したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | まとめる | |

ニコニコ動画バトルロワイアルγsm3

1 名無しさん :2013/04/07(日) 12:38:07 ID:6NYUY/JY0
春です。



本日はニコニコ動画バトルロワイアルに 御アクセス頂き、 ありがとうございます。



ここはニコニコ動画の人気キャラを用いてバトルロワイヤルをするというリレー小説のスレッドです。
大変申し訳ありませんが、 この企画はフィクションであり実在の団体・人物等とはまったく関係ありません。
ルールさえ守っていただければ誰でも参加可能です。



またの御アクセスをお待ちしております。

wiki ttp://www34.atwiki.jp/niconico3nd/
前スレ ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/14759/1336579927/
したらば ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/15395/

2 名無しさん :2013/04/07(日) 17:01:00 ID:PUf69Eh60
参加者

4/6【魔法少女まどか☆マギカ】
○鹿目まどか/○暁美ほむら/○巴マミ/○美樹さやか/ ● 佐倉杏子/ ● キュゥべえ
3/6【東方Project】
● 風見幽香/○東風谷早苗/ ● レミリア・スカーレット/○聖白蓮/ ● 寅丸星/○河城にとり
2/4【遊戯王5D's】
○不動遊星/ ● 鬼柳京介/ ● ジャック・アトラス/○プラシド
2/3【Fate/Zero】
○ケイネス・エルメロイ・アーチボルト/ ● アサシン/○ランサー
2/3【チャージマン研!】
○泉研/○星君/ ● ジュラルの魔王
2/3【仮面ライダーディケイド】
○門矢士/ ● 小野寺ユウスケ/○海東純一
2/3【THE IDOLM@STER】
○東豪寺麗華/○我那覇響/ ● ティンカーベル先輩
3/3【人造昆虫カブトボーグ V×V】
○天野河リュウセイ/○松岡勝治/○龍昇ケン
1/2【エルシャダイ】
○ルシフェル/ ● イーノック
2/2【北斗の拳】
○ケンシロウ/○ジャギ
2/2【現実】
○速水もこみち/○有野晋哉
1/2【Fate/stay night】
● 衛宮士郎/○ギルガメッシュ
2/2【探偵オペラ ミルキィホームズ】
○シャーロック・シェリンフォード/○アルセーヌ
2/2【ストライク・ウィッチーズ】
○サーニャ・V・リトヴャク/○エイラ・イルマタル・ユーティライネン
2/2【アカツキ電光戦記】
○アカツキ/○ムラクモ
1/1【コマンドー】
○ジョン・メイトリックス
0/1【真夏の夜の淫夢】
● 野獣先輩
1/1【あいさつの魔法。】
○ありがとウサギ
1/1【総統閣下シリーズ】
○アドルフ・ヒトラー
1/1【DDTプロレスリング】
○男色ディーノ
0/1【MikuMikuDance】
● レア様
1/1【VOCALOID】
○巡音ルカ
1/1【日本鬼子ぷろじぇくと】
○日本鬼子
1/1【日常】
○相生祐子
0/1【ゆるゆり】
● 赤座あかり
1/1【侵略!イカ娘】
○イカ娘
1/1【幻想入り】
○権兵衛
1/1【青鬼】
○青鬼
0/1【とある魔術の禁書目録】
● 木原数多
0/1【さよなら 絶望ラミエル】
● ラミエル
1/1【よもやま四方山】
○グレーテル
0/1【鋼鉄ジーグ】
● 司馬宙
1/1【スクライド】
○カズマ
0/1【ヴェルタースオリジナル】
● ヴェルタースオリジナルのおじいさん
1/1【MUGEN】
○四条雛子
1/1【機動戦士ガンダム00】
○ロックオン・ストラトス
0/1【機動戦士ガンダムAGE】
● イワーク・ブライア
1/1【デッドライジング】
○フランク・ウェスト
1/1【うみねこのなく頃に】
○右代宮譲治
0/1【HUNTER×HUNTER】
● ゴン=フリークス





48/70

3 名無しさん :2013/04/07(日) 17:01:39 ID:PUf69Eh60
【基本ルール】


全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が勝者となる。
生き残った一人だけが、元の世界に帰ること及び望んだ願いを叶えることができる。


ゲームに参加するプレイヤー間でのやりとりに反則はない。
ゲーム開始時、プレイヤーはスタート地点からテレポートさせられMAP上にバラバラに配置される。


プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる


【スタート時の持ち物】
プレイヤーがあらかじめ所有していた武器、装備品、所持品は全て没収。
但し義手など体と一体化している武器、装置はその限りではない。
支給品として地図、コンパス、筆記用具、水、食料、時計、ランタン、
及び各作品や現実からランダムに選ばれたもの1〜3個が渡される。



【ステータス】
投下の最後に、その話に登場したキャラクターの状態・持ち物・行動指針などを表すステータスを書いてください。
テンプレはこちら。
【地名/○○日目・時間(深夜・早朝・昼間など)】
【キャラクター名@出典作品】
[状態]:(ダメージの具合・動揺、激怒等精神的なこともここ)
[装備]:(武器・あるいは防具として扱えるものはここ)
[道具]:(ランタンやパソコン、治療道具・食料といった武器ではないが便利なものはここ)
[思考・状況](ゲームを脱出・ゲームに乗る・○○を殺す・○○を探す・○○と合流など。
      複数可、書くときは優先順位の高い順に)


【作中での時間表記】
深夜:0〜2
黎明:2〜4
早朝:4〜6
朝:6〜8
午前:8〜10
昼:10〜12
日中:12〜14
午後:14〜16
夕方:16〜18
夜:18〜20
夜中:20〜22
真夜中:22〜24



【「首輪」について】
ゲーム開始前から参加者は全員「首輪」をはめられている 。
(かならずしも首輪の形である必要性は無し)
この首輪は参加者の生死を常に判断し、主催側へ参加者の生死と現在位置のデータを送っている。


首輪が爆発すると、その参加者は死亡する。一切の例外は無い。


爆発する条件は以下の三つ。
?禁止エリアに侵入し、警告後30秒経過しても退避しない(地図の外の領域も禁止エリア扱い)
?24時間にわたって新たな死者が出ない(全員の首輪が爆発し、全員死亡をもってゲーム終了となる)
?首輪を外そうとするなどして、必要以上の負荷を掛ける


なお参加者側には説明はされないが盗聴機能が隠されており、会話は主催側に筒抜けになっている。




【定時放送】
一日6時間毎、計4回、主催者側から定時放送が行われる。
放送が行われる時間は0:00、6:00、12:00、18:00。
内容は、前回放送終了後から放送開始までの約6時間中に発生した『脱落者』の発表と、
放送終了後から1時間経過するごとに『禁止エリア』となるエリア6箇所の発表。
なお仕様上、最後の禁止エリアは次回放送と同時に有効となる。


【禁止エリア】
一定時放送終了後、1時間経過するごとに『進入禁止エリア』が生まれる。
『禁止エリア』はゲームが終了するまで解除されない。
『禁止領域』に侵入した時点で首輪から警告が発せられ、そのまま30秒留まると即座に首輪が爆発する。
30秒未満で『禁止エリア』から脱出することができればペナルティは無し。

4 名無しさん :2013/04/07(日) 17:02:23 ID:PUf69Eh60
遅れながら>>1乙です
一応参加者とルールを載せておきました

5 名無しさん :2013/04/08(月) 15:33:44 ID:B.4l1bM.0
>>1乙です

6 名無しさん :2013/05/02(木) 21:35:28 ID:rIwhnPcY0
最近ニコニコ動画バトルロワイヤルγを知って、好きなキャラが居たので
とりあえずwikiにあるのを読了した者ですが、
約1ヶ月書き込みがないのでもう終わってしまったのでしょうか…?

7 名無しさん :2013/05/02(木) 21:59:56 ID:r68Uvr160
>>6
いや、全然そんなことはないから、気長に新作を待つといいよ
暫く間が空いた後、急に新作が来るなんてのもよくある話だからね
もしくは自分で書くとか!

8 名無しさん :2013/05/03(金) 01:12:00 ID:ZQ727ql.0
気長に。気長にね

投稿の稀さはどうしようもない事だから、
他のバトロワスレも平行して見る事を薦めるよ
wikiでもっと色々調べてみたら?

9 名無しさん :2013/05/15(水) 12:00:43 ID:d7QhzkeI0
なんくる大明神とマミサン以外の人間勢メンタル豪い強いな

10 名無しさん :2013/05/15(水) 12:39:32 ID:Nox/5rsg0
メンタルが強いんじゃない
キチガイなだけなんだ

11 名無しさん :2013/05/15(水) 13:43:23 ID:TDkPu0.s0
総統閣下は応援したくなる

12 名無しさん :2013/05/15(水) 20:47:36 ID:m1OqBwjA0
一般人なりに仲間を支えようとしてる課長はかっこいいと思った(小並感)

13 名無しさん :2013/05/15(水) 21:50:08 ID:SxHDbS6c0
割りとリュウセイさんと勝治がまともで驚いた
それに比べケンとかいうキチガイ共ときたら

14 名無しさん :2013/05/19(日) 17:54:04 ID:3XBlMMx60
あれでまとも…?

15 名無しさん :2013/05/19(日) 19:48:05 ID:VsX.sQSk0
まともだろ!




原作に比べれば……

16 名無しさん :2013/05/20(月) 05:27:02 ID:g7ecDbjE0
勝治は死ぬ死ぬ詐欺で複数回死亡者名で呼ばれて
主催者に対して懐疑心を生むという以外に重要なポジションで笑える。

このロワ内ではリュウセイさんはマジで普通すぎるという

17 ◆FbzPVNOXDo :2013/06/11(火) 00:28:10 ID:Jg/qUnvw0
では投下します

18 食戟のにとり ◆FbzPVNOXDo :2013/06/11(火) 00:31:36 ID:Jg/qUnvw0
「うわわわ!」
魔法により強化された聖の左拳による連撃。
右肩が使え無い事により手数は減ったが、それでもにとりを圧倒するには十分すぎる。
にとりも爪楊枝で辛うじて応戦するが、やはり手数が足りない。
防ぎきれなかった拳が、にとりの身体を徐々に蝕んでいく。
このまま押し切れば、最小限のダメージでにとりを止める事が出来るかもしれない。
そう考えた聖の拳に更に力が加わった。

「しまっ――」
「いざ、南無三――!」

聖の予想通りこの連撃の末、にとりに隙が生まれる。
決して大きくは無い。だが攻めるには絶好の好機。
拳に込めた魔法を更に高め、にとりの鳩尾へと狙いを定める。
そして――聖の拳が放たれた。
だが、それはにとりの身体に触れることは無く。触れたのは、透き通った透明のガラスのようなもの。
いや手につくこの冷たさはガラスの比ではない。これは、氷。
氷がにとりと聖の間に現われ、防壁となって聖の拳を受けたのだ。

(何故、氷が…。しかも私の拳を受けて尚、傷一つ無いとは…)

元々、聖ににとりを殺すつもりは無い。故に最小限の怪我で済むようある程度の加減はしていた。
しかし、にとりも妖怪の端くれ。加減とは言っても、こんな氷如きに防がれるほど柔な力では戦っていない。
思考を巡らせながらも一旦距離を取り、そして気付いた。
にとりの手に一本の刀がある事を。
何時の間に取り出したのかは知らないが、恐らくにとりに支給されたものの一つか。
その刀の周りに白い冷気が目に見える。
妖刀の類だろう。あの刀により、先ほどの凍りを生み出したに違いない。

「聖さん。下がって!」
「バトルドーム!」

今度は聖のかわりにもこみちとバトルドームが前に出る。
後ろに下がった聖とバトルドームは弾幕を。
もこみちはオリーブオイルを操作し加圧する事により、即席のウォータカッターを生み出す。
窓から入る日光を美しく照らしながらもにとりを屠ろうとする様は正に宝剣。

19 食戟のにとり ◆FbzPVNOXDo :2013/06/11(火) 00:32:08 ID:Jg/qUnvw0

「(料理に)掛けるべき黄金の調味料(オリーブバーン)」

かの騎士王の聖剣に勝らぬとも劣らない剣戟が立ちふさがる氷壁を次々と粉砕していく。
にとりの表情に焦りが見え、再度氷壁を生み出すが同じこと。
この程度の壁、毎朝MOCO'Sキッチン開始前に切り刻んでいるキャベツとさして違いは無い。
氷壁をもこみちが崩し、にとりが生み出す。だが、その光景も数度同じ事を繰り返し終焉を迎える。
聖達の放った弾幕が氷壁とオリーブオイルの間を縫いにとりへと向かって行く。
オリーブに手間り反応が遅れたにとりが回避出来る道理など無く、地面を数度バウンドしながら後方へと吹っ飛ばされる。

「――約束された追いオリーブ(MOCO'Sカリバー)…」

今日はこれで決まり!と、言わんばかりの追撃のオリーブオイル。
にとりが刀を手に取ろうにも間に合うはずも無い。文字通り無駄な足掻き。

「な、に…?」

その筈だった――。

白く凝固したオリーブオイル。
にとりの刀により胸を貫かれた速水もこみち。
誰もが、聖が、バトルドームが、勝利を確信した二人が捕らえたのは有り得ない筈の、有り得てはならない絶望の光景。

何が起こったのか、傍目で見ていた一人と一体にも。もこみち本人ですら分からない。
そんな二人と一体ににとりはこう言い放つ。

「――白濁凝固って知ってるか?」

どっかのツンツンそげぶが言いそうな言い回し。そして聞いた事も無い単語。

「オリーブオイルは10℃以下くらいで凝固する。水って0℃で凍るよね?
 それと同じようにオリーブオイルのビタミンE成分の一部が低温で固まって起こってしまう。
 真冬のキッチンでは良く見かける現象だよ」

(し、知らなかった…。オリーブオイルの保存は何時もスタッフがしていたから…)

オリーブオイルを知り尽くした男の意外な弱点。
血濡れの刀が胸から引き抜かれもこみちが地へと崩れる。

20 食戟のにとり ◆FbzPVNOXDo :2013/06/11(火) 00:32:40 ID:Jg/qUnvw0

「逆に10℃以下でも凍らないオリーブオイルも存在する。
 ただその場合、純粋なオリーブオイルではなく別の油が配合されている事が多い。
 つまり品質の悪いオリーブオイルは固まらず、品質の良いオリーブオイルは固まる。
 その点、この人間のオリーブオイルはとても上質のものだったようだから助かったよ」

刀に着いた血を払い、聖達へと視線を向ける。
 
「私の持っているこの刀。名を『氷輪丸』と言うんだけど氷雪系最強の刀と言うらしくてね。
 氷雪系最強なんて、どっかで聞いたような通り名だけど、それは置いておくとして。
 この刀の基本能力に天候を支配する能力があって、それを使ってこの室内を真冬並みの温度にした」

真冬と言われて聖は気が付いた。
確かに先ほどまでと違い鳥肌が立つほどに寒い。

「運動をしているとどうしても体温は上がるからね。
 細かな温度の変化に気付けなくてもおかしくは無いよ」

もしかしたら、この戦いの勝敗は最初から決まっていたのかも知れない。

(ま、負けだ…。何てこった、僕はオリーブオイルを使いこなしていたが。
 その実、オリーブオイルの事は何も知ってはいなかったんだ…)

にとりは聖達に押されていると見せて
実際は相手の武器、自らの戦力。エンジニアとして持っている科学的な知識も合わせ、全てを客観的に捉え戦術を組み立てていた。

「取り合えず、この人間はここで殺すとして――」

氷輪丸が再びもこみちの体を貫こうと迫る。

―――嫌だ。死にたくない

―――僕はもっともっと、生きて料理して……

「オッチャン!!!」
「分かってるで!!」

氷輪丸の切っ先がもこみちに触れようかという時、M202ロケットランチャーの銃身が受け止める。
何事かと驚いた、にとりへお返しと言わんばかりにボムが放り込まれ後方へと退く。

「な、なんで…」

聖はもこみちの前に立つ二人の男女を知っている。

それは、自分が逃がした筈の有野とエイラだった。



――――――――

21 食戟のにとり ◆FbzPVNOXDo :2013/06/11(火) 00:33:12 ID:Jg/qUnvw0



有野とエイラを連れ学校から離れたアルセーヌは近くの民家を発見した。
このまま気絶した二人を連れ移動を続けるのもあまり得策では無いと思い、民家で一先ず休憩がてら二人が起きるのを待つことにする。
ドアを開け中に人が居ないか確認した後、屋内を散策しベッドを見つける。
そのまま、気絶した二人をベッドに寝かせアルセーヌは一息ついた。

(彼らは…大丈夫でしょうか)

本当ならば、ここで休憩などせずに聖達の応援に向かった方が良いのかも知れない。
だが有野達をここに放置する訳にも行かない上に、自分達を逃がしてくれたもこみちの意思を無碍にする事にもなる。
今はただ彼らを信じるしか無い。

「お邪魔しまーす」

ほっと息を着いたのも束の間。響く少年の声。
物陰に身を隠しそっと玄関の様子を伺う。
そこには赤いジャンパーを羽織った少年が全身黄色のタイツの少年をおぶっていた。

(全身黄色のタイツ…。泉研!?)





「――へえ。あんた研の知り合いだったのか」
「知り合いと言っても、出会って数時間も経っていませんけどね」

互いに泉研が知り合いというのもあって天野河リュウセイとアルセーヌの情報交換は比較的スムーズに行われた。
今までに出会った人物を中心に話し合い。その過程でもこみちが一応殺し合いには反対である事。
リュウセイがアルセーヌの探しているシャーロックの知り合いである事が分かった。
その結果、アルセーヌは先にシャロとの合流を図ることに決めた。
話を聞くに位置的にそう遠い場所に居るという訳でも無いので合流は容易。

「まあ、シャロは近いところに居るしそれも良いかもな」

アルセーヌから説明を受けたリュウセイもそれに賛同する。

「では決まりですね。
 今すぐシャロの元へ…と言いたいところですが。先ずは有野さん達が目覚めるのを待ってからですわね」
二人を寝かせたベッドへと様子を見に行き…数秒後一枚の紙切れを持って彼女は戻ってきた。
「おいどうしたんだよ。有野とエイラって奴は?」
「…この紙を」
リュウセイはアルセーヌの手から紙きれを受け取り、そこに書かれたいた字面に視線を移す。
「えーとなになに…『ごめんなさい。やっぱり、聖はんが心配なので様子を見に行ってきます』
 …どういうこったよ。学校に戻ったって事か?」
「でしょうね」
「どうすんだよ。殺し合いに乗った奴が居る学校になんて俺は行きたか無いぜ」

アルセーヌは指でこめかみを押さえる。
有野とエイラは仲間思いだった。例え出会って数時間程度の仲でもだとしても、それはアルセーヌが思っているよりも遥かに。
故に説得しなければならない。聖は大丈夫だと、彼女は必ず生きて再会できると。
しかし、アルセーヌはそれを無意識の内に軽視していた。でなければ数分とはいえ有野達から目を離すはずが無い。
そして目を離した結果がこれだ。

無論、結果論に過ぎずアルセーヌに全ての責任がある訳ではないが、それでも彼女は改めて自分のミスを痛感していた。

「二人を連れ戻して説得します」
「あっそ。頑張れよ」

22 食戟のにとり ◆FbzPVNOXDo :2013/06/11(火) 00:33:44 ID:Jg/qUnvw0

これはアルセーヌのミス。
あの二人を傷つける前に何とか連れ戻さねばならない。そう彼女は考えている。
だが、リュウセイにとっては全く関係の無い事。面倒ごとに巻き込まれるのは御免だった。

(いや、でも待てよ。
 あのヘルメットとの戦いで俺は疲れてるし、研も寝てるし、もし誰かに襲われたりでもしたら…一溜まりもないよな。
 研は置いてったとしても逃げ切れるか分からないし)

ふと脳裏を過ぎる保身的思考。
そう。ここでアルセーヌと分かれれば、今自分を守ってくれる者が居なくなる。
それは困る。非常に困る。

「では私は行きますわ。シャーロックに会ったら「いや、やっぱ俺も行くぜ!」

先ほどとは打って変わるリュウセイの態度にアルセーヌは驚くが確かにここに小学生を置いていくのも危険ではある。
少し悩みながらも、リュウセイの申し出を承諾し二人は民家を出た。



――――――――

23 食戟のにとり ◆FbzPVNOXDo :2013/06/11(火) 00:34:16 ID:Jg/qUnvw0


「有野さん、エイラさん…」
「聖はん。ごめんな、色々言いたいことはあると思う」
「まあ説教は後ダナ」

どうしてここに来た? と、問える時間も余裕も無かった。
現に彼らがこなければもこみちは死んでいたし聖も危なかった。
今更、逃げろと言っても頑なに拒否されるだろうし、もう言う気も起きない。

「有野さん、エイラさん…。二分、いや一分で構いません。
 時間を稼いでいただけませんか」

だから聖が取るべきは有野とエイラを逃がし、自分が足止めをする為の策ではなく。
彼らと共に戦い。そして生き延びる為の策。

この戦いで分かったのは生半可な攻撃ではにとりを倒すのはおろか撤退させるのも難しい。
今度は、本気で、生半可な加減はせずにやる。
その為には肉体を今よりももっと魔法で強化せねばならないが、この場における制限のせいか。或いは疲労の蓄積故か魔力を溜めるのに時間が掛かる。
だから、時間を稼いで貰う必要がある。

「任せとき!」
「一分ナラ、ナントカナルナ」

何の疑いも無く。首を縦に振る。
ああ、彼らは何があっても死なせてはいけない。
そして彼らを悲しませない為に、自分自身も絶対に死んではいけない。

硬く拳を握り。決意した。

「超エキサイティンッ!!」

先に動いたのは、にとりでも有野でもエイラでもなくバトルドーム。
弾幕を放ちつつ一気ににとりへと肉薄する。
しかし、にとりは氷輪丸を振るい氷壁で防ぐ。だが、それを読んでいたかのように真横にエイラが立っていた。
エイラの手にはボム。先程、もこみちの止めを刺そうとした時に投げられた物だ。
防御の為に氷輪丸で氷壁を生み出す。だが、エイラはボムを更に真横へと放る。

24 食戟のにとり ◆FbzPVNOXDo :2013/06/11(火) 00:34:48 ID:Jg/qUnvw0

(どうしてボムを…)

「ナイスボールや! エイラちゃん!」

にとりの死角。エイラがボムを放った方向には有野が。
ボムを上手い事キャッチし、にとりへと野球ボールを投げるかの如く投げ込む。
氷壁を生み出す暇も無くボムはにとりへと命中し瞬間、爆ぜた。
エイラが先手を予知し攻め込み、隙が出来たところを有野が追撃。単純ながらも、チームワークが無ければ到底為し得ぬ戦法。
服や皮膚を焦がしながらも、にとりは即座に攻撃へと切り替える。
速攻だ。チームワークなどさせる暇も無いくらいの速度で連中を蹴散らす。
下手に長引かせるとこちらが不利になる。
氷輪丸を左手に右手には近過去狙撃銃を構える。
バトルドームの弾幕を氷壁で防ぎ、エイラへと狙撃銃を撃つ。過去のエイラに向かって放たれた弾丸が明確にエイラの眉間を貫き――空を貫いた。
過去狙撃銃は近過去に向けて銃弾を放つ狙撃銃。
いくら今のエイラが銃弾をかわそうにも過去のエイラが当たれば結果として、今に居る過去から見て未来のエイラが狙撃される。
だが、既に過去のエイラには銃弾が迫ってくるのが見えていた。
だからかわせた。未来を予知できるエイラだからこそ出来た回避。

「な、なんで…」

無論そんな事をにとりが知るはずも無く。
目の前で起きた光景に何が起こったのか理解できぬまま、腹部へと強い衝撃が走り吐き気と激痛がこみ上げてくる。
見れば、さっき氷輪丸を受け止めたM202ロケットランチャーがめり込んでいる。
横には有野がロケットランチャーを鈍器かわりに振りかぶっている姿が見えた。

25 食戟のにとり ◆FbzPVNOXDo :2013/06/11(火) 00:35:20 ID:Jg/qUnvw0

「ぐっ…」

たかが食糧如きになんて様だろう。
人食い妖怪のプライドなんてものは無いが、これは堪えた。
小さい呻きを上げ身体が俯きかかった瞬間、眼前には聖が。
そう丁度、今が聖が稼げと言った一分ジャスト。

「これで――」

弾幕、スペルカード。いや生半可な攻撃では防御にもならない。
それだけの力がこの拳にはある。

「今ダ!聖!!!!」
「頼んだで!!聖はん!!!」

仲間の声援が聖の拳に更なる力を宿す。
例え共にした時間は少なくとも、彼らにはそれを上回る絆があった。

「――南無三!!!!」

閃光が視界を白く染め空間を爆音が支配する。
それはまるで宇宙が生まれた原因であるというビッグバンのように爆ぜては消えていく。




――――――――

26 食戟のにとり ◆FbzPVNOXDo :2013/06/11(火) 00:35:52 ID:Jg/qUnvw0


(なんだ…どうなったんだ…?)

ただでさえボロボロだった保健室は最早見る影も無く。形容するなら廃墟とするのが正しい程、無残な姿へと変わっていた。
そんな中、もこみちは倒れた体を無理に起こし辺りを見渡していた。

…クチャ

最初に耳に入ってきたのは何かを咀嚼する不快な物音。
次に目に入ってきたのは無残に転がる二体の死体と一体の玩具。
そして最後に見たのは、エイラの服を裂き、四肢を引き抜いて、頭蓋を割り脳を啜り、腹部を切り内臓を抜き出し、捕食している血濡れの少女。

「嘘だ…そんな何で…」

生きて、その場に居たのは他の誰でも無い、河城にとりその人。



「オ イ シ ソ ウ」



身体の芯が凍りそうになる程冷たい声。
これが、この世に生きる生物が出せるものなのかも分からない。
氷というものを、そのまま言葉へと変換したような声色。
にとりはエイラを捕食したまま。徐々に徐々に近づいてくる。
血を滴らせながら、ピチャピチャと音を立てながら――。

「く、そ…。研君、せめて君だけは、生き残ってムラクモを殺し合いを――」







「イ タ ダ キ マ ス」







最後にもこみちの耳に入ったのはその一言。そして彼の意識は永遠の闇へと落ちた。

27 食戟のにとり ◆FbzPVNOXDo :2013/06/11(火) 00:36:24 ID:Jg/qUnvw0









正直な所、にとりは再起不能を覚悟した。
あの拳をモロに喰らっていれば、それだけの事も在り得た。いや確実にそうなっていただろう。
では、何故にとりはここに生きて存在しているのか。
それはにとりにとっては運が良く、聖からすれば最悪の事態が発生した。

(あの時、もし拳を完全に叩き込まれる前に死んでなかったら…)

聖の右肩の刺し傷。
ありがとウサギに付けられたそれは決して浅くは無い。ましてや治癒が出来ないという事は如何に万全な治療を施そうが血を完全に止める等不可能。
聖が安静にしていれば話は別だったかも知れない。だが、彼女は再度にとりとの戦いの望んだ。
結果、それは傷は深まり致命傷となり、血を流し過ぎて死んだ。
後は赤子の手を捻るより簡単。聖が勝ったと信じて疑わない有野とエイラをスタイリッシュ爪楊枝で刺し殺し、バトルドームを完全に粉砕。
だが、放たれた拳は聖の死により、それでも不完全ながらにとりに致命傷を与えたのも事実。

「だから、もっと…人間を食べて体力を…」

血が足りない。肉が足りない。
生前の面影すら微塵も見せないエイラだった物を骨意外全て食いつくし、残った目玉を口に放り込み、それでも足りない。
今度はもこみちの死体をそのまま無理やり口の中へ。骨ごと噛み砕く。
次は有野だ。同じく無理やり強引に噛み砕き食べる食べる。

――バリッ、クチャ、ムシャッ

まだ満たされない。人間三人分食い尽くしても、まだ食い足りない。
きゅうりチャーハンも食い尽くした。でも足りない足りない。困難じゃ満足できない。
傷を癒すにはもっと…

28 食戟のにとり ◆FbzPVNOXDo :2013/06/11(火) 00:36:57 ID:Jg/qUnvw0

「何、か、食べ物は…」

あるじゃないか。目の前に。

――だ、駄目だ。け、結果として死んだとしても妖怪を食べるなんて

でも美味しそうじゃないか。

――そんな事は…ちゃんと弔って…

でも耐えられない。

――ああ、そんなでも…。


駄目だ。耐えられない。凄く、タベタイ。


聖の衣服を引きちぎる。
たわわに実った乳房が露になる。
見るものが見れば目が釘付けになる程のそれをにとりは引きちぎりかぶりついた。

口の中に広がる血と肉、そして乳房を構成する脂肪の味。
堪らない味の濃さに柔らかさ。

――美味い。

乳房を食い尽くし次は両腕を口にする。
穢れないその腕はとても舌触りが良い。それで居て肉の甘みが染み渡る。

――美味イ。

次は両足を口に運ぶ。
これもまた引き締まった肉で弾力が堪らない。
噛めば噛むだけ、味が広がり風味も深まる。

――美マイ。

四肢が?げ達磨になった聖の腹部を裂く。
中から無数の臓器が顔を覗かす。
それらを手で掬い、果物を口にするような要領で食べる。
今までの肉とは違いとても柔らかい。それでいて腕や足とは違う。だが、決して劣らぬ風味と味がある。

――ウマイ

ああ、これ本当に…オイシイ。

臓器も全て食い尽くし残った胴も全部食べた。そして最後に残った頭を手に取りかぶりつく。
その時、にとりは気付かなかったが、聖の残った目からまるで涙の様に一筋の血が流れ落ちた。

29 食戟のにとり ◆FbzPVNOXDo :2013/06/11(火) 00:38:38 ID:Jg/qUnvw0




体中から妖気が魔力が溢れてくる。聖の肉体を食した事による影響か。
ああ、堪らない。最高の快感。


「オイシイ。こんなにオイシカッタンダ。妖怪って」

今までは人間が大好きだった。そしてこれからも大好きだ。

そう何も変わらない。ただ、あれは不可抗力、生きるためだ。
確かに美味しかったが、もう二度と口にはしない。

取り合えずこれからどうするか。
首輪の解除をしつつ殺し合いからの脱出。それとお腹が空いたらまた食べる。
地面に落ちた近過去狙撃銃を拾い上げる。
聖の拳により完膚なきまでに壊されている。これは修復のしようが無い。仕方ない捨てていこう。
同じく落ちていた氷輪丸も刀身が折れてはいるが、まだ使えはする。これは持っていく。


「ああ…また食べたいな」

ふと呟いた。
その言葉に、にとりは何の違和感も抱かなかった。


【有野晋哉@現実】死亡
【エイラ・イルマタル・ユーティライネン@ストライクウィッチーズ】死亡
【聖白蓮@東方Project】死亡
【速水もこみち@現実】死亡

【バトルドーム@バトルドーム】破壊
【近過去狙撃銃@古明地こいしのドキドキ大冒険】破壊

30 食戟のにとり ◆FbzPVNOXDo :2013/06/11(火) 00:39:10 ID:Jg/qUnvw0
【C-03 見滝原中学校保健室/一日目・昼】

【河城にとり@きゅうり味のゆっくりしていってね!!!】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)(回復中)
[装備]:光学迷彩スーツ@東方Project、スタイリッシュ爪楊枝装備@東方無問題シリーズ、
     氷輪丸@BLEACH
[道具]:基本支給品×2、ランダム支給品×2(確認済み)
     お米@現地調達品、きゅうり@現地調達品、刀剣@現地調達、工具一式@現地調達、改造半田鏝@現地調達
     ダークサイド・プレジデント@人造昆虫カブトボーグ
[思考・状況]
基本:殺し合いには乗らない。
1:さっき走っていった妖怪(美樹さやか)を探す。
2:聖…。
3:他の参加者を探す。
4:首輪の解除法を模索する。主催者に知られずに調べる必要がある。
5:殺し合いに乗っている強い参加者を警戒。
6:他の参加者と会ったら、一緒にお弁当を食べよう。
7:入道(雲山)と鳥の妖怪(松風)はあの人間(ティンカーベル先輩)を食べようとしてたのかな?
8:オリーブオイルを探しておく?
9:人間……大好き!!
10:そういやドラえもん回収しとこうかな
11:美味しかったな…。
※人間を見るとにちょりになって襲い掛かります。
 人間以外にはいつものにとりで接します。が、少し怪しいかも。
※首輪が何らかの方法で主催者に情報を送っていることに気付きました。
※右代宮譲治が犯人だと知りました。
※疲労が激しく、弾幕が自由に扱えない状態です。休息すれば回復します。
※もこみち達の情報交換を盗み聞きしています。


《支給品紹介》

【氷輪丸@BLEACH】
氷雪系最強の斬魄刀。でも結構負けてる。
氷雪系最強というだけあって物を凍らせたり氷を操る能力を備えている。
制限により始解までは使用可能だが卍解は使用不可。






【C-03 民家 /一日目・昼】

【アルセーヌ(アンリエット・ミステール)@探偵オペラミルキィホームズ】
[状態]:健康、アルセーヌの怪盗服
[装備]:洞爺湖@銀魂
[道具]:基本支給品、ランダム品×1、 シャロの探偵服@探偵オペラミルキィホームズ
[思考・状況]基本思考:殺し合いを壊し主催から願いを叶える方法を盗み出す。
0:有野とエイラを連れ戻す。
1:施設を巡り調査する。
2:シャーロック・シェリンフォードを探し出す。
4:アルセーヌとして行動するが、協力者を集める。
4:男声の女(譲治)とロックオンを警戒。
5:自分の推測が正しいか確かめる為、情報を集める。
6:黒幕は神……そんなわけないですわね。
7:オリーブオイルを一応探しておく?
8:頭の中に爆弾がある事も考慮。
9:0を終えた後、シャーロックと合流したい。
※幻惑のトイズは制限により弱まっています(具現化も不可能)。
※トイズの制限に気付いています。
※デッドライジング、スクライド世界の話を聞きましたが半信半疑です。
※有野、もこみち達と情報交換しました。

【泉研@チャージマン研!】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、気絶
[装備]:スペクトルアロー(ランダム品3つ扱い、2時間変装出来ません)@チャージマン研!
[道具]:基本支給品、ランダム品無し
[思考・状況]基本思考:主催者及びジュラル星人、殺し合いに乗ったキチガイ参加者を全て滅ぼす!
0:……。
1:もこみちと組む。
2:ありがとウサギ(名前を知らない)、ムラクモを倒す(特にムラクモの計画は必ず阻止する!)。
3:変装できない間、身を守れる武器を探す。
4:間違いない。黒幕はジュラル星人だ!
5:頭の中に爆弾が!
6:ジュラル星人め許さないぞ!
※全てジュラル星人の仕業だと断定しました。(真相は不明)
※頭の中に爆弾があると断定しました。(真相は不明)
※ジュラルの魔王が生きていると断定しました。(真相は不明)
※有野達、アルセーヌと情報交換しました。

【天野河リュウセイ@人造昆虫カブトボーグV×V】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、左肩に刺し傷、オリーブオイル臭い、もこみちに怒り
[装備]: トムキャット・レッド・ビートル@人造昆虫カブトボーグV×V
[道具]:基本支給品、スコップ@現実
[思考・状況]
基本:殺し合いに乗るつもりはない。
0:アルセーヌに守ってもらう。やばくなったら研を置いてでも逃げる。
1:取りあえず、もこみちは保留。
2:ケン、勝治…… 。

31 ◆FbzPVNOXDo :2013/06/11(火) 00:39:42 ID:Jg/qUnvw0
投下終了です

32 名無しさん :2013/06/11(火) 17:36:26 ID:7HSoaQ1s0
投下乙です

初登場はギャグチックだったのに、にとりはどんどんやばくなっていくな。
あと今回で脱落したけどもこみちどんどんすごくなってるwww

33 名無しさん :2013/06/11(火) 23:30:03 ID:isefyBHU0
投下乙です

にとりが酷過ぎるw(褒め言葉)
もこみちも凄いし更に凄くなるキャラがどんどん出そうw

34 名無しさん :2013/06/12(水) 20:57:53 ID:G1bJrxvY0
久々の乙です
近頃の展開でまさかの皆殺しとは全く読めなかったです
ともあれ中学での決着もついたし、2回目の放送にはベストタイミングか

35 名無しさん :2013/06/13(木) 23:43:37 ID:s5lEcwyI0
ところでそろそろ第二放送の時期だと思うんだけど
第一回放送同様、今回も予約期間を作って投票という形かな?

36 名無しさん :2013/06/14(金) 16:16:38 ID:l0HLMHwg0
普通の話と同じく予約した者勝ちで良いんじゃない?
もうそんな人居ないだろ

37 ◆FbzPVNOXDo :2013/06/14(金) 18:16:20 ID:hN941wVU0
投下します

38 第二回定時放送 ◆FbzPVNOXDo :2013/06/14(金) 18:17:33 ID:hN941wVU0
『聞こえるか? エンリケだ。これから第二回定時放送を始める』

島全体にエンリケの声が響き渡る。
彼の言うとおり、第二回定時放送の時間が来た。

『先ずは死亡者の発表からだな。

 ジャック・アトラス
 青鬼
 レア様
 アサシン
 ゴン=フリークス
 イーノック
 司馬宙
 赤座あかり
 野獣先輩…いや田所と言った方が良いか
 ラミエル
 風見幽香
 青鬼
 聖白蓮
 有野晋哉
 エイラ・イルマタル・ユーティライネン
 速水もこみち
 
 この16名が今回の死亡者…おっと、たった今、運悪くも心臓発作で一人死んだな。
 ここに松岡勝治を追加で17名が死亡者だ』


【松岡勝治@人造昆虫カブトボーグV×V】死亡


『さて次は禁止エリア指定だが
 
 13時にE-4
 14時にH-1
 15時にB-5
 16時にD-6
 17時にC-5
 18時にB-9

 以上だ。間違ってもここに入ろうなんて思うなよ。
 それと最後に大佐、あんたに話がしたいって人が居てな。代わるぜ』

『よう。聞こえるか?メイトリックス大佐。俺だベネットだ。
 殺し合いはどうだ? 楽しんでいるか? 俺は楽しんでる。
 フフフ…。ここからじゃ返事が聞こえないのが残念だよ。
 そうそう、次の放送はこの俺が担当する。それまで精々生きててくれ』



ガチャンっと放送機器が切られる音と同時に放送は終了した。
放送が終わり気が抜けたのか、椅子にもたれたままベネットは息を吐く。
何気なく辺りを見渡せば殺風景な光景が視界に写る。

「ところでエンリケ。本当に松岡勝治は死んだのか?」
「いや、俺も一瞬そう思いましたが、相変わらず死んだように目眩を起こしただけです」

「またか」と言いベネットは苦笑する。
殺し合いが始まってから、この勝治という子供の動向を見てきたが何度も死んだかと思えば生きていたという、とても変わった子供だ。
いやこの現象を変わったで済ませて良いのか、本当に分からないがともかくベネットの知る限りこれ以外に、この現象を表現する術が無いので気にしないでおく。
問題は何故“上の連中”はわざわざ松岡勝治を死亡者放送で呼べと命じているかだ。
ベネットも幾らか考えてみたが、彼の名を呼んだところで何かメリットになる事など無い。

(それだけじゃねえ。今回死んだとはいえ、速水もこみちが首輪を解除した時も連中は特に動く様子は無かった。
 下手すりゃ、他の連中も首輪も外れるて殺し合いどころじゃなくなるとこだった。
 それに気がかりなのは、あれは本当にイレギュラーで起こった事なのか?
 こんな殺し合いを開くぐらいだ。参加者の素性ぐらい調べてる筈だが、その上であんなオリーブオイルで外れるような首輪を作ったてのは引っかかる)

近くのテーブルに置いてある酒瓶を手に取り蓋を開ける。そして、直接口に着け口内に酒を注ぐ。
口内に酒の風味とアルコールの独特な味が広がり喉を潤していく。

(いや、そもそも連中は本当に参加者に殺し合いをさせるつもりはあるのか?
 どうにも回りくどい。殺し合わせるなら、もっと良いやり方がある筈だ。
 例えば、さっきの禁止エリアも一回放送と同じで参加者には大して影響はねえ。
 俺ならもっと影響のある別の場所を指定し、参加者の遭遇を誘発して殺し合いは促進させる。
 なのに連中はどうして…)

疑問が更なる疑問を呼ぶ。例えるなら泥の深みへと陥るような感覚。
もがけばもがくほど沈んでいく。

(まあいい、どうせ一度死んだ身だ。
 こうなりゃ泥の深みの深みまでドップリ浸かってやるさ。なあ?大佐)




【ベネット@コマンドー】主催追加確認

【松岡勝治@人造昆虫カブトボーグV×V】再度生存確認

39 ◆FbzPVNOXDo :2013/06/14(金) 18:18:28 ID:hN941wVU0
投下終了です

40 名無しさん :2013/06/14(金) 19:31:28 ID:PZj3H0W20
クッソワロタwww
勝治また死ぬ死ぬ詐欺かよww三回目だぞw
このまま最後まで生き残りそうだな
投下乙です

41 名無しさん :2013/06/14(金) 21:37:19 ID:uZzufzzo0
投下乙です

確かに死ぬ死ぬ詐欺だわw

42 名無しさん :2013/06/15(土) 08:21:55 ID:NY7wJIhAO
投下乙です。やっぱりベネットは主催側か
死亡者放送常連とか新しいなwwww

祝☆第二放送突破!

43 名無しさん :2013/06/15(土) 16:01:33 ID:b90Ae7HY0
投下乙です。勝治にはこのまま放送のレギュラーでいてほしいですね


ところでどっかに予約とかに関するルール書いたほうがよくない?
どこにも書いてないと、新しく話を書きたいって思った人がいても書きづらいと思うんだけど

44 名無しさん :2013/06/15(土) 19:42:17 ID:7dQOEMz20
【このロワで書いてみたいと思う方へ】

〜書き手について〜

このロワでSSを書く人たちの事を書き手と総称しています。


〜予約について〜

書き手同士がかち合う事態を防ぐため、事前に
「○○(キャラ名)が登場する話を、後に私が書いて投下しますと宣言しておく事。

したらばにあるこの予約スレにてトリップを着けて行います。
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/15395/1332983579/


〜トリップとは〜

トリップとは2ちゃんねる上で生まれた単語で、書き込みがその人特有のものと分かる仕組みである。
他の人が名前欄を利用して成りすますことができないようにする仕組み。トリップはキャップの一種である。
(ニコニコ大百科より引用)

略称としては、「トリ」「鳥」「酉」などが挙げられます。


表示方法は名前欄に"#"(#は半角)を入力して続けて好きな文字列(パスワード)を入力します。
その文字列(パスワード)は、主にトリップキーと呼ばれています。



〜予約期限について〜

話を書き上げるのが期限内に間に合わない場合、延長を申請します。
このニコニコ動画バトルロワイアルγでは予約期限は三日、延長すると最大五日となります。

45 名無しさん :2013/06/15(土) 19:48:02 ID:7dQOEMz20
取り合えずパロロワ辞典とか色々見て参考にして書いてみた
これを見て指摘とか、いっそ勝手に文を付け加えたり書き直して頂けたりしてもらうとありがたい

これで書き手が増えれば万々歳だなあ

46 名無しさん :2013/06/15(土) 22:40:53 ID:b90Ae7HY0
予約が切れても他に人が予約しなければ投下できることを書いた方がいいかも
それ以外は問題ないと思う

47 名無しさん :2013/06/15(土) 23:18:52 ID:7dQOEMz20
【このロワで書いてみたいと思う方へ】

〜書き手について〜

このロワでSSを書く人たちの事を書き手と総称しています。


〜予約について〜

書き手同士がかち合う事態を防ぐため、事前に
「○○(キャラ名)が登場する話を、後に私が書いて投下しますと宣言しておく事。

したらばにあるこの予約スレにてトリップを着けて行います。
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/15395/1332983579/


〜トリップとは〜

トリップとは2ちゃんねる上で生まれた単語で、書き込みがその人特有のものと分かる仕組みである。
他の人が名前欄を利用して成りすますことができないようにする仕組み。トリップはキャップの一種である。
(ニコニコ大百科より引用)

略称としては、「トリ」「鳥」「酉」などが挙げられます。


表示方法は名前欄に"#"(#は半角)を入力して続けて好きな文字列(パスワード)を入力します。
その文字列(パスワード)は、主にトリップキーと呼ばれています。



〜予約期限について〜

話を書き上げるのが期限内に間に合わない場合、延長を申請します。
このニコニコ動画バトルロワイアルγでは予約期限は三日、延長すると最大五日となります。
ただし期限が切れても、他にそのキャラを予約している人がいなければ投下する事も可能です。

48 名無しさん :2013/06/15(土) 23:19:43 ID:7dQOEMz20
よし
追加した

49 名無しさん :2013/06/18(火) 00:48:20 ID:fXQ1jrGc0
お、放送話の投下お疲れ様です
_人人 人人_
> 突然の死 <
 ̄Y^Y^Y^Y ̄

50 ◆FbzPVNOXDo :2013/06/20(木) 02:00:40 ID:hndOYcG20
投下します

51 希望の船 ◆FbzPVNOXDo :2013/06/20(木) 02:01:38 ID:hndOYcG20
「……誰も来ねえ」

ぶっきらぼうに祐子は呟く。
殺し合いが始まってから第一回放送を向かえ、つい先ほど第二回放送が終了した。
主催側から明確にはされていないものの、今までの定時放送は6時間毎に行われている。
そしてたった今その第二回放送が終了した。

6×2=12

つまり12時間、1日24時間だからその半分。なんとゆっこは半日近く死体と糞ウザイ変なロボット以外とは遭遇していない事になる。
一体何処の誰が、目立つからドームに人が居るなどとほざきやがったのだろう。

「あちゃーあたしゃ知りませんよ」

分かってる。悪いのは自分だ。
あんな浅はかな考えが悪かったのは百も承知だ。
そうと分かってはいるが、バリカンの態度がウザく感じてしまうのはしょうがない事なのかも知れない。

「それよりも、禁止エリアを確認した方がいいんじゃない?」

バリカンに言われてはっとした。
そうだ。人に会う以前にまずはそちらを確認するべきだ。
人と会うと目標を掲げた所で、禁止エリアに入ってドンッというのは避けたい。

別の紙にメモしたエリアと実際の地図を照らし合わせて見る。
なんともまあバラバラに禁止エリアを指定したものだ。

「 ? また海が禁止エリアになってる…」

思い返せば、前回はJ-6、A-4、C-1と三箇所も海が禁止エリアに指定されていた。
当時はあまり気にしていなかったが、また今度は二箇所、H-1、B-9が禁止エリアとなっている。
果たしてこれは偶然なのだろうか。海なんて早々参加者が集まるような場所じゃない。
なら、別の場所を指定した方が効率はいい気もするが…。

「誰か海水浴でもしてるんでゲスか?」

海水浴?
まさか、誰か海を泳いで殺し合いから脱出でもしたんじゃ。

(――いや、待って…)

更にこの時、裕子に電流走る。
泳いで脱出。それなら海を禁止エリアに指定する辻褄は合う。
いや冷静に考えれば、海を泳いで島から脱出なんておかしいが気にしない。
ならば、裕子も同じく海から脱出出来るのではないか。
無論、裕子には泳いで島からの脱出など不可能。


――だが、あるではないか。


海を渡るにはもってこいの船が。



「豪華客船エスポワール…」



客船と書いてある以上、エスポワールが船である事に間違いは無い。
つまり、エスポワールさえ確保すれば裕子も殺し合いから脱出する事は可能。

「でも、問題は距離…」

エスポワールのあるエリアはここからかなりの距離があるH-1。
しかも、これから約二時間後に禁止エリア指定されている。

(間に合う…かな)

全速力で走っていってもギリギリ間に合うか間に合わないかだろう。
だが、これを逃せば次に何時好機が巡ってくるか分からない。

(これは…希望の船…逃すわけには行かない…!!)

拳を握り。息を大きく吸い。そして吐く。
そして一度頬を両手で叩き気合を入れた。

「行こう! バリカン!!!」
「え? 何処へ?」
「エスポワールだよ!」
「エ゛ェー!?」

52 希望の船 ◆FbzPVNOXDo :2013/06/20(木) 02:02:24 ID:hndOYcG20

【A-07 ドームですよ!ドーム!/1日目・日中】

【相生祐子@日常】
[状態]:健康、死への恐怖とそれに伴う悲しみ、若干希望を持ちつつある
[装備]:バリカン
[道具]:基本支給品、一本満足バー×28inファミマの袋@アサヒフードアンドヘルスケア、
バトルロワイアルガイドブック@ニコロワγ
スポンジボブ@ハッキョーセット、でかいきんのたま@ポケットモンスターBW
キチガイレコード@チャージマン研!
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いには乗らない
0:エスポワールへと向かってみる
1:研君を探しに行きますか
2:危険地帯…恐るべし…!
3:もっといい道具が欲しかった
4:研君の そこにシビれる 憧れる
5:なのちゃんに続く新しいロボットの知り合いができて嬉しい
6:………死にたくないよ
※ジュラル星人と研の関係、泉家の家族構成を簡単に知りました。
※精神がわずかに不安定になっている可能性があります。
※民家の地下でニコニコ危険地帯を発見しました


【バリカン@チャージマン研!】※意思持ち支給品
[状態]良好、首輪なし、愛称で呼ぶ程度にはゆっこを信頼
[思考]
基本行動方針:ゆっこと一緒に研を探す。見つけたら保護してもらう。
0:何か胡散臭そうな船でゲス
1:ゆっこと行動。
2:終わったらゆっこがジュラル星人の存在を知らない事について話し合う
※機能に何らかの制限が課せられているかもしれません。
※ゆっこの交友関係を軽く知りました。
※星君を警戒対象に入れてないのは、彼がジュラルであることを知らないからです
※参戦時期は最終回よりも前のどこか。魔王については面識があるか見たことはあります


共通:ガイドブックで見逃している箇所があるかもしれません。

53 ◆FbzPVNOXDo :2013/06/20(木) 02:02:56 ID:hndOYcG20
短いですけど投下終了です

54 名無しさん :2013/06/20(木) 17:15:51 ID:tagrX1a.0
投下乙です
バリカンさんご指摘ナイスw美味しいなあ意思持ち
大型船と言えばズシオが見ていた気がするけど、あれはエスポワールだったのか

55 ◆czaE8Nntlw :2013/06/20(木) 20:45:09 ID:qZ0/4aSE0
右代宮譲治、サリー、権兵衛、松岡勝治、シャーロック・シェリンフォード、
海東純一、東風谷早苗、ムラクモ、不動遊星、ルシフェル
投下します

56 ◆QJhOaVyun6 :2013/06/20(木) 20:46:51 ID:qZ0/4aSE0
「サリーよ、今度は誰を潰すのだ?」

下劣な笑みを浮かべてベアトリーチェは無線機へ話し掛けた。
サリーと呼ばれた無線越しの男は溜息を吐きながらも嬉しそうに応える。

「全く、お前は随分と仕事熱心だなベアトリーチェ。ま、こちらとしちゃその方が有難い。
そうだな、今度は仲良しこよしなグループ…勝治、権兵衛、シャーロックあたりを潰して貰おう。戦闘能力はあまり高くないから、そう手間取りはしないさ」
「分かった。すぐに潰して来よう」

偽情報を流すのもいいが、やはり弱者を叩き潰すには直接手を下す方が早い。
何より、先程の女が思い通りに動かなかったせいで不満が溜まっているのだ。
勝治達には悪いが、ストレス解消の相手になってもらうとしよう。
これから訪れる殺戮を思い、ベアトリーチェは笑う。

「フン、精々あがいて貰うとしよう。アカンパニーオン。勝治達の場所へ」



◆◆◆

57 ◆BZucM3jYfQ :2013/06/20(木) 20:48:15 ID:qZ0/4aSE0



「…勝治さん、どうやらまた貴方のお名前が呼ばれたようですが」

毎度お馴染みとなった死ぬ死ぬ詐欺に対して権兵衛が冷静に突っ込みを入れる。
もちろん背中に乗っている勝治もついさっき少しばかり気絶してはいたが、健康そのものである。

「これで三度目ですよ…どうなってるのか、僕にも全く分からない」
「やっぱり、首輪が壊れて…?」
「いや、それは無いでしょう。そもそも首輪が壊れているのなら、二回目で気づくはずです。
それなのに、対策をしていないということは…やはり何か思惑があるのでしょうね」

何度も死んだ事にされては、その度に放送で名前を挙げられる勝治。
何故主催がその様な無意味な行動をするのか、権兵衛は未だその真意を図りかねていた。
実際は真意も糞も無いただの主催の悪ノリによるものに過ぎないのだが、権兵衛達がそんな事を知る由もない。

そんな静かな考察は、突然の襲撃者によって中断させられる。

「犬っころと探偵、それに…フン、死にぞこないか。ずいぶんと手応えの無い連中だねえ」

ついさっきまで何も無かったはずの空間に現れた、中世ヨーロッパ風のドレスに身を包んだ妙齢の女性。
彼女は二人と一匹を見回して醜悪な笑みを浮かべ、空中からナイフを取り出して弄びながら言う。
それと同時に姿を消したかと思うと、次の瞬間には眼鏡を掛けた青年へとその姿を変化させていた。

「こんにちは、譲治だよ」

口調こそ丁寧だったものの、そこにはぞっとするような凄みが隠れている。
そのことを三人はひしひしと感じていた。
殺される。
ボーガーや妖怪、トイズの使えない探偵では太刀打ちできる相手ではない。
権兵衛は二人を背中から下ろし、緊迫した口調で告げた。

「勝治さん、シャーロックさんをよろしくお願いします」
「え、でも権兵衛さんは…」
「私は妖怪です。並みの人間よりは戦える。それに、首輪の情報…あれを東風谷さんに伝えてもらわないと」
「でも、そんなのって!権兵衛さん、殺されちゃいますよ!!」
「シャーロックさん、貴方は探偵でしょう。ならば一人でも多くの人を助けなければならない。
それは妖怪である私が戦わなくてはならないのと同じように、大事な役割です。貴方はそれを果たして下さい」

抗議するシャロに向かって静かに微笑みながら、権兵衛は言う。
そこにある意志を勝治は汲み取らずにいられなかった。
ボーガーは命懸けで勝負を行う。勝治やリュウセイ、ケンだって命を失ったのは一度や二度ではない。
それでも、決して逃げずにボーグバトルに向かう漢達。
権兵衛の目には、その漢と同じ不屈の闘志が宿っていた。

「…行こう、シャーロックちゃん」
「……分かりました。死なないで下さいね、必ず勝って下さいね」

二人は振り返らずに走り出した。俯きながら、それでも決して振り返らずに。



◆◆◆

58 ◆czaE8Nntlw :2013/06/20(木) 20:50:53 ID:qZ0/4aSE0
すみません、少し酉がおかしいみたいなので投下しなおします

59 ◆czaE8Nntlw :2013/06/20(木) 20:51:32 ID:qZ0/4aSE0
てすと

60 ◆czaE8Nntlw :2013/06/20(木) 20:52:02 ID:qZ0/4aSE0
「サリーよ、今度は誰を潰すのだ?」

下劣な笑みを浮かべてベアトリーチェは無線機へ話し掛けた。
サリーと呼ばれた無線越しの男は溜息を吐きながらも嬉しそうに応える。

「全く、お前は随分と仕事熱心だなベアトリーチェ。ま、こちらとしちゃその方が有難い。
そうだな、今度は仲良しこよしなグループ…勝治、権兵衛、シャーロックあたりを潰して貰おう。戦闘能力はあまり高くないから、そう手間取りはしないさ」
「分かった。すぐに潰して来よう」

偽情報を流すのもいいが、やはり弱者を叩き潰すには直接手を下す方が早い。
何より、先程の女が思い通りに動かなかったせいで不満が溜まっているのだ。
勝治達には悪いが、ストレス解消の相手になってもらうとしよう。
これから訪れる殺戮を思い、ベアトリーチェは笑う。

「フン、精々あがいて貰うとしよう。アカンパニーオン。勝治達の場所へ」



◆◆◆

61 ◆czaE8Nntlw :2013/06/20(木) 20:52:51 ID:qZ0/4aSE0



「…勝治さん、どうやらまた貴方のお名前が呼ばれたようですが」

毎度お馴染みとなった死ぬ死ぬ詐欺に対して権兵衛が冷静に突っ込みを入れる。
もちろん背中に乗っている勝治もついさっき少しばかり気絶してはいたが、健康そのものである。

「これで三度目ですよ…どうなってるのか、僕にも全く分からない」
「やっぱり、首輪が壊れて…?」
「いや、それは無いでしょう。そもそも首輪が壊れているのなら、二回目で気づくはずです。
それなのに、対策をしていないということは…やはり何か思惑があるのでしょうね」

何度も死んだ事にされては、その度に放送で名前を挙げられる勝治。
何故主催がその様な無意味な行動をするのか、権兵衛は未だその真意を図りかねていた。
実際は真意も糞も無いただの主催の悪ノリによるものに過ぎないのだが、権兵衛達がそんな事を知る由もない。

そんな静かな考察は、突然の襲撃者によって中断させられる。

「犬っころと探偵、それに…フン、死にぞこないか。ずいぶんと手応えの無い連中だねえ」

ついさっきまで何も無かったはずの空間に現れた、中世ヨーロッパ風のドレスに身を包んだ妙齢の女性。
彼女は二人と一匹を見回して醜悪な笑みを浮かべ、空中からナイフを取り出して弄びながら言う。
それと同時に姿を消したかと思うと、次の瞬間には眼鏡を掛けた青年へとその姿を変化させていた。

「こんにちは、譲治だよ」

口調こそ丁寧だったものの、そこにはぞっとするような凄みが隠れている。
そのことを三人はひしひしと感じていた。
殺される。
ボーガーや妖怪、トイズの使えない探偵では太刀打ちできる相手ではない。
権兵衛は二人を背中から下ろし、緊迫した口調で告げた。

「勝治さん、シャーロックさんをよろしくお願いします」
「え、でも権兵衛さんは…」
「私は妖怪です。並みの人間よりは戦える。それに、首輪の情報…あれを東風谷さんに伝えてもらわないと」
「でも、そんなのって!権兵衛さん、殺されちゃいますよ!!」
「シャーロックさん、貴方は探偵でしょう。ならば一人でも多くの人を助けなければならない。
それは妖怪である私が戦わなくてはならないのと同じように、大事な役割です。貴方はそれを果たして下さい」

抗議するシャロに向かって静かに微笑みながら、権兵衛は言う。
そこにある意志を勝治は汲み取らずにいられなかった。
ボーガーは命懸けで勝負を行う。勝治やリュウセイ、ケンだって命を失ったのは一度や二度ではない。
それでも、決して逃げずにボーグバトルに向かう漢達。
権兵衛の目には、その漢と同じ不屈の闘志が宿っていた。

「…行こう、シャーロックちゃん」
「……分かりました。死なないで下さいね、必ず勝って下さいね」

二人は振り返らずに走り出した。俯きながら、それでも決して振り返らずに。



◆◆◆

62 ◆czaE8Nntlw :2013/06/20(木) 20:54:37 ID:qZ0/4aSE0



甘い。
自分に背を向けたままうずくまる早苗に、海東はニヤついた笑みを隠さずにはいられなかった。
知り合いでも亡くしたのか、時折落胆したような表情で手許のメモ帳に放送の内容を書き込んでいく早苗。
その背中には一切の注意というものがなく、無防備極まりない。
仮面ライダーというだけで自分をここまで信用し、一寸の疑いもなく背中まで向けてしまう。
ここまで来ればもはやお人好しというより、単なる馬鹿と言っていい。
権兵衛という邪魔者が居なくなった今、この場にいるのは自分と早苗、それに無力な少年のみ。
その気になればいつだって殺せるのだ、もはやこの空間を自分は完全に支配している。
海東は電磁サイリウムに手を伸ばし、より一層口許を歪ませた。
最初のターゲットは東風谷早苗。
まず彼女を消して、それから恐怖に怯えている少年を殺す。
この顛末を知ればあのいけ好かない妖怪も冷静ではいられまい。
きっと自分の判断の間違いに苦悩することだろう。ああ、愉快だ。
その光景を想像しながら、海東は早苗の無防備な背中へとサイリウムを向けた。

くだらない、というのがムラクモの正直な感想だった。
もこみちが死んだ、という放送を聞いて少し気分を良くしていたところで、いきなりあのニヤついた男が女に武器を突き付けて「動くな!」と言い放った。
それだけだ。
男にしてみれば人質のつもりなのだろうが、そもそもムラクモにとっては女が殺されようと関係無い。
むしろ殺してくれた方がこちらも行動しやすくなるし、色々と都合が良いのだ。
だから止めはしない。どちらが死のうと知った事か。
生き残った方を殺し、武器を頂く。
どちらが勝つか、精々楽しませて貰うとしよう。

首筋に冷たい質感を感じながら、早苗は混乱していた。
どうして。
仮面ライダーは正義の味方ではないのか。
髪の毛を掴まれながら、海東へ問う。

「海東さんっ…どうして、こんな…仮面ライダーは、正義の味方じゃないんですか…?」

海東は相変わらずニヤついた表情のまま早苗へ腹パンを食らわせ、声色一つ変えずに答えた。

「( ^U^)申し訳ございません、このような裏切り者で。…さようなら」

電磁サイリウムを振り上げる海東。

(フン…決したか)

ムラクモが興味なさげに目を背けた、丁度その時だった。

「うおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

乱入者が出現したのは。
デルタイーグルを駆る乱入者はスピードを緩めずに二人に向かって突撃し、そのまま海東を撥ね飛ばす。

「ぐっ!!」
「きゃっ!!」

63 ◆czaE8Nntlw :2013/06/20(木) 20:54:49 ID:qZ0/4aSE0
数メートルも撥ね飛ばされ、地面にうずくまる海東。
乱入者はそれを認めてから地面へ倒れ込んだ早苗へと手を伸ばし、デルタイーグルから降りる。

「どうにか間に合ったな…大丈夫か?俺は不動遊星。あんたの仲間に頼まれて来た」
(アイツは…あの時のッ……!!)

不動遊星。
ショタと化したムラクモにスカートを穿かせた張本人である。

(コイツ…生かしてはおかん!!)

「ええ、なんとか。ありがとうございます。あっ、私は東風谷早苗といいます。よろしく、遊星さん」
「ああ、よろしく。ともかく無事で良かった。ところで…」

会話中の二人の傍らで静かに殺意を募らせるムラクモ。
そんな感情を抱いているとは露ほども思わず、遊星は嬉しそうに話掛ける。

「無事だったか少年。心配したぞ」
「あ、あれっ!」

ムラクモが行動を起こそうとするより先に、早苗が頓狂な声を上げた。
その視線の先では、海東が頭を押さえながらも立ち上がろうとしていた。

「まだ意識があったか…君は少年と逃げてくれ!ここは俺が」
「お断りします。そんな死亡フラグ全開の台詞吐かれて見捨てられる訳ないでしょう」

包丁を構える遊星と、それに付き従うように立ちふさがる早苗。

「…いい台詞だ、感動的だな。だが無意味だ。行け、電光戦車」

頭から血を流しながらも張り付いた笑顔を絶やさぬまま、海東は電光戦車を起動させる。

「おい、なんだよコイツは!」

狼狽する遊星の隣で、早苗は海東を真っ直ぐに睨み付けて言った。

「海東さん、貴方は仮面ライダーの力を悪事に使おうとした。ライダーファンとして許しがたい行為です」
「私は感謝しているんだ早苗、私は貴方のお蔭で武器を手に入れられた。今度は私がお前を救ってあげよう」

戦闘の始まりを告げるように、機関銃の弾丸が二人へと降り注ぐ。


(電光戦車まで支給されていたとはな…まぁいい。どちらにせよアレは私が手に入れる)

予想もしなかった嬉しい誤算にムラクモは押し殺した笑みを浮かべた。
電光戦車は強力な武器だ、手に入れれば戦局を覆す事とて容易に出来る。
相変わらずどちらが勝つかなどという事に興味はない。
どちらが死のうが電光戦車は頂く。

(いよいよもって面白くなってきたな。少しは楽しめそうだ)

それぞれが異なる思惑を抱いたまま、戦闘は加速していく。
闘いの終わり、最後に勝ち残るのは一体誰なのだろうか。



◆◆◆

64 ◆czaE8Nntlw :2013/06/20(木) 20:55:37 ID:qZ0/4aSE0






遠ざかっていく勝治とシャロの背中を眺めながら、譲治は権兵衛へと話し掛ける。

「…権兵衛、君はどうにも頭が切れるようだけど、僕にしてみれば大馬鹿者だね」
「馬鹿で結構。むしろ私にとって馬鹿は褒め言葉ですがね」
「黄金の魔女にたった一匹で挑む犬畜生。全く素晴らしい度胸だよ」
「ほう…魔女、ですか。では、一つお訊きしてもよろしいですか?」
「時間稼ぎのつもりかい?…まぁいいさ。どうせ一瞬で決着は着くんだ、少し遊んであげるよ。それで、何を訊きたい?」

禅問答なら得意分野だ。如何に権兵衛が知識豊かとはいえ、千年間生きてきた自分には敵うまい。
そう心の中でほくそ笑んで、譲治は権兵衛の質問を待つ。
だが、権兵衛が口にしたのは思いもよらぬ問いだった。

「貴方は自分が魔女である、と証明出来ますか?」

今更、この犬は何を問うているのか。
仮にも切れ者だなどと思った自分が馬鹿だった。所詮野良妖怪の犬だ、全く意味のない質問をするとは馬鹿にも程がある。

「ははははは!!質問というのはその程度のことか!?
当然、出来るに決まっているだろう!
僕はジョージ・ベアトリーチェ。千年を生きた黄金の魔女。僕がここにいる事そのものが、僕が魔女であるという証拠そのものだ!!」

高笑いする譲治を尻目に、権兵衛は内心でガッツポーズをしていた。
策は成った。このような自尊心の強い高慢な連中は、往々にして自己の存在を他人に認めさせようと躍起になるものだ。
ならばそれを徹底的に否定してやればいい。存在を否定し、思い上がった自尊心を叩き潰す。
そうして彼らを怒らせ、冷静さを失わせる。
そこに、付け入る隙が出来る。
かくなる上は、どの様な詭弁でも構わない。とにかく彼のアイデンティティである“魔女”というものを徹底的に否定する。

「…サン・ジェルマン伯爵という人物をご存じですか?18世紀のフランスに現れた、不老不死を名乗る錬金術師の男性だったそうですが…彼について面白い説がありましてね。
それによると、彼は不老不死でも何でもない、一介の詐欺師に過ぎなかったと言うのです。
数百年間も同じ人物が存在しているかのように、歴代の詐欺師が“不老不死のサン・ジェルマン伯爵”を演じ続ける。
言動さえ過去の人物と一致していれば、容姿が多少変化したところで怪しむ人間は居ませんからね。
いや、過去のサン・ジェルマン伯爵を知る人物が死んでしまえば、全くの別人でも構わない。
何故なら不老不死であるのは彼だけですからね。他の人物は皆、彼より先に死ぬ。
只の人間に彼が不老不死なのか、それともペテン師なのかなど判別がつけられる訳がない。
…譲治さん、貴方は本当に魔女なのですか?本当に千年を生きたのですか?本当だというのなら、是非それを証明していただきたい」
「…笑わせるな犬畜生。私が詐欺師だと!?ふざけるな!私は魔女だ!赤き真実がそう告げている!!お前の意見など、詭弁に過ぎない!!!」

淡々と話し続ける権兵衛に譲治は僅かな恐れを抱き始めていた。
この犬が言っている事は何の証拠も無い、只の仮説でしかない。
だが、その言葉一つ一つには凄まじい重みが籠っている。
コイツは似ているのだ。あの忌々しい探偵気取りの小僧────右代宮戦人に。

「赤き真実?それが真実である証拠などどこにも無い。
貴方が魔女であると主張しているのは貴方だけだ。
“貴方が魔女であること”を証明するに必要な第三者の意見が無い以上────。

今、この場には“貴方が魔女である”事を証明するものなど何一つ無い!」

その瞬間、世界に音が響いた。
何かが弾けた様な、割れた様な、不思議な音。
その音は、譲治にとって何よりも大切な“魔法”を切り崩した音だった。

65 ◆czaE8Nntlw :2013/06/20(木) 20:56:31 ID:qZ0/4aSE0



────バトルロワイアル開幕前、ルシフェルと譲治は参加者の選定を行っていた。

「さて、“幻想郷からの参加者”はこれくらいで充分かな」
「待ってよルシフェル。面白い参加者を見つけたんだ。ほら、コイツ」

そう言って譲治はルシフェルに一枚の書類を手渡す。
ルシフェルは気だるげにそれを受け取ると、さらりと全体を流していく。

「なるほど…権兵衛、か。中々に興味深い」
「でしょ。彼も参加させちゃおうよ」
「ああ、了解だ。制限はどうする?」

書類に記された、“ありとあらゆる概念を解体する程度の能力”の部分を指でつつきながらルシフェルは問う。
そうだね…と譲治は考え込み、一つの結論へと至った。

「使えなくするってのも面白くないし、効果を弱体化して、なおかつ本人が力を自覚していない時系列から連れてこよう」
「よし、それじゃあこれでいいな。次は…」



そうだ。この犬には特殊能力がある。それもかなり強力な能力が。
もちろん大幅な制限のおかげで、そう自由に使えなくはしてある。
だが、この犬はさっき何と言った?
“貴方が魔女であるとは言えない”。その台詞は、自分が魔女であるという概念を崩壊させたのではないか。

譲治は動揺を隠せぬまま、ナイフを取り出そうと力を込める。
しかしその呼び掛けに応えるものは無く。
能力を失っている、と初めて自覚した。

(…………いや、大丈夫だ、問題ない。参加者に制限を掛けたのはこの僕だ。
コイツの能力はかなり弱体化させた。崩壊した概念だって、時間が経てば戻るように調整してある。
つまり、この状況さえ切り抜ければどうにかなる!)

魔法が使えないのは痛手だが、相手は犬っころ。
それに、如何に強力な能力を持っているといえ、戦闘には役立たずだ。
ここで殺そう。
何よりも、ここまでコケにされて生かしておけるはずは無い。
強烈な怒りに震えながら、譲治は武器を取り出した。

「糞ッ糞ッ!犬畜生如きが生意気な真似をしやがって!…殺す!殺してやるッ!!」

トンプソン・コンテンダー、かつて魔術師殺しと呼ばれた男の使っていた武器。
その銃から放たれる特製の“起源弾”は、被弾した者の魔術回路を破壊し二度と魔術を扱えないようにしてしまう、いわば魔術そのものを打ち倒す弾丸である。
魔術という非常識を打倒する為の弾丸は、同じ非常識の存在たる妖怪を傷つけるには充分と言えた。

「…仕方ありませんね。では、私も」

対する権兵衛もデイバッグの中を漁り、どうにか扱えそうな武器を取り出す。
それは重厚な雰囲気を漂わせる大鎌。
西洋の死神を彷彿とさせるその鎌を口に咥え、権兵衛と譲治は対峙した。
銃と刃物。
一見すると結果は見えているようなその闘いだが、このような至近距離ならば大いに逆転の余地はあった。
間合いに入ってしまえば、銃よりも刃物の方に分がある。加えてトンプソン・コンテンダーは単発式。
一発しかないその弾丸を外してしまえば、それは敗北を意味する。
故に、両者とも迂闊には動けない。
睨み合ったままの一人と一匹の間を静かな風が通り抜けていく。
その風が止んだ時、権兵衛と譲治の姿は空中へと移っていた。
先に飛び掛かったのは権兵衛。譲治も権兵衛の姿を認めるよりも先に走り出し、一気に距離を詰める。
権兵衛の大鎌の間合い。それは同時に、譲治のコンテンダーの必中距離。

(一発は確実に食らう。だが…)
「死ねぇぇぇぇぇ!糞犬ッ!!」
(彼の首は必ず落とすッ!!)

鎌を咥えたまま一直線に突き進む権兵衛に、譲治は銃口を向けて絶叫する。
この距離でからであれば、放たれた弾丸は確実にその忌々しい身体を貫くだろう。
だが、魔法の使えない譲治もまた権兵衛の刃からは逃れられない。
弾丸と、刃。
一瞬で勝負は決する。相手より一刻でも速かった者だけが生き残る。
その刃を白銀に煌めかせながら、真っ直ぐに突き進む鎌。
鈍い鉛色を響かせて、大気を切り裂く銃弾。
両者は空中で激突し、そして────。

66 ◆czaE8Nntlw :2013/06/20(木) 20:58:50 ID:qZ0/4aSE0











「ぐ…ああ……」

立って、いたのは。

「な゛ん、で、だよおぉぉ……」

────犬畜生。
首筋から鮮血を吹き上げて、譲治は空を掻き毟る。
全ての恨みと、全ての憤りを塗り込めた叫び。
それはどのような呪文より強力に、聞く者の精神を蹂躙していった。

「僕が、殺さ、れ゛るなんて、あ゛り得るものかッ!!!!認め、ないッ!!!絶対に認めな゛いぞぉぉぉッ!!」
「そう騒ぐ必要も無いでしょう。どうも高慢な人間ほど死を恐れるようだ。…それに、私とて傷を負った。どの道長くない」

両者が激突した後、権兵衛は確かに立っていた。
だがそれは無傷の勝利を意味している訳ではなかった。
左前足に空いた穴と、その周りを染め上げるドス黒い汚れ。
この闘いに、勝者は居なかった。両者とも傷を負い、しかもそれは致命傷だった。
行き着く結末はどちらも“死”のみ。ただそれが訪れるのが速いか遅いかの違いだけだ。

「あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぢぐじょおぉぉぉ………」

それでも、譲治は受け入れられなかった。
何故、自分が死ななければならないのだ。しかも、こんな有象無象の参加者に惨めに殺されて。
認めるものか。
黄金の魔女は死なない。絶対に、認めてなど────。

「諦めな、ベアトリーチェ。お前の負けだ」

どこかで、怨敵の声が聞こえた。

「…ッ!!!戦人アアアァ!!!!」

最期まで全てを恨み、憎しみ、憤って、譲治…“ジョージ・ベアトリーチェ”は死んだ。
その最期を権兵衛は一瞥し、虚空へと独り呟く。

「因果応報、ですね。…精々私も苦しむとしましょう」

立ち上がる力を失い、権兵衛は草原へ倒れ込む。
無理矢理に楔を打ち込んだ様な銃創からは、黒紫色の血液がどろりと流れ出している。
立ち上がる事さえ出来ないのだ、この出血量では数分と保つまい。
いや、むしろこの出血で生き長らえていることそのものが驚きだ。
腐っても妖怪、ということか。

「人の身がどの様なものであったか…その記憶はもう私にはありませんが、妖怪というのも、案外に良いものなのかも知れませんね」

権兵衛は背中に乗っていた早苗の顔を思い出して、一人で笑った。

これで良かった。人殺しは妖怪、獣の役割でいい。
彼らには真っ直ぐなままでいて欲しい。
彼らは純粋だ。他人を疑うこともしない、ともすれば危険とも言える程に純粋だった。
それはこうした情け容赦の無い催しでは大きな枷となるだろう。
だが。
同時にこの荒んだ場においてこそ、その純粋さは一層大きな意味を持つ。
あの主催者達に立ち向かう時、何よりも必要なのは純粋に……ただ純粋に全てを信じることなのだから。
清々しい程に真っ白な彼らの戦に、小賢しい妖怪の居場所は無い。
だから、これで良かった。

(ああ…………でも、願わくばもう少し、一緒に居たかったですね)

もはや言葉を並べるだけの気力も体力も残っていない。
だが、最後に一つだけ、志を伝えよう。獣である自分が出来る最も単純な意思表示で…。

(東風谷さん、シャーロックさん、リュウセイ君。貴方達なら、きっと…)

自身の身体に残る最後の力を掻き集め、権兵衛は吼えた。
白昼、太陽の下で死に行く獣の放った叫び。
太く、長く、力強いその咆哮は、一匹の獣が死に絶えるまでその声を響かせ続けていた。



◆◆◆

67 ◆czaE8Nntlw :2013/06/20(木) 21:00:01 ID:qZ0/4aSE0



「ハァ、ハァ…ここまで来れば何とか…」
「大丈夫ですか?勝治くん」

息を切らしながら走り続けた勝治とシャロ。
何時の間にかあたりの地面は傾斜を持ち始めている。どうやら山に近づいているらしい。
周囲に人気は全く無い。

「もう…大丈夫みたいだ。少し休憩しようか」
「ええ、でも、私より勝治くんの方が…」
「はは……大丈夫、だよ。権兵衛さんと、約束したからね。シャーロックちゃんを守る、って……」

勝治は立木に身体を預けて、乾いた笑いを浮かべる。
その顔色は生者と思えないほどに白く。

「どう見ても大丈夫じゃないですよ!こうなれば秘伝の風邪薬で…」
「…………」
「…勝治くん?」

勝治は立木にもたれたまま、眠るように────死んでいた。


【松岡勝治@人造昆虫カブトボーグV×V】 死亡


「勝治くん!勝治くん!しっかりして下さい!!勝治くん!!」

勝治は死んだ。
だがまだ助かるかも知れない。ここで勝治を見捨てる訳にはいかない。
助けを呼ばなくてはならない。シャロはデイバッグの中にある支給品に手を伸ばす。
拡声器。
これを使えば助けは呼べる。どこにいるか分からないアルセーヌやリュウセイと連絡が取れるかもしれない。
だが、同時にオリーブ男のような危険人物も寄ってくるだろう。
どうすればいいのだろう。勝治を助ける事を優先すべきか、自分の安全を優先すべきか。
逡巡するシャロの耳へ、一つの声が響いた。
声というには少し荒々し過ぎる、獣の遠吠え。
シャロとて探偵の端くれである。その遠吠えを誰が発したのか、発した人物がどうなったか、容易に想像できた。
空気を切り裂いてその声を響かせる絶叫。それはやがて弱々しく変化して、やがて何も聞こえなくなった。
だがその咆哮に込められた意味と志は、縮こまっていたシャロの勇気を奮い立たせるには充分なものだった。

少しだけ震える手で、持ち手をしっかりと握り締め、その先端を虚空へと向ける。
キィン、というハウリングの音が辺りへ響いた。
もう迷っている時間は無い。シャーロックは覚悟を決め、空気を大きく吸い込む。
そして、ありったけの声量を拡声器に通した。

「────アルセーヌさん、リュウセイ君、聞こえますか?他の誰でもいい、これを聞いている人は助けて下さい!私の仲間が死にそうなんです!!」

その声は空気を振動させながら、辺り一面へとシャーロックの存在を宣伝していく。
この行為がどの様な結果を招くのかは分からない。
だがシャロはその全ての結果を受け入れようと、そう思っていた。



◆◆◆

68 ◆czaE8Nntlw :2013/06/20(木) 21:01:37 ID:qZ0/4aSE0



「随分とひねりのないレーザーですね!寅丸さんのレーザーに比べれば子供だましもいいところです」

迫りくるレーザーを寸前で回避し、御幣でボディーに打撃を一発。
どこぞのげんじんしん(しかも自称)とは違い早苗は正真正銘の現人神である。
おまけに自機キャラの経験まであるのだ、ある程度の戦闘能力は保障されている。
電光戦車が相手とはいえ、少なくとも遊星よりは善戦していると言えた。

(あの娘、素人だと思っていたが中々やるな。場数は踏んでいるようだ…こちらの男は全くの素人のようだが)

冷静に戦いを観察するムラクモの視線の先では、遊星が必死にレーザーをかわしている。

「遊星さん、避けてるだけじゃ戦闘になりませんよ!“ガンガンいこうぜ”です!」
「無茶を言うな!俺はただのメカニックだぞ!」

電磁サイリウムを手に、電光戦車と二人の戦いを観戦している海東は相変わらずの笑顔。
だがその裏には隠し切れない焦りを抱いていた。

(外部AIの効果は十分間…それまでに倒せればいいが…)

正直、普通の少女だと思っていた早苗があそこまで強いとは予想外だった。
もちろん現時点では電光戦車が圧倒しているが、外部AIの効果が切れてしまえば電光戦車はただの置物。
そうなってしまえば自分の切り札はなくなってしまう。

(電光戦車を置いて逃げる訳にもいかない…クソッ、誤算だった…)

油断していなかった、と言えば嘘になるが、それなりに注意は払ってきた。
だからこそ権兵衛を排除し、早苗が隙を見せた時を狙ったのだ。
完璧であるかのように思われた作戦の、小さな綻び。それはやがて大きな穴へと広がっていくのだが…海東はまだそれに気付いてはいなかった。

──外部AIの効果が切れるまで、あと7分。

(あの戦車…攻撃手段が前方に集中しているな…加えて、素早い機動は不得手のようだ)

一方、役立たずに思える遊星も戦闘の中で少しづつ情報を集めていた。
言うまでもないが、遊星の本職はメカニック。機械についてはお手の物だ。
そんな遊星だからこそ見抜けた電光戦車の弱点。

(恐らく後ろに回り込めれば、隙が出来る。そこをひたすら突いてやればどうにかなるかもしれん)

だが戦車の後ろ側には海東がいる。回り込んだところで、妨害されるのがオチだ。

(だが…やるしかない!!)

遊星は手にした包丁を一層強く握り締め、早苗へと叫ぶ。

「早苗!!アイツの弱点は後ろだ!俺が合図したら後ろに回り込め!」
「分かりました!“めくり”ですね、遊星さん」

返事を聞くよりも先に、海東へ向けて突っこんでいく。
レーザーと機関銃の弾丸が降り注ぐ中を必死に走る。
弾丸が手足を掠めていくが、気にしてはいられない。ひたすら突き進む。
ようやく海東の姿を捉えた。包丁を振りかぶったまま地面を蹴り、一気に跳躍。
このまま海東を抑え込む。チャンスは飛び掛かる、その一瞬だけ。

「行け、早苗ぇぇぇ!!!」

69 ◆czaE8Nntlw :2013/06/20(木) 21:01:53 ID:qZ0/4aSE0
──外部AIの効果が切れるまで、あと5分。

(電光戦車の弱点を見抜いた、か。あの男も只の馬鹿ではないようだな)

ムラクモはこの短時間の内に電光戦車の弱点を見抜いた遊星を静かに見つめる。
電光戦車の耐久力は凄まじい。だがその犠牲に機動力は著しく低く、咄嗟の移動にはついていけないという弱点がある。
どういう仕掛けかは分からないが、今戦っている電光戦車は従来型よりも強化されているらしい。しかし根本的な弱点は変わらないはずだ。

「秘術『グレイソーマタージ』!!」

遊星の合図を受けた早苗が宙を舞い、電光戦車を飛び越える。
着地と同時にスペルカードを宣言。機動の遅い電光戦車では振り向く隙も無い。
それを見越していたかのように大量の星が現れ、戦車へと突き刺さる。

「これだけやれば、少しは…」

だが、振り向いた戦車にダメージを受けている様子は無い。それどころか、未だに爆雷をばら撒き始めているではないか。

「まだ効いてないんですか!?硬すぎですよ!!」
(禁断の決戦兵器の力はこんなものでは無い。精々もがいて死ね、女)

──外部AIの効果が切れるまで、あと3分。

空中から落下する力を生かし、海東へ包丁の柄を叩き込む。
しかし遊星の試みは腕で防がれ、失敗に終わった。

「くッ!」

何とか体勢を立て直すが、受け身を取るよりも先に地面へと落下。

「どうした?反撃しないのか?」

悪意交じりの笑みで遊星を見下ろす海東。

「ああ、もちろんさせてもらう」
「それは良かった」

立ち上がろうとする遊星に腹パン。
怯む遊星に向けて海東は電磁サイリウムを振り上げ…

「そう簡単にやられるかよ」

そのまま地面へとうずくまる。
怯んだフリをして近づいてきたところへ強烈な頭突き。
海東は先程デルタイーグルに撥ね飛されている。常人ならば脳震盪を起こしていても不思議はない。
そんな状況で無理矢理に動いていたところへこの攻撃である、ともすれば気絶し兼ねない程のダメージを海東は受けていた。

「悪いが俺も喧嘩には慣れてるんだ。容赦はしないぜ」
「…いいでしょう。試してあげましょう、貴方の力を」

海東はサイリウムを、遊星は包丁を構える。

  デュエル・スタンバイ
「「決闘、開始!!!」」

──外部AIの効果が切れるまで、あと2分。

70 ◆czaE8Nntlw :2013/06/20(木) 21:02:28 ID:qZ0/4aSE0

「これだけやってるのに、倒れないなんて…」

立木の陰に隠れたまま早苗は呟く。
もう何度になるのか分からないほど攻撃したはずだ。
御幣で殴り、御札を投げつけ、弾幕を撃ちこんだ。しかしあの戦車に効いている様子は全くない。
相手の攻撃は激しさを増していくばかりだ。レーザーが何発掠ったのか、何度爆雷の爆発に巻き込まれたか分からない。
今の自分はきっと見るからにボロボロの酷い状態だろう。加えて弾幕もいつものような調子が出せないのだ。
果たして、自分はあの戦車に勝てるのだろうか。
自分の実力ではどうしようもできない相手。
その現実に、早苗の闘志は急速に尽き果てようとしていた。

「神奈子様、諏訪子様、どうかお力を…!」

──外部AIの効果が切れるまで、あと1分。

海東のサイリウムが遊星のキチガイじみたデザインの服を切り裂く。
負けじと遊星も包丁を振るうが、その刃は虚しく宙を切った。

「いい振りだな。攻撃的だ」

苦戦する遊星に対し余裕を見せる海東。
海東の変身する仮面ライダーグレイブは剣術を得意とするライダーである。つまり海東にとって刃物の扱いはお手の物。
一方の遊星は刃物に関しては全くの素人。差が開くのは当然だ。
何も出来ないまま、遊星の身体には切り傷が増えていく。
身体中の至る所から流れ出る血は遊星の視界を赤く染め上げていった。

(こんなところで終わりか…?)

ふと、そんな考えが頭をよぎる。
このまま、負けるのか。何も反撃出来ずに、このまま────。

「おい、遊星」

どこかで聞いたことのある声。

「お前はこんなところで終わるのか?」

聞き間違えるはずはない。この声は、鬼柳京介だ。
親友であり、敵であった男。そんな親しくて懐かしい友人の声。

(走馬灯、か)

もう自分は死ぬのだろう。
何も出来ず、海東に屠られて。

「遊星、お前はそれで満足なのか?」

当然、満足できるはずがない。
仲間を裏切り、殺し合う男を放っておけるはずがない。
一発でも殴ってやらねば気が済まない。

「じゃあ殴れ。仲間を裏切ったソイツを殴れ。お前が満足出来る結果を選ぶんだ、遊星」

その通りだ。
俺は、自分が満足する事を諦めていた。
このまま、満足できないままで負けてなどいられるものか!
何の為かなんて関係ない。俺は、俺の満足の為だけにコイツを殴るッ!!

「こんなところですかね。そろそろ死んで貰いましょう」

言って、サイリウムを構える海東。
遊星はその姿を眺めて、笑った。

「そうだよなぁ、京介。────満足、しようぜ!!!!」

回避の隙さえ与えない、凄まじいスピードで放たれた左フック。
顔面へと綺麗に入り込んだそれは海東の脳を激しく揺らす。
その威力は傷を負った海東の意識を吹き飛ばすには余りあるものだった。

「リアルファイトが下手なようじゃ、デュエリストとしてはまだまだだな」

──外部AIの効果、消失。

(戦車の攻撃が、止んだ…?)

外部AIの効果が切れた瞬間、電光戦車は機能を停止。
予想外の展開に早苗は驚きを隠せずにいたが、ムラクモは冷静に事態を把握していた。

(自律機能の停止か?いや、今までそんな事例は聞いたことが無い。…恐らくは外部からの操作が停止した、というところか)
「電池切れですかね…?電池の蓋がどこかに…ってそんなことより遊星さん!」

暫く電光戦車のボディーを撫で回していた早苗は頓狂な声を上げて遊星の元へと駆け寄っていく。
その場に残されたのはムラクモと電光戦車。

「…チャンスだな」

71 ◆czaE8Nntlw :2013/06/20(木) 21:03:26 ID:qZ0/4aSE0



「遊星さん、無事でしたか」
「何とかな。お前も無事みたいで何よりだ」

身体中を血に滲ませて、遊星は薄く笑みを浮かべる。
傷口は酷いが、出血量はさほど多くない。
手当てをすればなんとかなるだろう。

「海東さんは?」
「あそこで伸びてるよ」

海東は地面に倒れ伏したまま、ぴくりとも動かない。脳震盪でも起こしているのだろう。

「デイパックも回収しておいたし、とりあえずはこの男も満足に行動できないだろうな」

そう言いながらデイパックを早苗に渡し、遊星は立ち上がる。
身体は痛むがそれよりも勝治達の行方が気になるし、あの少年も気掛かりだ。
と、そこで遊星は重大な事実に気付く。
少年が居ない。
さんざん探し回った少年は、戦車と共にかき消すように消えていた。

「…おい、早苗?あの少年は」

どこだ、と遊星が問おうとした瞬間、空に刻み込むような吼え声が響いた。

「…この声って」
「ああ。…権兵衛、だろうな」

ついさっき話したばかりの相手。
ついさっきまで一緒にいた相手。
そんな人物が発した咆哮に、二人は戸惑いを隠せない。
そして、一拍置いてまた声が響く。

『────アルセーヌさん、リュウセイ君、聞こえますか?他の誰でもいい、これを聞いている人は助けて下さい!私の仲間が死にそうなんです!!』

二度目の声の主はシャーロックだ。
その声が告げていたのは仲間が死にそうだという悲痛な叫び。
権兵衛の遠吠えとシャロの救援要請。彼らに何が起こったのか、遊星にはそれだけで理解できた。

「もしかして、権兵衛さん達に何かあったんじゃ…」

もしかしなくてもそうに決まっている。
今すぐ助けに向かわなければ彼らは全員死ぬだろう。
だが、行方不明の少年もまた気にかかる。

(今は一刻も早く少年と合流したいところだが…見捨ててはいけないな)

行方不明の少年は気になるが、今は死にそうな仲間の方を優先するべきだろう。

「よし、行くぞ早苗」
「はい!」

遊星はデルタイーグルのエンジン音を聞きながら心の中で懺悔する。

(許せよ…少年)



◆◆◆

72 ◆czaE8Nntlw :2013/06/20(木) 21:04:01 ID:qZ0/4aSE0



一方、その少年は思いもよらぬ成果に気を良くしていた。
手に入れた電光戦車と外部AI。
電光戦車は自律機能が省略されているらしく単体で使用は出来ないようだが、外部AIなるパーツを取り付けることで稼働するらしい。
問題はその外部AIが機能を果たさないことだが、これについては元の持ち主から訊けばいい。

「おい」

気を失ったままの海東を蹴り起こす。
いくら体が縮んでいようが、相手は武器の無い怪我人だ。その気になればすぐに殺せる。

「……こんな子供が何の…っがあ!!」
「一つ質問だ。この外部AIはどうやって起動する」

悪態をつく海東の腕を踏みつけ尋問する。
海東は必死に暴れているが、その力はムラクモからしてみれば微々たるものだった。

「…何に、使うつもりだ。あの戦車は俺の…」
「質問をしているのは私だ。無駄口を利くな」

ムラクモの小さな足が海東の胸を踏みつける。
ごり、という音を響かせて肋骨が数本へし折れる。

「ぐわあぁぁ!!くそっ…外部AIは四時間に一度しか使えないんだ。また四時間後まで待つんだな」

海東は呼吸を荒げながらムラクモを睨み付け、少し笑う。
ムラクモはその笑顔にも、睨み付ける瞳にも反応せず、一片の感情も含まずに言った。

「そうか。ではな」

言って、海東へ電光弾を放つ。
たかが凡人風情に遅れを取るような雑魚を生かしておく理由は無い。
最も、強者であったとしてもどの道生かしておくつもりはないが。
海東の小さな叫び声を背中で聞きながら、ムラクモは歩き出した。



◆◆◆

73 ◆czaE8Nntlw :2013/06/20(木) 21:04:35 ID:qZ0/4aSE0



「嘘、ですよね…こんなの」
「…………」

遊星は早苗の震える背中に、何と声を掛けるべきか思案していた。

(予想は、していた。予想はしていたんだ……だが)

あの権兵衛があんな声を上げていたのだ。
非常事態には違いないとは思っていたが…こんな最悪の結末を迎えてしまったとは思いたくなかった。
赤と黒で染められた血の沼に倒れている男と権兵衛。
恐らくは相討ちだろう。いや、遠吠えを上げる余裕があった分、権兵衛が勝っていたのかも知れない。

(権兵衛がここにいるということは…勝治達は何処へ行ったんだ?)

権兵衛がここで死んでいるということは、勝治達もそう遠くへは行っていないはず。
だが、勝治達の姿はどこにもない。

(声を頼りに探すしかないか。だが…まずは早苗をどうにかしないとな)

権兵衛の死体を前に泣いている早苗へと声を掛ける。

「早苗…悲しむのはわかる。だが今はシャーロック達を探さないと危険だ」
「わかってます……分かってますけど…」

早苗はやはり相当なショックを受けているようだ。
最初から一緒に行動していた相手が死んだのだから無理もあるまい。
だが、シャーロックと勝治がトラブルに巻き込まれているのならば事態は一刻を争う。
できればすぐにでも出発したいのだが…少し発破をかけるとするか。

「早苗、権兵衛はシャーロック達を生かすために命をかけたんだ。それを無駄には出来ない。
ここでまごついてシャーロック達にもしものことがあったりすれば、それこそ権兵衛は無駄死にになる。違うか?」
「……でも」
「大丈夫だ。シャーロック達を見つけたらまたここへ戻ってくる。その時にみんなで一緒に権兵衛を埋めてやろう。な?」
「…はい」

目に涙を浮かべながら、早苗は頷いた。
そのままデルタイーグルに乗り込もうとするが、何かを思い出したかのように権兵衛の死体へと駆け寄っていく。
やがて戻ってきた早苗の手に握られていたのは、真っ白な羽。

「何をしてたんだ?」
「権兵衛さんの羽です。私と権兵衛さんは同じ世界から来ましたから、権兵衛さんの知り合いに伝えて…あげないと」
「そうか」

そうして、デルタイーグルは走り出す。
その小さくなる後ろ姿を、一匹の妖怪の亡骸が見つめていた。



◆◆◆

74 ◆czaE8Nntlw :2013/06/20(木) 21:05:09 ID:qZ0/4aSE0



森の中に並ぶ二つの骸。
何一つ動く者の無いはずの場所で、一つ声がする。

「ああ、今回は駄目だったよ。アイツは話を聞かないからな」

声の主はルシフェル。彼は携帯電話を手に歩いていた。

「いいんじゃないかな。アイツは少し暴走していたしね」

通話しながら、譲治の死体を見下ろす。
主催者側の人間が倒されたというのに、その声は落ち着いている。

「私のサポートが心配なのか?……いや、君の頼みは断れないよ。“運営は絶対”だからね」

そう言って電話を切ると、宇理炎を取り出して権兵衛の死体と見比べる。

「邪神になろうとしていた妖怪ならあるいは、と思ったが…遅かったようだ」

ルシフェルはそう呟き、指を鳴らしてその姿を消した。





【権兵衛@幻想入り】 死亡
【右代宮譲治@うみねこのなく頃に】死亡
【海東純一@仮面ライダーディケイド】 死亡

75 ◆czaE8Nntlw :2013/06/20(木) 21:06:05 ID:qZ0/4aSE0





【???/一日目・日中】

【ルシフェル@エルシャダイ】
[状態]:ダメージ(小)、鳩尾に打撲の跡と火傷
[装備]:新武器アズサ(破損)
[道具]:基本支給品、携帯電話、K´パッチ@MUGEN、宇理炎@SIREN
[思考・状況]
基本思考:主催側として殺し合いの進行役を務める
1:???
2:イーノックが死んだのか…残念だ…。
3:そういえばエレインも返して貰ってないな……。
※主催側の特別処置としてランダム品が5つ配られています。
※自分に課せられた制限に気付きました。
※通話の相手は不明ですが、少なくともサリーではないようです。




【E-02 E-03付近/一日目・日中】

【東風谷早苗@守矢一家コスプレ劇場】
[状態]:身体中に擦り傷と切り傷、疲労(中)、悲しみ
[装備]:小町の鎌@東方project
[道具]:基本支給品×2、 VGカード『幸運の運び手エポナ』@カードファイト!!ヴァンガード、権兵衛の考察メモ、電磁サイリウム(電池少)@COBRA THE IDOLM@STER 、
AT-4@魔法少女まどか☆マギカ、ランダム品2〜3個、権兵衛の羽
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いには乗らない。
0:権兵衛さん……
1:勝治とシャーロックを探す。
2:権兵衛を埋葬する。
3:神奈子様と諏訪子様が凄く心配。
4:守矢の巫女として信仰を集める。
5:あの少年はどこに行ったんでしょうか?
6:博麗神社は後で改めて訪れたい。
7:\  /
8:●  ● この会場では常識に囚われてはいけないのですね!
9:" ▽ "



【不動遊星@遊戯王5D's】
[状態]:全身に切り傷(軽傷、出血中)、疲労(小)、主催者達に怒り
[装備]:デルタイーグル@遊戯王5D's(操縦中)
[道具]:基本支給品×2、サイバーZ一号のベルト@真夏の夜の淫夢関連
ライダーズカード一式@仮面ライダーディケイド、沈黙の騎士ギャラティン@カードファイト!! ヴァンガード、
大量の玩具@現実、玩具を弄る為の工具@現実、武器になりそうな物@現実(包丁や鋸など)、無線機、
同行(アカンパニー)のカード@HUNTER×HUNTER×3枚、トンプソン・コンテンダー(0/1)@fate/zero、起源弾(65/66)
[思考・状況]基本思考:殺し合いの打破
1:勝治とシャーロックのもとへ向かう。
2:少年を捜索する。
3:ありがとウサギを止める。
4:先ずは首輪を解除する。
5:自分のカード達や仲間を探す。
6:田所に対する怒り、警戒。勝治を攻撃した誰かにも注意。
※勝治が今までしてきたことを聞きました。ただし、アルセーヌを覗き見してたことは聞いてません。
 また、田所(野獣先輩)が勝治に一服盛ったと思っています。
 また、ケンが生きてると言う勝治の説に疑心的です。
※勝治の首輪には不具合が起きていると推測しています。
※主催側に何か不都合な事が起きていると推測しています。
※権兵衛からリュウセイと少年(ムラクモ)の現状、危険人物の話を聞きました

76 ◆czaE8Nntlw :2013/06/20(木) 21:06:45 ID:qZ0/4aSE0





【E-03 山林/一日目・日中】

【シャーロック・シェリンフォード@探偵オペラミルキィホームズ】
[状態]:疲労(小)
[装備]:拡声器@東方M-1グランプリ
[道具]:基本支給品、手鏡@現実
[思考・状況]
基本:探偵として主催者を捕まえ殺し合いを終わらす。
1:誰かの助けを待つ。
2:リュウセイを追う。
3:リュウセイに勝治を会わせる
4:居るなら他のミルキィホームズや知り合いを探す。
※遊星の首輪と放送に関する考察を聞きました



【松岡勝治@人造昆虫カブトボーグ V×V】
[状態]:疲労(中)、頭部に打撲の跡、足に豆が出来た、ちょっと眠い
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、GOと10万円@真夏の夜の淫夢
サイバーZ二号のベルト@真夏の夜の淫夢関連
[思考・状況]
基本:殺し合いを止める。
0:…………。
1:リュウセイを追う
2:マミさん、リュウセイ、ケンが心配
3:田所(野獣先輩)を警戒
4:ケンは絶対生きてる
5:少年への軽い罪悪感
※遊星に今までしてきたことを話しました。ただし、アルセーヌを覗き見してたことは言ってません。
※田所(野獣先輩)が一服盛ったと思いこんでいます。
※放送には、嘘があると思っています。
※遊星と権兵衛の情報交換を聞いています。





【F-02 G-03付近/一日目・日中】

【ムラクモ@アカツキ電光戦記】
[状態]:貧血、疲労(大)、ダメージ(中)、右足に刺し傷(傷が開きました)、身体が十二歳程になっています
[装備]:六〇式電光被服@アカツキ電光戦記、十六夜咲夜のスカート
[道具]:基本支給品、マッド博士の整形マシーン、ポラロイドカメラ、電光戦車(ダメージ:中)@エヌアイン完全世界、外部AI(四時間使用不可)@MUGEN
[思考・状況]
基本:主催も含めて皆殺し。
1:さて、どうするか……。
2:無力な少年を装い行動する。
3:怪我の回復にも専念する。
4:外部AIが使用可能になるのを待つ。
5:オリーブオイルを入手しておきたいが……。




※E-02を中心として権兵衛の遠吠えが、E-03を中心としてシャーロックの声が周囲に響きました。




【トンプソン・コンテンダー@Fate/Zero】
衛宮切嗣の魔術礼装。
元は単発式の拳銃であるが、30-06スプリングフィールド弾仕様に改造されている。
使用する“起源弾”は切嗣の肋骨から作り出された特製の弾丸であり、被弾した者の魔術回路を「切断」し「繋ぎ合わせる」ことで
魔力を暴走させ、相手を傷つける効果を持つ。
ちなみに原作ではケイネス先生もお世話になりました。

【拡声器@東方M-1グランプリ】
毎度お馴染みのアレ。
出展に特に意味はなく、ごく普通の拡声器である。

77 ◆czaE8Nntlw :2013/06/20(木) 21:15:58 ID:qZ0/4aSE0
投下終了です。投下ミスによりご迷惑をおかけしました。

また、展開の都合によりwikiへの収録は四分割でお願いします。
タイトルはそれぞれ
>>60>>63「Operation TomodachiⅠ〜開戦〜」
>>64>>67「Operation TomodachiⅡ〜未来への咆哮〜」
>>68>>71「Operation TomodachiⅢ〜信仰はか弱き仲間の為に〜」
>>72>>76「Operation TomodachiⅣ〜闘争の支配者〜」

でお願いします。

78 名無しさん :2013/06/20(木) 23:38:23 ID:hndOYcG20
おお、投下乙です
権兵衛…静かながらも熱い死に様だった
譲治…結局知的な犯人とはなんだったのか
ニーサン…安定の腹パンに台詞だったぜ
勝治…またお前か

そして拡声器を使ったシャーロックはどうなってしまうんだ
声さえ届けばリュウセイさんとアルセーヌは来てくれるだろうけど
近くにはジャギにケンシロウ、下手すりゃにとりも聞く可能性もあるしな…
果たして最初に辿り着くのは対主催かマーダーか
とても続きが気になる終わり方でした

79 名無しさん :2013/06/21(金) 00:18:10 ID:8N7V8xWY0
投下乙です
おそらくこのロワ最高のボリュームで書かれていて面白かったんですがいくつか気になるところが
まず海東は前回の話では早苗とムラクモを利用しようとしていたのに、この話ではいきなり殺そうとしています
あとシャロはアルセーヌとは敵対関係です(アルセーヌの正体のアンリエットとは仲間ですが)
なので仲間感覚でアルセーヌを呼ぶことはないと思います
あと遊星の口調に違和感がありました

シャロと遊星は多少セリフなどに問題があるだけですが、海東は今の展開だとまずいと思います

80 名無しさん :2013/06/21(金) 01:56:30 ID:AN2eHnb20
確かに遊星は鬼柳を京介とは言いませんね
あとニーサンもあっけなさすぎる気が…

何はともあれ投下乙です

81 名無しさん :2013/06/21(金) 02:39:39 ID:7KGUjldA0
ニーサン、電光戦車に頼りっぱなしでグレイブに変身しなかったのは何でだろ?
まだ変身使用時間が来てなかったかな

82 ◆czaE8Nntlw :2013/06/21(金) 05:33:14 ID:8YEyYnNY0
多くの感想と指摘ありがとうございます

確認したところ、確かに矛盾点が多すぎるため書き直したいと思いますので、
この話は破棄ということで構いません
確認&把握不足によりご迷惑をおかけしました

83 名無しさん :2013/06/21(金) 07:31:02 ID:tgVxNfS.O
>>82
書き直すってことはつまり破棄ではなく修正して再投下するってことでいいんですよね?
個人的には好きな点も多いので応援してます

84 名無しさん :2013/06/23(日) 04:00:52 ID:Xvh7AUi.0
俺も応援してるぞ

85 名無しさん :2013/07/03(水) 21:14:52 ID:ldvbxi2I0
かれこれ始まってから1年4ヶ月でまだ2回目定時放送ってのは随分遅く感じられるな
エルシャダイやあいさつの魔法もブームは過ぎ去ってしまったし
このペースで行けばゲーム終了まで実に4年以上掛かるし
終盤間際には他の人から見れば「誰だコイツ?」なキャラのオンパレードになってそうでなぁ

86 名無しさん :2013/07/03(水) 21:46:47 ID:NMZS4hXM0
序盤はいいペースだったんだよ……
それに最近のニコニコは流行りのものが凄まじい早さで変わって行くし
仕方無い事なのかもしれない

87 ◆ei404TFNOs :2013/07/04(木) 00:40:25 ID:bN3nmrC60
遅くなりました。
ケン、星君、キルリアを投下します

88 真実 ◆ei404TFNOs :2013/07/04(木) 00:42:51 ID:bN3nmrC60
「どうして人間の君が人間を殺そうとするんだい?」
 
 人間を探して歩いていると星君が言った。
 キルリアは最初、言葉に意味がよくわからなかったが、すぐに合点がいった。
 自分は今人間の姿をしている。会ったばかりの星君からすれば人間だと思って当然だ。

「星君。私は人間じゃないんです」

 キルリアはこれまでの経緯を星君に話す。
 人間の姿になった理由だけでなく、何故人間を殺したいと思ったかも。
 どうやら星君はキルリアを変身させた石が特に気になったらしい。石について質問をしてきたが、生憎キルリアにもこの石の事はよくわからなかった。
 そうして話し終えたところで星君が言った。

「キルリア。たなびたいことがあるんだ。ちょっと」
「はい?」
「一度でいいから、君の変身するところを」
「どうしてですか?」
「疑うわけじゃないけど一度見ておきたいんだ。君の本当の姿を」

 感情のない星君と違ってキルリアが人間じゃないという根拠は自身の証言しかない。だから一度見ておきたいと星君は思ったのだろう。そのことはキルリアにもわかった。
 しかし変身はやろうとしてやったことではなく、石に触ったら偶然起こったことだ。自分の意志でもう一度変身できるかはわからない。キルリアはそのことを星君に伝えた。

「でも、できる可能性もあるんだろう? 一回きりやってみせてくれれば、それで僕は満足するんだ。お願いだから……ねね、いいだろう?」

 そこまで言われては断るわけにもいかない。キルリアは石を握りしめて、元に姿に戻ることを強く願った。
 すると突然自分の身体が光を発した。人間に変身した時と同じ光。キルリアは自分の身体が小さくなっていくのを感じた。


● ● ●


 キルリアの発した光に星君は思わず目を瞑った。目蓋の上から感じる眩しさが消えたところで目を開ける。するとそこには見たこともない生物へと姿を変えたキルリアの姿があった。
 しばし、キルリアが自分の身体を眺めているのを待ってから星君は言った。

「それが君の本来の姿なのかい?」

 キルリアが視線を自分の身体からこちらへ向け言う。

「はい。そうです」
「じゃあ元の姿に戻ることはできたんだね。もう一度人間の姿になることはできる?」
「やってみます」

 キルリアがもう一度石を握り締める。先程と同じように全身が光り始め、それが収まるとやはり人間に姿になったいた。

「どうやらその石の力を使えば自由に姿を変えられる様だね」
「はい。これで私が人間じゃないって信じてもらえますよね」

 信じてもらえるのが嬉しいのか、キルリアが弾んだ声で言う。
 実のところ星君が変身を見たいと言ったのはキルリアが人間じゃないことを確認したかったではない。キルリアを変身させた石の力を見たかったからだ。
 キルリアの人間を殺したい理由を聞いたとき、内心星君はがっかりした。
 彼女の動機は突発的なものであり、些細な出来事で考えが変わりそうに思えたからだ。
 しかし石の話は興味を引いた。キルリアの姿を変え、力を与えたその石があれば自分も力を得ることができるのではないか?
 もし彼女の利用価値が低そうならば彼女を殺し、石を奪ってもいいだろう。
 だがそんな考えはおくびにも出さず、星君はキルリアへ返事を返す。

「ああ。一緒にドゥンドゥン人間を殺そう」
「はい」

 キルリアが答えた――瞬間。
 何かがこちらに向かってくるのが目に入った。何かは避ける暇も与えず星君の胸に当たり。彼の身体を大きく吹き飛ばす。
 星君を悲鳴をあげる暇もなく、一瞬の内に意識を失った。


● ● ●
 

「星君!」

 キルリアが叫ぶが星君から返事はなかった。キルリアは駆け寄りたい衝動を抑え、彼を襲った物体へと目を向ける。
 クワガタの様な形をした、人の手ほどの大きさの小さな青い車。一見玩具の様にしか見えないがそれが星君の意識を一撃で奪ったものの正体。
 車はクワガタの角をこちらに向けると、キルリアの頭目掛けて真っすぐ飛びかかってきた。キルリアは横に跳んでそれを避ける。車はキルリアの後ろへと飛んでいくと、そこに居た少年の前に降り立った。
 おそらく先程の話を聞いていたのだろう。キルリアは感じ取った。その少年が放つ燃え盛る炎の様に強い怒りの感情を。

「許さない。俺は絶対にお前たちを許さないぞぉぉぉぉぉぉぉ!」

89 真実 ◆ei404TFNOs :2013/07/04(木) 00:45:36 ID:bN3nmrC60

 
 ● ● ●


 龍勝ケンは走っていた。まるで何かから逃げるように。いや、実際に逃げていた。先程まで一緒にいたお姉さん♂達から。
 いったい何故こんなことになってしまったんだろう。
 ダイナイマイツお姉さんと一緒に居ると思っていたら、いつの間にか筋肉ムキムキのおっさんと一緒にいた。何を言っているのかわからないだろうが、ケンにも何が起こったのかわからなかった。
 
「何でだ……どうしてこんな目に遭うんだ!」

 ケンは叫び、脇目もふらずただひたすらに走り続ける。だが足元への注意が散漫になっていたのか。足が木の根に引っかかり転んでしまう。

「うわっ!」

 受け身はとれたので痛みはないが歩みが止まってしまった。お姉さん♂達に追いつかれる恐怖に駆られ、後ろに振り向いた。

「……あれ」

 後ろにお姉さん♂達の姿は影も形もなかった。いつの間にか振りきれたらしい。
 安心したらどっと疲れが押し寄せてきた。そのまま立ち上がらずに木に寄りかかって座り込む。
 しばらくそこで休んでいると後ろから話し声が聞こえた。
 
「キルリア。たなびたいことがあるんだ。ちょっと」
「はい?」
 
 声からして話しているのは、おそらく男女の二人組だ。ケンは木の裏から覗きこむように顔を出す。
 少し離れたところに何か話している少年と少女がいた。少年の方は普通の服の上に何故か女物の服を着ている美少年だった。
 少女の方はおそらく中学生くらいの歳だろう。ダイナイマイツお姉さんの様なスタイルはないが、幼さを残した顔はかわいらしく、あれはあれでグッと来るものがある。
 彼女♂との思い出から一刻も速く逃げたかったケンにすれば、あの女の子は天が遣わした新しい彼女の様に思えた。
 立ち上がり彼女の方へ行こうとする。

「一度でいいから、君の変身するところを」
「どうしてですか?」
「疑うわけじゃないけど一度見ておきたいんだ。君の本当の姿を」

(本当の姿?)

 その言葉にケンは嫌な予感を覚えた。立ち止まり様子を伺う。

「でも、できる可能性もあるんだろう? 一回きりやってみせてくれれば、それで僕は満足するんだ。お願いだから……ねね、いいだろう?」

 少女が何かを握り締める。彼女の身体は光を発し、ケンは目を瞑った。少しして目を開けるとそこに少女の姿はなく、代わりにケンの知らない謎の生物が居た。

90 真実 ◆ei404TFNOs :2013/07/04(木) 00:47:23 ID:bN3nmrC60

(な……なんだよ……これは?)

 その光景を見て、ケンには思い浮かぶ出来事があった。
 直前までニャンニャンしたいたダイナイマイツお姉さんがオッサンに変わったあの出来事。
 どちらも美少女が突然別のものになったという意味では同じ出来事。
 そう考えた時、ケンの脳内に電流が走った。
 単純なことだ。お姉さんも少女も違う何かが化けた姿だった。ただそれだけのこと。
 ケンは混乱するあまり、自分が幻覚でも見ていたのではないかとも思ったがそうではない。単に騙されていただけだったのだ。 
 ケンの中でお姉さん♂達への恐怖が消え、怒りがこみ上げてくる。
 だがふと考える。女に化けているのはあのオッサン達と今前方にいる謎の生物だけなのだろうか?
 自分は偶然にもそんな人物達に立て続けに出会ったのか?
 思えばこの三人を似ぞけば自分があった女は、田所を殺そうとしていた巴マミという女だけ。
 しかしとはろくに話もしていない。その正体が男が人外であった可能性も十分考えられる。
  
「そうか……そういうことだったのか!」

 ケンは全てを理解する。
 お姉さんや少女だけではない。この会場にる女は全て別の何かが化けたものだったのだ! 

「ゆるさねえ……」

 ケンの中でさらに強い怒りが沸き上がる。
 自分を騙し、弄んだオッサン達への、これから先誰かを騙すつもり謎の生物への、そしてこの会場に居る全ての、女に化けた者達への怒りが。
 ケンはエレクトリカル・スピードワゴンを構え正面を向く。そこではいつの間にか女の子の姿に戻った謎の生物と少年がなにか話している。だが怒りに染まったケンの耳にはまったく聞こえなかった。
 エレクトリカル・スピードワゴンの降臨を地面に擦りチャージをする。まず狙うの少年の方だ。あいつも女もの服を着ているのだからその手の輩なのだろう。先にあいつを倒してから謎の生物の方をボコボコにする。

「いけ。エレクトリカル・スピードワゴン!」

 憎しみの込もったチャージ・インでエレクトリカル・スピードワゴンを放つ。
 エレクトリカル・スピードワゴンは狙い通り少年の胸――女物の服を着ている部分――に命中。彼の身体を吹き飛ばしその意識を奪った。
 隙かさずUターンしさせ謎の生物へと跳びかからせる。だが、謎の生物は横に跳んでそれをかわした。
 ケンはエレクトリカル・スピードワゴンを自分の前で着地させ、再び謎の生物の方を向かせる。

「許さない。俺は絶対にお前たちを許さないぞぉぉぉぉぉぉぉ!」

 怒りに震えるケンの耳には放送の音もやはり聞こえなかった。

91 真実 ◆ei404TFNOs :2013/07/04(木) 00:52:51 ID:bN3nmrC60

【H-04/1日目・日中】

【龍昇ケン@人造昆虫カブトボーグ V×V】
[状態]:疑心暗鬼 激しい怒り
[装備]:エレクトリカル・スピードワゴン@人造昆虫カブトボーグ V×V
[道具]:なし
[思考・状況]
1:目の前の謎の生物をボコボコにする
2:さっきのオッサン達もボコボコにする
3:その他の女に化けている奴らもボコボコにする

※松岡勝治が死んだと思っています
※正気に戻りましたが、錯乱しています
※この会場にいる女は全員、男か謎の生物が化けたものと思っています


 【星君@チャージマン研!】
[状態]:気絶、右手に野獣先輩のアレが付着
[装備]:金属バット@現実 、キリン装備@モンスターハンター
[道具]:基本支給品、双子シグナーカードセット@遊戯王5D's、謎の白い液体@THE 世界遺産、王宮内で手に入れた食料と武器、フランクのカメラ@デッドライジング、
射命丸のカメラ(30/30)@東方Project、士のカメラ(30/30)@仮面ライダーディケイド、射影機(30/30)@零〜zero〜、カメラのバッテリー@現実×2、十四式フィルム(30/30)@零〜zero〜×2、フィルム@現実(30/30)×3
[思考・状況]基本思考:母星や仲間のために殺し合いに乗る。
0:気絶中
1:キルリアを利用。使いないようなら石を奪う。
2:チャージマン研は最優先で抹殺する。
3:チャージマン研、アルセーヌ(名前は知らない)を警戒(特にチャージマン研)。
4:これから毎日、不意討ちしようぜ!
※参戦時期は不明。あとの人にお任せします。
※制限により姿は星君のままです。
※ジュラル星人には感情が無いので、キルリアは感情を読み取る事が出来ません。
※キルリアのコレまでの経緯を聞きました

【キルリア@ポケットモンスター】
[状態]:擬人化、ダメージ(小)
[装備]:地の石@仮面ライダーディケイド、 破魔の紅薔薇@Fate/Zero
[道具]:基本支給品
[思考・状況]基本:ラミエルさんの想いを胸に強く生きる
1: 目の前の少年を倒す
2:星君に協力する
3:チャージマン研を警戒
※キルリアは地の石の力によって擬人化しました。キルリアとしての能力は使用可能であり、人語も話すことができます。
 姿はこちらの動画の58秒のものに近いと考えられます。
 ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm12902621
 また、地の石を損失した場合、元のポケモンの姿に戻るでしょう。

92 ◆ei404TFNOs :2013/07/04(木) 00:59:20 ID:bN3nmrC60
投下終了です。遅くなってしまいすいません。
何かミスがあったら遠慮なく言ってください。
慌てて投稿したので誤字や脱字があるかもしれません。読みにくかったらすいません。
見つけたらwiki収録後に直そうと思います。

93 <削除> :<削除>
<削除>

94 <削除> :<削除>
<削除>

95 <削除> :<削除>
<削除>

96 名無しさん :2013/07/04(木) 13:51:34 ID:g8VkO6eQ0
>>94
メアリーとか芳香のように参加枠に入れられなかったからと、支給品枠で出そうとするのあったなw

97 名無しさん :2013/07/04(木) 19:58:39 ID:qgmWx4.IO
βのテルヨフ、変態小悪魔なんかもそうだったな

98 名無しさん :2013/07/04(木) 20:16:27 ID:enwAqGdA0
翠星石なんかもな……
初代には銀様も居たしあいつに関しちゃ普通に参加者枠に居ても良さそうな感じだったのに
何故支給品なんだ

99 名無しさん :2013/07/05(金) 06:10:43 ID:3I.fU2NU0
書き手になってみようかなーと思ったらホスト規制とか出て書き込めん
何かの巻き添え喰らってるみたいで残念だ

100 名無しさん :2013/07/05(金) 11:04:42 ID:5I127ShE0
>>99
それはしたらばで予約ができないってこと?
巻き添えならしょうがないから本スレで予約してもいいんじゃない

101 ◆k5V1srvipM :2013/07/05(金) 20:26:40 ID:3I.fU2NU0
>>100
うん
問題なければルシフェル、ゆっこ予約します

102 名無しさん :2013/07/06(土) 02:26:57 ID:Rou.dr/c0
最近予約が増えて嬉しい

103 ◆k5V1srvipM :2013/07/06(土) 05:34:01 ID:zJmiB0AI0
投下開始します
タイトルは「何だ!ルシフェルっていい奴じゃん!」

104 ◆k5V1srvipM :2013/07/06(土) 05:35:41 ID:zJmiB0AI0
「はぁ…はぁ……つ…疲れた…」
ゆっこがその場に膝をつく
「もうへばるの?間に合わないよ〜?」
「バリカンはロボットだからいいけど、私は人間なんだよ!走れば疲れるんだよ!」

文句を言いながらもゆっくりと立ち上がり、小走りで再び前へ進む。
実は走り出してから30分とたってない、距離にしてもせいぜい1エリア半分ぐらいである。
正直の所実はいい加減うっとおしいのでバリカンを途中で撒こうとしていたが、話し相手もいないのに走り続けるのはちょっと寂しかったのでやめた。
動けば当然、その分他の人に見つかりやすくなるが、このゲームが殺し合いであると伝えられている以上、それが必ずしも仲間になるとも限らない。
もっともこの12時間、このロボットと死体以外誰とも出会ってないのでそもそも人と出会えるかどうかも怪しい。

ゆっこはここで再び後悔をした。
誰だよこんな無茶な提案をしたの。はい、自分です。

船の方にも新たに問題がある事に気がついた。
14:00までに船に到着するだけでは駄目なのだ。
船に到着した後に船を操作し、尚かつ14:00までにH-01を脱出しなければならないのである。
というか着いてもゆっこには船の動かし方なんてわからなかった。
確定的な勝算など無い。無謀だと薄々気づいていた。

(でも…何もしないよりは…!
…後いい加減人に会いたいし)

_偶然なのだろうか?
 読み手の皆さんには現在位置表を確認してもらえるとわかるが
 現在ゆっこのいるC-06のエリアとH-01のエリアにある彼女とロボットの目的地、豪華客船エスポワール。
 これを直線でつなげると_

 なんということでしょう!

 どの参加者とも重なりません!
 神懸かりなぼっち!移動しても誰とも出会えない!
 特に理由のないぼっちがゆっこを襲う!


そんな事も知らずに走り続けるゆっこはお笑いだったZE☆


(´・ω・`) (´・ω・`) (´・ω・`) (´・ω・`) (´・ω・`) (´・ω・`)

105 ◆k5V1srvipM :2013/07/06(土) 05:36:12 ID:zJmiB0AI0


___さて、次はどこへ行くか…?

 ん?どうやら気になる子がいるね?
 でも、ゲームに乗る気はなさそうだし、ここでクマに殺させても問題ないんだが…

ロックオンを本屋から動かし終えたルシフェルは次の興味の対象を見つけた。
その対象は、不思議な事にゲーム開始から12時間ずっと支給品以外と会話していない参加者、相生祐子である。

ルシフェルが見る限り、彼女は現在進行形で走って移動しているが、その先に参加者はいない。
ルシフェルが思うに、おそらく何かの施設を目指しているのだろう。
今現在彼女の進行方向にあるのは、奇跡の部屋を組み込んだ博麗神社と豪華客船エスポワールである。
だが博麗神社のあるE-04は13:00に、エスポワールの存在するエリアのH-01は14:00に、それぞれ禁止エリアとなる。
距離的に博例神社へ行くのは可能かもしれないが、坂道の影響もあり常人の脚力では素通りが精一杯である。探索をしている時間などほぼ無い。

そうなると彼女が向かっていると考えられるのはエスポワール号である。
こちらは神社と違い一定のスピードを持続しつつ移動できれば数十分の余裕を持って到着できるだろう。
さらに動かす事ができれば、禁止エリアになる前にエリアからの脱出も不可能ではない。

だが、数十分の余裕を持つといってもそれはあくまで一定のスピードを持続しつつ移動できればの話である。
ここまでの距離を移動するとなれば体力の問題も出てくる。
さらには到着できたとしてもその船を操作し、エリアから出るだけの時間の余裕も必要となる。

そして、彼女には船を動かす技術があるとは考えにくい。
無謀とも思える行為である。事実、ルシフェルも最初はそう思った。

しかし、ルシフェルはそこに興味を持った。

「動かしてみるか…」


----

106 ◆k5V1srvipM :2013/07/06(土) 05:36:40 ID:zJmiB0AI0
「きゃっ!だ、誰!?」
「いきなりなんでゲスか!?」
「やあ、随分と頑張ってるみたいじゃないか」

目の前に突然現れた人に二人(厳密には一人と一匹?)は足を止めて驚いた。
目の前の男は喋り続ける。

「君たちを見ていると興味がわいてきてね、ちょっと手伝ってみたくなったんだ」
「あ、あんたはだれなの!?
 この殺し合いにのっているの!?」
「ああ、のっているよ。もちろん今君を殺す事もできる」
「ヒィィ!怖いでゲス!」

バリカンがゆっこの後ろに隠れる。

「でも今の所私は君たちを殺す気じゃないな」
「じゃ、じゃあなんでここに!?」

「そいつはさっき言っただろう。君たちに興味を持ったと」

そう言ってルシフェルが指を弾く。
その瞬間ゆっことバリカンの視界が一瞬暗転し、すぐさま見慣れない景色の中へと放り出された。

「あ、あれ!?ここ、どこ!?さっきの人は!?」

二人は突如変化した世界に混乱し周囲を見回す。

「ん?あ、あれを見て!」

バリカンが背後の建物を指差す。
その指先にある建物にはハイアットホテルの文字があった。

「嘘!?じゃあここって…」

ゆっこが急いでデイバックの地図を広げる。


「やっぱり!ここG-02の冬木市ハイアットホテルの前だよ!」

ゆっこが地図を指差す。

「つ、つまりどこなの?」
「船のすぐ近くだよ!」
「エ゛ェー!?て、てことはあの人は僕たちをここまで飛ばしてくれたの!?」
「そうみたい、理由はわからないけど…」
「と、ともかく、早く行こうよ」

二人は船へと歩を進める。

(誰だかわからないけど…人に会えてよかった…!)

ゆっこは今悲しみを忘れ、足取りが軽くなり、とても満足そうな顔をしていた。
どのような形であれ、支給品以外の人と会えた上、こんなところまでショートカットしてくれたのである。
既に彼女の頭の中ではぼっち脱却の喜びのあまり、彼がマーダーであった事も、それだけの強大な力を持った者だと言う事も、忘れ去られようとしていた。

107 ◆k5V1srvipM :2013/07/06(土) 05:37:38 ID:zJmiB0AI0


【G-02/1日目・日中】

【相生祐子@日常】
[状態]:健康、死への恐怖とそれに伴う悲しみ(若干克服)、若干希望を持ちつつある。ぼっち脱却
[装備]:バリカン
[道具]:基本支給品、一本満足バー×28inファミマの袋@アサヒフードアンドヘルスケア、
バトルロワイアルガイドブック@ニコロワγ
スポンジボブ@ハッキョーセット、でかいきんのたま@ポケットモンスターBW
キチガイレコード@チャージマン研!
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いには乗らない
0:何だったんだろう今の人?
1:エスポワールへと向かってみる
2:研君を探しに行きますか
3:危険地帯…恐るべし…!
4:もっといい道具が欲しかった
5:研君の そこにシビれる 憧れる
6:なのちゃんに続く新しいロボットの知り合いができて嬉しい
7:………死にたくないよ
※ジュラル星人と研の関係、泉家の家族構成を簡単に知りました。
※精神がわずかに不安定になっている可能性があります。
※民家の地下でニコニコ危険地帯を発見しました

【バリカン@チャージマン研!】※意思持ち支給品
[状態]良好、首輪なし、愛称で呼ぶ程度にはゆっこを信頼
[思考]
基本行動方針:ゆっこと一緒に研を探す。見つけたら保護してもらう。
0:さっきのは何だったんだろう?
1:何か胡散臭そうな船でゲス
2:ゆっこと行動。
3:終わったらゆっこがジュラル星人の存在を知らない事について話し合う
※機能に何らかの制限が課せられているかもしれません。
※ゆっこの交友関係を軽く知りました。
※星君を警戒対象に入れてないのは、彼がジュラルであることを知らないからです
※参戦時期は最終回よりも前のどこか。魔王については面識があるか見たことはあります


共通:ガイドブックで見逃している箇所があるかもしれません。


----

108 ◆k5V1srvipM :2013/07/06(土) 05:38:14 ID:zJmiB0AI0


「すまないな、君の出番が無くて
まあそう怒らないでくれ、君が活躍できる場はまだあるし、何より君の相手には彼女は力不足だ」

クマは少し不満そうにうなる。

(…私もなんでこんな事をしたんだろうな…私の役目はあくまで殺し合いの進行役なのだが…)

「まあいい、行くぞ」

ルシフェルはまたクマを連れて別の場所に向かった。


【?-??/1日目・日中】

【ルシフェル@エルシャダイ】
[状態]:ダメージ(小)、鳩尾に打撲の跡と火傷
[装備]:新武器アズサ(破損)
[道具]:基本支給品、携帯電話、K´パッチ@MUGEN、宇理炎@SIREN
[思考・状況]
基本思考:主宰側として殺し合いの進行役を務める
1:???
2:イーノックが死んだのか…残念だ…。
3:そういえばエレインも返して貰ってないな……。
※主催側の特別処置としてランダム品が5つ配られています。
※自分に課せられた制限に気付きました。

【クマ@よもやま四方山】
[状態]:胴体切断(回復)、触手の長さ大幅に減少、ダメージ(中)、ボーガーとしての覚醒
[装備]:アークル(胃の中)@仮面ライダーディケイド(クウガ)、首輪(胃の中)
    アイスバーン・ワイルド・ワイルド・シャウト@人造昆虫カブトボーグV×V
[道具]:無し
[思考・状況]基本:最強のボーグバトラーになる
1:ルシフェルと行動する。
※クマは胴体切断により全長が短くなっています。
※アークルを取り込んだことである程度の再生能力を得ました。
 このまま何か肉体的変化は起こるかもしれないし起こらないかもしれません。
※ボーガーとして覚醒した影響で、思考の変化と人語を理解できるようになりました。
※二人が次にどこへ向かうかは次の書き手さんにお任せします

109 ◆k5V1srvipM :2013/07/06(土) 05:40:21 ID:zJmiB0AI0
投下終了
大きな問題点等あればバンバン言ってください

110 名無しさん :2013/07/06(土) 11:24:48 ID:164xL6XY0
投下乙です
タイトル的にルシフェルがファンサービスするかと思ったけどそんなことはなかった
ゆっこはついにぼっち脱却か
と言ってもエスポワールの近くにもだれもいないからなぁ
またぼっちになる気もする

111 名無しさん :2013/07/06(土) 22:19:31 ID:NgSz4fdQ0
投下乙です
ゆっこは以外といい方向に流れてるな
地味に激戦区になりそうな辺りから遠ざかってるし近くにはメイトリックスも居るし

それにしても最近は投下が多くて良い傾向だ
ドゥンドゥン投下しようじゃねぇか

112 ◆k5V1srvipM :2013/07/07(日) 14:48:22 ID:MgFGPU.U0
にとり、アルセーヌ、リュウセイを予約します

113 名無しさん :2013/07/07(日) 15:36:14 ID:ZEXMUyKE0
あれ研は?
リュウセイさん達と一緒に居るから予約しなきゃ不自然だけども

114 名無しさん :2013/07/07(日) 16:07:24 ID:dAqqrk1g0
>>113
リュウセイさんとアルセーヌは研を民家に置いて学校へ向かったから研出てなくても問題ないよ

115 ◆k5V1srvipM :2013/07/07(日) 22:40:07 ID:MgFGPU.U0
投下します
タイトルは「マーダーにしてはかなり控えめで邪悪ではない方だ!」です

116 ◆k5V1srvipM :2013/07/07(日) 22:40:36 ID:MgFGPU.U0
「さて、食休みも済んだし、食べ物を探しにいこうかな」

ゆっくりと、血とオリーブオイルに塗れた少女、河城にとりは立ち上がる。
どちらにせよ、もはや廃墟と化したこの部屋_否、部屋だった場所に居着いても決して気持ちのいい物ではない。
そう思って歩いて廊下に出た時、ふと彼女は思い出した。

(そういえばドラえもんと支給品と首輪を回収してなかったっけ)

なんだかんだでにとりはドラえもんの修理を済ませておきたかったし、
彼らのデイバックの中にはまだ武器となる物もあるかもしれない。
それに首輪のサンプルが4つも手に入るのは大きな収穫だ
ニトリは踵を返し、死体のデイバックを物色する。




---




にとりはまた後悔をした。これもまた自業自得といえばそうなのだが。

彼らのデイバックの中に武器と成り得る物はほぼ無かった。
あれだけ派手に戦ってしまったため、みんな武器を消費しきってしまったのだ。

一応食料となる物は基本支給品合わせて余るほど手に入ったが、既に一線を越えた彼女がこんな物で満足できるはずが無い。
一人のデイバックの中からは散弾銃と思わしき物が出てきたが、中の弾を確認すると構造的に見てただの水鉄砲であった。

他のバックからは刃の入った容器のような物も発見したが、説明書を読むと容器に入れた物を粉砕する機械らしい。
非常に強力で、電球、磁石、喋る人形、牡蠣(殻ごと)、ビデオカメラ、iPod、iPhone、果てはコーラを缶ごと粉砕してしまう物と書いてある。
iPodやiPhoneが何の物体を意味するのかはよくわからないが、磁石やカメラを壊せるなら人間や妖怪の骨も壊せるだろう。
骨ごと砕けるなら調理には最適かもしれない。

少し興味を持ったにとりは試しにコンセントのある場所を探し、
狙撃中の残骸を粉砕してみる事にした。
早速その残骸を容器に入れ、スイッチをポチッと入れる。
が、

動かない。

「あれ〜?壊れてるのかな〜?」

117 ◆k5V1srvipM :2013/07/07(日) 22:41:34 ID:MgFGPU.U0

にとりは首を傾げる。
別にこのミキサーが壊れていたわけではない。
このミキサーの消費電力は1500Wであり。通常のコンセントの許容電力も1500Wである。
他の電力を使用しなければギリギリ使えるように思えるが、実はそうでもない。
『待機電力』という物を皆さんはご存知だろうか。
コンセントに接続された家電製品などが、電源の切れている状態で消費する電力の事である。
ここには他にコンセントに差さっている物など無いように思えるが、待機電力は必ずしもコンセントに差さった製品だけにあるわけでは無い。
そう、部屋の照明である。
普通、照明器具の待機電力は無いのだが、最近の蛍光灯式電球は瞬間点灯方式のものがあり、
それらは余熱回路などで待機電力がかかっているのだ。
最近の学校施設の設備の充実さは目をみはる物がある。
結果、消費電力が高すぎてスイッチを入れたと同時にブレーカーが落ちてしまったのである。
無論今は昼間であるため電灯は点いておらず、ブレーカーが落ちたと判断できる物も無い。
仕方ないのでにとりはミキサーを調理器具として使うのは保留し、後々修理する事にした。
もっとも、ミンチにしたいだけなら、アレがあるからそこまで重要でもないのだが、アレでは臭いが着いてしまうのでやはり使えるようにした方がいいか。

一通り支給品を自分のデイバックにいれて再び食料探しに戻ろうとした所で2回目の定時放送の時間となった。




____




___フフフ…。ここからじゃ返事が聞こえないのが残念だよ。

      そうそう、次の放送はこの俺が担当する。それまで精々生きててくれ』

アルセーヌが地に伏せる。



               遅かった。



             間に合わなかった。



震える手で地図を取り出しそこに禁止エリアを書き込む。



      あの場にいた仲間は全滅したのだ。4人全員__



 自分が判断を誤った事より、自分だけが別の場所で生きている事を悔いた。

118 ◆k5V1srvipM :2013/07/07(日) 22:42:07 ID:MgFGPU.U0
「お、おい!どうしたんだ!まさか…お前の言ってる奴らが死んだのか?」

「ええ…みんな…死んだわ…全員…」

「っ…!」

リュウセイは絶句した。

そして、急にアルセーヌは走り出した。

「あ!おい!待て!落ち着くんだ!」

リュウセイは困惑した。
何故二人が殺されているとわかっているなら殺人者がいるかもしれない場所に向かうのか?
死体探しにしても少し時間が経ってからでも良い筈だ。
何故二人の後を追うような事をするのか?

最も、アルセーヌと離れるのはそれ以上に心配だったので結局自分も追いかける事になった。

道中、リュウセイは何故またケンが死んでいるのかという事に疑問を持ったが、後で考える事にした。



____




「ふむふむ、近くに禁止エリアは無しと」

職員室に移ったにとりはその場で見つけたタオルで血とオリーブオイルを拭きとり、その手で地図に禁止エリアを書き込む。

「し、しかしあの風見幽香までもが死んじゃうなんて…」

百年単位で生きている妖怪で幻想郷トップクラスの力を持ち、花園を荒らす物は人間、妖怪、幽霊、妖精、関係なく虐殺する真性のドS
絶大な力を持つ吸血鬼や毘沙門天の代理に続き、彼女まで殺されるとは…
一体どんなチート級参加者がいるんだ…?
この時、にとりは改めてここが恐ろしい殺し合いの場である事を理解した。

デイバックから工具とドラえもんとバトルドームをを取り出し、修理を再開する。
にとりは武器としても使えるかもしれないと思い、ちゃっかりバトルドームも回収していた。

修理の間、にとりは気になった事があった。
先ほどの放送で心臓発作で死んだといわれていた松岡勝治である。
最初の放送で二回呼ばれた時点で変だとは思っていたが、またしても呼ばれるのはどう見てもおかしい。
もし主催者側に何らかの思惑があるのなら本人に出会っていろいろ調べてみたいが、生憎彼らからは本人を知る者こそいたようだが居場所についてはわからなかったので、今はあきらめざるを得なかった。
もしかすると人間ではない不死の妖怪か何かなのかもしれない。そう思うと、にとりはまた腹の虫がなりだした。



  キ ッ ト 、 オ イ シ イ ン ダ ロ ウ ナ ァ … … …

119 ◆k5V1srvipM :2013/07/07(日) 22:42:46 ID:MgFGPU.U0


---




「はぁ…やっと追いついた…」

アルセーヌとリュウセイが校舎の前に建つ頃には、リュウセイは肩で息をしていた。
リュウセイは息を切らしながらアルセーヌを説得する。

「な、なんでここに来る必要があるんだよ…
 お前のいう奴らも全員殺した奴なのに…そんな奴にお前だけで勝てるわけないだろ!」

「…そうね、勝てる可能性は低いわ」

アンリエッタは扉を開けて校舎に入っていった。

彼女は、マーダーは彼らを全滅させた以上、付近に人物はいないはず、そうなると敵は待ち伏せをする意義は薄いと判断し新たな標的を求めて移動した、と考えた。
そしてここへ向かう途中で自分はマーダーと出会わなかったので、自分を捜しているわけではないと考えるべきだろう。
そう思えば、マーダーが再び学校に戻ってくる可能性は低い。
アルセーヌがここに向かった理由は単に死体確認だったのだがここへ向かう途中で学校が一時的な安全地帯になるとも考えたのだ。
仮に待ち伏せをしていたとしても既に4人も相手にしているならば、それなりのダメージも負っている筈だ。

そう考えたかった。

「おい、待てよ!待ち伏せされてたらどうするんだよ!」
「マーダーはおそらくここにはいないはず、彼らを全員殺したならもうここにいる意味は無いと判断すると思うわ」

リュウセイは何か腑に落ちない気分であったがそれきり文句はいわない事にした。

「ところで、一体どこから探すんd「伏せて!!」

リュウセイは驚いて尻餅をつくと同時にアルセーヌは木刀を構えた
緊張が走り一抹の沈黙の後、ふと聞き覚えのある音声が聞こえる。

「「…ラ…えも…ん…ドームも…出たぁ!!!!!」」

「だ、誰だ!?」
「静かに!」

アルセーヌは精神を研ぎ澄まして音の方向を確かめる。
周囲を探るが人の気配はない。

ゆっくりと二人は音のする方向へ向かう。

120 ◆k5V1srvipM :2013/07/07(日) 22:43:34 ID:MgFGPU.U0
「「ドラえもんバトルドームも出たぁ〜〜!!!!!」」

「「ドラえもんバトルドームも出たぁ〜〜!!!!!」」

「「ドラえもんバトルドームも出たぁ〜〜!!!!!」」

「「ドラえもんバトルドームも出たぁ〜〜!!!!!」」

「「ドラえもんバトルドームも出たぁ〜〜!!!!!」」


二人は五月蝿いくらい音が聞こえる職員室の前にたどり着いた。

「罠かもしれないぜ」
「それは最初からわかっているわ」

敵は待ち伏せをしていた。まずこの音は囮と見て間違いないだろう。
そうなれば敵は必ずこの部屋の中にいる。ここまでくると、逃げるわけにはいかない。
敵は透明だが有効な攻撃を一度でも当てれば、畳み掛ける事は不可能ではない。
では敵に攻撃を当てやすい瞬間はいつか?
まず姿を現した時、そして襲いかかるときだ。
前者の状況はほぼ有り得ないので襲いかかる時を狙うしか無い。

「あなた、武器は持ってる?」
「俺のトムキャット・レッド・ビートルならあるぜ!」

そういってトムキャット・レッド・ビートルをアルセーヌに見せる。

「玩具じゃないのそれ?」
「そうじゃないんだぜ!コイツには無限のパワーがあるんだぜ!まあ見てろって!」

リュウセイはトムキャット・レッド・ビートルをチャージインする。
それだけで辺りの埃が巻き上がり、周囲に大きな気が放たれた。
アルセーヌはちょっと理解できなかったが、期待度はともかく、武器として使える物では有るようだ。
リュウセイは別に戦いたいわけではなかったが、さすがに彼女一人では勝てそうにないと思い、一緒に戦う事にした。


アルセーヌがそっと扉に手をかける。
額に一滴の雫が溢れる

「開けるわよ」


ゆっくり、ゆっくりと戸を開いていく。
気配はない。
そっと、二人は部屋の中を覗く。
しかしそこにあるのは未だ一つの机の上で喋り続けているドラえもんBDだけである
部屋の中に何者かが動いているという様子はない。

「誰も…いない__?」
「逃げたのか?」

そんな筈は無い。
二人は慎重に入り口に足を踏み入れる。

121 ◆k5V1srvipM :2013/07/07(日) 22:44:10 ID:MgFGPU.U0
「__もしかして、本当は逃げるための囮d」


その時、リュウセイは不思議な感覚に陥った。
首に何かが当たったと思うと急に視界が床を向き、その床が急接近してきたのだ。
少し遅れて、ガラスがくだけるような音、同時にリュウセイの顔が地面と激突し、意識を暗闇へと変えた。




___




作戦は成功した。

さっき食べた人間たちの中に離脱した仲間が3人ほどいた。
その後結局戻ってきていた仲間もいたわけだが数が合わない。放送で仲間の死を聞きつければ死体を確認しに彼らが戻ってくる可能性も考えられた。
結局首輪の研究や修理に夢中になってしまい、窓からここに向かってくる二人を見るまで待ち伏せの方法を練ってなかった。
二人を確認したにとりは大方修理を終えたドラえもんのスピーカー部分を改造し、音量をできる限り上げた。
そしてそれをそのまま喋らせ注意を引かせる囮にした。
さらに自分は職員室の扉の廊下を挟んで反対側の窓を開け、そこから出て窓を閉め、窓枠に捕まって待機し二人が扉を開けて中に入るのを待った。

案の定、二人が囮にかかり扉を開け中に入ろうとした所を鎖付きバズソーで襲う事に成功したのである。
よもや部屋の外から襲ってくるなど誰もが考えつかなかっただろう。
普通、あのような囮があれば扉を開けた瞬間襲いかかってくるか、ドラえもんを手にした瞬間襲いかかってくるかぐらいの罠しか思いつかない物である。

「すごいなぁ…これ」

自らが手にした武器、鎖付きバズソーのヤバイ級破壊力ににとりは驚嘆する。
二人めがけて飛ばされた円盤の刃は窓ガラスを突き破って二人を切り裂くだけでなく、職員室の入り口までズタズタにしてしまった!コワイ!

この武器は確かに爪楊枝や氷輪丸に比べて非常に強力であるのだが、複数の欠点からにとりは使用できなかった。
まず、モーター音や鎖のかち合う音のせいで工学迷彩で身を隠しても存在が敵にばれてしまうのだ。
工学迷彩スーツで隠れながら行動するにとりにとっては致命的な欠点だった。
最も普通の人間を殺すだけなのであれば工学迷彩関係なしに殺せるような代物なのだが、
さらにさっきの戦いにおいても、この長い鎖のせいで取り出すのに時間がかかってしまうため、使えなかった。
しかし今回はこのドラえもんの声と窓ガラスでなんとかこのモーター音を隠せたのである。
そして短期決戦であれば姿がバレてしまうというデメリットも小さくなる。
取り出して装着するのも少し手間取ったがなんとか間に合わせる事ができた。

122 ◆k5V1srvipM :2013/07/07(日) 22:45:00 ID:MgFGPU.U0
割れた窓ガラスから中に入り様子を確認する。
すると横から急に何かが襲いかかってきた、にとりはそれを爪楊枝で受ける。
それはさっきの一撃を間一髪で回避したアルセーヌであった。
割れたガラスを踏んだ音でにとりの居場所を掴んだのである。
しかし致命傷を免れたといえど彼女は片腕を切り落とされていた。
アルセーヌが問う。


「…ぐっ…何故あなたは人を殺すの!?」

「誤解だよ!殺してないんかいないよ!私は人間が大好きだよ。あと妖怪も好きかも!

それと…あなたも人間だよね?」

嫌な気配を感じたアルセーヌは素早くバックステップする。
その軌道をバズソーがバウンドし、廊下を破壊しながら追いかける。
モーター音と火花に合わせて抉れる床で刃の動きは掴みにくいもののある程度予想できる。
こちらに近づく刃のようなものを木刀で打ちかえそうしたが、諦めて右手前に避けた。左肩をかするも浅い。
再びこちらに戻ってくる刃のようなものをジャンプで避ける。

今のアルセーヌの判断は正解であった。
もし、今投げられたのが日本刀のような物であれば受ける事はできたかもしれない
これは日本刀が『切る』武器だからである。
バズソーを木刀で受ければ木刀はちぎれ、彼女はネギトロめいた惨殺死体へと姿を変えていたであろう。
なぜなら、バズソーは元々鋸である、つまり『切る』武器ではなく『削る』武器だからである。


「…避ける事しかできないとなると、厄介ね…」

はっきり言ってあの武器は厄介だ、モーター音と鎖の音からしてチェーンソーかなにかに鎖を繋いで改良した物だろう。
そしてこの圧倒的なリーチ、予測しづらい刃の軌道、近づく事すらままならない。

だがどのような武器も弱点は有る筈だ。




徐々に後退しつつも、アルセーヌは攻撃を避けていた。
しかし、少しずつかすりや小さなダメージを繰り返しているが故に、既に彼女の衣服はボロボロであった。
さらに彼女は片腕を失っており、碌に治療もしていない。
どうにかして敵を倒すか逃げるかしなければ、どちらにせよ血液が足りなくなり死ぬ。
結果的に考えれば彼女はジリ貧である。

(鎖を千切れれば無効化できるでしょうけど…木刀じゃそれは無理ね…)

ここでアルセーヌは一つの策を思いついた。
鎖を足で押さえつければ動きを止められるのではないか?

しかしそれには問題点が有る。
足で押さえつけるだけでは返ってくる刃の餌食になってしまうであろう。
それを考えれば手で鎖を押さえつけ、それを一気にたぐればいい。
そうすれば敵はこちらに近づいてくる形になる筈である。
だが、今は片腕なので手が開いていない。そのため今持っている木刀を口にくわえるかしなければならないのだ。
口にくわえた武器では小回りが利かない。刃が顔の横を通れば木刀は千切れて使い物にならないだろう。
しかし、今現在でそれ以外の手は無い。

123 ◆k5V1srvipM :2013/07/07(日) 22:45:47 ID:MgFGPU.U0


破れかぶれでも、やるしかないわね_


アルセーヌは手に持った木刀を口にくわえ、一気に敵に近づいた。
にとりがバズソーを投げる。


(あの軌道だと木刀に当たる…!)


瞬時に上半身を曲げ木刀ごと体を回避させる。
しかし、避けきるには至らず、刃が腰の肉を抉る。


(ぐっ…でも…これで…!)


その瞬間、アルセーヌは虚空へ手を伸ばし、見えない鎖を____



      捕まえた。



手応えと同時に、鎖を一気に手繰る。


「うわわわわっ!」


すると目の前で何かが倒れる音がした。敵が突如鎖を引っ張られたので、バランスを崩し倒れたのだ。

(倒れた音からして敵との距離は1mも無いはず…!)

アルセーヌは手繰った鎖を足で押さえ、くわえた木刀を手に持ち、そして




鎖の延びる方向へ力の限り突きさした。



ぐしゃり。血と肉がはじける音。

124 ◆k5V1srvipM :2013/07/07(日) 22:47:12 ID:MgFGPU.U0
--


「な…なんで…」

アルセーヌの上半身が地面へ崩れ落ちる。


「シャロ_」


かすかな声でそう言い漏らすと、彼女は『食べ物』へと姿を変えた。




---




「ふぅ…危なかったよ…」

モーター駆動を止めたバズソーはゆっくりとにとりの手首に戻っていった。

「バズソーが2枚セットになっててよかったよ…」

先ほどまでの戦いではにとりはバズソーを左手しか使っていなかった。
右手は爪楊枝を手にしていたためである。それに左手だけでも十分な威力があった。
しかし、鎖を引っ張られ転んでしまった際に爪楊枝を落としてしまったのである。
結果として手が開き右手のバズソーを使って人間を倒せたのであった。
もし、あそこでバズソーで木刀ごと胴を切断せず、爪楊枝を持ったまま、それで応戦していれば、勢いを殺しきれず、致命傷を受けただろう。
運良く助かったにとりであったが…



「うぅ…酒臭い…」

神社にいる大酒飲みの鬼でもこんなきつい臭いはしないだろう。
服にも酒の臭いが染み付いてしまった。元々血の臭いが染み付いていたのだが、
この武器を使用しなかった理由はさっき挙げた理由に加え、この強烈なアルコール臭もあった。


このバズソーの元々の使用者、ジェノサイドはINWが作り出したゾンビーニンジャでありゾンビ特有の腐臭を隠すため、
常に酒を浴びるように飲んでいるのである。武器にまで臭いがこびり付いていても不思議ではない。


でも今は取り敢えず食事につく事にしよう。

ーーさっきはもう口にしないとは言ったけど…

人間では少し満足できないが、まだエネルギーが足りないのでしかたなく食べる事にした。
今度は調理器具やオリーブオイルも用意できたので少しはおいしく仕上げられるだろう。

125 ◆k5V1srvipM :2013/07/07(日) 22:48:02 ID:MgFGPU.U0
【アルセーヌ(アンリエット・ミステール)@探偵オペラミルキィホームズ@死亡】
【天野河リュウセイ@人造昆虫カブトボーグV×V@死亡】

【ドラえもん@ドラえもんBDが見たシリーズ 修復】


【C-03 見滝原中学校廊下/一日目・昼】

【河城にとり@きゅうり味のゆっくりしていってね!!!】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)(回復中) 、酒臭い
[装備]:光学迷彩スーツ@東方Project、スタイリッシュ爪楊枝装備@東方無問題シリーズ、
     鎖付きバズソー@ニンジャスレイヤー
[道具]:基本支給品×6、ランダム支給品×1(確認済み)
     お米@現地調達品、きゅうり@現地調達品、刀剣@現地調達、工具一式@現地調達、改造半田鏝@現地調達
     ダークサイド・プレジデント@人造昆虫カブトボーグ、氷輪丸@BLEACH、速水もこみち御用達調味料一式@現実
     うまかっちゃん一年分@アンパンマンのパン工場救済計画、バトルドーム@バトルドーム
     大量のオリーブオイル@MOCO'sキッチン、ケフィア入り水鉄砲@現実、SPACE SAVER ブレンダー@ミキシング博士
     ネシカ筐体@現実、恥ずかしい映像が再生されるリモコン@DDTプロレスリング
[思考・状況]
基本:殺し合いには乗らない。
1:さっき走っていった妖怪(美樹さやか)を探す。
2:聖…。
3:他の参加者を探す。
4:首輪の解除法を模索する。主催者に知られずに調べる必要がある。
5:殺し合いに乗っている強い参加者を警戒。
6:他の参加者と会ったら、一緒にお弁当を食べよう。
7:入道(雲山)と鳥の妖怪(松風)はあの人間(ティンカーベル先輩)を食べようとしてたのかな?
8:人間……大好き!!
9:美味しかったな…。
10:松岡勝治…美味しいのかな?
11:さっきはもう二度と口にしないとは言ったけど、改めて見るとやっぱりガマンできないや♪
※人間を見るとにちょりになって襲い掛かります。
 人間以外にはいつものにとりで接します。が、少し怪しいかも。
※首輪が何らかの方法で主催者に情報を送っていることに気付きました。
※右代宮譲治が犯人だと知りました。
※疲労が激しく、弾幕が自由に扱えない状態です。休息すれば回復します。
※もこみち達の情報交換を盗み聞きしています。
※氷輪丸@BLEACHはデイバックの中に入れました。
※リュウセイのデイバックとトムキャット・レッド・ビートル@人造昆虫カブトボーグV×Vが職員室前に落ちています。
※アルセーヌのデイバックが廊下に落ちています。
※バトルドーム@バトルドームの修復はまだ終わっていません。
※ドラえもん@ドラえもんBDが見たシリーズはリュウセイの死体と一緒に回収するつもりです。


【支給品紹介】

『鎖付きバズソー@ニンジャスレイヤー』

その名の通り鎖につながれたモーター丸ノコ(バズソー)。
ニンジャスレイヤーのライバル、ジェノサイドが手首部分につないだ鎖の先端に装着し、武器として使用している。
手を使わず手首だけの操縦で変幻自在の軌道を取って敵に襲い掛からせることが可能。
ヨーヨーめいた中距離型投擲武器としても使用でき、ヤバイ級の殺傷力を誇る。
ただし最大距離まで飛ばした場合、次の攻撃までに多少のラグが生じるのが欠点。
本ロワではモーター駆動のためにカラテ・ジツを必要としないが、使用者特有の強烈なアルコール臭が漂う。

126 ◆k5V1srvipM :2013/07/07(日) 22:49:58 ID:MgFGPU.U0
投下終了
今回は少し無理があるかもしれない構成になってしまいました!お許しください!
大きな問題点等があればお願いします

127 名無しさん :2013/07/08(月) 00:44:24 ID:FWv2NLhw0
投下乙なんですけど
なんでアルセーヌは幻惑のトイズを使わないんです?
流石にこの場面だと使わないと不自然な気もするんですけど

128 ◆k5V1srvipM :2013/07/08(月) 05:29:49 ID:jDDOoKMs0
>>127
トイズは具現化不可能なレベルにまで弱体化しており、
アルセーヌはそれに頼った戦闘を行うのは危険と思ったので使わせませんでした

129 名無しさん :2013/07/08(月) 08:28:20 ID:jhuQzQzg0
>>128
でももともとはアルセーヌのトイズは幻惑するだけで、具現化能力はもってないけど、それでも戦闘には生かしてたよ
具現化できないからって使わないのはやっぱり変な気がする

130 名無しさん :2013/07/08(月) 10:11:15 ID:bCbkT73.0
会長・・・

131 ◆k5V1srvipM :2013/07/08(月) 14:46:29 ID:jDDOoKMs0
>>129
ご指摘ありがとうございます
>>122>>123の一部を修正します

割れた窓ガラスから中に入り様子を確認する。
すると横から急に何かが襲いかかってきた、にとりはそれを爪楊枝で受ける。
それはさっきの一撃を間一髪で回避したアルセーヌであった。
割れたガラスを踏んだ音でにとりの居場所を掴んだのである。
しかし致命傷を免れたといえど彼女は片腕を切り落とされていた。

(さて…正体を見せてもらおうかしら!)

アルセーヌは幻惑のトイズで敵の隠蔽を無力化する。が、

(適用…されない…!?)

幻惑のトイズの能力による実体化は主催者によって制限されていた。
最初に誰かを襲った下手人の無力化を図り、それが適用されなかった事。
聖白蓮の治療のために医療道具の具現化を試みたができなかった事。
この時点で自身のトイズはかなりの弱体化を受けている事がわかったが、これだけ至近距離の敵に対してさえ適用できないとは思っていなかった。

アルセーヌが問う。

「…ぐっ…何故あなたは人を殺すの!?」

「誤解だよ!殺してないんかいないよ!私は人間が大好きだよ。あと妖怪も好きかも!

それと…あなたも人間だよね?」

嫌な気配を感じたアルセーヌは素早くバックステップする。
その軌道をバズソーがバウンドし、廊下を破壊しながら追いかける。
モーター音と火花に合わせて抉れる床で刃の動きは掴みにくいもののある程度予想できる。
こちらに近づく刃のようなものを木刀で打ちかえそうしたが、諦めて右手前に避けた。左肩をかするも浅い。
再びこちらに戻ってくる刃のようなものをジャンプで避ける。

今のアルセーヌの判断は正解であった。
もし、今投げられたのが日本刀のような物であれば受ける事はできたかもしれない
これは日本刀が『切る』武器だからである。
バズソーを木刀で受ければ木刀はちぎれ、彼女はネギトロめいた惨殺死体へと姿を変えていたであろう。
なぜなら、バズソーは元々鋸である、つまり『切る』武器ではなく『削る』武器だからである。

「…避ける事しかできないとなると、厄介ね…」

はっきり言ってあの武器は厄介だ、モーター音と鎖の音からしてチェーンソーかなにかに鎖を繋いで改良した物だろう。
そしてこの圧倒的なリーチに加え、予測しづらい刃の軌道により近づく事すらままならない

だがどのような武器も弱点は有る筈だ。




徐々に後退しつつも、アルセーヌは攻撃を避けていた。
しかし、少しずつかすりや小さなダメージを繰り返しているが故に、既に彼女の衣服はボロボロであった。
さらに彼女は片腕を失っており、碌に治療もしていない。
どうにかして敵を倒すか逃げるかしなければ、どちらにせよ血液が足りなくなり死ぬ。
結果的に考えれば彼女はジリ貧である。

(鎖を千切れれば無効化できるでしょうけど…木刀じゃそれは無理ね…)

ここでアルセーヌは一つの策を思いついた。
鎖を足で押さえつければ動きを止められるのではないか?

しかしそれには問題点が有る。
足で押さえつけるだけでは返ってくる刃の餌食になってしまうであろう。
それを考えれば手で鎖を押さえつけ、それを一気にたぐればいい。
そうすれば敵はこちらに近づいてくる形になる筈である。
だが、今は片腕なので手が開いていない。そのため今持っている木刀を口にくわえるかしなければならないのだ。
口にくわえた武器では小回りが利かない

132 ◆k5V1srvipM :2013/07/08(月) 14:48:45 ID:jDDOoKMs0
刃が顔の横を通れば木刀は千切れて使い物にならないだろう。
しかし、今現在でそれ以外の手は無い。


破れかぶれでも、やるしかないわね_


アルセーヌは手に持った木刀を口にくわえ、一気に敵に近づいた。
にとりがバズソーを投げる。


(あの軌道だと木刀に当たる…!)


瞬時に上半身を曲げ木刀ごと体を回避させる。
しかし、避けきるには至らず、刃が腰の肉を抉る。


(ぐっ…でも…これで…!)


その瞬間、アルセーヌは虚空へ手を伸ばし、見えない鎖を____



      捕まえた。



手応えと同時に、鎖を一気に手繰る。
アルセーヌはここで大きな幸運に出会った。
幻惑のトイズによる無力化が適用され、モーターが動きを止めたのである。自らの手が直接触れたものは無力化できるようだ。


「うわわわわっ!」


すると目の前で何かが倒れる音がした。敵が突如鎖を引っ張られたので、バランスを崩し倒れたのだ。

(倒れた音からして敵との距離は1mも無いはず…!)

アルセーヌは手繰った鎖を足で押さえ、くわえた木刀を手に持ち、そして




鎖の延びる方向へ力の限り突きさした。



ぐしゃり。血と肉がはじける音。

133 ◆k5V1srvipM :2013/07/08(月) 14:50:58 ID:jDDOoKMs0
以上です
元々無理な展開のあるものだった故に案の定矛盾点を生み出してしまったので
申し訳ありません

134 名無しさん :2013/07/08(月) 16:28:44 ID:HwQN7U7w0
ケチ付けるようで申し訳ないけど
幻惑のトイズってこんな能力でしたっけ?

135 ◆k5V1srvipM :2013/07/08(月) 17:08:34 ID:jDDOoKMs0
>>134
幻惑のトイズは幻惑を実体化することができるのですが、
イメージなども実体化できるので制限が無ければほぼ何でも出来ることになります
この場合『武器が動きを停止する幻惑』を実体化できれば無力化できます

136 名無しさん :2013/07/08(月) 17:23:32 ID:wUgOw1.c0
いやだからそれは具現化で制限されてるんじゃ…
しかも本人も把握済みで

137 ◆k5V1srvipM :2013/07/08(月) 19:18:39 ID:jDDOoKMs0
ごめんなさい自分の解釈に勘違いがありました
後ほど修正版を投下します

138 名無しさん :2013/07/08(月) 20:03:30 ID:Qc8faSYI0
修正箇所増やさせるようだけど
自分も幾つか指摘させて頂きたい

一つ目にまずこの二人が学校に向かうのは少し不自然な気がします
アルセーヌはここまで感情的になるでしょうか
有野達の死に責任を感じる事に疑問はありませんが
彼女の中での優先順位はシャロとの合流だった筈なのにそれが有野達の仇討ちに行くとは思えないのですが
しかもアルセーヌはリュウセイからシャロが近くに居るという情報を得た状況でです
無論仇討ちを考えてもおかしくはありませんがこの状況でシャロとの合流を後回しにするのは考えづらいです

あと泉研は何処へ行ったのでしょう?
前話で彼はリュウセイにおぶられている筈なのにこの話では描写も無しに唐突に消えています
問題はこの二人が泉研を置いてそんな場所に向かうでしょうか
一体彼はどうなってしまったのですか?

長文になってしまいましたがこの辺の納得行く描写を追加させてもらうと幸いです

139 名無しさん :2013/07/08(月) 20:30:29 ID:JdU3l1PE0
>>138
前回リュウセイさんとアルセーヌは研置いていって民家から離れたぞ

140 名無しさん :2013/07/08(月) 21:34:44 ID:An5O/rT60
怪盗としての経験が豊富なアルセーヌが囮作戦という半ば本領の分野に対して
あっさり裏をかかれるという展開自体にも首を傾げざるを得ないところがあるような…
ましてや透明化と似たような真似も可能なトイズを持っている以上、それを利用した作戦にも思い当たるでしょうし

また個人的には、ニンジャスレイヤー出典の支給品をニコネタとして出すのも違和感が…
確かに最近になって伸びつつ有るジャンルですが、まだ時期尚早なようにも思います

141 名無しさん :2013/07/08(月) 21:45:59 ID:Qc8faSYI0
>>139
何言ってるんですかそんな描写無いでしょ

142 名無しさん :2013/07/08(月) 21:57:59 ID:UFn5oK8g0
>>141
いや、>>22を見る限り置いていってますよ

143 名無しさん :2013/07/08(月) 22:01:02 ID:Qc8faSYI0
>>142
いや置いていくなんて一文もありませんが
それはマーダーに襲われたら置いていくという意味と勘違いしてませんか?

144 名無しさん :2013/07/08(月) 22:34:55 ID:xddBHAr2O
多分、置いていったと思っている人たちは>>22の最後に 二人は民家を出た と書いてあるからリュウセイたちは研を置いて二人で出発したと解釈したんじゃないか?
実際は>>30のリュウセイの状態表に やばくなったら研を置いてでも逃げる とあるからまだ背負っているようだけど

145 名無しさん :2013/07/08(月) 23:53:52 ID:L3E69r9I0
これ以上ヒートアップするなら議論スレへ、どうぞ

146 名無しさん :2013/07/09(火) 14:44:06 ID:7khc5aDY0
恋天使繋がりでレア様とエルシャダイ組は親しいと思っていた時期が僕にもありました

147 名無しさん :2013/07/09(火) 21:50:51 ID:hs0RBAoY0
研については>>113で指摘されてたけども>>114で書き手含めてみんな置いていったと思ってたんじゃないかな
俺もそう思ったし
今やssが来る事自体貴重だからそこら辺は寛容に見てもいいと思う

148 <削除> :<削除>
<削除>

149 ◆k5V1srvipM :2013/07/10(水) 06:20:08 ID:ZzLLkC4Y0
修正の指摘に関して研はおぶられたままのようなので
追加で研を予約します

150 ◆k5V1srvipM :2013/07/10(水) 21:30:23 ID:ZzLLkC4Y0
修正が大変遅れて申し訳ないです
投下します

151 ◆k5V1srvipM :2013/07/10(水) 21:30:41 ID:ZzLLkC4Y0
「さて、食休みも済んだし、食べ物を探しにいこうかな」

ゆっくりと、血とオリーブオイルに塗れた少女、河城にとりは立ち上がる。
どちらにせよ、もはや廃墟と化したこの部屋_否、部屋だった場所に居着いても決して気持ちのいい物ではない。
そう思って歩いて廊下に出た時、ふと彼女は思い出した。

(そういえばドラえもんと支給品と首輪を回収してなかったっけ)

なんだかんだでにとりはドラえもんの修理を済ませておきたかったし、
彼らのデイバックの中にはまだ武器となる物もあるかもしれない。
それに首輪のサンプルが4つも手に入るのは大きな収穫だ
ニトリは踵を返し、死体のデイバックを物色する。




---




にとりはまた後悔をした。これもまた自業自得といえばそうなのだが。

彼らのデイバックの中に武器と成り得る物はほぼ無かった。
あれだけ派手に戦ってしまったため、みんな武器を消費しきってしまったのだ。
とはいえ、どれもこれも気になる機械が多いので元の世界に戻ったらいろいろ弄ってみたいのであらかた持っていく事にした。

一応食料となる物は基本支給品合わせて余るほど手に入ったが、既に一線を越えた彼女がこんな物で満足できるはずが無い。
一人のデイバックの中からは散弾銃と思わしき物が出てきたが、中の弾を確認すると構造的に見てただの水鉄砲であった。

他のバックからは刃の入った容器のような物も発見したが、説明書を読むと容器に入れた物を粉砕する機械らしい。
非常に強力で、電球、磁石、喋る人形、牡蠣(殻ごと)、ビデオカメラ、iPod、iPhone、果てはコーラを缶ごと粉砕してしまう物と書いてある。
iPodやiPhoneが何の物体を意味するのかはよくわからないが、磁石やカメラを壊せるなら人間や妖怪の骨も壊せるだろう。
骨ごと砕けるなら調理には最適かもしれない。

少し興味を持ったにとりは試しにコンセントのある場所を探し、
狙撃中の残骸を粉砕してみる事にした。
早速その残骸を容器に入れ、スイッチをポチッと入れる。
が、

動かない。

「あれ〜?壊れてるのかな〜?」

にとりは首を傾げる。
別にこのミキサーが壊れていたわけではない。
このミキサーの消費電力は1500Wであり。通常のコンセントの許容電力も1500Wである。
他の電力を使用しなければギリギリ使えるように思えるが、実はそうでもない。
『待機電力』という物を皆さんはご存知だろうか。
コンセントに接続された家電製品などが、電源の切れている状態で消費する電力の事である。
ここには他にコンセントに差さっている物など無いように思えるが、待機電力は必ずしもコンセントに差さった製品だけにあるわけでは無い。
そう、部屋の照明である。
普通、照明器具の待機電力は無いのだが、最近の蛍光灯式電球は瞬間点灯方式のものがあり、
それらは余熱回路などで待機電力がかかっているのだ。
最近の学校施設の設備の充実さは目をみはる物がある。
結果、消費電力が高すぎてスイッチを入れたと同時にブレーカーが落ちてしまったのである。
無論今は昼間であるため電灯は点いておらず、ブレーカーが落ちたと判断できる物も無い。
仕方ないのでにとりはミキサーを調理器具として使うのは保留し、後々修理する事にした。
もっとも、ミンチにしたいだけなら、アレがあるからそこまで重要でもないのだが、アレでは臭いが着いてしまうのでやはり使えるようにした方がいいか。

152 ◆k5V1srvipM :2013/07/10(水) 21:31:15 ID:ZzLLkC4Y0
一通り支給品を自分のデイバックに入れた後再び食料探しに戻ろうとした所で2回目の定時放送の時間となった。




____




___フフフ…。ここからじゃ返事が聞こえないのが残念だよ。

      そうそう、次の放送はこの俺が担当する。それまで精々生きててくれ』

アルセーヌが地に伏せる。



               遅かった。



             間に合わなかった。



震える手で地図を取り出し、そこに禁止エリアを書き込む。



      あの場にいた仲間は全滅したのだ。4人全員__



 自分が判断を誤った事より、自分だけが別の場所で生きている事を悔いた。



「お、おい!どうしたんだ!まさか…お前の言ってる奴らが死んだのか?」

「ええ…みんな…死んだわ…全員…」

「っ…!」

リュウセイは絶句した。

そして、急にアルセーヌは走り出した。

「あ!おい!待て!落ち着くんだ!」

リュウセイは困惑した。
何故二人が殺されているとわかっているなら殺人者がいるかもしれない場所に向かうのか?
死体探しにしても少し時間が経ってからでも良い筈だ。
何故二人の後を追うような事をするのか?

最も、アルセーヌと離れるのはそれ以上に心配だったので結局自分も追いかける事になった。

道中、リュウセイは何故また勝治が死んでいるのかという事に疑問を持ったが、後で考える事にした。

153 ◆k5V1srvipM :2013/07/10(水) 21:32:03 ID:ZzLLkC4Y0
____




「ふむふむ、近くに禁止エリアは無しと」

職員室に移ったにとりはその場で見つけたタオルで血とオリーブオイルを拭きとり、その手で地図に禁止エリアを書き込む。

「し、しかしあの風見幽香までもが死んじゃうなんて…」

百年単位で生きている妖怪で幻想郷トップクラスの力を持ち、花園を荒らす物は人間、妖怪、幽霊、妖精、関係なく虐殺する真性のドS
絶大な力を持つ吸血鬼や毘沙門天の代理に続き、彼女まで殺されるとは…
一体どんなチート級参加者がいるんだ…?
この時、にとりは改めてここが恐ろしい殺し合いの場である事を理解した。

デイバックから工具とドラえもんとバトルドームをを取り出し、修理を再開する。
にとりは武器としても使えるかもしれないと思い、ちゃっかりバトルドームも回収していた。

修理の間、にとりは気になった事があった。
先ほどの放送で心臓発作で死んだといわれていた松岡勝治である。
最初の放送で二回呼ばれた時点で変だとは思っていたが、またしても呼ばれるのはどう見てもおかしい。
もし主催者側に何らかの思惑があるのなら本人に出会っていろいろ調べてみたい所だが、生憎彼らからは本人を知る者こそいたものの居場所についてはわからなかったので、今はあきらめざるを得なかった。
 もしかすると人間ではない不死の妖怪か何かなのかもしれない。そう思うと、にとりはまた腹の虫がなりだした。



  キ ッ ト 、 オ イ シ イ ン ダ ロ ウ ナ ァ … … …



---




「はぁ…やっと追いついた…」

アルセーヌとリュウセイが校舎の前に建つ頃には、リュウセイは肩で息をしていた。
リュウセイは息を切らしながらアルセーヌを説得する。

「な、なんでここに来る必要があるんだよ…
 お前のいう奴らも全員殺した奴なのに…そんな奴にお前だけで勝てるわけないだろ!
 敵討ちのつもりかよ!」

「…そうね、勝てる可能性は低いわ…でも」

「あれ!?おい!消えた!?」

リュウセイが動揺して辺りを見回す。
なんと今まで目の前にいたアルセーヌが突如消えたのだ。

「ここよ」

リュウセイが声の方を振り向くと元通りアルセーヌがいた。

「な、なんだよ今の!?」

(幻惑の使用も制限されているようだわ…自分を透明化させるのが限界みたいね…
 それも数秒間だけ…連発もできない…)

154 ◆k5V1srvipM :2013/07/10(水) 21:32:42 ID:ZzLLkC4Y0
「これはトイズと言って、特定の人間が使用できる特殊な能力みたいなものよ
 でも、今はこの殺し合いの主催者かなにかによってその能力を制限されているようね。
 あなたがさっき出会ったシャロも使用できたはずよ」

「あれ?でもあいつそのトイズって奴を失ったとか言ってたぞ」

「そう、彼女はその能力を今は失っているの、最も私のトイズもかなり弱体化されているから、
彼女のトイズが復活してもおそらく大きな戦力にはなり得ないでしょうけど」

「ところであんたはシャロとどういう関係なんだ?」

「親友みたいなものよ…ただ……いや、なんでもないわ」

アンリエッタは扉を開けて校舎に入っていった。
それをリュウセイが引き止める。

「先に聞いておきたいんだが…研はここに置いといてもいいよな?」
「今は足手まといになるでしょうし…かまいませんけど…私たちが中にいる間に目を覚ますとどこかへいってしまうかもしれないわ。
 メモかなにかを置いていけばいいと思いますが」

「OK、わかった。後それと…支給品見てもいいか?
 まあ…俺のはこのトムキャット・レッド・ビートルと…スコップだけだけどさ」

「…いいわ」

アルセーヌはバックをおろし、さっきまで着ていたシャロの服を取り出し、

「この服と…それから…これね」

アルセーヌが取り出した最後の支給品は棒状の物だった。

「何だそれ?」
「おそらく発煙筒ね」

持っていれば後々連絡手段として役に立つだろう。
とはいえ今は使うあては無いので、それを服と一緒にデイバックの中にしまう。
リュウセイが研へ現在位置と自分たちが中にいる事を知らせるメモをデイバックの中へ入れ、二人は校舎の中に足を踏み入れていった。



リュウセイにとっては彼が言った通り、ただの敵討ちでしかないかもしれない。
しかしアルセーヌはそれ以上にシャロに危害を加える可能性のある敵をどうにかしておきたかった。
シャロたちと合流してから倒すという手もあり、その方が確実性が高まるが、シャロに危険が及ぶのは避けたかった。
彼らを全滅させた敵ならば寧ろシャロを先回りして保護すべきだと考えたが、一つ問題点がある事に気がついた。
今の自分はアンリエットではなくシャロと敵対するアルセーヌである。
この殺し合いにおいて参加者の名前がアルセーヌで登録されている以上、アンリエットとして行動するわけにもいかない。
お互い殺し合いに巻き込まれている状況と言えど、協力関係になれるかまではわからない。
彼女の性格上可能性は低いかもしれないがもしかするとこの場で決着をつけてくる可能性もある。
ならばここはいつも通り彼女を影から助ける形になろうと考えた。

「…ところで、一体どこから探すんd「伏せて!!」

リュウセイは驚いて尻餅をつくと同時にアルセーヌは木刀を構えた。
緊張が走り一抹の沈黙の後、ふと聞き覚えのある音声が聞こえる。

「「…ラ…えも…ん…ドームも…出たぁ!!!!!」」

「だ、誰だ!?」
「静かに!」

アルセーヌは精神を研ぎ澄まして音の方向を確かめる。

155 ◆k5V1srvipM :2013/07/10(水) 21:33:13 ID:ZzLLkC4Y0
周囲を探るが人の気配はない。

(罠と見て間違いないでしょうね…なら)

ゆっくりと二人は音のする方向へ向かう。






「「ドラえもんバトルドームも出たぁ〜〜!!!!!」」


「「ドラえもんバトルドームも出たぁ〜〜!!!!!」」


「「ドラえもんバトルドームも出たぁ〜〜!!!!!」」


「「ドラえもんバトルドームも出たぁ〜〜!!!!!」」


「「ドラえもんバトルドームも出たぁ〜〜!!!!!」」


二人は五月蝿いくらい音が聞こえる職員室の前にたどり着いた。

「罠かもしれないぜ」
「それは最初からわかっているわ」

敵は待ち伏せをしていた。まずこの音は囮と見て間違いないだろう。
そうなれば敵は必ずこの部屋の中にいる。ここまでくると、逃げるわけにはいかない。

「あなた、武器は持ってる?」
「俺のトムキャット・レッド・ビートルならあるぜ!」

「玩具じゃないのそれ?」
「そうじゃないんだぜ!コイツには無限のパワーがあるんだぜ!まあ見てろって!」

リュウセイはトムキャット・レッド・ビートルをチャージインする。
それだけで辺りの埃が巻き上がり、周囲に大きな気が放たれた。
アルセーヌはちょっと理解できなかったが、期待度はともかく、武器として使える物では有るようだ。
リュウセイは別に戦いたいわけではなかったが、さすがに彼女一人では勝てそうにないと思い、一緒に戦う事にした。

敵は透明だが有効な攻撃を一度でも当てれば、畳み掛ける事は不可能ではない。
では敵に攻撃を当てやすい瞬間はいつか?
まず姿を現した時、そして襲いかかるときだ。
前者の状況はほぼ有り得ないので襲いかかる時を狙うしか無い。
問題は襲いかかる時が敵が見えないという性質上、いつかはわからない事だ。
だが、どこから襲ってくるかさえ分かれば、タイミングに関してはある程度カバーできる。

まず敵が隠れていると考えられる場所は_

透明なので扉の真正面に立てばいきなり襲う事ができるだろう。
しかし、そこまでストレートな手ならば、誰しも思いつくだろう。
寧ろ読まれているという事前提で行動しているのかもしれない。
そうなると扉の上から襲いかかってくるだろうか、そうすれば急所である頭や首を狙いやすい。

だが__

156 ◆k5V1srvipM :2013/07/10(水) 21:33:54 ID:ZzLLkC4Y0
「そういえば聞いてなかったけどさ、敵はどんな奴なんだ?」

リュウセイが唐突に質問する。


「見えないの、」

「え?」
「敵は少なくとも姿が見えなくなるようなトイズかそれに近い能力を持っているわ」


「_つまり、透明人間ってことかよ」
「そうね、でも今まで襲ってこなかった以上はこの中で獲物を待っているでしょうね」

「ふーん」

リュウセイは生返事を返す。



「あのさ、ちょっといいか?
 昔、俺が何かのSF映画でみたんだけどさ、その映画に透明人間が出てくるんだよ。
 んでその透明人間に襲われそうになった女の人が透明人間を判断するために輸血の血をぶちまけて、
 そこに何も無いのにいきなり勝手についた足跡で透明人間を見分けるシーンがあるんだ」

「それがどうしたのかしら」

「だからそれをさっきの発煙筒で応用できないかなって…」

なるほど、とアルセーヌは思った。
発煙筒の煙であれば、透明人間の位置を避けて広がる。
確かに効果的な方法だ。

「なかなかいい手ね」

(あちらが罠を仕掛けたつもりならば…)





アルセーヌがそっと扉に手をかける。
額に一滴の雫が溢れる。

「開けるわよ」


ゆっくり、ゆっくりと戸を開いていく。
気配はない。
そっと、二人は部屋の中を覗く。
しかしそこにあるのは未だ一つの机の上で喋り続けているドラえもんBDだけである
部屋の中に何者かが動いているという様子はない。

「誰も…いない__?」
「逃げたのか?」

そんな筈は無い。
二人は慎重に入り口に足を踏み入れる。
念のため発煙筒に着火し、部屋の中に転がす。


「__もしかして、本当は逃げるための囮d」


その時、リュウセイは不思議な感覚に陥った。
首に何かが当たったと思うと急に視界が床を向き、その床が急接近してきたのだ。
少し遅れて、ガラスがくだけるような音、同時にリュウセイの顔が地面と激突し、意識を暗闇へと変えた。

157 ◆k5V1srvipM :2013/07/10(水) 21:34:24 ID:ZzLLkC4Y0
___




作戦は成功した。

さっき食べた人間たちの中に離脱した仲間が3人ほどいた。
その後結局戻ってきていた仲間もいたわけだが数が合わない。放送で仲間の死を聞きつければ死体を確認しに彼らが戻ってくる可能性も考えられた。
結局首輪の研究や修理に夢中になってしまい、窓からここに向かってくる二人を見るまで待ち伏せの方法を練ってなかった。
二人を確認したにとりは大方修理を終えたドラえもんのスピーカー部分を改造し、音量をできる限り上げた。
そしてそれをそのまま喋らせ注意を引かせる囮にした。
さらに自分は職員室の扉の廊下を挟んで反対側の窓を開け、そこから出て窓を閉め、窓枠に捕まって待機し二人が扉を開けて中に入るのを待った。

案の定、二人が囮にかかり扉を開け中に入ろうとした所を鎖付きバズソーで襲う事に成功したのである。
よもや部屋の外から襲ってくるなど誰もが考えつかなかっただろう。
普通、あのような囮があれば扉を開けた瞬間襲いかかってくるか、ドラえもんを手にした瞬間襲いかかってくるかぐらいの罠しか思いつかない物である。

「すごいなぁ…これ」

自らが手にした武器、鎖付きバズソーのヤバイ級破壊力ににとりは驚嘆する。
二人めがけて飛ばされた円盤の刃は窓ガラスを突き破って二人を切り裂くだけでなく、職員室の入り口までズタズタにしてしまった!コワイ!

この武器は確かに爪楊枝や氷輪丸に比べて非常に強力であるのだが、複数の欠点からにとりは使用できなかった。
まず、モーター音や鎖のかち合う音のせいで工学迷彩で身を隠しても存在が敵にばれてしまうのだ。
これは、工学迷彩スーツで隠れながら行動するにとりにとっては致命的な欠点だった。
最も普通の人間を殺すだけなのであれば工学迷彩関係なしに殺せるような代物なのだが、
さらにさっきの戦いにおいても、この長い鎖のせいで取り出すのに時間がかかってしまうため、使えなかった。
しかし今回はこのドラえもんの声と窓ガラスでなんとかこのモーター音を隠せたのである。
そして短期決戦であれば姿がバレてしまうというデメリットも小さくなる。
取り出して装着するのも少し手間取ったがなんとか間に合わせる事ができた。


割れた窓ガラスから中に入り様子を確認する。
すると横から急に何かが襲いかかってきた、にとりはそれを爪楊枝で受ける。
それはさっきの一撃を間一髪で回避したアルセーヌであった。
割れたガラスを踏んだ音でにとりの居場所を掴んだのである。
しかし致命傷を免れたといえど彼女は片腕を切り落とされていた。


アルセーヌが問う。

「…ぐっ…何故あなたは人を殺すの!?」

「誤解だよ!殺してないんかいないよ!私は人間が大好きだよ。あと妖怪も好きかも!

それと…あなたも人間だよね?」

嫌な気配を感じたアルセーヌは素早くバックステップする。
その軌道をバズソーがバウンドし、廊下を破壊しながら追いかける。
モーター音と火花に合わせて抉れる床で武器の動きは掴みにくいもののある程度予想できる。
こちらに近づく刃のようなものを木刀で打ちかえそうしたが、諦めて右手前に避けた。左肩をかするも浅い。
再びこちらに戻ってくる刃のようなものをジャンプで避ける。

今のアルセーヌの判断は正解であった。
もし、今投げられたのが日本刀のような物であれば受ける事はできたかもしれない
これは日本刀が『切る』武器だからである。
バズソーを木刀で受ければ木刀はちぎれ、彼女はネギトロめいた惨殺死体へと姿を変えていたであろう。
なぜなら、バズソーは元々鋸である、つまり『切る』武器ではなく『削る』武器だからである。


「…避ける事しかできないとなると、厄介ね…」

158 ◆k5V1srvipM :2013/07/10(水) 21:34:55 ID:ZzLLkC4Y0
はっきり言ってあの武器は厄介だ、モーター音と鎖の音からしてチェーンソーかなにかに鎖を繋いで改良した物だろう。
そしてこの圧倒的なリーチに加え、予測しづらい刃の軌道により近づく事すらままならない

だがどのような武器も弱点は有る筈だ。




徐々に後退しつつも、アルセーヌは攻撃を避けていた。
しかし、少しずつかすりや小さなダメージを繰り返しているが故に、既に彼女の衣服はボロボロであった。
さらに彼女は片腕を失っており、碌に治療もしていない。
どうにかして敵を倒すか逃げるかしなければ、どちらにせよ血液が足りなくなり死ぬ。
結果的に考えれば彼女はジリ貧である。

(鎖を千切れれば無効化できるでしょうけど…木刀じゃそれは無理ね…)

ここでアルセーヌは一つの策を思いついた。
鎖を足で押さえつければ動きを止められるのではないか?

しかしそれには問題点が有る。
足で押さえつけるだけでは返ってくる刃の餌食になってしまうであろう。
それを考えれば手で鎖を押さえつけ、それを一気にたぐればいい。
そうすれば敵はこちらに近づいてくる形になる筈である。
だが、今は片腕なので手が開いていない。そのため今持っている木刀を口にくわえるかしなければならないのだ。
口にくわえた武器では小回りが利かない。刃が顔の横を通れば木刀は千切れて使い物にならないだろう。
制限により幻惑のトイズを使えるかどうかも分からない。
しかし、今現在でそれ以外の手は無い。


破れかぶれでも、やるしかないわね_


アルセーヌは手に持った木刀を口にくわえ、一気に敵に近づいた。
にとりがバズソーを投げると同時に、アルセーヌは幻惑を使用し姿を消す。


(あの軌道だと木刀に当たる…!)


瞬時に上半身を曲げ木刀ごと体を回避させる。
しかし、避けきるには至らず、刃が腰の肉を抉る。


(ぐっ…でも…これで…!)


その瞬間、アルセーヌは虚空へ手を伸ばし、見えない鎖を____



      捕まえた。



手応えと同時に、鎖を一気に手繰る。


「うわわわわっ!」


すると目の前で何かが倒れる音がした。敵が突如鎖を引っ張られたので、バランスを崩し倒れたのだ。

(倒れた音からして敵との距離は1mも無いはず…!)

アルセーヌは手繰った鎖を足で押さえ、くわえた木刀を手に持つ。

同時に幻惑の効力が切れる。そして

159 ◆k5V1srvipM :2013/07/10(水) 21:35:28 ID:ZzLLkC4Y0
鎖の延びる方向へ木刀を力の限り突き刺した。



ぐしゃり。血と肉がはじける音。




--




「な…なんで…」

アルセーヌの上半身が地面へ崩れ落ちる。


「シャロ_」


かすかな声でそう言い漏らすと、彼女は『食べ物』へと姿を変えた。




---




「ふぅ…危なかったよ…」

モーター駆動を止めたバズソーはゆっくりとにとりの手首に戻っていった。

「バズソーが2枚セットになっててよかったよ…」

先ほどまでの戦いではにとりはバズソーを左手しか使っていなかった。
右手は爪楊枝を手にしていたためである。それに左手だけでも十分な威力があった。
しかし、鎖を引っ張られ転んでしまった際に爪楊枝を落としてしまったのである。
結果として手が開き右手のバズソーを使って人間を倒せたのであった。
もし、あそこでバズソーで木刀ごと胴を切断せず、爪楊枝を持ったまま、それで応戦していれば、勢いを殺しきれず、致命傷を受けただろう。
運良く助かったにとりであったが…



「うぅ…酒臭い…」

神社にいる大酒飲みの鬼でもこんなきつい臭いはしないだろう。
服にも酒の臭いが染み付いてしまった。元々血の臭いが染み付いていたのだが、
この武器を使用しなかった理由はさっき挙げた理由に加え、この強烈なアルコール臭もあった。


このバズソーの元々の使用者、ジェノサイドはINWが作り出したゾンビーニンジャでありゾンビ特有の腐臭を隠すため、
常に酒を浴びるように飲んでいるのである。武器にまで臭いがこびり付いていても不思議ではない。


でも今は取り敢えず食事につく事にしよう。

ーーさっきはもう口にしないとは言ったけど…

160 ◆k5V1srvipM :2013/07/10(水) 21:36:07 ID:ZzLLkC4Y0
人間では少し満足できないが、まだエネルギーが足りないのでしかたなく食べる事にした。
今度は調理器具やオリーブオイルも用意できたので少しはおいしく仕上げられるだろう。






【アルセーヌ(アンリエット・ミステール)@探偵オペラミルキィホームズ@死亡】
【天野河リュウセイ@人造昆虫カブトボーグV×V@死亡】

【ドラえもん@ドラえもんBDが見たシリーズ 修復】


【C-03 見滝原中学校廊下/一日目・昼】

【河城にとり@きゅうり味のゆっくりしていってね!!!】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)(回復中) 、酒臭い
[装備]:光学迷彩スーツ@東方Project、スタイリッシュ爪楊枝装備@東方無問題シリーズ、
     鎖付きバズソー@ニンジャスレイヤー
[道具]:基本支給品×6、ランダム支給品×1(確認済み)
     お米@現地調達品、きゅうり@現地調達品、刀剣@現地調達、工具一式@現地調達、改造半田鏝@現地調達
     ダークサイド・プレジデント@人造昆虫カブトボーグ、氷輪丸@BLEACH、速水もこみち御用達調味料一式@現実
     うまかっちゃん一年分@アンパンマンのパン工場救済計画、バトルドーム@バトルドーム(未修復)
     大量のオリーブオイル@MOCO'sキッチン、ケフィア入り水鉄砲@現実、SPACE SAVER ブレンダー@ミキシング博士
     ネシカ筐体@現実、恥ずかしい映像が再生されるリモコン@DDTプロレスリング
[思考・状況]
基本:殺し合いには乗らない。
1:さっき走っていった妖怪(美樹さやか)を探す。
2:聖…。
3:他の参加者を探す。
4:首輪の解除法を模索する。主催者に知られずに調べる必要がある。
5:殺し合いに乗っている強い参加者を警戒。
6:他の参加者と会ったら、一緒にお弁当を食べよう。
7:入道(雲山)と鳥の妖怪(松風)はあの人間(ティンカーベル先輩)を食べようとしてたのかな?
8:人間……大好き!!
9:美味しかったな…。
10:松岡勝治…美味しいのかな?
11:さっきはもう二度と口にしないとは言ったけど、改めて見るとやっぱりガマンできないや♪
12:この人間、さっきいきなり透明になったけど妖怪か何かだったのかな?
※人間を見るとにちょりになって襲い掛かります。
 人間以外にはいつものにとりで接します。が、少し怪しいかも。
※首輪が何らかの方法で主催者に情報を送っていることに気付きました。
※右代宮譲治が犯人だと知りました。
※疲労が激しく、弾幕が自由に扱えない状態です。休息すれば回復します。
※もこみち達の情報交換を盗み聞きしています。
※氷輪丸@BLEACHはデイバックの中に入れました。
※リュウセイのデイバックとトムキャット・レッド・ビートル@人造昆虫カブトボーグV×Vが職員室前に落ちています。
※アルセーヌのデイバックが廊下に落ちています。
※バトルドーム@バトルドームの修復はまだ終わっていません。
※ドラえもん@ドラえもんBDが見たシリーズはリュウセイの死体と一緒に回収するつもりです。

161 ◆k5V1srvipM :2013/07/10(水) 21:36:44 ID:ZzLLkC4Y0
*    *    *    *    *    *





「ん…うん…」

日に晒された顔がゆっくりと瞼を開ける。

「ここは…?」

太陽の位置を見る限り、気絶してからそれほどたっていないようだ。
研は体を起こして立ち上がるが、大きくよろめく。

「だめだ…さっきのダメージが大きすぎる…もう少し休まないと…」

研はぼんやりと周囲を見回す。

「ここは…一体どこだ…リュウセイは…?
 っ…ともかく今は休もう…どこかに休める場所は…」

ふと研が背後の建物に気づく。

「ここにしよう…」

ふらついた足取りで研は校舎の中に入っていった。

【C-03 見滝原中学校入り口/一日目・昼】

【泉研@チャージマン研!】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、
[装備]:スペクトルアロー(ランダム品3つ分扱い、2時間変装出来ません)@チャージマン研!
[道具]:基本支給品、ランダム品無し、リュウセイのメモ
[思考・状況]基本思考:主催者及びジュラル星人、殺し合いに乗ったキチガイ参加者を全て滅ぼす!
0:取り敢えずここで休む
1:もこみちと組む。
2:ありがとウサギ(名前を知らない)、ムラクモを倒す(特にムラクモの計画は必ず阻止する!)。
3:変装できない間、身を守れる武器を探す。
4:間違いない。黒幕はジュラル星人だ!
5:頭の中に爆弾が!
6:ジュラル星人め許さないぞ!
7:リュウセイを探す。
8:ここは一体どこなんだろう?
※全てジュラル星人の仕業だと断定しました。(真相は不明)
※頭の中に爆弾があると断定しました。(真相は不明)
※ジュラルの魔王が生きていると断定しました。(真相は不明)
※有野達、アルセーヌと情報交換しました。
※第二回定時放送を聞いていません。

【支給品紹介】

『発煙筒@現実』

火薬を利用して点火することにより大量の煙を吹き上げる物。
よく自動車についている炎を上げる発炎筒とは微妙に違う。

『鎖付きバズソー@ニンジャスレイヤー』

その名の通り鎖につながれたモーター丸ノコ(バズソー)。
ニンジャスレイヤーのライバル、ジェノサイドが手首部分につないだ鎖の先端に装着し、武器として使用している。
手を使わず手首だけの操縦で変幻自在の軌道を取って敵に襲い掛からせることが可能。
ヨーヨーめいた中距離型投擲武器としても使用でき、ヤバイ級の殺傷力を誇る。
ただし最大距離まで飛ばした場合、次の攻撃までに多少のラグが生じるのが欠点。
本ロワではモーター駆動のためにカラテ・ジツを必要としないが、使用者特有の強烈なアルコール臭が漂う。

162 ◆k5V1srvipM :2013/07/10(水) 21:37:17 ID:ZzLLkC4Y0
以上になります

163 名無しさん :2013/07/11(木) 00:58:20 ID:rX7goKUE0
アルセーヌが無用心すぎないかこれ
罠があるって分かってんのにさちょっと様子見ただけで中に入るかな
ていうか自分も透明化出来るなら最初から使うだろ
制限で使えないとしても、それなら尚更警戒しないか?
自分で勝てるかも分からないって言ってるのに
せめて発煙筒使ってからもっと様子を伺うだろ

あとさ今回はバズソーにリュウセイが反応できないのもおかしい
あいつ落ちていく衛星をカブトボーグで撃ち落す程の反射速度があるんだけど
窓ガラスが割れた時点で反応出来るだろうし
発煙筒を使って透明になったバズソーは位置が分かれば尚更

それにアルセーヌとにとりの戦闘も
発煙筒で部屋の中が煙で溢れてるんだからにとりの位置や二枚目のバズソーにも気付けるでしょ

なんかにとりに都合のいい展開ばかりで不自然だと思う

164 名無しさん :2013/07/11(木) 05:28:24 ID:0wv5L63U0
修正乙です
>>163
にとりとアルセーヌは部屋の中じゃなくて廊下で戦ってるぞ
それにバズソーの形状的に二枚目のバズソーを判断するのは難しくないか

165 名無しさん :2013/07/11(木) 06:42:56 ID:H2XnzCV.0
つうか今更だけど
にとりが窓開けて隠れたって事は鍵開いてるんだろ?
こんな古典的な手にまがりなりにも探偵アニメのキャラが気づかないのはどうなんだ

166 名無しさん :2013/07/11(木) 13:17:48 ID:zla8decEO
無双展開は少しでもご都合過ぎる感じがあると途端に集中砲火だからな、今回は同じキャラが連続でだし尚更厳しい

167 名無しさん :2013/07/11(木) 18:55:37 ID:0wv5L63U0
対主催で殺し合いには乗らないってスタンスなのに6人殺害ってギャップもまたいいんだけどねw
今の時点でゴンさんやラミエルみたいな参加者の有力マーダーが死んじゃってるし
参加者外のマーダーもいるけどそっちに殺させ過ぎるとゲームが成立しなくなるかもしれないし
それにあんまり修正求めてもスレ圧迫するしこれでいいと思う

168 <削除> :<削除>
<削除>

169 名無しさん :2013/07/11(木) 20:32:34 ID:cKo1/xaAo
無理に通せとは言わないけどこれ破棄しちゃったら代わりのssはいつ来るのやら

170 名無しさん :2013/07/11(木) 22:42:38 ID:rX7goKUE0
本当だ廊下で戦ってる
申し訳ないこれは自分がおかしい

でもこれを差し引いてもにとりが贔屓されてるように思うんだよな
マーダーが少ないからと言ってマーダー贔屓するのはまた違うだろうし
最悪、対主催が多過ぎれば主催戦突入して殺しまくるのもありだし

171 名無しさん :2013/07/12(金) 05:26:10 ID:MGOEF/UI0
それを齟齬なく展開できる書き手がまだ残っていればいいんだけどね…
展開的にも主催戦まではかなり遠いだろうし

172 名無しさん :2013/07/12(金) 07:54:20 ID:sqNLN0rc0
なんか先の事に捕らわれ過ぎじゃないか?
今をしっかりしないと先をちゃんと書くことなんて出来ないよ
こんなご都合でキャラを殺されたら書き手も萎えるだろ
それに論点が違う
この話に不自然な部分が多くて論議してるのに何でマーダーが~とかの話になってるんだ?
それならゴンさん死亡話やラミエル死亡話が通ったのはおかしいだろ

173 名無しさん :2013/07/12(金) 18:15:03 ID:JcSoAMu2o
不自然な所はあるかもしれないけど書き手でもないのにそんな主観的な事言われても…

174 <削除> :<削除>
<削除>

175 名無しさん :2013/07/12(金) 18:54:22 ID:MGOEF/UI0
ご都合だから破棄ってのは理由にならないだろ…

176 名無しさん :2013/07/12(金) 19:05:15 ID:df8Yo7Lo0
個人的にはご都合でもいいから話を進めてほしい
ただでさえ勢いないんだし誰のssもこない状態が続けばβの二の舞だし

177 名無しさん :2013/07/12(金) 19:32:59 ID:xs60y4bIO
>>176
そうやってご都合で流れ潰されるって状態こそ書く人いなくなるだろう…

178 <削除> :<削除>
<削除>

179 名無しさん :2013/07/12(金) 20:53:35 ID:1VABVweE0
多分一日目終わるどころか一回放送もいかねぇぞ?

180 名無しさん :2013/07/12(金) 20:59:23 ID:MGOEF/UI0
δじゃなくてRCじゃないのか?

181 名無しさん :2013/07/12(金) 22:06:02 ID:eA.imPqQ0
話の終着点を決めて書いたはいいけど、そこに行きつくまでの説得力が足りてないからご都合主義になってるように見える
仮にここから修正するのだとしたら、いっそのこと死なない展開にしちゃった方がてっとり早い気がする
でも絶対に修正が必要ってほどでもないから扱いに困るんだよなぁ…

182 名無しさん :2013/07/13(土) 00:35:36 ID:9rN/GV6I0
読み手兄貴達の好き勝手なコメに草生える

183 <削除> :<削除>
<削除>

184 名無しさん :2013/07/13(土) 02:06:39 ID:NLm1rCy20
ところで急かすようで申し訳ないが
◆czaE8Nntlw氏の修正は何時くるんだ?

185 名無しさん :2013/07/13(土) 03:20:04 ID:ifyJhbA20
だいぶ長引いてるし、少し議論スレの方でやった方がいいんじゃないかな
微妙なラインをwikiに即反映の事とかも含めて

186 名無しさん :2013/07/13(土) 05:44:06 ID:iqqFZTYQo
あんまり書き手に完璧なSS求め過ぎるのも書き手がいなくなる元じゃないのかな…

187 名無しさん :2013/07/13(土) 18:21:22 ID:iDsutZYI0
幻を作る程度の能力が制限で何故か透明化するだけの能力に変化
加えて時間制限と連続使用不可の三重苦に制限されたアルセーヌの透明化に対して無制限なにとりの透明化…

188 名無しさん :2013/07/13(土) 20:37:19 ID:39eS/8Lk0
原作でも透明化を使用できたと思うが

189 名無しさん :2013/07/13(土) 20:46:18 ID:Z4IH2wiY0
そこじゃねえよ
にとりと比べてアルセーヌの制限がキツすぎるって事だよ

190 名無しさん :2013/07/14(日) 02:20:20 ID:9b7/twtw0
それ以前に、幻を作る能力の一環として(おそらく光学迷彩的な)透明化があるのに
何故その言うなれば応用技以外を封じる歪な制限をしてしまうのかという疑問がですね

191 名無しさん :2013/07/14(日) 05:40:59 ID:kSqV9XQQ0
制限の掛け方に妙だなと感じる所はあるが大元の能力ではアルセーヌの方がずっとチートだからなぁ

192 名無しさん :2013/07/14(日) 08:32:46 ID:9TW83e5w0
ぶっちゃけ身体能力の面でもアルセーヌはチート
そんな彼女が透明な相手にあんな苦戦をするだろうか
ついでに言うとリュウセイさんもあんな不意討ち食らうかな?
ジョニー二戦目の時に既に透明になれる相手との戦いの経験ありで
ジョニーに対策を取られ失敗したとは言え相手の物音で位置を見切れるし
ガラス割っちゃった音で不意討ちに気づけると思うけど

193 管理人★ :2013/07/14(日) 16:10:24 ID:???0
管理人より警告いたします。
最近の本スレッドには当掲示板の削除基準に抵触する発言が多く見受けられます。
該当する発言をされた方には次回以降、無警告・無期限の書き込み規制を行う可能性があります。
ローカルルールをよくお読みの上、発言には充分ご留意いただくようお願い申し上げます。

194 名無しさん :2013/07/14(日) 19:16:44 ID:TkJthkq20
すみませんでした……

これ以上は議論スレでやろう

195 名無しさん :2013/07/15(月) 02:54:20 ID:f78jLulI0
そうだよ(便乗)

196 <削除> :<削除>
<削除>

197 名無しさん :2013/07/20(土) 14:17:23 ID:lMDcs8DIO
おーーーーーーーーーーーーーーい!

198 名無しさん :2013/07/22(月) 03:32:50 ID:ndI7VdpcO
このままじゃ、もうだめぽ(*_*)

199 名無しさん :2013/07/22(月) 04:29:02 ID:ET0T3Kek0
あんだけ書き手に意見しまくってた癖に、議論スレで誰一人意見してないのが凄いな
意見言ってた連中がただの冷やかしだと疑われてもしょうがないよね

200 名無しさん :2013/07/22(月) 20:46:38 ID:NOd7OdI.0
というか◆k5V1srvipM氏は大丈夫か?
最後の修正から音沙汰ないように見えるけど…

201 名無しさん :2013/07/22(月) 20:48:16 ID:HbNjSNZQ0
音沙汰が無いせいで
議論を始めないというより始められないんじゃなかろうか

202 <削除> :<削除>
<削除>

203 名無しさん :2013/08/04(日) 01:38:36 ID:dxA3MnJ20
てす

204 ◆k5V1srvipM :2013/08/07(水) 17:50:15 ID:tNMvByJQ0
こちらの事情で連絡がおくれてしまい本当に申し訳ありません
このssには多くの問題点が指摘されていたため破棄にしていただいてかまいません
他に予約が無いようでしたら後ほど再予約するかもしれないです

205 ◆FTrPA9Zlak :2013/08/08(木) 23:20:03 ID:4ppXThjg0
投下します

206 AU王に挑んだウサギ ◆FTrPA9Zlak :2013/08/08(木) 23:21:49 ID:4ppXThjg0
ありがとウサギは当初3対1と見た戦いだったが、その後の目論見のように実際には相手はギルガメッシュだけであった。
グレーテルとヒトラーはその後ろで戦いを見ているだけ。
だが、それで十分だろう。
この三人の中で強敵であるのはギルガメッシュのみ。
彼さえ倒せば、あとの二人を殺すにはそう手間はかからない。

だが、そのギルガメッシュが問題だった。

ありがとウサギにでも理解できた。
遊ばれている、と。

素手に対し槍というアドバンテージがあるにも関わらず、全く勝利のビジョンが見えなかった。
例えば、獅子を前にした兎が牙を、爪を手にしたとてそれで勝てるかと言われればその確率は0から極僅かに上がった程度になるかどうかだろう。

「どうした、やはり貴様は逃げ足だけのただの脱兎か?」

ギルガメッシュは石を投げているだけ。その石も地面に転がっている小さなものだ。
しかしそれだけで、彼は槍の間合いまで接近することすら難しい状況に陥っていた。
サーヴァントの筋力から投げられる石は、路傍の小石でもとてつもない勢いとなり、木々を穿つ。

「くっ…!」

それでも、接近さえできれば、この槍をもってすれば傷つけることは可能なはず。
だが、隙だらけにも関わらず近寄ることすらままならない。

そうこうやって攻めこむこともままならぬ間に、時は経ち、放送が始まった。

「おい、グレーテル。放送は聞き逃さずにしっかりとメモを取っておけ。
 間違いがあれば承知せんぞ」
「ひええ…」

慌てて名簿を取り出すグレーテル。
隣のヒトラーもおそらくは聞いている以上、間違えることはできない。

そんなグレーテルを尻目に、ギルガメッシュは石を投げ続ける。

ありがとウサギには元より覚える暇などない。
しかしこいつさえ倒せれば後であの二人から情報を奪えばいい。

207 AU王に挑んだウサギ ◆FTrPA9Zlak :2013/08/08(木) 23:22:43 ID:4ppXThjg0

逆にいうなら、彼なりに負けられない理由を心に積み上げることで背水の陣を敷いていた。

一向に進まぬ状況。
しかしありがとウサギにはありがとウサギなりの策があった。

当初は、もっと早くこれを使うつもりだった。
しかし使わずに戦っているほんの僅かな間に、タイミングを間違えれば死ぬ相手だということを把握し、機会を伺うことにした。
この金ぴか(特にそんなイメージはないが何故か色で例えるならそうとしか言えなかった)、慢心している様子の割に隙が小さすぎた。

狙うは奇襲。
相手は武器を槍だけだと思っているはず。それは間違いなく大きな隙のはずだ。

「む?」

と。
どうしたことかいきなりこちらから視線を反らすギルガメッシュ。
驚いたのはありがとウサギだ。仮にも命を狙われているこの状況で、相手ははっきりと視線を反らしたのだから。

よく見ると、どうやら服についた汚れを払い落としていた様子。
ギルガメッシュにとって自分の存在など服以下。
そう思われていると分かった途端、急に頭に血が上ってきた。

幸い距離自体はそこまで離れてはいない。
それほどまでの隙、いくら彼とて見逃す手などない。


黄色い穂先の槍を突き出し、一直線に突っ込むありがとウサギ。
だが。

「不意打ちならばもっとうまくやるものだぞ」

ひょい、とそんな動作とうに予期していたかのように避けられる。
勢いをつけた一撃だっただけに、それを避けられたありがとウサギはもんどりうって地面を転がってしまった。

「う、…あ」
「グレーテルよ。お前のバッグを寄越せ」

そんなウサギを眺めつつ、ギルガメッシュはグレーテルに命令した。


「え、道具じゃなくてバッグごとですか?」
「友を使うにはまだ興が乗らぬ。しかし今我の宝物庫にはこいつしかいない。
 だからと言って友と有象無象のガラクタを同列に扱うことなぞできるか。
 いいから早くこちらに投げろ」
「……はい」

208 AU王に挑んだウサギ ◆FTrPA9Zlak :2013/08/08(木) 23:23:49 ID:4ppXThjg0
と、脱力し諦めたかのように、命令どおりにバッグを渡すグレーテル。
それを脇に持ったところで空中に小さな光の門が生まれた。
そこに突っ込まれたギルガメッシュの手には、1本の石製の剣。
特に不思議な力っぽいところも、神秘性のようなものも全く感じないそれは、作業台で作られたただの剣。本来宝具を湯水のように扱うギルガメッシュにとっては文字通りガラクタなのだろう。

「今のお前などにはこの剣で十分だろうな。その槍には注意すべきではあるが、それすらももてあましているようだしな」
「な、めるなぁ!」

起き上がり突き出したゲイ・ボウはただの石剣に弾かれる。

「武器の扱い方もなっていない。それほど強い力を持ってもいない。
 にも関わらず分を弁えず我のような存在にすらも戦いを挑む。
 お前は一体何がしたいのだ?そうまでして死に急ぐか?」
「僕には、帰らなきゃいけない場所がある…。だからこそ、お前のようなやつが相手でも退くわけにはいかないんだ!」
「なるほど、雑種らしい相応な理由だ。だからこそ、面白みも特にない」

ギルガメッシュは剣をこちらに向かって投げつけた。
それは一直線にこちらに向かってくるはずの投擲。
しかし剣は途中で光の門に吸い込まれていき、ありがとウサギの後ろに作られたもう一つの門から吐き出された。
突然の軌道変更に避けることもできず、ありがとウサギは脚を貫かれる。

「っ…!ああああああああああああああああああ!!」
「どうした?ウサギならば足をやられようとも逃げようとあがくぞ?そうやって喚くのみか?」

ギルガメッシュの言葉にも反応することなく、足を抱えたまま蹲るありがとウサギ。
その様子に、飽きでも感じたのかギルガメッシュは距離を取ったままバッグから取り出した弓を構えた。

「動けぬか。ならばもうよい。
 そういえば、10年前の聖杯戦争では我のクラスはアーチャーであったな。
 名前にちなんでみるのも面白いかもしれんな」

現界して以降弓を使うのは初めてだろうが、そんな様子を微塵も見せずに狙いを付ける。
元より数メートルの距離にいる動かない獲物。アーチャーとして呼ばれたサーヴァントが外すわけもない。

だからこそ慢心していたのだろう。
いわゆる火事場の馬鹿力というものを甘く見ていた。

209 AU王に挑んだウサギ ◆FTrPA9Zlak :2013/08/08(木) 23:25:57 ID:4ppXThjg0
矢を放とうとしたその瞬間、ありがとウサギは地面の砂をギルガメッシュに投げつけた。
それはギルガメッシュの目に命中。放たれた矢は寸前であらぬ方向に吹き飛んだ。

「くっ、おのれ小癪な!」

目に入った砂を出そうと、瞳を擦るギルガメッシュ。
そこへ咄嗟にゲイ・ボウを投擲。しかしあっさりと避けられた。
こんな自分程度の行動は読めているとでもいうつもりだろうか。

そうだ、だからこそ。
僕は彼の想像を超えていかなければならないのだ。

ありがとウサギは、バッグからそれを取り出し。

「■■■■」

同時にその言葉を呟いた。



何が起こったのか、グレーテルにはよく分からなかった。
ただ、パワードスーツのようなものをバッグから取り出し、瞬時に着込んだと思った途端、その体が同時に膨張を始めたのだ。

彼女には知る由もなかったことだが、ありがとウサギにはロボットへの変形機能が付いている。
ありがとウサギは、ギルガメッシュ打倒のために最善の、全力の状態で挑むと決めていた。
だからこそ、できるかどうかは分からなかったがウォーロックを着込んだ状態でグレートありがとウサギに変形してみたのだ。
主催者による手がかかっていたせいかどうかは分からないが、ウォーロックは膨張した体に押し出されることもなくその白い体にフィットしたのだ。

視界を取り戻したギルガメッシュは、その姿を見て関心するような声を上げた。

「ほう、狩りの獲物にしては面白い姿になったではないか」

巨大化したウォーグレート・ありがとウサギは腕部に装着されたビーム砲を一斉に射出した。

210 AU王に挑んだウサギ ◆FTrPA9Zlak :2013/08/08(木) 23:26:54 ID:4ppXThjg0
「ひええええええええ??!」
「デタラメなのもいい加減にしろチクショーめ!」

叫びながら、あちこち走り回り逃げるグレーテルとヒトラーを尻目に、涼しげな顔で降り注ぐビームを回避するギルガメッシュ。
元々下がったステータスで、俊敏Aのサーヴァントの猛撃を回避したことがある彼には、その程度造作もないことだった。

赤い閃光が幾度も光り続ける中。
ビームがギルガメッシュに全く当たる気配がない様子に焦れたありがとウサギは接近して拳を叩きつけた。
しかしそれも全く当たらない。

巨大化したことで重力に引きずられ動きが緩やかになってしまった。加えて足の傷。
これではギルガメッシュを捉えることが難しい。

と、振りかぶった腕が止まった。
右腕を見ると、そこには金色の鎖が巻き付いている。

「興が乗ったぞ。我にエルキドゥを使わせたこと、誇るがよい」

そのまま、7メートルはあろうという巨体の全身に纏わり付く天の鎖。
動かそうとする肉体は強く拘束され、抜け出すことができない。
おそらく今のありがとウサギの力を持ってすれば脱することは不可能ではないだろう。

しかし、それを許すギルガメッシュではなかった。

後ろに下がり、先ほど回避したゲイ・ボウをグレーテルのディバッグに入れる。
すると光の門から黄色い穂先がグレーテルに狙いを付けた。

「さすがに石の矢ごときでは貴様の鎧は貫けまいが、こいつで穿たれればどうかな?」
「…!!」

言うが早いか、ギルガメッシュのゲートオブバビロンから射出された矢――ゲイ・ボウは、ありがとウサギの胸部装甲を貫いた。

「■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!!」

声にならない叫び声を上げ、組み付いたウォーロックを爆発させながら倒れこむありがとウサギ。
変形し、縮みゆく体を前に、ギルガメッシュはダメ出しと言わんばかりに。

「ではな。雑種にしてはなかなか楽しめたぞ、ウサギよ」

グレーテルのバッグに仕舞われた石矢を一斉に射出した。

211 AU王に挑んだウサギ ◆FTrPA9Zlak :2013/08/08(木) 23:27:53 ID:4ppXThjg0



上がる砂煙と黒煙。
爆炎と倒れたありがとウサギの衝撃によるもの。

おそらくは生きてはいないだろう。
その場にいた全員が、そう確信していた。

「全く、服が汚れてしまったな」
「ギ、ギルガメッシュ、大丈夫?」
「ふん、バビロニアにはもっと恐ろしい魔物がいた。この程度ものの数ではないわ。
 それとそこの貴様、アドルフ・ヒトラーと言ったか。お前の話を聞かせてもらおうか」
「ぬ、ワシの話か。構わぬが、そっちのことについても聞かせてもらいたい。どうしても気になることがあるのでな」
「ふん、いいだろう。
 そういえば、グレーテルよ。お前の聞いた放送について、まずは聞かせてもらおうか」
「え、ええっと、これですね。まずは―――
 危ない!」

と、戦いが終わっての小康状態がしばらく続くかと思われたその時、グレーテルが声を上げて叫んだ。
ギルガメッシュが咄嗟に後ろに振り向いた瞬間、口から血を吐きながらも立ち上がり、こちらに向かってきたありがとウサギがゲイ・ボウを振りかざしていた。




もう、ダメなんだろうな、とは思っていた。
返されたゲイ・ボウはありがとウサギに致命傷を与えていた。
流れる血と同時に、生命力も抜けていくのが分かった。


あいさつ坊、あいさつガール、こんにちワン、こんばんワニ、さよなライオン、おはよウナギ、いただきマウス、いってきまスカンク、ただいマンボウ。
みんな、ごめん。
こんなところで、一人死んでいく僕のことを許して欲しい。

ああ、僕はこのあいさつ広場で死んでいくのか。
これも何かの因果なのかな?

ぽぽぽぽ〜ん

きっと空耳だろうが、ここがあいさつ広場だからだろうか。
そんな音が聞こえた。

212 AU王に挑んだウサギ ◆FTrPA9Zlak :2013/08/08(木) 23:28:38 ID:4ppXThjg0

そういえば、僕たちは何のために生まれたんだったっけな?
そうだ、日本で起こったとある災害にも決して屈せず、沢山の人の心に息吹き続ける「絆」を呼び起こす、魔法の呪文。
僕たちはそんな呪文の中から誕生したのだ。

だから、負けることがあろうと、死ぬことがあろうと。
どんな相手であっても決して屈してはいけないのだ。
相手が神だろうと、英雄の中の王であろうと。

何者にも屈しないその姿こそが、人々の生きる力たりえるのだから。

胸に刺さったゲイ・ボウを引き抜く。
激痛と同時に大量の血が流れる。

ああ、この痛みも僕にとっての罰なのかもしれない。
皆に希望を振りまく使命を忘れて、己のために殺し合いに乗り人を殺した僕への。
だから、最後くらいはこうして自分の役割を果たそう。
金ぴかの王に、せめて一矢報いよう。

距離は数メートル。
だが胸の、足の痛みさえ我慢できれば一瞬で詰められる距離。
伊達にウサギのモチーフはもっていないのだから。

一秒。
距離を詰め、槍を振り上げる。
血が口元までせり上がり、足の筋肉が嫌な音を立てた。

―――危ない!

叫び声が聞こえる。
金ぴかが驚く顔が見える。
あの門からの攻撃にタイムラグがあることは知っている。
だから、届く。

―――ザシュッ

金ぴかの右腕が宙に舞い上がる。
狙ったのは体だったが、かわされてしまったみたいだ。

返しの蹴りで、体が地面に叩きつけられた。
槍は目の前に転がる。
拾おうとしたところで、目前でそれを拾い上げた、怒りを露にした金ぴか。

213 AU王に挑んだウサギ ◆FTrPA9Zlak :2013/08/08(木) 23:29:45 ID:4ppXThjg0
ああ、ここまでなんだな。
僕はそう思った。

その黄色い槍が、首を撥ねる軌道で振りかざされた。

僕は、結局この男には勝てなかった。
それでも、僕なりに頑張って、大きな脅威に屈せずに戦い続けた。

例え僕が殺しあいに乗った人殺しという罪人だったとしても。
それだけは。

(―――誇ってもいいよね、みんな)

【ありがとウサギ@あいさつの魔法 死亡】



【D-09 森林/一日目・昼】


【グレーテル@よもやま四方山】
【状態】軽度の火傷、打撲、疲労(小)、血塗れ
【装備】ボロ服
【道具】ディーノの基本支給品一式、ポッチャマ@ポケモン
    浜口優かも×3@学校で配られたDVDがひどい件、剣(石)@Minecraft、アサシンの首輪
【思考・状況】
基本:出来れば死にたくない
0:どうしよう……
1:ギルガメッシュに着いていく
2:愉悦…
3:自分のデイバックを回収する
※モンスターボール(ポッチャマ)が壊れたため、引っ込めることができません
※ギルガメッシュと情報交換をしました
※会場からの脱出は諦めました


【ギルガメッシュ@Fate/stay night】
[状態]:打撲 、右腕欠損、疲労(小)、怒り
[装備]:王の財宝@Fate/stay night(空)、天の鎖@Fate/stay night、 必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)@Fate/Zero
[道具]:基本支給品一式、作業台@Minecraft、ランダム品(0〜1)
[思考・状況]
基本行動方針:気の向くままに行動する。
0:おのれ…!
1:主催者を殺し王の財宝を取り戻す。
2:ポッチャマに興味。グレーテルはポッチャマのおまけ。
3:男(木原)は今度遭ったら殺す。
4:ヒトラーと情報交換を行う?
※自身にかけられている身体能力の制限に気が付きました。
※殺し合いの参加者が別の世界から呼ばれていると考えています。
※アカツキ電光戦記と総統閣下シリーズ、よもやま四方山の世界を知りました。
※ギルガメッシュがこの先どこへ向かうかは次の書き手さんにお任せします。
※放送と戦闘が被りました。しかし案外聞いている可能性もあります

214 AU王に挑んだウサギ ◆FTrPA9Zlak :2013/08/08(木) 23:30:29 ID:4ppXThjg0
【総統閣下@総統閣下シリーズ】
[状態]:疲労(大)、左肩負傷
[装備]:出刃包丁@現実、キー・オブ・ザ・グッド・テイスト@人造昆虫カブトボーグV×V
[道具]:基本支給品一式、大量のマンガと本、カイジの地下王国豪遊セット(ポテチ、チーちく、肉じゃが、ビール×4)@逆境無頼カイジ 破戒録編
[思考・状況]
基本行動方針:生きて祖国に帰り可能であるのなら二次元に行く。打倒主催。
0:他の参加者を求め、北のドーム球場へ向かう。
1:情報収集。首輪の解析
2:主催者どもは必ず倒すが、具体的な作戦及び行動方針はこれから考える。
3:クリーパーを失うのは惜しかった…
4:メイトリックスと譲治を警戒……?
5:青鬼とレーザー、およびそれを発射した「何か」を警戒。
6:本に出てきたキャラやギルガメッシュが参加者……? あとでギルガメッシュから話を聞いてみるか。
[備考]
※出典はあくまで総統閣下シリーズ、現実や最後の十二日間での真面目な独裁者ではありません
※サブカル知識も豊富ですが、なんらかの制限がかけられている可能性があります
※ギルガメッシュ他、数人の参加者について情報を得ました。
※アカツキ電光戦記の世界を知りました。
※別の世界から呼ばれたのだとギルガメッシュから聞きましたが半信半疑です。
 ただし、本や考察を通して考えが変わりつつあるようです。
※総統閣下のノートには今まで見聞きした事のまとめや考察が数ページにわたって書いてあります。
※クリーパーの説明書を読みました。
※総統閣下の持ち出した本やマンガの詳細は次の方にお任せします。ただしDVDやBDは持ち出していません。
※過去に読んだ「HUNTER×HUNTER」を思い出しました

※ウォーロック@ストライクウィッチーズは大破しました。

215 ◆FTrPA9Zlak :2013/08/08(木) 23:31:09 ID:4ppXThjg0
投下終了です
もしおかしなところがあれば指摘お願いします

216 ◆FbzPVNOXDo :2013/08/09(金) 04:25:16 ID:VtA5GVn60
投下乙です
ありがとウサギは良い線行ったのになあ南無
もっとギルが慢心していればワンチャンだったな
自分も何度か書かせて貰ったけど心理描写とかが入って良マーダーだった
最後は少し報われたのかな

自分も投下します

217 反逆 ◆FbzPVNOXDo :2013/08/09(金) 04:26:12 ID:VtA5GVn60
「ちっ、ベネ……何つったけか? 気にいらねェ放送しやがって!」

地を抉り、爆風と轟音を巻き起こし突き進むそれはミサイルと言うにはあまりにも荒々しく機械味がない。
ならば、怒りをもって進むそれはただの人間だと言うのか?

否。

ただの人間じゃない。されど人ならざるモノでもない。
それは、その男の名はカズマ。明確な抵抗の意思、反逆の眼。はぐれ者、反逆者―トリズナー―。
何事をも粉砕し叩き壊す破壊の拳シェルブリットを掲げ、カズマは今自らとはあまり縁の無い学校へと進んでいた。
ケイネスと別れてから一時間かそこら、悪くないペースだ。
途中放送が始まったせいで足を止めてしまったが、それを考慮してもこの調子ならアカツキ達を先回りして学校に行けるだろう。

「……あれは、何?」

そのカズマから数キロ先、サーニャのレーダーはカズマの存在を感じ取った。
マミを感知した時と変わらず調子が悪かったレーダーだが、これほど豪快に爆音を上げながら駆けて来る相手を感知出来ない程ではないらしい。
とはいえ、その速度は生身の人間が出しているとは思えない程桁違い。ものの数分もあれば、すぐにここへ辿り着くだろう。
生憎とこの場には隠れるものも無いし、このままでは鉢合わせは免れない。

「どうしましょう? ここから離れますか」

サーニャは横のまどかとほむらへ問いかける。
ほむらは口を閉じたままだが、対照的にまどかはすぐに口を開く。

「離れて間に合うの? サーニャさん」
「そうですね……。この進行方向のまま進んでくれればともかく、私達が離れた方向に来られれば……」
「まどか、相手は殺し合いに乗っているとは限らないし接触してみるn「ほむらちゃんは黙っててくれない?」

嫌な眼光。上手くサーニャは表現できないが彼女はそういう風に感じた。
ほむらを見るまどかのあの眼、非常に嫌悪感が沸く。言ってしまえば、胸糞が悪くなると言った所か。
とても友達に向ける視線じゃない。何で友達にあんなモノを向けられるのだろう。

(私なんて、もう……)

脳裏に過ぎる一人の少女。

(……エイラ)

とても大事な大切な少女。
でも、もう会えない。もう喋れない。もう触れない。もう見れない。
なのに、なのにこの女は、生きてるのに、触れるのに、喋れるのに、何でこんな……。

218 反逆 ◆FbzPVNOXDo :2013/08/09(金) 04:26:44 ID:VtA5GVn60

――ニャさ――

サーn――





「――サーニャさん!?」

ふと我に返る。
心配そうに顔を覗き込み、呼びかけを続けるまどかの声。

「ご、ごめんなさい」

やはり外には出さないようにしていたが、エイラの死は相当響いてきている。
このままではいけないと思うが、色々吐き出すタイミングを見失ってしまった。
それに、まずは先に対処しなければならない事がある。

そうだ、こちらに向かってくる進行者の対処を――

「あっ? ガキ、女か」

しまったと言う暇も無い。件の進行者は既にこちらを見つけていたのだから。
やってしまった。エイラが死んだ事への影響がと言い訳も出来ない。

「下がってまどか!」

まどかの前に立ちまるでナイトの様に立ちはだかるほむら。
少し遅れてから戦闘の態勢を取るサーニャ。

「穏やかじゃねえな。たくっお前らなんかとやり合う気はねえよ」

カズマはシェルブリットの手を腰に当てつつ生身の左手で頭を掻く。
そして気だるそうに三人を見た。

「ふーん、でも信用できないなぁ。お兄さんが私たちに危害を加えないって証拠が欲しいんだけど」

まどかの要求はもっともだ。
カズマも見ず知らずの奴が、いきなり何もしないと言って来たところでそうホイホイ信じない。
そう考え、背負っていたディバックをまどか達の方へ投げ捨てる。次に右腕のアルターを解き生身へと戻した。

「っで? これでいいのかよ」
「まあ、一応は信じてみよっかな」

一先ずの邂逅は穏やかに済んだと見るべきか。
ほむらとサーニャも警戒は解き友好的な態度にはなってきた。

(とっとと学校に行きたいところだが、そういやケイネスの奴に他の連中に会ったら、あの青色の奴の事を話とけって言われてたんだったな)

カズマは学校に行くまでは、多少は時間があるだろうとも思い、適当に話でもしてみる事にした。

219 反逆 ◆FbzPVNOXDo :2013/08/09(金) 04:27:18 ID:VtA5GVn60



「――そっかお兄さんも大変だったんだね」
「うんざん♪うんざん♪」

結果的に言えば、カズマから得た情報は当たりの部類だった。
アンリエット、フランク、ケイネスという殺し合い否定派の参加者。
まどかの目的は生還する事だ。
場合によっては殺し合いにも乗るが、もし彼らが殺し合いからの脱出に対して有効な策を見出せているのであればそれに乗るのも良い。
少なくとも接触する価値はあるということだ。

そして青鬼という化け物の存在。これも貴重だ。
神出鬼没の異形の存在、殺した相手を同種へと変える脅威の増殖能力。
初見ならば、危うく命を落としていてもおかしくは無かった。

「それからお兄さん他には会ってないの? 例えば青い髪の女の子で「おい」ん?」

更に情報を引き出そうとするまどかを無視してカズマは威嚇するように声をあげた。
その先には今まで沈黙を守り、まどかとカズマの様子を伺っていたほむらの姿があった。

「なんでそんな目してやがる? 何なんだてめえは」
「!? 何……?」
「気にいらねえな。何か、お前奴隷みたいだな」

ああ、気に入らない。
ただあの目、あの眼、平伏す奴隷みたいだ。
強い奴が弱い奴から奪って弱い奴は強い奴に従う。だから、ああいう目はそう珍しいわけじゃない。

「けどなあ」

不味いと静止に入ったサーニャを押しのけ、カズマはほむらの胸倉を掴み上げる。

「さっきからこちらの、まどかの顔色ばかり伺いやがって……。何か言いたい事があんだろうが! 
 だったらはっきりしやがれ! 何に気を使ってやがる?」

傍から見ればただの狂人や癇癪持ちにしか見えない。
カズマの言っている事は筋が通っているようで通っていないような。
元々カズマは頭が悪い。何かを表現したり伝えたりするのは下手糞だ。だから、このような怒鳴り声になってしまった。
だから大抵は耳を貸さずに、適当に受け流そうと考える。
少なくとも暁美ほむらはそう考えていた。胸に少し苦いものを感じつつも。

220 反逆 ◆FbzPVNOXDo :2013/08/09(金) 04:27:54 ID:VtA5GVn60

(うっざいなあ)

しかし、だ。まどかは違った。
あのラミエルさえも恐れた邪悪の塊はまったく別の事を思っていた。

(殺しちゃおっか、この人)

邪悪だからこそ人の善意には気づけやすいのかも知れない。
あのカズマの怒鳴りは、遠回りなお節介である事に薄々まどかは気付いていた。
何を、どう伝えたいのかはともかくとしてだ。まどかにとってはほむらに良くない影響を及ぼす可能性が高い。
これが妙な影響を受けて手駒を失うどころか敵に回りなんてしたら冗談じゃない。

(そろそろ、頃合だね)

情報もそれなりに引き出した。もう始末しても良いだろう。
サーニャの手前殺しは避けたかったが、さっきの第二回放送から様子がおかしい。
あのエイラとかいうのが死んだせいで動揺しているのか。
これ以上足を引っ張られるのは御免だし、ここで一緒に始末するのも悪くない。
雲山も面倒だが始末する。
元々、あまりこちらを良くは思っていなかったのは薄々感じていた。
それでも「うんざん♪」としか喋れないので放っておいても良いかとも思ったがこの際だ。

まどかの手から輝く光の矢。
眩い閃光が奔るのと同時に迸る赤い液体。

「嘘っ?」

抉れ分解される地面、変換された虹色の粒子。
それらを右腕に集めアルターを構成したのはカズマ。
その腕には、まどかの放った矢を受けた跡が残っていた。

「アルター使いか!?」
「……アルター? 何それ?」

地面に倒れ付しているのはサーニャただ一人。
面倒な事になった。このカズマという男、思いの外戦い慣れていて不意打ちにも即座に対応してみせた。

(本当は二人まとめて殺すつもりだったのに……!)

「げほっ……! ま、まどか……さん?」

「ああ、サーニャさん殺しといてね? ほむらちゃん」

事態が理解できない。
今まで友好的な関係を築いていたサーニャとカズマに対してまどかはいきなり弓を引いた。
カズマは辛うじて防いだが、サーニャは腹部を貫かれ即死とまでは言わずとも致命傷に変わりは無い。
こんな事に意味はあるのか? どうして殺さなければならないのか?

221 反逆 ◆FbzPVNOXDo :2013/08/09(金) 04:28:42 ID:VtA5GVn60

(いえ、まどかの事だから何か考えがあるのよ。そうよ私は余計な事を考えなくて良い)

「うんざん! うんざん!!(やはりか、あのまどかという娘、かなりきな臭かったが道理で……)」

ほむらからサーニャを庇うように雲山が立ちふさがる。
舌打ちをしほむらはパッチを着けトキへと姿を変える。

「うんざん! うんざん!! うんざん!!!(ほむらよ。お主ならば分かっているだろう? あのまどかの本性が……)」
「五月蝿い五月蝿い!!」

激突するトキと雲山の拳。互いに互いが己が肉体を武器として戦うもの同士、力は互角。
だが、そのトキの中身はまったくの別の戦闘スタイルであるほむらでである為、戦況は些か雲山が有利。

「う、うんざん!?」

トキの拳から離れ後方へ吹っ飛ばされたのは意外にも雲山。
驚きに満ちた顔をしつつも空中で体勢を立て直し、今度は拳を巨大化させトキへと殴りかかる。

「!?」

雲山の頬に衝撃が走り殴り飛ばされる。
ほむトキはいつのまにかあの拳をかわし、雲山の死角へと入り込み逆に雲山へと拳を叩き込んでいた。

(何か小細工をしているようだが……果たして……)

ここに来てから雲山は「うんざん」以外は話せなくなったり、異様に幅まった行動範囲と様々な制限を受けてきた。
ならば身体能力にも制限が掛けられていてもおかしくはない。
だが、それを考慮しても雲山がこうもあっさり弄ばれるのは妙だ。
恐らくは何らかの異能を駆使しているのだろう。
心当たりと言えば、紅魔館のメイドのような時を止める程度の能力と似たようなものか。

「うんざん!!(早くあのサーニャという娘を手当てしなければならぬというのに)」

222 反逆 ◆FbzPVNOXDo :2013/08/09(金) 04:29:14 ID:VtA5GVn60




「衝撃のファーストブリット!!!」

右肩の三本の羽の内一つが消し飛び、そこから噴射される虹色の粒子に勢いを乗せカズマは拳を振るう。
「わわっ」とわざとらしく声を上げながらまどかは体を逸らしかわす。

「ちょこまかしやがって!!」

そのままカズマは拳を振り切り勢いにのせたまま、足を軸に回転しまどかへと再び拳の標準を合わせる。
二本目の羽が消え噴射される粒子。

「撃滅のセカンドブリット!!!」

消えかけた勢いが増しまどかへと迫る。
元から大した距離は開いていない。拳がまどかへと触れ殴り抜けるのに時間は掛からない。

「ほむらちゃん!!」
「あァ!?」

雲山の戦闘から離脱し、ほむらはサーニャのディバックからマスケット銃を取り出すとまどかへと投げる。
カズマとまどかの間を遮るように突っ込んで来たマスケット銃をまどかが掴む。

「ティロ――」

ヤバイ。
マスケット銃が、巨大な砲弾を放つかのような大砲の姿に変わる。
その銃口から輝く光。直感で分かる、あれはとんでもないエネルギーの塊。
全身という全身の毛穴が開くような悪寒、カズマの中の何かが警告を鳴らす。

だが――

「――フィナーレ!!!!!」
「それが、どうしたああああああああああああああ!!!!!!!」

退く? かわす? 
無理だ。そんなもの間に合わない。
ならば防ぐ?
馬鹿な、どうあれを受けろというのか。

故にカズマの取った行動は。否、元よりそれ以外を取る気など更々無い。

「うおおおおおォォォォォォォ!!!!!!

真正面からぶつかり、打ち砕く。
今まで、何時だってそうしてきた。そしてこれからもそうする。

カズマの身の丈の数倍以上あるビルでさえ、簡単に粉砕するシェルブリット第一形態。
対するは幾つもの魔女を屠ってきた必殺の技、ティロ・フィナーレ。

激突した二つの力(パワー)。
思わず目を瞑りたくなる程の閃光、大地は抉れ、うねりを上げ。その余波だけで木々を薙ぎ倒すかも分からない。
どちらも威力は申し分なく、どちらも劣っているとは言い難い。

223 反逆 ◆FbzPVNOXDo :2013/08/09(金) 04:29:49 ID:VtA5GVn60

「の、野郎ォ……!!」

だがカズマは焦っていた。
一見、両者は拮抗しているようにも見えるがそれは違う。

『このエリアは禁止エリアに指定されています。三十秒以内に退避してください。首輪が爆発します』

初動。
僅かにシェルブリットの方の初動が遅れ後退してしまった。
ただそれだけ、普段ならば大して気にしない。それほど不利になるような事でも無い。

そう、今足を踏み入れてしまった場所が禁止エリアでないのなら。

三十秒。たった一分にも満たない時間でカズマは戦況を逆転し、禁止エリアから脱出しなければならない。

「抹殺のラストブリット!!!!!!」

セカンドブリットの粒子噴射が終了し掛けたところで間髪入れずラストブリットを放ち、勢いを付けティロ・フィナーレを押しのけようと試みる。
だが足りない、それだけでは。
無常にも文字通り最後の弾、ラストブリットを使っても事態は好転しない。

ならば、もっとだ。もっともっと勢いを威力を上げぶん殴ればいい。

「輝け……もっともっと輝け!」

たったの三発しかない弾丸。
弾丸を打ち切った銃は、リロードしなければ戦いを続行する事は出来ない。
カズマも同じ。リロードだ、リロードを行う
それもただのリロードじゃない。進化させた反逆の拳、三発などという小賢しい制限も無い無限の弾丸。
光り輝く黄金の拳。手に入れた力、シェルブリット第二形態を!

「何ィ!?」

だが、右腕を中心として輝く光は突如消滅し、新たに再構成したアルターは煙のように消え行く。

「くそっどうなって! 輝けよおい! 輝きやがれえええええええええ!!!!」

制限。
カズマは、この場にいる参加者の中ではかなりの高位の実力者に入る。
それを考慮され、彼には第二形態以降の使用を封じる制限を強いた。
そのカズマを戒める首輪に、そのような仕掛けが施されていた。

『残り十秒』

「ま、だだァァァァ!!!!!」

細かい理屈はどうだっていい。
取りあえず使えないものに用は無い。ただともかくぶち抜くだけだ。

224 反逆 ◆FbzPVNOXDo :2013/08/09(金) 04:30:31 ID:VtA5GVn60

『残り五秒』

そんなカズマを嘲笑うかのように淡々と死の秒読みは進む。

「倒れるかよ……倒れるとしても――」

『残り零秒』





ボンッ




カズマの頭を隠すほど大きな爆発に反し、その音は驚くくらい軽い。
とても人の命を奪うようなものとは思えない。
そのまま、ティロ・フィナーレは残った首から下を飲み込み、そのすぐ後ろにあった複数の木々を薙ぎ倒し消えた。
巻き上げられた土や砂が煙のように視界を遮る。
まどかはカズマの死を確信しマスケット銃を下げた。

終わった。反逆者の物語はそこで――

――死ぬのが怖いわけじゃない。
――何もせずに死ぬのが怖い。
――なんの証も立てないまま、朽ち果てるのは……。

男は散った。何の証も立てれないまま、ただ無常に、ただ無残に男は死んだ。





「うん、ざん?」
「カ、ズマさん……」

唖然とする雲山とサーニャ。
止められなかった。まどかの暴挙を人の死を。
後悔と自負の念が湧き上がるのと同時に、怒りの念がこみ上げてくる。

「さーてと、後はサーニャさんと雲山だね」
「なんで、こんな……」

マスケット銃を向けるまどかへサーニャは倒れたままの体勢で睨みながら問う。

「嫌だなあ。そんなザマで睨まれても迫力無いよ? ウェヒヒ。
 役に立つなら生かしておいても良かったんだけど、エイラちゃんって子が死んでからサーニャさん凄い動揺してるんだもん。
 一々面倒臭いいんだよね。ケアっていうか励ますの、だから足手まといになる前に、ウザかったカズマさんと一緒に死んでもらおうと思って。
 雲山はついでだね。ウェヒヒ、ごめんね」

カズマを屠った時のように、銃口に魔力が溜まり光り輝く。
雲山もせめてサーニャは助けようとするも、ほむトキに阻まれ間に合わない。

225 反逆 ◆FbzPVNOXDo :2013/08/09(金) 04:31:04 ID:VtA5GVn60

「まあ安心してよ。さっきのよりは魔力抑えてるから威力はそんなに無いけど、苦しまないように即死させてあげるから」

ああ――死ぬのか。
こんな、こんな場所で。
殺し合いを止めるどころか、エイラの仇すらも討てず、挙句の果てにこんな危険な参加者を野放しにしたまま。

「い、やだ……」

自然と声が零れた。
腐っても軍人。こんな声を上げないようにと堪えていたが限界が来たのか。

「私、は」
「もう、往生際が悪いなあ」

それとも、それはサーニャの出来る限りの明確な――

「死にたくない!!!!」









「――シェルブリットバーストォォォ!!!!!!!」





反逆の決意だったのか。
それに答えるように男は咆哮をあげる。
死にすら反逆した男が今、再び激動を開始する。


「なんで……そんな……」

金色の光を纏いシェルブリット第二形態を掲げる男は、紛れも無くカズマ。
でも何故、先の爆発で死ななければおかしい筈だ。

簡単な事だ。
首輪が爆発したという事はつまり首輪はその瞬間外れ、参加者に駆ける制限は消えるという事になる。
ならば話は単純極まりない。カズマの首を吹き飛ばさんとする爆発そのものをアルター化させてしまえばいい。
無理? 不可能? そんな事は関係ない。カズマの中には出来る、出来ないじゃなく、やるという選択肢しかないのだから。
主催者すらも想定外だったこの方法、だが成功した。いや反逆した、この死の首輪から。

「この、ティロ……」
「遅いんだよ!!!」

僅かな間、今度はまどかの初動が遅れた。
ティロ・フィナーレが放たれるよりも速くシェルブリットが、唯一無二のカズマの自慢の拳が叩き込まれた。
砕け散るマスケット銃、爆音と共に血反吐を吐き吹き飛ぶまどか。
だが僅かに衝撃を外された。

「もう一丁ォ!」

拳を引きもう一度シェルブリットバーストを放とうと構える。

「なっ?」

しかし次の瞬間にはまどかの姿は消え、ほむトキの腕の中で抱かれていた。
速いとかいう次元じゃない。下手をすれば、あの最速の男クーガーでさえも追いつけない移動速度。
もっとも、それだけで怖気づくカズマじゃない。さっさと追撃しようと拳を突き出すが、またも消えた。
姿を視認した時には数メートル先、更に数時間置き消え、またもっと先へと移動する。
気づけば、その姿は遥か先へと消えていった。

226 反逆 ◆FbzPVNOXDo :2013/08/09(金) 04:31:37 ID:VtA5GVn60

「逃がしちまったか」

舌打ちをするが、無駄な追い討ちも面倒だ思いすぐに思考を切り替える。

「おい姉ちゃん無事か?」
「そ、それなりには……」
「待ってろ。すぐに病院……はねえけど。……ああ、そうだ学校なら手当てする道具もあんだろ」

確か、保健室だか職員室学校には怪我の手当てをする場所があるらしい事をカズマは何処からか聞いていた。
丁度そこへ向かう途中だったし、ついでにサーニャを連れてっても問題は無いだろう。

「うんざん♪うんざん」
「あっ? 何言ってんだおっさん」

良く分からないが、この雲のじいさんも敵でもないようだし連れて行く事にする。
サーニャを丁寧に抱き上げると、カズマの右肩にある三枚の羽のかわりに、新たに生えたプロペラが回転する。
プロペラの回転に合わせカズマの体が浮上していき、一定の高度まで浮くと前方へとミサイルのように加速した。
その後ろを雲山が追う。

目的地の学校へはもう少しだ。

【E-5/1日目・日中】

【カズマ@スクライド】
[状態]:ダメージ(小)、疲労(中)、激しい怒り、首周りに少し焦げ跡、首輪解除
[装備]:不明
[道具]:基本支給品一式、ケイネスのメモ、ランダム品0〜1
[思考・状況]
基本:気に入らない奴はとにかくぶん殴るが、あのせこい男(サリー)の言いなりになるつもりはない。
0:取りあえず、この姉ちゃん(サーニャ)を学校で手当てしとく。
1:このバトルロワイアルとやらを破壊するためにも、せこい男(サリー)の思い通りにさせない。
2:男声の女(譲治)とフランクを撃った男(ロックオン)、野獣先輩を警戒。場合によってはぶちのめす。
3:雛子、響、アカツキ(名前を知らない)にケイネスのメモを渡す為、学校に向かう。
4:ケイネスに言われたので、化け物については一応気を付けておく。
5:まどかは次会ったらぶちのめす。ほむらのまどかへの態度が気に入らない。
※ミルキィホームズとデッドライジングの世界を聞きましたが、何処まで覚えてるか不明です。
※少なくとも参戦時期は君島死亡後です。
※ケイネスのメモには、ケイネスが立てた青鬼増殖の仮説。
 それと雛子、響、アカツキの名前が書かれています。

【サーニャ・V・リトヴャク@ストライクウィッチーズ】
[状態]:健康、魔力消費(微) 、精神的な落ち込み、腹部に重傷
[装備]:★Rock Cannon@ブラック★ロックシューター、黒猫のゴスロリ服@俺の妹がこんなに可愛いわけがない
[道具]:メントスコーラ(空)@コーラを開けるとメントスが落ちるトラップの作り方、
    DMカード『スターダスト・ドラゴン』@遊戯王5D's
[思考・状況]:殺し合いには乗らずゲームを打破する
1、カズマと行動する?
2、知り合いが居れば合流する
3、ストライカーユニットとフリーガーハマーが有れば入手したい
4、殺し合いに乗ってない参加者が居れば合流したい
5、まどか達を警戒

227 反逆 ◆FbzPVNOXDo :2013/08/09(金) 04:32:44 ID:VtA5GVn60






「まどか、まどか!!」

未だ自分の腕の中で眠るまどかへとほむらは呼びかける。
さほど重症でも無いが、衝撃を逃しきれず意識を失ってしまっているのだろう。
そんなに心配する程の事でもないのだが、病的なまでのまどかへの思い故にほむらの不安は尽きない。
何処か休める場所だ。そこで休息を取りまどかの回復を待つ。

「あの、男……!」

カズマとかいったか。
まどかをこんな目に……。必ず殺す。

殺意を膨らませつつ、ふと思い返す。

(そういえば、あの男の首輪が爆破した瞬間、爆破物が虹色の粒子に変わっていたわね……)

ほむらはカズマが首輪を外す瞬間を僅かながら目撃した。
先の激情から一転、冷静に思考を巡らせる。
あのカズマの能力は分からないが、彼のように首輪を爆破させた時その爆破をどうにか防ぐ事が出来れば。

脳裏を過ぎったのは秘孔という漢字二文字。
例えば首輪が爆破した瞬間、トキの体を利用し秘孔を突き、体を強化させ爆破に耐える。

可能ではないか?
実際は爆破のタイミングや秘孔を突く者の技量にも掛かってくるが、不可能ではない筈だ。
とはいえ、ほむらは世紀末魔法少女パッチの説明書で北斗神拳や秘孔について知ったばかり。
まだ現実的とは言えないが、一筋の光明が差し込んだのは確かだ。
ある意味カズマには礼を言っても良いかもしれない。

「まどか、貴女は私が守ってみせるから絶対に今度こそ……」




【E-6/1日目・日中】

【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ(クズなまどかシリーズ)】
[状態]:疲労(中)、ダメージ(中)、気絶
[装備]:ソウルジェム 、螺湮城教本@Fate/Zero
[道具]:基本支給品一式×2、キングクリムゾン(残り3回)@ニコニコ動画、不明支給品0〜1
[思考・状況]
基本:ゲームからの生還
0:……。
1:ほむらちゃんと一緒に行動。あまり役に立たないようなら捨てる。
2:利用できる者は利用し、邪魔になる者は殺す。士、メイトリックスはいずれ殺す。
3:行動に出る際はパッチを利用してなるべく自分の悪評が広がることはないように動く。
4:海魔召喚のための餌も探す
※クズなまどかVS逆襲の魔法少女スーパーさやかちゃん【前編】直後の参戦です。
※さやかの体が鬼柳京介になっているのを知りました。
※螺湮城教本は制限により海魔の現界、術者の魔力補給、本体のダメージ修復等の同時運用は出来ません。
※制限として海魔の最大同時現界数は五体までしか出せません、また能力も下方修正されています。
※AV動画オールスターセットの動物はもう残っていません


【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、マドカァー 、ヤンデレ状態、ほむトキ
[装備]:ソウルジェム、バルメM78(36/40)@コマンドー、ストライカーユニット@ストライクウィッチーズ、世紀末魔法少女パッチ@MUGEN
[道具]:基本支給品一式、キャベツ@夜明け前より瑠璃色な 〜Crescent Love〜、ランダム支給品0〜1
[思考・状況]
基本思考:まどかに全てを捧げる。
0:休めるところを探しまどかの回復をまつ。
1:何があってもまどかを守る。
2:どんなことをしてもまどかに認めてもらう。
3:もう役立たずだなんて言われたくない。
4:まどかに危険を及ぼしうるものは全て排除する。
5:北斗神拳を使い秘孔を突けば首輪が外れるんじゃ。
6:何か大切なことを忘れている気がする。







【巴マミ@魔法少女まどか☆マギカ】粉砕

228 ◆FbzPVNOXDo :2013/08/09(金) 04:36:18 ID:VtA5GVn60
投下終了です
首輪解除に関してまだ早いなど色々意見もあると思うのでご指摘待ってます

229 ◆k5V1srvipM :2013/08/09(金) 06:42:18 ID:IEwy2B0k0
プラシド、日本鬼子、巡音ルカ、我那覇響、四条雛子、アカツキ予約します

230 名無しさん :2013/08/09(金) 08:15:20 ID:16lsqq/I0
いくらカズマといえど禁止エリアの首輪爆発で死亡を
回避するのはバトロワの根本を否定してるような気が…

何はともあれ投下乙です

231 名無しさん :2013/08/09(金) 08:15:59 ID:RFQvtXi60
投下お疲れ様です
>AU王に挑んだウサギ
答えを求めるありがとウサギも心のどこかで負けるとわかっていたかもしれない
最強のサーヴァントに挑んだのだから、この結果はもはや当然と言えよう
ただ、最後の一矢報いたことで救われたみたいで何より。結局ギルガメッシュの最大の敵は慢心なんだよなぁ

>反逆
またしても圧倒的力の前に惨劇不可避……かと思いきや……
まさか耐え切る方法があっただなんて……! 押され気味だった対主催側が反旗を翻す!
まどかサイドも同じように耐える術を見つけるけれど、果たしてどうなる!? 今後の展開!

232 名無しさん :2013/08/09(金) 11:01:54 ID:3u3.XDWo0
お二人とも乙です
首輪解除は確かに強引かもしれませんが・・・対主催の主力が激減してしまうのは避けたい所です

心配なのはほむらちゃんですね
ウェヒヒの呪縛から逃れるのが難しくなった上、秘孔で首輪解除に臨む無茶っぷり。かなり冷静さを欠いている様にも見えます
それは柳の下のドジョウですよほむほむ・・・

233 名無しさん :2013/08/09(金) 15:02:47 ID:XF6.Rd920
おお、投下来てた
投下乙です

まさかウサギがここまでやるとはあw あのCMのイメージからなんて…w
我様は慢心あるからこういう役どころが似合う似合うw

ん……強引だがそれでもなんていうかこういうのも悪くないと思うぞ
変化球だから他の書き手次第もあるが俺はいいかなあ
さて、首輪が解除されたカズマとその仲間、そしてそれに影響されたまどかサイド…
果たしてどうなる?

234 ◆k5V1srvipM :2013/08/09(金) 22:40:57 ID:IEwy2B0k0
短いですが投下します

235 ◆k5V1srvipM :2013/08/09(金) 22:41:39 ID:IEwy2B0k0

「くっ…やはり死んだか…」

「宙さん…」

「プラシド…」

放送を聞いた3人は死亡者や禁止エリアをメモしつつ彼の死に対する反応を露にする。

プラシド達3人は当初南へ向かっていたが、合流したアカツキ達から聞いた病院の青鬼の危険性、学校へ向かうという目的のもと、道を引き返していた。


「それにしても妙だな…」

「ああ」

プラシドとアカツキは放送に対して疑問に思った。
前回同様、同じ名前を二回呼ばれている参加者がいるのだ。
その名は青鬼。

そして松岡勝治という名前もなぜかまた呼ばれていた。
それも取って付けたかのように。

「青鬼はお前が倒したと言っていたな」

「ああ、確かに倒したはずだ」



「いや、まさか_」

アカツキは記憶を巡らせる。
最初に青鬼に出会ったのは早朝のF-08付近。
そして自分はその力を前に撤退を余儀なくされた。

逃走を続け、館から病院にたどりつく。
探索をあらかた終え、施設の地下に踏み入れようとした所で再びあの青鬼に遭遇した。
そこで自分は奴を閉鎖病棟に誘い出し、閉じ込めた。
その後で食事のためエレベーターで1階に向かった。
そこには_青鬼がいた。
腕を犠牲に電工機関を利用して辛くもその場を脱した後、空腹で倒れる。
そして二人に出会う。

ここで一つの可能性に気づく。
青鬼が2体以上存在していたという可能性。
常識的に考えればF-08付近と病院で出会った青鬼は探索していた時間を考えれば追いついてもおかしくはない。
しかし、閉鎖病棟に閉じ込めたにもかかわらず数分足らずで脱出し、階段から1階におりてエレベーターの前で待ち構えることなど普通はできるはずが無い。
つまり青鬼は2体以上存在し、その内一体はまだ閉鎖病棟に閉じ込められており、偶々近くにいたもう一体の青鬼が自分に襲いかかった。
一体はケイネス・エルメロイ・アーチボルトが倒した。
残りの1体はまだ閉じ込められているか、それとも脱出したか…

しかし、この仮説にはもう一つ辻褄が合わない所がある。
参加者欄には青鬼の名は一つしか無い。

だが、最悪の形とはいえ辻褄の合う考え方が一つある。

「あいつらは、_繁殖あるいは増殖をしているかもしれない」

あんな異形が何体にも増えている事など想像したくもないが一番考えられるのはこの説だ。

いつのまにか、彼の体は再び震えていた。


「松岡勝治…一体何者なんだ…」

プラシドはその名を口ずさむ。
アカツキの言う通り青鬼同様、この参加者も増殖の能力を持っているとすれば注意が必要かもしれない。

236 ◆k5V1srvipM :2013/08/09(金) 22:42:36 ID:IEwy2B0k0



*  *  *



「ん?お前が持っているのはなんだ」

距離にして1エリア半ほど進んだ所でアカツキが隣の席から発せられるほのかに甘い匂いに気づく。

「『蒸かした芋』さ〜
デイバックに丁度頃合いの物があったから!つい!」

「何故だ…
何故今……芋を食べだした?」

「さっき支給品を調べたらでてきて…
冷めてしまっては元も子もないしー…
今食べるべきだと判断したから」

「…!?

イヤ…わからないな
何故貴様は芋があるならもっと早く言わなかった?」


「え?」

「そいつをよこせ!早く」

アカツキが響のデイバックに手を伸ばす。

「さっきも食料食べたばっかじゃないかー!」

響きが一瞬デイバックをアカツキから遠ざけようとするが、仕方なくデイバックを開け、芋を取り出す。
アカツキは青鬼のデイバックの食料を既に車内で食べ尽くしていたがそれで収まるアカツキの腹の虫ではなく、響の芋を次々に奪い取る。
芋の量は意外に多く、腹持ちのよい物なので8割ほど食べた所でアカツキの食欲は収まった。

「やっと満腹だ」

「すごい食欲ですね…」

さりげなく芋を手に取りながら鬼子が言う。

「あー!さりげなくとるなんてずるいぞー!」

「呑気な物ね…」

ルカが呟く。
その顔には微かな笑みが戻っていた。

響の中の絶望も今は影を潜めている。

237 ◆k5V1srvipM :2013/08/09(金) 22:43:10 ID:IEwy2B0k0



    +    +    +



「そういえば、3人の支給品を確認してないな」

「何?あんたまた人の支給品をかっさらう気なの?」

ルカが毒づく。

「この状態でそれができると思うか?」

プラシドが自分の体を小突く。
ちぎれた半身を見下すようにルカが言う。

「そうね…いい気味よ」

「おい貴様…!」

「まあまあ落ち着いてください二人とも…」

鬼子が二人をなだめる。

さっきまで鬼子はルカの運転の所為でグロッキーだったのだが、雛子の運転は安定しており、おかげでなんとか鬼子は回復していた

「取り敢えず支給品を確認して見覚えのある物や使えこなせそうな物があれば譲り合うなどすれば
戦力や団結力も大幅に上がるはずです」

鬼子の話は至極正論である。
二人はばつの悪い顔をしながらもデイバックを取り出す(プラシドの方は鬼子に手伝ってもらった)
それにあわせて鬼子と3人はデイバックを取り出す(同じく運転中の雛子の方はアカツキがデイバックを取り出した)




   ~      ~      ~




「___それからこの大量の武器、殺し合いに乗っている側からすれば大当たりな品でしょうね

それと司馬宙の_」

そういってルカはまだ確認していない司馬宙の最後の支給品を取り出す。


それは人形のような物だった。

「はずれか?」

「説明書によると《ふなっしー》って名前らしいわ」

プラシドが人形を見つめる。
なんだか不気味である。特に目が完全に薬物中毒者のソレだ。
ルカは無言でふなっしーをデイバックの奥底へしまった。

238 ◆k5V1srvipM :2013/08/09(金) 22:43:40 ID:IEwy2B0k0


     ~~(中略)~~


「…次は雛子のデイバックだな」

プラシドが器用にデイバックを開ける。
基本支給品を取り出し、次にランダム支給品を取り出す。

「これは…」

プラシドが少し苦労して取り出したのは金属のパイプであった。
なんとかそれをを車内に立てかけ、説明書を取り出す。

「ただの鉄パイプのようだ、はずれだな」

「何度も何度もはずれとばかり…あんたは他の言葉を知らないの?」

「そうは言うが武器なんてお前の支給品でほとんど賄えてしまうだろう」

「そ…それはそうかもしれないけど…」

「それよりもう一つの支給品だ」

プラシドが再びデイバックをまさぐる。
すると急にプラシドが動きを止めた。

「……」

「どうしたの?早く出しなさいよ」

「カードだ…」

プラシドが支給品を取り出す。
そのカードには不思議な紋章が描かれていた。

「RUM−リミテッド・バリアンズ・フォース…」

「ちょっとあんた!!!また人の支給品を奪う気!?」

ルカがカードを取り上げようと手を出す。
プラシドはカードを奪われまいと上半身だけで動き回る。

「ちょっと!だしなさい!」

「あっ!貴様!HA☆NA☆SE!」

「二人ともこんな所で暴れないでください!」

「お前らおちつけ!」

アカツキと鬼子が二人を押さえる。

「あのー…私は別にカードを武器にしているわけではありませんので…よろしければあげてもかまいませんが…」

雛子はミラー越しに話す。

「いいのか?」

「はい」

239 ◆k5V1srvipM :2013/08/09(金) 22:44:51 ID:IEwy2B0k0

「ふぅん、感謝する」

プラシドは雛子の支給品を元に戻し、そのカードを自分のデイバックにしまう。

「人から貴重な支給品もらってるのにいい気な物ね」

「フン、貴様の物でもないだろうに

何故止めようとした?」

「なによ!!「だから落ち着いてください」」


「二人とも仲がいいですね」

「は!?な、何言ってるの!!どんな見方したらこんな奴なんかと!!!」

「グホォァ!何故俺が叩かれる!」

「あ!ちょっとやめてください!」

「だからやめろって!」

オッデセイの運転が大きく蛇行する。
アカツキがルカをおさえるもしばらく暴走は続きそうだ。


「うっ…また気分が…」

「え?ちょっとここで吐くのはさすがにやめ「ゴボボーッ!」」







【C-06 道路/1日目・早朝】

【プラシド@遊戯王5D's】
[状態]:上半身のみ、希望の番人化
[装備]:アノニムの二丁拳銃 弾数(5/6、6/6)(一丁のみ腰に差している)@アカツキ電光戦記
[道具]:基本支給品一式、インヴェルズ・ギラファ@遊戯王、 希望王セット@遊☆戯☆王ZEXAL、RUM−リミテッド・バリアンズ・フォース@遊☆戯☆王ZEXAL
[思考・状況]
基本行動方針:絶望の未来を変える
0:アカツキ達と情報交換。
1:気に食わないが戦力になりそうな不動遊星を探す。
2:愛用のDホイールと剣が欲しい。
3:不動遊星との決着は保留。
4:下半身♂を直したい。
5:宙……。
※シンクロの代わりとなるエクシーズに注目しています。
※歴史を改変しシンクロ時代の今をエクシーズの時代に変えようと思っています。
※ルカ達の話の食い違いについては一応思考中・・
※RUMと希望王セットのカードは一度使うと6時間使用できません。
※NO.の精神汚染は本ロワでは無効です。

240 ◆k5V1srvipM :2013/08/09(金) 22:45:41 ID:IEwy2B0k0

【日本鬼子@日本鬼子ぷろじぇくと】
[状態]:健康、嘔吐
[装備]:白楼剣@東方Project
[道具]:基本支給品一式、儀式の人クリスマスパーティーセット@儀式の人シリーズ
[思考・状況]
基本思考:殺生無しに争いを鎮める方法を探したい
0:プラシドさんが目覚めて良かった
1:心を鬼に囚われた人を白楼剣で斬り、迷いから解放する
2:極力殺生はしたくないが、いざというときは……
3:また気持ち悪くなってきた…

【アカツキ@アカツキ電光戦記】
[状態]:疲労(中)、左腕に大きな噛み傷(応急処置済み)、満腹、かすり傷
[装備]:試作型電光機関@アカツキ電光戦記、阪本さんのスカーフ@日常、軍服(手で持っている)
[道具]:こんなところの閉鎖病室の鍵の束@チャージマン研!、銃火器予備弾薬セット@オリジナル、青鬼のデイバック(食料全て消費)
[思考・状況]
基本行動方針:殺しあうつもりは無い。
0:プラシド達と情報交換。
1:「不動遊星」とを探しに学校へ向かう。
2:メイトリックスを探し主催の事を聞きだす。
3:こんなところの地下が少し気になる。
4:すっかり満足(胃袋的な意味で)
5:二人の素性を聞きたい。
6:ケイネスの動向が少し気になる。
7:全身タイツを警戒。
※総統閣下シリーズの世界を知りました。
※別の世界から呼ばれたのだとギルガメッシュから聞きました。ほぼ確定だと考えています。
※第一放送を聞き逃しましが、情報交換の中で内容はほぼ把握しました。
※青鬼が3体以上いる可能性も視野に入れています

【四条雛子@MUGEN】
[状態]:健康
[装備]:ホンダのオデッセイ(ボディーに大量のヘコミとキズ、車内はゲロ臭い)@課金騎兵モバマス予告集
[道具]:基本支給品一式(一食消費、水残り70%)、不明支給品0〜2
[思考・状況]
基本行動方針:真剣勝負を堪能する。相撲に勧誘する。
0:プラシド達と情報交換。
1:学校へ向かう。
2:「鬼柳京介」と「不動遊星」、ついでに強者を探す。
3:響を守り、一緒に相撲をする。
4:アサシンとの決着をつける。
5:余裕があればアカツキの腕をちゃんと治療したい。
6:また会えたらケイネスとも勝負したい。
7:お芋食べたいな…
※MUGENのアカツキと面識があります。その他にも何人かとは面識があるかもしれません。
 具体的に誰を知っているかは後の人におまかせします。
※響の素性を簡単に聞きました。
※アカツキが二人に介抱されるまで何をしてきたか把握しました。
※アカツキから、参加者は異世界から集められたと聞かされました。
 彼ほどではありませんがそう考えています。

241 ◆k5V1srvipM :2013/08/09(金) 22:46:56 ID:IEwy2B0k0

【我那覇響@アイドルマスター(アニメ)】
[状態]:軽い打撲、死への恐怖
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式(一食消費、水少量消費)、ディエンドライバーとライダーカード(ディエンド)@仮面ライダーディケイド、
 蒸かした芋(8割ほど消費)
[思考・状況]
基本行動方針:生きて帰る。
1:アカツキと雛子に着いていく。
2:雛子に守ってもらう代わりに一緒に相撲をする。
3:何で自分の周りは超人だらけなんだ〜!?
4:プロデューサーやアイドルのみんなに会いたい。
5:別の世界……なんかすっごいさ〜
6:ディエンドライバーは絶対に使いたくない。戦いたくない!
7:でも万が一の時は……。
※参戦時期はアニメ15話終了時からです。
※雛子の素性を簡単に聞きました。
※雛子を頼りにする事で死への恐怖を薄れさせています。
※アカツキが二人に介抱されるまで何をしてきたか把握しました。
※アカツキから、参加者は異世界から集められたと聞かされました。
 彼ほどではありませんがそう考えています。

【巡音ルカ@VOCALOID】
[状態]:健康
[装備]:大口径拳銃@魔法少女まどか☆マギカ
[道具]:基本支給品一式、プラシドの下半身@遊戯王5D's、モンスターボール(バッフロン)
    もしかしてオラオラですかーッ!?@未来ガジェット研究所、ふなっしー@現実
[思考・状況]
基本思考:歌い続けるために生きる
0:響を警戒
1:鬼子に協力する
2:絶望には呑まれない
3:雛子の運転技術に少し嫉妬


【蒸かした芋@進撃の巨人】
サシャ・ブラウスが入団式の最中に調理場からかっぱらってきた物
教官に「貴様…何をやっている」と言われようが気にせず芋を食べ続け、
「なぜ今芋を食べだした」と聴かれれば「冷めてしまっては元も子もないので…今食べるべきだと判断しました」と答え、
教官が簡潔に「なぜ貴様は芋を食べた?」と問えば「それは…何故人は芋を食べるのか?という話でしょうか?」と未来的すぎる答えを出し、
同期の間で彼女に「芋女」というあだ名を定着させたいわくのある物である。

【ふなっしー@現実】
船橋市と名産の梨をモチーフにしたご当地キャラ。
何を考えているのかよく分からないような表情をしていながら、キメちゃってるとしか思えない震えっぱなしの動きや荒ぶる跳躍力を見せるギャップが人気の秘訣らしい。
ちなみにtwitterや二コニコのアカウントも持っている。

【鉄パイプ@コマンドー】
メイトリックスがベネットの胸に突き刺した物。

【RUM−リミテッド・バリアンズ・フォース@遊☆戯☆王ZEXAL】
通常魔法
自分フィールド上のランク4以下のモンスターエクシーズ1体を選択して発動する。
選択したモンスターエクシーズよりもランクが1つ高い「C」と名のついたモンスターエクシーズ1体を、
自分のエクストラデッキから、選択したモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚できる。

リミテッド(限定された)の意味通り、RUM−バリアンズ・フォースに比べて大きく能力が制限されている。
もちろんこのカードによってホープをランクアップさせる事は可能。
真月が「共にバリアンに立ち向かう」という約束と共に遊馬に渡したカードであったが…。

242 名無しさん :2013/08/09(金) 22:48:24 ID:IEwy2B0k0
薄い内容ですが投下終了です
タイトルは「増殖するA、飛翔するP -お芋を貪るイェーガー-」です

243 ◆k5V1srvipM :2013/08/09(金) 22:49:47 ID:IEwy2B0k0
書き忘れましたが大きな問題点等あればご指摘ください

244 名無しさん :2013/08/09(金) 23:20:01 ID:RFQvtXi60
投下お疲れ様です
支給品色々と濃すぎィ!!
とりあえずアカツキさんがやっと満腹になって良かった
鬼子、もうこれは車にトラウマが出来たな……(確信)

245 ◆FbzPVNOXDo :2013/08/10(土) 05:07:13 ID:34TwDdNo0
投下します

246 槍兵の奇妙な四角関係とケンのパーフェクトにころわ教室 :2013/08/10(土) 05:08:55 ID:34TwDdNo0
「ゲイ――ジャルグ!!!!」
「チャイナクック・マーベラス・チャーハン! バージョン! エレクトリカル・スピードワゴン!!!!」

あらゆる魔法を打ち破る槍と、何か背後に青色の(恐らく機体が別の物なせいだろうが)食欲が失せるチャーハンを出現させながら、突き進むカブトボーグ。
二つの激突は僅かな拮抗の末、崩れる。
一瞬にして、チャージが切れたかのように吹っ飛ばされ転がり落ちる、エレクトリカル・スピードワゴン。
これが破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ) の力。良く分からない理屈が働き、ボーグが発揮するパワーも魔法として認識し打ち消す。

「変な槍使いやがって!」
「人間は、皆死ね!!!」

焦って、エレクトリカル・スピードワゴンを回収するケンに、キルリアは追撃の槍を放る。
崩れた体勢ながらも、ケンは転ぶように前へ回避し、槍は服を掠めただけで済んだ。
出来れば、すぐさまボーグを叩き付けてやりたいところだが、そうもいかない。
破魔の紅薔薇により、チャージを打ち消されたエレクトリカル・スピードワゴンは、再度チャージをしなければならないが、その時間をキルリアは与えてくれない。
この戦いで、キルリアもボーグの力がチャージによって生み出されるモノだと、気付いたのだろう。

「死ね!死ね!死ね!」

乱雑に振り回される槍。
それは、本来の担い手であるディムルッドであれば、瞬時に槍筋を見切れるくらい遅く、予測の立てやすいもの。
しかし、ケンにとっては違う。かわせない事も無いが、流石にボーグ無しで応戦も出来ない。
このままでは、ジリ貧で確実にケンの方がスタミナ切れを起こし、槍の餌食になる。

「――まあ、チャージ無しでもボーグは使えるんだけどさ」
「え?」

光り輝く閃光。
それが、後に爆破を誘うものだと気付いた時には、既にキルリアは吹っ飛び、地面に叩き付けられていた。
別に、カブトボーグはノーチャージでも、使用することは出来る。
素人ならともかく、ケン程のボーガーならば並みのボーグを蹴散らす位の威力も見込める。

「フッ、勝ったぜ」

勝利の笑みを浮かべ、ケンはエレクトリカル・スピードワゴンを天高く掲げる。
キルリアは、すぐさま立ち上がろうともがくが、体を強く打ちすぎたのか上手く動いてくれない。
頼みの破魔の紅薔薇も、爆発で吹き飛ばされた時に手放してしまい、今はケンの近くにある。

247 槍兵の奇妙な四角関係とケンのパーフェクトにころわ教室 :2013/08/10(土) 05:09:28 ID:34TwDdNo0

「止め――「何をしている、ケン!」

もう駄目かと、目を瞑ったその瞬間。
救いは来た。
人並みはずれた体裁きで、ケンを組み伏せキルリアの窮地を救った美青年。
右目の泣き黒子が、とても印象に残る男の名はランサー。

「離せよ! あいつが悪いんだぞ!!」
「いや、俺は最初から見ていたが、お前が悪い」
「見てたんなら、助けろよ!!」

組み伏せられ、地に顔を着けながらも喚くケンに当身を食らわせ気絶させると、ランサーはキルリアの方へと向き直る。

「お怪我は? 大丈夫ですか」
「は、はい///」

キルリアの目に入ってきたのは、愛の黒子。
彼と対峙した女性は、彼に強烈な恋愛感情を抱く。それは、キルリアも例外ではない。
ケンが聞けば欲しがりそうな能力であるが、それを快く思わない者も居た。

(あの尻軽女め、やっぱり僕の睨んだ通りか)

未だ気絶したフリをしながら、星君は心の中で舌打ちをする。
キルリアの人間を恨む気持ちは、突発的なものだとは分かっていたが、こうも心変わりが激しいとは。
下手をすれば、自分を裏切り襲い掛かってくる可能性もある。

「何よ、この女! ランサー!!!」

そして星君以外にも、この事態を快く思わない者が声を荒げた。
まどか、ほむら、マミという友よりもランサーを取った女、キュウべえ☆どもえ!である。
キュウべえは、気に入らなかった。ランサーは、自分のモノだというのにこの泥棒猫ときたら。

「何ですか貴女! 彼女面しちゃって!!」

それはキルリアも同じだ。
人の初恋に、いきなり現われた無粋な邪魔者。
なんとしても、排除したいところだ。

248 槍兵の奇妙な四角関係とケンのパーフェクトにころわ教室 :2013/08/10(土) 05:11:18 ID:34TwDdNo0

そんな二人が、激突するのに時間は掛からなかった。

口を開けば、出るわ出るわ罵声の数々。
その可愛らしい容姿から、どうやってそんな汚い言葉を生み出せているのか。
何だか、妙な事になってしまったと、頭を悩ませるランサー。

「あら、いい男じゃない! でもね、アンタ達みたいなビッチには勿体無いわよ!!!」

何処からやってきたのか、男色ディーノも口論に加わり、ランサー争奪戦は熾烈を極めた。
今まで、何度か女性絡みで碌な目に合わなかった事は少なくないが、こんなのは初めてだ。

その疑問も、当然ではある。
ようは理性の問題だ。
人間に愛の黒子が効いても、ある程度は理性を保つ事が出来て行動を抑制出来る。
だが、今愛の黒子の虜になっているのは、キュウべえという畜生に擬人化したとはいえ所詮は獣のキルリア。
発情すれば、理性などかなぐり捨て本能のまま動く。
愛の黒子の効き目が、いつもと違うのも無理は無い。




あとホモは知らん。
ホモだしね? うん。



まあそんなこんなで今、奇妙な四角関係が生まれてしまった訳だ。




ゴキャリッ


肉が歪み、骨が砕けた鈍い音。
キルリアから、その音が鳴っているとランサーが気付いた時には既に遅い。
ディーノの腕から、キルリアが人形の様に崩れ落ち、ただの肉塊になっていた。
そのまま、続けさまにキュウべえの顔面に蹴りをぶち込み、顔面から頭に至るまで爪先で抉り殺す。
宙を舞ったキュウべえの死体は、血と肉片を撒き散らしながら、二、三度地面を転がっていくと、もう二度と動かなくなった。

「貴様ァ! 何をしている!!」
「何って? これは、そういうゲームでしょ。悪いけど私は、このアナル♂ロワイアルに勝利しなきゃならないのよ。
 だから、フフッ穿らせて貰うわよ? 貴方の、アナルをねええええええ!!!」

奇妙な四角関係も長くは続かない。
ディーノによって、二つの小さな命は無残に奪われ、そして新たな闘争の幕が開こうとしていた。



【キルリア@ポケットモンスター】死亡
【キュゥべえ@魔法少女ほむ☆どもえ!】死亡

249 槍兵の奇妙な四角関係とケンのパーフェクトにころわ教室 :2013/08/10(土) 05:11:51 ID:34TwDdNo0



【H-04/1日目・日中】

【ランサー@Fate/Zero】
[状態]:疲労(中)、頬にかすり傷
[装備]:ハイリアの盾、プラシドの剣@遊戯王5D's
[道具]:基本支給品
[思考・状況]基本:殺し合いには乗らず主催を討ち取る。
0:ディーノを倒す。
1:ケイネスを探す。
2:ケン……生きてたのか。
3:メイトリックス、門矢士(名前を知らない)を警戒。
4:タドコロ……すまない。
※参戦時期は不明ですが少なくともセイバーと戦った後です。

【男色ディーノ@DDTプロレスリング】
[状態]:ダメージ(小、尻穴だけ重傷)、疲労(中)、男の体を触りたい、舐めまわしたい、いれたい。
[装備]:シーザー・カエサル・エンペラー@人造昆虫カブトボーグ V×V
[道具]:グレーテルの基本支給品一式、コンビニ弁当、スター(ちょっと匂う。24時間使用不可)@マリオシリーズ
    北米化パッチ
[思考・状況]
基本思考:アナル♂ロワイアルの優勝者となる。
0:ランサーを掘る♂
1:襲撃者に備えつつ、いい男を探しに行く。
2:ギルガメッシュは必ず掘りグレーテルは殺す。
3:カズマとケイネスも掘りたい。
4:青鬼を警戒。出来れば、誰かに倒されていて欲しい。
5:ヨシヒコ……。

250 槍兵の奇妙な四角関係とケンのパーフェクトにころわ教室 :2013/08/10(土) 05:12:24 ID:34TwDdNo0









「フン、ホモの相手なんか御免だ」

ランサーとディーノが互いに気を取られている隙に、その場から離脱した星君は心底嫌悪しきった声で呟いた。
まったくもって、ホモというのは理解できない人種だ。種族を増やさない性行為に、何の意味があるというのか。
だが、ある案も浮かんだ。地球人を同性愛者だらけにし、子孫を根絶やしにするという恐るべき計画が。
この殺し合いから抜け出せた後、早速その計画を提案してみる事にしよう。

「もっとも、その前に殺し合いから抜け出せないとだな」

そう言い、手にある一つの石を握っていった。
地の石だ。キルリアが持っていた物だが、どさくさに紛れ盗み出すことに成功した。
どうやら、己が肉体に絶対の自信でもあったのか、ディーノは他者の荷物を奪うという事に、あまり拘っていなかった事が吉と出た。
この石を使って更なる強化を図り、いずれはあのチャージマン研も……。

「っと、その前に」

星君を追う様に飛び出した人影。
それは龍昇ケン、その人の者だった。

「あのガチムチ共も、ランサーもどいつもこいつも……。俺ばかり、こんな目に……。
 そ、そうか……。俺が天才だから、思い返せば――」



『はあはあ……この殺し合い……俺は果たして生き残れるのか?』
『ふっ、良く来たな龍昇ケン』
激戦を潜り抜け、消耗しきったケンの前に現われたのは、中国風の衣装に身を包んだ女性。
『あ、アンタは……』
『言わずとも、分かっておる』




「――そうだ、俺は数々の激戦を勝ち抜き、今や天才となった!
 俺を騙していたのは、奴らが俺に着いて来れないからだ……。
 皆、俺に着いて行けずに……皆、離れていくんだ。……なんて事だ、これが天才の孤独なさだめと言う奴なのか?」

「……いや、意味が分からない」

「ああ、そうだろうな。今や、この俺を理解出来るのは同じ天才である、天野河リュウセイただ一人!
 それ以外は全て前座だ。皆、ぶっ倒してアイツを誘き出してやる! 元々、これはそういうゲームなんだからな!!!」

ケンは己が武器、エレクトリカル・スピードワゴンを構え、星君を見据える。

「先ずは、お前から血祭りに上げてやる!!! 
 俺が、この殺し合いの末に編み出した奥義、チャイナクック・マーベラス・満漢全席でな!!!!!」

「丁度良い。この、地の石とやらの力を試してみるか」

251 槍兵の奇妙な四角関係とケンのパーフェクトにころわ教室 :2013/08/10(土) 05:12:57 ID:34TwDdNo0


【G-04/1日目・日中】

【龍昇ケン@人造昆虫カブトボーグ V×V】
[状態]:疑心暗鬼 激しい怒り、天才、 奥義チャイナクック・マーベラス・満漢全席を取得
[装備]:エレクトリカル・スピードワゴン@人造昆虫カブトボーグ V×V
[道具]:なし
[思考・状況] 基本:皆、俺に着いていけないのでボコボコにする。
0:星君をぶっ倒す。
1:色んな奴をボコボコにして天野河リュウセイを誘き出す!
2:さっきのオッサン達もボコボコにする。
※松岡勝治が死んだと思っています
※正気に戻りましたが、錯乱しています
※この会場にいる女は全員、男か謎の生物が化けたものと思っています
※幾多の激戦を潜り抜けた事により、チャイナクック・マーベラス・満漢全席を取得しました。
 何時の間に? 中国衣装の女って? 知らんな。

 【星君@チャージマン研!】
[状態]:右手に野獣先輩のアレが付着
[装備]:金属バット@現実 、キリン装備@モンスターハンター、地の石@仮面ライダーディケイド
[道具]:基本支給品、双子シグナーカードセット@遊戯王5D's、謎の白い液体@THE 世界遺産、王宮内で手に入れた食料と武器、フランクのカメラ@デッドライジング、
射命丸のカメラ(30/30)@東方Project、士のカメラ(30/30)@仮面ライダーディケイド、射影機(30/30)@零〜zero〜、カメラのバッテリー@現実×2、十四式フィルム(30/30)@零〜zero〜×2、フィルム@現実(30/30)×3
[思考・状況]基本思考:母星や仲間のために殺し合いに乗る。
0:ケンを倒す。
1:キルリアを利用。使いないようなら石を奪う。
2:チャージマン研は最優先で抹殺する。
3:チャージマン研、アルセーヌ(名前は知らない)を警戒(特にチャージマン研)。
4:これから毎日、不意討ちしようぜ!
※参戦時期は不明。あとの人にお任せします。
※制限により姿は星君のままです。
※ジュラル星人には感情が無いので、キルリアは感情を読み取る事が出来ません。
※キルリアのコレまでの経緯を聞きました

252 ◆FbzPVNOXDo :2013/08/10(土) 05:13:30 ID:34TwDdNo0
投下終了です

253 名無しさん :2013/08/10(土) 05:56:10 ID:zv1ePa9g0
ここに来て投下祭りになってうれしいばかり

254 名無しさん :2013/08/10(土) 10:06:40 ID:Bce7x//Io
これはルカがデレる(確信)

255 名無しさん :2013/08/10(土) 10:18:30 ID:e2de2H0I0
投下乙です
これだからホモは怖い(震え)

256 名無しさん :2013/08/10(土) 15:52:02 ID:Vp2I0uzE0
投下乙です

ちょ、おまwwwww

257 ◆k5V1srvipM :2013/08/11(日) 08:44:52 ID:vdb865M20
ケイネス、ちびアサシン、青鬼を予約します

258 名無しさん :2013/08/11(日) 10:44:16 ID:cMHMIguI0
俺は今、恐ろしい想像をしてしまっている…
◆k5V1srvipM氏はもしかして複鳥使って自己リレーしてた人?
その人とのSSと比べていくつか共通点があるから…
それが俺の勘違いで別人なら良いんだが、無関係だと証明出来る手段って無いかな?

259 名無しさん :2013/08/11(日) 11:51:03 ID:vlenC0wI0
議論スレあたりで提案しようと思ってたけど先に言われてしまった
過去に問題起こした人も書き手ができてしまう今のシステムのまま続けてもらうのはまずい
無関係だと証明できるのはしたらば管理人さんだけだろうから、管理人さんにお願いして見てもらうしかないか?
◆k5V1srvipM氏が潔白なら申し訳ないけれど

260 名無しさん :2013/08/11(日) 18:43:41 ID:03qxUOKUo
さすがに文章が似てるってのはこじつけなんじゃないかな…あんまり疑うのもなぁ…

261 名無しさん :2013/08/11(日) 18:46:30 ID:v3Tg4Ruc0
でも支給品のチョイスやタイトル名もあの人に似てるし

262 名無しさん :2013/08/12(月) 01:00:06 ID:qkvPaybU0
共通点その1、東方好き
例 にとり無双の為にアルセーヌをあっけなく殺す 過去のSSもアルセーヌの設定もろくに把握してなかった模様
複鳥の人はレミリアを殺したゴンさんをあっけなく殺そうとした。支給品枠で東方キャラを出そうとした等

共通点その2、遊戯王好き
例 遊戯王のカードを支給品として出している
複鳥の人も遊戯王のカードを何度も支給品で出している。しかも別人を装って
複数の書き手が出しているように見せかけてSSを通そうとしていた

共通点その3、SSの書き方
例 描写がすごくあっさりと終わっている 投下のテンポが速い でも修正要求の対応はすごく遅い
複鳥の人も内容の短いSSを短期間で大量に投下している。それだけ速筆なのに修正要求の対応は遅い
遅いだけではなく要求を無視してwikiに乗せる行為もやらかした

ちょっと共通点多いな ◆k5V1srvipM氏としても疑いは晴らしたいだろうし
ちゃんと解決するまで投下は後回しにした方がいいんじゃないかな

263 名無しさん :2013/08/12(月) 01:24:48 ID:GopIE/Lo0
問題起こした人もこっそりと再参加できる環境をそのままにしておくことが一番まずい

264 名無しさん :2013/08/12(月) 14:35:57 ID:N0J5RXz20
予約はしたらばのみってことでいいんじゃない?
◆k5V1srvipM氏は管理人に連絡して規制解除してもらえばいいと思うけど

265 ◆k5V1srvipM :2013/08/12(月) 17:14:13 ID:.PJcqI3c0
ご迷惑をおかけして申し訳ありません
今別端末でしたらばに書き込めるのでこれから予約はそちらで行います

266 名無しさん :2013/08/12(月) 17:21:35 ID:aUXc/B2Q0
別端末なんか使わないで管理人さんに規制解いて貰いなよ
それともわざわざ別端末使わなきゃならない理由でもあんの?
だって巻き込まれ規制なんでしょ?
調べて貰えばすぐに身の潔白は証明出来るじゃん

267 名無しさん :2013/08/12(月) 18:01:33 ID:pFdvknqc0
カズマみたいな首輪解除って他のロワでの前例はあったっけ?

268 名無しさん :2013/08/12(月) 22:09:46 ID:3PexDbeU0
今回は良いとしても、ほむほむまで解除しちゃえたら流石にまずいと思う

269 名無しさん :2013/08/12(月) 22:25:32 ID:Wz0LwKRg0
もこみちがオリーブで首輪外した時点で……

270 名無しさん :2013/08/12(月) 23:19:23 ID:mt4yrxoo0
今亡き戦隊ロワでリオが首輪爆発と同時に幻獣王になって無事ってのがあったね

271 名無しさん :2013/08/12(月) 23:29:32 ID:aWd3Q/rE0
アサシンも青鬼も首輪ないし、外しやすすぎて逆に裏がありそうな気がしてくる

272 名無しさん :2013/08/13(火) 04:28:00 ID:cbZbABrU0
そういえばマミさんが銃になってたけど首輪はどうなってたんだろう
やっぱり銃身に巻き付けられてたのか

273 名無しさん :2013/08/14(水) 15:27:10 ID:rtDqqc/M0
外れてるだろ流石に

274 名無しさん :2013/08/14(水) 19:23:13 ID:2IoFCnBk0
さすがに名無しの意見は参考程度だな
同じ書き手から物言い付いたら改めて審議だろうけど名無しの言い分は無効だろう

275 ◆FbzPVNOXDo :2013/08/15(木) 03:28:51 ID:Hrbrfklw0
投下します

276 幕間 ◆FbzPVNOXDo :2013/08/15(木) 03:29:31 ID:Hrbrfklw0



『先ずは死亡者の発表からだな。

 ジャック・アトラス……』


何だ? 何を言っているんだ。
鬼柳に続いて、お前まで……。
そうか、鬼柳と同じく上手く奴等を誤魔化せたんだな。
それか勝治みたいに、何故か名前を呼ばれたんだろう?
なあ? そうだろう? ジャック……。




「とうとう、残るチームサティスファクションのメンバーは、俺とクロウだけになってしまったぞ……」

生きていて欲しい。でも、それは殆ど有り得ない事だ。
分かってはいる。分かってはいるのに。
そう言えば、先の放送で勝治もまた呼ばれていた。心配だ、恐らくあいつは生きていると思うが……。
……こんな事をしている場合じゃないな。今は権兵衛の言っていた早苗、海東を探すのが先だ。
泣くのは、その後で良い。

止めていた、デルタイーグルのハンドルに手を掛け、アクセルを踏む。
エンジン音が鳴ったのを確認し、機体の調子を確かめる。

権兵衛達と別れてから数分、放送で足止めを食ったがそれでもまだ早苗達は、そう遠くには行っていない筈。

「なん、だ……?」

自然と頬を暖かい物が伝った。
涙だ、俺は今泣いているのか?
駄目だ、視界がかすんで……でも現実なのか?
嘘だろ……いや当然の事なのかも知れないな。
なんたってあいつは、俺達のチームサティスファクションのリーダー)



鬼柳京介なんだからな。


俺は馬鹿だ。一時でも、奴が本気で死んだだなんて思うなんて。
あいつが死ぬものか、一回死んでもまた蘇ったような男だ。
まったく、こんな顔見られては笑われてしまうな。
腕の裾で涙を拭うが、どうにも止まりそうに無い。
あまりこんなみっともない姿、見せたくは無かったがしょうがないか。
今は、あいつが生きていた事を喜ぼう。

277 幕間 ◆FbzPVNOXDo :2013/08/15(木) 03:30:04 ID:Hrbrfklw0

「鬼柳、生きてたんだな」

言ってやりたい事は沢山あったのに、意外と口っていうものは多くを言わせてくれないらしい。
まあいいさ。俺は、まだこいつと話せるんだ。まだこいつは生きてるんだ。
何でも良い。俺はもう一回、鬼柳と話せるのが嬉しいんだ。
だから、だから鬼柳。


「え?」


――早く、何か言ってくれよ。

何で、お前はそんな顔してるんだ。
頼む、何か言ってくれ鬼柳。


「もう止めなよ。蟹頭の兄ちゃん。
 薄々、分かってんだろ? そいつはあんたの知り合いじゃない」
「麗華……」
「悪いけど、さやか。あんたの事説明するから」

さやか……?
何、言ってるんだ。こいつは、どう見ても鬼柳だ。
鬼柳京介だろ。

「こいつ学校でさ……」

止めろ、やめろ、ヤメロ。
喋るな、もう喋るな。
嘘だ、嘘だ、嘘だ。
だってこいつは……俺の仲間は……。


「そういう訳、悪いけどここに居るのは美樹さやか。
 鬼柳京介って人とは別人」

死んだのか……あいつが?

「ごめんなさい……」
「良い……お前が悪いわけじゃない」
「で、でも……体はこの通りありますし、もしかしたら」
「おい、さやか」
「だから、その……」
「少し、黙っててくれ」

分かっていた事じゃないか。
鬼柳は死んだんだ。
俺は、ただ何も出来ずにあいつを死なせてしまった。
何て無力なんだ。
俺は友一人禄に守れない、俺は弱い、俺は……


――ゆ、う

何だ。

――う、せい

この声は。

――遊、s

違う、声だけじゃない。これは鼓動?

――遊星!


右腕に浮かぶのは消えた筈の赤き龍の痣、輝く赤い龍の頭(ドラゴンヘッド)の閃光。
同時に流れてくるのは熱き鼓動。

(共鳴している? 何処だ? この鼓動は何処から)

「え、え? 私のバックなんで赤く光ってんの?」
「それをこっちへ渡すんだ!」
「ちょっ」

麗華から無理やりバックを引ったくり中身を漁ると、あった。
忘れるわけが無い。今は亡きジャックの魂。

「レッド・デーモンズ・ドラゴン……」

お前なのかジャック。
こんな俺と、戦ってくれるのか。レッド・デーモンズ・ドラゴン。
輝いていた痣は再び消え、共鳴していたレッド・デーモンズ・ドラゴンはその脈動を止めた。

278 幕間 ◆FbzPVNOXDo :2013/08/15(木) 03:30:36 ID:Hrbrfklw0

(呆けてた俺に渇を入れてくれたのか? ジャック……)

「大丈夫ですか?」

心配そうにさやかが俺の顔を覗き込んでくる。

「大丈夫だ、それよりこのカード……」
「ああ、欲しかったらやるよ。別に無くても困らないしな。
 ただそのカードは、一度使っちまってるから一日使えないから」

どうやら、この場ではDMカードは決闘盤無しでも実体化するらしい。
もっとも制限が課せられ、レッド・デーモンズ・ドラゴンは一度使うと24時間使用不可になるようだが。

「色々、世話になった。
 俺はもう行くが、もし早苗、海東という人物に出会ったら……」

麗華とさやかに俺は早苗達の特徴を教え、もし出会ったのなら海東に気をつけろという皆を伝えた。
そして、二人も水を欲しがるという、謎の危険人物の情報を教えてくれた。

「遊星さんも、気をつけてください。特に透明の敵には」
「分かってる」
「あっそうだ。これ、鬼柳さんの服に入っていたハーモニカ……」

さやかの手から差し出されたのは、紛れも無い鬼柳のハーモニカだ。
俺はそれを受け取った。
多分、さやかが持っていても苦しいだけだろうし、これは俺が持っていた方が良い。

「俺はもう行く。
 お前達も気を付けてな」

そう言い、俺は再びデルタイーグルに跨りアクセルを踏んだ。



【F-2/一日目・日中】

【不動遊星@遊戯王5D's】
[状態]:疲労(小)、主催者達に怒り
[装備]:デルタイーグル@遊戯王5D's(操縦中)
[道具]:基本支給品、サイバーZ一号のベルト@真夏の夜の淫夢関連、レッド・デーモンズ・ドラゴン@遊戯王5D's(二日目午前まで使用不可)
ライダーズカード一式@仮面ライダーディケイド、沈黙の騎士ギャラティン@カードファイト!! ヴァンガード
大量の玩具@現実、玩具を弄る為の工具@現実、武器になりそうな物@現実(包丁や鋸など)、鬼柳のハーモニカ@遊戯王5D's
[思考・状況]基本思考:殺し合いの打破
1:少年のもとへ向かう。
2:海東純一を警戒。
3:ありがとウサギを止める。
4:先ずは首輪を解除する。
5:自分のカード達や仲間を探す。
6:田所に対する怒り、警戒。勝治を攻撃した誰かにも注意。
7:許せ、少年
※勝治が今までしてきたことを聞きました。ただし、アルセーヌを覗き見してたことは聞いてません。
 また、田所(野獣先輩)が勝治に一服盛ったと思っています。
 また、ケンが生きてると言う勝治の説に疑心的です。
※勝治の首輪には不具合が起きていると推測しています。
※主催側に何か不都合な事が起きていると推測しています。
※権兵衛からリュウセイと少年(ムラクモ)の現状、危険人物の話を聞きました
※麗華達と情報交換しました。

【東豪寺麗華@MMDDFF】
[状態]:健康
[装備]:エクスカリバー@Fate/Zero
[道具]:基本支給品、DMカードセット(デモンズ・チェーン@遊戯王5D's)
[思考・状況]
1:生き残って主催者をブチ殺す。
2:幽香の奴、死んだのか。
3:水色髪の男(さやか)はほっとけない。
4:レア様とはいずれ決着をつけるつもりだったけど……。
※制限はほとんどされてません。
※遊星と情報交換しました。

【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:鬼柳京介の肉体。
[装備]:さやかのソウルジェム(濁り:大)@魔法少女まどか☆マギカ
[道具]:基本支給品、「スピード・ウォリアー」のカード(4時間使用不可)@遊戯王OCG、
    「くず鉄のかかし」のカード(4時間使用不可)@遊戯王OCG、「???」のカード@遊戯王OCG、不明支給品0〜1
[思考・状況]
基本:殺し合いには乗らない。
 1:謎の戦車を警戒。
※ショウさんの話を聞く直前からの参戦。
※肉体は鬼柳京介のものになっています。
※第一放送を聞き逃しました。
※遊星と情報交換しました。

279 ◆FbzPVNOXDo :2013/08/15(木) 03:31:09 ID:Hrbrfklw0
投下終了です

280 名無しさん :2013/08/15(木) 20:49:12 ID:5RdObaxU0
乙です
でもなんか遊星のキャラに違和感を感じるなあ
止めろ(中略)俺の仲間は……みたいな台詞回しとかあまりいわないと思うな

281 ◆FbzPVNOXDo :2013/08/15(木) 21:48:06 ID:Hrbrfklw0
ありがとうございます
指摘されてみればそうですね
修正してきます

282 名無しさん :2013/08/16(金) 00:54:18 ID:sGoUeYQY0
投下&修正乙です

283 名無しさん :2013/08/16(金) 07:06:16 ID:5H/3taso0
投下おつおつ
たしかに違和感というか遊星が豆腐メンタルすぎる気がするな
身近な仲間だったアンチノミーが死んだ時もここまで心折れるってことは無かったし

284 ◆FbzPVNOXDo :2013/08/16(金) 17:53:46 ID:SfRyLeUY0
修正版投下します

285 幕間 修正版 ◆FbzPVNOXDo :2013/08/16(金) 17:55:24 ID:SfRyLeUY0



『先ずは死亡者の発表からだな。

 ジャック・アトラス……』


友であり、ライバルであった誇り高きキング。ジャック・アトラス。
第二回放送で告げられたのは、彼の死だった。



「とうとう、残るチームサティスファクションのメンバーは、俺とクロウだけになってしまったぞ……」


未だに実感が沸かない。
あの男がそう簡単に死ぬはずが無いと、心の何処かで思っているのかもしれない。

「ジャック……」

結局、鬼柳とジャック。二人の最期すら、看取ってやれなかった。
そう言えば、先の放送で勝治もまた呼ばれていた。――恐らく勝治は生きていると思うが……。
……こんな事をしている場合じゃない。今は権兵衛の言っていた早苗、海東を探すのが先だ。
涙を流すのは、その後で良い。

(すまない二人共……)

止めていた、デルタイーグルのハンドルに手を掛け、アクセルを踏む。
エンジン音が鳴ったのを確認し、機体の調子を確かめる。

権兵衛達と別れてから数分、放送で足止めを食ったがそれでもまだ早苗達は、そう遠くには行っていない筈。

「なん、だ……?」

銀色の長髪に、黒のロングコート。
遊星と同じように顔に刻まれたマーカー。
その容姿は、あまりもあの男と良く似ていた。


「鬼柳……?」



まさか、生きていたというのか?
だが、一回死んでもまた蘇ったような男だ。
ここでもまた、似たような事があったとしてもおかしくは無い。
そう思うと一時でも、鬼柳が本気で死んだだなんて思っていた事が馬鹿らしくなる。

「……鬼柳、生きてたんだな」

言ってやりたい事は沢山あったのに、意外と口というものは多くを言わせてくれないらしい。
まあ今は、鬼柳が生きていた事を喜ぼう。そう思った。

286 幕間 修正版 ◆FbzPVNOXDo :2013/08/16(金) 17:56:01 ID:SfRyLeUY0




「え?」


だから、鬼柳の挙動不審な対応には出鼻を挫かれた。

「どうしたんだ? お前らしくない。それよりも、放送で呼ばれてたが何があったんだ?」
「あ、その……」

おかしい。
殺し合いの場とはいえ、旧友同士が再会したというのに、この妙に余所余所しい反応は何だ?

「蟹頭の兄ちゃん。
 その、さ。……そいつはあんたの知り合いじゃない」

鬼柳の連れだろうか。
横に居た少女が、遊星と鬼柳の会話に割り込んでくる。

「麗華……」
「悪いけど、さやか。あんたの事説明するから」

さやか……?
遊星の背筋に嫌な悪寒が走る。

「こいつ学校でさ……」



麗華という少女の語った内容は、衝撃的なものだった。
その悲惨さは、話だけで聞けば何処ぞのスプラッタB級ホラー映画のような、陳腐ささえ感じられる。

「そういう訳、悪いけどここに居るのは美樹さやか。
 鬼柳京介って人とは別人」

鬼柳を殺した、謎の化け物。
そのまま身体を文字通り、バラバラに解体された少女、美樹さやか。
何が起きたのか、さやかの意識が死んだ筈の鬼柳へと移ってしまうという、イレギュラーな事態。

「ごめんなさい……」

鬼柳の体で、さやかは遊星に頭を下げる。

「良い……お前が悪いわけじゃない」
「で、でも……」
「おい、さやか」

何もさやかに悪いことなど無い。
遊星も麗華も分かっている事なのに、さやかは謝り続ける。

「頭を上げてくれ、さやか」
「遊星さん……」
「確かにあいつは、鬼柳は死んだ。でも、それでも多分あいつは、さやかを助けられて満足したと思うんだ」

最初に出会った時の反応から、さやかは遊星が鬼柳の親友だという事は薄々気付いていた。
だからこそ、恨まれてもおかしくない。いや恨まれて当然とすら思っていた。

「なのに、殺した本人はともかく、俺がさやかを恨むなんてお門違いだ」
「でも私が居なければ、私と会ってなかったら、こんな事にはならなかったかもしれない……」
「そればかりは、分からない。過去は変えられない、後ろを振り返ってばかりじゃ何も出来ない。
 さやか、もしお前が本当にあいつの死に責任を抱いているというのなら、他にやる事があるんじゃないのか?」

「え」と驚くさやかに遊星は一瞬笑みを浮かべる。

「こんな殺し合いをぶち壊して、鬼柳の分まで満足する」
「満、足……?」
「そうだ、満足するんだ。
 鬼柳は俺達が、こんな場所で呆けてる事なんか望んじゃいない」

勇気付けられる。絶望に包まれたさやかに中に、一筋の光明が差し込んでくる。
でも、所詮は遊星が自分の為に言ってくれた――本当に鬼柳(彼)は自分の事を許してくれたのか?

「なんで、そんな事が分かるんですか!? 本当は私の事を恨んでるかもしれないじゃないですか!!!」

遊星の優しさが辛くて、それでいて自分は許されてはいけないんだと思って。
さやかは叫んだ。

「分かるさ。
 ――俺の俺達、チームサティスファクションのリーダーが、そんな事を思う筈が無い」

何も言い返せなかった。
遊星は優しさから、さやかを励まそうとしているんじゃない。
本当にそう思っていて、友を最期まで信じているからこそ、言っているのだと。

「良いの、かな。……私なんかが満足しちゃって」
「構わない。むしろ、するんだ。
 それに主催側の技術なら、さやかの体を元に戻す事も出来るかもしれない。
 奴らの技術をぶん取って、満足してやろう!」

287 幕間 修正版 ◆FbzPVNOXDo :2013/08/16(金) 17:58:15 ID:SfRyLeUY0



(満足って一体……?)

麗華は内心、満足って何なんだ? と思いつつも、さやかが落ち着いた事にほっとする。

(まったく、私もセンチになったな。……って何だ?)
 
――ゆ、う

鼓動?

――う、せい

なんだろうか。
麗華のバッグで、何やらもぞもぞしている物があるようだが

――遊、s

違う、鼓動とだけじゃなく声も聞こえる。

――遊星!


遊星の右腕に浮かぶ消えた筈の赤き龍の痣、輝く赤い龍の頭(ドラゴンヘッド)の閃光。
同時に流れてくるのは熱き王者の鼓動。

(共鳴している? 何処だ? この鼓動は何処から)

「え、え? 私のバックなんで赤く光ってんの?」

同時に麗華のバックも輝き始める。
まさか中にまだ確認していない、変なアイテムでも入っているのだろうか。

「それをこっちへ渡すんだ!」
「ちょっ」

遊星は麗華から無理やりバックを引ったくり、中身を漁ると、あった。
忘れるわけが無い。今は亡きジャックの魂。

「レッド・デーモンズ・ドラゴン。……お前なのか、ジャック?」

輝いていた痣は再び消え共鳴していた、レッド・デーモンズ・ドラゴンはその脈動を止めた。

「大丈夫ですか?」

心配そうにさやかが遊星の顔を覗き込んでくる。

「大丈夫だ、それよりこのカード……」
「ああ、なんか良くわかんないけど、欲しかったらやるよ。別に無くても困らないしな。
 ただそのカードは、一度使っちまってるから一日使えないから」

どうやら、この場ではDMカードは決闘盤無しでも実体化するらしい。
レッド・デーモンズ・ドラゴンも一度使用した為、24時間使用不可になっているようだ。

「そうか、ありがとう。世話になった。
 俺はもう行くが、もし早苗、海東という人物に出会ったら……」

麗華とさやかに俺は早苗達の特徴を教え、もし出会ったのなら海東に気をつけろという皆を伝えた。
そして、二人も水を欲しがるという、謎の危険人物の情報を遊星に教えてくれた。

「遊星さんも、気をつけてください。特に透明の敵には」
「分かってる」
「あっそうだ。これ、鬼柳さんの服に入っていたハーモニカ……」

さやかの手から差し出されたのは、紛れも無い鬼柳のハーモニカだ。

「鬼柳の……ありがとう、さやか」

一瞬、悲しそうな顔を浮かべて遊星はそれを受け取った。

「くれぐれも、お前達も気を付けてな」

そう言い、遊星は再びデルタイーグルに跨りアクセルを踏んだ。

288 幕間 修正版 ◆FbzPVNOXDo :2013/08/16(金) 17:58:47 ID:SfRyLeUY0



【F-2/一日目・日中】

【不動遊星@遊戯王5D's】
[状態]:疲労(小)、主催者達に怒り
[装備]:デルタイーグル@遊戯王5D's(操縦中)
[道具]:基本支給品、サイバーZ一号のベルト@真夏の夜の淫夢関連、レッド・デーモンズ・ドラゴン@遊戯王5D's(二日目午前まで使用不可)
ライダーズカード一式@仮面ライダーディケイド、沈黙の騎士ギャラティン@カードファイト!! ヴァンガード
大量の玩具@現実、玩具を弄る為の工具@現実、武器になりそうな物@現実(包丁や鋸など)、鬼柳のハーモニカ@遊戯王5D's
[思考・状況]基本思考:殺し合いの打破
1:少年のもとへ向かう。
2:海東純一を警戒。
3:ありがとウサギを止める。
4:先ずは首輪を解除する。
5:自分のカード達や仲間を探す。
6:勝治を攻撃した誰かに警戒。
7:許せ、少年
※勝治が今までしてきたことを聞きました。ただし、アルセーヌを覗き見してたことは聞いてません。
 また、田所(野獣先輩)が勝治に一服盛ったと思っています。
 また、ケンが生きてると言う勝治の説に疑心的です。
※勝治の首輪には不具合が起きていると推測しています。
※主催側に何か不都合な事が起きていると推測しています。
※権兵衛からリュウセイと少年(ムラクモ)の現状、危険人物の話を聞きました
※麗華達と情報交換しました。

【東豪寺麗華@MMDDFF】
[状態]:健康
[装備]:エクスカリバー@Fate/Zero
[道具]:基本支給品、DMカードセット(デモンズ・チェーン@遊戯王5D's)
[思考・状況]
1:生き残って主催者をブチ殺す。
2:幽香の奴、死んだのか。
3:水色髪の男(さやか)はほっとけない。
4:レア様とはいずれ決着をつけるつもりだったけど……。
※制限はほとんどされてません。
※遊星と情報交換しました。

【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:鬼柳京介の肉体。
[装備]:さやかのソウルジェム(濁り:大)@魔法少女まどか☆マギカ
[道具]:基本支給品、「スピード・ウォリアー」のカード(4時間使用不可)@遊戯王OCG、
    「くず鉄のかかし」のカード(4時間使用不可)@遊戯王OCG、「???」のカード@遊戯王OCG、不明支給品0〜1
[思考・状況]
基本:殺し合いをぶち壊して鬼柳の分まで満足する。
 1:謎の戦車を警戒。
※ショウさんの話を聞く直前からの参戦。
※肉体は鬼柳京介のものになっています。
※第一放送を聞き逃しました。
※遊星と情報交換しました。

289 ◆FbzPVNOXDo :2013/08/16(金) 17:59:19 ID:SfRyLeUY0
投下終了です

290 名無しさん :2013/08/17(土) 07:21:03 ID:5FeuMG2U0
問題点も解決されてるし乙なんだけど仮投下スレでやらないの?

291 名無しさん :2013/08/17(土) 08:50:40 ID:cUcJSCNg0
乙どす

292 名無しさん :2013/08/17(土) 09:23:09 ID:OFTPfmzs0
別に本スレでもいいだろ
修正乙です

293 名無しさん :2013/08/19(月) 05:55:22 ID:L0k6WTOM0
wiki落ちた?

294 名無しさん :2013/08/19(月) 06:15:50 ID:.bagBZOA0
え、落ちてないけど

295 名無しさん :2013/09/22(日) 11:45:17 ID:4QzUrm/kO
そぉい!

296 名無しさん :2013/09/22(日) 13:47:08 ID:1/bL9vUU0
あら西野くん、まだ早いですよ

297 ◆FbzPVNOXDo :2013/10/26(土) 03:31:54 ID:Sm092yKc0
久々に投下します

298 最悪の脚本(マッドスプリクト) ◆FbzPVNOXDo :2013/10/26(土) 03:33:11 ID:Sm092yKc0
「中々良いペースで減ってるじゃねえか」

第二回放送を聞きジャギは笑みを浮かべる。
どうやら、自分以外にも積極的に殺し合いをしている者は少なくはないらしい。
殺し合いに反対する参加者に下手に徒党を組まれるよりは遥かにましだ。

「さて、どうするか」

疲労が取れたのを確認し、ジャギは前方の獲物を確認する。
数は六人、男二人、女四人。
その内一人は上半身だけ、死体だろうか。
車種までは分からないが、車に乗ってこちらに向かってきている。

(流石にあの人数は面倒だな)

連中がこちらに気付き、車を停車させる。
中から金髪の少女と軍服を着た男が降りてきた。
常人だけならともかく、この二人は相当な使い手。まず一度に相手するのは得策ではない。

「私達は殺し合いには乗っていません」
「うむ、出来れば争いは避けたいが」

相手側に殺意は無い。少なくとも今は。
ならば、今回はそれに乗っかるのも手か。

「ああ、俺も争う気はねえな」

勿論嘘だ。
獲物を欺き隙を見せたところを一気に狩る。
それが彼の立てた作戦、単純極まりないが厄介な事この上ない。

「どうやら敵意は無いらしいな」
「そうですわね。響さん――」

警戒を解き、二人組みは車の中の仲間に呼びかけ始めた。
どうやらファーストコンタクトは悪くないらしい。
正直、あからさまな世紀末フッションにヘルメットと見れば誰でも怪しむものだが、生憎とこの二人が色々ずれてたのも要因だろう。

299 最悪の脚本(マッドスプリクト) ◆FbzPVNOXDo :2013/10/26(土) 03:33:44 ID:Sm092yKc0



その後、自己紹介から始まり今までの情報の交換、危険人物など平穏なコミュニケーションが行われた。
無論ジャギは今までに自分が戦ったリュウセイ、研を危険人物だと教えるなど嘘も混じっているが。

(青色の巨人、か。覚えておくか、いずれ殺してやるがな)

「二人組みの子供か……信じがたいが」
「ああ、俺もそれで騙された。くれぐれも気をつけろよ」

情報の入手も上手くいった。
完全に気を許しているわけでも無いが、それでも隙は徐々に見せ始めている。
何時殺すか、あるいはこのまま誤った情報を流し他の参加者と潰し合わせるのも悪くは無い。

「あァ?」

だからだろう。

「どうし――」

アカツキの背後。
生い茂る木々、茶と緑の自然しかない空間に現われた青色の異物。
その巨体を歩み寄せ、口を開きニタリと笑う“ソレ”。
かつて感じた。そして今尚、アカツキの心を蝕む存在。

「くっ……」

何時から居たのか。如何にしてこの近距離まで気配を消したのか。
浮かぶ疑問は尽きず、そして思考する間もなく身体は回避運動を行う。
だが、驚愕はその回避運動を僅かながら遅らせた。
時間にして一秒も無かったかもしれない。しかし、この場面に置いてこれは致命的過ぎる。

――間に合わない。
闇に包まれ覆われる視界。生暖く気色の悪い吐息。
感じる全てが不快で、そして恐怖で満たされていく。

血が、舞う。

頭を失った体は力を無くし、重力に従い崩れ落ちる。
残ったのは首から上が無い無残な死体。

「雛、子……?」

頭部を噛み千切られた際に地へと落ちた雛子の金髪だけだった。

あの一瞬、雛子はアカツキを跳ね飛ばし青鬼に喰われた。
まるで悪い夢のようだ。
淡々と起こっては過ぎていった事態に理解が追いつかない。

「アカツキさん!」


鬼子の叱咤。
アカツキの意識は再び覚醒し事態を無理やり認識させた。

300 最悪の脚本(マッドスプリクト) ◆FbzPVNOXDo :2013/10/26(土) 03:34:16 ID:Sm092yKc0

「ここは私が何とかしてみせます……ですから早く逃げて!」
「待て、お前一人では……」
「私の命は既に一度、ある人の犠牲により救われました……。今度は私が……」

止めたかった。
戦力的に考えてもアカツキがここに留まるべきなのは明白だ。

(何故、震えが止まらないんだ……!)

怖い。
どうしようもなくあの存在が恐ろしい。
戦意どころか無謀な戦いに臨む仲間を止める事すらできない程に。

「ひ、ひな……なんで、雛子……? 雛子雛子雛子!?」
「ちっ」

虚ろな目で雛子だったものへ近づこうとする響をアカツキは無理やり抱き寄せ担ぎ上げた。
肩の上で暴れる響を制し、上半身だけのプラシドを拾い上げる。

「逃げるぞ!!」

全速力で駆け出した。




「ハァ……ハァ……ここまでくれば大丈夫か?」

半ば放心状態の響を下ろし自身も腰を下ろす。
無我夢中で走った。ここに来たなかで全速力かもしれない。

「鬼子……」

あの場で誰かが残るのは間違った選択じゃなかった。
だが問題は誰が残るかだ。
考えなくても分かる。
鬼子よりも、適任者が居た。
アカツキならば、青鬼と対峙しても生還できる可能性は高い。

「くっ……自分は……」

未だに体が震えている。
止まらない。

「おいアカツキ……ルカは何処だ?」
「何?」

ルカ……。
居ない。何処に?

プラシドの呼びかけでアカツキは更なる異常に気付いた。
ジャギと会ってから、口数は多くはなかったが確かに先までは居たはず。

「不味い、連れ戻さなければ危険だ」

逸れたとすれば、青鬼に遭遇した場所からここまで逃げてきた道中になる。
一先ず来た道を戻り、ルカを捜索を行うべきか。

「!? かわせアカツキ!!」

プラシドの叱咤と同時に五体の一部の感触が消えた。
激痛と溢れ出す流血。

301 最悪の脚本(マッドスプリクト) ◆FbzPVNOXDo :2013/10/26(土) 03:34:48 ID:Sm092yKc0

「ぁあ……」

小さく呻き声を上げ、だがそれでも戦闘の体勢に切り替え襲撃者に視線を移すのは、流石アカツキといったところか。

「ちっ一撃で殺してやろうと思ったんだがな」

血の付いた刃物を振るい血を払うジャギ。

「何の、つもりだ……?」
「見て分からないかよ。乗ってるんだよ、このケンシロウは殺し合いにな!
 数が多くて厄介だと思ったが、いい具合に分かれてくれてラッキーだぜ」

間髪入れず横薙ぎに刃物が迫り、アカツキがいなそうとしたところで止まる。

フェイント。
本命はアカツキの右脇腹を狙った回し蹴り。
右腕を失った事によりガードも出来ず、そのまま衝撃を受け地面を無様に転がる。
即座に残った左腕で立ち上がり体勢を整えようとするも、眼前にはジャギの膝蹴りが迫り顔面にめり込み背中から倒れ付す。
 
「大した事はねえな。少しは骨のある奴だと思ったんだがな」

状況はこちらが押されている。
とすればせめて仲間だけでも逃がすべきだ。

「に、逃げろ……響! プラシドを連れて逃げろ!!」
「む、無理だ……」

雛子へ闘争を促すが彼女は聞き入れてくれない。

「怖いんだ……。雛子も鬼子も居なくなってアカツキまで……」

震える手で銃。
ディエンドライバーを構え響はジャギへと構える。

「止めろ、お前の勝てる相手じゃない!」
「それを貸せ響! 下半身は無いがお前よりは上手く使える筈だ!!」

死への恐怖から正常な判断が出来ないというのもあるだろう。
だが――その目には強い意志が感じられた。
決して、それは正しい行動とはいえない勇気ではなく無謀なこと。
だとしても、今この瞬間響きの眼には強い意思、恐怖へと抗う勇気があった。

302 最悪の脚本(マッドスプリクト) ◆FbzPVNOXDo :2013/10/26(土) 03:35:21 ID:Sm092yKc0

(自分は……一体何をしていたんだ……?)

銃を強く握り決して手放そうとしない響を見てアカツキは自然と笑いが込み上げてきた。
まるで、今までの自分が馬鹿らしくなってくる。

――あの青色の巨人に会ってから自分は何をしていた?
――何を震えていたのだろう。
――あんな少女ですら、戦いを決意している最中自分は……なんと無様な事か。

「止めろ、響」

静かに、そして先までとは違う意思と決意に満ちたその声は、初めて響の耳に届いた。

「自分は帝国軍人。このような賊に負けなどしない」

何も恐れる必要など無い。
あの巨人もヘルメットの男も、全て倒すだけだ。
恐怖などで止まるわけにはいかない。自分にはまだすべき事がある。為さねばならない事もある。
救わなければならない仲間がいる。

「行け響。自分はこんなところで止まるつもりは無い」

強者に平伏す豚は再び戦士としての覚醒を果たす。
その背中は無言の圧力と安堵感が伝わってくる。

「言うじゃねえか、面白ェ」

ジャギはヘルメットの下で静かに、笑う。
それは嬉しさ。
本人すら気付き得ない場所で漢として求めているのかもしれない。
戦うに値する強者に。
ジャギは気付かない。この場に来てから徐々に変わりつつある何かに。

「響は――行ったか」

プラシドを連れこの場を去った響を確認し、アカツキは残った左拳を握り込む。
長くは戦えそうに無い。不意を突かれ片腕を失ったツケがここで回ってきた。
出血は多い。意識を保てるのはあと僅かか。

303 最悪の脚本(マッドスプリクト) ◆FbzPVNOXDo :2013/10/26(土) 03:35:53 ID:Sm092yKc0

「一撃で決めさせて貰うぞ」

故に取った行動は一撃必殺。
初撃で勝負を決め、腕の手当てをし意識を繋ぎとめ響を追う。
アカツキが立てたのはシンプルな予定。

「電光機関――開放……!」

全ての電気エネルギーを左拳に込める。
傷が痛むが気にする暇は無い。
並々ならぬ膨大な力にジャギも一歩後ずさる。

「まだ、そんなもんを隠してやがったか……」

対するジャギは腰を僅かに引き手を携える。
闘気を全身に纏わせアカツキを睨む。
誇り高き帝国軍人に対し、最大の敬意を払うために。
以前のジャギであれば思いもしなかった行動に。

「歯を……」
「南斗――」

アカツキが駆け出し、ジャギは僅かにバックステップをし助走を付ける。

「食いしばれ!!」
「邪狼撃!!」

拳と貫手。電撃と闘気。
両者の奥義が交差し交わり。

静寂が支配する。

ジャギの貫手に使った右腕の皮膚が裂け鮮血が散る。

「すまない……響」

胸部に赤黒い穴を空けアカツキは倒れた。

「クソがっ……」

力なく垂れた右腕を纏っていたジャケットで巻きつけ止血する。
応急処置もいいところだ。何処か落ち着ける場所で治療に専念する必要があるか。
アカツキのディバックを拾い上げ自分のディバックへ放り込むとジャギはその場を後にした。
その顔は、だが何処か満ちているようにも見えた。

304 最悪の脚本(マッドスプリクト) ◆FbzPVNOXDo :2013/10/26(土) 03:36:26 ID:Sm092yKc0


【C-05 /1日目・日中】


【ジャギ@北斗の拳】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、全身に爆発によるダメージ×2、QMZの力の目覚め、原因不明の苛立ち、右腕に裂け傷(止血済み)
[装備]:魔法戦士の衣装一式@QMZ
[道具]:基本支給品一式、音の出るフリスピー@ミツバチ(遊助)、アカツキのディバック
    日本酒一升、刃物×2(全て違う種類、そこそこ大きい)
[思考・状況]
基本思考:ケンシロウの名を騙ってゲームに乗る
0:ケンシロウも気になるが、コソコソ見てた奴(譲治)も気になる。
1:参加者を探し、殺す。
2:銃火器がほしい。ガトリングとか。
3:襲撃者(にとり)は確実に殺す。
4:自分をコケにした女と犬(早苗と権兵衛)は許さない。
5:研、リュウセイ(名前を知らない)は次会ったら殺す。
6:奇跡の部屋にある新鮮な血に疑問。
7:右腕の治療と青鬼を警戒。

305 最悪の脚本(マッドスプリクト) ◆FbzPVNOXDo :2013/10/26(土) 03:36:59 ID:Sm092yKc0









「アカツキ……」
「心配するな響、奴は強い。恐らくこの俺をも凌ぐやも知れないほどにな」

プラシドを連れジャギから逃げ延びた響。
アカツキの事も気になるが、プラシドの言った事をアカツキの言葉を信じて、待つしか今は出来ない。
辺りを見渡し、ここが何処か確認する。
あの青色の巨人と鉢合わせは勘弁だ。

「響、あの車……」

何かを見つけたのか、小脇に抱えられたプラシドが指差す。
その先には見覚えがある車が一台あった。
ホンダのオデッセイだ。自分達が散々乗り回して来た車、忘れるわけが無い。

「何でこんなところに……」
「ルカか鬼子が乗って、ここまで来たのかもしれないな」

そっとドアノブに手を掛ける。

……揺れている。僅かにだが車体が振動している事に響は気づいた。

ガチャっとドアを開ける。

「!?」

ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ

「ルカ……?」

車内に居たのは紛れも無く巡音ルカその人だった。
違いがあるとすれば、少なくとも逸れる以前はまだ生気があったのに比べ
今は顔面蒼白、体は絶えず震えを繰り返し異常なほどに見開いた眼でこちらを見てくる。

306 最悪の脚本(マッドスプリクト) ◆FbzPVNOXDo :2013/10/26(土) 03:37:31 ID:Sm092yKc0

「何だ? 何があった!」

ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ

まるで話にならない。これではマナーモードだ。

「!? お、鬼子!!」

その時、木々の向こうから見覚えのある着物姿が見えてきた。
特徴的な和服、長い黒髪に鬼の角。
間違いない、日本鬼子。

「ぶ、無事だったんだな……」

鬼子の安否を確認し、ほっと一息着いた。
プラシドを助手席に置き、自分は外に出て鬼子を見つめる。
雛子以外は誰も死んでいなかった。
良かった。本当に良かったと心の中で何度も呟き続ける。
気付けば安堵からか、涙まで出始めていた。

「……」

それを心配してか鬼子が響へ近寄ってくる。
響は涙を拭い笑顔を作ると。

「大丈夫、大丈夫だぞ……」

そうだ泣いてる暇なんか無い。
鬼子が生きていたんだ。なのに鬼子をここで心配させてどうする。
アカツキだって生きてる。今は泣くような事は無いのだから……。

「ルカ! 貴様何をしている!!!」

車のエンジン音。最早止まることなど考えていない異常な加速。
ただその場から離れる為だけの運転に響は呆然とする。

「え?」

ニヤリと笑う。
黒い髪に鬼の角を生やした


















「助、け――」







ブルーベリー色の巨人は。








【アカツキ@アカツキ電光戦記】死亡
【四条雛子@MUGEN】死亡
【日本鬼子@日本鬼子ぷろじぇくと】死亡
【我那覇響@アイドルマスター(アニメ)】死亡

307 最悪の脚本(マッドスプリクト) ◆FbzPVNOXDo :2013/10/26(土) 03:38:03 ID:Sm092yKc0



【D-05 /1日目・日中】


【プラシド@遊戯王5D's】
[状態]:上半身のみ、希望の番人化
[装備]:アノニムの二丁拳銃 弾数(5/6、6/6)(一丁のみ腰に差している)@アカツキ電光戦記
[道具]:基本支給品一式、インヴェルズ・ギラファ@遊戯王、 希望王セット@遊☆戯☆王ZEXAL、RUM−リミテッド・バリアンズ・フォース@遊☆戯☆王ZEXAL
[思考・状況]
基本行動方針:絶望の未来を変える
0:ルカ……? 響は?
1:気に食わないが戦力になりそうな不動遊星を探す。
2:愛用のDホイールと剣が欲しい。
3:不動遊星との決着は保留。
4:下半身♂を直したい。
5:宙……。
※シンクロの代わりとなるエクシーズに注目しています。
※歴史を改変しシンクロ時代の今をエクシーズの時代に変えようと思っています。
※ルカ達の話の食い違いについては一応思考中・・
※RUMと希望王セットのカードは一度使うと6時間使用できません。
※NO.の精神汚染は本ロワでは無効です。

【巡音ルカ@VOCALOID】
[状態]:健康、ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ
[装備]:大口径拳銃@魔法少女まどか☆マギカ
[道具]:基本支給品一式、プラシドの下半身@遊戯王5D's、モンスターボール(バッフロン)
    もしかしてオラオラですかーッ!?@未来ガジェット研究所、ふなっしー@現実
[思考・状況]
基本思考:歌い続けるために生きる
1:???


【C-05 /1日目・日中】

【青鬼@青鬼】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]なし
[思考・状況]
基本思考:???
1:???


【D-04 /1日目・日中】

【青鬼B@青鬼】
[状態]健康、日本鬼子の肉体
[装備]なし
[道具]なし
[思考・状況]
基本思考:???
1:???

※雛子、響も青鬼化するかは不明です。

308 ◆FbzPVNOXDo :2013/10/26(土) 03:38:36 ID:Sm092yKc0
投下終了です

309 名無しさん :2013/10/26(土) 11:02:30 ID:7/nghS4MO
投下乙ですー。

310 名無しさん :2013/10/26(土) 11:14:18 ID:NJu//Iu.0
投下乙です

もう全部青鬼一人でいいんじゃないかなと思い始めてきた

311 名無しさん :2013/10/26(土) 12:32:59 ID:k9JWqVMY0
投下乙

だけど青鬼は食った人物から新しい青鬼を生み出すって感じで、食った相手を見た目そのまま青鬼にするわけじゃなかったはず
日中だしすぐ近くに行くまで気づかないってことはないと思う

312 名無しさん :2013/10/26(土) 15:12:15 ID:0.Xm1r.I0
投下乙です

青鬼がこのまま行動を続けていったら…
他の参加者に打つ手はあるのか期待

313 名無しさん :2013/10/26(土) 15:52:53 ID:fQ..PP/c0
投下乙です
鬼子たんが青鬼子になってしまった…

314 名無しさん :2013/10/26(土) 19:19:39 ID:TICwt9dg0
最後の青鬼子のシーン、ヤバ過ぎる……! おっそろしいマーダーだぜ……
ルカがトラウマ作って凄惨な状況に。これもう(何をしでかすか)わかんねぇな
そして命懸けでQMZに立ち向かうアカツキさんの勇姿、実にかっこ良かった!
投下お疲れ様です! 今回も大変面白かったです〜

315 ◆FbzPVNOXDo :2013/10/26(土) 20:16:44 ID:Sm092yKc0
イカ娘投下します

316 イカ娘、侵略やめるってよ ◆FbzPVNOXDo :2013/10/26(土) 20:17:19 ID:Sm092yKc0
第二回放送。
歩む足を止め、イカ娘は耳を傾けた。

「またこんなに死んだでゲソか?」

16名だか17なのか定かでは無いが、ともかく死亡者は減ることは無く殺し合いは進行し続けている。
その事実に奥歯を噛みながら、イカ娘は静かに闘志を燃やす。

イカ娘はこの放送で呼ばれた参加者の殆どを知らない。
強いて言えば、あかりと少ない時間を共にした程度だ。

だが、それでも一ついえる事がある。
何故彼ら、彼女らは死ななければならなかったのだろうか。
もしかしたら、何か凶悪犯罪を犯した者や、本当に救い様の無い悪人も居たのかもしれない。
けれども全員が全員、死んでいい筈など無い。

最早、侵略も願いを叶えられなかった飴の老人の約束も関係ない。

イカ娘は自らの信念に従いこの殺し合いを止め、主催を打倒する事を決意した。

難しい事は分かっている。
でも諦めることだけはしない。
絶対に連中の思い通りにだけはならないし、させない。

「まずはあかりの仇を打つでゲソ。それから仲間を探して首輪も外すでゲソ」

明確なプランは立てていない。
正直、そこまで頭が良いとは言えないからだ。
しかし諦めない限り敗北は無い。

強き決意と瞳に宿る反逆の炎はイカ娘を突き動かす。
その先にあるは勝利か敗北か。



【F-08 /一日目・午前】


【イカ娘@侵略!イカ娘(イカ娘の侵略実績のご紹介)】
【状態】】疲労(小)、深い悲しみ、強い決意
【装備】いつもの服(少し破けてる。あかりの血で汚れている。)
【道具】ヴェルタースオリジナル×1
【思考・状況】
基本:殺し合いを止め、主催を妥当する
1:あかりの仇を討って、仲間も集める

317 ◆FbzPVNOXDo :2013/10/26(土) 20:18:04 ID:Sm092yKc0
投下終了です

あとイカ娘の状態表は下記のでお願いします

【イカ娘@侵略!イカ娘(イカ娘の侵略実績のご紹介)】
【状態】】疲労(小)、深い悲しみ、強い決意
【装備】いつもの服(少し破けてる。あかりの血で汚れている。)
【道具】ヴェルタースオリジナル×1
【思考・状況】
基本:殺し合いを止め、主催を打倒する

318 名無しさん :2013/10/26(土) 20:55:10 ID:TICwt9dg0
投下お疲れ様です
イカちゃん頑張れぇぇぇぇ!!
闘士を燃やすんだああぁぁぁ!!

319 ◆FbzPVNOXDo :2013/10/26(土) 21:50:41 ID:Sm092yKc0
>>316
追加修正で
【F-08 /一日目・日中】に

320 名無しさん :2013/10/26(土) 21:52:11 ID:NJu//Iu.0
投下乙です。

これって午前じゃなくて日中ですよね?

321 名無しさん :2013/10/26(土) 23:25:07 ID:0.Xm1r.I0
投下乙です

イカちゃんは頑張って欲しいが…
敵討ちとかヤバいフラグにもなるからなあ

322 名無しさん :2013/10/27(日) 09:23:45 ID:0Ebmm1ms0
>>311
バージョン6.23の青鬼では、生前の姿に擬態化した青鬼も出てる
会話も出来るから、ある程度知能を持ってるっぽい

323 ◆FbzPVNOXDo :2013/10/29(火) 02:00:53 ID:vz/r6Jqs0
投下します

324 そうだ船に行こう ◆FbzPVNOXDo :2013/10/29(火) 02:01:33 ID:vz/r6Jqs0
ザクッザクッ。

無機質に甲高くも鈍い音が響く。
柄にも無くケイネスはシャベルを振り上げ土を掬うと、それを横の穴へと放る。
徐々に土によって埋もれていくジャックの遺体。
幸いにもジャックの遺体に異常は無かった。
その事へ安堵しつつも疑問も沸いた。

(奴の繁殖方法はてっきりゾンビのようなものだと思ったが……しかしジャックの遺体に異常は無い。
 何か条件があるのか?)

ジャックの遺体を確認した後、こんなところ内を探索したが。そこにはケイネスが使ったクローンは無かった。
誰かが持ち去った可能性もあるが、あの巨人へと変貌しこの場を去ったというのも否定できない。

(一先ずジャックのクローンには魔除けの魔術を施しておいた。
 あの巨人になる事はないだろう)

再びジャックの埋葬を終えると、ケイネスは袖で汗を拭き近くに大木を背に腰を落とす。

(どうする? ランサーとも会えずじまい。
 首輪の解除の方法もまったく手がかりが無い。
 あの巨人の事もまったく分からない。 
 ……八方塞だな)

そこへ定時放送を伝えるサイレンが鳴り、死者の発表が始まる。
放送で呼ばれた名前を聞き、名簿に線を引いていく。
その過程で、やはり幾つか気になる名前が挙がってきた

(ジャック……。それにタドコロという者も逝ってしまったのか……。
 無いとは思うが、ランサーが早まらなければ良いのだが。
 そして松岡勝治、一体何者だ? 何故こんなにも放送で呼ばれる?)

同姓同名にしては名簿には名前が一つしか載っていない。
毎度毎度放送の度に呼ばれる、この少年は一体何者だというのか。
疑問は尽きない。

(これだけ呼ばれたという事は、もしかしたら不死身なのか? 例えば吸血鬼……真祖という可能性もあるな。
 ……今生きていると仮定して会ってみる価値はあるか? となればやはり人と遭遇しやすい場所……市街地、いや――)

ケイネスは地図を広げ指で地名を追いある地点で止めた。

(豪華客船……。勘の良いものなら、船が脱出に繋がると考えるものも少ない無い筈。
 ましてや禁止エリアになったのなら、その前に探索をしようと思うのもおかしくない。
 うむ、絶対的に人が集まるとは限らないが、それでもある程度の数は見込めるかもしれん。
 幸い位置的にも車で行けない訳でも無いしな)

地図を仕舞い君島の車に乗り込む。
ケイネスはこんなところを後にした。


【G-6/1日目・日中】

【ケイネス・エルメロイ・アーチボルト@Fate/Zero】
[状態]:疲労(中) 魔力消費(極小) 令呪残り二画
[装備]:メタルまゆしぃ@Fate/Zero(ケイネスの礼装をCv.花澤香菜にしてみた)、 ヒラリマント@ドラえもん、君島の車@スクライド
[道具]:基本支給品×4(食料×1)、アカツキのディバック、ジャックのデイバック
   ブック・オブ・ジエンド@BLEACH、グリーフシード@魔法少女まどか☆マギカ 
   ハリボテエレジー(破損状態、濡れてる)@JAPAN WORLD CUP
   乖離剣・エア@Fate/stay night
[思考・状況]
基本行動方針:主催者の打倒。
1:松岡勝治と会う、その為にエスポワールに向かう。
2:不動遊星、鬼柳京介を捜索。
3:ランサーの魔力は誰が・・・?
4:ギルガメッシュ、アサシン、ラミエル、グレーテルを警戒。
5:化け物(青鬼)を警戒。
6:このゲームは聖杯戦争と関連している・・・?



※ハリボテエレジーはデイバッグの中で修復するかもしれません。
※令呪を使ったとき発動するかどうかは他の書き手さんに任せます。
※この首輪、または会場の所為で魔力の消費が著しくなっていると考えています。
※青鬼は何らかの方法で増殖すると考えています。
※ジャックの遺体に異変はありませんでした。
※勝治を生きていると仮定しました。真祖という可能性も考慮しています。

325 そうだ船に行こう ◆FbzPVNOXDo :2013/10/29(火) 02:02:06 ID:vz/r6Jqs0
投下終了です

326 名無しさん :2013/10/29(火) 02:43:59 ID:./HMzKmI0
投下乙です
勝治真祖説はともかく不死身ってのは当たらずも遠からずだなw

327 名無しさん :2013/10/29(火) 20:25:51 ID:X8lAiYPM0
乙です
豪華客船・・・まだ手付かずの場所かな?
誰が近くにいたかは覚えてないが

328 名無しさん :2013/10/29(火) 22:43:34 ID:NCUNf9K60
投下乙です

そっちに行くのかあ…

329 ◆FbzPVNOXDo :2013/11/01(金) 04:05:37 ID:oyQ24oho0
投下いきます

330 小さな狼煙――人恋し妖怪―― ◆FbzPVNOXDo :2013/11/01(金) 04:11:25 ID:oyQ24oho0
「良いぞ……もっと殺し合え」

16人だか17人だか分からないが、いいペースで死んでいる。
この様子なら、一日で参加者の大半は死ぬんじゃないか。
しかし現実は非常とでも言うか、こう喜んでばかりも居られない。

「本当なのかベネット?」
『ああ、情報が漏れた』

かなり面倒な事になった。
誰か知らないけど、本部の情報を勝手に盗み見た奴が居るらしい。
今のところ、主催連中を全員調べているらしいが……。

「まっアイツしかいないだろうけどね」

さて処刑に向かうとしよう。
反乱者は生かしておかない。この宴は始まったばかりなんだ。
無粋な真似をして水を差すのは忍びないからね。

331 小さな狼煙――人恋し妖怪―― ◆FbzPVNOXDo :2013/11/01(金) 04:11:58 ID:oyQ24oho0
「また僕の名前が……嫌がらせかな」
「さあ、だとしたら随分と性格の悪い主催も居たものですね!」
「こんな殺し合いを開く時点で、性格も何も無いと思いますけどね」

権兵衛の背で勝治とシャーロックは、先程の放送について各々思った事を話し合う。
まず最初に話題になったのは知り合いの死についてだが、少なくともこの場に居る三人の知り合いの名は呼ばれなかった。
その事に安堵するも、やはり最期に呼ばれた勝治の名前については如何に権兵衛の頭脳を以ってしても、真意を見切ることは出来なかった。

「参加者の混乱を招く為でしょうか? いやそれにしても……」
「他にもっとやりようはありますよね。何で僕なんだ?」
「分かりませんね〜」

呑気に会話を続ける三人を余所に辺りは随分と悲惨な状態になっていた。
倒壊したMOCO'Sキッチンスタジオ。抉れた地面、薙ぎ倒された木々。
瓦礫が散乱し、嫌でもこの辺りで大規模な戦闘があった事が分かる。

「……リュウセイ君、無事ですよね」

シャロは先程までの元気が嘘のように静かな声で呟く。
やはり、この惨状を見て気が滅入っているのかもしれない。

「大丈夫だよ。リュウセイ君は強い。
 なんたって最強のボーグバトラーだからね」
「そう、ですよね。御免なさい、私……」

励ます勝治だが、その当人も顔こそ笑ってはいるが内心は違う。
不安だらけの筈だ。
こんな時に、気の効いた台詞の一つも言えない自分に権兵衛は嫌気がさす。
それを振り払うように、ただ自分は走るだけだ。何もかもが手遅れになる前に。

332 小さな狼煙――人恋し妖怪―― ◆FbzPVNOXDo :2013/11/01(金) 04:12:30 ID:oyQ24oho0

「やあ、譲治だよ」

男の声をしたドレスに身を包んだ女だった。
瞬間移動でもしたかのように、突然現われたその女に二人と一匹は警戒する。

「実はルシフェルという参加者を探していてね」

女はただ淡々と探し人を聞き。二人と一匹は聞き慣れぬ名に首を傾げる。

「知りませんよ」
「そっか、じゃあ――」

男声の女が質問しそれに勝治が答えた直後、飛んできたのはナイフ。
突如現われた銀色の物体。
先端をこちらに向け、風を切り突き進んでくる。
文字通り突然だ。遠くから狙いを着けて投擲したのではなく“突然”男声の女と共に現われた。
三つのナイフが二人と一匹の脳天目掛け飛んでくる。
二人と一匹は、そのナイフの動きがとてもゆっくりと見えるのに、体が反応しない。
これが俗に言う走馬灯とでも言うのだろうと、何処か他人事にように思える。

「やれやれだな」

ふと視界が元に戻ったと思えばナイフは消え、男声の女が謎の爆発に巻き込まれ二人と一匹の前には黒い服を着た男が立っていた。

「あ、貴方は?」
「権兵衛だな? 悪いが自己紹介をしてる暇は無い。
 さっさと逃げてくれないか?」

怪訝そうな顔をする権兵衛。
だが、この男が自分達を助けてくれたのだろう。
一先ずは信用しても、問題は無いと判断した。

「ちっ、クマでも大した時間稼ぎにはならないか」

爆煙の中からカブトボーグを持ったクマが吹っ飛ばされてきた。
更に今度はあの男声の女がゆっくりと姿を現す。

「何の真似だ? 自分からのこのこ出てくるなんて」
「別に。ただ彼らを泳がせた方が面白いと感じたのでね」
「ハッ。知ってるぞ? お前だろ。首輪の情報を漏らしたのは」

譲治がスイッチのような物を持ち。
同時にルシフェルが指を鳴らし自らにかせた首輪を外す。
瞬間、何処からか爆音が聞こえた。

「首輪を……面倒な」
「どうせ爆破に来るだろうと思ってね」

譲治は舌打ちし数本のナイフを手に取る。

「なら、直接殺してやるよォ。ルシフェル!!!」







―――

333 小さな狼煙――人恋し妖怪―― ◆FbzPVNOXDo :2013/11/01(金) 04:13:02 ID:oyQ24oho0


譲治がルシフェルに気を取られている内に権兵衛達はヨコハマ埠頭近くにまで来ていた。
辺りに人の気配は無く、ここならば多少は安全だろうと権兵衛は急かす足を止めた。
暫くの休憩の後勝治が口を開いた。

「な、何だったんでしょうか。さっきの?」
「恐らくは仲間割れでしょうね」
「仲間割れって……どうして?」
「さあ理由までは……」

あの二人の対話を見る限り、仲間割れである事は間違いない。
彼らの内部事情までは把握していないが、何かあったということか。

「うーん。あのルシフェルって人が主催者なら、何で私達を助けてくれたんでしょうか……」
「僕達が殺される事で、何か都合の悪いことがあったとか……」
「分かりませんねー」

権兵衛は立ち上がりシャロへと近づいてきた。

「どうしたんですか?」
「シャーロックさん……良いですか? これからは勝治君と二人でリュウセイ君を探してください」
「え?」
「私はあの男声の女の方へ戻ります」
「そんな、馬鹿な! 自殺行為だ!」

勝治が声を荒げ叫ぶ。
当然だ。あの男声の女はただの人間じゃない。
権兵衛一人では死にに行くようなものだ。

「ですがまたとない好機であるのも事実です。
 そう、連中から主催側の情報を上手く聞き出す、ね」

今まで禄に有益な情報の入らなかった彼らにとっては主催側との接触はまたとないチャンスだ。
権兵衛の言いたいことも分かる。

「なら尚更僕らが……」

けれどもそれはとてつもない危険を孕んでいる事も事実。
権兵衛一匹に行かせる訳にはいかない。

「……勝治くん、シャーロックさん。貴方には貴方方にしか出来ない事がある。
 そして今、私は私にしか出来無い事を見つけただけです」

それでも優しげに権兵衛は笑う。

「シャーロックさん。誇ってください、貴方はあの名探偵シャーロックホームズの孫だ。
 必ず全ての謎は解けるはずです」
「権兵衛さん……」
「勝治くん、後は頼みます」
「ま、待って……」

会話を一方的に切り駆け出す権兵衛に、二人はただ見送る事しか出来なかった。

334 小さな狼煙――人恋し妖怪―― ◆FbzPVNOXDo :2013/11/01(金) 04:13:34 ID:oyQ24oho0








「ふっ……流石に、魔女とクマの二人を相手取るのは無茶だったか……」

胸に飽いた赤黒い穴、クマに開けられたものだ。
そこから血が抜けていく。
手懐けたと思っていたが、やはり所詮は畜生か。餌で簡単に譲治に寝返ってしまった。

(まあ、いい……。目的は達した)

主催者として殺し合いの進行を進める上で、首輪や殺し合いに関する情報を掻き集め、殺し合いからの脱出を志す信頼にたる人物に渡す。
何人もの参加者を見て、厳選し、そして見つけた。本来ならば時期を見てイーノックに渡したかったが、まあいいとしよう。
やっと終わりだ。ここから先は彼らの仕事。自分はもう眠りの時間だ。

『馬鹿な奴だ。適当に命令に従っておけば命は助かったものを』

どうやら、まだルシフェルに着けてある通信機は生きているらしい。
それをいい事にベネットが野次を飛ばしてきた。

「そう、だな……。だが一つ大事な事を忘れていないか?」
『何?』
「私は大天使だ。君達人間に縛られる道理は無い。……そうだろ?」
『そうかい』

身体が冷たくなる感触。なるほどこれが死か。
今まで何年、何百年、何万年と生きてきたが初めてだ。

「……中々悪くない」

死んだら私は天国に行くのか……あまり前と変わらないような気もするな。
まあいい。イーノック、もうすぐお前と同じ場所に行けそう、だ……。

335 小さな狼煙――人恋し妖怪―― ◆FbzPVNOXDo :2013/11/01(金) 04:14:07 ID:oyQ24oho0







驚いた。
私のディバックに違和感を感じたので中身を確認してみたら、見覚えの無いUSBメモリーがあったのだから。
どんな手品を使ったのかは分からないが。恐らくは、あの黒い服の男がやったのだろう。
彼が何の為に私にこれを渡したのかは分からない。
ただ殺し合いの破綻を願っている者というのは薄々だが分かった。

(すみません。シャーロックさん)

推測だが敢えて殺されることにより、あのルシフェルという男は自分自身をフェイクとして使ったのではないだろうか。
首輪の情報を盗み出したとなると主催から追っ手がくる。それに殺され情報を回収したと見せ掛け参加者へと流す。
その参加者の役として私が選ばれたのだろう。

(多分……貴方を悲しませることになるでしょう)

だが、ルシフェルの考えには一つ誤算があった。
いや慢心ともいえる。
彼が人では無い、圧倒的上位の存在だというのは一目見て分かった。
故にだ。ルシフェルは自らの力を過信し、あの男声の女を侮っていた。

「ふん、ルシフェルめ。無駄な小細工を……!」
「グオオ」

ルシフェルが思う以上に男声の女は優秀だった。
だからルシフェルの真意に気付き、胴長のクマを連れ私を追ってきた。
けれどこれではっきりした。
私に渡されたこのメモリーは何か殺し合いの破綻に繋がるものだと。

だからこそルシフェルが自身をフェイクとして扱ったように。

今度は私が囮になる。

「さて、持ってるんだろう? あれを」
「何の事でしょう?」

男声の女は笑う。
「お前など何時でも殺せる」と言わんばかりに。

「話の意図が読めませんよ」
「……消えて貰うよ。本当ならこんな事はしたくないんだけどね。――やれクマ」

336 小さな狼煙――人恋し妖怪―― ◆FbzPVNOXDo :2013/11/01(金) 04:14:40 ID:oyQ24oho0

――来た。
胴長のクマがカブトムシを模した玩具を投擲する。
あれは多分、リュウセイ君に見せてもらったのと同じカブトボーグだ。
確かにあれは変則的な動きをする。

「グォ!?」

ただし、それはあくまでチャージンをし地に車輪を着けてからの話。
その前の、僅かな滞空時間ならば直線的で単調な動きになる。
かわすのは難しい事ではない!

「何やってる! 早くこいつを――」

無駄なのかもしれない。
首輪の情報を流したのも、実はデマで我々の混乱が目的という可能性だってある。
仮に本当にルシフェルが裏切り者だとしても、主催者の圧倒的な力の前には屈してしまうかもしれない。

「や、やめ――」

私が取り出したのはバックから取り出し口に咥えているのは地球破壊爆弾。
名は物騒だが、威力は精々1エリアの半分を消し飛ばすのが精一杯らしい。
それで十分。既にピンは抜いた。後はただ待つだけ。
女の顔が歪み、やめろと問いかけるがもう遅い。もう私にすらこれは止められない。

――我侭ですね。シャーロックさん。
全て貴方に押し付ける形になってしまって。

――早苗さん。貴方にも涙を流させてしまうのでしょうね
謝っても許されることではないでのしょうが。謝らせて下さい。

――リュウセイくん、勝治くん
彼女達を守ってあげて下さい。貴方達は強い。


「ああ、もうそろそろか」


皆さん、後は頼みます。



「ふざけるなああああああああああこんなところでええええええええええええ!!!!」


消える前の蝋燭の様に大声を張り上げる譲治。
だがもう遅い。既に決着は着いた。
視界が真っ白に染まるなか……

「――戦人……」

一瞬だけ、あの男の姿を見た気がした。

337 小さな狼煙――人恋し妖怪―― ◆FbzPVNOXDo :2013/11/01(金) 04:15:12 ID:oyQ24oho0




E-3を眩い閃光が包み込む。
その場にあった全ての者は無へと帰る。
本部により、その様子を確認したベネットは爆破の影響で首輪の情報を記録したUSBメモリも消し飛んだと判断した。
事前の誰かに渡したという可能性もあるが。
少なくともあの“馬鹿”な探偵ごっこの雌ガキと貧弱小僧に渡すなんててことは有り得ないと考え、捜査は一旦打ち切りになった。

ルシフェルの過信と侮りが権兵衛がを死なせたのだとしたら。
今度はベネットの過信と侮りが彼らの首を絞めることになるのかもしれない。

ほんの僅かな一瞬。権兵衛は器用に口を使いこっそりとシャーロックのバックへある物を入れておいた。
小さな探偵のバックの奥底、静かに光るUSBメモリに気付く者はまだ居ない。









【ルシフェル@エルシャダイ】 死亡
【クマ@よもやま四方山】死亡
【権兵衛@幻想入り】 死亡
【右代宮譲治@うみねこのなく頃に】死亡

E-3の半分が消し飛びました。
権兵衛、譲治の遺体及び持ち物は一切残っていません。

338 小さな狼煙――人恋し妖怪―― ◆FbzPVNOXDo :2013/11/01(金) 04:16:13 ID:oyQ24oho0


【D-2/一日目・日中】


【シャーロック・シェリンフォード@探偵オペラミルキィホームズ】
[状態]:疲労(小)
[装備]: なし。
[道具]:基本支給品、手鏡@現実、USBメモリー@ニコロワγ(本人未確認)、ランダムアイテム0〜1
[思考・状況]
基本:探偵として主催者を捕まえ殺し合いを終わらす。
1:リュウセイを追う。
2:リュウセイに勝治を会わせる
3:居るなら他のミルキィホームズや知り合いを探す。
4:権兵衛さん……
※遊星の首輪と放送に関する考察を聞きました
※主催側はメモリーにが気付いていません。

【松岡勝治@人造昆虫カブトボーグ V×V】
[状態]:疲労(中)、頭部に打撲の跡、足に豆が出来た、ちょっと眠い
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、GOと10万円@真夏の夜の淫夢
サイバーZ二号のベルト@真夏の夜の淫夢関連
[思考・状況]
基本:殺し合いを止める。
1:リュウセイを追う
2:マミさん、リュウセイ、ケンが心配
3:田所(野獣先輩)を警戒
4:ケンは絶対生きてる
5:少年への軽い罪悪感
6:権兵衛さん……
※遊星に今までしてきたことを話しました。ただし、アルセーヌを覗き見してたことは言ってません。
※田所(野獣先輩)が一服盛ったと思いこんでいます。
※放送には、嘘があると思っています。
※遊星と権兵衛の情報交換を聞いています。


【地球破壊爆弾@ドラえもん】
ドラえもんに出てきた数ある道具の中でもトップクラスのキチガイ兵器。
文字通り地球を消し飛ばせるが本ロワでは制限してある。

339 ◆FbzPVNOXDo :2013/11/01(金) 04:16:46 ID:oyQ24oho0
投下終了です

340 名無しさん :2013/11/01(金) 14:34:26 ID:HQ/MhTfwO
投下乙です

341 名無しさん :2013/11/01(金) 17:27:41 ID:XDL4lQVo0
投下お疲れ様です
ふおおぉぉ、二人のジョーカーが!!
権兵衛いい活躍だったぜ……。
そして脱出ルートへの道しるべが見えてきました、どうなるか楽しみです

342 ◆FbzPVNOXDo :2013/11/02(土) 02:35:43 ID:UC4o03W.0
投下します

343 きょうのわんこ ◆FbzPVNOXDo :2013/11/02(土) 02:36:27 ID:UC4o03W.0
「ちぃ、雑種風情がぁ」

どうもこんにちわ。グレーテルです。
何だかんだで、第二回放送まで生き残れた幸運を喜ぶ今日この頃ですが、ぶっちゃけ同時に不幸を呪ってもいます。
うん。さっきからこのギルガメッシュめっちゃ機嫌が悪い。
このヒトラーさん、通称閣下が近くの民家から拝借してきた適当な道具を使って手当てをしてるけど、この怒りっぷりだと下手すれば閣下まで殺しちゃいそう。
まあ腕を斬られて怒らない人は居ないだろうけど、それでもやっぱり怖い。

「よしっと。かなり大まかな応急処置だが破傷風などの心配はこれでないだろう。まあ後でちゃんとした場所で治療するべきだろうが。
 斬られた腕もちゃんと保存しとけば、くっつかんことも無いかもしれん」

閣下は治療を終えると、氷を詰めた透明な袋に腕を挟んだモノをギルガメッシュのバックへと入れた。
その後、あまり期待はするなと付け加えたのを見るにやっぱり腕が戻ることは無いのかも。
少しギルガメッシュが可哀相に思えてきた。

「……」

あっやばい。睨んでる。下手な同情とかしたらマジで殺される。

「褒めて使わす。ヒトラー」
「うむ、こちらも大事な情報源を消したくは無いのでな」
「良かろう。褒美として貴様の欲しい情報をくれてやる」

凄い。
あのギルガメッシュ相手に対等に話し合いに持ち込める辺り、やっぱり閣下は只者じゃ無いんだろうと思う。

「では単刀直入に聞くが、お前は第四次聖杯戦争においてアーチャーのサーヴァントとして現界し
 その十年後に行われた第五次聖杯戦争にも、八番目のサーヴァントして介入したあの英雄王ギルガメッシュという事で合ってるか?」
「そうだ。……何故、そこまで詳しく知っている? 魔術師か」
「……あくまで推測になるがな」

そこから閣下言ったことは驚きの連続だった。
先ずこの殺し合いに呼ばれる前、閣下は2012年ふゆあにめなる娯楽のさいしゅうわというものをチェックしていたらしい。
正直聞いた事も無い娯楽だけど、多分閣下やギルガメッシュは私なんかよりも高い地位の人達だから、そういう人達が見るものなんだろう。

344 きょうのわんこ ◆FbzPVNOXDo :2013/11/02(土) 02:36:59 ID:UC4o03W.0

「そうだ。そこは以前の邂逅でも聞いた。
 あの時は妙な巨人の邪魔が入ったせいで話が中途半端に終わったが、そこで我は並行世界が関わっていると確信を持った」
「だろうな。お前の現界した2000年代に日本と、ワシの住む1940年代のドイツでは実に60年近くの差がある」
「更に言えば、その時代にアニメなど無い。確か二次世界大戦辺りだろう? アメリカのデ○ズニーならともかく、貴様の言っていたのは明らかな日本産のアニメ。
 時代誤差にも程がある」
「普通に考えれば、ワシをただの気狂いの類にしか感じんだろうな」
「我も最初はその線で考えていたが、アカツキの言っていた事もある。
 こう立て続けに気狂いに会うものかと疑問になってな。無論、その手の連中だけを集めた殺し合いという可能性もあったが。
 魔術的な観点で考えた方が辻褄は合う」

何この人たち?
意味不明なんだけど。

「ヒトラーよ。我を知ったのはアニメか?」
「正確にはゲームだな。つい最近第四次聖杯戦争の話がアニメ化され、春にその二期がやる予定だった」
「ほう。つまり貴様の世界では我の世界がゲーム、アニメを媒介として映し出されているということか?」
「そうなるな。逆にお前さんの世界では、ワシの時代にアニメなどは無かったという事だな」
「フン、前置きはここまでで良いだろう?」
「ああ。確認したい事も出来たし、やはり並行世界から参加者を集めたという仮説がより強固な物になったからな。
 ……ギルガメッシュ。この場に知り合いの魔術師は居るか?」

さっきから訳の分からない単語が飛び交ってついていけない。
これもう、私が地の文やらない方が良いんじゃないかな。

「妙だな。我の世界の事を知っているのなら、他の魔術師程度知らぬ筈があるまい」
「思い出したのは、お前だけだったんだ。それと聖杯戦争についても大まかな事だけ」
「なるほど。記憶に制限があるということか。
 確かに、その知識は厄介だからな」
「だが魔術師はこの場の脱出からは、必要になるかもしれないと思う。
 それに彼らならワシの記憶のロックも解けるかもしれん」

よく分からないけど閣下は記憶喪失みたいなもので。
それをしたのが主催者って事かな。

「……衛宮士郎、ケイネス・エルメロイアーチボルト」
「衛宮士郎は死んでるな。ならばケイネスとやらか」
「第四次聖杯戦争において、ランサーのマスターだった男だ。我も直接関わっていたわけではない。
 だが優秀ではあるのは確かだ。我の知っているケイネスならば」
「一度、死んでいるのか?」
「そうだ。セイバーのマスターに殺害された。もっとも主催側が死者蘇生の法を用いて、この場に召喚した可能性もある。
 探して損は無いだろう」
「分かった。北のドームに向かうついでがてら、そのケイネスとやらを探そう」
「待て。北の方角には人の気配は皆無だった。向かうならば市街地が良かろう」

確かにあまりあっちは人が居そうでも無かったしね。

「……貴様、敵に回せば面倒だが。有用に使えれば、中々にその知識も便利だろう。
 精々我の為に動くがいい」
「少なくとも、お前が殺し合いに反対している内は味方ではあるつもりだ」
「ならば暫く我の元に居るといい。これから起こる事でお前の意見も聞きたくなるかもしれぬからな」

なんやかんやでケイネスという人を探す事になったらしい。
そして流れて気に閣下も私達と一緒に来るようだ。
私としては、ギルガメッシュと二人っきりはきつかったから良いけど。

(それにしても私、まったくしゃべってないな)

345 きょうのわんこ ◆FbzPVNOXDo :2013/11/02(土) 02:37:32 ID:UC4o03W.0



【D-09 森林/一日目・午後】


【グレーテル@よもやま四方山】
【状態】軽度の火傷、打撲、疲労(小)、血塗れ
【装備】ボロ服
【道具】ディーノの基本支給品一式、ポッチャマ@ポケモン
    浜口優かも×3@学校で配られたDVDがひどい件、剣(石)@Minecraft、アサシンの首輪
【思考・状況】
基本:出来れば死にたくない
1:ギルガメッシュに着いていく
2:愉悦…
3:自分のデイバックを回収する
※モンスターボール(ポッチャマ)が壊れたため、引っ込めることができません
※ギルガメッシュと情報交換をしました
※会場からの脱出は諦めました


【ギルガメッシュ@Fate/stay night】
[状態]:打撲 、右腕欠損(治療済み)、疲労(小)、怒り
[装備]:王の財宝@Fate/stay night(空)、天の鎖@Fate/stay night、 必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)@Fate/Zero
[道具]:基本支給品一式、作業台@Minecraft、ギルガメッシュの右腕、ランダム品(0〜1)
[思考・状況]
基本行動方針:気の向くままに行動する。
1:主催者を殺し王の財宝を取り戻す。
2:ポッチャマに興味。グレーテルはポッチャマのおまけ。
3:男(木原)は今度遭ったら殺す。
4:ヒトラーと共に市街地へ。ケイネスを探す。
※自身にかけられている身体能力の制限に気が付きました。
※殺し合いの参加者が別の世界から呼ばれていると考えています。
※アカツキ電光戦記と総統閣下シリーズ、よもやま四方山の世界を知りました。
※ギルガメッシュがこの先どこへ向かうかは次の書き手さんにお任せします。
※放送と戦闘が被りました。しかし案外聞いている可能性もあります


【総統閣下@総統閣下シリーズ】
[状態]:疲労(大)、左肩負傷
[装備]:出刃包丁@現実、キー・オブ・ザ・グッド・テイスト@人造昆虫カブトボーグV×V
[道具]:基本支給品一式、大量のマンガと本、カイジの地下王国豪遊セット(ポテチ、チーちく、肉じゃが、ビール×4)@逆境無頼カイジ 破戒録編
[思考・状況]
基本行動方針:生きて祖国に帰り可能であるのなら二次元に行く。打倒主催。
0:他の参加者を求め、北のドーム球場へ向かう。
1:情報収集。首輪の解析
2:主催者どもは必ず倒すが、具体的な作戦及び行動方針はこれから考える。
3:クリーパーを失うのは惜しかった…
4:メイトリックスと譲治を警戒……?
5:青鬼とレーザー、およびそれを発射した「何か」を警戒。
6:ギルガメッシュと共に市街地へ。ケイネスを探す。
[備考]
※出典はあくまで総統閣下シリーズ、現実や最後の十二日間での真面目な独裁者ではありません
※サブカル知識も豊富ですが、なんらかの制限がかけられている可能性があります
※ギルガメッシュ他、数人の参加者について情報を得ました。
※アカツキ電光戦記の世界を知りました。
※別の世界から呼ばれた事がほぼ確信に変わっています
※総統閣下のノートには今まで見聞きした事のまとめや考察が数ページにわたって書いてあります。
※クリーパーの説明書を読みました。
※総統閣下の持ち出した本やマンガの詳細は次の方にお任せします。ただしDVDやBDは持ち出していません。
※過去に読んだ「HUNTER×HUNTER」を思い出しました

346 ◆FbzPVNOXDo :2013/11/02(土) 02:38:04 ID:UC4o03W.0
投下終了です

347 名無しさん :2013/11/02(土) 14:18:13 ID:NxlPZqR60
投下乙です。

総統閣下のオタ知識は脱出の肝となるか?
そしてグレーテルカワイソス

348 ◆FbzPVNOXDo :2013/11/02(土) 17:55:41 ID:UC4o03W.0
投下します

349 世紀末吸血主 ◆FbzPVNOXDo :2013/11/02(土) 17:56:18 ID:UC4o03W.0
「くそっ面倒な事になってきやがった!」

あの黒服の男とクマから逃げる為にゲギド街を離れたロックオン。
だが彼は未だに第二の隠れ家を見つけられずに居た。
気付けば、第二放送まで迎えてしまう有様。
流石のロックオンにも焦りが見え始める。

(“民家”や“建物”だけなら幾らかあったが、少なくとも身を隠すには向いてはいなかった。
 ……あの古本屋のように“娯楽”や“調理場”があるのが理想だが、早々あるものじゃないか。
 となると、孤城して殺し合いをやり過ごすって方針は変えるべきかな)

むしろ今までが順調過ぎたのかもしれない。
あの男達の襲来まで気付かなかったが、本来あそこまで参加者に出会わなかった事自体が奇跡だった。
どこぞのボッチだって、最近は人と遭遇したのだからロックオンなら尚更だ。

(参加者との遭遇を避けるのは止めて、むしろ殺し合いに否定的な参加者と行動を共にする。
 ある意味こいつが一番現実的で理想か。フランクの件もあるんであまり他人とは関わりたくは無かったんだが)

一先ず何時でも戦闘を行えるよう銃を構え辺りを警戒しつつ歩く。
殺し合いに積極的な参加者が、待ち伏せや何らかの罠を張ってる可能性もある。
バトルフェーダーも使ってしまった以上、警戒をするに越した事は無い。

(ん? 人か。 随分とふらついてるが)

そうしてから数分後。一人の男を見つけた。
体格は優に190cmは超えており、青い衣類を纏っている。
更にただデカイだけではなく、がっしりとしたその肉体は見るだけで人を圧倒させる程だ。

(あんまし関わりたくは無いが。まあ銃があるこっちの方が有利だろう)

この判断は間違いでは無かった。
あの男は素手で武器を持っている様子も無かった。それにあの体つきを見るに格闘家の類ともみえる。
近距離ならば戦闘では不利になるが、逆に遠距離ならばこちらが有利。
つまりある程度距離を以って接すれば、例え殺し合いに積極的な者でも恐れるに足らない。
無論、最初にあった男声の女のような妙な技を使う可能性もあるが。
その時はその時、リスクなしで成果は早々得られるものではない。

350 世紀末吸血主 ◆FbzPVNOXDo :2013/11/02(土) 17:56:57 ID:UC4o03W.0

「よお。お互い災難だな」

先ずは軽く親友にでも話しかけるような感じで話しかける。
少し馴れ馴れしいかとも思ったが、あまり暗く警戒心むき出しよりかは良いだろう。

「水」
「? 何だ水だって?」
「“水”!!」
「――!」

十分に距離は取ったはずだった。
ロックオンもプロだ。狙いを外すことはあっても間合いを見誤るようなことはしない。
ただ、それ以上に男の踏み込みが強く速過ぎた。ロックオンですら反応が遅れるほどに。
気付けば、手を伸ばせば届くほどの距離に接近を許してしまった。

「この――」

混乱に陥り、正常な思考が出来なくても無理もないこの状況で、銃を構え、狙って、打つ。
この三つの動作を僅か1秒足らずで成し得たロックオンは良くやったと言える。
だが対する男は手刀でロックオンの胸を貫くという一つの動作。

「ぐ、ぁァ」

一瞬で勝敗は決した。
ロックオンは心臓を貫かれ、血を撒き散らしながら地面へと崩れ落ちた。
ケンシロウは絶命していくロックオンなど脇目もくれず、バックを引っ手繰ると水を取り出して口に流し込んだ。

「やっとまともな水だ……」

このところ碌な水が全く飲めなかった。
誰かが毒を放り込んだのか、川の水は触れれば痛くて飲めたモノではなかったし。かなり前にあった二人組はうろ覚えだが逃げられた。
海水を飲むというのも考えたが、不味いので却下。
さらに一時期記憶も曖昧だったりと災難続きだ。
幸い赤い海が元の青い海に戻ってから、また記憶は安定してきたが。

「もう、無いのか……」

どうすれば良い。
このままでは干からびて大変な事になる。
もうこの際何か水分なら何でも……。

「……仕方ない」

この時、ケンシロウの脳裏に恐るべき思考が走る。
絶え間なく流れ続ける赤い液体。
地を赤く染めていくそれは血液。

「飲んでみるか」

とうとうケンシロウは我慢の限界ゆえその狂気に身を任せた。
ロックオンの死体を抱き上げ、胸に開けた穴に口を付けズズズッと啜っていく。

(こ、これは……)

美味しかった。
水の次ぐらいに。

「……水、血でもいい」

ロックオンの血を吸い尽くしたケンシロウはまた新たな水と血を探し始めた。

これもう(何処向かってるのか)わかんねえな。



【ロックオン・ストラトス(ライル・ディランディ)@武力介入できないCBシリーズ】 死亡

351 世紀末吸血主 ◆FbzPVNOXDo :2013/11/02(土) 17:57:30 ID:UC4o03W.0



【D-04/1日目・午後】

【ケンシロウ@北斗の拳(真・世紀末死あたぁ伝説 )】
[状態]:ダメージ小(水により回復)、片腕回復、屍人化停止…
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式(水無し)、不明支給品×3
[思考・状況]
基本:水か血が欲しい(優先は水)
1:水か血を飲む。出会った参加者からどちらか分けてもらう。
2:湧水があるなら確保しておきたい。
3:ラオウを追い、今度こそ確実に倒す。
4:士(名前は知らない)はいいやつだ。
5:水を汚した奴(譲治)を探し殺す。
※堕辰子が帰った影響か屍人化は停止し思考力も戻ってきています。

352 ◆FbzPVNOXDo :2013/11/02(土) 17:58:03 ID:UC4o03W.0
投下終了です

353 名無しさん :2013/11/02(土) 19:15:51 ID:.8fe9Sk.0
投下乙です

ケンシロウは悪い意味でぶれねえなあw

354 名無しさん :2013/11/02(土) 19:34:03 ID:NxlPZqR60
投下乙

血を分けてくれる参加者なんかいるかよwwwww
あと思ったんだけどケンシロウって190cmも身長ないよ
正式には185cmだよ

355 名無しさん :2013/11/02(土) 20:24:31 ID:XMoK/EQc0
投下乙
世紀末求血鬼だこれ

356 名無しさん :2013/11/02(土) 21:08:44 ID:RW2/7yIQO
投下乙です
ケン王、もはや悪鬼と化しているな。

357 名無しさん :2013/11/02(土) 22:44:22 ID:uUfO6Mfk0
投稿乙
閣下ほどアニメやゲームについて語ってるニコニコキャラもいないだろうなあ
参加者達が自分らが「ニコニコ経由のフィルターにかかったキャラ」だと
気付く時は来るんだろうか

358 ◆FbzPVNOXDo :2013/11/02(土) 23:29:21 ID:UC4o03W.0
>>354
ご指摘ありがとうございます
wikiの方に直接修正しておきました

359 ◆FbzPVNOXDo :2013/11/03(日) 18:52:22 ID:48YP1kxk0
投下します

360 私気になります! ◆FbzPVNOXDo :2013/11/03(日) 18:53:38 ID:48YP1kxk0
「譲治までやられ、更に首輪もまた外されただと!」
「落ち着いてください。まだ殺し合いの進行は……」
「黙れ!! これが落ち着いていられるか!」

八つ当たりのように喚き散らすアリアス元大統領を宥めるベネット。
第二回放送後から同じ光景を二人は繰り返してきた。

「冗談じゃないぞ。私はあのメイトリックス大佐に、復讐出来ると聞いたから手を貸したんだ。
 私を殺した憎きメイトリックスにな!!」
「ええ、そうです。俺たちが今回の“依頼人”(クライアント)に手を貸したのはその為です」

二人に共通するのは一度死んだ後にその“依頼人”によって蘇させられ殺し合いの片棒を担ぐよう命じられたということ。
そして殺害者がどちらもジョン・メイトリックスで、その復讐が出来ると聞かされたということ。

「それがどうだ。我々は安全な場所から高みの見物の筈が……見ろ! 速水もこみちの時から薄々可笑しいとおもってたんだ!
 またカズマとかいう参加者が首輪を外したじゃないか!!」
「安心して下さい。何があっても連中はここには……」

一度目の死で、アリアスはこの世に絶対など無いという事を嫌という程思い知った。
例えどんな凄腕のプロを何人も雇い、念密な計画を立て自らの野望を達成させようとしても、それは容易く一人の筋肉モリモリマッチョマンに崩されることもある。
それを嫌という程、彼は知り死んだのだから。

「ふっ何を根拠に……一度死ぬ前にも君はメイトリックスから私を守ると言っていたな?
 それがどうだ? 私を守るどころか一緒にあの世で、気付けばこんな訳の分からん殺し合いの片棒を担がされてるじゃないか!」
「……」

だというのにこんな想定外の連続ではベネットのいう事など信じられようが無いのは無理もないことだった。

「何だ? 何か言ったらどうだ! ベネット!!」
「エンリケ」

ズドンッ

鈍く重量のある音と共にショットガンから散弾が飛び出す。
アリアスは内臓をぶちまけ、血を撒き散らしながら吹っ飛んだ。

「良いんですか?」
「構わん。依頼人からは邪魔なら消しても良いと言われてる。
 これはサリーと一緒に片付けとけ」

僅かに痙攣した後動かなくなったアリアスを、今度はサリーが担架の上に乗せてシーツを敷く。
エンリケと共に担架を持ち上げると、そのまま部屋から出て行った。

「さてどうしたもんかな」

二人が出て行くのを確認した後、ベネットはソファに腰掛けた。

(やっぱり……この殺し合いは娯楽目的か?)

二回放送の時も考えたが、この殺し合いには不自然な事が多い。
実際のところカズマが首輪を外したのも、想定内なのか想定外なのかも分からない。
アリアスが騒いだのも当然ではある。

(少し連絡を取ってみるか、依頼人と)

361 私気になります! ◆FbzPVNOXDo :2013/11/03(日) 18:54:11 ID:48YP1kxk0


【アリアス@コマンドー】死亡


【ベネット@コマンドー】
[思考・状況]
基本思考:殺し合いの進行。メイトリックスへの復讐。
0:依頼人と連絡を取る。

【エンリケ@コマンドー】
[思考・状況]
基本思考:殺し合いの進行。メイトリックスへの復讐。
0:アリアスの死体を片付ける。

【サリー@コマンドー】
[思考・状況]
基本思考:殺し合いの進行。メイトリックスへの復讐。
0:アリアスの死体を片付ける。

362 ◆FbzPVNOXDo :2013/11/03(日) 18:54:44 ID:48YP1kxk0
投下終了です

363 名無しさん :2013/11/04(月) 00:28:42 ID:T.E9nFiY0
乙です

ちょっと展開が早い気もするがアリアスが死亡して主催者らもごたごたしてきたなあ

364 ◆FbzPVNOXDo :2013/11/04(月) 06:13:48 ID:sWhc5Kp.0
投下します

365 D.K. ディケイドは世界を紡ぐのか? 最終鬼畜ホモディーノ ◆FbzPVNOXDo :2013/11/04(月) 06:16:48 ID:sWhc5Kp.0
「あははははははあ!!!」
「くっ―――速い!?」
「遅い遅い。遅すぎよォ!」

プラシドの剣を振るうランサーに、それを次々といなしランサーへと拳を放つディーノ。
ランサーは歯噛みする。サーヴァントの全力を以ってしても、未だ人間一人仕留め切れないこの状況を。
ランサーもディーノの攻撃を紙一重で回避しているが、それでも自身が追い詰められていると自覚する。
基本人間はサーヴァントには勝てず、本来の武器ではないとはいえ、使い慣れた剣を手にして尚これだ。
自身の不甲斐なさび嫌気が差し、ホモの執念に軽く引く。

「何故だ? これ程の腕を持ちながら、どうしてこのような殺し合いに乗る?」
「決まってるでしょう! 私は掘りたいの!! いい男をね!!」

まるで話しにならない。
何らかの目的があるのかと思えば、ただ私欲を満たす為だけに殺し合いを利用しているだけの下郎。
ランサーはその事への怒りに任せ、力一杯プラシドの剣を振るう。
だが、そのような剣はただ直線的で大振りなだけ、隙の多い駄筋に過ぎない。
一目で剣の軌道を見切り、ディーノは体を後ろに傾け間合いを外す。
そしてディーノは、剣を振るいきったランサーが剣を引き戻す前に、開いた間合いを詰め拳を握る。

(馬鹿ね。感情に任せた一撃はかわしやすいものよ。これで―――)

ディーノの拳はランサーを捉え、ディーノの全力を以ってして叩き込まれた。
鐘を鳴らしたような鈍い轟音が鳴り、大気が振るえ、拳に痛みが走る。
―――しかし未だランサーは健在。
ディーノの拳が触れるよりも早く剣を手放し、ハイリアの盾を装備し拳を向かえ打った。
その結果起きたのは

「う、があああああああ!!」

腕に込めたエネルギーの逆流。
硬い物を素手で殴れば痛い。子供でも分かる当然の摂理。
今、それがディーノの手を襲っていた。

366 D.K. ディケイドは世界を紡ぐのか? 最終鬼畜ホモディーノ ◆FbzPVNOXDo :2013/11/04(月) 06:17:21 ID:sWhc5Kp.0

「はっ!」

更に痛みの悶絶するディーノの足を払いのけバランスを崩した後、放ったプラシドの剣を回収。
剣の切っ先をディーノに向け、何時でも止めを刺せるよう構える。

「一応、聞いておこう。考えを改める気は無いか?」
「改める! 改めるわ!! だから助けなさい!!」
「嘘だな。ホモ特有の眼光が消えてない」
「ふざけるんじゃないわよおおお!!」

やっぱホモは汚い(確信)。
意味の無い問答を終え、ランサーは剣でディーノを貫いた。

「何をやってる!?」

その前に声が響いた。
訴えているのは、現状の説明とランサーの剣の静止。
ランサーとディーノが怪訝そうに割り込んできた第三者を見る。

機械的なベルトを付け、こちらを警戒しながら近づく男。
門矢士は事態を見極められずにいた。
彼がことの一部始終を見ていたのは、ランサーがディーノへと止めを刺そうとしていた場面。
この時点では、どちらが殺し合いに乗っているのかも分からない。
放置というのも考えたが、そうもいかないと士の正義感が彼を突き動かした。

「待て、これh「助けて、助けてよ!!」

ランサーが事態の説明を行うより早くディーノが叫ぶ。
咄嗟にランサーは判断した。ディーノはこの青年を騙し、この窮地を脱しようとしているのだと。
しかし、分かったところで止める前にディーノはある事ない事を口に出す。

367 D.K. ディケイドは世界を紡ぐのか? 最終鬼畜ホモディーノ ◆FbzPVNOXDo :2013/11/04(月) 06:17:54 ID:sWhc5Kp.0

「こいつが、こいつがあそこで殺された子達と私を……」
「いやあれはお前が……」
「聞いた? 今あの子達の事“あれ”って言ったわよ!」

士から見れば一見ディーノが襲われて、ランサーは殺し合いに乗った悪意ある参加者に見える。
だがディーノが嘘を着いているという可能性も否定は出来ない。

「剣を持っているアンタはそいつから離れろ」
「……分かった。従おう」

故に先ずは二人から距離を取らせ、尚且つ自分は変身しどちらが妙な気を起こしても対処できるように備える。
二人から更に事細かく詳細を聞き、何が起きていたのか見極めようとする為の策だ。

「さて、じゃあ先ずは名を聞かせてくれ」
「俺はランサー」
「ディーノよ」

バックルに触れカードを持ち、何時戦闘が起きようが問題ない体勢。
ランサーとディーノも同じ、何が起きてもいいよう構える。

「話を聞いてもらおう―――」

ランサーはここに来てから、キルリア、キュウべえと出会い。
そして彼女らを惨殺したディーノと戦闘になった事を告げる。
対するディーノは、その反対。
ランサーが彼女らを殺し、それに激昂したディーノはランサーと戦闘になったと異議を申し立てる。

せめてこの場にケン、あるいは星君でも居れば目撃者として真実はすぐに明らかになっただろうが。
当の二人はここには居ない。その為、彼らの真相を証明できるものはない。

368 D.K. ディケイドは世界を紡ぐのか? 最終鬼畜ホモディーノ ◆FbzPVNOXDo :2013/11/04(月) 06:18:26 ID:sWhc5Kp.0

士は揺れる。
どちらが正しいのだろうか。
もうこれ以上、死者は出さない。
自分の手の届く範囲で誰も助けられない。救えないのはもう懲り懲りだ。

(だがどっちだ……。どちらが正しい?)

ランサーとディーノを交互に見た後、士は二匹の無残な死体を観察する。
白い犬のような、猫のような生き物。あれがキュウべえとやらだろう。
死因は顔を抉られた事によるショック死のようだ。
無残に散らばる肉片が、それを物語っている。

(剣なんかじゃこうはならない……。それにこの抉りようは、もしや蹴り殺したのか?)

咄嗟に士はランサー達の足元を見た。
先ずランサーの足は、多少土で汚れてはいるものの不審な点は無い。
しかしディーノはどうだ? その靴にはベッタリと赤い液体がこびりついている。
もしキュウべえを抉り殺したのが、本当に蹴りなのだとしたらこの赤い液体、血液もその時に付着した事になる。

「お前―――」
「良い推理ね。感動的ね。だが無意味よ?」

真実に気付いた士が見たものは、醜悪な笑みを浮かべ一瞬にして視界から消えたディーノ。
背後から感じる悪寒。生理的ななんか色々なモノが交じり合った恐怖。
首を腕で固定され、尻に硬い物を当てられる。
ディケイドに変身しようとするも、カードを持った手も拘束され自由に動かせない。

「貴様ァ!」
「フリーズ! 俗に言う動くなって奴よ! この子の尻がどうなってもいいの!?」

甘かったとランサーは自身の認識が誤っていたと悟る。
ディーノが暴挙に出ようとすること位は推測できたが、彼はそれを止められる自信があった。
少なくとも単純なスピードに関して、最速のクラスであるランサーの自分が遅れを取るなど思えなかった。
むしろ下手を打って士がディーノの本性に気付ければ、またとない好機だとさえ思っていた。

369 D.K. ディケイドは世界を紡ぐのか? 最終鬼畜ホモディーノ ◆FbzPVNOXDo :2013/11/04(月) 06:18:59 ID:sWhc5Kp.0

(甘かった……。つい先ほどまで俺と互角に渡り合っていたのはまぎれもない、あのホモだったというのに……!)

「ふふふ、やっと掘れそうね……」
「や、やめろ。気持ち悪い」
「直ぐ気持ちよくなるわよォ」
「待て、その青年には手を出すな……」
「あら? 優しいのね。他人の心配をするなんて」

士を心配するランサーを見て、ディーノの中の変なスイッチが入った。
自身の失態を嘆くランサーの表情は、とてもディーノの加虐心を擽った。

「脱ぎなさい」
「は?(憤怒)」
「この子を助けて欲しかったら脱ぎなさい。全て脱いで全裸になりなさい。
 そして跪くのよ」

ヤバイ。
ランサーの背筋を寒気が走る。
これはかなり妙な事になってきたというか、完璧にアダルトな展開だ。
普通こういうのは、もっとこう女の子が脱ぐべきなんじゃありませんかねえ。
なんで男なんだ……。

「いや、それはちょっと……」
「早く脱ぎなさいよォ! それともこの子のアナルが掘られても良いの!!」
「待て、話し合えば分かる」
「分からないから、言ってるんじゃない! あくしなさいよ。
 取りあえず土下座よ。それからケツこっちに抜けなさい。あくしなさいよ」

なんだこれは……。たまげたなあ。
ホモはせっかち。ディーノのペ○スが士のものへと迫っていく。
ランサーも内心脱ぐしかないか。いやしかしここで脱いではと葛藤に駆られる。
これが命令してるのが女だったら、速攻で脱いでると推測出来るにランサーはノンケだと分かる。

370 D.K. ディケイドは世界を紡ぐのか? 最終鬼畜ホモディーノ ◆FbzPVNOXDo :2013/11/04(月) 06:19:31 ID:sWhc5Kp.0

「……全部か?」
「全部よ!」
「流石に下は勘弁してくれないか」
「ふざけんじゃないわよ! あく全部脱ぎなさい! あくしなさいよ!!」

(俺は、一体何をしているんだ?)

士は何処か、他人事のように思う。
仮面ライダーとして戦う。
別に下手に正義を語るつもりは無い。
ただ目の前にある。救えるものは救いたかった。
けれども、この場での自分はただの道化と言っても良いほど無様だ。
仲間一人禄に守れず。挙句人質に取られ、変な事を言っているホモに好き放題されている。

(いや、結局俺には覚悟が、決意が足りていないのかもしれないな)

何を為すべきか。何を信じ貫くべきか。

……流されていただけだった。
ただ主催への怒りの感情に任せ、それらしい事を言い偽りの力を振るうだけ。
そんな自分に何が守れようか。何を打ち倒せようか。

ここは今までのような世界とは違う。
勢いに任せ敵を倒して、それで終わりじゃない。

(所詮俺はただの破壊者か……。何も紡げず何も為せず場をかき乱して死んでいく。
 お似合いだな……ヒーロー気取りの馬鹿には、おあつらえの最期かもしれない)

もういい。
このランサーという男には、自分に構わず後ろのホモを倒して欲しい。
別に悔いなど無いから。

「もう駄目だわ。挿れるわね? 挿れるわよ!」
「ま、待て。分かった下着一枚で妥協しよう。どうだ?」
「無理ね。……さあ、行くわよ。もう止まらないんだから!!」

(―――でも。例え間違ってたとしても、俺はただのヒーロー気取りだったとしても……)

ディーノが士を掘ろうと、腰を僅かに下げたその瞬間。
拘束は緩む。ほんの少し、時間も力も少しだけだがそれは最大の好機。

「う、おおおおおおおおお!!!」

ディーノの鳩尾へと肘打ちを叩き込み。
ディーノの体勢が崩れかけたところで、士は全身に全力を込めがむしゃらに前へと突き進む。
士を戒めていたディーノの拘束から抜け出し、よろけながらもディーノの間合いから外れた。

371 D.K. ディケイドは世界を紡ぐのか? 最終鬼畜ホモディーノ ◆FbzPVNOXDo :2013/11/04(月) 06:20:15 ID:sWhc5Kp.0

「やばっ」

少し前まで興奮してたのとは打って変わり、今度はディーノの背筋を冷や汗が伝う。
不味い。有利な状況から一転、不利に追い込まれた。
間合外の士に攻撃の態勢を取るランサー。
いくらディーノでも、ランサー相手にタイマンでは分が悪いのは最初の攻防で経験済み。
とすれば、今自分に残されたのは……

「逃げるのよォォォ!!」

逃亡。
だが速度という一点においては、それはランサーが一手も二手も上回る。
単純な逃走では駄目だ。そう何か足止めするものが無ければ。

「あー勿体無いわね!」
「何を?」

パンツから取り出した、棘棘しいキラキラ光るヒトデ型の物体。
それをディーノは投げた。
確かにこの棘棘しさなら、投げて当たれば一溜まりも無いかもしれない。
もっともランサーに、この程度の投擲かわせぬ道理は無く。無意味に終わってしまうが。

「こんなもの……」

かわされた。当たり前のように。
だがこれで良い。本命は……

「!? ぐあ、がはっ」

門矢士。
丁度胸に当たり深く刺さりこんでくれたのは不幸中の幸いだ。
恐らくあれなら足止めとしても十分。
現にランサーは足を止め、士へと向き直っている。

これならば逃げ切れる。

「―――変、身……」



KAMEN RIDE


D E C A D E ! !




FINAL ATTACKRIDE DDDDECADE



士が仮面を着けた偉業の戦士へと変わり。
ホログラム状のカードを突き抜け、その飛び蹴りを自らに当てた。
それが、最期にディーノが見た光景だった。

ランサーの目の前でディーノが爆散し炎が巻き上がる。
その爆炎の中から、ディケイドの変身を解いた士がふらつきながらも姿を見せた。

372 D.K. ディケイドは世界を紡ぐのか? 最終鬼畜ホモディーノ ◆FbzPVNOXDo :2013/11/04(月) 06:20:50 ID:sWhc5Kp.0

「大丈夫か? しっかりしろ!!」

ランサーの姿を見て士は安堵したのか、全身の力が抜け地面に倒れこむ。
胸に開いた血は止まる様子を見せない。先のディメンションキックの反動で更に傷口も開いている。

「待っていろ。すぐに治療の出来る場所に……」

―――ああ……今度は死なせずに済んだ。
それもほんの自己満足に過ぎない。
だけど、最期にこれだけは貫けた。

「世界なんて……大それたものは俺は紡げなかったが……」

小さい。あまりにもこれは小さい。
だが、それでも確かに紡げたものもあると士は信じる。
例え自己満足でも良い。この身に変えて紡いだものが、この殺し合いを破壊すると信じて……

「メイト、リックス……。俺の、仲、間……。近く、居る……。この、事……伝え……てくれ」

世界の破壊者。仮面ライダーディケイドの旅は終焉を迎える。
幾たびの世界を巡り彼が紡いだものが、何を為すのか今はまだ分からない。

373 D.K. ディケイドは世界を紡ぐのか? 最終鬼畜ホモディーノ ◆FbzPVNOXDo :2013/11/04(月) 06:21:23 ID:sWhc5Kp.0






「メイトリックス、か」

士の埋葬を終えランサーは数時間前、まどか達から知らされた情報を思い出す。
仮面を着けた男に最初に主催に逆らった男、メイトリックスが殺し合いに乗ったと聞かされたが、改めて疑問に思った。
断言は出来ないが仮面の男は恐らく士だ。
しかし、殺し合いに乗った様子では無かったし、メイトリックスもその仲間だという。

「会って見極めぬ事には始まらないか」

思考を止めた。
今ランサーの中では、まどかの証言より士の言葉の方が信用できた。
関わったのはほんの数分。だがその信念は嫌という程分かった。
そのような男が、殺し合いに乗るとは到底思えなかった。

真実を見極めどうするか決める。
更に何時の間にか消えたケン、そしてケイネスとの合流もある。
やる事は多い。休む暇など無い。

「行くか」

ディーノと士の支給品を回収した際、発見したゲイボルグを二、三度振るって士気を高める。

一人の戦士の勇姿を胸に刻み。
騎士は地を蹴り駆け出した。



【男色ディーノ@DDTプロレスリング】爆☆殺
【門矢士@仮面ライダーディケイド】死亡

【残り30人】



【H-04/1日目・午後】

【ランサー@Fate/Zero】
[状態]:疲労(中)、頬にかすり傷
[装備]:ハイリアの盾、ゲイ・ボルグ@Fate/stay night、プラシドの剣@遊戯王5D's
[道具]:基本支給品、シーザー・カエサル・エンペラー@人造昆虫カブトボーグ V×V
   グレーテルの基本支給品一式、コンビニ弁当、スター(ちょっと匂う。二日目早朝まで使用不可)@マリオシリーズ、北米化パッチ
   ディケイドライバー@仮面ライダーディケイド(2時間使用不可)、ライダーカード一式@仮面ライダーディケイド
   ライダーカード(スペランカー)@ニコニコワールド、ライダーカード(イーノック)
   其為右手@真夏の夜の淫夢(残り使用回数7回)、
[思考・状況]基本:殺し合いには乗らず主催を討ち取る。
1:ケイネス、ケン、メイトリックスを探す。
2:まどかの証言に疑問。
※参戦時期は不明ですが少なくともセイバーと戦った後です。

374 ◆FbzPVNOXDo :2013/11/04(月) 06:21:55 ID:sWhc5Kp.0
投下終了です

375 名無しさん :2013/11/04(月) 10:57:25 ID:ZPU/8BR6O
投下お疲れ様です
やったぜ。(爆発の感想)
そしてもやしもここでついに倒れたか……色んな意味で緊張感のあるいい戦いだった……!
彼の想いを受け、果たしてランサーはどこまで突き進めるのか

376 名無しさん :2013/11/04(月) 17:05:45 ID:TPXgyyYA0
投下乙
士ああああああああああああああ!!
初っ端からかわいそうな目に遭ってばかりだったけど最後は守れてよかったな
あとこれでホモ勢全滅か!(歓喜)

377 名無しさん :2013/11/04(月) 21:39:34 ID:8chy8JiY0
投下乙です
ホモ特有の眼光を見抜くランサーに草不可避ww

378 名無しさん :2013/11/05(火) 15:33:21 ID:QaVL0ofQ0
投下乙です

そうだよ、こういう長くて濃いSSが読みたかったんだよ
よかったです、思い切りワロタw

379 ◆yZJRtWQFk. :2013/11/07(木) 00:52:05 ID:jowGsRXw0
投下します。

380 暇を持て余した神々の遊び ◆yZJRtWQFk. :2013/11/07(木) 00:56:36 ID:jowGsRXw0
『聞こえるか? エンリケだ。これから第二回定時放送を始める』

二度目の定時放送を、早苗達はF-2の市街地にある民家の中で迎えた。

『皆が戻ってくるまで建物の中に身を隠そう』。その提案をしたのは海東だ。
なるべくここから離れるなという権兵衛の指示に反する事になるが、今ここには足に怪我を負った子供もいる。
この少年(名をムラクモというらしい)の応急処置はひとまず済んだが、まだ暫くは安静にさせてやらねばならない。
その為にも、仲間達が戻ってくるまでは少しでも安全な場所で彼を休ませた方がいい。そんな至極真っ当な意見だった。
早苗も今はとりあえず少年の安全を確保したい気持ちでいた為、彼の提案にすぐさま賛成した。
そうして三人は近くの適当な民家の寝室を借り、暫しの休息を取る事にしたのだった。


『―――次の放送はこの俺が担当する。それまで精々生きててくれ』

ベネットと名乗る男の声を最後に放送は途切れた。

「……終わり、ですか。どうやら皆様方はご無事のようですね」

見張りの為に窓際に立っていた海東は、ニコッといつもの笑みを浮かべながら言った。
早苗達が今ここで帰りを待つ者達の名前は、幸い発表された死亡者リストの中には含まれていなかった。

「…………聖さん……」

しかし海東の予想に反して、早苗から喜びの声が上がる事はなかった。
ベッドの横に置いた小さな椅子に座り、どこか哀しげに顔を伏せたままの早苗。
放送が始まるまでは騒々しい程元気に場を和ませていたというのに、今では一変して表情を曇らせている。

「早苗さん、もしやお知り合いだったのですか?」
「……私の友人でした」
「そうでしたか……申し訳御座いません、このような事をお聞きして」
「いえ、海東さんは悪くないですよ」

自分のよく知る誰かが、『死亡者』として名前を呼ばれる。
その度に早苗の心はチクチクと痛み続けていたのだが、今回の放送で受けたダメージは今まで以上に大きかったようだ。
趣味を通じて交流を深めた仲間を失ったショックは、単なる顔見知りを亡くした時とは比べ物にならない。

「お気持ちはお察しいたします。私も仮面ライダーですから、時には戦いの中で仲間を失う事もありました」

海東はゆっくりと早苗の元に歩み寄ると、彼女の白く細い肩にポンと手を置いた。
その手は大きく温かく、傷ついた心の痛みがほんの少し和らいだような気がした。

「しかし、落ち込んでいてはいけません。ご友人の為にも、今は生きてここから脱出する事に専念すべきです。
 貴女にはきっとやるべき事があります。涙を流すのは全てが終わってからでも遅くありませんよ」
「…………そう……ですよね」

早苗は一息だけ深呼吸すると、自らの両頬をぱしぱし叩いて渇を入れた。
わかっている、この仮面ライダーの言う通りだ。今はまだ悲しみに暮れている場合ではない。
死んでしまった人達を弔うのは、無事に幻想郷に帰ってからだ。
決意を固めた早苗は、椅子からすっくと立ち上がる。

「海東さん、顔に似合わずすごくいい事おっしゃいますね! おかげで元気が出てきました!」
「顔……? いえ、お役に立てて光栄です。やはりそうして元気に笑ってる方が貴女らしい」
「みんなで力を合わせて、必ずここから脱出しましょう!!」

なんて頼り甲斐のある人なのだろう。やはりこんな風に他人を思いやれる人でないと正義の味方にはなれないのだ。
そんな事を思いながら、早苗は感謝と尊敬の気持ちを込めて深々とお辞儀をする。
そして頭を上げて天使のような笑顔を見せると、部屋の窓際まで駆けていった。
窓から差し込む昼間の日差しの中で、そっと目を伏せ、天に向かって祈りを捧げ始める。



―――聖さん。そして星さんも。
―――皆さんの事、皆さんと協力してコスプレした時の事、私は一生忘れません。
―――ですから、今はどうか待っていて下さい。
―――幻想郷に帰ったら、聖さんがお好きだった魔法少女リラメル☆鈴木のコスをお供えします!



……友の為に純真な祈りを捧げる少女の背後で、海東はニヤリと笑みを浮かべる。
正義の味方にはとても出来ぬ、邪悪めいた笑みを。

381 暇を持て余した神々の遊び ◆yZJRtWQFk. :2013/11/07(木) 00:58:47 ID:jowGsRXw0





「早苗さん、私は少しの間ここを離れます」

祈りを終えた早苗が椅子に座り直そうとすると、海東は唐突に話を切り出した。

「もこみちが倒れたようですし、そろそろ皆様方が戻ってくるかもしれません。ですから彼らと別れた場所に行ってみようかと思いまして」
「あ、じゃあ私も!」

早苗はいそいそと出発の準備を始めようとするが、海東は手で遮りそれを制止する。

「……私一人で十分です。暫くしたら戻りますので、貴女はここで彼の傍についていてあげて下さい」

そう言って海東はベッドの方向へ目配せした。
ベッドに座るムラクモは、権兵衛の考察メモを無言で読み耽っている。
眉間に皺を寄せて真剣に文書に目を通すその姿からは、この年頃の少年にしては妙に厳かな雰囲気が漂っていた。
確かに怪我した少年を一人残していくわけにはいかない。無暗に連れ回すのも傷に障るだろう。

「わかりました。でも、くれぐれもお気をつけて下さいね」
「ええ。叫べば声の届く距離ですから、何かありましたらすぐにお呼び下さい。よろしくお願いいたします」

海東は斜め45度の一礼をすると、自分のデイパックを背負って部屋から出て行った。


(海東さん……)

早苗は思った。きっと海東は自分達を気遣って自ら危険な役を買って出てくれたのだと。
それは正義の味方である仮面ライダーとして当然の責務かもしれないが、それでも感謝せずにはいられない。
自分も彼に頼ってばかりではいけない、任された務めを果たさなくては。
早苗がムラクモの方に目を向けると、いつの間にか彼もメモを読むのをやめて早苗をじっと見つめていた。

「心配は御無用ですよ、ムラクモくん。いざとなったら私が守ってあげますから!」

エッヘンと力強く胸を張りながら語りかけてくる早苗に、ムラクモは無表情のままこくりと頷いた。

「……ねえ、早苗さん」
「なんです?」
「早苗さんには……どんなものが支給されたの?」

仲間の支給品の確認。バトルロワイアルの参加者なら当然やる事だ。
早苗は微塵も警戒する事なく、椅子の足元に置かれたデイパックを引き寄せる。
そしてごそごそと中身を物色すると、一枚のカードを取り出した。

「じゃじゃーん、まずはこれ『幸運の運び手エポナ』! どんな攻撃もガードしてくれるディフェンスに定評のあるカードです!」
「玩具みたい」
「見た目で判断しないで下さい、私の命の恩人なんですから! 一度使うと二時間使えないからエポナゲーには出来ないですけどね」
「……前に使ったのは何時間前?」

これを使用したのは、あのケンシロウを名乗るヘルメット男に襲われた時。
まだ黎明の頃の出来事だから、既に半日は経過しているはずだ。
その事を伝えると、ムラクモはフム……と相槌を打ってカードを手に取りしげしげと眺め始めた。
それは子供が好奇心で玩具を眺めているというより、駒を手に入れ計略を巡らす軍師の目に近かった。

「……返すよ。これの他には?」
「二つ目は電磁サイリウムですね。よくお祭りで売ってる光る棒、わかりますか? あれに電気が流れて武器になるんです!」
「電気か。他には?」

如何にも子供が好きそうなものなのに、思っていたより反応が薄かった。
早苗はちょっぴり拍子抜けする。

382 暇を持て余した神々の遊び ◆yZJRtWQFk. :2013/11/07(木) 01:01:16 ID:jowGsRXw0
「三つ目は、AT-4です! AT-4っていうのは、」
「携行対戦車無反動砲のこと? 使い捨て式の」
「あ、知ってるんですか。一発しか撃てないですが強そうですよね! バックブラストがあるので撃つ時は注意ですけど」

説明書にも書かれているが、AT-4発射時は反動相殺のバックブラストにより後方90°60mの範囲内は危険区域だ。
注意しなければ後方にいる味方や自らをも火傷の危険に晒す事になる。無論、屋内からの発射など出来るはずもない。

「CS型じゃないんだ」
「シーエス?」
「知らないのか。AT-4CS、市街地戦用にバックブラストを抑えたAT-4の改良型だ。
 従来型は燃焼ガスで反動を相殺するが、CS型は代わりに塩水を噴射する事で閉所でも安全な無反動射撃を実現している」

ムラクモが権兵衛ばりにすらすらと垂れ流した薀蓄を、早苗はぽかんと口を開けたまま聞き入っていた。
それは彼の知識に感心したのではなく、今までの無口さとのギャップに呆気に取られただけだったのだが。

「ムラクモくん、詳しいですね。まるで本物の軍人さんみたいです」
「……。軍事兵器はよく調べてるんだ。単なる趣味だよ」
「いーえ、わかります、わかりますよ!! 兵器は男のロマンですよね!」

何故か少々ばつが悪そうに顔を逸らすムラクモに対し、目をキラキラと輝かせながらグッと親指を立てる早苗。
別に男ではないが巨大ロボが好きな早苗には、男の子が兵器に憧れる気持ちがよく理解できた。
それに、早苗は彼の思いがけない一面を知れた事を内心嬉しく思っていた。
無口で無愛想で自分をあまり曝け出そうとしないこの少年の心にほんの少しだけ近づけたような気がしたから。
彼がどこかばつが悪そうにしているのは、ミリタリーオタクである事を隠すつもりだったからだろうと解釈した。

「わかってくれて助かるよ。AT-4、せっかくだから触らせてくれないかな。重さを知りたいから」
「今は持ってないですよ」
「何?」
「武器が足りなくて困ってた海東さんにあげちゃったんです。電磁サイリウムと一緒に」

その事実を知ると、ムラクモは途端にガッカリした様子を見せた。
海東が帰ってきたら頼めばいいだけのはずなのに。彼の落胆の理由がわからず、早苗は首を傾げる。

「それってつまり、今は何にも武器を持ってないの?」
「持ってないですけど。あー、もしかして不安なんですか?」

今この場にいるのは少女と子供の二人だけ。海東は不在で、その上武器すらない。
こんな状況ならば不安を覚えるのも仕方がないと早苗は納得した。
まだ会ったばかりで会話も碌に出来ていなかった彼は、早苗が何者であるかを知らないのだから。

「ご心配には及びません。武器がなくとも、私には奇跡を起こす”神”の力がありますから!」

その言葉に、ムラクモはぴくりと反応する。

「…………”神”?」

フッフッフ、と早苗は何やら意味ありげに笑ってみせる。
そしておもむろに椅子から立ち上がると、腰に手を当て堂々と胸を張った。

「この私をただの巫女だとお思いだったんですか? 一緒にされては困ります!
 私は一子相伝の秘術で奇跡を起こし、人間でありながら信仰を受けるようになった―――」

そこで一呼吸溜めて勿体ぶりながら、早苗は得意満面にカミングアウトする。

383 暇を持て余した神々の遊び ◆yZJRtWQFk. :2013/11/07(木) 01:04:15 ID:jowGsRXw0


「人でもあり、神でもある―――”現人神”の末裔なのです!!」


―――沈黙。

ドヤ顔を決めている早苗。何故か言葉を失っているムラクモ。
彼は真っ赤な血色の目を見開き、早苗の頭から爪先までじろじろと凝視している。
正直彼がここまで驚くとは思っていなかった為、早苗はちょっぴり良い気分だった。

「…………げ、現人神」
「あらひとがみです」
「本気で言ってるの?」
「私はいつだって本気ですよ! やっぱり信じてませんね?」

とはいえ、疑われるのは早苗にとっても予想の範疇だ。
幻想郷ならいざ知らず、外の世界でいきなり神様宣言されて信用する人間などいない。
寧ろ頭が可哀想な子だと思われても仕方ない。それが外の世界の常識だからだ。

「ならば私が起こす奇跡の力で信じさせてあげましょう! ムラクモくん、そこにある水を手に持っていただけますか!」

早苗はビシッとベッドの宮棚の方を指差す。そこには飲みかけのペットボトルの水が置かれている。
彼は何度も訝しげな眼を早苗に向けながらも、その水を手に取った。

「その水から目を離さないで下さいね。行きます!」

早苗は目を瞑り、右手で五芒星形の印を切りながらボソボソと呪文らしきものを唱える――その時不思議な事が起こった。
ペットボトルは動かしていないのに、ボトルの中の水だけが突然ひとりでに揺れだしたのだ。
そして無色透明だった水が、見る見るうちにオレンジ色に色づいていくではないか。

「水をオレンジジュースに変化させてみました。これぞ現人神の力、これぞ八坂の奇跡です!」

ドヤァ……と得意げに胸を張る。だが彼女の予想に反してムラクモの反応はいまいちだ。

「それだけ?」
「いえいえ、これは簡単な営業用奇跡ですから! 本気になればもっと大それた事も出来ますよ」

実際それは早苗が里の子供達を相手によく使っていた手品レベルの奇跡だった。
呪文詠唱が一言で済むお手軽なもので、それでいて子供ならとても喜んでくれるのだ。
年相応でない彼に合わせて別の奇跡をチョイスすべきだったかとちょっとだけ後悔する早苗。
そんな彼女を前に、ムラクモはフッと鼻で笑う。

「なら、他にどんな事が出来るの。…………”現人神”さま?」

ひたすら抑揚がなく、感情の篭っていない声。
だが元々彼の台詞は起伏が乏しい方で、早苗は別段気にする事はなかった。

384 暇を持て余した神々の遊び ◆yZJRtWQFk. :2013/11/07(木) 01:07:14 ID:jowGsRXw0
「雨風を喚ぶのが主ですね、快晴の日に大雨を降らせたり出来ますよ。あとは海を割ったり、客星を輝かせたり」
「蘇られる?」
「え?」
「死んだ後に何度でも蘇られるとしたら、それは”奇跡”と言っていいよね?」

唐突にそんな事を言われて唖然としない訳がない。
早苗は大きな目をぱちくりとさせるが、またすぐに笑顔を取り戻した。

「ステキですねそれ、中二感がたまりませんっ! そんな秘術があれば良かったのに」
「ないの?」
「ないですよ、守矢の秘術には。『東風谷は滅びぬ、何度でも蘇るさ!』とか言ってみたいですけどねー」

そんな先代にホイホイ甦られたら一子相伝の意味がない。
尤も幻想郷には人間が死後に復活した例も、人間が数百年単位で転生している例もある事にはある。
ただ前者はほぼ人間をやめているようなものだし、後者は色々と面倒な制約があって早苗はあまり憧れなかったのだが。

それを聞いて、ムラクモは再び鼻で笑った。


「死ねば終わりか。……それで良い」

「え?」


小首を傾ける早苗にはわからぬように。

ムラクモは、自らの体内に仕込まれた”ソレ”のスイッチを入れ。

出力を、一気に最大まで引き上げた――――――――――――――

385 暇を持て余した神々の遊び ◆yZJRtWQFk. :2013/11/07(木) 01:09:03 ID:jowGsRXw0















「――――早苗さん、いらっしゃいますか!? 一大事です!」

窓の外から突如飛び込む鬼気迫った声。

「わっ!? な、何事ですか海東さんっ!」

突然の事に面食らいながら振り返る早苗の後ろで、ムラクモは即座にソレのスイッチを切った。
海東は開けていた窓から部屋に侵入し、慌てた様子で彼女に近づいてくる。

「実は、権兵衛さん達と別れた場所に、こんな物が……」

そう言って、ピラッと一枚の紙切れを差し出す。何かの紙の端を小さく破ったもののようだ。
その紙切れにはクッソ汚い字でこう書かれていた。

 ◇

   先に光写真館へ向かいます
   このメッセージに気づいたら追ってきて下さい
   事情は後でご説明します
                          権兵衛
 ◇

「汚い字ですね」
「汚い字、ですか。犬らしい」

これが犬の妖怪である権兵衛が書いたものだとすれば、このミミズののたくったような字も納得できる。
まさか彼らが自分達を置いて先に行ってしまうなんて。
やはり誰か一人でもあの場所で待っているべきだったのかもしれない。
果たしてどんな事情があったのだろうか。説明を省く程に時間に追われていたのだろうか。
それに、シャロやリュウセイに代筆を頼まなかった理由はなんだろうか。
もしや――。理由を考えれば考える程に、早苗の背中に嫌な汗が流れた。

「こっ、こうしてはいられません、早く追いましょう! ムラクモくん、歩けそうですか!?」
「いいよ、心配しないで」

早苗は出してあった食料や水を急いでかき集めてデイパックの中に放り込む。
ムラクモはいつの間にやら先に荷造りを終えていた。

「とはいえ、ムラクモくんにあまり無理をさせるとまた足の傷が開いてしまいます。
 ……早苗さん、こんな事を女性にお願いするのも申し訳ないですが、彼を背負っていただけませんか?」
「私がですか?」
「本来なら私の役目でしょうが、いざという時に貴女様方を守る為にも両手は空けておきたいのです」
「なるほど、でしたらお任せ下さい!」

早苗は快く引き受け、ベッドに座るムラクモに背を向けて身を屈めた。
しかし女性の背を借りるのはプライドが許さないのだろうか、ムラクモ本人は少々遠慮気味だ。

「見栄なんて張らなくていいですよ、怪我人なんですから。それに、私は空を飛べますからね!」

早苗は半ば無理やりムラクモを背に担ぐと、ふわりとその身を宙に浮かせた。
提案した海東自身もこれは想定外だったらしく、ほう……と思わず嘆息した。
ムラクモは彼女の背でほんの少しだけ目を見張ったが、奇跡に慣れ始めていたのかさほど驚く事はなかった。

「すごいですね。私の世界には空を飛べる人間なんていませんでした」
「幻想郷では常識に囚われてはいけないのです。さあ、早く権兵衛さんを追いましょう!!」

386 暇を持て余した神々の遊び ◆yZJRtWQFk. :2013/11/07(木) 01:12:00 ID:jowGsRXw0



 ★ ★ ★



―――駄目だ、まだ笑うな……こらえるんだ、し、しかし……。

あまりに上手く事が運び、俺は笑いを押し殺すのに必死だった。

権兵衛は光写真館になど向かっていない。それどころかまだあの場所に戻ってきてすらいないはずだ。
この書置きは手駒達を動かす為についさっき俺が偽造したものだ。
いくら思慮の浅い女子供が相手とはいえ、権兵衛との約束を無下にすれば俺は反感を食らい信用を落としてしまう。
だったら餌で釣ればいい。ここにいない権兵衛に俺の手駒を誘き寄せる、まさに餌を演じてもらったんだよ。

俺はまんまと騙された早苗達を連れ、民家の外に出る。

「では参りましょう。あまり上空を飛ぶと目立ちますから、出来るだけ低空飛行でお願いいたします」
「わかりました!」

それにしても、空を飛べる人間か。ただの少女かと思ってたが、存外利用価値がありそうだ。
時々意味不明な事を喚くのが難点だが、少し優しい言葉をかけたり励ましただけですぐ従順になって実に扱いやすい。
しかも既にこの俺に厚い信頼を寄せている。この早苗はもう俺の意のままだ。
次はムラクモの使い道でも考えようか。今の所は人質くらいにしか使えそうにないが。

……全く、子守役というのもつらいな。まあ、大樹も昔は手がかかったものだが……。


―――その時、北東の方角から眩い閃光が放たれた。



 ★ ★ ★



眩しい光とほぼ同時に爆音が辺りに響き渡って、私と海東さんは同時にその方向へ顔を向けた。

「な、何でしょうか?」
「爆弾……でしょうね。気にせず参りましょう」

海東さんはそれだけ言って急ぎ足で南東へと進み始めた。
……なんでしょう。とても嫌な予感がします。
方角からして無関係でしょうけど、もし権兵衛さん達があんなのに巻き込まれる事があったら……。
海東さんも同じ思いで私を急かしてるんでしょうか。……急がなきゃ!
私は空を飛んで海東さんについていく。
さっきは何とも思わなかったけど、いつもよりちょっと疲れやすいような?

「早苗さんは、本当に現人神なんだね」

ふとムラクモくんが耳元で私に語りかけてくる。

「信じてくださいましたか? ではこうして出会ったのも何かの縁、あなたも守矢神社に一信仰を!」
「何それ、宗教臭い」
「宗教ですよ! 神の力は信仰の力です。信仰を得れば神は強くなりますし、逆に信仰を失えば力を失うんです」

背後からクスクスと微かな笑い声が聞こえる。おぶっているから表情は見られない。

「じゃあ……僕も信仰を得れば、神になれるかな」
「あははは、ムラクモくんも現人神になるんですか? そしたら私と仲間ですね!
 でも信仰を集めるのも大変なんですよ、メイド服着たり体操服着たり……」

……最初は内気で口数の少ない子かと思ってましたが、意外と冗談も言える子なんですね。
なんだか楽しくお話してたら不思議と疲れも取れてきた気がします。

神奈子さま、諏訪子さま。私は守矢の巫女として、きっとこの子を守ってみせます!

387 暇を持て余した神々の遊び ◆yZJRtWQFk. :2013/11/07(木) 01:15:22 ID:jowGsRXw0



 ★ ★ ★



……済度し難き愚か者め。

現人神だと? こんな常識知らずの小娘が?
なんたる戯れ言か。先祖が積み上げた伝統と血筋の上に胡坐をかいているだけではないか。

己が使命を忘れ、俗世にまみれてのうのうと生きる神など滅びてしまえ。

海東の居ぬうちに早苗の支給品を確認し、使えるものがあれば奪い去る画策だったが……。
まさか先に手を打たれていたとはな。あの拍子に割り込んできたのも恐らく彼奴の策略であろう。
あと少し時間があれば、電光機関でこの神人くずれに天誅を加えられたというに。

……まあ良い。まだ殺せんのなら、暫くは足として利用するまで。
それにこの小娘の奇跡の力があれば、オリーブオイルも楽に手に入るかもしれん。

東風谷早苗、精々信仰を集めるがいい。
だが何れ解らせてやろう。お前の先に待つ未来は破滅しかないのだと。

全人類の信仰を手に入れるのは、この私なのだよ。





【F-2 市街地/一日目・日中】


【海東純一@仮面ライダーディケイド】
[状態]:( ^U^)申し訳ございません、このような健康体で。
[装備]:グレイブバックル@仮面ライダーディケイド、電磁サイリウム@COBRA THE IDOLM@STER
[道具]:基本支給品、電光戦車@エヌアイン完全世界、外部AI@MUGEN、AT-4@魔法少女まどか☆マギカ、権兵衛の書置き(偽)
[思考・状況]
基本:優勝して、元の世界を支配する。
 1:光写真館に向かう。
 2:表向きは対主催として振る舞い、集団の中に潜む。
 3:早苗とムラクモと行動を共にする。
 4:ノーリスクで殺人が可能な武器が欲しい。
 5:グレイブバックルの制限を何とかしたい。
 6:ディケイドにも制限が?
 7:AIを搭載した電光戦車は切り札。
 8:光写真館に少し興味。
※「ディエンドの世界」編終了後からの参戦
※鬼柳とさやかを死んだと思っています。
※大変胡散臭い表情をしていますが、本人はそれに気付いていません。
※グレイブバックルは一度使うと2時間使用不可になります。
※電磁サイリウム@COBRA THE IDOLM@STER、AT-4@魔法少女まどか☆マギカを早苗から譲り受けました
※早苗のことは別の世界の仮面ライダー住民だと思っています。
※権兵衛の書置きを偽造する為、支給品のどれかの説明書の端を破り取ったようです。


【東風谷早苗@守矢一家コスプレ劇場】
[状態]軽傷、霊力消費(小)
[装備]無し
[道具]基本支給品
    VGカード『幸運の運び手エポナ』@カードファイト!!ヴァンガード、権兵衛の考察メモ
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いには乗らない。
1:権兵衛を追って光写真館に向かう。
2:ムラクモを守りたい。
3:海東さんはさすが仮面ライダーだ!
4:北東から見えたあの光は……?
5:守矢の巫女として信仰を集める。
6:博麗神社は後で改めて訪れたい。
7:\  /
8:●  ● この会場では常識に囚われてはいけないのですね!
9:" ▽ "
※権兵衛が光写真館に向かったものと思っています。
※海東を正義の仮面ライダーだと信じて疑っていません。
※ムラクモはただのミリオタの少年だと思ってます。
※奇跡が制限されているかどうかは不明ですが、とりあえず簡単な奇跡は起こせるようです。


【ムラクモ@アカツキ電光戦記】
[状態]:貧血、疲労(中)、ダメージ(中)、右足に刺し傷(処置済)、身体が十二歳程になっています
[装備]: 六〇式電光被服@アカツキ電光戦記、十六夜咲夜のスカート
[道具]:基本支給品、マッド博士の整形マシーン、ポラロイドカメラ、オレンジジュース(元は支給品の水)
[思考・状況]
基本:主催も含めて皆殺し。
1:早苗はいつか絶対に殺す。
2:海東を警戒。
3:無力な少年を装い2人と行動を共にして隙を見て支給品を奪い殺す。
4:怪我の回復にも専念する。
5:早苗を利用すればオリーブオイルを入手できるかもしれない。
6:もこみちざまあwwwwwwwwwwwww
※海東が自分の思惑を見抜いていると思っています
※権兵衛の考察メモを読みました。
※早苗が現人神である事、奇跡を起こす程度の能力の一部を知りました。


※E-3で権兵衛が使った地球破壊爆弾の爆発に気づきました。

388 ◆yZJRtWQFk. :2013/11/07(木) 01:16:20 ID:jowGsRXw0
以上で投下終了です。何か問題がありましたら指摘お願いします

389 名無しさん :2013/11/07(木) 08:18:22 ID:rP/hHF5E0
投下お疲れ様です
表向きの和やかな雰囲気とは裏腹に、それぞれの思惑が渦巻いている……
って、早苗がエラく危険な状況だなぁ。本人は気付いてないけど
今後の海東とげんじんしんの頭脳戦に期待出来ますね……!

390 名無しさん :2013/11/07(木) 12:41:08 ID:SMm.b8nw0
乙!
方略が渦巻くのはロワの醍醐味だなあ

391 名無しさん :2013/11/07(木) 22:42:11 ID:E568CdSo0
投下乙です
こういうのもパロロワの醍醐味なんだよなあ
いいよいいよ、こういうのも好きなんだよw

392 ◆FbzPVNOXDo :2013/11/16(土) 01:40:11 ID:DdyMRwj20
しまった……カッコつけて残り30人ってやっちゃったけど32人なのか……
wikiで修正してくれた方ありがとうございます

393 ◆FbzPVNOXDo :2013/11/25(月) 18:16:21 ID:cBIGzozY0
投下します

394 三人寄ればなんとやら…… ◆FbzPVNOXDo :2013/11/25(月) 18:16:54 ID:cBIGzozY0
「ほむらちゃん……?」
「目が覚めた? まどか」

目覚めたまどかが最初に見たのは、心配そうに顔を覗き込ませるほむら。
次に感じたのは頭を包む、柔らかく暖かい感触。
ほむらの顔がまどかには逆さまに見えた事から、自分はほむらに膝枕をして貰い、先ほどまで介抱されていたと気付いた。

「あの、カズマとかいうお兄さんは?」
「何とか撒いたわ」
「マミさんは?」
「砕けた」
「はぁ……」

マミの悲報を聞きながらも、まどかはそれに涙を流す様子も無く溜息を着く。
戦力が減ったばかりか、カズマに一杯喰わされたのが余程気に入らないのか。
まどかは更に静かに奥歯を噛み締めていた。

「聞いてまどか……」

そんな、まどかの機嫌を良くしようと思ったのか。
ほむらはカズマの戦いをヒントに見出した、首輪解除の方法を伝える。

「えー、いや一理あるけど……。流石にそれは無謀なんじゃないかな」
「でもカズマはやったわ。なら、私にも出来る筈」

まどかとしては、そのような話半信半疑だ。
首輪が爆発した瞬間秘孔を突いて、首を強化して爆破に耐えるなど。
キン肉マンのゆで理論じゃあるまいし。

395 三人寄ればなんとやら…… ◆FbzPVNOXDo :2013/11/25(月) 18:17:27 ID:cBIGzozY0

「勿論、すぐにとは言わないわ」
「誰かで実験するってこと?」
「ええ」

ここに来て、まどかは当初の自分の目的を振り返る。
私情や私怨で参加者を襲いはしたが、基本的に自分は生存優先であったはずだ。
しかし、物事は上手く行かないもので流石に暴れすぎたかもしれない。
となると、殺し合いに否定的な連中からすれば自分達は危険人物として認識され、敵対される可能性も高い。
一応、ランサーにはガセの情報を流したが、何処まで信じてくれるか分からない。
こうなれば、いっそ優勝を目指した方が早いかもしれないとすら思える。
もっとも主催者も信用出来ないのも事実。ならば参加者を間引くのと同時に、首輪解除の方法を探るというのもありか。

「その話、聞かせてもらったよ」

「!? 下がって、まどか!」

少女の声だった。
正面より現われたその少女にまどかとほむらは声を掛けられるまで、まったく気付けなかった。

「貴女達、どちらかと言えば殺し合いには肯定的なんだよね?」
「うーんどうだろう?」
「そっちが良ければ、協力してみたいな……なんて」

協力。
殺し合いに肯定的と知ってこの態度。
彼女も同じ、乗っている参加者と考えられる。

「少なくとも、私と貴女達はある程度の所までは協力し合えると思うけど?」
「私が貴女と組んで、何か得する事はあるのかな?」
「奇襲は格段にしやすくなると思うけど。それに、さっき聞いちゃったんだけど参加者を使った実験するんでしょ?
 なら、生きた参加者の首輪の方が良い。つまり生け捕りも奇襲のがやりやすい」

言っている事は理に適っている。
彼女の気配を消す能力は可能ならば手にしたい。
しかし、気になる。何故、彼女は自分達と組みたいのか。
それで一体、何の得になるというのか。

396 三人寄ればなんとやら…… ◆FbzPVNOXDo :2013/11/25(月) 18:17:59 ID:cBIGzozY0

「教えて欲しいな。どうして貴女は私達と組みたいの?」
「……私は非力だから。単純な戦闘では生き残れるとは考え難い」

なるほど。気配を消すのは得意だが、それ以外は並かそれ以下という事か。
理由は分かった。
だがそれでも、まどかは納得出来ない理由があった。

「じゃあ最後に一つだけ。ねえ、何で首輪が無いの?」

そうこの少女。アサシンの分身の生き残りである彼女には首輪が無かった。
考えられるのは二つ。
一つは自分の力で外した。速水もこみちやカズマのように。
二つ目、これが一番現実的かもしれない。
それは彼女が主催側の参加者、ジョーカーということ。

「話せば長くなるんだけど……」

元は男性だったこと、ゴンさんとの激戦にでの宝具の使用で分身である自身が生き残ったこと。
それら全てを包み隠さずアサシンは話した。

「ふーん。でもそれって首輪が無いって事は、殺し合いを強いる為の枷が無いって事だよね?
 わざわざ、主催に従う意味あるのかな」
「首輪が無いからって、連中と正面からぶつかっても勝てそうに無いし……」

見た目のわりにリアリスト……いや臆病と捕らえるべきか。
まどかの見た限り自分の意思、信念というものが感じられず。ただ死んだ本体と主催の敷いたレールに乗っているだけ。
聞いた限りでは、分身として本体の命令をこなす事が常だった様子だ。仕方の無い事かもしれないが。

(でも中々いい駒になるかも)

だからこそ扱いやすい。
下手にまだ自我を残しているほむらより、アサシンは何でもこなしてくれるだろう。
場合によってはほむらを切り捨て、アサシンと組んでいくのも悪くは無い。

「良いよ。一緒に組もうか」
「まどか?」
「大丈夫大丈夫。ほむらちゃんは私の言う事を聞いてればいいから」
「これからよろしくね」

こうして暗殺者の少女とクズな少女が交わった。

397 三人寄ればなんとやら…… ◆FbzPVNOXDo :2013/11/25(月) 18:18:31 ID:cBIGzozY0


【E-7/1日目・午後】


【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ(クズなまどかシリーズ)】
[状態]:疲労(小)、ダメージ(中)、気絶
[装備]:ソウルジェム 、螺湮城教本@Fate/Zero
[道具]:基本支給品一式×2、キングクリムゾン(残り3回)@ニコニコ動画、不明支給品0〜1
[思考・状況]
基本:ゲームからの生還
1:アサシン、ほむらちゃんと一緒に行動。あまり役に立たないようなら捨てる。
2:利用できる者は利用し、邪魔になる者は殺す。士、メイトリックスはいずれ殺す。
3:行動に出る際はパッチを利用してなるべく自分の悪評が広がることはないように動く。
4:海魔召喚のための餌も探す
5:ほむらの仮説を確かめる為に生きた参加者で実験する。その為に手頃な参加者を捕獲する。
6:優勝も視野に入れなきゃかな……。
※クズなまどかVS逆襲の魔法少女スーパーさやかちゃん【前編】直後の参戦です。
※さやかの体が鬼柳京介になっているのを知りました。
※螺湮城教本は制限により海魔の現界、術者の魔力補給、本体のダメージ修復等の同時運用は出来ません。
※制限として海魔の最大同時現界数は五体までしか出せません、また能力も下方修正されています。
※AV動画オールスターセットの動物はもう残っていません

【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:疲労(中)、ダメージ(大)、マドカァー 、ヤンデレ状態、ほむトキ
[装備]:ソウルジェム、バルメM78(36/40)@コマンドー、ストライカーユニット@ストライクウィッチーズ、世紀末魔法少女パッチ@MUGEN
[道具]:基本支給品一式、キャベツ@夜明け前より瑠璃色な 〜Crescent Love〜、ランダム支給品0〜1
[思考・状況]
基本思考:まどかに全てを捧げる。
1:何があってもまどかを守る。
2:どんなことをしてもまどかに認めてもらう。
3:もう役立たずだなんて言われたくない。
4:まどかに危険を及ぼしうるものは全て排除する。
5:北斗神拳を使い秘孔を突けば首輪が外れるんじゃ。
6:自分の仮説を確かめる為に生きた参加者で実験する。その為に手頃な参加者を捕獲する。
7:何か大切なことを忘れている気がする。

【アサシン(少女)@Fate/Zero】
[状態]:首輪なし 、疲労(中)
[装備]:ウィンチェスターライフル(1/7)@うみねこのなく頃に
[道具]:基本支給品一式、十六夜咲夜のナイフ×3、イカ娘の支給品(ランダム品1〜3)
ゴンさんのデイバック(ヴェルタースオリジナル一袋@現実、スタングレネード×5@現実、コンコン@JAPAN_WORLD_CUP
キャラ改変パッチ@MUGEN、ランダム支給品(0〜2))
[思考・状況]
基本:参加者の皆殺し、主催者も殺す。
1:まどか達と組む。
※基本的な固有スキル(気配遮断など)は受け継いでいますが、身体能力は人間レベルしか振り分けられていません
※分割によって首輪がなく、制限は解除されました

398 ◆FbzPVNOXDo :2013/11/25(月) 18:19:05 ID:cBIGzozY0
投下終了です

399 名無しさん :2013/11/26(火) 00:34:59 ID:i0.BzQE.0
投下乙です

屑まどかに更に手駒が増えた、それぞれの思惑を胸にトリオを組んだが…
みんならしい行動取ってるなあ…w

400 ◆FbzPVNOXDo :2013/12/08(日) 20:20:31 ID:InhDw1D60
投下します

401 お前に夢中だ!! エイラァァァァァ!!! ◆FbzPVNOXDo :2013/12/08(日) 20:23:24 ID:InhDw1D60
「えーと学校ってこっちで合ってるよな!」
「た、多分……ぐっ」
「悪ィ、傷口に響いちまったのならすまねえ」

サーニャを背負いながらも学校に向かって行くカズマ。
シェルブリット第二形態はその速度こそ、影すら追いつかぬといわれる程の速さを誇る絶影すら捉えるほどだが
しかし、絶影と違い揺れや振動は激しい。つまりそれで飛んでいるカズマ本人はともかく、乗っているサーニャからすれば非常に乗り心地が悪い。
怪我さえしなければ程々のスリルが味わえ楽しめたかもしれないが、腹に穴が開いていてはそうもいかない。

「ベネっなんとかも、近くに医者ぐらい置いとけよな!」

それじゃ殺し合いになりませんよね、と突っ込む体力も無いサーニャがグッタリとカズマの背に寄りかかる。
さて、いよいよこれは手遅れかとカズマが焦りだした時。

「うお、人間が空飛んでる!」
「リュウセイくん? 馬鹿いっちゃあいけない……うわ!
 空飛ぶ人間、ジュラル星人に違いない!!」
「落ち着きなさい貴方達は。トイズを使えばあれくらい訳ありません」

露出度の高い女に二人の少年の姿が見えた。
こちらの姿を見て困惑している様子だが、今はそれに構っている暇は無い。

「おいアンタ達! 誰か医者は知らねえか!」
「!? 貴方は……」



――――

402 お前に夢中だ!! エイラァァァァァ!!! ◆FbzPVNOXDo :2013/12/08(日) 20:23:59 ID:InhDw1D60


「悪いなアンタ。
 それにしても、ホテルの時と違ってなんでそんな格好してんだ?」
「まあ、色々事情がありまして。それよりも貴方首輪は?」
「爆発した瞬間にアルター化して何とかした」
「は?」

サーニャの傷を手当するアルセーヌにカズマは礼を言う。
アルセーヌとカズマが互いに面識があったのが幸いした。
ジュラル星人だと騒ぐキチガイを抑え、何とか戦闘に入ることだけは回避できた。
その後、背のサーニャに気付いたアルセーヌが応急手当をしたお陰でサーニャも一命は取り留められた。

「ところでお前ら、アカツキとかいうのに会ってないか? 学校に行ってるらしくてよ。
 俺もそいつらと会う為に、そこに行かなきゃならねえんだが」
「へえ、それで学校に行くのか。俺は絶対に行かないけどな」
「うんあそこには狂った殺人鬼が居るからね」
「何の話だよ?」

リュウセイと研の会話の意味が分からないカズマが疑問を口にすると二人は揃って「四人殺した殺人鬼が居るから」と言う。
ますます分からなくなったカズマが、更に聞き込んでくるとかわりにアルセーヌが答え始めた。

「放送で呼ばれた聖白蓮、有野晋哉、エイラ・イルマタル・ユーティライネン、速水もこみち。
 この四名が恐らくは学校に居た殺人鬼に……」
「強いのか? そいつは」
「……姿が見えません。正確には、一部の者には見えるようですが。
 更に狡猾で頭も回るでしょう。これだけの殺戮をしているのですから」

カズマは舌打ちをする。
面倒な事になった。どうやら、アカツキ達はそんな魔窟に向かっていっているらしい。
単純に強いだけならともかく、頭を使うタイプとなるとカズマも無闇に突っ込む訳にもいかない。
無論、己の拳だけで切り抜けられるという自身はあるが、他の連中が妙な事になっていては厄介だ。

403 お前に夢中だ!! エイラァァァァァ!!! ◆FbzPVNOXDo :2013/12/08(日) 20:24:31 ID:InhDw1D60

「なあ、俺の連れてた姉ちゃん頼めるか?」
「どういう意味です」
「その殺人鬼って奴を潰しに行く」
「それは……少なくとも作戦を立ててから……」
「んな悠長な事言ってる場合じゃねえんだよ。
 一応、アカツキとかいうのに会っとかなきゃいけない訳だしな」

カズマとアルセーヌが口論を始めた横でリュウセイと研が違和感に気付く。
アルセーヌに治療を施され、横になっていたサーニャが居ないのだ。
可愛い女の子には、それなりに目が無いリュウセイと研だからこそ真っ先に気付けた。

「おい、あの姉ちゃん居ないぞ」
「なっ?」

リュウセイの報告でアルセーヌとカズマは初めて事態に気付く。

「多分、仇討ちじゃないかなあ。あのお姉さん、エイラって名前を聞いた瞬間血相変えてたしね。
 復讐からは何も生まれないというのに」
「お前、割と私怨で動いてる気がするんだけど……」
「」
「失礼するなあ!」
「今の間なんだよ」

呑気に自分の推測を語り始めた研に突っ込みを入れるリュウセイを余所にカズマは解いたアルターを再構築する。

「ちょ、ちょっと貴方! まだ作戦が……」
「ケイネスっておっさんとランサーって兄ちゃんは殺し合いに乗ってねえ!
 アカツキとかいう連中もだ。後は青い巨人に気を付けろ! 何か怪我したら、そいつになるかもしれねえんだと!」

どうにも時間は相当無いらしい。
とっとと殺人鬼とやらをぶちのめし、サーニャを連れ戻すしかなさそうだ。

404 お前に夢中だ!! エイラァァァァァ!!! ◆FbzPVNOXDo :2013/12/08(日) 20:25:04 ID:InhDw1D60

「じゃあな。あとはまどかとかいうガキにも気をつけとけ!」

再構成されたシェルブリットを大地に叩きつけカズマは加速する。
その姿を見送りこそすれ、リュウセイと研は追いかけることはしない。

「殺人鬼か、許せないけどジュラル星人じゃない人にアルファガンは使えないからね」
「いや使ってたろ?」
「それより早くシャロちゃんと早苗さんって人に会いに行こうよ!」 
「そうだな。権兵衛や海東さんなら、あの殺人鬼も倒せるだろ。
 何せ仮面ライダーだからな、うん。早く会ってあの殺人鬼を倒してもらおうぜ!」
「ちょっと貴方達待ちなさい!」

そう言い走り出す研とリュウセイ。
カズマを気にしつつも二人を追いかけるアルセーヌ。

お姉さんがショタ二人を追いかける構図って結構あれだよね。

405 お前に夢中だ!! エイラァァァァァ!!! ◆FbzPVNOXDo :2013/12/08(日) 20:25:49 ID:InhDw1D60
【D-03/一日目・昼】


【アルセーヌ(アンリエット・ミステール)@探偵オペラミルキィホームズ】
[状態]:健康、アルセーヌの怪盗服
[装備]:洞爺湖@銀魂
[道具]:基本支給品、ランダム品×1、 シャロの探偵服@探偵オペラミルキィホームズ
[思考・状況]基本思考:殺し合いを壊し主催から願いを叶える方法を盗み出す。
0:シャロと合流。
1:施設を巡り調査する。
2:シャーロック・シェリンフォードを探し出す。
4:アルセーヌとして行動するが、協力者を集める。
4:男声の女(譲治)とロックオンを警戒。
5:自分の推測が正しいか確かめる為、情報を集める。
6:黒幕は神……そんなわけないですわね。
7:オリーブオイルを一応探しておく?
8:頭の中に爆弾がある事も考慮。
※幻惑のトイズは制限により弱まっています(具現化も不可能)。
※トイズの制限に気付いています。
※デッドライジング、スクライド世界の話を聞きましたが半信半疑です。
※有野、もこみち達と情報交換しました。


【泉研@チャージマン研!】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、気絶
[装備]:スペクトルアロー(ランダム品3つ扱い、2時間変装出来ません)@チャージマン研!
[道具]:基本支給品、ランダム品無し
[思考・状況]基本思考:主催者及びジュラル星人、殺し合いに乗ったキチガイ参加者を全て滅ぼす!
0:シャロ達(面識なし)と合流。
1:ありがとウサギ(名前を知らない)、ムラクモを倒す(特にムラクモの計画は必ず阻止する!)。
2:変装できない間、身を守れる武器を探す。
3:間違いない。黒幕はジュラル星人だ!
4:頭の中に爆弾が!
5:ジュラル星人め許さないぞ!
※全てジュラル星人の仕業だと断定しました。(真相は不明)
※頭の中に爆弾があると断定しました。(真相は不明)
※ジュラルの魔王が生きていると断定しました。(真相は不明)
※有野達、アルセーヌと情報交換しました。


【天野河リュウセイ@人造昆虫カブトボーグV×V】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、左肩に刺し傷、オリーブオイル臭い
[装備]: トムキャット・レッド・ビートル@人造昆虫カブトボーグV×V
[道具]:基本支給品、スコップ@現実
[思考・状況]
基本:殺し合いに乗るつもりはない。
0:シャロ達と合流。海東ににとり(名前は知らない)を倒してもらう。
1:もこみち死んだのか。
2:ケン、勝治…… 。

406 お前に夢中だ!! エイラァァァァァ!!! ◆FbzPVNOXDo :2013/12/08(日) 20:26:22 ID:InhDw1D60


【カズマ@スクライド】
[状態]:ダメージ(小)、疲労(中)、激しい怒り、首周りに少し焦げ跡、首輪解除
[装備]:不明
[道具]:基本支給品一式、ケイネスのメモ、ランダム品0〜1
[思考・状況]
基本:気に入らない奴はとにかくぶん殴るが、あのせこい男(サリー)の言いなりになるつもりはない。
0:エイラを追いかける。殺人鬼(にとり)もぶちのめす。
1:このバトルロワイアルとやらを破壊するためにも、せこい男(サリー)の思い通りにさせない。
2:男声の女(譲治)とフランクを撃った男(ロックオン)、野獣先輩を警戒。場合によってはぶちのめす。
3:雛子、響、アカツキ(名前を知らない)にケイネスのメモを渡す為、学校に向かう。
4:ケイネスに言われたので、化け物については一応気を付けておく。
5:まどかは次会ったらぶちのめす。ほむらのまどかへの態度が気に入らない。
※ミルキィホームズとデッドライジングの世界を聞きましたが、何処まで覚えてるか不明です。
※少なくとも参戦時期は君島死亡後です。
※ケイネスのメモには、ケイネスが立てた青鬼増殖の仮説。
 それと雛子、響、アカツキの名前が書かれています。


【サーニャ・V・リトヴャク@ストライクウィッチーズ】
[状態]:健康、魔力消費(微) 、精神的な落ち込み、腹部に重傷
[装備]:★Rock Cannon@ブラック★ロックシューター、黒猫のゴスロリ服@俺の妹がこんなに可愛いわけがない
[道具]:メントスコーラ(空)@コーラを開けるとメントスが落ちるトラップの作り方、
    DMカード『スターダスト・ドラゴン』@遊戯王5D's
[思考・状況]:殺し合いには乗らずゲームを打破する
1、エイラの仇を討ちに学校に行く。
2、知り合いが居れば合流する
3、ストライカーユニットとフリーガーハマーが有れば入手したい
4、殺し合いに乗ってない参加者が居れば合流したい
5、まどか達を警戒

407 ◆FbzPVNOXDo :2013/12/08(日) 20:27:17 ID:InhDw1D60
投下終了です
タイトルはガンソードというアニメの主人公が発した台詞を一部改変したモノを引用しました

408 ◆FbzPVNOXDo :2013/12/08(日) 22:47:36 ID:InhDw1D60
すいません修正です
【D-03/一日目・夕方】

409 名無しさん :2013/12/09(月) 00:07:49 ID:ZuIFeMGo0
投下乙です
ただでさえ重傷なのににちょりのとこ行くのはやばいなあ……
指摘ですけど、カズマの状態表の思考0はサーニャの間違いかな?

410 ◆FbzPVNOXDo :2013/12/09(月) 00:11:53 ID:EW4QD44g0
やっちまった
そうですサーニャです
修正版です

【カズマ@スクライド】
[状態]:ダメージ(小)、疲労(中)、激しい怒り、首周りに少し焦げ跡、首輪解除
[装備]:不明
[道具]:基本支給品一式、ケイネスのメモ、ランダム品0〜1
[思考・状況]
基本:気に入らない奴はとにかくぶん殴るが、あのせこい男(サリー)の言いなりになるつもりはない。
0:サーニャを追いかける。殺人鬼(にとり)もぶちのめす。
1:このバトルロワイアルとやらを破壊するためにも、せこい男(サリー)の思い通りにさせない。
2:男声の女(譲治)とフランクを撃った男(ロックオン)、野獣先輩を警戒。場合によってはぶちのめす。
3:雛子、響、アカツキ(名前を知らない)にケイネスのメモを渡す為、学校に向かう。
4:ケイネスに言われたので、化け物については一応気を付けておく。
5:まどかは次会ったらぶちのめす。ほむらのまどかへの態度が気に入らない。
※ミルキィホームズとデッドライジングの世界を聞きましたが、何処まで覚えてるか不明です。
※少なくとも参戦時期は君島死亡後です。
※ケイネスのメモには、ケイネスが立てた青鬼増殖の仮説。
 それと雛子、響、アカツキの名前が書かれています。

411 名無しさん :2013/12/09(月) 22:27:00 ID:9iM4/.Jc0
投下乙です

状況的に色んな意味で気になるぜ
復讐の為に動くサーニャにそれを追うカズマ
それ以外に研らみたいな不安定要素もどう動くかw

413 名無しさん :2013/12/14(土) 00:12:34 ID:C4X26eTY0
投下乙です。

空飛ぶ人=ジュラル星人という訳ですね。わかります!

研といえば研の状態が気絶になっていますよ?

414 名無しさん :2014/01/07(火) 06:20:00 ID:dGJZo3YY0
◆FbzPVNOXDo氏はなんか全体的に一人で死なせ過ぎじゃない?
齟齬無く描写できててもさすがにそろそろ違和感を感じる
書いてる人一人だけだから展開を急ぐのも分かるけど

415 名無しさん :2014/01/07(火) 10:50:08 ID:ox0.jdEo0
じゃあ書きに来いよ
書いてる人一人だからって理解してるなら尚更
正直一人でこの人数を捌ききるのには限界あるし

416 名無しさん :2014/01/07(火) 21:38:50 ID:dGJZo3YY0
書いた所で死んだキャラほいほい生き返らせたりするわけにはいかんでしょ
それこそさらに◆FbzPVNOXDo氏に負担掛ける事になる
何よりそういった展開を自分で捌き切れるような力と時間があるならとっくに書いてる
書かない奴が上から目線云々言われればそれまでだけどさ

417 名無しさん :2014/01/07(火) 22:27:26 ID:M1y2c8gs0
負担掛けたくないなら黙ってろよ
そういう野次一つで書き手は書く気無くすもんなんだぞ

418 名無しさん :2014/01/08(水) 05:53:26 ID:8kG4//8c0
展開急ぎ過ぎって言われても別に48時間使い切る必要ないと思うんだ

419 名無しさん :2014/01/08(水) 06:54:13 ID:OxzzVFf60
>>416
今度余計なこと言ったらその口縫い合わすぞ

420 名無しさん :2014/02/09(日) 23:38:54 ID:JucjRKF20
やっぱ終わってたか
少し期待してたけどまあキャラ選から微妙だったし仕方ないと言えば仕方ないかもなあ

421 名無しさん :2014/02/10(月) 19:31:32 ID:c2rppZpg0
何というか大御所がいないんだよな
うまく言えないが

422 名無しさん :2014/02/10(月) 20:22:35 ID:B8fBQD4c0
今度余計なこと言ったらその口縫い合わすぞ

423 名無しさん :2014/02/10(月) 22:33:36 ID:j4AiwGH60
連れを起こさないでくれ、死ぬほど疲れてる

424 名無しさん :2014/02/11(火) 07:11:21 ID:Sk41RheA0
ソートシトキマショソート

425 名無しさん :2014/02/11(火) 07:52:18 ID:O5OEipDc0
「今度余計なこと言ったらその口縫い合わすぞ」←これすき

426 名無しさん :2014/02/12(水) 13:38:54 ID:CXDs8KOI0
書き込みあったと思って来たらよく解らん事になってるな
これでもまだ書き手を期待してるんだぜ

427 名無しさん :2014/02/12(水) 23:22:45 ID:qf3Et6Z60
期待するなら誰でも出来るんだよな
先ずは書いてみたらどうでしょう

428 名無しさん :2014/02/13(木) 00:28:53 ID:0fdPflRk0
誰にでも出来る事しかできないんだよ
すまんね

429 名無しさん :2014/02/27(木) 00:18:19 ID:Tq2K7uN.0
そんな自分にむかっ腹。

430 名無しさん :2014/03/31(月) 06:35:43 ID:wrQ5F47I0
書きもしない癖に最後に残った書き手にすらあーだこーだ言う奴ばっかじゃそりゃ書き手は去るし来もしないわな

431 名無しさん :2014/04/06(日) 00:15:53 ID:Mf0nyUM20
あーだーこーだー

432 名無しさん :2014/12/31(水) 12:32:47 ID:zT2YVIh20
仕事とかで半年くらい来てなかったが案の定止まってた…
書き溜めてたネタあったんだけどな…

433 名無しさん :2014/12/31(水) 22:46:14 ID:p8VSLQRU0
おかえり
溜めておくなんて勿体無い、今すぐ投稿すべき

434 ◆J/0wGHN.4E :2015/01/02(金) 16:30:19 ID:Bp792GWg0
ただいま
弔いがてらに投下しておく
酉は適当

435 大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E :2015/01/02(金) 16:32:29 ID:Bp792GWg0
「だめか…」

アリアスの死亡後、依頼人との連絡を試み続けていたベネットであったがこの数時間全くの応答がない。
もしかすると定時放送の際以外依頼人への通信は受け付けない仕様なのかもしれない。
静寂の中、そういった憶測がベネットの脳をよぎる。
この半ば崩壊しかけたゲームバランスといい、それに無介入な依頼人といい、ベネットの不信感は募るばかりである。
思索するベネットが通信をあきらめかけたその間、無機質な人口音声が静けさを破り部屋に響く。

「…聞こえているか」

依頼人である。
人口音声とはいえその声色を聞き間違えるはずがない。
その声を聞いた瞬間ベネットの頭上に「!」が浮かび上がりそうになったのは言うまでもない。
即座にマイクを手に取り応答する。散々待たされた憤りからか、その声は少々荒かった。

「ああ、聞こえているぞ。今になって返事が来るとはな」
「その声調子なら前置きは不要だな。これよりゲームバランスの調整のために臨時の措置を行う」
「臨時の措置?」

ベネットが反芻する。
ゲームバランスについてはベネット含め3人とも気にかけてはいたし、依頼人がそういった物に対する解決策を考えている可能性も憶惻の内であった。
しかし、自分たちを生き返らせるような超常的なまでの力を持っているが故、そう言った問題への解決手段については全く予想がつかなかった。

「措置の実行に関してはクックに任せてある。そちらにはその実行内容を定時放送の際に知らせてもらいたい。内容に関しては措置の実行後でクックがそちらに向かうので彼から聞くように」
「クック!?あいつもいるのか」

見知った人間の存在を知り、思わずベネットは聞き返す。
クックとはアリアスが雇っていた元グリーンベレーの人間だ。
部下の殺害によりメイトリックスの居場所を炙り出す作戦に協力し、自身の死亡トリックにも加担してくれた。
その後は自分の与り知るところではないがおそらくは自分と同様メイトリックスに殺害されたと考えている。
この件で自らが蘇生されたように彼もまた蘇生された可能性も考えていたがなぜかこの場には居合せていなかった。

436 大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E :2015/01/02(金) 16:33:35 ID:Bp792GWg0


(っと、考えてばかりもいられねぇな、聞く事聞いとかねぇと)

ベネットはここまで情報ばかりを与えられていたが、ここに来て依頼人との連絡を試みた理由を思い出した。
もこみちやカズマが首輪を外したことが、想定内なのか想定外なのか。
主催側と内通した参加者が二人とも死亡してしまったが、ゲームの進行に影響はないのか。
青鬼や少女アサシンなど参加者でも支給品でもない人物が独立して参加者を殺害することは、問題ではないのか。

そして、この殺し合いの目的は一体なんなのか。


「それと…聞きたい事がいくつかあるんですが」
「悪いが質問は受け付けていない」


即答。そして拒否。
同時に通信が断ち切られる。この間、僅か0.1秒足らず
それは曲がりなりにも軍人であったベネットでさえ、反論の隙を得るには短すぎる時間であった。



【ベネット@コマンドー】
[思考・状況]
基本思考:殺し合いの進行。メイトリックスへの復讐。
0:依頼人の素性が気になる
1:アリアスの死体はどこに置いたんだろうか


【エンリケ@コマンドー】
[思考・状況]
基本思考:殺し合いの進行。メイトリックスへの復讐。
0:監視の続行


【サリー@コマンドー】
[思考・状況]
基本思考:殺し合いの進行。メイトリックスへの復讐。
0:監視の続行

437 大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E :2015/01/02(金) 16:35:07 ID:Bp792GWg0




---




(何だこいつは…?)

禍々しい肩パッドの付いた男・ジャギは、こちらに歩いてくる目の前の物体に対してそこはかとない好奇と、いい知れぬ戦慄を抱き、そんな言葉を心の中でつぶやいた。
その反応の対象こそがブルーベリーみたいな色をした全裸の巨人こと、他ならぬ青鬼である。
ジャギは当然ながらその異様な風体からあの男の言っていた青色の巨人はこいつの事だろうと確信した。

(こうもやすやすと的が来てくれると嬉しい物だな…だが)

少しタイミングを考えてほしかった。そうも都合よくいかないのが現実ではあるのだが。
腕の応急処置こそ済ませてあるものの、立て続けの戦闘はかつての北斗神拳伝承者候補()であろうと少なくないダメージになり得る。
先程までのような対主催をほざくようなゲームに乗る気のない参加者を不意打ちすれば少ないエネルギー消費で殺せるし、派手な戦闘を起こさない分、周囲に警戒されづらい。
怪我に関してもマーダーと戦って撃退したが相応の傷を負ったと適当な題目でも述べておけば、治療を他人に任せつつ隙を作りやすくなる。
だが目の前の巨人は違う。アカツキの言う分には話の通じる相手ではないと聞かされたし、
ジャギ自身も見た目からして小細工の効かなさそうな相手とわかる。
正々堂々と戦う形になってもケンシロウと戦うまでは時間も含めて消耗は最小限に押さえたい。

そうなれば、短期決戦が望ましい。
自分にはそれだけの力がある。
その間にも、巨人は歩みを緩めず近付いてくる。


「北斗…」


ジャギは腰を落とし、技を構える。

青鬼はジャギににじり寄りつつ、僅かながら笑みを浮かべ不気味な口をゆっくりと開く。


「千手殺!!!」


青鬼はただ一言も言葉も単語も発さず、ただジャギを補食するために腕を広げて襲いかかろうとした。
そこに食欲以外の一切の感情はない。故に青鬼は恐怖を生む。

対するジャギは空中に飛び上がり貫手の構えで相手を高速で突く北斗千手殺を放った

438 大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E :2015/01/02(金) 16:36:15 ID:Bp792GWg0


貫手が青鬼の額を突き刺す。
それは額を砕くには至らないがわずかに青鬼の動きを阻んだ。


貫手が青鬼の頬を突き刺す。
それは頬を砕くには至らないがわずかに青鬼の口を遠ざけた。


貫手が青鬼の顎を突き刺す。
それは頬を砕くには至らないがわずかに青鬼の体勢を乱した。


青鬼は貫手に阻まれながらも怯まずジャギを補食しようと口を近づける。

この技は元より秘孔を狙った物ではないが、ケンシロウにも一定のダメージを与えられた。
しかし、この巨人の表皮は途轍もなく固く、怯むどころか呻き声一つあげない。
それでも、ジャギは手を止めなかった。

今までの彼ならば、手を止め取引だ等と理由を付け如何にも小物らしく命乞いをしていただろう。
まさに世紀末の悪党に似つかわしくない行動である。
彼自身に自覚はないが彼の心には慢心とは異なる魔法戦士としての「何か」が芽生え始めていた。

わずか数秒の出来事ではあったがジャギにはこの瞬間が一日よりも長く感じた。


ジャギは後悔した。
話の通じない相手とはいえもう少し敵を見定めておくべきであった。
だが同時にそれはジャギにある種の高揚感も生んでいた。
こういう一筋縄では行かない奴もいる。
こういう奴になら、殺されても納得がいく。

このゲームには殺しがいのある奴がたくさんいる。

楽しい。

ワクワクする。

「立て続けのピンチってのも面白ェな」

今、ジャギのその目は歪んだ殺人者の顔とは到底相応しくない、好敵手を求めて放浪する格闘家の目をしていた。



ジャギは地に斃れたブルーベリーみたいな色をした全裸の巨人を一瞥し、無意識に頭を下げた。
それはかつてのジャギにはあるまじき動作であった。

439 大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E :2015/01/02(金) 16:37:35 ID:Bp792GWg0

〜〜〜



「クソッ…あいつまだ…」


猛スピ−ドで走るオデッセイの中で物言う上半身、プラ/シドは苦悶の表情で車のドアをたたく。
響に抱かえられている時、確かに鬼子は自らの足で立って、こちらを見ていた。
だがその顔は、先ほど突如森林から現れ、雛子を補食した青い異形の巨人の顔をしていたのだ。

一気に4人の仲間を失った。これで振り出しである。
しかし参加者の人数自体は減っているので仲間を再び集める難易度は格段に上昇している。


仲間を、愛する者を、失う事なんてもうとっくに慣れていた。

もはや失った物の大小すらわからない。

一体自分はこれまで何を失ってきたのか。

この戦いで何を得たのか。

この現実を受け入れる事は断じて易い物ではない。

だが、悔しがってばかりもいられない。

せめてでも敵の素性を知り得なければ犠牲者は犬死になる。
プラシドは未知の敵に対し、正体を考察する。プラス★思考

(あいつらは、_繁殖あるいは増殖をしているかもしれない)

不意に頭の中でアカツキの言葉が木霊する。

青鬼にはおそらく何らかの能力がある
あの鬼が鬼子の姿をしていた点を踏まえて考えられるのは他者を洗脳する能力。
だがそれなら何故、アカツキやジャギのようなより戦力になりそうな者を洗脳しないのか。
次に不完全ながら他者のコピーを生み出す能力。
これも上と同じ理由である。仮に生み出した者の能力が自信と同じであるとしてもわざわざ鬼子を選ぶ必要はないはず。
あるい他者に擬態する能力。
夜間ならともかくも昼間にあんなブルーベリー色の肌をしていたらバレてしまう。何よりそれは増殖とは言えない。この可能性も低い。

最後に、一番考えたくないが補食、殺害した者を同胞にする形で増殖する能力。
しかしながら現状では状況からしてこの仮説が最も有力と言える。
この説が正しいとすれば非常に厄介だ。おそらく補食された雛子もやがては青い異形の巨人に成り果てるだろう。
もし、鬼子だったアレにも同等の能力が備わっているとしたら響も同じ運命を辿る事になる。
そうなればこの近辺には青鬼が4体も存在する事になる。仲間を四人も失った以上、こうなってしまっては現状ではもはや手がつけられない。

440 大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E :2015/01/02(金) 16:38:24 ID:Bp792GWg0

ここでプラ/シドはもう一つの事実に気づく。
日は西に傾き、すでにゲーム開始から15時間近く経過している。
これまでの定時放送で青鬼の名は2回呼ばれている。
これは少なくとも青鬼による犠牲者が雛子が喰われるまでに2人もいた事になる。
他に青鬼となった犠牲者がいても何ら不思議な事ではない。

真に危険な人物は司馬宙を殺害した巨大ロボットでもなく、厳ついマスクと肩パットのジャギでもなく、青鬼であった。

何にせよここにいては危険である。一刻も早く他エリアに移った方が良い。
そう一時的に結論づけたが、さすがに行く宛て位は決めておきたかった。
だがそのためには現在地の確認も含めて地図を見直さなければならない。
地図は最初に乗り合わせた際プラ/シドになる前にダッシュボードの上に置いたのだがこの体では手が届かない。
と言うのも、

下半身がない。
シートベルトは未着用。
ルカの錯乱運転。

これにより、乗せるときこそ無難な感じであったが、いまでは座席の上に仰向けになり起き上がる事も出来ないという無理な体勢なのである。
人間が仰向けから起き上がる際は少なからずとも腹筋や背筋を使用する。それらを全く使わず手だけで起き上がるのはそれなりに難しい。
そういった筋肉の多くは下半身の骨と健で繋がっており、ロボットとは言えど下半身がないプラ/シドはそういった状況に置かれているのだ。
ましてや車の座席の上という狭い場所に置いてはそれはより困難を極める。
故に地図はルカに取ってもらうしかなかった。
前も録に見えない体勢のままプラシドはルカに話しかける。


「おいルカ」




「…伏せろ!」

441 大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E :2015/01/02(金) 16:39:28 ID:Bp792GWg0


----





空も赤く色付き始める頃、赤ヘルメットの魔法戦士は道を引き返し、西へ向かっていた。
つらくも何とか撃退した青鬼であったが、遺体を見るとデイバックはおろか首輪さえ付いていなかったのだ。
治療薬の類いが無い事以前に戦利品自体が勝利以外に何も得られなかったのは、彼に大きな徒労感を生んだ。
なんにせよジャギは休息の場が欲しかったので地図を確認したところ、少し北にワグナリアという施設がある事に気づく。
運良くこの場所からも一部を視認できた。
近場とあらばすぐに向かいたい所なのだがそうも行かなかった。禁止エリアの存在である。
ジャギの存在するC-05は17時から禁止エリアに指定される事になっている。
すでに夕暮れが近づいているこの状況でこの場所でゆっくり休んでいては首が吹っ飛んでしまう。
朝方立ち寄った神社も禁止エリアに指定されており、時間的にもう入れなくなっているだろう。
なぜか奇妙な事に自分の近くに存在する施設のあるエリアが3つも禁止指定されてるのだ
ここでジャギの目についた施設が小学校であった。

(ここなら休めるかもしれねぇな…)

小学校と言えば災害時の避難所という印象がある。
このゲームの場に何故そんな物が設置してあるのか全くの疑問だったが身を休めるにはうってつけである。
もしかすると殺し合いに反対する参加者達が拠点にしている可能性もある。
そうとあらばこの体は好都合だ。怪我人という弱者を装えば付け入る隙も生まれるというもの。
青い化け物を倒したという事実を餌にヒーローを騙れば周囲の信用も得られるだろう。
とは言えこの作戦には2つ問題点がある。

まず、自らを貶めた女と犬である。
自分の素性を知っている以上、あの二人に先に学校に来られていた場合、上記の作戦は破綻する事になる。
後から来たなら「仲間」に嘘を流し込んでやればいい。

次にケンシロウである。
当然ながら鉢合わせする事自体が不味い。
どのタイミングで学校に来ても戦闘は避けられないだろう。

ここでジャギは昼頃出会った人物の話を思い出す。
あのやたら怖い顔をした女はケンシロウを「危ない奴」といっていた。
単純にあの女がケンシロウと敵対していただけなのかもしれないが、これを利用して適当に話を膨らませれば信用を失う可能性は低い。

442 大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E :2015/01/02(金) 16:40:22 ID:Bp792GWg0

結果論として以上のデメリットをさし引いても、学校に行かない理由にはならなかった。




「しかし首輪か…」

自らにかけられた枷に指をかける。
先程の青い怪物には無かった物である。
あの時、北斗千手殺による貫手は悉く怪物の強靭な表皮に阻まれ、歩みさえ止める事が出来なかった。
もし、怪物が自らを補食せんと口を大きく開いた時、口腔内が表皮に覆われてない事に気づけなかったら
もし、自分が咄嗟の判断で貫手の狙いを怪物の口内に集中させていなかったら

自分もまた餌にされていたであろう。

今まで彼は殺した物の事を気にかけるなど毛ほども無かった。
しかし今回ばかりは気になる。
参加者名簿を見るにあの青い怪物には「青鬼」という参加者の単語がそっくり当てはまる。
だが「青鬼」という奴は2回目の放送までに誰かに殺されているはずなのだ。

そうなると考えられるのは誰かの支給品だ。
あの怪物が誰かに命令されて動く傀儡の類いならデイバックも首輪も無い事に合点が行く。
一方で疑問も浮かぶ。支給品だとしたらこんな凶悪なアイテムがあっていいのか?
自分への支給品の外れ具合を根拠として参加者の能力差を埋めるために支給品が存在しているにしても、
先程確認した自分が殺めたアカツキという軍人のデイバックには重火器の予備弾薬とよく解らない鍵とカラのもう一個のデイバックのみである。
軍人である奴に弾薬が配られたとあればその仮説は消える。物々交換を行った可能性もあるのだが。
重火器の予備弾薬は素直に有り難かった  …その重火器さえあれば。
現状では宝の持ち腐れだが持っておく事に損は無い。
「こんなところ」のタグが付いた鍵束は完全に謎である。こんなところとはどんなところなのか。
カラのデイバックに関しては完全に必要ないと判断し、途中で捨て置いた。
ともかく能力の強弱で支給品の強弱が変わる可能性は無いだろう。

あるいはそう都合の良い物ではないのかもしれない。
例えば支給者本人にも制御が効かない代物である可能性もある。
自分に支給された物のようにデイバックから得られる物が必ずしも支給者にとっていい物であるとは限らない、その延長線としての考え方である。
ただそれで良いのだろうか。
もし、支給品が自立して殺害を続け優勝してしまったらどうするのか。
もしくは自分のような人物に倒される事を敢えて想定した上で支給しているのだろうか。

443 大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E :2015/01/02(金) 16:41:45 ID:Bp792GWg0



青から紫、紫から橙の夕空のグラデーション。
夕日に照らされ、紅く染まる木々。
この場がバトルロワイヤルという殺し合いの場所でなければそれは幻想的かつ日常的なさぞ平和な風景であった。
だが、この場であるからこそ「ソレ」は風景の中から唐突に現れた。
ジャギでさえもいい知れぬ戦慄を抱かせた青の異形―。


何時の間にここに。どうやってここまで。倒した筈なのに。
その光景に疑問と驚愕が突沸する。


青鬼は、巨大な口を開けジャギの頭をヘルメットごと食い千切らんと迫る。
その早さは獰猛と知られるヤゴの補食でさえも霞んで見える程である。

その凶悪な牙は、ジャギの首筋の肉を―




突き破……らなかった。




人は、あまりにも悲しい時、強すぎる怒りを覚えた時、この上なく面白い時、比べようが無いほど驚いた時、却って無表情になるという。
ジャギもまたこの驚愕のあまり、却って冷静を保てていたのだ。

絵に描いたような間一髪の状況でジャギは頭を引っ込め、ヘルメットに抉り傷を作りながらも凶悪な牙から逃れた。

「てめェ、まだ生きてたのか」

すかさずローリングで距離を取りジャギが言う。
やはり青い巨人は答えない。無言で不気味な表情をして迫るのみである。

(北斗千手殺でも為留められなかったか…面倒くせェなぁ)

ジャギとしては学校に到着さえすれば良いのだが、いざという時の為にそれ也の体力を残しておきたかった。
それならば、今は撤退を強いられるだろう。
走る事は避けられないがこのまま戦うよりはマシである。戦闘が長期化すればジリ貧にもなりかねない。
元は世紀末な小悪党である為かそういった判断への実行は素早かった。

444 大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E :2015/01/02(金) 16:43:33 ID:Bp792GWg0


「悪ィが今は逃げさせてもらうぜ!決着は後でな!」



そういってジャギは鬼に背を向け、全速前進!した。




+++



「ふゥ、見えたな、あれが学校か」

校門まで数百メートル、ジャギは小さな声で呟く。
青い巨人もそろそろ撒いたと思いジャギが足を緩める。
息こそ切れていないがジャギは初めて全身全霊で走った気がした。

ジャギはこのゲームに参加してから奇妙な気分に覆われつつあった。
今までこんな相手の事を考えた戦いをした事があっただろうか。
今までこんなにも計略と考察を重ねたことがあっただろうか。

それがジャギのQMZの力の目覚めと自覚する事はなかったのだが。


「見る限り人気は無いな」

近くで学校を見た第一印象。
人や物は見かけによらないというが、初対面の人間や初めて見る物には正直第一印象でしか半断が付かない。
(これにはジャギの外見にも同じ事が言えるが)
とは言え、敢えて人の気配を隠している可能性も十分ある。あまり意味があるとは思えないが。


とにかく、今は中身が重要だ。



そう思ってジャギは校門を開くために手をかけようとして

445 大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E :2015/01/02(金) 16:44:31 ID:Bp792GWg0


誰かに肩を つ か ま れ た 。



否。



か ま れ た











「………」



もはや驚く事も出来なかった。
痛みよりも驚きよりも全てにおいて疑問が先行していた。
ジャギもまた青鬼同様無言になった。

それは諦念であろうか、後悔であろうか。
もっとも青鬼にとってはどんな事はどうでも良かった。
そこに人があるから喰らう。それだけである。
半ば人の姿をしているが故、そういった歪みがよりおぞましさを増長させているのだ。


ジャギの肩に食らいついた青鬼は顎を開き、肩肉から牙を抜いてより奥に食らいつこうとする。
自らの凶悪な牙で、心臓を貫く為に、

青鬼は最大限まで顎を開き、牙をジャギの胸に突き立てる。
強靭な筋肉さえも青鬼の顎の力には無力であった。




「…後悔も諦めも、しねェからな」




それは、魔法戦士としての抵抗。

446 大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E :2015/01/02(金) 16:45:20 ID:Bp792GWg0
同時に顎を閉じられる。


牙が心臓を___







貫かなかった。







青鬼の牙が空を千切る。
そのとき始めて青鬼は自分の体の違和感に気がついた。


拘束されている。


青鬼がその事実に気がつくのと青鬼がその空間から断たれたのは同時であった。


異変に気づき、ジャギが振り向く頃には青鬼もそれをつかんでいた「手」も消えていた。


【青鬼3@青鬼】一時退場



【c-03 /1日目・夕方】

【ジャギ@北斗の拳】
[状態]:疲労(大)+奥義連続使用による消耗、ダメージ(大)、全身に爆発によるダメージ×2、QMZの力の目覚め、原因不明の苛立ち、右腕に裂け傷(止血済み) 左肩に大きな噛み傷
[装備]:魔法戦士の衣装一式@QMZ
[道具]:基本支給品一式、音の出るフリスピー@ミツバチ(遊助)
    こんなところの閉鎖病室の鍵の束@チャージマン研!、銃火器予備弾薬セット@オリジナル
    日本酒一升、刃物×2(全て違う種類、そこそこ大きい)
[思考・状況]
基本思考:ケンシロウの名を騙ってゲームに乗る
0:ケンシロウも気になるが、コソコソ見てた奴(譲治)も気になる。
1:参加者を探し、殺す。
2:銃火器がほしい。ガトリングとか。
3:襲撃者(にとり)は確実に殺す。
4:自分をコケにした女と犬(早苗と権兵衛)は許さない。
5:研、リュウセイ(名前を知らない)は次会ったら殺す。
6:奇跡の部屋にある新鮮な血に疑問。
7:右腕と左肩の治療を優先。
8:あの青い奴、さっきのとは何か違う気が…
※青鬼のデイバックがC-04に放置されています
※青鬼の事を支給品の類いだと考えています

447 大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E :2015/01/02(金) 16:47:19 ID:Bp792GWg0


***



「…伏せろ!」




プラシドがその異変に気づくことが出来たのはこの仰向けの無理な体勢だったからこそであろう。
上しか見えない、しかしそれが最大の不幸中の幸いであった。

…青い巨人という最大の不幸の。

今まで自分の周りで5人もの仲間が失われた。
その悲劇を繰り返さないのは、もはや言うまでもない
プラシドはプラ/シド也に上半身だけの状態でも自分に出来ることを絶えず模索し続けていた。

絶望を一歩分でも遠ざける為に、

希望に一歩でも近づく為に、

多くの仲間を失ってもなお挫けず、

上半身だけになってもなお諦めず、

絶望の未来を変えるため、生き残った仲間の命を救おうとするプラシドのその姿は、正に希望の番人であった。



そのプラシドの希望の声は、しかし手遅れだった。



桃色の人工的な頭髪がプラシドの顔にかかる。

プラシドにはルカの表情を伺い知ることは出来なかった。
なぜなら、ルカが座るべき運転席には、ルカの「体」だけがあった。
胸のあたりまで青黒く染まった首から上の存在しないルカの体が、そこにいたから。

その首無し死体の上に、歪な青の双眸がのぞく、
その双眸の正体こそ二人の仲間を喰らった張本人、青鬼であった。

青の異形は手に入れた餌をさぞおいしそうに咀嚼し、そして飲み込んだ。

ここでプラシドはここでやっと今起こった事を理解した。
それほど短い、一瞬の出来事であった。

448 大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E :2015/01/02(金) 16:48:18 ID:Bp792GWg0

自分の呼びかけもむなしく、ルカは青鬼に食われた。

プラシドの感情もまた、ルカを救えなかった事への絶望より、疑問が先行していた。

オデッセイの天井を破るまで音もしなかった。いつの間にここに。それだけの力があるというのか。
これは鬼子か。いや、青鬼は複数いる。とすればこいつは一体元々誰だったんだ。

青鬼は自らを見つめる上半身だけのそれが生きている事に気づく。
体を車内へとのめり込ませ、その上半身という餌に腕をのばす。
プラシドの視界が青鬼の手に覆われていく。

(………っ!)


運良くまだシート上に転がっていた拳銃の存在に気づき、それを構える。

重力が歪み、視界が反転していく。

それはプラシドの幻覚でも走馬灯でもなく、他ならぬ現実であった。




ルカという運転手を失ったオデッセイは文字通り暴走している事になる。

空中に放り出されたオデッセイは。運動エネルギーを残したまま位置エネルギーを生み出し、落下していく。
そのままオデッセイが転がりながら着地し、なおも何度か回転を続け川の浅瀬に着水、その場で回転運動を停止した。

プラシドもフロントガラスを突き破って吹き飛ばされ、河原に落ちる。
それは奇しくも遊星のシューティングスター・ドラゴンのスターダスト・ミラージュ五連撃を喰らって敗北した時と同じ吹き飛び方であった。
今回ばかりは意識が残っていたが。



河原のプラシドは微睡む意識を目覚まさせ、両腕で前へ進む。

あの鬼はまだ生きてるだろうか。
下半身は無事だろうか。
どちらにせよ移動しなければ。遅かれ早かれここも危険な所になる。


ついにまた、1人になった。

449 大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E :2015/01/02(金) 16:49:17 ID:Bp792GWg0

愛さえもいらなくなったあの世界のように。


だが、それでも絶望には呑まれない。


必ず希望はある。





そんなプラシドを飲み込む巨大な影が。





ブルーベリー色の全裸の巨人が。






「S・トリガー『地獄門 ヘル・ゲート』!」





どこからとも無く微かに聞こえた声とともに突如、青鬼をも飲み込む巨大な影が。


青鬼を呑み込んだ。






^ ^ ^ ^

450 大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E :2015/01/02(金) 16:52:58 ID:Bp792GWg0


「便利なもんだ。こんな紙切れにこれほどまでの力があるとはな」

「しかし相変わらず気持ち悪い化け物だ、こんなモノを去勢した所で何になるんだ」

青鬼を飲み込んだ影が霧散し、またどこからとも無く声が聞こえた。
プラシドは視界の端の声の主に目を向ける。
その男はかのアカツキの様な軍服を着用し、見知らぬカードを手に持っていた。

途切れながらの声でプラシドが問う。

「…お前は…誰…だ…」
「その…カードは…」

軍服の男が上半身だけのプラシドの存在に気がついた。
だが、その男は一言も話さずプラシドへ背をむけた。
軍服の男は何かを手に取り耳に当てる。通信機器の類だろうか。


「聞こえるかカルロ?そちらの様子はどうだ」


「なら主催に連絡して穴掘る道具でも送ってもらえ」


その言葉から、その態度から、プラシドが軍服の男の正体を察するのは容易であった。

プラシドはテケテケのような歩きでありながらも必死でその男に近づこうとした。


(…こいつは…主催者…?)


(何故俺を…)


「いや、残り志村と江頭に任せてある。終わったら主催の所に戻っていろ」


「俺はまだ仕事がある。切るぞ」


プラシドの手が男に触れようとしたその時、男は通信を切った。
同時に男はその空間から消え、プラシドの手は空を薙いだ。





大破したオデッセイと上半身だけのプラシドただ一人が、そこに残された。

451 大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E :2015/01/02(金) 16:53:56 ID:Bp792GWg0


【青鬼4(青鬼B)@青鬼】一時退場

【ホンダのオデッセイ@課金騎兵モバマス予告集】大破

【巡音ルカ@VOCALOID】死亡


【プラシド@遊戯王5D's】
[状態]:上半身のみ、希望の番人化
[装備]:アノニムの二丁拳銃 弾数(5/6)(一丁のみ下半身の腰に差している)@アカツキ電光戦記
[道具]:なし
[思考・状況]
基本行動方針:絶望の未来を変える
0:今のは…?
1:気に食わないが戦力になりそうな不動遊星を探す。
2:愛用のDホイールと剣が欲しい。
3:不動遊星との決着は保留。
4:下半身♂を直したい。
5:宙……ルカ…。
6:青鬼を最優先で警戒
※シンクロの代わりとなるエクシーズに注目しています。
※歴史を改変しシンクロ時代の今をエクシーズの時代に変えようと思っています。
※ルカ達の話の食い違いについては一応思考中・・
※RUMと希望王セットのカードは一度使うと6時間使用できません。
※No.の精神汚染は本ロワでは無効です。
※プラシドのデイバック及び下半身、ルカのデイバックが大破したオデッセイの中に残されています。




¥  ¥  ¥  ¥

452 大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E :2015/01/02(金) 16:54:41 ID:Bp792GWg0




「後はあの少女アサシンか…」

軍服の男クックは、依頼内容のメモを再確認する。
2体の青鬼と少女アサシンの回収を行う。
回収後三人は参加者として正式登録し直し定時放送の際に再入場させる。
内2体の青鬼は増殖能力を削除。それまでに増殖する可能性のある死体は回収、処置を施し元の場所に戻す。
目的遂行の助けとして余りの支給品を渡すので好きに活用してよい。
但し、参加者との接触はできるかぎり控える事。
他の参加者の手中にあったり協力している場合は致し方ないが、断じて傷つける事の無いように。
メモに描かれたゲームバランスの調整の概要はだいたいそんな感じであった。

そのうち2体の青鬼と少女アサシンの回収を行うのが自分への依頼内容である。

この依頼に対しクックもまた多くの疑問を抱いた。
なぜ主催は最初からこんな事になる可能性もあると気づけなかったのか。
青鬼は増殖能力を削除とあるが、何をする気なのだろう。シモでもちょん切るのか。
何故自分だけベネット達と一緒に蘇生しなかったのか。


「まあ、今気にする事でもないな」

今は依頼の遂行が優先である。
そういう事はベネットに聞けばわかるかもしれない。

気を切り替え、妙に大きな双眼鏡で目標を確認する。
この双眼鏡も支給品となる筈が没になった物である。
覗きのレンズが少し汚れているが、一応使用に耐える物ではあった。

渡された余りの支給品はデイバックにまとめて入れられており、クックはそれを背負う形でここへ来た。
これではまるで参加者の様である。
だがそれも、クックにとっては満更でもなかった。
死んだ筈の自分が蘇ってメイトリックスと再び戦えるのは千載どころか万載一隅の好機である。

あの時、自分はメトリックスと戦い、よく解らないスイカバーのような物が胸を貫き、その命を失った。
元グリーンベレーを自負しておきながら。
それはクックにとって一番受け入れがたい事実であった。

もう一度、メイトリックスと戦いたい。
今度はスイカバーもルームガールもいない場所で。

453 大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E :2015/01/02(金) 16:55:59 ID:Bp792GWg0
「参加者が二人…やはり協力してると見て間違いないな」

レンズには映ったのは三人の少女。
そのうち質素な衣装をしているのが少女アサシン。
残る二人が暁美ほむら、鹿目まどかであろう。

位置情報の時点からだいたい見当はついていたがやはり協力者がいた。
こうなると面倒である。
戦闘になれば、誰かが傷ついてしまう。自分が犠牲を負う意味も無い。

そうなれば残された手段は話し合いである。
こちらには支給品という取引材料がある。
このデイバックの中にどれくらいの没支給品が入ってるかは知らないが役に立つ物も多いだろう。


クックは、メイトリックスとの戦いを経たからか以前と比べだいぶ慎重になっていた。
主催である以上、今の所命の心配をする必要は無い筈なのだが。


冷酷ながらもその目に闘志の宿る元グリーンベレーが足を踏み出した。


…要はチキンになったとも言えるけどね。


【クック@コマンドー】 主催追加確認

【クック@コマンドー】
[状態]:健康
[道具]:デーモン・ハンド@デュエルマスターズ、
    地獄門デス・ゲート@デュエルマスターズ、
    雪風の双眼鏡@艦隊これくしょん、その他余りの支給品
[思考・状況]
基本思考:殺し合いの進行。メイトリックスへの復讐。
0:メイトリックスとは後で再戦したい
※午後までの参加者状況と位置を依頼者から説明をうけています
※デーモン・ハンド、地獄門デス・ゲートは元は支給品となる物でしたが枠から溢れ没になった物です。
 このため他のカード等と同様制限がかけられており、一度使うと6時間使用できません。

【カルロ@コマンドー】
[思考・状況]
基本思考:クックの命令の遂行。
0:ジャック及びメアリーの死体の回収


【志村けん@コマンドー】
[思考・状況]
基本思考:クックの命令の遂行。
0:四条雛子の死体の回収


【江頭2:50@コマンドー】
[思考・状況]
基本思考:クックの命令の遂行。
0:我那覇響の死体の回収

454 大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E :2015/01/02(金) 16:57:24 ID:Bp792GWg0


【アイテム及びキャラクター説明】
【カルロ@コマンドー】
「見てこい、カルロ!」 でお馴染みのアリアスの兵士たちの一人。
アリアスには「私の兵士は皆愛国者だ」と敬意を払っている一方、
ベネットからは「口だけは達者なトーシローばかり」「ただのカカシですな」と酷評されている。
動画内での彼らの呼び名も専らカカシである。

【志村けん@コマンドー】
カルロと同じくアリアスの兵士たちの一人。
メイトリックスに射殺される際やられ声が志村けんに似ていた事から命名。

【江頭2:50@コマンドー】
カルロと同じくアリアスのカカシたちの一人。
メイトリックスに射殺される際やられ声が江頭2:50に(ry

【デーモン・ハンド@デュエルマスターズ】
S・トリガー マナコスト6
相手のクリーチャーを1体破壊する。
発売当初から幅広く使われ、黎明期のデュエマを支えてきたS・トリガー付きの呪文。
ジャギを襲った青鬼を回収した。

【地獄門デス・ゲート@デュエルマスターズ】
S・トリガー マナコスト6
相手のタップされていないクリーチャーを1体破壊する。そのクリーチャーよりコストが小さい、進化ではないクリーチャーを1体、自分の墓地からバトルゾーンに出してもよい。
デーモン・ハンドの相互互換と称されるS・トリガー付きの呪文。
プラシドを襲った青鬼を回収した。

【雪風の双眼鏡@艦隊これくしょん】
「艦隊これくしょん」に登場する艦娘の一人、雪風の常備する双眼鏡。駆逐艦娘に分類される。
他の駆逐艦娘が魚雷やら単装砲やら連装砲ちゃんやらの武装を持っているのに対し、雪風のみ双眼鏡である。
この理由は担当デザイナーが「史実では多くの軍艦の最期を見てきたとされるので見ることしかできないアイテムとして」とされている。
覗きのレンズが汚れていたのは、雪風の涙のあとが原因。

455 ◆J/0wGHN.4E :2015/01/02(金) 16:59:40 ID:Bp792GWg0
以上
誰もいないとは言え予約無しの投稿…お許し下さい!
書いててジャギ知的に書き過ぎたかなーと思った(小波感)

456 名無しさん :2015/01/03(土) 11:26:37 ID:.oDSWKkY0
一年ぶりの投下サスガダァ…
やっぱりクックもいたか
青鬼は仕方ないね♂ホラゲロワに帰れ状態だったし

457 名無しさん :2015/01/03(土) 17:10:14 ID:YZEd72y.0
投下乙です
ジャギ様が目覚め始めた・・・
そしてプラシドはどうなるのか

458 名無しさん :2015/01/03(土) 22:12:04 ID:zNGfSpJc0
投下キター

459 名無しさん :2015/01/03(土) 23:08:00 ID:nCP4eTfA0
投下乙です。

やはりクックもいたか…。
それにしても志村に江頭ww。

460 名無しさん :2015/01/04(日) 21:00:00 ID:ESRFgVRg0
投下乙っす!
ジャギ様奮闘しかし止まらない青鬼無双・・・誰か何とかしてくれえ

461 名無しさん :2015/01/05(月) 20:35:10 ID:htiwufrI0
ttp://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/201501052030510000.jpg
今大体こんな感じかな
キャラが密集しててマーダーもいる北西部が激戦区になるなあ

462 名無しさん :2015/01/07(水) 18:02:56 ID:WOFP8TIY0

投下来るなんてここ最近一番の感動だわ
少し涙ぐんでる

463 ◆FbzPVNOXDo :2015/02/10(火) 20:27:07 ID:pbtwBC6Q0
久しぶりに投下します

464 幕間2 :2015/02/10(火) 20:30:28 ID:pbtwBC6Q0
森の中を一台の無骨な車が走る。
その運転席に乗る、一昔前の洋風さを醸し出す男性がハンドルを握る姿が逆に不自然さを醸し出す。

「ふむ、中々に便利だな」

運転席の男性、ケイネスはこのような移動手段があったのだと関心する。
以前ならば見下していたが、科学技術も侮れない物だ。
もしかすれば、根源に至るには科学的なアプローチも必要なのだとすら思えてくる。
徐々に、魔術師としての欲求が沸きあがってくる。そこには地位や名声も関係無い純粋な心情があった。

「おい、そこの車の奴!」

頭の中で如何に科学と魔術を組み合わせるか、計算していたケイネスがふと我に帰る。
前方に二人の筋肉モリモリマッチョマンを見つけたのだ。

「君は、メイトリックスか?」
「そういうアンタは、ディアズに殺された女の……」

車を止めたケイネスの顔僅かに歪む。
失言だったとメイトリックスが後悔するのを察したのか、もう一人の筋肉モリモリマッチョマン、フランクが口を開く。

「あんたは殺し合いに乗ってないって事でいいんだな?
 なら、早速で悪いが聞いてくれ。ちょっとばかし厄介な奴を探しているんだ」

フランクは先ほど遭遇しトチ狂っていた肥満気味の少年の話をする。

「見ていないな。そんな特徴的な子供なら、会えば印象に残るはずだが」
「そうかい。あいつはかなりヤバい、早く見つけ出さなきゃ何をするか分からん」

ヤクでも決めていそうな、あの少年の事だ。
咄嗟の弾みで、人を殺すことも有り得る。考えれば考えるだけ、負の連鎖しか思い浮かばない。
さっさと見つけ拘束でもするのが一番だ。

「なるほど、私も協力したいところだが、少し寄りたいところがあってね」
「寄りたいところ?」
「うむ」

ケイネスは豪華客船に向かっていることを話す。
更に言えば脱出に使えるかもしれない事も付け加える。

「船か……動かせないこともないかもしれないが」
「本当か? メイトリックス」
「ああ、だが人数が足りないと思う。流石に一人や二人ではな」

すると、ケイネスは小さく笑みを浮かべ水銀を操作する。
水銀がうようよと、うねる様を二人に見せながら、ケイネスは口を開く。

「安心してくれ、人数なら私が補おう。君が知識を提供してくれれば問題ない」
「なるほど、そいつは良い。だが、ケンの奴は……」
「しょうがない。それは俺が引き受ける。
 メイトリックス、あんたは彼と一緒に船へ向かってくれ」

キチガイ係りにフランクが立候補した。
確かに、ケンを探すのも大事だが、何より脱出の足も必要だ。
しかも、禁止エリアになるのなら尚更、急がなければならない。
作業を分担するのは悪い案じゃない。

「分かった。頼んだぞフランク」
「ああ、お前も頼むぞ」

メイトリックスがケイネスの車に乗り込み、フランクが急いで駆け出す。

「名乗り遅れていたが、私はケイネス・エルメロイ・アーチボルト。
 四条雛子、我那響、アカツキ、カズマ、不動遊星、ランサー。彼らは殺し合いには乗っていない。
 特に遊星は技術者らしい。あと、ランサーという騎士を名乗る男に出会えば、私が探していると伝えてくれ。
 それから、ブルーベリー色の巨人に気をつけてくれ。神出鬼没で人を食う、何らかの方法で人を同種にする化け物だ!」

フランクが手を上げ了解の合図をする。
それを見たケイネスはアクセルを踏み車を出した。

465 幕間2 :2015/02/10(火) 20:31:01 ID:pbtwBC6Q0



【H-4/1日目・日中】


【ケイネス・エルメロイ・アーチボルト@Fate/Zero】
[状態]:疲労(中) 魔力消費(極小) 令呪残り二画
[装備]:メタルまゆしぃ@Fate/Zero(ケイネスの礼装をCv.花澤香菜にしてみた)、 ヒラリマント@ドラえもん、君島の車@スクライド
[道具]:基本支給品×4(食料×1)、アカツキのディバック、ジャックのデイバック
   ブック・オブ・ジエンド@BLEACH、グリーフシード@魔法少女まどか☆マギカ 
   ハリボテエレジー(破損状態、濡れてる)@JAPAN WORLD CUP
   乖離剣・エア@Fate/stay night
[思考・状況]
基本行動方針:主催者の打倒。
1:松岡勝治と会う、その為にエスポワールに向かう。可能であれば船も動かす。
2:不動遊星、鬼柳京介を捜索。
3:ランサーの魔力は誰が・・・?
4:ギルガメッシュ、アサシン、ラミエル、グレーテルを警戒。
5:化け物(青鬼)を警戒。
6:このゲームは聖杯戦争と関連している・・・?

【ジョン・メイトリックス@コマンドー】
[状態]:ダメージ(中)、疲労(中)
[装備]:GUN鬼の銃@MUSASHI-GUN道-
[道具]: 基本支給品、ラットの爆弾×3@探偵オペラミルキィホームズ、氷剣ユキアネサ@BLAZBLUE
    宝塔(罅が入っている)@東方Project 、セイバーのカード@遊戯王なのはMAD(使用不可)
    世界樹の巫女 エレイン@カードファイト!! ヴァンガード、確認済み支給品1
[思考・状況]
基本思考:娘を助け出し、殺し合いをぶっ潰す。
0:エスポワールに向かい、可能であれば船を動かす。
1:士、イーノックと合流する
2:鹿目まどかとはいずれ決着をつける
3:なんだこいつ?
[備考]
※参戦時期は原作終了後。
※エイレンは4時間、セイバーは半日です。
※アザディスタン王宮に向かう予定です。
※GUN鬼の銃に触れましたが元々能力制限されておらず潜在能力が底上げされている状態です。


【フランク・ウェスト@デッドライジング】
[状態]:疲労(小) 弐度の火傷(小)
[装備]:ナイトの防具一式@FF11、富竹のカメラ@ひぐらしのなく頃に、鋸@School Days
[道具]:イワークの分含めた基本支給品、林檎@Bad_Apple!!、
太鼓@1歳から100歳までの100人が順番に太鼓を叩いて行くムービー、チートコード@GTA SA、血塗れの私服、医療道具一式@ニコロワγ、イワークの首輪
ミックスジュース(青、白、緑)×6@デットライジング
[思考・状況]基本思考:殺し合いには乗らない。生還する
1:ケンを追いかける。
2:情報と協力者を集める。
3:ロックオンと男声の女を警戒する。
4:一応、イワークの首輪を持ってきたが……
5:ミキサーが欲しい…
※参戦時期は、少なくともショッピングモールからの脱出前からです
※ミルキィホームズ、スクライド世界の話を聞きましたが半信半疑です。
※ケイネスと情報交換しました。

466 ◆FbzPVNOXDo :2015/02/10(火) 20:31:57 ID:pbtwBC6Q0
短いですが投下終了です
タイトルは思いつかなかったので適当です

467 名無しさん :2015/02/10(火) 20:33:51 ID:BHF2EpMM0
yumeyume

468 名無しさん :2015/02/11(水) 06:38:33 ID:dGKVPfSU0
久しぶり乙!
何だか自分も書きたくなってきた

469 ◆FbzPVNOXDo :2015/02/11(水) 15:19:19 ID:aYgn4m.A0
投下します

470 自分から騙されていくのか(困惑) ◆FbzPVNOXDo :2015/02/11(水) 15:20:38 ID:aYgn4m.A0
「な、なんて力だ……!」

星君と龍昇ケンの戦いは星君の劣勢だった。
それほどまでにカブトボーグの力は凄まじい。
……この力に対抗するには、本来のジュラル星人の姿に戻れればあるいは。
そう考える星君だが、現状の手札にないものを思っていても仕方ない。

「止めだぁ! 行け! エレクトリカル・スピードワゴン!!」
「くっ……!?」

エレクトリカル・スピードワゴンの発する青いオーラを起爆剤とした爆発が星君を襲う。
それに巻き込まれた星君は、溜まらず吹き飛ばされる。

「しょうがない」

地の石を強く握り締める。
キルリアに力を与えた、この石を使う時が来た。
新たに力が加われば、この少年など相手にもならないはずだ。
現に握るだけで力が沸いてくる。これならば―――

「まだまだ! エレクトリカル・スピードワゴン!」

ケンが何も知らずカブトボーグを走らせる。
対する星君は地の石の力を借り―――



「待ちなさい。そこまでです」


二人の戦いはそこで中断された。




――――

471 自分から騙されていくのか(困惑) ◆FbzPVNOXDo :2015/02/11(水) 15:21:11 ID:aYgn4m.A0
厄介なことになったと、海東は心の中で舌打ちをした。
早苗たちを上手く誘導し、光写真館へ向かうまではよかった。
しかし、その道中で殺しあっている参加者に遭遇したのは、不運以外のなにものでもない。

(勿論、想定していなかったわけではないが……)

早苗に表向きは正義の仮面ライダーとして行動している以上、殺し合う参加者、それが小学生ほどの子供たちともなれば、尚更止めなければ不自然だ。
うまく言葉で巻いて、無視することも出来たが、不信感を抱かせる可能性もあった。
こうして不本意ながら、仮面ライダーグレイヴこと海東純一は、ケンと星君の戦いに介入する羽目になった。

「なんだこいつ!?」

その張り付いた笑顔に、ケンは色んな意味で戦慄を覚えた。
怪しいを擬人化したかのような存在だ。ケンの中での警戒度はマックスになった。

「駄目ですよ! 君たちみたいな、子供が殺しあったりなんかしたら!」
「うるせーぞ、おま……あっ(一目惚れ)」

そんな張り付いた笑顔のニーサンの横に居たのは天使だった。

「ふつくしい……」

緑色の長髪、透き通るような白い肌、神秘的でありながら、明るく何処か天然さを感じる雰囲気。
ああ、女だ。今まで出会った連中が、走馬灯のように駆け巡る。
今まで会ってきた連中は禄でもなかった。それもあり、やっとまともで美しい女性に出会えた歓喜にケンは打ち震えた。

「いや、いかんいかん。どうせお前も、変な生き物が化けているんだ!!」
「え? 何言ってるんですか、あなた!?」

早苗はいきなり、変な生き物呼ばわりされて困惑する。
当然だ。初対面で、変な生き物呼ばわりなど、失礼極まる。

「君も、金属バットなんて物騒な物はおろしましょう」
「……」

そして、星君は乱入者達を一通り観察していた。
顔が変に歪んでいる男、明るくやかましい女、目つきの悪い少年。
さて、彼らは一体どのようなグループなのか。
まず分かるのは、やかましい女は殺し合いには反対ということだ。これはほぼ間違いない、もし演技であるなら大したものだ。
歪んだ顔の男も、何を考えているか分からないが、少なくとも今すぐに事を起こすことは無いだろう。
残った目つきの悪い少年も、顔の歪んだ男とあまり変わらないと、見ていい。

「聞いてください、僕は彼に襲われたんです」
「襲われた、ですか。マーダーらしい」
「まあ、聞いてください。僕の話を」

流石にケンに加え、新たに現れた三人を相手取るのは無理がある。
ここは上手く相手をあしらい、戦闘を回避した方が良い。
そこで星君は、まず自分が殺し合いに乗っておらず、むしろ襲われた被害者なのだと強調した。

472 自分から騙されていくのか(困惑) ◆FbzPVNOXDo :2015/02/11(水) 15:21:46 ID:aYgn4m.A0
「お前みたいな、可愛い女の子が人間な訳ないだろうが!!」
「か、可愛い? ありがとうございます……じゃなかった、一体どうしたんですか?」
「ああ、聞いてくれ!」

ケンも、自分が如何に被害者であるかを語り始める。


そうして、二人の言い分を纏めると、星君と名乗る少年はケンと名乗る少年に襲われた。
ケンは、目の前で女の子が変な生き物に変身したのを見て、この場に居る女の子はみんな変な生き物で、みんなボコボコにしようと決意し星君を襲った。
どう見ても、ケンが悪いのは誰から見ても明らかである。

「こらケン君、駄目です!」
「何でオレばかり。……でも、もっと叱られたいかも」

話を聞いた早苗は一先ず、二人共怪我が無かった事に安堵し、若干どころかほぼ百%悪いケンを叱るだけに留めた。

「まあいいや。早苗、だったけ?
 俺と一緒に来いよ。天才の俺と居ることを許してやるよ。どうやら、化け物や男の変身じゃなさそうだしな」
「年上を呼び捨てしちゃいけません!」

それにしても随分上から目線の子供だと、早苗は思った。
もしかしたら、凄く酷い家庭環境で育ったのかかもしれない。

(だとしたら、私が正しい方向に、導いてあげなければあげませんね)

早苗は謎の使命感によりケンの更正を決意した。


そして早苗を除く残った三人は、ケンの言動が意味不明すぎてついていけなかった。
女は人間じゃないだの、みんなボコボコにするだの。
正常な人間とは思えない発言の数々だ。

(こいつは早急に切り捨てたいな)

海東は対主催として振る舞い、集団の中に潜むなかで自分の真意に感付く者なども想定し動いてきたが、流石にキチガイまでは考えていない。
早苗が居る以上、表立って殺すのはむずかしいが、何とか理由をつけて別行動を取りたいところだ。

473 自分から騙されていくのか(困惑) ◆FbzPVNOXDo :2015/02/11(水) 15:22:41 ID:aYgn4m.A0
(こいつと組むのはごめんだ)

ムラクモも、同じ思考であった。
もうキチガイはもこみちで十分である。

(こいつらも、何とか殺したいが……何よりも、このキチガイを始末しなければ)

星君からすれば、ここに居る全員は殺しの標的であるが、流石に人数的に不利だ。
ならば、一時的に誤魔化し体制を立て直すべきだが。何をしでかすか分からない、ケンを放置するのはごめんだ。

彼らの考えは、ただケンを排除したいという一点だけ共通した。

「そんなマセちゃって、碌な大人になりませんよ」
「おいおい早苗、良いのか? 俺は首輪を外せるんだぜ」

普通ならばキチガイの狂言だと思われる発言。

「なんだと!?」

だが、その時ムラクモが誰よりも早く反応した。

「首輪を外せるというのは本当なのか!?」
「あ〜ん? まあね、俺天才だし」
「じゃあ、今すぐ……!!」

そう言い掛けたところで、ケンは右手の人差し指を口の前に持って行き、左手の人差し指で首輪を指差した。

(盗聴されている? 首輪にか!?)

「外してやっても良いけど、まっ俺の部下になるならな」

ムラクモは一度、速水もこみちというキチガイに遭遇している。
その際、彼の言動は滅茶苦茶だったが、見事首輪を外してみせていた。
あの時の経験が、ムラクモに妙な信憑性を与えてしまう。

(キチガイには、何か特殊な力があるのか……)

この少年も、もこみちのような存在である可能性は否定できない。
キチガイにはキチガイであるが故の、特殊技能があるのかもしれない。
ならば、今は黙って行動を共にするのも、今は致し方ないか。

対して、海東と星君はただのケンの妄言だと流していたが、ムラクモの反応で些か見方が変わってくる。
あの無感情な少年が、あそこまで必死になるとは余程のことか、いや所詮は子供大した考えもなく騒いだだけなのか。

(ん? あの玩具、カブトボーグか)

ケンの手にしたクワガタの玩具、あれはリュウセイの持っていたカブトボーグに似ている。
何より思い返せば、リュウセイの話していた友人の名前と特徴とも一致している。

「そうか、早苗さん! 彼は龍昇ケン、リュウセイ君の死んだはずの友達では!?」
「あっ、本当に?」

言われてから気付いた早苗が尋ねると、ケンは何処か誇らしげに頷く。

「ああ、リュウセイの友達だよ俺は。凄いだろ?」

主催の放送に紛れ、尚且つ生きていた少年。

(彼のあの首輪、まさかフェイクか?)

首輪を外したが目立つのを避け、機能の死んだ首輪を付けておく。
そうして、主催には死んだと思わせておく。そう考えれば辻褄は合う。
海東の中で、本当に首輪の解除も、可能ではないかとすら思えてきていた。

「ねえ、たなびたいことがあるんだ。ちょっと。僕も一緒に居て良いかな。一人じゃ心細くてネネ、いいだろう?」
「良いですよ星君! 仲間は多いほうが良いですから」

ムラクモと海東の顔色が変わったのを見て、星君もまさかという疑念に駆られる。
ここは一旦彼らに混じるのも、一つの手かもしれない。幸い早苗は来る物拒まずといった様子だ、集団に紛れるのは然程難しくなかった。
それどころか、もう仲間といった始末だ。
早苗の返事を聞きながら、星君は内心ほくそ笑んだ。

首輪の解除が出来るなら、それに越した事はない。
海東もムラクモも星君も、自らの思惑を隠し集団に紛れ込む。
何も知らないのは、東風谷早苗ただ一人。



まあ全部深読みで、ケンの妄言なのだが、彼らは知る由もなかった。

474 自分から騙されていくのか(困惑) ◆FbzPVNOXDo :2015/02/11(水) 15:23:08 ID:aYgn4m.A0


【G-04/1日目・午後】


【海東純一@仮面ライダーディケイド】
[状態]:( ^U^)申し訳ございません、このような健康体で。
[装備]:グレイブバックル@仮面ライダーディケイド、電磁サイリウム@COBRA THE IDOLM@STER
[道具]:基本支給品、電光戦車@エヌアイン完全世界、外部AI@MUGEN、AT-4@魔法少女まどか☆マギカ、権兵衛の書置き(偽)
[思考・状況]
基本:優勝して、元の世界を支配する。
 0:ケンに首輪が外せるのなら利用する。今は様子見。
 1:光写真館に向かう。
 2:表向きは対主催として振る舞い、集団の中に潜む。
 3:早苗とムラクモと行動を共にする。
 4:ノーリスクで殺人が可能な武器が欲しい。
 5:グレイブバックルの制限を何とかしたい。
 6:ディケイドにも制限が?
 7:AIを搭載した電光戦車は切り札。
 8:光写真館に少し興味。
※「ディエンドの世界」編終了後からの参戦
※鬼柳とさやかを死んだと思っています。
※大変胡散臭い表情をしていますが、本人はそれに気付いていません。
※グレイブバックルは一度使うと2時間使用不可になります。
※電磁サイリウム@COBRA THE IDOLM@STER、AT-4@魔法少女まどか☆マギカを早苗から譲り受けました
※早苗のことは別の世界の仮面ライダー住民だと思っています。
※権兵衛の書置きを偽造する為、支給品のどれかの説明書の端を破り取ったようです。


【東風谷早苗@守矢一家コスプレ劇場】
[状態]軽傷、霊力消費(小)
[装備]無し
[道具]基本支給品
    VGカード『幸運の運び手エポナ』@カードファイト!!ヴァンガード、権兵衛の考察メモ
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いには乗らない。
0:ケン君は首輪を外せるんでしょうか、ケン君が生きてると知ったらリュウセイ君喜びますね。
1:権兵衛を追って光写真館に向かう。
2:ムラクモを守りたい。
3:海東さんはさすが仮面ライダーだ!
4:北東から見えたあの光は……?
5:守矢の巫女として信仰を集める。
6:博麗神社は後で改めて訪れたい。
7:\  /
8:●  ● この会場では常識に囚われてはいけないのですね!
9:" ▽ "
10:ケン君は更正させなきゃ(使命感)
※権兵衛が光写真館に向かったものと思っています。
※海東を正義の仮面ライダーだと信じて疑っていません。
※ムラクモはただのミリオタの少年だと思ってます。
※奇跡が制限されているかどうかは不明ですが、とりあえず簡単な奇跡は起こせるようです。


【ムラクモ@アカツキ電光戦記】
[状態]:貧血、疲労(中)、ダメージ(中)、右足に刺し傷(処置済)、身体が十二歳程になっています
[装備]: 六〇式電光被服@アカツキ電光戦記、十六夜咲夜のスカート
[道具]:基本支給品、マッド博士の整形マシーン、ポラロイドカメラ、オレンジジュース(元は支給品の水)
[思考・状況]
基本:主催も含めて皆殺し。
0:このキチガイが首輪を本当に外せるのなら……
1:早苗はいつか絶対に殺す。
2:海東を警戒。
3:無力な少年を装い4人と行動を共にして隙を見て支給品を奪い殺す。
4:怪我の回復にも専念する。
5:早苗を利用すればオリーブオイルを入手できるかもしれない。
6:もこみちざまあwwwwwwwwwwwww
※海東が自分の思惑を見抜いていると思っています
※権兵衛の考察メモを読みました。
※早苗が現人神である事、奇跡を起こす程度の能力の一部を知りました。

475 自分から騙されていくのか(困惑) ◆FbzPVNOXDo :2015/02/11(水) 15:23:27 ID:aYgn4m.A0

 【星君@チャージマン研!】
[状態]:右手に野獣先輩のアレが付着
[装備]:金属バット@現実 、キリン装備@モンスターハンター、地の石@仮面ライダーディケイド
[道具]:基本支給品、双子シグナーカードセット@遊戯王5D's、謎の白い液体@THE 世界遺産、王宮内で手に入れた食料と武器、フランクのカメラ@デッドライジング、
射命丸のカメラ(30/30)@東方Project、士のカメラ(30/30)@仮面ライダーディケイド、射影機(30/30)@零〜zero〜、カメラのバッテリー@現実×2、十四式フィルム(30/30)@零〜zero〜×2、フィルム@現実(30/30)×3
[思考・状況]基本思考:母星や仲間のために殺し合いに乗る。
0:この連中に紛れ込みケンの言葉か本当か見極める。本当なら何としても首輪を外す。
1:チャージマン研は最優先で抹殺する。
2:チャージマン研、アルセーヌ(名前は知らない)を警戒(特にチャージマン研)。
3:これから毎日、不意討ちしようぜ!
※参戦時期は不明。あとの人にお任せします。
※制限により姿は星君のままです。

【龍昇ケン@人造昆虫カブトボーグ V×V】
[状態]:疑心暗鬼 激しい怒り、天才、 奥義チャイナクック・マーベラス・満漢全席を取得、早苗に惚れた
[装備]:エレクトリカル・スピードワゴン@人造昆虫カブトボーグ V×V
[道具]:なし
[思考・状況] 基本:皆、俺に着いていけないのでボコボコにする。
0:首輪を外したがってるけど、こいつらどうしよっかなあ。
1:色んな奴をボコボコにして天野河リュウセイを誘き出す!
2:さっきのオッサン達もボコボコにする。
3:早苗は可愛いし、変な生き物や男じゃなさそうだから一緒に居てもいいかな。
※松岡勝治が死んだと思っています
※正気に戻りましたが、錯乱しています
※この会場にいる女は全員、男か謎の生物が化けたものと思っています、ただし若干都合の良い解釈もするようです
※幾多の激戦を潜り抜けた事により、チャイナクック・マーベラス・満漢全席を取得しました。
※彼の言ってる事は全て妄言です。

476 ◆FbzPVNOXDo :2015/02/11(水) 15:23:42 ID:aYgn4m.A0
投下終了です

477 ◆J/0wGHN.4E :2015/02/12(木) 18:15:21 ID:rl2TyImA0
投下しまぁす

478 ◆J/0wGHN.4E :2015/02/12(木) 18:17:29 ID:rl2TyImA0



閃光。



それは、白昼堂々地上に現れた第二の太陽とも言える位のまばゆい光。
修正テープ、もといDイーグルに搭乗する遊星の背後を光が覆う。

「!」

「何だ!?」

その威圧に押され、遊星は思わずDイーグルのスピードを緩める。
無意識に振り返る頃には既にその閃光は消え去っていた。
だが、天を覆わんとする巨大なキノコ雲は、閃光の正体が爆発による物だと理解させ、そしてのその爆発の威力の凄まじさを十分すぎる程物語っていた。

「なんてことだ…」

遊星は畏怖する。
あれだけの爆発に参加者が巻き込まれては骨どころか塵も残らないだろう。


ここは殺し合いの場だ。

そんな主催者の声が聞こえてきそうなほどこの爆発は遊星に現実を痛感させた。

(まずい…あの方角は…)

距離的に考えて先程の東豪寺麗華と美木さやかの二人には大きな被害は無いだろう。
しかし権兵衛達と別れた場所は爆発のあったエリアに近い。もしかすると巻き込まれているかもしれない。

引き返すべきか、進むべきか。
遊星は苦渋の選択を強いられる。



「勝治、すまない」

遊星は爆発の様子より少年の探索を先回しにした。
爆発の規模こそ尋常ではないがあちらには複数の人がいる。
対する少年は一人かもしくは誰かに連れ去られている状態だ。
ならば急いで少年を見つけ出し一刻も早く勝治と合流するのが一番良い手段だと遊星は考えた。

何度か人に出会い、遅れを取ってしまったが相手は怪我人である。自ら歩いているならそう遠くへは行っていない筈。
しかし、今となってはそれは考えにくい。
今や少年がいなくなってから2時間近くが経とうとしている。
他の参加者と情報交換を行い自分も探してなお見つからないというのはさすがにおかしい。
そもそも5分足らずの間に自分たちの視界に入らない程遠くまで歩けるだろうか。
そういう考慮から、現在遊星は少年が誰かに連れ去られたと考えていた。

運が良ければ彷徨い歩いている所を誰かが保護した可能性も無い訳ではない。
そうであれば協力者も増えることになり一番良いのだがこの場所の性質上、それは期待しない方が良いだろう。
むしろ誰かの人質にされている可能性もあるし、そうなれば場合によって戦闘もあり得る。
最悪の事態も十分に考えられた。


(俺は…どうしたらいい…?)

479 伏線回収した淫夢くんUC ◆J/0wGHN.4E :2015/02/12(木) 18:18:38 ID:rl2TyImA0


:::





「おおきいねぇ…」

それがエスポワール号を見た相性祐子の最初の一言だった。

所変わってここは豪華客船エスポワール号の前。
人に出会えた喜びからテンション上がりまくりでつい走って辿り着いた二人。

その大きさたるや例えるならマンションを2個纏めたかのような大きさである。
(映画版のカイジにて撮影に用いられた客船ふじ丸は全長167m、全幅24m、デッキ8層、総トン数23235トンに及ぶ日本最大級の客船である。一応参考程度に)
(恐らくゆっこはそんなことは知るはずもないだろうが)
自分がこんなに大きな船を操るのかと思うと改めて認識し、緊張した。

「早く乗ろうよ!時間がないよ!」

ゆっこが支給された時計を確認すると13時06分。
既にこの場所が禁止エリアに指定されるまで1時間を切っている。
止めていた足を船内へと再び進める。

もしかするとここに他の参加者も避難しているかもしれない。
そう思うとゆっこは自然とまた急ぎ足になった。










「また貸し切りみたいだね」

「うん!てかもう慣れた!」

やはりというかまたしても船内は誰もいないようだった。
ぼっちに関してもはや何も言うことが無い。

迷子になりそうな程広い船内だったが幸い入り口に地図があったのでそれほど迷うこと無く操舵室にたどり着けた。
豪華客船というだけあってか個室や調理場等めぼしい場所もたくさんあったが今はあまり時間がないので後で調べることにした。




’’’’’



「なぁにこれぇ」

そんな訳で操舵室に来たのだが、その操舵室の光景に二人は困惑せざるをえなかった。
豪華客船と名がつくだけあり、操舵室もまさに豪華客船であったのだ。
6つの座席を180度囲んだ機器の山脈。
奇妙な文様が映し出されたモニターの雲。
難解なボタンとキーボードの海。
見ただけで脳が理解を拒否するような計器の数々。
思わずゆっこが真顔で呟く。

「えっと…どうすればいいんですか」

「なんで他人行儀になるのさ」

バリカンが突っ込みを入れる。

変に弄って自爆スイッチを押すなんてことは無いだろう。
だがどこがどうなっているかがわからないうちは余り触らないようした方がいいかもしれない。


(まだだ…まだあきらめるな相生祐子!)


動かす方法が無いのではない。動かす方法が見つからないだけだ。
ではその動かす方法を探せば良い。
多少暴論かもしれないが自分みたいな船の操作方法を知らない人間もこの争いに参加させられている以上、誰でも船の操作ができるようになっているべきではないのか。
ボタン一つで操作できるとか船の操作マニュアルがどこかに存在する可能性もある。
ゆっこは状況的に前者はまず無いと考え、後者の可能性に賭けることにした。

「よし!説明書を探そう!」

「エ゛ェー!?」

本日4回目のバリカンのエ゛ェー!?である。



現在時刻13:23分。
ゆっこ達は説明書を探し当てられるのだろうか。あるいは最初から…

480 伏線回収した淫夢くんUC ◆J/0wGHN.4E :2015/02/12(木) 18:19:46 ID:rl2TyImA0

【H-1/1日目・日中】


【相生祐子@日常】
[状態]:疲労(軽微)、死への恐怖とそれに伴う悲しみ(若干克服)、若干希望を持ちつつある。ぼっち脱却
[装備]:バリカン
[道具]:基本支給品、一本満足バー×28inファミマの袋@アサヒフードアンドヘルスケア、
バトルロワイアルガイドブック@ニコロワγ
スポンジボブ@ハッキョーセット、でかいきんのたま@ポケットモンスターBW
キチガイレコード@チャージマン研!
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いには乗らない
0:何だったんだろう今の人?
1:説明書を探す
2:研君を探しに行きますか
3:危険地帯…恐るべし…!
4:もっといい道具が欲しかった
5:研君の そこにシビれる 憧れる
6:なのちゃんに続く新しいロボットの知り合いができて嬉しい
7:………死にたくないよ
※ジュラル星人と研の関係、泉家の家族構成を簡単に知りました。
※精神がわずかに不安定になっている可能性があります。
※民家の地下でニコニコ危険地帯を発見しました

【バリカン@チャージマン研!】※意思持ち支給品
[状態]良好、首輪なし、愛称で呼ぶ程度にはゆっこを信頼
[思考]
基本行動方針:ゆっこと一緒に研を探す。見つけたら保護してもらう。
0:さっきのは何だったんだろう?
1:何か胡散臭そうな船でゲス
2:ゆっこと行動。
3:終わったらゆっこがジュラル星人の存在を知らない事について話し合う
※機能に何らかの制限が課せられているかもしれません。
※ゆっこの交友関係を軽く知りました。
※星君を警戒対象に入れてないのは、彼がジュラルであることを知らないからです
※参戦時期は最終回よりも前のどこか。魔王については面識があるか見たことはあります


共通:ガイドブックで見逃している箇所があるかもしれません。

481 伏線回収した淫夢くんUC ◆J/0wGHN.4E :2015/02/12(木) 18:20:33 ID:rl2TyImA0

////





逡巡する遊星とそれを見つめる小さな者が一匹。


遊星はなぜか小さなそれに気づいた。


なんだろうか、そう思う意識さえ持てず。


気がつけば遊星はDイーグルを停め、降り、歩み寄っていた。


何が遊星をそうさせたのだろうか。


それは一体何なのか。


そう。




「ヴォー・・・」




それはクッソ汚い淫獣に他ならなかった。

朝方、星君の襲撃から生き残った淫夢くんはたまたまここまで移動していたのである。

野獣先輩、そしてディーノ、このロワで参加者のホモは死滅したが、一方で支給品によるホモは未だ健在なのだ。


猿とも栗鼠ともムササビとも見られる奇妙な動物だ、見ればどこか愛らしさもある。
遊星としてもどこかこの獣を放っておけないでいた。
よく考えてみればこの島にはなぜか植物こそ辺り一面に生い茂ってはいるが、野生動物の類いは虫さえも存在していないのだ。
今まで余りそういったことは気になっていなかったが、初めて動物を見ると大きな意味がある事のようにも思えた。

(!)

そして遊星に一つの考えが浮かぶ。
もしかするとこの場所は天然の島ではなく、人為的に作られた島なのではないか。
もしくは惑星、次元単位で主催者が作り出した可能性もある。
ならば何故ここに動物がいるのか。首輪は無いので恐らく参加者でもない。
そうなると支給品、あるいは他の参加者が何らかメッセージを送る目的でこの動物を利用したのだろうか。


「ヴォー・・・」


淫夢くんが声を上げると、素早く飛び上がり遊星の肩にちょこんと乗った。
そして、おもむろに背負ったデイバックを叩く。

「…連れて行ってほしいのか?」

「ヴォー・・・」

淫夢くんがうなずく。
元々メ蟹ックな遊星は動物には詳しくないのだがこの動きで人懐きがよく、知能の高い動物だとわかった。
遊星は淫夢君をひょいと持ち上げ体を探る。これといって特別な物は無いようだ。
単純に誰かが逃がしたか、或は用済みなのか。
捨てる訳にもいかないので遊星はデイバックのチャックを開けると、淫夢君がサッと体を入れ、遊星のデイバックから首だけ出した状態になった。

「気に入ってくれたようだな」

安住の地を得られた喜びからか、淫夢くんはゆっくりと腕を上げガッツポーズをとった。

完全勝利の瞬間である。

3回目の寄り道を終えた遊星は三度Dイーグルに跨がり、アクセルをかけ発進する。

482 伏線回収した淫夢くんUC ◆J/0wGHN.4E :2015/02/12(木) 18:21:26 ID:rl2TyImA0


【F-02 南東/一日目・日中】



【不動遊星@遊戯王5D's】
[状態]:疲労(小)、主催者達に怒り
[装備]:デルタイーグル@遊戯王5D's(操縦中)
[道具]:基本支給品、サイバーZ一号のベルト@真夏の夜の淫夢関連、レッド・デーモンズ・ドラゴン@遊戯王5D's(二日目午前まで使用不可)
ライダーズカード一式@仮面ライダーディケイド、沈黙の騎士ギャラティン@カードファイト!! ヴァンガード
大量の玩具@現実、玩具を弄る為の工具@現実、武器になりそうな物@現実(包丁や鋸など)、鬼柳のハーモニカ@遊戯王5D's
[思考・状況]基本思考:殺し合いの打破
1:少年のもとへ向かう。
2:海東純一を警戒。先程の爆発との関連も考慮
3:ありがとウサギを止める。
4:先ずは首輪を解除する。
5:自分のカード達や仲間を探す。
6:勝治を攻撃した誰かに警戒。
7:許せ、少年
8:少年を見つけたら勝治のもとへ急いで戻る
※勝治が今までしてきたことを聞きました。ただし、アルセーヌを覗き見してたことは聞いてません。
 また、田所(野獣先輩)が勝治に一服盛ったと思っています。
 また、ケンが生きてると言う勝治の説に疑心的です。
※勝治の首輪には不具合が起きていると推測しています。
※主催側に何か不都合な事が起きていると推測しています。
※権兵衛からリュウセイと少年(ムラクモ)の現状、危険人物の話を聞きました
※麗華達と情報交換しました。
※この会場が人工的に作られた物では無いかと考えています。


【淫夢くん@真夏の夜の淫夢】
[状態]:疲労(微小)
[思考]:基本思考:ヴォー・・・
0:ヴォー・・・
1:ヴォー・・・・
2:ヴォー・・・・・
3:ヴォー・・・・・・

483 ◆J/0wGHN.4E :2015/02/12(木) 18:23:59 ID:rl2TyImA0
投下終了
今になってこれ別々のSSで良かったなって思ってたり

484 ◆FbzPVNOXDo :2015/02/12(木) 18:47:43 ID:aXAebu920
投下乙です
淫夢くんとか凄い懐かしい
クッソ汚い害獣を保護する遊星は蟹の鑑

自分も投下します

485 妖怪(プラ/シドがテケテケ的に)競演 ◆FbzPVNOXDo :2015/02/12(木) 18:54:13 ID:aXAebu920
「く、そ……」

両手を使い、必死にもがくプラシド。その様はまさにテケテケ、安っぽいホラー映画のようだ。
だが、そんな努力もむなしく、対して距離は進んでいない。
元々、人間の両手は歩くために、付いている物ではない。従って、人間をモデルにしたロボットであるプラシドも、手だけでは移動は困難だ。
そこでまずは、下半身を治そうと考えた。運のいいことに、代用できそうな部品は今目の前にある。
首から下のないルカのボディ、大破したオデッセイ。同じロボットであるルカは尚更、オデッセイも幾つか納品は代用できるはずだ。
もっとも、ルカのボディはブルーベリー色の巨人になる可能性もあるが、恐らく純粋な生物ではないルカはそうならないと、プラシドは推測している。
事実、殺されてから数時間経っているのに、ルカのボディに異変はない。

「はあ……はあ……、よしオデッセイの大破で若干痛んではいるが使えそうだ」

元の仲間であったルカのボディを使うのに、何も感じない訳はないが、ここでグズグズしている暇もない。
頭部をなくした以上、メモリーは完全にいかれ、仮にルカを復元したとしても、それはルカと同じ容姿をした別の何かである。
そんな自己満足で済ますのならば、いっそ自信のパーツとして使わせてもらう。
ルカのディバックを開き、自分の下半身のボディを確認したあと、ルカのボディを入れた。
自分のディバックも回収したいところだが、燃えてしまっていた。中身のカードは灰になっている。

「くっ、エクシーズカードが……」

よりにもよってインヴェルズはまだしも、希望王のカードが燃えるとは皮肉の以外の何物でもない。
やはり希望など、絶望に飲まれる物なのか。沸いてくる絶望を打ち払うかのように、プラシドは内心舌打ちをしながら作業を続けた。
その後、大破したオデッセイから、使えそうなものを部品見つけ回収。これだけの作業に数時間掛かってしまうとは、我ながら情けなくなる。

「あとは、……道具か」

遊星とは違い、即席で道具無しで機械を弄れる程の技術はプラシドにはない。
あるのは自分達を創ったゾーンの技術、それも見よう見真似だ。

(市街地に向かえば、道具があるとは思うが……)

このテケテケの状態で市街地にたどり着くのに、どれ程時間が掛かるか分からない。
それでも行くしかない。せめて自分の居る場所が、禁止エリアに指定されないことを祈るばかりだ。

「うんざん……」

ふと奇妙な声が聞こえる。
見れば、巨大な雲の入道がプラシドの周りをうろちょろしていた。
そいつは非常に困った様子で、金色の法輪を見つめている。

486 妖怪(プラ/シドがテケテケ的に)競演 ◆FbzPVNOXDo :2015/02/12(木) 18:55:16 ID:aXAebu920

「お前は?」
「うんざん!」
「なるほど、うんざんか」

うんざんと名乗る入道―――というか「うんざん」としか言えないのだが―――は、助かったと言わんばかりにこちらに寄ってくる。
そしてジェスチャーで、何とかプラシドに金色の法輪から離れないことを教えた。

「そうか、お前も移動手段に……お前自身は持てないのか?」

首を横に振る。
どうやら持てないらしい。首輪のないところから支給品らしいが、どうやら参加者のように自立させないための処置だろう。

「なら、俺がしばらく持とう。代わりに俺の足の変わりになってくれないか?」
「うんざん!」

今度は首を縦に振る。了解と見たプラシドは金色の法輪を手に取る。
すると、雲山はプラシドを掴み上げた。

「良し、まずは市街地に寄ってくれ。俺の足を治すための道具が必要なんだ」
「うんざん!」
「それと出来る限り、人に見つからんように頼む」

プラシドの指示を聞き、可能な限り体を縮めながら雲山は市街地へと向かった。

(他の参加者に出会えたのは幸運だったな)

まどか達との戦いの後、カズマの後を追っていた雲山だがサーニャが誤って金色の法輪を落としてしまった。
そこで雲山はカズマは愚か瀕死のサーニャにも気付かれず、置いてけぼりを食らい途方にくれていた。

(あの青年もサーニャ殿も無事だと良いが……)

目的地は学校といっていた。
サーニャの事は気になるが、カズマと一緒ならば戦闘に関しては問題はないだろう。
あれで、中々骨のある男だと雲山は評価している。それよりも、今はプラシドの用事を済ませてやるのが先決だ。

こうして移動手段が乏しかった二人は、互いの欠点を補い合いながら市街地へ向かった。

【D-05/1日目・夕方】

【プラシド@遊戯王5D's】
[状態]:上半身のみ、希望の番人化
[装備]:アノニムの二丁拳銃 弾数(5/6)@アカツキ電光戦記、金色の法輪@東方Project
[道具]:基本支給品一式、プラシドの下半身@遊戯王5D's、モンスターボール(バッフロン)
    もしかしてオラオラですかーッ!?@未来ガジェット研究所、ふなっしー@現実 、ルカのボディ@VOCALOID、
    プラシドが使えそうだと思ったオデッセイの残骸のパーツ@課金騎兵モバマス予告集
[思考・状況]
基本行動方針:絶望の未来を変える
0:市街地に向かい、道具を調達し下半身を治す。
1:気に食わないが戦力になりそうな不動遊星を探す。
2:愛用のDホイールと剣が欲しい。
3:不動遊星との決着は保留。
4:下半身♂を直したい。
5:宙……ルカ…。
6:青鬼を最優先で警戒
※ルカ達の話の食い違いについては一応思考中・・
※プラシドのディバック及び支給品は灰になりました。


【雲山@東方星蓮船 AfterExtra】 支給品
【思考】
1:今はプラシドの用事を済ます
2:サーニャ達の事が気になる

487 ◆FbzPVNOXDo :2015/02/12(木) 18:56:51 ID:aXAebu920
投下終了です
正直に言うと雲山のことは当時忘れてました

488 名無しさん :2015/02/12(木) 21:58:09 ID:ByP5T/OM0
投下乙です

すげえ、投下来てるぞ
じっくり読ませてもらいます

489 名無しさん :2015/02/13(金) 19:08:23 ID:OcgCOVQk0
投下乙です!
ひさびさに勢い戻ってきた!

490 名無しさん :2015/02/14(土) 18:31:38 ID:jDjqBnKA0
投下乙

早苗さんの周り爆弾まみれでワロタ
あと、ここまでデタラメ言えるケンってやっぱキチガイだわ

491 ◆FbzPVNOXDo :2015/02/15(日) 01:41:26 ID:iQvSJkO20
投下します

492 最期の戦い ◆FbzPVNOXDo :2015/02/15(日) 01:42:20 ID:iQvSJkO20
「大丈夫ですか? 勝治くん」

シャーロックが、ペットボトルのキャップを開けて勝治に手渡す。
申し訳なさそうな顔をしながら、勝治はペットボトルを受け取り喉を潤した。

「うん、ごめんね。こんなことしてる暇ないのに」
「そんなことありませんよ。私も疲れてきてましたし」

シャーロックと勝治は権兵衛と離れた後、しばらく走り続けていたが勝治の発作が始まったのを見て、シャーロックの提案で近くの手頃な日陰で休憩をすることになった。
勝治はそんな暇はないと反対したのだが、今にも死にそうな勝治の顔を見たシャーロックがどうしても譲らないので、渋々その提案を受け入れ体を休めている。

「そうだ、休憩がてら暇だし、この辺で少し殺し合いで分かっている事を整理してみないかい?」
「整理…ですか?」
「うん、君のお爺さんも、難解な謎に挑む時は良くやってるからね。
 ここは名探偵のやり方を踏襲しようと思うんだ」

そう言うと、勝治は筆記用具を取り出し文字を書き出す。

「まず分かっているのは―――」


殺し合いを開いた連中は、優勝した者にあらゆる願いを叶えることが出来ると豪語している。
→嘘か本当かは不明。本当であるならば、恐ろしい力を持っている可能性がある。
 メイトリックスと呼ばれた男との会話から、死者の蘇生は可能?

死人でもない者が二回も呼ばれるなど、故意なのか故意でないのか分からない不可解な放送。
→遊星さんの仮説では、主催に何か異常が起きている。

幾つか書いてみるものの筆は進まない。

「参ったな、言いだしっぺの僕が分かってることのほうが少ないや」
「あっ、勝治くん。私も書き出していいですか!」

シャーロックは必死に権兵衛の書いたメモを思い出し再現していく。
その時、不思議なことが起こった。
奇跡的な確立で、お馬鹿なシャーロックがメモを完全再現することに成功したのだ。

[基本的な疑問]
?ここは何処なのか?
?主催者は何者なのか?
?殺し合いの目的は何か?

[小さな疑問]
?主催者が参加者へ情報を伝える手段
?参加者の人数
?参加者の選出方法
?放送の時間
?禁止エリアの選定方法

★この内主催者が参加者へ情報を伝える手段が最も重要。
★この島にはスピーカー等の通信機器は無し→魔法、妖術、トイズ等の通常の放送とは別の手段を使う可能性がある。
★参加者はそれぞれ別の世界=パラレルワールドより集められた?(トイズやボーグといった概念の存在が証拠?)→★☆異世界人と出会った可能性有り!!★☆
★放送手段が解れば主催者の世界=主催者の正体が解る可能性大→最初に主催者と会話していた男性と遭遇出来ればそちらの方が単純かつ迅速

[首輪について]
?首輪を付ける目的は反乱の抑止と殺し合いの促進
?殺し合いに反抗心を抱く者達は一般的に意志の強い者が多い→反抗心を抱く者達が集団を組んだ場合、下手に一人の首輪を爆破すれば余計残った者の反抗心を掻き立てる恐れ
?集団全員の首輪を爆破するのは主催者の本意では無い
?以上の事柄より、主催者による反逆者の殺害はほぼあり得ない
★あくまで希望的観測
★反抗心を抱く者が単独行動を取っている場合はこの限りでは無い


「凄いよ、シャーロックちゃん! 流石名探偵だ!」
「そんなことありませんよ。全部、権兵衛さんのメモを覚えたまま書いただけですから」

493 最期の戦い ◆FbzPVNOXDo :2015/02/15(日) 01:42:45 ID:iQvSJkO20

シャーロック自身、内心奇跡だと思いつつメモを勝治に渡す。
それを勝治が清書しそれを元に二人は考察を始めていく。

?参加者の人数

「まず、分かっていることから進めよう。参加者の人数は70人、名簿を信じるならこれは間違いないよ」
「ふむふむ、人数は何か関係があるんですかね?」
「主催が管理しきれる上限……、かな?」
「今でも、十分ガバガバだと思うんですけど(名推理)」

?主催者が参加者へ情報を伝える手段
★この内主催者が参加者へ情報を伝える手段が最も重要。

「権兵衛さんが、わざわざ重要とまで記してるんだ。これは考察する余地があると思うよ」
「うーん、普通にスピーカーじゃないんでしょうか?」

シャーロックは過去二回、定期放送を耳にしているが、正直な話ただの放送にしか聞こえなかったというのが率直な感想だ。

「でも権兵衛さんは、スピーカー等の通信機器は無しと書いているんだ。
 それに僕個人の疑問だけど、機器を使った放送にしては非常に音質が良すぎる気がする」
「あっ、言われてみれば……。まるで、目の前でお話を聞いているような感じでしたね」
「つまり、放送の手段は、何らかの超常の力を使っているはず、メモの通り通常の放送とは違うと見て間違いないかもしれない」

?放送の時間
?禁止エリアの選定方法

「放送は、六時間に一度という認識でいいと思う」
「これは疑う余地もありませんね」
「問題は禁止エリアだけど、一見バラバラであまり意味があるとは思えない」
「でたらめに決めてるとか、じゃないでしょうか」
「だとすれば、主催の目的は娯楽として楽しんでるという可能性が高いかもしれないね」

こうして幾つか話し合いメモを書き加えていき新たなメモを作成していく。



[基本的な疑問]
?ここは何処なのか?
?主催者は何者なのか?
?殺し合いの目的は何か?
→娯楽目的?

[小さな疑問]
?主催者が参加者へ情報を伝える手段
→通常放送とは違う別の手段
?参加者の人数
→名簿の通りなら70人
?参加者の選出方法
?放送の時間
?禁止エリアの選定方法
→でたらめ? 娯楽目的ならおかしくはないかもしれない

★この内主催者が参加者へ情報を伝える手段が最も重要。
★この島にはスピーカー等の通信機器は無し→魔法、妖術、トイズ等の通常の放送とは別の手段を使う可能性がある。
→放送に別の手段を使ったのはほぼ確定。
★参加者はそれぞれ別の世界=パラレルワールドより集められた?(トイズやボーグといった概念の存在が証拠?)→★☆異世界人と出会った可能性有り!!★☆
★放送手段が解れば主催者の世界=主催者の正体が解る可能性大→最初に主催者と会話していた男性と遭遇出来ればそちらの方が単純かつ迅速
→放送手段そのものは未だ不明

[首輪について]
?首輪を付ける目的は反乱の抑止と殺し合いの促進
?殺し合いに反抗心を抱く者達は一般的に意志の強い者が多い→反抗心を抱く者達が集団を組んだ場合、下手に一人の首輪を爆破すれば余計残った者の反抗心を掻き立てる恐れ
?集団全員の首輪を爆破するのは主催者の本意では無い
?以上の事柄より、主催者による反逆者の殺害はほぼあり得ない
★あくまで希望的観測
★反抗心を抱く者が単独行動を取っている場合はこの限りでは無い

首輪について追記
・遊星の推測では勝治の首輪に何らかの異変、少なくとも主催側に何か異常が起こっている可能性がある。

494 最期の戦い ◆FbzPVNOXDo :2015/02/15(日) 01:43:07 ID:iQvSJkO20


「一応色々書いてみましたけど、確定的なものはありませんね」
「焦ることはないよ。まだ推理の材料が足りないだけさ」

落ち込むシャーロックを勝治が慰める。
今はまだ勝治の言うとおり、推理などできる段階などではない。それこそ予知能力者でもない限り不可能だ。
だとしても、シャーロックは自分の力不足に苛立ちを覚えてきてしまう。

「せめて、トイズが戻れば……勝治くんを守るくらいは」

サイコキネシスのトイズ。以前とは違い、現在は戦闘に応用し強力な武器にもなり得るまでに高められたトイズが戻れば……

「権兵衛さんの時に戻ってさえいれば、一人にしなくても済んだかもしれない。なのに……」

あの場で一人でも戦えるものがいれば、話は別だったかもしれない。
だが過ぎてしまった事だ。シャーロックが悪いわけじゃない。

「……シャーロックちゃん、シャーロック・ホームズには女性説があるのを知っているかな?」
「え?」

唐突にそんな事を言い出した勝治にシャーロックは目を丸くする。

「おじいちゃんは男なんですけど……」
「熱狂なファンには、そう考えた人も居るってことさ、面白いことに論文まで書かれてるらしいよ。
 権兵衛さんならもっと詳しいかもしれないけど、確かその中の根拠の一つにホームズが荒事は基本的にワトソンを頼ってるから、女性なんじゃないかというのがあってね」
「それが、一体……」
「あのホームズだってこんな説が出るくらい、ワトソンに頼るんだ。シャーロックちゃんも一人で抱え込む必要なんかないんだよ」

そうだ。いつもシャーロックの周りには仲間が居た。
一人では困難な事件も仲間と共に解決してきた。例えトイズがなくとも、ミルキィホームズの四人が揃えば超えられないことなんてなかった。

「ごめんなさい勝治くん、私……」
「大丈夫、それに権兵衛さんは頭が良いからね。今頃あの変な女をやっつけてるよ」

そして、ここにも仲間が居る。それはとても幸運な事であり、頼もしいことだ。
シャーロックの顔に明るさが戻ってくる。それを見た勝治は一安心した。

「行け、ダークサイド・プレジデント!」

二人の仲を裂くように一機のカブトボーグが飛来した。

「勝治くん!!」


――――

495 最期の戦い ◆FbzPVNOXDo :2015/02/15(日) 01:43:25 ID:iQvSJkO20


私は早々に学校から離れた。
理由は簡単だ。あのオリーブオイル使いが逃がし、尚且つ戻ってこなかった黄色タイツとおっぱい女が気になるからだ。
あいつらが他の仲間を集めて、学校に乗り込んでくる可能性は十分にある。流石にこんなボロボロの状態で戦闘は避けたい。
今は弱い人間を狩って、体力を回復するしかない。
そう考えて、光学迷彩スーツを使いながら移動していると、二人組みの美味しそうな子供を見つけた。
少し前にあった大爆発の方からやってくるのを見る限り、誰か戦える大人が殺し合いに乗った奴の足止めをしている内に逃げてきたに違いない。
あいつらなら簡単に狩れるだろう。
一つだけ問題があるとすれば、あの病弱な子供はあまり美味しくなさそうだ。……というか、変な病気を映されそうで困る。
その点、ピンクの幼女は非常に健康そうで美味しそうだ。もう涎が止まらない。
さっさと病弱なほうを始末して、あの幼女を食べてしまおう。

私はダークサイド・プレジデントを取り出し、少年へと投げつける。
少年は溜まらず吹っ飛ばされていく。
良し、これで残るは幼女だけだ……。凄くオイシソウ。

「勝治くん!!」

少年へ駆けていく幼女をひょいと服を掴んで持ち上げる。
別に怪力自慢の鬼じゃないが、軽く持ち上がってしまった。

「な、何!?」

まず、服を脱がせる。
こんなもの食事の邪魔にしかならない。幼女が悲鳴を上げる、随分いきの良い人間だ。これは期待できる。
さて、どんな風に調理しようか。

「やめてください何を……

幼女の服を全部破き、髪飾りも全部取っ払う。
生まれたままの姿になった幼女は非常においしそうだ。
それにしても美味しそうだ。良い事思いついた、丸焼きにしよう。
バックの中から肉焼きセットなるモノを取り出す、これで美味しいこんがり肉を作ろう。
早速、学校から調達した油をぶっかけてやる。幼女は完全に泣き出している。生きたままの調理も中々楽しいものだ。
そして塩コショウ、醤油と調味料を掛けて味を調える。
下準備はできた、後は美味しく焼くだけだ。
幼女を棒に括りつけ火のうえにかざす。

「熱い、熱い……助けて……い、や……」

幼女が暴れだすがきつく縛ったので問題ない。
何処からか陽気な音楽が流れ出す、この肉焼きセットの効果だろう。
さて、焼き具合を見て調整しなくちゃならない。

「私、焼かれて……食べられるの……? 嘘、そんなの……」

涙が良い感じに塩味を濃くしてくれる。良い食材だなあ。
完成が待ち遠しい。


―――――

496 最期の戦い ◆FbzPVNOXDo :2015/02/15(日) 01:43:58 ID:iQvSJkO20


なんだ……あの女は……。
胸を押さえながら、僕は襲撃者を睨んだ。
シャーロックちゃんを掴みあげた女……シャーロックちゃんには見えていない?
そうか、霊感の強いものにしか見えないんだ。そこへ来ると、僕は常に死に触れているお陰で見えるのかもしれない。
いや、こんなこと言っている場合じゃない。早くシャーロックちゃんを助けなきゃ。

「ぐ? ああ……」

胸が苦しい! こんな時に発作が……もう先は長くないと思っていたけどこんな時に……。
くそ、もう少しだけ持ってくれ僕の体!!

「あれ、は……」

僕を攻撃したダークサイド・プレジデントがそう遠くないところに落ちている。
恐らく、あの女はボーガーじゃない。投げたまま回収もままならないんだ。
カブトボーグさえあれば僕だって……!

「早く、早くしないと……」

シャーロックちゃんの服を脱がして調味料を掛けている。間違いなく猟奇的なキチガイだ。
あのままじゃ、本当にシャーロックちゃんが物理的に食われるかもしれない。

「も、う少しだ……」

健常者なら何てことない距離も、今の僕にはとても遠くに感じた。
それでも伸ばした手は、時間は掛かったが届いた!

「頼む、ぞ……ダークサイド・プレジデント!!」

チャージを行いあの女へとダークサイド・プレジデントを叩き込む。
あの女のチャージインと違い、僕のは上手くいった。女は吹き飛び残ったのはシャーロックちゃんだけだ。
よし……あとは、シャーロックちゃんは解放して……。
視界が……意識も……、駄目だこんなところで倒れられるか……!!

「駄目です、勝治くん! 無茶しないで―――」

シャーロックちゃんの声が聞こえる。大丈夫さ、僕は君を守るまで死にはしな、いさ……。
あの吹っ飛ばされた女が戻る前に、何としてでも君だけは逃がさなきゃ……。

「勝治くん……! 勝治くん!!」
「ご、めん、裸、見ちゃった……。僕のジャンパーで、良ければ着ていてく、れ……」
「そんな場合じゃ、勝治くんしっかりして!」

結ばれたシャーロックちゃんを何とか解放して、ジャンパーを羽織らせる。裸はよりはマシだ。
あとは―――

497 最期の戦い ◆FbzPVNOXDo :2015/02/15(日) 01:44:57 ID:iQvSJkO20

「邪魔するな、病弱な人間! お前は食べたくないんだ!」

あいつを倒すだけだ!

「逃げましょう、勝治くん!」
「そうは、いかないよ……。君が、狙い、なんだ……。僕が残るしか……ない」
「じゃあ、私も戦います!」

シャーロックちゃんがバックに手を突っ込み支給品を取り出す。
だが、出てきたのは白い二枚のカード、一枚はミニカーみたいな絵柄のカードともう一枚は何の絵柄もない不思議なカードだけだった。

「なんで……他には何か……何か……」
「シャーロックちゃん、逃げるんだ……。僕が何とかするから」
「だって、勝治くん……あなた死ぬ気じゃ……」

心配そうな顔を浮かべるシャーロックちゃんに僕はできる限りの笑顔を浮かべた。

「君(ホームズ)を守るのは、僕(ワトソン)の役目だからね」

あのキチガイ女がでかい楊枝を持って駆けてくる。
僕はダークサイド・プレジデントで応戦する、もう喋ってる時間はない。

「早く行くんだ、シャーロックちゃん!!」

いつもより荒げた僕の声に驚きながらシャーロックちゃんは走っていく
そう、それで良いんだ。

「待て、人間!」
「行かさないぞ!!」

あのキチガイ女の前にダークサイド・プレジデントを回りこませる。
キチガイ女め、辱めてやる!



――――

498 最期の戦い ◆FbzPVNOXDo :2015/02/15(日) 01:45:25 ID:iQvSJkO20


にとりのスタイリッシュ爪楊枝をダークサイド・プレジデントが弾き突き進む。
ダークサイド・プレジデントの突撃をにとりが避ける。
光学迷彩の恩恵も勝治の前では無駄。

「チッ」
「ぐっ……」

更ににとりは先の戦いでのダメージも回復しきってはいない。そして勝治も死に掛け。
お互いに健康とは言いがたい体調。戦いはまさに拮抗していた。

((このままじゃ埒が明かない))

にとりの弾幕をカブトボーグで弾き続けても、にとりにはたどり着けない。
逆に、にとりの弾幕もカブトボーグの前では意味がない。
互いに攻め切れぬなか、痺れを切らしたにとりが氷輪丸を抜く。

「氷!?」

爪楊枝の弾幕に加え、氷の弾幕まで展開される。
流石の勝治もこれは捌ききれない。
走らせていたダークサイド・プレジデントを自分の元に戻し必殺技を放つ。

「轟雷必殺デンジャラス・サンダー・アルティメット!」

電撃を纏ったダークサイド・プレジデントが弾幕を打ち落としていく。
だが、突然その動きが鈍くなり弾幕の一つが勝治へと直撃する。

「ぐ、ああっ!」

何とかよろめきながら立ち上がるのも顔色は悪く、胸を押さえている。
再び発作が始まってしまった。
ここで拮抗は崩れだす、残された時間の少ない勝治とダメージを負っているだけのにとりではにとりの方が有利になる。

「諦めろ人間、無駄に寿命を縮めるだけだ」

にとりからすれば勝治はとても食えた相手じゃない。
戦う理由もなければ暇も無い、シャーロックを追いたい。

499 最期の戦い ◆FbzPVNOXDo :2015/02/15(日) 01:45:42 ID:iQvSJkO20

「そうかもしれないな……だが、僕は!」

ダークサイド・プレジデントが再び加速する。

「まだ、やる気か! お前に構っている暇は無いんだ!」
「悪いけど、文字通り最期まで付き合ってもらうぞ!」

最期―――それこそ勝治の命の尽きるとき。
だが、それは勝治の命だけではない。

(僕は死んでも構わない、でもお前も道連れだ!)

もっともそんな願いも空しく、また心臓の発作が起こる。
全身が悲鳴を上げている。もう戦うな、さもなくば死ぬと。

―――分かっているさ、それでも……!

まだ、やりのこしたことがあるのだろう? まだ死にたたくないだろう。

―――そんなこと。

人の本能は死を逃避するものだ。
勝治の覚悟をあざ笑うように、体は死を拒んでいる。

膝が崩れ、地に着く。

―――動け、動くんだ!

両手がを地に着き、顔すら俯いてしまう。

―――顔を上げろ、まだ戦いの途中だ!

意思が肉体が、離反していくかのような感覚。

―――まだ、死ぬわけには……僕は……。


にとりは笑う。
少し手を焼いたが、こいつは死にかけだ。
とはいえ、また邪魔をされるのも面倒だ、止めを刺そう。
スタイリッシュ爪楊枝が勝治へと振りかざされ―――赤いカブトボーグにより弾かれる。

500 最期の戦い ◆FbzPVNOXDo :2015/02/15(日) 01:46:04 ID:iQvSJkO20

「なっ!?」
「戦え! 勝治!!」

そこに居たのは、天野河リュウセイ。
赤いカブトボーグはトムキャット・レッド・ビートルだと分かった時、勝治は糸が切れたかのように倒れる。

「リュウセイ、くん……」
「立ち上がれ、戦え勝治! これはお前の戦いだ!!」

体に力が入らない、もう本当に限界だ。

「ごめん、僕はもう……」
「このままむざむざ負けていいのか! お前のボーグ魂はそんなものなのか!! 勝治!!!」

―――負ける。
そうだ、死よりも恐ろしいものは敗北だ。
死んでも良い、でも敗北という形で死ぬのだけはそれだけは……!

「心配するな勝治! 死んでも俺たちは親友だ!」

リュウセイの激動が勝治に力を漲らせる。
まだだ、まだ負けるわけにはいかない。

「それに忘れたのか! 勝治、お前の体は、健康だーーーー!!!!」

勝治は立ち上がる。
ボーグバトラーとしての魂を燃やし、その誇りの為に。

「うぉおおおおおお!! 僕はもう死ぬことなど怖くはない!!!」
「なっ、そんな……!」

今まで死に掛けだった筈の少年が再び熱き闘志を宿し立ち上がる。
にとりからすれば理解できない。一体何だ、何なのだこの人間は。

「食らえ! これが僕の全身全霊のデンジャラス・サンダー・アルティメットだ!!!」

ダークサイド・プレジデントの背後に謎の青い騎士が現れ、ダークサイド・プレジデントが青いオーラを纏い加速する。
にとりは咄嗟にスタイリッシュ爪楊枝で防ぐが、青騎士がその手の剣を振りかざし、楊枝はとうとう負担に耐え切れず破壊された。

「そんな、馬鹿な……」

青騎士に斬られたにとりは力尽き倒れた。

501 最期の戦い ◆FbzPVNOXDo :2015/02/15(日) 01:46:30 ID:iQvSJkO20










「リュウセイくん……」
「勝治、よくやったな!」

勝治はリュウセイの顔を見て安堵の顔を浮かべる。

「僕は、ちょっと疲れたよ……」
「おいこんなところで寝るなよ冗談だろ? ……勝治?」



勝治は安らかな顔でそのまま息絶えた。


【スタイリッシュ爪楊枝装備@東方無問題シリーズ】破壊
【松岡勝治@人造昆虫カブトボーグV×V】死亡





「リュウセイくん……」
「……シャーロックか」

にとりから無事逃げ切れたシャーロックはリュウセイ達と合流、にとりの事を話しすぐさまリュウセイは駆けつけた。
だが、もう手遅れだった。

「彼が勝治くんか」

遅れてやったきた研とアルセーヌも目の前の事態を見て全てを把握する。
この少年は息絶えたのだと。

「研、アルセーヌ、シャーロック。もう行くぜ」
「? でも、埋葬は……貴方―――」

アルセーヌは呆気に取られるが、リュウセイは勝治をダークサイド・プレジデントを側に置くだけに留める。

「あいつにはこの手向けだけで十分さ。
 それよりもこう言うだろうぜ、このふざけた殺し合いを一刻も早く止めってくれってな!」

リュウセイはそう言い拳を静かに震わせた。
齢十年を生きたリュウセイだが、ここまでの怒りを感じたのは生まれて初めてだ。

「必ず、あの主催者共は俺が叩き潰してやる……!」
「その通りだよリュウセイくん、こんなキチガイロワイアル許せることじゃない」

リュウセイの怒りに研が賛同する。

「行くぜみんな、こんな殺し合い一秒でも早く止めてやる」

502 最期の戦い ◆FbzPVNOXDo :2015/02/15(日) 01:47:37 ID:iQvSJkO20
>>501はこっちとに変えてください

「リュウセイくん……」
「勝治、よくやったな!」

勝治はリュウセイの顔を見て安堵の顔を浮かべる。

「僕は、ちょっと疲れたよ……」
「おいこんなところで寝るなよ冗談だろ? ……勝治?」



勝治は安らかな顔でそのまま息絶えた。


【スタイリッシュ爪楊枝装備@東方無問題シリーズ】破壊
【松岡勝治@人造昆虫カブトボーグV×V】死亡





「リュウセイくん……」
「……シャーロックか」

にとりから無事逃げ切れたシャーロックはリュウセイ達と合流、にとりの事を話しすぐさまリュウセイは駆けつけた。
だが、もう手遅れだった。

「彼が勝治くんか」

遅れてやったきた研とアルセーヌも目の前の事態を見て全てを把握する。
この少年は息絶えたのだと。

「研、アルセーヌ、シャーロック。もう行くぜ」
「? でも、埋葬は……貴方―――」

アルセーヌは呆気に取られるが、リュウセイは勝治の側にダークサイド・プレジデントを置くだけに留める。

「あいつにはこの手向けだけで十分さ。
 それよりもこう言うだろうぜ、このふざけた殺し合いを一刻も早く止めってくれってな!」

リュウセイはそう言い拳を静かに震わせた。
齢十年を生きたリュウセイだが、ここまでの怒りを感じたのは生まれて初めてだ。

「必ず、あの主催者共は俺が叩き潰してやる……!」
「その通りだよリュウセイくん、こんなキチガイロワイアル許せることじゃない」

リュウセイの怒りに研が賛同する。

「行くぜみんな、こんな殺し合い一秒でも早く止めてやる」

503 最期の戦い ◆FbzPVNOXDo :2015/02/15(日) 01:47:57 ID:iQvSJkO20

【D-2/一日目・午後】

【天野河リュウセイ@人造昆虫カブトボーグV×V】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、左肩に刺し傷、オリーブオイル臭い、強い怒りと決意
[装備]: トムキャット・レッド・ビートル@人造昆虫カブトボーグV×V
[道具]:基本支給品、スコップ@現実
[思考・状況]
基本:殺し合いを止め、主催者を叩き潰す。
0:勝治……。
1:もこみち死んだのか。
2:ケン、勝治…… 。

【アルセーヌ(アンリエット・ミステール)@探偵オペラミルキィホームズ】
[状態]:健康、アルセーヌの怪盗服
[装備]:洞爺湖@銀魂
[道具]:基本支給品、ランダム品×1、 シャロの探偵服@探偵オペラミルキィホームズ
[思考・状況]基本思考:殺し合いを壊し主催から願いを叶える方法を盗み出す。
0:シャロと合流できたが……。
1:施設を巡り調査する。
2:シャーロック・シェリンフォードを探し出す。
4:アルセーヌとして行動するが、協力者を集める。
4:男声の女(譲治)とロックオンを警戒。
5:自分の推測が正しいか確かめる為、情報を集める。
6:黒幕は神……そんなわけないですわね。
7:オリーブオイルを一応探しておく?
8:頭の中に爆弾がある事も考慮。
※幻惑のトイズは制限により弱まっています(具現化も不可能)。
※トイズの制限に気付いています。
※デッドライジング、スクライド世界の話を聞きましたが半信半疑です。
※有野、もこみち達と情報交換しました。

【泉研@チャージマン研!】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、気絶
[装備]:スペクトルアロー(ランダム品3つ扱い、2時間変装出来ません)@チャージマン研!
[道具]:基本支給品、ランダム品無し
[思考・状況]基本思考:主催者及びジュラル星人、殺し合いに乗ったキチガイ参加者を全て滅ぼす!
1:ありがとウサギ(名前を知らない)、ムラクモを倒す(特にムラクモの計画は必ず阻止する!)。
2:変装できない間、身を守れる武器を探す。
3:間違いない。黒幕はジュラル星人だ!
4:頭の中に爆弾が!
5:ジュラル星人め許さないぞ!
※全てジュラル星人の仕業だと断定しました。(真相は不明)
※頭の中に爆弾があると断定しました。(真相は不明)
※ジュラルの魔王が生きていると断定しました。(真相は不明)
※有野達、アルセーヌと情報交換しました。

【シャーロック・シェリンフォード@探偵オペラミルキィホームズ】
[状態]:疲労(小)、全裸(上に勝治のジャンバーを羽織っている)
[装備]: なし。
[道具]:基本支給品、手鏡@現実、USBメモリー@ニコロワγ(本人未確認)、権兵衛のメモを再現しいくつか書き足したもの
   フォーミュラ・シンクロン&シューティング・スター・ドラゴン@遊戯王5D's
[思考・状況]
基本:探偵として主催者を捕まえ殺し合いを終わらす。
1:勝治くん……トイズが戻っていれば……。
2:リュウセイに勝治を会わせるつもりだったけど
3:権兵衛さん……
4:アルセーヌとは一時休戦?
※遊星の首輪と放送に関する考察を聞きました
※主催側はメモリーにが気付いていません。

504 最期の戦い ◆FbzPVNOXDo :2015/02/15(日) 01:49:38 ID:iQvSJkO20
>>503はこっちで何度もすいませんね

【D-2/一日目・午後】

【天野河リュウセイ@人造昆虫カブトボーグV×V】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、左肩に刺し傷、オリーブオイル臭い、強い怒りと決意
[装備]: トムキャット・レッド・ビートル@人造昆虫カブトボーグV×V
[道具]:基本支給品、スコップ@現実
[思考・状況]
基本:殺し合いを止め、主催者を叩き潰す。
0:勝治……。
1:もこみち死んだのか。
2:ケン、勝治…… 。

【アルセーヌ(アンリエット・ミステール)@探偵オペラミルキィホームズ】
[状態]:健康、アルセーヌの怪盗服
[装備]:洞爺湖@銀魂
[道具]:基本支給品、ランダム品×1、 シャロの探偵服@探偵オペラミルキィホームズ
[思考・状況]基本思考:殺し合いを壊し主催から願いを叶える方法を盗み出す。
0:シャロと合流できたが……。
1:施設を巡り調査する。
2:シャーロック・シェリンフォードを探し出す。
4:アルセーヌとして行動するが、協力者を集める。
4:男声の女(譲治)とロックオンを警戒。
5:自分の推測が正しいか確かめる為、情報を集める。
6:黒幕は神……そんなわけないですわね。
7:オリーブオイルを一応探しておく?
8:頭の中に爆弾がある事も考慮。
※幻惑のトイズは制限により弱まっています(具現化も不可能)。
※トイズの制限に気付いています。
※デッドライジング、スクライド世界の話を聞きましたが半信半疑です。
※有野、もこみち達と情報交換しました。

【泉研@チャージマン研!】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)
[装備]:スペクトルアロー(ランダム品3つ扱い)@チャージマン研!
[道具]:基本支給品、ランダム品無し
[思考・状況]基本思考:主催者及びジュラル星人、殺し合いに乗ったキチガイ参加者を全て滅ぼす!
1:ありがとウサギ(名前を知らない)、ムラクモを倒す(特にムラクモの計画は必ず阻止する!)。
2:変装できない間、身を守れる武器を探す。
3:間違いない。黒幕はジュラル星人だ!
4:頭の中に爆弾が!
5:ジュラル星人め許さないぞ!
※全てジュラル星人の仕業だと断定しました。(真相は不明)
※頭の中に爆弾があると断定しました。(真相は不明)
※ジュラルの魔王が生きていると断定しました。(真相は不明)
※有野達、アルセーヌと情報交換しました。

【シャーロック・シェリンフォード@探偵オペラミルキィホームズ】
[状態]:疲労(小)、全裸(上に勝治のジャンバーを羽織っている)
[装備]: なし。
[道具]:基本支給品、手鏡@現実、USBメモリー@ニコロワγ(本人未確認)、権兵衛のメモを再現しいくつか書き足したもの
   フォーミュラ・シンクロン&シューティング・スター・ドラゴン@遊戯王5D's
[思考・状況]
基本:探偵として主催者を捕まえ殺し合いを終わらす。
1:勝治くん……トイズが戻っていれば……。
2:リュウセイに勝治を会わせるつもりだったけど
3:権兵衛さん……
4:アルセーヌとは一時休戦?
※遊星の首輪と放送に関する考察を聞きました
※主催側はメモリーにが気付いていません。

505 最期の戦い ◆FbzPVNOXDo :2015/02/15(日) 01:50:07 ID:iQvSJkO20

【権兵衛のメモを再現しいくつか書き足したもの】
[基本的な疑問]
?ここは何処なのか?
?主催者は何者なのか?
?殺し合いの目的は何か?
→娯楽目的?

[小さな疑問]
?主催者が参加者へ情報を伝える手段
→通常放送とは違う別の手段
?参加者の人数
→名簿の通りなら70人
?参加者の選出方法
?放送の時間
?禁止エリアの選定方法
→でたらめ? 娯楽目的ならおかしくはないかもしれない

★この内主催者が参加者へ情報を伝える手段が最も重要。
★この島にはスピーカー等の通信機器は無し→魔法、妖術、トイズ等の通常の放送とは別の手段を使う可能性がある。
→放送に別の手段を使ったのはほぼ確定。
★参加者はそれぞれ別の世界=パラレルワールドより集められた?(トイズやボーグといった概念の存在が証拠?)→★☆異世界人と出会った可能性有り!!★☆
★放送手段が解れば主催者の世界=主催者の正体が解る可能性大→最初に主催者と会話していた男性と遭遇出来ればそちらの方が単純かつ迅速
→放送手段そのものは未だ不明

[首輪について]
?首輪を付ける目的は反乱の抑止と殺し合いの促進
?殺し合いに反抗心を抱く者達は一般的に意志の強い者が多い→反抗心を抱く者達が集団を組んだ場合、下手に一人の首輪を爆破すれば余計残った者の反抗心を掻き立てる恐れ
?集団全員の首輪を爆破するのは主催者の本意では無い
?以上の事柄より、主催者による反逆者の殺害はほぼあり得ない
★あくまで希望的観測
★反抗心を抱く者が単独行動を取っている場合はこの限りでは無い

首輪について追記
・遊星の推測では勝治の首輪に何らかの異変、少なくとも主催側に何か異常が起こっている可能性がある。

【フォーミュラ・シンクロン&シューティング・スター・ドラゴン@遊戯王5D's】
二枚セットである。
ミニカーの絵柄のカードがフォーミュラ・シンクロンであり、何も書かれていないのがシューティング・スター・ドラゴン。

フォーミュラ・シンクロン
シンクロ・チューナー・効果モンスター
星2/光属性/機械族/攻 200/守1500
チューナー+チューナー以外のモンスター1体
(1):このカードがS召喚に成功した時に発動できる。
自分はデッキから1枚ドローする。
(2):相手メインフェイズに発動できる。
このカードを含む自分フィールドのモンスターをS素材としてS召喚する。

シューティング・スター・ドラゴンを呼び出すために必要なカードであり、スターダスト・ドラゴンと共にチューニングすることで初めて真価を発揮する。
逆言えば、それ以外はこのロワではまったく使う機会はないだろう。


シューティング・スター・ドラゴン
シンクロ・効果モンスター
星10/風属性/ドラゴン族/攻3300/守2500
シンクロモンスターのチューナー1体+「スターダスト・ドラゴン」
以下の効果をそれぞれ1ターンに1度ずつ使用できる。
●自分のデッキの上からカードを5枚めくる。
このターンこのカードはその中のチューナーの数まで
1度のバトルフェイズ中に攻撃する事ができる。
その後めくったカードをデッキに戻してシャッフルする。
●フィールド上のカードを破壊する効果が発動した時、
その効果を無効にし破壊する事ができる。
●相手モンスターの攻撃宣言時、このカードをゲームから除外し、
相手モンスター1体の攻撃を無効にする事ができる。
エンドフェイズ時、この効果で除外したこのカードを特殊召喚する。

簡単に言えば、不動遊星版バーサーカーソウル。プラシドをプラ/シドにした。
五枚カードを引き、チューナーモンスター引いた数だけ攻撃できる。
その他にも破壊効果を一度だけ無効化、相手の攻撃を無効化し自らの姿を消し再度戻ってくるなどの効果がある。
今ロワでは、シンクロモンスターは直接召喚できるが
このカードは強力な為、フォーミュラ・シンクロンとスターダスト・ドラゴンがなければ使用できない。
召喚時にのみカードの絵柄が浮かび上がる。

506 最期の戦い ◆FbzPVNOXDo :2015/02/15(日) 01:50:26 ID:iQvSJkO20




「スタイリッシュ爪楊枝まで……」

にとりはリュウセイたちが去ったのを見てよろよろと起き出す。
ただの弱者だと侮ったのが間違いだった。もっと体の回復に専念すべきだった。

「まずは体を休めて……人間め……くっ」

重い体を引き摺り森の中を目指す、市街地よりは隠れる場所も多いはずだ。
早く身を隠さなければ、何処で殺し合いに乗った連中に出会うか分からない。


【D-2/一日目・午後】

【河城にとり@きゅうり味のゆっくりしていってね!!!】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)(回復中)
[装備]:光学迷彩スーツ@東方Project、氷輪丸@BLEACH
[道具]:基本支給品×2、ランダム支給品×1(確認済み)
     お米@現地調達品、きゅうり@現地調達品、刀剣@現地調達、工具一式@現地調達、改造半田鏝@現地調達
     肉焼きセット@モンスターハンターシリーズ
[思考・状況]
基本:殺し合いには乗らない。
0:森の中に入って身を隠す場所を探して体を休める。
1:さっき走っていった妖怪(美樹さやか)を探す。
2:聖…。
3:他の参加者を探す。
4:首輪の解除法を模索する。主催者に知られずに調べる必要がある。
5:殺し合いに乗っている強い参加者を警戒。
6:他の参加者と会ったら、一緒にお弁当を食べよう。
7:入道(雲山)と鳥の妖怪(松風)はあの人間(ティンカーベル先輩)を食べようとしてたのかな?
8:オリーブオイルを探しておく?
9:人間……大好き!!
10:美味しかったな…。
※人間を見るとにちょりになって襲い掛かります。
 人間以外にはいつものにとりで接します。が、少し怪しいかも。
※首輪が何らかの方法で主催者に情報を送っていることに気付きました。
※右代宮譲治が犯人だと知りました。
※疲労が激しく、弾幕が自由に扱えない状態です。休息すれば回復します。
※もこみち達の情報交換を盗み聞きしています。

【肉焼きセット@モンスターハンターシリーズ】
肉が焼ける。






【D-2/一日目・午後】

【松岡勝治@人造昆虫カブトボーグ V×V】
[状態]:疲労(大)、頭部に打撲の跡、足に豆が出来た、気絶
[装備]:ダークサイド・プレジデント@人造昆虫カブトボーグ
[道具]:基本支給品、GOと10万円@真夏の夜の淫夢
   サイバーZ二号のベルト@真夏の夜の淫夢関連
[思考・状況]
基本:殺し合いを止める。
1:……
2:マミさん、リュウセイ、ケンが心配
3:田所(野獣先輩)を警戒
4:ケンは絶対生きてる
5:少年への軽い罪悪感
6:権兵衛さん……
※遊星に今までしてきたことを話しました。ただし、アルセーヌを覗き見してたことは言ってません。
※田所(野獣先輩)が一服盛ったと思いこんでいます。
※放送には、嘘があると思っています。
※遊星と権兵衛の情報交換を聞いています。
※奇跡的に生存していました。

507 ◆FbzPVNOXDo :2015/02/15(日) 01:51:25 ID:iQvSJkO20
投下終了します

508 名無しさん :2015/02/15(日) 03:34:33 ID:Z/cqZKAY0
喫茶店

509 名無しさん :2015/02/15(日) 04:19:53 ID:F5OXfZy.0
投下乙

今度こそ詐欺じゃないと思ったらやっぱり詐欺じゃねーか!
結局誰一人死んでねぇwwwww

510 名無しさん :2015/02/15(日) 14:19:11 ID:knICCNCI0
今気づいたけど、時間が午後になってるのはミスかな?

511 ◆FbzPVNOXDo :2015/02/15(日) 15:03:16 ID:iQvSJkO20
時間を進めすぎてしまいましたかね?
自分としてはミスのつもりではないのですが
進めすぎと感じられるのなら修正しておきます

512 名無しさん :2015/02/15(日) 15:28:48 ID:knICCNCI0
>>511
そうではなくて、sm146の時間が夕方なのに今回の話は午後なので時間が遡っているという事です。

513 ◆FbzPVNOXDo :2015/02/15(日) 15:39:49 ID:iQvSJkO20
アッ!
本当だ
すいません時間逆行してますね

【D-2/一日目・午後】を【D-2/一日目・夕方】にお願いします

514 名無しさん :2015/02/15(日) 15:40:36 ID:knICCNCI0
>>513
了解です

515 ◆J/0wGHN.4E :2015/02/15(日) 21:07:35 ID:XyMSRi4A0
投下入ります

516 人探 HITO SAGA ◆J/0wGHN.4E :2015/02/15(日) 21:09:27 ID:XyMSRi4A0



自らの信念に従い、この殺し合いを止め、主催を打倒する。



そんなスタンスとして行動したはいいが、それにはあまりにも情報が少なさ過ぎた。

自分と同じような考えを持った者は確実にいるだろうがそれがどこにいるのか。
どの人物が危険でどの人物が安全なのか。
自分の事を知っている者がいるのかどうか。

イカ娘は現在このロワに於いて典型的な弱者の立場に於かれていた。
理由として、自分のバックは襲撃者に奪われあかりのバックは置いてきてしまった事。
(最もあかりのデイバックにはあの玩具の剣と基本支給品しか無い様だったのでさほど重要だと思っていなかった)
これは何か重要で一定の大きさのある物を手に入れた時手に持ったりするしかない事になる.
その上、もし戦闘になったとき一切の支給品無しで戦わざるを得ない。

さらに協力者もいない事。
つまり、何か情報を得たときに相談する事もできないし、怪我しても自分で治療するしかない。
死亡しても誰も弔ってはくれない。

そして参加者との出会いが乏しい事。
イカ娘が出会ったとのは少なくともあかりとあかりを襲った人物の二人のみである。
上述のような参加者の情勢など知る由もない。

こういった状況の自分はある程度の戦力こそあれど、先程の様な殺人者の恰好の的である。
一刻も早く参加者と出会い、情報を得たかった。

とは言え、無計画に歩き回ればまた先程の襲撃者に出会う可能性もある。
信念に従いこの殺し合いを止めるとはといっても現状では無謀極まり無い。
ある程度行き先の目星をつけておくべきだろう。

(一度、海の家を見てみるでゲソ)

先程、民家で地図を確認した際に見つけたある筈の無い自分の拠点。
参加者の拠点としては微妙な所だが自分を知る者がいるなら一度は立ち寄っているだろう。
まずはこの海の家が本物かどうか確かみてみる事にした。








___









ー時は経ち、時刻は午後3時半を回る。



「どういう事ゲソ?」



イカ娘は訝しんだ。
当然、目の前の建造物に対して放った言葉である。

イカ娘が2時間程をかけて辿りついたI-04の砂浜には自らの侵略地、海の家れもんがそこにあった。
何の寸分の狂いも無く、どこと無いくだびれ具合の何から何まで自分の拠点に酷似していた。
強いて違いを挙げるとすれば背景が違う事ぐらいである。





「栄子!千鶴!たける!いるのかゲソー!出てきてほしいでゲソ!」

イカ娘が声をかける。返事は無い。
どうやら人の気配は無いようだ。

イカ娘が様子を見ながら慎重に足を踏み入れる。

(本当に…れもんとしか言い様が無いでゲソ…)

主催者とやらは殺し合いをさせたい筈だ。こういった施設はオブジェクトでしかない。
ならば何故ここまで精巧な偽物を作るのか。

だが、イカ娘はもうこの家を偽物と認める事はできなかった。
自分の破壊した壁の穴の修理跡までそっくりなのだ。
イカ娘は既にこの家が本来の場所から持ち出してきたものと断定していた。
深海でも見た事の無い技術である。

「騒ぎが終わったら元の場所に戻さないといけないでゲソ…」

やる事が一つ増えたようだった。

517 人探 HITO SAGA ◆J/0wGHN.4E :2015/02/15(日) 21:10:12 ID:XyMSRi4A0






内部を探索してみたが特に気にかかるものが二つ程あった。

まず、座席の一つに血がべったりと付いていた。
黒ずんで固まっており、だいぶ時間が経っている物のようだ。
汚れているのは宜しくないと思い、備え付けてある雑巾で拭くが、全く落ちない。
仕方が無いので騒ぎが終わった後で栄子達に相談する事にした。

なお、これは早朝に士郎が支給品を確認しようとしてクマに噛まれ、その際に飛び散った血である


次にかき氷機の下に置かれ、水の溜まった皿。
誰かが作りかけのまま放置したのだろうか。こちらもそれなりの時間が経っている事がわかる。

この溶けたかき氷は杏子が士郎に作ろうとしたが、クマに襲われ製作が中断したかき氷である。


…少なくとも2人の人間がここには来ていたようだ。
血痕とかき氷機の距離は離れている。
怪我をしたからかき氷を食べるというのも考えにくい。
恐らく二人組が来て一人がかき氷を作っている間にもう一人が襲われたか、或はかき氷を作っている途中に何かに気づき、その場を離れた時に誰かに襲われたか。


(色々と、遅かったみたいじゃなイカ…)

イカ娘は後悔した。
何故もっと早くこのスタンスで行動しなかったのか。
何故もっと早くここに来れなかったのか。

先刻の定時放送で残り人数は32人と言っていた。
そして参加者は70人。既に半数以上が死んでいる。
理論上は参加者に出会える確率も初期から半分以下に下がっているのだ。
現にここまでくる道中、一人も参加者に出会う事は無かった。



「他の人を探すしか無いでゲソ」

ここから海は近い。イカ娘にとって泳ぎなど朝飯前、脱出だけなら簡単にできるだろう。
…でも、根本的な解決にはなりませんよね?
逃げた所で殺し合いが終わる訳ではない。
それ以前に逃げるにしてもここがどこかもわからない以上、どこへ行ったらいいかもわからない。

今のイカ娘にできる事は、参加者を捜す事だった。
あかりのような犠牲者は、もう生みたくない。


(あかり…)






数十分後、イカ娘は恐らくもうここに人は来ないだろうと思い、移動する事に決めた。

せめて食料調達だけでもと思い、冷蔵庫からすぐ食べられそうな物を取り出しいくつかはポケットに入れた。
ポケットにはいりきらなかった分は食べられるうちに食べておこうとここで自分が食べる事にした。
一応焼きそばの材料など調理すれば食べられる物もあったのだが、何時襲われるかわからないので缶詰などの簡便だけに留めておく事にした。
だが、固いパンと水だけの基本支給品よりは幾分かマシであろう。



遅めの昼食を終えた後、イカ娘は次の行き先を考える事にした。
ポケットから地図を取り出し改めて確認する。
デイバックは奪われてしまったのだが、なんとか地図だけは持っていた。
民家を飛び出した際、道に迷ったらすぐ取り出せるようにと何気なく地図をポケットに入れておいたのが功を奏した。

イカ娘は気になる場所をいくつかマークした。
1つ目にショッピングモール。
2つ目にゲキド街。
3つ目に見滝原中学校。

1つ目のショッピングモール、その言葉を聞くと多くの人で賑わう場所だ。
食料も豊富だろう。医療器具の類いもあるかもしれない。
だが一つの問題点としてこの施設は北東にあり、あかりが殺された場所に近いエリアを横切る事になる。
もし先程の殺人者がまだ近くにいたら戦闘は避けられず面倒な事になる。

2つ目のゲキド街、町というからには市街地のような物だろう。
ショッピングモール同様に多くの物が得られる可能性もある。
こちらは北西にあり例の殺人者と出くわす確率が相対的に低い。

3つ目の見滝原中学校、
学校という物を自分は余り見た事が無いが有事の際の避難所として指定されているのをよく見かける。
もしかすると、他の参加者が避難しているかもしれない。
こちらも北西にあり、道程としてはゲキド街の先だ。



(よし、北西にむかうでゲソ!)

北東のショッピングモールは前述の理由から探索を諦め、北東のゲキド街と中学校を探索する事にした。
大まかな予定としては町を探索し、得られる物が余り無ければ学校に向かうつもりであった。







イカ娘は海の家を後にする。
名残惜しいが、ここにはもう用は無い。

(…もしかすると自分は生き残れないかもしれないゲソ)

(でも、それまでに絶対主催者には一矢でも報いてやるし、この海の家も元の場所に戻しておくゲソ!)

(だから栄子、千鶴、たける、今は待っていてほしいでゲソ!)

518 人探 HITO SAGA ◆J/0wGHN.4E :2015/02/15(日) 21:14:12 ID:XyMSRi4A0

【I-05/午後 海の家れもん付近の砂浜】



【イカ娘@侵略!イカ娘(イカ娘の侵略実績のご紹介)】
【状態】】疲労(小)、深い悲しみ、強い決意
【装備】いつもの服(少し破けてる。あかりの血で汚れている。)
【道具】ヴェルタースオリジナル×1、ポケットに入るだけの食料品(すぐ食べれるような物)、地図
【思考・状況】
基本:殺し合いを止め、主催を打倒する
1:他の参加者を捜す
2:あかり……
3:どうやってれもんをここに持ってきたんだろう?
4:できればバックが欲しい
※E-09にあかりのバックが放置されています。
※海の家れもんを自分の世界から何らかの技術で持ち出された物と考えています。
※この場所から北のエリア、H-05には多くの死体が転がっていますがイカ娘がそれに気がつくかどうかは不明。

519 ◆J/0wGHN.4E :2015/02/15(日) 21:18:13 ID:XyMSRi4A0
以上になります
メタ的な話だけど南東にはもうイカ娘しかいないから大きく動かしてしまった

520 名無しさん :2015/02/15(日) 23:53:51 ID:9oJYWexs0
投下乙

イカちゃん真っ当に対主催してるなぁ
個人的にはこの移動はアリだと思う
あと気になったのはれもんI-05ではなくI-04じゃない?
そして死体が散乱してるのもH-05ではなくH-04だな

521 ◆J/0wGHN.4E :2015/02/16(月) 05:20:02 ID:atowZFpg0
>>520
そうだったごめん
【I-05/午後 海の家れもん付近の砂浜】は【I-04/午後 海の家れもん付近の砂浜】
H-05には多くの死体が〜はH-04には多くの死体が〜
でお願い

522 ◆J/0wGHN.4E :2015/02/21(土) 18:02:50 ID:Mw.JsC7A0
投下いきます

523 殺し合いやめますか?人間やめますか? ◆J/0wGHN.4E :2015/02/21(土) 18:04:59 ID:Mw.JsC7A0



「水…水…」


森の中を水を求めて彷徨う幽鬼が一人。
世紀末の吸水主こと、ケンシロウである。


ロックオンの水を奪い、血を吸い、それでもなおケンシロウは水を貪欲に求め続けていた。
これほどの飽くこと無き渇望と、屍人化によるどこかおぼつかない足取り。
それが先ほどケンシロウを幽鬼と著した拠り所である。



しかしながらその屍人化も大分息を潜めてきたようだった。
すでに堕辰子が元の世界に帰ってから6時間近く経過している。
少しずつ、赤い水を飲む前の記憶とこのロワに参加する前の記憶を取り戻していた。



水。


ボウガン。


水。


ジャッカル。


水。


そして水。



…結局屍人化時とそれ程思考に差がないように思えるのは仕様である。


ケンシロウにとって殺し合いなどには毛頭興味はなかった。
誰が誰を殺そうが誰が主催に歯向かおうが知ったことではない。
目の前に水さえあればそれでいい。
だが、水を横領するような者がいるならばたとえ幼女であろうと北斗懺悔拳も辞さない。





徐々にケンシロウは思考が回り始め、ただ森を徘徊していても、水や血と出会える可能性は低いことに気がつき始めていた。
行き当たりばったりでは満足に水は得られない。
何か人の集まりそうな場所は無いかと森の少し開けた場所を探し、そこで辺りを見回す。


「…あれは…街…」

ケンシロウが目を付けたのは西南西の方角の市街、ゲキド街である。
幸いこの場所より標高の低い場所にあり、西向きの斜面のようなので夕日のお陰でギリギリ全容を見渡せる。
見る限りそれ也の規模はあるようだ。

街ならば水には事欠かないだろう。
早速ケンシロウは街へゆっくりと足を運ぶことにした。

524 殺し合いやめますか?人間やめますか? ◆J/0wGHN.4E :2015/02/21(土) 18:05:55 ID:Mw.JsC7A0




$$$$








(意外とおいしいなぁ…)



森の茂みの中で何かを頬張る少女。

河童の妖怪、河城にty…にとりは行動を食べ物探しから回復に切り替えていた。


先ほどの人間との戦いでかなりのダメージを負った上、結局逃がしてしまった。
狙撃銃もスタイリッシュ爪楊枝も破壊され、残された武器は折れたユキアネサと現地調達の刀剣位である。質も良い物とは思えない。
こんな状況に置かれてもまだ食料調達を続けよう物なら今度こそ命を落としかねない。

とりあえず、今は休憩と回復に専念し、食料探しは後回しにする。
時間はまだ余裕があるし、しっかり休んで回復してからでも食料探しは十分間に合う。
それに加え今は夕方である。夜になってから食料探しをした方が不意をつきやすい。


(野菜もあるしけっこうヘルシーだね)


先ほどからにとりが口にしているのは、確認済みの自分の最後の支給品である。
説明書には「風の谷のナウシカ風シチュー」と書かれていた。


にとりは休息の間、できるかぎり回復を早める為に食事をとることにした。
そのうち、一人分の基本支給品とこのシチューを食べ、残りはお弁当として手をつけずに取っておく。


食べてみれば、クリームのまろやかな風味と隠し味のチーズによる滑らかな口触り。
にとりがそのシチューを口にする分には、何のことも無い。ただのおいしいシチューである。









ただ、その形と色合いが明らかに食べ物のそれではなかった。

目に突き刺さる程鮮やかな青緑色。

奇妙な甲殻類のような生物を模したと思われる独特の盛り付け。


妖怪であるさすがのにとりとしても、これには食欲が失せた。
赤黒い鮮血の色や新鮮な内臓のピンク色ならまだ食べる気にはなったのだが。

だが、今のこの状況となっては見た目に吝嗇をつけている暇など無い。
説明書を読む限り、毒は無いようなのでとりあえずそれを信用して食べているのだ。

風の谷という場所は聞いたことが無い。
もしかするとそこにナウシカという妖怪がいて、その妖怪の食べる物なのかもしれない。
見た目はともかく味に文句は無いのでもしそうだとしたら会ってみたいものである。







(ごちそうさま!)



毒々しいシチューを平らげ、にとりが手を合わせる。
どうやら毒は無いという表記は本当だった様だ。
見た目は悪いが思ったよりボリュームがありお腹も十分満足したし、心なしか疲れも取れてきた気がした。
後はこの殺し合いについて考察でもしながらもう少し休もう。

にとりがそう思った時、

525 殺し合いやめますか?人間やめますか? ◆J/0wGHN.4E :2015/02/21(土) 18:06:58 ID:Mw.JsC7A0



「?」



何か森の奥で只ならぬ気配を感じ、思わず身構える。

(誰かくる…人間?)

にとりはそっと気配の先を見つめる。
しばらくして、気配の在処から影が浮かび上がってきた。
その影は大きな人影のようであったが、どこか力なくふらふらとしていた。
服装からして昼の大男とは違う様だが、どうやら手負いの様だ。


にとりは悩む。

(どうしよう…怪我してるみたいだし…)

おぼつかない足取りを見るにそれほど体力は残っていなそうだ。
自分もまた手負いだがあれなら仕留められるかもしれない。食料調達にはうってつけだ。
それに体積が大きい。先ほどの幼女のような新鮮さは無いだろうが回復にはもってこいであろう。

(いけるかな…?)

にとりはユキアネサを構える。


大きな影が森の開けた所で立ち止まる。

(よし!今なら襲え…)

影が夕日に照らされ、その姿を現す。


その姿は




















……


………


やめよう。



あぶない。



きけんだ。




にとりの心の中でそんな声が響いた。

夕日に照らされた男の姿は、とてもにとりの求めるおいしい人間のそれとは思えなかった。

まず、その体が口元から腹の辺りまでべったりと血に染まっていた。
自ら吐血したにしては妙ではないか。
立った状態で吐いたなら顔を前に出し、屈んだ状態になるからあそこまで血がかかることはほとんどない。
寝てる状態なら顔を横に向けるはずから服に血は余りかかりにくいし、もしあれほどその体位で吐いたにしても、地面に染み込んでしまう分を考えれば命に関わる程の血が必要である。
そこまで口から血を吐けるのは流石におかしい。

ならば考えられるのは他者の血である。
口から垂れているのが他者の血であるならば話は早い、あの男は誰かの血を吸ったのだろう。
匂いは人間に近いが血を吸うような人間はいない。妖怪かなにかと見ていい。

これだけならむしろにとりは協力者と思い、馴れ馴れしく声をかけていただろう。
血を吸う種族なら幻想郷にも普通にいる。朝方放送で呼ばれたレミリア・スカーレットがそれに当てはまる。

526 殺し合いやめますか?人間やめますか? ◆J/0wGHN.4E :2015/02/21(土) 18:08:33 ID:Mw.JsC7A0



そして、もう一つのその男の特徴がにとりが本能から危険と判断した最大の理由だった。



目から血が流れていた。
それだけである。

目と口から溢れる血、うつろな目。その顔は断じてまともな者とは言え無かった。
それは吸血鬼や妖怪と言うよりもおぞましい幽鬼の類い、
狼憑きめいて貪欲に餌を探し求めるそれの目である。
目から血が流れるというのは尋常なことではないだろう。
おそらく目は見えているようなので怪我をしているとも思えない。

さきほどの病弱な子供もそうだが、ああいうものも食べたらまた変な病気をうつされそうである。
だが、その180cmを超えるを超えるような体躯におぞましく血塗れた顔はその少年と比べ物にならない程、にとりに身の危険を感じさせた。



話の分かるような相手じゃない。


あれは確実に殺し合いに乗っている。



あれが人間ならともかくも妖怪なら体格差でこちらの方が不利だ。
今戦いを仕掛けるのも得策とはいえないだろう。

光学迷彩を発動しているお陰か、幸いこちらには気付いていない様だ。
ならば今の所は息を潜め、この場所で男が去るのを待つしか無い。






やがて男が一点を見据えると、何かを決めたかのようにその方角へと歩んでいった。

(あっちは確か街の方角…)

参加者を探しにいったのだろうか。否、殺害対象と言った方が相応しいか。
このままでは街に参加者がいたら危険な目に遭いかねない。餌の人間が減ってしまう可能性もありうる。
できることならば、街に先回りして参加者に警戒を呼びかけるか街から逃がしておきたい。
だがそこまでする体力は余り残されていない。
多少回復したとはいえにとりはまだ飛ぶことも満足にできないのだ。

(ここは待つしかないか…)

不本意だが今は市街地は諦め、ここで自身の回復を待つしか無い。
気配を殺し、茂みの中でじっと男が過ぎ去るのを待つ。
気づかれぬことをにとりは祈るばかりだ。




そう思う間に男の影は森の夕闇に消えていった。




時刻は18時となり、定時放送のサイレンが鳴り響いたのはそれから間も無い話である

527 殺し合いやめますか?人間やめますか? ◆J/0wGHN.4E :2015/02/21(土) 18:10:28 ID:Mw.JsC7A0

【D-03/一日目・夕方】



【ケンシロウ@北斗の拳(真・世紀末死あたぁ伝説 )】
[状態]:ダメージ小(水により回復)、屍人化回復中…
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式(水無し)、不明支給品×3
[思考・状況]
基本:水か血が欲しい(優先は水)
1:水か血を飲む。出会った参加者からどちらか分けてもらう。
2:水を求めて街へ向かう。
3:湧水があるなら確保しておきたい。
4:ラオウを追い、今度こそ確実に倒す。
5:士(名前は知らない)はいいやつだ。
6:水を汚した奴(譲治)を探し殺す。
※堕辰子が帰った影響か屍人化は停止し思考力も大分戻ってきています。夜頃には完全に回復するでしょう。
※屍人化していた頃の記憶はかなり曖昧です。第2回定時放送の内容もほとんど覚えていません。




【河城にとり@きゅうり味のゆっくりしていってね!!!】
[状態]:疲労(中〜大)、ダメージ(大)(両方とも回復中)
[装備]:光学迷彩スーツ@東方Project、氷輪丸@BLEACH
[道具]:基本支給品×2(食料少し消費)
     お米@現地調達品、きゅうり@現地調達品、刀剣@現地調達、工具一式@現地調達、改造半田鏝@現地調達
     肉焼きセット@モンスターハンターシリーズ
[思考・状況]
基本:殺し合いには乗らない。
0:しばらくの間ここで体を休める。
1:さっき走っていった妖怪(美樹さやか)を探す。
2:聖…。
3:他の参加者を探す。
4:首輪の解除法を模索する。主催者に知られずに調べる必要がある。
5:殺し合いに乗っている強い参加者を警戒。
6:他の参加者と会ったら、一緒にお弁当を食べよう。
7:入道(雲山)と鳥の妖怪(松風)はあの人間(ティンカーベル先輩)を食べようとしてたのかな?
8:オリーブオイルを探しておく?
9:人間……大好き!!
10:美味しかったな…。
11:今は街に向かわないようにしよう。
※人間を見るとにちょりになって襲い掛かります。
 人間以外にはいつものにとりで接します。が、少し怪しいかも。
※首輪が何らかの方法で主催者に情報を送っていることに気付きました。
※右代宮譲治が犯人だと知りました。
※疲労が激しく、弾幕が自由に扱えない状態です。休息すれば回復します。
※もこみち達の情報交換を盗み聞きしています。
※ケンシロウを危険視しています




【支給品紹介】


【風の谷のナウシカ風シチュー@『風の谷のナウシカ風シチュー』を作ってみた】
味は普通のクリームシチュー。
元はクラムチャウダーだったのだがアサリが無かったのでシチューに。
王蟲の抜け殻と腐海をイメージしたものであり、青色1号のせいで毒々しい程色が青白い。
盛り付けも同様であり、王蟲の体はパンと卵焼きでできている模様。
参考動画
://www.nicovideo.jp/watch/sm13802408
※サムネの時点であっ(察し)となる可能性高

528 ◆J/0wGHN.4E :2015/02/21(土) 18:11:42 ID:Mw.JsC7A0
投下終了します

529 名無しさん :2015/02/21(土) 21:55:01 ID:tUpFrxlM0
投下乙です
にとりは2連続でキチガイ遭遇か
ケンシロウはもうこれスタンス分からないな
街にはプラシドも向かってたがオイルまで飲みそう

530 名無しさん :2015/02/22(日) 21:42:05 ID:QhPvTak20
投下乙です

ケンシロウは原典からのハンデが酷過ぎるからなあw
そしてにとりはここで脱落するかも…

531 ◆J/0wGHN.4E :2015/02/28(土) 23:29:23 ID:ARWsndWQ0
拙いけど支援絵投下します
ttp://imgur.com/Sch0WMa

532 名無しさん :2015/02/28(土) 23:30:26 ID:ARWsndWQ0
酉の外し忘れ失礼

533 名無しさん :2015/03/01(日) 05:18:34 ID:s1NVyBvc0

以外とイケる…?

534 名無しさん :2015/03/02(月) 20:00:14 ID:Jq8ZR0r20
すげえ過疎してたと思ったのに
……一体何が始まるんです?

535 名無しさん :2015/03/03(火) 17:16:51 ID:esqHC2ak0
チャー研がようつべで無料配信だってさ
おかし、ニコニコ配信じゃないじゃねえか!

536 名無しさん :2015/03/03(火) 17:47:29 ID:Wib3TO4U0
>>535
カブトボーグも無料配信される可能性が微粒子レベルで存在する……?

537 名無しさん :2015/03/03(火) 19:41:28 ID:uohZQfK.0
淫夢を配信しよう(提案)

538 名無しさん :2015/03/03(火) 19:58:58 ID:Zc8u6grs0
申し訳ないがyoutubeに野獣の咆哮をを響き渡らせるのはNG
hotgooでやってどうぞ

539 名無しさん :2015/03/03(火) 20:39:36 ID:esqHC2ak0
野獣先輩は人間の鑑だから是非未来を担う子供達に見て欲しい
このロワの野獣モやっぱり対主催の鑑だし

540 名無しさん :2015/03/03(火) 22:59:37 ID:A0gBIomA0
>>539
スタンスコロコロ変わってたんですがそれは……

541 名無しさん :2015/03/04(水) 19:54:21 ID:LFy4Q2FY0
野獣は愛ゆえに悩み葛藤した参加者の鑑なんだよなあ

542 ◆J/0wGHN.4E :2015/03/05(木) 19:47:53 ID:MMQBWWsw0
投下でーす

543 おかげさまでフランク達はドラゲナイことになってるんです ◆J/0wGHN.4E :2015/03/05(木) 19:50:15 ID:MMQBWWsw0



「その顔はもう慣れたな…」

「まぁ、とりあえずその武器を下ろしてくれると助かる」


筋肉モリモリマッチョマンなカメラマン、フランク・ウェストは目の前の男に対し、そう言い放った。



「…何者だ」

目の前の男―ランサーは槍と剣を構えつつ、しかし冷徹に返した。
先程のメイトリックスと大して変わらない反応である。
ここまで出会う人間が警戒するとなるとさすがのフランクも自分の見た目に非があるのだろうかと思い始めてきていた。


ランサーとしても流石にその男には怪しい所があった。
先ほどのクッソ汚いホモと体格が似ているのも理由の一つだ。
だがランサーが警戒する理由は彼の得物にあった。

ガタイのいい男の手に握られた、どす黒くべっとりと血塗れた鋸。
それは如何なる形かで何者かを殺めたという動かぬ印である。


「フランク・ウェスト、ジャーナリストだ。殺し合いには乗っていない」

フランクはそういって手に持った鋸を足下に放り投げ、敵意の無い事を証明する。
それを見たランサーは片手の剣をゆっくりと下ろす。もう一方の槍は構えたままである。
男はまだ警戒を解ききっていないようだ。

ランサーとしても先ほどのホモの様に素手で襲いかかってきたり、或はまだ武器を隠している可能性も考えられるが故の行動であった。


「…その鋸は何故そこまで血塗られている?」


男は再び問う。


「最初からこんな感じだった…とは言っても信じてくれるような顔じゃなさそうだな」

「お前のイケたお顔を傷つけるような真似は間違ってもしないさ、お前がこの殺し合いに乗っていない限りはな」

「とりあえずこれについて調べたくてな…こいつがある以上はお前も俺も奴らの飼い犬だ」


フランクはおもむろにデイバックからイワークの首輪を取り出し、ランサーに見せる。
同時にデイバックも足下に投げる。


「当然既に死んだ奴からとったものだ、鋸はそれにしか使っていない」

それを聞いた男はやっともう一方の槍を下ろした。
ようやく警戒を解いてくれたようだった。


「俺はランサー。我が騎士道に掛けて、殺し合いには乗っていない」

「少し前に厄介な殺人者に出会ってな…失礼だが君がそいつの容姿に少し似ていたので先程の様な無礼な態度を取ってしまった、容赦願いたい」

544 おかげさまでフランク達はドラゲナイことになってるんです ◆J/0wGHN.4E :2015/03/05(木) 19:51:57 ID:MMQBWWsw0

「いや、別にかまわないさ。わかってもらえたならそれでいい」





出会いも一段落した所でフランクが情報交換を始める。
できれば探し人の手がかりが見つかればいいのだが。

「ケンという子供を見なかったか?言動がまともじゃない奴だ」

「ケン?」

それを聞いてランサーはピンと来た。
言動がまともじゃない所に心当たりがありすぎる。

「まともじゃないというかかわいそうなお友達というか…そういえばどこに行った?」

ランサーが思い出したように周囲を見回す。
どうやら手応えありの様だ。

「近くにいたのか?」

「ああ、前までずっと一緒に行動していた…しかし先ほどの殺人者との戦いに気をとられて逸れてしまったみたいだ、すまない」

「それっていつ頃の話だ?」

「2〜3時間程前だ、少年の足という事も考えれば恐らくまだそれほど遠くには行っていないだろう」

「フランクだったか、俺もケンを探そうと思っていた所だ、良ければ協力する」

「OKだ」

フランクとしては一人では心細いという事は無いのだが、協力者が増えるのは有り難い。
何よりこういった情報を得る事は、この先生きのこる上で必要不可欠である。

「そうか、ありがたい。後俺からもいくつか質問をしたい」

「ケイネスという男を見ていないか?デコの広い壮年だ」


立場逆転。
今度はフランクがそれを聞いてピンと来た。
デコの広い壮年に心当たりがありすぎる。

「ああ、それならさっきもう一人の俺みたいないい体した奴と一緒にクルマに乗って船に向かったぞ」

「何、本当か!?」

ランサーはここに来てやっと望んだ答えが得られた。
一方でただ事ではないどこか大袈裟なランサーの反応にフランクは動揺する。

「それなんだが…今向かっても直接出会うのは難しいと思うぞ」

「どういうことだ?」

「何しろ今は夕方だ、今頃船は禁止エリアに指定されているはず。おそらくは船をもう動かしているだろう」

「ここからだと様子が見えないからな…俺としてもケンを見つけたら向かいたいと思うが」



ランサーはしばし、迷った。
やっとの事でフランクから自らのマスターであるケイネスの居所をつかめたのだ。
一刻も早く合流したいのが彼の本音というものである。

フランクと協力し、ケンを見つけてから船に向かうか。
あるいは直接自分が船の様子を見に行くか。
自分が船の様子を見に行った後でフランクと合流する手もある。





「…わかった、私もケンを見つけたら向かおう」

545 おかげさまでフランク達はドラゲナイことになってるんです ◆J/0wGHN.4E :2015/03/05(木) 19:54:17 ID:MMQBWWsw0

ランサーの答えは、フランクとの協力だった。
考えてみれば、弱い少年を捨て置いて勝手に主の所へ向かうのは自分の騎士道精神が許さないというものだ。
そのうえ少なくともマスターはまだ死者として呼ばれてはいない。
おそらく自分同様の制限も課せられてはいるだろうが、ケン程非力な人間ではない筈だ。
単独行動ならともかく今は協力者もいるようだ。一刻を争うという事はない。


次に二人は自分たちの存在する世界について説明し合った。
フランクの語るゾンビ地獄と化したショッピングモール。
そしてランサーの言う願いを叶える聖杯戦争。
お互い、聞けば聞く程理解しがいたい奇妙な説明ばかりが交わる。
半信半疑な話ではあったがこんな状況に置かれては信用せざるを得ないのが現状であった。

続いて支給品の調べ。
先の人探しと同様お互いにとって興味深いものがあった。

フランクが最初にデイバックから取り出したのは、あの腐っている訳でも焦げている訳でもないのに何故か真っ黒な林檎。
ランサー曰く、魔法に関連する器具かもしれない、マスターの方が詳しい筈との事。
あの男に魔法が絡んでいるのかと思うとフランクは少し妙な気分になった。
フランクの世界では魔法使いなどという者は大抵キチガイだからだ。
そして叩くと助っ人が召喚されるとかいう太鼓。
これは完全な召喚魔術の触媒との事。
二時間という短い時間とは言え、詠唱無しで100人も呼び出せるのは非常に強力なもので、もし主催が作ったのであれば主催者側にそれほど上位のキャスターがいる事になる。
フランクには魔術の類いは理解が低いが、この支給品が間接的に主催の絶対性を示す物でもあるという事を知覚した。
次にGrand Theft Auto: San Andreas Cheatsと書かれた書類。
これもまた呪文の類いである可能性があるらしい。
ランサーに指摘されて初めて気がついたが、大文字で区切りが無いため分かりにくいがよく見るとどれも英単語のようである。
グッドバイクルーエルワールド、カンガルー。

「C、V、Y、K、X、Y、M、…これはなんて読むんだ?」

「すまないが俺にもわからん」


この間、フランクを対象にチートコードが発動したのだが二人は当然知る由もない。
この支給品には説明書の類いは存在していないのだ。
幸いこのコードは水中で息が無限に続くようになるコードである。
中には使用者の首輪が爆発したり、周囲1エリアにいる参加者が無条件で使用者に襲い掛かるコードも存在する故、知らぬ間にフランクは命拾いしたのである。


立場は変わりランサーの支給品の番である。
はじめにシーザー・カエサル・エンペラーなる昆虫を模した玩具。
何故か同義語を三つも並べたネーミングに疑問を覚える。
それほど価値のある物には見えないが捨てずにとっておいたらしい。
次の刺々しい形をしたスター。
ディーノが士に致命傷を与えた物だがランサーによってその際に付着した血は拭き取られていた。


この事はランサーは知らないがニオイも血によって流されていた。

そして北米化パッチ。
これも魔術と関連性があるかもしれないとの事。
さっきからかもしれないが多いが実際ランサーはそういった魔術関連の情報をケイネスから聞きかじった位しか持ち合わせていないのである。

フランクは少し興味を持って試しに付けて見たが、これと言った変化は無かった。


これは決して故障ではない。
ただフランクの出典世界のゲームであるデッドライジングはそもそも洋ゲー色が強く、北米化パッチを付けても大した変化はないのだ。
敢えて言うならば、攻撃時のゾンビの欠損表現や内臓露出描写が追加される程度である。

それからディケイドライバーとライダーカード一式なる物。
一見玩具のようにも見えるが実際に士はこれで変身し、ディーノを倒した。
これがどういった原理で変身するのかは士亡き今、知る術は無い。
だがやはりケイネスを頼ればわかる可能性もあるし形見という意味でもとっておかねばならない。

最後に其為右手なるもの。
取り出して見れば人間の腕が出てきたのだからフランクは少し驚いた。
死体そのものは見慣れているが、デイバックからいきなり手が出てきたらさすがのフランクも眼を疑う。
士のデイバックに入っていた物で、異能の力を回数限定で無力化するらしい。

支給品を回収した際ランサーは説明書を見て、言い知れぬ怒りを覚えていた。
主催のこのような殺し合いを娯楽感覚で行い、剰えその一環で人の腕をもぎとって支給する行為、許される物ではない。

546 おかげさまでフランク達はドラゲナイことになってるんです ◆J/0wGHN.4E :2015/03/05(木) 19:57:16 ID:MMQBWWsw0




「…それと、これはお前に渡しておこう。俺には現状不要だ」

ランサーがフランクに渡したのは先ほどまで自分が持っていたハイリアの盾である。
普通盾を捨てるというのは戦士において致命的な事にも見える。
だがランサーにとって盾というものはあくまで攻撃を防ぐ為の防具でしかなく、武器として扱うには鈍器レベルの性能しか無い。
元より俊敏の高いランサーとしてはこういったチート盾も片手が空いているからという理由で装備したに過ぎない。
止むなく攻撃を受ける場合も本来は槍や剣でいなせば十分なのである。
最もランサーがあまり盾を使い慣れていないという点もあった。
普段は二刀流や二槍流で戦う事がほとんどだからである。

「そうか、大切に使わせてもらおう」

フランクは満更でもない様子だった。
彼にとってはマネキンの胴体でも一撃でゾンビを殺せるだけの力があるのだ。
それなりの耐久度のあるものなら何でも武器になり得る。
それはこの盾でも何ら変わらない。


こうした流れでランサーはプラシドの剣とゲイ・ボルグを装備した形となった。

剣と槍というのは見かけの上では非常にアンバランスに思えるかもしれないが、実は以外と理にかなった戦闘スタイルでもあるのだ。
剣では届かない間合いの敵をリーチに優れた槍で補いつつ、柄の長い槍では対処しづらい至近距離や死角の敵には剣で迎撃する。
無論、二刀流最大の強みである「右と左でどちらから攻撃が来るかわかりにくい」といった点も持ち合わせている。

元々ランサーの真名ディルムッド・オディナ―ケルト神話に登場するフィアナ騎士団の随一の戦士―は二振りの槍(ゲイ・ボルグとゲイ・ジャルグ)に加えて二振りの剣(モラルタ、ベガルタ)を持ち、所謂セイバー適性も持ち合わせていた。
第四次聖杯戦争に於いてケイネスはディルムッドをセイバークラスとして召喚したかったがセイバークラスは既に召喚されてしまっていたので、ディルムッドはランサークラスで顕現した。
このためランサーは剣技こそ優れていたが今回は剣を持っていなかった。

ランサーがこのような片方づつの装備を試みるのも初めてであったが、「輝く貌」の異名をもつ戦士は伊達では無い。
速くもランサーは振るっただけで剣と槍の複雑な組み合わせによる主要的な動きを掴み始めていた。

尚、これはランサー程の腕前があっての話である。
良い子の皆さんは真似しないように。



「それともう一つ、聞きたい事がある。もう一人の俺みたいないい体した奴といっていたがそいつの名前は何だ?」

「あいつは確かメイトリックスって奴だ。おそらく俺よりは頼りになるだろうな」


メイトリックス、聞いた名である。


「―――待ってランサーさん。最初に主催者に一人を殺したメイトリックスっておじさんと
 変な仮面の姿に変身する人は殺し合いに乗っているから気をつけて。私とほむらちゃんも襲われたの……」

あの時まどかという少女から聞いた証言である。
それを聞いてその当時のランサーはあっさり信じてしまった。

それから数時間後、
危険人物と言われていたうちの一人である変な仮面の姿に変身する人―士はいざ出会ってみれば正義感の強い男と分かり、これと言って殺し合いに乗った様子でもなかった。

547 おかげさまでフランク達はドラゲナイことになってるんです ◆J/0wGHN.4E :2015/03/05(木) 19:59:08 ID:MMQBWWsw0

そしてその士の仲間だというメイトリックスも今ケイネスと行動を共にしている。
マスターであるケイネスがこんな殺し合いなどする器ではない。
つまるところメイトリックスもいわゆる対主催の人間の筈だ。

複数の人間が嘘をついてまで参加者を殺し合い反対派と嘯くメリットなどあるだろうか。
否。嘘をついているのは、まどかという事になる。
だが、あのような年端も行かぬ少女がそんな仲間割れを引き起こさせるような事をする意味があるのか。
嘘でなかったとしても勘違いという可能性もある。
何らかの事故で敵対してしまったのかもしれない。
そうなれば説得し、誤解を解く必要があるだろう。
ランサーはケイネスとの合流後に余裕があればまどか達を説得しておく事にした。



話が一段落し、二人でケンを探そうとした矢先、

「おい、そこのコスプレの二人、聞いてるか?」

唐突に何者かが会話に割り込んできた。






&&&







遊星と別れて数時間、東豪寺麗華と鬼柳京介の肉体を借りた美樹さやかは南へ向かっていた。
理由は当然学校にいた襲撃者などの危険人物から離れる為である。


学校は当然あの透明の何かがまだうろついている可能性もある故一刻も早く離れたかった。
戦闘経験のある麗華としてもそのような敵をさやかを守りながら戦うのは流石に分が悪い。

そして町にいた眼から血を流しながら水を求める男。
あれもかなりの戦闘力を持っている上に話が全く通じない。
見た目といい戦う以前に余り関わりたくないキチガイの類いだ。

それに加えて遊星と別れてすぐに起こった背後の大爆発。
その爆風はさすがに命を脅かす程のものではなかったが、北でまたろくでもない事がおこっていると感じさせるには十分すぎた。

とはいえ、南へ向かうとはいっても具体的な所までは決めていない。
ゲキド街へ向かい人を探すという手もあるが人が見つかる確証はないし、会えたとしてそれがまともな協力者である確証もない。


現に今まで麗華が出会ったまともな対主催参加者は精々遊星位であった。
漠然と歩いていてもここが島である以上いつか海に着くだけである。
どこかでスタンスの転換点としなければいけない。

そういった思索が麗華の脳内で巡る中、出会った二人の騎士はちょうどいい転換点と言えよう。






%%%

548 おかげさまでフランク達はドラゲナイことになってるんです ◆J/0wGHN.4E :2015/03/05(木) 20:00:04 ID:MMQBWWsw0





「…それと、これはお前に渡しておこう。俺には現状不要だ」


少し離れた場所で二人を観察する麗華。
最初は一方が警戒こそしてたが今や完全に分かち合い、話し合いや支給品確認を進めている様だ。
奇妙な恰好だがこの殺し合いには乗っていないと見て間違いないだろう。

こういう場を生きのこるにしても一人だとつらい物がある。
協力者が特段必要という訳ではないのだが、情報は無いよりはあった方がいい。
危険人物や安全な施設を知る事ができればそれはサバイバルの上で大きなアドバンテージとなる。


(そろそろ潮時だな)

麗華が茂みを抜け、二人のもとへ近づく。
後からさやかが麗華に隠れるようにそっとついていく。



「おい、そこのコスプレの二人、聞いてるか?」

麗華が口を開く。
フランクとランサ-の視線が声の方向に注がれる。

「そんな顔するな、今アンタらと戦う気はないよ」

そういって麗華は二人の警戒を解くため両手を上げる。
自分としてはこんな儀式をする意味などあるのだろうかと考えつつさやかにも同様の行為を促す。

「アンタら、人を探してんのかい?」

「知っている事があるのか?」

「いや、ケンやケイネスって人は知らないね」

「ただ一度多くの人に出会って情報を集めたいと思っていてね、盗み聞きで悪いけど聞く限り船の方にも行きたいんだって?」

「ああ、協力してくれるのか」

「そのつもりさ、そうすればすこしはゆっくりケンって奴を探せるだろう」


思わぬ協力者であった。
同時にランサーにとってまたとないチャンス。

「感謝する。それと名乗り遅れたが俺はランサー、もしケイネスと出会えたなら探し人を見つけ次第海岸に向かうと伝えてくれ」

「俺はフランク、ジャーナリストだ。」
 
「それと、四条雛子、我那響、アカツキ、カズマ、不動遊星、ジョン・メイトリックス、ロックオン・ストラトス、アンリエット・ミステール、今俺が言った人間は殺し合いには乗っていない」

「特に遊星は技術者らしい。もしかするとこの首輪について何か知ってるかもしれない」

「遊星?それってもしかして蟹みたいな頭してなかった?」

「俺はケイネスから聞いただけだからわからん、もしかして会ったのか?」

「ああ、3〜4時間前に変なバイクに乗ってきた。それと海東という奴に気をつけろとも言ってたな」

少し遅れた自己紹介に呼応して麗華も自己紹介を返す。

「あっそうだ(唐突)こっちも自己紹介位はしとかないとね。」

「ウチは東豪寺麗華、そっちは美樹さやか。事情があって男の体になってる、決してコスプレじゃないから」

「後それと遊星から聞いたんだけどシャーロック・シェリンフォード、権兵衛、東風谷早苗、松岡勝治も安全らしい」

ついでに遊星から聞いた早苗達の特徴を付け加える。





「じゃあもう行くけど、一つ言っておきたい事が」

用を済ませた麗華とさやかは背を向けながら二人に話す。

「学校の方に透明の敵が居るらしい。気をつけてな」

敵という言葉でフランクが再びピンと来た。
ケイネスの伝言を思い出したのだ。

「すっかり忘れていたが敵で思い出した。ブルーベリー色の巨人には注意してくれ。
 神出鬼没で人を食う、何らかの方法で人を同種にする化け物らしい」

麗華がそれに返事をすると、フランク達も踵を返し、ケン探しを再開した。

549 おかげさまでフランク達はドラゲナイことになってるんです ◆J/0wGHN.4E :2015/03/05(木) 20:02:16 ID:MMQBWWsw0




【G-03/1日目・夕方】

【フランク・ウェスト@デッドライジング】
[状態]:疲労(小) 弐度の火傷(小) チートコード発動
[装備]:ナイトの防具一式@FF11、ハイリアの盾@ゼルダの伝説、富竹のカメラ@ひぐらしのなく頃に、鋸@School Days
[道具]:イワークの分含めた基本支給品、林檎@Bad_Apple!!、
太鼓@1歳から100歳までの100人が順番に太鼓を叩いて行くムービー、チートコード@GTA SA、血塗れの私服、医療道具一式@ニコロワγ、イワークの首輪
ミックスジュース(青、白、緑)×6@デットライジング
[思考・状況]基本思考:殺し合いには乗らない。生還する
1:ケンを追いかける。
2:情報と協力者を集める。
3:ロックオンと男声の女を警戒する。
4:一応、イワークの首輪を持ってきたが……
5:ミキサーが欲しい…
6:さっきのコスプレ発言は割とブーメランっていう。
※参戦時期は、少なくともショッピングモールからの脱出前からです
※ミルキィホームズ、スクライド世界の話を聞きましたが半信半疑です。
※ケイネスと情報交換しました。
※水中で息が無限に続くようになりました。ただし本人は気づいていません。
※チートコードはアルファベットを一つ一つ読み上げないと発動しないようです。
※チートコードに発動期間があるかどうかは不明。

【ランサー@Fate/Zero】
[状態]:疲労(中)、頬にかすり傷
[装備]:ゲイ・ボルグ@Fate/stay night、プラシドの剣@遊戯王5D's
[道具]:基本支給品、シーザー・カエサル・エンペラー@人造昆虫カブトボーグ V×V
   グレーテルの基本支給品一式、コンビニ弁当、スター(二日目早朝まで使用不可)@マリオシリーズ、北米化パッチ
   ディケイドライバー@仮面ライダーディケイド(2時間使用不可)、ライダーカード一式@仮面ライダーディケイド
   ライダーカード(スペランカー)@ニコニコワールド、ライダーカード(イーノック)
   其為右手@真夏の夜の淫夢(残り使用回数7回)、
[思考・状況]基本:殺し合いには乗らず主催を討ち取る。
1:ケンを探す。
2:まどかの証言は嘘かまどかの誤解ではないのか?
3:ケイネスとの合流後、まどか達を説得する。
4:あの鎧のデザインいいな…
※まどかの証言はもうほとんど信じていません。
※参戦時期は不明ですが少なくともセイバーと戦った後です。



【東豪寺麗華@MMDDFF】
[状態]:健康
[装備]:エクスカリバー@Fate/Zero
[道具]:基本支給品、DMカードセット(デモンズ・チェーン@遊戯王5D's)
[思考・状況]
基本:生存優先、主催は殺す
1:とりあえず積極的に人と会い情報を集める。その一環で船の方に向かう
2:幽香の奴、死んだのか。
3:水色髪の男(さやか)はほっとけない。
4:レア様とはいずれ決着をつけるつもりだったけど……。
※制限はほとんどされてません。
※遊星、フランク達と情報交換しました。

【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:鬼柳京介の肉体。
[装備]:さやかのソウルジェム(濁り:大)@魔法少女まどか☆マギカ
[道具]:基本支給品、「スピード・ウォリアー」のカード(4時間使用不可)@遊戯王OCG、
    「くず鉄のかかし」のカード(4時間使用不可)@遊戯王OCG、「???」のカード@遊戯王OCG、不明支給品0〜1
[思考・状況]
基本:殺し合いをぶち壊して鬼柳の分まで満足する。
 1:謎の戦車を警戒。
※ショウさんの話を聞く直前からの参戦。
※肉体は鬼柳京介のものになっています。
※第一放送を聞き逃しました。
※遊星、フランク達と情報交換しました。

550 ◆J/0wGHN.4E :2015/03/05(木) 20:03:22 ID:MMQBWWsw0
投下終わります

551 名無しさん :2015/03/06(金) 17:46:11 ID:KHHt6t1o0
投下乙

続々とエスポワール集結してきてるなぁ
これが対主催の要となるか……

552 名無しさん :2015/03/07(土) 15:47:00 ID:Rv/9tBdA0
投下乙です

553 名無しさん :2015/03/07(土) 23:01:24 ID:uCI15UnE0
投下乙です
ちゃくちゃくと対主催が集まって何より
マーダーが休止状態の今がチャンスなのかもしれない

あと現在位置表を弄ってみたんですけどどうもうまくいきません
誰か詳しい方更新していただけるとありがたいです

554 名無しさん :2015/03/08(日) 22:46:48 ID:cKZJXtmUO
前のを更新してみました
ttp://uploda.cc/img/img54fb9c02da852.jpg

★・・・マーダー ●・・・支給品
トゲみたいなのはおおよその進行方向です

555 ◆FbzPVNOXDo :2015/03/22(日) 02:46:47 ID:qGqtw/Ro0
投下します

556 「アイテム渡しすぎじゃないですかね?」「ま、多少はね?」 ◆FbzPVNOXDo :2015/03/22(日) 02:49:23 ID:qGqtw/Ro0
「鹿目まどかだな?」

俺は出来る限り、相手を刺激しないように話しかけた。
鹿目まどか、主催の一人を既に殺害したことのある参加者だ。気を抜けば俺も殺されかねない。
まどかは怪訝そうに俺を見ている。そして俺がただの参加者ではないと気付いたのだろう。
明らかな殺意、敵意を向けていた。元グリーンレベーの俺すら一瞬怯みかけるほどだ。
こいつは生まれながらにしての、邪悪という奴なのだろう。

「おじさん一体誰?」
「俺はクック、主催の一人だ」
「主催? よくのこのこと、参加者の前に姿を見せられるね。殺されても文句言えないんじゃない?」
「俺としても、参加者の接触は避けたいところだ。だが生憎そうもいかん、そのアサシンの少女を回収しなくてはならない」
「回収?」

俺はアサシンの少女を次の放送後、正式参加者として加入させるために回収しなければならない皆を、簡単にまどかに説明してやった。
まどかの顔に不満そうな色が見られる。間違いなく異論を唱えるはずだ。
その前に俺は先手を打つことにする。

「もちろん、ただでとは言わん。お前に面白い支給品を渡してやる」
「支給品?」
「そうだ」

まどかの顔色が変わっている。
アサシンの少女が消えようとも、それに変わる戦力さえ渡せば納得はしてくれるかもしれない。
とはいえ、生半可な戦力では取引にはならない。

「タイム風呂敷だ。
 今近くにとある参加者が居る。アサシンの穴埋めにするには少しじゃじゃ馬だが、まあ交渉の材料にはなるだろう」
「それって、どういう……?」
「自分で考えるんだな」

俺は困惑しているアサシンの少女の腕を掴む。
さて後はこの場からの退避だけだ。
とはいえ、些かまどかに贔屓してしまったという思いもある。別れ際に一つ条件を付け加えることにした。

「そうそう忘れるところだったが、こちらの事情とはいえ、お前には少し贔屓しすぎた。
 そこで、だ。ちょっとお前にはハンデを負ってもらう」
「ハンデ?」
「第四回放送までに三人、お前が殺せ。でなければ、お前を殺す。手段を選ばずにな」

首をかき切るような動作をし、俺はニヤリと溜まらず笑みを浮かべてしまった。
まどかへの処置は主催でも意見が分かれていたところだ。
主に譲二の単独行動で接触し、結果として戦力を増強してしまったという事実。そして今の支給品の支援、これぐらいのハンデは当然だ。
まどかは舌打ちし、俺を殺そうとするがもう遅い。俺の体は透け、奴に干渉など……

「え、やめ―――」


「これで、二人で良いよね?」
「何?」
「まどか!?」

俺が掴んでいた少女は腕から先がただの肉片へと変わっていた。
まどかはパッチを付け、ラオウの姿へと変身し拳に付いた血を払っていた。

「……良いだろう。だが残り二人だ」

あの躊躇の無さは軍人として見習いたいものがある。
俺は感心しながら了承し、この場から離脱した。



【アサシン(少女)@Fate/Zero】死亡



【クック@コマンドー】
[状態]:健康
[道具]:デーモン・ハンド@デュエルマスターズ、
    地獄門デス・ゲート@デュエルマスターズ、
    雪風の双眼鏡@艦隊これくしょん、その他余りの支給品
[思考・状況]
基本思考:殺し合いの進行。メイトリックスへの復讐。
0:メイトリックスとは後で再戦したい
※午後までの参加者状況と位置を依頼者から説明をうけています
※デーモン・ハンド、地獄門デス・ゲートは元は支給品となる物でしたが枠から溢れ没になった物です。
 このため他のカード等と同様制限がかけられており、一度使うと6時間使用できません。

557 「アイテム渡しすぎじゃないですかね?」「ま、多少はね?」 ◆FbzPVNOXDo :2015/03/22(日) 02:49:47 ID:qGqtw/Ro0





「ほう、メイトリックスは殺し合いに乗ったのか」
「はい、カズマ、サーニャって人に妙な仮面の姿に変身する男達もです」

情報交換を終えたわし達は、他の参加者との遭遇を求め市街地方面へと急いでいた。
それが役数分くらい前のことだっただろう。
今、現在数時間歩いた甲斐もあり、運よくまどかとほむらと名乗る二人の参加者に遭遇することが出来た。

「それで命からがら逃げてきて……」

腕を切られ機嫌の悪かったギルガメッシュだが、幸いにも相手が腕を治す道具を持っていた事で上機嫌に戻ってきていた。
確かタイム風呂敷と言ったか、これは見覚えがある。ドラえもんの秘密道具だ。こんなものまで用意するとは思わなかったが。

「お願いします。一緒に来てくれませんか、私達不安で不安で」
「ふっ、まあ良い暇つぶしにはなるだろう」

それにしても、現役JCだ。わしは今歓喜に震えている。
とにかく運が良い。
話の方向性も一緒に行動する方向で纏まっているようだ。やったわしにも春が来たかも知れん。
……と言いたいところだがわしはすこし違和感を感じていた。最早直感に近いがこの少女から何かが違うという感じがする。
封印された記憶の関係なのか、わしはこの娘達を何処かで知っている気がする。そうアニメ、やはり何処かでみたな。
ともかく警戒した方がいいかも知れん。


―――――



ギルガメッシュは右腕の調子を確認する。
確かに以前のまま動く、あのタイム風呂敷とやらは本当に物の時間を巻き戻せるらしい。
面白い道具だと思った。
もっとも、何よりも面白いのはこのまどかとほむらの関係だ。
見ていて飽きない。この退屈な殺し合いの中ではとても上質な愉悦だろう。こいつらは良い酒の魚になると。

「なあ、グレーテル?」

まどかとほむらには聞こえないよう声を抑えながらグレーテルへと話しかけた。

「な、何が……」
「気付いているであろう。あの歪な関係を……。中々に面白いとは思わぬか?」
「関係って……?」
「あの依存した歪な関係は、後に何らかの劇を生み出す。
 それが喜劇であるか、悲劇であるかは分からぬが……。付き合うのもこの殺し合いの中での余興と考えれば面白い」
「そんなこと……」
「とぼけるな。お前は存外に目利きは効く。奴も中々上手く隠しているが、それでも奴の本性をそう見破れぬほどの節穴ではない。
 お前は何処かで刺激を求めているのだ。そう、愉悦をな」

ククク…とギルガメッシュは笑いを堪えている。

「違う、私は……私は……」



―――――

558 「アイテム渡しすぎじゃないですかね?」「ま、多少はね?」 ◆FbzPVNOXDo :2015/03/22(日) 02:50:03 ID:qGqtw/Ro0




まどかに課せられたハンデ。
二人殺さなければ、自身の命が奪われると言うまどかのみの変則ルール。
首輪を爆発させられるのだろう。
厄介なことになってしまったとまどかは考える。少し調子に乗りすぎたかもしれない。
ほむらの言った首輪解除の方法も、何処かで試せるうちに試して色々検討するべきだ。
ともかく今は戦力が必要だ。不穏な男だがギルガメッシュは雰囲気から実力者と感じ取れる。
クックの言った通り、タイム風呂敷で腕を治したお陰か味方に引っ張れたのはラッキーだろう。

「とにかく、誰でもいいから早く殺して……」
「落ち着いて、まどか」

そっと、ほむらがまどか手を握り締める。

「焦っても大事な事を見落とすだけ、まだ時間はあるものじっくり作戦を考えましょう」
「……ほむらちゃん、ありがとう。たまには役に立つね」

最後の台詞はまどかとは到底思えないものだが、それでも一瞬だけまどかの顔が元のまどかに戻った。そんな感じがした。
希望的観測が行き過ぎただけの幻聴なのか、あるいは……。

「一応、ギルガメッシュには殺し合いには反対と言う姿勢を見せてるんだもん。
 何とか他の参加者を、殺し合いに乗っている風に見せないといけないよね」
「まどか。いっそ、ここで全員共殺すのはどう?」
「それも考えたけど、確実に行きたいの。
 下手に戦いを挑んで重傷になったら目も当てられないでしょ? それこそ時間もあるみたいだし。
 それに殺し合いに乗った参加者だと思われたら、後に殺し合いに反対派が主催を倒せそうになった時に、仲間になりづらいからそれだけは避けたいの」

まどかは優勝が目的ではなく生還が目的だ。
あまりに派手に暴れて、残った参加者全員から警戒されるのは避けたい。

「とにかく理由を付けて、メイトリックス達を殺すか。先に悪評を流しておかないと……」

何はともあれ、他の参加者の同行まで漕ぎ付けたのは上出来だ。
あとは上手く立ち回れば……。

【G-6/一日目・夕方】
【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ(クズなまどかシリーズ)】
[状態]:疲労(小)、ダメージ(中)
[装備]:ソウルジェム 、螺湮城教本@Fate/Zero
[道具]:基本支給品一式×2、キングクリムゾン(残り3回)@ニコニコ動画、タイム風呂敷@ドラえもん、不明支給品0〜1
[思考・状況]
基本:ゲームからの生還
1:ほむらちゃんと一緒に行動。あまり役に立たないようなら捨てる。
2:利用できる者は利用し、邪魔になる者は殺す。士、メイトリックスはいずれ殺す。
3:行動に出る際はパッチを利用してなるべく自分の悪評が広がることはないように動く。
4:海魔召喚のための餌も探す
5:ほむらの仮説を確かめる為に生きた参加者で実験する。その為に手頃な参加者を捕獲する。
6:優勝も視野に入れなきゃかな……。
7:四回放送までに残り二人何としてでも殺す。可能ならば目立つ確実に、でも余裕がなくなれば……。
8:ギルガメッシュ達を上手く利用したい。
9:二人殺害が間に合わなければ、ほむらの首輪解除の仮説も視野に入れる。
※クズなまどかVS逆襲の魔法少女スーパーさやかちゃん【前編】直後の参戦です。
※さやかの体が鬼柳京介になっているのを知りました。
※螺湮城教本は制限により海魔の現界、術者の魔力補給、本体のダメージ修復等の同時運用は出来ません。
※制限として海魔の最大同時現界数は五体までしか出せません、また能力も下方修正されています。
※AV動画オールスターセットの動物はもう残っていません
※四回放送までに残り二人殺さないと死にます。

【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:疲労(中)、ダメージ(大)、マドカァー 、ヤンデレ状態、ほむトキ
[装備]:ソウルジェム、バルメM78(36/40)@コマンドー、ストライカーユニット@ストライクウィッチーズ、世紀末魔法少女パッチ@MUGEN
[道具]:基本支給品一式、キャベツ@夜明け前より瑠璃色な 〜Crescent Love〜、ランダム支給品0〜1
[思考・状況]
基本思考:まどかに全てを捧げる。
0:絶対に残り二人まどかに殺させる。
1:何があってもまどかを守る。
2:どんなことをしてもまどかに認めてもらう。
3:もう役立たずだなんて言われたくない。
4:まどかに危険を及ぼしうるものは全て排除する。
5:北斗神拳を使い秘孔を突けば首輪が外れるんじゃ。
6:自分の仮説を確かめる為に生きた参加者で実験する。その為に手頃な参加者を捕獲する。
7:何か大切なことを忘れている気がする。

559 「アイテム渡しすぎじゃないですかね?」「ま、多少はね?」 ◆FbzPVNOXDo :2015/03/22(日) 02:50:19 ID:qGqtw/Ro0

【グレーテル@よもやま四方山】
【状態】軽度の火傷、打撲、疲労(小)、血塗れ
【装備】ボロ服
【道具】ディーノの基本支給品一式、ポッチャマ@ポケモン
    浜口優かも×3@学校で配られたDVDがひどい件、剣(石)@Minecraft、アサシンの首輪
【思考・状況】
基本:出来れば死にたくない
1:ギルガメッシュに着いていく
2:愉悦…
3:自分のデイバックを回収する
4:私は……
※モンスターボール(ポッチャマ)が壊れたため、引っ込めることができません
※ギルガメッシュと情報交換をしました
※会場からの脱出は諦めました


【ギルガメッシュ@Fate/stay night】
[状態]:打撲 、右腕復活、疲労(小)、機嫌回復
[装備]:王の財宝@Fate/stay night(空)、天の鎖@Fate/stay night、 必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)@Fate/Zero
[道具]:基本支給品一式、作業台@Minecraft、ランダム品(0〜1)
[思考・状況]
基本行動方針:気の向くままに行動する。
1:主催者を殺し王の財宝を取り戻す。
2:ポッチャマに興味。グレーテルはポッチャマのおまけ。
3:男(木原)は今度遭ったら殺す。
4:ヒトラーと共に市街地へ。ケイネスを探す。
5:まどかとほむらの関係は面白い。愉悦愉悦。しばらく同行してやる。
※自身にかけられている身体能力の制限に気が付きました。
※殺し合いの参加者が別の世界から呼ばれていると考えています。
※アカツキ電光戦記と総統閣下シリーズ、よもやま四方山の世界を知りました。
※ギルガメッシュがこの先どこへ向かうかは次の書き手さんにお任せします。
※放送と戦闘が被りました。しかし案外聞いている可能性もあります
※メイトリックス、士、カズマ、サーニャが殺し合いに乗ったと聞かされましたが何処まで信じてるか不明です。


【総統閣下@総統閣下シリーズ】
[状態]:疲労(大)、左肩負傷 、まどか達を警戒
[装備]:出刃包丁@現実、キー・オブ・ザ・グッド・テイスト@人造昆虫カブトボーグV×V
[道具]:基本支給品一式、大量のマンガと本、カイジの地下王国豪遊セット(ポテチ、チーちく、肉じゃが、ビール×4)@逆境無頼カイジ 破戒録編
[思考・状況]
基本行動方針:生きて祖国に帰り可能であるのなら二次元に行く。打倒主催。
1:情報収集。首輪の解析
2:主催者どもは必ず倒すが、具体的な作戦及び行動方針はこれから考える。
3:クリーパーを失うのは惜しかった…
4:メイトリックスと譲治を警戒……?
5:青鬼とレーザー、およびそれを発射した「何か」を警戒。
6:ギルガメッシュと共に市街地へ。ケイネスを探す。
7:まどかに違和感と何処かで見た既知感。
[備考]
※出典はあくまで総統閣下シリーズ、現実や最後の十二日間での真面目な独裁者ではありません
※サブカル知識も豊富ですが、なんらかの制限がかけられている可能性があります
※ギルガメッシュ他、数人の参加者について情報を得ました。
※アカツキ電光戦記の世界を知りました。
※別の世界から呼ばれた事がほぼ確信に変わっています
※総統閣下のノートには今まで見聞きした事のまとめや考察が数ページにわたって書いてあります。
※クリーパーの説明書を読みました。
※総統閣下の持ち出した本やマンガの詳細は次の方にお任せします。ただしDVDやBDは持ち出していません。
※過去に読んだ「HUNTER×HUNTER」を思い出しました
※メイトリックス、士、カズマ、サーニャが殺し合いに乗ったと聞かされましたが何処まで信じてるか不明です。




【タイム風呂敷@ドラえもん】
包んだ物を未来か過去の姿に変える。

560 「アイテム渡しすぎじゃないですかね?」「ま、多少はね?」 ◆FbzPVNOXDo :2015/03/22(日) 02:52:05 ID:qGqtw/Ro0
投下終了で
あと>>558だけこっちで

【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ(クズなまどかシリーズ)】
[状態]:疲労(小)、ダメージ(中)
[装備]:ソウルジェム 、螺湮城教本@Fate/Zero
[道具]:基本支給品一式×2、キングクリムゾン(残り3回)@ニコニコ動画、タイム風呂敷@ドラえもん、不明支給品0〜1
[思考・状況]
基本:ゲームからの生還
1:ほむらちゃんと一緒に行動。あまり役に立たないようなら捨てる。
2:利用できる者は利用し、邪魔になる者は殺す。士、メイトリックスはいずれ殺す。
3:行動に出る際はパッチを利用してなるべく自分の悪評が広がることはないように動く。
4:海魔召喚のための餌も探す
5:ほむらの仮説を確かめる為に生きた参加者で実験する。その為に手頃な参加者を捕獲する。
6:優勝も視野に入れなきゃかな……。
7:四回放送までに残り二人何としてでも殺す。可能ならば目目立たないよう確実に、でも余裕がなくなれば……。
8:ギルガメッシュ達を上手く利用したい。
9:二人殺害が間に合わなければ、ほむらの首輪解除の仮説も視野に入れる。
※クズなまどかVS逆襲の魔法少女スーパーさやかちゃん【前編】直後の参戦です。
※さやかの体が鬼柳京介になっているのを知りました。
※螺湮城教本は制限により海魔の現界、術者の魔力補給、本体のダメージ修復等の同時運用は出来ません。
※制限として海魔の最大同時現界数は五体までしか出せません、また能力も下方修正されています。
※AV動画オールスターセットの動物はもう残っていません
※四回放送までに残り二人殺さないと死にます。

561 名無しさん :2015/03/22(日) 07:01:26 ID:cqOMZs0w0
投下乙
それと細かいけどちょっと誤字発見
×元グリーンレベーの ○元グリーンベレーの
×良い酒の魚に ○良い酒の肴に
まどかの思考状況7番目の目立たないように〜の目が一個多い
まあwiki収録時に修正しとけば良いと思うけど

562 名無しさん :2015/03/22(日) 12:12:33 ID:k2PWTkFc0
乙です
強化はされたがその分ハンデも負ったか
主催も相変わらずカツカツ状態だしどこまでやれるか

563 名無しさん :2015/03/22(日) 16:15:26 ID:unYdxRJA0
投下乙です

564 名無しさん :2015/03/23(月) 00:56:36 ID:iGHlss5M0
投下乙です

ムラクモや星君といい続々と危険人物紛れ込んでいくなwww
そしてまどかに課せられた縛りが今後どう影響するか……

あと疑問なんですが、アサシンが持ってた支給品はどうなったんですかね?
クックやまどかの状態表にも書かれてないので

565 ◆FbzPVNOXDo :2015/03/23(月) 16:47:19 ID:tAvGiWS.0
ご指摘ありがとうございます
wikiに直接直しておきます

あとアサシンの支給品はまどかに手に渡ったという事でこれも修正しておきます
すっかり忘れてたorz

566 ◆FbzPVNOXDo :2015/03/23(月) 16:57:49 ID:tAvGiWS.0
本編のほうはwiki収録時に直してくださったようです
ありがとうございます

567 ◆FbzPVNOXDo :2015/03/25(水) 01:08:24 ID:Ud8G8Q4w0
投下します

568 ならず者達 ◆FbzPVNOXDo :2015/03/25(水) 01:09:36 ID:Ud8G8Q4w0
「嘘……」

サーニャが目にしたそれは人とは思えない食いカスだった。
無残に散らばった血に塗れた服、髪の毛が生え所々肉片の付いた髑髏の数々。
如何な方法を以って殺せばこうなるのか、最早人の所業とは思えない。

「うっ……おえっ」

涙よりもサーニャを襲ったのは強い吐き気だった。
エイラと思われる髑髏を見つけたとき、反射的に意の内容物が逆流し吐瀉物として外部に排出される。
愛らしい小顔は見るも無残な白貌の骨へと変わり、残った髪と二つの目玉がギョロリとこちらを睨んでいる。

「エイラ、そんな……」

それをエイラと呼びかけるのに躊躇いすら生まれた。
死んだという覚悟は出来ていたが、これはあまりにも酷すぎる。
怒りや悲しみを飛び越え、嫌悪感を感じた。

「ガキか」

男の声がサーニャ耳を鳴らす。
半ば逃避的にエイラから目を離し振り返る。

「あなた、は……?」
「少なくともそいつらを殺した下手人じゃねえな」

ヘルメットを被っている為、その下の顔は分からないが、何処か声は皮肉が込められている。
サーニャは不快な印象を抱きながら、その男に現状の説明を求めた。

「俺が来た時にはこうなってた。もし誰かの仇討ちでもしたいんなら残念だったな」
「そうですか……。もうここには、透明の殺人鬼も居ないみたいですね」
「あ? 透明の殺人鬼だと?」

ヘルメットの男、ジャギは透明という言葉に反応する。
忘れもしない。あの姿を隠しジャギとドラえもんを襲撃してきた卑怯者に間違いない。
妙な苛立ちが、ふつふつと再び燃え上がってきたジャギは咄嗟にサーニャの胸倉を掴む。

「ちょっ、何を―――」
「おい、その透明の殺人鬼の事を教えやがれ!」
「わ、私も会った訳じゃありませんけど……姿が見えない殺人鬼に襲われた人が居て、彼らは……」

サーニャから手を離しジャギは舌打ちをする。
ほんの少し前まで、ジャギの探していたドラえもんを殺した卑怯者はここに居たのだ。
何というすれ違いだろう。あともう少し早くに学校に来てさえ居れば。

569 ならず者達 ◆FbzPVNOXDo :2015/03/25(水) 01:09:53 ID:Ud8G8Q4w0

「あの野郎、かならず見つけ出して……」
「貴方も……もしかして」
「ちっ、てめえには関係ねえ」

サーニャの目にはジャギは誰かの為に怒る。
善人のように一瞬映ってしまった。
だからだろう。

「……そうそう、忘れるところだったが俺の名前はケンシロウ、お前を殺す男だ」

その唐突な豹変ぶりと自らの殺害予告に気を取られ、反応が遅れたのは。
ジャギの手に握られた刃物が真っ直ぐサーニャの顔目掛け振り下ろされる。
瞬きする暇もなく、視界が冷たく銀色に輝く鉄に覆われる。

「そ、んな―――」

刃物がサーニャの顔をかち割り、赤く染まろうとしたその瞬間。
壁を薙ぎ払い粉砕し、突き進む男の轟音と咆哮が木霊する。

「衝撃のファーストブリット!!」

まるでミサイルのようだとジャギは錯覚した。
壁があった筈の向こう側から、こちらへと一直線に突っ込んできたのは一人の男だ。
その右腕をアルターで武装し壁を突き破り、ジャギへと殴りかかるカズマ。
ジャギはサーニャから離れ、高く後方へ飛ぶ。
カズマの右腕の軌道からジャギが外れ、その拳は誰も居ない唯の壁へとぶち当たる。
ビスケットのように音を立てながら壁は崩れ去った。

「てめえか? 透明の殺人鬼ってのは!」
「生憎と人違いだ」
「そうかい、でも殺し合いには乗ってるんだろ?」
「だったら?」
「ボコる! 徹底的にだ!!」
「面白え、やってみなこのケンシロウ様を相手によ!」

互いに啖呵を切ったところで、ジャギはカズマの首元にあるはずの物がない事に気づく。

「お前、首輪は……」
「あ? んなもん外した」
「そうか。……特別サービスだ。そいつの外し方を教えれば見逃してやる」
「絶対にノゥ!」
「イエスと言いやがれ!」

ジャギの刃物とカズマの拳がせめぎ合い火花を散らす。
普通の拳ならば血を噴出し、肉が裂けるところだがアルター、シェルブリットの姿となったカズマの拳は刃をものともせず受け止める。
そのまま数度打ち合い、ジャギの蹴りがカズマの腹へと放たれる。
空気を無理やり吐き出されるような感覚と息苦しさを同時に味わいながら、カズマも負けじと左拳でジャギ鳩尾へとストレート打ち込む。

「埒があかねえ、撃滅の―――」

また、あれがくる。
ジャギの体をピリピリと刺激する威圧感。
それが最初に放たれた、あのミサイルのようなものだと予感させる。

「セカンドブリット!」
「うおおおおっ!!」

だがそれはミサイルでありながらミサイルにあらず。
如何に威力が桁違いであろうとも、人の手により放たれた拳であることに違いはない。
ならば、そこに武術の挟み込む余地は確実にある。
殴りかかるという、人のもっとも基本的な戦闘スタイルは何年、何千年も前から研究され尽くされてきた。
故に、それに対する対策など腐るほど編み出されてきている。

570 ならず者達 ◆FbzPVNOXDo :2015/03/25(水) 01:10:58 ID:Ud8G8Q4w0

「なっ!?」

殴りかかったカズマの力を受け流し、腕を掴み。あらぬ方向へと投げ飛ばす。
北斗神拳ですらない一本背負い。
予想外の出方にカズマも一瞬混乱しながらも辛うじて受身を取るが、流されたセカンドブリットの衝撃がモロに身体を流れかなりのダメージを負う。

「ぐっ、が、あ……」

痛みで動きの遅れたカズマへジャギの刃物が振りかぶる。
カズマは無理やり右腕を動かし、肘で地面へと叩きつけその反動で跳躍した。
刃物は空を斬り、ジャギは天井を睨む。

(あいつにただの拳はきかねえ。なら―――)

再び拳を構え、カズマは天井近くでジャギを見る。

「はっ、また懲りずに殴りかかる気か!」
「抹殺のラストブリット!!」

アルター粒子の噴射で勢いを付けたカズマはジャギではなく、その真上の天井を殴りつける。

「これなら投げられないだろうが!」

崩れ、砲弾のようにジャギに降り注ぐ天井の中を掻い潜り、カズマはサーニャを連れ離脱、半壊した学校から校外へと飛び出した。


「はあ、はあ……おい無事か姉ちゃん?」
「ええ、何とか。それよりもカズマさんは大丈夫なんですか!?」

サーニャの横で気丈に振舞うカズマだが額に汗をかき、目は少しうつろ気味だ。
ここに来て連戦の疲労がピークに達したのかもしれない。

「それよりも、下がっとけ。多分、あのヘルメットくたばってねえ」

左腕で汗を拭いながらカズマは崩れた瓦礫の山を見つめる。
すると目の前の瓦礫から物音が響く。

「!? そこ―――」「違います、あっち!」

カズマが振りかぶった瞬間、サーニャの声で別の方向を見たカズマが捉えたのは、別の死角から不意を付こうとしてきた五体満足のジャギだ。
すぐさまカズマは追撃を中止し、ジャギの攻撃をかわし後方へ飛ぶ。

「ちっ、あのアマ……」
「良かった、私の魔法が役に立って」

ジャギは舌打ちをする。
サーニャの姿が先ほどとは打って変わり、猫のコスプレのようなものに変わっている。
恐らくは何らかの得意な索敵能力を使い、こちらの居場所を察知したのだろう。
こうなると奇襲はまるで役に立たなくなる。

「一応、礼は言っとくぜ姉ちゃん」

サーニャへ一瞥くれ拳を握りなおす。
あのヘルメット男には普通の拳は通用しない。
ならば、更に火力を上げ触れさせなければいい。カズマの周辺の物質が分解され粒子となりシェルブリットへと集まっていく。
シェルブリット第二形態。
もう疲労など気にしている場合じゃない。全力でなければ叩き潰せない相手だ。

571 ならず者達 ◆FbzPVNOXDo :2015/03/25(水) 01:11:43 ID:Ud8G8Q4w0

「まだ、そんな隠し玉を持ってやがったか」

まいったとしか言いようない。
あの拳は流せない。もはや拳でありながら人のそれではない。
触れるだけで、消し飛びそうなほどのエネルギーを纏っている。

「正面から受けるしかねえってか?」
「もっとだ、もっと輝け! シェルブリットバースト!!」

右腕のプロペラが回転し拳が勢いを付けジャギへと向かっていく。
ミサイルどころか、光り輝くそれは隕石のよう。
ジャギは小細工は捨て、自身の体の秘孔を突き肉体を強化する。
咄嗟の思いつきのアドリブだが上手くいった。あとは迎え撃つのみ。

「ぐ、おおおおおおお……」
「この、野郎ォ……!」


骨が軋み、皮膚は裂け、肉は悲鳴をあげる。
だがジャギはその両腕でカズマのシェルブリットバーストを受け止めた。

「ぬ、ぐうううううう」
「うおおおおおおおおおお」

もっとも僅かながらジャギをカズマが圧している形だが。
二人は連戦を繰り広げ、疲労が溜まっているのは共通している。
問題はその二人を縛る制限だ。かたや首輪を外し本来の力を発揮できるカズマ。かたや魔法戦士の力を得ながらも、しかし制限を受けているジャギ。
そこで地力で二人の間には差が生まれてしまっている。

「畜、生ォ……!」

力が徐々に抜けていく。
シェルブリットバーストが既に眼前にまで迫り、寿命のリミットを数えてすらいるようだ。
どうして止められない。何が足りない。冷静に己と敵の戦力を分析し得た結果、自らを縛る首輪の存在に気づいた。
これだ。これがどうしようもなく人の力を奪い去っている。

「邪魔、なんだよ……首輪(てめえ)は!!」

無理やり引きちぎり、そしてボンっと軽く鈍い爆発音が響く。
カズマが逡巡した次の瞬間、シェルブリットが押し返される感触が伝わってくる。

「お前、まさか……!」
「はっ、これでお前と対等って訳だなァ!!」

首輪を千切った瞬間、秘孔を応用し首周りを硬化させ爆発を耐えた。
一か八かの賭けだが勝った。
ここからが本当の勝負の幕開けだ。

「もっと輝け!」
「しゃらくせえ!」

受け止めたシェルブリットへ真下からの膝打ちを叩きつける。
わずかにジャギへの狙いが反れた瞬間、カズマの顔面へと頭突きを叩き込む。
だが、カズマも負けじと左肘で首輪のなくなった首元へ肘打ちを打ち込む。
カズマは鼻血を噴出し、ジャギは潰れた声を捻り出しながら。それでも二人は退かない。

「面白えな、ほんとに何なんだろうなあ!」
「ごちゃごちゃ、うっせえんだよ!」

顔を歪ませた二匹の獣が更に殴り合い互いを血に染めていく。
あまりにショッキングな光景にサーニャは目を背ける。

「なんで……あんな、あの人たちおかしい……」

殴るのは痛いことだ。殺しあうのは悲しく辛いことだ。
それなのにあの男たちは笑っている。互いに楽しんでいる
理解できない。どうして? 味方であった筈のカズマすら恐ろしく感じてしまう。
なんで殺し合いを楽しめるのか、どうして……?
おかしい、理解できない。人が死んでいるのに、しかも自分たちがそうなるのかもしれないのにどうして。
段々、不快さと腹正しさすら沸いてくる。

―――こんな人達にエイラは殺されたの?

ふとサーニャの脳裏をエイラの目玉と髪が残った髑髏が過ぎる。
戦いが殺しが好きな人たちにエイラは殺された?
そう思ったとき、無意識の内にカードを掲げていた。

「なっ? アルターが!?」
「なんだあ?」

その絵柄に描かれた一体のドラゴンが召喚され、再び姿を消した時カズマのシェルブリットが解除されジャギの拳を食らい吹っ飛ばされた。
覚えているのはここまでだ。あとは無我夢中で走って逃げた。

572 ならず者達 ◆FbzPVNOXDo :2015/03/25(水) 01:12:09 ID:Ud8G8Q4w0

「ごめんなさい。ごめんなさい……」

サーニャは走る。
エイラの悲惨すぎる死、男達の血みどろの殺し合いから逃れるように。



【c-03 /1日目・夕方】

【サーニャ・V・リトヴャク@ストライクウィッチーズ】
[状態]:健康、魔力消費(微) 、精神的な落ち込み、腹部に重傷、精神的ショック(大)、錯乱
[装備]:★Rock Cannon@ブラック★ロックシューター、黒猫のゴスロリ服@俺の妹がこんなに可愛いわけがない
[道具]:メントスコーラ(空)@コーラを開けるとメントスが落ちるトラップの作り方、
    DMカード『スターダスト・ドラゴン』@遊戯王5D's (自身をリリースし破壊を無効化したあと帰還する効果で夜中に再び使用可能)
[思考・状況]:殺し合いには乗らずゲームを打破する
0、……。
1、エイラの仇を討ちたい。
2、知り合いが居れば合流する
3、ストライカーユニットとフリーガーハマーが有れば入手したい
4、殺し合いに乗ってない参加者が居れば合流したい
5、まどか達を警戒
6、エイラを殺したのは……
7、あの人たちはおかしい

※DMカード『スターダスト・ドラゴン』@遊戯王5D'sは自身効果により消えたので、短時間で復帰します。
ただし復帰前と後の時間を合わせ、一定時間で消滅しその後半日使用不可です。
それ以外は普通のDMカードと同じです。



「どうなってんだ……クソッ!」

あの時、一体のドラゴンが現れたかと思えばカズマのシェルブリットを打ち消した。
ジャギはサーニャが、あのドラゴンで攻撃してくるものとばかり思っていたが、そうではなかったことに疑問を持つ。
スターダスト・ドラゴンの特殊効果は自身を墓地に送り相手の破壊効果を無力化するもの。
サーニャがそれに気づかず発動させカズマのアルターを解いた事など知る由もない。

「ちっ、とにかく今は休むか」

あの少女はジャギと戦っていた男の仲間の筈がどのような心変わりがあったのか。
何にせよジャギには関係の無いことだ。
休息のはずがとんだ戦闘になってしまったがやっと静かになった。
少し休ませてもらおう。幸い学校内の治療用具がありそうな場はまだ無事だ。

【c-03 見滝原中学校 /1日目・夕方】

【ジャギ@北斗の拳】
[状態]:疲労(大)+奥義連続使用による消耗、ダメージ(大)、全身に爆発によるダメージ×2、QMZの力の目覚め、原因不明の苛立ち、右腕に裂け傷(止血済み) 左肩に大きな噛み傷、首輪解除
[装備]:魔法戦士の衣装一式@QMZ
[道具]:基本支給品一式、音の出るフリスピー@ミツバチ(遊助)
    こんなところの閉鎖病室の鍵の束@チャージマン研!、銃火器予備弾薬セット@オリジナル
    日本酒一升、刃物×2(全て違う種類、そこそこ大きい)
[思考・状況]
基本思考:ケンシロウの名を騙ってゲームに乗る
0:ケンシロウも気になるが、コソコソ見てた奴(譲治)も気になる。
1:参加者を探し、殺す。
2:銃火器がほしい。ガトリングとか。
3:襲撃者(にとり)は確実に殺す。
4:自分をコケにした女と犬(早苗と権兵衛)は許さない。
5:研、リュウセイ(名前を知らない)とカズマは次会ったら殺す。
6:奇跡の部屋にある新鮮な血に疑問。
7:右腕と左肩の治療を優先。
8:あのドラゴンは…?
※青鬼のデイバックがC-04に放置されています
※青鬼の事を支給品の類いだと考えています

※学校が半壊しています。

573 ならず者達 ◆FbzPVNOXDo :2015/03/25(水) 01:12:41 ID:Ud8G8Q4w0



「あいつ…」

c-03から離れた場所でカズマは悪態をつく。
理由は分からないが人の喧嘩を邪魔されたのは非常に腹立たしい。
文句の一つや二つ言ってやりたいところだった。
あの戦いの間に少女の中で、何があったのか想像もつかない。
追ったほうが良いのだろうか。しかし、学校でアカツキ達を待たなければならないのもある。
そうなった場合、またあのヘルメットと戦う羽目になるだろう。それは別に構わないカズマだが。

「だが、ちっと疲れちまったな」

流石のカズマも疲労困憊だった。このまま連戦は避けたいところだ。
一先ず一眠りすることする。あとのことは寝たあと決める。
そう決め、目を閉じ眠りに落ちた。


【c-04 /1日目・夕方】

【カズマ@スクライド】
[状態]:ダメージ(大)、疲労(大)、激しい怒り、首周りに少し焦げ跡、首輪解除 、睡眠
[装備]:不明
[道具]:基本支給品一式、ケイネスのメモ、ランダム品0〜1
[思考・状況]
基本:気に入らない奴はとにかくぶん殴るが、あのせこい男(サリー)の言いなりになるつもりはない。
0:今は寝る。今後のことはあとで決める。
1:このバトルロワイアルとやらを破壊するためにも、せこい男(サリー)の思い通りにさせない。
2:男声の女(譲治)とフランクを撃った男(ロックオン)、野獣先輩を警戒。場合によってはぶちのめす。
3:雛子、響、アカツキ(名前を知らない)にケイネスのメモを渡す為、学校に向かったが……。
4:ケイネスに言われたので、化け物については一応気を付けておく。
5:まどかは次会ったらぶちのめす。ほむらのまどかへの態度が気に入らない。
6:あいつ(サーニャ)はどうしちまったんだ?
※ミルキィホームズとデッドライジングの世界を聞きましたが、何処まで覚えてるか不明です。
※少なくとも参戦時期は君島死亡後です。
※ケイネスのメモには、ケイネスが立てた青鬼増殖の仮説。
 それと雛子、響、アカツキの名前が書かれています。

574 ◆FbzPVNOXDo :2015/03/25(水) 01:13:00 ID:Ud8G8Q4w0
投下終了です

575 名無しさん :2015/03/25(水) 01:57:27 ID:qoC1Ha8.0
投下乙

よし、これでおほむの秘孔で首輪解除出来る説は立証されたな!
オリーブオイルで解除出来た時点で最早、首輪なんてあってないようなもんだからま、多少はね?

576 名無しさん :2015/03/25(水) 14:28:15 ID:pdyJMWqM0
投下乙

577 名無しさん :2015/03/25(水) 16:19:26 ID:m3IWKemY0
さすがジャギ様つよい

578 ◆J/0wGHN.4E :2015/03/25(水) 16:28:32 ID:q9aC/MPE0
投下でーす

579 アンハッピーリフレイン ◆J/0wGHN.4E :2015/03/25(水) 16:29:45 ID:q9aC/MPE0


時刻は13時38分。


「無いなぁ…」


「勝手に提案しておいてのその態度ですかい」


相生祐子は嘆息を漏らし、操舵室の椅子に座りこんだ。

先ほどからマニュアルの類いを見つけるため、しらみつぶしに操舵室内を調べて回ったが、梨の礫であった。
とは言え二人はたったこの15分間しか探してなかったのだが。

祐子の信念は熱しやすく、しかし冷めやすかった。


(何が船の操作法知らない人の為にマニュアルがあるだよチキショー!!)


(っていうかそんな意味不明な理論思いついたの誰だよ!!…あ、私か)

いちいちテンション上がっては後悔を繰り返す祐子も、研とは別の方向でキチガイである。





「…そろそろ逃げる事も考えないといけないんじゃないの?」

ふとバリカンがゆっこに声をかける。

いわれてみればそうである。
何だかんだで探し続けてみればこの場所が禁止エリア指定されるまで20分程しか無くなってしまった。
それまでにここを出るか船を操作するかしてこのエリアから逃げなければならないのだ。
さもなくば、自らの首輪が爆発してしまう。


殺し合いを強いるための参加者に課せられた首輪という枷。
その首輪の爆発、普段のゆっこにしてみればそんな物はトリックに過ぎないだろうと受け流していた所である。
しかし、あのゲーム開始時に見せられた「見せしめ」はゆっこに首輪の恐ろしさを植え付けるには十分だった。
今の今まで生きていた人間が首輪の爆発とともに物言わぬ首無き死体へと変わる。
それは、ゆっこが今までもこれからも断じて経験する事も無かった非日常。
後20分、ここに居るだけで自分も同じ立場におかれてしまう。

主催側の手によって見事にゆっこはこのゲームが「殺し合い」であると刷り込まれてしまったのだ。


脱出は確かに重要だが、それは命ある事が大前提である。
このまま動かし方がわからない首輪がまま爆発して死ぬよりはここから離れた方が良い。
船に未練は残るが背に腹は代えられない。


「なんでこんな首輪なんか…」

「首輪?」

忌まわしき首輪に手をかけて、ふとゆっこが気づく。

確かに自分にはこの首輪がはめられている。
だが、この目の前に居るロボットはどうだろうか。
彼(?)は参加者とやらではなく一介の支給品という存在である。
つまり、参加者に課せられるべき首輪が無いのだ。
例え禁止エリアに指定される時間になってもバリカンには何ら影響は無い。

580 アンハッピーリフレイン ◆J/0wGHN.4E :2015/03/25(水) 16:30:37 ID:q9aC/MPE0


「バリカン!良い事思いついた!」

「え?」

「君、首輪無いよね?」

「え?あぁ、うん」

この時点でバリカン何か嫌な予感を察した。
また面倒な事を言い出しそうな雰囲気とバリカンは思ったのだ。

「一度私は避難するから、バリカンはここで船を何とか動かす方法を探してくれない?」

「エ゛ェー!?」

「取り敢えずホテルに私は避難するよ、日が暮れても動かせなかったら戻ってきて!」


またしても無茶振りを押し付けられた。とバリカンは感じた。
同時にゆっこは善は急げといわんばかりに出口へと駆け出していた。

「あー…うん」


慌ててバリカンは引き止めようとした。
が、ふと操舵室の備え付けの時計を見れば時刻は既に13時42分。
はっきり言ってもうあまり時間に余裕は無い、ここで判断がもたついては彼女の命に関わるだろう。
そう判断し、半ば仕方なくゆっこの話を承る事にした。


「その必要はない」

「!?」


駆け出すゆっこの足は、目の前の声によって遮られた。





/////






「これがエスポワールとやらか…」

「豪華客船の名には恥じないな」


それが、二人の目前の豪華客船への感想。

運良く何事もなく船に到着したお陰で何とか25分近くの余裕を作れた。
これなら船を操作してこのエリアを出られるだけの余裕はあるだろう
メイトリックスとフランクは君島の車から降り、辺りの様子を調べながら船に入る。



「ケイネス、こいつを見てくれ」

桟橋に足を踏み入れたメイトリックスが言い放つ。
ケイネスが指差した先を見れば、桟橋に泥汚れがついていた。
豪華客船という名に合わせて桟橋も蒼く美しい物であったが、その汚れは余りにも場違いであり、とても目立つ。
そしてその泥汚れは、靴の形で列をなしている。


「足跡か…」

「ああ、大きさからして女か子供だ、それにまだ中に居る可能性が高い」

「たしかに、これは入ってきた足跡だが、出てきた足跡は見られない」

実際、汚れの列は一列しかなく、その隣に杖のような物をついた跡がある位である。
そうだとしたら奇妙な形の杖だ、とケイネスは思った。

「もしかするとケンとやらがここに逃げ込んだのではないか?」

「違うな、ケンの靴は子供の運動靴だ、もっと複雑な形の足跡をしている」

「この靴はローファーかなんかだろう。普通は学生とかが履く物だ」

やはり早くに禁止エリアに指定されるだけあって、ここに来る人間は少なかった様だ。

「どちらにせよ、急ぐ必要があるな」


ケイネスはこの男が信頼に値する人間という程ではないが、少なくともある程度の信用をおいていた。
根拠の一つとしてこの軍人らしい判断力、洞察力の高さ。
サーヴァントのマスターであるという性質上、戦闘では基本的に後衛つく事がほとんどであるため、ランサー同様に前線経験に富んだ人間の存在は有り難い。
サーヴァントではない為ランサーと違い命令を下す事はできないが、そんな事を不満に思う程ケイネスは傲慢ではない。
協力し合える存在が居るだけで、少なくとも彼には十分なのだ。

581 アンハッピーリフレイン ◆J/0wGHN.4E :2015/03/25(水) 16:32:34 ID:q9aC/MPE0


「ん?」

「どうした?」


ケイネスが訝しむと、それに呼応してメイトリックスも聞き返す。
だが、すぐにケイネスがなんでもない、といった素振りで返した。

普通ならば気づかない物である。
蒼い桟橋についた青い滴り跡など。
ましてや足跡のその下にあるのだ、メイトリックスでも気づかなかったのも道理である。
だがケイネスは気づく事ができた。その滴り跡に残されたわずかな魔力のお陰で。

それが何を意味するのか、少なくとも今の彼らには知る由もないだろう。





これだけの大きさを誇る客船、参加者の身を隠すにはうってつけだろう。
とは言え彼らにとって今は操舵室以外に用はない。
当然のように寄り道もなく二人は操舵室をまっすぐ目指した

「君、首輪無いよね?」

「え?あぁ、うん」


操舵室から漏れる声。
やはり予想通り人が居た、それも女性。

「…もう一人居る様だな、敵対者じゃなさそうだが」

やはり年を取ったかとメイトリックスは思った。


「一度私は避難するから、バリカンはここで船を何とか動かす方法を探してくれない?」

「エ゛ェー!?」

「取り敢えずホテルに私は避難するよ、日が暮れても動かせなかったら戻ってきて!」


操舵室に入ると席で騒ぐ少女が一人、球体の何かに話しかけていた。
ロボットの類いだろうか。
どちらにせよ彼女達には船を動かす算段はないらしい。
わかっていた事だが自分が動かす他にないだろう。

「その必要はない」

「!?」

メイトリックスは少女を引き止め、尚も続ける。

「船は俺たちで動かす。君たちは休め。OK?」



「えっ…誰?」

突然の救世主に対するゆっこの反応は、困惑であった。
目の前に筋肉モリモリマッチョマンの変態が薮から棒に現れれば致し方のない事だろう、とケイネスは思った。

「俺はメイトリックスだ、後の事は船を動かしてから説明する」

メイトリックスはゆっこに最低限の紹介をした後ケイネスに指示を出した。

「ケイネスだったか、まずは船のタラップを上げてきてもらえるか?」

「了承した」

そう言ってケイネスは操舵室から出た。
そして徐にメイトリックスは操舵室の席に座り、計器を弄り始めた。

582 アンハッピーリフレイン ◆J/0wGHN.4E :2015/03/25(水) 16:33:33 ID:q9aC/MPE0

(すごく…歴戦の戦士っぽいです…)

自分では触れる事も気が引けるような計器をメイトリックスはまるで使い慣れた物のように動かしている。

「そ、そういえば筋肉のおじさん、おじさんは最初のあの時また娘がどうとかって言ってたけど…」

「また人質にされた、君よりも幼いだろう」

「また?」

「ああ、そうだ。少し長くなるがそれでも構わないなら話そう」

ゆっこが頷いた。

船を動かす準備をしながらメイトリックスはゆっこにベネットとの因縁や娘について大まかに話した。
(要はコマンドー本編の全容である)



「外したぞ」

ちょうどメイトリックスの話が終わる頃、その声とともに先ほど部屋から出て行った壮年が戻ってきた。
メイトリックスに言われた仕事を終えた様だ。


「随分と早いな、例のヘンテコな金属を使ったのか?」

「そうだ、ついでに車も積んでおいた」

「有り難い、ここからは一人じゃ難がある。俺が指示するから手伝ってほしい」

「それと祐子、君の話も後で聞いておきたい。船を動かすまでは取り敢えず休んでいてくれ」


わかったという間にケイネスはヘンテコな金属―月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)を取り出し、詠唱を始める。

「トゥットゥルー!!メタルまゆしぃでーす!」

可愛らしい声とともに水銀がうねる。

「よし、じゃあまずはそこの2番目のレバーを下げるんだ…」

ケイネスはメイトリックスの指示通り、水銀を操作する。
そして、その度に可愛らしい声が水銀から漏れる。





「私たち、完全に蚊帳の外だね」

「仕方無いでゲス」

現在、ケイネスとメイトリックスは操舵室で機械と格闘を繰り広げている。
ゆっこ達はそれを操舵室の片隅から遠巻きに見ている形だ
ぼっちを完全に脱却したのは有り難いがどうにも疎外感は拭えなかった。

「船の中、見てくる?」

ここでゆっこが提案する。
今の所、彼女らがあの場に入れる余地は無い。
しかし、彼らに最低限の協力ぐらいはしたい。
そこで自分にもできる事といえば、船の探索であった。

「わかった、一緒に行こう」

バリカンも賛成した。


こうして、二人きりの時間がまた始まった。

583 アンハッピーリフレイン ◆J/0wGHN.4E :2015/03/25(水) 16:35:17 ID:q9aC/MPE0







【I-01/1日目・午後 船内】


【相生祐子@日常】
[状態]:疲労(軽微)、死への恐怖とそれに伴う悲しみ(若干克服)、若干希望を持ちつつある。ぼっち脱却
[装備]:バリカン
[道具]:基本支給品、一本満足バー×28inファミマの袋@アサヒフードアンドヘルスケア、
バトルロワイアルガイドブック@ニコロワγ
スポンジボブ@ハッキョーセット、でかいきんのたま@ポケットモンスターBW
キチガイレコード@チャージマン研!
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いには乗らない
0:何だったんだろう今の人?
1:船内を探索。
2:研君を探しに行きますか
3:危険地帯…恐るべし…!
4:もっといい道具が欲しかった
5:研君の そこにシビれる 憧れる
6:なのちゃんに続く新しいロボットの知り合いができて嬉しい
7:………死にたくないよ
※ジュラル星人と研の関係、泉家の家族構成を簡単に知りました。
※精神がわずかに不安定になっている可能性があります。
※民家の地下でニコニコ危険地帯を発見しました


【バリカン@チャージマン研!】※意思持ち支給品
[状態]良好、首輪なし、愛称で呼ぶ程度にはゆっこを信頼
[思考]
基本行動方針:ゆっこと一緒に研を探す。見つけたら保護してもらう。
0:さっきのは何だったんだろう?
1:何か胡散臭そうな船でゲス
2:ゆっこと行動。
3:終わったらゆっこがジュラル星人の存在を知らない事について話し合う
※機能に何らかの制限が課せられているかもしれません。
※ゆっこの交友関係を軽く知りました。
※星君を警戒対象に入れてないのは、彼がジュラルであることを知らないからです
※参戦時期は最終回よりも前のどこか。魔王については面識があるか見たことはあります








† † †

584 アンハッピーリフレイン ◆J/0wGHN.4E :2015/03/25(水) 16:39:57 ID:q9aC/MPE0








「よし、何とか出たな」

ケイネスとメイトリックスが船の計器と戦う事十数分。
どうにか禁止エリアという峠は越えたようだった。

「終わったか…」

溜め息まじりに言うケイネスの声は大分疲れているようだった。
参加者に賭けられた制限のお陰でかなり魔力の燃費を悪くされているという点に加え、
ケイネスにとって水銀で細かい機器を丁寧に操作するのは骨の折れる作業であった為である。

「取り敢えず、岸へ戻った方が良いのではないか?」

ケイネスの問いかけにメイトリックスは頷く。
メイトリックスとしてもそのつもりであった。
船に乗っただけで脱出できてしまう程ガバガバ運営な主催ではないだろう。
何より自分たちに付けられたこの首輪の存在がある。
下手に出れば奴らはこの首輪を吹っ飛ばすだろう。それこそケイネスの愛人のように、何の戸惑いも無く。
今は船を動かせる事を確認できただけで十分だ。

航路を西へと変え、船を停められる場所があれば停めておく事にした。


一段落した所でケイネスは座席に深く座り込む。
そして、ふと気づいた。




「…そういえばあの2人は何所へ行った?」





【I-01/1日目・午後 船内・操舵室】


【ケイネス・エルメロイ・アーチボルト@Fate/Zero】
[状態]:疲労(大) 魔力消費(中) 令呪残り二画
[装備]:メタルまゆしぃ@Fate/Zero(ケイネスの礼装をCv.花澤香菜にしてみた)、 ヒラリマント@ドラえもん、君島の車@スクライド
[道具]:基本支給品×4(食料×1)、アカツキのディバック、ジャックのデイバック
   ブック・オブ・ジエンド@BLEACH、グリーフシード@魔法少女まどか☆マギカ 
   ハリボテエレジー(破損状態、濡れてる)@JAPAN WORLD CUP
   乖離剣・エア@Fate/stay night
[思考・状況]
基本行動方針:主催者の打倒。
1:松岡勝治と会う、
2:不動遊星、鬼柳京介を捜索。
3:ランサーの魔力は誰が・・・?
4:ギルガメッシュ、アサシン、ラミエル、グレーテルを警戒。
5:化け物(青鬼)を警戒。
6:このゲームは聖杯戦争と関連している・・・?
7:あの少女と一緒に居た丸い生き物は何だったんだろうか。
※車内でメイトリックスとの情報交換を軽く済ませました。
※青い滴り跡については軽く気に留めている程度です。

【ジョン・メイトリックス@コマンドー】
[状態]:ダメージ(中)、疲労(中)
[装備]:GUN鬼の銃@MUSASHI-GUN道-
[道具]: 基本支給品、ラットの爆弾×3@探偵オペラミルキィホームズ、氷剣ユキアネサ@BLAZBLUE
    宝塔(罅が入っている)@東方Project 、セイバーのカード@遊戯王なのはMAD(使用不可)
    世界樹の巫女 エレイン@カードファイト!! ヴァンガード、確認済み支給品1
[思考・状況]
基本思考:娘を助け出し、殺し合いをぶっ潰す。
0:岸まで船を動かす。
1:士、イーノックと合流する。
2:鹿目まどかとはいずれ決着をつける。
3:なんだこいつ?
4:そういえばあの2人(一人と一匹?)は何所へ?
[備考]
※参戦時期は原作終了後。
※エイレンは4時間、セイバーは半日です。
※アザディスタン王宮に向かう予定です。
※GUN鬼の銃に触れましたが元々能力制限されておらず潜在能力が底上げされている状態です。
※車内でケイネスとの情報交換を軽く済ませました。

585 アンハッピーリフレイン ◆J/0wGHN.4E :2015/03/25(水) 16:43:23 ID:q9aC/MPE0








ーー何故桟橋に青い滴り跡があったのか。



ーーー何故。




それは、




希望の船の、ある一室。





黎明に放たれた、小さな悪夢がーー





ねぇ あそぼうよ こ43lr76+*<'しろいもの

たくさん あるん6bi,uc5f6e7;@p/fr

あたらしい おようふ@.]9-^]\9,gyしいなぁ

to;097

ずっと あなrywj7q;ずっと あなたに ついてくね

254876 0ni@kv:h;d]cy@p/_いてくね わた]_t[@g/sうち すぐそこ6ch,gc;:x

vy/_[:@/e7c6ju:/




言うなら、それはー






※船のどこかの部屋が【青い人形の部屋@Ib】と化しています。

586 ◆J/0wGHN.4E :2015/03/25(水) 16:44:36 ID:q9aC/MPE0
投下完了です

587 名無しさん :2015/03/26(木) 04:47:20 ID:cO09s8wA0
投下乙

588 ◆FbzPVNOXDo :2015/03/27(金) 02:05:12 ID:9Bho4KFc0
投下します

589 ◆FbzPVNOXDo :2015/03/27(金) 02:17:08 ID:9Bho4KFc0
ちょっととらぶったんで中止します

590 ◆FbzPVNOXDo :2015/03/27(金) 02:21:27 ID:9Bho4KFc0
行きます

591 ◆FbzPVNOXDo :2015/03/27(金) 02:21:56 ID:9Bho4KFc0
『よう大佐? 聞こえるかベネットだ。
 殺し合いも中盤、第三回放送を始める。
 まず死亡者の発表からだ。


 ありがとウサギ
 巴マミ
 四条雛子
 日本鬼子
 我那覇響
 アカツキ
 ルシフェル
 権兵衛
 右代宮譲治
 ロックオン・ストラトス
 男色ディーノ
 門矢士
 巡音ルカ
 松岡勝治
 アサシン…ああ、こいつは前に呼ばれた奴とは別の正規参加者として加入の予定だった補欠だ。あまり気にするな。

 言い忘れるところだったが、青鬼って奴が二体ほどまた参加者として加入する。覚えておけ。

 さて、禁止エリアだが指定の前に今まで禁止エリアになった場所に踏み入ったら首輪が爆発することになっていたが、
 もう一つ別個に新しいルールを付けることにする。それは―――」

ベネットの台詞に合わせるように、今までに指定された爆音を巻き上げ、禁止エリアが大炎上し消滅していく。
もしこの中に人がいようものなら生きて出ることなど到底不可能だ。

『こういう事だ。
 これは禁止エリア内に人が入った瞬間爆発する仕掛けになっている。
 つまり、この島内が全て禁止エリアになる前に、殺し合いを終わらせなければならないって訳だ。
 まあ気張って早く殺しあうんだな。
 それと忘れるところだったが、禁止エリアの指定だ。

 19時にD-2 20時にD-3 21時にG-2 22時にG-3 23時にG-4 24時にF-3だ

 そういうことだ。精精がんばるんだな』




「ごくろうだったね。ベネット」

放送を終えたベネットの額は汗でぬれていた。
決して放送に緊張したわけではない。それは依頼者(クライアント)からのプレッシャーによるものだ。
姿を現さなかった、全ての現況が今目の前に居る。その事実に動揺と緊張をベネットも隠せない。




「そう、私が真の主催者であり君達のクライアントである―――ニコニコテレビだ」



テレビに顔の付いた謎の生命体。
なんだこいつは……たげたなあ……。

592 ◆FbzPVNOXDo :2015/03/27(金) 02:22:33 ID:9Bho4KFc0

「あんたが俺たちを行き返らせた……」
「その通り、君たちに二度目の正を与えたのは私だ。
 それより、立って話をするのもあれだ。席に着きたまえ、夕飯には少し早いがチキンでも食って話そうじゃないか」

ベネットの前に広げられたテーブルとその上に置かれたチキン。
これは少し前まで生きていた。生きて意志を持ち、ニコニコテレビに殺し合いの廃止を訴えていた。
もっともそれが聞き入れられるはずも無く、殺されチキンにされてしまったが。
確か名前は、ニワンゴと呼ばれていたとベネットは記憶していた。


【ニワンゴ@ニコニコ動画】死亡


その他にも死体の山だ。
彼らは全員生きて、そして二ワンゴと同様に殺し合いを止めようとした。
そして殺される。一つ違うのは食されもせずベネット達に後始末をさせているということだけだ。

「ニコニコマスコット達の惨殺は中々いい再生数だな。
 まっ殺し合いに比べれば微々たる物だがね」

【ニコニコマスコット達@ニコニコ動画】死亡

「話すことと言っても特に無いんだがね。ベネット何が聞きたい?」
「一つ、あんたは本当に殺し合いをさせる気があるのか?
 例えば速水もこみち、例えばカズマ……あいつらは首輪を外しやがった。
 そして松岡勝治、あいつは何なんだ」
「首輪に関しては予想外だった。こちらとしては再生数が伸びてうれしい誤算だったがね。
 まあ、対策としてエリアそのものを爆発させれば問題ない。
 勝治君は彼自身の持ち味だよ」

ベネットは心の中で舌打ちをする。
まるで話しにならない。そもそも質問をしても、更に謎を深めるようなことばかりこいつは言う。
再生数とは何だ? 首輪に関して大した束縛を期待していないのか? 一体こいつは何なんのか?

「まだ質問は? あるなら受け付けよう」
「色々あるが、単刀直入に聞く。この殺し合いの目的は何なんだ?」
「そうだな……強いて言うなら細分化したジャンルの整理、及びついでに再生数を上げること、かな」
「細分化…? 何の事だ一体!?」
「増えすぎたという事だ。増えすぎた余分な物は排除すべきだろう?
 そして、ただ排除するのはつまらない。せっかくなら娯楽として消化すべきだ」

ニワンゴであったチキンを食べながらニコニコテレビは答えていく。
ベネットはただ黙って話を聞く事しか出来ない。

「質問はこれで終わりにしようか、まだ全ての種明かしには早すぎるからな」
「待ってくれ、まだ聞きたいことは―――」

その時、クックが慌てた様子でベネットへと駆け寄ってくる。

「なんだ? 忙しい後に……」
「メイトリックスの娘が逃げた」
「何!?」

こんな時にと怒りを露にするベネットに対し、まるで嘲笑うかのようにニコニコテレビは口を開く。

「怖いのか? メイトリックスの娘が」
「何?」
「仮にも、お前を殺した男の娘だからな……」
「―――ねぇ……あいつの娘なんか怖かねえ!! 俺が見つけ出して半殺しにしてやる!!」

そう叫ぶとベネットは駆け出し、クックもそれに続いた。

593 ◆FbzPVNOXDo :2015/03/27(金) 02:23:00 ID:9Bho4KFc0



主催者及び依頼者【ニコニコテレビちゃん@ニコニコ動画】確認



【ベネット@コマンドー】
[思考・状況]
基本思考:殺し合いの進行。メイトリックスへの復讐。
0:メイトリックスの娘を見つけ出して半殺しにする。
1:アリアスの死体はどこに置いたんだろうか


【クック@コマンドー】
[状態]:健康
[道具]:デーモン・ハンド@デュエルマスターズ、
    地獄門デス・ゲート@デュエルマスターズ、
    雪風の双眼鏡@艦隊これくしょん、その他余りの支給品
[思考・状況]
基本思考:殺し合いの進行。メイトリックスへの復讐。
0:メイトリックスとは後で再戦したい
1:メイトリックスの娘を探し捕まえる。
※午後までの参加者状況と位置を依頼者から説明をうけています
※デーモン・ハンド、地獄門デス・ゲートは元は支給品となる物でしたが枠から溢れ没になった物です。
 このため他のカード等と同様制限がかけられており、一度使うと6時間使用できません。

594 ◆FbzPVNOXDo :2015/03/27(金) 02:23:33 ID:9Bho4KFc0
放送の少し前、カルロ、志村、江頭は任務を終え暇を持て余していた。
と同時に男だらけの主催陣営にも飽き飽きし、性欲も持てましていた。
そう思いながら歩いていると、ちょうどジェニーが監禁されている部屋へと辿り着く。
戦場では、捕虜の女を犯すなんて良くあることだ。そう考えた三人は早速ジェニーを犯すことに決めた。

「な、何するの!? やめて離して!!」

逃げようともがくジェニーの服をひん剥く。
少し幼いがこの際どうでもいい。さっさと犯してやろうと三人はジェニーの体を触りまくる。

「嫌……パパ!!」

純潔は汚され、処女は散る。
一人の少女は無理やり大人(おんな)へと咲き乱される。
初行為を血で濡らし、頬を伝う涙。






コキャッ
ズドンッ! ズドンッ!


【カルロ@コマンドー】死亡
【志村けん@コマンドー】死亡
【江頭2:50@コマンドー】死亡


カルロの首は百八十度捻じ曲がり、志村と江頭はカルロの持っていた銃で銃殺。
無我夢中で抵抗していたジェニーは咄嗟に手をカルロの首に回し、思いっきり捻った結果首がひん曲がりそのまま銃を奪い二人を殺害したのだ。
こう見えてジェニーはメイトリックスは護身術を習っていたこともあり、土壇場での爆発力は父譲りだったのかもしれない。
こうしてジェニーは処女(はじめてのころし)を散らした。

「私だって……パパの娘なんだから!」

ジェニーは三人の武装を奪い、カルロの持っていた何でも入るディバックに全て突っ込むと部屋を出た。




【ジェニー@コマンドー】
[状態]:健康
[装備]:銃
[道具]:カルロ、志村、江頭の武器
[思考・状況]
基本思考:本部からの脱出。パパと合流したい。
0:とにかく逃げる。






※禁止エリアのルールが変更され、首輪ではなくエリアそのものが爆発し消滅します。

595 ◆FbzPVNOXDo :2015/03/27(金) 02:23:48 ID:9Bho4KFc0
タイトルは第三回放送で

596 ◆FbzPVNOXDo :2015/03/27(金) 02:23:59 ID:9Bho4KFc0
投下終了です

597 名無しさん :2015/03/27(金) 03:57:14 ID:St5Tv3Mc0
投下乙

遂に黒幕のお目見えか……
にしてもエリアごと爆破とはその発想は無かったwww

598 名無しさん :2015/03/27(金) 08:45:45 ID:oa/1TQoE0
投下乙です。

コマンドー見たこと無いから知らんけどこの娘強くね?

599 名無しさん :2015/03/27(金) 10:02:44 ID:fesTO8Do0
祝☆第3回放送
>>598
://www.nicovideo.jp/watch/sm15868274
(元ネタ動画を)見てこいカルロ

600 ◆FbzPVNOXDo :2015/03/28(土) 02:05:19 ID:zcibUdVY0
投下します

601 これマジ?首輪が貧弱過ぎるだろ ◆FbzPVNOXDo :2015/03/28(土) 02:07:22 ID:zcibUdVY0
「嘘だろ、権兵衛……」
「そんな権兵衛さん」

第三回放送にて流れた権兵衛の名前に、リュウセイとシャーロックは衝撃を受けていた。
今まで、いつもの四人としてチームを纏め上げていた、リーダー格の権兵衛の死はそれだけ重い。

『いつものチャージインです。リュウセイくん!』
『いつもの推理です。シャーロックさん!』

もうあの権兵衛に会えないという事実が二人の胸にのしかかる。



「ジュラル星人め、奴らのせいでこれだけの人間が死んでしまうなんて。
 必ず滅ぼしてやる!!」

研もまた怒りに燃えていた。
先の放送での死亡者の人数も、今までと依然変わらず。むしろ加速すらしている印象すら覚える。
このまま、主催の好きにさせておく訳にはいかない。
しかし、未だに何らかの策もなければ、首輪も外せない状況がさらに苛立ちを増す。
目の前でジュラル星人に、ここまで好きなようにされたのは始めてのことだ。
何が何でも、こんなキチガイロワイアルを終わらせてやると決意する。

「勝治くん……」

そして放送で呼ばれた仲間の名前にシャーロックの目に涙が溜まる。
自分のために命を賭して戦ってくれた少年のために、今はないてる暇などないと自分に言い聞かせる。
幸い、今はアルセーヌと共闘状態だ。普段は敵だが味方になれば頼もしい。

「三人の気持ちは分かりますが、ここは禁止エリアになりましたわ。早く離れないと」
「分かってるよ、早く残った早苗たちにも会ったほうが良いしな」

地図を確認したアルセーヌが退避を促す。
あと一時間程で、このエリアは大炎上する。そんなものに巻き込まれるのはごめんだ。

「そうだ、待ってください。実はバックの中に気になるものが入ってたんです」

シャーロックがバックから一本のUSBメモリーを取り出す。

「これは?」
「分かりません。私の支給品かと思いましたが数が合いませんし……」

怪訝そうに聞く研にシャーロックは答える。

「取り合えずパソコンだな。この辺の家でも探せばどっかにあるんじゃないのか」

そう言いリュウセイは堂々と不法侵入し、何件か回るとノートパソコンを一台持ってきた。

602 これマジ?首輪が貧弱過ぎるだろ ◆FbzPVNOXDo :2015/03/28(土) 02:08:21 ID:zcibUdVY0

「よくありましたわね。そんなもの」
「ネットには繋がらないから、外から助けを呼ぶことはできないみたいだけどな。
 とにかく挿してみるぜ」
「気を付けるんだ、リュウセイくん。これを挿した瞬間爆発するジュラル星人の罠かもしれないよ」

「そんな馬鹿な」とリュウセイが笑いながらUSBを再生する。そこには―――

「こマ?」

リュウセイは唖然としつい呟く。
USBの中には首輪の内部構造とその外し方が入っていた。

「間違いない。これは罠だよ、みんな騙されちゃいけない!」カチャカチャ

真っ先に反応したのは研だ。
これはジュラル星人の罠だと決め付ける。

「でも、ここまで詳細に書かれているのは……」
「間違いない、ジュラル星人の仕業だ。首輪を外させられると思わせて首輪を弄らせた後、地球人を爆殺する気なんだ」カチャカチャ
「けど試してみるのも……」
「アルセーヌさんもシャーロックちゃんも甘いよ。奴らはこういう回りくどくて残忍な事を好む外道なんだ!! 信じちゃいけない!」カチャカチャ


次の瞬間、カチャリと乾いた音が響き研の首輪が外れた。

「アッ!」
「おっ、外れた」

リュウセイが何処からか持ってきたのか、幾つかの工具で研の首輪をUSB通りに弄ると本当に首輪が外れてしまった。
シャーロックとアルセーヌも急いで駆け寄って、分解された首輪を見つめる。

「これ本当みたいだな。俺もさっそく外すぜ」
「なんてことするんだ! 爆発したらどうするんだい!?」
「誰かが試さなきゃ駄目だろ? それに安心しろ、死んでも俺たちは仲間だ」

そのままリュウセイが首輪を弄り、恐る恐るシャーロックとアルセーヌも同じように首輪の分解を始める。
数分後には、この場にいる四人とも綺麗に首輪が外れていた。

「こんなあっさり取れるなんて……」
「間違いないよシャーロックちゃん、頭の中に爆弾があるんだ。
 こっちが本命なんだよ」
「お前、いい加減にしろ。はっきり言ってやる、そんなものはお前の決め付けと妄想の押し付けだ!」
「君は奴らの恐ろしさを知らないから、そんなことが言えるんだ! いいかい? 奴らはね―――」

「実は、私もその説を少し考えていました」

アルセーヌの一言で口論を始めかけた二人が黙り込む。
まさか本当に信じる気なのかというリュウセイの驚愕に満ちた顔と、逆に信じてくれるのかと換気に満ちた研の顔が相対的だ。

「オリーブオイルで外れたり、私たちがこうもあっさり外したり。
 多分、他にも何人も既に外してる人たちが居る筈、ならその対策をしないのも不自然。なら、本当に本命は別にあるんじゃないかとも思いましたわ。
 さっきの放送を聞くまでは」
「まさか、あのエリアごと爆破するってやつか?」

リュウセイが三回放送を思い出す。
確か禁止エリアのルールがかわり、踏み入れた瞬間エリアそのものが爆発するというルールだ。

603 これマジ?首輪が貧弱過ぎるだろ ◆FbzPVNOXDo :2015/03/28(土) 02:08:42 ID:zcibUdVY0

「それなら首輪がなくても、参加者に殺し合いを強要出来る。
 さらにそう考えると、必然的に主催はこの島の外のどこか安全な場所に居ることになりますわ」
「それもフェイクだよ。本当は頭に爆弾が……」
「首輪が外れて、幻惑のトイズの制限が解けたからそれを応用して体の中を調べてみたわ。けれど結果は爆弾なんて一つもありませんでしたわ」
「そ、そんなあ……」

何故か、残念そうに研はうな垂れた。
思えばここに来てから、自分の考えがほとんど見当違いだったりする。

(やっぱり、僕の勘が外れるのもジュラル星人の仕業……!?)

「まっ、何はともあれ首輪が取れて頭に爆弾がないのも分かったんだ。
 あとは脱出して、主催を叩きのめすだけだ」

意気揚々とリュウセイが闘志を燃やすが、アルセーヌはそう短絡的にもなれない。

(この島は海に囲まれているし、主催は何処にいるかも分からない。
 まずは島から移動できる足と、主催の本拠地を見つけないと。
 モタモタしている時間はないわ。奴らが殺し合いを続けようと、まだ考えている間だけがチャンス。
 この島の全てのエリアを爆破される前に全ての条件を揃えないと) 

まず思い立ったのは、制限が解けた幻惑のトイズで船を作る。
いや不安定すぎる。長時間維持できる保証はない。

(なら、以前行ったように地球の自転を半回転させて、場所自体を移動させるしかないかしら)

ラードのトイズで一騒動あった時、アルセーヌは海外からミルキィホームズの援護のため、地球の自転を半回転させヨコハマに帰還したことがある。
ならば試しにと、以前と同じように足を振り上げ、全力で蹴り上げてみるが轟音をあげるだけで会場に何の影響もない。

「お前、いきなり何するんだよ。うるせーぞ」
「どうしたんですかアルセーヌ? もしかして更年期障害……。あっ、ごめんなさい」
「チェッ ちっ くっそぉ……」

「……」

かわりに返ってきたのは三者三様の酷い反応だけだった。

604 これマジ?首輪が貧弱過ぎるだろ ◆FbzPVNOXDo :2015/03/28(土) 02:09:03 ID:zcibUdVY0

(この会場自体が非常に頑丈に作られているのか……そもそも、ここは地球なの?)

首輪という難題が思いもよらぬ方法で外れたかと思えば、また別の問題が浮上する。
やはり、そう簡単には終わらせてくれないということだろう。

「まだUSBの中に何かあるな。何だ? ニコニコ動画だってよ」

リュウセイが見つけたニコニコ動画なるものをクリックすると奇妙な動画サイトが開かれる。

「なんだこれ? 訳分からない動画ばっかだな」
「ちょっと、そんな事をしている暇はないわ。忘れたの? ここは禁止エリアになりますわ」
「おっと、そうだった。このサイトは後回しだな」

その時、ふとリュウセイは思い出す。
このパソコンはネットに繋がらない筈なのに、何故かこのサイトだけに繋がるということに。
そしてぱっと見ただけだが、動画のサムネに研の姿が映っており、シャーロックの言っていたミルキィホームズという名前と同じタイトルのアニメがあったのも気になった。

(……もしかしてあいつら、今流行のユーチューバーって奴か?)

しかし彼はニコニコ動画とようつべの区別があまりついていなかった。



「水」

四人がエリアから出ようとしたときだ。
水を求めた一人の浮浪者が現れた。

「水? 支給されてますよ―――え?」

シャーロックがそう答えようとした時、薄暗い中見えづらかったその浮浪者の容貌が露になる。
なんかもう色んなところから赤い液体を噴出した謎の生き物だ。

「下がりなさい、シャーロック」
「”水”!!」
「幻惑のトイズ」

赤い液体を噴出しながらこっちに向かってくる男にアルセーヌは幻惑のトイズを放つ。
だが悲しいかな、この男ケンシロウは既に人生を幻惑しているので、制限が解けたトイズでも大した効き目がなかった。

「アルファガン!」
「行け! 俺のトムキャット・レッド・ビートル!」

トムキャット・レッド・ビートルとアルファガンがケンシロウを吹き飛ばす。
だがケンシロウは平然と立ち上がり、こちらへと向かってくる。

「うえ、気持ち悪! なんだあいつは」
「キチガイだよ」
「それを寄越せ、全部だ!」

相手は水を欲しがっている。
それに気づいたリュウセイは自分のバックから水の入ったペットボトルを取り出した。

「欲しけりゃ、くれてやるよ!(震え声)」
「寄越せ……」
「ただし、俺にボーグバトルで勝てたらな!!」

唐突に何を言い出すんだと思った研達だが、ケンシロウはバックに手を突っ込みガサゴソと漁ると一台のカブトボーグを取り出した。

「良いだろう……」
「俺が負けたら水とシャーロックとアルセーヌと研の命をやる。お前が負けたら即刻自殺しろ!」
「あちらに……ボーグ台がある……」

ケンシロウが指差すとリュウセイも後に続く。

「あっ、悪いけどトイレ行ってくるから先に行っててくれ」
「良いだろう」

そう言い、催したリュウセイはトイレに駆け込みケンシロウはボーグ台に向かう。






「み、水……」

そしてすっぽかされ行き倒れた。

605 これマジ?首輪が貧弱過ぎるだろ ◆FbzPVNOXDo :2015/03/28(土) 02:10:01 ID:zcibUdVY0

【D-3/一日目・夜】


【天野河リュウセイ@人造昆虫カブトボーグV×V】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、左肩に刺し傷、オリーブオイル臭い、強い怒りと決意、首輪解除
[装備]: トムキャット・レッド・ビートル@人造昆虫カブトボーグV×V
[道具]:基本支給品、スコップ@現実、ノートパソコン@現地調達、USBメモリー@ニコロワγ
[思考・状況]
基本:殺し合いを止め、主催者を叩き潰す。
0:勝治、権兵衛……。
1:もこみち死んだのか。
2:ケン…… 。
3:早苗達と合流。
4:研やシャーロックはユーチューバーなのか?
5:ケンシロウから逃げる。
※ニコニコ動画の存在を知りました。今のところニコニコで把握した動画はチャー研、ミルキィ関連だけです。

【アルセーヌ(アンリエット・ミステール)@探偵オペラミルキィホームズ】
[状態]:健康、アルセーヌの怪盗服 、首輪解除
[装備]:洞爺湖@銀魂
[道具]:基本支給品、ランダム品×1、 シャロの探偵服@探偵オペラミルキィホームズ
[思考・状況]基本思考:殺し合いを壊し主催から願いを叶える方法を盗み出す。
0:ケンシロウから逃げる
1:施設を巡り調査する。
2:ルセーヌとして行動するが、協力者を集める。
3:男声の女(譲治)とロックオンを警戒。
4:自分の推測が正しいか確かめる為、情報を集める。
5:黒幕は神……そんなわけないですわね。
6:会場からの脱出を模索。
7:会場の強度に疑問、本当に地球なのか?
※デッドライジング、スクライド世界の話を聞きましたが半信半疑です。
※有野、もこみち達と情報交換しました。
※首輪解除でトイズの制限が解けました。

【泉研@チャージマン研!】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)
[装備]:スペクトルアロー(ランダム品3つ扱い)@チャージマン研! 首輪解除
[道具]:基本支給品、ランダム品無し
[思考・状況]基本思考:主催者及びジュラル星人、殺し合いに乗ったキチガイ参加者を全て滅ぼす!
1:ありがとウサギ(名前を知らない)、ムラクモを倒す(特にムラクモの計画は必ず阻止する!)。
2:間違いない。黒幕はジュラル星人だ!
3:頭の中に爆弾が! ……ない。
4:ジュラル星人め許さないぞ!
※自分の勘が外れているのをジュラル星人の仕業だと断定しました。(真相は不明)
※首輪解除により、変装制限が解けました。

【シャーロック・シェリンフォード@探偵オペラミルキィホームズ】
[状態]:疲労(小)、全裸(上に勝治のジャンバーを羽織っている) 、首輪解除
[装備]: なし。
[道具]:基本支給品、手鏡@現実、権兵衛のメモを再現しいくつか書き足したもの
   フォーミュラ・シンクロン&シューティング・スター・ドラゴン@遊戯王5D's
[思考・状況]
基本:探偵として主催者を捕まえ殺し合いを終わらす。
1:勝治くん……トイズが戻っていれば……。
2:リュウセイに勝治を会わせるつもりだったけど
3:権兵衛さん……
4:アルセーヌとは共闘
※遊星の首輪と放送に関する考察を聞きました
※主催側はメモリーにが気付いていません。

606 これマジ?首輪が貧弱過ぎるだろ ◆FbzPVNOXDo :2015/03/28(土) 02:10:40 ID:zcibUdVY0






そしてD-2は禁止エリアとなり爆発した。
もちろん、行き倒れたケンシロウも爆発に巻き込まれ爆☆殺!されたかのように思えたが。

「あ、あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”」

中途半端に残った赤い水の力で爆散した体が再生を始めていた。
だが、赤い水の再生力も中途半端なもので体の構築がおかしくなり四足歩行の謎の生命体のようになってしまった。

「な”ん”だ”、こ”れ”は”あ”……水」

色々あったが、とにかく水だ。
四足歩行だろうが何だろうが関係ない。
水を求めて、ケンシロウは四つの足を器用に動かし始めた。

あと爆破の影響で首が一時的に撥ねたので首輪が外れた。


【D-02周辺 /一日目・夜】

【ケンシロウ@北斗の拳(真・世紀末死あたぁ伝説 )】
[状態]:ダメージ小(水により回復)、屍人化回復中… 、首輪解除、四足歩行の生命体
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式(水無し)、不明支給品×2、詳細不明のカブトボーグ@人造昆虫カブトボーグV×V
[思考・状況]
基本:水か血が欲しい(優先は水)
1:水か血を飲む。出会った参加者からどちらか分けてもらう。
2:水を求めて街へ向かう。
3:湧水があるなら確保しておきたい。
4:ラオウを追い、今度こそ確実に倒す。
5:士(名前は知らない)はいいやつだ。
6:水を汚した奴(譲治)を探し殺す。
7:この体は……? ……水
※堕辰子が帰った影響か屍人化は停止し思考力も大分戻ってきています。夜頃には完全に回復するでしょう。
※屍人化していた頃の記憶はかなり曖昧です。第2回定時放送の内容もほとんど覚えていません。
※首輪が取れたので制限が外れました。

607 ◆FbzPVNOXDo :2015/03/28(土) 02:11:06 ID:zcibUdVY0
投下終了です

608 名無しさん :2015/03/28(土) 03:52:14 ID:7cQSsa6E0
投下乙

怒涛の首輪解除で草
もう(侵入しても死なない禁止エリアなんて意味)ないじゃん……

609 名無しさん :2015/03/28(土) 09:26:31 ID:cOb3qFww0
投下乙!
オラなんだかケンシロウのことが好きになって来たぞ!!

610 名無しさん :2015/03/28(土) 17:36:04 ID:fYaG7MXI0
投下乙!

611 ◆FbzPVNOXDo :2015/04/01(水) 03:01:06 ID:VHcLlfrM0
投下します

612 友【さいかい】 ◆FbzPVNOXDo :2015/04/01(水) 03:01:51 ID:VHcLlfrM0
「ちっ、安全らしい連中が随分死んじまったな」

放送を聞き終えた麗華はたまらず舌打ちをした。
先の放送で、フランクとランサーから聞いた殺し合いに反対する者たちの名が、半分近く呼ばれた。
つまりそれだけ殺し合いに積極的な連中が、幅を利かせているということになる。
いつ自分がそんな連中に襲われる番になるか、分かったものじゃない。

「杏子にマミさんまで……」

そしてさやかもかなりのショックを受けていた。
頼れる魔法少女の先輩、巴マミの死は未だに信じられない。
その両目に涙が沸いてくる。

「泣いても始まらないだろ。こう言っちゃあれだけど、あんたの言ってたまどかって娘は無事みたいだしさ」
「……そうだね。まだまどかに転校生だって無事なんだ、ここで泣いてる場合じゃないよね」

涙を拭うとさやかは意を決したように笑顔を作る。

「私から言っといて何だけど、大丈夫、か……?
 無理してるみたいな」
「平気平気、さやかちゃん復活。早くまどか達に会わなきゃ」
「そう……」

どう見ても無理をしている。
麗華はもっと良い言い方があったんじゃないかと後悔したが、今更どうも言えない。

(ああ、くそっ。なんで私がこんな悩まなきゃいけないんだよ!)

一先ずまどか達を探しがてら悩みを振り払うように歩き始める麗華。

「あっちょっと待ってよ麗「さやかちゃん!?」―――え?」

聞き間違えるはずがなかった。
それは、その声こそは他の誰でもない唯一無二の親友でいてさやかの探し人の―――

「まど、か……?」
「さやかちゃん! さやかちゃんだよね!!」
「まどか!!」

その時のさやかの顔はどんなに泣き崩れていたか分からない。
友に会えた嬉しさや、鬼柳の容姿をしているさやかを一目で看破してくれた嬉しさ。
様々な歓喜がさやかの中を駆け巡り、さやかはまどかへと一直線に走り、その両腕を広げ抱きしめた。

「まどか、まどかなんだね!
 私こんな姿なのに分かってくれるの!?」
「うん、分かるよ。だって私達友達だもん」

こうして二人の友人は美しく再会した。



――――

613 友【さいかい】 ◆FbzPVNOXDo :2015/04/01(水) 03:02:18 ID:VHcLlfrM0


「と、言う訳。私の言った連中は殺し合いに乗っていない。あとケンってのを探してる」

再会したまどかとさやかは、互いの連れを交え情報交換を始めた。
誰が危険で誰が安全か。ここに至るまでの経緯を互いに話し合う。

「嘘、メイトリックスって人殺し合いに乗ったわけ?」
「うん変な仮面の人と一緒に襲われたの」
「おい、ちょっと待て。仮面の奴は知らないけど、メイトリックスは安全だって聞いたぞ」

麗華が口を挟む。
確かランサーとフランクの話では、メイトリックスは殺し合いには乗っていないと言っていた。
この食い違いに麗華が怪訝そうにまどかを睨む。

「あの人は……口が上手いの。私達も最初は娘を助ける為に協力して欲しいといわれたもん」
「ええ、まどかの言うとおりだわ」

まどかの連れの一人であるほむらも会話に参加しまどかを擁護する。
麗華の疑惑は消えないが、少なくともさやかは嘘とは断定しきれていない。
さっきあったばかりの参加者よりも、親友の証言のほうが信用できるのは当然のことだ。

「待ってよ。何かの間違いなんじゃ」
「親友同士の話に口を挟んで悪いが、ワシもさやかちゃんと同じ意見だな」

今まで話を聞いていた閣下もまた違和感を感じていた。

「じゃあ、誰かが変装してたってこと?」
「そうだよ。じゃなきゃランサーさんやフランクさんが、嘘を吐いてるってことになるよ」

まどかは心の中で舌打ちをする。
どうやら、ランサーは自分の言葉を信じてはいないらしい。少なくとも、メイトリックスを危険人物とは想定していない。
幸いなことに、自分からメイトリックスの悪評を聞いたとは流してはいないようだが。
ここは、一先ず自分の勘違いであったとすませるしかないだろう。本来なら、メイトリックスを殺すように上手く誘導するつもりだったが仕方ない。

「分かったよ。さやかちゃん……」
「うん、何とかメイトリックスさんに会って確認してみようよ」

不本意ではあるが今は話を合わせるしかない。

(まあいいや。ともかく今は自由に動かせる駒が必要だもん)

友好的な関係を築けたのは良かったものの、ギルガメッシュや閣下は扱いづらくグレーテルは戦力にならない。
ここでさやかの存在は非常に貴重な人材になる。

「ところで、今ランサーと言ったな」
「えーと、ギルガメッシュさん……ですよね? ランサーさんと知り合いなんですか?」
「そやつが探している、ケイネスという男に用がある」
「ケイネス? そういやフランクが前まで一緒に居たって言ってたな。
 今は船のはずだ」
「ほう」

思いもよらぬ場所に居るなと言いたげな顔で、ギルガメッシュは笑みを作る。
そのまま地図を開き、指でエスポワールの位置をなぞりながら思案を巡らせ始めた。

「船から会場の脱出か……」
「そうか、それなら」
「脱出できる、とでも思っていたのか? アホか?」
 
ギルガメッシュの呟きを聞き歓喜の声をグレーテルが漏らすがすぐに一喝される。

「そ、そんな……」
「……だが目の付け所は悪くないかもしれぬな」
「え? それって」

さやかとまどか、ギルガメッシュとグレーテルのやり取りを見ながら麗華はちょっとした苛立ちを感じていた。
―――何やら胸糞が悪い。
一言で言い表せばこう特に理由はないが、ともかく何か気にいらない。
特にまどかという女は何かが気に入らない。

614 友【さいかい】 ◆FbzPVNOXDo :2015/04/01(水) 03:02:42 ID:VHcLlfrM0

(訳がわからないけど……何なんだこれ)

そんな変わった感覚に襲われたせいか、まどかがさやかにそっと耳打ちをしたのに麗華は気づけなかった。

「ちょっと、私トイレ……」
「なん……だと」

モジモジとした様子でまどかが草むらへ駆け込む。閣下のテンションが上がるが

「ごめん、私も」

鬼柳(さやか)で下がる。



「なるほど、そうか」

辺りを歩き回り、考え込む動作を見せたかと思えば納得しギルガメッシュは笑う。
閣下はトイレでも覗き込んでるのかと疑うが、そういう様子ではない雰囲気だ。

『結界だ』

一言、紙にそう書き込みギルガメッシュは全員に見えるように投げた。



――――

615 友【さいかい】 ◆FbzPVNOXDo :2015/04/01(水) 03:03:17 ID:VHcLlfrM0

「はぁ…はぁ…」

ギルガメッシュ達から離れたさやかの息は荒い。顔も真っ赤に染まっている。
さっきからさやかはおかしな気分だった。
正確にはまどかを抱きしめたときから、ドキドキと興奮が止まらない。
さやかも年頃の女性だ。これが何なのかは理解できる。

「これ、勃起……だよね?」

必死に隠していたが股間の盛り上がりは明らかに異性と刺激をを求めていた。
さやかの精神を押さえ込み、男の肉体がまどかを求めている。

「……良いんだよ、さやかちゃん」
「まど、か」
「私で思いっきり気持ちよくなって」

衣服を乱し誘惑的な姿をさらすまどか。
理性は弾け、考えるより先に手が伸びる。

「まどか……まどか!!」

雄と雌が交わり、そして――――







―――――



結界。
この殺し合いには結界が貼られているとギルガメッシュは筆談で伝えた。
そして今、皹が出来ているとも。
たったそれだけを伝え、ギルガメッシュは筆談を打ち切った。

話を伝えられた面子が目を丸くするなか、まどかとさやかが帰ってくる。

「ごめんね。遅くなっちゃった」
「大か」
「…コロス」
「すいません……」

閣下の呟きがほむらに聞こえ睨まれる。

「!? まどか……」
「どうしたのほむらちゃん」

まどかに近づいたとき、変なにおいがした。
この匂いは、そうこれは少し男臭い。

(美樹さやかと一緒に……まさか……)
「ほむらちゃん? 分かってるよね」

頭が真っ白になるのを必死に考え塞き止める。
これは何らかの手段として行った行為、だから自分を捨てた訳じゃないしこれはこれは―――

「とっても仲が良いんですね。さやかさんとまどかさん」

グレーテルの一言が今度こそほむらの思考を遮り頭を真っ白にした。

―――仲良し? 何を……?

―――私が一番長く居て、守ってきて

あの時、まどかと再会し行為を行ったとき、まどかの顔は快感で満たされていなかったかもしれない。
けれど今は、何処かしら満足そうな顔をしている、ように見えた。
勘違い? 気のせい? 

(そうよ、そうよそうよそうよそうよそうよそうよそうよそうよそうよそうよ。勘違い気のせいだわ)

「ほむらちゃん?」
「何? 何でもないわ。何でもないわまどか」
「そう?」

そんなほむらの心境も知らず、まどかは内心ほくそ笑む。
今さやかは、ある種の恋愛に似た錯乱状態のようなものだ。その衝動に戸惑いを感じながら、発散したいと考えている。
そこに付け込む隙はある。ある意味ほむら以上に従順な僕になってくれれば万々歳だ。

(私の体をはったんだから、ちゃんと役に立ってもらわないと本当に殺すからね。さやかちゃん)



――――――

616 友【さいかい】 ◆FbzPVNOXDo :2015/04/01(水) 03:03:36 ID:VHcLlfrM0


「仲が良い、か。お前も中々やるようになったじゃないか」
「え?」

それは皮肉や他意など一切含まない。
ギルガメッシュからグレーテルへの心からの賛美だった。

「分かるだろう? あの三人は良い愉悦になる。
 お前は、それを更に良くする為に劇薬を放り込んだのだ」
「あの三人ってまどかさん達のこと? そんな、違う。私はそんなこと」
「もう隠す必要などないだろう。
 ―――第三者としての観測、いや傍観者とでも言うべきか。それがお前の本質であり、起源だ。
 今まではそれに気づかされる環境に居なかっただけ、だがこの場でお前は自身と見つめあい。気づき始めている」

否定したかった。
こんな王様気取りで全て見透かしたような発言、全てが見当外れの大間違いだと。

「それの何が悪い? 
 人が娯楽を楽しむのは当然のこと。それがお前は他人の不幸を見ることに特化していただけだ」
「そんなこと……」
「良いだろう? お前は散々不幸を味わってきたのだ、ならば今だけでもその分の蜜を啜る価値はあると思うがな」

分からなくなる。
自分の本質が何なのか、何もかも分からない。
ギルガメッシュの言っていることは出鱈目なのか、的を得ているのか、自分が本当は何をしたいのか。




―――――



閣下は既にここの面子に見切りをつけ始めていた。
まずまどか、さやか、ほむら、この三人の関係性は非常に危うい。
まどか自身は上手くやれていると思っているかもしれないが、閣下から見ればそれは火に注いでいるようにしか見えない。
おそらくこのまどかという少女自体人の心が理解できないのかもしれない。閣下はそう考える。
そしてギルガメッシュは優秀ではあるが、それ故に自信に溢れそう遠くない内にポカをやらかすと予想できる。
ありがとウサギとの戦いからもそれが伺えた。
その尻拭いが、自分にまで及ばないとはどうして言えようか。間違いない、セル編のべジータみたいにこいつは絶対何かやらかす。

(何処か別の参加者と会えれば、そっちに乗り換えたいところだが)

最悪、一人で別行動というのも取るべきかもしれない。
とはいえギルガメッシュの言っていた結界というキーワードが気になる。
しかし、当の本人がそれ以上の事を話さない以上、聞き出すこともできない。

(結界……。駄目だ、わしの今の知識では何も思い浮かばん。
 やはり魔術師、ケイネスとの合流が先決か)

幸い船に居る事は分かっている。
何処かうまいこと先回りし合流したいところだ。



―――――

617 友【さいかい】 ◆FbzPVNOXDo :2015/04/01(水) 03:03:57 ID:VHcLlfrM0


「おい、さやか。お前大丈夫か?」
「え? 何、が」
「いや、前からモジモジしてると思ったら何か今度は悟ったみたいな顔して」

麗華はさやかの挙動不審さを見て訝そうにまどか達に聞こえないよう話しかける。

「何でもない、から」
「いやでも……」
「何でもないの。……本当」

まるで、拒絶されているかのような。
自分のある領域に踏み込んで欲しくないということなのか。
ともかく無理には聞き出せない様子だ。

(待て待て、そもそもこんな奴他人なんだ。私の知ったことじゃない。
 そうだ、別にほっときゃ良いじゃん。まどかって奴も居るんだし)

考えれば成り行きで共に行動していたが、自分が気にかける必要などもうまるでない。
あとは大親友であるまどかとやらに任せればそれで自分はお役ご免。
もう何も気にかけなくても良い。

(私一人で船に行くのもありかな。空飛べるし)


―――――



心は女なのに、それなのにまどかに強く惹かれてしまう。
これはいけない事だと思うのに、男の体が反応する。
それは今まであった友情と恋愛、発情へと変わった瞬間だった。

(まどか……まどか……)

まだ、あの行為がなければそれは戸惑いで終わった筈だった。
だが超えてしまった。だからもうこの思いは止まらない、止められない。

(まどか……こんなこと……)

どうすれば良い? こんなことさやかは誰にも相談できない。
麗華にだって言えば引かれる。転校生だってそうだ。
このままでは本当におかしくなりそうだ。

(こんなにまどかが好きになっちゃうなんて……)

この体は他人のものだ。
鬼柳、遊星にも合わす顔がない。もうさやかは分からない。
ただ今は、まどか笑みにそっと身を任せることしか出来なかった。

618 友【さいかい】 ◆FbzPVNOXDo :2015/04/01(水) 03:04:28 ID:VHcLlfrM0
【F-4/一日目・夜】

【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ(クズなまどかシリーズ)】
[状態]:疲労(小)、ダメージ(中)
[装備]:ソウルジェム 、螺湮城教本@Fate/Zero
[道具]:基本支給品一式×3、キングクリムゾン(残り3回)@ニコニコ動画、タイム風呂敷@ドラえもん、不明支給品0〜1
    十六夜咲夜のナイフ×3、イカ娘の支給品(ランダム品1〜3)
    ゴンさんのデイバック(ヴェルタースオリジナル一袋@現実、スタングレネード×5@現実、コンコン@JAPAN_WORLD_CUP
    キャラ改変パッチ@MUGEN、ランダム支給品(0〜2),ウィンチェスターライフル(1/7)@うみねこのなく頃に
[思考・状況]
基本:ゲームからの生還
1:ほむらちゃん、さやかちゃんと一緒に行動。あまり役に立たないようなら捨てる。
2:利用できる者は利用し、邪魔になる者は殺す。士、メイトリックスはいずれ殺す。
3:行動に出る際はパッチを利用してなるべく自分の悪評が広がることはないように動く。
4:海魔召喚のための餌も探す
5:ほむらの仮説を確かめる為に生きた参加者で実験する。その為に手頃な参加者を捕獲する。
6:優勝も視野に入れなきゃかな……。
7:四回放送までに残り二人何としてでも殺す。可能ならば目立たないよう確実に、でも余裕がなくなれば……。
8:ギルガメッシュ達を上手く利用したい。
9:二人殺害が間に合わなければ、ほむらの首輪解除の仮説も視野に入れる。
10:さやかを上手く利用できる駒にする。
※クズなまどかVS逆襲の魔法少女スーパーさやかちゃん【前編】直後の参戦です。
※さやかの体が鬼柳京介になっているのを知りました。
※螺湮城教本は制限により海魔の現界、術者の魔力補給、本体のダメージ修復等の同時運用は出来ません。
※制限として海魔の最大同時現界数は五体までしか出せません、また能力も下方修正されています。
※AV動画オールスターセットの動物はもう残っていません
※四回放送までに残り二人殺さないと死にます。


【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:疲労(中)、ダメージ(大)、マドカァー 、ヤンデレ状態
[装備]:ソウルジェム、バルメM78(36/40)@コマンドー、ストライカーユニット@ストライクウィッチーズ、世紀末魔法少女パッチ@MUGEN
[道具]:基本支給品一式、キャベツ@夜明け前より瑠璃色な 〜Crescent Love〜、ランダム支給品0〜1
[思考・状況]
基本思考:まどかに全てを捧げる。
0:絶対に残り二人まどかに殺させる。
1:何があってもまどかを守る。
2:どんなことをしてもまどかに認めてもらう。
3:もう役立たずだなんて言われたくない。
4:まどかに危険を及ぼしうるものは全て排除する。
5:北斗神拳を使い秘孔を突けば首輪が外れるんじゃ。
6:自分の仮説を確かめる為に生きた参加者で実験する。その為に手頃な参加者を捕獲する。
7:何か大切なことを忘れている気がする。
8:まどかの一番は私よね? 私よね?

【グレーテル@よもやま四方山】
【状態】軽度の火傷、打撲、疲労(小)、血塗れ、迷い
【装備】ボロ服
【道具】ディーノの基本支給品一式、ポッチャマ@ポケモン
    浜口優かも×3@学校で配られたDVDがひどい件、剣(石)@Minecraft、アサシンの首輪
【思考・状況】
基本:出来れば死にたくない
1:ギルガメッシュに着いていく
2:愉悦…
3:自分のデイバックを回収する
4:私は……
※モンスターボール(ポッチャマ)が壊れたため、引っ込めることができません
※ギルガメッシュと情報交換をしました
※会場からの脱出は諦めました

619 友【さいかい】 ◆FbzPVNOXDo :2015/04/01(水) 03:04:54 ID:VHcLlfrM0



【ギルガメッシュ@Fate/stay night】
[状態]:打撲 、右腕復活、疲労(小)、機嫌回復
[装備]:王の財宝@Fate/stay night(空)、天の鎖@Fate/stay night、 必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)@Fate/Zero
[道具]:基本支給品一式、作業台@Minecraft、ランダム品(0〜1)
[思考・状況]
基本行動方針:気の向くままに行動する。
1:主催者を殺し王の財宝を取り戻す。
2:ポッチャマに興味。グレーテルはポッチャマのおまけ。
3:男(木原)は今度遭ったら殺す。
4:ヒトラーと共に市街地へ。ケイネスを探す。
5:まどかとほむらとさやかの関係は面白い。愉悦愉悦。しばらく同行してやる。
※自身にかけられている身体能力の制限に気が付きました。
※殺し合いの参加者が別の世界から呼ばれていると考えています。
※アカツキ電光戦記と総統閣下シリーズ、よもやま四方山の世界を知りました。
※ギルガメッシュがこの先どこへ向かうかは次の書き手さんにお任せします。
※放送と戦闘が被りました。しかし案外聞いている可能性もあります
※メイトリックス、士、カズマ、サーニャが殺し合いに乗ったと聞かされましたが何処まで信じてるか不明です。
※何か気づきましたが詳細不明です。結界とか言い始めてます。


【総統閣下@総統閣下シリーズ】
[状態]:疲労(大)、左肩負傷 、まどか達を警戒
[装備]:出刃包丁@現実、キー・オブ・ザ・グッド・テイスト@人造昆虫カブトボーグV×V
[道具]:基本支給品一式、大量のマンガと本、カイジの地下王国豪遊セット(ポテチ、チーちく、肉じゃが、ビール×4)@逆境無頼カイジ 破戒録編
[思考・状況]
基本行動方針:生きて祖国に帰り可能であるのなら二次元に行く。打倒主催。
1:情報収集。首輪の解析
2:主催者どもは必ず倒すが、具体的な作戦及び行動方針はこれから考える。
3:クリーパーを失うのは惜しかった…
4:メイトリックスと譲治を警戒……?
5:青鬼とレーザー、およびそれを発射した「何か」を警戒。
6:まどかに違和感と何処かで見た既知感。
7:こいつらがやらかす前に何とか別れたい。船に居るケイネスと会いたい。
[備考]
※出典はあくまで総統閣下シリーズ、現実や最後の十二日間での真面目な独裁者ではありません
※サブカル知識も豊富ですが、なんらかの制限がかけられている可能性があります
※ギルガメッシュ他、数人の参加者について情報を得ました。
※アカツキ電光戦記の世界を知りました。
※別の世界から呼ばれた事がほぼ確信に変わっています
※総統閣下のノートには今まで見聞きした事のまとめや考察が数ページにわたって書いてあります。
※クリーパーの説明書を読みました。
※総統閣下の持ち出した本やマンガの詳細は次の方にお任せします。ただしDVDやBDは持ち出していません。
※過去に読んだ「HUNTER×HUNTER」を思い出しました
※メイトリックス、士、カズマ、サーニャが殺し合いに乗ったと聞かされましたが何処まで信じてるか不明です。


※さやか達と情報交換しました。



【東豪寺麗華@MMDDFF】
[状態]:健康
[装備]:エクスカリバー@Fate/Zero
[道具]:基本支給品、DMカードセット(デモンズ・チェーン@遊戯王5D's)
[思考・状況]
基本:生存優先、主催は殺す
1:とりあえず積極的に人と会い情報を集める。その一環で船の方に向かう
2:幽香の奴、死んだのか。
3:水色髪の男(さやか)はほっとけない。
4:レア様とはいずれ決着をつけるつもりだったけど……。
5:まどかに何か嫌悪感?
6:メイトリックスは殺し合いに乗っている?
7:もうさやかは放っといても良いだろうし一人で船に行こうか……
※制限はほとんどされてません。
※遊星、フランク達と情報交換しました。


【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:鬼柳京介の肉体。まどかに発情、戸惑い
[装備]:さやかのソウルジェム(濁り:大)@魔法少女まどか☆マギカ
[道具]:基本支給品、「スピード・ウォリアー」のカード@遊戯王OCG、
    「くず鉄のかかし」のカード@遊戯王OCG、「???」のカード@遊戯王OCG、不明支給品0〜1
[思考・状況]
基本:殺し合いをぶち壊して鬼柳の分まで満足する。
1:謎の戦車を警戒。
2:まどかと会えて嬉しい…けど
3:メイトリックスは殺し合いに乗ってる? 会って確認したほうが良いかも知れない
※ショウさんの話を聞く直前からの参戦。
※肉体は鬼柳京介のものになっています。
※第一放送を聞き逃しました。
※遊星、フランク達と情報交換しました。


※まどか達と情報交換(嘘を含む)しました。

620 ◆FbzPVNOXDo :2015/04/01(水) 03:05:12 ID:VHcLlfrM0
投下終わります

621 名無しさん :2015/04/01(水) 16:00:24 ID:m9b.5f760
投下乙

こいついつもセックスしてるな(まどか)
このメンバー総じて不安定な上に、ステルスマーダーばっかの早苗さん組も近くにいるので今後に期待

ちょっと謎なのが、さやか達はG-03から船を目指していたはずなのに、何故逆方向のF-04に居るんですかね?

622 ◆FbzPVNOXDo :2015/04/01(水) 17:11:03 ID:VHcLlfrM0
言われてみれば反対側じゃん(困惑)
【F-4/一日目・夜】を【F-3/一日目・夜】で

623 名無しさん :2015/04/01(水) 17:24:01 ID:m9b.5f760
>>622
それでも南西にある船に対して北に行っちゃってるので微妙っすね
G-03かG-02辺りじゃないでしょうか

624 ◆FbzPVNOXDo :2015/04/01(水) 17:30:00 ID:VHcLlfrM0
ありがとうございます
じゃあ【G-2/一日目・夜】で

625 ◆FbzPVNOXDo :2015/04/02(木) 12:58:21 ID:Zg9kHjMA0
短いですが投下します

626 どうしてD・ホイールと合体しないんだ・・・ ◆FbzPVNOXDo :2015/04/02(木) 13:02:31 ID:Zg9kHjMA0
「くっ、マミさん、権兵衛さん……それにまた僕の名前まで」

息を吹き返した勝治は放送を聞き、マミ、権兵衛の死に胸を痛める。
そしてシャーロックの無事に安堵し、また放送で呼ばれた自分の名前に疑問を抱いていた。

「シャーロックちゃんはリュウセイくんが付いてるから安全だろうけど。
 僕はそうもいかない……。早く頼れる仲間を見つけなきゃ」

ここに来てから、勝治は同行者と毎度毎度必ずと言っていいほど逸れている。
幸い、カブトボーグは近くに置いてあったので戦闘はこなせるが、それでもやはり心もとないのも事実。
この殺し合いの打破は一人では困難だ。それを理解していた勝治に焦りの表情が見えはじめた。

「うんざん、うんざん!」

「ハッーハハハハハハハハ!! これが俺の真の姿だ!!!」

そんな勝治の願いを叶えるかのように、ケンタウロスのような姿をした変な男と雲の妖怪が勝治へと爆走してきたのが目に入った。



――――


無事、ゲキド町へと辿り着いたプラシドは下半身の修復を始めていた。
自分が予め持ってきていたパーツと、更にゲキド街で現地調達した道具を上手く使い修復を続け、何とか三回放送が終える辺りには修復が完了する。
即席の修理だった為、かなり足に違和感を感じるが仕方ない。何より、違和感があったところでさほどの問題はなかった。

「う、うんざん?」
「フッ、驚いたようだな。これが俺の真の姿だ」

プラシドの下半身はオデッセイと合体していた。
足のあった部分に、大破したオデッセイの無事な車体とタイヤがあるのだ。その姿はまさにケンタウロス。
プラシドはオデッセイの無事な部分と、自信のDホイールとの合体ギミックを上手く使い、擬似的なオデッセイとの合体を果たしていた。
無論、合体解除も可能だ。その時は通常の人間形態になる。
なお、足の部分が壊れていた為、ルカの足のパーツになった結果、とんでもない美脚になってしまった。
上半身と下半身のバランスがまるで取れていないが、ここは我慢するしかない。

「感謝するぞうんざん。俺が何とか足を直せたのもお前のお陰だ」

三回放送で流れた仲間達の名前がプラシドの心に響く。
少ない付き合いだったが、悪い奴らではなかった。自分がもっと早く復活していれば、死なずに済んだかもしれない。
そのどうしようもない。だがプラシドに付き纏うことをやめない後悔が沸く。

「うんざん……」
「……慰めているのか? そうか、すまないな」

「俺もセンチになった」プラシドはそう嘲笑する。
何処かの蟹頭の絆厨が移ったのかもしれないと、何処か皮肉気にプラシドは思った。

「良し、ここに用はない。早く行くか」

プラシドのタイヤが回り加速する。
それに引っ張れるように付いていく雲山。

こんな時だが、少しプラシドは気分が良かった。
誰も居ない夜道を一人突っ走るのは、中々気持ちのいいものだ。ましてや市街であればなおさらだ。

「ハッーハハハハハハハハ!! これが俺の真の姿だ!!!」

だからだろう。
こんな大声を出してしまったのは。
だからだろう。目の前の少年に気づくのが遅れたのは。

「あっ」
「うわああああああああああああ!!!」

その病弱そうな少年を轢いてしまいプラシドは大転倒。
カラカラと空しい音が響かせながらクラッシュ。
幸い上半身が吹っ飛んだり、ボディに異常はなかったが問題は轢かれた側の方だ。
大急ぎで体を起こしたプラシドは少年へと駆け寄るが、もう遅い。手遅れだ。


【松岡勝治@人造昆虫カブトボーグV×V】死亡


「うおおおおおお!! これが絶望だと言うのか!!」

みすみす一人の少年を死なせたことに罪悪感と後悔しか浮かばず叫ぶプラシド。
何ということだろう。己自身が殺人者になるとは。こんな、こんなことなど――――

「うんざん」
「何だ? 今それどころじゃない!」
「うんざんうんざん」
「だから、うるさいぞ」
「うんざん!!(マジギレ)」
「何、息をしている……?」

なおその少年は気絶しているだけだった。
幸いバックがクッションとなって外傷もない。


この時期になると事故が増えると聞きます。
ドライバーの皆さんは勿論のこと、歩行者の方も交通事故に気をつけましょう。

627 どうしてD・ホイールと合体しないんだ・・・ ◆FbzPVNOXDo :2015/04/02(木) 13:03:08 ID:Zg9kHjMA0


【E-02/1日目・夜】


【プラシド@遊戯王5D's】
[状態]:希望の番人化、オデッセイと合体した真の姿、ルカの美脚
[装備]:アノニムの二丁拳銃 弾数(5/6)@アカツキ電光戦記、金色の法輪@東方Project
[道具]:基本支給品一式、プラシドの下半身@遊戯王5D's、モンスターボール(バッフロン)
    もしかしてオラオラですかーッ!?@未来ガジェット研究所、ふなっしー@現実 、@課金騎兵モバマス予告集
[思考・状況]
基本行動方針:絶望の未来を変える
0:生きているのか!? この少年!
1:気に食わないが戦力になりそうな不動遊星を探す。
2:愛用のDホイールと剣が欲しい。
3:不動遊星との決着は保留。
4:宙、ルカ、雛子、鬼子、響、アカツキ……
5:青鬼を最優先で警戒
※ルカ達の話の食い違いについては一応思考中・・
※プラシドのディバック及び支給品は灰になりました。
※ケンタウロスみたいな真の姿になりました。人間形態の時は美脚です。


【雲山@東方星蓮船 AfterExtra】 支給品
【思考】
1:プラシドについていく
2:サーニャ達の事が気になる


【松岡勝治@人造昆虫カブトボーグ V×V】
[状態]:疲労(大)、頭部に打撲の跡、足に豆が出来た、気絶
[装備]:ダークサイド・プレジデント@人造昆虫カブトボーグ
[道具]:基本支給品、GOと10万円@真夏の夜の淫夢
   サイバーZ二号のベルト@真夏の夜の淫夢関連
[思考・状況]
基本:殺し合いを止める。
1:……
2:リュウセイ、ケンが心配
3:田所(野獣先輩)を警戒
4:ケンは絶対生きてる
5:少年への軽い罪悪感
6:権兵衛さん、マミさん……
※遊星に今までしてきたことを話しました。ただし、アルセーヌを覗き見してたことは言ってません。
※田所(野獣先輩)が一服盛ったと思いこんでいます。
※放送には、嘘があると思っています。
※遊星と権兵衛の情報交換を聞いています。
※奇跡的に生存していました。

628 ◆FbzPVNOXDo :2015/04/02(木) 13:03:31 ID:Zg9kHjMA0
投下終了で

629 ◆J/0wGHN.4E :2015/04/02(木) 21:03:46 ID:BMwVZHXA0
投下乙
勝治の死亡は最早ノルマですね…間違いない
遅れましたが自分も投下します

630 ◆qPqX2r.h0A :2015/04/02(木) 21:04:52 ID:BMwVZHXA0


「ここにも…あったゲソ…」


深海の侵略者、イカ娘はそういって地面に落ちていた「それ」を拾う。
そして自分の触手を器用に扱い、近くの地面を掘る。
次に、自分の手で拾った「それ」―肘から先の無い人の腕をそっと穴に入れ、土を被せる。

付け足しておくとこの腕は爆☆殺されたディーノの残骸である。
最もそんな事はイカ娘にとっては知る由もない。

だが、また自分の知らない所でこうして罪も無いであろう人々が無惨に死んでいく様は、イカ娘の心を強く痛めつけた。

もうこの作業にも慣れてしまった。
海の家れもんから街へ向けて歩みだした矢先、イカ娘を迎えたのはおぞましい死屍累々であった。


最初にイカ娘が見つけたのは氷漬けになったバラバラ死体。
その死体を見るに30くらいの男性のようであり、死顔は苦しみに歪んでいた。
人は死ぬ瞬間、こんな顔をするのだろうか。
イカ娘はついそんな事を考えてしまい、背筋が凍った。

幸いデイバックを身に付けていたようなので埋葬した後で失礼ながら頂く事にした。
ついでに首輪も何かあった時に備えて回収しておく。

氷漬けの死体が土に埋まっていく瞬間、その男の死顔がどこか誇らしい表情に変わった…ような気がした。


次に見かけたのは指先や足で辛うじて人とわかる死体の残骸。
ここまで酷いともはや爆死にしか見えないのだが何故か周囲に焦げたような後が無い。
まるで内側から破裂していったようにも見える。
しかしそれでも、何とか残っていた残骸を埋めていく。

道中、血塗れた槍を見つけたので一応拾っておく事にした。


3番目にイカ娘が目にしたのは緑色の肌をした幼い少女のような死体と顔の無い猫のような動物であった。
少女の死体の方は首を折られたことが死因のようであり、死体の損壊は少ない。
年齢はあかりよりも幼いくらいであろうか。
動物の方は何らかの力によって顔から上が無惨に抉られている。

その幼い少女の死体はそれほど無惨な形ではないが、むしろイカ娘はそれに目を合わせたくなかった。
イカ娘にとってこんな幼女までこの殺し合いに参加させられているとは考えたくはない。
こういったものを見る事になるなら、まだ原型のわからないくらいバラバラ死体の方が良かった。


そして先ほど埋めた5つ目の死体。
腕だけは何とか見つかったがそれ以外は梨の礫であった。

「こんな事をする理由が…何所にあるんでゲソ…」


人だって自分だって魚や家畜を殺し、自らの糧としている。
それは自然の摂理であり、生きていく為に必要な事。
ただ殺すだけ殺して、命であったものを無為に捨てる。
人として、生物にとして、この上無い愚行である。
それを剰え人間という同族に、これだけ凄惨に殺めておいて野に捨て置く。

イカ娘は人間ではない、故に人と価値観も死生観も異なる。
だがそれでも、許せない物は許せない。
人にしろイカにしろ、このような惨い行いが許される摂理などあるのだろうか。断じてあり得ない。

自分は無力だ。
だから、誰にでもできる事を誰よりもできるようにしたい。
その怒りと悲しみは決意となり、イカ娘の歩みをより確かな物にした。






¶ ¶ ¶

631 レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E :2015/04/02(木) 21:06:34 ID:BMwVZHXA0
(酉がおかしくなってました、すいません)









「ここが光写真館ですね」

うさんくささに定評のある男、海東が言った。

遠目に見ると少し大きな民家程度の認識であったが、近くで見れば意外と豪華な外装であり、館と言った印象はある。

「へぇー、以外とゆっくりできそうじゃん!」

「でも大事なのは中身さ、酷かったらおっさんでも怒るからな」

何とあつかましいキチガイであろうか。
大人への態度だとか接し方という物すら何一つ録に学んでいない様だ。
育ちの問題なのか或は脳に障りでもあるのか。
そんな思いを心に抱きながらも、海東はまったくもって平静を乱さない。表情は緩み気味だが。

「こら、紹介してもらっておいてその態度はダメですよ!」

早苗がケンを宥める。

「いえいえ、構いませんよ」


何故光写真館に5人が向かったのか。
わずかに時は遡る。



§ § §



「せっかくの部下なんだ、命令ぐらいしてもいいよな!」

唐突にケンが声高に言った。

「俺ちょっと疲れたからさ、休むトコとかない?」


このキチガイはどこまで自己中心的な人間であろう。
こんな戦の場において悠長にちょっと疲れたから休むなどとふざけた真似を。
貴様のような者の為に安息など毛頭も要らぬ。
首輪の解除の真偽はともかく、用が済めばこいつから真っ先に殺してやる。


「わかりました、近くに光写真館という施設があります。」

「私が知る限りではそれ也に休む空間はあるので行く価値はあるかと思われます」

「私も一応それが私の知る光写真館なのか確かめたいのです。いかかでしょうか?」


心の中で半ギレするムラクモとは対照的に海東は妙に協力的であった。
何故海東とやらはこのキチガイにここまで協力的なのか。
いや、それ以前に気になる言葉が出てきた。
「私の知る光写真館」とはどういう事なのか。
自分が地図を確認する限りでは何所にでもあるような施設と聞いた事も無いような施設の2種類しかなかった。
奴が元々この場所を知っていたのか。いや、それはないだろう。
ではなぜなのか。

こんな疑問を持つ者がもう一人。星君である。
先ほど自分が訪れた光写真館というものを、奴は知っている。
自分が訪れた時はホモ向けAVを見て一人シコシコ自慰行為に耽っているクッソ汚い野獣がいたくらいだったがあの施設に何か特別な物でもあるのだろうか。

632 レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E :2015/04/02(木) 21:07:45 ID:BMwVZHXA0



「じゃあわかった、行ってやるよ」

「行ってやるよじゃありません!大人の人には敬語を使いなさい」

しつこく早苗が指導する。

このままでは早苗をこのキチガイから引き剥がすのは難しそうだ。
と、海東は思った。
だが、これで良い。少なくともこれで自分の目的の一つである光写真館を調べる事ができる。
首輪の取り外しの真偽だけでなくあの二人の情報についても聞いておいて損は無い。


こうして一行は光写真館に向かう運びとなったのだ。



「よし、合格!」

ケンが海東を認める。

「早速飯でも食おうぜ!」

「ってわけで早苗、何か持ってないか?」

早速ソファに座り込み、ごく自然な流れでケンは物乞いをする。
現在ケンの所持品は愛機であるエレクトリカル・スピードワゴンしかない。
デイバックなどの支給品はクッソ汚い野獣に略奪されてしまったのだ。

助けってもらった分際で何を抜かすか、とムラクモがまた心の中でキレる。


「私ので良ければどうでしょうか」

そういって海東は自分のデイバックから食料品を取り出し、ケンに見せる。

「お、じゃ遠慮なく頂くぜ!」

それに答えるようにケンは海東の食料に手を伸ばす。
が、その手は第三者によって阻まれた。

「ありがとうは?」

早苗である。
そういわれて、嫌々ながらもケンは海東に感謝する。

「はい、ありがとうございます」

「良いんですか海東さん」

「買いませんよ、それより私はここをもう少し調べたいので」

そういって海東は隣の部屋に入っていった。







「ふむ、見事な再現具合…いえ、本物でしょうね」

海東が独り言を呟く。
配置されている写真、部屋の作りや模様、調度品の位置、どれをとってもオリジナルと何ら変わりはない。

「ん?」

奇妙な違和感を感じた。
妙にイカ臭い、元々こんな匂いはなかったはずだ
ふとこの部屋の片隅を見る。すると何か奇妙な跡があった。
大分乾いてはいるが何かを零したような跡である。臭いの原因はこれであろうか。

633 レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E :2015/04/02(木) 21:08:44 ID:BMwVZHXA0

ここでまた海東はもう一つ異変に気がついた。
零し跡の側には再生機があるのだが、よくみるとDVDが差さったままなのだ。
そしてそれに接続されているテレビも電源がはいっている。
入り口に面した四人の居る部屋にもテレビはあったがあちらは電源が切れていた。

「だれかが、ここにいたんですかね。」

そういうことになる。
何のDVDかはわからないが興味を持ったので取り敢えず再生してみた。


〜真夏の夜の淫夢〜

第四章「昏睡レイプ!野獣と化した先輩」


テレビに映像が映し出され、そのようなテロップが流れた後二人の男が映し出される。


「ん〜。いい時には結構いくね」

「う〜ん・・・」

「結構楽だった?」

「こ↑こ↓」

「へぇ〜、すっごい大きい・・・」

ガチャン!ゴドンッ!
乱暴な音を立てて映像の扉が開く。

「入って、どうぞ

「おじゃましまーす」

ギィー、ガッタン!
閉まり音も何所か乱暴である。

「いいよ上がって」

「あっ・・・」

「こっちも大きいっすね〜・・・」

「まずウチさぁ、屋上、あんだけど・・・焼いてかない?」



(クッソ汚いし長いので少し中略)

(なお、この間海東は普通にホモビに見入っていた模様)



「これ以上やると気持ちよくなっちゃう。もういいよ。ヤバイヤバイ」

「喉渇いた・・・喉渇かない?」

「あー、喉渇きましたね」

「何か飲み物持ってくる。ちょっと待ってて」

「はい」



何か嫌な予感がしてきた。
テロップの時点で疑わしかったがこれはもしやただの同性愛者向けのAVではないのか。

634 レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E :2015/04/02(木) 21:09:40 ID:BMwVZHXA0




「ああ、気持ちイイ・・・。」

「イイよぉ・・・ハァ、ハァ・・・・アアッー、アッ、ンアッー、ンッ・・・ォゥ、ォウ」

「オォン!アォン! ハァ、アッ、アッ、アッ、アッ、アッ、アッ、アッ、アッ、アッ、アッ・・・」

「アアッー!ハァハァ、イキすぎィ!イクゥ、イクイクゥ・・・」

「ンアッー!」

「ウン、ウン、ウン、ウン、フン、ウン、ウン、ウン」

「ウンッ!ウンッ!ウンッ!ンッ!・・」

「イキそ・・・」

「いいよ、来いよ!胸にかけて!胸に!」

「アッー、胸にかけて、アッー!・・・ファッ!?」


〜二人は幸せなキスをして終了







ーー結局最後まで見てしまった。

「私の知る写真館には、こんなDVDはなかったはずだが・・・」

この床の零れ跡の正体も何となく理解できた。
これは恐らく映像にも映されていた体液という事になる。
余り想像したくないが、何者かがここでこれを見ながら自慰行為に耽っていたのだろう。
だからといって床を汚染したまま放置するのはいかがな物か。


心のどこかで無駄な時間を過ごしたと思う一方で気がかりなものが一つあった。
あの役者の中で遠野という人物を襲った男は田所と呼ばれていたのだ。


『野獣先輩…いや田所と言った方が良いか』

ここで海東は記憶を巡らせる。
第2回放送のたしかそのような死亡者が呼ばれていた。
田所と言った方が良いか、という呼び方をする事はつまりその呼び名が本来あるべき名である事を示す筈だ。
名字だけなら偶々という可能性もあり得るが、先ほどのテロップには「野獣と化した先輩」表示されていた。
これを略すれば参加者名簿にも記載されている「野獣先輩」となる。
憶測の域を出ないが偶然にしては奇妙な一致である。

もしこれが実際の参加者の情報であるならば他にも、参加者の情報を知る事ができる物もあるかもしれない。
ステルスマーダーとして行動する自分にはこれほど有益な物は無いだろう。

「いいヒントだ 感動的だな」


といった理由で海東は早速再生機とテレビ回りの引き出しなどを漁ってみた。




& & &

635 レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E :2015/04/02(木) 21:10:47 ID:BMwVZHXA0




「飯の味に関しては流石にどうしようも無いか」

またしてもケンが不満を漏らす。

ムラクモはもうこんなキチガイに一々心の中でつっかかるのは面倒なのでやめる事にした。

「呑むが良い、オレンジジュースだ」

「腹の足しにはなるだろう」

割り切ったような表情で早苗がオレンジジュースに変えた水をデイバックから取り出しケンに差し出す。

あの女の事なのだから毒など入ってはいないだろうが、警戒に越した事は無い。
実際に毒がはいっていたにしてもこうして渡してしまえばキチガイも処理できるのだから一石二鳥だ。

ケンにジュースを取り出した後、ムラクモも食料品を取り出して口に運ぶ。
凡人というものはいつも周囲に流されてばかりでまったくもって芯が無い。
流石に自分もここで周りに合わせて食べておかなければこの女に妙な情をかけられてしまうだろう。
それは正直言って癪に障るのでそういう庇護念はしばらくはこのキチガイに向けてもらいたい。




『首輪の話だが、どうなった?』

食事時が一段落した所でムラクモ支給品のメモに書いた文字をケンに見せる。
所謂筆談である。
これで首輪に盗聴機能があったとしても大丈夫な筈だ。

「あ、わりぃ、ちょっと飯食った跡だからさ、食休み、休ませて」

素っ気ない返事とともにケンは寝込んでしまった。
同時にムラクモは、手に青筋を浮かべながらメモ用紙を握りつぶした。



「おや、星君どうしたんですか?」

早苗が問いかける。
その目線の先にはその場を離れようとする星君の姿があった。

「うん、気になる事があったんでちょっとこの館を調べてみたいと思ったんだDA」

そう答えると海東とは別の部屋に入っていった。


運のいい事もある物である。
海道や星君とも分断できた事だしさっさと首輪の話を聞き出したら、いっそ早苗ごとこのキチガイを殺してしまおうかとムラクモは考えていたが、ふと思いとどまった。

海東という男、おそらくは黒と見て間違いないだろうが何故こんな無力そうな女を殺さないでいるのか。
このキチガイと違って首輪の解除の話みたいな有益な情報も持っていない。
自らの手を汚したくないにしても自分が見ていない間に何時でも殺せたはずである。
何か生かす理由が?



ムラクモが自らへ問いかける。

636 レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E :2015/04/02(木) 21:11:36 ID:BMwVZHXA0

そして、その答えが出るのは比較的早かった。



ーなるほど、そういう事か。

確かに、生かしておいて得策かもしれない。
これからも、たくさんの仲間を引き入れるのならば。
あの男、実際何を考えているかは審らかではない。
が、スタンスとしては自らの手を汚さずこのゲームに乗る。
これが一番早苗を生かす理由を含めてしっくりくるという物だ。

早苗を生かす理由。
推測に過ぎないが海東はあの女を自分の潔白のシンボルにしたいのではないのか。
まず第一印象の時点で海東を心から信頼できるような人間はそう多くはないだろう。
だが早苗はそんな海東に憧れの念すら抱いている様だ。
早苗という女ははっきり言って頭の程度はそれほど高くなく、疑う事すら知らない。
騙すのもさほど難い事ではないだろう。
信頼されている人間が居れば、それだけでその人物の信頼性を大きく引き上げる事になる。

東風谷早苗、考えてみればこれほど良い駒もなかなかないというものである。
精々自分もそれに肖らせてもらうとしよう。


…ガチャリ。

「!」



「すまない、ここにスカートを履いた少年が来なかったか…あっ!」





⌘ ⌘ ⌘






「うん、気になる事があったんでちょっとこの館を調べてみたいと思ったんだDA」

少し面倒な事になった。
星君はそう思う一方で丁度いい余裕ができたかもしれないと感じた。

海東という男は元々ここに住んでいたような素振りは無いのにこの光写真館を知っていた。
あの男が何か特別なのか、それてもこの施設に何か彼に知り得る要素があるのか。
本来なら自分が彼に詰め寄るのが一番手っ取り早い話である。

だがあの男の表情が、星君にそれを躊躇わせた。

637 レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E :2015/04/02(木) 21:12:37 ID:BMwVZHXA0

              /. : /⌒ヽ ∨,.≦三==:.、ヽ. \
             ,.イ. : /∠⌒ヽヽ_彡' ⌒ヽ`ヽ ヽ ':, ヽ
            //.:: /: :/´ ⌒` ー '´    ヽミ、 ',  :. :丶
        //.:: /: :/ .: .              ヽミ、 ', :. : .丶
       〃.: : .: :〃 .: .            ',ミ;、 :. :. : . ヽ
       〃.:: : .: .:i| :.: .            ミハ :. ヽ. : . ヽ
       ,' .: : : : : :儿_,.-='≧:.    .;≦三ニ:.ヽ'ミ人. :. . ヽ、._ ',_
     、i .: : : : : ;レ'イ'´_,..,_`ヽ.   .:  _,..,_ `ヾ\:.≧==ニ二 > 、
     ヽ._彡.: : : リ ;'_イ'じノヘ ';:. . : ∠じリ>.、_ \≧==ニ ='⌒ヽ  
     ._,.イ.:: : ノ.: .:`¨¨⌒ ;:':; . : ::. . .::⌒     :乂 ー-=彡ヘ ':.   
     ≧=ー .:彳.:: .:      ,' .:; .: :  .:: .      .:从':.、: : .ヽ、)′ 
     三:._彡'.::从:: .:    .イ:::;'  .:   , 、: .      :|lヽヽ`:.、: . 〉  
     /.:/.: ;厂ヘ.: : :. / `'ヘ、_ , -:'  \     :リ ヽ \`:.、
      乂 .:: :人__八 : .′ _,..,_    _,,..、 〉    从_ .ノヽ冫〉
      ヽ: ;' .: : : :∧  : <L.T^Y^レイ:/     .:////イ′
       ヽ\ : :/. :ト、 .   \`'┴ イ/   . :,イ|// . : : :/
        \|l : : :ノ| ';.丶   `¨¨ ´   , : , '  |/, : : ; ;'
            〃: :〈│: '; .ヽ: .        ,.:' :/  .:|八: :ノノ
          八:、;ゝノ: : : : . ヽ、: : . ._.; .;' : : '   . : |、彡'
            ` 爪: : : : : : : : : : : : : :      . : ;ハ、
            ,イ│\: : : : : .            . :/  |:.\


↑常にこんな顔をしているのだ。怪しすぎる。
何だあのいかにもうさんくささの漂う貼り付けたようなにやつき方は。
まるで『私は何か企んでいます』と書いてあるような物だ。
元々人間なんてハナから信用していないが、あの顔はその不信感に一段と磨きがかかっている。
今はこうして穏健派を装って居る以上、今あの男が本音を吐くとは思いがたい。
何か都合の悪い事でも聞かれれば適当な嘘を吐いて自分たちを混乱させてくるだろう。
できるだけ、海東に依存するのは控える。
そして、解決できる謎は自分で解決していく。

そう思ったが故の、この館の探索行動であった。

考えてみればこの人間の集まりで利用できそうな者は少ない。
ムラクモといっていた少年だが彼も少し妙だ。
海東程露骨ではないがあの目つき、産まれもって身に付いているにしては鋭すぎる。
それは非力な少年の眼というよりは獲物が隙を見せる瞬間をじっと待ち続ける蛇のそれに近い。
仕草や歩き方も気になる事がある。
背丈からしてだいたい年齢は10にも満たないであろうが、それにしては隙がない。
常に周囲に気を配り続けており、後ろに立っていても見られているような気分だった。
結果的に見れば、恐らく何らかの訓練を受けていると見て間違いない。
悟られない程度には警戒しておくべきだろう。



そんな事を考えながら星君が入った海東とは別の部屋。
少し広いが物置きの様だ。
棚にはDVDやらBDやらが仕舞われており、下の方には今では珍しいVHSなどが所狭しと敷き詰められている。
床に置かれたカゴを見るとフィルムが入っていた。
星君は直感的に匂うと思い、DVDやらBDやらがはいった棚の方から気になる物が無いか探した。


「…?」

638 レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E :2015/04/02(木) 21:13:27 ID:BMwVZHXA0

見つけた。気になる物を。

[人造昆虫 カブトボーグ V×V]とパッケージに書かれたDVD。
問題はそのパッケージイラストである。
さっき自分が戦っていた人間ーーケンというらしいーーがこのパッケージイラストに写っている人物のそれではないか。
ケンという奴はこうして人間達の間でメディアにもよく顔をみせているのか。
となるとこの殺し合いに参加させられる人間は一定の世間への知名度を参加者の判断基準にしているのだろうか。
だがそれなら何故自分が参加させられている?
美少年の転校生という芝居書きの元で泉研に近づく予定はあったが、テレビに出た覚えは無い。
仮にそんな事をしたらかえって動きにくくなる。
自分はジュラル星人の中でも単体で見ればかなりの強さを持つエリートとと自他ともに認めている以上、そんな事をする理由も無い。
何はともあれ、内容も含めて後ほどケンに聞いてみる事にしよう。
そうして人造昆虫 カブトボーグ V×VのDVDをデイバックに入れる。
ついでに同じ物もいくつかあったのでそれも纏めていれておいた。

デイバックにDVDを入れた後、軽く外の様子を確認し、見ている人間が無い事を確かめた。
その上で星君は物置き探しを再開する。
今度は先ほどの棚とは違う棚を漁ってみた。
見るとこちらの棚の上には妙な物がある。
透明のケースの中に入れられた精巧な人形のようだ。
大きさは8センチから15センチ程であり、どれも綺麗に並べられている。

ここでまた一つ、気がかりな物を見かけた。
ケース内に並べられた人形の内の一体だが、それが早苗とか言う女の容姿と一致する。
緑の髪、白い装束、青い袴、どれをとっても大きさ以外は本人と瓜二つだ。
彼女もまた精巧な玩具が作られる程、人間共の間で著名な存在なのだろうか。
逆の考え方もある。
彼女らがこのような作品を模した服装を着ているとしたら。
となると海東も何かの人物の模倣をしているのだろうか、その割にはただのフォーマルな服で見分けがつきにくいが。

これも機会があれば早苗に聞いてみる。
早苗という人間は海東やムラクモと違って表情や目つきに一切曇りが無い。
根っからの正直者で今も穏健派として動いている。
あの女なら嘘を吐く事は無いだろう。実際駒として利用できそうだ。
早苗の人形をデイバックに入れ、星君は再び棚の中を探す。

こちらにもDVDやBDが入っている様だが、ちらほらゲームソフトの類いも見られる。

…[Fate/Zero]

…[日常]

…[DEAD RISING]

…[HUNTER×HUNTER]

…[探偵オペラ ミルキィホームズ]

…[THE IDOLM@STER]

…[チャージマン研]

!?

ハッと気付いたような顔で[チャージマン研]のDVDを見つめ直す。
星君が驚くのも無理は無い。
何故か、理由はそのDVDのパッケージイラストにあった。
見間違えようが無い。それは自らの宿敵である泉研が大きく写し出されているのだ。
何故研がここに。否、やはりと言うべきなのだろうか。



…ガチャリ。

639 レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E :2015/04/02(木) 21:15:19 ID:BMwVZHXA0

「!」

物音。
同時に星君は部屋の扉の方に目を向けるが、異常や変化は無い。
ここではない別の部屋からの物音の様だ。恐らく入り口の広間からだろう。
扉の向こうから声が漏れる。

「…すまない、ここにスカートを履いた少年が…」


誰かが来た。
どうせ人間だろうが口ぶりからして襲撃が目的ではないだろう。
取り敢えず目欲しい物はそれなり見つけた事だし探索はもう切り上げても良い。
DVDをデイバックに入れ、来訪者を確認するために星君は部屋を出た。





♩  ♩  ♩





「ヴォー…」

結局こんな日暮れまで探してしまったが、未だ音沙汰はない。
麗華達と別れてから三、四時間は経っただろうか。
遊星はどこか施設に居るのかもしれないと踏んで道中ホテルや王宮も見て回っていた。
だが両方とも蛻の殻であった。
建物を見ても半壊しており、安全は保証できそうにない。
皆ここを拠点にしている可能性は低いだろう。

そういった事情の中遊星が地図で見つけたのは光写真館と呼ばれる場所であった。
写真館と言うと美術館や博物館のような施設のイメージが沸く。
人が落ちつける場所かと言われると微妙だがそういった場所にも医務室の類はあるだろう。



「ここが…光写真館…」

今、遊星の目の前にある建物こそ光写真館である。
外見としては民家が二つくっついたくらいの大きさに少し洒落の利いた外装が施されている様だ。
一見床屋のようにも見えるそれは美術館や博物館のような施設のイメージを持っていた遊星を意外に思わせた。
それなりに急いでここに来たつもりだが時計を見るともう5時15分を回っている。
次の放送はここで聞く事になりそうだ。

窓から光が漏れている。
中には人が居ると見て間違いないだろう。
遊星はDホイールから降り、入り口のドアを開ける。



「すまない、ここにスカートを履いた少年が来なかったか…あっ!」




「誰…ですか?」

東風谷早苗が素っ気なく返した。

まずい、順番が逆になってしまった。自己紹介を先にしておくべきだった。
とは言え、自分が探し求めていた人間を見つけ出す事ができたのは大きな成果である。


当のスカートをはいた少年、ムラクモにも自分の事は覚えてくれていた。
恐らく、表情からしても確実にスカートを履かせられた事をまだ怒ってはいる様だが。
ムラクモの事は権兵衛が言っていた早苗達が見つけてくれた。
今生きているかはわからないが彼には感謝しておかなくてはなるまい。
早苗達は今参加者達を味方につけ大きな集団になっている。
自分が協力しない理由は無い。

640 レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E :2015/04/02(木) 21:16:22 ID:BMwVZHXA0


現在遊星は早苗達の中に溶け込み、情報交換を進めていた。
今までであった人物、自分の居た世界の話、この会場に対する推測。
恐らく教えても問題ないだろうと判断した範囲まで遊星は話した。

情報交換の中で泉研には気をつけてほしいと星君に教えられた。
話からして朝方出会った黄色の少年の事だろう。
確かにあれは正義の味方という割には容赦がないというか、キチガイ染みた様子だった。
やはり殺し合いに乗っていたのか。

教えても問題ないだろうという範囲を選択する、砕いていえば全部教えない事であるが端から見ればそれは妙かもしれない。
別に遊星は早苗を疑っているわけではなかった。

問題は自分がこの館に入りしばらくして部屋から出てきた男ー海東純一というらしいーだ。

『海東には気をつけてください。明確な根拠があるわけはありませんが……あの男は怪しいです」

遊星は記憶を掘り起こす。
昼頃出会った権兵衛が自分との別れ際に聞かされたセリフである。

(海東純一か…確かに怪しいな…)

いわれてみれば確かに怪しい所がある。
早苗の憧れる人物だというが…



        __ ,.,.,. -‐==ミ            x==‐- .,.,., __
       /.:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::}         {::::::::::::::::::::::::.:.:.`ヽ
.      /''"´ ̄ ̄   ```: .、      〃´´´     ̄ ̄`ヽ
     /    _, ==ミ     ::ヽ           , ==ミ,_      ヽ
        〃_xく(:::じ::)`ヽ   .:::       ,ィ (:::じ::)`ヾx_
        ^ニ二二ニ''^ ノ .::}      ^ニニ二二ニ´
          ⌒>‐--   彡 .::|      ヾ..   --‐<⌒
        /           .:::|                   ヽ
                    .::::|  i
               /^ヽ.:::::|  i    ヽ
                 {  〃 .:       }
           /   ー-、      .-‐ ''     \
              /       ヽ. __ ,ノ          ヽ
          {           、_              }
             ::__.:.:.:.:.:.:.:.J.:.:.:.:.:.:.:.__;:
             ヽ i^Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y^i .ノ
                    \!._{__|__}_.!/
                      、:::::::::::::::::::::::::::,
                    `二二二二´



↑常にこんな引きつったような笑顔をした人間を信じろと言う方が難ではないのか。
雰囲気からして、少年少女達を纏める冷静な大人、と言った印象を受けるがそれには表情が場違いである。
人は見かけによらないとは言うが、初対面の人間には正直第一印象でしか判断できない。
権兵衛もまた同じ気持ちであったのだろう。


一応本来の海東はこんな朝から晩までオリジナル笑顔を振りまくような人間ではないのだが。
このバトルロワイアル会場はニコニコ動画バトルロワイアルであるという事を忘れてはならない。
奇妙なハサンダンスが強化されていたアサシン同様、知らぬ間にニーサンにもニコニコ補正がかかっているのだ。
こんなうさんくさい表情に本人が気づかないのも、その補正の一環である。

641 レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E :2015/04/02(木) 21:17:40 ID:BMwVZHXA0







情報交換を一通り終えた後、遊星は本題に入った。
いつの間にかケンも起きている。
ちなみに遊星のデイバックから顔だけ出していた淫夢くんは今、早苗の膝の上で可愛がられている所だ。

「その動物、なんて種類かわかるか?」

その言葉に合わせて遊星は話し合いの間に予め書いておいたメモを見せる。

【突然で悪いが早苗以外は静かに各自で筆記用具を用意してほしい】

それを見て一同はおもむろに筆記用具を取り出す。
少しだけ、早苗は遅れて取り出しながらこたえる。

「え、えっとなんでしょうか…リスザルかキツネザルか…アイアイにも見えますね」

【やはり盗聴機能?】

ムラクモが最初にメモに書いてみせた。

「生き物には、詳しい人はいないのか?」

【はい、まずはコレを見てほしい】

そう書いて、遊星はまたメモを渡す。
それは昼頃権兵衛達にみせたメモであった。
一同がそれぞれ回し読みしていく。


彼らのメモに対する反応は多種多様。
だが、大局としては勝治がここまで放送で呼ばれる事への納得であった。


皆がメモを回し読みしている間も遊星はメモに綴る。
遊星は以外と字は丁寧に書く方であった。

【とりあえずここで放送がおわったら勝治の首



ガタンッ!






「誰か居るんじゃなイカ!」


物音。そして同時に放たれる声。
遊星含めた一同が二人目の入り口の訪問者へ再び目を向ける。



「どうした!?」

思わず遊星が訊く。

642 レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E :2015/04/02(木) 21:19:43 ID:BMwVZHXA0
声の主は奇妙な青髪の少女であった。
早苗もその姿を見て遊星に続いて反応する。

「あらかわいい、お名前は何でしょう?」

「あ、イカ娘でゲソ!」

青髪の少女は早苗の問いかけに対しイカ娘と名乗った。




イカ娘が言うに元は街に向かう予定だったが通行ルートでここを見つけ、明かりが付いていたから様子を見に来たらしい。
こんな一人で歩いていてよく誰にも襲われなかったものだ。

そしてイカ娘は今まで出会ったあかりや襲撃者の事、南の海の家れもんの事、自分も持ち物の事を包み隠さず話した。
出会った時点でまだ彼らが味方どうか確定していないのに自分の手の内を明かしてしまった辺り、いかにしてイカ娘が追いつめられているかが伺える。
そこに遊星達が疑う余地はなかった。


「で、君のさっき首輪を回収したといっていたな。それを見せてくれないか?」

「わかったゲソ」

話も一区切りついた所で遊星の提案にイカ娘が答える。
本来なら壊れているはずの勝治の首輪で解析してみたかったが、無人の首輪なら尚安全だ。
これならもし爆発機能だけは作動していたとしても、人が死ぬ事は無い。

「ありがとう」

早速遊星はデイバックから工具を取り出し、イカ娘から受け渡された首輪の解析を始めた。





♯ ♯ ♯





(((こいつは使えそうだ)))

星君、ムラクモ、海東の三人の中では無駄に洗練された無駄の無い無駄なハーモニーが発生していた。

星君としては自らの警戒対象たるムラクモや海東もこいつを利用する気だろうと考えていた。
それにしても奇妙な髪だ。
先ほどの遊星は頭に蟹でも乗っけているのかと思いきやその蟹と一体化したような髪型であったのだ。
そしてこのイカ娘もイカと一体化したような髪型をしている。
まさか二人は人間ではないのだろうか。
もしそうなら協力をあおげるかもしれない。
特に遊星は利用価値が高いだろう。



「みんな!見てくれ!」

唐突に遊星の声が響く。
見ると遊星はやはりメモを皆に見せた。

643 レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E :2015/04/02(木) 21:20:51 ID:BMwVZHXA0




『早速イカ娘の持ってきた首輪を解析してみた

 だが思ったよりかなり簡単な構造

 さっき見せたメモのように勝治のが壊れていたとしても十分納得いくレベルに

 この首輪の正確な機能もわかった

 まず爆弾とそれを起動する装置(以下爆破起動装置と書く)

 この装置は恐らく主催者側が任意で起動する事もできるのだろう。

 禁止エリアに入った際に警告するスピーカー 全て自動音声の様だ

 次に動きを感知する装置 これは参加者の生死を知る為の物だろう

 ついでにこれが一定以上の強い力を感知するとさっきの爆破起動装置に働きかけるようになっている様だ

 そして盗聴機能 これはみんなも薄々感づいていたと思う

 さらに位置情報機能もついていた 爆破起動装置とも接続さされていた事から禁止エリアと同期をとる為の物であるようだ。

 ここまで書いたがこの割に首輪の分解や解析などの行為に反応して爆発するような対策プログラムは付いてなかった

 結論を言ってしまえば爆弾の調達はともかくこのレベルなら自分でも作れるような物体だ

 つまり、みんなの首輪は自分なら解除できる』



皆がメモを読み終わる頃、遊星はもう一つの物を皆に渡した。
取り外した遊星の首輪である。

「おお!すげーじゃん!ほんとにく…」

首輪の解除という事実に興奮しうっかり声を出そうとするケンの口をムラクモが押さえる。
反対の手で「よくやった」と書いたメモを遊星に見せる。

「ああ」

と、言うわけで早速遊星は一同の首輪の解除に取りかかった。
最後に海東の首輪も解除した後で丁度第3回放送の時間となった。






〒 〒 〒






「ふむ、やはりこの首輪が原因だった様だ」

644 レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E :2015/04/02(木) 21:21:44 ID:BMwVZHXA0

光写真館のトイレで星君が呟く。
しかしそれは参加者としては「星君」だが皆の知る「星君」ではない
星君は首輪を解除された事で急に体が軽くなった気がしたのだ。
もしやと思いトイレに入り、変身を解除してみた。
すると即座に手足が細長くなり、肌は赤黒く変色し、着衣は霧散し。
星君はいわば本来の姿、ジュラル星人のそれに戻った。

しかし、今はこの姿で行動するメリットは無い。
少なくとも早苗や遊星を生かしておく必要がある間は。
そして十秒と経たず、星君は元の少年の姿に戻り、トイレから出た。

(それにしても海東は何を…)

参加者の中に潜り込む中で避けては通れない海東の存在。
このまま行けば確実に隙を見て誰かを殺すはずだ。
とは言え、誰を殺すかはかなり見極めた上で行うだろう。
早苗は海東の事を大分信用している様だし、遊星も首輪を解除する技術があるのだから早々に捨てるとは考えがたい。
そうなれば、自分かムラクモかイカ娘か。
自分をが狙われる事似関しては遊星と接点を深めていけば奴はそう簡単に手出しはできないはずだ。
その線で行けば遊星に探されていた人間の様だしムラクモも殺害対象から外れるか。
それなら問題はイカ娘かー

そうだ。
一人忘れていた。
ケンという奴の存在を。
あいつはキチガイだ、泉研と同様に。
名前が同じなのはそういう繋がりがあるのだろうかと問いたくなるレベルに。
いくら上辺で仲間を集めると言ってもキチガイまで欲する事は無いだろう。
何よりケンと自分は海東が来るまで殺し合っていた関係だ。十分亀裂が生まれる原因にもなる。
そもそも自分が彼を生かす理由も首輪を解除できるかもしれないという話に付いてきただけだ、奴も同じ考えである可能性は低くない。
総じて、海東にとってイカ娘以上に殺すメリットと殺さないデメリットが大きい。

わかったぞ。
海東はケンを殺す気だ。

自分としてはそれに反対する理由も無いし、むしろ有り難い。
このゲームで問われている事は「一番殺したのは誰か」ではなく「最後まで生きのこったのは誰か」である。
無理に点数を稼ぐ必要は無い。
それに海東の真意を探れるきっかけになるかもしれない。
思い通りに事が進めば、人はつい気が緩みやすくなる物だ。

ならば泳がせてみるか。







‡ ‡ ‡

645 レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E :2015/04/02(木) 21:22:41 ID:BMwVZHXA0







 …まあ気張って早く殺しあうんだな。
 それと忘れるところだったが、禁止エリアの指定だ。

 19時にD-2 20時にD-3 21時にG-2 22時にG-3 23時にG-4 24時にF-3だ

 そういうことだ。精々がんばるんだな』

同時に西から爆音が押し寄せる。
それきり、放送は聞こえなくなった。

(ディケイドが死にましたか…意外ですね…)

海東は最後の順番で遊星に首輪を解除してもらった。
そして外し終わった直後で放送の時間となった。
解除した首輪は遊星が何かに使えるかもとデイバックに入れた。


「なるほど、そういう事だったか…」

解除した首輪を前に遊星が呟く。

「落ち着いて下さい、遊星さん」

「まあここら辺の事は読めてたようなものでした」

「彼らはハナから首輪に拘束力を期待していなかった。という事ですね」

「悔しいが…そういうことだ」

(この男はもう用済みではありますが…まだこの技術を利用する機会は十分にあるでしょう)

(しかし、このキチガイは…完全に不要ですね。殺しても問題ないでしょう)

海東はケンを見る。
首輪を解除した事でまだ浮かれている様だ。
考えながら、遊星と話を続ける。

(先ほど訊いた限りではあのリュウセイの仲間のようですね…)

(友人を山車にすればこいつを誘き出して殺す事もできるでしょうが…)

(不動遊星…少しばかり邪魔ですね)

この不動遊星という男、先ほどから常にこちらを視界に入れている。
端から見ればそういった嗜好の人間にもみえる。
ちょうどあのAVの野獣と化した田所とやらの目もあんな感じだった。
だがそうではないだろう。
自分の事をかなり警戒している様だ。
これでは少し動きにくい。



「遊星さん、たなびたい事があるんだ」

不意に遊星に向けられた声は、星君からだった。
当然ながら遊星が答える。

「何か用があるのか?」

「うん、ちょっと来てほしいんDA」

646 レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E :2015/04/02(木) 21:26:21 ID:BMwVZHXA0

「わかった、できれば早くしてくれ」

そういって星君と遊星は先ほど星君が調べた物置きに入っていった。

珍しい事もある物だ。
だがこのチャンスを逃さない手は無いだろう。
幸い早苗とイカ娘はあの獣に夢中だ。

手招くようにケンに声をかける。

「ケンくん、ちょっと訊いても良いかな?」

「ん、なんだおっさん?」

「まあついてきてほしい、リュウセイ君の事について君からいろいろ訊きたくてね」



そういって海東は目立たないようにケンを館から連れ出した。

電磁サイリウムを後ろ手に持ちながら。



「で、リュウセイがどうかしたn…」








(腹パン)

強烈な痛みがケンの腹部を襲う。
それが海東の拳によって行われた。と知った時にはもう遅かった。

頭が痛い。否、痛いを通り越した何か。

ー何かで叩かれている。

ーヤバい、ーこのままじゃ死ー


「てめっ…!」

ケンはそれでももがく。

だが。










【竜昇ケン@人造昆虫カブトボーグ V×V 死亡】








(思ったより手こずりましたね…)

647 レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E :2015/04/02(木) 21:27:15 ID:BMwVZHXA0

今はもう「ケン」ではなく「死体」に成り果てたそれを抱かえ、海東は心の中で呟いた。

(ブレイブバックルの制限が解けていないようなのは困った所ですね…)

首輪とは別に課せられているのか、ブレイブバックルの制限が解けた様子は無い。
とは言え変身しては目立つ可能性があるので解けたとしてもここでは使わなかったであろうが。
変身して殺すのではなく、豚の屠殺のようにケンの頭に電磁サイリウムを叩き付けて殺す事になった。
結果としては十分良い方だろう。
返り血も付かないので大分怪しまれにくい。



(どのみち此処にはもう未練は無いですし、ここから動いてしまえば死体は見つからないでしょう)

そう思い、ケンの死体は裏の草むらにでも隠す事にした。
落ち葉の山を掘り返して遺体を置き、その上に枯れ葉や枯れ草を積み上げる。
これで遠目にはわからないだろう。
我ながら完璧



「見てしまったぞ」





…ではなかったようだ。

厄介な事になった、が。

「そう敵意を向けなくて良い、むしろお前の判断は正しい」

「そいつが本当に首輪を解除できたかは最早どうでも良い事だからな」

「私はあなたを殺そうと考えている所なのに…妙に友好的ですね」

「当然だ…今お前を失うのは少々惜しい気がしてな」

「私の部下になれ。見逃してやる」

これは交渉という物だろうか。
だが海東は目的の為なら手段を選ばない人間である。そこに恥も外聞も無い。

「参りましたね…」





「…いいでしょう」

故に交渉は成立した。
そしてムラクモはフン、と小さく笑いを漏らした。


やはりこうするだろう、とムラクモの予想は当たっていた。
キチガイには何か特別な力がある。
などという憶測を付けてこのケンというキチガイに興味を持ち、殺さず様子を見ていた。
だが遊星の手によって首輪が外されてしまった以上この男は不要。
最も首輪が無くても主催側は参加者をいつでも殺せるとわかった以上遊星の助力も徒労に終わってはいるのだが。



§ § §

648 レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E :2015/04/02(木) 21:28:24 ID:BMwVZHXA0



(まずい…海東から目を離してしまった)

星君との話を終えた遊星は急いで広間の部屋に戻る。

しかし、そこに海東の姿は居ない。
そしてケンとムラクモの姿も無かった。

(遅かった!)

「海東は何所に行った!?」

「えっ…そういえばいませんね、何所へ行ったのでしょう?」

「クソッ!」

遊星は舌打ちし、入り口の扉を開けようとする。
ノブに手をかけようとした瞬間、逆側にノブがひねられ扉が開く。
つまりそれは、向こう側の人物が遊星より先にドアを開けたという事。

「遊星さん、ケン君が…!」

ドアを開けたのは海東であった。

「ケン君が…だと、お前」

遊星は怒りをあらわにする。
こうも速く動いてくるとは思わなかった。

「ケンがリュウセイの所へ行くと言って、一人で何所かへ行ってしまったんです」

「それは本当なんだろうな」

遊星は疑ってかかる。

「念のため此処の辺りを調べさせてもらっても良いか?」

「そう疑うな、この男は間違っていない」

いつの間にか海東の隣に居たムラクモが会話に割って入る。

「俺も見た。北の方に走っていくケンをな」

「そうか…」

「だが何故止めなかった?」

「止めたられたならこんなに騒いでないだろう」

再びムラクモは答える。

「実際ケンは一人で突っ走るような奴だしね」

星君も会話に加わる。
一応納得したのか、遊星は口を閉じる。

「…わかった、北の方に向かったんだな?」

「はい」

間を置いて遊星が振り向く。

「みんな、ケンがリュウセイって人の所に勝手に行ってしまったらしい」

「探しにいきたいが此処で別れると危険だと思う。だから一緒についてきてくれないか」

「大丈夫だ、問題ないゲソ」

イカ娘が遊星の呼びかけに応える。

「よし、じゃあ準備ができたら行くぞ」


こうして陰謀渦巻く一行は見事遊星らの籠絡に成功した。
星君、ムラクモ、そして海東の真意は何なのか。
それを皆が知るのはそう遠くない未来であろう。

649 レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E :2015/04/02(木) 21:30:19 ID:BMwVZHXA0



【H-04 光写真館前/1日目・夜】



【海東純一@仮面ライダーディケイド】
[状態]:( ^U^)申し訳ございません、このような健康体で。首輪解除
[装備]:グレイブバックル@仮面ライダーディケイド、電磁サイリウム@COBRA THE IDOLM@STER
[道具]:基本支給品(一食分消費)、電光戦車@エヌアイン完全世界、外部AI@MUGEN
   AT-4@魔法少女まどか☆マギカ、権兵衛の書置き(偽)
[思考・状況]
基本:優勝して、元の世界を支配する。
 0:取り敢えずここを離れる。
 1:街にでも向かってみましょうか
 2:表向きは対主催として振る舞い、集団の中に潜む。
 3:早苗達と行動を共にする。 特に遊星は生かしておいて損はない
 4:ノーリスクで殺人が可能な武器が欲しい。
 5:グレイブバックルの制限は首輪とは別にかけられている様だが…。
 6:ディケイドは死んだか…
 7:AIを搭載した電光戦車は切り札。
※「ディエンドの世界」編終了後からの参戦
※鬼柳とさやかを死んだと思っています。
※大変胡散臭い表情をしていますが、本人はそれに気付いていません。
※グレイブバックルは一度使うと2時間使用不可になります。
※電磁サイリウム@COBRA THE IDOLM@STER、AT-4@魔法少女まどか☆マギカを早苗から譲り受けました
※早苗のことは別の世界の仮面ライダー住民だと思っています。
※権兵衛の書置きを偽造する為、支給品のどれかの説明書の端を破り取ったようです。
※ブレイブバックルの制限は支給品として独立してかけられている為解けていません


【東風谷早苗@守矢一家コスプレ劇場】
[状態]軽傷、霊力消費(小) 首輪解除
[装備]無し
[道具]基本支給品 (一食分消費)
    VGカード『幸運の運び手エポナ』@カードファイト!!ヴァンガード、権兵衛の考察メモ
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いには乗らない。
0:ケン君を追いかけないと
1:権兵衛を追って光写真館に向かう。
2:ムラクモを守りたい。
3:海東さんはさすが仮面ライダーだ!
4:北東から見えたあの光は……?
5:守矢の巫女として信仰を集める。
6:博麗神社は後で改めて訪れたい。
7:権兵衛さん…
8: \  /
9: ●  ● この会場では常識に囚われてはいけないのですね!
10:" ▽ "
11:ケン君は更正させなきゃ(使命感)
※権兵衛が光写真館に向かったものと思っています。
※海東を正義の仮面ライダーだと信じて疑っていません。
※ムラクモはただのミリオタの少年だと思ってます。


【ムラクモ@アカツキ電光戦記】
[状態]:貧血、疲労(中)、ダメージ(中)、右足に刺し傷(処置済)、身体が十二歳程になっています 首輪解除
[装備]: 六〇式電光被服@アカツキ電光戦記、十六夜咲夜のスカート
[道具]:基本支給品(一食分消費)、マッド博士の整形マシーン、ポラロイドカメラ、
[思考・状況]
基本:主催も含めて皆殺し。
1:早苗はいつか絶対に殺すが利用できるなら生かす。
2:海東を警戒しつつも一時的に協力。
3:無力な少年を装い彼らと行動を共にして隙を見て支給品を奪い殺す。
4:怪我の回復にも専念する。
5:早苗を利用すればオリーブオイルを入手できるかもしれない。
6:もこみちざまあwwwwwwwwwwwww
※海東が自分の思惑を見抜いていると思っています
※権兵衛の考察メモを読みました。
※早苗が現人神である事、奇跡を起こす程度の能力の一部を知りました。

650 レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E :2015/04/02(木) 21:31:08 ID:BMwVZHXA0



【星君@チャージマン研!】
[状態]:右手に野獣先輩のアレが付着
[装備]:金属バット@現実 、キリン装備@モンスターハンター、地の石@仮面ライダーディケイド、首輪解除
[道具]:基本支給品(一食分消費)、双子シグナーカードセット@遊戯王5D's、謎の白い液体@THE 世界遺産、王宮内で手に入れた食料と武器、フランクのカメラ@デッドライジング、
   射命丸のカメラ(30/30)@東方Project、士のカメラ(30/30)@仮面ライダーディケイド、
   射影機(30/30)@零〜zero〜、カメラのバッテリー@現実×2、十四式フィルム(30/30)@零〜zero〜×2、フィルム@現実(30/30)×3
   カブドボーグとチャ-ジマン研のDVD、早苗のフィギュア
[思考・状況]基本思考:母星や仲間のために殺し合いに乗る。
0:海東の目的を知る為、敢えて泳がせてみる。
1:チャージマン研は最優先で抹殺する。
2:チャージマン研、アルセーヌ(名前は知らない)を警戒(特にチャージマン研)。
3:これから毎日、不意討ちしようぜ!
4:遊星とイカ娘は人間なのだろうか。
※参戦時期は不明ですが精神病院の事は知らないようです。
※遊星に何を頼んだかは後の人にご一任します。


【イカ娘@侵略!イカ娘(イカ娘の侵略実績のご紹介)】
【状態】】疲労(小)、深い悲しみ、殺人者への怒り、強い決意、首輪解除
【装備】いつもの服(少し破けてる。あかりの血で汚れている。)
【道具】ヴェルタースオリジナル×1、ポケットに入るだけの食料品(すぐ食べれるような物)、地図
    毘沙門天の槍、ドーピングコンソメスープ×2本@魔人探偵脳噛ネウロ、ATTACK RIDEてれびくん@仮面ライダーディケイド
    観葉植物くん@真夏の夜の淫夢、DMカードセット(氷結界の龍ブリューナク、グングニール、トリシューラ)@遊戯王DT
【思考・状況】
基本:殺し合いを止め、主催を打倒する
1:他の参加者と協力する
2:あかり……
3:どうやってれもんをここに持ってきたんだろう?
※E-09にあかりのバックが放置されています。
※海の家れもんを自分の世界から何らかの技術で持ち出された物と考えています。
※ポケットに入るだけの食料品はデイバックに入れました。
※首輪探知機は見落としました。


【不動遊星@遊戯王5D's】
[状態]:疲労(小)、主催者達に怒り、首輪解除
[装備]:デルタイーグル@遊戯王5D's(操縦中)
[道具]:基本支給品、サイバーZ一号のベルト@真夏の夜の淫夢関連、レッド・デーモンズ・ドラゴン@遊戯王5D's(二日目午前まで使用不可)
ライダーズカード一式@仮面ライダーディケイド、沈黙の騎士ギャラティン@カードファイト!! ヴァンガード
大量の玩具@現実、玩具を弄る為の工具@現実、武器になりそうな物@現実(包丁や鋸など)、鬼柳のハーモニカ@遊戯王5D's
解除した首輪×7、分解した首輪
[思考・状況]基本思考:殺し合いの打破
1:ケンのもとへ向かう。
2:海東純一を警戒。先程の爆発との関連も考慮
3:ありがとウサギ…
4:首輪の構造の簡素さに疑問。
5:自分のカード達や仲間を探す。
6:勝治を攻撃した誰かに警戒。
7:許せ、少年
※勝治が今までしてきたことを聞きました。ただし、アルセーヌを覗き見してたことは聞いてません。
 また、田所(野獣先輩)が勝治に一服盛ったと思っています。
 また、ケンが生きてると言う勝治の説に疑心的です。
※勝治の首輪には不具合が起きていると推測しています。
※主催側に何か不都合な事が起きていると推測しています。
※権兵衛からリュウセイと少年(ムラクモ)の現状、危険人物の話を聞きました
※麗華達と情報交換しました。
※この会場が人工的に作られた物では無いかと考えています。


【淫夢くん@真夏の夜の淫夢】
[状態]:疲労(微小)
[思考]:基本思考:ヴォー・・・
0:ヴォー・・・
1:ヴォー・・・・
2:ヴォー・・・・・
3:ヴォー・・・・・・

651 レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E :2015/04/02(木) 21:32:06 ID:BMwVZHXA0











: : :











海東がミスを犯していたのだろうか。
もしそうなら海東がもっと入念に首をおるなど処置をしておけば良かった話である。

だがそうだったにしても、死ぬ死ぬ詐欺とは簡単には破れない物である。
しかし本来ならケンには死ぬ死ぬ詐欺は余り起こっていない。
首輪の解除による制限の無力化か、それともニコニコ補正か。

ただ、はっきり言えるのは写真館の裏にはまだ小さな命の灯火が残っているという事である。



【竜昇ケン@人造昆虫カブトボーグ V×V 生存確認】



【H-04 光写真館裏/1日目・夜】



【龍昇ケン@人造昆虫カブトボーグ V×V】
[状態]:疑心暗鬼 激しい怒り、天才、 奥義チャイナクック・マーベラス・満漢全席を取得、早苗に惚れた 、疲労(小)、首輪解除、意識不明
[装備]:エレクトリカル・スピードワゴン@人造昆虫カブトボーグ V×V
[道具]:なし
[思考・状況] 基本:皆、俺に着いていけないのでボコボコにする。
0:あのニヤついたおっさんは殺す。
1:色んな奴をボコボコにして天野河リュウセイを誘き出す!
2:さっきのオッサン達もボコボコにする。
3:早苗は可愛いし、変な生き物や男じゃなさそうだから一緒に居てもいいかな。
4:あのムラクモって奴もカツミ並みにスカート似合ってたな。
※松岡勝治が死んだと思っています
※正気に戻りましたが、錯乱しています
※この会場にいる女は全員、男か謎の生物が化けたものと思っています、ただし若干都合の良い解釈もするようです
※幾多の激戦を潜り抜けた事により、チャイナクック・マーベラス・満漢全席を取得しました。
※彼の言ってる事は全て妄言です。
※生きてました。

652 ◆J/0wGHN.4E :2015/04/02(木) 21:33:44 ID:BMwVZHXA0
投下終わりになります
長くなったので>>640までを前編、>>641からを後編でお願いします

653 名無しさん :2015/04/02(木) 23:06:54 ID:4W0Bv0cs0
投下乙

うわあ・・・
盛り上がってみりました

654 名無しさん :2015/04/02(木) 23:18:05 ID:Zg9kHjMA0
投下乙です
華麗なまでのマーダー達の結束
これもう(どっちが対主催か)わかんねえな

655 ◆K.6zmCzCcE :2015/04/03(金) 15:33:20 ID:vrE2MDPs0
投下します

656 ◆FbzPVNOXDo :2015/04/03(金) 15:33:46 ID:vrE2MDPs0
なんか変になりましたがもう一度

657 ◆FbzPVNOXDo :2015/04/03(金) 15:34:09 ID:vrE2MDPs0
いけますね
じゃあ投下します

658 首輪解除×脱出×ぼっち ◆FbzPVNOXDo :2015/04/03(金) 15:35:01 ID:vrE2MDPs0
「くそっ!」

メイトリックスが思いっきり壁に拳を叩きつけ叫ぶ。
第三回放送で呼ばれた仲間、門矢士。
まどか達に襲撃され分断された後、もっと別の場所を探し再会できれば彼は死ななかったかもしれない。
あるいはフランクと合流した時、早くに二手に分かれていれば、いや船に向かうときフランクに士のことを伝えていれば。
もっとも、メイトリックスもあの短時間に様々な事があった。主にケン絡みで。
エスポワールも禁止エリア指定され時間がなく一杯一杯なのもある。

だが二回放送でイーノックの名前を呼ばれた時に、もっと最悪の事態を考えられたのではないか。
メイトリックスの中でそんな疑念が生まれる。

「メイトリックス、気持ちは分からないでもない。
 だが……」
「分かってる。こういうことは戦場でもよくあった」

流石は軍人というべきか。
後悔や動揺はしたものの、すぐさまやるべき事を理解し切り替える。
だからこそ彼は優秀な兵士として、ここまで生き延びてきたのだろうとケイネスは思った。

「ところで、あの少女の事だが」

【首輪と会場について、いくつか気付いたことがある】

何気ない会話に紛れ、一枚のメモをケイネスはメイトリックスに渡す。
頷きながらメイトリックスも会話を続けながらケイネスのメモに目線を落とした。

【首輪は解除可能かもしれない】

「ああ、いつの間にか居なくなっていたが」
「変な機器を触られる前に、探しておいた方が良いかもしれない」

そのままケイネスのメモが綴られ、首輪の内部構造などの詳細がメイトリックスに伝えられる。
ケイネス曰く水銀を首輪内に忍び込ませ、内部を探ったところ科学的な技術が多いことが分かった。
魔術的なものは、魔力などの参加者に制限を掛ける部分のみ。それ以外はいたって神秘の欠片もない。

【だが、私はその手の知識が皆無だ。君の知識を借りたい】
【分かった。この内部構造なら、地雷の撤去の要領で可能な筈だ。
 先ずは―――】

再び首輪に水銀が忍び込み、メイトリックスの指示に従い。首輪の爆弾の無力化及び解除を始めた。


数分後、分解された二つの首輪が転がり、ケイネスとメイトリックスの二人は筆談を止めていた。

659 首輪解除×脱出×ぼっち ◆FbzPVNOXDo :2015/04/03(金) 15:35:27 ID:vrE2MDPs0

「何とか、取れたが。しかし随分思い切ったことをしたな。
 そのスライムみたいなのを忍び込ませても、首輪が爆発しないと確信でもあったのか?」
「いや、私も賭けだった。だが少し心当たりが出来てね。
 あの三回放送だ。
 わざわざ首輪の爆破からエリアの爆破に切り替えた辺り
 こいつを外した参加者か、あるいは元々首輪に大した期待を奴らはしていないかのどっちかだと思った。
 どちらにせよ。試してみる価値はあるだろう?」
「なるほどな。これでエスポワールで脱出……したいところだが」
「無理だろうな」

しかし首輪が取れて一段落付いたのものの、主催はこの会場をいつでも爆破出来るという事に変わりはない。
恐らくエスポワールで脱出しようとした瞬間、そのエリア一帯は炎上するはず。
二人はそれを理解していたのか、首輪の解除でもそう喜びの色は見せなかった。

「エリア爆破もそうだが、何より結界が厄介だ」
「結界? またファンタジーな」
「エスポワールから、海の向こうを見て確信した。あれは上手く見せてるが。あの先はハリボテだ。見えない壁に包まれている。
 この島から出ることは不可能だ。その結界を破らなければ」
「でも、お前は心当たりがあるんじゃないかのか? さっきの言いぶりでは」

ケイネスは少し間を置き、辺りを警戒してから静かに口を開いた。

「この場は一時期、異界になっていた」
「イカイ? なんだそりゃ」
「説明すると長くなるが、大雑把にいえば世界が浸食されたとでも言おうか。
 ともかくこの島がちょっとおかしくなっていたと思えばいい。
 ほら、やかましいサイレンの音だの。色々心当たりがあるだろう?」

思い返せば気にする暇がなかったが、確かにこの島は何かがおかしかった期間があった。
それは確信に変わる前に元の世界に戻ってしまったが。

「その原因は“神”が居たからだ」
「神? そりゃ随分と大袈裟な」
「私も便宜上もっとも当てはまりそうな言葉で、そう呼んでいるだけだ。どちらかと言えば邪神の類だろう。
 幸いな事に、その神はこの場がお気に召さなかったらしい。大した害も残さず帰って行った」
「待て? 帰った、だと? それは」
「結界を破り、次元を超えたのだ。
 その時の歪がまだ残っているとしたら? 次元の裂け目が残っているとしたら?」

メイトリックスは高ぶる感情が抑えきれなくなってくる。
脱出困難に見えた会場に、抜け穴があるのだとすればジェニーの奪還にも繋がる。

「だが、問題が二つ。歪はあるが我々が通るには些か小さいものだ。 
 結界に自己修復機能がある。これが曲者で完全にではないがほぼ修復しかけている。
 事実私も、エスポワールに乗ってじっくりと見えない壁を観察しなければ、気付けなかった。
 何か、強力なエネルギーをぶつけてやらなければ、穴はこじ開けられない。
 もう一つ、仮に穴をこじ開けても、主催本部の座標を固定しなければならない。
 そのまま、飛び込めば次元の裂け目の中で迷子だ。下手をすればその神の世界にも繋がりかねん」

強力なエネルギー。
メイトリックスに一つ心当たりがある。
バックからセイバーのカードを取り出すと、ケイネスにセイバーが放ったエクスカリバーの事を話した。
ケイネスもカードから、あのセイバーが召喚されることに驚いていたが、話を聞き何やらブツブツと考え込む。

660 首輪解除×脱出×ぼっち ◆FbzPVNOXDo :2015/04/03(金) 15:36:16 ID:vrE2MDPs0

「いけるかもしれない。
 君の言ったそのビームを放つ剣が、もしあの聖剣ならば……だが一度召喚して確認しなければ」
「おい、召喚と言っても一度出したら半日は使えないんだぞ?」
「話を聞く限り、それはカードの魔力切れによるものだ。私が補給してやれば、すぐとは言わずとも数時間で使用可能になると思う。
 多分、現界時間も伸ばせる」
「分かった。ともかく、カードはお前に渡しておく。
 こいつは召喚した奴に従うらしい。くれぐれも気を付けてくれ」

エネルギーに関しては解決出来るかもしれないが、問題は座標だ。
こればかりは、メイトリックスには完全にお手上げでケイネスに任せるしかない。

「次の放送で、奴らの声が何処から発せられているか逆探知し、そこから座標を導き出してみようと思う」
「大丈夫か?」
「君は気づいていないかもしれないが、ここの放送は全て魔術的なもので行われている。
 ならば、奴らのいる座標のヒントになるかもしれない。
 それに幸い、この結界の自己修復機能のおかげで、パッと見は完璧だ。
 奴らはこのことに、気づいていない。座標のことまでは思いつかないはずだ。
 まず君に因縁のある連中は全員、神秘関連に気付ける筈がないし
 バックに控えているような連中は、直接会場を見に来るわけではないからなおさらだ。
 あの神の存在は奴らにとっても、イレギュラーだったと考えるべきだろう。
 だが、時間の経過と共に気づかれる可能性は高くはなる。早めに座標は特定しなければ」

そう言うとケイネスは何やら胡散くそうな礼装を作り始めていた。
魔術にからきしなメイトリックスだが、それが逆探知用の装置なのだろうという事は何となくだが理解できる。
それからさらに地図を眺め、しばらくそれと睨めっこしていると思えば顔を上げ声をあげた。

「よし、メイトリックス。F-5だ。
 神が居たのはあの辺りだと思う。なら次元の穴はそこにある。そこへ向かおう」
「分かった。船はヨコハマ埠頭に止めようと思うが良いか?」
「ああ、構わない」

「そうそう忘れるところだったが、あの少女の首輪も外してやらなければ」
「そうだな、探して来よう」

661 首輪解除×脱出×ぼっち ◆FbzPVNOXDo :2015/04/03(金) 15:36:34 ID:vrE2MDPs0

【D-01/1日目・夜 船内・操舵室】

【ケイネス・エルメロイ・アーチボルト@Fate/Zero】
[状態]:疲労(大) 魔力消費(中) 令呪残り二画、首輪解除
[装備]:メタルまゆしぃ@Fate/Zero(ケイネスの礼装をCv.花澤香菜にしてみた)、 ヒラリマント@ドラえもん、君島の車@スクライド
[道具]:基本支給品×4(食料×1)、アカツキのディバック、ジャックのデイバック
   ブック・オブ・ジエンド@BLEACH、グリーフシード@魔法少女まどか☆マギカ 
   ハリボテエレジー(破損状態、濡れてる)@JAPAN WORLD CUP
   乖離剣・エア@Fate/stay night、セイバーのカード@遊戯王なのはMAD
[思考・状況]
基本行動方針:主催者の打倒。
0:F-5へ向かう。次の放送で主催の位置を逆探知する。
1:松岡勝治と会う、
2:不動遊星、鬼柳京介を捜索。
3:ランサーの魔力は誰が・・・?
4:ギルガメッシュ、アサシン、ラミエル、グレーテルを警戒。
5:化け物(青鬼)を警戒。
6:このゲームは聖杯戦争と関連している・・・?
7:あの少女と一緒に居た丸い生き物は何だったんだろうか。
8:結界の歪をこじ開けるのにセイバーを利用する。
9:あとで祐子の首輪も外してやる。
※車内でメイトリックスとの情報交換を軽く済ませました。
※青い滴り跡については軽く気に留めている程度です。
※会場にの結界に歪があることに気付きました。主催側はまだ気づいていません。
※会場からの脱出、主催本部に乗り込むには。強力なエネルギーと座標の正確な特定が必要です。

【ジョン・メイトリックス@コマンドー】
[状態]:ダメージ(中)、疲労(中)、首輪解除
[装備]:GUN鬼の銃@MUSASHI-GUN道-
[道具]: 基本支給品、ラットの爆弾×3@探偵オペラミルキィホームズ、氷剣ユキアネサ@BLAZBLUE
    宝塔(罅が入っている)@東方Project
    世界樹の巫女 エレイン@カードファイト!! ヴァンガード、確認済み支給品1
[思考・状況]
基本思考:娘を助け出し、殺し合いをぶっ潰す。
0:岸まで船を動かす。 その後、F-5へ
1:士、イーノック……
2:鹿目まどかとはいずれ決着をつける。
3:あの2人(一人と一匹?)を探す
[備考]
※参戦時期は原作終了後。
※GUN鬼の銃に触れましたが元々能力制限されておらず潜在能力が底上げされている状態です。
※車内でケイネスとの情報交換を軽く済ませました。

662 首輪解除×脱出×ぼっち ◆FbzPVNOXDo :2015/04/03(金) 15:37:02 ID:vrE2MDPs0





「え? ここ何処?」

その頃、ゆっこは変な部屋に迷い込み。でかい人形に遭遇し。
気付けば、まったく見覚えのない空間に放り出されていた。



「あれ? どこ行ったでゲス?」

そして地味にバリカンはその部屋に入っていなかったので、彼女はまたぼっちに戻った。



【???/1日目・夜】


【相生祐子@日常】
[状態]:疲労(軽微)、死への恐怖とそれに伴う悲しみ(若干克服)、若干希望を持ちつつある。ぼっち逆戻り
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、一本満足バー×28inファミマの袋@アサヒフードアンドヘルスケア、
バトルロワイアルガイドブック@ニコロワγ
スポンジボブ@ハッキョーセット、でかいきんのたま@ポケットモンスターBW
キチガイレコード@チャージマン研!
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いには乗らない
0:えっ…何ここは…(ドン引き)
1:船内を探索。
2:研君を探しに行きますか
3:危険地帯…恐るべし…!
4:もっといい道具が欲しかった
5:研君の そこにシビれる 憧れる
6:なのちゃんに続く新しいロボットの知り合いができて嬉しい
7:………死にたくないよ
8:またボッチだよ……
※ジュラル星人と研の関係、泉家の家族構成を簡単に知りました。
※精神がわずかに不安定になっている可能性があります。
※民家の地下でニコニコ危険地帯を発見しました


【D-01/1日目・夜 船内・操舵室】

【バリカン@チャージマン研!】※意思持ち支給品
[状態]良好、首輪なし、愛称で呼ぶ程度にはゆっこを信頼
[思考]
基本行動方針:ゆっこと一緒に研を探す。見つけたら保護してもらう。
0:ゆっこ何処行っちゃったんだろう。
1:何か胡散臭そうな船でゲス
2:ゆっこと行動。
3:終わったらゆっこがジュラル星人の存在を知らない事について話し合う
※機能に何らかの制限が課せられているかもしれません。
※ゆっこの交友関係を軽く知りました。
※星君を警戒対象に入れてないのは、彼がジュラルであることを知らないからです
※参戦時期は最終回よりも前のどこか。魔王については面識があるか見たことはあります

663 ◆FbzPVNOXDo :2015/04/03(金) 15:37:35 ID:vrE2MDPs0
投下終了です

664 ◆FbzPVNOXDo :2015/04/03(金) 15:51:27 ID:vrE2MDPs0
すいません>>662はこっちにすり替えで
間違えて把握して書いてた部分を投下してしまいました

「え? ここ何処?」

その頃、ゆっこは変な部屋に迷い込んでいた。
人形に囲まれた、エスポワールにはまったく不釣り合いな部屋だ。

「あれ、バリカンも居ない……」

そして地味にバリカンはその部屋に入っていなかったので、彼女はまたぼっちに戻ってしまった。

「ちょっと、鍵も開かない……あれ?」

何か背後から気配がする。
そんな気がした。そうだ気のせいだろう。
ともかくゆっこは部屋から出る方法を探し始めた。



【青い部屋/1日目・夜】


【相生祐子@日常】
[状態]:疲労(軽微)、死への恐怖とそれに伴う悲しみ(若干克服)、若干希望を持ちつつある。ぼっち逆戻り
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、一本満足バー×28inファミマの袋@アサヒフードアンドヘルスケア、
バトルロワイアルガイドブック@ニコロワγ
スポンジボブ@ハッキョーセット、でかいきんのたま@ポケットモンスターBW
キチガイレコード@チャージマン研!
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いには乗らない
0:えっ…何ここは…(ドン引き)
1:船内を探索。
2:研君を探しに行きますか
3:危険地帯…恐るべし…!
4:もっといい道具が欲しかった
5:研君の そこにシビれる 憧れる
6:なのちゃんに続く新しいロボットの知り合いができて嬉しい
7:………死にたくないよ
8:またボッチだよ……
※ジュラル星人と研の関係、泉家の家族構成を簡単に知りました。
※精神がわずかに不安定になっている可能性があります。
※民家の地下でニコニコ危険地帯を発見しました


【D-01/1日目・夜 船内】

【バリカン@チャージマン研!】※意思持ち支給品
[状態]良好、首輪なし、愛称で呼ぶ程度にはゆっこを信頼
[思考]
基本行動方針:ゆっこと一緒に研を探す。見つけたら保護してもらう。
0:ゆっこ何処行っちゃったんだろう。
1:何か胡散臭そうな船でゲス
2:ゆっこと行動。
3:終わったらゆっこがジュラル星人の存在を知らない事について話し合う
※機能に何らかの制限が課せられているかもしれません。
※ゆっこの交友関係を軽く知りました。
※星君を警戒対象に入れてないのは、彼がジュラルであることを知らないからです
※参戦時期は最終回よりも前のどこか。魔王については面識があるか見たことはあります

665 名無しさん :2015/04/03(金) 21:22:19 ID:SViDrqxs0
投下乙です

666 名無しさん :2015/04/04(土) 22:48:09 ID:YkjQ7OhY0
投下乙
ゆっこェ……

667 ◆FbzPVNOXDo :2015/04/06(月) 16:06:04 ID:T5Dmc71A0
投下します

668 サーニャ・リベンジャー ◆FbzPVNOXDo :2015/04/06(月) 16:06:53 ID:T5Dmc71A0
「ロックオン、死んだのか」

耳障りな三回放送を聞き、フランクはロックオンの名に反応する。
一番最初に出会った参加者の一人であり、一番最初にフランクをこの場で裏切った参加者だ。
今更、死んだところで何の感傷も沸かないが、だが同情くらいはしてやろうと思う。
少なくとも、この殺し合いに巻き込まれた点では被害者の一人だ。
誰に殺されたのか知らない為、仇なんかは取れっこないが主催者を奴の分までぶっ飛ばしてやるぐらいはしてやるつもりにはなった。

「知り合いか?」
「まあ、少しな。だがろくな顔見知りじゃないが」

ランサーが気遣ってくれる様子だが、フランクは気にするなと言いたげな顔で首を横に振る。
それよりも今はケンを探すのが先だ。あんなキチガイを放って置く訳にはいかない。

「……誰、か」

ふと前から誰かが走ってきている。
暗くなってきたため、顔が良く見えない。もしかしたらケンかもしれないと二人はその人影を凝視する。
するとそのシルエットが段々と鮮明になりはっきりする。

「あれは」
「ケン、ではないな」

それはケンのような肥満気味なだらしない体格ではなくむしろ逆。
細身ながら、出るとこは出て引っ込むところは引っ込んでいる。
男のみならず女でさえも、見取れるような可愛らしい顔。
ケンのようなふざけたキチガイとは正反対の、美少女が顔を恐怖に歪ませ走っている。
ランサーとフランクはそれが誰かに襲撃され、命からがら逃げてきた参加者だと判断、二人も急いで駆け寄った。

「大丈夫か君?」
「あの、私……」
「安心してくれ。騎士道に誓い、我々は殺し合いには断じて乗っていない」

少女は走ったためか、極度の緊張のためか息が荒れ、呂律が上手く回っていないながらもサーニャと名乗る。
そして先ほど襲われたケンシロウというヘルメットの男の事を話した。

「ケンシロウか、わざわざ名を名乗ってまで殺しまわるとは、余程腕に自信があると見えるな」
「それよりも、よく君一人で逃げ切れたな」

フランクの何気ない質問にサーニャは一瞬固まった。
そう彼女はカズマの事に関しては何も話していない。
罪悪感からの逃避からか、自分のせいで要らぬ怪我を負わせ、そのまま放って置いたことを知られたくなかったのか。
口に出す気にはなれなかった。

669 サーニャ・リベンジャー ◆FbzPVNOXDo :2015/04/06(月) 16:07:56 ID:T5Dmc71A0

「私、一応軍人…ですから」
「軍人? まだこんなに幼いじゃないか」

フランクは首をかしげる。
ランサーはあまり気にしていない様子だが、フランクからすればこんな可愛らしい軍人なんて見たこともない。歳も幼すぎる。

(これも平行世界って奴か? だとしたら、ろくな世界じゃないな)

女子供が軍人として戦うなど、あまり治安の良くない世界なのかもしれない。
あまり気分が良くないが、フランクはそれを振り払う。今はそんな事を気にしている暇はない。

「しかし学校か。俺も直接見たわけではないが、設備は揃っていそうな場所をそんな輩に陣取られては厄介だな」
「はい、それにあの周辺には透明な殺人鬼も居るらしくて」
「透明? まさか麗華が言ってたやつじゃないか?」
「不味いな。ケンもそうだが、殺し合いに反対している者たちが傷を癒そうとしているところへ、そんな連中が集まっているのだとしたら」

ランサーは舌打ちをする。
次か次へと殺し合いの火種が転がり込むこの状況。
主催者が意図しているのかと疑わずにはいられない。

「フランク、俺はそのケンシロウとやらと透明の殺人鬼を倒しに行こうと思う。
 お前はサーニャと一緒にケンを探してくれ」
「おい一人で大丈夫なのか?」
「駄目、一人じゃ絶対駄目!!」

一人で戦場へ向かおうとするランサーへサーニャが大声をあげ引き止める。

「みんなで、みんなで行った方が絶対に良いです」
「だが」
「一人で相手を出来る様な人じゃないんです。特に透明の殺人鬼は何人も殺してます!」

確かに腕は自信があるが、そうまで言われると考えてしまう。
強く引き止められ少し考え込んだ後、渋々ランサーはそれを承諾した。

「分かった。みんなで行こう。
 幸いここに居る者は全員、腕に覚えが少なからずあるらしいからな。
 事実、君も俺の黒子を遮断している辺り、かなりの魔術師らしい。後方支援は任せた」
「はい。私もウィッチの端くれです。足は引っ張りません」

二人のやり取りを見ながら、フランクは何か引っかかっていた。
最初あれだけ混乱していたサーニャが、透明の殺人鬼の話をして、それを倒すといった瞬間人が変わったかのようになった。
そんな風にフランクには感じ取れた。
フランクがゾンビ騒動の最中に助けた、怯えた被害者が銃を渡した瞬間、調子に乗り始めた事もあったので言うほど気にはならなかったが。

(俺とランサーが居ることで自信が付いたって事か?)



ランサーが透明の殺人鬼を倒しに行くと聞いたとき、これは使えるとサーニャは思った。
あのケンシロウもそうだが透明の殺人鬼も、サーニャ一人の手には余るが前線で戦う騎士が居れば話は別だ。
自分が後方支援に回れば、そう勝てない相手でもないとサーニャは考える。

(待ってて、エイラ。仇は絶対に討つから)

今まで恐怖、錯乱に襲われていた少女は一転し復讐の憎悪に燃えていた。
カズマの消息が気になるが、それは後回しでもいい。それにあんなおかしい人にはもう関わりたくない。
それよりも、今は復讐だ。誰に先を越されるか分からない。焦りすら沸いてくる。

(どんな手を使ってでも、その殺人鬼は殺す。何を利用してでも……。
 だからごめんなさい。ランサーさん、フランクさん)

罪悪感は沸かない。
ランサーもフランクもカズマのような、おかしい人たちの仲間だとサーニャは思い込んでいた。
剣と槍を得意げに持った青年、血の付いた鉈を持った腕っ節の強そうな男。
そんな凶器を持った人たちは、おかしい人たちに決まっている、と。

思えばここはおかしい人達が多い。まどかもほむらもマミだって襲ってきた。
ここはそういう場所なのかもしれない。そうサーニャは思えてきていた。

だから、そんな人たちは利用してしまえば良い。
おかしい人たちにはおかしい人たち同士、潰しあってもらえばそれで良い。
その後、残った善良な参加者達とここから脱出すれば良いだけだ。

(待っててねエイラ、すぐだからすぐに―――)

670 サーニャ・リベンジャー ◆FbzPVNOXDo :2015/04/06(月) 16:08:21 ID:T5Dmc71A0


【E-03/1日目・夜】


【フランク・ウェスト@デッドライジング】
[状態]:疲労(小) 弐度の火傷(小) チートコード発動
[装備]:ナイトの防具一式@FF11、ハイリアの盾@ゼルダの伝説、富竹のカメラ@ひぐらしのなく頃に、鋸@School Days
[道具]:イワークの分含めた基本支給品、林檎@Bad_Apple!!、
太鼓@1歳から100歳までの100人が順番に太鼓を叩いて行くムービー、チートコード@GTA SA、血塗れの私服、医療道具一式@ニコロワγ、イワークの首輪
ミックスジュース(青、白、緑)×6@デットライジング
[思考・状況]基本思考:殺し合いには乗らない。生還する
1:ケンも探すが、一旦ケンシロウ(ジャギ)と透明の殺人鬼の討伐を優先。
2:情報と協力者を集める。
3:一応、イワークの首輪を持ってきたが……
4:ミキサーが欲しい…
5:この娘(サーニャ)、大丈夫だろうか。
※参戦時期は、少なくともショッピングモールからの脱出前からです
※ミルキィホームズ、スクライド世界の話を聞きましたが半信半疑です。
※ケイネスと情報交換しました。
※水中で息が無限に続くようになりました。ただし本人は気づいていません。


【ランサー@Fate/Zero】
[状態]:疲労(中)、頬にかすり傷
[装備]:ゲイ・ボルグ@Fate/stay night、プラシドの剣@遊戯王5D's
[道具]:基本支給品、シーザー・カエサル・エンペラー@人造昆虫カブトボーグ V×V
   グレーテルの基本支給品一式、コンビニ弁当、スター(二日目早朝まで使用不可)@マリオシリーズ、北米化パッチ
   ディケイドライバー@仮面ライダーディケイド(2時間使用不可)、ライダーカード一式@仮面ライダーディケイド
   ライダーカード(スペランカー)@ニコニコワールド、ライダーカード(イーノック)
   其為右手@真夏の夜の淫夢(残り使用回数7回)、
[思考・状況]基本:殺し合いには乗らず主催を討ち取る。
1:ケンも探すが、一旦ケンシロウ(ジャギ)と透明の殺人鬼の討伐を優先。
2:まどかの証言は嘘かまどかの誤解ではないのか?
3:ケイネスとの合流後、まどか達を説得する。
4:あの鎧のデザインいいな…
※まどかの証言はもうほとんど信じていません。
※参戦時期は不明ですが少なくともセイバーと戦った後です。

【サーニャ・V・リトヴャク@ストライクウィッチーズ】
[状態]:健康、魔力消費(微) 、精神的な落ち込み、腹部に重傷、精神的ショック(大)、錯乱
[装備]:★Rock Cannon@ブラック★ロックシューター、黒猫のゴスロリ服@俺の妹がこんなに可愛いわけがない
[道具]:メントスコーラ(空)@コーラを開けるとメントスが落ちるトラップの作り方、
    DMカード『スターダスト・ドラゴン』@遊戯王5D's (自身をリリースし破壊を無効化したあと帰還する効果で夜中に再び使用可能)
[思考・状況]:殺し合いには乗らずゲームを打破する
1、エイラの仇を討つ。その為にランサーとフランクを利用。
2、ストライカーユニットとフリーガーハマーが有れば入手したい
3、殺し合いに乗ってない参加者が居れば合流したい
4、まどか達を警戒
5、エイラを殺したのは……
7、おかしい人たちには潰しあってもらいたい
8、カズマの消息が気になる
※DMカード『スターダスト・ドラゴン』@遊戯王5D'sは自身効果により消えたので、短時間で復帰します。
ただし復帰前と後の時間を合わせ、一定時間で消滅しその後半日使用不可です。
それ以外は普通のDMカードと同じです。

671 ◆FbzPVNOXDo :2015/04/06(月) 16:08:59 ID:T5Dmc71A0
投下終了です

672 名無しさん :2015/04/06(月) 22:43:19 ID:dmAbXa4c0
投下乙
これはサーニャがかき乱してくれそうな予感

673 名無しさん :2015/04/08(水) 22:20:45 ID:hUrZeNKw0
投下乙です
相変わらず復讐目的のキャラは厄介だな

674 ◆FbzPVNOXDo :2015/04/09(木) 16:17:04 ID:IFhDCkRI0
投下します

675 ニコロワγ流星群(前編) ◆FbzPVNOXDo :2015/04/09(木) 16:18:16 ID:IFhDCkRI0
「フムフム、透明の殺人鬼。それに味方の勝治くんやリュウセイくん。
 色々情報ありがとうでゲソ」
「いや俺も味方が出来るのは心強い」

デルタイーグルを走らせながら、遊星とイカ娘は出来る限りの情報交換を交わしていた。
といっても、ろくに参加者に会えなかったイカ娘に、遊星が今まで起きた事柄を教えるという形だったが。
何はともあれ、危険人物、味方になるはずの者、警戒すべき対象。全ての認識を遊星とイカ娘は共通することとなる。

「居ないな。ケン、一体何処へ」
「海東の言ってたことは、本当なんでゲソ?」
「……あの少年が擁護してた以上、ほぼ間違いはないと思うが」

実際はムラクモと海東、更に星君も加え全員が口裏を合わせていたのだが、遊星に気づく術はない。
今はただ海東の言うとおりに、ケンの行方を捜すことしか出来なかった。

「辺りも暗くなっている。
 もしかしたら、何処かで見落とした可能性もある。一度、光写真館に戻った方が良いかも知れない」
「そうでゲソね」

ケンも気になるが、海東の胡散臭さも相当気になる。
何よりあの場には海東を除けば、クッソ汚い害獣と女子供しかいない。
遊星の目が離れている隙に、何をしでかすか分からない。
ここは一度、元の場所へ戻るべきと遊星がデルタイーグルを止めた時、そのライトが数人の人影を照らした。

「おい、何だあの修正テープみたいなバイクは?」
「あの蟹頭は人間のものじゃない。ジュラル星人に組する宇宙人かもしれない!」
「待ちなさい二人とも、勝手な行動は」
「あれって……遊星さん、遊星さんですよね!?」

勝治の言っていたリュウセイの特徴に当て嵌まる少年が一人。
星君の言っていた泉研なる危険な少年が一人。
露出過度で目のやり場に困るおっぱいが一人。
そして、勝治のジャンバーを羽織った以外、ほぼ全裸の見覚えのある少女が一人。

「シャーロックか!?」
「はい、遊星さん!」

どうやら様子を見る限り、シャーロックはリュウセイと合流できたようだ。
一先ず安堵の息が遊星から漏れた。

「だが、そのジャンバーは……」
「その、透明の人に襲われて、物理的に食べられるところだったのを勝治くんが助けてくれて……でも」
「まさか」

あの三回放送は間違っていなかったということなのか。
遊星の心中に重い衝撃が走った。

「そうか……俺がもっと早く着ていれば」
「そんなこと、遊星さんが悪いんじゃありません」

そんな二人の会話を見て、シャーロックの知り合いと判断したアルセーヌとリュウセイは警戒を解いたが、研はそうもいかず変装していた。
アルファガンを構え遊星へと突きつける。

「なんでゲソ? その銃は?」
「黙れ! お前たちはジュラル星人の仲間だな!」
「それはこちらの台詞だ。お前は危険だと星君から聞いた」
「なんだって!?」

星君という名に研は強い関心を示す。
間違いない。あのジュラル星人の星君だ。ということはこいつらはやはりジュラル星人。
今、ここで葬っておかねば大変な事になる。

676 ニコロワγ流星群(前編) ◆FbzPVNOXDo :2015/04/09(木) 16:19:28 ID:IFhDCkRI0

「おい研! 銃を下ろせよ!」
「リュウセイくん、騙されちゃ駄目だ。星君はね、ジュラル星人で危険人物なんだよ。
 そんな奴の仲間なんて、信用できない」
「待ってください研くん。遊星さんは悪い人じゃありません。
 もしそんな悪い人なら、私が最初に会った時に殺されてますし、勝治くんともずっと一緒に行動してたんですよ?
「いや、もしかしたらその勝治くん自体、ジュラル星人の成り代わりかもしれない。
 考えても見れば、放送で何度も呼ばれるなんて異常だよ」
「異常なのは、お前の頭だ!」

アルセーヌは遊星を怪訝そうに見つめる。
シャーロックの証言ならば、そう危険な人物ではないはずだ。
しかし、研の言う星君という危険人物と関わっているのも事実。

「分かりましたわ。ともかく彼らの無実をなんとか証明する方法から考えましょう。
 研くん。何かジュラル星人の判別方法はありませんの?」
「……奴らは鏡に映らない。あとはアルファガンで撃てば大体、正体を現す」
「アルファガンは却下ですけど、手鏡なら私の支給品にありますよ!」

シャーロックが手鏡を取り出し遊星とイカ娘を映す。
そこには紛れもなく、左右反転した遊星とイカ娘があった。
研は渋々アルファガンを降ろし、遊星たちは胸を撫で下ろした。

「でもよ。遊星さん、研が殺し合いに乗ったってのは多分嘘だぜ。
 俺もずっと行動してたけど、そんな様子じゃない」
「そうですわね。それには私も同意ですわ」
「なら、星君が嘘を吐いてるって事なのか?
 だとすれば、あいつはまさか」

リュウセイやアルセーヌの話を信じれば星君が嘘を話したことになる。
当然、その理由はもう考えるまでもない。

「待て、ケンに会わなかったか? 放送で呼ばれてたが、リュウセイの友人のケンも生きていたんだ。
 あいつはお前を探すと言って、飛び出したと海東に聞いたんだ」
「海東さんに? 
 でもケンなんて見てもないぜ。
 というか、生きてたのかあいつ。しぶとい奴だぜ」

憎まれ口を叩きながらも、何処か嬉しそうな表情をリュウセイは見せた。
だがそれも一瞬ですぐさま疑問の色に変わる。

「いきなり言われても、信じてもらえないかもしれないが、実は俺は権兵衛から海東を警戒するよう言われていたんだ。
 そして、さっき海東と早苗、少年……名前はムラクモと言うらしいが。後は星君、ケンに出会った。
 その時に、海東と星君、ムラクモはケンはリュウセイを探しに出て行ったと口を合わせていた。
 だがもし、星君が殺し合いに乗っていたのなら……」
「ちょっと待って、ムラクモだって!? そいつも危険だ!」

研が再び叫び、またジュラル星人かと呆れかけるが、予想外なことに飛び出たのは速水もこみちの名前だった。
もこみちがオリーブオイルで首輪を外し、そこでムラクモと戦闘になったこと、その際なんらかの要因で幼い容姿になってしまったこと。
何より、ムラクモが殺し合いに乗った危険な思想を持つ参加者だということを、研はもこみちから聞いたままに説明する。

「あのオリーブ男の言うことを信じるのかよ」
「そうですよ。あれこそキチガイです」

もこみちと交戦経験のあるリュウセイとシャーロックは当然、怪訝そうな顔をした。
だが、逆にまともだったもこみちとの交流があったアルセーヌは、その話にはある程度信憑性があるのではないかと考える。

677 ニコロワγ流星群(前編) ◆FbzPVNOXDo :2015/04/09(木) 16:20:17 ID:IFhDCkRI0
 
「一旦、話を整理しましょう。
 まず遊星さんは、権兵衛さんとやらから海東という人物が危険だと聞いた。
 ですが、シャーロック達の話では海東は仮面ライダーという正義の味方らしい。
 更に、星君、ムラクモなる子供達も研君の話では危険らしい」

「海東さんが危ない奴だって!? 良く分からないけど仮面ライダーはいい奴なんじゃないのか?」

アルセーヌの話を聞きリュウセイが頭を抱える。
一体何が正しくて、何が間違っているのかまるで分からない。
もう面倒なので、全員ぶっとばせば良いのではないかとすら思えてくる。

「ここは最悪のケースを考えた方が良いかも知れませんわ。
 研君も遊星さんも、二人の話が本当であった場合。つまり三人とも殺し合いに乗ったと仮定すると……ケンくんは恐らく―――」

それは最悪のシナリオだった。
殺し合いに乗った三人が口裏を合わせる理由などそう多くはない。
リュウセイもそれを察し、力なく顔を俯かせた。

「まだですわ。そんな中に早苗さんという女性が一人で居る。
 今、彼女はこの島の中で最も危ない場所に居ると言っても、過言ではありません」
「不味いでゲソ! 早く戻った方が良いんじゃなイカ!?」

何処までの話が本当なのかはまだ定かではないが。
少なくとも早苗が危ないということだけは、この場にいる全員がはっきりと理解できた。

「とにかく、早く光写真館に戻ろう!
 あそこから離れていたとしても、あの人数じゃそう遠くへは行っていないはず」
「遊星さん、私は構いませんから。この子達を」

遊星がデルタイーグルに跨る。
この場でもっとも速く移動できるバイクだが、生憎と大人と更に子供数人を乗せることは出来ない。
それを察したアルセーヌが子供たちを乗せて先に行くよう促す。

「ちょっ、苦しいで、ゲソ……」
「速く出して下さい。遊星、さん…苦しい」
「なんてキツさなんだ、おのれよくもこんなキチガイバイクを……!」

シャーロック、イカ娘、研が遊星の後ろに無理やり乗り込むがあまりのきつさに窒息しそうだった。
もう安全など知ったことではない乗り方に、遊星は不安を覚えたが今はどうしようもない。
そんななかリュウセイは一人、バイクにも乗らず別の方を向く。

678 ニコロワγ流星群(前編) ◆FbzPVNOXDo :2015/04/09(木) 16:23:39 ID:IFhDCkRI0

「リュウセイ、乗らないのか?」
「悪い、先行っててくれ」

その面持ちは真剣そのものだ。
何かあったのかと聞こうとした瞬間、黄色いカブトムシが飛来しリュウセイがトムキャットで弾く。
そのカブトムシは地面へと着地し、その車輪を回転させながら小さい砂煙を巻き起こす。

リュウセイは目線で遊星たちに行けと合図する。
それを見た遊星たちは戸惑いつつも頷いた。
遊星がデルタイーグルを発進させ、アルセーヌが駆け出す。
そして、遊星達が去ったその直後。

「やるな。リュウセイ」
「生きてたのか、ケン!」

黄色いカブトムシが跳ね、その主の手へと帰って行く。
そう龍昇ケン。その人の手へ。

死んだ筈のケンが生きていた。
そのことに喜びは感じたが様子がおかしいことにリュウセイは気づく。
目は血走り、顔は凶悪な表情に歪んでいる。
明らかにまともじゃない。何かが外れ狂っている。そんな様だ。

「俺を殺しかけた海東の仲間のお前達も、全員殺し合いに乗ってるんだろ?
 天才の俺には分かってるんだぜリュウセイ?」
「何だと?」
「ぜってえ許せねえぜ。早苗以外全員皆殺しだ」
「待て、俺たちは殺し合いには乗っていない!」
「嘘だ!!」

リュウセイは何か話が食い違っていると誤解を解こうと訳を話そうとする。
だが頑なにケンは話を聞き入れない。
雛見沢症候群と同じ症状である。
自前で発症するのか(困惑)、これもうわかんねえな。

「殺してやる……そして早苗と結婚する!!」
「訳分からないが、良いぜ? 好きにしろ。ただし―――俺にボーグバトルで勝てたらな!!」
「良いだろう! 俺が勝ったらリュウセイ、お前は死に早苗は俺の嫁だ!!」
「ああ、勝てたら早苗だろうが、何だろうがくれてやる。
 ただし俺が勝ったら早苗は諦めて大人しくしてろ!」

たまたま都合よくあったボーグ台で二人は向かい合い、使用するカブトボーグをかざす。

「チャージ三回、フリーエントリー、ノーオプションバトル!」
「チャージ三回、フリーエントリー、ノーオプションバトル!」

ルールの復唱を終え、横のチャージ台にカブトボーグの後輪を擦り付けチャージを行う。
ボーグバトルにてチャージは非常に重要だ。その試合中のエネルギー源はここでしか補充できない。
よってこのチャージを疎かにした者は必然的に敗北者となる。
当然、彼らはそのことを知っている。故にそのチャージに対する素振りを常に怠らず、実践では咆哮をあげ全力でチャージをする。

「チャージイン!」
「チャージイン!」

そしてフィールトへカブトボーグを投げ込むチャージイン。
これもまた非常に重要だ。このチャージインをミスればそれだけで即敗北に繋がる。
幸い両者とも良いチャージインだ。
二体のカブトボーグは勢い良く走り、そして火花を散らした。





―――――

679 ニコロワγ流星群(前編) ◆FbzPVNOXDo :2015/04/09(木) 16:24:21 ID:IFhDCkRI0






海東に襲われてからしばらく経ってケンは何とか息を吹き返した。
辺りはもう真っ暗で、不気味に木々や草が生い茂るのみ、落ち着いた光写真館からの落差が激しい。
ケンは頭を擦りながら、海東に襲われ意識を失うまでの事を思い出す。

「あの、おっさんゆるさねえ!!」

こんなことになってるのに、誰も探しに来ないのは恐らく全員グルなのだろう。
海東もさることながら蟹頭もイカもムラクモも星君も淫夢くんも。
更にそんな海東と知り合いらしいリュウセイもグルに違いない。ケンはそう考える。

「待ってろ、早苗……みんなぶっ殺して助け出してやるからな!!」

早苗さんは別なのか(困惑)
この人頭おかしい(小声)

しかしそう意気込んだものの、海東の周りには流石に人数が多い。
何かしら、味方が必要になる。
ケンは光写真館へは直接行かず、敢えてその周辺をうろついてみる事にする。

「ねえ、誰か居るみたいだよ」

しばらくして、女の子と声と一緒に何人かの人影が見えてくる。
あれだけの人数で行動しているということは、殺し合いには反対派であることに間違いない。
上手く誘導すれば、海東達を倒しに行ってくれることは間違いないだろう。

「助けてくれ! 殺し合いに乗った海東ってのに襲われたんだ!!」





まどかはその話を聞いた時、笑みを抑えるのが大変だった。
ケンという少年が話す海東とその取り巻きが殺し合いに乗っているという話。
実にタイミングが良い。この無力な少年を襲った危険人物の討伐という名目で、堂々と殺しが行える。
話を聞く限り、まどかに課せられたハンデ分の人数は優に殺せるはずだ。

「こんな子を…絶対に許せない」

話を聞いていたさやかは既に怒りで周りが見えていなさそうな様子だ。
乗せるのは簡単だ。
もちろん、ほむらも自分の命令一つで簡単に動いてくれる。

「みんな、そんな殺し合いに乗った人たちなんて許せないよね。やっつけにいきましょうよ!」
「分かってる。そんな事許せない」
「……ええ」

わざとらしく愛らしい声をあげながらまどかは呼びかける。
ほむらは静かに頷き、さやかは力強くそれに答える。

「ちょっと待て、本当にそんな場所に行く気?」
「そうだ。わしもそんな連中と戦うのはごめんだ」

乗り気な様子じゃない麗華や閣下が気になるが、まあ別に居ても居なくてもそう変わらない。
どちらにしろ、さやかとほむらはまどかに従う気満々なのだから。

「そろそろ飽いてきたところだ。少し付き合ってやっても良い」

予想外なのはギルガメッシュが以外にその事に反発しなかったことだ。
だが、これで戦力は十分すぎるほど揃った。連中の討伐に不備はないだろう。

「麗華、来たくないならそれでもいいよ。世話になったねありがとう」
「さやか……?」
「私は魔法少女として、弱い人たちを守らなきゃいけないから」

言いたいことだけ伝えると麗華の話などまるで聞かずさやかは駆け出した。
追おうにも、その速度は人のそれではない。何より麗華にはもう追う気が失せてきていた。

680 ニコロワγ流星群(前編) ◆FbzPVNOXDo :2015/04/09(木) 16:24:48 ID:IFhDCkRI0

(そうか、私が居なくても大丈夫か)

何かと面倒を見たがもう平気らしい。
あれならほっといても良いだろう。

「じゃあ、私はあんた達とここでお別れね。悪いけど一々喧嘩ふっかける趣味はないから。
 私は船の方に行ってみるわ」
「待ってくれ、わしも気になってたんだ。一緒に行かないか?」

おっさんが待ってましたと言わんとばかりに、息を荒げながら迫ってくるさまに一瞬引く。
でも同行者が居てくれるというのは悪いことではない。
とはいえ、おっさん十代の女子という絵面的にはあれだが。

「分かった。麗華さんたちは船に行くんだね?
 グレーテルちゃんは良いの? こっちは危険だと思うけど」
「いえ、私は……皆さんと一緒で」
「そう」

ついでに一番使えなさそうなグレーテルも押し付けておきたかったが、そうもいかないらしい。
まあ海魔の餌ぐらいにはなるだろう。

「ところでおっさん、支給品を寄越せよ」
「お前人のモノを…!」

話が纏まりかけたところでケンが閣下のバッグを強奪し勝手に中身を漁る。
自分も武器補充しないと不味いと考えたのだろう。
強奪は基本。
すると中から見知った黄色のカブトボーグを見つけた。

「おお、俺のキー・オブ・ザ・グッド・テイスト!」
「いやわしのだ」
「うるせえ!」

(腹パン)

海東にやられたのと同じように閣下に叩き込み閣下が腹を抱える。

「こいつは貰っていくぜ。あと早苗だけは殺し合いに乗っていないからな? 殺すなよ!!」
「ま、待て。ところでお前、その首輪どうやって……」

痛む腹を抑えながら閣下が疑問を口にする。
それはこの場にいる全員が抱いていたものだが、こいつはろくでもない答えしか返さなかった。

「適当に考えといて!」

そのまま嵐のようにケンは去っていく。
ろくでもないキチガイだったと閣下は思った。今時の子供はどうかしていると。

「チクショーめ!!」

閣下の悔しげな叫びが夜空に響いた。

681 ニコロワγ流星群(前編) ◆FbzPVNOXDo :2015/04/09(木) 16:25:03 ID:IFhDCkRI0

【F-2/一日目・夜中】

【総統閣下@総統閣下シリーズ】
[状態]:疲労(大)、左肩負傷 、まどか達を警戒
[装備]:出刃包丁@現実
[道具]:基本支給品一式、大量のマンガと本、カイジの地下王国豪遊セット(ポテチ、チーちく、肉じゃが、ビール×4)@逆境無頼カイジ 破戒録編
[思考・状況]
基本行動方針:生きて祖国に帰り可能であるのなら二次元に行く。打倒主催。
0:麗華と共に船に向かう。
1:情報収集。首輪の解析
2:主催者どもは必ず倒すが、具体的な作戦及び行動方針はこれから考える。
3:クリーパーを失うのは惜しかった…
4:メイトリックスと譲治を警戒……?
5:青鬼とレーザー、およびそれを発射した「何か」を警戒。
6:まどかに違和感と何処かで見た既知感。
7:船に居るケイネスと会えればギルガメッシュの言う結界や首輪に関して意見を貰う。
[備考]
※出典はあくまで総統閣下シリーズ、現実や最後の十二日間での真面目な独裁者ではありません
※サブカル知識も豊富ですが、なんらかの制限がかけられている可能性があります
※ギルガメッシュ他、数人の参加者について情報を得ました。
※アカツキ電光戦記の世界を知りました。
※別の世界から呼ばれた事がほぼ確信に変わっています
※総統閣下のノートには今まで見聞きした事のまとめや考察が数ページにわたって書いてあります。
※クリーパーの説明書を読みました。
※総統閣下の持ち出した本やマンガの詳細は次の方にお任せします。ただしDVDやBDは持ち出していません。
※過去に読んだ「HUNTER×HUNTER」を思い出しました
※メイトリックス、士、カズマ、サーニャが殺し合いに乗ったと聞かされましたが何処まで信じてるか不明です。
※一応ケンの話を聞きました。

【東豪寺麗華@MMDDFF】
[状態]:健康
[装備]:エクスカリバー@Fate/Zero
[道具]:基本支給品、DMカードセット(デモンズ・チェーン@遊戯王5D's)
[思考・状況]
基本:生存優先、主催は殺す
0:もうさやかは放っといても良いだろうし船に行く
1:とりあえず積極的に人と会い情報を集める。
2:幽香の奴、死んだのか。
3:水色髪の男(さやか)はもう他人。
4:レア様とはいずれ決着をつけるつもりだったけど……。
5:まどかに何か嫌悪感?
6:メイトリックスは殺し合いに乗っているかどうかも船に行って確認してみる
※制限はほとんどされてません。
※遊星、フランク達と情報交換しました。


―――――

682 ニコロワγ流星群(前編) ◆FbzPVNOXDo :2015/04/09(木) 16:25:21 ID:IFhDCkRI0





「死ね、リュウセイ!!!」
「くっこいつ!!」

リュウセイとケンの戦いはリュウセイの劣勢だった。
ケンの言う通り、その自称天才は伊達じゃない。
チャージ、チャージイン、ボーグのキレ、速度、パワー。全てが断トツに跳ね上がっている。
トムキャット・レッド・ビートルにキー・オブ・ザ・グッド・テイストの体当たりが突き刺さった。
フィ―ルド外に押し出されまいと辛うじて、トムキャット・レッド・ビートルは踏ん張る。

「何だぁ? おめえ弱くなっちまったかぁ?」
「なんだと!?」
「いや、俺が強くなりすぎたのかもな。―――キー・オブ・ザ・グッド・テイスト!!」

押される力が緩んだかと思えば、キー・オブ・ザ・グッド・テイストはトムキャット・レッド・ビートルから距離を取り始めた。

「何の真似だ!?」
「ここで倒しちゃ面白くない。俺が如何に天才なのか教えてやる」

するとケンはエレクトリカル・スピードワゴンを取り出し、チャージするとトムキャット・レッド・ビートルへとチャージインをした。

「何!?」
「教えてやる! 天才の俺の手に掛かれば、二体のカブトボーグの操作も自由自在だ!!」

二体の華麗な連携を取りトムキャット・レッド・ビートルを追いつめる。
トムキャット・レッド・ビートルがエレクトリカル・スピードワゴンの背後を取ったかと思えば
キー・オブ・ザ・グッド・テイストが更にその後ろを取り追撃する。
そのキー・オブ・ザ・グッド・テイストの隙を突き、真横から突撃を喰らわせるとエレクトリカル・スピードワゴンの角に受け止められる。

「ちくしょう! かわせトムキャット・レッド・ビートル!!」
「無駄無駄! 天才の俺に勝てるわけないんだよ!!!」

多分、凡人でも二対一なら強いと思うんですけど(名推理)

流石のリュウセイも防戦一方だ。
まるで勝機が見えてこない。
普通の二対一ならば相手のその連携を崩せばいい。
つまり仲違いさせ揉めている間に倒せばいいが、相手はケン一人である以上、それは不可能。

(どうする……。何か、何か手はないのか)

リュウセイは戦況を観察し、今までに見たケンの言動を頭の中で思い返す。
弱点とは思わぬところで、相手が口にしているものだ。
何か相手の脆い部分、何でもいい。リュウセイの頭が高速で回転し続ける。

「お前、早苗と結婚するとかどうとか言ってたよな?」
「あ? それがどうした? 俺たちは結ばれるんだよ!!」

冗談はよしてくれ(タメ口)

683 ニコロワγ流星群(前編) ◆FbzPVNOXDo :2015/04/09(木) 16:25:45 ID:IFhDCkRI0

「俺は早苗と結婚する! そして―――夜のシークレットバトルをするんだ!!
 聞け! これが俺たちの新婚初夜だ!!



ケン『お前のことが好きだったんだよ!』

早苗『え、何それは…(ドン引き)』

ケン『暴れんなよ……暴れんなよ……』

早苗『う、羽毛…(気絶)』スタンガンバチッ

ケン『この辺がセクシー……エロいっ!』

ケン『もっと舌使ってホラ』

ケン『ちょっと歯あたんよー』

ケン『こいつ玉とか舐め出しましたよ、やっぱ好きなんすねえ』

早苗『アン!アン!アン!アン!アン!アン!アン!アン!アン!アッーンン!!(高音)』

ケン『イキ過ぎィ!イクイクイク……』

ケン『いいよ来いよ!胸にかけて、胸に!』

ケン『ンアッー!(野獣の咆哮)』

ケン『早苗のお尻の皴は2いt「お前、変な妄想しすぎだろ! レッドレッド・メテオバースト!!!」「何!?」


その妄想に気を取られた瞬間、エレクトリカル・スピードワゴンが弾き飛ばされ場外まで吹っ飛んでいった。

「何しやがるてめえ!」
「これで一対一だな」
「嵌めやがったなぁ!!」

ハメてたのはケンなんだよなあ。
そんなことは置いといてケンは怒りを抑え、笑い出した。

「フフフ、馬鹿な奴だ。これでお前は苦しんで死ぬ羽目になるんだからな?」
「何だと?」
「奥義チャイナクック・マーベラス・満漢全席」
「一体なんだそれは?」
「お前にも破る事は出来ない。それはさも恐ろしい究極の必殺技なんだ!
 この技は三日三晩、あらゆる必殺技を叩き込むという恐ろしい無敵の技。
 こいつを使えばお前は確実に死ぬ。
 三日三晩もこんな殺し合いの場で打ち続けられないから使わないがな」

それは脅しではないことがはっきりとリュウセイには伝わった。
そのチャイナクックなんちゃらは間違いなく今まで味わった中でも最強の必殺技だ。
だが―――

684 ニコロワγ流星群(前編) ◆FbzPVNOXDo :2015/04/09(木) 16:26:41 ID:IFhDCkRI0

「……出せよ」
「何?」
「出せよ。その満漢なんとかってのを。お前は結婚するんだろ? 早苗と!
 なら、前が早苗に相応しい男かどうか、俺が試してやる!!」
「し、しかし……」
「ケン、本当はお前、俺に負けるのが怖いんじゃないのか?」

リュウセイの挑発にケンに残っていた僅かな理性が弾け飛ぶ。

「……後悔するなよ。チャイナクック・マーベラス・満漢全席、三日三晩分の攻撃を全てこの一撃に込めてやる!!」
「来い! 全て受け切ってやる!!」

黄色い閃光がトムキャット・レッド・ビートルをリュウセイをエリア一帯を包み込む。
本来の正史で辿る筈だったチャイナクック・マーベラス・満漢全席とはまた違う。
その三日三晩分の威力が込められたチャイナクック・マーベラス・満漢全席はエリアの半分を消し飛ばした。

閃光が止み、土煙と共に立っているのは龍昇ケン。そしてキー・オブ・ザ・グッド・テイストのみ。

「……それだけか?」

いやもう一人と一体が立っていた。
天野河リュウセイとトムキャット・レッド・ビートルが。

「そ、そんな馬鹿な……」
「いい加減、目を覚ませケン。
 早苗はお前と結婚する気なんか更々ないし。まず無理だ」
「なんで、なんでそんなことが言えるんだよ!!」
「何故なら、お前は見た目が太っていて女性受けが悪い!」
「ギクッ」
「勝治みたいに話術も、甘いマスクもない!!」
「ぐわあ!」
「成績が悪い!」
「ごわっ!」
「屁が臭い!」
「づあああ!」
「口も臭い!」
「あがあがががあ!!」
「妹の方が賢い!」
「あややややややあああああ!!」
「お前の家のラーメンだって不味い!!」
「どうわあああああああああああ!!!」

「そして何よりも、俺に負けたお前は天才でもなんでもない。
 天才になったつもりの底なしの大馬鹿野郎だからだよおおおおおおお!!!!!」
「そうだったのかああああああああああ!!!!!」

「行け、俺のトムキャット・レッド・ビートル!
 アルティメット・レッドアウト・ゴールデンマキシマム・バーニング!!!」

勝敗は―――着いた。


ケンは死んだ。
あのボーグバトルの余波に巻き込まれ命を落としてしまったのだ。
だがリュウセイは泣かない。
ケンはボーグバトルで死ねたのだ。ボーガーとして本望だった筈だ。
確証はないがそうである筈だ。それここなら警察に捕まる心配もない。
全部、主催者に責任を押しつけてやればいい。

「ケン……。お前は大事な事を勘違いしていたんだ。
 愛っていうのは、そいつを愛することを愛っていうんだ……。
 だけど、お前が愛していたのは早苗じゃない。早苗を好きなお前を愛していだけなんだ」

物言わぬ死体になったケンにそう言い。
リュウセイはフィ―ルド外に飛ばされたキー・オブ・ザ・グッド・テイスト、エレクトリカル・スピードワゴンを拾う。
そして光写真館へと急いだ。

「待ってろ。みんな」



【龍昇ケン@人造昆虫カブトボーグV×V】死亡

685 ニコロワγ流星群(前編) ◆FbzPVNOXDo :2015/04/09(木) 16:26:56 ID:IFhDCkRI0
【F-3/一日目・夜中】


【天野河リュウセイ@人造昆虫カブトボーグV×V】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、左肩に刺し傷、オリーブオイル臭い、強い怒りと決意、首輪解除
[装備]: トムキャット・レッド・ビートル@人造昆虫カブトボーグV×V
[道具]:基本支給品、スコップ@現実、ノートパソコン@現地調達、USBメモリー@ニコロワγ
    キー・オブ・ザ・グッド・テイスト、エレクトリカル・スピードワゴン@人造昆虫カブトボーグV×V      
[思考・状況]
基本:殺し合いを止め、主催者を叩き潰す。
0:光写真館へ急ぐ。
1:もこみち死んだのか。
2:勝治、ケン、権兵衛…… 。
3:早苗達と合流。
4:研やシャーロックはユーチューバーなのか?
※ニコニコ動画の存在を知りました。今のところニコニコで把握した動画はチャー研、ミルキィ関連だけです。
※海東、ムラクモ、星君が危険人物と聞きました。





―――――

686 ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo :2015/04/09(木) 16:27:33 ID:IFhDCkRI0






「光写真館にいつまで居ても始まりません。ここは市街地の方へ行ってみませんか?」

海東の提案に反対するものは誰もいなかった。
星君、ムラクモは元より、早苗もケンやリュウセイ達と合流するには、人の多い場所の方が良いと思い賛同する。
よって四人は準備を済ませ、そして光写真館を発とうしたその時だった。

「問題かも大変かもヤバイかも♪問題かも大変かもヤバイかも♪」

三羽のやかましい鴨が窓を破り光写真館へと飛び込んできた。

「え? 鴨、一体どうし―――」

その鴨たちは口調とは裏腹に、非常に怯えた助けを求める顔をしているように早苗には見えた。
鴨たちの体が膨れ上がり、破裂する。
爆弾を仕込まれていたのかとムラクモが警戒するが、それは爆弾などという兵器ではなかった。
人でもなければ獣でもない。鴨たちの体を食い破り出てきたのは、海魔。
触手をうねらせ海魔達は海東たちへと襲い掛かる。

「ウェイ!」
「電光機関解放!」

星君は金属バットで、ムラクモは電光機関を使い海魔達に応戦していく。
だが、いくらいそう階級は低いといえども、金属バットごときでは海魔はそう簡単には倒せず
ムラクモは本来の力を出し切れず防戦一方。
早苗も弾幕を撃ち援護するが三体も相手では不利だ。

「仕方ありませんね。―――変身」

グレイブバックルから、四角いカードのようなビジョンが飛び出すと、それは海魔の触手を弾く。
海東は走ってそのビジョンを潜り抜ける。
潜り抜けたその先には、海東純一ではなく仮面ライダーグレイブの姿があった。
形成は逆転。いわば怪物退治のスペシャリストである仮面ライダーが相手では如何に海魔でも手も足も出ない。

「試してあげよう。お前たちの力を」
「ウェヒヒヒ、じゃあ試されてあげる」

グレイブのボディに衝撃が走る。
見れば目の前にはフリフリした衣装に身を包んだ少女と、同じくフリフリの衣装を着た見覚えのある男がいた。

「これは一体どういうことでしょう?」
「あんたが海東でしょ? ケン君を襲ったというのは分かってるんだから!」
「何?」

続けざまにフリフリ衣装を着た男、さやかは剣を振るいグレイブへと斬りかかる。
しかし初撃では不覚を取ったが、二撃目からはそうもいかない。
さやかの剣撃を同じく剣の形をした「グレイブラウザー」で受け止めた。

(あの男は殺したはずだ。それにこの姿、剣はあの少女の……どういうことだ?)
「ああああああああ!!!」
「くっ」

海魔とは比べ物にならない強さだ。
更にまどかも後方から援護し二対一の状況。
海魔にまで手が回る状況ではない。

「皆さん、何とか撤退して……ぐわっ」
「海東さん!」

早苗も海東の援護に向かおうとするが海魔に遮られる。
何より、早苗には一つ引っかかる事があつた。

『ケン君を襲ったというのは分かってるんだから!』

あの乱入者は何故ケンのことを知っていたのか。
その言葉が本当ならばケンは……。

(いえ、それよりもまずはこの場を何とかしないと!)

687 ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo :2015/04/09(木) 16:28:04 ID:IFhDCkRI0
海魔に苦戦しながら星君、ムラクモは舌打ちをする。
間違いない。海東はしくじった。
あのフリフリ衣装の男の言っていたことから、推測すればすぐに分かる。
事態が事態だからか、問い詰めこそしていないが、早苗も既に勘付いていてもおかしくない。
ならばもう、早苗には用はない。海東がクロだと分かればどっち道、自分たちもかなり怪しまれる。
あの時、遊星にケンが飛び出して行った事を信じさせるために、口裏さえ合わせなければと後悔するがもう遅い。
今は、どんな手を使ってでも生還することが優先だ。

(ムラクモ、分かってるだろ?)
(ああ、癪に障るがここは撤退が一番だ)

幸い、自分たちの相手は海魔だけだ。
その動きには規則性が少なからずあり、人間並の知能を持った相手との戦闘に比べれば逃走は図りやすい。

「僕の動きに合わせろ」
「良いだろう」

もう何度目になるか分からない海魔の触手の攻撃。
星君が思いっきりバットを振りかざし触手を払う。
そして触手が払われ、ガードが手薄になった本体へムラクモの拳が突き刺さる。
電光機関の力を借りた拳は海魔を突き抜け、気色の悪い体液を撒き散らしながら貫通した。

「よし! 今だ!」

仲間が一体殺され僅かに海魔達が狼狽えたその隙に星君とムラクモは全力で駆け逃走を図る。
だが、その足元に光線が発射された。
この光線には見覚えがある。忘れるはずもない、星君の仲間を何人も葬り去ってきたあの憎き怨敵のもの。

「見つけたぞ! 星君!」
「チャージマン研か!」

最悪のタイミングで最悪の奴が現れた。
星君はそんな自分の運の悪さに呆れてしまった。

「早苗、無事か!? それになんだこの騒ぎは!?」
「遊星さん!」

研に遅れてデルタイーグルから飛び降りる遊星。
もうかつての光写真館は面影もなく、無残に戦闘の余波で破壊されている。

「さやか? あれはさやかか!」
「え? 何で遊星さんが!」

(腹パン)

「があっ!?」

別の方向へ気を取られているさやかにグレイブは腹パンを食らわせる。
たまらず、さやかは吹っ飛ばされた。
更にまどかが放つ弓矢をグレイブラウザーで弾きながら下がる。

688 ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo :2015/04/09(木) 16:28:25 ID:IFhDCkRI0

「ご無事でしたか、遊星さん」

姿形が変わっているが、声でそれが海東だと遊星は判断した。
これが仮面ライダーとやらの姿なのかもしれない。

「何がどうなっているんだ一体?」
「彼女らが、襲ってきたんです」
「でも、あの男の人、ケン君がどうこうって……」
「なんだって?」

遊星と早苗の疑いの目は海東へと向く。
さてどうしたものか。

「これには事情があります」
「信用できないな。お前、本当はケンをどうしたんだ?」

その疑いは確信に近い。
少なくとも遊星は海東が、どう言おうと信じる気は更々なさそうだ。

(困りましたね。身を潜めるつもりでしたが……)

大幅に計画がずれてしまった。
こんな事なら、もっとよくケンの死を確認すべきだったかもしれない。
完全に自分のミスだ。

「死んで貰うしかないな。お前ら全員」
「お前、何を―――」

その声は今までとは全く違う、背筋が凍りそうなほど冷たい声。
海東はティバックへと手を伸ばす。
何かすると気付いた遊星が止めようとするが、足で腹パンされ吹っ飛ばされる。

「こ、のおおおおおおお!!!」

先ほど腹パンを喰らったさやかが痛覚を遮断し、痛む体を無理やり動かす。
ともかく事情は分からないが、海東を止めた方が良いことだけは分かった。
手放した剣を再構築し、そのまま海東へと剣を振りかざす。

だが、その時

「案外、思ったよりも私は人望が厚かったようですね」

仮面の下で海東は笑っていた。



―――――

689 ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo :2015/04/09(木) 16:28:46 ID:IFhDCkRI0




デルタイーグルで光写真館に辿り着いた時、もうすでにその場は戦場になっていた。
真っ先に研が飛び降り、その宿敵を見つけると一目散に駆けて行く。
続いて遊星が降り、イカ娘にシャーロックを頼むと言って早苗の元へ走る。
こうして光写真館の外で、二人は遊星たちを待つこととなった。

「貴方たちも彼らの仲間ね」

少女の声が響く。
いや、少女というよりその姿は異様な程の大男で、その肉体は丸太のように太い。
声だけが少女だ。
更に犬耳を生やした少女にバイクスーツを着た男。
犬耳はともかく男の方もかなり厄介だとイカ娘は覚る。

「一体、何でゲソ?」
「悪いけど、邪魔してもらっては困るの」

少女、ほむトキが駆けその剛腕をイカ娘へと放つ。
イカ娘は触手を盾代わりに、それを受け止めながらも衝撃を殺しきれず後退。
狙い撃つかのようにバイクスーツの男、ギルガメッシュの投擲した石がイカ娘の足を貫通する。

「げ、ゲソ!」

痛みで頭が真っ白になるイカ娘に止めを刺そうと、ほむトキが手刀を刺すがイカ娘は辛うじて回避。
ほむらはギルガメッシュへ一瞥し石を投擲するよう合図を送る。
だがギルガメッシュは退屈そうに欠伸をしているだけだった。

「何をしているの!? こいつらがまどかの邪魔にならないように殺さないと!!」
「飽きた。そんなすぐに殺しては、あまり面白味がない。
 そんなイカ一匹、お前一人で仕留めろ。少し我を楽しませるが良い」
「何、馬鹿な事を……!!」
「おいグレーテル、 ヨツンヴァインになれ。あくしろ」
「え?」

ギルガメッシュは横でオドオドするグレーテルをヨツンヴァインにし、その背に座り込むと酒を取り出しのんびり飲み始める。
完全に見物モードへと入っていた。
ほむらは舌打ちをしいずれ殺してやると心の中で毒づく。
逆にイカ娘はチャンスだと、あの気紛れな王様に感謝した。

(シャーロック、悪いけど私一人じゃ限界があるでゲソ。
 誰か応援を呼んでくれなイカ?)
(分かりました。すぐ遊星さんか海東さんに知らせてきます)


イカ娘がシャーロックに耳打ちをしそれに答え、急いで応援を呼びに走るシャーロック。
ほむらは行かせまいと、手を伸ばすがその先をイカ娘の触手が遮った。

「邪魔を、するなああああ!」
「こっちの台詞でゲソ!」



―――――

690 ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo :2015/04/09(木) 16:29:06 ID:IFhDCkRI0



鈍い感触がさやかの手に流れる。
それは何かを斬った時の感触だ。特に魔女の体や触手なんかを斬った時に近い。
ただ違うのは、赤い鮮血がさやかの顔を濡らし、一人の少女が苦痛に染まった顔をさやかに見せている。
それだけだった。

「ぁあっ……」

声が上手く出ない。
自分は、何をしでかしたのか理解するまでに時間がかかる。

「シャーロック!!」

遊星の叫びが頭の中に響き渡る。

ああ、そうか。私は……。

海東の手から、血に染まったシャーロック・シェリンフォ―ドが手放された。
もう声を出す力もないのかその小さな体はぴくぴくと震え、その眼はどうしてと訴えているようだ。
その表情が、さらにさやかの心を抉る。

「良い剣だ。感動的だな」

さやかは溜まらず膝を付き、顔を俯かせる。
海東に斬りかかった時、海東はイカ娘の応援に来るよう伝えに来たシャーロックを掴み盾にした。
さやかはその攻撃を止めることができず、その何の罪のない少女を斬り殺した。

「だが無意味だ」

海東はティバックからソレを取り出した。
支給品としてはあまりにも規格外のソレを。

「私はお前に感謝しているんだ。私はお前のおかげでコイツを取り出せた。今度は私がお前を救ってあげよう」

ただし死という形でな。そう海東は心の中で付け加える。
物理法則を無視し、飛び出してきたのは巨大な戦車だ。
光写真館をその大きさで内部から破壊しながら、その戦車は光線を無差別に放つ。
壁はもちろん、天井も床も光写真館という建物そのものが光線により瓦礫と化し、降り注ぐ。

「早苗、こっちだ!」
「はい!」

光写真館から脱出しようと早苗の手を引こうとする遊星とその手を握ろうとする早苗。

(腹パン)

「うっ……」

しかし、その早苗の腹部に強い衝撃が走り、遊星の手を握る前に意識が飛ぶ。
早苗の腹にパンチ叩き込んだ海東は、ぐったりと倒れた早苗を海東が抱き抱えた。

「海東、何の真似だ!」
「申し訳ございません、このような誘拐で」

追おうとする遊星だが瓦礫と戦車に阻まれ進むことができない。
海東はそのまま姿を消してしまった。

「くそっ」

何とか光写真館が崩れる前に飛び出せた遊星。
イカ娘と戦っていたほむらが、手を止め驚愕の表情で遊星と光写真館を見る。
ただ一人、ギルガメッシュは笑いながら楽しそうに酒を飲み、グレーテルは椅子のままだったが。

「な、何でゲソ? ただごとじゃないじゃなイカ?」
「まどか、まどかああああああああああ!!」

叫びながらほむらは倒壊した光写真館の瓦礫に飛び込んでいく。
もし、あの下にまどかが生き埋めになっていたのだとしたら? そうだ早く掘り出さなければ。
まどかは寂しがり屋だ一人になんてさせておけない、早く助けなければ。
ほむらにまともな思考はなく、焦りとまどかを失う恐怖心だけがほむらを突き動かす。

「戦車は。……消えている?」

691 ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo :2015/04/09(木) 16:29:40 ID:IFhDCkRI0

瓦礫の山から海東の取り出した戦車は姿を消していた。
恐らく、全員殺せたと考えた海東が再びティバックに入れ持ち去ったのかもしれない。

「シャーロック……」

ほむらの横で、同じように瓦礫を退け遊星はシャーロックを探す。
イカ娘も遅れて触手で手伝う。
あの出血量では助かっていないだろうが。それでも死体だけはちゃんと埋葬してやりたかった。

「あまり、面白い見世物ではなかったな」

落胆した様子でギルガメッシュは呟く。
あの巨大な戦車が現れたまでは盛り上がったが、それ以降はろくに面白味がまるでない。
そんな瓦礫を掘るだけでは、まったく娯楽にもならない。
何より、もっと期待していたものが見れないのが実に腹正しい。
こうなれば自分が盛り上げてやろうとギルガメッシュは考える。
ついでに、首輪のない蟹頭に聞きたいこともある。やっとギルガメッシュその重い腰を浮かせた。

「……何?」

その瞬間、胸に空洞が出来ていた。

「ぐ、まさ、か……」

ピンク色の矢のような物が奔りギルガメッシュの胸を貫く。
そこまでグレーテルは理解できた。
だが、その後。胸の空洞から触手が生え始めたという現象に、既知感と驚愕が入れ混じった感覚を感じる。
海東達を襲撃する際、ティバックの中で騒いでいた浜口優かもをまどかに無理やりひったくられ、海魔にされたときと同じ光景。

「貴様、よもやそこま、ガ――!!!???」

英雄王の肉体は完全に食い尽くされた。

「ほむらちゃん、そいつら殺すから手伝って!」

まどかの声が聞こえる。
上空からだ。
瓦礫の下ではなく上空にまどかは浮いていた。
とうの昔に、あの倒壊から逃れていたのだ。

「まどか!」
「ウェヒヒヒ、参加者を媒介にした海魔はかなり強いと思うよ?」

まどかは確かに支給品よりも参加者を媒介にした海魔物非常い強力だ。
その大きさも先の戦車の倍はある。
まどかは知る由もないが、ギルガメッシュの魂は並のサーヴァント以上のもの。
ゆえに、ここまでの海魔を生み出してしまった。

もしギルガメッシュがまどかに興味を示さなければ、こんな目には合わなかった。
もしギルガメッシュが、最初からやる気があればあんな矢などかわせていたかもしれない。
何にせよ、この殺し合いの英雄王の物語はここで終わってしまった。




【ギルガメッシュ@Fate/stay night】 死亡

692 ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo :2015/04/09(木) 16:30:21 ID:IFhDCkRI0
海魔はその巨体を以てして遊星たちを押しつぶそうとする。
僅かに動いただけで足元にはクレーターのような窪み、島中に轟きそうな地響き。
ただの人間の遊星はもちろん、イカ娘でもあんなものに潰されては一たまりもない。
遊星はデルタイーグルに飛び乗り、イカ娘は自前の身体能力で回避し海魔から距離を取る。

「まずい。どうすればいい!?」

その海魔を倒すには、あまりにも遊星たちには装備が無さすぎる。
せめて、リュウセイ、アルセーヌ、研が居れば話は別だが。
今この場で戦えるのは遊星とイカ娘しかいない。研は光写真館の倒壊から姿を見失っている。

「何か弱点があれば」

海魔、そして上空からのまどかの弓矢を避けながら遊星は推察していく。
まずあの海魔はイカのようなタコのような姿をしている。
ならば、炎に弱いのではないか? だが試そうにも、あんな巨体を燃やし尽くす程の炎なんて調達できない。
レッド・デーモンズ・ドラゴンが使えるのならあるいは。
だがそのレッド・デーモンズ・ドラゴンも使用制限により今は召喚できない。

「まどかに命を差し出しなさい!!」
「しまっ―――」

デルタイーグルに強い衝撃が走り、デルタ―グルがクラッシュする。
勢いに乗せられたまま遊星は放り出され地面を転がる。

「逃げるでゲソ!」

イカ娘が大声で遊星に叫ぶ。
遊星が吹っ飛ばされた先にはあの海魔が迫ってきていた。
体を強く打ち付けた為か、逃げようにも体が思うようにいかない。
救出に向かおうするイカ娘だが、ほむらの巨体が遮る。

「俺は気にするな、お前一人で逃げるんだイカ娘!!」

この場で遊星が死ねば残りはイカ娘ただ一人だけだ。
イカ娘と殺し合いに乗った二人、そしてこの化け物。どうなるかは考えるまでもない。
ならばせめてイカ娘だけでもの逃げて、リュウセイ、アルセーヌと合流した方が良い。
遊星は覚悟を決め、目を閉じた。

「なんで……」

まどかの乾いた声が、その場に居た全員の心境だった。
結果として海魔が遊星を殺すことはなかった。
その動きを無理やりに引き留められ繰りそうに呻いている。

693 ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo :2015/04/09(木) 16:31:02 ID:IFhDCkRI0

「遊、星さん……」
「シャーロック!?」

瓦礫が浮遊し退けられていく。
手も使わず軽々とそんなことを行える人物などただ一人しかいない。
シャーロック・シェリンフォード、ただ一人だけだ。

「トイズ、戻った……みたい、です……」

もっともその命は尽きかけている。 
さやかに斬られた傷は未だに血を吹き続け、口からは何度もせき込みながら血を吐いている。
おそらくは、このトイズの使用の負担も重なっているのかもしれない。

「シャーロック! やめろ!!」
「遊星、さん……私が止めている内に……」

逃げろと言いたかったのか。
けれども、傷口の激痛からかそれは紡げない。
残った最後の力を振り絞り、自分のディバックを遊星へと投げる。
この中には、権兵衛の残したメモが入っている重要なファクターだ。遊星に渡すことで何かあるかもしれない。

最後にまた大きく血を吐く。
その時、シャーロックの中で何かが途切れたような気がした。
何か大事な命に直結する何かが。




――――権兵衛さん、早苗さん、リュウセイくん、勝治くん、遊星さん
    
    ごめんなさい。みんなが支えてくれたけど私は死んでしまうみたいです。本当にごめんなさい。
    でもリュウセイくん、早苗さん、遊星さんならきっとこんな殺し合い壊してくれるよね。


――――ネロ、エリーさん、コーデリアさん、アンリエット会長。
    
    ミルキィホームズの事はお願いします。みんななら大丈夫だと思うから。 


――――小林先生。
    
    私、先生みたいな探偵にちょっとでも近づけたのかな……。




【シャーロック・シェリンフォード@探偵オペラミルキィホームズ】 死亡

694 ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo :2015/04/09(木) 16:31:46 ID:IFhDCkRI0




「あーあ、あの屑ガキほんと邪魔だったなあ。死んでせーせしたけど」

海魔の動きが戻っていく。
シャーロックのサイコキネシスの拘束が緩み、再びその身は自由となった。
早く逃げなければ踏みつぶされるだろう。
だが、そんな事はどうでも良かった。
今あの女は何と言った? 

「屑だと……?」

屑と確かに屑と言っていた。

海魔が迫る。だが関係ない。
遊星はそこに立ち尽くし、まどかを睨む。

「屑でしょ? あんなガキ」

悪びれる様子もなくまどかはあざ笑う。

「クズ、クズ、クズ。ウェヒヒヒ、何度でも言ってあげる」

「何度も何度も屑とばかり…他に言葉を知らないのか?」

シャーロックとは決して長い付き合いだった訳じゃない。
通算すれば数時間も一緒にいないかもしれない。
だが彼女の強い意志と、その信念は痛いほどに伝わる。そんな誇り高い少女を侮辱されたまま、終われる訳がない。

「お前なんかにシャーロックを貶されてたまるか!!」

シャーロックのディバックが投げられたとき、確かに感じていた。
確証はないが確信はある。この中に切り札が入っていると。
ディバックを開け、取り出せたのは二枚のカード。

(シューティング・スター・ドラゴン、駄目だ。今は使う事が出来ない。だが―――)

非常に強力なカードだがそれ単体では使用できない。
スターダストドラゴンの強化形態でもある為、そのスターダストドラゴンがなければ召喚不可能だ。
だがもう一枚は違う。

「集いし願いが新たな速度の地平へ誘いざなう。
 光さす道となれ! シンクロ召喚! 希望の力、シンクロチューナー、フォーミュラ・シンクロン!」

遊星の口上に導かれるようにカードの絵柄が実体化しモンスターが現れた。

695 ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo :2015/04/09(木) 16:32:20 ID:IFhDCkRI0

「そんな雑魚で私の海魔が倒せるわけないじゃん」

まどかは鼻で笑う。
フォーミュラ・シンクロンは凛々しい目をしながらもその姿は小柄でミニカーのようだ。
どう見ても海魔に勝てる様子はない。

「それはどうかな?」

フォーミュラ・シンクロンがその召喚に成功した時、カードを一枚引くことができる。
麗華からレッド・デーモンズ・ドラゴンを譲り受けたとき
カードが実体化することを聞いていた遊星はモンスターの効果もある程度再現されると考えていた。
その考えは当たっていた。

本来ならばシンクロ召喚に成功した時限定だが、それはこの殺し合いにおいて実体化もシンクロ召喚として扱われる。
支給品として出す際、主催側が施した特殊な裁定だ。
そしてそのカードは本来のデュエルならばデッキ(山札)から引くことになるが、この殺し合いにデッキは存在しない。
故に、そのカードは支給品の予備軍よりランダムの使用者の元へと送られるシステムになっていた。

遊星の手に新たなカードが握られる。


「俺の引いたカードは―――死者蘇生!!」

参加者は蘇らせることが出来ないが、墓地に送られたモンスターを蘇らせる強力なカード。

「蘇らせるのは―――」

再び、王者の鼓動が今ここに列をなす。
天地鳴動の力を纏い、そのドラゴンは墓地より舞い戻る。

「レッド・デーモンズ・ドラゴン!」

王者の咆哮だけでその海魔は怯む。
格が明らかに違う。本能的に海魔は理解していた。
これは自分よりも上の食物連鎖の頂点に位置するのだと。
今、殺される側に居るのはこの自分自身なのだと。

「ちょっと、何よ……何で動かないの!!」

こんな、こんなところであんな訳の分からないドラゴンに邪魔されてたまるか。
もうこんな化け物には頼らない。自分自身で遊星を殺す。
まどかは上空から遊星へと急下降し弓矢を向ける。

「お前の魂、借りるぞジャック。―――灼熱のクリムゾン・ヘルフレア!!」

レッド・デーモンズ・ドラゴンから放たれる灼熱のブレス。

「駄目、逃げてまどか!!」

ほむらの叫びも空しく、その灼熱はまどかを包み込む。

「熱い、熱い、熱い熱い熱い熱い熱い!! ほむ、らちゃ……」
「待っててまどか私が……!!」

海魔は蒸発し、まどかの悲鳴が炎に飲まれる。
ほむらはなりふり構わず炎に飛び込み。
それが遊星が見た二人の最後の姿だった




―――――

696 ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo :2015/04/09(木) 16:32:42 ID:IFhDCkRI0





「どうやら、勝敗は着いたようですね」

海東は光写真館のあった場所に現れた海魔とドラゴンの戦いを離れた場所から見届けていた。
自分の戦車も大概だが、あの二体の生物も中々に厄介だ。
おそらく海魔はまどか、ドラゴンは遊星のものだろう。
早急に対策を練った方がいいかもしれない。

「とはいえ、私のグレイブバックルや電光戦車のように、使用制限を掛けられている可能性は十分にある。
 あまり気を取られるほどでもないかもしれません」

それよりも、と海東は早苗へと視線を戻す。
彼女の扱いを考えなければならない。
もう、どう言い繕っても自分を信じはしない。
そもそも仮面ライダーというだけで、早苗が無条件で信じ込んでくれたのが奇跡に近かったかもしれない。
世の中には色々なライダーが居る。
その力をイライラ発散の為に使うものや。
ライダーの力楽しみだけで使う、薄汚いオルフェノクという怪人の仲間がいると風の噂で聞いたこともある。
どの道、自分は疑われていただろうと海東は開き直った。

「か、海東さん! あなた一体……!?」
「おや、もう目が覚めました」

これは意外だったと言わんばかりに海東は言う。
きちんとした拘束をする前に、目覚めるとは思いもよらなかった。
思った以上に、体がタフなのかもしれない。

(腹パン) バチィ

「いい目覚めだ。感動的だな。だが無意味だ」

腹に一撃お見舞いし、電磁サイリウムで止め。
ケンを殺しきれなかったことから、そう殺傷力は高くないのだろう。
早苗は再び気絶した。

「この電磁サイリウムは、早苗さんが私を信頼し譲ってくれたものでしたね。皮肉なものだ」

感情が篭っていない声で淡々と述べ海東は早苗の拘束を始めた。
もちろん猿轡も忘れない。
そして早苗のディバックの中身を確認し、それらを自分のディバックに移す。
空になった早苗のディバックに早苗そのものを入れ、そのディバックも自分のディバックへと入れた。

「貴方は人質になって頂きます」

グレイブバックルと電光戦車の力は一時的に失われ、仲間という利用できる駒がない以上。
海東には修羅場を切り抜けるカードが必要になる。
それが早苗だった。

697 ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo :2015/04/09(木) 16:33:18 ID:IFhDCkRI0

「遊星が追ってきたとしても、あるいは他の連中が私を殺し合いに乗っていると知らされているとしても、早苗を盾に使えばそう手出しはできない」

しかし、ある意味このの切り札は、海東が追い詰められている事を示している。
海東はもし自分を知らない参加者と遭遇すれば、無害な参加者を装うつもりだ。
とはいえ既に殺し合いの参加者は半数を切った。
あの場に居た連中の数、更にあの場には居なかったがあの場に居た誰かと面識のある参加者。
そこまで考えると、完全に騙せる人間は殆ど居ない。

「私も追い詰められましたか。だがこれで逆にやりやすくなったとも考えるべきか」

元々、優勝を狙っていた以上殺し合いに乗った参加者がこれ以上戦力を増大させるのは避けたいところだった。
むしろさっさと潰しあって欲しいぐらいだ。
集団に紛れながら、海東はそのことに焦りと憤りを感じていたのも事実。
かえって、堂々と参加者を殺せる立場はそう悪くはないかもしれない。

「あの首輪を外した時は、あのまま主催を倒しても良いかと思いましたが。
 やはり逆らうのは、危険すぎますからね」

ティバッグを担ぎ何処へ向かうか思案する。
出来れば共闘者が欲しい。生きていれば、星君やムラクモと合流できればすべきだろうか。
だが、一度犯したミスでこちらへの信頼は下がっている可能性は高い。
役に立たないと殺される可能性も高い。慎重に接触すべきか。


「とにかく、今は遊星に会わないことを祈りましょう」

698 ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo :2015/04/09(木) 16:33:45 ID:IFhDCkRI0
【H-05/1日目・夜中】



【海東純一@仮面ライダーディケイド】
[状態]:( ^U^)申し訳ございません、このような健康体で。首輪解除
[装備]:グレイブバックル@仮面ライダーディケイド(二時間変身不可)、電磁サイリウム@COBRA THE IDOLM@STER
[道具]:基本支給品(一食分消費)、電光戦車@エヌアイン完全世界、外部AI@MUGEN(4時間使用不可)
   AT-4@魔法少女まどか☆マギカ、権兵衛の書置き(偽)
    VGカード『幸運の運び手エポナ』@カードファイト!!ヴァンガード、権兵衛の考察メモ
    早苗の基本支給品 (一食分消費)
[思考・状況]
基本:優勝して、元の世界を支配する。
0:取り敢えずここを離れる。
1:表向きは対主催と偽りたいが、恐らく人数的に完全に騙せないので殺しまわる事も算段に入れる
2:早苗はいざとなったときの人質兼盾。
3:何処に向かうかは検討中。遊星たちとは会いたくない
4:ノーリスクで殺人が可能な武器が欲しい。
5:星君、ムラクモとの合流すべきか? 念のために警戒はする。
6:グレイブバックルの制限は首輪とは別にかけられている様だが…。
7:ディケイドは死んだか…
8:AIを搭載した電光戦車は切り札。
※「ディエンドの世界」編終了後からの参戦
※鬼柳とさやかを死んだと思っています。
※大変胡散臭い表情をしていますが、本人はそれに気付いていません。
※グレイブバックルは一度使うと2時間使用不可になります。
※電磁サイリウム@COBRA THE IDOLM@STER、AT-4@魔法少女まどか☆マギカを早苗から譲り受けました
※早苗のことは別の世界の仮面ライダー住民だと思っています。
※権兵衛の書置きを偽造する為、支給品のどれかの説明書の端を破り取ったようです。
※ブレイブバックルの制限は支給品として独立してかけられている為解けていません



【東風谷早苗@守矢一家コスプレ劇場】
[状態]軽傷、霊力消費(小) 首輪解除、腹部に(腹パン)の痛み、気絶 海東のバックの中で拘束中
[装備]無し
[道具]なし
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いには乗らない。
0:……
1:海東さんは……。
2:ムラクモを守りたい。
3:ケンくんはもしかして……。
4:北東から見えたあの光は……?
5:守矢の巫女として信仰を集める。
6:博麗神社は後で改めて訪れたい。
7:権兵衛さん…
8: \  /
9: ●  ● この会場では常識に囚われてはいけないのですね!
10:" ▽ "
※海東を危険人物だと認識しました。
※ムラクモはただのミリオタの少年だと思ってます。




―――――

699 ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo :2015/04/09(木) 16:34:09 ID:IFhDCkRI0



「倒壊に巻き込まれるのは二回目だ」

自嘲気味にムラクモが吐き捨てる。
同様に星君も大きいため息を漏らしていた。
光写真館倒壊時、なんとか二人は瓦礫に混じり研の追跡を撒く事に成功していた。
とはいえ、やはり二回も生き埋めにされかけるのは良い気分ではない。
ムラクモは複雑な心境だった。

「チャージマンから逃げられたんだし結果オーライさ」

互いに殺し合いに乗ってると分かったムラクモは、星君と共闘関係を結ぶことにした。
やはり、この弱体化した体で一人で殺しあうのに無理があると考えたからだ。
それに対し星君も同意見で制限は解けたが、残り三十人近くと一人で戦うのはごめんだった。

「どうする? また他の参加者を騙し紛れるか?」
「いや、チャージマン研が僕らの悪評をばら撒くに違いない。
 何より、海東のミスで遊星たちは、僕らが海東と口裏を合わせたことを疑っているのも辛い。
 奴の巻き添えで僕らも疑われているはずDA」
「では殺しまわるか?」
「それもナンセンスDA。
 もっと利用できるものは利用しなきゃ」

星君が凶悪な笑みを浮かべる。
そこには、人の情というものがまるでない。
全く別の生命体と話しているようだとムラクモは感じた。

「私が、私が……殺したの……?」

フリフリ衣装を着た男がこちらへ走ってくる。
星君はそれを鼻で笑う。
とても都合が良い。あれは駒になると言いたげに。

「ねえ、提案があるんだちょっと」

静かに冷たく、だがはっきりと聞こえる声で星君は言葉を紡ぐ。

「君の間違いは、全てやり直せる」
「……え?」

その言葉は美樹さやかにとって何よりの救いだった。



「そう、みんな生き返らせてしまえばいいんDA」



ムラクモもまたさやかに気づかれぬよう、その無表情な顔に笑みを浮かべた。

700 ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo :2015/04/09(木) 16:34:26 ID:IFhDCkRI0
【G-4/一日目・夜中】


【ムラクモ@アカツキ電光戦記】
[状態]:貧血、疲労(中)、ダメージ(中)、右足に刺し傷(処置済)、身体が十二歳程になっています 首輪解除
[装備]: 六〇式電光被服@アカツキ電光戦記、十六夜咲夜のスカート
[道具]:基本支給品(一食分消費)、マッド博士の整形マシーン、ポラロイドカメラ、
[思考・状況]
基本:主催も含めて皆殺し。
1:星君と一先ず組む。
2:海東とは合流すべきか、だが……。
3:無力な少年を装うのは難しいか。
4:怪我の回復にも専念する。
5:オリーブオイルはもう要らないか
6:もこみちざまあwwwwwwwwwwwww
7:早苗はいずれ殺す。
※権兵衛の考察メモを読みました。
※早苗が現人神である事、奇跡を起こす程度の能力の一部を知りました。


【星君@チャージマン研!】
[状態]:疲労(中)、首輪解除
[装備]:金属バット@現実 、キリン装備@モンスターハンター、地の石@仮面ライダーディケイド
[道具]:基本支給品(一食分消費)、双子シグナーカードセット@遊戯王5D's、謎の白い液体@THE 世界遺産、王宮内で手に入れた食料と武器、フランクのカメラ@デッドライジング、
   射命丸のカメラ(30/30)@東方Project、士のカメラ(30/30)@仮面ライダーディケイド、
   射影機(30/30)@零〜zero〜、カメラのバッテリー@現実×2、十四式フィルム(30/30)@零〜zero〜×2、フィルム@現実(30/30)×3
   カブドボーグとチャ-ジマン研のDVD、早苗のフィギュア
[思考・状況]基本思考:母星や仲間のために殺し合いに乗る。
1:チャージマン研は最優先で抹殺する。
2:チャージマン研、遊星達、アルセーヌ(名前は知らない)を警戒(特にチャージマン研)。
3:これから毎日、不意討ちしようぜ!
4:さやかや他の参加者を利用し殺し合いを進める。
※参戦時期は不明ですが精神病院の事は知らないようです。



【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:鬼柳京介の肉体。まどかに発情、戸惑い 、混乱、精神的ショック(大)、シャロを殺した罪悪感
[装備]:さやかのソウルジェム(濁り:大)@魔法少女まどか☆マギカ
[道具]:基本支給品、「スピード・ウォリアー」のカード@遊戯王OCG、
    「くず鉄のかかし」のカード@遊戯王OCG、「???」のカード@遊戯王OCG、不明支給品0〜1
[思考・状況]
基本:殺し合いをぶち壊して鬼柳の分まで満足する。
1:私が殺したの……?
2:みんな生き返らせる……?
※ショウさんの話を聞く直前からの参戦。
※肉体は鬼柳京介のものになっています。
※第一放送を聞き逃しました。
※遊星、フランク達と情報交換しました。
※まどか達と情報交換(嘘を含む)しました。




―――――

701 ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo :2015/04/09(木) 16:35:07 ID:IFhDCkRI0





アルセーヌの到着はあまりにも遅すぎた。
遊星の乗るデルタイーグルの到着から、数分ほどの遅れであることは
その足で走ってきたことから考えて、常人には真似できない恐るべき速力なのは間違いない。
けれども、全ては後の祭りだった。アルセーヌは当事者であることは出来なかった。

「シャーロック……」

その小さな亡骸を見て、アルセーヌは体に力が抜けていくのが感じた。
自らの宿敵であり、そして可愛い後輩でもあるシャーロックの死。
考えたこともなかった。ミルキィホームズの誰かが、シャーロックが死ぬなど。
何処かで期待していた。いや思い込んでいた。
いずれアルセーヌとトイズを取り戻したミルキィホームズが、その因縁にケリをつける決戦で対峙するのだと。
こんな、こんな幕切れなどある訳がないと。

「すまない。俺がもっと海東を警戒していれば……」

遊星はアルセーヌ不在時に起きた全ての事を話した。
直接殺したのはさやかだが、実質的に殺したのは他でもない海東純一だということ。
そして、シャーロック・シェリンフォードは遊星達を助けるために、最後まで戦い続けたことを。

「頑張ったわね。シャーロック」

マスクを外し、髪を下ろす。
今は、この時だけはアルセーヌではなく、アンリエット・ミステールとして。
シャーロックの亡骸を一度だけ優しく撫でた。

「あれ、一体何がどうなって……シャーロックちゃん!?」

瓦礫を押しのけ泉研が這い出てくる。

「研、生きていたのか……」
「何とか、さっきまでは意識を失ってたんだけど……。
 それよりもシャーロックちゃんが、何てことだ!」

拳を強く握り締める。
自分が意識を失っていた内に一人の少女の命を失わせてしまった。
ヒーローとしてあるまじき失態。悔しさと後悔に身を震わせる。

「星君め許さないぞ!」
「違う。海東が」
「星君!!」

「……待て。ムラクモと星君は何処だ?」

そういえばと遊星は辺りを見渡す。
あの二人の姿が何処にも見えない。まさか瓦礫の下に埋まったままなのか。

「あの二人は逃げたよ。はっきりと僕は見たんだ。
 追いかけて、滅ぼしてやらないと」
「逃げた?」
「間違いない。あの二人は殺し合いに乗っている!」

研の決め付けっぷりはどうかと思うが、確かにあの二人もそうとう怪しくなってきている。
警戒するに越したことはないだろう。

702 ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo :2015/04/09(木) 16:35:36 ID:IFhDCkRI0

そういえばと遊星は辺りを見渡す。
あの二人の姿が何処にも見えない。まさか瓦礫の下に埋まったままなのか。

「あの二人は逃げたよ。はっきりと僕は見たんだ。
 追いかけて、滅ぼしてやらないと」
「逃げた?」
「間違いない。あの二人は殺し合いに乗っている!」

研の決め付けっぷりはどうかと思うが、確かにあの二人もそうとう怪しくなってきている。
警戒するに越したことはないだろう。

「だが、あいつらの前に海東だ。
 さやかも気になるが、あいつは早苗を攫った。何をするか分からない」
「いや、星君を抹殺するのが先だよ。ジュラル星人を生かしていいことなんて一つもないんDA!」

星君を早く追いたい研と早苗の救出したい遊星。
肝心なところで意見が食い違ってしまう。

「いえ私も遊星さんの意見に賛成ですわね」
「そんな、でも……。
 分かったよ。じゃあ僕一人でも星君を倒して見せるさ!」
「待つんだ! 一人じゃ危険だ」

そう言うと研は星君を追うために駆け出した。
追おうとする遊星だが、変装した研とは身体能力が桁違いの上、早苗のこともある為、深追いできない。

「遊星、研のことは私に任せるでゲソ」
「イカ娘!?」

それを察したイカ娘が研の後を追う。

「大丈夫か二人とも……」
「あの二人もかなりの実力者です。大丈夫でしょう」

不安はあるがそれだけにかまっている場合じゃない。
遊星は転倒したデルタイーグルを立て直し、異常がないのを確認し始める。

「リュウセイはどうする? ここにくるまで待つか?」
「いえ、それでは遅すぎます。それまで早苗さんと言う人が無事である保障もありません」
「そうだな。あいつには悪いが、ここは早苗の方を優先しよう」

デルターイーグルを触りながら遊星はひとつ気に掛かっていた。
海東はアルセーヌにとってシャーロックの仇に当たる存在だ。
果たして、彼女は冷静でいられるかということ。そして、狡猾な海東がそれに気づかないかということ。
だが自分一人の戦力では、海東に勝てそうもないのも分かっている。
今はアルセーヌに頼るしかない。

「大丈夫か? その……」
「私は冷静ですわ」
「そう、か」

それでも聞かずにはいられなかった。
もっとも全てを言い切る前に悟られてしまったが。

「良し、何処にも不調はない。いけるぞ」
「では行きましょうか」

デルタイーグルにエンジンを掛け遊星とアルセーヌが乗り込む。
デルタイーグルのエンジン音がH-04に響き渡った。

703 ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo :2015/04/09(木) 16:36:10 ID:IFhDCkRI0
【H-04 光写真館跡/1日目・夜中】

【不動遊星@遊戯王5D's】
[状態]:疲労(小)、主催者達に怒り、首輪解除
[装備]:デルタイーグル@遊戯王5D's(操縦中)
[道具]:基本支給品、サイバーZ一号のベルト@真夏の夜の淫夢関連、レッド・デーモンズ・ドラゴン@遊戯王5D's(二日目午前まで使用不可)
ライダーズカード一式@仮面ライダーディケイド、沈黙の騎士ギャラティン@カードファイト!! ヴァンガード
大量の玩具@現実、玩具を弄る為の工具@現実、武器になりそうな物@現実(包丁や鋸など)、鬼柳のハーモニカ@遊戯王5D's
解除した首輪×7、分解した首輪、シャロの基本基本支給品、手鏡@現実、権兵衛のメモを再現しいくつか書き足したもの
  フォーミュラ・シンクロン(二日目朝まで使用不可)&シューティング・スター・ドラゴン@遊戯王5D's
DMカード死者蘇生@遊戯王デュエルモンスターズ(二日目夜中まで使用不可)
[思考・状況]基本思考:殺し合いの打破
1:海東を追い早苗を奪還する。
2:星君、ムラクモを警戒。
3:ありがとウサギ…
4:首輪の構造の簡素さに疑問。
5:自分のカード達や仲間を探す。
6:勝治を攻撃した誰かに警戒。
7:ケン、やはり……
8:さやか、大丈夫なのか……
※勝治が今までしてきたことを聞きました。ただし、アルセーヌを覗き見してたことは聞いてません。
 また、田所(野獣先輩)が勝治に一服盛ったと思っています。
※勝治の首輪には不具合が起きていると推測しています。
※主催側に何か不都合な事が起きていると推測しています。
※権兵衛からリュウセイと少年(ムラクモ)の現状、危険人物の話を聞きました
※麗華達と情報交換しました。
※この会場が人工的に作られた物では無いかと考えています。
※フォーミュラ・シンクロンは制限で一度使うと12時間使用不可能です。
※死者蘇生は制限で一度使うと24時間は使えません。


【アルセーヌ(アンリエット・ミステール)@探偵オペラミルキィホームズ】
[状態]:健康、アルセーヌの怪盗服 、首輪解除 、冷静?
[装備]:洞爺湖@銀魂
[道具]:基本支給品、ランダム品×1、 シャロの探偵服@探偵オペラミルキィホームズ
[思考・状況]基本思考:殺し合いを壊し主催から願いを叶える方法を盗み出す。
0:海東を追い、倒す。
1:施設を巡り調査する。
2:アルセーヌとして行動するが、協力者を集める。
3:男声の女(譲治)とロックオンを警戒。
4:自分の推測が正しいか確かめる為、情報を集める。
5:黒幕は神……そんなわけないですわね。
6:会場からの脱出を模索。
7:会場の強度に疑問、本当に地球なのか?
8:シャーロック……
※デッドライジング、スクライド世界の話を聞きましたが半信半疑です。
※有野、もこみち達と情報交換しました。
※首輪解除でトイズの制限が解けました。


【H-04/1日目・夜中】

【泉研@チャージマン研!】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)
[装備]:スペクトルアロー(ランダム品3つ扱い)@チャージマン研! 首輪解除
[道具]:基本支給品、ランダム品無し
[思考・状況]基本思考:主催者及びジュラル星人、殺し合いに乗ったキチガイ参加者を全て滅ぼす!
0:星君を追い、倒す。
1:ありがとウサギ(名前を知らない)、ムラクモを倒す(特にムラクモの計画は必ず阻止する!)。
2:間違いない。黒幕はジュラル星人だ!
3:頭の中に爆弾が! ……ない。
4:ジュラル星人め許さないぞ!
※自分の勘が外れているのをジュラル星人の仕業だと断定しました。(真相は不明)
※首輪解除により、変装制限が解けました。




【死者蘇生@遊戯王デュエルモンスターズ】
使用不能になったモンスターカード一体を召喚できる。
参加者は復活できない。

704 ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo :2015/04/09(木) 16:36:31 ID:IFhDCkRI0
研を追うイカ娘。
だがその道中に行き倒れている少女を見つけた。

「この娘、あの偉そうな奴に椅子にされてたでゲソ……」

事情は分からないが、あんな扱いをされていたのは間違いなく被害者だろう。
保護するべきだと、イカ娘は思った。
イカ娘はこの娘を背負うと研の追跡を再開した。



【H-04/1日目・夜中】

【イカ娘@侵略!イカ娘(イカ娘の侵略実績のご紹介)】
【状態】】疲労(小)、深い悲しみ、殺人者への怒り、強い決意、首輪解除
【装備】いつもの服(少し破けてる。あかりの血で汚れている。)
【道具】ヴェルタースオリジナル×1、ポケットに入るだけの食料品(すぐ食べれるような物)、地図
    毘沙門天の槍、ドーピングコンソメスープ×2本@魔人探偵脳噛ネウロ、ATTACK RIDEてれびくん@仮面ライダーディケイド
    観葉植物くん@真夏の夜の淫夢、DMカードセット(氷結界の龍ブリューナク、グングニール、トリシューラ)@遊戯王DT
【思考・状況】
基本:殺し合いを止め、主催を打倒する
0:研を追いかける
1:他の参加者と協力する
2:あかり……
3:どうやってれもんをここに持ってきたんだろう?
※E-09にあかりのバックが放置されています。
※海の家れもんを自分の世界から何らかの技術で持ち出された物と考えています。
※ポケットに入るだけの食料品はデイバックに入れました。
※首輪探知機は見落としました。


【グレーテル@よもやま四方山】
【状態】軽度の火傷、打撲、疲労(小)、血塗れ、迷い、気絶
【装備】ボロ服
【道具】ディーノの基本支給品一式、ポッチャマ@ポケモン
    剣(石)@Minecraft、アサシンの首輪
【思考・状況】
基本:出来れば死にたくない
1:……
2:愉悦…
3:自分のデイバックを回収する
4:私は……
※モンスターボール(ポッチャマ)が壊れたため、引っ込めることができません
※ギルガメッシュと情報交換をしました
※会場からの脱出は諦めました





―――――

705 ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo :2015/04/09(木) 16:36:57 ID:IFhDCkRI0


「し、死ぬかと思った……!!」


【龍昇ケン@人造昆虫カブトボーグV×V】生存


ケンは奇跡的に生きていた。
息を吹き返し安堵の息を漏らしながらケンは思い返す。
リュウセイの容赦のない攻撃を。

「リュウセイのやつめ。友達にあんなことを最低だぞ!」

最初に負けた奴が死ぬとか言い出したのこいつなんだよなぁ。

ともかくケンは怒りに身を任せ、この殺し合いから脱出したら警察に通報してやろうと考えた。

「あり?」

腹から腕が生えていた。
遅れて激痛が走り、叫びそうになるが声がでないことに気づく。
何かが首に噛み付いている。気づいたときには息も出来ない。


「ほら、まどか。頑張ってこいつの首を食いちぎって? 
 そうすれば二人殺した事になるんだよ」
「も、む、ひぃ。こおおひて」
「ほら、噛まないと。痛いい痛いよ?」

ケンの首に齧りついているのは四肢のないピンク髪の女の子だった。
そいつは殺してくれと悲願する。
けれども胸を貫いた女声の大男がその芋虫みたいなピンク髪の女の体を突いた瞬間、叫び声をあげ噛む力が強くなった。

「チャー、ハン……」

完全に止めを刺されたケン。
最後に思い浮かべたのはチャーハン。
死ぬ前にまた一度食いたかった。





【龍昇ケン@人造昆虫カブトボーグV×V】マジで死亡

706 ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo :2015/04/09(木) 16:37:23 ID:IFhDCkRI0





「もおやらよおお。こおひえ、ほうあひゃん」

呂律が上手く回らない。
全身に火傷をおったせいか。
四肢が欠損している。あの豪華に焼き尽くされたせいだ。
もう死にたい。でも殺してくれない。

「安心して、まどかと私はずっと一緒だから」

四肢のない芋虫のようになったまどかをほむらはぎゅっと抱きしめる。
もう二度と離すものかと。あなたは私の大事な人だからと。

あの時、レッド・デーモンズ・ドラゴンの攻撃からまどかを救い出したほむらだったが。
その惨状は悲惨すぎるものだった。
もう風前の灯、死ぬのは時間の問題だった。

だがほむらはそこで以前の首輪の解除を思いつく。
参加者の力が首輪で制限されていたのは分かっていた。ならば、それを外し生命力を底上げすればあるいは。
まどかにとっての不幸と、ほむらにとっての幸福はそこから始まる。
パッチを付け秘孔を突き肉体の強化、首輪を引きちぎる。
結果、ほむらは首輪を外してしまったのだ。

そして魔法少女はソウルジェムを砕かない限り死なない。
さらに絶望によって起こる魔女化も、螺湮城教本により魔力が供給され続け起きることもない。
つまり鹿目まどかは永遠にこの芋虫のような肉体で生き続けることとなってしまった。



「愛してるわ。まどか」


まどかの頬に口付けをする。
もうずっと二人っきりだ。自分の邪魔をする者は全て殺す。
その愛こそ全てだった。

707 ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo :2015/04/09(木) 16:37:48 ID:IFhDCkRI0
【F-3/一日目・夜中】


【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:疲労(中)、ダメージ(大)、マドカァー 、ヤンデレ状態、首輪解除
[装備]:ソウルジェム、バルメM78(36/40)@コマンドー、ストライカーユニット@ストライクウィッチーズ、世紀末魔法少女パッチ@MUGEN、鹿目まどか
    螺湮城教本@Fate/Zero(まどかに魔力供給)
[道具]:基本支給品一式×4、キャベツ@夜明け前より瑠璃色な 〜Crescent Love〜、ランダム支給品0〜4
    キングクリムゾン(残り3回)@ニコニコ動画、タイム風呂敷@ドラえもん
    十六夜咲夜のナイフ×3、イカ娘の支給品(ランダム品1〜3)
    ゴンさんのデイバック(ヴェルタースオリジナル一袋@現実、スタングレネード×5@現実、コンコン@JAPAN_WORLD_CUP
    キャラ改変パッチ@MUGEN),ウィンチェスターライフル(1/7)@うみねこのなく頃に
[思考・状況]
基本思考:まどかとずっと一緒に居続ける。邪魔するものは全員殺す。
1:何があってもまどかを守る。
2:まどか愛してる。ずっと一緒よ。
3:まどかに危険を及ぼしうるものは全て排除する。
4:まどかまどかまどかまどかまどかまどかまどかまどかまどかまどかまどかまどかまどかまどかまどかまどか

【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ(クズなまどかシリーズ)】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(重傷)、四肢欠損、芋虫、呂律が回らない、全身大火傷、絶望、ほむらの装備、首輪解除
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
基本:ゲームからの生還
1:殺して……
※螺湮城教本は制限により海魔の現界、術者の魔力補給、本体のダメージ修復等の同時運用は出来ません。
※制限として海魔の最大同時現界数は五体までしか出せません、また能力も下方修正されています。
※永続的な魔力供給により魔女化できません。

708 ◆FbzPVNOXDo :2015/04/09(木) 16:38:53 ID:IFhDCkRI0
投下終了です

ぬわああん疲れたもおおおおおおん

709 ◆FbzPVNOXDo :2015/04/09(木) 16:41:45 ID:IFhDCkRI0
>>707
すいません
まどかのソウルジェム消えてました

【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ(クズなまどかシリーズ)】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(重傷)、四肢欠損、芋虫、呂律が回らない、全身大火傷、絶望、ほむらの装備、首輪解除
[装備]:ソウルジェム
[道具]:なし
[思考・状況]
基本:ゲームからの生還
1:殺して……
※螺湮城教本は制限により海魔の現界、術者の魔力補給、本体のダメージ修復等の同時運用は出来ません。
※制限として海魔の最大同時現界数は五体までしか出せません、また能力も下方修正されています。
※永続的な魔力供給により魔女化できません。

710 名無しさん :2015/04/09(木) 17:49:02 ID:oCBPpDCs0
投下乙
予約の時点で波乱は予想出来たが
、ここまでとは……

まず、リュウセイvsケンの原作さながらのボーグバトル
バトルそっちのけで精神攻撃に走るリュウセイさんといい本当に氏のボーグ愛が光る闘いだった

そして、写真館の混戦
芋虫と化したまどか、完全に墜ちたほむら、これまた闇落ちフラグが立ったさやかとまどマギ勢の悲惨っぷりが……
AUOはやっぱり慢心には勝てなかったか……


話は変わりますが、祝☆投下数50作突破!おめでとうございます!
今のニコロワγは氏が引っ張っていると言っても過言ではない
本当に投下乙です!

711 名無しさん :2015/04/09(木) 18:01:20 ID:.S8jsypY0
水を差すようで悪いんだけど淫夢くんは何所へ?
多分早苗のデイバックの中辺りが考えられるけど

712 名無しさん :2015/04/09(木) 19:30:40 ID:R7i8YyOo0
ガラス

713 名無しさん :2015/04/09(木) 22:06:52 ID:QPLFgO7s0
投下乙です

リュウセイさんがリュウセイさんらしくて良かった。ケンは死ぬ死ぬ詐欺発動せずようやく死んだぜ
シャロはよく頑張ったよ、蟹さんも格好良くていいゾ〜これ
まどかはとうとう悪行のツケを払う時が来たってハッキリ分かんだね

714 名無しさん :2015/04/10(金) 00:16:21 ID:3QtfbE1E0
各々が全力で戦ってるのに慢心で死んだAUOは恥ずかしくないの?(嘲笑)

715 ◆J/0wGHN.4E :2015/04/12(日) 16:37:11 ID:riY5ofZg0
遅れましたが投下します

716 ◆J/0wGHN.4E :2015/04/12(日) 16:38:42 ID:riY5ofZg0



河城にとりは急いでいた。

理由は先ほどの定時放送にある。

まず死者の放送で聞き知った名が呼ばれてないのは幸運であった。
だが本題は禁止エリアにある。
今時分が居るエリアは恐らくE-03、2時間後に禁止エリアに指定されている、
しかも何故か今回からエリアごと爆発する仕様になった様だ。
こうなっては首輪を解除できても意味は無い。
とにかく早く此処から離れなくてはならない。

しかし、この移動方向というのが厄介であった。
南には先ほどの危ない男が、北には厄介な少年が、西は此処より一足早く禁止エリアとなり、東にはヘルメットがまだうろついているかもしれない。
出会わなければどうという事は無いのだがこちらの損傷が小さくない以上当然接触は避けたい。

その上ヘルメットやあの肉付きの良くて美味しそうな女は光学迷彩で見えないにもかかわらず気配でこちらの存在に気がついていた。
つまり光学迷彩があれば安心というわけでもない。
こうなると隠密行動は決して簡単とはいえなくなる。

加えて「ゲーム」が始まってから20時間が経とうとしている。
既に参加者は半分を切り、その分殺し合いに乗った者が大きく動いている事になる。
恐らく、非力で襲いやすい人間のいくつかもそれらの牙にかかってしまったのだろう。

もっと早くから積極的に動いておけば良かった。
そうは思っても全ては後の祭り。
自分にできる事はせめて今をより良い未来に繋げていく事だけ。




(でも何所に行けば良いかなぁ…)

北や西は学校を避けるとしてもヨコハマ埠頭という場所も一応見てはおきたい所があるがそれ以外に目欲しいところは余り無い。
何より埠頭は禁止エリアになるD-02を迂回して通るとどうしてもE-02の街に近づいてしまう。
南へ行くだけならE-03を通れば良いかもしれないが。
ただ街の方も一応調べてはおきたいので次の放送の時間の頃には向かっておく事にした。

閉ざされた世界、幻想郷の住人であるにとりは必然的に現実世界の知識に疎い。
故に、施設に対する固定的な認識は人間のそれと異なる。
例えば幻想郷には海が無いため、にとりは埠頭の名前こそ文献などで見る機会はあるかもしれないが実際に目にした事は無い。
施設が人より面識が狭く、身を休めそうな施設が何所なのかはわからない。
だがそういった場所で人間が潜み、身を休めている可能性は十分に考えられる。

まず最寄りのMOCO'sキッチン収録スタジオという場所はすぐ禁止エリアに指定されてしまうので論外。
同様の理由でアザディスタン王宮、冬樹市ハイアットホテルも却下。
そうなれば残っているのは少し遠いがこの木なんの木、ロイドの店、光写真館である。

館だとか店だとかいうものには一応聞き覚えがある。
館と言うとあの吸血金の姉妹が居るという紅魔館。
店と言えば香霖という男の経営する香霖堂を思い出す。
木に関しては一本松や一本杉のようなシンンボルマークめいた存在なのだろうか。
だとすれば行く価値があるのはロイドの店か光写真館の二つになる。
とちらにしても此処から禁止エリアの端を通り抜けながら向かえばあの化け物と鉢合わせする事は無いだろう。


(それにしても何でまたあの人間は呼ばれてるんだろう…)

にとりはふと先刻戦闘する事になった少年の事を思い出す。
途中乱入してきたもう一人の少年は確かにあの美味しくなさそうな奴を勝治とよんでいた。
おそらく参加者の名簿からして松岡勝治の事なのだろう。
だが松岡勝治という名前は奇妙な形で聞き覚えがある。
一度目の定時放送で何故か二回も名前を呼ばれ、二回目、そして先ほどの三回目の定時放送でも一回ずつ呼ばれていた。
一回目の連続呼びぐらいであれば手違いで片がつく話だが流石に三回も四回も呼ばれては誰だって違和感を覚える。
放送機器の故障、運営の確認ミス、原因はいくらでも考えられる。
だが状況からすれば、やはり主催とやらが意識的に行っているのではないか。
だがそうだとしたら何故そんな事をする必要があるのか。
問題の趣向が少し変わってくるが、もしかすると実際に勝治は死んでいるのかもしれない。
そしてその度に蘇生する。いわばほぼ不死身の存在。
突飛な考え方ではあるがこれならあの勝治の容姿にも説明がつく。
不健康で不味そうな顔立ちもあれが吸血鬼やゾンビの類いだとすれば合点が行くという物。
少なくとも人間でないのはほぼ確実であろう。光学迷彩も効いていなかった。
だがそれで良いのだろうか。
あれだけ主催者は殺し合えと言わんばかりの姿勢をとっているのに関わらず不死身の存在を参加者に入れている。
そんなチート同然の存在を何故許しているのか。

717 新にとり計画 ◆J/0wGHN.4E :2015/04/12(日) 16:40:05 ID:riY5ofZg0


よくよく考えてみれば勝治は意外と重要な協力者になれたのかもしれない。
食欲に負けて彼らと敵対などしなければもう少し有利に事が運べたのかもしれないのだが。
これも今考えた所でやはり手遅れである。
もうしばらくは隠密行動を強いられるだろう。




- -




「!?」

一人夜の森を駆け抜けるリュウセイは驚嘆した。
遠方から何かが崩れ落ちるような轟音が響き渡る。
恐らく光写真館の方角からであろう。

ケンとの熾烈な戦いの後、辛くも勝利したリュウセイ。
そして大幅に遅れながらもアルセーヌや遊星達の後を追わんとした矢先の出来事である。

嫌な予感しかしない。
せめて自分が辿り着く頃には手遅れ、という事になっていなければ良いのだが。

正直言って自分としてはこんなことは考えたくない物である。
だが、アルセーヌが言っていたように自分も常に最悪の事態を考えておいた方が良い。
ケンも、勝治も、今はもう居ない。
自分にはもう心から頼れる人間などいないのだ。

例えばもし、彼らが死んでいたら。
あるいは散り散りになってしまったら。
自分は何所へ向かえば良いか。
彼らに何を伝えれば良いのか。


そして、自分が本当に死んでしまったら。


何を伝えるべきなのか。


つい、そんな事を考えてしまった。
人は死という概念に囚われるとつい深くのめり込んでしまう。
多くの宗教家や哲学者がそうであったように。
リュウセイもそんなボーガー哲学の世界に足を踏み入れてしまった。
そしてこういった深い思索は周囲への注意を殺し、視界を狭くする。
故に


「ッ!」


否。
しかしと言うべきか、リュウセイは不意打ちを見切った。




「ファッ!?(驚愕)」


にとりはついそんな声を漏らしそうになった。




にとりが施設に向かう途中で単独行動している人間を見かけたのはこの上無い不幸中の幸いであった。
それが黄色と茶の髪をを持った幼子。
さっきの本物の妖怪じみた生命力の少年の会話から察するにあれがリュウセイなのだろう。
出会った事のある者ならある程度隙の作りようはあるというもの。
それに自分の技が有効な相手だとわかるのも有り難い。
あの会話の流れからして彼には自分の光学迷彩が通常通り発動していたからである。
この機会をみすみす逃す手が何所にあろうか。

718 新にとり計画 ◆J/0wGHN.4E :2015/04/12(日) 16:41:09 ID:riY5ofZg0


(…やるなら今しかないよね)


獲物を見据えたにとりは再びユキアネサを構え、走るリュウセイの足音に合わせて歩み寄る。

半歩ずつ、半歩ずつ、そしてまた一歩。
風の動きにも等しく聞こえるほど自然な足取りで。


あと5メートル。

まだリュウセイは気がつかない。

にとりはリュウセイとさらに距離を縮める。



あと4メートル。

まだリュウセイは気がつかない。
にとりはリュウセイとさらに距離を縮める。
にとりの顔が歪む。

ハヤク、ハヤクタベタイ。

ーだが、ここでバレては戦闘は避けられない。
そうなってはさすがに人間とはいえ自分の命が危ない。
此処は我慢と言わんばかりに表情をぐっと引き締める。



あと3メートル。

まだリュウセイは気がつかない。

にとりはリュウセイとさらに距離を縮める。

息遣いが聞こえぬようにそっと息を止める。



あと2メートル。

まだリュウセイは気がつかない。

にとりはリュウセイとさらに距離を縮める。



あとすこしで1メートル。

まだリュウセイは気がつかない。

今なら襲える。

そう思い、にとりがユキアネサの刀身を斜め上段に挙げる。

後は斬りつけるだけ。


だから、それを振り下ろす。


それで、この命を頂く。


振り下ろされたその刃は。




「!?」

719 新にとり計画 ◆J/0wGHN.4E :2015/04/12(日) 16:42:24 ID:riY5ofZg0




その細い首を、リュウセイの首を、

かき切らなかった。


「ファッ!?」


にとりは困惑した。


理由は不意打ちが失敗した事ではなく。

また始めから自分の存在がリュウセイに気付かれていた事でもなかった。


何故?
一つ、それはにとりの攻撃が空振った事。
そして二つ、"自分の攻撃は空振ったのにも関わらず"リュウセイは背後からの攻撃を受け止めた事。
つまり、にとりはリュウセイを襲ったが、別のそれがリュウセイを先に襲ったのである。



ーー「それ」は



ーー青かった。



「危ねーな!何だお前」

咄嗟にトムキャット・レッド・ビートルを取り出し、青い腕を弾いた。


「闇討ちするヤツが最強になっちまったら世も末だぜ!」

リュウセイの襲撃者に対する反撃の言葉。
その言葉は、にとりに向けられた物ではない。
そのリュウセイの眼前にあるのは、

ブルーベリーみたいな色の青いツナギを着たいい男であった。


「YA☆RA☆NAI☆KA」

(やらないか)



そんな声が聞こえてきそうな程に、いい男だった。

「YA☆RA☆NAI☆KA」



その男は不気味な程ただの一言の言葉も発さず、じっくりと舐めるようにリュウセイを見ていた。
負けじとリュウセイも対抗してにらみ返す。
暫し静寂が続く。


その静寂はリュウセイによって破られる。


「おまえは…まさか、マンソン!?」


人違いなんだよなぁ…



だがリュウセイの見たその鬼の貌は阿部さんのそれではなく、かつて共に戦った仲間。

720 新にとり計画 ◆J/0wGHN.4E :2015/04/12(日) 16:43:24 ID:riY5ofZg0


そう、シドニー・マンソンのものであった。


それはリュウセイの幻覚であろうか。
実際ケンとの戦いの消耗は決して小さくなく、疲れからそういったことが起こっていても大異は無い。
だが、そのリュウセイの目はしっかりと目の前の敵に焦点を合わせていた。



「マンソン!?俺たちは仲間じゃなかったのか?」

リュウセイが問う。
マンソンは応えない。

「くそっ… なんで… なんでこんな事になっちまったんだ!」


リュウセイは困惑を露にする。
だがマンソンは沈黙を続ける。


シドニー・マンソン。
嘗ての自分の仲間であり勝治やケンらと共に「いつもの四人」として悪の組織ビッグバン・オーガニゼーションに立ち向かった掛け替えの無い存在。
そんな仲間が何故自分にボーグを向けているのか。

いつの間にか鬼のその手には一つのボーグが握られていた。
彼の愛機である緑色のクワガタボーグ、「ハウリング・ロデオ・ドライブ」
嘗て共に戦った仲間として、忘れようの無い物である。

本来の阿部鬼はただ野性的に男を襲うだけの存在なのだが、このクワガタボーグを手にした事によって鬼にも知能が芽生え始めていた。
ボーガー補正とは凄まじい物である。


「…いや、違う…当然なんだな」

何かを悟ったような表情。
それはリュウセイの心の中の動かぬ決意。(端から見れば謎会話だが)

「…勝治も、ケンも、みんな今はもう居ない」

「…マンソン、俺はもう一人でも…迷わない!」

常に最悪のパターンを想定して行動する。
例えば仲間が敵になった時でも。
リュウセイの決意は揺らがない。
マンソンはその言葉に対し、一瞬だけ目を伏せた。
それが自らの行いを恥じての事なのか、或は自分の意志に敬意を払っての事なのかはリュウセイに知る由はなかったが。


「…あくしろよ」


「ボーグバトルだよ!俺にはもう余り時間はないんだ!」


「俺には頼りたい奴はいない、でも頼られるのは上等なんだ!」


それを聞き入れたのか、マンソンは歩き出した。
偶然設置されていたボーグ台に向けて。
続いてリュウセイも相手側の場所に立ち、お互いに愛機を掲げる。

一体この島にボーグ台は何個あるんですかねぇ…
この島、なんか呪われてんじゃないの?




「チャージ3回、フリーエントリー、ノーオプションバトル!」

リュウセイが高らかに宣言する

「チャージ3回、フリーエントリー、ノーオプションバトル!」

流石にこの時だけはマンソンもルールの復唱をした。
その声は当然ながら良い男のそれではあるのだが、リュウセイは気づいていない。

721 新にとり計画 ◆J/0wGHN.4E :2015/04/12(日) 16:44:50 ID:riY5ofZg0

「うおおおおおおおおおお!!!!」

二人がチャージホイールを回す。
三回のチャージはボーグバトルにおいて最も良く使われる形式だ。
そのチャージの力が強すぎても、弱すぎてもいけないのだ。
だがマンソンもリュウセイもそんなミスをする事はまずない。
リュウセイとて、生まれながらにしてのボーガーである。
伊達に出生後間もない頃、産婦人科の先生を相手に初ボーグバトルを申し込んではいない。
マンソンもまた天才ピアニストでもあり、その才能を惜しげもなく発揮した戦闘スタイルの持ち主。



「チャージイン!!」

そして、フィールドへボーグを同時に投擲する。

放たれたボーグは直線、時に奇妙な弧を描き、或は規則的に曲がり、フィールドを駆け巡る。
そして機械の角と顎が激しく衝突し、(何故か)火花を散らす。
その姿こそ、正にボーグバトルである。



「マンソン!」


そう簡単に倒せる相手ではない。
リュウセイは相手に反撃を与えないように常に攻撃の手を緩めないように戦うが、それでもマンソンはどこかで隙を見つけてバランスに揺さぶりをかけてくる。
こちらが攻めているはずなのに、いつの間にか攻められている。
攻められるたびにどうしても攻撃の手が緩み、そのペースはやがて頻繁になっていく。

(いつものリズムだ!リズムを忘れるな!)

マンソンはこんな状況でもいつものリズムを忘れていない。
リュウセイもマンソンから教えられたいつものリズムは覚えているはずだった。
だがさっきのケンとの戦いによる疲労やダメージ、先ほどの異変による不安や焦り。
それら単体では微々たる物だが、積もり積もった結果としてリュウセイのいつものリズムを乱す元になっていた。

さすがは自称ではない天才ピアニストと言った所だろう。
自分はこうしてチャージやスピード、小回りに僅かな乱れを作ってしまった。
それは力だけではどうにもならない致命的な戦力差を生み出す要因になっていた。



「お前のいつものリズム、完璧だな!」


「だけど、リズムが乱れたからといって、勝ち負けが全部決まるわけじゃない!」



例え乱れてもリズムは絶対に忘れない。
そして勝負を決めるのはリズムじゃない。



自分のーー



「行っけぇ!!!俺のトムキャット・レッド・ビートル!!!」



       V

722 新にとり計画 ◆J/0wGHN.4E :2015/04/12(日) 16:47:12 ID:riY5ofZg0


そのとき、何かが光った気がした。
実際にはトムキャット・レッド・ビートルが金色に光っていた。



その姿こそトムキャット・レッド・ビートルの強化体。

「「トムキャット・レッド・ビートルV」」であった。


…本来ならばそこらへんの謎ショップに売っていた物なのだが。




突如として起こったリュウセイのカブトボーグの進化。
だが、それでもマンソンはいつものリズムを崩さない。
その中でマンソンのリズムはフィナーレを迎えようとしていた。

突然、マンソンがピアノを弾きだす。
必殺技の時間である。
類稀なマンソンのピアノの才能を生かしたあの技。



「グランピアノ・ヒーリング・フォルテッシモ!」



リュウセイはもう揺るがない。
トムキャット・レッド・ビートルVが光を増した。

「行くぞマンソン!」

「スーパー・ゴールデンマキシマム・バーニング!!!!」




              _.。ャぁて丕刀フ7ゎ。._
           ,.ィ炙ヲ㌍≠┴⇒弍j込ス>。
.        ,ィ升ヲナ'´           `゙'<弖心、
.        ;夕フア´                \ホi心.
       んfiУ                ▽ij∧
       从j'Y                   ∨iハ
.       斤W                      ㌣い
     |友カ        謎メーター       }ソ川
.       い叭                   仄ガ
.     Wi从                  从ノリ
.      ∀t△                 ∧fリ/
       ゙マじへ、             /リiУ
        \夊i㌧、_             ,.イ!刋/
         `マ才i[[≧ェ。。.。。っ夭テ少'゚
           `゚'' ミ芝玉竺壬云=‐'´




「行っけぇぇぇぇぇええ!!!」



トムキャット・レッド・ビートルVが紅のオーラをより厚く纏う。
爆風とも言える風がフィールドに吹き荒れる。
その衝撃は凄まじく、周囲の木を数本幹から折り曲げた。


旋律はかき消され、グランピアノ・ヒーリング・フォルテッシモのエネルギーをハウリング・ロデオ・ドライブごと弾き返した。
マンソンもその風に耐えきれず、数十メートル程吹き飛ばされた。




ーー

ーーー


勝敗はついた。

戦いが終わったからなのか、既にトムキャット・レッド・ビートルは元の姿に戻っていた。

723 新にとり計画 ◆J/0wGHN.4E :2015/04/12(日) 16:48:26 ID:riY5ofZg0



「流石に…疲れたぜ…」

軽く息を吐き、トムキャット・レッド・ビートルを回収する。
早く光写真館に行かなくては。




そう思い、踵を返そうとした。

「ん?」


背中から腹部にかけての部位に違和感を感じた。
見ると腹になにか金属が刺さっていた。
何故か痛みは感じなかった。
代わりに全身を一瞬にして凍り付かせてしまいそうな程の寒気がリュウセイを覆った。
後から刺された、そう思った時には手遅れで。



「…やっと人間を捕まえられたよ」

「特段美味しそうじゃ無いけど食べられるうちに食べておかないとね」

リュウセイの腹を貫いたのは、にとりのユキアネサであった。

にとりの不意打ちが失敗した後、リュウセイとやらが知り合いらしい乱入者と突然謎バトルを繰り広げた際には完全に置いてけぼりになっていた。
だが諦めたというわけではない。
幸い、リュウセイはまだ自分には気付いていない。
ならばまだ隙を狙う機会はあるだろう。
人間の隙として一番多いのは戦いの後。
勝者でも敗者でも戦いが終わったと思えば必然的に気が緩む。
そう思い、にとりはこの謎バトルが一区切りつくまで待っていた。

それが何とか功を奏した様だ。

さてこれをどう調理しようか。
他の参加者に見つかっては厄介なのでできるだけ早くできる調理法が良い。
まあでも取り敢えずは生で頂いた方が良いだろう。






にとりはやっとまともな食べ物が手に入ったという高揚感からか気が緩んでいた。
にとりは妖怪だが欲しい物が手に入れば浮かれるのは人間と同じである。
紫やレミリアのような位の高い妖怪であればそうではなかったかもしれないが。



故に「それ」ににとりが気が付く事はなかった。

「え?」

にとりが最初に感じたのは背中の違和感であった。
遅れてやってくる尋常ならざる痛みによってそれが不意打ちだと知覚した瞬間、にとりは命を壊された。

心臓を握りつぶされた。
にとりにはそれを理解する事はできなかった。
正確にはその暇がなかったのかもしれないが。


「…あっ…」



ーーー此処で私、終わっちゃうのかな?


ーーーこんな事になるなら食欲を我慢して人間と本当に仲良くしてれば良かったかな。


ーーーでも、もう遅いんだよね。

724 新にとり計画 ◆J/0wGHN.4E :2015/04/12(日) 16:49:32 ID:riY5ofZg0


自分にできる事はせめて今をより良い未来に繋げていく事だけ。
しかしそれもできなかった。

不意打ちばかりしてきた妖怪は、鬼に不意打ちを喰らいその生を終えた。
皮肉ではあるが、それもまたバトルロワイアルである。


【河城にとり@きゅうり味のゆっくりしていってね!!! 死亡】




- -




下手人たる鬼はその手に付いた女の血をさも恨めしそうに拭い払った。
その表情は、正に悪鬼羅刹の如く。
反対の手で既に事切れたにとりの頭を掴み、乱雑に投げ捨てる。

リュウセイの体からユキアネサが抜けたが、血は吹き出さなかった。
ユキアネサの魔力により傷口が凍り付き、出血がおさえられたのだ


(マンソン…?)

体温が奪われ意識が薄らいでゆく。
崩れ落ちるリュウセイの体をマンソンが支える。
その顔は既に鬼から優しさで包み込んでくれそうな雄々しくも慈悲深い父の顔になっていた。
舐めるようにマンソンはリュウセイの体をさする。


リュウセイにとってそれは一瞬、介抱だと思っていた。
だがその手が下半身に向かっていくにつれ、自分の大切な何かへの危機を感じた。

リュウセイその真意を知ったとき、既にリュウセイのズボンは下ろされ、そして服は乱され、




       ______      
    ,,..-‐";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;` 、
  /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、  
  /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
  |;;;;i "'`~  "`~ `i||i" '' ゙` " |;;;;;;| 
  |;;;;|       ヽ`     u  |;;;;;| 
  .|;;| ,-;;;;;;;;;;"フノ  ヾ`;;;;;;;;;;;;;;;ヽ |;;;;|
 ,,ト;| ',,_==-、く    >゙-==、  |/ i  
 |i 、|   ' ̄"彡|         || | 
 |'. (|       彡|          |)) |
  ! 、|      i,"(_ ,, 、,      |" i
  ヽ_|        `         .|_/  ノ
   .|゙      、,.--‐ 、,,     | 
   .i ゙、    '  ̄ニ ̄     /|
   |   、      ̄ ̄    , ' |
   |  i ` 、    (    , "   |
    |      ` ー---― "|  


'llllllllllllllllllllllllllll                     llll
    ,,,,,,,llll'''  ,,  ,,,   ,,,,                llll
    lll'''''     ''ll,, 'll   lll'  lllllllllllllllllllllllllllll    'lll
    ,lll'      ''   ,,lll'                  ll
  ,,,,lll''         ,,,,ll''              ,,,
 ''''''           llll''''




【天野河リュウセイ@人造昆虫カブトボーグV×V GAME ♂VER】


此処まで述べるのが遅れてしまったが、何故この鬼が阿部鬼へと姿を変えていたのか。
理由は単純である。
見た目や思考まで殆ど同じな同名の参加者が居ては当然変化に欠ける。
その分、参加者の個性が失われ面白みが薄れてしまう。
それに同じ名前で同じ姿では参加者だけでなく、主催側まで混乱する原因となるからだ
こうした理由から青鬼の外見はいい男になった。
なおあくまで外見的な部分を弄っただけなので体の構造は青鬼と大差無い。

ともあれ性欲を満たした鬼は、また新たな男を求めて放浪を始めた。

725 新にとり計画 ◆J/0wGHN.4E :2015/04/12(日) 16:54:04 ID:riY5ofZg0





【F-04/一日目・夜中】



【天野河リュウセイ@人造昆虫カブトボーグV×V】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、左肩と背中に刺し傷、オリーブオイル臭い、強い怒りと決意、首輪解除、肛門裂傷、仮死状態
[装備]: トムキャット・レッド・ビートル@人造昆虫カブトボーグV×V
[道具]:基本支給品、スコップ@現実、ノートパソコン@現地調達、USBメモリー@ニコロワγ
    キー・オブ・ザ・グッド・テイスト、エレクトリカル・スピードワゴン@人造昆虫カブトボーグV×V      
[思考・状況]
基本:殺し合いを止め、主催者を叩き潰す。
0:たいせつなものをうばわれた。
1:光写真館へ急ぐ。
2:もこみち死んだのか。
3:勝治、ケン、権兵衛…… 。
4:早苗達と合流。
5:研やシャーロックはユーチューバーなのか?
※ニコニコ動画の存在を知りました。今のところニコニコで把握した動画はチャー研、ミルキィ関連だけです。
※海東、ムラクモ、星君が危険人物と聞きました。
※またしても生きてました。
※幸い刺し傷は急所を外したようですが長く放置すれば命に関わるでしょう。
※光学迷彩スーツ@東方Project、氷輪丸@BLEACH
デイバック(基本支給品×2(食料少し消費) お米@現地調達品、きゅうり@現地調達品、刀剣@現地調達
工具一式@現地調達、改造半田鏝@現地調達、肉焼きセット@モンスターハンターシリーズ)が付近に落ちています。

【阿部鬼@阿部鬼】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品、不明支給品0〜2、ハウリング・ロデオ・ドライブ
[思考・状況]
基本思考:???
1:すまない、ホモ以外はかえってくれないか!
※増殖♂能力は削除されています。
※男性を見かけると襲い♂ますが、女性には基本的に興味を示しません。
※ただし自身の補食(意味深)を妨害された場合は女性であっても殺害対象となり得ます。
※基本的に言葉は発しないようです。


【支給品解説】
「ハウリング・ロデオ・ドライブ@人造昆虫カブトボーグV×V」
いつもの四人としてリュウセイとともに活躍したシドニー・マンソンの愛機。
緑のカラーリングをメインとしたクワガタボーグである。
必殺技は「グランピアノ・ヒーリング・フォルテッシモ」





ーで、マンソンって誰だよ。

726 ◆J/0wGHN.4E :2015/04/12(日) 16:56:53 ID:riY5ofZg0
投下終了です
Fbz氏も偉大すぎるほどに乙

727 名無しさん :2015/04/12(日) 22:01:53 ID:dvMUvhRc0
投下乙です
流石に出展も違う別キャラ出すのはどうかと思います
何故阿部鬼になったのかの理由も、はっきり言って無茶苦茶

728 名無しさん :2015/04/12(日) 22:17:28 ID:HU6jbFM.0
投下乙と言っておきながら文句を言うのか(困惑)

729 名無しさん :2015/04/13(月) 03:40:58 ID:5CwCrtvo0
投下乙
個人的にはこっちでもいいけどな

730 名無しさん :2015/04/14(火) 20:57:30 ID:zIOAUAm.0
投下乙
グレーだが悪くないと思うぞ

731 名無しさん :2015/04/15(水) 23:39:01 ID:1XLVfnLE0
乙です
青鬼と阿部さんが合わさって最強に見える

732 <削除> :<削除>
<削除>

733 名無しさん :2015/04/16(木) 22:44:03 ID:7Uhd/PFM0
偶然でしょ(適当)

734 名無しさん :2015/04/16(木) 22:57:25 ID:4ad421aw0
認定兄貴オッスオッス!
そういえば放送後でまだ動いてないのってジャギとカズマだけ?

735 名無しさん :2015/06/12(金) 02:32:15 ID:Mkb9WLJI0
保守

736 ◆J/0wGHN.4E :2015/07/04(土) 22:21:18 ID:.s2iTrvs0
投下します

737 ◆J/0wGHN.4E :2015/07/04(土) 22:26:46 ID:.s2iTrvs0



「…そう、みんな生き返らせてしまえばいいんDA」

それは、他でもないさやかにとって救いの光であった。


「みんな…生き返らせる…」

さやかは星君の吐いた言葉を呟く。
なおも星君は続ける。

「うん、始めのあのとき主催者は『優秀者には何でも一つ願いを叶える』と言っていただろう?」

だが、同時にそれはある種の悪魔の囁きのようにも感じられた。

「君や僕たちが、優勝して願いを『生き返らせてみんなを元の世界に返してほしい』と言えばこの殺し合いは実質無かった事にできるんDA」

「そうすればあの遊星やらを殺す事になっても、少しの間『痛い思い』をしてもらう程度の感覚で済む」

ムラクモが付け加える。

「痛い…思い…」

さやかは与えられた情報を反芻するのが精一杯であった。
それだけ、さやかの心理的葛藤は大きいのだ。

「で、でも…本当に願いを叶えるなんて…」

あるはずが無い。

心の中で言ったのかも判らない程小さな声でさやかが言う。

「信憑性に関しては保証できるはずだ。あれほど高度な制限能力を持つ首輪を作ったかとおもえば、
 首輪を外されてエリアを爆破したりする辺り主催者の絶対性が伺える」

ムラクモが小さく付け加える。

「最もそれが主催の狙いなのかもしれないけどね」



なんでこんな簡単な事に気付かなかったんだろう。

誰も不幸にならない方法がこんな所にあったなんて。



さやかの心の迷いは、すっかり息を潜めていた。
殺すのではなく、少しの間痛い思いをしてもらう。
さやかにとって一番幸福な解釈であり、救いの光であった。



「…わかった」

さやかが応えた。










ーー



「…でもやっぱり私、殺し合いはしたくない」


「軟弱かもしれないけど、例えやり直せるとしても私は、もう間違いは犯したくない」


「…ごめんなさい」




さやかの言葉尻は、途切れる事は無くはっきりしている。
その様子を見て星君は心のなかで軽く舌打ちした。

(使えないな)

そう星君が思った矢先、ムラクモが僅かな笑みを浮かべて前に出た。

(もう少し子供向けの脚本でいくとしよう)




「無理に殺し合えとは言っていない。」

「え?」


「我々はあくまで協力を求めているのだ。

 必ずしも優勝しなければいけないのではない。

 あの主催どもの場所に殴り込みを掛けて脅せばもっと簡単に願いを叶えられるかもしれぬ。

 彼奴らはああ見えて、何故か命が惜しい様だからな。」

「協力…」

さやかにとっていムラクモの打診は想定外だった。
先ほどの星君の誘いとは違って、今度はれっきとした対主催の考えである。
さやかかにとって、犠牲無しでみんなを救う考え方。いわば正義。

「人数が大いに越した事は無い。どうかね?」


ムラクモが手を差し伸べる。
もうさやかに否定の色は無かった。


添えるようにさやかはムラクモの手を握る。

交渉は成立した。


(正義とはこれまた便利なものだ)

ムラクモはまた人とは思えぬどこか邪悪な笑みを浮かべた。

738 現人乱舞 ◆J/0wGHN.4E :2015/07/04(土) 22:34:44 ID:.s2iTrvs0



ーー





時は少し過ぎ、現在3人は北に向かっていた。

協力関係も築けた事なので情報交換でもすべきかとと思ったが、そうもいかない。
自分達の居るエリアであるG-04は23時から禁止エリアに指定される。
そして現在時刻は10時になろうかという時である。故にまず此処から離れなければならなかった。



「…いいのか?」

歩きながら星君がムラクモに問う。

「ああ、姑息的手段とは言え表向きは対主催を装っていた方が動きやすい。

 元より先ほどの騒動のせいでかなりの数の参加者が固まってしまった。

 故にこの周辺で参加者を殺して回るのは分が悪い」

「敢えて考えるならはっきり孤立していると言えるのは海東くらいだろうな。無論生きていればの話だけど」

星君が口にした海東という孤立した存在。
だが二人ともその存在に手を出す気にはならなかった。

「生きているとして奴は追われの身だろう。それに奴があんな切り札を持っていた以上、ただで死ぬとは思えん」

「アフターケアも考えているだろうね。人質とか」

「うむ。ちょうど良すぎる奴が居るからな」

東風谷早苗。
現人神を名乗る奇妙な少女。
彼女は海東に信頼を寄せており、海東が生き残るには良質な手札となり得る。

「こちらが海東を殺める分にはいっこうに構わないし、早苗の命もどうなろうと知った事は無いが、

 海東が死ねば、どのような形であれほぼ確実に早苗は死ぬ。

 そして早苗が死んだとあれば、今度は自分達が遊星らに追われる事になるだろうな」

「厄介な事だ」

こういう形で人質が活きるようになった事は海東も計算済みだったのだろうか。
星君はそのような事を心中で呟いた。



「…それとさやかだが、少なくとも今晩の内は生かしておく」

唐突にムラクモは星君の顔に近づき、さやかに聞こえないように話す。
今、さやかには10m程はなれて後を歩かせている。
現在の所はさやかは周囲に気を配っているようであり、こちらに意識が向いている気配はない。

「…何か理由が?」

「今から話す。まず私らが向かっている場所だが、目的地は学校と埠頭だ

 学校は単に此処から離れていて人が群がりそうな場所だからだ。

 もしだれかいたならば、我々は被害者の振りをする。海東がやった。海東に脅されたとな。

 チャージマン研が広めていくだろう私らへの悪評を海東に擦り付けるのだ」

 「安全である事を装うと同時に遊星に出会ったときの為か」

 「そうだ、騙し切れたならそれで良い。

 実際の所、私の凶行を直接見た者は既に死んだもこみちくらいなのだ。

 だが二人きりでは遅かれ早かれ何処かに襤褸が出るだろう。海東を利用していた事実はそう簡単には覆せん

 そのためのさやかだ。要は気休めなのだがな」

 「なるほど、一時的とは言え信用している第三者が居れば印象操作として機能しそうだしね」

 「だが所詮はその場しのぎに過ぎない。誤摩化し切れなくなった時や攻め時だと思ったらさやかも含めて構わず殺す

 今晩の間は周りを戦いやすい環境に変えておくという事だ」

星君は感嘆を漏らす。

 「うん それで埠頭の方は?」

 「まあ似た理由だ。埠頭と言えば船の着く場。

 主催どもはあれだけ大それた仕掛けを持っている辺りエリア外にもそういう小細工はしているだろう。

 此処から出るのは難しいだろうが脱出を試みようとする人間が集まっていく可能性がある」



 「…それと攻め時に付いてだが、大体4回目か5回目の放送が境目になるだろう。

 それぐらいの時間帯になれば残り人数も20人を切ってくる。

 そうなると参加者の消耗もそれなりになるだろう。寝首を掻くには丁度いい」

 「それまで遊星や研との接触は避けるべきかもしれないな」

 「少々癪だがそういう事だ」

言い終えるとムラクモが星君から離れる。
さやかにはこの邪悪な会話に感付く気配はない。
それきり2人の会話は途切れ、3人は学校へ歩みを進めた。

739 現人乱舞 ◆J/0wGHN.4E :2015/07/04(土) 22:35:55 ID:.s2iTrvs0


【f-4 南部/一日目・真夜中】


【ムラクモ@アカツキ電光戦記】
[状態]:貧血、疲労(中)、ダメージ(中)、右足に刺し傷(処置済)、身体が十二歳程になっています 首輪解除
[装備]: 六〇式電光被服@アカツキ電光戦記、十六夜咲夜のスカート
[道具]:基本支給品(一食分消費)、マッド博士の整形マシーン、ポラロイドカメラ、
[思考・状況]
基本:主催も含めて皆殺し。
1:さやかには対主催を装い、一時的に利用する。
2:星君と一先ず組む。
3:海東とは合流すべきか、だが……。
4:無力な少年を装うのはあくまで一時しのぎ
5:怪我の回復にも専念する。
6:オリーブオイルはもう要らないか
7:もこみちざまあwwwwwwwwwwwww
8:早苗はいずれ殺す。
※権兵衛の考察メモを読みました。
※早苗が現人神である事、奇跡を起こす程度の能力の一部を知りました。


【星君@チャージマン研!】
[状態]:疲労(中)、首輪解除
[装備]:金属バット@現実 、キリン装備@モンスターハンター、地の石@仮面ライダーディケイド
[道具]:基本支給品(一食分消費)、双子シグナーカードセット@遊戯王5D's、謎の白い液体@THE 世界遺産、王宮内で手に入れた食料と武器、フランクのカメラ@デッドライジング、
   射命丸のカメラ(30/30)@東方Project、士のカメラ(30/30)@仮面ライダーディケイド、
   射影機(30/30)@零〜zero〜、カメラのバッテリー@現実×2、十四式フィルム(30/30)@零〜zero〜×2、フィルム@現実(30/30)×3
   カブドボーグとチャ-ジマン研のDVD、早苗のフィギュア
[思考・状況]基本思考:母星や仲間のために殺し合いに乗る。
1:遊星や研との正面からの合流は避ける。
2:チャージマン研は最優先で抹殺する。
3:チャージマン研、遊星達、アルセーヌ(名前は知らない)を警戒(特にチャージマン研)。
4:これから毎日、不意討ちしようぜ!
5:さやかや他の参加者を利用し殺し合いを進める。
※参戦時期は不明ですが精神病院の事は知らないようです。



【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:鬼柳京介の肉体。まどかに発情、戸惑い 、混乱、精神的ショック(大)、シャロを殺した罪悪感、小さな救い
[装備]:さやかのソウルジェム(濁り:大)@魔法少女まどか☆マギカ
[道具]:基本支給品、「スピード・ウォリアー」のカード@遊戯王OCG、
    「くず鉄のかかし」のカード@遊戯王OCG、「???」のカード@遊戯王OCG、不明支給品0〜1
[思考・状況]
基本:殺し合いをぶち壊して鬼柳の分まで満足する。
0:とりあえず2人に協力する。
1:私が殺したの……?
2:みんな生き返らせる……?
※ショウさんの話を聞く直前からの参戦。
※肉体は鬼柳京介のものになっています。
※第一放送を聞き逃しました。
※遊星、フランク達と情報交換しました。
※まどか達と情報交換(嘘を含む)しました。

740 ◆J/0wGHN.4E :2015/07/04(土) 22:39:10 ID:.s2iTrvs0
投下完了です

741 名無しさん :2015/07/05(日) 06:35:12 ID:6XOfOqEs0
投下乙

742 名無しさん :2015/07/20(月) 08:57:30 ID:0EW0jglw0
乙です
星君とショタクモの利害関係コンビ好き

743 名無しさん :2016/03/25(金) 17:52:21 ID:lbnKIO0k0
1年近く更新なし・・・
読み手としては辛いなあ
どうしようか、このスレ

744 <削除> :<削除>
<削除>

745 名無しさん :2016/05/13(金) 22:11:05 ID:LMtJGL/QC
続き待ってます・・・

746 名無しさん :2016/05/14(土) 00:58:36 ID:wlHYriY60
一々ageんなよ

747 名無しさん :2016/06/08(水) 22:44:34 ID:cpy60POs0
あら懐かしい

748 <削除> :<削除>
<削除>


新着レスの表示