したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

仮投下スレ

735 ◆TDCMnlpzcc:2012/08/16(木) 21:13:05 ID:PBKG5uew

 この“異変”は、今までの異変と比べて、難易度が、桁違いに大きかった。
 一対多数、不意打ち上等。命の取り合いに情けは無用。弾幕ごっことは違う、無情な戦い。

 結局、多数が勝つのだろうか?
 仲間?いや、味方を多く作った方が、信頼を築けた方が勝つのだろうか?
 それも、また違う気がする。霊夢は、自分の今までの行動を思い返し、空を仰ぎ見る。
 少し、油断しすぎた行動だが、最低限に周囲は警戒していた。

 ざくっ、ざくっ、地面を踏みしめ、よろよろと誰かがこちらに歩いてくる。
 倒壊した家屋を避け、頭を押さえながら、現れた影。

「魔理沙!!」
「もう一度話せるとは思わなかったよ。霊夢」

 フランドールの歓声に答えて、魔理沙が、五体満足で現れた。
 皮肉なものだ、もし、小町が話しかけなければ、お空たちの到着が遅れていれば、死んでいたはずなのに、
 自分が殺していたはずの命であるはずなのに―――

 霊夢は魔理沙が生きていたことが、不思議と、うれしかった。
 それを、元人間の感傷だと、霊夢は認識して、笑う。
 
「私は絶対に生き残る」

 魔理沙を前にして、なぜか、自分の中の闘気が湧き上がってくるのを感じて、霊夢は顔を前に向けた。
 もしかしたら、それはただの意地であったのかもしれない。
 魔理沙の目の前で、情けない姿は見せたくなかった。
 
「私は、皆を倒し、この異変を解決する」
「“倒し”じゃない、“殺し”だ」

 魔理沙が、否定して、銃を向ける。
 泥だらけ、血で汚れた顔を上げ、それでもまだ、魔理沙はためらっていた。
 馬鹿馬鹿しい、この期に及んで、まだ自分を殺すのをためらっているのか。

「ねえ、魔理沙」
「・・・・・・」

 覚悟はできているのだろう。ただ、魔理沙は何かを待っている。自分の言葉か、答えか?
 四人に囲まれて、霊夢は勝機を探る。
 涼しい風が、傷口を冷やす。

「ああ、そうだ。お空」

 思い出したかのように、魔理沙がお空に声をかける。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板