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没ネタ投下スレ
4
:
◆4etfPW5xU6
:2011/06/06(月) 05:34:55 ID:???
ズキリ、と拳が痛むもそれが“痛み”として伝達される前に、マグマの如き感情の奔流に飲まれ意識の外へと頬リ投げられる。
二回、三回、四回と休むことなく容赦なく殴りつけられていく壁は罅割れ、パラパラとその破片を床に溢しながら少しずつ亀裂を広げていく。
物置としてしか使われていないのであろう年季の入った倉庫の壁は、拍子抜けするほどに脆い。
度重なる暴虐の果てに拳大の穴が開いたところで、漸くその動きが止まる。
ペースも糞もなく、ただひたすらに本気で振るい続けた拳の影響か、疲労に肩は上下しジワリと全身が汗ばんでいる。
少年――花菱烈火はどうしようもなくキレていた。
ここに連れて来られる以前のこと。
己の命よりも大切な主君を目の前で攫われ、守ることが出来なかった。
絶対に守ると誓った少女をまた危険な目に合わせてしまった。
主君を救い、全ての因縁を終わらせる覚悟をした矢先にこんな所に連れて来られた。
その挙句に、人の命を弄ぶようなこんなくだらない殺し合いを行わせようとするキース・ブラックの存在。
人を人とも思わないその態度。
実験動物(モルモット)とでも言わんばかりに嵌められた首輪。
そして、なにより。
キース・ブラックを止めようとしながら結局止めることが出来なかった自分に。
またしても、誰かを守ることが出来なかった自分に。
余りにもちっぽけ過ぎる自分に怒りが抑えきれなかった。
「あの野郎……絶対ぶん殴ってやる」
とは言え、幼い子供のようにいつまでも怒りに身を任せて時間を浪費するほど、烈火も愚かではなかった。
未熟なのは、決して悪いわけではない。
問題は、その未熟さを受け止め成長する糧に出来るかである。
そして、花菱烈火という人間は己の未熟さから目を逸らさずに弱さを受け止めることが出来る、今の自分に何が出来るのかを考えることが出来る人間だった。
主君――佐古下柳を救う為には、まずここから脱出する必要がある。
つまり、行うべきはキース・ブラックの打倒。
大きく深呼吸をし、キース・ブラックに対する怒りを吐き出し終えるとまずはとばかりにデイバックの中から名簿を取り出す。
「くそっ! アイツらも連れて来られてんのかよ――って、紅麗と木蓮もいんじゃねーか」
思わず大声を出す烈火の視線の先。
広げられた名簿には、烈火にとって最も信頼の出来る仲間である火影の面々の名前が載せられていた。
加えて、彼らと敵対する組織である『麗(うるは)』と『裏麗(うらうるは)』のメンバーの名前も。
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