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Schwarzer Kater 6 *SA

1:2015/04/23(木) 09:10:53 ID:???
「Schwarzer Kater 5」の続きです。
SAオンリーほぼ初期メンバーのみ。
そしてリアルよりパラレルが多くAさん猫可愛がりなお話達。

とうとう6になりました。
流石に更新頻度が落ちてきましたが、あの頃の6人の雰囲気が残ったお話をまったり続けていきたいと思います。
今スレもどうかよろしくお願いします☆彡

951:2017/01/17(火) 08:55:39 ID:???

黒猫 大人ver 番外編 >>946-950

前回書き損ねてたえろをこれでもかと書いてみた。
満月に照らされる路地裏の情景を思い浮かべてそこから書いたけど…文章で伝えようとするのは難しいですね←えろに何を求めているんだ(笑)
いやー久しぶりすぎて設定やら何やらが曖昧でした。
気がついたらマスターが怪しげな人に(^_^;)



からの〜〜
♪様ーーー!おたんじょーびおめでとうございます( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆
ふふふー今年は遅れませんでしたよw
とはいえ、はっきりと何日かお聞きしたわけじゃないのでもしかしたら早かったり遅かったりしてるかもしれませんが…。
こんなどうしようもなくえろ方面に突っ走ったお話でよければ♪様に捧げたいと思います。
いつもいつも素敵なれぽやコメントを下さりありがとうございます。
感謝の気持ちをこめて♪様には猫あちゅを捧げようと決めていたんですが、何書こうかなやっぱ黒ちびかな?可愛いあちゅがいい。
なんて考えてたのになぜか猫である必要性のあんまりないえろあちゅになってしまいました。
こんなのいらんわ!と投げつけて返品していただいても全然おっけーですw

♪様にたくさんの幸せが降りそそぎますように☆彡

952:2017/01/17(火) 23:02:14 ID:???
緋さまーーーーーーー!
なんということでしょう(╥ω╥`)
こんな私のたんぞーびを覚えてくださっているなんて(╥ω╥`)
そのうえエローい黒ねこあちゅのプレゼントまで(╥ω╥`)

♪は♪は もういつどうなっても…
うあ゙ぁあ ・゚・(´Д⊂ヽ・゚・ あ゙ぁあぁ゙ああぁぁ

ハー、生きててよかった(╥ω╥`)
今日は夢であちゅとすんたんに逢えそうな気がします(`・ω・´)キリッ

緋さまほんとうにありがとうございました┏○ペコ┏○ペコ
これからもよろしくお願いします(*^^*)
愛してます♡♡

953:2017/02/01(水) 14:06:11 ID:???

>>952
♪様〜寒い日が続きますがお元気でお過ごしでしょうか?
あんな拙いお話でも喜んでいただけたら嬉しいです♪

いよいよ2月になっていろんな楽しみが間近に迫ってきましたね〜。
そんな折のすんたんのあれはあちゅ宛でしょうか?
なんて思ってたらぽかりとお話が出てきました。
すんたんもあちゅもそれぞれ大好きだけどやっぱりすんあちゅセットが一番だと何百回目かの実感w

♪様、私も愛してますー!!!
嬉しさのあまりすんたんにもあちゅへの愛を言葉にしてもらいました←

954:2017/02/01(水) 14:07:55 ID:???

超短編




篤志はよく泣く。

感動して。
感謝して。
悔しくて。

そういや最近は昔より泣いとるのが多くねえか?
久しぶりに一緒に唄ったときも号泣やったし
「唄うことが嫌になりそうだ」といろいろ考えすぎて思うようにいかなくて自分に自信をなくして…吐き出すように言葉と共に涙を流したのもつい最近のことじゃ。


そんなことを思い出しながら目の前の布団に包まってしくしくと泣く篤志をぼんやりと眺める。
留学じゃとか言ってしばらく会えんかったあっしが突然押しかけてきたのは数時間前。
人目もあまり気にする必要がねえ場所で好きな音楽と友人とに囲まれて…追い詰められていた心も体もリフレッシュ出来ているらしく楽しそうにいろんな話をした。

どのぐらいぶりか…笑って触れ合って違う意味でがっつり啼かせたあっしが急に泣き出したのは、2人して欲望を吐き出しすっきりした直後のことじゃ。

わし、なんかしたか?

「あっし?」

激しい運動のせいかしっとりと汗をかいたあっしの頭をわしゃわしゃと撫でてみる。
まだ見慣れない金髪のふわふわした髪。
しばらく止めていたがまた鍛え始めたとかいう体は相変わらず引き締まっていてそれでいて滑らかで…って、そんなこと考えたらうっかり息子が元気になりかけた。
まだまだ現役じゃな。

じゃのうて。

「あっし、なんかあったか?俺には言えんか?」
「ひく…ぅ、俊ちゃ」

真っ赤に染まった目が布団からこっちを見上げる。
ええ歳のおっさんがする仕草じゃねえし、他人が見てもそうは思わんかもしれんが……お前、かわええのぉ。

「どした」

自然甘くなった自分の声に内心苦笑しながらぽろぽろ流れるあっしの涙を親指でぬぐう。

「あの、さ」
「ん?」
「さびしぃ」
「は?」
「繋がって、たい」
「……」
「ずっと…俊ちゃんが、中にいればいいのに」
「ぶっ」

小さい声で言われたそれに思わず鼻血拭きそうになって慌てて手で顔を押さえた。

お前、自分が言っとることわかっとるか?

「ずっと俊ちゃんと繋がっていられたらいいのに。そしたら…寂しくないのに」
「あっし」

ぐずぐずと幼子みてーに泣きながら言うあっしの可愛さに胸の奥がきゅんとする。ってわしは乙女か!
ついでに息子がむくむくと元気になっちょるが。

955:2017/02/01(水) 14:09:37 ID:???


「ずっとは無理じゃ」
「…わかってるもん」
「けど、朝までずっと繋がっとることは出来るで?」
「俊ちゃ」
「んで起きたらまた愛し合って、一緒に風呂入って飯食って…その間もずーっとあっしの中に入れといちゃるわ」
「っ俊ちゃん、大好き」

いつもはスタミナがないあっしが先にバテて「もうしない。もう無理。だめ」って言うんじゃけど。
数ヶ月会わんことも珍しくないのにやっぱり同じ日本にいねーと遠い気がするんじゃろうか。
そういうわしも…いつもよりあっしのことを考えることが多かったな。

嬉しそうに笑ってしがみついてきたあっしの腰を抱いて滑らかな肌に手を這わす。
背中をなで上げると体を反らせながら俺の首を引き寄せキスをした。
積極的に入ってきた舌を吸いながら後処理もせずぬかるんだままの中へ指を3本まとめて突っ込む。

柔らかくて熱くてしなやかで…そのくせ傷つきやすくて繊細なとこはあっしそのもの。
ぐちゅぐちゅと何度か出し入れして感じる場所と指で届く範囲の奥を刺激すると、キスを止めて高く綺麗な音を響かせる。
誰にも聞かせることの無いわしにだけ聞けるその声。

すぐに我慢の限界に達してきゅうっと締め付ける中から指を抜き、硬くまっすぐで頑固な俺自身を篤志へと突きたてた。

「ああああっ、俊ちゃ…俊ちゃん」

ぽろぽろとこぼれるのはさっきまでの哀しい涙じゃなく、繋がったことへの嬉し涙。
きっとずっと傍にいたらどれだけお互いが大事なのか一生わからなかったじゃろう。
今みたいに底なしの幸福感も感じることはなかったじゃろう。

唄もお前も無くさねえように…これからもずっと足掻いてもがいて進んでいく。
とりあえずここにいる間は寂しいも哀しいも感じる暇がねえぐらい愛しちゃる。

「あんっ、ああっ、俊ちゃ、好き、すきぃ」
「ん、あっし愛しとる。離さねーから……泣くな」
「俊ちゃ…ひゃぁ…あん、ん」

2人してどろどろになるまで愛し合って溶け合って気を失うように眠って……。
いつになく濃厚な時間をすごした。

そして俺達はまた別々の道をいく。
その道はいつか交差してまたお互いのいく道を照らすだろう。




現実問題、翌朝目覚めた俺達はいろんなもんでぐちゃぐちゃの体と布団の気持ち悪さでうんざりじゃったし、
中に出しっぱなしにしたせいであっしの腹の具合も悪くなったりと大変な目にあったから…いくら幸せでももう繋がったまま眠るなんて2度とせんわっ。

956:2017/02/01(水) 14:11:29 ID:???

お返事 >>953
超短編 >>954-955


最近はこんな感じの短いお話が書きやすいかも。といいつつ以前から出してもいいのか迷い続けてた長編の編集中。
すんたんのあれはあちゅへの言葉かしら?とか思ってあちゅを泣かせてみました。
前にもましてすんたんの話し方が迷走してますがご容赦くださいw


2月になりましたねー。
まだまだ先だと思ってたいろんな楽しみももうすぐ目の前。
2月といえばあちゅとすんたんが唄ったいんぽっしぶるでりあるな(笑)曲を思い出してリピリピしてます。
何度聞いてもうるうる。
でも涙は再来週(であってます、よね?)の公開らぶらぶ映像までとっておくんだい(笑)

957名無しさん:2017/02/04(土) 01:38:13 ID:???
お久しぶりです。先日インフルエンザになってしまい寝込んでる間こちらのお話に浸ってました(笑今年もよろしくお願いします\(^o^)/

すんたん誕生日のお話
旦那さまのちょっと強引なところ好きだなぁ〜 今日からわしのもんじゃに対してそうなの?とか 結局流されて丸め込まれるあちゅが可愛い!!結構経ちましたがすんたんお誕生日おめでとうございました!黒ねことあちゅ宛て?話のエロも素敵なお話ありがとうございます

どきゅめんとも見ましたが本当にあちゅは感受性鋭いんだなぁ。裏で旦那さんとのハグしてもらってるときが甘えん坊でご主人さまぁ〜なわんわんに見えたのは私だけでしょうか(笑 もうすぐで発売ですね〜 一/章ぶり久しぶりに買おうと思います!


緋さまも寒い季節ですので体調に気をつけてくださいねぇ〜また遊びに来ます!ぽんより

958:2017/02/06(月) 16:37:22 ID:???

>>957
ぽん様こんにちは♪
お体はもう大丈夫ですか?
ご無理なさらないようにしてくださいねー。
そしてこちらこそ今年もよろしくお願いしますw

お話楽しんでくださりありがとまーす!
でーぶいでーまであと1週間強。
うきうきしながら昔のらいぶ映像を見たりしております。
2004のらいぶ後のあちゅの泣きっぷりとか←
またでーぶいでー見たらぜひぜひお姉様方とみんなで「すんあちゅー!!」と叫びましょう(笑)
それまでちょっと(かなり?)不幸なお話ですが楽しんでもらえればと思います。

959:2017/02/06(月) 16:39:25 ID:???

お知らせ。


いろんなお話が中途半端ですがずっと迷ってた長編をはじめようかと思います。
あちゅが大変だったりぱぱが意地悪だったり、めんばーによっては扱いがよくなかったりしますので要注意!
かなり前に書いた話なのですが、ぐるーぷの目指す先が見えなくて不安な自分の気持ちを詰め込んだのかも。
最初からいろいろ飛ばしております。
その上いろいろあちゅをいじめたりしています…が、一応最後にはちゃんと丸く治まる予定。

改めて書くまでもないですが実在の人物とは全くの無関係で隅から隅まで完全フィクションです←今更


あちゅとすんたんのらぶらぶな映像が見れる日まであと少し。
お話は全然めでたくないものですがせっかくなので発売日まで毎日更新してみようかなと思います。
ただしまとめて書く時間が無いのでかなりの短さで申し訳ない。
アンカーは少したまってからつけますね。


この手のお話が苦手なお姉様がいらっしゃったらごめんなさい(>_<)

960:2017/02/06(月) 16:41:15 ID:???


After a st0rm c0mes a calm







その知らせは突然じゃった。

事務所を立ち上げてから数年。
最近になって連絡もとるようになって、離れていても大事な相手だと思えるようになっとったのに。



「は?」

今なんて言うた?

「あの…さっき、ニュースで…」
「マジか?冗談じゃねえんか?」

そんな悪趣味な冗談を言うスタッフだとは思ってなかったが、急に告げられた言葉を信じられんで聞き返した。

「本当です。ついさっき…臨時のニュースで」
「っ」

言いにくそうに告げるスタッフから目を離し、急いでスマホを手にする。

「出てくれよ、頼むけぇ」

表示された文字をタップして耳に押し当てる。
今までにないほど心臓の鼓動が早うなった。
鳴り続けるコール。
掌で顔を覆って歯を食いしばって…ただただ待ち続けた。

「……ダメじゃ。誰、か」

何十コールしたじゃろうか、なんとかスマホを切って震える手で別の番号を表示した。
袂を分かってからかけたことのない連絡先。

こっちも長いコールが響いた。
仕事やから出れんのじゃろ?
ニュースは何かの間違いかスタッフの勘違いで、何馬鹿なこと言ってるのってきっと笑われるんじゃ。

『……俊ちゃん?』

ぷつっとコール音が切れて小さな声が聞こえた。

久しぶりに聞くその声は俺が知っとる楽しそうな声じゃなかった。

961:2017/02/07(火) 16:17:25 ID:???



「っ、まきさん。ほんま、なんか?なあ……嘘じゃろ?」
『俊ちゃん…ごめん』

電話の向こうのまきさんの声が震えちょる。

何で謝るんじゃ?
何を謝る?
大げさにニュースになったことか?
それとも同姓同名の別人やったとか?

そんな間違いはありえんとわかっていても…そう思いたかった。

「なんともねえんじゃろ?大丈夫なんじゃろ?ちょっと…おおげさにニュースになっただけ、じゃろ?」

必死で声を絞り出す。
気がついたらこの部屋からスタッフは誰もいなくなっていた。

『俊ちゃん…嘘じゃないんだよ。まだ意識も戻ってないし…戻るか、わからないって…』
「っなんでじゃ!」

混乱と苛立ちを拳にのせて壁をたたきつける。
痛みなんて少しも感じんかった。
それよりも心が押しつぶされそうな恐怖のほうが強かった。

『ほんとは誰にも言うなって言われてるけど…俊ちゃんにまで隠すのは嫌だからさ』

まきさんはまだ震える声で続ける。
がんがんと壁をたたきつけながら深呼吸した。
ここでじっとしとっても何も変わらん。

「なぁまきさん」
『何?』
「今病院か?」
『うん』
「そっち、行ってもええ?」
『…うん。そうして欲しい。俊ちゃん来たらもしかして、目、覚ますかもしれないし』
「そうなら…ええな」
『ん。病院の名前言うよ?今、東京?』
「おう。じゃけぇ場所によってはすぐ行けるで」
『そっか。気をつけて来て。表にも裏にもリポーターいるし』
「見つかっても構わん」
『一応裏口入ったところで待ってる。今ならうっさんと俺だけだから』
「わかった」

まきさんの言葉に引っかかりを感じながら通話を切った。
どんな状況じゃったかも聞かんかったがそれは行ってからでええ、とにかくすぐにあいつのとこへ行きたい。


俺は急遽スタッフに予定変更を告げてすぐに車に飛び乗った。

962:2017/02/08(水) 15:41:02 ID:???



病院の表も裏もわらわらと人が集まっとったが、少し離れた場所に車を置いて歩いてきたせいか特に見つかる様子もなくするりと中へ入ることが出来た。
さすがに病院の中まで入るやつはおらんらしいな。

「俊ちゃん」
「まきさんっ」

裏口から入って一つ目の角にまきさんがおった。
泣いたんか目があけぇ。

「あっしは?」

不安がこみ上げてきて思わず胸元を握り締める。

「ん。こっち」

まきさんの後をついて歩いた。
人の気配が遠ざかって静かになっていく廊下にいっそう不安が大きくなる。

「…あっし?」

窓越しにちらりと見た部屋の中、見覚えのある小さな頭が見えた。

「俊ちゃん」
「っうっさん。あっしは…」

体が勝手に震えた。
ここがどこで何をしてるか一瞬わからなくなる。

「俊ちゃん」
「まきさん…どして、なんで…あっしが」

後ろにおったまきさんの手が俺の背中をぽんぽんと叩いてくれて…ほんの少し気持ちが落ち着いた。

なあまきさん、うっさん。
篤志は大丈夫だよな?

「あっし、すぐに目を覚ますよな?すぐ、話せるよな?唄えるよな?…なあ」
「俊ちゃん、ちゃんと話すからこっち座って」
「…ん」

まきさんに手を引かれて置かれていた椅子に腰を下ろす。
うっさんがどこかへ行き、すぐに戻ってきた。

「俊ちゃん、はい」
「うっさん…ありがと」

受け取った熱い缶コーヒーをぎゅっと握り締める。
冷え切った手がじんとあったまった。
心は…冷えたままやったけど。

963:2017/02/09(木) 14:58:57 ID:???



「今日の朝ね」

まきさんもうっさんから受け取った缶を握り締め、いつもより低い声で話し始めた。

「ミーティングがあって、それが終わったらそれぞれ仕事に向かった」
「ん」
「篤志、は」

まきさんの声が震える。

「マネージャーと雑誌の取材で…車で、さ、移動してたんだ」

言葉を切ったまきさんは目を閉じて深呼吸をした。
その先を聞くのが怖い。

「俺は事務所でトレーニングしてて…そしたらスタッフが突然走ってきて…。篤志の乗った車が事故にあったって」
「…っ」
「驚いてとりあえず事務所にまだいたうっさんとここに来て。ついたとき…篤志は手術中で、危険な状態で…」

まきさんの目から涙がこぼれる。
俺は……何も言葉に出来ずきつくきつく缶を握る手に力をこめた。

「完全に向こうが悪い事故だったって。信号、無視で…こっちはスピード出てなかったけど向こうがかなりのスピードで…
よりによって、篤志の乗ってたとこに、つっこん、で」
「…っ」
「俊ちゃん」

また震えだした俺の肩にうっさんが腕をまわす。

「手術は成功したんだけど…頭打ってるし、目を覚まさない可能性が高いって」
「…嘘じゃ」

あっしが目を覚まさん、なんて、そんなわけねえ!

「俊ちゃん、ごめんね」
「うっさん?」

信じられんまま呟いたら、うっさんに鼻すすりながら謝られた。

「本当は篤志が事故にあってすぐ俊ちゃんにも連絡するつもりだった」

うっさん、なんか声がいつもより怖くねえか?

「でも、ひろさんに言うなって言われて」
「っ」
「多分篤志の事故の詳しい話が広がるのを防ぎたいんだと思う」
「…俺はもう関係ねえから?」

仲間じゃねえから…教えられんのか?

「俊ちゃん。ごめ、ごめんね」

まきさんに謝りながら抱きしめられた。

「謝る必要は…ねえじゃろ」

まきさんのせいでもうっさんのせいでもない。
俺が自分で…飛び出したんじゃから。

「それでも俊ちゃんには伝えるべきだって…まきが言った時にちょうど俊ちゃんから連絡があったんだよ」
「まきさん」
「だって篤志のことだよ?俊ちゃんに言わないでどーすんの」

ほんの少しまきさんの目が細められる。
まきさんは昔から俺らのことをいろいろ気にかけてくれとったな。
まきさんだけじゃのうて、他のみんなも…。

「ありがと、な」
「ひろさんは…守らなくちゃいけないもんがたくさんあるんだと思う」
「ん」
「でも最近は…」
「まきさん?」

でも、なんじゃ?
なんかあるんか?

964名無しさん:2017/02/10(金) 01:29:16 ID:???
緋さま、こんばんは〜

続きが気になる終わり方ですねぇ!ぱぱさんいったいどうしたのだろうか。
こういうダークなお話あちゅはかわいそうですが私は好きです(笑)いいんですいいんですフィクションですから笑 緋さまのお好きにお話できあがるの楽しみにしてます!

どきゅめんとのろんぐ版見られましたか〜?あちゅの涙。二人のハグ、歌合わせその他諸々どれも見物ですね!!

それとお聞きしたいのですが 緋さまのサイ/トはお持ちでしょうか?もしありましたら何かヒントでもいいので教えていただけないでしょうか

965名無しさん:2017/02/10(金) 01:30:34 ID:???
>>964すみません、ぽんでした〜

966:2017/02/10(金) 15:27:12 ID:???

>>964-965
ぽん様、こんにちは〜。

すごいところで切ってますが結構適当です←
こんなお話でも好きですって言ってもらえてほっとしました♪
なかなかにハードな展開だったりするので恐る恐る更新していきたいと思います(笑)

どきゅめんと見ましたよー!
舞台裏のすんたんは見れないだろうと思っていたのですごく嬉しいです。
もうあれだけで号泣…でーぶいでーではどうなることやらw
唄い○タオルを握り締めて観ようと思います。

そしてサイトなんですが作ってないんですー。
昔のどせーな板の時に素敵な書き手様のお話やリレーを読ませてもらいながら、もそもそと自分用におふらいんでお話を書いてまして。
こっちにお引越ししてからこっそりリレーに参加してたんですが、書き手様も少なくなって寂しかったので思い切ってスレ立てさせてもらいました。
なのでこちらにあるのが緋の書いたもの全てです。
今回のようなちょっと危ないものもあったので何度か作ろうかなと思ったことはあるんですが…知識が←
管理しきれる自信もなかったのでこちらにずっとお邪魔してる状態ですw
今のところ予定は無いのですが絶対に作らないとは言えないのでもしその時はこちらで報告しますね。

967:2017/02/10(金) 15:28:38 ID:???



「まき、俊ちゃんになら言ってもいいと思うよ」
「なんかあったんか?」
「ここのとこさ、よくぶつかってたんだよね」
「?」

誰が?

「篤志がさ」
「は?」

篤志が…誰と?

この場合ひろさん、じゃろうな。
意外すぎて想像できんけど。
篤志はひろさんのことすげー尊敬しとったし、俺と違ってあんまり人と争う性格でもねえし。

「びっくりするっしょ?」
「どうしてじゃ?よっぽどじゃねえとあいつそんなことせんじゃろ」
「だよね。それなりにさ、ごねたりすることはあったけど…ほんと真っ向から反対すんの。最初見たときは目を疑ったよ」
「でも最近ずっとそうだったよね」
「…」

何があった?
そんなに頻繁に連絡を取るわけでもねえが…それでもあいつは何も言わんかった。
言えんかったんかもしれんけど、それでも悩みがあれば俺には言うてくれると…思っとったのに。

「ヒートアップしすぎて俺らが止めることもあったぐらいだから結構、ね」
「あっし…」
「まあ篤志も俺ら以外がいるときはいつもどおりにしてたけど」
「ん」
「実は、昨日もさ」
「?」
「メンバーの飲み会あったんだけど…片隅で俺とうっさんとまっちゃんとひろさんと篤志で飲みつつ話し合いしてて」

…昔はよくみんなで飲んだな。
酔ったままこれからどうなっていくかとか、どうしたいかとか…いろいろ話しとった。

「やっぱり言い合いになってってか…ひろさんが篤志に手を上げちゃって」
「は?」

ひろさんが篤志を?
想像…できん。

「そんなに力は入ってなかったし酔ってたのもあると思う。それにね、篤志なら折れてくれるって思ってる部分もあるんだと思う」

それは、そうかもしれん。

「事故とは関係ないんだけど…そんなことがあった後だから、なんか、ね」
「あの時俺達がもっとちゃんとひろさんと篤志を上手く宥めてたら…もしかしたらこんなこと無かったかもなんて、思っちゃうんだよね」
「うっさんやまきさんのせいじゃねえやろ?」
「うん。わかってんだけどさ」
「…で、今ひろさんは?」
「事務所で会議」
「……」
「ほら、社長だからね。これからの対応のこともあるし…」
「そうかもしれんけど…」

上に立つもんが大変なのは俺にも少しはわかる。
けど、あっしが大変な目にあっとるのに。


「あっし」

椅子から立ち上がり窓越しに篤志を見つめる。

戻って来い。
目を覚ませ。

「あっし、またいつか一緒に唄うんじゃろ?じゃから…」

頑張っとる篤志の姿がぼやけた。

篤志、死ぬんじゃねえ。
約束は守る男じゃろ?

「あっし、頼むから…死ぬな」

絞り出した声は情けなく震えとった。

968:2017/02/11(土) 10:14:11 ID:???



確かに最近ちょっとぎすぎすしてた。
意見が噛み合わなくて言い合うこともあった。
でも…誰もこんなことは望んでなかった。
誰かがいなくなるなんて考えたこと無かった。


「俊ちゃん?」

篤志の手術が終わってから一度事務所に戻ってまた病院に来ると久しぶりに会う人がいた。

「まっちゃん…」

泣き腫らした目と握り締めた拳。
誰にも、俊ちゃんにも言うなって言われてたのに…。

「まき、連絡したの?」
「俊ちゃんから連絡があってさ」
「そっか。ニュースに出てたもんね」

事故にあったってことだけだけど。

「スタッフが教えてくれて…んでまきさんに」
「うん。ごめんね。すぐに連絡できなくて」

うなだれた俊ちゃんの頭をぽんぽんと叩く。
久しぶりに会って久しぶりに触れるのがこんな理由だなんて…悔しいな。

「事故のこと聞いた?」
「ん」
「ごめんね。篤志のこと守れなくて」
「事故はまっちゃん達のせいじゃねーじゃろ」
「そうだけど、ね」

最近いろいろあったから。
俺達には篤志の気持ちを全部理解出来なくて…もう少し何かしてやれたんじゃないかって、事故の後ずっとずっと考えてる。

「あっしは」
「俊ちゃん?」

うつむいていた俊ちゃんが顔を上げた。
歯を食いしばって強い視線で前を向く。

「あっしは絶対目を覚ます」
「俊ちゃん…」
「いつか一緒に唄うって約束したんじゃ」
「うん。うん、そうだね。篤志が俊ちゃんとの約束を破るわけないもんね」

きっぱりと言い切った俊ちゃんの言葉は、俺にもまきにもうっさんにも届いた。

俊ちゃんがそう言うなら大丈夫。
篤志は大丈夫。
きっと、絶対に。

969:2017/02/12(日) 14:34:44 ID:???


あ、忘れるところだった。
そろそろ時間やばいかも。


「まき、うっさん、ひろさんがもうすぐこっちに来るから」
「あーじゃあ俊ちゃん一回離れたほうがいいね」
「?」
「俺らはいいけど…俊ちゃんが嫌な思いするかもだし」
「……ひろさんはそんなに変わったんか?」

俊ちゃんが複雑そうな顔を見せる。
多分俺達もおんなじ顔。

「根本的なところは変わってないと思うよ。相変わらず夢に向かってまっすぐに頑張ってる、と思うし」
「ん」
「けど…ほら、抱えてる人達も増えたから俺らと一緒に歩いていこうって感じじゃ、無いかな」
「……ひろさんが帰ったら連絡くれるか?出来るだけそばにおりてぇ」
「俊ちゃん仕事は?」
「大きな仕事は終わっちょる。ちょっとした打ち合わせしとったのを変更してもらったけど…それも多分後日でかまわん」
「じゃあさ、これ」
「鍵?」

まきがポケットから鍵を取り出した。

そうだね。
それが一番いいかも。

「俺んちで待ってて」
「ええんか?」
「うん。俺らまだこっちにいるし、ひろさん帰ったら連絡する。あと…」
「あと?」
「篤志の容態が変わった時にも」
「…ん」

俊ちゃんがまきから鍵を受け取る。

「場所わかる?」
「住所教えてくれりゃわかる」
「ついでにうちの子にご飯やっといて」
「…わかった」

ああ、いい考えだね。
一人でいたらきっといろいろ考えちゃうだろうし…少しでも安心できるかも。

「なら、行くわ」
「また後で」

俊ちゃんは篤志の姿をしばらく見つめてから歩き出した。


篤志、目を覚まして。
俊ちゃんも俺達も待ってる。
ちゃんと話聞くから。
篤志の気持ち、聞くから。
だから…また篤志の歌を聞かせて?
まだまだこれからも一緒に歩いていこう?


人が近づいてくる気配を感じながら、機械に囲まれた篤志を見て俺は心から願っていた。

970:2017/02/13(月) 14:43:29 ID:???



「ほれ、食え」

ざらざらとドッグフードを入れてやる。
嬉しそうに食うのを眺めながらそっとその毛並みに触れた。

「あったけぇ」

ひとしきり撫でて今度はソファに座り祈るように手を組む。
時間が過ぎていくのがひどくゆっくりに感じた。

「くぅん」
「…っ」

足元に感じる気配。
そっと抱き上げると、少しだけ強張った体から力が抜ける。

「あっし、あっし…あっし」

呼び続ければ答えてくれる気がして、そっとそっと名前を口にする。
どのぐらい立ったんか…突然スマホが鳴って慌てて机に置いたそれを掴んだ。

「まきさん?」
「俊ちゃん」
「あっしになんか…あったんか?」
「ううん大丈夫。ひろさん達今帰ったからさ、こっちくる?」
「行ってもええか?」

出来れば傍におりてぇ。

「うん。俺らも無理言ってしばらくここにいさせてもらうから、おいで」
「ん」

さっきよりは落ち着いたまきさんの声で俺も少し落ち着く。
抱き上げていたまきさんの愛犬をもう一度撫でそっと下ろし、病院へと向かった。





最初と同じように裏口からするりと中へ入る。
病室の前にはまっちゃんだけがいた。

「外、まだいた?」
「だいぶ減っちょったけどな」
「そっか。ひろさん達が出たからそっちに行ったかな」
「あっしは?」
「今のとこは特に変わらず。悪くならない限りはしばらくこのままだろうって」
「ん」

さっきよりは落ち着いて篤志の姿を見ることが出来た。
きっと大丈夫じゃ。
ちゃんと目を覚ます。

ん?そういや…。

「まきさんとうっさんは?」
「うっさんはメンバーに篤志のこと説明するために事務所に戻った。まきは…仕事」
「は?」

こんな時に?
いや…こんな時でもはずせん仕事があるのはわかっとるけど。

「延期できないこともなかったからまきがひろさんにお願いしてたけど…ダメだって。新しいメンバーもいたしあんまりごねるわけに行かないでしょ」
「…まきさん、仕事できるんか?」

俺もそうじゃけど…まきさんもすげーショック受け取ったじゃろ?

「一応ね。演技できないわけじゃないし…なんとかって感じだと思う」
「…ん」

苦笑するまっちゃんから篤志のほうへと視線を戻す。
それから俺はその場に立ち尽くしたままひたすら篤志を見つめていた。

971:2017/02/14(火) 16:04:26 ID:???



「俊ちゃん、ちょっと休もう」

どのぐらいたったんか、まっちゃんが俺の肩を叩いて言う。
けど…目を離したらあいつがいなくなりそうで怖い。

「いつになるかわかんないからさ。目を覚ますの」

わかっとる。
ずっと先かもしれん。
けどすぐかもしれんじゃろ?

「俊ちゃん」

まっちゃんの手が今度は俺の頭を撫でる。
心配してくれとるのはわかるから…。

「わかった」

しぶしぶうなずいて、少し離れた場所にある椅子に座った。
いつの間に買ってきたんかペットボトルのお茶を渡され、一口飲む。

「…篤志、戻りたいって思ってくれてるかな」
「まっちゃん?」

何じゃ、急に。

「ここ最近いろいろあったからさ」
「ひろさんのことか?」
「それもあるけど、唄ってる時以外は…なんだろ、なんかうーん一歩引いてるっていうか」
「ん」

時々連絡とった時は楽しそうにしとったけど。

「人数増えたしね。歌に関しては自分がしっかりしなきゃってのもあっただろうし…」
「あー…そういやいろいろ迷ったりしとったな」
「篤志、俊ちゃんには素直だからね」
「ある程度事情知っとって、でも今は関係ねーから言いやすいんじゃろ」
「それだけじゃないでしょ。ほら昔篤志さー」

まっちゃんが昔の話を始める。
懐かしい話に少しだけ心が緩んだ。

972:2017/02/14(火) 16:13:36 ID:???


短編



「俊ちゃーん」
「ん?」
「ハッピーバレんタイん♪」
「おう」

見た目は変わっても昔と変わらん笑顔の篤志が差し出した箱を受け取った。

「今年はなんじゃ?」
「今年はタルトにしてみた」
「また凝ったな」
「そうでもないよ」
「おーうまそうじゃ」

いそいそと開けた箱の中は一口大のタルトが一つ一つ袋に包まれてつめられていた。
そのうちのひとつを取り出して少し眺めてからパクリと一口で食べる。

「どう?」

もぐもぐとタルトを食べ終え、心配そうに見つめていた篤志にキスをした。

「美味い」
「よかったぁ」

ほんのり頬を染めながら喜ぶ姿に和む。

「お前上手くなったな。最初とは較べもんにならん」
「あれと較べちゃダメだから!毎年毎年同じこと言わなくていいよ。忘れて!」
「いやあれは忘れられんじゃろ」
「もう何年経ったと思ってんだよっ」

何年じゃったかの?

「これも上手くなったけど、お前もあの頃よりきれーになったな」
「えっ!?」

めったに言わないようなことを口にしたからか、見事に固まった篤志。
あの頃はあの頃で可愛かったんじゃけどな。

チョコの入った箱を置いて篤志を抱きしめながら恋人になって初めてのバレんタイんの日のことを思いうかべた。




付き合って初めてのバレんタイん。
男同士じゃし、別にあっしにチョコを期待したわけじゃねえがどうせなら一緒に過ごしてぇな。

そう思って珍しくオフだった今日、連絡もせずに篤志の家を訪れた。
わしの来訪にやけに焦るあっしに、なんか後ろめたいことでもあるんか?浮気か?!なんて思ったのは一瞬で、
部屋の中から漂う甘い香りになんとなく事情を察して篤志の制止を無視しずかずかと中へ入る。
キッチンに入るとテーブルに鎮座する見事な真っ黒い物体に出会った。

まあ甘い香りの中に焦げ臭い匂いが混じっとる時点でうすうす気づいちょったけど…。

「篤志、なんじゃこりゃ」
「ええっと、チョコレートケーキ?」
「これがか?」
「…ちょっと焦げてるけど」
「ちょっと?」
「だいぶ」

指先で黒い物体を叩くとこんこんとええ音がした。

「しかもかちかちじゃな」
「…ごめん」

しょんぼりしたあっしを見て口元が緩む。
どう見ても厳ついはずのこいつが可愛く見えるのは、わしがこいつを好いとるからじゃろう。
口には出さんがそう思いながら、テーブルからせんべいのような固さの黒い塊を摘み上げた。

「ちょ、俊ちゃん」
「なんじゃ?」
「食べなくていいから!」
「けどせっかくお前が作ったバレんタイんのチョコじゃし」
「しゅ、俊ちゃんに上げるとは言ってない!」
「けどわしのために作ったんじゃろ?」
「それはっ…そうだけど」
「ならわしが食ってもええじゃろが」
「ダメだってば!おなか壊すからっ。チョコレートならもっとちゃんとしたの買ってくるからさ」
「ええよこれで。むしろ、これがええ」
「俊ちゃん…」

うるうると瞳を潤ませた篤志の坊主頭をぐりぐりと撫でくりまわし、黒い物体を口に放り込んだ。

973:2017/02/14(火) 16:14:39 ID:???


がり。
がりがり。
ぼりぼりぼり。


どう考えてもケーキには出せん音がしちょる。
けど焦げた苦味の中にほんのりチョコレートの香りを感じた。

「俊ちゃん。もう食べなくていいから」
「んー。いやこれはこれで、美味い、かも?」
「そんなわけねーだろ!」
「いやチョコレート風味のせんべいと思えば…ん」

篤志にキスをして口内に舌を伸ばす。

「んぅ…ふ」

触れ合った舌を絡めると苦味が残った口内がふわりと甘くなった。

お、これええかも。

「ふはっはぁ…ちょっと俊ちゃん!」

その甘さが気に入って無心にキスを続けたら、長すぎたんか篤志が息を切らしながら俺を突き離す。
そんなとろけそうな顔して涙目で睨まれてもかわええだけで、全然怖くねえし。

もういっぺんがりがりとチョコケーキらしい物体を噛み砕いて、篤志が逃げ出す前に口付けた。




苦いチョコと甘いあっし。

初めてのバレんタイんはわしにとって忘れられんものになった。
ついでにそのままキッチンで抵抗するあっしを押さえつけ最後までヤったのもええ思い出じゃ。

もうひとつタルトを口に放り込みまた篤志にキスをする。
お互い口ひげがちくちくと刺激しあうのも昔と違うとこじゃろうな。

「んん、ふぁ……あっちょっと俊ちゃん!」

キスで目を潤ませるあっしに…我慢が出来なくなる。
キッチンじゃねえけどあの時みてーにチョコレートとあっしを同時に味わうのもええな。

手際よく篤志をひん剥いて時々チョコレートタルトを口に放り込みながら交わった篤志とのセックスは久しぶりに濃厚なものになった。

974:2017/02/14(火) 16:16:24 ID:???

短編 >>972-973

ばれんたいんだなーと思ってたらなんか降ってきたお話(笑)
努力の人あちゅ←
ちょこれーとに真摯wに向き合った結果、ちょこ関連のお菓子作りだけは上達したらしいです☆

長編は明日まで更新してアンカーをつける予定。



あちゅでーぶいでーが届きました。
が、まだ観ていません。
怖くて観れません。
いや、絶対泣くから!
目が腫れるから!
と言うことで、すんあちゅラブラブは明日じっくり観ます〜♪


ほんのちょびっとネタバレ?↓















まさかふぉと本にすんたんとあちゅのお写真(らいぶ写真)が載ると思っていなくて…それだけでもう…もう…(T^T)。
今までのあれやこれやの体験(存在消されてたてれびとか)から、すんたんがおおっぴらに使われることが信じられなくなっているようで…。
こんなとこにもすんたんが!あちゅと!ふおおおおおおっとなりました(笑)
あー幸せ♪

975:2017/02/15(水) 12:09:20 ID:???


篤志との懐かしい話をした。
みんなで馬鹿みたいに騒いでた若い頃。

俊ちゃんの顔が少しだけ緩んで2人で思いつく限りの昔話をしていたら…突然ばたばたとした気配。

「あっし?」

俊ちゃんが、ばっと立ち上がりわずかに見える中を覗き込む。

「何?」

まさか…。

俊ちゃんの隣に立って中を見ると慌てたように医師が入ってきた。
まっすぐ向かうのは篤志のところ。

「あっし…あっし」

俊ちゃんが小さな声で何度も篤志を呼ぶ。

篤志…ダメだよ。まだやることあるでしょ?俊ちゃんとも一緒に唄うんでしょ?

「何?え、どしたの?!」
「うっさん」
「わからないけど…あまりいい感じじゃなさそう」

後ろから驚いたように声をかけたのは事務所からこっちに戻ってきたうっさんだった。
一心不乱に篤志の名前を呼ぶ俊ちゃんを見ながら小さく答えると、うっさんも俺の隣に並んで中をのぞく。
しばらくそうやって見ていたら、篤志を診ていた先生が外に出てきた。

「あの…篤志は」
「ああ。先ほど様態が急変しまして」
「っ!」
「大丈夫です。今は落ち着きました。けれどまだ油断は出来ません」
「…」
「では」
「ありがとうございました」

落ち着いたという言葉にほっとしながら先生に頭を下げる。
でも…本当に危ないんだってさらに実感して怖くなった。

篤志の綺麗な歌声も真剣な話もくだらないギャグも楽しそうな笑い声も…全部全部聞けなくなるかもしれない。
少し照れたような笑みも昔と変わらないくしゃくしゃな笑顔も感動してすぐ泣いちゃう顔も…見れなくなるかもしれない。

そんなの嫌だ。

「目、覚ますよね」
「覚ます。絶対に」

不安を声に出したら、祈るように言い切る俊ちゃんの声が返ってきた。

976:2017/02/15(水) 12:11:54 ID:???


After a st0rm c0mes a calm >>960-963 >>967-971 >>975


でーぶいでー発売記念(にしては暗い話だ)の毎日更新はとりあえずここまで。
このあとは通常営業に戻ります。
あ、でも頑張ってなるべく早くあちゅを起こそう…。




でーぶいでー観ました。

観る前から緊張していて、観てる間は多分瞬きも呼吸もいつもより少なかったと…。
特にすんたんとの部分は一瞬たりとも見逃すもんかという勢いだったので号泣はしませんでした。むしろ泣いてる場合じゃなかった←
すんたんに引き出されるあちゅの唄い方がいい。
あちゅとハモるすんたんの声が好き。
あちゅとすんたんの動きを、声を、必死で追っていたので客席の皆様の顔になるたびにちょびっとイラつきました。
それはどきゅめんとにいっぱい入れればいいのに。
すんたんとあちゅのハグハグとか肩くみとかお手手つなぎとか見つめあいの最中だったりすると余計悔しい(笑)
あ、♪様が以前おっしゃってた花道を歩いてる時の耳元でのこしょこしょがすごかったです。
あちゅ、今すんたんにちゅーした?!と一瞬どきどきしました(笑)
昔と変わらないタッチの仕方とか何度も何度もハグしたりとか、すんたんのあちゅをよろしくあいさつとか本当にもう感無量。
わいんで乾杯してたのも見たかった〜。
うう…写真で我慢しときます←
あまりにたくさんの萌えぽいんつがあって語りきれませんが…ほんと幸せな時間でした。
えむしーが全部じゃなかったのも残念ですがどきゅめんとで相変わらずのすんあちゅが見れたので良し←えらそう
裏ででぃーじぇーやってたまき兄とひろぱぱがいなくて寂しいですが、あちゅがまたって言ってた(っぽい)のでプラベで集まってわいんを開けたよ報告待ってます☆
少々興奮冷めやらぬ状態なので文章がいつにもましてぐだぐだですが…とにかく幸せ(〃▽〃)

すんたんもあちゅもそれぞれ自分に合った場所で頑張ってるんだなと再確認。
らいぶで一緒に唄う光景をまたいつか見れるといいな。
その時はその場に居合わせられることを願います。

さてもう一回観てこよう←

977:2017/02/22(水) 11:24:21 ID:???


After a st0rm c0mes a calm




いろいろ聞きたそうな顔のスタッフやタレントに気がつかないフリをしてなんとか仕事を終わらせる。
着替えもそこそこに病院へと戻ると俊ちゃんとまっちゃん、それにうっさんがお茶を飲みながら座ってた。

「あ、まきさん。お疲れさん」
「うん」
「鍵、返しとく。ありがとな」
「いいえ。で、篤志どう?」
「ん、いっぺん危なかったけど、今は落ちついちょるみたいじゃ」
「そっか……えぇ?!」

危なかったって?

「容態が急変してって言うとった」
「い、今は大丈夫なんだよね?」
「大丈夫だよ」
「はあ…良かった」

あれ?

ほっとして息を吐いてたら…視界から素早く俊ちゃんが消えた。
何で?と思うまもなく俺の後ろから足音が聞こえる。

「まきさん」
「けんち、けいじ」

ああ、俊ちゃん2人に気がついたから隠れたのか。

「篤志君は…」
「まだしばらくはこのままだと思う」
「そうですか」
「他のみんなは?」
「事務所に。ひろさんがあんまり大勢でいくなって」
「まあ病院だしね」
「それで俺達が代表で来たんです」
「そう」
「あ、これ」

差し出した袋を受け取ってチラッと見ると飲み物や食べ物だった。

「ありがとう」
「あと…まつさんにひろさんからこれを預かってきました」

差し出された紙を受け取ったまっちゃんが不機嫌そうに眉をひそめる。

「まっちゃん」
「…うん。けんち、けいじありがとう」
「はい」
「あの…篤志君大丈夫ですよね」

あんまり見ることの無い2人の不安そうな顔。
俺達も不安だけど…

「大丈夫だよ篤志なら」

絶対、大丈夫。

「はい」

言い切ったらほんの少し安心した表情になった。

「もう戻りな。こっちは俺達がしばらくついてるから」
「はい。…何かあったら言ってください」
「うん。ありがとう」

頭を下げてそれからもう一度篤志を見て足取り重く去っていく2人。

「俊ちゃん、もういいよ」
「ん」

声をかけると少し先の階段の影から俊ちゃんが出てきた。

「差し入れもらったけど、食べる?」
「……いや、今はええよ」
「そうだね」

俺も食べる気しないな。
またうっさんとまっちゃんとそれから俊ちゃんと椅子に座った。
時々昔の話が出たりしたけど…ほとんど何も話さずただ時間が過ぎる。

けんちとけいじ、事務所に戻ったら仕事かな。
篤志のこともそうだけど、ここ最近ちょっと不安にさせてたかもしれない。
あいつらにまで心配かけないように俺達がもっとしっかりしなくちゃいけなかったのに。

篤志はきっと目を覚ます。
また俺達にあの綺麗な歌声を聞かせてくれる。
そしたら今度は篤志の気持ちもみんなの気持ちもちゃんと大事にして間違えずに進もう。

本気でそう思ってた。
篤志はきっと目を覚ますと信じてたし信じたかった。

篤志が目を覚ましてくれれば大丈夫だと…。

978:2017/02/22(水) 11:24:57 ID:???


あれから3日経っても篤志は目を覚まさねぇ。
俺はまきさんの家に泊めてもらって、最低限の仕事をしながら病院へと顔を出していた。

「俊ちゃん、こっちこっち」
「まきさん?」

いつもの通り裏口から入って篤志のところへ行こうとした時、廊下の向こうからまきさんに呼ばれる。

「篤志さ、だいぶ安定したから病室に移ったって」

不思議に思いながらも近づくと、少しやつれた顔のまきさんがそれでも笑顔を浮かべて教えてくれた。

「ほんまか?」
「うん。まだ…いつ目を覚ますかはわからないみたいだけど」
「それでも一歩前進じゃろ。それよりまきさん大丈夫か?」
「まあなんとか。……篤志の顔見たらすぐ会議に行かなくちゃいけないけどね」
「お疲れさん」

はあと大きなため息をつくまきさんの背中をぽんぽんと叩いて、それから篤志が入った病室へ向かう。
別に昨日までと状態は変わってねえのに…なんかすげぇどきどきしちょった。



「あっし…」

少しだけ広めの病室に足を踏み入れると、ベッドで眠る篤志がおった。
まだまだたくさん包帯を巻いて、なんかわからん機械をつけて。
ガラス越しに見ていた風景と変わらん。

けど…。

「あっし、お前ちょい寝すぎじゃねえか?」
「あっちゃん」

声をかけて手を伸ばす。

「あったけぇ…な」

包帯に巻かれてない手をそっと握ると、ちゃんと体温を感じた。
普段のあっしより少し熱いぐらいのそれに…ひどく安心した。
まきさんも手を伸ばしてあっしの頬に触れる。

「あっちゃん…早く起きないとせっかくつけた筋肉落ちちゃうよ?また痩せちゃうよ?」
「まきさん」

ぽたりと布団にまきさんの涙が落ちた。
まきさんを見ると笑いながら…泣いとる。

「俊ちゃんも篤志が起きるの待ってるよ?」
「…あっし」

静かに話すまきさんの声を聞きながら…俺はなんも言葉に出来ずただ名前を呼んであったけぇ手をきつく握り続けた。

979:2017/02/22(水) 11:25:40 ID:???



篤志が病室に移ってから1週間が経った。

「あっちゃんずっと走ってきたから疲れてんのかな?ゆっくり寝てもいいからちゃんと目を覚ましてよ。俺はまだまだあっちゃんと笑いあいたいよ」

眠ったままの篤志の手を握りながら話しかける。
俊ちゃんも毎日顔を出していろいろ声をかけてる。
他のみんなもそう。

そのうち篤志が返事を返してくれると信じて…。

「まき」
「ひろさん」
「どうだ?」
「相変わらずですよ」
「そうか」

からりと病室の扉を開けて入ってきたひろさんは疲れてる顔をしていた。
それはそうだと思う。
少し落ち着いたとはいえまだ毎日のように篤志の話題が出てるし、スケジュールのことも今後のこともきっと俺達ではわからないほど大変なんだろう。

そう、わかってる。わかっているけど…。

「ひろさん、昨日の会議の…本気、ですか?」
「ああ。篤志が目を覚ますまでこのままにしてはおけねえだろ?」
「けど…」

篤志なしでグループの活動を再開させるなんて。

「たかひろもねすもしょうきちもいるしな」

確かにボーカルはあと3人いる。
みんなしっかりしててきちんと背負って唄ってくれる。
それはわかってる。
でもそういうことじゃないんだ。

「……篤志は絶対に目を覚まします」
「いつになるかわからねえだろ?目を覚ましてもすぐに退院できるわけじゃないし」
「っ!」

そうだけど…。
理屈はわかるけど。

「先生に聞いたら今すぐ目を覚まして後遺症がなかったとしても…唄えるようになるまで最低1年はかかるらしい」
「ひろさん」

その質問は篤志のことを思ってですか?
それとも仕事のため?

両方…かな。


「そういえば、俊が来てるんだな」

俊ちゃんが通ってるのはどこかの週刊誌が記事にしてたし、もうばれてるのはわかってたから素直に頷く。

「あれだけニュースになってるし、俊ちゃんを篤志に会わせないなんて無理ですよ」
「そうか」
「篤志だって俊ちゃんが来てくれたら起きるかもしれないし」
「…ああ」

複雑そうな顔のひろさんを見上げて、穏やかに眠っているように見える篤志に視線を戻す。

俺達はどこで何を間違えたんだろう。
いや、間違えたんじゃなくて…ずれた、のかな。

篤志の頭をそっと撫でて立ち上がる。

「時間ですね。仕事、行ってきます」

頭を下げて先に病室を出た。

2人きりになった時、ひろさんは篤志に声をかけてるだろうか?
篤志が目を覚ました時、ひろさんは篤志に何を言うだろう?
そのとき篤志は…何を言う?



それから1週間後。
俺達の未来は更に複雑になっていく。

980:2017/02/22(水) 11:26:23 ID:???


After a st0rm c0mes a calm >>977-979

はやくあちゅを動かしたい←
あちゅとすんたんをらぶらぶさせたい(笑)
でもお話はしばらくかなりくらーい感じで進みます。



実在の人物とは全くの無関係で隅から隅まで完全フィクションです。

981:2017/03/01(水) 14:30:54 ID:???

After a st0rm c0mes a calm


篤志が病室に移ってから2週間ぐらい、か?
ここ数日さすがに延ばせん仕事をこなしていて来ていなかった病室への道を歩く。
あっしの容態は毎日まきさんかまっちゃんかうっさんが連絡をくれていて…あいつ、相変わらず目が覚める気配も無いらしい。

「俊ちゃん、久しぶり」
「うっさん」

あっしがこっちの病室に移ってからうっさんに会うのは初めてか。
ちょっと前までずっと会ってなかったことを考えれば久しぶりってほどでもねえけど。

「俊ちゃん、あのさ」
「?」

肩を掴まれて足を止めた。
振り返るとちょっと困ったようなうっさんの顔。

なんじゃ?

「今、ひろさんいるかも」
「あー」

なら入らんほうがええか?
別に会いたくねえとか会って困るとかそんなこと思っちょらんけど…今は会わんほうがええかな。

「どうせそんなに長い時間いないと思うから、もう少し待ってる?」
「うっさん?」

なんか声に刺がねえか?

「んーごめん。ちょっといろいろ苛立ってるみたい」
「ええよ」

珍しいけど今の状況なら仕方ねえじゃろ。
さて、とりあえず屋上にでも行って時間つぶすか…。

ん?

「うっさん」
「なんか騒がしい?」

あっしの病室のほうから声が聞こえた気がしてうっさんと顔を合わせる。
まさか…。

「あっし?」

頭よりも先に体が動いた。
静かな廊下をダッシュしてあっしの病室の扉を開け放つ。

「俊…」

中には医者とまきさんと…ひろさん。
それから…。

982:2017/03/01(水) 14:31:29 ID:???



「あっし?」

ずっと目を閉じていたはずのあっしが起きあがっちょる。
幻じゃねえよな?

「あっし、気がついたんか!」

他に人が居ることも忘れて、声を上げ篤志に近づいた。
いや、近づこうとした。

「俊ちゃん、待って」
「まきさん?」

何で止めるんじゃ?
あっしが気がついたのに、何でみんな少し離れとる?

ムカついてまきさんの手を振り払おうとしたとき、静かな病室に小さな声が響いた。

「…っ、だれ?」

声のほうに目を向けると体を震わせて怯えた表情を見せるあっしが居る。

は?
今、お前…誰?って言ったか?
しばらく会っとらんとはいえ、年に1度は一緒に呑みに行く相手が誰かわからんわけがねえじゃろ?

「俊ちゃん、俺達も今先生から説明聞いたとこなんだけど…さ、篤志、記憶がね、ないらしい。目が覚めただけでも奇跡みたいなものだって」
「嘘、じゃろ?」

起きている篤志を見て、何とも言えん喜びに踊った心が混乱する。
目が合った篤志は知らん人を見る目で俺を見ていて…初めて会った時のことを思い出した。

いろいろあったあれやこれを全部覚えてねえんか。
笑って泣いて悩んで喧嘩して競い合って…そんな何もかも全部今の篤志の中にはねえんか。

悔しい、寂しい、哀しい。

「あっし…」
「あ…っごめん、なさ…」

思わず名前を呼ぶと不安そうに怯える篤志。
ぐちゃぐちゃな心で考えたいろんなことがいっぺんに飛んでいく。

今、一番こえーのはあっしじゃろ。
なんもわからんのに、知らん人達が自分を見て悲しんだり苛立ったり泣きそうだったりしとる。
そんな状況に置かれたら想像がつかんほど不安で仕方ねえと思う。

とりあえずは…自己紹介するか。
最初にお前に逢ったあのときのように。

「あっし。きよ/きば俊介じゃ。あー俊ちゃんって呼んでくれ」

今更きよき/ば君とか呼ばれるのはさすがに嫌じゃし。

「…しゅ、ちゃん?」
「ん」

怯えていた目の色が少し変化して小さく首をかしげ名前を呼ぶ。
そこにある響きは多少違うけど…それでもまたお前に名前を呼んでもらえるのが嬉しい。
眠ったままじゃなく、呼びかければ反応があるのが嬉しい。

983:2017/03/01(水) 14:33:00 ID:???



「あっし…?」

篤志がぽつりと自分の名前を言う。

そうか…自分の名前もわからんのか。
よくあるここはどこ私は誰?ってやつじゃな。

「篤志、な。お前の名前。さ/とう篤志」
「あ、つし」
「ん」
「俺?」
「おう」

まっすぐ見上げてくる篤志の目が記憶がある時と変わらん。
生まれ育ちが違えば人は違ってくる。
それでも…根本的なとこは変わらんのじゃろう。

「篤志」
「っ!」

突然後ろから聞こえてきたあっしの名前。

この声はひろさんか?

篤志がその声に反応してびくりと体を震わせ、また怯えた表情に戻る。
振り返って見た顔がなんかすげー怖く見えた。

「ひろさん?」
「…悪いけど時間が無いからまた落ち着いた頃に来る」

ひろさんは俺達の誰の返事も聞かずそのまま踵を返し病室を出て行く。

「なんかあったんか?」
「ちょっとね。あとで話すよ」
「ええけど…」

困った顔のまきさんにうなずいてあっしに視線を戻した。
ひろさんが出て行ったからか、怯えた表情は薄くなったけど不安そうじゃな。

「大丈夫じゃ。それより体しんどくねえんか?」

数週間で治る怪我じゃなかったやろ?
体起こして痛くねえんか?

「…痛い…かも」
「ん」

顔色もだいぶわりーな。

「傷は開いてなさそうだけどちょっと診せてね」
「っ…」

黙って成り行きを見ていてくれた先生が声を出すと、篤志がびくびくする。
いちいち怯えとったらしんどいじゃろうに。

「あっし、怖くねえからちゃんと診て貰え」

ゆるく肩を押して横にならせ言い聞かせる。
小さくうなずいた篤志を見て安心していたら、後ろからぐすっと鼻をすする音が聞こえた。

「変わらないね。篤志」
「?」
「俊ちゃんにだけは素直なんだからさー」

まきさんが泣き笑いの顔で「篤志らしいね」とうっさんと言いあっちょる。
似たようなことをまっちゃんにも言われたなと思いながら、怪我の具合を診てもらっているあっしを見守った。

984:2017/03/01(水) 14:33:50 ID:???




「傷も特に問題なさそうだし…気持ち悪いとかない?」
「…」

小さくうなずく篤志はちらちらと俊ちゃんを気にしてる。
やっぱり篤志にとって俊ちゃんは特別なんだろうな。

「じゃあちょっと休もうか。また検査させてもらうけど怖くないからね」
「はい」
「よし。…後で少し話がありますが、とりあえず彼が眠るまでついていてもらっても大丈夫ですか?」

先生が立ち上がって俊ちゃんを見て言う。
今一番不安だろう篤志が少しでも安心できるように、かな?

「はい」
「じゃあ、眠ったら医局まで来てください」

先生が出て行くのを見送って俊ちゃんが篤志に近づいた。

もしかして篤志、俺達のことも怖いかな。
さっきのこともあるし…。

「うっさん、俺達も外で待つ?」
「そうだね」
「いや大丈夫じゃと思うけど…。あっし」
「?」
「こっちがまきさんでこっちがうっさん」
「俊ちゃん超適当」

別にいいけどさ。

「…まきさんと、うっさん?」
「うん…あっちゃん」

小さな声が聞こえて…なんか急に泣きそうになった。
ずっと聞きたいって思ってた篤志の声。

「俺達外にいたほうがいい?」

そう聞くうっさんの声もちょっと震えてる。

「…へーき」
「そう?」
「うん」
「なら良かった」
「ほれ、疲れたじゃろ。そろそろ寝ろ」
「…ん」
「今は何も考えんでええから」
「うん」

ぽんぽんと俊ちゃんが篤志の頭を撫でたら、篤志の表情がふわっと緩んだ。
少しは安心したかな。

「さすが俊ちゃん」
「ほんと俊ちゃんの威力絶大だね」

うっさんと後ろでこそこそ。
その間に俊ちゃんに見守られた篤志はおとなしく目を閉じて眠っていた。

985:2017/03/01(水) 14:34:42 ID:???

After a st0rm c0mes a calm >>981-984

よくあるお話の展開ですね。
まだまだいろいろ問題が起こる予定でどこまで書いていいか悩む。



ちょっと前のすんたんいんすたで、あちゅと自分のでーぶいでーをもらった報告のすとーりー。
普通に「あ○しありがとう〜」と書いてるだけなのになぜかすんたん可愛い…とニヤニヤしましたw

986:2017/03/08(水) 13:57:46 ID:???

After a st0rm c0mes a calm



あっしが眠ったのを確認してからまきさんを見る。

「先生のとこに行くまでに説明するよ」
「ん」

篤志の頭をひとなでしてから病室を後にした。

「んで、何があった?」
「うん。ひろさんと俺が見舞いに来てそろそろ帰ろうかって言ってたときにあっちゃんが目を覚ましてさ」
「ん」
「俺もだけどさ、ひろさんも…やっぱり心配してたんだろうね。目が合った瞬間に篤志!って大きな声で呼んじゃって。
で、そしたらいきなりだったからかあっちゃんすっごい驚いたみたいで」
「ああ」

思わず呼んじまったひろさんの気持ちも、びっくりしたあっしの気持ちもわかるな。

「でもそれだけじゃなくて、なんか怖がってるみたいでおかしいなって思ったんだけど…ひろさんは良かった良かったって続けて話しかけてて」
「…」
「そしたらさっき俊ちゃんが言われたみたいに誰?って篤志が。で、ひろさんもパニくったんだろうね。
何言ってんだー!ってやっちゃってさ。あっちゃんぷるぷる怯えちゃって。さすがにおかしいって先生呼んだの」
「ん」
「先生が来るまでに俺も声かけてみたんだけどもう完全に怖がって。口さえ開いてくれなくてねぇ」

寂しそうにまきさんが笑った。
思わずその背中をぽんと叩く。

「ありがと。それから先生が来て意識が戻ったのは奇跡みたいなもんだって」
「さっきまきさんが言うとったな、それ」
「うん。で、意識は戻ったけど記憶がなくなってるんだろうって。俺もひろさんもどうしたらいいかわかんなくて戸惑ってたときに、俊ちゃんが登場ってわけ」
「…ん」
「なんだろうね」
「?」
「記憶が無くても根本的なとこは変わらないのかな?篤志にとって俊ちゃんは昔から特別だったから」
「…どうじゃろうな」

後ろからついてきていたうっさんは一言も発することなく…まきさんもそれ以上何を口にするでもなく…
嬉しいような嬉しくないような、そんな複雑な気持ちを抱えて歩いていた。




「佐/藤さんの状態ですが…」

先生の前に3人で座って説明を受ける。
目を覚まして良かったと安心するはずやのに、みんな緊張しとった。

「先ほど言ったように意識が戻ったのは奇跡に近いです」
「はい」
「詳しいことは検査をしてみないとわかりませんが、通常目が覚めたとしてもどこかに支障がでます」
「どういうことですか?」
「言葉が話せないとか体の一部が不自由になるとか…人によって違います。もちろん怪我が原因のこともありますが」
「…」
「そして現時点で、佐/藤さんには記憶障害が出ていますね」
「記憶が、無いんですよね」
「簡単に言えば。しかし完全にではなく日常生活に関することは忘れていない可能性が高いです。自分が誰かとかこの人は誰とか多分人に関することを忘れているんでしょう」
「思い出す可能性は?」
「極めて低いとは思いますが無いとは言えません。先ほど怯えていたのも急に声をかけられパニックになっただけでなく、覚えていなくても認識できていたからかもしれません」
「無意識で…相手が怖いと判断してるってことですか?」
「もしかしたら。後から来られた清木/場さんは同じように彼のことを呼びましたよね」

今まで黙ったままの俺やうっさんの代わりにまきさんがいろいろと質問してくれちょったから…話しかけられて一瞬戸惑う。

あっしのことを呼んだ?
あー呼んだな。
気がついたのが嬉しかったし結構でっけえ声じゃったと思う。

「はい」
「その時、少し怯えはしましたがそれは驚いたからでその後は清木場さんに対して怖がってはいませんでした」
「…ああ」

確かにそうじゃったかも。

「そういう自覚してない意識が残っているので、記憶が戻る可能性も否定できません。かなり厳しいとは思いますが」
「はい」
「今はまず体を治すことを優先しましょう。記憶のほうは長い目で見てください。一番不安なのは本人ですから」
「はい」

それからは少し怪我の具合の話をして…部屋を出た。

あっしが目を覚ますことをずっと願っとった。
それが叶っただけでも…喜ばなな。

987:2017/03/08(水) 13:58:42 ID:???



「俊ちゃん、忙しいだろうけど…篤志に出来るだけ会いにきてやって」

篤志の病室に向かいながら俊ちゃんにお願いする。
きっと誰よりも俊ちゃんがいてくれることが篤志にとって一番いいことだと思うから。

「もちろんじゃ」
「ありがと。思い出せればいいけど…そうじゃなくても篤志が気がついてくれただけでよかったよね」

ずっと黙ってたうっさんがポツリと言葉にした。
俺達を忘れてることにショックを受けたけど…うん。そうだね。

「思い出せなくてもまたこれから始めればいいしね。なんなら俊ちゃんよりも俺のほうが好きだって言ってもらえる日が来るかもだし!」
「無理じゃろ」
「わかんないじゃん」

こんな冗談が言えるのも篤志が生きてるからこそだ。

「まき」
「どしたのうっさん?」

俊ちゃんと笑ってたらうっさんがまじめな顔で俺を呼んだ。

「ひろさん…どうするんだろうね。篤志のこと」
「……」
「まきさん?うっさん?」

うっさんの言葉に黙り込んだ俺、
そういえば…そうだった。
篤志の意識が戻って記憶が無いとわかった今、あの話をひろさんはどうするつもりだろう。

「なんかあるんか?」
「あるって言えばあるかな。そろそろぐるーぷの活動を再開させるつもりみたい」
「は?え?それは………あっし、抜きでってことか?」
「うん」
「まあ、ボーカルは篤志意外にもいるわけだし」

出来ないことはない。
けど…。

「あっしの意識が戻るとは…思っちょらんかったんかの」

俊ちゃんが怒りよりも哀しみの強い声を出した。

「そうかもしれないし、もっと時間がかかると思ってたのかもしれない。それでも…前に進まなくちゃいけないから」
「…」
「ってのはわかるんだけどさ。受け入れにくいよね」
「ん」
「俺達よりもボーカルの方が戸惑ってたしね」
「たかひろとか、だいぶ参ってた」
「プレッシャーも俺達とは段違いだし…忙しさも、ね」
「そういや、たかひろには会ってねえな」
「来るのを止められてるから」
「は?」
「まあやることが多くて時間が無いのも確かだけど…」
「シングル、出すんか?」
「そう言ってた」
「アルバムの中の1曲とは違うんじゃぞ?」
「うん。俺達にだってそれがどんなに大変なことかわかるよ」
「…すぐに戻れるわけがねえのも、その間何もせんままで居れんこともわかっちょるけど…早すぎんか?
そんなに簡単に変えられるもんなんか?ずっと必死に頑張ってきた本人の意思が無いところで…」
「ごめんね。俊ちゃん」

止められなくて。
反対はしたけど、どうしたらいいかわからなかったんだ。
会社的にもこのまま何もしないわけにいかないってこと理解できたから。
やだよね、大人になるって。
きっと昔だったら絶対に嫌だって突っぱねてたのに。

「まきさん達のせいじゃねえじゃろ。会社を経営する立場としてはわからんわけじゃねえし…俺が口出ししていいことじゃねえな。すまん」

悔しそうにしながらも頭を下げる俊ちゃん。
それを見てたら、なんとなく「あーこの機会に引退、しようかな」ってぽろっと言っちゃった。

「まきさん?!」
「まき?」
「や、まだね、そんな真剣に考えてないよ。でもどの道ずっと続けられるわけじゃないし、篤志の声で踊るのがすっごい楽しかったって言うか」

上手く言葉がまとまらない。
別に篤志の唄じゃないと踊れないってわけじゃない。
たかひろだってねっさんだってしょうきちだって、全然楽しく踊れるし好きだ。
でも…。

「わかるよ。どんな曲でも踊るのは楽しいけど…篤志の唄に合わせるとなんかいつもより体がノってる気がするんだよね」
「うん」
「そうなんか?」
「俊ちゃんとあっちゃんがさ楽しそうに顔見合わせて歌ってるの見てるだけでこっちもすっげー楽しかった!」
「ほんと幸せそうに楽しそうに唄うなーって考えてたら踊ってるのも幸せになったね」
「そうじゃったんか」
「そうそう」
「あっちゃんくっしゃくしゃの全開笑顔で笑ってたねぇ」
「俊ちゃんも楽しそうに笑ってたし俺達もとにかく笑ってた気がする」
「うんうん」

あの頃は若かったってこともあるだろうけどさ。

なーんて思い出に浸って笑いながら歩いてたら「どしたの?楽しそうだね」って声が後ろから聞こえて3人揃って驚いた。

988:2017/03/08(水) 13:59:47 ID:???



ひろさんに篤志が目を覚ましたって聞いて慌てて病院に来たら、通路を歩いてる3人を見かけてなるべく早足でたどり着く。
なんだか楽しそうに笑ってる3人。
久しぶりに見た気がする。

やっぱり篤志が気がついたから?


「どしたの?楽しそうだね」
「わっ!」

後ろから声をかけるとびっくりした顔で振り返る3人。

「びっくりした」
「こっちもびっくりしたよ。ひろさんから篤志の意識が戻ったって聞いて慌てて飛んできたら、なんか楽しそうに歩いてるし。篤志は?」
「まっちゃん、他になんか聞いた?」
「え、何?なんかあるの?」
「篤志ね、記憶ないみたい」
「え?」

篤志の記憶が?

まるでドラマのような記憶が無いって言葉に戸惑う。
複雑な気持ちが胸にもやもやと沸いた。

「戻るかどうかわからんらしいで」
「その割には…明るい、ね」

3人とも楽しそうに笑ってた。

「意識戻っただけでも奇跡みてえなもんじゃし、それだけでも嬉しいけぇな」
「そっか」

俊ちゃんが優しい笑顔をみせる。
複雑だった気持ちがふんわりとまた嬉しさに覆われた。

「まだ戻らんと決まったわけじゃねえし、戻れば嬉しいけどまだまだこれから作り直していけばええし」
「そうだね」

うん。俊ちゃんの言うとおりだ。
篤志が目を覚まさなければ、この先の未来はないんだから。

「今は寝ちょるけど、顔、見てくじゃろ?」
「そうする」

いつの間にかついていた篤志の病室の前。
ちょっとどきどきしながら扉を開けた。

意識を取り戻したからか、篤志の周りからいくつかの器具がなくなっている。
それぐらいしか変化は無いのに…病室自体が明るくなった気がするのは俺の気の持ちようなんだろう。

「良かった」

顔を覗き込むとすやすやと眠っている篤志。
まだ包帯だらけで痩せちゃってるけど、大丈夫。
もう篤志を失くす恐怖はない。

「あっちゃん可愛い顔して寝てるよねー」

だらしなくデレた声がした。
横を見ると顔をくしゃっと崩して、可愛くてしかたがないって表情のまき。

「いつものまきだ」

思わずそんな感想が口から零れ落ちる。

「何それ」
「いや、当たり前だけどここのとこずっとまじめモードだったから。まきはやっぱりこうじゃないとね」
「ぶはっ」

俊ちゃんが噴出して、うっさんも後ろで笑って。
ほんと久しぶりに気持ちがほころんだ。

989:2017/03/08(水) 14:01:24 ID:???



「…ん」
「あ、起こしちゃったかな」

眠っていた篤志が唸ってその目を開ける。
久しぶりに見る篤志の瞳。
ぱちぱちと瞬きしてぼんやりしてるのはまだ体がしんどいからかな。

「あっし」
「あ…」

俊ちゃんが優しい声だして、篤志の頭をなでる。

「しゅ、ちゃん?」
「ん、正解じゃ」
「あっちゃん、おはよう」
「えと、まきさん」
「そうまき兄です」
「後…うっさん、と…」

篤志が確かめるように呼んで、それから俺を見た。
そういえば記憶が無いんだったね。

「俺は松/本。まっちゃんって呼んでね」
「…まっちゃん」

自己紹介をしたら恐る恐る呼んでくれた。

「ごめん。起きたら知らない人増えててびっくりしたよね」
「ううん。あ…俺、あの、ごめん、なさい」
「あっし?」

突然謝る篤志に俺達も俊ちゃんも理由がわからなくて首をかしげる。

「えと…その、前から知ってたんです、よね?」
「そうだね。でも篤志のせいじゃないから謝らなくていいよ」
「…けど」
「これからさ、また仲良くしてくれればそれでオッケー」
「う、ん」

そんなこと気にしてくてもいいのに。
でもそんなとこが篤志らしいかな。

「ほんまに気にせんでええよ。こうやって話が出来るだけでもすげー嬉しいんじゃけぇな」
「ん」

にこっと笑った篤志の顔…。
思わず胸が熱くなった。
それはまきもうっさんも一緒だったらしい。

「久しぶりのあっちゃんの笑顔ー」
「ね」

涙ぐんで嬉しそうな俺達に当然篤志は戸惑ってる。

「そこの怪しい3人組はほっちょけ」
「ちょっと俊ちゃんひどい」

篤志を撫でながら言った俊ちゃんの言葉に思わずつっこんだ。

「すまんすまん。あ…あっし、しんどいか?」

はあっと息を吐いた篤志に目ざとく気づいた俊ちゃんが心配そうに聞く。
意識が戻ったことが嬉しくて忘れてたけど…篤志の怪我はまだ治ってないしずっと寝たままだったから体力だって落ちてるはずだし、無理させちゃったかな。

「また寝とけ」
「あの…俊ちゃん、かえっちゃ…う?」
「今日は居るよ」
「…ん」

不安そうに俊ちゃんを見上げる篤志。
帰らないってわかったとたんに安心したように目を閉じる篤志が可愛い。
ていうか、ほんと篤志は篤志だね。

「やっぱり俊ちゃんにはかなわないなー」
「そうそう。記憶が無くてもあっちゃんはあっちゃんだよね」
「ほんと」

安心した。

990:2017/03/08(水) 14:02:21 ID:???



「でもさ」
「まき?」

篤志はすぐに眠ってしまったみたいですうすう寝息を立ててる。
そんな篤志を起こさないようにか、低く小さな声で真剣な顔をしたまきが話し出した。

「ひろさんがいた時に目を覚ましたんだけど…篤志すごい怖がってた」
「え?」

怖がってた?
いや、誰か知らない人がいたらびっくりするのは当然か。
現に俺のときもちょっと怯えてたし。

「でも俊ちゃんが声かけた時はびっくりしてたけどそんな怖がらなくて」

それは篤志だからって…あれ?
篤志は篤志だけど、人の記憶が無かったらいくら俊ちゃんでも初めて逢う怖さはひろさんと変わらないよね。多分。

「それって」
「もしかしたら、出てこないだけで覚えてるんじゃないかって」
「うん」
「だから思い出す可能性も少しは残ってるみたい」
「そっか。いつか思い出すといいね」
「うん。それでさ…どこかで覚えてて無意識に反応してるんだったら」
「あ」

篤志がひろさんを怖いって思ってるってこと?
それは…。

複雑な顔をした俺達は顔を見合わせる。

「そうとも限らないけどね」
「…とりあえずそろそろ仕事の時間だし、ここは俊ちゃんに任せて戻ろうか」
「うん」

俺達が考えても答えは出ないから。
今は篤志が少しでも早く元気になることを祈っていよう。

俊ちゃんは篤志の眠ったベッドの端に座って篤志の顔をじっと見てる。

大丈夫。
俊ちゃんがいれば篤志の記憶もきっと戻る。

そう信じて、俺達は俺達のやるべきことをやるために病室を出て行った。

991:2017/03/08(水) 14:05:00 ID:???

After a st0rm c0mes a calm >>986-990


親族でもないのに説明するとか無いことですがスルーでお願いします。
あまり楽しい話ではないのでやっぱり止めておくべきだったか……これが後悔ってやつですね(笑)




久しぶりにりあたいで動いてるすんたんが見れるぞー!(らじおのゆーすと)と思ってうきうきしていたら…今週末は家にいないのだと気がついた(゚Д゚;)
あれは、ぱそこさんじゃないと録れないの。しかも外出中だから見れないし。
ちょっとショックで打ちひしがれています…。
音声だけで我慢するしかない(;_;)

992名無しさん:2017/03/23(木) 19:14:31 ID:???
はじめまして。
以前に読ませていただいていた者ですが、SA熱が再発し、また1から読んで、きゅんきゅんしています。
新しいお話の続きも待っていますね。

993:2017/03/26(日) 08:46:00 ID:???
∥д・)ソォーッ…
緋さまご無沙汰いたしております。
読み逃げさせていただいておりました←?w

あちゅでーぶいでー
すんたんとのこらーぼ、なかなか見る勇気がでずウダウダ ウジウジ モジモジ(笑)しながらお招きしてから数週間…
意を決してばしゅタオル用意して正座して見ました(╥ω╥`)

わかっていながら(╥ω╥`)(╥ω╥`)(╥ω╥`)
えむしーカットしすぎ!とプンスカ(笑)
2人の重なる歌声に(╥ω╥`)(╥ω╥`)(╥ω╥`)
イチャラブに(*/ω\*)キャー!!(*/ω\*)キャー!!
それはそれは忙しい鑑賞となりましたw

そんな日々をおくっている今日このごろ←?ww
緋さまからのプレゼントを聴いて2人のイチャラブめーるの可愛さに悶絶しお邪魔した次第であります(`・ω・´)キリッ
うぷしてくださり本当にありとました!

緋さま
やっぱり愛してます٩(๑> ₃ <)۶♥
ではまたお邪魔させていだきます┏●

994:2017/03/30(木) 10:30:15 ID:???

>>992
はじめまして、SA熱の再発嬉しいです♪
そしてまた1から読み返していただいてありがとうございます。
りあるが忙しくてお話もすんあちゅ情報も追いついていないですが、ちゃんと最後まで書き終えますので気長に付き合っていただけると幸いですo┐ペコリ


>>993
♪様、みーつけたっ(笑)
おはようございますw
こちらもすっかりゆっくりペースになっていますし、読み逃げちゃっていただいてかまいませんよー。
もうほんと以前のように頻繁に更新できなくて申し訳ないぐらいです。

あちゅでーぶいでー。
私も最初に見るまではなんだか怖くてほんの少しですが時間がかかりました。
いろんな気持ちがぐるぐるしてたな〜。
えむしーカット。
わいーんのくだりとか汗のくだりとか…見たかったなぁ。

からの〜うぷ。
お話を書くか、らじ おを編集するかで迷ったあげく、すんあちゅの可愛いりある話をとりました←
他にもちょこちょこ時間を見つけてうぷしましたが、やっぱり一番はあのイチャラブめーるですね♪
まだきゃんぺーんは続くようなのでもっともっとイチャラブな話が聴けることを願ってます♪

995:2017/03/30(木) 10:31:14 ID:???

After a st0rm c0mes a calm


仕事の合間に病室に顔を出すとあっしは嬉しそうな顔で迎えてくれる。
どうでもええ話で笑って(傷に響かん程度にな)ちょっとすねてみたり病室を出るときは少しだけ寂しそうな顔で「いってらっしゃい。頑張ってね」と声をかけてくれる。
なんもかんも忘れとっても…篤志が動いて答えてくれるだけでええんじゃと思った。



「んでな…」

今日もまた病室で話をしとった。

地元のツレの話。
まきさん達の昔の話。

篤志が楽しそうに笑う。
それが嬉しくてまあちょっと…かなり…話を盛ったのは勘弁してもらおう。

そこへ突然、ノックも何もなしに病室の扉が開いて大きな声が響いた。

「篤志君っ」
「っ!」

びくんと怯えて体を強張らせるあっしの視界をさえぎるように立ち上がり、久々に逢う侵入者に声をかける。

「あきら、静かにせぇ」
「あ…すみません」

大きな体を縮めて謝るあきらに悪気がねえのはわかっちょる。
あっしを振り返ると小さく首を横に振ってぎゅっとしがみついてきた。

「あっし」
「やっ」
「…篤志君」
「あきら、あっしのこと聞いとるじゃろ?」
「一応」
「ん。あっし…」

背中にしがみつく篤志の頭を撫でる。

「俊ちゃ…」
「こえーか?」
「……」

聞いてみると小さくこくんと頭が動いた。
それが見えたのかあきらが泣きそうに顔をゆがめる。

「あきら、ちょい外で待っといて」
「はい」

とぼとぼと出て行くあきらを見送ってあっしのほうを振り返った。

「あっし。ちょっとあきらと話して来るから待っとれ」
「俊ちゃん」
「怖いんじゃろ?」
「……なんでか、わかんないけど」
「ん。すぐ戻るから横になっとれ」
「うん」

不安そうな篤志に布団をかけ軽く頭をぽんと叩いて病室を出た。



「あきら」
「俊君」

外に出るとあきらが大きな体を小さく縮めて泣きそうな顔をしちょった。

「俺、篤志君に嫌われちゃったんですかね」
「そんなことはねえじゃろ。今は記憶がないけぇ誰にでも最初は怯えるんじゃと思う」
「記憶が戻ることは…」
「可能性は低いって言われとる」
「……」
「元気出せ」
「いってぇ!」

うつむいてしまったあきらの背中を思いっきりひっぱたいた。
大声を上げて背中を伸ばすあきら。
向こうを通る看護師さんがびっくりとるわ。

すんません。

「もうちょい落ち着いたら、顔だしてやって。最初からやり直しじゃけど」
「はい。……俊君は冷静です、ね」
「なにがじゃ?」
「篤志君の記憶がなくても」
「平気でもねえけど、記憶がなくてもあいつはあいつじゃ。もちろん思い出してくれるんが一番ええけどな」
「やっぱ、すげーなぁ」
「は?」

感心したようなあきらにわけがわからんが、あきらはそのまま一人で納得してさっきよりも落ち着いた顔であっしの病室を見てからぺこりと頭を下げた。

「今日は帰ります」
「ん、いろいろ大変じゃろうけど、頑張れよ」
「はい」

長い足ですたすたと去っていくあきらを見送って(別に悔しいわけじゃねえぞ!)篤志の病室に戻った。

996:2017/03/30(木) 10:31:51 ID:???


俊ちゃんと話してたら急にでっかい人が入ってきて大きな声で名前を呼ばれた。
初めて会う人。
でも…きっと俺のことを知ってる人。

どうしたらいいのかわからなくて怖くて俊ちゃんにしがみついた。
そうしたら俊ちゃんがその人と出て行って…。

あの人、怒ってるかな?
俺とどんな関係ななんだろう?
俺はどうしたらいいんだろう?

ぐるぐる考えすぎてちょっと気持ちが悪い。

しばらくして、俊ちゃんが入ってきた。
俊ちゃんだけ。
あの人はいない。
少しだけほっとして、でも…申し訳ない気分になった。

「あっし」
「俊、ちゃ」
「どした?」
「ううん、なんでもない」

聞けばいいのかもしれないけどなんとなく怖くて聞けなくてごまかした。
でもそんなの俊ちゃんに通じるわけがない。

記憶をなくしたって、俊ちゃんのことならなんとなくわかる気がする。

「あっし。聞きたいことはちゃんと聞け」
「……あの、さっきの」
「あきらか?」
「うん。怒って、た?」
「いや、別に怒っとりゃせんかったで」
「…」

ほんとに?
記憶があった頃の俺はどんな感じだったんだろう?
俊ちゃんもよく来てくれるまっちゃん達もあんまり詳しいことは教えてくれない。
きっと思い出せないことで迷惑をいっぱいかけてるのに。

「あっし」
「俊ちゃん」

ああ、何でこの人に名前を呼ばれると安心するんだろう?
心の奥が暖かくなるんだろう?

「今のままでええよ。お前はお前じゃ。記憶があってもなくても俺にとっては変わらんよ」
「うん」

今のままでいい。

その言葉が嬉しい。
思い出さなくちゃって思ってても何も思い出せなくて、それが苦しかった。
今の俺じゃダメなんだって、記憶のある俺じゃないとダメなんだって…知らない人が俺を見るたびにその視線が怖かった。

思い出せなくても俊ちゃんがいてくれたらいいや。
もうちょっと心が落ち着いたら少しずつ昔の話、教えてもらおう。
俊ちゃんとどこで逢ったのか、どういう話してたのか、何をしてたのか…。

997:2017/03/30(木) 10:37:04 ID:???



あっしが気がついてから1ヶ月ほどたって少しずつあっしも落ち着いてきた。
しばらく抑えていた仕事もそろそろ本格的になって、なかなか顔を出せんようになってくる。

「明日からしばらくライブの準備で忙しいからなかなか顔出せん」
「うん」

前々から話はしとったから篤志はすぐに頷いた。
けど不安そうな顔は隠せとらん。

「大丈夫じゃ。まきさん達も顔出してくれるって言うとるし、な」
「ん」
「ちゃんと先生の言うこと聞いてええ子にしとれよ」
「…子供じゃないし」
「ぷはっ、悪い悪い。あ、許可貰ったからこれやる」
「?」

ふくれっつらの篤志に笑ってそれから思い出した荷物を取り出す。
最近は起きとる時間も増えたけど、動き回る許可は出とらんから時間をもてあますじゃろう?

てことで、ポータブルDVDを持ってきた。

「使い方教えちゃる。ただし疲れたらあかんから30分ごとに休憩を入れるっちゅう条件付じゃ」

先生と相談してそれならば、と許可をもらった。

あっしはこくんと頷いて、じっとDVDを見る。
こういうものはある程度記憶にあるらしいから一回見せれば使い方もわかるじゃろ。

「これが電源で…」

試しに再生してやる。

「あっ!」

映し出された映像にあっしが目を輝かせて身を乗り出した。

やっぱり変わらんな、お前。

「これ、俊ちゃん!」
「おう。去年のライブ映像な。一応他のも置いとくし、映画もいくつか持ってきた」
「うん」
「あっしのは…もう少し落ち着いてからじゃ」
「…ん」

篤志が唄っていたことは、少しだけ話してある。
その時にちょっと唄ってみれば?と軽く言ったらあっしは必死で首を横に振った。
なんでかはわからんけど…人が怖いように唄うこともまた今の篤志には怖いことらしい。
そんなわけで、多分昔の自分を見るのはまだこえーじゃろうから見せる気はねえ。

998:2017/03/30(木) 10:38:12 ID:???


もし昔のお前を見る時が来たら…

「そん時は一緒にな」
「うん」
「他にCDもいろいろそろえてみたで」
「わぁ」

あっしの家にあった洋楽から邦楽、ジャズまでいろいろと探して持ってきた。
じっと見つめる篤志の目が真剣な物になっていて、やっぱりこいつと歌は切っても切れんもんなんじゃと思った。

たとえ今は怖くても…絶対に篤志はまた唄う。

妙な確信を持ちながら篤志の頭を撫でた。

「俊ちゃんのは?」

眺めていたCDから顔を上げて聞くあっし。

「一応、持ってきちょるけど…」

なんかわざわざ自分のを渡すのも恥ずかしい気がして出さんかったのに。

「聴きたい」
「わかった。置いてく。聴くのも疲れん程度に気をつけろよ」
「うん」
「欲しいもんがあったらまきさんとかに頼めば喜んで持ってきてくれるから、遠慮のう使えばえーよ」

あっしに頼まれて、嬉々として用意するまきさんが思い浮かぶわ。

「ああそうじゃ、スマホの許可も取ったから」

すぐに連絡が取れるように。

「わかる、かな」
「とりあえず電話とメールが出来ればええじゃろ。らいんも入れとくか」
「うん」

新しいスマホの操作を簡単に説明して、一度送らせる。
電話もメールもらいんも問題なく使えた。

「なんかあったらかけて来い。出れんかもしれんけどちゃんとかけ直すから」
「でも…忙しいし、迷惑かけちゃう」
「全然迷惑なんかじゃねえど」
「ん。わかった」

ぶんぶんと手を振ると素直に頷いてくれたことに安心する。

「俊ちゃん、頑張ってね」
「おう」

篤志が目を覚ましてから長く離れるのはこれが初めてじゃ。
俺自身も少しの不安を抱えながら…それでも自分に恥じない歌を、いつかまたこいつと一緒に唄える日が来ることを信じて、心からの歌を仲間達に届けてこよう。

999:2017/03/30(木) 10:42:15 ID:???

お返事 >>994
After a st0rm c0mes a calm >>995-998

だらだらと進んでおります。
まだまだ先が長い。
一番書きたいのはかーなーり後ろの方だったり。



あ、すんたんらじお、いろいろうぷしていますので良かったら。

昨日のすんたんのらいーんならいぶ。
私のすまほさんが馬鹿なのか…途中とまりまくっていらいらしました。
すんたんが猫になってた(確かびくたーさんの方)部分はばっちりゲットしましたけど(笑)
こ○ろさんとのてれびはしっかり見れたので良かったです♪
またやっふーらいぶもあるし保存したままほったらかしのえーけーさんとのも見なくては…←いつのだw

ああ、時間がない。
と言うことで大急ぎで書いたのでうっかりミスとかあったらすみません。


すんたんあるばむ…後ろから2曲目、尾○さん降臨してる?!(笑)

1000:2017/03/30(木) 10:43:29 ID:???

まったりどころかのろのろペースに落ちた今スレですがなんとか次のスレにいけそうです。
ということでいつもの自分のための←アンカーを。
いろいろ迷走してるなー特に後半(笑)

いつもいつもだらだらとしたお話にお付き合いいただきありがとうございます。
これからも次のすんあちゅを見られる日を楽しみに頑張って書いていけたらなーと思ってますのでどうぞよろしくお願いします☆彡




アンカー(コメントが入ってる場合もあり)


神主と神様 >>4-8

双子ちゃんシリーズ >>13-19 >>141-159 >>234-240 >>261-263 >>275-280 >>499-501 >>582-587 >>688-690 >>868-872 >>912-914

half of the soul >>23-26 >>45-52 >>66-79 >>335-388

ねこまた。 >>58-64 >>661-680 >>844 >>933-936

everlasting l0ve >>81-119 >>130-133 >>191-193 >>268-271 >>287-293

五 十 嵐さん家の事情 >>123-128

黒猫 >>135-139 >>244-248 >>425-430 >>532-537 >>559-560 >>632-633 >>946-950

学生 >>199-206 >>298-313

猫に夢中です >>321-326 >>730-735

水火を繋ぐ者 >>397-402

Feuerwerk >>405-417 >>432-461 >>477-495 >>505-507 >>571-580 >>591-598 >>591-598 >>607-619 >>639-657 >>699-703 >>714-716 >>741-750

中編 >>781-798 >>892-894 >>904-906

中編になるかもしれないお話 >>823-830 >>920-923

After a st0rm c0mes a calm >>960-971 >>975 977-998

短編 >>28-41 >>54-56 >>161-186 >>216-223 >>250-257 >>315-319 >>392-395 >>463-472 >>513-528 >>540-553 >>564-569 >>602-604 >>682-686
  >>694-697 >>707-712 >>718-725 >>737-738 >>752-776 >>804-812 >>836-837 >>876-883 >>943-944 >>954-955 >>972-973




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