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【オリスタ】Change a gear,Change THE WORLD【SS】

142第9話 ◆gdafg2vSzc:2019/03/11(月) 22:05:31 ID:lzeWslM60
>>141
 数日後の日曜日、昼過ぎ。
 南風市の中央商店街の一角にある公園。

「ごめんなさい、遅れちゃった」

「あ、ううん。僕も今来たところ」

 待ち合わせ場所として使われる地元出身の偉人の像の元で待っていたルイに、沙枝が声をかけて小走りに近づいていく。

 この2人が待ち合わせしていたのは、デート……という訳でなく。

「ごめんね、雨月君。付き合わせちゃって」

「でも良かったの? 僕で」

 洪の襲撃以降、ネルソンにできるだけ単独での行動を控えるように言われていた事もあり。

 参考書等買い物がしたい沙枝がルイを呼び出したのだった。

「うん、汀君に先に声をかけたんだけど『小難しい本とかの買い物なんて向かないしヤダ』って」

「ああー、そうなんだ。汀君らしいや」

「本当。でも……まさかこんな街中で攻撃なんて、ないと思うけど」

 少し不安げに呟きつつ、周囲を見渡す沙枝。

 数年前に郊外に出来たショッピングモールのせいで客足が減ったとはいえ、天気の良い日曜昼間の商店街は人で賑わっていた。

「うん、あんまり気にしなくて大丈夫だと思うよ」

「そうよね……気にしすぎて神経質になっても駄目だし。うん」

 不安を振り払うように沙枝が頷き。

「じゃあ行こうか、雨月君」

 ルイと一緒に歩き出した……


「うん。で、まず何処へ……あっ!」

……直後だった。


「!? どうしたの!?」

 突然のルイの声に驚き、足を止める沙枝。

 ルイは側の歩道橋へ続く階段や、その上を走る電線に目を向けていたが。

「あ、いや……あーあ、やられちゃった」

「ああー……」

 ルイの右肩、薄手のトレーナーの上に。

 歩道橋の欄干に止まっている鳩の仕業だろう、鳥の糞がくっついていた。

「折角新しく買って貰った奴だったのになー、ツイてないや」

「ちょっと待ってて。これ」

 残念そうに顔をしかめるルイの横で、沙枝が持っていたハンドバッグからウエットティッシュを取り出し。

「使って……きゃ!」

「あ。ごめんなさーい」

 渡そうとした直前、歩きスマホをしていた女性がぶつかり、沙枝の持っていたウエットティッシュが車道に落ち。

「ああー!」

 通り過ぎていく車が次々とそれを轢いて行く。

「ちょっと、貴女……って、ああもぉー」

 自分にぶつかった女性を探そうとするも、既に人ごみの中にその姿が消え。

 沙枝は腹立ちに頬を膨らませる。

「あはは、仕方ないよ。こんな事もあるよ」

 その様子に苦笑しつつ、ルイが持っていたハンカチで糞を摘み取る。

「折角の日曜だし、気にしないでで行こうよ」

「うーん……そうよね」

 納得いかない様子で首を傾げつつもルイに促され、再び歩き出す2人。


 その2人を。

「よーし。よくやった、バッドサイクル」

不運を落とシテ引っ付けるトカ、最初は馬鹿なアイデアと思ったガ』

 歩道橋の上から、幸彦とバッドサイクルが眺めていた。

 ルイの頭から肩にかけて、歩道橋の上からバッドサイクルが落とした『不運』がべっとりとくっついていたが。

『意外にイケるモンだな』

「馬鹿とか言うなよ、結果オーライだ」

 ルイ達スタンド使いにも『不運』が見て手いるかと言う懸念もあったが、ルイがそれに気付く様子は微塵も無く。

「よっし。後は俺の『不運』で自滅するのを待つだけだ。追うぜ」

『了解』

 幸彦は、2人をゆっくりと尾行し始める……


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