の黒色の瞳とが重なる。
「………………やさしい目。ふしぎ」
―――黒のアサシン、ジャック・ザ・リッパー。
彼女は、堕ろされた胎児たちの集合体として産まれた、悪霊のような存在。
ヒトの身ではなく、『魔』そのものに近い存在である。
悪意に対しては残酷に応じ、好意に対しては純粋な存在であるが故に脆い。
そして、アベル。
彼自身も知らぬことだが。
彼には忘れ去られた民、エルヘブンの『ヒトと魔を繋ぐ者』としての力を色濃く受け継いでいる。
獰猛な魔獣であるキラーパンサーの子供とも、既に友誼をかわしている。
彼には魔物どころか、人族と敵対する魔族とすら、心を通わせる素質を持っている。
-
「えと……。僕はアベルだよ。キミは?」
目を互いに背けぬまま、自然に言葉が口に出た。
「…………わたしたちに、なまえはないの。アサシンとか、ジャックとかよばれてるけど」
「そっか、名前がないんだ。じゃあ、えっとね……」
アベルは少しの間、眉毛を寄せて真剣に考えて。
「んと、じゃあ。ジル、って名前はどうかな。ジャックだとちょっと男の子みたいだし」
「…………ジル」
「うん。いや?」
ジル・ザ・リッパー。
連続殺人事件の犯人が、男か女か分からぬためにそう呼ばれたことも多々ある。
恐怖と忌避とを込められた名前。
だが、それとは違う暖かさを感じる。
―――自分のために、考えてくれた名前。
ふるふるとアサシンは首を振る。
「ふふ、よかった。
前ね、プックルっていう友達に、最初ゲレゲレって名前をつけようとしたら、
ぶんぶんぶんぶん首振られて断られちゃったから。
っていたたた」
顔をしかめ、左肩を押さえるアベル。
「アベル、すわって」
「うん?」
言われた通りにアベルが座ると。
アサシンがぺろぺろと、アベルの肩の血を舐めはじめる。
「わわ。ふふ、ジル、くすぐったいよ」
「いま、なおすから」
アサシンはスキル『外科手術』を使い、黒い糸で乱雑に傷口を縫っていく。
黒い糸の跡はミミズがのたうつような、お世辞にも綺麗とは言えないが、
見た目以上にしっかりと傷を縫合していく。
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「……どう?」
「あ、うん」
ぐるぐると左腕をまわしてみる。
「うん、痛くないや。ありがとうジル」
「……ん」
するとアベルに向かって頭を突き出す。
「……うん?」
「ん」
「あ、ああ!……ふふ、ありがとうジル」
なでなでとアサシンの頭を撫でる。
すると、ころり、と転がりアベルの膝を枕にする。
「ふふ、なんだかプックルと同じで猫みたいだ」
「…………おかーさんでもないのに。ふしぎ…………」
アサシンはすやすやと安心したように眠りはじめる。
「……ふぅ。この子、疲れてたのかな。
―――今度こそちゃんと、守らないと。
見ていて、アイリ……」
亡くしてしまった尊い命に、誓う。
その香椎愛莉の友人、三沢真帆を殺した相手が。
真帆を含め、既にこの地で5つもの命を奪った者が、自身の膝で寝ていることも知らず。
穏やかな寝顔の少女を、少年は優しく撫でる―――
-
【F-2/湖北端近くの森/一日目 朝】
【アベル(主人公・幼年時代)@ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁】
[状態]:健康、左肩治療痕、MP消費(大)
[装備]:転輪する勝利の剣(エクスカリバー・ガラティーン)@Fate/EXTRA CCC
[道具]:基本支給品一式、魔法の聖水@ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁、ランダム支給品0〜2
[思考・行動]
基本方針:この島から抜け出して母を探す。どんな状況でも父の誇りを汚したりしない。
1:この島の脱出方法の調査。
2:ジル(黒のアサシン)を守る。
3:タケシ(ジャイアン)達は無事だろうか。
4:アイリの友達を見つけたら、アイリのことを謝りたい。
5:美遊、君は…
※パパス死亡後、ゲマによる教団の奴隷化直後からの参戦です。
※参加者は皆奴隷として連れてこられたのだと思っています。
※ビアンカについて既に知己ですが、参加自体をまだ把握していません。
【黒のアサシン@Fate/Apocrypha】
[状態]:ダメージ(中)、疲労(大)、魔力消耗(大)、右肩治療済、睡眠中
[装備]:解体聖母×4@Fate/Apocrypha、呉キリカのかぎ爪×5@魔法少女まどか☆マギカシリーズ
みかわしの服(カスタム)@ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁、決闘盤(ミザエル)@遊戯王ZEXAL
[道具]:基本支給品一式×2、ランダム支給品0〜2、三沢真帆のランドセルの中身(基本支給品一式、ランダム支給品1〜3)
[思考・行動]
基本方針:アベル以外を殺しておかーさんのところに帰る
1:睡眠中。
2:アベル。ふしぎ。あたたかい。
3:アベルとの安らぎを壊すモノは殺す。
4:何か(人間の魂)を食べて魔力を回復させる。
5:イリヤと金髪の子(ヴィヴィオ)は必ず自分の手で殺す。
6:頑張って街に行ってみようかな。
7:光は、やっぱり嫌い。
8:たまには脂の乗った魂(悪人)も食べたい。豚(ポーキー)は死ね。
※解体聖母について
本ロワでは条件が揃っていても即死は不可能であり、最大効果で内臓ダメージ(大)を与えるものとします。
また、使用には大きく魔力を消耗し、消耗ゼロから使用しても回復無しで使用可能な回数は4回が限度であるとします。
※“CNo.107 超銀河眼の時空竜”の存在を確認、ミザエルのデッキのカードの効果を大まかに把握しました。
※使用済カード:半月竜ラディウス×1、防覇龍ヘリオスフィア×1
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以上で、投下終了です。
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早っ!投下乙です
まだ永沢のラッキーは続いたがここでナッシュと合流したか
まだ記憶がないのがどう影響していくか
あた黒のアサシン可愛い
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投下乙!
出た!シャークさんのマジックコンボだ!
遊馬だけじゃなく心の友ドルベも死んでるから!
あと黒のアサシンちゃんが可愛すぎてつらい
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投下乙です。
流石はモンスターマスター。
相手がゴーストでも問題ないぜ。
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アサシン可愛すぎワロタ
アベルがもっと人の愛を教え込まなきゃな
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投下乙です
まさかアサシンがアベルに懐くとは...
>>472
一瞬どこぞのロワのエンジェロイドみたいになったアサシン想像して鳥肌たった
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投下乙です
案外戦闘力あるなあ、このメンバー
そして、ラストの展開は予想外だった。
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投下乙です
パパーパパー(マジックコンボのテーマ)
他がいきなりNo.使い捨ててる中下級と魔法を一枚消費しただけなシャークさんは格が違った。真ゲスに至っては本デッキすら消費してないがw
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ドルベ達と違ってデュエル機会の多いシャークさんは劇中カードがふんだんにあるのも強みだよな
その当時当時のフェイバリットカードも多いし
予約状況の絵が更新されたから見てみたけど
青色キャラと赤色キャラが混ざった男女ペアor団体ばかりの中、シャークさんのところだけが男所帯でワロタw
まさに華麗なる戦略(パパーパパー パーパパパ パパー)
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動かすわけではありませんが念のためクラウスを追加予約します。
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書かないのに予約で拘束ってどういうこと
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動かすつもりは現状ないけど一応予約しておくみたいな感じじゃね、場合によっちゃ動かす必要出てきたりしたときに動かす的な
これは文面が悪い
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ただ追加予約しますとだけ書けばいいのよ
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マサオ、響、ビアンカ、桜、シュテルンで予約
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これより投下します。
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「無理言うわね、あの豚」
クロエ・フォン・アインツベルンが、放送を聞いて呟いた第一声がそれであった。
無理とは言うまでもなく、ポーキーが提示した優勝内容の事を指す。
「二十四人で手を繋げとか、狙って下さいって言ってるも同然じゃないの」
数を集めるとするということは、それだけ人目を集めるということに繋がる……というより、二十四人なんてよっぽど目立つ真似をしないと集められない。
それは同時に危険人物――十二人を殺す方で優勝を狙う人間の気も引くだろう。成し遂げられるとは思えない。むしろそういう効果を狙っているのかもしれない、とクロエは思った。相当なお人好し――例えばイリヤとか――が真面目にそれを狙ったところで足を引っ張られて死ぬのは目に見えている。実はかなり計算した上で用意した釣り餌なのかもしれない。
(十二人殺しのほうはまだ可能性がなくもないけど……私達、三人いるし)
こちらは口に出さず、内心に留める。近くに同行者がいることを考えれば、言うべきではないだろう。
後味の悪さを無視してこちらでの優勝を狙うとしても……願いが一つと言った以上、「二人を連れて帰りたい」が通じるかは微妙なラインだ。その場合、一人が救いの手から転げ落ちる事になる。
かと言って、この六時間にイリヤか美遊のうちどちらかと出会って二人で同時に十二人殺しに成功、なんてできるはずがないに決まっている。そもそも、イリヤは十二人殺しをしようなんて案に絶対に乗らない。
クロエが肩を竦めながら後ろを振り向くと、ジークがスマートフォンをじっと見つめていた。こちらはこちらで、あの放送に思うところがあったのだ。
「一つ聞きたいのだが、セリムという名前は放送で呼ばれなかったという事でいいだろうか」
「そう言えば大統領の息子、死んだ奴にはいなかったわね」
「いや、そちらではなく繰り上げ当選の方だ」
ジークの言葉にクロエはしばらく首を傾げていたが……すぐに得心したように頷いた。
「なるほど、やっぱ嘘の素性を言ってたってわけね。なんでそんな嘘を吐いたのかは知らないけど。
それよりあなた、自称セリムを知ってるの?」
クロエの足が僅かにだが後じさる。あそこでセリムが死んでいる以上セリムの名を知っている人物は極めて少ないはずなのだ。それこそ、他にセリムに会ったのは襲撃者くらいだろう。
そんなクロエの様子が理解できず、ジークはみまつやを指差して説明する。幸い、クロエの眼ならはっきりと見える距離だ。
「セリムなら、向こうで今も俺を待っているが」
「そういうこと……あの子、私が見た時には胸を撃ち抜かれてたのよね」
「説明してもらってもいいだろうか?」
ジークの言葉に、クロエはしんのすけと出会った時の事を話していく。
しんのすけが襲われていたこと、それを助けたこと、近くに死体があってしんのすけ曰く大統領の息子であったこと。
それはセリムがジークに語った内容ともだいたいは合致する。セリムが死んでいなければ、だが。
「ま、胸に穴が開いても生きてる奴はいるでしょうけど。一部の魔術師とか死徒とか。
でも――」
「少なくとも、ただの人間ではない。
偽名のほうについては、このような場で素性を偽るのはやむを得ない事だが」
「だけど、あなたが会ったのはそういう嘘を吐く程度に頭を使う奴ってことじゃない」
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その指摘は、ジークも認めるしかない事実であった。
残念ながらセリムは、パニックに陥っていたようでその実、かなり冷静な思考をしていた事になる。クロエが実は襲撃者本人で嘘を吐いている、という可能性も考えなかったわけでもないが、こう仮定したところでセリムが偽名を使っていた事実は覆るわけでもない。
この一点だけで危険人物だと排除はしないが、対応は考えるべきだとジークは自戒した。今後の行動方針を考えても、だ。
「……そうだな。二十四人の手を繋ぐ際には、全員が信頼しあっている必要がある。
偽名を使われるような状態では無理だろう」
「ちょっと、まさか本気でやるつもり?」
「いや、もちろん無理にやるつもりはない。方法の一つとして考えておくというだけだ。
成功した所でポーキーが素直に帰すのかという問題がある。
何より、仮にポーキーが応じたとしても場合によっては残り二十四人を見捨てる事になる」
「この状況で二十四人も帰れたら、上出来じゃない?」
悲観的なクロエの言葉に、ジークは頷く事で肯定を返した。もっとも、しばらく黙り込んでからだったが。
六時間で死んだ人数は十三人。ざっと20%が死んだ計算になる。このままのペースで行けば、次は十人が死ぬ。
単純に考えれば一日も待たずに残りの参加者は三十人を割り込むだろう。禁止エリアにより舞台が狭くなっていく事を考えると、殺し合いの速度が減速する事には期待できない。
「でも、言われてみればそういう問題もあるわね。
私の知り合いが二十四人の中にいない状態で手を繋いで終わりにしよう、なんて事になったら困る。
やっぱり二十四人が手を繋ぐのはまず無理でしょ。成功しても争いが起こるもの」
「やはり、名簿にいるイリヤスフィールというのは君の親族か」
「ええ、まぁ……妹だけど」
「念のため聞くが。
君は妹のために殺して回るという選択はしていない、という事でいいのだろうか」
む、とクロエは不機嫌そうな様子の声を漏らした。
とはいえ、ジークの確認は当然ではある。クロエが妹のために参加者を殺して回るというのは、クロエがセリムを襲った者であるというよりは現実味のある仮定だ。
「もちろん、見知らぬ誰かと知り合いだったら迷わず知り合いを取るけど……
無駄に殺し回るつもりはないわ。私の考え方、気に食わない?」
「いや、魔術師としてはむしろ人の良いほうだろう。
進んで殺しに行くつもりでないのならば、不満はない」
「魔術師ね……アインツベルンは、さっき話し合った通りの状況だけどね」
「……すまなかった」
「いいわよ、もうあの家のことは気にしてないから」
軽い皮肉を真に受けて頭を下げるジークに、クロエはひらひらと手を振る。
放送が開始する直前、二人は賢者の石を使った治療の時間のついでにそれぞれが知っているアインツベルンの状況を話していた。一方で、互いの切り札――ジークフリードの力であり、アーチャーの力であり、即ち自らの知る聖杯戦争――はまだ秘めていた。
ジークは生まれつき聖杯戦争の知識と自らの存在についてを刷り込まれているが、生まれつきの知識は聖杯戦争にせよ自らの生まれにせよ基礎的なものに留まる。彼の世界におけるアインツベルンの現況を知るホムンクルスは、ゴルド・ムジーク・ユグドミレニアの罵倒と治療を受け、或いはそれに付き合った者達くらいだろう。
クロエは本来のイリヤスフィール・フォン・『アインツベルン』としてアインツベルンの魔術師たる知識を持ち合わせているが、彼女の人生と聖杯戦争はゼロにすら辿り着かず、十年の間に何があったのかを知らない。彼女が知るアインツベルンの現況は、アイリスフィールが語った「アインツベルンは既に無い」という事柄のみである。
そんな状態でジークがアインツベルンという名に引っかかるものを覚え、そちらに話を持っていけばどうなるか。
-
「俺達がアインツベルンの技術で作られた事は知っていた。
もっとも、当のアインツベルンがもはやないとは知らなかったが」
「私だって驚きよ。アインツベルンからホムンクルスの技術が流出しちゃってるなんて。
潰れちゃった以上しょうがないんだろうけど、世の中は無常よねぇ」
こうなった。
二人がそれぞれの聖杯戦争――冬木の大聖杯の在り処という違いを知れば、違和感に気付いただろう。ジークは『自分の世界の』トゥリファスの聖杯は冬木の聖杯が奪われたものである事を知っており、クロエは『自分の世界の』冬木の聖杯は今も冬木の地下に眠っていることを知っている。だが、聖杯戦争の詳細はそれぞれの奥底に直結する事柄で、他人に軽々と話すものではなかった。
それでもジークは生真面目な性格から「聖杯戦争の技術が流出していて各地で亜種聖杯戦争が起こっており、自分は魔力供給用に造られたが偶然が続きマスターになった」ということを令呪を見せながら教えたが、クロエは見知らぬ他人、もしくはホムンクルスに自分の深層に繋がる事柄を喋るほどお人好しではなく、アインツベルンの娘だという事のみを伝えた。しばらくして放送が始まったこともあり、二人の自己紹介は歯車が噛み合っていない事にすら気付かず終わったのだった。
「さて、今後はどうするつもり?」
「俺としては、やはりセリムの所へ戻りたいと思う」
「嘘吐いてたのに?」
面倒くさそうに言うクロエを、ジークは全く視線を逸らさずに頷いてみせる。
「吐いていたからこそ行く必要がある。彼がどんな人物なのか確かめなくてはならない。
単なる自衛のためなら許すべきだし、危険な相手なら迅速な対応をすべきだ。
証言の必要性や戦闘になる可能性を考えると、できれば手伝ってもらいたい」
「私だって、約束があるんだけどねぇ」
「そうか。ならば仕方がない」
「何も断るわけじゃないわよ。条件次第ってコト。
魔術の基本は等価交換、って言うでしょう」
「何をすればいい?」
その返答に、クロエは意地悪な笑みを浮かべる。それはまさしく、獲物を見つけた表情であった。
ちなみに、この場合における獲物とは弄りがいのある相手と同義である。
「あなた、元は魔力供給用のホムンクルスなんでしょ?」
「その通りだが――待て。なぜ肩を掴む」
「大したことじゃないわよ。
アインツベルンの魔術師として、あなたに本来の目的を果たしてもらおうと思って♪」
近づいてきたクロエに拘束され狼狽するジークの顔に、クロエの顔が少しずつ近づいてくる。
この手の経験も知識もない彼は、当然ながらこれから行われるであろう行為に気付かず顔を赤らめることもない。狼狽も、安全そうだと思った相手に拘束されたからに過ぎない。
だがしかし、なぜかジークの脳裏にジャンヌとライダーが怒っている様子が浮かんだ瞬間――
「!」
いきなり、クロエが横を向いた。
「クロエ、すまないがさっきから何を……」
「………………」
肩を掴まれたまま問いかけるジークだが、クロエは向きを変えず穴が空くほど一点を見つめている。
その顔は最初は何かを探しているような様子だったが、しばらくしてそれは疑問の表情に変わり、そして最終的には眉を顰めた。
「……おっかしいなぁ。
ジーク、しばらくここで待ってなさい」
そう言うと半ば突き飛ばすような勢いでクロエはジークを開放し、その場を凄まじい速さで離れていく。
後には、混乱したままのジークが残された。
■
-
■
『……美遊様』
「クロだよね、あれ」
放送前。
遮蔽物に身を潜めて、美遊は西にいる二人の様子を伺っていた。その姿は転身を済ませ、魔力を肉体能力……特に視力の強化に回している。
高町なのは――実際には別人だが――から離れて休息を取るべく南東へ向かっていった美遊だったが、叫び声らしきものを聞いてこちらへ向かってくれば予想外の相手を見つけてしまった。
考えてみれば、美遊はイリヤのことばかりでほとんどクロエの事を考えていなかった。彼女ならどう動くのだろうかと考えてみたが、全くわからない。
(イリヤは絶対にこんな殺し合いに乗らない……
でも、クロは?)
少なくとも、クロエはイリヤほど殺人に抵抗感はないだろうとは思った。しかし、ならどうするのか?
自分の考えを聞いたらどう思うのだろうか? そもそも、殺し合いに乗っていないのだろうか? 乗るとしたらクロエ自身のためか、それともイリヤや自分のためなのだろうか?
全く予想がつかず、悶々とする美遊の元に放送が響いてくる。煩悶の答えは出なかったが、行動の指針は立てることができた。
「サファイア……ここから離れよう」
クロエがこちらを向いていないのを確認した上で、美遊は遮蔽物――東京タワーの影から姿を現した。
ポーキーが人を集めることによる脱出案を提示したのは、まずい。もしクロエと同行する事になって、かつ彼女がこの周辺で人集めをする気なのならば、アベル達とばったり鉢合わせという事も有り得る(実際にはアベルに関しては杞憂なのだが)。
永沢がまだ生きているのも不安だったし、なぜか新規の参加者に高町なのはの名前が呼ばれなかったのも分からない。一旦、落ち着いて考えなおす必要がある。
「クロはこっちに気付いてない、はずだよね」
『そのはずです。でも、確かに』
「……うん」
そして何より、ここに隠れている間にどこからか視線を感じたような気がした。
ここを離れて南へ向かおう、と美遊は警戒しながら歩いていく。彼女の指針ならば真っ先に排除すべきであろうジョーカーが周囲を……美遊を見下ろしているのだが、クロエに注意していた美遊は幸か不幸か気付かず、消耗していたクラウスはそのまま美遊を見逃して監視に徹した。
建物の合間を縫うように、美遊は歩いて行く。鎮守府へ向かおうかとも思ったが、未だに東京タワーが気に掛かる。
「あそこに誰かいると思う?」
『分かりません。ですが、あそこなら見下ろすのは簡単かと』
今更ながら東京タワーを見上げてみるものの、この距離ではもう何か見えるわけでもない。クラウスは見つからないよう注意を払っているのだから尚更である。
美遊はしばらく考えたが、東京タワーから目が届くであろう鎮守府へは行かずこのまま南へと向かうことにした。磯野家かアメストリス軍中央司令部で休もうと考えてのことだ。
結果的に、その選択は失敗だった。
クラウスが美遊を見逃したのは、ここで派手な戦いを起こせばクロエが気付くだろうという理由もあった。仮に不意討ちで美遊を殺せたとしても、今の状態で美遊とクロエの二人と連戦になって勝つのは困難だ。
クロエはアーチャーのスキルを大幅に劣化した状況ではあるがその身に宿している。そして、アーチャーは千里眼のスキルを持つ。クラウスは事前にそういった情報を把握しているし、美遊も当然ながら知っている。
単純に言えば、クロエは素の状態でもかなり視力がよいということだ。
クロエに注意を向けながら(もっとも、もはや強化した状態でも遠目にしか見えないが)美遊は歩いていたが、ふと小さく見える人影が重なり始めているのに気付いた。
美遊の目から見たクロエはもう体形すらはっきりと分からず、それこそ何か動いていることくらいしか分からない。何をやっているんだろう、と美遊は考えこんで……思い当たった。思い当たってしまった。
実際はまだ寸止めなのだが、距離の関係からすでに唇を合わせているように見えた美遊は思わず硬直してそのまま動きを止めてしまう。遮蔽物のない中、棒立ちのままで。
-
「!」
クロエがこちらを振り向いたような気がして、慌てて美遊は身を隠した。しばらくして、バレていなかったかどうか確認しようとすれば……クロエが走ってくるような様子が見える!
反射的にまた隠れた美遊は、どうするべきか悩んだ。大人しくクロエに会うべきか、会わないべきか……しかし、血塗れのクラレントを見てその悩みはあっさり霧散する。会う気にはとてもなれない。
クラレントを隠すようにランドセルに放り込むと、身を隠しながら逃げ出した。とはいえ、空は跳べない。ただでさえ平原を走るのに、宙に浮こうものなら即座に存在が露見する。
とは言え、身を隠しながら美遊と飛び跳ねながら追ってくるクロエでは、移動力の差は歴然だ。しばらく走り続けた後に届いた音が、それをはっきりと実証した。、
「――待って、ミユ! なんで逃げるのよ!?」
「!」
美遊の耳ではっきり判別できるほどの声。振り向けば、視界に映るクロエの姿は顔が判別できる程度に大きくなっていた。
もう完全に気付かれている。このまま行けば、二人が出会うのは確実。
「やらせないぞ、ジュラル星人!」
「……え?」
の、はずだった。
突如、横から割り込んできた少年――チャージマン研が破壊光線を放つ。慌てて
伏せるクロエに、容赦なく研は照準を合わせる。
「今度はそんな姿に化けたんだな、ジュラル星人!」
『!?』
「じゅ、じゅらる星人?」
研の台詞を聞いても、美遊もサファイアもさっぱり事態がわからない。無理もない事だろう。
泉研の思考回路を説明すると、こうなる。
女の子が黒い女の子に追われている
↓
襲われている
↓
ジュラル星人の仕業に違いない!
キチガイじみた三段論法だった。
「や、やめて!」
「え?」
慌てて美遊が制止の声を上げると、さすがに研は振り向いた。振り向いたが、撃つのはやめない。
クロエは後退しつつ、なんとか接近するタイミングを見定めている。
「あの子は、私の知り合いで……」
「…………そうか、わかったぞ!
きっとジュラル星人が君の知り合いに化けているに違いない!」
「は、はあぁ!?」
あっさり視線をクロエに戻す研。その瞳はキラキラ輝き、美遊を助けようという意志に燃えた善意100%の目つきである。だから始末に負えないのだが。
舌打ちしながらクロエは干将(莫耶まで投影する余裕も必要もない)を放り投げ、『壊れた幻想』で爆破した。派手に爆炎が上がり、研の目を眩ませる。
魔力が尽きかけていることもあり、クロエは退いていった。研はその様子を確認すると、美遊の手を掴んで、言った。
「ジュラル星人は逃げ出したけど、このままここにいたら危ない!」
「あの……ジュラル星人って……」
「君をどこか安全な所に隠すから付いて来るんだ!」
まったく理解できていない美遊をよそに、研は半ば引っ張るような形で美遊を連れて行く。反射的に振り払おうとしたものの、その力はかなり強い。
完全に混乱している事もあり、美遊はそのまま攫われていくしか無かった。
研はのび太の死について深く反省していた。のび太達を放置しジュラル星人を深追いしてしまったのは紛れも無いミスだったからだ。彼の中では。
のび太のような犠牲者をこれ以上増やすわけにはいかない。そう思った研は以前の経験を活かし、まず襲われている相手の安全を確保した上で動くことにしたのだ。
そもそもこの会場で彼が敵と見なした相手に、ジュラル星人は一人もいないという事に気付くこともなく。
■
-
「戻ってきたか。
クロエ、いったい何がブッ!?」
律儀にその場でクールの手当(賢者の石を使わないのではジークにできる事はあまりないが)を行いながら待っていたジークは、いきなりクロエに押し倒された。
そのまま唇に、何か柔らかいものが触れる感覚。さらさらとした銀髪が顔をくすぐり、胴体には小さな膨らみが接触する。足を足で押さえつけられているからか、股間にはクロエのしなやかな太腿が擦れる感覚が伝わってきた。
どういうつもりか聞こうにも、口が塞がれていては聞きようがない。しかも、クロエは押さえつけたまま離れたようとはしない。結局なすがままでいるしかなく、解放されたのは結構な時間が経ってからのことだった。
ジークにはよく分からなかったが、とりあえずなぜかジャンヌとライダーがぶっ倒れる様子が脳裏に浮かんだ。ちなみに彼は気に留めていないが、言うまでもなくファーストキスである。
「はいごちそうさま。予想以上に時間が掛かったわね……
普通の人間よりは相性いいと思ったんだけど。やたら魔力消費するのと、何か関係が有るのかしら?」
「その前に説明しろ。今のはなんだ」
「ん、先に言ったでしょ。魔力補給よほきゅー。
そっちの魔力が回復したらまたよろしく♪」
微妙にきつい様子で問いかけるジークから目を逸らすどころかむしろ後ろを向いて、クロエは適当な調子で答えを返す。
その目は、さっき行ってきた方向を見ているようだった。
「はぁ……今から追っても無理か。それに、追いついてもあのキチガイがいるし」
彼女としてはできれば魔力をさっさと回復して美遊のところへ戻りたかったのだ。
しかし、ただでさえ往復に結構な距離があるのに予想以上の時間が掛かってしまった。この状況でまだ追いかけっこをして、事態が改善するとは思えなかった。
「質問したい事が更に増えているのは気のせいだろうか」
「何してきたかってこと?」
ようやく振り返ったクロエへ向けて、ジークは真顔で首肯する。
続いてクロエの口から漏れたのは、ため息。
「知り合いを見つけたんだけどなぜか逃げられて、追っかけたら変な奴に変な勘違いされて攻撃されただけよ。
……ジュラル星人って知ってる?」
「いや、聞き覚えはない。なんだそれは」
「私が聞きたいわ」
呆れたように吐き捨てるクロエだが、聞かされているほうはもっとわからない。言っているほうがわからないのだから当然だが。
それでもジュラル星人とは何か悩むジークの様子を見て、クロエの方が話題を変えた。
「まあ、考えてもしょうがないわ。
それより、犬の方はもう動かしても大丈夫そうなんでしょ? 自称セリムの方へ向かいましょう」
「ついて来てもらえる、という事でいいのか?」
「等価交換って言ったじゃない。それに、そっちの用事が終わったら慧心学園まで来てほしいし。
さっきの知り合いを探しに行きたいから、こっちの連れのお守りをお願いしたいのよね」
「そういうことならば問題ない。保護や護衛ならこちらの指針にも沿う。
知り合いの名前は?」
「ミユ。美遊・エーデルフェルト」
その言葉と共に、クロエが意識がないクールを軽々と片手で抱え上げて歩き出した。
もともとアーチャーの筋力は低いのにそれが劣化しているため、クロエの筋力はサーヴァントランクにすれば最下層だ。しかし、それでも一般人とは比較にならない力がある。少なくとも今のジークと腕相撲すればあっさり勝てるだろう。
じゃあ行きましょう、と勝手に歩を進めていくのは自分勝手にも見える行動であったが、ジークはこれといって何か思うこともなく黙ってついてくる。
おかげで、クロエは顔を見せずに考え事に集中することができた。
-
(……なんで逃げたんでしょうね、ミユ)
ジークに見せたような小悪魔じみた笑顔とは程遠い、真剣な表情で考える。
最初に浮かぶのは認識ミスの可能性。暗示など、その手の正しく認識できなくなる魔術は腐るほどある。
だが、その可能性は真っ先に捨てた。クロエからも美遊が研を止めようとしていた様子は見えていた。少なくとも、美遊はクロエから逃げていただけで攻撃はしたくなかったということになる。
つまり、分かった上で会いたくないということ。それはまるで、何か重大な隠し事でもしているようで。
(考えたくはないけど)
もしイリヤや美遊と知らない人間達のどちらを取ると言われれば、クロエは前者を取る自信がある。例え、後者の数が六十億だろうと。
理由は単純だ。衛宮切嗣とアイリスフィールがそういう決断をした結果、今のイリヤスフィールがいるのだから。
だが、それはあくまで助けずに見捨てるという話で……二人のために自らの手で殺して回るような覚悟までは、クロエには無い。
だから今のような宙ぶらりんで場当たりな方針になり、今後を二人と相談しようと考えていた。
しかし。
(仮に、ミユが人を殺しちゃってるのなら――私は、どうすればいいのかしら……)
僅かに、俯く。
しんのすけにヒーローみたいと言われたことが、なぜか今思い出された。
一度目は互いに気付かず。
二度目は気付きながら辿り着かず。
三度目を求めるクロエだが、それは果たして彼女の迷いによい結果を齎すのだろうか?
【C-3 市街地/一日目 朝】
【ジーク@Fate/Apocrypha】
[状態]:健康、右手甲に傷、魔力消耗(小)
[装備]:アストルフォの剣@Fate/Apocrypha
[道具]:基本支給品一式、小さなメダル×n@ドラゴンクエストⅤ、
けんじゃのいし@ドラゴンクエストⅤ(一回使用済み)、雑貨多数(食料多め)
[思考・行動]
基本方針:参加者を保護し、殺し合いを打破する。
1:セリムに名前の件について確認し、どんな人物かを探る。
2:その後、クロエに付き合って慧心学園へ向かう。
3:黒のアサシンは早急に排除する。
4:魔術の秘匿についてどこまで徹底するかは、もう少し情報を集めてから考える。
5:ジャンヌとライダーに悪いことをした気がするのは気のせいだろうか?
※原作第三巻終了時点からの参戦です。
※『竜告令呪――デッドカウント・シェイプシフター――』残り三画。
※暗示の魔術は制限されています。
【クロエ・フォン・アインツベルン@Fate/kaleid liner PRISMA ILLYA プリズマ☆イリヤ】
[状態]:ダメージ(小)、魔力消耗(小)
[装備]:少年探偵団バッジ@名探偵コナン
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜3
少年探偵団バッジ@名探偵コナン×2、お菓子(たくさん)、飲料水(たくさん)
[思考・行動]
基本方針:殺し合いには乗らない。
1:ジークの用事を済ませた後、慧心学園付近まで移動
2:その後しんのすけ、ゆまをジークに任せて美遊を探す
3:魔力タンクには当分ジークを使いましょ♪
4:ゆまちゃんから魔力を供給して貰うのは、大変な状況の時だけよね、うん。
※参戦時期は少なくともイリヤとの和解以降。
※制限により魔力補給は通常よりも時間が掛かります。 時間が掛かるだけで補給することそのものは問題ありません。
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■
■
■
アメストリス軍中央司令部まで来た所で、ようやく美遊は解放された。
途端にサファイアを向けられながら「説明して下さい」と問い詰められ、研は身構える。
とは言えジュラル星人に襲われていたのだからジュラル星人ではないだろう、と考えたらしく、困ったように説明を開始した。無論、スマホに映るか確認してから、だが。
それはただでさえ精神的に参っていた美遊の頭を、更に痛くするものであった。
曰く、世界にはジュラル星人という地球侵略を目論む悪の宇宙人がいる。
曰く、彼らは卑劣かつ残虐であり、地球人に化けて様々な悪行をするのだ。この殺し合いもジュラル星人の仕業と見て間違いない。
曰く、恐らくジュラル星人は主催者だけではなく、参加者の一部に化けてかわいそうな子供達を殺し回っているのだ――
「というわけなんだけど、わかったかい?」
「…………」
返事はない。
研の言葉は何一つ分からなかったが、美遊に一つだけわかったことがある。
(この人は、狂ってる)
これならまだダリウス・エインズワースと話すほうが楽だと、割りと本気で美遊は思った。少なくともダリウスはいちおう理屈が通っているが、研には理屈すら見いだせない。
「僕はここから南で上がった光を調べに行くつもりなんだ。スカイロッド号とも近いからね。
たぶん、ジュラル星人との決戦になる。その間、ここに隠れているんだ」
「…………はい」
もう何も言いたくないのか、美遊は生返事だけを返した。もっとも、それを聞いた研は満足気に南へと歩いて行ったが。
ひとまず研の言う通り美遊は司令部の中へ入ると、疲れきったように座り込んだ。肉体的にはさほど疲労はないし、魔力の消耗も大してない。疲れきっているのは心である。
『美遊様。あの方は不意討ちで殺しておくべきだったと思います』
「サ、サファイア……!?」
そんな中で、サファイアが爆弾発言をした。
普段から凛とルヴィアに対してやけに物騒な発言を繰り返すサファイアだったが、研に対してはこの二人以上に鬱憤が溜まっていたらしい。
『クロ様のことはもちろんですが、それ以上にあの方は放っておくと何をするか分かりません。
人殺しどころか戦ってすらいない相手でも、研様は難癖をつけて襲いかかるでしょう』
「…………」
反論の余地はなかった。実際、美遊は知らないが研にはすでに前科があった。
きっとイリヤは殺し合いになんて乗っていないだろう、と美遊は信じているし、彼女のそんなスタンスは人殺しを嫌う者達の信頼を集めるはずだ。
だが、おそらく研にはそんな理屈は通用しない。彼という歯車は誰とも噛み合う事はないだろう。
「分かった。次に会った時はなんとかして倒す。
でも、今は」
『分かっています。ですがこのまま休むのは危険ですし、疲れも取れません。
どこか休めそうな部屋を探すべきかと』
「……うん」
その言葉にゆっくりと立ち上がって、転身を解除し司令部の中を歩き出す。当初はどこかで休むつもりだった美遊に、このまま研を追いかけて殺す気力は残っていなかった。
そういう意味では、研の行動は美遊にとって渡りに船だったと言える。
しかし、美遊は知らない。
研の行き先に、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンがいる事を。
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【D-3 中央司令部周辺/朝】
【泉研@チャージマン研!】
[状態]:ほぼ無傷
[装備]:アルファガン@チャージマン研!、スペクトルアロー@チャージマン研!
[道具]:基本支給品一式×2、まふうじのつえ@DQV、ランダム支給品×0〜1
ランダム支給品(のび太)×0〜2、みずいろまんまる×11@リリカルなのはシリーズ
[思考・行動]
基本方針:ジュラル星人に化けた老人を殺す
0:ジュラル星人に対する激しい怒り
1:あの光の柱の周辺及びスカイロッド号を目指す
2:タバサを浚ったジュラル星人を退治し、のび太の仇を討つ
3:一般人は出来る限り保護する
4:超能力で人外と分かった相手は全て警戒、もしくは殺害
※真月を敵性宇宙人、雷、電、響をジュラルの人間ロボット、クロエをジュラル星人と考えています
※のび太の支給品を手に入れました
【D-3 中央司令部/朝】
【美遊・エーデルフェルト@Fate/kaleid liner PRISMA ILLYA プリズマ☆イリヤ】
[状態]:疲労(小)、精神的疲労(大)
[装備]:マジカルサファイア@Fate/kaleid liner PRISMA ILLYA プリズマ☆イリヤ、燦然と輝く王剣(クラレント)@Fate/Apocrypha
[道具]:基本支給品一式
[思考・行動]
基本方針:イリヤを生きて帰す。
1:首輪の解除が終わるまで、ポーキーが殺し合いの中断(首輪の爆破)をしないよう殺し合いを進め上手く立ち回る。
2:イリヤに害を為す危険人物や弱者の排除。有用な参加者は殺さずポーキーに気付かれぬよう補助。特に研は早期に排除する。
3:今は休息を取り心を落ち着かせる
※参戦時期は少なくともイリヤ、クロエの和解以降。
※アベル、愛莉、ジャイアン、永沢達からの情報を得ました
※星光の殲滅者を高町なのはだと思っていますが、なぜか参加者に高町なのはがいない事が気になっています。
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クラウスとしては、放送の内容に特に思うことはなかった。
手を繋ぐ二十四の参加者は、クラウスにとって狙い目であると共に阻むべき事象だ。しかし、対集団となるとやはり回復が必要。温泉を探すことに変わりはない。
すでに、隠し施設の位置は見当が付いている。だが、C−3に参加者が多いのが厄介だった。隠し施設が発見されることはないだろうが、そこへ移動する自分が発見される可能性は否定出来ない。
ちょうど、東京タワーに背を向けて歩く形になっているクロエ達を双眼鏡で見やる。ディアーチェはまだ眠っている以上、C−3にいる参加者でもっとも危険なのはあの二人だ。
彼女たちの動きを警戒しつつ、クラウスは東京タワーを離れるタイミングを図る。
【C-4 東京タワー /朝】
【クラウス@MOTHER3】
[状態]: 左手に火傷(処置済み)、PP消費(大)、ダメージ大(処置済み)
[装備]: クラウスの剣、刹那のバイク
[道具]: 拡声器、救急セット、基本支給品一式
[思考・行動] 基本方針:殺戮
1:C−3にある温泉に向かう
※隠し施設の位置の詳細は後続の方にお任せします。
※温泉が穂群原学園の屋上にあるかは不明です。
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これで投下終了です。
タイトルは、噛み合わない歯車でお願いします。
また、間違って>>487の冒頭に■を入れてしまったのでwiki収録の際に削除していただけるとありがたいです。
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要未来を予約から外します
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投下乙!
なるほど、アインツベルンはこうきたかwそして相変わらずの研ェ…
原作をうまく活かしてるよいSSでした!
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投下乙です
だめだwww研のセリフだけで笑っちまうwシリアスな展開になんてことをww
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投下乙です
誤解と色々でとりあえず(?)納得のいく解釈が出来た二人 なるほどそうきたか...
そしてブレなさすぎる研...タバサやのび太の件を初めとして害悪しか撒き散らしてねえwww
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すみません、自分の予約分を破棄します
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あらま残念
個人的に2kaleidoさんの作品めちゃめちゃ好きなんで、また予約してくださいな
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投下乙です
どことなーく満場一致のキチガイ野郎の末路を見た気がするw
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これもジュラル星人ってやつの仕業なんDA!
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ライダー「( ゚д゚)」
ルーラー「( ゚ロ゚)」
ふたりのこんな顔が思い浮かんだwwクロェ……ジークェ……
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投下乙です。
魔力供給用ホムンクルスの正しい使い方!
無知な相手に何してるんだクロエ。
ゆまよりは、健全だが。
美遊はクロエから逃げられたけど、イリヤに迫る危険を見過ごしてしまった。
研が厄介過ぎる。
殺し合いを早く終わらせる為に優勝しても、ポーキーなら「優勝者以外の首輪は爆破」とか、やりかねないんだなあ。
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トロン組の予約は今日の24時までか
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一応、延長資格は満たしているな
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すいません延長させてください
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451 : ◆qB2O9LoFeA:2014/05/29(木) 00:59:01 ID:HhrHsBKk0
トロン、雷、アインハルト、アンチョビで予約します
になってるから正確にはほぼ1時
ともあれ延長は可だそうですので延長があればお早めにー
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すいません、今現在は原作未把握の段階で書き手になるかどうか分からないのですが、
放送後、アプリの強制インストールの形でスマホに支給される支給品、というのはズバリ支給品として『有り』でしょうか?
自分としては、放送前にインストールされていても意味を為さない、情報を示す系のアプリ
(たとえば放送済死者の顔写真一覧や死亡位置一覧)を想定しています。
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いいアイディアだね。
うーん、そうだなー支給品として出す時には
パスワードとかが書かれているカードとかで出すのはどうだろうか
通常のスマホだとセキュリティがかかってるけどそのパスワードを
入力すればインストールされてるアプリが使えるとか
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単一キャラへの支給品ならいらないんじゃない?描写もくどくなりそうだし
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>>510
逆に言えば、複数キャラへの、内容違いの支給なら有りかもしれんね
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>>509-511
御意見ありがとうございます。
知らない原作が多く今は書けないので、この土日に頑張って把握してみようと思います。
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早めに延期申請させていただきます
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投下します
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柳洞寺からの石段。
岩場が目立つ山岳部には珍しく周囲を森に囲まれたその一本道で、向かい合うのは四つの人影。
拳を、大楯を、決闘盤を構えて見下ろしてくる三人。それをアンチョビはただ何も言わずに見上げている。
アインハルトは静かに構えをとり、対する黒マントの男はただ佇む。
(さすがに隙を見せませんね。)
ただ立っているだけにしか見えない男からは、しかし確かな気の張りを感じる。糸のように張り巡らされたそれに迂闊にも踏み込めば手痛いカウンターを浴びせてくるだろう。
(!待って――」
突如として感じた魔力に思わず振り返りかけるも自分の横を魔力弾が通り過ぎ男の横の石段を貫いた。
(威嚇射撃ですか‥‥!)
思わず安堵したもののすぐに警戒を黒マントの男――と雷に砲撃の指事をしたであろうトロン――に向け直す。
(微塵も動かなかった‥‥!?)
「警告よ、手を挙げて降参しなさい!」
「‥‥」
あれだけの威力の砲撃、普通なら防御か回避に反射的に動くもの。それを目の前の男はただ変わらぬ姿で立ち続ける。
(威嚇だと見切って?それともまさか攻撃を受けようと‥‥)
アインハルトは拳を握り直し、この島に来て以来一番の警戒をする。目の前の男は相当に危険な存在だというのははっきりとわかった。
自分にベットリと絡み付く男からの気配に背中を冷たいものが流れるがならばなおさらここで自分が隙を見せるわけにはいかない。
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(クソッ!まだか、放送はまだかっ!)
仮面に隠した本心は焦りに溢れ、視線はせわしなく動く。
すでにこの膠着状態が始まって数十秒、互いに何も言わず睨み合いが続いている。
否。
轟音と共にアンチョビの足元がはぜた。
アンチョビから見て右に3メートル、その位置に軍人と思われる少女が盾のようなものから発した光弾が突き刺さり石段を砕いたのだ。
「繰り返す!手を挙げて降参しなさい!」
(うるさいこっちは今ピンチなんだよなにかないかこの状況を打破できることは道の脇は両方とも森で道は一直線でもうすぐ日の出で風は特になく温度も涼しめ湿度はふつう――)
「また無視!?」
そう言うと少女、雷は再び大楯を構え直す。
一発目は左に5メートル、二発目は右に3メートル。計二発の威嚇射撃から考えれば少女はかなりのガンナーと見ていいだろう。
(予想よりあの武器は威力がある命中率も高そうだ子供でも油断はできないアイツを人質にとるのは無理だなら後ろの男をどうにかして――)
「どうだい?彼女の腕は中々のものだろう。ここは穏便に進めたほうが良さそうだけど?」
(そんなことわかってるお前は穏便に済ませるきなんかないだろふざんけんなその手に付けてるのはなん――)
「ちょっと、いい加減にしないと――!」
仮面の少年が構える謎のブレスレットからは嫌なカンジがぞわり、と伝わってくる。あれを使わせると不味いことになるのは確実だ。
(ダメだアイツも人質にできないならコイツかいやまだ勝てない――)
「‥‥」
(そもそも人質はムリでもいや――)
ここに来てアンチョビ、混乱の極み。
無言による必死の時間稼ぎも成果無し。
詰み。その言葉が盾の砲門を向けられ頭を駆け巡る。今度は威嚇射撃では済まないだろう。
-
!
ここでアンチョビに天啓。ギリギリまでかき集めた情報を元に一つの作戦を閃く。
(いけるっ‥‥分は悪いがこれならっ‥‥!)
「一ついいか――」
アンチョビが声をかけたそのとき放送が始まった。
――カナメ・マドカ、リィー・シャオラン、ミサワ・マホ――
ついに始まった放送は両者に更なる膠着をもたらした。
更なる時間稼ぎに成功したアンチョビは自らが閃いた作戦の成功率を上げるべくシミュレーションを進める。
無言だった男が話そうとしたところを放送に割り込まれる形になったドルべ達は、しかし数の優位で半包囲を保ったままドルべがペンでメモをとっていく。
――ツクモ・ユーマ、カザマ・トール、レヴィ・ザ・スラッシャー――
九十九遊馬という名に一瞬トロンが反応するもスラスラと書き進めていく。
――ホネカワ・スネオ、レックス、カシイ・アイリ、アカザ・アカリ、ドルベ、トシノゥ・キョゥコ、ノビ・ノビタ――
読み上げられた死者の中に知り合いがいなかった雷とアインハルトはそれぞれ構えながら内心安堵の溜め息を吐く。
そしてポーキーの放送が終わったところで再び男は口を開いた。
「一つ――」
『あっ、言い忘れてた。禁止エリアを発表しゲホッ、ゲフッ、ハァーハァー‥‥』
「‥‥」
「‥‥」
『ハァ‥‥あぁ‥‥じゃあE1とE5とA5の順に禁止エリアにするから‥‥ゲフッゲフッ!ハァ‥‥あとはルール見ろ‥‥』
「‥‥」
「‥‥」
『ゲフッ。』
「‥‥」
「‥‥」
「‥‥」
「‥‥すいません、まずはこちらの質問に答えてもらっても良いでしょうか?ひとまずは貴方の支給品に危険な物がないか確認させてもらいたいのですが‥‥」
「‥‥この状況じゃあまるで脅迫だな。わかった、ただ、見せる支給品一つにつきこちらも一つ質問をさせてもらおうか。それが『フェア』ってもんだろ?」
停滞した空気からいち早く回復したアインハルトが自分から質問して会話の主導権を取り戻す。覇王流の使い手である彼女にとってこのような空気に即座に対処することも不可能ではない。
「‥‥」
後ろ、トロンが何も言ってこないことを肯定のしるしとして頷くアインハルト。その注意は目の前の男の持つランドセルへと向けられる。
三対一のこの状況、仕掛けてくるならばランドセルに手を伸ばされても手を出すわけにはいかないこのタイミングしかない。
いつでも踏み込めるように呼吸を整え、力を蓄える。
-
そして男はランドセルから観葉植物を出した。
次に牛丼を取り出した。
最後に拡声器を取り出した。
「以上だ。」
「――え、はい。危険なものはないですね。ええ。」
「じゃあ、今度はこっちの質問に答えてもらおうか。」
「はい、あ、その答えられる範囲は一応ありますが――」
「わかってるさ、だから答えやすい質問にする。」
あまりにもあんまりな男の支給品に止まった思考を即座に動かしてアインハルトは応対する。依然としてトロンが何も言ってこないことが逆に不安ではあるが今は目の前の相手が重要だとすぐに切り替えられるのはやはり彼女が覇王流の使い手だからであろう。
ごくり、と唾を飲み込んだ彼女に、彼女達に男は出した支給品を戻しながら軽い調子で問いかける。
「リィーシャオランというヤツを知っているか?」
男が聞いてきたのは今しがた死者として読み上げられた名前。彼女が知らない、どこの誰ともわからぬ犠牲者。
「リィーシャオラン‥‥李小狼か。雷。」
「え、私?リィーシャオランリィーシャオラン‥‥うん、やっぱり知らない人ね。」
「私もありません。」
「そう、じゃっ。」
そういうと、男は後ろを向いて一歩踏み出す。
「待ってくださいまだ話は――」
「待ちなさいよっ!」
「!撃つな!雷!」
トロンが止めたときにはすでに遅く砲撃が放たれる。
男はそれを背中を向けたまま森に突っ込むことでかわし、その手に持ってしまおうとしていた拡声器のスイッチを入れた。
『オオオオオオオオオオオオオオオオアオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッッッ!!!』
砲撃の着弾音でハウリングをおこした拡声器が強烈な音を響かせるなか、アインハルトは男を追い森へと入る、が。
(木が!?)
すぐに進路を男が倒したであろう木に妨げられる。轟音を発して倒れた木の檻からぬけると、とうの男は既に森から石段に戻り一気に駆け降り始めていた。
「あっ――今度は当てうわっ!?」
「しかたない、ドローっ!?」
(!しまったッ!)
それを追いかけてアインハルトも石段に戻る。そう、戻ってしまう。
横に角度のほとんどない細長い戦場。
この場では人一人いるだけで射線を通すことが極めて難しくなる。そして、超人的なスピードで駆け降りる男を二人が追跡するのは不可能。
結果的に二人の遠距離攻撃を潰してアインハルトは男との一対一を強いられることになった。
猛追するアインハルトだが、先手をとられたことで僅かに――彼女の近接戦闘の間合いのギリギリ外側――距離をとられる。
先に駆け降りた男は石段から十メートル以上の距離。対してアインハルトは石段のすぐ下。ちょうど森の切れ目を境に二人は再び睨み合った。
(雷達は――まだかかりそうですね。)
後方から二人が駆け降りてくる気配は感じるがまだ何分かはかかるだろう。不意をついたとはいえ自分に捕らえられることなく向かい合って立っている。そのことが目の前の男の身体能力の高さを証明する。
そのスペックだけでも脅威になり得ると判断し、男の一挙一動を見逃さぬべく構えをとって不意討ちに備えるアインハルトだが、再び不意討ちを喰らうことになる。
今度は言葉という形で。
『なんで追ってくるんだよ!俺がなにしたって言うんだ!』
男はそう喚くと大袈裟な身ぶり手振りをしてみせる。
その行動の意味を図りかねていたアインハルトだが、その手にずっと持たれている物を見て血の気が引く。
「それは貴方が不審な――」
『ランドセルの中身まで見せたのに撃ってきやがって!そうか!お前ら殺しあいに乗ってるんだろ!』
そう、男は先から喚いている。その手に持った『拡声器』を使って!
(これではこちらが危険人物のように思われてしまう――!!)
「待ってくださいまずは話を――」
『誰か助けてくれ!セーラー服の女が光る弾を撃ってくる!助けぐわあああっ!』
最後にそう叫ぶと男は拡声器を空高く放り投げ。
「じゃっ。」
「待て――!?」
このままでは誤解が広まるのは確実。そう考え、背中を向けて走り出した男を追おうと足を前に出そうとするも――大きく飛び退く。
そんなアインハルトを見て男は小さく、それではっきりと聞こえるように舌打ちをすると一般人の全速力程のスピードで西へと消えていった。
『ガシャン』。
先程まで男がいたところに落下した拡声器が一際大きい音を立てて壊れた。
-
(勝った‥‥!俺は逃げ切った!!)
F5エリアの平野部。慎重に遮蔽物から遮蔽物へと移動を続けていたアンチョビは手近な木に上ると大きな息をついた。
しばらく肩で息をしていたが、次第にそれは笑いによる震えへと変わっていく。
(騙し通した‥‥!俺の演技で‥‥!)
声を出さずに、ただただ心のなかで笑い転げる。
自らの作戦に酔いしれる。
アンチョビが閃いたことはアインハルト達三人がなぜチームになっているということだった。
そもそもバトル・ロワイヤルでチームを組もうなどと考える者はどれだけいるだろうか。いつ裏切るかわかったものではない赤の他人に命を預ける真似をするなど彼からすれば正気の沙汰ではない。そういったものはどちらかが圧倒的な優位――それこそ完全再生のような、あるいはナンバーズやハイ・サーヴァントというような――に立っているからこそ成り立つ、いわば飼い主とペットの関係だ。
アンチョビ自身がそういったチームを作ろうとしていたために気づくことのできたこの事実。
目の前にずっと見えていた物だったが、気づくことによって見方を変えることができる。
すなわち、どうして・どうやって三人は協力しているのか?
仮面の少年とそれに従っている少女から察するに二人はゲームが始まる前からの知り合いなのだろう。
目印となる場所は柳洞寺しかこの辺りにないためおそらくここで合流した。
アインハルトは二人から浮いている。後からチームに加わったのではないだろうか。自分と戦ったことを考えると三時頃か?
今の自分のように多対一で接触したはず。それならどう戦おうとする?
即席のはずなのに陣形を組んでる。だが連携はいまいちと見ていいはず。
頭に取り込んだ情報を集め少しでも可能性の高い方法を選ぶ。幸い、放送の時間と情報で考えをまとめて穴がないか見直す時間もギリギリだがとれた。
そして考えついたのが『実はこっちもチーム組んでるフリ』作戦。
ようは自分が先ほど受けた驚きを相手に――特にアインハルトに――与えるというものだ。
まずタイマンに持ち込むために後ろの二人の射線を潰す。そのためにアインハルトを振り回して陣形を乱す。
次にとにかく大きな音を立てる。音自体に意味は全くなく、とにかく大きな音を立てることを最優先とし、拡声器で騒ぐ。
最後に自分がされたのと同じように彼女を扱う。不審な人物と追求して彼女の発想を誘導する。
全ては、『こちらがしたように伏兵がいるかもしれない』と彼女に思わせるため。
一対一での遭遇、突然の追求。それらを鏡のように彼女に突き返す。
そして、大きな音を立てるという殺しあいの場にふさわしくない行動。そのような行動をとる目的に発想がいけば、それが何かの合図を意味したものなのではないかという疑いを持たせることができる。
-
と今まで言ってきたがこの作戦が彼の読み通りではまず確実に成功することはなかった。
そもそも彼の最初の計画では相手の不意をついて森に飛び込みアインハルトを誘導するはずだったが、これが成功することは万に一つしかない。
完全体ではない彼では例え三人の不意をついたとしても、森に入った段階でアインハルトに捕まるかそれを振り切っても森から出てきたところを雷に打たれるかの差しかないのだ。
それを成功させたのは仕事を全うしようとした雷の威嚇射撃とそれを当てる気で撃ったというトロンとアインハルトの判断。
唐突に会話を打ち切ったアンチョビへの威嚇射撃は彼女に与えられた仕事であり、それまでの二回同様今回も至近弾で済ませる気であったが、狙いが正確すぎた。ギリギリで当たらないように撃たれたそれはしかし端から見れば必中の一撃として映る。そして、その正確な狙いはアインハルトがアンチョビを追跡するための進路を塞いでしまう。
加えて、アンチョビは音を立てようと木を倒したがこれが結果的にアインハルトの進路を更に塞ぐことになる。
二つの小さなラグによってアインハルトは差を縮めることができずに結果としてアンチョビの目論みどうりとなったのだ。
また、アンチョビがアインハルトに追いつかれることなく石段を降りきれたのも偶然の手助けがあったからだ。
着弾音のハウリング。それを至近距離で受けたアインハルトの三半規管への小さなダメージが彼女の平衡感覚を狂わせ、そしてその違和感が雷とトロンを取り残すことへの不安感と合わさり疾走する足を鈍らせた。
こうして小さな幸運の積み重ねによって手繰り寄せた状況、一対一の場。
そこで彼の目論みを達成させる決めてとなったのは――最後は彼の演技力だった。
混乱に陥れたアインハルトを更に混乱させ、彼女の危機感に訴えかける声、身ぶり手振り。
最も難しい『伏兵の存在』に彼女の『勘』を誘導できたのは、最後は確かに彼の実力によるものだった。
-
「逃げられてしまったようだね。追跡も今からでは不可能そうだ。」
奇襲に備え両脇の森を一先ず捜索したアインハルトにト話しかけたのはトロンだ。その後ろ十メートルは離れた位置で雷がやはり森を警戒している。
「申し訳ありません‥‥その――」
「わかっている。彼にも仲間がいるかもしれないんだ。君があのまま彼を追っていたらこうして我々三人が無事でいられる保障はなかった。何も間違えていはいないよ。」
すらすらとトロンは用意していた言葉を吐く。内心はこちらの情報を持つ者を、それも危険人物として喧伝するような人間を取り逃がしたことへの苛立ちに溢れているが、この程度の憎悪は彼にはなれたものである。
もっとも、先程ポーキーが伝えたルールが苛立ちという火に油を注いでいたが。
あのようなルールがあるにも関わらず殺しあいに乗っているなどと言いまわられればこの島に味方などできるはずもないだろう。早急に手を打つ必要がある。
「それよりアインハルト、君にいくつか訪ねたいことがあるんだ。」
だが、ここで彼はもうひとつの問題を先に手を打つことにした。すなわちアインハルトその人についての情報収拾である。彼女の高い能力は敵にまわしたときには大きな脅威となりまたその戦闘スタイルもスピード面で決闘者には相性が悪い。よってここで――十二人を殺すことを選んだときのために――少しでも情報を取っておきたいと考えたのだ。
「――少なくとも周囲50メートル以内には我々以外いません。それと――」
「ああ、そういうことを聞きたいんじゃない。これからのことさ。」
「さっき放送があっただろ?あそこで優勝の方法が明かされた。」
「二四人で手を繋ぐというものだったが、そのためにはもっと信頼できる仲間が必要だ。」
「つまり何が言いたいかっていうと――」
既に彼の頭に誰かと協力するという考えはほとんどない。先程の拡声器がそちらの優勝を目指すことを難しいものとしていた。ならば、道はほぼ一択。
「――僕は君のことをもっと知りたいんだ。」
自らを勝ち残らせる生け贄を手に入れるため、トロンは最高の笑顔でアインハルトの手をとった。
【G-6 /一日目 朝】
【トロン@遊戯王ZEXAL】
[状態]:疲労(中)、微かに苛立ち。
[装備]:決闘盤(トロン)@遊戯王ZEXAL
[道具]:基本支給品一式、ノートパソコン@現実、パオームのインク@ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁、ようせいのはねペン@ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁
[思考・行動]
基本方針:生還する。手段は選ばない。
1:雷・アインハルトと共に情報収集。
2:神代凌牙を保護したいが、最悪の場合は切り捨てる。
3:九十九遊馬が死んだことへの複雑な感情。
4:ポーキーの言葉を真実と確信できた場合は優勝を目指す。そのための準備としてまずはアインハルトの情報を集めたい。
5:二四人の方の優勝条件はほぼ不可能と判断。十二人の方が確立は高いか?
6:この会場で怒りの感情を集めておく。
7:雷は駒。役目を終えたら切り捨てる。アインハルトは『ポーキー打倒』を名目に誘導・ 操縦する。
8:仮面の男(アンチョビ)は排除したい。
※WBC本選開幕前からの参戦。 ※"紋章"の行使には体力を消費します。
※「No.69 紋章神コート・オブ・アームズ」は現在使用できません。 使用には他者から一定量の怒りの感情を回収する必要があります。
※柳洞寺に【ルームガードセット@ドラえもん】を設置しました。
※柳洞寺のお堂に紋章を設置しました。柳洞寺へワー プホールを作成し移動することが可能です。ワープは再使用に6時間かかります。ルームガードにロックを状態でも使用可能です。
※放送内容をメモしました。
【アインハルト・ストラトス@魔法少女リリカルなのはシリーズ】
[状態]:強い決意、疲労(小)、困惑。
[装備]:アスティオン@魔法少女リリカルなのはシリーズ
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜2
[思考・行動]
基本方針:殺し合いを打破し、ポーキー・ミンチに罪を償わせる。
1:トロンの態度に困惑。
2:トロン・雷と共に情報収集。 3:ヴィヴィオさんを捜したい。
4:仮面の男(アンチョビ)に何か感じるがそれはともかく取り押さえたい。
5:トロンへの警戒は緩めない。
6:アンチョビを警戒する。
※無限書庫編開始直後からの参戦です。
※放送はだいたい把握しています。
-
(また司令ったらセクハラして‥‥あれってワザと?あ、でも天然なだけかも‥‥?)
後方警戒の任に着かされた雷は周囲を捜索しながらも二人を監視する。
司令に頼られ背中を任せられる――実際は先程の威嚇射撃で評価を落とされ、危険度の高い単独任務をさせられているだけ。とうのトロンは紋章の力とアインハルトのスペックで自らを狙った不意打ちにも対処できると踏んでいる――のは嬉しいが、その間にアインハルトに話しかけるというのはいただけない。
(えーと、これから?手をつなぐ?信頼?)
自然、その耳は二人のほうへ。潜水艦との激闘も経験したその耳は密やかに交わされる二人の声も捉え。
「――僕は君のことをもっと知りたいんだ。」
「なっ!?」
甘い言葉と共に手をとったトロンを見て、おもわず雷は魚雷に打たれたような顔をした。
【雷@艦隊これくしょん】
[状態]:健康、記憶改竄、ショック。
[装備]:ライディングボード@魔法少女リリカルなのはシリーズ
[道具]:基本支給品一式、マミのティーセット@魔法少女まどか☆マギカ
[思考・行動]
基本方針:殺し合いには乗らない。皆で生きて帰る。
1:!!?!??!?
2:今は司令官の指示に従う。
3:他の姉妹達と合流したい。ただ、姉妹達が操られている可能性を持っておく。
4:司令官は大切な人。何としてでも守り抜く。
5:仮面の男(アンチョビ)とアンチョビを警戒する。
※記憶操作によりトロンを"司令官"だと認識しています。ノートパソコンをトロンに渡しました。
※放送はだいたい把握しています。
-
「‥‥ふう。」
木の上で水を飲んで一息ついた少女。青いおさげ髪にセーラー服のような格好をした少女は額の汗を満足げに拭いニコリと笑う。
(まさか俺が‥‥おっと、私が仮面の男だなんて誰も思わないでしょうね。)
そうして、今度は美少女の姿になったアンチョビは木から可愛らしく降りていく。
一度手痛くアインハルトに敗れた彼は、たとえ出し抜いて借りを返したとしても慢心をしない。
彼女たちが仮面の男を警戒する以上先程の姿はリスクが大きすぎる。故に、ここは一つ更なる変身をすることにしたのだ。
髪を自らの色と同じ青にし、服装は先程の軍人と同じセーラー服に。気の強そうな目鼻立ちは勝ち気な印象を与えるだろう。
――もしそれをある少女が見れば、一瞬自分の親友と見間違えるかもしれない――
「さーて、これからどうしようかしら。」
スマホを見ながらアンチョビは考える。
彼の予想どうり優勝条件は二つあった。それにポーキーのあの口ぶりでは後から追加することも考えられる。だが、今の彼にとって二つの条件のうちとりあえず目指すべきは前者だ。理由は単純に先程のグループとの戦闘を避けるため。またあのレベルの猛者ばかりを集めている可能性が高いため。
幸い、彼には変身能力と再生能力がある。スタンスは柔軟に変えられるのだ。それに殺しあいには少なくない数の者たちがのっていることが放送からわかった。勝手に潰しあってるうちにチームを作るというのがカシコイ選択だろう。
(まずはあいつらより早く誰かと接触しておいたほうがいいわね。さっきみたいなことはこりごりだわ。まずはこの月峰神社ってところに先回りしておこうかしら。)
ところで、彼は放送をあまり聞いていない。具体的には適当に名前を出して時間稼ぎに使おうとした死者名しかろくに覚えていない。かろうじて優勝条件を依然から考えていたために思い出せただけたが、そちらはかなり曖昧な記憶だ。
そんな彼が禁止エリアまで頭が回るだろうかいや回らない。
アンチョビは月峰神社に向かい意気揚々と歩き出す。ようやく運が回ってきたと思っているが落とし穴はまだまだある。
【F-5 /一日目 朝】
【アンチョビ@コロッケ!】
[状態]:疲労(大)、変身中。
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式(水を少し飲んだ)、拡声器@現実、支給品詰め合わせ福袋@LSロワ2014オリジナル、ランダム支給品1(武器ではない)
[思考・行動]
基本方針:なんとしても優勝する。そのためなら殺し合いにも乗る。
1:とりあえず手をつなぐ方の優勝を目指す。
2:月峰神社に向かう。
3:殺しあいに乗ってないと言ってチームを組む。自分より強い相手は数でぶち殺し、襲ってくるならキルスコアにする。
4:アインハルト達のネガキャンをする。
5:さっきのアイツ(アインハルト)はいつかぶち殺す。今はまだ泳がしといてやる。
6:仮面の男(トロン)を警戒。セーラー服の女も侮れない。
※放送はだいたいうろ覚えです。禁止エリアについては完全に聞き流しました。
※美少女に変身しました。パット見コロッケ!の絵面の永塚紗季@ロウきゅーぶ!ですが細部がいろいろと違います。服装は艦娘っぽい感じのセーラー服ですが細部がいろいろと違います。
【パオームのインク@ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁】
トロンに支給。なんかすごい感じがするインク。
【ようせいのはねペン@ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁】
トロンに支給。なんかすごい感じがする羽ペン。パオームのインクと対になっていてこちらの方が入手困難。
【拡声器@現実】
大きな声を出せるアレ。つかうとだいたい死ぬ。
【支給品詰め合わせ福袋@LSロワ2014オリジナル】
アンチョビに支給。本来なら支給するはずだったがOPの影響で急きょ外されたボツ支給品を適当に入れたもの。どこかで見たものばかりだが全て出展は現実。中身は観葉植物、牛丼、グローブ、板チョコ、バット。
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以上で投下終了です。
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投下乙です
いないから・・・まわりに人っ子一人いないから・・・!
おまけに禁止エリアで休んでダブルで不運から逃れられないアンチョビに笑うw
トロンはどう動くかね、遊馬が死んだところで影響は少ないか
後、メモを取るところ付近でトロンの名前がドルベになってますのでwiki収録時にでも修正お願いします
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投下乙です
アンチョビ...w
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投下乙です
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投下乙です。
拡声器で届く範囲に誰もいないのに自分から禁止エリアに向かうアンチョビは、「拡声器。使うと死ぬ」の法則を守るロワ参加者の鑑。
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投下乙です
空回りして敵増やしただけなのにドヤ顔でやりきった感なアンチョビw しかもそのままゴールしそうとかどういうことなの…w
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刹那とフラン予約。
また、見なおしたところ自分のSSでミスを見つけたので修正します。
>>485
何より、仮にポーキーが応じたとしても場合によっては残り二十四人を見捨てる事になる」
↓
何より、仮にポーキーが応じたとしても場合によっては残り二十三人を見捨てる事になる」
>>488
突如、横から割り込んできた少年――チャージマン研が破壊光線を放つ。慌てて
伏せるクロエに、容赦なく研は照準を合わせる。
↓
突如、横から割り込んできた少年――チャージマン研が破壊光線を放つ。慌てて伏せるクロエに、容赦なく研は照準を合わせる。
研はのび太の死について深く反省していた。のび太達を放置しジュラル星人を深追いしてしまったのは紛れも無いミスだったからだ。彼の中では。
↓
研はのび太の死について深く反省していた。のび太達を放置しジュラル星人の手下を深追いしてしまったのは紛れも無いミスだったからだ。彼の中では。
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>>530
エレジーは?
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最近やけに予約にケチ付ける奴が多いな
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そんなにおるんか?
お前が神経質になってるだけじゃね?
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<削除>
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エレジーはスタンス:ストーキングだからしかたないね
別に無理して書かなくても問題ないでしょ
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予約に問題があったようなので破棄します。
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別に破棄しなくても・・・
>>533や>>534のようなレスを気にする必要はないと思いますよ
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エレジーがうっかり見逃しちゃったドジっ娘かもしれないじゃないか!
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夜分急用ができてしまったので、朝9時までの完成は無理っぽいです
明日中には投下しますので、ご容赦を
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>>537
えっ、なんで俺も巻き込まれてんのwww
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削除されてるよ
再読み込みしてみなされ
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○次○杯みたいになってきたな
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空気読めてないようで申し訳ないですがフラン、刹那、エレジー、タバサで予約します
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この面子は死人が出ますね
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キチガイに仲間殺されて追い回された挙げ句
お兄ちゃんが死亡のお知らせとかタバサちゃん泣きっ面に蜂ですね...(ゲス顔)
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せつなはせいぎのみかたたがらなんとかしてくれるとおもう(棒)
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遅れてしまいましたが、
響、マサオ、ビアンカ、シュテル投下します
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ガラスのように煌めく水平線に漂う一隻のクルーザー。
一見、優雅な光景にも、殺戮に満ちた世界では等しく不幸は訪れる。
響は放送の与える影響を痛感していた。
「風間くんが、風間くんが死んじゃったよぉ、僕の大切な友だちだったのに」
「情けないわね。さっきまで、俺のことは海の若大将と呼んでくれって言ってたじゃない」
ビアンカは涙で顔がぐしゃぐしゃのマサオを棘のある声で非難する。
彼はしんのすけのような、根っからのハードボイルドではない。
人が変わったように強気になれるのは、その役にのめり込んだ時だけだ。
だから、冷酷な現実が仮面を引きはがせば、ただの弱気な5歳児になってしまう。
いやむしろ、没入する能力があるからこそ、この年で友の死を実感してしまったのかもしれない。
「そ、そんなこと言われたって、悲しいから、涙が止まらないんだよ」
「だから泣かないで。あんまり泣かれると、私まで泣きたくなるじゃないの。ぐすっ」
「大丈夫、絶対大丈夫だよ」
桜が二人の背中をそっと抱きしめる。
その声は優しいものの、顔は悲しみで憔悴していた。
「桜、君も大事な人を亡くしたんだろ。泣ける内に泣いた方が良い、直にそれどころではなくなる」
響は桜から李小狼との関係は聞いている。
元同級生であり、戦友であり、限りなく恋人に近い関係。
肝心なところは照れてしまい、あまり教えてくれなかった。
けれども、それが一層、初々しさを際立たせたものだ。
「私が一番のお姉さんだから、今は泣けないよ」
彼女は首を横に振り、弱々しい笑顔で答える。
けれども、静かにため息をついて、さらに小さな声で嘆きを表した。
「やっぱり、本当の気持ちはさっさと伝えないと駄目だよね。心残りができちゃったよ」
実際はドルべの死の時と違って、涙を流す気力もないのだろうか。
-
響はブリッジに戻り、彼らの代わりにハンドルを握る。
こんな時、司令ならそしてドルべなら、どのように振る舞っただろうか。
いや、他の同僚、例えば暁達であっても、自分よりも上手く彼らを励ませただろう。
ムードメーカーの偉大さをつくづく思い知らされる。
しばらくして、ビアンカが船室に入ってきた。
「響お姉さん、運転、交代しましょうか。その方が外の警戒もしやすいでしょ。
私も動かし方が分かるようになった、と思うわ。たぶん」
声は大分いつもの調子に戻っている。
「気分の方は大丈夫なのか」
「もう平気よ、私の知り合いは死んでないし。うーん、あんなに悲しくなったんだろ。さっぱり分からないわ」
「君が悲しみに共感できる心の優しい子だからじゃないか」
「そういうんじゃないの、貰い泣きの前からソーシツカンはあったのよ。
もしかしたら、ずっと昔に出会った人の名前があったのかも。でも思い出せないのよね」
彼女は自己の内面を言語化できずに困ってるようだった。
響は話題を切り替えようと、少し前に考えた計画を打ち明ける。
「ああそうだ、鎮守府に行く前に、少しだけ地図の外の海域に向かってみようと思う」
「それって大丈夫なの、首輪がどっかーんって爆発しない?」
「ルールブックに駄目とは書かれてないからな。少なくとも事前の警告はあるだろう。
おそらく、禁止エリアと似た扱いだろうが、確かめてみる価値はある」
「なんか大切なことみたいね。お姉さんに任せるわ」
その時、マサオが血相を変えて扉を開けてきた。
「たっ、たいへんだよ、強い魔力がこっちにきてるって!」
◎ ◎ ◎
操縦はマサオに任せ、ビアンカと共に船首へ向かう。
桜はカードを左手に持ち、無言で海を見つめている。心の傷は癒えたとは思えない。
だが、それを無理に呑み込んで、護る者として戦場に立っている。
その姿は美しくも、危うく感じられた。
-
響は視線の先に低空飛行する存在をとらえる。
黒を基調にしたドレスに身を包んだ、栗毛色のボブカットの少女。
速度はクルーザーよりも早く、両者の距離は徐々に狭まってくる。
ビアンカが彼女に対し、いったん止まるように身振りを交えて伝えてみる。
だが、相も変わらず鬼ごっこを続けてくる。
「響ちゃん、ただの天邪鬼さんってことはないのかな」
「その期待が外れた場合、非武装の船は格好の標的だな」
響は銃に弾丸を込めながら、桜に答える。
そして、当然のように悪い予感は的中するものだ。敵は遠距離から杖を構え、複数の火球を放ってきた。
だが、こちらも戦闘の対策はできている。仮面の男の時のように犠牲者は出さない。
「樹(ウッド)!」
桜がカードを発動する。巨大なマングローブが海面を貫き、天に達する。
たっぷりと水分を吸った樹木は激しく蒸気を上げ、炎と視界を遮る砦となる。
「カードさん、お友だちが燃えるのは辛いだろうけど、もう少し我慢して」
桜はカードに向かって申し訳なさそうに語る。
「よし、そのまま丙作戦だ。強引に防壁を突破してきたら、例のカードを使ってくれ。迂回してきたなら――」
響はその時、視界の端に奇妙なカラスを捉える。
妙にかぎ爪の大きいそれは一直線にブリッジに向かっている。
あの中にはマサオがいる。護身に空気砲があるとはいえ、命の保証はない。
「くっ、陽動だったか。後は手筈通りに頼む!」
彼女は炎の魔導師をふたりに任せて、鳥を撃ち落そうと照準を合わせた。
◎ ◎ ◎
-
(想定の範囲内とはいえ、放送ごとにルールが変わるのは厄介ですね)
当初の計画では、シュテルは全力で邪魔者を処理つもりでいた。
余力がなくなった際は、信頼できそうな相手にディア―チェを託すつもりだった。戦利品と自身の命と引き換えに。
恐ろしく身勝手な願いという自覚はある。それでも、あの王のカリスマならば、慕うものも多いと考えていた。
だが、今回の放送によって少々状況が変わった。文脈からして、十二人殺しは全参加者の合計だろう。
死者がひとりでもオーバーすると無効になるなら、彼女の努力だけではどうにもならない。
それどころか、それまで全力を尽くしても、次回の勝利条件で全く無意味になるかもしれない。
ならば、都合のよい勝利条件の出るまで生き残り、牙を磨いた方が柔軟に対応できる。
重要なのは、その時までに圧倒的な力を貯え、キャスティングボードを握ることだ。
ならば、そのためにどう振る舞うべきか。
殺しに乗ってない連中と馴れ合えば、しがらみが強くなって、力を独占するのは困難だろう。
それに他人を騙し続ける自信はあるものの、最後に王を裏切りの絶望に落とすのは後味が悪い。
だからと言って、無差別の狩りを続ければ、正義の味方に警戒されて、徒党を組まれて討伐される。
(だから、結論はすぐに出ました。そして、私は今、その指針に従って動いています。
レヴィが存命だったなら、面白そうだとはしゃいでいるところでしょうか)
シュテルの炎の誘導弾(パイロシューター)に対して、巨大な樹木が壁となる。
炎で崩れつつも枝を伸ばして、シュテルを捕まえようとする。随分と変わった魔術だ。
船上には最低でも3人の戦闘員がいる以上、正面からぶつかるのはリスクが高い。
そこで右に旋回し、側面から魔法を叩きこもうとした。
その時、彼女はセーラー服の射手が《クロクロークロウ》に銃口を向ける場面を目撃する。
これは好都合。
シュテルは速度を緩め、伏せていたトラップカードを反転する。
「攻撃宣言に対して、《バイバイダメージ》を《クロクロークロウ》に対して発動、
このターン、そのモンスターは戦闘破壊されず、ダメージは相手に反射します」
これで勝利の方程式は整った。シュテルは並行思考を駆使して、次の計画の微調整をする。
彼らのプロファイリングが正しければ、提案に乗らざるを得ないはず。
-
刹那、シュテルの僅かな隙を狙い、小さな風の竜巻3つが襲い掛かる。
これに覚えがある。クラールウィンドの風の足枷だ。
牽制程度の威力しかないが、追尾能力と足止めの効果を持っている。
この状況で回避は不可能、プロテクションで防御する。
だが、これはいわゆるひとつの判断ミスだ。
「迷(メイズ)っ!」
刹那、クルーザーから響く、凛々しい少女の声。
シュテルの周囲の空間がゆがみ、視界は単色の外壁で覆われようとする。
迷のカードは対象を異次元の迷宮に閉じ込める力を持つ。
そこではイカサマは許されず、自力で迷路を抜けなくてはいけない。
強大な魔力があれば強引に突破できるものの、それでもタイムロスになる。
このままだと、ターゲットを逃がす羽目になるだろう。
シュテルは彼女たちのコンビネーションを高く評価する。
レヴィから受け継いだ力を調整するための研ぎ石たりえそうだと。
「カウンター罠、《ゴブリンのその場しのぎ》発動!
ライフを500ポイント払い、魔法カードの発動を無効にし、そのカードを持ち主の手札に戻す」
産み落とされる寸前の寸前のラビリンスは一瞬で溶け去り、
カードは白い光に包まれて、所有者のランドセルの中に戻っていく。
失敗に備え、常に一手、二手先を考えるのが理のマテリアル。
彼女は元の世界の戦いで、束縛魔法(バインド)の恐ろしさを理解しており、
保険としてこのカードを伏せていたのだ。
シュテルは相手のリアクションを確認しようと術者の顔を見る。
そして、驚いてくれる余裕はなさそうだなと、少しだけ残念に思う。
それから念には念を入れ、もう一枚のカードを手札から取り出す。
「《クロクロークロウ》への攻撃宣言に対して、手札から《ジェントルーパー》を特殊召喚します」
◎ ◎ ◎
-
響は初め、何が起こったのか理解できなかった。
自分は大ガラスに向かって、銃弾を放ったはずである。
だが、着弾と同時に全身に焼けるような激痛が走ったのだ。
口から鮮血を零しながら、膝をついて崩れ落ちる。
「えっ、えっ、これってマホカンタ?」
ビアンカが慌てて駆け寄り、クラールウィンドで治癒を試みる。
この娘は今、デバイスの機能で作られたバリアジャケットを着用している。
高貴な風格の漂わせる黄色のローブ。
デザインは本人がイメージしたもので、絵本に乗っていたプリンセスローブをモデルにしたらしい。
ちなみにイメージの過程で、桜が自身のコスプレさせられ遍歴をカミングアウトしたり、
変身の瞬間に裸になったことを、マサオがうっかり指摘して、ビアンカから肘鉄を食らったりしていている。
「なに、これくらいの損傷は日常茶飯事だ。それよりもマサオを守ってくれ」
響は言葉を絞り出す。自分は早めの修理で死線を生き延びた不死鳥ではあれど、
白き盾を襲名した初戦がこれとは己が情けない。
彼女に言葉に対して、ビアンカはどちらを選べばよいのか分からないという顔をする。
その間にクルーザーが次第に減速し、かの漆黒の魔術師は甲板に降り立った。
「お初にお目にかかります。私は星光の殲滅者、願いのために殺しに乗っています」
彼女は淡々と自己紹介する。碧い瞳はどこまでも冷静で、かつ燃えるような闘気を孕んでいた。
そして、ドルべのものとは形状は違うものの、腕に付けている装置はデュエルディスクだろうか。
響は自分が傷を負ったカラクリに合点する。
彼女に初めに言葉をぶつけたのはビアンカだ。
「人を殺して願いを叶えても、幸せになんてなれないわ」
「いえ、貴女方がただの非力な子供たちなら、そのまま見逃しましたよ。
ですが、皆さんは骨のある戦士だとお見受けしたので、挨拶させて頂きました」
シュテルは表情筋に乏しい笑顔を作る。
彼女の狙いは勝利の報酬ではなく、強者との戦い自体が目的と言いたいのか。
「とんだ悪い子ね。お父さんとお母さんに叱られるわよ」
「私とっての母とは、かのシステムになるのでしょうか。叱られるどころか、拳を交えたこともありますね」
その時、ふたりの会話を中断するように、数発の空気砲の音、続けて少年の絶叫が走る。
-
「あ、痛い痛い、そこは止めて、ひ、ひいいいいいっ!」
「マサオっ!」
ブリッジから、ウーパールーパー男がマサオを羽交い絞めにして現れた。
彼から反撃を食らったのか、多少足取りはおぼつかない。だが、園児の力で逃れるのは無理だろう。
そして、少年の頭上には、あの目付きの悪いカラスが飛んでいて、時折おにぎり頭を突っついている。
ビアンカは思わず駆け寄ろうとする。だが、シュテルは足元に電撃が放ち、足止めをする。
「ビアンカちゃん、負けちゃってごめんなさい。
カラスを撃ったはずなのに、突然、コイツが現れて、二人掛りで襲い掛かってきたんだ」
自分の置かれた状況そっちのけで、謝りだすマサオ。
当のカラスはシュテルの方へ飛んでいき、彼女は足に括り付けた小型カメラを取り外した。
どうやら、モンスターを偵察機代わりにして、奇襲のタイミングを伺っていたようだ。
「随分とデュエルモンスターズに慣れているようだな。もしかするとデュエリストか」
「いえ、カードを使ったのは島に来てからです。それにしても決闘者ですか……しっくりする名称ですね」
「では、閑話休題。貴方達の中から2人まで選んで、殺し合って欲しいのです。念の為に言うと、対戦相手は私です」
皆は彼女の突飛な提案に、戸惑いの色を隠せない。
シュテルはそれを無視してルールの説明をする。
戦いの参加費用として支給品が必要で、それはシュテル自身が選択すること。
シュテルを降参させられれば、人質を解放して参加費用も返し、身を引くこと言うこと。
仮に参加者が両方死んだ場合も、残りの人間に手を出さないということ。
ハンデとして、試合中はその参加費用とデュエルディスクを使うつもりないということ。
それに加えて、ゲームの趣旨に反する行為が行われた場合、
警告の後に、試合を破棄して平常通りの殺し合いを始める、
つまり、モンスターを大量召喚して、全員を狩るつもりでいること。
響はこれを聞いて、こちらを逃がさないことを重視したルールだと推測した。
支給品を事前にチェックし徴収するのも、迷のカードのようなトリッキーな効果を警戒するためだろう。
「殺しは遊び感覚でやるもんじゃないんだがな」
「これは遊びではなく、存在意義そのものです。胸の焔は常に闘争を求め、消えることがありません」
-
そう語る彼女は本当に楽しそうだ。生粋のバトルマニアなのは真実だろう。
他の強い相手と戦わせるとでも言い包めれば、戦いを回避できるかもしれない。
だが、響は何かが引っ掛かっていた。本当にそれが彼女の動機の全てなのか。
殺し合いを願っている割に、やけに慎重に生きようとしている。
「これって、私ひとりで参加してもいいんだよね?」
桜が一歩前に出て質問した。その声は自信に満ちているという訳ではなく、
何か吹っ切れたように落ち着いていて、背筋を凍らせるものがあった。
「待て、自己犠牲のために、ドルべは私達に未来を託したわけじゃないぞ」
「こいつが約束を守ると思ってるの、ひとりで戦おうと思っちゃ駄目よ」
「できれば助けて欲しいけど、それでお姉さんが死んだら僕は……あっ、ヌメヌメするからやめてー」
慌てて制止する響たち。シュテルはほんのわずかの間だけ辛そうな顔をする。
だが、それは誰にも気づかれることなく、先ほどの調子に戻る。
「人質を取っておいてなんですが、そこは信じてくれとしか言えませんね。
ただ、解答は今から3分以内にお願いします。でなければ……」
そして、マサオの方を一瞥し、片手を開いて握りつぶすように仕草をする。
響たちの取った決断は。
【A-2 海上/朝】
【星光の殲滅者@魔法少女リリカルなのはシリーズ】
[状態]:生命力消費(小)、レヴィの魔力を引き継ぎ
[装備]:ルシフェリオン@魔法少女リリカルなのはシリーズ、決闘盤(遊馬)&;D・ゲイザー@遊戯王ZEXAL、デッキ(遊馬)@遊戯王ZEXAL
[道具]:基本支給品一式×4、小型無線カメラ、ランダム支給品2〜6
[思考・行動]
基本方針:ディアーチェを守るため、殺し合いに乗る
1:都合のよい勝利条件が出るまで力を蓄える
2:参加者は見つけ次第、燃滅。ただし、1を優先して無理はしない。
3:他者を欺くため、強者限定の戦闘狂のように振る舞う
4:少年(光彦)は次会えば絶対に殺す。
※A's PORTABLE -THE GEARS OF DESTINY-のSEQUENCE10、消滅後からの参戦です
※レヴィの魔力を引き継ぎました。詳細は不明ですが、雷の魔力変換を行えるようになったかもしれません
※クロクロークロウとジェントルーパーを召喚中です。バイバイダメージとゴブリンのその場しのぎを使用しました。
【クロクロークロウ@遊戯王ZEXAL】
目付きの悪いカラス。攻撃力900なのでそこまで強くない。
【ジェントルーパー@遊戯王ZEXAL】
紳士な振る舞いのウーパール―パー男。他のモンスターを自ら受けようとする。やはりそこまで強くない。
-
【ビアンカ@ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁】
[状態]:健康、MP消費(小)、バリアジャケット展開中
[装備]:さやかの剣@魔法少女まどか☆マギカシリーズ、クラールヴィント@魔法少女リリカルなのはシリーズ
[道具]:基本支給品一式、桂美々著の同人誌セット@Fate/kaleid liner PRISMA ILLYA プリズマ☆イリヤ
[思考・行動]
基本方針:アベルと一緒に家に帰る。殺し合いには乗らない
1:アベルを探す
2:マサオ、響、桜と共に行動
3:シュテルの提案に半信半疑
3:他の人に会ったら、この本の意味を聞いてみたい
※少なくともギラまでの呪文を習得しています。
※参加者達が時空の垣根を超えて集められているという仮説を聞きました。
【佐藤マサオ@クレヨンしんちゃん】
[状態]:健康、人質状態
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、コワモテかかし@DQ5
[思考・行動]
基本方針:皆を探して合流。殺し合いには乗らない
1:しんちゃんを探す
2:ビアンカ、響、桜と共に行動
3:あの本って何だろう……?
※空気砲@ドラえもんはジェントルーパーに奪われた状態です
※参加者達が時空の垣根を超えて集められているという仮説を聞きました。
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投下終了です
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待った!
さくらと響の状態表を忘れてる
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【響@艦隊これくしょん】
[状態]:ダメージ(中、治療中)、疲労(小)、白き盾の名を継ぐ
[装備]:基本艤装@艦隊これくしょん、水平二連式散弾銃@Fate/Apocrypha
[道具]:基本支給品一式、通常弾×3、魔弾@Fate/Apocrypha×2
クルージングボート@現実
[思考・行動]
基本方針:殺し合いの打破。一人でも多くを生きて帰す
1:この場を切り抜ける
2:戦力を整える。仲間を守る。
3:首輪の解析、解除を行う方法を探す。地図の外の海域にも行ってみる。
4:鎮守府に行き、響専用ドックで武装の調達、及び首輪の解析・解除に役立ちそうなものを探す。
5:航行中、海上及び空中も警戒。
6:雷、電と合流を目指す。
7:ベクターなる人物には注意。
8:暁がいないのは……ちょっと安心、かな。
※参加者達が時空の垣根を超えて集められているという仮説を聞きました。
※ドルベ、木之本桜のカード能力について知りました。
※ビアンカの呪文について知りました。
【木之本桜@カードキャプターさくら】
[状態]:疲労(小) 、精神不安定
[装備]:星の杖@カードキャプターさくら
[道具]:基本支給品一式、さくらカード(14枚)(『樹』1時間使用不可)、ランダム支給品1〜2
[思考・行動]
基本方針:殺し合いはしない。一人でも多く死なせずに帰りたい。
1:皆を守りたい。たとえこの身が尽きるとも……
2:首輪の解析、解除を行う方法を探す。
3:鎮守府に行き、首輪の解析・解除に役立ちそうなものを探す。
4:残りのさくらカードを探したい。
※参加者達が時空の垣根を超えて集められているという仮説を聞きました。
※ドルベのカード能力について理解しました。
※ビアンカの呪文について理解しました。
※No.102 光天使グローリアス・ヘイローをさくらカード化させましたが制限はDMカード通り使用不可です。
※さくらカード化は一度の使用で気絶するほどの魔力を消費します。
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投下乙です。
シュテルは第二放送までは様子見か。
今回の2つの優勝条件じゃ、シュテルがディアーチェを優勝させるのは難しいからな。
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投下乙です
参戦時期の問題上仕方ないとは言えぼんやりとした感覚でしか認知されないレックス哀れ...
状況の方はシュテルは怖いけどそれ以上に桜ががが
とにかく目が離せない展開です
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投下乙です
唯一同作キャラの死んでいない響に全ての重荷がかかりそうだな
しゅてるんはスタンスを微調整か
マーダーから転向した訳ではないが乗ってない、ってところかな
腹の内が本人にも読めないのが怖いところだ
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アベル、黒のアサシン予約します
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透過します
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トリップこっちですね
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「…こんな…酷い……」
黒のアサシン、もといジルを背負って森を抜けようと移動していたアベル。
そんな彼の目に入ったのは、見るも無残な2つの躯だった。
鋭い刃物で体を斬りつけられ、胸の辺りにはポッカリと中にあったものを抜き出されたかのような穴が空いている。
ジルを起こさないようにそっと地面に下ろした後、その躯を見つめる。
一人は自分より少し年上だろうくらいの男の子。
もう一人はそれと同じくらいか、あるいは少し年上といった女の子だろうか。少なくとも自分と同年代ではないだろう。
きっと、この二人もまたあの放送で名前を呼ばれたのだろうか。
そう思ったところで、アベルはある事実に気付く。
「あれ…?この子の服って…アイリと同じ……」
女の子の方の服、それは数時間前守ることができなかった一人の少女が身につけていたものとよく似ていた。
記憶を掘り起こす。さっきの放送で呼ばれた名前。
知ってる人間の名前は、聞いたことのある名前は確か………
――――三沢真帆
そうだ、確かアイリが友人と言っていた人の名前。
確かに呼ばれていたように思う。
だとしたら、これがアイリの友人のマホという子だというのか。
「………ごめんアイリ、君だけじゃなくて君の友達まで守ることができなかったみたいだ…」
最初にいた場所は東都スタジアム。アベルがいくら頑張ってもこの森まではそう簡単に向かえるような距離ではない。
アベルに責任があることではない。
だからといってそう簡単に割り切ることも、アベルにはできなかった。
何より目の前で死なせてしまったあの少女の友人なのだから。
「…君のあと二人の友達は、絶対に僕が守るから。いや、それだけじゃない、みんな死なせたりなんかしないから。絶対に…!」
物言わぬ躯の前でそう心に誓うアベル。
「……う…ん…」
ふと小さな声が聞こえる。
ジルが小さく寝言を呟いていたようだった。
一瞬目を覚ましたのかとも思ったが、起き上がるような様子は無く、静かに眠り続けるだけだ。
「……もしかしてこの人達とジルには、何か関わりがあるのかな…?」
あまり考えたくはないが、彼らの傷からはあの時自分の肩を刺した鋭いナイフを連想させる。
一応、彼女が目を覚ましたら聞いておいた方がいいかもしれない。
悪い子ではないと、信じたいが。
◇
-
森の中を歩くことには慣れていることもあってか、この木々の中を移動すること自体はアベルにとって難しくはなかった。
むしろきつかったのは少女を背負って移動していること。
まだ幼いアベルにはいくらそう大きなわけではないと言っても大きな負担となっていた。
それでもどうにか市街地へと向けて移動していたところで、森の中に大きな建物が見えた。
住宅というよりはカジノや食べ物屋に近い印象を受ける建造物。
その建物は学校というものであり、地図には海月原学園というのだが、文字を読むことができないアベルにはそれを知ることはできない。
ただそこに大きな建物があったという事実だけを認識する。
タケシ達との合流も重要だが、今はこの子が目を覚ますまでここにいるとしよう。
そう思って、校舎の扉を開く。
他に人はいないか、警戒と期待を入り交じらせた心で。
幾つかの部屋を覗いていくと、その中にベッドの置いてある部屋を発見。
ジルを寝かせるならここだろうかと、アベルは静かに、真っ白なベッドの上に横たえさせた。
「ふぅ…」
さすがに疲れたのか、置いてあった椅子に座って一息つくアベル。
部屋の中を見渡すと、透明な壁のようなものの中にたくさんの壷が見える。
手が届かないためそれを開くことは叶いそうにはないが、そういえばここは妙に独特の匂いがする。
まるで怪我をしてきた時に体につける薬草のような匂い。
知識のないアベルにはそこが保健室という部屋であることには気付かなかったが、怪我した時に使うような部屋なのかなということはうっすらと感じ取れた。
ならばと思い、とりあえず目についた場所に置いてあった薬らしき入れ物を取り出す。
一応ベホイミはかけておいたが、もしかしたら治りきらなかった傷がどこかにあるかもしれない。なら、薬くらいは塗っておいた方がいいだろうと。
字を読むことができなかったため念の為鼻を近づけてみる。
変な臭いはするが毒ではなさそうだと判断し、蓋を外してジルの元に持っていく。
実際にそれはただの消毒アルコールであり毒でも何でもなかったのだが、もしものことまではそこまで気が回っていなかった。
子供心には怪我をしたところにはとりあえず薬を塗ればいい、といった程度の考えしかないアベルはとりあえずジルの服を脱がしにかかる。
かつて父との旅の中で見たことがあったみかわしの服。それを脱がした下には、真っ黒で露出度の高い服。
子供に見せるには刺激の強いものではあったが、まだ6歳のアベルにはそんなことを気にするほど心は成長していない。
だから、薄汚れたその薄着をゆっくりと剥がして、その体の怪我を確かめるために地肌を見ることにもそんなに意識はしていなかった。
細かい傷や火傷の痕らしきものがところどころに見受けられるが、ほとんどは治癒されているようだった。
ただ、かすり傷レベルのものは見えたため、その手に持った消毒アルコールをその部位にかけていった。
直接、である。
本来ならばガーゼなどにつけるか霧吹きのようにかけるものであろうそれを、蓋を外した状態で直接体に撒いたのだ。
その結果、彼女の胸部から腹部にかけてを大量のアルコールが湿らせ、ジルの肉体にはアルコールの臭いが漂っていた。
だがそんなことはお構いなし、よかれと思ってアベルは自分なりにジルの体の処置を続ける。
ふとその手に巻かれた包帯に目が向く。
これもこの場で負った傷なのだろうか、治癒の必要はあるのだろうか。
それとも、触れない方がいいのだろうか。
しばらく迷った後、嫌な予感を感じて結局包帯はそのままに、ジルの体に消毒用アルコールを塗りたくり続けた。
-
「あ、そういえば…」
と、アベルの視線がその先、肘から先の辺りに向けられる。そこにあったのは、真っ黒な鉤爪。
あの時自分を刺した刃物のこともあるし、今手につけられたものも他の人に向けられたらあまりに危険だ。
話を聞くまでは一応預かっておいた方がいいかもしれない。
そう思って、その手に付けられた鉤爪に手を伸ばす。
「……あれ?」
鉤爪を外したアベルは、ふと気付く。
先ほど自分の肩を刺したあのナイフがどこにも見当たらない。
もしかしてバッグの中なのだろうかと考えてジルのバッグを開く。
だが、あのナイフは影も形もない。
「どこかで落としちゃったのかな…?」
そんな疑問を浮かべながらもジルへと視線を移した時だった。
「う…ん……」
眠っていたジルが、小さくうめき声を上げながら薄く目を開いた。
「あ、ジル、起きた?」
「アベル……?」
まだ意識が冴えきっていないのか、半目状態でアベルの名前を呼び。
静かに体を起こした。
「よかった、体に怪我とかなかったみたいで安心したよ」
「え?」
と、アベルの言葉にふとジルは視線を下に下ろし。
みかわしの服はおろか、その下に纏っていたボンテージ状の服すらも開かれた、露わになった素肌をその目に映し。
「――――?!?!!?」
その瞬間、まるで何かとんでもないものを見たかのように目を見開く。
ほんの一瞬だがその顔がまるで熟れた果実のように真っ赤になったように見えた。
どうしたのかと声をかけようとしたアベルの視界を、白い布が覆っていた。
思わず剥ぎ取り、それがベッドの周りに備え付けられたカーテンを投げられたのだと気付いた時には、ジルは部屋の隅に蹲っていた。
その体に毛布を巻きつけて。
「――――見た?」
「え……?」
「見たでしょ……」
「えっと、何を…?」
顔を真っ赤にしながら、そう問いかけ続けるジル。
そこから、何故か動こうとしない彼女をどうにか説得し、機嫌を取り戻してもらうまでにアベルは10分弱の時間を要した。
◇
-
そんな状態からどうにかジルを動かすことに成功したアベル。
彼女の機嫌を取り直すことができたきっかけはバッグに入っていた支給品だった。
基本支給品とは別の、支給品として混ざっていたもの。
挽き肉をこねて焼いた食べ物らしい肉料理だ。
ジル曰く、これはハンバーグという食べ物らしい。
これをバッグから取り出した時のジルの表情は輝いていたように思う。
この食べ物が好きなのだろうか。
と、そんな経緯で服を着直したジルと共に椅子に座ったアベルは、ここで朝食を取ることにしていた。
本来ならばタケシ達との合流も急ぎたかったのだが、そうするとまたジルは機嫌を損ねて蹲ってしまうかもしれない。
彼らならばきっと大丈夫だと思う自分の思いを信じることにしたのだ。
バッグに入っていたハンバーグを入れ物から取り出し、二人で分けるアベル。
何となく大きさに違いが出てしまったような気がしたので、ジルに大きな方を上げることにしたら、お礼と言って一口ほど口に放り込んでくれた。
「…おいしい」
「おいしいでしょ?これ、おかあさんの作ったハンバーグみたい」
「おかあさん?ジルの?」
「うん。優しくておっきくて、私達のこと大事にしてくれるおかあさん」
おかあさんのことを語るジルの顔は嬉しそうだった。
そんな彼女を見て、ふと羨ましく感じる自分がいることにアベルは気付く。
「って言っても、おかあさんで居られるの、私達がお願い叶えるまでの間なんだけど」
「?どういうこと?」
「私達のおかあさん、本当のおかあさんじゃないの。だから、本当のおかあさんに会うのが、私達のお願いなの」
「…そうなんだ……」
複雑な事情があるようだが、そう深入りするのも悪いと思い、ジルの話の追求はしなかった。
ただ、何となくジルに悪いような気がしたアベルは、ふと自分のことを話し始める。
「僕もね、お母さんを探してるんだ。お父さんが魔物に殺される前に、僕のお母さんはまだ生きてるから探せって言ってたんだ」
「アベルもおかあさんのこと知らないの?」
「うん…、お父さんから聞いた話だと、僕を産んだ次の日にいなくなったんだって。
お父さんのあの言葉を聞く前は、もうお母さんはいないものだって思ってたから」
顔も知らない自分の母親。
探すことができるのだろうかという不安も心の中にある。
それでも、いつかきっと会えると信じて生きていかねばならないのだ。
「そうなんだ。じゃあ、アベルも私達と一緒なんだね」
「一緒?」
ふと、ジルが嬉しそうな声色でそんなことを言ってきた。
何が一緒なのだろうかと疑問を持った次の瞬間。
ジルのその言葉が、口から放たれていた。
-
「うん、一緒だよ。だってさ、
アベルもお母さんに捨てられたんでしょ?」
「…………………え?」
その言葉の意味を理解するのに数秒。
そして、その言葉を頭が受け入れるのにさらに数秒。
脳が言葉を受け入れ、理解し、その意味を汲み取ったその瞬間、アベルは心臓を鷲掴みにされたような感覚を覚えた。
「だってそうでしょ?産んだ自分の子供を放って一人でいなくなったんでしょ?
それで、まだ生きてるかもしれないんでしょ?なら、きっとアベルは捨てられたんだよ、そのおかあさんに」
嘘だ。
そう言いたかった。
そんなはずはない、それなら、お父さんは死に際に自分にお母さんのことを教えたりなんか―――――
――――――なら何故今までそのことを誰も教えてくれなかったのだろうか?何故死んだのだと皆口を揃えて言っていたのだろうか?
――――――もしかして、捨てられた自分のことを気遣って黙っていたのでは?
なのに、否定したいアベルの思いとは裏腹に、それまでの旅でのあれこれがまるでそうであることを肯定するかのように見えてきてしまう。
「アベルも私達と一緒なんだね。きっと私達とアベル、仲良くできるよ」
にっこりと笑みを浮かべてそう言ってくるジル。
そのジルの言葉に、アベルは返答する術が無く。
ただ、嫌な思いが、考えたくない可能性が心の中で反響していた。
あの森の中の2つの死体のことについてずっと聞こうと思っていたことすらも、頭から離れていってしまうほどに。
◇
無論、アベルの母、マーサは彼を捨てたわけではない。
エルヘブンの民であるマーサの力を利用しようとしたミルドガースの手によって、魔界へと連れて行かれたというのが真相であり。
皆がアベルにそう言わなかったのも、彼の子供心に余計な負担をさせぬようにという気遣いから来たものだ。
しかし、今の彼にはそのような深い事情を知ることはできなかった。
本来、アベルがその事実を知るのはこれより20年近くも先の話。
今の彼には、母が生きているという情報だけしかないのだ。
それでも、もし彼が奴隷として働かされていれば、その間はそのような考えを持つことはなかっただろう。
生きているかもしれない母との再会、それだけを希望として辛く苦しい日々を過ごしてこられたのだから。
しかし、今のアベルには。
母の存在をそれほどの強い思いとするには時間が足りていなかった。
黒のアサシンには悪気があったわけではない。
むしろ、アベルの身を彼女なりに案じての、痛みを共有しようと思っての発現だ。
しかし真実を知らず、そして今の彼には知る術がないアベルの心には。
ほんの少しずつではあるが、小さな闇が沈殿していった。
自分を捨てたかもしれない母。
そんな人に、本当に会えるのか、と。
-
【E-3/海月原学園旧校舎 保健室/一日目 朝】
【アベル(主人公・幼年時代)@ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁】
[状態]:健康、左肩治療痕、MP消費(大)、心の中に大きな不安と疑問
[装備]:転輪する勝利の剣(エクスカリバー・ガラティーン)@Fate/EXTRA CCC
[道具]:基本支給品一式、魔法の聖水@ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁、ランダム支給品0〜2、呉キリカのかぎ爪×5@魔法少女まどか☆マギカシリーズ
[思考・行動]
基本方針:この島から抜け出して母を探す…?
0:僕は、お母さんに捨てられた…?
1:この島の脱出方法の調査とタケシ達との合流。
2:ジル(黒のアサシン)を守る。
3:タケシ(ジャイアン)達は無事だろうか。
4:アイリの友達を見つけたら、アイリのことを謝りたい。
5:美遊、君は…
※パパス死亡後、ゲマによる教団の奴隷化直後からの参戦です。
※参加者は皆奴隷として連れてこられたのだと思っています。
※ビアンカについて既に知己ですが、参加自体をまだ把握していません。
【黒のアサシン@Fate/Apocrypha】
[状態]:ダメージ(中)、疲労(小)、魔力消耗(大)、右肩治療済、全身からアルコール臭
[装備]:解体聖母×4@Fate/Apocrypha
みかわしの服(カスタム)@ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁、決闘盤(ミザエル)@遊戯王ZEXAL
[道具]:基本支給品一式×2、ランダム支給品0〜2、三沢真帆のランドセルの中身(基本支給品一式、ランダム支給品1〜3)
[思考・行動]
基本方針:アベル以外を殺しておかーさんのところに帰る
1:アベルは私達と同じ。きっと仲良くなれる
2:アベルとの安らぎを壊すモノは殺す。
3:何か(人間の魂)を食べて魔力を回復させる。
4:イリヤと金髪の子(ヴィヴィオ)は必ず自分の手で殺す。
5:頑張って街に行ってみようかな。
6:光は、やっぱり嫌い。
7:たまには脂の乗った魂(悪人)も食べたい。豚(ポーキー)は死ね。
※解体聖母について
本ロワでは条件が揃っていても即死は不可能であり、最大効果で内臓ダメージ(大)を与えるものとします。
また、使用には大きく魔力を消耗し、消耗ゼロから使用しても回復無しで使用可能な回数は4回が限度であるとします。
※“CNo.107 超銀河眼の時空竜”の存在を確認、ミザエルのデッキのカードの効果を大まかに把握しました。
※使用済カード:半月竜ラディウス×1、防覇龍ヘリオスフィア×1
※解体聖母は現在胃袋の中に仕込まれています。いつでも取り出すことは可能です
【六導玲霞のハンバーグ@Fate/Apocrypha】
アベルに支給。
黒のアサシンのマスターである六導玲霞が作った手作りのハンバーグ。
黒のアサシンの大好物である。
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投下終了です
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投下乙です。
恥ずかしがるアサシンちゃん可愛い!
アベルと出会ってから萌えキャラになっとるw
そのアベルは……そうだよなあ、確かに生まれて間もなく母失踪だもんな。
捨てられたと思っても仕方ないわ。
なんかいいコンビになりそう。
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乙です
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申し訳ありません。予約を破棄します
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投下乙です
何やら雲行きが怪しくなってきた...
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投下乙です。
消毒用アルコールを傷口にぶっかけられても平気とは、凄いな。
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投下乙です
アサシンから毒気が抜かれていいチームになると思った矢先にこの展開
アベルがマーダーになるっていうのも考えにくいけど果たして
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これは展開が読めぬな
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乙です
なんか予想外のところついてきたなあ、黒アサシン
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マーダーの危険性下がったと思ったら対主催に火種ができるってのは恐いな
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投下乙
果たしてアベルは父が愛した母を信じられるのか…
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ここのアベルは非常に5主らしい5主でとてもよい
某ツンツン頭の不幸など鼻で笑うレベルの不幸の主だ
それでも、と叫び続けろ
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ウソみたいだろ...コイツ6歳児なんだぜ...?
現状その血を引いてる子供達も(現在進行形で)精神状態ヤバかったり、死亡してたりで
でも最後には原作通り幸せを掴み取...れるかな?w
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>>583
最近はツンツン頭も大概だけどな
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湊智花、千歳ゆま、野原しんのすけで予約
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<削除>
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国会での児童ポルノ法審議が忙しくて遅れましたが投下します
‥‥ところでここの予約期限って何日間でしたっけ
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「うわぁ‥‥!」
「おォ!おっきぃ!」
クロエと別れた三人が慧心学園に辿り着いたのは放送の少し前だった。
校門をくぐり、差し込み始めた朝日に照らされた噴水や庭園にしんのすけとゆまは思わず感嘆する。
「本当に学校があるなんて‥‥」
しかし一番驚いていたのはそこに通っている智花だった。自分の学校そっくりの建物がそこにあることに困惑するしかない。だが思い直すと既に思い思いに庭園を見て回っている二人に声をかける。
「えっと‥‥しんのすけ君!?と、ゆまちゃん!」
そういえばまだ二人から名前を聞いていないな、と思いながらもうろ覚えていた名前で呼びもどすと、智花は二人を連れて体育館へ向かう。もしかしたら誰かいるかも、とか、伝言の一つもあるかもしれない、などと思いながら自転車を押して歩くスピードは急ぎ足になり。
当たり前のようにあった体育館に今度はあまり驚きもせず入ってなにか手がかりはないかと探し始めようとしたときに、放送は始まった。
――三沢真帆。
「え、うん、ふぇぇ?」
告げられた死者の名に智花は困惑する。
三沢真帆。
確かにそう親友の名が呼ばれ、そのことを信じることができない。
ぐらり、と体が揺れて、膝から崩れ落ちそうになり。
――風間トオル。
「そんなの信じないゾッ!」
間髪入れずに発せられたしんのすけの声で踏みとどまった。
「あのおじいさん嘘ついてるゾ!風間くんが死んだりするわけない!」
そういがぐり頭の少年は、声に怒気を込めて叫ぶ。
――香椎愛梨。
踏み止まった足から力が抜けて、今度こそ体育館の床に倒れこむ。
――キョーコ。
「大丈夫トモ――え?」
とっさに駆け寄ったゆまも足を止めて放送に注意を向け直す。
放送はその後名簿にない参加者や禁止エリア、優勝条件を告げていった。その間誰もしゃべらず、智花は床を、しんのすけは声が降ってくる天井を、ゆまはスマホを凝視する。
やがて耳障りなぜいめい音が終わり、放送が終わったことを確認して。
「あのおじいさん嘘つきだゾ。」
しんのすけははっきりと言った。
-
「まったくモぉ〜、風間くんはそんなに簡単に死んだりしたりしないゾぉ〜。」
「‥‥そうだよ、キョーコはもっとしぶといもん。」
しんのすけの言葉にゆまが答える。
「それに、なんか名前間違えてた気がするし。だからアレだよ!きっと名簿が間違えたりしてるんだよ!」
「そうだ!セリム君の名前も言わなかったしあのおじいさん間違えてるんだゾ!」
しんのすけとゆまはヒートアップしていく。そもそも二人にとってあの放送を、ポーキーを信じる根拠は全くない。むしろ不信感が強まり放送の内容を疑う。
「殺しあえって言ったり手をつなげって言ったり、よくわかんないし。」
「うんうん、ウソつきはドロボーのはじまりだって母ちゃんも言ってた。」
「そういえばゆまのソウルジェム、ランドセルから出てきた‥‥ポーキーはドロボーだったんだ!」
「やっぱりウソつきだからドロボーだゾ。」
(ウソつき、なのかな?)
そんな二人を見て、智花は更に混乱する。突然親友の死を伝えられて、でもそれとそれを言った人どっちも信じられなくて。
(どうしたら‥‥なにが本当なんだろう‥‥)
思い返せば、気がついたら目の前で人が死んで。空を飛んだり魔法を使ったりするのを見て。なぜか紗季だけ巻き込まれてなくてあるはずのない慧心学園があって。
「‥‥そうだ‥‥!」
ハッ、と何かに気づいた智花。
「そういえばあの自転車だれの?」
「落ちてた。たぶんポーキーが盗んできたんじゃないかな。」
「モぉ〜、どんたけ盗めば気がすむんだゾ。東京タワーとかどうやって盗んだの?」
「たぶん魔法で持ってきたんだと思う。なんでも入れる魔法とかもあるみたいだから。東京か〜、どんなところなんだろ。」
「あのっ!二人とも!」
「お?」
「?なに?」
ヒートアップしすぎて脱線しはじめた二人に声をかけるも、智花は口はそれ以上言葉が続かない。
智花は迷っていた。自分が思いついた可能性、そのことを口にすることに。
(たぶん、たぶんそんなことない‥‥でももしかしたら‥‥)
何かを耐えるように口を震わせる智花にしんのすけとゆまは困る。が、年の割に空気を読める二人はすぐに智花がなにを言おうとしたのか察した。
「あ!ジコショーカイがまだだった!わたしゆま!」
「オラは野原しんのすけ五才春日部在住〜。」
「カスカベってどこ?」
「んっとねー、埼玉県。」
「さいたまかー。ゆまは風見野。群馬県だよ。」
「おぉ、草津温泉があるところですな。智花お姉さんは?」
「――え、あの、千葉県ま――じゃなくてそのっ!」
「み、みんなで学校を調べようって思って‥‥役に立つものとかあるかもしれないし私の学校だし案内もできるから‥‥」
(ダメだ‥‥やっぱり言えない‥‥)
口からデマカセを言いながら内心でこれでいいのだと智花は自分に言い聞かせる。言ったところで信じてもらえるわけはないし、なにより自分自身こんな思いつきはありえないと思っているのだ。そんなことを言って二人を混乱させたくなかった。
(『ここ』がパソコンの中だなんて、あるわけないよ‥‥)
-
自分達はなぜか知らないうちにゲームの世界にいる。こんなこと誰が信じるというのだろう。げんにそれを思いついた智花自身信じることはできていない。だが、もしここがゲームの中なら全て説明がつくのだ。
超能力のような力も、ゲームに出てくるモンスターのようなプックルも、本物そっくりな慧心学園も。
それにあれだけ爆発や轟音が起きているのに警察どころか人一人現れないことにも納得がいく。
まるで本物のようなゲームがあるなら実は今いるここもゲームの中でそういったものは全部作り物である。そう言われてもそれを否定することは智花にはできなかった。
(そんなことあるわけないのに‥‥たぶん疲れてるんだ‥‥)
「トモカー、はやくー!しんのすけ待ってー!」
ふと見ればゆまは体育館の出口にいた。既に出ていっていたらしいしんのすけも戻ってくる。
「ごめんすぐ行くっ。」
「智花お姉さんおそ〜い。うわぁ、凄い汗。」
「え、ほんとだ‥‥」
二人に追いついた智花は額に手を伸ばす。ひんやりとした汗の感触が手に感じられた。
(‥‥もっと落ち着かなきゃ。)
自分が思っているより思い詰めていたことを智花は自覚する。自分一人で思い悩んでもどうしようもないことはわかっていたのに、気負いすぎていたことを反省する。
(‥‥うん、やっぱり言ってみよう。一人で考えててもしょうがないよね。)
「あのね、二人に言いたいことが――」
「こういうときは水分補給水分補給。あれ、水どこだっけ?」
ドサドサドサドサ。
「え。」
智花の目の前に突如小山ができた。
様々なお菓子や食べ物、そして液体が入ったビン。
どう控え目に見ても5kgは下らない、というかビンだけでそのぐらいはありそうな飲食物の山が出来上がっていた。
(やっぱりここはパソコンの中なんだ!)
今智花は静かに確信した。ここはゲームの世界だ。物が無限に入るカバン、あまりゲームをしたことのない智花でも流石にこれは見たことがある。よくアニメとかに出てくるなんでも入るカバンだ。
(だったら、言えない。)
そしてそのことに気がついたために、二人にゲームであると伝えることを止めた。
もしここがゲームの中なら、当然ポーキーは自分達のことを見ているだろう。うかつなことを言えばボタン一つで殺されてしまうかもしれない。首輪のヒヤリとした温度がそれを頭に刻ませる。
(どうやって伝えればいいんだろう‥‥ううん、悩んでてもダメ。今はできることからしよう。)
頭を切り替える。今自分がすべきことは、二人と学校を調べることだ。デマカセで口にしたことだがクロエを待つ間にすることとしては意味があるはずだ。
「お、コーラがあったゾ。はい、智花お姉さん。」
「ありがとう。」
まずは小さなことから始めよう。そうすれば、こんなとこらから逃げるための手がかりだって見つか――
「ぶはァッ!!?」
突然口から黒い液体を吐き出し首からぶっ倒れる智花。
打ち所が悪かったのか、それとも積み重なった疲労のせいか、はたまた口の中を蹂躙する刺激のせいか。
「智花お姉さん!?」
「しんのすけこれしょうゆだよ!」
「おぉ!?間違えた!」
「しょうゆはヤバイってキョーコ言ってた!早く吐き出させないと――」
二人の会話を聞きながら、智花の意識は闇に沈んでいった。
【湊智花@ロウきゅーぶ!】死亡確認
-
四、五分後、そこには息を吹き替えした智花の姿が!!
【D-5 慧心学園体育館/一日目 朝】
【野原しんのすけ@クレヨンしんちゃん】
[状態]:健康。
[装備]:少年探偵団バッジ@名探偵コナン
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜2、 ローラースルーGOGO@ちびまる子ちゃん、お菓子(たくさん)、飲料水(たくさん)
[思考・行動]
基本方針:殺し合いには乗らない。
1:智花お姉さん大丈夫?
2:ポーキーも放送も信じない。
3:風間くんとマサオくんを探す。
4:学校を探検する。
5:クロちゃんを学校で待つゾ。6:ゆまちゃん、もえPみたいでかっこいいゾ。
7:セリムくん‥‥!
※セリム(プライド)をアメリカ大統領の息子だと思っています。
※放送を信じていませんが内容は聞きました。
【千歳ゆま@魔法少女まどか☆マギカシリーズ】
[状態]:健康、魔力消費(無視できるレベル)
[装備]:少年探偵団バッジ@名探偵コナン
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜2 お菓子(たくさん)、飲料水(たくさん)
[思考・行動]
基本方針:キョーコのところに帰る。
1:クロが戻るまでしんのすけと智花を守る。絶対守る。
2:キョーコが褒められて嬉しい。クロがちらちら見てたけどなんだろう?
※本編2巻終了後からの参戦です
※放送を信じていませんが内容は聞きました。キョーコとかいう放送があった気もしますがポーキーの間違いだと思っています。
【湊智花@ロウきゅーぶ!】
[状態]:疲労(大)、首に痛み、しょうゆ中毒(微) 、ぐったり。
[装備]:慧心学園の女子制服(しょうゆまみれ)、自転車(ママチャリ)@現実
[道具]:基本支給品一式、プックル@DQV、ラン ダム支給品0〜2
[思考・行動]
基本方針:殺し合いから脱出する。
1:まだ気持ち悪い‥‥
2:学校を調べる‥‥前に着替えたい。
3:ポーキーにわからないように二人にこの世界がパソコンの中だと伝えたい。
4:あの放送は、ウソ、だよね‥‥?
※放送については半信半疑です。いちおう内容は聞きました。
※このロワのことをパソコンの中に入って行われているゲームのようなものだと考えています。
※首から倒れて軽く死にかけました。なんともないかもしれませんが実は危険な状態かもしれませんので後遺症については後の書き手にお任せします。
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投下終了です。
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投下乙です
しんのすけはやっぱり信じなかったか...そしてゆま、それ「きょうこ」違いやw
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投下乙です。
色々危なっかしいな。
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投下乙です
思い込みからの現実逃避がまた一人…まあ同行者がバイタリティ溢れる二人なだけ先駆者より状況はマシか?
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先駆者...ジュラル星人絶対殺すマンなキチガイの事ですねわかります
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時が止まったな
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どうすっかなー誰か投下したら俺もなー
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どこのロワも今過疎ってるし書き手さんが二次二次やその派生に流れちゃったんじゃないかな
暫くして落ち着いたらまた戻るさ多分
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切り裂きジャックの真名が判明したな
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銀髪で東欧系の殺し屋とか双子みたいだぁ
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<削除>
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まだなのか・・・
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いっそ自分で書いてもいいのよ
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会員募集中、今なら新規特典で停滞を破った書き手の称号つき
さあ、始めよう!
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まだかな
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袴田ひなた、江戸川コナン、ガッシュ・ベル予約します
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ついに来たか...
期待せず全裸待機しておこうかフフフ
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なら俺は期待しつつ半裸待機してくれよう
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投下します
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バスケットボールのコート。
合計10人の少女がその中で睨み合っている。
その内5人は慧心学園女子パスケ部(以降慧心女バスと記する)の少女達。
シューティングガード、セカンドガードの湊智花。
ポイントガードの永塚紗季。
パワーフォワードの三沢真帆。
センターの香椎愛莉。
そして、スモールフォワードの袴田ひなた。
いつものように配置された、慧心女バスの面々。
そしてゲームが始まる。
コートを突き抜けゴールに迫る相手を愛莉がガードする。
相手は止まり、横にボールをパス。
それをキャッチしようとする別のメンバーを横切り、ひなたがボールを奪い取る。
「ナイス、ひなた!」
「おー」
「こっちよひなた!」
喝采の声を上げる真帆。次に繋げるためにパスするよう促す紗季。
すかさずひなたはボールをパス。受け取った紗季はバウンドさせながら周囲を見回す。
「へーい紗季、こっちこっち!」
そう声を上げた真帆だったが、その先には彼女の動きを警戒してか二人が接近しボールを阻もうとしている。
「ひなた!」
だからこそ、すでに一度ボールをパスした直後で警戒が薄くなっているひなたへとパス。
受け取ったひなたは、その小柄ながら機動力ある動きで相手を撹乱し移動。
しかしゴールに近寄り智花に渡すにはまだ少し不安が残っている。
「まほー!」
故にボールを真帆へと渡し、彼女を通じて智花へと渡す。
瞬時にそう判断し、ボールを投げ。
-
「―――――――え?」
なのに、そこに真帆はいなかった。
ついさっきまではその場所を走っていたはずなのに。
コート内どころか、体育館の中にすらも真帆の姿はない。
いや、それだけじゃない。
センターを守っていたはずの愛莉の姿も、同じくどこにも見えない。
誰に受け取られることもなかったボールは、あっさりと相手に掠め取られていき。
智花や紗季のフォローも間に合わず、相手チームはあっさりとゴールを決めた。
「まほ?あいり?」
だが、ひなたにはそんな勝負の結果よりも突如いなくなった二人のことにしか意識がなかった。
バスケの途中でいきなり消えた二人のチームメイト。
何も言い残すこともなくいなくなった真帆と愛莉。
まるで、もう二度とその姿を見ることができないかのような、そんな不安が漫然とひなたの心に広がっていったその時。
何者かに触れられたような感触と共に意識が反転した。
◇
野比家の居間で放送を聞いたコナンは目の前の名簿に引いた線の数に愕然としていた。
(…13人だと……。いくら何でも多すぎるだろ…!)
子供しか集められていないこの場でそう殺人など起こるはずはない。起きるとするならば精神が極限状態におかれてからだろうと、そう考えていた。
実際にこの6時間で出会った者が皆殺人に否定的だったこともあってそういう思いが固まってしまっていたようだ。
だが、どうやらその認識は間違っていたようだ。
(何でそんなに殺せるんだよ!まだ子供なんだろ、未来があるんだろうが!こんなところで人生終わらせるような真似してどうするんだよ…!)
死亡者は13人。一概には言えないがもし割合通りにいくなら10人以上は殺しに乗った者がいると考えるべきだろう。
その殺しに乗った者達、そして何より希望的観測でしか判断していなかった自分自身に怒りが湧き上がり。
「ウ、ウヌ、少し落ち着くのだ。今のコナン、まるで思いつめた時の清麿みたいな顔をしてるのだ…」
「あっ…す、すまない」
-
どうやらその怒りが表情に出ていたらしい。
傍にいたガッシュに一言謝罪し、バッグから取り出した水を一気に飲み込む。
少しは頭が冷えたようだ。
もう一度思考を巡らせる。
(もし子供を集めて殺し合いをさせようとしたら、…例えば毒とかを支給品に紛れ込ませておけば好奇心にまかせてそれを使って、なんてことも有り得るのか?
あるいは命の重さも分からない子供をある程度混ぜておけば、そこに本物の銃や刃物を混ぜておくだけで殺人は成立する……)
ツンツン。
と、ふと何かに触れられる感触を感じ、視線を下ろす。
ひなたの連れてきたセイクリッド・ハートがこちらの体に静かに触れていた。
セイクリッド・ハート。動くぬいぐるみ。
それだけではない、今共にいるガッシュもまた自分の常識では考えられない存在だ。
この殺し合いには、これまでの常識とはかけ離れた存在がいることは確か。ならば今考えていた常識もまた、広げて考えねばならないのではないか。
「なあ、ガッシュ。お前達のやってた、魔界の王様を決める戦い、だっけ。それにいたやつらってのは魔物、人間とは違うやつらだったんだよな?」
「ウヌ」
「じゃあさ、その戦いにいたやつらに、こういった場所に連れて来られたら人を殺すことに躊躇しないようなやつっていたか?」
人間と魔物。
種族が違えば価値観も変わる。もしかしたら人間のことを下等な生き物、みたいに考えるやつだっている。
アニメや漫画では割と定番の話だ。
「……私の知ってる限りだと人を殺した者はいない、だけど人を傷つけることに何の抵抗もないやつは確かにいたのだ」
悪人をパートナーとしたことでその力を使って犯罪をして、しかしその事実にむしろ喜びを覚えている魔物がいた。
自分の力を、魔物の戦いとは関係ない者達にトレーニングと称して躊躇なく振るった魔物がいた。
敵対した魔物のパートナーの肉親や親しい人といった無関係のはずの人間を巻き込む者もいた。
最も新しい記憶では、多くの人間を洗脳し己の手駒として操った者も存在したという。
そうガッシュは言った。
人が死んでいない、というのはあくまでそうする必要性が高くないから、程度でしかないのだろう。
もしこのような場所に連れてこられれば、はたしてどうなるか。
(そういった力を持ってるやつがガッシュ達だけとは考えにくい。もしかしたら他にも何か超能力のようなものを持ったやつや、下手したら宇宙人みたいなやつだっているのかもしれない。
もしそんなやつらが殺し合いに乗っていた、としたら)
人間の常識、倫理観などが通用しない存在。
ひなたや自分のような一般人には手に余る相手だ。
それが殺し合いを加速させるために多数投じられている。ゾッとする話だ。
(だとしたらあの24人で手を繋げば助けてやるってのも……)
実際にそれで帰してくれるかどうかは分からない。
ただ、そんなことを言うというのはどう見られているのか判断するのは可能だ。
舐められているのだろう、きっと。
そういった常識の通用しない怪物のような者の手を掻い潜ってそれだけの人数を集めることなど不可能だ、と。
一方で逆にもう一つの願い、12人を殺すことも不可能ではない殺人者もまた、殺し合いの中には存在する可能性は高い。
その場合、生贄となるのは自分たちのような何の力もない子供だろう。
-
「全く、バカにしてくれるじゃねえか…」
無論、だからと言って諦めるわけはない。
ポーキー達の言うことを真に受けることはできないが、だからといってやられっぱなし、言われっぱなしでは癪だ。
まずは24人。実際に手を繋ぐのかどうかはさておき、集めること自体は不可能ではないはずだ。
時間が経てばそれだけ人数が減っていく。なるべく行動は早急に行わなければいけない。
だが、それには一つ、問題があった。
「なあガッシュ、ひなたの様子はどうだ?」
「ウヌゥ…、縁側に座ったまま動かないのだ…」
三沢真帆、椎名愛莉。
放送で呼ばれたひなたの友人。
きっとその事実に嘘はないのだろう。嘘をいうメリットが薄い。
その二人はこの6時間で命を落とした。
「畜生……」
ガラスを隔てた向こうで静かに座る少女の背中。
その悲しみに満ちた様子を見ながら思わず口から漏れた言葉。
その呟きがポーキーに対するものだったのか。
それともこんな環境で、殺人者に会うことがなく事態を楽観視していた自分に対するものなのか。
その答えはコナン自身にも分からなかった。
◇
「………」
「フー…」
ボールを抱きかかえた状態で、ずっと縁側に座っていたひなた。
その傍にひなたを励ますように佇むフー子もまた、元気がない。
野比のび太。
フー子が探す人物であり、同時に放送で呼ばれた名の一つだ。
死。
それが何を意味するのか、すでに一度命を終えたはずだったフー子に分からないはずもなかった。
だからこそ、フー子にもひなたには迂闊に声をかけられなかった。
「……まほとあいりがね、いないの」
幾度となく瞳を閉じて自分の世界に入るように集中していたひなた。
やっていたのは何のことはない、ただのイメージトレーニングだ。
いつもの、自分を含めた5人のチームでバスケをしていく練習。
ボールが手元にある分集中もしやすかった。
なのに。
-
「何回やってもね、まほとあいりがいないの」
最初はみんないる。
智花、紗季、真帆、愛莉。
そして自分。
いつもと変わらぬバスケの試合。
なのに、いきなり真帆と愛莉が消える。
何度イメージしても、ゴールに届く前に二人の姿が消える。
まるで、そのイメージ通りにいなくなってしまったかのように。
「まほとあいり、死んじゃったのかな?」
「フー……」
もしかしたら、それを受け入れることを恐れていたのかもしれない。だからこうして妄想の中でも5人でゲームをしている姿を見たかったのかもしれない。
だけど、その一方で心の何処かであの放送を本当のことだと受け入れていたところがあったのかもしれない。
だから、何度イメージしても二人の姿が見えなくなる。
いつもの5人。
みんなでいたからこそこれまでバスケをやってこられた。
他の学校のバスケチームにも勝ててきたのだ。
なのに、そのうち二人が欠けた。
「……三人じゃ、バスケできない、できないよ……」
ポロポロと零れ落ちるひなたの涙。
それを前に、声をかけることもできぬままフー子は静かに見守ることしかできなかった。
【C-5/野比家/一日目 早朝】
【江戸川コナン@名探偵コナン】
[状態]:健康
[装備]:赤い魔本@金色のガッシュ!
[道具]:基本支給品、サバイバルナイフ@現実、アクション仮面のフィギュア@クレヨンしんちゃん
えんぴつ、ノート、ビニール紐、セロハンテープ、ガムテープ、タオル、ティッシュ、お裁縫セット(糸、針、ハサミ)
+―ドライバー、トンカチ、包丁、その他の調理器具や工具
[思考・行動]
基本方針: 殺し合いを潰し、この島から皆で生きて帰る
1:ガッシュを相棒とし、元の世界に帰してやる。
2:ひなたが落ち着き次第今後の方針を確定させ早急に行動する。
3:近くに安全な拠点を作る。現地調達できるものがあれば借りる。
4:情報を集める。
5:ゼオンの待ち合せ場所に行くかはガッシュの判断に委ねる
6:光彦を探してやる。
7:ひなたとぬいぐるみ達の探し人を見つけてやる。
8:鍵を見つけて天空への塔の扉を開く。
9:他の施設にもワープする泉(旅の扉)があるかもしれない。
※ガッシュから魔物の王を決める戦いについて聞きました。
※魔本に表示されている呪文は第七の術〝ザグルゼム〟までです。七つの術の効果について理解しました。
※ガッシュとは別の世界から来ており、他の参加者も別の世界から呼ばれていると考えています。
※C-5『野比家』とE-7『天空への塔』が旅の扉で繋がっていることを知りました。天空への塔の先に行くには鍵が必要だと認識しました。
※他の施設にも旅の扉があるのではないかと推測しています。
※ランドセルが質量を無視して入れることができると把握しました。
※ランドセルに詰めるだけ物を詰め込みました。
※ゼオンの書き置きを読みました。12時にB-6『グランバニア城』での待ち合せすることが書かれています。
※「二四人で輪になって手をつなげば優勝とする」という言葉には懐疑的ですが、ポーキーの挑発であるとも考えています。
-
【ガッシュ・ベル@金色のガッシュ!】
[状態]:健康、清麿と再会するための熱意
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、モンスターボール(中身不明)@ポケットモンスター、力の種@LSロワ2014オリジナル
[思考・行動]
基本方針: あの者(ポーキー)を倒し、殺した皆に謝らせる。清麿の元へ帰る。
1:コナンをパートナーとし、元の世界へ帰る。
2:ひなた達を守ってやる。
3:兄(ゼオン)とは――
4:鍵を見つけて天空への塔の扉を開く。
5:のび太に会ったら、勝手に物を借りたことを謝ろう。
※千年前の魔物編終了後からの参加です。
※コナンから魔本が使える仮説を聞きました。
※コナンから別の世界についての仮説を聞きました。
※コナンから施設間の旅の扉の仮説を聞きました。
※C-5『野比家』とE-7『天空への塔』が旅の扉で繋がっていることを知りました。天空への塔の先に行くには鍵が必要だと認識しました。
※ゼオンの書き置きを読みました。12時にB-6『グランバニア城』での待ち合せすることが書かれています。
【袴田ひなた@ロウきゅーぶ!】
[状態]:健康、深い悲しみ
[装備]:台風のフー子@ドラえもん、セイクリッド・ハート(クリス)@魔法少女リリカルなのはシリーズ
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0〜1、バスケットボール@ロウきゅーぶ!
[思考・行動]
基本方針:みんなで帰る。悪いことはしない。
1:まほ…、あいり……
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投下終了です
あと状態表の時間変更を忘れていました
正しくは【C-5/野比家/一日目 朝】です
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投下乙です
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投下乙
幼い連中に死は辛いだろうよ…
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久々の投下乙です
やっぱり放送がモロにショックだったひなた
現状強力な対主催のサンデーコンビが居るとはいえ不安...
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投下乙です
ひなたは死を受け入れられるか、それとも智花のようになるのか、はたまた予想できない動きをするのか
そして、そんなひなたを気遣うサンデーの二人はどちらも同作品キャラを失っていないのがどう出るか
爆弾を抱え込み始めた三人がどうなるのか気になりつつこちらも新しい三人組を投下します
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0702、1日目
この悪趣味な催しが始まって六時間が過ぎた。ポーキーは島中にメガホンを用意したのかそれとも別の技術か、それはわからないが放送を行った。放送の内容は四つ。
1.この六時間で死んだ者の名
2.名簿に書かれなかった『ゲスト』の■
3.『優勝』するためのルール
4.『禁止エリア』なる物の場所
1.■メマドカ、リィシャオラン、ミサワマホ、ツクモユーマ、カザマトール、Levi The Slaughter、ホネカワスネオ、Lex■Cathy Aili、アカザアカリ、Dorbay、トシノゥキョーコ、ノヴィノビタ、計13人。
●日本人らしき名前が八人、中国系らしき名前が一人、ドイツ系らしき名前が一人、イギリス系らしき名前が一人、フランス系らしき名前が一人、英語系の二つ名のような名前が一人。
●カナメマドカは同行者の幼児の類縁者の可能性あり。
●紅魔館付近での『黒の暗殺者』の■■を考慮すると上記の被害者のうちに黒人ではない少年と金髪の少女が一人ずつ■■■
����ポーキーは■■■を中心に集めたようだ。人種主義者の可能性もある、だが■■■の話や紅魔館にあった本、それにこのスマートフォンを考えると国籍と人■は関連性が薄いかもしれない。
2.Dorbay、Tron、カナメタツヤ、トシノゥキョーコ、Sieg
●同■者のタツヤはカナメタツヤと思われる。マドカ、と名前を呼ぶことがあり、
●名簿に無かった人間は人種による差は見られない。もちろん、上の■■■■■■が。
324人で手を■ぐor12■■■
24人過不足なく手をつなげというルールと■■■せというルール■■■■に後述されたルールによる勝利が起きたときに■■むが終了するかは不明、また。その■点での生存者■■■■■■
4E1E5A5
■■■
九城、君がこの文を読むことはないだろうがいちおう書いておく。
ポーキーは行■■矛盾がある。これだけ大げさな催しをしておきながらあまりに刹那的に動いている。しかしそれでも破綻していないのはなぜか。乏しい欠片からみちびくことになるが協力者がいるはずだ。
また何らかの手段で■視されているのも間違いない
僅かでもヤツの手がかりを得たと思われ■■動きがよめない
このカバンはよ
-
「ふう、ようやくついたぞ。」
岩影に隠れるヴィクトリカにその声が聞こえたのは、彼女がスマホをランドセルごと隠して一分と経っていない時のことだった。
突然の山登りと放送に疲れきっていたヴィクトリカがパイプを吸う気にもなれず代わりにアメを転がしながらなにげなく景色を眺める。そんな山頂に到達した登山者のようなことをしていたある意味ふわっとした時間。眠っているタツヤの髪を指で遊びながら一息ついているときにそれは発見した。
黄色い。黄色いなにかがこちらに向かってくる。
雲すら動かない景色のなかで、島の中央部を見ていた時にそれだけが動いていた。数秒それをぼうと見つめ、「ああ、人間か」と呟いてようやくヴィクトリカは我にかえった。
こちらに向かってくる人間は速かった。距離があるため実際のスピードはわからないが、すくなくとも九城のランニングよりは速いだろう。その人間が街を抜け山麓の森へと消える。その向かう先にあるのは山。ならば、こちらを目指している可能性もある。
(����残さねば。)
その可能性に気づいて、ようやくヴィクトリカは動いた。疲労困憊した体を持ち上げるようにして手をスマホに延ばすと四苦八苦しつつメモをする。
-
自分が死んだときのため。
あの黄色い人物のスピードを考えるに、確実に自分よりも動けるだろう。その人物が明確な目標としてここを目指しているのか、それとも殺人者から逃げるためか、はたまた別の理由か。とにもかくにもそれだけのスピードでこちらに向かってくる動機があってのことだろう。そしてひとつ言えるのは、彼の実際がどうであれ、もし彼が狼ならば自分は野兎程度の抵抗もできずに喰いものにされるということだ。
自分のせいで死んだアカザアカリのように。
彼女があの黒の暗殺者によって殺されたかはわからない。ただひとつ言えたのは、彼女とはぐれなければ少なくとも彼女だけ死ぬことは無かったはずだ。
-
ある意味、彼女は贄だったのかもしれない。餌食になる野兎は逃げ遅れた野兎だ。彼女が森に取り残され喰われたのはまさしくその構図だ。そしてもしその構図に今の自分が置かれれば、今度は自分の意志で贄となる野兎を産み出せる。自分の膝を枕にして寝息をたてる幼児を見捨てれば助かる、そんな場面がないなどとどうして言えようか。
疲れからか震える手で、メモを書き進める。喰われる野兎は自分か。先のことはわからない。わからくても、わからないから書く。残しておけば、それに意味があると信じて。
それはある意味逃げかもしれない。死を意識して平常心を、保つ、そのために足りない欠片を泉に放り投げて張りぼてを構築する。
しかし、それでも、やらないよりはマシと、なにもできない今の自分にできることをしようと書き進めていき。
(馬鹿な‥‥速すぎる!)
彼女が想定したよりもその黄色い人物は速かった。山頂を、スカイラッド号を目指す可能性もその時間も考えていたが、そのスピードは彼女の予想を遥かに越えていた。
見れば、森を抜けたと思いきやぐいぐいと山を登ってくる。あまり物陰が多いとはいえない山頂で、彼女に死を連想させたその黄色い人物は、彼女を急かすように迫りくる。
慌ててスマホのメモをまとめにかかりそれでもまとめきれずに中断してランドセルに入れて見えにくいところにぶん投げる。禁貨が数枚こぼれたがそれを拾う余裕もない。
眠っているタツヤを起こさないように抱え込みながら岩影に隠れて一分もしないでその黄色い人物は山頂に現れた。
-
「待ち伏せはないみたいだな。」と呟いたのは黄色い人物こと対主催チャージマン研(キルスコア1)。
ジュラル星人に襲われていたかわいそうな美遊を助けたキチガイは、「あの光はジュラル星人の仕業に違いない」「スカイラッド号があれば対抗できる」と自信満々に言うと岩山へのマラソンを敢行。しかし森林を抜ける直前で「卑怯なジュラル星人ならスカイラッド号で待ち伏せしている」と急ブレーキ。
一時図書館塔に向かうことも考えたがここで泉研、「一気に山頂まで行けばジュラル星人が隠れる場所はない」と途中のアンブッシュを無視するファインプレー。
結果、高低差百数十m距離数百mを一分で走りきる身体能力を見せつけヴィクトリカを怯えさせつつ無事到着した。
(ん?あの光ってるのは‥‥そこか!」
「ヒィッ!?」
「!んんー‥‥?」
煌めく光線が禁貨の光を反射していた艶やかなヴィクトリカの金髪を蒸発させる。
「赤ちゃんを人質に‥‥ジュラル星人め、もう許さないぞ!」
(待て、勘違いしている、人質ではない、やめろ。)
思わず声を出せなくなるヴィクトリカに容赦なく銃口が向けられ━━
-
【F-4 山頂/朝】
【ヴィクトリカ・ド・ブロワ@ GOSICK】
[状態]:疲労(甚大)、右膝にばんそうこう、精神的疲労(甚大)、髪がちょっと溶けてる、いろいろショック
[装備]:パイプ@GOSICK
[道具]:基本支給品一式、ワイン(ラベル無し)@GOSICK、禁貨(90枚)@コロッケ!、ポケットにあった若干のアメ
[思考・行動]
基本方針:殺し合いという〈混沌(カオス)〉を解決して、九城のいる聖マルグリッド学園に帰る。
1:声が‥‥出ない!?
2:黄色い人物に銃?を降ろさせる。
3:赤座あかりの死にたいしての自責の念
4:九城‥‥
5:幼児(タツヤ)を見捨てるときがくるかもしれない‥‥
6:図書館塔に居た者達への罪悪感と無力感
7:イリヤがきてくるのを待つ
8:〈混沌(カオス)の欠片〉を集める
9:黒のアサシンを警戒
※参戦時期は、『仮面舞踏会の夜』編 (1924年、秋)以降です。 ※スマホの扱いをマスターしました ※スマホ内に黒のアサシンが小狼、真帆を殺害した現場の写真が収められています
※言葉の問題やランドセルなどについて 疑問を感じています。
※イリヤと大まかな情報交換を行いました。
※イリヤと別れた地点に禁貨4枚で重石されたワインラベルの書き置きがあります。禁貨が光っているため夜は見つけやすいですが、なにも知らない参加者が見つけられる可能性は低いです。また、文字はフランス語とドイツ語で書かれていますが参加者全員が読めるようになっているかは後続の書き手にお任せします。
※スマホにメモを残しました。フランス語でかかれている上にスペルミスやタイプミスや誤字があります。
※付近に禁貨6枚がばらまかれています。
【鹿目タツヤ@魔法少女まどか☆マギカシリーズ】
[状態]:目、喉、肌に痛み、起きた
[装備]:防塵ゴーグル@ポケットモンスター
[道具]:無し
[思考・行動]
基本方針:帰りたい
1:?
2:イリヤおねえちゃんといっしょにいく
3:おねえちゃん(まどか)にあいたい
4:このおねえちゃん(ヴィクトリカ)こえがおねえちゃんみたい。おばあちゃんっぽいけど
※参戦時期は不明ですが、まどかのことを覚えています
※タツヤのランドセル(基本支給品一 式、ランダム支給品0���2)がE-3のトキワの森内に落ちています
※放送を聞き逃しました。
【泉研@チャージマン研!】
[状態]:ほぼ無傷
[装備]:アルファガン@チャージマン 研!、スペクトルアロー@チャージマン研!
[道具]:基本支給品一式×2、まふうじのつえ@DQV、ランダム支給品×0��沓院▲薀鵐瀬犹抖詆福覆里啾澄法滷���沓押△澆困い蹐泙鵑泙襦滷隠院�リリカ ルなのはシリーズ
[思考・行動]
基本方針:ジュラル星人に化けた老人を殺す
1:ジュラル星人殺す(現在はヴィクトリカをジュラル星人と判断)
2:ジュラル星人に対する激しい怒り
3:ジュラル星人の奇襲に警戒
4:赤ちゃん(鹿目タツヤ)を助ける
5:あの光の柱の周辺(図書館塔)にスカイロッド号で行く
6:タバサを浚ったジュラル星人を退治し、のび太の仇を討つ(実際はのび太は研に殺されそれを見てタバサは逃げました)
7:一般人は出来る限り保護する 8:超能力で人外と分かった相手は全て警戒、もしくは雑学
※真月を敵性宇宙人、雷、電、響をジュラルの人間ロボット、クロエとヴィクトリカをジュラル 星人と考えています
※のび太の支給品を手に入れました
-
【F-4 山頂/朝】
【ヴィクトリカ・ド・ブロワ@ GOSICK】
[状態]:疲労(甚大)、右膝にばんそうこう、精神的疲労(甚大)、髪がちょっと溶けてる、いろいろショック
[装備]:パイプ@GOSICK
[道具]:基本支給品一式、ワイン(ラベル無し)@GOSICK、禁貨(90枚)@コロッケ!、ポケットにあった若干のアメ
[思考・行動]
基本方針:殺し合いという〈混沌(カオス)〉を解決して、九城のいる聖マルグリッド学園に帰る。
1:声が‥‥出ない!?
2:黄色い人物に銃?を降ろさせる。
3:赤座あかりの死にたいしての自責の念
4:九城‥‥
5:幼児(タツヤ)を見捨てるときがくるかもしれない‥‥
6:図書館塔に居た者達への罪悪感と無力感
7:イリヤがきてくるのを待つ
8:〈混沌(カオス)の欠片〉を集める
9:黒のアサシンを警戒
※参戦時期は、『仮面舞踏会の夜』編 (1924年、秋)以降です。 ※スマホの扱いをマスターしました ※スマホ内に黒のアサシンが小狼、真帆を殺害した現場の写真が収められています
※言葉の問題やランドセルなどについて 疑問を感じています。
※イリヤと大まかな情報交換を行いました。
※イリヤと別れた地点に禁貨4枚で重石されたワインラベルの書き置きがあります。禁貨が光っているため夜は見つけやすいですが、なにも知らない参加者が見つけられる可能性は低いです。また、文字はフランス語とドイツ語で書かれていますが参加者全員が読めるようになっているかは後続の書き手にお任せします。
※スマホにメモを残しました。フランス語でかかれている上にスペルミスやタイプミスや誤字があります。
※付近に禁貨6枚がばらまかれています。
【鹿目タツヤ@魔法少女まどか☆マギカシリーズ】
[状態]:目、喉、肌に痛み、起きた
[装備]:防塵ゴーグル@ポケットモンスター
[道具]:無し
[思考・行動]
基本方針:帰りたい
1:?
2:イリヤおねえちゃんといっしょにいく
3:おねえちゃん(まどか)にあいたい
4:このおねえちゃん(ヴィクトリカ)こえがおねえちゃんみたい。おばあちゃんっぽいけど
※参戦時期は不明ですが、まどかのことを覚えています
※タツヤのランドセル(基本支給品一 式、ランダム支給品0���2)がE-3のトキワの森内に落ちています
※放送を聞き逃しました。
【泉研@チャージマン研!】
[状態]:ほぼ無傷
[装備]:アルファガン@チャージマン 研!、スペクトルアロー@チャージマン研!
[道具]:基本支給品一式×2、まふうじのつえ@DQV、ランダム支給品×0��沓院▲薀鵐瀬犹抖詆�(のび太)×0��沓押△澆困い蹐泙鵑泙襦滷隠院�リリカルなのはシリーズ
[思考・行動]
基本方針:ジュラル星人に化けた老人を殺す
1:ジュラル星人殺す(現在はヴィクトリカをジュラル星人と判断)
2:ジュラル星人に対する激しい怒り
3:ジュラル星人の奇襲に警戒
4:赤ちゃん(鹿目タツヤ)を助ける
5:あの光の柱の周辺(図書館塔)にスカイロッド号で行く
6:タバサを浚ったジュラル星人を退治し、のび太の仇を討つ(実際はのび太は研に殺されそれを見てタバサは逃げました)
7:一般人は出来る限り保護する 8:超能力で人外と分かった相手は全て警戒、もしくは雑学
※真月を敵性宇宙人、雷、電、響をジュラルの人間ロボット、クロエとヴィクトリカをジュラル 星人と考えています
※のび太の支給品を手に入れました
文字化けしたので
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【F-4 山頂/朝】
【ヴィクトリカ・ド・ブロワ@ GOSICK】
[状態]:疲労(甚大)、右膝にばんそうこう、精神的疲労(甚大)、髪がちょっと溶けてる、いろいろショック
[装備]:パイプ@GOSICK
[道具]:基本支給品一式、ワイン(ラベル無し)@GOSICK、禁貨(90枚)@コロッケ!、ポケットにあった若干のアメ
[思考・行動]
基本方針:殺し合いという〈混沌(カオス)〉を解決して、九城のいる聖マルグリッド学園に帰る。
1:声が‥‥出ない!?
2:黄色い人物に銃?を降ろさせる。
3:赤座あかりの死にたいしての自責の念
4:九城‥‥
5:幼児(タツヤ)を見捨てるときがくるかもしれない‥‥
6:図書館塔に居た者達への罪悪感と無力感
7:イリヤがきてくるのを待つ
8:〈混沌(カオス)の欠片〉を集める
9:黒のアサシンを警戒
※参戦時期は、『仮面舞踏会の夜』編 (1924年、秋)以降です。 ※スマホの扱いをマスターしました ※スマホ内に黒のアサシンが小狼、真帆を殺害した現場の写真が収められています
※言葉の問題やランドセルなどについて 疑問を感じています。
※イリヤと大まかな情報交換を行いました。
※イリヤと別れた地点に禁貨4枚で重石されたワインラベルの書き置きがあります。禁貨が光っているため夜は見つけやすいですが、なにも知らない参加者が見つけられる可能性は低いです。また、文字はフランス語とドイツ語で書かれていますが参加者全員が読めるようになっているかは後続の書き手にお任せします。
※スマホにメモを残しました。フランス語でかかれている上にスペルミスやタイプミスや誤字があります。
※付近に禁貨6枚がばらまかれています。
【鹿目タツヤ@魔法少女まどか☆マギカシリーズ】
[状態]:目、喉、肌に痛み、起きた
[装備]:防塵ゴーグル@ポケットモンスター
[道具]:無し
[思考・行動]
基本方針:帰りたい
1:?
2:イリヤおねえちゃんといっしょにいく
3:おねえちゃん(まどか)にあいたい
4:このおねえちゃん(ヴィクトリカ)こえがおねえちゃんみたい。おばあちゃんっぽいけど
※参戦時期は不明ですが、まどかのことを覚えています
※タツヤのランドセル(基本支給品一 式、ランダム支給品0���2)がE-3のトキワの森内に落ちています
※放送を聞き逃しました。
【泉研@チャージマン研!】
[状態]:ほぼ無傷
[装備]:アルファガン@チャージマン 研!、スペクトルアロー@チャージマン研!
[道具]:基本支給品一式×2、まふうじのつえ@DQV、ランダム支給品×0~1、ランダム支給品(のび太)×0~2、みずいろまんまる×11@リリカルなのはシリーズ
[思考・行動]
基本方針:ジュラル星人に化けた老人を殺す
1:ジュラル星人殺す(現在はヴィクトリカをジュラル星人と判断)
2:ジュラル星人に対する激しい怒り
3:ジュラル星人の奇襲に警戒
4:赤ちゃん(鹿目タツヤ)を助ける
5:あの光の柱の周辺(図書館塔)にスカイロッド号で行く
6:タバサを浚ったジュラル星人を退治し、のび太の仇を討つ(実際はのび太は研に殺されそれを見てタバサは逃げました)
7:一般人は出来る限り保護する 8:超能力で人外と分かった相手は全て警戒、もしくは雑学
※真月を敵性宇宙人、雷、電、響をジュラルの人間ロボット、クロエとヴィクトリカをジュラル 星人と考えています
※のび太の支給品を手に入れました
こんどこそ
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【F-4 山頂/朝】
【ヴィクトリカ・ド・ブロワ@ GOSICK】
[状態]:疲労(甚大)、右膝にばんそうこう、精神的疲労(甚大)、髪がちょっと溶けてる、いろいろショック
[装備]:パイプ@GOSICK
[道具]:基本支給品一式、ワイン(ラベル無し)@GOSICK、禁貨(90枚)@コロッケ!、ポケットにあった若干のアメ
[思考・行動]
基本方針:殺し合いという〈混沌(カオス)〉を解決して、九城のいる聖マルグリッド学園に帰る。
1:声が‥‥出ない!?
2:黄色い人物に銃?を降ろさせる。
3:赤座あかりの死にたいしての自責の念
4:九城‥‥
5:幼児(タツヤ)を見捨てるときがくるかもしれない‥‥
6:図書館塔に居た者達への罪悪感と無力感
7:イリヤがきてくるのを待つ
8:〈混沌(カオス)の欠片〉を集める
9:黒のアサシンを警戒
※参戦時期は、『仮面舞踏会の夜』編 (1924年、秋)以降です。
※スマホの扱いをマスターしました
※スマホ内に黒のアサシンが小狼、真帆を殺害した現場の写真が収められています。また、スマホにメモを残しました。フランス語でかかれている上にスペルミスやタイプミスや誤字があります。
※言葉の問題やランドセルなどについて疑問を感じています。
※イリヤと大まかな情報交換を行いました。
※イリヤと別れた地点に禁貨4枚で重石されたワインラベルの書き置きがあります。禁貨が光っているため夜は見つけやすいですが、なにも知らない参加者が見つけられる可能性は低いです。また、文字はフランス語とドイツ語で書かれていますが参加者全員が読めるようになっているかは後続の書き手にお任せします。
※付近に禁貨6枚がばらまかれています。
【鹿目タツヤ@魔法少女まどか☆マギカシリーズ】
[状態]:目、喉、肌に痛み、起きた
[装備]:防塵ゴーグル@ポケットモンスター
[道具]:無し
[思考・行動]
基本方針:帰りたい
1:?
2:イリヤおねえちゃんといっしょにいく
3:おねえちゃん(まどか)にあいたい
4:このおねえちゃん(ヴィクトリカ)こえがおねえちゃんみたい。おばあちゃんっぽいけど
※参戦時期は不明ですが、まどかのことを覚えています
※タツヤのランドセル(基本支給品一式、ランダム支給品0~2)がE-3のトキワの森内に落ちています
※放送を聞き逃しました。
【泉研@チャージマン研!】
[状態]:ほぼ無傷
[装備]:アルファガン@チャージマン 研!、スペクトルアロー@チャージマン研!
[道具]:基本支給品一式×2、まふうじのつえ@DQV、ランダム支給品×0~1、ランダム支給品(のび太)×0~2、みずいろまんまる×11@リリカルなのはシリーズ
[思考・行動]
基本方針:ジュラル星人に化けた老人を殺す
1:ジュラル星人殺す(現在はヴィクトリカをジュラル星人と判断)
2:ジュラル星人に対する激しい怒り
3:ジュラル星人の奇襲に警戒
4:赤ちゃん(鹿目タツヤ)を助ける
5:あの光の柱の周辺(図書館塔)にスカイロッド号で行く
6:タバサを浚ったジュラル星人を退治し、のび太の仇を討つ(実際はのび太は研に殺されそれを見てタバサは逃げました)
7:一般人は出来る限り保護する
8:超能力で人外と分かった相手は全て警戒、もしくは殺す
※真月を敵性宇宙人、雷、電、響をジュラルの人間ロボット、クロエとヴィクトリカをジュラル 星人と考えています
※のび太の支給品を手に入れました
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以上で投下終了です。
状態表の文字化けで手間取ってすいませんでした。
あと、今後は一人参戦のキャラやデビチル勢、マーダー勢を活躍させたいと思ってます
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アベル(主人公・幼年時代)@ドラゴンクエスト�鶩天空の花嫁と黒のアサシン@Fate/Apocryphaを予約します
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投下乙
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投下乙です
冒頭のヴィクトリカのメモが穴あきだらけなのは文字化けなのか仕様なのかどちらなんでしょうか
625の台詞は文字化けなのでしょうが
それと、三歳児のタツヤが赤ちゃんと認識されるのは無理があるのではないかと思います
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返信遅れてすいません
冒頭の■に関してはヴィクトリカがスマホにメモを残した際に発生したスペルミスやタイプミスや誤字です。本文中で明記せずすいませんでした。
また、625の文字化け分はダッシュを表記しようとしたところあのようになってしまい、こちらもすいませんでした。
タツヤが研に赤ちゃんと認識されているのは、研が得ている情報の不正確さ故です。ヴィクトリカに抱え込まれている状態で、しかも直前まで奇襲を研が警戒していたために、また隠れる場所がほとんどない頂上からそうでない岩影というある程度離れた距離があるために瞬時の判断に問題が発生したという描写でした。
上手く状況を伝えられずすいませんでした。
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必要ならば当該箇所を修正します。
とりあえず先に予約分を投下します。
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ぐわん、ぐわん、ぐわん。
ゆったりと、大きく、ゆれている。
おなかの痛みに目をひらけば。
テーブルの上にはオリエンタルな出会い、天津飯。
迷いなく食べる、食べる、食べて。
「おいしくない」
ふとみれば、テーブルの上には異国の味、あんみつが。
貪るように食べる、食べる、食べて。
「おいしくない」
テーブルの上には次次に料理が並ぶ。
ヴァイスヴルスト、ぜんざい、コロッケ、卵焼き、キャラメルミルク、etc、etc、etc、etc 。
「まずい。」
食指は動かない。匂いを嗅ぐだけでもこれが酷い味とわかる。
やがて匂いに吐き気すら催したとき。
黒のアサシンは追い立てられるように束の間の眠りから目覚めた。
-
「あ、起きた?」
そう言うとアベルは手に持っていたカードから視線をアサシンへと向けた。
既に太陽は高く上がっているようだ。角度のない木漏れ日が穏やかに周囲に降っている。
「んんー‥‥」
頭を数度軽く振ると、一つ伸びをしてアサシンは立ち上がる。どうやら以外と長く寝ていたらしい。
ふとみれば、アベルの手には決闘盤が握られていた。それ以外にも周辺には自分の持ち物が雑然と並べられている。
「ごめん、勝手にバッグを見て。」
ペコリ、とアベルは謝った。思わず唸るが膝の上で眠っていた以上とやかく言うのは何か違った気がした。寝起きの嫌な感覚も手伝って言葉少なに「返して」と決闘盤を受けとるとそのまま腕にはめる。
ふむ、と体の調子を確める。幸い
、少しは休めたようだ。いくらか重い感覚はなくなり受けたダメージを考えても少しは動けるだろう。
その代わり、癒えた体は強烈な空腹感として『食事』を要求していた。空き腹の時の方が動きが軽くなるというがそれは質量という意味だけではなく、本能的なものなのだろう。
自分達も、人間と同じような感じでお腹が減るのか。漠然とそんなことを考えながら、ふと聞いてみた。
「おなか?そういえば今まで何も食べてなかったっけ。」
そう言うとアベルは、「まだお昼には早いけど、食べようか?」と言いつつ食料を取り出した。
既に並べられているアサシンの物と合わせてそれなりの量が並ぶ。
もっともアサシンが必要とするのは普通の食事という意味ではないので、それらは味気のないものにしか見えず、アベルにしてもよくわからない固形物では食欲は沸かなかったが。
そのとき、ふわり、と風が起き、二人の間にソースの香りが漂った。
ついと目が一点でぶつかる。
良く焼かれた小麦に噛めば食感でも楽しませる肉と野菜、味に深みをもたらす卵、そして香ばしさと匂いという調味料をも加えさせるソース。
二人の埒外のその食べ物は、お好み焼きだった。
それはもともとアサシンのランドセルに入っていたものだ。アサシンのランダム支給品。解体聖母とこのお好み焼きがそれだった。
ぐー、といううなり声が聞こえた。アサシンが目を向けた先にあるのはアベルの腹。連戦もあり、体は正直なのだろう。
-
「ほしい?」とアサシンは問いかける。少し考えて「いいよ。」とアベルは首を振った。
「食べたいと思わないんだ」そう言うと続けて「お腹は減ってるのにね」と笑った。
それを聞いてアサシンは不思議に思った。お腹が減ってるのに食べたいと思わないなんてことがあるだろうか?そう思って数秒考え、まさしく今の自分がそうだと気づくと納得した。
確かにどうせなら食べるものは選びたい。選べるのならなおさらだ。
「いらないならちょうだい。」
だからアサシンは要求してみた。彼の持ち物で今のアサシンでも欲しいと思えるのは一つだけあった。それを指差されたアベルは「これ?」と若干困りつつもボトルを手に取った。
美遊・エーデルフェルトが落としていったであろう魔法の聖水。アベル自身、その有用性はわかりつつももて余していたものだ。
これにはアベルも困って固まる。確かに傷のことを考えればアサシンに飲ませるべきだ。少なくとも彼の目線から見ればそっちのほうが良さそうというのはある。あるのだが、ホイミの使える自分が飲んでもいいし、自分自身そうとう魔力を使ってしまっている。それにもし毒など入っていたら‥‥
スッ‥‥とアサシンはお好み焼きを手に取ると差し出した。アサシンも、そのアイテムの有用性はわかっている。わかっているので人間にとって必要な食料を差し出そうというのだ。
つまりはトレード。タダで渡す気がないのなら、自分にとってどうでもいい、相手にとって必要なものと交換しようというのだ。どのみち持っていてもしかたないものを押し付けられるという意味ではアサシンには得しかない。
それを見てアベルは数瞬考えて、「半分こにしない?」。そう提案した。
「‥‥いいよ」。受けた。アサシンからすれば獲られるものは半分になったがゼロよりはマシだ。
解体聖母で手際よくお好み焼きを二つに分けると半分を手に取る。別に食べる気も必要もないが、もらえるものはもらっておいてもいいだろう。
そうしておいて、片方の手を伸ばす。既にアベルはお好み焼きを切り分ける時に半分弱魔法の聖水を煽った。次はこちらの番だ。
「‥‥苦っ」
不味かった。思いの外。魔力が溶け込んでいるそれは、しかし謎の刺激と苦味と酸味のトライデントアタックを口中にもたらした。なぜこんなに不味いのか?思わず自問自答しつつ一気に胃に流し込む。
「だいじょうぶ?」「うぷ‥‥うん。」
競り上がってくる感覚に堪えて頷く。胃の中でバチバチジュワジュワとしているのを感じて若干以上の後悔をしながらだ。
こんなに体が受け付けないのはなんでだろう?疑問を通り越して腹が立ちつつ無造作にお好み焼きを口に押し込んだ。
「?」
一歩、口に入れたときソースの香りが広がった。
二歩、噛み締めたとき、肉と野菜と卵を感じた。
三歩、飲み込んだとき小麦粉の感触ともっと奥にある旨味に気づいた。
不思議と、苛立ちが収まったのがわかった。余りに不味いものの後に食べたからだろうか、魔力なんてない普通の食べ物がより『マシ』と感じた。
「これおいしいね!なんていうんだろう‥‥?」
視線を手に持っていたお好み焼きから前に向ける。ほころんだ顔のアベルがお好み焼きにかぶりついていた。
「!」
肉の脂、それを活かす野菜、そのフレーバーが鼻腔を刺激する。
未知の感覚だった。未知の感覚が、未知の感情を引き起こしていた。
その感情に本人自身困惑しながら、黒のアサシンは残りのお好み焼きを口に放り込んで咀嚼し、呑み込んだ。
-
【F-2/湖北端近くの森/一日目 午前】
【黒のアサシン@Fate/Apocrypha】 [状態]:ダメージ(中)、疲労 (中)、魔力消耗(まあまあ大きい)、右肩治療済、寝起き
[装備]:解体聖母×4@Fate/Apocrypha、呉キリカのかぎ爪×5@魔法少女まどか☆マギカシリーズ、みかわしの服(カスタム)@ ドラゴンクエスト�鶩天空の花嫁、決闘盤(ミザエル)@遊戯王ZEXAL
[道具]:基本支給品一式×2、三沢真帆のランドセルの中身(基本支給品一式、ランダム支給品1���3)
[思考・行動]
基本方針:アベル以外を殺しておかーさんのところに帰る
1:‥‥!?
2:アベル。ふしぎ。あたたかい。
3:アベルとの安らぎを壊すモノは殺す。
4:何か(人間の魂)を食べて魔力を回復したい‥‥けどちょっと今はいい。
5:イリヤと金髪の子(ヴィヴィオ)は必ず自分の手で殺す。
6:頑張って街に行ってみようかな。
7:光は、やっぱり嫌い。
8:たまには脂の乗った魂(悪人)も食べたい。豚(ポーキー)は死ね。
※解体聖母について
本ロワでは条件が揃っていても即死は不可能であり、最大効果で内臓ダメージ (大)を与えるものとします。また、使用には大きく魔力を消耗し、消耗ゼロから使用しても回復無しで使用可能な回数は4回が限度であるとします。
※“CNo.107超銀河眼の時空竜”の存在を確認、ミザエルのデッキのカードの効果を大まかに把握しました。 ※使用済カード:半月竜ラディウス ×1、防覇龍ヘリオスフィア×1
【アベル(主人公・幼年時代)@ドラゴンクエスト�鶩天空の花嫁】
[状態]:健康、左肩治療痕、MP消費(中)
[装備]:転輪する勝利の剣(エクスカリバー・ガラティーン)@Fate/EXTRACCC
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0���2
[思考・行動]
基本方針:この島から抜け出して母を探す。どんな状況でも父の誇りを汚したりしない。
1:食事。ちょっとムリしてでもしっかり食べる。
2:この島の脱出方法の調査。
3:ジル(黒のアサシン)を守る。
4:タケシ(ジャイアン)達は無事だろ うか。
5:アイリの友達を見つけたら、アイリのことを謝りたい。
6:美遊、君は‥‥
※パパス死亡後、ゲマによる教団の奴隷化直後からの参戦です。
※参加者は皆奴隷として連れてこられたのだと思っています。
※ビアンカについて既に知己ですが、参加自体をまだ把握していません。
※黒のアサシンの支給品、およびミザエルのデッキを把握しました。デュエルモンスターズのルールは理解していません。
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以上で投下終了です
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投下おつー
すごい、これだけ読むと何だかほのぼのした話になってる
実際こいつら間だと温かい関係ではあるのだけれど
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すごい今更なんだけどno.005【全て壊すんだ】にてラグナ・ゼロが鎌を使ってるシーンがあるけど
ラグナインフィニティと勘違いしてない?
ラグナゼロが持ってるのは曲剣のはず
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巡回を怠っていたため、チェックが遅れてしまい申し訳ありません
とりあえずマップと現在位置を更新させて貰いました
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おお、ありがたい。
今さらですいませんが乙です。
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<削除>
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<削除>
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