■掲示板に戻る■ ■過去ログ倉庫一覧■
学生バトルロワイヤル- 1 :名無しさん:2012/04/22(日) 00:43:03 ID:wayZvC4kO
- キーンコーンカーンコーン。
御来客の皆様、学生バトルロワイヤルにお越し下さいまして、誠にありがとうございます。ここでは様々な作品の学生達が殺しあいをリレーSSでございます。また、グロテスクな表現、ネタバレ等がありますのでご注意下さい。なお、学生バトルロワイヤルでは、書き手を募集しています。書きたいと思う方はルールを守ってどしどしと参加して下さい。
キーンコーンカーンコーン。
したらば
ttp://jbbs.m.livedoor.jp/b/i.cgi/otaku/15285/?sso_expired=NGYyZTZhYzk.
まとめwiki
ttp://www56.atwiki.jp/students-rowa/
- 2 :名無しさん:2012/04/22(日) 00:47:28 ID:wayZvC4kO
- >>1すみません。殺しあいをとリレーSSの間に繰り広げるを入れるの忘れていました。
- 3 :名無しさん:2012/04/22(日) 00:51:22 ID:wayZvC4kO
- 醜立絶望学園学則
【原則】
○本学園の生屠(参加者)は、初等部、中等部、高等部、大学部とそれぞれの学年に分かれて授業(殺し合い)を行い、最終的に各学年の在席生屠(生き残っている参加者)が一人となった時点で修了とし、残った在席生屠を卒業(優勝)と見なす。
○本学園の校則(ルール)は絶対であり、これを違反する生屠は醜立絶望学園の生屠に相応しくないと見なし、罰則として退学(処刑)とする。
○校則を違反しない限りは、自由に行動しても構わない。
【学園内について】
○夜10時から朝7時までを夜時間とする。夜時間の間は水道は止められるため使用できない。
○就寝は階級によって定められた場所以外で行うことを禁ずる。
○学園長であるモノクマに暴力行為を行うことを禁ずる。また、条件が必要な施設に出入りするために建造物を故意に破壊することを禁ずる。
○学園関係者以外が学園敷地内に入ることを禁ずる。
○建造物、または施設内の物品を階級により定められた数以上持って行くことを禁ずる。
○保健室で戦闘行為を行うことを禁ずる。また、保健室に長期滞在することを禁ずる。
○立ち入り禁止区域に入ることを禁ずる。ただし、学生バス乗車時は除く。
○施設ご利用の際、優先されるのは階級上位である。
【初期の持ち物】
○在席生徒は開始時に以下持ち物を所持している。
・デイパック…見た目は普通のバッグだが、中は四次元になっている。(中に入ろうとすると、強制的に外に出される。)
・食料…1リットルの水が入っているペットボトル2本と大きなパン3本。
・懐中電灯…電池は12時間分
・筆記用具…鉛筆2本、消しゴム一個、ノート一冊。
・生屠名簿…在席生屠の名前と出席番号が書かれている。ただし、書かれているのは同学年の生屠のみ。
・支給品…生屠のデイパックの中にランダムで支給される品。最小で一つ、最大で三つ。(生屠が元々持っている装備品も支給品の一つとする。)
・電子生屠手帳…生屠の身分証明書であり、マップ、校則、所持金、アラーム、エキストラ等様々な機能がついている。電子生屠手帳を開く際、自身の正式名称と出席番号、現在の階級が表示される。
・マップ…電子生屠手帳の機能の一つ。学園の全体図が見られる。
・校則…電子生屠手帳の機能の一つ。醜立絶望学園の校則が書かれている。(ただし、()の中に書かれている所は省く)
・所持金…電子生屠手帳の機能の一つ。電子生屠手帳に蓄積されているモノクマメダルの数が表示される。なお、授業開始時、全生徒にモノクマメダル500枚支給されている。
・アラーム…電子生屠手帳の機能の一つ。持ち主が校則違反を行おうとすると、アラームが30秒間鳴り、その間に止めないと、校則違反と見なされ罰(グングニールの槍)が執行される。
・エキストラ…電子生屠手帳の機能の一つ。星階級の特典はここで使うことができる。
・個室のカギ…宿泊施設の個室の扉を開閉するのに必要
・その他…腕時計、包帯、三角頭巾。
【校内放送】
○本学園では、朝六時、昼十二時、夕方十八時、深夜零時、一日に四回の校内放送を行い定期連絡をする。
○定期連絡の内容は退学生屠、残り人数、禁止区域、その他の連絡事項である。
○禁止区域は禁止区域発表から一時間後、三時間後、五時間後に一つ、計三つ追加される。
以上である。なお、校則は状況に応じて追加される場合がある
- 4 :名無しさん:2012/04/22(日) 00:51:46 ID:wayZvC4kO
- 校則の続き。
【星階級制度について】
○星階級制度とは成果(参加者一人殺す)を挙げれば自身の階級も上がっていく制度である。全生徒の初期階級はナッシング、星なしだが、成果を挙げればシングル、ダブル、トリプル、そしてスペシャルへと上がっていく。階級が上がればそれに応じた特典が得られる。なお、条件、特典については以下である。
星なし=ナッシング
条件
最初から
特典。
・就寝場所は宿泊施設の個室内のみ
・放送ごとに500モノクマメダル支給
・食糧は基本支給品の一日分の食料のみ
・建物内の物品の施設外への持ち出し禁止。(購入物は除く)
・保健室の入室不許可
・授業修了時、卒業ではなく留年(学園に残る)となる。
星☆=シングル
条件
星なしの状態で生屠一人殺す
特典。
・就寝場所は施設内なら個室以外でも可
・放送ごとに3000モノクマメダル支給
・朝六時の放送時に基本支給品の食糧1日分を支給
・施設内の物品の持ち出しは一つまで可
建物内の物品も一つまで持ち出し可
・保健室では怪我の治癒が可能。
大怪我は怪我まで治癒。骨折はギプス。失血は輸血パックを手渡すだけ。
・情報開示
同じエリア内の他生屠がいる場所を方角で示す(一番近い方を優先、いないなら使用不可)
星☆☆=ダブル
条件
シングルの状態で生屠一人殺す
特典。
・就寝場所は施設、建物内なら自由
・放送ごとに5000モノクマメダル支給
・朝六時の放送時に基本支給品以外の食糧1日分を支給
・各放送時に支給品を一つ進呈。
ただしランダム
・保健室では大怪我までは完全治癒。
骨折はひびが入ってる程度まで、失血もある程度回復可能。
・情報開示
同じエリア内の他生屠の位置を具体的に表示。その際に生屠の名前が表示する(いないなら使用不可)
・物品持ち出し制限は施設、建造物による
星☆☆☆=トリプル
条件
ダブルの状態で生屠一人殺す
特典。
・就寝場所は自由。ただし保健室は不可
・放送ごとに10000モノクマメダル支給
・各放送ごとに上級の食糧を支給
・各放送時に欲しい支給品が二つ貰える
支給品の指定は不可
武器や回復アイテム等の大雑把な指定は可
・保健室では失血や骨折までの完全治癒が可能。重体の場合はある程度まで治癒。
・情報開示
特定生屠の位置情報を表示。使用には対象の名前が必要
同エリア内の他生屠の位置を表示。その際に名前と階級が表示する。
特定支給品の現在の在り処。使用には名前が必要
各放送内容を再現可能
・物品持ち出し制限は施設、建造物による
星SP=スペシャル
条件
トリプルの状態で生屠二人殺す
特典
・就寝場所は自由。寝袋を進呈
・放送ごとに30000モノクマメダル支給
・各放送ごとに最上級の食糧を支給。オーダーも可能
・支給品を三つ進呈(どれも強力な物)
・施設、建造物、保健室の入り口へワープが可能
ただし五時間に一回まで
・保健室では絶命寸前でも全回復
・保健室で就寝可能(保健室は非戦闘地帯)。
・情報開示
特定生屠の現在持ってる支給品、位置情報、階級、状態を表示。使用には対象の名前が必要
同じエリア内の他生屠の位置を表示。その際、名前、階級、持っている支給品、状態を表示
特定支給品の現在の在り処や能力。使用には対象の名前が必要
施設、建造物の詳細内容
放送内容を再現可能
・施設、建造物内の物はいくつでも持ち出し可能
以上。なお、一部の特典の使用は電子生屠手帳で行う。
- 5 :名無しさん:2012/04/22(日) 00:54:23 ID:wayZvC4kO
- 【書き手ルール】
(1)SS投下前に、予約専用スレッドでトリップ付きの予約・投下宣言を行う
(2)SS終了まで生存した参加者は、最終的な状態を以下のテンプレートで明記する
(3)SSの合否は本ロワのルール(校則)を基づいて、書き手と読み手で話し合いをし判断する。
【時間帯】
※本ロワは、6:00から開始する
深夜:00:00〜01:59
黎明:02:00〜03:59
早朝:04:00〜05:59
朝:06:00〜07:59
午前:08:00〜09:59
昼::10〜11:59
日中:12:00〜13:59
午後:14:00〜15:59
夕方:16:00〜17:59
夜:18:00〜19:59
夜中:20:00〜21:59
真夜中:22:00〜23:59
※なお、真夜中の22:00から早朝の6:59までを夜時間とする。
【予約ルール】
(1)予約をする場合は予約専用したらばの予約専用スレッドにトリップをつけ予約するキャラ名を書き込むこと。
(2)予約期限は3日(72時間)。
予約期間中の申請があれば2日(48時間)の延長が可能。
過去に3作以上の作品が採用されている書き手氏の予約期限は自動的に5日(120時間)となり、6作以上の作品が採用されている書き手氏は7日(168時間)の予約期限と3日(72時間)の延長が可能になる。
まとめれば、予約期限は作品の採用数が0〜2作の書き手氏は3+2日、3〜5作の書き手氏は5+2日、6作以上の書き手氏は7+3日となる。
(3)とあるキャラの予約が行われた時点で、他の書き手はそのキャラを含んだ予約または作品投下が不可能。
予約は予約期限切れ、予約破棄宣言、対応する作品投下のいずれかを持って解除される。
予約期限切れ、予約破棄宣言の場合、その時点を持って予約されていたキャラの予約が可能となる。
対応する作品投下の場合、その作品に対して48時間以内に修正・破棄の要求がない場合、その作品のキャラの予約が可能になる。
予約期限切れ、又は作品が破棄になった場合、同一トリップでの予約を24時間禁止する。そして当該書き手氏はその時予約予定のキャラクターを一週間予約することができない。ただし該当キャラが他の書き手により投下、採用解禁の場合は以下の限りではない
※荒らし防止の観点から、予約無しでの投下は禁止とする(予約後即投下は可能)。
※予約の中に含まないキャラをSS内に登場させることはルール違反とはならない(予約したキャラ+予約していないキャラでの投下は可能)。
ただし、予約を行わずに作品に登場させる事ができるのは、その作品の投下開始時に予約が可能なキャラのみとなる。
醜立絶望学園全体図
ttp://s3.gazo.cc/up/s3_7154.png
- 6 :名無しさん:2012/04/22(日) 00:54:43 ID:wayZvC4kO
- 【制限ルール】
(1)一つのSSで三人以上の死亡者を出さない。
(2)ロワの根本的に覆す支給品、能力を禁止、もしくは制限すること。
(3)以下の作品ごとに決められたルールを守ること。それ以外の作品の参加者の能力及び支給品に関しては書き手に任せる。
【ドラえもん】
・地球破壊爆弾、もしもボックス、タイムマシーンといったチート的な秘密道具は控える。
【CCさくら】
・ケルベロス、ルピネス・サンは支給可。月とルビー・ムーンは支給不可。
【金色のガッシュ!!】
・清麿のアンサートーカーは本ロワについての使用不可。参加者に対してもある程度制限。
・魔物たちは本編後からの参戦なので呪文は本なしで発動可能。(心の負担は自分持ち)
・魔物の支給不可。本も同様
・参加者の能力及び支給品については書き手に任せる。
【なるたる】
・竜の子は支給品扱い
・半径5m以内の参加者と強制リンク。優先度は本来のリンク者>支給された参加者>その他
・可動範囲や精度はリンク者の体調や精神状態で変動
・リンク者が死んだ場合他の参加者とリンク。近くに参加者が居ない場合一定時間経過で消失
・形成出来る物はリンク者がロワ中に触れたものだけ(竜の子を通してでも可)
【魔界戦記ディスガイア3】
・魔物は支給不可。ただし、プリニーは可能。
・参加者の能力及び支給品については書き手に任せる。
【デスノート】
・死神の支給不可。
・デスノートの支給不可。ただし、切れ端程度なら可能。
【仮面ライダー龍騎】
・ミラーワールドに入ることはできない。
・ミラーモンスターは現実に召喚できるのは三分まで。次に召喚できるのは二時間後となる。
・ミラーモンスターは捕食しなければ徐々に凶暴になり、勝手な行動をとるようになり、最終的に契約者を襲います。(捕食対象は参加者、もしくはミラーモンスター。)
・変身時間は十分。次に変身できるのは二時間かかる。
・各ライダーの身体能力及びカード効果については書き手に任せる。
・各ライダーのカードデッキはランダムだが、オーディンとサバイブは星階級がトリプルかスペシャルにあがった時に貰えるランダム支給品に含まれる。(タイガとガイは本来の持ち主に支給される。)
【よんでますよ、アザゼルさん】
・悪魔の支給不可。ただし、グリモアからの召喚は可能。
・悪魔の不可視、能力については書き手に任せる。
- 7 :名無しさん:2012/04/22(日) 00:57:42 ID:wayZvC4kO
- 以上です。なお、予約解禁は2日後の24日0:00からです。
- 8 :名無しさん:2012/04/22(日) 12:46:47 ID:wayZvC4kO
- 学生名簿
【作品別】
《小学生》(23/23)
【ドラえもん】6/6
○野比のび太/○源静香/○剛田武/○骨川スネ夫/○出木杉英才/○ジャイ子
【学園アリス】7/7
○佐倉蜜柑/○今井蛍/○日向棗/○乃木流架/○飛田裕/○正田スミレ/○小泉月
【カードキャプターさくら】5/5
○木之本桜/○大道寺知世/○李小狼/○李苺鈴/○柊沢エリオル
【みつどもえ】5/5
○丸井ひとは/○丸井ふたば/○丸井みつば/○千葉雄大/○緒方愛梨
《中学生》(23/23)
【金色のガッシュ!!】7/7
○高峰清麿/○水野鈴芽/○金山剛/○ブラゴ/○ウォンレイ/○ゾフィス/○ダニー
【ケロロ軍曹】5/5
○日向冬樹/○日向夏美/○西澤桃華/○サブロー/○東谷小雪
【絶対可憐チルドレン】7/7
○明石薫/○野上葵/○三宮紫穂/○筑紫澪/○パティ・クルー/○玉置カズラ/○雲居悠理
【なるたる】4/4
○玉依シイナ/○佐倉明/○古賀のり夫/○小森朋典
《高校生》(23/23)
【ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】7/7
○苗木誠/○舞園さやか/○霧切響子/○十神白夜/○腐川冬子/○セレスティア・ルーデンベルク/○大神さくら
【魔界戦記ディスガイア3】6/6
○マオ/○ラズベリル/○アルマース・フォン・アルマディン・アダマント/○サファイア・ロードナイト/○ビッグスター様/○極上のサルバトーレ
【めだかボックス】6/6
○黒神めだか/○人吉善吉/○球磨川禊/○黒神くじら/○鍋島猫美/○赤青黄
【魁!!男塾】4/4
○剣桃太郎/○富樫源次/○雷電/○男爵ディーノ
《大学生》(16/16)
【DEATH NOTE】3/3
○夜神月/○L Lawliet/○夜神粧裕
【もやしもん】4/4
○沢木惣右衛門直保/○結城蛍/○武藤葵/○美里薫
【げんしけん】5/5
○笹原完士/○春日部咲/○斑目晴信/○大野加奈子/○荻上千佳
【仮面ライダー龍騎】2/2
○芝浦淳/○東條悟
【よんでますよ、アザゼルさん。】2/2
○佐隈りん子/○天野(ガギエル)
【85/85】
【学年・出席番号別】
《学年・初等部》(23/23)
1番、今井蛍/2番、緒方愛梨/3番、木之本桜/4番、小泉月/5番、剛田武/6番、佐倉蜜柑/7番、ジャイ子/8番、正田スミレ/9番、大道寺知世/10番、千葉雄大/11番、出木杉英才/12番、飛田裕/13番、乃木流架/14番、野比のび太/15番、柊沢エリオル/16番、日向棗/17番、骨川スネ夫/18番、丸井ひとは/19番、丸井ふたば/20番、丸井みつば/21番、源静香/22番、李小狼/23番、李苺鈴
《学年・中等部》(23/23)
1番、明石薫/2番、ウォンレイ/3番、金山剛/4番、雲居悠理/5番、古賀のり夫/6番、小森朋典/7番、佐倉明/8番、三宮紫穂/9番、サブロー/10番、ゾフィス/11番、高峰清麿/12番、ダニー/13番、玉依シイナ/14番、玉置カズラ/15番、筑紫澪/16番、西澤桃華/17番、野上葵/18番、パティ・クルー/19番、東谷小雪/20番、日向夏美/21番、日向冬樹/22番、ブラゴ/23番、水野鈴芽
《学年・高等部》(23/23)
1番、赤青黄/2番、アルマース・フォン・アルマディン・アダマント/3番、大神さくら/4番、霧切響子/5番、球磨川禊/6番、黒神くじら/7番、黒神めだか/8番、極上のサルバトーレ/9番、サファイア・ロードナイト/10番、セレスティア・ルーデンベルク/11番、男爵ディーノ12番、剣桃太郎/13番、富樫源次/14番、十神白夜/15番、苗木誠/16番、鍋島猫美/17番、ビッグスター様/18番、人吉善吉/19番、腐川冬子/20番、舞園さやか/21番、マオ/22番、雷電/23番、ラズベリル
《学年・大学部》(16/16)
1番、天野(ガギエル)/2番、L Lawliet/3番、大野加奈子/4番、春日部咲/5番、佐隈りん子/6番、笹原完士/7番、沢木惣右衛門直保/8番、芝浦淳/9番、東條悟/10番、荻上千佳/11番、斑目晴信/12番、美里薫/13番、武藤葵/14番、結城蛍/15番、夜神粧裕/16番、夜神月
【85/85】
- 9 :名無しさん:2012/04/23(月) 09:22:28 ID:U8zcU3OoO
- 予約解禁十分前ぐらいになっても作者さんからのopスレが投下されなかったら、opスレの代理投下をします。
- 10 :名無しさん:2012/04/23(月) 13:18:35 ID:U8zcU3OoO
- 醜立絶望学園全体図
ttp://s3.gazo.cc/up/s3_7154.png
1マス1km
施設&建造物。
各学年校舎&プール
各学年寄宿舎
教職員寄宿舎
ダム湖(ここで水力発電?)
音楽ホール
銭湯
実験棟
美術館
図書館
総合体育館
武道場
運動場
広場
時計塔@めだかボックス
軍艦搭(ゴーストバベル)@めだかボックス
一本杉@ドラえもん
東洋サファリ@魁!!男塾
見張り小屋@学園アリス
セントラルタウン@学園アリス
植物庭園@ダンガンロンパ(?)
絶望ホテル@ダンガンロンパ
ココロ銀行@魔界戦記ディスガイア3
旧校舎@魔界戦記ディスガイア3
遊園地@カードキャプターさくら
畑@もやしもん
冷凍倉庫@金色のガッシュ!!
YB倉庫@デスノート
???×3
???は書き手候補です。早い者勝ちです。
- 11 :ようこそ絶望学園 ◆AJINORI1nM:2012/04/23(月) 22:16:31 ID:8JSRRcWQ0
- すいません気付くのが遅れました
それでは只今からOPを投下致します
登場キャラクターは
モノクマ、凶育委員長、安心院なじみ、不知火半纏、野比のび太、ドラえもんの六名です
- 12 :ようこそ絶望学園 ◆AJINORI1nM:2012/04/23(月) 22:18:44 ID:8JSRRcWQ0
-
ドラえもんは、未来に帰った。
朝、目が覚めると、ドラえもんはどこにもいなかった。
机の引き出しも、タイムマシンなんてない普通の引き出しに戻っていた。
ドラえもんがいないへやは、がらんとしていて、いつもより広く感じる。
だけど、すぐになれると思う。
涙なんて流さない。
さみしくなんてない。
ドラえもんがいなくたって、ひとりでちゃんとやれるんだ。
約束したんだから。
ひとりでちゃんとやれるって、ドラえもんと約束したんだから。
「起きろーッス。朝ッスよー。起きる時間ッス」
だれかがぼくをゆすってる。
だれだろう?
聞いたことのない声だ。
「う〜ん……」
のび太が眠たい目をこすりながら体を起こす。
いったいだれがぼくを起こしにきたんだろう、と部屋を見渡し、驚いた。
「………え?」
目を開けると、そこは野比のび太の部屋ではなかったのだ。
どこかのホテルだろうか。
一般人にもそれと分かる、一級の内装が施されている。
その一室にあるベッドの上に、のび太は眠っていたのである。
「ふ〜、起きてくれて良かったーッス。
もうすぐ学園長と凶育委員長から新入生の皆さんに挨拶があるんで、少しの間だけ待ってて欲しいッス」
「ペ、ペンギン!?」
「ペンギンじゃないッスよ。オイラはプリニーっス」
のび太は目を丸くして、人語を話しプリニーと名乗るそれを見た。
ベッドの横に立つそれはペンギンのような見た目をしている。
しかし、ペンギンとは違い背中には蝙蝠のような小さな羽が生えており、
腹部は中身が出てしまうのを防ぐかのように縫いつけられている。
着ぐるみ、という言葉が似合いそうな外観をしているが、そうではない。
大きさは小学校低学年よりも低く、中に何者かが入っているとは考えられないのだ。
ならばこれは生物なのか。それとも遠隔操作されているロボットか、意思持つぬいぐるみか。
何れ(いずれ)にせよ、のび太を起こしたのはこのペンギンもどき、プリニーであるようだった。
「んじゃ、これでオイラの役目は終わったんで帰るッス。さいなら〜ッス」
「あ、ちょっと!」
プリニーはそれだけ言うと姿を消してしまった。
一瞬の出来事だった。
少しだけ動いたかと思うと、次の瞬間には消えていたのだ。
「一体全体……何がどうなってるのさ………」
のび太は部屋の中を改めて見渡した。
テーブル、棚、ベッド、机と椅子。
粘着テープクリーナーとメモ帳、ゴミ箱も備え付けてある。
扉は二つあり、どちらか一方が外に続く扉で、もう一つがシャワー室か何かへと繋がっている扉なのだろう。
壁にはテレビが埋め込まれており、電源が付いていない為、
真っ暗な画面は部屋の中を反射する事しかしていなかった。
ここまでならば、宿泊施設にあるような一般的な設備だ。
何故このような場所で眠っていたのかと言う疑問を除けば、取り立てて変わっているような所は特に無い。
しかし、明らかな異常が一つだけ。
壁の一つ、その一面の数箇所に分厚い鉄板が打ちつけられていた。
鉄板の位置からして、恐らくは窓に当たる場所を塞いでいるのだろう。
「な、何なんだよ……これ……」
鉄板は大きな螺子(ねじ)で厳重に打ち付けられており、
まるで牢獄に閉じ込められているような嫌な圧迫感をのび太に与えていた。
目覚めれば見知らぬ部屋に居た。
喋る奇妙な生物(?)。
壁に打ち付けられた複数の分厚い鉄板。
不思議な事なら今まで何度も経験してきたのび太であったが、
それ等はドラえもんが関わっての出来事である。
ドラえもんが帰った今となっては、そんな事、起こる訳がない。
「と、とにかく外に出なくちゃ……」
二つある扉のどちらかは外に続いている筈だ。
そうでなくては困る。
外に出る為、まずは手前の白い扉を開けようとのび太が動き出したその時───
『キーン、コーン…、カーン、コーン…』。
──学校のチャイム音が部屋の中に響き渡った。
何の変哲も無い、極普通のチャイムだ。
にも関わらず、妙な不安を感じるのは気のせいだろうか。
- 13 :ようこそ絶望学園 ◆AJINORI1nM:2012/04/23(月) 22:20:55 ID:8JSRRcWQ0
- チャイムが鳴り終わると同時に、
部屋の壁に備え付けてあったテレビの電源が勝手に点いて、砂嵐の画面が映った。
徐々に砂嵐の画面は鮮明になっていき、一つのシルエットが浮かび上がってくる。
「あー、あー…! マイクテスッ、マイクテスッ!」
テレビから響いた、能天気な声。
聞き覚えのある、懐かい声。
まだ画面はちゃんと映っていないが、のび太がこの声を聞き間違えるはずがない。
「ドラえもん!!」
画面から聞こえた声は、確かにドラえもんの声だった。
画面に映るシルエットも、どことなくドラえもんに似ている気がする。
なので、のび太はそのシルエットがドラえもんなのだと確信してしまった。
きっとぼくをこんな所に連れてきたのもドラえもんの仕業に違いない。
考えてみれば、しゃべるペンギンなんてドラえもんのひみつ道具でも無くちゃこの世に存在するわけがない。
ほら、テレビがきれいに映ってきたぞ。
「大丈夫? 聞こえてるよね? えーっ、ではでは…」
しかし、そこに映し出されたのは───
「新入生のみなさん、これより、入学式を執り行います」
──ドラえもんではなかった。
奇妙な配色をしたクマのぬいぐるみだ。
右半身が白で、左半身が黒。
大きさはプリニーと同じくらいだ。
画面後ろに舞台幕が映っているので、モノクマが居るのはどこかの体育館のステージの上なのだろう。
「失礼な! ヌイグルミじゃないよ!
ボクはモノクマだよ!
キミたちの…この学園の…学園長なのだッ!
そっちの言ってることは全部聞こえてるんだからね!」
画面に映るモノクマが突然叫んだ。
当然、のび太は何も喋ってはいない。
それなのにどうしてモノクマは叫んだのか。のび太には理解できなかった。
「だからさぁ…ヌイグルミじゃなくて……モノクマなんですけど!
しかも、学園長なんですけど!
もう、入学式なんだからオマエラ静かにしてよね。
体育館にオマエラを集めて式を始めなくて、本当によかったとボクは思います。
入学式はこのままで行うので、悪しからず」
先程からモノクマは、『みなさん』や『オマエラ』と複数形でのび太に語りかけている。
のび太と同じ状況の人物が他にも居るのだろう。
しかし、のび太はそれに思い至らない。
頭の回転が遅いせいかもしれないが、別の事を考えていたからだ。
モノクマの声は、ドラえもんとそっくりどころか全く同じ声なのだ。
だから、あのモノクマというのはドラえもんがどこかから操作している未来の道具に違いない。
もう会えないなんて言ってお別れしたから、直接会いづらくてこんなまどろっこしい事をしているのさ。
のび太の顔はにんまりと綻んでいる(ほころんでいる)。
一生会う事はないと思っていたドラえもんと、また会える。
そう思うだけで、心の中が温かい気持ちでいっぱいになった。
「ドラえもんったら、照れてるのか知らないけど、こんなことしなくったって直接会いに来れば──」
「ご静粛にご静粛に…えー、ではではっ!」
のび太の声はモノクマの声によって遮られたが、気にはならない。
入学式、とドラえもんは言っていた。
多分、何か面白いことを始める気なんだ。
たまにあるのだ。
ドラえもんが未来の道具を使ってのび太を驚かせるという事が。
今回のこれも、そういうものなのだろう。
「起立、礼! オマエラ、おはようございます!」
「おはようございますっ!!」
だったら、とことん付き合おう。
せっかくの再会なんだから、楽しまなくちゃ損だ。
のび太は笑顔を浮かべて元気よく挨拶を返す。
「では、これより記念すべき入学式を執り行いたいと思います!
まずは、凶育委員長から、オマエラに向けてお言葉があります。
それでは凶育委員長、お言葉をどうぞ!」
モノクマの言葉と共に、カメラが移動する。
誰か、この映像をカメラで撮影している者が居るようだ。
カメラはステージ右側から歩いてくる、いかにも教育者然とした女性を映している。
左右に結んだ金髪を、大きく縦巻きにしたロールヘア。
アーチャー族の伝統衣装に身を包み、手には教鞭を握っている。
両の耳は、人間離れした尖り方をしていた。
- 14 :ようこそ絶望学園 ◆AJINORI1nM:2012/04/23(月) 22:22:54 ID:8JSRRcWQ0
- “変わった人だなあ”、とその女性の両耳を見ながらのび太は思った。
「学園長より紹介を預かりましたが、アタクシが悶侮省、由緒まがまがしき凶育委員会の委員長ざます。
まずはみなさん、この酷立絶望学園へのご入学、おめでとう、と言っておくざます」
(なんだかスネ夫のママみたいな人だなあ。それに絶望学園なんて、変な名前の学校)
凶育委員長は一呼吸置くと、どこか憂いに満ちた表情で話を続けた。
「アタクシは、昨今の凶育現場の現状を嘆いていたざます。
凶師の質は年々落ちていき、それに比例するかのように、これからの社会を担う生屠達もどんどん腑抜けていく一方。
凶育者として、凶育委員長として、これは見過ごせない由々しき事態ざーます!
アタクシの夢は、いつか必ず不良を一人残らず無くして、全生屠を優等生にして社会に羽ばたかせること。
改造手術で無理矢理にでも不良生屠を優等生に変える、ということもしてきましたが、
それは塩味のコーヒーに砂糖を入れるような行為と、とある無免許凶師に言われてしまったざます。
そして凶育委員会を潰され、失意に打ちひしがれていたアタクシが出会ったのが、ここにいらっしゃるモノクマ先生ざます!!」
言われてモノクマが、“いや〜、照れますな〜”、と頬を赤らめて頭を掻いた。
「生屠達自らが優等生になりたいと思うような凶育でなければ、
いくら改造手術を施したところで、第二第三の不良が生まれるだけ。
生屠の自主性を伸ばさなければ、真の優等生と言う事はできない。
モノクマ先生の凶育論に、アタクシは感激したざます。
この方を凶師に迎えれば、手のつけられない不良共を必ずや優等生へと生まれ変わらせることができる!
そう確信したからこそ、凶育委員会は総力を挙げて、この絶望学園は設立するに至ったんざます!!」
凶育委員長の弁からは、彼女が凶育に向ける並々ならぬ熱意が伝わってくる。
凶育者としての使命感に燃える彼女を止めることは、最早誰にもできないだろう。
「モノクマ先生の指導を受ければ、
どんな不良もどうしようもないクズでさえ、
優等生としてこの学園を卒業できるざます!
……アタクシからは以上ざます」
五分と続かない演説だったが、校長のお話やら来賓のお言葉やら、
そういったものが非常に苦手なのび太にとっては、眠りこけるのに充分な時間だった。
「……………」
「コラーッ!! 寝るんじゃない!! まだ式の途中だぞ!!」
「うわあっ!」
テレビから発せられた大声に驚き、のび太は目を覚ました。
居眠りをして起こされるのは、いつもの事である。
「さてさて、入学式はこれにて終了です。オマエラ、お疲れ様でした」
式の途中と言った直後に式の終わりを告げる。
なんともふざけた学園長である。
しかし、モノクマとは、こういう性格をしているのだ。
「それじゃあ、入学式も終わったことだし、授業の説明に移りたいと思います。
オマエラはこの絶望学園に入学したわけですが、入学したからには、
もちろん“卒業”してもらわなければなりません。
そのためには授業を受けて、良い成績を取らなければ卒業することはできません」
授業と聞いて、のび太は暗い気持ちになった。
良い成績を取るとか、優等生だとか、そんなものはのび太とは無縁の話であった。
遅刻忘れ物は当たり前で、どのような科目であろうとテストで0点を取ってしまうおちこぼれ。
いや、“おちこぼれ”どころか、
先程凶育委員長が言っていた“どうしようもないクズ”にのび太は該当してしまうかもしれない。
良い成績を取らなきゃ卒業できないなんて、ぼくには無理だよ……。
- 15 :ようこそ絶望学園 ◆AJINORI1nM:2012/04/23(月) 22:25:14 ID:8JSRRcWQ0
- 「心配しなくても大丈夫、大丈夫。たった一つの授業を受けるだけで卒業できるからね。
なんてちょろい学校なんでしょう!
オマエラ、良かったね」
授業の数が一つであろうと、のび太に得意科目というものはない。
心配するなと言われても、不安が拭い去られる事はなかった。
「えー、ではでは…肝心の授業内容ですが……」
「ちょっと待ってもらえるかな?」
と、突然の声がモノクマの言葉を遮った。
女性の声だが、凶育委員長のものではない。
カメラが動き、声を発した人物を画面に捕える。
そこに立っていたのは一人の女性。
女性の後ろには、背中だけしか映っていない男性の姿があった。
「な、何者ざますか!?
今は授業説明の最中ざますよ!!」
「何者かって? そうだね……僕のことは親しみを込めて、『あんしんいんさん』さんと呼びなさい」
『あんしんいん』と名乗るその女性の姿は、正に異様の一言に尽きる。
顔つきは若く見えるのに、髪は色素を全て失っており雪よりも白い。
巫女装束を身に纏い、腕を胸の前で交差させて微動だにさせていない。
いや、微動だにできないと言うのが正しいのだろう。
のび太の部屋の窓を塞ぐ鉄板でも留めるのに使うような巨大な螺子が、
まるで彼女の内から湧き上がる何かを押さえつけるかのように、
安心院さんの腕に、脚に、体に突き刺さっているのだ。
腕に突き刺さる螺子によって、彼女の交差する腕は体に縫い止められてしまっている。
何故か左腕だけは螺子によって体と繋ぎとめられていないようだったが、
そんな事は見た目のインパクトにとって些細な事でしかなかった。
「あんしんいんさん?
その安心院さんが、一体全体何のご用?
絶望学園に入学希望の方ですか?」
「入学希望者でも転校希望者でもないよ。簡潔に言わせてもらうと、うちの生徒を返してほしいんだ。
めだかちゃんがうちの学園から居なくなるのは別に良いんだけど、いや良くないのかな?
まあそれは置いておいて、少なくとも赤さんは必要な人材だからね。
取り戻しに来たってわけさ」
「取り戻す?
ダメダメ!!
もう入学式は終わったし、そのめだかちゃんも赤さんもこの学園の大切な生屠さんです!!
連れ戻させたりなんてさせないよ!!
ボクは学園長として、学園の生屠達を守る義務がある!!」
モノクマはまるで熱血教師のように叫んだ。
正義はこちらにあると言わんばかりの態度だ。
「勝手に拉致して勝手に監禁して本人の意思もなく勝手に入学させておいてそりゃないぜ。
僕だってそんなことをしたことは、一度だってないのにさ。
だけどそっちがそういう態度なら、こっちも勝手に連れ戻させてもらうとするよ」
「無駄ざます!!
うちの可愛い生屠達を連れ出すおつもりなら、アタクシとPTAを倒してからにするざます!!
生屠達には指一本触れさせないざますよ!!」
「凶育委員長……」
凶育委員長は学園の生屠を誘拐しようとする賊を討ち果たさんが為、
凶育に燃える眼差しで安心院を鋭く睨みつけている。
モノクマはその姿に感動したように瞳を潤ませて、凶育委員長を見つめていた。
「PTAの皆様っ! 出番ざます!
学園を脅かす侵入者を処分するざます!!」
凶育委員長がPTAに収集を掛ける。
しかし、いくら待ってもPTAらしき人物は現れない。
凶育委員長の顔に焦りが出始めた。
「PTAの皆様!? どうして誰も来ないざますか!?」
「PTA?
パーフェクト・ターミネイト・エージェントの連中なら、
さっきちょちょいとのしてきたばかりだから、
永遠にここには来ないと思うぜ?
七千九百三十二兆千三百五十四億四千百五十二万三千二百二十二個の異常性(アブノーマル)と、
四千九百二十五兆九千百六十五億二千六百十一万六百四十三個の過負荷(マイナス)、
合わせて一京二千八百五十八兆五百十九億六千七百六十三万三千八百六十五個のスキルを持つ僕にかかれば、
これくらいの芸当は朝飯前さ。実際、まだ朝飯前の時間だしね。
おっと、今は異常性(アブノーマル)を一つ貸してあるから
一京二千八百五十八兆五百十九億六千七百六十三万三千八百六十四個のスキルだったぜ。
こりゃまた失敬」
「ま、まさか……! そんな嘘に、アタクシは騙されないざます!」
「た、たた大変なことになったッスー!!」
驚愕の表情を浮かべる凶育委員長の許に、一匹のプリニーが大変慌てた様子で駆け寄って来た。
- 16 :ようこそ絶望学園 ◆AJINORI1nM:2012/04/23(月) 22:26:51 ID:8JSRRcWQ0
-
「何事ざますか!?」
「ピ、PTAの方々が何者かによってやられてしまってるッス!! PTAは全滅ッスー!!」
「なんですって!? そんな……、あぁ……」
凶育委員長はプリニーの報告に余程のショックを受けたらしく、
額に手を当てふらりとその場に倒れてしまった。
「むぎゅぅ」
床に倒れると痛いので、プリニーの上に倒れ込む。
プリニーは凶育委員長と床の板挟みになって潰れているが、プリニーだし問題ないだろう。
「ああ、凶育委員長……!!
……よくも……よくも委員長を……!
許さないぞ!!
このボクが相手だ!!」
叫んだモノクマは舞台から跳躍すると、安心院と対峙する。
安心院を睨みつけるモノクマではあったが、その体表には冷や汗らしきものが流れていた。
対する安心院は涼しげな表情でモノクマを見つめ返している。
「目の前の悪の迫力に…正直ブルッてるぜ。
だ、だけどなぁ…。
ボクは悪に屈する気はない…最後まで戦い抜くのがモノクマ流よ…。
どうしてもうちの生屠を連れ出そうっていうなら…。
ボクを倒してからにしろ──ッ!!
生屠達の為、そして凶育委員長の為にも、ボクはオマエに負けたりなんかしない!!」
額に青筋を立て、キラーンと手から爪を出し宣言すると、テトテトと安心院に向かって突進する。
だが、その短い手足をいくら動かしたところでモノクマの突進の速度など高が知れていた。
安心院の許に辿りついた瞬間、簡単に足踏みされて動きを封じられてしまう。
モノクマは安心院の足の下で手足をばたばた動かすことしかできなくなった。
「ぎゅむ…!」
「これで満足かな?」
「ギャー! 学園長への暴力は、校則違反だよ〜ッ!?」
「いや、ウチここの生徒やないし」
「…………………」
「ん?」
「…………………」
モノクマは押し黙るとぴくりとも動かなくなった。
代わりに、モノクマから不気味な機械音が、間隔を開けて定期的に発せられるようになる。
その機械音の間隔は、時間が経過するとともに速く短くなってゆく。
異変を察した安心院がモノクマを体育館の中空へと投げ飛ばした次の瞬間。
モノクマは爆炎と共に木っ端微塵に吹き飛んだ。
内部に爆弾でも仕込まれていたのだろう。
もしも安心院がモノクマを投げ飛ばしていなければ、爆発に巻き込まれ、最悪死亡していたかもしれない。
しかし、一京を超えるスキルを保有する安心院にこんな爆発が効くかどうかは疑わしいのだが……。
「ふぅ。危ないところだったぜ」
「ほんとほんと。ボクが手加減してなかったら、オマエ今ので死んでいましたよ」
先程爆発した筈のモノクマの声が体育館内に再び発せられた。
声の許を見てみれば、そこには傷一つないモノクマがステージ上に立っている。
同じような作りの個体が他にいくつも用意されていたのだろう。
「ふーん。で、モノクマくんだっけ? 君は一体何匹居るのかな」
「六百匹……じゃなくて七億匹だぜ。
まあつまりぶっちゃけ、冗談だぜ。
でも、モノクマは学園の至る所に配置されているから、安心してね。安心院さんだけに」
モノクマはふざけた調子で安心院に返答する。
元々モノクマにまともな答えなど求めていなかったのか、
“そうかい”と一言だけ告げると、安心院は踵を返して体育館の入口へ向けて歩き始めた。
「あれれ? どこに行くつもり?」
「言っただろ。僕はうちの学園の生徒を取り返しに来たのさ。
だから、今から生徒を迎えに行くところだよ。
ここに寄ったのは、うちの生徒に手を出したのがどんな奴かを見に来ただけってところかな」
「おやおや。これはいけません。いけませんなぁ……。
学園への不法侵入の罰を、まだお二方には受けてもらっていませんよ?」
「そんなものを受ける義理も義務も僕達にはないぜ」
「甘い!! チョコラテのように甘い考えです!!
そんなんだからオマエは凶育者として三流以下なのです!!」
- 17 :ようこそ絶望学園 ◆AJINORI1nM:2012/04/23(月) 22:29:27 ID:8JSRRcWQ0
-
モノクマの声を受けて、安心院は歩を止め振り向いた。
少しだけ冷やかな目線でモノクマを見つめる。
「当然だよ。僕は凶育者じゃなくて創設者なんだからね。
というか、その口ぶりからすると、もしかして最初から僕の事は知っていたのかな?」
「生屠の家庭環境や周辺の事情を把握するのは当然の事でしょ?
その資料の中に、オマエのこともあったんですねぇ。うぷぷぷぷ……。
この学園では、校則は絶対の掟なのです。許可なく学園に侵入するのは、校則違反に当たります。
そして学園の敷地に入ったからには、学園のルールに従ってもらいます!
郷に入っては郷に従えって言うでしょ?」
「それで?」
「えー、テレビの前の生屠諸君!
校則を破る者を発見したその時は、お尻ペンペンレベルの体罰じゃ済まないからッ!」
安心院には返事をせず、カメラに向き直ったモノクマは生屠達へ向けてメッセージを送った。
そして心底愉快そうな顔を作り、高らかに“おしおき”の始まりを宣告する。
「今回は侵入者である安心院なじみ(あじむ なじみ)さん、不知火半纏(しらぬい はんてん)クンの為に、
スペシャルなおしおきを用意させていただきましたぞっ!!」
モノクマの言葉と共に、床から赤いボタンが迫り上がって来た。
いつの間に取り出したのだろう。
モノクマの手には裁判官が使うような木槌が握られている。
その木槌を大きく振り上げると、迫り上がったボタンへ向けて勢いよく振り下ろした。
“おしおき”と言う名の処刑が始まるのだ。
『超高校級の見せしめ用おしおき』
「やれやれ。何が始まるって……」
口を開いた安心院であったが、その言葉を最後まで良い終える事はできなかった。
どこからか飛来した金属製の首輪が彼女の首にしっかりと装着され、
首輪に繋がれた鎖が凄まじい勢いで引っ張られたのだ。
不知火半纏の首にも同様に首輪が嵌められ、安心院なじみと同じ場所へと引き摺られていく。
『ぶー子あやうし! 大怪獣襲来!』
二人が辿りついた場所は学園のどこかなのだろうか。
魔天楼が立ち並ぶ街中で、
巨大なモノクマがまるで怪獣映画のようにビルを破壊しながら二人に近付いてくる。
二人の周りはビルで隙間なく埋め尽くされており、逃げ場など無い。
と、そこへ空からプリンセスぶー子が飛来してきた。
外道天使☆もちもちプリンセスの主人公である。
そのぶー子が、巨大モノクマから町を、人々を守る為に二次元の世界からやってきたのだ!
戦闘を開始するぶー子と巨大モノクマ。
戦いは激しさを増していき、一進一退の手に汗握る戦いとなっている。
ぶー子とモノクマの戦場は徐々に移動していき、安心院と半纏の居る場所へと近づいてくる。
逃げ場のない二人の許へ、とうとうぶー子とモノクマがやって来てしまった。
戦闘に巻き込まれた二人はぶー子とモノクマの双方から殴られぼこぼこにされている。
ぶー子もモノクマも、次の攻撃で勝負を終わらせるつもりだ。
双方の放った必殺ビームを悪平等の二人がもろに食らったところで、画面に砂嵐が走った。
- 18 :ようこそ絶望学園 ◆AJINORI1nM:2012/04/23(月) 22:30:48 ID:8JSRRcWQ0
- 『悪平等inファイナルステージ』
画面の砂嵐が収まると、場面が移り変わっていた。
アイドルが踊るような舞台で二人は踊らされている。
舞台は巨大なトラバサミになっており、完璧なステージを披露しなければトラバサミが閉じてしまうのだ。
殴られ、必殺ビームを受けぼろぼろの二人であったが、流石は悪平等といったところか。
安心院は当然のように華麗な踊りと歌を披露。
半纏も、審査員に背中を向けながら完璧なバックダンサーとして踊りきった。
採点の時はきた。
一点、二点とステージ右端の採点ランプが下から順に点灯していく。
二十点で合格だが果たして……。
十八点……十九点……。
後一点で合格というところで、モノクマが登場!
ランプが破壊されてしまっため二人は見事不合格に!
不合格が決まると同時にトラバサミは閉じられ、また場面が移って行く。
『スーパー・悪平等・ブラザーズ』
画面は8ビットの世界を映し出している。
ドットのキャラクターになってしまった悪平等の二人は、
横スクロールアクションのような画面をひたすら走る。
半纏はプレーヤーに背中を見せながら蟹のように移動している。
頑張ってゴールを目指す二人だったが、そんな二人の目の前からドットモノクマの大群が押し寄せてきた。
敵に当たったらゲームオーバーだ!
モノクマを避けようとする二人だが、画面狭しと押し寄せるモノクマを避ける術は存在しない。
大量のモノクマによって、二人は画面の外へと押し流されてしまった。
『はじめてのイタズラなチュウ』
二人が放り出されたのは真っ暗闇の空間だ。
周りを見渡してみると、遠くに白馬に乗った王子様が居るではないか。
王子様へ向かって駆け出す二人。
もうすぐ王子様の許へと辿りつける、
というところで二人の目の前にモノクマが運転する巨大なローラーが出現した。
慌てて引き返す二人だったが、時すでに遅し。
唸りを上げるローラーに二人は巻き込まれてしまった。
ローラーが通り過ぎた後には地面にうつ伏せで倒れる二人の姿が!
ぺらっぺらの紙みたいにならなくて良かったね!
『人外★失格』
奈落へと落ちて行く二人。
落ちたところは巨大なゴミ箱の中。
なんとか這い出した二人の前に広がるのは、西洋の町並みだった。
汚れた浮浪者のような二人へ向けて、小学生風のモノクマ集団が一斉に石を投げつけてきた。
これにはたまらず二人は逃げ出した。
しばらく走り振り返ると、追ってくる者は誰もいない。
ほっとしたのも束の間。
街並みが舞台のように回転すると、雪の降る街並みへと転じてしまった!
それに伴い気温も急激に下がり、二人の動きは一気に鈍くなる。
寒さと痛みに凍える二人は、血を吐いて雪の上に倒れ込んでしまった。
「な……なんだよ……これ……」
適温に調節された部屋でテレビを見つめるのび太の顔は青ざめている。
画面に映る二人は度重なる“おしおき”でどんどん傷付き、衰弱していた。
こんなものを見せられたって、全然楽しくも面白くもない。
目を逸らしたいのに、何故か画面から目を話す事ができなかった。
“こんな事やめてよドラえもん!!”。
心の中で叫ぶが、“おしおき”はまだまだ続いて行く。
- 19 :ようこそ絶望学園 ◆AJINORI1nM:2012/04/23(月) 22:31:50 ID:8JSRRcWQ0
- 『安心院なじみ大統領、不知火半纏首相就任パレード』
安心院と半纏は、一九六一年式のリンカーン・コンチネンタルをオープントップ改造した、
パレード専用のリムジンに乗っていた。
新たに就任した大統領と首相を祝う豪華なパレードが行われているのだ。
“安心院大統領万歳!”。
“不知火首相万歳!”。
そんな言葉が書かれたプラカードを持つ群衆が、二人に声援を送っている。
しかし、国家元首のパレードで何も起こらない筈がない。
群衆の声援に応える二人に向かって、二発の銃弾が放たれた。
銃撃を受けてうずくまる二人。
二人を狙撃したのは一体誰だ!
リムジンの場所から数百メートル離れた地点に、
スナイパーライフルを携えて立ち去る一匹のモノクマの姿があった。
眉毛は太く、葉巻をくわえた渋いモノクマだ。
その姿は、まるで伝説の殺し屋のようであった……。
『銀河まるごと超決戦』
荒野のただ中に悪平等の二人は立っている。
何もなかった二人の周辺に、名のある武術家のモノクマ、武将のモノクマに戦士のモノクマ。
果ては気を操る宇宙人のモノクマまでが現れ二人に襲い掛かる。
戦わなければ生き残れない!
ぼくらは戦うことを強いられているんだ!
次々と襲い来る強敵難敵を、満身創痍でありながら二人はかろうじていなしていく。
だが、倒しても倒しても新たな敵が現れる。
どんどん現れる。
じゃんじゃん現れる。
やがて、敵ですら見動きが取れない程ぎゅうぎゅう詰めになり、
二人は大量の敵に圧迫され押し潰されてしまった。
『ウォーター・イリュージョン・ショー』
お次の舞台は水槽の中。
綺麗な水の中を二人は漂っている。
と、そこへ手品師の恰好をしたモノクマが登場。
水槽の上に飛び乗り手に持ったステッキを振るうと、水槽に幕が下りた。
鳴り響くドラムロール。
その音が終わると同時に幕が上がる。
するとどうでしょう。
水槽の中には悪平等の二人の他に、サメの大群が加わっているではありませんか。
驚愕する悪平等をよそに、再びモノクマがステッキを振るい水槽に幕を下ろす。
そして再び鳴り渡るドラムロール。
さて、手品は成功するのでしょうか。
ドラムロールの終わりと共に勢い良く幕が上がった。
なんということでしょう!
水槽の中には悪平等の二人の姿がないではありませんか!
しかも、水槽の水が青から赤に変わっています!
素晴らしい!
手品は大成功です!!
自慢げなモノクマに向けて、観客から盛大な拍手が湧き起こった。
『クイズ! 三割の確率で聞きました!』
クイズ番組のセットが用意されており、奥にはABCの三つの扉があります。
頭上には“三分の一の確率で処刑!”の文字が。
どうやら三つの扉の内、一つだけ処刑の扉があるようです。
扉に向かう悪平等の足取りは非常に重い。
安心院さんは、手品の影響か左腕の肘から先が無くなっています。
不知火クンの右手も半ばから消失しています。
手品ってすごいですね。
さてさて、ようやく三つの扉の前に到着した二人ですが、どうやらAの扉を選択したようです。
と、次の瞬間!
Aの扉に足が生え、走って逃げてしまいました。
逃げてしまったものはしょうがない。
今度はBの扉に手を伸ばします。
と、次の瞬間!
Bの扉にも足が生え、Aの扉同様逃げてしまいました。
二人の前にはCの扉が立ちふさがっています。
いやいや、それはないだろうと首を横に振る安心院さんですが関係ありません。
中々開けてくれない二人に痺れを切らしたCの扉が勝手に開いたかと思うと、
中から巨大な口が飛び出し二人を飲み込んでしまいました。
もう画面にはCの扉しか映っていません。
いよいよ、お次が最後の“おしおき”となります。
- 20 :ようこそ絶望学園 ◆AJINORI1nM:2012/04/23(月) 22:33:23 ID:8JSRRcWQ0
- 『補習』
長大な教室。
机と椅子に囲まれた教室の真ん中でベルトコンベアーが動いています。
ベルトコンベアーの行きつく先では、巨大なプレス機が稼働しており、定期的にベルトコンベアーの上をプレスしていました。
ベルトコンベアーの上には机と椅子が二脚ずつあり、そこに安心院さんと不知火クンが背中あわせに座っています。
別に縛られているわけでも拘束されているわけでもありませんが、授業中的呪縛により二人は見動きがとれません。
そんな二人に向かって、教卓カーに乗ってやってきたモノクマ先生がやってきました。
黒板には『プレス機』について書かれています。
歯車で巻き上げた巨大な金属の塊を、下に落として物体をぺちゃんこにするのです。
黒板の右下には、今日の日直である安心院さんと不知火クンの名前が書いてありました。
不知火クンは相変わらず先生に背中を向けっぱなしですが、モノクマ先生は気にしていません。
さあ、モノクマ先生による補修が始まりますよ!
二人が学ぶのは『生命の始め』です。
排卵、受精、着床という三段階を経て生命は誕生するのです。
プレス機が鉄塊を落とす重苦しい音が、嫌でも二人の耳に入ってくる。
耳にプレス機の音が入って来る度に、床が振動しプレス機の威力を二人に伝えていた。
今まで何回思いを巡らせただろうか。
安心院のいかなるスキルも、このおしおきを脱するには無力だった。
腑罪証明(アリバイブロック)による空間移動も発動せず、その他のスキルもことごとく効果を発揮しない。
もしかしたら、スキルを無効化するスキルを使われているのかもしれない。
だが、安心院には“スキルを無効化するスキルを無効化するスキル”があり、
それを無効化されたとしても“スキルを無効化するスキルを無効化するスキルを無効化するスキルを無効化するスキル”……
と、無効化を無効化するスキルを持っている為無意味な筈だった。
それなのに、安心院のスキルはどれも効果を発揮する事が無い。
一京を超えるスキルを持ちながら何もできない状況で、彼女達悪平等は何を思っているのだろうか。
まあ、何を思っていようとおしおきは恙無く(つつがなく)進められるんですけどね。
補習も終盤に差し掛かってまいりました。
最後に学ぶのは『生命の終わり』です。
始まりがあれば終わりがある。
当然の事ですね。
さて、生命の終わりとはいったいどういうものなのでしょうか。
圧死、撲死、焼死、毒死、凍死、溺死、憤死、斬死、餓死、病死、窒息死、感電死、自死。
色々ありますね。
さてさて、二人が迎える終わりとは?
───ずん。
テレビから、重い重い音が響いた。
画面に映るプレス機の周りには赤い血が飛び散り、辺りにグロテスクな模様を描いている。
「嘘だ……こんなの……嘘だよね?」
そうだよ。ドラえもんがこんな事するわけないじゃないか。
ほら、プラカードを持ったモノクマがプレス機に近付いて行くよ。
きっとあのプラカードには“ドッキリ大成功!”の文字が書いてあるはずさ。
悪平等の二人を押し潰した鉄の塊が持ち上がり、その下をモノクマが覗き込んだ。
汗を掻きながらカメラに向かって振り向いたモノクマがプラカードを翻す(ひるがえす)。
そこに書かれていたのは、のび太の淡い希望を打ち砕く“死亡確認!”の文字。
これで、侵入者へのおしおきは終了した。
画面は暗転すると、再び体育館を映し出す。
「いやっほうっ!! エクストリ───────ムッ!
アドレナリンがぁ───染み渡る───ッ!!」
- 21 :ようこそ絶望学園 ◆AJINORI1nM:2012/04/23(月) 22:34:43 ID:8JSRRcWQ0
- 体育館のモノクマは、酷く興奮しているようだった。
「うっひゃっひゃっひゃ!
ぶっひょっひょっひょっひょ!!
そう言えば、一京なんちゃら個のスキルを持ってるなんて言っていましたねぇ。
そんなもの、全然意味無いのにドヤ顔で語っていましたねぇ。
笑っちゃうよねーッ!
時を止めるだとか、全ての攻撃を反射するとか、
万象、宇宙の理を操り、永劫の回帰を繰り返すとか、そんなスキルも持っていたのかな?
なんなんでしょうねそれ。なんで、どうしてそんなに小賢しいんでしょう。
弱いから、つまらないから、物珍しげな設定をひねり出して、頭が良いとでも思わせたいの?
せせこましい、狡猾すからしい、理屈臭く概念概念、意味や現象がどうだのと、呆れて物も言えないよ。
そんなもので、卵を立てた気にでもなってるの?
能力に名前? 馬鹿臭い。
力を使う時の危険要素? アホじゃなの?
質量の桁が違えば相性に意味なんてないし、使用に危険を伴う力なんてただの使えない欠陥品じゃない。
少し考えれば幼稚園児だって分かる事を、自分の矮小さを誤魔化すためにみっともなく誤魔化してるんだよね。
絶望が足りない。怒りが足りない。強さにかける想いが純粋に雑魚なんだよ。
能無しのくせに、クマを素手で撲殺する程度の膂力もない分際で、際物めいた一芸さえあれば山さえ崩せると迷妄に耽ってさ。
そんなもの無駄無駄無駄ッ!
徹頭徹尾最強無敵! 誰であろうと滅尽滅相!!
力、ただ力!
レベルを上げて物理で殴ればそれで充分、特殊な能力なんて何も要らない!
必要ないんだ白けるよ!!
これをつまらないなんて思うなら、それは、その人がつまらないだけなのです!」
ここまで言い切り満足したのか、ご満悦の表情でふぅー、と一呼吸入れる。
が、次の瞬間にはモノクマの顔は怒りを滲ませた表情に変わり、先の言葉に短くこう付け加えた。
「ただしラスリベ、テメーはダメだ。
ボクは怒りの日を決して忘れない」
何に対する怒りなのか、えらくどすの利いた声であった。
「あ、そうそう。安心院さんには言い忘れてたけど、
実はボクことモノクマには、超魔王プロテクトが施されちゃったりしています。
更に、超魔王カルトも積まれているんですね〜。
………え? なぁに? 超魔王プロテクトの事、知らないの? 本当に?
しょうがないなあ。じゃあ、特別にどんなものかを教えてあげるね」
超魔王プロテクトと超魔王カルトについての説明を、モノクマはもじもじしながら語り始める。
きっと、自慢したくて仕方なかったのだろう。
「超魔王プロテクトは、一回だけあらゆる攻撃を無効にしてしまいます。
ですので、核攻撃だって、一回だけならへっちゃらです。
超魔王カルトは、超魔王カルトを持つ仲間の数だけ、超魔王プロテクトの効果を持続させてくれる優れ物です。
ここまで言えば、後はもうわかりますね?
そうです! ボクに対する攻撃は、モノクマの数だけ無効となるのです!
どうです? すごいでしょう?」
モノクマはそう言って、えっへんと体を逸らしている。
力こそ全て、特殊能力なんて馬鹿馬鹿しいと散散言っておいてこれである。
ふざけているとしか言いようがない。
実際、ふざけているのだろう。
自分が面白ければ、他はどうだっていいのだ。
- 22 :ようこそ絶望学園 ◆AJINORI1nM:2012/04/23(月) 22:35:29 ID:8JSRRcWQ0
-
「うぅん……」
「あ、委員長。気が付かれましたか?」
プリニーに介抱されていた凶育委員長が、ここでようやく目を覚ました。
辺りを一度見渡してから、モノクマに問いかける。
「……あら? 先程の侵入者は、どうしたんざますか?」
「ご安心ください。今し方、おしおきを実行したところです。PTAの皆様の仇は討ちました!」
「まあ! 流石はモノクマ先生ざます! ナガレイシざます!
あなたを凶師として迎え入れたアタクシの目に、狂いはなかったんざますね!」
「当然ですよ! ボクを誰だと思っているんですか。
なんてったって、ボク、モノクマですよ?」
凶育委員長はモノクマの見事な手腕に思わず涙ぐんでしまった。
モノクマ先生ならば、きっとアタクシの理想を実現してくれるに違いない。
「モノクマ先生!」
「凶育委員長!」
「モノクマ先生!」
「凶育委員長!」
「先生!!」
「委員長!!」
「あの〜……お取り込み中のところ悪いんスけど……、
時間が押してるんで、そろそろ授業説明に入らないとやばいと思うッス」
モノクマと凶育委員長が感動的に抱き合っているところへ、側に居たプリニーが一言物申した。
確かに、授業開始時刻までもうすぐだ。
流石にこれ以上は茶番を続けるのも難しいだろう。
「おっと、そうでしたそうでした。
それではッ! 改めましてこれからオマエラが受けてもらう授業について説明させていただきます!
授業内容はいたって簡単!
オマエラには今から、殺し合いをしてもらいます!!」
…………え?
コロシアイ?
のび太の思考が一瞬停止する。
「コロシアイってなんだよ……、何言ってるのか……全然わかんないよ……!」
「殺し合いは殺し合いだよ。
殴殺刺殺撲殺斬殺焼殺圧殺絞殺惨殺呪殺…
殺し方は問いません。
『お互いに殺し合って最後の一人になった生屠だけが外に出られる…』
それだけの簡単なルールだよ。
自分以外のクラスメートが全員死んだら、それで授業終了です。
単位取得となり、この酷立絶望学園から卒業する事ができます。
最悪の手段で最良の結果を導けるよう、せいぜい努力してください。
うぷぷ…こんな脳汁ほとばしるドキドキ感は、鮭や人間を襲う程度じゃ得られませんな…。
超、ドキドキする〜!」
モノクマの言葉に、のび太の背中がゾワリとした。
コロシアイ……殺し合いだって?
画面越しとはいえ、ついさっき人が殺される場面を見たばかりだった。
冗談で言っているとはとても思えない。
「何言ってるんだよ! そんなこと……やっていいわけないじゃないか!
ドラえもん! 殺し合いなんて悪い冗談なんでしょ? さっきの人達だって、実は生きてるんだよね?
ねえ、ドラえもん! ドラえもん!」
「うるさいうるさいうるさーい!!」
なんなんだよさっきっからうるさいな!
ぐだぐだ言わずにさっさとちゃっちゃと殺し合えって言ってんの!!
それにボクはモノクマだって何遍言えばわかるの!?
ドラえもんドラえもんって誰なんだよそもそも誰だよそれ誰なんだー!!」
のび太の叫びに応えるかのように、モノクマの怒号が画面から大音響で鳴り響いた。
両手を高く上げ、怒りの形相を作っている。
そんなモノクマの様子にたじろいだのび太は、思わず後ずさり尻餅をついてしまった。
- 23 :ようこそ絶望学園 ◆AJINORI1nM:2012/04/23(月) 22:37:07 ID:8JSRRcWQ0
-
「ドラえもん……、ああ、今日の黎明辺りにここに侵入してきた青い狸が、確かそんな名前だったざます。
その時撮った映像を使って、立ち入り禁止区域に入ったらどうなるかを生屠達に教えるとおっしゃってたじゃないざますか」
ドラえもんが、ここに侵入していた?
一体、どうして?
そんなの、決まっているじゃないか。
さっきテレビに映っていた、安心院さんと言う人と同じ理由だ。
モノクマと凶育委員長に誘拐されたのび太を助けるために、未来の世界から来てくれたんだ。
そう思ったのび太だったが、心に湧き起こった感情は嬉しさではなく不安だった。
のび太が目を覚ます前にドラえもんがやって来ていたと言うのなら、今ドラえもんはどうしているんだろう。
不法侵入者は、“おしおき”の対象となる。
だったら……まさか………。
「あー、はいはいそうでした、そうでした。
あれがドラえもんかぁ。
いやあ、ずっとアオダヌキって名前だとばかり思ってましたよ。
でも、古臭い名前ですね。
いつの時代の名前だよって感じ?
しかも名前が“ドラ”えもんって……うぷぷぷ。
そもそも“ドラ”ってどういう意味なんでしょう。
オマエラ、気になるりますよね?
そこで図を用意しました。ちょっとこれを見てください」
まるで何かの解説者のように振舞うモノクマの後ろに、打楽器の描かれたフリップが出現した。
クレヨンで描かれた、下手糞な絵であった。
「ドラというのは打楽器の銅鑼から来ていましてね、鐘を突いて音をだす事から、
金を尽く、お金を使い果たす、と言う意味が込められているんですよ。
つまり、働かないくせにお金ばかり食らうぐうたらの穀潰しって事ですね。
ドラ猫も同様で、悪さをする猫という意味で付けられました。
そんな言葉を名前に付けるなんて、なんというDQNネーム!
モノクマは驚きを隠せません。
ちなみに、ボクの名前の由来はモノクロのクマだよ。
シンプル・イズ・ザ・ベストってやつ?
最近は捻り過ぎてないわぁって名前が大変多いですけど、
見てる方は面白いんで、
ペットやゲームのキャラに名前を付ける感覚でじゃんじゃん奇天烈な名前を自分の子供に付けちゃってください」
「モノクマ先生は大変物知りなんざますね。アタクシ、感心するばかりざます」
「そんなぁ。これくらい常識ですよ。じょ・う・し・き。
自慢するような事じゃありませんって」
てれてれと頭をしばらく掻くと、モノクマは“おっと、授業の説明がまだでしたね”と授業内容の説明を再開した。
だが、のび太の胸中はそんなことよりもドラえもんの安否の方が心配だった。
- 24 :ようこそ絶望学園 ◆AJINORI1nM:2012/04/23(月) 22:40:08 ID:8JSRRcWQ0
-
「授業内容は、さっきも言った通り、クラスメート同士で殺し合って最後の一人を目指してください。
クラスメートは、後で名簿を渡すので確認してくださいね。
それでは、ルールの細かい説明に移りたいと思います。
殺し合いと言っても、何も素手で殴り合えなんて言いません。
別にそれでも良いんですが、それだとなかなか相手は死んでくれませんよね?
そこで、ボクから入学祝いとして、ささやかなプレゼントをご用意いたしました。
オマエラには、これから大きめのバッグを支給します。
中には、殺し合いに役立つ……かもしれない道具をいくつか入れてあります。
全員に最初から配られる支給品は、一日分の水と食料、
クラスメートの名前が書かれた学生名簿、学園の案内図、
コンパス、暗闇を照らす懐中電灯一つ、腕時計一本、包帯と三角巾、筆記用具とメモ帳、
それと電子生屠生屠手帳です。
水と食料は、ちゃんと個人個人の一日分を支給します。
小柄な人の食糧は少ないですし、大柄な人の食糧は多いです。
電子化された生屠手帳、その名も電子生屠手帳は、学園生活に欠かせない必需品だから、
絶対に無くさないようにね!!
それと、起動時に自分の本名が表示されるから、ちゃんと確認しておいてね。
単なる手帳以外の使い道もあるんだけど、それは後で説明します。
ちなみに、その電子生屠手帳は完全防水で、水に沈めても壊れない優れ物!
耐久性も抜群で、十トンくらいの重さなら平気だよ。
詳しい“校則”もここに書いてあるんで、各自、じっくりと読んでおくよーに!
何度も言うけど、校則違反は絶対に許さないからね!
えーと、あとは……そうそう! 支給品は他にもあるんだよ!
全員に平等に支給される基本支給品以外に、一つか二つか三つ、
プリニーが適当に選んだ支給品を各々のバッグに入れています。
きっと殺し合いに役立つ道具が入ってると思いますが、外れ支給品も多かれ少なかれ存在しますね。
説明書を付けてたり、面倒で付けていなかったりもしますが、そこら辺は運も実力の内って事で、どうかあしからず。
支給品についての説明は以上です。
次は、星階級制度についての説明を致します。
星階級制度とは、いわゆるランク付けの事ですね。
オマエラは最低ランクの星なし(ナッシング)から始まって、
他の学生を殺すごとに星一つ(シングル)、星二つ(ダブル)、星三つ(トリプル)、
と星が増えていき、階級が上がって行きます。
三人殺せば星三つ! 当然、階級が上がればそれだけ恩恵が与えられます。
優等生なんですから当然ですね。
積極的に殺って殺って殺りまくる優等生には様々な特典が用意されています。
最高階級の幹部生になるには、星三つの状態から更に二人殺しちゃってください。
合計五人殺せば、幹部生(スペシャル)になれる計算ですね。
あ、星なしがトリプルの生屠を殺したからって、通常より星が多く貰えるとか、そんな事はありませんよ?
一人殺したら、貰える星は一つだけです。
なので、こっそり隠れて、優等生が疲れ切ったところを襲おうなんて考えても無駄です。
ちゃんと、積極的に授業に参加しましょうね。
オマエラ、わかったかな?
それでは、次の説明に移ります。
- 25 :ようこそ絶望学園 ◆AJINORI1nM:2012/04/23(月) 22:42:04 ID:8JSRRcWQ0
- 就寝場所についてです。
オマエラにはこれから授業を受けてもらうわけですが、就寝は寄宿舎内の個室でのみ可能です。
他の場所での故意の就寝は居眠りと見なし罰します。
ただし、これは星なしの場合です。
シングルは施設内ならどこでも就寝可能、
ダブルは施設以外でも建物内なら就寝可能、トリプルは建物の外でも就寝可能です。
スペシャルには、耐寒、耐熱、防音、衝撃にも耐える高性能な寝袋を進呈しちゃいますよ。
これを使えばどこでも安心して眠れますね。
寄宿舎の個室の鍵は基本支給品の中に入れていますが、最初はどこの寄宿舎も鍵が開いた状態です。
部屋の中に入ったらしっかりと鍵を閉めましょう。
建物はどこも防音性が高いので、隣の部屋でマシンガンをぶっ放しでも隣の部屋に聞こえることはありません。
安心して殺れる時に殺っちゃってください。
でも、耐衝撃性はそこそこなので、籠城作戦を実行しても扉や壁なんかを壊される可能性がありますね。
あまりおすすめはしません。
窓はご覧の通り頑丈な鉄板で塞いであるので、窓から中が見えたり侵入されたりする事は、多分ありません。
次は、校内放送についてです。
朝六時、昼十二時、夕方十八時、深夜零時、一日に四回の校内放送を行います。
校内放送では、誰が死亡して、残りの生屠が何人になったか、そして立ち入り禁止区域になる場所をお伝えいたします。
絶望学園はとても広い学園です。
そのため、殺し合いが進んで生屠の数が減って行くと、なかなか他のクラスメートを見付ける事が難しくなっていきます。
そこで登場するのがこの禁止区域です!
禁止区域に入る事は校則違反となります。
ですので、禁止区域に入る生屠にはおしおきが待っています。
第一放送から一時間ごとに禁止区域を増やしていって、どんどんオマエラの行動範囲を狭くしていくからね。
これで、他の生屠達と出会い易くなりますね。
だからオマエラ、積極的に動き回ってよね。
そう言えば、禁止区域に入ったらどうなるか、おしおきを録画した映像を流す予定だったのでした。
でも、もうおしおきの映像は生放送で流しちゃったしなぁ。
どうしよっかなぁ。
……うん、決めたぞ!
せっかくなんで、これも放送しちゃいましょう!
夜中にこの学園に侵入した奴がどうなったのか、オマエラに見てもらおうと思います!
映像、スタート!」
- 26 :ようこそ絶望学園 ◆AJINORI1nM:2012/04/23(月) 22:42:58 ID:8JSRRcWQ0
-
モノクマの掛け声と共に画面が乱れると、テレビはどこかの森の中の映像を映し出した。
画面中央には青い狸の置き物がある。
夜に撮影されたものなのか、辺りは真っ暗闇だ。
「やい! のび太くん達を返してもらうぞ!」
青い狸の置き物が突然喋り出した。
いや、これは置き物ではない。
ドラえもんと名付けられた、子守り用のネコ型ロボットである。
声はモノクマと同一のものだが、不思議とモノクマのような不快感は感じられない。
感情を露わにするドラえもんの前に、森の奥から何者かが近付いてきた。
絶望学園の学園長、モノクマだ。
「なんですか騒がしい。ここは関係者以外立ち入り禁止ですよ」
「お前がのび太くん達を誘拐した犯人だな!!」
「誘拐なんて人聞きの悪い、いや、クマ聞きの悪い? まあいいか。
これは誘拐じゃなくて、入学ですよ。
絶望学園に入れるなんて、大変名誉なことなんですからね」
「うるさい!
パパさんやママさんにあんなことをしておいて、その上のび太くんを誘拐するなんて、ただじゃ済まさないぞ!!」
「あんな事ってどんなこと? ボク、わかんないなぁ」
「とぼけるな!! タイムテレビで一部始終を見たんだ!! 絶対に……絶対に許さない!!」
ドラえもんの目は血走り、怒りで我を忘れている雰囲気さえあった。
のび太くん達を救うためならなんだってやってやる。
そんな決意の下、ドラえもんは腹部に装備している四次元ポケットに手を突っ込んだ。
「きゃあ! 何をする気なの!? 怖いよ〜!
こうなったら、対侵入者用のおしおきに頼るしかないね!
召喚魔法を発動する! 助けて! グングニルの槍ッ!!」
ドラえもんがポケットの中から何かを取り出そうとした次の瞬間、
ドラえもんの体はいくつもの槍に貫かれていた。
それは刹那の出来事。
人間離れした動体視力の持ち主でも、ドラえもんの体が槍に貫かれる瞬間を視認できなかった。
モノクマの言葉が言い終わったその直後に、何の前触れもなく、
入れ換わるように串刺しのドラえもんの姿がそこに出来上がっていたのだ。
「ボクと同じ声って……キャラ被っちゃってるじゃん。
やめてよね、そういうの。
マスコットは、ボクだけで充分なの!」
そう言い残すと、モノクマは元来た道を引き返し、闇の中に消えて行く。
後に残されたのは、全身を槍に貫かれた子守りロボットのなれの果てが一体だけ。
「の……び太……くん………ご……め………」
その言葉を最後に、特定意志薄弱児童監視指導員ドラえもんは機能を停止した。
グングニルの槍は、正確にドラえもんの中枢を破壊していたのだ。
ドラえもんが機能停止してから数秒後、画面は暗転し、元の体育館を映し出す。
「ドラえもん……そんな………何で……何で!!」
今の映像がフェイクだという発想はのび太にはない。
小学生特有の純粋さで、今の録画映像は本物だと思いこんでしまっていた。
実際、本物なのだから間違っていないのだが、これは嘘だと疑えていたら、どれだけ彼の心が救われていたろうか。
ドラえもんは、一緒に暮らした大事な家族で、かけがえのない親友で、そして大切な……大切な………。
「うっ……ひっく……ドラえ………」
ドラえもんが、死んだ。
もうドラえもんと会えなくなると知った時は、確かに悲しかった。
それでも、ドラえもんは未来の世界で生きている。
未来の世界で元気にやっているんだとばかり思っていた。
死ぬだなんて、考えもしなかった。
生きていればもしかしたら、もしかしたらいつか奇跡が起きてドラえもんと再開できる日が来たのかもしれない。
だけど、ドラえもんが死んでしまってはその奇跡も起こらない。
死は、永遠の別れを意味するから。
のび太の両目からは、涙が止めどなく溢れていた。
- 27 :ようこそ絶望学園 ◆AJINORI1nM:2012/04/23(月) 22:43:33 ID:8JSRRcWQ0
- 「おわかりいただけただろうか。
立ち入り禁止区域に入るとそうなるか、これでオマエラ理解してくれたと思います。
時間も押してることだし、後はちゃちゃっと終わりにしちゃいますか。
お次の映像はこちら!
今度の映像は凄いよう。
なんてったって、オマエラ一人一人の為に撮った特別な映像だからね!
これを見れば、きっとオマエラ、卒業したくなると思うよ!
それでは、はりきっていってみましょう!!」
ドラえもんと同じ声が響いてくる。
懐かしい声。
でも、違う声。
こんなの、ドラえもんじゃない。
まともに聞く価値もない。
それなのに、どうしてもちゃんと聞いてしまう。
もう聞く事の出来ない、たった一人の親友の声だから……。
「のびちゃ〜ん。聞こえてる?」
突然聞こえた声に、のび太は驚いてうつむかせていた顔を上げた。
今の声はママの声だ。
顔を上げたその先に、テレビ画面にパパとママの姿が映っている。
二人が居るのは野比家の居間。
そこで二人は、この映像を見るであろう自分達の息子に向けて語りかけている。
「のび太、突然の事で驚いたが、国立の学園に数日間入学するそうじゃないか」
「誰でも優等生になって卒業できる、新しい学園らしいわね。
今日突然そんなお話を受けて、ママ驚いちゃったわ」
パパもママも、どこか嬉しそうな顔でカメラに向かっていた。
“二人とも騙されているんだ”。
のび太はすぐにわかった。
そうでなければ、パパもママもこんな顔をしているはずがない。
両親からのび太へ向けたメッセージは続く。
二人の姿を見ていたら、悲しくなってさらに涙が溢れてきた。
と、唐突に映像が乱れ始める。
しかし、それも数秒で収まった。
再び映像が鮮明になると、のび太は絶句した。
言葉が詰まって出てこない。
画面からは両親の姿は消えていた。
それだけではない。
居間の様子もがらりと変わっている。
部屋の中は滅茶苦茶に荒らされ、人間同士が揉み合ったような跡がある。
壁も床も一面傷だらけで、窓ガラスも割られていた。
どう見ても、両親に何かあったとしか思えない。
『絶望学園に入学した野比のび太クン…
そんな彼を応援していたご家族のみなさん。
どうやら…そのご家族の身に何かあったようですね?
そして聞こえる、あの懐かしい声。
違う。これはドラえもんの声じゃない。
モノクマの……絶望学園の学園長の声だ。
『では、ここで問題です!
このご家族の身に何があったのでしょうかっ!?』
モノクマの声が終わると、画面には
『正解は“卒業”の後で!』
という文字がでかでかと映し出された。
- 28 :ようこそ絶望学園 ◆AJINORI1nM:2012/04/23(月) 22:50:19 ID:8JSRRcWQ0
-
のび太の体は震えていた。
ドラえもんだけじゃなくて……パパと……ママまで……。
映像が終わると、モノクマの居る体育館に画面が切り替わる。
「うぷぷぷ……。
どうですオマエラ?
俄然、殺る気が出てきたでしょう?
先生、信じてるから。
オマエラなら優等生になって卒業できるって、信じてるから。
だから……
殺りたい放題、殺らして殺るから、殺って殺って殺って殺りまくっちゃってくーださーいねーッ!!
それでは、これからチャイムと共に授業開始です。
豊かで陰惨な学園生活をどうぞ楽しんでください!
それじゃあ、まったね〜!」
『キーン、コーン…、カーン、コーン…』。
殺し合いの始まりを告げるチャイムが絶望学園に響き渡る。
同時に、時空ゲートがのび太の体を包み込み、学園敷地内のどこかへと瞬時に転送した。
【安心院なじみ@めだかボックス】 死亡確認
【不知火半纏@めだかボックス】 死亡確認
【ドラえもん@ドラえもん】 死亡確認
主催者
【モノクマ@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】
【凶育委員長@魔界戦記ディスガイア3】
【学生バトルロワイアル】────授業───開始!
- 29 : ◆AJINORI1nM:2012/04/23(月) 22:51:18 ID:8JSRRcWQ0
- OPは以上です
- 30 :名無しさん:2012/04/23(月) 23:23:28 ID:U8zcU3OoO
- 投下乙っす。
予約解禁もいよいよ40分後となりました。
- 31 :名無しさん:2012/04/24(火) 22:41:48 ID:FTE.y6.wO
- い〜ーやっほー!!
学生ロワがパロロワ辞典に載ったぜ!!これで学生ロワの知名度が少しは高くなったぜ!
- 32 :シゴフミ ◆AJINORI1nM:2012/04/28(土) 23:56:53 ID:yE69Ziis0
- 今井蛍、極上のサルバトーレ、黒神めだか
投下します
- 33 :シゴフミ ◆AJINORI1nM:2012/04/28(土) 23:58:30 ID:yE69Ziis0
- 木木が周りに生い茂っている。
森の中、なんだろうか。
地図を見ると──子供の落書きみたいなふざけた地図だ──北東部、南東部、
そして西部の半分以上に森林と思しき地域が広がっている。
森の中に居るとしても不思議ではない。
先程閉じ込められていたのはどこかの寄宿舎か。
そこからテレポートのアリスで絶望学園という学校の敷地内のどこかに飛ばされた、と推測できる。
しかし、周りの木木からは日本に自生している物とは異なる印象を受ける。
まるで密林だ。
現在の気温は非常に過ごしやすい。
ここが日本国外と仮定しても、密林が自然に形成されるような熱帯気候ではない。
学生名簿に載っている名前は全部で二十三人。
どのくらい気絶させられていたのかはわからないが、
二十三人もの人間を拉致し国外に連れ出すというのは現実味に欠ける。
ここが日本国内だとすると、
周りに生える熱帯原産の樹木が存在していそうな場所は地図の中には二つだけ。
植物庭園、もしくは東洋サファリ。
現在地が東洋サファリの場合、早くここから外に出た方が良い。
サファリと名前が付いているくらいだ。猛獣が野放しにされている可能性がある。
「ルカぴょんがいれば安心なんだけど……」
いないものは仕方ない。
北に行けばこの学園の外だが、外に出られない仕掛けが講じられていると考えるのが普通だろう。
名簿の中には蛍を含め、アリス学園関係者が七人載っている。
モノクマと凶育委員長なる者達の目的は不明だが、学園から少なくとも七人もの人間を拉致できる力を持っている。
考えられるのは初校長の策略か何かだ。
現に、小泉月の名が名簿にはある。
だが、あいつの目的は蜜柑だ。
私達を殺し合わせることに意味が見出せない。
蜜柑に対する脅しにしても、これは行き過ぎている。
いくら考えても、可能性は可能性のままだ。
今は南に行き、何か現在地を確認できる道か施設を探すことにする。
地図の端を調べるのは、確実な安全を確保してからでも遅くは無い。
「……………」
南を目指しながら、今井蛍は思いだす。
あの映像。
大事な人が酷い目にあったと思わせる、あの映像。
編集された形跡は確認できなかった。
きっとあれは本物だと、蛍は思う。
早くここから出なければ。
- 34 :シゴフミ ◆AJINORI1nM:2012/04/29(日) 00:01:50 ID:5RO7G1to0
- 道具と材料さえあれば、私の発明のアリスで───。
「おい、そこの貴様」
毅然とした、どこか冷徹さを滲ませる女性の声。
その声に蛍が足を止めると、声の主が茂みから姿を露わす。
黒の軍服に身を包んだ、厳しい目つきの女だ。
「貴様はこの授業の参加者だな?」
殺し合いという名のふざけた授業。
口振りからして、この女性も拉致された一人だろう。
女性から受ける印象から、脅しに屈するような人物には見えない。
協力を持ちかければ、乗ってくれるかもしれない。
だが、油断はできない。
蛍は周囲に気を配りながら、慎重に返答する。
「ええ、そうよ」
「そうか」
女性は蛍の返答にうなずくと、右手をびしぃっ!と蛍に向け、言い放った。
「命令する!
貴様は一ターン陽の光を吸収した後、エネルギー一点に集中させ放出!
私に必殺の一撃を加えるのだ!」
「…………は?」
女性の口から発せられた予想外の言葉に、蛍はぽかんと口を開ける。
そんな命令に何の意味があるのか。
そもそも、そんな事が出来る訳が無い。
この女は、蛍が嫌いな馬鹿の一人なのだろうか。
うん、馬鹿じゃなければこんな命令はしない。
「どうした! 上官をいつまで待たせるつもりだ! さっさと命令を実行しろ!」
“バカじゃないの?”、と言いたくなったが、生憎と蛍の支給品には武器になりそうなものが入っていなかった。
わかったことと言えば、バッグ中の空間がおかしなことから、アリスが関与している物品だということだけ。
武器も防具もない状況で、相手を挑発するのは得策ではないことくらい、蛍は理解しているのだ。
それでも、女の命令を聞くことはできない。
無理なものは無理だし、それで逆ギレするようならやはりバカだ。
いきなり襲ってくる様子もないし、ここは適当に受け答えしているのが良いだろう。
そう、女性───極上のサルバトーレは蛍をいきなり襲うようなことはしなかった。
それは蛍に期待をしていたからだ。
モノクマや凶育委員長に従うのは気に入らないが、生徒を捕まえて強制的に授業を受けさせるのは魔界では常識。
- 35 :シゴフミ ◆AJINORI1nM:2012/04/29(日) 00:08:58 ID:5RO7G1to0
- ベリル先生の授業は面白かったが、それも終わり退屈をしていたところだったのだ。
それにクラスメート同士で殺し合うというこの授業内容。
非常に興味を引かれる。
こういう授業ならば受けてやらんこともない。
学園長やビグスター様も参加していることから、
他の参加者もさぞ骨のある者ばかりだろうと捜索を開始し、最初に見付けたのが目の前の少女だった。
見た所人間だが、このような状況でも怯えを見せない姿にサルバトーレの期待が高まった。
殺すのは簡単だが、楽しませてくれるのならばそちらの方が良い。
なので、少しばかり時間を与えてやったのだが、いくら待っても攻撃を仕掛けてくる様子はない。
返事が返ってきたかと思えば───
「何言ってるのよあんた。そんなことできるわけないじゃない」
「何だと? 上官に口答えする気か!
できなくともやれ! 命令違反は即、銃殺だ!」
とんだ期待外れだ。
サルバトーレは叫ぶや否や、拳銃を取り出し蛍へとその銃口を走らせた。
「なっ!?」
サルバトーレが黄金の拳銃を抜くのを視認した蛍は即座に行動を開始した。
まさかあの程度で逆上されるとは思わなかった。
幸いここには茂みが多く、隠れながら逃げることは可能だ。
蛍が横へと走り出した直後、銃声がジャングルに木霊した。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「はぁ……はぁ………は……っく……!」
茂みの中を蛍は走る。
時折銃声が響き、近くの樹木が削られる。
あれからどのくらい走っただろうか。
最初の銃弾は太股を掠めた。
何とか走れてはいるが、一歩踏み出す度に痛みが走り、今にも倒れてしまいそうだ。
逃げる最中、左肩にも銃弾を受けた。
走る度に、やはり傷口が激痛をもたらす。
だが走り続けなければ殺されてしまう。
茂みや木木に身を隠しながら走っているにも関わらず、サルバトーレが蛍を見失う様子はない。
蛍の目論見が甘かったのか、サルバトーレの経験多さ故か、それとも体格差で距離が開かない為か。
再び銃声が鳴り、銃弾が蛍の体躯に命中した。
被弾箇所は左胸の辺り。
- 36 :シゴフミ ◆AJINORI1nM:2012/04/29(日) 00:22:20 ID:5RO7G1to0
- 背中から前方に突き抜けていた。
「げっほ………!」
被弾の衝撃で前のめりに倒れ込む。
口から少量の血が吐き出された。
地面に当たる際に腕を突き出したが、力が入らず上手く衝撃を和らげられなかった。
息が、上手くできなくなる。
後ろからは、ブーツで草木を掻き分ける音。
もう、立ち上がることもできなかった。
「ザコが……。期待外れもいいところだ」
サルバトーレが歩みを止める。
そして銃口を、浅く息をするだけとなった蛍へ向けた。
鬼ごっこは、これでお終いだ。
「ザコはザコらしくさっさと死ね」
「待てっ!!」
サルバトーレが引金を引く直前、渾身の力で投擲された石礫が黄金の銃にぶつかった。
石礫の衝撃で銃口は逸れ、放たれた銃弾は蛍ではなく地面を穿つ。
直後、光速の如き速さで突撃してきた何者かがサルバトーレの体を吹き飛ばした。
吹き飛ばされたサルバトーレの体は、木木を薙ぎ倒しながら遠くへ直進する。
さながら人間砲弾、いや悪魔砲弾だ。
「おい、大丈夫か!!」
サルバトーレを吹き飛ばした何者か──黒神めだかがうつ伏せに倒れる蛍の体を抱き起こす。
彼女が銃声を聞きつけたのは、ここから二エリア離れた場所だった。
異常な聴力で銃声を聞きつけた彼女は、殺し合いを止めるべくここまで全力で走ってきたのだ。
銃口を向けるサルバトーレを視認した彼女は、その場で石を拾い上げ即座に投擲。
放たれる銃弾を逸らした後、『黒神ファントムちゃんとした版』を用いてサルバトーレを吹き飛ばしたと言う訳だ。
だがそれでも、全力で、これ以上ない程の速度で駆け付けたにも関わらず、彼女は来るのが遅過ぎた。
めだかは自分の腕の中で、少女の鼓動が弱くなるのが具に(つぶさに)に感じ取れた。
胸の銃創からは止めどなく血液が流れ出ている。
止血しなければならないが、中で大動脈を傷付けているのは明らかだった。
表面を止血するだけではだめだ。切開し、動脈を直接処置しなければ助からない。
(………み……かん……)
薄れゆく意識の中、今井蛍が思ったのは親友の事だった。
- 37 :シゴフミ ◆AJINORI1nM:2012/04/29(日) 00:27:06 ID:5RO7G1to0
- もう、自分は助からない。そんな事が理解できた。
私が死んだら、あの子はどんな顔をするだろう。
蜜柑のお母さんのお葬式では、蜜柑は涙を流さなかった。
泣くこともできないほど、辛い顔をしていて……。
まるで、そこにいる見えない誰かに手を伸ばすように、蛍の右腕がゆっくりと上がっていく。
「み……かん……」
蜜柑。
何泣いてるのよ。
『蛍、大怪我しとるやん……ヒクッ…今にも……ウッ…死にそうやん……』
大袈裟ね。
ほら、そんな辛そうな顔しないの。
あんたの泣き顔は三割増ぶさいくって言ったでしょ。
私が好きなのは、笑ってる顔の蜜柑なの。
あなたがいなければ、私はずっと一人のままだった。
あなたがいたから、私は学園でもやっていけた。
あなたのおかげで、兄さんを救うことができた。
あんたの笑顔が、どれだけ私に力をくれたか……。
あなたは、私にとって太陽みたいな存在。
だから───
「どんな時も……笑っ……て……」
少女の右手が力を失くし、ゆっくりと落ちて行く。
心臓の鼓動も、止まってしまった。
血は、もう流れ出ない。
既に体温まで失くしつつあるその手のひらには、綺麗な色をした石が現れていた。
水色と紫、そして淡い、温かな色の三色が混じった石。
『アリスストーン』と呼ばれる、己の能力を石として外に出したものだ。
相性が良ければ、石を使うことでその能力を他人が使う事ができる。
死にゆく蛍が、大切な人の助けになればと、思いを込めて作りだしたアリス(魂)の一部であった。
「………お前の気持ち、確かにその者に伝えよう」
黒神めだかは呟くと、腕に抱いた蛍の遺体を静かに降ろした。
“みかん”なる人物が誰かはわからない。
だが、必ずや探し出し、彼女が最後の力で作りあげた『石』を渡さなければならない。
彼女の思いを伝えなければならない。
黒神めだかは自身の異常(アブノーマル)『完成(ジ・エンド)』により、
今井蛍の手の中に出来上がった石がどのようなものであるかを観察し、理解したのだ。
「ザコにしてはなかなかやるではないか」
吹き飛ばされたサルバトーレが戻って来たのは、めだかが蛍の手からアリスストーンを拾い上げた直後であった。
- 38 :シゴフミ ◆AJINORI1nM:2012/04/29(日) 00:34:34 ID:5RO7G1to0
- 高速で突き飛ばされたその体には切り傷が目立つが、ダメージを受けた様子は感じない。
彼女こそは伝説の十紳士が壱の紳士。
十紳士とは、その一人一人が魔王に匹敵する力を持つとされる、伝説中の伝説の存在だ。
究極の伝説にある十紳士の存在は長年ウソであると思われていた。
十紳士の存在が嘘でなければ、魔界はとっくの昔に滅んでいるはずだからだ。
事実、彼女は魔王の息子による剣の一撃を、片腕一本で受け止めたことがある。
その時は、攻撃を仕掛けた剣の方が逆にひび割れてしまう程の防御力を見せつけた。
彼女が今切り傷を負っているのは、制限により防御力が低下している為であろう。
「貴様……何故殺し合いなどというくだらん事に乗った!? 何が貴様をそうさせる!?」
「それは……私が戦闘狂だからだ!!」
戦闘狂だから殺し合いに乗った。
実に清清しい答えだ。
「そうか……ならば、貴様を止めるには戦うしかないようだな」
「その通りだ。私への攻撃に遠慮は無用!
ザコはザコなりに悪あがきしてみろ!」
サルバトーレはめだかを指さすと、高圧的に命令を下した。
「命令する!! 貴様は光の速さで突進攻撃した後、
私の攻撃を正面からくらい、
『見事な攻撃だ、サルバトーレ!』
と言い残してから死ね!」
「死ぬ気はないが、良いだろう。貴様はここで私が止める!!」
言うが早いが、
めだかは本日二回目の『黒神ファントムちゃんとした版』を使用しサルバトーレへと突撃する。
先程サルバトーレに大したダメージを与えられなかったことから、今度は突き飛ばすことなく、
サルバトーレの肩を掴み、木木を薙ぎ倒しながら直進していく。
これで衝撃は緩和されることなくサルバトーレに蓄積されるはずである。
事実、とてつもない衝撃がサルバトーレを襲い、背中に痛みが走っていた。
サファリ内にあった巨大な岩石にぶち当たる事で、ようやく二人は動きを止めた。
だがめだかの攻撃はこれで終わらない。
これでサルバトーレを倒せるとは思っていない。
二人の周囲で爆発が起こる。
めだかの支給品、B.A.B.E.L.製の消火弾である。
消火弾は周囲の酸素と熱を奪い、無酸素状態を作り出す。
目的の状況を作りだしためだかは、サルバトーレを掴みかかったまま、流れる動作でサルバトーレを組み倒した。
- 39 :シゴフミ ◆AJINORI1nM:2012/04/29(日) 00:39:27 ID:5RO7G1to0
- サルバトーレの一切の動きを封じる為だ。
いかに相手の耐久力が高かろうが、息をする以上、無酸素状態では活動できない。
消火弾により周囲の温度も冷え、活動には不向きな環境になっている。
これではめだか自身も酸欠で身動きが取れなくなりそうなものだが、そのようなことになりはしない。
めだかの知り合いに喜界島もがなという女性がいる。
もがなの特技は水泳で、息を止めた状態で一箇月生活できる肺活量を持っている。
めだかはその特技を、完成とはいかないまでもある程度は習得していた。
半月程度なら、余裕で無呼吸で生きられるだろう。
「……何だ、これで貴様の攻撃は終わりか?」
現在、周囲が無酸素状態にあるのはサルバトーレ自身百も承知だ。
にも関わらず、自ら言葉を発し酸素量を減らしている。
サルバトーレは耐久力だけでなく、筋力も魔王級だ。
短期決戦に持ち込めば勝てると踏んで喋りだしたのだろうか。
しかし、サルバトーレがいくら力を込めようと、めだかの怪力により動きを封じられている。
制限下にあるとはいえ、魔王級の力を抑え込むなど、到底人間には不可能な所業に思えるが、
事実彼女達の力は拮抗し、どちらも微動だにしない。
これならばめだかの勝利は確実に思えた。
「手ぬるい!!」
サルバトーレはめだかの攻撃をその一言で一蹴した。
黒神ファントムちゃんとした版も、無酸素状態で動きを封じたことさえ、
サルバトーレにとっては手ぬるい部類に入ると言うのか。
「貴様の攻撃はこの程度か!!
ならば次は私のターンだ!!」
そこで、めだかは己の失態に気付く。
何故サルバトーレは惜しげも無く息を吐き出せるのか。
根本から考えを誤ってしまった。
サルバトーレは“無酸素状態でも活動できる”のだ。
魔界では、力を持つ者が宇宙空間に飛び出すことなど珍しいことではない。
付き
別魔界の魔王同士が宇宙空間で普通に会話をしていたことすらある。
伝説の十紳士にとって、一月どころか一生真空状態だろうと生きることに支障はないのだ。
だが、万力の如きめだかの組伏せを解かなければ、サルバトーレが反撃できることは無いはずだ。
彼女の武器である拳銃は、めだかとは明後日の方向を向いている為脅威ではない。
脅威ではない、筈だった。
- 40 :シゴフミ ◆AJINORI1nM:2012/04/29(日) 00:46:14 ID:5RO7G1to0
-
「極上・銃王無神!!」
サルバトーレの言葉と共に、黄金の銃から二本の光線が伸びる。
二本の光線は空中を走り、そこに何かを描き出した。
描き出されたそれは黄金の拳銃。
光線が拳銃を描き切ると、その銃は実体を持ち中空に浮かび上がっている。
銃口は、黒神めだかの頭部を狙っていた。
「─────!!」
拳銃から光線が発せられた時点で、めだかは組み伏せを解きサルバトーレと距離を取ろうと行動していた。
だが、いくら力を込めようとめだかの体は微動だにしない。
二人の力は拮抗していた。
“完璧”に相手を組み伏せ少しのゆとりも生み出さなかったが為に、逆にめだかの動きも封じられる結果になってしまったのだ。
この状況を打破する為にはどうすれば良いか。
あらゆる方法を模索するが、打開策は見えてこない。
中空の銃口に魔力が充填され、弾丸を形成する。
弾丸が発射されるまで、一秒もかからないだろう。
めだかの口端が僅かに吊り上がる。
こうなってしまっては、仕方がない。
黄金の銃口から、黄金の銃弾が発射された。
「見事な攻撃だ、極上のサルバトーレ!」
確かにその攻撃は見事なものだった。
初めて観察する攻撃だ。
一度観察した程度で再現できるかわからないが、何度か観察すればできそうな気もする。
サルバトーレを讃えた直後、銃弾がめだかの頭部を吹き飛ばす。
すると、あの万力が嘘のように、めだかの体から力が抜けてしまった。
「ザコにしてはよくやった方だ。
褒めてやろう」
サルバトーレの命令通りの攻撃を行い、命令通りの死に方をした。
任務を全うした部下に悪い気はしない。
だが、まだだ。
この程度ではサルバトーレの心は満たされない。
光速で突撃した後、予想外の攻撃を加えたところまでは良かった。
だが、それはサルバトーレを文字通り“止める”為に行われた攻撃だった。
手ぬるい。
そのような攻撃はサルバトーレの望む物ではない。
まさか他の参加者もこのようなザコばかりなのか。
落胆するサルバトーレがめだかの組み伏せを解き、めだかの持つバッグを拾おうと振り返った、その時だった。
死んだはずの黒神めだかの体が突如として起き上ったのだ。
- 41 :シゴフミ ◆AJINORI1nM:2012/04/29(日) 00:52:51 ID:5RO7G1to0
- 「何!?」
その後のめだかの行動が攻撃であったならば、歴戦の戦士たるサルバトーレはその経験と勘で対処できただろう。
だが、めだかの行動は攻撃ではなかった。サルバトーレに対するものでもない。
めだかの手の中には、色の付いた石が複数握られていた。
それらはほとんどは真球の形をしている“アリスストーン”だった。
本来、アリスストーンを作るには練習が必要だ。
それも真球ともなると、相当の修練が必要になる。
黒神めだかがアリスストーンを作りだせたのは、今井蛍がアリスストーンを作りだす過程を観察したからだ。
『アリス』とは、特別な才能を意味する言葉だ。
他の人には真似できない、その人だけの特殊な能力。
めだかはアリスストーンとして、自身の異常(アブノーマル)である『完成(ジ・エンド)』と、
『完成(ジ・エンド)によって完成させた能力』を能力石(アリスストーン)にして体外に放出したのだった。
一際目立つ、全ての色を混ぜ合わせたような色のアリスストーンが、『完成(ジ・エンド)』の能力石だろうか。
この力を役立てて欲しい。
この力が、皆が脱出する助けになれば良い。
黒神めだかは死ぬ間際、アリスストーンを作りだした後、高千穂仕種から完成させた『反射神経(オートパイロット)』にあるプログラムを書き込んだ。
サルバトーレが組みを解いた後に、“条件反射”で手に持ったアリスストーンを会場に投げ飛ばす、と。
サルバトーレの目の前で、めだかの手から様々な色をした石が投擲された。
サルバトーレとはあらぬ方向に飛んでいくそれを見て、一瞬で理解する。
これは攻撃ではない。事実闘気の類はこの行動からは感じない。
おそらくこの行動は後々意味を成す。
もしかしたらそれは、自身を楽しませる結果になるやもしれん。
めだかの体は石を投げ飛ばした後も動きを止めない。
条件反射はこれに止まらなかった。
めだか自身のバッグを持ち、それも他の者に託そうと───
「二度も遅れを取ると思ったか!!」
サルバトーレが二発の銃弾を放つ。
銃弾はバッグの肩掛けの部分を撃ち破る。
そのため、めだかの腕は残った肩掛けの破片だけを投げるに終わり、そのままばたりと倒れ伏した。
反射はこれ異常持たなかった。
サルバトーレは落ちたバッグを拾い上げる。
その顔は口端が吊り上がり、楽しそうな笑みを作っていた。
“面白い”。
あの行動に何の意味があるのかはわからないが、なかなか面白い行動だ。
- 42 :シゴフミ ◆AJINORI1nM:2012/04/29(日) 00:57:37 ID:5RO7G1to0
- サルバトーレは腕をびっ、とめだかの遺体を指さし、命令を下す。
「貴様は転生した後、再び私と戦闘しろ!
その時は全力で向かってこい!!」
返事はない。
だがそれで良い。
上官の、勝者の命令は絶対だ。
いつか転生したこの女と相見える日が来るだろう。
その時、密林からのそりと現れる影。
東洋サファリに放し飼いにされている、ライオンだ。
めだかの気配に怯えて離れていたが、それが無くなり、
そして美味そうな血の匂いをかぎ取り、ここまでやって来たのだ。
転がる肉に近づこうとして、違う気配に気付いた。
空気を鳴動させるほどの怒気。
その根源はサルバトーレだ。
「そこの貴様、その女を襲うことは私が許さん。
即刻立ち去れ!!」
ライオンはその気迫に押され、急いで密林の中へと走って逃げた。
それを一瞥し踵を返すと、そこには白黒の物体が立っていた。
絶望学園長学園長、モノクマだ。
「もう二人も殺っちゃったの? 偉いなぁ。先生、とっても嬉しいよ」
「何の用だ?」
「あわわわ……、先生に銃を向けるなんてやめてよ。
おしおきされたいの?」
「……ふん」
サルバトーレは銃を下げる。
それでも、鋭い眼光はモノクマを睨みつけたままだ。
「用って程のことじゃないんだけどさ、はい、忘れ物だよ」
「……これは」
モノクマが放り投げたのは、一つのバッグ。
今井蛍のバッグだった。
「取りに行くのも面倒くさいでしょ?
だから持ってきてあげたよ」
- 43 :シゴフミ ◆AJINORI1nM:2012/04/29(日) 01:08:16 ID:5RO7G1to0
- 「取りに行くのも面倒くさいでしょ?
だから持ってきてあげたよ」
「気が効くな」
「優等生だからこれくらいのことはしてあげちゃうよ。
あ、他の生屠さんはあっちにいるからね。
それじゃあ、じゃんじゃん殺し合っちゃってね〜。
先生、応援してるよ」
モノクマはそれだけ言うと、ひょいとどこかへ消えてしまった。
モノクマの言に従うのも癪ではあるが、ライバルであるビグスター様もキルスコアを稼ぎいでいることだろう。
ライバルとは、お互いに競い高め合う存在。
そうでなくては、ビグスター様をライバルに選んだ意味がない。
「……ん? なんだ、ビグスター様、また小さい『ッ』を盗られでもしたのか。
我がライバルとしてなさけないぞ」
サルバトーレを一人呟き、モノクマが指示した方角へと歩みを進めた。
【7-A/一日目・朝】
【極上のサルバトーレ@魔界戦記ディスガイア3】
[状態]:疲労(小)、怪我(小)
[星階級]:二つ星(ダブル)
[装備]:サルバトーレの拳銃@魔界戦記ディスガイア3
[道具]:基本支給品×3、ランダム品3〜7
[思考・状況]
基本:他のクラスメートを皆殺しにして卒業する
1:モノクマに指された方向へ行く。
2:ビグスター様以上のキルスコアを稼ぐ。
※黒神めだかのアリスストーン(数は不明)と今井蛍のアリスストーンが会場に投げ飛ばされました。
- 44 :シゴフミ ◆AJINORI1nM:2012/04/29(日) 01:11:54 ID:5RO7G1to0
- 【今井蛍@学園アリス 死亡確認】
【黒神めだか@めだかボックス 死亡確認】
【サルバトーレの拳銃@魔界戦記ディスガイア3】
サルバトーレに支給。
サルバトーレ愛用の黄金銃。
魔力により銃弾を発射する。
【消火弾@絶対可憐チルドレン】
黒神めだかに支給。
周囲の熱と酸素を奪う消火弾。
工場火災の際に使用された。
- 45 :シゴフミ ◆AJINORI1nM:2012/04/29(日) 01:13:08 ID:5RO7G1to0
- 以上で投下終了です
本当すいませんでした
- 46 :名無しさん:2012/04/29(日) 02:41:30 ID:QGJ2wlSIO
- 投下乙っす。
いやはや、蛍はともかくまさかめだかちゃんまで死ぬとは。まあ、相手がサルバトーレだから仕方ないと言えば仕方ないか。
- 47 :漢たる星” ◆w0VG2k/jOY:2012/05/01(火) 09:29:48 ID:miXQzKJc0
- 玉依シイナ 雷電 投下します
- 48 :漢たる星” ◆w0VG2k/jOY:2012/05/01(火) 09:32:13 ID:miXQzKJc0
- 一見普通のどこにでもいる女子中学生玉依シイナが他の女子中学生ならば正気を保つことなど到底出来ないであろうこのような狂気に満ちた場でも至極冷静に居られたのは、彼女が他の同じ世代の子供達より 死 というものがより身近なものであったこともあるからかもしれない。
もちろん生まれたときからそのような環境にいたわけではなく、直接のきっかけはシイナが小学6年生の時に祖母の家に遊びに行った際に出会った奇妙な生物、ホシ丸、すなわち竜の子の存在だった。
そしてそれらは精神的に大人になる階段を上り始めようとした彼女にただただ残酷な運命を背負わせることになる・・・・。
パイロットでありシイナの父親でもある俊二の父親の親しくし、彼女自身もかわいがってもらっていた小野さんの死、彼女の小学校時代の一番の親友であり、理解者であった貝塚ひろ子の死、全て竜の子の所為によるものであった。
彼女は図書館の隅の本棚に姿を隠し、そこで自らのバッグの中身を確認する作業に入る、そしてまず名簿の確認をした。そしてそこで見たくも無い、思い出したくも無い名前が書かれているのを見て、不快感に襲われた。
「小森・・・・・まさかあいつもいるなんて・・・・。」
- 49 :漢たる星” ◆w0VG2k/jOY:2012/05/01(火) 09:35:55 ID:miXQzKJc0
- 「ホシ丸もいないし。今度こそあいつにあったら自分も死ぬかもしれない・・・、だけどここで悩んでいても何も解決しない、とにかくアキラちゃんとのり夫に会わなきゃ!!」
彼女の決意とともにいつの間にか足音が聞こえてきていた。
「誰か入ってきたみたい・・・・。」
シイナは本棚で体を隠しながらも顔だけ動かし、入り口の方を見た。そこには筋骨隆々でスキンヘッド、そしてそのまばゆい額に「大往生」と書かれている男の姿があった。
その姿は人をあまり見た目で判断しない彼女でさえためらうものがあった。
そしてその男はあたりを見回しながらシイナのもとへ近づいてくる・・・、と言ってもまだ彼女の存在には気づいてはいないようだ・・・・。
- 50 :漢たる星” ◆w0VG2k/jOY:2012/05/01(火) 09:37:49 ID:miXQzKJc0
- 彼女は仕方なく上手く男が向かってきているルートの反対側を移動しつつ本棚の集まりから離れたら一気に出口までダッシュで逃げようと徐々に隣の本棚に移動し始めた。しかしそれは大きな声とともにいともたやすく遮られた。
「待たれよ!!警戒しないで構わぬ。拙者は男塾三面拳が雷電!このような馬鹿げた授業には乗っておらぬ!そこに誰かいるのはわかっている!共に協力してあのモノクマと申す者の企てをうちやぶらぬか?僅かな息遣いから判断するにお主はおそらくまだ子供であろう?」
「どうしよう・・信用しても大丈夫なのかな・・・・」
どちらにせよ十中八九あの男は只者では無い、逃げてもあっという間に追いつかれてしまうかもしれない・・・・。一か八か、元来素直な性格であるシイナはこの男に姿をさらすことに決めた。
- 51 :漢たる星” ◆w0VG2k/jOY:2012/05/01(火) 09:40:36 ID:miXQzKJc0
- 「私の名前は玉依シイナです!私もこんな殺し合いにはのっていません!お願いです、一緒に・・・・一緒に私の友達を探してください!」
「よく拙者を信用してくれた、礼を言うぞ、玉依嬢。よければここで少し情報交換をせぬか?」
「なるほど・・・・つまり佐倉嬢、古賀殿を最優先で探したい、そして小森という者ははこの授業にのる危険性が多いにあると?」
シイナは竜の子の存在は隠した上で雷電に一通りこのゲームに参加している友人、知人に関して雷電に教えた。
「雷電さんも同じ学校の人達がいるんだよね・・・?皆どんな人達なの?」
「拙者のほかに後三人私の学友が参加しているが剣殿、富樫殿、ディーノ殿、どの三方も自分の身のかわいさに殺し合いにのるような者たちではござらぬ!だからその点は安心されよ。ただディーノ殿は依然我々の目の前で死闘の激流にのみこまれ亡くなられたとばかりおもっていたが、お主から聞いた小森の話を聞く限り、モノクマという者は死人をも生き返らせ、授業に参加させている可能性も高いのであろう。」
- 52 :漢たる星” ◆w0VG2k/jOY:2012/05/01(火) 09:43:24 ID:miXQzKJc0
- どちらにせよ二人で考えていても答えは出ない、シイナは話題を変える事にした。
「雷電先輩、支給品はどんな者が入ってたの?」
「拙者の愛用の刃物仕込みの靴それにどういうわけかパックに入っていた名も知らぬ者が作った2人前のカレーだけであった、して玉依嬢は?」
「私は、このフラフープみたいなもの・・・、メモにかいてある説明だと通り抜けフープって道具らしいけど・・・・・。」
シイナは雷電にメモを渡した、雷電はそれ一瞥した後に言った。
「それをちょっと貸してくれるか?」
雷電はシイナから通り抜けフープを受け取り、それを壁に密着させた。すると、なんと輪の中には窓から見るのと同じような外の景色が広がっていた
「やはり、説明書に嘘は無かったようだな、しかしそれにしても信じられぬ・・・・・。」
いつもならここで雷電お得意の民明書房を交えた解説が披露されるのだがこの余りにも常識を超えた道具に関する知識は当然彼にも無かった。
「ここにいてもしょうがないし、とりあえず友達を探しにいこうよ!」
「左様、しかし余り目立った動きをとっているとモノクマというものに何をされるかわからぬ、その点では今はこちらが不利、ここはまず慎重に行動せねばなるまい。だがお主の命はこの雷電、男塾の塾生として責任持ってお守りいたす!」
- 53 :漢たる星” ◆w0VG2k/jOY:2012/05/01(火) 09:47:05 ID:miXQzKJc0
- 「ありがとう!よろしくね、雷電先輩!」
こうして二人は図書館を出ていった。そしてその一連のやり取りを見ている者がいた・・・。
「まったく〜、この授業は他学園交流の為の場じゃないんだけどなぁ、友達殺さないと自分の身が危なくなるのにどうするんだろうね、みんなで集まって何するんだか知らないけどさ。」
「まぁ、いいか。この授業が進行していくうちにわかるよ、君達の考えている事がいかに甘いかをね、先生という立場から君達に口で注意するより、まずは実際に体験してもらうことにするよ。その方がより理解も深まると思うからね。」
モノクマは笑みをうかべながら姿を消した。後に残るのは静寂のみだった・・・。
- 54 :漢たる星” ◆w0VG2k/jOY:2012/05/01(火) 10:08:33 ID:miXQzKJc0
- 【ドス仕込みの靴@魁!!男塾】
男塾三面拳である雷電が大往生流鳳鶴拳の際に使用する。靴のつま先にドスが付いている。
【佐隈りん子の作ったカレー@よんでますよ、アザゼルさん。】
佐隈りん子が作ったカレーでありその味は、男の味も知らんくせにカレーの味はぜっぴんやのおと言われるほど旨いらしい。
- 55 :漢たる星” ◆w0VG2k/jOY:2012/05/01(火) 10:12:39 ID:miXQzKJc0
- 【通り抜けフープ@ドラえもん】
言わずと知れたドラえもんの道具のひとつ、壁や床につけると輪の中のみ穴が開く。脱出や逃亡の際には利便性を発揮する。
- 56 :漢たる星” ◆w0VG2k/jOY:2012/05/01(火) 10:14:50 ID:miXQzKJc0
- 以上です。お目汚し失礼いたしました。
- 57 :漢たる星” ◆w0VG2k/jOY:2012/05/01(火) 10:20:06 ID:miXQzKJc0
- 大変申し訳ありません、状態表を書くのを忘れてました。
【D-5 図書館/一日目・朝】
【玉依シイナ@なるたる】
[状態]:健康
[星階級]:ナッシング
[装備]:万ダ学園制服 通り抜けフープ@ドラえもん
[道具]:基本支給品×1、
[思考・状況]
基本:佐倉明、古賀のり夫、男塾メンバーと合流したい
1:小森朋典に警戒
2:ホシ丸がいればなぁ・・・・。
【雷電@魁!!男塾】
[状態]:健康
[星階級]:ナッシング
[装備]:学生服 ドス仕込みの靴@魁!!男塾
[道具]:基本支給品×1、佐隈りん子の作ったカレー×2@よんでますよ、アザゼルさん。
[思考・状況]
基本:男塾メンバー、佐倉明、古賀のり夫と合流
1:シイナを守る
2:塾長に何とか連絡をとれないか・・・・。
- 58 : ◆yNQGqYZGMg:2012/05/01(火) 10:35:18 ID:MCOkhp0kO
-
「まったく訳がわかりませんわ」
そう言って彼女はため息をつき、この状況に困惑していた。
突然現れた凶育委員長と名乗る女とモノクマによる新しい殺し合い。
モノクマに似た声を持つ謎の青い狸の様なロボットの処刑映像。
他にも色々と疑問点が残るが、彼女が困惑している一番の理由が他にもあった。
”何故、自分は生きているのか?”
彼女は思い返す。自分が見た最後の光景を。
周りは火の海。さらには自分は縛られて身動きができない状態。
自分は火あぶりの刑で処刑される。そう思ったが、その考えは間違いだとすぐに気づかされる。
突然鳴り響くサイレンに何かが走り出す音。
音は徐々にこちらに近付き、そして火の海の中から何かが飛び込んできた。
それは消防車だった。
飛び込んできた消防車は、そのまま自分の方に向かって行き、そして消防車と衝突し自分は死んだ。
…そのはずだったが、何故か自分は生きていて、さらには二度目の殺し合い学園生活に巻き込まていた。
「本当に訳がわかりませんわ」
彼女はそう呟き、再びため息をついた。
彼女の名は、セレスティア・ルーデンベルグ。
自分の夢を叶えるために、前回の殺し合いに乗り、そして破れて黒幕に処刑された、超高校のギャンブラー。
● ● ●
「さて、これからどうしましょうか?」
ようやく落ち着きを取り戻したセレスは、これからの事を考える。
自分はこの殺し合いでどう動くべきなのか?
前の時と同じく殺し合いに乗ろうかと思ったが、すぐに諦めた。
何故ならば、前回の殺し合いと今回の殺し合いとでは、訳が違うからだ。
前回の殺し合いは、殺人を犯した後に開かれる学級裁判に、自分が犯人だと隠し通せば卒業できるルールだった。
しかし今回の殺し合いは、学級裁判も殺人の制限もない、ただ単に自分以外の人間を殺せばいい単純明快なルールだった。
体力も運動能力も人並み以下であるセレスにとって、今回の殺し合いは余りにも分が悪すぎた。
(それにこの殺し合いには、多分他の方々も来ていますわね)
死んだはずの自分が殺し合いに参加しているのだ。他の連中が来ても何もおかしくはない。
いや、もしかしたら自分と同じで、前回の殺し合いで死んだ人達が参加しているのかもしれない。
それならまだいいが、前者の場合だったら最悪だ。
ほかの参加者に自分が殺し合いに乗った事を知られてしまうから。
そうなったら殺し合いに乗るどころか、対主催すら不可能となる。
「まずは、情報収集が先決ですわね」
そういいふと気付く、自分のデイパックの存在を。
それに気付いたセレスは急いで中身を調べる。
よくよく考えて見ればまず先にデイパックの中身を調べるのが一番の先決だ。
(迂闊でしたわ、こんな初歩的なミスを!)
自分の初歩的ミスに苛立つセレス。デイパックの中を探ると、
”ぽよん”
何か柔らかいものをさわり、出して見ればそれは…。
「な、これは」
ただのおっぱい枕だった。
「ふざけるなぁ〜〜〜!!ビチグソがぁ〜〜!!」
”ブゥン”
ぶちギレたセレスはおっぱい枕を掴み力いっぱい投げつけた。
「一体これに何の意味があるんだぁ!!私に対する嫌がらせかぁ〜〜!嗚呼ぁ〜〜!!」
青空に向かい中指を立ててぶちギレるが返事は返ってくる事はなく、ただ虚しさだけが残った。
【1日目/朝】
【G−1/茂み】
【セレスティア・ルーデンベルグ@ダンガンロンパ〜希望の高校生と絶望の学園〜】
【階級】星なし
【状態】ぶちギレ
【装備】なし
【道具】基本支給品一式、ランダム支給品1〜2
【思考・状況】
基本:まずは情報収集
1.ビチグソがぁ〜〜!!
【備考】
※おっぱい枕はどっかに落ちました。
【おっぱい枕@みつどもえ】
ふたばの愛用枕
- 59 :名無しさん:2012/05/01(火) 10:38:39 ID:MCOkhp0kO
- 以上です。すみません。2、3分期限過ぎました。
アウトですよね?
- 60 : ◆yNQGqYZGMg:2012/05/01(火) 10:58:20 ID:MCOkhp0kO
- すみません。急いでいたもんでタイトルを書くのを忘れていました。
タイトルは、
【セレスティア・ルーデンベルグの激情】
後で、したらばの修正投下スレにて再度修正して投下します。
本当にすみません。
- 61 :名無しさん:2012/05/01(火) 12:37:48 ID:MCOkhp0kO
- >>47
投下乙っす。
うーん、ホシ丸いないのか。他のやつに使いこなせるかな?
- 62 :漢たる星” ◆w0VG2k/jOY:2012/05/01(火) 14:18:25 ID:miXQzKJc0
- たびたび申し訳ありません。
文章に誤字脱字が多かったので修正投下スレにて再度まともなのを投下します。
- 63 :名無しさん:2012/05/01(火) 20:59:31 ID:5nW.giRw0
- お二方投下乙です
◆w0VG2k/jOY氏の作品は確かに読み辛いですね
修正版を楽しみにしております
◆yNQGqYZGMg氏の作品は他の方の予約もありませんし別に大丈夫だと思いますが
心配な用でしたら議論スレでどうするか決めたら良いと思います
それと、投下する時は投下宣言をするのが良いかと
- 64 : ◆yNQGqYZGMg:2012/05/01(火) 21:34:44 ID:MCOkhp0kO
- >>63
すみません。期限ギリギリで急いでいたもので。これからはちゃんと投下宣言します。
- 65 :漢たる星” ◆w0VG2k/jOY:2012/05/02(水) 17:06:35 ID:7dbOIL/A0
- 修正した文章は少し遅くなってしまいますが七日に投下します。
申し訳ありませんが、よろしくお願いします。
- 66 :名無しさん:2012/05/13(日) 17:31:11 ID:jY3s/bpw0
- ダンガンロンパやディスガイア3、げんしけんなど俺得の作品が多いので楽しみです
これから見続けていきますので頑張ってください
- 67 : ◆IhDOJMUTe6:2012/06/18(月) 20:35:22 ID:nGtqbt760
- 剛田武、舞園さやか、腐川冬子を投下します。
- 68 :狂ってしまったガキ大将 ◆IhDOJMUTe6:2012/06/18(月) 20:36:56 ID:nGtqbt760
- 一人の男子が怯えながら歩いていた。
「…ど……どうして、俺が…」
クラスのみんなからジャイアンと呼ばれていた剛田武は怯えながらも慎重に歩いていた。
いつも強気でいじめっ子だが、根は優しい。
そんな彼も殺し合いの狂気に少しずつ支配されつつあった。
どうしたら、どうしたらいいんだ!?
死にたくねぇよ!
誰か、助けてくれよ!
次の角を曲がった瞬間、ジャイアンの動きが止まった。
自分の少し前に一人の女性がいたから。
後姿でまだ、自分には気づいていない。
その時、頭の中である考えが浮かんだ。
殺す。
ジャイアンは少しずつ距離を詰め、女性に近づく。
まだ気づいていない。
もう少し。
ジャイアンが女性の首に手をかけようとした時、女性が振り向いた。
「きゃあああぁ!!!!!」
腐川冬子は背後から人の気配を感じ、振り向き、そして悲鳴を上げた。
何この豚ゴリラ!?
キモイ!
ああ、何で最初に会う人が白夜様じゃなくてこんなキモイ豚ゴリラなのよ!?
「し……死んでくれよぉ!」
腐川の細い首に太い指が絡まる。
不快感がした。
「かはっ……!」
「死んで、死んでくれよぉ!」
死ぬ?
嫌!
私は白夜様に会うんだ!
だから、死ねない!
それに、死ぬなら白夜様の手で殺されたい!!
「あああ!!!」
「ぎゃっ!」
腐川は支給武器のハサミをジャイアンの腕に突き刺した。
ジャイアンは悲鳴を上げ、腕を抑えた。
ーーー今だ!
腐川は全速力で走った。
後ろから声が聞こえたが、それでも走り続けた。
- 69 :狂ってしまったガキ大将 ◆IhDOJMUTe6:2012/06/18(月) 20:41:33 ID:nGtqbt760
- 「はぁ…これからどうしましょう?」
名簿を確認した舞園さやかはこれからどうするべき考えていた。
自分的には優勝して、家に帰って、仲間達とまた一緒に芸能活動を続けたい。
でも、それは中学の幼馴染の苗木誠の死が必要になる。
苗木君が、死ぬ?
そう考えた瞬間、吐き気が襲った。
もし、苗木が銃で撃ち殺されたら。
もし、苗木が刃物で刺し殺されたら。
もし、苗木が鈍器で撲殺されたら。
考えただけで吐き気がした。
(どうしたら、どうしたらいいの?)
その時、誰かが近づいてくるのが分かった。
「誰!?」
「きゃ!!」
その人物は舞園を見て悲鳴を上げた。
「腐川さん!?」
「ま、舞園!?」
近づいてきた人物は腐川冬子だった。
「ま…舞園!お、お願い助けて!!」
「えっ?」
「あ……あ、あいつが」
そこまで言った時、ビュン!と風を切るような音がした。
瞬間、腐川がうつ伏せに倒れた。
「腐川、さん?」
何があったのか少し、分からなかった。
ちょっとして、気づいた。
腐川の後頭部にハサミが刺さっている事に。
「ひっ!」
尻餅をつき、後退りした。
何で!?
誰が!?
「や…やれ…た。」
少し遠くから一人の男子が近づいてきた。
「俺、優勝するんだ……ジャイ子に、会うんだ……母ちゃんに会うんだ、父ちゃんに会うんだ…!」
男子は腐川の後頭部に刺さったハサミを引き抜いた。
引き抜くと腐川の後頭部から鮮やかな血が噴き出した。
「あ、ああ………!!」
怖い!
助けて!
助けて、苗木君!!
「あ。」
男子と、目が合った。
「お…お姉さんも、死んで、死んでくれよぉ!」
「い……いや……!」
苗木君!苗木君!苗木君!苗木君!苗木君!
死にたくない!死にたくない!死にたくない!死にたくない!死にたくない!
「死ねぇ!!!」
男子はハサミを舞園に向け、思い切り投げた。
ハサミは舞園に真っ直ぐに進み、舞園の額に命中した。
「いき、生きるんだ!生き残るんだ!お、れは、殺すんだ!」
舞園に刺さったハサミを引き抜くとジャイアンは何処かへ走り去っていった。
【腐川冬子@ダンガンロンパ〜希望の高校生と絶望の学園〜 死亡確認】
【舞園さやか@ダンガンロンパ〜希望の高校生と絶望の学園〜 死亡確認】
【1日目/朝】
【G−3/広場】
【剛田武@ドラえもん】
【階級】二つ星(ダブル)
【状態】健康、発狂
【装備】ハサミ
【道具】基本支給品一式、ランダム支給品1〜2
【思考・状況】
基本:優勝して家に帰る。
1.みんな殺して優勝する。
【備考】
※名簿は確認してません。
- 70 :狂ってしまったガキ大将 ◆IhDOJMUTe6:2012/06/18(月) 20:43:36 ID:nGtqbt760
- 以上で投下を終了します。
- 71 :名無しさん:2012/06/19(火) 10:06:15 ID:311sDKhkO
- 投下乙っす
ジャイアン…。まさかの発狂。
- 72 :名無しさん:2012/06/20(水) 22:58:51 ID:2C7xCyfo0
- 投下乙です
ジャイアンェ…
- 73 :名無しさん:2012/06/20(水) 23:28:11 ID:8lZZUuxcO
- 少しよろしいですか?
<●><●> くわっ!
疑問に思ったのですが、腐川がジャイアンに抵抗する際ハサミを刺した場面なんですけど、腐川は血を見ると気絶してしまうので、この時腐川は逃げるではなく気絶してしまうのは?
- 74 : ◆IhDOJMUTe6:2012/06/21(木) 02:49:41 ID:6QB1SgCI0
- >>73
一章では江ノ島さんの死体を見ても気絶してませんでしたよ。
- 75 :名無しさん:2012/06/21(木) 04:12:30 ID:ZV7AqBk6O
- なら大丈夫…かな?
- 76 : ◆IhDOJMUTe6:2012/06/21(木) 16:23:13 ID:6QB1SgCI0
- 苗木誠、大神さくら、セレスティア・ルーデンベルクを投下します。
- 77 :家族のために ◆IhDOJMUTe6:2012/06/21(木) 16:27:47 ID:6QB1SgCI0
- 絶対に駄目だ!
こんなの、絶対に間違ってる!
苗木誠は仲間達を集めるため、ひたすら走り回っていた。
誠はゲームには乗らず、殺し合わずにこのゲームから脱出できないか考えていたが、一人では無理だった。
だけど、三人寄れば文殊の知恵。
他の人がいれば、何かいいアイデアが浮かぶかもしれない。
そう思い、苗木は仲間を探しに歩き出した。
「あれっ?」
ふと足を止めた。
少し遠くで誰かが、歩いていた。
あの特徴的な髪型は、間違いない!
「セレスさ〜ん!!」
名前を呼ばれた彼女はビクッと、肩が跳ね、そして振り向いた。
「あら、苗木君。」
セレスさんはいつも通りの笑顔だった。
「良かった!無事だったんだね!」
「え?ええ……。」
それから、苗木は今まであった事を話した。
「……なるほど、モノクマさんが最初の動機を提示した翌日にこの場所にいたのですね?」
「うん。モノクマは一体、何がやりたいんだろうね?やっぱ僕らを絶望させるためなのかな?」
「………さぁ?」
苗木がセレスの顔を見ると、彼女は少し安心したような、そんな表情をしていた。
「セレスさん?」
「はい、何でしょう?」
「セレスさんはさ、これからどうするの?」
セレスは少し考えた後、こう答えた。
「とりあえず、信用できそうな人を探しましょう。」
「信用できそうな人?舞園さんとか?」
「彼女は信用できません。」
セレスはぴしゃりとそう言った。
「セレス、さん?」
苗木は驚き、セレスを見る。
無表情だった。
「あの人はきっと、仲間達のためにゲームに乗るでしょう。」
「仲間?それって仕事の?」
「ええ。それにアイドルは裏と表の顔がありますから。」
「……それは違うよ。」
今度はセレスが驚き、苗木を見る。
「舞園さんは殺人なんかしない!とても素敵で、とても努力家で、とても仲間思いなんだ!その彼女が殺人なんかするなんて思えないよ!」
熱心にそう言う苗木を見て、セレスは溜息をついた。
彼女は知っていた。
舞園さやかが苗木誠を利用して殺人を犯そうとしてた事に。
「だから舞園さんが殺人なんて」
そこで苗木の言葉が止まった。
中途半端に話しを辞めた彼を不思議に思い、目を向ける。
そこには驚いたような、そんな表情をしてセレスを見ていた。
いや、正確にはセレスの背後にいる大神さくらを見ていた。
「ひっ!」
セレスもようやく気づき、離れようとするが、首を掴まれた。
「あ…うあ……」
さくらが無言で苗木を見る。
「うわぁ!!!」
さくらの形相に苗木は恐怖を覚え、もの凄い速さでさくらから遠ざかっていった。
【1日目/朝】
【G−2/茂み】
【苗木誠@ダンガンロンパ〜希望の高校生と絶望の学園〜】
【階級】星無し
【状態】健康、恐怖
【装備】なし
【道具】基本支給品一式、ランダム支給品1
【思考・状況】
基本:殺し合いには乗らず、脱出する方法を考える。
1.今は大神さんから逃げよう!
【備考】
※名簿と地図は確認しました。
- 78 :家族のために ◆IhDOJMUTe6:2012/06/21(木) 16:29:42 ID:6QB1SgCI0
- 「……逃してしまったか。まぁ、いい。しかし、お主だけは逃がさぬ。」
「あ……がっ!」
さくらは両手の力を強める。
セレスも両手でブンブンと振り回し、抵抗するがそれも数秒の事だった。
ゴキッ、と骨が折れる音がした。
手を離すとセレスはドサリと倒れ、もう動く事はなかった。
「すまない。家族のためなのだ。許してくれ。」
大神さくらはゲーム開始後、すぐにデイパックを調べた。
まず出てきたのは、コンニャクだった。
さくらは投げ捨て、また、漁った。
次にでてきたのは一枚の紙だった。
その紙に書かれている内容を見て、さくらは目を見開いた。
『やっほ〜!どう?元気に殺っちゃってるぅ?ま、君がゲームに乗らなくてもいいんだけどさ、忘れてないよね、人質の件。もし、助けたかったらゲームに乗ること!いいね!?モノクマ先生より。』
人質の件。
恐らく、家族の事だろう。
殺し合いはよくない。
でも、家族はなにより大切だ。
もし、ケンイチロウがこんな自分を見たら何と言うだろう。
きっと、いや、間違いなく非難するだろう。
でも、それでも構わない。
大切な家族が救えるなら、自分は何だってする。
例えそれが人殺しでも。
さくらはセレスに合掌するとその場から去っていった。
【セレスティア・ルーデンベルク@ダンガンロンパ〜希望の高校生と絶望の学園〜 死亡確認】
【1日目/朝】
【G−2/茂み】
【大神さくら@ダンガンロンパ〜希望の高校生と絶望の学園〜】
【階級】星一つ
【状態】健康
【装備】なし
【道具】基本支給品一式、ランダム支給品1
【思考・状況】
基本:家族のためにゲームに乗る
【備考】
・名簿と地図は確認しました。
【ほんやくコンニャク@ドラえもん】
ドラえもんの秘密道具。
これを食べると、あらゆる言語を自国語として理解できるようになる。
- 79 :家族のために ◆IhDOJMUTe6:2012/06/21(木) 16:55:26 ID:6QB1SgCI0
- 以上で投下を終了します。
- 80 :名無しさん:2012/06/21(木) 19:17:50 ID:ZV7AqBk6O
- 投下乙っす。
舞園さやかが殺し合いに乗っていないと断言してる所から見ると、苗木はchapter1の最初の殺しが発生する前からの参戦かな?
- 81 : ◆IhDOJMUTe6:2012/06/21(木) 19:34:07 ID:6QB1SgCI0
- >>80
そういう事になりますね。
- 82 : ◆IhDOJMUTe6:2012/06/23(土) 20:28:47 ID:A.NimvTM0
- 源静香、西澤桃華を投下します。
- 83 : ◆fW8tZPA9AI:2012/06/23(土) 20:30:22 ID:A.NimvTM0
- どうして、どうしてこんな事に。
源静香はCー4エリアの植物庭園で静かに泣いていた。
どうして、こんな事になっちゃったんだろ?
どうして、殺し合いなんかしなくちゃいけないんだろ?
小学生の静香は理解できなかった。
何故、こんな理不尽な事を強制させるのか。
こんなの、犯罪者にやらせればいいのに。
そんな事を少し思い、そして不謹慎な考えを持つ自分に腹が立った。
ふと自分の足元を見るとデイパックがあった。
「デイパック……。」
そうだ、確認しないと。
デイパックを開け、中を調べる。
まず最初に取り出したのは名簿だった。
「のび太さん……、武さんやスネ夫さん、出木杉さんまで……武さんの妹さんもいるんだ……。」
名簿を仕舞おうとデイパックに手をのばした時、足音が聞こえた。
「だ、誰っ!?」
思わず声を上げてしまい、後悔した。
「あ…あの……」
声からして女性のようだ。
「あの、私、やる気じゃありませんよ。」
やる気じゃない?
嘘!!
そうやって騙して、私を殺すつもりなんだ!!
嫌!!
死にたくない!
そうだ、武器!!
デイパックにあったはず!
静香はデイパックを漁った。
何かに当たり、それを取り出す。
それは金箔の模擬刀だった。
重かったが気にしてられない。
「だぁ!!」
静香は茂みから飛び出し、模擬刀を少女に目掛けて振り下ろした。
「きゃあ!!」
振り下ろした刀は少女の右腕に当たり、ゴキッと骨が折れる音がした。
「ああぁ!!」
「わ、私は、悪くない!だって、だって!これがルールなんだもん!!私、死にたくない!!」
少女は腕を押さえながら静香に背を向け、走り出した。
逃げるつもりなのね!
そして、仲間に助けを求めて、私を殺しにくるつもりなのね!
そうはさせないわ!!
少女を殺すため、静香も走り出した。
- 84 : ◆fW8tZPA9AI:2012/06/23(土) 20:32:07 ID:A.NimvTM0
- ーーーどう、して?
西澤桃華はどうして攻撃されたのか分からなかった。
自分はただ、普通に話しかけたのに。
殺すつもりなんてないのに。
(どうして?どうして?どうーー)
ビュンと風を切るような音と同時に桃華に右足に激痛が走り、地面に倒れた。
「ああっ!!」
「逃さない!!殺してやる!!」
静香が模擬刀を振り上げる。
瞬間、桃華はいろんな事を思い出した。
いつも海外にいて、殆ど会う事はできなかったけど、誕生日や運動会や特別な日には必ず日本に帰ってきてくれた父の梅雄と母の桜華。
いつも影から見守ってくれて、とても頼もしかった執事のポール。
誕生日の日に初めて出会った友人のタママ。
そして、桃華の初めての友達で初恋の日向冬樹。
お父様、お母様。
私を産んでくれてありがとう。
ポール。
私のワガママに付き合ってくれて、ホントにありがとう。
タマちゃん。
私、タマちゃんと出会えて本当に良かったです。
そして、冬樹君。
結局、言えなかったけど、私は冬樹君の事がーーー。
パキッと何かが折れる音が聞こえ、そこで桃華の視界は暗転した。
私は何回も殴った。
何回も。何回も。何回も。何回も。何回も。何回も。何回も。何回も。何回も。何回も。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ!」
ようやく殴るのを辞めた時にはもう少女は息をしてなかった。
足も、腕も、グニャグニャに折れ曲がり、頭部からはゼリー状のような物(これが脳みそなのだろう。)が出ていた。
「……大丈夫、私は死なない!優勝できる!!」
自分は死なない。
自分は生きれる。
そう自分に言い聞かせる。
ごめんね、のび太さん、スネ夫さん、武さん、出木杉さん。
私、このゲームに乗るわ。
だって、死にたくないもん。
少女は強い決意を胸に歩き出した。
【西澤桃華@ケロロ軍曹 死亡確認】
【1日目/午前】
【C−4/植物庭園】
【源静香@ドラえもん】
【階級】星一つ
【状態】健康、死への恐怖
【装備】模擬刀
【道具】基本支給品一式、ランダム支給品1
【思考・状況】
基本:死にたくないから優勝する。
1.死にたくない、死にたくない、死にたくない。
2.誰かに会ったら容赦なく攻撃する。
3.例え、友人でも容赦はしない。
【備考】
※名簿と地図と武器は確認しました。
【模擬刀@ダンガンロンパ】
金箔の模擬刀。
殺傷力は低いが大怪我をさせるには充分な威力。
- 85 : ◆fW8tZPA9AI:2012/06/23(土) 20:33:29 ID:A.NimvTM0
- 以上で投下を終了します。
- 86 : ◆IhDOJMUTe6:2012/06/23(土) 20:35:36 ID:A.NimvTM0
- あっ、タイトルは「死にたくないから」です。
- 87 :名無しさん:2012/06/23(土) 22:13:30 ID:ZEDNxkeMO
- トリップが違いますよ。
- 88 : ◆IhDOJMUTe6:2012/06/23(土) 22:52:57 ID:A.NimvTM0
- あ、ごめんなさい。
トリップの右側にタイトルを入れたらこんな風になってしまいました。
■掲示板に戻る■ ■過去ログ倉庫一覧■