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アニメキャラ・バトルロワイアル3rd Part21

1管理人◆4Ma8s9VAx2:2015/03/15(日) 20:21:03 ID:???
アニメキャラ・バトルロワイアル3rdの本スレです。
企画の性質上、残酷な内容を含みますので、閲覧の際には十分ご注意ください。

前スレ
アニロワ3rd 本スレ Part20
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/13481/1336833730/

まとめwiki
ttp://www29.atwiki.jp/animerowa-3rd/

198ep.00 -masterpiece- ◆ANI3oprwOY:2015/04/25(土) 00:50:20 ID:0MANPVwo




どこかで、誰かの息遣いが聞こえた。





「――――こうも頻繁に起こる異常(イレギュラー)の定義とは、いったい何処に在るのだろうね」




そこは氷点下まで冷え切った水槽(ビーカー)の中だった。
内部を満たす液体に漬されて、それは目覚める。
靄を裂くように薄く開けた風景は、依然、オレンジ色のおぼろげ模様。
こぽこぽと、浮き上がる泡が視界を過ぎていく。

規則的に聞こえてくる、空気の抜けるような音。
薄いオレンジ色の向こう側には、ガラス張りの壁。
窮屈なビーカーを満たす、弱アルカリ性の培養液。


「――――――」


どこかで、誰かの、気配を感じた。


「例えばそれは、『神の気まぐれ』と表現される現象だ」


浸されて、揺蕩う水槽の、その向こう。
オレンジ色のおぼろげの、ガラス張りの壁の、更にその向こう側。
鑑合わせになるかのように、もう一つ、水槽が置かれていた。

その先を、明確に認識することが出来ない。
未だ、明確な意識を持てない。
痛みは無い。
知識も無い。
個我は薄い、が―――――


「―――――――」


どこかで、誰かの、疼きに触れていた。

199ep.00 -masterpiece- ◆ANI3oprwOY:2015/04/25(土) 00:51:43 ID:0MANPVwo



「神様は大雑把な性格をしているいう。ふむ、なるほど、ここに証明されているな」


向かい合う水槽、設置されたもう一つの生命維持槽の向こうに、それはいた。
一人の存在。その形を定義することは困難だ。
男にも女にも、子供にも老人にも、聖人にも囚人にも見える、それは『人間』だった。


「君を送り返す『宛先』を間違えている。魂のラベルではなく肉体のラベルを『宛名』としたか。
 魂は、精神だけでなく肉体にも宿るという、その思想のもとであれば、決して間違った形では無かったのかもしれないが」


逆さに浮いた、その人間は問うている。


「たかが並行世界の厄介ごとで、プランに誤差を発生させられては困る」


アレイスター=クロウリー。
学園都市の最大権力者、学園都市総括理事長。
一つの世界の頂点にある者が、その『個』に、問うているのだ。


「私の街から好き勝手に持ち出して、返さぬまま自滅したのは看過できない事実だが。
 誤差は修正可能の範囲だ。
 そして君は差し詰め、今回の数少ない拾いモノという事だろう」




――――仕事を受けるか、と。




「『私の観測する世界において』欠けたのは超能力者が数人。
 幻想殺しを奪われた世界に比べれば軽度の損失だが、重大な誤差には違いない。
 その誤差を、君は修正するに足る働きを見せるか。
 あるいは、プランの短縮すら為して見せるか。
 だとすれば、今回の異変(イレギュラー)にも、価値は在ったと示せるかもしれない」

200ep.00 -masterpiece- ◆ANI3oprwOY:2015/04/25(土) 00:52:04 ID:0MANPVwo





どこかで、誰かが、熱を発した。



「答えを聞こう、来訪者(マーセナリー)」


ごぼり、ごぼり、と。
沸騰する水槽の内側で、熱が昇る。
泡立ち昇るモノに紛れるようにして、ゆっくりと、それの口元がつり上がる。

目の前の存在に、新たなる雇主に、向かい合うようにして。
水槽のなかを揺蕩う茶髪の少女―――傭兵は、次なる始まりへと凄絶に微笑みかける。


「はッ――――俺は、高いぜ?」


どこかで、誰かが、願っていた。
もう一度、始めろと。
終わらせるなと、呼んでいた。

ああ、また願われてしまった。
ならば仕方ない。
是非もない。
もう一度始めようじゃないか、仰せのままに、己のままに。

さあ、火を起こせ。
赤く染めろ。
地獄の中心で踊り狂え。
異なる世界と世界が交わる時、物語は始まる、ならば――――







「さあ、次の物語(せんそう)を始めようぜ」
















【アニメキャラ・バトルロワイアル3rd / アリー・アル・サーシェス -To the next story!- 】

201 ◆ANI3oprwOY:2015/04/25(土) 00:52:31 ID:0MANPVwo
投下終了です。

202 ◆ANI3oprwOY:2015/04/25(土) 00:55:07 ID:0MANPVwo
次回のエピローグが最後の投下になります。

203名無しさんなんだじぇ:2015/04/25(土) 00:55:37 ID:1Pg.X4/Y
了解です。

204名無しさんなんだじぇ:2015/04/25(土) 02:56:17 ID:2qzElevs
投下乙です
まさか、あそこから生存するとは思わなかった
グラハムの世界のインデックスと同じくそれぞれの世界に異物が混じったわけだがこっちからは悪い予感しかしないw

205名無しさんなんだじぇ:2015/04/25(土) 15:56:27 ID:kp2Uwn.k
投下乙です

言われてみれば主人公もラスボスも欠いてOO世界はかなりの変節を遂げたんだよな……。
人は変われるがOOのテーマだっただけにグラハムの言は感慨深い。
最後のインデックスはまさに始まりだけど、記憶はどうなってるんだろ。
流れ的に一巻みたいにまっさら状態なのかもな―

そしてトレードするかのようにまさかのサーシェス
お前生きとったんかい!
しかもまずいのが雇い主になっちまったしwww
物語始まりすぎだろ!w

206 ◆ANI3oprwOY:2015/04/26(日) 01:05:23 ID:GiCCKhws
テスト

207 ◆ANI3oprwOY:2015/04/26(日) 01:06:35 ID:GiCCKhws
エピローグを投下します。
今回で最後のエピローグになります。

208ep.00 -続物語- ◆ANI3oprwOY:2015/04/26(日) 01:10:24 ID:GiCCKhws


後日談。
と言うよりは、これからの話。

今日、二人の妹、火憐と月火に叩き起こされ、僕は家を出た。
そして再開した日常に沿って学校を目指す……ではなく、学習塾跡に向かう……でもなく、駅への道を歩いている。
この町の外へ、出る為に。


あの地獄のような体験のあと。
怪我が完全に治るまでは学習塾跡に身を寄せる事になった。後で聞いた話だけど、結果的にに僕は一週間の失踪状態にあったらしい。
ボロ雑巾のような服装になって帰ってきた僕を、今回も家族は何も言わずに迎え入れた。
春休み自分探しの旅の時に比べればまだ短い期間だったし、それ自体は不思議なことじゃなかったけれど。

でも、僕の感覚的には、そんなふうには思えない。
数年くらい、ずっとあの場所に居たような気がした。
長い長い無間地獄から、漸く解放されたような気持ちになった。
もっとも、その解放が、晴れやかな気分になる事とは、限らないけれど。


「――――」
「――――」


近くで話す妹達の声を耳にしながら、僕は目を閉じて眠ったふりをする。
暗い視界で、列車の揺れを感じる。
僕と、僕の家族を乗せた車両が、街を離れていく。
遠い場所へと、連れていく。

別に引っ越す予定とかは、今のところない。
だけどそんな話は家族内で挙がっているらしい。
原因は両親の都合と、そしてもう一つ……。

今日は今後の事を考える機会として設けられた、家族全員の小旅行だ。
こんな時間はいつ以来だろうか。
遠い、行った事の無い土地の、行った事の無い場所へ。
僕の大事な人達と一緒に出かけていく。

大事な人達。
僕に残された人達。
そう、まだ、こんなにも、僕には大事なものが残っていた。
あんなにたくさんのモノが奪われて、取り落として、失って、それでも僕には、残っていた。


『あの場所で、君が見て、聞いたことはすべて真実だ。なんて、今さら僕がいう事じゃあないね』

元の世界に戻った後。
学習塾跡で傷を治しながら身もだえる僕に、忍野メメはそう言った。
完治は絶望的だった。
傷を受けすぎた僕は、血を流し過ぎた吸血鬼の身体は、まさに満身創痍で、そのままでは間違いなく死んでいただろう。

『だけど君が今から、この帰還した世界で目にするものは、あの場所における結果と食い違うかもしれない』

痛みと絶望で絶叫していた僕には、忍野が何を言っているのかまるで理解できなかった。

『幾重にも重なり合う並行世界からの強制召喚。それは一つの世界観を、全て一つの世界から抽出していたわけではない』

でも、いまなら、まあ、分からないでもない。

『時系列も、設定も、微妙にバラバラだった。それは僕らの間ですら、そうだった』

動けるようになった僕が家へ帰った後。
次の日、学校へ行き、街の様子を見回った時だ。
僕はようやく気付いた。僕の記憶と、僕の認識と、確かにこの街は食い違っている。

209ep.00 -続物語- ◆ANI3oprwOY:2015/04/26(日) 01:12:15 ID:GiCCKhws


例えば、生きている筈のない人が、生きていたりした。
それが誰かを、僕はここでは語らない。
けれど、一方で、記憶の通り、死んでいる人もいた。
いや、死んでいるという表現は適当ではないのだろう。

『歴史の修正。アラヤはなんと言っていたかな。ともあれ、世界そのものが矛盾を消そうとするんだよ。
 だから彼ら彼女らは、最初から居ない事になった』

結果として、僕の世界は都合よく組み替えられた。
その更に、結果として、僕の町は『おかしく』なった。
明らかに今までと違う怪奇が、頻繁にみられるようになった。

『なあ、忍野……』

激痛に白む思考の中で、僕は忍野に、一つだけ聞いたのを憶えている。

『お前……は……どっちなんだ……?』

目の前に立つ忍野は、はたしてどちらなのかと。
あの場所で、あの世界で、出会った忍野なのか、あるいは、と。

『ん? さあね、どっちであろうと、僕にはそれを証明する術は無い。そっちで勝手に定義すればいいだろ』

僕のこだわりを忍野は突き放す。
そして彼は言った。

『ところでさ、阿良々木君、このままじゃ死んじゃうと思うんだけど、生きたい?』

僕はそれに何と答えたのか。

『そっか、じゃあ頼むのは僕じゃないよね?
 君を何とかできるのは、ここじゃ一人だけだ。君はそれを分かっていたから、ここに来たんだろ?』

朽ちた学習机に腰かけた忍野の背後、穴のあいた壁際、膝を抱えて座り込む、金髪の少女。
彼女へと僕は―――

『たす……けて…………忍』



以降、街の怪奇は日に日におかしくなっていく。
人に被害が及ぶことも多々見られるようになった。
それは事件のようであったり、事故のようであったりする。
家族の中で、引っ越しの話が出たのも、無関係ではないだろう。

『最後に、一人の男の話をしよう。彼はとてつもなく自尊心の高い男でね、自分の事を神様だと思っていた。
 そして本当に神様になろうとした。神様になって、人間を救おうとした。
 邪魔をする馬鹿な人間どもを滅ぼしてね』

忍に血を吸われ、抱きしめられた僕が、彼女の肩越しに聞いた。

『神様は強かった。己こそが神であり、そして人を救う存在なのだと信じていた。
 だから、負けるはずが無いと。
 己に対する信仰こそが、彼の強さだった。それは無敵の強さだった』

忍野の最後の語りだった。

『でもね、彼が信じていたのはたぶん自分じゃなくて、鏡に映った自分だったらしい。
 だから鏡が割られそうになったとき、彼はいとも簡単に無敵の自分を見失って、失敗した』

薄れていく意識の中で、僕は思った


『まるで、普通の人間みたいだな』


強さも、弱さも、何もかも。
自分の目にする誰かの、瞳(かがみ)の中に。

だからそれを壊されることを、どうしても恐れてしまう。
それはなんて、人間らしい感情なのだろう。

目覚めると、忍野メメも、忍野忍も、そこにはいなかった。
壁の孔から差し込む朝日だけが、あの日、倒れた僕を迎えていた。

210ep.00 -続物語- ◆ANI3oprwOY:2015/04/26(日) 01:13:03 ID:GiCCKhws






「って……げ、不味いぞ」



なんて、考え事というか、回想をしながら動いていたからか。
いつの間にか僕は家族とはぐれてしまっていたようだ。
なれない旅行なんかするから、そりゃあトラブルも多発する。

僕らの街からもう随分と離れた、都会の駅。
先程までは乗り換えを待ちつつお土産コーナーを見たりなんかして、はしゃぐ妹達を眺めていた……筈なのだけど。
こっそり黙ってトイレに行って戻って来てみれば、見事に置いて行かれていた。

「ケータイも通じない……か」

目前のコンコースは人でごった返していた。
あたりまえだけど、僕の知る街の風景はそこにない。
僕の知らない街の、知らない人達がたくさんいて、まるで違う世界に来たかのようだった。

なんだか、妙に落ち着かない。
ごく最近まで違う世界に拉致られていただけに、どんな些細な変化にも敏感になってしまうのだろうか。
それを差し引いても心配になる。
妹達は、家族は、僕に残された、数少ない、大切な者、なのだから。

それに、もう間もなく、乗り換えの列車が来るだろうし。
早いところ合流して安心したい。
そう思って、僕が駆け出そうとした、その時だった。

「……………っ!?」

ありえないモノが、僕の視界の隅を流れていった、気がした。


「……」


雑踏の中に、見覚えのある亜麻色の髪を、見たような気がした。
いつか、どこかの世界で、僕の隣を歩んでくれた少女の―――

「……馬鹿か、僕は」


すぐさま、目を凝らすも、亜麻色の髪はもう見えない。
雑踏の中に消えていた。
最初から無かったように、いや、本当に最初から無かったのだろう。


白昼夢。


何を都合の良い幻想を見ているんだろう。
未練、なのだろうか。
女々しいにもほどがある。

『時系列も、設定も、微妙にバラバラだった。それは僕らの間ですら、そうだった』

忍野の言葉を思い出す。
だとすれば、『いま僕のいる世界における彼女』が、何処かに存在するのかもしれない。
なんて、想像したことは、否定できない。それはきっと僕の後悔の確たる証拠であって。
だけど実際に会えることを期待するなんて、おめでたいにも程がある。




自分自身に呆れながら、溜息と共に歩き出す。
もう、少女の姿は何処にも見えない。
幻想は消えてしまった。
その事実にどこか安心して、僕もまた雑踏の中に踏み込んでいった。

211ep.00 -続物語- ◆ANI3oprwOY:2015/04/26(日) 01:14:01 ID:GiCCKhws



















「お姉ちゃ〜ん」



その、踏み出す足が、止まった。


「お姉ちゃ〜ん! 次の電車行っちゃうよ〜!」


背後から聞こえた声に、堪らず、僕は振り返る。


「うーん、どこに行っちゃったんだろう……?」


数メートル離れたところに、途方にくれる少女がいた。
亜麻色の髪を頭の後ろで束ね、ポニーテールにした、一人の女の子。
僕は、彼女の名前を知っていた。

「ひら……さ……」

目が合う。
咄嗟に、逸らす。

思い描いていた、幻想が目の前に在った。
確かに、そこに、彼女はいる。
でも、だから、何だっていうんだ。

分かっていた、彼女は僕の知る彼女じゃない。
僕があの場所で出会った彼女とは、別の女の子だ。
僕は彼女の事を知っているけれど、彼女は僕の事を知らないのだ。
何も、何も、彼女はしらない。
だから僕も、気づかなかったふりをして。


「あの、すいません」

「……っ!」

いつの間にか、少女は目の前に居た。
僕の辛気臭い顔を覗き込むようにして、立っていた。

212ep.00 -続物語- ◆ANI3oprwOY:2015/04/26(日) 01:18:39 ID:GiCCKhws


「な、……なん……だ?」

裏返った声で、僕はなんとか言葉にする。

「人を探してるんです……ええっと……」

そう言って、少女は両手を頭の後ろに回し、髪の毛を降ろそうとした。

「あ……ああ」

僕は、彼女が何を言いたいのか、分かっていた。
だから続きを待つでもなく。

「あっち、だと思う」

先程、雑踏の中に見かけた、とある方角を指さした。

「どうして……分かったんですか?」

「さっき、君にとても似ている人を、あっちで見かけたから」

そういう事にした。嘘はついてない筈だ。
今目の前に居る彼女が幻想でないのなら、先ほど見たものも、きっとそうだろう。

「お姉さん、か……?」

「はい。家族旅行、なんです」

「そっか、奇遇だな。僕も家族旅行でさ……妹達と離れちゃって、いま探してるとこなんだ」

会話、していた。してしまっていた。
もう話すことは無いと、二度と会う事は無いと、思っていた人と。


「そう……なんですか、えと……それなら」

「じゃあ、僕は行くよ」


そのまま喋り続けていたら、馬鹿な事を口走ってしまいそうだったので。
早々に切り上げてしまうとする。

あり得ない奇跡だった、幻想だった。
だからもう、十分なのだ。
今度こそ、余計な未練を感じてしまう前に、少女に背を向けて、歩き出す。

「あの……」

何かまだ、言いたい事でもあるのだろうか。

「あ……」

僕は聞こえないフリをする。
感傷に耐えきれなくなる前に。
聞こえないことにして、歩き続ける。

「あ………………」

そして一気に、駆け出そうと足に力を込めて。

「あ……ら…………」

……気のせいか、何かが、近づいているような。

「あ……ら……ら……ぎ、さん」


………嘘だろう。
流石に、振り返ってしまっていた。
ずるい。それは反則だった。
そんな事されたら、言われたら、僕は振り向くしかないじゃないか。

213ep.00 -続物語- ◆ANI3oprwOY:2015/04/26(日) 01:20:18 ID:GiCCKhws


「なん……で、だよ……」

乾いた笑いすら浮かべながら、僕は、平沢憂と向き合っていた。


「わたし……あなたの……物語(ユメ)を見ました……」


僕の知らない人だらけの、駅の雑踏の中で。
初めて出会う彼女は、切なく、微笑みながら言った。

「だから、伝えなきゃって、思ったんです。私じゃない、『誰か』の代わりに」

そのとき、たぶん、僕は、彼女の瞳の中に、確かに見た。
あの戦いの中から戻った、僕自身の、今の姿を。



「阿良々木さん、ありがとう」



その、意味を、価値を。


「そう、伝えます。あなたに伝えたかった、『誰か』の代わりに」


やっと、知る事が、出来ていたんだ。


「君の…………」


だから僕は、もう少し、欲張ることにした。
ありえない約束をしたと、それを憶えている。
あの場所に残してきた、たった一つの誓い。
最後の戦いの前、出会った掛け替えのない人達と。


『――――ここにいる全員、生きて、また会おう』


そんな、今はもう、決して叶わない約束すら、いつか果たせるって。
信じられる気が、したから。


「君の夢……聞かせてくれないか……?」


その言葉に、少女は満面の笑みで。



「私は――――」



幸せを抱きしめるように、答えてくれた。




「いつか、私だけのユメを見つけたい。それが、いまの私の夢です」

214ep.00 -続物語- ◆ANI3oprwOY:2015/04/26(日) 01:21:59 ID:GiCCKhws




やがて、違う雑踏に消えていく僕たち。



「また明日」

一瞬の交差の後、異なる道を歩みだす。
背を向け合って、別々の場所へ。

「さて、と……」

少女と別れ、妹達を探す道へと戻りながら。
僕は胸元のペンダントを引っ張り出した。

「僕も、いつか、お前の礼を、しなきゃいけないな」

ペンダントの先に、不満顔でぶら下がっている、僕の命の恩ガメ。
何処かの世界で、誰かが、いつの間にか僕の胸元に潜ませていたもの。

最後の時、僕の心臓を穿つはずだった致命傷をおし留めていた存在。
そして、僕にとっては数少ない、あの世界から持ち帰った、生きた証明だった。

「これからよろしく。とりあえず一緒に、旅行をたのしもうか」

案外、この旅行は、単なる家族旅行では終わらないのかもしれない。
旅行先で起こる一波乱。また違う物語。亀物語。

それが終わったら、また次の物語が待っている。
やがて戻るいつもの街。そこで僕はまた、何かに出会うんだろう。
変わってしまった街と、人と、新たな怪奇。もう一度、向き合ってみようと思う。

逃げずに、もう一度。僕は、次の物語を始め、そして終わらせ続けよう。
それはきっと、言葉遊びの続きでしかないけれど、僕はこの――――


青春を、終わり失くして続けよう。


「また明日」


そんなことに思いを馳せながら、僕は妹達を探しに走る。
焦ることは無い。
何処かで、また彼ら彼女らの物語と、交差することもあるだろう。

たとえ違う世界に別れていたって、僕らは一度出会えた。
だったらまた、その道が重なることも、ある筈だろう。


「また明日、だ」


その明日がいつになるかは分からない。
だけど『明日』は、誰にでもやってくる。

今日を、一つ、一つ、越える限り。
だから僕は、ひとまず今を生きる事にする。



――――そうして、次の物語が始まる。

誰かがそこにいる限り。
始まり、終わり、また始まり、そして続いていく物語。




僕はそれを、いつか誰かに語り継ぐ。











【アニメキャラ・バトルロワイアル3rd / 阿良々木暦 -To the next story!- 】

215 ◆ANI3oprwOY:2015/04/26(日) 01:24:08 ID:GiCCKhws
投下終了です。

216 ◆ANI3oprwOY:2015/04/26(日) 01:34:39 ID:Q370ZayY
挨拶諸連絡は後日お伝えします。本日はありがとうございました。

217名無しさんなんだじぇ:2015/04/26(日) 20:29:09 ID:Bshxk30g
おー。
エピローグ投下最後ってことはこれが最終投下でいいんですよね?
お疲れ様でした。
そっか、今度こそ本当に終わっちゃったか。
いや、この話的には終わり失くしたと言うべきか。
終わり失くす、けど終わりがなく続いていく。いい言葉遊びなエピでした

218名無しさんなんだじぇ:2015/05/01(金) 00:00:26 ID:kir8mSF6
あ、投下来てた

投下乙です
みんな濃いなあ

219名無しさんなんだじぇ:2015/05/01(金) 00:19:26 ID:tCUAIon2
これでアニロワ3rdも本当に完結か・・・

220名無しさんなんだじぇ:2015/05/04(月) 21:38:51 ID:SgGKNfo2
投下乙〜
なんか中途半端ですな

221 ◆ANI3oprwOY:2015/05/07(木) 00:42:44 ID:NRxdg.Dw

アニメキャラ・バトルロワイアル3rd 全ての投下が終了いたしました。
長い間の応援ご愛読、誠にありがとうございます。
その全てが我々の励みとなりました。

以前告知した、アニ3書き手座談会の日程等が決定しましたので、ここに報告致します。

日時:5月16日(土) 21時〜1時くらいまでを想定しています。

また、『書き手限定でのチャット』になりますので、入室の際はトリップが必要になります。
ご了承くださいませ。

チャットの場所等の詳細はまた後日に連絡します。

222名無しさんなんだじぇ:2015/05/08(金) 00:38:10 ID:cdcs/1tQ
ご報告有り難うございます。
書き手によるチャットとのことですが、このロワで一話二話書いたけどトリ忘れたという場合、他のロワでのトリ使ってもいいですか?
また読み手はしていたけれど、このロワでは書いていない書き手の場合は自ロワのトリで参加できるのでしょうか?

223名無しさんなんだじぇ:2015/05/09(土) 20:48:54 ID:OUQWwuW2
チャットのアドレスどこでしょうか

224 ◆ANI3oprwOY:2015/05/12(火) 00:21:31 ID:0Xt0OdeA

アニ3書き手座談会に関して詳細の告知です。

日時は変わらず、


5月16日(土) 21時〜1時くらいまで。


【参加される場合は、必ず以下の説明を読んで頂くようお願いいたします。】

書き手チャットになりますので、参加される場合『必ずトリップを付けて頂く』ようお願いします。
基本、アニ3で書いたことのある方向けになるので、アニ3のトリップを付けて頂くことになりますが、
初期のみ書かれていた方など、トリップを忘れている方もいると想定されるので、

『他ロワ企画のトリップによる参加でも可』とします。

アニ3で書いたことが無くとも、他企画でのきちんとしたトリップを付けて頂ければ、問題なしとします。
勿論、アニ3で書いたことのある方であれば、入室後にどの話を書いた方なのか教えて頂けると幸いです。

ただし、『過去にトリバレしているトリップ』や『初出のトリップ』は当然ですが不可とします。

これらに則らない場合は、まことに勝手ながら入室をお断りする事となります。
また迷惑行為、荒し行為等が在った場合は、ご退出願うこともありますので、ご了承ください。


チャットのURLは当日にお知らせします。


質問等あれば気軽にどうぞ。
では、今夜はこれにて失礼します。

225 ◆ANI3oprwOY:2015/05/12(火) 00:27:40 ID:0Xt0OdeA
>>222


質問

『書き手によるチャットとのことですが、このロワで一話二話書いたけどトリ忘れたという場合、他のロワでのトリ使ってもいいですか?
また読み手はしていたけれど、このロワでは書いていない書き手の場合は自ロワのトリで参加できるのでしょうか?』

について。


告知>>224の通り、2点とも可となります。
ただしいずれの場合でもトリバレしたトリは不可とします。

226 ◆ANI3oprwOY:2015/05/12(火) 00:28:25 ID:0Xt0OdeA
>>223


告知>>224の通り、当日お知らせします。

227名無しさんなんだじぇ:2015/05/13(水) 03:17:15 ID:udAClT46
このロワをずっと読んできた読み手は参加できないのに
このロワで一度も書いてない書き手は参加できるって
もはやアニロワ3rd関係ないじゃん

企画に無関係なイベントの宣伝は他所でどうぞ

228名無しさんなんだじぇ:2015/05/13(水) 10:49:15 ID:crOx.KcA
書き手側はこのロワをずっと読んできた(苦笑)読み手に向けてずっと書いてきたわけじゃねーから
何の貢献もしない企画の寄生虫向けのイベントじゃないからすっこんでろや

229名無しさんなんだじぇ:2015/05/16(土) 20:56:00 ID:2SuMSlX.
単純に身元証明できるかどうかということかと
文句があるなら読み手はトリ無しでないと信用出来ないような環境にするべきではなかった

230期限切れです:期限切れです
期限切れです

231名無しさんなんだじぇ:2015/05/17(日) 14:14:01 ID:/qXOLxRE
>>228
最後まで読んでくださった方々。
ここまで待っていてくださった方々。
本当にありがとうございました。
この物語に触れて頂いたこと、心から嬉しく思っています。
(書き手側はこのロワをずっと読んできた(苦笑)読み手に向けてずっと書いてきたとは言ってない)

座談会のような物を企画する予定です。
(何の貢献もしない企画の寄生虫向けのイベントとは言ってない)

こういうことですか?分かりません><

232名無しさんなんだじぇ:2015/05/17(日) 15:03:21 ID:u67NBMNM
自分の態度を客観的に見てみたらウジ虫かどうか判断できるんじゃない?
まともに思考できる頭があればだけど

233名無しさんなんだじぇ:2015/05/17(日) 18:04:15 ID:/qXOLxRE
怖いな〜
アニロワ3ピリピリしてますわw

234名無しさんなんだじぇ:2015/05/17(日) 19:59:50 ID:Co1FykrU
入室不可はともかくROMさえさせてもらえないほど
切り捨てられてたんだという事実を最後の最後に教えられたわけだが
終わったことだからもうどうでもいいや

235名無しさんなんだじぇ:2015/05/17(日) 22:05:40 ID:nA9w6Ruc
書き手さんからするとうじ虫扱いですかw
待ってて感想書いた結果が読み手締め出しとか笑えるな
他ロワの書き手を太鼓持ちにして読み手への不満でも語ってたんですか

236 ◆ANI3oprwOY:2015/05/18(月) 00:34:54 ID:rOdr8dug
昨夜のチャットには、たくさんの書き手方にご参加頂きありがとうございました。
アニメキャラ・バトルロワイアル3rd、ひとまずこれで企画終了となります。


WIKI制作者様、地図製作者様、したらば管理人様、MAD並びにイラスト各種支援を下さった多くの方々、
合作に加わって下さった方も含め、この企画でssを一度でも書いて下さった全ての書き手、
この企画のssを一度でも読んで下さった全ての住人、


数多くの声がここまで辿り着く助けとなりました。
その全てにこの上ない感謝を。



これまで本当にありがとうございました。



アニメキャラ・バトルロワイアル3rd 書き手一同

237名無しさんなんだじぇ:2015/05/18(月) 01:20:19 ID:MELi5RSc
合作に加わって下さった方も含め、この企画でssを一度でも書いて下さった全ての書き手

ここだけで良かったんじゃねw
座談会で書き手しか呼ばなかったんだからw

238名無しさんなんだじぇ:2015/05/18(月) 01:26:19 ID:sABhUNFM
私みたいな寄生虫向けに書いていただきありがとうございましたー

239名無しさんなんだじぇ:2015/05/18(月) 01:29:40 ID:sABhUNFM
私みたいな寄生虫向けに書いていただきありがとうございましたー
さようならー

240名無しさんなんだじぇ:2015/05/18(月) 11:59:28 ID:OBYl4oLk
>>236
お疲れ様、楽しかったよ

241名無しさんなんだじぇ:2015/05/19(火) 00:15:51 ID:j1EK6Qzc
数年ぶりに覗いたらちょうど完結しててビックリした〜。
未読了だけども、無事終わったようで良かった。お疲れ様でした。

242名無しさんなんだじぇ:2016/03/09(水) 04:14:18 ID:8nXA3wZU
最終回が投下されてから、そろそろ一年になるんだなあ、と思い懐かしくなって今更ながら感想? のようなものを。
アニロワ3っていうのは、本当にすごい、奇跡的な作品だ。
何度も何度も崩壊の危機を乗り越えて、それでも例えゆっくりでも歩みを止めること無く完結を果たした。
単純なリレーを放棄して合作に移行したことは賛否あるかもしれないけれど、だからこそ完成度が高く、テーマ性が強く、そして最後まで辿り着くことが出来たんだと思っている。

他と比べてどう、とは言うべきではないのかもしれないけれど、アニロワ1や2に比べると、書き手にとって非常に辛い立場だった。
その空気に耐えきられずに途中で書き手をやめた自分には、それでも書き続けた書き手の方々が眩しかった。
内容だけではなく、そういった外部的な批判にも負けない姿には、見ていてとても勇気をもらえた。
完結まで辿り着くことが出来た時には、我がことのように嬉しくなってしまった。
それぐらい、自分にとっては思い入れのある企画だ。

アニロワ3というロワは、企画としては成功とは言えないのかもしれない。
途中から見ていただけだった自分にとっても痛々しいことがたくさん起こり、完結まで時間がかかったことも読み手が離れる原因になったのだと思う。
けれど、それを差し引いても、アニロワ3という物語は、数多くのロワの中でも随一と言っていいテーマ性と完成度の高さを持っていると思っている。個人的には。
ここで言うことに意味は無いかもしれないけれど、途中で読むことをやめてしまった人にも改めて、
完結して時間も経った今だからこそ、企画ではない純粋な物語としてアニロワ3を読んで欲しいな、と願っている。

唐突な自分語りと長文感想失礼しました。

243名無しさんなんだじぇ:2016/04/13(水) 13:58:09 ID:AE0TNem.
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244名無しさんなんだじぇ:2016/04/22(金) 21:04:39 ID:gZ3FBTQ6
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245名無しさんなんだじぇ:2016/04/28(木) 23:17:49 ID:CHibtqTM
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246名無しさんなんだじぇ:2016/05/10(火) 11:55:05 ID:aICYtdpc
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247名無しさんなんだじぇ:2016/05/13(金) 04:01:24 ID:DlHi1i4c
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