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小説投稿スレ (マント、吸血鬼、魔女 etc)

1カサブタ:2012/08/14(火) 15:21:04
小説投稿用のスレッドです。
以前、mちゃんねる内にあった“SMフェチ小話”を懐かしんで立ててみました。

2真夜中の謝肉祭:2013/01/11(金) 10:44:56
その女性との出会いはまさに突然だった。
あれは妻と別れてから3年ほど経った頃、会社の友人の結婚祝いパーティーに参加したときのことだ。
そのパーティーには会社の同僚の他に、友人の親戚や知り合いたちも参加していたわけだが、私はその中の一人の女性に目を奪われた。
花嫁を筆頭に女の子達の色とりどりのドレスが舞い踊るパーティー会場。
その中で唯一つ鋭い輝きを放つ黒いドレスに身を包んだ女性が居た。
背が高く、程よく肉の付いたグラマラスな美女。
背中と胸元が大きく開いたマーメイドドレスを纏い、両腕に肘まである黒いロンググローブをつけている。
彼女は誰とも話すことなく、片手でワイングラスを揺らしながら壁にもたれかかっていた。
切れ長の眼と薔薇のように紅い唇。 腰まである長い髪。
その端整な顔立ちと立ち姿にはある種の気品のような物が漂っている。
しかし、その一方で純白の花嫁と対を成すような黒ずくめの彼女はこの場にはそぐわない異様な存在感を放っているようにも見えた。
さらに奇妙なことに、この会場には若い男も大勢居るはずなのに誰一人彼女に見向きもしなかった。
下手をすれば花嫁以上に目立つ格好をしているうえに、あの美しい顔、モデルのような体型。
普通なら周りに人だかりができてもおかしくないのに…。
私はその女性に対してそんな奇妙な印象を抱きながらも、彼女のミステリアスな雰囲気に魅かれ、遠目でチラチラと彼女を見ていた。
と、その時、彼女が顔をこちらへ向け私と目が合った。

「あ……っ!!」

私はしまったと思いつつも、突然のことに戸惑いそのまま硬直してしまった。
しかし、彼女は嫌な顔ひとつせずに私に微笑を送ってきたのだ。

3真夜中の謝肉祭2:2013/01/11(金) 10:53:11
思わずゾクリとした。 その微笑のあまりの妖艶さに…。
すると、彼女は私に背を向けて会場の隅にある廊下の入り口に向かって歩き始めた。


「あ……、行っちゃう…。」

私は彼女の背中をぼんやりと眺めたままその姿を見送ろうとした…。
しかし、その姿が廊下に消える瞬間。
彼女は一旦立ち止まりチラリと私を脇目に見やると、またしてもその口元をほころばせた…。

「………………。」

私にはもうすぐ高校を卒業する息子がいる…。
妻と別れてから私は絶対に女性と関係を持たないと決心し、息子にもそう言った。
しかし私は絡みつく誘惑を払うことが出来ず、食べかけの皿を置いて彼女の背中を早歩きで追いかけてしまった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

彼女は途中にあるクロークルームで何か荷物を受け取ると、それを持ったまま奥のほうへさっさと歩いていった。
良く見えないが、黒いコートのような物を持っているように見える。本当に何から何まで黒らしい…。
奥の廊下には人通りが無かった。来客も従業員もほとんどがパーティ会場に出張っている為だろう。
その薄暗い廊下にハイヒールの音を響かせながら優雅に歩く一人の女性、私は彼女と一定の距離を取ったまま恐る恐る付いていった。
彼女が歩く度、タイトなマーメイドスカートの表面に形のいいヒップとしなやかな太腿の形が浮かぶ。
スカートは下に行くほど裾が大きく広がり足先までは見えないが、一歩進むたびにサラサラと床を撫でる布地の動きに目を奪われた。
彼女は最後まで後ろを振り返ることなく廊下にあるドアに入っていった。
そこは、式場の中に数ある控え室のうちの一つだった。

4真夜中の謝肉祭3:2013/01/11(金) 10:55:00
私は彼女に続いてその部屋に入っていった。

「あれ…?」

部屋の中は空っぽのようだった。 窓が無く電気も着いていないだだっ広い部屋の中は薄暗く、棚の上に置いてある小さなランプだけが灯っている。

「いない…、おかしいな……。たしかにここに入っていくのを見たのに。」

ふと、床の上に何か転がっているのが見えた。よく目を凝らしてみるとそれは一組の黒いハイヒール。
おそらくは彼女が穿いていたもの…。
私は良く確かめようと部屋に足を踏み入れ、それを手に取った。

そのとき……。

「うふふふ……。」

どこからか女性の声…。そして間も無く私の背後で部屋の扉が閉まり錠が落ちる音がした…。
私はゆっくりと振り返る。 すると、扉の前にその女性は最初からそこに居たかのように立っていた。
先程、受け取っていたコートのようなものを羽織っているのか、暗いこともあって大きく露出した胸元は良く見えない。

「おめでたい結婚式の最中だというのに、見ず知らずのレディの後をつけてきた貴方は一体どこの馬の骨かしら…?」

初めて聞く女性の声。それはまさにその容姿に劣らぬ上品な響きをもっていた。
しかし、それに聞き惚れている暇はなかった。

「え……あ…、私はその……。」

私は彼女の問いかけに答えようとしたが無駄だった。
それもそのはず、なぜ自分が彼女を追いかけたのか、その理由が思いつかないのだ。
彼女が私を見て笑った…。ただそれだけ……。
よく考えてみればついていく理由になんてならない…。

「…………??!」

一体、私は何故……? 普段ならこんなことは無いのに…。
これじゃ唯のストーカーでは…?

「あ……あの…、すいませんでした……
きっと酔っててどうかしていたんです………。
決して悪気があったわけじゃないんです。」

今の時代、女性関連の揉め事で男は圧倒的に不利
なんとか許してもらおうとへこへこと必死に弁明する私。しかし、彼女には言葉ほど怒っている様子は無い。
むしろ、慌てる私の姿を見て楽しんでいるような…。

5真夜中の謝肉祭4:2013/01/11(金) 10:56:39
「ほほほ…。 そんなに謝らなくても良くてよ?
私の仕草を見て、誘われていると思ったんでしょ?

ええ、確かに私は貴方を誘ったわ。誰にも見つからないこの場所へね……。」

そういうと、彼女は私の方に向かって歩いてきた。
段々と目が慣れてきて、彼女の姿が徐々にはっきりと見えてきた。

「貴方もうんざりしてたんでしょう…? あの退屈なパーティーに。」

彼女が着ていた物を見て私は驚いた。
それはコートなどではなく、ドラキュラが纏うような立襟のマントだったのだ。
光沢が少なく重々しい生地はベルベットのように見える。そして裾がとても長く、床まで垂れるほどだった。
明らかにただの防寒具ではない。場違いどころか存在する時代さえ違うかのような異装は彼女の姿を一層、妖しげなものにしていた。

「ねぇ…、私と遊びましょう…?」

「え……、あの……ぇえ!?」

異様な状況に私は戸惑わざるをえなかった。しかし、歩み寄ってくる女性が放つ雰囲気とその妖しげな表情から、私に貞操的な危機が迫っていることは明らかなように見える。

「あの…、私はこれで…。」

彼女の横を抜けて立ち去ろうとする私…。しかし、私が動こうとした途端…。

バサアアァァッ!!

女性は私の目の前で着ていたマントを突然拡げた。
大きなマントは翼のように拡がり、一瞬私の視界を埋めた。
私は思わず目を奪われる。黒一色と思われた彼女の衣裳。しかし、私の前で広げられたマントの裏は血のように鮮烈な赤だったのである。
地味な表に対して毒々しい光沢を放つ裏地はキュプラだろうか。
しかし、私の視線はその中心にあるものに釘付けにされた…。
マントの内側に隠されていたのはあの黒いマーメイドドレス。しかし、肩紐が外れたその胸元からは豊満な乳房が余すところ無く露出していたのである。

「…………っ!!」

三度目の硬直。しかし、今度はピクリとも動けないばかりか言葉を発することさえ出来なかった。
彼女は相変わらず微笑みながら、マントを拡げたまま近づいてくる…。
ゆらゆら揺れて複雑な光沢を描くキュプラの裏地、大きな乳と綺麗な乳輪。
妖艶な微笑み…。
それらに目を奪われて動けない…。

「そうよ…、私だけを見て……。 後は全て忘れてしまいなさい…。」

6真夜中の謝肉祭5:2013/01/11(金) 11:02:45
女は私の近くまで来ると、その拡げたマントで私を包み込みぴったりと密着してきた。

「は……?!、ああぁ…。」

彼女に抱かれた瞬間、私は我に返った。 しかし、時既に遅く、私の身体は
彼女のマントにすっぽりと包まれてしまったのだ。

「ふふ…、うふふふふ……。」

目と鼻の先には彼女の美しい顔。腰には腕が回され完全に抱きすくめられている。

「なかなかイイ男だわ…。私の目に狂いは無かったようね。」

そう言って舌なめずりする彼女…。 
やがて、服の上からじんわりと彼女の体温が伝わってくる…。

この暗い密室の中で美しい女性と二人きり。
その状況と彼女が放つ色香とに私は惑わされ、屈服しそうになる。

しかし、私の頭の中を息子の顔がよぎり、なんとか理性をギリギリのところで繋ぎとめた。

「あ……だめ…、だめだ…こんなの……」

私は彼女の腕を振り払って逃げようと思った。

「は…離してください…。結婚式の最中にこんな……。」

女性の腰を掴んで引き剥がそうとする。 
しかし、私の身体を包むマントのせいで腕を上手く動かすことができない。
私がもがくほど布が強く締め付けてくるようだった。
「どんなに必死に足掻いても無駄よ…。私から逃げることなんてできない。」

私が苦戦している間も彼女は余裕の表情を崩さなかった。
抱きついたまま踊るように身体を揺らし、私のバランスを崩してくる。
腕力では勝っているはずなのに、ほんの数%も彼女には伝わっていないように思える。

「ああぁ……っ! なんで……力が入らない……!!?」

自分の意に反して身体はどんどん後ずさりし、とうとう私は後ろの壁に押し付けられてしまった。

7真夜中の謝肉祭6:2013/01/11(金) 11:04:04
「ふふふ…、もうお遊びは終わりよ。」

彼女は私の頭を壁に押し付け、いきなりキスをしてきた。

「…っ!!?」

あまりに突然のことに私は一瞬、思考が停止してしまった。
その隙に、彼女の舌が唇を割って私の口の中に侵入し、ヌラヌラと嘗め回してきた。

「ん……っ!! んぅ…!??」

別れた妻以外の女性と初めて交わす口付け。それは想像を絶するほどに強烈だった。彼女の舌が歯茎の裏を這い、私の舌を絡めとる。

唇同士が柔らかく圧し合い、間から唾液が滴り落ちる。
段々と意識が朦朧としてきて、彼女の唇が吸い付く音が頭の中で反響する…。
壁に押し付けられていなかったらそのまま後ろに倒れてしまったかもしれない。

唾液の糸を引きながら彼女の唇が離れたとき、私の身体からはすっかり力が抜けていた。

「あらあら…、男って弱いわねぇ…。」

彼女はにやりと笑いながらマントの拘束を解いた。もはや縛り付ける必要は無いとわかっているのだろう。

「貴方のようにひ弱な人間にこんな立派な服は必要ないわね。」

彼女は私の礼服を脱がし、ワイシャツのボタンを一つ一つ丁寧に外し始めた。
やがて私の上半身は剥きだしにされると、今度はベルトを外しに掛かった。
私は抵抗することもなく彼女の行為を受け入れていた。

「うふふ…、あの新郎もこうやって簡単に篭絡されてしまったのかしらねぇ…?」

8真夜中の謝肉祭7:2013/01/11(金) 11:05:18
ベルトが解かれ、ズボンが足元までずり落ちる。 私の股間は既に硬く大きく反りあがりパンツには我慢汁の染みができていた。

すると、彼女は私の方を向いたままゆっくり後ろへと下がっていった。

「女は皆、魔女…。 甘い色香に惑わされて一度捕まれば、後は容赦なく搾り取られるのにね…。」

詠うような口調で彼女は言う。
そして、私がもたれかかる壁から5メートル程離れた場所に立ち、ゆっくりと両手でマントを拡げていった。

「それがわかっていても、貴方たち男は一時の肉欲に酔い痴れ、
快楽の泥沼の中で溺れてしまうのよ……。
どこまでも深く…、深く……
魔女たちのマントの中へ……… 
ふふ…、本当に愚かな生き物……。」

私の目をじっと見つめ、彼女は魔法の呪文を唱え続ける…。

私の身体は勝手に動き出していた……。
腕がパンツを脱がし………、足が私の身体を彼女の元へと導く……

目は彼女の瞳に釘付け…、それ以外の五感も…彼女の匂い…、声…、肌…、
そして唇の味を求めていた…。

何故か、私の頭の中にはついさっき見たヴァージンロードが思い起こされた。
歩くのは花嫁ではなく、丸裸の自分…。

一歩、近づくたび
彼女のマントの表面がぬめったような光沢を放ち、私を包み込もうと待ち構える。

この先は越えてはならない一線。しかし、私は迷うことなく剥き出しの彼女の胸に倒れ込んだ。

「うふふふ…っ、ほほほほほ……!!!」


ぶわああぁ…、バサバサバサァ…!!

マントが大きな弧を描き、両側から包み込んでくる。
黒いベルベットは私の身体をたちまち覆いこみ、頭以外の部分を全て隠してしまう

「うあぁあああ……、お…おねえさまぁぁ……!!」

シュルル…、ざわ……ざわわ…… サラ、サラ……

私の皮膚の上をキュプラの艶やかな質感が這い回る。

「ふふふ……、愚かな新郎がまた一人…。」

9真夜中の謝肉祭8:2013/01/11(金) 11:14:44
マントの中で彼女の手が私の脇腹から尻までを摩る。

「おねえさま……、いい響きね。 貴方はさしずめ奴隷と言ったところかしら?」

押し付けられる柔らかな肉体。 滑らかだったその皮膚は段々と湿り気を帯び始め、同時に果実のような甘い匂いが濃厚に立ち込めてくる。

私がその匂いを吸い込むたびに意識がぼんやりとして思考力が奪われていく。
もう無駄だった。私にはもはや逃げる力どころか逃げようという意思さえうばわれつつあったのだ。

「まだ時間はたっぷりあるわ…。 さぁ……、奴隷に最初の仕事を与えるとしましょうか…。」

「はい……、おねえさま………。」

なぜ…、私は彼女の言うことを聞いているんだ…?

「私の名前はユリカよ…。島原由梨香…。これからは由梨香様とお呼びなさい。」

「はい……、由梨香おねえさま……。」

なぜ、私は彼女に縋り付いているんだ……?

「ふふふ…、そんなにおねえさまがいいの? なら好きにお呼びなさい…。
さぁ…こっちへきて。たっぷり楽しませてもらうわ…。

私をマントで包み抱いたまま移動する由梨香。私はなんの躊躇いもなく、彼女の動きに付き従っている。 一体どうして……。

わからない……、
ついさっき会ったばかりの女性なのに…、なぜ私はこんなにも彼女に心惹かれ、こんなに尽くしているんだ…?

わからない……、どういうわけか彼女の命令が絶対であると感じてしまう・・。
彼女の言葉に逆らえない……

意思とは無関係に身体が動いているみたいだ………

わからない……、彼女は一体なんなんだ……!? 

わたしは……、一体彼女に何をさせられる………!!

10真夜中の謝肉祭9:2013/01/11(金) 11:16:04
パーティ会場の方では、参加者達に酒が回ってきたのか、益々盛り上がりをみせていた。同級生同士で集まって昔話に花を咲かせたり、男共は集まった女の子達を口説き始めたりと、若者の多い二次会の現場は常に賑やかだ。

「あれ…? ○○のヤツ何処にいったんだ?」

新郎の輪島健二は会場を見渡しながら、この会場に居る筈の友人の姿を探す。
今の会社に入ってから苦楽を共にしてきた親友…。結婚することを一番最初に打ち明けたのも彼にだった。

「どうしたのケンちゃん…? だれか探してるの?」

そう言ったのは新婦の島原夏美、これからは輪島夏美。
くりっとした瞳の童顔にショートヘアが良く似合ううら若き花嫁だ。

「あぁ…、友達がきてたはずなんだけど見当たらなくてさ。
ほら、良く話してただろ俺と同時期に入社した……。」

「ああ、その人ね…。私は顔を知らないからわからないけど…。
トイレにでも行ってるんじゃないの…?」

「えぇ…? 最後に見かけたのは大分前なんだけどな………。
あれ…? そういえば由梨香さんも居ないな…、どこへ行ったんだ…?」

「え…? 姉さんがいない? …………ふ〜ん、そうか…。」

夏美は大して意に介さないかのように応えた。 その時彼女がクスリと微笑したことに健二は気付かなかった。

「いいんじゃない? 姉さんは基本自由だから…。パーティに退屈してどっかブラブラしてるんじゃないの…?」

「いいのかよそれで……、姉妹なんだろ?
う〜ん、しかし由梨香さんって不思議な人だよな…。あんなに綺麗なのに周りに誰も寄ってこないんだぜ…。 うちの男共があんなべっぴんさんを放っておくなんて普段は絶対有り得ないぜ。」

「あぁ…それ? それはね…違うのよ。
姉さんって俗っぽい男が嫌いなの…、だからね……どうでもいい男が寄ってこないように普段は“誰からも感知されないように”してるのよ。」

11真夜中の謝肉祭10:2013/01/11(金) 11:17:25
そこまで聞いて健二はしばらく沈黙した。
そして、頭を抱えながら長い溜息をもらした。 

「あぁ……、そうか…なるほど。 やっぱりお姉さんも夏美と“同類”なんだな…。」

「なによ、その言い方? 私達のことまるで人間じゃないみたいに…。」

「いや…、それはどうかな…。確かに魔女っていうのは悪魔とかよりもむしろ人間に近い物かもしれないけど…、定義が曖昧なんだよね…。
ていうか、そういう得体の知れない術みたいなのを使う時点でもう人間とは呼べないんじゃないかって…。」

「それ以上なんか言ったら、姉さんに言いつけるよ?」

夏美はぐっと顔を寄せて不機嫌そうな顔をする。

「姉さんは怖いよ〜? 力も私なんかよりずっと強いんだから…。
性格悪いし、ケンちゃんみたいなか弱い“男の子”を苛めるのが大好きなんだよ?
怒ったら呪いとか掛けられちゃうかも…。」

「まあ、これだけ大勢の人間に自分を認知しないなんて催眠をかけられるくらいだからな…。 お前より厄介な女なんて御免だよ…。」

夏美はニカっと笑いながら健二の足に手を置く…。

「ふふふ…、いいのかな…そんなこと言って。
その厄介な女に散々、ヒィヒィ泣かされたこと、もう忘れちゃったの…?」

太腿を撫でながら、夏美は上目遣いで彼を見つめる…。

「貴方はもう私の呪いに掛かっているのよ?
この身体は私の気分次第でどうにでもなっちゃうの…。わかるよねぇ?」

健二は息を呑んだ
また、この子は突然こういう顔をする……。

普段の彼女は見た目どおりの快活な女の子だ。
元気で可愛くて、うちの部署のマスコット的な存在だった。
運動も得意で、社内のベースボールチームでは男顔負けの活躍を見せることもしばしば…。

普段はそんな男勝りな彼女には、健二だけが知るもう一つの顔がある。
普段の彼女からは想像もつかない、艶かしく、心を蕩かすような魔女としての顔…

あの日…、夏美が自分にこの顔を向けてきた瞬間から、こうして結婚に漕ぎ着けることは運命付けられたのだろう。 
 あの時、夏美は俺を誘惑し……、人目のないところに連れ込んで…そして…。

12真夜中の謝肉祭11:2013/01/11(金) 11:18:35
「ねぇ……ケンちゃん……。」

夏美は健二の手の甲に自分の掌を重ねる…。

「新婚初夜、楽しみだね…。 ふふふ…
今夜はこのドレスを着てあげるね…。そのために買ったようなもんだもの…。
こんなに大きくて、飾りもいっぱい付いてるから色んなことが出来そう…。」

「おいおい…、この場でそういう発言をするのはどうなんだ…?」

「だって退屈なんだもん…。誰かと話そうと思ってもみんな知ってる人ばかりだし…、いつもと同じで新鮮味がないよ…。」

健二は溜息をついた、どうやら今夜も安眠は望めないようだ…。

(俺…、何歳位まで生きられるんだろう……。)

彼はこれから始まる血のように赤いバラ色の生活に思いを巡らした。
可愛い妻、家計も何も心配する必要はない理想的な生活、唯一つ懸念されるのがもう夜に安らかな眠りが保障されないということ…。

「待ちきれないな〜、もう、今からここでシちゃおっか…。
ケンちゃんがだめっていうなら、その辺の男でも捕まえて……。」

夏美は頬を真っ赤にして、うっとりした表情でしなだれかかる…。

「おいおい…、もう酔ったのかよ? 落ち着けって。」

「あ〜〜っ!! ちょっとそこ何勝手に二人で盛り上がっちゃってるワケ?」

「流石、新婚さんは格が違った!! 今夜、輪島家のベッドの上は大火事になるぞぉ!!」

酔っ払った同僚が茶々を入れにきた。そのまま、会場中から囃し立てる声のオンパレード。

「やだっ!! もぉ〜、やめてくださいよ!!」

顔を赤らめて恥ずかしがりながらも、まんざらでもない様子の夏美…。
いつもの天真爛漫な笑顔が惜しみなく零れ出ている。

13真夜中の謝肉祭12:2013/01/11(金) 11:23:47
やれやれ……、あの同僚には感謝しておこう。

「夏美、今夜はちゃんと相手してあげるからもうちょっと我慢してくれよ。
俺からのお願いだから…。」

夏美はこっちを振り向き、にっこりと笑った。

「ケンちゃんがそこまで頼むならしょうがないな〜。
よし! 我慢してあげちゃおう…!!
そのかわり今夜は寝かせないからねっ!!」

彼女の発言に会場中がまたも沸きあがる。

「うぉおおおっ!! なっちゃん大胆すぎぃ!!
どうするケンちゃん!! 眠れる女豹を叩き起こしてしまったぞ!」

「これはベッドの上どころか住宅地一体が火の海になるぞ…!!
だれか今のうちに自衛隊呼べ!!」

バカな男共のおかげでパーティ会場はまたしても喧騒の渦に巻き込まれた。

夏美も他の皆と同じように笑っている。
屈託なく微笑む彼女を見て健二も頬を緩めた。
どんな不安も夏美の笑顔にはとても敵いそうもない…。

もういちいち細かいことを考えるのは止めよう…。
俺はもう彼女に選ばれてしまったのだ。そして俺はそれに応えることにした…。

もうそれでいい…。

「よし、盛り上がってきたところでゲームでもするか?」

会場のあちこちから歓声が沸きあがる…。二次会は夜に向けて益々騒がしさを増していった。


「○○のやつ本当にどうしたんだ…? せっかくもりあがってるってのに…。」

14真夜中の謝肉祭13:2013/01/11(金) 11:25:14
くちゅ……、くちゅ……、

「ん……ぁん……、はぁ……あぁん……。」

暗闇の中に淫らな水音と、女の悩ましい声が響く…。

私は……、私は一体なにをしているんだ………!?

大事な友人のパーティの最中だというのに………

ただ…、少し気になる女の人がいて………… ついて行っただけなのに………

どうして……こんなところで、こんなことを………。


暗い控え室の中、机を並べてクロスを何枚も重ねて作った仮設ベッドの上で由梨香と私は抱き合い乱れ狂っていた。

「ん……うふふ…、さぁもう一度言ってごらんなさい…。
ん…はぁ……貴方のご主人様の名前は何かしらぁ?」

「う…、ぅぅ……、ゆ…ゆりかさま………、由梨香おねえさま……。」

「そうよ…、よく言えたじゃない………、ん……。
はぁ…ん、貴方はいい奴隷になるわぁ…。」

手袋を着けた手で私の棒を弄ぶ彼女。サテンの滑らかな感触で包み込み、親指の先で亀頭を擦り刺激する。

「ううぅぅぅ……っ!!」

「ご褒美よ……、さぁ…またみっともなく射精するところを見せて…。」

黒いサテンの手袋に脇腹と股間を優しく撫で回される。
なんとも異様な…、しかし、たまらなく気持ちいい感触。

たちまち股間に熱い物がせり上がってくる…。

「あぁ……、はあぁぁ……!!」

ぶびゅっ!! びゅびゅびゅるるる〜〜

彼女の手袋の中でまた絶頂を迎える…。
いくらバタバタと暴れても、由梨香のマントが私と彼女を包み、逃げることができない。この中では彼女こそが支配者。私は彼女の好きなように弄ばれるだけだ。

「ふふ…、まだまだ…、たりないわぁ〜。
一滴も出なくなるまで楽しませてもらうわよ……。」

15真夜中の謝肉祭14:2013/01/11(金) 11:26:25
由梨香はペニスから手を離すと、私の上に乗ってくる。
彼女の胸が私の首元に押し付けられ、圧迫される。

「うぅぅ…。」

柔らかく温かい由梨香の身体に包まれるだけでのぼせたような気だるさに侵され、体中が弛緩してしまう…。
同時に睡魔が押し寄せてきて意識が途切れそうになるが、彼女はそれを許してくれない。

「あらぁ…、奴隷のくせにご主人様を差し置いて寝るつもりかしらん?
そんなことを許すとでも思っているの? 
さぁ…、口を開けて私の唾液をお飲みなさいな……」

由梨香は舌で私の口を割り、唾液をドクドクと注ぎ込んでくる。

んじゅ……じゅるる……、ちゅく…ちゅぅ……

「んぅぅ…!! ぅぅ………っ!!!」

もう何度目かわからない強烈なディープキス……。
やられるたびに、彼女に精気を吸われているような心地だった。

しかし、その唾液が喉の奥に流し込まれると私の身体の中で股間だけが嘘のように活力を取り戻し硬く立ち上がるってしまうのだ。

もう、体力も限界に近いというのに身体は私の意志とは無関係に彼女に媚び続ける。

彼女の命令のままに、手足を動かす力を引き換えにしてでも精巣で精液を作り出し続ける…。

まさに奴隷のよう…、私の身体は…私の意志よりも先に彼女の奴隷にされてしまったようだ…。

「さぁ……、休まずに悶え続けなさい…。
もっともっと、私を愉しませてちょうだい………。」

由梨香は圧し掛かったまま腰を動かし、私の股間を責める。
硬くなったペニスが彼女のスカートに押し付けられ擦られる。タイトな腰には彼女の股間と太腿によってできる三角の窪みがくっきりと出来ている。 ペニスがそこに押し付けられると、彼女は太腿でスカート越しにペニスを挟み込んできたのだ。

「あぁぁ〜〜〜っ あひいいぃぃ!!」

「ほほ…、喜びなさい。
スカート越しとはいえお前の汚い肉棒は私のアソコに押し付けられているのよ……光栄でしょう?」

16真夜中の謝肉祭15:2013/01/11(金) 11:30:56
由梨香は私のモノをスカートに押し付けたまま腰を揺らす。ツルツルとスカートが裏筋を撫で上げ筒先から我慢汁が染み出る。
すると、それを吸って濡れたスカートがさらに快感を送り込んでくる。 彼女の悩ましい腰使いによって責め続けられたペニスはとうとう限界を迎えつつあった。

「ほほほ…、 心地のいい悲鳴だわ……。

悶えなさい……、喘ぎなさい………

残った子種を全て吸い取ってあげるわぁ…。

私のスカートとマントにみっともなくぶちまけてしまうがいいわ…。」


「あぁあああ……はあぁぁっ!!

 ゆ…ゆ……ゆり…か………ぁあああ……っ!!!

おおぉ……おね……あ……、ぁぁああぁぁああ!!!」


びゅるびゅるびゅるるる〜〜〜、ドクドクドク……!!

由梨香のスカートと私の体の間で白濁液が迸る。

「あ…あああぁっ!! 由梨香さまあぁぁ……!!!」

太腿に挟まれ濡れたスカートに擦られるペニス、
スカートが無ければ由梨香の肉壷の中に挿入していたであろう位置

びゅるるぅぅ…、ビュクビュクビュクッ!!

指一本外に出せず、体中をマントに拘束されたまま悶え続ける私

“魔女”は高笑いしながら独身の中年男を徹底的に苛め抜く…。

搾り出された子種は一つとして彼女の中へ届くことも無く、スカートの繊維の中に捉えられもがきながら哀れにも干乾びてしまうのだ。

それでも、彼女は際限なく私の精を搾り取った。
労わりも愛情も無く、ただ欲望のままに……、私が干乾びてしまうまで……。

「うふふふ……、ほほほほほっ!!

ほ〜っほっほっほっほっほっほっほっほ……!!!」

17真夜中の謝肉祭16:2013/01/11(金) 11:32:28
全てが終わったとき…、私は裸のまま腰をつき壁にもたれかかってぐったりとしていた。

「帰るわ…、もうパーティは飽きたしドレスも汚れちゃったしね…。」

彼女は汚れも構わずさっさと服装をただし、帰る準備をした。

「そうそう、言い忘れてたわ…。
私は今日結婚した花嫁の姉なの……。あの新郎は貴方の親友だそうね○○さん?
ふふ……、貴方にだけ私の催眠が掛かってなかったのも何かの縁ね……。
また遊びましょう……、今度は一緒にお食事でもどうかしら……?」

彼女は私の顎をクイッと持ち上げ、額に軽くキスをしていった。
そして部屋のドアを抜け、私を置いて去っていった。
廊下に響くコツコツというヒールの音がだんだん遠くなる…。

暫らくの間私は放心していたが、気だるさが幾分かマシになったところで立ち上がり脱ぎ捨ててある服を拾っていった。

自分と彼女の汗で濡れていた身体はもう乾き始めていたが、匂いがまだ染み付いている。裸だったからお絞りかなにかで拭けばなんとか大丈夫だろう。

服が汚れないように、あらかじめ脱がしてくれたのは彼女の親切心だろうか…

パーティ会場に戻るため元来た廊下を歩くが、立ちくらみがして足がふらつく。

どうやら、相当搾られたようだが…。

しかし、どうにも現実感が無い……。 由梨香の匂いも、肌の温かさも確かに憶えているのに、頭が冴えてき始めると彼女のことがまるで幻影だったかのように感じられてしまうのだ。

本当に、彼女は何者だったのだろう……?



帰ってみると、なにやら皆が一箇所に集まって緊張した雰囲気が流れていた。

「おい、○○っ!! 今まで何やってたんだよ!? 
今まですっげー盛り上がってたんだぜ!?」

酔っ払った友人の一人が絡んでくる…。

「どうしたんだ…? 随分疲れた顔してるな? 具合悪いのか?」

「いや、ちょっとな……、飲みすぎみたいだ。
だから大丈夫だから本当に何でもないんだ…。」

「お〜いっ! 投げるぞ。くれぐれも無理やり取ろうとするんじゃないぞ!!」

皆の緊張が一気に高まる。

18真夜中の謝肉祭17:2013/01/11(金) 11:33:44
「ん…? お前等、一体何やってんだ……?」

私が友人に問いかけたその時、

「次に結婚できるのはだ〜れだ?」

花嫁の元気な声が響いたと同時に、人ごみを飛び越えて何かが真直ぐ私の方へ飛んできた。

「え……?」

私の目の前を何かが遮った途端、反射的に手を出してしまう。
すると、飛んできた“それ”は吸い寄せられるように私の手に収まった。

「おめでとう!!」

誰かの声と同時に、私の周りで拍手がなり響いた。
顔を上げると、集まった皆が私に向かって満面の笑顔と拍手をみつけていた。

手に取った物を良く見てみる。それは花嫁が持つブーケだった…。

「おいおいっ!! バツ一の○○がまさかのゲットだぜ!!」

「ずりぃぞ!! まだ、結婚出来てないヤツは大勢いるのに…。」

「おめでとうございます…!! これなら新しい恋は案外早く見つかるかもしれないですね!」

「もう落ち込むなよ! 運命の女性が現れるのを気楽に待とうぜ。」

ブーケを手に持ったまま私は硬直した。
手が震え、危うくそれを落しそうになってしまう。
友人達の声も遠くで鳴り響いているように感じられた。

そして、私は人ごみの奥、新郎と新婦がいる方を見た。

新郎であり、親友の輪島健二は幸せそうな笑顔で私に拍手を送っている。

隣では花嫁の夏美が無邪気な笑顔で同じように拍手をしている。

そして、その隣…、花嫁に寄り添うように

黒いドレスを纏った美しい悪魔は、私を見ながら笑っていた……。

19真夏の夜の夢:2013/01/12(土) 11:36:54
運命……、それをある人は唯の偶然だと言う。
また、ある人はそれを神が人に与える物だと言う。
ならば…、私の運命を自在に操り弄ぶ彼女は私にとっての神なのだろうか…。

〜真夏の夜の夢〜

「係長、お茶が入りましたのでどうぞ…。」

「あ……あぁ、ありがとう。」

「…?」

いつもと違う私の様子に部下のOLは少し懐疑的な表情を浮べる。
しかし、彼女は大して気にもかけずにそのまま自分の席に戻っていった。
彼女が歩くたびに揺れるスカートに私の視線は吸い付けられ、

(まずい……、どんどん酷くなっていっている……。)

私は自分の身体から溢れそうになる欲情をなんとか抑え、極力平静を保った。
最近、金曜日の午後はいつもこんな感じだ。

私は携帯電話を開き、受信箱を確認する…。
毎週、金曜日の正午に届くメールがある。

今日のメールには

“午後8時、△△駅前、×××プラザホテル 

12‐014号室“

とだけ記されていた。

(またこんな高級ホテルを…。しかも最上階のスイートルームか……。)

由梨香と出会ってから2ヶ月と3週間。 私はすっかり由梨香の虜にされていた。
 あれ以来、週末になると彼女から決まって“お誘い”のメールが携帯に届くようになった。メールの本文には毎回、ホテルの名前と部屋番号が記してあり、私がそこへ赴くと、お洒落をした彼女が待っているのだ。

最初にお誘いが来たのはあの結婚式から1週間後のこと……
あの時もホテルで待ち合わせだった。

彼女は前に、一緒に食事することを提案していたから私もそのつもりで彼女の元に赴いた……、
食事くらいならお付き合いしてもいいかと……

……………いや

正直に言うと私も期待していなかったわけではない…………
ホテルが待ち合わせ場所という時点で、彼女の意図は明白だったかもしれない…

別れた妻以外の女性と関係を持たないという決意を貫くつもりなら、誘いは断るべきだったのだ……
結婚式でのことは何かの間違いで済ませられるはずだった……

20真夏の夜の夢 2:2013/01/12(土) 11:43:07
だが…、私はあの一件がきっかけで彼女に興味を抱いてしまったのだ。

私は、彼女の誘いにホイホイ乗ってしまい、ホテルの食堂で一緒に夕食を楽しんだあと…、そのまま部屋に誘い込まれ……

気付いたときには裸にされ、由梨香のマントに包まれていた。
私はまたしても彼女の胸の中で悶え抜き、幾度も唾液を交換しあい
そして、ついに由梨香の膣の中で射精してしまったのである。

幸い彼女は私の子供を産むつもりなどないと言っていたが
一度、肉体関係を持ってしまうと後はどんどん深みに嵌ってゆくだけだった。

由梨香と私の関係はエスカレートしていき、そのまぐわいは段々と狂気の色を帯び始める。
時に彼女は鞭を持って私を打ち据えた。 また、あるときは私は椅子に縛りつけられ目隠しをされ、いやらしい言葉攻めと共に体中を弄られた。
ある時は私の首に鎖をつけ、ホテルの部屋の中をぐるぐると散歩させた。

由梨香と交わるとき、私と彼女は対等ではなかった。どんなに異常な行為を要求されても私は彼女に従ってしまう。
好きでやっているわけではない…。彼女の言葉にはまるで呪文のように相手を操る力があるのだ。

渋々、従っていたはずの私もいつしかその行為に快感を覚えるようになり…、やがては自分から喜び勇んでやるようになってしまうのだ…。

彼女と交わるごとに、どんどん自分が壊されていくような感じさえする……

そして由梨香はどんな時も、あのドラキュラマントを羽織っていた

最初は、なぜ由梨香がそこまでマントにこだわるのか理解できなかった。
しかし、彼女との情事を繰り返すうちに、いつしかそのマントは私の上に君臨する女王様としての由梨香を象徴するものになっていった。

裾を摘んで優雅に翻す彼女は美しい…。
風を受けて翻るマント…、由梨香の裸体が薄布に包まれてマントがはためくたびに隙間から白い肌が垣間見える。あの様を想像しただけで彼女が愛しく思えてくる。

そして、あの赤い裏地を見せながら両手で拡げる仕草…

私がいつも彼女のマントに包まれる直前に見るあの光景は
私の頭の中に強烈なイメージとして焼き付けられている…。

あれも、おそらくは彼女が使う催眠術のようなものなのだろう。

21真夏の夜の夢 3:2013/01/12(土) 11:49:46
由梨香に犯される時、儀式のように繰り返されるあの行為は私の深層意識の中に
“マントを着ている女性に興奮し、彼女に服従する”という概念を植えつけたのだ。

そして、その暗示が何回も何回も掛けられるうちに、いつの間にか私の症状はどんどん重くなっていった。

最初はコートやスカートなどひらひらした物を身につけた女性に対して異様に興奮するようになった…。

そして、今では風でゆれるカーテンにまでも…

いまや、はためく布を見ただけで、私の頭の中に由梨香のマント姿がフラッシュバックし、激しい欲情に苛まれるようになってしまったのだ。

視界の端で誰かのスカートが翻れば そこに由梨香が立っているように感じてしまう。

風がカーテンを揺らせば、その中に由梨香の視線を感じるようになった。

私の日常は由梨香によってどんどん侵食されていったのだ…。

(これは果たして私の性癖なんだろうか…?
あるいは…、由梨香の仕業なのだろうか。)

彼女に不思議な力があることはもはや明白だった。

彼女は催眠術のようなもので私を支配しているのだ。

私は、これ以上彼女に深入りするのは危険だと思うようになった。

(もう由梨香に会うのは止めよう…。
これを機に彼女と手を切らなければ………。)

妻と離婚した後は精神的にも苦しい状態が続いたが、新しい生活もようやく軌道に乗り始めたところだ…。
息子だって今が大切な時期なんだし私もしっかりしなければならない。

私は由梨香からのメールに対し、今日は都合が悪いから行くことは出来ないと返信した。

22真夏の夜の夢 4:2013/01/12(土) 11:51:26
家に向かう途中、
帰りの満員電車の中で私は妙な息苦しさを感じていた……。
暑くもないのに額や脇の下から汗が滲んでくる。身体が揺れると軽い立ち眩みを覚えた。

(おかしいな……、疲れがたまっているのかな……?)

会社帰りの列車など普段からむさ苦しいものだが今日のそれはいつもとは違う。
まるで欲求不満が溜まっているような悶々とした感じがするのだ。

(うぅ……っ! やっぱり…由梨香か………。
だめだ……もう、これ以上彼女に会っちゃいけない………。)

この奇妙な不快感の正体に気付くのは遅くなかった。
思ったとおり、私は相当彼女に中てられていたらしい……。
頭では彼女から逃げたいと思っていても既に身体が由梨香を求めるようになってしまっていたのだ。

もし、このまま由梨香の元へ通い続けたらそのうち本当に彼女無しでは生きていけない身体にされてしまうかもしれない。

(くそ……っ!! ダメだ…、なんとかしてこのまま耐えないと…!!)

私は歯を食いしばって自分の欲望と必死に戦おうとした。
だが…

さわ……、

「ぅ……!?」

突然、目の前に立っていた女性のスカートが私の腰に押し付けられてきた。

(あぁ……まずい…、離れないと……。)

しかし、満員の電車の中で身動きを取ることはできない。
そのうえ、電車が揺れる度に、乗客たちの身体も揺れてそのスカートが私の股間に擦れるのだ。

ザワ…、ザワワ……

(ぅ……ぅぅう…!?)

その刺激は怪しい快感となり、私の股間はみるみるうちに硬くなり始めた。

(ぅあ……!! だ…だめだ……こんなところで勃ったらマズイ!!)

このまま硬くなってしまえば間違いなく女性に気付かれる…!!
そうなったら私は社会人として命の危機に瀕することになる。

私は必死に腰を捻らせた。隣の客があからさまに嫌な顔をするがいちいちそんなことを気にしてなどいられない…。

そして、私はなんとか完全に勃起する前に腰を横に曲げることができた。

23真夏の夜の夢 5:2013/01/12(土) 11:53:16
「ふぅ……。」

私はとりあえず一安心した…。
しかし、電車が丁度急なカーブに差し掛かった時、車体全体がガタンッと揺れた。

その弾みで私は吊革を放してしまい身体は車体の前の方に投げだされた。

ふぁさあ…っ ざわわ……

(う…っ?! あぁぁ…!!)

気付いた時、私の周りは女性ばかりになっていた。前にはプリーツスカートを穿いたOL、右には制服を着た女子高生、後ろにはワンピースを着た若い女性…
左にも、斜め横にも、斜め前にも…、
あろうことか、スカートを穿いた女性達が申し合わせたようにそこに固まっていたのだ。

ザワ…ザワザワ………  サワ…、 サラサラ……
  
   シュルシュル……  ゴシュ…ゴシュ………、

(ひぃ…っ、ひいいい…………!!!)

列車が揺れる度に腰に纏わり付くいくつものスカート達…。

どこにも掴まる場所がなくバランスが取れない私は四方八方からスカートを擦り付けられ、下半身をその裾で弄ばれる…。

おかしなことに、私はズボンを穿いているはずなのに、スカートが与えてくるナイロンやポリエステルの艶やかな質感、ざらざらしたプリーツの感触まで
まるで直接皮膚に当たっているかのように感じられるのだ。

「ぅ……、はぁ………っ ぐっ!!」

今度はもう耐え様が無かった。群がるスカートに揉まれながら私のペニスは硬く大きく勃起していた。それにこのまま刺激が続けば遠からず射精してしまいそうだった。

そのとき次の駅への到着を知らせる声が車内に響き、列車は徐々にスピードを落していく。

(うぅ……だ……だめだ…!! 次で降りるしかない…!!)

列車がプラットホームに滑り込み、扉が開いた瞬間、私は人の波を掻き分けホームに走り出た。 そして、そのまま早足でトイレへと駆け込んだのだった。

24真夏の夜の夢 6:2013/01/12(土) 11:56:46
はぁ……、はぁ………っ!!

個室に入るやいなや私はすぐに勃起したままのモノを取り出し、必死で扱き始めた。とにかく、出してすっきりすればこの禁断症状も治まるだろうと考えていた。

さっきの状況を想像する。
腰に纏わりつくいくつものスカートを…

しかし、いくらペニスを扱いても出る気配がない…。身体の中では相変わらず激しい肉欲が渦巻いているというのに、それを外に出すことが出来ないのだ…。

私は頭の中に色んな女性の姿を思い描いた…。

まずは別れた妻、
学生のときの彼女との出会いと初めてのキス…、セックス…。

だが、欲情するばかりでなかなか射精には至らない…。

次にちょっと気になっていた同僚の女の子…。
私を男性として尊敬してくれる、気前のいい明るい子…。
彼女の裸を想像してみる……。

だが、結果は妻の時と同じ………

それならばと…、今度は前に見たAVのシーンを思い起こしてみる。
ボンテージ衣裳の女王に鞭打たれ、組み敷かれる自分…。

観たときはそれなりに興奮した筈なのに、また不発…。

(おかしい……、なぜだ!? いつもならとっくに出てるはずなのに…。)

もう、かまってられない…。私はところ構わず女性の姿を思い描いた。

テレビで見た女優…、また別の同僚の女の子…、クラスメートだった別の子

あげくの果てに、さっきスカートを摺り寄せてきた女性や、駅のホームでちらっと見ただけの女の子まで……。
彼女達を片っ端から裸に剥いて抱き合う、犯す、妄想する…。 しかし、それも所詮は無駄な足掻きだった……。

「あぁ……、だ…だめだ……、こんなに興奮しているのにどうして…。」

段々と右手が疲れてくる…。しかし、身体から湧き上がる情欲はさっきから強まる一方。 このまま列車に乗ればまたさっきのような生き地獄を味わいかねないのだ…。
 出したいのに出せない……、まさかこんな苦痛がこの世に存在するとは…。

25真夏の夜の夢 7:2013/01/12(土) 11:58:20
「う…っ うぅぅぅ……!!」

私は必死に手を動かしてまた妄想を始める。

今度は、友人の結婚式の時に見た花嫁を思い浮かべる…。
どうせ、想像の中なのだ…。モラルなどに縛られる必要は無い。

それに…、この後ろめたさがかえって興奮するかもしれない……。

夏美とか言ったか…、彼女はとても綺麗な女性だった…。純白のドレスに包まれた立ち姿の優雅さに思わず目を奪われたものだ…。 姉の由梨香とは違い控えめの、しかし形のいい美乳、短く切り揃えた髪型。
確か友人は同じスポーツ部の後輩だった彼女を見初めたと話していた…。
姉とは違いスポーティな印象を与える明朗な女性。

姉とは違う……、 由梨香とは………

由梨香…………、


私はハッとなって手を止める…。
瞳の奥に一瞬、翻る黒いマントを思い描いた……。

そして、その瞬間私の腹の中をのた打ち回る怪物がピクリと反応したような気がしたのだ……。


ドクン……

心臓の鼓動が大きくなる…、額から汗がどんどん染み出て、私の服はすっかり湿ってしまっていた。

「だめだろ……、そんなの………。」

これじゃあ元も子もない……。

こうやってまっすぐ帰っているのはそもそも彼女から離れる為ではないか。
なのに彼女の事を想像してしまっては……

だめだ……、だめだだめだ………姉はだめだ…

想像するのは妹だ……、夏美さんだ……

私は目を閉じて再び夏美の姿を想像する…。

大きなウェディングドレスを身に纏う夏美…。あの結婚式場…。
私は素っ裸のまま壇の上に立ち、バージンロードを歩いてくる彼女を見ている。

26真夏の夜の夢 8:2013/01/12(土) 12:00:07
“ふふふ……、貴方はなんてはしたない男なの…?”

イメージの中の夏美が笑顔で突然私に語りかける…。

“姉さんから逃れたいなんて理由で、友達の妻まで頭の中で穢す…。
クス……、愚かしいわね……ほんとうに………。“

「うぅぅぅ……!!」

あぁ……ようやく気持ちよくなってきた……

あの、明るくて無邪気そうな女性に罵られる想像だけでこんなに興奮するなんて…。

“あらあら…、私に罵倒されるのがそんなに気持ちいいの…?

夏美は私の身体を壇の上に押し倒し、ドレスのまま私の腰に圧し掛かってくる。
そしてドレスを摘んで さっ、さ、と揺らし、極め細やかな白い布で私をくすぐり犯す…。

「あ……、ぅぁ……!!」

現実の私は立ったままペニスをしごき続けている。妄想の中で夏美とまぐわう私は今までとは違う手応えを感じていた。

さわわわ、さわさわ……、シュル、シュルルル……

夏美はドレスを操り責め続ける。私は白い布の渦巻きに捕らえられたままみっともなく喘いでいた。

“あれ〜〜? 今までは不発だったのに…、私とのエッチでは感じてるみたいだね…。クスクス……!!”

夏美が白いサテンのグローブで私の臀部を揉みしだく。 花の刺繍が施されたグローブはザラザラと私の皮膚を撫でる…。

“あ……ああぁ……!!”

“けど、だからといって姉さんから逃れられたとは思わないことね…
貴方が私との性交で感じるのには、ちゃ〜んとした理由があるのよ……。“

彼女は片手で私の頭を胸に抱き寄せ、床に長く伸びるトレーンをもう片方の手で手繰り寄せると、それをマントのように翻し私の身体をフワリと包み込んだ。

“うああぁぁ…、き…気持ちいい〜〜〜!!!”

薄く滑らかな生地は、キュプラのマントとは違う快感を与えてくる。

27真夏の夜の夢 9:2013/01/12(土) 12:01:31
“私を見なさい…。姉さんと同じ血を引く私の顔を”

夏美の顔が目の前に迫る。由梨香とは違い少し童顔な彼女。しかし、その目には由梨香と同じ妖しい輝きが宿っている…。

“貴方は単に私の中に姉さんの姿を見ているだけよ…。どんなに離れようとしても貴方の心は姉さんに捉えられている…。
うふふふ……、もう諦めなさい……。 貴方の魂も身体ももう姉さんの物なのよ。
私と結ばれた彼がもう私から逃げられないように…
貴方ももう姉さんからは逃げられないの……。“

そう言って夏美は私にキスをしてきた。

「ん……、んんんんんん〜〜〜!!」

彼女のヘッドドレスから垂れ下がるバックヴェールが宙に浮き上がり、
私と彼女の頭にぐるぐると巻きつく

唇に吸い付く魅惑の味…。唾液を滴らせ交し合う激しい接吻。

それはあの時、由梨香と交し合ったキスそのものだった。


そして、私の目の前に一つの光景が浮かぶ…。

壇上で抱き合う二人…。しかし、それは永遠の愛を誓い合うものではない。
裸に剥かれた花婿が、純白のドレスを纏った花嫁に組み敷かれ、永遠の隷属を誓わされる儀式…。

今の自分と同じ状況…。しかし……、ドレス姿の夏美が犯している男は、あの日彼女と結ばれた友人の姿をしていた…。

「うああああぁぁぁっ!!!」

いやだ……、こんな物を見たくはない……!!

そうだ…!! 私は確か駅の便所で……、なのになんでこんな物を見ている!?

これは私の妄想なんだろう!? 

なら早く目を開けよう……、そうすればこの幻は消えるはずだ…。

“ええ、確かにこれは幻よ…。駅のトイレの中で貴方が見てる一時の夢…。
でも、まだ醒めるわけにはいかない筈よ…。
このまま、電車に乗ってしまえば……、
ふふ…、また女達のスカートの餌食に………。“

なら……、一体どうすればいいんだ……!! どうすればこの苦しみから開放されるんだ…。

“そんなこと…、貴方が一番わかっているんじゃなくて…?”

28真夏の夜の夢 10:2013/01/12(土) 13:26:24
……………
・…・……………………。

どうしても……、そうなってしまうのか………

もういい……、それなら正直になってしまおう…。

どうせここは想像の中なんだ……、実際に彼女に会いさえしなければもう……


目を閉じた時の暗闇…。その奥から、漆黒のマントが揺れながら現れる…。
想像の中でさえ彼女の姿は、頭からつま先まで鮮明に描くことができる。

“ふふふふ……”

由梨香が現れた途端、彼女ははっきりと声を出して笑い、あの花のような匂いが鼻腔にたちこめる。
 彼女はもう既に私の心の中にいるのだと実感させられる。

そして、現れたのは由梨香だけではなかった。
彼女の後ろの闇から次々と女達が現れる、元の妻、同僚の子、そして夏美まで…
さっきまで妄想のおかずにしていた女性達が一斉に私の前に現れる。そして彼女達は皆、由梨香と同じような黒いマントを羽織っていた。

“ふふ……、うふふ……”    
                  ほほほ……
      くすくす………            きゃははっ!!

彼女達は皆笑っていた。さっき妄想したときよりも扇情的な表情で。
女達はマントの裾を引きながら私を取り囲む…。

「女達は皆、魔女……」

由梨香が言葉を紡ぐ…、初めて出会った時に私に聞かせた言葉…
女達は私を囲んだままどんどん距離をつめ、そして一斉に手を伸ばしてくる。

「甘い色香に惑わされて一度捕まれば、後は容赦なく搾り取られるの…。」

女たちの手が私の手足、身体のあちこちを掴み、そして撫で回す…。

うふふふふ……!!

あははっ!!

バサァ、 バサバサッ、 ぶわぁっ!!

一斉にマントを翻し、私の身体に纏わり付いてくる。彼女達のマントの下は一人の例外なく裸…。

29真夏の夜の夢 11:2013/01/12(土) 13:27:49
“ひ…っ!! あっ! ああぁ……、 あああああああああっ!!!”

私の身体を女達の舌が這う…、手が這う……、髪がくすぐる……
脇の下、股の間、ペニスの根元から先まで……

「それがわかっていても、貴方たち男は一時の肉欲に酔い痴れ、
快楽の泥沼の中で溺れてしまうのよ……。」

女達は笑いながら私を味わう…。 私の身体は彼女達の唾液でたちまちドロドロになる。女達の匂いが混じりあい、鼻が腐り落ちてしまいそうな甘い芳香となる。

「どこまでも深く…、深く…… 魔女たちのマントの中へ………

ほほ…、ほほほほっ!!」 

いくつものマントにより何重にも包みこまれ、女達の放つ熱気がその中に充満する。その度に彼女達の匂いが一層濃厚になる…

ああ……、熱い……、熱い……

身体が……、 溶けてしまう………

たすけて………、 だれか………
 
由梨香…… 

由梨香おねえさま………


「うふふ……、なんて愚か……
愚かで……、哀れで……、 たまらなく愛しい………。」

由梨香が歩み寄ってくる…。
私はぐったりしたまま由梨香を眺める。

「私の物に……、してあげる………。」

ブヮサアアアアアアァッ!!

由梨香がマントを拡げると、裏地の真紅が闇の中へ広がっていき、そのままわだかまることもなく空間を覆い、文字通り翼のようになった。

30真夏の夜の夢 12:2013/01/12(土) 13:30:01
マントの下から現れた裸体はまさしく女神のそれと見紛うほどだった。
大きな胸、適度に肉の付いた身体、それでいてちゃんとくびれがあり、肩から足先までにかけて綺麗な曲線を描いている。

これは私の想像に過ぎないはずなのに、彼女の全身を細部に渡って思い浮かべることが出来る…。

私は……こんなにも由梨香のことを……

由梨香はマントを広げたまま私に近づく。
女達は彼女が入るスペースを開け私の身体を差し出す。

そして由梨香は私に抱きつき、両側からマントで覆いこんできた。

マントは冷たい感触で、私の身体を包み込む。
そしてそれとは対照的な、柔らかく熱い肉体が私の身体にみっしりと重なってくる。

由梨香は抱きつくなり私の顔中を舌で舐め回し、たっぷりと唾液にまみれた唇でキスをしてくる。

「うあぁぁ……!! ゆ…由梨香お姉さまぁぁ!!」

彼女の手が私のペニスを、じっとり濡れたヴァギナへと導く。
ペニスはたちまち蜜まみれにされ、彼女の中へズブズブと引き込まれてゆく…。

「ああぁぁ……!! ぁぁああああああああ!!!」

びゅるるるぅ〜〜〜、びゅるびゅるびゅるびゅる…、

ずっと塞き止められていた精液が一気に迸る。
股の隙間から精液が飛び散り由梨香の身体やマントに降りかかる。

「ほほほほ…!! お前はもう決して私からは逃げられないわ。
私の為に生き、私の為に精を捧げ、死ぬまで私の為に奉仕し続けるがいいわ…!!
おほほほ……っ ほほほほほほ………!!

普段のオナニーでは決して出ることの無い大量のザーメンが途切れることなく吹き出て、彼女の膣の中に流れ込んでゆく。

結局はいつもと同じ……、私は夢の中でさえ彼女から逃れることは出来ないのか…。

纏わりつく女性達の肉体とマントの中で私はガクガクと身体を震わせ、
いつ終わるとも知れない快楽に溺れ続けた……。

31真夏の夜の夢 13:2013/01/12(土) 13:31:58
「う………っ!!」

気が付くと私はトイレの個室の中で腰を抜かしていた。

目の前の壁には大量の精液がべっとりとついている。

「う〜ん…、頭が痛い……。」

オナニーでここまで疲弊するなんて初めてだ…。
これも由梨香のせい…?

なんでも由梨香に関連づけるのは良くないと思うが、それ以外考えられないのが不気味なところだ。

「あまりすっきりはしないけど……、これで身体は落ち着いたかな……。
早く帰ろう……。」

フラフラしながらトイレを出て私はホームへ向かった。
しかし、私が列車を降りたときには会社帰りの人でごった返していたホームには人影がほとんど無かった。

「そんな……、どうして……!!」

時計を見て唖然とする。トイレに駆け込んだときは20時くらいだったはずなのに、既に日付が変り終電もない時刻だったのだ。

(私は4時間以上もあのトイレに…?!)

ここから家まではまだまだ遠い。電車が無い今どうやって帰ればいいのか。
私は困り果てたが、そこである事実に気が付いた。

(待てよ、この駅って確か……。)

携帯を取り出し、一番新しいメールを確認する。
そこに書かれていた駅名を見たとたん。私の腕が震えた…。

「あ……ああぁ……!!? そんな……嘘だろ………!!」

私が今居る駅、それは今日、由梨香に指定されたホテルの最寄駅だったのだ。

顔を斜め上に向けプラットホームの屋根の上を見てみると、そこには天まで届きそうな高層ホテルの影が私を見下ろすように聳え立っていた…。

32真夏の夜の夢 14:2013/01/12(土) 13:33:23
×××プラザホテル 午後8時12分

「前田、料理長がお呼びだぞ。ルームサービスを届けて欲しいんだとさ。」

「え…? なんで俺が…?」

新米のホテルマン、前田彰は突然の知らせに戸惑った。
普段はベルボーイである彼がルームサービスを届けるなんて初めてのことだったからだ。

「他に人は居ないのか? 今日はそんなに混んでないのに…。」

「あぁ…、なんともおかしな話さ。支配人が厨房に直接連絡してお前に運ばせるように言ったんだってよ。 
なんでも、スイートルームに停まってる客から直々のご指名だそうだ。
さっき見たあの美人さんだぜ……。」

「え…? あの人が…?」

今日の午後6時頃、一人の女性客がホテルを訪れた。
深い真紅のコートに身を包みウェーブ掛かった長い髪をたなびかせるうら若きマダムといった感じの女性。 それは秘密の交際相手を待つために一足早くやってきた由梨香だった。

前田に限らず、その場にいた誰もが彼女の姿に目を奪われた。
彼女がフロントでチェックインを済ませて、自分が乗るエレベータに向かってきたとき、他の同僚やフロントにいた客が彼女の後ろ姿に見惚れていたのを憶えている。

「とりあえず気をつけとけ……、ホテルでもこういうことは稀にあるんだ。
何か変なこと言われても、不快にさせないように丁重に断れよ?
客とスタッフのトラブルはホテルのイメージに関わるからな…。」

「あ……あぁ…、わかってるよ。」

33真夏の夜の夢 15:2013/01/12(土) 13:34:51
前田は厨房で料理を受け取ると、それを持ってエレベータに乗った。

「…………。」

料理を載せた台車を押しながら彼はあの女性のことを思い出していた。

チェックインの後、エレベータで上がっている間、前田はその女性の方をちらちらと見ていた。

美しい……、あきらかに一般人とは違う雰囲気を漂わせているが、モデルさんかなにかだろうか…。

見ているだけで心臓がドクドクと高鳴り、聞かれていないか不安だった。
ようやく最上階に着き、彼女は案内係に連れられて降りていった。

しかし、その後ろ姿を見送ろうとしたとき、彼女は不意に前田の方を向き彼に向かって微笑んだのだった…。

(あのときの笑顔は…そういう意思表示だったのか……?)

その時のことを思い出すだけでまたしても胸が高鳴ってくる。額に汗が滲み、股間に血液が集まってくるのがわかる。

(だめだ……っ!! いくら綺麗な人だからって…。彼女はお客なんだ。
変な態度を見せちゃいけない……。)

そう自分に言い聞かせても心を落ち着かせることは難しかった。
そうこうしているうちに彼女が泊まっている12‐014号室の前まで来てしまった。

「落ち着いて……、失礼の無いように………。」

前田は意を決してノックをしようとした。 そのとき……

「いらっしゃい……。」

女性の声と共にドアが開いた。

「え……っ!?」

ドアが開くと、そこにはあの女性が笑いながら立っていた。

「ふふふ……。」

自分の姿に釘付けになった前田を見て、由梨香は面白そうに微笑んだ。
今の彼女は身体をすっぽりと覆い隠す黒いマントを羽織っていた。

前田は初めて見る異様な衣裳に驚愕し、しばらくあっけにとられていた。

「早かったわね。さぁ…中へ……。」

由梨香は前田を残したまま部屋の奥へ戻っていった。
マントの長い裾をするすると床の絨毯に引き摺る、後姿はまるで大きな黒いナメクジが這って行くようだった。

34真夏の夜の夢 16:2013/01/12(土) 13:38:50
「あ………、はい…ただいま……。」

前田は気を取り直し、いそいそと料理を部屋の中へ運び込んだ。

部屋の中は小さな室内灯が灯るだけで薄暗かった。
由梨香は両手でカーテンを開き、眼下に広がる夜景を眺めた。
前田は持ってきたワインの栓を抜いてグラスに注ぎながら、ちらちらと彼女の背中に目をやった…。

一体、彼女はなぜマントなんかを纏っているのか…。前田は気になったが当然聞く訳にはいかない。お客の個人的な事情や趣味に口を出すのはサービス業では禁則事項だからだ。

しかし……

最初は驚いたものの、よく見れば見るほどその奇妙な出で立ちには魅かれるものがあった。

彼女の容貌を見て改めて美しいと感じた…。それは前田の同年代の女の子とは違う大人っぽさと、心を溶かすような艶やかさの混じった、蠱惑的ともいえる美しさだった。

そして、マントを羽織ることでその魔女のような艶気は引き立てられ、益々妖しげに咲き誇っていた。
由梨香の肩から床にかけて優美な曲線を描いて垂れ下がる黒いマントは彼女の後姿を高貴で近寄りがたいものに見せ、まるで窓の下に広がる街に君臨する女王様のような雰囲気を漂わせていた。

「ここから見る夜景はなかなか見事だわ…。」

身体を動かさないまま彼女は言葉を発する。前田はドキリとしたが、なるだけ冷静に受け応えた。

「えぇ……ありがとうございます…。素晴らしい夜景は当ホテルの自慢でございますので……。」

「この夜景を見ながら飲むワインは格別でしょうね……。
料理も最高の物でなくてはならないわ……。」

由梨香は振り返り、前田を妖しげな流し目で見ながら微笑む。

「とっても、美味しそう………。」

前田の手が震えてくる……。目を逸らしてはいても、彼女の視線がテーブルの上の料理ではなく自分に対して注がれていることはわかった。

今、彼の心の中では、一刻も早く彼女の目から逃れたいという恐怖にも似た思いと、その視線に吸い込まれてしまいたいという相反する思いに掻き乱されていた。

35真夏の夜の夢 17:2013/01/12(土) 13:46:45
「そ……それでは…、し……失礼します………!!」

このままではおかしくなりそうだ……、前田は本能的な恐怖を感じ、そのまま部屋を出て行こうとした。

「うふふ……、ふふふふ………!!!」

彼女の笑い声を耳にした瞬間、ドアに向けて歩き出そうとした前田の足は鉛のように重くなり、そのまま一歩も進めなくなってしまった。

「……っ!!!」

身体は何にも拘束されていない。このまま廊下に出る体力もある。

しかし、彼女の笑い声に含まれる強大なプレッシャーが彼の身体を引き止めた。

「どうして行ってしまうのかしら……? 
貴方にも…、私が言わんとしていることの意味がわかるでしょう…?」

マントが床に擦れる音が後ろから近づいてくる………。

「仕事の事なら安心なさい……、このホテルは既に私の魔力によって支配されている…。もう今頃はホテルの中の誰も貴方のことなんて忘れてしまっているわ。」

背中越しに感じる彼女の気配がどんどんと大きくなり、この部屋全体を埋めてしまうかのように感じられた。

「さぁ……、こちらを向きなさい…。」

その声は頭のすぐ後ろから聞こえた。同時に彼女の吐息と思われる生暖かい空気が首筋に絡みつく……。

既に汗だくになった前田は、恐る恐る振り向く。すると、彼の身体からほんの1メートル位しか離れていない場所に由梨香は立っていた。

由梨香の目には暗い欲望の炎が…、薔薇のような唇は半月型に歪み……
間近で見る由梨香の顔は、既に魔女の顔へと変っていた。
その美しさ……、妖艶さはもはや冷たい恐怖すらも感じさせるほど……

前田の身体の震えはいよいよ隠すことができないものになっていた。

「あら……、そんなに震えて、寒いのかしら…?
なら、私が温めてあげるわ……。」

36真夏の夜の夢 18:2013/01/12(土) 13:56:08
由梨香は前田の目の前でマントを拡げた。

ぶわああぁ……っ!!

前田の視界が、血の様な赤で染め上げられていく。
そして、マントの中にわだかまっていた彼女の芳香が部屋の中へ一気に立ちこめる。 
その、あまりに濃厚な匂いは赤いモヤのような瘴気となって前田の身体を包んだ。

その匂いを吸い込んだ前田は、一瞬だけ意識が朦朧として立ち眩みのような物を憶えたがマントの中から露になった由梨香の身体を目にしたことで急に冴え渡った。

彼女は肌の上に、黒いレースで出来た薄いキャミソールだけを身に付けており、豊満な裸体と扇情的な黒い下着が透けて見えていたのだ。

「うぅ……、あああぁぁ…………っ!!」

その姿を見て…、匂いを嗅いで…、由梨香の魅惑に間近で晒された前田は完全に彼女の魔力に当てられてしまった。

両手が自然に彼女の方へ伸び…、足が勝手に彼女へ向かう。
前田は由梨香の腰に腕を回し、自分から彼女の胸に顔を埋めたのだった。

由梨香が前田の背中に触れると、着ていたホテルの制服が彼の身体から離れるように脱げていき、たちまち裸にされてしまった。

「うふふふ…、たっぷり溺れるがいいわ…。
私の温もりと……、香りの中に………。」

由梨香はマントで前田の身体を包み込んだ。左と右から二重に覆いこみ、彼の身体を外界から切り離すように―― そして、自らの中に取り込んでしまうように。

前田はマントの中でくぐもった悲鳴をあげる。由梨香は滑らかなキュプラと自らの温かい身体で前田を締め上げた。
すると、悲鳴はだんだんと気持ち良さそうな喘ぎ声に変っていき、まるでじゃれつく猫のように顔を由梨香の身体に擦り付けるのだった。

「ふふふ……、やはり若い子は可愛いわ。 あの男が来るまでの暇つぶしのつもりだったけど……、思った以上に愉しいディナーになりそうね。」

37真夏の夜の夢 19:2013/01/12(土) 13:57:33
マントのなかで由梨香の手が前田の背中や脇腹、尻から股まで撫でまわす。
彼の身体がぴくぴくと震えるのを両手に感じながら、由梨香はテーブルの上に目を向けた。

「料理には、味付けがいるわね……。」

由梨香は、小さな壷に入っていたクリームに指を浸す。
その薄黄色いペーストを指先にたっぷり塗すと、手をマントの中に戻し、
そして、その指を彼の肛門の中にまで入り込ませていった。

「あぁ……、あひぃぃ……!!」

生暖かいヌルヌルしたクリームにまみれた指。それが彼の直腸に出し入れされる。

チュック………、チュック………

淫らな音を立てて、由梨香は彼の前立腺を刺激した。

「ふふふ……、お尻を責められるのは初めてかしら、ボウヤ…?」

肛門を弄るたび、前田の身体が腕の中でビクン、ビクンと跳ねる。
身体を密着させている由梨香は愉しそうにその動きを身体全体で受け止めた。

彼女は自分の腕の中で男がのたうつ感覚を味わうのが大好きなのだ…。

由梨香はマントを少しだけ緩め、前田の顔だけを出した。その顔はすっかり緩みきり、目は焦点が合わず、口をだらしなく半開きにして涎まで垂らしていた。

「そんなにおねえさんの身体が気持ちいいの…? 嬉しい…。
じゃあ、御褒美にボウヤを天国に連れて行ってあげるわ……。」

由梨香は舌で唇を舐め唾液をたっぷりと塗した。そしてその唇で、前田の口めがけてキスを見舞ってきた。

「んん……ぅ!!」

マントに包まれて愛撫され陶酔に浸っていた前田の頭は、突然唇を奪われたことで一気に覚醒し大きく目を見開いた。
しかし、由梨香の唇がぬっとりと妖しく吸い付く感触に、強張っていた彼の心は再び溶け崩れていった…。

38真夏の夜の夢 20:2013/01/12(土) 13:58:55
んちゅぅ…じゅる…ぢゅるるる……っ! ぢゅぱっ ちゅうぅ……!!

前田の口の中に真っ赤な舌が潜り込み、彼の舌を絡め取って甘ったるい唾液をドクドクと流し込んでくる……
口の中で由梨香の舌がうねる度に、彼は脳髄が舐め溶かされるような感覚を覚えた。

思考力が奪われ……、身体が肉欲に支配され……、意識も理性も快楽に塗りつぶされる……。

肉棒の先から透明な汁が止め処なく流れ出て、触れてもいないのに身体の内側から白いマグマがせり上がってくる…。

そして、由梨香は止めといわんばかりに喉の奥へ舌をねじ込み。
指を前田の前立腺に思い切り突き入れた。

「……っっっっっっ!!!!!」

びゅるるるる〜〜〜、ずびゅ……ぶりゅりゅりゅりゅっっ!!!

直立した体勢のまま、由梨香のマントの中で粘っこい大量の白濁液が迸る。
精液は由梨香のキャミソール、下着、そして太腿へビチャビチャと降りかかり、彼女の脚を伝って床に滴り落ちた……。

唾液の粘糸を何本も引きながら由梨香の唇が離れ、彼女は満足そうに微笑む。

「はりのある身体……、濃厚な精…… とっても新鮮ね……。
やはり若い男の味は格別ね……。やめられないわ……。」

そして、マントを再び前田の身体に念入りに巻きつけ、きつく、きつく包み締め上げる……。

「さぁ…、溶けておしまい………ボウヤ……。
肉も臓も味わい尽くして……、骨の髄までしゃぶってあげる………。」

由梨香の手がマントを揺らすと、黒い布地は渦巻きのようにジュルジュルと脈動して包み込んだ若い男の身体を愛撫し、舐め回し、こなしてゆく…。

前田のペニスは壊れた蛇口のように精液を垂れ流し続けていた。

やがて前田の身体から段々と力が抜け、その身体はマントの中に沈み始める…。
マントの中から唯一箇所だけ飛び出していた頭もゆっくりとマントの中に没した。

マントは暫らくゆっくりと脈打っていたが、やがてその動きもなくなり、最後はただの濡れた布へと戻ってしまった…。

39真夏の夜の夢 21:2013/01/12(土) 14:00:10
「うふふ…、ふふふふ………
ごちそうさま…………、とっても美味しかったわ…。」

そう言って由梨香は再びマントを開く。

勢いよく広がったさっきと違い、濡れたマントはぐちゃぁ、と音を立てて重々しく広がった。

広げた途端、裏地と由梨香の身体の間にいくつもの粘液の糸が引いた。マントの紅い裏地は、粘液のせいで余計に生々しく光りまるで巨大な粘膜のようになっていた。
 
身に着けていたキャミソールと下着は、すっかり溶けて無くなり、マントの下の身体は一糸纏わぬ裸になっていた。
そして、彼女の足元には大きな水溜りと共に、拳大の元が何であったかわからない歪な肉の塊が転がっていた……。

由梨香は再び窓の方へ歩いてゆき、下に見える駅ビルに目を向けた。

「夏美ったら…、また幻術で遊んでいるようね…。
あの男が来るには、まだかかるかしら……。 今なら、このマントで粘液地獄を味わわせてあげられるのに………。」

彼女は独り言を言うと、マントを脱いでシャワールームへと歩いていった。

40真夏の夜の夢 22:2013/01/12(土) 14:01:29
ホテルの自動ドアを抜けて、私は真っ直ぐエレベータへと向かった。
今までと同じように由梨花は二人分の宿泊料を払っているだろうし、正直、どこのホテルでも同じようなロビーの光景にはうんざりしていた…。

いつも週末に私が行う行動。 由梨花と出会ったあの時から続く習慣と化している。
 そう……、結局何も変らなかった…。

このまま私は由梨花が待つスイートルームに行き、そこで彼女に抱かれ、一晩中弄ばれるのだ。

そう思うと今からどっと疲れが出てくる…。しかし、たとえ今どんなに嫌な気分であろうとも一端由梨花のマントに包まれれば、私は彼女の忠実な犬に早変わりしてしまう。
彼女の身体を求め、彼女が与える快楽をねだり必死で尻尾を振る哀れな犬。

由梨花の前で私は人間ですら無いのだ……。
しかも、由梨花にとってその行為は愛の営みなどではなく、ただ欲望を満たす為だけの遊びだ。私はもう彼女の犬であり玩具だ。 
そんな非人間的な存在に陥るのが怖くて、つい先程までは、それが嫌で彼女から必死に逃げようとしていた。

しかし、今は違う……

絶対に由梨花から逃げられないとわかった今ではそれはかえって救いであるかのように思えてきた。

彼女はこの惨めな気分を快楽によって塗りつぶしてくれる…。
それだけでなく、一週間の間に会社であった嫌なことや溜まっていた鬱憤も彼女は忘れさせてくれた…。

思えば、近頃気張っていた私に安息を与えてくれたのは由梨花の胸の中だけだったのかもしれない…。

例え、男としてのプライドや人間としての権利を彼女に奪われてしまうとしても
本当は由梨花の温かい胸の中に還ることを、私は望んでいるのではないのだろうか……。

そんなことを考えながら私は無言でエレベータに乗り込んだ。

41真夏の夜の夢 23:2013/01/12(土) 14:02:50
「おかしいな〜。 こんな人居たっけ…?」

オフィスで事務処理をしていた女性職員が従業員名簿を見て首を傾げていた。

「どうしたの…? 変な声だして……。」

「あ…先輩、見てくださいよ。 見たことも無い人が従業員名簿に登録されているんです…。」

パソコンの画面には前田彰という名前と彼の顔写真が写し出されていた。

「知らないな…。最近入った人みたいだけど俺はこんな人見たこと無いよ。」

「私もですよ! 同時期に入った人の顔は大抵覚えてるつもりなんですけど。こんな人知らないですし…。 なんか…気味が悪いです……。」

「とりあえず、上に聞いてみたら…? ひょっとしたらもう辞めた人かもしれないし…。もしそうなら消せばいいじゃん……。」

本当は、名前も顔も知っていて数時間前まで言葉を交わしていた筈の同僚の事を今では誰も憶えていなかった…。

彼女は上司にこのことを報告したが、やはり前田彰という人物を知っている者はだれも居なかった。

彼女もそれ以上深く考えることを止めて、その人物のデータを名簿から削除した。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「遅かったわね…、早く入りなさい……」

由梨花の声が響くと同時に部屋のドアが開いた。
当然ながら、このホテルには自動ドア付きの部屋なんて無い…。

私が部屋に脚を踏み入れると、由梨花は身体にマントを巻きつけて立っていた

ドレスのように床に広がる裾から黒い襞が螺旋状に彼女の身体を包み口元を隠している。折り返した襟元の赤が妖しく輝いている。

いつものように、妖艶で優美な佇まい…。睫の長い黒曜石のような瞳の中には薄暗い電灯の明かりが揺れ、何もかも見透かすような瞳で私を見据えている。

「一週間溜め込んだ精液を、私に献上せずに捨ててしまうとは……、
お前は奴隷の自覚があるのかしら……?」

冷たい視線が私に突き刺さる。それだけで私の心臓が鋭い爪の付いた手で鷲掴みされているような圧迫感が襲う…。

「なぜよりにもよって夏美なのかしら…? 年下が趣味なの……?
私の奴隷でありながら、私の妹に対して邪な感情を抱くなんて。
これは私に対する侮辱も同然ね。許しがたい背信行為だわ…。」

あぁ……やはり彼女は何もかもお見通しなのだ……。

駅のトイレで私が何をしていたのかも………、そして、何を考えていたのかも……。

42真夏の夜の夢 24:2013/01/12(土) 14:04:09
「さて…、どうしてくれようかしら?」

由梨花は腕を組み、マントを引きながら私に近づいてくる。
壁に映る彼女の影がどんどん大きくなって私を覆いこみ、彼女のプレッシャーに押し潰されそうになる。

「ゆ……由梨花さま……。」

私は持っていた鞄を落すと、必死にネクタイを外しワイシャツも肌着も脱ぎズボンも下着ごと脱ぎ捨てた。そして裸のまま彼女の前に跪いて必死に釈明する。

「由梨花様、どうかお許しください・・・、私は由梨花様から逃げようとしました!!
由梨花様の奴隷になるのが怖かったのです!! 
でも、今ようやく理解しました!! 由梨花様は私に優しさと慈しみを注ぎ続けてくれたのだと!!
もう、私は貴女から逃げません! ですからどうか私を見捨てないでください! お願いします!!」

床に頭を擦りつけ、喉の奥から声を絞り出す私。由梨花はその様子をさも面白そうに見ていた。

「ほほほ・・・っ!! 随分と都合のいい話ね! 奴隷の癖に私から逃げようとしたうえ、いざ捕らえてみれば“見捨てないでくれ”?
分をわきまえなさい!! お前には許しを請う権利など無いのよ。」

私はよろよろと立ち上がり泣きそうな顔で由梨花を見る。

「お前に私の恐ろしさをおしえてあげるわ・・・。罰を受けなさい!!」

ぶゎさあああぁぁ!!!

由梨花がマントを拡げると、暗い炎のように揺れる真っ赤な裏地から赤い瘴気が湧き出でて甘い芳香と共に私を包んだ。

「うっ!! うぁああああ……!!」

マントの瘴気に包まれた途端、私の身体はおぞましい快感と疼きに包まれた。
まるで、無数の女の手で一斉に愛撫されるかのような感覚だ。 そして、私は見えない無数の手に導かれるまま立ち上がらされ、
マントを広げる由梨花の元へ引き寄せられていった。

43真夏の夜の夢 25:2013/01/12(土) 14:05:28
「私に包まれる喜びと尊さを、今まで以上に教えてあげる必要があるようね。さぁ、私の中へ来なさい。」

由梨花は棒立ちの私に抱きつき、マントで身体を覆いこんでくる。
胸元のマントの合わせ目から、真っ赤な裏地が暗い炎のように揺れるのが見えた。

「あぁぁ………」

ツルツルした裏地が私の皮膚を舐めながら覆ってくる。
心地良くもおぞましい感覚に、私は恐怖と共に興奮を覚えていた。

「私がお前になにか苦しみを与えたかしら?
お前に要求したのは一週間分溜め込んだ精液を私に捧げてもらうことだけよ?
その代わりに私はお前に癒しと快楽を与えてあげたのに・・・・・・。」

由梨花の細い指と長い爪が私の脇腹を撫でくすぐる。
彼女が手を動かすと共にマントが揺れて私の背中や臀部をつるつると撫でてくる。
堪えようも無く、身体がビクビクと震える。

「夏美が結婚したあの男は逆らうことも無く、私達に奉仕してくれるのにねぇ…。 魔女とはいえ今の社会で快適に暮らすには、人間の男を働
かせて収入を得ることが不可欠なのよ。」

や…やはり、夏美さんも魔女だったのか……

きっと輪島もこんな風に、誘惑されて彼女の奴隷と化してしまったに違いない。
あの結婚式も、彼女に永遠の隷属を誓わせられる邪悪な儀式だったのだ

「ふふふ・・・・・・、お前は既に家族を持ったことがあるし、会社でも将来有望。
夏美は、自分の奴隷は童貞であることにこだわっていたけれど、私はそんなことよりも実利を優先することにしているの。
私は前にも一度結婚しているのだけど、その時の夫は体と顔がいいだけの役立たずでね。 私の為に生きるのが嫌になって裏切ったのよ。
もちろん、あの男にはそれ相応の罰を受けてもらったわ。」

ふぅ・・・と彼女は私の顔に息を吹きかける。その生暖かく香ばしい吐息が私の顔を包みこむように纏わりつき、鼻から、口から私の中へと入り込むと眩暈がして足元がぐらついた。

「男は私達の為に働き、私達の足元で喘いでいればそれでいいのよ…。
お前の中に残る私から逃れたいという感情を全て消し去ってあげるわ。」

由梨花のマントを通して私の中に黒い魔力が流れ込み始める。

(ああ・・・、由梨花さまの温もりが・・・・・・、 入ってくる・・・、)

44真夏の夜の夢 26:2013/01/12(土) 17:49:49
マントに包まれて彼女の温もりに浸っているだけで私の意識と身体が見えない力に侵食され支配されるような気分になる…。
窓の外から聞こえる車の音がだんだん遠くなり……
窓の外の夜景がロウソクの火の様に揺れ始め、部屋の灯りも渦のように歪む……

目の前にいる由梨花の美しい顔だけがはっきりと見えて、それ以外の事物は霧のように曖昧な形になってしまった。

「さぁ……来なさい…。 二度と裏切らないように…
私と一つになりましょう……。 この椅子にお座りなさい。」

由梨花は部屋の奥にあった椅子を引き寄せて私にさしだした。
命令されるまま椅子へと腰掛ける私。 一体彼女に何をされるのか…、私は電気椅子に座ってただ処刑の時間をまっているような気分だった。

由梨花は私の膝に跨り、椅子ごとマントで包み込んでくる。
丈の長いマントは私の背中やつま先まですっぽり覆いこんでしまう。
そして、私の身体に自らの肢体を擦り付け、その白い指で私の身体を上から下まで撫で回していった。

マントの中が湿っぽい熱気で満たされ、彼女の肌やマントの裏地に触れた私の皮膚が熱く疼いてくるのが感じられる。

「ひぁぁぅ・・・・・・、 ううぅぅ・・・っ!! ゆ…由梨花様…、一体何を・・・!!」

「お前のその汚い袋をいくら搾ったところで一週間分の精液などでるはずがないわ。
でも私は今すぐに欲しいの。精液が出ないなら、相当の精力で埋め合わせをしてもらうまでよ。」

そして硬くそそり立つ私の肉棒は、彼女のヴァギナの中にズブズブと呑み込まれていった。

「さぁて、いただくわよ…。」

びゅるるるる!!

「……!!? ひっ ああああっ??!」

由梨花の膣に飲み込まれたペニスが熱くなったかと思うと、突然大量の精液が流れ出はじめた。

いや……、確かに射精のような快感が伴っているが、それはどうやら睾丸でつくられたものではないようだ。もっと体の奥の方から湧いて出ているような感じがする。

45真夏の夜の夢 27:2013/01/12(土) 17:53:19
(うわあああああああああっ……!! な……なんだこれぇぇ・・・…!!!
でっ…出るっ…どんどん出てくる…!!)

「私に精液を捧げなかった罰よ。いつもの倍以上のエキスを吸い取らせてもらうわ。お前のその命を削ってでもね!!」

びゅく…、びゅる…びゅびゅびゅ……!!

体から止めどなく流れ出る精液。 体中の筋肉がズキズキと痛み、手足の端から感覚が消えていく。 体のあちこちから水分や栄養が無理やり吸い上げられているのだ。 まさに命を吸われていく感覚。 このまま続けば死に至ることが本能的に理解できるほどの恐ろしい喪失感・・・

なのに・・・・・・なのに気持ちがいいっ!! このまま由梨花様に殺されるかもしれない状況に、私は震えがくるほどに興奮している。

「ぎゃああっ!! ぅああああああああああっ…」

「ほ〜っほっほっほ!! どう? 快楽を伴う射精ではなく、強制的に生命力を搾り取られる搾精よ。 苦しいのに気持ちがいいでしょう。お前の体中の筋肉や内臓から、栄養を染み出させて搾り取っているのよ。
 お前はもう私に命を吸われる事でさえ快楽を感じる体になってしまったのよ。
これで思い知ったでしょう? お前はもう私なしでは生きられないのよ!」

「あ…っ、 あ〜っ!! あああぁぁ!!!」

ヂュルッ ズジュルルル・・・、 ヂュブヂュルヂュル・・・・・・

熱い蜜がギトギトにまみれた由梨花のヴァギナが、貪欲に私のペニスをしゃぶり尽くしていく。 もはやペニスの先から流れ出ているのが本当に精液なのかさえ疑わしい。ひょっとしたらペニスも既に溶けてしまっているのではないかとさえ思えてくる。

「これで一週間分くらいは軽く越えたかしら? でも、まだやめてあげるわけにはいかないわね。 二度と同じようなことが無いよう。今のうちにしっかり思い知らせてやるわ。」

そして、私は自分の体に更なる異変が起きていることに気付いた。 いつのまにか目の前の由梨花の体が大きくなっているように見え、自分の体をみてみると、まるで風船がしぼむように縮んでいた。

「うわあああ、か・・・・・・身体が!! どうなってるんだ…!!」

46真夏の夜の夢 28:2013/01/12(土) 18:06:31
「お前はしばらくの間、溶けて私の一部になってもらうわ。 二度と外へ精液を捨ててしまわないよう私の子宮の中に閉じ込めてあげる。
そして精液が出来る度に絞り出してあげるわ。 そうねぇ、 数ヶ月分くらい出してもらうまでは私の中に居てもらおうかしら?
それくらい、私のおまんこに溺れていれば、愚かなお前でも私のありがたみを理解できるのではなくて・・・?」

ぐちゅぐちゅ・・・、どろろ・・・・・・ どくどく

「ああ・・・、と・・・とける・・・・・・。 お願いです・・・ゆるしてください・・・・・・。 由梨花さまに二度と逆らいませんから・・・。」

「ふふふ、本当にそこまで忠誠を誓っているのなら、これくらいの責め苦には耐えられるわよねぇ?」

手足も胴体も縮み、私の体は人形のように小さくなってしまった。 彼女の膣が チュボ・・・、チュボ・・・、と徐々に私の体を取り込んでいく。
私は由梨花様に許しを請うが、いくら必死にさけんでも今の私には虫の羽音くらいの声しか出せない。

「ほ〜ら、もうこんなにとろとろ・・・、 怖いかい? 前の不届きな夫もこんなふうに取り込んでやったのよ。裏切り者がどういう運命を辿るか思い知りなさい。 あの時は、死ぬまで吸い尽くしたあとそのまま溶かしてしまったけど貴方はどうしようかしらねぇ?」

「あぁぁ・・・・・・、由梨花さま・・・っ!! こわいですっ たすけてっ!!! 由梨花さまぁぁぁっ!!!」

ぢゅ・・・、ぢゅ・・・、 じゅるる・・・、 ごきゅ・・・

私の体は腰、背中、肩まで飲み込まれた。そしてとうとう残った頭も、生々しく蠢くビラビラの間へと没してしまった。

47真夏の夜の夢 29:2013/01/12(土) 18:08:49
「おとなしく私のオモチャに徹してればいいものを・・・。 逆らうから痛い目を見るのよ。 
せいぜい快楽地獄の奥底で懺悔し続けることね。」

それから、私は実に2週間もの間、由梨花の胎内に閉じ込められてしまった。 私の体は膣の内壁と同化し、子宮の中を満たす熱いジュースに昼夜を問わず灼かれ続けた。 そして、彼女が新たに食事をする度に子宮が収縮し、絨毛が私の体を舐め回すのだ。そんな生き地獄ともいえる状態の中で私の精神は絶え間ない快楽の末に狂わされていった。 生まれる前に戻ったような感覚とともに、この狭い空間に捕らえられていることに、充足感と幸福感を覚えるようになり、やがてそれは私をここへ閉じ込めた由梨花への狂おしい敬愛へと変わっていったのだ。 

ようやく開放されても、私は由梨花様の胎内が恋しいあまりに咽び泣き、頭を地面に擦り付けながら彼女への感謝と謝罪を口にしつづけた。
それ以来、私が彼女から逃げる気など一切起きなくなった。 もはや、由梨花様は私にとって神に等しい存在と化したのだ。
週に2日間、私は彼女のマントに溺れ精液を捧げ続けた。 そして、彼女の許しがあったときにはほんの少しの間ではあるが、膣の中へ入れてもらえるのだ。 そんな生活がおよそ数ヶ月続いた後、ついに私は由梨花と結ばれることになった。

かつて、友人の輪島が式を上げたのと同じ教会で私は由梨花を娶った。 前と同じように大勢の友人達が祝福してくれている。その中には、だいぶやつれたように見える輪島と、それとは対照的にますます美しくなった夏美の姿もあった。

神父からの言葉を聞いた私は、花嫁のヴェールをまくりあげ、相変わらず妖しく微笑む由梨花に誓いのキスを送った。
普段、彼女と交わし合う濃厚な口付けに比べれば、あまりにも軽いキス。 しかし、その意味の重さは比較にならないほどに大きかった。

なぜなら、そのキスは私が目の前の美しい魔女に一生を差し出すことを誓う儀式なのだから・・・

48真夏の夜の夢 30:2013/01/12(土) 18:14:14
ぐちゅぐちゅ・・・、どろろ・・・・・・ どくどく

「ああ・・・、と・・・とける・・・・・・。 お願いです・・・ゆるしてください・・・・・・。 由梨花さまに二度と逆らいませんから・・・。」

「ふふふ、本当にそこまで忠誠を誓っているのなら、これくらいの責め苦には耐えられるわよねぇ?」

手足も胴体も縮み、私の体は人形のように小さくなってしまった。 彼女の膣が チュボ・・・、チュボ・・・、と徐々に私の体を取り込んでいく。
私は由梨花様に許しを請うが、いくら必死にさけんでも今の私には虫の羽音くらいの声しか出せない。

「ほ〜ら、もうこんなにとろとろ・・・、 怖いかい? 前の不届きな夫もこんなふうに取り込んでやったのよ。裏切り者がどういう運命を辿るか思い知りなさい。 あの時は、死ぬまで吸い尽くしたあとそのまま溶かしてしまったけど貴方はどうしようかしらねぇ?」

「あぁぁ・・・・・・、由梨花さま・・・っ!! こわいですっ たすけてっ!!! 由梨花さまぁぁぁっ!!!」

ぢゅ・・・、ぢゅ・・・、 じゅるる・・・、 ごきゅ・・・

私の体は腰、背中、肩まで飲み込まれた。そしてとうとう残った頭も、生々しく蠢くビラビラの間へと没してしまった。

「おとなしく私のオモチャに徹してればいいものを・・・。 逆らうから痛い目を見るのよ。 
せいぜい快楽地獄の奥底で懺悔し続けることね。」

それから、私は実に2週間もの間、由梨花の胎内に閉じ込められてしまった。 私の体は膣の内壁と同化し、子宮の中を満たす熱いジュースに昼夜を問わず灼かれ続けた。 そして、彼女が新たに食事をする度に子宮が収縮し、絨毛が私の体を舐め回すのだ。そんな生き地獄ともいえる状態の中で私の精神は絶え間ない快楽の末に狂わされていった。 生まれる前に戻ったような感覚とともに、この狭い空間に捕らえられていることに、充足感と幸福感を覚えるようになり、やがてそれは私をここへ閉じ込めた由梨花への狂おしい敬愛へと変わっていったのだ。

49真夏の夜の夢 31:2013/01/12(土) 19:01:03
ようやく開放されても、私は由梨花様の胎内が恋しいあまりに咽び泣き、頭を地面に擦り付けながら彼女への感謝と謝罪を口にしつづけた。
それ以来、私が彼女から逃げる気など一切起きなくなった。 もはや、由梨花様は私にとって神に等しい存在と化したのだ。
週に2日間、私は彼女のマントに溺れ精液を捧げ続けた。 そして、彼女の許しがあったときにはほんの少しの間ではあるが、膣の中へ入れてもらえるのだ。 そんな生活がおよそ数ヶ月続いた後、ついに私は由梨花と結ばれることになった。

かつて、友人の輪島が式を上げたのと同じ教会で私は由梨花を娶った。 前と同じように大勢の友人達が祝福してくれている。その中には、だいぶやつれたように見える輪島と、それとは対照的にますます美しくなった夏美の姿もあった。

神父からの言葉を聞いた私は、花嫁のヴェールをまくりあげ、相変わらず妖しく微笑む由梨花に誓いのキスを送った。
普段、彼女と交わし合う濃厚な口付けに比べれば、あまりにも軽いキス。 しかし、その意味の重さは比較にならないほどに大きかった。

なぜなら、そのキスは私が目の前の美しい魔女に一生を差し出すことを誓う儀式なのだから・・・

50真夏の夜の夢 32:2013/01/13(日) 14:55:20
由梨花と私が結ばれてからしばらくのこと…

私の家の二階には、私が趣味で使っている部屋がある。いや、あったと言うべきか。私は写真を撮るのが趣味でそれを額縁に入れて飾り、ギャラリーのようにしていたのだ。
妻と別れて、精力的に仕事に打ち込んだ私のささやかな趣味だったが、数日前ほど前からこの部屋は原型を留めない程に様変わりしてしまった。
壁という壁は黒い暗幕で覆われ、西洋風の机の上にロウソクの灯りが揺れる部屋はまるで、たまにテレビで見る怪しい占い師の部屋のようだった。窓もカーテンで被われ、昼でも薄暗い部屋は我が家に巣食う魔女の居城に相違ない。


……ぐちゅ、ぐちゅるる…、ヂュボ…、ヂュバ……っ!!

「ひぁぁっ!! あぁ……っ! ああああ……っ!!」

ざわわ…、バフッ、シュルル・・・

部屋の中心に置かれた、手術台のようなベッドの上で私は手足を拘束され、今日も魔女たちへ生贄に捧げられる。

「あははは…、すごい悲鳴…、ほぉらほら、もっとお姉さんにザーメンあげないと、もっともっと苛めちゃうわよ!!」

こちょこちょこちょ…

「いぎっ ひっひぅぃぃぃ……っ!!」

いつもは由梨花によって苛められる私だが、今日は夏美も来ていた。輪島の奴が彼女にあまりにもハイペースで搾り取られたせいで入院中だから彼の代用として私が暇つぶしの相手にされているのだ。

「んん…、じゅぽ…、ごく……んふふ…、本当によく出ること…、精力が付く食事を毎日与えてやっているだけのことはあるわね。」

(ひ…、ひぃぃっ す…吸われる……、か…からだが……、溶かされる……!!)

由梨花は69の体位で私に覆い被さり、私のペニスをしゃぶって精をごくごくと吸い上げていく。彼女のスカートが私の頭に覆い被さっているため中は密閉状態で息をするのも困難だった。
その上、興奮する由梨花のアソコから滴り落ちるねっとりしたジュースとその香りが顔に纏わりつき、私は既に虫の息だった。

一方の夏美は私の体から精を残さず吹き出させようと、ベッドのまわりから私の体を擽ってくるのだ。以前、輪島は彼女の擽りによって毎晩失神するまでイカされているという話を聞いたが、どうやら本当らしい。
爪の先、爪の表面、そして指先で、絶妙な力加減で擽る指が一度でも通ったところは、彼女の指が離れた後もこそばゆさを吐き出しつづけていた。

51真夏の夜の夢 33:2013/01/13(日) 15:01:42
「ふふふ…、夏美女王様のテクニックもなかなかのものでしょう? もっと快楽のスイッチを押してあげるわ。ほら、ほぉーら…。こちょこちょこちょ…」

彼女の爪の先が、脇腹から膝に至るまでツーッ、と滑っていき、ときたま指先でちょん、ちょん、と体の数ヶ所を軽く突く。すると、彼女の触れた場所から水面に波紋が広がるように快感が体中に伝播していくのだ。
その波紋は互いにぶつかり合って強くなり、体のあちこちで快感の共鳴が起きて、ますます体がふやけていくのだ。

「ひゃああぁぁ・・・、んあぁぁんっ!! や…やめてぇ……。」

体の内側を走る気持ちよさに体ががくがくと痙攣し、魚のようにびくん、びくんと跳ねる私。その度に新たな精液が どびゅっ、と吹き出し、由梨花の口へ流れ込んでいくのだ。
このまま神経がぐちゃぐちゃに混線したまま、おかしくなってしまうのではないかと心配になるほどだった。

「じゅる…っ じゅ…、ふふ…その調子よ夏美…。今度交代する時はこのスカートでたっぷり絞り出して上げるから、もう少しがんばってちょうだい。」

「別にいいわよ…。お姉さんが全部飲んでいいわ。 ケンちゃんのに比べて粘りがないしいい加減薄くなってるころよ。」

「それは、貴女が最初に吸いすぎたからよ。相変わらず食い意地が張ってるんだから。そんなだからこんなに早く夫を病院送りにするのよ。」

「それ、ちょっと言いすぎじゃない? ほんと意地悪なんだから…。」

由梨花に搾り取られる前に、私は夏美のフェラチオによって散々イカされた後だったのだ。今でも彼女の口元には飲みかけの白濁液が付着している。
ぽってりと厚い由梨花のセクシーな唇とは違い、ややアヒル口でぷるんとした若々しい唇によるフェラは由梨花とはまた違う快楽で私を骨抜きにした。
“味見”などといって突然ズボンを下ろした彼女は。私のペニスにしゃぶりつき。ものすごい勢いで私のエキスを搾り取ってしまったのだ。

「それより、この人すごく感度がいいのね。この悲鳴を聞いている方がまだ楽しいわ。 ほ〜ら、こちょこちょこちょこちょこちょっ!!」

今度は爪の先で、私の足の裏をくすぐってきた。

52真夏の夜の夢 34:2013/01/13(日) 15:09:41
「ああ〜〜、 あ〜〜〜〜っ ひぃぃぃぃ……っ!!」

指先一つで私はみっともなく悶えつづける。夏美の擽り攻めは拷問以外の何者でもなかった。散々擽られた末に意識も遠のいていくようだ。

その時、由梨花が時計を確認していった

「ところで夏美、そろそろ昼時よ…、あの子が帰ってくるかも。」

それを聞くと、夏美は手を止める。

「ふふ…例の子ね? じゅる……、ふふ、待ちくたびれたわ。初対面だから丁寧にご挨拶しないとね。」

悪魔の姉妹は互いに顔を合わせニヤリと笑いあった。

「ま…まってくれ…、誠を・・・どうするつもりなんだ…?」

二人の口から出た誠の話題を聞いて私は、飛び起きようとした。しかし、二人に遊ばれ尽くされた今、まともに動ける体力など無かった。

「どうしたもこうしたも…、決まっているでしょう? まさか、貴方みたいなオジサン目当てでわざわざ来たと思ってるの?」

「うふふ…、いっておくけど貴方の仕事ぶりには本当に助かっているのよ。結婚して本当によかったと思っているわ。
でもね、“食事”はやはりいろんな味があった方がいいじゃない。これもバツイチで子持ちの貴方を選んだ理由の一つよ。」

そういうと、由梨花は濡れたスカートを脱いで私の方に投げてきた。スカートは空中でブワァッ、と大きく広がり私の全身に覆い被さった。

「ああぁ……!!」

濡れたスカートは私に覆い被さって、体を飲み込んでいった。私は袋詰めのような状態にされ、スカートに染み付いた由梨花の匂いと温もりによってよがり狂わされた。

「その体じゃ何もできないだろうけど、どんな小さな邪魔でもしてほしくないの。
貴方はそのスカートと遊んでいなさい。」

「じゃあね、おじさま。 それなりに楽しませてもらったわ。抱くのはもうごめんだけどね、あははは!!」

一人残された私は、暗い部屋の中で由梨花が脱ぎ捨てたスカートによって攻め狂わされるだけだった。

なんということだ…、こんなことになるなんて……。
私は自分が犯してしまった間違いに絶望した。私は由梨花には自分の体だけを差し出せば満足してくれると勝手に思い込んでいた。
しかし、あの魔女はそんなことで満足するような女ではないのだ…。彼女は私の全てを要求してくる。それはつまり息子もということだったのか。

53真夏の夜の夢 35:2013/01/13(日) 15:19:03
「ま……まこと…!!」

私は魔女と結ばれることの恐ろしさをようやく理解した。しかし、時は既に遅すぎたのだ。

父が島原由梨花という女性と出会ってから再婚に至るまでそう長くは無かったと記憶している。

母と離婚して以来、あの明るかった父は酒に溺れるようになりそれまでの幸せな生活は脆くも崩れ去ってしまった。

優秀だった営業成績は急落し会社に居られるかどうかさえ危うい状態だったが、一人で俺を育てるために気持ちを奮い立たして
なんとか業績を持ち直したのだ。

だから、そんな父が突然、一人の女性を俺に紹介してきた時はとても驚いた。

その女性、由梨花は44歳の父よりもずっと若い32歳。

別れた母よりも若く、しかもバツ1だというのだからたまげたものだ。

あの、真面目で女癖も悪くない父の突然の所業に俺は最初は戸惑ったものの、父がこの女性を再婚相手として迎えた理由はなんとなくわかってきた。由梨花は美人な上にとても奥ゆかしく要領のいい女性に見えた。
家事全般を卒なくこなし、家計を支える良妻賢母の鏡のようだった。

父も彼女のことを大層気に入っており、仕事も元のペースを取り戻しつつある。
そう…、俺はまた幸せな日々が戻ってくると思い始めていた……
だが、一方で俺はどうも腑に落ちないものがあった。俺はどうも由梨花がいる生活空間に馴染めないのだ。

それは俺があの人を“ユリカさん”と呼ぶことにも関係するのだが……

父の年齢に不釣合いな若妻とはいえ、俺からすれば大人の女性。

十分、母親と呼べる年齢ではあるが、俺にはどうしても彼女を“おふくろ”と呼ぶ気にはなれなかった。

それに、父に対しては良き妻として振舞っているものの、彼女が俺に向けるちょっとした態度や、一瞬遣わせる視線の中に俺は不自然なものを感じていた。 それに、彼女が家に来てから父の様子が少し変になったのも気掛かりだった。

例えば二階にある父の自室。写真撮影を趣味にしている父はあの部屋に沢山の写真を飾っている。出張先で撮った物や休日に散歩に出て撮ったもの等様々だ。あの部屋で俺はよく写真を見せてもらった。父は上手く撮れた写真を見せていつも誇らしげに説明してくれるのだ。

54真夏の夜の夢 36:2013/01/13(日) 15:33:48
しかしつい先日、父はあの部屋にはもう勝手に入らないよう俺に釘を刺してきたのだ。
父のギャラリーだった部屋は写真が全て取り外され、現在は由梨香と父の寝室として使われているらしい。おそらくは2人の愛の巣なのだろう…。
だが、家で一番広い部屋とはいえ、なぜ父はわざわざ自分の趣味を捨ててまで由梨花との二人きりの部屋を作ったのかどうも不可解だった。

だが、そのような疑念があったにしても、俺はなるべく表に出さないようにしていた。 彼女が父にとって良き妻であることは変わらないからだ。
この漠然とした不安も所詮は俺の幻想なのかもしれないと そう自分に言い聞かせていた。

そう、今日、この日までは……

土曜日の正午、部活が休みで俺が珍しく早めに帰ってくると、玄関に見慣れない靴が置いてあった。若い女性向けの白いハイヒールだ。今日は誰か客が着ているのだろうか。父も今日は家にいるはずだが靴が無いところをみるとどこかへ出かけたのだろうか

居間に行ってみると。ソファに向かい合って由梨花と客がお茶を酌み交わしていた。
肩の大きく露出した深紫のタフタのイブニングドレス姿の由梨花は、正面に座る白いワンピースを着た若い女性となにやら話している。

「あら、お帰りなさい…、早かったのね。」

「えぇ…、今日はちょっと……。」

いつも、俺と由梨花の会話はこんな感じ…。上記の理由の為、俺は彼女に対して敬語を使う傾向にある。
すると、もう一人の女性が話しかけてきた。

55真夏の夜の夢 37:2013/01/13(日) 15:36:28
「君が誠くん? はじめまして。私は輪島夏美。由梨花ママの妹で〜す!」

「由梨花さんの…? そうなんですか…。」

「待ってて、今、貴方にもお茶を淹れるから……。」

「父さんはどこへいったの? 車も出してないみたいですけど。」

「いつも通り、写真を撮りにいったわ。遅くなるかもって言ってたから夕方頃まで帰ってこないかもね。」

「誠くん、ここ座りなよ。開けてあげるから」

「ありがとうございます。」

俺は夏美の隣に座り、出されたお茶をご馳走になった。すると夏美は俺に対して興味をもったのか、いろいろと話題を振ってきた。

「ねえ、誠君は高校ではサッカー部なんだってね? かっこいいな〜、モテるんじゃない?」

「いや…、別にそんなことはないですけど・・・?」

「え〜っ? 本当? 私だったら君みたいな子は放っておかないけどな〜。」

「こら、夏美。あまり質問攻めにしないの。困っているじゃない。」

「いいじゃん、これくらい。ね〜?」

由梨花とは違ってずいぶん人懐こい性格の人だな〜と思った。
そして改めて夏美のことを見てみた。さすがは由梨花の妹だけあって、姉と同じく美人だ。だが、由梨花が大人の女性としての色気を醸し出しているのに対し、夏美は童顔も相まって少女のように無垢な印象を与える。白いサテンのワンピースや短い髪型といい姉とは対照的な活発なイメージを感じさせる。
聞くところによると彼女は27歳で、つい先日結婚したらしい。そういえば、父もその式に出席したと言っていたか。

56真夏の夜の夢 38:2013/01/13(日) 15:41:06
それから暫く談笑した後で、俺は席を立った。

「俺、ちょっと宿題あるんで部屋に行きます。」

俺が立ち去った後、二人は俺が出て行ったドアを暫く眺めていた。

「中々、そそるボウヤね…、姉さん。」

「ふふ・・・、やはり貴女もそう思う?」


部屋に向かう途中で、ふと和室の中を見ると部屋の奥に洗濯物が畳んでおいてあるのを見つけた。

親父のもの…、俺のもの…、そして由梨花のものと分けておいてある。 せっかくだから持っていくとしよう

由梨花は黒を基調とした服が好みらしく、ブラウスやワンピース、スカートも黒が多いし、肘まで覆う黒い手袋まであった。黒い服に身を包んだ彼女はまるで寡婦のようにも見えるが、一方で妙な艶やかさを漂わせていたのを覚えている。
もっとも、あんなに綺麗な顔なのだからもっとお洒落な服を着てもいいのにと思うが、

「ん…?」

ふと、俺はその中に見慣れない衣服を見つけた。

片方は黒で、裏側は真っ赤。袖もなければ、ボタンもない…、材質はわからないがサテンかキュプラだろうかツルツルしている。 

由梨花がよく弾くピアノのカバーかとも思ったがそれとも違う。 拡げてみると

「これって…、マントか…?」

そう、それは紛れもなくマントだった。それもドラキュラが着るような黒と赤のマント。由梨花がこれを? 防寒着としてはやや派手だが…外出に着ていったところなんて見たことはない。

しかもサイズが大きい。由梨花は女性にしては長身だが、それにしたってこの大きさでは裾を引き摺ってしまうだろう。
こんなのはとても普段着るような物には思えない。

「それ…、気になる?」

突然の声に振り返ってみると、由梨花が微笑を浮べて立っていた。
しかも、たった今来た様子ではなく、ずっとそこで見ていたようだった。

「あ…、いや、これは……その…。」

俺は戸惑った。 いくら身内とはいえ、女性の衣服を勝手にいじくるというのはさすがにまずかったかもしれない。

57真夏の夜の夢 39:2013/01/13(日) 15:44:27
だが、彼女はそんなことを気にしていないような笑顔で言葉を続ける。

「それ、着てみましょうか…?」

「え・・・っ?! でも・・・。」

「ふふ…、気にしないで。 ○○さんの前ではよく着ているから…。」

父の前でよく着ている…? 一体どういうことだろう…。

そう言っているうちに由梨花はエプロンを外し、イブニングドレス姿になると、マントを両手で拡げ、肩に羽織った。髪を掻き上げて襟を立たせると胸元で紐を結んだ。由梨香のスマートな身体を黒い布がふわりと包み隠す。彼女が裾を摘まんで身体に巻きつけると、緩やかにくびれた腰のラインがマントの表面に浮かび上がった。

「キュプラ製のフルサークルマントよ。アイルランドの仕立て屋さんに特注したの。」

マントの丈は長身な由梨花の踵よりもいくらか長く、彼女が両手で持って正すと
裾が床をさらり、と撫でて彼女の足元にわだかまった。

「ふふ、やっぱりマントはいいわ。 どんな服よりも着心地がいいもの。」

由梨花はドレスを摘み上げるような手付きでマントの脇を摘み少しだけ開いて見せた。
彼女の上品な顔立ちもあってか、マントを羽織ったその姿はまるで女王様のような気品を漂わせている。

うら若き乙女から大人の女性へと変る、熟れ頃
普段から彼女はよく笑うが…、今マント姿の由梨花が浮べる笑みは、いつにも増して艶やかな色気を帯びているように見える。

「どう? 似合うかしら?」

「えっ?」

由梨香の質問に俺はどう返答すればいいのか迷った。ドレスや帽子ならともかく、彼女が着ているのは飾り気の無い黒一色のマント。
“綺麗です”と応えるのは無理がある気がするし、かといって素直に似合うと言うのもなんだかかえって失礼な感じがする。
むしろ、素直に感想を言うとすれば…。

「まるで、魔女みたいだと思わない?」

思わずドキッとした。真っ先に考えていたがあまりにも失礼だから口にしなかった感想を言い当てられたからだ。

「い…いやその……、そういうわけじゃ…。」

「ふふふ…、素直に認めていいのよ。 魔女を魔女と言ったって何も悪くないでしょ?
 魔女に一番似合う衣装と言ったらマントなんだから当たり前なのよ。
さぁて、果たして君はどうするのかな? お父さんが魔女と結婚するなんて大変なことだと思わない?」

58真夏の夜の夢 40:2013/01/13(日) 15:45:43
「はぁ…,それは大変ですね。」

俺は棒読みの様な口調で答えた。

変な趣味の人だ…、俺は心の底からそう思った。父は彼女のこの趣味を知った上で結婚したのだろうか?

しかし、彼女の“魔女”という言葉にはどうにも納得させられるものがあった。
マント姿の彼女は、普段着の時よりも妙に様になっているのだ。

妖しげな色気を漂わせる容姿もさることながら、父との不可解な関係や、含みのある言動など、普段から感じさせるミステリアスさが、このマントによって集約されたように感じる。
今の由梨香は名実共に俺が頭に抱く魔女のイメージそのままの姿なのだ。

「そうですね…。見れば見るほど本当に魔女みたいに見えます。すごく似合ってると思いますよ。」

「まぁうれしい。それじゃあ君にも魔法をかけてあげようかしら…、ほーら」

由梨香は俺の目の前でマントをバァッ、と広げた。風が部屋のあちこちの物を僅かに揺らし、由梨香の香水の匂いが周囲に立ち込めた。

広げてみてわかったが、そのマントは由梨香が手をいっぱいに広げてもまだ横に大きく広がる程の大きさで、まるで猛禽の翼を思わせた。

真っ黒な表とは対照的な、赤い裏地が波打ちながら、俺の視界を埋める。

「…っ?!」

裏地の鮮烈な赤が眩しすぎたせいだろうか、俺は一瞬眩暈を感じて足元がよろめいてしまった。

「あら? どうしたの具合でも悪いのかしら?」

「いや…っ,なんでもないです。ちょっと眩暈がしただけで。」

「ふふ、ひょっとしたら私の呪いが掛かってしまったのかも。 どうする? 君もお父さんみたいに私の虜になったら。」

「やだな…、からかわないでくださいよ…。 でも、由梨香さんみたいに綺麗な人だったら虜にされてもかまわないかな。」

ごく自然に口から溢れ出た言葉に俺ははっとする…。義理の母親相手になんて恥ずかしいセリフを口走ったのだろう。俺はあわてて取り消そうとしたが、彼女は怒るどころか、ますます口元をほころばせた。そして、マントをゆらゆらと揺らしながら俺に歩み寄ってきたのだ。

「え…、ゆ…由梨香さん…?!」

「せっかくの機会だもの……。もっと貴方との親睦を深めたいわ……。」

59真夏の夜の夢 41:2013/01/13(日) 15:47:16
由梨花はゆっくりと近づいてくる…。

一歩、踏み出すたびにマントが さら、さら、と床を撫でて這ってくる…。
近づいてくる彼女から、妙な威圧感を感じた俺は後ずさろうとした。しかし・・・・・・。

ふわっ、

「あ…、」

一瞬、花のような香りを感じ、視界の端からカーテンのような布がはためいたかと思うと、俺の背中は何か柔らかいものに当たった。

「うふふ…、恥ずかしがらなくていいじゃない。誠くんだって男の子でしょう…?」

「え…、えぇ…? 夏美さん?!」

後ずさる俺を受け止めたのは夏美さんだった。和室の入り口は一つしかないし、さっきまで中に誰もいなかったはずなのに…。

「君って思ったよりカワイイわ…。私に対してもっと素直になっても良いのよ?」

気づくと、由梨花はもう目の前に迫っていた。
棒立ちの俺の頬に彼女の両の手がすっと宛がわれる。細い指は俺のうなじを撫で上げ髪を絡ませた後、首筋に沿って肩から鎖骨へと滑り下りていった。
彼女の顔は息が吹きかかるくらいの距離で俺を見つめて微笑んでいる。不思議な輝きを放つ瞳に見つめられると俺はそれからほんの少しも視線を逸らせることができなくなった。

「お姉さんばっかり見つめて、ずるいわ…。」

すると夏美さんも我慢が出来ないのか、俺の肩や脇に手を這わせ始めた。後は見えないが彼女の目からも熱い眼差しが自分に注がれていることがひしひしと感じられる。

いったい、彼女達のこの行動に何の意図があるのかわからない…。ただ、ずっとそうされているうちに俺はおかしな気分になってきた。
いくら、義理の母と叔母とはいえ相手は美しい大人の女性。こんな風に両側から挟まれて、触られたり、見つめられるだけでも心と体を弄ばれているような気分になって、自分の中で何かいけない感情が芽生えそうな心地がした。

「す・・・…すいません、俺には宿題が…」

何とか取り繕ってその場を離れようとした…。 しかし…、

「あ…… あれ…!?」

身体が動かない…。

「ふふ…、逃げたらだめよ……。ママの言うことが聞けない子は悪い子よ。」

由梨花の瞳に妖しげな輝きが宿っていることに俺は気付いた。

60真夏の夜の夢 42:2013/01/13(日) 15:48:52
俺の身体が得体の知れない恐怖に震え上がってゆく…。

「誠くん…? なんだか熱そうね? そんなに汗をかいて。」

夏美の声で俺は我に返る。気付いた時には俺は脇の下に汗をたっぷり掻いて、息遣いも僅かに激しくなっていた。

「あら本当だわ。着替えた方がいいわね。その服を脱ぎましょうか…。夏美、手伝ってちょうだい。」

「ええ、姉さん。 ふふ…、それじゃあ脱ぎ脱ぎしようか、ボウヤ?」

「え…、あ……っ!!」

夏美の手が俺のベルトをするりと外し、由梨花がシャツに手を掛けて脱がしにかかる。俺がうろたえている間に服は剥ぎ取られ、瞬く間にトランクスと靴下だけの姿にされてしまった。

「まぁ…、素敵。引き締まっていて若々しいわ。」

「ふふ、そうでしょ? 私も始めて見たときは見とれちゃったわ…。」

俺の素肌に熱い視線を注ぐ二人の美女…、一体この人達は俺をどうするつもりなんだろう。俺は恥ずかしさと得体の知れない恐怖のあまり震えが止まらなかった。

「あら…、今度は寒いのね。じゃあ、温めてあげるわ…。」

由梨花はマントを大きく広げて、覆い被さるように俺にしなだれかかってきた。

「や……やめて……、こっちへ…こないでくれ………。」

「だめよ、逃さないわ。」

バサァァッ!

由梨花のマントが俺の身体をフワリと包み込む。
同時に腕が腰に回され俺は立ったまま由梨花に抱きしめられた。

「ああぁ……っ!!」

たちまち足元から力が抜け俺の体は彼女の胸の中に倒れこんでしまった。彼女が着るイブニングドレスの胸元に頭がしずみ。
彼女の汗と香水が入り混じった芳香が頭を狂わせる。

61真夏の夜の夢 43:2013/01/13(日) 15:50:16
「ふふ…、普段とても頑張っているから疲れが溜まっているようね? あの人と同じだわ。」

由梨花はマントで包んだ俺の頭だけを外に出して、自分の顔の方に引き寄せる。

「大丈夫よ。私が貴方を癒してあげる…。貴女は私の子…、たっぷりと愛してあげるわ…ボウヤ。」

由梨花は俺の頭を抱えるなり、いきなり俺の唇を舐めてきた。

「……っ!!」

柔らかな感触が唇の表面を這う。ゾクゾクという震えが体中を走った。
今まで女の経験がない俺にとってそれは未知の感触だった。 しかも、それは…、義理の母親によってもたらされたものだ。

「あ〜ら…、初物の味がするわ…。
うふふふ…、顔は結構いいのに珍しいわね。」

「ふ〜ん、本当に彼女とかいないんだ。ふふ、これはレア物だわ。
ということは…、下の方も新鮮よねぇ…。」

夏美の手が俺の股間に触れてくる、少し触られただけで俺の一物は途端に固くなってしまった。
そのまま、二人は フフフッ、と不気味に笑いながら、俺の体中をマントの内側から、外側から撫で回し始めた。

「ああぁっ、な…なにを…… あああぁ!!」

「誠君は何もしなくていいわ…。私たちのされるがままにしていれば気持ちよくなれるからね…。」

「おねえさんたちに撫で撫でされて感じちゃってるのね? かわいい…。」

由梨花がマントを少し開くと、夏美も中へ潜り込んできた。3人は一つの大きなマントに包まってお互いに手を這わせ愛撫しあう。俺は二人の女の間に挟まれ、四つの手で体をまさぐられているのだ…。

「はぁ……、はぁぁ……っ!!」

俺の顔は二人の豊満な胸に挟まれてむにむにと圧迫されている。
体は由梨花が纏うタフタのイブニングドレスと、夏美が着るサテンの白ワンピースとに揉まれて、ビクビクと戦慄いている。

こんな状況に陥って正常な理性を保てるわけなんていない…。

「あらあら、ボウヤのチンポ…、もうこんなにカチカチだわ…。」

「ふふふ…、それじゃあパンツも脱いじゃいましょうか。濡れたらいやでしょう?」

「やさし〜い、夏美おねえさんが誠くんのオチンチンを慰めてあげようかしら?」

二人の手で、パンツまでもが脱がされると、最大限に怒張し、透明な汁まで滲ませる肉棒が姿を表す。

62真夏の夜の夢 44:2013/01/13(日) 15:51:31
あ…… ああぁ……、 

由梨花の手が…、 夏美さんの手が…、 俺を狂わせる……

だ…だめだ…、義理の母親や叔母とこんなこと……、 ああ……でも!! 

彼女達の匂い…、柔らかな肌…、言葉…、体に纏わりつくマントの感触までが俺をいけない場所に引きずり込んでいく…

駄目だ…、これ以上こうされてたら……、もう耐えられなくなるっ!! 

「い…い…、いやだ・・・・・・。やめてくださいっ!!」

ドスッ 

「きゃっ!!」

俺は渾身の力を振り絞って二人の腕とマントを振り払った。二人がよろめいた隙に俺は和室から出ようとした。
だが、足がふらついてうまくまっすぐに走れない。何度も転びそうになりながらよたよたと和室の出口へと向かう。

(あぁ、まだ彼女達の温もりや、くすぐりの余韻が……、なんて強烈な…、まるで魔力だ…。)

由梨花は体制を建て直し、乱れたマントをフワリと整え直すと俺を睨む。

「まあ…、ママに手を上げるなんていけない子。少しお仕置きが必要ね。」

由梨花は、畳んであった自分の洗濯物を手に取ると、よろめきながら廊下に出ようとする俺に向かって投げつけた。

ブワァァッ

「?! うわああ?!」

由梨花の服達が空中で広がって漂いながら俺の体に纏わりついてくる。俺は脚に巻きつく黒タイツに足元を掬われて倒れてしまうと、
その上からスカートやら下着やらが次々と覆い被さり、俺は洗濯物の山の中に沈んでしまった。

「ひぃっ ひゃ…っ!!」

洗濯したての筈なのに、どの服からも由梨花の匂いが濃厚に香り立っていた。振り払おうともがいても、由梨花のマントに包まれた時のように動けば動くほど逆に
服達が纏わりつき体を擽ってくるのだ。せっかく沈静してきた理性は再び不安定になり始めた。

63真夏の夜の夢 45:2013/01/13(日) 19:57:22
「洗濯物に潜り込んで。まるで子供みたいね・・・。」

ゆっくり蠢く洗濯物の山に近づく由梨花と夏美。バサァッ、と由梨花がマントを広げると、俺の体にへばりついていた服から魔力が取り除かれてただの服に戻った。
俺は体にかかっていた洗濯物を取り除くと、わずかな空気を求めて大きく呼吸した。

「はぁ…はぁ…、一体何を…。あんた達は何なんだよ…!!」

「ふふふ…、さっき言わなかったかしら? 私は魔女よ。もちろん夏美もね。」

「もう、誠くんったら乱暴なのね。おねえさんたちの生贄になるの、そんなに嫌?」

俺はバランスを崩しそうになりながらもなんとか立ち上がり、由梨花と夏美を睨みつけた。
魔女の存在を信じたわけではないが、この女たちからはただならぬ危険な匂いを感じる。

「父さんはこのことを知っているのか…? まさか、最近様子がおかしいのは…。」

「ほほほ…っ、彼はもう私無しじゃ生きられない体になっているわ。既に私の言うことを何でも聞く犬コロよ。貴方が私を知るずっと以前から調教を施してきたものね。
でもね誠くん。すぐに貴方も彼のように私の虜にしてあげるわ。私の手でやさしく躾けてあげるからね…。」

「だ…誰がお前なんかに…っ!! 」

彼女達の目的は分からないが、父だけでなく俺までもいいなりにして家を乗っ取ろうとしていることは確かだ。そんなことをさせるわけにはいかない。 こうなったら多少乱暴でも力ずくで由梨花と夏美を振り払うしかない。俺は、由梨花たちの方へ向かって飛びかかろうとした。

「いくら強がったところで貴方も所詮は男よ。私の魅惑を受けてまだそんな言葉を発せるかしら?」

すると、由梨花は俺に向かってマントを広げる。
バサァァァッ!!

マントはさっきと同じように俺の視界めいいっぱいに広がり、渦巻くような赤い光沢がビカビカと俺の目を刺した。

「うぅっ!! あぁぁ…。」

するとどうだろう。俺の体は途端に言うことを聞かなくなって、その場でバランスを崩してしまったのだ。
さっき感じた眩暈などとは比較にならない強制力が由梨花のマントから俺の体に流れ込んでくるようだった。

しかし、今度はそれだけではなかった。由梨花のマントが翻ったと同時に沸き起こった風が、彼女の甘い匂いを含む瘴気となって俺の体にまとわりついて着たのだ。

64真夏の夜の夢 46:2013/01/13(日) 20:03:13
「ぐぅ…、ああぁ……なんだこれ…、体が…痺れる…、ああぁ……。」

「ほ〜っほっほっほ!! いくら抵抗しても逃げられはしないわ。
私の魔力が染み付いたマントに少しでも触れればもうお終い。
いいえ、それどころか私のマントに触れた空気を吸っただけでも貴方は私の瘴気に犯されてしまうのよ。」

自分の力で立っていられず、壁にもたれかかる俺に由梨花が近づいてくる。

「それにしても、貴方は少々オイタが過ぎるわ。体罰はあまり好みではないけど、貴方にはもっときついお仕置きが必要なようね。」

由梨花は胸元で止めている紐を解いてマントを脱ぐと、片手に持った。そして、それを大きく振り上げると俺の体に叩きつけた。

ばさぁ…バサバサ…、ブワワァ……!!

マントが鞭のように、俺の身体を打つ。

「うぁっ!! ぎゃぁっ! い・・・…痛いっ!!」

マントが翻り、赤く輝く布が身体に叩きつけられる度に大きな爪で引き裂かれたような痛みが刻み込まれる。

「どう? このマントはただ快楽を与える為だけの物ではないのよ。古来、マントは防寒具や礼装としての役割だけでなく、中世では騎士が使う武具としても利用されてきたのよ。
もっとも、私たち魔女こそがもっとも上手にマントを扱えるのだけれどね。」

バサァッ バシィ…ッ!! 

ぶぁさぁっっ、ぴし・・・ピシィッ

「うわぁっ!! ぎゃぁ…!! や…やめてくれ………。」

身体はいつの間にかあちこちがミミズ腫れになり
よろめきながらも俺は由梨花の方へ手を伸ばす。

「ほほっ!! そぉ〜れ!!」

ぶわぁさあぁぁぁっ!!

すると、今度はマントを片手で翻し横薙ぎに叩きつけてきた

「うぅっ!! ああぁ!!!」

重々しい布地が、俺の身体を切るように擦り抜けていく。
俺の身体は暴風に吹き飛ばされる木の葉のようにくるくると宙を舞い部屋の壁に叩きつけられる。

「ぐっ!! う……うぅ……。」

激しい痛みにうずくまる俺、由梨花はもう十分だと判断したのか再びマントを肩に掛けると紐を結んで裾を正した。

「少しやりすぎたかしらね、まったくしょうがない子だわ。これだけ弱らせてしまえばおとなしくなるでしょう。」

「ふふ、でもオイタをするボウヤって活きがよくて結構好きかも…。男の子はこれくらい刺々しい方がそそるわ…。」

65真夏の夜の夢 47:2013/01/13(日) 20:08:37
今度は夏美が俺に近づいてくる。
俺の胸に腕を回して無理やり立たせると。頬を掴んで俺の顔をまじまじと見つめる。
俺は痛みが収まらないので、きつい目で夏美を見返してやったが、愛らしい少女のようなその顔は僅かに頬に赤みが差し、うっとりした目で俺を見つめていたので心ならずもドキリとしてしまった。

「あぁ…、本当においしそうなボウヤ。もう我慢できないわ…。」

頬を真っ赤に紅潮させ、悩ましく目を細めながら夏美は俺の唇を奪った。

「んん〜ぢゅっ ぢゅる…!! ふぅん…っ じゅば……ちゅっちゅ…。」

「…っ!!」

俺の首をがっしりと腕で押さえつけ、頬を真っ赤にして口を圧しつける若い魔女。
突然の事にまったく対処できない俺を尻目に、はしたなく涎をだらだらと垂らしながら俺の口を犯している。
俺の口元が緩むとすかさず舌を潜り込ませ、俺の舌を搦め捕ってしまう。その表情には、甘露を味わうような恍惚が見て取れ、興奮に肩を振るわせている。

「うぅ……、ん…っ!!」

俺はその高圧的な口付けに酔い痴れてしまった。頬も真っ赤に染まり、目の端から涙が一筋流れ落ちていく。
さっき、由梨花に唇を舐められた時とも比較にならない…。
女の子との付き合いのない俺が初めて味わう女の唇の感触…、魔女の口付けだからなのか、それは想像を絶する興奮を呼び起こした。

「ぷはっ!!」

息をするのも忘れてとのキスに夢中になっていた夏美は、ようやく唇をはなした。二人の口の間には涎の混じり合った物がでろ〜りと垂れ下がり。
口付けの激しさを物語っていた。

「ああぁんっ、おいしぃぃ〜!! 若いボウヤの唇ってほんと病みつきになっちゃうわぁ…。」

俺は半開きの口からよだれを溢れさせたまま。茫然自失の表情で虚空を眺めている。

「こら夏美、この子は私の夫の子なのよ。つまり、私の息子でもあるの
あまり遠慮なく唾をつけられるのも困りものだわ。」

「ふふふ…、ごめんなさいお姉さま。
それじゃぁ、この子をたっぷり可愛がってあげれば? ママの愛情で……。」

ショックで動けないままの俺の体が夏美から由梨花に渡されると、彼女は俺の顎を掴み自分の方に向かせる。

「涎でこんなにべとべとじゃない。 さぁ…、ママとキスをしましょう。」

ちゅぅぅっ!!

66真夏の夜の夢 48:2013/01/13(日) 20:17:28
「うん!! うううぅぅ…っ!!」

そして休むまもなく由梨花の薔薇色の唇、父を狂わせ骨抜きにした毒入りのキスが俺に襲い掛かる。

由梨花の唇を受け止めた俺は、身体をビクッっと震わせ目を見開く。
そして、その目は段々と光を失い焦点が定まらなくなる。

それは魔女の唇に溶かされていく俺の精神を表しているようだった。
テクニックと舌使いで興奮へと引き上げていく夏美のキスとは違い、由梨花のキスは少し触れただけで蛇の神経毒のように体中に回ってしまう。
それは獲物を一瞬で麻痺させ虜にしてしまう、まさに男狩りのための口付けだった。

ようやく由梨花の唇が離れる。それと同時に俺はのぼせたようにぐったりとしてしまった。

「あらあら…、顔が真っ赤。 シャイな子ね」

「ふふふ…、ちょっとやりすぎじゃない? 純情なボウヤに姉さんがそんな濃厚なキスをしちゃったら狂い死にしちゃうかもよ?」

「馬鹿ねぇ。私にその程度の匙加減ができないとでも思ってるの…?
キスごときで壊れちゃったら愉しくないじゃない。 本番はこれからよ…。」

由梨花の目は嗜虐の喜びに爛々と輝いていた。その視線は俺の体を上から下へと這い、まるでどこから食べようか値踏みしているようだった。

67真夏の夜の夢 49:2013/01/13(日) 20:19:16
「もっとも…、狂い死にとまでは行かなくても、これから天国の一歩手前まではイってもらうつもりだけど…、うふふふ・・・…。」

二人の魔女はクスクスと笑い合うと、俺の体を床に放置したまま着替え始めた。

「夏美、貴方のマントもあるんでしょう? 今のうちに着ておきなさい。」

「お姉さんはやっぱりドレスを着たまま? ふふ、私はやっぱりマントの下は裸の方が興奮するのよね…。
この子はどうするの、姉さん? 居間のソファでやっちゃう?」

「いいえ、あの部屋に連れていきましょう。せっかくだから、この子にも全ての秘密を見せてあげましょう。
お父さんが普段、私と何をしているのか教えてあげるのよ…。」

「あらあら…、相変わらす人が悪いのね。こんないたいけなボウヤにアレを見せるのは酷じゃない?」

「そういう貴女も、本当はこのかわいい顔が絶望で歪むのを見たくてしょうがないんじゃないの?」

「あれ? どうしてわかっちゃったのかな〜?」

由梨花は俺を抱き起こすと、和室から出て階段へと向かっていく。
俺の身体は自分の意思では動かない筈なのに、彼女に誘導されると勝手に脚が動いてゆく。 
まるで、由梨花の意思で動かされているようだった。

(お…俺は……、いったいこの二人にどうされてしまうんだろう……。
誰かたすけてくれ……、とうさん……。)

68真夏の夜の夢 50:2013/01/15(火) 15:30:52
「怖いのね誠くん? でも安心なさい。ママがそんな恐怖なんて感じられなくなるくらい気持ちよくしてあげる。」

「そうよ、誠くん。安心して。おねえさんたちは今まで何人もの男の子を天国に連れていってあげたの。君はかわいいから、大事に大事にじっくりとよがらせてあげるわね。」

由梨花と夏美が歩み寄ってくると、誠はベッドの上で小動物のように怯える。

「ああぁ……や……やだ…。」

「ダ・メ・よ、ボウヤ?
あなたはもうおねえさん達からは逃げられないの…。」

そして二人は誠の目の前でマントを大きく広げた。

由梨花は深紫のイブニングドレス姿。腰回りはタイトで身体のラインやくびれがくっきり見えるが、スカート部分はゆったり円錐状に大きく広がっている。
肩や胸元は大きく露出し、谷間までくっきり見えてしまっている上に乳首まで透けている。

そして夏美は、紫の裏地をしたマントの下には何も着ていない。真っ白で均整の取れた一糸纏わぬ芸術的な裸体をいたいけな少年の目の前に惜しげもなく突きつけている。

誠の顔がかつてない表情に歪む。これからされることへの恐怖、そして今までこの二人から与えられた快楽以上の物への期待。
“魅入られる”とはまさにこのような表情を言うのだろう

男を惑わせ堕落させる二人の魔女の美しく淫らな裸体。
その誘惑の前に、無垢な少年の心はあまりにも脆弱すぎた。

由梨花が右から、夏美が左から、誠の身体に手を伸ばし絡め取っていく。
誠の身体が二つのマント中に消えていく……。

手塩にかけた息子が目の前で魔女たちの生贄になるのを私はただ眺めていることしか出来なかった。

「ぁ……はぅ……、あぁ………。」

絡み合い、擦れあう、二人の女の肉体。誠の身体はその中間で揉まれる。

由梨花と夏美の手が誠の身体を撫で回し、顔や胸を擦り付け熱い吐息を吹きかける。

「こんなに若い子を襲うのは随分久しぶりね…夏美。」

「うふふ……、高校の時を思い出すわ…。
こうやってカワイイ後輩君を毎日のように苛めてあげてたかしら・・・…。」

夏美はうっとりした表情で誠の太股や腹に唇を滑らせる。誠の身体はピクッと震えた。

「夏美ったら。いつも思うけど貴女の責めはぬるすぎるわ。昔から年下や自分より立場の低い子たちばかり襲っているからそんなに半端なのよ。」

69真夏の夜の夢 51:2013/01/15(火) 15:36:57
「あら何よ。そういうお姉さんは加減っていうのを知らなすぎるんじゃない? 若い子にはソフトに責めていった方がいいことだってあるのよ。」


「私はぬるいのが好きじゃないの…。男は所詮獲物よ…。身体も…心も…、ぐちゃぐちゃに掻き乱して狂わせてやればいいの…。
恐怖なんて微塵も感じられなくなるくらい快楽漬けにして、ただ私を敬い、奉仕し、精液を吐き出すだけの肉奴隷にしてやるのよ。
“壊してあげる”ことほど気持ちいいことはないわ…。」

「ふふ…、怖いお姉様……、私でもドキドキしちゃうくらい。
分かったわ…。お姉さんの好きなようにしてみて。私もこの子を壊すお手伝いをさせてね…。」

夏美が少しはなれると、由梨花はベッドの上に登った。そして…、

ブワァァ

大きく布がはためく音とともに、誠の視界を紫の奔流が埋め尽くす。
仰向けに倒れる誠の真上で、由梨花がイブニングドレスの裾を大きく広げて、誠に覆い被せようとしていた。
スカートの下は何も付けておらず、ヴァギナはじっとりと愛液で濡れ、むっちりと肉の付いた太股に粘液がいくつも垂れ下がっている。

「さぁ誠くん、私が普段パパとどんな遊びをしているか教えてあげるわ。ふふふふ…。」

叫ぶ間もなく、誠の体は彼女のドレスに飲み込まれた。
由梨花は誠の胸の上に馬乗りになり、そこを中心にして半径1.5メートルくらいが全円のドレスに覆われてしまう。そして、彼女は誠の顔を包むようにタフタの布地を押し付ける。

「うぅ……っ!!」

「ちゃんといい子になるように私のドレスであなたを躾けてあげるわ。パパと同じくらいの愛情を注いで、ね。」

誠の上半身は完全にドレスに覆い隠され、わずかに外に出ていた下半身も、後ろに伸びたマントに覆われてしまう。
スカートにマントの重みが加わって布地が顔に貼り付き、誠は顔を左右に振って空気を求める。しかし、スカートの中にわだかまった空気には由梨花の体臭がたっぷり染み付き、彼女の恥部から湧き出た愛液でじっとり塗れていた。

(うあっ…、す…すごい匂い…。う・ううう・・・)

「うふふふ…、私の匂いは香ばしいでしょう? 頭の芯までと蕩かしてしまう魔性の香りよ。
さぁ、嗅ぐだけでなく味わいなさい。ママのジュースの味をね。」

彼女は腰を浮かせると、黒い茂みで覆われた秘所を誠の顔に押し付けてきた。

70真夏の夜の夢 52:2013/01/15(火) 15:43:31
「うぐぅっ…!! うぁ…ぶっ!!」

赤く充血した肉襞が蠢くグロテスクな割れ目から、白濁した液がドロドロ流れ出て誠の顔を濡らす。
その液が皮膚に付くと、まるで焼けるような熱さに襲われる。

(うあぁぁ、熱い…っ!! 顔が溶けそうだぁ…っ!!)

誠は由梨花の腰を押しのけようとするが無駄だった。
顔だけでなく腕もドレスの中に覆いこまれていて、がむしゃらに腕を動かしてもドレスをバフッ、バフッと揺らすだけ。誠の顔は由梨花の肉厚な太股にしっかりと挟み込まれてしまい。
とろとろ滴り落ちてくる白濁を全部、顔で受け止めてしまう。

(ごほ…っ、がはっ!! げぇ…っ き…きたない!! 勘弁してくれ!!)

「ほほほっ!! 苦しそうねぇ? ここから出してほしい?
なら、反省の徴に私のオマンコを舐めてちょうだい。そうしたら許してあげてもいいわ。」

(っ!! そんな…!! そんな汚いことが……できるわけ…。)

「んっふっふっふ〜。由梨花ママの言うことにはおとなしくしたがった方がいいよボウヤ?
どうしても嫌だって言うなら、私もママのお手伝いしちゃおうかな。」

床でびくびくと蠢いている誠の足元に夏美が近づく。
夏美がマントをめくると、中から誠の両脚だけが顔を出した。

「ふふふ…、夏美おねえさんのきつ〜いお仕置き。誠クンにもあじわってもらおうかしら?」

夏美はピンク色のマニキュアを塗った爪の先で誠の足の裏をこちょこちょと擽ってきた。

「っ!! うぁぁ…な…なに?!」

最初は人差し指で、円を描くようにゆっくりと、やがて中指と合わせて土踏まずを軽く引っ掻くようにこちょこちょ擽り。
指の付け根から足の甲まで責めた後、徐々に指のペースを早めながら、腿の方へ指をはわせていく。

「ひ…っ、ひっく!! ひぃぃっ!!!」

体の下からどんどん駆け上がってくる快感に誠の息はさらに荒くなっていく。そして呼吸が激しくなるほど、ドレスから臭う由梨花の香りをどんどん吸い込んでしまうのだ。

「ほらほら、反省する気になった? どうなのボウヤ?」

夏美は誠の太股の内側や足の付け根にまで指を伸ばして擽り始めた。
あと少しで袋や棒にまで達してしまいそうだったが、ギリギリのところで触れてこないのは生殺しにするために焦らしているからに違いない。

71真夏の夜の夢 53:2013/01/15(火) 15:46:00
こちょこちょこちょ……、かりかり…、さわ、つ〜ぅ、こちょこちょ……

「あがっ!! あう……っ! あぁっ!! あ…!!」

(わかった…! あやまるから…やめてくれっ!! こ…このままじゃ言葉が出せないぃぃっ!!)

「あははは…、へ〜、そうなんだ。君はこのまま私に擽り殺してほしいんだね?」

(あああぁぁ……違つ、ああああああああ……っ!!) 

誠はもう、笑いすぎて窒息してしまいそうだった。だが、謝罪したくても口からはうめき声しか出せない。 びくびくと体を振るわせることしか今の彼にはできない。そして、由梨花の匂いと酸欠のせいで意識も遠のきはじめる。彼はまともに思考することすら困難になってきた。

72真夏の夜の夢 53:2013/01/15(火) 16:03:07
「ううぅ…。」

やめてくれ、 そう叫びたかった。
誠は関係ないのだ…。由梨花の餌食になるのは誘惑に負けた愚かな私だけでよかったのに…。
私と妻のせいで誠には大変な苦労をかけた。だから、せめて彼には真っ当な人生を歩んで欲しかった。

普通に生活して…、好きな人を見つけて…、普通の恋をしてほしかったのに…。

それなのに・・・…、なんということだろう。

まさか父親の再婚相手とその妹である人妻が初めての相手になるなんて夢にも思わなかったに違いない。それも、体格的に母親と同じくらいの女性と…

「さぁどうしたの…、これ以上苦しみたくないなら私のを舐めてちょうだい…。
それとも、私たちにいたぶられるのが気持ちいいのかしら?」

「ふふふ…、怖がらなくていいのよ誠くん? 美人のおねえさんのアソコを舐めさせてもらえるって幸せなことなんだよ? 勇気を出して新しい世界を体験してみれば? ふふ…うふふふふ…!!」

(うぅ…!! 舐める…、 由梨花のあそこを……うううぅっっ!!!)

誠はとうとう屈服し、由梨花の股間に口をつけ、舌を這わせ始めた。鼻筋に濡れた陰毛の感触を感じながら、熱いハチミツのような汁を舐めとっていく。

「んふふふ……、最初からそうしてればいいのよ。
ふあぁ…、若い子の舌はいいわぁ……とっても上手じゃない……。」

すると由梨花の膣は、誠の顔が触れるのに反応するようにごぽごぽと大量の汁を溢れさせ、さらに誠の顔に潮を浴びせかけてくる

「あ……、あんっ ん…んふふふ…。お汁が止まらないわぁ…。ボウヤ…あなたはもう私の物よ。
舐め犬として毎日私に奉仕させてあげるのもいいわね。」

(舐め犬…、俺は由梨花さんの……、奴隷…)

由梨花は感じながらマントで自らの身体を包み込む。スカートとマントが重なり、その下の獲物にさらに重く覆いかぶさる。彼は魔女のマントの中でなすすべもなく奉仕を強要させられ続ける。

73真夏の夜の夢 55:2013/01/15(火) 16:08:52
ちゅ…、れろっ ちゅぶ…ちゅぶ…、ふぅ…んじゅぅ……、はぁ…、はぁ…、

誠は由梨花のラブジュースの味に酔い痴れ、ますます、必死に舌を動かす。最初は嫌々やらされていたはずの彼は、いつのまにか自らの意志で彼女の股間を舐めている自分に気づいた。
スカートの重さ、むせ返るような匂い、そしてスカート越しに響く由梨花の笑い声。
美しい魔女の魅惑は、予想を上回る勢いで誠の心を侵食していた。彼は普段から由梨花を美しいと思っていた。ただ、父の再婚者であるという事実と、年上であるということ、そして、彼の中の常識や理性によって内に秘めた本当の感情は抑えられていた。そう、普通ならそれで済むはずなのだ。

だが、彼女は誠の中に眠る彼女への仄かな憧れを呼び覚まし、激しく揺さぶってくる。


(ユリカさま……。)

彼女は綺麗だ…。父に始めて紹介された時からそう思っていた。暗い影を帯びた妖艶なマダム…。その魅惑に俺は父以上に取り憑かれていたのかもしれない。

「ふふ…、ふふふふ……。」

相手の頭の中に入り込んで幻惑を見せるのが得意な夏美は、彼の感情の変化を見透かして情欲を焚きつけていった。

(効いてる効いてる…、これくらいの男の子の心ってほんと弄びやすいわ〜♪
ほ〜ら、もっとお姉さんに興奮しなさい。君は今女王様とこんな近くでエッチなことしてるのよ。 想像しなさい、あなたの女王様の顔、体、声、匂い。もっとエッチに、献身的に、病的に…、イメージなさい…
貴女はもうその支配から逃れられない…。 逃げる気さえ起きない…。 自分から隷属を求めてしまうのよ…。)

あ、ぁぉああぁ…… !!

由梨花様…、由梨花様…!!

ああっ、あの何でも見透かすような瞳!! あの艶やかな視線で蔑むように見下ろされたい。あの綺麗な脚、あの脚で踏まれたいっ! あの脚に縋りついて口付けしたい。

由梨花様…、由梨花さまっ!! 由梨花さま!!!

麗しい由梨花様っ!! 由梨花女王様!!
由梨花さまにいじめられたい…、オモチャのように扱われたい…。
どろどろに溶かされたい…。

彼の舌はもう自分の理性とは無関係に動いていた。その時の頭はただ由梨花のことだけを考え、由梨花に言われた“舐めろ”という命令のみによって体は動かしているだけだった。

74真夏の夜の夢 56:2013/01/15(火) 16:10:40
「いい感じね。姉さん…、そろそろやっちゃわない?」

「ふふふ…、そうね。このあたりで一度落としてあげましょうか。
さぁボウヤ!! 奉仕のご褒美に私のおしっこを飲ませてあげるわ!」

由梨花の腰から力が抜けると、誠が舐めているアヌスから熱い聖水が迸る。

しゃぁぁぁっ、じょぼぼぼ!!

「うぐ…、ごぼっ!! が…、はぁ…ぅ!!」

身体を動かせない彼は由梨花のおしっこをまともに受け止めてしまい、顔はびちょびちょに、しかもかなりの量を飲んでしまっている。それでも止まない聖水の奔流は誠の顔を流れ落ちてベッドの端からも流れ落ちてきた。

「ふふ、それじゃあ私も…、はむっ!」

(あぁ?! ・・・あうぅっ!!)

すると、下半身の方では夏美が誠のペニスにしゃぶりついて吸い上げ始めた。
舌先で包皮を無理やり剥き上げ、長くて広い舌で裏筋全体をねっとり包み込み、じゅぼじゅぼと唾液の音を響かせながらしゃぶりあげてくる。

ぶちゅちゅ……、ぐちゅ、ぢゅば、ぐちゅるる…、ヂュボ…、ヂュバ……っ!!

「ひぁぁぁっ!! うあぁ……ああああ……っ!! ひぃぃぃっ!!」

ぶりゅりゅりゅ〜〜〜、びじゅじゅるるる〜〜っ どびゅっどびゅっ、びゅるるる〜〜〜!!

由梨花の顔面騎乗位と夏美のフェラチオによる二重の責めに、誠はとうとう屈服し大量の精液を漏らしてしまった。
このとき感じた想像を絶する背徳感と、目の前がバチバチとスパークするような快感の奔流に彼は取り返しの付かない喪失感を感じた。

バフッ バフッと激しく波打っていたイブニングドレスの動きは弱々しく沈静化し、やがて、ゆっくりした周期で僅かに上下するだけになっていた。
由梨花が立ち上がり、ドレスの裾を取り払うと、そこにはおしっこの水たまりの上で汗と白濁液にまみれて恍惚の表情で横たわる哀れな青年の姿があった。

75真夏の夜の夢 57:2013/01/15(火) 19:13:03
「ふふふ…、いい顔になったわ。もっともっとくすぐって、も〜っと可愛い顔にしてあげようかしら?」

「いいえ夏美、もういいわ。 いったん離れなさい。」

「え〜? せっかくいいところなのに?」

夏美が渋々離れると、由梨花は誠の顔を覗き込んでにっこりと微笑む。

「ふふ、誠くんお疲れ様…。もう行ってもいいわよ?」

「え……っ?」

いままで逃げたがっていたはずの誠が、今まで見せたことのない切ない顔をする。

「そこまで私と交わるのが嫌だって言うならもう強制はできないわ。
たしか、宿題あるのよね? 勉強を疎かにするのはいけないわ…。早く自分の部屋に帰りなさい。」

「そ…、それは、その……。」

もじもじと言葉につまる誠。それを見て夏美も由梨花の意図するところを読み取った。

「ふふふ…、私そろそろ帰ろうかな〜。誠くんとも遊べたし今日はもう満足かも。」

「ま…待って、夏美さまっ!!」

自然に口を付いて出た夏美"様"という言葉に誠も私も言葉を失う…。私は由梨花と出会った日のことをまざまざと思い出した。今の誠はまるであの時の私のようだ…。
彼の反応に二人はますます口を歪ませる。

「誠くぅん…? もしかして私の物になってくれる気分になったの? ママにもっと甘えたいの…?」

「………っ!!」

「ふふ、夏美さまなんて可愛い…。そんなにおねえさんとのキスやエッチがよかったの? なら、も〜っとエッチなことしてあげようか?君が頼んでくれたらやってあげてもいいよ?」

「う……うぅ…っ!!」

だ…だめだ誠……、その魔女たちの言葉に惑わされるな!!

私は彼に向かって叫ぼうとした。しかし、どうしても言葉が出ない。さっき夏美から受けたキスで言葉まで奪われてしまったのか!!

誠…、やめてくれ…。私のように捕らえられてしまうのだけは……。

76真夏の夜の夢 58:2013/01/15(火) 19:15:55
由梨花が誠に近づく。

「ふふ…、出したばっかりなのに、まだ透明なお汁をこんなに溢れさせちゃって…、まだ満足できないのね?」

「あぁ……、俺は…そんな……。」

「物足りないのは貴方だけじゃないわ…。私も、ほら…。」

由梨花のイブニングドレスがするりと床に落ちる。
その下から現れた魔女の体は少年にはあまりにも刺激的だった。綺麗な丸い肩もふっくらした乳房も上気して色濃い肌色に染まり、濃厚なフェロモンを発していた。
誠の目の前に突きつけられた肉の花は真っ赤に充血し、さっき以上にジュクジュクと蜜を溢れ出させ、湯気まで立っている。

「見て…、ママのオマンコがこんなにとろとろ…。ここにボウヤのオチンチンを入れるのよ…。どんなに気持ちいいか想像できる?」

誠は何も言葉を発することもできず、ただ目を見開いて目の前の肉壷に見入っていた。誠の顔はその肉の華に見とれているようにも、そこから漂ってくる匂いに酔わされているようにも見える。
もはや、声は届かない…。もう彼には由梨花しか見えていなかった。

「包み込んであげるわ…、貴方の体も…貴方自身も…。」

誠の身体は頭を私の方に向けて、ベッドの上に横たえられる。
その姿はまさに祭壇に捧げられた生贄、魔女の供物として差し出された哀れな少年だ。由梨花は誠の足の方へと回り、机の上に立った。

「よく見ておきなさい……。大事な息子が私の虜になる様を…。」

77真夏の夜の夢 59:2013/01/15(火) 19:18:14
バサアァァァッ!!

魔女は悪魔の翼のようにマントを拡げ、祭壇に供された生贄を見下ろす。
誠は仰向けのまま首を動かして私の方を向いた。

たすけて…。

涙を溜めた目は、最後に残った一欠片の理性でそう訴えているようにも見えた。 だが、私にはもうどうにもならなかった。もう、私が彼女達に逆らうことはできない。大切な息子が魔女の手に堕ちるさまを最後まで見届けなければならないのだ。

由梨花は腰をゆっくりと下ろし、誠の身体を黒いマントで覆い隠してゆく。
マントを広げる両手が、誠を挟み込むように徐々に狭まっていく。由梨花の体からも、舐めるように蠢く裏地からも甘い匂いが立ちこめ、誠の目から最後に一筋の涙が流れ落ちたとき、とうとう彼の姿はマントの中に消えた。

ザワ…、ザワワ……!!

「あああっ!! あああぁぁん…、ぁああ!!」

マントの中でもがく彼の姿が表面に浮かび上がる。私には彼がどんな快感を味わっているのか理解できるから余計に恐ろしかった。
由梨花のマントの中。それは四方八方を粘膜のような真っ赤な裏地で囲まれた牢獄だ。そこには由梨花の匂いと温もりだけが存在し、マントの外から完全に遮断された異界なのだ。 マントの中で彼女の濡れた割れ目が誠のペニスを横咥えする。

「はぅっ!!」

そして、我慢汁で濡れたペニスをそれ以上に熱く濡れたヴァギナの中へ、焦らすようにゆっくりと呑み込んでいった。

ヌプヌプ・・・じゅぷ…ヌプププ………!!!

「ぅああああぁぁぁぁぁ……!!!」

濡れた肉洞の中で、いくつもの襞が複雑な動きで誠のペニスを絡め取っている。
由梨花の腰の下で誠の身体が跳ねる。 早くも一回目の射精を迎えたに違いない…。

「あらぁ…、なんて若くて新鮮な精なのかしら。とっても美味しいわ……ボウヤ。」

由梨花は腰を上下に振り始めた。

「うふふ!! 美味しくて病み付きになっちゃうわ。
ボウヤッ!! ママの言いつけよ。もっと白いおしっこをお出しなさい!!」

「ひゃん…っ!! ひゃああぁ……ママぁ… 気持ちいいよ…、ママぁ!!」

ずびゅるるるっ ずちゅ…ずぢゅぢゅぢゅぅぅっ!! 

由梨花が腰を動かすだけで、あっというまに次の射精が訪れた。そのまま、2回目、3回目、誠の精はどんどん搾り取られていく。

78真夏の夜の夢 60:2013/01/15(火) 19:19:36
「ああぁ……っ!! お…俺はっ!! ママの…、ママのものですぅぅぅ!! お願いママぁ もっともっと吸って〜〜〜っ!!」

「お〜っほっほっほ!! そうよ。私はお前の大いなる母! お前の支配者たる女王よ!! さぁ、命を私に捧げなさいっ!!」

ブワァァッ バサアァァァッ!!!

まるで悪魔が乗り移ったように上半身をくねらせ、激しく腕を振る由梨花。 狂ったように舞い踊るマントが部屋中に由梨花の匂いをまき散らし、それは離れて見ている私の頭すらもおかしくする。由梨花に犯される誠がだんだんうらやましくなり、自分もああいうふうにされたいと感じてきてしまうのだ。

「ふふ…、お・じ・さ・ま♪」 

気がつくと、目の前に夏美がいた。彼女も由梨花と誠のまぐわいを見て興奮しているのか、とろんとした表情で私を見つめている。

「私もやりたかったのにボウヤをお姉さんにとられちゃった…。でも私もまだまだ体が切ないの…。おじさんで我慢してあげるから、私と遊んで…。」 

夏美は着ている白いマントを広げる。白い肌が私の目を釘付けにし、紫色の裏地が由梨花のマントと同じように妖しく輝いて私の欲望を掻き立てていく。
私のペニスが固くなってきたのを見ると、彼女はピンク色のグロスが輝く唇を舌で濡らし、獣の目で私を見る。

「逞しい体ね…、さっき言ったとおりあまりタイプじゃないんだけど血が疼いてきちゃうのよね…。おじさんは大人だから…、ちょっと乱暴に扱ってもいいよね?」

夏美はマントを広げたまま私に飛びかかってきた。鎖につながれたままの私を包み込むと首筋に噛みついてきた。

ちゅぅ ちゅぅっ じゅぷ!!

「うぅ…っ!! ああぁ。」

マントで私の体を動けないようにし、尖った八重歯を突き立てる夏美。そのまま、私の体を押し倒すと、もう片方の首や肩、胸、腕に至るまで次々と噛みついていった。

「かぷっ ちゅっ・・・ちゅぱ…、んん…じゅる…、」

「いぃっ!! 痛いっ!! うぁぁ、やっやめ…!! ああぁっ!!」

さっきのフェラチオの時とは比ぶべくもない野性的な責め。可愛らしい口の奥に隠されていた獣の牙によって私の体はたちまち彼女の歯型だらけにされた。

79真夏の夜の夢 61:2013/01/15(火) 19:22:56
「ああああああぁぁぁぁっ!!!」

一際大きな悲鳴が部屋に響き渡る。由梨花の体とマントの中で誠の体がとうとう溶け始めたのだ。

「ほっほっほっほ、喜びなさい!! 貴方は一度私の体に還るのよ。そして私の子として再び生まれかわり、私無しでは生きられなくなるの!!」

誠の体は、粘土のように形を崩しながら小さくなり、由梨花のヴァギナに呑み込まれていった。私と同じように彼女の中で飼われ、再び産み落とされる時には彼女無しでは生きられない体になってしまうのだろう。
とうとう私は自分の肉親までも魔女に売り渡してしまったのだ。

ヌチュゥ…

「うっ!!」

「もう、よそ見するなんてひどいわ…。」

そして間髪入れず私の股間にも突然濡れた感触が触れてきた。夏美が私に腰を押し付けてきたのだ。

ヌプププ… ヌプヌプ……

由梨花よりも狭くて若い肉の花が、私の肉棒をきゅうきゅうと締め上げてくる。彼女は悪戯っぽい笑みを浮かべて私の耳元に口を近づけると、小さな声で囁いてきた。

「くす…、ねぇおじさま。 実はね…、ケンちゃんが入院しているっていうのは嘘なの…。今日、私が貴方や誠くんと遊ぶ予定をしてたのがバレちゃってね…。行くな行くなってすごく怒るの。
だからね、あんまりうるさいからちょっと黙っててもらおうと思ったの…、私のお腹の中で……ね。」

「ううぅ……あううううっ!!!」

「ここ4日間、ず〜っと私の子宮に閉じ込めてあげてるのよ。 でもほら、私の中はとっても熱くてキツいでしょぅ? ふふふ…、ケンちゃん昨日のお昼辺りまでは動いてたんだけど今はピクリともしないの。
やりすぎちゃったみたいね…。お姉さんにバレたらまた叱られちゃうわ。だから治してあげるためにもおじさまの精を少し分けてあげてほしいな〜って。 ゴメンね!!」

すると夏美の膣が一気に収縮し、私の精を吸い上げてきた。

ぢゅぅぅぅぅううう!! びじゅるるるるぅぅぅ〜〜〜っ!!!

「っっ!!!!」

声にならない叫びが私の体から湧き上がる。どれくらい吸われたのかもわからないうちに、私は夏美の体にすがりついたまま意識を失ってしまった。

80真夏の夜の夢 62:2013/01/15(火) 19:26:59
由梨花はベッドから立ち上がると粘液でベトベトに濡れたマントをブワァッと広げた。彼女の体とマントの裏地との間にいくつもの粘液の糸が引いて垂れ下る。
私からたっぷりエキスを搾り取った夏美も用済みになった私を放り出し、立ち上がる。二人の魔女は各々の“食事”を終えると、互いに見つめ合い満足気な笑みを交わし合ったのだった。


あれから数週間…

私たち親子は同じ大部屋で飼われることになった。私と誠は平日には普段どおり会社や学校に通う日々を続け、表向きは普通の生活を続けている。由梨花の目的どおり、私は彼女に不自由のない暮らしをさせるために働かなければならないのだ。一方の誠も、将来の為にちゃんと学校に通わせてもらっている。
しかし、一度我が家の玄関をくぐればそこはもう魔女が支配する空間であり、私たちは生贄に過ぎなくなる。

毎日の夜と休日には、私は由梨花の寝室の隅にあるケージに閉じ込められている。食事と水は犬用の皿に入れられて出され、私は腕を使わずにそれを食さなければならない。全ては由梨花の命令だった。私に自分の立場をわきまえさせるためと言って必要以上に下等な扱いを受けているのだ。

そして私の檻から少し離れたところでは、部屋のあちこちから赤いSM用のロープが伸びて、巨大な蜘蛛の巣を形成している。その蜘蛛の巣の真中に誠の身体が大の字に貼り付けられていた。あの夜、散々犯し抜かれてぼろ布のようになった誠を、二人の美しい毒蜘蛛がこの巣に縛り付けたのだ。

学校に行かない間、誠はずっとここに磔にされており、糸が切れた人形のようにだらりと垂れ下っている。以前よりも二人でいる時間は長くなったはずなのに、今では私と誠の会話は無いに等しい。

「そろそろ餌の時間よ。お腹が空いたでしょう?」

ドアを開けて、マント姿の由梨花が部屋に入ってくると、今までピクリとも動かなかった誠がにわかに暴れだす。

「ママ…ッ ママ〜〜っ!!」

誠は餌をねだる雛のように口をパクパクさせて、由梨花の方へ舌を差し出す。

「うふふっ、そんなに暴れないのよボウヤ。私がちゃんと食べさせてあげるわ。」

由梨花は、持ってきたオートミールを口に含むと口移しで誠に与える。誠は心底幸せそうに、由梨花の唇と舌、そして唾液まじりの粥の味を堪能していた。

81真夏の夜の夢 63:2013/01/15(火) 19:30:35
今の誠にとって、義母に毎日施されるこの行為こそが至上の喜びと化していた。
だが、私にはまるで毒蜘蛛が巣に掛かった獲物を食しているようにしか見えなかった。由梨花から逃れられない限り誠も私もこの退廃的で淫らな生活をこれからも続けていくことになるのだろう。そして、おそらくは夏美と結婚した輪島の奴も…。


だが、もう私は彼女から逃げようなどとは思わなかった。絶対に逃げられないという諦めだけでなく、彼女の魔性の魅力に私はすっかり酔ってしまったのだ。

「女は皆、魔女…。 甘い色香に惑わされて一度捕まれば、後は容赦なく搾り取られるのよ…。
それがわかっていても、貴方たち男は一時の肉欲に酔い痴れ、快楽の泥沼の中で溺れてしまうのよ……。」

既に私も誠も由梨花の泥沼にどっぷりと浸かっている。いずれ、全身を呑み込まれると知っていながら、それでも私たちはずっとここに囚われていたいと望んでしまう。

「どこまでも深く…、深く……
魔女たちのマントの中へ……… お前も、お前の子も、またその子孫も…未来永劫……。ふふ…、男とは本当に愚かな生き物……。」

結婚は人生の墓場…、そんな言葉もあったか。少なくとも私にとってはそれは正しいといえるだろう。
だが、悪意と邪淫に満ちた魔女とはいえ愛する女と共に過ごせるならばそれは幸せなことなのかもしれない。

そんなことを考えながら、私は今日も由梨花のマントの中で溶けていく…。

(終)

82名無しさん:2013/05/25(土) 14:24:58
mちゃんねるがなくなっちゃったのは残念ですね
どこかにスレの小説がないか探してたどり着きましたy
密かに読ませていただきました

83モンブラン 名刺入れ:2013/11/30(土) 13:48:03
小説投稿スレ (マント、吸血鬼、魔女 etc) - 服フェチ板 モンブラン 名刺入れ http://www.pslcbi.com/montblanc.html


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