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臨時作品

220擦れる羽根 ◆j893VYBPfU:2011/01/26(水) 23:58:39 ID:???
昼間のスクリミルもどきの一件もある。
ニンゲンは己以外の種族には、極めて傲慢かつ不寛容である。
それは異邦人だとなおさらに発揮されるのは既に体験済みだ。

だったら、今更この女を助けて恩を売ったところでメリットはない。
この場では感謝されるものの、後ほど「空を飛ぶ危険な化け物」の噂を
他の参加者に吹聴されるだけだ。そうすれば、俺の今の優位性は激減する。
だったら、この女が持っている情報を引き出すだけ引き出して、
その後に人知れぬ場所で墜落死してもらうという手もある。
そう、あれこれと考えていると――。

「乙女にそんな酷い事言わないでくださいよー。
 近くで強盗達に身ぐるみ剥がされて、貞操まで奪われそうになって。
 ここで着替えを探そうとしたら、また捕まって。もう散々なんですよぉー。」
「こんな私を哀れだって思ってくださるなら、まずは降ろしていただけませんか?
 後で色々と良い事、あるかもしれませんよ?」

色々と、聞き捨てならない事を言う。
そして、その辺のニンゲンの男が見れば、つい言う事を聞いちまいそうな程の。
軽い口調とは裏腹に、甘い吐息を吐き蠱惑的な仕草で横顔をこちらに向けるが。
その身体は緊張に強張っている。警戒心に満ちているのは明らかだ。
今、下手に暴れれば振り落されるから抵抗をしないだけなのだろう。
とはいえ、妙な違和感を感じもした。

危険は察してはいるものの、化け物を見るような生理的嫌悪はまるでないのだ。
まるで、そうした「翼持つ存在」に、心当たりでもあるかのように。
それで気が付かなかったのは、こいつが間抜けか、もしくはそれが相当珍しいのか。
無論、俺の情報はアイクやミカヤ等を通じて既に流出する可能性は充分にある。
危険視されなければ、正体がばれた所でそれほどの損益にはならないかもしれない。


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