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クールな先輩の裏事情

148リョウ:2013/06/18(火) 16:07:01
第五章「秘密」


ある日の昼休み、いつものようにさっさと昼飯を済ませ、トイレへ行こうとしていた。
そんな時、後ろからトントンと肩を叩かれた。
「なあ、最近付き合い悪くない?」
オレが振り返ると、そこには涙目で訴えてくる"下村 武司"がいた。
そいつは、中学三年の時からつるんでるやつで、今は同じクラスでバスケ部に所属している。身長は165センチ。
年中坊主頭で、いつも下ネタのことばかり考えている馬鹿な奴。
この高校を選んだのもバスケ部に入ったのも、オレについてきただけで時に理由がないらしい。

「別にいいだろ、クラスが同じなんだからいつでも顔を合わせられるし」
「あ、もしかして彼女が出来たとか? いいなー、うらやましいっ!!」
オレがそっけなくあしらうと、武司はそう言いながらオレの片腕にガシッとしがみついてきた。
「勝手に話すすめんな、彼女とか居ねぇから」
「あぁよかった! 危うく俺たちが結んだ童貞同盟が崩れるところだったぜ」
武司は片腕で額の汗を拭う仕草をした。

武司は今まで彼女が出来たことはない、それ故にまだ童貞だ。
つるむようになった頃、オレも同じ状況だったのを知った武司が「童貞同盟を結ぼう」なんて勝手に言って以来、未だに一人で騒いでいる。
「彼女が出来たら報告してよ?」
「ああ、わかってるから。いい加減オレの腕から離れろよ」
オレがそう言いながら頭を小突いてやると、武司は渋々離れた。

そう、彼女が出来たら真っ先に報告しようという約束になっている(正確にいうと、勝手にさせられた)。
オレは女に興味ねぇから報告する機会なんて来ないだろうけど……仕方なく了承した。
馬鹿なこいつにすら、オレが男にしか興味がなく、童貞をすでに卒業していることは……秘密だ。


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