． . ﾟ . o ﾟ 。 . , . .o 。 * .ﾟ + 。☆ ﾟ。。． .
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‐''"´'''"""''"｀''""｀"""''''''"´'''"""''"｀''""""'''"''''''"｀"""''''｀`'‐
ｵﾄｺ
―― これは、夢を追い野望を滾らせた漢たちの物語 ――
・正史『三国志』と羅貫中の『三国志演義』を二本柱に、華陽国史などの各種参考文献を >>１がブレンドしたものとなります
・歴史「学ぶ系」ではなく、あくまでも 「読み物」 としてお楽しみください
・>>1はやる夫スレ初心者です。一発やらかしてしまった場合、生暖かく見守っていただけると嬉しいです
楽しみに待ってる。
.......................∧
／,/∧.............../..∧
／.,へ /,∧............_./....ﾄ .
/ /......」 ./,＞ ¨￣ `
/ｘ`ミ) ／ ＼ ＼ スレ立て主の珪孔雀です
/....Ⅶ彡'.／､ ＼ ヽ ＼
Ｌ ＿Ｔ / ＼ :. _ . ＼ 三国志を知らない方、知っている方
⌒ ′ ﾄ､ 二ニ＝- _ いろいろな方に 「やる夫たち三国志」
|_ 三二ﾆ＝=- ー=彡 | を愉しんでいただければな、と思います
.: '| ,.斧仏¨}`Ｙ l .} .i
,.斧仏 乂_り | . } 八
|! {/,乂_り .:::::: 八' / / .／ 三国志というポピュラーなネタを扱うため
|! V/,ヽ::::::. ` _ , .ｲ /_ ／⌒ ないとは思いますが、 初心者です との
V, ` ≦＞=- _／ ィ〔 書き込みを発見した場合、ネタバレは
`＼ 二ニ=- ノf>o7 _`ﾌ、 しないであげてください
ー=彡 ＜Ｙﾄ _,.ﾍノΥＹ⌒ ＞ _/｝
/7....//⌒/Ｖ入＞{^....//.........._く、
〃....//......r_/∧ ,〔.....j/!.............-ヒ ､
/7.....//.......,〔/V/ j{.......}/l..................∨ﾉ_、 合いの手は大歓迎ですので、
ｙ'.....,j/........r / o ,j{........}/|..../,..............ＶY., じゃんじゃん行こぉ！
/7.....//.........〔/ //∧ｊ{..........}/|....//,.............`(._./,
〈/....//........ (_/ Ｖ//.j{...........}/|......//,..............., (_./,
_〃...//..........ｒ'./ ,ｨ∧ .j{............}/|.........//,...............Ｙ...._, では、２５分後にお会いしましょう！
/／.. //..........｛ / V///〉{............ }/|............//,.............乂ﾉ^),
_v.......//...........〔 / V// j{ .. .. .... }/|..............//,..................Ｖ_ﾍ
{/...... //...........r' / Ｏ j{...............}/|..............._//,...................v(_/,
/7....... //...........r' / ,.イ∧ j{ ............. }/|..,ｨ/{ﾂ////,......................Ｙへ
〃...... //..............ﾌ' ｆ////∧ .j{............... }/|////⌒ヽ//,......................∨ ）
/ ／ ヽ
.L./ 八 ＼_
ｏ `ｰｏＹ 時間が来たので
.}、 ( ﾉ ,: 投下開始しますね
ヽ ≧`_´≦イ
/..}! 〈〉 i{.∧
.{....}! 〈〉 i{.....}
Ｖ∧ 〈〉 /...../
}...∧f〉/.....,:ｆ
ｊ,二,〈〉j二, {
/∧ Ｖ ._ j .}
＿＿＿＿_.{ .ソ个jく).＜､＿＿＿＿
`/ ¨¨|!¨ ヽ'
┃ ..┃
┃ 【正史】やる夫たちは中原で覇を争うようです【演義】 ┃
┃ 第一部 『群雄争覇』 .. ┃
┃ ┃
┃ 第一話 「桃園結義」 ┃
┃ ┃
┃ ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
日本で言うと、卑弥呼が即位する２０年ほど昔の出来事と言えばわかりやすいだろうか。
i"￣ヽ
ﾉ,,_ /
_,.-‐''''"‐-`)ﾞ
,:‐'"''''''―-:､ `:､
/ ヽ ',
i , ', |
l i.| |i,| i-:､r|
i ,,|_',|.|!| __,,, r |'' l ',
'､,,ri!t;i ‐i't;i'"| |) / i
|.i l_ | !"| _,,|
!.ヽ,--‐- ,| ,'-‐'''‐':､
', |,r`ーi‐/r' .ヽ
i !_ i'"`i// |
,!!ﾞ )'ｰ//i ,i
／ ,:'"ﾞ ,.'-'､.| i ,' |
i i' !_ i.| ',' |
`i| i"i".| ', |
|| | |. | ', i
'| !,,__! | .i,'
_,.-‐'i――‐| .| ',
ヽ |―---:| | i
', .|---―:| .| ',
i |――- | ヽ______,,.-i‐,'i"´
┌‐────┐ ヽ,|------! |. | ',',
｜ ヒミコ ｜. | | | | i ',
├───‐─┴────────────────────
│わたしのデバン、これだけだよ……
└─────────────────────────‐
後漢の辺境にある幽州は琢郡、琢県にて一人の男児が生まれた。
−中原の図−
.lll、 ,,,,,iiilllllii,,,,＿_,,,,,,,,,,,,iiiill!!! .,,illll .llli､ __
._,,ill| ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,__ .__,,,,iiiiil!!!lﾞﾞﾞ゜ .ﾟﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ＾ .,,,iill!ﾞ’ ,,illl .,,iiillllll!!lllllll
.,,,iiiil!!!ﾞﾞ’ lll!ﾞﾞﾞ”ﾟﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ!!!!!!!llllll! 幽州 ,iiiiil!!ﾞ° lllllﾟ,,iill!ﾞ°
.,,ill!ﾞﾞ｀ llll, llll、 .,,,、 ●この辺 _,,,,,,iill!ﾞ｀ .ﾞllliill!ﾞ｀
lll!ﾞ 'ﾞ!!!lliillliiiiii,,,、 ﾞﾞ!lli,..,illllli,、 .,iiil!!!!ﾞﾞﾞ゛ l!!ﾞﾞ゜
llli,,、 ,,,ill!!!ll,、 ,,,,, .ﾞﾞ!lll ﾞ!lllll!ﾞ.ﾞ!!lii,,,iiiilll!!!!li,,
.ﾞﾞ!llii,,. ,,,ill!ﾞﾞ .ﾞllli,、 ,,ill!!ll、 ,lll lll| .ﾞﾞﾞﾞﾞ’ .ﾞ!llii,,, .,,,iiii,,,,,,,,,＿
.ﾞﾞ!!l!!!ﾞ’ .ﾞ!llii,,,_,,ill!ﾞ゜llll、 .,ill! 并州 llll ,,,,iiillllli,,,_ ,,iill!ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ!!llll
ﾟﾞﾞ!!!!!ﾞ° ﾞ!liii,,,, .lll!ﾞ lll" 冀州 iill!!ﾞﾞ゜ ﾞﾞﾞ!!!lliiiiiill!ﾞ゜ .,,,iiill!!
,,,,,,_ ﾞﾞﾞ!lli,iilll｀ ﾞ!lli, .lll、 青州 .,,,iill!ﾞﾞ°
ﾞﾞﾞ!!lliii､ ﾞllllllii,,, ,,,,,,,,,,、 .ﾞlll ,,illliii,,, .,,,iiiiii,,,,,,illl!ﾞ°
,,,iiiiiill!ﾞ 涼州 .ﾞ!!ﾞﾞﾞ!lli, ,ill!ﾞﾞﾞ!!llii,, lll,,,,,,,、.,,,iiill!lﾞ ﾞﾞlll,,,,, .,ill!ﾞ~ﾞﾞﾞllllllﾞ゜
lll￣ ｀ '!ll、 _,,lll′ .ﾞ!llil, ,illlﾞﾞ!llliill!ﾞﾞ゜ !lll!ll,.ill!′ .lll!ﾞ°
ﾞ!!lliii、 lllliiil!!!!ﾞﾞ .'!llli,,iill!llii,,,,ﾞﾟﾞﾞエン州 ,,ill!.llllll!l lll,、
ﾞ!llii,, _,,,,, ,,,,iiill!ﾞ゜ ﾞﾞﾞﾞﾞ°ﾞﾞﾞ!ll、 .,,,iill!!ﾞ゜llll′徐州ﾞ!lllii,,
ﾞﾞ!!lliii,、 llll!llii,,,,iiill!!ﾞ”” 司隷 、 .,ii,,,,,,,llll, .,,,,iill!!ﾞ゜ .llli,, .ﾞl!lll、
ﾞ!lli,, 'lll,,.ﾟﾞﾞﾞﾞ” ｀ .,,ill!llllﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ!!!!!!ﾞﾞ’ ﾞ!!liii,、 .ﾞ!!lii,,
.ﾞﾞllli,,,,、 .ﾞﾞ!!!liil,,,,,,_,,,,,,,,,、 .,,,illl’.ﾞ!llii,, 予州 '!lll ﾞﾞ!lii,,,,
.ﾞﾞﾞlll| .,,ill!ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ!llii,,,,,,,,_ ,,iiil!!ﾞﾞ ﾞﾞ!lli,, ､ .,,,,,,,iiilllliiii,,,,,,,,,,,,,,,,,_,,llll!
,llliiii,,,,,＿,,,,ill!ﾞ｀ ﾞﾟﾞﾞﾞﾞﾞ!!!llll／ .ﾞﾞ!!liii,,,、 .,,, iiiil!!!ﾞﾞﾞﾞ’ .ﾞﾟﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ!lllll,,,,,、
.,,iiiiiliil!!゜ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ゜ llll,,,,,、 .ﾞﾞﾞ!!llii,,lll!ﾞ″ ﾞﾞﾞﾞﾞ!!lli,
lll!ﾞ｀ ﾟﾞﾞllllll! ﾞﾞ!llll 揚州 ﾞ!lli
.lll″ 益州 ,iiii,,,,,iill!ﾞ° 荊州 ﾞlll,、 ,,,,,,illl,,__
.lll, ,illlﾞ”””｀ ﾞ!lliii, '!!ﾞﾞﾞﾞﾞﾞ!!llll
.ﾞﾞ° ｀｀ ﾞﾞﾞ′ 'ﾞﾞﾞﾞ
姓は劉、名は備。字をやる夫 という。
＿＿＿_
／ ＼
／ ⌒ ⌒ ＼ みんなのアイドル、やる夫だお！
／ （●） （＜） ＼
| （__人__） | 今度のやる夫は中山精王・劉勝の末裔なんだお！ （ﾄﾞﾔｧ
＼ ｀⌒´ ,／
／_∩ ー‐ ＼ インペリアル・ティムポをくれてやるから、
（＿__＿） |、 ＼ 美少女は尻を向けて、一列に並ぶお！
| |/ ／
| ⊂ ／
| し'
＼ ､／ ／
＼／ ／
＿／ ／｀`l
（＿_＿_／（＿/
| | | |
_||＿||＿＿|| ||
（＿＿／ `ー―― ＜チョーシこいてんじゃないわよ！
（＿__/ r
（＿レノ）＼ ＿＿＿
（＿＿/＿＿／
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼
／（ ●） （●）＼
／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
| |r┬-| |
＼ `ー'´ ／
//ノ￣￣｀ヽ、// // ////
／ ´｀ヽ _ // // //
(--/￣ , ｀￣￣￣///
( ...| /!
(｀ー‐し'ゝL _
(--‐‐'´} ;ー------
｀ヾ:::-‐'ーｒ‐'"＿
＿／⌒ ⌒＼＿
／:●））（__人__）（（● ＼ ぐぇあ
| |r┬-| |
＼ `ー'┃ ／
同い年の有名人に、第十七代ローマ帝国皇帝コンモドゥスがいる。
※コンモドゥスは、かの高名な哲人皇帝マルクス・アウレリウス・アントニヌスの息子である。
なぜならば、劉やる夫はこの肩書のみで乱世を乗り切った（ と世間一般では思われている） からである。
＿＿＿_
+ + ／⌒ ⌒＼+ 。 何度も言わせるなお！
・ ｡／（ ●） （●）＼ + + やる夫は劉氏の血を引き継いでるんだお！
／::::::⌒（__人__）⌒::: ＼ 何かが少しずれてたら、やる夫が時の皇帝だったんだお！
| |r┬-| |
+＼ `ー‐′ ／・ ﾟ. + ＿_
／ | / ・ /ヽ
（＿⌒) ・ ・ |｜＿＿＿＿___＿___＿ |劉 | │
ｌ⌒ヽ ＿ﾉ | |＼ |___| {}@{}@{}−| 氏| |
| r `(;;U;) ）__) ＼ >ﾟ))))彡ー―'. |＿.|＿|
（＿ノ ￣ ／ ／ ＼`ー―’＿＿＿
（＿_^) | |￣￣￣￣￣￣￣￣￣
|_|
この自称が科学的な意味で、正しいか否かは知る由もない。
……が、漢王朝当時、劉家を詐称することは大罪である（死罪もありうる）。
にも関わらず、若い頃のやる夫は自分が劉氏の血を引くと公言して憚らなかった。
そして、血筋の件で逮捕・投獄されたことは一度もない。また、他の劉氏に血統を否定されたこともない。
結論から言って、やる夫はほぼ確実に劉家の血筋を引いているだろう。
やる夫の先祖は 臨邑侯劉譲。爵位で言えば諸王に次ぐ、列侯なのである。
劉譲は列侯のみに課された特殊な上納金を納めなかったために、列侯から除かれている。
そのせいで司書の系譜も劉譲の代で止まっているのだ。
劉やる夫がどのような人物であったのか。
正史、蜀書『先主伝』には以下のようなエピソードがある。
┏──────────────────────────┓
│ .やる夫の家の前に、立派な桑の木がありましたとさ . │
┗──────────────────────────┛
!､.:::::::::....,,........::.......;;;;;;;;.........;;;;........::::::::::::::........;;;;.........;;;;;;;;.......::........,,....:::::::::.ノ
（::::::::....;;;;.....:...... ::";;;;;;;;....::::.....::::!､........::........ノ::::.....::::....;;;;;;;;゛:: ......:.....;;;;....::::::::）
ﾉ:::::::::......... ,..::::. ..........:::::::::.....:,',;;;;;;;;ヽヽ;;;;;;;;,',:.....:::::::::.......... .::::.., .........:::::::::ﾉ
ｿ''r....:........::::....::....;;;;;;;;.;;;;........;;;;;;;;....::::..::::....;;;;;;;;........;;;;.;;;;;;;;....::....::::........:....r''ｿ
jWw.....;;;;...........ﾞｉﾞ''';:,ﾉ.y;wﾘﾞW゛jﾘ从jwwj从ﾘj"Wﾞﾘw;y.ﾉ,:;'''ﾞ/...........;;;;.....wWj
~''r::::::....;;;;;;;;;;;;;,.,!､i;:''::ﾞｉ........ﾄ ;i:iii;::iii::iiiiii::;iii:i;wj从ﾘjｲ/::'':;iノ,.,;;;;;;;;;;;;;....::::::r''~
`｀Wjﾞﾊ'w,.......,,...ﾞｉ:;i::.ﾞﾞヽ(. | ..;;;ii;:''::;;:;;:;;::'':;ii;;;.. | .)ヽﾞﾞ.::i;:/...,,.......,w'ﾊﾞjW´`
ｿ:ﾘﾊw;::;;;j;;;;wiﾞｉ;iiii;:ｿ,ﾞﾞﾞ:;i;:ﾞﾞﾞﾞ::iiii::ﾞﾞﾞﾞ:;i;:ﾞﾞﾞ,ｿ:;iiii;/iw;;;;j;;;::;wﾊﾘ:ｿ
`｀Wjﾞﾊ'w,ﾞｉ:i;;i ;;ﾞﾞﾞ:;;;;::.;;::;;;::;;;::;;.::;;;;:ﾞﾞﾞ;; i;;i:/,w'ﾊﾞjW´`
ﾞｉ;ii:ii:;i::.ﾞ;;ﾞﾞ..;i;::::;i;..ﾞﾞ;;ﾞ.::i;:ii:ii;/
''rﾞﾞﾞ''';:,;;.:;:.:;ii;;ii;:.:;:.;;,:;'''ﾞﾞﾞr''
|;;;;..:;;;::ﾞﾞﾞ... :: ...ﾞﾞﾞ::;;;:..ヾ|
|. :;ii;::.ﾞﾞ,ﾞﾞ::;ii;;ii;::ﾞﾞ,ﾞﾞ.::;ii;:.|
|.iiﾞ:;''ﾞ;.:ii.;::;i_i;::;.ii:.; ヾii.;;|､
,〉;.li;;;::.;ii;.. ; ;; ; ..;ii;.::;il. ;|
`lﾞﾞﾞﾞ, ; i;,,;ii;;iiii;,,;i i;::ﾞﾞ,; ,ﾞ〈
.ﾉ;;ﾞﾞﾞ:;i;;;i::iii;;i;;i;;iii::i;;;i;:ﾞﾞﾞ;;ヾ
..,ヽ ;ﾍ..::i;i;;;;;;iiﾉ;;ii;;ﾉiiii;;;;;;i;i::..ﾍ; ヽ,.. ,っ - −、
i {● ●） ヽ いつ見てもでっかい桑だおー
ヽ.（人__） ノ いつか、やる夫も
ヽ ＼_ 桑の木でできた馬車に
. 〉 |- 乗ってやるんだお！'
ιー Ｊ
※桑の木でできた馬車……桑の木は、皇帝の馬車に使用される材木である。
.つまり、やる夫はいつか自分自身が皇帝になって見せると宣言したに等しい。
／ ＼ ┛┗
／ ﾍﾆヾﾞﾘン ＼ ┓┏ フアッ？
／＝▲▼--▼▲＝＼
| /（__人__）ヽ |
＼ ｀⌒┃ ／
・
劉元起（やる夫の叔父）
それを聞いたやる夫の叔父、劉元起はキレた。
無理からぬ話だった。
やる夫の発言は公に知られると、一族郎党が投獄・打ち首になってしまいかねないからだ。
／￣￣￣＼
／ ｀___ﾊ __´:＼
／ ヾ 。ハiハ。ﾌ ＼ おーおー、やる夫ォォオオ！
| / （__人__）ヽ |
＼ i ｀ ⌒´ ヽ／ お前さん、我が一族を断絶させるつもりか？ おおッ？
/´`''" '"´｀`Y'""｀`'j⌒ ヽ
{ ,ﾉ' i| ,. ,､ ,,|,,. ､_/´ ,-,,.;;l 滅多なコトを言うもんじゃねえ！
'､ ヾ ,`''-‐‐'''"￣_{ ,ﾉi,､;;;ﾉ
ヽ､, ,.- ,.,'／`''｀,,_ ,,/
`''ゞ-‐'" `'ヽ､,,､,､,,r'
,ﾉ ヾ ,, ''";l
/=====､ ....====i、
| ｀| |´__; i ＿ ； ，
| .｀|´ / ヽ ；
| | /::::::: ヽ ： ｱｲ……ｽﾋﾞﾊﾞｾﾞﾝ……
| i / :::::::::::::::::: ＼ ；
ｌ､ __._八______| ::::: | ，
（ ______;;)ヽ ;;;| /
￣) ;;;;;;;;;;;＼ ；
／ ／＼／＼＿、＿,i、
⊂"/ ; ;;（_＿＿＿つ＿_つ ；
↑
やる夫
しかし、腹の底ではまったく違うことを考えていた。
」」 」」 」」 」」
＿＿ | ＿＿ | ＿＿ | ＿＿ |
| | | | ＿| ＿| ＿|
＿＿＿| ＿＿＿| ＿＿＿| ＿＿＿|
....＿＿＿＿＿＿,,,,,,,,,,,,,,,,
/ ＼
,,,,,ﾐﾐ .;.;.;.;.;.;.;.;.;.;＼ このガキ、やる夫……！
／ .;.;.;.;.; ＼ .六歳にして天子になってやる、だと……！
／ ノ― - ..._ .;.;.;.;.;.;.;.;.;.;ﾉTｉ＼
/ ―‐__---- 二ﾂ）ﾉﾉ／∠ﾘﾉ
/ ＜で・ﾌ¨ヾ>三⌒〈・ﾗﾅﾘ_i、. 幼児にしてこの大望、
i `冖' ´ "´ ',¨ヾ', i、 いつか大成するやもしれん
l （ / ヽ ＼
l / ヽ､＿_＿＿.人__ﾉ / 目をかけておいて損はない……！
l i ∠..＿＿ﾂ´ /
ヾ | ー / ,>‐'つ
ヽ､_ .;.;.;.; / ／.ノ ┃
iヽ､_＿＿＿＿ .;.;.;＿_ ﾉ ! }／▲､
ヽ ヽ､＿＿＿＿＿´三／ ｛ (´／▼▲
!ヽ､ :;:;:;:;:;:;:;| ヽ( ｲ- ） 》
| . :;:;:;;| ＼ ｀ヽ::: ▲
／ヽ､ .. .,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,|＼.; ７ﾞ<〉 ▼▲━━┓
::::::::::/:::::::＼ ノﾉ
普通なら、殴り飛ばされ笑われて終わる「やる夫が皇帝になってやる」宣言。
しかし、劉元起は真に受けて説教し、
それどころか、幼児に過ぎないやる夫に一目置くようになった。
それはなぜだろうか？
そう、そうなのである。漢王朝の創始者、高祖・劉邦と西楚の覇王・項籍（項羽）の逸話と奇妙にリンクするのだ。
ご存じない方のために解説しよう！
始皇帝の馬車が通りかかった時、二人の英雄はそれぞれ対象的な反応を示した。
●高祖・劉邦の場合
,::,,.., ...,,,:
;:';;;;;;;;;~"""''''''::::::""'''''"''"""'''""~;;;;:;',::;
;';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;'::;',.;
.':;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::;;;;;;;;:::::::;;;;;';;..:;' やれやれ
';:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::;;;;;:, ..羨ましいもんだぜ！
.:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;;;;;::;;;;;;;::'.,
. ';:;;;;;;;;;;;;:''"''::,:;;;!""""~!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::;;;;;;;;;;:' ,::, 男として生まれた以上、
';:;;;;;;;;:; ;;:;;!.,'!'!!'!, !;;;;;;:,:-:,:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;'::':;:' いつか、あんな風になりたいもんだ
.;';:''::;;;;:':.,,,...,.:';;;;! ! ! !;::'';' ;;; ':;;;;;;;;;;;;;;;;;::'',,
,,::''.'':::..,,,.. ''"",,",,:::'"''::::'";:''"'':;:;;;;;;;;::',;
,,:::''::::::::::::::::::::::"":::::"";; ..'':::::::::"'';::;' ;;::,':, ',;;;;;;;;;;';,
,:::'':;:::::::::::::::::::::::::::;;:::::'': ':::::;;;:;;:::'':;"` ;; ; ;.;',:';;;;;;;;;;;',
,::'' ::::::::::::::::::: ;;::::::'':::::':, .,''" ":.,,"' " ;;:' ,';;,:',;:'',,'',':,,
.'::;;;;:::;;;:::::: ''";'::;'";"''",' ,' :::: .;'::;::'';:' ;';;;;;;;;;;':, .'.,.,,:::-:::..,
.';:' ; ,:' ;: ..., :: .,:'':::::''''::::'''''::::''''':::''::; :;::::::::::::::',
' .', .'::;;':::' : ,':::::::::::::::::::::::;;::::;;:::;:' ,:':::::::::::::::;
..', ,,,...,, ;:::::::::::::::::::;:' ,::',::' ..:':::::......:::::::',
'; ~" .,';::::::::::::::;:' ,;'':::;'':;':::::::::::::::::::::::;
,, ':, "'' ,.::'::::',',:::::;:''; .;' ';:'.,.:':::::::::::;;;;:::::''':::;::,,
,:':::"''''::::::::::::::::::::::::;;;::':, ,.::'::::::: .',',:' ,:';'; ;:' ,':'-:::::'''"":;;;;:::::;;;;;;;;;;"'':::..,,,,....,,::::''::::::''::..,,,
';::::;""''''''''"""~~~ '::::::::::';::::::: ,,::';::''',';:';:' ,.:';;;::::;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::;;;:::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;"'''::;
高祖・劉邦（字は季）
余談だが、名の 「邦」 は「兄貴」の意味。つまり、劉邦とは 「劉の兄貴」 くらいのニュアンスとなる。
字の「季」 に至っては末っ子という意味で、これは劉邦が正式な 「名」 も 「字」 も持っていかったことを示す。
●覇王・項籍（項羽）の場合
;;;-‐‐‐‐‐‐-ｧ-''-;;;;;;;;;;;;∠_二ニ゛＼＿
'i, ,_,,-'‐! ゛ー-r=''''＿ ヽ |;;;;;;;
ｙ‐''''´,,..-‐'--''") 、＿ ￣''ヽ-,ﾉー,,,,,,,,,,,,,,---‐‐'''''￣ ,,,,,,,, この世は所詮、弱肉強食！
,,/;;; ,/´ ;;_;;;;,-‐" ,／￣゛'''''＼_-‐''´ ,,,,-‐'''''''''""""
,ﾉ;;;;ﾚ";;::,/ ,r‐-,/‐--// ／￣,,r''´ _,,-'''´| 今に始皇帝に
;;;;;;;;;;;;;;;ｲ／;;; （(,,,,,,//／ ／゛ ,,,,-''" | 取って代わるのは、この俺！
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ∠,,＞ﾐ‐‐'''')／,,,r--‐'' / |:─--- ,,,, 項籍だってことを世に知らしめてやる！
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ー‐'''~ヾ、, _／::::::::::::::::::::::::::ヽ、
;;;;;;;;;;;;;;;;;;:: ,r‐i'|ヽ|、 ヾ|、ヽ＼ _,r'' ＼::::::::::::::::::::::::::::::::::
、;;;;;;;;;;;;;::: ,/::::::‖゛i、 'ヽ ヾ、,,,r'''"::: ヾ::::::::::::: ／
:'ヽ;;;;;;;;;::: |;;;:____i, ヽ、 ＼＿∠,ii, :::: ''-,,:::::: ／
;: ' i,;;;;;;::: ,/;ヽゝ'ヽi:-i, -''''=ﾆヾ‐'ｲﾉ | i;:: ／
; i,;;;: ,/｀ ,／::::入 ＼＼ー-‐''" i i, ＼ ／:::::::::::::::
;;i, i、/ r゛ /: :::::!''＼ ＼￣ ____,i i, ＼ ／::::::::::::::::::::
;;;;i, i, ゝ'::::: /::7‐- ＼ ヽ、 ,i ,,,___,,i, ヽ(_＿::::::::::::::::
;;;;;;;i、 i, ＼::::/:::ヾ─-,,,,,_ヽ、 ￣!／::::|:::::ﾉ ::::::::ﾉ ￣￣￣
;;;:::::::i, i,, ヽﾍ、＼‐─一゛7‐-─ｿ:::|／ く、
;::::::::;A、 i, ,,‐r‐-ヽ:::::ー-‐'''" ,／ '''''''''''''''''''"" ,r''''"
::::::;/ i i," |＼ | ＼,,,,, r ,／:: / ／
￣ ＼ 'ヽ,, ＼ i i/ヽ--イ::::: | ,/ ,／
＼, ＼ ＼ ＼ i i ＼::: ,,／ ／
ヽ V| ＼ ＼i | ヽ ,r' ／
''i | ＼ ＼ " ／
項籍（字は羽。京劇などの影響で、「項羽」 として知られる）
劉邦は「羨ましい」 とただ憧れ、項羽は「オレが取って代わってやる」 と声高に宣言した。
このエピソードは対照的な二人を表していると言える。
さてやる夫の場合はどうだろうか。
項羽の 「とって代わる」 宣言ほど過激でもなければ、劉邦の 「羨ましいなあ」 発現ほど消極的でもない。
劉邦よりも積極的でありながら、劉家の血を引くことから項羽よりも正当性の強い発言と言える。
しまいには幽州で高名な人相見である李定から、｢この家から貴人が出るだろう」 とまで言わせたほどだ。
（先主伝注、漢晋春秋より。著者は習ﾃｲ歯。蜀漢正統説の視点から記述されているため、信頼性は低い。
よくある権威付けの 「帝王伝説」 の一つで、三国志だけでも曹操、曹丕、孫権にも似たような話がある）
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
やる夫の家
|┃三
|┃ γ::::::::::::::::母::::::::::::ヽ、
|┃ /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ やる夫！ 喜びな！
ｶﾞﾗｯ. |┃ γ:::::::::人::::人::人::::人:::::::ヽ ニートのお前があの 盧植 先生の
|┃ （:::::::::／ ＼ ／ ＼:::::::） 私塾に入れるってんだからね！
|┃三 ＼:／ （●） （●） ＼ﾉ
|┃ | （__人__） |
|┃ ＼ ｀ ⌒´ ／
|┃三 ／ ／
|┃三 ＼ (_＿ノ
＿＿＿_
／ノ ー_＼ カーチャン……
／（ ー） （●）＼ やる夫は中山精王の末裔なんだお？
／ （__人__） ＼ 腐れ儒学者の教えなんて必要ないお……
| ー-u' |
＼ (^ヽ ／
/ ⌒⌒⌒⌒⌒〜 ）
//＃＃＃＃＃＃/ /
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ なに言ってんだい！
γ:::::::::人::::人::人::::人::::::::ヽ 盧植先生は政治家・将軍として
∩ （:::::::::／ ::＼:::／:: ＼:::::::） ∩ ご高名な方なんだよ！
ｌ ヽ∩＼／ (○)::::::::(○) ＼ﾉ∩ノ j
ヽ ﾉ | （__人__） | ヽ ﾉ 謹んで教えを受けてきなさい！！
| ヽ ＼ ｀|!!il|!|´ ／./ ｊ
＼ ｀ ｰ｀ ー‐' ´‐´ /
. ＼ ／
＿＿__
／― ―＼ ﾎｼﾞﾎｼﾞ
／（●） （●） ＼ 「やれやれ」 だお……
（ （__人__） ） 何が盧植先生だお
ノ ｍj |｀⌒´ ヽ アホらしすぎて言葉も
〈＿ﾉ でないお
ノ ﾉ
＿＿__ ,
／― ―＼ -
／（●） （●） ＼` ・・・。
（ （__人__） ）
ノ ．｀⌒´ ヽ
. ｍj~i
〈＿ﾉ
ノ ﾉ
＿＿__
／⌒ ⌒＼ カーチャン
／（●） （●）＼
＿（__ （__人__） ） これが盧植だお！
／ ＼ ｀⌒´ ヽ くれてやるお！
/⌒⌒⌒/ ..:::::::::::.. ヽ ﾋﾟﾄｯ
| | | { .::::::●:::::
| | | ＼ ::::::::::::::／
ヽ ヽ ヽ `ｰ一'´ }
γ::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
／::::::::人::人:::人::::::::ヽ 失礼なこと言うんじゃないよ！
γ::::::::::／ ＼ ／＼::::::::ヽ ご先祖さまの高祖様も、賢人を優遇して
（:::::::::／ （○） （○）＼:::::::） 天下を得られたんだ！
＼:／ （__人__） ＼ﾉ
| 八 |::::::| | ましてやごくつぶしのお前は、
＼ ⌒ l;;;;;;l ／l!| ! 賢人を父のようにもてなさなきゃどうするんだい！
／ `ｰ' ＼ |i ＿ _
／ ヽ !l ヽi | l [l] |￣| /l | |
（ 丶- 、 しＥ |そ | 二l ￣/ [][]∧.|_|
`ー､＿ﾉ \xAD堯\xA1l､Ｅ ﾉ < |__| |￣／ <_/ <>
ﾚY^Ｖ^ヽｌ ￣
__
,r´⌒ヽ,⌒ヽ,ヽ .＿＿___
⊂)､ .人 λ＼.／ ー ー＼ へーへーすみませんでしたお！
＼ ＼ ヽ.／ （● ●） それじゃあ、その盧植先生とやらのところで
|＼ ＼（ （__人__）） せいぜい学ばせてもらってきますお
| ＼_ノ ＼＿＿＿＿＿／
.| | | .|
| | | .|
.| | | .|
／ / / ヽ,
(＿ノ ヽ、_つ
やる夫の家は決して裕福ではなかった。やる夫の父親は幽州の官吏だったが、やる夫が幼い頃に亡くなっている。
ただし、世間一般で思われているような 「貧農」 ではない。
没落した土豪……つまるところ、 「没落貴族」 のイメージが近いだろう。
貧乏ではあるが、劉氏の一員ということで
家格はそれなりのものがあった。
実際、この時代に学問をしようと思えば多大な資金が必要となる。
世間で思われているような貧農であれば、学問などできるはずがない。
前述の叔父・劉元起がやる夫に、多大な資金援助をしたからこそ、やる夫は一流の教育を受けることができた。
そのお陰でやる夫は、当時もっとも名を馳せていた大学者・盧植の元で学ぶことになる。
現代の感覚で例えるなら、
コネと血筋の良さだけで 東京大学に入学したようなもの―― と考えるとよいかもしれない。
蜀書『先主』伝によると、やる夫は読書を好まず、
闘犬や乗馬、音楽や衣服にこだわる生活を送ったという。
＿＿＿__
＿|軍|＿＿| 馬に乗るのって楽しいお！
● ●） ヽ
.- （人__） ノ
../ _ ／/_G:::：::::::::::ヽ
iIXノ , へ. 入 ／⌒.ﾉ.|
ｏ)三ヽｏv Ｖ＼／ _ノｏ
-┐//＼／O＼￣ヽヽ
（ ( ( ＊) ）|σ∩ヽ>三コ)） ﾌﾞﾛﾛﾛﾛﾛﾛﾛ……
.入 -- ノ￣￣￣入 ｀ ノ
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
学生時代のやる夫を、我々に置き換えて考えると、
ギャンブル大好き、バイクに跨ってブルーライト・シュトコウ（首都高速）を駆け抜け、
バンドを組んで楽器をさわり、非常にオシャレに気を配っていた…… ということ。
,. ¨ ￣ ¨' 、
／ ` ヽ_.ノ ヽ やる夫ってばオ・シャ・レ・さ・ん！
/ ノ （＜ ） }
,' （ ●） ）⌒:::: ,' ／ヽ
{ :::: .ｙ ,トｲ ,r''´¨＞‐- ._ ',¨V ／ヽ
l ｀¨´| j { ヽ,.＿ { ト ／ )
..(ヽr,r y-ﾉﾞj ゝ ｀¨ｰ' _,,..ｨヽ ´ ￣ゝ } ヽ／)
V ' ' .´ 〈- ､｀＞‐--ヾ＿＿_ 丿ゞ ヽ ＿／
ヽ、_ ｀ ｝ ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::￣ ¨＜`-=,,,,=ｰ‐ ¨´
7 { {::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
ﾉ }､ {:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 人
｛ ,ハ、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､
ヽ、,ノ-‐´:::::｛::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
-ｰr ｀ヽ ヽ ´ ＼
,ｲ:.:. ヽ::.:.＼＼ヽ.. ﾞr ◎r
｀''‐-'''‐-｀'''‐- ､_ {.ﾍ::.:.:i＼ ,.へﾍﾍ:.:.ﾍ _ッ ＼ あみば！
＼ ＼--γ-_､ゝr一^ヽ f l っ. ＼
´ ﾍﾍﾍ ﾍ ＼ゞ＿ノ ^--イ ＼
| | l l {゛ゝ ゝノ ／ |
, ' | l |{ﾞゝﾍ て |
｀- - ｀'- .、 ,,,,,_ |ﾞ （ |
_: ／ヽ ＼ ｀ }／ そ ／
／ ﾞ┬---/⌒＼. __ ,., ' ﾞッ ,／
／ ＼
/ ヽ
／ ｌ
,ｲ |
,;;---−―――――--,,,
／ ＼
, ; ／ ＼
c=＝ｰ＾ /li ＜こ＿ .:; イ.:.:.:.:.::.:＼ : : ＼:.:.:.::;;;;＞'" ぷぎぅいうすとぉお！
z ,ｨ≦ ﾑ}|/__／´⌒ ／.:.:::::.:.:::.:.:.:.:ヽ .::.:.:;;ｨ'" /
__ -一 .:fr'/{ﾐ ,彡／ ,／.:.:.::::／.:.::::ﾉ＿,,,:::-一宀 ´ {
c=＝ ¨¨ ／^{ノ ilil/／ /⌒´￣￣￣`7´ / / ',
ｃ に≠==ー 厶- il,／ 〃 ｰ／, { { i ヽ
`ーﾄ､ 〃 {i ﾍ. :丶ヽ: : :ヽ: : : : : : : : : : { :＼
C °。 : . ﾍ にﾍ,{i ヽ.i{ . . . . . : : : : ヽ、:＼: : : :＼: : : : : : : : ヽ. : :
: ', ,〉ｨﾍ ヾミ{!. : : : : : : : : : : : : : :＼. :＼: : : 丶: : : : : : : : ＼
. ｨー- く {^ヽ人 ﾍ≧ー‐rｰ宀7⌒ヽ. : : ヽ､__. : : : : :＼. : : : : : : :
／ :｀ 、: :ﾄこ´ ヾ ¨＞く__ノ ＿,人___／, ¨¨¨"¬ｒ一=,,___ : :
/ , ﾍ､＿＿ 彡彡 ´ _ ｰ
/ . : : : ´¨¨¬ , ／
./ ヽ、 ／
|ﾉ
,,,,,---'""￣￣￣￣"''''--,,,,
＿＿＿＿＿＿＿_／￣ "'ヽ,
＼ ー--､ ヽ､
＼ ＼ i ＼ ＼ ヽ､
∠二／ ,,,,,,-ヾ l l ＼ l
／ /--'""' |＼ | . l ＼ l
.／ / l /| | | 入 | l ､ ＼l やる夫ォ、スク水だけは着るんじゃねえ
/ | l l .| | .| | ＼ ,,,| l ＼ ＼ って言ってんだろぉが！
/ | l .| | | | | | 入''" .| | Tー--ゝ
./ | | l .ﾄ | | | ||／ ＼.ﾄ､ y l ＼ その貧民面ァ、直視するだけで
/ ／| | /l | .＼| ､ .r=ｲ==＝≡ﾗ | | .|へ l＼ ＼ 視力が下がるんだよ！
l ／ l | / l || ==≧､ ヽ!'彡ｿ||} " | ﾄ､ | へ l ＼＼ ＼
|／ l | / ||.Y..ﾘ|} ". 弌ｿ ,, | | | |ヽ へl ＼ ￣
l |/ .l }.弌} ￣"'''〃 || | | ） ､ ＼
ll 人 .| --''" , | |／ ＿ ＼ l---'"~""~"ヽ
l / l .| ,,,, ,,,--=-､ .┌ ﾒﾉ' ＼.￣ ＼ l ヽ
l / l | ヽ::: ヽ F----､ |＼.| く＼| ヽ
l / ∠l .l＼ ﾍ＿________ﾝ ,ノ ,,-┴~ ＼|＿＿＿ } ヽ
ﾚ ﾘ ~ "''ーv ＿ ,,,--t" /~ __=====､ ＼ ￣￣ |
"'''" V //''""~~""ヽ＼.＼ i. |
／ /::{ !ヽ.＼＼ | |
/ //i::{ ￣i､ヽ＼ヽ |__ノ
/ // /|:l l_ヽ＼ヽ ﾉ
./ .// / |::l て,.＼ヽ､ /
/ // / / | て::＼l:: ノ
公孫讃（字はあきら）
やる夫にとって、同門の先輩にあたる。
弁舌が立ち、頭の回転も速く、物事の説明が得意だったという。（正史注、『典略』より）
／ ／ ＼（ ;:;:;）
／（ ;:;:;:;:;ﾉ （＝） ＼ ご、ごめんなさいだお……
（;:;:;:;;;:; （__人__） .:::::） あきらさま……
／ || ｀ ⌒||| ,／
/ / |＼／ / /ｌ | ￣
/ /__| ＼/ / | |
ヽ、//////） / | |
/ ￣￣ / | |
_＿/ )--- ヽ ヽ つ
⊂---― 'ｰ----'
盧植の門下生時代、やる夫は公孫讃に弟として仕えたという。
やる夫の門下生仲間で、最も仲のよかった相手が公孫讃である。
〈〈 /{ /´￣￣｀ヽヽ
ヽ＼」:ヽ l :l
,. . : : ´ ￣ ｀: : : : ｀ー―- ､ j/
／: : : :_:_: : : : : : : : : : : : : : : : : :｀ <
￣￣ ア : : ; : : /: ;ｨ､: : ;､ヽ: : : : : : : :丶 やる夫、ジュース買ってきて！
／: : ／: : /: /! ^´ｌ ^'l: : : : : : : : :l ヽ
/: : : :/: : : ;、:/ ! ! !: :!: : : : : : !: :l
/: :_: /: : :ｨ | X ! l !: ; : : : : : : !: :!
}／_」/ ;ハ |/ ｀| 'v↓-‐イ'ﾍ: : : i: : :!: :!
/ ７:/ｧ':∧Zz､ |' l: : :!: : 「￣｀ヽ
_」/ : : { !z=ミ ｫ=＝ !: :j; : :l: : :<￣
｀ ７ ;∀ぅ´ ^＝=ｫ .l: ハ /､_: : ヽ
∠＿.: : . ーー ＿とつ.j/ ﾉ:': : :｀ヽ〉
r 、 ＞vー＜ ｀Y⌒' : : : : lヽ/
', ｀ー――-- 、 ＿ /_￣｀ヽヽ＼ KV｀ヽ: : :|
｀ー--ｧ ｀丶_＿ .. ´ ｀´ ヽ ∨! ヽ .| L_
/ ヽ l:::! l ! {
γ´（ / / ＿_.」 l:::l l / ^}
L_ '^ｰ'--L＿スー―‐--ｧ―‐:-‐ｧ:＜::i l .l:::l ! ／ ヽ
／:::::::::::::/:::::::::}::ヽ ! l:::l !,イ 'j
´￣￣￣ﾍ::::::::::::::/｀ｰ'--'‐'´￣ ./ー'ー'ｰ'ｰ'´
（１３）
､ ノ 、
● ●） ヽ わかりましたお！
（人__）__ノ‐┐≡=- いつものタピオカ入り買ってきますお！
と __ノ ｀Y ≡=-
〈_ ヽ、 ＼ ≡=-
｀ｰ' ＼___） ≡=-
∠二￣￣￣ `く
. ／ , ／/ ,､,.,,、 ＼ ﾙｲ・ﾋﾞﾄﾝ
. ／ ／ / _/_/ / / ! | ヽ ヽ やる夫、類・備豚のバッグ買ってきて！
/ ,ｨ' /〃l / / / ├ﾄ､| | |
. {／/ ,ｨ/ / ,ｨ=:〈 { ﾚ'ヽ| |＼|
|//l / 〈 ﾄJ:| │ | ＼
| Ｎ^ﾍ ∨｣ ≦三ﾐ| ﾊ /│ｒｒ‐' ☆
リ∠ｨ{ '､＿, ﾚｒﾚ）､! ＼
／⌒＼ ／⌒ヽ ノｰｒィ 「｀
／ ／ ヽストﾄ､l＼ │
＿＿_
／ノ ヽ＼ さすがにそれは無理ですお……
／/⌒) ⌒ﾟo＼
（ / /（_人_） ）
/ / ｀ ⌒´ ＜
, --.､
〃´￣｀ .ｨ
《 ＿＿ ／ｲ__
＞: ´: : : : : : :｀:' :＜ アタシのお願いが聞けねえってのか？！
/: : : : : : : : : : : : : : :ヽ> アア？
,': : /: : : : :/7＾＾Ti i: : : ヽ
i: : ,': : : :/,' | |∠!: i: :i､〉
,ル': : : :/」_ヽ|_ｨ / .リ :|: |
｀7: ハ: {ｰ==ﾟ= ,￣〉:ハ!
ｲ／ｰ､!:ゝ._ r_､ . ｲ__」
| ／|／＞√,７´ ,＞、
´ 「|! | / .／／｀i
ﾑ.ゝi/./.／ :|
。ﾟ oﾟ/⌒) (（＜）)ﾟo ﾟ 。 カーチャンが病気で、仕送りもしなくちゃいけないんですお（嘘）
（0/ /（_人_） 0） お金さえ、お金さえあれば、
/ / `― ' ＜ あきらさま に買ってあげられるのに……
|ﾐ|
,日,、 兄（AA的には姉）貴の頼みも聞けないなんて、やる夫は弟分失格ですお！
〃 ヾ やる夫は、あきらさま に申し訳が立ちませんお！
〃 .＿＿ ヾ
〃 .／ノ ヽ＼ ヾ やる夫は、やる夫は死んでお詫びをしますお！
. || .／oﾟ⌒ ⌒ﾟo＼ || どうかやる夫の死をもって、ブランドバックは
ヽ（ (_人_) ）/ あきらめてくださいお！
○=-,,,_⌒_,,,-=○、
￣￣
'⌒ヾ、
＿ ー７−-ノﾉ_
＞: `´ : : : : : : : : ｀丶､ マズい……！
.. ／ : : /: //ー―┐!: : : ヽ:丶 無茶ぶりしすぎた！
. /: ／: /: // _L|_| |: : ',: :}
/／ |: .:ｌ /_{ノ ｀ヽﾚ|: :ｌ | く
|: /: { ● ● ㍉:ﾊ| : :＼
l/lⅥ⊃ ､_,､_, ⊂⊃ﾚ'!|{＼厂
|八 { } _ハ_ノヽ
,r'⌒)､._￣_ (´ jレ'＼ヾ
. /ヾー} ｌ＿__/{彡ゞ、 i丶
. | ioﾊｌ|二//|ﾊo l ,ｲ
ゝ十ハ! //∧ハ＿j/ l
{(＿ ＿ __,
, ´: : : : :_,: : : : ｀:＜ はぅ……
／: : : /: : :!:.| ｀`ﾞ＼: : ｀ヽ
/: : : : :.|: : :∧!ﾉ 、 ﾄ、: : :＼ ごめんね、やる夫
i: : |:.:.: :.|__,ﾑイ'' `ｰ ﾄ:|: : : ヽ 無茶言って……
∠/: :{ : : i〈 ● ●|ﾉ∧ﾄ|/
彳,:.ｲ从 ﾄ{⊂⊃ 、_,、_,⊂}´＞ だから、首吊りだけは
ﾚ' ゞ:ヽlヽ＞ ､ __ ,ノ⌒ヽゝ やめて欲しいな？
/〆／ くヽ::ヾ三|::ｉゞo ＼
´ ,ミ_ コ ヾ､:::∨ﾂゝl |
＿＿
／ノ ヽ､_ヽ あきらさま……
／/^) ⌒ﾟ ヽ こんな不肖の愚弟・やる夫を許してくれるのかお？
（ //（_人_）' ）
{(＿ ＿ __,
, ´: : : : :_,: : : : ｀:＜ 当然だよ！
／: : : /: : :!:.| ｀`ﾞ＼: : ｀ヽ やる夫はアタシの弟分！
/: : u. : :.|: : :∧!ﾉ u.、 ﾄ、: : :＼
i: : |:.:.: :.|__,ﾑイ'' `ｰ ﾄ:|: : : ヽ 夕飯おごっちゃう！
∠/: :{ : : i〈 ● ●|ﾉ∧ﾄ|/ だから！ ね！
彳,:.ｲ从 ﾄ{⊂⊃ 、_,、_,⊂}´＞ ロープから手を離して！
ﾚ'.ゞ:i⌒ヽ j u. （_.ノ ﾉﾚ'／⌒ヽ
/〆| ヽ＞､ __, イ ／ /|
´ ∧o ,ﾍ}::ﾍ三|:::::/ゞﾊ oｉ｜
} ヾ＿ッﾘ:::∨／ゝ/ ﾂ｜
＿＿
／_ノ ヽ､_＼ ありがとうございますお……！
／ /＾) ‐･- ＼
（::::://（_人_）::::::::::） に や り
:＼ ::::ﾄｪｪｲ｀::::／
先主伝によると、
『やる夫は、喜怒哀楽を表に出すことは少なく寡黙だった。
また、人にへりくだることも厭わなかった』
とある。
三国志演義ではどこかナヨっとした印象が拭えないやる夫だが、
実際のやる夫は かなり 強かであったらしい。
やる夫は遊びまわっていた。
けれど、 『 盧植の門下生だった 』 という肩書は、
やる夫にとって今後、大きなステイタスになるのである。
}〉┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰〈{
ﾍへへハ┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃ハへへﾍ
＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠
五ヾヾヾ ⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥ ｼｼｼ五
＼三三ヾ.「￣￣「￣￣￣￣「￣￣￣￣「￣￣|フ三三 ／
({ ＼三三lﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ|三三／ })
／巫巫巫巫巫巫巫|===========================.|巫巫巫巫巫巫巫＼
／／／／／／／／／| ┏─━─━─┓ |＼＼＼＼＼＼＼＼＼
＠＠＠＠＠＠＠＠＠| | 東 京 大 ｜ |＠＠＠＠＠＠＠＠＠
ヾ!⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥ | ┗─━─━─┛ | ⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥jｼﾞ
|.ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ | ,. -──- 、 | ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ.|
| | ｉ ｉ | |
| ,. -- 、 | | | | ,. -- 、 |
|. ｉ ｉ | | | | ｉ i. |
≧ii≦ | ｜ ,≧ii≦ | | ≧ii≦ | ｜ ≧ii≦
⌒il⌒ | ｜ '⌒il⌒ | | ⌒il⌒ | ｜ ⌒il⌒
iコ─┘ └─‐.iコ‐───┘ └───‐.ｉコ.─┘ └──ｉコ
そんな風に納得がいかない人は考えてみて欲しい。
東大出身の人間が、
＿＿__
／⌒ ⌒＼ 大学時代は遊びまわってましたお！
(ヽ （● ●） /)
(((i )⌒（_人_）⌒( i)))
／∠ゝ |r┬-| rゝ＼
(＿＿_ `ー'´ ＿_）
| ／
| ｒ /
ヽ ヽ／
>_ノ;:::......
と言ったらどう思うだろうか。「腹が立つ」 以外で考えてほしい。
「あっ……。 謙遜してるな」 と思うだろう。
やる夫は、当代髄一の学者である盧植の門下生であり、
当時の有識者（名士）ネットワークの中に食い込んだのである。
これにより、以降、やる夫は行く先々で厚遇されることになる。
詳しくは分かっていない。
ただ、門下生時代から やる夫は豪傑と好んで交わっていたらしい。
『盧植の門下生』という肩書と、やる夫の性格に惹かれて、
天下の豪傑は我先とばかりに、やる夫の下に集った。
､ ノ 、
● ●） n やる夫と遊びたい人、この指 止ーまれ！
（人__）. か
/つ _,／
/ 〈
〈_／ ヽ_〉 「「「「「 はぁ〜い！！ 」」」」」」
この時に得た知己は数知れず。
例えば、中山の豪商・張世平と蘇双である。
この二人はやる夫と交わって只者ではないと考え、大金を与えた。
この資金をやる夫は元手として、更なる仲間を集めることが出来た。
そうして出会った天下の豪傑の中に、
特筆すべき傑物が、二人いる。
【幽州琢郡琢県のどこかの居酒屋】
r .,_
＿＿_ ＞ ｀.,_ ｰ- ..,_
_,,... ＞- ＿_ -- ミ 、 ｀ 、 __
,. ´ `ー--ｧ-― ､ ＼ __, ,. ≪/∧
／ ヾー- ..,_ _, ,. ≪/////∧
／ ’。ヽ ￣ｲ////////////i おーっす、やる夫ー！
〃 / iﾍ/! 、 ﾟ. ’. ∨////////////!
// / i '. ’. '. ﾟ｡. ∨///////////! ちょうどいいところに！
/ i / / i、 l. '. , -― ' i、 ﾟ. i//////＞ イ´ ﾟ. 実は折り入って話したいことが
' j ; i , -十 ､ i ﾟ. ,z示ミ､ } !i ! Y＞. :´: : : :ﾉ : : '. あるんだ
{. {. ﾍ ,z示ミ、 磷:沁 }ｰ }l ! l ﾟ. : : : : : : ,': : : : :i
ﾟ. ﾟ. 癶磷:沁 匁zソ } /.ﾄ､ { ' : : : : : /: : : : : :!
} ’｡´ ﾟ 匁zソ j' / } ﾉ ! '.: : : : :' : : : : : : l
i. ﾟ. ゝ ' /l/ j' { '.: : : : : : : : : : : i
j. ! '.人 ｬ ｱ 人. ﾊ∧ {. '. : : : : : : : : : : l
{. iﾍ i ≫｡. .イ/ ﾊ/} ヽ.,_ ﾑ: : : : : : : : : : :i
. 乂 '. ヽ! } ＞ .... ≪. / ノイ⌒≧=У/j: : : : : : : : : : :!
ヽﾟ. '.. }乂 ≫ｲi. ! ｡ﾟ ｡ﾟ〃: : ／: :´ : : i : : : : : : : : : : :i
＼.} j Yヾf｢/ﾊ !｡ﾟ 〃:/: : : : : /: : : : :j: : : : : : : : : : : :'.
} } ﾍ }{//У /: :{{ : : : : / : : : : /: : : : : : : : : : : ノ
} / Y{/｡ﾟ /{.: :.ヾ: : : / : : : : / : : : : : : __;. ´
j / {: : !У /j {: : : :ﾍ∨: : : : : ': : : : : :／
一人は、関羽（字はアチャ子）
立派な髭を持ったことから 〝美髭公〟 の渾名で呼ばれることもあるが、
それは演義での話であって、正史には〝美髭公〟の呼び名はない。
（髭も顎ではなく 「頬」 に生えていた模様。いわゆる虎髭）
余談だが、実はこの関羽、本名ではない可能性がある。
出身は司隷 （長安や洛陽、宛などの大都市を持つ。首都圏のような地域） の河東郡解県。
中国で最大の塩湖である 「解池」 が出身地の傍にあり、関羽は塩の密売に関わっていたとされる。
（塩は当時、政府の専売だった）
また、山西省の言い伝えによると、暴利を貪る塩商人を殺害したため、官吏に追われて辺境の幽州へと
逃げ延びたと言う。この時に、 「おそらく」 姓名を変えたのでは？ との説もある。
,.-―-., .;-<~~ヾ"~~"ヾ-,<~＼ ○−
.／ フｿ ヽ ＼ ク
.i ／ ＼ ( (
| ／ ＼ ＿) )
| / ヽ ＼ └―'
| | ヽ i. ヽ i; ヽ
| |ﾄ ＼ ヽ_,.メ |n ヾ;;,. 丶
| .| lゞ＼ヽ ｽ＼.~＼_＼＼ヽ iﾒト;, 丶ﾐ;, ＼'i,
| | .|ﾐヽ丶 ＼"λT乙=o＼ヽﾍ/roｱ|＼ ';;;"＼ ,;ヽi
| | iミﾐ＼＼"'- "n;;;ノ ''i '5ﾉ'|! )/ ヾ ﾘ
| .i| .l||lミﾐヾト丶, === 、 ==|i! ' ＿＿＿＿＿＿＿＿＿
l .|| ||,'-,ヾ川ヽ ﾉ||i! ／
| .||,.-'" :;i;:::ﾄ.::::＼ (~'ｰ┬ ／ || !;|. ＜ やる夫殿、今日も素敵だにゃあ……
/／ :::::ｳ|::::::: 、 ー ,.く |l| !'!;;;i ＼
;' :::::カ |::::: "i-:::く ＼ | | !'|;;;i ￣￣￣￣￣￣￣￣￣
//／ :::::/-,| |￣￣""'"|／/ | i !|:::l
''".' :::::::/ | |"ヽ,,,._ ﾄ::::く /| | !'|:::.l
;'" ﾉ ::::／" .| | ＼i/::::::::ヽ < | i !|::::l
ﾉ;,／／ ／ | .! .>::::::::::::::＼ .l| | .!|:::l
ﾌ'::／;'"／ | i く::::::::::::::::::::::::Vﾉ| | |::|
／.／／／ i .| ヽ :::::::/ |l l!＼ |:|
'.／;;"／ | | i i ﾉ| | ＼ |l
／／;" |l| i| | | ﾘ| | .|
;''.／ ﾉ \! | | ノ\＼ | '
/."i | | | ! ヽ|
この酒も飲んでいないのに酔っているのは、豪傑・張飛（字はトウカ）
身長は八尺（約１８４ｃｍ）。
豹のようなゴツゴツした頭にグリグリの目玉、
エラが張った顎には虎髭、声は雷のようで、
勢いは暴れ馬のようだ ―― と演技には記載されている。
しかし、正史においては外見についての言及はまるでない。
ひょっとすると、絶世の美少女のような外見だったかもしれないのだ。
……それはないか。
余談だが、張飛は本場・中国では三国志に出てくる中で一番人気のある人物。
その理由は、民衆に近い存在で（演義では肉屋だった）、武勇に優れ、
酒に失敗することもあるけれど、劉備に生涯忠を尽くし、万功を立てたため。
その人気ぶりはすさまじく、伝説・伝承が数多く残る中、
巷間で語り継がれた様々な 「三国志」 で登場回数回数トップは、
紛れもなく張飛である。だってどんな作品にも出てくるんだもん。 ※（あくまで珪孔雀が知る中で）
l^l.| | /）
| U ﾚ'/／) お、アチャ子 にトウカ じゃないかお！
＿＿＿ ﾉ ／
／ ⌒ ⌒＼ ｒニ | 話ってなんだお？ ついに脱ぐ気になったのかお？
／ （⌒） （⌒）＼ ヽ /
／ ///（__人__）///＼ / ` /
| `Y⌒y'´ | ／
＼. ﾞー ′ ,／ ／
/⌒ヽ ー‐ ｨ ／
/ rｰ'ゝ ／
/,ﾉヾ ,> ｲ
| ヽ〆 |
．ゝ ―-､ ,...､
,．'.´ ´ ｀ヽ.
, ≠ｨ ヽ､ まーたおバカなこと言ってら
_.．'´／ ,ノ , . ､ ､ ヽ.
´ ／ .:/ ,' , ﾊﾊ i.i ヽ. ﾞi ﾞ. そーじゃなくて、最近 賊 が大暴れしてるらしくてね
ﾞ. ｲ .' !iﾞ゛"i i !i.i i : i. ﾞ.
! ,'i! i. !＿i.| ｰi-‐ﾅiﾅﾄ|.i ﾄ. i !
i ,l: l､'´!＿ﾘ｀ ﾘ´ｨﾃ'‐テﾒ-ﾄ.ヾ.li:i
ノ ﾉ!ﾄ.!ﾊメ弋刃ﾞ ´!/ '¨¨´ﾉ! ,'ﾉ､ ｉ| ﾞ.､
, 'ｲ ./ iﾄ.!: ヽ.ﾞ､ ' ´ /ｨ' !:､! . ﾄ. ヽ.､
., '´,' ./. l! !､:i !メ､u ⊂ﾆ⊃,'' .| ､i ﾉ!i ヽ. ｀丶
,. ' / ./ ﾉ/）ﾞ!i' i!'＞ . ,. イ!: i｀ヽノ ノ'
{../ .'´//ry!: i|､:. ,ﾉ/≧l ,''! :|彡'ｲ,､
ﾞ､! .,' i' ﾉi!: ,'ヽ:.ゞ､´¨¨¨ﾒ.i! :!':.,ノ ヽ､
, ､＿__
x‐‐‐ｖ' ヽヽ` `￣ヽｰ､
/ ,ｲア´ ヽヽ ヽヽ ,ｨ ｱ
マﾆ=-､＿{__{_!{ { i ﾄ､ ヽヽ ヽヽ_,イ彡' 某、やる夫殿のためなら……！
｀ヾ三≧ﾆ三≧ｘj ﾄ､込_ヽ}厶}ﾄ､ヽ Yｲﾆ彳 何枚だって脱げまする！
了彡三彡ｿｿト! .ィT ヽ{ﾅi ﾊﾄ､ Vﾆﾂ
￣彳'ﾂﾂ从| ト `┘ , ｰﾞ {从ﾊ }"´
l丁l「l＞ﾄ､ /￣l,.ィi从} }iﾉ
lﾊ＼j二.ヽ ヽﾆマ´ { {
＞`´ ＼ヽ ＼.＼ ヽ ＼
/＿＿ / Vﾊ}`く`マﾆ､_ヽ＿
|‐o‐‐o｀ヽ/ V /＼}ニニニ三二ヽ
|7¬‐-､ヽ! 〉〉'´: . ハ￣￣￣｀ｰ-､}
; /／ / }┘! //::.:.:.:./ 〉 ﾉ
; 厂 / ∧/ //::.:.:.:./／/ ,-､__
/ .＼/ / //二二{ ／7￣/ tﾉﾆ}
; / }ｲ／／──‐{ {∩{-てﾆﾉ
／ ノ ､ ヽ
／￣ ヽ ヽ ホントかおっ！？
/ 三三 三三 ',
/::::::⌒ （__人__） ⌒::::',
{ | | ｊ
＼ ＿｀ー ´＿ __ノ
ｒ＜>＝=/7//≧≦///7=＝<＞,
!//ヾ三三シ´ ヾ三三三シ´//!
. .l////≧''´ ｀＝=!´/////!
.. l///// ∨////ｊ
. l//// !////iｊ
. !///{ !////
∨//i }///
ヾ/∧ _ﾉ//
｀7 ／ｰーー-‐ヽ ヾ=´
!／ ￣￣￣￣￣ ＼!
:::::::::::::::::::::::::ｉ::::/
::::::::::::::::::::::::ｉ::::| あたしの話を聞けッ！
:::::::::::::::::::::::ｉ:::::|
――――〈::::::! それとアンタが脱ぐな！
:::::::::::::::::::::::|::::::! 汚い、粗末じゃなくて汚い
:Ｔ¨￣￣￣ﾊ::::ﾊ＿ ＿＿＿_＿＿
ヽ::::::::::::::::::::::::::::ア｀ー―――-- ､ ／ ＼
::::::::::::::::::::::::::::::::/ ｀ ' ＜ ＼ ｽﾞﾋﾞﾊﾞｾﾞﾝｯ！
:::::::::::､::::::::::::::::/ ｀ﾒ､ノ ＼
:::::::::::::＼::::::／ ,. -― .ﾋ ＼
:::::::::::::::::::／ ＿ , ィ ´ {- |
:::::::::::::／ __, -‐ ¨￣ , ' ヽ、 ,.ｨ^ヽ .|
:＿,／￣! ／ ヽ ,.人 ｀ ／
/ , ' }, ‐ '^（ ／
／｢⌒ﾍ--‐ '´ _ -‐ '´ ／ ＼
{:|::::::!:::::::::} ,. - ' ´
L|:::::|::::::::/ ／
7:::!::::::厶ｲ
../::/:::::∧f´
/!:::|::::::{ア
,．'.´ ´ ｀ヽ.
, ≠ｨ ヽ､ トウカ、あんたは少し黙ってなさい
_.．'´／ ,ノ , . ､ ､ ヽ.
´ ／ .:/ ,' , ﾊﾊ i.i ヽ. ﾞi ﾞ. やる夫、最近ウワサの
. ﾞ. ｲ .' !iﾞ゛"i i !i.i i : i. ﾞ. 『黄巾賊』 についてなーんにも知らないわけ？
! ,'i! i. !＿i.| ｰi-‐ﾅiﾅﾄ|.i ﾄ. i !
i ,l: l､'´!＿ﾘ｀ ﾘ´ｨﾃ'‐テﾒ-ﾄ.ヾ.li:i
ノ ﾉ!ﾄ.!ﾊメ弋刃ﾞ ´!/ '¨¨´ﾉ! ,'ﾉ､ ｉ| ﾞ.､
, 'ｲ ./ iﾄ.!: ヽ.ﾞ､ ' ´ /ｨ' !:､! . ﾄ. ヽ.､
'´,' ./. l! !､:i !メ､｀ f⌒ヽ ,'' | ､i ﾉ!i ヽ. ｀丶
' / ./ ﾉ/）ﾞ!i' i!'＞ .｀ー' ,. イ!: i｀ヽノ ノ'
{../ .'´//ry!: i|､:. ,ﾉ/≧l ,''! :|彡'ｲ,､
ﾞ､! .,' i' ﾉi!: ,'ヽ:.ゞ､´¨¨¨ﾒ.i! :!':.,ノ ヽ､
,.．¨￣￣¨丶
/ ＼ 知らないお（ｷﾘｯ
/ ヽ、::::::::: ヽ, なんだか清潔そうな名前だお
. /（ ●）:::::::::::, -‐ i
i ::::: （ ●） |
＼ (_,､ /
＼ ` ‐' ＿_／
/ ＼
関「カッコつけて言わないで」
張「……ああ！ 抗菌とかけているのですね！
さすがです！ やる夫殿！」
劉「……………………」
後に 『黄巾の乱』 と呼ばれる大規模な反乱を起こした勢力である。
首魁は大賢良師・張角。
彼の半生は不明だが、元々は清流派の官僚だったらしい。
党錮の禁 と呼ばれる弾圧を受け、張角は下野。
`､`､ _
_,r-､ `ﾝi | `､__,,,,,_
_,,.r" ,>'´_ `､,!、 `ヽ、`､___
_,,..r‐" f´ ./:`､/:.`､', ' , `.､ `､ キ、キキ、キキキキキキキキキ・・・・・・！！
. ´ .,! ム'´￣￣`､', '., `ヽ、`、
! /,r‐､ ', ,' ,r‐-ゞ,_ .'., ' , `ヽ!､_ ツマらないツマラナイ、宦官ナンテツマラナイ！
,f ,/i ,,,_ ` ' f'''''`､', .'., .', ' ,`､`ヽ、
,ノ ノ:.:.i f:::::;! ,- i;;;;;;;;;;!i,', '., .' , ' ､ヽ、
. ,r'´／:.:,:';'! `ｰ' ・ ・ i:! i:!i,`､ 'i, .`､ `､,ゝ 自滅シロ自滅シロ、ツマラナイナラ自滅シロ・・・・・・！！
f´ ／.:.:,:':,:'.:i. 'i▽▽▽▽▽!i:! >´ヽ, 'i, ヾヽ､ `
f ,ｲ .:.;.ｲ.:.;ｲ:.i`､ヽ,r'''''''v'''''フ' i! i,, ',/i, .i`､ `､ゞ`､
ﾚﾚ!.,/ i:.:.if'''''i,;,;ゝ、`ｰ--''´ ,r'i''''''<;,;,;i .!`､`､ゝ
_______________i;!__ﾚ'/.//:::;;;;;;;;`.､___,.／f;!,!:.:.:.:.:.:.`V､ ﾚ'`､!
,;,;.:.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:..i.i.レ", ', , _`ー‐´,/:i.i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i,_
;;;;;;;;,:.:.:.:.:.:/.:.:.:.,;ノ,f´, ' , ' ,'i ／::.:i.!''´.:.;,;r''.:.:.,;r''`.､_
;;;;;;;;;;;;.:.:.:レ''''´:.:.i,/ , ' , ' ,.' i ,/.:.:.:.:.:i,:.／:.:.:.:.:.:.;r‐‐‐‐-ヽ
;;;;;;;;.:.:.:.:.,;,;にfZZZ`ｰ--..,,,,,,,∠,;;.:''.:.:.:.'i,:.:.:.:.:.:,／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
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|┃ヽ＿）つ‘∴・゜゜・・∴~・:,゜・・∴
|┃ (::)(::) ヽ ・゜゜・∴~゜ ｼﾞｮﾎﾞﾎﾞﾎﾞﾎﾞﾎﾞﾎﾞｯ !!!
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|┃ (＿＿) :,゜・~:,゜・゜゜・~
演義において、張角は聖水 （むろん、黄金水のことではない） を病人に飲ませることで、
病人を治療したという。
その際、南華老仙という人物から「太平要術」という書物を受け取っている。
一方の正史によると、在野に下った張角は
道教的な悔過（罪の告白）による治病を行った。
精神の負担を和らげさせることで、患者の病を癒したのだと推測される。
信者を増やしつつ、彼は 「太平道」 と呼ばれる宗教を開いた。
たった１０年の間で数十万人とも言われる信者を得た張角は、
信者を36の「方」に所属させ、それぞれの方に渠帥（支社長のようなもの）を置き管轄させた。
元が官僚である張角の影響を受け、宗教集団・太平道は徐々に政治的色合いを濃くしていく。
そもそも「方」自体が軍事単位であるため、
張角は反乱をかなり以前から計画していたのだろう。
,r'’ ￣｀酈´￣｀ﾞ`ヽ、
/ ,. ' ,、 丶
/ /;:;ヽy／;:,、 ヽ 蒼天已死 （漢の時代は終わり）
/ /′ ｀´ ’ 'i ', 黄天當立 （黄巾の時代がやってくる）
/ ｀-L、 ,斗 ', 歳在甲子 （甲子＝１８４年に）
/. . ､亅 ｀ ´￣ 亅 ', 天下大吉 （天下にいいコトあるよ！）
/.. ... . ア'ﾟ¨´ ｀¨`爿 . .ヽ
/.,....... .. .| i .. .. ハ;
j/´l..l､....,､.,ト､._ ‐ -‐ 」. .,. ,ﾉi.丿 ヾ ドヤッ！
′ ヽ!＼.!ゞ,､_lΠ===i「￣ﾉ.ﾉlノ '′ ｀
､-'爽ヾ､:::ﾞi!''/,礀卅､::'::〃｀ヽ...、
ﾞ､;;;,::::::ヾ〃'＝=＝o亥":::::::::::::::7
`,;;;;;;;;;;;／,/ ,| 亅:;;;;;;;,,:::::::,,;;;;;/
y';;;;;;;;:::｀´`介冗;;,::,;;;;;;;;;;;;;;;;,/
／;:;;;;;:::::〃:.:.巨i!'::::;;:::::;;;;;::::::::',
大良賢師・張角（字はズェピア）
. -＝＝=
.／r.―┐ |三|
./ ＠⌒┘ ｊ三ｊ＿_ ここで後漢王朝の政治システムについて
| /」 ＞ ¨ ` .解説しておきましょう。
l ／ ＼ .これは後漢に限らず、長生きした中華王朝には
|三 7 / ＼ ＼ ヽ よくある話なのですが、
.′/ /( ＼ ＼ ＼ ..基本的に中華王朝の政治とは、宦官と官僚（外戚もココ）の
, / /⌒＼ 、 政治権力の奪い合いです。
/ ,斧斗 三ニ=彡
,Y「1: V/り 斧斗 _ ｜ ..「党錮の禁」 も宦官（濁流派）と官僚（清流派）の争いでした。
f {.ｌ :|{＿＿)- r― V/り /Y7./ | 後漢の官僚とは ≒豪族です。
八.:l ｊ l. 八 ` ー＝' ¨/ /// / |
`ｊ ..ノヽ ` ‐ _ ノ ./ ,: ./ 八 なぜ官僚と豪族が結びつくのかと言えば、
)＼ ,仏＞―=≦ / .,: ( ／ 官僚の選出方法にあります。
./ ∨ /..く_ (＿ ソ)八 人⌒く
/ Ⅶ..../ ／| /:Y ........_
./＼ ＼′ |／ /::/ ∧......._
/.........＼＿＿/／| /く /.∧......}
>>1こと、珪孔雀
.／ ＠ .＞＝┘ ｀ 官僚は 「郷挙里選」 というシステムから輩出されました。
/三三／ `（ ＼ ＼ ...中央から派遣された地方官や、地方の有力者が、
/ / / ＼ ＼、 ヽ . 有能功徳の人材を中央の政界に推挙する――
ｉ: / ` ＝ミ、 ..というものです。
｝ . ＝ ＝ ﾄ }
} 八 (xwx cっ ｘw.ﾉ , ...推薦に当たっては郡守と相（地方の大臣）、
乂 ≧-≧/⌒つ⊂⌒ヽｲ そして郷里の有力者の合議によって選ばれます。
⌒≦／¨＼ｊ{〉 }／¨ヽ
＜三三三|‐-ミ
.／ ＠ .＞＝┘ ｀ 後漢では、豪族の勢力が殊更強く、官吏に推薦される
/三三／ `（ ＼ ＼ ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ ..には豪族たちの間での評判がすべてでした。
/ / / ＼ ＼、 ヽ . :|!¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨|
i / _., ` ＝ミ､ |! | この評判のことを 「郷論」 と呼びます。
｝ . 0 0 ﾄ ｝|! | 最も有名なのは曹操の 「知世の能臣、乱世の奸雄」
} 八 (⌒ヽ , ／) :|! | でしょう。
乂 ≧{二 7=‐- -‐「二7ｨ |! |
⌒〈 ノ}! 〈〉 { ノ |!＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|
￣￣￣￣￣￣Ｑ〔三三三三三三〕 ｊ 〔 ＜ｹｲｸｼﾞｬｸ・ﾁｬﾝ、ﾏｼﾞ、ﾕｳｼｭｳ
(＿＿＿＿ｆ＝＝＝＝＝＝＝＝1
…＝ミ､
／ ＼ そして、宮中で権勢を振るったのがもう一つの勢力、宦官です。
/ ./( (、 彼らは自らの意思でチンポコを切り落とした （もしくは宮刑にあった）
, / ` ミ三 _ ノ 男性たちで構成されています。
/━ ━ Ｙ .i
. 八 乂_ .ｊ / :八 ..なぜポコチンを切るのかというと、後宮（皇帝の奥さんが大勢いる場所）
、{＿＿≦三ヒ ⌒ヽ′ ...の管理を職務とするからです。もし普通の男性が彼女たちの世話係だと、
く/......,../ ∧ .}......乂 人 ...長い歴史ですので、まず間違いなく誰かが皇帝の奥さんに手を出したことでしょう。
｛/......// .l/ /........}...∨ ヽ
￣￣￣ 、
／／ ＼ヽ 歴史的に見ると、太古の中国では異民族との戦争があると、
/ ./ / .漢民族は敗戦国の女性を犯し、男性のポコチンを
.: .:: ﾊ ＼ チョッキンしました。
: .'⌒ヽ '⌒ ヽ
| . / ` ＝-ミ、 そうすることで、彼らは 「征服した」 と認識したのです。
〃ﾊ⌒Ｙ 〃ﾊ⌒Y | ポコチンを失った男性に後宮を管理させればいいんじゃね？
.{.乂..ツ 乂..ツ ｝ ｌ と太古の漢民族は考え、彼らに後宮を任せました。その風習が、
八 ⊂つ ⊂つ / 八 やがて漢民族のナッシング・ポコチンに適応され、宦官となりました。
乂 ノ / 宦官は、皇族の学問や行儀作法教育も仕事の内でした。
.≧ `＝- Ｏ -=彡' ／_ .そのため、宦官は時の皇帝の教師でもあったのです。
ｆY.............¨.....-≧=≦ ≠.....⌒Ｙﾌ
Ⅶ .....Ⅶ.V^>、 〈〉 .へ}.......j('......ｊ7 ,,自分を育ててくれた宦官と、エリート風を吹かせている官僚。
〈 ...... Ⅶ’ ' ,.ﾍ ,<^ヽ .:....j('.......｝! ..少なくない皇帝が人情に流され、宦官を優遇しました。
く}..........｛ /个｛ ﾄ.ｊ(..........{ｲ ..
ｆ|.....ノ 乂_ ﾉ .〈〉 .トー' 〉＼.....|ｊ
l／..＼＿ノl :〈〉 .ﾊ＿ /.........∨'
.／ ＠ .＞＝┘ ｀ 中華王朝にとってなくてはならないシステムでした。
/三三／ `（ ＼ ＼ ,,宦官は子供を作れませんので、権力を世襲できません。
/ / / ＼ ＼、 ヽ . また、皇帝なくして宦官の勢力はありえませんので、宦官による
ｉ: / ` ＝ミ、 ..帝位の簒奪も考えられません。権力の保管庫として宦官は利用されました。
｝ . ＝ ＝ ﾄ }
} 八 ( /⌒Y^ヽ.ﾉ ., ..逆に、宦官でない者に権力を託すことは危険でした。
乂 ≧-≧=/＼ ∧ ／ヽｲ ...なぜならば、当然の事ながら個人に留まらずその一族の権力となり、
⌒≦ y/＼ > く ／.ｊ 帝位を簒奪される恐れもあるからです。
＿ ＿Ｙr¨¨,ヽ＿＿＿＿
. ／..／＿＿≧≦＿＿＿／ | 後漢は特に、豪族の勢力が強い国家でした。
| | ,八 | .|
|＿ｊ .／ ＼ .:| :| 前漢と後漢の間にある 「新王朝」 は権力を握った豪族が劉氏から
|イ '⌒ ` ＝- :| :| 帝位を簒奪して成立した経緯を持ちます。世祖・光武帝は豪族の力を
| ! Ｑ Ｑ Υ| :ｊ 借りることで 新王朝 を打倒し、後漢を成立させました。
|_ﾄ⊇.＿_r ._＿, ノ. |ﾉ／ ..
／／/.く)....∨`..._..＼ ..そのため皇帝は、豪族と争うために宦官を自らの手足として
ｆフ,／ ./..く) ......∨∧` _＞ 利用しようとしました。
|三三|／|三三|,∧ つまり、初期の宦官と官僚の争いは、皇帝と豪族の争いでもあったのです。
|三三|⌒|三三|／
¨¨¨¨ ¨¨¨¨
●補足 【宦官編】終わり
, ′ , ｀ヽ｀ﾞヾ.､ と言うわけで、党錮の禁で宦官勢力に負けた張角は、
/ / / / ﾊﾊ ヽ＼ ヾ.､ ..下野してミョーチキリンな宗教初めて、
ｉ ,' ,' / /./ﾞﾞ"ﾍ.i i `ﾞ､ヽ )） いっそのことなら漢王朝を滅ぼしてやろう、としてるワケ
j i ,' _,'ｨ,」_{ }_i! i.l i.i 〉,'′
:ｉ l {_i ?ﾆ!ﾒ｀ ´_!ﾅ‐ﾘ!. |ｌ!/ ′ ..これが思ったより強くてさー、各地の官軍を蹴散らしてるのよ
!! l i l代:ｿ` 代ｿﾃ‐! ﾉl!,′
ﾉ,! {! ﾄ.!ヾ , ¨´ﾉ'ﾉ'i ﾉ{
ｰ=' | ! iﾄ､ ノ'!'ｲﾉ! i
.乂.! |!`iヽ ‘ ’ . ｲ（ {./ | 丿
_＿
／ ｀ヽ 都・洛陽を内外から攻め落とす計略まであったとか！
-‐ '´￣｀ヽ､ ＼
／ ＼ 丶 黄巾賊幹部の密告があったことで、
； ////リ从ﾘﾉ））ﾊ ヽ, i { その計画は事前に防がれたようです
,〃 {_{＼ u ／ﾘ| ｌ | l ；
／ﾚ!小ｌ● ● 从, |/´｀ヽ ｶﾞｸｶﾞｸ
彡ソ'´ |l⊃ ､_,､_, ⊂⊃ |ﾉ从ミヽ もしその作戦が成功していると、今頃は……！
|ﾍ { } _l | ! ﾐゞ
；: r'⌒)､._￣_ (´ j / | {
} /ヾ三}ヽヽソｲ{彡'´} | ；
; ｌ ﾉ.|l| ノ |l|| l |
; ゝｰ' |l| |l∧＿_j |
／.:.:.:.:.:.:.:.:＼
／ ＼.:.:.:.:／ ＼ そ、そんなの！
／ （●）i!i!（●） ＼ ゆ、許せないお……！
| u , （__人__） |
＼ .｀⌒´ 〆ヽ ..や、やる夫だって劉家の血筋を引く男！
/ ヾ_ノ この天下の何パーセントかは本来、
/rｰ､ | やる夫のモノのはずなんだお！
/,ﾉヾ ,> | / こ、こーしちゃおれんお……！
ヽヽ〆| .|
／i
||: |
||: |
||: | ﾌﾞｯ
||: | これから洛陽付近の黄巾賊に殴り込みをかけるお！
||: |
||: | ＿＿＿_ アチャ子、トウカ
||: | ／＼ ／＼ ..やる夫が死んだら、その時は……！
||: | ／（ ●） （●）＼
||: | ／ :::::⌒（__人__）⌒:::::＼
||: | | |r┬-| |
〔[|]〕 ＼ ｀ ー'´ ／
/ｿﾍ / ヽ
(彡ｿﾍ／ { __＿ノ / i
/⌒ヾ￣￣"￣ _／ }
ヾ___ｿ,,,､､---‐ーー'''''"´ /
ﾉ i
／ ノ￣￣｀ヽ、―ニ 二
ブゲラ！ /´ ::::／ ´｀ヽ _ 三,:三ー二 関「落ち着きなさい」
/ .ノヽ--/￣ ,
{ .ﾐ } ...| /!
ゝ .」_}｀ー‐し'ゝL _
／ ＼ _,:ﾍｒ--‐‐'´} ;ー------
／ ` ､_.､,,ノ｀ヾ:::-‐'ーｒ‐'"＝＝-
l `ー――‐-T´
| j「
,.ｨ ´ '⌒` ヽ.､ 肝心なのはここからよ
,.-‐メ, ﾞヽ.
,ｨ／,.'´ ／ ＼､ ｰ.､ ヾﾞヽ 正直、アタシは漢王朝がどーなろうとしったこっちゃない
, ,ｲ / , / ｉ＼､ ﾍ. ､ ＼ ゛､i! 皇帝が誰になろうと、アタシの生活には関係ないし
/ / // i ! ﾄ､.|､､.＼､∨ ヽi iミ､ ， でもね、やる夫。アンタにとって、これはチャンスなのよ
/ /.,′i. l!|i. |!i!.!ﾄ､∨i､ヾ.､. :l |ミﾐ､ i ! アンタは劉氏の血を引いてるし、名士受けだっていい
. / ,' i l |i!|! i! i!| !ｉ＼ ﾄ､|!i .|ﾐミ､ ﾄﾞ､
ヽ ;.|! l. _i|_!|､゛､ !| |! _ヾﾒｨ| .|メ､ﾐ i､｀ｰ=―' この黄巾賊の反乱鎮圧に功績を上げれば、
i i!ﾍ. ﾄ､__i!ﾒﾐヾ､､ i| |!,ｨﾊ´:i!ﾞﾃ‐ .!ﾊ iミ､.ヽ. 将軍にだってなれるし、爵位だってもらえるかもしれない！
| ﾄ､ヾ､ヾゝﾍ弋ソﾞヽ !´'´ゞ='′!l |ﾒ.ﾉ､ヾ=-ﾒ-､
| |ヾ.､､ヽゞ､! ｀¨ ﾉ| |ｲー彡'个==―. ､＿＿＿ だから、やる夫！
. ﾉ i ﾊ＼.| i!lﾄ､ ' ノｲ |＼／.:::::|!､｀ヽ ヾ:::::::::::::..｀`ヽ. ..アタシと組んで、
＼ ヽ. ｀ヽ! l |!ゝ. ゝ= ニｱ´∠! .i |::::i::::;:::::::|!ヾ, ゛ li:::::::::::::::::::::.ヾ.､ 反黄巾義勇軍を結成しましょう！
＼.ﾞ､ .| i!.!! l|'｀＞，. _ .，' ﾉi!, l .!::ﾉ､;:::::::::|! |l::::::::::::::::::::::::::i.ﾄ､
ヾ.y l i!.|l ｉ|:::,ﾍ.:::::ﾄ､ｰ=イ::i,' i |/ﾍ.､:::::::|| |i:::::::::::::::::::::::::::|i:::: そして、アンタは富貴な身分になる！
ﾉ !:|ﾍl|::ｉi^:､､:ﾊ､::ﾍi{::/,. | 人ﾒ:ヾ.､:::|| ｉl:::::::::::::::::::::::::::|!::: ううん、アタシが成らせてみせる！
| :|､|i!V ヾ.､Θ===/;'i !iΘ）＿_＼!! ､ :, ./.::::::::::::::::::::::::〃;ｨ
| :!`|ﾄ､;',====ｲ/.:/!i!| !|=/ﾉ¨¨¨｀`ヾ.Y__＿/＝､:::::::::::::::／.::¨:::
| :! .!!｀`i ::::::::::il:::ヾ|!l| :ﾊ:i |:::::::::::::::::::.ヾﾃ'´.:/i!゛ﾄ､ｰ=ｲ'.::::::::::::::
| i! l.! l.::::::::::ｉl:::::L!i! ﾉﾍヾ.Y:::::::::::::::::::}'" ｝|i i|ヾ.Y /.::::::::::::::
| | i| {:::::::::::||:::::::|i! |､:::ヾ!|::::::::::::::::::ﾉ }|i! |ヾﾊ/.::::::::::::::::
| ! |! 乂:::::::||:::::::|! i!ﾐ､::::ヾ!::::::::::::;:'､ｰ ﾒ!!| !,ｨ'´￣｀ヽ.::::::
| :i |! ＞ｰ‐イ;ﾊi!|｀ヽ゛ｰ|!―‐ ' _j,,,,,,,ｨ ﾉ`|ﾉ'´｀ヽ. ､ヾ｀;ｲ
ﾍ.| |! ,ｨ´,ｨﾍ,ﾉ!|'ー-《{|!ｰ ''''´ 〈,,, ,,,',,丿〉,､ ヾ､./
ヽ. ! rｲ‐ｉ´{ i'!|ﾍ.､ ﾞﾞﾞ》〉! ､,,,,,,j,,ｨ, ﾒ/ /´/ 〉ｰ,__ /
ﾉ_ﾊ ﾍ ヽﾉ!!ヾ､ ／＼! '（,ｨ'／t./ノ;;;/_ノｨ .〉
／_ノ ヽ、＼
／（ ●） （●）.＼ な、なんでアチャ子がそんなに乗り気なんだお？
／ （__人__） u. ＼
|ｎi 7 ｀ ⌒´ . |ｎ 漢王朝がどうなったっていいって言ってる割には、
l^l | | ｌ ,/) U l^l.| | /） 手柄を上げるとか、まるで意味がわからんお？
', U ! ﾚ' / . . | U ﾚ'/／)
{ 〈 ﾉ ／
..i, ."⊃ ｒニ /
."'""⌒´ `''""''''
. /:. :./:. :. :. :. :.i/:. :. :. :.:i:. :. i:. :. :. :. :. '､:. :. :. :. :. :. :.'､:. :. :. :.ヽﾊ ヽ やる夫殿
/:. :./:./:. :. :. :. |:.:i:. :. :i:.:iヽ:. ヽ:.､:. :. :. :ヽ:. :. :. :. :. :. :.:ヽ:. :. :. :ﾊ:ﾊ ヽ 某にはアチャ子殿の言いたいことが
,':. :/:. :i:. :. :. _:. :|:.i:. :.‐‐--.､,:.:ﾍヽ:. :. :. :ﾊヽ:. :. :. :. :. :i:.:ﾊ:. :. :. :.iヽ:i ヽ 理解できまする
,':. /:. :.i:. :.／,-､ヽ:i:. :. :. |. ,ｨ=≧ト.､ヽ:.:.:.:,ｨ≦了:. :. :. :.iヽﾍ:. :. :. :i. ヽ
.. ,':./:. :. :.:／イ ノi:.i:. :. :i ｲ|r';;;;;::i fr';;;:|.:r､:. :. :. iヽ .i:. :. :. :| 某もアチャ子殿も、将には成れても誰かの
i:.i:. :. :／' / N:. :. :.ﾘ 乂;少 乂ソ V:.ﾍ:. :. :| i ＼:. :. :.| 主たることはできませぬ
. :.i:. ／.／／ ヽ |:. :. :ﾊ ､ i:. :.:N:. :| ヽ ヽ:. :|
／イ ／ ノ ./￣|:. :. :.ト /:. :. |.ヽﾘ.ゝヽ ヽヽﾘ しかし、やる夫殿は違う
' ´ ‐' ´イ ./／ |:. :. :.iヽ ｀ ` ／.|:. :. |＼ヽヽト.ヽ､ヽ-＼ まさに「将に将たる」お方
‐' ／ ／／iゝ､ |:. :. :.|. ＼ ,.ィ .|:. :. | ヽ､ ヽ `ヽ ｀､＼
. ..,､イ:."￣:. :.:ﾍ . ｀'‐|:. :. :.|'‐‐-､` ､__ イ/ヽ. i:. :. | _ノ ヽ ヽ ＼ ＼ やる夫殿は義に熱き御仁
V:. :. :. :. :. :. .ﾍ. |:. :. :.|-､ |‐‐‐‐‐| | i:. :. |'´ / `ゝ､,_ ヽ､, やる夫殿の元でなら、憂うことなく
,ヽ-‐‐‐‐---､ﾍ.. |:. :. :.| i |:::::::::::::| { |:. :. |.／ `‐‐ 我が蛇矛を振ることができます！
_＿＿＿
／⌒ ⌒＼
.／（＿） （￣ ）＼ トウカまでっ！？
.／ ::::⌒（__人__）⌒::::::＼
ﾟ ｡ﾟ 三 ≧ ﾟ'ゝ | ﾖｳﾔｸ、ﾏｼﾞﾒﾅｺﾄｦ！
-=＝ 三 ≦｡ ／
.。 -=≦ ,ｧ-
ﾟ ･ ﾟ｡ 三＜ ､,Ｊﾄ
.≦ ッ ッV´≧
･ ｡ ﾟ ｡ ミ´ ､､ ﾊﾄ･｡ﾞｉ ﾟ｡
／ ＼ そんなことを急に言いだされても……
／ ＼
／ ＼
| ＿, ／ |
＼（ー⊂ヽ､∩ ｕ ﾉ
| | ゝ＿ ＼ ／ )
| |＿＿＼ ” ／.
＼ ＿＿＿ ＼ ／
_＿
／ ｀ヽ やる夫殿！
-‐ '´￣｀ヽ､ ＼ ご決断を！
／ ＼ 丶
////リ从ﾘﾉ））ﾊ ヽ, i
,〃 {_{｀ヽ:::::::::: ノﾘ| ｌ | l
／ﾚ!小ｌ⑪::::::::::: ⑪ 从, |/´｀ヽ
彡ソ'´ |l⊃ r‐‐v ⊂⊃ |ﾉ从ミヽ
/⌒ヽ__|ﾍ ヽ ノ j /⌒i ! ﾐゞ
＼ /:::::| l＞,､ __, イァ/ /│
. /:::::/| / ヽヽソ ｲ彡ﾍ､__/ |
｀ヽ< ﾚ |l| ノ |l| ゝ
,ゝ -― ‐-､
,ゝ,´ ⌒ヽ.
,.' ," , ､ﾊ ＼ ヽ
/' / ,′ iﾞ"i i､ . i､ ﾞi やる夫、やろうよ！
' / i i!i .| !i __!_ﾞ､! i |ヾ. .! アンタはこんな辺境で
ﾍ .!i ‐i廾! i´!ｨ≠! i .!゛i ! いつまでも燻っているべき
i ﾞ!ヽ灯¨i` Vi__ﾉｻ ﾄ. i .i 人間じゃないんだから！
i iヽ|ヾﾞｰ' , "´i! |ﾉ !､i
l i i､.! i! , .| |ﾞ､!人､
ﾞ､ i､ﾄi l＞．｀ ，' i! .|､メ ｀ヽ
ﾍ!ヾ.! !ヾ､,.｀ｫ´ ＿,i! .ﾄv'′
ヽ i .|ｨﾍ iﾞ「i´ ii .i::i､___
,! |i/ヾﾒ!| , ／ﾉ! !〃::::｀;ﾒ､
i| !::::《''ヾ"´ _》ﾍ !::::://::::::､!
!| ﾉｨ≠lメﾊ=ｰ=､､!i:::://.::::::::::i､|
／ ＼
／ ＼ ふむん……
／ ノ ヽ､_ ＼
| （ ●） （● ）. |
＼ ｌ^l^lｎ__人__) ／
／ヽ L⌒ ´
ゝ ﾉ
演義では純粋に、「漢室を救い、賊に蹂躙される無辜の民を救いたい」
という一念から行動に出ている。
＿＿＿＿
,. -'"´ ｀¨ｰ ､ .わかったお。
／ ＼ やる夫は、賊を打ち破り、苦しむ民を救いたい……！
/ ', 今のやる夫にはその一念しかないんだお！！
./ ',
l ＼ ／ l
l ＼_i ,, i_／ l
.', ｀ー―' ｀ー―' ./
＼ l 人 l ／
入 ｀ｰ´＿｀ー' く＿
／ ヽ| ヽ＝∧＞ }＝}:/;:;:;:ヽ ／｀丶､
／;:;:;:;:;:;:;:;: ＼＝ハ､|＞-一彡7///;:;:;:;:ハヽ ／;;;;;;;;;;;／
. 〈;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: }ヽﾊ三三三三彡/;;:;:;:;:;:;:;:;::／:;:;ヽ ／;;;;;;;;;;;／
, ィ⌒丶 : ;:;:;:;: ;:;:;: jﾆ∨三三三三7ﾊ:;:;:;:;:;:: ／-‐' ´＞ ､丶 ／;;;;;;;;;;;／
／ ;:;:;:;:;:;:;:;: ＼:;:／i: 人三三三三三ﾘ}/ヽ: :／ ;:;:;:;:;:;:;:;:;:_,∠.- ァ;;;;;;;;;／
／ : ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:: Y: : |:/三三三三三三Ⅳo:У;:;:;:;::;:;:;＿∠ -‐ '"´ ノ／
,ゝ‐ ' ｀`ヽ､
／ ｀ヽ..､＼
／ _,. i ､｀ヽ､.＼
' /´ ／ , |,ﾊ ｀ヽ ヽ.｀ヽ. じゃ、じゃあ！
/'i ,′ /i i'"ﾞ| ﾞ､ 丶
' /' .|: i ,ｨ/ .| , .! .′ !i .i i.ヽ ,ゝ
| .|l i ,ﾅﾘ￣iﾒ‐i.,′-!ﾅi! ｉ. i /
l , _ |i |;_ｨ彡＝</!,' ,ｨｷ'ﾉ! ,i.|.ﾉ.!
! , ｉ / /,､ﾞ!! .iｉ `匕ｿ/'ノ' l'Yﾒ'ﾉ_.ノ,'ﾉ' |
ﾉ,' .|/ !' 〈|| i.i! ヾ' . i ,! .i
/'!ﾉ .i' ゝ､!! ﾄ.! ,′ﾉ ,'!i| |
' ノ'〈/,ｨ=! ,ｲ!! |. （￣ア ,.ｲi_ノ /ﾉ'| .!!
´ /ゝ｀ヽ､/.|! | ` ，. ／!::i.|/／ﾘ i .ノ
∨|: :｀ヽヽ| .|ヽ､/ ＞- '. :ﾞ｀ヽ!/ '´.ﾉ／
jく: : : : : :' iヾ.､;;;;;;;;｀ヽ: : : :// ／
(,:'´￣｀:ヽ:､! ､i: :〉〉;;;;;;;;;/: : :.//!
/ｨ'⌒｀ヽ. ､: :ｉ! ﾍ!:冂;;;;;;;;ﾉ;､: /_'i!
!: : : : : : : ヾ.､ﾍ i!ﾒ=ﾆl====ﾄﾒく!|
／: : ＼／＼.: : : : : :＼: : : : : : : 丶､
. /: : : :/￣ : : : : : : : : : : : ＼ : : : : : : : : ＞､
/: : : : ;': : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼: : : : : : ＼ヽ、 そ、某たちと一緒に……！
/: : :_: ;': : : : : : : : : : : : ＼: : : : : : : :＼ : : : ＼: ヽ
. ,': : （,､}i: : : : '; ',: : ＿,,.ﾊ: ; ヽ=‐- ､: : : :ヽ : : :∧＼ヽ
. ,':/:,.ｨ l: : : : :iＸ´ ,.ﾆミ､: : ∨,.ﾆ=.､ ｀: : ':,､':, : : :'.,. ＼
. i/: ヽ! .ﾄ!:l : : ∧,;'ハ;;;ヾiヽ: : ',トi;;;;i,!ﾞ〉､: :∧＼;､: ∧
/: : :.ｌ l. l;ﾍ : : ',┘V､;;;ﾉ!ヽヽ: V-'ﾋ' .l: lヽ: :',､',ヽヽ: ',
. /: :.: / .! /； ヽ､:', ゝ-'‐. :. ￣,,.,,. i: :! ,メ:l ',ﾍ ＼!
. /: : :/ // ； |: iヾ､ """. ﾞ .ﾉ: :l"∨ ﾊ.',
. /: : ./ ,'/l /ヾ'l: :.l:ﾍ. ,. -_‐､ .ｲ.: : l､i､ ﾄ､ ヾ､
/: : / ,'l/レ':｀'´l: : i: : ＞ ､ ,ィ´ l: : :l ヽl、＼!. ＼
.. /: ／ /: : : : : : : l : :'; :lﾞｰ- ｀ -.'‐┼､. ｉ: : :l...＿∨ ＼ヽ＼
. /／ /: : :/´￣｀ﾍ : ∧へ ¨ヽ / ムﾊ: : i l //7､＼＼iヽﾄ＼
.／/ /: : : ﾑ∨lヽ, '; : : ', ＼ﾞ丶､ ∨ .// .'; :ﾊ ///ヽiヽﾍ ヽ . ＼
,':/／ /: : : : l/ ＼l,ﾍ､V: :ﾍ ＞-‐'ィノ. ∨:i//ヽ/ ﾍ ＼ ＼ ＼
／://: : : : : / ＼ﾍ: : :.i'´ ＜´ :. ＼ﾄ／ ヽ ヽゝヽ＼＼＼
,,.-´ ｀｀ヽ
.／ ＼ いんや、まだ立たねーお
／/ ー一､ ,,／゜ .ヽ 、
／ .| （ ●） （● ） | ＼ 一度決起した人間は、大業を遂げるまで引くことは許されないお
／ l （__人__） .| .＼ だから決起する前に、やる夫は信頼できる人材が欲しいんだお
.＼ .＼ ／ .／
/ ＼ . i .` ──── .′ i ／.、 .決して裏切らない、親兄弟とよりも固い絆を持つ、
l .＼ .l .∧ ∧ / ／ ヽ そんな同胞が……！
.l .＼ .l .| i l | /／ l
,, -=:. ヽ:. :.ヽ
／:.⌒ヽ:. :.}:. :. } ／ ,,..
／:. :. -==-―― ＜,,.. ・''"´
／:. : ,,:. '':. :. :. :. :. :. :. :. :. ＞
／:. : ／:/:. :. :. :. :. :. :. :. :. :.':. :. :. :`:.､
／:. : ／:. :.:}:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :.＼ 某やアチャ子殿では信頼に足らぬと？
':. :. ／:./:. :./:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :ヽ
/:. :. :.' :. :':. :./:. :. :. .: :. :. :. :. :. :. .: :. :. :. :. :. :. :. :. :. .
/:. :. /:. :. ｉ:. : ':. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. .: :. :. :. :. :. :. :. :. :.
/:. :. /:. :./ |:. :.|:. :. |＿|__{＿:. :. : |:. i__|_:|＿:. :. :. :. :. :. :.:
/:. :. /:. :./- |:. :.|:. :. |∨Ⅳ､:. :.ヽ:.:.|iV }从ﾊ:. :. :. :|: : ｉ: |:|
. /:. :. /:. :./ {i＼:| : : ,,斗芋芋､:. }:.从午芋芋ミ:. :. |: : |: |:|＿__
. /:. :. /:. :./ 八 :. :. 灯 ::::刈 ＼/' {::::::刈 爪:. :.|: : |:.从 ⌒ヽ __
/:. :. /: ／ /' |:. :. | 乂z:ソ 乂z:ソ |i:. :.:|: /|/' ＼＼_
. / :. :. ／ i.／> |:. :. |ｉ } 八:. :|/⌒ヽ ＼⌒
/__彡' , ⌒i/|:. : 八 , |:. :. | ＼ ＼
. /／ / |: : : :| ＼ ⊂⊃ ／'''''|:. :. | ＼ ＼
＜ _彡' / ／'|: : : :| ＿__} ,,__,, イｉ＿__ |:. :. l＼ ､＿＼＼＼}
/ , / |: : : :| /:::: ≧==--==≦|__ ,ノ|:. :. | ＼ `⌒ー''
,ノ/ ／ イ i､ |i : : :| ￣￣￣￣i:::/￣￣ |:. :. | ／!
イ,'／ ／:. :|i | ､八: : :|＿＿ ﾚ ＿＿|:. : 八 /
.. '⌒|-=彡: : : : |l | ＼＼ﾞ| ＼ / ／／ ,斗:./ /
. |:.i:. :. :. :. :. |l | ーヽ――r――――=彡' |/ /
,ゝ―'´ ｀ ﾞ ＜
, '´ ､ -｀丶､
,.′, . . ｀ヾ､ヽ｀ヾヽ､
/ .,/ !i : i i､ ／! ､ヾ､ヽ ｀ヽ ……だったら、場所を変えて、一度腹を割って話し合いましょう？
. / ,'' !l i :l !ﾞ"""!i ヽ.､ヽﾞ､ .
. ! ,',i .ii!i ! i ! u !i! i ､ﾄ､ ヾ､ 何があっても、あたしの決意が揺らぐことだけはないと、
. ! ,'i/! !i_!､__i!i i!i i!i l .ilヾ､ } 先に宣言しておくわ
. ! ir-!__,ｪi二ニミ‐!! ｨニ三´! i! ﾍ.i ./
!i.（ゝ!i `匕乃ヾヽi!! 乞万¨ゞl‐i! ﾍi i
..ﾉi iﾍﾒ!! .i､!￣ ¨¨¨ﾘ ﾉ!'!i!i i!.!
´iﾉ !i!i｀i! i!iヽ ′ ´iﾉ!'ｉ ,'iｉ! ﾉ.l
ノi 'ﾉﾉ,'il! i!i､ ― 一 ,.ｲi| !' .i!i´ ﾍ
乂'＿i|i i|!i≧ ､ . ＜ﾉﾉ!i ! i!.! ﾉ
ヽ:.(...､iﾄi､i!i_＿ `；i｀ヽ､丿!i! ! !/
――しかし、義勇軍立ち上げに際して、正史・先主伝に やる夫 がどんな気持ちで挙兵したか、
...記述は一切存在しないのである……。
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:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:.:..:..::.::::.::::.::.／ :..:..:＼:.:::.:::.::::.:::.:......:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:.
:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..::::.:::./ ..:..:.:::.:::.:::.::::.::.:....:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:.
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.. . .. . .. . .. . .. . .. . .. . .. ヽ ......:::.:::.::./:::.:.::.:.:......... . .. . :; ,.：゛;:;`;゛;:゛;::;`;;
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;：、;:;":;"//;`;:;"：、;:;":;";`;:;"：、;:;".. . .. . .. . .. . . ゛;:;`;゛;:゛;:; ,.､...,.;`;゛;:゛ﾞ_,,;:; ,.：_!,i!;;-'''゛'''''
""'''''"'''-．._：、;:;〃":; ,.,,.､;:、;: .;.. . .. . .. . .. . .. ..,.,,.､_,,..-‐'' ::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''' ;;:;: :::'
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.;'":;. :.. ;'"'":;.;'":;. :.（＿|i／ ,,, ,,, ,, ｀ ＼i|＿）:"'"￣'"":..'"￣':‐.:':'"￣'‐:'"
.::..:ｰ..:..::::..:..-::.:..:...::..:.／ ,,,, ,,,, ＼.::..:..:..ｰ::::..:..::.:..:...::..:..::..:..:-..::::..:..::.:..:.
.::..:..:..ｰ::::..:.,.,,..､ ::..／ ＼. ,.,,.､.::..:..:..::::.ｰ.:..::.:..:...::..:.ｰ.:..::.:..:.
.::..:..:..::::..:..::|i. |／ ,,, ,,,,,, ,,,,,,, ,,, ＼|i. | .::.-.:..:..::::.〜.:..::.:..:.ｰ..::..:...:
:.;;''.;;:;: :::''／ ＼::.;;'' ;;:;: :::''.::..:..:..::::..:..::.:..ｰ:...::.
__,,.. ．-‐ '''" "~ ~""'' ´~"''~""''' ''"´~"''"'' '""~~ ""''´~"''~" "'''' '"´~"''"' ''""~~ ""''´~"''~ ""''' ''
(ヽ三/) ））
＿＿ ( i)))
／⌒ ⌒＼ ＼ おっおっおっ
／（ ●） （●）＼ ）
.／:::::: ⌒（__人__）⌒::::＼ こいつは大したもんだお！
| (⌒)|r┬-| | ..隠れた名スポットってヤツだお！
,┌､-､!.~〈`ー´/ ＿/
| | | | __ヽ、 /
ﾚレ'､ﾉ‐´ ￣〉 |
｀ｰ---‐一'￣
_＿
／ ｀ヽ
-‐ '´￣｀ヽ､ ＼ やる夫殿のために
／ ＼ 丶 手配させていただいたのです！
////リ从ﾘﾉ））ﾊ ヽ, i
,〃 {_{⌒ ⌒ﾘ| ｌ | l
／ﾚ!小ｌ● ● 从, |/´｀ヽ
彡ソ'´ |l⊃ ､_,､_, ⊂⊃ |ﾉ从ミヽ
/⌒ヽ__|ﾍ ゝ._） j /⌒i ! ﾐゞ
＼ /:::::| l＞,､ __, イァ/ /│
. 从 l||l.| / ヽヽソ ｲ l||l人.∧ |
( ⌒ )ﾚ |l| ノ |l| ( ⌒ ) |
,.', ,::'/ .: . . ﾍ:. ヽ:. ｀ヽ.｀ヽ
,.''/ ,:::::/: .::; . .:i ﾊ. ﾊi. i ､ `､ :::i::. : ヾ.､
／/ .::;::/ :: .:// .::/ﾊｉ!i!ｉ!|: i:.i ｉ ::::!::. : iヾ.i 結構いい場所じゃない！
,.' / .::,'::i ::.::,' i :/i.| |i!＿i_」＿_! ::::|::､:. l: i !
' ヽ :::i ::| ::::i :i,-ｨ‐i!- !i´_ﾉ_i!_!_ .l ::::iヾ::､i: i |
ヽ :::!.::!ｉ ::::ｨ´!,=i=i!ﾐ li'!'iちﾟ心ヾ､ ::::!､ﾞ. ::| ｉ､!
ヽ:::!i :i､ :::|!ﾒ' ち心 i!|ﾉ乂_ﾉ:i ｨ'`ｰi. i: :::! .!ii
ﾞi:::i.i :!ﾞ､_,ﾊ､ 乂_ﾉ」 ﾉ ! ゝ‐"'!:i'!:::::|:ﾉi ::| !i|
!::i!i､i ヽ:ﾄ. `¨´ , ﾞﾞ !!i::i:::i"!:i :! .ｉ |!
,ｨ､ i ::!i iヽ.ヽﾄ. " _ ＿ !i::i ::i :!､V .i i!
'ー彡､三! :!i !ﾉヽﾞ､ﾊ ヽ´. ノ ﾉ'/.! :i､:!_､∨ ヽ､
,ｨｰ―'ーi .:!ﾘi---ヽ!i＞'´〉 ／!:i|i ::i´7/ヽ!―--ヽ=__
;;;;;;;;;;;;;;;;;;| ::!ﾊ!;;;;;;ｨ'´.::´:::《｀＞．__ ／. /i |:!､ i::'/i ヽ〉＿__ ｀､
;;;;иｲ´:::i ::ﾉ´i!´::ヽ:::::::::::ヾ､ー'¨¨¨¨¨¨¨｀ゞ､ Ⅵ ,'/;;;;;;;;;;;;,｀;;,､
,. -''" ／ ,.-‐ ＼ / _,.. -
_,.-''´ ／ ／ ／ / `く￣ _
／ ／ ／ / / i ヽ-‐''"´
/,ｲ / ／ / ／ ﾉﾊ i ……………………。
/// / ／/ ,.ィ´ ／ / ｲ | |
／ // ,' ,ｲ '"ﾌ`ﾒ､、／/ _,∠=､,,／/｜l! j｜
,.ィ´ l/ ! / ｉ / / くﾞ' ／ ∠ ／ `ｿv' / ∧/
／ ! | /i l /| / / ／/,,ィ=,≡､、 ﾒ ∧ ヽ
／ | |ｉ ﾉ,ハ / ! ヽ､＿,、 ′lｰ' 》 / / ヽ ヽ
／ |! L__|! ｜ ｀￣ ｰ--ﾟ'' / / i ', ヽ
| / l ,人 / /､ ィ∧∧ ヽ
! _,ｲ V ＼ ' / /´ ∨､′′', ヽ
_,.-‐"/ /| ｀ ､ ｀` _,/ / ヽ ',
_,.-‐'"´ // / ! ＿,...lヽ､ -‐ﾂ / ヽ ',
〈/ / ｢￣`ー┤`ー/ /ｰヽニ┐ `､ ',
/ ,< __j | ／ / 7 > ',
/ ／＜ｰ''´ー-`ヽ､ Y / _/、 ／| '､
ｲ / ヽ ヽ＼ ヽ／ / 厂￣￣ ／｀＞‐'
,,..-――-..,,
／ ＼
／ ヽ
/ ー‐-､ ／ l
／l _ r .l
/ ..| t''tzj´ ｨｾﾂ ',
/｀ヽ、__.', ｀¨¨´ ヽ l …………………………。
./ ＼ .ヽ. （＿ノ--' ﾉ
/ ／-‐| ＼､ ＿＿＿_ ,,..-＜
./ ./ l l ＼ | r-ヽ ｀ヽ
/ l | ヽ .>､ r'__..>＞ |
./ iヽ .|＿ヽ.イ .〈Y´ i ｀''１ | |
' l 、 < ´ .i | i | | |
＼ / _,,-ヽ ヽ .i .| .i .|.l |
.ヽ∠-''"ヽ ヽ i .| i |l ..|
〉 ヽ .l .| .i |｀ヽ|
／ l/ .| ヽ| .l
.／ ./ l /.＼ ヽ
l / .l 〉 ＼l
ヽ ／＿_,..--'┬-イ |
＼ .／―‐┴''"´￣￣l |
_ .... ．-‐‐､__
-‐=＝ﾆ二 ヽ､_
,. -‐''"´ , ､ ヽ ＼
/ ,:' , /il!. ヽ ､ ヽ ヽ ヽ ……………………。
ﾍ / / ,,' |i､,-‐i|､‐ﾄ､.l .| ﾞ!
： i! i,-ﾅ!-. ﾘ!ﾊｨ,!=ﾘﾄｉ､| .|: |
! i!､ﾊi!ﾃf=i ﾘ込,,;ｿ'ﾅ ﾄ. .!
,' ､ﾍi´!┴' , | .ﾚ iﾉ
ﾉ .:ﾄ!ヾliﾄ､ | .〉ヾﾄ||
∨ﾄﾘ＼!ゝ､ ‘｀ . ｨ,ゞくヾ､j
. ∨ﾄ! |:::i!::|:`:.､_ .ｨ ´ , ' ヾ.＼
桃園についたばかりの三人は、咲き誇る桃の花をただただ見つめていた。
やる夫は何度か口を開こうと努力してみたが、
言葉が餅のように粘性のある塊になって、つかえている。
＿＿＿
／ヽ、 _ノ＼
／ （○） （○）＼ ……！ ……っ！
／ （___人__） u...＼
| U ﾉ ヽ, |
.＼ （/⌒ﾉ´ﾌ .／
. .> .￣￣´ <.
そんなやる夫を、アチャ子とトウカは
黙って見つめ続けた。
決して、二人の方からやる夫を促すようなマネはしなかった。
そんなやる夫を、アチャ子とトウカは
黙って見つめ続けた。
決して、二人の方からやる夫を促すようなマネはしなかった。
. : ´¨〆`ｰ'´ ｰｖ'⌒'.
／:.:.:.:.ｒ.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ﾊ.:.:.:ﾍ
／;´: : :/.:: ィ:/!/}:::.:.: |::.:. ∧
/::.ｲ / ｒｫ/'´佗从 ﾄ.}ヾ.:.:.∧
| / {/イり, !:ﾘ 小 ':、∧
ｌ' !八 ｒっ !:ﾄ､iヾﾍ ヽ.:ﾍ
/: ＞ .,__ イ ﾄ､ :: ∧ ﾍ ﾊ
/ﾚw.ノ| ! ｒ‐ｧ‐|: |_∨- ､V ヾ.'.
/ . ﾚ'ｆヾ!:| ｊу !: | / ｒ≠､ヽ ﾍi
// / ｆ¨ヽﾘ升＜ !:ﾘ:レ':. .: .}:::ヽ ﾐ ､
メﾍｰ､ゝ￣｀ヽﾉ｀ー'＼,､ノ＼､ー､
ノ｀乂〉 ｀ヽ ゛ ,，-‐―｀ヽ-'＼,.....､
.:弋ﾊ ゛ ,ｨ'´ ｀ﾍ., `､
. ::::〈ﾊ,〉. ､＿.,'ｲ, . ∨ ﾍ
: :::::〈メ〉: ／,;/.ノ′. ,ゝ , ､.|:::. l
:::::∨）:: ヽﾉ'／ ..,／""/" ,.,ｲｿ, ｉ ､ｉ.ヽ， ｉ
:::::::ﾒ､ﾄ､,._ ,ｨﾒ√＝‐'/' ,ｲ__,ｲ/ /'!ﾉ!ﾞﾉ!.ﾉﾘ.:｀＼
. .::::::::::.ゞﾙﾇﾐこ厶彡ｉ'yｰｨf赱ﾒ` ﾉ'ﾋｿﾙﾉi^v,､__.::::_ヽ.
:.:::::::::::::::::ﾄ､ﾞ,ク'´ ﾟヾ :〉,i,' ' 丶 ' ｲｉ!|ﾍ. i ヽ,､ﾒ､_》
::::::::::::::::::,|..＞'ヾ. ｀ヾ≧､ ー‐'／!ﾄi!i¨｀ ゝﾍ ゝ､i!!
｀ヽ､丿.,,,'/.:ﾊﾞ ヾ ..＿ ｀ヾﾄ≧ﾊi ´ ｀乂｀´ヽ-ーゝ'
やる夫は八杯目の酒を飲み干し――
,-‐-､
| .. | ﾝｸﾞ
ﾝｸﾞ | 老 |
| 酒 |
／￣⌒) (⌒￣＼ﾝｸﾞ
／ ,. ^‐'_ヽ /__ｰ^ ､ ＼
／ ／／￣ ｀ ⌒ ´￣＼＼ ＼
（ <／ ＼ﾉ ）
＼ ＼ ／ ／
ﾝｸﾞ ＼ ＼ ／ ／
ﾝｸﾞ
二人の顔を、ゆっくりと見渡した。
二人が頷くのを待って、やる夫はゆっくりと語りだした……
-――――――
／ ＼
/ . やる夫は、立つからには頂点を目指したいお
/ ／ '.
| _／ヽ かつて、西楚の覇王・項籍が天下を握りしめたように
| ｆツ ) |
i| | かつて、漢室の高祖・劉邦が天下を抱きかかえたように！
〈( ! ＿＿_ i
＿_ヽ_＿_ﾉ／ ／￣ヽ〉 ＿__/＿ 忠を全うするだけじゃイヤだお！
／／￣＼／ ／ x≦///////! やる夫だって漢室の血を継ぐ人間、
／／ ／ ／ r≦//////////}＿ 天下を握る権利は持っているはずだお！
__r‐v'"／＿＿／ ／...イ_ ー .｢∨////////／:::::::::`ー..._
／ rャ{-<(￣￣＼／ {:::::| >' ﾊ |__,｢1////／::::::::::::::::::::::::::::::＼
／ヽ// ＼_〉ｧ‐一'..-―‐Ⅵく /Y ｢＿| i//,／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧
/___ ､ ＼ / / /:::/::::::::::::! Χ. ! 〈 }_i／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／::::.
{´ ヽ＼ Y { /:::::!::::::::::/:ｌ/:i ｜} 〉_／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::，
〈--へ _} ｀¨ .〉 /::::::::|::::::::::{::::::::! !.| 1{::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::，
i , / {::::::::::::::::::::::Ⅵi::| i i ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::，
{ } ,ｲ j::::::::::::::::::::::::Ⅵ:| 〈_} / ∧:::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::.
ヽ イ〉1 {::::::::::::::::::::::::::::Ⅵ { / / ’:::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::}
/i i ／ | 〉:::::::Ⅵ:::::::::::::::i:| i〉 / ’:::::::::::::::::::::::::::{::::::::::::::::::::::::::::::::::/
/ | ／ .ｉ..イ:::::::::::::ｌ|:::::::::::::::i:| i O| ’::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::}
{ !／ /:::::|::::::::::::::ｌ|::::::::::::::｢｣ i | ’:::::::::::::::i:::i::|::::::::::::::::::::::::::::::/:〉
i__／ ./::::::::!:::::::::::::::|:::::::::::::::::| i | }:::::::::::::::i:::i::|:::::::::::::::::::::::::::::::::|
, ',´- ＼
,.ｨ'',´ｨ ､ ヽ.
, '´ ,ｨ´ ,ィ´ ヽ､. ヽ.
´ , ' , '/ iﾄ､. ! ちょっと！ やる夫……！
i ,' ./ ./ / , ﾊ./i.i .i ,i .i i､ヽ. !
ﾍ .// / / ,ｲ/゛"'!i !ﾘi i i! i !
! ,'.,'/ /, ,'＿/','/ i! i!,'!_!_ﾉ, !,ｨi i .i!
ﾉ/ !,'! ,i!__!メ=ミﾒ､ i'イ夭斥テi!ﾊ!i l i!
. ノ,'i /!.! .ili! ,i7`､廴ｿ .ﾉ!ﾉ' ゞ‐!',' !丿! i!i
ﾍ i,'!,ﾍ.i ,'!i i i!i､""" ﾉ' """ ﾉ! !'ﾉﾉi ﾄ.!
. ﾍ i!i! _ﾍ!ヾﾐ､i!〉､ﾊ ′ .'ﾉ i_/ノ〉,!ヾ､､
ﾍ!ｨ!´`i!¨`ヾ､T´::!､⊂ﾆﾆ⊃uｲ' i.!::７/′ ｀｀
/.::::::::::::i::ヾ:::､::ヽ:i!_i＞-＜_,/!i i!!:/λ
. /.::::::::::::::::!::::ヽ::ヽヽi三三三/,ｲ! ii'::￣｀ヽ､_
. !::::i::::::::::::::.ヽ､:::::::i::ヾ｀ミ三/,'人.､ V:::::::::::::::i:i､
_＿
／ ｀ヽ
-‐ '´￣｀ヽ､ ＼
／ ＼ 丶
////リ从ﾘﾉ））ﾊ ヽ, i
,〃 {_{⌒ ⌒ﾘ| ｌ | l
／ﾚ!小ｌ◯ ◯ 从, |/´｀ヽ やる夫殿……
彡ソ'´ |l⊃ ＿＿ ⊂⊃ |ﾉ从ミヽ
/⌒ヽ__|ﾍ j /⌒i ! ﾐゞ
＼ /:::::| l＞,､ __, イァ/ /│
. /:::::/| / ヽヽソ ｲ彡ﾍ､__/ |
｀ヽ< ﾚ |l| ノ |l| ゝ |
アチャ子、トウカの反応は無理からぬものだ。
やる夫は堂々と言い放ったのだ。
「オレ自らが、いつかは皇帝になるのだ」 と。
,,..-''"´￣￣"''-,,
／ -..,,_ '., やる夫だって天下のことはいろいろと考えてるお！
../ -‐t.j-｀''‐ _,,..-.', でも、今の漢室じゃダメなんだお
,' ｀ﾞ'' .‐t.j-、l
l r''´ ヽ｀ﾞ'' | タマ無しの宦官どもは皇帝を意のままに操ることばかり、
', ｀t'´｀j-'′ ,' 対する豪族どもは自分たちの荘園の利益ばかりを優先するお
＼ ￣ /
.｀l-―――‐-..,,__ ／ 帝は自分の思ったように政治をすることすらままならない！
_＿_|＿:::::::::::::::::::||::::| そんなの、天子でもなんでもねーお！ ただの人形！ 血と糞の肉袋だお！
r:ヽ"´:::::::::::::::::::::::::::::::::::',o└-..,,__ いてもいなくても変わんねーなら、そんなモンいらねえお！
/::::::',::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::ヽ、
./::::::::::::/￣￣l｀ﾞl::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::|:|
../::::::::::::/ ￣ヽ┘::::::::::::::::::|o::::::::::::::::|::|
/:::::::::::/ .￣ヽ|::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::|:::|
， ‘￣｀`ヽ.
,.ｨ ´ '⌒` ヽ.､
,.-‐メ, ﾞヽ.
,ｨ／,.'´ ／ ＼､ ｰ.､ ヾﾞヽ ……………………。
, ,ｲ / , / ｉ＼､ ﾍ. ､ ＼ ゛､i!
/ / // i ! ﾄ､.|､､.＼､∨ ヽi iミ､ ， （一理あるわ。
/ /.,′i. l!|i. |!i!.!ﾄ､∨i､ヾ.､. :l |ミﾐ､ i ! 今の漢王朝に求心力はない。
. / ,' i l |i!|! i! i!| !ｉ＼ ﾄ､|!i .|ﾐミ､ ﾄﾞ､ 豪族どもの勝手を押さえ、宦官どもの横暴を抑えるには、
ヽ ;.|! l. _i|_!|､゛､ !| |! _ヾﾒｨ| .|メ､ﾐ i､｀ｰ=―' 〝強い〟指導者が必要……。
i i!ﾍ. ﾄ､__i!ﾒﾐヾ､､ i| |!,ｨﾊ´:i!ﾞﾃ‐ .!ﾊ iミ､.ヽ. けど、そんな指導者は、今の漢室にはいない。
| ﾄ､ヾ､ヾゝﾍ弋ソﾞヽ !´'´ゞ='′!l |ﾒ.ﾉ､ヾ=-ﾒ-､
| |ヾ.､､ヽゞ､! ｀¨ ﾉ| |ｲー彡'个 ……そう、劉備やる夫を除いて、他には）
. ﾉ i ﾊ＼.| i!lﾄ､ ' ノｲ |＼／.:::::|!
＼ ヽ. ｀ヽ! l |!ゝ. 〜〜 u´∠! .i |::::i::::;:::::::|!
＼.ﾞ､ .| i!.!! l|'｀＞，. _ .，' ﾉi!, l .!::ﾉ､;:::::::::|!
ヾ.y l i!.|l ｉ|:::,ﾍ.:::::ﾄ､ｰ=イ::i,' i |/ﾍ.､:::::::||
／ ＼ やる夫が狙うは天下ただ一つだお！
／ . 劉家の男として、
/ __ __ それ以前に一人の男子として！
| ＼ .／ ｜
| 〃 ＼_ !i!i!i!i!i!il､／ ｜ やる夫は、天下を獲る！
| { 込ﾘ !i!i!i!i!i!i!i 込ﾘ } | 最終的にやる夫がどこに辿り着けるか、
-- ､ / ヽ i それはわからねーお
/ /⌒Yヽ {＿__人＿_} /
/ / | ＼＿＿ {|l|l|l|l|l|li} ／ 人臣位を極めて丞相になるのか、
〃i. / / i＼:::::::｀ヽ ー― ／ はたまた王位について国政を動かすのか、
/ / / /} ./ ＼::::::::|｀1 「￣￣/
∨ ﾉ|:::::::| | | /{＿_ それとも、やる夫自らが……！
} }:::::::| | l /:::::::/
／:::. |:::::::| / {:::::::/---..
／::::::::::. |:::::::|､ ＼_/ ／::::/:::::::::::::::..、
/::::::::::::::::::, ;::::::::| ＼〈 ／{:::::::::一ｧ::::::::::::∧
{::::::::::::::::::::::. ,´ヽ:::| }o |::::::::::::::|::::::::::::/::::i
|::::::::::::::::::/´} / /}:| } .|::::::::::::::|:::::::::::::::::::|
l:::::::::::::/::{＼＼ _/_,..ｲ:/::! }o |::::::::::::::{:::::::::::::::::::|
/´￣￣´ ￣¨¨｀ヽ､
r‐ ' ﾍ
i .., . ..､ ﾄ､ .ヽ
,' ::;' . . ヽ. ､ .ヾ: ::|`.:. ヽ
ﾉ ./ . :i .:i､i､:.ヽ. ＼ i ::!:.､ヽヾ.､ ストップ。やる夫
（, .,'.: :. :. :!:::i｀´i:､ :ﾄ､ :ヾ |::. :. :.ヾヽ､
,'〈 ::i::.:i. i. ::!:ｉ:! !iﾞ､ｉ_,ﾑ :l |:::. :: ::.ヽ
,' ∨､::i､. l､::!!ヾ､ 'ﾞ!弋ツヽ!.|::::. :: ::: }
ﾍ::iヾ､ヾヾ､ , ! ﾑ !:::::.:: .:丿
!:| i:ﾊ.,ｨ｀ヽ_ __ ,ムゝ┐;'／
ﾉ:ｌ i:::i'.:iﾄ,､ . ｨ､i:::::::/,ヾ'､
i :! |::i!::i|イi＞-＜,」,〉:::::i'!:i::::::.ゝ.
￣￣￣ ､
／ ヽ
――――...､ / ι -､ ，
::::::::::::::::::::::::: {-- __ ,ゝ、
:::::::::::::::::::::::::i:∨//≧=､ ゝ fツ ! アチャ子……
:::::::::::::::::::::::/i:::∨/////7､ , ﾔ′
::::::::::::::::::::/::i::::::∨//// / u. i !
::::::::::::::::::::_メ::::::::∨/ｲ_/ `ー=ァﾉ
::::::::::::::／::::::::::::::::::::::／＞ ＿＿ ／´
::::::::／::::::::::::::::::::::／_/ ／/
::／::::::::::::::::::::::／ 〈 ∨ ／__/
'::::::::::::::::::::: ／ ', }_／ i:::::〉
:::::::::::::::: ／ Ⅵ i::/
:::::::::::／ |i 〈/
:::::／ ＼ | i
:.ﾘ ＼ } ト--.､＿__
/ ｀丶__/ i:::::::::::＼:::::::..､
/´￣￣´ ￣¨¨｀ヽ､
r‐ ' ﾍ ―――……なんだかすごいこと、言っちゃってるけどさ
i .., . ..､ ﾄ､ .ヽ 具体的には、どうすんの？
,' ::;' . . ヽ. ､ .ヾ: ::|`.:. ヽ ちゃんと計画はあるの？
ﾉ ./ . :i .:i､i､:.ヽ. ＼ i ::!:.､ヽヾ.､ 大局的な計画が
（, .,'.: :. :. :!:::i｀´i:､ :ﾄ､ :ヾ |::. :. :.ヾヽ､
,'〈 ::i::.:i. i. ::!:ｉ:! !iﾞ､ｉ_,ﾑ :l |:::. :: ::.ヽ
,' ∨､::i､. l､::!!ヾ､ 'ﾞ!弋ツヽ!.|::::. :: ::: }
ﾍ::iヾ､ヾヾ､ , ! ﾑ !:::::.:: .:丿
!:| i:ﾊ.,ｨ｀ヽ ＿_ ,ムゝ┐;'／
ﾉ:ｌ i:::i'.:iﾄ,､（:::::::::）. ｨ､i:::::::/,ヾ'､
i :! |::i!::i|イi＞-＜,」,〉:::::i'!:i::::::.ゝ.
／ ＼
／ ＼ ……ないお
／ , --､ ,.-- 、 ＼
／ ., ーヽ ,'. ｰ-、 ＼
／ （ ● l l ● ） ＼
| ｀ｰ ノ ヽ.ｰ ' |
| '⌒（_＿__人_＿__）⌒｀ |
＼ ｀ｰ--‐´ ／
＼ ／
/ 〈
ry'ﾑ-､,// ／"―-- ､ ヽ
_）〈／ i.,'イ ､ ヽ.
`ｰ〈.:.:./ , ｀ヾ､ヽ. ＼ ……………………。
∨ ,', ､ ,. ＼ｉ /
{ ﾘ i Vr､ ヾ､./ゝ､=､-､-､___
／ﾍ i､!i i!. ﾄ､ﾍ ヾ､ ヾﾒ,､メｰﾞ`¨｀¨｀ｰヾゞﾐﾒｰ､＿ __,／〉＿
,ｨー'.:.:／ｿﾘ!ﾄ､ヽ､!:::＼､ヾ､ iﾄｿゞy¬ ｀⌒ヾ_ﾒﾆゝ､ｰ､〉:.:.//
ノ.:.:.:.:.:.;'. ｀ヾji!ヾ!ヾー‐'ー弋ﾒk'メ'V'ﾞヾ〉 ヾ:.:.>､:.:.ヽ｀ヽ
／.:.:.:.:.:.:.:.!: ;ｨ'ﾉ,'ｲゞ'≧. ´ ｀ ｲｲ';.: : :.ヽ.
関羽は絶句せざるを得なかった。
この男、左慈春秋を暗謡できるほどに、
愛読しているほどの読書家である。（江表伝より）
知識量だけで言えば、名士に勝るとも劣らない。
関羽は庶民の出であるが、偉そうに振る舞うだけで
内実の伴わない「名士」というモノを嫌い、見下していた。
そんな中、やる夫にだけは仕えてもいいと思っていたのだ。
やる夫だけは、庶民の出である関羽を見下さなかった。
関羽の能力を認め、「天下に誇るべき豪傑だ」 と評してくれたのだ。
それも、我がことを誇るかのように、本当に嬉しそうに笑いながら……。
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼ 関羽たんは真の英雄！ 天下に二人と無き人材だお！
／（ ＞） （＜）＼ え？ 庶民の出身だってみんなにバカにされる？
／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼ 塩泥棒だって笑われた？
| /| | | | | | ｼｼｼｼｼｯ！ そんなの気にするだけ無駄、無駄！
＼ (、`ー―'´, ／ たとえ天下が関羽たんを笑いものにしようと、やる夫だけは尊敬し続けるんだお！
￣￣￣
それが……大言壮語で、実のない妄想を垂れ流すだけの男だったとは……。
関羽の中で、 「この男も所詮は名士ということか」と諦めに似た心地が湧きあがってきた。
／ けど、やる夫には二つの武器があるお
／ '. この二つだけは誰にも負けない自身があるお
. / ＼
| ＼_} 一つは剣の腕。自慢じゃないけど、やる夫は剣じゃ負け知らずだお
i ｢fメ､ i:|
｀¨､ i それともう一つ
'. { )ﾉ ―― やる夫の 「在り方」 だお
｢三三三三≧ミ ゝ, --'/
|三三三三三三三三ﾆｦ-'/
人三三三三三三三ﾆ/一'
n ,ｲ ,ｨ,ﾆ＝=-､
ry'ﾑ-､,// ／"―-- ､ ヽ
_）〈／ i.,'イ ､ ヽ. あ、在り方？
`ｰ〈.:.:./ , ｀ヾ､ヽ. ＼
∨ ,', ､ ,. ＼ｉ /
{ ﾘ i Vr､ ヾ､./ゝ､=､-､-､___
／ﾍ i､!i i!. ﾄ､ﾍ ヾ､ ヾﾒ,､メｰﾞ`¨｀¨｀ｰヾゞﾐﾒｰ､＿ __,／〉＿
,ｨー'.:.:／ｿﾘ!ﾄ､ヽ､! ＼､ヾ､ iﾄｿゞy¬ ｀⌒ヾ_ﾒﾆゝ､ｰ､〉:.:./
ノ.:.:.:.:.:.;'. ｀ヾji!ヾ!ヾu ヾﾒk'メ'V'ﾞヾ〉 /.＼ ヾ:.:.>､:.:.ヽ｀ヽ
／.:.:.:.:.:.:.:.!: ;ｨ'ﾉ,'ｲゞ'≧.(￣ ) ,ｲｲ';.: : :.ヽ /.:.:.:.:.:＼ ヽ! ⌒´ヾﾉ
／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ｨ','//.:::iﾄ､ミ斧夭7/.:: :: : : :.}ﾊ /.:､:.:.:.:.:.:.:.＼
／ ＼ やる夫個人の能力なんて、たかが知れてるお
/ _ :. さすがにアチャ子やトウカには武で完全に劣るし、
i ／ i 知恵じゃ慮稙先生に劣るお
ﾋ● ) ｜
} ＿＿__i_ けど、やる夫はアチャ子もトウカも慮稙先生も、
〈(＿＿) .／／///∧ みんなみんな、懐に納められるだけの器量があるお
∨//} ／／,/////:::｀丶
_ゝ---r―,／／///////:::::::::::::＼ やる夫が武で敵わない相手にはアチャ子やトウカを、
／::::::::::::/ ／／///////,/:::::::::::::::::::::＼ やる夫が知恵で敵わない相手には、いずれ迎える大先生を、
∨:::::::::::〈 !/////////／.:::::::::::::::::／::::::＼ それぞれぶつければやる夫は天下無敵だお！
＼:::ィ:::} Ⅳ/////,／.:::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::＼
/::: i 1.∨//／:::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::.
, ′ , ｀ヽ｀ﾞヾ.､
/ / / / ﾊﾊ ヽ＼ ヾ.､ …………ふぅ、ん。
ｉ ,' ,' / /./ﾞﾞ"ﾍ.i i `ﾞ､ヽ )） （あたしはやる夫が智者でなくてもいい。
j i ,' _,'ｨ,」_{ }_i! i.l i.i 〉,'′ ..確かに、この発言はただのバカだ。
:ｉ l {_i Ⅵﾆ!ﾒ｀ ´_!ﾅ‐ﾘ!. |ｌ!/ ′ あたしやトウカじゃなければ、密告されて
!! l i l代:ｿ` 代ｿﾃ‐! ﾉl!,′ ..それでジ・エンド。野望もへったくれもなくなる。
ﾉ,! {! ﾄ.!ヾ , ¨´ﾉ'ﾉ'i ﾉ{ なのに、野望を隠さず語ってくれたということは、
ｰ=' | ! iﾄ､ ノ'!'ｲﾉ! i 裏を返せばそれだけあたしを信頼してくれている証）
.乂.! |!`iヽ ‘ ’ . ｲ（ {./ | 丿
, ′ , ｀ヽ｀ﾞヾ.､
/ / / / ﾊﾊ ヽ＼ ヾ.､ ねえ、トウカはどうする？
ｉ ,' ,' / /./ﾞﾞ"ﾍ.i i `ﾞ､ヽ )）
j i ,' _,'ｨ,」_{ }_i! i.l i.i 〉,'′
:ｉ l {_i Ⅵﾆ!ﾒ｀ ´_!ﾅ‐ﾘ!. |ｌ!/ ′
!! l i l代:ｿ` 代ｿﾃ‐! ﾉl!,′
ﾉ,! {! ﾄ.!ヾ , ¨´ﾉ'ﾉ'i ﾉ{
ｰ=' | ! iﾄ､ ､ , ノ'!'ｲﾉ! i
.乂.! |!`iヽ ￣ . ｲ（ { | |丿
＿ / ..ヽ!.|i! .ｭ｀´!、 ! / ; l ｲ’
（４８）
_＿
／ ｀ヽ
-‐ '´￣｀ヽ､ ＼
／ ＼ 丶 ………………ハッ！
////リ从ﾘﾉ））ﾊ ヽ, i
,〃 {_{ノ ｀ヽﾘ| ｌ | l
／ﾚ!小ｌ● ＿ . 从, |/´｀ヽ そ、某はやる夫殿について行くと
彡ソ'´ |l⊃ ､_,､_, ⊂⊃ |ﾉ从ミヽ 決めておりまする！
/⌒ヽ__|ﾍ ゝ._） j /⌒i ! ﾐゞ
＼ /:::::| l＞,､ __, イァ/ /│
. /:::::/| / ヽヽソ ｲ彡ﾍ､__/ |
｀ヽ< ﾚ |l| ノ |l| ゝ |
,‐-. ､__
,ゝ―'´ ｀ ﾞ ＜
, '´ ､ -｀丶､
,.′, . . ｀ヾ､ヽ｀ヾヽ､
/ .,/ !i : i i､ ／! ､ヾ､ヽ ｀ヽ
. / ,'' !l i :l !ﾞ"""!i ヽ.､ヽﾞ､ .こいつ、寝てやがったな……
. ! ,',i .ii!i ! i ! u !i! i ､ﾄ､ ヾ､
. ! ,'i/! !i_!､__i!i i!i i!i l .ilヾ､ }
. ! ir-!__,ｪi二ニミ‐!! ｨニ三´! i! ﾍ.i ./
!i.（ゝ!i `匕乃ヾヽi!! 乞万¨ゞl‐i! ﾍi i
..ﾉi iﾍﾒ!! .i､!￣ ¨¨¨ﾘ ﾉ!'!i!i i!.!
´iﾉ !i!i｀i! i!iヽ u. ′ ´iﾉ!'ｉ ,'iｉ! ﾉ.l
ノi 'ﾉﾉ,'il! i!i､ ― 一 ,.ｲi| !' .i!i´ ﾍ
乂'＿i|i i|!i≧ ､ . ＜ﾉﾉ!i ! i!.! ﾉ
ヽ:.(...､iﾄi､i!i_＿ `；i｀ヽ､丿!i! ! !/
,ゝ-'´￣￣｀ ヽ.､ｰ-､
, ′ , ｀ヽ｀ﾞヾ.､
/ / / / ﾊﾊ ヽ＼ ヾ.､
ｉ ,' ,' / /./ﾞﾞ"ﾍ.i i `ﾞ､ヽ )） ……ま、いいわ
j i ,' _,'ｨ,」_{ }_i! i.l i.i 〉,'′ やる夫を担ぐってのは決めてたんだし
:ｉ l {_i Ⅵﾆ!ﾒ｀ ´_!ﾅ‐ﾘ!. |ｌ!/ ′
!! l i l代:ｿ` 代ｿﾃ‐! ﾉl!,′ それに、アンタ以上のバカも君主も、
ﾉ,! {! ﾄ.!xxxx , xxxxﾉ'ﾉ'i ﾉ{ いないだろうし？
ｰ=' | ! iﾄ､ ノ'!'ｲﾉ! i
.乂.! |!`iヽ ‘ ’ . ｲ（ {./ | 丿 ―― うん、決めた！
!|! ,/ l| i! l! ,/
この関羽が、アンタを |! ,!' l| l／l! ,i'
...l⌒ヽ 天下の主に .. !l i! .l! l! l! i!
...l ＼ してあげよーじゃないの！！！ .. |! l!／l| | l! i!
...丶. ｀ ー―-､ ＿_ .l! l'" l! ／／l_,,／
...｀7ｰ- ＿_, ＼.ヽ､ ／ヽ､ ｀ ヽ ､ l|! l／／ ´
.ノ! / / , V ､＼ _ ／ヽ _,ｨ ＼ l! ／
. | | / ﾉ∨ _ ＼...ヾ'ｰ'´ ｀ヽ､__／ ノ／/´", ., ＼_,. ...! ／ ／'7
. | | ゝ、 } ／ ヽ.i: ｀ヾ! ,.,ヾ＼ｰ‐ "',ゝｲ' ""/ ./,', , ./! |! |! ／ ./
. l ゝ、 ＞‐'/ / .i! il|.: : i|ヽ.ヾ.二;i.（/ ,./' ,､/'/ .,′ ,',′....!l |., ／ /
. ｀ ー一' ￣ { r-イ ,' , .: : :; ' ::.ヾ_ノゝ,′/!,ｨｫ'､ﾒ' / ,./.i .ll! l／ ,../
ヽ ＿ﾉ::::....ノ:.;....: .:',:／.., .::::┼',:i / /' '´ヾ'ﾉ'i!: /"., .i: i l! ,.／
ｨ='メ彡'´::::/.:,ヽ､＿＿::,／.::::::'./ _」!-､,' /!ﾄ､ ∧/! /'//|i .l! ,.､- '"
. ノ`'彡'!' ::::::!::::i!´ヾ､`､::...` ¨,､ﾒ〉ｨ'´」」/,'/. .ゝ_...ゝ''／/'/ ﾘ .!l _,､-'"
. ノ彡'/´ｉ|:: : :: , ヾ｀ ﾞ' _メ'iゝ=＝‐',.' i ヽｨ千 !,'./!'/i'./ .｀''´
匕;ノ';;;;;;;!!::. .::i . ､ ｀ヽﾉ/',!ﾒ /i ! i::i.!::.'/ ﾉ' ﾘ
心ヽ､;;;;;;;;＼. .. ....:!:.....::､ ,'/ゞﾘ /,'i | 乂!::/ _,,,､ -=''"/
／.:: ＼;;;;;;;;;＼..::...ヾ､､::::::.... ノ／ ｀ ,',i.|| ! ヽ::i / _,,.､./
ー-､_メ､::... ｀ヽ､;;;;ヾｰｲ'´｀ー--‐' /' i.|| | ）:i '"ニ-─ッ ,,.
:::..... ヽ........::::::::,ゝ‐厶 ,'′ﾍﾞ ! ,.ﾍ.:i_,ゝ､=､-､-､___ ./´ _,,./ ,.､=''"´/
..... ｀ ー--' .:i》 __ﾘ,..,-ﾍ !メﾒ.=-!:i‐ｰﾞ`¨｀¨｀ｰヽゞﾐﾒｰ､__ ヽ_‐ﾆ"‐'"´ ./
:::::::: .::!》 ,...､__,ゝﾒ≠メヽｰ｀¨¨､ ヽ .!iヽ. ｀ヾ心ﾒ､_.丶 _,..､‐'"
―･ ＿ﾒｰ､ｨ';;;;;;;;;`ー-―／i i i ﾉ'i ! ｀ヾﾐﾒｰ.ヽ､-‐" .,ｨ‐┐
:::::::........ ,ゝ'´ﾍ;;;;ヽ.;;;;;＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;/￣｀i'ー‐-.| i.! ﾉ'!: ;､ ｀ヾﾑﾍ _ ／.::::::::ヽ.
:
／ ￣ 二二＞ ―――― z ＿ 二 ＞ ､ 「il ＼／ 初のお目にかかった時より、我が主君・やる夫様のために
/ ／ ￣￣￣￣二二二二＝＝=ー= ゝ| |!､ ヽ 雄敵のことごとくを . : .:.:
／ ／ ￣ ＿＿ 二二二二三三 jl!j乂 彡》 薙ぎ倒してご覧にいれる所存！
／ ／ ／／ 三三二＞' ￣￣ `ヾ=ゝ三三ﾉ二ﾆ ､: . :.:.:. . . :.:
／ ／ ／／ ／／ ／ ¨ ＿＿_ ` ＜￣ ヽ:ヽ＼: . :.:.:.:.:.:. . : .:.:.:
／ ／ ／／ ／／ ／／ ¨ 仏 ﾏ:.＼＼:.:.:.:.:.:. : . . : .:.:.:.:.:.:.
.／ ／ ／／ ／／ ／／ ／ i 川ﾊ l!:. : .ヽ: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : . . : .:.:.:.:.:.:.:.:.
／ ／／ ／ ／／／ ／ | l ヽ ﾏ川 |!:.:. : . :. : . :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : . : . :.:.:.:.:.::
､,､／ ／／ ／ ／／,. ' ／ | | | lﾊ v州ﾏｿ,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､
､ ﾞ'' ､''､,,''､,,､,/ ／／ ／ ／ l | !| | | ｊム 'v'''"ﾞ"
ﾞ'､ ﾞ''／ ／ ／ / /j.l!斗ｷ爪 V l
／ﾞ'' ､ / ／ / / / ./// /ィ乏云㍉ .|' ' ' ' ' ､, ,,､,､,､ '' ""
./ ／ ﾞ' ､ / ／ / / / / ./// / 乂辷ソ | | ,､,､,､, ' ヽﾞ " ﾞ "ﾊﾞ ﾞ:.´´:l : . : . : : . : . /
. / ／ ﾞ' / .〃 / ./ / / /ﾑ/ ' ´￣ j l'ﾞ /: . : . :＼ . : : ﾑ:.:| : .j : . : .: :.:.:.: ./
. / / /／/ / / / / .乂沙 / / ./: . : . : . : .ヽ: . : ..V : .| :.: : . : :.:.:.:/
/ / 〃 /j ./ 〃 ./ / ム , / / ./ / : . : . ', : . : l!: .j :.:.:.: : . :.:./ /
/ ＿ j∧ / ／/ / 〃 / ﾉヽ、 ﾏ.) / / /: .:./ |:./:.:.:.:.: : .:／ /
. / / /＞ ､ j/ ／ __j ／l /| ./.ﾍ＼ 三ﾆ =- - '/ / /:.:.:/: . : . . : ./ :.:.!:.:.:.:.:.:.:.／ /
/ ヽ ム } }l／=くr l ／＝≠.j/ ＼ゝ ､ ｫ､ー‐./ .／! /:.__/＿＿＿＿＿:/＿ム――' .／
¨ ‐＜ｿ }/ 〃 ヽ⌒∨ ｆﾑﾏヽ./／ j /:上＝o=====o===o＝.ｿ＿＿ ／
` T/ ム-＝-- ､ 》､ ∨--ｷ ﾊ ㍉'三三! /／／￣ ≠―≠ ￣7 ／
〃´ ,' ヽｿ》 l // | l ヽ ＼ .／ ' ／: . :.:.:.:.:／ /: ./__ ／ ／
／ ., z==≠マﾉ// l l!ヽ ＼/: . : . : . : . :.:.:.::／ : ./: ./ヽー――
/ { ／: . : . : . :.:.:＼ 川 .厂７: . : . : . : . : :.:.:, ' : ./: ./ト、 ー――
/ ! ／ : . : . : . :.:.: フ下 : ./: . : . : . : . : . : . : ./: ./ .| ー――――
/ ∧´: . :.:.:. : . :.／:／ : 乂:.:. : . : . : . : . : . : . : . :/: ./ .j
「「 どうか我らを配下にお加えください！！ 」」
／ ＼ ありがとう、だお……
／ _ノ ヽ､_ ＼ うっ、うぅぅうう……あ、ありが、
／ /⌒) ⌒ﾟo ＼ ありがとうだおぉおお……！
| / /（__人__） |
＼/ / ｀ ⌒´ ／
:::::::::::::／￣￣∨￣￣＼ ::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::| ／￣￣￣＼ |::::::::::::::::::::::::: ありがたいお！
::::::::::::::::::＿＿|／ _ノ ヽ､_ ＼|＿＿:::::::::::::::: 二人が力を貸してくれるなら、
::::::::::::::／ ／ (（＞）) (（＜）) ＼ ＼::::::::::::::::必ずや！ 民草を安んじ、賊を平らげ、
:::::::::::::::::| | oﾟ （__人__） ﾟo| |::::::::::::::::::::::::天下に平穏をもたらすことが
:::::::::::::::::(⊥_⊥）＼_＿＿｀⌒´＿＿／（⊥_⊥）:::::::::::::::::できるに違いないお！！
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
舞い散る桃の花びらの中、やる夫は声を上げて哭いた。
悲しみの涙ではない。偽りの涙でもない。
喜びの涙だ。心から溢れ出る、歓喜の涙だ。
大いなる力を手に入れた。
この二人がいれば、どんな困難もこじ開けられる。
――やる夫は、本気でそう考えていた。
/:. ヽ:.,､-‐‐ェァ‐‐-.､
i:.,.:＜_,､:/ヽ'ヽ'‐:. :. :. :.｀ヽ,
,ｲ:. イ:｀ヽヽ:. :. :. :. :. :. :. :. :. :.ヽ
/i:./:i:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :.ヽ:. :. :. :. ヽ
i:i:..i:i:. :. . :. :. :.:､:. :. :ﾊ:. :. :. :ヽ:. :.ヽ:. ヽｭ
,|:.i:.i:i:.i:. i:. :. :ヽ:.ヽ:. .: ﾍ:.､ﾊ:. :.ヽ:. :. ヽ:.:ﾍヽ 早速ですが、この臣・張トウカ、
ノ ヽ:.i:.i:.i:. i:.ﾍ:.ﾍ:ヽ:ヽ:.ヽ,:斗t-:､:ﾍ:ヽ:. :ヽ:.ﾊ.＼ やる夫様にお願いしたき義が
,.ィ´:.::/.､: |:. .:孑チ了`''ヽ',.'´:.i ヽヽﾊ:.ﾊ:.ヽ:. ﾊ:ﾊ: :.ヽ ございます！！
. ／ : : : : / . ヽ|:. :.:i ,ｨﾁ示 ヽﾍ f示ﾊヽVi:. ﾊV:.i:.:ﾊﾘ:. :. :ヽ
. , イ: : : : : : :/ソ彡.|:.: .:i" V';;:ﾘ V';;:ﾘ .ﾊ:.i.:ﾊV:ﾊ:.:.i､: : : : :.ヽ,
. 彡:.:: : : : : :, ' ./:.彡i :.:ﾊ ｀¨´ ｀¨´ 斥:i V| ヽ ヽ V:.､＼: : :`ヽ
彡: : : : : ,.' ./:. :. :|:. :.i ﾍ. ' /.i:. i"iﾘ ヽヽ＼＼:
／:／: , ' /:. :. :. |:. :.i ヽ ｀￣ .イ ﾞi:. | ､ ゞ:ヽ:＼
／ﾉ:／ . /: : : ,.:':.|:. :.i |ｪ＞ .イ.|--､ !:.:| >,
ソ /:. :. :./ |:. :.i f‐‐---､::::f'´ | i:. |／ |
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／ ＼
／ ── ─‐ ＼
/ ( ● ) (●) '; なんだお？
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/ （ 人 ） i
| ｀'''''ﾞ´ ｀'ﾞ´ !
'、 ／
＼ <
／￣ﾞﾞ'''‐‐‐----- ＼
/:. :. ／:. :. :.:i:./:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. ヽヽ.ヽ
. /:. :./:. :. :. :. :.i/:. :. :. :.:i:. :. i:. :. :. :. :. '､:. :. :. :. :. :. :.'､:. :. :. :.ヽﾊ ヽ
/:. :./:./:. :. :. :. |:.:i:. :. :i:.:iヽ:. ヽ:.､:. :. :. :ヽ:. :. :. :. :. :. :.:ヽ:. :. :. :ﾊ:ﾊ ヽ
,':. :/:. :i:. :. :. _:. :|:.i:. :.‐‐--.､,:.:ﾍヽ:. :. :. :ﾊヽ:. :. :. :. :. :i:.:ﾊ:. :. :. :.iヽ:i ヽ ぜひ、某の兄上に
,':. /:. :.i:. :.／,-､ヽ:i:. :. :. |. ,ｨ=≧ト.､ヽ:.:.:.:,ｨ≦了:. :. :. :.iヽﾍ:. :. :. :i. ヽ なっていただきたいのです！
.. ,':./:. :. :.:／イ ノi:.i:. :. :i ｲ|r';;;;;::i fr';;;:|.:r､:. :. :. iヽ .i:. :. :. :|
i:.i:. :. :／' / N:. :. :.ﾘ 乂;少 乂ソ V:.ﾍ:. :. :| i ＼:. :. :.| これからは我ら、乱世を駆ける身の上、
. :.i:. ／.／／ ヽ |:. :. :ﾊ ､ i:. :.:N:. :| ヽ ヽ:. :| 散り散りになることもございましょう！
／イ ／ ノ ./￣|:. :. :.ト /:. :. |.ヽﾘ.ゝヽ ヽヽﾘ
' ´ ‐' ´イ ./／ |:. :. :.iヽ ｀ ` ／.|:. :. |＼ヽヽト.ヽ､ヽ-＼ しかし、義兄弟になれば、我らは必ず
‐' ／ ／／iゝ､ |:. :. :.|. ＼ ,.ィ .|:. :. | ヽ､ ヽ `ヽ ｀､＼ 『劉』の旗へと戻ること叶うはず！
. ..,､イ:."￣:. :.:ﾍ . ｀'‐|:. :. :.|'‐‐-､` ､__ イ/ヽ. i:. :. | _ノ ヽ ヽ ＼ ＼
V:. :. :. :. :. :. .ﾍ. |:. :. :.|-､ |‐‐‐‐‐| | i:. :. |'´ / `ゝ､,_ ヽ､,
,ヽ-‐‐‐‐---､ﾍ.. |:. :. :.| i |:::::::::::::| { |:. :. |.／ `‐‐
_＿ _ r．
'=‐-｀`-┴i_＿__
'´-‐-､ ｀ヽ‐´_ノｰ’
r／'￣ヽ
{´;;;;;;;;;;;;;;|
|ｨ=＝＝:!
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, ,/／, ,' , i!ﾊ ヽ＼
, ,'ｲ ,',ィﾄi､,'! i゛"!i ヽ､', はいはいはい！
, ,' _i__ﾘｨ=ｫ,ﾍ､! ｨ‐､i iﾞヽ', あたしも賛成！ 大・賛・成！！
, .,'/ ﾊ iﾞ{:::ｿ` ヾ,ｨ=､.ﾒ. ﾉ .j i
, /,' ,' ∧!" , 〈:::ｿ）′/ !r'′ 相手が天下の大袋・やる夫と
ﾉ /,',: i ﾊ r‐- ､ `,,ﾉﾒ､' i { 天下に誇る豪傑・トウカなら、
!i ノ:,',:! i |ｰ､ ヽ _.ソｰァｲ / ,.ｲ ! あたしとしては喜んで兄弟になる！
ﾊ! ´. /ﾍ! l i!;;;;;ヽ -ｧ:＜/ /ノ/ﾉ ﾉ
! l! ,./' ヽ lﾄ､;;〃;;;;;;/ｲ' /彡'/.／
! i〃/=＝=ゞ!ゞ/=チ' / ! /ヽ.ノ'´
ﾚ/〃;;;;;;;;;;;〃ヾ､=<o´.{ .l,' ! ｀ヽ.
!,'〃;;;;;;;;;;;/';;;;;;;;ヽ;〃､ l :! !/ ／/
ノ＼＿ L
や (
る r￣￣￣￣＼
夫 / ＼
で { ｀＼ ／ ヽ
い 〉 ,‐-‐､｀ ._ _ ＼
か い ／ r:oヽ` /.:oヾ丶＼
お の { {o:::::::} {:::::0 } ヽ
| ヾ:::ソ ヾ:::ｿ / i
！？ ヽ::⌒/ ,ﾍ ｀i | r--ッ
, -tヽ／´::::::ﾍ＿＿／ `、_ノ / } ＞
. Ｊ ＼ ／ / /＿ゝ
｀-´ ／
/´｀ヽ;:::ヽ;:::::::)‐'-､ _
./ .:::::r- ,,_,rvﾞ ｀Y´ j‐- ､
/ .:::::r､! j ____,,,,,,,,_/____ノヽ
./ :<´｀ヽ、 .,ｨ'´ ヽ::: ヽ:: ヽ ｀ヽ:::＼ いいも悪いも……
/ .::::;>_ ,ｨ'´::! :| ヽ: ＼:＼: ヽ::ヽ
./ .::::::/::::|´ {: ::! :|: ＼:: ヽ: ヽ ヽ::ヽ
./ .:::::/:;ｲ::{ '; :| ﾄ、:ヽ ヽ:: ';: '; ',､::'.,
/ .:::::/:/ | ::', ';:::!,x|''ヾ;:''＼ ','''ヽ ::::', ',.';:::',
,' .:::/:/ !::;;:', ';:| ,xfﾎ ヾ、ヽ,xiﾎ'';:';::::|::';::} ';:::}
,' .:::/:/ /´ ｀', '{ﾍt;:;ﾘ {t;ﾘ !:}:::|};ﾊ:! ';:|
,' .::::::/:/ / i´｀i', ', ﾞ´,,, , ,,, j;ﾊ::ﾄ､ }j }j
/ .:::::/:/ / j .|:';:::::',、 。 ／:::}ソ ＼. /'
/:::::::::/:/ ノ /从ﾊﾊ;:::::',ヽ ,. ,.ィ j:::::::j ＼ ＼
./:::::::::/:/／ / j:: |:::}';::::}ﾞV ｀ ´ ',j j::::::/ ＼ ＼
/::::::;;r‐'7´ / /:: |:::|.}::::!´｀ヾ'´｀ヾ!:::/､ ｀ヽ ヾヽ、
/::＜ ;ノ ,/ /:: ,ﾉ'´ |:::j､,,_ノ !:/イ ｀ヽヾ´
,'::::::::::Y ,イ´j_,ノ::ヽ ／ j:;/ / ＼ |ﾘ ヽ ｀
,. ...,､...-=＝=- _ ､、
／ ⌒´ ＼ ’。ヽ.、
.／ .、 ﾟ. ’.
.〃 / ./ i へ ’ '. ﾟ｡
// / { lヽ ヾヽ、 ＼ ' i、 i こんなコト頼める人なんて、
. / i / / !ﾊ ト､＼乂!ヾ ∧} !i .| 天下広しと言えども、
' j ; i.乂ハ ヾﾍ才云心ﾍ }ｰ }l ! .l やる夫しかいないわよ
{. {. ﾍ んﾊ＼ヽ 弋j孑'" .} /.ﾄ､ {!
ﾟ. ﾟ.从ﾍ弋,ﾀ） /////// .j' / } ﾉ !
} ’｡ ＼//ヽ _＿, l/ j' {
i. ﾟ. ゝ く ! 人. ﾊ∧ {
. j. ! '.人 ヽ-- ′ ハ .ﾊ/} ヽ
{. iﾍ i ≫｡. ...ィ // ノ Уﾘ }- 、
..乂 '. ヽ! }.::::!!::｀千ｰ､ ｡ﾟ ｡ﾟ .从/ { ′ j
ヽﾟ. '.. }乂...／__, . ｡ﾟ 〃 乂j ..､＿, /⌒ヽ
／ ＼
／ ＼
´￣｀ ´￣｀ ＼ 二人とも……！
／ ＼ 本当に、
/,-‐-ヽ /-―-､ ヽ ヽ 本当にありがとうなんだお！！
とつ 丿 ゝ oとう' |
| ｡/ 人 ヽ .; O |
|O ゝノ ゝ _ノ ﾟ｡ |
＼ ｀´￣｀ ´ U ／
＼ ／
. ヽ _＿＿＿＿ イ く
７ ヽ
こうして、三人は吉日を選び、
その日に再び集うことを誓い、一度解散した。
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【幽州、琢郡、琢県 桃園にて】
/:. :. :.i:. ii
/:. ヽ:.,､-‐‐ェァ‐‐-.､
i:.,.:＜_,､:/ヽ'ヽ'‐:. :. :. :.｀ヽ,
,ｲ:. イ:｀ヽヽ:. :. :. :. :. :. :. :. :. :.ヽ
/i:./:i:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :.ヽ:. :. :. :. ヽ
i:i:..i:i:. :. . :. :. :.:､:. :. :ﾊ:. :. :. :ヽ:. :.ヽ:. ヽｭ
,|:.i:.i:i:.i:. i:. :. :ヽ:.ヽ:. .: ﾍ:.､ﾊ:. :.ヽ:. :. ヽ:.:ﾍヽ 我ら三人！ 生まれたる日は違えども！
ノ ヽ:.i:.i:.i:. i:.ﾍ:.ﾍ:ヽ:ヽ:.ヽ,:斗t-:､:ﾍ:ヽ:. :ヽ:.ﾊ.＼ 兄弟の契りを結びしからには！
,.ィ´:.::/.､: |:. .:孑チ了`''ヽ',.'´:.i ヽヽﾊ:.ﾊ:.ヽ:. ﾊ:ﾊ: :.ヽ 心を同じくして助け合い！
. ／ : : : : / . ヽ|:. :.:i ,ｨﾁ示 ヽﾍ f示ﾊヽVi:. ﾊV:.i:.:ﾊﾘ:. :. :ヽ 困窮に苦しむ人々を救わん！
. , イ: : : : : : :/ソ彡.|:.: .:i" V';;:ﾘ V';;:ﾘ .ﾊ:.i.:ﾊV:ﾊ:.:.i､: : : : :.ヽ,
. 彡:.:: : : : : :, ' ./:.彡i :.:ﾊ ｀¨´ ｀¨´ 斥:i V| ヽ ヽ V:.､＼: : :`ヽ
彡: : : : : ,.' ./:. :. :|:. :.i ﾍ. ' /.i:. i"iﾘ ヽヽ＼＼:
／:／: , ' /:. :. :. |:. :.i ヽ ｀￣ .イ ﾞi:. | ､ ゞ:ヽ:＼
／ﾉ:／ . /: : : ,.:':.|:. :.i |ｪ＞ .イ.|--､ !:.:| >,
ソ /:. :. :./ |:. :.i f‐‐---､::::f'´ | i:. |／ |
/ :. :. : | ＞|:. :.i___.ﾉ V:i ,､ノァi:.:| |
,.:':. :. :. :.ﾉ| |:. :.ト ､｀_¨''‐､ ﾉ .i | .!:ﾘ ／ `ヽ､
／ :. :. : ／.ｲ＼..i:. ﾘ ｀¨ヽ/ ./ i iﾘ／ ＞.､
. ／:. :. :. :／ｲ `i:/､_ | ／ i i::ﾍ ` ､
:. :. :. :.／／ ' i:｀::¨:7 _ﾚ´ ヽ ヽ:::i ヽ
:. :. ／／ .|::::::::::| f ,.:':i i::::| i iヽ
:.／ / |::::::::::| | ／::::i i:::::| .i / / ヽ
. | |::::::::::| | ,....'::::::::::i i:::::| i ', / / ./
. |__ ヽ i |::::::::::| |-‐':::::::::::::::::i .i:::::| i i / / ./
/___｀¨'‐- ､,ヽ. i |::::::::::| |::::::::::::::::::::::::i i:::::| iﾘ / / ./
L__ ｀`'‐- ､,.｀`'ゝ |::::::::::| |::::::::::::::::::::::::i i:::::| |. / / ./
. | ｀¨`''‐-､,｀¨ｦV i::::::::::| |:::::::::::::::::::::::::i i:::::| K. / ./ i
入ﾍ:i:i:ﾘ:i:i:（＿＿,ﾉ
__ >＜ﾉ:i/:i:i／ ∠ィ
ｧ‐'´､_メ､_ノ:i:i〕:i:i:｀ヽー＝′ _＿＿_ _ ＿ ）
厂 」‐┘ ）J:i:i:i:iﾑ:i:ノ ＞ ´ ﾍﾑ＼ヘ:_:_ヽ.＿_／′
／ ､ノ 〈:i:i:i:／＿ ／/ i _i、ﾄ__,ヽ､ヽ＼:|￣
以Υ ￣ /: : :.｀ヽγ 〃 |! i､,z=ミヽ! Ⅵﾊ と_ ー=ミ
ヽy ¬、 ／: i_|: : : : v i | l、!/// "＾,,ﾄ＼「 ｝ﾞ. 上は国家に、
＼/ L . ゜: : : :〕: : : : :∨ !/i!. ├ヽ ／`ー‐┐Ⅴ:| ｀ / .ﾉ 下は民を安んずることを誓うわ！
У ∟、/: : : :／ ヽ: : : : :V ヽ!. | { ﾊ＼＿＿＿＿_／／
⌒∟／: : :／_ ﾑ: : : : V ﾍ ＼＿丶 ___／ ｲ､:{＼＿＿＿＿／
_ノヾ=∨｀′`¨´ ∧: : : :.＼∧. ＼|_ _／┐:ヽ ／￣｀ヽ ／
〈｀（_）_」ヽ--〜ｰ' ﾍ: : : : : :＼＼ ＼{三三∟:／／￣＼ ﾞー=彡′
ゝ､ ,ﾉ ＿_,ｨ ＼: : : : : :ヽ:.＼＿＿＿＿彡くゝヽ. ￣
＾ ,ィ＿ノ: :／ ∨ヽ: : : : :ﾘ:γ:´:ん､〉＼}/: : : : :!
/: : : : :∠ ヽ: : : : : :｛: : : : : : :．: : :ヽ: : : ノ
）: : : : : ;人_, ＼: : : : }: : : : : : |: : : : :}: : : :ヽ.___
く: : : : : /: : : 廴ﾄ---､_,､_＼ｰ=':､＼:_:_:.!:_ノ: : :ﾄ､: : : : : :＼
}: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ^＜: ヽ: : : }: : : : :.|/,＼＿＿__ヽ
i: : : : :゛: : : : :､: : : : : : : : : : : : : ＼: : :ﾉ: : : : : |/////,}¬、｀
. : : : : :ヽ: : : : ＼: : : : : :＼: : : : :く: : :）: : : ／////r＜: : :＼＿,ｨ
ヽ: : : : : :＼: : : : ＞: :_: : : :＞: : : :了:￣￣￣ﾊ-―｡､: ﾄ､／￣
､: : : : : :＼: : : : : : :二ﾆ=‐: : : : :＞--､／: :i ‐−ヽﾑ
＼: : : : : :＞: : : : : : : : : : : :／ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ ｀＼＿_ﾉ: :ヽ
＼: : : : : : : : : : : : :＞≦ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＼ﾆ＼:j_
｀ ＜＿＿＞''´.ﾆﾆﾆ／ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆヽﾆﾆﾆヽ
⊂ﾆﾆﾆ／=ﾆﾆ／ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ!ﾆﾆﾆﾆゝ､ﾆｱ
｀寸/≧､ﾆﾆ{／￣￣＼ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾊ⌒ヽﾆﾆﾆﾊﾆ(ﾆj
｀´ ｀¨¨ ＼ ＼ﾆﾆﾆノ ﾟ ヽﾆﾉ v
丶 ￣ ゜. ゜
ゝﾆｲ､
∨ヽ
∨ヽ ＿＿_
∨"＼ _,､／_/〇ゝ_＼
∨／>､ｨ-ﾆｲ/ ⌒ ⌒ ヽ. 同年・同月・同日に生まれるを得ざるも！
_>／／´ヽ/ （●） （●） ヽ-､ 同年・同月・同日に死することを願うお！！
_／Ｘ_"＿/￣| （__人__） |:::::ヽr､ｨ‐､
ﾄ"´_/::::::::イ::::::＼ |r┬| ﾉ,:::::::::::::::::::::ゝ_
ｲ─--::､:::::::::::::＼ー::.__ー' _rイ／::::::::::::::／´ ｀ヽ.
/ _>｀ヽ.:::::::ヽ::､:::￣::::::／:::::::::::::::/ ∧._
_/,ﾆ ＝{ ＼:::`ﾞ＝､_::::`ｰ::´::::::::::::::::::::/ `ーｧ- ｲ `:.､
/´ l| ＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｲ |f ヽ.
l __,..ｨ ﾔ ＼::::::::::::::::,::::ﾆ‐イ´ / | ､ l.
,',ｨ ｲ´ ､ﾄ､ ￣ヽ,.ｨ彡ヾヽ ,ｲ l ,' l
,ｲ´´￣ ﾞヽ. _,×.＼__ _ヾヽ`'__ｨ_〉- ---､"/ /_ゝ､ ＿ |,. ﾄ.
,ｲ ﾞl ｀l＝ﾐ､ﾄゝ｀ヽイ´￣´ ﾞヾ彳"´∧ ｰｲ´ﾉｸ／::`ゝｪィ´￣ l､ﾞ.
〈 ﾔ､ r'´￣´｀､::::::∨ ､ ﾞﾄ､ |ヽ. 〉/ , ｲ{:::::::::〉´￣¨`ヽ. l. :.
ﾒ､ ゝ. / ｲ´｀＝ヽ､ﾄ } `ー┼‐ﾔ＿/ヽ_,.f´￣二ﾞﾄ. ∧__ﾉ,_ﾉ
ゝ.`:| | ｀─-{ j ﾔ: | ヽ ∧ﾔ￣´_ |:l ﾉ_／
｀|ヽ v| ー -ｲ"`＝'`─-rf"ﾆ≧n>＝､"`{二￣ j ﾉ__,､＿ノ"´
|:::`ー‐二ゝﾆﾆﾌ`ー─-=＿||三＿,j|＿__/‐ィゝ-二ﾉ<_:::::::::|
|:::::_,.ｨ'"´ｨ'￣`ー､_ ￣､ｰ￣＝ー= ´ _,´イ _,.ｨ"´⌒ﾞヽ､:::〉
j/´ ／ ヽ､_ `ゝー---‐=´ ,_ィ´ ヾヽ.
/ ,ｲ ノ `ヽｪ､＿＿,..ｨ.-イ￣｀ ヽ.
∧ｨ' イ´ ":ﾞ:､ /' ﾔ ゝ-､__ ﾔﾞ:.
ﾙ' f" / ﾞ｀ " _ﾔ 〉"`ｰ` ﾄ､
/´ ､ j ｰ-ﾆｨ'ゝｧ__,..ィ"`ゝ､＿z､_ヽ. / l
| { `ﾄ,ｨ' __,.ｨ"´:::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヾ､≦ﾆﾆ ｲ j
｀ ﾞ￣｀¨¨´ ｀
「「「 かんぱ〜い！！！ 」」」
_,_.-､,-‐､
,ノ ｀＾"!_._
,-'i＾""''{ ､ﾄ-.,_｀＾┐
}./. ｀ｰ, 〉｀´ ｀'､_}
|::::.. ｀‐'´ |
|:::::: |､
かんぱいだお！, |:::::: |_)
＿＿＿_ |:::::: |_.）
／⌒ ⌒＼ . |:::::: |_)
／（ ＞） （＜）＼ |::::::: .|_)
／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼|:::,.--―¬''''''¬‐-..,,,_ |/
| /| | | | | |'´::::..._,,...-----....,,,,_ ヽ{
＼ (、`ー―'´, ／.}‐'""´-‐‐¬‐‐‐--..,｀ヽ{
／ ￣￣￣ ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ
＞ｰｰｰ-------‐''"´
,ゝ-'´￣￣｀ ヽ.､ｰ-､
, ′ , ｀ヽ｀ﾞヾ.､
/ / / / ﾊﾊ ヽ＼ ヾ.､
ｉ ,' ,' / /./ﾞﾞ"ﾍ.i i `ﾞ､ヽ )）
j i ,' _,'ｨ,」_{ }_i! i.l i.i 〉,'′
お兄さま、かんぱい♪ :ｉ l {_i Ⅵﾆ!ﾒ｀ ´_!ﾅ‐ﾘ!. |ｌ!/ ′
!! l i l代:ｿ` 代ｿﾃ‐! ﾉl!,′
ﾉ,! {! ﾄ.!ヾ/// , //¨´ﾉ'ﾉ'i ﾉ{
ｰ=' | ! iﾄ､ ､ , ノ'!'ｲﾉ! i
.乂.! |!`iヽ ￣ . ｲ（ { | |丿
＿ / ..ヽ!.|i! .ｭ｀´!、 ! / ; l ｲ’
/ ヽ////...ﾉ人 / ∧∧/≧⌒r; '、
/ ∨// /,＞'´: : : 只: : :｀i/.､ｲ }
（６５）
_＿
／ ｀ヽ
-‐ '´￣｀ヽ､ ＼ かんぱいでしゅ〜
。 ／ ＼ 丶 ひゃ、ひゃるおしゃま〜！
o ////リ从ﾘﾉ））ﾊ ヽ, i
. ﾟ ,〃 {_{ノ ｀ヽﾘ| ｌ | l
／ﾚ!小ｌ三 三 从, |/´｀ヽ
彡ソ'´ |l/// ､_,､_, /// |ﾉ从ミヽ
/⌒ヽ__|ﾍ ゝ._） j /⌒i ! ﾐゞ
＼ /:::::| l＞,､ __, イァ/ /│
. /:::::/| / ヽヽソ ｲ彡ﾍ､__/ |
｀ヽ< ﾚ |l| ノ |l| ゝ |
劉 「ちょ、もうトウカ酔っぱらったのかお？！ こいつ本当に張飛なのかお！？」
関 「お酒に弱い張飛…… 酒乱待ったなひね…… ﾋｯｸ」
劉 「ちょ、アチャ子！ 脱ぐなお！ ここ外！ お外なの！！」
関 「ｳｨｯｸ…… あによぉ、いつもぬげぬげ言ってるくせに〜ぃ！！」
（６６）
. -＝＝=
.／r.―┐ |三|
./ ＠⌒┘ ｊ三ｊ＿_
| /」 ＞ ¨ ` 三国志とは切っても切り離せない、桃園結義でした。
l ／ ＼ この桃園の誓い、主人公が曹操や孫家の物語でも、
|三 7 / ＼ ＼ ヽ 必ずと断言してよいほど出てくるエピソードです
.′/ /( ＼ ＼ ＼
, / /⌒＼ 、 三国志をこのスレで初めて見たという方がいるかどうかは
/ ,斧斗 三ニ=彡 わかりませんが、少しでも心をポカポカにしていただけたら
,Y「1: V/り 斧斗 _ ｜ 嬉しいです。
f {.ｌ :|{＿＿)- r― V/り /Y7./ |
八.:l ｊ l. 八u. ` ー＝' ¨/ /// / | 私としては、この解説は入れるべきか否か迷ったのですが、
`ｊ ..ノヽ ` ‐ _ ノ ./ ,: ./ 八 やはり入れざるを得ないな、と判断したので入れました。
)＼ ,仏＞―=≦ / .,: ( ／
./ ∨ /..く_ (＿ ソ)八 人⌒く 蜀派、それも演義至上主義の方はご覧にならない方がいいかと
/ Ⅶ..../ ／| /:Y ........_ 思われます。
./＼ ＼′ |／ /::/ ∧......._
/.........＼＿＿/／| /く /.∧......}
＿ . -=ミ
,ｨ三／ ＼
./＠ ､ かなりド派手な前置きをしたので、薄々と感じている方も
l三/ ./( ＼＿ いるかもしれません。
/( `＝ _ 彡
！ f.:j f.:j-∨ ,j 実は、この桃園結義。 「 劉備を長兄、関羽を次兄、張飛を弟とし、
/ ⌒＼ ＿_ノ⌒Ｙノ( 死ぬときには同じ日に死のう。ズッ友だよ 」という、
/′⌒＼, ‐ }..|⌒ ..ＪＫ的なノリの微笑ましいエピソードなのですが……
ヽ { ∨..,|
＼ _＞＝= イ../.|
く ＿ﾉ＿〕＿Ｙ〕.}
／ /⌒ ）..:.
／ ＿ノ.........j
…＝ミ､
／ ＼ 正史には載っていません。先主伝にも、関張馬黄趙伝にも。
/ ./( (、 桃園で誓い合ったどころか、義兄弟の契りなんてものは結んでいません。
, / ` u.ミ三 _ ノ
/━ ━ Ｙ .i 要するにフィクションです。嘘ぽっぽです。
. 八 乂_u. .ｊ / :八 ..どうして羅貫中がこのようなエピソードを創作したのかと言えば……
、{＿＿≦三ヒ ⌒ヽ′ ...蜀書関羽伝には 「劉備は関羽･張飛に兄弟のような恩愛をかけた」
く/......,../ ∧ .}......乂 人 ...という記述があるのです。これを過剰装飾して義兄弟としたのでしょう。
｛/......// .l/ /........}...∨ ヽ
,. ≦ ヽ
.／/７/＞┴ ―＝ミ
:Ｖ@.／ ＼ ですので、史実準拠で考えれば、「やる夫とアチャ子、トウカは本当の兄妹のように
: Ｙ 八 ヽ ＿ . 仲睦まじかった だけ 」 と考えるべきなのです。
｜ /＿_≦=ニミx、
l {. ∪ ∪Ｙ 八 え？ 中国には実際に 「桃園結義」 の舞台となった場所がある、ですって？
八人.乂'''_r , ＿_''ﾉノ; またまたぁ、実在しない関羽の部下、周倉さんのお墓だってあるんですよ？
⌒`Ｙ/:ｎ/∧ｎ⌒
.ﾉィ乂ｱ/乂ｱ
, イ⌒ヽ _
／＿」＝＝＜／ 正史には桃園の誓いはありません。このことは、間違いないです。
＼ / |......./, .} 関羽も張飛も重臣として重用はされていますが十中八九、
キャッ` /¨¨.|＝- _-=∧＿＿＿ 劉備の義兄弟ではありません。
―― -=ミ/........ | _ -=¨........∧＿} _ノ
＿ / ヽ＿≦ ¨............../....| しかし、このスレでは義兄弟のストーリーは取り入れています。
.r|＿}.ｊ_ ／⌒＿ ノ ヽ................._.／ なぜなら、劉・関・張が義兄弟じゃない 「物語の三国志」 なんて、
{.......ヽ /...- ＝ ¨ もはや 「物語の三国志」 足りえないからです。
乂_.. く ＿＿.／..,:
¨¨ _／＼／ ぽ 皆さまにおかれましては、どうかご容赦のほどをよろしくお願いします……
Ｙ>,_／ て
⌒ っ
【幽州琢郡琢県】
桃園の結義により、やる夫を長男、アチャ子を次男、トウカを三男とする義兄弟が誕生した。
この日を記念して、三兄妹はそれぞれが得意とする得物をしつらえた。
ｼﾕｳｲｯﾂｲ ﾉ ｹﾝ
やる夫は二本の宝剣、〝雌雄一対の剣〟を。
./
/ ',
,' ',
,' ' ､ ,-~'i
i' i' i ／ヽ,
i i' `ヽ;;;;;;'､
. ', ', ヽ;;;;;'i
', ', Y;;;;'､_＿.,
', ', i::::;,-､／ i ..
', ', ﾉ ( '''',;) X'i .
', ', ヽX＼ | X', .
', ', ヽX.丶!X ,', ...
', , ', .丶 X' XX', .
', ';;,, ', ヽ.XXXX', ,.
', ';;', ', '､XXXX', .
', ';;;;', 丶、 '､XXXX', ...
', ';, _ヽ::::/ '､XXXX', ..
i ,_ヾソ/:::i .'､XXXX',
. ' ‐ - ､;;;;;;;', iXXXXX',
ヾ;;;;;;', lXXXXX',
ヾ;;;;';, lXXXXX,
ヽ;;''`y ,l XXXX,'
Y:::ｿ ヽXXX ,'
''' ∨XX,'
∨∨
∨
ﾚｲｴﾝｷｮ
アチャ子は重さ八二斤（約８２ｋｇ）の青竜偃月刀、〝冷艶鋸〟を。
,ｨアﾊ
ﾊｽタ'´
,.イア'´
,.イア'´
,.イア'´
,.イア'´
,.イア'´
,.イア'´
,.イア'´
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トウカは一丈八尺（約４、４０ｍ。一説には６ｍ以上）にも及ぶ驚異の長矛、〝蛇矛〟を。
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. l マﾑlllll,ｨﾑｱ!
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lア_,┴┴,_ﾏﾑ!
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. | lヽ--' '-- ' ｉ |
. ﾞ‐´ ￣`l＿l´￣ ｀‐'
. l彡l
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ム___厶
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注：これは蛇矛です。某獣殿が愛用していた聖遺物とは関係がありません。いいね？
義勇兵の募集 ／ ￣￣ ＼
かけてみたけど ／ノ ヽ__ ＼
これはちょっと .. ／（―） （― ） ＼
少なくないかお |. （_人＿） u |
＼ ｀⌒ ´ ,／
/ ヽ
./ l ,/ / i
(＿) (__ ノ l
／ ／ ___ ,ノ
!､＿__!､＿_＿＿_つ
集まった兵の数は資料によってまちまちだが、だいたい一〇〇前後である。（主に演義より）
正史において、兵数は記されていない。
ただ、義勇兵とは原則的に職のないニートの最終就職口であるため、
よく集まっても五〇〇がいいところだろう。
幽州がド辺境であることを考えれば、この募兵は大成功の部類に入る。
_ ＿＿__
.* ´ ｀ヽ__
／ ／ ミ ＼
／ ／／ :i 、 ＼ ヽ なに言ってんの
/ / / 厶i| ヽ ヽ ﾟ. 百人近く集まってくれたんだから
〃 / / i: | Ⅵ:. ｉ i:. : 御の字じゃない
/ ′′ｲ |! i｜ Ⅵ＿|、_ i : |::､ !
. | ゜〈 ﾉ∧ イ 丁!` Ⅵ,⊥＼ | . !ミ:. :
八{ ∧ 1:::ﾍ Ⅵﾃ芍、 /'ちu仍' . |气: i
＼｜i:::::::ﾄ＼《 弋zj ゝ-'ﾉｲ |た}v !
｜l:::::::|i ト ,,￣ ' ｜ 〈,ｲ::: i{.
| :::ﾊ::|l 圦 , 厂| i|::､::::人、
′:! Ⅶ┌┴ゝ ｀ /: : | l|＼く ＼
{ :i ｀|i∧: : : : : ≧ｭ＜, : : :| l|: :/.::〉
rfﾆ､ヽ
l｡ ｡ f9i
t≦_ﾉゝ､ ,,....,,,,__ ,rrテ≡＝=-､
｀フﾞ´,,:: -- ::､ ,r''"''''''ヽ:::｀ヽ. （〃彡三ミミ::｀ヽ あー、ダルい
,rﾆｭf::r-‐t::::::::ヽ f´,,..、 r"::::::::::i /"~´ i三ﾐ::::i, ﾅﾗ、ｵﾏｴ、ｻｲｾﾞﾝﾚﾂ ﾅ!!
/,,, Y.. -‐ ヾ::::::::l ノﾞ f･= 7:::::::::::l. f:､ ‐-:、 (ミﾐ:::::::l
ﾑﾟﾞﾞ' く､'ﾟ` ﾞ'"):::l ヽ'' ﾞ'⌒ﾘ:ﾉ ﾉﾟｦ ''・= ﾘ::r-､ﾘ
l=,,;;:. l=､ ..::" ,)ヽ、 j⌒ ﾄ'"fノ l (-､ヽ'" ﾞ'´ﾉ),） とりあえずヨロｗ
／`ゝ-''^ヽ''" ,/: : : :＼ ヽ、: : : '" ノ^i, lｨｰ-､ ﾉ-ｲ
/rf´ i′ ,f^ヽノ:,. - - 、 ヽ,,. -ﾃ） ,／ ｀ヽ、 t_ﾞﾞ _,,.. :: " l、
ﾞ'ﾞ l l: : j :f´: : : : : ヽ,/ '''"´ ,,.: - ヽ ｀ﾕﾞ" ,ノ::ゝ､
! /: :ﾉ l: : : : : : : ノ, ,:'" ﾞヽ i,.r‐(´::::〉 ,.ｨ":::::/::::::
/-‐-/: :/: l: : : : : : ,/ / / ,f´:::,::ヽfﾄ--テ:::::::::ノ:::::::::
. _,,..::-,テ /`7: :（: : : : : /ヽ/ 〃 ﾘ:::,'::::::ゝ!r7/ｰ一'"::::::::::::: 腹減ったんだけど、飯の配給ﾏﾀﾞー？
｀_,:ｨ''" _,r''" f: : :ト---ヲ / fﾉ /::/::::::://://:::::::::::::::::::::::::::: ﾃﾒｴ ﾉ ｸｿ ﾃﾞﾓ ｸｯﾃﾛ ﾊｹﾞ!!
-‐-‐'''フ" ,.ﾉ,:::::」､,:r'" ,i / /::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::::
､..､く´＿,,∠"ｨ''"´ ／ ,> /＼、 ,ノ:::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::::::
´ ,ﾍr:､-､=---／ ,:ｲ ,ﾉ ｀ﾞヽ､／:::::i':::::://:://::::::::::::::::::::::::::::::::::
ｰフ´ > ヽ`ｰ､／ ／く _,,..ィ''"ﾞ' ＿,,:ｨf-:､::::::!::/｀ﾞﾞフﾞ'::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 女遊びしてー
／ ／ ,,ゝヽ, ） ,.／ ｨ'" r-‐ ''",., ヾ:l:/ f"´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾀﾞﾏｯﾃﾛ、ﾄﾞｳﾃｲ!!
O／´￣ ＞'⌒ ／｀ 、
O≧=／ ＼
〈.＼ / / / 、 ＼
〈ト､＼/| ｀∧八 ヽ ヽ 皆、待っています
／ ＼＼＼ /≧ X ｌi }X!´ ヽヽ
／ ｀Y .X ∨!ｆ必riﾄ、 ル'テ| i l ! } i やる夫さま！
. ' /／ ｀Y Y从乂::ﾘ |r':::ﾘﾙ'i !メｌ | 出陣の合図を！
. / / ｀Y 人. " ___ ' ""｀{ ノﾘ j.ﾉ
i l ! j/二ハ/ ￣ } メﾉ ＼
从 从 ／{|〕〕） ハ ─ｧ ＜ﾇ ＼ ＼
人 ＼ / | |H|^´＼ｊ 7彡'|/(⌒) )＼. ヽ
＼ 〈 ∧.从! ∧/ ＿_j i 「ﾌ ノ} ヽ 〉
＼ ＼__∧＼/_//三三! ! ＼_ノ
）_ノ´ ／ ／／/ ＼ ＼＼
／ ／／ /＿＿＿ _ヽ 〉 〉
〈. ＼ X ＿ j ── ─ ﾍ} o/ /
＼ /こ二人 ＿＿＿_ノ∧.／
r// / ｀弋__ フ ⌒ ´
〈〈瓜 「_ヲ
`ー′ 乂_ ）
＿＿__
／ ＼
. ／ ＼ こーいうの、ホントは苦手なんだけど……
. ／ ／） ノ ' ヽ､ ＼
| ／ .ｲ '（ー） （ー） u| えー、こほん
. /,'才.ﾐ). （__人__） ／
. | ≧ｼ' ｀ ⌒´ ＼
／＼ ヽ ヽ
,．' ´ ヽ
／ ＼ よく集まってくれた、忠君の志士たちよ！
/ ,.．-─-､_〉
! <k ,r' ＼ 我らはこれより、奸賊・黄巾を討つお！！
＼ ＿ _,,､, -'"― ─‐ .
,' （ ●） （●） ', 諸君の忠勇・奮闘を期待するお！
l （ 人 ） i
_.l ｀￣ ｀￣ }
/ ゝ /、
./ r、｀'ー､,,_ ,ｲl ｌ
＿/ iヾ＼ /⌒ヽ,-ー ―-､-‐ ´ヽl Ｌ
''"´ ７ ヾ,ﾉ ./ ﾞi } ,｝ ｀ ー- 、
rfﾆ､ヽ
l｡ ｡ f9i
t≦_ﾉゝ､ ,,....,,,,__ ,rrテ≡＝=-､
｀フﾞ´,,:: -- ::､ ,r''"''''''ヽ:::｀ヽ. （〃彡三ミミ::｀ヽ
,rﾆｭf::r-‐t::::::::ヽ f´,,..、 r"::::::::::i /"~´ i三ﾐ::::i, …………………………。
/,,, Y.. -‐ ヾ::::::::l ノﾞ f･= 7:::::::::::l. f:､ ‐-:、 (ミﾐ:::::::l
ﾑﾟﾞﾞ' く､'ﾟ` ﾞ'"):::l ヽ'' ﾞ'⌒ﾘ:ﾉ ﾉﾟｦ ''・= ﾘ::r-､ﾘ
l=,,;;:. l=､ ..::" ,)ヽ、 j⌒ ﾄ'"fノ l (-､ヽ'" ﾞ'´ﾉ),）
／`ゝ-''^ヽ''" ,/: : : :＼ ヽ、: : : '" ノ^i, lｨｰ-､ ﾉ-ｲ
/rf´ i′ ,f^ヽノ:,. - - 、 ヽ,,. -ﾃ） ,／ ｀ヽ、 t_ﾞﾞ _,,.. :: " l、
ﾞ'ﾞ l l: : j :f´: : : : : ヽ,/ '''"´ ,,.: - ヽ ｀ﾕﾞ" ,ノ::ゝ､
! /: :ﾉ l: : : : : : : ノ, ,:'" ﾞヽ i,.r‐(´::::〉 ,.ｨ":::::/::::::
/-‐-/: :/: l: : : : : : ,/ / / ,f´:::,::ヽfﾄ--テ:::::::::ノ:::::::::
. _,,..::-,テ /`7: :（: : : : : /ヽ/ 〃 ﾘ:::,'::::::ゝ!r7/ｰ一'":::::::::::::
｀_,:ｨ''" _,r''" f: : :ト---ヲ / fﾉ /::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::
-‐-‐'''フ" ,.ﾉ,:::::」､,:r'" ,i / /::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::::
､..､く´＿,,∠"ｨ''"´ ／ ,> /＼、 ,ノ:::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::::::
´ ,ﾍr:､-､=---／ ,:ｲ ,ﾉ ｀ﾞヽ､／:::::i':::::://:://:::::::::::::::::::::::::::::::::: ｴｯ!?
ｰフ´ > ヽ`ｰ､／ ／く _,,..ィ''"ﾞ' ＿,,:ｨf-:､::::::!::/｀ﾞﾞフﾞ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::
／ ／ ,,ゝヽ, ） ,.／ ｨ'" r-‐ ''",., ヾ:l:/ f"´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
＿＿＿_
／ ＼ ダメだお…… まるで効果がないお……
／ ─ ─ ＼
／ -=・=- -=・=- ＼
| （__人__） U |
＼ ｀ ⌒´ ／
つまるところ、義勇軍は食いあぶれた集団である。
彼らの本質は兵士などではなく、食を求めている流民だった。
忠義やらを屁ほどの価値もないと思っている集団に、やる夫の発破は逆効果となる。
＿＿＿_
／ ＼
／ ＼ ﾎﾟｸ……
／ U _ノ ヽ_ ＼
| （一）|lil|（ー） |
/ ∩ノ ⊃_） ／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
＿＿＿_
／ ＼
／ ＼ ﾎﾟｸ……
／ ＼
| ＼ ,＿ |
/ ｕ ∩ノ ⊃―）／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
|
＼ __ ／
＿ （ｍ） ＿
|ミ|
／ ｀´ ＼
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼ ﾁｰﾝ!
／（ ●） （●）＼
／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
| |r┬-| |
/ `ー'´ ∩ノ ⊃
( ＼ ／＿ノ
.＼ “ ＿＿＿＿ノ ／
＼_ ＿＿＿＿ ／
この時、やる夫は閃いた。
彼は学生時代、身分を問わずに遊び回っていた。上は豪族から、下はホームレスまで。
故に、どんな階級の人間が何を望んでいるのか、知り尽くしていたのである。
そして、普段の温厚な彼からは考えられない、
腹の底に響く銅鑼のような声を張り上げた。
_
／￣￣￣ ＼
／ ― ―＼ ……諸君たちはなんだお？
| :::::::::::::::::::::::::: .| .. ..流民。流民、流民！ そう、食い詰めた貧乏人の集まりにすぎないお！
l. （___人___）. |
｢ゝ､_ ヾ⌒´ ﾉ＿ ..にも関わらず、虐げられる人々のために立ち上がった。
＿/ ........`‐┐｀::::/,ｲ/::.. ﾊ そのことだけは称賛に値するお！
／ ::::::--､＿::__」＿ イハ:::::::::＞ー---
/ .::::::::＿, -- '´ ＼-'ﾉ-‐ヽ'´:::::､:::::::::::::｢:: でも、立つだけならおしめをクソで尻に貼り付けたガキだって
/ : ／:::::::::／-‐ ‐- ､ ヽ､_ ＿ヽ::::::::',:::::::::l:::: 立てるんだお！
./ //:::::::::://:::::::::::::::::::::::ヽヽ ｌ-‐‐V::::::::ゝ:::::l:::: 今のままじゃ得る物もなく、いずれ賊と同じ略奪集団になってしまうお！
l /::|::::::::://::::::::::ハ::::::::::::::ヽ { ＿|ｒﾍ:｢ ﾌ:ヽ!::: . ｺｺ
ヽ|:::::l:::::::://:::::::::/ |::::,:::::::::::::::l l-‐‐ lﾉ|/ ::};:ヘ!:: それに幽州には食べる物もない、アソコが閉じたババアしかいない！
ヾ=::::::: l (:::::::::/ :::::',::::::::::::::l /-― l:::ｌ! // |;;;｝ 諸君らはそんなものを奪って満足かお？
｣ヽ、 | ヽ;::/ |:::::::',::::::::::::|/:ー--|:::::|/:/ ｌ'´:: 粟を齧って、白髪交じりのババアと楽しんで、それで満足なのかお？
ﾄ、:::::.. ', / !::::::::',::::::::::|::::ヾ＿/::::V::l |::::
ｌ::＼:: ヽ､, / l:::::::::::',::::::/ :::|::::::ﾉ::|/ ﾊ
',ヽ｢ `ー- Ｖ ｌ:::::::::::::',::/::::::::::::::/:::::::|:::;ｌ / ｢￣
',ヽ､ヽ:::＼/ |::::::::::::::V::: ::::／::::::::|:::::ｌ /ハ
rfﾆ､ヽ
l｡ ｡ f9i
t≦_ﾉゝ､ ,,....,,,,__ ,rrテ≡＝=-､
｀フﾞ´,,:: -- ::､ ,r''"''''''ヽ:::｀ヽ. （〃彡三ミミ::｀ヽ
,rﾆｭf::r-‐t::::::::ヽ f´,,..、 r"::::::::::i /"~´ i三ﾐ::::i, 粟はちょっと……
/,,, Y.. -‐ ヾ::::::::l ノﾞ f･= 7:::::::::::l. f:､ ‐-:、 (ミﾐ:::::::l ベチャっとしてて不味いんだよなｗ
ﾑﾟﾞﾞ' く､'ﾟ` ﾞ'"):::l ヽ'' ﾞ'⌒ﾘ:ﾉ ﾉﾟｦ ''・= ﾘ::r-､ﾘ
l=,,;;:. l=､ ..::" ,)ヽ、 j⌒ ﾄ'"fノ l (-､ヽ'" ﾞ'´ﾉ),）
／`ゝ-''^ヽ''" ,/: : : :＼ ヽ、: : : '" ノ^i, lｨｰ-､ ﾉ-ｲ オレだってピチピチの女の子と
/rf´ i′ ,f^ヽノ:,. - - 、 ヽ,,. -ﾃ） ,／ ｀ヽ、 t_ﾞﾞ _,,.. :: " l、 死ぬまでに一回は遊びてえよ……
ﾞ'ﾞ l l: : j :f´: : : : : ヽ,/ '''"´ ,,.: - ヽ ｀ﾕﾞ" ,ノ::ゝ､
! /: :ﾉ l: : : : : : : ノ, ,:'" ﾞヽ i,.r‐(´::::〉 ,.ｨ":::::/::::::
/-‐-/: :/: l: : : : : : ,/ / / ,f´:::,::ヽfﾄ--テ:::::::::ノ::::::::: オレなんてマグナム一回も使ったことない
. _,,..::-,テ /`7: :（: : : : : /ヽ/ 〃 ﾘ:::,'::::::ゝ!r7/ｰ一'":::::::::::::
｀_,:ｨ''" _,r''" f: : :ト---ヲ / fﾉ /::/::::::://://:::::::::::::::::::::::::::: オメーのデリンジャーは一回も使うことなく
-‐-‐'''フ" ,.ﾉ,:::::」､,:r'" ,i / /::/::::::://://:::::::::::::::::::::::::::::: 終わるよｗｗｗ
､..､く´＿,,∠"ｨ''"´ ／ ,> /＼、 ,ノ:::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::::::
´ ,ﾍr:､-､=---／ ,:ｲ ,ﾉ ｀ﾞヽ､／:::::i':::::://:://::::::::::::::::::::::::::::::::::
ｰフ´ > ヽ`ｰ､／ ／く _,,..ィ''"ﾞ' ＿,,:ｨf-:､::::::!::/｀ﾞﾞフﾞ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::
／ ／ ,,ゝヽ, ） ,.／ ｨ'" r-‐ ''",., ヾ:l:/ f"´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
∨三三三三三三三三三三三三三三三三三三| だからやる夫が、諸君を豊かな大地へと連れていくお！
|>､三三三三三三三三三三三三三三三＞'" .i
i ､`＞ミ三三三三三三三三三三三彡'￣ 7 その場所では富と栄光が、諸君らに下着をチラつかせて
',ｮｭ､ ------------ 劉 ----------' " ´ｭｮ７ 待ってくれているんだお！
_',､三≧ｮｮｮｮｮｮｮｮｮｮｮｮｮｮｮｮｮｮｮｮｮｮｮｮｮｮｮｮ≦三ﾖ,', 約束するお！ それらはぜーんぶ、諸君らのものだお！
/ﾍ三三三三三三三三三三三三三三:／丶
l ＼三三三三三三三三三三三三／: ヽ,--､ ｱﾂｱﾂの肉から滴る肉汁は、失神するくらいうめーお
,==', -､',:::::::::／__ﾉ',三三三三三三三三＞':::: ;;;;;;:::l', -､ﾊ いい匂いのする美人の注いだ酒は、
,/////ヽ､ ',::／ / ● l ::::::::::::::: l ● l ,,,, ... ;;;;l //ヽ それはそれは素晴らしいもんだお……！
..i///////,'／ ノ ﾍ ノ :::::::::::::::::: ＼＿_/ ,,lノ //〃i
〈///////,' / 7::/ 丶 ,,,, ... ..../--'////ヽ 特に冀州の女は最高の一言に尽きるお！
∨////7 _/___ ./: :l l l ,,,, ;;;;;;;;;;;;;;;;; .. /l.//////// 気立てがいい、料理も上手い、何より美人揃いだお
___,∨//７ / ', ,-丶＿人＿_ノ ／/////////＞.､_
/////// ./ r'‐‐､ ￣￣￣ ,,,;;;;; ,;;;,;;: ／'//////////////＞--､ 彼女たちが待っているものは
////// ./ / ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿／////////////////////,'＼ なんだと思うお？
///// ./ / / ,|__///////////////////////////////////////
//// ' 〃 , イ ＼/////////////////////////////////////
//∧ ', i ／ i ﾍ///////////////////////////////////
////i i ', i, _ ,j i//////////////////////////////////
////i i ヽ ///////////////////////////////////
rfﾆ､ヽ ごくり……
l｡ ｡ f9i
t≦_ﾉゝ､ ,,....,,,,__ ,rrテ≡＝=-､
｀フﾞ´,,:: -- ::､ ,r''"''''''ヽ:::｀ヽ. （〃彡三ミミ::｀ヽ
,rﾆｭf::r-‐t::::::::ヽ f´,,..、 r"::::::::::i /"~´Ｕ i三ﾐ::::i, イ、イケメンかな……
/,,, Y.. -‐u.ヾ::::::::l ノﾞ f･= 7:::::::::::l. f:､ ‐-:、 (ミﾐ:::::::l
ﾑﾟﾞﾞ' く､'ﾟ` ﾞ'"):::l ヽ'' ﾞ'⌒ﾘ:ﾉ ﾉﾟｦ ''・= ﾘ::r-､ﾘ
l=,,;;:. l=､ ..::" ,)ヽ、 j⌒,u. ﾄ'"fノ l (-､ヽ'" ﾞ'´ﾉ),）
／`ゝ-''^ヽ''" ,/: : : :＼ ヽ、: : : '" ノ^i, lｨｰ-､ u. ﾉ-ｲ
/rf´ i′ ,f^ヽノ:,. - - 、 ヽ,,. -ﾃ） ,／ ｀ヽ、 t_ﾞﾞ _,,.. :: " l、 だ、誰だ？
ﾞ'ﾞ l l: : j :f´: : : : : ヽ,/ '''"´ ,,.: - ヽ ｀ﾕﾞ" ,ノ::ゝ､
! /: :ﾉ l: : : : : : : ノ, ,:'" ﾞヽ i,.r‐(´::::〉 ,.ｨ":::::/::::::
/-‐-/: :/: l: : : : : : ,/ / / ,f´:::,::ヽfﾄ--テ:::::::::ノ::::::::: 身分の高い男か？
. _,,..::-,テ /`7: :（: : : : : /ヽ/ 〃 ﾘ:::,'::::::ゝ!r7/ｰ一'":::::::::::::
｀_,:ｨ''" _,r''" f: : :ト---ヲ / fﾉ /::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::
-‐-‐'''フ" ,.ﾉ,:::::」､,:r'" ,i / /::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::::
､..､く´＿,,∠"ｨ''"´ ／ ,> /＼、 ,ノ:::/::::::://://:::::::::::::::::::::::::::::::: メシの上手い男？
´ ,ﾍr:､-､=---／ ,:ｲ ,ﾉ ｀ﾞヽ､／:::::i':::::://:://::::::::::::::::::::::::::::::::::
ｰフ´ > ヽ`ｰ､／ ／く _,,..ィ''"ﾞ' ＿,,:ｨf-:､::::::!::/｀ﾞﾞフﾞ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::
／ ／ ,,ゝヽ, ） ,.／ ｨ'" r-‐ ''",., ヾ:l:/ f"´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::::i,,
／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／ﾞﾞ″................ェェ l;;;;:::::::::::::::::::l、
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::／""""";;;..､:｀',,,,,,,,,,,,,,,〔 〕,,,,,`ヽx,:::::::::::::l､ 彼女たちが待ち望んでいるもの……
/,:::::::::::::::::::::::::／""";..､ヽ.,,,,i:::::::::::::::::::::::::::::::. . . . ゝ,,ヽ ﾞヽ::::::::::::l: それは……
;ｌ,::::::::::::::::::::／".,､"____,,,,,iii::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. . . !::::::::::、 ﾞi::::::::lﾞ｀
;ｌ::::::::::::::::/ ...:'′i o___＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ. . . . . . . ::::::::::::::lﾞ｀ 強 い 男 だ お ！！
;'ｌ::::::::::/" ,,'",l lﾞ′lﾞ°;,r･´´￣｀ヽﾞｹ‐｀｀ﾟ;°ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞヽ、:::::::::::::::::l、
ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞl〆. ﾞ .ヽ ● ﾉヽ 彳_｀_'_､,::::::::::ヽ、 自分たちを暴力でねじ伏せ、
,i 丶｀“““｀:;:''″ 〈 ● 〉”ヽ'''""" 奪い、殺し、犯す、
j" _,r',i､ / ´ヽ ヽ 脳みその足りないクソムシの
| _,､‐｀｀゛｀; ",ﾄ l .. l l l 黄巾どもから、自分たちを
,,,,,,,,,,,lly, ,r"｀ i､ ､ﾞ,r'" ヽ＿__/ヽ＿／ l 解放してくれる、強い男だお！
,,ｉ匸ン‐'''''今|,,l[ﾞl,,i,,,,、 l｀;;､､.iた､,-" .._,.､.'Ｙ',ン'" /
,l,∠",,,.,,,;.､､.;､、;;~ﾞﾞﾞl,,｀”'!jl°;;、,!.`‐ﾞ‐''"｀""丶 ｀`''丶､、::,ト'-i､ やる夫たちはわずか一〇〇名程度の
,､-ﾞ'"｀‘｀、;、;,,,,,｡,,..｀'丶;;ﾞﾞ%,ｨｿ;;'_∴ 丶 ｀: :'、 :`rl゜ヽ.ﾞl､ 小部隊。なれど、ここにいる関羽と
:wｖllll,,,i,,,,．;;;;.ｧ｀｀､,,,'t,,;＾''r,,、;,ilﾞ;｀．｀｀; ｀ `""'''''､ﾞ-ｉﾞl.lﾞ:、 ,." ､゜:《:: 張飛は天下無双の二英傑！
,,iiilllll,l!ﾞﾞ`''llﾗヽ,;;llle,,,,,.;;~''从,,,,,ﾞll″,.ﾞ、 ､;ヽ､丶;::、 :"､｀:｀ﾞ、::、::::, ‐:ﾞヽ: 虎に率いられた羊の群れは、
lﾞﾞﾞ',,,,l∠｀ .l._ﾞl; ﾞﾟﾞﾞllle･ﾞﾆｔ,｢;;.,'-｀;;丶;:｀ ､丶、‐丶::､､,.,,,､.::,!,､､_" ': i,!°: ﾞi､ 羊に率いられた虎をも殺す！
;､:',lllll二'−､､、｀;ﾐ′;;;,ｉ″;;､:,iZ;;;;,i´ ;、、.:､、 ｀:丶､:"｀｀::," ｙ" ﾞl
''｀;~ﾟ,,,．､、 ｀丶;;｀''┤; ﾞl'"|;;;.ソ｀ ｀"｀: :,‐,::．丶､;‐'゜ ,,,,.-｀.#,,、: やる夫たちが解放するたびに、
flﾞ″ ＾'' ,-‐'''ﾞ,ll｀; ;ｿ;;l、;ﾞく _,-−::、:､.､- 、！,lﾞ _:-′::,,､‐'''ﾞﾞﾞ″:､',":;ﾞﾞlli,,: 向こうの方から飯が女が
ﾞﾞ";,.,,_.,／｀;_,,,,i l、 ｀;｀ﾟﾞl,;<、 :｀ 丶 ｀ ./‐ﾞ,､ｰ´:.,,,ｔ广: ､..｀｀ ﾞ/b、;;ﾞｉﾞ'll,、 舞い込んでくるお！
;.／｀;;;.;,il,,i 、: ｀; '!,,│; 、: ､, ､,,--r､-'ﾞ,／｀ ,／ﾞ,_.｀:-"′ j"'x,ﾞi､ ヽﾞ|%
,-―-､ ／￣￣￣￣￣＼
/ 立 .l ／ ＼ 忘れるなお！
| つ | ／ ＼ 諸君は漢室の血を引く、この劉やる夫に
| お | ／ ＼ 率いられていることを！！
| 馬 .| / .:.: _ _ ＼
| 鹿 | / .:.:´⌒＼,, ;、､､／⌒｀ } ＿_ ｀´ 我らは正義の鉄槌である！
ヽ 共 / l ;（ ● ） ﾉヽ （ ● ）;;: l ／ .＼ 我らは正統性と二人もの英傑を揃えた
:: `y-' ､ -‐――- ::, : ´"''", "''"´ .l /. 戦 や `i :: 最強無比の、獅子の軍隊である！
､/ッ:´:::::::::::'' ,,''''';;;;;;;＼. . . （ j ） lﾞ l 争 る `ｨ ｲｼﾕﾐ
／／,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,, ''''';;;;;;＼.:.｀ｰ-‐'´｀ｰ-‐'′ ／i | を 夫 | 我らは限界まで引き絞られた弩！
､.ッ;;;;;;'''',,,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;''';;;;;;;;,,,,''''';;::;_:_ _,.= ､ イ: : j | す 達 .| 今まさに振り下ろされんとする握り拳！
.ﾞｉ;;;;;,,,;;;;;;'''''''゛､ ＜;;;;''´＼ : : : :ﾞｉ,|::::::::::::======= |. . る は |
/;;;;;／ ＜;;;;;;,,,,,,,,,,,,'''''''';;;;;;l: : : : :| ゛::;::'' ‐-ノ;;;;;;;｀ヽ | . こ l 賊どもを殺し、連中が奪った法と秩序を
,,,,,,,,,, ゛''''''';;;;;;;;;;;;,,,,''(,: : : :|l::::: ;;;;i l;;;;;;;;;;; .:::::' | れ | 取り戻すんだお！
; ; ; ;;;;;;;;;;;;;;;;,,,,,, '''''';;;;;;;;;;i : : :ﾞｉ;;;;;;;;;;ﾘl;;;;;;;;;; ::. . :::.. | か /:: その暁に諸君は暖かな食事と、
; ; ; ; ; ; ;;;;;;;;'';;;;;;;;,, c ''';;;;ﾞｉ: : :|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ::::. .:: :: ヽ ら /::::.. 諸君を慈しみ愛する女、美味い酒を
; ; ; ; ; ; ; ; ;;;;, ,,''';;;' ',' , '';;!､: :l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; _､ -‐l::....:::: ｀ー――',,,,,,,,, 手に入れるだろう！！！
; ; ; ; ; ; ; ; ; ;;;;;, '';;,,'';;'',,'' , c '';｀'‐｀'';;､-,;;;;;;;;;| l,,,,,,,,,,,,,
.; ; ; ; ; ; ; ; ; ;;;;;;ﾞｉ '';;;,';ﾞｉﾞｉ''‐- ,｀'r;;;;;;;;'/;;;;;;;;;;;l |;;;;;;;;;;;;;;;;;＼ では征くお！ 出陣！！
,r=ヽ、 フオーッ！ r';;;:;:;;:::;;;;;;;;;;;;ヽ、
j｡ ｡ﾞLﾞi rﾆ二`ヽ. Y",,..、ｰt;;;;;;;;;;;） わかってんじゃねえか、あの大将はよォ！
r-=、 l≦ ﾉ6)＿ l_,.､ヾ;r､ﾞt lｦ '・= ）rテ-┴- ､
｀ﾞゝヽ、`ｰ! ﾉ::::::｀ヽ､ L､ﾟﾞ tﾉ`ｿﾞ`ｰ ﾞiｰ' ,r"彡彡三ﾐミ｀ヽ
にｰ `ヾヽ'":::::::::::: ｨ"^ﾞiﾌ _,,ﾉ , ﾞtﾌ ﾞゞ''"´ ﾞifrﾐソﾍ, 俺、冀州の女と結婚するんだ……
,.、 ｀~iヽ､. ｀~`''"´ ﾞt （,,￣, frﾉ ゝ-‐,i ,,.,...、 ヾミく::::::l
ゝヽ、__l::::ヽ｀iー- '''"´ﾞi, ヽ ヽ,/ / lｦ ｪ｡､ 〉:,r-､::ﾘ
W..,,」:::::::::,->ヽi''"´::::ノ-ゝ ヽ､_ﾉｰ‐ﾃ-/ i / ,, 、 '"fっ)ﾉ::l ﾋｬｯﾊーッ！ 酒だァー！ 女だァー！
￣r＝=ミ__ｨ'{-‐ﾆ二...,-ゝ、'″ ／,/｀ヽl : :`i- ､ヽ ,.:ﾞ''" )'^`''ｰ- :、
lﾐ､ ／ f´ r''/'´ミ)ゝ^),ノ>''" ,:ｲ`i /i､ヲﾞi .:" ,,. /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀ﾞ
! ヾ .il l l;;;ﾄ､つノ,ノ ／ ／:ﾄ-"ﾉﾞi ,,.:ｨ'" /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
. l ハ. l l;;;;i _,,.:イ / ／ ,ﾚ''";;;;｀ﾞﾞ" ヽ_,,ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; 黄巾どもをぶっ殺して、飯も女も奪ってやれェア！
人 ヾﾆﾞi ヽ.l yt,;ヽ ﾞv'′ ,:ｨ" /;;;;;;;;;;;;;;r-'"´｀i,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
r'"::::ゝ､_ﾉ ﾞi_,/ l ヽ ﾞ':く´ _,,.〃_;;;;;;;;;;;;f´' ll;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
｀￣´ ／ l ヽ ヾ"／ ｀ﾞ''ーハ. l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
／ l ﾞt `' ／^t;＼ ,,.ゝ;;;;;;;;;;;;;;;i;;;;;;;;;;;;
こうしてやる夫に発破をかけられた義勇軍は、幽州を発った。
演義によれば、後に割拠する群雄たちによって黄巾賊は大いに破られる。
その功臣の中には、劉やる夫の名前もあったという。
されど、正史には、やる夫が具体的にどのような活躍をしたかは記されていない。
正史にはやる夫が挙兵し、その直後の文には職に就いたというエピソードが挿入されるからだ。
「校尉の鄒靖に従って、その名を挙げた」 とあるから、ある程度は活躍したものと思われる。
正史における黄巾の乱は、官軍によって鎮圧された。
官軍の将帥は 「皇甫嵩」 や 「朱儁」 ら、いずれも名将と呼ぶに足るメンバーで固められ、
皇甫嵩の下には若かりし曹操が、朱儁の下には〝江東の虎〟孫堅が席を置いた。
軍のブレーンもやる夫の師である、盧植がついていたため、当代ではこれ以上とない精鋭だった。
以下、顛末にだけ軽く触れておく。
_,-'''´ ` " `ヽ.
,,-''´ 丶
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i ; ; i;;;l:::;;;;-.＼,i-─ ,／i .i ;:;:;i i￣ヽ`i
'i; ﾘ ヽi/ |::::::iﾘx__ __,／ |/──'''''" |::::
' ` __/' :|::::::/'￣、__,,,,─/::ヽ : : :::::::::::|__::
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/＼ : : : : : : : : : : : : : : :/ : : / ::::: ::|/ ; ; /' i ii';;;;;;;;;;; i : : : ／ : : : : : : : : : :/ ''''─-、_
i;;;;;;;;ヽ、 : : : : : ;;;;;,,;;;;;; ;i : , :-''"___;;;;;;|/ ; / i / ;;;;;;;;;;; i : : ; ／ : : : : : : : : / : : : : : : : : :`'─;,__
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黄巾の乱、主導者。大賢良師、張角（字はズェピア）
黄巾の乱は西暦１８４年、光和７年の２月から始まる。
当初は猛烈な勢いで各地の官軍を破り、一時は帝都・洛陽の陥落まで危ぶまれたという。
張角は天公将軍を名乗り、蒼天の命運は途絶えたかのように思われた。
漢王朝はまず、党錮の禁を解除。投獄・在野の有識者たちをかき集め、これを利用した。
（８３）
−中原の図−
.lll、 ,,,,,iiilllllii,,,,＿_,,,,,,,,,,,,iiiill!!! .,,illll .llli､ __
._,,ill| ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,__ .__,,,,iiiiil!!!lﾞﾞﾞ゜ .ﾟﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ＾ .,,,iill!ﾞ’ ,,illl .,,iiillllll!!lllllll
.,,,iiiil!!!ﾞﾞ’ lll!ﾞﾞﾞ”ﾟﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ!!!!!!!llllll! 幽州 ,iiiiil!!ﾞ° lllllﾟ,,iill!ﾞ°
.,,ill!ﾞﾞ｀ llll, llll、 .,,,、 _,,,,,,iill!ﾞ｀ .ﾞllliill!ﾞ｀
lll!ﾞ 'ﾞ!!!lliillliiiiii,,,、 ﾞﾞ!lli,..,illllli,、 .,iiil!!!!ﾞﾞﾞ゛ l!!ﾞﾞ゜
llli,,、 ,,,ill!!!ll,、 ,,,,, .ﾞﾞ!lll ﾞ!lllll!ﾞ.ﾞ!!lii,,,iiiilll!!!!li,,
.ﾞﾞ!llii,,. ,,,ill!ﾞﾞ .ﾞllli,、 ,,ill!!ll、 ,lll lll| .ﾞﾞﾞﾞﾞ’ .ﾞ!llii,,, .,,,iiii,,,,,,,,,＿
.ﾞﾞ!!l!!!ﾞ’ .ﾞ!llii,,,_,,ill!ﾞ゜llll、 .,ill! 并州 llll ,,,,iiillllli,,,_ ,,iill!ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ!!llll
ﾟﾞﾞ!!!!!ﾞ° ﾞ!liii,,,, .lll!ﾞ lll" 冀州 iill!!ﾞﾞ゜ ﾞﾞﾞ!!!lliiiiiill!ﾞ゜ .,,,iiill!!
,,,,,,_ ﾞﾞﾞ!lli,iilll｀ ﾞ!lli, ③ .lll、 青州 .,,,iill!ﾞﾞ°
ﾞﾞﾞ!!lliii､ ﾞllllllii,,, ,,,,,,,,,,、 .ﾞlll ,,illliii,,, .,,,iiiiii,,,,,,illl!ﾞ°
,,,iiiiiill!ﾞ 涼州 .ﾞ!!ﾞﾞﾞ!lli, ,ill!ﾞﾞﾞ!!llii,, lll,,,,,,,、.,,,iiill!lﾞ ﾞﾞlll,,,,, .,ill!ﾞ~ﾞﾞﾞllllllﾞ゜
lll￣ ｀ '!ll、 _,,lll′ .ﾞ!llil, ,illlﾞﾞ!llliill!ﾞﾞ゜ !lll!ll,.ill!′ .lll!ﾞ°
ﾞ!!lliii、 lllliiil!!!!ﾞﾞ .'!llli,,iill!llii,,,,ﾞﾟﾞﾞエン州 ,,ill!.llllll!l lll,、
ﾞ!llii,, _,,,,, ,,,,iiill!ﾞ゜ ● ﾞﾞﾞﾞﾞ°ﾞﾞﾞ!ll、 .,,,iill!!ﾞ゜llll′徐州ﾞ!lllii,,
ﾞﾞ!!lliii,、 llll!llii,,,,iiill!!ﾞ”” 司隷 洛、陽 .,ii,,,,,,,llll, .,,,,iill!!ﾞ゜ .llli,, .ﾞl!lll、
ﾞ!lli,, 'lll,,.ﾟﾞﾞﾞﾞ” .,,ill!llllﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ!!!!!!ﾞﾞ’ ﾞ!!liii,、 .ﾞ!!lii,,
.ﾞﾞllli,,,,、 .ﾞﾞ!!!liil,,,,,,_,,,,,,,,,、 .,,,illl’.ﾞ!llii,, 予州 ① '!lll ﾞﾞ!lii,,,,
.ﾞﾞﾞlll| .,,ill!ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ!llii,,,,,,,,_ ,,iiil!!ﾞﾞ ﾞﾞ!lli,, ､ .,,,,,,,iiilllliiii,,,,,,,,,,,,,,,,,_,,llll!
,llliiii,,,,,＿,,,,ill!ﾞ｀ ﾞﾟﾞﾞﾞﾞﾞ!!!llll／ .ﾞﾞ!!liii,,,、 .,,, iiiil!!!ﾞﾞﾞﾞ’ .ﾞﾟﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ!lllll,,,,,、
.,,iiiiiliil!!゜ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ゜ llll,,,,,、 ② .ﾞﾞﾞ!!llii,,lll!ﾞ″ ﾞﾞﾞﾞﾞ!!lli,
lll!ﾞ｀ ﾟﾞﾞllllll! ﾞﾞ!llll 揚州 ﾞ!lli
.lll″ 益州 ,iiii,,,,,iill!ﾞ° 荊州 ﾞlll,、 ,,,,,,illl,,__
.lll, ,illlﾞ”””｀ ﾞ!lliii, '!!ﾞﾞﾞﾞﾞﾞ!!llll
.ﾞﾞ° ｀｀ ﾞﾞﾞ′ 'ﾞﾞﾞﾞ
①予州方面黄巾軍
官軍の司令長官は朱儁。４月に一度は敗退するものの、曹操の別働隊と合流。
６月には予州を平定している。
②荊州方面黄巾軍
３月に黄巾軍蜂起。６月には転戦してきた朱儁の軍と激戦状態に入る。
朱儁の部下、孫堅の活躍により黄巾軍を撃破。
１０月には荊州方面黄巾軍は壊滅。
③冀州・張角本軍
やる夫たち三兄妹が関わっている激戦区。
官軍の司令長官は盧植。張角率いる本隊と優勢に戦っていたが、
派遣されてきた督戦官に、賄賂を贈らなかったため盧植は更迭。
後任に 「 董卓 」 が派遣されてきたが、張角を相手に大敗を喫している。
８月、皇甫嵩が司令長官に就任。１０月、奇襲によって黄巾軍の本拠地である 「広宗」 陥落。
ここに、黄巾の乱は終結する。
,,,,,,,,_ /￣￣'''''-.,,_
! `´ `､
. i i, 乱の首謀者である張角は、１０月の「広宗」 陥落以前に病死している。
,! ,' ヘ,,／!i､ 'i, 術で病を治すとして勢力を拡大した男には、皮肉と言うべき死因だろう。
,i ;,' ; ,!-､ -i H `、 'i,
,! ;; ,' ,!-.､ r!i'''i, i i i i, 張角がなぜ、漢王朝に反旗を翻したのか。正史は沈黙を保ち、演義は彼を
. ,!,'.; ; .,!::::;;! .i;i !:::i, ! .i ! i 欲に塗れたエセ宗教屋としか描いていない。
,!i .; ; .ﾄﾆ´' `!iｰ´! .i i i i
. i,!i ; ; ; ヾZXIIIﾆi.!ﾌ,ｲ .i i, i､i 張角はもともと清流派の官僚であり、頭脳はキレるタイプだった。
i,!i i, ; ; i i,`7ー=ｺ!'''i,,!/i /ii / i,! にも関わらず、この男は反乱を起こしてしまった。
`ヾiﾍ!ヾ!`>fﾆ!:::;;r‐`ﾚ´ﾚ´ 後漢の腐敗――宦官と官僚が描く泥沼の宮廷紛争劇は、一人の男を狂わせた。
k' ,',' !'´::::::::::'i, 王たる者の責務とは、この失政を時代の善政につなげることではなかろうか。
. /`ｰ,-'::::::::::::::::::i,
/::::::;i:::::::::::::::::::::::::i, ……しかし、一人の男を狂わせ、中華全体を騒乱に巻き込んだ戦争喜劇を
. /:::::::,!i:::::::::::::::::::::::::::i, 生み出しておきながら、破裂直前の血管なみに硬直した後漢の政治体制は
/;;;::::/::i:::::::::::::::::::::::::::::i, 何も変わらなかった。
'''''i;/i;/ﾚi´i;::/'i､:;iヾ;:ﾍ;! 何も、である。
_,.-'::,,! `′!::i,`' `´
. _,r'":::;／ i;:::'i, では、張角という一人の人士、そして司書に記されなかった無辜の民たちの犠牲は
f"_;;／ . i;::::'i, まったくの無駄となったのだろうか？
￣ 'i;::::! 否、断じて否だ。腐敗した汚泥の泡の中から、漢室を、
ヾ′ 世を、心から憂う若き英雄たちが、今にも浮かび上がろうとしていた……！
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ ┃
┃ 【正史】やる夫たちは中原で覇を争うようです【演義】.┃
┃ 第一部 『群雄争覇』 ..┃
┃ ┃
┃ 第一話 「桃園結義」 （終） ┃
┃ ┃
┃ ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
→ 次回、第一部 第二話 「覇者占拠洛陽」
.......................∧
／,/∧.............../..∧
／.,へ /,∧............_./....ﾄ .
/ /......」 ./,＞ ¨￣ `
/ｘ`ミ) ／ ＼ ＼ 本日の更新はここまでです♪
/....Ⅶ彡'.／､ ＼ ヽ ＼
Ｌ ＿Ｔ / ＼ :. _ . ＼ 最後まで読まれた方がいれば、お疲れ様です
⌒ ′ ﾄ､ 二ニ＝- _
|_ 三二ﾆ＝=- ー=彡 拙作は 「オイオイ、ホントにやる夫スレかよ？」 |
.: '| ,.斧仏¨}`Ｙ l .} .i とブーイングされそうな勢いで文字が多いですので
,.斧仏 乂_り | . } 八
|! {/,乂_り .:::::: 八' / / .／ できれば一言何かいただけると、珪孔雀は舞い上がって
|! V/,ヽ::::::. ` _ , .ｲ /_ ／⌒ 喜ぶのです！
V, ` ≦＞=- _／ ィ〔
`＼ 二ニ=- ノf>o7 _`ﾌ、 それと同時に、質問なども答えられる範囲で答えていきますので！
ー=彡 ＜Ｙﾄ _,.ﾍノΥＹ⌒ ＞ _/｝
/7....//⌒/Ｖ入＞{^....//.........._く、 皆様、今後ともよろしくお願いいたします♪
〃....//......r_/∧ ,〔.....j/!.............-ヒ ､
/7.....//.......,〔/V/ j{.......}/l..................∨ﾉ_、
ｙ'.....,j/........r / o ,j{........}/|..../,..............ＶY.,
/7.....//.........〔/ //∧ｊ{..........}/|....//,.............`(._./,
〈/....//........ (_/ Ｖ//.j{...........}/|......//,..............., (_./,
_〃...//..........ｒ'./ ,ｨ∧ .j{............}/|.........//,...............Ｙ...._,
/／.. //..........｛ / V///〉{............ }/|............//,.............乂ﾉ^),
_v.......//...........〔 / V// j{ .. .. .... }/|..............//,..................Ｖ_ﾍ
{/...... //...........r' / Ｏ j{...............}/|..............._//,...................v(_/,
/7....... //...........r' / ,.イ∧ j{ ............. }/|..,ｨ/{ﾂ////,......................Ｙへ
凄く面白かった
ここまで考察しながら物語を作れるのは凄いな
独学ですか？
ありがとうございます！
次回投下は一週間後を予定してますので、お楽しみに
ところで宣言所にURL貼った方が良いんじゃ？
ありがとうございます！
独学なのは７割くらいですね
３割は、大学の東洋政治史で触れた
一講義分となっております
すみません、初心者なもので……
宣言所は予告スレでいいんですかね？
宣言だけしてスレどころかどの板でするのかもわからないと、興味持った人はどこの板なのかから探さなきゃいけないw
情報量が多くてちょっと疲れたが面白かった
大して詳しくないけど中国の王朝はなんかいつも腐敗してる気がするな
宣言所見たけど、曹操って宦官の孫じゃないっけ？
とんでもない誤字がぁあああああ！！！！
×中山精王
○中山靖王
ただしくはこうです。
誤爆ついでに、今晩やる夫の先祖中山靖王について
小ネタを投下します
今晩２２：００より
またやっちまった……
息子じゃなくて、孫でした。
投下して己のミスに気づきますた……
本編ではきちんとしてるので、ご安心をば
桃園の誓いは酔った勢いでやってる印象があるｗ
／ ＠ ＞┘ `
/≧ _.／ 時間が来たので投下を開始します！
| 三三/ ( ｛、 作りながらなので、時間かかるかもしれません……
￣ /¨ / ( ＼
/ /( ＼ 、
/ ` _ 三ニ彡' :.
ｨ fﾄ. ｨ fﾄ.
｛ l 乂ﾂ 乂ﾂ /
八 ＸＸ ＸＸ .: .八
` 乂._ ^ _.ノ.イ ／
_⌒ノ≧ ＿ ≦、 ≦
/7f.......{Ｙ'(⌒く _ ソ_人(..........化!
〃.........j(...|! 〈〉 |!...)f..........仏
ｊ」...........j(.. |! 〈〉 r ‐＿.......ｲﾄ;
｛.ｊ........／>へ,､ 〈〉 ,. ﾍ＾ﾐ､ }........{ﾑ
Ⅶ... ヽ .fv 〈〉 ^) /.........}ｱ
特別編
●小ネタ 中山〝精〟王
. -＝＝=
.／r.―┐ |三|
./ ＠⌒┘ ｊ三ｊ＿_ 今回は盛大な誤字をやらかしてしまったことについて、
| /」 ＞ ¨ ` お詫びの投下となります
l ／ ＼
|三 7 / ＼ ＼ ヽ 内容はやる夫が事あるごとに、ドヤ顔で自慢するご先祖様、
.′/ /( ＼ ＼ ＼ 中山靖王・劉勝についてです
, / /⌒＼ 、
/ ,斧斗 三ニ=彡
,Y「1: V/り 斧斗 _ ｜ この劉勝も多分に劉家の血を引いている人物で、中々面白い
f {.ｌ :|{＿＿)- r― V/り /Y7./ | エピソードが残されています
八.:l ｊ l. 八 ` ー＝' ¨/ /// / |
`ｊ ..ノヽ ` ‐ _ ノ ./ ,: ./ 八 ちなみに、この人は棺が発見されています
)＼ ,仏＞―=≦ / .,: ( ／ 遺体を包む金縷・銀縷玉衣と、その他の遺品が発見され、
./ ∨ /..く_ (＿ ソ)八 人⌒く 当時の貴人がなくなるとどのような副葬品と共に葬られるのかの、
/ Ⅶ..../ ／| /:Y ........_ 貴重な資料になっているそうです
./＼ ＼′ |／ /::/ ∧......._
/.........＼＿＿/／| /く /.∧......}
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼ やる夫が劉備のご先祖、やる夫だお！
／（ ●） （●）＼
／ ::::⌒（__人__）⌒:::: ＼ やる夫はお酒がだーい好き！
| |r┬-| | 女も好きだお？
＼ `ー'´ ／
> < 子供の数は五〇から先は数えるの止めたお！ めんどいし
（ | / ）
`| /'
| (u) /
ヽ ヽ／
>__ノ;:::......
中山靖王・劉勝（代役・やる夫）
／ ／ ／ / ヽ ＼
/ / ／ ! / V ヽ
. / / ／//| //l l ﾍ
/ l // /＿/ il / l ﾘ ＼ ヽ
/ / ! j/ / ＿＿≧ﾄ､ | // l ト､＼ 匈奴が襲撃して来ただア？
/ l / / |. | ヽ ｌ:::ﾉヾ｀| // ｌ＼ ﾍ ｀
/,. l / / |. | ￣¨｀ |／≦Ｖ l! ＼ﾍ なァに勘違いしてやがる
// ﾘ / / k !. | ij:うl |＼ヽ ﾊ｝
／ｲ / / / /､ｰ | ! ヽ ﾑ/ ! ＼ヽ ちィっとばっかし漢の財政が上手く
/ / /イ ｀ｰj l ､＿__ ´／ ｌ l!ﾘ∧ l ｀ 行ってないからってよオ……
/ /l / ! ∧ j ‐- ＿ / .| V
/／ .j ﾘ ﾘ. / V. | ｲ | ﾃﾒｴ
l/ | / | / Ｖ ﾄ､ ／ .ｌ | 匈奴らが強くなったわけじゃア！
/ l/ l / Ｖl ＞ ＿_ ∧ ｌ | / ねエだろオがよォオオオオオオオッ！！！
l / lﾘ / ﾘヽ |V
ｲ￣￣¨ ＞.､ / ﾘ
イ─ ､: : : : : : : ＞..､ /
ｘ＜: : :｀ヽ ＼: : : : :: : : : :＞､＿
__ｘ＜: : : : : : : : : :＼ ＼: : : : : : : : : : : : ＼
／: : : : : : : : : : : : : : : : ＼ ＼: : : : : : : : : : : : ＼
武帝・劉徹（字は一方通行）
劉勝は前漢第六代皇帝・哀帝の息子である。
武帝の異母兄にあたり、紛れもなく皇族の一員であった。
＿＿＿_
／ ＼ ふぁ〜あ……
／ ⌒ ⌒ ＼ ヒマだお……
／ （ー） （ー） ／^ヽ
| （__人__）（ / 〉|
＼ ｀ ⌒´ 〈 ／ ⌒^ヽ
―――――――― ＼ _ _ ＿ ）
劉勝は酒好きで女好き（まあ、世の中の男性の大半はそうなのだが……）、
淫色に耽った王として、存命当時から有名だった。
孫に至っては１２０人もいたそうだ。
おそらく、孫の名前の大半は覚えてないだろう。
劉勝は中山国の諸王の一人、つまり王様だった。
そんなある時、同母兄の 劉彭祖 は弟に向けて説教をした。
( ヽ、
／.:.￣￣＿＿＼ ＼ やる夫よ
／: : : <＿＿ ＼ ＼ あなたと僕は同じ父と母を持つ兄弟ですよ？
／: : : ＿ <＿＿ ＼ ＼ ﾍ /⌒/
／: : : : ´ , ｀└--ﾐ ヽ、＼ - ＼ | なのにどうして女の子を追いかけまわしたり、
: : : : :／´ ｀ヽ 丶 - 〉 一日中酒を飲み耽ってばかりなのですか？
: : : :.（ ー‐ l ( ＼ !
: : : : ヽ_ ｀ _ノ ＼_ヽ { そんな様では、とてもではないが王の責務を果たしている
: : : : : : ´"''" ' "''ﾍ > 、 とは言えませんよ
: : : : : : . . ` ＼ ∠／ヽヘ
＼: : : : : : :. ⊂ﾆニつ ＼(⌒) ﾉ ＼
／ヽ: : : : : : : : : : : ヾ、 ／ ＼
／: : : :｀`ｰ- -‐'"´ ＼／ ＼(
,'⌒ ゝ ﾊｧ
ヽ＿ノ
趙敬粛王・できる夫（代役はできる夫）
ところが劉勝は、兄に対抗してこう答えた。
-―─- 、
／ ＼ 「やれやれ」だお
′ ⌒ ⌒ , できる夫にーちゃんこそ、毎日クソ真面目な官吏みたいな
i （ ―） （― ） ｉ 生活して楽しいかお？
| (__人__) |
､ ノ 盗賊の尻を追いかけまわして処刑したり、
⊂⌒ヽ ＞ ＜_/⌒つ 法律を頭でっかちに守って朝まで身体を酷使したり……
＼ 丶′ 7
＼ ノ ﾄ､_/ 王たる者は道楽や享楽の全てを極めてこそ
. ′ | できる夫にーちゃんは王にならなきゃよかったのにお
. i |
乂 ｲ
| /ー―一 、 |
し′ ､_ｊ
_..-''''ﾞﾞﾞ´ ﾞﾞﾞﾞ'''ｰ,,、
.／ U ＼
, ' ＿＿＿ ＿＿ .ヽ
./ （ ● .） （ ● ) '., ひ、人が気にしていることを
/ u . ￣￣￣ ￣￣ '., 堂々と言ってくれますね……！
. .,' ､ .l
l U ＿＿＿＿ l
.'., （ ） ,'
. ' , ￣￣￣￣ ／
ゝ、 ／
／｀ ー――――― ‐=''' く
／ ＼
/ ヽ
. /. ',
/ / i l
. / | | |
| | | |
兄の劉彭祖は痛いところを突かれ、グゥの音も出なかった。
同母兄弟でありながら、同じ諸王でありながら、劉勝と劉彭祖は
対照的な性格であった。
／ ＼
／ ⌒ ⌒＼
／ （ ●） （ ●）＼
| ⌒（__人__）⌒ |
＼ ｀ ⌒´ ／
/⌒ ヽ
| ヽ＿＿ ＿ ',
:､＿ ） （￣ ＿丿
| ／ ￣｀ｉ ／￣ ｀ｉ
| | , |
∧ | |＿_／ /
｀ーヽ ＿ | | ＿／
（＿＿） ､＿＿）
さて、ここまでが劉勝に関する生前のエピソードである。
王として殊更優秀な治世をしただとか、
将として優秀な軍事指揮官であっただとか、
その手の男の本能をくすぐるエピソードは残されていない。
／ ｊ -━=＝ミ
/ ／ ＼ ですが、もう一つ彼にまつわるエピソードが
/ ／ . あるのです。
l＿＿/ .:
′ / ,/ （ 劉勝の棺が開かれ、中に収められていた副葬品
/( ＼ は当時の貴人の生活を考える上で貴重な資料となっています
/⌒` ＿ ≧-＝彡' このことは、冒頭にも書きました
f斧芹 f斧芹 |
.|! 乂_り . 乂_りV その中にですね、あったんですよ
八 ' .: 八 j
. `ﾄ r . _ ノ ／ . どこぞの誰かに、強烈な印象を与え、
＼ .＞- -= r 〔 ／ 「 中山〝靖〟王 」 を 「 中山〝精〟王 」 と脳内情報を
/ ⌒..ｆ......|! ≧ー＜ ` ＜个⌒ヽ 書き換えさせたシロモノが！
,:............|......|! ∧ |!..... |..........ｌ
.............. |......|! ∨ |!..... |..........|
それは……
バ イ ブ である！！
／⌒＼
（ ）
｜ ｜
｜ ｜ ドーモ＝ドクシャ・サン
｜ ｜
｜ ｜ キング・バイブ・デス！
(○○○)
○○○○
(○○○)
｜_, ､_｜
（ ・∀・ ）
| |_|.|
| |_|.|
|＿＿_|
（１１）
＜三=:!＿＿_
／ ＠ ＞┘ `
/≧ _.／ より正確にいうなら、
| 三三/ ( ｛、 木材を男性器状に彫った 「張型」 ですけれど
￣ /¨ / ( ＼
/ /( ＼ 、 ちなみにコレ、現存する中国最古の 張型 なのだそうです
/ ` _ 三ニ彡' :.
ｨ fﾄ. ｨ fﾄ. 王様の副葬品ですから、よっぽど豪華だったんでしょうか
ｺﾞｸﾘ…… ｛ l 乂ﾂ 乂ﾂ / 材質が純金とか……
八 ＸＸ ＸＸ .: .八 私は死んだ後、いくら愛用していたとはいえ棺桶にバイブ
` 乂._ ^ _.ノ.イ ／ を入れられるのはイヤですね……
_⌒ノ≧ ＿ ≦、 ≦
/7f.......{Ｙ'(⌒く _ ソ_人(..........化! 珪孔雀はこの情報を知った時、図書館で大爆笑をかましました
〃.........j(...|! 〈〉 |!...)f..........仏
ｊ」...........j(.. |! 〈〉 r ‐＿.......ｲﾄ; 本文で何度も中山精王と書いてしまいました……
｛.ｊ........／>へ,､ 〈〉 ,. ﾍ＾ﾐ､ }........{ﾑ 指摘してくださった>>136さんに感謝を！
Ⅶ... ヽ .fv 〈〉 ^) /.........}ｱ
特別編
●小ネタ 中山〝精〟王
.終わり
哀帝は歴史に名を残すホモ野郎なのですｗ
またやらかしちまったお……
素で勘違いしとりました。
お恥ずかしい……
作中でミスがあったら、今後とも
お知らせくださいｗ
ですが、靖王・劉勝は六代皇帝の息子であること、七代皇帝が武帝・劉徹であることは
再確認してきましたので、ご安心を
非常に申し訳ありませんでした
_ ....r――┐
≦ イ........... |-=＝ニ三ミ、
.,ィミ; |.............ｊ `
...く 《X彡' _.}. . -＝ミ､ ＼ やる夫たち三国志、第一部、第二話の進捗状況をお知らせします。
く.........＼/ | :.
＼....... L _.j _ 〟 ３分の２ほどができあがっております。
,＼/ ./ ＼
/ / / ( ＼ ｜ 明日の２２：００より投下を開始したいと思います。
/ ,: { ／( ＼ ＼ `, .|
.′ .: ／＼ ､ ＼ Ⅶ! 是非お越しになってくださいな
l ,r＝ミ、 ` ＼ 、 Ⅶ!. ｜
| ¨⌒ヾｘ, ヽ :. j( ｜
| =_- _ ＼ j( |!
| l | ヱミｘ、 V | ,j( |i
八 乂_ , -_ `ヾく、 ,j( 八
`/⌒ヽ , _ =_ `" , j( 八,(
.,...........(＼ {ﾉノ ,ノ ／ 八,(／⌒ヽ
/.............. ソ＼ _ -= ／¨⌒＜//.....)く......＼
/................ `く ` ―ｒ ＝≡ニ三彡'................ //..........)く.......∧
,/..............／／.......フ_У＜_ソーく /..................., (................)く./...∧
,(..........／／........／ ／| /....................j. (...................)く../..∧
.／ ＠ .＞＝┘ ｀ どうも、>>1こと珪孔雀です
/三三／ `（ ＼ ＼
/ / / ＼ ＼、 ,-'"~"'ヽ 実は、本日２２：００に投下予定だった
ｉ: / ` ＝ ./ 。 0 i
｝ . ＿ ノ ゜/ やる夫たち三国志第二話なのですが……
} 八 ( _＜＿＿＿,.ノ
/＼￣￣￣￣￣￣￣≧=‐- -‐=≦￣￣￣￣＼
＜三三三|‐-ミ 気が付いたら、２５４レスにもなってしまったのです！
.／ ＠ .＞＝┘ ｀
/三三／ `（ ＼ ＼ 珪孔雀はやる夫スレは今作が処女作なので、
/ / / ＼ ＼、 ヽ . 投下にどのくらいの時間がかかわるのか、見当もつきません……
ｉ: / `＝＼､ﾉし/'
｝ . × Σ:. て ﾊﾟｰﾝ また、読者のみなさんに夜中まで、
} 八 ( cっ .ﾉ , お付き合いしていただくのもアレなので……
/＼￣￣￣￣￣￣￣≧=‐- -‐=≦￣￣￣￣＼
＼
＼
＼
＼
＼r───────────────────┐
ヽ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ /
|', ＜三三三|‐-ミ /￣￣
l∧＿＿＿.／ ＠ .＞＝┘ ｀ ＿＿＿＿ ./
__ | | /三三／ `（ ＼ ＼ :|
| |＼ | | / / / ＼ ＼、 ヽ :. | 投下開始時刻は、
| |. ＼ | | ｉ: / ` ＝ミ、 |
| | ＼ .| | ｝ . 0 0 ﾄ } | 本日
| | ＼ | | } 八 ( ＿ .ﾉ ,: | ２０：００
| | ﾄ､ | l . ´￣＼ ≧=‐- -‐=≦ /｀丶、 |
| |＿＿＿＿/ﾉ￣｀ヽ | | ／ ヽ ｀ヽ| に変更させていただきます！
| | |＼＿ ノ | |i / | ||
| | ＼＼ | | | || { ＿＿＿＿ ||
| | ＼＼ | | | || || 朝令暮改で申し訳ないです
| | | | | || | ||
| |＿＿＿＿| | | || | || 私が将軍なら斬首モノですね、これ……
| |￣￣￣￣| | | || | ||
| | | | | || 丶 | || では、そういうことでお願いします
[SPLIT]
/ , :f ヽ 時間となりました
l _/ 八 (
v /¨ `＜ ＼ 投下開始します
i: |.ｔｇ ｔｇ.Ｙ ; | ｌ
八人'' _ . 'ノィ ノ,／
`⌒≧=≦ア≦
f/...j⌒ー^j(....Ⅶ、
v...j( 〈〉 j(..........Ｖ,_
┃ ┃
┃ 【正史】やる夫たちは中原で覇を争うようです【演義】.┃
┃ 第一部 『群雄争覇』 ..┃
┃ ┃
┃ 第二話 「覇者占拠洛陽」 前編 ┃
┃ ┃
┃ ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
黄巾の乱で名を上げたやる夫は、
功績から 冀州中山国安熹県 の県尉に任官されていた。
この中山国、やる夫の先祖である 中山靖王劉勝 の国でもある。
※県尉……現代で言うところの、警察署長。
._,,ill| ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,__ .__,,,,iiiiil!!!lﾞﾞﾞ゜ .ﾟﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ＾ .,,,iill!ﾞ’ ,,illl .,,iiillllll!!lllllll
.,,,iiiil!!!ﾞﾞ’ lll!ﾞﾞﾞ”ﾟﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ!!!!!!!llllll! 幽州 ,iiiiil!!ﾞ° lllllﾟ,,iill!ﾞ°
.,,ill!ﾞﾞ｀ llll, llll、 .,,,、 _,,,,,,iill!ﾞ｀ .ﾞllliill!ﾞ｀
lll!ﾞ 'ﾞ!!!lliillliiiiii,,,、 ﾞﾞ!lli,..,illllli,、 .,iiil!!!!ﾞﾞﾞ゛ l!!ﾞﾞ゜
llli,,、 ,,,ill!!!ll,、 ,,,,, .ﾞﾞ!lll ﾞ!lllll!ﾞ.ﾞ!!lii,,,iiiilll!!!!li,,
.ﾞﾞ!llii,,. ,,,ill!ﾞﾞ .ﾞllli,、 ,,ill!!ll、 ,lll lll| .ﾞﾞﾞﾞﾞ’ .ﾞ!llii,,, .,,,iiii,,,,,,,,,＿
.ﾞﾞ!!l!!!ﾞ’ .ﾞ!llii,,,_,,ill!ﾞ゜llll、 .,ill! 并州 llll ●中山 ,,,,iiillllli,,,_ ,,iill!ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ!!llll
ﾟﾞﾞ!!!!!ﾞ° ﾞ!liii,,,, .lll!ﾞ lll" 冀州 iill!!ﾞﾞ゜ ﾞﾞﾞ!!!lliiiiiill!ﾞ゜ .,,,iiill!!
,,,,,,_ ﾞﾞﾞ!lli,iilll｀ ﾞ!lli, .lll、 青州 .,,,iill!ﾞﾞ°
ﾞﾞﾞ!!lliii､ ﾞllllllii,,, ,,,,,,,,,,、 .ﾞlll ,,illliii,,, .,,,iiiiii,,,,,,illl!ﾞ°
,,,iiiiiill!ﾞ 涼州 .ﾞ!!ﾞﾞﾞ!lli, ,ill!ﾞﾞﾞ!!llii,, lll,,,,,,,、.,,,iiill!lﾞ ﾞﾞlll,,,,, .,ill!ﾞ~ﾞﾞﾞllllllﾞ゜
lll￣ ｀ '!ll、 _,,lll′ .ﾞ!llil, ,illlﾞﾞ!llliill!ﾞﾞ゜ !lll!ll,.ill!′ .lll!ﾞ°
ﾞ!!lliii、 lllliiil!!!!ﾞﾞ .'!llli,,iill!llii,,,,ﾞﾟﾞﾞエン州 ,,ill!.llllll!l lll,、
ﾞ!llii,, _,,,,, ,,,,iiill!ﾞ゜ ﾞﾞﾞﾞﾞ°ﾞﾞﾞ!ll、 .,,,iill!!ﾞ゜llll′徐州ﾞ!lllii,,
ﾞﾞ!!lliii,、 llll!llii,,,,iiill!!ﾞ”” 司隷 、 .,ii,,,,,,,llll, .,,,,iill!!ﾞ゜ .llli,, .ﾞl!lll、
ﾞ!lli,, 'lll,,.ﾟﾞﾞﾞﾞ” ｀ .,,ill!llllﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ!!!!!!ﾞﾞ’ ﾞ!!liii,、 .ﾞ!!lii,,
.ﾞﾞllli,,,,、 .ﾞﾞ!!!liil,,,,,,_,,,,,,,,,、 .,,,illl’.ﾞ!llii,, 予州 '!lll ﾞﾞ!lii,,,,
.ﾞﾞﾞlll| .,,ill!ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ!llii,,,,,,,,_ ,,iiil!!ﾞﾞ . ﾞﾞ!lli,, ､ .,,,,,,,iiilllliiii,,,,,,,,,,,,,,,,,_,,llll!
,llliiii,,,,,＿,,,,ill!ﾞ｀ ﾞﾟﾞﾞﾞﾞﾞ!!!llll／ .ﾞﾞ!!liii,,,、 .,,,iiiil!!!ﾞﾞﾞﾞ’ .ﾞﾟﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ!lllll,,,,,、
.,,iiiiiliil!!゜ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ゜ llll,,,,,、 .ﾞﾞﾞ!!llii,,lll!ﾞ″ ﾞﾞﾞﾞﾞ!!lli,
lll!ﾞ｀ ﾟﾞﾞllllll! ﾞﾞ!llll 揚州 ﾞ!lli
.lll″ 益州 ,iiii,,,,,iill!ﾞ° 荊州 ﾞlll,、 ,,,,,,illl,,__
.lll, ,illlﾞ”””｀ ﾞ!lliii, '!!ﾞﾞﾞﾞﾞﾞ!!llll
.ﾞﾞ° ｀｀ ﾞﾞﾞ′ 'ﾞﾞﾞﾞ
,,llllllllllllllﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞllﾞllili, ﾞll, ／￣ ＞ ¨¨¨¨`
'lll′ ,l．●安熹,,,l / ／
.,ll‐ 常 ,,,l .,lllﾞ゜ ｌ ＠./ 〃 ＼
,,llllﾞ l, ,l｢,,,,,, |＿ ′ ./ ( Ｙ :|!
lilﾞ° 山 ,ll ll| .. .| f ｎ ` ＝-∩ :| |!
ll l 中山国,,,,ll . . ｌ U ゝ! 八
'ﾞll,, 郡 ,l′ ,,lll .,,,!'''ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ l . 八 乂 r _）ノｲ ／
'ﾞlll,,, ,,,,,,,,,,,llllq .,,,,,,,,,,,illl｀ ._,,,,ll河間国 l `≧― =＝ﾆ彡イ-
ﾞﾞli_、 .ﾞｉ lil ﾞlllllilﾞﾞﾞﾞl,,,,,,,, l : ..
.ﾞ!l, .ﾞ'' ,,,,,,il ,il′ ﾞl, , lll 典略には面白いエピソードが載っています。
ﾟﾞllllll． .ﾞﾞl, ll ﾞl,,,,,, １８７年に張純が反乱を起こした際に、劉子平
,l″ ､,l、 ﾞll, 信都国（郡）lll という人物が やる夫 の武勇知略を知り、反乱鎮圧部隊
,,ll° .,,,,,,,,ilﾞ｀ l' lll に誘いました。やる夫は従軍し、敵軍と会敵。
illl :llﾞ_、 l . ,,,illlllﾞﾞﾞﾟ' ,,,,,,ll
,ilﾞlll,,_______ ,,ﾞﾞﾞll,i,, l,,llﾞﾞ′ ｀｀ﾞll 勇敢に戦ったのですが、負傷してしまい、死んだふりをして
,,ill° ﾞ,ilﾞﾞﾞﾞ｀.li、 .'l! l゜ 戦闘が終わるまで耐え忍んだそうです。友人に助けられ、
lll 趙国 ,ll′ .l､.,,,,,,,,,,l″ 清河郡 l, やる夫をは窮地を脱しました。
'lllﾞlll ﾞﾞ|li､ . ﾞﾞﾞﾞ”llli〟 ll
.,,,,,,,, ,,ll .ﾞllll ,, .'li,広平国llﾞ゜ ﾟli,,, ,,l｢ この戦闘は張純の鎮圧に貢献したらしく、その軍功から、
.lllﾞ`ﾞlﾞﾞ゜ ,,lﾞ ﾞll|､、.,,,l!、 ﾞil,lﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ 安熹県の尉に任じられた、とあります。
｀ﾞll! 'ﾞﾞ'''ll, ,,,,,llﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ’ ,ilﾞ
ﾞﾞllll,,,_ 魏郡 lll （ただし典略は魏の立場に寄って書かれているため、劉備や蜀
.ﾞﾞﾞ!!lllll,,,、 .ll 関連ではノストラダムスの大予言並みの信頼度しかない）
｀ﾞlllll, ,,,,,,ll
: : : : : : : : : : : : ／／.::;;.／_;,_ ,:_._＼.:.::;;;;;;;;;;;::.: : :..＼＼: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.
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: /';.､';.､／／.::;;.／.,_ _;_ .: . .: :;_ ,_ _;.＼.:.::;;;;;;;;;;;::.: : :..＼＼';.､';.､∠;;;;;;／＼';.'∠;;;;;;／＼＼
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／イ_i}:;.／_, ;._ |i￣||￣i| | [.,＿,.] | _, ; _ ;.＼__,,,... -ｰ''''"~Π ;.､';.､';.､';.､';.､';.､';.､';.､';.､';.､';.､';.､＼
／.:| i／_ _; ;_, |i＿||＿i| | .::;.|:. ,.;|:|;.､';.､';.､';.､' i | ';.､';.､';.､';.､';.､';.､';.､';.､';.､';.､';.､';.､';.､＼
;;;;[肖]i============================================![肖]三三三三三三三三三三三三三/
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: :{|:|: | }| /| i| i| /'|:,. .:|i;;;i;;;i::|::i;;;i;;;i|;._,. _;,_ _ :| ／／~~~~) ,／／￣￣~|i|~￣￣＼＼ |
:: {|:|: | }| /| i| i| /'|: . {|i;;;i;;;i::|::i;;;i;;;i|} _,:,| ,/ /;::. / / (（~~")):: {|i|=={i◎:;:;;) ヽ
: :{|:|: | }|＿i|＿i|＿i|＿|:,. [:]!|i;;;i}:.0|0.:{i;;;i|:.,_ _ _, :i/ ￣￣￣γ'"~~"i~￣￣~|~￣￣~i"~~"'ヽ￣]
:: {|:|: |ゞ＠ﾐ;ﾉ ': {|i;;;i;;;i::|::i;;;i;;;i|} [;;=;;] : γ｡, ^ ,｡ヾγ'⌒ヽヽ = i!|i! =ii γ'⌒ヽノ==i}
: :{|:|: | i~￣~i;.:,. :|i;;;i;;;i::|::i;;;i;;;i| ({i◎[二]l◎ii})_,i i Ｏ i :i､,＿|＿＿,/i i Ｏ :i i､,_[{l
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣[＼三三三三三三＼￣￣￣ゝー-----ー丶ゝ,__,ノー-----ー丶ゝ,__,ノ-ー'
~~"'~`'"""'~`'"`~"`'"~"'~`'"'~`"~~"~`'"'~""""~"'"~`~"~"~"'``"~"~""~`'"~`~"`'~"`'`"~'`"~'`~"'`~"
, . =-´￣￣`ゝ‐､
,ｨ.‐フ´, ､ ＼
,''´／/ ,′ ﾄyi i: ､ ヽ. ﾞ. おっ兄ぃさま♪
（. / ,.' i i.i |｀ﾞi!__!､_ﾞ. :ﾄ. !.',
ﾍ i! l!'TIヽ! '! /_!､_! :l::.i:ﾐ.ﾞ! ご飯の時間だよー
,'::!､├'仗ﾘ` ﾘ '之ﾘ´:!､:!ﾐ./ 一緒に食べよーよ
./: ::i:ヽi!:i,,¨ ､ ,,¨ﾉ' :lﾉ:/ }!
（ :.:il!､ヽ!:ﾄ､ 丶-' ' ,| ::|;'i|.ﾚ
ゞ（ヾ､| |:ヽ｀ .r ｲ´.i| :i':i!l.:｀ヽ.､ /ﾚ
´ﾞ| |ヾ､,..ﾘ | :!人､_,:::ﾏﾐｧｰ､__ { Y }
.| | __ ノ__,,イ| :!.:::::::::::::::ヽ｀ｰﾍソ､スｰ ､ r-γ´
,..l !;':::::::::::::::::ﾍ.lヽ:::::::::::::::::＼ jヽ ゝメ⌒ｫ⌒ﾒ､ノ
{::.i !ｨ⌒ヽ::::::::::ヾ!.:/`γ´￣ ﾏ / / ｀¨＾ｰ´
ﾘ:::.ｌl ﾑ;;;,::::::::/ ヽ У {__,,.. -‐ ￣ ｀)
/:::::ヾ!:ゝ=::'::::::::::/ '., ,,. -― ､- "￣
/;;;;;:::::::::::::::::::::::::::ﾐ{ { , ,.- ｰ- ミ
(´:::| ｀￣￣ ｀ﾞ''ヾ:! ゝ( ヾ ｰ- ､'
｀ヽ! , ヽ ｀ｰ-｀ｰ-'
/ } ＼
, ',
●関羽（字はアチャ子）
正史によると、この頃のやる夫はアチャ子、トウカと同じものを食べ、同じ布団で寝たのだという。
現代の我々からすると、兄弟同前の人物と同じものを食べるのは当然として、
同じ布団で寝ると聞くと、
_,,-i､
_,,―''"｀ ﾞl, ＿_
_,,-‐'″ ﾞl、 /| ｀ﾞ'''ｰ-〟
,,,,-‐"｀ _ |、 ,i´lﾞ .lﾞ
.,,-''"｀ _,／"| ,li､ 丿 .lﾞ ,lﾞ
..〔 _,,,-'"゛ .| ,"|、 ,/ │ │
`ヽ .,,-'"｀ ,,,-， ,lﾞ │ ﾞl、 ,/ ,| ,i´
ヽ ,／ .／′ ﾞッ′ 丿 .ﾞl ,/ ,l゜ │
ﾞ'ヽ、 ヽ .,/_,,,,,,,,-←i､ ,,-‐i､ 丿 lﾞ ,lﾞ
｀'-,、 ﾞi､ .,,/｀ ﾞl | .ﾞl ﾞl ﾞl .,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,ｨﾆ,,,,,,,、 .| ./
`'-、 ﾞl ﾞﾚ、 ﾞl .ﾞl .ﾞl | .| .lﾞﾞl | .| │
｀''-| | ＼ │ .ﾞl ﾞl .| .l .| ,←―――――-r",,-“',,,Ｚ″
/ | ｀'i､l,--←'''''ﾞl / .l│lﾞ ,,-ンシ广゛ lﾞ
丿 .| ﾞ'ﾐヽ.__,,,,-'" .,iﾄ|│ ,,/ﾝシ'゛ .lﾞ .|
,i´ / `!|、 ,lﾞlﾞ|.lﾞ ,,r'/ｼ'".,,／ﾞ~ﾞﾞ二''"
｀'ヽ,、 .,/ ﾞﾞl,_,,,,-''"｀ ||,lﾞ .,,/ﾞlｿ'ﾞ,,-'"_,,,-‐'″
`'ﾍ-,,,、 ｀'i､ ,lﾘ .,,,ji!'彡‐,ン‐'"
｀ﾞ''ｰ-＿ ｀ヽ .l|" ,,,il|ﾘﾆン''″
｀ﾞ'''ｰ-,,,,＼ ,ﾘ,,,終ﾞ‐'゛
｀ﾞ'"ﾞ'ﾞ″
男だらけな夜の運動会を想像するかもしれない。
古代中国では、同じ布団で寝るというのは信頼の表れである。男同士で生産性のない性活動をするのではなく、
布団の中で大望や今後の展開、または見識を授けてもらったりするのである。
断じて、ホモではない。
わかりやすく言うなら、本番のないピロートークのようなものと考えればいいだろう。
………………アレ？
, ′ , ｀ヽ｀ﾞヾ.､
/ / / / ﾊﾊ ヽ＼ ヾ.､ あ、あれ？
ｉ ,' ,' / /./ﾞﾞ"ﾍ.i i `ﾞ､ヽ )）
j i ,' _,'ｨ,」_{ }_i! i.l i.i 〉,'′ いないや……
:ｉ l {_i Ⅵﾆ!ﾒ｀ ´_!ﾅ‐ﾘ!. |ｌ!/ ′
!! l i l代:ｿ` 代ｿﾃ‐! ﾉl!,′ どこをほっつき歩いてんだか
ﾉ,! {! ﾄ.!ヾ , ¨´ﾉ'ﾉ'i ﾉ{
ｰ=' | ! iﾄ､ ノ'!'ｲﾉ! i
.乂.! |!`iヽ ‘ ’ . ｲ（ {./ | 丿
,ゝ‐― ､ヽ!.|i!,| ＞＜| ノ'i ､!ｲ/
_＿
／ ｀ヽ
-‐ '´￣｀ヽ､ ＼
／ ＼ 丶 ……ただいま戻りました、兄上
////リ从ﾘﾉ））ﾊ ヽ, i
,〃 {_{ ﾘ| ｌ | l
／ﾚ!小ｌノ ｀ヽ 从, |/´｀ヽ
彡ソ'´ |l ● ● | |ﾉ从ミヽ
|ﾍ⊃ ､_,､_,⊂⊃j │ │ﾐゞ
| /⌒l,､ __, イァ│ |
. | / /ヽソ ｲ彡'´ ヽ |
ﾚ| l |l| ノ |l| ,l |
.●張飛（字はトウカ）
,．'.´ ´ ｀ヽ.
, ≠ｨ ヽ､ あー、お帰りトウカ
_.．'´／ ,ノ , . ､ ､ ヽ.
´ ／ .:/ ,' , ﾊﾊ i.i ヽ. ﾞi ﾞ. 悪いんだけどさ、お兄さまがいないんだ
ﾞ. ｲ .' !iﾞ゛"i i !i.i i : i. ﾞ.
! ,'i! i. !＿i.| ｰi-‐ﾅiﾅﾄ|.i ﾄ. i ! 晩御飯、もうちょっと待ってくれる？
i ,l: l､'´!＿ﾘ｀ ﾘ´ｨﾃ'‐テﾒ-ﾄ.ヾ.li:i
ノ ﾉ!ﾄ.!ﾊメ弋刃ﾞ ´!/ '¨¨´ﾉ! ,'ﾉ､ ｉ| ﾞ.､
, 'ｲ ./ iﾄ.!: ヽ.ﾞ､ ' ´ /ｨ' !:､! . ﾄ. ヽ.､
., '´,' ./. l! !､:i !メ､u ⊂ﾆ⊃,'' .| ､i ﾉ!i ヽ. ｀丶
,. ' / ./ ﾉ/）ﾞ!i' i!'＞ . ,. イ!: i｀ヽノ ノ'
{../ .'´//ry!: i|､:. ,ﾉ/≧l ,''! :|彡'ｲ,､
ﾞ､! .,' i' ﾉi!: ,'ヽ:.ゞ､´¨¨¨ﾒ.i! :!':.,ノ ヽ､
_＿
／ ｀ヽ
-‐ '´￣｀ヽ､ ＼ あ、兄上……！
／ ＼ 丶
////リ从ﾘﾉ））ﾊ ヽ, i じ、実はやる夫さまが、やる夫さまがぁ……
,〃 {_{ノ ｀ヽﾘ| ｌ | l
／ﾚ!小ｌ● ● 从, |/´｀ヽ うっ、うぅぅうううう……
彡ソ'´ |l |｜､_,､_, |｜ | |ﾉ从ミヽ
/⌒ヽ__|ﾍ|｜ ゝ._） |｜ j /⌒i ! ﾐゞ
＼ /:::::| l＞,､ __, イァ/ /│
. /:::::/| / ヽヽソ ｲ彡ﾍ､__/ |
｀ヽ< ﾚ |l| ノ |l| ゝ |
, ゝ ' ⌒￣￣ヽ.ゝ―.､
, ',´- ＼
,.ｨ'',´ｨ ､ ヽ.
, '´ ,ｨ´ ,ィ´ ヽ､. ヽ. なっ、トウカ！
´ , ' , '/ iﾄ､. !
i ,' ./ ./ / , ﾊ./i.i .i ,i .i i､ヽ. ! な、なんで泣いてんのっ？
ﾍ .// / / ,ｲ/゛"'!i !ﾘi i i! i !
! ,'.,'/ /, ,'＿/','/ i! i!,'!_!_ﾉ, !,ｨi i .i!
ﾉ/ !,'! ,i!__!メ=ミﾒ､ i'イ夭斥テi!ﾊ!i l i!
. ノ,'i /!.! .ili! ,i7`､廴ｿ .ﾉ!ﾉ' ゞ‐!',' !丿! i!i
ﾍ i,'!,ﾍ.i ,'!i i i!i､""" ﾉ' """ ﾉ! !'ﾉﾉi ﾄ.!
. ﾍ i!i! _ﾍ!ヾﾐ､i!〉､ﾊ ′ .'ﾉ i_/ノ〉,!ヾ､､
ﾍ!ｨ!´`i!¨`ヾ､T´::!､⊂ﾆﾆ⊃uｲ' i.!::７/′ ｀｀
/.::::::::::::i::ヾ:::､::ヽ:i!_i＞-＜_,/!i i!!:/λ
_＿
／ ｀ヽ
じ、実は…… -‐ '´￣｀ヽ､ ＼
／ ＼ 丶
； ////リ从ﾘﾉ））ﾊ ヽ, i {
,〃 {_{＼ u ／ﾘ| ｌ | l ；
／ﾚ!小ｌ● ● 从, |/´｀ヽ ｶﾞｸｶﾞｸ
彡ソ'´ |l⊃ ､_,､_, ⊂⊃ |ﾉ从ミヽ
ｺﾞﾆｮ |ﾍ { } _l | ! ﾐゞ
ｺﾞﾆｮ ；: r'⌒)､._￣_ (´ j / | {
} /ヾ三}ヽヽソｲ{彡'´} | ；
; ｌ ﾉ.|l| ノ |l|| l |
; ゝｰ' |l| |l∧＿_j |
-‐‐ﾆ ¨-￣￣｀ヽ.
／'´￣．＜´ ￣｀ ､
〃 ／ ィ ,ﾍ ﾊ ヽ. 丶
/′ , ' ／/ / ﾄヾv,ﾊ. i ，
,' / ' ,' ﾊ |゛゛^"´|i＿ﾄ. .
', {.i!,+＋ﾄ､ .'T|__j｀ﾄ､.ｉ |
} ﾍﾊ_ｨﾁｷ- ﾅfえ艾_|_ ,
: .i ヾﾍ`匕} 匕ﾉj, |ﾊ} !
| ﾊﾄi｀ﾄ､ ,ｲ i'ノ .| う、うそでしょ……！
{ i!|ヾ| |ﾞヽ .-， ク! | i､.!
∨|l! | |､ィﾞ＞ _ イ_)j! .!､ 八',
V!ヽ.| ﾚﾍ::|:.ﾞiYi´.:.:.:.:.|! |:.:i′ ヾ､
... |==|==|==| ;; |==|==|==| | |‖ 【パブ】 〜紅楼夢〜 ‖"ﾞ￣￣￣
√ |＿|＿|＿| Χ |＿|＿|＿| | |┗───────────┛
￣￣￣￣ ￣￣￣￣ ;;',; | [￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
#; ;; | | ）~（￣￣￣￣￣￣￣￣:）~（￣￣￣￣￣
────────┐三三三三三三三三≧!ﾞ（ () ） ;;' （ () ）
用品のモララ商店 .｜ ;;',; | ;; | {三} [二二二二二二]# {三}. }三三三{
────────┘ I／ｌ⌒ｌ＼I | ;; |７ |l . . . . . . .|| || || ||
＿＿＿＿＿＿＿＿ Κ | | | | | ;; | ||: :. :. :. :. :. :. :. || ζ ||--||--||
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: | |==|==|==| | ;; | ',;'; ||´二＼ ／二｀|| || || ||
: : : : : : : : : : : : : : : : | | | | | | ;; | ||三三 l l 三三|| ;;': || || ||
: : : : : : : : : . | |==|==|==| ;; | ;; | || ≡≡l l≡≡ || }三三三{
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| #;￣￣￣￣ ;; | ;; |＿＿＿||_;;_;;_;;_;;_;;_;;_;;_;|l＿[::ヾ〃::ヾ〃:ヾ〃
￣￣￣￣￣￣￣￣| |┬ ‐ ┴ ‐ ┬ ‐ ┴ ‐ ┬ ‐.┴ l二二二二二二
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣ ￣ ￣ ￣ ￣ ￣ ￣ ￣ ￣ ￣ ￣ ￣ ￣ ￣
＿＿＿
／⌒ ⌒＼
（● ） （● ） ＼ 従業員さんの桃肉に
. ﾌﾟﾆﾌﾟﾆ (ニ~`ヽ、 ／:::⌒（__人__）⌒::::: ＼ パイタッチ！
(((_⊂>ヽ| |r┬-| | やる夫のインペリアル・フィンガー
. ＼ ＼ `ー'´ ／ で天国に連れて行ってやるお！！
. ゝ-| ヽ
ヽ ＼ ホントはもっと違うとこ触りたいけど、
＼ さっきから黒服の人に見られてて怖いから、
＼ 上で我慢しとくお！
＼
●劉備（字はやる夫）
/￣｀丶､
＿＿＿/: : : : : : : ￣ ‐- _
◯ /´: : : : : :.|: : : : : : : : : : : : : : : : : :｀丶 °
o /: : : ´: : : :.| : : : :ヽ: : : : : : : : : :＼: : : : ＼
/／: : : / : : | : : : : : ＼: : : : : : : : : :＼: : : : ヽ
／: : : : :/ : : : |:.ｌ: : : : ハ ＼: : : : : : : : : :＼: : : :ヽ そ、そこは……！
／: : : : : /: : : / |:.ｌ: : : : | ヽ ＼: : : : : : : : : :＼: : : ', だ、ダメです、お客さま……あっ
／:／ : : : : /:|: : :/ |:.ｌ: : : : |ー-＼＜＼: : : : : : : : : ヽ: : i
/: /: : : : : :./ ┼: /-‐ﾚﾍ: : : :| x行代心＼ : : : : : : : : ＼!
/: /l : : : : : ,': :/|:./x行外ﾍ.: : :l {ﾊﾄ イljﾞヾ＼: : : : :＼ : : ヽ
∨ .| : : : : : : /: ｌYﾊノﾄｲ| ヽ : | V込:: ﾘ |＼: : : : 厂lヽ| Ｏ
| : : : : i / : : :l V少 ,＼| ／／／｀ |: : ヽ: : :| : |
', : : : :.|ﾍ: : : :|. ／／／／／／／／ |: : :.: |∨ :│
ヽ: : : |:∧: : :} ^＾ ,': : : : | : : :│
＼:|:ｌ ヽ:.:ゝ /: : : : :,': : : 八
O ｡ ヾ{ ∧|: : :＞ イ-/: : : : :/: : : : : :.ヽ
ｌ: :|: : : : : : |＞ ー=r＜ Ⅳ: : : : :∧: : : : ヽ : 丶
ｌ: :|: : : : : : |＼:_／ } //: : : : :/＜＼ : : : ＼: :＼
|: :|: : : : : : |／ _/＿＿//: : : : :/ ／／ ＼ : : : ＼: :＼
|: :|: : : : : :/ ｌ'´ //: : : : :/´／／,二-ﾍ: : : : :＼: :ヽ
∨ : : : : ∧ |: //: : : : :/／／／ ヽ: : : : : ＼: ',
/: : : : : ∧ヽ | //: : : : :/´／／ ',: : : : : : ヽ}
／ ＼
／ ヽ ／ 丶 あ、あれ、おかしいお……
/ （●） （●） ヽ やる夫の予定だと、
l::::⌒（__人__）⌒:::u:l ここでパンチの一発や二発飛んでくるはずなのに……
＼ |r┬-| ／
/ `ー'´ ヽ
し､ ﾄ､ﾉ
| _ l
!___/´ ヽ___l
＿＿＿
／⌒ ⌒＼
ﾌﾟﾆ （● ） （● ） ＼ まあいいお！
. ﾌﾟﾆﾌﾟﾆ (ニ~`ヽ、 ／:::⌒（__人__）⌒::::: ＼ 触らせてくれるってなら
ﾌﾟﾆﾌﾟﾆ (((_⊂>ヽ| |r┬-| | 触りまくってやるお！
. ＼ ＼ `ー'´ ／
. ゝ-| ヽ
ヽ ＼ ほらほら、ここがええのんか〜
＼ ん？ ここがええのかー？
＼
＼
きゃっきゃっ
うふふふふ……
＿r ´￣￣|
，‘ .|
, ,. .|
. / / , i |
l / / ,ﾉ , /i:|
! ,'i ,′//i ,'/ .|
. | ,'.::!. .!‐ﾅ/｀|｀i. | お、お兄さま……
! ,'.:::i.ィｫ=＝=ミjヽl.|
､i:,ゝ! .{ ' | 晩御飯の時間だというのに、
ﾍ!､',|::..｀ｰ---'l ,| こんな所で……！
i!::｀|::: lij | li il|| |
l::､|::: ﾄ､. ｒｰ|
|i:r|:::. ﾄ､＞ ．..｀=|
ﾉ'!:.|:::: |:.｀..‐┬イ!.|
ｰ-'‐'､:.!:::: |.:.:.:.:.:.|.|.|..l.|
_...ｨ':.´｀ヽ;.:!:::: |､_:.:.:.{〈.{ . |
':.:.､､:.:.:.:.／.:.!::: j`ゝ＝'-'ｰ'.|
:.:.:.:.ヾ.ｨ'／.:.:i::: |:.:.:.|| .:.:.:.:.:.:| ： ： ：
.:.:.:.:.:.:.ヾ.､:.:.:.!:,'!.:.:.:.:.!l::.､ ..:.:!,-― ､ ：
:.:.:.:.:.:.:.:､:.ヾY/ｉ|.:.:.:.:.:.!l:.:.:.:.:/ ,'/￣￣） ：
! :.:.:.:.:.:.:.ヽ!:j:ﾉｌ|:.:.:.:.:.:.:.!l.:.:.:| |/ /￣￣） ：
.l :.:.:.:.:.:.:.:.:.:i'':.:|!:.:.:.:.:.:.:.:.!l:.:.| .i../ /¨_ ：
. ! :.:.:.:.:.:.:.::.{.:.:.|!.:.:.:.:.:.:.:.:|i....| '´ , ) ：
! :.:.:.:.:.:.:.:.:乂|! :.:.:.:.:.:.:.||.:..| ./ ：
.V.:.:.:.:.:.:..::.:.:.ヘ:.:.:.:.:.:.:!ｉ:./ / ：
ﾍ .:.:.:.:.::.:.:.:.:..:.ﾍ＿__;!i∧.＿_,/ ：
やる夫は県尉に任命されてからというものの、
本来の職務である 罪人の取り立てではなく、
県の民政に力を入ていた。
やる夫は努めて法を順守し、
才あるものには褒章を与え、罰すべきは厳しく取り締まった。
そのお陰か、黄巾賊の根拠地だった冀州で、安熹県は治安を取り戻し、
人々は安心して生活を営めるまでに回復していたのだった。
結果として罪人・賊の類は激減。
本来の職務までこなしていたと言える。
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼
／（ ●） （●）＼ やっぱり女は地方に限るお！
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼
| |r┬-| | 洛陽や長安の女は妙になれてるし、
＼ `,. -'"´´￣｀ヽ 金はかかる割にサービスは悪いし……
／ （＿＿＿ |
／ | そうだ！ やる夫は安熹県をソープ・エデンにしてみせるお！
（￣ |
￣￣￣| |
┛┗ ＿r ´￣￣|
┓┏ ，‘ .|
, ,. .|
. / / , i |
l / / ,ﾉ , /i:|
! ,'i ,′//i ,'/:::|
. | ,'.::! i‐ﾅ/｀|｀!:::::|
! ,'.:::i.ィｫ=＝=ミjヽ::|
､i:,ゝ!: | ｲ三ﾖ ' :::::| お兄さま……
ﾍ!､',|:: .ﾄ､`ニ",:::::::,|
i!::｀|::: | :::゛゛ |
l::､|::: ﾄ､ -＝|
|i:r|:::. ﾄ､＞ ． ._.,,|
ﾉ'!:.|:::: |:.｀..‐┬イ!.|
ｰ-'‐'､:.!:::: |.:.:.:.:.:.|.|.|..l.|
_...ｨ':.´｀ヽ;.:!:::: |､_:.:.:.{〈.{ . | ＼＼
':.:.､､:.:.:.:.／.:.!::: j`ゝ＝'-'ｰ'.| ＼i / / |
:.:.:.:.ヾ.ｨ'／.:.:i::: |:.:.:.|| .:.:.:.:.:.:| .彡/ / / .│
.:.:.:.:.:.:.ヾ.､:.:.:.!:,'!.:.:.:.:.!l::.､ ..:.:!,-― ､X/ ／
:.:.:.:.:.:.:.:､:.ヾY/ｉ|.:.:.:.:.:.!l:.:.:.:.:/ ,'/￣￣） /, ＿/
! :.:.:.:.:.:.:.ヽ!:j:ﾉｌ|:.:.:.:.:.:.:.!l.:.:.:| |/ /￣￣）三. ＿/ ￣
.l :.:.:.:.:.:.:.:.:.:i'':.:|!:.:.:.:.:.:.:.:.!l:.:.| .i../ /¨_ヽ ／ / ￣
. ! :.:.:.:.:.:.:.::.{.:.:.|!.:.:.:.:.:.:.:.:|i....| '´ , )く
! :.:.:.:.:.:.:.:.:乂|! :.:.:.:.:.:.:.||.:..| ./三X＼ `` /
.V.:.:.:.:.:.:..::.:.:.ヘ:.:.:.:.:.:.:!ｉ:./ ,ﾊ-ト ￣
ﾍ .:.:.:.:.::.:.:.:.:..:.ﾍ＿__;!i∧.＿_,/ｷ≠ﾆ
__＿＿＿__/ ｉ／ ＼
_,.-‐" , ∧
,ィ´ { ﾍ
０ ／ | ∧
/ ／ ./ ,ｨ :. |、 ﾍ、 o
/ .／ γ⌒,ﾉ / | :: |∨⌒ヽ、 :: ＼
ｊ ｊ／ :: / ／/ / | ｉ: ｉ､. | ∨: ｉ ::: ＼ そ、それではやる夫さま！
{／ ::::/ ,ｨ´ / / | | ﾄl | ∨: | :::: |: 〉
/ :::::/ ／:| ./,/ , | | ｊ | ｊ ,V: | :::::: ﾄ、 / ごゆっくりしていってくださいね！
◯ j /::::/ /: : :| ｊ/ｒ='､ jﾘ: / ｊﾉ ｒ='､ }: ｊ |:::::: | },/
| ﾊ::::ｊ {:::::ｉ::| |:l l:| ﾉ__,ノ |:l l:| ｊ/ } |ﾍ;::: ｊ わ、私は他のお客さまのお相手を
ヽ､{ ﾍ::{ |:: :|: :| i:Ｕ:j .／/...}＝{／i:Ｕ:j ﾊ: ﾉ: ｊ }::: / ◯ してきますので……
} ＼. |::: |:.:|.:::｀~／:::/:::;ﾉ:／､::／:´:{:ﾉ:} ,ィ:| ｊ,ノ
ｊ ::::＼{::: |::|｀ ‐--‐ ´ _＿ ｀‐-‐ ｊ::::ｊ／:::ｉ::|
|/ :::::::ｊ::::/´ｙ´ﾌ ,ィ７ 〈___,ﾉ ,ィ::ｉ:::ｉ::: |:::|
/ ::::::/:::::{ {. 〈_/ ,/ ／〉.__-‐＜´:::|:::|::|:::: |:::ﾍ、 /"7
/ ::::::/:;ﾍ(´ヽ、 ｀'´ / {､ ﾍ､.`‐-|::|:::: |::::/´ｉ.､/ ./
◯ / ::::::/:/ ヽ￣:｀＞､ ｀ヽ.,ｨ'⌒ヽ.| |:|:: λ |:::{ |/ ,/＾ｊ ０
／ :::::::/:::| ｀ヽ:::::::::〉 ﾉ、 | |ｊ::: |::| |:::ｊ. ´ 〈,/｀Yヽ 。
/´ :::::::/::::::| ｀ヽ;:| | ヽ、 | }; |､| |::{ Lメ_,ﾉｊ、
. / ::::::::::/::::::::| | | ＼ .| | ｊ｀ヽ;::`ｧ /:::〉
. ＿＿
-´ ｀｀ヽ
. ／ ⌒ ｀ヽ なんでだお？
／ ｀ヽ ヽ もっとゆっくりしていくお？
. （（ / （●） ヽ
|::⌒（__ （● ） } やる夫は県尉なんだお？
ヽ 人__） ⌒::::. | チップも弾むお？
ヽ（__ン |
人. / | |
/ ＿ノ ノﾉ
|
,､ /
/｀ヽ‐| ｀ヽ-/‐-─-.､_
ｊﾉ | ｉ| .λヽ、 チ、チップは嬉しいですけど、
'⌒メ" / ,ｊ:| ||､ ＼::（_,ｊ: ﾊ／ 私も生命が惜しいので……
/ , ./ ､/ |:| ﾘ ｀ヽ, ｀ヽ､ ´|
ｊ ,ｉ （j | /ヽﾘ. | ／ ＼ｉ､ ﾄ､|: |
| ハ ,∨､___ ＼{ ､__ |:ヽ|::: |
V ∨::ﾊ {_},, ,}-{ {_},, ｊ |ﾉ:: | ,
}:|:::::}‐/-/'＿｀/‐/‐'/ ｊ::: | （ｊ それでは！
ｊﾉ::::λ ｉ::::ｊ ,/ ,/::: ､ｊ
/ :::/::::｀＞-ﾆ´-＜/ /ヽ;::: λ
（ ::/:/）／ﾉ､:::/ ／ｊ,,ノ＿ .＼:: ＼
／ ＼ 生命ってなんだお？
／ ─ ─ ＼ まるで変な病気持ってるみたいに
／ -=・=- -=・=- ＼ 言われるなんて心外だお
| （__人__） U |
＼ ｀ ⌒´ ／
ﾁｬｷｯ!!
＿＿＿_
／ ＼！？？
／ u ノ ＼
／ u （●） ＼
| （__人__）|
＼ u .｀ ⌒／
ノ ＼
, ゝ-‐― ､
,， ' ´ ｀ヽー.､
,.=-,'´ ｀ヽ.
,／,´'´ , : ﾊ
／ ／ , , i ﾍ. i
ﾍ ／／ ., ' / , i ﾍ i!｀ヽ､ ｌ
. ﾊ / ./ / .,′ ,ｲ! i .l ﾊ .iヽ.ヾ. | ご機嫌麗しゅう、お兄さま？
| /. .,′ ,′.;i! .;/"!. .! l ,'. i .|:.ﾊ､ﾞ､!
i / i: i.,' __,i｀メ_ﾄ､/ |.! :| ! ./ i ｉ .|::. iヾ!| 夕飯の時間だというのに、
. //i./!ﾉ'i i'i`´ﾄ'テﾄ` !'!,ﾘﾉ, ,ｲ ,!ﾉ! ﾄ..ﾉ/i!i おさわりパブでなーにしてんだか
/.,' |' ﾍ!ﾊ .:ﾄ､!ﾉ｀ー':: : i!!/'//'/ｲ'ﾉ ﾉ,i',.'ノﾍ.､
.,′! ! ＼､::|ヾﾊ: : : : : : ' /´' .ノ'i,'/!:,ハ| 丶､.
i! ::i! ,．ゝﾞ､.ﾄ､ヾ.､: : ヽ‐ ―ｧ /ｲ' .i!/〉 ﾘ ｀ヽ
ﾍ:::i!,ｨ'.::::::::::::｀ヽｰ=､＞_.｀ ,. ｲ,' i!','〉 ′
_ﾍ::!::::;:':::::;::-==ゝ―､ヽ三ヽ＜-‐!i ::!｀ヾー‐.､_:
人｀ヽ､_,ゝ-'´'´｀¨¨ヾ∨ゝ三三 {{! :l:::;ｨ'.::::´:::::｀ヽ
i::｀ヽ, ,／ _,．'´ ヾ::ゞ三三 i!! :!/'.::::::::::::／.:ﾞ!
. i::::/ / ,-‐'´ ヾ:》＝=イ! ﾉ:::::;:::;:;::'::::::::;::|
l::i ' / ､＿＿,==.､._＿_!:::ヾ=/ﾍ.ﾉ.;:::ノ:':::::::::::::/:::!
ﾊﾞ〈/ ﾉ'/´ ,ゝ=.､ゝ ｀二メ､'＿'_:::::::::: .::::/.:::/
' ∨ヽ_ '｀,' 八 ﾟ ）:｀ヽ'"｀ヽ､ ／.:::::::::／.:::i::::/
ヽ::::::フ. ,ｨ'´ヽ.（::::｡::ﾉ） i´:::::::::::::'::::::::::|:/
,ゝ' ,ｨ'´ ｀ ー‐' ｀ヽ､ヽ､:::::;､:::::::::::::|'
ゝ'ヽ;;｀￣｀` ヽ ＼｀´ ＼:::::/
ﾉ三三三= .ヽ､ ＼ ＼
>三三三三 ゝ'´｀ヽ. ヽ ＼
,＞三三 ゝ'´_ _ ヽ. ヽ ＼
ノ´〈ﾒ;;;ゝ-‐'´(´⌒_)｀ヽ､ ﾍ. 丶 ＼
／.::::::::-=._＜´;;;;;:ゞ(´__ノ'｀ヾ=､ﾍ. ヽ ＼
'´.::::::::::::::＿_｀).::／.;;;;｀;;;;;;;;;;;;__,ｨ->,ﾍ. ヽ ＼
＿＿＿
／⌒ ⌒＼ ━━┓┃┃
／（ ○） （○）＼ ┃ ━━━━━━━━
／::::::⌒（__人__）⌒:::: ＼ ┃ ┃┃┃
| ゝ'ﾟ ≦ 三 ﾟ｡ ﾟ ┛
＼ ｡≧ 三 ＝=-
-ｧ, ≧=- 。 げぇえええ！！
ｲﾚ,､ ＞三 ｡ﾟ ･ ﾟ か、関羽！？
≦｀Vヾ ヾ ≧
｡ﾟ /｡･ｲﾊ ､､ ｀ミ ｡ ﾟ ｡ ･
,′ | ,',′ i.i ﾞ､ ｀ヽ＼ ヽ.､ヽ ｀ヽ.＼ ヽ
i i i .!i ﾘﾄ. ､､ _,=メﾋ＝―-､､ヾ. ヾ.∨ ﾍ
| i l ! !ｉ /_i!=!＝-ﾄ､: : : ´ -ヽ‐､- ヾ!ヾ､ ､ヽ ヾ､: 言い訳は家に帰ってから、
| l l l | ,ｉｲ'´ﾉ ‐ヾ. iヾ: : : : : _,二土在=ｪ､ヽ､｀､ ﾊヾ､､ ﾞ､ヽ. たぁーっぷりと
ｌ ｌ ﾍ l l '´!,′!ｪﾆ=＝､ﾍヽ､: : : "ヒ'ﾟ:::ヽ:il!ﾒゞ-ﾄ､::.ヽ i ﾍﾄ.ヽ.＼､＼ 聞かせてもらいましょうか？
'. ! ﾍl ﾍ i,ｨ'チ´:::::il!, ヾ.ヽ.ヽ: : 〝¨¨¨¨¨､´ヽ.iﾞ.i ﾞ:::ヽ l ﾉiヾ､ヽ ＼ヾ.､
ﾍ､ ﾞ. ﾍ __,ｨﾒゞﾟｰ=≠": : : ｀ヽ､ ＼: : : : : : : ゛ !ﾉ ﾘ :: ヽ .! ! ヾ.＼ i ｀ヽ.
'.ｉ i. i､ ＼ .:l ヽ ﾉi!.'´ ､. ﾍﾄ､ i ﾞi ＼ヽ ｀
i ! ﾞ､ i!ﾞ､ ヽヽ. ｀' iｲ!､ ! iヽヽ ! i! ヽﾞ､
.i|. ﾍ !ﾄ､ ヽ.､＼ _ ＿ 一' 人ﾞ.ﾄ､ ﾞ､ ﾞ､＿ヽ. i! ヾ､
!i! _ヾ.__i.!:.! ヾ.＼ヽ ｀ー- ´ ∠＝ﾍﾋヽ ヾ.ヽｨ 〉.＼ ヾ､
||､〈 ￣-| ﾋｉ .ヽ．＼.､ .ｨ.´￣￣ヾヽヽ ヾ.ゝ' ヽ ﾊ!
!i i ヾヽ.! |::i ヽﾞｉ ｀i＞＼.､. ／ .!＿＿＿ ｀ヾゝ､ ヽヾ.､
ﾉ' ｀ヽi i:i i!:::ｉ ﾄ.!.┤ ｀ヽ＼¨´ |＿,..ｨ' 〉 ｀ヽ､ ヾ.､＼
/' ∨ﾉ::::| ﾄﾘ￣｀ ー---｀ヽ､.,ｨ'´ （:::::::::::::＼､ ＼ｰ｀ヽ､
. ' !i､､::| iﾉ′三三三三三＼ 三三三ゞ.､::::::::://＼､ ヾ､｀ヽニﾆ.､
＿＿.=＝ﾉﾉゞ.i! ﾉﾉ 三三三三三｀ヾ.､三三 'ﾉﾍ:::// ￣ ヽ. ヾー‐-.､ ヾ.､
´.::::::::::::::::://:::::/ ／/､ 三三三三三三 ヽ＼三ノ ;;;;ｉ//:::::::::::::::ヽ ヾ.､:::::i.ﾄ. ＼ヽ.
ﾔ、ﾔﾒﾙｵｫー!!
ﾏﾀﾞ ｼﾆﾀｸﾅｧｱｱｲ!!
, λ/ヽ、
ｉ λ ノ ﾍ::: ＼
| ハ´ ／::: /ｉ､ λ:::: ﾊ
| .／（__,,） ／:::: __ノ/ | ﾊ | ｉ ﾊ::::: | またのご来店、
{/ :::;/ ,ｨ / | ｉ:∨ :: | |::::: | お待ちしておりまーす……
::::/ /::/::|／ /_,ノ_ ﾉ ,':::::∨ ::. ｊ ｊ::::: ｊ
::::::::::{ /| {/ｉ::: | ,ｨﾁ弍ﾐ､ ,':::::::::} :: / ,/:∧/
::::::::::|/,-ヽ､ 〈::|::. | "´ {,ﾉ:::::/ノｊ,ノｊノ:/
:::::::::::::ゝ､_ ＼. ﾍ | `‐-‐ 〉'´ ｊ::ノ
::::::::::::::::::ｉ::::人 ｀゛` | ゝﾌ ／ '"
::::::::::::::::ﾉ:::ﾉ￣＼ ｀ヽ､ 一'´::|
:::::::::::::/:::/￣~￣＞‐､ ＼::(＾Y´ヽ、
::::::::::/::::/,ｨ'´￣｀ヽ､ ＼ ＼〈´, .〉
安熹県では大した騒動もなく、
やる夫たち三兄弟は束の間の平和を甘受していたのである。
ﾄｸﾕｳ
ある日、中山国から督郵が派遣されてきた。
／￣￣￣￣￣＼
/ ,∨∨∨∨∨
/ ／ ／ ＼ | 劉備ってヤロウがちゃんと仕事をしてるのか
| / ,（･） （･） | 確認しにきてやったぜ
(6 ⊂⊃ |
| ＿＿＿l＿，|
| ＼＿＿/ ／
／| ／＼
※督郵 ……役人がきちんと仕事をしているかを確認する役人のこと。
ｎ
l^l.| | /）
| U ﾚ'/／)
＿＿＿ ﾉ ／ 督郵どの、安熹県にようこそいらっしゃいましたお！
／ ⌒ ⌒＼ ｒニ |
／ （⌒） （⌒）＼ ヽ / どうぞ、ごゆっくりしていってくださいお！
／ ///（__人__）///＼ / ` /
| `Y⌒y'´ | ／
＼. ﾞー ′ ,／ ／
/⌒ヽ ー‐ ｨ ／
/ rｰ'ゝ ／
/,ﾉヾ ,> ｲ
| ヽ〆 |
／¨¨＞ - ミ
/ , :f ヽ どうしてお城の外なの？ と疑問を抱かれた方もいるかもしれません
l _/ 八 (
v /¨ `＜ ＼ 中国の街というのは、基本的に高い壁と堀に囲まれた 「 城郭都市 」 です。
i: |.ｆ.:ｊ f.:jＹ ; | ｌ 我々の感覚で言うなら、「街の外まで出て使者をお迎えした」というニュアンス
八人'' . 'ノィ ノ／ となります。
`⌒≧=≦ア≦
f/...j⌒ー^j(....Ⅶ、 中国に限らず、平野が大きい國ではほとんどが城郭都市の
v...j( 〈〉 j(..........Ｖ,_ 体裁をとっています。（例 ： バグダット、ロンドン、パリ etc……）
｛ﾉ..j( 〈〉 .j(......､....ヽト 、
,..-く￣＼.,j( 〈〉 .,j(...........､......ミＸ.ｊ、_ 敵襲があれば門を固く閉ざし、堀に架けてある跳ね橋をあげ、
}ノ ゝ |( 〈〉 j(. .∞..∧...............} .| 陸地の孤島となります。ある程度の生産性を持ち、堅固な壁に
⌒＾L . j(.〈〉 .j(.....∞ ....ｌ.........／ / 囲まれているため、城攻めは長期間にも及ぶ大事業となるのです。
,:.j(.〈〉 :j(......∞.... ヒ二彡彳
/,j(〈〉 :j(.................{ `ー' ●補足 【当時の街】 終わり
>>1こと珪孔雀
広場には一〇〇人ほどの群衆が集まっていた。
.. ''';;';';;'';;;,.,
''';;';'';';''';;'';;;,.,
;;''';;';'';';';;;'';;'';;; やる夫さま！ 行かないでください！
;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;
vymyvwymyvymyvy、 やる夫さま！ どうか安熹でいつまでも我らをお守りください！！
ヽ(ﾟдﾟ)vヽ(ﾟдﾟ)yヽ(ﾟдﾟ)v(ﾟдﾟ)っ
⊂( ﾟдﾟ ) と( ﾟдﾟ ) 〃ﾐ ( ﾟдﾟ )っ ( ﾟдﾟ )つ
ゝηﾐ ( ﾟдﾟ )っ ﾐ） ⊂( ﾟдﾟ ) .(彡η ｒ
しu(彡η ｒ⊂( ﾟдﾟ ) .ゝ.η.ミ） i_ﾉ┘ やる夫さま！ もっとおっパブの料金を安くしてください！
. i_ﾉ┘ ヽ ηミ）しu
（⌒） .|
三`Ｊ
最初、やる夫は彼らが督郵を迎えに行ったのかとも思ったが、
どうやら違うらしい。彼らは、やる夫を引き留めようとしているらしかった。
ﾏﾂﾘｺﾞﾄ
安熹県の人々にとって、やる夫がこの地で敷いた政は昇進に値するものだったのだ。
しかし、督郵は彼らには見向きもせずに安熹を見て回った。
そして、県庁でやる夫たちから接待を受けている最中に、おもむろに口を開いた。
／￣￣￣￣￣＼
/ ,∨∨∨∨∨
/ ／ ⌒ ⌒ | いろいろ見て回ったが、
| / (･) (･) | 軍の馬小屋には報告より多くの馬があったな
(6 ⊂⊃ |
| ＿＿l＿，| あれはなんなんだ？
| ／ / ／
／| ￣￣￣／＼.
＿＿＿
／ ⌒ ⌒＼ あの馬ですかお？
／ （○） （○） ＼ あれはやる夫たちの馬ですお！
／ ///（__人__）/// ＼
| u. `Y⌒y'´ | 県尉になる前に、義勇兵を解散させたんですお
＼ ゛ー ′ ,／ その時の仲間が、何かあった時のために使ってくれと、
/ ー‐ ィ 置いて行ってくれたんですお！
当時、馬は高級品であった。
現代の感覚で言うなら、スポーツカーのようなものだろう。
それを別れ際に残して行ったということは、やる夫がかなり慕われていたことの証と言える。
／￣￣￣￣￣＼
/ ,∨∨∨∨∨ ふーん……
/ ／ ／ ＼ |
| / ,（･） （･） | でもよ、県尉に馬三〇頭は多すぎるんじゃねーの？
(6 ⊂⊃ |
| ＿＿＿l＿，|
| ＼＿＿/ ／
／| ／＼
＿＿＿_
／u. ＼ （あっ……）
／ ─ ─＼ （こいつ、露骨に賄賂を要求してやがるお……）
／ ‐=・=‐ ‐=・= ＼
| u. （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ,／
身分を問わず交わっていたやる夫は、人の機微に敏い。
やる夫には督郵の発言の意図がすぐにわかった。
＿＿＿_
／ ＼
／ ＿, 、＿ ＼ お言葉ですが、あれは半分、官の馬ですお
／ （ ―）三（― ） .＼ 賊が出た時、やる夫たちがいち早く駆けつけ、
| '" （__人__）"' | 征伐するためには必要なものなんですお
＼ ` ⌒ ´ ／
／ゝ "` ｀ヽ.
／ ＼
／￣￣￣￣＼
ｌ ∨∨∨∨∨ ｌ
| ＼()／ | 賊の退治は郡がやるんだっつーの！
(| (（・） （＜） |)
| ⊂⊃ | お前みたいな下級役人には分不相応だ！
| .| ⌒ ＼.ｌ／ ⌒ | | この俺が貰ってやるっつってんだから、差し出しゃいいんだよ！
／ |. ｌ ＋ ＋ ＋ ＋ ﾉ |＼
／ ＼＿＿＿＿＿／ ＼
／ ＼
∧／ヽ__, ｀ヽ、
(/ ｰ' ､__ー┐:. ま、馬三〇頭分の別の何かでもいいけどよ〜？
ｉ⌒ (￣｀ヽ |__j
(⌒i ハ _＿ _〕ー'′ ６） ホラ、あるだろ？ 山吹色のお菓子とかよ
r‐―┤ ＼ { ヽ ￣￣￣l { 俺様の大好物なんだ
「ﾆﾆl ! } ＼ ＼, -r― ､/ ｜
ゝ二l＿＿_ハ 「＼_ { / r'__／} お前だってせっかく得た官位、クビになりたかねえだろ？
l `ー… ¨￣ゝ､＿＼＿_ﾉ＿_,.へ、
ヽ / __ /
＼ / ∧ ／{｛ ｛
＿＿＿_
／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
／.:.:.:＿,.:.:.:、＿.:.:＼ ……………………。
／.:.:.:（ ―）三（― ）.: .:.＼
| '".:.:（__人__）"'.: .:. :.:.:|
＼ ` ⌒ ´ .／
／ゝ "` ｀ヽ.
／ ＼
_,,,,yyyyyyyyyyyyyyyyyyy_
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∩ ∩ ＿し' （ ） ∨_ | !
⊂ニニニ⊃ ∪ j | ／￣ // { ￣l￣ } ﾄ､＼ ∪
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／／＼＼ し j ﾍ l＼ ,イ // ｀ヽ ∩∩ r‐、
(__へ ／／ / / V＼ ＼l￣Ｔ‐┬‐Ｔ / .// ) ∪∪ /／
／／ / / ＼ ＼＿｀ ┴ ┴ ┴' ／/ | 〈 '´
(／ / / ｀-､＿ ｀ー一´ ￣_／ | ﾍ
/＼ / ￣ ￣ | }
∩ ∩ / Ｙ 〃⌒ヽ ﾍ, -一ﾍ いいんだぜ、
∪ j | .{ ! {{ ヾ' i l クビにしてやってもよぉ……
/ j { j ゞ==-}j ! j
し ＼ j j /
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼
／（ ー） （ー） ＼ 督郵さま、
／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼ 馬３０頭に代わる 「何か」 でもよろしいんですね？
| |r┬-| |
＼ `ー'´ ／
r´､＿__∩∩＿_, /
＼＿_ ´人 ｀ ＿ﾉ
ヽ ￣ ￣ |
｜ /
| ｒ /
ヽ ヽ／
>__ノ;:::......
,.. -ｪ=ﾆﾌﾆ= ､
. //,ｨ^ヾ/ ｀"＾ｰ} そーそー
i l l l ｺ ﾍ ﾉ-､
, -y' ' ' ' ' ｰ〈 よくわかってるじゃねえか、劉備殿？
-{ 丶 }
ヽ ＼ . ´
` ＞ ‐-r ´
ー---ﾍ｀ヽ
i ｝
| 〉
,.-､
／ .l ／｀ヽ
／ ./ ／ / .,..-､
/ヽ/ ／ / ／ ./ l
/ l l ./ ,' / /
/ | | l l ../ /.,..-､
l ｲ l j .| / /./ /
.| ', ｀´ ヽ' /./ /
l .l ＼ 〈./ /
| ｀ヽ .＼ ,'
l ＼ ｀''-..,,__ .|
.', '., |
.', l |
.ヽ ./
/ l ／
./ / ／
/ / /
./ /
/ /
./ /
ぬぅーっと、やる夫の腕が蛇のように静かに、
しかし鷹のように素早く動き、
督郵の襟を掴みあげた。
| / ../ _／ .／
､ .|， | / ,> ,./″ ／ .／
ﾘ､ .|.ｌ .| /.〃 .rﾘ .,, |/ ／ ／
ｌヽ .l ｌ | | l/ ,ﾉ./ ,,ﾉﾝン゛ ／
｀ｭ､ ＼, .ｌ.ヽ .! ｌ.! / / ./ ., 'ﾞ,iｼ'゛ ／ ._..v
ﾞ'ﾐ'-、 .ﾞ.ｌ､、 .ｌ, ヽ .ｌ ﾞト / / l ,///″ ／ _..-'ソ゛
.ヽ. ＼ .ヽ''､, .ｌ ヽ.! .゛ /./ l,〃 ／.,..-'" ／
ヽ ｀'-、.ヽ .＼ .ｌ ﾞ.ｌl, 〃 ,i″ ,.;;シ'" ,／゛
ヽ .｀'-,ヽ ｀'- ｌ .'1 ,ir!'´ ,, '"
、 .ヽ. ｀'ヽ、 ｀' '" ,／゛ _,,．
ﾞﾐ､,ヽ ,..'',ﾞ.. -'''ﾆゞ＿
｀'ﾐ''ゝ ‐“´._,, =!二｀-゛
ﾞ'-、 ,ﾞ,, -'"゛
.''｀-ﾆ,￣￣￣￣ ﾞ“''二ﾆ｀-'“゛
｀ﾞ'ﾆﾆr ｀ﾞﾞ''”ﾞ,ﾞ,ﾞ,ﾞ二二ﾆﾆﾆ＝=─
＿,, ---ｰ'''''"ﾞ´ 二二二二＝＝＝===────
────―--＿＿＿ 二二二二＝＝＝＝＝────
───=＝＝二二二 ﾞく￣￣￣￣´
. ￣───フ′ ＼
,／ ,ィ l.ヽ ＼
,／ .,、 .／/ ., 'ﾞ! .| .l ヽ .'-,,, .＼
.,∠-''ﾞ／ ／ .,iﾞ／ .| || │ ヽ ､ .｀!ﾐ-,,＼
,..-“゛ ／ ／ ,iゞ .!l ! .! .ﾞ.ｌi＼. ..、＼｀''
.／ ／ ,i″ | ! ! ﾞヽ.＼ ﾞ'ｉ-､＼
. ／ _ν .,y .／ .'ﾞ l .| ." .＼ﾞ'i、 ヽ~!ｉ､'､
.,,‐ン''ﾞ/ ／/ ／ l | ` |ﾐ-. ヽ,｀'"′
.,;;ｼ'" ,ﾉﾞ.／ / ／ l lﾞ ﾞヽ＼. ヽ
-″ ,ﾉ.／ ,/／ | .l ＼, ＼
,iシ゛ ..i/" | ! `-,＼
.,iｼ′ .i!′ |.! ﾞ''ﾐ
.,/’ l! `
!
そして、督郵の頬を殴り飛ばした。
仰向けに倒れた督郵は、自分の身に何が起こったのか理解できていない風だった。
|＿ ＿| ＿| |＿ ＿| |＿
＿| |__i-i_ |＿ ＿| |＿ ＿|
/ ＼ /。 o ＼ /。 o ＼
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:::::::::::::::::: ／ (⌒'ー―- イ′ ´廴 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
／ ＞ 、 ヽ _ ￣￣￣)::::::::::::::::::::::::::::
／ 斗ｭ -､ } ( ￣¨´
::::〈Um)´ ヾ ヽ._ __ ＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::~´ 〉 ｀ --‐'´ ｀ﾞ' 、_.):::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::: j ｒ-- ､ / ::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::: 〈 / ヽ､ / :::::::::::::::::: :::::::::::::::::::::::::::
::ヽ 〈 j / :::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::: ::::廴ﾉ L 」:: :::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::: ::::::::::::::::: ::::::: ::::::::::::::::::
::::::::::::::::: ::::::::::::::::::::::: :::::::::::: ::::::::::::::::::::::::::::::
やる夫は吼え声と共に、督郵の襟を掴んで引き起こした。
. -=ﾆ三ﾆｽ= ､
,' ./ ｀>'｀ヽ^ヽ^ヾ.
.人ﾘ ´ ○ × i､ フがっ……
!∂′ (二 ) ヽ
〉、 ┃┃ }
／i { ﾘ
／ { 丶 ┰ ,〈
丶 ` - . ＿ . イ `.
｀ ‐- 一 ´ , i
ヽ. ..ｌ, ! / _／゛ ._..-'″ ._.. ‐'"
.ヽ. .ゝ l .／ . ／ ,, ／ _.. ‐'"
.、 ｀'､ ｌ .／ ／ . ,, ／ ._,, -'" __,,.... -―
ﾞ'-､ .＼ / / .‐゛,..-''ﾞ_..-‐″ _,,,,.. -一'''''"ﾞ´
｀'-､ ｀ ‐゛ .,ン‐'″ ._,,,.... -ｰ'''''"ﾞ´
''',ﾞ,,.. -一'''''"ﾞ´
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._,, ‐' .､ .､ .¬- ....,,_. ー―-..........,,,,,＿__
ｰ''" . ／ ヽ .＼ ｀ﾞﾞ''''― ..,,,_ ￣￣ﾞﾞ"'''''¬―--..........,,.
. ／ ,ﾉ ｌ .＼ : 、 . ｰ ,,, ´ﾞ''''―- ..,,,_
.-" / ヽ ＼ ﾞ''-、 ﾞﾞ'ｰ､、 .ｰ ..,,_ .｀ﾞﾞ''''―- ..,,,_
/ r .,,.l .:、 .ｌ, .｀'､ ｀'-､ ｀''-..,,. ｀ﾞ'''ｰ ,,,、 ｀ﾞﾞ''''―．
../ / ! ! ! ..ｌ ヽ, ｀'-､ ｀''ｰ..、 . ｀ﾞ''ｰ ..,_
. / / ! lﾞ ! , ｌ .ヽ ＼ .｀'-､ ｀'''-..、 . ｀''''ｰ ..,,_
'ﾞ ｌ .! .| ! | .ｌ ヽ, ｀-、 ｀ゝ､ ﾞﾞ'ｰ..,、 .´
/ ,! ! ! ! .ｌ ヽ . ＼ ﾞ''-、 ｀''ｰ..、
./ ! ,! │ .ｌ ｌ ヽ ｀'-、 ﾞ''-、 ｀ﾞ'ｰ..,、
ｌ / .| ! ! ｌ ヽ .＼ ｀'-､ ｀'
ｌ ! │ │ .ｌ .! ヽ､. .＼ ｀'- ｀'-､
./ l ! ,! ! .! ヽヽ. ＼ .＼. ｀'-､
./ lﾞ .,! .l l .ｌ ヽ＼ ＼ ｀'-、 . ﾞ'-､
../ ! ,! | .! .! ヽ ヽ ヽ, .＼ ｀''-、
/ ,! .| .| l .ｌ ヽ .＼ .＼ .＼, ｀'-、
′ ｌ .! ! . ! l ヽ .＼ .＼ ｀-、
.! .l :! l l ヽ .＼ ＼ .＼,
.lﾞ .,! ,! .! .| ,ii ヽ ヽ. ＼ .＼.
l ! .| .! | /│ ヽ .＼ .＼ ﾞ'
,! .l .| ! .| lﾞ ! . ｌ .＼ .＼
.| .| .| .ｌ | / .! ｌ. .＼ ＼
l ! ! !│ .| .! .ｌ ,〟 ,/ﾄ､
lﾞ .lﾞ | ｌ ! i､ l ! ｌ. ,i" l - ./ ! ＼
. l .lﾞ .! |.!.i､ │.ｌ | ! .ｌ, / .l ./ ! ｀‐
.,! .l |ﾞﾐ'､ lﾞ.!..ｌ l .ｌ .l ｌ 、 ..ｌ ,i′ │/ .lﾞ..
| .! :! ﾞl、＼ | | ｌ .! !ゞ . ｌ. l.l / ﾚ゛ / .＼
.,! . ､_ .| .ｌ .＼ .! | . ｌ,.! ∨ .! ./ / ヽ,
.l ｀'､,｀'''-..、..ｌ, ﾞ'〈, | ｌ ./ . ! ."
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､ .|， | / ,> ,./″ ／ .／
ﾘ､ .|.ｌ .| /.〃 .rﾘ .,, |/ ／ ／
ｌヽ .l ｌ | | l/ ,ﾉ./ ,,ﾉﾝン゛ ／
｀ｭ､ ＼, .ｌ.ヽ .! ｌ.! / / ./ ., 'ﾞ,iｼ'゛ ／ ._..v
ﾞ'ﾐ'-、 .ﾞ.ｌ､、 .ｌ, ヽ .ｌ ﾞト / / l ,///″ ／ _..-'ソ゛
.ヽ. ＼ .ヽ''､, .ｌ ヽ.! .゛ /./ l,〃 ／.,..-'" ／
ヽ ｀'-、.ヽ .＼ .ｌ ﾞ.ｌl, 〃 ,i″ ,.;;シ'" ,／゛
ヽ .｀'-,ヽ ｀'- ｌ .'1 ,ir!'´ ,, '"
、 .ヽ. ｀'ヽ、 ｀' '" ,／゛ _,,．
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.／ ／ ,i″ | ! ! ﾞヽ.＼ ﾞ'ｉ-､＼
. ／ _ν .,y .／ .'ﾞ l .| ." .＼ﾞ'i、 ヽ~!ｉ､'､
.,,‐ン''ﾞ/ ／/ ／ l | ` |ﾐ-. ヽ,｀'"′
.,;;ｼ'" ,ﾉﾞ.／ / ／ l lﾞ ﾞヽ＼. ヽ
＼ ｀'-,,. ＼ i､. .ヽ ヽヽ l、 .lﾞ |
: ､ ｀- ｀'-､ .｀' |i ＼ ヽ ヽ.＼ ! | │
｀'-.._ ＼ ﾞ'-､ ｀'-.｀-ヽ ヽ ＼ !│ .!
｀!V､,、 ＼ ＼ ＼ `.ｌ､ ヽ ＼ !:! .l
｀''ﾐ''-､ ＼ ｀-､ .＼ ヽ ヽ ， .ｌ| !
｀'-,＼、 ヽ ｀'-、 ヽ .ヽ. !| ﾞ |
｀'-｀';;、 ヽ ＼ ヽ .｀" .ｌ ! i
｀.ｌi´ ゝ ＼ _ヽ ヽ ,/ lﾞ
｀'､ ＼. .|ﾞ'/､ . ｌ ｌ
｀'､ ＼, ! .ﾞﾑ ! /
.'ー ,,,_ ﾞ.ｌ-､. .ヽ ＼ ﾞ!ﾐ、 ゛ ! /
...,,,,_ ｀ﾞ'''ｰ ,,,、 ヽ.｀'-､ ､ .i、 ＼ .＼ │ . ｌ ./
´ﾞ"''― ,,,_｀ﾞ''ｰ ..,,. ＼ ﾞ'-､. ヽ !ヽ ＼ ＼ l /
｀ﾞ''ｰ ,,~''ｰ ,,_.ヽ .｀'-､ ...ｌ'､. ヽ,.ヽ, ﾞ‐ .＼ .|/
｀''〟 .｀''-､. │.＼ ｀'' !、 ｌ ゝ
｀ﾞヽ ｀゛ .＼ `
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二二ニニニﾆﾆ＝─── r,ﾞ, ｭ───ｰ ,,、.＼
｀'､ ＼, .｀'''‐≧ｭ
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/ ._,, -'"゛
, ゝ ' ⌒￣￣ヽ.ゝ―.､
, ',´- ＼
,.ｨ'',´ｨ ､ ヽ.
, '´ ,ｨ´ ,ィ´ ヽ､. ヽ.
´ , ' , '/ iﾄ､. ! お兄さまっ！
i ,' ./ ./ / , ﾊ./i.i .i ,i .i i､ヽ. !
ﾍ .// / / ,ｲ/゛"'!i !ﾘi i i! i ! 賊でも押し入ったの！？
! ,'.,'/ /, ,'＿/','/ i! i!,'!_!_ﾉ, !,ｨi i .i!
ﾉ/ !,'! ,i!__!メ=ミﾒ､ i'イ夭斥テi!ﾊ!i l i!
. ノ,'i /!.! .ili! ,i7`､廴ｿ .ﾉ!ﾉ' ゞ‐!',' !丿! i!i
ﾍ i,'!,ﾍ.i ,'!i i i!i､""" ﾉ' """ ﾉ! !'ﾉﾉi ﾄ.!
. ﾍ i!i! _ﾍ!ヾﾐ､i!〉､ﾊ ′ .'ﾉ i_/ノ〉,!ヾ､､
ﾍ!ｨ!´`i!¨`ヾ､T´::!､⊂ﾆﾆ⊃uｲ' i.!::７/′ ｀｀
/.::::::::::::i::ヾ:::､::ヽ:i!_i＞-＜_,/!i i!!:/λ
,. :-､-､
/:´:. :. :. ヽ:. ﾍ ｨ‐-=‐‐- ､
/:／:. :. :..ィﾆ/￣:. :. :. :. :｀:. ｀:≧-.､
. /ｲ:. :. :. :.:/i:. :. :. :.:,:.:､:. ､:. ヽ:. :ヽ:. :＼
／:. :. :., -､i:.:i:. :. :. 廴i:.iヽ:.ﾍ:. ﾊ:. :. ヽ:. :ﾍ ご無事で！？
/:. :. :.／./´'､‐i:i:. :. :ｉィ=≧ｭヽｉ_少:. :. :ﾊ:. ﾊヽ やる夫さま！
. /:. :.／: :.ｲ / .rﾊﾊ:.:.:.:i.辷ﾘ fﾁﾘ.i:ﾍ:. :.iゝ:ﾍ
/:.／: : : :/:"~ヽ i iゝi从. ､ゞ'ヽ:. iヽ:i. ヽi
,':/:.／:／:. :,':. /ゝ,__i:. :iヽ , _ 从:.ﾊV
. i:イ:.／:. :. :.,':. / ＿i:. :i＿ ／､.V:ﾊ＼
/: :, ':. :. :. :. i:. / ｨ´ i:. :i ト.､_ イ ヽi:. i .ﾊ
. /: ,ｲ:. :. :. :._,､_/_. V i:. :i |｀ぇL-､｀`'‐､.i:. i i .iﾍ
/ ｲ:. :. :. :.:/ :'¨.ヽ,.｀.`.' ‐. i:. i. | V;|| | | | i:.:i i ',.ヽ
. i/ |:. :. :. .:/. . . . . . ＼. . . ..i:.ﾘ. _`‐-ゞ､|､_. |.| i:.ﾘヽi ヽ.ﾍ
. |:. :. :. /. . . . . . . . . ヽ. . . .. .|;| i`ヽ､｀`ヽi.i:/_ ゝヽﾍｲ^ヽ
|:. :. 〈. . . __. . . . . . . ヽ. . . . i;i i ｀`'‐ヽ ｀ヽ ／;;ゝ／
|:. :. :ﾉ:':´::::::｀ヽ､. . ./‐'. . . . ..i;i. i､,_, ヽ ／;;;;;;／
|:. :.:{:::::::::::::::::::::::::ヽi. . . . . . . . i;i i:::::｀:'‐,､ ／;｡;;／
|:. :. 〉'´. .. .｀ヽ､:::::::i. . . . . . . . .i;i i::::::::::::／;;;;;／ﾊ
|:. :/. . . . . . . . .ヽイ. . . . . . . . .i;i .i:::::／;;;;／.|;|. |
アチャ子とトウカが応対室に飛び込んできた。
拳を振り上げている様子を見て、一目で現状を理解した。
．ゝ ―-､ ,...､
,．'.´ ´ ｀ヽ.
, ≠ｨ ヽ､
_.．'´／ ,ノ , . ､ ､ ヽ.
´ ／ .:/ ,' , ﾊﾊ i.i ヽ. ﾞi ﾞ.
ﾞ. ｲ .' !iﾞ゛"i i !i.i i : i. ﾞ. お兄さま……
! ,'i! i. !＿i.| ｰi-‐ﾅiﾅﾄ|.i ﾄ. i ! 腹が立つことあったんだろうけど
i ,l: l､'´!＿ﾘ｀ ﾘ´ｨﾃ'‐テﾒ-ﾄ.ヾ.li:i
ノ ﾉ!ﾄ.!ﾊメ弋刃ﾞ ´!/ '¨¨´ﾉ! ,'ﾉ､ ｉ| ﾞ.､ それ以上やったら死んじゃうよ、そのヒト
, 'ｲ ./ iﾄ.!: ヽ.ﾞ､ ' ´ /ｨ' !:､! . ﾄ. ヽ.､
., '´,' ./. l! !､:i !メ､｀ -､ ‐ｧ,'' .| ､i ﾉ!i ヽ. ｀丶
,. ' / ./ ﾉ/）ﾞ!i' i!'＞ . , イ!: i｀ヽノ ノ'
{../ .'´//ry!: i|､:. ,ﾉ/≧l ,''! :|彡'ｲ,､
ﾞ､! .,' i' ﾉi!: ,'ヽ:.ゞ､´¨¨¨ﾒ.i! :!':.,ノ ヽ､
! i ' iﾉ, ﾉ.､rヶﾒ､::......;ｨヽ! l,ｲ ＿.ﾞ､
! ﾉ,'/メｲﾊ＝==. ＿.:::!. |ｨ,ゝ'´,, ｀ヽ
i′=,'/'ゝ｀,":::::::..y.::::￣ﾒヽ. ヽ''''' ∧
ｨｲ¨ﾟﾅ'｀ヽ 乂::::::/.::::;ｲ"´ 'フﾞ､ﾞヽ. /
i,ゝ'ノ' '!.. ヾ､:;':.;ｲ' / .｀､ ﾊ ,ﾉ
/,.'/ ﾍ;;;;;:...》《::::::::...../ ,,ｨ ヾﾍ r'
,. 'ノｲ ｀､/';;;ヾ､;;;;ノ,,ｨ'' ヽ.ﾞくﾒ,
_., ,.' ' ´ ヽ. ヽ､,ｨ'"¨¨´ ,ｨ'ヾ､ヾi
'´｀ー=≠‐' ｀ヽ ;i! ,ｲ,| `ゞﾐ=-..__
ﾄ､ i! ,∠=-' ｀(ﾒ､） ￣ﾞ＝ﾆ二.＝===―-.._ ､
__i ヾ､ ; ／i ^ﾘﾒ､ ￣｀ ヽ.￣､｀ヾ ｀ヽ.
ﾉ .:! ﾞ､ヽ､ ／;;;;;;|､ ヾﾊ
関羽がやる夫を後ろから抱き留め、督郵から引きはがした。
,-"´ ＼ ……この男、やる夫に賄賂を要求してきたんだお
/ ヽ
./ ::::::::::::::::::::::::ヽ やる夫はここ数年、民草を慰撫して人心を安んじたお
| :::::::::::::::::::::::::::::::ヽ でも、それじゃ意味ねーってことが、今はっきりと、わかったお
l :::::::::::::::::::::::::::::::::;l
` ､ （__人_） .;/ いくらやる夫が庶民を宥めたって、上の人間のたった一言、
`ｰ,､_ ／ たった一挙動作ですべてがブチ壊されるんだお
／ `''ｰ─‐─''"´＼
,.', ,::'/ .: . . ﾍ:. ヽ:. ｀ヽ.｀ヽ
,.''/ ,:::::/: .::; . .:i ﾊ. ﾊi. i ､ `､ :::i::. : ヾ.､
／/ .::;::/ :: .:// .::/ﾊｉ!i!ｉ!|: i:.i ｉ ::::!::. : iヾ.i
,.' / .::,'::i ::.::,' i :/i.| |i!＿i_」＿_! ::::|::､:. l: i ! ホント、バカだなあ、お兄さまは
' ヽ :::i ::| ::::i :i,-ｨ‐i!- !i´_ﾉ_i!_!_ .l ::::iヾ::､i: i |
ヽ :::!.::!ｉ ::::ｨ´!,=i=i!ﾐ li'!'iちﾟ心ヾ､ ::::!､ﾞ. ::| ｉ､! こいつを殺したところで、世の中は変わらないんだよ？
ヽ:::!i :i､ :::|!ﾒ' ち心 i!|ﾉ乂_ﾉ:i ｨ'`ｰi. i: :::! .!ii
ﾞi:::i.i :!ﾞ､_,ﾊ､ 乂_ﾉ」 ﾉ ! ゝ‐"'!:i'!:::::|:ﾉi ::| !i|
!::i!i､i ヽ:ﾄ. `¨´ , !!i::i:::i"!:i :! .ｉ |!
,ｨ､ i ::!i iヽ.ヽﾄ. _＿ !i::i ::i :!､V .i i!!
'ー彡､三! :!i !ﾉヽﾞ､ﾊ ﾉ'/.! :i､:!_､∨ ヽ､
,ｨｰ―'ーi .:!ﾘi---ヽ!i＞'´〉 ／!:i|i ::i´7/ヽ!―--ヽ=__
;;;;;;;;;;;;;;;;;;| ::!ﾊ!;;;;;;ｨ'´.::´:::《｀＞．__ ／. /i |:!､ i::'/i ヽ〉＿__ ｀､
;;;;иｲ´:::i ::ﾉ´i!´::ヽ:::::::::::ヾ､ー'¨¨¨¨¨¨¨｀ゞ､ Ⅵ ,'/;;;;;;;;;;;;,｀;;,､
⌒ ＼ ／ ＼
／ （○） （○）＼ じゃあ何かお！？
／ （__人__） ＼ こんな連中をのさばらせてもいいのかお！？
| |::::::| |
＼ l;;;;;;l ／l!| !
／ `ｰ' ＼ |i ＿ _
／ ヽ !l ヽi | l [l] |￣| /l | |
（ 丶- 、 しＥ |そ | 二l ￣/ [][]∧.|_|
`ー､＿ﾉ \xAD堯\xA1l､Ｅ ﾉ < |__| |￣／ <_/ <>
ﾚY^Ｖ^ヽｌ ￣
. イ^ヽ. |.ｨ´:｀ヽｰｧく..:..:_.ﾍ
／..:..:..:.ｰ.７.:..:..:..:..:..´:..: ｢ ヽ:..:ヽ
.ィ :..: :..:.:. ..:..:.:.: ..:.:. :..:..:!..:.ハ お待ちを、やる夫さま
/:.. ..:.: .:.: . ./ . .:.:.:. .:.:. :.:..l:. .ヽ
/.ｨ:./..:.:.:..:..:.:.:.:..:.ｲ .:.: イ:.,!:..:.:.:. .:..:! ..:..:.ヽ 殺すにしても殴るにしても、
///:/:..:.:/..､:.:./:.//.:.:./ /:/|:.:.ｲ|:.. .:.:V:.:..:..:..:..i やる夫さまの手を煩わせるまでも
/' /:ｲ:..:.:ｲ:.:.:/7メ､!_:./ /ﾑイ/ |ﾊ:.:..:.|!:|:.:.:..:..:..:..i ありますまい
/ //l..:.:/ｲ:.//j____.lz` 丶Z.＿j__/ l:.:.:.K:ﾄ､:.:.:..:..:..::!
|/｜./ ,.|:小 ￣_￣ } ￣￣｀ j:../ﾊ |ﾄ､＼:..:..:..:..! 某がこやつを広場に引きずり出し、
..イ/´, { !:.}-v Yヽ'＿_ /イ/ ,} | ｀ヽ＼:..:.:! 棒打ちにしてくれます！
／７' |イ ｲ ,ｵ/ | | ｢ヽ ヽ /}/:|Y | ヽヽ､ヾｰ＼!
／､_ {／/イ/ / l:! ! ! ! ├┘.ィﾚﾘ:..:ﾊ:V:ヽ ﾄ.}｀ﾐｰ ､ ＼ では、これにて御免！
／ ,.ィ ,.ィ ／{ノ _|| | | l i≦= フ.／＜ /ヽヽ:＼ ＼ ＼、｀丶､
／ イ ／ /／ __ , く.､| | { | |, ―く弋ヽ ヽ7ヽヽ:.:＼ヽ.ト､ヽー- ヽ
｀¨ /_／ ´ { ヽz､ ! | ヽヽl !-,! }:.:.:..`..:! ｀ ｰ
ヽ. マj_ | } ll! }ﾑ| ﾘ:.:.:.:..:..:|
ハ 丶 ｜ | ll| .|///:.:.:.:.:..:..:|
| ﾊ ヽ } ／! l!! j7/l:.:.:.:.:.:..:..:|
| ヽ. ﾉ _.. イ´ ｜ !V/|:.|:.:.:.:.:..:..:.|
言うが早いか、トウカは督郵を担ぎ、部屋を出て行ってしまう。
__,ゝ―-- ．...__
,ゝ‐ ' ｀`ヽ､
／ ｀ヽ..､＼
／ _,. i ､｀ヽ､.＼ ……行ったか
' /´ ／ , |,ﾊ ｀ヽ ヽ.｀ヽ.
/'i ,′ /i i'"ﾞ| ﾞ､ 丶 にしてもお兄さま、随分と手の込んだ
' /' .|: i ,ｨ/ .| , .! .′ !i .i i.ヽ ,ゝ 策を打ったねー
| .|l i ,ﾅﾘ￣iﾒ‐i.,′-!ﾅi! ｉ. i /
l , _ |i |;_ｨ彡＝</!,' ,ｨｷ'ﾉ! ,i.|.ﾉ.! あたし、今の今までお兄さまは
! , ｉ / /,､ﾞ!! .iｉ `匕ｿ/'ノ' l'Yﾒ'ﾉ_.ノ,'ﾉ' | 真面目な官吏としてやっていくつもりなのかも
ﾉ,' .|/ !' 〈|| i.i! ヾ' . i ,! .i って思ってたよ
/'!ﾉ .i' ゝ､!! ﾄ.! ,′ﾉ ,'!i| |
' ノ'〈/,ｨ=! ,ｲ!! |. _, ,ｲi_ノ /ﾉ'| .!
´ /ゝ｀ヽ､/.|! | ` ， ´ ／!::i.|/／ﾘ i .ノ
∨|: :｀ヽヽ| .|ヽ､/ ＞- '. :ﾞ｀ヽ!/ '´.ﾉ／
jく: : : : : :' iヾ.､;;;;;;;;｀ヽ: : : :// ／
(,:'´￣｀:ヽ:､! ､i: :〉〉;;;;;;;;;/: : :.//!
/ｨ'⌒｀ヽ. ､: :ｉ! ﾍ!:冂;;;;;;;;ﾉ;､: /_'i!|
!: : : : : : : ヾ.､ﾍ i!ﾒ=ﾆl====ﾄﾒく!|
, -―ー- 、
／ノ ヽ､_ ヽ て
'＝= =＝＝ ､ そ
' ＝ ＝＝ l な、なんのコトだかやる夫にはさっぱりだおー？
{ 〈_,ｨ､＿,ノ }
､. ﾚ'＿,ﾉ .. ﾉ
＞ ＜、
/ ー―- .､ r 、 ヽ、
`ー―- ､_ノ l ＼ ＼
,' l ヽ _,ﾉ
l |
弋 ｲ
| /ー ―一、 |
し ､_,!
＿＿
. .=＝'´ ,､ ｀´,､￣ ＼
,:／ ／ .ィ./' ヽ / ヽ ー､ ヽ
〃 .' ／ / /ﾞ''ﾍ ､ . ﾄ､ `. お兄さまは県尉になって、取締りより内政に力を入れたよね
/ / ｰ=ｧ´ |i:. | ! i|.ｉ | ﾞl } その結果、実績が現れて人々は笑顔に暮らせるようになった……
! ヽ /i ィ 卅､‐ﾄ !ｨﾅﾚﾄ､ !. {
'. !ﾊ ﾄｨ磷符ﾞ ﾉ仍尓ゝｲ rﾞ､ でも、そこに悪の督郵が現れて邪魔をしてきた
}. |.ヽﾄゞ一′ `ﾞ‐ﾁｲ,ｲi. }､ お兄さまは悪をギッタンギッタンにして、
（ ﾄ!. ヾ､ ､ ′, .ｲ ﾊl/ 官を叩き返して在野に戻って行く
r､ヽ! ヽ ﾏ＞ __ イ`j /､〉 ,､
|jヽ !__,j::ヽⅥー‐一jV./:|__〉 /'］ 安熹の人々はお兄さまが去ったことを嘆き悲しみ、
V}､!/}:ヽ>:! !-=_ .-「//.´ r､:ﾞj/ i 余所の人は痛快事としてお兄さまを持ち上げる
!ヽﾞ､ヽ※jﾉ. ､. ,, //.::※| j/'//
∧ ヽ! VV:乂 Y { {:::VV !, ,::､ 民衆は手を打って大喜びするだろうねえ
j::ﾊ ﾉ^::::::::ヽl／:ヾ:､:^{ ﾊ::!
|::!/＼.ﾑ ::::::::::::ｉ:::::::::.ヽ::::,ゝ_ﾍﾉ､| 慮稙の門下生だったことから、どこに行っても名士受けする上に、
ﾉ:/＼__/ ::::::::: 乂:::::::::::::Yヽ.＿／} これでお兄さまは庶民まで味方につけたワケだ
/.:/.:::::::::ｲ:ｰ+匕/. .ヽｰ-l‐ヽ;;::::::::::::{
,／.:::::::::/ｲ:::::!::::/ ＞ヽ::::!::::」}::::::::::::ヽ
!::::::::::: /´_T´￣／ ￣l_ ゝ､:::::::/
`ー‐ '゜/<ﾉ. ＜ . ／ Vヽ ｀¨
／.:::::.＞‐-､.／ ,ｨ‐＜::::: ＼
＿＿＿_
／ ＼
／ ＼ ………………
／: ＼
|::: | ……幻滅、したかお？
／⌒:: ⌒ヽ／
/:::::::::::: ＼
/:::::::::::::: ＼ ヽ
. ／
／ ／ ､ / /／ｉ|il| /
∠ ／ Ⅴ／'/ ｀゛У
＼_ｨ=ﾐⅤ〃 /
. / _.xイ／T_Ⅵ / まっさか〜
/´￣ /}!´イ ﾄ'ﾊ{! ′ ,′
/ ,″ ヽ{!ujﾍ ′, / この乱世、人のいい仁君ってだけじゃ、
ﾊ〃 ｀¨´ i ｲ.ｲ .′ 渡っていけないもの
,' }{ ／.′|/ |ハ. /
{ I! l ／ ! ′ }./ィ 本音を言えば、悔しいけどね
､ィ! 、 ﾉ′| だから、今度からこーゆーことする時は、
＼ {: !∧ ﾏﾆ ､ 〃 ちゃんとあたし達兄弟に教えてくれるコト！
／.:ヽ 〉j ﾑ ､｀ ＼＿ /′
⊿====} {=} ﾉ:,ﾊ ￣ '
: :r={｛7ｲ／､ｉ､ ＿＿__ ／.: : それで手打ちにしようじゃないの
ヽ: :!}ﾌ／く//∧＿ ＿／.: : : :
: :／}i ｉトﾄ､///////／.: : : : : :
〃.: 弋ﾘ: ||/ヽ/////.:ヘ: : : : : :
/.: : : : : : :.!!'//////.: : : : ＼: : :
,'.: : : : : : : :.!!/У'//;'fr＝ぅ: : ＞:
. {: : :ｉ: : : : : :.!!'//／{r¬ゝく'¬}: : :
..八: : ｌ: : : : : :ヾV/: : :＝ｲ i ﾄ＝': : :
,,．: ''''""~""'''‐．.
／ ＼
／ ノ ヽ､_ ＼ 約束するお
/ ( ー ) ( ー ) ｀､
/´ ', でも、万が一にでも下心が周りにバレたら、今後の展望が
i （ 人 ） ', すべてがブチ壊しになっちゃう危険姓があったんだお
! ~''''´⌒´''''´ |
＼ ,.' だから、アチャ子にもトウカにも、言えなかったんだお。
> ／ ……この、脳足りんの兄を許してくれるかお？
／ -----‐‐‐'''"~ ＼
_ .... ．-‐‐､__
-‐=＝ﾆ二 ヽ､_
,. -‐''"´ , ､ ヽ ＼ ……当たり前じゃない
/ ,:' , /il!. ヽ ､ ヽ ヽ ヽ
ﾍ / / ,,' |i､,-‐i|､‐ﾄ､.l .| ﾞ! それに、怒ってないよ。
： i! i,-ﾅ!-. ﾘ!ﾊｨ,!=ﾘﾄｉ､| .|: | だって、あたしたちだけは、
! i!､ﾊi!ﾃf=i ﾘ込,,;ｿ'ﾅ ﾄ. .! 本当のお兄さまのことを知ってるから
,' ､ﾍi´!┴' , | .ﾚ iﾉ
ﾉ .:ﾄ!ヾliﾄ､ ＿, | .〉ヾﾄ| でも、一人で溜め込むことが辛くなったら、言って？
∨ﾄﾘ＼!ゝ､ ¨ . ｨ,ゞくヾ､j 辛い時や、泣きたい時はあたしがお兄さまを癒してあげる
. ∨ﾄ! |:::i!::|:`:.､_ .ｨ ´ , ' ヾ.＼
V ﾉ!::i!:i!､ヾ::::::| / Y:i|
|::i!:ﾄ､＼::;ｲ,ｲ ﾄﾉ
,‐-. ､__
,ゝ―'´ ｀ ﾞ ＜
, '´ ､ -｀丶､
,.′, . . ｀ヾ､ヽ｀ヾヽ､
/ .,/ !i : i i､ ／! ､ヾ､ヽ ｀ヽ
. / ,'' !l i :l !ﾞ"""!i ヽ.､ヽﾞ､ 行きましょ、お兄さま
. ! ,',i .ii!i ! i ! i.i! i ､ﾄ､ ヾ､
. ! ,'i/! !i_!､__i!i i!i i!i l .ilヾ､ } 今頃、トウカが鬼の形相でアイツをド突き回してる頃だろうし
. ! ir-!__,ｪi二ニミ‐!! ｨニ三´! i! ﾍ.i ./
!i.（ゝ!i `匕乃ヾヽi!! 乞万¨ゞl‐i! ﾍi i さすがに殺しちゃったら、お兄さまの名声に傷がついちゃう
..ﾉi iﾍﾒ!! .i､!￣ ¨¨¨ﾘ ﾉ!'!i!i i!.!
´iﾉ !i!i｀i! i!iヽ゛゛ ′ ´iﾉ!'ｉ ,'iｉ! ﾉ.l
ノi 'ﾉﾉ,'il! i!i､ ー 一 ,.ｲi| !' .i!i´ ﾍ
乂'＿i|i i|!i≧ ､ . ＜ﾉﾉ!i ! i!.! ﾉ
ヽ:.(...､iﾄi､i!i_＿ `；i｀ヽ､丿!i! ! !/
【冀州、中山国、安熹県 広場】
.. .... .. .:.:.:..: .:.:.:. . ... :. .:.:.:.: .: .... .:.:.:..... .. .... .. .. . ... :. .:.:.:.: .: .... ゞヾ ゞ;ゞ ゞヾ ゞ;ゞ
.. .:.:.:.: .: .... .:.:.:...... .... .. .:.:.:.:. .. ... ....:.:.:.: .: .... .:.:.:.. .. :... .. .. ::... ヾゞヾ;ゞゞ;ゞゞヾゞ;
. .:.:.:.... .:.:.:..... .. .. :. .:.:.:.: .. .:.:.:.:.:.:.:.... .. . . ..:.:.:..: .:.:.:... . ＼（(~)ii:;;i
. .. .... .. ......:.:.:.:.:... .. . .. ...:.:.:.:.:.... .. .. .... .:.:.:.:.:...... .. ... . .. :. ... .: . : ヾi(~):
.. . .... ... . . . ..... . |:;ili;:i
(i;||;(::
（:..ll::i
.............. i;;ii;;;:
..::'' ::'' i '':: ''::.. |li;;::;
.::' .:' :i: ':. ':.. （;(ii:::
,::' ,::' ii '::, ':;, ilijl:::
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||三三三三三三三三||￣￣￣￣￣| ||三三三三三三三三|| ﾉ;;ii:::i
ヾ((; ⌒((⌒ ⌒ヾ⌒;; ))((⌒;:(⌒ i/((⌒ v⌒ii(⌒;;))(⌒;;⌒)) ;;((⌒V⌒;;⌒));; ,ノ(~))ii;
￣|￣￣￣￣|￣￣￣￣|￣￣￣￣|￣￣￣￣|￣￣￣￣|￣￣￣￣|￣￣ ノiiノiレll|
""""""" """"""""""""""""""""" """"""""""""" """""""""""" """"""""""
広場には、群衆が群がっている。
その中央には二人の男。
一人は身体を縄で縛り上げられた、身形のいい男。
もう一人は、棒を持ち、何度も何度も打ち下ろす、鬼神のような形相の男。
,ゝ / / ｀'''ｰ ..,、 .｀'-､ '!、.ヽ ,!
.,..ﾉ / ./ _＿＿＿｀--..,,. ﾞ''-､¬―ヽ ヽ .,,,_、 .i|_
､ / _..ィ ./ ,i彡―''''''二二 ---―¬￣ .｀''-..、 ﾞﾞゞﾐ" .ｌ, ヽ.- ...二¬ヽ ,..､
.‘ /| ._..-'" .｀" / ,i'――"´ ｀'ｰ..、 ｀'-.ｌ ヽ .゛ ¨ ｰ |ｭ′
./ .| ._..-'"゛ ._..i-‐―/ ./ ﾞ''-､. ｌ ヽ .lx.
/ .ﾞ‐''''" _.. -'''" .! ./ ./ ｀'-､. ｌ ｌ,. ､ .!ヽ
./ ._. -'"゛ i! / /.! ｀'‐ ｌ . ｌ .｀'-､, │ヽ
． / ,./ !ﾚﾞ / | ｌ . ｌ .｀''″ヽ
..ｌ / ./ ﾞi￣" ｀"''て ! .ｌ ﾞ
! ./ / ｢" │ ! .ｌ＼.
ｌ./ / / ｌ |. ｌ ,ﾞｘ、
ｌ ./ / ｌ、 ! .ｌ.-'"ヽ
..ｌ、 ｀＼、 / _.. ‐',ﾞ. l ｌ, ..ｌ
ヽ l.ヽ_＿＿＿/ _..-''',ﾞ / '´ .| .ｌ .ｌ,
ｒ ヽ ｌ ヽ _..-''',ﾞ -'".、 , ,! ｌ
.「'､ ヽ ヽ. ＼ _..-''',ﾞ -'" _/｀ﾞ''". l .lﾞ l
/ ヽ, ヽ ｀'､、 ＼ _..-'"_..-'" .'ヽ, .ゝ l l
ヽ ＼ ＼ . ＼ ,..-'"_..-'" ｌ . _,,.〉/ │
＼ .,, .,＼ ヽ､ ＼ ._..-'"ﾞ., ／ l／ ./ ,ィ tｰ
.,,、ﾞ / ﾞﾞ.＼,ﾞ＿ο ＼, ﾞ''-､, .'"゛.,..-'´ / ! ｌ
.lﾞ ´ て ＼ ｀'-..,ﾞ ,..-'´ i､ ! ／
ｌ ヽ., ＼ ｀''- ,,, _..-'´ ,.i!ﾞ.ゝ.ｌ
.ヽ ／'"＼ ,／ノﾐ,ﾞ ｀''ｰ ､、 ._..-'" ,i'l′ .!_,
.ｌ_、 ｌ .､ ＼ ., '' ／ ｀''-..、 ｀ﾞ._,, ‐'″ / ヽ
｀'-_..--"´ .＼ ｀'-, ._／／ ｀''ｰ､、 . _..-'"゛ .,,イ /
`-、 `' _ ‐゛ _..-'"´ ／ ｌ, .,ﾉﾞ,,,、
| .｀'､、 . ＼ .,,, -''″ ,, ／ .＼＿＿＿. v . ´ﾞ―――-
! .／.／-､ ﾞ'-、 .,.. -'"゛ l ｀─゛ !
／￣￣￣￣￣＼
/ ,∨∨∨∨∨
/ ／／ ＼.| やめろ！
| / ,＞ ＜ | わかった！
(6 ＃ ⊂⊃ .| . 俺が悪かった！
| ＿＿l＿，.| 許してくれえ！！
| ／ / ／
／| ┃￣￣￣／＼
＼
. ＼ ＼ /⌒ ＼
. ＼ ＼ 〈｀Y::::::／:⌒|::＼｀ヽ、
＼ ＼ ＝＝≠ｧ/ヽ／::ﾉ::::::::＼:::＼
. ＼ ＼ <／/∨:::::/:::::::::::::::::ヽ:::::ヽ ならん！
＼ ＼. ｌ:::::ｌ:::::ｌ_ｌ_i::l::i::::::::::::ヽ:::::ヽ 貴様には二つの大罪がある！
. ＼ ＼ |:::::|:::::l::l::l::ﾙ｀:ヽ:::/liﾄ、:ハー'（
. ＼ ＼ /⌒〉::i::l::| rテトvﾊｨ!ﾘ::::/::::i＿メ 一つは劉家の血を引く、我が長兄を侮辱した罪！
＼, ' ∧:从人弋ｿ ∨ﾙ'::::从 やる夫さまに暴言を吐くことは、即ち漢室皇帝に暴言
／ //´￣￣ ｀ヽ. _. ｲル'＼ を吐くと同じ！
／j／ﾙ' ∧ ＼ﾘ｀ヽ ⌒
⌒ ／ ｀X .∧ ﾄ､ ﾒ、./Y
ノ （ __ __ __ .. ＜ .／／＼∧ }} ＼ノ ノ⌒ヽ もう一つは、官吏の身でありながら、貴様はやる夫さま
＿ __ __ ＿ .. ＜ ／ ／ | ＼ __ノ ＼ノ⌒ヾヽ､ に賄賂を迫った！ ばかりか貴様は、贈賄せねば兄上を
__ .. 二ニ=＝-- ─ =＝ ´ .／ ｀ヽ ´ ヽ } } ＼ 罷免させるとまで吐き捨てた！
__ .／ `ｰく . //＼ノ
／´￣￣ ＼ / _ノ ＼ ＿ ／ // 貴様の犯した二つの大罪、万死に値する！
／ __| く / / / | .// 我が断罪の棒杖は正義の一撃、
／ ＿＿＿＿ ／ j ∨ / / し'イ その痛みは汝が犯した罪と知れ！
´ ￣￣ ／ ／ ! ∨ / ⌒ ＼.ﾉ
／ ∨ ＼
トウカが更なる一撃を繰り出そうとした時、
＿＿＿＿
,. -'"´ ｀¨ー ､
／ ,,.-'" ヽ ヽ、
,,.-'"_ r‐'" ,,.-'"｀ ヽ、 もう止めるお！
/ ヾ ( _,,.-='==-､ヽ ヽ、
i へ＿__ ヽゝ=-'"／ ● _,,> ヽ 充分！ 充分だお、トウカッ！
./ / ● ＞ ＝'''" ￣￣￣ ヽ
/ .ヽ-‐´''" ヽ i
/ i 人 ノ l
,' ' ,_,,ノ `─-‐' ヽ l
i ｀､ l /
', ｉ .l. ／
ヽ、 i .l /
ヽ､_ i .l ／
｀¨i i _y──‐ l. ヽ
/ ｉ_/ / ＿ '. ヽ
/ ￣￣ ヽ
やる夫の声が、トウカを止めさせた。
/:. :. ／:. :. :.:i:./:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. ヽヽ.ヽ
. /:. :./:. :. :. :. :.i/:. :. :. :.:i:. :. i:. :. :. :. :. '､:. :. :. :. :. :. :.'､:. :. :. :.ヽﾊ ヽ
/:. :./:./:. :. :. :. |:.:i:. :. :i:.:iヽ:. ヽ:.､:. :. :. :ヽ:. :. :. :. :. :. :.:ヽ:. :. :. :ﾊ:ﾊ ヽ ですが、やる夫さま！
,':. :/:. :i:. :. :. _:. :|:.i:. :.‐‐--.､,:.:ﾍヽ:. :. :. :ﾊヽ:. :. :. :. :. :i:.:ﾊ:. :. :. :.iヽ:i ヽ
,':. /:. :.i:. :.／,-､ヽ:i:. :. :. |. ,ｨ=≧ト.､ヽ:.:.:.:,ｨ≦了:. :. :. :.iヽﾍ:. :. :. :i. ヽ こやつの罪は、死して贖うべき罪です！
.. ,':./:. :. :.:／イ ノi:.i:. :. :i ｲ|r';;;;;::i fr';;;:|.:r､:. :. :. iヽ .i:. :. :. :| 官吏・公僕になるとは、私人であることを
i:.i:. :. :／' / N:. :. :.ﾘ 乂;少 乂ソ V:.ﾍ:. :. :| i ＼:. :. :.| 捨てること！
. :.i:. ／.／／ ヽ |:. :. :ﾊ ､ i:. :.:N:. :| ヽ ヽ:. :|
／イ ／ ノ ./￣|:. :. :.ト /:. :. |.ヽﾘ.ゝヽ ヽヽﾘ にも関わらず、この男はやる夫さまに賄賂を
' ´ ‐' ´イ ./／ |:. :. :.iヽ ｀ ` ／.|:. :. |＼ヽヽト.ヽ､ヽ-＼ 要求したのです！
‐' ／ ／／iゝ､ |:. :. :.|. ＼ ,.ィ .|:. :. | ヽ､ ヽ `ヽ ｀､＼
. ..,､イ:."￣:. :.:ﾍ . ｀'‐|:. :. :.|'‐‐-､` ､__ イ/ヽ. i:. :. | _ノ ヽ ヽ ＼ ＼ ご命令を！ 某が一撃でカタをつけまする！
V:. :. :. :. :. :. .ﾍ. |:. :. :.|-､ |‐‐‐‐‐| | i:. :. |'´ / `ゝ､,_ ヽ､,
,ヽ-‐‐‐‐---､ﾍ.. |:. :. :.| i |:::::::::::::| { |:. :. |.／ `‐‐
＿＿＿＿
,. -'"´ ｀¨ー ､
／ ヽ ヽ、
,,.-'" ,,.-'"｀ ヽ、 ならん、ならんお
/ ､＿_,,.-='､':'" ヽ、
i へ＿__, " ﾞ.ﾞ（●）ﾉ ヽ そいつを殺して腐った世を変えられるなら、
./ i （●）〉 ｀''''''" ヽ やる夫は何度だって殺してやるお！
/ . ﾞｰ-''" ヽ i
/ i 人 ノ l でも、そうじゃないお
,' ' ,_,,ノ `─-‐' ヽ l なら、そんな男の腐った血で
i ｀､ _y──‐ l / トウカを汚すことはないお
', ｉ_/ / ＿ ' ／
ヽ、 ￣￣ /
ヽ､_ ／
｀¨i ヽ ―― そして皆、聞いてほしいお！
/ ヽ やる夫はもう、県尉なんて辞めてやるお！
/ ヽ
:┐ n /〉 <ヽ /^〉' や、やる夫さまが辞める……？
! }”/ ,､ <｀ヽ ./:::/.,､
⌒!ｨ f¨ﾟ{ <´ 'ヽ Vハ |ヽ Y¨! |::::}ｲ { , -ー ､ _ /¨> r-‐,､ <⌒!
::〈人_r-ｰ- ､_r＜}| ＞::::￣:｀ヽ__, - ､__r ､r=¨>‐-! /:::::}＿_Vﾍ }:::|__}::::{.ィ1.|:.:.:.:.:.:.}_, くﾉ￣! ./;;;;;;;;;}_, ﾍ⌒',
/:.< /::::::::::::::::Y::/|i /::::::::::::::::::::::Y:.:.:.:.:.YVｲ!:::::}::::::::|/::::::/:ァ＜! V_::| ',く/⌒!}:.:.:.:.:ノ/ /:/^V__〈ヽ;;;;;/_!__ノ::::::ヽ
:.:.:.:}|:::::::::::::::::::|:{:. }:!:::::::::::::::::::::::: l:.:.:.:.:.:.|ィ ゝx}:::::: |::::::/:.:/ / > ¨⌒ヽ:'. V¨¨ヒ{_. V==<:::::｀ヾア´:f⌒!ヽ:::::}
＼f':!::::::::::::::::::lﾊ:.:ﾘ'.:::::::::::::::::::::::∧:.:.:.:./ ＞ｲ::! :::: |:::::{Y/' 〈 /:::::::::::::::::}:' V::::::::::{ .} .}::::::::::|:.:.:.:.|:.:.:|:.:.}-:'
ヾ!,､:::::::::__/_／ ヽ::::::::::::::::/|ﾚVWハ/::::::::/:::::: |::::::|ﾊ V!::::::::::::::::::!:/ ./:::::::;:::Y /^!:::::::{:ﾄ､: |:.:.:|:./:::::やる夫さまのせい
｀Yﾟ￣ ＿/VﾚvｲW:::::｀ー-::＿_／:::::::::/:::::::| ヽ ｀!:::::i:::::::::::|' /:::::::/L_| ￣⌒¨}＞ﾍ}:.:.:|”:::::::: ではありません！
、 f´￣::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::| ヽ .|:::::l::::i::::::| /:::::::::| ＞- ._ }} |:.: |ヽ:::::::
なんでや！？ 悪いのはそこの豚ゴリラやろ！ やる夫が辞めることあらへん！
＼ やる夫だってみんなと別れるのは寂しいお……
-‐7" ヾー---┐ ＼ でも、やる夫はいまやお尋ね者の身
￣ ./ﾞﾆ,ﾆF､'' ＼
: ,.,. |ヽ 」９L.` ＼ 一所にいるわけにはいかねーんだお
ｌ' """U l それに、ここにいたら愛すべき安熹の民に迷惑をかけちまうお
ｈ､,.ﾍ. |
（ j ） l だから、だから……
:.｀ｰ-‐'´｀ｰ-‐'′ ／
≡≡ ／
イ＼
`ｰ- -‐'"´ ＼
: . ＼
,,．: ''''""~""'''‐．.
／ ＼
／ ノ ＼ ＼ とめないで、欲しいんだお……
/ 。( ⌒ ) (⌒) 。 ｀､
./O ／ ＼ O ',
i （ 人 ） ', うっ、うう、うぅぅうう、ううｩうう……
! ｀ﾞ'´⌒｀ﾞ'''''´, |
＼ ,.' 不肖、この劉やる夫、皆に何もしてやれなかった
> ／ のが心残りでならないお……
／ -----‐‐‐'''"~ ＼
やる夫は涙を見せ、印綬を督郵の首にかけてやった。
群衆はやる夫との別れに皆、涙し、声を上げて別れを惜しんだ。
※注 （印綬 ： 印とはハンコのこと。綬はハンコを首にかけるためのヒモのこと。
この二つを見れば、その人物の後漢における立場が一発でわかる）
-‐=＝ﾆ二 ヽ､_
,. -‐''"´ , ､ ヽ ＼ （これが、英雄たる者の資質……！
/ ,:' , /il!. ヽ ､ ヽ ヽ ヽ 督郵を打ったのも、善政を敷いてみせたのも、
ﾍ / / ,,' |i､,-‐i|､‐ﾄ､.l .| ﾞ! すべては自らの評判を上げるための策）
： i! i,-ﾅ!-. ﾘ!ﾊｨ,!=ﾘﾄｉ､| .|: |
! i!､ﾊi!ﾃf=i ﾘ込,,;ｿ'ﾅ ﾄ. .! （それなのに、お兄さまは大げさに涙を流し、
,' ､ﾍi´!┴' , xxxxx .| .ﾚ iﾉ 本当に別れを惜しんでいるようにふるまっている）
ﾉ .:ﾄ!ヾliﾄ､ | .〉ヾﾄ||
∨ﾄﾘ＼!ゝ､ ‘｀ . ｨ,ゞくヾ､j （なんて……なんて、図太さ
. ∨ﾄ! |:::i!::|:`:.､_ .ｨ ´ , ' ヾ.＼ でも、これくらいのことをして見せるからこそ、
V ﾉ!::i!:i!､ヾ::::::| / Y:i| 大望を抱き、大業を成せるというもの……）
|::i!:ﾄ､＼::;ｲ,ｲ ﾄﾉ
|!:!ﾉ,.ゞ-´ ' ,i! ,!:ﾞ! （今の名士どもには……ううん、あたしにだって
|:i:!´ , /.:! ,ﾟﾄ〈 こんな厚顔な真似は無理！
|:ﾉ ､ .ﾉ,/_;:i! ,'. ﾄ/ やっぱり、あたしの目に狂いはなかった！）
!,' ノ'´ノ'´ l＿, .-､ ./.:: ﾚ′
ｲ;' ,ｨ'´i′ _/ ー＝､ヽ:::: iﾞ〉 （やる夫さまこそ、あたしが使えるに値する
,''i ./ﾉ;ﾉ .'´ ｰ=.､ .ヽ〉 /V 天下無双の英雄。あたしだけが理解し、
i{ 乂'i:!'ﾞ>' ┌-.､｀Y:: ,'､ﾉ 支えてあげられるんだ……！）
|!､ ヾ／ ｀￣`く:: ,′!
|ﾘ>'´ ,ゝ‐'￣¨`!': /ヽﾉ （ヤバッ、ちょっと濡れてきたかも……）
!,' / ﾉ:: !ヾ,′
※注 （この作品では可愛らしい女の子ですが、史実の関羽は男です）
こうして、三兄弟は安熹県を去って行った。
あの未曾有の大混乱、黄巾の乱を経て尚、この國は何も変わっていない。
劉やる夫の心は、鉛のように思い鈍雲で満たされていた。
それと同時に、督郵如きに足元を見られ、
賄賂をせびられた自分をこそ、殺してしまいたいほどに恥じていた。
いまだ大事を成せない自らの不甲斐なさも、殺してしまいたいほどに悔しかった。
関アチャ子と、張トウカの前で 「天下を望む」 などと大言を吐きながら、
所詮自分は、辺境の一地方の治安維持係でしかなかった。
正史先主伝において、やる夫は面会に応じなかった督郵をボコボコにし、印綬を返し、
安熹県を去っている。どのような職務成績だったのかは不明である。
特に記載されていないということは、可もなく不可もなく、だったのだろう。
……三兄弟の、その後の足取りは、演義には記載されていない。
演義において、安熹県を去った彼らが再び登場するのは、
中原を、黄巾の乱を遥かに凌ぐ大乱が襲ってからのこととなる。
しかし、『正史』蜀書・先主伝注、英雄記によると……
. -＝＝=
.／r.―┐ |三|
./ ＠⌒┘ ｊ三ｊ＿_ 前回の補足【官僚編】で紹介した郷挙里選 ――
| /」 ＞ ¨ `
l ／ ＼ 実は、致命的な欠陥を含むシステムでした。
|三 7 / ＼ ＼ ヽ
.′/ /( ＼ ＼ ＼ その理由は単純で、完全推薦制な点にあります。
, / /⌒＼ 、 才ある者はいざ知らず、才なき者は
/ ,斧斗 三ニ=彡 推薦権を持つ人々に多大なお金をバラ撒いていました。
,Y「1: V/り 斧斗 _ ｜
f {.ｌ :|{＿＿)- r― V/り /Y7./ | 司隷州などの中央の目が近い場所ならともかく、
八.:l ｊ l. 八 ` ー＝' ¨/ /// / | 都から遠く離れた州では、贈賄が横行していました。
`ｊ ..ノヽ ` ‐ _ ノ ./ ,: ./ 八
)＼ ,仏＞―=≦ / .,: ( ／ 賄賂によって職を得た汚職官吏は、今度は立場を利用して
./ ∨ /..く_ (＿ ソ)八 人⌒く ばら撒いた資金を回収し、金儲けしようと自分より立場の低い
/ Ⅶ..../ ／| /:Y ........_ 官吏に多大なる賄賂を要求したのです。
./＼ ＼′ |／ /::/ ∧......._
/.........＼＿＿/／| /く /.∧......} ●補足 【官僚編Ⅱ 賄賂】 終わり
┃ ┃
┃ 【正史】やる夫たちは中原で覇を争うようです【演義】.┃
┃ 第一部 『群雄争覇』 ..┃
┃ ┃
┃ 第二話 「覇者占拠洛陽」 前編 ┃
┃ ┃
┃ 終わり ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
┃ ┃
┃ 【正史】やる夫たちは中原で覇を争うようです【演義】.┃
┃ 第一部 『群雄争覇』 ..┃
┃ ┃
┃ 第二話 「覇者占拠洛陽」 中編 ┃
┃ ┃
┃ ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
西暦１８８年、中平５年。某月吉日。
【帝都・洛陽、平楽観（宮殿の西側、通称『西園』）】
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :_: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :」冖､: : : : : :.「￣￣|iiik;; : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
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その先頭を進むは、豪華絢爛な甲冑に身を包み、
体格のいい騎馬に跨った、この國で最も格の高い人物。
――後漢・第１２代皇帝、劉宏。
後の世に、霊帝と呼ばれることになる人物である。
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ヽ `'´ 〉 }i弋::
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', |::`ー‐‐- ､..＿＿,．-‐'´ ／／
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￣`ー-- ､ ヽl:::::::| / `ー------‐'´:::::::::::::::::::::::ヽ、
`￣`‐--、 ヽ:ノ / |::::: : : |::::ヾ ヽ、::::::::::::ノ´ ＼
`ヽ／ / .|::::: : : |:::::::} ￣￣ ￣
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●後漢考霊皇帝・劉宏（霊帝）
霊帝は、自身を 『無上将軍』 と称し、数多の将兵を率い軍を統率した。
皇帝が将軍号を帯びることは、前代未聞の出来事である。
これは、４年前に引き起こされた黄巾の乱の指導者、張角が 『天公将軍』 を
名乗ったことへの対抗処置とされる。霊帝が名乗った 『無上将軍』 には、
「朕より上の将軍はこの世に存在しない」
という意味が込められているからだ。（鎌田重雄著、後漢の西園軍より）
その姿はまさしく中華の主 ――皇帝に相応しい雄大な姿であったという。
もっとも、これらは演出された儀式でしかなく、霊帝自身が英雄たる
風格を備えていたとは言い切れないのだが……
―― 閑話休題。
やがて霊帝が、声を上げた。
＿__
／ ＼
/:: ＼ _＿_
/::: 丶､＿_,, '´ ｀ヽ
|::::: |
|:::::::. | 今ここに集いし我が精兵たちよ！
|::::::::.. ＼ │ お前たちは今この時より、
人::::::::: _ __ヽ | 我が直属の兵となった！
／ ⌒ヽ_･Vﾉ:;〃 〈
／ -=ﾆ二;::={{___ . ＼ これよりお前たちは、『西園軍』である！
. ／ ／ x--､`く_:::ﾌヾ･}⌒ ＼
／ ／⌒丶＼＾7ﾞ ｿ ＼ お前たちを率いるのは、朕が認めし
（ くー-､::::<／/ ヽ 八人の将星たち！
. ヽ::::::::::::............ 二ヽ_∨ ......::）
＼:::::::::::::::::::::::､::::::::::::::::::::::::::... ....:::::::;; -‐ ´ 八校尉よ、前に出よ！
丶、::::::::::::::/￣厂￣￣}}＼:::::... 厂￣
￣￣／ ｛ 〃 >::::::. /
＿_rー＜,,_ {{ /::::::::::::. /
＿＿ rー‐＜＼:::::::::::::::::::＞ー-､＿＿__｛＼::::::::::::.. /
／ ＼＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＞──‐＜＿
/ ＼ ー─-､_::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_＿＞､
| / ー─-､￣￣＼＿＿＿_／￣￣ -――＼
| ￣ ー──‐一´￣￣ ／⌒ﾊ
∨ ／ ／ |
/＼＿＿_／ヽ
／'''''' '''''':::::::＼
. |（●）, ､（●）､.:| ＋ どうも、蹇碩です、よろしく
| ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, .::::|
. | ｀-=ﾆ=- ' .:::::::| +
＼ ｀ﾆﾆ´ .:::::／ +
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､
: | '; ＼_____ ノ.| ヽ i
| ＼/ﾞ（__)＼,| i |
＞ ヽ. ハ | |｜
●蹇碩（字はダディ・クール）
この男、宦官である。
演義によれば霊帝の信頼厚く、霊帝を教育・指導した男だった。
さらに演義では 『十常侍』 と呼ばれる、霊帝時代に専権を振るった宦官集団の筆頭とされている。
このスレでも、そういうことにしておく。
宦官の身でありながら、身体壮健であり堂々たる体格をしていたという。
そのことから、西園八校尉筆頭である上軍校尉に任命された。（正史・演義ともに）
.':.:.:.:.:.:.|: .:.:/:.: .:./:. .:.:.／i:.:.: .:. ./:.:.:.:.:.:.ヽ､ ヽ:.:.:.:.:.
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/:.|:.:.}｝|.:.|:.|.:.:.|､｛ｒｆ夊仏＼|:.:./rフ´／＿.| {:.::.| |/ 任じらたからには、
. /:./|:.:.| l.:.l:.|.ﾄ:.'.￣¬‐┴ヽ',:./／‐´ ＼_/ ヽ_l 粉骨砕身の思いで
/／ }:.l:ヽrヽl:.l:.ヽ:ヽ ヽ, ,}＼ ヽ 職務を全うしようではないか
／´ .':.ﾊ.:.{=l:.'.:.ヽ:.',-＼ ｛_￣￣￣ヽ ',
/:/ }:.:|ＦT〕､:.＼ ヽ￣ヽ l
// /|:.:l|{≡}|ヽ-､＼ ､＿_ _ / .| | ',
/´ l:.|}:|f i:|. ＼ ___ ¨ヽ { l ',
/´l:ﾊヽヽ､ ＼ ¨ ｀才:.ﾊ
ﾉ _}:.:|＼＼ ＼ , ' ´/:.:./ /,ヽ
}二二匁≡⊃＞＜ｦ‐≠ｫ{! ./´ ＼
/:∧: : / /: : ￣７ /￣￣l ヽ ＿〉_＿＿
/: ∨: :/ /: : : : :/ /-､〈〉/ __|＿＿＿＿
＿＿＿＿＿ ／ 《〈〉》 l { : : : : { {＾}} }{}ヽ＿ |＿＿＿＿＿
: : : : : : : : : : : : :.≧≦ / /: : : : : | |: :巛r: : : 卜-'|: : : : : : : : : :
●袁紹（字はルルーシュ）
袁ルルーシュは後漢時代に4代にわたって、三公（総理大臣クラス）を輩出した、
名門中の名門 『汝南袁氏』 の出身である。血筋のみで言えば、劉氏を除いて
当代最高の家柄であった。（日本で言えば明治期の徳川家のようなもの）
本家に近い血筋だが傍流であり、正嫡と見なされているのは従兄の袁術であった。
しかし、名門出身にも係わらず謙虚であったため、名士受けがよく、大勢の人々から慕われた。
名実ともに西園軍のナンバー２であり、次席の中軍校尉に任命された。
四番手に進み出た男に、将兵たちは度胆を抜かれた。
γ ／::::三三三γ //.／／ﾄi!i!｀メ｀ヽ､
/ ／三:::::三三三{ 弋ﾉ／ 廴＼i!i!i!i!｀ヾﾒ､
ﾞｉ |三三:::::三三三ヽ !ｉ´ .＼i!i!i!i!i!＼＼
| |三》´:::::::::::｀三三ミメ .｡o≦≧､ ゞ、i!i!i!i!＼＼
ﾉﾉ三´::::::::::::::::::::::三三三三三三三≧､ ｰi!i!i!i!＼＼___,､
//三´:::::::::::::::::::::::::::::::::三三三三三三三三≧o｡。....￣￣ )ヽヽ
//彡'::::::::::::::::::.｡o≦三≧o｡.::::::::::::::::::::::三三三三三三三》 〃弋
//´:::::::::::::::｡o≦＞斧刈卅卞ﾐメ≧o｡.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〃 廴 ヽ
イ/:::::::::::r≦＞斥辷圦 ㌢乂 ヾマﾏ三≧======ー――ヽ､＿ ＞‐
／／:::::::::::::ﾉζl|l|气ミ刈 ヽ f´Qﾞゝ ∨ﾒヾﾒ､:::::::｀ﾏ三二＞ ¨´
__. イ／:::::::::::::::イ三|l|lヾγeﾞｵ ´ |l|l|l|∨::::::::::::::::::ゞメ、 どうも。精一杯頑張らせてもらうだろ、
ヽ f´:::::::::::::.｡o≦三三洲l|| ﾞ¨´ j ､ ﾘl|l|l|l∨::::::::::::::::::::ゞ ヽ 常識的に考えて
弋 ＼三三三三＞¨´ﾘl|l|lk 弋T彡' __ ., ﾉﾉ|l|l|ζﾏﾒ:::::ﾄ､::::≦二
ゝ、＞｀ｰ‐ ¨¨´ ./!l|l|l|lk r‐=≦二二| / ﾘ {彡刈:::::ヾ＼､ゞﾒ､
/ |l|l|l|l|lk ﾏ弋´ ｀ｵ ｲγ⌒＜:::::::::廴｀ヾメ
|l|l|l|l|l|lk ﾏｴｴｴ彡' 彡ｲ.ｉ fﾏ ∧≧ｰ辷刈ヾ｀
_ 弋l|l|l|l|l|lk ｀¨¨´ / .| | .∨ ∧:::::::::::::ﾏ
.ｉ ｀ー‐刈l|l|lk ／ | | .|∨.∧:::::::::::::ﾏ
| fヽ ζ |l|l|l|l|弋__ イ イ| | .|i!i〉 〉:::::::::::::〉
| |i!∧ ∨ 廴＿＿__彡イ三》|/ |;/ ./:::::::::::乂,､
∧∨i!ヽ ﾉｿ ﾉ三三三三三三三| / ./::::::::::::::::::::::::＞―z
∧∨i!∧/ 刈三三三三三二＞ | /〈 ゞ::::::::::::::::／ ／:::ヾー
ヽ廴i!∧ ヾｿ´ｰ=卅卅¨´ ./ ∨ゝ ｀ヾγ´ ／:::::::::::::::::
γ:::::イ ノ::::| ｉ / ヾﾒ､ .∧ .∨::≧o｡. .／:::::::::::::::::::::::
｡o≦三∠＿__／::::イ / / | ヽ./:::::ゝ ｀ヾ､:::::｀¨´::::::::::::::::::::::::::::::
､r‐::::::::::::::::::::::::::::::＞¨´ イ / | ./:::::::::::::::＼ ＼_:::::::::::::::::::::::::::::::::::
|:::::::::::::::::＞¨´ .｡o≦:::::::::| / :| /:::::::::::::::::::::::＼ ＼:::::::::::::::::::::::::::::
γ⌒ヾ:::::::::::::::| イ:::::::::::::::::::::::::::ﾞｉ / /::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ >:::::::::::::::::::::::::
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:::::::::::::::::::::::::::::::∨ . ∧:::::::::::::::::::::::::::| /::::::::::::::::::::／ ／:::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::＼､:::::::::／/∨ .∧::::::::::::::::::::::::j ./:::::::::::::::｡イ .｡o≦:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::ヾ ノ／:::::∨ .∧::::::::::::::::::::::ヽ /:::::::イ ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
●？？（字は？？？？？）
だ、誰だありゃあ……
t≦_ﾉゝ､ ,,....,,,,__ ,rrテ≡＝=-､
｀フﾞ´,,:: -- ::､ ,r''"''''''ヽ:::｀ヽ. （〃彡三ミミ::｀ヽ
,rﾆｭf::r-‐t::::::::ヽ f´,,..、 r"::::::::::i /"~´Ｕ i三ﾐ::::i, あ、あんなヤツいたか、ウチの軍に……
/,,, Y.. -‐u.ヾ::::::::l ノﾞ f･= 7:::::::::::l. f:､ ‐-:、 (ミﾐ:::::::l
ﾑﾟﾞﾞ' く､'ﾟ` ﾞ'"):::l ヽ'' ﾞ'⌒ﾘ:ﾉ ﾉﾟｦ ''・= ﾘ::r-､ﾘ
l=,,;;:. l=､ ..::" ,)ヽ、 j⌒,u. ﾄ'"fノ l (-､ヽ'" ﾞ'´ﾉ),）
／`ゝ-''^ヽ''" ,/: : : :＼ ヽ、: : : '" ノ^i, lｨｰ-､ u. ﾉ-ｲ
/rf´ i′ ,f^ヽノ:,. - - 、 ヽ,,. -ﾃ） ,／ ｀ヽ、 t_ﾞﾞ _,,.. :: " l、 だ、誰だ？
ﾞ'ﾞ l l: : j :f´: : : : : ヽ,/ '''"´ ,,.: - ヽ ｀ﾕﾞ" ,ノ::ゝ､
! /: :ﾉ l: : : : : : : ノ, ,:'" ﾞヽ i,.r‐(´::::〉 ,.ｨ":::::/::::::
/-‐-/: :/: l: : : : : : ,/ / / ,f´:::,::ヽfﾄ--テ:::::::::ノ::::::::: おれは知らねえぞ……
. _,,..::-,テ /`7: :（: : : : : /ヽ/ 〃 ﾘ:::,'::::::ゝ!r7/ｰ一'":::::::::::::
｀_,:ｨ''" _,r''" f: : :ト---ヲ / fﾉ /::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::
-‐-‐'''フ" ,.ﾉ,:::::」､,:r'" ,i / /::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::::
､..､く´＿,,∠"ｨ''"´ ／ ,> /＼、 ,ノ:::/::::::://://:::::::::::::::::::::::::::::::: おいおい、なんかヤバそうなやつがいるぞ！
´ ,ﾍr:､-､=---／ ,:ｲ ,ﾉ ｀ﾞヽ､／:::::i':::::://:://::::::::::::::::::::::::::::::::::
ｰフ´ > ヽ`ｰ､／ ／く _,,..ィ''"ﾞ' ＿,,:ｨf-:､::::::!::/｀ﾞﾞフﾞ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::
／ ／ ,,ゝヽ, ） ,.／ ｨ'" r-‐ ''",., ヾ:l:/ f"´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
しかし、将兵たちが目を擦ったり、頭を振ってよくよく見直してみれば、
そこにいたのは……
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●）
. | u. （__人__） な、なんで皆してヤバそうな野郎を
| ｀ ⌒´ﾉ 見るような目で俺のことを見てるんだ……？
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
i⌒＼ ,__(‐- ､
l ＼ 巛ー─;＼
| ｀ヽ-‐ーく＿）
. |
●曹操（字はやらない夫）
小柄な小男、それもチンポ頭の冴えない風貌の男がいるだけだった。
将兵たちもよく知っている、あの気さくな、されど軍紀には口うるさい、将軍らしからぬ将軍、曹やらない夫の姿だ。
将兵たちは、あの悪魔のような出で立ちは何かの間違い、目の錯覚だったのだと思い、流した。
※小柄な小男……（出典、曹操の外見は世説新言の容姿編によると、「形陋」
魏氏春秋によると「姿貌短小」とあり、小男であったことが認められる）
ミZ彡' / ＼ `:.
/.....| .′ ｌ ＼ , ＼ ヽ この西園軍、および西園八校尉は、黄巾の乱を
. L.....ｊ ﾄミｘ､ ＼ 受けて設立された組織です。
＿＿＿_.| 「￣ ` `ー ＝- .ｘ、 一人の人士を狂わせ、多くの無辜の民を死に
¨¨¨¨¨¨¨ | ＝- ,.x=＝＝=ミ, 至らしめた未曾有の大乱は、無駄に終わらなかった
爪.:しﾊ}} 〃Y . のです。
,.x=＝=ミ、 乂ｊ≧ツ ﾉ ｜
ｌ 〃爪.:しﾊ}} _,_._,_._,_._,_._,_._,_._,_._,_._,_._,_./_._,_._,_..ｊ_. 八校尉の筆頭ともなると、大将軍や
|! ｛ . 乂ｊ≧ツ 〔三三三三三三三三三三三三三 司隷校尉といった大権を持つ（大将軍や
|! ｛ .ｌ Y 司隷校尉は時に皇帝の意を無視できる）
|! :| |::. 将軍たちでさえ、隷下に置いています。
|! 乂 .|:::.
|! ､ .`三＝- |::::. 補足の しかし、その権限が使われた形跡は
八 ＼ ` . _|::::: コーナー ありませんので、おそらくは名目上の
三二＝- |_::::::. シロモノでしかなかったと思われています
`.. ＿＿彡'... /¨ ＿'ﾉ::
/7........................... / / ) ●補足【西園八校尉】 終わり
>>1こと珪孔雀
／ .／}＼
／ ,r'"／ .＼
ハ / / ヽ、 ／"i もう見たくないだろ、
.ｿ ﾉ / / （●／ ..,ｨ´ 宦官や官僚の常識外れな行為は・・・
| ﾚ' '- '~ ／..|_
l ｔ".,.-┘.)
. ', ､-ｰｒ'､
.＼ ゛''´.ﾉ
） ／｀´
/ ／ヽ
. / ／ │
曹操。
姓は曹、名は操。字はやらない夫。
先祖は前漢で劉邦の信頼厚く、丞相（中華全土の総理大臣）にまで出世した、漢平陽侯・曹参である。
その系譜に連なるやらない夫は、袁家ほどではないにしろ、それなりの名門の出身である。
祖父は曹騰。『大長秋』 という、宦官の最高階級にまで登りつめている。優れた人材を抜擢することが趣味であり、
後漢の後期における繁栄は、曹騰抜きにして語れない。祖父の人材マニアっぷりは、孫の曹操へと
確実に引き継がれていると言える。
〈〃〃:／ /.:::::::::::::::::::::::::.、
/{{川;/ _彡,::::::::::::::::::::::::::ハ
,′ __彡,:::::/:::::::ﾉ:.:::::::::l
_,′ ｘ仁ﾆ=‐ｧ ∨/／.::::::::::::::l
〈::{ 彡 ,二ニ,ノ |:::彡⌒Ｙ::::::::|
`ﾄﾐ {:; 〃_(:ツ ′ |:::| / l }|:::::::;
ｲゞ〉 ＼ |:::| 〉 八:::/
l / |:::ﾚ' ／!::::/
/ |:::| 人/!
`¬ ＾ｰ-=ミ 八::.､ |
x彡ﾆ-―一 ｀丶、 i:::. |
〃 { ｰ‐ ハ::. |::::! |＼
!| | |::i |::::l ｊ }
l:| ｜ ,ｲ |::l ｣::└ ´ 〔
. !:| 'ノlノイノ:丿 |::l ´ -!:::|‐ ''"´ ∧
. リ /.::::::::::. イ ／|::l／
／ /.::::::::／ ｊ, ／ ｜|
●曹騰
／/＿/＿ / ｀ ヽ 、: :丶
. :"￣ ,: : : : : :￣ `・ ､／＼: : ＼
／: : : :／ !: : : :l.: : : : : : ::.＼／ヽ.: : .
_,.. /.: : :/ / !: : : :ﾄ: : : : : : : : : :＼,ﾉ!_:_ i
ｉ" i.: : :.ｉ / .l: : :l ｌ ヽ: : : : :.＼＼_ ＼.∧! ,.._
. '＜ _i.: : :,'l/ i: : ｌl.l ＼.: : : :.＼ヽ￣.l i" ＞．
i.: : :i l! ⌒ .ｉ: :l ｌ! ⌒＼: :: : :＼ゝ l !､＿＿＿〕
i : : ｌ l ＼! ｌ l≧ ― -`／: l
!.: : :! ● ` ● l＝＝==l: : : : !
l.: : :; l: : : : : : l: : : : !
l.: :〈 /// /// .l : : : : : ,': : : : !
. l: l: :.> (_人_) l: : : : : ,'. : : : ::!
ｉ:l!: : : : ｀!: ー----‐= '' ´, l: : : : :,'. : : : : :!
.i.ｌi: : : : :l ＼/l l∨ / .／ .l: : : :.,'. : : : : : !
i! V: : : ! /-ｌ //./ /__ ｉ: : ,'l,'. : : : : : :.l
V: :.! .i .〈 { i ｌ ,' ヽ!: :/.'. : : : : : : :.l
ゞ:l/. }ｰ-‐.,' l!:/l : : : : : : : : : l
i .,l:i:i:i:i,' !::::l: : : : : : : : : :.l
／ .,匕!':i:i:;ﾑ.= ト.､ヽ:: : : : : : : : :i
. _／ /: : :.y;'ｰ‐＼ヾ ＼ヽ: : : : : : : i
. , ー-‐ "{:_:_:_;!: : : : :l .l＼ゞ ＞ ｀＞ '' ､;＼
. ∠.＿ 〈〈〈 ￣￣＼＼ `ー-'´ _,.．・"
￣ 「￣lｰ- ＿ ￣ _ ,,..． ・''"´
_.|＿.|._ ￣
￣￣
●曹嵩
やらない夫の父親は 曹嵩。
もともとは夏候氏の出身で、宦官だった曹騰の養子に入っている。
つまり、やらない夫は宦官の孫ということになる。
性格は温厚で、忠義を重んじたという。
霊帝時代、高位高官は金銭によって売買されていた。（西園軍自体、霊帝の私財によって結成されている）
曹嵩も一億銭にも上る金額を霊帝に献上し、
. , -―― ﾒ
／ ／〈￣ ´ヽ ヽ
. / /／. // ﾄ. ! ､ 丶ヽヘ
〔＿_}] /（(（リ从 ﾘﾉ）） {__/
| i l ． ヽﾉ ．V l
l ,=! l /// ///l l
l ヾ! ', l ヽ_フ l l
| ヽヽヽ //
l ヾ≧ , ＿_ , イ〃
li （´｀)＼＼／／|＿"＿＿__
li /l, l└ ﾀl」／l´一 億 銭 `l
ﾘヽ/ l l__ .／ |___＿＿＿___|
,/ L__[]っ ／ ／
宦官に賄賂を贈り、曹騰の口利きによって太尉（当時の軍務大臣）の職についたという。
曹嵩は宦官の養子であったが、夏候氏の出身ということもあり、豪族的な性格が強かった。
祖父は宦官、父親は豪族。
特にやらない夫は、宦官だった祖父のせいで幼い頃から苦労している。
.ノ ､ 、 ＜おいズボン脱いでみろよ！
｡゜○ ○）)｡゜。 どうせチンポ生えてないんだろｗｗ
0 （人__） | ο なんで俺が
/^) .ノ こんな目に
ヽ ヽ あってるんだ ＜おい、よく見ろ！
| | | アイツ、チンポねえ代わりに、
ゝl lし' 頭がチンポの形してやがるｗｗｗｗ
｀(＿ﾉ ＜今日からアイツの渾名、チンポ・ヘッドな！
豪族たちの子弟と交われば、宦官の孫であることをバカにされた。
／ _ノ ,＼
| （○） （O） とーちゃん、俺もうイヤだよ……
. |. .|| （__人__）
| ﾉi ! | } なんでチンポ・ヘッドだとかバカにされて、
. | し' ｀ ⌒´ﾉ 泥水飲まされて、小便かけられなきゃいけないんだ？
. ヽ }
ヽ ノ じーちゃんが宦官だからイジメられてるのかな……
/ く
| ＼
| |ヽ、二⌒)
-- ―― --
,..:::´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀::..､ ＿
,.ィ::´ 二二.ﾍ.ノ:::::`:.＜二二≧､{＼ / ヽ
／iヾ''´ ,.ィ::::::::::::::i::::::::::::::::::::::::::::::::ー―--.V /
.／￣＼i | }／::::::::::::::::::::{::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＜__― ' お、お勉強を頑張って、見返して
.{ | | /::::::::::::::::::::::::ハ:::::::::::::::{:::::::::＿::::::::::::::::::::＜ やればいいのでは……
＼＿／ﾊ /:::::/:::::,,:::--/-､ ',:::i::::::::ﾄ､::´::::::::::｀ヽ:::::::::::::::::＞
|::∨::::/:::／:::::::/ ',::|::::::::! ,ｨf芋ミ:､:::::::::::￣',´
j:/:::::/:::::::::::::,ｨｆ芋≧､. ',ﾄ:::::::{ ,Ｊ沁 ヾ:::::＼::::::i
/:!::::/i::::::::::::〃 ん ﾊ ',::::! {榛名} }}:::}::｀::::::}
,::::|::/::{:::::::::::{{ 榛名} ヾ{ 泛zツ j/:::::j:::::|
/:::::|/:::ﾊ::::::::::ﾄ 泛zツ ’ ,, ,, ,, ∨::j/
/:::::::::::::::{ ﾄ.:::::::| ,, ,, ,, }::::i
/:::::／:::::::ﾊ{::ヽ:::! , 、 八::.
./::／:::::::::/:::::;:::::ヾ! U イ::::/:::',
/イ:::::::/:::/::::::::',::::|:::≧:.. ..z≦:::|:::/:::::::',
,:::::::/:::/::::::::::::';:::!::::,r≦に≧= r=＝≦､::::::::i::::|/:::::::::::::.
/:::::/:::/::::::::::::::::ヾ!::ハ ', {ヽ ＼／ / / ハ::::::|::::::::::::::::::::::',
./:::::/::::/::::::::::::::::::::::/ ', ', ', ',／ / / / ',:::::|::::::::::::::::::::::::ヽ
父・曹嵩は決して無為徒食の輩ではない。
ただ成人してから、曹騰の養子になった。
そして曹騰の庇護の下、貶められることもなかったため、
息子・やらない夫に対して的確なアドバイスを与えることができなかった。
もし、彼が苦汁をなめたとしても、温厚な性格の父には息子に対して良い助言はできなかっただろう。
そこで、曹嵩はやらない夫を祖父に引き合わせた。
／￣￣＼
／ ヽ､_ ＼
（●）（● ） |
（__人__）ﾟo │ じーちゃん……
(,｀⌒ ´ | オレ、もういじめられるのはイヤだろ、ＪＫ……
. { |
{ ..:/ このままじゃ、俺、宦官も陛下も憎まずにはいられなくなりそうだよ
` ー ＼ 常識的に考えて……
/ ＿ l
/ ￣｀Ｙ´ ヾ;/ |
,| | |´ ハ
| | |-‐'ｉ′l
|＿＿ | ＿| ７'′
（ （ ￣ノ ｀ｰ-'′
/ミヽiｲ/,ｲ''’ : : : : : :::::::::｀ヽﾐ三ニミ三ミﾐ三二ﾆ＝-
f⌒irN ./ : : :::::::::::::ミ三ニミ三ミﾐ三二ニﾆ- お前が謂れなき暴力や暴言に晒されているのが、
.ヽ.' ' : ::::::::::::::ミ三ニミ三ミﾐ三二ニﾆﾆ- この俺や、陛下のせいだと……？
.| . : ::::::::::::::::::_.ミ三ニミ三ミﾐ三二ニﾆﾆ−
.| .. . . . : : : ..:::::::,，,｀ヾﾆミﾐﾐ三ミﾐ三二ニﾆﾆﾆ-
{ ィヤ'¨’` /::::::::'ミﾐ三ミミﾐ三二ニﾆﾆﾆ-
ゞ＼ .／／ ,，ｨ,.'.:::::::::::.ミﾐ三ミﾐﾐ三二ニﾆﾆﾆ-
,ゝ. ヽ, ゝ_／ イ´ゞ以'..:::::::::::::.ﾐヽ〉 j lミﾐ三二ニﾆﾆﾆ-
｀ゝ夬} ヾ 丶. .:::::ﾐヽy´/ミミﾐ三二ニﾆﾆﾆ-
'i!´.| .:::::::ﾐﾐヽｲミミミﾐ三二ニニﾆﾆ-
.'. | , ..::::::::::::ﾐﾐﾐ ヾﾐミミミﾐ三二ニニﾆﾆ-
'.〈__ -´ ..::::::::::::::ﾐﾐﾐﾐ ヾﾐミミﾐ三ニニﾆﾆ−
》彡ｲ ヾﾐ三ミミﾐﾒ､.:::::::::::..ﾐミミミイヽﾐミミ三ニ−
《ﾘｲ下ニニィ´ ｀ヾ.ﾐ.､:::::::ハミミミ､
’,ﾊ ー−´ .:::ヾヾ寸ヤヾミミﾐ､
ヾ', ::::／ヾﾐﾊ
.ﾄ,.,,､,.,､,.,.､,.ィ/ 丶ミﾐ
iﾘﾉﾘﾉﾘﾉﾘi, ゝ, __ヽ
'ﾘﾄﾘﾄﾘﾄﾘﾊ､
ゞﾐﾊミﾐミﾐヽ、
＼＼ | | | / ／
. ＼＼＼ .| | | / ／
＼＼ | | /'! ／
＼＼.. | | ./ ! ／／
＼ |＼ | //| |＿＿＿
＼ | ＼ | .// .l＿ ／
＿＿＿＿| |＼＼／＼// ／ ／
＼ ＿＿__| ＼／＼/ ／ ／ ＿＿＿＿＿＿＿
＼ ＼ ／ ￣￣ ＿＿ ／
＼ ＼ __lV ､＿ ￣￣￣￣￣― "" ／ ―――
/ / , > へ´ ｀ ､￣￣ ／ ――
/ /／/ Y l＼ ＼ く ――――――
/ ／./ ! ＼ |￣ ＼
/ ／ // ／! .! l＼ ＼l !￣￣￣￣￣￣
/／ ..// ／ ...! l l ＼ | ＼
/ //／／ | .l l ｌ ＼ | ＼
/ / / ／ ｌ ‖ｌ ＼ | ＼＼
./ / /／ l .i ｀ ＼＼
／ _ノ ＼
| （ ○）（○） じーちゃん……？
. | Ｕ （__人__）
| Ｕ |r┬-| なんで俺を殴ったの？
. | ｀ ⌒}
. ヽ }
ヽ ノ
／ ＼
/ /＼ /￣＼＿＿＿＿l⌒l
| | ＼ / ヽ ＼_＿＿＿＿|
Σ(⌒ノ ゝ ＼＿_）
/i,′ i!:.: __...、 ヽ::::::::::::::::／ ｀ヽ
ili{ i!: 〃^}ﾘ Y;::::::::/ ／｀ヽ }
ヾﾊ i! /,′/′ ﾘ:::::/ /.:{ ﾉ .|
. iﾊ i! ,ィji/:. {i:::::{ {.:.:ヾ | くだらん！
. ﾘ}! ilj/圭/:ﾉｨｨ ヾ::{{ ｀ヽ ） |
. }}i }圭ｆﾘv':::::ﾉ ヾ}! ∨ ／ | この曹騰に男根があったとして、
jiﾘ ,挂ｆij{{ Yヽ｀ }ﾊ i!/o 人 お前は謂われなき暴力や暴言に晒されていただろう
{{!. /:::.∨| iji} :: 彑／
ヾ､ ,':::.:.. |! /j,′:;亙ﾇ
＼ ,'::::.:. ! 从{ 凾亟} お前がいじめられているのは、お前が弱いからだ
. /:.:.:..:. {{ﾘi{. 戔夛
〈:::.:....ィi; ｊﾘ}i} } 知恵の有無ではないぞ？ 腕っぷしの強さでもない
. ｀ ｰ‐;;,'、、_ 从ﾘ !
ﾉ;;¨¨⌒ヽ.、 ﾘ/ ,′. お前の、心が弱すぎるのだ
｀Y''¨￣｀ }}} /′ ,':.:.:.:
{､..,,; ｊｊｊ { ,.'.:.:.::::
｀}ﾘ ｊﾘ! ! .／.:.:.:.:::::
i′ i|! ／.:.:.:.:.:.:.:::::
{ {{ .::.:´.:.:::.:.:.:.:.:.:::::
ヽ.__.::;ﾘi-‐''''‐､::::::.:.:.:.:.:.:.:::::
{{ i|! ﾉ
ﾘ ﾘ
／￣￣＼
／ _ノ ヽ､_ ＼
. | （ ○）（○ ） | こ、こころ……？
. | （__人__） │
| ｀⌒ ´ | 意味がわからないだろ、常識的に考えて……
. | |
. ヽ /
_,､n「! ヽ / 「!n,､_
＼ヽ Y') > < ('Y ／
ヽ l | | / /
/,〉 i^'i ,､
, -ｰ’'ｰ､ | .| / | ／＿,i.|__ミﾐ,ヾヾ
く,､ /￣i }. 〉 | i /彡`-ｰi i´ミミﾐﾐミヾ
/./ /,/ i{ |/ ,,ィ'|,i／,ィ'_"´,'_､､彡彡ﾐﾐ やらない夫よ！
,// ,// ヽ`,i////´ l (_/ / ヾヾ彡彡ミ
!/ い, {/ / r'r,､ヽ｀ ｰ'´ ri i､ i/彡彡 俺には男根はついていないが、
〉彡'.／ `´ ヽヽヾ, i/.ﾚ/i〈_,彡彡､ それでも男根を持っている者よりもはるかに
ヽ､,ヽ､/ﾐﾐ／ r--､､ヽ｀i i _,／,/ `ヽ彡 功が大きい！
.ヾミミﾐ／ __ir'^ヽヾ V/ ´￣
.=彡彡ミ/ ´￣,＼丿! ´ それが何故か、今のお前には分かるまい！
.彡.彡ﾐ/ / , -- ､,
彡彡/_ ＿ , ／ , - _`_'.ｰ-､ヽ、ヽ 俺は俺の意思、皇帝陛下の御為という、強い意志だけ
彡,ノ'~:::;:::;:::::`ヽ i´／ く, , -､ヾ､, ｀_ヽ、 で宦官の位を上り詰めた！
, - '"7´i/,ヽ､｀`' `i, . ヽ＼丿 _i ｀ヽ'
'/ ; / ＼ ＼ ヽ `''丿 ｀>､｀,, -
,i ./i,r- -､ヽ、＼ !;:ヽ, ´ ,/ﾐ 「これこそは」 と己に命じた、魂の誓約！ 俺にはそれがあり、
i .i i ヽヽ, ＼ヽ;:i, .／ミﾐ お前にはそれがないのだ！
､. ヽ ヽ､ ヽ＼ ヽi::::| ／i,/iミミ
ヽ、＼ ｀'ヽ､,_ノ ._,,＞'i;::i .／:;/´／ミﾐ
, ｀ヽ ｀ヽ- '"´~, -'"/:/ ／/:/:/´ミミミ お前がどのような野心・大望を抱こうと、俺は構わん！！
彡 _/::/ ,／i:::::i/;;;::iヾ､ミミ 宦官や陛下が憎い？ 俺が守ったものを壊そうと言うならば、
彡彡`ｰ---―=ﾆ"´/:;:!,´i;:i:::i:::i::i::i､!;:､ヾミ それもまた良し！！！
,|/.|;::i::i;:;::i::i:i:ヽ;:::ヾ､
________.,,,,,.. ---_-_ﾆ-| |:::i::i:i::::i::i::::､;:ヾ;:::ヽ やってみるがよかろうよ、曹阿瞞！ やらない夫！！
'''"""""""~~~ ヽ! i､ヽi::i::::ヽ;::ﾞヽ !
＿―-＜三ﾆｰてン､_っﾘ//ミミﾐ､_ | ﾄl ／／
￣ ‐-∠二ﾆ≦シ_/ムﾐﾐシツ‐.l ﾄl _／／
└'⌒`ﾃ-､_>j"ﾊﾊ l l l l l ｌ釗 ﾄl /,r‐´ 野望を抱け！ 大志を抱け！
/／7ﾊヾヾヾヾｌl l ｌ l l ﾄl "
_/〃/ﾊﾞﾞ＾／ﾞ`゛ヽｌl ｌ ｌ ｌﾊ. ﾄl. 誰にも真似できぬ、やらない夫という個人のみが抱くことのできる
／/小.Y′/ ヾ､ゾ"´', ﾞﾊ. 大望を持つのだ、やらない夫！
／／ハヾ、 / ', ﾞﾊ.
／ /{ﾍミミ l : ', ﾞﾊ. 人に笑われ、誰一人として信じないような志を胸に刻め！
／ ／ ｲミミﾐ ｌ :: _ −-− _ -', V、
／ ／ /人ﾐｦ ミ=､､ ｀ ‐ ﾆ .: >, ﾞＶ､ さすれば、貴様が抱いたその分不相応な願望が貴様を育て
_／ ／ ／7ｲl彡//｀ﾞ､_ヾﾐヽ､ _,.ィ彡''_, ﾞﾏ､ 貴様を強くする！！
/ ／／//彡/ｨ 八弋ヶﾐ≡j {,ｨ"彡tﾔﾌノﾊ、 ﾞﾏ､
／ ///r爻ﾊ ｀7｀￣´ ﾗ :`. ￣´Ｔ´ i､ V､
／////升ﾊ ,::l lハ ゛lヽ
／／////ﾒ::. ::::l lﾐﾐ∧ ヽl､
／／彡////∧ ﾞ-ﾄ _,.- ﾊﾐミ∧ ヽ やらない夫
／彡ｲ/〃// ハ. _,,ｨ="‐ ヾ=､､、 ハﾐ ｝ ハ 他者の下らん戯言に耳を貸すな！
／⌒／/ { ヽ f"ｰﾆﾆﾆﾆﾆ− ﾘ / Ｘ / /ヽ 天だの、他人だのに自身の運命を委ねるな！
-〜⌒/ ／ _/_ l 丶 -―‐- , ′ﾄ､＿／/ ＼
::l//::: l:. ヽ: ヽ: l ::lヽ、 ／ ／ ￣｀`ヽ / よいか
::ｌ ';:::::ｌ:＼ ＼ ｀､ ＼ ', | it､, , ,,ィ'´:/ / や 男 V 貴様も士大夫の一人なれば、
＼ ＼＼ ＼ ＼ ＼ ＼ ',_ｌ ｌｌ//// ／／,' ら に ! 我進むべき道は
＼ ＼＼_｀ｰ `ｰ-｀`ｰＹ/l l〃/ｲ‐／-‐ｌ な な l 「これ他、無し」と
￣¬＝＝=-ﾆ______二ﾆ-に,!l///ﾌ}ｰ‐---l. い れ / 自らに運を定めるべし！！！
￣￣二二二＿___ -‐'´ヾll/∧ソ−- ヽ 夫 ／
／￣￣＼
／ ._ノ ヽ､＼
| （ ） （ ） ((● ((●
|∪（__人__） |
| | | }
| | | }
ヽ |r┬-| /
__ヽ `ー'´ ノ__
／il||/〃//／／,,.-''"´ ｀ミミミミﾐﾐヾヾ､ヾ､ヾ､ヾ､`'''ー─‐
,r=ﾐ､|i川〃／ ミミミミﾐﾐヾヾヾヾヾ､ヾ､＼`''＝
.!il|ﾞ'7ヾilil/ 三三ミミﾐﾐﾐヾヾ;ヾ;ヾ､;ヾヽ､;=
ヾ,/ V 三三ミミミミﾐﾐ;ヾヾ､;;ヾ;;ゞ=三
.! ,.,;:;';';';';,,.. 三三ミミミミミﾐヾ;､ゝ;;､ヾ;;;､=;
| ≦三三ミミミミミﾐﾐ､ヾ;;､ヾ;､;;;≡
| 二三彡' ,..,,,;;=''""ﾞ ヾミﾐミミミミミﾐﾐﾐヾ;;;､`二三
,iﾞi､ ﾞ'''‐ '" ,,.;;シ" __,.ｨ iミミﾐﾐヾ､ヾ;､ヾ;;､;ヾ､;`＝=;
ヾミ;､ _,,,;彡ｼ _ｨ;;;oﾟ;;/ ,.,.,.;:;: ﾞ!ﾐ;iミﾐヾ､ヾ;:､ヾ;;ヾ;;;､`=;三
ﾞi_ヾﾐ､ ﾞi;;彡'"/´_,ゞ-''",,;';;';';'ﾞ" ﾞ!ﾞi､ゞ)ヾﾒ;;ヾ;;､;;ﾞヾ;､ﾞヾ;;､､;
`i､_(;;ヽ ﾞ''' ''"ﾞ^ ﾞ!ﾞi､ﾐく /ミﾐヾ;､;;ﾞヾ;､`＝三
ﾞif; i iﾞi､;i;ノﾐヾ;;､ヾ;;､ゞ､ﾞ=≡三
l, l iﾞ!;!;､ヾ;;;､ヾ;､ﾞヾ:;､｀ヾ;;､≡
ﾞi, / ,.. ） iﾞi;!､ﾐ､ﾞ､;;ヾ;;､;;ヾ､ヾ≡三
.ﾞi,ヽ--､ ヾ;;;;;;ｰ‐,,.､__ ﾐﾐゞ､ヾ､;.-''^ﾞ＞､;`=三三
/;;;､_ﾞ'＿＿_,二ス三ミ､ 》､ﾐ､ヾ:;､-''"´_o_,./o⌒ヽ
il;;i;! `ー一''"´ ヾﾐ;;;､ .／''^>､ミミﾐ､=､ヽ､_）! ,Ｘ∩､
ﾞi;i;ﾞi, ヾﾐヾ､／-;;;;;;フ'´⌒ﾞヽ､ ヽ､_ﾉ´ﾞ
ヾ;;! ／,>､ﾐr;;/ ／ わ ヽ,､o oﾞ´
ﾞi;,.,.,.,. ,.,.,.,.,._,／／/ ,ハ;;| ./ ﾞ!`''')ﾞ''i
i;:;l;i;;:i:;!i;:ﾞi;Y／ '-^ﾝ⌒);!/ か |｀´,.-
ﾞi,;:ﾞi!;ゞ;:ゞ;ヾ;､r'⌒`,=､ヽ' . っ |'´::::::
ヾ;､ヾ;;;ヾ､ミﾐヾ､(__,,,,.-| |:::::::::
__,,,,,. -'-'一''''"´´::::::::::::::::::::::l た l:::::::::
,.／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ /:::::::::::
,..-''":::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ な /::::::::::::::
‐''":::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ ？ ／:::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ー‐'"::::::::::::::::::::::::
／￣￣＼
／ ヽ､. _ノ ＼
| （●）（●） | わかりました、だろ！
| （__人__） ｜
| ｀ ⌒´ | 常識的に考えて、やらない夫にだって
| } 大望の一つや二つ、ありますだろ！
ヽ }
人＿__＿_ノ"⌒ヽ
／ ＼
/ ｛;;;;;;;｝ ＼ ＼
（ ヽγ⌒) ゝ i
￣￣￣＼＿＿／￣￣￣(⌒)＿_ノ￣￣￣￣
やらない夫は、祖父の言葉に胸を強く打たれた。
漢の忠臣中の忠臣である祖父に、
「この國を獲れるものならば、獲って見せよ」
と言われたのだから。
この時のやらない夫は、おそらく漢の中で唯一、
祖父の本質を知る者となった。
祖父は忠義ではなく、己の大望に身を任せた結果、
当代随一の忠臣と呼ばれるようになっただけのことなのだ。
祖父がまた違った大望を抱いていれば、この國は……！
……だから、やらない夫はこの時に強く決心したのだ。
金剛石よりも硬く、歴史の流れよりも永遠に。
―― 魂に、誓約した。
「我こそは、祖父を超える漢室の擁護者たらん」と。
.ｻﾀﾞﾒ
これは歴史的には、非常に稀有な運命と言えよう。
彼を苛んだのは、宦官の血である。
家系の呪いとは、並大抵の人物に克服できるものではない。
極稀に、克服できる人傑が歴史には現れる。
人々は彼らを、英雄と呼ぶ。
それでも、凡百な英雄程度であれば、祖父に背中を蹴っ飛ばされ、
野心を滾らせた奸雄と成り下がっただろう。
されど、やらない夫はそうはならなかった。
祖父の堂々たる姿を見て、涙が出るほど勇気づけられた。
たとえ、天が漢を見放そうとも、漢がやらない夫を見捨てようとも、
やらない夫だけは、漢の忠臣たる男でいようと決めたのだ。
――我が身が受け継いだ、血統によらぬ、魂の遺伝として……
その日から、やらない夫は誰に何と言われようとも、気にならなくなった。
鼠輩になんと罵られようと、それに感情を動かされるようでは祖父のような傑物にはなれぬ。
／￣￣＼ ＜おいチンポ・ヘッド、チンコ見せてみろよ？
／ ⌒ ＼ 見たいなら見せてやるだろ？
| （● ）（● ） 言っとくけど俺のチンポはデカいだろ、
|. （__人__） 常識的に考えて
| ｀ ⌒´ｌ ＜チンポ・ヘッド！ 宦官のクセして生意気だぞ！
| }
| ＿ } 宦官なのはじーちゃんの話だろ。
,l（ ﾞ) ,ノ ） じーちゃんの前で言ってみればいいだろ。
|/ |｀ー一" | 殺されても知らないけど、常識的に考えて
ヽ / ヽ ノ ＜なんだとぉ！
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
ヽ､人＿人＿人＿人＿人＿人＿人＿人＿人＿人＿人＿人＿人
､）
_) チンポ・ヘッドを叩きのめしてやろうぜ！！！
）
⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ
|| |! / ／
|| | / ／
チァーーッ ,-‐-､ ／ ／
,. - ─- 、 |_!_!ｭ } ／
/ ノノノノハヽ `'}‐┴､ ン、ンホォォォーッ！！
i ,-､_{＿＿＿ l' ,. -─- ､ ｛￣｀{ ／
} | r} ` / -' | |`i ／ ,ﾍr^､ | }_, ,! -‐- ､ ／
{ 'ｧ' `ー'/,_ ）!／ﾘノ二二jﾉノ`i, / ＿i
,-ｿ ､ ノ/ﾆ| `i／/ - r {⌒ / |＿_∠＿_,へ ／￣￣ヽ ,-rrr､
/#＼ ､ `='ノ iﾆij ,ﾆﾞ | ｀i /| r､/＿＿,|￣/ ノノﾉij iっ,!,!,!
＼＃i＼ ￣,ﾉ`i ヽ |r┼-､ i' v{_ （__ﾊ_! | _ノ^i'_ﾌ'i,! `i {
＼i＃|＼==|/`|＼＼`ｰ| ´|ﾆ､ヽ | i ` ,.-ｉ{ }､|- ,-'i |＼_|>
＼|ヽ ｝ ﾉ i ＼ | 〉' `ｰ'/ ,<j 二ﾉ /ｿ ヽ._`ﾌｧ-ｧr{`ｰ-1
Ｏ|/ |l/ i ﾉ´| / /_ノ＼＼ "{ヽ /ｉ｢|i､rr､/|ﾍ! /ﾉ |
| ﾘ /∧ V_i/ ヽ_|＼ノ|ﾍ !| !|.| | |/ |-── '
|０` | / ヽ＿/|＼ ､ `| {| |゛゛| |
| | /ﾉ | ＼ ﾘ | ﾉ ri ﾉ |
._ _ _
(ヽl_l_ll_l,l
ヽ ｒ
│ |
|／￣￣＼
／ ＼ ノ
| （ ●）（●） 来るならこい、だろ……！
. | u （__人__）
| ｀ ⌒´ﾉ
. | }
. ヽ } ＿
ヽ ノ l/⌒)
l/ く ／ ／
| ￣ ／
| |￣.
| |
相手は十人近く。
ケンカの腕っぷしには自信がついてきていたが、
それでも一人で相手取るには少々辛い物がある。
` '
､ ﾉヾ '
)ヽ/ ヽ､ﾉ|ノ´
`r r'
) （
, '´⌒`Y´⌒` ､ ,､ /
, ｷ人_,/
` ） て
＼ ,,_人､ノヽ /´⌒Y,.
)ヽ （ ＼
- ＜ ＞
) て
／^⌒`Y´^＼
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ○）（○） な、なんだっ！？
. | U （__人__）
| |r┬-| 俺じゃないだろ、ＪＫ
. | ι `ー'´}
. ヽ u }
ヽ ノ
/ く ＼
| ＼ ＼
| |ヽ、二⌒)､
/二__,--､r'"___､ ヾﾄ､.ヽ
レ'"~,-,､ ! ! ' '"￣ .ノ＼ヾ:､
K/ｰ'~^~_/ ヽﾐ:ー‐‐'" ヽ i
!〉ｰ―'"( o ⊂! ' ヽ ∪ Y｣_. ／
i ＃ ,.┃二二ﾆ:::.､. l ､ |
! :r'ｴ┴┴'ｰダ ∪ ! !l＜ だ、誰だ、お前はッ！！
.i､ . ヾ=､＿_.／ ＃ ﾄ=. |
ヽ ､∪ ― .ノ .,! ＼
／ ..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ
-=彡::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ
／.:／..:::::::::::::::::::/ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.`､
-‐=彡／..:::::::::::::::::::::::{..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: お前たち下郎に名乗る
／ ..::::::::::::::/.:::::::::ｉ::::::::::::::::ｌ::::::::::::::::::::／..::::::::::::::::/.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::{ 名などない！！
. ／ ＿彡::／..::／..:ｌ:::::::::l::::::l:::::::::::::::／..::::/.::::::::::::/.:::::::::::::i::::::{::::::ｉ:::::ｌ:::::{
. ／ ￣ _／／..::／..:::::::ｌ::|::::::l:::::l::::::::::／;::::::::/.::::::::::::/.:::::::::::::::i!::::::{::::::ｌ:::::|::::{ 漢を迷走させる腐った奸賊め！
￣ ／..:／..::::::::/^i:::|::::::l::::l:::::／//.::::::/.::::::::／ } ::::::::::! /、 :::{::::::l:::::|::::{
-‐=ﾆ彡.::::ノ.::::::::ｌ {::::|::::::l:::{≦／/.::／/.:::／ /.::::::::ノ./ ∨:{!::::l:::::|::::i!
_ﾆ=‐=ﾆ:::／..:::::::::::{ {:::::l::::::l::i_∠∠.,ヽ /／ / .::::／.:/ ,.ﾄ::{!:::|:::::|::i:i `､
⌒ -==ﾆﾆ≦丶i:::::ｌ::::::iﾞヽ ｒ:::::气ミヽ _ / .:／/／＿≦ }::::乂:!从:}il
≧-=二／/i:::人:::::i 乂三_`ノ＼/／Y / ｉ彡j::/ﾉ ./.::::::}:/::ｉ }} i!
. ／ {:.: . : ./ {{ i::;ヽ::ヽ `--‐ ≦ ／ ヽ从 八=ﾝ,. ∠i!::::// ::i .}} .i!
＿ ,.. ＜ l: . : .{{: `!{:∧＼ヽ i ｀￣ /::/}:::// }:}〃 ,ﾘ
,／ 、 .l:. : . :i! { {:{ ＼ ｀ {:. ∠:/ /ノﾉ ﾘ
／ ｀ヽ ｉ:. : . :l`､ ＼ 丶 ﾋﾆﾆ=-=ｬ イﾉﾙ' /／
.／ ヽ .ｉ:.: . : .{: ヽ ＞ / : : ヽ "¨ . ≦ }ヽ′
`､ ｉ:. : . : .} /~`,／ :{: : : :∧ ｀::: ´ /. :} .／ ,' /
＼ ｉ i: . : . :/ .:) 厶 :.／/ ∧ー-≠. :}／ ／ /
突如として現れた少年の加勢も得て、
やらない夫と少年は、豪族の子弟たちを返り討ちにした。
＿＿∧ ¶彡 ／￣￣￣
（＿ ・ ミ∠⌒∧ ＜ そこで何やってるモナ！
＼ ミ（´∀｀《） ＼＿＿＿
（ （ つ╂───
／ ／ ／
＼（/（＿_） Ｙ彡
| | ＼ ヽ
( ( 丿
/ / /
/_/_/
警邏に見つかり、やらない夫と少年は一目散に逃げ出した。
／￣￣＼
ノ ｀ヽ ＼
（ ●）（ ●） u | 捕まったらとーちゃんに殺されちまうだろ、
（__人__） | 常識的に考えて……
(｀⌒ ´ U .|
{ |
{ .ノ／⌒￣￣'￣￣） 三 二 とーちゃん、こういう争いごとが
ヽ ／￣¨￣￣ 大っ嫌いだから……
(⌒ヽ､ ／ ヽ く
＼ ヽ ／＼ ＼
＼＿_／ ＼ ＼
／ ﾉ ＼三 二
／ ／＼ ＼
｛ ────ヘ ＼
＼＿＿＿＿ソ ヽ ＼ 三 二
ヽ､_ｿ ＼ ＼
） __〉 三 二
（＿__ノ
⌒ヽ:;";`;: ヽ
:;";`⌒ヽ:;";`;⌒ヽ
,.;；:｡: :く；;:：､;....: :）
；';:'：､; ⌒ヽ";`;:; ⌒)
,.;；;;:｡;:: : : : :ヽ__, --､） /⌒´⌒⌒ヽ⌒⌒ヽ
,.;；;:：､;: : : : : : :）;;;: : :） （ ⌒),, 〉ゞ:;ヾ ヽ
；;:：､;: : : : : : : /⌒ヽ ）: :⌒⌒ヽ⌒'":;"; ヽ⌒⌒⌒ヽ⌒／⌒ ／⌒⌒'"⌒ヽ⌒） ／⌒ヽ （⌒⌒ヽ （⌒
,.;；:｡;:: : : : : :ノ: : : : : ヽ,；;:：､;: : ）,.;；:｡;:: : :（,.；;:：､;；:）: : : （ゞ:;ヾ （;;;;;ヾ ） （,.;；:;:: : ｝ ／,.;；: : : ﾉ (⌒
ノ⌒⌒ヽ （；;:：､;: : : : ）,.;；:｡;: ）；;:：､;: : :（ ,.;；:｡;:: : :）（;;;;;ヾヾ （ ／⌒⌒⌒ヽ（⌒ヽ（,.;；:｡;:: : ） （,.;；:｡;:: : : ） （,.;；:｡;:
ヽﾉ;;;; ） （；;:：､;: : : : :）:;";`;:;" -､／⌒ヽ:;";`;:;": : :）（ ヽﾉ;;;; ／⌒ヽ､ ）:;";`;:;",−'⌒ヽ'⌒ヽ: :'⌒ヽ'⌒ヽ､
ﾉｿゝヾ;;;;⌒ヽ/⌒ヽ: : : :ﾉ ；;:：､;⌒": : : : : : ）,.;；:｡;:: : : :）（;;;;;ヾ;; ⌒⌒ 〈-'⌒⌒: : : : ⌒ヽ: : :／⌒ヽ
;;(;;)) ヽﾉ;;;; ）;;; ） ／⌒ヽ；:｡;:;";`;:;": : : : ）: : ,-ｰ'⌒ヽ（;;;ヽﾉ;;;;⌒ゞ:;ヾ⌒ ）,.;；:｡;:＿ノ⌒: : : : :）ノ,.;；:｡;:⌒⌒ヽ
;;;;;ヾヾ ）;;;,, ）: : : : : : ）；;:：､;:;";`;:;": :）(⌒；;:：､;: :（ （ （ﾉｿゝヾ:;ヾ ） ﾉ （；;:：､;: : : : : : （;;;;;ヾ: : : : : : : : : : ）
／⌒⌒ヽ､⌒⌒ヽ､⌒ヽ -､⌒ヽ⌒ヽ⌒ヽ⌒): : : : : ） （;;;;;ヾ:;ヾ ⌒⌒ ）"'- ､;;;;;;（,,,;;;;; （;;;;,,,,,: : : : : : : : :）: : :）
ヽﾉ;;;ﾉｿゝヾ; ）ﾉｿゝヾ） ）ゞ:;ヾﾉ;;;;: : : : : : : : ）: :(⌒ ）: :>ヽﾉ;;;; （⌒⌒ ﾉ "'- ､(⌒⌒;;;)''''''''''''''''''''
ヽゞ:;ヾヾ;;;; ）;;;;;ヾ ） ）ﾉｿゝヾﾉ;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::（ ヽﾉ;;;; ヽﾉ;;;; ﾉ'''- ,,,, "'- ､__:, :, :, :, :, :, :, :, :,
;;;;;ヾゝヾ ）;;;;;ヾ iヽ二二二二二二二二二二二二二二二二ヽ;;;;;;;; ;;;;;; ;;;;; ;ﾉ--''' ",' '" ⌒) "'- ､, :, :, :, :, :, :,
;;(;;))ヾ;;;; ）;;;;;ヾ|ﾆ}二二二二二二二二二二二二二二二二 } ",' '" ", ' '" ",' '"",' '",- ,⌒) "'- ､, :, :, :, :, :,
;;;;;ヾゝヾ;;;; ） |ﾆ}二二二二二二二二二二二二二二二二 } ",' '" ",' ' "",' '" ",' ' ",- ,⌒) "'- ､, :, :,
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,;ﾉ, ,,,,,,|ﾆ}二二二二二二二二二二二二二二二二 { ",' '" ",' ' "",' '" ",' '",- ,⌒) "'-
",' ' ",' '",' '",' '",' ' .!----------------------------------〈 ",' '" ",' '"",' '"",' '",- ,⌒)' '' '
(⌒)(⌒)(⌒)(⌒)(⌒)ヽ ＼-＼-＼-＼-＼-＼-＼-＼-＼-＼-＼- ＼(⌒)(⌒)(⌒)(⌒)⌒)'''' ' '
' ' ' ' ' ' ' ' ' ' ' ' ' ' ' ' ' Ｙﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆi' '' '' '' '' '' '' '' '' '' ''
L! : :| |: : : : : : : : :L! : : | | : : : : : : : :L! : : :| |
L! : : : : : : : : : : : : L! : : : : : : : : : : : : L!
／ ＼ ハァ……
__／ u, ＼ ハッ……
／. Ｕ 、 Ｕ. |
|. ,(⌒(○)ヽ | こ、ここまでくれば大丈夫だろ……
l ｌヽ u. )＞ ／
/ ヽ＼ `(__,(○) / ／
| ＼ ￣￣￣￣￣￣ ＼
| |ヽ、二⌒)､ ＼
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ⌒）（⌒) 誰かは知らないけど、助かっただろ
. | u （__人__)
| |r┬|} 俺の名前は曹操、字はやらない夫だろ
| | | |}
. ヽ ｀ﾆ} 君の名前は？
ヽ ノ
/ く ＼
| ＼ ＼
| |ヽ、二⌒)､
__,,..-‐―‐- _
, '::::::::::::::::::::::::::::::::::::､
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ 僕？
/::::/::/:::::／::::::::::::::::l::::::::::::::::::::＼
|::::/::/::::/::::::::::::::::l::::::|:::::::::l::::::::::::::l 僕の名前は袁紹。字はルルーシュ
. |::::l::/::::/:::/:::/:::::::ﾄ､:::|:::::::::|::::l:::::::::|
/:::::::l::::::l:::/::,ｲ∠|:| l:::ﾄ､::::::|::::|:::::::l::ヽ 親友にはルルって呼ばれてる
ノl:::::::::|:::::|/／/‐､ ﾘ｀ .|::|=≦､|::|::::::::|:ﾄ:ｌ＼ だからやらない夫、キミもルルでいい
|:::::::::ﾊ::::::l＝=､ / ﾚ' '´ヽ |:|:::::::/:|.ﾘ
. |::::::::l ﾍ:::::ｌ ｀ ｧ==､ ,ﾘ:::::/:ﾘ
＼l:l:ヽ_ゞ_l u. /ｿ::/::l:l
`ﾞー-ゝ ＿_ '_ U /"::/l::ﾊl
, ―-､＿＿_ ,.ィ＼ ｀＝´_ , イ_／ l/. !
. . /::::ﾄ-≧=チ_|＼＿＿＿＿,、
.
／￣￣＼
／ ＼ ＼
.（●）（● ） u. | 袁紹って、あの四世三公を排出した、
（__人__） u | 名門中の名門、あの袁家の！？
.(｀⌒ ´ |
{ | それは失礼しましただろ……
{ u. /
＼ / ルルーシュ様、親友だなんて俺とじゃ
ノ ＼ 釣り合わないでしょう、常識的に考えて
／´ ヽ
_..... ------ ＿
, -‐:::´¨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀＼
／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ 何を言ってるんだ、やらない夫
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〉 身分だの階級だの、狭っ苦しいのは大人の
／∧:::::::::::::::::::::::::∧::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l 話じゃないか
∠i l /::::::::::::::／/／ |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
| |l:::::::::::::::く /￣ヽ、|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::il 僕たちは子供で、上も下もない
｜ | | =ヽ、ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
| l| ∧ | ´lﾉﾄヾ ＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|i| それに、僕とキミは二人で戦ったんだ
ヽ、|ヽ| い |::| |ﾄ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|ヽ 十人もの敵とね。五倍する兵力を破ったんだ、
y ゞ／ iｿ ll /::::::::::::::::::/lﾍ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| これが戦場なら僕たちは英雄だ
く ｀¨´ /／:::::::::::// ） 〉::::::::::::::::::::::::::::‖:|
＼ ,__ /:::/l::::／/ ／::::::::::::::::il:::::i:::::八ヽ、 なら、大人になっても英雄同士、
ヽ＼｀i /／/／ 7::::::::::::/|:::::/|:::::/| 余計な謙遜は止めにしよう
＼´____ -,_-┐ l/´/:::i入/ヽ .,..,,.:.:.:
∠ 〈 |ヽ／／ V.,.,.,.,..:.,.,/ﾞ｀ﾞﾞﾞr ほら、やらない夫、呼んでくれ
イ´ / l /::: | /´ ／-こﾆ≠´¨´￣｀il 「ルル」って
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ mn）（mn）
. | ////.| |人| | ……ルル
| | |⌒| |
. | | |. | |
. ヽ. / / } /
ヽ / / ノ ノ
/ ノ,,ノ |
| |
| |
ノl:::::::::|:::::|/／/‐､ ﾘ｀ .|::|=≦､|::|::::::::|:ﾄ:ｌ＼
|:::::::::ﾊ::::::l＝=､ / ﾚ' '´ヽ |:|:::::::/:|.ﾘ うん
. |::::::::l ﾍ:::::l,,,, ｀ ｧ==､ ,ﾘ:::::/:ﾘ
＼l:l:ヽ_ゞ_l ,,,,, /ｿ::/::l:l これで僕たちは親友だ
`ﾞー-ゝ ＿_ '_ /"::/l::ﾊl 今日からよろしく、やらない夫
, ―-､＿＿_ ,.ィ＼ ｀ ‐'´_ , イ_／ l/. !
(ヽ三/) ））
( i)))
／￣￣＼ ＼
／ _ノ ＼ ） こちらこそ、よろしくだろ！
| （ ＞）（＜）
. | ///（__人__） ルル！！
| ｀ ⌒´ﾉ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
⊂ヽ γ く
i !ｌ ノ ﾉ |
⊂ｃノ´| ｜
こうして、やらない夫とルルーシュは友人となった。
若い頃のやらない夫とルルーシュの逸話は、ややＤＱＮがかった
ものも多いが、この時期の二人は紛れもなく親友同士だったと言えるだろう。
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西園軍発足記念式典、および西園八校尉就任式が終わると、
やらない夫は就任祝いの宴会を辞退して、とある場所へとやってきていた。
_＿＿
| |
| 曹 |
| |
| 騰 |
,,,. | | ,'"';,
､''ﾞﾞ;､). | | ､''ﾞﾞ;､),､
ﾞ''!ﾘ'' i二二二二!ﾞ''l!ﾘ'''ﾞ
‖ ｀i二二二!´ ‖
昌 |:￣￣￣￣:| 昌
|￣:|_|;;;l"二二ﾞﾞl;;|_|￣:|
| :|::::::| |;;;;;;;;;;| |::::| :|
| :|::::::|┌─┐|::::| :|
.／ﾞﾞ└‐┴ ┴l,,,,,,,,,,l┴┴‐┘ﾞﾞﾞﾞ＼
|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|
￣|三|三三|三三三三|三三|三|￣
| |::: |: : : : |:: | |
| |::: |: : : : |:: | |
/＿|::: |: : : :.|:: :|＿ヽ
_|＿__|;;;;;;;;;;|,;,;,,,,,,,,,,,,,,,;,;,|;;;;;;;;;;|＿__|_
l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
祖父・曹騰の墓前である。
／￣￣＼ .........::::::::::...r‐ ' ノ.
／ ＼........::::::::＿ ) (_
|::::::: : |.....:::（⊂ﾆﾆ⊃) 祖父さま……
.|::::::::::::: |....: ::::｀二⊃ﾉ
|::::::::::::: |..: :::: （( ￣ 俺、西園八校尉に選ばれただろ……
.|::::::::::::::: } [l、
ヽ } ／,ｨつ あの時、祖父さまは俺に大望を持て、って言ったよな
／ ヽ . ﾉ .,∠∠Z'_つ 祖父さまだけには、言葉にして伝えとこうと思う。
/ ''⌒ヽ ./ .r─-'-っ 俺は宦官の誇り――皇帝陛下をお守りする職務と、
.| ( / } ./ ）:::厂 ´ 國をよくしようとする豪族の心意気、その両方でもって、
| / ./／ .ﾄ ／ 祖父さまの時代より、ずっといい漢にしてみせるよ
／￣￣＼
／ _ノ ＼ （ ;;;;(
| （ ─）（─ ) ;;;;) 祖父さまを超える忠臣になって見せる
| （__人__） /;;／ 後世の歴史家は、きっとこう書くだろ
. | ﾉ l;;,´
| ∩ ノ)━・' 『 漢最大の忠臣、やらない夫 』 って
／ ／ ＿ノ´
(. ＼ ／ .／ │ あの世で自慢しまくってやるから、
＼ “ ／_＿_| | 楽しみに待っててほしいだろ、常識的に……
. ＼／ ＿＿＿ / ＜やらない夫、ここにいたのか
声に応じて振り向けば、
そこには十年来の親友――
／::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::;ィ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::ヽ
／::::;::::::::::::::::}:::::::::::::::::::::::::／/::::;::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::;:::::::::::::::::::::}::::::::::::::::::::ヽ
／,ｲ／}:::::::::::::::{::::::::::::::::::::／,.:'::;イ::〃:::::::::::::::::::::::::::::::::;ｲ!:::::::::::::::::::::!::::}::::::::::::::::::}
'´／ ,::::::::::::::::::!::::::::::::::／ ,.::／ ///::::::::::::::::::::::::／::::/ i::::::::::::::::::::::!::/:::::::::::::::::;′
／ ,::::;:::::::::::::::i::::::::;＿_,.:∠＿/ﾑ/:::::::::::::::::::::／':::／ .i:::i!::::::::::::::::}/:::::::::::::::::/
／ .,'::〃::::::::::::::i:::::/ 〃―-ﾏ:/ ,::::::::::::::::::::ｱ7:::辷―--ﾏﾑ::::::::::::::/:::::::::::::::::;′ まったく、お前は昔と
i:::ﾊ:::;ｲ:::::::::::::/,ィ≧ｭ､_‐-〃.,::::::::::::::::／/:／ﾌ＿￣`_';:j ';:::::::::/::::::::::::::::::::} ちっとも変わらないな……
i::,' |::i ';::::::::::::i {{ しイ;i弐/‐i|::::::::::／ ,:／ -‐ァ＝テ芋ミ.＼〃::::::::::::::::::::::!
i::| .!::! ∨::::::::ﾍ ゝ込:_:_:_ﾀ＼!::::／ ／ ／弋‐:'{:i:} :}} }ﾉ 〃::::::::;､::::::::::i!::!
i::!. ';:! ∨:::::::ﾄ;:､ ￣￣ i|／ } ´ ｀¨`ー=ムｨ ／::::::::::/ ,::::/|:::!i:| 少しいいコトがあると、
!i !| ∨:::::::.ヾ:､ ′ ,: ／::::::::::／,ｲ::::, |::| i| こうやって曹騰殿の墓前にいる
i:!. i| ∨:::::ﾍ. ＼ ,: ／イ:::::／／::::::::i .}::!.ﾘ
ﾘ i! }::::∧:::. ＼ i| , ／ ／:::∠／::::::::/|:! ';:!
}::∧ }:::＼ i| ／ ／,:／/::::::::::::::::,' j;′ ヾ、
j:/ }:ﾊ::::＼ ｰ-=__- ､__ ／ ,ｨ:::::::::::::/|::/ ′
〃 .i:! .}::::::::ﾄ､ ｰ--｀￣¨¨´ .イ /::::::::::::/ {/
′ .ﾘ }:::::::i ＼ . イ ,':::::::::;ｲ:! ﾘ
′ }::::{`ヽ､ ＼ . イ ﾑ::::::::; i::! ′
jﾊ;ｨﾐx、｀ ‐-ゝ､. イ _ﾑ.}::::::i .i:!
/〃|三三ミｚ≠ z二二二二二 }::|ヾi i!
′!三ﾆイ三{ }三三三三三} ∧j ’
ノ三ﾀ }三{ }三三三三三i} ﾄ､
｡ｭ≦Ｙ z. } ≠ミ{ }三三三三三i} .}ﾆ≧ｭ､
｡ｭ≦三三iﾚﾆV /,z､ { }三三三三三i} .}､ﾍ}三≧ｭ､
ルルーシュの姿があった。
＿＿
／ ＼
／ ゝ_ ＼ 俺にとっちゃ、少しどころの騒ぎじゃないだろ……
（●）（●）U |
（__人__） | 征西将軍にでもなれれば充分だったのに、
・━(＼_∩ | 陛下直属の将校に取り立てていただけたんだぞ？
ヾ(_ ＼ |
{ ＼ ＼ ＼ こんな名誉、祖父さまに報告せずにはいられないだろ、
/ ＼_＼ ＼ / .) 常識的に考えて
| |＿__ ＼ “ /
＼＿＿＿ ＼／
. -‐.:.:￣￣￣＞x.
／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼ 志が低すぎるぞ、やらない夫！
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ お前はこの袁ルルーシュが認めた
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ .:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l 男だ！ もっと上を目指せ！
/.ィ.:.:.:| .:.:.:/:.:.〃.:.:/.:.／..:.::.ィ.:.:.:.:!.:.:!
ノ'´ l.:.:.:.| .:.:/.:∠|..:.:'.:./ .:::／ !.:! ..:|.:.:|
|, .:.:| .:.l/ｒｆｭ心|::/.:／-‐'´ !l ..::ﾄ..:| それに、西園八校尉など……
ﾉ|l.:∧ .:l上ﾚt癶:{:/ ィｆj升V.:.:∧ ヽ
|l.:.｀ヽ.:.', { ｀¨¨７.:.:./
|ｲ/.:.::ド ､. ____′ , ′:/ 宦官の蹇碩如きの風下に立つなど、考えられん！
从/ﾄ'､ > '--- ’ .イ:.:／
／ ヽ辷 ≧-＜リﾊ{
／￣￣＼
／ _ノ ＼ （ ;;;;(
| （ ─）（─ ) ;;;;)
| （__人__） /;;／ ……………………。
. | ﾉ l;;,´
| ∩ ノ)━・'
／ ／ ＿ノ´
(. ＼ ／ .／ │
＼ “ ／_＿_| |
. ＼／ ＿＿＿ /
／.::::::::::::::::::::::::::::::::::.｀丶、
／.:::::::::::::::::::/.:::::::::::::. :: ::::::. .ヽ. おいおい、なんて顔をしてるんだ？
/.::/.:::::::.::::::::/. .:::!:::::::::::. : :. :::.:::::ﾍ
i′:′.: .:.::::::/.::::.:::l、:､:::::::. ::. l::::::::ﾊ 宦官と言っても、お前の祖父殿と
|:::::i ::: :: :!:::/.:: .:/.:jヘ､＼:: .::::::ﾄ､:::::::ﾄ､ やらない夫だけは別格だ
|:::::l: :. ::::l:/|::!::/}:/ ,rｧ≠fﾄ､::::::|/.::::ﾄ|
|:::::|::::::::::|ｋl::|:{ / ｨ代fiﾂ:::::::::{::::::::ﾄ| 特にやらない夫、お前は豪族だろう？
l:i{::ﾄ､::ゝ㌘f沁′ ￣ |:::/:/ l::::i:| 郷挙里選にも通ったんだ、お前は官僚たる身、
爪:l::::ヽ::::＼¨´ } |/l/ }:::ﾄ! 陛下を意のままに操ろうとしている宦官の肩を
ノ ヘ.::.::ﾄxヘ、 ｀ t一ｧ / .ｲ|从 持つ理由など、ないではないか
メ、 ─‐`┐. _ ／,r',仆､l、 ﾞー‐- .._
／ ｀二丁{､｢￣ヽﾞﾏヽ ｆ ＞‐‐､
／ .ｲ｣ /} }／〉､ ヽﾏk｣` ／ i
ｒ'´ ∠ -‐〈/ {/iﾊ ﾒ} i .′ l
{ `rｲ } } | | i / l
子供時代のルルーシュは、人士の身分を問わずに交わった。
やらない夫を親友としたのも、差別意識など持っていなかったからだ。
しかし、身分を問わず、能力のない者を嫌悪したのもルルーシュの性である。
特に、現状の宦官たち―― その中でも 『十常侍』 とされる宦官の上位十名を
毛嫌いしていた。
名門の袁家に生まれたとはいえ、その傍流だったルルーシュが最も憎んでいるものとは、
然るべき地位に然るべき人材が就かず、
無能な連中が重役を占めている状態である。
／￣￣＼ 気にしちゃいないだろ
／ _ノ ＼
| （ ―）（―） , ､ 実際、今の宦官はやりたい放題だ
.| （__人__） ふぅーッ ,´ ( ⌒ヽ ）
| `-=━・ --==≡三三 ( （ ) ） ） でも、俺たちがいくら現状を陛下にお伝えしたくとも、
.| ﾉ ヽ ｀ｰ ノノ 上奏文は、陛下の手に届く前に、握り潰されちまう
ヽ .,ﾉ )／´二⊃ ヽ_- ノ
> /"／ '‐､ﾆ⊃ ｷﾝｯ 困ったことに、皇帝陛下は宦官―― 特に『十常侍』
./⌒ヽ ｌ ´ヽ〉〆ヽ 筆頭格の蹇碩が大のお気に入りと来てる……
( ヽ/ __人〉ヾ_ノ,ゞ
.＼ / / { ／
/: : : : /: : /: : / : : : /l: : : : : : : : :ヽ
. /: l : : /: : /: : /: /:/:/∧:l: : : : : : : :ﾊ
/: : ! : /: : /: :/: ://l // l:|＼: :!|: : : : l 宦官共が陛下に渡される文に全てチェックを
,':/: :l : l : ://:/l: ｲ//,l/＝ｷi≦V | : : : ﾊ 入れているからな…… 宦官にとって都合の
/ｲ: | | : |: :l/!/=l'､l'/´/,.ィ彷ｒ） 7:/: ﾑ ｌ:ﾄ| 悪い上奏文はすべて握りつぶされる
,': ,ｌ l: : ∨ｒ忘外 } ￣￣ //: /) }从
l:/ |:l: ､: ヽ ｀￣ 〈 //: /.ン:l だが、見ていろ、やらない夫。
l′lﾊ : ＼ ＼ ＿＿,./ｲｨ/彳|l l いずれこの俺が、無能者共を宮中から一掃し、
′!: | |:ヽ‐ヽ ´-‐一 /ﾍ: N州 俺が漢室を立て直してみせる
|/l/|:l､_､:＞ ､ ／,. -ﾍl 、
' ' l／| ヽl: | ｀ ‐ '´ 〉 __l ヽ その時は、やらない夫、お前は俺の右腕として
|.:.:.|:.:.:.|∧ /彡,:.| | 三公のいずれかになるんだ
/.:.:_ｊ.:.:‐¬l , ゝ／.:.| l-､
/.:.:.へ :.V＾ゝ / / /.:.:.:l /⌒'ー 今の内からどれにつくか、考えておけ
, -―/／ ヽ ヽ‐. ｒ‐/ /.:.:.:.:.! /:.:.:.:.:.:.:.
／￣￣＼
／ _ノ ＼ .＿＿＿
| （ ー）（●） ( ⊂⊃ )
. | （__人__） ﾎﾜｯ￣￣ あんまり過激なコト言うもんじゃないだろ、
| ( ( ﾉ 常識的に考えて
.ｌ^l^lｎ ⌒ }
. ヽ L } ∩ ノ)━・ ……でも三公か。うん、悪くない響きだろ
ゝ ﾉ ノ ／ ＿ノ´
／ / ＼/ | 楽しみに待ってるから、早く就けて欲しいだろ
／ / ' |
. / / |ヽ__ノ
ヽ＿＿ﾉ
,.:.:.:´.:￣.:.:.:＞ 、
,.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＞ 、
／.:.:.:.:.:.:.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＞ 、 こいつめ、本気にしてないな？
/.:/.:.:.:l.:.:.／.:.:.:.:.:.:.:／.:.:.:.:.:.:/.:.:.:l.:.:.:.:.:.ヽ
,.:.:./.:.:.:.:|／.:.:.:.:.:.:.／.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.|.:.:.:.:.:.:爪 ホントだぞ？ 三公だぞ？
／ｲ./.:.:.:.:.:.!.:.:.:.:.:.:／.:.:.:.:／.:.::/.:.:.:.:.:.トー-、.:爪
'／,.:l.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:／.:.:.:.:.／.:.:.:./.:.:.:.:人.｀ー 、VL',＼ ,＿,
' ,ｲ.:.:.:.:.:.:.:|／／フ＞く//V.:.:.:.:/ゝ、｀ーﾑ ゝ┴ ￣ ＼-、-、
| |.:.ﾑ.:.:.:.:|〃隹不 ﾌ /.:／／≠―ﾁ＞ 、_ ｧγ ´／イ: :＼
’ , l.:ｌl.:.:八ゝﾋ角ﾑメ./.:彡´ ﾃri一 ,.:.:.:.:.:.:.:lヽ ー " ／| ｲ/: : : : : : ＼
' ,.:.ヽヽ: ヽ ' l 〔角7 "/.:.:.:.:.:r '￣'＿_.／ | 'V: : : : : : : : : :＼ ハッ、ハハッ、ハハハハハハハ……！
l.:.:ゝヽ.:｀ / ｀ //.:/.:.:/"￣ Y: : : : : : : : : : : : :.＼
从.:.:.:.:l>＼ ＿＿＿_ ,.:.:／.:/V 乂: : : : : : : : : : : : : : ＼
, ´/／ﾘ.:.! ＼ ￣￣ " イ.:.:.|／レ' ｀ ＜: : : : : : : : : : : : :ヽ
／／j.:.不 ＼ ィ ´.:.:.:.:|乂" ｀ ＜: : : : : : : : : :.＼
/ ⊂ニテニ＞ ＜ニ乂|乂 ｀ マ: : : : : : : : :
ｲ: : : :| |: : : : | |: :从 ＿＿＿__ ヽ: : : : : : : :
|ﾘ厄 | |: : : : | |う||＿_／ヽー ´ ヽ - 、 ＿_ ＿V: : : : : : :
人ｸ: : | |: : : : | |: ）ル: ノ: : : : : : : : : /: : ／: : : : ヽ―――≦: : : : :／: : : : : : : :
／￣￣＼
／ ⌒ ⌒ ＼
| （ ●）（●） | はははははははは！
. | （__人__） |
| ＼＿) | 俺とルルが組めば、漢は史上最高の国家になれるだろ！
. | } 常識的に考えて！
. ヽ }
ヽ ノ ははっ、ははははははははは！！
/ く
この時、二人は本気で口にしていたワケではなかった。
親友同士、他愛もない夢を語り合ったのである。
袁紹を漢のトップに据え、実務では曹操が辣腕を振るう。
もし実現すれば、どれだけいいコトだろうか、と。
洛陽は平和だった。遠い未来に、夢想を抱ける程度には……。
しかし、これより約一年後、洛陽は風雲急を告げるのである。
西暦１８９年、中平６年。五月。
―― この日、中華全土に激震が走った。
後漢第十二代皇帝、劉宏……
ｆ⌒ﾌ
《"´
ノ⌒ヽ、 V´￣｀ヽ
｀ヽ._,ゝ) |ﾄ､｀ヽ、}
`v/ `ｰ､ｿ
＿_〃__ ′
（´二 二二 ｀）
) ｰ -+--‐(
/ .:' ｌ! :.. ヽ.
ｉ :: l| : ｉ
| :: |ｌ : |
|.. . . :: ..|| . . . . .| )
| ﾟ :...::....|!. . ..:...::..| (
| :: ｉ! : |
| :: !! : | )､
| :: ﾟｉl ゜ : | ソ
| ::゜|!゜ : |
| :: ｉｌ : | __ ◎ _ｎ_ｎ__
ｌ .....::..!ｉ.........: | | | ｒ､ └i_n┌'
ヾ. ::″ ゜. ﾞヽ| |_| ＼> く丿 [][]「l
ヽ :＿＿＿__丿 /´⌒ゝ‐-､ くノ
. : .: (´⌒ゝ （ レ'ﾌ ﾉｰ-､
｀｀´ /⌒/´ｆ':::;:;｡' }
. . .: : :{ {_ノ-､ﾟ'”ゞ-＜
. . : :{`ｰ-､ . : : :ヽ._ 〉-、 }"´ ﾉ } r‐ ､
. . : (⌒ヽ ヽ. 〉 . : : :::{ 〉‐-＜.._.ﾉ _ノ ﾉ
: : ｀ ｰ' ￣´ . : ::::｀ーヘ.＿_ノ ｀￣´
―― 崩御。享年、３３。
諡号は、孝霊皇帝。今日では霊帝と呼ばれている。
後漢の皇帝は夭逝した者が多い。霊帝もまた、その一人だった。
●補足 【霊帝】
,. ＜￣￣＼
／¨＼ ｊ ￣￣￣
/ /¨¨Y＼ ／ ` 、 後世の歴史家による霊帝の評価は、
./ 斧ﾐ,／ ,／ ＼ ＼ 決して高いとは言えません。
′ミ彡 / ／( ＼ ヽ ＼
／⌒i / ,: `ヽ .` ,. 宦官と官僚（特に外戚）との争いは、
|:＼＿j ' /￣￣` `ミz 三＝ -￣ ` つまり、皇帝と豪族との争いは、
¨¨¨¨ｆ¨ , . ｜ 霊帝の代で宦官（皇帝側）が有利になりました。
ノ { ,イ斧芹ミ ,イ斧芹ミ }
:|! ヽ .乂::::.ノ ､ 乂:..ﾉ / 本来であれば、宦官とは皇帝の手足に過ぎない者。
八 ＼:::::::. ′ .::: / .: 八 しかし、霊帝は手足に踊らされてしまった皇帝として、
八 ` ＞ - _ ノ . イ／ 歴史に名を残すことになってしまいました。
ヘ
／ ｊ -━=＝ミ 近年では、彼を再評価する声も上がっています。
/ ／ ＼
/ ／ それこそが、霊帝の発案による皇帝直属の常備軍、
l＿＿/ .: 西園軍の設立です。
′ / ,/ （
/( ＼ これまでの軍隊とは、宮廷警備兵を除けば、必要に
/⌒` ＿ ≧-＝彡' 応じて地方から召集された兵隊が主体でした。
f斧芹 f斧芹 | しかも、地方から集まった兵たちはそのほとんどが農民兵、
.|! 乂_り . 乂_りV 士気も低ければ練度も低く、弱兵だったのです。
八 ' .: 八 j
. `ﾄ r . _ ノ ／ . ですから、常備軍建設は歴代皇帝の悲願でもありました。
＼ .＞- -= r 〔 ／
/ ⌒..ｆ......|! ≧ー＜ ` ＜个⌒ヽ 高級官位を金で売買する売官制も、霊帝は奨励しました。
,:............|......|! ∧ |!..... |..........ｌ その意図とは、単に西園軍を設立するための、手っ取り早い
.............. |......|! ∨ |!..... |..........| 資金集めだったとも言われています。
.,.＝=┐
/＠.／―=ミ、
l三/ -=ﾐ､ この西園軍は、完成する前に霊帝が崩御したため、後漢時代に
Y ﾉ=- _ . 機能することはありませんでした。
! f.j ｆ.ｊ`Y .ｊ｜
八人 '､ ,.ィ /ノ しかし、次代の王朝がシステムをそっくりそのまま実行に移し、
＞T 〔`ミく 次代の王朝以降の歴代王朝が、西園軍を模した大規模常備軍を
///ﾊ.........}...`Y 設置するようになるのです。
/..'.....V.........|......,:
/⌒く⌒/¨ V...../:(
＞ｆ 「....¨¨¨....../:::::｝ こと軍制という、国家を守る最大のシステムを完成させ、歴代王朝に
ｆ ノ¨ T{¨ﾏ,￣1＼::} ほとんどそのまま受け継がれていった……。
/ ﾉｿ ∧ ﾏ,)ﾉ. v
./_ﾉｿ / .∧_ ﾏ∧ ./ システムを作ったという意味合いにおいて、霊帝という皇帝は、
/.......`/ｰ＝∧........k 後の世にとてつもなく大きな影響を残しているのです。
{.'⌒ヽ' Y-=ﾐ
.ヒ三ﾘ L ＿ｊ ●補足 【霊帝】 終わり
┃ ┃
┃ 【正史】やる夫たちは中原で覇を争うようです【演義】.┃
┃ 第一部 『群雄争覇』 ..┃
┃ ┃
┃ 第二話 「覇者占拠洛陽」 中編 ┃
┃ ┃
┃ 終わり ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
少し、休憩をいれます
続きの投下は２１：１０分からです
/ ／ ヽ それでは、第二話後編、
.L./ 八 ＼_
ｏ `ｰｏＹ お楽しみください
.}、 ( ﾉ ,:
ヽ ≧`_´≦イ
/..}! 〈〉 i{.∧
.{....}! 〈〉 i{.....}
Ｖ∧ 〈〉 /...../
}...∧f〉/.....,:ｆ
ｊ,二,〈〉j二, {
/∧ Ｖ ._ j .}
＿＿＿＿_.{ .ソ个jく).＜､＿＿＿＿
`/ ¨¨|!¨ ヽ'
┃ ┃
┃ 【正史】やる夫たちは中原で覇を争うようです【演義】.┃
┃ 第一部 『群雄争覇』 ..┃
┃ ┃
┃ 第二話 「覇者占拠洛陽」 後編 ┃
┃ ┃
┃ ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
,．-───-､
／
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,．- ‐─ '´¨￣ `
／
|
|
| ¨'''‐- ．._ヾ､
', ﾍｬ=≡ヾ ＼ ﾍ､_,．-‐'´
ヽ `'´ 〉 }i弋::
＿＿__,＼ _,. -‐､ / ''￣¨
＿＿＿＿__ .,へ、厂 _ﾍ-'ﾆ`''´ ｀l | ,'
,．-‐‐‐‐'´" 、...,,＿＿ ^ ／ , ¨`l | |`ヽ､ 〉
￣'''' 冫^r ､ ノ -‐'| .| | .ﾄ､ ', ヾ__,='´
| /.:l¨￣^ r-‐' l､__ﾉ__」. ', ', _,‐-----,.,、
| ,|:::| i `ー‐'´ {.____＿＼ ヽ -ー-‐--‐`-､
| .|:::| ` _ ,＿ ,／／¨´-'´^`- ､ `
', |::`ー‐‐- ､..＿＿,．-‐'´ ／／
l |::::::::| ／l <_／ ,．-'´｀ヽ、
￣`ー-- ､ ヽl:::::::| / `ー------‐'´:::::::::::::::::::::::ヽ、
`￣`‐--、 ヽ:ノ / |::::: : : |::::ヾ ヽ、::::::::::::ノ´ ＼
`ヽ／ / .|::::: : : |:::::::} ￣￣ ￣
| / |::::::: : : |::::::〉､
| / / |::::::: : : .|::::::| ヽ ノ
| / ／ ,|::::::::::. |::::::| |`-ィ─-、__／ |::
| ,' ／ /:::::::: : . |::::::|. |::::::| |:::::::| |::
| ,' ／ /:::::::: : :::| |::::::| |::::::| .|:::::.|. |::
ﾚ' < /:::::::::: : ::::| |::::::| |::::::| |:::::| |::
/ 〉 ,' ::::::::: : |:::::| |::::::| |::::::| |:::::| |::
,' l l:::: :へ:::::|:::::| |::::::| |::::::| |:::::| |::::
,' | |:::/ ＼:::::|::...|::::::| |::::::| |:::::| .|:::::
,' l / 〈 /:::::::,- 、:::::::::::::l`========'l─
●後漢考霊皇帝・劉宏（霊帝）
霊帝の崩御は、皇帝の死のみを意味するものではなかった。
ここに来て 官僚（豪族・外戚派）と 宦官（皇帝派） による争いが、
後継者争いという形で再燃することになるのである。
有力候補の皇子は二人。
_＿__
_ _ ___丿 、｀⌒)V⌒ヽ
{#ﾍ __ /ﾉ _{ ＞┘─ - ､ }_
＼}三云 _／ ﾉ _ .. -‐……‐ ､＼＼_
（_ __ ) ： _〕 ／.::::::::::::｀ヽ}､:::::::::::＼ ､_}
{{ ｛ } _) （/.:::::::::::::::::＼VL＼::::::::::::V(ﾍ 私が皇帝になる！！
゛ ゝ / { 〃.:::::::::::::::::::::::::i´ V::::::::::VV
_} {_ V:::/:::::::::!::::::/::,i:::} |::}:::::ｌ::|::ﾍ
(_＿__)ﾍ. {::::{:::::::::::|:::/|:/ |::厂 |ハ从:l:::::ﾍ
{ { vﾍ V.::::､::::::|/ ﾉ |/ ((二))ﾉ::::::「}::::}ﾍ
vﾍ Vﾍ|∧::＼:((二)) i:::::::リ::::F^ﾍ
＼＼ Vﾍ Vﾍ 人:V{` _ -┐ !:::::::|::::::| ヽ
Vﾍ Vﾍ /:!:ゝ ＼ }_ノ}::::ｉ::}::::∧ ＼
ゝ_>Vﾏ_:::}:::::|≧ァァ｀ア^V７ノ|ｿ:::::::∧ ＼
／ ‘ｰ/廴ｿ:::::ﾄr{{ └{_}┘ }}⌒V::::::::::::∧ ヽ:ヽ
〃 /.::::::{/＼|｣｣`三｣｣三く_j_jｿ:::::::::::::::∧ v:ﾍ
{{ ,'.:::::::::::::::_ノノ {}ﾍ _j::::::::::::::::::∧ }::::}
＼、 {:::::::::::::rヘ´ } ⌒Y´ V｝:::::::::::::::i::::} /.::/
｀ 、:::::::i::＼/`ｰ､′ }_＿_∧::::::::::::::::;|/ ／／
ヽ:::::{:::::::ﾏｰ､_二二{__r┬ｧﾁ:::::/:/|/ ｰ=彡'´
＼Vヽ/ /.:::::::::::::| |ﾉノ}／l/
_/ /）WﾍノV| |_
｛三三} {三三)
｀￣ ￣´
●劉弁（字は言葉）
バックボーンには霊帝の皇后（皇帝の正妻）であった、
/: : : : : : : :/: : : : : ,' ,' :,' |
／ ￣￣￣￣￣ ｀ヽ: :.,' : ,| :i :./.:. i:.: |
/ ／ ￣匚_'＿] ￣ヽ.∨ :/ i:＿i.:.. :_/＿:. ﾄ､ i
| |===============| |r7￣',:.:.:ｉ.:.: :.:/ |.::.:｀,ヘ、 :.i: | わたし、皇后よ！
| | 宛名： | | i ',:.:.i.:. . ::/ _｣.::.:/ !ヽ .:!: : ｜
| | 件名： | ﾄ:! ＼:.:..:.ｉ.:./ jr≠≪ |:.:.:.:. ,': :｜| 言葉を皇帝にして、
| |- - - - - - - - --| | _＿ ＼ !/ /{i .o0卞|:.:.:.:/: : : ! | わたしが政治をするの！
| | 皇后 偉い. | |rr≠弌. ｀{ う j } 》:.:./}:.:.: :i!ﾉ
| | ｣ | | _{L __ノ |:.//|:.:|:.:{
| | ｣ | | ￣¨ j/ jノ: :!
| | ｣ | | ' /__／ :| |
| | ｣ | ﾄ、 f'￣￣} /.:.:.:.:.i i |
| | ｣ | |:.:＼ ヽ.__ ノ , r＜|.:.:.:.:.::{ :ｉ |
| |===============| ｢￣i}｀ 、 ,. イ/.:.|.:.:.:|.:.:.:.:.:.:i : : |
| ｰ──────‐ ' | ／| ｀´ /＼|:.:.:.|:.:.:.:..:..i : : i
●何皇后（字は世界）
……なんとも凶暴なメンツである。
（そのせいだろうか、） 豪族たちの指示も厚かった。
大将軍・何進を初め、
/: : /:: : : / : : :.!:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
/: : /: : : : :|: : ／|: : : : :|: : |: : : : :',: : :ヽ : !
|: : |: : : : : |: /＿ |: : :,/|: : /ヽ: : :.|.: : : ﾄ､:|
|: : |: : : : /!/´ |: :/ |:./￣｀'Ｖ: |.: : : | V
＜ : _: : : /. |/ ﾚ }|:./ヽ: : :| 屠殺屋（肉の解体業者）だった俺が、
＜:: |. 小{ ≡≡ ≡≡ ﾚ{: :|ヽ:| 大将軍か……
厶ﾍ ﾊ ､ {ﾊ,;' （(
＼_! ' ! ( ( ヽ) ﾎﾜ〜ｯ 職責に恥じないように頑張らなくちゃな……
ヽ ー=＝‐ ／ ヽノζ
___,ｒ| ＼ ／ |￣￣￣|(^)
／:/::::| ＼ ヽ _ , ィ´ | ''..,,''::;;⊂ニヽ
／::::::/::::::| ＼ ´ ∧＞､ .| .,,:: ;;;;ン=- )
／:::::::::::/::::::::| ＼ / ! ,ｒ-''⌒＾ニ);;;;ヽニノ ヽ
●何進（字は誠）
. -‐.:.:￣￣￣＞x.
／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ .:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l
/.ィ.:.:.:| .:.:.:/:.:.〃.:.:/.:.／..:.::.ィ.:.:.:.:!.:.:! 俺を取り立ててくれたのは、誠様だからな……
ノ'´ l.:.:.:.| .:.:/.:∠|..:.:'.:./ .:::／ !.:! ..:|.:.:|
|, .:.:| .:.l/ｒｆｭ心|::/.:／r―┤l ..::ﾄ..:| 人を見る目だけは確かだ
ﾉ|l.:∧ .:l上ﾚt癶:{:/ ィｆj升V.:.:∧ ヽ
|l.:.｀ヽ.:.', { ｀¨¨７.:.:./ だが、基本的には無学無弁のお方
|ｲ/.:.::ド ､ ′ , ′:/
从/ﾄ'､ > ｀ ￣ イ:.:／ まあ、俺が補い、お支えすればいいだけの話だが
／ ヽ辷 ≧-＜リﾊ{
. , -―――‐〈｀Y ﾍ // /// {__ __
／ ﾅ K // // {ﾄ､ ｀丶
. ／ '´ | | | | ｀ ヽ 誠様には感謝してもしきれない
| | | | | }
| | | | | ,' 彼の為ならこの身を削ることすら、惜しくないな
｜ ＼ ┌＝＝＝¨ ¨＝＝=斗 /
〉 ヽ | | | ,-､ /ヽ| | ｲ,'
{ ', | | | ヽ′ ｀ ´| l / |
′ Y | | // / !
. / ./ | | // ,′ |
. / ' | | .// / |
,' / | | // .{{ |
. / ∧ ｜! | | |l |
. / / | | | | | |l |
●袁紹（字はルルーシュ）
正史（魏志袁紹伝・注英雄記）によると、若い頃の袁紹は身分を問わず有能な人材と好んで交わった。
名門中の名門豪族・袁家の出身である上、積極的に人材集めをしていると見なし、
宦官たちはルルーシュを危険視したという。
叔父はルルーシュを叱責し、本人の自重と宦官に睨まれていたこともあって、ルルーシュは長らく官職に就くことが
できないでいた。そんなルルーシュに目を付け、属官に抜擢した人物こそ 誠（何進） なのである。
※属官 …… 何進の個人的な家臣 になったということ。ちなみにダジャレではない。
一方の宦官が押したのは、劉協皇子。
／ｚ┴'ｆヾi ､_＿: :|
＿＿＿＿_ .ｲ‐ﾅ(_ヽo`'∠)└ ＞＜¨"' ー-､
ｒ‐ '´: :: :: :: :: :: :: :＞´ ｆ こフ ィ} ＿ ｀丶 、 ＼
ｌ: :: :: :: :: :＿: : :／ ｒ’ｨ＿ｚ-=Ｏ'‐'`' ＼ ＼ ＼
＼: : : : : :ー‐,ｲ ／ ¨｀‐ｲ「' 7､‐' .|＼ ＼ ｌ ｌ
ヽ: :: :: : : :ﾊl! >'´ !ﾄ､ヽ |_/ム ! | い. ! /
. ＼: : : :ﾊ .| | !.|: !|‐''''" !ﾄ斗; i. ﾄ､! !
|: : :ｲ .い.| | !:|! .|| / !ｌﾑ, |｀| l|. ! ぬぅ……
レ´ | ＼ﾊ ヽ .!.|ヽ::|ヽ _, ﾁイ「!|/ | リ 妾は蜂蜜水さえ飲めるなら、
／: :: :| .ヽ! ｌ,,斗七二三、 辷沙ｨ' / 〃 皇帝になど成れなくともよいのじゃが……
/: :: :: :! ! iハ ＿イ5¨ 爿, 、ヽヽ} /
. /: :: :: :｜| ::|::::ゝ .ぃ ヾ ヽシ´ ′ ﾉ ,´
/: :: :: :: :.!｜ ｌ ﾋﾍ ＼｀ﾄ､ '´ ｲ: ,'
ｌ＿: :: : : :| :ｌ | ｀>廴＿＞‐-､、 ／ | i
￣￣!| :| .ｌ ＿/ ＼＝ェ!-イ| |＼
. ｀7 ' ト┴､ ＿,,, ｨ┐レﾑﾚ品ヽ ! ＼‐ｧ
,' ,' ハ (´! ｜＞ｆ_/ノ´‐个‐今ﾄﾞ､｜ i＜!
, / ｌ| ヽ |｀`''- ! ｒ(|_＼`く |!ロ ＼ 乂|ﾄ} ＿
. / ../ .!|. ＼ 「¨7 ￣）ﾄ､ヽ-┘品 |＼ﾚ癶‐-ヽ
/ ../ X! ｀丶､ ! ＼ﾊ＼!ぅマ呂 ／｀´Y X‐ﾐ‐リ
. /. ／ ／∧ `丶､ ｀ﾌ ノ | / /＼匕＼ ＼
／´ .／ / | Y´ ＼辷‐|￣ ¨´ Tく ＼ ! |
／ .／ / ! |＿／ク¬ /ｲ ﾄ} }＼
●劉協（字は美羽）
彼の母親は劉協を産むと、嫉妬に駆られた何皇后によって毒殺されている。
そんな劉協を憐れんで引き取り、王たる者として教育した人物こそ、董太后である。
＿＿ _
, ' ´: : : : : : : : ｀ :ｰ .
／: : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ､｀ヽ
／ : : : : : : : : : : : : : : : : : ー : ─t: : ヽ
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ゝャ: ヽ そのようなコト、仰らずに〜
/: : : :／／ :Ｙ : : : : : : : : : : : : : : :／ : ハ : :∧
ﾊ : : :/: ,ﾍ: : 仆: : : : : : : : : : : : :／: : :y : :ｉ:: : ∧ わたくしは美羽さまこそ、皇帝に相応しい
,'/ !: : /: ∧ ∨《乃》: : : : : : : :ｨ彡 : :／ ｉ: :.ｌ: : : ハ お方だと信じてますよー
.':! ｉ: : :__/: :ﾍ ∨: { }: : : : :＿彡 : : ／ ｌ: :ｌ: : :ﾊ: |
|:ｉ |: : fフ才イ , ─' ｰ＝ﾆﾆィ ' ´`ｰ‐- ｌ: ! : : : ｉ:|
ｉ:! .}: :{ r |: : :| ｨｾ爪气 ｒf=≠y !::ﾉ: : :,' !:ｌ
|' l: ヽz_! : :l 斥しﾂj ｾトｲj 八/::/ ｌ:ｌ
!ｉ｀} ﾊ: : l ゝ─ ' ゝ- ' ノ:::/::/ ｌl
ｌ' ヽ: : ∧ 〃〃 , 〃〃/イ:乂 ﾘ
）::!: :ｉ＼ r -y /∧:.:ｉ
f｀ヽ ､_乂:::}: :| : :ｉ > 丶_ ノ イ/' |:.!
＼ ＼ ｰ=彡:八＿ﾄ─＞ _ _,__＜:（_ リ
＼ ＼ ノ∠::＼二ニ}´ ＼__r＝=‐､───‐ ､
●董太后（字は七乃）
……なんとも不安な顔ぶれである。
バックボーンには宦官たち。
その中には、先帝が作り上げた西園軍を指揮する、
西園八校尉が筆頭、蹇碩の姿もあった。
/＼＿＿_／ヽ
／ '''''' '''''' ＼
|:::::: （●）, ､（●）| 皇帝陛下はボインよりも、慎ましやかな方が相応しいと思うんだ。
|:::: ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,..|
|:::: ｀-=ﾆ=-' |
＼ ｀ﾆﾆ´ ／ うん、だからね、僕は 劉協さま こと、美羽ちゃん派だな
. __ _＿ ,.〈＼ ＿ ／
／: : ＜ : : : : : : ＼ ／ﾞｉ ﾞｉ、
, ' .: : : : : : : : : : :l: : : .∨',:::::ﾄ|ﾞｉ ＼_
. { : : : : : : : :ﾞｉ : : :」 : : ::', Y´ﾞｉ. |: : : : .＼ ……それになんか、劉弁さま こと、言葉ちゃんはなんか臭そうだし
|: : : : : : : : :＼ : : :＼ : ',|::::::ｉ |: : : : ',: : ｀, 血の匂い的な意味で
', : : : : : : : : : | : : : : : : :.',:::::ﾞｉ|: : : : . ',: : }
(,:／:／ニ｀ﾝ---r : : : : : ',::::| : : : : : ',: : ',
｀: ´ : : : :V ,r'二ヽ_: : : : :',:|: : : : : : ',_,rｰ'､
{∨ : : :└」_,r' 二 ヽ: : : : ',|.: ＞＜￣＼.: ＼
{: ∨ : : : : :」.ゝ-''ﾞ~￣￣￣￣: : : : ﾞｉ ム: : : ' ,
l: : ∨: : : .／: : : : : : : : : : : : : : : : ､／: : : : : : }
}: : : ＼ : : : : : : : : : : : : : : : ／゛￣: : : : : : : :, '
●蹇碩（字はダディ・クール）
先手を打ったのは、劉協派（宦官） だった。
蹇碩は暗殺者を派遣し、劉弁を亡き者にしようとした。
○＜￣￣￣￣￣＼
γ ）
（二二二二二二）
／ﾉヽ ヽ、
/ ⌒''ヽ,,,)ii(,,,ｒ'''''' :::ﾍ ボイン？ 何だ、そりゃ！ふざけんな！！！！
| ﾝ（○）,ﾝ <､（○）<::| |｀ヽ､
| ｀⌒,,ﾉ(､_, )ヽ⌒´ ::l |::::ヽl
. ヽ ヽ iｌ´ﾄｪｪｪｲ｀ｌi ｒ ;/ .|:::::ｉ |
／ヽ !ｌ |,ｒ-ｒ-| ｌ! /ヽ |:::::ｌ |
/ |^|ヽ､ ｀ﾆﾆ´一／|^|｀,ｒ-|:「￣
/ | .| | .| ,Ｕ(ﾆ ､)ヽ
/ | .| | .|人(_(ﾆ､ﾉﾉ
┌┴┐┌┴┐┌┴┐ -┼- ￣Ｔフ￣Ｔフ ＿＿ / /
_ノ _ノ _ノ ヽ／| ﾉ ﾉ 。。
しかし、
失敗に終わる。
/＼＿＿_／ヽ
／'''''' '''''':::::::＼
. |（●）, ､（●）､.:| ＋
| ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, u::| やばっ、どーしよ……
. | u ｀-=ﾆ=- ' .::::::| +
＼ ｀ﾆﾆ´ .u ::／ +
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ーーノﾞ -､
: | '; ＼_____ ノ.| ヽ i
| ＼/ﾞ（__)＼,| i |
＞ ヽ. ハ | |｜
/＼＿＿_／ヽ
;:;:;. ／'''''' '''''':::::::＼
;:;:; |（●）, ､（●）､.::| ＋ ク ど
;:;:; | ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, .:::::| ｜ う
;:;:. | ｀-=ﾆ=- ' .::::::::| + .ル だ
:;:;:;. ＼ ｀ﾆﾆ´ .:::::／ + に
;:;:;: /ヽヽ、ﾆ__ ーノﾞ.:.:..ヽ な
;:;:. ノ.:!:.:.:.:｀ゞ-＜7.:〉.:.:.:i.:.:} ろ っ
从 ＿＿ _,,,／.:.:/:.:.:.:.:.:| }-{/i.:/.:.:.:.:|.:/. う た
从从百円}と_」.:／!.:.:.:.:.:.:.! ￣ ﾘ.:.:.:.:.:り ？
￣￣ ￣ |.:.:.:.:.:./_ ：_＿ヽ.:.:.:.:＼
＼／.:.::..:.:.:.:.:.:..:＼:.::./
/.:.:.:.:.:.:.「^Y.:.:.:.:.:.:|´
{.:.:.:.:.:.:.:.| ,!.:.:.:.:.:.:|
＼.:.:.:.:.:.V.:.:.:.:.:.:.:|
' ＼.:.:.::|.:.:.:.:.:.:.:!
. 、 ＞ 'ゝ─‐ｲ､
｀ー' ｀`''ー‐'
ただし、陰謀劇なら百戦錬磨の宦官たちの中でも、トップに位置する蹇碩である。
何皇后に多大な賄賂を贈ることで、宦官たちの身の安全を保障させた。
霊帝時代以来、実に約三〇年ぶりに政界の表舞台に躍り出ることになる。
豪族たちによって支持された皇子、劉弁は皇帝に即位。
, -−‐ - 、
, '´:.:.:.:.:.:. .:.:.:. :.ヾ:.:. ヽ
／:.:.:.:.:.:.: :l＾^'ｗﾍ: '; :.:.:.:.:.ヽ
/ :.:. /.:./ i:.: | |:.ﾄ:.:.', :.:.:.ﾍ
/ :. / :.l:. /|:./｀ｰ-'__j:ﾉ '!:.l:.:.:.:.:.:.:,
|:.:.ﾘ:!:.:.l:.A/ j/ (´ ｀) jﾉ|:. ; :ﾄ､::, 皇帝陛下と呼んでもらえます？
|:./!:.!:.:.!rゞう ｀¨´ ′!/ :.「j}:.ﾄ、
|/ |八:.lﾐz¨´ ﾘ:.:.:.ﾚ' ﾊ＼
′ 〉 r-ー''￣`, ﾊ:.:.:.:.:.. . . ::, ＼
∧ ! | ﾘ:. :. :.:.:.:.:.:.:.:.:, ヽ
,':.:.:.:＞ .._ゝ、＿ ノ ／{ :.∧:.:.:.:.:.:.:.:.::, ヽ
／ !:.ﾊ:.:,′:.:..,≧┬ｧｦ､_r'Ⅵ Ｖ:.:.:.:.:.:.:.:.::, ',
／ ｛:ハﾉ:.:.:/Zr ‐┴ｘヌ .: < Ｖ.:.:.:.:.:.:.:.:.::, }
〃 /:.:.≠^←-ﾐx ｀ゝ ':.ji.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.':, }
〃 /:.:.:..《 ｘ<>＼ ..::. }}.:.:.:.:.:.:.:.:.: :.ヽ }
〃 /:.:.:.:.:.:.》-＜¨´ ＼ ゝミ.__ 〃.:.:.:.:.:.:.:.:.: }}:.:V
{{ /:. :.:.:.:.:〃○ ○ ! j¨´.:.:.:.:.:.:.:.:.: :.:.}:{.:.:.l
{ ｉ , ':.:ｲ :.:.:.:/ l i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :.:.ﾘ∧:.! 〈
＼ i {:./ l .:.:.ノ γｰ- .L :V:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ:./′i:.! i
ヽ ﾉ {:! l.:.丿7７ァ┬┤:::::::::::::｀ゝ、_ｒﾍ..:.:.:.:.:i.:./ |/ ﾘ ,′
〈 〈 ﾘ j.:んﾍんﾍん<| :::::::::i!::::::} 圦ﾊハ:.:.:..i:/ ′ /
. ｀; > 八:ﾊ:j:八 ｆ⌒'ｭ、::::λ:::ﾉ 乂｣ﾉ::,:'/ `, y'´
l L＿ ＿ ／￣ﾞﾞﾞ ¨¬-＼ﾘ ` ｰ＜:.:/j:／ ′ r' 〈
＿＿,,ｨi ´ ／ ^ ｀￣彡 ｰ=≠¬¨￣ ﾑ ヽ, 〉
/ ＜ ミ ￣ ＞ ／ ⌒i┴¬ｰ-
彡 ヽヽ ｀￣ゝ、 ´￣ゝ、 ´
劉弁は皇帝に即位した。
彼は後に、少帝と呼ばれることになる。
＿
, '´ ｀ヽ
/ ヽ _ .. .._
,' _,.ｨ.:.Vヽ:.､-:､:.:.:.｀:.:.､
,.:.:':.／:.:/:.:.i:.:.:.ヽ:.｀ヽ.:.:.:ヽ
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:＼:.:.:.
,.':.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:i:.:.:i:.:.:.ヽ:.:.:ヽ.::.
/:.:.:.:.:.:.:.:/:./:.:/:.:.:.:.:.i:.:.:.i､:.:.:.:i:.:.:.:ﾊﾍ 劉弁はまだ１７歳
i:.:.:/:.:.:.:/廴_i:.:!:.:.:/:.:,斗zテ:.:.:i:.:.:i:.:.iﾐ!
i:.:/!:.i:.:.:i:.:.:;' ≧!:.:i:/ /:ｨzx.､;:.:.i:.:.ﾊ:.:ﾘ 政治はこの母上に任せておきなさい！！
V i:.:.i:.:.:V:.i ヾｉ ir'心 i/i:.i/:.ﾚ:|
V V:.:ﾄ ｨ≠x ﾋzﾂ ,ﾚ .K:.∧_
ヾ:ﾍ , / ／:∧:f ヽ
/:.:ﾍ. v--, ,ｲ´:.:.:.:.:.:.i.:i |
/:./:.:.:＞.､ゝ-' ＜ﾉ ＞‐-､:i/ . {､,,．-‐―‐-､
i.:./!:.:;. -‐'.｀ﾊ´ ／ /:// ,.ゝ-‐.､,.x-―''
V,.V .| ' ,./ ,' i::i., ヽ ﾉｰ--､ ヽ
／:::::! ｉ ./ .i:i.,' ﾊ弋ｰ.､ /
,イ::::::::::i fﾃﾇx-iｨﾃﾇx .i:i { ヾ'ｰゝ,,..ィ
. ／ V:::::/,{以j>{ﾆ}<以f}ﾞゝx､..i:i ヽ ヾ=''"/
／ .V:/ノﾓ少ioi弋モ少i. ｉ i.Vﾍ-､ ／
, ' Y{ { {o{ .i. i i./::ﾊ ｀ｰf
. / ヽ ヽ i .ioi i. i,i/::::∧ ,.ｲ
何皇后は、皇帝の母となった。
同時に、摂政に任じられ、
何皇后は 何摂政皇太后 となる。
このスレでは面倒なので、何皇后で通す。
／￣￣￣＼
／ ＼
/ _ノ ヽ､_ｉ
| （● ）（● ） 立場的に、
| ( !. } | 俺はどうこう言えるワケないだろ、
.l ｀¨´ ｀¨ .| 常識的に考えて……
.ヽ |
ヽ |
） __／
／＝＝= _（_
／ ＼
/ ヽ
i , |
|.l | |
| | l |
l .| .| |
│.| | l
| | (, {
ヽ l ヽ ヽ
У,＿_ __＿＿ヽ__､ /）
|,_￣_￣￣__ __ ﾄ_ /
| l j 釗 釗 釗
●曹操（字はやらない夫）
やらない夫は宦官側にも立たず、
かといって官僚側に立つこともなかった。
やらない夫は祖父・曹騰が宦官だったため、宦官の必要性というものを深く理解していたし、
父親は豪族的な人間だったため、豪族（官僚）の 「宦官は皇帝を自分たちの意のままにしている」 との
主張も充分に理解していたのである。
西暦１８９年、中平６年。某月。
【司隷州、河南尹、洛陽 やらない夫邸】
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この日、やらない夫の親友であるルルーシュが尋ねてきた。
. -‐.:.:￣￣￣＞x.
／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ やらない夫、生きているか？
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ .:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l
/.ィ.:.:.:| .:.:.:/:.:.〃.:.:/.:.／..:.::.ィ.:.:.:.:!.:.:!
ノ'´ l.:.:.:.| .:.:/.:〃ヽ!:'.:./ .:.:／ !.:! ..:|.:.:|
|, .:.:| .:l /￣ |::/.:／r―┤l ..::ﾄ..:|
ﾉ|l.:∧ .:ll/=≠ミ:{:/ r=ミV.:.:∧ ヽ
|l.:.｀ヽ.:.', {. ７.:.:./
|ｲ/.:.::ド ､ ＿′ , ′:/
从/ﾄ'､ >. `- ' イ:.:／
／ ヽ辷 ≧-＜リﾊ{
＿＿
／ノ ヽ＼
／.（○）（○）＼ 蝉じゃないんだから、数ヶ月会わなかった
|. u. （__人__） | くらいで死ぬわけないだろ、ｊｋ
. | |
| |
. ヽ ﾉ ルル、お前こんな所に来る暇あるのか？
ヽ /
/ ヽ 何進様に取り立てられて、いろいろと忙しいんじゃないのか？
| |
| . |
. -‐.:.:￣￣￣＞x.
／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼ 今日はそのことについて、会いに来た
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ .:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l
/.ィ.:.:.:| .:.:.:/:.:.〃.:.:/.:.／..:.::.ィ.:.:.:.:!.:.:! 誠様にお前のことを離したら、気に入ったみたいでな
ノ'´ l.:.:.:.| .:.:/.:∠|..:.:'.:./ .:::／ !.:! ..:|.:.:|
|, .:.:| .:.l/ｒｆｭ心|::/.:／-‐'´ !l ..::ﾄ..:| やらない夫、お前も何進様の帷幕に来い
ﾉ|l.:∧ .:l上ﾚt癶:{:/ ィｆj升V.:.:∧ ヽ
|l.:.｀ヽ.:.', { ｀¨¨７.:.:./ 俺たちで豪族の世を作るんだ
|ｲ/.:.::ド ､. ____′ , ′:/
从/ﾄ'､ > '--- ’ .イ:.:／
／ ヽ辷 ≧-＜リﾊ{
／￣￣＼
／ ヽ､_ ＼ またその話か
(⌒）（⌒ ） |
(__人__） u | お誘いは嬉しいけど、俺はどっちにもつけないだろ
| |┬‐| |
| |｜ .| |
（｀ー´ /
ヽ /
〉 〈
| |
| |
. -‐.:.:￣￣￣＞x.
／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ .:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l お前は昔っから、こうだと決めたら梃子でも
/.ィ.:.:.:| .:.:.:/:.:.〃.:.:/.:.／..:.::.ィ.:.:.:.:!.:.:! 動かないからな……
ノ'´ l.:.:.:.| .:.:/.:∠|..:.:'.:./ .:::／ !.:! ..:|.:.:|
|, .:.:| .:.l/ｒｆｭ心|::/.:／r―┤l ..::ﾄ..:| まあ、勧誘は気長にゆっくりとしていくさ
ﾉ|l.:∧ .:l上ﾚt癶:{:/ ィｆj升V.:.:∧ ヽ
|l.:.｀ヽ.:.', { ｀¨¨７.:.:./
|ｲ/.:.::ド ､u. ′ , ′:/
从/ﾄ'､ > ´ イ:.:／
／ ヽ辷 ≧-＜リﾊ{
. , -―――‐〈｀Y ﾍ // /// {__ __
／ ﾅ K // // {ﾄ､ ｀丶
／￣￣＼
／ ＼ ＼
.（●）（● ） u. | ルルこそ、昔っからいつも、なんだかんだで俺を巻き込んできただろ……
（__人__） u |
.(｀⌒ ´ | どうせ今日も何かに巻き込みにきたんだろ、常識的に考えて
{ |
{ u. /
＼ /
ノ ＼
／´ ヽ
/: : : : /: : /: : / : : : /l: : : : : : : : :ヽ
. /: l : : /: : /: : /: /:/:/∧:l: : : : : : : :ﾊ
/: : ! : /: : /: :/: ://l // l:|＼: :!|: : : : l ああ、そうだ
,':/: :l : l : ://:/l: ｲ//,l/＝ｷi≦V | : : : ﾊ
/ｲ: | | : |: :l/!/=l'､l'/´/,.ィ彷ｒ） 7:/: ﾑ ｌ:ﾄ|
,': ,ｌ l: : ∨ｒ忘外 } ￣￣ //: /) }从 陛下が皇帝に就任される以前、
l:/ |:l: ､: ヽ ｀￣ 〈 //: /.ン:l 宦官どもが刺客を放ったことは知っているな？
l′lﾊ : ＼ ＼ ＿＿,./ｲｨ/彳|l l
′!: | |:ヽ‐ヽ ´-‐一 /ﾍ: N州
|/l/|:l､_､:＞ ､ ／,. -ﾍl 、
' ' l／| ヽl: | ｀ ‐ '´ 〉 __l ヽ
|.:.:.|:.:.:.|∧ /彡,:.| |
/.:.:_ｊ.:.:‐¬l , ゝ／.:.| l-､
/.:.:.へ :.V＾ゝ / / /.:.:.:l /⌒'ー
, -―/／ ヽ ヽ‐. ｒ‐/ /.:.:.:.:.! /:.:.:.:.:.:.:.
／￣￣＼
／ _,.ノ ヽ､_
｜ ( ○) (○） そりゃ知ってるだろ
｜ U （___人__）
.| __ﾉ__ 蹇碩様……俺たちの上司だった方だしな
| _／ ___＼ヽ_
､ '-／____ヽ |
ﾉ ､ .＿'-〈 、ヽ |
,´ ヽﾉ} |
/ { /
./ / / {
＿＿ __
, ':.:.:..:.:.:.:.:.:.:.｀¨:.':.‐ - ､
.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀:.、
／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ . :. .ヽ
./ :.: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.!:..:. :. }:.:.',ヽ.:.',
/. : .:.!:.:.:.:.:.:.i:.:.:/:././ :./,':..:.: .,'|:.|:.ヽヽヽ
l:. :!:.: .:.|:.:.: :.:.:.|:./:/./ :.///:.:. /:.|:.lヽ.:ヽヽヽ
',:.:.|:.:.:.:.| :. .:.: .l/./:/ :.///7:.:/:./|/__l:.',:.|l|:.{ 実はな、俺と誠様は宦官どもを宮中から一掃しようと
}.:.l:.:.:.:.l: .: .:.:.l/:.//∠__//./:./ｬﾃﾐ.:.:l.:.|||｀､__ 考えている
l.:.|:.:.:.l｀l:.l:.: .|:.|/７=ｒｚｪﾐ/:／/k斗ｨ:.{|:.l |
|l:.ﾊ.:.ヽヽ',:.:.ヽヽﾋｴ才‐ヽ ', l:.:.||.| だが、誠様はどうにも動こうとしない
|l:{ }:.:.|.ヽ_:.ﾄ.:.ヽヽ . > ﾉ.:.l l|
/ |l ヽ.||:ヽ:.|ヽ:.:.ヽ＼ ､ ..-‐'／ヽ:.| ｀ 調べてみたら、宦官ども、何皇后に賄賂を贈っていたらしい。
ヽ }|:.:.:.',ヽ｀ヽ:.', ､ '¨, 'ヽ.{ ヽ あの女狐、何進様に宦官の粛清を思いとどまるよう、
´ l:.|:ﾉヾ､___.ヽ ＞‐-':.| ヽ 忠告までしている
/|:lﾘ〈〉‐‐‐|.ﾆニﾆ彳ヽ{
ﾘ,＾}{,-､: :| |: : : :||} /ヽ ＿＿
／ 《〈〉{{＾: :| |: : : :||｀‐ ､ ､＝＝'＝＝＝＝｀＝
／ ((_）Ｙr'´: : | |: : : :|| j乢 ｀r ^ ‐‐- ､_ ヽ / バカな女だ、
_ , -‐ ´ : : : : : （ﾉ｀=´: :} }--‐‐} } 丱: : : : : : : : : ￣l¨} ', ,'ﾍ うかうかしていると、次に
_ - ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : | |: : : : : | |: : : : : : : : : : : : : |: :l ヽ､＿＿＿_ノ 〈 狙われるのが自分の首だと
r' : ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :| | : : : : : | |: : : : : : : : : : : : ,': / ヽ｀ヽ── '´イ 理解していないと見える
|: : : : ヽ : : : : : : : : : : : : : : : : : | |: : : : : : | |: : : : : : : : : : : :l: :| rF＼（ ￣¨ ／
',: : : : : ヽ : : : : : : : : : ._ , ----' 」 : : : : : ヽﾆﾆニニニｦ: : :|:/ /＼＼＼_ イ､
.∨ : : : : ヽ: : : : : : : F-‐_'￣￣￣: : : : : : : : : : : : (_) | |: : .l: .＼ /: : : :＼＼￣￣/
. ∨: : : : :ﾊ : : : : : : :| | (_): : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :| |: :/: ヽ/ /: : : : : : ｀＼＼/ヽ
∨: : : : ﾊ: : : : : : .| | : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | |: :l: : ∧ /: : : : : : : : : : ＼＼}
∨: : : : ﾊ : : : : : | |: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.〉〉:.|: : : ∧ /: : : : : : : : : : : : : : ７
∨: : : : :ﾊ : : : : | |: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | |: :|: : : : .∧ /: : : : : : : : : : : : : :／
/＼＿＿_／ヽ
／'''''' '''''':::::::＼
. |（●）, ､（●）､.:| ＋ 何皇后、どうかお納めください
| ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, .::::|
. | ´ﾄｪｪｪｲ｀ .::::::| + 何進様は何か勘違いしておられるようなのです
＼ |,ｒ-ｒ-| .::::／ +
,,.....イ.ヽヽ、｀ﾆﾆ´ーノﾞ-､. /＾) 我ら宦官一同、皇帝陛下にお仕えする身
: | '; ＼_____ ノ.| ヽ iヽ __ ‐┘（
| ＼/ﾞ（__)＼,| i |´⌒ )二 ﾄ､ 皇帝陛下の外戚たる何一族にどうして刃向いましょうか
_,. =＝= 、
,ィ´ ｀ヾ､
＿. ,､ ,.､/＿ ',',
_/:...:/:.:.｀´:.:.:ヽ:.:.:.ヾ´.ﾍ ｌ!
,. ´/:...:/:.:.:.:.:.:.:.:.:. ヽ:.:.: ヽ:.: ヽ i!
／:.:.:./: .:./:.:.:.:.:ｌ:.:.:.....:.:.ヽ:.:.:.:ヽ:.:.:.ヽ. ′
./:.:.:.:.:/:.:f:.:i:.:. ｆ : |:.:ｌ:.:.:...!:.:.i:.:.!:.:∧:.:.:.ヽ いいわ、とりなしてあげる
/:.:.:.:.:/: .:.!:.:|:.:. l:.:.iｌ:.:ｌ:.:.:. |:.:.lｌ:.:.i:.:.∧:.:.:.:ﾍ
,|＿,.:,/:.:.:.:i:.:.|: .:.l:.:.i.ｌ:.|:.:.:. |:.:.||:. !:.!:.:ﾊ:...:.:.:ﾊ
lニニ|:! :.:.;i¬‐‐ト､!::.|:.:.:. !:,ｨｾTＺ:!:.ﾊ:. !:.:.:ﾊ 誠ったら、思い込みが激しいんだから
!ヽゝ|:l :.ｌ:.|ｔ,斗‐!-､ヾ,!:.: / 斗‐!､i:i!:.: |:.:|:.:l.:.:|
!:.:.:.,.|:ｌ:. !:|/ i／ |: !:|:.:|:.:i!: } 任せて、うるさい豪族どもは私が黙らせるから
|:.i.:!.从:.:ｌ:| ヾ＝='' ヾ＝=' /.//:./,;ｲ!/
/:.|:.ﾄ、 ヾﾘ , /ｨ'/:i∧:.:l.′
/:.:.|:.ｌ:.:.T‐ 、 ＿_´ ﾚ':..ｲ:.:ﾍ:.i、
./:.ｉ:.:l:.:l:l:.:.i:.:li:＼ ´ ｀ , 'i:.!:.:.:.:.!:.:.ﾍ:ヽ
/:i:.i:.:.|:.:l:l:.: i:.:li: .:|` ､ , イ:.:.!:.ｌ.i、:...:i :.:i:.:｀、
|/i:.!:.!|:.:l:ﾄ、.i:.i!:. | ｀ ‐ イ:.|:. |:.:.:!:..!:.ヽ:...:i:.:.ﾄ、:}
i' .!:i:.lヾ:.!ｌ:.ヽヾi.ヽ ト.k :|:.:.:i:..}:.:.∧:.:i:.:| ｿ
!:i::|-ﾍi´￣ヽ', ＼ ＼!ヽ:.;i:ﾘ!:.:.:.:iﾍi:.:!
>'ヽ ＼_ | ｀ゞ、:.:| i/
厶;;;;;;ヽ ヾ 、 √| !'〈
皇帝・劉弁（言葉）の暗殺に失敗した宦官たちは、
今度は保身のために何皇后へとすり寄った
彼らは、多大な献金によって何皇后に気に入られ――
, '´￣｀ .､
,.' ヽ
/ _j_
i ,..:.':.´;:.-:'ヽ:.:｀.:､:..､
,...'".':.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀:.:ヽ:.ヽ 宦官の排斥なんて絶対に許さないんだから！
／:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:､
, ':.／:./:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.';:.:.:.:.:.:.';..:.:. 私だって身の回りの世話やらをしてもらってるのよ？
/:;.:':.:.:./:.:./:./:!:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.: !
,':/;':.:.:.:.:.:.了ミト､.:.:.:.:./,ィチ了:.:.: i:.:.i
i/ i:.:/:.i:.:.:i ,x=ミヽ:.／ ,x=ミ. i:.:./:i:.ﾘ 誠、アンタを大将軍にしてあげたのが誰だか、
i. ｉ/:ｉ:.i.:.:.〈.{r';;:i ヽ ir';;:}.〉:./:.:i∧_ 忘れてないでしょうね！？
V:.Vヽ:.､弋ソ 弋ソ ; ^j/:.∧ヽ
/:.:.:弋∧' ' /.ノヽ.:.:∧ ',
/:./:i:.ﾊ:.i.:.ヽ ( ) .ｲ:.:.:.:.:.:';..:.:.j. i
{ /:.:i/ 乂:.:.:.:＞ ,.＜:.:i:.:.:.:.:.:.:i:.:;.' ,'
乂, -, ― '"´.j ｀´ .!｀ ｰ--.､ :.:乂
,.':::::::/ ∧‐ -'/ V:::∧
/:::::::::i. ∧ / V::::∧
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
/: : : : : : : : : : : : : : : : :.、: : : : : : : : ヽ
/: : /:: : : / : : : !:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ', ぐっ……
/: : /: : : 斗--､ :|: : : : :|: : | ,ィＴ: ',: : :ヽ : !
|: : |: : : : : |: / ＼: : /|: : r ､ : : :.|.: : : ﾄ､:| それを言われると何も言い返せない……！
|: : |: : : : /!/ | :/ |:.:(ヽ､｀＼:|.: : : | V
＜ : ｣_: : / _ _|/ ﾚ. ＼ ＼ ＼ : |
＜:: |. 小{ ｀ﾞ'''''' ‐-＼ ＼ ＼_
厶ﾍ ﾊ U ､ r--‐-､ >､ ｀ヽ
＼_! ' ` ‐-､ ｀` `､
_, r´:/ : :| ヽ r‐--っ ／＼ `､
_, r ´:.:.:.:./:.:.:.:.::| | ＼ ￣ ／ヽ :｀ヽ ヽ
_, r'´:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:| ＼ ヽ _ , ィ ´ |::.:.:ヽ: : `､ `､
_, r ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.| >-､ー_'/ !::.:.:.:.:ヽ: : ` 、 __ ＿__i__
/ﾞ: : : : : : : : : : : : ヽ:.:.:.:.:.:.／i! /ﾍ i. / 入 |＼.:.:.:.:.ヽ;,r'`‐´_,,..---┴‐,
l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼／:.:.:.:!'! /ヽ､ヽrk'´:_,r､ ｲ:.:.:＼／ _>-‐'´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l
何進は元々、屠殺業によって生計を立てていた家系の出身である。
卑しい身分である彼が大将軍となれたのも、妹の何皇后が絶世の美女であり、
先帝の霊帝に気に入られ、皇后になったからこそなのである。
妹の意向に逆らうことは、この人のいい兄には難しいことだった。
, -‐- ､
／ ＼
/ ヽ
,...-‐=＝＝/ヽ.､ ',
,..:'´:.:;.:.':.／:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.｀:.:...､
／:.:. ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
/:.:.:.;:.':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼ それに、顔見知りが殺されるってのも、
. ,:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.i:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.､ 気分良くないしね
iミx,':.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:/ 斗-ミ:.:.:.:.:.:.:.:.:j:.:.:.:.ヽ:.:.:.',
. i:.:.:;:.:.ｉ:.:.:.:.i:.:.:.イ´:.:.:.:i :.:.:.:.:.:.:.ト､:.:.:i:.:.:.:',:.:.:i
. i:.:.:i:.:.:!:.:.:.:.! :.:. ,ｨﾁ示 ヽ:.:.:.:.:ｉ:/iヽ:!:.:.:.:j:.:.:i 大丈夫、大金を私に寄越してるってことは、
i:.:.:.! /!:.:.:.:.!ヽi. {r';;::ﾘ 〉:.: 示ﾄ:.:./:i:.:.:.i ｉ/ もう逆らう気はないってコトでしょ
. i:.::.:.Y人:.:.:.i. 弋:ﾂ .:／ {rﾘ :.:':/i:.:./
. ｉ:.:.:.:.:.ヽ ＼:! ゞ' ﾑｲ .i /
i:.:.:.:.:.:.:.:.:ー:. ｀ ,:.:.i i;'
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:､ ( ﾌ /:.: ! _
:.:.:.:.:i:.:.:.i:.:..:.:.:.i 丶 ,.イ:i:.:.:.i. / } _,. -‐,
:.:.:.:.:i:.:.:.i:.:.:._. j ｀ r.:':.:.:.:j: !:.:. ! / /_,. '"_, '"´
:.:.:.:.:i:.:.:.i／ 〈 ﾊヽ:.:.:.i:ﾘ:.:.:.!. ,′ } r‐'´_ }
:.:.:.:.:i.／ . ∧ i ｀ ｰ- .､ i (二. /
,...:':::i ∧ i i::｀:..､ /｀i ／ (＿ノ
:::::::::i ヽｰ -‐i i::::::::::; ｀ 、 r‐'､
:::::::::i ＼ j. !::::::::; ｀ ｰi
:::::::::i ＼ i ｉ:::::::; ,'
何皇后もまた、ヒステリー気味に劉協皇子の母を毒殺したことがあるとはいえ、
権謀術数には疎い。
さらには身の回りの世話をしてくれる宦官のことを憎からず思っていたようで、
ことあるごとに宦官を排斥しようとする兄を諌め続けた。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
／￣￣ ＼
_,ノ ヽ､,__ ＼ お、おいおいルル……
（●)（● ） |
（_人___） U | そいつを俺に話してどうしようってんだ？
'､ │
<二ニヽ |
.／-‐ ｀i ､ ＿__,. イ
{/´､ ',┐ ＼
しrヽ V ヽ
ヽ､_ ヽ ｨ }
＼ ＼ ﾉ i
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
/:.:.:.:.:.:.:. /:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|.:.:.:.＼
/ﾍ /:.:/:.:/:.:./:.:/:.:./:.:.:.:./:.:.:.: //:.:.l|:.:.ヽ.:.:.:.l:.:.:.:.:.} だから俺は策を打つことにした
/ ﾍ , /:.:/:.:.{:.:./:.:/:.:.//:.:.:/:.:.:.:.//:.:.//:.:.:.:|:.:.:.:.|:.:.:.:.l
/_,. ‐''´./ //:./l|:.:.|/:.:/:.:.//:.:.:/:.:.:.:.//:.:. //,'ヽ:.:‖:.:.:|:.:.:.:.l| 天下にいる各鎮諸侯に号令をかける
{＼／ / //:.:l|:.:.|:.:/:.:.///:.:/{:.:.:.//:.:.///:.:.ヽヽ l|:.:.:.l:.:.:.‖
ヽ | / ///:.:.l|:.:.|/:.:./// / l:.:.///:/// ',ヽ }:.:.:.|:.:.:‖ 諸侯の大半は血筋と賄賂によって
,-─＝¬-､ //:.l|rl|:.:.:.|:.:/=/=/‐-/:./:.////＝ｰｰ-ヽ l:.:.:.}:.:.:.:|l 今の地位にいる者ばかりだが、
,r-､ / | ', /:.:.',:.{ヾ:.:.l {弋=;=;ミ/:./:.////,-‐‐=-＝ヽ:.:/}:.:.:|l 宦官の粛清とあれば、
{ ヽ -─＝¬ー-', /／',|:.|ヽ',:.ゝヒーｲﾌヽ// // ィ=fラテヲ,'//:.}:.:‖ 喜んで軍を出すだろうさ
l ｝ ', ／′ lヽ',:.:.ヽヽ￣￣〃/ / ｀┴=┴イ//_/:.l|ﾘ
r´`ヽ ',-‐─＝ｬ-､/ l|:.:.l:.:.ヽ｀、 } //:.:./:.:.| !
} ヽ ヽ { ｛ヽ─ｰ､ i|:.:.|}:.ヽヽ＼ ! ノ／|/:.|:.:.|
r´l ヽl | | /＼ ヽ ',＿_l|:.l_|l|:.|:.:＼ 'ー＝≠‐' ／／/l|:.:.|:.l
./} | ',',_ﾉﾉ} { ゝｰー > ﾘ |l || | |弋＼ 冖 ／／//ｰ|─ｿー--
´ | ＼ ヽ l l ヽ `／ l| ｿ|! | ｀ ､ , ' ／|/|/
l ＼ ﾍ } | ヾ / l |ｋ二ﾆ|￣ﾆ¨ﾆニｿﾌ戈}
＼ ヽ ﾍ | / |: :∧ | |: : : : : : | |: : <{
ヽ‐､_ ＼ ヽ_ﾉﾉ lヽ / ﾉ〈〉)( .| |: : : : : : | |,-､||
〒‐-＼_ノ ｀ 、 ,彳￣￣＝ー-‐‐´ :({<<Сl |: : : : : : | |:⌒|||｀ヽ-､
{ {＼_,r‐'´-‐‐─‐-ヽ l|: : : : : : : : : : : : : :ゝ（C : | |: : : : : : | |: :勹化: : ｀ニ＝─
/ヽヽ ／-‐‐ｰ──‐-ﾍl|: : : : : : : : : : : : : :才 : : : | |: : : : : : | |: : 少: : : : : : : : : : :
..:...::.／:..:..:..::＼.::..:..:..::::..:..::.:..:...::..::..:..:..::::...:.....
.::.／.:..:.._ ノ::::..:..＼.:..:...::.:..:..::::....:::..:..::::..:.:..:.... 待て、早まるなルル！
:..|:::.... （ ○）（○）.::..:..:..:..::::..:..::.:..:...::...::::..:.:..:....
.: |:::.... u （__人__）.::..:..:..:..:.::..:.:..:.... 皇帝陛下は何皇后と宦官が握ってるだろ！
::. |::u:. (.::..:..:..::::..:...:..::::::::..:..::.:...:..::::..:..::.::..:....
.::. |:::.....u ｀ ⌒´ﾉ.::..:...:..::::..:..::.:...:..::::..:...:.... それを武力で奪取するってことは……
::..:.ヽ:::..... }.::..:..:..:..::::..:..::..::::..:..::.:..:...::..:.... 叛逆だろ、常識的に考えて……！
.::..:...ヽ::..... ノ ＼
::..:..:..:/::.. く ＼ ＼
.::..:..: |::... ＼ ＼ ＼
::..:..:..:|:::..... |ヽ、二⌒)､ ＼
／. : /. : :/. : . / . : : : : . : : : : : : : : : : : : : : !
i.:::::. /.: : /. : .:: ,.′.: : :/. . : : i: : : : : : : : : i: l
l:::: /.::: : .::: .:: ./ :/. : :/. : . ://:}: : : :::. i: : : :| :l: |
l:::::}:::::: ::::..:: / :/. ／}. : : //}::ハ: :i: ::. :}: : : | :|: { 勘違いしてくれるな、やらない夫
|:::::|::::i::. !:::::/.:ｲ: / /: : ｲ:/ l::l ｌ: ﾄ､::. |: : : | :|: l
}i::::|::::i:::.{:::ｲ:/_i:/ /:::./// j::{ .｣斗ﾍ:::}:/ : }. ﾄ､! 軍勢の威圧を利用して、
ｲ:::ハ::|::::V十rfﾘミ｣:::/// , //ｨf≧=ﾍ小/. :ｲ: :ﾊ:ﾄ､ 何皇后に宦官排斥の許可を貰うだけさ
}/ ｌﾊ:::::ヽ､近Ｚｿ|/メV/7/ｰﾍ北シメ/. :/ }/ }{
ノ′ |ヽﾄ､:::ヽ i{ ノ′ /. :/.ィ:! ｀ そうすれば、我らは皇帝陛下の母親の
|:::ﾊ:::ヽﾄ＼⌒´ ﾉ! ／: :ｲ: .ｲ:l お墨付きを得て、無能な去勢どもを処分できる
|/ }::|::::＼ ､＿＿＿_.ノ イ: ／i |/ ﾘ
}! |ハ::::::i＼ ｀二二´ ／ｲ:!: ﾊ::{ 我ら諸侯はその名声に泥の一滴もつけることなく、
}从Li｣ ヽ、 ∠＿.｣｣:::{ }:l 宦官どもを宮中から一掃できるというわけさ
ﾄ--Ｔ r‐｀´─┐|‐‐ｲV .ﾘ
}_ﾊ_｣ |: : : : : : :| L｢!｣
__ノf7/,ｲ |: : : : : : :| ﾄ斗ﾄ､‐-､＿＿
/: : : : /: : /: : / : : : /l: : : : : : : : :ヽ
. /: l : : /: : /: : /: /:/:/∧:l: : : : : : : :ﾊ 俺からやらない夫に頼みたいことはただ一つ
/: : ! : /: : /: :/: ://l // l:|＼: :!|: : : : l
,':/: :l : l : ://:/l: ｲ//,l/＝ｷi≦V | : : : ﾊ 献策の書簡に連名してくれれば、それでいい
/ｲ: | | : |: :l/!/=l'､l'/´/,.ィ彷ｒ） 7:/: ﾑ ｌ:ﾄ|
,': ,ｌ l: : ∨ｒ忘外 } ￣￣ //: /) }从 誠様にとって、お前は噂の賢人の一人
l:/ |:l: ､: ヽ ｀￣ 〈 //: /.ン:l
l′lﾊ : ＼ ＼ ＿＿,./ｲｨ/彳|l l 俺一人でも通す自信はあるが、 .ﾀﾁ
′!: | |:ヽ‐ヽ ´-‐一 /ﾍ: N州 保険はかけられるだけかけておきたい性質でね
|/l/|:l､_､:＞ ､ ／,. -ﾍl 、
' ' l／| ヽl: | ｀ ‐ '´ 〉 __l ヽ
|.:.:.|:.:.:.|∧ /彡,:.| | やらない夫に加われと言っているわけじゃあない
/.:.:_ｊ.:.:‐¬l , ゝ／.:.| l-､ ただ、署名してくれるだけでいいんだ
/.:.:.へ :.V＾ゝ / / /.:.:.:l /⌒'ー
, -―/／ ヽ ヽ‐. ｒ‐/ /.:.:.:.:.! /:.:.:.:.:.:.:.
／￣￣ ヽ
／ ヽ
/ ヽ ………………………………。
| _,.ノ '(ゞ､_|
.| （ ー）ヽ ヽ
.ﾉ| U （___人_＼＼__
／ | ｀⌒（⌒_ ＼
{ .ヽ. し「、 ＼
{ ﾄ ｀ヽ. ___´ノ ヽ、 i
.| | | ／ /
やらない夫から見ても、ルルーシュの策は完璧に近かった。
何をどう間違えたとしても、ほぼ確実に、何皇后への脅迫は成功する。
なるほど、宦官を擁護する何皇后から認可を受ければ、
たとえ宦官排斥に失敗しても大義名分が残る。
むしろ排斥に失敗すれば、大義の為に立つも力及ばず退けられた英雄と人々は見なすだろう。
そうなればいずれまた、挽回のチャンスが回ってくる。次の一手は民意に後押しされた、より強力な一手となる。
デメリットはなしに、メリットはいくつもある。
だが……。
／￣￣ ＼
_ノ ヽ､_ ＼
（●）（● ） | なあ、ルル
（__人＿） |
'､｀⌒ ´ U | できることなら、俺も協力してやりたいだろ
| |
| { 今の宦官は私利私欲を満たすだけの、
ヽr｀ｰ- -=´ < くだらん輩ばかりだ
/⌒'' ー─,, ＼
/ ｨ } でもな、ルル
ノ / | | お前が 『四世三公の袁家』 という豪族の名門に生を受けたように、
／ ｀ヽ i: | | 俺にだって、生まれついた家というものがあるだろ
（__.ィ´ヽ,ム、〉i | |
/ ゝ/ / 7-､ だから悪いが、俺はその話に乗ることも、署名することもできない
ヽ／ / / /'Y
やらない夫は賛同しなかった。
否、できなかったのである。
やらない夫は宦官と官僚（豪族）の両者を知り尽くしている。
もし宦官が完膚無きまでに叩き潰されれば、今度は官僚が皇帝を意のままに操るようになるだろう。
それは、裏で糸を操る人形師が変わるだけのことで、本質的には何の解決にもならないのである。
むしろ、劉氏以外の一族である官僚（豪族）が権力を握れば、
前漢を滅ぼした 王莽 のように、漢を乗っ取る輩まで現れかねない。
豪族と宦官、そのどちらが皇帝を操る方がマシなのか、
この時のやらない夫には判断がつかなかった。
. -‐.:.:￣￣￣＞x.
／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼ そうか……
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ .:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l お前なら理解してくれると思ったんだが……
/.ィ.:.:.:| .:.:.:/:.:.〃.:.:/.:.／..:.::.ィ.:.:.:.:!.:.:!
ノ'´ l.:.:.:.| .:.:/.:∠|..:.:'.:./ .:::／ !.:! ..:|.:.:| 友人に無理強いするワケにもいかないな
|, .:.:| .:.l./――|::/.:／r―┤l ..::ﾄ..:|
ﾉ|l.:∧ .:l ≡≡ {:/ ≡≡V.:.:∧ ヽ
|l.:.｀ヽ.:.', {. ７.:.:./ すまなかった、やらない夫
|ｲ/.:.::ド ､. U ′ , ′:/ 戯言だと思って、聞き流してくれ
从/ﾄ'､ > ィ イ:.:／
／ ヽ辷 ≧-＜リﾊ{
断られて尚、ルルーシュはやらない夫を憎んだり、宦官派へ密告したりするのではないかと
疑うことはなかった。
彼らは十年来の友人関係であり、互いのことは知り尽くしている。
そして何より、仲間に引き込めなかったからといって宦官勢力に密告するかも、
などと欠片でも疑っていれば、ルルーシュがやらない夫に連名を頼むことはなかっただろう。
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●） 安心していいだろ
. | （__人__）
| ｀ ⌒´ﾉ 俺はこのことを宦官にチクったりはしないだろ、
. | } 俺とルルの友誼的に考えて
. ヽ }
ヽ ノ ｍm まあ、俺個人としてはルルの策が成功するように、祈っとくだろ
/ ￣￣￣ つﾉ
| |￣￣￣
/ ::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::‘，
/ ::::::::::::::: | ::::::::::::::::::::::::: ／:::/::::::::::::::::::ﾄ､
/ :::::|:::::::::::::|/:::/::::::::::::::／/:: /:::::;::::/}:::::∧ ＼
/ :::::: |i::::::::::::|:::/:/:::￣”¨≧x イ: /:://∨::::∧ ありがとう
.′::::::::|i::::::::::::∨/ イ午ミﾒ､ / /:://ヽi|/:/::::|
‘， :::::从:::::::::::: .、 _乂}r' ::/ ｨ i|:::::::ﾊ| それとすまなかったな、厄介な話を
}::::::::::::(＼:::::::::::＼ |′弋}'ｲ::::/ 持ち込んで
}:∧::::/: ヽ＼::::: 〈 ＼ / i|::/
}′∨::/:::: ｰrﾍ::∧ ___, /::ｲ ではな、やらない夫
ﾉ ∨::/:::::::| ＼{ ー＜こ 7 /
}:∧:::::::ﾄ. - _ ¨ﾟ .ｲ 宦官の一掃が終われば、
}′}/::::|＼ ￣ - ____/:::| お前にもビシバシ働いてもらうことになる
}∧r=====ｆ===== ┤ﾉﾍ:{
|ﾆﾆﾆﾆ||ﾆﾆﾆﾆﾆ| それまで、束の間の休息を楽しんでおけ
|ﾆﾆﾆﾆ||ﾆﾆﾆﾆﾆﾄ､
イ ﾆﾆﾆﾆ||ﾆﾆﾆﾆﾆ|ﾆ＼
／￣￣＼
／ ⌒ ＼
（ へ）（ へ） | 了解しただろ
.（__人__） .|
ｌ｀ ⌒´ | じゃあ、またな、ルル
{ |
{ ＿ |
（ヽ、ヽ / ）|
| ｀`ー―‐'| ..ヽ|
ゝ ノ ヽ ノ
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
―― ルルーシュを見送ったやらない夫は書斎に籠り、筆を手に取った。
／￣￣￣ヽ
/ ヽ
| _,ノ ヽ､_ |
| （●）（●） |
| （__人__） |
ヽ. ﾉ
.> く
／ ヽ ｶﾘｶﾘ
＿/((┃))＿＿_＿i |
.. ／ /ヽ,,⌒) ￣￣（,＿,ノ ＼
／ /＿＿＿＿＿＿＿ヽ.. ＼
.￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
宛先は大将軍・何進である。
宦官の排斥に対する、批判の内容の手紙だった。
やらない夫はルルーシュと約束した通り 『諸侯結集の策』 について、
周囲に漏らすことはなかった。
しかし、どうしても宦官の排斥には賛同しかねたのである。
宦官に権力が集中した状態にも問題はあるが、
だからと言って、豪族へと極端にパワーバランスが偏るのも問題なのだ。
西暦１８９年、中平６年。某月。
やらない夫邸へのルルーシュの電撃訪問から、約一ヶ月後。
_.._ ｀`､,.､-::─::-..、
／:::::::::｀:く:ﾉ:::::::::::::::::::::::ヽ
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ ルルーシュ
/:::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾍ
/:::::::::::::::::::::::ｲ::::::::::: 丶::::::::::::::::::::::::', 君の献策は吟味させてもらった
/::::: /:::::::::::::/ l::::::: !:::::::|＼::::::::::::::::: l
i::::: /:::::::::::::/一V:::::| :::: |ーヽ:::::::::::::::! 世界は宦官の排除を嫌ってるけど、
|:: /:::::: /::: |ィ云∨ |V::::| ィﾃﾍヽ::::::::!イ 俺だって宦官は排除したい
|:/ |::: /::ﾊ::| 迂:ﾘ V| ヾ! 迂:ﾘハ::ﾄ::::::＞
|′|::/|:::|ﾈﾍ ｀ｰ´ ヽ ｀ｰ´ ﾊ!ﾉﾘ｀ヽ 去年の黄巾の乱だって、霊帝を掌の上で
i/ V､_ﾍ ! ﾑﾘ′ 転がしてた宦官どもの無能のせいで起こされたんだ
′ ヽ、 - - , ′
|ヽ イ/
,.ｲ ｀ ´ ﾊ けど、例の曹やらない夫が宦官の排斥は良くない
,.イ:! ＼ ／ ヽ..､、 って言ってきた
,...::::´/::::::l /;⌒;ﾍ j:::::ﾍ:｀:::....、
,...::::´::::::::::/:::::::::l､ ∧;;;;;;;;;∧ /:l:::::::: ﾍ:::::::::::｀:::....、 君の意見を聞かせてくれ
,ィ:::::::::::::::::::::/::::::::::/!∨ ∨;;;/ ∨ l::::::::::::ﾍ:::::::::::::::::::::`::..､
i::l::::::::::::::::::::::ヽ::::::/:::! .i;;;;;;! ハ:::::::: / ::::::::::::::::::::::::/:i
l::l:::::::::::::::::::::::::::У::::::l i;;;;;;;i .,'::::::＼:/::::::::::::::::::::::::::/::::l
/ ::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::‘，
/ ::::::::::::::: | ::::::::::::::::::::::::: ／:::/::::::::::::::::::ﾄ､
/ :::::|:::::::::::::|/:::/::::::::::::::／/:: /:::::;::::/}:::::∧ ＼ 誠様
/ :::::: |i::::::::::::|:::/:/:::￣”¨≧x イ: /:://∨::::∧
.′::::::::|i::::::::::::∨/ イ午ミﾒ､ / /:://ヽi|/:/::::| やらない夫の発言は、ヤツの家系からくるものです。
‘， :::::从:::::::::::: .、 _乂}r' ::/ ｨ i|:::::::ﾊ| あいつの祖父は大宦官・曹騰殿。
}::::::::::::(＼:::::::::::＼ |′弋}'ｲ::::/ 正面切っての諸手を上げて、宦官排斥に大賛成――
}:∧::::/: ヽ＼::::: 〈 ＼ / i|::/ とは行きませんよ。彼にも生まれついた家がある
}′∨::/:::: ｰrﾍ::∧ ___, /::ｲ
ﾉ ∨::/:::::::| ＼{ ー＜こ 7 / ……もっとも、時勢に乗じて家を捨て、
}:∧:::::::ﾄ. - _ ¨ﾟ .ｲ 我らに追従する程度の輩であれば、
}′}/::::|＼ ￣ - ____/:::| 私は彼を友人とはしませんし、信用もしません
}∧r=====ｆ===== ┤ﾉﾍ:{
|ﾆﾆﾆﾆ||ﾆﾆﾆﾆﾆ|
|ﾆﾆﾆﾆ||ﾆﾆﾆﾆﾆﾄ､
イ ﾆﾆﾆﾆ||ﾆﾆﾆﾆﾆ|ﾆ＼
_.._ ｀`､,.､-::─::-..、
／:::::::::｀:く:ﾉ:::::::::::::::::::::::ヽ
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ ルルーシュ、君は天下の奇才、まさしく英雄の一人だ
/:::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾍ
/:::::::::::::::::::::::ｲ:::::::::::丶::::::::::::::::::::::::', その君が、そうまで持ち上げるってコトは、
/::::: /:::::::::::::/ l::::::: !:::::::|＼::::::::::::::::: l よっぽどの人物なんだろうね
i::::: /:::::::::::::/一V:::::| :::: |ーヽ:::::::::::::::!
|:: /:::::: /::: | ∨ |V::::| ヽ::::::::!イ
|:/ |::: /::ﾊ::|､＿__,V| ヾ!､＿_,ヽ::ﾄ::::::＞
|′|::/|:::|ﾈﾍ ￣ ヽ ￣ ﾊ!ﾉﾘ｀ヽ
i/ V､_ﾍ ! ﾑﾘ′
′ ヽ、 - - , ′
|ヽ イ/
,.ｲ ｀ ´ ﾊ
/: : : : /: : /: : / : : : /l: : : : : : : : :ヽ
. /: l : : /: : /: : /: /:/:/∧:l: : : : : : : :ﾊ
/: : ! : /: : /: :/: ://l // l:|＼: :!|: : : : l まさしく。
,':/: :l : l : ://:/l: ｲ//,l/＝ｷi≦V | : : : ﾊ
/ｲ: | | : |: :l/!/=l'､l'/´/,.ィ彷ｒ） 7:/: ﾑ ｌ:ﾄ| 彼は俺と同格、あるいは上を行く人材です
,': ,ｌ l: : ∨ｒ忘外 } ￣￣ //: /) }从
l:/ |:l: ､: ヽ ｀￣ 〈 //: /.ン:l 仮に、もしも、敵対することになったとして、
l′lﾊ : ＼ ＼ ＿＿,./ｲｨ/彳|l l 俺が彼に十倍する兵力と人材を擁していても、
′!: | |:ヽ‐ヽ ´-‐一 /ﾍ: N州 彼を侮ることだけは決してしない
|/l/|:l､_､:＞ ､ ／,. -ﾍl 、
' ' l／| ヽl: | ｀ ‐ '´ 〉 __l ヽ それに、やらない夫は器の底が知れない。
|.:.:.|:.:.:.|∧ /彡,:.| | 今もまだ、成長の段階にある
/.:.:_ｊ.:.:‐¬l , ゝ／.:.| l-､
/.:.:.へ :.V＾ゝ / / /.:.:.:l /⌒'ー いずれは、俺ですら敵わなくなる可能性を秘めた男です
, -―/／ ヽ ヽ‐. ｒ‐/ /.:.:.:.:.! /:.:.:.:.:.:.:.
／::;;;;;;;,´::::: :::::::: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: : :::: ::: :: ::|
/::/:: ::::::::| :::: :::::::::;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;:::: : :: :: :| 今、やらない夫は宦官と官僚の板挟みに
／/|:/;;:: :: ;;|:: :: :::::: :::|;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;:: :: :::::::| 合い、迷っています
／ﾊｿ;;;;;:::::;;.|:: :: :: :: :::|;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;;.::: ::|:: ::.|
i/ハ::;;;, ､.|:: :: :: :: ::|;;;;;;;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;:::: :|:: :::| ヤツは魂を宦官の祖父から、
ﾉ;;;;/ V |::::i::::::::|;;;;;;;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ﾊ;; ;; ;;:::;;;|i:::|::| 血統を豪族の父から受け継いでいる
／::::;:ヽ i::|::::|:: ;;;:|;;;;;;;; ;; ;; ;; ;; _,／;; ;/;; ;; ;; ;;/;; ;; ;; ;; ;/;; ./ |;; ;; ;; ;;||;;:|ヾ､
ﾉ／;;;;;;;i. .|::|::::|::::;;;ヾ;;;;;.;;_x -''´／／//;; ;; ／/;;/;; ;; ;/;; ;/''´ |;; ;; ;; ;;|ヾ|ﾊゝ 故に、今回の策謀には組しない
´/::;;;;ﾊ::;;ヽヽi::;;;:::;;;;;｀､／_＞＜<＿//;;;;;／ /;;://;;;;;;//;/ ｨｔ /;;;;;;;;;;;;;;| ﾚ´
/;;;;;/ /;::;;;;;;;li;;i;;;i:::;;;;;;;;|;;|弋及-､|｀//;;;/=､/;;//;;;;;///,xｨ勿ﾄ /;;;;;;;;;;i;;;;| だからこそ、我々は今回の宦官粛清を
／|;;;/ |;;i;;;;;;;;|ヽ｀ヾ;;;;;;;;|､;i廴::...::ン｀''ｘ､ ／;//;;;;;//ｨ冬z刻/;;;;;;;;;;ﾊ;; / 是が非でも成功させるべきなのです
|/ |;;|i;;;;;i､ ヽ｀､ヾ;;;;ヽ｀､｀￣ ´ / / |;;/ /;;;;;;;;;/ |;;;|
ヾ ヽ;|＼ ＼ ＼;;;;ヽ､. / | /;;;;;;;;;/､_|/＿ 彼が一度重たい腰を上げれば、俺たち
i l＼.＼ ､＼;;;;＼ ´ i ／;;;;;;;;;/ / ｀i の陣営は盤石も盤石、金剛石の如しとなる
v ＼.＼ .＼｀''-､ / ／／i;;;;;;/ |
ゝ｀''- ､＼ _ _ ＿ , ／ﾊ;;//;;／ .| 彼は１０００年に一人、真の英雄に足る英雄。
/ /ヽ_｀｀＼ ￣￣ー.´／／ ｲ､
./ / ￣ ｀> ､ ／ ﾉi それでいて漢室への忠義心は天下無双の人傑。
/ / // ｀ -´ ／ ／-､_
｀'',/ ( ( ヽ 内心では俺たちの策に同意しているに
違いありません！
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
/: : : : : : : : : : : : : : : : :.、: : : : : : : : ヽ
/: : /:: : : / : : : !:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ', ルルーシュを超える逸材、か……
/: : /: : : 斗--､ :|: : : : :|: : | ,ィＴ: ',: : :ヽ : !
|: : |: : : : : |: / ＼: : /|: : r ､ : : :.|.: : : ﾄ､:| 俺はお前ほどの英雄はいないと思ってるのに……
|: : |: : : : /!/ | :/ |:.:(ヽ､｀＼:|.: : : | V 天下は広すぎるぜ、まったく
＜ : ｣_: : / _ _|/ ﾚ. ＼ ＼ ＼ : |
＜:: |. 小{ ｀ﾞ'''''' ‐-＼ ＼ ＼_ まあいい。
厶ﾍ ﾊ U ､ r--‐-､ >､ ｀ヽ 君の提案は、実行に移そう
＼_! ' ` ‐-､ ｀` `､
_, r´:/ : :| ヽ r‐--っ ／＼ `､ 俺は卑民出身だが、先帝より領地を
_, r ´:.:.:.:./:.:.:.:.::| | ＼ ￣ ／ヽ :｀ヽ ヽ いただいた豪族の一人だ
_, r'´:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:| ＼ ヽ _ , ィ ´ |::.:.:ヽ: : `､ `､
_, r ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.| >-､ー_'/ !::.:.:.:.:ヽ: : ` 、 __ ＿__i__ 正直、身の丈には合わないと思ってるけど、
/ﾞ: : : : : : : : : : : : ヽ:.:.:.:.:.:.／i! /ﾍ i. / 入 |＼.:.:.:.:.ヽ;,r'`‐´_,,..---┴‐, 先君から受けた恩義は是が非でも
l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼／:.:.:.:!'! /ヽ､ヽrk'´:_,r､ ｲ:.:.:＼／ _>-‐'´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l お返ししたい
何進なる人物は、別段これといった大望を抱いた人物ではなかった。
しかし、親族が賄賂をばら撒き妹を後宮に入れ、何の因果か妹は皇太子を産んだ。
何進は先帝・霊帝に寵愛され、大将軍の地位にまで上った。
名無しの状態から皇帝となった劉邦とは比べるべくもないが、それでも破格の立身出世である。
何進は忠義心の厚い男で、先帝から受けた寵愛を忘れず、
漢朝に尽くそうとする気概だけならば、曹やらない夫にも匹敵する。
また、自分は屠殺業者の一族でしかないことを認め、ルルーシュのような賢者を旗下に収める度量も持っていた。
-─ ､ , -──- ､
, - ─｀＜::::::::::::::::::::::::ヽ
／::::::::::::::::::::ヾ::::::::::::::::::::::::::｀- ､
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ 今の政治を牛耳っているのは宦官どもだ
/:.:.:.:.:.::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
/: : : : : : ::::i: ::::ﾊ:: :::::::: : :::ﾄ:::::::: : i: : :::::::::::ヽ 連中を排除するためには、一時的に豪族が
/: : /: /: ::::::|::::/ V::ﾄ::::::: :::| ＼::: :V: : :::::::::::| 権勢を振るうことになっても、豪族の力を借りるべきだ
|: :/: /: :/:::::|∠─ V| ヾ:::::::|￣ V:::::i:::::::::::::::::}
ﾚ.|:.::::|:::i:::::/:/ .､ﾊi ＼:::ﾚｨ--V::ﾄ::::::::::::::::ヽ
.|::::::|:::l::/|::ﾚｲ飛ゝ ヾ| 'ｊ及ｧVﾊ::::::::::::::::ﾊ だけど、それ故に、俺やルルーシュは結局、どこまで行っても
|::::::|:::K .V 辻 tｊ} 弋 ｿ ' ﾊ::::::::::::ﾄ;;ゝ 豪族でしかない。豪族以外の観点に立って、大局を見据える
|::::∧:r-､ ゞ- '´ ￣ i .ﾋ V:ﾊ::::i::＞ ことができない。
|::/ |:|ﾚヽ i レｲ/'ﾘ::::::＞
ヾ. | ヽ∧ ＿ r‐ム::ﾊ／
V:::/ ヽ､ ／'´ 俺たちに今、本当に必要なのは、宦官のような皇帝派や、
ヾi }＞ , イ 俺たち官僚のような豪族派の人間じゃなくて、
| ｀ - ´_ -┴┐ 曹やらない夫のような、宦官と豪族、両者の視点を持ち、
r‐'V/￣ /::＼ 公正明大な観点から物事を判断できる人材だ
/ /:::::入 ./::::::::::|""＼
／:/ /:::::::::::∧ /::::::::::::|::::::::::::" - ､
／/:::::|V∧::::::/ ＼/::::::::::::::|:::::::::::::::::::::: だけど、宦官は隙あらば俺やルルーシュを殺し、かつての
／:::/:::::::| /:=:::i /::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::: 権勢を取り戻そうと画策している。
/:::::::::|::::::::| /::/::::| /:::::::::::::::::/::::/::::::::::::::::: ……ルルーシュ。君の献策を採用しよう
/ . : . : : / /: . ／: :／/:/_ｊ: l: . : :l: : : : : : ヽ
/ . : . : : / /: : /: ／, 彡'´ 丶ﾄ､: /: : : : : : : :ﾊ
ノィ :/. : :/:,/ : ,/ｨ, ｒ〃.ィ≦￣｀７ｿ: : : : : : : : : ﾊ ありがたきお言葉！
/: , : : :l /l:≦ﾒ!l{／ ´ {‐彳） /:/ : : : : : : : : :｜
, :/l: . :,:l':ｨl'ｆｒ!iﾉ/ 三￣￣ /:/ : : : : /: : : : : l 実はすでに何進様の名義で各地に檄文を
l/ 'ｌ: ./: : ｌ￣〈 、 ノィ: . : : : ム: : : : / 飛ばしています！
′ !:/: : : ! ､,.=＝ニ二} /: :／:／⌒｝ : : l
l': :|: : ﾊ ヽ:/ ﾉ /／:／ __彡': : :! l ですが、先例なくして無能な諸侯どもは
ｊ: :ﾊ: :l: :ヽ { ／ /´￣ __//: : : : : トl 思い尻をあげますまい！
/'´ ハ:l／ l＼ ｀ﾆ´ /:/ : : : ﾄl _,,.. -‐
l:ハ!. l:,l ﾍ ＿_ ﾆ´＿__/´l: : : :トl-‐ '´: : : : それ故、まず最初の一歩として我が従兄、
ﾉ′` .ﾉ''l: ｆニニニl「￣:ﾊ￣￣!: ／: : : : : ／ 袁術を呼び寄せています！ 兄上！ 御前に！
／ ／ ／ ／ }へ、 ヽ
/ ／ ／ ／ '⌒{へ ヽ '
// / / , / / i iﾚ1 } ', ', 初めまして、何進様
i/ / / // / ,′{ ｢！| | ﾊ
} {′ .′ // ,′ / ハ{ } ! ! i ｉ }
{ ｉ l | //_/i /／ ﾉｨ | { ｉ | 私はルルーシュの従兄にあたる、
以 ! ! { i/厶｣ {メ'、 ,ィf'二__j } i 抖 袁術 字をシュナイゼルと申します
ｉ | }i ! 比{斗` { 弌ｆ灯} , /,〈′
,.ｲ |从 以 | / ///＼＼ 以後、お見知りおきを
／ ヘj i i '. } ノ //ｲ ヽ.ヽ、
// }」i i ', ＿＿＿_ }ｲ! ! { ヽ ヽ
{ { }∧! ﾄ､ ー一 .ｲﾉﾉl/ } }
ﾄ ﾍ f⌒{ ＼ ／ }'⌒i / ,1
l Ｖ∧ ｢1 ヽ､_ ＞−＜ _／ } / ,ｨ ｌ
| v∧ __jハ、 / ,′ ヽ ヽ. ハ､_, / ﾑl |
| ∧.v∧ ﾄ､ / / } ', / } V / {｜
＿__,}′/ } } ヽ.ヽ/ / V / .′ﾊ ! {ヽ、
──‐… "´ ／/ / v∧ v ′ _, } / / i { ＼}｀ …──‐‐
────‐‐ｲ / / v }＼ { { (__,) i .i .ｲ / '、ヽ、 {‐─────‐
二二二二二ﾑ ヽ,/ .ｨｲ ﾄ､ ｀| | い | .|／ .ｲ !､ ＼__}！二二二二二二
ｉ ｉ ｉ l } ／ }｣ l ヽ.! ! | | .|／ | |{ ＼ } | i i
| | | | l ／ ／ .| | .| | | .{ | | ＼ } | | l |
●袁術（字はシュナイゼル）
. ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
/: : : : : : : : : : : : : : : : :.、: : : : : : : : ヽ
. /: : /:: : : / : : :.!:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ', 君が汝南袁氏の嫡流と名高い袁シュナイゼルか！
/: : /: : : : :|: : ／|: : : : :|: : |: : : : :',: : :ヽ : !
|: : |: : : : : |: 7‐- |: : :,/|: : /-‐'|: :|.: : : ﾄ､:| 俺は非才の身だけど、君たち兄弟の尽力があれば、
|: : |: : : : /!/ｨ==､| :/ |:./ ,==､Ｖ: |: : : | V 漢室の復興も成し遂げられる！
＜ : ｣_: : / 〈 仇ﾘ |/ ﾚ 仇ﾘ〉|:/ヽ: : |
＜:: |. 小{. ｀ ´ ｀ ´ ﾚ{: :.|ヽ:|
厶ﾍ ﾊ ､ {ﾊ/ V 手を貸してくれるのはありがたいよ！
＼_! ＿ ' !
ヽ ／ ｀t ／
___,ｒ| ＼ { / ／
／:/::::| ＼ ヽ ｀_⌒ ィ ´
／::::::/::::::| ＼ ´ ∧＞､
. / ′ / / ,{ ﾄ≠イ い
,」 / / ,i //,j } } } l i }
／ V i,′,ｲ｣ /// } ,′ /ム | lく ……なに。
{！ { {frｋl/ﾒく ノ' ィナ云__}i } ﾄ､ヽ 我ら袁氏とて、漢室あっての袁家です
以 ' !{￣{く / ' `ｰ气7 / ,′ヽヽ
} ! ! ﾄﾄ| { /ｲ // ｖﾊ 危急存亡の時に力を尽くすのは当然のことでしょう
リ ハ } } / ｲ' い
（ （ 从小、 ー──‐ .ｲi { } }
／ 小{ 'く ＼ ｀￣￣´ ／从ｒく / ,′ 早速、宦官排斥についての策を、従弟を含め、
`く {！ ヽ､__ ヽ、 ／ / } } ＼ / / 話し合いましょう……
丶丶 ｖﾊ ／ 7'⌒¨´{Tヽ. // ' / /￣
ヽ ヽ. Vﾊ/ / }} V/ V /
―― この密談により、袁紹は司隷校尉に任じられた。
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:＼
.':.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.／:.:.:.:. /:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:＼
__⊥.:.:.:.:.:/:.:.:.:. ／:.:.:.:.:.／/:.:.:.: .:/ :7:.l ..:.:.:.:.:.:.:.:.l ＿ 洛陽・長安・宛を含む、
／￣￣ ／:.:.:.:.:/:.:.:. :./:.:.:.:.:／//:.:.:. :／ :/ l:.|: :.:.:.:.:.:.l:.:.l ｀、￣＼＿＿ 首都圏の軍事権はこれで掌握した
ｨ´／¨ﾌ／,':.:l:.:.:.:.|:.:.: .:/!:.:.:／///:.:. :.:/!: ./ l:.|: .:.:.:.:./:.:.:| ヽヽ‐､＿＿
／／ : : // /:l:.:| .:.:.|: .∠/:∠／//:.: .／/: /─ｰ|:|:. :.:.:./:.:.:.:| ヽヽ: : : : : : : いかに宦官どもが権力を持つ
／／: : : : // //i:.:.{ .:.:.l:./ﾆ|/二＼l:.l:. :/‐/／厂二_l:|:.: :./:./: :.l ヽヽ: : : : : : と言えど、軍事力のない
／／: : : : : // /´ ,'. :.| .:.:.l,匕仁仆z､|,'|:./／´,ｨK夊仏} >:./:./: :ﾘ l l: : : : : : 権力など無意味！
/ /: : : : : : // //| :.ヽ :.',｀┴¬´￣!.|,' i ｀￣¬´／:.ｲ ／:.{ l l: : : : : :
./ /: : : : : : // ノ´ .l l:.|:ヽ:.ヽ ! } ／／:／i:.ﾊ:| l l: : : : : :
/ /: : : : : : // '.|:.l:.:ﾄ､:.:＼ ! ／イ:／//:.l }| l l: : : : : : これで宦官どもも少しは
./ / : : : : : : l l ヽ|:.lヽヽ:.ﾄヽ __.... -- ､＿, ／イ__ノ:.|:.l| ! l l: : : : : : 大人しくなるだろうさ！！
ヽ´: : : : : : : | | |:.|:l l.:-＼｀ ー─‐ ／:.:.ﾉ:/|:.|! __, -l l: : : : : :
ヽ : : : : : : | |＼＿＿＿＿_./'´i|:|l:.ﾄ:.:.l｀ ､ ／ |:.:.:.//‐∨-───´ / /: : : : : :
ﾍ : : : : : | | /´|:.l }:.|＿ ｀ ､_ , '´ __.⊥:ﾉｿ / /: : : : : : :
ヽ: : : : :ﾄf ﾉ´〈￣ ￣｀＞＜￣ 〉 / /: : : : : : :
ヽ: : : ヽヽ (二ニﾆ７￣ヽ-r─弋￣￣￣｝ / /: : : : : : : :
ヽ: : : ＼＼ レ─‐７ / ／ ヽ ｝ ￣¨（ / /: : : : : : : :
|i ＼: : : ＼＼ /￣ ／} |/ l |＼ｰ＝ヽ ／／: : : : : : : :
| ＼ ＼: : : ＼＼_ -┬´_.─／ / | | | ヽ ／ 〉‐‐.／／: : : : : : : : :
| ト､＼＿＿＼: : : ＼＼::ヽ. / / | ﾉ l ', /:::／／: : : : : : : : : :
＿__| | ＼＼: : : : ＼: : : ＼＼::∨ l | ,-､/ ! l ／／／: : : : : : : : :
ただでさえ皇位継承権争いに敗れて疲弊していた宦官勢力は、
ルルーシュの司隷校尉就任後、さらに勢力を縮小させることになる。
しかし、権謀術数に長ける宦官たちが、黙って衰退していくはずもなかった。
_r-,
/＼＿＿_／ヽ r-, { | ﾄ、 このまま衰退するくらいなら、
／'''''' '''''':::::::::＼ | | | | | | 後世の歴史家に何と罵られようと
|（●）, ､（●）､.:::| | | | ｉ ! | 民草に何と嘲笑われようと、
| ,,ﾉ(､_, ) ヽ､,, .::::| } r´ ｿ ﾄ i 手を打つべきだね、うん！
| ｀-=ﾆ=- ' .:::::::| / ´,. ´ﾉ
＼. ｀ﾆﾆ´ .::::::／y- 、 __ ,.__ ﾍ{ ´ ／
｀rー-- ´／￣:./ : : : : : : :/. : :ヽ ／ ﾊﾄ､ _./
__／/:::::Λ/ : : : /. : : : : : :/ : : : : :.｀=,.へ_ ／ : : : ゞﾆ二彡
,.-< : : : :}:::::ｙ' / : : :__{: : : : : : / : : : : :／.. : : : :７√ : : : : : : : : : :.／
r´ : : : : :「: :/:::::i / : : : :＞ : : : : ,' : : : : :i : : :i: : : ::i / : : : : : : : : : .／
} : :, : : : i :/:::::::i/ : : .／ : : : : : : ', : : : :i:: : : :i: : : : :', : : : : : : : : ／
ﾌ :.ｉ : : : :i/::::::::/ : .／ : : : : : : : : :.', : : i:::ﾍ : :i::.. : : ::. : : : : : : ／
／ :ｉ : : : :i:::::::::/:.／ : : : : : : : : : : : : , : : : : : : : : : : :,-､ : : : ／
i : : :ｉ : : : :i:::::::,' :/ : : : : : : : : : : : : : : =- y-ｰ ´¨￣ ｀-ｰ‐'"
日を置いて、何進に皇帝から参内の勅令が下った。
/: : /:: : : / : : :.!:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
/: : /: : : 斗--､ :|: : : : :|: : | ,ィＴ: ',: : :ヽ : !
|: : |: : : : : |: / ＼: : /|:.ィ: :ヽ: : :.|.: : : ﾄ､:| 今日、今上皇帝陛下より、参内せよとのご命令があった
|: : |: : : : /!/ ⌒ヽ| :/ |:./⌒ヽＶ: |.: : : | V
＜ : _: : : / 〈 ノ |/ ﾚ ヽ }|:./ヽ: : :| 宦官どもは軍権をルルーシュに分捕られ、大した権力もない
＜:: |. 小{ _,,.. - ､-.,_ ﾚ{: :.|ヽ:|
厶ﾍ ﾊ ､ {ﾊ,;' （( 俺は参内するぞ！
＼_! ' ! ( ( ヽ) ﾎﾜ〜ｯ
ヽ 'ー―-- ／ ヽノζ 陛下には一度顔を見せて、俺の無事を知らせて、
___,ｒ| ＼ ／ |￣￣￣|(^) 安心していただきたいしな
／:/::::| ＼ ヽ _ , ィ´ | ''..,,''::;;⊂ニヽ
／::::::/::::::| ＼ ´ ∧＞､ .| .,,:: ;;;;ン=- )
／:::::::::::/::::::::| ＼ / ! ,ｒ-''⌒＾ニ);;;;ヽニノ ヽ
::::::::::::::,:イfkァ.:::∠ミ 、V.:::／ ／.::::.:::: イ_＿__,／.::::／-‐ ¬.::
.:::::::／ff ／∠ vﾊ}イ ／.:::ィ7 /／.::::::／.:::::／-──‐ｧ.:::i
:::::/ {L/／{{℃ik}} vﾊ／.:::／ { ﾚ'/⌒`ｲ.::::::／_ ー──ｧ.:::/|
.::/ ＼メ、 ｀¨¨¨´ ｖ.:::イ ゝ一ァ' /.::／ _xkｧ=＝ｲ::::ﾑミ な、なにをバカなことを仰る！？
:/ ｀ ｀三≡＝=一ｚl.:／ / /／ ＞'"´ _ _｣:/
′ ‐ =＝ｧ斗 ´ /L_ イ {{℃fL}{}
| / ヽ、ヽ、 ｀¨¨¨|l ,ｨ/ 宦官との抗争は今こそが佳境！
、 { ＼ ｀≧xz＝{彡ｲ:
::ヽ | ､ ｀ ｀≧´.:::: 今、ノコノコと参内などしてみなさい！
＼l ー=＝ニ二:::__::,:::::
/` ‐- ＿ ／.:::::: 誠様は殺されに行くようなものですぞ！
ハ、 ｀丶、 ／.::::::::::::
', ∧_｣三三ニ＝‐ .､ ハ ／.::::::::::::::::::
∧ /三三三三三＝=三L｣ ／／.::::::::::::/.::
/∧ /三三三三／ l ／イ.:::::::::::::／.:::::
/: : /:: : :./: : : :.!:: : : !: : : !: : : ヽ:: : : : : ',
/: : /: : : : |: : : : :|: : : :|: : : | ,: : : ',: : ::ヽ : ! 心配性だなあ、ルルーシュも
|: : |: : : : : ,,=''".＼: : /|"''=:;,ヽ: : :.|.: : : ﾄ､:|
|: : |: : : : /" _,=､ | :/ |:./,=､ Ｖ: ..|:.: : : | V いくら宦官とはいえ、大将軍たるこの俺を、
＜ : _: : : / ((;･.,;)|/ ﾚ((･.,;) |:./ ヽ: : | 宮中で抹殺できるほど連中の肝は太くないっての
＜:: |. 小{ ￣ ￣ ﾚ{: :.|ヽ:|
厶ﾍ ﾊ ､ {ﾊ/ ／⌒ヽ_ノ） ) ） だいたい、相手はチンポ切り落としてるような連中だぞ？
＼_! ＿ ' !! ,' ;'⌒'ー''´
ヽ ＼ｰｪｪｪｪｧt ／ | i| (⌒) それを過剰なまでにビビってたら、大将軍の沽券に
___,ｒ| ＼ ､＼＿ ｀ヽ ／ ﾉ ,'.! ﾉ ~.ﾚ-r┐､ 関わるっての
／:/::::| ＼ ::::: ＼＿｀＼ ＼'、 .／ //､ ノ__ | .| | |
／::::::/::::::| ＼ ´ ∧.＼､_＞'´ ノ'´ 〈￣ ｀-Lλ_ﾚﾚ とにかく、俺は参内するって決めたんだ！
／:::::::::::/::::::::| ＼ /"''- `ｰ一''´ ￣｀ー‐---‐‐´ 陛下に安心していただくためにもな！
何進としては、皇帝となった劉弁に安心してもらいたかった。
劉弁は本来、宦官とは対抗勢力に推戴された皇帝である。
何進にしてみれば、劉弁はいきなり敵勢力の中に放り出されて、
不安で不安でたまらないだろう、という推測もあった。
叔父として、皇帝・劉弁の不安を拭ってやりたいという親心があったと思われる。
西暦１８９年、中平６年。８月。
【司隷州、河南尹、洛陽 宮中】
＼＼_＿二二ヽ. .┣━ ┃┃ ＼＼_.
~＼＼ ＼＼ ┗━ ~＼＼
. ＼＼_ ~ヽ＼ ╋┓ ~＼＼ヽ＼__
丶 ~＼＼ ＼＼ ┃┃ ~＼＼ ＼＼
~| | ヽ ~| | ヽ
|| ヽ＼ || ヽ＼
,;-、 ,;-、 ,;-、 , ー､ ;-、 ,;-、 ￣丶＼
l'i;;l l'i;;ｌ l'i;;l i!;l⌒i| l'i;;l l'i;;l __ ヽ＼
/l三三三三三三三三三三三三l`ー'";:;;| ━┓┃┃
//i;:'';':;'';:;:'';':;'';:;:'';'i/:;'';;i/';:;''i/:':;;''i/ ;:;:;: :; "| ┃
//;:!'';':;'' ';':;'';:;iコ';':;'';: ;:'';[l] ;:' : ;';' ;' :;'';'| ━┛
//'' |;':;' ;':;'';:;:;':;'';:;:;':;'';:;: ';:;;':;'';:; ;':;'';: :i! | ,,;=‐=,,.. ┏┓
`i'' | ;':;''; :;: ';:;;':;'';:; ;':;'';: ;;:;;' i!;:;;| |∩;:;:;| ┗┛
|;':; |;':;'';:;: ';:;;':;'';:; [l];':;'';: ;';:;;':;'';:; ;':; '';;;;: | ,|:! i ':;:;|_
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|;':; |;':;'';:;: ';:;;':;';':;'';:; ;':;'';:; ';:; ;':;'';: ;' | |':;'[];:;[]' ;|.. ┃
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|:;'';:;: '';;／| ;:;: ;:;| ; '';:;: ';:;;';'::;'';:; ;':;'';: ;:i!;:;'l !':;'[];:;[]';::| ┏┓
|:;'';:;:;'／:;'' | ;:;': | ;':; '';:;: ';:;;':;'';:; ;':;'';: ;:i!i | ._!':;'';:': ;'';:| ┗┛
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,.,;:;､, |／:;'';:; ;:;;;.'|:;'';:;:'';:';:;:'';:'|;:;:'';:';:; ;:;:'';:' ;:;:'';:;:'';:';:':'' :'||;:|;`i,;:';:'';:'';; | ━┓┃┃
；;:;: ；'''``､;"'"''､; :`;';___,.,._., ;:;:'';:' ;:;:'';:;:'';:';: ': ',.,;:;､ ;:';:'';:'';;| ┃
｡:;；.: ;:;:; ;;；'`､;::;；､;｡; ；.:`､, :. ;'';:;:'';:';|__ ;:;:'';:' ;:;:'';:;:'' ,,；；､;｡; ;: ━┛┏┓
';: i!|''"ii''".;:|i'';:；:;:; ;;；'``､;::;； ;'';:;:'';:' ;`i, "'` Y;:;: . ┗┛
,i!| ;ii''".;:|i|''" i!
＿ _
γ´-─- ヽ
,ﾚ', -─‐-､|
〈, ｲ（//）( 7)
K>.;:",;:;:;:.::}-┐ 何進様、お待ちを
ヾ;:;;:;;(固);!‐-′
,ィ⌒Yﾆﾆヽ__ヽ7r‐- ､
/_ﾉ;.:;.:;:L.:.:.::::::.:.,,/:.:::.:;.:.!
／.:ノ;:;;;;;;:;:;;;:;:;::::::::;:;:;:;:;;;:;:;;:ﾄ､
/ .:.:i」;:;;;;;;:;:;:;;:;:;:.:;:;:;::;::::;:;::;:;:/:::.ﾞ,
/ .:.:::ﾘ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;;;;;;;;:;:;:;;:/:::::.:.|
,/ .:.:.::::1;:;:;;;;;;;;;;;;:;:;;;;;;;;;;;;:;;_」_:::::.:.:.:.|
i .:.:.::::::::!;:;;;;;;;;:;rｰ「ニ二n圭8::::::::.:.!
|.:.:.::::::::人;;;;;;;:;仁抂i^i^i;;!ｲ::;7::::.:.:/
!.:.::::::::l /::./´￣`つ;:」JJﾉ;/:::::.:./
ヽ.::::::」:::::入 ＿｀ﾐ7:|｀i |;;;;;;:;:;;:ノ
｀`7::::::.:.:.::.::.:. ..|_」」.:.:.::「
/::::::.:.:.:.:.:.:.:ﾉi:.. .:.:.:.:::::i
. ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
/: : : : : : : : : : : : : : : : :.、: : : : : : : : ヽ
. /: : /:: : : / : : : !:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ', なんだ、お前ら
/: : /: : : 斗--､ :|: : : : :|: : | ,ィＴ: ',: : :ヽ : !
|: : |: : : : : |: / ＼: : /|:.ィ: :ヽ: : :.|.: : : ﾄ､:| 俺は大将軍何進だぞ？
|: : |: : : : /!/ ⌒ヽ| :/ |:./⌒ヽＶ: |.: : : | V
＜ : ｣_: : / 〈 ﾟ |/ ﾚ ﾟ ..}|:./ヽ: : | 陛下の招集に従い、参内した
＜:: |. 小{ _,,.. - ､-.,_ ﾚ{: :.|ヽ:|
厶ﾍ ﾊ ､ {ﾊ/ V
＼_! ＿ ' ! そこをどけ、俺は陛下に会わなきゃいけないんだ！
ヽ ／ ｀t ／
___,ｒ| ＼ { / ／
／:/::::| ＼ ヽ ｀_⌒ ィ ´
／::::::/::::::| ＼ ´ ∧＞､
／:::::::::::/::::::::| ＼ / !＼::`ｰ- ､
::::::::::::::/:::::::::∧ /二＼ |::::::ヽ::::::::::::＼
::::::::::::/::::::::::::::∧ヽ /: : : : :}ヽ!::::::::::〉:::::::::::::::!
＿＿＿＿__
／:;:;:;:;:;:;:;:;:;::;:;:;:;:;ヽ
/:;:;:;:;:;:;:;:,--───ﾄ､
|:;:;:;:;:;:;/{: ◎ r::､ ◎ }|} そのような話、聞いておりませんなァ
|:;:;:;:;:;:{ `ー´癶､ー"||
|:;:;:;:;:;:;{ （）〕甲〕））//
f￣ヽ:;:;:;:;:;ゝ ｀ﾆﾆ´ ／ｲ
,|,.....イ´､ヽ、ﾆ__::ーーﾞｲﾄ-､_
／三三`ヽ､､ヾﾄヾ:::::::::i:::〉〉7三ヽ
|三三三三/|＿l （）ﾆ{◎,=====――ｪﾟ~≡≡ﾍ ri
}三三三;ｨｲr-――――l|' --'＿＝＝|l三三三]}ｺl|====iﾆｺﾆﾆ=
{:;r─┐;:;:;/＿,;--─イ´￣lﾆｱ|＿|￣ﾖ|l´i´i｀iﾄ~
|;L◎/:;:;ｲ":;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;＿}ﾖ＝ｲ､| E|:;l. /
|:r─‐､;/:;:;:;:;:;:;,,--─"´￣:;:;:;:;:;}ﾄ:;| E|/ー´|
ゝ､＿__｣--‐￣:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;| !-‐'ﾄ-‐"
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼.
/: : : : : : : : : : : : : : : : :.、: : : : : : : : ヽ.
/: : /:: : : / : : : !:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ', おいおい……冗談は止してくれよ
/: : /: : : : |: : : : |: : : : :|: : | ,ィＴ: ',: : : ヽ: .!
|: : |: : : : : |: / ＼: : /|: : r ､ : : :.|.: : : ﾄ､:|. 俺は皇帝陛下の命令で参上したんだぞ？
|: : |: : : : /!/＿ノ | :./ .|:(ヽ､｀＼::::|.: : : | V
＜ : ｣_: : / _ _|/ ﾙ. ＼ ＼ ＼ : | 俺の可愛い甥っ子に合わせてくれよ
＜:: |. 小{ ｀ﾞ'''''' ‐-＼ ＼ ＼_
厶ﾍ ﾊ ､ r--‐-､ >､ ｀ヽ.
＼_! u ' ` ‐-､ ｀` `､.
_, r´:/ : :| ヽ - - ／＼ `､
´:.:.:.:./:.:.:.:.::| | ＼ ／ヽ :｀ヽ ヽ.
:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:| ＼ ヽ _ , ィ ´ |::.:.:ヽ: : `､ `､
……おそらく、この瞬間に何進は自らの運命を知ったに違いない。
しかし、卑しい身分の生まれと言えど、腐っても大将軍。醜く喚き散らすような無様は晒さなかった。
/＼＿＿＿_／ヽ
／'''''' '''''' :::::::::＼
|（●）, ､（●）､ .:::| これはこれは大将軍
| ,,ﾉ(､_, ) ヽ､,, .::::|
| ｀-=ﾆ=- ' .:::::::|
＼. ｀ﾆﾆ´ .::::::／ 皇帝陛下の命もなしに、参内するとはいかなおつもりかな？
_`ｭ ー──--＜´
_, ､ -ｰ´. : l : .＼ ｲ::::ﾊヽ{`、
/: : /:: : : / : : : !:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
/: : /: : : 斗--､ :|: : : : :|: : | ,ィＴ: ',: : :ヽ : !
|: : |: : : : : |: / ＼: : /|:.ィ: :ヽ: : :.|.: : : ﾄ､:| 俺は皇帝陛下に呼ばれ、参内したんだ
|: : |: : : : /!/ -=o=-| :/ .|:/ Ｖ: |.: : : | V
＜ : _: : : / |/ ﾚ-=o=-|:./ヽ: : | お前みたいなチンコもついてねーような男か女かも知れない
＜:: |. 小{ ﾚ{: :|ヽ:| ヤツには用はないんだよ
厶ﾍ ﾊ ､ {ﾊ/ V
＼_! ＿ ' ! そこをどけ、漢を腐らせる賊め！
ヽ ／ ｀t ／
___,ｒ| ＼ { / ／
／:/::::| ＼ ヽ ｀_⌒ ィ ´
／::::::/::::::| ＼ ´ ∧＞､
／:::::::::::/::::::::| ＼ / !＼::`ｰ- ､
/＼＿＿_／｀-、_
／_,ノ ヽ､＿/ / ,〉、 ……これは困りましたなァ
|（＝）, （＝/ ´／ /)
| ,ﾉ(､_,)ヽ./ , ' ´,/ 皇帝陛下のお世話をする我らが賊、ですか
| ｀-=ﾆ= 'V __, ＜´
＼ ｀ﾆﾆ´ 〈´／::::Λ 貴方がた皇帝陛下の外戚こそ、
ヽ ー--.ﾔ::::::::::::::Λ 政治を思うがままに動かそうとする、
/ﾑ _ , -.／V:::::::::::::Λ、 陛下の意を借る狐ではありませんかな？
_,. -／:/:::ﾊ ,/´..::/i:::::::::::::::::::Vﾍ
／/.／.:::/:::l y .::::::/::::ｉ::::::::::::::::::.∨}
j ::::::::>.:::/:::::l ./ .::::::::::::::::ｉ::::::::::::::::::::ﾚ;
i :::r :〈 ::::i::::::::ﾚ .::::::::::::::::::::〉､:::::::::::::::::ﾉ
ｉ :::| :::::'., :i::::::/.:::::::::::::::::::::::::::`::-==::イ
| :::| ::::::::', :i::/.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
. ／: : : :u: : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
/: : : : : : : : : : : : : : : : :.、: : : : :u: : : ヽ
. /: : /:: : : / : : : !:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
/: : /: : : 斗--､ :|: : : : :|: : | ,ィＴ: ',: : :ヽ : ! 俺がキツネだと……！？
|: : |: : : : : |: / ＼: : /|:.ィ: :ヽ: : :.|.: : : ﾄ､:|
|: : |: : : : /!/ ⌒ヽ | :/. |:./⌒ヽＶ: |.: : : | V
＜ : ｣_: : / 〈 （・） |/:::::::ﾚ（・） }|:./ヽ : | 口を慎めよ、宦官の分際で！
＜:: |. 小{ _,,.. - :::::::::::､-.,_ ﾚ{: :.|ヽ:|
厶ﾍ ﾊ ::::::::::::::::::::､::::::::::::::: {ﾊ/ V お前たちは國を自分たちの玩具にするために、
＼_! u ＿ ' ! 陛下をたぶらかす奸臣じゃないか！
ヽ ／ ｀t u ／
___,ｒ| ＼ { / ／ 俺は陛下に強い帝王になっていただきたいだけだ！
／:/::::| ＼ ヽ ｀_⌒ ィ ´
／::::::/::::::| ＼u ´ ∧＞､ それを貴様らのような鼠輩ごときに、キツネ呼ばわりだと！？
／:::::::::::/::::::::| ＼ / !＼::`ｰ- ､
::::::::::::::/:::::::::∧ /二＼ |::::::ヽ::::::::::::＼ この俺を舐めるのも大概にしろよ！！
::::::::::::/::::::::::::::∧ヽ /: : : : :}ヽ!::::::::::〉:::::::::::::::!
言いながら、何進は蹇碩に詰め寄った。
それを見て、蹇碩はニヤリと笑った。
/＼＿＿_／ヽ
／,,,,,,,,ﾉiヽ,,,,,,,,::::::＼
. |::（●）,ﾝ < ､（●）､.:| 大将軍殿はご乱心だ！ 私を殺すおつもりらしい！！！
| ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, .::::|
. | ｒ､_,ｨｪ､_,ゝ .:::::::| こうなっては仕方あるまい、漢の敵を打ち滅ぼせ！
＼ ｀ー'´ .::::／ 衛兵どもよ！！
,,.....イ.ヽ｀ー ｀ﾆ´ ―ノﾞ-､
: | '; ＼_____ ノ.| ヽ i
| ＼/ﾞ（__)＼,| i |
＞ ヽ. ハ | |｜
,イ￣￣ ｀ヽ
l｀ヽ≡＝= ,,_ ヽ
｀,ﾄ_lγヽ) ll ,,=､x'
(_|:::〉ゝ-'ﾉ.ll.ゝ.ﾉノ
l∧￣l",--､ヽ::l_ 畏まりました、蹇碩さま！！
＿____∧ﾉ_ノゝ.◎)Y /＿__r‐┐
_'----/ミミﾐ｀ー--彡ソ´ ￣ ｀ヽ
＞' ノミミ三三彡´ ,r´｀ヽ ______／:ヽ
,::´/-‐-- '7￣￣ /￣￣7x >____ヾ､::::::',
／:Y l ____/＿＿./＿. / .ヽ ノヽ .｀Y',::::::,
／::;ｲ l￣_ -=＝＝=- __￣/ ./ r´ ゝ￣｀)l::::::i
,ｲ::::/ﾉ >-l-" /_ 二 _/__. ｀〈､ i__.ﾉ´￣ 7 X｀ｿ.,':::::l
/___./´r( l,=＝l- ‐‐- l-- ﾆ＝ヽ ｌ /---./ /､_/ /:::::,'
r‐ｙ′.ヽ､ ヽ=_l -=〈 ー,≡＝=-----i!___> / /､__l /:::::/
ヽ､,-､/_,-ゝ- ､i彡((`´/＼ / /L≡≡'' ﾊ_‖:::::/
/ ＼ ＞ ,-‐`ヽ´,,｀Yiヽiヽ---/ /--｀ヽ￣￣/- 二!
.{ ／ミ___/ ,,Ｙ, -､ヾ､´ヽｌ Y丶__l=≡ミ､ヽ ー/〈::::::l彡Y
l ／-ミ/ ./／ l_ ｀i===ゞ Y ゝ´ ｀Yl|l!ヽ_ノ:::::::::::l彡l!
ヾ-=＝､ .i 丶 ヽﾆﾆﾝx ＼ .__==＝:::::::::,--ﾉ彡ﾉ
｀ー-＝ゞ∠ﾆﾆ' i＼ _＼￣::::::::::___／/ ７彡l
冫ヽ l .l `（.○)----´/ / / l彡ll
タタタタタタ……ン……！！
宦官の息のかかった衛兵たちは、
蹇碩の指令の元、何進に躍りかかった。
武器を持たずに参内していた何進には、抵抗する術がない。
数多の矛や剣に刺し貫かれ、鉄のハリネズミと化した。
/::::::::::::/::::::::::::/:::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::::::',:::',
/:::::::::::/:::::::::::::/::::::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::!::::i
,'::::::::::::/::::::::::::: /::::::::::／::::::::::::|:::::::::::::i:::::::::i::::l ふ、ふふっ……ふははははははっ！！
l:::::::::::/:::i::::::::: /＿::／|::::::::|::::::::|:::::::::::::l:::::::::l::::l
i:::::::::/:::/::::::丁:::／￣i::::::::l:::ｰ∧一:::::::|!:::::::|'ﾘ 屠殺屋の末路としてはこんなものだろう！
_ノ::::┌i:::/::::::/斤心ヘ::i:::::::::i::::ﾒ≦i::::::::::::i:!::::::!
＞:::::｛ ﾚ' |:::::7ﾚ近::｝::::/:::／|:/近:｝l::::::::::ハ:::::! だがな、聞け、蹇碩！
_,＞::::::::i ヘ|:::/ ゞ‐":::/／};;;;{′ゞ‐' l:::l:::/ ∨ 俺の後を継ぐ官僚は腐るほどいるぞ！ お前の天下は
￣｀￣｀＼:|:/ # };;;{.′ };;;{ ､ };;;;{∧!/ 永遠にやってこない！！！
＼|＼ };;;{ ___ __ U / ′
_{i uヽ _ ノ ／ 俺は自分の生涯に悔いなど、ない！
// ｀＼ ＼ ／ 先帝陛下！ 臣・何進は今、お傍に参りまするぞ！！
_,､-;'´;;;i `ｰ ､,｀_ノiヽ、
_,､-;;"´;;;;;;;;/;;;;;l ／ﾍ l;;;;;ﾍｰ,,､
_,､-;ｰ'´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;ヽ ／::::::::∨;;;;;;;;ﾍ;;;;;｀';;;;;;;､_
そう叫んだきり、大将軍・何進は帰らぬ人となった。
その後、死の間際に呟かれた彼の言葉を耳にした者は、いない。
_.._ ｀`､,.､-::─::-..、
／:::::::::｀:く:ﾉ:::::::::::::::::::::::ヽ
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/:::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾍ 劉弁……
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::', ごめんな……
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
i::::: /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
|:: /:::::: /:::::|i!i!ii!∨ |V::::|::::i!i!ﾍヽ::::::::::!イ 権力闘争に付き合わせて……
|:/ |::: /::ﾊ::|:::ii!:::::V|::::ヾ!::i!!i!::ハ::ﾄ::::::＞
|′|::/|:::|ﾈﾍ:::i!:::::::ヽ::::::::::::i!i!:::ﾊ!ﾉﾘ｀ヽ でも、劉家の血を引くお前を、
i/ V､_ﾍ i! ! .,::；;;#．ﾑﾘ′ どうしても天下の主にしてやりたかったんだ……
′ ヽi!i! - - i! ′
|ヽ イ/
,.ｲ i!｀ ´ i!ﾊ
,.イ:! i!＼ i!i ／毛 ヽ..､、 無責任な叔父だと罵ってくれて、構わない……
,...::::´/::::::l 圭/;⌒;ﾍ ;:圭 j圭ﾍ:｀:::....、
,...::::´::::::::::/:::::::::l､ ∧;;;;;;;;;∧ /:l::::;:i! ﾍ::::::::!i!i!:::....、
,ィ::::圭圭:::::::/::::::::::/!∨:;:;∨;;;/ ∨ l::::::::::::ﾍ:::::::::圭i!i!i!`::..､ 強く、生き、ろよ……
i::l:::::圭圭圭:ヽ::::::/:::! :i!;.i;;;;;;! ハ:::::::: / ::::::::圭:::::::::::/:i
l::l:i!i!i!i::::::::::::::::::У::::::l i;;;;;;;i .,'圭＼:/:::::::::::::圭圭::/::::l 劉、弁………………っ！
l::li!i!i!i:::::::::: ／:圭:::::::l i;;;;;;;;i /::::圭圭＼:::::::::::::::::::::/:::::::l
!:::::i!::::::::::::::::∨圭::::::::ﾍ l;;;;;;;;;i /::::::::::::!i!i::::/::::::::::::::::::ｲ::::::::::!
!:::::::i!:::::::::::::::: ∨::::::::::::::∨;;;;;;;;;;/::::::::::::::::: :/:::圭:::::::::::::i!:::::::::::!
i:::::::::!! :::::::::::::::: ∨::::::::::::::∨;;;;;/:::::::::::::: : :/::圭圭圭:::::il::::::::::::l
一介の卑しい屠殺業者でしかなかった男が、大将軍にまで立身出世した。
この一時からして、当時の後漢の政情が乱れに乱れていたことが伺える。
何進は忠心を持ち、それを全うしようとした。
ただ、惜しむべきは志した道のりに相応しい才覚を、何進本人が持ち合わせていなかったことにある。
仁の人であることは、太平の世においては褒められるべき美徳だが、
乱世においては付けこまれる隙にしか、ならないのである。
●補足 【何進誅殺】
ヘ
／ ｊ -━=＝ミ
/ ／ ＼ このスレでは、分かりやすさを優先するため、宦官筆頭を蹇碩とし、
/ ／ . 陰謀の数々を蹇碩が行ったことにしています。
l＿＿/ .:
′ / ,/ （ 確かに蹇碩は西園八校尉の筆頭でしたし、劉協（美羽）に暗殺者を
/( ＼ 送りました。
/⌒` ＿ ≧-＝彡'
f斧芹 f斧芹 | ですが正史において何進を実際に抹殺したのは、蹇碩ではありません。
.|! 乂_り . 乂_りV ５月に劉弁（言葉）が皇帝に即位した時に、
八 ' .: 八 j 劉協暗殺に失敗した蹇碩は宦官たちから見捨てられ、
. `ﾄ r . _ ノ ／ . 劉協の養母である董太后（このスレでは七乃）と共に殺されています。
＼ .＞- -= r 〔 ／
/ ⌒..ｆ......|! ≧ー＜ ` ＜个⌒ヽ 宦官の主流派は何皇后にすり寄り、多額の献金をすることによって、
,:............|......|! ∧ |!..... |..........ｌ 自分たちの身を守っていました。
.............. |......|! ∨ |!..... |..........|
.>>1こと珪孔雀
. -＝＝=
.／r.―┐ |三|
./ ＠⌒┘ ｊ三ｊ＿_
| /」 ＞ ¨ `
l ／ ＼ 劉弁が即位してからは、宦官の勢力が弱まったことを背景に、
|三 7 / ＼ ＼ ヽ 朝廷内・在野の双方から宦官に対する批判が噴出しました。
.′/ /( ＼ ＼ ＼
, / /⌒＼ 、 何進は再三袁紹から、無防備に宮中へ入るべきではないと、
/ ,斧斗 三ニ=彡 忠告をされていましたが、何進は宮中へ参内しました。
,Y「1: V/り 斧斗 _ ｜
f {.ｌ :|{＿＿)- r― V/り /Y7./ | そして、当時の宦官の指導者であった段珪・畢嵐の兵によって
八.:l ｊ l. 八 ` ー＝' ¨/ /// / | 取り囲まれ、宦官筆頭の張譲に罵倒されながら、
`ｊ ..ノヽ ` ‐ _ ノ ./ ,: ./ 八 宮中で何進は斬られたのです。
)＼ ,仏＞―=≦ / .,: ( ／
./ ∨ /..く_ (＿ ソ)八 人⌒く
/ Ⅶ..../ ／| /:Y ........_ 何進は懐の深い人物で、袁紹を筆頭とする数多くの有能な人材を
./＼ ＼′ |／ /::/ ∧......._ 旗下に加えていました。しかし、本人の能力が及ばず、宦官との
/.........＼＿＿/／| /く /.∧......} 陰謀劇の末に、倒されてしまったのです。
●補足 【何進誅殺】 終わり
何進謀殺の同日、夜中。
―― 何進の死は、すぐさま洛陽中に知れ渡ることになった。
これに激怒したのが、袁ルルーシュを筆頭とする何進の個人的配下の面々であった。
何進は普段から配下の人士には親しく接し、また屠殺家の一族出身であることから、
末端の兵士にいたるまで、非常に心を配っていたという。
. |::::::::::::::::::/.::::::/.::::::／.:::/.::::/:::/ｉ:::://.ハ:::::|::::|::::::::::l|::::::::!|
. j::::::::::::::::::|::::::/.::::://. ::/.::;:ｲ.:://.::/// i :::|::::|::::::::::l|::::::::!|
ﾘ::::::::::::::::::|.::/:＿//イ/／:/.://.::/// ヽ:!ヽ! .:::::::l|::::::::!| ま、誠様が、きゅっ、宮中で謀殺された……！？
. /ｲ:::::::::::::::::|/.::: / ￣/ ¬/､//.:://〃´￣￣ヽ_ヽ:::::::ﾘ .::::八
. !:::::::::::::::::!::::,ｲ ￣ ヽ // i// / ／￣ 寸 }::::/.:::/i:| ヽ
. j:ﾄ:::r==､ﾄ､爪 (ツ 〉/' /'／ ｲ (ツ ﾘｲ:/.:::/ :|:! バカなっ！ 証拠は！？ 証拠はあるのかっ！？
. /jヽ|∨∧::ﾄ､ ー‐ ′ / |! ｰ─ ' //.:::/ ﾘ
/ / |:.∨∧＼ |! //.:::/ ′ 誤報であったならば、承知しないぞ！
. / / :|::::.∨∧:{＼ |! ノ/.:::/
. / /／￣￣￣ ﾌ＼ ,ｲ.::/
! / ｨ ､￣.::∨∧::}｀ _∠二二ヽ_ ／/.::/
| | ! ∧::::::::∨∧! ＼ ー‐ ／}:::ﾊ:/
|,丿 | ! ∨ ::::∨∧ ` ／ |'ヽ }
/ |／ ￣￣￣ ﾌﾆ=──` 、 ／‐=＜二i|
. / ´ /￣￣￣ ﾌ三三三||三三三||三三i|
∩＿＿＿∩
| ノ ヽ
/ ● ● | ホ、ホ、ホントのことですクマー！
| ( _●_) ミ
彡､ |∪| ､｀＼ 宦官どもは誠様の首を持って尚書に押し入り、
/ ＿＿ ヽノ /´> ) 兵権を奪取しようとしているんですクマーッ！！
(＿＿＿） / (_／
| /
| ／＼ ＼
| / ) )
∪ （ ＼
＼＿)
●モブ兵
/:::::/::::::::::::/::/::::::::::::::/:::/::::::::::::::l:::::::::ヽ:::::::::::::::::::l
/:::::/:::::::::::::i::/:::::::::::i/i::::/:::::::::::::::l l:ll::::::::ll:::::::::::::::::::l か、宦官どもめェ……！
/:::::/::::::::::::i/i/::/::/::ll. l::l:::::::::::::::/ ll.ll:::::::::ll::::::::::::::l::l:ll 低能が垂れた汚物にも劣る分際で、
. /::ｲ::::l::::::l:::::l::/::/::/:/ll. l::l:::/:::::::/ ｌｌ l:l::l::::l::::::::::::::l:::l:lヽ 卑怯にも騙し討ちだとッ！？
/ l:l::::l:::::::l::::l:////./ ll l t:/::::::/ _,ll,-‐ll:::l::l:::::::::::/::ll::l ヽ
l:l:l:::l::::::::l:::l/,―― 、ll::il:::::/,.‐':::／￣ヽ l::::::::::/:::l :l.ll ゆ、ゆっ、ゆゆ、…… 許さんッ！！
. l:l:l::::l:::l:::::l:::l＼ O ヽ:ll::/:::::::イ O /.l::::::::/:::::l :l l 絶ッ対に許さんぞォオオオッ！！！
l:l::l::::l:::l:::l:l:::l: ￣ ／:'ll/::|: : ＼`￣:￣ /:/:/.i:::l:l
l:l::l:l::l:l:l:l::l:l::l: : : : : : : ::. ::|: : : : : : : : : /:/:/〆:ll:l 皆殺しだ！！
l.l::l:l::::l:::l:l:lゞゞ ::| /:/:/:::l:l:l::lll 皆殺しにしてやるｳｳウウウウウッ！！！
｀ヽヽ:::l::l`ヽヽヽ ＿＿ .///:::l:l:l.l::l ll
ヽヽl:l:l::ヽヽ ／_ニニ_＼ ／:::::::ll::l.ll:l 従兄殿に兵を出すよう伝令を出せエッ！
l:l::::l:::ｌ.ｌ＼''"::::::::::::::::｀`イ:l:::::::l.l:lll::l l ｵｳｻﾂ
ll:::l::::l. :::::＼＿＿_／:::::::l:l:::::l l:l l:l これより宦官どもを鏖殺しに征く！！！
ll./lk,｀`'‐ ,‐‐＿ ﾍ ‐‐ ''">l::l .ll l:l
/ /｀`-´ / l ＼,.‐''ヽ l:l l
何進によって取り立てられ、何進によって官位を得たルルーシュの怒りは凄まじかった。
何進謀殺の件を耳にするや否や、甲冑すら纏わず、身の着のままで剣を取り、馬に跨った。
∩＿＿＿∩
| ノ u ヽ
/ ● ● | りょ、りょりょりょ、了解ですクマーッ！！
| u ( _●_) ミ
彡､ |∪| ､｀＼ （普段はどんな時でも優雅さを失わない袁紹様が取り乱すほど
/ ＿＿ ヽノ /´> ) 激怒なさっているクマ……。
(＿＿＿） / (_／ 宦官ってのはそんなにも悪人なんだクマ！！）
| /
| ／＼ ＼
| / ) )
∪ （ ＼
＼＿)
この時のルルーシュが発したあまりの剣幕に、事情を知らない兵たちにまで怒りは伝播したという。
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急ぎ兵を取りまとめたルルーシュは、従兄のシュナイゼルと合流。
. / ′ / / ,{ ﾄ≠イ い
,」 / / ,i //,j } } } l i }
／ V i,′,ｲ｣ /// } ,′ /ム | lく 何進殿の仇を討たねばならないね
{！ { {frｋl/ﾒく ノ' ィナ云__}i } ﾄ､ヽ
以 ' !{￣{く / ' `ｰ气7 / ,′ヽヽ
} ! ! ﾄﾄ| { /ｲ // ｖﾊ ……後の禍根を断つためにも、この機に宦官は全員処分だ
リ ハ } } / ｲ' い
（ （ 从小、 ー──‐ .ｲi { } }
／ 小{ 'く ＼ ｀￣￣´ ／从ｒく / ,′
`く {！ ヽ､__ ヽ、 ／ / } } ＼ / /
丶丶 ｖﾊ ／ 7'⌒¨´{Tヽ. // ' / /￣
ヽ ヽ. Vﾊ/ / }} V/ V /
また、袁紹・袁術の叔父にて袁氏の現・家長である袁隗も合流し、袁氏の軍勢は宮廷に押し入った。
／ ／´ ｀ヾ、 _, ＼
／ / ∨ ヽ
ノ , / ,.,., ＿＿ _ _ |
´:::: / , // ＿ _ ｀ヽ、、 | 宦官どもはぁ、
:::::: |::: |;: / ヽ｀ニ＝=, Yﾉ -‐'´ | 粛清されなければなるぁああんのだァ！
:::|::::: |;: / ‐-',、ニ=、｀ミ i/_-=＝ ｝
＼::: |:::: / ＼ヾ夕ンノ ｀´ｒュ｀ /、
＼::|:::: ｛ ヽ / |::｀ｿ | ヽ、.
＼::::: ヽ ｀、 ,, | |:: ＼＼
＼::: ヽ ヾ ／ ｀￣''::::ノ、 /:::: ＼＼
｀丶:::| ,＿ ＿ _ ｀ //:::::: ＼ ＼
::: ｒ‐´ ｀｝ , , ,-‐=´-‐― ―ヽ /:::::::::: ﾑ、 ＼
ヽ:::::: 〃::::::::::: ｝'i ' -‐´ :::::::丶 ,、｝::::::::::::r-‐´ ハ ＼
｀ヽ:::::｛::::::::::::::::/└、 ／| /＼ i＼l ﾞｲ::::::::〃::::::::::::: ヽ ＼
ｒ-‐ヘ::::::::::::ﾉ 、 ｀' '´ └┘ ヽ_ｌヽ /ヽ:::｛: : : : : : : : ﾉ 冫
／ ｌ::::::ノ ｒ´｀i ヽ、 _ ｌ ﾑ、: : : : : : ノ ｒ' ' ´ ｀ヽ
●袁隗（字はシャルル）
_ ＿ _
, ´／／ ｀`ヽ
/･ ･ ',
/ ･ ･ ﾄ､
! ･ ･ . :.: .:. i !
ir‐ ､ ,r‐‐‐-､ … i !
ir式) ( rェｧ.:ノ 二ﾆ］］ なっ、なんだお前たちは！！
`ﾆ´ `ﾆﾆ´ . :' .:.:〔_
`ﾄ､ .: .: .: ,.ｲ:::.ヽ 止まれ止まれェ！！
l：： ：： ,.ｲ/ ／.:.`ヽ
∧：： ：： ,.ｲ.:.:レ′.:.:.:.人__
/ /ヽ__＿∠::::::::;':::;'.:.:／.:.::::::.:.`ヽ,,
,f;:.f::::i:::1~~7:::::::::;'::;':.:.:::::::::::::::::::::::::.:.`ヽ
,.ｲ;:ｲ.::::i:::1~7:::::::::;'::;':::;:;:;:;:;:.:.:.,r'´￣￣`ヽ
ﾚ'ﾚ':::::::i:::1/:::::::::;'::;':::;:;;;;;:.:.:.,r' "ﾞ ´ `1
|::1.::::::::i:::1::::::::: ,.ｲ.:.:;;;;;;;.:.:.:i |
|::1:j;j;j;j;j;f1j;j;j;j;レ'.:.:.:.:.:.::::;′.: .: . |
l::1j;j;j;j;j;jf1j;レ′.:.:.:.:.:::::::;′. :. :' !
,.ﾍ,.ﾍ:j:j:j:jf1:::: l］］］::::::::::::,′.:'.: .:, !
r‐r── ─くくｪｭL::j:j:f1::::にに1:::j:j:j:! .: .: .:; ' !
００)二二)二)二)〒ｭj:f1::::::i;;;!;;z::j:j:j:j '"ﾞ ´ ￣ ￣｀ヽ {
└┴ )::)::) ─く:j:j:j:j:j:f1::::::::j:j:j:j:j:j:j:jL ￣´｀`'{{
`ーくくﾆ王王j:j:j:j:f1:::::j:j:j:j:j:j:j:j:jﾚ′ ﾌ´￣￣｀`T´
ヽヽ L:「::::ll´ ￣￣￣￣￣｀`ヽ l!
!:::::::::::i::::::ll l!
｀ー く::::::lL . :. :.: .: .: .: .:. :. : ___ノ
●宮廷警備兵の方（モブ）
／／／
,r'､／／
,､/｀ヽ ／;＼ >'
r〈 ヽrゝﾆ｀ｰ <}!
{ヽ ＼ﾉ´ーr }
>､)ｰ';;;／/ |
_. -‐::￣::¨::‐-.. _ Yヽ ／;;;;;;;;;, <_ r''´￣｀ヽ
_':.´:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀`ヽ､ .ノ ヽ<;;;;;;;;;／ {!:::::::::::::::::＼
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼ ,ｲ i! ﾘ ヾ,イ ';:::::::::::::::::::::::', そこを……
/:.:./:.:.:./:.:.:.:.:.:i .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ / |!/ ﾉ ',:::::::::::::::::::::::',
.,,':.:./.:.:.: /.:.:.:.:.:.,ｨ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}ヽ /´￣｀ヽ＿_／ ',:::::::::::::::::::::::',
,／l:.:/.:.:.:/i/ヾ.:.:/:ｉ::ﾍ::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. i／:::::::::::::／:::::::::::￣｀ｰ- ..,,_ ',::::::::::::::::::::::', ――どけェエエエ！！
.|/´|:./:/:i.:|:.:/::::＼｀ｰ- ..,,_＼, ､.:.:.:.:./´:::::_,,..r''´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ j:::::::::::::::::::::::::',
//:.:|'|/.:.:|:.|//＼::::＼:::|/::／< }:::,r_,,..r''´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾉ|｀ヾ:::::::::::::::::::}!
./／.|':.:/.:|// ノ,ｲ tﾘ.,,_:/i/ _ノ //::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::j!
./´ i!/:.:.//ヽ ´ ￣´ /,ｲ /´￣::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヾ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾉ
/／/ヽ:./__ ＿ //´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∨::::::::::::::::::_,,..-‐'´
/ /::::::｀ヽｰ ｀ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∨_,,..-‐''´
/:::_,,..-‐''"´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}!
/／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_,,.. -‐'´i!
, '
〆
／/
ﾉ /
/ i
,i |i
,' |i
i| |i
i| .|i
| .i、
ゝ i、
.i| ゝ
.i| 丶
.i| ＼
.i| 丶
.i| 丶丶、、,,
i| ＼ゞ`
i|、 `＼ 、、,
ゝ `丶`＼ゞ
＼ ,. ﾐ＼丶 `
`;丶＼丶 、`丶
＼ 丶
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/:::::::ヽ＿＿_
/:::::r ´::::::::::::::::::＞ 、
r‐':::::/:::::::::::r＝＝= ､:::::＼ :∴: :;． ;. .: :｀：: ∵:゛
|:::::::〈:::::::.::: :―:::::、:::::::::::::::ヽ` ;｀: :゛;:`´..;．∴;．｀:'：
. !:::::./∨: : : /: : : : ∧:::::::::::::::ム: :゛;. :∵゛ ;． :'-､
.|:::/;;;;;l:: : : : : : : : : : |:::::. -―::ﾑ;．: ::゛;．゛;．
</.ﾑ《.|: : : l: : : : : : :::::::/::::::::::::::.|:゛;∵゛ ;
. /.ﾑk/∨: : : : : : : :/:::::l:::::::::::::::ｲ｀, ・
. 〈_ﾑ∨. ＞_ ―＜::::::::::ヽ::::::::::::ヽ
.ﾑ∨ rf:::::::::｀ー--―- '::::::::::::::〉
ﾑ∨ ｀ー 、::::::::::::::::::::{:::::::::／ グァアアアアアッ！！！
ﾑ∨ _}¨:::¨:::¨::¨:｀ﾞ:::¨l
. ﾑ∨ /:::::::::::::::ー―::::^|
ﾑ∨ .／:::::ヽ､::／:::::::::::::/
ﾑ∨ /::::::::::::::::/::::::::::::::::::f
.ﾑ∨ .／:::::::::::. ／::::::::::::::::::丿
` -' /::::::::::::::::/|::::::::::::::::::／
./:::::::::::::／ i::::::::::::::::｀ヽ
. / / .: .::::/ .::／.::／/::/ {::.:|:. .::::::::::::::::::ヽ
/ / / .: .:::/ .:／.::／ ,.:ﾞ::/=＝ﾍ::ﾄ､. /.::::::::::::::::::::::::::. 殺せエッ！！
/ / .:/ .: .:::/ .:.ｲ.::／ ／:,∠=＝=ｚミ､∨.:: .::::::::::::::::::::::.
, , ﾞ .::/ .:::!.::/ .:/ /://７.:／, , =ｧ､ }///. .:::/.:::::::::::::::: 宦官どもは皆殺しだっ！
／ ｲ .::/ .:::::|/l.::/｀X/iﾚ'／〃_辷ｚり＿_, //.: .::::/.:::::::::::::::::::!
| :ｲ .::/.::{,ｨ７弌ﾒ､/´ ｀￣￣￣￣´７/.: .::::/.:::::/.:/.::::::::}
|./ il .:/ .::::ﾄ､｣ｆ斗'′ //.: .::::::/.:::::/.:/.::::::::/ 我が忠勇なる兵どもよっ！
|:! 釗:i:{ ::i::| ヽ ＿＿__,｀ヽ, /ｲ.:::: .:::／.:::, くY:::::::::::,ﾞ 誠様に従っていた旧・何進兵よ！
|{ | :ﾘ ::{::| ､ニ, -‐─‐‐ｧ′ /.:::::／/.::／〉 l::::::::::::{
| ! :!ﾊ V / /.::／／／ _ノ.::::::::i::|
l 小 :! .:ヽ、 } .ノ /／／'" ﾉ｀7.:::::::::::i::::|::! よく聞くがいい！
_ﾉ | ﾄ. !.::::/ ＼ └-‐ ´ ´ /.:::::::::::::|:::{ﾘ 宦官どもは殺してもよい汚物どもだ！
ﾘ} {:::/ }:ﾄ､ ｀￣ . ´ /.:/::::::::!:::ﾄ､| ＿__ 殺せ殺せ！ 殺し尽くせ！！
ﾉ.: メ、 /.::i::.ヽ _ -‐ ´ /:,ｲ:::|:::::ﾄ､|≧-‐ ´ 卿らが望むままに殺せ、奪え、犯せ！
'⌒´ ノ イ::/ 二二二｀仁二二二/二|:::ハ＞ ´ ／
|ハ { } | _〈 〉- ､ -'‐ ´ ／ この袁ルルーシュが許す！！
, -‐- . } | | | {r┐!.｣⌒ ／ 宦官どもを最も殺した者には、
/ ｀ヽ、＿_, ＿ ｣ { } | └､{.__,ｨ , ´ １００金と良馬１０頭をくれてやる！！
. { ＞ 丁７´｀ く ノノ /ｰ' r‐' /
∩＿＿＿∩
| ノ＼ ／ヽ
/ ● ● | 報告しますクマ！
| ( _●_) ミ
彡､ |∪| ､｀＼
/ ＿＿ ヽノ /´> ) 宦官どもは危機を察知して、その多くが宮中から逃げ出したクマ！
(＿＿＿） / (_／ 宦官の服も脱いで、目立たないよう身形で逃げている模様ですクマ！！
| /
| ／＼ ＼ どうすればいいクマ！？
| / ) )
∪ （ ＼
＼＿)
.//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:ｌ.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.／.:.:.: /:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.: /.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｌ.:.:.:l.:.:ﾄ､
//{.:ｌ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.／.:.:.:.:.:./:.: /.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:/ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:ｌ.:.:ｌ ｝
./ |.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｌ.:.:.:../.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:／:.:/.: /.:.:.:.:.:.:/.:.:./!:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｌ.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.|:.:.ｌﾊ 馬鹿者ッ！！
ｌ.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｌ.:.:.:.':.:.:.:.:/.:.:.:.:／.:.:.:/.: /.:.:.:.:.:.:/.:.::/ }:∧.:.:.:.:.:.:.:.:.:l.:.:.:.:.:.:.:ﾘ.:.:.:ｌ:.:.ｌ ＼
|.:|.:.:ｌ:.:.:.ｌ :.:.:.ｌ.:.:.:{:.:.:.:/: :.／//.:.:/.:/.:.:.:.:.:〃.:.:/ ﾘ Ｖ､ .:.:.:.:.:.l.:.:.:.:.: /.:.:.:,'.:.:.{ 丶
ｌ/!: :|.:.:.:|.:.:.: |.:.:..l.:.:./＼{_.//:／!:/:.:.:.:.:.:/.::／ 〃 ノ"ﾍ.:.:.:..:l:.:.:.:.:/:.:.:./:.:.:ハ いいか、宦官のクソ雑巾どもは
./ |.:.:|.:.:.:|.:.:.:.:l.:.:.:l:./L∠=ミ 、 |.:.:.:.:.:.:/／ / 彡＞=ミ∨.:.ｌ.:.:.:/:.:.:.:ﾊ:.:/ ヽ 男根を失い、女化している！
/ V:.l.:.:.:ｌ.:.:.:.:∨:ｌ〃 〃＼＼|:.:.:.:.://{ /／〃 ヽ∨/:/.:.: /:l:∨
./ |.:.|.:.:.:l.:.:.:.:.:.', { ｨだﾊ`ヽ|.:.:.:.//八 // / ｨだハ /}.:./.:.: /:.:ｌ.:.| 連中には髭がない！！
|.:.ｌ.:.:.:∨.:.:..:∧＼,c弋Yソ |.:.:.// 〃'"ヽ.c弋Yソ ノ/ﾚ'.:.: / }:.:l :.!
|.:.ｌ.V.:.:.V:.:.:. 人 ;;￣￣ ´彡'|:.:/｀ヽ ^ / ｀ミ、｀￣￣'''//..:.:./ / ﾘﾚ′ 洛陽の街をうろつく連中を片っ端から
|.:.ｌ V.:.:.',:.:.ハ ;; ｌ/ l //:.:.:./ィ∨ 取り調べよ！
l.:.l い:.:Ｖ ハ.;; ＼ | /.:.:/イ.:./l:.|
ヾｌ ｀ヽ.:.:＼.:.＼ l /_彡ｌ.:.:.:/ |:.| 髭が生えていない者は、構わん！
V .:.:.＼.:ヽ , ‐ - 一 ､ /.:.:|.:./ .|:.| その場で斬り捨てろッ！！！
V.:.:.:.:.:l:.:.:.＼ / ￣￣ ヽ ／.:.:.:.|.:l ﾚ'
Vハ:.:| l.:./.:}＼ 〈廴＿＿ ＿_ノ〉 ／{ ヽ.:.:.:|.:{
} }.:.} {:.{:.:{ ＼ ニ二ニ ／ .ﾉ.:.)}､:.:lV 言い訳は聞くな、賄賂も受け取るな！！
ﾉ ノ ﾘｨ∧:.＼ ＼ ／ ／::／ >＼} もしこの命に違うことあれば、例え味方の
／:/ ＼::＼ ￣￣ .／::／ / ハ:::.＼ 将だとしても斬る！！
／.::::∧＼ ＼rヘ`＝＝＝彡ﾍく 〃 〉､:::::.＼
. ／..:::::::/ ｀､ ヽ､ / Y^⌒Y´ '.／ ／ !::::::::::. ＼
／...:::::::::::{ ヽ ＼ / i ! ∨ ／ .!:::::::::::::::::.｀ヽ、
.ｨ〔..::::::::::::::::八 ＼ / i ! ∨ }::::::::::::::::::::::::::..ヽ、
※注 （ 男根を失い……宦官はポコチンを失っているため、男性ホルモンが生成されない。
そのため、ポコチンを切除した時期にもよるが、髭が生えず、
声も女性のように甲高いものだったという ）
∩＿＿＿∩
| ﾉ ヽ
/ ● ● | 了解だクマー！！
| ( _●_) ミ
彡､ |∪| ､｀＼
/ ＿＿ ヽノ /´> )
(＿＿＿） / (_／
| /
| ／＼ ＼
| / ) )
∪ （ ＼
＼＿)
ルルーシュの怒りは収まらなかった。
自ら剣を振るい、宮中に残った宦官や、宦官に味方する官僚を、目についた端から斬り捨てて回った。
';'
';';,..
';;';';;,.,
''';;';';;'';;;,., ザッ
''';;';'';';''';;'';;;,., ザッ
;;''';;';'';';';;;'';;'';;;
;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;
vymyvwymyvymyvy ザッ
ザッ n_n,n_n、n_n,n_n、n_n,n_n、
∩＿∩＾−＾∩＿∩＾−＾∩＿∩＾−
ザッ ∩＿＿∩ ∩＿＿∩ ∩＿＿∩ ∩＿＿∩
∩＿ ∩＿＿∩ ∩＿＿∩ ＿∩ ∩＿ ザッ
∩＿＿＿∩ ∩＿＿＿∩ ∩＿＿＿∩ ∩＿＿＿∩
| ノ ヽ | ノ ヽ | ノ ヽノ ヽ
/ ● ● | / ● ● | ● ● | ● ● |
| ( _●_) ミ | ( _●_) ミ ( _●_) ミ ( _●_) ミ
彡､ |∪| ､｀ 彡､ |∪| ､｀＼ |∪| ､｀＼ |∪| ､｀＼
/ ＿＿ ヽノ / / ＿＿ ヽノ /´> ) ヽノ / ノ //ヽノ /´> )
(＿＿＿） / (＿＿＿） / (_／＿） / (_／ / (_／
ルルーシュ軍は宮中から溢れ出ると、洛陽城下街へ雲霞の如く広がって行った。
街角という街角に、城郭という城郭に、髭のない男性の死体が吊るし上げられていく。
むろん、宦官の縁者であれば男はその場で首を落とされ、女は餓えた兵に雑巾のようになるまで犯され、殺された。
そして、 「髭のない男は見つけ次第殺せ」 という命令によって、宦官ではない民までが数多く殺されたのである。
この日、たった一日、たったの一晩で積み上げられた屍の数、なんと２０００にも上る。
この大粛清の結果、ほとんどの宦官、および宦官側の官僚は宮中から抹殺されることになる。
―― しかして、ルルーシュとシュナイゼルが怒りに任せて宦官を殺しまわっている間、
何進謀殺に関して諸悪の根源たる蹇碩は、あろうことか皇帝を連れてすでに脱出していたのである。
【司隷、河南尹、洛陽より西方の林中】
:ヾゞ;;ゞ:;ヾ:ヾ;;>;ゞヾ;ゞゞノヾゞ:ヾヾ /;;ゞ:;ヾ:ヾ;;>;ゞ |ii;ゞ:;ヾ:ヾ;;>;ゞヾ;ゞヾ:ヾ
ﾉ;;ヾ ヾゞヾ;ゞゞノヾゞ:ヾヾ ヾゞ;| <;;/::ヾゞ;;ゞ:;ヾ:ヾ;;>;ゞ;;::iiゞゞ;;ゞゞ;;ゞヾ;;>;ゞヾ;ゞ
ゞヾ ;ゞゞ;ゞiilヾ;ゞゞﾞゞ;;:::iｉ| |;:ヾゞ "ヾゞヾ;ゞゞノヾゞ:ヾヾiii| <:;ヾ:ヾ;;>ヾ;ゞ'';ゞヾ;ゞ
|;:ilヾ ＼ |::;ii| ヾ;ゞゞ''ノヾ|;:i| ノヾゞ:ヾヾ::ヾ＼ |i;;:iii| /;;ゞ :;ヾ:, |i;ゞゞ
|;:i| ＼`'';:::ii| ヾ:ヾ;;>;ゞヾ| |;:i|／＾ '|i| |;:i| ＼｀";;::ii| ﾉ / :ヾ;;>ヾ;ゞ ;ゞヾゞ
|;:i| ﾞヽ,;:;;;l| /ﾞ;ゞゞ;ゞ:::ii| |;:i| |i| |;:i| ~|ii;;:ii"´／ |;;::iｉ| |i|／
|;:i| |:::;iii~ ﾉ ,,|;;::iｉ| |;:i| |i| |;:i| |i::;;iii|~ .|;;::iｉ| ''＼|i|
':;,`:ヽ|／,'|:;:;ii|:,:;*.,:;/.:::;.:":::"''''⌒ヾゞ γ''"""''""''"' |ii;;i;(''）''"''''"""''"""'''''"""''
"；*'.:.:;”:;ﾞ|:;;iii|`:;,':,*”:;:;.,:;.:；'.:.:;”:;ヾヾ)) (（,:ｿﾐ;.:';';';::;.:". |i;;;::;iii|`:;,':,:;.,:;.:;';',: ':::;.:".:;.:';
.:;”:`:;,' *”|:;:;ii|:,:;*.,:;/.:::;,':,*”:;:;.,:;.:；'.:ソ "''~`''"ﾞ"'''~ノ;;ii;:iilli;ゝ"''~`''"ﾞ"''~`''"ﾞ"''~ﾞ
"''~`''"ﾞ ノﾉｼillゝ"''~`''"ﾞ"''~`''"ﾞ"''~ "'''''''''''''''" ..,,､vji､iijww､ii..,
"'''''''''" '""'''""'"""
,..,.,.,.,、 ,..,.,.,.,、
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, ′ ヽ ｀ヽ ｀ヽ ｀ヽ ＼ └l ｎ | [][]「l └┐r┘
/ , '＾ ￣｀ヽ、 ヽ ', ', ', } U Ｕ くノ <ﾌＬKﾞ>
| ｉ : : : : : : : i | :l :l :l |
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. l. l : : : : : : l | :l :l. :l | 〈_〈 i、
l. ､: : : :: ﾉ l＿＿＿_:!＿＿＿:!.＿＿＿:!＿＿＿! ＿__ __ _ _､シ从ヾ、
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//:|=＝‐−- ＝＝=l〃,二ﾆヽ -------------------/／ ／/⌒ ￣「| |.|_ へ.＿_）
. .i ｌ ├‐−――−-- //､ |l//ゞ、 ＿＿＿＿＿_／二ヲ〈,＞ / ｲ{ ノ |,|（ Ｕ
.i ｌ`､|__ ＿ ＿＿_ i ｌ｀､｀!/／! i＿＿＿＿＿//ヾ､|ﾚ,ヽヽ´ニニニニニ０ニニﾆｺ /
.ｌi-‐ｦﾄ'､ｰ「| ￣ . i├--( ）-‐l | ｌ iｰ‐l|､- !| .| L__( )-‐l | :/ | | :/ } j{
. !ｖ |ｌヽ// | レ 'ｌ|＼ｼ/ ｖ'´_|ｌ ヽﾉ i !, ﾌ「iヾ.ﾝ,!i :/ ヒ｝ :/ 《_,/
) ) ゝ、i_l.シ .ヾ.' _ｌレ .ﾉ ゝ_i_!,シ ゝ '､!L_,ン
｀ｰ- ' ｀ー‐'
_,n＿ __,ｎ__◎
└l ｎ | [][]「l └┐r┘
U Ｕ くノ <ﾌＬKﾞ>
皇帝劉弁（字は言葉）と陳留王劉協（字は美羽）を連れ、
副都市・長安のある西方へと逃れていた。
| ／ ィ／ / / ∨ イ:| | ﾄ､ | ヽ ∨ ｜
∨. ／/ ' !l /´ !｜: ,ﾊ!| Ⅵ. V |￣￣￣¨ヽ
/乂 〃 |.ｌ |! | |ｲ::.ム仕≧!| ∨ | ＼ 妾たち……
, ィ´/¨７' i | |::|:ｌ !|:匕 //::/ｨ'チ无勹 | | ｜ ＼ ／ これからどうなるのじゃ？
／ .ｌ.,' ,'.| | ::! !::!从弍≧、/ レ' 弋::::::リ ﾘ .,' | |ﾊ ／
＼ .|ｌ ! | | ::::いﾚ/「::::└! `辷, ｲ / :: | |∧ i
＼| |ハ | ::::いﾄ､弋‐リ_ ノイ:::: | | Ⅳ |
Ⅳ Vハ! | ﾊ ＼ ''"´ ′ '´´ ｌ::::. | ﾄ､| ｌ＼ ｌ
ヽク ﾊ ヽ ＞- rヽ ﾉ:::. | い! ｀┘
／ ／ハ :::＞ ､ ┘ イ/:::. :| ヽヽ
／ _／:::::::::::＼ ::::.≧ー ‐「 Ⅳ7 ﾚ::::. ハ ＼＼
＿,, -iイ＞'"..::::::::::::::::::::::≧: ､ .:::::マ‐┤ |ﾉ＿!:::. /:: ﾊ:.. ヽ ＞ ､
.／ , イ ／ ..:::::::::::::::::／/ ＼ .:::} _| 「 ｀ く /￣｀ヽ:::::.. ＼:::::...＞ ､_
／ ／/ .:::::::::::::::::::::l￣￣￣|⌒ヽ', .::「J ） V::::::::... ＞､:::::::::..｀＞-
/ / / .:::::::::::::::::/￣＼ | い .:|∧ |ﾆ, -‐ｧ⌒):::::::::::::....:::＼::::::::::::::..
.. / / .::::::::::＞'￣｀＞_」―‐-､ い :| _＞――-､ｊ ! ﾚ´ / / 〉-┐:::::::::::::::＼:::::::::::
:/ / ..:::::::::└‐ '"´ノ | ＼ !厂 ＼| / ／ ｜ :::::::::::::::::::＼:::::::
::::::::::::::::::::::::／ /:::::::::／′ i|::|i::::::::::::::::::::::::::::|
:／:::::,: ＜, /:::::／:::/ |::|i::::::::::::::::::::::::::::|
::::::／ ‐-:／ .::/ __,,.. イ:|i::::::::::::::::::::::::::::|
rf笊荐荐㍊／／ :::/ ,_..二..___ ｉ|::|ｈ::::::::::/:::::/:::::; わ、私の方こそ知りたいですよ……！
|:|釗⌒℃.价:'′ }/ i爪存存㍊: }::::: / }::/:://
|.|｜ :::::::|::|{ ／ | ｉ{⌒℃ﾊ〉 }::::/ /:/ //
.....乂__ン :|{ ／ |:.乂__ﾝ|/ /::/ /:/ //
辷_____,:ﾉ 辷_____ﾉ /; ∨/ . /
/ｲ /〈 ./
: : : : . . ’ . : : : : :/ ｉ| / ,
＼: : : : : : : : : : i:| ′
＼ .:i:|i ,
/::i:|i:i ′
:、 ⊂ニ=====ﾆつ ／:::::i:|i:| ,
:::＼ ／:::::::::::i:|i:| ′
/＼＿＿_／ヽ
／'''''' '''''':::::::＼
. |（●）, ､（●）､.:| ＋ ご安心を、長安まで逃れることができれば、
| ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, u::| 大丈夫だと思いますよ、うん……
. | u ｀-=ﾆ=- ' .::::::| +
＼ ｀ﾆﾆ´ .u ::／ +
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ーーノﾞ -､
: | '; ＼_____ ノ.| ヽ i
| ＼/ﾞ（__)＼,| i |
＞ ヽ. ハ | |｜
不安に怯える美少……ｹﾞﾌﾝｹﾞﾌﾝ
皇族二人を乗せた馬車は進む。
蹇碩が励ましの言葉をかけるも、あの凄惨な光景を目にした男の吐き出す言葉は、
空虚で実のない言葉でしかなかった。
供回りは宮廷警備兵のわずか５０名余り。
対して、洛陽で暴れまわっている袁家の軍勢は数百名。
追いつかれれば、皇族の二人はともかく、蹇碩の生命はない。
| ヽヽ ┃＼
i 、、 | ヽヽ |＼ ┃ ＼
ﾄﾞ ド |ヽ |＼ | ┃
┌-‐‐‐‐､
| .＼
| ,,-ｰｰ-､ヽ:
＿| ／´ ｀ヽ、＿,,,,-―― 、
イ'"´イ￣ フ- ､ ＼ ｀7
／ ∧ ﾍ ヽ ＼辷 ヽ /
／ .| /// // ヾｲl ヽ | ヽ /ﾍ /
./ | // ﾊ ﾊ| ,' l l l ,' / |ヽ / ひぃッ……
,' ! ! ｲ |ﾊ-|ｰ!' ｨ､| ｲｨ} } }イ} .} ＼ /
.{ .', ﾍ l 我ｭ: : ｲ / メ､ｲ ｲ /,' | | ヽ な、なんじゃ、なんなのじゃ？！
ヽ .', ﾍ ', 処ﾘ: : : ´'´l我ｭ ィ/ / / | ___ゝ
.', ﾍ l ' !処ﾘイ // / | /
.', へヽ-ｯ',っ / / /ｲ ,' |__,ｨ'
／´ く二＼ _, イ 7 //､ | | ﾄ、
／ ﾄｊ｀'' | ｊ ｊ〉.／ ／ .ヽ| | ', ',ヽ、
イ ,イ ヽ} ,,-ｨ'´／ / }| | ﾍ ﾍﾍヽ、
遠くの方から、土を踏み鳴らす音が近づいてくる。
／｀ｰ──一'＼
,ｒ（●）(､_, )､（●）＼ 援軍ですよ！
. | '"トﾆニﾆ┤'｀ .:::|
|. | .:::| .::::| 洛陽を脱出する前に、私が救援の使者を放ったのです！
. | ヽ .::::ﾉ .::::::::|
＼ ｀ﾆﾆ´ ..::::::／ よかった、漢に尽くす忠臣がまだいたのです！
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ーーノﾞ -､
: | '; ＼_____ ノ.| ヽ i お喜びください、皇帝陛下、陳留王殿下！
| ＼/ﾞ（__)＼,| i |
＞ ヽ. ハ | |｜ 我らの勝利ですぞ！！
,.ィ_:.:´￣.:.:｀.:ヽ
／:.／.:.:.:.´.:.:.: z´.:.:.ヽ
＿／ :／:／／.:.:／.::ﾊ:i.:.:.:.ﾊ
,.．--‐ '´ / .:./.;.:.:／/.:／.:;／ ﾉﾍ.i.:.:.:.l
／ ノ .:.:ｲ :i 〈,rやｊ斗''' ／ヽ、j:l.:.:.| じゃ、じゃあ！
/ ／.:.:.:／ :.| .:i .:|《rﾟﾉ ／ ｨx、 刈.:/|
. i ／／:／ .:.／| :.ヽゞ｀ﾞ , ぴ》,ｲ/.:/:/
＼ /://:;ｨ :.:彡.: .:| : :.:|＼ ヮ __｀ﾞ彡::/.:/ ;ﾍ 助かったんですね、私たち！！
/: {.:ﾚ' .:／//:. .:小:.:.:.ヽ∧入／/.:/.:/.:/ ',
い} .:／;r//:.:.:/:.| 〔 ｀ヽ!ミ8彡 从!.:/.:ﾘ |
{:i {;' //|:.:./::.∧ ＼、＼b_| |:.:./.:.|′ |
. ﾘ:ﾉ ｊ/ :l:.:.ｉ:.:.|:.:.| λ＼《_ハヲ￣V j
. i:.:ﾊ:.:|:.:.:| ﾍ 〉~†〜ﾛ〜†~〉,,.、 /
リ ヾ从/__ ﾍ_〉_＿_＿_＿〉ﾞ^)ﾞ__。
ﾉ ﾊ ハ 八 ヽ ヽ乙ミく
｀⌒Y⌒'ｰy'⌒'f⌒~ﾞ, ﾚ⌒ﾟ
' ,:::::::::', ' ::::::::',
' ,::::::', ' ;::::',
' ;::::ｙ. ヽ_〉
ヽ_ﾉ
ｒこ「ｌ
. {_ﾉ ヽ
／￣￣ | ┌―‐- ､
_く | { _入＿
ｒ―＜ _＞‐'久 | ＞'´ ￣｀'‐､―- ､
| ／ .／ ∧ _＿レ’ '´／ / ヾ.､/ 助かったのじゃ！！
L, -‐ / .／ ∧´ / !: / | / /ゝ、_ .ハ Y＼
/ ′ / ∨ ! ｌ ｨ」_从! | .} | ｌ !. ヽ
,' ! / |. |: Ⅵ 仏!_/! !.}＼.ﾊ 助かったのじゃ、兄上！！
. { _ 」 / ＼!: ヽﾄ ､,,_, _ .从/ / ∧
レ'´ └廴＿＿＿ / |ｌ ﾊ ,､__ 丶-/´ /|//‐┘
｜ | ＼| ／i! | { 丿 ,' !./ .|┘
. ＼ /＿_,.. -ァ´‐ぅｲ_」^! |＞ 二. イ !ﾊ !、
/＼＿＿_／ヽ
／ '''''' '''''' ＼
|:::::: （●）, ､（●）| 私が出迎えに行って参りましょう
|:::: ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,..|
|:::: ｀-=ﾆ=-' |
＼ ｀ﾆﾆ´ ／ 忠臣には、それ相応のもてなしをせねばなりませんぞ
. __ _＿ ,.〈＼ ＿ ／
／: : ＜ : : : : : : ＼ ／ﾞｉ ﾞｉ、
, ' .: : : : : : : : : : :l: : : .∨',:::::ﾄ|ﾞｉ ＼_
. { : : : : : : : :ﾞｉ : : :」 : : ::', Y´ﾞｉ. |: : : : .＼
|: : : : : : : : :＼ : : :＼ : ',|::::::ｉ |: : : : ',: : ｀,
', : : : : : : : : : | : : : : : : :.',:::::ﾞｉ|: : : : . ',: : }
(,:／:／ニ｀ﾝ---r : : : : : ',::::| : : : : : ',: : ',
｀: ´ : : : :V ,r'二ヽ_: : : : :',:|: : : : : : ',_,rｰ'､
{∨ : : :└」_,r' 二 ヽ: : : : ',|.: ＞＜￣＼.: ＼
{: ∨ : : : : :」.ゝ-''ﾞ~￣￣￣￣: : : : ﾞｉ ム: : : ' ,
l: : ∨: : : .／: : : : : : : : : : : : : : : : ､／: : : : : : }
}: : : ＼ : : : : : : : : : : : : : : : ／゛￣: : : : : : : :,
蹇碩は馬車を止めさせ、外へと出た。
蹇碩の視界に飛び込んできたのは、
,rt､ ,-‐､ | ,rt､ ヾミ |二|
ハハ彡 /ト'ヾヽ l=j, (,、 i`i`彡0ｆト'ヾヽ ヽﾐ彡/ |二|
ゞゝ──ゝ ／､ ゝX 彡ゝoノ ハハ/ソ/⌒ゝ / ゝ 彡ゝoノ /| iヽ |二|
( ' Y''''ノ＼ 彡 ／､ ゝx彡ヾ > ）､__ノ彡ﾐ= | 、ノ 彡くﾐヽノﾐ= o,| ||ol. |二|
`‐'￣＼ ヽノ ( ' Y''ノ 彡く/彡' ＼ `‐' ヽ____/ゞ | ヽ へ /〈|`‐' |〉 |二|
''''''''"""""￣￣￣ 〉____,／ | `‐'ヽ ヽノ |/／ | | |川ﾘ ｰ' | ,;' ) / c|､____, |っ へ |二|
""""￣￣ ／＼|ﾘjilji 丶ゝヽ〉____,／ゝヽｰ' / | y ノヽ | / (ヽ | 川ﾘl | ,;' ). |二|
-‐ _,,. ．-‐ ヽｿゝゝ `''' 川ﾘ| `''' ,'ヽ 丿 ／＼// // ヾ| ヽ |ｰ| / / (ヽ ／ |二|
-‐ _,,. ．-‐ ,-‐'''" ゝ ノ-ー'7ゝ ゝ ゝ' ヽ ヽ ヽｿゝ/ // /ゝ ﾉ ゝﾉ ゞ ／ヾ, ヽ'
_,,. -=━━| -ー / 彡 ／ / ／ . .. ヽ 〉 ノｿヽ/ゝ . . /ゝ /ゝ /⌒､ヾ
-‐'''""-‐'''ヽヽヽ/ ／ .:-‐' / ／/ ／ . // ／ ゝ /ゝ ／／ ||()|（＼ヾ
,,,-‐'''"" _,..:-/／,..:-‐'"/／ /／_,..:'_,..:' /ゝ／ < < ／ / || |（丶|
-‐'''"",,,,, /ゝ /ゝ /／ _,..:' ／ ゝ` ／ / / ||()|（丶|
-‐'''""_,..:-‐'"_,..:-‐'" /ゝ ／ ／ ／ ／ // / // / ＼|（丶|
_,..:-‐'"_,..:-‐'"_,..:-‐'"_,..:-‐'"_,..:'' _,..:' ／ ／ ／／ ／ ／ / / / / ＼＼|
_,..:-‐'" _,..:'' _,..:' ／ / / ＼
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
,rt､ ,-‐､ | ,rt､ ヾミ |二|
ハハ彡 /ト'ヾヽ l=j, (,、 i`i`彡0ｆト'ヾヽ ヽﾐ彡/ |二|
ゞゝ──ゝ ／､ ゝX 彡ゝoノ ハハ/ソ/⌒ゝ / ゝ 彡ゝoノ /| iヽ |二|
( ' Y''''ノ＼ 彡 ／､ ゝx彡ヾ > ）､__ノ彡ﾐ= | 、ノ 彡くﾐヽノﾐ= o,| ||ol. |二|
`‐'￣＼ ヽノ ( ' Y''ノ 彡く/彡' ＼ `‐' ヽ____/ゞ | ヽ へ /〈|`‐' |〉 |二|
''''''''"""""￣￣￣ 〉____,／ | `‐'ヽ ヽノ |/／ | | |川ﾘ ｰ' | ,;' ) / c|､____, |っ へ |二|
""""￣￣ ／＼|ﾘjilji 丶ゝヽ〉____,／ゝヽｰ' / | y ノヽ | / (ヽ | 川ﾘl | ,;' ). |二|
-‐ _,,. ．-‐ ヽｿゝゝ `''' 川ﾘ| `''' ,'ヽ 丿 ／＼// // ヾ| ヽ |ｰ| / / (ヽ ／ |二|
-‐ _,,. ．-‐ ,-‐'''" ゝ ノ-ー'7ゝ ゝ ゝ' ヽ ヽ ヽｿゝ/ // /ゝ ﾉ ゝﾉ ゞ ／ヾ, ヽ'
_,,. -=━━| -ー / 彡 ／ / ／ . .. ヽ 〉 ノｿヽ/ゝ . . /ゝ /ゝ /⌒､ヾ
-‐'''""-‐'''ヽヽヽ/ ／ .:-‐' / ／/ ／ . // ／ ゝ /ゝ ／／ ||()|（＼ヾ
,,,-‐'''"" _,..:-/／,..:-‐'"/／ /／_,..:'_,..:' /ゝ／ < < ／ / || |（丶|
-‐'''"",,,,, /ゝ /ゝ /／ _,..:' ／ ゝ` ／ / / ||()|（丶|
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_,..:-‐'"_,..:-‐'"_,..:-‐'"_,..:-‐'"_,..:'' _,..:' ／ ／ ／／ ／ ／ / / / / ＼＼|
_,..:-‐'" _,..:'' _,..:' ／ / / ＼
―― 騎馬軍団、であった。
やがて、蹇碩の眼前で軍勢は制止した。
∧∧ ∧,..,. ∧∧
(ﾟ−ﾟ*) (ﾟ- ﾟ*) (ﾟ- ﾟ*) ∧∧ ∧∧
＜二ニ>´ﾟ,,ミ━━Ｏﾊﾊと i:i:i━━━ __ﾊﾊと i:i:i __ﾊﾊと i:i:i (ﾟ- ﾟ*) (ﾟ- ﾟ*)
('＿ﾟ ﾐヽ,,,ヽ〜 ('＿ﾟ ﾐヽ,,,ヽ〜 ('＿ﾟ ﾐヽ,,,ヽ〜 ( 人 ^ヽ ( 人 ^ヽ
ヽ "Ｕ´）ミ ヽ "Ｕ´）ミ ヽ "Ｕ´）ミ , | -|lニ) , | -|lニ)
<^||￣< <^||￣< <^||￣< <,_し｀ヽ,)_,,ヽ<,_し｀ヽ,)_,,ヽ
"ﾞ"~""""~"ﾞ"ﾞ"ﾞ~"ﾞ""ﾞ"ﾞ"~""""~"ﾞ"ﾞ"ﾞ~"ﾞ""ﾞ"ﾞ"~""""~"ﾞ"ﾞ"ﾞ~"ﾞ""ﾞ"ﾞ"~""""~"ﾞ"ﾞ"ﾞ~"ﾞ""ﾞ
軍中から、一人の男が進み出てくる。
男は西方の豪華絢爛な鎧に身を包み、堂々たる体格をした雄姿だった。
どうやら、その男が騎馬軍団のボスらしい、蹇碩はそう思った。
＿＿_
r ´二ニ フ__／ヽ
_ / '´,. 二ノ '''''' ＼
＿＿_.-‐'´ `-i/ γ_)⌒）, ､（⌒）| お疲れ様です
_,.＜￣￣ : : : : : : : : l r/´.. ,,ﾉ(､_,)ヽ､,,..|
＜ : : : : : : : : : : : : :l l__ノ : ｀-=ﾆ=-' | 皇帝陛下の窮地に現れてくださるとは……！
l,, : : : : : : : : : : : : : : :ﾉﾉ＼ ｀ﾆﾆ´ ／
l; : : : : : : : : :-─＜二二´ ＼. ＿＿ ／ 貴方こそ、真に漢の柱石たる人物だよ！
＼ : : : : :'´ : : : : : l : :l : ＼` - ‐ヽト､＿x- ﾍヽ、
＼ : : : : : : : : : : : l : : :＜ : : :∨∧::〈ヽ: :､>＞、
`‐,_ : : : : : : : :l : : : : :ヽ : : ∨ |:Λ | : :ヽ : : :ト-､ 貴方のお名前は？
`-, : : : : :l : : : : : : ＼ : :ヽ|:::::| l : : :/ : : : : : ,
＼ : :ノ: : : : : : : : : ＼ : .､:::|,| : / : : : :l.: : {
V: : : : : : : : : : : : : :ヽ: ',::ｌl: / : : : : :l : ∧
V: : : : : : : : : : : : : : :ヽ:V : : : : : : :l : :.∧
ﾟｰﾄ, |: /-'ﾟ
〔__」 , i::. /〔___〕 .ｵﾚ
＼ ＿ ＿ .／ ……この我に名を問うたか、雑種
＿___ｲ ＼ ／ ﾄ､＿__
＼ /( ,.,.,.,| ＼ ／ |.,.,.,.,.,∧ ／
V ﾍ :;:;:;:l ￣ .l:;:;:;:;:/ ∨
V ﾍ :;:;l.,.,.,.,.,.,. _＿__ .,.,.,..,l:;:;:;:/ ./
V ﾍ:;:;:;:;:;:;:／ _⌒_ ＼:;:;:;:_イ ./
V ﾍ￣￣i | | i￣ / ./
｝ ﾍ | | | | ./ ｛
/＼＿＿_／ヽ
／ ,,,,,,,ﾉiヽ,,,,,,:::i|li:＼ ざ、雑種？
. |（○）, ､（○）､ :| ＋
| ⌒,,ﾉ(､_, )ヽ⌒ u.:::|
. |.u (＾・＾> ｡.:::::::| + う、うん……
＼ ﾟ ⌒´ u .::::／ + だって、名前知らないと、
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､ お礼も言えないでしょ？
: | '; ＼_____ ノ.| ヽ i
| ＼/ﾞ（__)＼,| i |
＞ ヽ. ハ | |｜
ヽ ! 〈 ー○＿
○＿_ / / !
/ ∧ __ / {＿＿__| フ、フッ、フフフハハハハハハッ！！！
. /＿＿_/ . 丶__ --― ――＝＝ｱ'' ./ ｀￣￣
￣￣´ ` . ｀`ー――＝＝＝イ .′ ／ 聞いたか、ハクノォ……
＼ /＼ ｲ､ ／ こやつめ、我に礼を言いたいのだと、さ！
＼ / |＼ ／;' l ヽ、 ／
ヽ_／ i,.,.,.,.| ＼ ／::::;' |.,.,.,.,i＼_／ フフハハハハハハ！！
l} l::::::::| ヽ ／::::::::;' |::::::::l {!
ll l::::::::| ｀ ー―― ´:::::::::::::;' |::::::::l ll
ll |::::::::! ';:::::::::::::::::::::::::::::::;' |::::::::| ||
(＼ | | |:| : : | :ヽ 、¬ /:|: : :|:| 聞いたよ
. ＼ヽ.! l |:| : : |: : :.＞､ __´_, ｲ: :|: : :|:| ふふ、面白いこと言うじーちゃんだね
/＼＿＿_／ヽ
／'''''' '''''':::::::＼ えっと……
. |（●）, ､（●）､.:| ＋
| ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, u::| 僕、なんか笑われるようなこと、言ったかな？
. | u ｀-=ﾆ=- ' .::::::| +
＼ ｀ﾆﾆ´ .u ::／ +
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ーーノﾞ -､
: | '; ＼_____ ノ.| ヽ i
| ＼/ﾞ（__)＼,| i |
＞ ヽ. ハ | |｜
ヽ ! 〈 ー○＿__
○＿_ 、 ＿__,,, / / ! 言ったとも！
/ ∧ ヾニニニニ二二二二二7′ / {＿＿__|
. /＿＿_/ ∨ / / ｀￣￣ この我も戦場を駆けて長いが、
￣￣´ ` ∨ ＿＿＿___ / ′ ／ 己を殺す人間に、
＼ /＼ V´＿＿＿＿__｀V ｲ､ ／ 礼を言おうとする雑種など、
＼ / |＼ `ー―――一 ′ ／;' l ヽ、 ／ さすがに初めてだ！！
ヽ_／ i,.,.,.,.| ＼ こイ ／::::;' |.,.,.,.,i＼_／
l} l::::::::| ヽ ／::::::::;' |::::::::l {! フフフフハハハハハハハッ！！
ll l::::::::| ､＿＿ ´:::::::::::;' |::::::::l ll
ll |::::::::! ';:::::::::::::::::::::::::::::::;' |::::::::| ||
/＼＿＿_／ヽ
／'''''' '''''':::::::＼ えっ？
. |（○）, ､（○）､.:| ＋
| ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, .::::| 僕を、
. | ｀ﾄｪｪｪｲ ' .::::::| +
＼ ｀ﾆﾆ´ .:::::／ + ころ、す……？
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､
: | '; ＼_____ ノ.| ヽ i
| ＼/ﾞ（__)＼,| i |
＞ ヽ. ハ | |｜
援軍を率いる男が発した言葉を理解できずに、
茫然と蹇碩は言葉を繰り返した……
. ¨≧ ､ 〔__〕ﾊ l| /〔__〕 ,r ≦¨
＼ ヽ i} ′ ／
ﾍ _＿ｲ＼ 丶 ＿＿＿_,ノ /ヽ､、 ./ しかし、道化が同じ芸を繰り返せば、
∨ ﾍ:;:;:;:;|｀ ､ ｀ ﾆニﾆ ' ／ｌ;:;:;:ヽ∨ 客が飽きるは必定よ
∧ ﾍ:;:;:;l ＞､ , イ ｌ:;:;:;:;:/∨
∧ ﾍ:;:;:l ｀´ ｌ:;:;:;/ ∨ もう良い、疾く死ぬがよい、雑種
∧ ﾍ:;:;:;:;:;:;:;:;: ＿_ :;:;:;:;:;:;:;:;:/ ∨
＿＿＿＿／ ｀＼＿／_⌒_＼＿／´ ＼＿＿＿
―一 ´ l | | l ｀ ー−
..::: ::... ヾヽ ＼ヽ ､ ﾄ..､ i､ ,r'／ ,r'ッ ...::
..:: :::: ヾヽ ヽヽ ､}:.ヽ!:::::ヾ::Vi ,r',r' ,r'ッ ::::
､. .:: ::. ヾヽ ヽヽ..::::::::::::::::..... ､j .::::::::::::::::::: ﾚ, .....::::::::::::::::..,r',r' ,r'ッ .:: ::.
｀'' -.ﾍ ::. :: ヾ ..:::ヽヽ ::::::. ｀ﾐ :::::::::::::::::::: / ::: ,r',r':::.. ッ :: .::
｀ヽ､ ｀i :::. .:: ..:::::: ヽ~! ／ ____ ヾ:::::::::::::::::::ﾉ !~,r' ::::::.. ::. .:::
.｀ヽ､/ :::....... ....:::: i ＼ _,.ｨ ,:::::::::::ミ:.､::::::::::::::ﾘ ___ ／ i ::::.... .......:::
::: ::::::::::::: :::: ^¨i／.::::::::::::::::::::､:::::｀:..-..:ｲ{__ ,,..ｨ::::::ﾐｰ.､ | i¨^ :::: ::::::::::::: :::
..:::................. :::. i ::::::::::::::::::::::::::::ヾ:::::::::::::::!:::j:::::::::::::::::::.. ヽ .::: .................:::..
..::: ::::::::::.... :::. ', '::::::::::::::::::::::::::::::｀ミ:::::::::::::::::::／::::::::::::::::} .::: ....:::::::::: :::..
ヽ. ....:::: :::::.... ::::.. ヽ ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'/::.. ..:::: ....::::: ::::.... .,r'
｀ ヽ ､ ...::: ::::.. ::::::::..... }/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾐi .:::::::: ..:::: :::... ､ ,r' ´
. - ,,_ ｀ ヽ ､_ ,ｭ ,, ::::.. ゝｲ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾐi ..:::: ,, ｭ, _､ ,r' ´ _,, - .
｀'' - ､_ ｀ ''' ´ ﾍ_|| ::: ﾚへ ::::::{/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ノ ::: ||_ﾍ ｀ ''' ´ _､ - ''´
:: ｀''ヽ､ r-' i :::: ＼ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::j :::: i '-r ､,r'''´ ::
:: ＼ 7 ノ ::: ,ゝ ::::::::::::::::::::::::::::/` ｰ- ' ::: !､ 7 ／ ::
:: !/| | :: / .:::::::::::::::::::::::::::::::::{ :: | |ﾞｉ! ..::::
:::::::::::.........:: ヾ- ..:: / .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::', ::.. -ッ ..::::
::::.. ..:: / .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::', :::.. .......:::::
::::.. ..::: / .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::', :::.. :: :::
:::::....... ...::::::::: / .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
::: ::::::::::::::::::: / /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
─､ :: / /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}
─'. .:: / /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
男の号令一下、背後に控える弓騎馬隊が弓をつがえた。
―― そして、男が指を鳴らす。
矢は雨のように、宮廷警護兵と蹇碩めがけて降り注いだ。
＼ ギャアアアアッッ！！！！ .＼＼ ヒィィ
.＼ﾁｭｰﾝ ＼ ＼ ＼
＼ ＼ .＼ﾁｭｰﾝ ・ ∧_∧ .＼ﾁｭｰﾝ
・ .＼ﾁｭｰﾝ ＼∧＿∧ （・∀・； ＼＼ ∧ ∧
＼ ､,.λ∧ ｹﾞﾌ ・ ´Д｀；） i i’)) ＼ (；ﾟДﾟ)
ｸﾞﾎﾞｱ,,, ､,.,,,,.,,,） ノ・;;(#ﾞ;;0ﾞ),,, ∴､／ ／ ､ノ⌒;;,､,.､,. （､.,,,.,,.,,つつ
＜@;;, (ﾒ_;;｡#)@;;';;@）（@∴U(ﾞｐ;`;,)ξ;,と@;, (､0;'｡#)っ@）~ と´#;;ﾒつ#!i;-ﾞ)っ
"'`''"";""ﾞ'";;'""∵""''"""ﾞ'" ~;ﾞ`'ﾞﾞ;''∨"" "'`;"""∵∵`'
たった一度の号令で、騎馬兵たちは進軍し、敗残兵を次々と殺し尽くしていく。
蹇碩が我を取り戻したのは、
自分を除く、兵の全てが殺されてからのことであった。
/＼＿＿_／ヽ ヽ＿,
／ﾉヽ ヽ、 ヽ(_／
/ ⌒''ヽ,,,)ii(,,,ｒ'''''' :::ﾍ ) (
| ﾝ（◎）,ﾝ <､（◎）<::| ノ (｀ なんだっ、なんなんだ、貴様らァ！
| ｀⌒,,ﾉ(､_, )ヽ⌒´ ::l ´⌒＼
ヽ ヽ iｌ´ﾄｪｪｪｲ｀ｌi ｒ;/
＿__._,r､......ヽ !ｌ |i!i!i!ii!| ｌ! , ′ この御車におわすは皇帝陛下と知っての悪行かッ！！
／｀ヽ_j'､_ノ￣l!'´.ヽ､ ｀ﾆﾆ´-／
∧ ,ﾉ Yヽ l ヽ 7ヽ~ﾍヽ.､
/-'´｢ ヽ ヽｊ＿. l ﾄ､ /〃ﾊ | ヽ ｀ヾ ､_
r'´, イ ヽ､ ｀,__,ｨ､__)| l ヾヽ∧'〃ﾉﾞヽl ヽ ヽj｀ヽ
/ '´ ﾄ､ Yrイ ∧l ', ヽ Tﾍ', l _..ノ l j ',
,′ .}､二ィ } / l ヽ ', |､､ﾍ. | ＼ ／ }. ﾍ
i トz'_ノ,ｲ | ',. ', l､ヽﾍ | | j/ l
| ノ ＼¨7/ l ﾄ､ ヾ ､ヽ ',.l lｰ- ／/ |
ゝ─'-- -r-`' ｌ ',.ヽ ヽ ヽヽ! |￣ /j l
i ソ ムソ'′
､ ｀ _o/ _
,ﾍ ―‐‐ ､ ｛＿_｝／ ハクノよ、我は飽きた
i___＼ ／___／
__＿＿＿..ヽ-＜／／ ／ 教えてやれ、そこな雑種が誰の前に立ち、
／ _／::::::::ﾍ／／ ／ 誰の許しを得ずに口を開いているのかをな！
__..../ ＼ ／/ _..／ i
／ヽ ＼ У /ヽイ::/ .ｲ
＼ / ! / /:/ ／ /
. / ｌ/ /:/／ /
, . : ´ ￣￣ ｀: : : ､
／: : : : : : : : : : : : : : : : : .、 了解。
/: : : : : : : : : : : : : :.i: : !: : : : : .､
, : : /!: ｲ:./l: ﾊ: /l: :/: : :!: : : : : : :
l:／ ´ ' ´ ｀ "i: : : l: : !: : : : :! ここに居られますは、
|＿_ ＿＿_,. l: : : l: : ; : : : : l 涼州の大狼にして、草原の覇者！！
,γ⌒ヽ j￣´ ￣￣ .!: : : l: : !ヽ: : : l
/ } , "" ＿＿＿_ """l: : :l: : : l ).! : : l 最強にして懐深く、金銀財宝が大好き！
{ .━― { ! } ｌ: : :ｌ: : : l.ノ: : : l
ゝ .ﾉ 人 ヽ ノ !: : l: : : :!: ｉ : : :l だけど自分だけのものにせず、気前よく
｀ ー ´ /: : 7: . . _ ￣ .l: : {: : : .|: l : : :i 部下に振る舞うのはもっと好き！
/: : :/: ,.ィニ7ー７ニ7￣ヽ:ヽ: : :∨: : :.!
,. -＝-―- ､.!ー'￣ｧ-‐'" ヽ:}: : : ﾞ; : :.{
/ ／／‐'"´ }: : ﾉ: :} : : 、 敵兵は容赦なく皆殺し、
廴 ＿_,. ＜＿ _ イ:{: : ': :ノ : : : ヽ 味方の兵が負傷すれば、その膿を
/: : : ;' :/ ー--― ＜ ./: :.!: !: {､: : : : ヽ:.ヽ 口で吸って吐き出してやるほど味方にだけは
. /: : : / / Ｏ/ ヽ '" ./: : : ヽ: :}: ＼: : : :.}: :） とってもお優しいお方！
. ／: : ;./: / ./ ./: : : : :ﾉノ: : : :}: : :./:./
（: : : ( .l:/ ７ ０/ ┌ {: : :!: : : : : : : :/: : /: ;' さらには、漢の大将軍・何進殿の呼びかけに
ヽ: :ﾉ /;'／ ./ ! ヽ: :}: :}: ::!: : /: : :.{: : ヽ 義侠心を震わせられ、悪の根源たる宦官を
, :': :(, : :/ ハ ―- _V: /: :/: :ﾊ: : : : :､: : :） 皆殺しにする、 『ドキッ！ 豪族だらけの宦官
. 乂: : :ヽ' _..／! ＼ V: : {: :（: :.ヽ: : : '; :.' ブチ殺し大会ッ！？』 に出席予定にして、
. ー- '/￣ i l .i ー-- .＿＿_}: : :}: : ; : ﾉ）: :.／ すでに優勝を約束されているお方！！
{＿_.| | l ! | l .!: ノ乂:( {: :（
l ￣ ｀ ー - !＿＿.!＿_!＿}' ｀ ヽ:ﾉ その者の姓は董、名は卓！ 字はギルガメッシュ様！！
●李儒（字はハクノ）
ﾉ
／/ノ）／￣￣二=ｰ
Y ｲ / ′ ￣二ニｰ
j i ￣｀ヽ､、
Y ヽ {: ／ ,, ─‐‐-- ｀ヽ よい！ 実に良いぞ、ハクノ！！
! ､、V／"´ ｀彡 ､＼
. ∨ 〉 __＿ ミ｀ ｰ _＿＼
∨-- ､ ／,ｘｪｭ、 ミ 彡 もっと我を褒め称えよ！ しかる後に称賛せよ！！
',ィ近〉 く 込ﾘ Y⌒Ｖ:／
i ｰソ ムソ'′
､ ｀ __＿＿_ _o/ __ ……ただし、ウソはいかん、ウソは
,ﾍ ∨⌒ ノ ｛＿_｝／ 我は金銀財宝が好きなのではなく、この世の全てが
i___＼ ￣ ／___／ _ 我の物というだけのこと。くれてやるのは興が乗ればこそ！
__＿＿＿..ヽ-＜／／ ／
／ _／::::::::ﾍ／／ ／ 味方の兵が負傷した？ それがどうした！ この我のための
__..../ ＼ ／/ _..／ i 負傷よ、名誉であろうッ！？
／ヽ ＼ У /ヽイ::/ .ｲ
＼ / ! / /:/ ／ / ウム、宦官の誅罰に関しては、まったくその通りよな！
. / ｌ/ /:/／ / この通り、阿呆が自らノコノコと出てきおったのだから！
●董卓（字はギルガメッシュ）
/＼＿＿_／ヽ
／ﾉヽ ヽ、
/ ⌒''ヽ,,,)ii(,,,ｒ'''''' :::ﾍ ふっ、ふふ、ふざっ、ふざけるなよ逆賊めがッ！！
| ﾝ（○）,ﾝ <､（○）<::| |｀ヽ､
| ｀⌒,,ﾉ(､_, )ヽ⌒´ ::l |::::ヽl
. ヽ ヽ iｌ´ﾄｪｪｪｲ｀ｌi ｒ ;/ .|:::::ｉ | この僕を殺すだと！？ 宦官を皆殺しにするだとッ！？
／ヽ !ｌ |,ｒ-ｒ-| ｌ! /ヽ |:::::ｌ |
/ |^|ヽ､ ｀ﾆﾆ´一／|^|｀,ｒ-|:「￣
/ | .| | .| ,Ｕ(ﾆ ､)ヽ そんなことさせるわけないだろうが！！
/ | .| | .|人(_(ﾆ､ﾉﾉ
┌┴┐┌┴┐┌┴┐ -┼- ￣Ｔフ￣Ｔフ ＿＿ / /
_ノ _ノ _ノ ヽ／| ﾉ ﾉ 。。
_＿＿＿__
...:::／:::::/ハト､:::｀..､..
:::::,':::::::::::l:l::::::|:l::::::::::',:::::,
. ::::::l::ｉ::ｉ::::::l:|::::::|:l:::::::ｉ:::|:::::::,
. ;:::::::|::|::|::::::l:|::::::|:l:::::::|:::|:::::::| ギル様ッ、危ない！？
|:::::::|十|l-|从;;;;从ﾘ|十:|:::::::|
|:::::::| ｨ＝z z＝7|:::::::|
|:::::::| r ､::i:i:i:i:i:::r ､ﾞ |:::::::|
|:::::::| 弋・ﾉ 弋・:ﾉ |:::::::|
|::::从 从::::|
,'|:::::::::ヽ ⊂ ⊃ ｲ:|:::::::|､
. /::|::::::::::|:::≧ァ‐ ‐ 升::::l:::::::|::::.
/:::::|::::::::::|´≦三{ﾆ}三≧.｀|:::::::l::::::.
':::::::::､::::::::.､ }三ﾆl| :|lﾆ三{ l:::::::l:::::::::.､
(::::::::::/):::::::::) 〉//,l|¨|///〈 ,:::::::;'､:::::::::ヽ
7:::::/(:::::::::( ｀⌒´l :ト⌒´ ):::::::) ヽ:::::::〈
剣を抱えた蹇碩は、遮二無二に突っ込んだ。
蹇碩という男、身体壮健なるを持って、皇帝直属の軍隊たる西園軍を率いる、
西園八校尉の筆頭に選ばれたほどの男である。
並大抵の勇者では太刀打ちすることなど、叶わない。
されど――
.:.:.:.:.
ヽ、..... :.:.
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_} |.: :. :. .:.:.:.:.
≪ ========================() 二 :. :_＿ .: ..... :.:.
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ } |' .../)彡 ´ー-===ｧ ＿＿＿＿____.: :. :.
ｿ / l ／, ﾆ=-＜ ＼irrrrrrrrrrrr气】 :. :
Ν {/∠二ニ-=ミ ｀ヽ : ' .....' ;
VⅥ' __ ≦ ﾆ二__く_ ...........
. ／{ .:.:.:.:. '≧ ´tｪｧ ｀ヽ-=ﾆ ヲ
／≦/ .: ..... :.:. }I) ﾉ-／ 無礼者！！ この我に刃を向けるとは何事か！
, ===ミ___ヽ＿ヽ＿＿＿＿ :. :. 〈 , {__}∧ 我が死ね、と言ったのだ！！
.＜−‐‐ ,-┬──┬┴―― :. : ∧￣ イ -―≦====―‐ 、
｀￣￣ ｝ ＼ : ' .....' ; `ｰ＜ ／ ／ 疾く自害して果てるが礼儀であろう！
ノー――一 ゝ ....... /￣/__ .／ ／ -――- ヽ
. ｀￣￣￣￣ ／￣￣∨ ／ ./ ／ }
／ /.:/ / , /
/｀ . /.:/ _ -=={. /
.:.{ ＼ ./ /〃 | __ -=ﾆ二二〈 .:.:.:.:.
.: ..∨ '/米 ==＝＝ ＼ __ ﾆ ／￣￣丁 .: ..... :.:.
＜三三三三三)))ZZZZZZZ∨ | ＼ ヽ____＿／(:::) | .: :. :.
: ' ./二ﾆ∧ ＼ |::| ＜二三}}三三三三三:. :
／＿／} ＼ ヽ V:｀ｰ==__ | : ' ....' ;
厂{::::::::::/ヽ ＼ __ ―V:::::::::::::;:ｰ==′ ..........
八.├===! ＼ ＼ __ ==へ{=====┤ 〉
V:::／二/▽ﾊ￣/V￣￣￣￣ /::::::::::::::::∨ /
〈 ./ ./￣Vﾊ /V￣￣￣￣ /-―――ミV
∨ /￣￣',ﾊ∨￣￣,r―‐/━━━ ､ /
董卓自身もまた、涼州の原野で育った万夫不当の猛者である。
, '
〆
／/ _,,,....-::::,,..-;:'
ﾉ / _, -=''"""" ＝--、,、`,"+`ゞ,;:
/ i _,.-'^ " ￣＝.、".
,i |i -'^ ＼`,`,;⌒`;・",;+
,' |i > ﾐ`+,;:;"・ヽ｀ `
i| |i :" .＿＝＿＿ ヽゞ,:;*ヾ"`丶 ┼
i| .|i / 彡 . -ﾐ、 ﾐ `,;:"
| .i、 /〆" ＼ `i 丶
ゝ i、 丶 |i ＋ +
' i| ゝ ﾐ .ﾐ
.i| 丶 | |ｌ / +
.i| ＼ .i| |i ´
.i| 丶 . .i| |i ゞ
.i| 丶丶、、,, i| |i ´｀ ＋
i| ＼ゞ` j| ,/ ' ／
i|、 `＼ 、、, .i| ,/;:";:|;,/×
ゝ `丶`＼ゞ i| ,/";:`, ､ 丶
＼ ,. ﾐ＼丶 ` i| ,/`,;:ノ`,
`;丶＼丶 、`丶 .j| /;`,;:+
＼ 丶 / .／+``
＼ ./.／ ,'
／"`;丶
／ `,
'
／ ゞ
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.,,,,,, ,,..､ .,i､ {|
:| │ ! l,ﾞ.ｌ'" |l|w/＼
:l''''′ﾞ‐'''" ﾞ''ﾞ'j ＼{ｗ└´ ／
:!ｰｯ .r‐┐┌┘ ＼´ 彡x
:| │ .lﾞ ! > ∠─
‘'''"./ . ｌ il} }|
.／ / ＼{ └´ ／
.ヽ‐゛ ＼´ 彡x
> ∠─ .,i ＼
il} }| .＼ ./ ,r､
＼{ └´ ／ .｀゛ ,i" ./.
＼´ 彡x / . /
> ∠─ . ／ /
il} }| ｒ'" ／
＼{ └´ ／ ヽ‐´
＼´ 彡x
> ∠─
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＼{ └´ ／
＼´ 彡x
> ∠─
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／ ,,,,,,,ﾉiヽ,,,,,,:::i|li:＼
|（○）, ､（○）､ :| そん、な…………
| ⌒,,ﾉ(､_, )ヽ⌒ u.::|
|u {,｀ﾄ===ｲ ,} # ::::::| 死ぬ、の？
＼ ┃ヾﾆノ .::::/"''=- この、僕が？
／::ノ"''ﾌ:ﾉ|ﾞ x ''|ヽ!:::_,,,L,,ﾉ,,ﾉ_ノﾞ>i、 皇帝さえ、意のままの、この、ぼ、く……が…………？
たったの二合、斬り合っただけで、蹇碩は正面から切り裂かれた。
鉄錆の匂いのする鮮血が大気に散り、赤い花弁を散らす。
斬られた腹部から桃色の臓物を零し、
/＼＿＿_／ヽ
／'''''' '''''':::::::＼
. |（＿）, ､（＿）､.:| ＋
| ひ ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, .:::| しに、
. | ｀［王l王］'＃.::::::| +
＼ ┃ﾆﾆ｀ .:::::／ + た、
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､ く
: | '; ＼_____ ノ.| ヽ i な
| ＼/ﾞ（__)＼,| i | ぃ……………………
そして―― 絶命した。
蹇碩（字はダディ・クール）
没年、西暦１８９年、光熹元年の出来事であった。
ﾏ＝-｀ ｀ヽ ∧|ﾍ
V ｀ヽ ﾍ ∧ ﾞ.} } ／
乂ゝ､ ＼ﾍ|ヽ,､ .} / ﾚ
ﾏ ゝr^ヽ＞´ ヽ ヽ/ / くだらぬ幕引きであった
V { r ヽ y
/ :ヽY´ ゝ. ＼_｀ノ ハクノ、陛下と殿下を確保せよ
＿ / :::::::/ L _ 」 f´
r ≦¨ ≧｀`'' ､｀丶＼. ｀ヽ-‐｀,,,,_
_ 」_,,.．-一=-､., ｀ヽ｀ヽ＜;;;/､;;;r ´ ﾍ,,,_
/ ﾍ ､ ﾍ;;Vﾍ{ ヽ
/ ﾊ ｀ヽVVﾍ }
. { ﾊ ＼Vﾍ l
. .{ }＝=- ､ヽ/V l
V } _,,.;;;;;=ﾍ ﾉ
. -─-ミ,_＿_
／..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀丶、
. ／..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
/ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. は〜い
. {.: .:|:.:|.:.:|::l | :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
V从人人Ｎ .: l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
} 笄㍉,| .: |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ｌ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l
. _ノ ｿ | .: |⌒'. .:.:.:.:.: | .:.:.:.:.:.:.:.:.:|
{ | .: |）｝/.:.:.:.:. : | .:.:.:.:.:.:.:.: |
| .: |‐'".:.:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
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| .: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:..＼
,,ｘｧ| .: |〉 :.:.:.:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..＼
. ／///| .: |∧.:.:.:.:.:.:.:.:.‘, :.:.:.:.:.:. ＼.:.:.:.:
//////| .: |/∧ .:.:.:.:.:.:.:.‘， :.:.:.:.:.:.: ＼.:
命じられた李儒が、馬車の扉を開けば……
_____,
. ,..:::::::::::::::::::::::::...、
／:::::::::::::ｋx:::＼:::::::::.
. .:::::::://'＾i::|､ ‘，:::::::::::::. っ
′::/j:ﾚ.丿: ＼|:i:::|i::::::i| っ
|::::ｉ{!r恣 / 芯N:::|i::::::i| ひぃぃぃいいいいいいっ！！
. ‘，㏍Vﾝ Vﾝｃ/川:::ｉ|
. Ⅵ|i '' r‐ﾍ ''' ｱリ:::i|＼ 誰ですか、誰なんですかッ！！！
._ 公ｉ .└'＾’,.xく＼::::::‘， ＼＿＿＿／
⌒＼______ノ:::((-‐.｢仄_]ﾘ.......`､:::::::、
... {√〕...>..j」..}.ｉ|__..../....../}i.‘，::::＼
.... ＾¨´￣ |::i..........√〕/..ﾑ...‘，::::::::. ら、乱暴だけは、しないでください〜！
. |人... o.＾¨o.〈........ ‘，::::::}i
. |::::::Y...........___〉...___,ﾉ: ﾊ/
. ＼(｣i7:i:iｱ:i:i:i:i:i:i:i:i:{/′
/{xくi:厶iﾍJし'’
V//(///く
V/ ｢￣}jﾉ
V/|
. ＿__}/|＿＿ _
￣￣￣￣
猫に追い詰められた鼠のように、ただただ怯え竦むばかりの青年と、
／ｚ┴'ｆヾi ､_＿: :|
＿＿＿＿_ .ｲ‐ﾅ(_ヽo`'∠)└ ＞＜¨"' ー-､
ｒ‐ '´: :: :: :: :: :: :: :＞´ ｆ こフ ィ} ＿ ｀丶 、 ＼
ｌ: :: :: :: :: :＿: : :／ ｒ’ｨ＿ｚ-=Ｏ'‐'`' ＼ ＼ ＼
＼: : : : : :ー‐,ｲ ／ ¨｀‐ｲ「' 7､‐' .|＼ ＼ ｌ ｌ
ヽ: :: :: : : :ﾊl! >'´ !ﾄ､ヽ |_/ム ! | い. ! /
. ＼: : : :ﾊ .| | !.|: !|‐''''" !ﾄ斗; i. ﾄ､! !
|: : :ｲ .い.| | !:|! .|| U / !ｌﾑ, |｀| l|. ! ぶ、ぶぶぶ、無礼であろう！
レ´ | ＼ﾊ ヽ .!.|ヽ::|ヽ _, ﾁイ「!|/ | リ
／: :: :| .ヽ! ｌ,,斗七二三、 辷沙ｨ' / 〃 こ、ここ、ここは陳留王たる妾と、
/: :: :: :! ! iハ ＿イ5¨ 爿, u. 、ヽヽ} / この大漢帝国を統べる皇帝陛下が
. /: :: :: :｜| ::|::::ゝ .ぃ ヾ ヽシ´ ′ ﾉ ,´ おわす御車ぞ！ 知っての狼藉かっ！？
/: :: :: :: :.!｜ ｌ ﾋﾍ ＼｀ﾄ､ u. '´ ｲ: ,'
ｌ＿: :: : : :| :ｌ | ｀>廴＿＞‐-､、 ／ | i
￣￣!| :| .ｌ ＿/ ＼＝ェ!-イ| |＼ わ、わわわ、わかったなら、
. ｀7 ' ト┴､ ＿,,, ｨ┐レﾑﾚ品ヽ ! ＼‐ｧ と、とと、疾く去るのじゃ！
,' ,' ハ (´! ｜＞ｆ_/ノ´‐个‐今ﾄﾞ､｜ i＜!
, / ｌ| ヽ |｀`''- ! ｒ(|_＼`く |!ロ ＼ 乂|ﾄ} ＿ そ、そそそそ、そうすれば、い、いいい、
. / ../ .!|. ＼ 「¨7 ￣）ﾄ､ヽ-┘品 |＼ﾚ癶‐-ヽ 生命だけは、助けてやろうぞ！！
/ ../ X! ｀丶､ ! ＼ﾊ＼!ぅマ呂 ／｀´Y X‐ﾐ‐リ
. /. ／ ／∧ `丶､ ｀ﾌ ノ | / /＼匕＼ ＼
／´ .／ / | Y´ ＼辷‐|￣ ¨´ Tく ＼ ! |
／ .／ / ! |＿／ク¬ /ｲ ﾄ} }＼
怯えながらも、己を見失わず、毅然と侵入者を睨み返す子供の姿があった。
＿＿__
,..:::／/ハト､:｀::..､
,:::::/.:.;:':::|::::|:::::';::::::::.ヽ
./.:::;'::::;'::::l:|::::|:|:ｌｉ:';:::::::::::',
;':::;':;::l::||::::|:|::::|:|:||::||::l:::::::::; （ ふ〜ん…… ）
.;::::ｉ::ｉ::|::||::::|:|::::|:|:||::||::l:::l:l::::i
.ｉ::::|::|::|::||::::|:|::::|:|:||::||::|:::l:|:!::'
l|l:::l::|十|lミ从;;从ﾘｨﾘ十l::|:|:::;
ｌ||::::::|芹示 ｨfﾃ芹ｌ|:|:|::::!
;':l|l:::|:|:辷リ .辷リ,l|:|:|::::|
.,':/||::从 ､ 从lﾘｌ从
,::;':::!!:l::|:|＼ - - ｲｌ::::;'::|:::∧
/.;':::;':|:l::|:|::{|;＞:. __...＜__|:|::;'l:::l:::::::::;
././.::;':::ｌ:|::l:://.:.::／|_|＼:.:.ｉﾘ::ｉ:|:::|:::::::∧
.,.'::/.::::l:::;'::ｌ:::〉≦三ﾆ{/}三≧|:::|:|:::|__::::::∧
,:':／＞'¨i;'::;'::|:|..}三三l|/|lﾆ三l|:::|:|:::| ｀ ＜::ﾍ、
.,.'／/;ヘ |::;'::::|:l 〉///l|¨|///〈|:::|:|:::|l ';:::.＼
, '/.:〃:' ';:从:::::|:| ｀⌒¨´| :|｀⌒´ｌ:::|:|:::ﾘ :/ ;::::::ハ
一目見ればわかる。
皇帝は専用の冠を被り、
王は王で専用の冠を被っているのだから。
けれど、この馬車にいる中で最も皇帝に相応しい人物は、
ハクノには、幼い子供の方でるように思われた。
哀れなのは天子たる風格を持つ王ではなく、
天子たる風格を持たない皇帝の方だ。
いずれ重圧に耐えかね、精神が崩壊するだろう。
そうなれば最後、政治に関心を示さなくなり、
外戚率いる官僚や、蹇碩のような小賢しい宦官が宮中を牛耳るようになる。
それは、不幸だ。
皇帝にとっても、臣民にとっても。
/ .:/.:.:/.:.:.:.:./.:／ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ‘,.:.:.:.:.
/ .:/.:.:/.:.:.:.:./ / .:.:.:.:.:.:.:.:.:.| :.:.:.:.:.:.:|:.:.:|.:.:.:.:.:.
/ .:/.:. .′.: :/ / .:.:.:.:.:.:.:.:.:.: | :.:.:.:.:.:.:|:.:.:| :.:.:.:.:| ご安心ください、陛下、殿下
.′.′ :|.:￣/｢ｉ｢｀ :.:.:.:.:.:.:.://__.:.:.:.:.:/.:.:.:| :.:.:.:.:|
ｌ:.:.:|.:.:.:.:|:.: / :|八.:.:.:.:.:.:.:.:// : /:｀>< : / |.:.:.ｌ : | 私は并州牧・董ギルガメッシュ様の配下、
/|:.:.:|.:.:.:.:|ィf竿ミﾒ＼＼／厶イ／//∨.:/.:.:.:| : | 李儒にございます
/ :|:.:.:|.:.:.:.:| |しﾊ/} ,ｨf竿ミメ､/.:/ .:.:.:.| : |
/ .: |:.:.:|.:.:.:.:| .戈ヒｼ |しハ/,ﾊl/ .:.:.:.:.| : | 我ら、何進大将軍の命を受け、
/ .: /|:.:.:|.:.:.:.:| ;.;.;.;.;.;.;. 戈ヒシ /| :.:.:.:.:| : | 悪逆の限りを尽くす宦官を討つべく、
/ .: / :|:.:.:| :.:.: | ′ ;.;.;.;.;.;.;. /ﾉ|.:.:.:.:.:| : | 上洛して参りました
/ .: / .: | .: | :.:.: |:.. ､ /／| .:.:.: | : |
/ .: /.:.:.:.:| .:.:| :.:.: |:: ＼ ´ .／´..:/| :.:.:.:| : |
. / .: / .:.:. /.:.:.:.| :.:.: l___｣ ｀: . .,____,,. . . : ´ .:::: / :|.:.:.:.:| : | 陛下、殿下。どうか我が主と、
／/ .: / .:.:. / .:.: /| :.:.: |_,ノ : : : : : : : : / .::::::: ／..:.:| .:.:.:| : | 洛陽までの道すがら、ご歓談ください
／ :/ .: / .:.:. / .:.: //| :.:./|〉 : : : : : /.::::: ／ :.:.: /| :.:. | : | さすれば、我が主がどのような方か、
/.:.:.:/ .: / .:.:. / : ／V/.:.:/: |∧ ./|〉／..:.:.:.:／/|:.:.:.:| : | お分かりになるはずですよ
-‐……‐-
／::::::::::::::::::::::::::::::::::::....
/:::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::::::.
. /::::::::::::::::::／::::::::::::::::::::::::::::::.
′ ::::::::::::::|i::::::::::::::::／:::::|:::::::::.
. 、 :::::::::::::::/:::|ｉ::::::::::／ ｝::ハ:::::::. わ、私は嫌ですぅ……
/ ノ ． ．ヽ } ｝:::::::::::/::::::|ｉ:|: ::/ , // ‘:::::::|i
... { (_人_) / .::::::::::::/|:::::::::::ｈ/ _／ // { ；::::::ﾊ も、もう、放っておいてください……
/:::::::::::::::|:::::::|h| ___,, / ,__ ノ::::://
/ ::::::::::::::::|::::::｛ (厂 ^㌻:/)/
. _＿_ ／′::::::::::::::::|:::::::::､ .}|iﾞ お願いですから……
(_____/＿_／...:::::::::::::／. ￣ `、:::i＞ .､_,，イ::|i
. ／ ／:::::::::::／...................｝:::|..／^7>､.|:::|i:
.. __／ ／::::::::::::::,...ｉ|.........、........｝:::|; ﾆ}(/ ｉ|:::|i,
. ,:::::::::::::::::::/.....|.....................｝/＼／｝｀¨i|:::|i′
. ′:::::::::::::/...... |................＼}′....}.八／}!: |i ,
i{:::::::::::::::/...........ﾟ｡..................｝......../....{....:ﾘ:::|ｉ ′
i{::::::::::: /................〉............... ｝...../.......}..ｲﾊ/ :,
i{::::::::::/................/∧.................../....／....′ ′
i{::::::: ′.................//＼........／.イ(....／ :
. i{::::::::{.........................///77/../}/￣ ｄ
. i{::::::::}..........................................{ ′ ﾉ
. i{::::::::}........................]_)........]_)}
| ／ ィ／ / / ∨ イ:| | ﾄ､ | ヽ ∨ ｜
∨. ／/ ' !l /´ !｜: ,ﾊ!| Ⅵ. V |￣￣￣¨ヽ
/乂 〃 |.ｌ |! | U |ｲ::.ム仕≧!| ∨ | ＼
, ィ´/¨７' i | |::|:ｌ !|:匕 //::/ｨ'チ无勹 | | ｜ ＼ ／
／ .ｌ.,' ,'.| | ::! !::!从弍≧、/ レ' 弋::::::リ ﾘ .,' | |ﾊ ／ う、ううう、うむっ
＼ .|ｌ ! | | ::::いﾚ/「::::└! `辷, ｲ / :: | |∧ i
＼| |ハ | ::::いﾄ､弋‐リ_ u. ノイ:::: | | Ⅳ | そ、そそ、そうであったかっ！
Ⅳ Vハ! | ﾊ ＼ ''"´ ′ '´´ ｌ::::. | ﾄ､| ｌ＼ ｌ
ヽク ﾊ ヽ ＞-U rヽ ﾉ:::. | い! ｀┘
／ ／ハ :::＞ ､ ┘ イ/:::. :| ヽヽ な、ななっ、ならば、よいのじゃっ！
／ _／:::::::::::＼ ::::.≧ー ‐「 Ⅳ7 ﾚ::::. ハ ＼＼
＿,, -iイ＞'"..::::::::::::::::::::::≧: ､ .:::::マ‐┤ |ﾉ＿!:::. /:: ﾊ:.. ヽ ＞ ､
.／ , イ ／ ..:::::::::::::::::／/ ＼ .:::} _| 「 ｀ く /￣｀ヽ:::::.. ＼:::::...＞ ､_ で、ででは、ハ、ハクノとやら！
／ ／/ .:::::::::::::::::::::l￣￣￣|⌒ヽ', .::「J ） V::::::::... ＞､:::::::::..｀＞-
/ / / .:::::::::::::::::/￣＼ | い .:|∧ |ﾆ, -‐ｧ⌒):::::::::::::....:::＼::::::::::::::.. そなたのあ、主を、よ、呼んで参れ！
.. / / .::::::::::＞'￣｀＞_」―‐-､ い :| _＞――-､ｊ ! ﾚ´ / / 〉-┐:::::::::::::::＼:::::::::::
:/ / ..:::::::::└‐ '"´ノ | ＼ !厂 ＼| / ／ ｜ :::::::::::::::::::＼:::::::
.. -―- ..
／. : : : :／: : : : : .｀.､
/. : : : : :/: : : : : : : : : :.ヽ、
. /. : : : : : /: : /: : ,: : |: : : :!:'，
. /. : : : : : ' : : | : /.: : :{: : : :|: :i ありがとうございます
. /: : : : : :_| |: : { / {|_从! : : :}: :l
/. : : : : : { | |: :|!圦茅ﾃi.! .ｲ/: :}
. /. : : :; : : :Ⅵ:|: :{从代ﾘ' 乂/,ｲ.ﾘ ・ .・ ・ ・ .・
/. : : :,;: : : : : :} !: :| 〉 陳留王殿下
. /. : : : /: : : : / | |: :{ ､_ /
/. : : : /: : : : ,': :ﾉ |: :ト ｲ
. /. : : ／: : : ／／-､!: :| |:.｀:.¨:::{
.. /. : ／: : : ／ _｀ヽ､|: :| |_::::::::::|
. / :／: : : ／ -､ ＼ Ⅵ !∧::::::::!
. ／／: : : :.ｲ ＼ ＼| | ＼>_:|
ζ´: : : :／.::,ｲ ＿ 〉 .! !//Y/ﾊ
´: : : :／.::::::::} ＿＿/ 〈| |///}､/!
: : ／.:::::::::::::| ／ , / ｿ|¨´{/ﾊ ヽ
ハクノは、王・劉協にのみ礼を告げると、
馬車を降り、ギルガメッシュの元へと向かった。
／) _ イ＿＿_
／ 人彡 彡"´＿_
／ ／ ´ ￣≧、
ト､ i ,′ ｀≧
| ヽ | j / ／ __＿ ＝=ミ-
| Ⅴ ! ／ ￣ ／
! | (、 i / ,／ ＜´
V ﾄ､ ヽ {｛ 〃 ／⌒ヽ ｀ヽ ……で、どうであった？
_∧ ＞ー‐ミ一＼从_／イZ∠≦ ヾ==`
ヽ≧ __}} `'" 〈三=‐ ＼ _ 劉の雑種は、使えそうか？
. ∨ ≧ 丶、 ,ノ ゞ-＝= ノ
∨ ｼ ＼、 ／ ≧ 二彡´
∨- ヽ 戈ij ヾ ｀'＝=＝ /=テ
{ ｿ! ￣ 斥,}
ﾟｰﾄ、 | /ーﾟ
〔__〕ﾊ ｌ / 〔__〕
＼ 丶 ＿ ＿ ／ ／
. ＼ _＿ｲ＼ ／ﾄ､＿_ ／
＼ /(.,.,.,.,| ｀ヽ ´ .|.,.,.,.,∧ ／
V ﾍ:;:;:;ｌ ￣´ l:;:;:;/ ∨
V ﾍ:;:;:l.,.,.,.,.,.,.,＿_,.,.,.,.,.,l;:;:;/ /
V ﾍ;:;:;:;:;__／_⌒_＼:;:;:;:_ｲ ./
V ﾍ￣ i | | i￣ / ./
｝. ﾍ | | | | / ｛
＝＝＝=一 ﾍ .| Ⅴ | / ー=＝＝＝
,......-──‐-.....
,ｲ:./::::::::::::::::::::::::::::::::::.,
.:::,:::::l:::::::::::::::::::::::::',:::::::::::::, ……正直言って、皇帝の方はどうしようもないと思う
,::::|::ｉ::|::::i:i::::::i:i::::::ｉ::|:::::|::::::::,
i::::|::|::|::::l:l::::::l:l::::::|::|:::::|::::::::i どう見たって戦闘能力ゼロの私にビビリっぱなしだったし
|::::|十|-从;;;;从ﾘ十|:::::|::::::::|
|::::lヽ T::T:i:i:i::T::T :|:::::|::::::::|
|::::l::: └┘ └┘ l:::::|::::::::l でも、陳留王の方は使えそう
|::::l:人 ､─, |:::::|:::::::::,
!::::l::::::＞ __─＜:::l:::::!:::::::::) ある程度、しっかりした自我も持ってる。
,.:::::ﾊ:/ }ﾐ/r‐ﾞ､ﾆ;{ .(:::::(:::::::::ミ=‐､ 王としての立場、 「在り方」 を認識してると思う
(::::::(:/ 〈;/ 7、ヽ〉 ):::::):::::::::::::::::)
〉:::::〉 /￣/ ヽ￣｀〈::::〈:::::::::::::::::::｀ヽ
// ′ { ｌ| |l ! ノ |l
|l ﾍ 八 I 八 ,′ ／ {! フハ、フフハハハハハハッ！！
∨从 へﾍへ、 ﾍｌｌ/ ハ_/VX lﾚ} そうか、使えるか、使えそうか！！！
. ∨ 从 ＼ || ／ 刄 //
∨ k ＼ `" ／ 〈 //
∨/ ＿_＼､、 ∠＿__≦ /´ 良い、実に良いぞハクノよ！
|ｿ| ヽ ヽツ` イヽツノ´斥}/
＿_ ｰ} ｀￣ , ￣ }-' 雑種ばかりの中原など飽いていたところだが、
. ¨≧ ､ 〔__〕ﾊ l| /〔__〕 中々どうして中原も広い！！
＼ ヽ i} ′
ﾍ _＿ｲ＼ 丶 ＿＿＿_,ノ /ヽ､、 ./
∨ ﾍ:;:;:;:;|｀ ､ ｀ ﾆニﾆ ' ／ｌ;:;:;:ヽ∨ ではハクノ、軍の指揮は貴様に任せよう！
∧ ﾍ:;:;:;l ＞､ , イ ｌ:;:;:;:;:/∨
∧ ﾍ:;:;:l ｀´ ｌ:;:;:;/ ∨
∧ ﾍ:;:;:;:;:;:;:;:;: ＿_ :;:;:;:;:;:;:;:;:/ ∨ どれ、我は劉氏の出来を採点してやろうではないか！
＿＿＿＿／ ｀＼＿／_⌒_＼＿／´ ＼
―一 ´ l | | l ｀ ー−
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一方、その頃の洛陽。
袁家は混乱の最中にあった。
〃.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
.〃.:.:.:.:.:.:.′ .:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼ 皇帝陛下がいなくなったっ！？
_〃.:.:.:.:.:.:.′.:.:.:.:.:.:.:..:′ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ バカなッ、蹇碩までいないだと！？
―´/.:.:.:.:.:.:.:.,.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:′.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}
/.:/.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..′ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..′.:.:.:.:.:.:.:.:}.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾄ、 クソッ、抜かった！！
. /.:ｲ.:.:.:.／|.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:/７.:.: /.:.|.:.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:}.:.:../.:.:.:.:.:.}.:.:.:.:.′ゝ⌒:.、 誠様の死に、俺は我を忘れていた！
. |/}.:.:.:.:ﾍ |.:.:.:.:.:.:.:.′.:.:.:.:.:..′}:/7.:.:}.:.:.:.:.:.:.:../|.:.:.:.:.:./.:.:..′.:.:.:./.:{.:.:.′´: : _: : ＼＿＿＿＿＿
..j' .|.:.:.:.:.:.ﾏ|.:.:.:.:.:.:..|.:.:.:.:.:.:.:/=//､_}.:./.:.:./.:.:.:/ .}.:.:.:.:./.:.:.:/.:.:.:.:../.:.:|.:.:{.: : ／: : : : : : : : : : : : : : :
|.:.:.:.:.:.:}|.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:/-// ＞:/.:.:./ }.:./ , '.:.:／./}.:ｿ.:.:.:.:.:.′.:ﾊ:.:|／: : : : : : : : : : : : : : : : : :＿
|ﾊ.:.:.:.:..|.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:仆 '、u/:/}.:.:/ ｲ./'/.:.:ィ.:.:.//./_}.:.:.:.:/.:.:/ } .1: : : : : : : : : ＿ ― 二 ―
ヽ}.:小 .:',:ﾄ､:.:.:.|.:.:.:代芝ソ外z |.:ｲ/.:/ /.:∠}.:./´}ﾑ '.:.:.:.:.′/ /／ : : ― 二 ― ￣: : : : : : :
_ﾉ ハ ヽ{ :.:.{.:.:.{ ¨¨¨｀ U.|ﾊ.:./ /.:/ｫﾀ丞ｱ.:.:.′.:./.:.; ′´: ／／￣: : : : : : : : : : : : : : : :
ﾊ ハ u.|.:.:.:ﾄ:.:{ u }/彡ｲ ｀＾¨´.:.:.:/.:.:.:./.:/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :: : : : : :
ﾊヽ_ ヽﾍ ﾊvﾊ U ´ .{ U／}.:.:.:/.:.:.:./.:/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :: : : :
V T ‐‐ﾏ ﾄ ヾ rｪ､＿_ ‐_' イ: : /.:.:/.:.:.イ.:/ー――――――――――――
ﾊ / | vﾊヽ ー‐ '_ -‐´: : : : :/.:.:/.／/／ 探し出せっ！！ 草の根を分けてでもだっ！
. ﾊ / .| } vﾊ ｀ ｰ ´: : : : : : : :／ﾊ/／ ./´ 玉体を宦官が持てば、これまでと何も変わらん！
∨ 1 / ヾ./ ./: : : : : : : :／ _ノ 地上の雑草を狩っただけでは意味がない！！
/ | .′ //i /: : : : : : ／ 根を！ 根を抜き取らねば誠様の死が無駄となってしまう！
※注 （玉体……皇帝の身体、および身柄のこと）
_ ‐"´￣ ヽ／ ヽ
,. ,'"'´ ／￣ メ ｀ヽ ＼
／／ ／/ /| , -､ ヽ ルルーシュ
/ / ／ / ∧|/ヽ ヽ ヽ
/〃 / / /〃 |ヽ| ∧ハ ∧ ﾊ おそらく皇帝陛下と蹇碩は洛陽の外だろう
/ ,' / / / /〃/ | l 「｀ﾞ￣ｊ ハ ∧｀ }
,' '/ l l /〃/ |/l { ｊ ハ ∨}
| |l | | 〃/ｲ | | |八 _ ,,. 孑＜ｌ |l }ﾆ ‐ ､ 軽騎兵をまとめ、
Ⅵ /| ｌフ/干〒ミﾐ､ﾝ/イｧ元タｲ l| |l ﾘ::::｀ヽ､＼ 洛陽城外の捜索にあたるべきだ
∨l | ∨|ゼ芹ﾃ､ ! ｀￣ | //ﾚ′:::::::::::＼ヽ
／ノ| |ヽ＼＼ l ノｲ/::::::::::::::::::::::::ﾊ }
//::::::::＼ミ＼｀ヽ i ｶ{｛::::::::::::::::::::::::::/ﾘ
//::::::::::::::::｀Yfﾍ）ﾉ ' / ﾊ!::::::::::::::::::::::://
| ｌ::::::::::::::::::::::乂ﾊ＼ ‐=二. -＾´./ |ﾘ:::::::::::::::::::::::://
|〔::::::::::::::::::::::::::::｀', ｀ヽ. / _|r‐､::::::::::::::,.ｲノ,′
| l::::::::::::::::::::::::／ヌ,＿_ ヽ--‐'_r'"´ く:::::::::;.ｲ／:::|
| l::::::::::::::::::::_冫-/ r└‐ア´ /:|:. _二-┴／／::/|:::!
|l l:::::::::::::::::/ {. / /:.:／:/ :{:/／ / ,〈:::::::| |:::{
|::l l:::::::::::;/ V /: ´ / .:|′___ / /:::::::::::{ {:::;≧､__
,,|::::l l:::rイ人 /{ {: / :|￣ _ / /::∧:::::: ∨{ ､ _ ￣"''‐- ､､,,＿
,,..､､､ --─'''''"´ ]:::}}Ⅳ ハ / ｛:. / :|~￣ / /:::::Vﾍ:::::::::/丶 ､,,_｀ " '''' …‐ - ￣ ニ ﾆ＝ヽ
´_ ___,,,...､､ -‐''"´ |:::}}ﾍV ｛ '､ { .:|ｰ／/ /::::::::::Vﾍ:::/ ￣/"''''' …─ - - ---r┘
／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
, ':.:.:.:.:.:.:. :.:.:.:.: /.:.:.:./:.:.:.|:.l .:.:.:.:.:.| .:.:.: .:.:.:.: .:.:.:,
}:.:.:. l.:.:|: :.:.:. :./.: .:./:.:.: .l|:.|:. :.:. :.:.:l :. |:.:.| .:.: .:. :.:| わかっている……
|. i:. |:.:.l: :.:. :./. :./.:. ./ l:.l:.:. : .:. :| :.:l :.:l: .:. .:.ﾄ:.:l
l. |:. |:.:.|. .:./l :./ :/ / ',ヽ:.: .:. l :.,'.:.,':.:. :.:.l |:l 行先もおおよその見当が付く
|. l: .l:.:.|:. :.,' .| :./ /:./ ヽヽ.:.:.,':.:/:./7､.:.:l:.| l:|
l.:.|:.:.|:.:.|:.:.ト､|:.,':././∠=-‐'弋´∨.:/:.,':./} }:.:|.| ヽ､ 副首都の長安か、もしくは第三の都市・宛
,:.:ﾄ.:.l.:.:.l:.:|㍉l:.:/:/〃彡z辷テﾐﾌ./:./:./）/.l:.|l|
/´|:l:.:|:.:.l:.:.,ゞ'}:/:ｲ ｀￣￣７/:/./_ノl:.:.l|:l だが距離から言っても、城内の兵数を考えても
',{ヽヽ:ヽ∧' / | ///:/ l:.:.l:|ｿ |i 行先は長安だろう
ヽ＼＼ヽﾘ＼ヽ､ _ /´/ r‐ﾌ)
ヾ __.＞-‐､ﾆ‐ ∠／／／{
／ ＜ヽ ＼イ-‐r／.／ ／ ヽ
/ ＼ ＼´／ﾌ ,'. ／ .／／／>､
/ ＼ ＼ﾉ- ' |彡／／／／: : ｀‐--- ､＿
, -‐ー: : :/ ＼ ヽﾉ彡 |／／／／: : : : : : : : : : : : : :￣
: : : : : : : / ＼ﾉ（:::） l| l／／／: : : : : : : : : : : : : : : : : :
／ ／ ／ ／ / ムV/} ヽヽ ヽ. ヽ
/ ／ / / {斗‐宀ｲ i ', ', ', '.
{/ / / / / / } } | i i i i だろうね
ｉ / ／, / / /jノ ＿｣ } l l } }i
{／ / / / /-‐. ﾆ ＝ ､} ,′ } } ｉ | {l 私のところから兵を２００出そう
/ , / ′/l/‐ ´_｣.斗込}｣ , / / ,ハ ｌ | |{
i // /ﾄfﾑ { ´ -‐┴ ¬ / / / /⌒ } ! ! !}
{/ ﾊ 小ｌ ﾄ7 ノ /／ ノ ム / } { l 〉 ルルーシュ、君のところからも
{ l iﾄl V ｰ=彡'"´ｧ‐‐ｲ／ ,ｲ ﾊ } //
｀l {､ V j｀ﾄ ｀ ノ⌒´ ￣´ ｆﾞ７ｲﾚi/ ﾄｲi//-‐ ──‐ ‐‐- ､
＼ﾄﾒ/ﾚﾊ ｰrー__､__ / , l l | {,｣/｣-‐ ¬ 二 -‐ ァ′
ｰ=彡ハ ー‐一 ノ / ｣/｣斗 二 -‐ ,二 /７ ′
} ∠/.斗 -‐ ´ / / / //
l､＿＿ -‐ 二 ﾆ ´,ﾆ / / / / ′
, .二 -─ｧ｣斗‐ ´ .|｜ ./ / / 〃
. ／／ . -‐ｧ´／ .|｜ / / / 〃
／／ ／ ／／ﾍ |｜ ,' ′ / 〃
/ /. ィ´ ／／ vﾊ |｜ l { / 〃
／／ , ' , ' vﾊ L｣ L/ { ,/′
.:/ / / vﾊ 厂￣￣￣￣￣ ｀ 'ｰ- ､_
こうして袁氏二人は速度重視の軽装騎兵をまとめ、
洛陽西門へと向かった。
しかし、結果として彼らは洛陽を出ることはなかった。
城門で従兄弟が目にしたものは……
｜
┌┴┐
, ￣￣ﾆ‐- ＿ ,l＿＿!、 _ -‐ﾆ￣￣ ､
i | ｌ.二二二二二二l 、＿＿＿_---ｌ ----.l---＿＿＿＿,. !二二二二二二.| | i
ｒ ! ! ｌ == == == .! ! .lｌ :::| ｌ! .| ￣￣.|. ｌ! | ll ::l .|. == == == | | | ､
＿ ＞ '"!..| | ｌ | l lｌ :::| | :::::::::: | | ll ::l .| .| | | .!"'＜. __
".i | i l .| | ｌ | l lｌ :::| | :::::::::: | | ll ::l .| = | | | .! l .| ト
l | l l .| | l. ≡≡| ｌ :::| |ｌ￣￣ｌ| | ::l .| .| | | .! l .| l
l | l l .| | l. ＿ | ｌ :::| |ｌ l| | ::l .| = | | | .! l .| l
l | l l .､-‐ ､ l. ￣ | ｌ :::| ll .l| | ::l .| .| ,.' ,.' .l .l .| l
l | l ｌ i l ! == | ｌ :::| l! .l. | ::l .| = | i ‐-.ｉ l .l .| l
l | l ＿＿＿_l ll l＿!_ | ｌ :::| ｌ ! | ::l .| .| | ll l _,,,.. -‐―＝
l | l .l ￣l￣￣|`i == == .| ｌ :::| l .! | ::l .| = = = = l ヽ￣ヽ!;;;;;;;;;;;;!:::::::::
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＿＿＿＿ ｒﾆ=‐ ￣￣ -＝ / '., ＿ =ニﾆ ,.-------―――‐
二ニ-‐'" -= / '., ｀―｀＿_ -= ￣ ―-=ニニニニ
￣ / ,―― ＝‐ ￣￣
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/ , ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
/ ,
●洛陽西門
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,rt､ ,-‐､ | ,rt､ ヾミ |二|
ハハ彡 /ト'ヾヽ l=j, (,、 i`i`彡0ｆト'ヾヽ ヽﾐ彡/ |二|
ゞゝ──ゝ ／､ ゝX 彡ゝoノ ハハ/ソ/⌒ゝ / ゝ 彡ゝoノ /| iヽ |二|
( ' Y''''ノ＼ 彡 ／､ ゝx彡ヾ > ）､__ノ彡ﾐ= | 、ノ 彡くﾐヽノﾐ= o,| ||ol. |二|
`‐'￣＼ ヽノ ( ' Y''ノ 彡く/彡' ＼ `‐' ヽ____/ゞ | ヽ へ /〈|`‐' |〉 |二|
''''''''"""""￣￣￣ 〉____,／ | `‐'ヽ ヽノ |/／ | | |川ﾘ ｰ' | ,;' ) / c|､____, |っ へ |二|
""""￣￣ ／＼|ﾘjilji 丶ゝヽ〉____,／ゝヽｰ' / | y ノヽ | / (ヽ | 川ﾘl | ,;' ). |二|
-‐ _,,. ．-‐ ヽｿゝゝ `''' 川ﾘ| `''' ,'ヽ 丿 ／＼// // ヾ| ヽ |ｰ| / / (ヽ ／ |二|
-‐ _,,. ．-‐ ,-‐'''" ゝ ノ-ー'7ゝ ゝ ゝ' ヽ ヽ ヽｿゝ/ // /ゝ ﾉ ゝﾉ ゞ ／ヾ, ヽ'
_,,. -=━━| -ー / 彡 ／ / ／ . .. ヽ 〉 ノｿヽ/ゝ . . /ゝ /ゝ /⌒､ヾ
-‐'''""-‐'''ヽヽヽ/ ／ .:-‐' / ／/ ／ . // ／ ゝ /ゝ ／／ ||()|（＼ヾ
,,,-‐'''"" _,..:-/／,..:-‐'"/／ /／_,..:'_,..:' /ゝ／ < < ／ / || |（丶|
-‐'''"",,,,, /ゝ /ゝ /／ _,..:' ／ ゝ` ／ / / ||()|（丶|
-‐'''""_,..:-‐'"_,..:-‐'" /ゝ ／ ／ ／ ／ // / // / ＼|（丶|
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_,..:-‐'" _,..:'' _,..:' ／ / / ＼
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ドドドドドドドドドドドド！！. |風| ＿_ |風|
|林| ＿_ . |風| |林|
|火| |風| |林| |火|
|山| |鈴| |火| |山|
＿∧ ∧(oﾉﾍ|￣ .|火| |山|(oﾉﾍ|￣
（＿・ |/(ﾟ∀ﾟ ）|＼. |山| .＿∧ ∧(oﾉﾍ|/(∀ﾟ ） |＼
＿∧ .∧(oﾉﾍ |＼Ю__∧ ∧(oﾉﾍ |￣ （＿・ |/(ﾟ∀ﾟ ）|＼ ⊂)_ |√ヽ
（＿・ |/(ﾟ∀ﾟ ）＼ （ （＿・ |/(ﾟ∀ﾟ ）|＼ |＼Ю ⊂)_|√ヽ~∪ ）^)ﾉ (´⌒(´⌒;;
|＼Ю ⊂)_ √ヽ| || |＼ Ю ⊂)|√ヽ （ ￣ ~∪ ）^)ﾉ( | （ |(´⌒(´⌒;;
（ ￣ ~∪ ）^)ﾉ '~ ~ （ ￣ ~∪ ）^)ﾉ .|| || ~( | (´⌒(´⌒'~ (´´
||｀ || ( | （ |(´⌒(´ ||｀ || ( | （ | (´⌒(´⌒;; (´⌒ '~ (´⌒(´⌒;;
'~ ~(´⌒(´⌒;; (´⌒(´⌒ (´⌒(´⌒ (´⌒(´⌒;;
(´⌒(´⌒;;
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∧,,∧（・ω・´） ∧,,∧（・ω・´） ∧,,∧（・ω・´）
ε=━┓Ｏニ)< > ε=━┓Ｏニ)< > ε=━┓Ｏニ)< >
/ ノ lﾐl_, (ヾゝ ./ ノ lﾐl_, (ヾゝ ./ ノ lﾐl_, (ヾゝ
(o_o,ｲ ヽ´|(__) ﾉ~⌒）(o_o,ｲ ヽ´|(__) ﾉ~⌒.(o_o,ｲ ヽ´|(__) ﾉ~⌒）彡
ﾉ ヽ| |￣ノl ﾉ ﾉ ヽ| |￣ノl ﾉ ﾉ ヽ| |￣ノl ﾉ
/ /~ヽ ﾉ'''''''~ヽヽ＼ヽ_ ./ /~ヽ ﾉ'''''''~ヽヽ＼ヽ_ / /~ヽ ﾉ'''''''~ヽヽ＼ヽ_
ヽニﾌ|_| (_/ ヽﾉ ヽニﾌ|_| (_/ ヽﾉヽニﾌ|_| (_/ ヽﾉ
(_ヽ (_ヽ (_ヽ
∧∧ ∧,..,. ∧∧
(ﾟ−ﾟ*) (ﾟ- ﾟ*) (ﾟ- ﾟ*) ∧∧ ∧∧
＜二ニ>´ﾟ,,ミ━━Ｏﾊﾊと i:i:i━━━ __ﾊﾊと i:i:i __ﾊﾊと i:i:i (ﾟ- ﾟ*) (ﾟ- ﾟ*)
('＿ﾟ ﾐヽ,,,ヽ〜 ('＿ﾟ ﾐヽ,,,ヽ〜 ('＿ﾟ ﾐヽ,,,ヽ〜 ( 人 ^ヽ ( 人 ^ヽ
ヽ "Ｕ´）ミ ヽ "Ｕ´）ミ ヽ "Ｕ´）ミ , | -|lニ) , | -|lニ)
<^||￣< <^||￣< <^||￣< <,_し｀ヽ,)_,,ヽ<,_し｀ヽ,)_,,ヽ
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―― それは、末端の兵士に至るまで全軍が騎乗した、異様な軍隊であった。
軍が何かを守るようにして、洛陽へと進軍してきていた。
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, ′ ヽ ｀ヽ ｀ヽ ｀ヽ ＼ └l ｎ | [][]「l └┐r┘
/ , '＾ ￣｀ヽ、 ヽ ', ', ', } U Ｕ くノ <ﾌＬKﾞ>
| ｉ : : : : : : : i | :l :l :l |
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. | l : : : : : : :.! .| :l :l :l |
. | l : : : : : : :l | :l :l :l |
| l : : : : : : l .| :l :l :l |
. l. l : : : : : : l | :l :l. :l | 〈_〈 i、
l. ､: : : :: ﾉ l＿＿＿_:!＿＿＿:!.＿＿＿:!＿＿＿! ＿__ __ _ _､シ从ヾ、
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//:|=＝‐−- ＝＝=l〃,二ﾆヽ -------------------/／ ／/⌒ ￣「| |.|_ へ.＿_）
. .i ｌ ├‐−――−-- //､ |l//ゞ、 ＿＿＿＿＿_／二ヲ〈,＞ / ｲ{ ノ |,|（ Ｕ
.i ｌ`､|__ ＿ ＿＿_ i ｌ｀､｀!/／! i＿＿＿＿＿//ヾ､|ﾚ,ヽヽ´ニニニニニ０ニニﾆｺ /
.ｌi-‐ｦﾄ'､ｰ「| ￣ . i├--( ）-‐l | ｌ iｰ‐l|､- !| .| L__( )-‐l | :/ | | :/ } j{
. !ｖ |ｌヽ// | レ 'ｌ|＼ｼ/ ｖ'´_|ｌ ヽﾉ i !, ﾌ「iヾ.ﾝ,!i :/ ヒ｝ :/ 《_,/
) ) ゝ、i_l.シ .ヾ.' _ｌレ .ﾉ ゝ_i_!,シ ゝ '､!L_,ン
｀ｰ- ' ｀ー‐'
_,n＿ __,ｎ__◎
└l ｎ | [][]「l └┐r┘
U Ｕ くノ <ﾌＬKﾞ>
彼らが守護しているのは―― 馬車、であった。
（２２５）
,'.:.:.:./ .:.!:.:.:.:.:./:.:./',.:.:.:.:.:.:.:.:.＼ ｀──--
/: .:./ .:.l:.:.:.:./:.:./ ヽ＼.:.:.＼:.:.＼ ∧￣｀──----､＿
/. /:. l :.|:.:.:./l:.:.,' ／ヽ:.＼.:.:.ヽ:.:.|ヽ ∧: : : : : : : : : : : : ｀──
| /. :./l.:. | :.|:.:/ |:,'／ .／ヽヽ:＼.:.|:.:.|:.:.', ∧: : : : : : : : : : : : : : : :
|l /:. :/:.:|:.:.| :.|:.{ 〃|l ／fi /＼', ヽ|:./:.:./ヽ ∧: : : : : : : : : : : : : : : : アレは……！
| {/.:.／|:.:.l:.:.| :.|:.|ヽ,/i!ノ {ﾉ| / ヽ､:./:.:.:/.:.:.ヽ ∧: : : : : : : : : : : : : : : :
|/／ l:.:.ｲ:.:l :.:l:.|.:..|彡 iﾉ/ /:.:./.:.:.:./:ヽ ∧: : : : : : : : : : : : : : : :
/´∧ |.:.,'|:.:.|.:.:.|:.l:./ ／ /:.:./.:.:.:./:.:/ ヽ ∧: : : : : : : : : : : : : : あの御車は……！
/ ＼ ∧ |:.l |:.:lヽ:.ヽ'､ ´ U /:.イ:.:.:.:/.／ ＼ ＼: : : : : : : : : : : :
ヽ. ｀|:| ',:.| ／ヽ､ /／/:.:／´ | ＼ ＼: : : : : : : : : : まさか、まさか……！！
＼|:l l:| ＼ ､u. __＿__. /´ ./／ } / /: : : : : : : : : :
|!､`ヽ､ ヽ_ _∠二ﾆ／ヽ /´ ｲ／/ /: : : : : : : : : :
｀ ＼ ＼ ﾉ｀ヽ＼ ／¨´ヽ ／ ／: :/ /: : : : : : : : : :
＼＼/:.:/ ヽヽ/ / /,' ／ ／:./:./ /: : : : : : : : : : : :
｀/／ |/｝ iニニｲ , ' ´ /:.／:./ /::.::.::.::.::.::.::.: : : : :
/´＼',ﾉ ＾ヽ¨￣ ／/＼_. ／／:.／ ／::.::.::.::.::.::.: : : : :
＼ ',_ ／ ／/:.／／:.:.／ ／::.::.::.::.::.: : : : :
＼ ／ < ／ ／ ／::.::.::.::.::.: : : : :
/ / }￣/ ヽ｛-／ ／:.::.: : : : : : : :
/ / i| / / ／ ／: : : : : : : : :
／ ／ / ｀V ＼
, , ／ ／i ,fV ﾊ ヽ. ヽ
,′／ / / l {ﾊ/ ', , ', どうやら……
/ / / / // } f`'ﾍ } ', }
{ i / / // ,' /八{ l！ i ,'、 してやられたみたいだね……
｣ !i′ // /i/}ムｲ/ ＿＿_j/! }/ﾐ､ヽ､
／ 乂j { i ﾘ云ミく` 'ーｧ云ミｖ , /{ ヽﾍ、
／ 仆､ Ⅳ`^~｀ ´~＾ア / / ,′ vﾊ
{{ 从 ヽ {__, U { 彡'/イ / } }
vﾍ ﾍ､ iﾄ､ ′ {//／ /〃
ヽﾍ. ﾉi iﾄ､ -‐一‐- ,ｲ { /,ｲ
lヽﾍ、 rﾍｊﾄ､＼ ´￣u ／ノｲﾊ. //！
l vﾊ r‐┤ ヽ、_ヽ.＿_∠ __／ ﾄ､ // l
ﾉ ∧ }ｊ '、 ／ / ', ', ﾉ V'/ ｢i {
_.. -‐¬ 〈／vﾊ ヽ/ { } }／ // L! 〉‐- .._
＿ ,.........._,.............､
（ ｀ヽ､ ,..:.:.:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ
＼ ＼ ,..:´:.:.:.:.:.:.:.:,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:ヽ 皇帝陛下の凱・旋・です！
＼ ヽ ,. - ， /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::l:.:.:.: ､ ', ':,
＼ ＼ ./ / /:.:.:.:.:.:l:.:.: |,........:.:.:.:_,∨_:.:.::l:.:.:.:.:.
ヽ ヽ ,' ,' /:l:.:.:.:. l....:.:.l:.:.l ',:.:.:,:.:.´:.:.:∨:｀:.l:.l:.:.:.:. みなさん、道を開けてください！
', ＼_ { , {:.l .....:.:.:l:.,:.￣l｀:.､ヽ:.:ﾄ､:.,.-==- ､ﾘ:.:.:.:l､
} _,.. -‐-､ ! l.:|:.:.:.:.:.:.VI:l,..=--､ ヾj {:::::::ら /l:.:.:.:.| }
>'´ ヽ { ∨,:.:.:.:.:.:.:l/ {:::::::ら 込z)ｿ |:.:.:.:.|/ 賊に連れ去られた皇帝陛下は！
{ _,..-''´｀ヽ､）∨-､＼:.:V-:.ヾ 込z)ｿ ' """ !:.:.:.:.,
} } }ヽ:.ヽヽ｀ヾj:.:.:, """ r‐､ ,l:.:.:.:.:.:, 最強にして、優美にして、人類の至宝！！
', - '''´￣ ヽ{:::::l:..:.',: ＼}ヽ:.:.:､ {⌒） ,.ｨ´:|:.:.:.:.:.:.:,
ヽ ／ ｝::/:..:..!: : :ヽ_}:.:.:.:＞- .. ＿ ／. |:.:.|:.:.:.:.:.:.:.l
', ´ ／::/:..:../: : : : :.|:.:.:.:.:.}､///////￣￣∧,:.:.:.:.:.:.:､_ 并州牧・董ギルガメッシュ様により、
｀ー=ニ_´- '´:..:../: : : : :./:.:.:.:.:.}- '――-,--､///∧:.:.:.:.:.:.:':,｀ヽ 窮地を脱しました！
ヽー―- '´: : : : ／:.:.:.:.:.∧三三三{三/三三＼:.:.:.:.:.:.:.:.､:.:.｀ヽ
｀ ー,...､:_: : /:.:.:.:.:.:／: : }三三三∨三三ﾆ／､:.:.:.:.:.:.:.:',:.:.:.:.:.}
／:.:／:.∨:.:.:.:.:/: : : : :l三三／八三三/: : : :ヽ:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.,
／:.:.:ｲ:.:.:.:/:.:.:.:.:./: : : : : : ー＜ﾆ/|l|l｀ﾆｰ'ﾆ}:{ﾆﾆ}!:.:.:.:./l:.:.:.:/
/:.:.:.:/ {:.:.:.:{:.:.:.:.:.:l: : : : : : : :｀ヽ／o|i|:{三／: : : : : |:.:.:.:.|: !:.:.,'
l:.:/:./:.:.:.l:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:/:.:／:.:.:.／:.:.:.:.:.:/:.:.:. /:.:.:.:.//:.l:.:l:､:.:l:.:.:.Ｎ:.:.|:.:.:l|:.|
Ｖ:./:.:.:.:.:!:.:.l.:.:.:.:.:.:./:./:.:.:.／:.:／:.:.:./:.:.:./:.:.:.:. /:,l:.:.:l:.l:.:Ⅵ:.:.:ｊﾍⅥ:.:.:l:l:|
＿＿___/:ｨ:.l:.:.:.:.:!:.:.!.:.:.:.:.:/:./:.:／l:.:.:/:.:.:.:.:/:.:.: /:.:.:.:.:/:/ '､:.l:.|:.:ﾍl:.:.:.:.:l /:.:.:.l:ｌ:'、
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/' l:.l|:.:.ｌ:､:.､:.､:.:.l:|l儿__/A:ﾄl:/l:/ｙ:./:.ｨ:.:/ﾌ/ｨｬ≠≦TヽＶ:.:.:.:. /:.:.:.:;l/ 董卓、だとぉ……！！
l:.ぃ:.:ｌ､:､:.､:ヽl:|li 弋l/ﾀﾞ!ｊﾁﾅ/:/ィ/; '〃／ﾍ:::Y::::ﾉ,ｨ /:.:.;.ｨ:.:.:!:/ |
ヽl ヽl､ﾞ､:.､:.､ヾl ｀¨「三 ﾞ!:/// ;彳／ ｀三三￣´/:.:,.' ﾉ:.:;'l:| /
ヽ ヽﾞl:i､ヽ:､:.ヽ l'〃 ´ ｌ| ／／.ｲｌ.:./ l:|
|ハ:.i｀ヽミ- ／l' ｌ| ／ィ‐'´:.:l:Ⅳ `!
′ ｌ:l､:.ｌ:＼｀ ﾘ , _ ／´ ,.':.:.:/:/||｛
ﾞl }:ハ_ｆ＼ ｔ.＿，．-―‐ヲ ／:.:.:.:':/ .{|
ﾉ'_「:::ヽl 丶、 ｀三三¨´ ,. ´レl小l:{ ﾞ!
ヽ ｊ }:::::::::＼ 丶、 . イ.-‐''ﾞ:::::::ﾄバ ＿_ ／
ヽ.＼ ｒ'´{ い::::::::::::::≫＝ﾐ 一彡"´＿::::::::::/ﾊ ﾞ;::::/ ／ ／
::::＼＼ ∧ハヽ ＼＿/ ｒｙ'´￣｀ﾞY´ ヽ／/ ! ｌ:/ ／ ／::::::
ルルーシュが鋭いまなざしで御車を睨み据えると、
通気口の窓から外を気だるげに眺めていた男と目が合った。
＼ー- . ﾄ､
ヾー―＝＝ミ 、｀i ヽ∧
＞ ｰ=ミ 丶 ヽl ./ , |
／ -=＝ﾆ二 ＼} / /./
／-- -=ﾆ〉､__￣ゞ<彡/__ （…………ほう？）
-‐=====―‐- 、 < -=ﾆ ／ ==-` __{ ／
｀ ＼ ＼ ｰ={⌒Y fｯﾙ′
. ＼ ＼ ｀`ミゝ｡_ 〉,′
、 ヽ /__/ヽ `ｰ==ｧ/
. ∧ ― ､:.:.:.:.:.... ／_〕
丶 ∧ ＼.:.:.:厂´__ -==､
＼ ∧ ＼{Y´<:>`Y≦{ ｀￣ ､
__＿＿＿ ＼ } ﾑ |! ｌ} / ＼
二二二二 ＼ ＼|≧=* ﾑ |! ｌ| ｜ -―――==== ヽ
＿＿＿＿＿_≧､. / ~｀ﾞヽ .ﾑ l! / ｜ ／ .
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼＿_／=- ___＿ヾ ﾑ＿/ ∨ /
ヽ:}::::/::::::::::::::::::::::::::::／ ｀￣￣ ニ=-{::}-=ﾆﾆ∨ /
/￣´⌒ー―┬=＜ Ⅷ___＿ ∨ , ＜ ￣￣/
ギルガメッシュもまた、自らを直視する存在を認めた。
その風貌たるや、威風堂々。
西涼の雄たる自分と、視線を真正面からぶつけることのできる男など、
天下広しと言えどそう多くはいない。
あの男もまた、間違いなく英雄たる風格を持つ男だ。
―― 董ギルガメッシュは御車の中で一人、唇を歪めて笑った。
／¨＼ ｊ ￣￣￣
/ /¨¨Y＼ ／ ` 、 この一連の騒動で、宦官勢力は完全に死滅しました。
./ 斧ﾐ,／ ,／ ＼ ＼
′ミ彡 / ／( ＼ ヽ ＼ 宦官（皇帝）ｖｓ官僚（豪族）の天秤は、
／⌒i / , く￣￣ `ヽ .` ,. ￣ ` 覆しようもなく官僚側へと傾いたのです。
|:＼＿j ' / `ミz 三＝ -
¨¨¨¨ｆ¨ , ,.r＝=ミ、 `,.ｒ==ﾐ, . ｜ これ以降、後漢時代の間に宦官と官僚の争いは
ノ { |::）..ﾉ.:ｆ |::) ﾊ .} 一切発生しません。
:|! ヽ .乂::::.ノ ､ 乂:..ﾉ / ｵｵﾄﾘ
八 ＼:::::::. ′ .: 八 皇帝は自らの翼をもがれた鳳となってしまいました。
八 ` ＞ - _ ノ . イ／ 飛べない鳥は、いずれ……
＿
,／///＞ -=＝＝ミ、
./ ＠¨／ 今回までが 「三国志」 における、宦官（皇帝派）ｖｓ官僚（豪族派）の
|＝ 7 仁義なき抗争回でした。後漢末期の歴史から見ても、一つの転換点
|三/ .,/ ( Ｙ と言えるイベントが終了しました。
￣. / ./( ＝-
,/ ミ三二＝ ノ .｝ i| ……ですが、終わったからこそ、ここで一つの疑問が生まれます。
. ｜ ∩ ∩ Ｙ' ｝ i| そもそも、どーして宦官なるものが、それも一代限りで終わってしまい、
∪ ∪ .: / .八 領地も持たないはずの彼らが、後宮でお妃たちの世話をしている彼らが、
V:人 _ ノ , ,/ 領地を持ち、地方に大きな権限を持ち、武力を持つ豪族と張り合えたのか？
ー≧＝―’'―=≦ー ⌒
,f7......;....j( /| j(............Ｙ ましてや、袁家に致命傷を負わされ、董卓にトドメを刺されるまで豪族に
〔|.......i...j( ∨ ,j(} ...........| どーやって勝ち続けてきたのか？ と。
＜三三三|‐-ミ
.／ ＠ .＞＝┘ ｀ 宦官が絶大なる権力を振るうようになったのは、
/三三／ `（ ＼ ＼ 後漢第八代皇帝・劉保（孝順皇帝、あるいは順帝）の時代からなのです。
/ / / ＼ ＼、 ヽ .
ｉ: / ` ＝ミ、 それまでも、宦官はそれなりに権勢を振るい、豪族と向こうを張っていました。
｝ . ＝ ＝ ﾄ } 順帝の前代まで、宦官（皇帝派）と官僚（豪族派）のパワーバランスは、
} 八 ( (ﾌ .ﾉ , 均衡が取れていたのです。
乂 ≧-≧=‐- -‐=≦イ では順帝の時代に何があったのか？ 物語形式で見ていきましょう。
⌒.≦ y }! 〈〉:i{Ｋ
後の順帝、劉保は皇太子に任命されました。
＿ , -─- ､
／ ニ `′二_`ヽ.＼
/ ／ ヘヽ -‐､ ＼ ヽ
/ / , l f'``"" | ﾄ l l | 親父殿はオレを皇太子にしてくれた……
! | 〃 , | ｌ | ｌ |､ | |.|
| l /ｲﾉｰ-､ rヽ!'ヽ!ヽ |
. | /l''＝=a= , =a=＝''|r､! だが、それも当然……っ！
|,ｲ| ｀￣ 〈| ￣´ ||'ｲ 頭の巡りのいいオレのこと……っ！
. ド||. ,＿＿ヽ＿＿、 ｌ'ｲ|
ｌ l.ﾄ､ ＿_ ｲ l | 次代の皇帝に選ばれるのも、当然の話……っ！
-‐'''ｌ ! l.＼ ／:| ! |`:ｰ-
::::::::::l,ﾙ ﾄ､ ` ｰ '´ .／!ﾙ':::::::::::
:::::::::::::::Ｎ ＼ ／ |':::::::::::::::
::::::::::::::::| ,>< |:::::::::::::::::
●後漢孝順皇帝・劉保（順帝）
―― が、ダメ……ッ！！！ でした。
|:| i: : :i: : : : | ｀＜: : : :ヽ r≠== ｧ ' ,: : : :.',｀ ＜: : : : : : : : : : : : : : : :
|:| i: : :ヽ: : : i ｀ ＜:.＞// i ' ,: : : :',f⌒ヽ ',｀ ＜: : : : : : : :
|:| .i: : : :{: : :.i ｀/へヽ 》》 ' ,: : :.'.,r‐‐ヽ ',: : : : ｀ ＜: : : そんな、バカな……っ！
|ﾘ i: : : }ヽ: :ゝ- ___ ｲ´､､ // ' ,: :.:', }. ',: : : : : : : :｀.＜
∨:∧ ヽ: : : : : :.ヽ ヾ} ノ/ u ' ,:.:.',__ノ }: : : : : : : i: : : そんな……っ
. ∨∧ ｀ ＜: : :.ﾊ 彡´ ' ,:.', /: : : : : : : :i: : : こんな……っ
ヾ､i ｀ :/ u ヽ:',‐ ´: : : : : : : : :i: : :
ヽ ／ u ___ 丶: : : : : : : : : : i: : : あっていいはずがない……っ！
／ /ヽ ｀ヽ、 i: : : : : : : : : : i: : : 現実に……っ！
ヽ､ __ ／ __ ﾆｲ::＼ i: : : : : : : : : : i: : :
｀ ――､ ___ - ´__-‐ ´::::_:::-‐＼ i: : : : : : : : : : i: : :
＜ _ >.-‐ヽ､:::::＞´_ ,r‐‐ﾉ/ i: : : : : : : : : : i: : : こんなことが
｀ ´ _ヽﾆｺコノ ￣. /: : : : : : : : : :.i: : : 起こっていいはずがない……っ！
_{ﾆ-‐￣ /: : : : : : : : : : :.i: : :
', /: : : : : : : : : : :.:.i: : :
',_ ____-‐´ /: : : : : : : : : : : : :i: : :
￣ 7 /: : : : : : : : : : : : : :i: : :
皇太子任命からわずか４年後、
西暦１２４年、延光３年に廃嫡されてしまいます。
＜三三三|‐-ミ 劉保は父の六代皇帝・安帝と、側室の 李氏 の間に生まれた子供でした。
.／ ＠ .＞＝┘ ｀ そして、当時は 閻氏の一族（外戚）が権勢を振るう、官僚たちの時代でも
/三三／ `（ ＼ ＼ あったのです。
/ / / ＼ ＼、 ヽ . 皇后の 閻氏 は嫉妬深い女性で、
ｉ: / _,. ` ＝ミ、 劉保を産んだ 李氏 は暗殺されてしまいました。
｝ . о о ﾄ } （……アレ？ 本編でも似たような話をした気がしますよ？）
} 八 ( ― .ﾉ ,
乂 ≧-≧=‐- -‐=≦イ ((∩ )) そして、閻氏は夫・安帝の側近だった宦官たちと結託して、あることないことを
⌒.≦ y }! 〈〉:i{Ｋ （ ⌒） 安帝に吹き込んだのです。
////////////ヾ゛⌒'ｰ''""ﾍﾍﾍⅥﾊ､///////＼
|//////////{::::::::::::::::,.::::,_:::::Ⅵ|::::Ⅵ{＼///////,＼
|'//////////::::＿:::::::し'~::::::::Ⅴ!::::Ⅵ{::::＼//////}`}
|////////|/::::::::::::＼::::::::::::::::::::ヾ}:::::ヾ{::::::::}^ヾヾ//}
|///////＿＿:::::::::::::::`ーｧ′::::"￣:::_,-彡=--<///} そんなバカな……っ！
|//////l ￣` =ミ､::::::::::::::::::,／´ ,////
|'////｛::ﾐ ＼:::::::::/ i/// 父は讒言に踊らされる程度の
|/////|::::ヽ （()） }:::::::'（()） /{'／ お方だったのか……っ！
|/,／|/|.:::::::＼ /:::::::{ ／::,'
|〈(⌒!;'l::::::::::::::` ｰし -‐ ´::::::::::::＼---‐'::::::::|
| } i＾ |;'!::::iﾉ::J::::::::::::::::::::u:::::::::::::::::::::￣｝::::::::::| ありえない……っ！
/∧ヽ_|;|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r:::::::／::::::::::::|
.///∧__l;|::::::/￣l￣`y ＿＿＿＿＿＿_, -.､:::| こんなことっ……！
,///////|:::::i | | | | | | | | }::! 常識的に考えて……っ！
///////,'!::::｢rー'Tーr┬┬┬'｢`r┬┬r┬rﾘ,:|
￣`i////,‘: ヽ=-┴ '¨￣￣￣￣￣￣¨`ー ′|
レ'⌒i ﾊ.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
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. ・ つ ）::::::::::::::::::/;;|三三三三三三三
┃ ／::::::::::::::::::/ニ!三三三三三三三
. ・ ／ﾆ＼::::::::::::./ﾆﾆ'三三三三三三三
皇太子の座を失った劉保は代わりに、済陰王に封じられました。
＜三三三|‐-ミ
.／ ＠ .＞＝┘ ｀ その翌年、西暦１２５年、延光４年の３月に
/三三／ `（ ＼ ＼ 父・安帝が崩御しました。
/ / / ＼ ＼、 ヽ .
ｉ: / ` ＝ミ、 むろん、廃嫡された劉保は皇帝に選ばれませんでした。
｝ . ＝ ＝ ﾄ }
} 八 ( /⌒Y^ヽ.ﾉ ., 安帝の乳母・王聖 と、皇后だった閻氏、大多数の宦官は
乂 ≧-≧=/＼ ∧ ／ヽｲ 劉懿を押し、劉懿は新たな皇帝となったのです。
⌒≦ y/＼ > く ／.ｊ （ただし、正史では正統な皇帝として認められていません）
＜三三三|‐-ミ
.／ ＠ .＞＝┘ ｀ しかし、劉懿こと後漢七代皇帝・少帝は即位して
/三三／ `（ ＼ ＼ わずか２００日ほどで、故郷・学名あの世へと帰って行ったのです。
/ / / ＼ ＼、 ヽ .
ｉ: / `＝＼､ﾉし/'
｝ . × Σ:. て ﾊﾟｰﾝ
} 八 ( cっ .ﾉ ,
/＼￣￣￣￣￣￣￣≧=‐- -‐=≦￣￣￣￣＼
／: : : : : : : : : : : : :ヽ: ヽ: :.:.:.:i: : :i: : : ﾊ
/: : : : :/: /.^ﾞ~~^^~ﾞﾞ~∨∧: : : i: : :i: : : :ﾊ
,': :.:/://:, '￣ヽ. ∨∧: : :ﾄ､: i: : : :.ﾊ
,':/:/ //:/ ＿ _丶. i i ＞ヽヽ:!=ヽ}: : : :ﾊ 来た……っ！
i/:/ /: :彡´￣｀ヾﾐ｀ ' }{ ﾚ'ﾐ／ ヾ｀ヾ i: :.∧!
//: / i! ､ o o , !:∨∧ オレの時代……っ！
. /: : / i:.! ヾ==≠= ' | |::. ゞ≠＝-ｲ i:.i ∨∧
.. /: : /|-i:.i! |_|:::..ヽ i:.iヽ∨∧ 権力を握り……っ！
. {: : /i i-i:.i ＿/ ', i/ / }: : :,' オレの好きなように政治ができる時代……っ！
. ∨:./i ヽ_:! /ヽ. ｀¨´ _,ヽi_/ /: :./
∨: ヽ___i iヽー―‐ 二二二二 ー‐'´/ i__/: :./
. ∨: : : :.i iーーー'￣￣￣｀ー‐‐‐ / ': : : :/ ざまあないぜ、劉懿……っ！
}: : : : :i !::＞――---――‐＜/ ,': : : :{
i: : : : : i ヽﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ ,' ,: : : : :i 天罰です……っ！
i: : : : : :i ￣￣￣￣￣￣ ´ ,': : : : :i:i このオレから皇位を奪った……っ！
,': : : : : :iヽ ー――― /i: : : : :.i:.i
,':i: : : : : i: :i! ヽ イ:i:.!: : : :.:.i:.:i 罰……っ！！
. /: i: : : : : i: :i ＞ ＜:::... i:.i: : : : : i: :i
. ,': : i: : : : : i≧ｘ _ ＞＜:::::::: _ x.i: : : : : i: : ＼
__...-≦三!: : : : :i/////＞x＿＿＿_ . ｘ≦///i: : : : : i≧ ､_ヽ
三三 三 i: : : : :i////////´￣￣ ヽ///////.i: : : : : i三三 ≧ ､_
三三 三 i: : : : :i..////// ∨///// i: : : }:./三三三三三 ≧ ､ __
三三 三 i: : : : :i../////∧ ∧/////.i: : ://三三三三三三三三三≧ ､ __
三三 三 i/ﾊｲ从＼__// ∧ ,.'/∧/／´ !/ﾊ/三三三三三三三三三三三三≧
―― が、やっぱりダメ……っ！
- ミ
, :f ヽ
/ 八 ( 少帝を失った閻氏一派は、
v /¨ `＜ ＼ 諸王の中から次の皇帝を選ぼうとしました。
i: |.ｆ.:ｊ f.:jＹ ; | ｌ
八人'' . 'ノィ ノ／ 喪中ですので表立って打診したりはできませんでしたが、
`⌒≧=≦ア≦ 劉保でないことだけは確実です。
f/...j⌒ー^j(....Ⅶ、
v...j( 〈〉 j(..........Ｖ,_ そんな時、誰からも見捨てられた劉保に、接近した人物がいました。
｛ﾉ..j( 〈〉 .j(......､....ヽト 、
＿__,,r=ｰ--､,,,,,__ ,､
＿_ノ＼ /／ .,､-='ミV/////彡彡彡ヽ､ ／ `ヽ､_
） エ `ヽ､. / ミミ ｙ// 彡彡彡 三＼ ヾ<ﾞ エ 7
〈 フ / ／ミミ＼／/／// ／彡彡 ミ＼ l ii フ _l
ﾞi, ッ / /彡.彡=､_川/ 彡=ｰ'''))-､三 三ミ) | ッ ／
ﾞi, ／ﾞ. ,ﾉ彡/ )):.:.:`'''ｰ''ﾞ)):.:.:.:.:.:((:.:＼_彡三 ） !r'''￣⌒
!'ﾞ （彡 |:.:ﾉﾍ､ﾞl:.:.:l:.:((:/ ,へ､,,_)):.:ﾞi,三三ﾐヽ ）i
/ | l 彡ﾉi／ﾞ＼|i :.|:.:.）／／ﾞﾞﾞ`''ﾍ､(('i=y'ﾞiミﾐﾞヽ､
/＼ l .l彡ｒt, ,,==､ﾞi, l:.:.:(/ﾞﾞ,,m==､_ _ﾉh,/ .ﾉミミﾄ､_,r'''ﾞ,r=-､
／ エ ＼ i ）ﾞi､| .( (())i,:.i:.:.:/:::::(.(())ノ`:.:.:.:.:.:lノヽ,ミミﾐ==''ﾞ
） フ > ノ((/.ﾞi, :.:.:.;;,,ﾝ i i（:::::.:.Zニ,__:.:.:.:.ノ.ﾞi:.:.:.:iミミミヽ＝=､ ＼
< ッ / ./人川ヽ､（ :.:.:/=ミｰ､::.:.:.:.:.:ノ,イ ,ノ:.:.:.:.ﾞi;;;＼ﾐﾅ-､_ .ﾞi,
＼ _,rｰ'''!ﾞ Vﾊメ.|:.:.:i:>､:.:`-=r''ﾞﾞ:.:.:.:.:.:.ハ ｙ''ﾞ::.:.:.:.:.:.:.`i;;;;;i､ヽ
`' （ ﾞ! r'''ﾞi:.:.＼（ノ<ﾆ=ﾆ>､__,r.:./:/:.:.:.:.:.:.:. ノ::i;;;;;;;ﾞl`''=､, ヽ
＿ニ ／;;ir=':.:.:.:.:.ﾞi,'ﾞヽ-=r''ﾞﾞﾞ:.:.:ノ／:.:.:.:.:.:. / :::ﾉ;;;;;;;/;;;;;;;;;;;ﾞ'
_,､-／;;;;;;;l:.:.:.l :::.:.:..ﾞi, :.:.:.:.:.)):.:.／ /:.:.:.:.:.: :.／;;;;;;;;;;i;;;;;;;;;;;;;;;;
_､r''ﾞﾞ;;;;;;;(;;;;;;;;;;;;i:.:.:.:い:.:.:. `=ｰ--ｰ'ﾞ:. ／:.:.:.: .:.／;;;;;;;;;／;;;;;;;;;;;;;;;;
;
..´￣￣￣￣￣｀...、
／ ＿ ヽ ギョォオオオエエエエエエェェエエエッ！？
,ｲ -‐ r ＿ ､ アンタ、誰！？ _ ／7
,' / r ＼ ヽ _ ,､ ./ 〉／／
: i / / ヾ ＼ ＼ ､ _ -‐' ´ ヽヽ‐-┴ '─^ 〈
i | i , ヽ∧ ＼ ＼ ＼ i ／´ ／ | | ﾉ
| | | ll |ミﾙﾍ | r‐/ ／ ト'─､＿ 〈
| |: / | |l | | ｌ | ＼ ＼ | _, -───､ ＿ ───´`／￣′ ／ | ｰ､ ヽ
| | / li |l | u ヽ | | l| 八 ゛､|´ /|ｰ───´ヽ─/ / .／ _-‐´ ヽ_〉
| |/ ｲ i! | |＝= 〃| | | /≦ｷ l ヽ| Y ／ ／ __,‐´
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／ ／ ﾊ/ l从ミ 彡 ヽl ﾐ 彡 〃 l─‐-､ / ／ / ,──´
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／ ＿ ヽ ギョォオオオエエエエエエェェエエエッ！？
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i | i , ヽ∧ ＼ ＼ ＼ i ／´ ／ | | ﾉ
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／ ＿ ヽ ギョォオオオエエエエエエェェエエエッ！？
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／ ／ ﾊ/ l从ミ 彡 ヽl ﾐ 彡 〃 l─‐-､ / ／ / ,──´
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ミミニニ=､_ エフッ エフッ アハッ・・・
.ﾐﾐ三ミミミミ ＼
ミミミミ川川))))） !ニニﾆニ￣7
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/ `ヽ-t､,_ ＼ i ｒ-､￣ / / `'ﾞ
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ヽ､ .＼） い ﾞi
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.てつ＿`-' ＼ iﾉ/つ / / い,
ニニヽ `--! ⌒∧.Yy_`ヽ, ∠ノ i__i
ニ--' こノ⌒ / ＼／￣ﾞﾞi,
ー ＿ -ーﾉ ./ .（ r-､＿ノ /~7 i^i
-f￣ ￣ﾆー＞､ ヽ~~ `>-､/ / い,
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ハ::::::::::::::::::::::::i /~7 i^i
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ヽハ:.:.:.:＼::::::::i ∠ノ i__i
い iﾞi,:.:.:.:.ﾞi:::::::i
ハ i ＼:::: ﾞi::::::i, /~7 i^i
ヽヽ い＼.ﾉ:::::::i / / い,
い い i＼`<ﾆｴｴ=､ ∠ノ i__i
ヽヽヽ ＼ ＼ヽ` ﾞ ﾉｰ､
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＼ ﾊ ＞--＼ ￣／ / / い,
＼ V~ ） `'''''イ ∠ノ i__i
／: : : : : : : : ､: : : >i: : : : : : : : : : :.ヽ
／: : : : : : : : : :.ii:i',:.:/i:i|: : : : : : : : : : : :.:ヽ
/: : : : : : : : : : : : ii:i:i',´i:i:i|: : : : : : : : : : : : : ﾊ
i: : : : : : : : : :/ :.:.iﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ i: : :l: : :l: : l: : : : : :ハ
i: : : : : :.:i: :.:/: : / i: : i: : :i: : i: : : : : :ﾊヽ なんで笑ってんのこの人……
. {: : : : ,: :ｲ: ﾉ: :./ i: :.i∨:i､: i: : : : : :.ﾊ
i: : :.:./: ｲ://／‐‐-‐´ヽ 〉 ヽ|-‐:ゝ＼: : :l: :l: l
ﾚ´: /／ｲ ≠＝ == x }ｲ ./__==≠, 〉:.:.i: :i
/: :./´-i: i ゝ､.（:::ﾟ) ヾ /´{::ﾟ) ノ }ﾊ:/i:/
i: :´:i i__i: i ｀¨¨´. ',｀¨¨¨´ .i l i
. i: : :.i ヽi:.i ヽ_ .i /
i: : :ヽ _l:ii / .iｲ
}: : : : : :.:i -‐ r‐ ´ i:.i
}: |: : : : : i __________________ .i: i
,': :|: : : : : i ´ ｀ i:.:.i
,': : |: : : : : i.ヽ ー―― ｲ: : i
,': : :.|: : : : : i :::::> ／: : : : i
,': : _/i: : : : :.:i :::> ∠i: : : : : :.i
. /x ´ﾆ i: : : : : :iヽ_ :::＞ _ <´:: i: : : : : :.i
∠三三ﾆi: : : : : :.i//>､ ,i: : : : : :.i≧ｘ
／￣￣￣￣｀ヽミﾐ《ii(!!!/ヽ､/ヾ彡彡'三ミミヽノヽ
| フンッ |iｯ､ヾ!i川（ ﾒ彡ﾐ彡'´,＝=ヾ巛彡
ゝ､＿＿＿＿ノ ｀ﾞ''‐=ミヽ/=ヽi|/／彡》ﾐ)､ヾ､メノ
ミミﾐﾐﾐミミミi ヽ ヾミツ''' ﾍ彡ヽ ﾘ／
ﾐﾐﾐ／￣ヾツ ヽ ヽ ） |三ｷ´（(ﾐ､＿ノ
ﾐﾐ/:::::::::: ＼ i | |､ ヾヽ
ﾐ/::::::: ,ｧェ三ミミﾐｬ、 ヽ .i ｌ / ｒi》ミﾆﾐｬ､、
ﾞ:::::::: ' ヾミｯ､,, 丿i::i i ./,ｯ彡ﾉ‐-─､ヽヽ､
:::::::::::: ‐-､＿_、ヽヾミﾐ彡ﾉﾉ彡'_ノミミﾐヽ-彡ヾ、
ヽ:::::::::. ｀ ｀‐-',‐｀ゝ、ﾞ' /-‐'´)ミﾐﾐ=-｀´ヽ ヽ
:::::i-､::::: ￣ノ ..:ヽ !ヽ | ヾミﾐヽ
::: |:::::ヽ ::: ／´／ ..:::::::_i i ::／ミ=＝- 済陰王・劉保殿下に置かれましては
:::..ヽ::::__ﾉ ､ （ ｀ ）/ミヾ）） ご機嫌麗しゅう。
:ヽ､>´: ! i ⌒ ''´/ミ＜ﾊ
:::::::ヽ:::: ヽ ,／,二ﾆ'ﾌ/!i|川 ﾘ 俺の姓は孫、名は程。字は勇次郎ってモンだ。
::::::::::ヽ:::: ) , =ﾆ､_'ー-' .i'-‐┴‐-=､＿ 地上最強の……いや、なんでもねえ。
:::::::::.. ヽ､_ヽ ｀ー‐,';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀ヽ、 武闘……いや、宦官だ。
｀'ヽ‐::::: ﾞヽ、:: ／ヽ、, /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
;;;;;;;;＼ ヽ、;::.... ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ｉ
●孫程（字は勇次郎）
＿ ＿_
／´＝:ﾐ´二.ヾ＼
/ '／ '´rｰ=､ヽ.ヽ ､ヽ
ｉ / 〃,ｲ| u | |_L| ｌ l
|.l.l ﾙ'__ﾘヽ ﾍl_Nヽ!.l | お前のような宦官がいてたまるかッ！！
| |.ﾊﾞ￣｡` ´｡￣,".|l |
. ﾚ１ ﾞ ‐- 〈|: -‐''u !`|
ド」. ﾄェｪｪｪｪｪェ7,lｲ!
_,,... -‐| l ﾄ､ ェｪｪｪェノｲ.l lｰ- ...._
,ｨ''"´:::::::::::::::| l.l :::ヽ､三, .:´ :l.l |:::::::::::::::::｀¨lヽ
_、,,、,,_
､ィ=彡ﾐミヽ、
〈,巛ハヾﾍﾐr､
_丿ｿ/リｌﾍヾヽy〉 なぁ、劉保殿下
ﾌﾉりﾉﾉｌｌ.iノｿﾉ》,
＿＿彡ﾘ）））;ﾉﾉﾊ//ﾘ'ヽ＿＿ 唐突だがアンタ、皇帝になりたいか？
／´;;;;;;;;::::..《" 〉巛ｌ 《ｌﾘﾉﾊ::::::;;;;;;;:::＼
/;;;;;;;;;;;;;;;,,,:::::::｀ ':::::ヾｿﾉヽ:::::::::;;;::;;;;;;;;;;;;ヽ. 至高の権力者、この世の全てを思うがままに操れる……
ｌ;;ｒ-=ﾚ;;;;;;;;::::::::::::::::::::::'::::::::::::::::::;;;;;;;;;:;;;＿:::ｌ そんな皇帝に、成ってみたいか？
ｉ__,＿/;;;;;;;;;;;:::::::::::::/;;:ヽ:::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;ｌ_＿_`ｉ
／ / ｌ;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::: ::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;/` , ＼
./／〉 l、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;イ:: 〉 ｌ
| _ノヽ,ﾐ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉヽ ｊ /
（ ＿ﾉ,イ 〈;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／ゝ- ヽノ）
ヽ-" │（;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ｊ /´ ｊ` /
ヽ │ ｀）;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ ｌ / ノ
. ,': : : : : : : : : : : /:.:.:/:.:.:/: : :/: : :,ﾍ: !/:.|: : :ﾟ｡
/: :./: : : : : : : : /: : /:.:.:/: : :/: : :/i:i:Ⅴ}:.|: : :.:.ﾟ｡
. ムイ: : : : : :.:.:.／:.／､: :,': : :/|: : /~＾ﾞ~＾|: !: : : : :!
, ': : : :.:.:.:／:.／/／＼__, ' :!: ,' !:.|´: : :.:.| は、ハァ？
!: : : : :／:.／: :,' r≠≠=ミ､!/ ｝ ／_Ⅵ: : : : :|
|: : : :ムイ__:.:.ﾑ'､ O｀¨´ イ o￣｀|: : : : :| アンタ何言ってんの？
|:.:/: : : : :fハ: :| ヽ !_: : ﾄ､!
∨:.!:.:.:.:.: ',｛ﾝ: ! ≧==≦ ≧=彡,'ﾝ}: :!
Ⅵ: : : :.弋__',:! u { :ﾚ'´Ⅵ
|: : : : : : : : :! ′ i
|: : : : : : :.:ﾟ｡ヽ ⊂ﾆﾆ＝＝ー ｲ
|: : : : : : : : :ﾟ｡ ＞ こ イ
|: : : : : :.|: : :.| ≧=-≦: : |
|: : : : :r |: : : !―--ｫ |', :.:|: :|
|: : : :._} Ⅴ: :.| __i｝ :!_i :.|: :|┐
__レ''ﾞ´ ＼Ⅴ: :! :| ヾ :|:.ﾘⅥ |≧=-
=≦ニ=王ニ=ハ∨ | :|＞､_ :!//〉 ! ∧ニニ≧=‐ -ｫ
ニニニ 王ニニ ﾟ｡ヾ｝ﾄ､|'＜/}7777!,' !ﾟ｡!ﾆ∧ニニニニ= ∧
ニニニ=王ニニﾆﾟ｡ ｀Y///} :!ニニハニニニニニ∧
ニニニﾆ王ニニニﾟ｡ |777{ !ニニ=∧二二二二ﾆ∧
ニニニニ王ニニニ ﾟ｡ |//'∧ :{ニニニ=}二二二二ニ∧
ニニニニ 王ニニニﾆヽ !///∧ !二二二{ニニニニニ= ∧
( ﾄ､ト^ .:. □□ .:.:从. ＿ .:.:从ﾄ､イ
( )ﾉミ. く＼／ > .....::､(::. | |_ ′.ﾉ
｀ヽﾐ/| ミ::. > く ..:ﾐＶﾉ:.:. 匚 / ´￣＼ .:({ノ
⌒ﾒ､| {三 ／／ > .〕 .:.:.{ {::.. / ／￣ヽ } Ｏｏo
(ﾄ､乂::. く／ ／／ xヘ .::}ﾉ.:. / ｜ / / .:.ノ!
＝≡ヽミﾄ､:.:.:. { (_／ ／ ノ/{:.. ＶＬ｣ く／ .:}ﾚ彡ｲ
≦三三ミヽ三ヽ `─‐ ´ /// |ﾉ彡.:.. . . :.:.. .:,ィ彡'彡' ./{⌒
≧≦三弋.三三ﾐ/￣￣｀ヽ廴{_ﾉイ´￣￣｀Y彡ｲ三三彡ｲ/
｀ヽミヽ三ミヽミミ| ,x┐ ､ヽ ト､_ .{彡彡'≦三彡イ
三ミ/ 爪〈ヽミﾐノ≦-､＼ ) } // ／,．-≧.Ｙﾉ)三≧辷ﾉノ
三./ /j .))爪 / ´ ＼＼! .{／／ 八 |彡ｲ彡三≡= 済陰王・劉保ッッッ！！！
⌒∨/ﾐ三ヾ｜ ､__,ｘ＝ミ.＼〉.| {_,/ ,ｘ＝ミ_,^ .|三 川三彡′
{ {.ミ三三|. ＞､○｣_ ﾍ｣Ｌﾉ l_○_.ノﾉ ヒ彡ｲ彡'三≡
三≧､三(⌒∧ `ー'⌒ヽ /⌒ー＜ .∧ ﾉ三彡'⌒ヽ キサマは皇帝に成りたいのか
ミヽ弋三.ﾊ. ∨＼. , r‐､ -､ ／.} |彡ｲ川ノ と聞いているッッッ！！！！
⌒ヾﾐ三彡{ {ヽ.ハ .／ ゝ( )-' / )／}_｣≦彡ｲ⌒
乂＿ノﾉ >'＼ヽ∧ r'⌒ こ=､ ./｀ヽ／∧三彡'
￣ﾌ/ ｀{ ', }_[_,`ニユ]_ ′ ﾉ ∧彡′
`ー‐'´ .′ ＼ '⌒ｰ-─､__ﾉ^ ／ |
. | ｀ヽ /´ ￣｀ヽ /´ ｜
. ,ｘ| ∧ ノ/ ﾄ､＿_
＿,．イ .| `ー--‐ ´ / ∧ ＼ ＞､_
::::::::::::| ∧ ｜ / / ヽ }:::::::::::
孫程の異様な剣幕に圧倒された劉保は、
本音をペラペラとしゃべってしまいました。
／: : : : : :／: : : : : : : : : :ヘ: : : : l: : : : : : : : : : : : : ∧
/: : : : : :／: : : : : : : : : : :/ i: : :.i: : : : : : : : : : : ﾊ
/: : : : :／: : : : : : : : :/: :∠ i: :.:.i: : : : i: : : ヽ: :ヽ: ヽ
/: : : :／: : : ／: : :／: :／ .ヽ i: : i∨: : i: : : : :ヽ: :ヽ: ヽ
/: : :／: : : ／: : :／: ／ ゝ､ .i: :i ∨:.i∨: : i: :ヽ: :ヽ:ヽ
i: :／: : :.／: : :／: ／ﾐ彡≠ｘ ﾊ i:.i ∨i ∨: :i: : ∧: ヽ/
i:/: : :.／: ／ |: : :i ゝ_ ﾊ ,´ ヾ i i-‐: : i: :.:i ＼|
i: :.:／: ／.} :i: : :i ヽ ○ ヽ ´ ノﾊ __／i/ ,ｲ:∨: : i
i: :/: : /:| |- i: : i ｀ー--- /≠¨¨ﾐ,':.: //i: /
i:/: : /:.:.| i i: :i {、０ ﾉ,': :// .i/
i: :.:./: :.:.i ヽi:i u u ヽー´ ,'／
i:.:./: : : : ゝ--ii u ヽ .,' な、なりたい……っ！
i: |: : : : : : : : :i ,--､ -‐ _／ ,'
/: |: : : : : : : : :i .／__/__>‐-- ______ ´_ .,' 皇帝の座……っ！
/: : |: : : : : : : :.:i. {´____:::::::::｀二ﾆ--zz二/ .,' 至高の権力……っ！
/: : :.:|: : : : : : : : i ゝ __7二ﾆ=--､___::::::::/ ,'
／:／ .|: : : : : : : : iヽ ｀￣ ─ﾐ＝} ,' 欲しい……っ！
__ --／／三三i: : : : : : : : i ＼ ゝ----- ￣ .,' なんとしてでも、
三三三 三 王三三 三i: : : : : : : : i: ＼ ,' 欲しい……っ！
三三三三 王三三三ﾆi: : : : : : : : i/ ＼. ヽ イ
三三三三 王三三三ﾆi: : : : : : : : i/// ＼ ＞ __ ＜: : : : :i
三三三ニ 王三三三ﾆi: : : : : : : : i//////＞､______ / |: : : : : :i
三三三三ﾆ王三三三 i: : : : : : :.:.:i///////r----- ､ i: : : : : :i
三三三三三王三三ﾆ i: : : : : : : : i/////// |.i: : : : : :ﾄ､___
三三三三三 王 三三 i: : : : : : : : i////// }.i: : : : : :i三三≧x､__
三 三 三 三 王三三 ﾚ ﾊｲハｲ从/// ∧ ∧i: : : : : :i三三三三三≧x､
-=＝三￣￣￣ ≧ミ ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l ﾏｉ };;;;;;;;l }
≧ ､ ｀ミメ､ﾞヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l i| !;;;;;;;;;! /
..〃三二ﾆ=x ﾐ、 γ 丶 ﾞﾐ､ﾞﾞヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;! / /;;;／｀Y.
巛《 ｀ﾐﾒ、＼ 人 ﾟﾉ 从 ﾞヽ;;;;;;;;;;;/ / /／り ﾉ.
.ヾ三≧ﾐx;;;,,,,__ ｀ｰ-＝==彳≫ﾒ､ ﾞﾞ'''ﾞ｀) / .{く辷´／｀}
｀ﾞﾞ`ヾﾐ ｀ｰ-＝==彳ミﾄ､ ｀ヽ､Y´ﾞ'ｰ'"ﾞ''ｰ=＝ﾆ|
｀ー;;,,＿ ｀≧、 } ｀Y´「ヽ､ ／
＿__ ￣｀ﾞ`＝=≫ ,! ::::::::! i ハ
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≫ ::::::::::::::::::＼＼ ／
＿＿,,, --―一''"´ ／ :::::::/ ヽ ヽ,
_／´ ＿ ＿＿,,, --―一''"´ .:::::::::i （ }
_／ ./ ￣￣ ﾞ:::::::::ヾ¨ﾞヽ､_ ノ
／ ｲ＿＿＿__,,,,,--‐==＝≦三三≧=x,, ( ￣￣ よかろうッッッッ！！！
ゞ ｌ´｀Y^Y^Y^Y⌒Ｙ^Ｙ^r‐､｀ｰ===ミヽ,＿ ノ心
＼ 'ｖ'´'┘ｰーーー-ー-ｰ､ i´｀ｉ^Y ヽﾞミ三三彡}
＼ ｀ヽ丶 ヽ ｀´`ｰ'＝___|＿ﾉｰ'' 取ってきてやるッッッ！！！！
＼ ＼＼r-､ } 八
＼ ＼＼i´｀i ｎr‐､__ ＼
＼ ＼＼Y⌒Y´ `Y"''r‐‐r―i-､∧,
. ＼ ＼＼ i 人 .,､. / ./ }
＼ | ｰ-―‐=＝ﾆ二ニ´ .ﾉ
i ＼ __,=--==二__ ／
::＼ | ￣:::::::::::::::::::::::::::厂
そう言って、宦官・孫程は劉保の前から去って行った。
. ,': : : : : :/:./ i: /￣ヽ、 ∨∧: : :iヽ: ヽ: : i: : i
. ,': : : : : :/:./ /:/==x､_ ﾊ ∨∧/:.:i ＼:ヽ:.i: : i
. ,': : : : : /:./ 彡´ ヾ､ﾊ} .〉 {ﾚヽ≠=x {ヾ i i: i
. ,': : : : :./イi 、 O ｀ /´ :// .e / .i: : / i:/
. ,': : : :.:/-i: :i ヽ______ノ { ヽ==イ .i: / い、行きやがった……っ！
..〈: : : :,/ i i: :i ゝ-┐ i:/
. ∨:./i i⌒: i し / .i まるで、まるで近所の木からリンゴを
i:/: :i ヽ_i:.i u , /´ i 取ってくるとでも言わんばかりに……っ！
i: |: : ヽ＿i:i /‐--- __ __ ___ ｲ .i
. i: :i: : : : : : :.i /￣￣ ー-＝＝--- i i こ、こうなりゃ一蓮托生……っ！
i: : i: : : : : : :.i /r------､_:::_ zzz::::::::i ..i ヤツにかけるしか……ない……っ！！
i: : : i: : : : : : : i i ヽ ヽ:i .i
./: : : :.i: : : : : : : i ＼---- ニニニニﾆﾆｺ i
: : : : : :i: : : : : : :.:iヽ ｀￣ /
}
／￣￣ ¨ ミ 孫程は反閻氏派の宦官でした。
,/ ` 彼は仲間と共に閻氏派の抹殺に乗り出します。
./( ＼
/ ` ＝ ヽ_ その時、彼に随行した宦官はたったの十九名。
＿_ー‐' .―＝ミ . 閻氏派が朝廷での主流であり、反閻氏派は極めて少数派だったということを
.ﾊ.::ん` ﾊ.:ん } | これ以上なく端的に表しています。
乂_.ソ .乂_ソ∨ ; 孫程は１１月に大陸を襲った大地震を機会と捉え、行動を開始しました。
(_ ' _.ノ .ｲ そして……
. ,ｨﾌノﾉi/ ｘ＜ ::::＼ ｌ|l ｌﾚ／:::::::＞､ {三三ﾐ､
. 巛彡ｨｉ| 〈 ＼::::V } ノ:::／⌒ヽ ト三三ﾐ､
. V彡{ﾉｊ| ヽr‐ｔ_ﾃぅヽ| l {／rｔ_ﾃラ´ ,ﾊミ三ﾐVﾊ 劉保殿下……いや、陛下
. }}ｉ|ﾊ（.| ￣,ハ ,ハ ￣ /}八{ｌ}} } ｝}l}
,ノﾘ川ﾊ_|ヽ ／ __} |__ ｀ヽ ｲ_ﾉﾘ// ///ﾘ 取ってきたぞ、
. ／////八ノヽ. 〈_,ﾉ {__〉 ／ヽ} ∨/ ///（ 皇帝の位をッッ！！
,イ//{ { {ｌ| ＼ﾉi ｀ｰ / ﾚ' lVｉ{ {{{ l{ﾊ.
. /1{｛｛ {｛∨ ‘， ー─=ﾆﾆ=‐一 / | iﾄ!ミミﾐハ
､_|ノ{ｌﾊ ヽ_/ ＼ ｀ 二 ´ ／ │l{ﾊﾐﾐﾐﾊｌjﾊ
／￣｢／ / ｉ ヽ7'´ ｀Ｙ/ ', ヽ‐‐＜}ｊリ
＼／ / ｀ ー─一' ヽ ） ＼
′: : / }} ﾏﾑ ｛ ／ |: :.:/|: /|: : : : |: : : : : |
/: : : :/ 《′ （○） ｝}｝ `:､／>=｜:/ :|/ :|: : : : |: : : : : |
: : : :/ 乂 ､ ≫' |/マﾑx |∧: : |: : : : : | ほ、本当に……！
: : :/ ） Y＿__ ノ ／ `マ} 〃Ⅵ:!:. :. :. :.|
: :/ ゝ'´￣｀Y 「 〃 （○） 〃: /|ﾊ|: : : ∧| やってくれやがった……っ！
:/ ゝ- ′ Vﾑ 〃,〃:／ |: : /
′ u 寸ト､ー‐- ､ﾉｿハ'´ |: / ありがとう……っ！
＿__ し ＼ 乂:. ノ / / |/ ありがとう、孫程……っ！
,／/ / ＼＿ ＼ ′/
/__/＿/ / ＼ ‐‐ ＿＿＿__／ / / お前たち宦官は、
. //////,≧=く / 7ー＜ ′/ オレの大恩人……っ！
/／:.:.:.:.:.:.:.:` ＜≧=‐く / ｀7ト､__ /／
｀`７¨¨７ト､:.:.:.:.:.:.:.:＜/≧く / / ｀7 / 必ずこの功には、報いてみせるから……っ！！！
＼＿_/ /￣ ７ト､:.:.:.:.:.＜≧=‐く＿__/ ,′
≧s｡.,_/ /＼:.:.:.:.:.:.:.: ＜//// /
.f^Y^!
f^Yl ＼/ .fＹ´）
＼| |／
' なんと、孫程はたった十九人の
＜三三三|‐-ミ ナッシング・ポコチンな仲間たちと、本当に！
.／ ＠ .＞＝┘ ｀
/三三／ `（ ＼ ＼ クーデタを成功させ、劉保を皇帝の位に押し上げたのです！
/ / / ＼ ＼、 ヽ .
ｉ: / _, ` ＝ミ、 これにより、反閻氏派の人間が国政の主導権を握るように
｝ . ＞ ＜ ﾄ } なりました！
} 八 (ｘｗx （_ソ ｘwﾉ ,
乂 ≧-≧=‐-/⌒Ｙ⌒ヽｲ
⌒.≦ y }!/＼ ｊ ／} ｷｬｰ、ｶｯｺｲｲー!!
＜三三三|‐-ミ
.／ ＠ .＞＝┘ ｀ ちなみに、この時に孫程ともう一人、
/三三／ `（ ＼ ＼ 順帝の不遇時代を共に過ごし、
/ / / ＼ ＼、 ヽ . 学友として励まし続けた人物がいます。
ｉ: / ` ＝ミ、
｝ . ＞ ＜ ﾄ } 誰あろう、その人物とは……！
} 八 ( xwx ./⌒Y^ヽ.ﾉ .,
乂 ≧-≧=/＼ ∧ ／ヽｲ
⌒≦ y/＼ > く ／.ｊ
/ミミミミミミミミミミミミｉｉｉｉ}}}彡彡彡彡彡ｉｉﾊ
/iiiiiiiiiiiiiミミミミミﾐﾐﾐﾐﾐ}}}}}}彡彡彡彡彡ｲiiiiiiii!
刈iiii从{{′ ｀ヾ刈ii/ 勿}}iiiiii{
ノ!iiiiiiiiﾐﾐﾐ ヾ''′ 彡刈iiiﾊ
!iiiiiiiﾐミ{ 彡刈iiiii}}
从ﾊiiiiiミﾐ 彡ｲiiiiii}}!
}ミミiiii{｀｀ 彡刈
ミミミii| {{､＿___, ､ , __＿,ｨ}} 彡iiﾘ
ﾐｆミiiii|ヾ{￣｀ヾﾐメ、___,,::..:: ､___,ィ刈厂__〃 |iiiiiﾊ
| i }ii| ｀ヾiｒ=≧ミ刈iiiii 从 iii彡'jji≦=r''7 |iiii |
! (iiii! 廴ゞﾟソ__ヾ}}} {{{ イ__ゞﾟソﾉ′ |iiii）;!
人 iii| 厂'￣ 彡}}! :`｀ ￣｀｀ヽ |iiiﾚﾉ
从iii! / .::::ii| ::. ', ii从
彡ｲ从 :::::::{{ 、 从{{
ノﾉﾉﾉ∧ ｀ヾゝ ∧iiﾊ
〃´￣从}}ﾊ __ｰ __ /{{iiii从
{{ {{:::|:.:.ﾍ. ''´￣｀ ´￣｀'' /{{iiiiiiii}}}}
人､ ）ﾊ}::::.:.:ヽ ｰ==‐ / ｊ｀ヽ}}}jj
￣￣｀ヾ三三三三ﾍ. （´ ヾ::::.:.:.:＼ ／ ! （ヘ.、
｀ヽ三三三ﾍ. ） ヾ:::::.:.:.:ヽ ／/ ｊ! ） }}
＼三三ハ ヾ:::::::.:.:ヘ.. ＿＿___.イ.:.:/ {{ { ii}
●曹騰
曹操の祖父、曹騰でした。
彼だけは、劉保が孤独な時も常に傍に侍り、
後に劉保が皇帝になると多大なる信頼を寄せられました。
それどころか、次代や次次代以降の皇帝からの信頼も勝ち取ったのです。
皇帝に就任した順帝は、
自分を皇帝にしてくれた、宦官という存在に信頼を寄せました。
ｘ===-
∠三ﾐ x ＜/////≧=、
＞///////////////∧
//////∧∧/＼//////∧
ﾑ´////}ﾞﾞ¨ﾞﾞ∨//＼/////i｝ やはり、何かを褒美をやらんといかんな……
/////ｲ ∨///＼/＼/}
ｲﾊﾉ/ﾑ＼, ∠_Ⅵ___ヽi＼//}
.|:|<＝tｯ } X￣芒ﾌ}＼///i}
} ,ニイ ¨¨¨¨ |iuヽ//ii} よし、豪族ども、特に外戚どもと張り合わせるために、
{ ヽ ｀ |i=ｲ///} まずは列侯（要するに地方領主）にしてやろう
ﾊ ー―‐一 /|/|/|//i}
ﾊ ー /: |/| .|//i} 豪族にはチンポがないからな、養子を取って財産を継承する権利も
∧ ..ｲ::: |/ﾕ.|//} 与えるとしようか
.V|＞-イ:::＞＜Ⅵ三ﾆ}}
∨ ＞＜ ／三三三}、
/ } ／三三三三∧
＜三三三|‐-ミ お気づきでしょうか？
.／ ＠ .＞＝┘ ｀ 個人に土地を与え、養子に財産を継承させることができる……
/三三／ `（ ＼ ＼
/ / / ＼ ＼、 ヽ . この時点で、宦官はほぼ豪族化してしまったのです。
ｉ: / ` ＝ミ、
｝ . ＝ ＝ ﾄ } むろん、権力を上手に次代へと繋ぐことができたのは、曹氏くらいのもので、
} 八 ( /⌒Y^ヽ.ﾉ ., どの宦官も同じように権力継承がスムーズにできたわけではありませんが……
乂 ≧-≧=/＼ ∧ ／ヽｲ
⌒≦ y/＼ > く ／.ｊ
＜三三三|‐-ミ こうなると、豪族サイドは非常に不利となります。
.／ ＠ .＞＝┘ ｀ なぜなら、皇帝と近い位置にいることから、絶大な信頼を寄せられる反面、
/三三／ `（ ＼ ＼ 握った権力を一代で失ってしまうという、宦官最大の弱点がなくなったのですから！
/ / / ＼ ＼、 ヽ .
ｉ: / ` ＝ミ、 一方の豪族は何も変わらないどころか、豪族（外戚）が幅を利かせることを
｝ . ＝ ＿ ＝ ﾄ } 疎んじた順帝以下の皇帝によって疎んじられるようになるのです。
} 八 ( iiiii {＿_{ ﾉ , こうして後漢の、特に曹騰引退の時期を境に、宦官が専横を振るうようになり、
乂 ≧-≧=‐- -‐=≦イ 宦官が皇帝を意のままに操る、という状況が作られていったのです。
⌒.≦ y }! 〈〉:i{Ｋ
●補足 【宦官編Ⅱ 後漢の宦官】 終わり
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ ┃
┃ 【正史】やる夫たちは中原で覇を争うようです【演義】.┃
┃ 第一部 『群雄争覇』 ..┃
┃ ┃
┃ 第二話 「覇者占拠洛陽」 後編 ┃
┃ ┃
┃ 終わり ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
→ 次回、第一部 第三話 「十八鎮諸侯同盟、結成」
＜三三三|‐-ミ さて。やる夫たち三国志本編では、この後漢の政治を知る上で基幹となる、
.／ ＠ .＞＝┘ ｀ 宦官（皇帝派）ｖｓ官僚（豪族派）の争いに終止符が打たれました。
/三三／ `（ ＼ ＼ これは一つの時代の終焉のプレリュードとなっていくのです。
/ / / ＼ ＼、 ヽ . 宦官勢力が滅び去り、豪族たちはこれからどのような政治で、
ｉ: / ` ＝ミ、 後漢帝国―― 当時の超大国たる巨大国家を運営していくのでしょうか。
｝ . ＝ ＝ ﾄ }
} 八 (xwx (ﾌ xwﾉ , また、宦官の魂を受け継いだ曹操はどんな決断を下すのか……
乂 ≧-≧=‐- -‐=≦イ それは次回以降のお楽しみということで、ここは一つ。
⌒.≦ y }! 〈〉:i{Ｋ
／ 「７ ＞ ¨￣￣￣ .、
./ , ＠ .／／ ＼ヽ 以上で 「やる夫たち三国志」 第一部・第二話 「覇者占拠洛陽」
l L /./ ./ / は終了となります。
|三三.: .: ,ﾊ ＼
¨¨¨¨: '⌒ヽ '⌒ ヽ 第一話と比べて、倍以上のボリュームになってしまいました。
| . / ` ＝-ミ、
〃ﾊ⌒Ｙ 〃ﾊ⌒Y | 解説パートも決して少なくなく、もし読み終えた方がいるなら、
.{.乂..ツ 乂..ツ ｝ ｌ 本当にお疲れ様でした。
八 ⊂つ ⊂つ / 八
乂 ノ / 応援のコメントが嬉しくて、つい張り切りすぎちゃったのです。
.≧ `＝- Ｏ -=彡' ／_
ｆY.............¨.....-≧=≦ ≠.....⌒Ｙﾌ
Ⅶ .....Ⅶ.V^>、 〈〉 .へ}.......j('......ｊ7 前回までにコメントをくださった方、投下宣言をした時に
〈 ...... Ⅶ’ ' ,.ﾍ ,<^ヽ .:....j('.......｝! 「楽しみに待ってる」
く}..........｛ /个｛ ﾄ.ｊ(..........{ｲ とコメントしてくださった方、本当にありがとうございました！
ｆ|.....ノ 乂_ ﾉ .〈〉 .トー' 〉＼.....|ｊ
l／..＼＿ノl :〈〉 .ﾊ＿ /.........∨' 次回はの投下は日曜日か月曜日辺りになると思います。
正式に決まれば、スレにて報告します。 では〜
曹嵩が太尉になった年が何年か考えると、
曹操は宦官勢力の拡大の為送り込まれたとしか思えない
文字が多いから読むのに手一杯で合いの手入れる暇がねーぜｗ
でもちゃんとミテルヨー
乙デース
何進がただの無能扱いされてなかったのが良かった
平和な時代に生まれていたらもう少し評価された人かもね
ナルホドー。
演技なんかじゃ、悪い宦官が皇帝あやつってましたー、で終わりだが
問題は、権力基盤を無条件に世襲できるシステムが腐敗を招き
無能者が重要なポストを占めるような、危機的状況を作り出しちゃったんだね…。
……アレ？ どっかの国でも、似たような状況が？
一代限りで、勉学の才能で取り上げられる科挙ってのは
なかなか優れたシステムだったのかもなあ…。
科挙に傾きすぎないで、受験費用が金持ちぐらいしか負担できない点を
改善できてれば、今の中国ももっと違った形になってたかもなあ…。
_ -=ニ
-=ﾆ ＞ ¨ ￣￣￣￣￣ ＼
. ≦ ＞ ¨ ⌒ヽ ＼ 本日、１５ ： ００より投下します。
／ ／ ／ ＼ ＼
／ _ノ¨ ＼ ＼
／ ./ / ∨ 是非、お越しになってください
／ / .: ｛ ∨
／ ノ’ ＼ ∨
/ ／/ ,( Ｙ ∨
/ ／ / | ＼. ヽ :. ∨
′ ／ / |! i| `ミ ＝― l
〈 ,/ ./ :|! il ー=＝,ｘr 斧ミ、 |／
.∨ / ./ | ｜ .i| .ノ 〃 匁辷ツ ／
∨ / ,: :|ﾄ.、 ｜ -七 .:::::::::::Ｙ ／
∨/ 八 ｊ{⌒Y ｜ ,.ｘr 斧ミ、 r /⌒/
v （. ＼ ／￣￣.:| 八 〃 匁辷ツ , . } /
＞―=/ :| / ⌒＼::::::::::._ -＝＝＝ Ｌ .ｊ_.」
_ ¨ ./ | 八 ＼-¨ 八
／ v / ー＝ニ三 ＿
細かい話がわかって面白いぜ
完走するのは大変だろうけど、最後まで応援するぜ
＼
.:: ､ 時間となりましたので、
.′ /( ＼＿ 投下を開始します。
/( `＝ _ 彡
！ f.:j f.:j-∨ ,j
/ ⌒＼ ＿_ノ⌒Ｙノ(
/′⌒＼, ‐ }..|⌒
ヽ { ∨..,|
＼ _＞＝= イ../.|
く ＿ﾉ＿〕＿Ｙ〕.}
／ /⌒ ）..:.
／ ＿ノ.........j
_ .-={ ,ｘ≦ ≡=- }
............ ＼ /⌒ｰ/7 -...........―＝ﾐ、
＿...-≠ ー 乂`ｿ Ⅶ...... ............:;........ヽ
¨¨ ￣￣ ヽ _ﾉ
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ ┃
┃ 【正史】やる夫たちは中原で覇を争うようです【演義】.┃
┃ 第一部 『群雄争覇』 ..┃
┃ ┃
┃ 第二話 「十八鎮諸侯同盟」 前編 . ┃
┃ ┃
┃ ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
【司隷州、河南尹、洛陽】
∫ι＿＿＿＿＿＿＿＿/丁了
丿;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.ヾ.ヽ.
ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::,.,.,.,,.,.,.,.,.;;.ヾヽ
.ﾍ. ..ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;;::;::::::::::::::::::::::::::::::::,.,.,.,.,.,..,.,.ヾ.ゝ.., ﾍ
ゝ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::,.,＿＿＿., λ
ﾍ ,,__ノヾ~~~~~~~~~~~ ~ ~~~~~~~~ ~ ゞ,ノﾍ
ゞ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,,,,,,ノゞゞ
/⌒ヽ /⌒ヽ /⌒ヽ /⌒ヽ /⌒ヽ /⌒.. ﾐﾐ::l
三三, ,,三三 三三, ,三三 ,三三 三三 ﾐﾐﾐl
┌┼┐＿＿＿┌┼┼┼┼┼┐＿＿＿┌┼┼┼┼┤＿ヽ
│ ／,,;;;;;;;; ／]ミ;;,, ／,,;;;;;;;;;／]ミ;;,, ..│ﾐﾐ‖
┌士士士士＿＿＿＿＿＿＿＿士士士士士士士士士士＿＿＿＿＿＿＿＿士士
. . 彳／三三三三三三彳／.|ﾐ 彳／三三三三三三彳／ |ﾐ
. 彳／三三三三三三彳／.. |ﾐﾐﾐ |彳／三三三三三三彳／ . |ﾐﾐﾐ
. 彳／三三三三三三彳／ .. |ﾐﾐﾐﾐﾐ .. 彳／三三三三三三彳／ .|ﾐﾐﾐﾐﾐ
これはつまり、宦官を排斥した朝廷内で、董ギルガメッシュが他の豪族たちに対し、
何歩も大きくリードしたことを意味する。
/ ヽ
,' /!ﾄ､i , ',
j |/ｰ-､jﾊ /!. ! |
ﾉ/, ,-､ !{ ,ﾊ { ーtｯ !i /__}i､ .!ﾘ ハクノよ、天子は我が手中に収めたぞ
'ｲ/! i{ }/'ta/ }/
' ! iゝ..ｫ 〉 } 献策を許す
} i:::.. ､ ＿ / 次の策を申すがいい
ﾚ! | i ヽ r- '-- ..,,
,ﾘ/ ', ＞ ..,,__ ,{ __ ｀ﾞ ｀ヽ_ r-､
,r≦彡ﾏ,., ', ／ｰ} ,r }YVヾヽ |- |
, -― '' ￣ ﾌイ／// ）ィｖ ｖ-v rvｨ^ﾊ ｰｧ .._,{i ',. ',ﾐ } } |- |
/ 'ｲ／ﾉ / / i. i! | ! ', ﾐ ヽ｀¨/ {.i!. }ｰ'｀´V j:::::{.
/ ', ｀´ﾚﾍ/!ﾉi ﾊﾄ ﾄ ﾊ }ヽ! ',ﾘｲ ',. /::::::::', ＿＿＿
/ ヽ :. ヽ Y ,! ‘ﾍ /::::::::::::',{＿＿＿
{ ', i::. ＼ i , ', ', ,:::::::::::::::::}￣￣￣
ri| .＿__.ヽ }::::. ＼ } / jﾊ ':, )､|:::::::::::::::::|r ⌒ヽ.
/ .i! / ｀''ｰ-￣＞. ＼ ! ／ ,ハ. '::, / ヽ￣￣ ｀| }
,′ ',. / ﾉ,' V ヽｲ !{. ' '::; / ＼ i´￣￣｀i |
j ',. /__＿ ,,,....:.:.:.:.:.:.:.! ﾊ i. ／ ヽ. |
r ⌒ｰ ', {:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:! j ', !／ } |
ﾉ ,.≧ r ´）:./^i:.:{｀YV:.:.:.ﾉ / V ノ ..:|
/, ／/ | {_:/ |:.:.! ', ',.Y /￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
.{ {. r≦! { {ｰ} } .} } { ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
! |. ', ﾏﾂ｀ヽ ! } { / / / }
ヽ ', ヽヾ彡 ゝ-ﾉ {- __..ｨ |
,,..-= ´ ｀=- ., jﾘ
●董卓（字はギルガメッシュ）
__n_.0０ ＿ ｎ
7/,ニ、 「l｀ﾆ.′ =｢lｧ <⌒ ｰ- '＾> <⌒ ｰ- '＾> . /厶__ ○ ○ ○ ○ ○ ○
〈/r三ｭ └'つ ） (乂）） `⌒ ー'´ `⌒ ー'´ └'＾ｰ┘
,..:::´:::::::::::::::::::::::::..＼::::::::::::::::::::::::::::::::...
,.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. ':;:::::::::::::::::::::::::::::::::::..
.,.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ∨:::::::::::::::::::::::::::::::.::.
/.::::/.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::‘;::::::::::::::::::::::::::::::::.::: そうだね……
,':::::/.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::';::::';:::::::::::::::::::::::::::::::::::
.i::::;ｉ|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::';::::';::::::::::::::|::::::::::::::::::: 私たちの軍勢はお世辞にも
.:;:::刈::::::::::::i:::::::::l::::::::';:::::::::::l::::::|:i::::‘;::::::::::::';::::::::::::::::::l 多いとはいえないから
':/l::|l::::::::::::';::::::::|:::::::::i:::::::::::|ｉ::::Ｎ:::::‘:::::::::::::l:::::|:::::::::::::,
.ｌ':::|::l:';::::::::::::';:::::::';::::::ｌ|::::::::: l:';:_|_|:::::::l;::::::::::::|::::|::::::::::::::',
/|::::|::|ｌ‘;::::::::::.∨::::';::: l|:::::::::ﾅ'∨ Ｌ:;ノl::::::';:::::ｌ::::'::::::::::::::::, ……うん、決めた。こうしよう、ギル
./ .|l:::|::|l::::':;:＿､_:＼::乂l|::/:イ_≧=≠≦ｌ:::::::ｌ:::::|l:::':::::::::::::::::.
l:|::.||:::';:|从ﾄ≧===ミ ￣ "乂:::::::::ｌ.||::::::|::::ｉ|ｉ;::'ハ::::::::::::', 耳を貸して
乂:∨:‘;::l:∧';弋::::::::〉 ≧≠"||::::::l:::;':|∧!:::';::::::::::∧
＼:::::';|:::ハ ≧≠ ||::::::l:::i::|:::::|:::∧::::::::::::::、
＼::';:::::::::. 、 .|ｌ:::::;::::l::|:::::l::::::ハ:::::::::::.丶
＼:､:::::ﾍ |:::::::::::':ｌ|ｌ::::';∧:::.丶::.＼:::..＼
’;＼::::::..、 -‐ ／!::::;':::;::::l∧:.∨＼:::..＼:::＼::::::::::‐-....._
.'.;:.＼::::::＞... ..イ ..':::/:::;'::::;:::∧::丶ｌ:.＼:::..＼::.＼:::::､::::､:::
’:;:...＼:::::从:＞≦___/＜:':/.:::;':::::;::::';:::〉、:.＼:::＼::::::::::::.＼::::::::＼
∨:::..＼ｌミz/:/乂∨:_//.:::/.:::::;::::::Y ､:::::::::::￣::≧ｘ＿_:､
';::::::::ハ ｀Y⌒Y.7/.:::/.::::::;:::::::ｌ| ￣／ ＿__ ＼
;::::::|::::', ￣|＿///.:::;'::::::::;'::::::::ﾘ / ／/ ＼
∨ｌ|::l::| ／;' //.:i::::::i::::::::;'::::::::/ .: / . ／ ;′
';:l!::|:〈__/ .〈/.::ｌ|::::::|:::::::ｉ:::::::/ .:/ﾉ.:/.:::/ .′
l:|:::|:| 〈::::::乂::|:::::::|::::/ .l:{ /.:::/ .l
●李儒（字はハクノ）
実は、領地の并州から洛陽に強行軍で駆け付けた董卓軍は、
非常に少数でしかなかった。（正史によると、約３０００）
李儒の策により、全兵卒を騎乗させ、一兵に松明を三本持たせ、
夜中のうちに洛陽入場を果たしたため、洛陽の一般市民から高位の公卿に至るまでが、
董卓軍は大軍で上洛した―― そう思っていた。
しかし、所詮はトリックでしかない。
周囲に 『董卓軍は少数である』 という事実がバレることは時間の問題だった。
今後、董卓が洛陽で他の豪族（官僚）を黙らせ続けるには、
この虚勢をいかにして保つかが重要なのだ。
＿＿00 ｎ _＿_ ＿＿00 ｎ _＿_ ＿＿00 ｎ _＿_
.└‐ｔ.ﾉ | |└‐ｔ,ﾉ . n_ .└‐ｔ.ﾉ | |└‐ｔ,ﾉ . n_ .└‐ｔ.ﾉ | |└‐ｔ,ﾉ . n_ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
广'‐┐ Ｕ につ ｃ!［ 广'‐┐ Ｕ につ ｃ!［ 广'‐┐ Ｕ につ ｃ!［
￣￣ ￣￣ ￣￣
/ , '´ ／イゞヽ｀ヽ、 ゝ、
／ ／ ／ , i! , ',ヽ、 ヽ
／ ／ ／ 〃 i ', ヽ ', ……ほう
/ ／ / / ／ / / i i、 i ',
/ / / / / ／ / / | ハ i i 中々面白い策だな
ﾚｲ i ト.,/レ' / ／/ /,' i | , i | i 、', ゝ
ﾉ//ｲ | i _/ ／ // / // / / /i |i! | i ヾ 許す、実行せよ
|〈 ヽ!kｪz‐- /／/ ＿ ＿_ノ i| ﾊ ,'
ﾘヽoj ｀'┴ﾟ´ﾚﾚ´ }/
Y^ヽ、 ! /oノ、
ﾉ;:;:;;:;:＼ ' ／;:´ /ﾍ、
／;:;:;:;:; ;:;丶_｀ ￣ ／{;:;, / ヽ
ﾉヽ´ﾞ'ﾞ'ﾞ;:;:;:;:; ;:/´ >ー '´-';:;:;:; , ';:;:;:;:;:;:;}
／ {' ヽ, ,.,.,;:;:; ;/ / ／｀Y / ;:;:;: ﾉ ;:;:,.,ヽ、
. ／ ヽ,.,,.;:;:;;:'''''' / ´ ／‐v ;:;:;: ／ ;:;:;:;:;:丿ヽ、
／ ｀ヽ;:;: | ; /_ｿ ;:;: ;:;: ;:;:;:;:;:/ ＼
/ ,' ｀ｰ−┤ ｀; ） ,.;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/ ヽ
| ヽ | /´/;:;:;:;:;:'ﾞ''''''''' /
＿＿＿
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,.:´:::::::::::::::::::::::::..＼::::::ヽ
../.:::::::::::::::::::::::::::::::::::';∨::ハ
,'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l:::i::::::::', はいはーい
l:::::⌒::::::::::::::⌒::::::::::;'::::!::::::::::
.|;从|､ﾄ､ﾄ､ﾄ､ｗｗｗｨ::::::;::::::::::l
.|':ｌ〒〒 〒示 .l:::::::l::::::::::|
.l:::}.廴,! 廴,ﾉ ;::::::::!::::::::ｌ|
|从. o l::::::::!::::::::::l
|::::::≧::r==ｖ==x≦:::::::.|:::::::::::.
|:::::::|:::::ルｲY､_;/V::::::::':';:::::::::::
|:::::::|:::;' .|く∧〉 ', ∨::::|:∧:::::::∧
|:::::::l:/ .;' i ｜ _.', ∨::l:::l:.＼:::::..＼ ギル＜ 「はい」 は一度でよいのだ、一度で
/.:::::ﾘ::じﾄ､;'__.l＿,ｨじ!:::∨:::::/.:::::::::::〉
〈::::::ｚ{::::::::|_|_l__|__|_l_〉_:;_ﾉ:::::::ゝ‐z:::〈
￣ ￣):从ll|_|ll||ィ---ｚ;＞'´￣￣´
〈ll| |llﾘ´
さっそくハクノは策の準備に取り掛かった。
翌日、洛陽が開城すると同時に……
l＿＿l＿＿ｌ_|:::::|_|:::::|__ﾄｌ|＿|ﾚ|'‐┬‐'―,. -ｒｰｒ- 、‐'ｰ┬ｰﾄｌ|＿|ﾚ|__|:::::|_|:::::|_ｌ＿＿l＿＿l
＿l＿＿l_____|:::::|_|:::::|__ﾄｌ|＿|ﾚ|―'―／＞┴┴＜＼＿'＿ﾄｌ|＿|ﾚ|__|:::::|_|:::::|_____l＿＿l＿
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＿l＿＿l_____|:::::|_|:::::|__ﾄｌ|＿|ﾚ|〕｣__l｣ |c＿c_|_c＿c| l｣__｢〔ﾄｌ|＿|ﾚ|__|:::::|_|:::::|_____l＿＿l＿
l＿＿l＿＿ｌ_|:::::|_|:::::|__ﾄｌ|＿|ﾚ|_l｣__l｣ | | | l｣__l｣_ﾄｌ|＿|ﾚ|__|:::::|_|:::::|_ｌ＿＿l＿＿l
＿l＿＿l_____l＿|_l＿|__ﾄｌ|＿|ﾚ|_l｣__l｣ |[二二|二二]| l｣__l｣_ﾄｌ|＿|ﾚ|__l＿|_l＿|_____l＿＿l＿
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ﾄｌ|＿|ﾚ|_|─ｒ|丁￣￣厂￣厂|ｒ―|_ﾄｌ|＿|ﾚ|
ﾄｌ|＿|ﾚ|_|ｒ─|￣厂丁￣厂￣|─ｒ|_ﾄｌ|＿|ﾚ|
',ｌ|___jﾚﾍ|─ｒ|￣厂￣丁丁￣|ｒ―|,ﾊl|＿|ﾚ'
|ｒ─|￣￣厂￣厂￣|─ｒ|
└―'￣￣￣￣￣￣''ー┘
●洛陽門前
＜董卓様の命により、并州から参った！
董 .董 董 董 董
/´＿ヽ /´＿ヽ /´＿ヽ /´＿ヽ /´＿ヽ
∧ﾐ∧ω･,)> ∧ﾐ∧ω･,)> ∧ﾐ∧ω･,)> ∧ﾐ∧ω･,)> ∧ﾐ∧ω･,)>
./・ ・,ミ:と{::) ./・ ・,ミ:と{::) ./・ ・,ミ:と{::) ./・ ・,ミ:と{::) ./・ ・,ミ:と{::)
(｡｡ノ ヽﾋゝ (｡｡ノ ヽﾋゝ (｡｡ノ ヽﾋゝ (｡｡ノ ヽﾋゝ (｡｡ノ ヽﾋゝ
／/ヽ / しﾉ ／/ヽ / しﾉ ／/ヽ / しﾉ ／/ヽ / しﾉ ／/ヽ / しﾉ
／ （ へ /:/|.| ／ （ へ /:/|.| ／ （ へ /:/|.| ／ （ へ /:/|.| ／ （ へ /:/|.|
ヾ i | |‐"U ヾ i | |‐"U ヾ i | |‐"U ヾ i | |‐"U ヾ i | |‐"U
｀ | | ｀ | | ｀ | | ｀ | | ｀ | |
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董 .董 董 董 董
/´＿ヽ /´＿ヽ /´＿ヽ /´＿ヽ /´＿ヽ
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./・ ・,ミ:と{::) ./・ ・,ミ:と{::) ./・ ・,ミ:と{::) ./・ ・,ミ:と{::) ./・ ・,ミ:と{::)
(｡｡ノ ヽﾋゝ (｡｡ノ ヽﾋゝ (｡｡ノ ヽﾋゝ (｡｡ノ ヽﾋゝ (｡｡ノ ヽﾋゝ
／/ヽ / しﾉ ／/ヽ / しﾉ ／/ヽ / しﾉ ／/ヽ / しﾉ ／/ヽ / しﾉ
／ （ へ /:/|.| ／ （ へ /:/|.| ／ （ へ /:/|.| ／ （ へ /:/|.| ／ （ へ /:/|.|
ヾ i | |‐"U ヾ i | |‐"U ヾ i | |‐"U ヾ i | |‐"U ヾ i | |‐"U
｀ | | ｀ | | ｀ | | ｀ | | ｀ | |
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董 .董 董 董 董
/´＿ヽ /´＿ヽ /´＿ヽ /´＿ヽ /´＿ヽ
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./・ ・,ミ:と{::) ./・ ・,ミ:と{::) ./・ ・,ミ:と{::) ./・ ・,ミ:と{::) ./・ ・,ミ:と{::)
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／/ヽ / しﾉ ／/ヽ / しﾉ ／/ヽ / しﾉ ／/ヽ / しﾉ ／/ヽ / しﾉ
／ （ へ /:/|.| ／ （ へ /:/|.| ／ （ へ /:/|.| ／ （ へ /:/|.| ／ （ へ /:/|.|
ヾ i | |‐"U ヾ i | |‐"U ヾ i | |‐"U ヾ i | |‐"U ヾ i | |‐"U
｀ | | ｀ | | ｀ | | ｀ | | ｀ | |
,Ｕ ,Ｕ ,Ｕ ,Ｕ ,Ｕ
rfﾆ､ヽ
l｡ ｡ f9i
t≦_ﾉゝ､ ,,....,,,,__ ,rrテ≡＝=-､
｀フﾞ´,,:: -- ::､ ,r''"''''''ヽ:::｀ヽ. （〃彡三ミミ::｀ヽ 董卓様の軍隊か……
,rﾆｭf::r-‐t::::::::ヽ f´,,..、 r"::::::::::i /"~´ i三ﾐ::::i, こりゃ２０００はいるだろうな！
/,,, Y.. -‐ ヾ::::::::l ノﾞ f･= 7:::::::::::l. f:､ ‐-:、 (ミﾐ:::::::l
ﾑﾟﾞﾞ' く､'ﾟ` ﾞ'"):::l ヽ'' ﾞ'⌒ﾘ:ﾉ ﾉﾟｦ ''・= ﾘ::r-､ﾘ
l=,,;;:. l=､ ..::" ,)ヽ、 j⌒ ﾄ'"fノ l (-､ヽ'" ﾞ'´ﾉ),） ただでさえ大軍だってのに、
／`ゝ-''^ヽ''" ,/: : : :＼ ヽ、: : : '" ノ^i, lｨｰ-､ ﾉ-ｲ まぁだ、軍隊増やす気かよ……
/rf´ i′ ,f^ヽノ:,. - - 、 ヽ,,. -ﾃ） ,／ ｀ヽ、 t_ﾞﾞ _,,.. :: " l、
ﾞ'ﾞ l l: : j :f´: : : : : ヽ,/ '''"´ ,,.: - ヽ ｀ﾕﾞ" ,ノ::ゝ､
! /: :ﾉ l: : : : : : : ノ, ,:'" ﾞヽ i,.r‐(´::::〉 ,.ｨ":::::/::::::
/-‐-/: :/: l: : : : : : ,/ / / ,f´:::,::ヽfﾄ--テ:::::::::ノ:::::::::
. _,,..::-,テ /`7: :（: : : : : /ヽ/ 〃 ﾘ:::,'::::::ゝ!r7/ｰ一'"::::::::::::: 并州ってのはどんだけ人口多いんだ？
｀_,:ｨ''" _,r''" f: : :ト---ヲ / fﾉ /::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::
-‐-‐'''フ" ,.ﾉ,:::::」､,:r'" ,i / /::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::::
､..､く´＿,,∠"ｨ''"´ ／ ,> /＼、 ,ノ:::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::::::
´ ,ﾍr:､-､=---／ ,:ｲ ,ﾉ ｀ﾞヽ､／:::::i':::::://:://::::::::::::::::::::::::::::::::::
ｰフ´ > ヽ`ｰ､／ ／く _,,..ィ''"ﾞ' ＿,,:ｨf-:､::::::!::/｀ﾞﾞフﾞ'::::::::::::::::::::::::::::::::::::: なんか、金玉痒いんだけど？
／ ／ ,,ゝヽ, ） ,.／ ｨ'" r-‐ ''",., ヾ:l:/ f"´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾀﾞﾏｯﾃﾛ、ﾄﾞｳﾃｲ!!
―― 一週間後。
＜董卓様の命により、并州から参った！
董 .董 董 董 董
/´＿ヽ /´＿ヽ /´＿ヽ /´＿ヽ /´＿ヽ
∧ﾐ∧ω･,)> ∧ﾐ∧ω･,)> ∧ﾐ∧ω･,)> ∧ﾐ∧ω･,)> ∧ﾐ∧ω･,)>
./・ ・,ミ:と{::) ./・ ・,ミ:と{::) ./・ ・,ミ:と{::) ./・ ・,ミ:と{::) ./・ ・,ミ:と{::)
(｡｡ノ ヽﾋゝ (｡｡ノ ヽﾋゝ (｡｡ノ ヽﾋゝ (｡｡ノ ヽﾋゝ (｡｡ノ ヽﾋゝ
／/ヽ / しﾉ ／/ヽ / しﾉ ／/ヽ / しﾉ ／/ヽ / しﾉ ／/ヽ / しﾉ
／ （ へ /:/|.| ／ （ へ /:/|.| ／ （ へ /:/|.| ／ （ へ /:/|.| ／ （ へ /:/|.|
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｀ | | ｀ | | ｀ | | ｀ | | ｀ | |
,Ｕ ,Ｕ ,Ｕ ,Ｕ ,Ｕ
董 .董 董 董 董
/´＿ヽ /´＿ヽ /´＿ヽ /´＿ヽ /´＿ヽ
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./・ ・,ミ:と{::) ./・ ・,ミ:と{::) ./・ ・,ミ:と{::) ./・ ・,ミ:と{::) ./・ ・,ミ:と{::)
(｡｡ノ ヽﾋゝ (｡｡ノ ヽﾋゝ (｡｡ノ ヽﾋゝ (｡｡ノ ヽﾋゝ (｡｡ノ ヽﾋゝ
／/ヽ / しﾉ ／/ヽ / しﾉ ／/ヽ / しﾉ ／/ヽ / しﾉ ／/ヽ / しﾉ
／ （ へ /:/|.| ／ （ へ /:/|.| ／ （ へ /:/|.| ／ （ へ /:/|.| ／ （ へ /:/|.|
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董 .董 董 董 董
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／/ヽ / しﾉ ／/ヽ / しﾉ ／/ヽ / しﾉ ／/ヽ / しﾉ ／/ヽ / し.ノ
／ （ へ /:/|.| ／ （ へ /:/|.| ／ （ へ /:/|.| ／ （ へ /:/|.| ／ （ へ /:/|.
ヾ i | |‐"U ヾ i | |‐"U ヾ i | |‐"U ヾ i | |‐"U ヾ i | |‐"U
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rfﾆ､ヽ ＿＿00 ,勹 ｎ ｎ
l｡ ｡ f9i ..└‐ｔ.ﾉ く..く l｣ l l ○ ○ ○
t≦_ﾉゝ､ .广'‐┐ ＼） .rリ .,rrテ≡＝=-､
｀フﾞ´,,:: -- ::､ ￣￣ .,r''"''''''ヽ:::｀ヽ. （〃彡三ミミ::｀ヽ
,rﾆｭf::r-‐t::::::::ヽ f´,,..、 r"::::::::::i /"~´Ｕ i三ﾐ::::i, お、おいおい……
/,,, Y.. -‐u.ヾ::::::::l ノﾞ f･= 7:::::::::::l. f:､ ‐-:、 (ミﾐ:::::::l 毎朝董卓様の軍勢が洛陽に
ﾑﾟﾞﾞ' く､'ﾟ` ﾞ'"):::l ヽ'' ﾞ'⌒ﾘ:ﾉ ﾉﾟｦ ''・= ﾘ::r-､ﾘ 来るようになって、もう一週間だぞ？
l=,,;;:. l=､ ..::" ,)ヽ、 j⌒,u. ﾄ'"fノ l (-､ヽ'" ﾞ'´ﾉ),）
／`ゝ-''^ヽ''" ,/: : : :＼ ヽ、: : : '" ノ^i, lｨｰ-､ u. ﾉ-ｲ
/rf´ i′ ,f^ヽノ:,. - - 、 ヽ,,. -ﾃ） ,／ ｀ヽ、 t_ﾞﾞ _,,.. :: " l、
ﾞ'ﾞ l l: : j :f´: : : : : ヽ,/ '''"´ ,,.: - ヽ ｀ﾕﾞ" ,ノ::ゝ､
! /: :ﾉ l: : : : : : : ノ, ,:'" ﾞヽ i,.r‐(´::::〉 ,.ｨ":::::/:::::: どうなってんだ、董卓のところはよぉ！
/-‐-/: :/: l: : : : : : ,/ / / ,f´:::,::ヽfﾄ--テ:::::::::ノ:::::::::
. _,,..::-,テ /`7: :（: : : : : /ヽ/ 〃 ﾘ:::,'::::::ゝ!r7/ｰ一'":::::::::::::
｀_,:ｨ''" _,r''" f: : :ト---ヲ / fﾉ /::/::::::://://:::::::::::::::::::::::::::: 董卓様がその気になったら、洛陽は
-‐-‐'''フ" ,.ﾉ,:::::」､,:r'" ,i / /::/::::::://://:::::::::::::::::::::::::::::: 一貫のおしまいだ……！
､..､く´＿,,∠"ｨ''"´ ／ ,> /＼、 ,ノ:::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::::::
´ ,ﾍr:､-､=---／ ,:ｲ ,ﾉ ｀ﾞヽ､／:::::i':::::://:://::::::::::::::::::::::::::::::::::
ｰフ´ > ヽ`ｰ､／ ／く _,,..ィ''"ﾞ' ＿,,:ｨf-:､::::::!::/｀ﾞﾞフﾞ'::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ねえ、マジで金玉ヤバいんだけどぉお！！
／ ／ ,,ゝヽ, ） ,.／ ｨ'" r-‐ ''",., ヾ:l:/ f"´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾊｲﾊｲ ﾋﾞｮｳｲﾝ ｲｷﾏｼｮｳﾈ
毎日毎日、洛陽が開城する時間が来ると、決まって并州から董卓軍が２０００騎ずつやってくる。
援軍の騎兵だけで、すでに１４０００騎は洛陽に入城しているはずだった。
この数は、帝都・洛陽の守備兵よりも上回る兵数である。
ただでさえ董卓が大軍を連れてきていると信じきっていた人々は、上も下も恐れおののいた。
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
/ :/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/ :/::::::::::::i::::l:l:::::::l:l::::::l::::::::::::ヽ:ﾊ ふふふ。
l :/:::::::/:::::l::::l:l:::::::l:l::::::l::::::',:::::::l::::l 皆騙されてる……
| |::::::::l:::::/l:::从:::::从:::ﾊ::::::l:::::::|::::|
| |::::::::| |:::::::|::::|
|.:l::::::::| |:::::::|::::|
|.:l::::::::|ーｔッｰ ｰｔッー|:::::::|::::l .┼'┐ | |
|.:l::::::::| , , |:::::::|::::| . | ￣' | / ○
..＿人＿ . |.:l::::::::| |:::::::|::::| |_ ＿
.｀Ｙ´ |.:l::::::::|:.、 r-‐ク ノ|:::::::|::::|
! ...'.:l::::::::|厂≧ｧrf⌒l_‐＜ー'|:::::::|:::∧
/::::|::::::::|.:.:.:.:.:.／l l l＼:.:.:.:|:::::::|:::::∧
/:::::::l::::::::l≦ﾐ∩| l | |三≧:|:::::::|:::::::::ﾍ
/:::::::::l::::::::|}三;l ' /:lﾆ三{.|:::::::|::::::::::::ﾍ
／::::::::::::l::::::::| 〉/,〉 / :|,'//〈.|:::::::|::::::::::::::::＼
しかし……これは、李儒の策謀であった。
実際には、最初に連れてきた兵を夜の内に場外へと出し、
朝の開城時間になると再入場をさせただけのことである。
その繰り返しによって、董卓軍の数が確実に増えているよう、
洛陽の人々に信じ込ませたのだ。
結果として、洛陽の人士は、窮地にあった皇帝を救い出したことに加え、
圧倒的軍事力を誇る董卓に対して、次第に心を寄せるようになっていった。
―― そのことを、快く思わない陣営がある。
一つは、旧・何進陣営。
l. :.:.:.:./:.:.:./: :.// :/:.:. :.:.:./:.///l:.:.:.:.| :.:.: .:.:.:.l
': .:.:.:/:.:.:./ .:.// :/|:.:. :.:./:.////|:.:.:.:.| :.: .|:.:.:.|
ﾉ:l:.l:./ :.:.:/: // :/| l:. :.:./:.//// |i:.:.:.| : .:.|:.:|:l 何を、エラそうに……！
//|.|:.| :.:.l:./A|:./l:| |: .:/:.////_..-|l:.:.:l :.:.:.l:.:.|:|
. ノ´ l:|:.| :.:.:.|ｒ=ｒz|l､ﾘ､| ./:.////_,r=＝ﾐ} .:.:.ﾉ:.:.|:| そもそもは誠様（何進）が貴様らを
|l|:.lri.:.:.',仆-´ｨ ﾐ.l:,':///_,イｼ-イ ﾌ:.:./.l:..:.:lヽ 呼んでやったからこそ、洛陽に
i!|:.|',|.:.:.ヽ｀¬ '´ ﾘ i}/´ ｀ ＝‐７:.:.//:|:.:.l| 入れたのではないか！
ヽl|{ヽヽヽ i! /／l´|:.lヽl
ヽ l:.l＼ _｀＿ ／ｲ:|:.l:l|:.l ｀
}/|:.:.|＼ ─- ｀ ,イ:.|:./l:.||l `ｰ そもそも！ 諸侯集結の策は誠様が
/ l /_| ｀丶、 , ' |/|l| |:{ ｀ 進めた策！
/´ {ニニrﾆニﾆﾆ}ニニ} `ｰ ならば、その名誉も栄光も、誠様の
|∧: :| |: : : : | |: ∧:| 部下たちで分け合うが筋！
__ノ）)(,-.| |: : : : | |,-)( |
＿ -─＝￣. : : 孑秞.| |: : : : | |（卅)＼ それを棚から牡丹餅で、横合いから
＿-─´: : : : : : : : : : : : : : :卞: : :| |: : : : | |: 干: : : ￣: :｀:丶 、 幸運を掠め取っただけの男が……！
●袁紹（ルルーシュ）
特に、何進を慕っていた袁ルルーシュの憤りは人並みならないものがあった。
彼自身に名誉や手柄が行かなかったことを嫌っているのではなく、
本来であれば褒め称えられるべき大将軍・何進がすっかり忘れ去られ、
董卓に人気も名誉も掠め取られたことを嫌っていた。
もう一つは、当時、執金吾の職に就いていた、
┛┗ イ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ／:::::::ヽ}::::::::::::::::ヽ _,
┓┏ 7::::::::::::::::/:イハ/／|/ハ::::::::::::::::::::::::::::イ
/ｲ:::::::::::::/' ー - 、 ﾍ}/ハ:::::::::::::::::＞
!::::::::::::::! ,.<ﾋヵ _ﾑ..、_, _＼:::::< 董卓のヤツ！
N7 !ﾊ:::! ﾋﾟ:ｿ ` 7-'´ /:::ﾍ!
{ くﾍ! ｀¨¨´ ﾋｻ >ﾊハ! 何の権限があって
. ':.、_j ¨´ / 都に軍を駐留させてんだ！
. ﾍ:::ﾄ ′ /
. ∧! 、 ⌒ヽ
| ＼. ー ┘ イ
＿| .＼_ _, '’
,.< /| 「
●丁原（字は士郎）
丁原である。
※注（ 執金吾 ……後漢において、都の軍事の権限を持つ役職。原則的に執金吾のみが都に軍を置ける）
丁原は何進の協力者で、宦官排斥に協力的な人物であった。
／ ,.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,:.:.:.:,.:.:.:.:.,:.:.:.:.:.:.:.:.
,'／r.:.:.:.:.:.ﾄ、.:.:χ:.:.:.:.:.:.:.:И:.:.:.ﾊ.:.:.λ.:.:.:.:.:.:.:.:
i´:.:.:.:.:.:i ',:.:.l ヽ.:.:.:.:.:./ .i.:.:ﾉ ',:.ﾅ. ',:.イ.:.:.:.:
ﾚ、λ | χ| `、.:.:/＝ﾚ'＝-ﾚ'＿_り|.:.:.:.:. 腹減ったな……
ヽ i,弋￣'ﾞ~「 ヽ/ l,i:.:.:.
｀', -=＝≧ ≦=======‐-. |:.:.
,i 三三三 三三三三三 ﾚ⌒ヽ
i 〈⌒i i
{ ,ヲノ
、 ナ ‐´
、. ⊂⊃ , メ
` 、 - '＜
｀>`､- ' " ﾌ;;;;;;;;;;;;;;;,,｀ ､
,,,;;;,´,へヽ_／ , へ、;;;;;;;;;;;;;;,ヽ、
, ';;;;;,'/ ＼／ ＼;;;;;;;;;;;;;;,,,ヽ
寒門 （名家ではなく、家に財産もない家のこと） の出身で、粗野な性格だった。
知識があるわけでもなければ、知恵が巡るタイプでもない。文字もほとんど知らず、読み書きもできなかった。
はっきり言って、官吏にはまったく向かない性格だった。
/.:/ /:::::://:::::/７::::::/::::::::::ｲ::::::ｲ::::／!:::|!::::::::::::::::ﾍ
＜ /.:/ / ∠/::::::/ /::/:/!:::／ {イ_ﾉイﾉハﾘ;:::::::::::::::::::::＼__
｀ﾞ'＜ /.:/ / ノ:::::ﾚ:::/ ﾚﾍ/ i/ ___,,,／イｾ才ト､ |:::::::::::::::ハ￣
｀ﾞ'＜ ./.:/ /. ／:::::ﾘ八ｰ--､、 ｀￣´ ｛c::::j ′ﾘ:::::::::::::::::::',
｀ﾞ'＜/.:/ / ￣￣/:::'.(⌒{;;ﾍ` ￣´ ﾘ::r¬､ハﾉ
. /.:/ / /／ﾍ ∨ﾂ !/⌒ ﾘ
. /.:/ /ﾞ'＜ ′ ', ｀ ` ____,,,,､ ヘ ﾉ 漢の賊め！ 覚悟しろ！
. /.:/ / ｀ﾞ'＜..＞'´｀､ 「≦＞ｰヽ こ.ｲ
―――――/.:/ /―――― ｧ十 と.yヽ ∨ ｝ ／iイ:八
. ,.-‐-､ /.:/ /. ∧ヾ=っ ＼ ヽ＿ ノ !::/
/ ,:´￣ ｀¨ ､ .._＿/｀ヽ ￣＼ ヽ イ |/
廴/ ｀ ｀ヽｰ―――ｧ＿__ ` ｰ ‐ ´ '､ ___＿__
〉､ }::::::::::::::::::＼:::::::::::￣｀¨'ｰ＝=､- ,､＜´::::::::::::::::｀ヽ
. i ｀ ､ ＿＿＿,... ＜ ∧:.::::::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::ヾ'｀ｰ＝=:::::::::::::::::::::／::::::::::'.,
. /＼ j ..ｉ:::::::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::∨::::::::::::::::::::::::／:::::::::::
..{ ｀ヽ､ |:::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::::::::::::::∨:::::::::::::::::::::::::::::::::
/＼ ｀ ― ､ /:::::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::
＼ ` ､ .,' : : : : : : : : : : ／::::::::::::::::::::::::::ノ::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::
しかし、こと軍事能力に関しては猛将との評判が高い人物でもある。
賊を討て、との命令があれば例え敵が倍数だろうと、矢が降る戦場だろうと臆することはなかった。
戦時には常に将兵らの戦闘に立ち、猛勇に戦った。
その姿を見て将兵らは一層奮起し、彼の為には生命を惜しむことなく戦った。
: : : : ＼: : : :＼: : : : : : : : : : : : :ﾍ
＼: : : : ヽ､: : : :ヽ;: : : :; : : : : ,: :'i,
｀ヽﾐゝ､:;＿ヽ､: : :i: : : : :＼ : : : :＼≧
: : : ::＼｀ヽ､￣｀ヽ!＼: : : : :ヽ: : :; :＞
＼: : : : ヽ: : :＼: : : : :ﾍ ; ::; : :',: : ヽ オレの目が黒い内は、董卓などに好き勝手はさせない！
: :,:＼: : : :',: : : :';＼: : : i !: : ヽ:}: ;: ::i
: :.i: : ＼; : }≧=≦xミ:､从､: : :iⅣヽ! ,ｨ
,: :|､: :./ ∨:;ｒイ´￣｀i .|: ::}´｀i' ,ィ .／/
.ヽ! ∨ /;ｲ{::}.i! / .;i!:/ ,'／ / ／ / ,
,爪､マ彡'弋_ソ / ,'::!' /::ヽ,/_∠ / iヽ,
ヾ:/ ＿;､ . , :' .,' ;' ,:/:ヽ::t:､;::::￣｀ヽ,_ l ﾍ,
∧ ￣￣￣ .,'::,'彡'::::::::i:::∨》::::::::::::￣ニ=-'x
爪i 从:::::::::::::::::i:::::∨::::::::::::::::::::::::::::::￣ニ=-､
川li /从ゝ､:::::::::::{:::::::::::::::::::::{ヽ;:::::::::::::::::::::::::::::::
∨ｿ ／//!l|! ＿ﾆ-i:::::::::::::::::::::ﾍ ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::
.／/// .|l|! ＼ }:::::::::::::::::::::::::∨::::::::::::::::::::::::::::
ニ三≫ ／//// |l|L∠_ ∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
／ ∧/// |i!ヾ ｀i!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
＿_, イliⅣ ::;ilⅣ .ﾘ ＼'{:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
圭圭彡' /:/ マﾉ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
// ＿,, r=''´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
〃 , r '´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
〃r'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
都入りしてからの董卓と丁原はことあるごとに対立した。
内心ではどうにかしてやりたい董卓だが、しかし、丁原を簡単には取り除けない事情があった。
＿＿_
. ´ ｀'´￣ 丶
／ ＼
／ ∧ おのれぇ……！
/ ∧
/ 丶 ∧ 雑種の分際で……！！
. / ｉ ヽ ＼. ∧
-=彡" ′ | |/, ∨ ∧
￣／ / / , } |, /, |l i ∨ 圦
. ／ イ , ∧ |/ /, |l 从人∨ |iﾐ、／二二
/// ′|ｌ _} // ｜|／/ |l / ｝ } |iﾆヽニニニ
. /ｲ/ ∧ l |l 7≧_ // イ 笏 厂Ⅳ ノ l |i二｜ﾆニ
{ / ﾚ}从八笏/ｲ ￣ ,ｒ ´ 圦/ﾆニ′ニニ
'′ ` ! Ｕ } /ﾆニ/ニニニ
く ′ /ﾆニ/二二二
{ﾆ｀ヽ ｰ―==､ ／ /ﾆニ/二二｛￣`"
∨ﾆﾆ＼ ｀￣￣ ／-､ 〈ﾆニ/二二二二ニ
∨二二＼_ イ三三}__ ＼〈ニニニ二二二
＼二二/三三三〈 ｀ ' ＼
まず第一に、軍事力。
周囲を威圧することで数を多く見せかけてはいるものの、
その実数はわずか３０００。丁原と戦争になれば、まず間違いなく負ける。
にげろぉ！ かてるわけがねえ、数が違う！！
ﾋｭﾝ ﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞ！！！
／■＼ ・―‐―＝─ - - ﾊﾟﾊﾟﾊﾟﾝ
（ﾟДﾟ ；） ／■＼ ・―‐── 二＝─ - - ・―‐―＝─ - - 二＝─ - -
／■＼ ⊂ （；´Д｀） ／■＼ ｳｱｱｱｱｱ ・―‐―― ＿-ﾋｭﾝ―─ - -
（´Д｀；|）/⊃ ⊂_ ⊂ 丶（´Д｀；,） ・―‐；;,;∴ﾌﾞｼｬ＝─ - - ・―‐― 二＝─ - -
ゝ / (´⌒;;;Ｙ ソ と_ ⊂ﾉ(´⌒;;; （ ﾟДﾟ.;.. ・―‐―＝─ - -；;,;∴.;..'- - ・―‐―二＝─ - -
し Ｙ 人 (´⌒;;;／■ （＿）Ｙ 人ヽ≡≡(´⌒;;; ﾁｭｲﾝ ・―‐ｸﾞｴ＝;..'；;,;∴.;.⊃＝─ - -
（＿）'し ⊂（ﾟДﾟ ；） （＿） ソ ≡(´⌒;;; ・―‐― ⊂（ ﾟДﾟ.;..'；;.,;∴.─ - -ﾁｭﾝ
まだオレ童貞なのにぃぃいい……
さらに、ハクノの案により暗殺を試みたが……
ヽ
}}
_.. - ― ‐ ､_ ,〃
/XZ´ , ￣ ＼
/'Y´￣ / /ハ. ＼ヽ
/Yト､._ 二ﾆ./ /./ } |lヽ l ヽ
ﾊlN＼ ｀ヽ / / /_/__,ハ |! ﾄ､ 〉
ﾄv'{ ヽ.ヽ. ,ry′/ｲt¬=､｀'| || |.j/
ﾄ:仆､.＼ ｌ / ,' ヽ{;::| jｲ '´ シロウは義理とは言え、我が父上
__,.｣⊥l Y ./{ ｀′ >
r 'ニ-‐'´ｨ个 ､ {/ /!| -､/ シロウには決して手を出させはしません！
＿_.. -− ''} ／ / .| ｀>|{ / |l /
_.. -‐ '' ´__.. -− '' ´｀y''´,r'⌒ '' ‐-'/ |:! {,__|!＿ト―‐.' ,厂⌒ヽ､＿__,... ..,,＿__
,. '´ _.. -‐ ' ´ ＿ ／,／::::::::::::.:.:.:.:.:｀ヽl√￣｀l ｢ﾌ''^ﾞ了´了´了 ／ _,r＜￣,入
..＜＿／ ／,r¬｀_,.ｲ::::::::::::::::::::::::::::__..⊥-､_;:ィ/ / / o ｛ o { o / __,r'^Y ＼ ﾄ､
／ / /:::::::::::;ｨ::::::::::￣:::::::::::／::::::,' | o .|_,,..-ヶ‐イ｢｀:| く,__>-个''Tﾞ｢|
∠___/ /:::::::::://::::::::::::::::::::::::::::::::::::::{ └ '´ ＼__＞＝'´ ﾊ ｣,人-|イ
＼^'´ 'Z＿:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ .,ｲ´ 厂|__|_,l,⊥.l人
＼ ＿二=:::::;r‐ｧ‐ '' ` ＾ヽ､_ ／} | L;::| |` ー -;〉
ヽ:／:::::::::;厂 ＼ ｀ フ´ / l | }::L.ﾉ ,/
丁:::::::/ / ＼ / ,rヘ | ヽ､_ |::::::|フ^ ｰ′
`l'''´ / ｔ久 __ ／ L| ￣ |::::::|
＼_,.-‐'ヽ | ./ ,′ ﾄ､:;r1
| i | { ｛ |>ﾊ<|
| | |. | | |::::_:::|
`ト―‐ｰ┴―--r‐个ー┴ｲ |::八::|
,r ' ﾆ|:::::::::::::::::::::::::::C==zう::__;上¬、 __｣_トイ_|
/ ￣￣￣ ｀ ~`^!:C==3__| _. - '' ´ <_> ￣ ` ‐ .､
/ ｢:::::::::::::::|'' ´ _,. ィニ'ヽ r'ニヽ, _ ｀ l
/ |ヽ::::::::::;ハ_,.r '´ |::::::｝}__{｛:::::/ ｀ヽ __/
/ |::::::|::／:::::::| |::くﾉ八､,>:|
/ |:::::::::|:::::::::::::| _|::/ 八ヽ,>|
/ |:::::::::::|:::::::::::::| |.ｲイ ト､,]
/ _|:::::::::::::|:::::::::::::L. リ Y´ |
●呂布（字はアルトリア）
丁原は養子の呂布を常に侍らせていたため、
手の出しようがなかった。
呂布の武勇は、天下に知らぬ者などいないほどの勇将だった。
腕力が常人よりも遥かに強く、
弓術・馬術にも秀でていた。
そのため、前漢時代に活躍した李広に準えて 「飛将軍」 とさえ、呼ばれていた。
,'´｀'
.l
i
_, ‐''"｀' ‐ '´｀ﾞ'‐､
／ ,' , ､ ヽ
.// / .l | | i | ヽ ヽﾞi,
// /i ,i .|| | | |'､ ヽ ｀i|
" || | |/ |ﾞ､| ､|ﾞi､| ゝ__|, |ﾘ ……董卓？
|ﾞi､|了而iﾞ'‐ ‐´而"i |リ 'i,i
.|| ||｀ﾞ'‐" ﾞ''‐'" ||', l|.| 所詮は匹夫。恐るるに足らぬ
|| |:'､ ' l''||, |ﾘ
|| ﾄ､'i,__,.--'''ﾆ'''_ /_,||'i |
ﾘ| |/´ﾄ‐-､´＼ヽ‐､' ｀ ﾘ ﾞi. l _,-ﾆ==ﾆニ'ﾞ/
_,ﾘ/i´「｀＼, ゝ´i | ,l｀'ヽ‐-リ-‐'´=ﾆ==､‐7
, -'｀ゝ´// | |''三ヽ､丶_､,ヽ'､,｀'i, ヽヽ''‐'7‐--､_ ｀'
／´ / / i' i。ﾚ'＼,___|｀'/´ '''ﾍ-ﾞ‐_l ﾞi, ﾞi,ﾞ'､、 ＼
／ | lﾟ'-‐'´ ﾍ ￣l|､/ ／｀''' | ‐-i ､,l i｀; ＼
／ | ￣"'‐'｀'i'''''''iﾞ‐-‐‐'.,L,__| . l ‐l､| ＼
/ 丶 ﾉ|:. .:|｀'=､ﾆ‐´ ｀''‐-､_| | 〉
＼ ＼ ,ノ. |:.. .:| ｀‐ ､__,, ‐´ '｀' , ' ／
＼ ｀'‐‐｀'ッ--､‐ '´ |::. .::| ,､'´｀i´" -'´ ／
＼_ ,-‐'" / / ＼０. |::. ..:| 0／ヽ, ﾞi､;, _,, ‐'
｀'''''' ‐ﾞ/ / ＿＿__|-‐-|＿＿ ﾞi, ﾞi,,‐´""´
__,,, -‐ '''"ﾆ‐-､,. || _,, -=｀ﾞﾆ',''''‐-ﾄ;,__
lﾞ､ _,, -'´ __,, ---'''--- ,,__ ｀'‐-､,_ /l
丶丶_,, -‐'"´__,,,i‐'"".〈〉｀ﾞﾞﾞﾞ‐i,,,_｀ﾞﾞ'''‐- ､,._//
丶| _,, ,-'""i-‐| |i´｀'i i'´｀i| |'‐､l｀' ‐,､,,_ |/
L,‐´_,,, | |ﾆ='､ ,''=ﾆ| |,,,__｀ﾞ'_,‐ﾞ
_, -"´Olﾞ.|'|| | | ||'|ﾞlO｀ﾞﾞ'‐､_
,,-'" O |::| || ... ∨......|| |::| O ｀ﾞ'､,
/ |::| |｀‐､. ,,‐´.| |::.| ｀',
/ | | ｀ﾞ‐､_.,‐ﾞ´ | | 'i､
/ |::::| |::::| ﾞ､
/ | ::::| |:::::| ﾞ､
この呂布という男、個人武勇もさることながら、騎兵を操らせれば天下随一である。
軍事力に勝り、呂布という天下の勇将を抱える丁原と争うには、
帝を手にする董卓と言えど難題であった。
,イ
{ ( ／￣￣ 丶
. -┴′ ＼
／
/ ＼
/ , ヽ、
,′/ ,ｨ ､ ___ ＞
／ / / / ／ .| , ／Ⅳ |∨. ∧ ｺﾞｳｿﾞｸ
ーイ ′ |==ﾄミz、Ⅳ} //_,斗V ,| Ⅳ ∧ ええい、忌々しい雑種どもめ！
ノｲ 八ヽ {うｿ｀`/／Ⅳ=ぅﾆｱ/! l V }
| { ′ ／ '7,/ ∨ /
{'∨ ! { /ｲ ∧ Ⅳ 特に丁原だ！
＼ ___＿ Ⅳ ﾚ′ ｵﾚ
圦 ／-- ノ 八 我にことあるごとに楯突きおって！
| ＼ ￣￣´ , ｲ
! ＼ ／!/
＿|＿＿_ ー＜ |′
|三三三o三| ,' | ＿＿_
|三三三三=| ,' |ﾆ{三o=|
-=二三／／三≧o=| ,' |ﾆ{三o=|
-=二三三三三三／／三三三三≧ｭ ヽ圦三≧ｭ
／三三三∧三三三／／三三三三三/ / r‐「 V三＼＼ﾆ≧ｭ
三三三三=∧三´-＜三三三三三三/ / Ⅳ Vﾆ三＼＼三三≧ｭ___
三三三三三=}三三三三三三三ニ / / ＼ ||∨}三三三＞`三三＼三ヽ
/ ′ / ∧
/ , { ∧
ノ イ { |.＼ ＼ ∧ あの男だけは殺さずにおれん！
|l | | ＼ ＼ ∧ |
|l | ＼／ヽ i |! だが、あの呂布めが邪魔だ
|l 八 | ／￣´＼ 八|∨ ｉ|
|l ＼ ヾ､」／,ェ＝＝==ｧ V ｌ| ./￣∨ しかし、呂布は天下無双の英傑。
八＼ 丁二ｪ＼ |イ {iｊ}} ／ ∨ ｌ| / ⌒ それに、我好みの顔立ちでもある
＼{＼{ij〉 ＼ | ー ´ ∨ / / ヽ }
｀7 ＼ ∨レ′ ) できれば、殺さずに我の手元に
/ ′/ 置きたいものよ……
／ /
丶、 厂∨
＼ / ∨ /l ハクノ！
､―−―- 、 / ∨ |
ヾi|li|lｉ!r‐ ＼ ／ 何か策はないのか？
Y＿＿＿} ／ 献策を許す、言ってみよ
厂￣￣ ／; _ｨ≦
イ.::::; _ｨ≦三三
ー‐┬ ＜ .:::::::; _ｨ≦三三三三
_ｨ≦}:::::::::::::::::::;ｨ≦三三三三三三
＿＿＿＿＿＿
..:::´::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀:.:.:.
／:::/:::::::::::ヽ::::::::::::､::::::::::::::::::::ヽ
/::::::/::::::::::::::::l:::::l::::::::ｉ::::::::::::::::::::::::.:. そうだね……
/::::::/::::,'::::::::::::|:::::|::::::::|::::::::::::::::::::::::.:.:.
,':::::::::|:l:::|:::::::::::::|:::::|::::::::|:::::::::::::::::::::::::.:.:.: 呂布は方天画戟という天下の名品を持つし、
|ｉ::::::::|:l:::|:::::::::::::|:::::|::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::; その鎧は弩すら防ぎ、彼を傷つけることは
|ｌ;;;;;;;从十ﾘ::::ﾊ:|:::::|::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::ｉ 難しいって言われてるね
| ァ＝ﾐ |:::::|::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::|
i:.j｝ :|:::::|::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::|
ﾉ v'' :|:::::|::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::| でも、私が見たところ、馬は駄馬だ。
ヽ |:::::|::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::| それに嘘かホントかは知らないけど、呂布は
/::::ｲ::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::| ものすごい健啖家で、美食屋らしいよ
ゝ_ /::::/ |:::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::|
ヽ ｀ /::::/ .::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::| ギルが持ってる赤兎馬を呂布にあげた上で、
∧ /::::/.ィ´|:::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::| 四海の珍味を呂布に振る舞ってあげれば、
フ升:::{＿__.|:::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::! まず間違いなく呂布は宴席に現れる
{::i!::::| ::|:::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::',
}::i!::::|´￣:|:::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::'., 次の日からは毎日、大量の金銀財宝を呂布に
≦三ﾐ.':::i:::::| ::|:::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.. 送りつけよう。
}三ﾆ/:::ｲ:::::l ::|:::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ そうすれば、丁原は必ず呂布を疑うよ
〉三,':::::{|::::::l_ |:::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
//l::::::::|::::::| :|:::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::) 呂布も丁原も所詮、武勇で成りあがった男。
/＿|::::::::l::::::| :|:::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ 学もなければ知恵もない。疑われたと思えば、
ゝ|::::::::l::::::| :|:::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::{ 私たちを疑いもせずに丁原を殺し、
ギルの元へと来るはず
/ ヽ ﾊ
/ ,′ ! ﾊ
/ /, ｉ | ! 、 ! | ',
ー// . l { l＼ _ 斗 -| ヽ ……ハクノよ、いくらなんでも馬と食事だけに
'ｲi ﾄ､l 八 Ⅳ ´＿＿_Ⅵ ハ ﾄヽ 釣られて敵の親玉に会いに来るとは我には思えんぞ
| ./==＝ ＼| ｀￣￣ ﾚ⌒Y ,′
Ⅵ / 込 ｝ /
! 〈 __/ 今時、幼稚園児だって菓子に釣られて誘拐犯に
. /i / ホイホイついていくことなど、ありえぬだろうよ
＼ Y二.ヽ ／ !/
. ｲ⌒ヽ彡 ＼ ／ ｌ′
`ｰ ヽ ＿ イ ＿＿ｌ＿__
＿_} {ﾆ0ﾆﾆﾆﾆ|
|0|ﾆ| |ﾆ0ﾆﾆﾆﾆ|
-=|0|ｦ} __＿}ﾆヽヽﾆﾆﾆﾆ=-
-=ﾆﾆﾆ〃ﾄ､ | |ﾆﾆﾆﾆヽヽﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-
-=ﾆﾆﾆﾆﾆ〃ﾆ.| .〉 | |ﾆﾆﾆﾆﾆヽヽﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-
／:::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ、
. ／::::::::::／::::::::::/::::::::::::::::::::::::::／::::,:::::::',:::::＼
/::::::::::::/:::::::::::: /::::::::::::::::/:::::/::::::::::::}::::::::}::::::::丶
,′::::::::/:::::::::::::::′::::::::::::/:::::/.:::::::::::::i| ::::::|:::::丶::::.、
,′ :::::::′::::::::::::′::::::::::::′:,′.:::::::::::/:::::::,′::::::::::::., だったらギルが自分で考えて
:::::::::::::′::::::::::::{::::::::::::::::{::::::′.::::::::::/::::://::|:::::}::::::::::;
.:::::::::::::|:::::::::::::::::|::::::::::::::::|::::{::::::::大ｰ{::::ｲ_{::/::::/::::|::::::}
|::::::::::::′ ::::::::::::|::::::::::::::::|:::;|::从{＿ﾘ_Wi::::/!:::/:::::::|:::::|
|:::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::|:::|ﾘイ!芹芸ヾ V/!i/:}:::::::}!:::i
|::::::::::} ::::::::::::::::::|::::::::::::::::|从 ﾞ.‘⊇ﾝ ﾉ;斗::/|:/
|::::::::::|::::::::::::::::::ｲ::::::::::::::::| ´ ,r'ｿノ./´
|:::::::/′::::::::::/:::|::::::::::::::::| 乂´
/:|::::/:′ ::::::::/: : |::::::::::::::::| /
,'.::|:/::′:::::::::/ ::::::|::::::::::::::::| _ /
./:::::|:::::}:::::::::::/::::::::∧ ::::::::::::| ｀ー’ ,.:|
.::::У.::::|::::::／::::::::/ } :::::::::: ト､ ／.!:|
::::::::::::: ﾉ／::::::::／ 、_|:::::::::::::| ＞ ／:::::::|!|
:::::::::／::::::::::::::/ ｀ｰ-!}:::::::::::::|二、,ﾆ{｀¨::::::::::::::::|:}
／.::::::::::::/::,′ {~|::::::::::::|≧行<二ﾆ7i:::::::::::|!
＿＿_
´ ｀ヾ}
X ／ ≧､
X / ＼
十 / ヽ よかろう、貴様の策を用いよう！
十 / ＼ ',
/ / ′ ｉ ､ ｌV ∧ ヽ
ｰイ / l ﾄ､ _ 斗 V ∧ ﾄヽ
l ,ｉ __八 Ⅳ ´＿＿ V 刄∧.l
l/ l ,==ﾐ,＼| ´￣￣｀ V_」 l
ぬ Ⅳ! / ﾉ l
か . 〈 厂 从
し 八 ､＿＿＿ ′ Ⅳ
お ＼ ∨ / /. l八l
る V ぃ ＼｀￣´ ／ l
ﾟ ｛__, ー ＜ {0.ﾆﾆﾆﾆ}
っ {!ﾆﾆﾆ| |ﾆﾆﾆﾆﾆL
|lﾆﾆﾆ| _.」0ヽヽﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆヽ
r----------- 、 ノ||彡 ´ ＾ ||ﾆﾆﾆヽヽﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＼
｀¨¨¨ファ― ＼ -=ﾆﾆ〃||､ /||ﾆﾆﾆﾆヽ二二ﾆヽヽﾆﾆﾆﾆﾆﾆ!
| v' ,____ ＼ r-=ｴﾆﾆﾆﾆ〃ﾆ|| ｌ / .||ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆⅧﾆｌ ｌﾆﾆﾆﾆニl
. ﾄし'--'人 ＼ lﾆﾆｴﾆﾆﾆ〃ﾆﾆ|| l / ||ﾆﾆﾆﾆﾆﾆニⅦﾆ| |ﾆﾆﾆニニ!
ヾ..二ノ ｀¨ ＼ lﾆﾆｴ＝＝ﾆﾆニ|| l. / .||ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆⅦﾆ.ｌ lﾆﾆﾆニﾆ/i
董ギルガメッシュは、李ハクノの献策通りに呂布に名馬・赤兎馬を与え、
各地方から取り寄せた珍味・美味の贅の限りを尽くした待遇で、呂布をもてなす準備をした。
懸念があるとすれば、董卓が指摘したようにノコノコ現れるか否か、という点のみにあった。
そして……
/' / / ,.ｲ ヽ ､ ヽ ぃ
〃 / ' ｉ ,ｲ ,!l !釗 ヽ ヽ.l i 〉 べ、別に珍味・美味に釣られて来た
ｉ { l釗i.| l !,ﾊ| ､{ヽ. ! l､| | !{ わけではありませんよ！
い.！⊥!Ｌl|__! ＼斗七ｉ| !′
＼Vr'Ti宀､ '〔｢ ,}!〉 ｜ 敵将とはいえ、もてなしに応じないのは
|i. ﾄ､ ｉヒﾘ ｔこｿ ! !釗 お 武人の恥。ただ、それだけです
‖ l', ´ , | ｌ｜ か
li |ﾍ -‐ ,_'l l. ! わ 他意はありません（震え声
| ｜ ,＞ 、 ／!､|ｌｉ ト､ り
!. ﾚ:.:.;.ィ:ｌ｀ −'´ _,.ﾚ'|!| !､:.:> ！
､ |／/,.ﾍ! , -‐'´ ﾘ_:.〈
_!..イ_∠ゝ._ _＿__／ ＞ ―-､
,.-‐ ´,. -┴ ¨´￣ ￣¨¨ ‐-_,､｀、
/ r'{｀丁T冖−―--―−冖¨;￣ : / ヽ
礀 Ｖ ,.(ヽ」.⊥_ : : :| | |: : : : : : :/ /: :/´）i ﾉ
! 〃:.ハ.ヽ ヽ :｜| !: __ : : / / ／／､〈
｜ /L__{ } ＼ ＼! ! .く ｀ヽ_'／ ,ｲ 礀ﾍ.
l ′ ｀＼ ヽ ＾ヽこ＼. 〈 / ,}} ! ﾉ
,! i{ |｀ｰt＼ ｀ } ノУﾘ ∨
並外れた武勇と剛毅のなせる業か、
なんと、呂布は敵対勢力のボスたる董卓の招きに
疑うこともせずに応じ、董卓からもてなされたのである。
翌日からは毎日、呂布の屋敷の前に金銀財宝が山のように送り付けられた。
＿＿＿＿＿__
／壱 ／／万:／|
|≡≡|__|≡≡|彡|＿＿_＿＿_
.／.￣／／|≡≡|__|≡≡|／壱／／万 :／|
|≡≡|__|≡|≡≡|__|≡≡|≡≡|__|≡≡|彡|
|≡≡|__|≡|≡≡|__|≡≡|≡≡|__|≡≡|彡|.
|≡≡|__|≡|≡≡|__|≡≡|≡≡|__|≡≡|彡|
|≡≡|__|≡|≡≡|__|≡≡|≡≡|__|≡≡|／
/| :| / / ／ ／ .／| ｝ | ＼＼
〈 | :| / / //―/ 、／ ﾉ ./ | | | ） ）
.ハ.} | i ./! /斗王ミ '｀ ／, / /! | | .! ﾉノ
. 〈 :｝ /| | Ⅳ ﾚ《んﾍハ ﾘ ' / ,/.≠-| /! ! :| "
＞-ｔ {.｜ ﾞ. | `＜ソ /_.. ノf＿' .ﾚ/ /. │
冫八 Y 丶 .| ,'んハﾐ / / / 困りました……
ヽ ＼:| ∧. | 弋Zｿ ﾉ ｲ_ ／
》=.| | v. Ｕ ﾉ `¨./ｲ 使者の方は私が受け取りを拒否すれば、
/: : | | ＿ ' / | 門の前で転がり、赤子の如くダダをこねる始末
/: : : ;| ﾄ. `ｰ ゝ / |
/ : : : ∧ .|. ＼ . ｲ | 私が受け取らねば董卓殿に殺されると言って、
/: : : : :/: :,, |. ＞ . _ .. ＜ l | 無理やり私に押し付けて帰っていく……
＼: : :/: :／ﾞ、 | | | .|
.:ヾ ／ ＼|＼ ﾄ、 | .ﾉ もうしまう場所もないと言うのに……
＞―‐'‐＜ ＼ ｀ ｀ ｔ_, -´ ゝ， .| ／
/ ` , j: : } i >、＿
使者は毎日のように呂布の元を訪れ、莫大な財宝を置いて行った。
屋敷の倉には収まりきらず、木箱に納め庭園の先に積み上げる始末となった。
―― 噂は洛陽中に広まり、言葉を覚えたての赤子ですら、
董卓の呂布への熱愛ぶりを知らないまでになった。
ｼｯﾃﾙ? ﾘｮﾌ ｯﾃ、ﾄｳﾀｸ ﾆ、ﾂｸﾝﾀﾞｯﾃ
∧,,∧ ∧,,∧
∧ (´・ω・) (・ω・｀) ∧∧ ｿｳﾅｯﾀﾗ
( ´・ω) Ｕ) ( つと ﾉ(ω・｀ ) ﾃｲｹﾞﾝ ﾓ
｜ Ｕ ( ´・) (・｀ ) と ﾉ ｵｼﾏｲﾀﾞﾈ……
ｕ-ｕ （l ) ( ﾉu-ｕ
`ｕ-ｕ'. `ｕ-u'
ｷﾉｳ ﾋﾆｮｳｷｶ ﾆ ｲｯﾃｷﾀﾖ!
そして、噂が市民に浸透したと同時に、李儒は止めの一撃を繰り出した。
. . -―――-. .
／:.／: : : : : : : : : ＼
/: : /: /: : : : : : : : : : : :＼
〃: :/:〃: :/:/:/: :/: : : l: : : :. ねえ、知ってる？
八:./:/:|i: :/:/:/: :/:/:/:.:l: l: : i
|:.l/f刈:/:/:/:､/:/:/: :.:l: l: : i 呂布って、丁原を裏切って董卓様の元に
|:.i,,ﾋ' `=ミ: :∧:./: : :ﾘ: l: :ﾘ 来るつもりなんだって……
|∧ ' ﾋ(心 : /: : :/: : l:./
/: ∧`ｰ ｀,,,ﾟｸ: : : /_〉 : i:|i
/: /: /≧===彡': :./{: : : :.l:|i 丁原さんも可愛そうだよね、忠孝のなんたるかも知らない
/: /: /´￣＼ ＼: /´l: : : :.l:|i 武勇一辺倒の野蛮人を配下になんかしちゃってさ……
{: :l: :.{ ＼ ￣ l: : : :.l八
|: :|:.∧ ＼ ∧: : :.i: : :＼
八:.从:∧ | / ∧: :.|: : : : :＼
' ヽ: :>､ ＼ ｜ / |: :.|: : : : : : :}
｀ｌ ∨/∧｜ ,ﾉ : :!: : : : : 乂__
. 八 l i ∨ /: : /: : : : : : : :i⌒ヽ
密偵を通じて、洛陽に
「呂布は丁原を裏切り、今勢いに乗っている董卓側につく。だから董卓は喜んで、金銀財宝を呂布に与えている」
と噂を流させた。
この噂は、一夜にして洛陽中に広まった。
西暦１８９年、中平６年。９月。
【帝都・洛陽 丁原宅】
―― 呂布離反の噂を知った丁原は動揺し、同時に激怒した。
自宅に呂布を呼びつけると、声を荒げて怒鳴りつけた。
. / ＼
/ 7 ､＼ 、 }、 ､
/イ ｨ ｲ 人 ト､}､( ＼∧ } i＿ ＼ どういうことなんだ、アルトリア！
. / { / /}人ﾄ{ハﾍ / )/ Y ／￣ }ﾊ 〃 ﾊ
ﾚﾊ∧'｀丶、 ( / .; u;／x=＝=ｧ ﾚ'( } l 俺はお前を信じ、愛したのに！！
/ ﾊ {{下㍉ ィﾁ万}} }} // j
'. 弋tﾘ 弋:少 ;:::;, ノ /
', ｀￣;, ￣￣ :;:#::,; r‐ﾍ { 裏切るのか、この俺を！
､;;. /::::. l ﾊ从_
_,. ＼ ｀' ＿＿, --､ . ' お前には失望したよ！！
. ,.....::::´::::::::::＼ ヾ＿＿二} ／ |
,....::´::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ、 ／ j
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::､＿＿ ／ /
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l ｀ヽ、 /
＜￣｀ヽ
. ｀ヽ !_.... -─- .._
, -一, 、｀''ヽ,,_, へ
／ ／ ／ﾊ i ､i ヽ ＼ ﾞi
／ / / ハ ! 、 ﾞ| ! ヽ人
/ 〃 ,.ィ´/ 小ｘ.、 ｜! ‖ ﾞ､ 冫
i /i ｋ=ﾚ 弌ヽ､＼ | i ｜ レ'、 ま、待ってくださいシロウ！
Ｖ ！ 芹j 乍≡气､`| ! |＿ -─ i }
/ ∨ﾋﾝ ！しﾞ ﾉ 〉| ! |-─ ´ /_ノ 私は貴方を裏切るつもりなどない！
/ ﾉｒ｀ ┴─''´ | ! iへ_ ／ /´!
,' , { u | i | /,彡 ／__｣
i / ﾊ i ⌒ヽ | i ト'彡／ ´/ 何かの間違いです！！
｜i 人 ヽ 丿 ｲ i /／:::::＼´
卜 i ヽ _ /, ﾘ'::::::::::::::::::ヽ
,ﾊ ! ｀一 7´1r‐ /,' ノ'¨｀ヾ:::::::r､::::::',
ヽゝ'⌒''ｰ∠ｲ::::ﾍ ' '"´ ヾ:::｣ ｀一′
/, ／::::::ﾉr:::ﾍヽ ／￣｀＼
! i ぐ:::::／ |::::::::ヽ＼／ ｀ヽ
|, l / 〈:::/ ﾄ:::::r┘ / |
/！ﾉ V !＿｣ ﾞ,,! ! ｲ
＞:::::::::::::::::::::::｀ﾞ゛`ヽ:::::::::::::::ヽ::::::ヽ
__ ＜~´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::ヽ lヽ
＼￣:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∨:::l
-‐':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,l ,
_／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::く／/ 間違いなんかじゃない！！
~´｀ﾞ丶‐、-'＿:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∠、
::::::::::::::::::::ヽ ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∠、 董卓は金銀財宝を、お前の屋敷が
::::::::::::::::::::::∠:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽヽ 財貨で埋め尽くされるほどに送っている
::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::／:::::::／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ.ヽ って話じゃないか！
:::::::::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::/::::::::／::::::::::／::::／:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::ヽ::::::::l´
＿::::::::::::::::::::::l::, ヘ、:::::::/l:::／ｌ::::::::::／:::／/::::::::/ l::::::::::::::::l::::::::l::l::lヽ､l
／ _-‐' "~´/ ヽ、l:::::/ ﾚ l::／ i／ /::::::::/ /l:::::::∧::::l::::::::l:::lﾘ お前、俺を裏切るつもりなんだろう！？
／ _-'〈 、::/. ｌ::/ __＞ 、 l::::／ / /:::::/ l:::l l::::::lリ
―'" ヽ丶ヽ ﾚ <l l:j l ヽヽ レ /::／‐＜ﾚ レ´
‐_ ヽ＿ ヽヽ_丿 `ｰ` ／／｀// 殺されるくらいならいっそ……！
::::::~´｀-、 ヽ 丶―-- ´Ｔ丿 /
:::::::::::::::::::ヽ / ヽ//
~ヽ-、::::::::::ヽ、 ヽ '"｀ﾞヽ、 l /
:::::::::::~´ヽ:::::::::､ / ヽ l´ l::`, ノ
::::::::::::::::::::::::::::::ヽ ＿ヽ ヽ、 /::/ '´
::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::ｌ ''" ヽ ｀ﾞ゛" ,. ′
:::::::::::::::::::::::::::＼::::l / l ヽ―-'"
:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ∨/
:::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::l
事の真偽をただすために呼び寄せたはずが、
「お前は裏切っている」 「裏切っていません」 の水掛け論となり、
ヒートアップした丁原は思わず、剣に手をかけた。
,. -':´: : : : : : : :`'ｰ ､
シ: : : : : : : : : : : : : : : :ヽ,_
ﾉ: : : : : : : : : : : : : : : : ::::::く
ｼ: : : :;: : : : : : : : : : : :::::...:::::ヽ
r-;､ ｲ;: ::::/v;/::;ｨ: : : : ::::..:::::::::::::::､ヾ
ヾ1!、 'ﾍ/|ｨi､ヾ 'ノ'ヾﾍﾊﾄ、:::::::::::}ヾ､────── --- ........ ＿_
_,r<Yヾﾆヾ;二三! ツ ､-=ｲﾆﾞ､` 〉;:::::::ﾉ:::::::＼───────── ----`
__r '´￣ヽ';二::-ﾞ'=^( 八､ヾ､<ｌ ノ ゞソﾉ /fｸ）/:::|￣￣ ヽ
ゝ:{ ,.-‐‐ヾ ヽr'⌒`ヽ.ヾ､ヾヽ`r=-､ _ン"::ノ l お前が国賊・董卓に付くっていうなら、
∨:::::::::::::ヽ l:::::::::::::::ヽ `ー'>ゝ- '--.ｰ':´:::::::::::| | 俺にも考えがある！！
＼:::::::::::::`ｰ--ゝ──‐｀ｰ':´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| 、 |
{:::ｉ;::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::`丶､:::::::::::::::::::::::::::l | |
＼::::::::::::::::::::`::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::/ | |
＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::／ ｜ |
￣￣￣￣￣｀`丶､:::::::;: -､::::::::;:-' ﾉ /|
￣ ＼､ / |
} ＼ l
,.. -く ヽ
,.. -‐':´:::::::::::::｀ヽ､ /
／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ ／::|
呂布は叩き上げの軍人である。
身体は自分に対する攻撃に、
無意識の内に反撃するようになっていた。
＿ -＝ =- ）。
ソ j | ＼ゝ
ｒ-´ ミ ＿_ ノノ＿, ヽう
（７ ＞ " ｿ ⌒ ミ ＿ノｊ
＿ソ ” ＿_ ／ ＞
ー ヲーノ 、 ~⌒≧ｒ ， ＞ ´ /
√ ｀丶ノ ／ ミ 。ヽ ゝ ／ /
| / ／ 彡 ｿ 、 、 ヽ、 ヽ／＿_＿ , ／ /
⌒ソ/ / ﾉ.ﾉ// | j ハ ， ＼ ＼ j / ／ "
⌒￣￣ ﾞｿ/ / /≧＜ノ V l .ｊ, 少≦、 ii ﾞ ゝ-= ━ ﾞ .／ ／
＼＿ ==- / ﾉ /《¨い叶 ソ ｲひ}ﾞ》、ﾊ ； ／ ／
ﾉ.ノ | :人 ﾟー" ﾟー¨ ﾉ 。 | ／ ／
´ | / 、 , , ┃ | ／ .／
，= ┨‖｀ヽ 。 , 、 , = 〆 j .i~ ＼ ／ .／ 待ってください、シロウ！
／／: : : :i l : : : .ﾞ-} r: .... ....::彡 {<": : : : i } : : ／ ／
／／: : : : : : :y : : : : : 「 ﾞ＝----＝ ” | : : : : : ﾚ : ／ ／ 話を！ 私の話を聞いてくださいッ！
{ ﾞ ( : : : : : : : : : : : ； : : { : ＼ Cっ ／ : } : ，: : ／ .／
ヾ : : : : : : : : : : : :/ : ／０-=二＿＿二＝０＼ ／ ／
ヾ : : : : : : : : : ﾉ ／ | ／ ／ノ
ヽ ミ : : : : :// .|、 .／ ／ｿ
ﾍ : : : : : :z ／ ミ／ .／: /
： : : : : : :ヽ ＜ " .／ .／: : /
i : : : : : : : 、 ／ ／ : : :
丁原が剣に手をかけたと同時に、呂布もまた抜剣していた。
同時に、戦場での経験が呂布に、流れるような動作で丁原に剣を向けさせた。
__ノ:.:.:.∠;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:、:.＼
＼:.:.:.:.:.:..７:.:.:.:.:.:.:,;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ､
イ:.:.:.∧; 'ﾚ/i:.:.／/:.;,:.::i:.:.:.:.:.:.:.i.:.:.:.:.:.(
7:.:.:', `ﾗ､、|/／イ丿人;.;、:.:.:ﾚ.:.:.:,<´
. /／/ f´{;i:i心 ,,∠,,..斗 、/;.:.:.:.:.:.:.:.i_ アァァアルゥゥウウウトォオリアァアアアアアア！！！
/ iﾘ ﾍ_ゞ少, "´ ﾍ;i;;i 》 7:.:.:.:.:._／
ゞ, ´ ゝ‐- ´ /:∠:.;.iヾ..-.､_.....,,-‐::::;;;;;;;;;‐--
＿＿＿＿＿_∧ , -.,,__ ´〈´ };':{ : .:::::: : ,,''.: : : :::::::::: : : :
二二二二二二i:､ /'´￣｀ﾍ /ノ /," .:::: : : / : : : .:::::::: : : : : :
. |:.ﾍ ｛ / /ﾄ -r': : : :: : : :/ : : : .:::::: : : : : : : :
!: ::ヽ ｀‐＝- ' イ; ／': : : : : : :./.: : : :.::: : : : : : : : : :
y: : :`、ｰ ‐ ´ / / /: : : : : : : /: : : : : :: : : : : : : : : :
{: : : :/ヽ {/ i.: : : : :. :. :.∨.: : : : : : : : : : : : : :
. `;.:./ ∟、 _,ノ ,´: :∧: : : : : : :＼ : : : : : : : : :..::::::
∧ﾑ i ,´ i: : / ＼.: : : : : : : : : : : : ..::::::::／
∧ﾑ ／: :;" ＼.: : : :..::::::::::::::::::::::<
∧ﾑ ／: :; ' ＼: : : :.::::::::::::::::::::::＼
∧ ﾑ ／: : ´ ＼ : : : ::::::::::::::::::::::
／ /フ {三三} ＞ '" Y,. へ ＼
_,. 、 / l,. '´ _,. イ_,. -‐ ,.ィ／ ヽ ヽ
. ^ヽ-v-く」 ￣ Yヽﾍ __ﾊ ／ ￣,. -.::::::::::::::／＿ ノ .::// .::. ヽ l
| .l ﾏﾆ{ r 、 ﾊﾞ 〉...:::＼ ......::::::::ー=ﾆ二 -ｧ'´ ....::::＿/ ::::::. l. ｌ ハ
|:....:ｌ.....ﾉ:､J:l>┘‐┘l/l〈 T T ＼_,.ｨ ､￣V从ｌ/ : |: :／ ,. '´ ￣ l:::/ ::: l: ｌ.ノ..:/
ｰ ^ ´ ﾄ'´,..::7/:￣:ヽヽｲ ヽ ＿l,. ┘二ﾉV ∧|:/:／ /V ｉ| l:: ! ..:/
___ V.::::// _,.:::::::.＼l7 ＼＿∨／.:::::::::::/ fｉﾊ ／／ :／ .: ｉ| l:: l／ シロウ！！！
. 〈三Z〉V´厂.:::::::::::::::::/ ..:: ＜/./i:i. ::::::／l ヽ之ﾘ -=ﾆ イ .:／ :／ ｌ /:| !:: l
マソ./.ノ.:::::}三X :::」 ::::: Yi:i:i:i:i:i./ l ､:::Y: ,. /:／/ , / / /l ｉ| /:: !
/.::::::__八三X/ ｀ヽi:ｉ/ ハ jﾉ < /' 、/_// ／l / ﾊ | /.:: l
. /.::／.::::::::.｀Y´ V /l ∧ /.: 尤戈弌ミ! / /:/:l/.:::: l
/.::::::::::::::::::::::/ l:. / l . ､ ヽ ー ' イ l l /ｲl /::: :: ｌ l
. r/.::::::::::::::::::::::/ _,.ｨx､ .:::. V ﾟ」 i ｀ヽ ＿＿＿ ィN/ ﾉl/.::::: : ｌ l |＼
. ノ.::::::::::::::::::::::/ ∧iViﾉ ／.::::::::::._｀ 个ｰ ,. '´:::::::::::::::::::::::.＼:::l lﾊl ｌ:::::::: ! ｌﾉ :ヽ、
/.:::::::::::::::::::::::::ヽ弋M /.:::::::::::::::ヽ Xﾍ//.::::::::::::::::::::::::::::::::::::.＼l从l^ｰ ､: l ヽ :::::!
. /.::::::::::::::,..xﾆﾆx:ﾉ ＿＿_ /.:::::::::::::::::／:｀ヽ/.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}ｉ､ZZシ::. l: ＼::::/
. !:::::::::::〃.:::::::::: ￣￣ :::::::::::::::,.ｨi/.:::::::::::::／.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::Yi=く:::::::::...l:. 〉′
. 〉.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／.: i|:::::::::::::::::::::::::::::,fiﾊ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ;;;;;;;;;>､::::.丶:. ／
/.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／.:::::::八::::::::::::::::::::::::::ﾍi;i;j:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/l-イ;;;;;;;＼-- '
!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/川i＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
＿＿＿＿＿
￣ﾞﾞ¨¨''''''ﾆﾆ二二"'''''¬―- ....,,,,,_
´ﾞ"''ー ..,,,、 .￣''''― ..,,_
──=＝ﾆニ二三.,, ｀ﾞ'''ｰ ,,、
｀''-､、 ｀ﾞ''ｰ..,,
｀'-､ ﾞﾞ'-､、
三 ｀'-、
ヽ ＼
──=＝ﾆニ二三 ヽ
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二 l
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二三 ,／゛
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ﾆニ二三 _,,..-‐'"
──=＝ﾆニ二三″ _,,,.. -‐'''"゛
_.. -'''" ._,,,.. -ｰ'''"´
ニ二三. __,,,.. -―''''"ﾞ´
＿_,,,,,ﾆ二二ｰ'''''ﾞﾞﾞ´
￣´
―― 呂布の斬撃は、後から繰り出されたにも関わらず、
丁原の刃よりも早く、養父の身体を屠った。
明記しておく。
呂布に、養父の丁原を殺す意思など微塵もなかった。
―― 剣を向けられた、だから向け返した。
―― 斬りかかられた、だから斬り返した。
それが、戦場を父母として育った人間の習性であるが故に……
それら一連の行動は、呂布が戦場で育ったがための、反射行動のようなものだった。
何故、そんなマネをしでかしたのか、当の本人ですら答えられはしないだろう。
呂布にとって、剣を執り、方天画戟を操るというのは、
人間が無意識で呼吸し、内蔵を働かせるのと同次元の行為であるからだ。
だから、呂布が意識を取り戻したのは――
// ＼ ＼ l|
// 〃 ヽヽ ∨＼
// 〃 〃 〃 || |l ‖‖ | ||
// 〃 l |ｌ |ｌ /∧ ‖ |ｌ ｌl |ｌ ‖ ﾄ､∧
| |l |l |l || || ‖ |ｌ |ハｌ |l |ｌ ‖ | |〃 あ、ああぁぁああああああっ！！！
| || |l |l || || ‖ |ｌ |l |l |l || ‖ | |《
| || |l 廾=|-」､|∧|| ヾ､|! |l_」斗 'i|´|| ｌ| | 》
Vﾊ |l || z＝≠≧､ ヽ／,z≦示z､|| ｌ| |《 し、しし……しろっ、士郎ォオオオ！！！
|ヾl|ﾄ|| 《 |L:::ｊ::|l`` ´´|L:::ｊ:::ｌ| 〃| ｌ| |/
|l lトハ (__辷_う (__辷__う i|| ｌ| |
|l |lハ :. :{ j l|| ｌ|/ ごめんなさい、私は、私はなんてことを！！！
|l |lﾄハ :. ｉ .: /z|| ｌ|
|l |||‐人 j: ＿ （{ /'´ || ｌ|
|l ||| __＼ ∨ ) ／ー､,|| ｌ|
|l |||／／7/ｉヽ､ ￣ イ|ト､｀＼|| ｌ|
|l |||／///_」=＝＞=≦ｚr‐zl|_ ﾍ || ｌ|
|l |||////ム＿＿＿＿|__|＿_|| }_ト|| |l〉
＿＿＿＿＿ |ｌ 川￣￣￣ ＿＿ ,､- ､￣＼| 〃
／」＝＝＝＝ =ｚ＼ |l 〃/| ＼ﾊヽ ｛{ | /ｰ ､
／／ ヾ＞ｲ|//ﾑ＜三三≧z､＼ﾊ ヾ＝ﾍ ｨﾚ |ー──‐--､
丁原の身体から吹きこぼれる、
生温かな血潮を全身に浴びてからのことだった……
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ、
:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ':::-‐::::::::::::::::::｀ﾆ=‐
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ_
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ:;ゝ
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ::::::::::::::::ヽ::l, ある……
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ::::::::::::::::} と、
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｉ::/
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;:::::!:::ﾄ り……
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;rィ )::/:;ィ|::/
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ｨ/ /,ｨ'/'',r'/' ぁ………………
:!::;:::::::::;;:::::::::;::::::;ィ' }! |/ ' /
'Vl;ｨ〃/／' "´ `'′ /■■■
/ ノ■■■■■
/ ,. '´■■■■■■■■■■
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:::::::`ヽ.､ '〈■■■■■■■■■■
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|::::::::::::::::::::::｀ヽ､_■■■■■■■■■■
l:::::::::::::::::::::::::::::::::｀::‐:..､■■■■■■■■■■
l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;:＞=‐-...､■■■■■■■■■■
l::::::::::::::::::::::::::::::／´::::::::::::::::::::::ヽ■■■■■■■■■■
l::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ■■■■■■■■■■
l:::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
／／ / i ＼ } >
./, " / i .| ／ ﾚﾍ、
|/ , ヽ i .| |、 / } ノ
′ i .l i .ﾊ. ∧.i .| l / |' ﾞ; し、しろう……
| .| i .| ／! }/ }ﾊ .|,ﾉ / ./"
| .i .| ﾄ 1. ,ﾑ斗:ｒ7 } | / ./ :ヽ ど、どうすれば……
. i l .| 「＼ .ﾊ/ Ｖツ ':/ .| / /|: : : :i
. 八ハ ト |'芯＼{.:::::.´.:.:::::. ハ .| ﾊ /: :| : : : l わた、わたしは大罪にんだ……
. { `:.ハ .ﾄ.}７.: ::. ::. }/| .j ｙ: _,;|: : : :」
| ヾ. :,ヽ / } ｊ ／／ﾞ,:-イ~ 父と母に捨てられ、
ｌ |＼ _ -, ｲ .,／／: : : ヽ:.} _.. -= わたしをようしとして……
. ｌ .|. ､ ´ ／ﾉ ／／: : : : : : :’-==: : : : : : : 育ててくれた、お方を…………
丶 i `ｰ ' >" .／: : : : : : : : : ; : : : : : : : : : :
丶 ， .《 〈: : : : : : : : : :／: : : : : : : : : : :
―― ハクノの巡らせた計略は、この時、一人の男の人生を致命的に狂わせてしまった。
ハクノという策士がいなければ、
あるいは董卓という英雄がこの洛陽に現れなければ……
呂アルトリアは、養父とした丁士郎を殺すことはなかっただろう。
そして、義理の父親に孝を立てた、忠節に厚い、当代最強の武将として、
青史に、燦然と輝く異名を残したに違いない。
されど、運命は呂布にそれを許さなかった。
血塗られた宿命を、この武勇に優れども、心の弱い男に架したのである。
この瞬間より、呂アルトリアという人物は変わってしまった。
策謀によって……変えられて、しまった。
-―
´ ｀ ､- 、 ……シロウ
,.ｲ ヽ ヽ.ト､
／ ' / ', ', ヽ l 今すぐにでも、私は、
/. / ' , ', .! l. Vヽ この場で自分の首を刎ね、
'/' / ./ ハ ヽ i .!,. '!ノ 貴方にあの世で詫びるのが筋というものだ
/ .! ,! , ! ! ! 、 丶 ! l,. '! 〉
l ハ ｌ. ', l ', ヽ ＼ ヽ.! l／!イ だが、私にはまだ、やらねばならないことが残っている
ヽ{. ヽ ! ヽ ＼ ｀ ､ l ; ヽ,.ﾉ
l ﾄ､`ー‐' `ー‐' ノ! .|ｿ,! !
l.! ', ゝ_, ,::.. ) l i.!／ 私は生き延びて、必ずや英名を青史に刻もう
l ! | ＼ヽ ￣｀ ,.-' ,. イ l /,' シロウ、貴方の名もまた、永遠に残る……
. l.ｌ lr―=.ヽ_ ' イ;;;;: -‐l /ニ=i
!| !.l::::::lニニニﾆﾆ!ﾆﾆl/二二!
', !.l::::::!二二二二|ﾆﾆ'二二ﾆ!＿_ _,.. --- ..,,,,＿_
. _,. -―＝＝=ｰr l' !ニニニニニﾆlニニ／イﾆ＞'//////////////,i だから、シロウ…………
!////////////!_l/二二二二ニﾆｌﾆ／イニ=//////////////////!
l////////////／_＜二二二＞'"ヘマ二ﾆ///////////////////l
. l///////////'ニニﾆ〃ニニニニニヽﾏﾆ//////／'///////////,!
}//////////＞'"=ニニﾆ=-_マニニﾆヽV////／/////////////,l
!/////////イ二二二二二二＞､マニﾆ,'////////////////////、
. !'///////,'ニ二二二二二二二二＼マ=!//////////／////////{
_ .... _
. ´ ＿ ｀ 、
／ ,.ィ ＞―-｀>‐､- ＼
/ r'"／ ／ '／ヽﾄ､ ヽ
; / /´/ ,/ ／､ヽ ', 〉 !
, ./ ,{ l＿＿_,／ -‐ !/ ; ! ―― ほんの少しだけ、
ﾉ; 〃ゝ{ --― 彡! 〉 .i ! あの世で、待っていてもらえますか？
／ V / 廴ヽ、 ＝‐ ,.ｲ'" .!,ﾘ
,. ,.イ ｒ ', // i、,.ィマヽ、-イ l! ; i{
／ , '. ヽ 〃／//ｲ'l!ヽ'/ヽ }.,ﾊﾉ: !',
,. ' ／ / .lヽ ＼マ////l.!'∧/∧/./i : ヽ、
, , ,: : ﾏゝヽ.///,l !/∧／7' ! 、ゝ
/,...::::::::..､ ハ! ヾ‐=!'//,l=!//,l／ } l ; ,ヽ、,...::::::::::..､
／:::::::::::::::::::＼ ＿＿ｒ=＝ !'//,l=|'//,!ﾆ=-､＿＿ ／:::::::::::::::::::＼
. ／::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ二ﾆﾆ＼ﾆ|_//lﾆ|//,!二／ﾆﾆ二ｌ::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
'::::::::::::::､:::::::::::::::::::::l二ニニﾆ`マニ二ニ＞'ﾆニニニl:::::::::::::::::::::::::::::::::〉
':::::::::::::::＼::::::::::::::::!ニニニニニ＞''''＜ニニニニニl:::::::::::::::::::::／::::::'
,ゝ::::::::::::::::ヽ::::::::::::!二ﾆﾆ＞‐'"二二ニ｀''-＜ﾆニニl::::::::::::::／::::::::::::i
;:::::＼::::::::::::::::::::::::!ニ／ﾆニニ二二ニニニﾆ＼ﾆニ!:::::::／::::::::::::::::::;
. }::::::::::::::::ー-::::::::;'_/ニニニニ二二ニニニニニヽﾆ!::::::::::::::::::::::::::::/
i:::::::::::::::::::::::::::::::;ﾆlニニニ二二二二二ニニニニ〉_!::::::::::::::::::::::::::::i
l::::::::::::::::::::-‐::::::;ニ!二二二二二二二二二二ニ/ﾆｌ:::::::::::ー-::::::::::}
┌───────────────┐
│ │
│ ┌─────────┐ │
└──┼─────────┼──┘
│ ┌─────┐ │
└─┼─────┼─┘
└─────┘
┌───┐
└───┘
┌─┐
└─┘
□
―― 同日。
【帝都・洛陽 董卓邸】
,. -―‐=- _ ヽ ､ ヽ 、
／＿/ '´ ￣｀ ､ ヽ ﾉ .）
,.' l´.／ -‐ ア'" ｰ- ＜
／./'" ,∠ '" ` 執金吾・丁士郎が家臣、呂布
V/ 、 -‐ ／ ,. ´ . ハ ヽ
, '/ヾ 、,.' ／ ／ _,. ‐ ／ .' ! ' お目通り願い、感謝する
〈 !､ ヽ' , / '／ .／ｰ-'"／ ,. ' / ! ﾄ. '
ゝl.／ ｌ/, /／ハｆ:;ﾃ＜"／ ／ / ! ｿ
,. ´ i／ / ／!（ ´ ｀ｰ / ／ ,ｲ/ ｲ,ﾉ 并州牧・董ギルガメッシュ様にお願いがあって
{' ,.'／' ,.'/./.ヽ!二7 '" （ｿ! ﾄ､ かような夜更けに参上致した
（ / ／_,'/ ､T ﾏ二二ア 冫! .ｌ ヽ
{./ l'_ヽ_|＿ﾏﾆﾆ（_,.ｨ ‐= ｲ .! ）
l' /二二二二ﾆ=-､( ／ .ﾉ ,.!ノ
,ｨ77777777777777＞マ二二二二二}＼ ／ ,.'./ .ノﾉ
////////////////////,ハ‐マニﾆﾆl三ヽー-（ ' ／
. {/////////////////////∧ニ="マ_!二二=-､!.l'
!'/////////////////////,∧",.ィニ-＿ 二二l
V//////////////////////,}二二二ニ=＝-ｰ､‐ ､
V//////////////////////ﾆ-''"_,. -=ニ二ﾆ=-</＼
´ ｀ .
／ ＼
／ ／ ＼ ……構わぬ
/ / .′ | ＼ , ,
′′ l :| ', ′ ′ で、何用だ？ 時間も時間だ、
| | :| :| |! | l | ! :| 用件を言うがよい
l :l! | :| |{ } } :| :| l ;
| }l l | :|! { :|{ l }/| :| :| | :| | （ ……身に纏う空気が変わったな）
-─- ∨| }ﾉ_｣{八ﾊ ﾊノ_}｣人ﾉ| | :| |{/ ﾉ （ 養父を手にかけたことで、
. / ', |八(|:ｬtｯﾍ ∨ ｨtｯァ)ﾉ ,r┴┴───- .._ 心が死んだと見える）
_.. -─- .._ | | {/´￣ __く＼
{::::::::::::::::::::::::::} { {´￣ ＼ ＼} ｀ . ＿＿
. ',::::::::::::::::::::::,' 丶 ､_｀ ＿___, 八__フ--───-- く＼ } ｀ ＜⌒ヽ ＼
. ＼__:::::__／ ＼ ー ／ | ＜二二＞ -─┬─ ＼} ＼} ＼
| | ＿ ノ＼__ ,. ´ / {＼二＞ | ＼ } ＼
,. -=ﾐ |_ ∠二ア { ／ |＼＼ :| ＼ ′ ＼｝
/⌒ヽ }| ｝ _.. -‐ ´∠二ア__ |＼l ﾄ､| _｣.. -── {＼ / ',
/⌒＼ | }|ﾉ / | {／ ／ﾊﾊ∧∧|＼:| l＼| ,／ | ＼＼ / :|
/⌒ヽ }lノ | ′ { :{／ / / :| l :| |:＼| ／ | ,／ ＼У _|
. ＿＿{ ｝ l__⊆二⊇ { | :{／{/∨∨∨ ＼| | ／ ＞── ´
-─ :| └'′ ノ ′ , ＼ ／ _|.. ＜ _.. -─ ''"´
. ', /| / ′ / ＼／ {__／:::::::.:.:.:.:.....
| /| ′ ∨ ／ ／::.:.:.:.... /
｢ﾄ. /| | ′ :{ ／ ／ /::.:.:..... /
|:| ｢|｢|「| :|,ハ ﾏﾆ=‐‐-- ..＿＿ ／ ′:::..... ,′
_
, -‐'"￣￣￣￣ ｀Ｙ〈"i‐- 、
／" ｌ ヽヽｌ~i―--ヽ
／ ｌ ｌ｀〈ｌ,、 /ヽ
/ // ｌ ｌ ｌ ｌ ヽ、ｌ ｌ￣/ ｌｌ
/ ｌ ｌ ｌ ｌ ｌ ｌ ｌ ｌ ヽヽｌ、/ /ｌ
ｌ ｌ ｌ ｌ /ｌ _ｌ__ｌ ｌ ｌ , -‐ 、 ヽ'、ｌヽ/.ｌ
ｌ ｌ ｌ_ｌ ｌ'"、ｌ l、 l l'/'"_ヽｌ ヽ, ｌ ｌ/ 率直に言おう
ｌ ｌ、ﾚｌ.ｌ _,<ヽ ｌ、ｌ ｌ 〉,‐ / ヽヽi
ヽｌ ヽｌｌ`' 'ヽ/ ヽｌ、ｌ ｌ ／ / 董卓様の配下の末席に加えて頂きたい
/ｌ' l' ｌ'ｌ";;;;ヽ、 /
､ ｌ ｌ::ｌ;;;;;;;;;;;;;ヽ、／
ヽ ＿ . ｌ ｌ:/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ｌ'
ヽ ＿ｌ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ｌ
ヽ /:::ｌ i＿, - ――'"~´｀ﾞl
┌ｌ /二二ニニニニニﾆｌ
ｌ/ /二二ニニ,-―‐ 、ニｌ
┌ﾚ'二=_, -‐'"//////// ヽ!._
ｌ_,-‐'"///////////////// ヽ、
（{,ィ＝- 、
／"´ ヽ._ ……何故、とは問わぬ
, .ﾟ / ／ﾉ.; 、. ヾゝ rv，
ｲ.′{,':/'≧刈! i从!ヾ､ 「! !ｉ ,､
ﾘ:{ﾍｿ′ﾒ=ﾞ､ｿ,ﾑ'ﾘﾉｿ | r､ﾚ/ が、貴様は丁原の養子であろう？
ﾍヽﾍ 〉ﾊ!' {ﾉ〈ｰ{
∨ ､ `ー ｲ ! Y } 我は元来、小心者でな。
r‐┴┐＞ _, ′ ﾊ＿_}_ 丁原が生きているとなると、
,､_ .．=‐≦ヾ､:i:i:8|_ /-r， rL.＿_ | いつ貴様が我の首を狙うか
r'´:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iノﾒ:i:i:||､ `」ﾍ､_ ＿__ |:i:i:i:i:i:i:i〉 不安でならぬ
_j:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i／.i:i:i:i:i:i:i:||､ ||:i:iヾ､:i:i:i:ヽ l:i:i:i:i:i:i:i|
/:i:i:i:i:i:i:i:i:ィi〃:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:||〈 ｉ|:i:i:i:i:ヽi＝.`､_ j:i:i:i:i:i:i:i| 悪いが、
/＞:i:i:i:ir〃:i}ｉ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|| ヽj.|:i:i:i:iヽ:i:i:i:i:i:i:i＼ j:i:i:i:i:i:i:i|
┌─-, . ‐´￣￣ ｀"'ｰ､
_-‐┐'"~´ ヽ
ｌ::..／ _- ｀ﾞ ､
／`/ ／ :ヽ ……くだらん心配だ
丶:::/、 / l l ヽ :ヽ
/`/、ヽ / / / l. l ヽ :::ヽ
<:::/ ヽ/ / / / / ﾊ l l ::l::l:::ｌ 受け取るがいい
ﾍlヽ／ l / / / | l. l ｌ :::ｌ:::::l::l::l
/::::l.:/ l｀＞ト ､_/ ／ / / l ﾊ :::ｌ:::::l::lﾘ
ヽ／ l /r-ﾃｪ.､ﾐﾄ ､ / / / l,＞''7:::/l/
/ / l/ ', {. {} l ヽ_ﾞン /,ｨ,.r-, /レ'、
/ ／l ./ﾄ, ヽ.. ノ,. ｲi;ﾘ '/::::::::ﾊ
// /ヽ´/ .l 丶 ｀￣ ゝ'_ /ｌ:::::::::ｌ::l
l::ｌ / l .lヾl::::::::ゝ l , ｌ::::::::ﾊ::l
ﾚl / l l | ヽ::ﾞｰ'´/ _ ノ ｌ:::::::::ｌ ｌ:l
l ｌ rヽl――｀:ｰ┐:ﾍ ´ ｀ ／ ｌ::::::::/ ｌ:ｌ
丶l |:::::::::::::::::::::::::|丶､ヽ イ--「:| /:::::::/ ,ﾘ
―― 呂布は董卓の戯言を鼻で笑い捨てると、手にしていた包みを放り投げた。
床に落ちた衝撃で布の結び目が解け、
中身が転がり出た。
＿＿.0０ ＿＿ ∩
└‐┐ | | 匚］ | ○ ○ ○ ○ ○ ○ ＿__ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ∪
┌‐┘ | ￣￣ `つ_) ｏ
￣￣
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ、
:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ':::-‐::::::::::::::::::｀ﾆ=‐ ,
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ_ ´
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ:;ゝ
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ::::::::::::::::ヽ::l,
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ::::::::::::::::}
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｉ::/
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;:::::!:::ﾄ
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;rィ )::/:;ィ|::/
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ｨ/ /,ｨ'/'',r'/'
:!::;:::::::::;;:::::::::;::::::;ィ' }! |/ ' /
'Vl;ｨ〃/／' "´ `'′ /
/ ノ
/ ,. '´
{ / ､_／
: '〈
丁原の、首であった。
. -―‐-
´ 、
／
,.'/ / ' ハ ヽ ヽ ……敵対していた男の、首だ
〈'r! , {. i ' ! ', ! i l〉
/! ﾊ !.l ', ﾄ、{ l. } ﾊ ' } / ﾄ、
〉 ヽ.､ {ヾ_∨! ヽ }/-‐l / ｿ ' l/ 手土産に持ってきた
ｌ ｉ lヽ∨ツ` "∨ツ`! .!〉
, l ﾄ､ .:} ,.l !|
, .i l !（_,.ィ ､__）l l.!
ｉハ .l !＼（_,. ⌒ _.ﾉ ,.ｲ. , l
{ 、 !', _ l＞ゝ ,｢ニ＝ﾉ,! /.ﾘ
ヽ{'_!./ニニ＞＜!二ニﾆl/ム_,..-――‐- ._
/_l/ﾆ二二二ﾆlニニﾆ/イ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
＿_ ,'__ｌ!=＝＝―＝＝ﾆﾆ／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;'
_,,,,,,,,,,,,,__
_,r'´: : `ｰ‐‐‐.,_
. ,/: : : : .`､
. ,/: : : .`、 ……よかろう
,/: : ,' , ヽ､ `.､ ､ '., `､
∠,',': :,! .i､`､ヽ､ヾ,, `､ i .; : . ヾ!
/,' : ,!!:i : i.`､;!ヾ`ﾆ`.､,!ヽ!､!: : . : . `! 我が配下に加えてやる
. ﾚi : :iヽ:ﾄ､ !,r'7i´,! ,ﾉ .i; r'´`.i ﾄ､,!
. `､:!__` .ヽ! i._'／ i,!f´ i ! .i
. ``f､,! ヽ -,ﾉ .,! せいぜい、励めよ
. <_ __, ./`´! ,!
`､ r ﾆ-' ,／! .i .i
. `､ .,／ .,' i,!
`､ ,／ ,' _,,,,,,!-----┐
￣ `、 r‐''´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i__
,!'''ｰ''´:i i;.:o:.:.:.:.:.:.:,;,;,;,;,;,;,r‐:`ｰ--..,,___
r-';::::::::;;ﾉ !:.o,;r''''´`､ `､.:.:.:.:.:.:.:.:,;,;,:.---:ゝ-､
_,,,..-‐'''''''´:.:.:':k''´.,' f''i'´:.:.:.:.:::::::;;r''ヽ`ﾆﾆヽ''_.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`､
_,,.-'´:.:.:.:.:,／:.:.:.:.:,r'／ ,r- ! i:.:.:::::;;r''´:.:.:.:.:.:,:.:.:.;'`ヽ､`ヾ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`
こうして、董卓は呂布を配下に加えることに成功したのである。
呂布の裏切りによって、旧・何進一派と丁原の連合は脆くも瓦解した。
まず、董卓は何進が有していた軍勢を接収し、
次に、呂布の背信によって丁原が有していた軍勢までもを吸収した。
こうして、内実共に大軍団を有するに至り、同時に洛陽で唯一の軍事権を持つことになる。
こうなってしまうと、朝廷は董卓の思うがままである。
袁ルルーシュたちの反発を力ずくでねじ伏せ、董卓は思うがままの権勢を振るうようになった。
,イ
{ ( ／￣￣ 丶
. -┴′ ＼
／
/ ＼ 頃合いだ、ハクノ
/ , ヽ、
,′/ ,ｨ ､ ___ ＞
／ / / / ／ .| , ／Ⅳ |∨. ∧ 皇帝を変えるぞ
ーイ ′ |==ﾄミz、Ⅳ} //_,斗V ,| Ⅳ ∧
ノｲ 八ヽ {うｿ｀`/／Ⅳ=ぅﾆｱ/! l V }
| { ′ ／ '7,/ ∨ /
{'∨ ! { /ｲ ∧ Ⅳ
＼ ､___＿＿＿ Ⅳ ﾚ′
圦 `≦ ‐‐‐ノ 八
| ＼ ￣´ , ｲ
! ＼ ／!/
＿|＿＿_ ー＜ |′
|三三三o三| ,' |
……そして、ついに。
皇帝の廃嫡にまで、董卓は口を挟むようになった。
.. -―- ..
／. : : : :／: : : : : .｀.､
/. : : : : :/: : : : : : : : : :.ヽ、 …………ギル、私は反対だな
. /. : : : : : /: : /: : ,: : |: : : :!:'，
. /. : : : : : ' : : | : /.: : :{: : : :|: :i
. /: : : : : :_| |: : { / {|_从! : : :}: :l 漢室の権威は地に墜ちたと言っても、その正統性まで
/. : : : : : { | |: :|!圦茅ﾃi.! .ｲ/: :} 失ったわけじゃない
. /. : : :; : : :Ⅵ:|: :{从代ﾘ' 乂/,ｲ.ﾘ
/. : : :,;: : : : : :} !: :| 〉 それに、皇帝・劉弁は豪族の指示を得て推戴した皇帝だよ。
. /. : : : /: : : : / | |: :{ ＿ / それをとっかえるってことは、
/. : : : /: : : : ,': :ﾉ |: :ト ｲ ほぼ全ての豪族を敵に回すってコト
. /. : : ／: : : ／／-､!: :| |:.｀:.¨:::{
.. /. : ／: : : ／ _｀ヽ､|: :| |_::::::::::| 劉弁のナニが気に食わないのか知らないけど、我慢して
. / :／: : : ／ -､ ＼ Ⅵ !∧::::::::!
/ ヽ ﾊ
/ ,′ ! ﾊ ム……ならん。今の雑種は歯応えがないのでな
/ /, ｉ | ! 、 ! | ',
ー// . l { l＼ _ 斗 -| ヽ やはり玩具は活きが良くなくてはならん。
'ｲi ﾄ､l 八 Ⅳイ 茫ﾉ Ⅵ ハ ﾄヽ
| ./忙ミ ＼| ￣ ﾚ⌒Y ,′ そうであってこそ、蹂躙し、屈服させる
Ⅵ / 込 ｝ / 悦びが生まれるというものだ
! 〈 __/
. /i /
＼ ー―‐ ､ ／ !/ それに、劉弁は我らの糸ではなく、母親の
. ＼ ／ ｌ′ 何皇后によって操られている
ヽ ＿ イ ＿＿ｌ＿__
＿_} {ﾆ0ﾆﾆﾆﾆ| 豪族が推戴したと言っても、所詮は屠殺家の
|0|ﾆ| |ﾆ0ﾆﾆﾆﾆ| せがれ どもが推しただけのことではないか
-=|0|ｦ} __＿}ﾆヽヽﾆﾆﾆﾆ=-
-=ﾆﾆﾆ〃ﾄ､ | |ﾆﾆﾆﾆヽヽﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=- そのせがれ も死んだ今となっては、後ろ盾も
-=ﾆﾆﾆﾆﾆ〃ﾆ.| .〉 | |ﾆﾆﾆﾆﾆヽヽﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=- ないのだぞ？
. -─-ミ
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ ……なら、どうぞ好きにして
.′ :.:.:.:.:.:.:.:.: ｌ:/ﾉ
| .:.:.:.:.:.:.:.:.:| :.:|'{ｰ 私はギルの軍師、貴方が求めたことにだけ
|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| :.:|ﾉ 計算し、最上の結果を出すだけだから
. | :.:.:.:.:.:.:.:.: | :.:|
| :.:.:.:.:.:.:.:.:.:|777ｧ．
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|////∧ 私にカバーできる範囲でね
/ .:.:.:.:.:.:.:.:.:. V////∧
／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:V∧///|＼
―― 李儒はそれ以上、反発しようとはしなかった。
草原の掟は悠久の時を経て普遍、 〝弱肉強食〟 である。
強ければ生き、弱ければ死ぬ。
群れの中で最も強い者がボスとなるのだ。
だからこそ、群れを率いるボスの決定に異を唱えることなど、許されない。
諌めることすら、許されない。
「彼ら」はまるで、狼の集団だ。群れのボスが、すべてを決める。
それが最良の結果を招くとは限らずとも、群れの構成員はボスの手足となって働くのだ。
:::::::::::: : _,..-‐''"::｀`ヽ､
::: : ,.ｒ''":::::::::::::::::::::::.:.:.｀ 丶､
::＿,.＞::::::::::::::::::::::::::::::::::::: : ｀`ヽ ､ |＼ {ヽ
::｀`ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ｀''::|{ヽ｀ヽ＼
＿ ,,..＞:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ≦: :.: {{:.:.ヾ ヽ.:＼
｀`ヽ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ＜:::::::::'‘::::::::::::::: : ｀丶､
::::. イ≧:::::::::::::::::::::::::::::::::,. -‐''´:::::::::::::::::::::::::::::::::: : ｒ-｀_丶､
'''´ ｀ヽ､_::::::::::: ,..彡'´ ＜´:::: : ___;:＞''´ ￣ ｀''ミゞ処ヾ ﾍ.
.. : :‐=ﾆ二:::::::::, -‐''" _,,..彡'´￣ ｀ ¨´'' :廴
: : : : : :.:｀ヽ.‐''´ .. : : : :-‐＝─―ｧ : : . . ｀`ヽ､
: : : : : :.:.:ノ-‐ｧ,,... . : : : : : : : : : : : : : :＜__,.彡'',.イ´ｒ'´￣¨'ｰ- .: : : :..｀''‐ｒ:､
: : : : : : : :.:／ー―: : -- ＝= ..,,_: : : : : : : : : : : : : :‘ー‐--= ..,,｀''=‐‐-，-'’
: : : : : :.:／-‐''´: : : : : : :.:.:.,..彡'´ ヽ､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.:.｀''ヤ''´
: : : : : : : :｀ヽ｀''ｰ_,,.. -=彡''´: : : : : : ｀`ヽ､_,. -―――――‐-≠''´
: : : : : : : :.:.:.:厶イ: : : : : : : : : : : : :.:.:.,.彡''´
: : : : : : :.:.:.彡'',シ: :,-‐''": : : :_,. ‐''´
: : : : : : : :.:.:{:.:. : : : : . -‐ ¨
: : : : : : : .:.:.:', : : :.:ｆ´
: : : : : : : : : :‘: : : :{
: : : : : : : : : : :.'，: :'
＼ : : : : : : : : : ':,: :'.
,イ
{ ( ／￣￣ 丶
. -┴′ ＼
／ 当然のことよ！
/ ＼
/ , ヽ、
,′/ ,ｨ ､ ___ ＞ 誰かいるか！
／ / / / ／ .| , ／Ⅳ |∨. ∧
ーイ ′ |==ﾄミz、Ⅳ} //_,斗V ,| Ⅳ ∧ 筆と硯を用意せよ！！
ノｲ 八ヽ {うｿ｀`/／Ⅳ=ぅﾆｱ/! l V }
| { ′ ／ '7,/ ∨ /
{'∨ ! { /ｲ ∧ Ⅳ
＼ ___＿ Ⅳ ﾚ′ ハクノ、貴様は誰を皇帝にするが良いか、
圦 ／ Y 八 考えておけ
| ＼ ￣￣´ , ｲ ミY⌒Y
! ＼ ／!/ ｀ｰ" 簡単に壊れるような玩具を選ぶでないぞ。
＿|＿＿_ ー＜ |′ 我に従いつつも、強い意志を秘めたる皇子から
|三三三o三| ,' | ＿＿_ 選ぶのだ。
|三三三三=| ,' |ﾆ{三o=| ……そうだな、いずれ我を食ってしまえそうな、
-=二三／／三≧o=| ,' |ﾆ{三o=| それくらいの見込みがある雑種を選ぶがいい
＿＿_
_,.::´::::::::::::::::::::::｀:::...、
,.:´::::::::;::::::::::::::::::::::::::::::..ヽ
./.::::::::::;':::::::::::::::::::::::::::::::::::::'; りょーかーい
':::::::::::::i:::::;::::::::::::::::::::::::::::::::::i
|:::::::::::::|::::l:;:::ｰＡ-∧;ｨナl:;ﾊ|
';::::::::::::|:::＾lｨf示f. ｨテi^{
.∨::::r┤:: |l 込ﾂ 込!l:|
.}::::人.l::::::ll '' '' , -, '',l:|
从::::::::l:::::├‐rr.┼‐'ﾊ:::::|
;::::::::::::::|::::::ｌY´}_水{.Y|ｌ〉:::|
!::::::::::::::|::::::l:| ',...}ﾘ.|:l.|/;′
┌───────────────┐
│ │
│ ┌─────────┐ │
└──┼─────────┼──┘
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└─────┘
┌───┐
└───┘
┌─┐
└─┘
□
西暦１８９年、中平６年。１１月。
【帝都・洛陽 やらない夫宅】
､,, ,
`､｀ﾞ'''ｰ=============================ｰ'''ﾞ´ﾉ
`ゝl!i!li!lil!il!ili!lil!i!li!lil!il!ili!lil!i!li!lil!il!ili!lil!i!li!lil!il!ili!イ´
|=|_|^|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|^|=|
|=|_|^|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|^|=|
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,.r''"=|_|^|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|^|=｀ﾞ'､,,
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`；`;；i`.:;：i..''|| :田田田田癶||ﾛﾛ| .§. . .. . |ﾛﾛ||癶田田田田 .||'`,:'':'`:Y:''；;:：,:'':';:
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`;；ii|!:;. ,,;...;)}{{.|llll|llll|llll|llll|┃||ﾛﾛ|____.|￣￣￣￣||___|ﾛﾛ||┃llll|llll|llll|llll|.}}ヾ':';:;..,"i|!i|!,:'':';:;..
─-=＝-＿─三─≡-=─-=＝-.::::;￣￣￣￣ヽ､:::..─-=＝-＿─三─≡-=─-=＝-＿
二三_-=＝-＿─￣三─≡￣-:::::/: : : : : : : : : : : ヽ::::.-=＝-＿─-=＝-＿─三─≡-=＝-＿
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―― この日のルルーシュは、荒れていた。
_ - ‐───---､__
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀丶、
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. .:.:.:.:..＼
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: .:.:.:＼:＼
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: .:.:.:.:.:.:.:.:. :. :.:.:＼:.`ニﾆ=ｰ 国賊！！ 董卓ッ！！！
/.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.: .:.:.:.:ヽ:.:ヽ ヽ :.:.:.: ..:. :.:.＼:.`ｰ-､＿
/:.:.:./ .:..:.:. /:.:.:.:/:.:.:|､＼ :.:.:.:.ヽ :ヽ ヽ :.: .:.:. :.:.:.:.＼￣
/.:.:./ .:.:.: /:.:.:.:/ .:.:.:| ＼:.＼. :.:.l :.:| :.|: .:.:.:.:ヽ:.ヽヽ:.:＼ あの男、勝手に各地の『太守や刺史』を変え、
/:.:.:.|l .:.:.:. /:.:.:.:/ .:.:./| ＼:.＼:l :.:|: .|r ､:.:.:.:l|:.:|:.|｀ヽ､`ｰ､＿ 自分におべっかを使う者ばかり優遇する！
ﾉ/|:.:.||: .:. /:.:.:.:/ :.:./|:.| ∠弌ヽl .:.|:.:| ﾉ.:l:.:.|:.:.|:.| ￣
／'´ |:.:.|l:. :.:.{:.:.:./ :.:./ .|:.|_／／_j },ﾉ|:.:.|:.:|/|:.:.|:.:.|:.:.|.i| 誠（何進）様を始め、我らが立ったのは、
l:.:l ヽ:.:.|:.:./ :.:./､ |.l´彡＞＝´ |:.:l:./l }.:.|:.:.l:.:.l|ﾘ 宦官から国政の実権を取り戻すことだったのに！
|:,' ヽ:|､{:.:.:.{,孑ゝヽ､ /イ/// ｲ/ヽヽ:.`ｰ-､_
{l ヽ{ヽ ヽ¨´| ´ ／/ / ヽヽ￣ あの男は、この国を意のままに操ることしか
ヽ、 ヽ.{:.:.|ヽヽi! ＿ ,＿_ ∠ ／／', 考えていない！！
|{ヽ{ |:.｀＞ ､ ／＝＝＝Ｆイ´: : :ﾍ
｀ }ノ ｿ ﾝ ｀ ‐´Ⅵ: : : : : : :||: : _∧ : :ヽ これでは宦官の時代と何も変わらんではないか！
_ - ‐´──=＝￣冫||: : : : : : ||: （(升〉〉 :＼
/: : : : : : : : : : : : : : :托: ||: : : : : : ||: : 〈卅〉: : : :｀丶 、＿
|: : : : : : : : : : : : : : :廾: : ||: : : : : : :||: : : 化: : : : : : : : : : : : ￣ ‐─
●袁紹（ルルーシュ）
●補足 【後漢の地方行政】
ヘ
／ ｊ -━=＝ミ
/ ／ ＼ さて、三国志ではおなじみの役職、太守・刺史・牧の登場です。
/ ／ . 三国志に触れたことのある方でも、これら三種の違いがわからない
l＿＿/ .: という方もおられるのではないでしょうか？
′ / ,/ （
/( ＼ この職を解説する前に、地方の仕組みをお話しなければなりません。
/⌒` ＿ ≧-＝彡'
f斧芹 f斧芹 | スレでは当たり前のように人物の居場所を【 】で出していますが、
.|! 乂_り . 乂_りV 配慮が足らず、申し訳ありませんでした。
八 ' .: 八 j
. `ﾄ r . _ ノ ／ . 後漢の地方行政単位として、最も大きなモノが 『州』 です。
＼ .＞- -= r 〔 ／ 州の中にはいくつか 『郡』 が設置されています。
/ ⌒..ｆ......|! ≧ー＜ ` ＜个⌒ヽ 郡のトップが 王 である場合のみ、群は 『国』 と呼ばれます。
,:............|......|! ∧ |!..... |..........ｌ そして、軍の下に 『県』 が存在し、これが最小単位となるのです。
.............. |......|! ∨ |!..... |..........|
>>1こと珪孔雀
. -＝＝=
.／r.―┐ |三|
./ ＠⌒┘ ｊ三ｊ＿_ つまり、 『州』 ＞ 『郡』or『国』 ＞ 『県』 ですね。
| /」 ＞ ¨ `
l ／ ＼ 〝○○太守〟というのは、群の長官です。
|三 7 / ＼ ＼ ヽ 統治権と軍権を持ち、いざという時は軍隊を指揮して戦います。
.′/ /( ＼ ＼ ＼
, / /⌒＼ 、 『国』 の場合は太守ではなく、当然〝○○王〟が長官なのですが、
/ ,斧斗 三ニ=彡 実際には赴任せずに、〝相〟という役職を与えられた人物が、
,Y「1: V/り 斧斗 _ ｜ 現地に行って政治を行います。
f {.ｌ :|{ ,: V/り /Y7./ | そのため〝○○相〟＝〝○○太守〟ということになります。
八.:l ｊ l. 八 ｰ＝' ¨/ /// / |
`ｊ ..ノヽ ` ‐ _ ノ ./ ,: ./ 八 〝○○刺史〟というのは、州の巡察官にして、名目上の州の長官です。
)＼ ,仏＞―=≦ / .,: ( ／ しかし、州の長官と言っても、州の統治権も軍権も持ちませんから、
./ ∨ /..く_ (＿ ソ)八 人⌒く 名誉職のようなものです。
/ Ⅶ..../ ／| /:Y ........_
./＼ ＼′ |／ /::/ ∧......._ 実際に、〝太守〟の給料２０００石に対して、
/.........＼＿＿/／| /く /.∧......} 〝刺史〟のお給料は６００石でしかありません。
＿ . -=ミ
,ｨ三／ ＼ しかし、第一部・第二話の前編で、やる夫が督郵に賄賂を
./＠ ､ 要求されたのと同じで、州刺史は郡の太守から莫大な賄賂を
l三/ ./( ＼＿ 受け取っていたので、 「財布がはち切れるわ、ガハハハ」 な状態です。
/( `＝ _ 彡 それに、州刺史の次には宮中での重役ポジションが待っているので、
！ f.:j f.:j-∨ ,j いわゆる出世コースというヤツでした。
/ ⌒＼ ＿_ノ⌒Ｙノ(
/′⌒＼, ‐ }..|⌒ 〝牧〟は、名実共に 『州』 の長官です。
ヽ { ∨..,| 西暦１８８年、中平５年に、劉焉によって作られました。
＼ _＞＝= イ../.| 具体的には〝刺史〟の権限を拡大し、統治権と軍権を与えたものとなります。
く ＿ﾉ＿〕＿Ｙ〕.} わかりやすく言なら、〝刺史〟のパワーアップバーションが〝牧〟なのです。
／ /⌒ ）..:.
／ ＿ノ.........j 情報をまとめますと、行政単位は 『州』 ＞ 『郡』or『国』 ＞ 『県』
_ .-={ ,ｘ≦ ≡=- } 職としての身分は、 『州牧』 ＞ 『州刺史』 ＞ 『太守』 ということになります。
............ ＼ /⌒ｰ/7 -...........―＝ﾐ、
＿...-≠ ー 乂`ｿ Ⅶ...... ............:;........ヽ
¨¨ ￣￣ ヽ _ﾉ ●補足 【後漢の地方行政】 終わり
／￣￣＼
／ _ノ ＼ いつだってお前がキレるから、俺が抑え役に回ってるが……
| （ ①）（① 今度ばっかりは俺も耐えかねる！！
| （__人__）
. | ﾉ
| ∩ ノ ⊃
／ .／ ＿ノ お前の怒りはもっともだ、
(. ＼ ／ .／_ノ │ 俺だって腹に据えかねてるだろ、常識的に考えて……！
＼ “ ／_＿_| |
. ＼／ ＿＿＿ /
●曹操（やらない夫）
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
やらない夫もまた、董卓が政権を掌握して以来の暴政ぶりには怒りを覚えていた。
これは何も、やらない夫や袁ルルーシュのみならず、洛陽中の、
もっと言ってしまえば後漢帝国全土の豪族たちの総意だった。
洛陽入城を果たしたことは構わない、天子を守り抜いたことは称賛に値する。
……だが、しかし。
董卓は同じ豪族であるはずの―― つまりは、後漢を共に盛り上げていくはずの、
丁原を９月に謀殺した。
それだけではなく、１０月には三公（後漢の階級では、最頂点の一つ。土木事業を司る）の一つ、
司空の職にあった劉弘を免職させ、董卓自身がその座に
収まったのである。
―――━━――――￣￣￣￣￣￣￣＿＿＿＿＿＿―――――＿＿＿＿￣￣￣￣￣＿＿＿
＿＿＿＿＿＿―――￣￣￣￣￣＿＿＿＿＿――━━―￣￣￣￣￣＿＿＿＿＿＿￣￣￣
―――――￣￣＿＿＿￣￣￣￣￣＿＿＿＿＿―――￣￣￣￣￣￣￣＿＿＿＿＿＿￣￣
＿＿＿＿＿＿―――━━―――￣￣￣￣￣＿＿＿＿＿￣＿＿＿￣￣￣￣￣＿＿＿＿＿
| ﾞ .: /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}.:.:.:.:.:.ｌ::.
i!､ i ../.:.:.:.:.::::::::.:.:.:.:ﾘ:.:.:}.:.:.:.:.:.:.:.:. }.:.:.:.:.:.:}.:.:.:.:.:.}:::'
|! ＼ i! | : :.:.:.:::::::/.:.:.:/ }:.:.:!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.{::::',
! ､＿ヽ 人､__,x≦_ | :.::.::::::::/.:.:.:/ ,::::八.:.:.{ :.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.l ヽ',
,: ￣ﾐﾍ !,彳¨弋_ソ ) | : :.::::::/,'.:::/ /::/ V ﾄ､.: .: |.:.:.:.:.:.:l.:.:.:.:.: | ＼
| i ｀¨ ゛ '';:.:': . ! .:.:.::::/〃/ .:::/ , イ::| ＼ ｌ.:.:.:.:.:.'.:.:.:.:.:. |
ハ ( ! ､ : :; , . : ::://::/ /::/／ 彡ぅi冖Ｖ.:.:.:.:.:ﾊ.:.:.:.:.ﾘ{:l
ｒ‐ ﾍ ー ゝ ＿__.ﾉ, ゛ 7 ﾘ ! ....:://::/ /:／ｨf[_::::::_｣} jﾉ.:.:.:.:/│.:.:.:′':,
人 ｀ ､- ､｀ i! l .ｲ/ .ヾ.:::/｛_,.イ/ '弋::::V:::ノ '/.:.:.:∧ | .:.:,′
ハ ｀ -.､ | } ／ / { .' ／ ／ ｰ-ﾆﾆ´-‐/.:.:::/ ﾉ}.:.:,′
l ￣ |´ / ≠ . ~ :l /.:.:::/ 人::.′
} i! ﾑイ .:| //:::/ ／.:.:.::::{
. { ｊ ´ /.:| ／ ｲ厂.:.:.::∧::|
） / .. ｀ 7 .／ｲ.:.:.:.:. ﾊ{ '::|
ヽ_ / -‐……‐-､ ／ |.:.:.:.:./ }} ヽ
｀ヽ / .. -─‐- ｀ﾉ ／|.:.:.:|.:.:.:/ ″
,､ ｀l _ -- _ i! ￣ ／ |‐-┐:,′
. / ｀ ¨´ ｀ ｰ≠ .. ／／ {:::{
―――━━――――￣￣￣￣￣￣￣＿＿＿＿＿＿―――――＿＿＿＿￣￣￣￣￣＿＿
＿＿＿＿＿＿―――￣￣￣￣￣＿＿＿＿＿――━━―￣￣￣￣￣＿＿＿＿＿＿￣￣￣
―――――￣￣＿＿＿￣￣￣￣￣＿＿＿＿＿―――￣￣￣￣￣￣￣＿＿＿＿＿＿￣￣
＿＿＿＿＿＿―――━━―――￣￣￣￣￣＿＿＿＿＿￣＿＿＿￣￣￣￣￣＿＿＿＿＿
これに反発したルルーシュはやらない夫や他の豪族と共に上奏文を提出。
しかし……
／ ＼
/ ＼ 痴れ事をほざくか、雑種！
/ マニｪ,,_
./ ./ ､ﾍ
/. / i ﾍ ﾍ 上の者が心を乱し、
〃i. i /. / / / i i , .i .i. i i 己の責務を全うできなかった時、
ノ | ,{ /|／| ／| ﾊ l ﾊ ﾊ .,| i l! | 天は怒り嘆くと言うではないか！
'''´| .r-| .ﾊ.ムﾃ=x＜.ﾉ/ | ／|/_,,ﾘr'i´ﾊ ﾊ i ﾘ
W.ハN .i!｀.ゝ-'-｀ヾv |/ ィ弋ソ_7 i!/! / }/ 然るに、此度の干ばつが続いているのは
{ 〈 / }/ 劉弘めを罷免せよとの天の意思！
＼ヽ､ i, .,'／
｀-ヽ / .,' それに逆らうは、天に逆らい、
ﾍ'., __,, ,,_ ,r' ひいては、皇帝陛下に逆らうと同じぞ！
ﾍ|.＼ .,イ
| ｀ヽ､ ／ |
l'''''¨¨¨''''''''''::::ーi ｀ ´ |,,,,,,__ 貴様らには、皇帝陛下に逆らうだけの
|::::::::::::::::::::::::::O |. |:::::::f¨'''''i 度胸があるのかッ！！
,rL,,,,,,,___::::::::::::O:::| |:::::::|.P::::.|
_,,､r-::''¨´:::::::::::::::::: / / ::ー┴-┐ !ヽ､| P:::」 その場合、我が并州の精鋭鉄騎と
＿ _,,､r- ''¨´::::::::::::::::::::::::::::::.／／:::::::::::::: |::::| |~i:::::ﾍﾍ｀''::-:,,_ 争うことになるが、どうする？！
,r::'´￣:::::::＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／／:::::::::::::::::::: |::::| .| |:::::::::ヽヽ:::::::::｀:''::┐-:,,
※注 （天は怒り嘆く…… 当時は儒教＝学問のすべてだった。儒教によると、為政者が清き心を保ち、
己の職分をまっとうすれば、天候は穏やかで作物は豊かに実る―― とある。
これを 『災異説』 という。
もっとも、この考えはもっぱら権力者が気に食わない人間を罷免するために使われるなど、
末端の農民ならばいざ知らず、知識人階級には本気で信じている人は少なかった）
暴論ではあるが、当時の国教にして学問の全てである儒教を否定することはできない。
さらには十数万とも言われる并州兵の圧力に、二人の若き壮士は言葉も出せなかった。
／￣￣＼
ノし. u:_ノ｀ ,,＼.
/⌒` （ ◯）（Ｏ): ………………っ！
.:| j（ （__人__）
:| ＾ ､｀ ⌒´ﾉ: ………………！！！
| u; ﾞ⌒}:
ヽ ﾟ " }:
ヽ :j ノ: ｉ |ｉ |
／⌒ ヽ | || | |
:: ／￣￣ヽ :: ＼ || |i
:: （｢ ｀rﾉ :: ＼ ||i ＼
:: ヽ ノ :: ＼ ＼
ガタッ！ | | r ｢＼ ＼ ＼
| | | ﾉ ＼ ＼＿＿ ＼
ヽ＿ノ /||| l ＼_, ｀ヽ ＼
|| ｉ / | ||| | (＿つ￣と_ノ) ＼
|| || | | ||| | ＼
／.:.:.:.／.:.:.:. ﾊ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
,ｨ.:.:.:.:／.:.:.:.:.:./.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: /.:.:.|
.-=彡／.:/.:.:.:.:.:.／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: /.:.:.:.:l …………っ、クソッ！！
/ｲ/:/.:.:.:.／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／.:.:.:.: /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/'ﾊ.:.j::|
/ /:/.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:___／.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.／ｊ.:.:. 〃.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ /:∧
|:/／/.:.:.:.:.:__.:.:.:ィ´ メ.:.:.:／ｲ/.:.:.:.:／ /.:.:ﾑ//.:.:.:.:.:.:./ /.:/ ヽ
|j/ ./.:.:.:／ ヽ.:.:.:.:Ｘ イ／≧x'.:.:.:,ｲ ィ.:.:/ /ム.:.:.:.:.:/ /.:.:'
,'.:.:./ }.:／.:.:Ｖ ¨¨㍉i.:.:.:∧ /／ 孑´ |:./j:/ -'.:;ｲ:{
|.:./ !.:.:.:.:.:小 / |.:./ ! / / j/ / /.:.:.{ ヽ
/¨￣￣￣ ¨V::＞ ､ /, ｲ.:.| v.:ゝ. V j ｲヽ:.:ﾊ
. /.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/＜ ヽ{ ヽﾊ＞ ､ ` ／ ,{ }}V
{:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼---／:::Ｖﾊ＞､ ＝==ｭ ／ ／／{＼_＿＿＿
ｊ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ `r‐＞､__, ＜ィ ´,イ::::::::::::::::::::::::::::::＼
ﾉ.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::ﾄ〈〉:¨} r―――ｧ/¨:::ｖt:::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
/:..:.:.:.:.: .:.:.:.:./:. :.:./:.:.:. :.:.／:. :.:. /.:.:.:.:.{ ヽ:.:.:.:.:.:.:.
やらない夫とルルーシュ。
宮中の若手筆頭二人を、
ギルガメッシュは軍事力と暴論にモノを言わせて封殺したのである。
これは、こと弁舌において挫折を知らなかった二人にとって、屈辱だった。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
／￣￣＼
_ノ ヽ、 ＼ いや、落ち着くべきは俺もだろ、
（ ●）（ ●） | 常識的に考えて
（__人__） | ..／}
_ ヽ｀⌒ ´ | / / __
(＾ヽ{ ヽ { ./ / . ／ .ﾉ まずは、何故、董卓があそこまで横暴に
(￣ ヽ ヽ i ヽ / 厶- ´ ／ 振る舞うのか、原因を知ることだろ
.(二 ヽ i i |,r‐i ﾉ. ヽ / ／
ヽ ／ ノ ／ r一'´ ー ､ ￣￣￣） そうすれば、ヤツに俺たちの
i { ｲ―イ / .`ー―. ､＿_ .〈￣￣ 言い分を利かせる隙が見るかるかも、だろ
ヽ. `ｰ '/ / /＼ ＼
`ー ' ￣￣! | ヽノ
, ....´￣￣:::｀::.丶
, .'...:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀:丶
／.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
/ .::::::::::::: .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ ……そうだな
. j ::::::::::::: .:::::::::::::::::::::::::: .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
i : /:::: /.::::::: .::::::::: .:::: .::::::::::: ::::::::::::::::::::::::: :::::! 確かに、やらない夫の言う通りだ
! .i::::: .:!: .:: .:::: .:: .::::: .: .: .::::: .:::!: . :::::::::::ヽ:: :::ﾊ
.'.: .:l : .: l .:: ..:: ...::::ﾉ ..::::: .: .: .i:::i!.::.::: : ::. :::i:::. :.ﾊ
. /ﾉ:.:::|: :::::i:::.::／イ ｲ:.:ィ,ｲ.: .:/.::j:::!!::{!ヽ.:i:: ::::!:::..::.ﾊ ―― 董卓。ヤツの生まれは涼州の隴西郡だ
//}:::}::|:.::::::|:メ､／´ {://./:..:/}::/}::ハ:ﾊ::i!:!: ::!:::i::i:::ﾊ
. /´/::ｨ::::{:!:::!:{:イﾒ ミ.メ./,/:::://:/〃＿_{_i::}!..: .:j::::{::ﾄ:ヽヽ 涼州の民は半農半牧で生計を立て、羌族との
/ // !::!::{i::::!:ﾄ弋´゜リﾄ{/::／//7≠＝ォ}!/::.::/:::::ﾊ:'. ヽ｀丶､ 交わりも深い
/´ /'!}!:::':::::'.{! ｀￣ ´/／.ノｲノ 弋´_ノ/ｲ::::/:!:::::| ヽ'. ｀
ノ j |!i:::|!':::::'.ヽ、 ./´ {! ｀￣ノｲ／::::!:::::| ヽ ヤツ自身、三分の二は羌族の血が流れている
ハﾊ:i':::ト.､ j! ´イ}::::::ｲ{!::ﾄ:{ と聞く
j .ﾘ.ヽﾄ.ヽ ＿＿ ／´:j::/ |ハ| ヽ
Fミｺ、 .＼ ｰ ｀ .イ:::ｲ:/|/ i| i| あの傲慢な性格は、おそらくは羌族からくる
}: : :｀: :｀.､ 丶、 イ:／ﾚノ' ﾘ ものだな
＿ ﾉ: : : : :∧: : １{ ｀´ー:〒}}
/7
//
// 特に草原の異民族は、最も強い者が単于（異民族の王号）になるだろ
＿＿ //
. ／ノ ヽ＼ .// 董卓は幼いころから、羌族に混じり、羌族の掟に従って育ったという
. ／ （●）（●〉/
l （__人_,//l そう考えれば、董卓の傲慢な性格にも納得がいく。
. | ｀⌒// ﾉ 実際問題、董卓は帝を保護して洛陽に入城した。そして、中原で最大の
l // ./ 軍事力を誇っている
. ヽ r-‐''7/）/
/ と'_{'´ヽ だから董卓は、自分こそが漢の主だ―― そういう考えでいる可能性が高い
/ _.､__〉 ﾄ,
{ ､＿_} |.i ……だが、漢族として育った俺たちには、董卓の理屈は肌に合わない
ヽ _,.ﾌ .|.|
, :.:':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀丶、 ……つまり、董卓というオトコ、ヤツはヤツのルールに
／:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼ よって動いているだけで、それがオレたちの目には、
／:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:／:／:.:/:.:.:./:./:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.＼ 横柄で道理を知らない行為に映るワケだな
/:.:.:.:.:./:.:.:/:.:.:.／:／.:.:.:.////:.//:.:.:.//!:.:.:.:.:ヽ:.:.ヽ まあ、横柄で傲慢なだけの愚物如きが、
.':.:.:.:.!:.:l:.:.:.:!:.:.:/:.://:.:.:.:////:.://:.:.:. ///!:|:.:.:l:.:.ヽ:.:.'. 宮中を牛耳れるはずもないがな
|:.:|:.:.l:.:.|:.:.:.|:.:/:.://:.:,∠///:.://:.:.:./// l:.l:.:.:.l:.:.:.:l:.:.:丶
|:.:l:.:.|:.:.|:.:.:.|/／/:／ｰｧ-/:.://:.:／//___l:.l:.:./:.:.:/:.:.:.:ﾄヽ 実際問題、気に食わないが、ヤツが指示した政策の
/:/!:.:.l:.:.l:.:.:.l弁≠ミftｯ､/:／/／.,//-‐､ヽ∨:.:./:.{ヽ:.:.'. 中には、オレや誠（何進）様がなそうとしていたことも
. /イ:.l:.:.:!:.:.!:.:.:.ﾄ込社zｸｲ≠､/'´ ,'/ｨz=≡ミ,/:.:./:.:.l ＼', 含まれている
/´/:/l:.:.:{:.:.'.:.:.:.! { ´ゝ仗秞〉':.:/:./:.:! ヽ
ノ´ ﾄ.:.｀r､ヽ:.:ヽ . 〉 ￣/:.ノ:.:/:.:.:.!
|:!:.:.|l ヽ丶:.:＼ ＿´ ／/､:.:./:.:ﾊ:.{
i:|:.:ﾉ＼'＼｀‐-ヽ -´‐─｀ / /:/|:/ ヽ! ,-ﾍ￣ヽ───── 具体的には、党錮の禁で追放された
ﾘ:/|:.:./:.了ヽ ￣ ／ノ!／￣￣￣￣| ', ',: : : : : : : : : : かつての名士（豪族）の復権だ
j/ j:./:.ﾊ:.｀、 丶、 ∠:.:.:イ / .l | |: : : : : : : : : :
ﾉｲ:./ j:.:..トヽ ＞ ､_ イ:.r '´ ＿＿__ ノ-‐ | | |: : : : : : : : : : ヤツのお陰で政界に復帰し、ヤツに
j/ ノ从|_＿r───‐／ﾉ /￣ ／ ／￣ ∨ (_| |: : : : : : : : : : 取り立てられた者も少なくない
／, ─| |￣￣／ _/ / ／ / ￣l│ |: : : : : : : : : :
(／∧ :| |: : r/ // /＿__ / ＿＿／| | |: : : : : : ／: : : 彼らが董卓に恩義を感じているか
|/､Ｙ/:| |:.／ ／/ /|└┤ .／-‐´/:.: : : : :.| | |: : ﾑ≠´: : : どうかはまったく別の話だが
／￣￣＼
／ _ノ .ヽ、＼ 結論から言って、ヤツの問題点は、ここが漢であるというのに、
| （●）（●） | 自分が生まれ育った、草原の理で物事を判断するところにある
. | （__人__） .|
| ｀ ⌒´ ﾉ
. r─一'´￣`＜ヽ } 飲みなれない地方の水を飲むと腹を下すっていうが、
. `ー‐ｧ , ) , -'~⌒ヽ、 俺たちには、董卓の価値観が身体に馴染まない
ノ {. ,ﾍ ,l. ゝ、_ .'ヽ).
. ／, ､ _ /. | . ', . .. .ヽ、 董卓にしてみれば、俺たちの困惑なんか知った話じゃない
（／ / // / / ...| ...|＼..＼＼ ＼_) ってワケだ
/ // / / . . ＼_＼_)､_）
ｰ' {_/ノ ."´ ……つまり、コレは価値観の問題だから、
. -‐.:.:￣￣￣＞x.
／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼ ……オレたちには、どうにも、できない
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ .:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l
/.ィ.:.:.:| .:.:.:/:.:.〃.:.:/.:.／..:.::.ィ.:.:.:.:!.:.:! かと言って、見過ごすわけにも行かないぞ
ノ'´ l.:.:.:.| .:.:/.:∠|..:.:'.:./ .:::／ !.:! ..:|.:.:|
|, .:.:| .:.l./――|::/.:／r―┤l ..::ﾄ..:| 人間というのは、諌める存在と諫言を聞ける
ﾉ|l.:∧ .:l ≡≡ {:/ ≡≡V.:.:∧ ヽ 環境にいないと、傲慢さを留める所なく
|l.:.｀ヽ.:.', {. ７.:.:./ 育ててしまうモノだからな……
|ｲ/.:.::ド ､. U ′ , ′:/
从/ﾄ'､ > ィ イ:.:／ その内、勝手に皇帝位を変えたり、挙句の果てには
／ ヽ辷 ≧-＜リﾊ{ 董卓自身が皇帝になるとでも言い出しかねないぞ
／￣￣＼
／ _ノ ＼ ……いくらなんでも、それは考えすぎだろ、常識的に考えて
| （ ⌒）（⌒)
. | u （__人__) 第一、諌めようにも俺たち、先々月の劉弘の件で董卓に睨まれてるからな……
| |r┬|}
| | | |} 大人しく、董卓がこれ以上横柄にならないように祈って、
. ヽ ｀ﾆ} いつものように公務をこなすしかないだろ、ｊｋ
ヽ ノ
/ く ＼
| ＼ ＼ ﾊﾊﾊﾊﾊ……
| |ヽ、二⌒)､
―― この時の袁紹の発言は、ほんの冗談のつもりで口にされたものだった。
……いくら漢のルールを知らないとはいえ、よもや勝手に皇帝を挿げ替えたりするなどとは、
思いもよらなかったのである。
……しかし、だ。
哀しいかな。人間が 「こうはならないでほしいな」 と考える最悪のケースというものは、
往々にして実現してしまうものなのである。
曹操と袁紹が冗談を交わしあって、数週間後。
西暦１８９年、中平６年。１０月。
【帝都・洛陽 宮中】
∫ι＿＿＿＿＿＿＿＿/丁了
丿;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.ヾ.ヽ.
ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::,.,.,.,,.,.,.,.,.;;.ヾヽ
.ﾍ. ..ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;;::;::::::::::::::::::::::::::::::::,.,.,.,.,.,..,.,.ヾ.ゝ.., ﾍ
ゝ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::,.,＿＿＿., λ
ﾍ ,,__ノヾ~~~~~~~~~~~ ~ ~~~~~~~~ ~ ゞ,ノﾍ
ゞ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,,,,,,ノゞゞ
/⌒ヽ /⌒ヽ /⌒ヽ /⌒ヽ /⌒ヽ /⌒.. ﾐﾐ::l
三三, ,,三三 三三, ,三三 ,三三 三三 ﾐﾐﾐl
┌┼┐＿＿＿┌┼┼┼┼┼┐＿＿＿┌┼┼┼┼┤＿ヽ
│ ／,,;;;;;;;; ／]ミ;;,, ／,,;;;;;;;;;／]ミ;;,, ..│ﾐﾐ‖
┌士士士士＿＿＿＿＿＿＿＿士士士士士士士士士士＿＿＿＿＿＿＿＿士士
. . 彳／三三三三三三彳／.|ﾐ 彳／三三三三三三彳／ |ﾐ
. 彳／三三三三三三彳／.. |ﾐﾐﾐ |彳／三三三三三三彳／ . |ﾐﾐﾐ
. 彳／三三三三三三彳／ .. |ﾐﾐﾐﾐﾐ .. 彳／三三三三三三彳／ .|ﾐﾐﾐﾐﾐ
●洛陽・宮殿
董卓により、都中の文武百官、
および洛中の富豪たちが宮殿の前に集結させられていた。
,. - ─- 、
/ ノノノノハヽ 劉弁タンまだかな……
i ,-､_{＿＿＿ l' ,. -─- ､
} | r} ` / -' | |`i ／ ,ﾍr^､ | ,! -‐- ､
{ 'ｧ' `ー'/,_ ）!／ﾘノ二二jﾉ / ＿i
,-ｿ ､ ノ＿ i／/ - r { |＿_∠＿_,へ ／￣￣ヽ
/#＼ ､ `='ノ iﾆij ,ﾆﾞ | | r､/＿＿,|￣/ ノノﾉij
＼＃i＼ ￣,ﾉ`i ヽ ､ ノi' {_ （__ﾊ_ ! | _ノ^i'_ﾌ'i,! ハァハァ……
＼i＃|＼==|/`|＼＼`ｰ ､ヽ | i ` ,.-ｉ{ }､|- 'i | あの魅惑のニーソは
＼|ヽ ｝ ﾉ i ＼ | 〉ノ`ｰヽ ,<j 二ﾉ /ｿ ヽ.､, ﾉ 反則でしょ……
Ｏ|/ |l/ i ﾉ´| _ノ＼＼ "{ヽ /＼ ヽ､|
| ﾘ / | i/ ヽ_|＼ノヽ ＼_|ヽ
|０` | | |＼ ､ `| | | | ヽ あのちょっと止んでる感じが
| | | | ＼ ﾘ | | ri | | またツボでしてな、ﾃﾞｭﾌﾌ……
/ : : : : : : : : : : :/: : :| : : : : : : :/.:: | :| |: :|:: |: : : : : : : : : : : :l
. / : : : : : : : : : : :/: : : :| : : l : : :/.:: │:| |: :|:: |: : :| : : : : : : : : l
/: : :/ : : : : : : : /: : : : :| : : i : :/.:: ! :| |: :|:: |: : :| : : : : : : : : l みなさん……
. /: : ,ｲ : : : : : : : / : : :/: :| :._⊥/-─‐ ! :l .|: :| ──- .. |:|: :l!: : :l : : : : : |
/: :/ │: : : : ｌ : : !: : : :|:,.イ´.: l/.:::::::::: /:/ |: :|:::::::::::::... ｀メ |: :|!: : :l : : : : : | お元気ですか……
,' : ,′ | : : : : ｌ : : |: : :.イ:/|: : :/-─＜ /:/ |: :| ＞─‐--､｀下y'| : : l: : : : : :|
│: | | : : : : | : : |: : : :|:.:_,.ｨ≠≦三ﾐ ／'" |: :l 彡三≧ｪx |/ ヽ: : :l : : : : :|! 私は……
│: | | : : : : | : :│: : :l,ｲィ'::l|li|l|li|!:| | / |::l|il||i|li:ヾ;､ | : : :| : : : : i:!
│: ｌ ｌ: :/: : :| : : l : : 〃 {:::::l|l|l|l|l|::| j,′ |::l|l|l|l|l|::::}ヽゝ : : :l : : : :,ハ とても……
|: :,′ ∨: : : :l : : l : : : l: .∨:!!|l|ll!!::| |:::!l!|l|l!!::/ /} : : /: : : :/ : :l
|: ′ ∧ : : : |∨ l: : : :|: :',∨:::::::::::j_ {::::::::::::::/ // : :/| : : :/ :| : l 元気です……
i,′ / ヽ : : | ∨ : : : |!.:ハ＞=≦三三 三≧==＜. //: : /: | : :/ : :| : |
／ | ＼| : ∨ : : ﾊ : :{三三三三 三:. 三三三三ムイ: : :| :/ : : :| : |
| : |: : : :|＼: {＼乂三三三 i!三三三三三三三/ :| : : :|/ : : : :| : |
| : |: : : :| : :ヽ＼ ￣ ＿Ξ三三三三三,/| : |: : : : | : : : :| : |
| : | : : : |: : : :|｀ |lヽ、 ´￣｀ 三三三三:,イ: :| : |: : : : | : : : :| : |
| : | : : : |: : : :| : |l |: |li:..、 三三三三才il| :l : :| : |: : : : | : : : :| : |
●皇帝・劉弁（字は言葉。後の少帝）
まず、壮麗な音楽と共に皇帝が宮中から現れる。
董卓の暴虐ぶりに疲労がたまっているのか、
普段以上に衰弱している様子であった。
＼ ＼＼ ┏┓ ┏━━┓ ┏┓┏┓ ／＼＼＼＼
＼＼ ＼ ┏━┛┗━┓ ┃┏┓┃ ┃┃┃┃ ∠−ニ￣ ＼＼
＼＼＼ _>. ┗━┓┏━┛ ┃┗┛┃ ┏━━━━━━━━━━┓ ┃┃┃┃ 二＿＼＼＼
＼-=ニ ┏━┛┗━┓ ┃┏┓┃ ┃ ┃ ┃┃┃┃ _− ＼＼
＼＼＼ ┗━┓┏━┛ ┗┛┃┃ ┗━━━━━━━━━━┛ ┗┛┗┛ ￣二＝＼ ＼
＼ -=ﾆ ┃┃ ┏┛┃ ┏┓┏┓ ＜ ＼＼ ＼
＼＼ ／ ┗┛ ┗━┛ ┗┛┗┛ .,r-'"￣丶､ ＼＼＼ ＼
＼／ ｨ ,.−−−− ,､ｒ-- ､ ／￣＼ ／￣￣ ､ﾐヾﾐ三ヽ_ /／ﾞ丶､ ＼ ＼＼＼
＼／'''" / ／ ＼＼＼ ／ﾊ!､ ＼ ＼＼ ` ＼＼ yﾟj､ﾟ uＶ､ i ＼＼ V'｡ﾞ"｡ ＼ r.､ | ＼＼＼
＼＼ /／ ｒ--- ､ //｡ﾞ´｡ﾞ､ ヽ _____ 〈r---ヾ/ trｊ ､､､ / い しﾘfZｊ/ ＼ ＼＼
＼＼＼ ,.-tﾆ=-､ ＼ｲ|〈__ u＼ i ﾍ￣くヽ ,..r---!￣￣| i f_ /｡v｡ﾞﾐ化ﾆﾆﾆヾ H ＼ ＼ ＼
____ `ｰｊﾟ〈､ﾟ uﾞｖﾍ| !ﾍﾄ-ﾞヽ | i| |ﾟLﾟ u ／j､ ヽﾌ_ﾉ/ !､| .ふ.u!fｊヾＶ |! ﾉ ﾞヽ,､
／ｊﾍ､ ヽ kii==ヾ | f!. ヾ==''／!ﾊ!''ｰ .,|!ﾃヾ / ﾅ ﾞ ⌒､ ﾞ､/ /`''￣-−-ﾐ==/／ ／ ￣''ヽ､
〔ﾟ}{ﾟ〕uＶｉ| ､-!i__,,,!ｊﾉ !ﾞ フｨ､ / | | ''-" V ﾟ〈､ ﾟ `!i .rﾐ, .|`-"/ ／匸ヽ ／ /
ヾﾃヾ､〈| 〈ﾟi_ﾟﾋ,,／ / ﾌ￣//|ﾍY､ | .| ／ ヽr (ｒ ､ し ﾙ!ソ人 / / ￣ |
Y=ﾉ//ヽ-!-〉''不−" /〈 | : ﾄ ､／ / | i､ ﾆﾞ ク"/ﾞ''-,,_ | i
／ﾍへ / / ! ／ | : | `7.| /| | >.､___ ／ / 丶､ |ヽ 言葉ちゃーん！！！
r" :c |､!､ |ヽ | : | / |! | /〈 ｪ,ヽ.r< / ／ ヽ | ﾞ､ ﾎｱｯ、ﾎｱｯー！！！
!､ヽ :c |ヽﾐ. | ﾞ､ | :.| / | /i. V Ｙ ヽ/ / i !､/ .､
実権を母・何皇后と董卓に握られているとはいえ、腐っても皇帝である。
ましてや自分たち（豪族）が推戴した王者―― 劉弁の人気たるや、凄まじいものがあった。
. / ,..:':./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:＼
i. ／:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.ヽ
i ,.':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.､:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:':,
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. /:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:i､:.:.:.:.i:.:.:.:.ﾊ:.:.:i彡ｼ:., ……ドーモ
. ,:.:.:.:.:.:.i:.:.:i:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i.i:.:.:i ヽ:.:.:i:.:.:.:.:.:i:.:.i:.:.:i:.:.:,
i:.:.:.i:.:.:.i:.:.:i:.:.:.:.ﾊ:.:.i:.:.:.:.i___;;.斗:セチ´:i:.:.:.:.:.:iVi:.:.:.:';:. i
ｉ:.:.:.i:.:.:.i:.:.:.i:.:.__,.斗:i:.:.:.:.i.:.:./,ｨ示テぇ､ i:.:.:.:ﾘ､i:.:.:.:.:.;:.:.i
i:.:.:.i:.:.:.V:.:.V:. ｨf示､:.:.:.:.i:/ Vr';;:::ﾘ i: :/.ハ:.:.:.:.:.:;:ﾘ
V:.:i.V:.:.i､:.:.ヽ:. V;沁＼::i 乂;;:ﾂ ｉ／ノ/.:.:.:.:.:∧
＼ｉ ヽ:.ﾍ＼ﾊ 乂ﾂ ￣ ,r-':.:.:.:.:.:.:.:.:∧
ヽ'､ ト , /:.:.';.';:.:.:.:.:';:.:. ∧
|:.: ､ - ‐ ／|:.:.:.:';:';:.:.:.:.:';:.:. ∧
|:.i:.i:＞.､ , イ i:.:.:.:.:';:.';:.:.:.:.:';:.:. ∧
|:.i:.i:.:.:.:.:.:.＞.., ＜ 弋..､:.:.';:.:';:.:.:.:.:';:.:.:∧
|:.i:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| / ヽ.､:.';:.:.:.:.:.i:.:. ∧
|:.i:.:i:.:.:.:.:.:／ノ ／ ｀ ' ､:.i:.:.:.i:ii
Ⅵ:.:i:, '´ /--, ,--／ ,ｨ:'´⌒ヽ:.i:ﾘ
／ / ／ ,.'´:::::::::::::::::::ヽ
,ｨ/ .| .／ /:::::::::::::::::::::::::::::ヽ
●何皇后（字は世界）
次に現れたのは、劉弁の母である何皇后だった。
こちらもまた、どことなく陰鬱な空気を漂わせている。
／￣￣ ＼ -‐.:.:￣￣￣＞x.
_ノ ヽ､_ ＼ ／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
（●）（● ） | .人 | | l..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼ そうだな……
（__人＿） | (＿)| l..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
'､｀⌒ ´ U | /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ .:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l 普段よりも病みっぷりが
| | ./.ィ.:.:.:| .:.:.:/:.:.〃.:.:/.:.／..:.::.ィ.:.:.:.:!.:.:! 三割増しというか……
| { ノ'´ l.:.:.:.| .:.:/.:〃ヽ!:'.:./ .:.:／ !.:! ..:|.:.:|
ヽr｀ｰ- -=´ < |, .:.:| .:l /￣ |::/.:／r―┤l ..::ﾄ..:|
/⌒'' ー─,, ＼ ﾉ|l.:∧ .:ll/=≠ミ:{:/ r=ミV.:.:∧ ヽ
/ ｨ } |l.:.｀ヽ.:.', {. ７.:.:./
ノ / | | .|ｲ/.:.::ド ､ ＿′ , ′:/
／ ｀ヽ i: | | 从/ﾄ'､ >. `- ' イ:.:／
（__.ィ´ヽ,ム、〉i | | ／ ヽ辷 ≧-＜リﾊ{
/ ゝ/ / 7-､
ヽ／ / / /'Y
なあ、ルル……？ なんか陛下の様子おかしくないか？
皇帝とその母親の異変に気が付けたのは、文武百官たちの中でも、
.ｺｳｹｲ
普段から皇帝と接する機会の多い公卿大臣（高級大臣）や、
見識鋭い若手官僚の双璧たる、やらない夫とルルーシュだけだった。
続いて現れたのは、
皇族・劉弘を追いやり、自らその座に収まった司空・董卓ギルガメッシュである。
|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | /|
｀ヾ:.､ ! : : : : : : : : :､: : : :＼: : :}: : /: : ／: : :／: : : : :j/│
∨: : : : ＼＿.: : :＼ : : : ヽ:j.:,ノ-‐'― '"､: : : : : : /:.│
∨: : : : : : 彡´￣￣￣￣｀´ ＼: : : : : : .′ ………………。
∨: : : : : :ﾉ_ ｲミ: : : : : / ..イ
＼ ∨: : : : イ_ __,／ ヾ: : : : : ´／
＼v: : : : :.′｀＞====-': ／￣｀ヽ lﾐ: : : ／
∨: :ノ! ／笊｀> .:.:.:.', <ﾞ笑ﾆ＞ |ﾐ: : /_
｀ヽ:､: : : | ´￣ .:.:.:.l |ﾐ: :／
＼: : ! :.:.:.!: !⌒!
l⌒ヽ ヽ:!:' ′ |
―-- ..,,,__ | :.{ :, __ /.:. ﾉ
／ . : : : : : : ¨: ‐- .,_＼ :':, -=＝‐…’ ./ ／
／ . : : : : : : : : : : : : : : : : :｀ヽ〕:r.､ ⌒ .ｲn/
´￣￣￣￣ ｀ ＜: : : : : : : : : : : : :l__| !＼ ／/{ } ,. -- ､
／ .:::::: ＿_｀ヽ: : : : : : : : ｌ＿_j '; 丶., ／ / )ﾉ ,. ´: : : : . ＼
´ .::::::: ,，.:::::´￣:::::::::::::::: : : : : : : : :!: : : : ｀ヽ. ｀:.−.:´ / ′ r＜: : : : : : : : : : : : :.,. ー‐-- .,
.::::::::: ,，:::::´::::::::::::::::::: : : : : : : : : : : : : : : :| : : : : : : :＼ ,，:┴- ..,,_ ／| : : : : : : : : : : ,，＜: : : : : : . . ｀
￣￣￣ ＞ :::::::::::::::::: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼: : : : : : : :＼ ／: . :/lヽ＼ ヽ／:. /! : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: . : . : . : .｀ : .,_ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ : : : : : ヽ : . ｀ヾlll>ﾍ／｀ヽ/::| : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :,， ＜
その傍らには、二人の人物。
まずは董卓の頭脳と言われている、軍の頭脳たる男、
, . : ´ ￣￣ ｀: : : ､
／: : : : : : : : : : : : : : : : : .、
/: : : : : : : : : : : : : :.i: : !: : : : : .､
, : : /!: ｲ:./l: ﾊ: /l: :/: : :!: : : : : : :
l:／ ´ ' ´ ｀ "i: : : l: : !: : : : :! 私こそ、フランシスコ・ザビエル！
|＿_ ＿＿_,. l: : : l: : ; : : : : l
,γ⌒ヽ j￣´ ￣￣ .!: : : l: : !ヽ: : : l
/ } , "" ＿＿＿_ """l: : :l: : : l ).! : : l
{ .━― { ! } ｌ: : :ｌ: : : l.ノ: : : l
ゝ .ﾉ 人 ヽ ノ !: : l: : : :!: ｉ : : :l
｀ ー ´ /: : 7: . . _ ￣ .l: : {: : : .|: l : : :i
/: : :/: ,.ィニ7ー７ニ7￣ヽ:ヽ: : :∨: : :.!
,. -＝-―- ､.!ー'￣ｧ-‐'" ヽ:}: : : ﾞ; : :.{
/ ／／‐'"´ }: : ﾉ: :} : : 、
廴 ＿_,. ＜＿ _ イ:{: : ': :ノ : : : ヽ
/: : : ;' :/ ー--― ＜ ./: :.!: !: {､: : : : ヽ:.ヽ
. /: : : / / Ｏ/ ヽ '" ./: : : ヽ: :}: ＼: : : :.}: :）
. ／: : ;./: / ./ ./: : : : :ﾉノ: : : :}: : :./:./
（: : : ( .l:/ ７ ０/ ┌ {: : :!: : : : : : : :/: : /: ;'
ヽ: :ﾉ /;'／ ./ ! ヽ: :}: :}: ::!: : /: : :.{: : ヽ
, :': :(, : :/ ハ ―- _V: /: :/: :ﾊ: : : : :､: : :）
. 乂: : :ヽ' _..／! ＼ V: : {: :（: :.ヽ: : : '; :.'
. ー- '/￣ i l .i ー-- .＿＿_}: : :}: : ; : ﾉ）: :.／
{＿_.| | l ! | l .!: ノ乂:( {: :（
l ￣ ｀ ー - !＿＿.!＿_!＿}' ｀ ヽ:ﾉ
……とてもそうは見えないが、
それでも、頭脳明晰にして豊富な知識と切れる知恵を持つ、
李儒ハクノの姿。
―― そしてもう一人。
養父の丁原をたかが馬一頭のために裏切り、
その首を手土産として董卓陣営に合流した、
空前絶後、天下無双の人傑として名高い男……
. -―‐-
´ 、
／
,.'/ / ' ハ ヽ ヽ
〈'r! , {. i ' ! ', ! i l〉
/! ﾊ !.l ', ﾄ、{ l. } ﾊ ' } / ﾄ、
〉 ヽ.､ {ヾ_∨! ヽ }/-‐l / ｿ ' l/ ……………………。
ｌ ｉ lヽ∨ツ` "∨ツ`! .!〉
, l ﾄ､ .:} ,.l !|
, .i l !（_,.ィ ､__）l l.!
ｉハ .l !＼（_,. ⌒ _.ﾉ ,.ｲ. , l
{ 、 !', _ l＞ゝ ,｢ニ＝ﾉ,! /.ﾘ
ヽ{'_!./ニニ＞＜!二ニﾆl/ム_,..-――‐- ._
/_l/ﾆ二二二ﾆlニニﾆ/イ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
＿_ ,'__ｌ!=＝＝―＝＝ﾆﾆ／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;'
_,,,;;;;;;;;;;;;;;;;; ＜-ニニ=-＜二二ﾆ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／二二二二二二＞､ニ!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:'ニニニニニニニニニﾆ>,l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;く、
l;;;;;;;;;;;;;;;/二ニニニニニニニニア /ﾑ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;}
ｌ;;;;;;;;;;;;;;{二二二二二二二二／／二ﾑ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,
ｆ;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾏニニニニニニﾆ／／ニニニl';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾏ二二ニニﾆ／,. !二二二ﾆl .!;;;;;;;::;＞､'7'/∧二ィヽ､;;;;;;;;,
,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ト_マﾆﾆ＞",.イ.! .lニニニﾆ/./.!;;///,>'/////lｉlｉ!///ｉ/ヽ;;;;;,
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!ニヽ￣,.イ二ﾆl !二二二/./ﾆｌ///,/;;l////!ｌｉｌｉl///,l!'/∧;;}
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;lニニl lニニﾆﾆl !二二ﾆ/./=/ !///i;;;{'///ｌililili{///l;!'//,!＞ 、
,.ﾍ 〈;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:'ニニ! !ニニﾆﾆ! .lニニニ! {ﾆ{ /.V//!;;;;V//lililililV//;!///二／＼
ﾑﾆヽ ヽ;;;ィﾆ二=‐-､;;/ニニ,ｉ lニニニﾆl !ニニﾆﾑ ﾏ///＼,ｌ;;;;;;;ゝｌililililililV'"l ／_／ニニ/
. ﾑ二ﾆヽ=ニニ=-,-＝7/.ニニ/ ,'二二ニﾆl_,.!-‐''"""""〈////,!'"lニ=|ililililililニニニﾑﾆﾆ／ﾆヽ
,. .ﾑニﾆ/ニニニニｌﾆf_｀ マﾆﾆ/ /二=-‐''"＿_-‐＝＝＝=-V//,!二マ=|ililililｉlilニニニﾆﾑニﾆ＞"
!＼!ニ=/二ニニﾆﾆl.／ニ＼ ヽ-‐'" _,. -=ニ二二二ニニニニl,.ｲ､ニﾆﾏ.|ilililｉlｉlｉ|二二二二〉'"
. !ﾆﾆ＼./二二ニニ／ニﾆ／//ー''///ｌニニニニニニニニニニニﾑ.￣ｌ=lililililililｉ|二二二／
lニﾆﾆ/二二ﾆﾆ／ニﾆ／//////////l二二二二二二二二ニニニﾑ. `|ilililililｉlｉ|ﾆﾆ＞'"
呂布アルトリア、その人である。
ヽ'´／彡/:;i::;ヽ:::ヽ;::`''=ﾆ´___
あ は ／-‐''フ彡/;;;;i:::i:;;ﾞi;::::;;;;;;三
∠_;;;;／;;;ｨ:;;;/;;;;;i;|::;;;;;;＼
ぁ あ ／;;;;,.r‐''":;;/;;;;i;;;;l;;;;`i;;;ヾ;;､ なんで陛下の臣でしかない董卓が、
／;:／;;;;／;;;;/;;;;;ﾊ;;;;|;;;;;;l;;;;l､_ 陛下よりも後に登場するんだよ！！
あ ぁ ＞;;/:::/:::::::ｨ';;;r' .};;;;l;;;;;i;;;;;}
／;ｲ;;;／// /ﾞ二,'''7;;;i;i;;;;|;i;;l;!
!!? ぁ ＼〃 i | /ﾘi;;;ﾚ'i;;|l;!ﾘ!
ヽ￣ ヽヽ‘l ﾘ ﾚ' !
ヽ| l l` | ふざけんな！
ﾄ､| ./〈 ﾊ. l,
| / | ,. -､､ |ヽ. ）
／ﾚ､v'＼/ ∧ ,イ`''､,.Y_j｀ﾞ''"／ヽィ
;l´i;/;;ﾊi;| /i l /､ ｀ﾞ''ｰ' r'´ は /
/l;/ ヾ!/ .{ | /i .! ,r.､ ﾉ ァ |
i ／ _jヽ, | l,`'i ヽ.ヽ 7 !? 〉
:! .／ ハ Y‐z,,. ヽ V ,､ ／
::l／ .／ ,.ｨヽ .r'ﾞヾ;< /く i ヽ/
:::l‐'ﾞ ﾐ ヽ､,,,,_/ﾉ __vl ヾ!
::::ﾞi ﾐ llﾙ'' ﾞi_･{ ﾞ ／´ヽ 陛下のご愛顧にどこまでも
::::::ﾄ､__ ﾞi ,.ゝ, ,､ rゝﾄi, / ハ 〉 付け上がりやがって！！
::::/::::::::ﾞﾌク` 'ﾞ/ | ヒﾞ. ヾﾙﾉ | ? _/
:/::::::／:::j .! ,' `> ､ .jﾞi､i_r‐l /／
::::::/::::::::ﾚ'‐l ／|::ﾞ､ｰ,( `-r'_
:::└､_:::| く.Vi´⌒iﾞ:::::l:::::＼'i'´
:::ﾞi￣:::::ﾄ r｡´ L;:::::l:::::::::/ ,.-､ ＿
:::::ﾞi::::::::| | l::::ﾞヽ､:::/i.|／ /'´ ./7
これには人臣の間に動揺が広がった。
最も位の高い人物が一番最後に現れるというのが、
この国での習わしである。
現代の感覚に置き直せば、
「主役は遅れて登場する」
と言い換えることもできるだろう。
―― しかし。
, ´､ヽ｀,. ､
,' ./ l ,.ｲ; 丿｀ 、
ｒ-ｧ7/_ｧ‐' ヽ...._ヽ
{｀｀ ´ lヽ ／ ',
', l ,. / ,ィ,｀, }
） ､.i / ./ｆｯ∠, ｲ丿
,ｨ;;;;;;;;;;;;;;;;/ /ゝ｀ .ｲ"
,ｲ二ニニﾆi i＼,. ｨ.'......._
_......／＜二＞=＝l {''"::::::::::::::::::::::::..、
,..:::::::::::::/ﾆ二l二ニニニｌ. |:::::::::::::::::::::::::::::::::＼
. ,ィ,ｨ ィ ､:::::::::::::::::/ニニ!二二二二!ﾉ!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
i { .{' ,!./{ ,. ;:::::::::::::::!ニニ,!､二ニニニ'_!:::::::::::::::::::-‐::::::::::::／
. ｌヽ7｀ヽ=ｰ'､ /:::::::::::::::::!ﾆ／ニ＞マニニﾆ{::::::::::＿-‐:::::::::::／
`'＜.（ ,. ⌒ ､ !:::＼::::::::::∨二ニニニ＼ニニｰ;:::::::::::::::::::::::::::::, ,.、
ヽ.! .／ >'7:::::::::＼::::::::ﾏ二二二ニニ＼./ﾆ!:::::::::::::::::/―./￣,ァ―＞- ､
＼.l ./:::::::ﾏ,､:::::::::::::::::;;ﾏ二二二ニニ/,iヽ{::::::::::;:ィ/ ./ ./ / ＞
＼ .{:::::::::::::マ＞＿/´ ヽ二ニニﾆ／ﾆ!ﾆ'､::／ ./ ./ ./ .{ヽ、 ／( ',.
＼ゝ:::::::::::::/ ',_マ二／ニﾆlニニ'!／ ／ ／ ／ 乂≧､/ヽハ
ヽ'"⌒´ 〉ニY二二ニl二ニl＜ -―､ ￣＼.l、 .'".ｌ,ヽ }`,
/ニﾆlニニニﾆl二二＼ ヽ、_, ＿＿| V . .l/,{/ ! ___ 00 __ ∩ ∩
/二ニニ二二二ｌ二二ﾆ',￣ ＼ ..l//!. ´ | ∟ └┘/7 [][]「l ∪ ∪
／／ / ￣` ＜ニニニ', ＜ l//,! .|_厂 ＜ノ くノ ｏ ｏ
(／ / ||ニﾆ`'マニ', .／ ..|//,|
/ ||ニニニﾆ`'マヽ.'一 7 ..l'//,l
呂布が一度だけ、名高い 「方天画戟」 を床に押し付けると、
ｎ. ｎ
| ! <⌒ ｰ- '＾> <⌒ ｰ- '＾> <⌒ ｰ- '＾> <⌒ ｰ- '＾> . /厶__ ○ ○ ○ ○ ○ ○
ヽﾆフ `⌒ ー'´ `⌒ ー'´ `⌒ ー'´ `⌒ ー'´ └'＾ｰ┘
ヽ ＼ ＼ ＼ ,.:.::;: .: ;: ;:;､､
,,,､､jNﾚ'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ
,〃;:;:;jiﾄ､.:.:::::::::::::::::::::::::::.:.ヽ
〃.:;:;:;:;jjﾄ､.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::ﾄ､
!:::::,! ﾘﾘ^ﾊ⌒ヾ)`ヾﾐﾐﾐミミミヽヾ
,．-‐'''"´ ￣ ｀`ヽ､ ﾘ:::! `ヾミﾐﾐﾐﾐヾ;!
,.ｨｲ `ヽ !::!,,､=ｲ ｀`'''''`ヽﾐ ﾄﾄﾄ;;;;;;;;;;;;!
ｲ ,ｨｨ､ iNi ヾ! ｨﾎ! 乏ﾕ､~ ﾄﾄハ;;;;;;;;!
,..ｨｲﾊハ `ヾ iNi! ,! l ,' ´￣ . ﾐ !;;;;/
V V_,,ノ ﾄﾄﾄ､､_ ｀`ヾ i:|;;| ,．'"´二 ｀ヽ l j!.:, ﾘ_ノ/V
. Vﾊrﾓ `ﾓｭ､ ｀ヾ;r ､ :l:::! / ,, ', ', /`''''''´ヽ j ,,ノ;V
. `1 ﾉ l:l l ! ! ,r彡 ﾐヽ .ﾄ､ ! ' rﾆﾆﾕ /;;;;;;;;/
. ', ` ﾘソ ! )`'ｿ ''`~ ,ｲ;;;! ', ー /.:;;;;;;/
i､ rﾆｭ ノ ､ ﾍ ', /`'''ヽ H;;ﾉ ',.j ,.イ ハ､
|.ヽ ,. ｲ i..:l::::::';.::::::', l ! ﾆﾆ ! jﾚ コ"""""´ / Vヽ
|::l:ll:｀T´ ,′!::l:::::::',::::::::',ヽ ,. イ L / ! / / |＼
|::l:ll:::::| V::::::::l:::::::::! 「￣ / 〉 ,. ｲ / ／ |
＞_ソ ` ー-r ＜〈 /,､-‐'´ / 〈 ／ |
,. ィ´ ／／ ⌒ヽ ,､-'´ / ヽ ／ |
群臣たちは一斉に口を閉ざした。
呂布の武威は宮中を完全に覆い隠し、
ただの一挙動作で、数千人もの人々を圧倒したのである……
一同が呂布の武に封殺されたことを確認してから、董卓はゆっくりと口を開いた。
ﾏ＝-｀ ｀ヽ ∧|ﾍ
V ｀ヽ ﾍ ∧ ﾞ.} } ／
乂ゝ､ ＼ﾍ|ヽ,､ .} / ﾚ
ﾏ ゝr^ヽ＞´ ヽ ヽ/ / ……雑種ども
V { r ヾ ヽ y
/ :ヽY´ ゝ ｀弋ゞ｀ノ 喜べ、今日は貴様らに提案を持ってきてやった
＿ / :::::::/ L _ 」 ､ f´
r ≦¨ ≧｀`'' ､｀丶＼ ,ﾞ-‐ ｀,,,,_
_ 」_,,.．-一=-､., ｀ヽ｀ヽ＜;;;/､;;;r ´ ﾍ,,,_
/ ﾍ ､ ﾍ;;Vﾍ{ ヽ
/ ﾊ ｀ヽVVﾍ }
／￣￣＼
／u_ノ ヽ､_＼
| ((●）) (（●）)| あの野郎！！
. | （__人__) |
|ヽ |!il|!|!| / .| 宮中に武器を持って入るどころか、
. | |ｪｪｪ| } この上提案だと！？
. ヽu }
ヽ ノ 何考えてんだ！
/ く
| ＼
| |ヽ、二⌒)､
::;:::;;;;::::;;::;;;|;;;;:::::::::::::/:::/:::/ /:/::::;;;;;;;;/:::/::::/ /::/::/i,ゞ斗弋::::;;;;;;;;;;;/:::/:::::::::/::/
;::::;;;;|::;;;::;;;.|;;;;::::::::::/:::/::/ |:/::::;;;;;;;//::/::/ /: /:::/-i'´｀l ヾ＼;;;;;;;/:::/::/::::/;;/:::
::::;;;;;|::;;::;;;;;|;;;;::::::;/+-､/＿/ |:::;;;;;;/ |:/ﾉﾚ-'//´/ .|-_=-''´ヽ＼;/::/::/::::;;;;;;/::::: ……待て、やらない夫
::::;;;;;|:;;;::;;;;;i;;;;:::;;/ |ﾊ/｀''/ﾍ i::;;;;/ , |'''i/ // ./-''-ﾅ´歹乃 ヾ/:::::::/::::;;/:::::::;;;;
:::;;;;;;|:;;;;:;;;;;ヽ;;;;/,=/-il､_ /､ |:;;/ .i | // /斗匕ン廴ノﾉ ノ/::::;/:;;／::::::::;;;;;; わざわざ文武百官を集めているのだ、
:::;;;;;;|:;;;;:;;;;;;;;｀､ヽヾ 弋_ｲ''-､_|/ .i ./ / ー-―''''´´￣/::／;／/:::::;;;;;;;／ ヤツが何を言い出すのか、聞いてみたい
::::;;;;;|::;;;:;;;;;;;;;;ヽ＼ ＼廴ｪ-''´ヽ / ／/;;／/::;;:::;;;;;／ ,
;:::;;;;;;ﾄ;;;;i;;;;;;:;;;;::;;;;ﾄ､ ´ | ／ ／ ／:;;;;;;／ ／::
ヾ:;;;;;ﾊ;;;;|i;;;;::ヽ;;::::｀､ヽ | ／ , '´ /;;;;;;;／ r-イ::;;;;;;
ヽ::;;;;| ヽ＼;;:::ヾ;;;:::＼ i ／;;;;;／´./ |´;;;;;;;;;
ヽ:;;| ｀､ ヽ:ヽ＼::-｀'-､ ヽ _,-''´ ノ il:;;;;;;;;;;;;
｀'､ ｀､ ＼､ ｀'-＼- ' ｀ ＿ ／ //;;;;;/;;
ヽ ｀'､ i:::ﾊ､ ー-=-＝−── -´ ／/ /ﾊ;;:;;;il;;;
'' i;;;ハ;;｀'､ ー─── , <´;.;/ /_ i;;;;;;;il;;
ﾚ ｀;i i.＼ ／;.;.;.;.;.;/ _ _ _,-''''/´__|;;;;;;| |;
i ヾ;;;;＼ ＜;.;.;.;.;- '''' ´_ , - ' ' ' ´ |;;;;;;i ｀
i;;;;;;;<ヽ_ ／ ／￣_,- '' ''´ .i;;;;;;;|
漢室を冒涜されることを何よりも嫌うのが、曹やらない夫という男である。
普段であれば、暴走するルルーシュを宥めるのがやらない夫の役割であったが、
この日ばかりは立場が逆転してしまっていた。
＼ー- . ﾄ､
ヾー―＝＝ミ 、｀i ヽ∧
＞ ｰ=ミ 丶 ヽl ./ , | ……元来、皇帝とは天下の遍く主たる者を
／ -=＝ﾆ二 ＼} / /./ 指す言葉。
／-- -=ﾆ〉､__￣ゞ<彡/__
-‐=====―‐- 、 < -=ﾆ ／ ==-` __{ ／ しかし、ここにおわす皇帝陛下は精神薄弱に
｀ ＼ ＼ ｰ={⌒Y fｯﾙ′ して暗愚の極み！
. ＼ ＼ ｀`ミゝ｡_ 〉,′ とてもではないが、皇帝の重責に耐えられるもの
、 ヽ /__/ヽ `ｰ==ｧ/ とは我には思えん。
. ∧ ― ､:.:.:.:.:.... ／_〕
丶 ∧ ＼.:.:.:厂´__ -==､
＼ ∧ ＼{Y´<:>`Y≦{ ｀￣ ､ そこで――
__＿＿＿ ＼ } ﾑ |! ｌ} / ＼ どうだろう？
二二二二 ＼ ＼|≧=* ﾑ |! ｌ| ｜ -―――==== ヽ
＿＿＿＿＿_≧､. / ~｀ﾞヽ .ﾑ l! / ｜ ／ . 陳留王・劉協を皇帝にしようではないか。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼＿_／=- ___＿ヾ ﾑ＿/ ∨ / 王は幼くして聡明、父の霊帝が死んだとき、
ヽ:}::::/::::::::::::::::::::::::::::／ ｀￣￣ ニ=-{::}-=ﾆﾆ∨ / 彼の者は喪に伏し、しとどに泣き崩れたと、
/￣´⌒ー―┬=＜ Ⅷ___＿ ∨ , ＜ ￣￣/ そう聞いている。
､ ∨: : . / ｀￣￣ ､_／-=ﾆ二二〈
∧ ∨: : . ／ ∧ }::::::::＼ ∧
-∧ ∨: : -=≦ ／ ∧ /:::::::::::::::＼ ∧ これぞ！
___∧_ ＿}: :: ／ _∧ ./＼:::ｰ‐:::::::::＼＿_∧ 真に天下の主たる者の姿！ 慈悲深く、
=====ヽ _| ￣｀ヽ＝====､.／ ／....∧ /. ＼:::::::::::::::::::::::::::| 孝徳の深い人傑であろう！
＼ｒ{二二ヽ￣￣￣ .`マ ヽ ／..............｛__ {=- ―=ﾆ二ヽ
/￣二二ヽ＿＿_／＼_ `マ丶..................| ﾉ__ /___ ＼}
ノ (二二ﾆヽ ｀ー|`ﾏ￣￣￣/V ∧ﾉ、 ＼ | よってこの董卓、現・皇帝陛下に廃位を
＼ {/〈 ¨____＿＿／＼ | ﾑﾏ ./V (_ノ ＼＿＿_| 要求し、改めて陳留王を皇帝に推す！！
. ＼_(＼ `ﾆ⊃ ｀ー! ﾑﾏ /V (⌒Y ノ いやあ、めでたい！ 貴様らも祝うがよい！
＿＿
..:...::.／:..:..:..::＼.::..:..:..::::..:..::.:..:...::..::..:..:..::::...:.....
.::.／.:..:.._ ノ::::..:..＼.:..:...::.:..:..::::....:::..:..::::..:.:..:....
:..|:::.... （ ○）（○）.::..:..:..:..::::..:..::.:..:...::...::::..:.:..:....
.: |:::.... u （__人__）.::..:..:..:………。..:.::..:.:..:....
::. |::u:. (.::..:..:..::::..:...:..::::::::..:..::.:...:..::::..:..::.::..:....
.::. |:::.....u ｀ ⌒´ﾉ.::..:...:..::::..:..::.:...:..::::..:...:....
::..:.ヽ:::..... }.::..:..:..:..::::..:..::..::::..:..::.:..:...::..:....
.::..:...ヽ::..... ノ ＼
::..:..:..:/::.. く ＼ ＼
.::..:..: |::... ＼ ＼ ＼
::..:..:..:|:::..... |ヽ、二⌒)､ ＼
冗談だろう―― そう思った。
辺境出身の、それも、たまたま山中で皇帝陛下に遭遇しただけの男が、
何の権利があって皇帝陛下を罷免し、
改めて新たなる皇帝を擁立しようと言うのか！
..(ヽl_l_ll_l,l
ヽ ｒ
│ |
|／￣￣＼
／ ＼ ノ とうた……
| （ ●）（●）
.| ノ（ （__人__）
| ⌒ ｀ ⌒´ﾉ
.| }
.ヽ }
ヽ ノ
l/ く
| |
| |
立ち上がり、やらない夫は異を叫ぼうとして――
|::.::.::|::.::.::.::.::.::/::.::./::.::.::.::.::/::.::.::.::.::.::.:|::.::.::.::.ヽ::.::.:|::.::|::.::ﾄ､
|::.::.::|::.::./::.: /::.::./::.:/::.::.:/::.::.::.::.::.::.::.:|::.::.::.::.::.::i::.::|::.::|::.::|八
/!::. : |::.::i::.: /::.:::/::.:/::.::.:/::.::.::.::.::.::.::.:/::.::.::.ヽ: : |::. |::.::|::.:ﾑ .＼
. /イ::.::.:|::.::|::.:i::.:::/::.:/::.::.:/::.::.::.::.::.::.::.:/∧::.::.::.::i::.:|::. |::.::|::.i八 調子に乗るのもいい加減にしろ、
/／!::.::.ﾊ : |::.:|::.::i:: /::/::/i::.::.::.::.::./:／/ ヽ::.:::.|:: |::.::!::.::!:ﾘ 国賊・董卓！！！
. / 从::::::.Ⅵ:: |:::.::./::/!:/ .!::.::.::.::/:/ / ／ ヾ:::Ⅳ:::/::.://,!
/:人::.::.::∨ :!::.::iｨ㍉ X_」::.::.::://ｨ´,ｨ≦ニ,スｫⅣ::/::.://:/
. / ∧::.::.:∨Ⅳﾑ戈:歹≧!::.//〈く壬ｨ≦戈:歹ｲ::/::.:/〉!/
. / ヽ::.:: ∨{/´￣￣彡ｨ/ｨ⌒ミ=-ミ ￣￣ /:/:.:://:/ 皇帝陛下を廃立し、
{ ヽ::.:Ⅵ＼ / .::| -=彡イ::/::.｛ あろうことか、貴様一人の意思で
）八ト.､ヽ ::| イ::.::.:/!::.| 新たな皇帝を立てるだと！？
／/ |::.::.:::＼ _`,＿ ／::.:::i:::{爪:|
. |:::ｲ::.::.::}ﾄ､ ／ , --.､ ヽ ／!ﾊ:::::::|: |八j!
. |/ !::.:イ ! ヽ .,ｲ //∧: |八 俺を初めとして、誰がそのようなことを
/ . ﾚ' /＼＼ ＞-＜ ／ｲ/ .∧＼ 認めるものか！
. ／ / .＼＞== ==＜／ ∧ ＼
. ／ !{ / / | ヽ 〉 ＼
ルルーシュの怒声がそれを遮った。
＿＿.0０ ＿＿.0０ ＿＿.0０ ＿＿.0０ ＿＿.0０ ∩ ∩
└‐┐ | └‐┐ | └‐┐ | └‐┐ | └‐┐ | [][]「l ○ ○ ○ ○ ○ ○ ∪ ∪
┌‐┘ | ┌‐┘ | ┌‐┘ | ┌‐┘ | ┌‐┘ | くノ ｏ ｏ
￣￣ ￣￣ ￣￣ ￣￣ ￣￣
i i ! ／ ｊ ｌ
ｊ ｌ | ／ ／ / !
ﾄ､ ! ! ! ／ ／ / ｊ
∧ ヽ{ | ｊ ／ イ ／ / ィ ……ほう？
∧ ヾ ! / ／ ,ｨz, ｨ ´ イ /／ /
∧ ＼ ', / /／: : / ￣´ ／ /
ｰ､ ヽ ヽ ', / ｲ/: : : : /ｨｭ-―― イ / ,
ヽ｀ヽ ゝ、＼ ヽ /ﾚ' : : : : : : : : ´⌒ヾミ￣ ＿_ ´ /／/ （やはり貴様か、袁紹。
＼ ﾄ｀ﾞ｀ー': : : : : : : : : : : : ／ アー-ｒ ‐､ ／ / 立つと思ったぞ……！）
＼ﾊ: : : : : : : : : : : : : : : : :／ ミｌ/ ﾊ Y /
ヽ!: : : : : : : : : : : : : ;,ィ､-ャ'ア ' ｊ ｊ } ｲイ7
｀ヽ､: : : : : : : ;xイz' ゝ-' ^ ）ソ / / ／
ｒ‐ぅﾄ､: : : : : : : : : : : jｲ / よくぞ吠えた、雑種！！！
ﾊ｀ ‐' 、: : : : : : : : : __ｊ }＿ / ならばどうする？
∧ : : ｌ: : : : : : : : : : : i|三三￣ｌ!ヽ この我と剣を交えんと欲するか？！
i三ﾍ: : |: : : : : : : : : : : ｊ|三三 ! ヽ
i!三ﾆヽ｀ ､｀ : : : :＿ -' ｌL三三＿! ﾊ＿
L三三ﾆ>: : :￣: : : : ／: : : : : : : :＿!＿_ _x入 貴様にはこの董卓の剣が、
＼: : : : ／: : : : j: : ≦/＞イ ヽ ,, なまくらに見えるらしいな！！
ヽ__: :ィ: : : : : : _/ｲﾆ＞ ´ ゝﾟ´
,,z≠⌒ハ: : : : : : ;,イ//／ ィ´
-‐＝=ｭ。､ /イ／＿_ ﾉ : : : : ノ//／ z／
, -＜´ ≧=ｭ＞=イ/イ三三三＞､ｪイ/ソ イ／
＿＿＿―＝＝＝―＿＿＿ ―――― ＝＝ ￣￣￣ ―￣―‐―― ＿＿＿
￣―――― ＝＝ ￣￣￣￣＿――_━￣￣ ――＿――￣＿＿＿￣―＝‐―
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￣￣―‐―― ＿＿＿￣￣――― ＿＿＿ ＝― ￣￣＿＿＿￣―＝＝＝━＿＿＿￣―
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ｌ/!: :|.:.:.:|.:.:.: |.:.:..l.:.:./＼{_.//:／!:/:.:.:.:.:.:/.::／ 〃 ノ"ﾍ.:.:.:..:l:.:.:.:.:/:.:.:./:.:.:ハ
./ |.:.:|.:.:.:|.:.:.:.:l.:.:.:l:./L∠=ミ 、 |.:.:.:.:.:.:/／ / 彡＞=ミ∨.:.ｌ.:.:.:/:.:.:.:ﾊ:.:/ ヽ
/ V:.l.:.:.:ｌ.:.:.:.:∨:ｌ〃 〃＼＼|:.:.:.:.://{ /／〃 ヽ∨/:/.:.: /:l:∨
./ |.:.|.:.:.:l.:.:.:.:.:.', { ｨだﾊ`ヽ|.:.:.:.//八 // / ｨだハ /}.:./.:.: /:.:ｌ.:.| 天下に英雄たる者が、
|.:.ｌ.:.:.:∨.:.:..:∧＼,c弋Yソ |.:.:.//:::::::::〃'"ヽ.c弋Yソ ノ/ﾚ'.:.: / }:.:l :.! 貴様一人だと思うな！！
|.:.ｌ.V.:.:.V:.:.:. 人 ￣￣ ´彡'|:.:/｀ヽ ^ / ｀ミ、｀￣￣'''//..:.:./ / ﾘﾚ′
|.:.ｌ V.:.:.',:.:.ハ::::::::::::::::::::::::::: ｌ/:::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::://:.:.:./ィ∨
l.:.l い:.:Ｖ ハ . ＼:::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::/.:.:/イ.:./l:.| 何がめでたいものか！？
ヾｌ ｀ヽ.:.:＼.:.＼ l /_彡ｌ.:.:.:/ |:.|
V .:.:.＼.:ヽ , ‐ - 一 ､ /.:.:|.:./ .|:.| 今年は貴様の豚のように貪欲な
V.:.:.:.:.:l:.:.:.＼ / ￣￣ ヽ ／.:.:.:.|.:l ﾚ' 権力欲が、漢室の歴史に書き加えられる
Vハ:.:| l.:./.:}＼ 〈廴＿＿ ＿_ノ〉 ／{ ヽ.:.:.:|.:{ 恥ずべき年となるだろう！！
} }.:.} {:.{:.:{ ＼ ニ二ニ ／ .ﾉ.:.)}､:.:lV
ﾉ ノ ﾘｨ∧:.＼ ＼ ／ ／::／ >＼} これ以上、国賊の為に我が才を
／:/ ＼::＼ ￣￣ .／::／ / ハ:::.＼ 費やせるものか！！
／.::::∧＼ ＼rヘ`＝＝＝彡ﾍく 〃 〉､:::::.＼
. ／..:::::::/ ｀､ ヽ､ / Y^⌒Y´ '.／ ／ !::::::::::. ＼
＿＿＿―＝＝＝―＿＿＿ ―――― ＝＝ ￣￣￣ ―￣―‐―― ＿＿＿
￣―――― ＝＝ ￣￣￣￣＿――_━￣￣ ――＿――￣＿＿＿￣―＝‐―
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￣￣―‐―― ＿＿＿￣￣――― ＿＿＿ ＝― ￣￣＿＿＿￣―＝＝＝━＿＿＿￣―
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,‐＝── - ､_
, ‐ ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀-、＿__
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.＼:.＜￣ これにて失礼する！！！
／:.:.:.:.:.／:.:.:/:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.＼:.:.＼:.:＼:.:＼｀ヽ
/:.:.:.:.:／:.:.:.:/:.:.ﾉ:.:.:.:ﾄ:.:.＼:.:.:.:.＼:.:.＼:ヽ｀ーヽ
|:.|:.:.:/:.:.:.:./:.:./:.|:.:.:.:.|:.:.＼:＼:.:.:.:.＼:.:.＼:.＼ ｀
}:.|:.:/:.:.:.:./:.:/:.|:.|:.:.:.ﾉ＼＼＼:.ヽr‐､:.:ヽヾ｀､:.＼ー=＝ニ二＝-､ 董卓よ、覚えておけ！！
//:.|/|:.:.:.:./://|:|/／／戈ヽl|:.:.|:.:.} /─‐＝≠￣ : : : : : : : : : : ヽヽ
///l:.:.l:.:.:./:// l:.| ／／ﾋ 丈|r──＝￣ : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽヽ 我らが再び相まみえるのは、
／// |:.:|:.//≧､ l:| ノ `￣ ´／／￣__: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ／ 戦場で首だけの姿となった時だ！
ノ´ |l:.:lヽヽ:.lゝ'}ﾘ ∠-‐ｿ廾ー､｀､ : : : ﾉ: : : : : : : : : : : : : ／
||:.| ヽヽヽ < _＿_,..- ノ／／ﾉ ﾉ : ／: : : : : : : : : : : : ／
. ﾘ ヾ＼＼｀ヽ､ ／∠ /／／-＝ー-: : : : : : : :/
｀｀ヽ＿｀ﾆ-‐ ┴ー､: : : : : : : : : : : : : : : : :/ ＿＿＿
- ､_＿＿ -─＝￣: :r´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＜´_....--‐: :￣: : : : : :
＼: : _: : : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : ｀`ヽ､: : : : : : : : _ ,-────: :￣
＿｀ニ` ー--l: : ＿ : : : : : : : : : : : : : : : ヽ: : : : : : : : ￣: :＝───‐
_ -─ー￣: : : : : : : : : : : : : : : : ｀ ‐ - ､: : : : : : : : : : : : ＼: : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ ＿＿＿: : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ￣￣￣￣
二二ニニﾆﾆﾆ＝=───､＿＿: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
｛ : :ﾔ: : ￣ー─ -､: :＿＿__: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
＿ ＿＿
／: : : : :|!: : : : : :` ､
, ／⌒: : : : : : : : : ＼: ＼
/ ／: : : : : : : : :| : : ヽ : : ﾊ
/ / : : : / : : : l: : : : :| : |: : :N
/ /: :/: :/:/:./|: l : / : |: : |: : : :|
/|: |: /: :/:/ :/' |: l /: :/ﾊ: :|: : : :|
|: |: ト/|/ |/ |: /|:.// ,|ｘ|: : : :|
,|ﾉ|/|x‐ｔ≧､ |/ ,ｨ≦tx,: : : : ' ……………………。
/: : ﾊﾍ｛::i!::j ｛::i!:::j / : : /
/: : /: 〉ﾊ ￣ , ￣ / : : /
＿_ ,': : /: // 人／| _ _ |:::ヽ/ : : / ＿_ ＿_
／//// ヽ|: : : /ﾚ///,,ヘﾍ /ヽ／': : :/'///////,'＼
/'////,_///|: : ///// ﾄ __ト｀ − ´ / : /∧,'////////,'＼
ム////// / ヽ/'////,/ ￣￣ ((￣ |:./ﾚ }ﾆ|////////////ヽ
／'///////////,'＼// Ｏ/,＼ ＼ )）/,ﾚ／ Ｏﾊ/////////////,〉
〈'///////////////,}ﾆ///＼ ＿＿＿＿ ／/,V////////// / /
ﾏ////////////// Χ//||'////////,//////,'ﾏ//////// / ｿ
＼'//////////////,＞ｌl/////////////,///ﾏ,'///////,',/
＼,'///////,',／⌒￣￣ ＼////////////,;|/ﾆﾆﾆﾆニﾊ
ヽ'////,／///////////,＼/////// / V 厂 ￣ ⌒〈人
￣ /'//////////////,'ﾊ ＿,'////,'/ 厂 ￣⌒〈人/,ヽ
|'//,＿＿＿＿ィ―‐┐}//|/〉／/,厂 ￣⌒〈人/,ヽ/,〉
_＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ ＿＿_,|＿_|ヽ＿)) ＿ Υ Υく＞‐ ､'//,厂 ￣⌒〈人/,ヽ/,〉＿＿
｜《《《《Χ〈〉У＿_)）＿_||＝|//|//| ﾊ/,ﾉ「⌒Y￣￣/,ヽ/,〉 XX}}/,|
￣￣￣￣￣￣￣￣￣└────|////////;ﾉ//|＝|＝|//〉|‐ ト ｲ__|＿|＿|У￣￣￣
└─┬┬‐人_ ｲ/,7/,７ /'｜人 ﾉ__|__ |__ |/
|＼＼＼ト-イー'ー' /'//,((/,/__/__/__ノ
＼ ￣￣||⌒ ⌒||⌒＿＿||⌒＿
（＜三三三三} ⌒￣⌒{三三三/,＞）
/￣￣￣￣〉 |,'//////,'〈￣￣￣￣ ＼
//////////////////// ∨//,'/////,',＼
////////////////////// ∨//'///////,'＼
呂布は黙したまま、ただ立ち上がった。
―― 意外だったのは、自分の発する気に飲まれて尚、
董卓に噛みつくことのできる者がいたことだ。
……なるほど、天下は広い。
袁紹のような英雄は、あとどれほどいるのだろうか……
思考を捨て、当然のように袁紹を殺すべく、呂布は一歩を踏み出した。
しかし。
_
/|／∠ -─≦＿
l､ / / _ - ´ ￣二＝
!Y /／ _ - ─ ､ ￣=z_
. | i / ≠ー─-ｩ ＼ よい、行かせてやれ
. | ｨ／ ≧､‐- ､ ＼
f _,.r-─-､ ﾐ-､_＼__ ＞
├ ≠Tﾍk ﾍ､ ＼ ー― 彡
fｧ └┴ ' y,ﾆヽ ､＿＜_
／ i.:;;} ! ＜´
ヽ ,ヒノ ＿､ノ
t＝＝-−' r--' ､{ ／,-､
｀! l ｀l ／ / ﾍヽ
. l ／ 7ー-､__f＿_/ ＿ ﾍ ヽ
｀ー┬─ ´ / _⊥-‐ ´二ヾﾐー,-─>
￣￣｀ ー _j ,' _ - _ - ´, ' T,ﾆﾆ7
−−-／:: ! ／ ／ ／
}:: -／::::::::,r-! .／ ／ /
' ／:::::, -‐ ､ｸ / ∠
/＼／4ﾆｙ' / ／
r-‐ ‐- ｡ｫ、
/ 厂{ -=＝fﾙ ……よろしいので？
, i{ ヽー- (ﾀ::....',
ｲ 八ヾ、＼__ 火::::::｣}
｛ﾊjﾉ}ｾｧtマ く彡 又%｡_
'! ;ｿ ^´ j| }ﾌ≦坐廴ｨ＾｀ -=- 、
ヽ, _ {| ｛-xくニﾆ┐ゝ=〜
､_.ﾈハｖ〔巛 〔|_＿
r'⌒ヽﾍ人 ＼くｰ-ｖ=ｧ⌒ミ、
!:. 〉:::::ハ乂 〉 ヽ::.. ｝
ﾉ ../::::::::::::|i__ ′ |!:. i
/....:::: ...:::::!|二- =i|::..
＼, __＿....::::::､i!三ﾆ- -=i|:::. ｝
└ｦ:::::::::::ヘ∧三ﾆヽｨ -=ｿ イ
, : ..:::::i!ノiﾆ ＼i{_）(,ﾍｸ:::... '
＿i＿: _::::|/|!ﾆ- ＼／ｲ:::... i
「 -=ﾆY/|!ﾆ- ｝/ /I!:::... Ｌ_
|lⅤ /／´ ／ -- ― ＼ヽ
|l !′ ／ z≦￣ ___ ＿ ＼
|l _∠=＝彡￣ 〈彡 ￣二 > 誰が貴様に発言を許した？
丶 ﾄ从´ , __z＜ `ミ ......二ﾆ=彡 ／
＼ | / ≠＝=ァ ミ ／___
＼ !. 〈_イ _也__ノ ミ ......二ﾆ=彡´ ／
`{≧ ミ￣ ≦⌒丶 マ 次に許可なく口を開かば、
!ｾ〉 〈 ) ｝ , ／ その生命、無きモノと思え！
/ / ,′／
ヽ ＿＿___ /―‐ ./／
丶、 --- ＼ |/ ヽ
∧ `￣￣￣ ／ |..... ∧
{_∧ ／ _斗-::: ∧
イ ,イ::,-===＝≧ ｒ≦
ー‐┬ ´ ／::／ ∧_／
} -―´:／ ／
-=ﾆﾆ|＿_,´::::::::／ ／
＿＿＿ ／::::::::::::::::::::::::::::::／ ／
＼_／ ￣￣ ｀ヽ:::::／ /
-―
´ ｀ ､- 、
,.ｲ ヽ ヽ.ト､
／ ' / ', ', ヽ l ……承知した
/. / ' , ', .! l. Vヽ
'/' / ./ ハ ヽ i .!,. '!ノ
/ .! ,! , ! ! ! 、 丶 ! l,. '! 〉
l ハ ｌ. ', l ', ヽ ＼ ヽ.! l／!イ
ヽ{. ヽ ! ヽ ＼ ｀ ､ l ; ヽ,.ﾉ
l ﾄ､`ー‐' `ー‐' ノ! .|ｿ,! !
l.! ', ゝ_, ,::.. ) l i.!／
l.l ヽ （ ｀ ) ｰ' l ; !
l ! | ＼ヽ ￣｀ ,.-' ,. イ l /,'
. l.ｌ lr―=.ヽ_ ' イ;;;;: -‐l /ニ=i
!| !.l::::::lニニニﾆﾆ!ﾆﾆl/二二!
', !.l::::::!二二二二|ﾆﾆ'二二ﾆ!＿_ _,.. --- ..,,,,＿_
. _,. -―＝＝=ｰr l' !ニニニニニﾆlニニ／イﾆ＞'//////////////,i
それ以上、呂布は口を開くことなく、引き下がった。
／´￣￣ ￣￣｀＼
／.: : : : ＼
/: : : : : ',
|: : : : :| ……おいおい、この曹操やらない夫を
| : : : :.._ _ :| 忘れてもらっちゃこまるだろ、常識的に考えて……
|:: : ´⌒＼,, ;、､､／⌒｀_ :|
|::::;;; （ ● ） ﾉヽ （ ● ） ;;:::|
|: : : ´"''", "''"´ :l
',: : . . （ j ） ./
i: : : : .｀ｰ-‐´｀ｰ-‐′ /
',: : : : : : .. /
ｲ{ゝ: : : : : : :. イ ::}､
,.．/.:::::.. ｀`ｰ- -‐'"´ ..::::::::/| ＼
／ ∧::::::::::::::＞､r‐'".:::::::::::::::::/ l| ＼
イ | '::::::::::/￣￣ヽ:::::::::::::::::/ | }丶、
,. '" / | ヽ::∧ /＼::::::／ 丿 ! ｀ 、
|lⅤ:::::::::/／´::::::::::／:::::::::::::::::::::::--::::―:::::::::::::::::＼ヽ
|l ::::::::::::!′:::::::::／:::::::z≦￣:::::::::::::::::::::::___::::＿:::::::::＼
|l ::::::::::::::::::::_∠=＝彡￣ 〈彡:::::::::::::::::::::::::::::::::::::￣二 >
丶.::::::::::::::ﾄ从´.:.:.:,.:.:.:.:.:/__z＜ `ミ:::::::::::::::::::::::二ﾆ=彡 ／
＼:::::::::|.:.:.:.:.:.:./.:.:.≠＝=ァ ミ:::::::::::::::::::::::::::::::／___ 貴様も、我に刃向うと？
＼::::!.:.:.:.:.:〈_イ _也__ノ:! ミ:::::::::::二ﾆ=彡´.: ／
`{≧.:.:.:.:.:.:.:.ミ￣.:.:.:.} ≦⌒丶::::::::::.: マ
!ｾ〉.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| 〈 ) ｝:;::::.: ／
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ /::,′／
ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| /―‐ :/／
― ‐‐＝＝ｱ.:| !/ ヽ
∧.:.:｀￣￣￣.:.:/ ／ |..... ∧
{_∧.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ ／ _斗-::: ∧ ＿＿＿＿
.:.:.:.:.:.:.:.:./ イ ,イ::,-===＝≧ ｒ≦ . . . . . . . . .
ー‐┬ ´ ／::;イ }.:.:.{ ∧_／ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
} -―´:／.:.:{ !.:.:.| ／ ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
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::::::::::::::::::＼_／ ￣￣ ｀ヽ:::::／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
董卓は、そのチンポ頭の男に見覚えがあった。
……確か、堯騎都尉（官軍の騎兵大隊長）にして、かつて西園八校尉の第四位に選ばれたこともある男。
名前は確か、曹操……とか言ったか。
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￣―――― ＝＝ ￣￣￣￣＿――_━￣￣ ――＿――￣＿＿＿￣―＝‐―
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,,..イ |
l _,,,...イ´ | |
ヽ、ヽ ＿_,,..-t''"´:::::::::::| l | 今までは、お前がいずれ漢のしきたりを
| ヽ:::::::::::::ノ / .| 理解するだろうと考え、
ヽ、 ￣ ／ | 我慢し続けてきただろ……
｀ |
| これからも我慢してやるつもりだったが、
| その発言を聞いて、ようやく理解したよ
ヽ |
| | お前は俺たちのルールやしきたりを知る
.人 / | つもりすらないってな……！
＿＿＿―＝＝＝―＿＿＿ ―――― ＝＝ ￣￣￣ ―￣―‐―― ＿＿＿
￣―――― ＝＝ ￣￣￣￣＿――_━￣￣ ――＿――￣＿＿＿￣―＝‐―
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董卓を始め、呂布、李儒までもが目を疑った。
目の前の、小柄でチンコ頭の青年校尉の姿が……
＿_ｎ_,00. _ｎ_,.、 _ｎ_,.、 . . _ｎ_,.、 ∩
`て ｢ =｢l=ヽ>└i rﾍ〉 └i rﾍ〉 =｢l=ヽ> =｢l=ヽ>└i rﾍ〉 <⌒ ｰ- '＾> <⌒ ｰ- '＾> ＿__ ∪
.r'丿 (｣｣）） （才Ｐ_） （才Ｐ_） (｣｣）） (｣｣）） （才Ｐ_） `⌒ ー'´ `⌒ ー'´ `つ_) ｏ
/三:::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈 ｉ! | .| |i!i!i∨
／ ﾉｰ __ イ三:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| > __ イ | |i!i!i!i!＼
| ζ三三三三三》´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､___|__ イ |i!i!i!i!i!i!＼ もうダメだ。
ヽ弋三三三彡´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::三三三三三| |i!i!i!i!i!i!i!i!i＼
＼≦≧===≦三三三三≧o｡.::::::::::::::::::::::::::::三三三三| ゞ､i!i!i!i!i!i!i!i＼ お前は間違えた。
｀¨¨¨ｰ―三三三三三三三≧o｡.:::::::::::::::::::::::::::三三廴 ￣￣￣ｉ!＼ 間違えちまったんだよ、
｀¨ー三三三三三三三三≧o｡.::::::::::::::::::::::::::三三＞ ／＼ .＼ 致命的に。
ζ/ζ////γ｀¨≧三三三三三三≧o｡｡.__:::::／ ／i!i!i!i!＞ .>
γ /ｿン////弋 マﾈ･ﾒ｀ヾ rﾋ･ﾃﾗ乂三三≧＿ ∠¨´___ イ
､__ノイ/从ζゞー || ´ヾﾒﾇ刈ミメ￣￣ 漢室をないがしろにし、
__／ﾉ/ｿy弋 |ゞ= | /／ｿ刈ヘ__ ましてや皇帝陛下の存続に
=≡彡'从从｀ヽ辷 l j ／f´ノ刈斥㌘ まで口を挟むようじゃあ、
γ´ζｿソｲﾉ从弋 ､＿__｀¨´__＿_, /´ｰγ ｀ヽ もう漢室の臣下とは、
ﾙ f イ｀ヾ从乂 ヾ ｀´二二二｀´ ヾ:::::::/ rx .ｉ 言えねえよなぁ……
rf | fﾏ ∧:::::::ヽ∧ ,' ﾉ::::/ /i!i!ｉ | 常識的に考えて！！
／///| | |i!ゝ ∧:::::::＼ヽ /／:::::/ /i!i!i!| |≧､_
γ´/////ﾉ.| |i!|∧ ∧:::::::::::＼ __＿__ ﾙ'::::::::::/ /i!i!i!i!| |///∧＿
.｡o≦≧´//////// | .|/∧ ∧＼:::::::::::ー―‐匕:::::::／/ /i!i!i!i!i!| ∨/////ヾ､_
≦/////////////／ ／ ﾉ//∧ ∧ ゞ､:::::::::::::::::::::::イ / /i!i!i!i!i!i!i∨ ＼////////≧
/////////////／ .｡o≦/////〉 ∧ ｉ! T ヽ ./ /////////ゝ- ＼////////
_＿__
´￣ ＜jヽ
／.｡o≦三≧o｡｀ヾﾒ､
ﾞｉ |三:::::::三三三＼ ゝ、
| |三:::::::｀ミ三三三＞ 二ｰ ∧ ……精々楽しんでるといいだろ
.jﾉ´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ /ン
イ:::::::::::≦三三三三三二≡イ 所詮は三日の天下だ
ノ .f´｡o≦三洲什卅卅毛ﾊ
ゝ‐┴‐‐ ´ ﾉﾉｿ刈l|l|l|l|l|l|ﾉﾊ
|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|lﾊ いや、三日でも長すぎるくらいだろ、
ゞl|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|ゞ 常識的に考えて……
.ﾉｿjl|l|l|l|l|l|l|l|l|イﾉ ＞x
ゞ弋廴从l|l|ζ＞ ´三三≧ーz
｡o≦ｰ=≦ﾐﾒ､刈ﾉ乂:::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ｉ
γ´::::::::::::::::::::::::｀ヾメ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
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ﾉ:∨::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ｉ::::::::::::::::::::ヽ
ﾞｉ:::::∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::/
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|:::::::::::ζヽ ￣￣￣￣｀ヾー 〈:::::::::::::::::::::::j
|::::::::/ / ≦三二≡=ー .X:::::::::::::::ζj
|:::::/ ζ丁≧ー―――=＝=≦:::ヾ:::::::::::::ｉ´ヽ
| X ﾉ:::::::＼､:::::::::::::ｲﾉ::::::::::::::::ゞ:::::::::::::::::::|
| ヾ ゞ´::::::::::::::::｀辷彡':::::::::::::::::::::::::∨:::::::::::::::|
去っていく、やらない夫の後姿。
董卓は目を凝らし、呂布は目を細め、李儒は目元を擦った。
文武百官の息を呑む音が、静まり返った宮殿内に響き渡る。
／￣￣￣＼
／ ＼
./ ヽ
.l l ……カッコつけすぎたかなぁ（ﾎﾞｿｯ
l l
.l l
ヽ l
ヽ l
.) __,,..／
／＝＝=､_〈
／ ＼
／ ヽ
.ｉ ､ . l
.l ｉ l l
l .l l l
l l . l l
l l . l l
l .l ､ .ヽ
ヽ .l ヽ ヽ
ヾ､_＿ _＿＿ヽ＿, ')
l_￣_￣￣__ __ .ヽ_ノ
l l l l l
改めて彼らが見たものとは、
魔王の如き男ではなく、
普段の、陽気な小男の姿だった……
西暦１８９年、中平６年。
袁紹と曹操が董卓に宣戦布告の啖呵を切った、同日。
―― 夕刻。
【帝都・洛陽 東門】
｜
┌┴┐
, ￣￣ﾆ‐- ＿ ,l＿＿!、 _ -‐ﾆ￣￣ ､
i | ｌ.二二二二二二l 、＿＿＿_---ｌ ----.l---＿＿＿＿,. !二二二二二二.| | i
ｒ ! ! ｌ == == == .! ! .lｌ :::| ｌ! .| ￣￣.|. ｌ! | ll ::l .|. == == == | | | ､
＿ ＞ '"!..| | ｌ | l lｌ :::| | :::::::::: | | ll ::l .| .| | | .!"'＜. __
".i | i l .| | ｌ | l lｌ :::| | :::::::::: | | ll ::l .| = | | | .! l .| ト
l | l l .| | l. ≡≡| ｌ :::| |ｌ￣￣ｌ| | ::l .| .| | | .! l .| l
l | l l .| | l. ＿ | ｌ :::| |ｌ l| | ::l .| = | | | .! l .| l
l | l l .､-‐ ､ l. ￣ | ｌ :::| ll .l| | ::l .| .| ,.' ,.' .l .l .| l
l | l ｌ i l ! == | ｌ :::| l! .l. | ::l .| = | i ‐-.ｉ l .l .| l
l | l ＿＿＿_l ll l＿!_ | ｌ :::| ｌ ! | ::l .| .| | ll l _,,,.. -‐―＝
l | l .l ￣l￣￣|`i == == .| ｌ :::| l .! | ::l .| = = = = l ヽ￣ヽ!;;;;;;;;;;;;!:::::::::
＿r-! l ┌――――┐-------.! _l＿＿＿_::|＿_ｌ l＿_.|＿＿_.―――――‐ｉ ＿＿ ._ｌ＿_ｌ r‐ |;;;;;;;;;;;;|:::::::::
￣￣￣￣└――――┘￣￣￣ｪｪｪｪｪ -=-―.---ｌ.r―‐i.!--..l―-=‐l二二二＝＝┘―― ー―‐ ￣|;;;;;;;;;;;;|:::::::::
＿＿＿＿ ｒﾆ=‐ ￣￣ -＝ / '., ＿ =ニﾆ ,.-------―――‐
二ニ-‐'" -= / '., ｀―｀＿_ -= ￣ ―-=ニニニニ
￣ / ,―― ＝‐ ￣￣
/ , -------------------------
/ , ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
/ ,
●洛陽東門
,ｒｎ ／￣￣＼
r｢l l h. ／ ノ ヽ ＼
| ､. !j | （ ●） （●） | ……いよぅ、ルル
ゝ .f, | （__人__） | 探しただろ
| | | ｀ ⌒ ´ |
,｣ L_ | | お互い、まだ首は繋がってるみたいだな
ヾー‐'| ヽ /
| じ_,,ゝ (,_
＼ ´ `ー-一´｀ヽ
＼ , |
│ | l
│ l_ |
│ |' }
＼ ー─‐一ヾ/
| ij ﾉ
| |. |
| | l
i' ,} ,ﾉ
l | /
|,＿､|,/
（ﾞ ）)
_ ,. - ──一- 、
_,. -'"~´::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、 ……やらない夫か。
,.- '´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ 聞いたぞ。お前もバカな男だな、
／::::::::::/:::::::::::::/::::/::::/:::::::::!::l::::::::::::::::::::ヽ、 董卓に喧嘩を売るなどと
ノ::::::::::::::/::/:::::::::/::::/:::: /:::::::j:::l:::l:ヽ::::::::::::::::::::ヽ
,.イ:::j::::!:::::/::/:::::::::/::::/::::/:::::::ﾉ::: ﾊ:::!:::ヽ::::!::::::::::::::::! |＼、
／| ／ノ:::/::::l::::/::/:::::/:/::::/::::/:::::/j:::/ !:: ﾄ、::::::l:::::::::::!:::::l l ､ヽ、
,.-'´_ l .／／1:::!:::l::::V::/:::::/:/:::,ｲ::::/:::::///_,. -≠ﾍ::ヽ:!:::::::::l:::::::! ! lヽ､ヽ、
／ ／:i .! ／ .l:::l::::l::::::!::l:::::j:::j'イj::::/:::::/メ´ ,.-一j辷z､::j::::/::ﾉ:/:::ヽ、 l !:::::ヽ､ヽ、
／ ／:::::::! l. l::ﾊ:::!:::::l::{::::斗孑1ｲ:::::/ / _,.ｨ≦::::!ヽｿ:/::/::/::lヾ｀ヽ、 ! l::::::::::::＼ ヽ、
∨´:::::::::::l l l::!1::!:::::i:::l!::/ｨ≧zﾚ!::/ '´ｰ'ー-一7::/::/:,ｲ:::::! ヽ l !::::::::::::::::ヽ ヽ
!::::::::::::::::l ! .l::!ヽ::ﾄ､:ヽY ヽ!少イ´ j! ./::/::/ノ1}::::l ＼ j l:::::::::::::::::::::＼ ヽ
l:::::::::::::::::! .l l| ヽ!1::::lヾヽ ヽ /７:::ｲ´ン:::!ﾘ / /::::::::::::::::::::::::::ヽ 〉
l:::::::::::::::::l ! ヽ ヽ＼ヾ､:ヽ、 ｀ /ノ7ｰ'´:::!:l ./ /:::::::::::::::::::::::::::::::/
ヽ::::::::::::::! .l＼ ｀ !:jゝ､ ヽ ‐'"￣｀ﾞ' 一' ,イ::::Y::: l::! / /::::::::::::::::::::::::::::／
ヽ::::::::::ヽ ヽ ｀ﾞ'- .,_ j:/!::::::＼ ￣ .／ l::::::!､:::!ヽ ＿_/ /:::::::::::::::::::::::::／
ヽ:::::::::ヽ ヽ、 ｀ﾞ' ｰ- .,_ / j::::/l::j: ヽ、 ／ . l::::ﾘ!ゞ:!-‐'"ﾞ´ / /:::::::::::::::::::::::::/
ヽ::::::::::ヽ ヽ ￣フ::ナﾅ1::::::/1｀ー─'´ _,.j┐!1 j! .／ /::::::::::::::::::::::／
ヽ:::::::::::＼＼ /"´ / l:::／jｽ.,_＿,. -‐ '"´:::::::::ヽ j ／ .／:::::::::::::::::::::::/
ヽ::::::::::::ヽ ヽ、 j/rV::,-‐z__,.r‐-､,. -'"´￣}! ./ .／::::::::::::::::::::::::::/
.＼:::::::::::ヽ ヽ、 ,イ / / j l z=＝ 〈r-／／:::::::::::::::::::::::::_／
＼::::::::::＼ ヽ、 _r'´ ｀/ { l |￣ .／／::::::::::::::::ィ''""´
｀ﾞ' -.,_::｀ヽ ヽ、-'"´/ / ! / . ! ／／:::::::::::::::::::::::::´⌒ヽ.,_
＿＿
／ ＼ ……言いだしっぺの
./ ＿, ＿ヽ お前にだけは言われたくないだろ、
. |. ┴ ┴ | 常識的に考えて
l （__人_）.|
', |
|ヽ. l
| .｀―┬"
/￣￣∧ |入
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
／::::::::::::::::: :::::: ::::::::::: :::::::::::::::::::::ヽ それもそうか、ハハハッ
/::::::::::::::::::: ::::: :::::: :::: : ::::: ::::::: :: :::',
|:::::l:::::::|:: : :/:: /::/: :: :: ./::ﾊ:. :::::: :: :::ヽ
}:|:::l :::::|::: ::/::::/::/ｲ : :::/::/ ∨: ::: ::::::ﾄヽ ___
/| |:|:::| :::::l: ::/ ::/::/|::|: :::/∠..--ヽ.::::::|＜￣ ＿_｀_ヽ.
／ / |:l:::l: ::::|::/7:/7/十| ::/ 7 ,ｨ≦ﾐ､V:::|::::|＼ ＼::::::＼＼ それで、やらない夫
/ /|│ |:|:::ﾄ.::::ﾚ斤弌fz､ﾘ|::/ /〃ﾄzﾁﾀ }:: ,: ::l ヽ 丶::::::::＼＼ お前、これからどうするつもりなんだ？
<／:::| | ﾘ}/|::r､ヽ弋ﾕﾒ┘ ﾚ { ￣ /:./::|::| | |:::::::::::::::＼＼
|::::::::l l j/{ ヽ:ヽ. ', /::.ﾊ :|::|＿_.」 |::::::::::::::::::::ヽ/
|::::::::| |＼＿＿___|｀‐ヽ＼ _'＿_ ∠::ｲ::∧ﾄ:{ | l:::::::::::::::::::::/
',::::::l l |/l:|､::トヽ ¨ ﾆﾆ ´ ｲ::::|:/ ﾘ ｀ │ l::::::::::::::: ::/
V:::| | ' ﾘ jﾉ::/:}＞､ ／,┴┤ / /:::::::::::::: :/
V::{ l V}:'::｀ー:≧'-:´:::::::::| / /::::::::::: ::::/
ヽ:ヽヽ /＾r‐/￣｀l‐¬<￣￣ヽ / /::::::::::: ::::/
､:＼＼ rl |/ l: | , ヽ. >_./ /::::::::::::::／
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ー）（ー） そうだなぁ……
.| （__人__）
/ ｀ ⌒´ﾉ 実は、先帝・霊帝陛下に信頼されてた、
／ ヽ ⊂二二￣＼ 王允殿に遊びに来いって頼まれてんだ
／ ＼ ⊂、' ヽ
/ ＼＿, ｀7 /
/ へ ＼ !/ / あのお方は位も高く、それでいて漢室への
| ＼ Υ / 忠心も強い
| ＼ /＼
| / ＼＿_／.,,_r ヽ、
/ _,,＿_|'"´ ﾚi } とりあえず、あの人に会って、
| ｀'"´ ｀¨ー､ /ﾉﾉ 今後のことはそれから考えるだろ
| }ィ ´/
／＼＿＿＿,,.._7 /::/ , '
/::::::::::::::/::::::::::::::::{ /::/ /:
|:::::::::::::::|::::::::::::::::::! /:::/ f::::::
|:::::::::::::::|::::::::::::::::/ /:::（ ヽ、
|:::::::::::::/::::::::::::::/ {,_:::::::｀ヽ、＿_,,ゝ
/:::::::::::::|:::::::::::::（＿ ｀¨つ:::::::::::::::
|::::::::::::::::＼:::::::::::::::::｀¨ー-'"::::::::
::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::
, イ::::::::::／::::::::::::::::::::::::::::i::::::;::::::::',::::::::::::::＼
j::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::i:::::i::::::::::',::::::::::::::::::ﾍ ……洛陽に残ると言うのか！？
j::::::::::/:::::::::::::::::::;:::::::::::::::::::::i:::::i:::::::::::i::::::::::::::::::::::ﾍ
7::::::::/:::::::::::::::::::/::;:::::::::::::::::::i:::::i:::::::::::i::::::::::::::::::::::::::|
7:::::::7:::::::::::::::::::/::/:::::::::::::::::::i::::::i:::::::::::i::::::::::::::::::::::::::i バカなっ！
7:i:::::::i:::::::::::::::::::7::7ﾊ::::::::::::::::7:::::i::::::::::::i::::::::::::::::::::::::::! 自分で自分を縛り、殺してくださいと
,ィi:i.i::::::i:::::::::::::::::7_/i-‐',:i､:::::::7:::::/:::::::::::/⌒',::::::::::::::::iﾔ 董卓に跪くようなものだぞ！？
|:ij::::::i:::::::::::::///./ __',iA:::7::::/::::::::::/ヽ ﾉ/::::::::::7:ﾊ.ﾍ
|:i !:::::i',::::::::7 i| ﾃ弋;;;ｿィ〉:::/:::::::::::/ノ::::/::::::::::::,'.i| ヽ `
ヾ',:::i|ﾍ:::::7 i! ￣ /:::/:::::::::::/ ,--'::::::::::::::::i ﾘ
ヾ:iヽ .､′ /:::/:::::::::／ ./ j:::::::::::::::::|
ヽ ｲ／/／/ / 7::::::::::::::::::i
j:ﾊ` ‐-､ ｲ'" , イ ﾉ7:::::::::::::::::',
′ﾘi', , .＜ _7:/ i:iﾆi::::::::i
ヽ- '::::ﾉ! __, ...-‐'ニ〃‐'i:iﾍ::::::::ﾍ
ﾘﾊ----=i i:::::::::::::::::::::::::::ﾍヾ､:ﾍ
＿_ __!::::::::::::i i::::::::::::::::::::::::::::::＞､ヾ､
／::::::::::::::::::::::::::::::::i i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
／￣￣＼
／ _ノ ＼ ……もし、董卓に反逆者を根こそぎ殺す意図があるなら、
|:::::: （● ） ） 今頃は俺もルルもあの世で杯を酌み交わしてるだろ、
. |::::::::::: （__人) 常識的に考えて
|:::::::::::::: ｀⌒´ﾉ ....,:::´, .
. |:::::::::::::: } ....:::,, .. ヤツが何を考えているのかは知らないけど、
. ヽ:::::::::::::: } ,）:::::::ノ . 今のところ俺たちを殺すつもりはないらしい
ヽ:::::::::: ノ （:::::ソ: .
/:::::::::::: く ,ふ´.. だったら、精々この時間を利用させてもらうまでだ
|:::::::::::::::: ＼ ノ::ノ
|:::::::::::::::|ヽ、二⌒)━~~'´
／.:.:.:.／.:.:.:. ﾊ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
,ｨ.:.:.:.:／.:.:.:.:.:./.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: /.:.:.|
.-=彡／.:/.:.:.:.:.:.／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: /.:.:.:.:l
/ｲ/:/.:.:.:.／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／.:.:.:.: /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/'ﾊ.:.j::| それは……そうだが……
/ /:/.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:___／.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.／ｊ.:.:. 〃.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ /:∧
|:/／/.:.:.:.:.:__.:.:.:ィ´ メ.:.:.:／ｲ/.:.:.:.:／ /.:.:ﾑ//.:.:.:.:.:.:./ /.:/ ヽ
|j/ ./.:.:.:／ ヽ.:.:.:.:Ｘ イ／≧x'.:.:.:,ｲ ィ.:.:/ /ム.:.:.:.:.:/ /.:.:' 頭で理解することと、心で納得すること
,'.:.:./ }.:／.:.:Ｖ ¨¨㍉i.:.:.:∧ /／ 孑´ |:./j:/ -'.:;ｲ:{ は別物だ
|.:./ !.:.:.:.:.:小 / |.:./ ! / / j/ / /.:.:.{ ヽ
/¨￣￣￣ ¨V::＞ ､ /, ｲ.:.| v.:ゝ. V j u, ｲヽ:.:ﾊ 洛陽に残り続けるとは、相変わらず
. /.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/＜ ヽ{ ヽﾊ＞ ､ ` u. ／ ,{ }}V お前の肝の太さはどうなっているんだ！
{:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼---／:::Ｖﾊ＞､ ＝==ｭ ／ ／／{＼_＿＿＿
ｊ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ `r‐＞､__, ＜ィ ´,イ::::::::::::::::::::::::::::::＼
ﾉ.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::ﾄ〈〉:¨} r―――ｧ/¨:::ｖt:::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
/:..:.:.:.:.: .:.:.:.:./:. :.:./:.:.:. :.:.／:. :.:. /.:.:.:.:.{ ヽ:.:.:.:.:.:.:.
／￣￣＼
／ ⌒ ⌒ ＼
| （ ●）（●） | なぁに、いつまでも洛陽に留まるわけじゃない
. | （__人__） |
| ＼＿) | 一ヶ月後には洛陽を出て、故郷の陳留に帰るつもりだろ
. | }
. ヽ } そっちこそ、どうするつもりなんだ？
ヽ ノ
/ く
, ....´￣￣:::｀::.丶
, .'...:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀:丶
／.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ ……先ほど勅使が来てな
/ .::::::::::::: .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
. j ::::::::::::: .:::::::::::::::::::::::::: .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
i : /:::: /.::::::: .::::::::: .:::: .::::::::::: ::::::::::::::::::::::::: :::::! 俺を渤海郡の太守にしてくれるそうだ
! .i::::: .:!: .:: .:::: .:: .::::: .: .: .::::: .:::!: . :::::::::::ヽ:: :::ﾊ
.'.: .:l : .: l .:: ..:: ...::::ﾉ ..::::: .: .: .i:::i!.::.::: : ::. :::i:::. :.ﾊ
. /ﾉ:.:::|: :::::i:::.::／イ ｲ:.:ィ,ｲ.: .:/.::j:::!!::{!ヽ.:i:: ::::!:::..::.ﾊ 董卓め、何を考えている？
//}:::}::|:.::::::|:メ､／´ {://./:..:/}::/}::ハ:ﾊ::i!:!: ::!:::i::i:::ﾊ 辺境とはいえ、軍権と統治権を持つ太守の
. /´/::ｨ::::{:!:::!:{:イﾒ ミ.メ./,/:::://:/〃＿_{_i::}!..: .:j::::{::ﾄ:ヽヽ 職に俺をつけるなどとは……
/ // !::!::{i::::!:ﾄ弋´゜リﾄ{/::／//7≠＝ォ}!/::.::/:::::ﾊ:'. ヽ｀丶､
/´ /'!}!:::':::::'.{! ｀￣ ´/／.ノｲノ 弋´_ノ/ｲ::::/:!:::::| ヽ'. ｀
ノ j |!i:::|!':::::'.ヽ、 ./´ {! ｀￣ノｲ／::::!:::::| ヽ まあいい、どうせ俺を丸め込もうという
ハﾊ:i':::ト.､ j! ´イ}::::::ｲ{!::ﾄ:{ 魂胆だろうが、くれると言うなら貰ってやる
j .ﾘ.ヽﾄ.ヽ ＿＿ ／´:j::/ |ハ| ヽ
Fミｺ、 .＼ ｰ ｀ .イ:::ｲ:/|/ i| i| 二ヶ月だ。二ヶ月で郡を整え、兵を揃える。
}: : :｀: :｀.､ 丶、 イ:／ﾚノ' ﾘ 力をつけた後に、董卓を誅罰する兵を起こす
＿ ﾉ: : : : :∧: : １{ ｀´ー:〒}}
´- .､: : : ｀: ＜:.丶 :∩{.}∩:.|.|:.:.:.:.:.:.:.{{::! やらない夫、お前も協力しろ
: : : : :ヽ: : : : : :｀: . : ｿ}:!!{ﾘ: !.{:.:.:.:.:.:.:.!!r!
＊
／￣| + ／￣￣＼ +
｜ ::｜ ／ ⌒ ＼ 任せるだろ、ルル
｜ ::｜x （ へ）（ へ） ｜ .人
,― ＼ .（__人__） | .｀Ｙ´ 今から二ヶ月後ってことは……
| ＿＿_） ::｜ . ｌ｀ ⌒´ .｜ 来年の正月ってワケだ。
| ＿＿_） ::｜＋{ .｜ 十 俺もいい手がないか、無い知恵絞ってみるだろ
| ＿＿_） ::｜ { ＿ |
ヽ＿＿）＿／ ヽ、ヽ / ）|
｀`ー―‐'| ..ヽ| しばらくのお別れだな
ヽ ノ
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
/:.:.:.:.:.: :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼ ……ああ。
/:.:.:.:.:.: :.:.:. :.:.:./:. :.:. .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
/:.:.:.:.:.: :.:. :.:.:./: .:. :.:.:.:.: :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: .:.:.:.:.:..', 重ねて忠告するが、
/:.:.:.|:.:. .: .:.:.:./ :.:. :.:.:／ .:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:../ .:.:.:.:.:.:. :.:.:.:.:.:| 都に残るなら、くれぐれも注意しろ
/:/.:.:.|:.:. :.:.:.:.:/. .:.:.:.／: :.:.:.:.:./:.:.:. .:.:.: ::.:.:.:./ :./:.: .|:.: .:.:.|:.:.|
ﾉ/l.:.:.:.|:.: :.:.:.:/:. :.:.:／/: :.:.:.:.:./:.:.:. .:.:. .: ..:.:.:/ :/: |.: .|:.: .:.:.:.|:.:.|
／´ |.:.:.:.|:.: .:./: :.:／／:.:／:.／/:.:.:. : : .:.:./ :./|:. |:.: |.: .:.:.:..|:.:.| あの董卓、国賊だが間違いなく、
|:.:.:r|.: .:.l／／:.:.／:／/:./:.:.:.::. .:.: .:／ :./:.:.|:. |:. |:. :.:.:.:.|:.:.| 天下の英雄の一人。このことは否定できん
l:.:.:{ |:.:.:.|／:.:／‐ ´ /:./:.:.:.:.: .:.:.イ: .:./:.／|:. |:. |: .:.:..|:.|:.:{
}:.:.:| |:.:.:.|:／ム＼＼/:./:.:.:.: .:.／,/ :./イ彡|:./ ./:.:.|:.:.|ﾘ`‐｀-
/:.:/ヽ|:.:.:|＼ゝz.イヽ,'､/:.:.:.:.／彡/∠イ孑ﾌ/:.:/:.:./:.:/|
/:.,イ:.:.,:|ヽ:.ヽ ｀￣´///:.:.／（＼/ゝ匕ンイ:.::./:／ﾍ./|:l 俺が近くにいない場所で死ぬことなど、
/´/:.／ }:.:.lヽ､＼ /' /／ { ｀./＼ ￣／-/＾i:/_〉 〉_|l この俺が許さん
/´ /／|/＼｀丶／ ! ＼ ＼ ／:{ |: / /｀ :l￣￣/ ヽ
／／{ ｀: { {＼ __ 冫 ｀ヽ ヽ : l / /: : : : : : :/: : : : ＼
. ／: : : | : : ヽヽ ＼ ´¨ _￣｀ ∠: ヽ ｀∨ { : : : : : :/: : : : : : : l わかったな？
／: : : : : :,-､ヶ :＼rヽ｀r‐ｰ─‐＜´-----ﾔ 〉 : : : : ,' : : : : : : ∨
／ : : : : : : : :r‐､）,-､ | |: :r｀──-── ､__ 〉 / : : : : : |: : : : : : ∨
／ : : : : : : : : : く卅>⌒: | |: : ｀＞─┬ 、 / / : : : : : : |: : : : : ∨
: : : : : : : : : : : : :簠ゝ: : : | | : : : : : : : |l: :i / /: : : : : : : :l: : : : ∨
／￣￣＼
／ _ノ ＼ ……それは心配しすぎだろ
| （ ⌒）（⌒）
| （__人__）
| ｀ ⌒´ﾉ 俺だって多少は腕に自信もあるし、
,| } 何かあれば身の着一つで洛陽を脱出してやるだろ、
／ ヽ } 常識的に考えて。
く く ヽ ノ
＼ `' く ま、その時はルル、お前の配下の末席を汚させてくれよな
ヽ、 |
| | ……じゃあ。達者でな、親友
|.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∧.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
|.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:/ {.:.:.:.:/.:.:.:.:/ ヽ＼.:.:.:.:.:.:.:｝.:.:.:.:.: !
{.:.:.:.:|.:.:.:.:.:/从.:/ .{八:{.:.:.:.:.斗‐廾弋ﾄ､.:.:.:.:|.:.:.:.:.:..:', ……考えておこう。
. !:.:.:.:|:.:.:.:.:i ＿仆＿! }:/ｌ:ｌ:.:/ ＿_x､冫:ィ⌒i.:}八{
. |:.:.:.:|:.:.:.:.:{. .ﾉ´ |:ｊﾉﾙ' ｨ 芯戊ﾇ〃.:.:i }ノ :| `
}八:.:.:.:.ハ〃戊ﾇ弐.!′ ´￣ /イ //:.:.:.:| お前こそ、再開の日まで壮健なれ。親友
/ }八{:.:∧ `￣ | ﾙ':.:.:.:.:.:.:|
′ ヽ:.:.:.:. :! /从.:.:∧ .:!
. ＼.:.:＼ ー ‐一 .ｲ/ |.::.:.:ｊハ !
}.:.:/ヾ＞ ー ／ |:.:.:i:} ヽ
| / .ｊハﾊ≧ ､ イ |.:.ﾒ′
. ﾉ' ,r‐‐≠こ≠＝＝＝'∧
||￣||￣￣￣| |::/ヽ:::∧
||ﾟ::::||::::::::::::::::| |::ヽ !::::::::≧ ､
/′::||::::::::::::::::| |::::::`::≪》::::::::＼
｀¨ − ､ ＿_ _,. -‐' ¨´
| ｀Tｰて＿,＿｀ `ー<^ヽ
や | ! ｀ヽ ヽ ヽ ル
r / ヽ ヽ _Lj
､ /´ ＼ ＼ ＼_j／ヽ
｀ ー ヽｲ⌒r-､ヽ ヽ__j´ ｀¨´
￣ー┴'^´
―― こうして、袁ルルーシュは辺境の地、渤海へと向かった。
一方で、曹やらない夫は洛陽に今しばらく留まることになる。
……そして、宿命の出会いを果たすのである。
●補足 【背信の呂布】
- ミ
, :f ヽ 呂布は元々、丁原の部下でした。
/ 八 (
v /¨ `＜ ＼ ですが、呂布は丁原を殺し、董卓に帰参します。
i: |.ｆ.:ｊ f.:jＹ ; | ｌ
八人'' . 'ノィ ノ／ 演義では、赤兎馬を譲られて董卓に寝返った
`⌒≧=≦ア≦ 事になっていますが、正史『魏書』呂布伝には、
f/...j⌒ー^j(....Ⅶ、 ただ寝返った、としか書いてありません。
v...j( 〈〉 j(..........Ｖ,_
｛ﾉ..j( 〈〉 .j(......､....ヽト 、 一説によると、何進が殺されたことによって、
,..-く￣＼.,j( 〈〉 .,j(...........､......ミＸ.ｊ、_ 何進の部下だった（このスレでは演義準拠で協力者ということに
}ノ ゝ |( 〈〉 j(. .∞..∧...............} .| していますが、史実の丁原は何進の部下だった）
⌒＾L . j(.〈〉 .j(.....∞ ....ｌ.........／ / 丁原の将来性を見限り、董卓側についたそうです。
,:.j(.〈〉 :j(......∞.... ヒ二彡彳
/,j(〈〉 :j(.................{ `ー' 董卓は呂布の帰参を大変喜び、
}.}L＿＿＿;j(.................l すぐさま丁原の職を呂布に引き継がせ、
乂⌒＿ー )､￣`¨ーノ 護衛として側に仕えさせたのです。
●補足 【背信の呂布】 終わり
●補足 【董卓の暴政】
. -＝＝=
.／r.―┐ |三| 正史を記述した陳寿の評に曰く、
./ ＠⌒┘ ｊ三ｊ＿_
| /」 ＞ ¨ ` 『 董卓は心が捻じれ残忍で、暴虐非道であった。
l ／ ＼ 記録に遺されている限り、恐らく並ぶいないであろう 』
|三 7 / ＼ ＼ ヽ
.′/ /( ＼ ＼ ＼ とボロクソな評価を下されています。
, / /⌒＼ 、
/ ,斧斗 三ニ=彡 ところで、見方を変えると、正史は魏を正統として書かれた著作であり、
,Y「1: V/り 斧斗 _ ｜ 魏は漢の正式な後継国でもあります。
f {.ｌ :|{＿＿)- r― V/り /Y7./ |
八.:l ｊ l. 八 ` ー＝' ¨/ /// / | よく勘違いされがちなのですが、中国の歴代王朝は
`ｊ ..ノヽ ` ‐ _ ノ ./ ,: ./ 八 前時代の王朝の命脈を受け継ぐ……という形を取っています。
)＼ ,仏＞―=≦ / .,: ( ／
./ ∨ /..く_ (＿ ソ)八 人⌒く よって、前時代のことを必要以上に悪く記述する慣習はありませんし、
/ Ⅶ..../ ／| /:Y ........_ 前時代の遺産を破壊したり、なかったことにすることもしないのです。
./＼ ＼′ |／ /::/ ∧......._
/.........＼＿＿/／| /く /.∧......}
＜三=:!＿＿_
／ ＠ ＞┘ ` 董卓がここまでボロクソに批判されている要因の一つには、
/≧ _.／ 皇帝を自らの意思で廃立し、自分にとって都合のいい
| 三三/ ( ｛、 新皇帝を即位させたことが挙げられます。
￣ /¨ / ( ＼
/ /( ＼ 、 儒教が思想・学問を単独支配する古代中国において、
/ ` _ 三ニ彡' :. .これは許されざる悪徳でした。
ｨ fﾄ. ｨ fﾄ. 董卓は他にも儒教の教えに反する行動をとったため、
｛ l 乂ﾂ 乂ﾂ / あることないことを書かれまくっています。
八 ＸＸ ＸＸ .: .八
` 乂._ ^ _.ノ.イ ／ この新皇帝擁立の際、董卓は袁紹に是非を尋ねました。
_⌒ノ≧ ＿ ≦、 ≦ 袁紹はその場での回答を誤魔化し、冀州方面へと
/7f.......{Ｙ'(⌒く _ ソ_人(..........化! 逃亡したそうです。（ 正史『魏書』袁紹伝より ）
〃.........j(...|! 〈〉 |!...)f..........仏
ｊ」...........j(.. |! 〈〉 r ‐＿.......ｲﾄ; このため、董卓は曹操を堯騎都尉に任官し、自分の知恵袋と
｛.ｊ........／>へ,､ 〈〉 ,. ﾍ＾ﾐ､ }........{ﾑ しようとしましたが、曹操は任官を拒否して逃走しました。
Ⅶ... ヽ .fv 〈〉 ^) /.........}ｱ （正史『魏書』太祖伝より）
ミZ彡' / |
/.....| .′ l. ＼ | 董卓は涼州（後漢の西の果て）の出身で、幼い頃から
. L.....ｊ ﾄミｘ､ .| 異民族の羌族と交わって育ったそうです。
＿＿＿_.| 「￣ ` |
¨¨¨¨¨¨¨ | =-| つまり、曹操や袁紹のような主流豪族（名士）とは違う
| 思考や価値観を持っていたと考えられます。
,.x=＝=ミ､ |
ｌ 〃爪.:しﾊ}} | 袁紹や曹操が董卓の配下になることを拒み、
|! ｛ . 乂ｊ≧ツ | 逃げ出した背景には、
|! ｛ .ｌ .| 「俺たちと違う民族の風下に立てるか」
|! :| | との意識があったのでしょう。
|! 乂 ｜
|! ､ `三＝- _｜ 中原に住む人々にとって、異民族のルールで動く人物は
八 ＼ ` . ＿| 例え漢人であろうと、異民族も同然です。
三二＝- |_ それ故、董卓の行動は中原の人々の目には奇異で横柄、
ｼﾞｰッ `.. ＿＿彡'... /¨ ＿'ﾉ 理解できがたいモノとして映ったのです。
/7........................... / / )
ｘ≦ミＸ、
／ 「７ ＞ ¨￣￣￣ .、 董卓は苦心しました。
./ , ＠ .／／ ＼ヽ どうやって、中原の人々から支持を集めればよいのか、と。
l L /./ ./ /
|三三.: .: ,ﾊ ＼ その政策の一つが、かつて党錮の禁で名誉に泥を塗られた
¨¨¨¨: '⌒ヽ '⌒ ヽ 名士たちの復権です。
| . / ` ＝-ミ、 彼らを保護し、新たに職を与えることで自分の手駒にしようと
〃ﾊ⌒Ｙ 〃ﾊ⌒Y | 考えました。
.{.乂..ツ 乂..ツ ｝ ｌ
八 ⊂つ ⊂つ / 八 しかし、いくら人気取りの政策を進めようと、
乂 ノ / 当の本人が問題の原因を理解しておらず、理解しようともせず、
.≧ `＝- Ｏ -=彡' ／_ 自分のルール…… 羌族のルールで漢民族を統治しようとし、
ｆY.............¨.....-≧=≦ ≠.....⌒Ｙﾌ 中原の豪族（名士）たちは一斉に反発したのです。
Ⅶ .....Ⅶ.V^>、 〈〉 .へ}.......j('......ｊ7
〈 ...... Ⅶ’ ' ,.ﾍ ,<^ヽ .:....j('.......｝! その爆発の切っ掛けとなったのが、前述の新皇帝擁立だったのです。
く}..........｛ /个｛ ﾄ.ｊ(..........{ｲ これによって、董卓は豪族たちから完全に見切りをつけられました。
ｆ|.....ノ 乂_ ﾉ .〈〉 .トー' 〉＼.....|ｊ 董卓と豪族たちの間には、もはや修復不可能な捻じれが生じたのでした。
l／..＼＿ノl :〈〉 .ﾊ＿ /.........∨'
●補足 【董卓の暴政】 終わり
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ ┃
┃ 【正史】やる夫たちは中原で覇を争うようです【演義】.┃
┃ 第一部 『群雄争覇』 ..┃
┃ ┃
┃ 第二話 「十八鎮諸侯同盟」 前編 . ┃
┃ ┃
┃ 終わり ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
/ ／ ヽ ３０分の休憩を挟みます。
.L./ 八 ＼_
ｏ `ｰｏ Ｙ 続編の投下は１６：２０分からとなります。
.}、 ( ﾉ ,:
ヽ ≧`_´≦イ
/..}! 〈〉 i{.∧ お楽しみにー
.{....}! 〈〉 i{.....}
Ｖ∧ 〈〉 /...../
}...∧f〉/.....,:ｆ
ｊ,二,〈〉j二, {
/∧ Ｖ ._ j .}
＿＿＿＿_.{ .ソ个jく).＜､＿＿＿＿
`/ ¨¨|!¨ ヽ'
／＿」＝＝＜／ ごめんなさいっ
＼ / |......./, .}
キャッ` /¨¨.|＝- _-=∧＿＿＿
―― -=ミ/........ | _ -=¨........∧＿} _ノ ３０分になったら開始します！
＿ / ヽ＿≦ ¨............../....|
.r|＿}.ｊ_ ／⌒＿ ノ ヽ................._.／ １０分間の延期をお許しください〜っ
{.......ヽ /...- ＝ ¨
乂_.. く ＿＿.／..,:
¨¨ _／＼／ ぽ
Ｙ>,_／ て
⌒ っ
＜三三三|‐-ミ
.／ ＠ .＞＝┘ ｀ それでは後編、再開します
/三三／ `（ ＼ ＼
/ / / ＼ ＼、 ヽ .
ｉ: / ` ＝ミ、
｝ . //////// ﾄ }
} 八 ( u cっ ﾉ ,
乂 ≧-≧/⌒! -‐i⌒ヽｲ
⌒.≦./ ＼ｊ.〈〉 |_／}
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ ┃
┃ 【正史】やる夫たちは中原で覇を争うようです【演義】.┃
┃ 第一部 『群雄争覇』 ..┃
┃ ┃
┃ 第二話 「十八鎮諸侯同盟」 後編 . ┃
┃ ┃
┃ ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
西暦１８９年、中平６年。１２月。
【帝都・洛陽 王允宅】
[]ﾆ立ﾆﾆ立ﾆﾆ立ﾆﾆ立ﾆﾆ立ﾆﾆ立ﾆﾆ立ﾆ[]
／ 从从从从从从从从从从从从从从从从; ＼
ｒzzz_ｒzzz_ｒzzz_ｒzzz┐ ／从从从从从从从从从从从从从从从从从从从＼ ┌zzz_ｒzzz_ｒzzz_ｒzzz_ｒｚｚｚ
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￣￣ ||￣ ￣￣ ￣;| |￣| ￣| ￣|￣￣|￣| ￣| ￣|￣| ￣| ￣|￣ |￣| |￣|￣|￣| ￣￣ ￣ ||￣￣￣￣||￣
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ΠΠΠΠΠΠΠΠ|| || ;;; ;;;;;;; ||| |||| ｜｜｜ || ｜｜｜ ||||ﾆﾆﾆﾆﾆｌl; ||ΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠ
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从 从 从 从 从 从 从 从;;||| |||| ｜｜｜ || ｜｜｜ ||||;;;;;|;;;;;|;;;;|| ; 从 ; | li | 从 从从 从 从|
Ｘ⌒Ｘ⌒Ｘ⌒X⌒X⌒X⌒X⌒ヽ ||| |||| ￣￣￣ || ￣￣￣ ||||;;;;;|;;;;;|;;;;|| Ｘ⌒Ｘ⌒Ｘ⌒Ｘ⌒Ｘ⌒Ｘ⌒Ｘ⌒Ｘ
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●） お忙しい中、時間を取ってくれてありがとうございます、だろ
.| （__人__）＿
| `⌒´.￣
.| ﾉ お久しぶりです、王允先生
ヽ .,ﾉ )／´二⊃
> /"／ '‐､ﾆ⊃ ｷﾝｯ
./⌒ヽ ｌ ´ヽ〉〆ヽ
( ヽ/ __人〉ヾ_ノ,ゞ
.＼ / / { ／
●曹操（字はやらない夫）
, ｨ ´::::::::::::::｀ ｰ､
/::::::;-z､;;;;---;;;､::ヽ
;::::/ | i i |ヾ;::i 先生は結構。
|::i --､＿ ,-- {::|
. |:::| ≧三≦,-- j::| ﾄ､
. |:::j ＿_,ノﾉﾊi､__,--､{::ﾚ':ﾉi ,
r､|'´_r｡ﾐ.ヽY ./ ｀', j-彡ﾚﾚ'ｊ
|f j,,ゝ='ノ f⌒i､＿,ノｲ)i::::::::く 昔のようにウォルターで構わんさ
', i ﾄ, , | | ､ / j::::::::::::≧
ヽj ' ,.ｲ_.| |_.,）､ ﾄｲ:::::::::::::く
＿/:{ ｲ,＿ゝ-'＿ミ^,j｀::::::r､r‐､|
／三;/三ﾄﾐ､-￣￣- ///|::::::::ﾍ三≧=r､__
＿, イ三三三三ﾐ| ＼ ￣ ／/ |ヾ::r､::i三三:i i 二二ヽ､＿_
. ,＿,---- ≦彡 |三三三三 | ヽ＿,ノ_,ノ | |;ﾘ;;;;ｿ三三ﾐ} ｀ヽ､ ヽ
.{ヽ,-──' i |三三三三| ､| ＞＜ ,. | |三三三三ﾐ| | iｲ
..{ ＼ ', |三三三三|i Ｏｲ//∧ヽ o j |三三三三ﾐ| i i / |
. i´ | .|三三三三j|_／ ∨/j ＼_,ﾉ .|三三三三ﾐ|i l .| .// .|
∨､ i i | .i三三三三ﾘ |//| i |三三三三ﾐ}| | | // |
. ﾘ ,∨ | j三三三三.| ', j//.| / |三三三三ミ| | ,' ./// ,ｲ
| , ヽ| ﾘ三三三三 | ヽ i// ∧ / i |三三三三三i| ﾚ /./ ｝
ゝ､i ＼ ＼ i i三三三三 | ', |////| / .|三三三三三ﾍ/ / / r'
. ｀| ＼ ＼j三三三三 | ', .|////∧ / |三三三三三ミ}´ // ､|
ヽ､ i三三三三ﾐ|､ ヽ.ｊ/////∧ j三三三三三;∨彡' ヽ,
人≧二二二{三三三三三| |///////| , 住三三三三三ｊ､ ,イ
ヽ ＼ 人三三三三三ヘ .|///////レ'三三三三三三ｿ＞二二二二ト､
| ｲ: :|三三三三三三＼/////／三三三三三三三ﾄ､ヽ ,ノ ﾉ
●王允（字はウォルター）
この妙に慇懃無礼な壮年、
姓は王、名は允。字をウォルターと言う。
この人物は才子である。若い頃から評判が高く、朝廷の重臣の一人だった。
王允は若い頃、当時の儒教界で最大の傑物であった、
/ / | | | | .// / ,.|
/ ∧ | | | |// / /.,|
/ヾl l l l l|//////| |
l / | |
| / | j| ……王允？
|.ｲ | .' |
小{ l / | ああ、ヤツは天才だよ
l|_|__｀ヾ､ ﾉ′ .|
込__ﾃミ ＼ 〃-一===＝l＝ｰ
|ー--一ヽ /´ｫ弌__テミ辷
| lr==ミｲ ｀ ー--イ | 人に仕え、その人物の才覚を開花させる、
| ノ.:: | | そんな天才だ
lt一 ´ .::: 弋 ｲ j
l| ..:::ﾉ ヽ､ ______彡'
l| ヾ r |
l|､ ｰ-､ ＿__ ／|
.小ヽ ｀ こ__V7ﾊｱ´ ／/ |
l| ',∧ V/ﾊ ／ / .|
l| ',:.:ヽ V/ﾊ ／ |
l| ＼:.:｀ ｰ--イV/ﾊ／ |
l| ＼:.:.:.:.:.:. >V/ﾊ |
l| > ／ ⌒ |
●郭泰（字はインテグラ）
郭泰に 「王佐の才」 とまで褒め称えられている。
＿,.ィ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
ー=ﾆ二二;;;;;;;;ィ;;,';;;; ;/,'!l!i;;iil!;;;;;i;;;;i;;l!;i!;;i;;i!;;i!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀ヽ
/;;〃.,'〃/,'//;;i!;!l:i!:i!;;;!i!:i ii! l!.;;;;!i i! :i! i!:i!i!:!i! i!i､;;;;ﾄ， ……感謝の極み
ｲ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:!;i!;;;;;;i!;:!;!;;i!!;;;;;;;ｉ!;;;;i!;;;!:;!li!;:;!i!;;!i!;;;┃
,' {;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾘ
! j;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ｉ;;;;;i;;;;i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i'
/;;,';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ｉ!i!;ﾊ;;i;;;;i;i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾊ;;ﾄ､;;ﾄ､ﾄ､;;;;;;;;;;;;i､;;;;;}
,';;ｲ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i=l＝=ヾﾄl!;;;i､;;;;;;;;;;;l/ｨ=≠三ｿ;;;;;;;;;;ﾉ};;;;;ﾟ
!;;ｌ{;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;辻三三ミﾄヾﾄ､ヾ;;;ﾘィ彡≠ﾓﾃｧi;;;;;lﾘ）};;;’
ヾ!l;;;;;;;;;;;;;;;;i;;;;;;;ヾﾐ､弋心ｿヾ`゛ ﾍ;;;’ｲ"弋彡'ノｲ;;;;;レ';;;’ ,'´￣ヽ
ヽ!l;;i;;;;;;i;;;;ﾄﾞi;;;;ﾄﾐ､ﾞ`＝≠" ,. ﾘ ´¨¨¨¨¨"ノｨ;;;;;iｨ;/ (⌒ｰ'
゛{;ﾄ､;;|;;;;;ﾄﾐ;;;ﾑ j! /;;;;;;ｲ （:...
ヽヾﾄ､:;ﾄﾞ!i;;;;ﾍ 〈;! ,;;;;;;;;ﾄ! ゝ―-､ ）
` ＼ﾊ:;;;;;ﾄ､ ,〟 /;;;i;;;i;} ,′ ｀ヽ:.ー‐‐".:.
'` {;;;;ﾄ､＼ ･‐- ―━’＞｀f＜ﾘﾚﾘ , --:._＿ ノ
弋孑ｨ;|` ｡ ｀￣ ／゛＞;､メ〟'’⌒ﾞー---‐"´￣｀ヽ:.
､＿_＿__,ィヽ_＿_,ィ::i!:ﾘ::f､ヽ. ． ｲ ／ｲ､:::ヽｰ- ィ=､__ _＿＿ ゛ー‐'´￣´
ー -チ/／.::::::::::;':::'l!::{ｿ;;;;＼＼ ＞＜ ／/';;;;{ﾊ::::i!:::::ー--‐ヾヽ⌒ー―-´
／￣￣＼ ……それで、ウォルター先生。
／ _ノ ＼
| （ ―）（―） ｼｭﾎﾟ 今やお尋ね者予備軍筆頭となった俺に、
.| （__人__） ﾁﾘﾁﾘﾁﾘ…… 何のお話があるんです？
| .,ﾉ )／´二⊃
人 /"／ '‐､ﾆ⊃
./ ヽ ｌ ´ヽ〉〆ヽ
( ⌒ヽ/ __人〉ヾ_ノ,ゞ
.＼ / / { ／
_ ＿＿__ _
. ／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
／才/⌒^"'゛´⌒ヾヾハ .ｲ
':// . ′ i ﾏ:' }Nﾉ:|
:.:{_ i | }从:.:.:ﾉ才ノ
}=:{ ! !二ﾐ:.:{.:.:.:.:.:.:≦
ﾊ:才-=＝ミ ー=彡 ﾉｨ=ﾐ从:.:.:.:.:.:.:.才
′i/_,.ｨ=≠ﾐx､￣ .ｨ≠_＿ i:ハ.:.:.:.:イ 話と言うのは他でもない。
{ :{ xだｧ才 ﾉ /弋辷アﾊ./.:.:.:.:.:彡 国賊・董卓のことだ
∨ﾊ､ー .イ {{ }}.:.:.:.:.:.:く
ヾ:,ﾊ. iゞ≠乂＿___才ハﾊ弌斗
i: ! .ｲ :|:::.. i |＼
. ／' |.fr⌒ヽ j:/ハ ; i.:.:.:.:.:.＜
.＞'".:.:.:..＼ 廴＿.二._,.ｨ :} 八:.:.:.:.:.:.:.:. あやつめ、ついに皇帝陛下を廃立させ、
.:.:.:.:.:.:.:.:.:{iハ ｀ー=‐彡 ｲi:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. 陳留王・劉協さまを新皇帝に立ておった
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}＼ﾍ ´￣｀ .//,:}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
:.:.:.:.:.:.:.:..: }∧＼＞ -=彡.ｲｲ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:.:. ∧{{ ＼＞ '" {{ |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧ゞ≠⌒⌒ヾ=ｲ:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ∧ ｲ:.:.:.:ハ 宀. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
:_,.＞'⌒＼:. ∧ ∨.:.:.:.ﾉ _,.｜:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
_＿ -=ミ. ＼:ﾊ }＝ﾘ＿__,｜:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
}ﾊ､ ヾﾍ:.:.:.:.＼ ;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:._三
ー-= }才 ∨≠ｭｰ--ﾍ _才⌒ヽ
､:.. } {｀ヽ◯ ＼ ｀ヾ
￣ ﾉ:. i| ∧ } ヽ
／ｚ┴'ｆヾi ､_＿: :|
＿＿＿＿_ .ｲ‐ﾅ(_ヽo`'∠)└ ＞＜¨"' ー-､
ｒ‐ '´: :: :: :: :: :: :: :＞´ ｆ こフ ィ} ＿ ｀丶 、 ＼
ｌ: :: :: :: :: :＿: : :／ ｒ’ｨ＿ｚ-=Ｏ'‐'`' ＼ ＼ ＼
＼: : : : : :ー‐,ｲ ／ ¨｀‐ｲ「' 7､‐' .|＼ ＼ ｌ ｌ 妾は皇帝なんかイヤじゃと
ヽ: :: :: : : :ﾊl! >'´ !ﾄ､ヽ |_/ム ! | い. ! / 言うたのに……
. ＼: : : :ﾊ .| | !.|: !|‐''''" !ﾄ斗; i. ﾄ､! !
|: : :ｲ .い.| | !:|! .|| / !ｌﾑ, |｀| l|. !
レ´ | ＼ﾊ ヽ .!.|ヽ::|ヽ _, ﾁイ「!|/ | リ
／: :: :| .ヽ! ｌ,,斗七二三、 辷沙ｨ' / 〃 皇帝に就けたら就けたで、
/: :: :: :! ! iハ ＿イ5¨ 爿, 、ヽヽ} / 董卓め、妾の言うことを
. /: :: :: :｜| ::|::::ゝ .ぃ ヾ ヽシ´ ′ ﾉ ,´ まったく聞かん
/: :: :: :: :.!｜ ｌ ﾋﾍ ＼｀ﾄ､ '´ ｲ: ,'
ｌ＿: :: : : :| :ｌ | ｀>廴＿＞‐-､、 ／ | i
￣￣!| :| .ｌ ＿/ ＼＝ェ!-イ| |＼
. ｀7 ' ト┴､ ＿,,, ｨ┐レﾑﾚ品ヽ ! ＼‐ｧ
,' ,' ハ (´! ｜＞ｆ_/ノ´‐个‐今ﾄﾞ､｜ i＜!
, / ｌ| ヽ |｀`''- ! ｒ(|_＼`く |!ロ ＼ 乂|ﾄ} ＿
. / ../ .!|. ＼ 「¨7 ￣）ﾄ､ヽ-┘品 |＼ﾚ癶‐-ヽ
/ ../ X! ｀丶､ ! ＼ﾊ＼!ぅマ呂 ／｀´Y X‐ﾐ‐リ
. /. ／ ／∧ `丶､ ｀ﾌ ノ | / /＼匕＼ ＼
／´ .／ / | Y´ ＼辷‐|￣ ¨´ Tく ＼ ! |
／ .／ / ! |＿／ク¬ /ｲ ﾄ} }＼
●後漢第１４代、考献皇帝・劉協（字は美羽。後の献帝）
一方、元皇帝となった劉弁（字は言葉）は弘農王に格下げとなり――
::::::::::::::::::::::::／ /:::::::::／′ i|::|i::::::::::::::::::::::::::::|
:／:::::,: ＜, /:::::／:::/ |::|i::::::::::::::::::::::::::::|
::::::／ ‐-:／ .::/ __,,.. イ:|i::::::::::::::::::::::::::::|
rf笊荐荐㍊／／ :::/ ,_..二..___ ｉ|::|ｈ::::::::::/:::::/:::::; 屈辱です！！
|:|釗⌒℃.价:'′ }/ i爪存存㍊: }::::: / }::/:://
|.|｜ :::::::|::|{ ／ | ｉ{⌒℃ﾊ〉 }::::/ /:/ //
.....乂__ン :|{ ／ |:.乂__ﾝ|/ /::/ /:/ //
辷_____,:ﾉ 辷_____ﾉ /; ∨/ . /
/ｲ /〈 ./
: : : : . . ’ . : : : : :/ ｉ| / ,
＼: : : : : : : : : : i:| ′
＼ .:i:|i ,
/::i:|i:i ′
:、 ⊂ニ=====ﾆつ ／:::::i:|i:| ,
:::＼ ／:::::::::::i:|i:| ′
●元、皇帝・劉弁（字は言葉）
皇帝の母として、一時は董卓と権力を争った何皇后は、
. /:::/::::::/::::::::::::::/::::::::／ l::::::::::::::::::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ
. ,'::/:::::::/::::::::::::::/::::::,.' i::::::::::::::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
. i:/:::::::/:::::::斗/l--/---‐‐iオ''::::i::::::::::::::::::::::ハ::::::::::::i::::::::::::::::::::::::::::', なんで私がこんな目に……
i,'::::::::,'::::::::::/ .i:::,' i::::::::::i::::::::::::::`ト/, V::::::::i::::::::::::::i:::::::::::::::i
. ,':::::::::i:::::::::/,ィチ了万尓､ V:::::i::::::::::::/:::,.'. ｀ヽi:::::::/:::::::::::::i:::i::::::::::::|
i::i:::::/i:::::::,'ゞf ヽ:;;;;;;;;;:::i V:i::::::::::/ ｨぇ.､. i::へi:::::::::::::/::::i:::::::::::|
. i:::i::::fヽ:::: i V::;;;;;;;;;:::i /::::::／ ん';;;;｀ヽ, iヽ:::::::,'::::::ii::::::::::i
i::::V:i }.ヽ:::i. 乂_:z少 /::;;;;;;;;;;:::::ﾊ i::::::::,ｲ::::::ﾊ::::::::/
. i:::::::ﾄ',. ﾊヽ /:::::;;;;;;::::::ｿゞ､:::::::/::i:::::/ |:::::/
i:::::::::'､ i i , ｀ヾ少'" /::／:::::i:::/ i:::/
. /:::::::::::::::ヽヽi /.イ /:::::// /"
. :::::::::::::::::::::::`ﾊ -ニ､ / 〉 /::::::::|
:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ , '-' ／:::i::::::|
::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ ,.ｲ-‐:´::::::::i::::::|
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i.＼ ,. ﾁ::::::::::::::::::::::::i:::::|
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| ` ､_ , ‐ '. ´ i::::::i:::i::::::::::::::::::::i:::::::::|
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| i::::::i:::::i::::::::::::::::::::i::::::::|
永安宮に幽閉されることとなった。
その理由は――
ﾏ＝-｀ ｀ヽ ∧|ﾍ
V ｀ヽ ﾍ ∧ ﾞ.} } ／ ……何皇后なる大層な名を付けられた雌豚は、
乂ゝ､ ＼ﾍ|ヽ,､ .} / ﾚ 新しい皇帝陛下の育み親にして、先々帝・霊帝の
ﾏ ゝr^ヽ＞´ ヽ ヽ/ / 実母であられた董太后が、宦官に殺される
V { r ヽ y 最初の契機となった。
/ :ヽY´ ゝ. ＼_｀ノ
＿ / :::::::/ L _ 」 f´ ｵﾚ
r ≦¨ ≧｀`'' ､｀丶＼. ｀ヽ-‐｀,,,,_ 董太后は、この我と同じ姓を持つ者。
_ 」_,,.．-一=-､., ｀ヽ｀ヽ＜;;;/､;;;r ´ ﾍ,,,_
/ ﾍ ､ ﾍ;;Vﾍ{ ヽ 即ち、我が母君も同然のお方である！
/ ﾊ ｀ヽVVﾍ } 親の仇である何皇后を放置することなど、
. { ﾊ ＼Vﾍ l この董卓には決して出来ぬ！
. .{ }＝=- ､ヽ/V l
V } _,,.;;;;;=ﾍ ﾉ
●董卓（字はギルガメッシュ）
董太后は自分と同じ姓であり、
同じ姓である以上は董太后は自分の母親も同然、
故に董太后の死に関わる何皇后を罰する、という理屈であった。
……要するに、自分と敵対した何皇后を、
体よく宮廷から追放するための屁理屈である。
ｘ≦ﾆﾆﾆ=‐
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=‐
／ﾆｘ≦ﾆﾆﾆﾆﾆ=-ヽ ……都には、董卓が全国から集めた
Ｖ,〃”⌒''*､ﾆﾆﾆﾆ=-ｖ 兵隊どもが五十万はいる。
. ＾´ ≧ｘﾆﾆ=‐Ｖ
乂ﾆﾆ=-Ｖ 董卓に戦争を仕掛けても勝ち目はない。
Ⅵﾆ=‐}
_,,.， _,.斗*=- :..:Ⅵ/＼
,ｘ*'' ´ ,,,__ : :.:.} /ヽ} だが、このまま放置すれば４００年続いた漢王朝は
xく f≫''”⌒＾_.＼} } .ﾊ ヽ 董卓の重みに耐えかねてへし折れてしまうだろう。
. Ｖ{ｊ/_,,ｘvﾊｱ.′八ヽ ′∨ }
ﾄ､ く〃´⌒ヽ´ } :rく/ .}
}ｒ=ミ{{ // } ﾉ .;_/{___,ノ_,,.ノ ヤツを取り除かねばならん。
j{. 乂 /_,.ノ% ′ {＼ﾆﾆﾆミ*､
ｊ{ ｊｒ- ..,,_.%i { }＾ヽﾆﾆﾊ,乂 私が知る中で、お前と袁紹に並ぶ官僚は、
. ＼,__／ ､｀}% ′}% }ﾉ八} 今の宮中にはいない。
{ ､_. _,.，-‐┘} % ./ /.% _}⌒~""''' ‐- ．..,,__
､__,,.. ,' .%ｲ _/ % ,′ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=‐
＼ 釻 ,. ゛% ./ %′ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=‐ ……手を貸してくれないか
:.､ _,/ ,%'′ % .}ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
: : : ` ‐≦ ./ ℃ｃ‰ ,′ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
{ : : : : : :},_,／ 釻 ′ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
. ｊ{ : : : :〃__ﾊ / /ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
. ｊ{ : : : ,′ : : ', {ｒｃ /ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
ｊ{ : :..,′ : :.... ヽ V /ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
. 乂,∧ : : : : :.:.∧___/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
. ∧_______/ /ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
／￣￣＼
／ _ノ ＼ （ ;;;;(
| （ ─）（─ ) ;;;;) ……その仰り様から推察するに、
| （__人__） /;;／ 暗殺、ですか？
. | ﾉ l;;,´
| ∩ ノ)━・'
／ ／ ＿ノ´
(. ＼ ／ .／ │
＼ “ ／_＿_| |
. ＼／ ＿＿＿ /
真正面から戦っても叶わない。
となれば、古今東西で利用される手段は一つしかない。
……暗殺、である。
ウォルターはやらない夫に、董卓を暗殺してくれ、と頼んでいるのだった。
. l二ﾆ/ ｀ ー―-- ￣￣￣￣ --―一 ´ ヾニニ!
. ､.!二'/ ￣￣ __ ヾ二>' ､
. ' ヾﾆ,' ＿-―‐-- ．_ _-≦＿ﾆ-､ ､ !=" ﾞ
l ＼ヾ{ ,.仁ﾆ-‐''''''''‐-=ﾆ≧_､ ヽ -‐ '´‐＜ ヾ.､ヽ、 / ,. ヽ ! それしか漢室を救う
! ,' ヽ. l ''" ,.-‐ ￣￣ ‐- ､`ヽ、 ヽ / ,. ´:.:....,. -‐ ‐ 丶 /,.. l 手段がないのだ
l ,' ヽl ::::ヽ ''_- ..＿ :::::::::::::::.:::.. :::::: .::.:; '.:.:.:.:.:.:.: ＿ヽ ; / l !
. 、 .､l ､ゝ ヽ ￣了マァ,- ､:::::::::::::::::::. :: .:::::/:.:.:.:.:._:. -t.ｾ''アﾉ￣／ ﾞ､‐ ,' ! ' 董卓は殺す。
. 、 ' ! ﾐ ヽ ､ ｀ ´＿ ゝ::::::::::::: .::::::':.:.:.:.ヽ.....＿`ー ' ／ , } /i ,' ' 殺さねばならぬ。
､ ! ＼ ￣ -―,.- ／ ヾ ＿ ｌ ,. {:.:.:.:.:.:.:.:.:... ￣ ／ ! , l /
､ 、.l ｀ ー ´ ＿,．￣＿ ﾞヽl :.:.:. ｀ ー ´ ﾞ ,.' / だが、董卓は自身の
. ､ 、 ／ `ー''"￣ :.＼.ゝ､ :.. /}! / ./ 配下しか信じておらぬ
ヽ ! .::: :::::::.ヽ ヽ ／ ┃ ,' _./ヽ.､ 、
ヽ 、 .::::::: :::::::::. ｀´ ` - .＿_ ,. ´ ┃ / 〉 .l=､ li やらない夫、お前なら
ヽ 、 :::::::::: ::::::::::. ┃/ `ｲ .}=} }! ,.ｲ 董卓の信頼を
. ヽ ::::::::: ::::::::: ┃ ./ l! ./ニﾆ／/ 勝ち取れるだろう。
. ヽ. ｌ ､ .::::::::: :::::::::. /|! , ' l! /ニニﾆ/
` l ､ ／:::::::::: ::::::::::＼ ,' .l _,.l!=ニニニ,' ,ィ 信頼を得た所で
l l 、 ／ 〈 ::::::::::: :::::::: 〉 ＼ ! ｉ二ﾆﾆl!二二二/,／/ ヤツに近づき、殺す。
l l ｌ ／ ＼ ::::: :::: ／ ＼ l i二ﾆﾆl!ニニニﾆﾆ'"ﾆ
／￣￣＼ （ ;;;;(
／ ._ノ ヽ､＼) ;;;;) 申し訳ないが、『 だが、断る 』 だろ
| （●）（●）/;;／
| （__人__）l;;,´| かつて秦王を暗殺しようとした荊軻は、
| ./´ニﾄ━・' .ｌ 十歩必殺剣の使い手だったが、
| .l _ニｿ } それでも秦王暗殺に失敗しただろ
/ヽ､_ノ /
__/ / ノ__ 簡単な手に見えて、その実、暗殺は成功率が低すぎる
/ / / ｀ヽ.
/´ ./ ,. ヽ. そんな行為、真に忠を持つ者のすることじゃないだろ
ﾄ､＿,/. ｜､ ヽ
｜ ｜/ /
※注 （十歩必殺剣 …… 対象が十歩以内にいるなら、確実に斬れるという伝説を持つ剣術。当然フィクション）
,．-=ﾆニニ=‐-＿
／三三三三三ニニﾆ`､､
/三三三三三三ニ＝=ヾヾ;ヽ
, /三三三三三ニﾆ ｀´ﾞヾ} ……では、やらない夫には、
/, , i三三三三ニ‐ ,.' __ ! 暗殺よりも優れた手があると？
,. ‐--_,.{ !,' l三三三三ﾆ ‐- ._ ､ｰ- l
,.-,.=,ニニ≧,-!三三,!;ヽヾ _..ゝ＿‐`ｰ､; _{
／'"イ,≠≠/:/l三三l.ヽ.i {. ´ ｀ ‘'-｀ ,_/ .}
/'/〃'////;l::l::l:l､ミﾐヽ (.､ ヽ ￣ ´ ! / もしそうなら、是非とも教えてもらいたいものだ
,'!l' i////{ !｀l::lﾞ ヾﾐ` ｰ l _. |′
{ l! l'/!/{l,'! ､l::l! .! . l ┌､ ´ｰ _l
ﾞ､ヾ{ l{、ﾞ､.}:::l , l ､ : !` ｰ -; '
｀ `ヾ､ヽ _「￣ ‐ ､ ､ ､ ｀ 7
ﾉ 、 , ‐- '
,.'_ ヽ､
_.-二二=-＿ /:...ヽ
／￣￣＼ .........::::::::::...r‐ ' ノ.
／ ＼........::::::::＿ ) (_
|::::::: : |.....:::（⊂ﾆﾆ⊃) ……ある。
.|::::::::::::: |....: ::::｀二⊃ﾉ
|::::::::::::: |..: :::: （( ￣ 確実とはいかないが、暗殺よりは
.|::::::::::::::: } [l、 成功率が高い策が
ヽ } ／,ｨつ
／ ヽ . ﾉ .,∠∠Z'_つ 袁紹の策のパクリだけど、
/ ''⌒ヽ ./ .r─-'-っ 『 諸侯結集の策 』
.| ( / } ./ ）:::厂 ´ これしかないだろ
| / ./／ .ﾄ ／
/ ∨.:.:.:.:ﾊ
. . -=ミ _ __ ≧:.:.:.:.{
′≠ ヽｰ- _彡 ´ 才.:.:.:.:.} 『 諸侯結集の策 』？
{'"⌒ヾ:.､ .l / 才.:.:._.:.{
. ∧ ﾄ､ ＼､i f{ .斗≠ミ }.:.／ }.}
.ﾞヽ弋辷ｧﾊ}ハゞ=彡=三｀ヽ }//ハ.{.{ 聞いたことのない策だが……
} ー=彳ﾉ⌒ヾi}＞ゞ=才,ﾊr ｲ _) .从
人 ´ .:'′ 八 ｀ー- }} ノ. ノ.:′
i ヽ _彡′ _,ﾊ ＞--＜.{{ r /.:./
.ﾊ fr´ 〈! _彡ﾍ {{ /爪.:.:.{_
∧ .r}弌xr' ｀Y {{.′{ .}_:/ }_彡才イ
. _ -‐ﾍ ゝ｀ー- =ー-' } {{. ﾉ {. {.り.:.:.:.:.-=ミ
二二二.∧ ｀ー=彡 ｲ ／ ,￣ / ∨_.:.:.:.:.:.:.:.:.
ニニニニﾊ . ｲ / / } }≧ー-
ニニニ / }.､ .イ ./ ｲ / .}二ニニ
／￣￣＼
／ _ノ ＼ ……各地の郡太守・州牧に檄文を発し、
| （ ―）（―） , ､ 太守・州牧たちを束ね、連合を組む。
.| （__人__） ふぅーッ ,´ ( ⌒ヽ ）
| `-=━・ --==≡三三 ( （ ) ） ） 実は、すでに檄文は書き終えて各地に
.| ﾉ ヽ ｀ｰ ノノ 送っているだろ
ヽ .,ﾉ )／´二⊃ ヽ_- ノ
> /"／ '‐､ﾆ⊃ 各人は最低でも二万ずつは兵を持ち寄るはず……
./⌒ヽ ｌ ´ヽ〉〆ヽ
( ヽ/ __人〉ヾ_ノ,ゞ たった十人が結集に応じるだけで、兵力は２０万だろ
.＼ / / { ／
/＞'"´ ｀ヾｰ-ﾐ:､
. / ＼:=ﾐ＼
/ _ ,.. -‐才´￣ ｀ヾ:.:.:.:.:. 諸侯がすんなり、やらない夫の呼びかけに応じるかね？
′- _ -‐ ≠ミx､ ｀ヾ:.:.:.:'.
. : ￣｀ヽ ji }/.〃 ｀ヽ 才.:.:.:.:.:ﾊ
{ イ≠ミx __ゞ:{ iぇ }ｰ-＞=ミ
ハ frうｱ }⌒ヾ ;_８. ｀ﾐ/ /ハ∧ お前と面識のある者ばかりではないだろう？
} {＜´ノ 乂 彡' 8. ; ｲ {
. ' 〈-=ミ､ ￣ ８. ／ ___ノ /
i .∨//r＼〉=ミ 8.i ( {ハ ｲ 確実に来ると思われるのは、
ハ､.／ゞ､_彡' ｀ヽ ８! f=８:j 渤海太守の袁紹くらいのものだろう
':'. 〈_＿ _＿___ _,} 8 ′8.:{
∧ }≠±才"´￣ .ﾉi ８ / Φ=ミ
. '／i_｜_＿, ' .ﾉ 才ｘ 豺____{
. ／∨ ゞ|￣ イ |.:.:.:.:＼
／ ＼. ! ／ |.:.:.:.:.:.:.:ミ≠
／ .|､ ／ ／.＼.:.:.:.:.:.ハ
. _／＿ ! ｀ー-=彡 ＞' ＞＜.:.:}
.斗 ≠ミ ｀Y. | ∧ i ＞ ´ .／ニニニ≡
／￣￣＼ （ ;;;;(
／ ＿ノ ヽ＼ ) ;;;;) ええ。ですから、皇帝陛下の御名を借りた檄文を発しました。
| （ ─） （─）/;;／
. | （__人__） l;;, これならば普段から董卓に反感を抱き、
| ∩ ノ)━・' かつ皇帝陛下に取り入ろうとする諸侯は必ず動く。
. | / ノ´ }
. ヽ / / } 俺の見立ててでは、最低十人は集まると思いますだろ
ヽ/ / ノ
∩
∪
ｏ
_ --――‐- _
_-ニ二二二二ﾆ-‐｀ヾ、 まさか、やらない夫！
'ﾆニﾆ;'"´ ヽ
'ﾆ二," {.! ! ,. ､ お前、偽の勅書を……！
ｌﾆ二ｌ |.! ＿ ,.. ,／ ､
lﾆ二ｉ ´￣｀＝､､._,..'", ,,.-‐ }
lニ,=! ,,.. ＿＿;.) ){,/,.−､!
l=lヾ'i'"￣ ,_，､´. ,.i__{ .}、
l_!:,ヾ ､'`ｰ ´ 'ﾞ. . ー 'ヽ!
ヽ､:､i ￣ , ヽ､..._､ ;.!
,ｲ lゝ.ヽ u. , . '､_ ヽ.' !| ｌ |
li. {lゞ､（､l二i. ヽ {,.',. ｀ｰ ' -,. !ﾉ
ヾゝ二ﾆﾆi.､_ｌヽ. ! ､`￣￣- '" /
, -ニニニ=,' ゝ､ ｀ ;/
,.'／ニニﾆ/￣ ､ ｀ ､ .ｲ
_,,.. -―＝= '-.、 ､ ､ ￣ !
,'´ ｀ ､::::::...､ ` ､/ {
※注 （勅書……皇帝が発した命令書のこと。当時、偽造は大罪であった）
,⊆ 乙00. . _ｎ_,.、 _ｎ_,.、 _ｎ_,.、
`７⊂ =｢l=ヽ> =｢l=ヽ>└i rﾍ〉 └i rﾍ〉 └i rﾍ〉 <⌒ ｰ- '＾> <⌒ ｰ- '＾> [][]「l
｀ｰ┘ (｣｣）） (｣｣）） （才Ｐ_） （才Ｐ_） （才Ｐ_） `⌒ ー'´ `⌒ ー'´ くノ
≧ｰ ー .｡o≦圭≧o｡...
ー .｡o≦圭圭圭圭圭圭圭㌢ﾒγ斗气≧ メ｡ ヾｵ |!ｉ≧o｡.....
≦圭圭圭圭圭㌢ヾi!i! !i!i!i!ｉ!ｉ|〃 |/｀マミメ､_ﾉｿ ｿ ﾊヾ圭圭圭圭圭圭圭＞ ﾉ
圭圭圭圭圭㌢ﾀ! ｉ!ｉ! ｉ!ｉ!i!ｉ!i!| ﾉ ヽr ;．,.. ヾ::::ー' ノ ｿ ﾉ ｀¨¨ ｰ=≡三 イ
圭㌢ｉ!ｉ!ｉ||| |ｉ!イﾉﾉ ｉf :: ｉ!ｉﾄ i ヾﾒ ゝ乂シ¨ ｵ::::::シヽ ﾉミｼ ￣
ﾒ刈 {ｉ!ｉ!｀´ |ｉ!彡'; : : ｉ! ,:ｉﾄﾞ| ヾ ¨´イ : ㌢
ﾞﾒ ζﾊ |ｉj : :: :: ｉ!i!i!i!i|ヾ 彡 : ': ……先生、俺は漢室の忠臣でありたいだろ
〃 ｿ ; :: | :::刈i!i!i!i|. : :
ｉ!ﾂ ｉ! ｲ ｲ ｉ! : ｉ! ｉ!ｉ!ｉ!ｉi!i!i!i!:. ': 董卓はいずれ漢を潰しちまう。
ｉ! ｉ!ｉノﾉ/ｉ!ｉ ｉ!;ｉ!ｉ!ｉ : :ゞi!i!i!i!i!i!:. ｉ だから、ヤツは何としても宮中から除かなくちゃ
ﾊｉ!ｉ!ﾉ从ｉ!ｉ!ｉﾉｉ!ｉ!ｉ!ｉ : :ヾ从ｉ!:::. 弋ニニﾐ ﾉ いけないだろ。
| ﾊﾏ ｉ!ｉ!ｉ!ｉfﾇ ﾏｉ!ｿｉ!ｉ. :: | ヾ!ｉ!::::. ,， ヾ辷~ ｀¨
|ｉ! ﾉｉ!ｉ!ｉ!ｉ!ｉ!ﾙ ｉ!ｉ )ｉ!ｉ::. :: ｉi!i!ミメ 弋ゝ------- ﾊ それが叶うのであれば、勅書の偽造だって
ゞ彡ｲｉ!i!i!i!i!i!ﾊ ,:ｉ!ｉ!ｉ!::.;::. ji!i!i!i!i!i!ｉ ￣￣ ゞ彡 ﾟ するのは当然だろ、漢の忠臣的に
///≧o｡.ゞi!i!i!ﾏｉ!ｉ!ｉi!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!| __,,,,,,,,...__ )
ミメ/////≧o｡.ゞi!i!i!i!i!ゞ､ 弋刈i!| ヾ》彡'辷㌢ このことが許されざる罪だと言うなら、
圭圭ミメ///////≧o｡.i!i!i!i!i!ゞヾj :::::{ 俺は甘んじて処分を受けるつもりだろ
圭圭圭圭圭ミメ/////////≧o｡. ﾉ:::::k
圭圭圭圭圭圭圭ミメ//////////////≧o｡.::::::ﾉ ……むろん、董卓を殺した後で
圭圭圭圭圭圭圭圭圭ミメ//////////////////ゞー- 、
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭ミメ/////////////~ r |
∩ ((⌒))
∪ 〃
ｏ ｏ
, ｨ ´::::::::::::::｀ ｰ､
/::::::;-z､;;;;---;;;､::ヽ （ なんだ、今……ッ！？ ）
;::::/ | i i |ヾ;::i
|::i --､＿ ,-- {::|
. |:::| ≧三≦,-- j::| ﾄ､
. |:::j ＿_,ノﾉﾊi､__,--､{::ﾚ':ﾉi ,
r､|'´_r｡ﾐ.ヽY ./ ｀', j-彡ﾚﾚ'ｊ
|f j,,ゝ='ノ f⌒i､＿,ノｲ)i::::::::く
', i ﾄ, , | | ､ u. / j::::::::::::≧
ヽj ' ,.ｲ_.| |_.,）､ ﾄｲ:::::::::::::く
＿/:{ ｲ,＿ゝ-'＿ミ^,j｀::::::r､r‐､|
／三;/三ﾄﾐ､-￣￣- ///|::::::::ﾍ三≧=r､__
＿, イ三三三三ﾐ| ＼ ￣ ／/ |ヾ::r､::i三三:i i 二二ヽ､＿_
. ,＿,---- ≦彡 |三三三三 | ヽ＿,ノ_,ノ | |;ﾘ;;;;ｿ三三ﾐ} ｀ヽ､ ヽ
.{ヽ,-──' i |三三三三| ､| ＞＜ ,. | |三三三三ﾐ| | iｲ
..{ ＼ ', |三三三三|i Ｏｲ//∧ヽ o j |三三三三ﾐ| i i / |
. i´ | .|三三三三j|_／ ∨/j ＼_,ﾉ .|三三三三ﾐ|i l .| .// .|
┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━
┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━
((⌒))
〃
ｏ
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ⌒）（⌒) （ 俺が漢のことについて語ると、
. | u （__人__) なんで皆、変質者でも見るような目をするんだ？ ）
| |r┬|}
| | | |}
. ヽ ｀ﾆ}
ヽ ノ
/ く ＼
| ＼ ＼
| |ヽ、二⌒)､
／.i.:.:.:/.:.:/／彡.:.:.:.:.:.:才,.:.＼
／.:／ゞｲﾂ才ｵｲ'"´￣ ≧=＝ミ:.､ （ ……一瞬、やらない夫が異形の姿に見えた！
′/ ー=ミ､:.:.ハ この男ならば、あの権力の怪物たる董卓すら
:.: / ≠ミ:.:.:.:.{ 討伐できるやもしれん！！）
|:ｲ __ ミx:＼.:{
iｲ＿-‐ー-ミ_ _ -＝ー-ミヽ }.:.＞ミ}
}≠≠ミx.､i{ {! __ｨ=≠=ミx､ }.ff⌒ハ ……なるほど、諸侯結集の策、上手くいきそうだな
/ﾊ{ rｆ≠tｧ才_＿乂/ f云uァﾊ才从 ｀ヽ i
{{ i ー｀=彡i⌒ヾ≠ー-￣ }} }ﾍ ﾉ.人 ならば、よろしい。
八 ! :i| ゝ乂 乂 八／( 私からお前に授けたいものがある。
ヽヽ :i! __ ￣ /}イ.:.:.:.≠彡ｲ ノ
ハi / :.|! ⌒Y .'.:{≠.:.:.:.:.:.:.:.:才彡"
| ｲ ＼!_＿ 才"｀ヽ. ､ : : !.:.:.:.:.:.:.:.:.:-=≠ 貂蝉や！ 例の剣を持ってきなさい！
l {乂_ ＿＿__ ＿_ﾊ } ﾉ: 八.:.:.:.:.:.:.:.:≦ー-_
人 ヽ ｀ヾ三三三才 ﾉ .ｲ.:.:.:.:.:.:.:.:.:ハ(气
. ＼ ｀ー-== イ /.／.|{从:.:.:.:.::Nﾊ:.}
iハ .ｲｲ , {ハハi:.从 り
_|: :.ゝ.._＿＿..イ. : /／ :}
. _ { 弌ハ: . . . . : : : ＞'" イ:.:＼
_, .. /.:.:.:} ｀ ＜ ＞'" ´7 }.:.:.:.:.{￣ ー-
そういって、王允は部屋の外へ声を投げかけた。
／￣￣＼
. .／ _ノ ヽ ……貂蝉？
| （ ●) (●)
| （__人__） ∫
| ｀⌒´ﾉ ∬ 初めて聞く名前ですね
. ヽ } |￣|
ヽ ノ |＿|）
＿＿__／ ｲー┘ |
| | / / _＿＿/
| | / / |
| | （ ￣￣￣⌒ヽ
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|
_＿__
. ／ﾆ二三二ヽ
//´ _ _ ｀ヾ
}才ヘー-≠＞ﾍﾊ ...＿人＿
ﾊi/ _＿ ゞ fγ⌒ヽ }ﾊ ..｀Ｙ´ .私の義理の娘だ
. {i | ￣ i|乂___.ﾉ }: } ! ..
. .ｒ‐‐┐00 .| ヽﾘり
..く,勹｜从 ｨ j ヽ i′ｨ 私に似ず、博学で器量よしの美人に育ってくれてな
く_ノ. ﾊ /气__.彡ヘ .l/ﾉﾘｲ
} .ｲrー---=ｧ/, !}.:.:.く
. .[][]「l ＼ 二ﾆ￣ ｲイ.:.:.:.:ハ 天下の英雄の妻に相応しい女だと、自負しとるよ
くノ . ／.ヽ ,.く＼
∩ ∩ . '".:.:.:.:{ ≧≦ {.:.: ＼
∪ ∪...f@ﾊ.::.{ /ﾏﾑ＼ﾉ.:.:.:.:.:.ﾊｰ ､
ｏ ｏ } {.:.:.ｲ }:.:{ ′.:.:.:.:.:.:{ ｜
f´￣i_).{.:.:∧ {:.:.:}.′.:.:.:.:.:.:.′｜
.ﾉ ー≠. ＼ハ{.:.:.ﾘ.:.:.:.:.:.:.:. ′ |
ハ ー才 i .}.:. ∨/.:.:.:.:.:.:.:..:i !
}＝才ｿ.ノ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.! .!
| ￣ {.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ! :|
..-――-..., ＿_
-‐＜::::Υ⌒｀"ヽ:::＞―- ｖ―く＝-|
＿∠У:::::::::ミ:::::ｨ､::::::::::::::::::＼ニ=-〉:::::::＼ﾉ
r≦-=ニ/::::::::::::/ﾊ//ハ::|::::::|::ｉ:::::::＞‐〈:::::::::::::::ト お父様、
＼ﾆ=-/::::/::::l:::|`｀'"´´|::|::::::|::|::::く＝-ｲ:::::::::::::::|=〉
＜-‐ニi::::/:::l:::l::| |::|::::::|::|:|:::::〉ﾆノﾊ:::::::::::::V 剣をお持ちしました。
Χ -|:ｲ:::::|:::ﾊ| 斗七Z}厶V｀ζｰ‐|:::|::::::::::|
＼ﾆ八-‐十___ 〃了r圷ヽ 彡ｲ!:::|::::::::::|
|::::::::::ﾊ rｆ了坏 Vfツ ′⌒＾l::::|::::::::::|
|:::l::::::::::. Vツ ´´ ﾉｰ|::::|::::::::::|
|::ｌ::::::::::ﾍ ´´ ﾉ r ノ|::::|:::::::::ﾊ
|:l:::::::::::::込、 ｀ __ 一 ｲ`´::::|:::l::::::::::|::i
|l::::::::::::::|::::::＼ ／ ;|::::::::::|::l:::::::::::|八
l!::::::::::::::|::::::::::::｀ヽ 、 ／ ;|::::::::::|:l::::::::::::|::::::＼
-ﾉ::::/:::::::::|:::::::::::::_ト- ‐＜ ￣￣￣|:::::::ﾘ::::::::::::|::::::::::::
／／::／::::::::::ﾉー―〈ﾉ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:人／::::::::::::/:::::::::::::
r― ／:::::::::::::::::／:.:.:_.:.:.O:.:/ 〉:.:ｰ―=ニ彡／:::::::::::::::人:::::::::::::
__／:.:／:::::::::::::::::／:.:.:.└- =-/ /:.O:.-=ニ.:.:／:::::::::::::::／:.:.:.ヽ::::::::
／:.:.:.:.:.:/:::: ／::::::／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／／‐＝ニﾌ:.／:::::::::::::::／:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ::::::
／:.:.:.:.:.:.:.:.{::::/::::::／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.〈／:.:.:.:.:.:.:.:.:.／::::::::::::: イ:.:.:.:.ミ:.:.:.:.:.:.:|:::::
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨::::::(ﾋｚ_.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／::::::彡'´:.:.:.ﾉ:.:.:.:.:.:.:＼ :.:.:.|:::::
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:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.イ:.:.:ー＝ミ:.:辷二ニ＝―ヽ::ﾊ:.:.:.:.:ｲ:＞〈:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:::
:.:.＼:.:.:.:.:.:.:／(／レ'Vｿ::.:.:.:.:.:.:.:. ⌒ヽ −＝ニ二}:::::ゝ彡／.:.:.:ｲ＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:::
:.:.:.―＝＜ ﾉ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀:.:.:-=ニノ:::::::::):.:.:.:.:./:::|:.:.:ﾊ:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |:::
●貂蝉（字は凛）
／￣￣＼
／ ⌒ ＼
（ ●）（ ●） | ……………………。
.（__人__） .|
ｌ｀ ⌒´ |
{ |
{ ＿ |
（ヽ、ヽ / ）|
| ｀`ー―‐'| ..ヽ|
ゝ ノ ヽ ノ
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
やらない夫は、自分が夢の世界で天女に会っているのではないか――
一瞬、本気でそう考えてしまったほどに、王允の娘は美しかった。
絶世の美女…… 言葉として知っていても、その存在を目にしたのは初めてだった。
／￣￣＼
／ ⌒ ＼
（ へ）（ へ） | 美しい……だろ……
.（__人__） /// . .|
ｌ｀ ⌒´ |
{ |
{ ＿ |
（ヽ、ヽ / ）|
| ｀`ー―‐'| ..ヽ|
ゝ ノ ヽ ノ
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
ヽ///////ヽ/:::::::::::::::::::::::::_:::,､:::::::::::::::::::::::::ヽ///／:|
＼//////::::::::::::::::,:::::::::lミ､ｲ､::::::､:::'，:::::::::ﾑ/＼::::|
'＞､//::/:::::::::::/:::::::: | ﾏ::::|::::|::::|:::|:::::{///＼
}／/ｲ::l:::::{::::: |::: |!::: | |::::}::::}|:::|!::!:::::|//ｨTﾑ どうも、ありがと。
. ,ｨ/// |: |:::: !::::::|ﾏ:|Ⅵ:| |::/ｨ7 }:ﾘ-|:::ｲ_//::::{::::.
/>ｰ､/ {:::| :: |::-ﾘ-::|-ﾏ{ }ｲ / l/ ､}:/ﾘ,::::::::::ﾑ:::::､
|:{/∧{ﾏ: |::{/ リ__, ,ｨ＝ﾐ/ｲｨ }:::::::::::::ﾊ:::::＼
}:::::::::::::{从､ ,ｨ ￣` ﾑ /::::::::::::::::ﾑ::::::: ＼
j!::::::::::::::ト､ ﾑ /// , ///. /-':::::::::::::::::::::::}ヽ::::::::::::.
,::::::::::::::::|:::::ゞﾊ , ,ｲ!:::j::::::::::::::::::::::;':.:.:.ヽ::::::::::.
,::::::::::::::::::!:::::::::::::ヽ、 ｀ ／:.:{Ⅵ::::::::::::::::::::/:.:.:.:.:.:.，:::::::i
. j::::::::::::::::::|:::::::::::/´:.ヽ＞ _ ..::'／:.://:::::::::::::::::::,.:':.:.:.:.:.:.:.:}:::::::: !
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ﾏ:.:.:｀ー:i´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.r,:.:.:./:::,'::::::{::://:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,'::::::::::::|
ヽ:.:.:.:.::.'，:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.o:. ||:.r/:::::{:::::::∨':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,:::::::::::::::＼
―― 部屋に入ってきた貂蝉は、やらない夫の前に一振りの剣を置いた。
___
,r':.;,;.:`､
ヽ='=`=',!
!、 ,l
!’´`’!
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!.:.:.:.:.:l
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`､__,,-'''´ `、V!'i`!_,! i´!i! / ¨- ,,_,/
i !:.ヽ ,r':.l !
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! O:.〉〈:.O !
! >:.:.H:.:.< !
!i:.:.:.:.! !:.:.:! l
! !ｰ‐! !一! !
! `''’ `'''’ !
ﾄ､i''''! i''''!./!
l !V,-,V ! l
l V ∧V l
! l Y l l
! l ω l !
! l κ! .!
! l ﾌl !
! ! ‘ ! l
! ! X´l !
! l r〈 ! .!
! l '´' ! !
! l \xAD\xF4 ! l
! l ξ ! l
! l τ ! !
l l x .! !
l l ! !
l l ! !
l l ! !
l l ! !
! l l .!
! ! ! !
! ! .! !
! ! l !
! ! l !
! l l !
! l l !
! l l !
! l l !
! l l !
! l l !
! l l .l
l .! .! l
l .! .! !
l .! .! !
! ! l .!
／￣￣＼
／ _ノ ＼ ずいぶん高級そうな剣ですね
| （ ⌒）（⌒)
. | u （__人__)
| |r┬|} それに古い剣でもあるだろ
| | | |}
. ヽ ｀ﾆ}
ヽ ノ
/ く ＼
| ＼ ＼
| |ヽ、二⌒)､
＿＿
,イヽⅦ iミ ､ ｼﾁｾｲﾎｳｹﾝ
/ﾆミ､}i}i} }i ﾉ∧ これなるは七星宝剣と言ってな
{ i /｀｀`釤´ ヽ∧ ﾄ､
{iY Y} Ⅵi}i:} } 我が王家に伝わる宝剣だ。
{i{ﾆ=-- .____ i}}__}/i:/..,ｲ
r酛zｘ｀ｰ=彡⌒` }ﾊi:i:i:ii:i:i:i:i:ミ､
{ i.汽tヵ _Y⌒ヽ }ｧ}i:i:i:iⅥii:i:i:i:i:＼ 董卓暗殺を任せるに足る男に
,ｨ-く ＼{`ｰ if' ゝ. .ｲ,.|./}＼i:i:Ⅵi:}八} } 渡そうと思っていたが……
,.． ./: : : : :∧ r-く ｿ ｲ} } }:i: : ＞i:i:i:i:i:i} }
, {: : : : : : ∧ `ｰ`zｘ'ノ /／ﾉ: : : : : ::::刈､
{ {: : : : : : { .＼｀冖 ..,ｲ }: : : : : : : /⌒ ､ どうやら、この剣はやらない夫にこそ
| .{: : : : : :/ c ／`ｰ 彡 /: : : : : : :/ ＼ 相応しいようだ
| /: : : ::::/{ ／{i:i:i:i:i:i /: : : : : : :/ ヽ
.| ./: : : ::::/ .′ ト､／＼ /: : : : : : :/ }
.（ {: : : : :/ ./i:/ ./: : : : : ::::/ ／ ./
/.＼ |: : : : {i ／i:i:{ . /: : : : : : : :{ ／ {
} {: : : :::{i ／i:i:i:i:/ .／: : : : : : : : :{ .／ ヽ
／￣￣ ヽ
／ ヽ ……くれると仰るのはありがたいけど、
/ ヽ 受け取るワケにはいかないだろ
| _,.ノ '(ゞ､_|
.| （ ー）ヽ ヽ
.ﾉ| U （___人_＼＼__ 俺は王允殿に何のお返しもできない
／ | ｀⌒（⌒_ ＼
{ .ヽ. し「、 ＼ それどころか、俺は王允殿の頼みを
{ ﾄ ｀ヽ. ___´ノ ヽ、 i 無下に断っちまった身だろ
.| | | ／ /
/ ∨.:.:.:.:ﾊ
. . -=ミ _ __ ≧:.:.:.:.{
′≠ ヽｰ- _彡 ´ 才.:.:.:.:.} 何を言うか。
{'"⌒ヾ:.､ .l / 才.:.:._.:.{ この剣は董卓を滅ぼす者の剣。
. ∧ ﾄ､ ＼､i f{ .斗≠ミ }.:.／ }.} なればこそ、この王允の前で計画を
.ﾞヽ弋辷ｧﾊ}ハゞ=彡=三｀ヽ }//ハ.{.{ 語ったやらない夫こそが、七星宝剣の担い手に相応しい。
} ー=彳ﾉ⌒ヾi}＞ゞ=才,ﾊr ｲ _) .从
人 ´ .:'′ 八 ｀ー- }} ノ. ノ.:′
i ヽ _彡′ _,ﾊ ＞--＜.{{ r /.:./ 何、礼なら董卓を討ち滅ぼしてくれれば、それでいいのだ。
.ﾊ fr´ 〈! _彡ﾍ {{ /爪.:.:.{_
∧ .r}弌xr' ｀Y {{.′{ .}_:/ }_彡才イ
. _ -‐ﾍ ゝ｀ー- =ー-' } {{. ﾉ {. {.り.:.:.:.:.-=ミ 良いか、やらない夫
二二二.∧ ｀ー=彡 ｲ ／ ,￣ / ∨_.:.:.:.:.:.:.:.:. 一軍の将たる者は、将たる剣を帯びる者だ。
ニニニニﾊ . ｲ / / } }≧ー- 現代の刀工でも利剣は作れるだろう。しかし、剣が帯びる歴史は、
ニニニ / }.､ .イ ./ ｲ / .}二ニニ 古代に作られた剣のみが持つのだ。
,．-=ﾆニニ=‐-＿
／三三三三三ニニﾆ`､､
/三三三三三三ニ＝=ヾヾ;ヽ ……その剣で、董卓の首を落としてくれ、やらない夫
, /三三三三三ニﾆ ｀´ﾞヾ}
/, , i三三三三ニ‐ ,.' __ !
,. ‐--_,.{ !,' l三三三三ﾆ ‐- ._ ､ｰ- l
,.-,.=,ニニ≧,-!三三,!;ヽヾ _..ゝ＿‐`ｰ､; _{
／'"イ,≠≠/:/l三三l.ヽ.i {. ´ ｀ -‘'｀ ,_/ .}
/'/〃'////;l::l::l:l､ミﾐヽ (.､ ヽ ￣ ´ ! /
,'!l' i////{ !｀l::lﾞ ヾﾐ` ｰ l _. |′
{ l! l'/!/{l,'! ､l::l! .! . l ┌､ ´ｰ _l
ﾞ､ヾ{ l{、ﾞ､.}:::l , l ､ : !` ｰ -; '
｀ `ヾ､ヽ _「￣ ‐ ､ ､ ､ ｀ 7
ﾉ 、 , ‐- '
,.'_ ヽ､
／￣￣＼
／ 〉 _ノ ヽ､_ ＼
／ ／' （ ―）（― ） | ……承知しましただろ。
./ /／〉 （__人__） │
.ｌ ´ イ| ｀⌒ ´ | ありがたく、七星宝剣は使わせていただく
.ｌ ｉY |
./ ﾊ ! /
./ / ' ヽ /
ｌ ／ .〉-r:::┬〈、
__「 ー‐1 .／Λ 〉.:〈 7//＼
ｉ//7777|／////V::::::V/////＼
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／￣￣＼ .７/ﾆ ´
／ 〉 _ノ ＼ ..└'つ ）
／ ／' （ ―） （ ●）| . ￣
./ /／〉 （__人__） │ ＿
.ｌ ´ イ| ｀⌒ ´ | ..「l｀ﾆ.′
.ｌ ｉY | . └'つ ）
./ ﾊ ! / ￣
./ / ' ヽ /
ｌ ／ .〉-r:::┬〈、 ＿__
__「 ー‐1 .／Λ 〉.:〈 7//＼ `つ_)
ｉ//7777|／////V::::::V/////＼
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_,,r'i
_______,r''´ヾ､:;!
_,r''¨´::::;r'´;;ヾ;;::::::;ヽ,,,_
,r‐,r'’;';r‐''''/___;;;;;/!;;::::;;;;;l;;;/
_,r‐''''''7:::::;r''::::::::::::;､:/_;:;;l::;::::;;:;;l､;!
｀ヾ､;;/´｀:::::::::::ヽヽ:::ヽヽ;;;!:::::;;::;;l;!
,r''´l::i::i:r:､/ヾヾヾヾ､ヽヽ_!::::;;::;;!;l
￣ヽ!:!:l;ヽ ヾヾヾ,!>‐ﾚ l;;:::;;:;;;!;:l
ﾄ;l､!､ヽ ヾヾ!ヽ__,! !;::;;:;;;l;:;:!
!;::;ヽ､<¨ヽ /// l;:::;;i:;;l;:::;l
!;::;;;i:;l::;ヾ’, l;::;;l:;;;l;;:::ヽ
!;::;;;!;;;!;::;;:iー-｀.,_ _／l::::!:;:;li;;;;::::ヽ､
!;::;;!:;;;!;::;:;;!;;;;!:::;_;rlｰ‐''l::/::;;;!''ヽ;;_____ヽ
!;;/::;;;!::;r''´￣:.､:ヽ/7:;ﾚ::::;;;l;,;.:.:.:.:.:.:.:,;｀,､
_,ﾚ;;;:;;;;!/:.:ヽ:.i:.;`ｰ-ﾒ,r';;;;;;:;_/:.:./:.:.:.:.:.:,;,;,;,!
f´;;;;;;;;/7!:.:i:.:.:,r'’:.:.:/i;;:;;;;;r'´:.:i;/:.:,;.:.:.:.:,;,;,;,;!
l::::;;ヽﾚ';;!:.:.!:/:.:.:.:.:/:.:.;)::;(:.:.:.ヽ!:.;,:.:.:.:.:.:,;,:.;,;l
ヽ:::;;/;;/､:.:l'’;.:.:.:.:.;,:.(;r7;;):.:.:.;.!,;.:.:.:.:.:.;,;,:.:.:/
,r'’7､::;!:.:.:.!;,;,:.:.';,:.;,;,;.Y;r':.:.;,;,l;,:.:.:.:.:.:,;,;,:.;,/
_ ＿＿__ _
. ／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
／才/⌒^"'゛´⌒ヾヾハ .ｲ
':// . ′ i ﾏ:' }Nﾉ:|
:.:{_ i | }从:.:.:ﾉ才ノ
}=:{ ! !二ﾐ:.:{.:.:.:.:.:.:≦ 英雄は色香に弱いと言うが……
ﾊ:才-=＝ミ ー=彡 ﾉｨ=ﾐ从:.:.:.:.:.:.:.才
′i/_,.ｨ=≠ﾐx､￣ .ｨ≠_＿ i:ハ.:.:.:.:イ どうやら本当のコトらしいな
{ :{ xだｧ才 ﾉ /弋辷アﾊ./.:.:.:.:.:彡
∨ﾊ､ー .イ {{ }}.:.:.:.:.:.:く
ヾ:,ﾊ. iゞ≠乂＿___才ハﾊ弌斗
i: ! .ｲ :|:::.. i |＼
. ／' |.fr⌒ヽ j:/ハ ; i.:.:.:.:.:.＜
.＞'".:.:.:..＼ 廴＿.二._,.ｨ :} 八:.:.:.:.:.:.:.:.
.:.:.:.:.:.:.:.:.:{iハ ｀ー=‐彡 ｲi:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}＼ﾍ ´￣｀ .//,:}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
:.:.:.:.:.:.:.:..: }∧＼＞ -=彡.ｲｲ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:.:. ∧{{ ＼＞ '" {{ |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧ゞ≠⌒⌒ヾ=ｲ:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
＿
, ´ _ノ ヽ ……いや、お恥ずかしい
| （ ● ●）
|///（__人_） 貂蝉殿があまりにも美しいものだから、つい……
| ｀ー1
! ノ
_,.ィ'{＼:二/`ー─‐ -､
_,.-‐'´:::/:::ｌ ./ﾍ. |::::＼::::::::::::ｌ
| ∨ | |il |ｉ || |l l ｌﾊ｜ l| }|フ彡｝ | |
| i |小 |i |i ┼‐リ‐}ﾉ‐┼ 彡ﾍ. | | ……あ、ありがと
| i ∧＿＿＿ ＿＿＿ .i i | |
| i / ∧、 ( ) , 、 （ ) , / i | |
| ｉ / / ハ｀¨¨´ ｀¨¨´ ,トイｉ | |
| i / / ､/// ' ////u / | i l l i i
|〃 i ｀ ──ァ ／ .| i l | i i
|′ | i ｀ __ ´ L i | | i l
/ / | | ┌L ___ -─┘ | | | l
. / / ＿ 」＿＿」＿..ﾉ//Тｉ /| | :.
_ --――‐- _
_-ニ二二二二ﾆ-‐｀ヾ、
'ﾆニﾆ;'"´ ヽ
'ﾆ二," {.! ! ,. ､
ｌﾆ二ｌ |.! ＿ ,.. ,／ ､ ,
lﾆ二ｉ ´￣｀＝､､._,..'", ,,.-‐ } , ,
lニ,=! ,,.. ＿＿;.) ){,/,.−､! , , ／
l=lヾ'i'"￣ ,_，､´. ,.i__{ .}、 . .:. . ／ ／
l_!:,ヾ ､'`ｰ ´ 'ﾞ. . ー 'ヽ! . ::::. . ／ ／
ヽ､:､i ￣ , ヽ､..._､ ;.! , :::::: , '､／
,ｲ lゝ.ヽ , . '､_ ヽ.' !| ｌ | ＿_; .::::;:: , ……全てが終わった暁には、
li. {lゞ､（､l二i. ヽ {,.',. ｀ｰ ' -,. !ﾉ ,' ,'ﾆ, ::;;;: . お前たち二人がゆっくりと
ヾゝ二ﾆﾆi.､_ｌヽ. ! ､`￣￣- '" / ,. -―-､. ,' ,'ﾆﾆ;.;;;;: . 話すことができる
, -ニニニ=,' ゝ､ ｀ ;/ ,' '´ 丶 ､,' ,'ﾆﾆ,' .;;;., 時間を作るとしようか
,.'／ニニﾆ/￣ ､ ｀ ､ .ｲ l :、 ..:::::,',. ‐''''､ー- ..＿_
_,,.. -―＝= '-.、 ､ ､ ￣ ! ! .!、､ _,. - '" ､! ヽ どううやら、そうするのがお前たち
,'´ ｀ ､::::::...､ ` ､/ { ! ／ ;l | の為らしい
/ ｀ ､:::::..､ ` 、 ｌ , ' , .' , ,'
' ｀丶::ヽ ヽ.､ .l,.' 、 ' _,. -‐ｌ ￣ iｰ,.....ノ だが今は現在の話をするべきだ。
,' -――- .._ヽ:::.､ l. l l 、 丶'"´l....．-┴―‐''''￣ヽ やらない夫、これからどう動く？
. ' ヽ:::＼ l ﾄl ; ;! }
．―――― ,
／ ＼
| | 今日にでも洛陽を発つ……
| ゝ,＿,ノ ゝ,.__ﾉ| と言いたいところだが、
| （● ） （● ）| 会っておきたい男がいるのです
} （ 人 ） 彡
_ﾉ ゝ `ー ´ `ｰ´━━・
ノ.:`.:,' ヽ ´ ｀ /
．＜＼.:.:.:.:` _ ゝ ,＿__,
, ＜ / .|ﾍ:::::::::二lヾ､
／＿. /. ﾊ::ヽ／､_｣lヽ＼ ､
{ ＼ / ﾊ:::::::::::::l｀ヽﾍ. ヽ｀ヽ
, , l L＿ ﾊ::::::::::::, ﾍﾍ ﾍ }
） i｜ ／ l:::::::::::ﾊ ヾ､ _｣j
{ | |. 〈 |:::::::::::::ﾊ ﾍヽi〉
,,-''_,,‐- ..::::::::＿;;--:::―::::―::---:
／, '"― ￣ `' ~ ~ i:::::::::::::::::::::::::::
- / 7' :::::::::::::::::::::::::
- ￣ l / ..:::... ::::::::::::::::::::::::::: ……どなたかな？
-- ￣ | { . : : :::::::::::::::::::::::::
＿ -- ! `r' . . . : : : . . . . . : ::::::::::::::::::::::::::::::::
,'⌒i.| ＿,,,, . : : : :..:＿:::::::::::--:::::::―::::::
￣ - ―- ‐ - ――{ ‐,〉 - ≒､ {‐l￣ ,r "~ " ､ :::::::::::::::::::
`､ヾ ､''てﾞツゝ`''`''~r' ', :::::::::::::::
_-‐''"~i､ | ヾ､_￣''`ﾒｰ-‐{ } ::::::::::::::
-‐''"~"~: : : : : ; ;ヽ,、 `'{i ::: '､ , '..::::::::::::::
-‐''""^~i: : : : : : : : : : : ; : : |ヽ,､ ,,/ | :::::::::` ｰ-‐ ' :::::::::::::＿
／ .:::/: : : : : : : : : : : : : : l . .l | r'"~〔､-l::-::::::::::::::::￣:::￣:::::::::::::
/ |: : : : : : :＿: -:‐:―| . . | Ｔ`ｰ‐`―‐--':::::::::::::::::::::::::::::::::::
/ − ―|: : : : : : : : : : : : : :l| . . .＼` ` ｰ`~:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
.‐/ ￣ |: : : : : : : : : : : : : | | . . . .ヾ>､..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/.::: |: : : : : : : : : : : : : l .l . . . ／＿::＿::---::::――::----::::＿:
_＿＿__
／ ヽ
/ , ……劉家の血を引く男です。
ｌ i
ｊ! : 数年前、賄賂を要求した督郵を半殺しにし、
ｌ ,..-､＿,ﾉ ﾍ,_＿_,ノ } 官を捨て、傭兵まがいのことをして生計を立てているとか
| （ ● ） ( ● ) |
l ｒ i ､ .!
∧. ゝ､ 人 ノ ./ｫ､_ その者のは義に厚く、曲がったことを嫌い、
_,,ｲ/,|ヽ ￣´_｀￣ ,ｲ////l 行動には常に筋が通っていると聞きます。
_, - ≦////|l! ＼ ´ ｀ .／//////ゝ､ 是非、仲間に加えたい
∧,////////{ l ｀ｰ‐ ´ ﾜマ/////∧
/,/∨/////// ｌ ,'///｀' 'ﾐ,///{｀ミ- ､___
}///∨/////＿＿ ヽ//////｀ヽ;ﾍ //////≧ｫ 、 その者の姓は劉、名は備。字はやる夫。
,.イ/////ヽ///| ｀ヽ ,.'´}/////////｀//////////,｀x ―― 劉やる夫です。
／＞ ´/////∨,∧ l//////////////////////＼
,r7///////////∨/》 ﾏ,//////////////////////ﾊ
／//////////////∨,| ∨//////////////////////,
{/////////////////Ⅵ ////////////////////////}
_,,..........,,__ ,,,,,,,..-''"|
_,,,....,,r''''"''＞''":::;;;;;::::;;......二=-(,,f'::::＼_;| ……じゃあ！
ヽ,";;;;;;;;;;;;;;;`y''"--,::::::::,,.r--＼;;;;;;;;;;;ヽ,;;::::::::::＼_ 今日、泊まっていくんでしょ？
＼;;;_,..-／::;::::::::::;:::::::::::::::;:::;;;＼.,_,.-メ,::ヽ:::::::;;ﾐr お世話させてよ！
＜;;;;;;;;/:/:/::/:n,:::,.-,'iヽ,::::;;::;;;;;;;;;/;;;;;;;ﾄ,;;ヽ,:::::::;＼ ,.....,_,..,_
ゝ;;;;;!.:|.:|...:|..|`'V-'`!', `,:;:;;;:;:;'!/＿＿;ﾉ;;;;;ヽ,::::::;;＼ ／r'''" ,.-`ヽ
[..-''|:;;!:| :/!;| ヽ;;::;|!;;;;!,:;;||;;;;|;;;;L.,j＼;;＼::::::;;＼ //' ／ ^`''ヽ,
/;:∧;|∧L!|_ |;!,;|'!|||_!;|_!,;;|;;;;;;人;;;＼;;＼::::::;;;＼_ ,-"'_,.r'" `!
!;;:ﾉ::Nヽ'ﾚtミ., ,.ﾚEﾆ!---ﾄ:|λ∠,;;＼;;;＼;;＼_::＼_`''-.,-----''",,.-'"
|;;:/:::|;;:;ヽ`.,|u| " _|''uNハ! r'ヽ|;;;;;;;ヽ._;＼_;;＼__;`'-.._;;;;;;;;_,.-'ノ
/::/::::j;;::;;|'!, `'", `'''" ノ,ﾌノ-._;;;;;;;;`--.,_'--.,.=..,''''_",..ノ-" _,.----..,_
/:/::::;/;;:::;|;;＼ ヽ _ "" /-''fヽ,;;;;`-..,_;;;;;;::::`'--.,_ ,.-";;;_,rﾌ`'-,ヽ
/'":::;;/;:;;:::;!;;;::;;;＼ ヽ￣ ﾉ ／ ／ "'ヽ.,__;;;;:-.,_;;;;;::::::::`''''-------'";;;／ |ﾉ
,ノ:::;:::;;;/;::;;::/|!;;:::;;/ ＼￣ _,..-'''" ,.-'" ,＞--,.--'''''''''''''''--..,,_;;;;::;/ ﾉ
.-";:::::;;;;;;/|::;;;:/ |ﾄ,;;::;| `" '!`-''" ,.-" ｀ヽ､
/;;;;::::;;;_,r''" '!:;;;;| ＼-.| `-.,___,,.-'" ｀ヽ､
／￣￣＼
／ ,ノ ヽ､_ ……え？
| （ ○）（○）
| （___人__）
| u. ､'
｜ ｜
}._＼ , |
.__ _＿ ,.〈＼＼＞ニﾆｧ´
／: : ＜ : : : : : : ＼ ／ﾞｉ ﾞｉ、
, ' .: : : : : : : : : : :l: : : .∨',:::::ﾄ|ﾞｉ ＼_
.{ : : : : : : : :ﾞｉ : : :」 : : ::', Y´ﾞｉ. |: : : : .＼
|: : : : : : : : :＼ : : :＼ : ',|::::::ｉ |: : : : ',: : ｀,
', : : : : : : : : : | : : : : : : :.',:::::ﾞｉ|: : : : . ',: : }
(,:／:／ニ｀ﾝ---r : : : : : ',::::| : : : : : ',: : ',
| ∨ | |il |ｉ || |l l ｌﾊ｜ l| }|フ彡｝ | |
| i |小 |i |i ┼‐リ‐}ﾉ‐┼ 彡ﾍ. | |
| i ∧＿＿＿ ＿＿＿ .i i | | あ、あはは……
| i / ∧、 ( ) , 、 （ ) , / i | |
| ｉ / / ハ｀¨¨´ ｀¨¨´ ,トイｉ | | ごめんあそばせ……
| i / / ､/// ' ////u / | i l l i i
|〃 i ｀ ──ァ ／ .| i l | i i
|′ | i ｀ __ ´ L i | | i l
/ / | | ┌L ___ -─┘ | | | l
. / / ＿ 」＿＿」＿..ﾉ//Тｉ /| | :.
{ | ´ l:::::::::// // | | //:| l 丶
ﾉ j/ |:::::::::{ Ｌ ノノ/77ヾ、 //::::l ｀ ‐--‐ ＼
. ／/ｉ / |:::::::::ト-- ´イ{{ }}＼ヾニニ ∠:::::::ゝ --──- ＼
_＿__
. ／ﾆ二三二ヽ
//´ _ _ ｀ヾ
}才ヘー-≠＞ﾍﾊ ……と、今のようにその本性はお転婆を超えた
ﾊi/ _＿ ゞ fγ⌒ヽ }ﾊ アマノジャクでしてな
. {i | ￣ i|乂___.ﾉ }: }
. 八:! | ヽﾘり
. .从 ｨ j ヽ i′ｨ それでも良ければ、娘と仲良くしてやってくれんか
ﾊ /气__.彡ヘ .l/ﾉﾘｲ
} .ｲrー---=ｧ/, !}.:.:.く
. ＼ 二ﾆ￣ ｲイ.:.:.:.:ハ
／.ヽ ,.く＼
＞'".:.:.:.:{ ≧≦ {.:.: ＼
￣￣ ､
´ ＼
. / ＼ こちらこそ、だろ！
/ ヽ
ｉ 丶
l ／ ￣ 丶
| _＿ _ ヽ 丶
ヽ/ ｉ ｲ::::ヽ l 丶
ヽ ヽ ゝ_ゞ::ノ ' ',
丶ｉ ｲ｀丶 l ｀ヽ ヽ
ゝ , ヽ _ 丿 ＼‐､-..､
ヽ ゝ ﾉ , ‐ ´ ソ:.:.:.:＼
ヽ ´ ' /:.:.:.:.:.:／＼
＼ / ／:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.ヽ､
＼ / ／:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ､
ヽ ／ /:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ､
ヽ _＿ ィ /:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
西暦１８９年、中平６年。１２月。
【帝都・洛陽 宿屋】
.. ..... .. ..:.:.:.. ..:.:.:.:.:.:... .. .... ／..◇ /￣/￣￣￣≧';;'ﾞ；;:';;;'';;ｿ;';';;;';'；';;;'〃;;;';;';;;
／ ／＼ ＼/￣￣￣xz≦彡; ';'彳;;';';;;'彡;';;;';;';';;'ゞ;;;'
ヽ.:. .:.:.... ..... .. ＿┐ ../ /￣/ ＼￣￣￣xﾃ';;ﾞ;';;;';';;;';';;;';'/{;;;';';;;';';;;ノﾉ;;;';
Y⌒ ヽ .. ／ |´...:.:. .＼／￣/￣￣＼￣￣｢'⌒X';;;'ｿ=ﾆ二ヾ;';';;;；';'ミ';';;;';
|＿／.: .. ／＼￣/￣￣￣ |￣| l￣冫ｼ;'; ';';;;';';;'爻;';;;';'彡;;;;;';;';
: . : .. ..... .. ..:.:.／ ／ ＼ ───￣ ＼ｰ=彡ミ;';';;;';;;ﾉ;';';；;;';;;;'ヽ＼';';;
／ / / ｉ ＼ |x㍉;';';';;;';';'〃;'';';';;'＼￣
─── ／ ────/ / ￣￣￣￣￣￣|￣￣|￣| ""`ｰ '⌒ー- ､;;'ヽ
77777777777777777 ＼ ／ | | |「「「「「「「「「「「｢ヾ;;ﾊ
７７７７７７７７７７７７７/´＼／￣￣￣￣￣￣￣￣|￣￣|￣|ΓΓΓΓΓΓ,,-';;'
/ / | | |:.:. ＿＿x彡;;'ヾ;
7 /￣/￣/7 /￣￣/￣￣￣￣￣￣￣￣￣|￣￣|￣|:.:. | | ㍉;;';;;
/＿/＿// / / | | |:.:. | | '⌒
￣￣￣´ /￣￣/￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|￣￣|￣|:.:. 二二二二
/￣/￣/7 / , -────────-､ | | |:.:. | | |
＿/＿// /￣￣￣ / / HOTEL RAKUYO.| |￣￣￣￣￣｢| | | |
￣￣￣ /＿＿＿_/,. -────────- ､|＿＿＿＿＿|｣ ￣￣￣￣
:::::::::::::::::::: / /￣￣￣＼￣￣￣￣￣￣￣￣/￣￣￣￣｀| |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::/ / ￣￣￣￣＼￣￣￣￣￣￣ /￣￣￣￣￣| |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
●洛陽にある宿屋
. ＿＿_
／ ＼
／ _ノ ＼
. │ （ ●）（●） ここが劉やる夫の宿泊しているって宿か……
| （__人__）
. . | ｀ ⌒´ﾉ
. | } 一介の傭兵屋が止まるにしては上質すぎるが……
__,ノ ヽ.ヽ }゛ 戦ではほぼ負けなし、雇うには相場の三倍って話だが……
ｙ彳 ";;;;;;ヽ ヽ'ヽ ノ
／ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;';, ヽ. ::::::>/
/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;';,`ヽ/ヽ、 さすがにここまで話に尾ひれがついてると、
/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;', ,.ｒ`i ヽ、 嘘なんじゃないかとも思えてくるんだよなぁ
| ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;', ／::iヾ;;rｧ / ﾄｸﾆ ﾏｹﾅｼ ｯﾃ ﾌﾞﾌﾞﾝ
| ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;'"', `!;;ﾉ! ﾄ、
| ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;', ,';;;;|i,.!;;;ヽ.
| ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;'';;;;;;;;!;;;;;;;;;;;;ヽ,
;;;;;;;;;l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i
＿＿
／ 丶
/ ` ……まあ、ウジウジ悩んでてもしゃーない
/ ',
/ ___,ノ ゝ丿
/ （､__）（__ﾉ いっちょ乗り込んで、ことの真偽を見定めて、
/ { （___ノ､丿 ウワサが本物だったら、反董卓同盟に勧誘する、と
/ヽ＼ ﾄ.､ /
／ : : : .＼＼＞、___,_∧
: : : : : : : : :＼ ∧:::: ﾍ : :＼
／ : : : : : : : : : : : :ハ､}:::::{ ｀; : : :`: 、
. /: : : : : : : : : : : : : : : ::∧:::::`, | : : : : : :. 一人でも強い将が欲しいところだからな、
{ :.| : : : : : :|: : : : : : : : : :∧:::::V: : : :.V. :ﾄ､ 悪いがここは強引に行かせてもらうぜ……！
. ;': / : : : : : :|: : : : : : : : : : :∧::::i : : : :.|ノ : :＼
. /:./: : : : : : :.ﾉ／ : : : : : : : : :.Λ::l : : : .L:_:_: : : ヽ
/ : : : : : : : : / : : : : : : : : : : : : :Λi: : :.ｒ'==､: :`.､:.ﾍ
. ∧ : : : : : : : ｲ.: : : : : : : : : : : : : : :.`|,／￣`y!!: : : :./
{ ノ : ／⌒＜ : : : : : : :／ : : : : : : : ﾉ ノｲｒ'¨ﾞ ´
/: : : :∠ : : :γ>'-＝ﾆ＜ : : : : : : : : :.{ ｨ ｌ l fi'´ ……しかし、緊張するなあ。
{: : : /: : : : : :{ { ´`⌒⌒ヽ : : : : : :.ﾍヽヽﾉ:| 幽州から立ち上る、義侠の積乱雲……か
ゝ─…‐＝ミ:人__r} { { { ﾄ､: : : : : :}: : : : :|
/ / ﾄ { { }: : : : : :く: : : く
／||ミ
／ ::::||
／:::::::::::||＿＿＿＿
|:::::::::::::::||／￣￣＼|| ｶﾞﾁｬ
|:::::::::::::::|| _ノ ＼＼
|:::::::::::::::||（ ●） （●）| でも、まずはどんなヤツなのか偵察しよう……
|:::::::::::::::|| （__人__） | ﾕｳｼﾞﾛｳ ﾐﾀｲ ﾅﾉﾀﾞﾄ ｺﾜｲｼ……
|:::::::::::::::|| ｀ ⌒´ |
|:::::::::::::::|| }
|:::::::::::::::|| }
|:::::::::::::::||ヽ＿__ ノ
|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
|:::::::::::::::||／ ||
|:::::::::::::::|| ||
|:::::::::::::::|| ||
＼:::::::::::|| ||
＼ ::::||￣￣￣￣
＼|| ？「はい、お兄ぃさま、あ〜ん」
？「やめるお、一人で食えるお……」
宿の内側を覗き込むと、 ？「兄上様、どうか某のも……」
やらない夫のすぐ近くに、三人組がいた。 ？「トウカはあと」
？「ケンカはよすお、二人とも……」
ｼｼﾞﾂ ﾀﾞﾄ ｵｯｻﾝ ﾀﾞｶﾗﾅｱ
一人は白饅頭のような男。
＿＿
_..-''''ﾞﾞﾞ´ ﾞﾞﾞﾞ'''ｰ,,、
.／ U ＼ ……やる夫は箸も持てないガキじゃねーんだお
, ' ＿＿＿ ＿＿ .ヽ
./ （ ● .） （ ● ) '.,
/ u . ￣￣￣ ￣￣ '., メシくらいやる夫の好きな物を
. .,' .l 好きなように食わしてくれお
l U. （ 人 .） .l
.'., ｀.┬‐ ´ ｀ ┬ ´ .,'
. ' , ￣￣￣￣ ／ 具体的にはやる夫が自分で箸を持って、
ゝ、 ／ やる夫が自分で食いたいものを決めて、
／｀ ー――――― ‐=''' く やる夫が自分の手で食べ物を口に運びたいんだお
／ ＼
/ ヽ
. /. ',
/ / i l
. / | | |
| | | |
●？？（字は？？？）
一人は銀髪ボインの美人のチャンネー。
※注 （銀髪ボイン……史実の？？は以下略 ）
＿r ´￣￣｀`二―--- .､
，‘ ｀ヽ￣｀ヽ.､
, ,. ､ヽ ＼ ヾ.､
. / / , i ﾊ /! ヽ ヽ ＼ ヾ､
l / / ,ﾉ ,/il!,'l!| : i ﾞ. ヽ ヽ ヽ.
! ,'i ,′//i ,'/ | i/! l i:. ! ）
. | ,'.::! i‐ﾅ/｀|｀i ├ﾅi‐-ｉ|: ｉ!:. j '´
! ,'.:::| __l,ｨ≠z;|､! ﾉｨ=ﾒ､_ij_ i!:: （ ほらほら、遠慮しないでさぁー
､i:,ゝ!: |弋::ﾘ ﾞﾘ '´i!::ﾘi'´,'!l .,'ﾘ:: ﾞ.
ﾍ!､',|::. ﾄ､￣ ￣ﾉノ'|ﾉノ i:: i この卵焼きなんて、私の手作りだよ？
i!::｀|::: | ゛゛ ′゛゛´ﾉ:: !::ﾉ::::ｉi!: :. ! おいしーんだから♪
l::､|::: ﾄ､ ｀ ‐' . ｲ!:: !/::::ﾉﾘ!: :: }
|i:r|:::. ﾄ､＞ ． _ ,.イﾉ:::::|:: |:::ノノ j:..:: ﾉ
ﾉ'!:.|:::: |:.｀..‐┬イ!_'__:::::::|:: |´ .ノ'ー'´
ｰ-'‐'､:.!:::: |.:.:.:.:.:.|.|.|:.ﾉ:;ﾘ￣ﾞ!: l＾¬
_...ｨ':.´｀ヽ;.:!:::: |､_:.:.:.{〈.{:.:ノ'.:.:.:.:.|: ｉ､:.:.|
':.:.､､:.:.:.:.／.:.!::: j`ゝ＝'-'ｰ':.:.:.:ヽ:.ｌ ｉ;､ヽ|
:.:.:.:.ヾ.ｨ'／.:.:i::: |:.:.:.:.||.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.ヾ､:.:.:.:.＼
.:.:.:.:.:.:.ヾ.､:.:.:.!:,'!:.:.:.:.:.!l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼.:.:.:.:.ヽ
:.:.:.:.:.:.:.:､:.ヾY/ｉ|:.:.:.:.:.:.!l:.:.:.:ヽ:.:.:.:.,:.:.:.:.:ヾ.:.:.:.:.:ﾞヽ
!:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ!:j:ﾉｌ|:.:.:.:.:.:.:.!l.:.:.:.:.:ヽ/.:.:.:.:.:.:.:.:ヾ.:.:.:.:.:ヽ
.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i':':.:|!:.:.:.:.:.:.:.:.:!l:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.lｉ.:.:.:.:.:.:.}
●？？（字は？？？？）
一人は、耳が猛禽類の翼のような形をしている、
これまた可愛らしい美人のチャンネー。
※注（ 耳が猛禽類の……史実の？？は以下ry）
, ､＿__
x‐‐‐ｖ' ヽヽ` `￣ヽｰ､
/ ,ｲア´ ヽヽ ヽヽ ,ｨ ｱ ; ぷ
マﾆ=-､＿{__{_!{ { i ﾄ､ ヽヽ ヽヽ_,イ彡' ; る
｀ヾ三≧ﾆ三≧ｘj ﾄ､込_ヽ}厶}ﾄ､ヽ Yｲﾆ彳
了彡三彡ｿｿト!c○ ヽ}Ο｡ﾊﾄ､ Vﾆﾂ ／￣￣￣￣￣
￣彳'ﾂﾂ从| ト/////// {从ﾊ }"´ | 兄上、ずるぅございます！
l丁l「l＞ﾄ､ /^^^^{,.ィi从} }iﾉ ＜
lﾊ＼j二.ヽ ヽﾆマ´ { { ; | 某も、某も兄上様に！！
＞`´ ＼ヽ ＼.＼ ヽ ＼ ＼＿＿＿＿＿
/＿＿ / Vﾊ}`く`マﾆ､_ヽ＿
|‐o‐‐o｀ヽ/ V /＼}ニニニ三二ヽ ; ぷ
|7¬‐-､ヽ! 〉〉'´: . ハ￣￣￣｀ｰ-､} ; る
; /／ / }┘! //::.:.:.:./ 〉 ; ﾉ
; 厂 / ∧/ //::.:.:.:./／/ ,-､__
/ .＼/ / //二二{ ／7￣/ tﾉﾆ} ; ぷ
; / }ｲ／／──‐{ {∩{-てﾆﾉ ; る
？？（字は？？？）
／￣￣＼
／ _,.ノ ヽ､_ な、なんだアイツ……
｜ ( ○) (○）
｜ U （___人__） 朝っぱらから美少女とイチャイチャしやがって……
.| __ﾉ__ 何を考えてやがるんだ……？
| _／ ___＼ヽ_
人､ '-／____ ヽ |
_,／( ヽ､ __'-〈 、 ヽ | つーか、恥ずかしくないのか？
_, ､ -― ''" :l : :.＼ ヽ,､.ﾞ,/ヽﾉ} ﾄ､ 羞恥心がないから、ああも堂々としていやがるのか？
/. : : : : : : : : : :|＿: :.ヽ､ ∧:::〈ヽﾄ{ 〈j)、
丿: : : : : : : : : : : : ／: : :.∨ |:::::', |: ゞニﾆ彡〉,
. i : : : : : : : : |: : : : : ＼ : : : `､|::::::|,|:〈: : : : : : : ∧
/. : : : : : : : : !: : : : : : : ＼ : : :.'､:::::| : 〈: : : : : : : ∧
: : : : : : : : : : |: : : : : : : : : ＼: : :'.,:::|: ;∧: : : : : : : ∧
: : : : : : : : : 丿: : : : : : : : : : :.＼: :V:./-∧: : : : : : : : v
: : : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : ﾚ : : : ∧: : : : : : : :}
,,．: ''''""~""'''‐．.
／ ＼
／ _,ノ ~'‐- ＼ あー、そこのやる夫たちを見てるお方
/ (=== .) (=== . ) ｀､
/´:.:.:.:. : :.:.:.:.:.:. : ',
i （ 人 ） u .', 朝っぱらから、どうもすみませんお
! ~'''´⌒｀'''' ´ |
, -─:､ ,.'
. ／ ヽ ヽ } .／ 静かにしろって言ってるのに、こいつら、
. / ､ヽ } ﾉ' -----‐‐‐'''"~ ＼ やる夫の言うことなんか、なーんにも聞きやしないんですお
. ,' し'ｰ' ,' ｀､
ｌ{ ﾉ ノ | ', ？？「そんなことないわよ。
. / ／ | | ねえ、トウカ？」
/ / | | ？？「そうです、心外ですよ、
兄上様！！」
ｎ ( ヽ、
弍_爻 ＿＿＼ ＼
.（ ⊂′ .<＿＿ ＼ ＼ こいつは失礼しただろ
￣ ／<＿＿ ＼ ＼ ﾍ /⌒/
.／ └--ﾐ ヽ、＼ - ＼ |
. .＿ , '′ ⌒ヽ,__ﾉ丶 - 〉 俺の姓は曹、名は操。字はやらない夫。
「l｀ﾆ.′ . / （ ● >､ ､( ＼ !
└'つ ）./ , `'''" _, ＼_ヽ { 漢の堯騎都尉をやってたんだが、
￣ ../ { , （ ＼）、ﾍ > 、 今の宮中―― 董卓に使えるのがアホらしく
| ゝ-イ `''" ./ ＼ ∠／ヽヘ なったんで辞めた
,.-／| ゞﾆ>一′ .／ ＼(⌒) ﾉ ＼
＿__ | ＼ヽ .／ .ヾ、 ／ ＼ 今は人を探してるんだ。
`つ_) .! `＼ ／＿＿＿ ＼／ ＼(
＿ ＼ ! > ー-- イ ＼_ ￣￣＼_＼ そっちは？
! ￣￣ ヽ ／{ )＼ | ∠ ノ）ヽ、
＼ /⌒＼ 〉 ￣ / / >＼
＼ い / / /／ノ
＼ / / / ／￣
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼ おおっ……
／（ ー） （ー） ＼
／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼ 貴方があの、名高い曹やらない夫殿かお
| |r┬-| |
＼ `ー'´ ／ お噂はかねがね……十年前の宦官叩き殺し事件以降、
r´､＿__∩∩＿_, / 黄巾の乱でも活躍し、西園八校尉が第四位に選ばれ……
＼＿_ ´人 ｀ ＿ﾉ やらない夫殿のご活躍たるや、そのお若さですでに留まることを知りませんお
ヽ ￣ ￣ |
｜ /
| ｒ /
ヽ ヽ／
>__ノ;:::......
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
十年前の宦官叩き殺し事件とは……
やらない夫は２０歳の時に、郷挙里選に推挙され、
洛陽の流入出を官吏する尉に任命された。
やらない夫の管轄は北門で、『 洛陽北部尉 』とも呼ばれる仕事だ。
曹操の仕事ぶりは苛烈で、違反者は自分より身分が高かろうと殴り殺した。
……任命されてから数ヶ月後。
蹇碩の叔父である、
/＼＿＿_／ヽ
／'''''' '''''':::::::＼
. |（●）, ､（●）､.:| ＋ 久しぶりの登場だよ！
| ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, .::::|
. | ´ﾄｪｪｪｲ｀ .::::::| + 死んだから登場しないと思った？
＼ |,ｒ-ｒ-| .::::／ + 残念！ 僕は皆の心の中で生きているのです！
,,.....イ.ヽヽ、｀ﾆﾆ´ーノﾞ-､. /＾)
: | '; ＼_____ ノ.| ヽ iヽ __ ‐┘（
| ＼/ﾞ（__)＼,| i |´⌒ )二 ﾄ､
●蹇碩（字はダディ・クール）
蹇碩の叔父（実際に名前は残っていないのである）が、
禁止されている夜間通行を行おうとした。
＿＿＿＿＿
／.:::::::::::::::::::::::::::ヽ
|.:::::::γ⌒^Ｙ⌒ヽ::.| 僕は霊帝陛下の寵愛深い宦官・蹇碩の叔父だぞ！？
|::::::::ゝ ⌒ ⌒ |
|::::::（ （ ●） （●）|
（@ ::::⌒（__人__）⌒) ２０そこそこの新人官吏に、この僕を殺せるわけがないんですよねえ
,＿＿__／ヽ |r┬-| |
r'"ヽ t､ ＼ `ー'´ ／
/ ､､i ヽ＿＿,,/￣￣￣
/ ヽﾉ j , j |ヽ
|⌒`'､__ / / /r | 殺せるもんなら殺してみろってのｗｗ ハハッ
{ ￣''ｰ-､,,_,ﾍ＾ |
ゝ-,,,＿＿＿＿_）--､j
/ ＼__ /
| "'ｰ‐‐---''
●蹇碩の叔父（いく夫）
, |
,,..イ |
l _,,,...イ´ | |
ヽ、ヽ ＿_,,..-t''"´:::::::::::| l | ……お待ちを、いく夫殿
| ヽ:::::::::::::ノ / .|
ヽ、 ￣ ／ |
｀ | 今、貴殿はこの門を通られましたな。
| 小官の目は誤魔化せませんぞ
.:::::...｀` ‐┴----_以ヘ‐-､ |
:::::::::::::::::::::::::::::::::;/ｲ ´..:::::::::.ヽ、 .|
::::i;_;:_:::;_:::;, ィ'¨´::::::i:::;ｿ :::::::..＼ |
,r'-‐‐::'::::::::::::::::::::::::;ｙ' .::::... ｀¨`' ､. |
:::::::::::::::::::::::;:／ ..::::::::::::::￣｀ヾ､_ ｀'ｰ- .|
. ..:::::::::::::::::::;ィ'´ ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::...`丶、 .＼_`マ
.::::::: ;:__;斗＞'´ ..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヾ
≧´ .....::::::::::::::::::::::::_;;;､ﾉ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
i:::::::::::::::::::::;ィ¨´:_:_:i'::::::｀ゝ‐---ｭ､;::::::::::::::::::::::::::::::::
＿＿＿＿＿
／.:::::::::::::::::::::::::::ヽ
|.:::::::γ⌒^Ｙ⌒ヽ::.| おやおやぁーっ！
|::::::::ゝ ⌒ ⌒ |
|::::::（ （ ●） （●）| 曹操ちゃんじゃないですかぁーっ！
,...-',,⌒ゞ（@ ::::⌒（__人__）⌒)::::::::.ヽ､
/::／..::::::::::::..ヽl_ |r┬-| /ｖ':::::::::::ﾉ::_;;:::::j,ト､
/:::::::::::::::::::..`ｰ-､:l､ `ー'´ .,ﾍ:::::;::::::/￣ ﾞ''ﾍｭ_ﾉ どうしたんです？ 血相変えてぇー！
/:::::::::::::::::::::::::::::::;;_ヾ;:､ ／:>:l/:::／
./:::i|:::::::::::::::::::::::::::::::..｀''ヾ､ｰ_-イ, 〉<.|／ _ノ⌒ ｰ - ,,,＿＿ ＿ まさか、殺すんですか、この僕を？
}:::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..ﾞヾ!､!;::|:|,r‐ 'ﾞ ／/ ヽ
「::::ヾ|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ヽf ヽ l / l
../::::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,-''',ﾆ,-'" ＼___ /
/:::::::::::..ヽ;::i:::::::::::::::::::::::::::::::::/ .／ l ＼X=-､,,＿_／ ハハッ、やれるもんならやってみろってんですよ！
:::::::::::::::::..ヽl;:::::::::::::::::::::::::::::::| | ﾉ ` ､ ヽ ,ﾍ./
:::::::::::::::::::::..ヽ､:::::::::::::::::::::::::::| l i´ ` ､ ﾉ ヾ| 教えてあげますよ、この国においてはね、
:::::::::::::::::::::::::::..｀ヽ;::::::::::::::::::::| | | ､ `'rイ ,ノ 例え皇帝であろうと、宦官に非ずんば人に非ず！！
::::::::::::::::::::::::::::::::.::..＼∩:::::::::| l＼ `=､.._＿,ノ ￣
:::::::::::::::::::::::::::::::::l::::::::i＼∩:/ | ヽ､＿ ﾉ 宦官サマが一番偉いんですよぉー！
::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::| ＼:!`ｰ､ ,,=''::::｀､'‐-'ﾞ
:::::::::::::::::::::::::::::::::l::::::::l ｌ ヽ_;;ｧ'~ヽ;::::::::::.ヽ
::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::| | i ヽ;::::::::::..＼
|
＼ | ……随分と長ったらしい遺言ですなあ
/｀ﾞ''―‐┬ |
| 、＿ l ..| 半分以上忘れましたぞ
ヽ 丿 |
|
l＼
l ,' ＼
人 丿 / ＼
＿＿＿＿＿
／.:::::::::::::::::::::::::::ヽ
. |.:::::::γ⌒^Ｙ⌒ヽ::.| ……え？
. |::::::::ゝ ＼ ／ |
|::::::（ （ ─） （─）| ゆ、ゆいごん？
.（@ ::::⌒（__人__）⌒)
.| u. |r┬-| | - 3 何を言ってるんですか？
.＼ `ー'´／ 早く、そこをどきなさいよ、家に帰って酒を飲みたいんだから
__,. ＜.ﾑ- ..___ ーノﾞ.ヽ__
, ､＜¨ : : : : :l : :.ヽ ∧::〈ヽi :、ヽ
/ : : : : : : : : : : :|＿ : :∨ |:Λ | : :､ : ＞、 ……なんでどいてくれないんです？
丿 : : : : : :i: : : : : : :／ :.∧__|::∨＼､: : : : :.｀,
i : : : : : : : :| : : : : : :＼／￣ ∨ /;;ヽ : : : :,i
...i : : : : : : : :! : : : : : : :/ ´￣ヽ_V /;;/;;;;;ヽ : i∧
/: : : : : : : : :| : : : : : :/ ´￣V /;;/;(￣＼ :|: ﾊ
,' : : : : : : : : :丿 : : : : / ´￣y;/;;;(￣＼ V: :ﾊ
_ __00 _ __00 _ __00 _ __00 _ __00 _ __00 ∩ ∩
ヽ〉/ / ヽ〉/ / ヽ〉/ / ヽ〉/ / ヽ〉/ / ヽ〉/ / ○ ○ ○ ○ ○ ○ [][]「l ∪ ∪
.く／. .く／. .く／. .く／. .く／. .く／. くノ ｏ ｏ
::::::;'';::::::::::::::::::::::::::::::::::::; ; ,'::::::::::::::::::::;' , ' ,' ,..':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::; ;::;';:::::::::::::::::::::::::::::;' ,'::::::::::::::::::::;' , ' , ' ,..':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ,.
:::::; ';:, ';:::::::::::::::::::::::::; ,'::::::::::::::::::::;' ,' ,' ,..'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::; ' .
:::::; ;:, ;:;';:::::::::::::::::::;' ,::::::::::::::::::::;' ,' , ' ,..'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::; ' 宦官というのは男根と一緒に、
::::::, ';' ;:, ';::::::::::::::;' ,':::::::::::::::::::;' ,' ,' ,.':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::; ' , ' 脳のお味噌まで切り離してしまうもの
:::::::', , ';' ;::::::::::;' ,:::::::::::::::::::::',':;' ,.':::::::::::::::::::::::::::::::::; ' , ' ,.... なのですかな？
';:::::::', , ; ,::::::::; ;::::::::::::::::::::::;' ,..'::::::::::::::::::::::::::::; ' , ' ,....'::::; '
;:::::::, ' , ,::::::; ,::::::::::::::::::;' ,..':::::::::::::::::::::::::; ' ' ,...'::::; '
';::::;' , ,::::::; ,':::::::::::::::::::',.'::::::::::::::::::::::::; ' ,....':::::; ' 洛陽の門は夜間は通行禁止。
',:::', ' ,:::::; ,':::; ',:::::::::::::;:::::::::::::::::::::; ' ,...':::::; ' ,...:: これを破った者はいかなるものでも
',:::, ,::::; ,:' ,':::::; ' ,':::::::::::::::::;' ,...':::; ' , |::'::::::::; ' 棒打ち１００と決まっているのです。
', ' ;' ;:::; ,..':::::;' ,:::::::::::::::::;' ,...',:: ' ,,..イ .|:::::::::::::;
:::'., ,:::, ,.':::::::;' ,'l _,,,...イ´ | |::, ' ……よもや知らぬはずがありますまい。
';::::', ,:::, ,:::::; ' ,.':ヽ、ヽ ＿_,,..-t''"´●::::::| l | 鼻を垂れる子供ですら、知っている
';::', ;::, ,:::;' ,.':::;::::; ' | ヽ:::::::::::::ノ / .| 規則なのですぞ？
' ', ;:; ;::; ,' ' , ヽ、 ￣ ／ |
;:'.., ' ; ,::; , , ' ｀ |
' '., ; ,:; , ' ,...'::; ' |
' , , ; , ,..':::::; ' , ,......', ' | ……門兵！！
' , ,'ヽ |::;:::' , ' どうやらこの宦官殿は規則を知って
| | 禁を破ったらしい！！
.人 / |;'::,_, 棒打ち１００回追加！！！
この時代の 『棒』打ち とは、電柱並みの棒で殴りつける刑罰のことである。
１００叩きともなれば、よほど頑強な人間でなければ三日間は寝込む重傷となり、
２００、３００となれば刑執行終了後、生きているとすれば奇跡と言われるほどだ。
当然、蹇碩の叔父は死んだ。
宦官や汚職官僚はやらない夫のことを憎んだが、やらない夫には付け入る隙がなかった。
そのため、逆に宦官や汚職官僚はやらない夫を過剰に称賛して 洛陽北部尉 から昇進させ、
無理やり地方に飛ばしてしまったのである。
この事件はあっという間に大陸全土に広がった。
宦官の一族出身でありながら、
やらない夫が清流派官僚（豪族派）と見なされていたのは、このためである。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
_,,..-――-..,,_
／ __ .｀ヽ、
/ ／＿ ヽ 申し遅れましたお
./ .／,,旬丿 ',
.,' ,.-―‐- └''"´ l やる夫の姓は劉、名は備。
. l =＝ .、＿_ ） 人 .l 字はやる夫ですお。
. | ゝ__ノ_,,-'' , Ｙ /
', ｰ''" ／
ヽ _ -‐''"´ ヽ、 昔は官職に就いていましたが、腹が立つことがあって
__￣￣7 ヽ こっちから印綬を叩き返してやったんですお！
,--、/./ / ヽ
..| .{ / ／ |
..| ｀''‐‐--''" ／ .|
..ヽ＿ .／ |
｀ﾞ''-..,,_ ／ |
.| ｀''‐''´ |
| |
●劉備（字はやる夫）
／￣￣＼
━━┓┃┃ ／ ヽ､_ ＼ え、じゃあアンタが劉やる夫！？
┃ ━━━━━━━━ （≡）（≡ ） |
┃ ┃┃┃ 从,_人__）⌒:::::: |
┛ 三 ≧ ',,._. | 安熹の豪勇、
. ﾟ ｡ﾟ 三 ≧ ﾟ'ゝ､ | 幽州から立ち上る 『義侠の積乱雲』の！？
-=＝ 三 ≦ ﾉ その劉備やる夫が、
。 -=≦ ,ｧ ノ 朝っぱらから美少女とイチャイチャしてる
. ﾟ ･ ﾟ｡ 三＜ ､,Ｊ > ヽ アンタなの！？
≦ ッ ッV´ | |
.･ ｡ ﾟ ｡ ミ´ ､､ ﾊﾄ･｡ | |
＿＿_
／ ＼ ＿＿＿
ふざけんじゃねえぞ、 ／ﾉし u; ＼ ;／(＞)＾ ヽ＼; そんなコト
こっちはアンタに会うのに | ⌒ ) ;／ (＿ （＜） ＼; やる夫は
バカみたいに緊張してた ..| 、 );/ /rｪヾ__）⌒::: ヾ; 知らんお……！
ってのに、アンタは美少女 .| ＾ | i ｀⌒´-'´ u; ﾉ;;
と優雅にモーニングだと！？ | | ＼ヽ 、 , ／;
| ;j |／ ＼-^^ｎ ∠ ヾ、
俺がバカみたいじゃ ＼ ／ ! 、 /￣~ﾉ ＿＿/ i;
ないか！？ ／ ⌒ヽ ヽ二) /（⌒ ノ
/ r、 ＼ / ./ ￣￣￣/
´＿＿_
:／ u＼; ＿＿＿＿
史実って ;/ ノﾙ(＜)＼; ／ ;u ノ し ヾ そっちこそ、なぁんか勘違いしてないかお！？
何のコト ;| （＞） ＿) ＼;./ ⌒ ＼
だよ…… ;|::: ⌒（__ノｪｿ / ヽ ウチの兄妹、史実だとおっさんなんだお！！
.;＼ u ´ ソ / ＾ │ そんなのに 「あ〜ん」 されてる、
｀ ;＼ , | │ やる夫の気にもなってみろだお！！！
,ヾ ＼_ ｎ^^- ＼ , ＿／
;/ ∠＿;i ￣丶／￣ ＼
;（ ⌒） ´ ノ ＼
＿＿＿
／_ノ .,;;,. ＼ はぅあ……っ！！
／ .iil（○）illi（O) ＼
／ Ｕ （__人__） ＼
| Ｕ |ii!!ii!!|| |
＼ |o0Oつ ／
/ ヽ |ｪｪｪＵ ‐'､ ／￣￣＼ 俺はお前を反董卓同盟軍の結成に
/ ∩ _rﾍ U || ｽﾞﾝｯ!! ／ ＼ 誘いに来てやったんだ！！！
| ／＿ノ U| | |＿＿_ ／ ＼
| ／ ／ /::､::´￣ ￣ ＝― ー￣￣ﾞﾞ―ﾞ―−､ | 感謝されこそすれ、胸倉を掴まれる
ｌヽ､__.／ ヽ丶＝―――＿＿ ＼ 覚えはないわい！！
| 丶 ﾞ｀ﾞ￣￣ ￣￣ー ＼
＼ ｀＼ |
（ﾞ ト､ |
／￣￣＼
／ .,;;,. !､_ ＼ ヒェッ……！！
了解したおっ！ |(O）illi（○）lii . |
都に入ってから、 | （__人__） |
董卓ってヤツの l ||!!ii!!ii| Ｕ |
暴虐ぶりは聞かない {とO0o| Ｕ |
日がないお！ ,r'{ Ｕｪｪｪ| / ﾞヽ
／￣￣＼ ｜!､ || U ,/ |
／ ) ( ＼ ｽﾞﾝｯ! ヽ |U ﾍr_∩ |
／ ⌒ ＼ _＿＿＿| !､＿＼ |
!､−―ﾞ―ﾞﾞ￣￣ー ―＝ ￣ ￣｀::､::ﾞｉ＼ ＼ |
／ ＿＿―――＝, ,ノ ＼.___,ｨ' ｌ
／ ー￣￣ ￣￣ﾞ´ﾞ , ' |
| ／´ ／
| ,-|__ﾞ）
__＿＿＿__ __＿＿＿__
/ ヽ,_ _,./ ヽ そいつはありがたいだろ！！
, ｰ-､/_ ＿,,､─ ヽ / ─､,,＿ _ヽ､-ｰ ､ 計画も着実に進行中だろ！！
やる夫たち兄妹が （ （ ＿,)Y´ 〈 〉 ｀Y(,＿ ） ）
加われば百人力 ヾヽ_＿__入 ＿,,､─ ｀) (´ ─､,,＿ 入__＿__ク ／￣￣ ＼
だお！！ ＿＿＿ ヽ ヽ_／ ｛ . ｝ ＼_/ /.／ ＼, ,／ ＼
／ ＼ !､ ! ＿,､─ ｝ ｛ ─､,＿ ! ､i | （●） （●） |
／＼ , , ／ ＼）＼ ＼/ / ヽ ヽ／ ／（ | （__人__） |
／ （ ●） （●） ﾉ ＼ ゛ｰ-─¬ / ヽ ¬─-ｰ" ／ ﾉ | |r┬-| |
| （__人__） / ﾍ Ｌ_ _ク ゝ､_ _Ｌ / ヽ | `ー'´ |
＼, |r┬-| / ＼ ＞ｰ"´ ｀゛ｰ＜ ／ ヽ /
,／二.'.､ `ー'´ ／ ∨ ∨ ヘ ゝr'.二ヽ、
／ ─､ ﾞY＾ｉ ∨ ∨ ｉ＾Yﾞ r─ ゝ、
| ,.ﾆﾞｆ ﾞＨ_.ノ / ヽ ヽ._Ｈﾞ ｆﾞﾆ、|
!└ｰ7´／ ／ ＼ ＼｀7ｰ┘!
ﾄ イ:｢ / ヽ ｢:ト ｲ
___ 00 __ ∩ ∩
| ∟ └┘/7 [][]「l ∪ ∪
|_厂 ＜ノ くノ ｏ ｏ
;．‐''"´`' ､;
;．(＞)＾ ヽ '; ＿＿＿
ﾀｲﾀｲﾀｲﾀｲｯ！ ;./(＿ （＜） l.;／(＞)＾ ヽ＼;
;/ /rｪヾ__）⌒::: ;ﾉ′ (＿ （＜） ＼;
;/ ｀⌒´-'´ u;;/ /rｪヾ__）⌒::: ヾ; ﾀｲﾀｲﾀｲﾀｲｯ！
同盟成立だろ！！ { ノi ｀⌒´-'´ u; ﾉ;;
ヽ. ／ ＼ヽ 、 , ／;
／￣／ ` ー ─ '/＞＜ ` ー─ ' ―-､
/ ￣ ／ ヽ 同盟成立だお！！
| ､． ｒ‐x‐､,' ,.‐ｘ‐､ ． ／ ／
＼. ＼ ! (__) ヽ、. / (__) 〉＿,.／ ／
＼ ﾐ､＿,. ￣￣￣ ／
ｎ. ＿
| ! 「l｀ﾆ.′<⌒ ｰ- '＾> <⌒ ｰ- '＾> ＿__
ヽﾆフ └'つ ） `⌒ ー'´ `⌒ ー'´ `つ_)
￣
,ゝ-'´￣￣｀ ヽ.､ｰ-､
, ′ , ｀ヽ｀ﾞヾ.､
/ / / / ﾊﾊ ヽ＼ ヾ.､ ……ねえ、トウカ
ｉ ,' ,' / /./ﾞﾞ"ﾍ.i i `ﾞ､ヽ )）
j i ,' _,'ｨ,」_{ }_i! i.l i.i 〉,'′ お兄さまたち、何やってんの？
:ｉ l {_i Ⅵﾆ!ﾒ｀ ´_!ﾅ‐ﾘ!. |ｌ!/ ′
!! l i l代:ｿ` 代ｿﾃ‐! ﾉl!,′
ﾉ,! {! ﾄ.!ヾ , ¨´ﾉ'ﾉ'i ﾉ{
ｰ=' | ! iﾄ､ ノ'!'ｲﾉ! i
.乂.! |!`iヽ ´ ￣ . ｲ（ {./ | 丿
,ゝ‐― ､ヽ!.|i!,| ＞＜| ノ'i ､!ｲ/⌒ヽ､ ,ゝ､
／.::::::::::ヽ｀.ﾉ人ー-ヽ _,ゝ`‐〃!i.!,'´!::::::...,.ゝ'ｰ-:.､／.;ｨ⌒ヽ､
..／｀ヽ.:::::::::::ｌ!/,'-‐ `ー-､__,ｨ‐‐''‐-ヾ.､'´!::/: : : : : : : ｀`/ ｀ヽ､__
: :｀ヽ.:::::::::::冫ﾉ'′ -＝- ヽ:´: : : : : : : : : i r､ 'i､ ､ ､!.〉
●関羽（字はアチャ子）
_＿
／ ｀ヽ
-‐ '´￣｀ヽ､ ＼ ……さぁ？
／ ＼ 丶
////リ从ﾘﾉ））ﾊ ヽ, i
,〃 {_{ノ ｀ヽﾘ| ｌ | l 中に加わりたいとは思えない、
／ﾚ!小ｌ● ● 从, |/´｀ヽ 狂気めいたなにか、としか
彡ソ'´ |l⊃ ､_,､_, ⊂⊃ |ﾉ从ミヽ
|ﾍ ゝ._） j ｜ ! ﾐゞ 少なくとも某は仲間に
| /⌒l,､ __, イァ│ | 入れてほしくないないですな
. | / /ヽソ ｲ彡'´ ヽ |.
ﾚ| l |l| ノ |l| ,l |
●張飛（字はトウカ）
―― 数時間後。
＿__
′ ￣￣ ＞-―…―- /
i rｾ ´ ｀ /
. | ,. -― ヽ _ /
／ , ´ ヽｰ- ,,_ /
| ／ .／ ／ /ﾄﾐﾝ1 ! ヽ ':, ￣ヽ /
/ / ./ / / / ′ | i ＼＿ ′ '
/i .′ / / 厶斗―|- _j..| :i ／ ＼ /
| | ′ , ´l ハ | |下､ i / /
| | i ′ 从 .{ ﾞ | | | ｀ﾊ､| ふ |∨ /
| ./ | | とつ≡ﾐx.ﾞ | |ﾊ . / | | ぁ l/ / まぁだ終わんないのかなァ……
|/ .| 从 .ﾊww乂 l| ｨ≡ミx..八 ′ /
. / ' { ﾄﾐ :. / とつ. 〉､ ／ /
′ 乂_ { ヽ __ /ww〃 ￣ ' 男って好きだよねえ、
i＿ .| |从 ／ー ヽ ／r^j ／ / ああ言う殴り合いの友情ってヤツ
／ ＼ | | ﾄ. { } __ 〃 /
. / | |:::＼ ｀ - ィ´.／ . '
あ .|l .::::::::::`ト __, ´ | / / 早く終わらせてくんないかなあ……
| l | |l j＼ ::/| / 〃 /
| l |乂} ′ ヽ i / .／ﾚ / . : : : '
| ： i/ Y r− ´ / . : : : : .:'
. , / ヽ ′ : : : : :〃
′ / / { / : : :／::!
ー‐ ' ／ V_／ /:::::::|
やる「なんの！ 超級武神覇斬ver,7！！」
やら「甘いッ！ 邪王炎殺黒龍派ァ！！！」
―― こうして当代髄一の英傑二人は邂逅したのである。
┌──────────────────────────────────────┐
│┌────────────────────────────────────┐│
││ ＿_ ││
││ ´ ｀ ││
││ ／ ＼ 洛陽にて . ││
││ / ヽ ││
││ ' , ││
││ | ` ー ノ ⌒ } ││
││ | ( ● ) ( ＜ ) i ＿＿ ..││
││ i l ＜ ＞ . ││
││. l ( ﾉ、 ヽ ,' ／_ ＿_ ＼ ││
││ l 弋ー‐チ′ / ´ ｀ ´ ｀ ヽ ││
││ _＿_ rチ厂ｹ､ ￣ /__ / ( ＞ ) ( ● ) ', ..││
││ , ´ ￣ ¨´ .∨≧ｭ ＿ _ノ ' ヽ . .││
││ , { ( ＿ j､ ＿ ノ l ,ｨz´〉 ││
││. l _ i { j ,' r＜ ヽ｀j ││
││. ! i_」 入. ` ー 一' , イ_ lﾇ´ ./ .││
││ ' /У 二! l ＞ , z ﾁ ./ ヽ 〈 / ││
││ / ＿__∠/ ー:} ﾄ､ `＜/! / V .! .││
││. 〃 二ｿ , ､ j / ,' / / | ││
││ { ／ ー― " ー― ＜l ,' ノ / ､ , | ││
││ ∧ ＿ ＞"´ j { / 〈 ∧ .,' ││
││ i ,' .! ﾚl .! 〈.∧ / ││
││ l { l | l / ,ﾘ ,' ゞ __/ ││
││. / ヽi l j_/ノ′ ! ││
││ .: l { ││
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┏━━━━━━━━━━━━━┓
┃ 最高の日、最高の友人と .┃
┗━━━━━━━━━━━━━┛
【中平６年、１２月２４日】
┌──────────┐
.曹やらない夫、劉やる夫
ここに、永遠の友情を誓う
└──────────┘
●補足 【曹操と劉備の出会い】
／￣ ＞ ¨¨¨¨`
/ ／ 『演義』によれば、曹操と劉備の出会いは 黄巾の乱 だった、という
ｌ ＠./ 〃 ＼ ことにされています。他の著作の多くでも、そう設定されています。
|＿ ′ ./ ( Ｙ :|!
.| f ｎ ` ＝-∩ :| |! ですが、蜀書『先主伝』注・英雄記によると、霊帝が亡くなった年、
ｌ U ゝ! 八 即ち西暦１８９年、中平６年。 『劉備は都にいたが、後に曹公（曹操）
八 乂 r _）ノｲ ／ ., と共に沛国へと下り、軍を起こして董卓討伐に向かった』とあります。
`≧― =＝ﾆ彡イ-=＝≡「 | そ
r-ｒ ｆ=ニ三j('¨〈〉⌒Y.:=＝ニ三 .l＿ｊ 今度は、この 『英雄記』 の記述の信頼性を検証してみましょう。
^' Ｌｊﾆ ¨,j( 〈〉 .:|!|! 著者は魏の王粲（１７７〜２１７年没）です。曹操の侍中（側近）だった
,j( 〈〉 |!|l 人物で、劉備とも面識があります。
,j(' く7 |!|:､
,:j(" くﾌ ＿ .ノ∞∧ また家伝として書かれた物ではなく、公的記録として書かれたものなので、
｛:::::::;:く¨¨ `ヽノ 主君の曹操が目を通していないはずがありません。劉備とこの時期に
`∨ ﾉｿ.＞⌒.ｆ＝ Ｙj 出会ったと記載することが、曹操へのお世辞やおべっかになるとは
{ 〃ｲ- =＝{ .}! {" 考えにくいですよね。
`くﾆ仏 | }!.;
`マﾑ :|三{ 怪しい点は無く、疑う理由もありません。
Ⅶ :| { その上で正史が注を引いているわけですから、
ｆ二j 二人の英雄はこの時期に邂逅を果たしたのだ、と言い切ってよいでしょう。
●補足 【曹操と劉備の出会い】 終わり
西暦１９０年、初平元年。
【エン州・陳留郡 陳留城】
｡
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｡ |.:.|. |.:.| ,.傘., |.:.|. |.:.| ｡
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｡ ｡ ||. （VVVV）.傘傘傘.（VVVV） || ｡ ｡
|. | |:| {∽}{∽}}}傘傘傘{{{∽}{∽} |:| |. |
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|:|. |:| lvvl .,.,傘傘|∩||∩|}::::/⌒ヽ :{|∩||∩|傘傘,.,. lvvl |:|. |:|
.|.:.|. |.:.|. |∩|傘傘傘|| l|| l|}:::|: |:::{|| l|| l|傘傘傘|∩| .|.:.|. |.:.|
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(vVVVV)傘傘{∽}个个个{∽}{∽}}:|三ﾆ三|:{{∽}{∽}个个个{∽}傘傘 (VVVVv) |
山i!山i山傘傘|三|!|/⌒ヽ!|ｌ~~|ｌ~~|}:／个＼ {|ｌ~~|ｌ~~|!/⌒ヽ|!|三|傘傘山i!山i山 ∧
||^^||^^|个ｌ个{∽}!||:. ||{∽}{∽}}:{ﾆi二iﾆ}:{{∽}{∽}||:. ||!{∽}个ｌ个||^^||^^| /;;;;;ヽ
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|∬||∬|::|___l: |§|!|:|l l|:||∬||∬|}:::, '三`､::{|∬||∬||:|l l|:|!|§|::|___l: |∬||∬|:=:=:|:|=:=:|:|=:=:|:|=:=:
{})({i})({}iﾆﾆﾆi{({})}!!.!|,,, l|:!{})({|})({}}::|皿ｌ皿|::{{})({|})({}!:!|,,, l|:!!{({})}iﾆﾆﾆi{})({i})({}:::[]::|:|::[]::|:|::[]::|:|::[]::
|| l|| l|鬥ｌ鬥||: ||!|鬥ｌ鬥||| l|| l|}|鬥轟鬥|{|| l|| l||鬥ｌ鬥|!||: ||鬥ｌ鬥|| l|| l|:=:=:|:|=:=:|:|=:=:|:|=:=:
|| l|| l|/⌒ヽ||: ||!|/⌒ヽ||| l|| l|}|iiiiiiiiiiiiiiii|{|| l|| l||/⌒ヽ|!||: ||/⌒ヽ|| l|| l|:::[]::|:|::[]::|:|::[]::|:|::[]::
|∬||∬||:. ||§|!||:. |||∬|∬||}|iiiiiiiiiiiiiiii|{||∬|∬|||:. ||!|§||:. ||∬||∬|:=:=:|:|=:=:|:|=:=:|:|=:=:
|凶||凶|iﾆﾆﾆi|凶|!|iﾆﾆﾆi||凶||凶|}|二二二|{|凶||凶||iﾆﾆﾆi|!|凶|iﾆﾆﾆi|凶||凶|:::[]::|:|::[]::|:|::[]::|:|::[]::
●陳留城（心の清らか人には中華風の城に見えます）
―― 曹操は、祖父の代から受け継いできた家財の一切を処分し、義兵を募った。
……その数、５０００。金で義勇兵を雇う場合、１０００名集まればいい方だと、以前言った。
それが、５０００である。いかに宦官が、賄賂を受け取り溜め込んでいたのかがよくわかるエピソードであろう。
各地の諸侯が、この陳留城に集まることになっている。
曹操たちは比較的近くで募兵したため、
また各地の英雄を見定めるため、誰よりも早く入城し、
他の諸侯が現れるのを今か今かと待ち構えていた。
／￣￣ヽ ＿＿
ﾉ ヽ._ i ／ ＼
●) ●) ! _,,,／ ⌒ ⌒ ＼
(人_) /ヽ__ , ＜ | （●） （●） |ヽ、
! ｲ ヽノヽ,,、＿＿＿＿＿＿＿＿j _ ＼ (_人_) ／ ∨}＿
/::￣￣￣￣＞'/ヽ＿_ }｀ﾞ/ V＿|////＞､ l/ ＼ ヽ ＼ ／ｲ j // ￣::ヽ
/ {///く/ヽ |V.ノ//ヽ/////／/j lﾟ. o ＼ ＼ミ￣彡イ /ﾚｯ, : :: :|
, ,.ィ'ーヾ,///ヾ/! jイ＞/´////i!´//:/ .:i: ｡ : ヾ;; ｢二￣zz'ﾞ,ｧ ﾉ',イ__ ::|
| ////////＼/ﾐ/r '´///￣///ﾊ///i} ::l:. ! .|ゞー 三彡 _,ﾉイﾞ'! ﾊ :｜
| , '//////////＼////////／/}////人 .::} o} .|:::::::::::::::::ノ了,_,zz土ヽ :|
| ,/////j////j///,/＼//////r//l//／/;( ::{ 二ｰz'ミヾ√､,､,､,ム-‐ミﾐ} .:!
,，――- ..,,,ﾚ///////＞-.､//////＼//////;ゝ彡彡ﾐ、 ./＼_从ｰ'´ゞ辷ﾆ:::::}} |爿l｣}i}i}zｰ::ﾉ,ｨ､,,- ┴_''／ヽー―-､
{ ::. /////////´////∨//////ヽj､////ﾑ//´/∧ , ._ノ ／ ￣ヽ': ＼ー ''ゞ‐==zｰz＞' ='‐ .. ／,zZz トｰ┐ |
廴__:: :. ////////;ﾉ//////ﾊ////////∨ヾ/ﾊ V////∧.. { / j ヾ＼ ｀o:;.、 ＼´￣ _ -,‐ ／. }:. j,/ /＿_j
ヽ rイ////////j////////ヽ///////∧//ヽl .V//＞=ﾐ} l ﾊ ヽ i＼i /ﾟ/ゝ≠ﾐ} ┌ ''´ ／:....::.../:://.r'
/ｰ┴//////＞ｲ//////////V////////ヽノﾊ l//イ ヾ!＿| :∧ ､ jヽ｀ヽくj;{::8i8;ヽ j //ミ｀＜;;::/ { i
／￣￣＼
今日をどれだけ楽しみにしていたことか。 ／ _ノ ヽ .＿＿＿_
天下の英雄・豪傑が一堂に集まるとか、 | （ ⌒）（⌒）／⌒ ⌒＼ おっおっおっ
楽しみすぎだろ、常識的に考えて. | （__人__） .（●） （ ●）＼ きっともんのすごく
| ｀ ⌒ﾉ ⌒（__人__）⌒:::::＼ 威厳があって、頭が切れて、
. ヽ } . |r┬-| . | 国のために、あるいは己の野望
.ゝ＿,. ノ＿＿__`ー'´＿＿_.／ のために生命をかける、熱い
-(＿＿_.)-(＿＿)＿__.)─(＿＿＿)─ 野郎どもにきまってるお！！
まず最初に現れたのは、曹操も面識ある才人・袁術である。
＿ ＿ ＿＿ ＿__ ＿＿ ＿＿ ＿＿
|＼ ＼┴―┼‐┼―┼―┼∧┼―'┴―┼‐'┼―┼―'┼―┼―
|＼|￣~|＿l__,」＿」＿_」_ ＿__.|__| ＿」_＿l__ 」＿」＿_」＿」_」＿」＿」_
l＼{＼ |＼ ＼￣￣￣ /十ﾍ'||￣￣￣￣ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
{＼}＼|{'＼|￣~| (ﾟДﾟ )|| .|__| ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
|＼ ＼|＼|＼”＞―、 {XXX'○ ’ /十ﾍ'|| ／
|＼|＼|＼＼|＼l＼ ＼ |VVV|,|| ( ﾟДﾟ)|| ＜ 第一鎮、汝南太守・袁術様、入城！！
|＼ ＼ ＼|＼|＼＼|'￣~|r'⌒J {XXX'○ ＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
|＼|＼|＼ ＼ ヽ|＼＼￣＼ ∧ ...|VVV|,||
”~'ー w'!|＼|＼ ＼ ＼|＼|＼|＼|＼￣＼ ＿. |__| .~|r'⌒J
|＼ ＼|＼|＼|＼|＼|ヽト＼＼＿＼ /十ﾍ || ”
, ,wi.|＼|＼|＼ ＼|丶|＼|＼ト、＼!＿__| (ﾟДﾟ )|! :;
＼ ＼|＼|＼|＼ ＼|＼ ＼|＼|＼ ＼XXX○ ・ ，
＼|＼ ＼|＼|＼|＼|＼|＼|＼|＼''i＼￣￣＼
, ＼|＼ ＼|＼ ＼|＼|＼|＼ ＼＼| '＼ ＼
＼|＼|＼ ＼|＼ ＼|＼ ＼ ＼|＼| ＼＿__＼
wi '" ＼|＼ ＼|＼|＼|＼|＼|＼|＼|＼|_| |
＼|＼|＼,＼ ＼|＼ ＼|＼＼| ト---<
＼＼ ＼|＼|＼ ＼|＼ ＼| ＼ ＼
＼|＼ |＼|＼ ＼ ＼＼ |＼|'＼＿＿_`
＼|＼ |＼|＼ |＼|＼ |＼|＼|＼￣￣￣＼
'” ｗr wi|＼ |＼|＼| ＼ ＼ ＼|'＼|＼ ＼
／￣￣＼
_ノ ヽ、 ＼ ずいぶんとお久しぶりだろ、シュナイゼル
（ ●）（ ●） |
（__人__） | ..／}
_ ヽ｀⌒ ´ | / / __ 相変わらず何か企んでそうな顔付きだろ
(＾ヽ{ ヽ { ./ / . ／ .ﾉ
(￣ ヽ ヽ i ヽ / 厶- ´ ／
.(二 ヽ i i |,r‐i ﾉ. ヽ / ／ 今回は、同盟者ということで一つ、
ヽ ／ ノ ／ r一'´ ー ､ ￣￣￣） よろしく頼むだろ。
i { ｲ―イ / .`ー―. ､＿_ .〈￣￣ お前の切れすぎる頭脳、期待してるぜ
ヽ. `ｰ '/ / /＼ ＼
`ー ' ￣￣! | ヽノ
／ ／ ／ ／ }へ、 ヽ
/ ／ ／ ／ '⌒{へ ヽ ' 私が一番乗りだと思ったのだけどね。
// / / , / / i iﾚ1 } ', ',
i/ / / // / ,′{ ｢！| | ﾊ
} {′ .′ // ,′ / ハ{ } ! ! i ｉ } さすがは曹やらない夫殿だ。
{ ｉ l | //_/i /／ ﾉｨ | { ｉ |
以 ! ! { i/厶｣ {メ'、 ,ィf'二__j } i 抖 ……ところで、そちらの御仁はどなたかな？
ｉ | }i ! 比{斗` { 弌ｆ灯} , /,〈′
,.ｲ |从 以 | / ///＼＼
／ ヘj i i '. } ノ //ｲ ヽ.ヽ、
// }」i i ', ＿＿＿_ }ｲ! ! { ヽ ヽ
{ { }∧! ﾄ､ ー一 .ｲﾉﾉl/ } }
ﾄ ﾍ f⌒{ ＼ ／ }'⌒i / ,1
l Ｖ∧ ｢1 ヽ､_ ＞−＜ _／ } / ,ｨ ｌ
| v∧ __jハ、 / ,′ ヽ ヽ. ハ､_, / ﾑl |
| ∧.v∧ ﾄ､ / / } ', / } V / {｜
●袁術（字はシュナイゼル）
; ' + ＿＿ ' ，:‘. , .. .
／￣ ｀ヽ ; 冫;．"
＼＼／ ／ ／＿ ヽ ﾟ:｡:+
. > </ ､ｨ,ｨtj ｲ } やる夫ですかお？
／／ヽl ｒ＝=､ ｀ ､ ! .||
／ i ィ彡' ､＿ﾉ☆ ノ ＿＿||＿＿ やる夫の名前は劉備、
! （__ノ- ' , ／l. ￣￣||￣￣ 字はやる夫ですお
ヽ ￣ ｌ | ||
+ﾟ+。o _ー--, ｰ , ‐､ ｌ ￣|￣ ＋+
ｒ-､/ / / / } ｌ *::｡ どうぞよろしくお願いしますおー
ｊ { / ／ ｌ
{ ｀ー-- ' ／ ｌ ＼＼／／
｀ー-､__ ／ ｌ .> < ＼／
*::｡ T ー-‐' ｌ／／＼＼／＼
/ ｌ
／ ／ ／ ／ / ムV/} ヽヽ ヽ. ヽ
/ ／ / / {斗‐宀ｲ i ', ', ', '.
{/ / / / / / } } | i i i i
ｉ / ／, / / /jノ ＿｣ } l l } }i …………………………。
{／ / / / /-‐. ﾆ ＝ ､} ,′ } } ｉ | {l
/ , / ′/l/‐ ´_｣.斗込}｣ , / / ,ハ ｌ | |{
i // /ﾄfﾑ { ´ -‐┴ ¬ / / / /⌒ } ! ! !}
{/ ﾊ 小ｌ ﾄ7 ノ /／ ノ ム / } { l 〉
{ l iﾄl V ｰ=彡'"´ｧ‐‐ｲ／ ,ｲ ﾊ } //
｀l {､ V j｀ﾄ ｀ ノ⌒´ ￣´ ｆﾞ７ｲﾚi/ ﾄｲi//-‐ ──‐ ‐‐- ､
＼ﾄﾒ/ﾚﾊ ｰrー__､__ / , l l | {,｣/｣-‐ ¬ 二 -‐ ァ′
ｰ=彡ハ ー‐一 ノ / ｣/｣斗 二 -‐ ,二 /７ ′
} ∠/.斗 -‐ ´ / / / //
l､＿＿ -‐ 二 ﾆ ´,ﾆ / / / / ′
, .二 -─ｧ｣斗‐ ´ .|｜ ./ / / 〃
. ／／ . -‐ｧ´／ .|｜ / / / 〃
／／ ／ ／／ﾍ |｜ ,' ′ / 〃
/ /. ィ´ ／／ vﾊ |｜ l { / 〃
／／ , ' , ' vﾊ L｣ L/ { ,/′
.:/ / / vﾊ 厂￣￣￣￣￣ ｀ 'ｰ- ､_
袁術はやる夫を一瞥しただけで、挨拶も返さず席に座った。
そして、それっきり口を閉ざし、目を閉ざしてしまう。
この男にとって、漢室の末裔だとかで最近持てはやされている劉やる夫という人物は、
眼中にもなかったのである。
元来、袁シュナイゼルと言う男、四世三公の名門の正嫡として、血統意識が高い。
なまじ高すぎる分、劉氏など何するものぞ、とすら考えている節がある。
それが爵位も領地も持たない傍流のまた傍流ともなれば、この男は歯牙にもかけない。
……否。正確に言うならば、汝南袁氏の基盤を継承したシュナイゼルにとって、
歯牙にかける必要すらなかった。
無視に近い態度を取られたやる夫だったが、
感情を害したりすることはしなかった。
むしろ、羨望の吐息を吐き、
-―─- 、
／ ＼
′ ⌒ ⌒ , 真に名門たる男とは、
i （ ―） （― ） ｉ かくあるべきだお……
| (__人__) |
､ ノ
⊂⌒ヽ ＞ ＜_/⌒つ
＼ 丶′ 7
＼ ノ ﾄ､_/
. ′ |
. i |
乂 ｲ
| /ー―一 、 |
し′ ､_ｊ
自分にない素質を、董卓との戦いの最中で学びたいと思ったのだった。
次に到着したのは、第一六鎮諸侯・孫堅であった。
. / ..:::,:/ 〃〃 .:::::/ 〃 .:::／/〃.:::／ /〃 ..:::／: : :::＼ ::::::::::::::::::
/ .::::// 〃 .::::: / 〃.::／: / .:／. : /〃.::／: : : ::::＼ ::::::::::::::
..:::::/ .:::／.: .／: ｰ:' . :/: : .′.:::/: : : ::::::＼ :::::::::: ……長沙太守、孫堅。
..::::::/ ′ .:::∧ .′/_ :' / ｀: : : :､:′.::/: : _. :-＼ :::::
'〃.:::/ ′ .::::/: :. ' :/＼｀¨ 7 /..__ : : : | /: : ,. : ´.:::::::::::::＼
/ .::/ !〃〃::/ : : :l:∧ ｀:./ / {茫Zメ| :/:＼ ／:::::_: :ィ芯ﾌ ￣ 袁術殿に従い、参陣した。
.::::/ | 〃.:::∧ : :|ｌ ∧ ／` ｰ-｀二...._|厶ｨ:::::./ .∨:::::＜＿ 二´:-‐:: オレの席を用意してもらおうか。
:::/ |〃.::/ :. : :∨ﾊ.／ ー-..:::::::::::／ | |:::. ｀＼::::::::::,-―:.:.:.:.::
:/ ｜.:::/ ヽ :∨ﾊ ￣￣ ´ | |::::::. ￣￣:.:.:.:.:.:.:.:.::
｜ / ＞-:∨ﾊ | |::::::::.. :.:.:.:.:.:::
j / ／. : /: : ∨ﾊ | |::::::::::. :. .:.:.:.:
. _/-‐ :´: : : :/ : : : ﾍ小 | |::::::::::::. :.. .:.:.:.:.:.:
. :-: ´:／: : : : :. :/: : : : :.:.:`ハ | |:::::::::::::. :.:.. .:.:.:.:.:.:.:.:
: : : : ／: : : : :..:.:.:/: : : : : :.:.:.:.:.|::. | |::::::::::::::::. :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::
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: : : : : : .:.:.:.:.: /. : : : : : : :.:.:.:.:.:.l : :.､ - ――ヾ__ｊ/----:.-.:.:.:.:.:.:..:::::/
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: : : .:./:.:. : :/ . : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:| : : :.ヽ ＿＿＿＿＿ .:.:.:.:.:.:.:::::::/::
: : :.:/:.:. : :/ . : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:| : : : :ヽ ::::::::::::::::::::::::..:.:.:.:.:.:.::::::/:::::
●孫堅（字はアカギ）
孫堅は貧しい身分から立身出世を重ね、太守にまで成りあがっていた。
水戦・陸戦のどちらをやらせても相手を散々に打ち破るほどの軍才を持ち、
『孫堅は、春秋の孫武（孫子の兵法の著者）の生まれ変わりだ』
と、人々に噂されている人物でもある。
立場は同じ太守とはいえ実際には袁術の配下であり、
今回の反董卓連合の参加も袁術の指示によるものである。
／￣￣＼
／ ノ ＼ ＼ ようこそ、参られた
| （●）（●） |
. | u.（__人__） .| 孫堅殿の席はこちらだろ
r､ | ｀ ⌒´ .|
,.く＼＼r､ ヽ ﾉ
＼＼＼ヽ} ヽ / （こいつが江南最強の名を欲しいままにする、名将・孫堅！
rヽ ` ヽ / ｧ'´ヽ 〝江東の虎〟、〝西楚の覇王・項籍の再来〟、
└'｀{ . ＼.| / i 〝闇に舞い降りた天才〟……！
ヽ､._ ヽ､_,r' .| 数々の異名を持つ、三〇にもならない若き英雄！
｀ヽ､ ／' | 実物を見るのは初めてだが、迫力が違うだろ……！！
｀'ｰ'´ やっぱり英雄ってのは、かくの如くあるべし！！ だろ、ｊｋ）
_.. -‐ ￣ ミ､
_ 二ﾆ= ＼
／＿_／ " ヽ
／' ´ ／ ﾞ l ククッ……
／＿ " ﾞ |
／／／ ﾞ | それと、簡素な椅子でいい。二つ頼む。
/／ / " ﾞ j
/ / ／" ﾞ ,.-く 今回の同盟、間違いなく歴史に名を残す……！
/ ／７ / " " ヒ }、
// / /1 / " " ､ ﾞ ヽ ∨|ｊソ:ﾊ:＼_ 子供たちにも、経験させてやりたくてな。
j/ / / .| ｲ .:i ./| /＼ ﾍ､ |ヽ|ﾘ_／ハ､ : ＼
_| /':´|"/ | / | /:::|" | i::::ヽﾍⅣ .ﾊ : : : ∧: : : :｀: : . 、
. ,. : ´: / : : !/ : ﾚﾍ:./ | /| ｌ ＼ / ∨: : :∧: : : : : : : 安心しろ、邪魔になるようならオレが
／: : : : : : : : :|. : : : : ∧ / :| l / :| : : : : |: : : : : : : この手で切る。
／: : : : : : : : : /: : : : : : |: ヽ ｰ:し'=＝'´/ j: : : : : |: : : : : : :
／: : : : : : : : : : /: : : : : : : |､ : ヽ ー .:' _/ : : : : :|: : : : : : :
. /: : : : : : : : : : : :/ : : : : : : : ト. ._. ＼ ／ ./ : : : : : :|: : : : : : :
／￣￣＼
_ノ ヽ、 ＼ ……いやいやいや、斬らなくていいから！
（○）（○ ） |
. （__人__） u .|
. ヽ｀⌒ ´ | わかっただろ、席を用意させる。
｛ /
lヽ、 ,ｨ'.) ./
j .}ﾝ／／ ヽ
ﾉ '"´ ￣〉 |
. { 勹.. ｜
ヽ ､＿_,,ﾉ . |
―― 孫堅が連れてきたのは、二人の子供だった。
一人は、十代中頃くらいか。まだあどけない顔付きで、少年と呼ぶべき年頃だった。
＿, ...... ／ . イ .ﾍ
:::::::::::::＞'" ＞'" . イ ／ i ﾍ ﾍ
::::::::::::＞'" __ _ ,.....::::::＞'" -‐' .／ ./ // .j i 7', ﾍ
:::::, イ__, -- フ , ... -‐:::::::::::::::7 _i:::/ / ／ / .// ≠7 i i',',＼＼
:::::::::::::::::::／ ィ'´:::::::::::::::::::::::::::::i ', ﾝ , y ／ ／/=､// ≠' / 7 ! i:| `ヽ､
::::::::::::::::'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i /／/ // .ﾝ〃弋Zフ¬ ﾊ / .7', .! .i.! ……アンタらが、あの有名な
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾌｲ7://≠ 〃./／ ￣ //／ij: ﾍ/7:7 ﾊ.i ﾘ 曹操やらない夫と劉備やる夫？
::::::::::::::::::::::::::::::::::＞-イ::::::;;::::;:::7 .// i:! ｲ 〃 イ ﾍ:7 .ヾ
::::::::::::::::::＞'"´‐ ／:::;:イ≠ /i::| 〃 :ﾚ' , , イ7
:::::::;:イ´ .／イ´≧---'-､ヾ ヽ ＿, -‐ jｲ i,' ふぅん、悪くねえツラだ。
イ´ 彳 ,､/: : : : : : ＞-､＞､ i ::＞ . / なるほど、英雄ってなぁ、
／: : : : : : : : : : : : ＞､＼ ヾ:::／ ＞ _/ そういう顔付きになるもんなのか
.／: : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼＼ ./ﾍ_
. イ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼＼ヽ .',＞.､ 参考にさせてもらうぜ。
, -‐'": : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼＼ ﾍ: : :＞ ､
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼＼ﾍ: : : : :＞ ､
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼＼: : : : : : : : ＼
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ﾍ ﾍ: : : : : : : : : ﾍ
●孫策（字はリクオ）
―― もう一人は、十代にすらなっていない、女の子のような美貌の男の子だった。
＿＿＿
／⌒ ⌒＼ ━━┓┃┃
／ 〓 〓 ＼ ┃ ━━━━━━
| ⊂⊃ __'__ ⊂| ┃ ┃┃┃
＼ ゝ'ﾟ ≦三 ﾟ｡ ﾟ ┛
｡≧ 三 ＝=- あにうえ！
-ｧ, ≧=- 。 おふたりは てんかの えいゆう です！
ｲﾚ,､ ＞三 ｡ﾟ ･ ﾟ しつれいな ことを いうと くびが とびますよ！！
≦｀Vヾ ヾ ≧
｡ﾟ /｡･ｲﾊ ､､ ｀ミ ｡ ﾟ ｡
●孫権（字はできる夫）
／ ／i i i i
／:::: ／ ／i ／ / Vi i il i
::::::／ .／ ／ヽ/ ／ / V/ / /l l 問題ねえよ。
／:::::／ ／ /／丶 / V/ / / l /
:::::／ ／ 弋心:::::::::圦 V/／ / i / l 相手は文句なしの英傑だ。
／ ／i ｀ﾞ''ゝー--ツ/ﾚ / ／ i_ｨl ガキがちょっとナマ言ったくらいで
／ i / ／ 弋:::fフ l ／ 首を飛ばすほど狭量なモンかよ
／丶, i ﾚ 丶 ｀ﾞ￣ i i
:::::::::::Rﾍ 丶 i／i i
:::::::::ii:i 、 ／ /. i i
:::::::::i.i:i 、 / i. i
:/.V ﾘ ヽ、 ,--── ,イ V
＼ ヽ ,イ
＼ ｀ 、 ｲ
＼ ＼ ｀/ -
::::::＼ ＼ ＼ ＼::＼
:::::::::::＼ ＼ ＼ ＼::＼
:::::::::::::::::＼ ＼ ＼ ＼::＼
／￣￣＼ あっ、ナマ言ってる自覚はあったのか
／ _ノ ヽ､_ ＼ . ＿＿＿_
.. | （ ●）（● ） | ／ ＼
. . | （__人__） │ ／ ─ ─ .＼ にしてもすごい度胸だお
| ｀⌒ ´ | ／ （●） （●） ＼
. | | | （__人__） .|
. ヽ / ＼ ｀ ⌒´ ／
ヽ / > く.
/ く.[ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ｀.ﾆﾆ´ﾆﾆ]ゝ ヽ
| ヽ、二/ 〈〉 〈〉 ヽ__,ノ l
. | / 〈〉 ヽ ｜
| / 〈〉 〈〉 〈〉 ヽ /
ヽ、＿ヾ-‐‐--‐‐--‐‐--‐‐--‐‐--‐‐--‐ゞ＿＿＿／
./:::.:.:.:.::.::::_:∨ {┤ | ､ ; ﾊ
{:.:::.:.:.:::／::::::∨ ﾍ'､ }:､ } ; |
;:.::.::.:./:::::::::::::::＼ﾊ ヽﾄ､ヾ , -┴ ､ 悪いな、
;:.:.:::＿.､-‐rッ ￣ ＼ フ´| /＿_:::::::} 躾がなっていなくて。
|:::￣:::::ー─‐ ´ . :.:.:| |::__.:::}.::/
|::::::::::::::.: .:.:.:l |::_::V.::/
|:::::.::::::::.: .:.:.:.l ﾚ:::Y::/ 策、権。大人しく座っていろ。
|::.:.:::::::.: . :.:.:.l |__/:/ オレの許可なく口を開くな……！
|::::.::.:.: . :.:.:.ﾊ|__ノ_ 特に軍議中はな。いいな……！
|:.:::.} . :.:.:.:/ ﾉ/三 ＼
､_ﾉ'"´ . .:.:.:ｲ /三三三ヽ_
──────'.:.:.::/f| /三三三三 {三≧= ＿＿
＿＿_ ..:.:.:.:.:／.::{ﾚ三三三三三;三三三三三≧= ､＿
圭三´ . .:.::.:.:.:／.:::::::.l三三三三三三,三三三三三三三三
. .:.:.:.:.:.:.／.:::::::::.: :|三三三三三三!三三三三三三三三
. ..:.:.:.:.:／.::::::::::::. :. :|三三三三三三;三三三三三三三三
／/ ＿＿＿＿＿＿
／ ./ .／￣￣ ￣ ,＞
/ i／ ／￣￣￣￣￣
/ ……………………。
. ／
／
.. ／ ,′ i
/ ,' ∧`丶 ＼ ＞ｘ_
/／| , ∧ `丶 へ ｀ヽ、 ＞x
/′ | i ∧＼ ∧ i ｀ヽ ﾍ
. | i≧=‐-、`丶∧ i,=＝≦ ﾍ ≧ー─-＝=_＿ ＿
. | ∧i.弋z芯ゞ ｀∧i<ﾋtィフ ﾍ ∨::::::::::::::::::::::::::::::::::
. | /i i＼ ¨￣ ゞ￣¨ / ﾍ/∨::::::::::::::::::::::::::::::::::::
＼`,＼ | ./_／::::, ￣≧ー-=、:::::::::::::
｀‐´ ｀ ,イ∨ ＼::::, ~｀ヽ:::::::
/＼ ー── ／| ∨ .＼ゝ ｀丶
/::／| ＞ ∠ |
/／ .| ＞ -´. |
／ ＼
＿＿＿
／.ノ -＼ ……………………。
／ ● ● ＼
| ⊂⊃ ｀ ⊂|
ヽ ⌒ ィ’
二人は父の命令に従って、すぐに大人しくなる。
やる夫とやらない夫は、この二人のやり取りを見ているだけで、
いずれ英傑となりうる資質を、両者共に備えていると直感した。
虎の子は、やはり虎なのだ。
やや時間を置いて、第一四鎮諸侯、公孫讃が着陣。
公孫讃は慮稙の塾を出た後は宮中に仕え、北平太守にまで出世していた。
＿＿_
／￣￣￣｀ !｝
（!,，-――――,ﾉﾉ,.r=＝‐'
／ ｀ヽ
/ / ＼ やる夫ぉー！
,′ ./ , ! / ﾘ|´｀∨l ヽ＼
| |／ .| | 〆| | ||｣ ト、＞ お久しぶりーっ！
l .／ | | ./_爪 rﾘ ﾄ､ 〉
| ∠＿_ /| ﾚ/iﾊ ｢j| | ∨
／| |／´| |!|k'iﾘ .ﾋﾄ｣＞ 元気にしてたかなーっ？
／／jｿ| （(ﾞ|ﾉヽ､|,,ゞﾞｨ＿ ｿ 〉
/／ .| /| /|ゝ-､ '' （ ノ,イr､|
〃 | ./ .| ./ .| ./〕 Tﾆ¨､´ ｀＼j.y-､
|/ |/ Ｍ/´￣｀ヽ､ ヽ、 / y-ヽ、
／ ,，― ､ ∨ / ヽ＼
／ ／ ノ｀´ゝ＼/ / ヽ.＼
,く // ノ }Y::)/ ＼｝
く＼＼//ノ ﾍ::/ ﾍ
〈_ヽ＼/ﾉﾄ､ l / j ヽ !
｀ゝ‐' ∨ヾ / / ｏ ）ﾉ
{ 〉、 ＿ ／ ｏﾌ
r‐/ ノ ＼ イ:::::| | ／
l二/／ ｀´ ｣()_｣ レ"
／/く. | |
●公孫讃（字は あきら）
＿＿＿
／ ⌒ ⌒＼ _＿
／ （⌒） （⌒） ＼〈〈〈 ヽ
／ ///（__人__）/// 〈⊃ } あきらさま！
| u. `Y⌒y'´ | |
＼ ﾞー ′ ,/ / 慮稙の塾以来ですお！！
/⌒ヽ ー‐ ｨ /
/ rｰ'ゝ / お変わりないようで、愚弟やる夫は安心しましたお！！
/,ﾉヾ ,> ／
| ヽ〆 |
＿_ ━┓
／ 〜＼ ┏┛
／ ノ (●)＼ ・
. ｜ (.／) ⌒）＼ （ 同門出身なのに、『さま』？
. ｜ （__ノ￣ ＼ この二人の過去には一体何があったんだ……？）
＼ |
＼ /
. ＼ ⊂ヽ∩
/´ (,＿ ＼.
/ ＼. ＼
./ / |. ＼ソ
（ y' .|
第十三鎮諸侯、馬騰到着。
西涼の出身で、光武帝が擁した雲台二十八将の一人、馬援の子孫である。
身長は六尺を超え、その雄姿は見る者に 「こいつは必ず大事を成す」 と思わせたほどだった。
性格は温厚にして賢明、多くの人々に慕われたという。
∨ ,／ ', ,. ＜ _,. イ |
У ', ／ -＜ | ./
/ ／ ／ | :/ 董卓ってのはすんげえ
| ／ ,' | ' 強エんだろ！？
| ' ,' _, | , '
. | ,' ,′ _ -┬=≦ ,. ／ ／ オラ、なんだか
| .ィ´7 { ／ | ／ ／-＜ ワクワクしてきたぞ！
|／ { .／∨ / _ j ／ ／ ／
ﾟ, /ﾍ ﾄ､', / ／ / ／} ,: -=≦ ＞ '´
＿__∨ ﾟ, Y弋:, K__,. -=ﾆ7 ／}li:ﾉ ／-､ ＞ 'ー フ
／;:::::::::::==x=!｀ｰ,｀ ーに_ゞ='_／⌒ーﾁ'xく} ﾘ-‐ ≦ ＞ '´
, -rﾁｲ:':／＜: :/:'´:| ﾉ ｀￣￣｀ﾞﾞ丶 r- ノ /-= ￣
/ f: 〃:/ : : ／/ '´ヽゝr___、 /ニ_,／l｀ 、::.､
. / √: : : :. :.／: :,' /ムー┘ _, ' / |::. ＼_＞ ,.
{Y: :〃:./: :/ : : /{ / ト=====≦:／, 〉::::::::＞ ,._
| !: :{{: :{:{:/:. : : :Y＼ / | { ／ / /::::::::::::::::::::::≧=- _
. у､: |: :l:}' :: : : i.廴 ＼/_ ! ^ ／ ,:' ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
{ YV|: :{::. : :|:: ｛｀ヽ ヽ __,／ ./: ／::::::::::::::::::::::::::::_r＜⌒丶
, └t:!:i:∨:. :＼:＼__ ｀ー---- __, ／:::::::::::::::::::::::::::／: :.'´ ヽ
| :|:|:::.∨::. ; ＼: : ト-z_ --,.ィ ／￣::::::::::::::::::::::::::::x=' ＼
●馬騰（字は悟空）
次々と諸侯が着任してくる。
そして最後に―― この男が、陳留城へ入城を果たした。
／::;;;;;;;,´::::: :::::::: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: : :::: ::: :: ::|
/::/:: ::::::::| :::: :::::::::;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;:::: : :: :: :|
／/|:/;;:: :: ;;|:: :: :::::: :::|;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;:: :: :::::::|
／ﾊｿ;;;;;:::::;;.|:: :: :: :: :::|;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;;.::: ::|:: ::.| 第十七鎮、渤海太守！
i/ハ::;;;, ､.|:: :: :: :: ::|;;;;;;;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;:::: :|:: :::| 袁紹が歩兵三万・烏丸突起二万を率い、
ﾉ;;;;/ V |::::i::::::::|;;;;;;;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ﾊ;; ;; ;;:::;;;|i:::|::| 反董卓同盟に参った！！
／::::;:ヽ i::|::::|:: ;;;:|;;;;;;;; ;; ;; ;; ;; _,／;; ;/;; ;; ;; ;;/;; ;; ;; ;; ;/;; ./ |;; ;; ;; ;;||;;:|ヾ､
ﾉ／;;;;;;;i. .|::|::::|::::;;;ヾ;;;;;.;;_x -''´／／//;; ;; ／/;;/;; ;; ;/;; ;/''´ |;; ;; ;; ;;|ヾ|ﾊゝ
´/::;;;;ﾊ::;;ヽヽi::;;;:::;;;;;｀､／_＞＜<＿//;;;;;／ /;;://;;;;;;//;/ ｨｔ /;;;;;;;;;;;;;;| ﾚ´ 我に席を用意されたし！
/;;;;;/ /;::;;;;;;;li;;i;;;i:::;;;;;;;;|;;|弋及-､|｀//;;;/=､/;;//;;;;;///,xｨ勿ﾄ /;;;;;;;;;;i;;;;|
／|;;;/ |;;i;;;;;;;;|ヽ｀ヾ;;;;;;;;|､;i廴::...::ン｀''ｘ､ ／;//;;;;;//ｨ冬z刻/;;;;;;;;;;ﾊ;; /
|/ |;;|i;;;;;i､ ヽ｀､ヾ;;;;ヽ｀､｀￣ ´ / / |;;/ /;;;;;;;;;/ |;;;|
ヾ ヽ;|＼ ＼ ＼;;;;ヽ､. / | /;;;;;;;;;/､_|/＿
i l＼.＼ ､＼;;;;＼ ´ i ／;;;;;;;;;/ / ｀i
v ＼.＼ .＼｀''-､ / ／／i;;;;;;/ |
ゝ｀''- ､＼ _ _ ＿ , ／ﾊ;;//;;／ .|
/ /ヽ_｀｀＼ ￣￣ー.´／／ ｲ､
./ / ￣ ｀> ､ ／ ﾉi
/ / // ｀ -´ ／ ／-､_
｀'',/ ( ( ヽ
●袁紹（字はルルーシュ）
.r-､ ／￣￣＼
／て ) ／ ＼ ／
（ _ﾉ ﾌ. | （ ●）（●）
ゝ、 〈 | （__人__） 遅いだろ！！
/ ハ ヽ. | ｀ ⌒´ﾉ
/〃 ﾍ ＼ . | } 皆お前のことを心待ちにしてただろ！
ｉ ！ ＼ ｀ ーヽ }
丶丶 _ ＞ ヽ ノ､
ゝ'´- ､_ y-､ ＼
〈 ￣ う /､ ヽ
`ー― ¬､__ノ | > /
| r'＾ヽ'´ _／
| `く__ノ´
. -‐.:.:￣￣￣＞x.
／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼ ……無茶を言うな。
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ .:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l 渤海は辺境も辺境、ド辺境にあるのだぞ？
/.ィ.:.:.:| .:.:.:/:.:.〃.:.:/.:.／..:.::.ィ.:.:.:.:!.:.:!
ノ'´ l.:.:.:.| .:.:/.:∠|..:.:'.:./ .:::／ !.:! ..:|.:.:| ここまで強行軍で駆け付けたのだ、
|, .:.:| .:.l./――|::/.:／r―┤l ..::ﾄ..:| 褒められこそすれ、責めるのは筋違いだぞ、やらない夫
ﾉ|l.:∧ .:l ≡≡ {:/ ≡≡V.:.:∧ ヽ
|l.:.｀ヽ.:.', {. ７.:.:./
|ｲ/.:.::ド ､. U ′ , ′:/
从/ﾄ'､ > ィ イ:.:／
／ ヽ辷 ≧-＜リﾊ{
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼
／（ ●） （●）＼ （ やらない夫とルルーシュって本当に親友同士だったんだお！
／ ::::⌒（__人__）⌒:::: ＼ なるほど、この二人が手を組めば、向かうところ敵なしだろうお！）
| |r┬-| |
＼ `ー'´ ／
> <
（ | / ）
`| /'
| (u) /
ヽ ヽ／
>__ノ;:::......
／￣￣＼
／ﾉ( _ノ ＼ その汚ェ、チンポコさっさとしまいやがれ！！
| ⌒(（ ●）（●）
.| （__人__） /⌒l
| ｀ ⌒´ﾉ |`'''|
／ ⌒ヽ } | |
／ へ ＼ }__/ / ／￣￣＼
／ ／ | ノ ノ ／ ●)) ((●＼’, ･
( _ ノ | ＼´ ＿ （ (_人_)’∴ ）, ’ ｽﾞﾋﾞﾊﾞｾﾞﾝｯ!!
| ＼＿,, -‐ ''" ￣￣ﾞ''―---└'´￣｀ヽ て
.| 三三三三三三三三三 ノ （
ヽ ＿,, -‐ ''" ﾉ ヽ ｒ'"￣
＼ , '´ し/.. | J
＼ ( / |
＼ ＼ し- '^`-J
結集した各諸侯をリストアップすると、以下の通りである。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
・第１鎮 南陽太守 袁術 ・第１０鎮 北海太守 孔融 ..
.. ・第２鎮 冀州刺史 韓馥 ・第１１鎮 広陵太守 張超
・第３鎮 豫州刺史 孔中 ・第１２鎮 徐州刺史 陶謙
・第４鎮 エン州刺史 劉岱 ・第１３鎮 西涼太守 馬騰
・第５鎮 河内太守 王匡 ・第１４鎮 北平太守 公孫賛
・第６鎮 陳留太守 張ﾊﾞｸ ・第１５鎮 上党太守 張楊
・第７鎮 東郡太守 喬瑁 ・第１６鎮 長沙太守 孫堅
・第８鎮 山陽太守 袁遺 ・第１７鎮 渤海太守 袁紹
・第９鎮 済北の相 鮑信 ・第１８鎮 荊州刺史 劉表
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
_,,.. - 、 ,. ''" ﾆ=-
_,. -ﾞ'" " ﾞ " " " "￣~ﾞ'' - .,,
７i " " " " " " " ヾ" ーﾞヽ ……早速で悪いが、提案がある。
/,. " " " " " " " " " "i; 、 " ヽ
/,." " " " " " " " " " " i; 、" i 誰をこの同盟の盟主とするか、だ。
／ " " " " " " " " " "" " i. ﾞ ,
"7 " " v ｖ ﾍ、ヽヾヾ i i i＼i
l" " ノ / / i / ヽ !_Aﾘ|ﾉ!'!'!
_,,.､､ｨ､Vノﾞ-＝-､､!/ _,.ゞ､､Yﾍﾚ''-､､,, ） ）
_,,.､-‐''"´ / i, ｰ==。=、_ｯ‐‐ ､｡==-' !!:::::::',:: 〃 ｀''‐ ､
,､‐''"´ / ', ｀ー ,､''" ヽ, `ﾞミ,''‐-､,'′::::::!:（',; ヽ
,/ ':, ,' l ':,,.､ '" ヽ, ＼ ` ､ ヽ,:::: l _;;ﾘ ':,
ヽ', i ,､ '" ､ ＼ ヽ,_ ヾ二二で)″ !
':, ! ,r" :. ﾝｰ' ､ ﾞ! },,,ヽ, ':､'､〉 ／／ ｌ !
_ ',. / :. ／ ! ! ! ヽ ;ﾍ 〃;／ l
‐､ヽ ',. / ﾝ､､..,,,__,,.. -{ r/ l‐--‐' ゝｰ' 〃／ ｌ
ヽ ヽ. ',. / /, ｀! __,' f,'"_,, - '' !
｀｀' '- ﾐ､ ! / / ':, ゞ-' i!´ l
たしかに…… 盟主は大事だな……
,､‐'"´￣｀ヽ, ,､-‐- ､
´ ,r'"｀`ｰ- Y ＿ ＿ r'"´ ,,､-､ ｀`ヽ ,r'ﾞ´￣￣｀`ヽ,
. ,!´ レ'´ ,､-'´ヽ, -‐- ､ },r'ﾞ´ ｀ヾ ,!. /´￣｀ヾ ヽ
/ ＝= 斤/ / _,i ﾞ｀ヽ､ i! -‐､ ,ｨﾆ､ i ,ｲ / `､ ﾞi
､ ,:; ,」,/ ヽ ,ヽ ,! ヾ 'ﾞ~`, ,!ｲj !,ｨ=- V､ l
, ､ ,〉 ,r､ / ,ｨｪY､-‐''"´V ｀､ 」 - ヽ ｀`j / ;:.´ ｿ ,! 一度誰かに決まれば、
ヽ､ ' ￣Λゞ-─‐- ､ ﾘ -‐､ ｿ ヽ,' ｰ-‐ ,! /ﾄ､,､ ゝ､ Yゞ ｲ 私は盟主の命に従うぞ！
`, ｀ヽ､‐'ﾌ´ ヽ ｰ{ '"´:;V!ﾄ､ ｀､ // !＼丁｀, ,i ,人
..:ヽ ,ィ｀7 `, / ,:;;;:;! ,! , ィ´ゝ-‐'´/ !.;.;.;｀i / ,ィ／ヽ
.:.:.:i＼ヽ〉 iﾉ `､ '´ i 〉 ,､‐'/.;.;,! ｀ゝ＜´ ,!.;.;.;.;.;｀`ー, -‐'´: : : : : ｀､
.:.:.:.:＼,! i ,ｲｲヽ ｀､ !人 ,､‐'´.;.;/.;.;.;.;ﾄ､/} ,/｀ー/／.;.;.;.;.;.;./: : : : : : : : : : : `､
＼.:.:.:.:i / / ! l ゝ- ゝｲヽ ｀ヽ､ /.;.;.;.;.;.;.;.;＼ /i /^i / ￣!.;.;.;.;./: : : : : : : : : : : : : ,i
.:.:.:＼.:.:i /｀V | ／＼/､/ ﾄ､!.;.;.;.;.;.;.;.;.;i￣.;.l / | /.;.;.;.;/.;.;.;,/: : : : :,､-─- ､､: : ,|
.:.:.:.:.:.:.:.:〉-‐─- ､ _ ,ィ /＼!'´ ,! ￣/ i }.;.;.;.;.;.;.;.;.;!.;.;.;.;,ﾘ | ,/.;.;.;.;/.;.;.;./: : : ／: : : : : : : : ヽ､!
.:.:.:.:,r'´二二ﾆヽｰ- ､! / ,ｶ ,! / | i.;.;.;.;.;.;.;.;.;ヽ.;.;.;＼ i/.;.;.;.;/.;.;.;./: : : /: : : : : : : : : : ,!: :,!
'"´::::::::::::::::::::::｀`丶､ Y´ d | ! / ,! |.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;＼.;.;.;ヽ/.;.;.／.;.;.;./: : : /: : : : : : : : : : : |: : |
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`''ｰ､ | ,! / ,!, i.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;＼.;.;／.;.;.;.;.;.;!: : : :i: : : : : : : : : : : :.|: : ,!
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼,! ﾚ ,! !.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;／.;.;.;.;.;.;.;.;/: : : : .|: : : : : : : : : : : .|: : .|
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ / ! l.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;,/.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;/: : : : : .l: : : : : : : : : : : ,!: : ,!
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::久 ,! |.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;/.;.;.;.;.;.;.;.;.;,ｲ: : : : : : :.|: : : : : : : : : : : !: : ,!
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〉 | |.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.:/.;.;.;.;.;.;.;.;／: : |: : : : : :.|: : : : : : : : : : :,!: : ,!
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| | ヽ､.;.;.;.;.;.;.;/.;.;.;.;.;.;／: : : : ,!: : : : : /: : : : : : : : : : /: : ,!
●諸侯のみなさん
, ‐'´ ＿ ＿`‐､
∠ -‐'' ／ ｌ|| ｌ|| l|l ||l `‐､￣ 言いだしっぺのオレがまず推薦しよう。
, ' ｌ|| ｌ|ｌ , l|ｌ ヽ
. / l|| ｌ|| ,ｨ /l/| ||ｌ 、ヽ
/ ｌ|| ,ｲ ./! / | / | lll ﾄ､ ||l |l l＼! オレは袁紹殿を推す……っ！
. ,' ,.イ l|| / l ll/ l |l/ | ll/ ｌ | l ||l |
／ | lll /| / | / | / | / ヽl !.ヽﾄ、 ||
. | / :l lll /─|/‐-l/、 l/ ,. -─ヽ!ｰ` ヽ |ll |ll | 四世三公の出身という意味では我が主・袁術様
l ll / | r:､ / ` '´ ヽ ,r‐､ | も同じ……！
! ./ |/| |ll|.＝＝＝=｡== ==｡=＝＝＝ |l|ｌ|'-､ l !
|/ | | | ｀ ｰ--‐ ' | : ｰ--‐ ' ´ | !｀ i | || だが……っ！
| | ! ::| : | .|ヽｌ l ! 袁紹殿は董卓に宮中で宣戦布告したと聞く……！
／ｌ |l| :::| : |ｌｌ!_ﾉ.,' !＼ さらに兵士を最も多く引き連れてきたのは、
／ `ｉ| r_::| : _， :| |_ノ ,' ＼ 袁紹殿……！
_, ｲ ヽ 、 ｰ' , ,|,! ll ,' ト
-‐' ´ .| ヽ ￣￣￣￣￣￣￣￣ ／:| / ! 故に、身分・大義・資格。
-‐' ´| |;;ヽ ＿＿_ .／:: :| l / :| どれをとっても、袁紹殿意外には考えられない……！
. | |;;;;;;;＼ ￣￣ ／::: │/ |
| !;;::::::::::＼ .／:::: |/ :|
. | l;:::::::::::::::::＼ ／::::: | |
| :|:::::::::::::::::::::::`ｰ:':::::: | |
. | |:::::::::::::::::::::::::: | !
| |::::::::::::: | |
. | _,.. -‐' ヽ | ｀` ‐- ､. |
＼ {ヽ ／ ＼:ヽ
＼ヽ＼ }: }
__ ... - ｰ≠ : : : ￣￣: :＞ ､ l:ﾉ
, イ: : : : : : : : : : ／: : : : : : : : : : : :＼/
／: : : :__／: : : : : /:/^/｀ｰ―rv: : : : : : :＼ あたしも、
／-‐ ／: : : ／: / / / | |: : : : : : : : :ヽ
/: : : : / : 斗ﾒ､/ l│:j: : : : : ヽ : ﾊ 大・賛・成！！
/: : : : /: : :/|/ | /'Ｔ7ヽ、: : : :| : : }
/: :, ｲ /: : :/ .ｨ=ﾐ / |∧ : : : : : | ',: :|
|: / |: |: : /〃ｨ心 / V: : |: : |: :∨
|/ '|: | : ﾊ |ｖ:爿 ＿ V: :|: : |: : :＼
∠Ⅵ/( } 込V 三ミｘ | : ｊ : ﾑ: : : : ヽ
/ ｧ^).:.:.:. ヾ> | ∧:/: :＼: ｢
／´ ￣￣７´_.ｨ个 ､ ｰ'ーｒ .:.:.:. j/-j;': : : : :ヽ
/ / } } ﾚ' /＞.､ ｰ ' ＜「 : |＼: : : ヽ: ﾊ
. ′ ﾑｰ' | , -=≦厂´ ｢ヽ : |∧| ＼: : |＼}
} ヽ | ﾑイ / ／ ＼ ヽj
| ○ｰ‐､｣ /{ Vﾊ / ／ ヽ
| ○ | { 〉Vﾊ .' / ｨ≦二二ﾊ
{ ー ､ ヽ ノ ヽ Vﾊ│/ ／／ ＿＿｣
! ＼ | / / ／ __ /＝､ // // /
l ＼l / ／/ ／ , -‐'´ ｀'ﾍ ヽ ＼ / // ／
ヽ ＼ / | ／ ヽ | | ／￣/
ヽ 丶 ハ. ／ ／ l ﾉ ／ /
＼ ＼ __｀_､ ／ ｀ l／ ／ / ／. l /
＿_＼＼ l ⌒＼ { ,､ l ／ _」 ,／ﾘ _/ ／／ ／
＼￣ ＼ l ﾊ ヽ ∠ ＼ﾉ / ,‐'二_/ ハ ., イ| ／／ __∠_
＼ | 人 ∨. 了メ､人 _ -'´, ィ´ ﾚ'´ノ ／┌ l.二￣￣ ／
＼ │ )､ ヽ l t.ヽゝ､ r_:イ l､__) | ￣7 ヲ / ／
_ ＼ l_ [ ∧ l ｀‐´| ｀ | .＿」 / 「／/‐‐ ／
丶￣ ヽ ヽ マ } _二ﾆ'=‐┘_ 'ｪ==二三一 /-‐'´ ／＿∠ _
＼ ゝ ＼＿l ￣￣｀ ,''| ___ ∧-一´ ／
＼ ｀ ヽ ｀⊥=`,-‐┐｀ / l--─一'´ オラは戦けえりゃあ、
｀ー‐- __ ∧. 「ﾆﾆ.二-‐く! /. l 何でもいいぞ！！
/ .＼ ∨-‐一'フ´ ／ ト､
l : : ＼ ｀二二´ ／ ! ヽ
| : : : :.＼__ ＿／/ l ＼ ,へ
,| : : : : : : :｀￣: : : : :／ ／ ＼__
／ | | ヾ: : : : : : ／ ／ __ -‐─／ ／￣フー-
＿___, ／ ゝ､ | ヽ ／／_ ─ ￣ ／ / ／
／ 「 | ＿__´-‐ " ／ / ／ , ‐-= _
／ ﾊ ＿＿! |. ／ ＿＿__／ ___,ノ
／ /::::::!￣￣ ＼ ／ ,...-‐'´:::::::::／ ／ ＼
__/ﾞ爪 |::::::::＼＿＿＿_＿／＿__ --一'´:::::::::::::::::／ ,-‐＝l ヽ
-‐'´ | | |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／ ソ￣ l ヽ
l | |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ／ / l ヽ
| ＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ／ ,イ | ヽ
| ＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ / ／ ノ | ! ﾉ ::
他の諸侯たちも立ち上がり、袁紹に盟主の座に就くよう勧めた。
その裏には、兵糧や資金などの面倒事を押し付けようとする
意図があったかもしれない。
しかし、一方で立ち上がらなかった者もいる……。
誰あろう、袁紹の従兄である……
／ / ／ / / ｀ , } ﾊ
/ / ／ /ノ ／ / / / ､ ,
l /／ / /´ ／ / ト､_j1 l , V ,
| /,' / / / / ／! / j ! | } }! l
l!/ l / / / ／ , / ﾊ ! j! l ! l , ! ……………………。
| ! l /,イ／ ,イ/1l |j /ｲ !j! l , ﾚ
l|! ､ l !≠/７升-ノ !l, -─'/レ!十 , ! '
ﾊ l , ∨l|辷≧r､７ ' , | ＿ ィた/ｱ / / /
/ l ﾄ､ ＼,jl l ｀¨´ / 7//!'/
/ !l__ゝ ､＼ .:| ７ /ソ /
r≠ﾍ ＼ト､ﾍ .::| ／イ´ /ト､
//::::::::::::::::!Nﾄ､{` :!' /'７/ //::j:＼' ,
| |::::::::::::::::::l:ﾘ! ＼ -=＝＝= ､ , イ! ,//::::::::::::| |
| ﾄ､:::::::::::::, -l! ', ＼ ￣￣ ／ /イ ノ:::::::::::://
ﾄ､ ',:::::::::::| ＼! ､＿_／ 7- ,:::::::::::::::://:|
ノ:/!ﾍ',r-y' ､ ｀＞ ､ , -r'´ ,:::::::::://::::!
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イ:::／/::::::::::ﾍ,ﾍ , ７ ! l |! ハ/ l7'/:::::| ',::'､
_ ,. '´ |:::l／:::::::::::::::ﾍ ﾍ ７´! | Y ７ /::::::::＼',:::Yー- .,__
＿ - ─ '"´ j:::::::::::::::::::／7ﾍ ﾍ/ / / ∨'/:ﾄ､:::::::::::＼! l ￣｀ー-- ､
袁術であった。
::;:::;;;;::::;;::;;;|;;;;:::::::::::::/:::/:::/ /:/::::;;;;;;;;/:::/::::/ /::/::/i,ゞ斗弋::::;;;;;;;;;;;/:::/:::::::::/::/
;::::;;;;|::;;;::;;;.|;;;;::::::::::/:::/::/ |:/::::;;;;;;;//::/::/ /: /:::/-i'´｀l ヾ＼;;;;;;;/:::/::/::::/;;/:::
::::;;;;;|::;;::;;;;;|;;;;::::::;/+-､/＿/ |:::;;;;;;/ |:/ﾉﾚ-'//´/ .|-_=-''´ヽ＼;/::/::/::::;;;;;;/:::::
::::;;;;;|:;;;::;;;;;i;;;;:::;;/ |ﾊ/｀''/ﾍ i::;;;;/ , |'''i/ // ./-''-ﾅ´歹乃 ヾ/:::::::/::::;;/:::::::;;;;
:::;;;;;;|:;;;;:;;;;;ヽ;;;;/,=/-il､_ /､ |:;;/ .i | // /斗匕ン廴ノﾉ ノ/::::;/:;;／::::::::;;;;;; ……どうなされた、従兄殿？
:::;;;;;;|:;;;;:;;;;;;;;｀､ヽヾ 弋_ｲ''-､_|/ .i ./ / ー-―''''´´￣/::／;／/:::::;;;;;;;／
::::;;;;;|::;;;:;;;;;;;;;;ヽ＼ ＼廴ｪ-''´ヽ / ／/;;／/::;;:::;;;;;／ ,
;:::;;;;;;ﾄ;;;;i;;;;;;:;;;;::;;;;ﾄ､ ´ | ／ ／ ／:;;;;;;／ ／::
ヾ:;;;;;ﾊ;;;;|i;;;;::ヽ;;::::｀､ヽ | ／ , '´ /;;;;;;;／ r-イ::;;;;;;
ヽ::;;;;| ヽ＼;;:::ヾ;;;:::＼ i ／;;;;;／´./ |´;;;;;;;;;
ヽ:;;| ｀､ ヽ:ヽ＼::-｀'-､ ヽ _,-''´ ノ il:;;;;;;;;;;;;
｀'､ ｀､ ＼､ ｀'-＼- ' ｀ ＿ ／ //;;;;;/;;
ヽ ｀'､ i:::ﾊ､ ー-=-＝−── -´ ／/ /ﾊ;;:;;;il;;;
'' i;;;ハ;;｀'､ ー─── , <´;.;/ /_ i;;;;;;;il;;
ﾚ ｀;i i.＼ ／;.;.;.;.;.;/ _ _ _,-''''/´__|;;;;;;| |;
i ヾ;;;;＼ ＜;.;.;.;.;- '''' ´_ , - ' ' ' ´ |;;;;;;i ｀
i;;;;;;;<ヽ_ ／ ／￣_,- '' ''´ .i;;;;;;;|
袁術は従兄として、当然賛同してくれるものと思っていたルルーシュは、
シュナイゼルが彫像のように動かないのを見て、首を傾げた。
_ ‐"´￣ ヽ／ ヽ
,. ,'"'´ ／￣ メ ｀ヽ ＼
／／ ／/ /| , -､ ヽ
/ / ／ / ∧|/ヽ ヽ ヽ
/〃 / / /〃 |ヽ| ∧ハ ∧ ﾊ ……いや、なんでもないよ。
/ ,' / / / /〃/ | l 「｀ﾞ￣ｊ ハ ∧｀ }
,' '/ l l /〃/ |/l { ｊ ハ ∨} 私もルルーシュが盟主の大任に相応しい
| |l | | 〃/ｲ | | |八 _ ,,. 孑＜ｌ |l }ﾆ ‐ ､ と思う。
Ⅵ /| ｌフ/干〒ミﾐ､ﾝ/イｧ元タｲ l| |l ﾘ::::｀ヽ､＼
∨l | ∨|ゼ芹ﾃ､ ! ｀￣ | //ﾚ′:::::::::::＼ヽ
／ノ| |ヽ＼＼ l ノｲ/::::::::::::::::::::::::ﾊ }
//::::::::＼ミ＼｀ヽ i ｶ{｛::::::::::::::::::::::::::/ﾘ
//::::::::::::::::｀Yfﾍ）ﾉ ' / ﾊ!::::::::::::::::::::::://
| ｌ::::::::::::::::::::::乂ﾊ＼ ‐=二. -＾´./ |ﾘ:::::::::::::::::::::::://
|〔::::::::::::::::::::::::::::｀', ｀ヽ. / _|r‐､::::::::::::::,.ｲノ,′
| l::::::::::::::::::::::::／ヌ,＿_ ヽ--‐'_r'"´ く:::::::::;.ｲ／:::|
| l::::::::::::::::::::_冫-/ r└‐ア´ /:|:. _二-┴／／::/|:::!
|l l:::::::::::::::::/ {. / /:.:／:/ :{:/／ / ,〈:::::::| |:::{
|::l l:::::::::::;/ V /: ´ / .:|′___ / /:::::::::::{ {:::;≧､__
,,|::::l l:::rイ人 /{ {: / :|￣ _ / /::∧:::::: ∨{ ､ _ ￣"''‐- ､､,,＿
,,..､､､ --─'''''"´ ]:::}}Ⅳ ハ / ｛:. / :|~￣ / /:::::Vﾍ:::::::::/丶 ､,,_｀ " '''' …‐ - ￣ ニ ﾆ＝ヽ
´_ ___,,,...､､ -‐''"´ |:::}}ﾍV ｛ '､ { .:|ｰ／/ /::::::::::Vﾍ:::/ ￣/"''''' …─ - - ---r┘
シュナイゼルの同意により、ルルーシュは十八鎮諸侯全員の賛同を得たことになる。
／: : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
/: : : : : : : :./: : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
/:. :. : : : : :./: : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
.//: : : : : : :/: : : : /: : : : /: : : : : : : |: : : : : : : |: : :ﾍ 承知した！
//: : : : : : : |:.:r‐､r‐､: : :/: :/: : : : : :.|: : : : : : : |: :|: :|
./: !: !:. : : : :.r‐､! .| |:.:/: :/: : : /: : /!: : : ! : : :.|: :|: :| この袁ルルーシュ、全力で大任に当たらせてもらう！
/: : |: |.: |: : : :| i | |/: :/: : : /: :.:/ .i: : : |:.: : :.|: :|: :|
./: /: |: |.: |: : : :| | ! !:.:/: : : /: : :/ ＼:. ! : : :.|: :|: :ヽ、
/／: /|: |.: |: : : :| | | |/: : : /|: : / , ィ≦!:.:.:.:. !:. !｀ ー｀‐
／ /: / ヽヽ:ヽ: : ｲ i | |: : : /./／ イj } .} .|: : : /:.:.| では反董卓同盟盟主として、ここに宣誓する！！
./／ |＼: ／ l. ! ! !: :./／／夂ｪシノ |: : /: :.:.|
.／ .|:.／ .／! | | |: / ! ￣￣ ﾉ／:.: :|:ﾍ
|ヽ ヽ ! | | |/ | ／: : :|:.: |: :.ヽ、 今日、この時より我ら十八鎮諸侯同盟は、
ﾉノﾍ. ∨. ! ヽ , -‐‐､/:. :.: !: :.!｀ ー ｀- 必ずや董卓の首を上げることを誓い、
／ | ヽﾆ二ン´ , ' ´|: /|:. !:.: ! ヤツの首を上げるまで、我らは不退転の決意で
| ／ !/. !:∧: | 修羅の道を進むことを誓う！！
| ／ .＿!））/ ヽ|
| /ニニニ.|─‐' | 卿らも私と同じ道を志すか！！？
| ／: : : : : : | |: : : : |
/ ／: : : : : : : : .| |: : : : |
--─==ﾆﾆ/ ／| |: : : : : : : : : | |: : : : |｀ﾆﾆ=- ､＿＿
: : : : : : : : .| /: : ! !: : : : : : : : : ! !: : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : .| |: : :! !: : : : : : : : : ! !: : : : : : : : : : : : : : : :
誓います！！！ 誓います！！ 誓います！
ミﾐ:::;,! u ｀ﾞ"~´ ヾ彡::l／VvVw、 ,yvヾNヽ ゞヾ ,. ,. ,. 、､ヾゝヽr＝ヾ
ﾐ::::;/ ￣ﾞ`ｰ-.､ u ;,,; j ヾk'! ' l / 'ﾚ ^ヽﾍ＼ ,rﾞゞﾞ-"､ノ / l! !ヽ ､､ |
ミ/ J ﾞ`ｰ､ " ;, ;;; ,;; ﾞ u ヾi ,,./ , ,､ヾヾ | '-- ､..,,ヽ j ! | Nヾ|
'" _,,.. -─ゝ.､ ;, " ;; _,,..._ゞｲ__／/〃 i.! ilヾゞヽ | ､ .r． ヾ-､;;ﾉ,.:-一'"i
j ／ ,.- ､ ヾヽ、 ;; ;; _,-＜ /／_,,＼' "' !| :l ﾞi !_,,ヽ.l `ー─-- ｴｨ' (． 7 /
: ' ・丿 ￣≠Ξｲ´,-､ ヽ /ｲ´ r． `ー-'ﾒ ,.-´､ i u ヾ｀`ー' ｲ
＼_ _,,......:: ´ﾞi､ `¨ / i ヽ.__,,... ' u ﾞl´.i･j.冫,ｲﾞl ／ ｀`-､..- ノ :u l
u ￣￣ 彡" 、ヾ￣｀`ﾐ::.l u j i､｀ー' .i / /､._ ｀'y /
u ｀ヽ ﾞ:l ,.::- ､,, ,. ノ ﾞ u ! /_ ￣ ー/ u /
_,,..,,_ ,.ｨ､ ／ | /__ ｀`- ､_ l l ｀`ｰt､_ / ／
ﾞ u ,.／´ " ｀`- ､_Ｊ r'´ u 丿 .l,... ｀ー一''/ ノ ﾄ ､,,_____ ﾞ/ ／
./＿_ ｰ７ /、 l 'ﾞ ヽ/ ,. '" ＼｀ｰ--- ",.::く､
/;;;''" ￣￣ ───/ ﾞ ,::' ＼ヾﾆ==＝'"／ ｀- ､ ﾞー┬ '´ / ＼..,,__
、 .i:⌒`─-､_,.... l ／ ｀ー┬一' ヽ :l ／ , ' ｀ソヽ
ヾヽ l ` ｀ヽ、 l .／ ヽ l ） ,; ／ ,' '^i
袁紹の宣誓に続いて、他の諸侯が声を張り上げる。
／.:.:.:. :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
/: .:.:.:./ ..:.:.:.:.:./:.:.:.:.: .i:. :.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
':.: .:.:./ .:./.:.:/:.:.: .:.l .:.l:.: .:',:.:.:.:.:.:.:.l ならば、反董卓同盟盟主として、卿らに命ず！！
,'.:.| :.:.l. :.:.//:/:.:.,':.: .:|:.:.:!:.:. .|:..:.:.:.:.:.:|
/:.: l:.:.:.|:.:.//:/:.:./.:.:. //∧'.:. !:.:.:.:.:.|:.l
/ｲ.: .|:.:.:.l://l//:./.:.:.:./// _ヽ:l:.:.|:.:.:|'.! 壮士５０００を率いて参陣した、
/ /:.:.:.r':.:.|ド㍉､'/}.:.:.///_,∠zﾐ.|:.:l.:.!:{ ヽ 曹やらない夫を諸侯同格とし、
/´|:.,:.ヽﾊゞｆｪ'ｲﾄ.|:.//廾ゝｭ'ｲﾌ:./ }:.lヽ､ 我らはこれより十九鎮諸侯と名乗る！！
|:.{ヽヽ:ヽ ￣i!´ﾘ ,' ￣ //ｲ:.l'.!
ヽ! ヽ:.l:ヽ. i! /':.:.ﾊ:.| ヽ
l:.|:.:.＼ !ニニ! ／l:.:.| ',{
ﾘ.ｿ}Fr＞､｀＝´イ／ｦ.:.{ ｀
ﾉl｀＝r ≧≦ｦ／ｆ |｀ヽ _ -‐ '￣}
／ 艸 | |: : : : | | 圸｀ｰ---‐´￣￣￣: : : : : : : /: :￣¨}＿＿＿＿＿
_ -‐ー‐ ´: : : 丱 | |: : : : | |: :卉: : : : -─＝ : : : : : : : : : /: :/／: : : : : : : : : : : :
r──'￣: : : : : : ＼: : : : : : : } }: : : : { { : : ／: : : : : : : : : : : : : : : : :/: : /´: : : : : : : : : : : : : :
',: : ヽ: : : : : : : : : : : ｀ｰ- : : | |: : : : : :.| |: : : : : : : : : : : : : : : : : : :／: ／ : : : : : : ／: : : : : : :
∨: :', : : : : : : : : : : : : : : : : | | : : : : : | |: : : : : : : : : : : : : : : : ／: ／: : : : : : : ／: : : : : : : : :
∨ : ヽ : : : : : : : : : : : : : __| | : : : : : |└──二二才: : : : :/／: : : : : : : _／＿--───
∨: : ', : : : : : r───´＿_l : : : : : ￣￣￣__ : : | | : : : : /: : : : : : : : イ
∨: : ヽ: : : : | |￣￣￣: : : : : : : : : : : : : : （ ）: :| |: : : : : : : : _ -‐´
| : : : : : l: : :| | ｛ ）: : : : : : : : : : : : : : : : : / : : | |: : : /: :／
l: : : : : : ',: : | |: : ¨: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :| |: : /: :/
|: : : : : : l: : :| |: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | | : : : /
|: : : : : : | : : | | : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | | : : /
|: : : : : : | : : | | : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | | : /
／￣￣＼
━━┓┃┃ ／ ヽ､_ ＼
┃ ━━━━━━━━ （≡）（≡ ） |
┃ ┃┃┃ 从,_人__）⌒:::::: |
┛ 三 ≧ ',,._. |
. ﾟ ｡ﾟ 三 ≧ ﾟ'ゝ､ |
-=＝ 三 ≦ ﾉ
。 -=≦ ,ｧ ノ
. ﾟ ･ ﾟ｡ 三＜ ､,Ｊ > ヽ
≦ ッ ッV´ | |
.･ ｡ ﾟ ｡ ミ´ ､､ ﾊﾄ･｡ | |
／￣￣＼ お、おいおいルル……いや、盟主殿
／ _ノ ＼
| （ ○）（○） 俺の手勢はたったの５０００しかいないだろ
. | U （__人__）
| |r┬-| 他の諸侯は最低でも二万……
. | ι `ー'´}
. ヽ u } なのに、俺との友誼を理由に諸侯同格としたんじゃ、
ヽ ノ 今後、反董卓同盟に亀裂が――
/ く ＼
| ＼ ＼
| |ヽ、二⌒)､
: /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}.:.:.:.:.:.ｌ::.
/.:.:.:.:.::::::::.:.:.:.:ﾘ:.:.:}.:.:.:.:.:.:.:.:. }.:.:.:.:.:.:}.:.:.:.:.:.}:::'
: :.:.:.:::::::/.:.:.:/ }:.:.:!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.{::::', ―― 馬鹿者！！
:.::.::::::::/.:.:.:/ ,::::八.:.:.{ :.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.l ヽ',
: :.::::::/,'.:::/ /::/ V ﾄ､.: .: |.:.:.:.:.:.:l.:.:.:.:.: | ＼ 俺がいつ公の場で、友誼を理由にお前を厚遇した！？
:.:.::::/〃/ .:::/ , イ::| ＼ ｌ.:.:.:.:.:.'.:.:.:.:.:. |
: ::://::/ /::/／ 彡ぅi冖Ｖ.:.:.:.:.:ﾊ.:.:.:.:.ﾘ{:l
.:://::/ /:／ｨf[_::::::_｣} jﾉ.:.:.:.:/│.:.:.:′':, お前が先月、帝より勅書を奉り、今日この日この場所に、
ヾ.:::/｛_,.イ/ '弋::::V:::ノ '/.:.:.:∧ | .:.:,′ 十八鎮諸侯を結集させた功を持って、我らと同格と見なすのだ！
' ／ ／ ｰ-ﾆﾆ´-‐/.:.:::/ ﾉ}.:.:,′
:l /.:.:::/ 人::.′ 我ら個人個人では決して董卓には勝てん！
:| //:::/ ／.:.:.::::{
:| ／ ｲ厂.:.:.::∧::| そのことは諸侯らも知っていることだ！
／ｲ.:.:.:.:. ﾊ{ '::| ならば反対など誰がしようものかッ！
-‐……‐-､ ／ |.:.:.:.:./ }} ヽ
' -─‐- ｀ﾉ ／|.:.:.:|.:.:.:/ ″ わかったなら、諸侯席に着くがいい！！！
￣ ／ |‐-┐:,′
､ ／／ {:::{
ｰ` _, イ -‐冖T_／: : : ljﾉ
─-----─┐ |: : : : : : |
: : : : : : : : :| |: : : :｢|: {
: : : : : : : : :| |: ⌒l| し}
／￣￣Y￣￣＼
／ ヽ,_. ノ ＼
（●）（● ） （ ●）（●）
（__人__） （__人__）
{｀⌒ ´ 彡 ｀ ⌒´ﾉ
{ u }
{ , 彡 u. }
ヽ、 / ノ
.ﾝ ヽ
／／ |
(⌒二_／ | . |
―― 本当にいいのだろうか……？
やらない夫は周囲を見回した。
もし、彼らが反対ならば、それを屈服させて同席する力も権利も、
やらない夫にはなかった。
/ //,／ //, /,／ . //. ／- ミヽ ／/ .／ : : : | ＼､ ｌ
／/ /// ////// //'.// / :},／ .／ :./,/ ／ ／ : : : : : |: ヾ＼ヾ
. / // .／///// ./ ./ =ミ_/: :八.:／: : : ///／ ／: : : : :. ＼＼
/ ／ ./ l// ' x:/ ./..::::. : :/.／: /// . : : : : :＼. ＼
/ / |/ . / / _「 ｰ- : :// //' /: : : : : : ＼
/ / / / 〈 ／ ⌒ : ://- . /: : : : :＼ ……着けよ
| .// / / ／ヽ : ://: : : ＞x| . /: : . -‐=:＼
'/// / : ,/ / /:. : :/ｰ- .__ : : ｜ /: : ／: : : : : :＿_
'// / ｜'// / r＜:::::::. . : :/ 乂r:心x| /: ＼ ／. : :. ＜芯rﾘ
'/ / .|// / ./ ‐- ＼ . : : ｀ ｰ- ￣ | /＞: :.∨ ∨.: : ∠ ＿ 二´
' / |/ /／ . : ／ ￣¨./ .:::::／ | i:. ＼::::::::..: : : : : : :
/ .| ./ . : ∧ ￣ | i:::::. ￣: : : : : : : : : .
| . : ::/ ∧ | i:::::::::. : : : : : : :
／ . : : :∧ ', | i:::::::::::. .
_／ . : ／ ＼斗-‐ ⌒:. | i::::::::::::. : . . :
／ . : ／＞ ´ ヽ l＼ | i::::::::::::::. : . . : :
/ ＿＿.／'´ :. | : .＼_ | i::::::::::::::::. : : . . : : : :
| ´ l. : : : : : | | i::::::::::::::::::. : : : : : : : :
| .: ＿_ . . : : : : --―く : : : :| | i::::::::::::::::::::. : : : : : : :
| .:/ { ＿ -‐ ´ |__. : :j: - | i:::::::::::- : : : : : : : : : :
| :/ ｜ l |<_／. ＼|＿|／: : : : : : : : : : : : :
｀ ､:::::::｀丶:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾘ _, -y
-- _ ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/＜::::::::／
｀ ､::::::＞x'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
_ -`::::::::::':::;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ／
-=≦::::::::::::::::::::::::::{:/::::::::::_;:::::::::::／:::::::::::/:::::;::::::∠_ 恥ずかしがるこたねえ
￣｀ ＜:::::::::::::::::/:::::／´/:::::／ｲ::::::: ／::／::::::;: '´
｀ヽ:::::::}:／{ ／::r彡':::::_;:／}:ィi},'::::∠_ オメエは堂々と着いていいんだ！
__ -=ﾁ:::::::ﾍ、', {-tｯ､> ´ｨtｯ__ﾉ ,レ' ﾊ
｀ ー─‐z=‐:::::: ﾊ ｀￣ i -¬ /ﾄ､｀ヽ |
, '{ ﾄ､ _ゝ'_ ｲ ﾊ:ヽ ヽlヽ
,.ｨ/ j ＞ __ イ:|:{./ }:::ﾑ i }
√ i::/ ,:' ＼ ｛ ,' }' 从:::ﾑ ∨
/ ー- _::. :ヽ＼__i__|_ ｲ:::::::::::} !|
{￣ - _ ｀ ､ , '´ ／::::::::::::::::l i!
、 / '´￣｀ヽ.ﾍ
＼､ ＼、 /' '.|
＼ーゝ＼＿＿ ﾘ
_. -−……‐ : : : : : : : ｀ 、/
／. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
∠- ア. : :././. : :./7ー+-∨.: :|: : : : : :＼ やる夫のお友達なんでしょ？
. ／. : : :/. :i. : :/ ,′ | |: : :|.: : : : :∧ ﾍ
. /.: : : : :/. : ,|.-/‐ｆ ｜ Ｌ_:/.: : : : : :∧ :| 席に着きなよ
′: : :, 7: : :/!/ ｜ ; ! /＼.: : : : : :∧|
i.: : ／| | : :/｜ / j/ '. : : : : : !: : :∧
| :/ ｜| :/ '.、 =ｧｋ |.: : :|: : |.: : : ∧
|/ .| ∨}vドミｧ んf汽: : ﾊ.: ,＼ : : N
∨/. :| 辷ｿ;ｵ: /¨∨. : :＼:|
. / : : ヽ､ Tｰ､ ｀´ |/､__ノ : : : | ﾞ
厶-−,ニぇ､¨´_.. -r=くり＼: l＼: :|
／ ｒ! ／ ￣ ｀ヽ、ヽ!
〈. rfYﾞ', _ / / _. ﾍ
l.ｆ{ { l '. V. '⌒)､ , '´ |｣
ハ. '. '´／ﾌ,／ /
_厶-ﾍ. l ／ー- 、 ′
〈 >､ ヽ ' ＼|
. } ／ ＼ ＼、 〉
_ ‐"´￣ ヽ／ ヽ
,. ,'"'´ ／￣ メ ｀ヽ ＼
／／ ／/ /| , -､ ヽ
/ / ／ / ∧|/ヽ ヽ ヽ
/〃 / / /〃 |ヽ| ∧ハ ∧ ﾊ
/ ,' / / / /〃/ | l 「｀ﾞ￣ｊ ハ ∧｀ }
,' '/ l l /〃/ |/l { ｊ ハ ∨}
| |l | | 〃/ｲ | | |八 _ ,,. 孑＜ｌ |l }ﾆ ‐ ､ 君の才覚は私もよく知っているよ
Ⅵ /| ｌフ/干〒ミﾐ､ﾝ/イｧ元タｲ l| |l ﾘ::::｀ヽ､＼
∨l | ∨|ゼ芹ﾃ､ ! ｀￣ | //ﾚ′:::::::::::＼ヽ
／ノ| |ヽ＼＼ l ノｲ/::::::::::::::::::::::::ﾊ }
//::::::::＼ミ＼｀ヽ i ｶ{｛::::::::::::::::::::::::::/ﾘ 君ならば、皆大歓迎だ
//::::::::::::::::｀Yfﾍ）ﾉ ' / ﾊ!::::::::::::::::::::::://
| ｌ::::::::::::::::::::::乂ﾊ＼ ‐=二. -＾´./ |ﾘ:::::::::::::::::::::::://
|〔::::::::::::::::::::::::::::｀', ｀ヽ. / _|r‐､::::::::::::::,.ｲノ,′
| l::::::::::::::::::::::::／ヌ,＿_ ヽ--‐'_r'"´ く:::::::::;.ｲ／:::|
| l::::::::::::::::::::_冫-/ r└‐ア´ /:|:. _二-┴／／::/|:::!
|l l:::::::::::::::::/ {. / /:.:／:/ :{:/／ / ,〈:::::::| |:::{
|::l l:::::::::::;/ V /: ´ / .:|′___ / /:::::::::::{ {:::;≧､__
,,|::::l l:::rイ人 /{ {: / :|￣ _ / /::∧:::::: ∨{ ､ _ ￣"''‐- ､､,,＿
,,..､､､ --─'''''"´ ]:::}}Ⅳ ハ / ｛:. / :|~￣ / /:::::Vﾍ:::::::::/丶 ､,,_｀ " '''' …‐ - ￣ ニ ﾆ＝ヽ
´_ ___,,,...､､ -‐''"´ |:::}}ﾍV ｛ '､ { .:|ｰ／/ /::::::::::Vﾍ:::/ ￣/"''''' …─ - - ---r┘
やらない夫は、最後にやる夫を見つめた。
,,．: ''''""~""'''‐．.
／ ＼
／ ＼ ／ ＼ やらない夫ならきっと大丈夫だお！
/ ( ● ) (●) ｀､
./ ／ ＼ ', 諸侯の席に座るとべきなんだお！！
i （ 人 ） ',
! ｀ﾞi´il||i｀ﾞ''''i´ |
＼ |ｺココラ ,.'
> ￣￣ ／
／ -----‐‐‐'''"~ ＼
／´￣￣ ￣￣｀＼
／.: : : : ＼
/: : : : : ',
|: : : : :| ……わかっただろ。
| : : : :.._ _ :|
|:: : ´⌒＼,, ;、､､／⌒｀_ :|
|::::;;; （ ● ） ﾉヽ （ ● ） ;;:::| 大役に負けないよう、粉骨砕身で働かせてもらうだろ！！
|: : : ´"''", "''"´ :l
',: : . . （ j ） ./
i: : : : .｀ｰ-‐´｀ｰ-‐′ /
',: : : : : : .. /
ｲ{ゝ: : : : : : :. イ ::}､
,.．/.:::::.. ｀`ｰ- -‐'"´ ..::::::::/| ＼
／ ∧::::::::::::::＞､r‐'".:::::::::::::::::/ l| ＼
イ | '::::::::::/￣￣ヽ:::::::::::::::::/ | }丶、
,. '" / | ヽ::∧ /＼::::::／ 丿 ! ｀ 、
こうして、
十八鎮諸侯は結集し、反董卓同盟へと脱皮した。
彼らは司隷の東側から包囲するようにして帝都・洛陽へと挑む。
進軍を続ける彼らを拒むのは――
司隷が誇る一つの関と、董卓軍が誇る一人の猛将であった。
●補足 【曹操の董卓暗殺】
い ,ノ ＼ ）
. ゝ ｰ-‐' ヽ / ` ｰ ' ノ 演義では有名な、曹操による董卓暗殺未遂事件。
, ´￣￣￣ 厂￣￣￣￣￣{￣￣￣ミｘ
. （（ f´ ⌒⌒ ｀ヽ ）） じつは魏書『太祖伝』には載っていません。
` ｰ-=ニ（ (´ ､__,､__,ノ 丿 ）―=彡' ﾎﾞﾝｯ 後に王允がある人物を使って
.／ ＠ .＞＝┘ ｀ 董卓の暗殺を試みるのですが、
/三三／ `（ ＼ ＼ おそらく羅貫中は、その話を曹操にも適応したのでしょう。
/ / / ＼ ＼、 ヽ .
ｉ: / ` ＝ミ、 なんと言っても、三国志演義は蜀漢を正統とする
｝ . //////// ﾄ } 物語ですから、曹操の名誉が損なわれる記述が意図的に、
} 八 ( u cっ ﾉ , 演義全体に、数多く散りばめられているのです。
乂 ≧-≧/⌒! -‐i⌒ヽｲ
⌒.≦./ ＼ｊ.〈〉 |_／}
●補足 【曹操の董卓暗殺】 終わり
●補足 【曹操殺呂伯奢】
_(⌒ヽ'⌒ヽ ﾌﾟﾝｽｶ
（ ﾉ (⌒'´￣｀ヽ 呂伯奢は、曹操の父・曹嵩の義兄弟です。
｀ ｰ＼ `く （ ）
`ー/ /ｰ 董卓の暗殺に失敗した曹操は故郷へ逃げ帰るのですが、
＜三三三|‐-ミ その途中に呂伯奢宅に立ち寄りました。
.／ ＠ .＞＝┘ ｀ そこで呂伯奢の家族を含めて、皆殺しにしてしまう、
/三三／ `（ ＼ ＼ というエピソードです。
/ / / ＼ ＼、 ヽ .
/⌒i ./ ､_ .` ＝ミ、 王沈の『魏書』（正史の魏書とは別物）では、
.「￣ 7. ○ ＿ ○ ﾄ } 呂伯奢の息子達による襲撃に対する正当防衛。
.|――{ ( ＃ (＿ｿ .ﾉ , 『世語』では、呂伯奢の裏切りを心配した曹操による一方的な虐殺。
＼.......` .≧=‐- -‐=≦イ/ 異同雑語では、豚を捌くために包丁を研ぐ音を、剣を研ぐ音と
＼..........y }! 〈〉:i{Ｋ....ノ 勘違いしたという、自己的な過剰防衛。
( ⌒ ⌒ ）
（､ , ,） 以上の三つの説があります。
|| |‘
＜三三三|‐-ミ 本当に曹操が呂伯奢なる人物を殺したのか？
.／ ＠ .＞＝┘ ｀
/三三／ `（ ＼ ＼ これはおそらくは、創作のエピソードです。
/ / / ＼ ＼、 ヽ . 何故かと言えば、もし仮に史実だったとして、虐殺したという
ｉ: / _., ` ＝ミ、 記述そのものがおかしいからです。
｝ 0 0 ﾄ }
} 八 ( xwx )- xwﾉ , いずれの説でも、曹操は家人を皆殺しにしているそうです。
乂 ≧-≧=‐- -‐=≦イ 曹操が自分から「俺、オヤジの義兄弟虐殺しちゃったＺＥ」
⌒.≦ y }! 〈〉:i{Ｋ と言いふらすとは思えません。
f´￣｀丶、
,Ｘ´￣｀丶 となると、作者はどーやって曹操が呂伯奢の家族を皆殺しにに
. （ ＼_ ） したと知ったのでしょうか？
`ｘ‐‐ ､￣
. 〈 ヽ、_) ……このように、演義では曹操の正統性を徹底して否定するため、
ヽ、 この種の曹操が行う残虐なエピソードが数多く挿入されています。
＜三三三|‐-ミ
.／ ＠ .＞＝┘ ｀
/三三／ `（ ＼ ＼ できる限り、それらのエピソードを拾い集め、事実なものは事実、
/ / / ＼ ＼、 ヽ . 創造と思われるものは創造、と分析して行こうと思います。
ｉ: / ` ＝ミ、
｝ . ― ― ﾄ } これは劉備ヨイショ・エピソードも例外ではありません。
} 八 ( ３ ﾉ ,
乂 ≧-≧=‐- -‐=≦イ このスレは読者が演義と正史の両方を取り入れた、
⌒.≦ y }! 〈〉:i{Ｋ 一粒で二度おいしい仕様を目指しているのです。
●補足 【曹操殺呂伯奢】 終わり
●補足 【十八鎮諸侯同盟】
_ ≦三ﾆl
Ｖ/z≦三}_ 十八鎮諸侯とは、「十八の地方の諸侯」という意味です。
(`Ｙ ) ／ ＼
V .: / ヽ 彼らだけで、益州を除く後漢のほぼ全土が占められているそうです。
/ { 、
/＼(＼ `（ | ただし、これは演義のみの設定なのです。
_ . -: :¨￣ :|! ヽ、＼ ¨¨¨Ｙ |
/ : : : : _ -=八 |. ⌒` ＜ | .: あんまり話しちゃうとネタバレになっちゃうので、反董卓同盟と董卓の
{-=: : :￣: : : : ∧ :､ f^Ｙ .′ / 争いが一段落ついたところで、改めて解説を入れさせていただきます。
∨:/ : : : : : : / :∧ ≧....⌒ヽ / /
∨: : : : : : : : :/_...⌒..............／ ' ^く 今後、ますます 【演義】 と 【正史】 で話が乖離してきます。
|￣￣/,-.................._...-........./,
r| /,......._ - ¨ |................../,
.／ ＠ .＞＝┘ ｀
/三三／ `（ ＼ ＼ 今までのように、適宜その個所で解説を入れるか、
/ / / ＼ ＼、 ヽ . 今回の前編のように、一つの事件が終わってから解説を入れるのか……
ｉ: / ` ＝ミ、
｝ . ＝ ＝ ﾄ } 時には、「実はこんなの嘘っぱちです」 とか
} 八 ( /⌒Y^ヽ.ﾉ ., 「実はこの時、この武将は、この戦場にはいませんでした」 とかが、
乂 ≧-≧=/＼ ∧ ／ヽｲ かなーり出てきちゃうのです。
⌒≦ y/＼ > く ／.ｊ （ 直近の例では次回から ）
.／ ＠ .＞＝┘ ｀ よりダイナミックで面白い方を選択します。
/三三／ `（ ＼ ＼
/ / / ＼ ＼、 ヽ . また、正史と演義を融合させたりもしますので、
ｉ: / ` ＝ミ、 演義のみ、正史のみという展開は少ないと思います。
｝ . ＝ ＝ ﾄ } （要するに、演義と正史を足して二で割る）
} 八 ( ー .ﾉ , そうする理由は簡単です。
乂 ≧-≧=‐-/⌒Ｙ⌒ヽｲ ……だって、赤壁の戦いがない 『三国志』 なんてイヤでしょう？
⌒.≦ y }!/＼ ｊ ／}
●補足 【十八鎮諸侯同盟】 終わり
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ ┃
┃ 【正史】やる夫たちは中原で覇を争うようです【演義】.┃
┃ 第一部 『群雄争覇』 ..┃
┃ ┃
┃ 第二話 「十八鎮諸侯同盟」 後編 . ┃
┃ 終わり ┃
┃ ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
┌──────────────────┐
│. → 次回、第一部 第三話 「三英戦呂布」,│
└──────────────────┘
f^Yl ＼/ .fＹ´） 今回の投下はここまでです。
＼| |／ 前回よりもまた長く、３０９レスとなっております。
' .ここまでお付き合いいただき、ほんとうに
＜三三三|‐-ミ ありがとうございます！
.／ ＠ .＞＝┘ ｀
/三三／ `（ ＼ ＼ ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
/ / / ＼ ＼、 ヽ . :|!¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨| 合いの手を見るたびに、
i / ` ＝ミ､ |! | 画面を見ながら珪孔雀は
｝ . ＝ ＝ ﾄ } |! | ニヤニヤしております。
} 八 ( （_ソ .ﾉ |! |
.乂 ≧-≧=‐-/⌒Ｙ⌒ヽｲ |! | 今回もクッソ長い字の文のスレを
⌒.≦ y }!/＼ ｊ ／} :|!＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿| 読破した方、非常にお疲れ様でした。
￣￣￣￣￣￣Ｑ〔三三三三三三〕 ｊ 〔
(＿＿＿＿ｆ＝＝＝＝＝＝＝＝1 次回の投下は来週末（１６日前後）を予定しています。
.／ ＠ .＞＝┘ ｀ ●お詫び
/三三／ `（ ＼ ＼
/ / / ＼ ＼、 ヽ .
ｉ: / ` ＝ミ、 本日の投下、実は最後の補足部分の十スレほどは
｝ . 0 0 ﾄ } 投下しながら必死こいて作ってました。
} 八 ( ､_,､_, ﾉ ,
乂 ≧-≧=‐- -‐=≦イ そのせいでペースがバラバラになってしまい、
⌒.≦ y }! 〈〉:i{Ｋ リアルタイムで読んでくれた読者さんには
./ ./.}! ∧ :ｉ{ :. 迷惑をかけてしまったかもです。
, ＿ / ,}!. ∨ :ｉ{ _ ｊ
{＿_/∞j{' ./∧ :ｉ{ } 申し訳ありませんでした。
.（__,ﾉ∞j{' Ｖ / ｉ{ ノ
{ ∞,j{' o .ｉ{!
ーｰ＝＝＝＝' 珪孔雀
＿ノ ﾉ
⌒ ｰ 、 ／
｀ ¨¨ ´
大前提として作者さんがやりやすい・楽しい方を優先という事を念頭に置きつつ
30秒未満の投下ペースなら史実ｶﾞｰ演技ｶﾞｰ言う野暮な方々も
書き込みし辛いと思うので
補足や解説はお話が一区切りした所で入るのが個人的には好みかな
ちょくちょく補足とか入ると物語への没入感が削がれちゃう
中国では嫌われ者の曹操も、何故か日本では人気あるよね
そういった「刷り込み」が無いせいなのかしら？ｗ
これは日本人の俺もよく分からないけど
このスレの呂布はかっこよくなりそうだけどね
乙乙
今回も面白かった！
既読作品の隙間を突くエピソードがいいですね
スレの埋めネタを投下します。
是非、お越しくださいな
/ , :f ヽ 時間となりました。
l _/ 八 (
v /¨ `＜ ＼ 投下を開始します。
i: |.ｆ.:ｊ f.:jＹ ; | ｌ
八人'' . 'ノィ ノ／
`⌒≧=≦ア≦ だいたい６０レス程度ですので、
f/...j⌒ー^j(....Ⅶ、 ビール飲みながら、
v...j( 〈〉 j(..........Ｖ,_ エビのから揚げでもつまみながら、
｛ﾉ..j( 〈〉 .j(......､....ヽト 、 気楽にごらんくださいな
,..-く￣＼.,j( 〈〉 .,j(...........､......ミＸ.ｊ、_
}ノ ゝ |( 〈〉 j(. .∞..∧...............} .|
⌒＾L . j(.〈〉 .j(.....∞ ....ｌ.........／ /
,:.j(.〈〉 :j(......∞.... ヒ二彡彳
/,j(〈〉 :j(.................{ `ー'
}.}L＿＿＿;j(.................l
乂⌒＿ー )､￣`¨ーノ
●埋めネタ 【三国志平話】
ヘ
／ ｊ -━=＝ミ
/ ／ ＼ どうも、珪孔雀です。
/ ／ .
l＿＿/ .: おかげさまで、初やる夫スレも二スレ目に突入しようとしています。
′ / ,/ （
/( ＼ そこで、読者の皆様には感謝の意を込めて、
/⌒` ＿ ≧-＝彡' ちょっとした小話を乗せようと思います。
f斧芹 f斧芹 |
.|! 乂_り . 乂_りV
八 ' .: 八 j どうして乱世に三人の英傑（曹操・劉備・孫権）が同時代に現れたのか、
. `ﾄ r . _ ノ ／ . 気になる方も多いはず。この三人、バラバラな時代に生まれていれば、
＼ .＞- -= r 〔 ／ それぞれが天下を手中にできたハズの才覚を秘めているのに。
/ ⌒..ｆ......|! ≧ー＜ ` ＜个⌒ヽ
,:............|......|! ∧ |!..... |..........ｌ 実は、これには抗いようのない理由があったのです。
.............. |......|! ∨ |!..... |..........|
>>1こと珪孔雀
―― 光武帝・劉秀の御代。
それが正確にはいつの出来事かは、史書には明らかになっていません。
あるところに、一人の書生がいました。
その青年は真面目で実直、書物をこよなく愛す才人でした。
, -‐ ――- 、
,.ィ仭ｨ,ｲ州ﾑﾑﾏﾑ.､､｀ヽ､
≧ﾁ州'/州ﾘi州l-l|lﾊﾂﾘ.|l li li, ､ヽ、
ｨ仭lﾚ'ｲiｌ,州ilｲ'ﾘ＿' ヽ`ﾘ仭l|l l,|li li,ﾏﾑ 『 人間ってのはどうして 』
,.ｲ州仭il|.|! 'l!イ'´7ﾃﾓ､//州lﾘ州|li.!川ﾑ
./ｲ州州lリ|! ﾋﾑｲ/〃州ﾘ州州!|l|i州l 『 女子のパンツのことを 』
/,仭'|ﾊill´ ,州'仭州|lｉ,州州
.lﾘ' .l!.!ｌ,| ,ｲﾘｲ.lﾘ ﾚｲﾄ,ﾄl州lﾘ 『 パンティーって言うんだろう？ 』
州i! 仁ﾆ=‐'´ ,〃 , ＜',うﾉ州ｿ′
/ | .／ , --- イ州州ﾐﾄ､
.| , -‐ '´ |州|洲ﾄヽ、
ヽ≦_ ´ 〃 ＿'|ﾘ_!_ヾ! 『 最初にパンティーって言いだしたヤツは 』
｀V ,ﾑイ´￣￣￣￣!`＿ 『 比類なき人類の天才だ。ダ・ヴィンチなんか
/ヽ、〉ィ " ,ィ仁三二Z二三三 比較にならないね』
| .|´ ,ィ仁ﾆ三ヲ仭州洲州l州
ﾉ ! l|州州|lｱ,ｲ州洲州州洲州
●司馬仲相（仲相が字。代役は球磨川）
(ヽ、００ ∩
⊂ニ、ﾆ⊃ ⊂ ⊃
,, -‐- ＼ | |／⌒ヽ
（ ⊂ニニ / ／⌒) ） (ヽ、００ ∩
｀ｰ――'′ し∪ （ノ ⊂ニ、ﾆ⊃ ⊂ ⊃
／￣ー―‐ 、 ,, -‐- ＼ | |／⌒ヽ 〇 〇
:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ （ ⊂ニニ / ／⌒) ）
:::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ ｀ｰ――'′ し∪ （ノ
:::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ::::i ., -―- 、 ___
:::::::::::::::::::_＿_ノ､/〉' ／::::::::::::::::::て/::_:::ヽ
:::::::::::::::/ u て;/7 /::::::::::::::::::;ｧ､､:::「ｪ ヽ::〉 __
::::::::::::/ /〈 i::::::::r､::／=ﾐ ｀く.u J／:::::::::＼
:::::::::::j u ､ ´_}ヽ.|::::::iｵ/u ﾆi < iヽｧ/:::::r----J .r:´二ﾆヽ
::::::::::i （二７´_.L., ､ハ 〉 _ _ﾏ/ﾝ::::r ' ;tr /;j i::/r-､r-| r一ー､
::::::::::|、 .r ' c ／､:.:.:ヽ ヽ ｰ」: : : : ii ヽu.___､/ ＿ん' ｀´ム.' |:::r―┤
:::::::::／￣ ´」ｰ／:.:.:.:.＼:.:.＼＼__j: : : : : ヽ ヽフ｀ヽ´ | | ヽ'ｰン､ _/ﾊu.'_' |
i:i i:::i:iヽi ´ !':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.',:.:i: : : : : : : :「=| : : : |: ! ７!｀:´|< ７ﾏ.ヽー'
↑
司馬仲相の独り言を聞いていたみなさん
司馬仲相はどこまで見識深い男なんだ！！
r―=＝二￣｀ヽ
>‐-_'´ u V:::::|
r―-―=＝ 、 , ' r-- ､ }:::::|
アー-'^⌒}:::::! （ ' } 「r､:::| たしかに！
/ u 〉:::| > i} ﾘ |ヒ}}: | パンツをパンティーと、最後の文字を
ヽ =＝ﾍ /-､::! ＿ __ ／ ｰ-u' |ン::: | 三段活用のように言い換えるだけで、
＿ rｧ__ ／ i }} |ヒ}!::| ＞ ^´ ヽ ∠__r=_`-ｲ丁ヽ.|ヽ:::::| 同じ物体のハズなのにエロティシズムが
＞::::^':::::::::'. / =u彡 |ン::::| イ/⌒く | ､---ヾエヱ二」 ! ＼|r 何十倍にも跳ね上がる！！
そ:／ヽ:::::_::! ｀1工エｴﾊ ./＼:: 「｀ヽ .> i う ヒ}l <r ､V^ｰ ´｀ー '_| ／／
ハ｡＝Y{.）| _}-r‐:// ヽ＼ﾘ <_r-┬!ﾄ､|_ ∠≦ﾘ::} , イ ／／..... 『パンティー』と呼び始めたヤツも天才だが、
<.｀_^､/く:| Lー-ｲ/ ／/:.:.:.＼ f＝' j | ヽー-＜j /ｲ ＼/／.......... この事実に辿り着いた司馬仲相だって、
〉-- / ／＼ （＿,イ ／:.:./:.: |｀Y´|＼イ-､ l | /｀ヽ#＼ /................... 天才ぶりじゃ負けちゃいねえ……っ！！
ヽ__/／ ＼ （ ＼:.:.:.| | |:.::__| | K´ l ＼#Y=―- ､.........
＼ }-― 、 ＼r── `'┴┴r!（___ _ア´￣｀ヽ{ }/.................ヽ....
:.:.:.＼/ } }`ー―― ､ ､‐':.:.:.:.:.} , ＜｀ヽ '._/ /............................
:.:.:.:.:.:V __/ :.Y´￣￣￣ >:.:/:./ /＼ } } ◯./..◯...................../
:.:.:.:.:.:.:Vノ. ￣｀Y:.:.| （￣￣￣￣:.:/:.:/ .|:.:.:.:.> ／ / .}............................/
:.:.:.:.:.:.:.:.', ＼. ヽ_人.人 ￣￣￣￣）:.:(__,.ｨ__j:.:／（__／ ,イ...............／....../
:.:.:.:.:.:.:.:.:.'. ヽ_ＶＬ イ:.:.:.:.:￣「￣「￣:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.／ |:.＼／ j--―..´........../
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.V"´ ヽー--}ヽ ＼:.:.:.:.:.:.＼／ j:.:.:.:＼/........................./
, -
,ィ≦zzzzzzz- ､
,-=ﾃミ州川州仭lliﾏﾑliﾏﾑ､
,ｲ//州州l.|liﾊ州l州ﾏlﾘi.li liﾑ、
,州ﾘ州|ｌ|ｉﾊﾏﾘ￣州州l,ﾏ州l.ll.liﾏﾆ=‐ 『 おいおい 』
l州ﾘ州.|州' ＿_ ､ ﾏﾘ li|lﾊ|il||li,ﾏﾑ、 『 やめてくれよ 』 『 僕はそんなんじゃあない 』
l州州州ｌ|li|!〃'ﾊミﾄｌ. ` _, 州|liliﾊ
,!州ｲ州|l|i|i!' ﾐ!. Vリ .ｲﾐ､州li|ﾄﾄ!
ｲｲ!ｲ>|ﾘ.ﾏl|! } リﾘ州|l| 『 ただの健全な 』
' .ﾄ､ヽ-､ ヾ ,＿ / ｲlil ﾘ|! 『 男子の書生さ 』
州lｌ¬ 、 |::::::｀! ./lヾ ﾘ
' '.ﾘ .ヽ.、 ヾ- ' ／
r―┴―‐- ､≧ ､__,イ
,ﾉ7777777=ｚz,､_｀`ヽ＿
,.イ'//////////////] l ,､,! 『 ただちょっと 』
,ｲ/////////////////,| !.ﾊ| 『 他人より女子の下着に 』
/////////////////////(⌒)ﾐﾐ,､_ 『 惚れ込んでるだけなんだぜ 』
//////,ﾊﾏ//////////////77////,≧ｚ､_
////////,ﾊﾏ////////////////////////,≧ｚ､
//////////ﾊﾏ///////////////,r‐､///////ｲハ
,⊆) . . _ｎ_,.、 _ｎ_,.、 . _ｎ_,.、 ∩ ∩
.└っ ） =｢l=ヽ> =｢l=ヽ>└i rﾍ〉 └i rﾍ〉 =｢l=ヽ>└i rﾍ〉 <⌒ ｰ- '＾> ∪ ∪
. └‐' (｣｣）） (｣｣）） （才Ｐ_） （才Ｐ_） (｣｣）） （才Ｐ_） `⌒ ー'´ ｏ ｏ
,rrテ≡＝
,r=ヽ、 r';;;:;:;;:::;;;;;;;;;;;;ヽ、.（〃彡三ミ
. ,r=ヽ、 j｡ ｡ﾞLﾞi rﾆ二`ヽ. Y",,..、ｰt;;;;;;;;;;;）./"~´ i 誰がそう判断したって天才なのに！
. j｡ ｡ﾞLﾞi......r-=、 l≦ ﾉ6)＿ l_,.､ヾ;r､ﾞt lｦ '・= ）;;;;;;;;{ f:､ ‐-:、 (
.r-=、 l≦ ﾉ6)＿｀ﾞゝヽ、`ｰ! ﾉ::::::｀ヽ､ L､ﾟﾞ tﾉ`ｿﾞ`ｰ ﾞiｰ' ｱ::::::/.ﾉﾟｦ ''・= それを歯牙にもかけず謙遜してみせる！
.｀ﾞゝヽ、`.rfﾆ､ヽ. にｰ `ヾヽ'":::::::::::: ｨ"^ﾞiﾌ _,,ﾉ , ﾞtﾌ ヾ;;;/ .l (-､ヽ'" ﾞ'
. にｰ `...l｡ ｡ f9i ,.、 ｀~iヽ､. ｀~`''"´ ﾞt （,,￣, frﾉ ゝ-‐―イーlｨｰ-､
.,.、 ｀~i t≦_ﾉゝ､..ヽ、__l::::ヽ｀iー- '''"..ﾞ,,....,,,,__. ,/ / t_ﾞﾞ _,,.. :: "
.ゝヽ、__l::::.｀フﾞ´,,:: -- ::､ ::::,->ヽi''"´ﾞ,r''"''''''ヽ:::｀ヽﾞ‐ﾃ-/ i ｀ﾕﾞ" この男こそ、真の天才！！
.W..,,」:::::::ﾞ,rﾆｭf::r-‐t::::::::ヽ.ミ__ｨ'{-...f´,,..、 r"::::::::::i. ,/｀ヽl : :` : : ,.r‐(´::::〉 ,.ｨ
. ￣r＝./,,, Y.. -‐ ヾ::::::::l ／ f´.ノﾞ f･= 7:::::::::::lﾞ''" ,:ｲ`i : : ,f´:::,::ヽfﾄ--テ:::::::
. lﾐ､.ﾞﾑﾟﾞﾞ' く､'ﾟ` ﾞ'"):::l.ﾞil l..ヽ'' ﾞ'⌒ﾘ:ﾉ ,:rﾆテ三ミゝ、::::::ゝ!r7/ｰ一'
. ! l=,,;;:. l=､ ..::" ,)ヽ、. l j⌒ ﾄ'"fノ ,r"彡彡三ﾐミ｀ヽ、ﾞ/://:::::::::::::
l. ／`ゝ-''^ヽ''" ,/: : : :＼..ﾞl...ヽ、: : : '" ノ^i, ﾞゞ''"´ ﾞifrﾐソﾍ, ://::::::::::::::: 俺たちみんなでこの大天才を
/rf´ i′ ,f^ヽノ:,. - - 、 ヽ,,. -ﾃ） ,／ ｀ヽ:,i ,,.,...、 ヾミく::::::l.ﾞ/:::::::::::::::::: 祝福してやろうじゃねえか！！
. r'": ﾞ'ﾞ l l: : j :f´: : : : : ヽ,/ '''"´ ,,.: - lｦ ｪ｡､ 〉:,r-､::ﾘ.ﾞ::::::::::::::::::::
. ｀￣´... ! /: :ﾉ l: : : : : : : ノ, ,:'" / ,, 、 '"fっ)ﾉ::l..'::::::::::::::::::::::
/-‐-/: :/: l: : : : : : ,/ / / `i- ､ヽ ,.:ﾞ''" )'^`''ｰ- :、
. _,,..::-,テ /`7: :（: : : : : //'´ミ)ゝ^) 〃 i､ヲﾞi .:" ,,. /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀ﾞ
｀_,:ｨ''" _,r''" f: : :ト---ヲ ﾄ､つノ,ノ fﾉ ﾉﾞi ,,.:ｨ'" /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
-‐-‐'''フ" ,.ﾉ,:::::」､,:r'" i _,,.:イ / ,r''";;;;;;｀ﾞﾞ" ヽ_,,ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
､..､く´＿,,∠"ｨ''"´ ／ ,ヽ ﾞ:､ /＼、 /;;;;;;;;;;;;;;;;;r-'"´｀i,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
´ ,ﾍr:､-､=---／ ,:ｲ ヽ ＼ ｀ヽ〃_;;;;;;;;;;;;f´' ll;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
ｰフ´ > ヽ`ｰ､／ ／く _,,..ヽ ヽ ,／ ｀ﾞ''ーハ. l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
／ ／ ,,ゝヽ, ） ,.／ ｨ'" ﾞt `' ／^t;＼ ,,.ゝ;;;;;;;;;;;;;;;i;;;;;;;;;;;;
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_） （_
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_） （_
） （.
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y .
キャー！ ワー！
ワー！ ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ
ウォー！
MVvvMvyvMVvvMvyvMVvv、MVvvMvyvMVvvMvyvMVvvMVvvMvyvMVvvMvyvMVvv、MVvvMvyvMVv
Λ＿ﾍ＾−＾Λ＿ﾍ＾−＾Λ＿ﾍ＾Λ＿ﾍΛ＿ﾍ＾−＾Λ＿ﾍ＾−＾Λ＿ﾍ＾Λ＿ﾍヘ ＿,.ヘ ,.ヘ ヘ ＿,.ヘ ,.ヘ
ﾍ＿＿Λ ﾍ＿＿Λ ﾍ＿＿Λ ﾍ＿＿Λﾍ＿＿Λ ﾍ＿＿Λ ﾍ＿＿Λ ﾍ＿＿Λヘ ＿,.ヘ ,.ヘ ヘ ＿,.ヘ ,.
ﾍ＿＿Λ ﾍ＿＿Λ ﾍ＿＿Λ ﾍ＿＿Λ＿＿,/ヽ＿ /ヽ＿＿,.ヘ /ヽ＿＿,.ヘ ＿,.ヘ ,.ヘ ヘ ＿,.ヘ ,.ヘ
/＼＿＿_／ヽ /＼＿＿＿ /＼＿＿_／ヽ _／ヽ /＼＿＿_／ヽ /＼＿＿_／ヽ /＼＿＿＿ /＼＿
／ ＼／ ／ ＼ ／ ＼ ／ ＼ ／ ＼
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＼ ／＼ ＼ ／ ＼ ／ ＼ ／ ＼ ／
／｀ー‐--‐‐―´＼ ／｀ー‐- ／｀ー‐--‐‐―´＼ ／｀ー‐--‐‐―´ ／｀ー‐--‐‐―´＼ ／｀ー‐--‐‐―´＼
_,ィ=‐
,イ"＿＿＿＿_
＿,ｲ州'.,ｲﾘ',ｲﾘl!〃〃圭ミﾄ,､ 『 ま 』
ｚチ///,ﾘ'州ﾉ/ﾘ'.il|.il!〃州',ｲ州圭ﾄ､ ﾏｲﾅｽ
|州ﾘ〃i ,州li州i!.il|.il 州!,ﾘ,ﾘ!.i!i!.lil!i |ﾄミｉ､＿ 『 どこまでも〝過負荷〟な僕だけれど 』
|州!.l!,ﾘﾉ州li州! il|.li|州.州ﾘ|.i!.|!.lil!.l.li 圭=-､
|州.ﾘ,ﾘ州州州!州.l州li州l! |li!.|! lilｉ.l.ll i.ミﾆ=､ 『 どんなことであれ 』
|州州州州州l 州 l州l.i!il! lﾊil|iｌ'lil |lil li li 『 それが例えエロの才能でさえ 』
|州州州州ﾘｲﾘﾊ|ｉ.l州! l!￣l.Ⅶ_l!l.州l lliﾑ 『 褒められるのは悪い気がしないかな』
|州州州州'ｲハ!.lﾊli|.l| ｀ﾘ.`l州州ﾄﾄﾐl
|州州州州li〈 ( l Ⅶ.l!. .、 , .州ﾊﾄli| ` ヽ
|州州州州iﾍ`'´ l! ヽミ{. ｌ i! ヽ.i!
|州州ilｲlilﾊ! `i! `. V
|ﾊiﾘlﾊ!.' i! l.|! 、 ,:′ ,ｨﾆ ￣￣ ﾆli
|__l!＿＿ l.lﾊ ヽ> ,ノ }三 =ﾆ{
|＿＿ ｀＞､.l:| ヽ、 ,.:′ }三ﾆ= 三{
|三三三＞､ ＞､./｀ヽ、_,:′ ﾉヽﾆ 三i{
l三三三三三＞ｘ､＞ｘ / /ﾆ=＿＿__ﾆ{
三三三三≧=-ミ'//,!./ / ｨ‐'´￣ ｀ｰ-､
'/////,イ三三三三二ミ､ / ー――/ｰ′
///,ｲ//////三三三三二ﾐ､ ', -‐イ
'ｉ〃//////ｲ///////////| i ／
,{l//////〃//////////,li| ｣＿_ ,／
,'l∧V//,.i!///////////,lii|、 r==!=ミ、｀ヽr′
/{!∧V//ﾐﾐﾆ=ミ二ﾐﾄﾆ//ｌi|l! l///////＞/
///∧Vﾑﾄﾐﾐ､≧ｘ､二ﾆ=ｲｌ|ﾑ ﾙ'/////////＞,､_
////∧Vﾊl///＞ﾐﾄ､二=チﾊﾊ ,'//////////O'///
/////∧∨!l/////＞ｘ＞=l//ハ、 ,'//////////O'/〃
//////∧Ⅵ!////////＞ｘ//∧,V//////////////
―― 一方、所変わって天界（！？）
.ﾄ│|、 |
. {､l ､ﾄ! ＼ / ,ﾍ |
i. ﾞ､ iヽ ／ / / ヽ │ ……いつまでこの裁判は長引くんだ！？
. ｌヽﾐ ゝ`‐､_ ＿_,. ‐´ ／ ,.ｲ ＼ ヽ |
`‐､ヽ.ゝ、_ ＿,,.. ‐'´ ／/l , ‐'´, ‐'`‐､＼ |
ヽ､.三 ﾐﾆ､＿ ＿＿＿ _,. ‐'´／/-─==＝＝=-､ヾ ／ヽ
,.‐'´ `''‐- ､._ヽ /.i ∠,. -─;==:- ､ゝ‐;----// ヾ.､
[ |､! /'￣r' ゝ}二. {`´ '´＿_ （__）,. |.r-'‐┬‐l l⌒ | }
ﾞl |｀} ..:ヽ--ﾞ‐´ﾘ￣ヽd､ '''' ￣￣ |l !ﾆ! !⌒ //
. i.! l .::::: ｿ;;:.. ヽ､._ _,ノ' ゞ）ノ./
｀ ｰ＝=--‐'´(__,. ..、 ￣￣￣ i／‐'／
i .:::ﾄ､ ￣ ´ ∪ l､_／::|
! |: |
ヽ ｰ‐=======‐- .!:: ト､
ヽ ､＿＿,,.. /:;;: .!; ＼
ヽ ::::::::::: ／:::;;:: ／ l
●天帝（！？ ……配役はキバヤシ）
ﾉ Ｌ＿＿＿_
⌒ ＼ ／ ＼ だから何遍も言わせるんじゃねーお！？
／ （○） （○）＼ そこの劉邦ってオッサンはやる夫を使うだけ扱き使っといて、
／ （__人__） ＼ いらなくなったら罠に嵌めてやる夫のことを殺したんだお！！
| |::::::| |
＼ l;;;;;;l ／l!| ! それどころか！ やる夫を塩漬けにして他の諸侯に食わせたんだお！？
／ `ｰ' ＼ |i ＿ _
／ ヽ !l ヽi | l [l] |￣| /l | |
（ 丶- 、 しＥ |そ | 二l ￣/ [][]∧.|_|
`ー､＿ﾉ \xAD堯\xA1l､Ｅ ﾉ < |__| |￣／ <_/ <>
ﾚY^Ｖ^ヽｌ ￣
●彭越（代役はやる夫）
＿＿
／ . ＼ 劉邦の野郎！
／._ノ三ﾆヽ、＼
| （⑪）（⑪） .｜ 俺がいなけりゃ、項籍（項羽）にぶっ殺されて、
. | （__人__）.. |「ｒｰ＿＿ヽヽ 天下なんか取れるはずがなかっただろ！！
| ｀ ⌒ | .＼ ＼┌ｰｚ＿_ ┐７
. ヽ , ィ==‐､/ /￣￣乙/ ／
ヽ ﾉ⌒) ∨/ ／￣￣／| なのに劉邦の野郎、俺を捉えて殺したどころか、
/ (_￣__／￣`く.＿ __∠ -┘｣ 親戚一同、三族に渡るまで殺しやがった！
| /〃 ＼ '" ＼ -┘
| ./¨＼ ＼,_ ｀`ヾ}
. 人''" ＼ ､__ ｀ ､_/ ﾉﾉ お陰で俺の家系は途絶えただろ！？
〈 " ＼ __.ヽ ヾ､._,)'´
／,ﾊ. ヽ. ､__｀ン{ 〃 恨み晴らさでおくべきかっ！
く / ∧ !､_ ｀'_,／
●韓信（代役はやらない夫）
.＿＿＿_
；／ ノ（ ＼； 僕なんて項籍様の元で猛将の名を欲しいままにしてたんですよ！？
；／ _ノ 三ヽ､_ ＼；
；／ノ（（ ｡ ）三（ ﾟ ）∪＼； なのに、あの男の甘い言葉に騙されて……！
；.| ⌒ ___'___ ノ（ |.； 妻も子供もなくしたのに、あの男は僕が反乱を企んでるとか適当なこと言って、
..；＼ u. . |++++| ⌒ ／； 僕を責め殺したんです！！ ゆぅるぅせぇなぁいぃぃいい……！！！
●英布（代役はできる夫）
`‐､ヽ.ゝ、_ ＿,,.. ‐'´ ／/l , ‐'´, ‐'`‐､＼ |
ヽ､.三 ﾐﾆ､＿ ＿＿＿ _,. ‐'´／/-─==＝＝=-､ヾ ／ヽ
,.‐' ヽ:::::::/ ゝ‐;----// ヾ.､ ……と被告は言っているが？
[ }二 |.r-'‐┬‐l l⌒ | }
ﾞl ﾘ￣ヽ |l:::::::::::!ﾆ! !⌒ //
. i ｿ;;:.. ヽ､._ _,ノ'::::::::::::::::::ゞ）ノ./
｀ ｰ＝=--‐'´(__,. ..、 ￣￣￣ :::::::::::::::i／‐'／
i::::::::::: .:::ﾄ､ ￣ ´ ::::::∪:::::l､_／::|
!:::::::::::: ::::::::::::::::::| ::::::::::|
ヽ::::::::::: --───-- ::::::::::::::::::!:::::::::::::ト､
v-､___,,,,,,,,..........r-----‐‐‐‐‐‐‐‐‐､
r'´ ""'''''"＼
（ _,,,, >
_|`''┘ ／`-､ ／ /
｝＼ / / ヘ ／ /＼ / やれやれだぜ……
_r' ﾞ'''┴＜/ｨ'⌒ヽ,,,,,,,,,,_____ 〃⌒ヽ//))) y
_| `ヽ,;;;ノ;;;;;;;;_,,____ '''‐-､,,＼;;;ノ/〉///
） /￣＼ ﾞ'''‐､,,_ﾞ'''‐､,,_ﾞ'''‐-､,,_ﾞ'''‐-､,,）//
/ /／ヽ、| _,,-''~_,,,,二＿,_‐､,,>∨/''‐-､ ~＼〕
/^ 〈 （ /（ |_,,,／ `ヽ､`ヾ､ッヾ､_ ゞｿ_,,,,_〕~＼ ヽ
| ＼＼ > _ , ,,二二 -'´ ﾉ_=;;-‐''（ ヽヾヽ、
,ノﾞ 〉､oノ| / |`='/ ）ﾉ ＼＼
r' / ' ::::::| / ,,_,,___| / 〃 ::::）
,ノﾞ /（ :::| ' ＼,::''"/`'‐‐‐（--- --- '´
_∠-‐'''""~￣~"~￣￣~`ヽ _,.......､_,.. /
/"~￣ _,-‐-,_,ｨ'⌒ヽ // ‐''''''-==-`/
〉 ./ ｛ | //＼ "''ｰ-‐''/
./ ｛ `-''' 人`-'''ノ :|:| ::::＼ r' /
| `''‐''´ `''''´ |:| :::::::ﾞ'''‐-､,,_＿/
"''ｰ-―― .:::|:|_________,,,;;:::::/ _＿,,,､､､､,,_
:::::::::::::::::: ／ /--‐‐''" ＿,,,,, /
::::::::::::::. ◯ ｝ /"~￣~￣￣ ::://
|/ .:::://
劉邦（字は承太郎）
ｨ彡三ﾐヽ ｀ヽ ! !. |
. 三彡'⌒ヾﾐヽ ｀ー. ｀ヽ |
. ヾ､ ' | もっと許せねーのは呂雉のババアだお！
. ＿ ｀ -ー――'⌒ |
三彡三ミﾐヽ | あのババア、やる夫たちを劉邦に悪く言って、
三彡' ヾ､ ＿ノ⌒ | やる夫たちを嵌めたんだお！！
｀ー ' ／￣￣ノ（ .|
,ｨ彡三ﾆﾐヽ ＿_ノ ／ _ノ ヽ､_ .| やる夫の肉を塩漬けにして配ったのも、
彡' ｀￣ ／ノ（●━━● | ババアだお！
＿ ＿＿ノ | ⌒ （.__人__）ノ（.|
,ｨ彡' ￣ ＼＿_ ｀⌒´ ⌒.|
ﾐ三彡' ／⌒ /￣￣￣￣（三)
ｨﾆ=- ' ヽ .（二)
,ｨ彡' ヽ |
＿＿
； ／ . （＼ ；
；／ ヽ,,,)ii(,,,ノ＼；
； | （｡ ）).(（ ゜） .| ； あのババアの作戦に引っかかって俺も殺されたんだ！！
； | （__人__） | ；
； .| iｌ´ |r┬-|｀ｌi } ；
； | !ｌ ヾｪｪｲ ｌ! } ；
； ヽ ノ（ / ；
； ﾉ ヽ ⌒／⌒ ヽ ' ,
； ／ ＼' ,
, ' / へ ＼' ,
； （ ヽγ⌒) | ＼ ＼' ,
￣￣￣＼＿＿／￣
／￣￣￣ ＼
ﾉし ﾞ＼, .,､,／"u＼ 僕だってそうですよ！！
／ ⌒ （◎）ヾ'（◎）u ＼
| u ⌒ﾞ ___'___"⌒ u |
＼ u `ヾ,┬､/` ,／
. /⌒/＾ヽ､ ）__（ ,ィヽ、
/ ,ゞ ,ノ ﾞ⌒" , ゝ､
l ／ / ト/.＼＼
ヾ ,、
`ヾ _ / l |
￣,ー-z＿＿＿ ／／ l ｌ | ……と、彼らは言っていますが？
. '.,/./l ￣; ト-三彡 ／／／ lﾉ＿ l
l.l ,' l ヽ_.i`-' ﾉ彡彡彡彡＝＝--- __二二r-─ヽi
l.l l l ~二--ゝl ￣.//二＝┐=─ 、＝-、 ヽ i
.l.l.l i ﾉﾉ'⌒ l l-、─-ト_ソ ノ ヽ '-,__ |
ヾヽ、 ／,'/ ./ ヾヽ`, , ' r-┘|.
ヾ==---- ',r "/ / ヽヽ' / /
l ￣￣ / / ヽ、 / / 丿ノ
ヽ `-、--、 ` -、＿＿'ノ ﾉ
ヽ ι' /~
`、 ﾄ、─- 、＿ /
ヽ ` - 、_ ヽ ,-'
', 、 ─ - ' , -'
ヽ ── , - '
l , - '
＼ _ , - '
ト──--- '
/ / / / / ,',' | ヽ ヽ＼ん 《 ）
/ / / / / ﾉﾉ ﾄ | ヽ ', ',＼ソ《 ）
/ / ,' ｲ 1 /ｲ l l l l l l ', ＼ル）
,' /| l | ﾄ、,' { /ﾉ | | ', | | |ヽ | | ヽ i) ',
.l l l l l | l メ ﾚ l L-tｰftﾁ- L ', } } ',i). l ……ほぅ、よく言った。
ヽ l | ﾊ. | ﾐtｪ＿N ', | ヽ | ヽ ｷ l | l ',) |
ヽヽ {. ',| ｀ 弋_fｧ}:;:;:;:;ヽ|＝zｪ__＼ ヽ || | . レ-gl
V ゝ:;:;:;:;:;:;ﾘ:;:;:;:;:;:;` 弋工ﾃjt=ll l ﾄ⌒ || 私の目の前で、私の目を見て、
|. | {:;:;:;:;:;:;/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;￣ ＼| |. |)）i / l もう一度言ってみるがいい
. l. l. 八 く l l / 久 |
| |. 入 ヽ | | rｰ | l
l l |ヽ - __ l l /| | |
| | | ＼ - ﾟ ￣´ | | / | | l
l l l //＼ イ l l ｲ | | |
| | ﾉ // ゝ- ＜ ,' ,' ｲ | l. l l
●呂雉（字はリリアーヌ）
＿＿＿_
／ u ＼ …………ぷ、ぷりてぃーなお乳の
／ ＼ ／＼ 呂雉さまですお……
／ し （＞） （＜） ＼
| ∪ （__人__） J |
＼ u ｀⌒´ ／
／￣￣＼
／ _ノ ＼ りょ、呂雉サマ万歳だろ、常識的に考えて……
| （ ○）（○）
. | Ｕ （__人__）
| Ｕ |r┬-| 彡
. | ｀ ⌒} 彡
. ヽ }
ヽ ノ
／ ＼
/ /＼ /￣＼＿＿＿＿l⌒l
| | ＼ / ヽ ＼_＿＿＿＿|
Σ(⌒ノ ゝ ＼＿_）
,r‐┐／)
/ /／／／> 呂雉さまは天下で最もお美しいお方！！！
／ イ └'´／
./ .＼_.ンニﾆス_（＼(ヽ
../ ._＿...二つヽ､_(._'弋 ＼＼
（ / oﾟ( ＞ ) ( ＜）＼`┘ ヽ＼
.ヽ .ヽ、 . __´,_┌─‐' ／ .ヽ、
＼ ヽ ﾉ （｀¨乙二..＿_／ ﾉ
. | ｀ ⌒´ ｀ー‐- ィ'
rfワくｆヲ癶＼心o｡
. rヴ {ノ ｎ ｰヘ、{廴心。
. rヴ{ し弋 U _,ノCﾉ'⌒ヽ心｡‐-
({人r─ ―┴＜r'ｆ⌒Y＾ 心。 ｀ ……フム。良しとしてやろう
{ﾚ'´} i ｀ﾄ､ノ }L心 ＼
／ ' / / | l| Vｆ⌒ヽ沁 ヽ
. / / / /l! | ＼ l| l|∨__ﾉ}沁
.. / / / / ｌ| │ ヽ l| |∨ }沁 ,
/ l| / / │ | ｉ |│∨ﾊｆ_{ ゜
, lﾚｉ'Ｔl{ | __|＿＿ l| | ∨厂 |
. | |／|{ｆ┼N ﾄ､￣|＼ l| l| ! V / ｌ| ｌ|
. j∧ ﾄ∨ﾉ´＼{ 乂]￣ ＼ │l| | │| | ｌ| ｌ|
＼{灯 ｀二ヱＬ,＿__ヽl| l| | | | ｌ| ｌ|
. 八ﾘ ／{忙刀ﾘ ﾉ´| l| | l__ l| | l|
|／ ￣ ´ | | lﾍ∨{ |│
. | | | ﾊ }lV| |│
| / ｊﾉ | l│
|i， ｌ / /_／| l| l l |
|l - 、 , / | l| ! ! |
|l |i ′ ∧ l l| | | |
|ｌ八 __ .. ´/ / '， ｌ|│ l ｌ|
|l l〕ＴiｆΤ｢￣i / / ∨ ｌ| ! ｌ|
|ｌ l|│|l ｌ|| | ′ / ∨ │ l ｌ|
|ｌ l|│ll ｌ|＿__| / / ___Λ l l|
N./"ｨ, ｀ヽ.、 __
N､（ ( '"´､´
N､ヽ､ヽ ,. ヽ
ヾﾐ､ヾヽ ,.ﾉﾊ. ﾞi
ゞﾐ、` .::ノﾉj' ヾ､ .i ……これでよくわかった。
｀ミ:.､._ ___､. __.::,:彡ノﾉ_,.. _ゞ:、 !
rﾞt=' ＜(;`)ヽ}＝{'"(´;)＞｀==tr '、
}'^ ヽ .:: ソ; ゝ'、 丿 ' ^゛}
! (、 ｀￣´ 〈r;、 ￣´ u ) .!
ゝ┤ u __ ＿_ '_ノ
ﾄ ´ー一'` |
| ＼ ..::~" .ｲ .|
_,....j : ＼ ／ .:! .|
_/ {:.:.:.＼:.. ＼.＿__.／ ;i ﾄ､
,..ィ´/ ヽ:.:.:.:.:.＼ .:::. ﾉi ヽ
／ / i' ヽ:.:.:.:.:.:.:.＼ ／ .:.| ヽ､
. / ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀＞-＜ .:.:.:.:| ､＼
_../ ヾ:.:.:.:.:.:.:.:.／ ＼:.:.:.|
./ ヾ:.:.:.:／ヽ /:＼|
,' /.ヾ､':.:.:.:.:.ヽィ^iﾞ!Y:.:.:.:.:.|ヽ､
,.ｨ , - ､.＿ 、
. ,ｲ/ l/ ￣￣｀ヽ!__
ﾄ/ |' { ｀ヽ ,ﾍ
Ｎ│ ヽ. ` ヽ /ヽ / ∨
N.ヽ.ヽ、 , }. l＼/ `′
. ヽヽ.＼ ,.ｨｲﾊ | ＿| 天界に住む俺たちじゃ、
ヾニｰ __ _ -=_彡ｿﾉ u_＼ヽ、 |. ＼
. ￣ﾞr=<‐ﾓﾐ､ﾆr;＝=ｪ;ｭ＜_ゞ-=7´ヽ > 呂雉が怖すぎて、
. l ￣ﾘーh ｀ ｰ‐‐' l‐''´冫)'./ ∠__
ﾞiｰ- ｲ'__ ヽ､..＿__ノ ﾄr‐' / 公平な裁判ができないって
l `＿__,.、 u ./│ /＿
. ヽ. }z‐r--| ／ ﾄ, | ,、 ことなんだよ！！！
>､`ｰ-- ' .／ ／ |ヽ l／ ヽ ,ﾍ
_,.／| ヽ`ｰ--‐ _´.. ‐''´ ./ ＼､ ＼/ ヽ/
-‐ '''" ￣ / :| ,ゝ=＜ / | `'''‐- ､.._
/ !.／l;';';';';';';＼ ./ │ ＿
_,＞ '´|l. ﾐ:ゝ､;';';_/,´＼ ./|._ , --､ | i´!⌒!l r:,＝i
. | |:.l. /';';';';';|= ヽ/:.| .|l⌒ｌ ｌﾆ._ | ﾞｰ=':| |. L._｣ ））
l. |:.:.l./';';';';';';'! /:.:.| i´|.ｰ‐' | / | |. ! l
. l. |:.:.:.!';';';';';';';'| /:.:.:.:!.|"'|. l' │-==:|. ! ==l ,. -‐;
l |:.:.:.:l;';';';';';';';| /:.:.:.:.:| i＝!ｰ=;: l | l. | | / //
l |:.:.:.:.:l;';';';';';';'|/:.:.:.:.:.:.!│ l l、 :| | } ＿|,.{:: 7 ））
l |:.:.:.:.:.:l;';';';';'/:.:.:.:.:.:.:.:| |__,.ヽ､__,. ヽ._｣ ｰ=:::ﾚ' ::::::|; 7
. l |:.:.:.:.:.:.l;';';'/:.:.:.:.:.:.:.:.:.|. ＼:::::＼::::: ヽ ::::::!′ :::| .:/
. ｌ |:.:.:.:.:.:.:∨:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.! /ヽ::: `::: :::: ....::....／
∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
＜ ＞
＜ ナ ゝ ナ ゝ / 十＿" ー;=‐ |! |! ＞
＜ cト cト /＾､_ﾉ | ､.__ つ （.__ ￣￣￣￣ ・ ・ ＞
＜ ＞
∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨
,. -─- ､._ ,. -─v─- ､ ＿
,. ‐'´ `‐､ , ‐'´ `‐､, ‐''´~ ｀´￣`‐､
／ ヽ､_／)ﾉ ＜ ヽ‐'´ `‐､
/ ／￣~`'''‐- ､.._ ノ ≦ ≦ ヽ
i. ／ ￣l 7 １ ｲ/l/|ﾍ ヽﾍ ≦ , ,ﾍ ､ i
,!ヘ. / ‐- ､._ u |/ l |/ ! ! | ヾ ヾ ヽ_､l ｲ/l/|/ヽlﾍﾄ､ │
. |〃､!ﾐ: -─ゝ、 ＿_ .l ﾚ二ヽ、 ､__∠´＿ |/ | ! | | ヾ ヾﾍﾄ､ !
!_ﾋ; Ｌ(.:)＿ `ｰ'"〈:)_,` / rｉヽ_(:)_i '＿(:)_/ ! ‐;-､ ､__,._-─‐ヽ. ,.-i､
/｀ﾞi u ´ ヽ ! !{ ,! ` （ } ' (:)〉 ´(:.)~ヽ |//ﾆ !
_／:::::::! ,,..ゝ! ﾞ! ヽ ' iﾞ! ７ ￣ | ﾄy'/
_,,. -‐ﾍ::::::::::::::ヽ、 r'´~｀''‐､ ／ !、 ‐=ﾆ⊃ / ! `ヽ" u i-‐i
! ＼::::::::::::::ヽ `ｰ─ ' ／ ヽ ‐- ／ ヽ `￣二) /ヽﾄ､
i､ ＼:::::::::::::::..､ ~" ／ ヽ.＿_,.／ //ヽ、 ー ／ ゝ
.! ＼ `‐､. `ｰ:--'´ ／/ｲ;;::::: //〃 ＼ __,. ‐' .／ ／ ＼
ヽ ＼ ＼ / / /i:::::. // ￣ i:::: ／ ／
●天界の裁判員の方々
―― このように、呂雉があんまりにも恐ろしすぎるので、
天界での裁判は長引きに長引き、漢が一度滅び、再興して尚、裁判は終わらなかったのです。
,.ｨ , - ､.＿ 、
. ,ｲ/ l/ ￣￣｀ヽ!__
ﾄ/ |' { ｀ヽ.
Ｎ│ ヽ. ` ヽ
N.ヽ.ヽ、 , }
. ヽヽ.＼ ,.ｨｲﾊ | , -―- ､ こうなったら、我々天界とは
ヾニｰ __ _ -=_彡ｿﾉ _＼ヽ、 | ／ ＼ 関わりのない、人間界の才ある者に、
. ￣ﾞr=<‐ﾓﾐ､ﾆr;＝=ｪ;ｭ＜_ゞ-=7´ヽ / / 裁判を任せようじゃないか！！
. l ﾘーh l‐''´冫)'./ ／ /|
ﾞiｰ- ｲ'__ ヽ､..＿__ノ ﾄr‐' / /
l `＿__,.、 ./│ |i /
. ヽ. }z‐r--| ／ ﾄ, /|ｌ:､ /
>､`ｰ-- ' .／ ／ |ヽ | /
_,.／| ヽ`ｰ--‐ _´.. ‐''´ ./ ＼､ | ／/
-‐ '''" ￣ / :| ,ゝ=＜ / | `'''‐j / ￣￣｀ヽ
/ !.／l;';';';';';';＼ ./ │ 广} , // |
_,＞ '´|l. ﾐ:ゝ､;';';_/,´＼ ./|. / ＼＿ l/′ ＼
. | |:.l. /';';';';';|= ヽ/:.| ／_ ＿ ／ /／ ヽ
l. |:.:.l./';';';';';';'! /:.:.| ___／ l＼. / /´ |
. l. |:.:.:.!';';';';';';';'| /:.:.:.:!.|/ ＼ l _ / / / l
l |:.:.:.:l;';';';';';';';| /:.:.:.:.:| / ー―く | / / 〉
l |:.:.:.:.:l;';';';';';';'|/:.:.:.:.:.:.! ＼ / l､＼､ ／ / |
l |:.:.:.:.:.:l;';';';';'/:.:.:.:.:.:.:.:| 入l ―- ＼__／ .／ /
. l |:.:.:.:.:.:.l;';';'/:.:.:.:.:.:.:.:.:.|. ヽ 〈 ｀! 卜、＼ ／ ／
. ｌ |:.:.:.:.:.:.:∨:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.! ￣＼＿_ 丿/ ｀匸¨´ 、 ／
ナ ゝ ナ ゝ / 十＿" ＼／ |! |!
cト cト /＾､_ﾉ | ､.__ （.__ ￣￣￣￣ .・ ・
.
,. -─- ､._ ,. -─v─- ､._ ＿
,. ‐'´ `‐､ __, ‐'´ ヽ, ‐''´~ ｀´￣`‐､
／ ヽ､_／)ﾉ ≦ ヽ‐'´ `‐､
/ ／￣~`'''‐- ､.._ ノ ≦ ≦ ヽ
i. ／ ￣l 7 １ ｲ/l/|ﾍ ヽﾍ ≦ , ,ﾍ ､ i
,!ヘ. / ‐- ､._ u |/ l |/ ! ! | ヾ ヾ ヽ_､l ｲ/l/|/ヽlﾍﾄ､ │
. |〃､!ﾐ: -─ゝ、 ＿_ .l ﾚ二ヽ、 ､__∠´＿ |/ | ! | | ヾ ヾﾍﾄ､ l
!_ﾋ; Ｌ(.:)＿ `ｰ'"〈:)_,` / rｉヽ_(:)_i '＿(:)_/ ! ‐;-､ ､__,._-─‐ヽ. ,.-'､
/｀ﾞi u ´ ヽ ! !{ ,! ` （ } ' (:)〉 ´(.:)｀i |//ﾆ !
_／:::::::! ,,..ゝ! ﾞ! ヽ ' .ﾞ! ７ ￣ | ﾄy'/
_,,. -‐ﾍ::::::::::::::ヽ、 r'´~｀''‐､ ／ !、 ‐=ﾆ⊃ /! `ヽ" u ;-‐i´
! ＼::::::::::::::ヽ `ｰ─ ' ／ ヽ ‐- ／ ヽ `￣二) /ヽﾄ､
i､ ＼:::::::::::::::..､ ~" ／ ヽ.＿__,.／ //ヽ、 ー ／ ゝ
.! ＼ `‐､. `ｰ:--'´ ／/ｲ;;::::: //〃 ＼ __,. ‐' .／ ／ ＼
ヽ ＼ ＼ / / /i:::::. // ￣ i:::: ／ ／
一方その頃、人間界では――
＿＿＿＿_
|州州州州l≫ｘ､_
l州i州ﾘ|l.ll l州州圭li､＿＿
|リ,ｲliﾘ |il li.li li Ⅷli州ﾐﾐ､
|川州!.,'ili |ｌil!.l! li lilｉⅧliﾐi､
|ﾘ.州./ ﾘl!liliﾘ l l|.l lil;.Ⅷlilﾐ､ 『 ただ単純にパンティーを見る行為に意味はない 』
|ｌｉlﾘ'川ﾘ,ﾘ|iﾘﾉil|l|,ﾘ州.州ilｉ|
|li州lｲﾘ,!l l/,ﾘﾘ川.州.州州
|liﾑィｻサミ､州lｲiｲilｉ川ｌ州 『 例えば、そう、例えば、だ 』
|lハﾘ,州ﾚ'/il｀ヽﾘ |州川|lil| 『 女子の方からおおっぴろげにパンティーを見せてきたとして 』
!|lV州ｲ!.,ﾘｲ ./ l州ﾘ川ｌｉ| 『 そんなのはちっとも嬉しくない 』
ﾐﾒ' /' ′ 州ﾘｲ州ｉ| 『 そんなのはただの変態だ 』
_/ ` ､_ /州i|州州
ィｧー-ミ、 .ﾘ' l州li|州
.,ｲ'ｨﾆﾐ､ ﾐ､. l州li州l 『 僕たち男が望むのは 』
.〃,';.r.､l::l .州州州 『 女子が見せるつもりじゃなかったのに 』
lil{.l:|:{:::}:ﾄ| .州liﾘ|ili|l 『 うっかり偶発的なアクシデントによって 』
lll|.|:l:.`:し' 州iﾘ lilｉ|!
ｌﾐ弋`‐リ { ,ﾘ′lili| 『 たまたま 』
.｀`＝' V. ,ﾘli| 『 本当に偶然に 』
ヽ ,'lﾘ′ 『 パンティーが見えてしまう場合においてのみ 』
ヽ〃 『 本当の喜びを感じるんじゃなかろうか 』
/./
/ 『 でも女子には結局、見ちゃったことがバレて 』
_, __ リ 『 その女子が赤面する様子が見たい 』
｀ ´ ｀l'´
ノ
./ /二二! 『 ああ、そっか 』
､ ,' /＼ 『 女子が恥ずかしがる 』
｀ .ー‐.′ 〈＼＼_ > 『 この恥じらいという行為にこそ 』
|＿> 『 男子の夢が詰まってるわけだ 』
ヽ、
ヽ、
/
スゲエ、スゲエよ球磨川！！
, -―､ | ＿＿|_
（ ｆ⌒} | , .:::::::::::::::::::::
l r ﾞ |／.:::::::::::::::::::::::::
| _｣__ /.:::::::::::::::::::::::::::::::
r '´ | , - ､r―‐- ､ ;::::::::/l:::::::::::::::::::::::
-―‐- ､| ｜ ／.:::::::::､ｖi::::::::::.､｀{:::/ﾘ ∨ヽ:::::::ト､:
／.;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| ト､ __ /.::::::;:ｲ:/ l:::::::::::.ヽVl //////}::::::| }
/.:.:.:{.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:.::| ／｀ ＼￣｀ ＜￣ヽ /イ::/‐{/ ‐ﾍﾄ:::::::::::! | ,. -‐┐ |::::::lノ:: 球磨川のヤツ、
,:.:.:.;ｨﾍ:.:.:.ト､--:.:.:| .〈:.、.. .. 、＼ ＼:| /:/― L/ ―- ＼ﾄ､}:{〈 | |::::::l::::: あの若さで孔子すら
{.:´:lﾘ '; .:| rｧく ､:.|/:ﾍ:.＼:::::..＼:.＼:..:..:..:.i| ｲ::/- '´ ﾞｰ- -‐' |:::::::ヽ＼. | |::::::l::::: ついぞ手に届かなかった
l/ｌ:.代:）ヽ! ｀ｰ' ﾄ{:::::/＼|｀ ｰ＿|::::::ﾄ､::::}:|ｌ ﾚ{ ,､ |:::::::::::＞r┴､!::::::::::: 真理を突き止めやがった！
V:. ＿ l:.ﾘl::|‐-r┐'´ lｧ::::| V.::!:!. |:＼ ｌ__〉 ｣::::::;､:::} |:::::{/〉::::::::::
}.:ヽ ヽ ） ノ./ |L..ノr‐〒―'|:::::::l_ノ::::l::＼ ﾘ|::/＞――ｧ ´ ﾍ::/＞、|::::::/ヽ:::::::::
＿_ ､__ノ:.}:}:.:|＞r '/:ノ.:.:l::ﾄ､ ｌ ｌ |::::::::l::::／￣ヽ＞_｣ノﾍ ｊr‐'´ 〉、 ／.:／ |::::,′ }ﾍ:::::
./ （_,ﾍ 7ノ/＞ｧ'7 (:( ノ.:::::::トl__ｊ_ . イ:::::::::} l ）/ ∨ `/.::::/ |:::′ l l::::
{ ﾉ ／ｆ(ｲ ,' / ﾉﾉ（:::::::::;:ｲ,.ｨ::｢ lノ::::::／｜ ノr{, ' /.::::/, l::{ ,′l::::
.ヽ { （rﾍrｧ! {,ﾉ ,（:{ ＞:ﾉ| { {:::l 〈::::::く r┴‐-〔 ／ / {::::::l/ .|::l ,′ ｌ::::
l ｣┐ / |／ ｀ （:＜ l lｲ::::! |＞:ノ ｣_ / ,′ l::::::l |:::! ! |::::
.<⌒´ノ!／{ | / ￣ 〉 !::::l |￣ ｢ ｀ ｰ | ｌ:::::l l::::l｜ l ::
l￣ ト､ l | / ,′l:::::l.｜ ｜ ｜ l ／.::::{ |::::ｌ ﾄ､ ｜:
| ｜ヽl r' / { ';::::',.! | | l ／.:::::／! |::::l｜ ＼ｌ:::
| ｌ } ,′ l ';::::', ｜ | l 〈:::::／ ｜ |::::| | |:::
（ 球磨川！！ 君しかいない！ 来てくれ！！）
. xヘ ((⌒))
く／＼＼ 〃
゛┘ ｏ
＿＿｀ヽ
,. z≦:::::::::::::￣ヽ＜￣ヽ
／::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::`ヽ
`ーイ:／::::::::/:::::::::::|::::i:::::::::::::::::::ハ
／/::::::::::::::|:::::::::::::ﾄ､:ﾄ､:|::!:::::}::::::::i
. /:,.ｲ::::::::::::::::「ヽ「`ﾄ!ヽﾘ ﾊﾊ,ｲ:::::::::|
/:/ |:::::::::::::::::| ‐-` ',二ミjﾊ:::::::::|
. |::| !:::::::::∧Nｨ斧ﾐ '行}}ﾊV:::::从
. |::! j,ｲ::::::::从《{ {rﾘ , ゞ-'〃∧!ﾉ `
ヽ! |ljW{{ﾄ､ﾄ､¨ ! / /イ
i! j>.-､ r-､ 乂::N
ヽ vﾍﾊﾄ､ ￣ ／ ﾄ､!
r‐┴ ､＞イ―‐┴‐┐
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＼） Ｕ につ `iﾔ′ （r匕r'_） `つ_)
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ﾆ三≧ｭ ii/三/ ,ｨｸ'〃
`寸三ム i三l/ ,ｨｸ'〃 ＿＿,r≦
`寸ﾆﾑ iﾆ/ /ﾆ〃 .,r≦三ﾆ-‐''´
`寸ム iｸ' ,l|ﾂ" ,ｨ幺ﾆ／
㍉ ﾏ/ﾑ i/ ,l|' ,ｨ幺ﾆ＞" ＿
㍉`寸ﾑ ii l|| ,ｨ幺＞" ＿＿,r≦三三ニ
㍉ﾞﾏﾑ | l||' / ／ ,,-''"￣＿_ ノノ
㍉ﾞﾑ | ｉｉ| /" ／,,-‐''￣
､ `マl, ', |i /.／ ´ ＿＿＿＿
丶､ ﾞ､ ﾞ､ l. /./ _,,-‐''ﾆ三三三三三三二ﾆ=-
＼ ,,,＿ ヽ ＼ l l/ ,-'' ＿＿＿｀丶､
＿＿＿ `守ミｭ､ 丶､ -‐'''￣￣''‐-=ﾆ=-､ ｀丶､
￣ﾞﾞミ三ミﾆｭ､__ `ヾｭ､＿ ,,-‐ ￣｀丶､ ヾ三ヽ
｀￣ﾞﾞ''‐=三二ﾆ=-─'''"" ./l. ', ｀ヽ 丶､＼ ヽヽ
_,ｨ// | ヽ ﾏ ﾑ ＼＼
_,,_ /ﾆﾆ/ ,l| ﾞ､ ﾞﾏﾆl ＼
,ｨ幺ﾆﾆ＝‐-=,,,,___ _,ｨ≦ジ" ,ｨl|' ,l|l 'lﾆl,
,ｨｸ' ＿＿＿-=ﾆ三＞" ,ｨ≦l /|ll ﾏﾑ
,ｨ≦ニ=""￣￣￣ ,ｨｸ / /l||l ﾞﾏl,
""´ ,ｨｸ ノ // l|l 'l|l
,ｨ≦/_,,／ {l{ '|l 'l|
__,ｨ≦ﾆ／ l|l ,l| ＼ |
}ﾆl/ﾆ/ l|l,ｨ ヾ|l,
/三／ lｼ }ヾﾐｭ､
―― 再び天界。
_.....---..｀ヽ、
,ィ州li州l州l}州州li､＿_
ー=ﾆ圭ﾘ州州ﾘ}ｉｉ|l}!l州liⅦ州≦､`
,ｲﾘil州州}-Ⅶ州l}Ⅶ-Ⅶ州}l|li 『あれ』
/ｲi州州Ⅶ! Ⅶ州{!Ⅵ .}!Ⅶ州l|! 『あれあれあれ？』
〃 l州il州 }ィ云ﾐヾl}!ｲ云ヽ}!州l|!l|!
,′ .l!.}l州}! l{.ｈ'/,ｌ ｈ'/,}.}!州州{､
i |ﾉｲ州lﾐ`.ゞ‐' .| ゞ‐'."}州州{``
| l! .l}ﾊハヽ //l lﾉ` 『ここはどこ？』
` .l ＞ｘ､ ,'⌒', ｲ从′ 『僕は誰？』
}li＞....￣ .イ }Ⅵ、
.l《::::ハ. ｀ ´ .ﾊ:::》冫
,ﾄ､`ー―.､, -‐. '´ ,ノﾄ､
, イ//≧=ｚ | rｚ≦'///,＞ 、
_, ＜//////＞三| | |三彡//////,＞ 、 『どうして僕は』
l/ﾐｘ///////////＞l＜//////////////,ｲl
|//ハ'//////////,'○'/////////////ｲ//| 『こんなところにいるんだろう？』
|///ハ'///////////////////////ﾉｲ///l
ﾉ/////,V/////////////////////ﾉｲﾐ///{
V三三三三〉／lﾘｲ￣￣ ｀ ー-､///{≦三三ﾉ〉
／ }ﾆ二三ニ／//| 乂__ ､＼ヽ/,{l/ヽ三ﾆ/ﾄ､
./ ,ﾉ//＞,'／////,l、..イ{,'＞ ､ ヽヽ.ヽ|/!|//∧V,ｌ| l
l //ｲ/ｨ／/////ｏハ::::|:|////,＞7777/!ｌ//////{ |
|!.〈///／/////o'///＞‐'ｌ○///////＞仁三///,| |
|! V////////ｘ＜ｚ≦三三三三三三≧ミｘ/////l} .|
＿＿＿＿＿|!＿V/＞'´￣￣￣｀',.∨////////////////////ﾘ__|＿＿＿＿_
／／, ' ＿__ .ィl} }//ｏ/o///////////////,′
∠／／‐'´ ｀ヽ/l/////＞＝――――― ′
￣ ￣￣￣´
_,.. -─ ─-､ しｧ
/!/ヽ‐'" / ｲ⌒ヽ
,l_/ l l / /! ヽ うむ。いきなり来てもらって悪いんだが、
|l /lﾊ// V| ! ﾊ
| l ／ ｲ ヽヽ/Vl ! ここは天界だ。
| ﾊVヽﾄ`ー- ' イ／ ,ｨ/! ＼ ∧l |
､ﾄ､ ＼ ヽー- ' _,..ｨ/ // ハ ト､ l!
＼ ヽ＿,.メ､＜イ_／__,.._-=ニ-ヽ _,/
ヽi｀､| ､‐rｯヾ =|二|-=_rｯァ ｀}',.} そして、キミはこれから私の代わりに
{ ヽ! ￣ シﾉ! ヽヽ ￣ //ﾘ 劉邦・呂雉の両名を裁いてもらいたい
ヽヽ!`ー--‐'´/| ` ｰ--‐ ' /./
＼! ヾ_,. /‐'
_ィﾆlヽ ＿＿ ,ｲiヽ､ むろん、不公平な判決を下すと、
_,. -‐'" l | ＼ ｀二´ ,ｒ' l ! `ヽ､._ キミは地獄行きだ。いいね？
_,. -‐ '" l | ＼ ／ | l ｀` ｰ- ､._
‐'" _,. -‐ ￣`ヽrァｒ--`‐──'‐‐-r ,! ! ｀` ｰ-
＿,.ィ´ ヽ､._ ヽ ./ /i l
ァ‐／ / ＼_ノ! ｌ / l ',
/ { `ヽ､ }!ヽ! /V ! ヽ
! ヽ ＼ Y | ` r====r'´ | 〉
, -
,ィ≦zzzzzzz- ､
,-=ﾃミ州川州仭lliﾏﾑliﾏﾑ､
,ｲ//州州l.|liﾊ州l州ﾏlﾘi.li liﾑ、 『へぇ』
,州ﾘ州|ｌ|ｉﾊﾏﾘ￣州州l,ﾏ州l.ll.liﾏﾆ=‐ 『そいつは一大事だ』
l州ﾘ州.|州' ＿_ ､ ﾏﾘ li|lﾊ|il||li,ﾏﾑ、
l州州州ｌ|li|!〃'ﾊミﾄｌ. ` _, 州|liliﾊ
,!州ｲ州|l|i|i!' ﾐ!. Vリ .ｲﾐ､州li|ﾄﾄ!
ｲｲ!ｲ>|ﾘ.ﾏl|! } リﾘ州|l| 『なんでだか知らないけど』
' .ﾄ､ヽ-､ ヾ ,＿ / ｲlil ﾘ|! 『やらなきゃいけないことと』
州lｌ¬ 、 |::::::｀! ./lヾ ﾘ 『それに必要な知識・情報は』
' '.ﾘ .ヽ.、 ヾ- ' ／ 『もう僕の中にあるみたいだ』
r―┴―‐- ､≧ ､__,イ
,fニ三 ｀ﾏ7777=ｚz,､_｀`ヽ_
,ｲ//////ﾆヽ////////,] l ,､,!
ﾙ///////ﾆﾆ',////////| !.ﾊ| 『だったらパパッと済ませちゃおう』
///////i/ﾆﾆﾏ////////i(⌒)ﾐ,､_ 『僕には女子のパンツの探究と言う』
}///イﾆﾆﾆﾆﾊ//////////77///ﾊ 『世界の謎を解き明かす使命があるんだから』
r'//ｰ=ニ三∠///////////////}/ｲ
/ﾆニ二三ミ//////////////////ｲ/} 『じゃあ、早速証人喚問だ』
i´=ﾆ二三ミﾐ///////////////(⌒)/ﾆ | 『カイ通ちゃん』
,r'‐-=ﾆ三ミﾐ/ ∨/////////////7/ﾆﾆ,| 『入ってきて』
,r ''.:.: ,ｨｲ彡'"´.:. ｀`ヽ .:.:.::::::::::::::.ヽ
/"´ . : : : : ´¨｀`: : : : :::.:.:.:.:::::::::::::::::::::::ﾞ､ やれやれ。
〃 . : : : : : : : : : : :, : :, : : : :: :;;;;;;:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
〃 . : : : : : jii l l ﾄ､ ', : '; .:.:.:.:.:.:;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.:.:.:',
l1 . : : : : : :jii l i ﾄﾄ､;;;;.......;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;`､ 私は死んだ身だよ？
l1: : : : : : ｨｲﾘ 川 ヽﾄ､;;;ヽヽ;;;＼｀ヾ;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞ, 静かに一杯やらせてくれたって、
/ｲ: : : : ;.ｨｲｿ '､ヽｰ＝＝==-､ミﾐヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i 罰は当たらないだろうに
〃,': :.j ｨｲ ￣二ﾆヽ ';.:.:-ﾓﾃ=`ヽ )ﾊ;;;;;,r‐ ､;:;;;;;;;j!
lﾊ｛ i j j;;', ｨてﾃﾝ.;, ｀`ﾞﾞ ￣` !;;;;ﾚｲ !;:;;;;;;;!
`ヾ从;;;;;', "ﾞ ´ ,′: ﾉl/ﾘ ) ,!;;;;;;;;!
`ヾ从;;;', ﾉ ,::. ′ﾉｿ/;;;;;;;;j!
｀ﾞﾞj! ( ｀::.:. ､_ノ;;;;;;;;;;j!
ﾉﾊ `ﾞﾞ"´ /, j;;;;;;;;;;;j!
jﾊ ｰ==＝…' / ,ﾞ ｛;;;;;;;;;j!
ﾞ､ ､ ___ ,, / .,′ ;,;,;ｯﾂ
ﾞ､ __ /_ /＿ ヾﾂ-‐…┐
/´￣ ｀¨` ー-｀ﾄ､ / .:. :.:.:.:.:::::',
//.::::', ,．‐くｿ ` ー＝ﾆ,'.::::::.! .:r‐ '''"´rｶ!.:.:: ::::::',
,ﾉ/.::::::::i ／ ,r ‐-｀y ´￣｀`y.:.::;:;;′.:l rｶ `¨ .:.:.:.:.:.:::L．-‐
, =‐-'´.:.:::::::::::::ﾚ′ / /.: : / l/.::;;;;;;′.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
''"´ ￣ /.:.:.:.:::::::/ . : :/ /.:::;;;;;′.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ .: :
/ .:.:.:::::::::｛ ／.:;:;;;;;/ . :. :. :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. .: .:.
,′. .: .: .:. :.`ｰ--------‐ '´ .: .: .:.:.:.:.:.:.:. . :.: .:.
●カイ通（字はヤン）
,.ｨ佳州州ｌｉⅥｌⅦ州Ⅶ州州l}ｌｉ､
ｨ州ﾘ'州lⅦliⅦ'.ｗⅦi州i }l州lⅦⅦ{lｉ､ 『キミの意見を聞かせてくれる？』
＿ ｨﾘ'州州!川.!州}lｉⅥ州}l}Ⅶ州ｉｌ}ｌ}l! li i,Ⅶ{li!
￣￣ﾉﾘ,ｲi州l}ｌl州i}l}lⅦ`Ⅶ{iｲl}.ⅦⅧ州州州州li}!
/.州ｲ州l州Ⅶ州l、ヽ .ﾒ_`'__l}_l.Ⅶ州l州州|州i
,' 州lﾘ州Ⅶ}、Ⅵ{l|､.､_/ｲrZﾊ,ヾlｉ}ﾘ}州l州州州
. l|}!.|!Ⅷ}》}lﾊ.≧ｘ 行/ﾘ ﾘ}! l州l州州州
. |l} .l} }ﾘ州}l,ﾉl 必 ゞ‐′ .lﾘ'lⅣⅦ､} }
. l}! Ⅵﾊ}l}Ⅶ}弋ﾘ.} ﾘ' l! ∠メｲ{
'} ﾉ{ ⅣⅦ｀ ヽ 〃 /ｰイ州l}
', ` ヽlハ <⌒ヽ / ./: lⅦ､}!
＼ ! ＼ ヽ-'′ ｲ Ⅵ`-､
／￣`, ／ _ ｘ≪´ _ｨｚﾍ、
/ ー‐'-､}‐'ﾌｘ≪ ,ｘｚ≦////ハ、
| ､＿__.|.// .ｘ≦彡/////ｨ彡≦/＞､_
｜ ､_ |' l} |///////ｨ彡//////////≧
| ￣.〉 ｌl |////ｨ彡////////////ィ//
,.ィl| ァ'/ | .ｌ| ﾙ'ｨ彡/////////////ｲ////
ｘ＜///ﾘ ｲY:::ﾑ ／////////////////ｲ/////
／;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ｿ;:;:;:;:;:;:;:ゝ､
〃;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:Yｲ|;:;:ﾍ;:;:ヽ:;:ヽ
／;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ヾヽ;:;:;:ﾊ ……なんでまた私なんかの？
/;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ヽ
ﾉｲ;:;:ノ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ノﾉ ﾊﾍ ∧;:;:;:;:;:;:;:ヽ
ﾙノノ;:;:;:;:ノノ;:;:ノ彡'ｿ/ﾉ ヾミﾊ;:;:;:;:从ﾘ
/彡彡ﾆ彡ｲ彡ﾆﾆ" ＿_ ﾍ;:;:ﾊﾙ'
ﾄ彡ｲ ｲ.l| ￣｀ ´fｫｯ｀ /ソ''
ヾ;;;;ヾ. ｿ { ,'
ﾙ;;;;ヽﾍ ｰ-' ﾉ
从;;;;;;;;;| ／￣￣￣｀ミ辷ﾆﾆﾍ
>ﾊﾙj ヽ l´ | i ｀ヽ､
|＞ｰ--､.ヽﾍ /ﾆﾆ≧. |
|.:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ ゝﾐ､ zﾍ､＿__. ､ |
／.:.:|φl.:.:.:.:ﾄY´￣｀Yﾆﾆ>ヾ::（ ､ |___
--一'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ. ﾊ ﾍ |.:l´￣ ､ ∨.:｀￣｀ヽ
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.人 |:: J j.:.:ヽ､ }.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＞ﾄ､___∠.:.:.:.:.:ﾍ､. /.:.:.:.:.:.:.:.:
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ミヽ='.:.:.:.:.:.:.:
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨.:.:.:.:.:.:.:.:.:
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼.:.:.:.:.:.:.:
_.....---..｀ヽ、
,ィ州li州l州l}州州li､＿_
ー=ﾆ圭ﾘ州州ﾘ}ｉｉ|l}!l州liⅦ州≦､` 『だって』
,ｲﾘil州州}-Ⅶ州l}Ⅶ-Ⅶ州}l|li 『カイ通ちゃんはこのメンツと』
/ｲi州州Ⅶ! Ⅶ州{!Ⅵ .}!Ⅶ州l|! 『一通り面識があって』
〃 l州il州 }ィ云ﾐヾl}!ｲ云ヽ}!州l|!l|!
,′ .l!.}l州}! l{.ｈ'/,ｌ ｈ'/,}.}!州州{､ 『その誰とでも中立でしょ？』
i |ﾉｲ州lﾐ`.ゞ‐' .| ゞ‐'."}州州{``
| l! .l}ﾊハヽ //l lﾉ`
` .l ＞ｘ､ △ .ｲ从′ 『僕は当事者じゃないからね』
}li＞.. .イ }Ⅵ、 『同じ時代に生きてない』
.l《::::ハ. ｀ ´ .ﾊ:::》冫
,ﾄ､`ー―.､, -‐. '´ ,ノﾄ､
, イ//≧=ｚ | rｚ≦'///,＞ 、
_, ＜//////＞三| | |三彡//////,＞ 、 『だから判断を下すには』
l/ﾐｘ///////////＞l＜//////////////,ｲl
|//ハ'//////////,'○'/////////////ｲ//| 『キミのような人間が一番適してると思ってさ』
|///ハ'///////////////////////ﾉｲ///l
ﾉ/////,V/////////////////////ﾉｲﾐ///{
,r'Ｚヽ ＿,,,;:-､s-──--ﾐ,,_
＼l／ _,:r'''"n ,, 'l; ﾞl! ﾞl!, ﾞヽ､ ……ま、ここは法廷で、私は証人喚問された身なわけだし、
,;rii" , ,ﾘ,ﾊﾍヽﾞi, l, ﾞli. ﾞlli, ﾞlli,ﾞ'i; 答えないわけにもいかない、か。
_,;r'" ,il' ;il' ,i'ｸﾉ ﾘ ﾞいﾐﾞゝ,､ﾞゝ ﾞli;lli, 'li;,ﾞi,
_,;r''" ,;il'"ノﾉノ ｼ'＿＿ `''弋ﾐヾミヽﾞ;llllli;, l'}
_,,:-''" ,,;ill;'",;i'-''""二二￣` ,,:''''''ｰ-ﾞlll;iii,'lllli,'} ではお答えしますが、彭越・韓信・英布の三名は、
,>iii''" ,,;ｨ彡''"/f" r'''("llli)` ,/"'flliiﾐヽ.|!li,'llllliﾘ いずれも劉邦様には二心なくお仕えし、
ll'" ,:i'' }i lﾞ {! `￣ '" i ､ `'''" ,;llll,lllll;ﾂ ことごとく期待されるもの以上の働きをして見せています。
.いi' .;i' r' ;il i'{ `ﾞ ﾞi､ クｼ''"
`i, :lli, ﾞli :l: ﾞ'':､ .. i; .|
ﾞi, ﾞllii;, ｰﾞ''li､ ' -'''; r'" | 然るに、後の平和の世になって、勝手にヒステリー気味な
ﾞi, ,l''llli;, ,,ﾐ ＿− / 不信感を抱き、この三名を排除するに至った、
. ;ﾚ 'llllli; ﾞ:､ '"￣ ￣`''ヽ / 劉邦様、呂雉様の罪は非常に重いと思われます。
"| ,ill'l!. ﾞi､ -== ./
_| ,il' 'ﾞ ﾞ'ゝ､ /
/" ヽ､ {,,_ `ﾞ'''ｰ::,,,_ / 私としては、先に上げた三名には転生した先で活躍の場を
,/ `''''ｰﾐ=-:;,,_ `'￣`''''ー---r'' 与え、後に上げた両名には恥辱を与えることこそ、
＼,-､_,:-ー､`ー-'''7ｰ:､__ 最適な刑罰となるように思われますが
＼ `ヽ `ー''''"'＜,,_ `ヽ､
,⊆ 乙00 ,⊆ 乙00 ,⊆ 乙00 ,⊆ 乙00 ,⊆ 乙00 ,⊆ 乙00 ,⊆ 乙00
`７⊂ `７⊂ `７⊂ `７⊂ `７⊂ `７⊂ `７⊂ <⌒ ｰ- '＾> <⌒ ｰ- '＾> ＿__
｀ｰ┘ ｀ｰ┘ ｀ｰ┘ ｀ｰ┘ ｀ｰ┘ ｀ｰ┘ ｀ｰ┘ `⌒ ー'´ `⌒ ー'´ `つ_)
l ｲ州, ,州, 州l ,ﾘ l}ｌ}li}l }!|}州lｉ| |{ｌ}Ⅶi州! l l}l l }州} ⅥlⅦl}}Ⅵl}liﾊ}li､.Ⅶl}l }l, l}i}Ⅶ.l}! l} l}!l|!il|!.|l l li､l}i}l
,'i}ﾘ'}ﾘ.州ﾘ 州l} 州. ｉl |{.l州ｉ l州l州ｌ＿_.l}l!_Ⅶ州l l!l}i}|!l州l}! ⅥⅦli}!. Ⅵl}il}l}l-}Ⅶl､}l_州!Ⅶ}! l!i l| .l{i!l|.l|!| l| |.l{!l}l}l{
. /ﾘ'´lﾘ!州.i}!i州l 州.l| |l l}!l州}lｚ州´l}! Ⅶ `Ⅶl}li,.}州ｌ州州 Ⅵィi{l'´￣Ⅶ州l}.Ⅶ州l》l}!州!.l|l!l|! l{!,l}!l|!.|.|l.l|.}}.l州!
〃 l州ﾘ'.}州州,州!.l} }i!}l}l}l|Ⅶl}州. '}! .l}! Ⅶ}Ⅶ州li}!.}iⅦ '´ヽ Ⅵi. Ⅵ州! Ⅶl}l}''}州l}l`ﾒl}ﾘ.州ｌ.州.州l}!}Ⅳ}l}!
.i州l| .l|州}l|.州l}.}il,Ⅶ州li ⅥⅦ! l} .l} Ⅵ!.Ⅶ州l} l}Ⅵ ヾ!、 .Ⅵ}! }!.Ⅶ l}州l!州ﾘ 州l}l州|州l!.l}ﾘ |l}
l州}! l州l}l州l}ｌ.l州Ⅶl}lⅦ ヾ!Ⅵ ＿_ ` ヽⅥ州 ` ` ′.l! }ﾘ .}!l州州!.,州l}!.州|州{ }ﾘ l}!
.l}i}!.l} .l州州ﾘ.}州州l}ｉⅦ!Ⅶ ｀` ｰ- ､_ Ⅶl}! _, -‐ ' ´ ￣ ﾘ }!l州Ⅳ,州lⅦⅥ!|州lﾉ′.}|
.l}l} .l!. Ⅶ州l} l州州州iⅦ -―ｧ========ｚ-､___ Ⅵ{ _,ｨ-ｚｧ==========ｚ―.l州//州ﾘ'}l| ｌⅥ}ｌ}i}ｉ ,ﾘ
.l}l} .i! }州ﾘl,ﾘ'l州!.lⅦliⅦイliﾘ'´{:::l:::l:::::l:::l::}Ⅶ}l、 ヾ!、 ｨilⅣ''.{:::!:::{::::}:::l::ﾘ:ヾ}lil》l州'ｲﾘi州、ﾊ.l 州{ヾ{!. ′
.Ⅶ. | l州 }ⅨlⅣ !.Ⅶl}l}i!Ⅶ}i､.乂:::ゝ:':::乂 乂::::ゝ:':::乂 .ｲⅣ,i}Ⅳﾘl!.Ⅶ! l ﾉ从` ヽ
.}l! .ﾉ' Ⅶ.ﾘ,Ⅸ＼ ヽⅦ}li}!`ヾ}i､. `￣.´ｨ ｚ､｀￣´＿ｲⅣ',lⅣ./.l{' .Ⅶノ.ｲ从ヾ!
', / Ⅵ,ﾘ }l》､｀.ｰⅦⅥ、 `ﾐ三彡'´_ i ゞ三三彡 ﾉﾘ' ./-l|-‐'l{イl|i{
ヽ. Ⅴ .Ⅳ}!へ､_Ⅵ,ヾ}､ | /ｲ.../ _, イ{ ⅦⅦ
ﾉ' l}! l }:::::≧ｘ ヾ!、 ｜ 〃 . /≦ﾘ::::::}l| }|
|!｜l::::::::::}ハ. ヽ、 .::|::.､ / ./}lⅣ.:::::::::|l| ||、
,ィ'/l| ｌ |:::::::::::::::∧ ヽ|:/ / lⅣ.:::::::::::|l| |l＼
,ｨﾉ///| .l l:::::::::::::::|:::::. , 、 ,.::::::|:::::::::::::::::lﾘ ﾘ'/,ﾊ
ノ/,{////ｌ ',';::::::::::::::|::::::丶 ゝ ...＿＿＿__.... .::'’ ／ .::::::|:::::::::::::::;',' ,'l///,ト､
, イ///|////ｌ V :::::::::::|:::::::ヽ:::..、 ／/.:::::::::::!::::::::::::// ,'i|///,|ｌハ、
.ｘ＜//////!/l|//li ∨::::::::::!:::::::::::'.;:: `:..、 イ /.::::::::::::;'::::::::::;.'/ ,ili{///,|///,＼
ｘ＜/////////八',l}'/,|l ∨:::::::li:::::::ﾄ､:::',ヽ::::::::.... ィ :::／/.:::::::::::::/.:::::: ｲ.′ ,州l///,l!/////,
///////////////,V/|ｌｉ ＼::::}li;:::::. ヽ::. ＼:::::::::.... イ::::::／ ./.::;ｲ:::::::/.::::／.' ノi}lﾘ///,l//////
////////////////,V,Ⅶｉ､ 丶ヾ!::::::. ヽ| ＼:::::::::＞ - ＜::::::::／ ,'.::/ ,'.::::/.:／.:' /,州Ⅳ/////////,
/////////////,}ﾊ'/,∨Ⅶi＼ ` 、:::.. ヽ ＼::::::::::::::::::::::::／ .,'／ /.;ノイ／ .,.ｲ;州Ⅳ//////////
『よし』 『わかったよ』
『ありがとう』
『カイ通ちゃん』
『キミの考えを採用しよう』
.ﾄ│|、 |
. {､l ､ﾄ! ＼ / ,ﾍ |
i. ﾞ､ iヽ ／ / / ヽ │ も、もう結論を出したと言うのか！？
. ｌヽﾐ ゝ`‐､_ ＿_,. ‐´ ／ ,.ｲ ＼ ヽ |
`‐､ヽ.ゝ、_ ＿,,.. ‐'´ ／/l , ‐'´, ‐'`‐､＼ |
ヽ､.三 ﾐﾆ､＿ ＿＿＿ _,. ‐'´／/-─==＝＝=-､ヾ ／ヽ
,.‐'´ `''‐- ､._ヽ /.i ∠,. -─;==:- ､ゝ‐;----// ヾ.､ ここに来てまだ数十分だぞ！？
[ |､! /'￣r' ゝ}二. {`´ '´＿_ （__）,. |.r-'‐┬‐l l⌒ | }
ﾞl |｀} ..:ヽ--ﾞ‐´ﾘ￣ヽd､ '''' ￣￣ |l !ﾆ! !⌒ // 我々が３００年かけても下せなかった結論が、
. i.! l .::::: ｿ;;:.. ヽ､._ _,ノ' ゞ）ノ./ もう出ると言うのか！？
｀ ｰ＝=--‐'´(__,. ..、 ￣￣￣ i／‐'／
i .:::ﾄ､ ￣ ´ ∪ l､_／::|
! |: |
ヽ ｰ‐=======‐- .!:: ト､
ヽ ､＿＿,,.. /:;;: .!; ＼
ヽ ::::::::::: ／:::;;:: ／ l,
ヽ -=ミ､
_ヽ`ー=≦::￣￣｀ヽ}::レ- ､ 『簡単だよ』
､_,.:::-=≦:::::::::::::::::::::::::ヽ:＼￣`
／::/:/::/!:::/::::ﾊ::::::::}::::ハ:::::ヽ 『ちょうど今、劉邦ちゃんの子孫が』
／／/:/メ､|/::,ｨ升ミ､/:::::::::|:::::::|:! 『漢を再興したでしょ？』
/／ /:∧::{_/!:/ j/j/|::::::!::::|:::::::N
〃 |N 八灼j/ 代z刈:::::爪:|:::::∧
{ |! !jハ{ ヽ ,ル'r^Y::从 『だからさ、後漢の終わりごろに』
八ヽ-_､_,. ,. -イ∧「ヽ 『この五名を転生させるのさ』
ヽ´ ,.イ／￣￣￣￣]
´￣＞' ／三三三三〉
{ ／/´三三三ヽ ＼ 『韓信ちゃんを最も力のある國の王に』
＞､V三三三三ﾆ彡'/ヽ 『彭越ちゃんを最も徳のある王に』
| r＜三三三ニ=- ／三∧ 『英布ちゃんを最も結束力のある王に』
／ ＼三三ニ＝―／三三ﾆ∧
〈 ＼三ﾆ=-＜三三三三ハ
／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ 『劉邦ちゃんは国を奪われる』
/:::/ /:::::::::::::::::::::::::::|::::::::',::::::::::',::::::::::::::::::::::＼ 『悲劇の王に』
/:::/::,':::::::::::::::|::::|::::::::|::::::::::',::::::::::',:::::::::::::::::::::::｀､
l:::/:::, :::::::::::::: |:: j ::::: |::::::::::::,:::::::::::,::::::::::::::::::::::::::::.
,ﾉ:':::::,::::::::::::::::::|:::ﾊ:::::::::::::::::::::l::::::::::}::::::::::::::::::::::::::ﾄ::', 『呂雉ちゃんは夫に首を絞められ』
ｲｧ７:::::l::::|::::::::::: |:,'-',x :::::::::::::: |',::::::::|::::::::::::::::| ::::: | ',:} 『殺されてしまう哀れな王女に』
/ｲﾉ::::j : |:::::从::i!l '八:::::::::|l:ﾘ 'x::::/:::::::::::::::,'::::::: | ﾘ
'´^!//^!:::l::::::| V ∨:::ﾘl | j∨ ﾘ:/:::::|:/ |:::::::
人 |l:∧:::{≧=ミ､ ＼ ∨ /!::/::::/lｲ::/
/´＼v' V《乂:::ノﾞヽ x=＝ミx／: : :|/ !/ 『ほぉら』
ノ{ |ｲﾘ｀ ヽ∨￣´ 乂メｲ/W从::{ ,/' 『つり合いがとれた』
ﾉ i! ∨ ∧ | ￣ /´ V/
／/......| '., ' , ' ,ｲ 『これで万事解決だ』
, ＜ ...,'.......∧ ∧, ＼ ｀ｰ ニｱ' ,／ }､ 『因果応報』
, ＜´ .....................∧ ＼ ＼、 ,イj } |..＼
／ .......................................＼ ｀ ､ ｀／ }j ' ノ /...... ＼ 『犯した功徳は来世で現れ』
／......................................................＼ ＞ ､/ j',／ /.............. ＼ 『尽くした罪も、来世に現る』
,.ィ仭ｨ,ｲ州ﾑﾑﾏﾑ.､､｀ヽ､
≧ﾁ州'/州ﾘi州l-l|lﾊﾂﾘ.|l li li, ､ヽ、
ｨ仭lﾚ'ｲiｌ,州ilｲ'ﾘ＿' ヽ`ﾘ仭l|l l,|li li,ﾏﾑ
,ｲ州仭il|.|! 'l!イ'´7ﾃﾓ､//州lﾘ州|li.!川ﾑ 『大したことないや』
./ｲ州州lリ|! ﾋﾑｲ/〃州ﾘ州州!|l|i州l
./,仭'|ﾊill´ ,州'仭州|lｉ,州州
lﾘ' .l!.!ｌ,| ,ｲﾘｲ.lﾘ ﾚｲﾄ,ﾄl州lﾘ
州i! 仁ﾆ=‐'´ ,〃 , ＜',うﾉ州ｿ′
/ | .／ , --- イ州州ﾐﾄ､
| , -‐ '´ |州|洲ﾄヽ、
ヽ≦_ ´ 〃 ＿'|ﾘ_!_ヾ!
,. -､ ｀V ,ﾑイ´￣￣￣￣!`＿
.ｌ Vヽ、〉ィ " ,ィ仁三二Z二三三
| | .|´ ,ィ仁ﾆ三ヲ仭州洲州l州 『女子のパンティーに比べれば』
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`‐､ヽ.ゝ、_ ＿,,.. ‐'´ ／/l , ‐'´, ‐'`‐､＼ | ……か、完璧すぎるロジックだ！ 一分の隙もない！！
ヽ､.三 ﾐﾆ､＿ ＿＿＿ _,. ‐'´／/-─==＝＝=-､ヾ ／ヽ
,.‐' ヽ:::::::/ ゝ‐;----// ヾ.､ 僕は天帝として、以下の条件を付けくわえたい！
[ }二 |.r-'‐┬‐l l⌒ | }
ﾞl ﾘ￣ヽ |l:::::::::::!ﾆ! !⌒ //
. i ｿ;;:.. ヽ､._ _,ノ'::::::::::::::::::ゞ）ノ./
｀ ｰ＝=--‐'´(__,. ..、 ￣￣￣ :::::::::::::::i／‐'／ まず一つ、この３００年近く続いた裁判を終わらせる
i::::::::::: .:::ﾄ､ ￣ ´ ::::::∪:::::l､_／::| 切っ掛けとなったカイ通を、後世で最も慕われる
!:::::::::::: ::::::::::::::::::| ::::::::::| 男に転生させる！！
ヽ::::::::::: --───-- ::::::::::::::::::!:::::::::::::ト､
／.:.:.:.:.::::::::::::::::::::::;:;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
./.:.:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
|.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ
!.:.:.::::::く可:.:::::::::::::,､-‐─:;:;:.:.:;:;:.:;:;:.:;:;:;:く
,〉 .:.:.:..:.:.::::::::::::,ィ´.:.,､:.:､ヾミﾐﾐヽ ﾐ<.::`､;:!
i.:.:.`ｰ----‐ｨｨﾊ､ﾞ''ミﾐヾ:::ﾐミミヾ`ヾ ヾ.:.:;}
{;;;;.:i.:.:::::,ｨ‐ｲ;ｼ‐' `ヾz≦ﾆ'''ｰﾄﾄ;:;,r‐､;:;;;;;! ／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
.l;;;;;::;;;::ｲ r''モﾒ` "´''ﾓﾃｭ｀` ｿj.:! ウ1;;;ﾊ | そりゃ、どうも
'ﾄ;;;;;;;;ﾊ '7 .: ｀` ﾘ::j! い,!;;ﾊ _ノ （そんなことは頼んじゃいないんだが）
`ﾄ;ヽ! ,′.:.:.:. / _ノ.::〈 ￣＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
`ヾi! ｀ー /.:.:.::::::::::::i
,.イ:', -‐-‐一 / .:.:.:.::::::::::L＿
,,,､､､-‐'''"´.:.:.::::::', ー ／ ／／.:.:::::::::::::::::.:.｀`'''ー- ､
,r'"´.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::.ﾄ､ ,.イ ／／.:.:.:::／|:::::::::::::::::::::::::::::::::
./.:.:.:.::::::::::::,r‐‐､:::::::::::::::::レ'｀フ""´t‐ﾚ' l.:.::::::::::l／:::::::::::::::::::::::::::::::::::
/.:.:::::::::::::／ /.:::::::::::::::::1 ,ｲ1 i ﾄ､ ;!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
./.:.::::::::::／ /.:.::::::::::::::::::| 川 | l ﾘ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
,.ｨ , - ､.＿ 、
. ,ｲ/ l/ ￣￣｀ヽ!__
ﾄ/ |' { ｀ヽ ,ﾍ
Ｎ│ ヽ. ` ヽ /ヽ / ∨
N.ヽ.ヽ、 , }. l＼/ `′
. ヽヽ.＼ ,.ｨｲﾊ | ＿| 司馬仲相！
ヾニｰ __ _ -=_彡ｿﾉ u_＼ヽ、 |. ＼ お前を、
. ￣ﾞr=<‐ﾓﾐ､ﾆr;＝=ｪ;ｭ＜_ゞ-=7´ヽ > 三人の英傑の後、
. l ￣ﾘーh ｀ ｰ‐‐' l‐''´冫)'./ ∠__ 天下を収める王に
ﾞiｰ- ｲ'__ ヽ､..＿__ノ ﾄr‐' / 転生させるって
l `＿__,.、 u ./│ /＿ コトなんだよーーッ！！
. ヽ. }z‐r--| ／ ﾄ, | ,、
>､`ｰ-- ' .／ ／ |ヽ l／ ヽ ,ﾍ
_,.／| ヽ`ｰ--‐ _´.. ‐''´ ./ ＼､ ＼/ ヽ/
-‐ '''" ￣ / :| ,ゝ=＜ / | `'''‐- ､.._
/ !.／l;';';';';';';＼ ./ │ ＿
_,＞ '´|l. ﾐ:ゝ､;';';_/,´＼ ./|._ , --､ | i´!⌒!l r:,＝i
. | |:.l. /';';';';';|= ヽ/:.| .|l⌒ｌ ｌﾆ._ | ﾞｰ=':| |. L._｣ ））
l. |:.:.l./';';';';';';'! /:.:.| i´|.ｰ‐' | / | |. ! l
. l. |:.:.:.!';';';';';';';'| /:.:.:.:!.|"'|. l' │-==:|. ! ==l ,. -‐;
l |:.:.:.:l;';';';';';';';| /:.:.:.:.:| i＝!ｰ=;: l | l. | | / //
l |:.:.:.:.:l;';';';';';';'|/:.:.:.:.:.:.!│ l l、 :| | } ＿|,.{:: 7 ））
l |:.:.:.:.:.:l;';';';';'/:.:.:.:.:.:.:.:| |__,.ヽ､__,. ヽ._｣ ｰ=:::ﾚ' ::::::|; 7
. l |:.:.:.:.:.:.l;';';'/:.:.:.:.:.:.:.:.:.|. ＼:::::＼::::: ヽ ::::::!′ :::| .:/
. ｌ |:.:.:.:.:.:.:∨:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.! /ヽ::: `::: :::: ....::....／
｀ヽ、
_,_,_,_zzzzzzzzzx, アﾕ、
_,ｨ≦洲州州州州洲州州≧x洲i! 『わーい！！』
,＿＿ _,,,,ｨ≦´州i!洲i!洲i!洲ii!iﾍヾii!｀i ﾏ洲ii!州州州≧、 『僕が王様かー』
｀ヽ≦洲iﾏi!i州州/州i!ii!州州i! |i!ヾ i|i!| ヽ|i!｀|i!州ﾑ｀i!ﾍ,｀｀ヽ、
,xｨi7州i!洲i!洲i!州i!ii i!ii i!iii!i{ }州i州i!iii!Ⅶi!;hi｀｀hi!｀州、
,／´ /洲ﾘ洲iﾏi!i州州州ﾄ洲 州iﾏi!i州州州ﾄ洲i! i! 洲iﾏi!iﾍ 『嬉しいぞ！』
,ﾑﾚ洲洲洲ii!i州ⅤⅦ州ﾄ洲iﾏヽi!i州州州ﾄ洲i! i! 洲iﾏi!i!ﾊ}
ム/卅/i!ﾊi!州州i!ii ｷi!州∨从!. ﾏ州i!ﾏｷ州州ﾘﾘi!i|i!i|i{i|il!i|i}
〃/ﾘi!/ﾘl洲i!洲洲〉|＿Ⅶ.ﾏﾘ从｀f´^Xﾏ i!州/}/|州州i!lil州i|i
〃.i洲洲i!州州i!洲i!ｷ ヾ｀从li! ｀ ./ ,xヽ i!ﾚ ´ 州州州!!州i{
./ |洲州i!州州i!ｷｷi! ｀ ー-∨｀＼ ´＿＿_ =＝.州州州ﾊ州i{
|!州洲州i!州从_xｨ彡圭ミ> ´￣￣￣´ 从州州ﾄく从ﾑ
i洲州i!州州i!从《´｀込シ | .从从Ｖ｀ヽ )从｀ヽ
}i洲州i!从从从ﾑ｀ ´¨｀ {! /从/ 〉| jノ/ヽ
Vi!j Ⅶi| ｷ从从ヽ ｀ヽ /／イ-イﾁ
Ⅶ Ⅶ! /´Vﾘ｀ヽヽ ＿_ｨ──→−´ /チ洲i!ﾏi
Ⅶ ﾏ j ´ ｀ヽ ￣￣´ ／/洲!ﾑ
Ⅶ .ﾏ jヽ、 .／ / iﾊﾍ|｀r
Ⅴ V＞x ＿＿＿_∠＝＝=|＝_＿
／￣￣￣￣＼／ ｀＞ 、
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼ ありがとうございますお！！
。o（゜＞） （＜゜)o 。
／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
| |r┬-| | て これでやる夫も成仏できますお！
＼ `ー'´ ／( ｀´) そ
／ ＼ﾉ ﾉミ
|＼ ＼・ ・ ＼____ノ
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼ 戦争！！
／（ ●） （●）＼
｜:::::⌒（__人__）⌒::|
| ｢匸匸匚| '"|ィ'
, ヘｰ‐- ､ l ｜ /＾''⌒| | また戦争ができるんだな！！
-‐ノ .ヘー‐-ｨ ヽ !‐}_＿,..ﾉ ｜|
''"/／ヽｰ､ ﾉヽ∧ `ｰ一'´ ／ |
/／＾＼ ヾ-､ :| ﾊ ￣ ／ ﾉ | ありがとう！
,ノ ヽ,_ ヽノヽ_)ﾉ:l 'ｰｰ＜. / |. ありがとう司馬仲相！！！
/ <＾_,.ｲ `r‐'ﾞ :::ヽ ＼ ｀丶､ |
＼＿＿_,／| ! ::::::l、 ＼ ＼|
／￣￣￣＼
／ ＼ ありがとう……ございますっ！
／ _ノ ヽ､_ ＼.
| oﾟ⌒ ⌒ﾟo |
＼:::: __´___ :::: ／
／ ｀ ⌒´ ＼ これで家族たちも……っ
| ） 救われますっ！！
. | | ． ． / /
| | / / |
| | / / |
(YYYヾ Y (YYYヽ |
（_＿＿ノ-'-（'＿＿_）_ﾉ
__ゾ¨´￣￣￣￣￣￣￣＼
＿＿＿,∠ =──-- ｡.,＿ ＼
￣￣￣￣￣ ＼ ￣￣|
} ＿＿＿___│
＿__ | / _ .| | やれやれだぜ……
:. / ⌒ヽ | l ｢| ｢｢| |（
::.. ／ { { }.| ｌ ｢Lー l | }
::::::Y⌒｡.＿＿＿＿＿＿乂＿_ノ_|_|_|＿＿|_|_〈
:::::::{（）}|＿＿＿＿__}ｊ＿＿＿＿＿＿_}ｊ＿＿__）
::::j人_ﾉ::::/:::｀’＜ ｀ﾟ ｡、
:/:::::ｊ/::::/::/:/::/ﾘ｀’＜
､::::ｊ/::::ﾉ::ﾉﾌァ＜＿___r─｀’＜＿＿＿＿＿＿＿
∨:::/ｊ／￣__≧ｘ＿_:|{＿j|人r≦__--─'￣/ﾊ::::::}
ヽ∨:::{ ﾉ,ｘ‐ｔ_::ﾃｱ | ｌ|ｊU{ ｨ‐ｔ_::ﾗ フ ﾉf V:ﾉ
{ 〉V::l ｀^ー一 | ー { ﾄ､｀'ｰ一' ,ｊ | ﾉ´
{ }:::| ／ | |l | 〉 ｀i ,゜/
. 人＼ ヾ { | │ }/ /ノ
:::::＼oヽ. | ―' |｀T7 ,゜
:::ヽﾉ ーl ｉ __|. |￣
:::::（_ノ | ／ | |ﾆニヽ ゜ ／￣ヽ
:::::/ i ＼ ｀ /⌒ ,ﾉ | |─く. / /⌒ヽ
:_/____l＿＿_＼ / / | | i'⌒Ｖニニニ
. / / / 八 ！ | ∨
Y⌒ヽ {ー { {__,ノ i { ‘｡
. | } |. | | { （__,ﾉ 〉 } }
. 乂__リ | ／ ノ ノ/
___
,ｒｆ夕癸{_O∞o｡ ＿
,ｒタ^cﾉｎ {Ｃ }⌒ﾞ沁ｈ｡ ｀ ､
. ,rｆﾌ´}ノﾞ U ＞ 〉‐ｆト ｀沁o｡ ＼ ……しかたがないな。
. %7（／〈ｆ弋__ノｃ_,人__{ ＼ ｊ沁｡
. ｆ_{（/ ｊ／ 厂} ＼ ｀ ＜ｆ⌒ｊﾊh ‘， 一度決まったことに文句を言うほど、
. {_{ﾚﾚ' } ｊ l| ＼ ＼ ｀ヾﾉ ﾊ{ ｡ 私も未練がましい女ではないのでな。
. 乂/ / / │ﾄ､＼ ノ ＼| ∨{ﾘ i l
. /l ｣__|__,| | |レ＜＼ ヽ| |∨ﾊ │ l
, | { 大 ﾄ ｌ | }_,ｨｔ忻ト､| | l|'＾ ∨| |
i |l ,ｨｆｔｎ､＼ｊノﾘ 八_jリ ﾉ} ｌ| l| ´） } l | 従おう、臨時裁判長殿。
l lﾊ八乂{ｿ i | l| l|_ﾉ／ l| |
. 乂{ ｌ＼{ ｊ ｊ l| l|イ ｌ| |
. | l|八 ヽ / ｌ| l| ｌ| ｌ| l|
. | l| │ , / /l| l| ／￣￣＞ｰ- ...__
. | l| | |l ＼ ｀ ￣ / / ｌ ／ ,ィ´:::::::::::::::::::::::::::::＞
. ｌ l| | |ｌ l|＼ ,∠| / / ／ ＞‐‐ ､::::::::::::::::::::::::::::＞
l lｊ ﾊ |ｌ ｌ|＿.｀ﾆノ} | l{ / / ／ ／ ｀’＜::::::::::::::::::
／￣￣}l! ﾘ::::／::厂| | ll / / / / ／￣≧=ｰ--＜:::::::::
. ′ ﾘ /:::/::::::〉､ _| l|ｌし' ノ /_,ﾉ:::::／ ｀ ｰ‐ｒ'⌒
. i / //:::/::::::::〉 ´ j! | ￣厂/:::::::::::/ 〕
. |. / //:::〈::::::::::〉 __｢/ｊﾘ //:::/::::::::::::; 〔￣
. l!. / //:::::｢::::::::::｀V:::::/ / //::::〉::::::::::::i 厂
. /| / /:::::メ､::::::::::::::::::/ / //:::ノ::::::::::::::{ 匚
_,.. -─ ─-､ しｧ
/!/ヽ‐'" / ｲ⌒ヽ
,l_/ l l / /! ヽ では、これにて閉廷！！
|l /lﾊ// V| ! ﾊ
| l ／ ｲ ヽヽ/Vl !
| ﾊVヽﾄ`ー- ' イ／ ,ｨ/! ＼ ∧l |
､ﾄ､ ＼ ヽー- ' _,..ｨ/ // ハ ト､ l!
＼ ヽ＿,.メ､＜イ_／__,.._-=ニ-ヽ _,/
ヽi｀､| ､‐rｯヾ =|二|-=_rｯァ ｀}',.}
{ ヽ! ￣ シﾉ! ヽヽ ￣ //ﾘ
ヽヽ!`ー--‐'´/| ` ｰ--‐ ' /./
＼! ヾ_,. /‐'
_ィﾆlヽ ＿＿ ,ｲiヽ､
_,. -‐'" l | ＼ ｀二´ ,ｒ' l ! `ヽ､._
_,. -‐ '" l | ＼ ／ | l ｀` ｰ- ､._
‐'" _,. -‐ ￣`ヽrァｒ--`‐──'‐‐-r ,! ! ｀` ｰ-
＿,.ィ´ ヽ､._ ヽ ./ /i l
ァ‐／ / ＼_ノ! ｌ / l ',
/ { `ヽ､ }!ヽ! /V ! ヽ
! ヽ ＼ Y | ` r====r'´ | 〉
,勹00 ｎ _＿_ _ｎ__
く..く | |└‐ｔ,ﾉ _nn_ └ｉ七┐ ＿__ ○ ○ ○ ○ ○ ○
＼） Ｕ につ `iﾔ′ （r匕r'_） `つ_)
≧ｭ､ || /三/ ,ｨｸ'〃
ﾆ三≧ｭ ii/三/ ,ｨｸ'〃
`寸三ム i三l/ ,ｨｸ'〃 ＿＿,r≦
`寸ﾆﾑ iﾆ/ /ﾆ〃 .,r≦三ﾆ-‐''´
`寸ム iｸ' ,l|ﾂ" ,ｨ幺ﾆ／
㍉ ﾏ/ﾑ i/ ,l|' ,ｨ幺ﾆ＞" ＿
㍉`寸ﾑ ii l|| ,ｨ幺＞" ＿＿,r≦三三ニ
㍉ﾞﾏﾑ | l||' / ／ ,,-''"￣＿_ ノノ
㍉ﾞﾑ | ｉｉ| /" ／,,-‐''￣
､ `マl, ', |i /.／ ´ ＿＿＿＿
丶､ ﾞ､ ﾞ､ l. /./ _,,-‐''ﾆ三三三三三三二ﾆ=-
＼ ,,,＿ ヽ ＼ l l/ ,-'' ＿＿＿｀丶､
＿＿＿ `守ミｭ､ 丶､ -‐'''￣￣''‐-=ﾆ=-､ ｀丶､
￣ﾞﾞミ三ミﾆｭ､__ `ヾｭ､＿ ,,-‐ ￣｀丶､ ヾ三ヽ
｀￣ﾞﾞ''‐=三二ﾆ=-─'''"" ./l. ', ｀ヽ 丶､＼ ヽヽ
_,ｨ// | ヽ ﾏ ﾑ ＼＼
_,,_ /ﾆﾆ/ ,l| ﾞ､ ﾞﾏﾆl ＼
,ｨ幺ﾆﾆ＝‐-=,,,,___ _,ｨ≦ジ" ,ｨl|' ,l|l 'lﾆl,
,ｨｸ' ＿＿＿-=ﾆ三＞" ,ｨ≦l /|ll ﾏﾑ
,ｨ≦ニ=""￣￣￣ ,ｨｸ / /l||l ﾞﾏl,
""´ ,ｨｸ ノ // l|l 'l|l
,ｨ≦/_,,／ {l{ '|l 'l|
__,ｨ≦ﾆ／ l|l ,l| ＼ |
}ﾆl/ﾆ/ l|l,ｨ ヾ|l,
/三／ lｼ }ヾﾐｭ､
こうして、韓信は―― 曹操に
／￣￣＼
／ _ノ .ヽ、＼
| （●）（●） .|
. | （__人__） |
∧ .| ｀ ⌒´ ﾉ
／＼ヽヽ }
,r―''''''ヽ, ヽ ﾉヾ、
,r‐' ,､;-‐''''""''ヾ､､, く l
/ .／ r''"ヽ, ＼, l｀ヽ､
j l ,. / ' l ヽ､ ﾄ, ヽ
,.Lj∠､'´ , i, / ｀ヾ､｀'ヽゝ
l, ／ 二'''" ,;､, ｀''ｰﾞ--､
/ﾞヽ-ｯ-‐'´ .／｀ト-:rイ｢´ ﾞl;:｀''ト-､,＿ ノ'i,
／ ／ ,;∠∠,ノ´ ｲ l l, ├''| |､,／ l |
..／ﾉ .／ ／､, ,､' ./ / .l |:::::l,. | ﾞヽ､!_,,､L,
ヽ---ﾂ ∧ ￣￣ / | |:::::::| | r'"/ l,
/ ./ .ト､,_ / | |:::::::|. ! l'´! / |
./､ ./ l, ｀￣ ./ |.|::::::::l |. !. l, l l
.l､,.ノ l, ;' .j |:::::::::!
●曹操（字はやらない夫）
彭越は―― 劉備に
＿＿＿＿
,. -'"´ ｀¨ー ､
／ ,,.-'" ヽ ヽ、
,,.-'"_ r‐'" ,,.-'"｀ ヽ、
/ ヾ ( _,,.-='==-､ヽ ヽ、
i へ＿__ ヽゝ=-'"／ ● _,,> ヽ
./ / ● ＞ ＝'''" ￣￣￣ ヽ
/ .ヽ-‐´''" ヽ i
/ i 人 ノ l
,' ' ,_,,ノ `─-‐' ヽ l
i ｀､ _y──‐ l /
', ｉ_/ / ＿ ' ／
ヽ、 ￣￣ /
ヽ､_ ／
｀¨i ヽ
/ ヽ
/ ヽ
●劉備（字はやる夫）
英布は―― 孫権に
＿＿＿_
／ ＼
／ ヽ、 _ノ ＼
／ （●） （●） ＼
| _´__ |
＼( （ヽ(＼`ー' ／
γ⌒＼＼＼＼ ⌒ヽ
i j ヽ _ ｀ヽｰ‐ i
ヽ､ l （￣ ヾ_＿＿＿_.ノ
/つゝ､,,! ￣￣ }
｛〈〈〈,ゞ,ｿ 〈
｀￣／ ＼
／ ／´`＼ ＼
! く´ ＼ ﾍ
＼ ＼ ヽ ﾍ
(´____＿___ノ ヽ ヘ
｀￣ ￣ ∨__＿___｀)
●孫権（字はできる夫）
――転生した。
ｒこ「ｌ
. {_ﾉ ヽ
／￣￣ | ┌―‐- ､
_く | { _入＿
ｒ―＜ _＞‐'久 | ＞'´ ￣｀'‐､―- ､
| ／ .／ ∧ _＿レ’ '´／ / ヾ.､/
L, -‐ / .／ ∧´ / !: / | / /ゝ、_ .ハ Y＼ ┌|┐十廿
/ ′ / ∨ ! ｌ ｨ」_从! | .} | ｌ !. ヽ └|┘ 'ﾆｌﾆ ¨ﾌ ,、
,' ! / |. |: Ⅵ ￣` 仏!_/! !.}＼.ﾊ. -┴ヽ／|＼ （ ハ ヽ
. { _ 」 / ＼!: ヽﾄ ､,,_, _ .从/ / ∧|. ｀´ /
レ'´ └廴＿＿＿ / |ｌ ﾊ ,､__ 丶-/´ /|//‐┘ '⌒)
｜ | ＼| ／i! | { 丿 ,' !./ .|┘ ¨´ | |
. ＼ /＿_,.. -ァ´‐ぅｲ_」^! |＞ 二. イ !ﾊ !、 ﾉ ⌒)
＞/ _. ＜└ｦ|_ )、 ｌ |/≧ ｖ┴ｒ‐Ч .| ﾄ,＼ ¨´ (
/ _ ＜ ..::::::::/::」::ハ/ 〃┌冖┐ヽ ∨ !┐ ＼`丶、. ）
. ム＜ ..::::＞ァ'７|ﾚ: / /´ ＼_ノ ∨._〉ハィコ ＞､ ｀丶､ ＿_
／ ..::::／ | ,'::|レ',.イ＞ 「＞､. ,-､Y仁ﾄ､ﾊ|｀`＜ ＞ ､ ｀丶､. |―‐!
/ .::／ ｃ/ ハ:: く , ヘ! ×＿>´ ! ＼!、 ｀ ＜ ＞ ､｀ヽ、 ｄ ｄ
. ｜ ./ ｨ!!!:>、〉 ／!￣｜ こ| 廴ハ |ﾊ, ｀ ＜ ｀＞!
. |! ./ ／:`´/ く｀/::_」二ﾆ{. ／ ! いく＼ く∠_ ﾊ| ｀`¬. ∧
. Ⅳ | /:::::::::::ゝ-┘ヌ、ー_チZ | .! /..| _」.イ / }| / ハ
●後漢考献皇帝（献帝とも）
呂雉は伏皇后に
_,｡or0O0no,__
_,rｆﾃｆﾌ＾ マｃＹﾄｎｈ｡、
. rﾀ｢ｊ厂/ U ＞く⌒} ｊ心o、
. ,rｆ⌒K__ｃ≧==≦c厂｀乂⌒ト{ｈ｡
. ｆﾃてし '´ ｌ| | l ￣｀寸 人l{
. }}ﾄﾘ´ | ｌ| | | l |ｌ ＼ ）
. ｊﾚ' | ﾊ ｌ{ ｌ| l |∧ ＿ |l iﾄ､ 承太郎……その姿、お前だけどうしたのだ？
,′/ /7ナ∨ l| ｧ大｢＼ |! ｌ|
. / l| lﾚ _ｊ匕ｚ ∨ |/ ｧ‐ｔﾐX |ｌ ｌ|
/ ｊ小{ く ﾋｊリ ∨ '辷ﾘ_刀|l l|
/／ |lﾊ ｊ! |
|ｌ . / U | │
|l ‘, |l l|
|ｌ ∧ ＿_ |l l!
|ｌ / ､ ‘こ｀ ｕ イ!| |
. ｊｌ/ /ハ ´ |ｌ| |
// //| |ｌ ｰ＜ |l| |
// //│|レ‐/| |l| |
. ＿// //イﾌ::::::く,/_ |l| |
// ／::::/:::::::::く ヽ '￣_r'￣|l| !
●伏皇后（字はリリアーナ）
転生。
そして、三百年にもわたる裁判を終わらせた功労者である――
／;:;::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.::ヽ
/;;;;;;;:;:;:;:;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::, .イ､
/;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:::::::::::::::::,､-‐'''"´..: .:;.;:;ヽ,
|;:;;;;;;;;;;〔カ;:;:;:;:;:;:::::,r'´ ヽ.:.:;;;:;;ヽﾐヽ;.:.:..ヽ
!;:;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;;ｲ ;:ﾄ､ ;:;;､.:.:;:;:;:;;;;;`ヽ;:;:;!
`ﾄ､;:;;;;;;;;;;,､‐'ｨｲ ;:; :; ;;､ ;:;:;､`ミﾐﾐ､:;;;`ヾ;:;;|
,'.:;: ,: ,ｨｲﾉlﾉ;'ﾊﾄﾄ､ヾ;:;:ﾄﾄ､ヾﾐヾ;: ;;;;;;.:;;;ﾘ
V,:;`,;',;,'ﾙ'ﾞ-ｲ=≡'´ ｀`''＝- ､`ﾉﾉ .:.:/
ﾙ,;:',ﾍ;;! ｰ＝'''´ヽ ｰ＝‐` ii! l;:;/
ﾄﾄ;;ﾄ､j! "´ ｀` / //
'`ヾ>ﾄ､ ; ,ﾍ;:;k
`1ik､ `ー′ ,ﾍ;:;;ｲ （私としては、のんびり酒を飲んで暮らせれば、
/.:.:L:.､ -‐-‐- / 1;;/ヽ それでよかったんだがなあ……）
/.:.::.:.:/1ヽ ´￣ ,.ｲ /;:;:;ﾊ.:`,
_,ノ.:.::::::/;:;;ﾚ''｀`ー─.＜ V;;;;;i.:l/.:::::L_＿
-‐''"´.:.:.::::::::::/;:;;;;;l /l ヽi;:;;;;;;l.::::::/::::::::::::.`
.:.:.:.::::::::::::::::::::V;:;:;;;;;;;| lk! l;:;;;;;;;|.::/.::::::::::::::::::
.::.::::::::::::::::::::::::::;:;:;;;;:;::::L＿|ﾉ ＿_」_ﾉ;:;;;;;;;;;/::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;:;:::;:;;::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
カイ通は、諸葛亮へと。
V ﾑ i .} ｜
{ ﾄ､ { / ﾉ
八 { ＼ ゝ'.／
＼＼＿ヽ ＜
ー ＿ _. イ
｀丶.._＿. イ
_ﾙ 二 ⌒ヽ
く Ｔﾌ , - ､ i
ヽ／＿_ |
Z二二 ヽｰ ､
_r 二二] -― ﾍ
＿_ﾆヽ､ 厂二 -― ¨¨￣:i∧
＿ _. ＜:.:.:.:.:.:.:.:.ム＝| | 魏軍軍師 |.∧
＞:.:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| | 司馬懿 |. ∧へ
.／ｲ:.:.:.:.:.:.:.i.､:.:.:.:.:ト､:.:ﾄ､ﾄ : | | .後に大出世 | ,. ┐
/:.ｲ:.:.:.:.:.:斗ﾍﾄ､:.{ X } }N | ＿__r ' ／
./ｲ .|:.:.:.:.:.:{ ＿ ＼ z==ﾐ | |＿ -― 二 /
{′ .|ｲﾊ:.八〃¨” ヽ Ⅵ＿＿ -― 二 -ミ、 イ
｜ }:.:.:.Ⅵ i ' ＿,､ ﾟ。V! ﾑ ＿ .}::::::::::::::＼::::
入:.ハi { i´ ヽ } 八ノ ／::::::::::::i::::::::::::O::::〉::
}.ゝﾑ. ヽ ﾟv'´￣.} ｿ|ﾑミく::､::::::::::::/::::::::::O:／:::;
＞ 。V＿ノｲ_ム7 ./::::}:::::::::/::::::::::::::/:::／
〈 ￣ ＿＿＿ }i .{::::::i:::::::/::::::::::::::/／
/⌒￣::::::::::::::〜┴---イ伐::::::::::::: {/
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::::}
.'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＿／
司馬仲相は―― 司馬懿へと転生。
かくて、三国志を彩る英傑たちの多くが楚漢時代から転生し、
中華大陸で覇権を争う運命が、この時より定められた――！！
_ ....r――┐
≦ イ........... |-=＝ニ三ミ、
.,ィミ; |.............ｊ ` ―― 以上が、三国志平話に見る
...く 《X彡' _.}. . -＝ミ､ ＼ 数多くの英傑がこの時代に集った理由です。
く.........＼/ | :.
＼....... L _.j _ 〟
,＼/ ./ ＼
/ / / ( ＼ ｜
/ ,: { ／( ＼ ＼ `, .| こんな逸話が出てくる以上、演義よりも
.′ .: ／＼ ､ ＼ Ⅶ! | かなりブッ飛んだお話です。
l ,r＝ミ、 ` ＼ 、 Ⅶ!. ｜
| ¨⌒ヾｘ, ヽ :. j( ｜ この三国志平話には、関羽の架空の息子である
| =_- _ ＼ j( |! 関索が登場しません。
| l | ヱミｘ、 V | ,j( |i ですが、演義には登場するということは、
八 乂_ , -_ `ヾく、 ,j( 八 この物語は演義が成立する前に作られたお話、
`/⌒ヽ , _ =_ `" , j( 八,( ということにもなるのです。
.,...........(＼ {ﾉノ ,ノ ／ 八,(／⌒ヽ
/.............. ソ＼ _ -= ／¨⌒＜//.....)く......＼ この平話、史実と出来事の起きた順番が滅茶苦茶
/................ `く ` ―ｒ ＝≡ニ三彡'................ //..........)く.......∧ だったりと、文学的な価値は皆無ですが、
,/..............／／.......フ_У＜_ソーく /..................., (................)く./...∧ 当時の人々が三国志をどのように受け止めて
,(..........／／........／ ／| /....................j. (...................)く../..∧ いたのかを知る、貴重な資料となっているのです。
●埋めネタ 【三国志平話】 終わり
三国志平話は張飛もぶっ飛んでるんだよな
人間の百倍ぐらいパワーあってｗ
/ ／ 今スレにおけるお話の投下は、これが最後となります。
ｌ ＠./ 〃 ＼ 次回のお話は、次スレからの投下を予定しています。
|＿ ′ ./ ( Ｙ :|!
.| f ｎ ` ＝-∩ :| |! 本編は木曜日か金曜日の２１：００からを予定しています。
ｌ U ゝ! 八 正確な日程が決まり次第、みなさんにお知らせします。
八 乂 r _）ノｲ ／ .,
`≧― =＝ﾆ彡イ-=＝≡「 | そ
r-ｒ ｆ=ニ三j('¨〈〉⌒Y.:=＝ニ三 .l＿ｊ
^' Ｌｊﾆ ¨,j( 〈〉 .:|!|! それまでは、このスレは雑談なり質問なり議論なりの
,j( 〈〉 |!|l スレッドとして使ってくださいな
,j(' く7 |!|:､
,:j(" くﾌ ＿ .ノ∞∧
｛:::::::;:く¨¨ `ヽノ ここまで皆さんのご声援、本当にありがとうございました。
`∨ ﾉｿ.＞⌒.ｆ＝ Ｙj よりよい作品となるようブラッシュアップしていきたいと思っております。
{ 〃ｲ- =＝{ .}! {"
`くﾆ仏 | }!.; そして、引き続き応援よろしくお願いします。
`マﾑ :|三{ 合いの手を見るたびに.>>1はニヤニヤしながら、次回を作っておりますれば。
Ⅶ :| { やる夫スレを作って本当によかったとつくづく感じているのです。
ｆ二j
いや天界をも長年悩ませたこいつらがすごいというべきか
乙
まあ、『平話』 は張飛が主人公みたいなものですし……
魔術やら超能力やらが出てくる、一種の伝奇モノだと珪孔雀は思っております。
叫んだだけで長坂橋を真っ二つに引き裂くとか、どこの赤ランサーだよ……
ってカンジですしｗ
途中で新スレ移ればいいんじゃね？
どうなんでしょう？
そっちの方がいいんですかね？
キリが悪いなあ、と感じまして。
でも確かに１５０スレ余ってるわけだし……
>>857さんと同じ意見が多ければ、こっちから投下始めますね
最初から読んだが面白かったよ
/.....| .′ ｌ ＼ , ＼ ヽ 明日、６／１２・木曜日、
. L.....ｊ ﾄミｘ､ ＼
＿＿＿_.| 「￣ ` `ー ＝- .ｘ、 ２１：００より投下開始します。
¨¨¨¨¨¨¨ | ＝- ,.x=＝＝=ミ,
爪.:しﾊ}} 〃Y . 場所は当スレで、９９０レス以降は
,.x=＝=ミ、 乂ｊ≧ツ ﾉ ｜ 新スレッドに投下します。
ｌ 〃爪.:しﾊ}} _,_._,_._,_._,_._,_._,_._,_._,_._,_._,_./_._,_._,_..ｊ_._,_._,_._,
|! ｛ . 乂ｊ≧ツ 〔三三三三三三三三三三三三三三三三三
|! ｛ .ｌ Y
|! :| |::. 七＿ヽ .| .i ｌ | .ｌ 是非、お越しになってくださいー
|! 乂 .|:::. ( 」 ﾉ ﾚ ノ 乂ノ ﾚ ﾉ
|! ､ .`三＝- |::::.
八 ＼ ` . _|::::: 士 ｌ 士 ¨７
三二＝- |_::::::. rﾉ-､ 乂ﾉ rﾉ-､ ⌒）
ttp://yaruyalibrary.blog.fc2.com/
.／ ＠ .＞＝┘ ｀
/三三／ `（ ＼ ＼ ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ 時間となりました。
/ / / ＼ ＼、 ヽ . :|!¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨| 投下を開始します。
i / _., ` ＝ミ､ |! |
｝ . 0 0 ﾄ ｝|! |
} 八 (⌒ヽ , ／) :|! |
乂 ≧{二 7=‐- -‐「二7ｨ |! |
⌒〈 ノ}! 〈〉 { ノ |!＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|
￣￣￣￣￣￣Ｑ〔三三三三三三〕 ｊ 〔
(＿＿＿＿ｆ＝＝＝＝＝＝＝＝1
_......-ミ
.......................∧ 本編を開始する前に、
／,/∧.............../..∧ 読者さんへお知らせがあります。
／.,へ /,∧............_./....ﾄ .
/ /......」 ./,＞ ¨￣ ` 実はですね、拙作が
/ｘ`ミ) ／ ＼ ＼
/....Ⅶ彡'.／､ ＼ ヽ ＼ 『やるやら書庫』 様にて、
Ｌ ＿Ｔ / ＼ :. _ . ＼
⌒ ′ ﾄ､ 二ニ＝- _ まとめていただいているのです！
|_ 三二ﾆ＝=- ー=彡 |
.: '| ,.斧仏¨}`Ｙ l .} .i 教えてくださった>>864氏に感謝を！！
,.斧仏 乂_り | . } 八
|! {/,乂_り .:::::: 八' / / .／
ｴﾍﾍ…… |! V/,ヽ::::::. ` _ , .ｲ /_ ／⌒
V, ` ≦＞=- _／ ィ〔 やる夫スレを始めた者として、
`＼ 二ニ=- ノf>o7 _`ﾌ、 まとめサイトさまに掲載していただけるのは、
ー=彡 ＜Ｙﾄ _,.ﾍノΥＹ⌒ ＞ _/｝ 一つの夢、一つの到達点でした。
/7....//⌒/Ｖ入＞{^....//.........._く、
〃....//......r_/∧ ,〔.....j/!.............-ヒ ､
/7.....//.......,〔/V/ j{.......}/l..................∨ﾉ_、
ｙ'.....,j/........r / o ,j{........}/|..../,..............ＶY., この場を借りてお礼申し上げます。
/7.....//.........〔/ //∧ｊ{..........}/|....//,.............`(._./, 本当にありがとうございました！
〈/....//........ (_/ Ｖ//.j{...........}/|......//,..............., (_./,
_〃...//..........ｒ'./ ,ｨ∧ .j{............}/|.........//,...............Ｙ...._, 今後も作品を面白くしていくため、
/／.. //..........｛ / V///〉{............ }/|............//,.............乂ﾉ^), 努力していくつもりですので、
_v.......//...........〔 / V// j{ .. .. .... }/|..............//,..................Ｖ_ﾍ 応援よろしくお願いします！！
{/...... //...........r' / Ｏ j{...............}/|..............._//,...................v(_/,
_ ....r――┐
≦ イ........... |-=＝ニ三ミ、
.,ィミ; |.............ｊ `
...く 《X彡' _.}. . -＝ミ､ ＼ 『やるやら書庫』 様にて
く.........＼/ | :. まとめていただいています。
＼....... L _.j _ 〟
,＼/ ./ ＼
/ / / ( ＼ ｜
/ ,: { ／( ＼ ＼ `, .|
.′ .: ／＼ ､ ＼ Ⅶ! |
l ,r＝ミ、 ` ＼ 、 Ⅶ!. ｜
| ¨⌒ヾｘ, ヽ :. j( ｜
| =_- _ ＼ j( |!
| l | ヱミｘ、 V | ,j( |i
八 乂_ , -_ `ヾく、 ,j( 八
`/⌒ヽ , _ =_ `" , j( 八,(
.,...........(＼ {ﾉノ ,ノ ／ 八,(／⌒ヽ
/.............. ソ＼ _ -= ／¨⌒＜//.....)く......＼
/................ `く ` ―ｒ ＝≡ニ三彡'................ //..........)く.......∧
,/..............／／.......フ_У＜_ソーく /..................., (................)く./...∧
,(..........／／........／ ／| /....................j. (...................)く../..∧
・予告編 http://yaruyalibrary.blog.fc2.com/blog-entry-2285.html#more
●第一部 『 群雄争覇 』
・第一話 「 桃園結義 」 http://yaruyalibrary.blog.fc2.com/blog-entry-2286.html#more
・小ネタ 「 中山〝精〟王 」 http://yaruyalibrary.blog.fc2.com/blog-entry-2287.html#more
【司隷 帝都・洛陽 相国府】
この日、董卓の館に、
/ ヽ
,' /!ﾄ､i , ',
j |/ｰ-､jﾊ /!. ! |
ﾉ/, ,-､ !{ ,ﾊ { ーtｯ !i /__}i､ .!ﾘ
'ｲ/! i{ }/'ta/ }/
' ! iゝ..ｫ 〉 }
} i:::.. ､ ＿ /
ﾚ! | i ヽ r- '-- ..,,
,ﾘ/ ', ＞ ..,,__ ,{ __ ｀ﾞ ｀ヽ_ r-､
,r≦彡ﾏ,., ', ／ｰ} ,r }YVヾヽ |- |
, -― '' ￣ ﾌイ／// ）ィｖ ｖ-v rvｨ^ﾊ ｰｧ .._,{i ',. ',ﾐ } } |- |
/ 'ｲ／ﾉ / / i. i! | ! ', ﾐ ヽ｀¨/ {.i!. }ｰ'｀´V j:::::{.
/ ', ｀´ﾚﾍ/!ﾉi ﾊﾄ ﾄ ﾊ }ヽ! ',ﾘｲ ',. /::::::::', ＿＿＿
/ ヽ :. ヽ Y ,! ‘ﾍ /::::::::::::',{＿＿＿
{ ', i::. ＼ i , ', ', ,:::::::::::::::::}￣￣￣
ri| .＿__.ヽ }::::. ＼ } / jﾊ ':, )､|:::::::::::::::::|r ⌒ヽ.
/ .i! / ｀''ｰ-￣＞. ＼ ! ／ ,ハ. '::, / ヽ￣￣ ｀| }
,′ ',. / ﾉ,' V ヽｲ !{. ' '::; / ＼ i´￣￣｀i |
j ',. /__＿ ,,,....:.:.:.:.:.:.:.! ﾊ i. ／ ヽ. |
r ⌒ｰ ', {:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:! j ', !／ } |
ﾉ ,.≧ r ´）:./^i:.:{｀YV:.:.:.ﾉ / V ノ ..:|
/, ／/ | {_:/ |:.:.! ', ',.Y /￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
.{ {. r≦! { {ｰ} } .} } { ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
! |. ', ﾏﾂ｀ヽ ! } { / / / }
ヽ ', ヽヾ彡 ゝ-ﾉ {- __..ｨ |
,,..-= ´ ｀=- ., jﾘ
●董卓（字はギルガメッシュ）
側近中の側近、二人だけが呼び出されていた。
新皇帝を擁立し、皇帝の擁護者となった董卓は 『相国』 に任命されていた。
相国とは、三公の職をすべて兼ねる―― 言ってしまえば、皇帝の代わりに漢帝国の運営を任される職のことである。
今は、この国を動かすのは宦官でもなければ豪族でもなく、この 『董卓』 という第三の勢力であった。
董卓の傍にいるのは二人の人傑。
一人は董卓の、ひいては董卓軍全体の知恵袋と見なされる鬼謀の士、李儒。
＿＿＿＿＿＿
..:::´::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀:.:.:.
／:::/:::::::::::ヽ::::::::::::､::::::::::::::::::::ヽ
/::::::/::::::::::::::::l:::::l::::::::ｉ::::::::::::::::::::::::.:. ……眠い。
/::::::/::::,'::::::::::::|:::::|::::::::|::::::::::::::::::::::::.:.:.
,':::::::::|:l:::|:::::::::::::|:::::|::::::::|:::::::::::::::::::::::::.:.:.:
|ｉ::::::::|:l:::|:::::::::::::|:::::|::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::;
|ｌ;;;;;;;从十ﾘ::::ﾊ:|:::::|::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::ｉ
| ァ＝ﾐ |:::::|::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::|
i:.j｝ :|:::::|::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::|
ﾉ v'' :|:::::|::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::|
ヽ |:::::|::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::|
/::::ｲ::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::|
ゝ_ /::::/ |:::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::|
ヽ ｀ /::::/ .::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::|
∧ /::::/.ィ´|:::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::|
フ升:::{＿__.|:::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::!
{::i!::::| ::|:::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::',
}::i!::::|´￣:|:::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::'.,
≦三ﾐ.':::i:::::| ::|:::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:..
}三ﾆ/:::ｲ:::::l ::|:::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
〉三,':::::{|::::::l_ |:::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
//l::::::::|::::::| :|:::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::)
/＿|::::::::l::::::| :|:::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
●李儒（字はハクノ）
そしてもう一人は 『天下無敵の猛将』 との英名高き男、呂布。
-―
´ ｀ ､- 、
,.ｲ ヽ ヽ.ト､
／ ' / ', ', ヽ l
/. / ' , ', .! l. Vヽ
'/' / ./ ハ ヽ i .!,. '!ノ
/ .! ,! , ! ! ! 、 丶 ! l,. '! 〉 ……………………。
l ハ ｌ. ', l ', ヽ ＼ ヽ.! l／!イ
ヽ{. ヽ ! ヽ ＼ ｀ ､ l ; ヽ,.ﾉ
l ﾄ､`ー‐' `ー‐' ノ! .|ｿ,! !
l.! ', ゝ_, ,::.. ) l i.!／
l.l ヽ （ ｀ ) ｰ' l ; !
l ! | ＼ヽ ￣｀ ,.-' ,. イ l /,'
. l.ｌ lr―=.ヽ_ ' イ;;;;: -‐l /ニ=i
!| !.l::::::lニニニﾆﾆ!ﾆﾆl/二二!
', !.l::::::!二二二二|ﾆﾆ'二二ﾆ!＿_ _,.. --- ..,,,,＿_
. _,. -―＝＝=ｰr l' !ニニニニニﾆlニニ／イﾆ＞'//////////////,i
!////////////!_l/二二二二ニﾆｌﾆ／イニ=//////////////////!
l////////////／_＜二二二＞'"ヘマ二ﾆ///////////////////l
. l///////////'ニニﾆ〃ニニニニニヽﾏﾆ//////／'///////////,!
}//////////＞'"=ニニﾆ=-_マニニﾆヽV////／/////////////,l
!/////////イ二二二二二二＞､マニﾆ,'////////////////////、
. !'///////,'ニ二二二二二二二二＼マ=!//////////／////////{
!///////,{!二二二二二二二二二二ヽｰV//////＞''//////////∧
. !////////{!二二二二二二二二二ﾆﾆ,!,!=∨//////////////////∧
. i////////∧ニニニニニニニニニニｱ/二ﾆｌV//////////////////ﾊ
ｌ/////////∧二二ニニニニニﾆﾆ／ｲニﾆﾆl l///////////////////ﾊ
. !///////////ﾄヾニニニニニニ>"／二ニニ'/!'///////////////////ﾊ
●呂布（字はアルトリア）
誰一人として言葉を発さず、ただ静かに酒を酌み交わしていた。
全国の豪族が結集し、決起したというのに――
相国府だけは、平時と変わらない穏やかな時間が横たわっていた。
しばらくして、李儒がおもむろに口を開いた。
＿＿__
,..:::／/ハト､:｀::..､ ……ギル。
,:::::/.:.;:':::|::::|:::::';::::::::.ヽ
./.:::;'::::;'::::l:|::::|:|:ｌｉ:';:::::::::::',
;':::;':;::l::||::::|:|::::|:|:||::||::l:::::::::; 十八の地方の諸侯たちが、エン州に結集したらしいよ。
.;::::ｉ::ｉ::|::||::::|:|::::|:|:||::||::l:::l:l::::i 十八鎮諸侯は皇帝陛下の勅書を根拠に、
.ｉ::::|::|::|::||::::|:|::::|:|:||::||::|:::l:|:!::' ギルに対する軍事同盟を結成――
l|l:::l::|十|lミ从;;从ﾘｨﾘ十l::|:|:::;
ｌ||::::::|芹示 ｨfﾃ芹ｌ|:|:|::::!
;':l|l:::|:|:辷リ .辷リ,l|:|:|::::| 盟主は袁紹、参謀には曹操。
.,':/||::从 ､ 从lﾘｌ从
,::;':::!!:l::|:|＼ - - ｲｌ::::;'::|:::∧
/.;':::;':|:l::|:|::{|;＞:. __...＜__|:|::;'l:::l:::::::::; 先鋒将軍には、あの〝江東の虎〟の孫堅。
././.::;':::ｌ:|::l:://.:.::／|_|＼:.:.ｉﾘ::ｉ:|:::|:::::::∧
.,.'::/.::::l:::;'::ｌ:::〉≦三ﾆ{/}三≧|:::|:|:::|__::::::∧
,:':／＞'¨i;'::;'::|:|..}三三l|/|lﾆ三l|:::|:|:::| ｀ ＜::ﾍ、
.,.'／/;ヘ |::;'::::|:l 〉///l|¨|///〈|:::|:|:::|l ';:::.＼ ―― こうも思惑通りすぎると、逆に怖くなるね。
, '/.:〃:' ';:从:::::|:| ｀⌒¨´| :|｀⌒´ｌ:::|:|:::ﾘ :/ ;::::::ハ
i:;'::/.::::′ :i::|::|::::|:l: | :| ,':;':|:|:::|ト､l ;:::l|::::|
.|:i::l:::::::′ ｌ|::|::|::ｉ:ｌ:| | :| .': l::リ:::lト､| ｉ::ﾘ::〈
.人::|:::::; Ⅳ';:l:l|:|:| | :| ';:::';:::::::::|ミﾘ '/.::::..＼
r'::::_ノ:::;::ｉ | ∨::l|从. O| :| '::::':;::::::| ｌ :::::::::::::∧
イ／ 丶j /／ 、 ヽ、
/ , '´ ／イゞヽ｀ヽ、 ゝ、
／ ／ ／ , i! , ',ヽ、 ヽ ……豪族どもは中原の掟に縛られ、
／ ／ ／ 〃 i ', ヽ ', 草原の〝弱肉強食〟がお気にめさんらしい。
/ ／ / / ／ / / i i、 i ',
/ / / / / ／ / / | ハ i i
ﾚｲ i ト.,/レ' / ／/ /,' i | , i | i 、', ゝ
ﾉ//ｲ | i _/ ／ // / // / / /i |i! | i ヾ ならば一つにまとめ、一網打尽にして豪族どもを
|〈 ヽ!kｪz‐- /／/ ＿ ＿_ノ i| ﾊ ,' ｵﾚ
ﾘヽoj ｀'┴ﾟ´ﾚﾚ´ }/ 皆殺しにし、改めて我の腹心どもを
Y^ヽ、 ! /oノ、 諸侯どもに封じればよい、か……。
ﾉ;:;:;;:;:＼ ' ／;:´ /ﾍ、
／;:;:;:;:; ;:;丶_｀ ￣ ／{;:;, / ヽ
ﾉヽ´ﾞ'ﾞ'ﾞ;:;:;:;:; ;:/´ >ー '´-';:;:;:; , ';:;:;:;:;:;:;} フ、フフッ……フフハハハハハハハッ！
／ {' ヽ, ,.,.,;:;:; ;/ / ／｀Y / ;:;:;: ﾉ ;:;:,.,ヽ、 よい、実に良いぞハクノよ。
. ／ ヽ,.,,.;:;:;;:'''''' / ´ ／‐v ;:;:;: ／ ;:;:;:;:;:丿 そなたの策は我の性に合うものばかりだ。
／ ｀ヽ;:;: | ; /_ｿ ;:;: ;:;: ;:;:;:;:;:/
/ ,' ｀ｰ−┤ ｀; ） ,.;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/ 実に心地よいぞ
| ヽ | /´/;:;:;:;:;:'ﾞ''''''''' /
| 丶 rァ/ / ,' /
i ', ｀ /i{j/ ／ ,,.,.;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/
', , / ':. 、 /ヽ /;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/
ヽ ., | ヽ / } V'' ;:;:;:;:/
V 'ー ∧ ｀ﾆ=ｨ'＿」 /
ヽ / ＼ /;:;:;:;:;:;:;,.,., /
―― 実を言えば、この時点で董卓は豪族たちを見限っていた。
そこで李儒の献策…… あえて敵対者をあぶり出し、一斉に蜂起させ、
賊の討伐を名目に豪族どもを一掃する、という策を採用したのだ。
あの時、啖呵を切った袁紹と曹操を生きたまま宮殿の外に出してやったのは、
いずれ彼らが立ち上がるであろうことを見越してのことであった。
彼らに呼応し立ち上がったものは、遅かれ早かれ董卓に向けて牙を剥いていただろう。
この李儒の策、わかりやすく言ってしまえば 『反乱分子』 のあぶり出しこそが、
究極の目的だったのである。
つまり、十八鎮諸侯による反董卓同盟は、その結成からして董卓の掌の上だったのである。
-―
´ ｀ ､- 、
,.ｲ ヽ ヽ.ト､ ……で、どう出る？
／ ' / ', ', ヽ l
/. / ' , ', .! l. Vヽ
'/' / ./ ハ ヽ i .!,. '!ノ 私に精鋭２万を与えれば、十八鎮諸侯など
/ .! ,! , ! ! ! 、 丶 ! l,. '! 〉 容易く粉砕してみせるが？
l ハ ｌ. ', l ', ヽ ＼＿ヽ.! l／!イ
ヽ{ ‐rヽ ! ヽ／rテTヽl ; ヽ,.ﾉ
l ﾄ､.V_}｀ ∨ノ ノ! .|ｿ,! !
l.! ', ゝ_, ,::.. ) l i.!／
l.l ヽ （ ｀ ) ｰ' l ; !
l ! | ＼ヽ ￣｀ ,.-' ,. イ l /,'
. l.ｌ lr―=.ヽ_ ' イ;;;;: -‐l /ニ=i
!| !.l::::::lニニニﾆﾆ!ﾆﾆl/二二!
', !.l::::::!二二二二|ﾆﾆ'二二ﾆ!＿_ _,.. --- ..,,,,＿_
. _,. -―＝＝=ｰr l' !ニニニニニﾆlニニ／イﾆ＞'//////////////,i
!////////////!_l/二二二二ニﾆｌﾆ／イニ=//////////////////!
l////////////／_＜二二二＞'"ヘマ二ﾆ///////////////////l
. l///////////'ニニﾆ〃ニニニニニヽﾏﾆ//////／'///////////,!
}//////////＞'"=ニニﾆ=-_マニニﾆヽV////／/////////////,l
!/////////イ二二二二二二＞､マニﾆ,'////////////////////、
´ ｀ .
／ ＼
／ ／ ＼ よかろう。
/ / .′ | ＼ , , では呂布よ、念を入れ、
′′ l :| ', ′ ′ そなたに騎兵４万を与える。
| | :| :| |! | l | ! :|
l :l! | :| |{ } } :| :| l ;
| }l l | :|! { :|{ l }/| :| :| | :| | 旧時代にしがみつく魂の老人どもを
-─- ∨| }ﾉ_｣{八ﾊ ﾊノ_}｣人ﾉ| | :| |{/ ﾉ 粉砕してくるがよい
. / ', |八(|:ｬtｯﾍ ∨ ｨtｯァ)ﾉ ,r┴┴───- .._
_.. -─- .._ | | {/´￣ __く＼
{::::::::::::::::::::::::::} { {´￣ ＼ ＼} ｀ .
. ',::::::::::::::::::::::,' 丶 ､_｀ ＿___, 八__フ--───-- く＼ }
. ＼__:::::__／ ＼ ー ／ | ＜二二＞ -─┬─ ＼}
| | ＿ ノ＼__ ,. ´ / {＼二＞ | ＼
,. -=ﾐ |_ ∠二ア { ／ |＼＼ :| ＼
/⌒ヽ }| ｝ _.. -‐ ´∠二ア__ |＼l ﾄ､| _｣.. -── {＼
/⌒＼ | }|ﾉ / | {／ ／ﾊﾊ∧∧|＼:| l＼| ,／ | ＼＼
/⌒ヽ }lノ | ′ { :{／ / / :| l :| |:＼| ／ | ,／ ＼У
. ＿＿{ ｝ l__⊆二⊇ { | :{／{/∨∨∨ ＼| | ／
-─ :| └'′ ノ ′ , ＼ ／ _|.. ＜ _.. -─ ''"´
. ', /| / ′ / ＼／ {__／:::::::.:.:.:.:.....
／:::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ、
. ／::::::::::／::::::::::/::::::::::::::::::::::::::／::::,:::::::',:::::＼ ……それはダメ。
/::::::::::::/:::::::::::: /::::::::::::::::/:::::/::::::::::::}::::::::}::::::::丶
,′::::::::/:::::::::::::::′::::::::::::/:::::/.:::::::::::::i| ::::::|:::::丶::::.、
,′ :::::::′::::::::::::′::::::::::::′:,′.:::::::::::/:::::::,′::::::::::::., 呂将軍なら勝てるだろうけど、私たちも疲弊する。
:::::::::::::′::::::::::::{::::::::::::::::{::::::′.::::::::::/::::://::|:::::}::::::::::; 相手は腐っても十八鎮諸侯。兵力は３８万もいるし、
.:::::::::::::|:::::::::::::::::|::::::::::::::::|::::{::::::::大ｰ{::::ｲ_{::/::::/::::|::::::} それを支える兵站だって完備されてる。
|::::::::::::′ ::::::::::::|::::::::::::::::|:::;|::从{＿ﾘ_Wi::::/!:::/:::::::|:::::|
|:::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::|:::|ﾘイ!芹芸ヾ V/!i/:}:::::::}!:::i
|::::::::::} ::::::::::::::::::|::::::::::::::::|从 ﾞ.‘⊇ﾝ ﾉ;斗::/|:/
|::::::::::|::::::::::::::::::ｲ::::::::::::::::| ´ ,r'ｿノ./´ 別に私たちが全力で相手をする必要はないよ、
|:::::::/′::::::::::/:::|::::::::::::::::| 乂´ そんなのバカバカしいし
/:|::::/:′ ::::::::/: : |::::::::::::::::| /
,'.::|:/::′:::::::::/ ::::::|::::::::::::::::| _ /
./:::::|:::::}:::::::::::/::::::::∧ ::::::::::::| ｀ー’ ,.:|
.::::У.::::|::::::／::::::::/ } :::::::::: ト､ ／.!:| ここは私の策を聞いて？
::::::::::::: ﾉ／::::::::／ 、_|:::::::::::::| ＞ ／:::::::|!|
:::::::::／::::::::::::::/ ｀ｰ-!}:::::::::::::|二、,ﾆ{｀¨::::::::::::::::|:}
／.::::::::::::/::,′ {~|::::::::::::|≧行<二ﾆ7i:::::::::::|!
＿＿00 ｎ _＿_ ＿＿00 ｎ _＿_ ＿＿00 ｎ _＿_
.└‐ｔ.ﾉ | |└‐ｔ,ﾉ . n_ .└‐ｔ.ﾉ | |└‐ｔ,ﾉ . n_ .└‐ｔ.ﾉ | |└‐ｔ,ﾉ . n_ ○ ○ ○ ○ ○ ○
广'‐┐ Ｕ につ ｃ!［ 广'‐┐ Ｕ につ ｃ!［ 广'‐┐ Ｕ につ ｃ!［
￣￣ ￣￣ ￣￣
＿＿_
´ ｀ヾ}
／ ≧､ ……相変わらず、貴様の献策は陰険よな……
/ ＼
/ ヽ
/ ＼ ',
/ / ′ ｉ ､ ｌV ∧ ヽ
ｰイ / l ﾄ､ _ 斗 V ∧ ﾄヽ まあ、よい。
l ,ｉ __八 Ⅳ ´＿＿__V 刄∧.l ならばそれで行くとしよう
l/ l ==ヌ＼| ｀￣￣´ V_」 .l
Ⅳ! / ﾉ l
. 〈 厂 从
八 ′ Ⅳ
＼ ￣￣ ｀ /. l八l
＼ ／ l
ー ＜ {0.ﾆﾆﾆﾆ}
{!ﾆﾆﾆ| |ﾆﾆﾆﾆﾆL
|lﾆﾆﾆ| _.」0ヽヽﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆヽ
ノ||彡 ´ ＾ ||ﾆﾆﾆヽヽﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＼
-=ﾆﾆ〃||､ /||ﾆﾆﾆﾆヽ二二ﾆヽヽﾆﾆﾆﾆﾆﾆ|
r-=ｴﾆﾆﾆﾆ〃ﾆ|| ｌ / .||ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆⅧﾆｌ ｌﾆﾆﾆﾆニl
lﾆﾆｴﾆﾆﾆ〃ﾆﾆ|| l / ||ﾆﾆﾆﾆﾆﾆニⅦﾆ| |ﾆﾆﾆニニ!
. lﾆﾆｴ＝＝ﾆﾆニ|| l. / .||ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆⅦﾆ.ｌ lﾆﾆﾆニﾆ/i
＿＿＿
, ' ´: : : : : : : : :ﾐ ｰ-､
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : :¨ヽ
/: : : : : : ／: : : : : : : : : : : : : : : : 、 せんきゅー、べいべー
/: : : : : :./.: : : : : : : : : : : : : : : : : : :.',
,': : : : : :./: : : : :/: : : : : : : : : : : : :!: : :',
ｉ: : : : : ,': : : : : :!: :, : : : : : : : : :!:. :| : : !
!: : : : : i: : : :! : ! :{ : : :{ : : : : | :! : | : : | じゃあ、私は軍の編成作業に入るから、
! : : : : ,|: : : | : :!斗弌:|: :| : : |斗: :|: :!: ! 今晩はこの辺りで……
{: }.: : / !: : : 从笄芋}乂从;ｲ笄ﾘﾑｲ:/
|/: : 人|: : : :| 弋ﾋツ 弋ｯ 从;{'
/: : : {: .:|: : : :| , ,':{
. / : : : _:_:_|: : : :ﾄ 人!
／: : :;_イ￣',: : : | ｀ ' .ｲ!: :! 夜更かししないようにね、ギル
／.: : ;_ｲ.--､ ',: : :ﾄ､_／}＞::n＜::::::ｉ: .:|
. /: : : ／ ∨ ',:. :ト>}y{.{_::::|.|:::::::::::|: : |
/ : :.〃 .! ',: :! 仆､ ｀:;｢}::::::::::|: : {,
. /: : :./ | ',: V八 ﾊ | |ｎ:::::::!: : :',
/.: /: :! / ﾊ: :.', | } ｎ |. V:::|: :i: !
. /: :‖ :.| ! ＼ 〈 !: :.V Ⅳ | U〉 ∨}: :| ;!
,' : :‖: : | ! ﾚ' |: : :ﾚ'}} ｉ ﾘ / }!: :|:!
+‐=＝=‐- ､
,. -‐=＝´ ｀ヽ ､
／ , ＼ ＼
/. ／ ｀ヽ ＼
. / / / ＼ ……貴様は我のお母さんかっ！？
.. / / , ＼
/ / i /i ヽ ゝ `ｰ ､
. ,' , , ′ | / { ハ ヽ ＼￣
i , ′ { | ,' ', | , ', | i ハ｀ヽ もうよい、下がれと言ったら下がるのだ！！
/ ｲ / ∧. ! !＼ i i､ }ヽ .} ! ∧
ｰ=彡, ／ ノヽ| l |. `寸', ! i | | i | } ',
|/´ f ! ﾍ ヽ ! ≧＿ ﾄ＼ハ i! ! ハj／∨ヽト ヽ
{ | ', ｰヽ ﾄ |∧|ヽ "'' ‐- `ｰｔ∧ ﾉ /／}八{ﾘ } ヽｊ
. ',八 `ｰ=ハ ! ＼', ゝ 旦_ ゞ ﾉ'´ﾚ ,. -‐=7∧ |
／/∨ ＼＼ ' ｊ ゞ ∂ ´从 !
. く////∧ 冫` U ヽ` / }八{/≧=−
∨///∧ } ヽ 冫///////////
r‐{|/＼//｝/ /＼ ∠ ｭ､__ r' .八/////////
イ//{|,///＼ il ＼ /´￣ ヽマ ７ ／､//////////
///从,/////＼ l! ト ヽヽ､＿＿ ｝У ／!///＼////////
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/////∧ ///////＼ r‐`ｰ 一' ∨//////／/ ´￣
//////∧//////○冫, く / .∨///／／ ｀ヽ､＿
///////∧ /////// / ,/ 入///／////////
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. -─-ミ,_＿_
／..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀丶、
. ／..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
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. {.: .:|:.:|.:.:|::l | :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
V从人人Ｎ .: l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
} 笄㍉,| .: |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ｌ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l
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こうして、李儒の献策による同盟軍への迎撃準備が整えられることになるのである。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ ┃
┃ 【正史】やる夫たちは中原で覇を争うようです【演義】.┃
┃ 第一部 『群雄争覇』 ..┃
┃ ┃
┃ 第二話 「三英戦、呂布」 前編 . ┃
┃ ┃
┃ ┃
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.lll、 ,,,,,iiilllllii,,,,＿_,,,,,,,,,,,,iiiill!!! .,,illll .llli､ __
._,,ill| ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,__ .__,,,,iiiiil!!!lﾞﾞﾞ゜ .ﾟﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ＾ .,,,iill!ﾞ’ ,,illl .,,iiillllll!!lllllll
.,,,iiiil!!!ﾞﾞ’ lll!ﾞﾞﾞ”ﾟﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ!!!!!!!llllll! 幽州 ,iiiiil!!ﾞ° lllllﾟ,,iill!ﾞ°
.,,ill!ﾞﾞ｀ llll, llll、 .,,,、 _,,,,,,iill!ﾞ｀ .ﾞllliill!ﾞ｀
lll!ﾞ 'ﾞ!!!lliillliiiiii,,,、 ﾞﾞ!lli,..,illllli,、 .,iiil!!!!ﾞﾞﾞ゛ l!!ﾞﾞ゜
llli,,、 ,,,ill!!!ll,、 ,,,,, .ﾞﾞ!lll ﾞ!lllll!ﾞ.ﾞ!!lii,,,iiiilll!!!!li,,
.ﾞﾞ!llii,,. ,,,ill!ﾞﾞ .ﾞllli,、 ,,ill!!ll、 ,lll lll| .ﾞﾞﾞﾞﾞ’ .ﾞ!llii,,, .,,,iiii,,,,,,,,,＿
.ﾞﾞ!!l!!!ﾞ’ .ﾞ!llii,,,_,,ill!ﾞ゜llll、 .,ill! 并州 llll ,,,,iiillllli,,,_ ,,iill!ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ!!llll
ﾟﾞﾞ!!!!!ﾞ° ﾞ!liii,,,, .lll!ﾞ lll" 冀州 iill!!ﾞﾞ゜ ﾞﾞﾞ!!!lliiiiiill!ﾞ゜ .,,,iiill!!
,,,,,,_ ﾞﾞﾞ!lli,iilll｀ ﾞ!lli, .lll、 青州 .,,,iill!ﾞﾞ°
ﾞﾞﾞ!!lliii､ ﾞllllllii,,, .ﾞlll ,,illliii,,, .,,,iiiiii,,,,,,illl!ﾞ°
,,,iiiiiill!ﾞ 涼州 .ﾞ!!ﾞﾞﾞ!lli, !ﾞﾞﾞ!!llii,, lll,,, ll,,,,, .,ill!ﾞ~ﾞﾞﾞllllllﾞ゜
lll￣ ｀ '!ll、 _,,lll′ .ﾞ!llil, ,illlﾞﾞ!llliill!ﾞﾞ゜ !lll!ll,.ill!′ .lll!ﾞ°
ﾞ!!lliii、 lllliiil!!!!ﾞﾞ .'!llli,,iil lll,エン州 ,,ill!.llllll!l lll,、
ﾞ!llii,, _,,,,, ,,,,iiill!゜ !ll、▲ .,,,iill!!ﾞ゜llll′徐州ﾞ!lllii,,
ﾞﾞ!!lliii,、 llll!llii,,,,iiill!!ﾞ”” 司隷 ●洛陽,,llll, .,,,,iill!!ﾞ゜ .llli,, .ﾞl!lll、
ﾞ!lli,, 'lll,,.ﾟﾞﾞﾞﾞ” ●長安 ｀ .,,ill!llllﾞ!!!!!!ﾞﾞ’ ﾞ!!liii,、 .ﾞ!!lii,,
.ﾞﾞllli,,,,、 .ﾞﾞ!!!liil,,,,,,_,,,,,,,,,、 .,,,illl’.ﾞ!llii,, 予州 '!lll ﾞﾞ!lii,,,,
.ﾞﾞﾞlll| .,,ill!ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ!llii,,,,,,,,_ ,,iiil!!ﾞﾞ ﾞﾞ!lli,, ､ .,,,,,,,iiilllliiii,,,,,,,,,,,,,,,,,_,,llll!
,llliiii,,,,,＿,,,,ill!ﾞ｀ ﾞﾟﾞﾞﾞﾞﾞ!!!llll .ﾞﾞ!!liii,,,、 .,,,iiiil!!!ﾞﾞﾞﾞ’ .ﾞﾟﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ!lllll,,,,,、
.,,iiiiiliil!!゜ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ゜ llll,,,,,、 .ﾞﾞﾞ!!llii,,lll!ﾞ″ ﾞﾞﾞﾞﾞ!!lli,
lll!ﾞ｀ ﾟﾞﾞllllll! ﾞﾞ!llll 揚州 ﾞ!lli
.lll″ 益州 ,iiii,,,,,iill!ﾞ° 荊州 ﾞlll,、 ,,,,,,illl,,__
.lll, ,illlﾞ”””｀ ﾞ!lliii, '!!ﾞﾞﾞﾞﾞﾞ!!l
▲が陳留。
西暦１９０年、初平元年。三月。
董卓を討伐するために集まった十八鎮諸侯たちではあったが――
おい、酒が足りないぞ！！
,r=ヽ、 r';;;:;:;;:::;;;;;;;;;;;;ヽ、
j｡ ｡ﾞLﾞi rﾆ二`ヽ. Y",,..、ｰt;;;;;;;;;;;） 肉だ！ 肉を持ってこい！！！
r-=、 l≦ ﾉ6)＿ l_,.､ヾ;r､ﾞt lｦ '・= ）rテ-┴- ､
｀ﾞゝヽ、`ｰ! ﾉ::::::｀ヽ､ L､ﾟﾞ tﾉ`ｿﾞ`ｰ ﾞiｰ' ,r"彡彡三ﾐミ｀ヽ.
にｰ `ヾヽ'":::::::::::: ｨ"^ﾞiﾌ _,,ﾉ , ﾞtﾌ ﾞゞ''"´ ﾞifrﾐソﾍ,
,.、 ｀~iヽ､. ｀~`''"´ ﾞt （,,￣, frﾉ ゝ-‐,i ,,.,...、 ヾミく::::::l
ゝヽ、__l::::ヽ｀iー- '''"´ﾞi, ヽ ヽ,/ / lｦ ｪ｡､ 〉:,r-､::ﾘ ハンバーガー食いてえ
W..,,」:::::::::,->ヽi''"´::::ノ-ゝ ヽ､_ﾉｰ‐ﾃ-/ i / ,, 、 '"fっ)ﾉ::l
￣r＝=ミ__ｨ'{-‐ﾆ二...,-ゝ、'″ ／,/｀ヽl : :`i- ､ヽ ,.:ﾞ''" )'^`''ｰ- :、
lﾐ､ ／ f´ r''/'´ミ)ゝ^),ノ>''" ,:ｲ`i /i､ヲﾞi .:" ,,. /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀ﾞ
! ヾ .il l l;;;ﾄ､つノ,ノ ／ ／:ﾄ-"ﾉﾞi ,,.:ｨ'" /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
. l ハ. l l;;;;i _,,.:イ / ／ ,ﾚ''";;;;｀ﾞﾞ" ヽ_,,ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
人 ヾﾆﾞi ヽ.l yt,;ヽ ﾞv'′ ,:ｨ" /;;;;;;;;;;;;;;r-'"´｀i,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
r'"::::ゝ､_ﾉ ﾞi_,/ l ヽ ﾞ':く´ _,,.〃_;;;;;;;;;;;;f´' ll;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
｀￣´ ／ l ヽ ヾ"／ ｀ﾞ''ーハ. l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
／ l ﾞt `' ／^t;＼ ,,.ゝ;;;;;;;;;;;;;;;i;;;;;;;;;;;;
積極的攻勢を仕掛けることはしなかった。
,,-'''￣￣￣＼
,,-'' ＼ ……何やってるんだよ
／￣￣￣ |
/ |
| .i ／
ヽ `-一''''''"~~｀`'ー--､ -´´-一'''''''ー-､.
ヽ ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒＿(⌒)⌒)⌒))
●曹操（字はやらない夫）
当初、董卓は大軍を持って攻め寄せてくるのではないかと考えていた諸侯たちは、
陳留城を拠点に防衛することを計画していた。
―― しかし、待てども待てども董卓軍が現れる気配がない。
関を固く閉ざし、首を引っ込めた亀のように出てこないのである。
. -‐.:.:￣￣￣＞x.
／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼ ……これはマズいぞ
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ .:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l
/.ィ.:.:.:| .:.:.:/:.:.〃.:.:/.:.／..:.::.ィ.:.:.:.:!.:.:! 諸侯たちは完全に宴会気分になっている。
ノ'´ l.:.:.:.| .:.:/.:∠|..:.:'.:./ .:::／ !.:! ..:|.:.:| こんな時に董卓軍が攻め寄せてみろ、俺たちは
|, .:.:| .:.l./――|::/.:／r―┤l ..::ﾄ..:| 一撃で瓦解するぞ……！
ﾉ|l.:∧ .:l ≡≡ {:/ ≡≡V.:.:∧ ヽ
|l.:.｀ヽ.:.', {. ７.:.:./
|ｲ/.:.::ド ､. U ′ , ′:/ 悪いがやらない夫、俺の兵を貸してやるから、
从/ﾄ'､ > ィ イ:.:／ ちょっと董卓を叩いてきてくれないか
／ ヽ辷 ≧-＜リﾊ{
●袁紹（ルルーシュ）
業を煮やした曹操は、手勢を率いて出陣。
迎え撃つ董卓軍の武将は除栄。
これを 螢陽の戦い と言う。
／￣￣＼
＼ ／ ＼
（●）（●） ｜ 任せるだろ！！
（__入__) |
| ⌒´ |
{ }
＼ ノ 董卓軍なんぞ、フルボッコにしてやるだろ、
ヽ＿_, く 常識的に考えて！！！
｣､ __､＼
(__)＼ （__／ ＼
＼"＿_,ﾉ＼ﾍ ､
＼＿_,ﾉ ＞
＜ ＞
レ ＼
|/＼|＼|￣ 、
＼＼＼
―― しかし、董卓軍にまさかのボロ負け……
／ ＼
, ; ／ /Y / r-、 _
c=＝ｰ＾ /li ＜こ＿ .:; イ.:.:.:.:.:7:::ヽ /V::::/ /::t__ ＿＿
z ,ｨ≦ ﾑ}|/__／´⌒ ／.:.:::::.:.:/:/`' ７::::く /:t-i::/ ./￣____:::::/
__ -一 .:fr'/{ﾐ ,彡／ ,／.:.:.::::／.:.l,/ /::/ヽ' ヽ;:`'/ ￣,-, /／
c=＝ ¨¨ ／^{ノ ilil/／ /⌒´￣￣￣`7´ / l,/ /:/ /:/
ｃ に≠==ー 厶- il,／ 〃 ｰ／, { { i `' `'ヽ
`ーﾄ､ 〃 {i ﾍ. :丶ヽ: : :ヽ: : : : : : : : : : { :＼
C °。 : . ﾍ にﾍ,{i. ヽ.i{ . . . . . : : : : ヽ、:＼: : : :＼: : : : : : : : ヽ. : :
: ', ,〉ｨﾍ ヾミ{!. : : : : : : : : : : : : : :＼. :＼: : : 丶: : : : : : : : ＼
く {^ヽ人 ﾍ≧ー‐rｰ宀7⌒ヽ. : : ヽ､__. : : : : :＼. : : : : : : :
:｀ 、: :ﾄ ´ ヾ ¨＞く__ノ ＿,人___／, |¨¨"¬ｒ一=,,___ : :
| ＼ ⌒ /. | ↑
|. | 除栄の腕
. |. |
ｨー-ヽ ﾉ
／ ﾍ､＿＿ 彡彡 ´ _ ｰ'
/ . : : : ´¨¨¬ , ／
. / ヽ、 ／
正史『魏書』太祖伝に曰く、「 除栄 と交戦したが死傷者を数多く出したため、
これ以上の戦闘は不利と考え、撤退した」
／￣￣＼
／ ノ:::::::ヽ（ ;:;:）
| （ ;:;:;）::::（ー） | ……スマン、ルル
. | （__人;;:_）.:|
| ＃ ｀|⌒´；:.i あいつらツエーわ……
. ( ;:;:;:;:)..i ::::::::/
.ヽ;;;;;;;; #.人
.. ..／/|＼／ /_ﾉ.ｌ⌒l
/ /__| ＼/ ./ | ../
ヽ、//////）./ . |.ｲ
/ ￣￣ / | .|
____.,/ )--- ヽ
しかし、正史『後漢書』董卓伝の中には、
「 徐栄は曹操と交戦したが、わずかな手勢で奮戦し徐栄の大軍を押し留めた。
少数の軍勢ですらこうまで粘るのだから、本陣はより一層固いに違いない」
と判断し、徐栄は進軍をストップさせた、とある。
螢陽の戦いは、曹操と徐栄で引き分けたと考えるのが一番いいだろう。
されど、当時の人々は曹操が負けた、と判断した。
曹操の敗戦を受け、
諸侯たちはより一層消極的になった。
: :: :::: ::::: ::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
: : ::: :::: ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
: : : :: ::: :::::::::::::::::::::: Λ＿Λ . . . .: : : ::: : :: こいつぁヤベーぞ、やっぱ董卓って強いんだな……
: : : :: ::::::: :: :/:彡ミ゛ヽ;）ー､ . . .: : :
∧ ＿∧::::::::::::::::/ :::/:: ヽ、ヽ、 ::i ∧ ＿∧
::::::::/⌒￣⌒ヽ）'ヽ::::::/ :::/;;: ヽ ヽ ::ｌ::::::::/⌒￣⌒ヽ）'ヽ:
￣/;;;;;;;;;:: ::::ヽ;; |::::（_,ノ ￣￣￣ヽ､_ノ￣/;;;;;;;;;:: ::::ヽ;; |
::::::|;;;;;;;;;:: ﾉヽ__ノ: : :::::::: :: :: : ::::::::::::::::::::::|;;;;;;;;;:: ﾉヽ__ノ こっちから攻めちゃダメだ、向こうが来るのを待とう……
￣l;;;;;;::: /:::￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣l;;;;;;::: /
そんな中で二番手として立ち上がったのが、
l: : : : : : : : : : : 彡 ヽ
|: :ﾐ: : : : : : : : : : : ヽ l
|: : 彡: : : : : : : : : : : : : : : : :ﾉ / ハ: . l:､ ヽ l | どこかで勝たなきゃならねえ……っ！
|: : : : : : 彡: : : : : : : : : : : : : : ./ /:::::::l: |: ', | |ﾘ
|: : : : : : : : : : : : : 彡: ／: :／/／::::::::::::l: l／ｊ/ヽﾉ
|: : ｿ: : : : : : : : ;. ''´::￣ ~" メ､:::::::::::: ﾚｲ f 曹操はヤられた、
|: : : : 彡_:_: i:!:|:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::..,,ﾑ 'ﾌ/ 曹操と同程度の将は袁紹と俺くらいのものっ……！
:l: : : : / r‐|: : :| "､´￣(ｯ￣~"ﾌｼ く'ﾞ′ /
l: : : :.| i: :lN: |:::: ::::::::::::￣:::: .::::::::::', . /
!: : i.!ヽ :､ヽ､:|:::: .::::::::::::::::', ./ 袁紹は盟主……っ！ 万が一のことを考えれば、
|N: : : :＼_ノﾍ::::::::. .::::::::::::::::::::::::', . 動けなくて当然……っ！
/|:!: : : : : ／::::ヽ::::::::....:::::::::::::＿::`:-ｧ.､_'､
／ |l: : : ／::::::::::::::ヽ::::::::::::::::'＾::ー ´ /
三三;;;;＼´::::::::::::::::､::::::＼::::::::::::::::-‐:: / 俺しかいない、出陣できるのは俺だけ……っ！
三三三;;;;;:丶､:::::::: ヽ:::::::丶､:::::::: /
三三三三;;;;;:::::｀::-:､ ヽ:: /;;｀丶､_/
三三三三三;;;;;:::::::::｀:.‐-'､::::_く
●孫堅（字はアカギ）
長沙太守・孫堅である。
孫堅は手勢をまとめると、
＿─-､ -‐;ｚ.__
＞ ` " ﾞ ＜
/ " " " " ﾞ ﾞ ﾞ ﾞ＼
l " " ", ,ｨ ハﾞ i ﾞ､ ﾞ､ヾ
| " "ノlﾉメ、 |ﾉjﾑﾍ. N それに、俺がここで勝てば、
! r,ｺ| ＝=｡ ,=｡=ﾊﾘ 同盟軍で最初に戦功をあげた将となる……っ！
| |ﾋ.j| ￣ r_ ＼7
j `ｧﾍ ヽ===‐'7′ .ﾎﾏﾚ
_／∨ :::＼ ￣ 人 先陣は名誉、孫家の誉となる……っ！
,. -‐'''"´ |.;;;;;ヽ. ::::`:.イ;;;;;|`''‐- ､.._
./;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;;;;;;＼ :::/;;;;;;;|;;;;;;;;;;;;;;.ハ
l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;;;;,ヘ 〉 |へ.;;;;|;;;;;;;;;;;;;;l.;;;丶
.l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ｌ_／;;;;;ﾟ〈ｰ ‐'|;;;;;;;ヽ!;;;;;;;;;;;;;;l;;;;;;;;;＼ r ィヽ
.|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::|;;;;;;; ｢￣￣|;;;;l;;;;;;;;;;;;;;;;＼_.| ヽ. / / |
/,;;´;;;;;.｀ヽ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::|;;;;;;;! l;;;;;l;;;;;;;;;;;;;;;;;;,ィ_ j vl!,⌒ `'ﾉ､ノ
〈ィ´ ｀ヽ｣;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l_::/;;;;;;;;;`ー‐.';;;;;ﾄ、;;;;.,ィ´ｨ!::::|ゝ ' ＼ゞ＼＼
r' ｀¨¬-､_;;;;;｢;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l .｀v´ヾ'/| :::|ノ iゞ､.ヾ! ヽ
.｀ゝｭ,,＿_ ｀¨亠'"´￣￣ﾍ,;;;;;l.,／ / |!__| ゞ,..ﾉ`ヽ,ﾘ
｀i¨¬-----ｭ､,_＿_ ,、 , , 〉,. ' ' .|! ! ｲ!rz ﾉ'
i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l;;;;;;;;;;;ｸ,々ｙ′ .ﾉ' ｿ″ || ゝ , !
{;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l;;;;;;;;;;;.ゞ二＝＝＝＝'/ |r=ォ i _j._ l!
.∧;;;;;;;.,rー──── ／ /! l!ﾚ''"/ ハメ＼ ／,. --ヽ
/::人_／/////////／ イ /ﾉ!L,ﾉ / .∧| ＼:::＼r/:::/ヽ. !′
／:::::／////,rー─／ / ゞ.._ ＼::rt::/ ヽ ﾞ ､
/:::::::::::i!////// ' `rーゞﾗ rｬ i
{:::::::::::::i!///// / / ヽ..:.:ゞ!､,.._ ,.:j
, / ゝ':.´: : : ./
/ ` ﾆﾆフ
梁へと進撃。
―― が、
__ 00 ＿, ∩
く,ﾆ ! く Ｖ ／ ○ ○ ○ ○ ○ ○ [][]「l ∪
くノ く へ＞ くノ ｏ
やらない夫を撃破した将軍・徐栄に敗北を喫してしまう。
_,,---- . .__
￣` 、 ｀ 、 _... ---、
,. --‐ ¨¨` `´ _,,ヽ
, ´ ∠-- 、
'―'￣二７ ､-'
, ´ ', やられた……っ！
／ ',
, ' ,-, ,、 ',
' ´.／ ／!::', l 曹操を見くびってたワケじゃねえが……っ！
/ ,-, /:::::!::!:', .lヽ l
,' ／ / /l /::::u:::!:::ゝ-―､-', l あの徐栄とかいう将軍……っ！
l / ./ /l /:!:l::!:::::!／::::!:::!`::!::!ヽ /ヽ. l 避けて通るべき……っ！
' l /l /,-l/-､::::!::::!:::, ´￣｀ヽ｜ l l. l
l / l /', ｡〉 、 ﾟ , l l l / あの男、将帥としてならオレや曹操以上の才……っ！
l/ l / `ー-;/ ￣￣ l l / .l
. '' ', ／ 、 ij ,' ',´ l
∠__ ' __＿＿_ ,' ', l-、
', Fニ二 -ｭニ二j ,' ', !:::::丶
',└‐''¨￣ . ,' ',l:::::::::::::::`lー- _
'., u. / '::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::¨ ‐- 、
'., ／ l::::::::::::::::::::l::::__::::::::::::::::::::::::/
, ´ヽ ／ l:::::::::::::::::::::l:::::::::::￣￣¨'‐〈
, ´::::::::::/:::::::::` ´ l:::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::::::::::
, ´::::::::::::::::_/:::::::::::::::::', .l::::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::::::::
曹操・孫堅という二傑が敗北し、
反董卓同盟軍の消極性はここに極まった。
｡
｡ ｡ | ｡ ｡
|. | |:| |. |
|| || |.:.| || ||
|:|. |:| l∧l |:|. |:|
｡ |.:.|. |.:.| ,.傘., |.:.|. |.:.| ｡
| .|∧||∧| ,傘傘傘, |∧||∧| |
｡ ｡ ||. （VVVV）.傘傘傘.（VVVV） || ｡ ｡
|. | |:| {∽}{∽}}}傘傘傘{{{∽}{∽} |:| |. |
. || || |:.:| ,傘|ｌ~~|ｌ~~|}}个个个{{|ｌ~~|ｌ~~|傘, |:.:| || ||
|:|. |:| lvvl .,.,傘傘|∩||∩|}::::/⌒ヽ :{|∩||∩|傘傘,.,. lvvl |:|. |:|
.|.:.|. |.:.|. |∩|傘傘傘|| l|| l|}:::|: |:::{|| l|| l|傘傘傘|∩| .|.:.|. |.:.|
|∧||∧| ,.,.,傘||"||傘傘傘|| l|| l|}:::|: |:::{|| l|| l|傘傘傘||"||傘,.,., |∧||∧|
(vVVVV)傘傘{∽}个个个{∽}{∽}}:|三ﾆ三|:{{∽}{∽}个个个{∽}傘傘 (VVVVv) |
山i!山i山傘傘|三|!|/⌒ヽ!|ｌ~~|ｌ~~|}:／个＼ {|ｌ~~|ｌ~~|!/⌒ヽ|!|三|傘傘山i!山i山 ∧
||^^||^^|个ｌ个{∽}!||:. ||{∽}{∽}}:{ﾆi二iﾆ}:{{∽}{∽}||:. ||!{∽}个ｌ个||^^||^^| /;;;;;ヽ
|| l|| l|::::::::::::|三|!|iﾆﾆﾆi||ｌ~~|ｌ~~|}::::／＼::::{|ｌ~~|ｌ~~||iﾆﾆﾆi|!|三|::::::::::::|| l|| l| | ∩ |
|| l|| l|／ｌ＼||: ||!|／ｌ＼||| l|| l|}:::|: |:::{|| l|| l||／ｌ＼|!||: ||／ｌ＼|| l|| l| ／＼ |ニニ|
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{})({i})({}iﾆﾆﾆi{({})}!!.!|,,, l|:!{})({|})({}}::|皿ｌ皿|::{{})({|})({}!:!|,,, l|:!!{({})}iﾆﾆﾆi{})({i})({}:::[]::|:|::[]::|:|::[]::|:|::[]::
|| l|| l|鬥ｌ鬥||: ||!|鬥ｌ鬥||| l|| l|}|鬥轟鬥|{|| l|| l||鬥ｌ鬥|!||: ||鬥ｌ鬥|| l|| l|:=:=:|:|=:=:|:|=:=:|:|=:=:
|| l|| l|/⌒ヽ||: ||!|/⌒ヽ||| l|| l|}|iiiiiiiiiiiiiiii|{|| l|| l||/⌒ヽ|!||: ||/⌒ヽ|| l|| l|:::[]::|:|::[]::|:|::[]::|:|::[]::
|∬||∬||:. ||§|!||:. |||∬|∬||}|iiiiiiiiiiiiiiii|{||∬|∬|||:. ||!|§||:. ||∬||∬|:=:=:|:|=:=:|:|=:=:|:|=:=:
|凶||凶|iﾆﾆﾆi|凶|!|iﾆﾆﾆi||凶||凶|}|二二二|{|凶||凶||iﾆﾆﾆi|!|凶|iﾆﾆﾆi|凶||凶|:::[]::|:|::[]::|:|::[]::|:|::[]::
●陳留城（心の清らか人には中華風の城に見えます）
陳留城に留まり、長期戦の方針を決定したのである。
―― こうなってくると、
帝を手中にする董卓と、
持たざる同盟軍では、同盟軍が圧倒的に不利となる。
それを黙って見過ごせるほど、袁ルルーシュは穏やかな性格をしていなかった。
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ｒ-, /´ ｒ‐ ￣ ,.. -.::´:::::::::::::::::::::::::::::::::｀::..、
l l/ / ／´￣￣_ 二 ﾌ イ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
l/ /／ ／´￣ ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ 我らも皇帝を立てるぞ！！
ﾉ 〃 ／ ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
/ ＜ ＿＿ /:::: :::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/ ＿ 二二つ //:: :::::::/::::::::::::::: ::::::/::::/::::/::..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
/ く´ /ｲ:: ::::::::l: ::l::::::/:: :::::/::::/::::,':: ::::::::::/::::::l:::: .::::i :::::l: .:::::::ﾄ､
. / ＼ /ﾉ !: :l::::::{: ::l:::::/:: ::::ｲ::::/:::/:. :/::::::ｲ:::ﾊ:::ﾄ:::: .:::l ::::l: ::l::::::l ﾍ
/ ｒ‐‐ ､ ヽ ,':::::l::::::l: ::l:::::'::__:/ l::/!::/:. :/::::/ l::/ l::lzl-:: ::l :::l: ::l:::ﾊ:l
/ ＼ ＼ /1:::l:::::::l: ::l:::{::::/｀ﾉﾒ､lｲ::::/::::/ _ﾘ斗‐三ﾘ_::::l:::/::::'::::! l:l
/ `ｰ' /ｲ::::ﾊ::::::l: ::l::l:/｀ﾆ弌ﾐ l:::/l::/:::ｨ´≦ｨ‐メ, ヽ:!:l:/:::/:::::l ﾘ
/ / l:::l !::::ヽ::ﾍ::{ (ひ) 〉/ ﾚ.:::.. ｲ (ひ ﾉ ﾉ//:/:::::::l
_ノ l::| l::::::{ ﾍ:ﾍ￣￣ ´ i ｀￣￣´//; ｲ:::ﾊ::l
/ l::l ',:::::ヽ. V .:l /イ ノ::::l リ
V ヽ l::l ﾍ:::::::ヽ.ﾍ ＿＿＿＿ /´:::::::l
＼ ヽ、 ﾘ ヽ:::::::::::＼ Ｖ 〉 ／:::::::ﾄ:::l
＼＼＼ヽ l::::::::::::::::l＼ ヽ＿＿_／, ｲ::::::::::::::l ﾍl
::::::＼＼ ｿ l:::/l:::ﾊ:::| ＼ ー‐ イ l:::::i::::::lﾊ!
:::::::::::ヽ/ ﾚ l:/ l:::〉､＿ `' ‐ ´ __ﾉﾌ!:ﾄ､::l
::::::::::::/ ﾘ l::l｀::::::T:───1!:::lﾊl ﾍ!
:::::::::/ , -─‐ﾚlﾍ{}ｒ:li::::::::::::::::::ll::ｔl ﾘ
::::::/ , -､──── -- .. ＿. -‐::´:::: ﾍ :::::l::ﾉ{_:l!::::::::::::::::::il::::l｀ヽ.
新皇帝の擁立を、ルルーシュが主張し始めたのである。
このトンデモナイ提案は、かなり諸侯の賛同を得ていたと思われる。
||{}i i{}||
||{}i i{}|| 俺たちの皇帝が欲しいよなあ……
||{}i i{}||
||{}i i{}|| ,. '"´￣￣｀`ヽ､
||{}i 〃｀'''ヽ i{}|| ／.:.:.:./｀｀｀ﾊ.:. :. :.:. ｀`ヽ
||{}i {{ ｀ ,'' }} . {}|| ,.ｲ.:.:.:.ﾉﾉ /ﾊﾊ.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
||{}i ,.ﾊ｀ﾆ' ﾉﾉ i{}|| jﾊ.:.:,ｨｲ ′ ヾ.: . :.: .: .:ヽ
,. '"´ ￣｀ヽ ￣｀ヽ ||,r‐‐ ' li.:.:.:.:./ﾑ i{}|| ヾ{ 二ヽ ｰ='´__ ヽ.: .:.lii.:.:.i
／ ＼ ＼ / VﾊﾊV ￣｀ヽ /:,′ ¨7 ｀` ￣｀` V.:lii.:.:.:l
／ ヽ ヽ / ,.ィつﾊﾊﾊ ﾘ '､ ,'.:.{ 〈 .. .,､ ﾊ:.:.:.:.:.ヽ
／ ／ ,r'ﾆミ彡ﾐヽヽ. / _,ﾑ/ ｿll: ：::ll / i {.:.:.! ,r=== ､_, ハl.: .: .: .:.ヽ
/ ／ ,.ｨ彡' ', ', L ____ノ´ ll::：:::ll,. イ l l.:.:.l ヽ ___ノ , ' _ ノ.:.:.l.:l:.:l:.:l!
.:/ ,.ｨｨ彡'′ l l l l ( () /.:.:ﾊ.:/ Vﾉﾉ イ ',.:.:.', ／,.: .:. :l .:l :. :/
/.:/.:/.:.:./ 乍彡'､､､,,_ ,,,,,iｿﾉﾉ /.:.:.:.:｀V:.:.:.:.:./ﾊﾊ/.:.:.:.:.:! ヾ.:ヽ __ ／ i.: l:l :l: :l: /
VV/.:.:.:ヽU〈 =＝｀′ ,r==ｲjjjj! l.:.:.:.:.:.:.:.l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l ヾ「¨¨¨´ .: .: .l :／
`｀ヾ彡'ゝ1 "´ l! ﾉｿｿ ヽ.:.:.:.:.:ﾉ｀Y´YY ﾊ.:.:.:.:.:ﾉ ／ L ,. '´ ｀`く
, .ィ 〈 { ,__」 / l ',.:.:ﾉ________/⌒7 ＿ _,.. イ ／⌒ヽ"´ ／｀``'''''
.:.:.::l ヽ ヽ r---ｧ/ l l ,.ィ "´. :. :. :. :.: .:l／ ヽ ／ . :. :.: .: .: .
.:.:.:.:l ＼. ＼ ｀ﾆ./.:.:.｀丶､ ', l /:./. :. :. :. :. :. :. :.／ ヽ ／. :. :. :. :. :. :. :. :
.:.:.::.:l ＼ ヽ __/.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:｀丶､ i. l. /.:/. :. :. :.: .: .: .:／ ,. イ. :. :. :. :. :. :. : .: .: .:
.:.:.:.:.:l ＼_／ l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:lヽ l l /.:.,′.: . :. :. :. :. :.｀7~~~~~~~~~~~~ﾄ､/.: .: .: .: .: .: .: .: .: . :.
.:.:.:.:.:.ﾄ､ ,.ｲ(( ﾊ l.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.r=＝＝＝ ∩､ /.:.:,′.: .: .: .:. : .:. ｀7ｰｰ ｰ ｰ ｰｰ ｰV.: . :. :. :. :. :. :. :. :. :. :
.:.:.:.:.:.:l ＼／// ｀ｰ' V.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼ l lﾉ.:.:.:.:.i .: .: .: .: .: .: .:.:7ｰｰ ｰ ｰ ｰ ｰ ｰV. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :
.:.:.:.:.:.:.l // ﾄ､..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:(￣｀ヽ ,.イl.:.:.:.:.:.:l. :. :. :. :. :. :. :. :7~~~~~~~~~~~~~ V.: .: .: .:. :. :. :. :. :. :.
我ら豪族のための皇帝よ！
―― そう推測できる理由は二つ。
まずは一つ。
現皇帝である献帝（劉協。字は美羽）は、そもそも宦官たちが支持していた皇帝候補であり――
ｒこ「ｌ
. {_ﾉ ヽ
／￣￣ | ┌―‐- ､
_く | { _入＿
ｒ―＜ _＞‐'久 | ＞'´ ￣｀'‐､―- ､
| ／ .／ ∧ _＿レ’ '´／ / ヾ.､/
L, -‐ / .／ ∧´ / !: / | / /ゝ、_ .ハ Y＼ ┌|┐十廿
/ ′ / ∨ ! ｌ ｨ」_从! | .} | ｌ !. ヽ └|┘ 'ﾆｌﾆ ¨ﾌ ,、
,' ! / |. |: Ⅵ ￣` 仏!_/! !.}＼.ﾊ. -┴ヽ／|＼ （ ハ ヽ
. { _ 」 / ＼!: ヽﾄ ､,,_, _ .从/ / ∧|. ｀´ /
レ'´ └廴＿＿＿ / |ｌ ﾊ ,､__ 丶-/´ /|//‐┘ '⌒)
｜ | ＼| ／i! | { 丿 ,' !./ .|┘ ¨´ | |
. ＼ /＿_,.. -ァ´‐ぅｲ_」^! |＞ 二. イ !ﾊ !、 ﾉ ⌒)
＞/ _. ＜└ｦ|_ )、 ｌ |/≧ ｖ┴ｒ‐Ч .| ﾄ,＼ ¨´ (
/ _ ＜ ..::::::::/::」::ハ/ 〃┌冖┐ヽ ∨ !┐ ＼`丶、. ）
. ム＜ ..::::＞ァ'７|ﾚ: / /´ ＼_ノ ∨._〉ハィコ ＞､ ｀丶､ ＿_
／ ..::::／ | ,'::|レ',.イ＞ 「＞､. ,-､Y仁ﾄ､ﾊ|｀`＜ ＞ ､ ｀丶､. |―‐!
/ .::／ ｃ/ ハ:: く , ヘ! ×＿>´ ! ＼!、 ｀ ＜ ＞ ､｀ヽ、 ｄ ｄ
. ｜ ./ ｨ!!!:>、〉 ／!￣｜ こ| 廴ハ |ﾊ, ｀ ＜ ｀＞!
. |! ./ ／:`´/ く｀/::_」二ﾆ{. ／ ! いく＼ く∠_ ﾊ| ｀`¬. ∧
. Ⅳ | /:::::::::::ゝ-┘ヌ、ー_チZ | .! /..| _」.イ / }| / ハ
現在では董卓の傀儡に過ぎない皇帝である。
反董卓同盟は、「董卓」 という異民族、つまり豪族たちとは違う価値観を持つ英傑を、
、 、 、 、
宮中から排除するために組まれた豪族たちの同盟だ。
最初から 献帝 という人物に対しての忠誠心など、あってないようなもので、
自分たちの支持する皇帝にこそ仕え、褒美（領地や爵位）を貰いたいのである。
そしてもう一つの理由―― それは、袁紹の提案に反対した諸侯はたったの一人だけ。
／ ／ / ｀V ＼
, , ／ ／i ,fV ﾊ ヽ. ヽ
,′／ / / l {ﾊ/ ', , ',
/ / / / // } f`'ﾍ } ', } ……私は反対だな。
{ i / / // ,' /八{ l！ i ,'、
｣ !i′ // /i/}ムｲ/ ＿＿_j/! }/ﾐ､ヽ､ そんなことをすれば、最悪、漢の国は
／ 乂j { i ﾘ云ミく` 'ーｧ云ミｖ , /{ ヽﾍ、 二つに分断されてしまう。
／ 仆､ Ⅳ`^~｀ ´~＾ア / / ,′ vﾊ
{{ 从 ヽ {__, { 彡'/イ / } }
vﾍ ﾍ､ iﾄ､ ′ {//／ /〃 それに、我々は宮中から董賊を追い出し、
ヽﾍ. ﾉi iﾄ､ -‐一‐- ,ｲ { /,ｲ 皇帝陛下をお救いするために集まったのでは
lヽﾍ、 rﾍｊﾄ､＼ ´￣ ／ノｲﾊ. //！ なかったか。
l vﾊ r‐┤ ヽ、_ヽ.＿_∠ __／ ﾄ､ // l ルルーシュの提案は完全に目的から逸れている。
ﾉ ∧ }ｊ '、 ／ / ', ', ﾉ V'/ ｢i {
_.. -‐¬ 〈／vﾊ ヽ/ { } }／ // L! 〉‐- .._
二二 _ .. -‐¬､ vﾊ. l ', j l // /‐- .._ 二二二
ｆ! ￣ l } } l '. ﾊ ! i ﾄ､ ,′ ￣￣￣ｆ!
|! l 辷｣ ｌ l＼ l , ,′ ! ,{ {＼> ′ ||
●袁術（字はシュナイゼル）
袁術だけなのだ。
諸侯以外の面子でも、史書に記録が残っているのは、
／￣￣＼
━━┓┃┃ ／ ヽ､_ ＼
┃ ━━━━━━━━ （≡）（≡ ） |
┃ ┃┃┃ 从,_人__）⌒:::::: |
┛ 三 ≧ ',,._. | な、なにを言いだしてんの、ルル！？
. ﾟ ｡ﾟ 三 ≧ ﾟ'ゝ､ |
-=＝ 三 ≦ ﾉ
。 -=≦ ,ｧ ノ
. ﾟ ･ ﾟ｡ 三＜ ､,Ｊ > ヽ
≦ ッ ッV´ | |
.･ ｡ ﾟ ｡ ミ´ ､､ ﾊﾄ･｡ | |
この男、曹やらない夫のみである。
それ以外の記述がないと言うことは、
諸侯たちの言葉ならぬ賛同があった、と考えるのが筋だろう。
その袁術にしろ、反董卓同盟を結んだ頃から、
袁紹と、袁氏の頭領の座を巡って対立し始めるようになる。
. / ′ / / ,{ ﾄ≠イ い -‐.:.:￣￣￣＞x.
,」 / / ,i //,j } } } l i } .／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
／ V i,′,ｲ｣ /// } ,′ /ム | lく ./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
{！ { {frｋl/ﾒく ノ' ィナ云__}i } ﾄ､ヽ ../.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
以 ' !{￣{く / ' `ｰ气7 / ,′ヽヽ . /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ .:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l
} ! ! ﾄﾄ| { /ｲ // ｖﾊ /.ィ.:.:.:| .:.:.:/:.:.〃.:.:/.:.／..:.::.ィ.:.:.:.:!.:.:!
リ ハ } } / ｲ' .ノ'´ l.:.:.:.| .:.:/.:∠|..:.:'.:./ .:::／ !.:! ..:|.:.:|
（ （ 从小、 ー──‐ .ｲi { } } ...|, .:.:| .:.l/ｒｆｭ心|::/.:／r―┤l ..::ﾄ..:|
／ 小{ 'く ＼ ｀￣￣´ ／从ｒく / ,′ ﾉ|l.:∧ .:l上ﾚt癶:{:/ ィｆj升V.:.:∧ ヽ
`く {！ ヽ､__ ヽ、 ／ / } } ＼ / / ...|l.:.｀ヽ.:.', { ｀¨¨７.:.:./
丶丶 ｖﾊ ／ 7'⌒¨´{Tヽ. // ' / /￣ |ｲ/.:.::ド ､ ′ , ′:/
ヽ ヽ. Vﾊ/ / }} V/ V / .从/ﾄ'､ > ´ イ:.:／
袁術の本音としては、
これ以上、袁紹に発言力を増して欲しくない、という狙いがあったと思われる。
この袁紹による新皇帝擁立は、やらない夫の猛反論に会い、
／￣￣＼
ｵﾁﾂｸﾝﾀﾞｵー！！ ＿＿＿_ ／ﾉ Ｌ ＼ /＼ お前ら、ふざけんなよ！！！
／ ＼ | ⌒ （ ●）（●）
／ _ノ ヽ､_ ＼| （__人__） ,∩__ 俺たちは漢の臣下、
／ oﾟ(（●）) (（●）)ﾟo| ｀ ⌒´ﾉ fつuu それはつまり、皇帝陛下の臣下ってことだろ！
| （__人__） | }. | |
＼ ｀ ⌒´ ヽ. }＿＿_| | それを、戦に負けそうだから、
/ ￣＼ /￣￣￣ .ヽ ノi 丿 新しい皇帝を立てますだと！？
| ヽ、 ＼/ /(⌒) ξ）￣￣￣ そんなの、この曹やらない夫の目の黒い内は
＼ ./ / ／ | 絶対に許さねえ！！！
●劉備（やる夫）
結局は、立ち消えることになる……。
演義では削られているエピソードだが、おそらく羅貫中は意図的に削っている。
蜀漢大好き人間の羅貫中にとって、劉備が参加する陣営は常に正義でなくてはならないからだ。
反董卓同盟は、三国志演義では董卓軍に連戦連勝を重ねたイメージが強いが、
史実では結成されてからの一年間、董卓軍の名将・徐栄の前に敗戦を重ねていくのである……。
さて、曹操・孫堅の両将が破れて以降、目立った動きは董卓軍・同盟軍ともに、ない。
年を改めた一年後。
西暦１９１年、初平２年――
ついに、董卓軍が動き出した。
軍を率いるは、董卓配下の中でも第二の名将・華雄である。
本陣が悠々と陳留城に迫る一方で、先鋒は一足先に戦場へと進み出ていた。
その董卓軍先鋒を迎撃することになったのは、
先の敗戦で負った損害を癒した孫堅軍。
./:::.:.:.:.::.::::_:∨ {┤ | ､ ; ﾊ
{:.:::.:.:.:::／::::::∨ ﾍ'､ }:､ } ; |
;:.::.::.:./:::::::::::::::＼ﾊ ヽﾄ､ヾ , -┴ ､ 名将ってのは負けないヤツを指す言葉じゃない……っ！
;:.:.:::＿.､-‐rッ ￣ ＼ フ´| /＿_:::::::}
|:::￣:::::ー─‐ ´ . :.:.:| |::__.:::}.::/
|::::::::::::::.: .:.:.:l |::_::V.::/ 負けて負けて負けて……それでも這い上がれるヤツ……っ！
|:::::.::::::::.: .:.:.:.l ﾚ:::Y::/
|::.:.:::::::.: . :.:.:.l |__/:/ 一度負けたくらいで何を恐れる必要がある……っ！！
|::::.::.:.: . :.:.:.ﾊ|__ノ_
|:.:::.} . :.:.:.:/ ﾉ/三 ＼
､_ﾉ'"´ . .:.:.:ｲ /三三三ヽ_
──────'.:.:.::/f| /三三三三 {三≧= ＿＿
＿＿_ ..:.:.:.:.:／.::{ﾚ三三三三三;三三三三三≧= ､＿
圭三´ . .:.::.:.:.:／.:::::::.l三三三三三三,三三三三三三三三
. .:.:.:.:.:.:.／.:::::::::.: :|三三三三三三!三三三三三三三三
. ..:.:.:.:.:／.::::::::::::. :. :|三三三三三三;三三三三三三三三
∵━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━＠
┃:::::::::::::::::::::::::::::::::┌-､＿＿___::::::::::::::::::::::::::::: 幽 _＿＿ ┃
┃ :::::::::::::::::::::::::::_」::::::::::::::::::::::/::::::: ''''';, ,,...,.,,,;'';,,,,,,,.,....／ / ┃
┃ ::::::::_／::::::::::::::::::::::ノ "; .／ .＜ノ￣￣...┃
┃ 涼__/ ::::::::::::::::::::::/ ﾍｲ '; 冀 ＼. ＿＿ ┃
┃ _／ . ::::::::::::::::::::::│''"""'';,, '; ／ヽ┘青＿> .┃
┃＿_丿 ,::::::::::::::::::::::::::〉 "';,,,,,,,,,'; ／""'';, ＿ﾉ ┃
┃:::::::::: ,,;''" 雍 （;＿＿＿＿＿';__／ｴﾝ';,'' "( ┃
┃:::::::::::::::''" ,,,,,,, ○ ';, 司隷◎';,;'"''',',',',';徐 〉 ┃
┃::::::::::::::'''"" ""'';,,,,,,,,,,,....,, ";,,;'''"''''';;,'●"" ';, ＼ .┃
┃:::::::::: "';,,,,,,, ""'''" "'; 豫 ,;''''"''"""＼ ..┃
┃:::::::: ,,,,...'; ,'; ,;'" ┌─┤ ┃
┃:::: ;＿__ ,,,,',',',','; . ＿_／ ＜_ .┃
┃:::: __／ ;, ￣ヽへ＿＿;'ノ￣￣￣ ） .┃
┃ ┌─'￣ "';, 荊 "; 揚 丿 .┃
┃ _/ 益 ;"'' ;' /" ┃
┃ l "'; "; ,,,,,,〈￣ ┃
┃ ／ ,;,,,,;" '; ,,,;''"''"" _〉 .┃
┃__／ ;''"'"'''" """"''''''';,,,,,,;'"''''''"" __／ ┃
┃ :::: ," _イ ┃
┃:::::::: ,,,,;;''' 交 ＿「l___r─┘ ┃
┃:::::::::::''''" ＿___ .／ ┃
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┃::::::::::::::::::::: ノ └┘ ┃
＠━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━∴
●……陽人
董卓軍先鋒の大将は大都護の胡軫。副将は都尉の葉雄。
両名とも百戦錬磨の猛将として名を知られていた。
, -ｨ '' −: .
. : ´ '´ ヽ
＿_. ´_ _ , ; ''' ﾍ. ｨﾊ´从ﾊ ヽ
∨ ﾍ ＼ ＼ l l ', l ﾄ､
, ｨ＼ ＼ ヽ＼ ＼ .＼ l ! .l ﾍ. ＼ ……真名？
Ｙ´ l .l＼ ＼ヽ ＼ ＼ ＼〉l l l ﾄヽ､＼____
Ｎ ∨ヽ ヾ ＼ ＼ヽ ＼ ,xY_x.l_,.l l l.ﾄ､ヽ｀¨￣
l从 ＼ ヽ｀.≧ミ_ ＼yﾒｨ升ｿl´/ ./ l l ﾘ 何のことだかさっぱりだ、
l l∧ ヽヽﾍ圦斧lヘ ヽ｀¨´ ﾘ / j .! はっはっは！
l l .〉､ ＼ ゝ ､ ｀ ﾞ ｲ/ /l /l |
ﾚ /ﾉ Y ＼ﾍ ー ' / /, !/_ ﾘ＿＿___ 戦にはそんなもの必要ない！！
ノ' l /l l｀>､＼＞- . _r ' ⌒¨ヽﾞミヽ====三ミl
l ﾊl / /｀ヾ ／ _ ,,, =---Y､ ＼ ノ ﾘ ……必要、ないのだ…………ｳｯ、ｳｩｩ……
l / .ﾚﾚ' r ≦"´: : : : : : :／ﾊヾ＼ ＼／
ﾘ r--ｲ､_ , -‐ ''ｱ: :／ l lヾ＼ ＼
／ｧﾉ}}// : : : :／／ .l ! ヾヘ.／
／ll ゝp,ｨ='r--／／ .l l ヽ＼ ＼
,. '´ : :ﾍ',tt=f〈=ｼ／く /l/l ﾊ ﾊヽ.＼
,.. -ｧＹ: : : : : : : :ゝ_>ｨ'´¨ヘ: : :ヘ / 人} ', ﾊ ヽ＼
r,--f− ''": : : : : :l{/l : : : : : : イ__ , ｨ: : : : :＞､::_:¨''' ﾌ" r､} , ', ヽ＼
≧≦三/＿_l{ : : : : : : : : : : :l l : :,. '´lゝ= ...: : : : : : :,ノrr ≧/l ﾉﾉl ,. , ヽ＼
＜≦ゝtゝ､__,ゝ､二ﾆﾆ=----ﾞ＜ ,l ,￣￣¨¨¨¨￣/ミ- '´: :l ヽ , ヽ＼
..ゝ'..ｨ｀¨> /≧ ､ ll l ハ : : : : ::l ,.ﾊ ｀.＼
｀-‐‐'＞＜ ≧ ､ ! j l. 〉 : :ﾊ: :'., '.,ﾊ ＼
＞＜ ≧ ､___ _l , ヽ. ',: : : : : :', ', !
＞＜ _丿-r/! ､ _ _ﾊｪ､, : : : : l ',!
｀''''人 l} , ≦ ' {ヽ : : : :l､ l!
,ﾉ l ／y , ,. 'f´￣ヾ{ゝ--'´.{ l!
〈 ﾊ.ﾊ /// /イ／ >' イ ﾄ､ ノl l
●葉雄
孫堅は陣を敷くと固く守り、孫堅の方からは攻撃を仕掛けなかった。
曹操と孫堅が昨年に敗北を喫したのは、
董卓軍の主力が騎馬だったからだ。
騎馬軍団は野戦には滅法強い。
いまいち想像がつかない方は、
向かい側から１２００ｃｃの大型バイクに乗った１００人近い集団が迫ってくる様子を想像してほしい。
騎馬軍団は、ただ前へと進むだけで、尋常ではない圧迫感を敵対者に与える。
しかし一方で、防衛拠点を責め立てるには向いていない。
馬に乗ったままでは、固く閉ざされた城壁を破ることはできないからだ。
【陽人・孫堅軍の軍営】
_.-─-ゝ `´ z'´
,. ''"´ ￣｀＞ 董卓軍が攻めてきた？ 適当にあしらっておけ……っ！
' ~＞ ＜
∠.._ , ヾ
／ .,ｨ .ﾊ .ハ. lヽ ﾞ .ﾊ ククッ……
/イ ,ｨ /｀|メ､.´ ,ゝｌ-ヾ､. l
. /.ｲ,./ ｰ--。､ ,-。‐ァ .f=､j そんなことより、
ﾊ|ハ ￣´ ll ￣ jﾉﾘ さぁて、今日は何のお菓子を焼こうか……っ！！
八iﾍ. ｌｌ ｆ彳
|从. ､lレ ﾊ/
ﾍ. ´￣￣￣｀ ,/:ｌ
l. ＼ ￣ / ｌ
∧ ＼ ／ ト､ . .:‐- ､ 策、権。何がいい？
:゛｀´¨::''"゛｀ ､ ／:::::', `ｰ' /::::::＼ ,く:::::::::::::::.
:'" :',-‐'':::::::::::::::', /:::::::::::/:｀ｰl:l:l:l:ｰ-､:::::}
,': ,' ,:：;:::::l::::::::::::::::::', /::::::::::::/:::::::::l:l:l:l:l:l:l:l:`7
,. ; ;':::::丶::::::::::::::::',｀ー 一 7::::::::::::/::::::::::::|:l:l:l:l:l:l:l/ヽ
i:::: ,' ,,':::::::::ヽ::::::::::::::::',三三:/:::::::::::::/::::::::::::::|:l:l:l:l:l:/:::::::',
'.,::... ｉ ｉ. ,､.;::::::::::::::ヽ::::::::::::::ヽ三/::::::::::::::/:::::::::::::::::|:l:l:l:/::::::::::::',
/゛~"~| |":~"´:::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::∨::::::::::::::/::::::::::::::::::i´￣｀}::::::::::::l
./::::::/"￣｀ヽ:::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::/::::::::::::::/:::::::::::::::::::::{ i':::::::::::::l
＿＿＿_
／― ―＼
／ ● ● ＼ ちちうえ！ しゅーくりーむ が いいです！！
/⌒ヽ⊂⊃ __'__ ⊂|/⌒i
ヽ ll|l （_ノ ll|l /
从l||l |l||l从
( ⌒ ) ( ⌒ )
●孫権（字はできる夫）
／ ／i i i i
／:::: ／ ／i ／ / Vi i il i
::::::／ .／ ／ヽ/ ／ / V/ / /l l できる夫、出しゃばるな。
／:::::／ ／ /／丶 / V/ / / l /
:::::／ ／ 弋心:::::::::圦 V/／ / i / l
／ ／i ｀ﾞ''ゝー--ツ/ﾚ / ／ i_ｨl 親父、オレは饅頭。
／ i / ／ 弋:::fフ l ／
／丶, i ﾚ 丶 ｀ﾞ￣ i i
:::::::::::Rﾍ 丶 i／i i
:::::::::ii:i 、 ／ /. i i
:::::::::i.i:i 、 / i. i
:/.V ﾘ ヽ、 ,--── ,イ V
＼ ヽ ,イ
＼ ｀ 、 ｲ
＼ ＼ ｀/ -
::::::＼ ＼ ＼ ＼::＼
:::::::::::＼ ＼ ＼ ＼::＼
●孫策（字はリクオ）
胡軫たちが攻めあぐねて、数週間が経過した。
その間、孫堅軍を苛烈に攻め続けるも、被害はむしろ董卓軍の方が大きかった。
／￣¨＜「￣｀丶 ｀ヽ
. ／ .| ｀'' ‐- ､ ＼
,´／ | い ､_ ＼
. // .ｌ ..! ＼ | ＞┐
/ｲ / ! :::| ヽ ! | ……いかんな。
〃! .:| .:| .ﾊ ::|:. |,... ∨ | ｜
,'/ | | ! ｌ ﾊ:ハ .!Ⅵヽﾄ､ ∨ | ｌ
ｌ| | | .ハ ﾁ十‐-廴 | ヽL.廴辷::」V| ｌ 大将、一旦撤退しよう。
ｌ ! | ｌ マT≠ｒミﾄ､ .| Xｚ≧ニこV .〃 食い物も少なくなってきたことだし
. Ⅵ |!ヽﾄ! 弋込i ヽ＼! ´b込リ 》′ ｲ
＼! ｜ "¨¨´ ｀`"´ '/ /ﾘ
!| ＼ﾊ ′ / / !
!| ヽ , ､ // ./::::|
从 !| ＼ `¨ .ィ/ ./|∧|
. / ! !ﾚ!ｌ::: ﾄ 、 イ:/ｲ // :|'
/ ∨ .:|从!:::ﾄ、｀ ‐ ´ !:::/ /ｲ: ::|
,.. - ､. V !_! Ⅳ ｀＞ ､ ｌ /..／ｲﾊ!､ :!
. ∧ ／ ｀`＼!‐ヘ、 ｀Y´ﾚイ!//´ |! `|
ﾊ ぃ / ､ ｀丶､ ` 个ｲ｀丶/
. ﾊ ぃ/ ｀`'' ‐＜｀＞.､/ ＞､ ｀'' ‐- ､
ﾊ ぃ , ＜ ,＞'´ ｀＜ ＞､￣ ｀ヽ
そして、騎馬軍団最大の弱みが食糧問題である。
馬は便利で、この時代における戦車のようなものだが、
『鯨飲馬食』のことわざにあるように、維持するための食糧コストが尋常ではなくかかる。
葉雄の提言を受け、大将の胡軫は撤退を決めた。
敵軍が引き返していく様子を確認した孫堅は、
__,,..-‐≪´ _,.z─ ＼ ';, j|
￣~ _,＞-‐'" ￣`' ;, ./ |
-='''"´_,... _,..-‐ i ./ j
｀ヽ、~`'' ￣~` l/ ./
、弋ヾ _,. ヾ､i!|l ! / 食いもんもねえ、
ヽ、-ｚ''"´＜,-─z, `' ,ﾍ 背中を向けて逃げ出した……っ！
へ─-＞''"´≪ , _,.-‐'" ﾐ,ﾍ
,／ヽ、 7７"/ _>-‐''"_,.. -"´∠_,.... i ﾍ ';
/: : : : ヽi l!. ,'i､￣ヽ,.フ _,,...--,-‐'´ , j∧ .l 好機、今がまたとない好機……っ！
_,...ｲ: : : : : : :l .i l ヾ､∠.､''"´ ／ ,..;'7 / / ljヽ､l |
,r-v⌒''ー'''"´ l: : : / : : 〉､i l ヽ・' ､';, ／ _,-‐" /／/ / / : : : 1、
f .i .i j-f i __,..l: : :i: :／: : ヾ `ﾞ'' -‐ ''"∠二/_,../ ／j! ./::|: : : : : :＼
l!_{_,{ﾆ<,ﾉ ､/￣ ヽ::／ : : : : : l i :::::/ `''- ’-'/／ ノ ./: : i: : : : : : : :｀-..,_
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ヽ、: : : ｀ヾ､,-"´ i／:ヽ、: : /: : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : :::
ヽ、: : : : ';,: : : : : : : /ヽ:/ : : : : : : : : l: : : : : : : : :: : : : : : : : ::
陣を捨て、背中を向けた董卓軍に大挙として押し寄せた。
, = - ､
∠ﾆiと'"""(:;:;@:;) // ∧,..,.
(ili ) :;8;:;,. /// (ﾟ- ﾟ#)
∨∨:;:;,8.:;:;,.;: i:i:iつＯ|l二ニ＞
,-―-､:;:;ミ 〜ﾉ,,,ﾉヽヽ 彡 （,.,.,..,,.,.,. ,.,,.,.∧∧
∧∧ 〜（,, ﾉ :;:;:;;:,. し' ｀(,/ と:;:;:::;:(:;:;@:),.,.(:;::;;:つ:;pﾟ)
(；ﾟ oﾟ)／ヽ (,/ ｀Ｊ ,.:;:;;:,.:;:;,. "';:;:;;:;:;:;:;:;;'"
( つ≫―l> ∧∧
〜（,, ＼ノ /|(ﾟＯﾟ；)
し'｀Ｊ <l―≪ ＝ ― （ | と )
∧∧ ヽ|ヽ ,,）〜
∧∧ /|(ﾟへﾟ#) し'｀Ｊ
(#ﾟ皿ﾟ) <l―≪ ＝ ― （ | と )
( つiﾆﾌつiﾆﾌ ∧∧ ヽ|ヽ ,,）〜
〜（,, つ (#ﾟＯﾟ) ﾟ ｡ ﾟ ∧∧｀Ｊ
(,/ ━( つ━Ｏ━━(((＜＞ ＜(iliﾟ ^ﾟ) (ﾟ- ﾟ*)
〜（,, つ ＜＞)))( つ━━Ｏ━とi:i:i━ ＝ ―
孫堅軍は苛烈に責め立て、敵味方が入り交じる混戦状態へと陥った。
滅茶苦茶な乱戦となっても、孫堅は決して陣の奥にはいない。
この男は、戦場となれば常に最前線で戦い、自分の手で敵将の首を取らねばいられない気性だった。
／ " ,, " " ﾞ ﾞ /
,イ " " " 八 ﾞ ｉ ﾞ | ： 倍
/ ,ｨ´ "/' ｲ /::: ヽ ﾄ、ﾞ| ： プ
／/ ｨ' /| /| /::: , -ヾ､ヽ,| ： ッ
l l /-ﾚ､ﾚ' ´_, a=＝| ！ シ
! /l,ﾊ＝a=､ ヾ`ー ´| ュ
'" ',`ー/ ::: | だ
', / ;:::: ､ ヽ＿ ＿__
∨_, - ' _, ::::/;;;;::ﾉノ ヾ
丶 ｰ '' "´ .:::/;;;;;::´ `
ｒ―､,／丶 =＝ .:::/;;;;;::::::
`<´ヽ r‐ヾ-､ ＼ :::／;;;;:::::: /
.(´ヽ ゝー)ｒ┤/＼:／::;;;;:::::: /
敵陣深くに斬り込んだ孫堅の目に、一際勇壮な将軍の姿が目に映った。
___
ｰ=ニ二￣ i! i!｀ヽ、 _＿＿__
__＿_ ＼i! i! i!ヽ ／i! i! i／⌒
_ ．i!´ i! i! i! i! i! i! i! i! ∠ _＿
´￣＞i! i! i! i! i! i! i! i! i! i! i! i! ＼
／ i! i! i! i! i! i! i! i! i! i! i! i! ＼⌒ヽ ……オレは長沙太守・孫堅。
／イ／i! i! i! i! i! i! i! i! i! i! i! i! i!＼
／ ／ i! i! i! i! i! i! i! i! i! i! i! i! i! i!＼!
/ i! i! i! i! i! i! i! i! i! i! i! i! i! i! i! 名のある将とお見受けする。
/ ／ i! i! i! i/ i/ i! i/ /i! i! i! i! i! i! i! 名を名乗るといい……っ！
/／/ i/ i! i! i!/ i.i/| i! / / ∨ |V ﾍ i! i! !＼!
′ ! / | / i! i!/:! i/ i| i/ / Ⅵi Ⅵi∨ i! i!|
|:′|/! i! i!/ｰ|/--|/､ , -ﾍ!‐ﾍ!-Ⅵ∨ ﾄ､
|Nv‐i { ー--。-､ ,--。-一 !!γＹ
{（j! ! ｀ ー一ﾍ ー一 ´ |:/Ｙﾘ
Ⅵ:ﾍ .::i :. 从//
ヾｲﾍ .:::|_::. jiﾊУ
|i!∧ ｰ―──一 /:i!/
Ⅳ:!|ﾍ ､,,,.._ ｲ:i! ﾊ
／:iﾍ!:|::::ヽ ／ :!:!//ﾍ、
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／:::::/ﾞ´ ｀ヽ、
／ ﾞﾞﾞﾞﾞ _ ,、_ ヽ、
＿_, ビ＿＿ , -‐ﾞﾞ´:ヽv--ﾞヾ ヾ|:::| ::::ヽ、 面白い男だな、将でありながら兵と共に戦うか……！
ヽ、 ヽヽ 、 、 ヾ: ::ﾘ:: :ｿ::|::: :::::ヽ、
ｿ、 ヾヽ ヽ ヽ、 ::ヾ:: :||:: :ﾘ|:::|::: ::::|:ヽ、 私の名は、葉雄！ 真名など戦場には不要！
,ｒ‐|´ ヽ. ﾞ: ヾヾ ヽ、, :::::: ::ﾞヾ:::|:|:: :|:|::ﾘ:::|:::ﾊﾞ:::＼
. |ﾞ´ | :::ﾊ ::: ヾﾊ::;ヽ 、,,,::ヾ、::ﾊﾞ;;|::::|:ﾘ::||:::|::|;;ゞ 、::＼ 孫堅軍大将、孫アカギ！！
. | | ﾊ ,,ヽ :::ゞヽ、::::＼＼＼＼:::_ゞ=;形:::|:|:::|;|::|;: ﾄﾞ;ﾊﾞﾞ｀ー｀
. | 人ﾊ :::ヽ :‐ﾄ弋＼:::::＼ ヾｖﾞ´,ﾞ´ﾋヾ,|:::;;;:::ﾘ;;:::|;;| ヾ:＼
. | ﾞ|ヽ ＼ :::＼ﾞ≧二_＼::::ﾊﾞ｀弋叨;／|::/:::/;;::;;|;;;| ＼ヽ 貴殿の首、貰い受ける！！
| | ヽ、::ゞ.ﾞ弋ﾊヾ:::叮 ｀ヾ.ヽ、ﾞ￣ /::/:::/;;;; ;|;;;| ｀ﾞ
|| ﾄ、::;;｀ゞ.ヽﾞ￣´ 、 ｀ﾞ /ﾘ ::/ｲ;;;;|;|;;;|
. ||. ｛/ヽ、:;ヾ;ﾊﾞ｀ _＿,ノ ﾘﾄﾞ:ﾉ;/|;;;|´ﾞ|;|
ヾ、ﾉﾉ ::ﾄ:＼ヽ;;;ヽ、 / ｿｒ=#;ﾉ_ｒ幵ーー- 、＿_
乂 | ::||:;;:;;;>ヾ、ﾞｿﾞヽ 、＿_／´ﾞ￣｀ﾞヾ、:≦≪ーー _＿_＼
| / |;;;;/|;ノ｀ﾞ ／ ＿＿_ﾞヽ、::::｀ﾞヾ、＿ ﾉー|
|.| ﾊ::/ ＿／ーーﾞﾞ´ ／ﾊヾ :::::ヾゞ_:::_::／
, -ｨ '' −: .
. : ´ '´ ヽ
＿_. ´_ _ , ; ''' ﾍ. ｨﾊ´从ﾊ ヽ
∨ ﾍ ＼ ＼ l l ', l ﾄ､
, ｨ＼ ＼ ヽ＼ ＼ .＼ l ! .l ﾍ. ＼
Ｙ´ l .l＼ ＼ヽ ＼ ＼ ＼〉l l l ﾄヽ､＼____
Ｎ ∨ヽ ヾ ＼ ＼ヽ ＼ ,xY_x.l_,.l l l.ﾄ､ヽ｀¨￣
l从 ＼ ヽ｀.≧ミ_ ＼yﾒｨ升ｿl´/ ./ l l ﾘ 覚悟！！！
l l∧ ヽヽﾍ圦斧lヘ ヽ｀¨´ ﾘ / j .!
l l .〉､ ＼ ゝ ､ ｀ ﾞ ｲ/ /l /l |
ﾚ /ﾉ Y ＼ﾍ ー ' / /, !/_ ﾘ＿＿___
ノ' l /l l｀>､＼＞- . _r ' ⌒¨ヽﾞミヽ====三ミl
l ﾊl / /｀ヾ ／ _ ,,, =---Y､ ＼ ノ ﾘ
l / .ﾚﾚ' r ≦"´: : : : : : :／ﾊヾ＼ ＼／
ﾘ r--ｲ､_ , -‐ ''ｱ: :／ l lヾ＼ ＼
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..ヽ/'､＼､, ＾ '-、
｀'-､_フy､, .｀'ｰ┐
ii..、.l、 .ヽ｀'､､ l .ヽ く＞00 _ｎ_,.、 ｎ ∩ ∩
..ヽｱ ｌ i .ﾞ‐'｀!iﾋ,、 ＼ .,i'､ ｎﾊ └i rﾍ〉 . /厶__ ∪ ∪
ミ‐､, ./| ﾞll .＞ ,,´ .ヽ .l､ （八U八） （才Ｐ_） └'＾ｰ┘ ｏ ｏ
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ﾞl, .!-､, ./ │ .! ｌ ヽ .ｌ .｀-..,,λ .ll, l.ｌ
ｌ .ｌ ,/ ! .ｌ. / . ｌ.."'ｰ-..、! ヽ !..ｌ /L ,l、 ,! !
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ヽ ｌ ｀'-, .n .ｌ, ,i'| .|lﾞ'j| ､ ,! .∨ ｌ ./ ! i l| │ l
: l,、 .ｌ Z | ヽ'" ｌ| l" ! .ﾞ!| . ｌ ´ ｌ /.! .i .l| .|.l ! !
｀'-､ ｌ../ .l''-､ .ェ .l | ! / ...ｌ-、 ｌ / ｌ l.ｌ./ .ｌ, l .l l l.
ｌ ｌ /│ ｌ .ｌ ｀゛ ｌ ｀ﾞ''-､、 .ｌ .,!..ｌ ｌ .,! ! l !
｀ﾞ'ｰ ､. ゝ'ﾞ .|-/ l . ｌ ﾞュ ゝl| ! ﾞl、.l │ 、 ,! |
〈 ﾚﾞ .! ｌ }ハ,,,,_. il! ! ｌ,l ｌ .| lﾞ |
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: ゝ ! ﾞ''､ lﾞ ゛ ﾞ‐' |, .i! .! l 广 |./ |
｀''ｰ ,,, ! ,il..,,_ !.! ｌ .,ll′ |.｀lﾞ .| ″ .|
｀'‐､. .|../ .! / ｌ-､ ヽ..ﾉ/ .!│ l |
'!､、 .゛ .|./ ﾞ!iy/ ! .!/ ...l,、 │
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｀'''､、 ! !
｀＼ l¨¨‐、 .l
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// J .| ,-､/ﾚl/ | -ヽ|＼ l // J
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ﾚ __r' l/' ＼ " , 'ﾍ 、 ﾚ
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(二ニ , -'' _ -‐ .| i | |｀ ＼
__,,､ -‐ ﾆ .／`＜. | '､＿＿/「||＿ _.|_ ヽ (二ニ
(二~ -― ''" / ＼ | ,-ｒ"r= （ （●）三 ＿ ニ = ｀', __,,､ -‐ ﾆ
/ '､ |_／ `|-{ { ｒ-r' ￣ ＼| | (二~ -― ''"
○ i ', f"ー-＝ | l ＿＿ | / ',
.| i !-‐~￣ｌ ﾉﾉメ.|￣ ￣|. ﾚ ',
Ｏ | | /´ ―= '‐'―く.| |. | ○ /
| | / ―---‐ｒ" | ! | ／
0 .| _,, -――- ,,_| / ―---r' ヽ .ﾉ ! Ｏ.|
＜_| | ／ ,,-ー'' ＼_ ／ ,'-‐' |
| ,, -'" ／ / 0 .|
／￣¨＜「￣｀丶 ｀ヽ
. ／ .| ｀'' ‐- ､ ＼
,´／ | い ､_ ＼
. // .ｌ ..! ＼ | ＞┐ な、ななな……っ
/ｲ / ! :::| ヽ ! |
〃! .:| .:| .ﾊ ::|:. |,... ∨ | ｜
,'/ | | ! ｌ ﾊ:ハ .!Ⅵヽﾄ､ ∨ | ｌ
ｌ| | | .ハ ﾁ十‐-廴 | ヽL.廴辷::」V| ｌ なんだとぉぉぉおお……！！！
ｌ ! | ｌ マT≠ｒミﾄ､ .| Xｚ≧ニこV .〃
. Ⅵ |!ヽﾄ! 弋込i ヽ＼! ´b込リ 》′ ｲ
＼! ｜ "¨¨´ ｀`"´ '/ /ﾘ
!| ＼ﾊ Ｕ ′ / / !
!| ヽ , ､ // ./::::|
从 !| ＼ `¨ .ィ/ ./|∧|
. / ! !ﾚ!ｌ::: ﾄ 、 イ:/ｲ // :|'
/ ∨ .:|从!:::ﾄ、｀ ‐ ´ !:::/ /ｲ: ::|
,.. - ､. V !_! Ⅳ ｀＞ ､ ｌ /..／ｲﾊ!､ :!
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／￣¨＜「￣｀丶 ｀ヽ
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,'/ | | ! ｌ ﾊ:ハ .!Ⅵヽﾄ､ ∨ | ｌ
ｌ| | | .ハ ﾁ 廴 | ヽ 廴辷::」V| ｌ
ｌ ! | ｌ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾄ､ .|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:V .〃
. Ⅵ |!ヽﾄ!┃.:.:.:.:.:.:.:ヽ＼!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:′ ｲ
＼! ｜ '/ /ﾘ
!| ＼ﾊ ′ / / !
!| ヽ ___ // ./::::|
从 !| ＼ ┃ .ィ/ ./|∧|
. / ! !ﾚ!ｌ::: ﾄ 、 イ:/ｲ // :|'
/ ∨ .:|从!:::ﾄ、｀ ‐ ´ !:::/ /ｲ: ::|
,.. - ､. V !_! Ⅳ ｀＞ ､ ｌ /..／ｲﾊ!､ :! ｽﾞﾙｲ……
孫堅自ら剣（？）を取って戦い、副将・葉雄の首を上げた。
胡軫もまた、孫堅の部将である程普によって討ち取られている。
この同盟軍先鋒・孫堅軍と、董卓軍先鋒・胡軫軍との戦闘は孫堅軍の大勝に終わった。
―― この戦いを 『陽人の戦い』 という。
同盟軍初にして、大勝は同盟軍を多いに勇気づかせた。
,⊆) . _ｎ_,.、 . _ｎ_,.、 _ｎ_,.、 ∩ ∩
.└っ ） =｢l=ヽ>└i rﾍ〉 =｢l=ヽ>└i rﾍ〉 └i rﾍ〉 <⌒ ｰ- '＾> ∪ ∪
. └‐' (｣｣）） （才Ｐ_） (｣｣）） （才Ｐ_） （才Ｐ_） `⌒ ー'´ ｏ ｏ
,rrテ≡＝
,r=ヽ、 r';;;:;:;;:::;;;;;;;;;;;;ヽ、.（〃彡三ミ
. ,r=ヽ、 j｡ ｡ﾞLﾞi rﾆ二`ヽ. Y",,..、ｰt;;;;;;;;;;;）./"~´ i
. j｡ ｡ﾞLﾞi......r-=、 l≦ ﾉ6)＿ l_,.､ヾ;r､ﾞt lｦ '・= ）;;;;;;;;{ f:､ ‐-:、 (
.r-=、 l≦ ﾉ6)＿｀ﾞゝヽ、`ｰ! ﾉ::::::｀ヽ､ L､ﾟﾞ tﾉ`ｿﾞ`ｰ ﾞiｰ' ｱ::::::/.ﾉﾟｦ ''・=
.｀ﾞゝヽ、`.rfﾆ､ヽ. にｰ `ヾヽ'":::::::::::: ｨ"^ﾞiﾌ _,,ﾉ , ﾞtﾌ ヾ;;;/ .l (-､ヽ'" ﾞ' さすがは〝江東の虎〟！
. にｰ `...l｡ ｡ f9i ,.、 ｀~iヽ､. ｀~`''"´ ﾞt （,,￣, frﾉ ゝ-‐―イーlｨｰ-､
.,.、 ｀~i t≦_ﾉゝ､..ヽ、__l::::ヽ｀iー- '''"..ﾞ,,....,,,,__. ,/ / t_ﾞﾞ _,,.. :: " 闇に舞い降りた天才！！
.ゝヽ、__l::::.｀フﾞ´,,:: -- ::､ ::::,->ヽi''"´ﾞ,r''"''''''ヽ:::｀ヽﾞ‐ﾃ-/ i ｀ﾕﾞ"
.W..,,」:::::::ﾞ,rﾆｭf::r-‐t::::::::ヽ.ミ__ｨ'{-...f´,,..、 r"::::::::::i. ,/｀ヽl : :` : : ,.r‐(´::::〉 ,.ｨ
. ￣r＝./,,, Y.. -‐ ヾ::::::::l ／ f´.ノﾞ f･= 7:::::::::::lﾞ''" ,:ｲ`i : : ,f´:::,::ヽfﾄ--テ:::::::
. lﾐ､.ﾞﾑﾟﾞﾞ' く､'ﾟ` ﾞ'"):::l.ﾞil l..ヽ'' ﾞ'⌒ﾘ:ﾉ ,:rﾆテ三ミゝ、::::::ゝ!r7/ｰ一'
. ! l=,,;;:. l=､ ..::" ,)ヽ、. l j⌒ ﾄ'"fノ ,r"彡彡三ﾐミ｀ヽ、ﾞ/://:::::::::::::
l. ／`ゝ-''^ヽ''" ,/: : : :＼..ﾞl...ヽ、: : : '" ノ^i, ﾞゞ''"´ ﾞifrﾐソﾍ, ://:::::::::::::::
/rf´ i′ ,f^ヽノ:,. - - 、 ヽ,,. -ﾃ） ,／ ｀ヽ:,i ,,.,...、 ヾミく::::::l.ﾞ/::::::::::::::::::
. r'": ﾞ'ﾞ l l: : j :f´: : : : : ヽ,/ '''"´ ,,.: - lｦ ｪ｡､ 〉:,r-､::ﾘ.ﾞ::::::::::::::::::::
. ｀￣´... ! /: :ﾉ l: : : : : : : ノ, ,:'" / ,, 、 '"fっ)ﾉ::l..'::::::::::::::::::::::
/-‐-/: :/: l: : : : : : ,/ / / `i- ､ヽ ,.:ﾞ''" )'^`''ｰ- :、 勝つる！！
. _,,..::-,テ /`7: :（: : : : : //'´ミ)ゝ^) 〃 i､ヲﾞi .:" ,,. /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀ﾞ これで勝つる！！！
｀_,:ｨ''" _,r''" f: : :ト---ヲ ﾄ､つノ,ノ fﾉ ﾉﾞi ,,.:ｨ'" /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
-‐-‐'''フ" ,.ﾉ,:::::」､,:r'" i _,,.:イ / ,r''";;;;;;｀ﾞﾞ" ヽ_,,ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
､..､く´＿,,∠"ｨ''"´ ／ ,ヽ ﾞ:､ /＼、 /;;;;;;;;;;;;;;;;;r-'"´｀i,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
´ ,ﾍr:､-､=---／ ,:ｲ ヽ ＼ ｀ヽ〃_;;;;;;;;;;;;f´' ll;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
ｰフ´ > ヽ`ｰ､／ ／く _,,..ヽ ヽ ,／ ｀ﾞ''ーハ. l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
／ ／ ,,ゝヽ, ） ,.／ ｨ'" ﾞt `' ／^t;＼ ,,.ゝ;;;;;;;;;;;;;;;i;;;;;;;;;;;;
ようやく十八鎮諸侯たちは重たい腰を上げ、洛陽へ向けて進軍を開始した。
''';;';';;'';;;,., ザッ
''';;';'';';''';;'';;;,., ザッ
ザッ ;;''';;';'';';';;;'';;'';;;
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,.〜＾,.〜＾,.〜＾..〜＾ ザッ
⌒vv⌒yv⌒vv⌒yv⌒vv、
, '´￣｀ヽ −＾, '´￣｀ヽ −＾, '´￣｀ヽ
ザッ ,‐ '´￣｀ヽ ,‐ '´￣｀ヽ ,‐ '´￣｀ヽ ,‐ '´￣｀ヽ
,‐ '´￣￣｀ヽ＿＿‐ '´￣￣｀ヽ ＿‐ '´￣￣｀ヽ ザッ
..;;''';;';';;'' ザッザッザ・・・
..;;''';;';'';';''';;'' ザッザッザ・・・
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''';;';'';';''';;'';;;,., 進撃・・・し・・・
;;''';;';'';';';;;'';;'';;;
;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;
rっ vymyvwymyvymyvy、 進撃します
｜| ｍVvvMvyvｍVvvｍvyvｍVvv、
| ﾊ,,ﾊ .ﾊ,,ﾊ (ﾟ ﾟ)ﾊ,,ﾊ (ﾟ ﾟ) ／ﾊ(ﾟ ﾟ) ﾊ,,ﾊ 進撃します
（ ﾟωﾟ ） （ ﾟωﾟ ),,ﾊ( ﾟωﾟ)／,,ﾊ ﾟωﾟ) ( ﾟω)-っ 進撃します
ﾊ,,ﾊ | _二二二つ ωﾟ ）（＼ （ ﾟωﾟ ）二⊃ ﾊ,,ﾊ 進撃します
((⊂二（ ﾟωﾟ ）二ノ /（ ﾟωﾟ ） ⊂二＼＼_／ﾊ,,ﾊ二二（ ﾟωﾟ）二⊃)) 進撃します
ヽ | (´ .＿ノ ヽ ﾊ,,ﾊ つ ＼（ ﾟωﾟ） | /
ソ ） ＼＼⊂二二二（ ﾟωﾟ ）二二二⊃ ⊂＿) （ ヽノ
（ < ＼ レ’＼＼ ヽ / i ） ノ ﾉ>ノ
＼|＼| レ （⌒） | /ノ￣ レﾚ
反董卓同盟は、洛陽へと続く第一の関門、艴水関にて董卓軍と相対することになる。
／￣￣＼
／ _ノ ＼ 孫堅殿の先例に倣って、
| ／ﾟヽ／ﾟヽ ここは艴水関に引きこもってやるだろ、常識的に考えて！！
| （__人__）
| |'|｀⌒´ﾉ
. |. U }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
華雄は勇猛果敢に責め立てたが、艴水関を攻め落とすには至らなかった。
.r-、 _００ /::::'┴'ｒ'
.|::::'´::::r┘ !「`L00、|.l└ｸ_;厂 /
.|::::「|:::| l| |Lｎ:::r┘|.l _lﾆユ、 ./
.￣└r''"´］_ l| | ｒﾞ=ﾞ┐ |└ァ::/ / /
､ヽ、 ,ゞ´_::::| l| |「二:::7 .|.l └′/ / ／
. ＼＼｀´ |:::|. l| l 〈::/ ､ ! '／
＿＿＿_
／ ﾉ_ ヽ,,＼
／ ≦ﾟ≧ﾐ:≦ﾟ≧
| （__人__）| どっからでもかかってこいよ！！ お！？
| |r┬| }
| | | | }
. |. ｀ﾆﾆ }
. ヽ }
ヽ ノ
_, -‐´￣丶.,_
ゝ-' ".:.:.:.:.;.;.;.;.;.;.;.;.}.;.;.'.:.:.､
／.;.;.;.:.:.:.:.:.:.;.;.;.;.;.;.:.-‐ '､.;.:.:｀.
/.;.;.;.;.;.／.:.:.:.:.:.:.'.:.::.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:i 敵もやりますね……！
_..ノ.;.;.;.;./.:.,.'.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}.:.!.:.:.:!
｀ヽ､.;.;.;.;.;.!.:.:!.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾉ.:.:.l.:.i.:.､
ノｲ.;.;.;.i.:.:.:i.:!.:.:.:〃ｨ.:.:.:.:.:.:メ.:.:.:.:.!.:.ト:ゝ
};.;';.;!.:.:λ'.:.仆＜!t;.:.:.:.{_,.ゝﾊ.:{.;.t
ノノ/／fﾉノζｆ_Tゝ､).:ﾉi,.ｆ_ｧ>ﾘ.;}''｀` ならば方策を変えましょう！
ﾉ人.;.tヽ{ﾄ､ゝ ﾞ " ｌ｀ ,'ﾙ'
ヽ.｀ヽ. u j /;}
ﾉ.;.;.;i丶 ＿_ ´_, ,.';"
"{.;.;.;|:::::::＼ ｲ､(
／マ!_::::::::::｀ ー::':ﾚ'､.._
／: : : : : : :｀ : T ‐―┴‐< ＼
＿_ ..,ヘ ､..._,..＜ : : : : : : : : : : : |: : : : : : . ＼ . ＼_,.-¬､.._
,. ‐ ": : : :丶: : ｀: ‐ .._. ｀:‐．:_: : : : : : : l : : : : : : . ＼ }｀:ｰ/ ,｀ ‐ ､
／ : : : : : . ｀ ､: : : :｀ - ., : :｀: ‐.ｧ.. ,｣_: : : : : : : . ＼ﾉ:.:ノ , ヽ.
/ : : : : : : . . : : :｀ :7./ ｀ ‐-．.,,＿ . . ／ ＼} , ｏ ヽ
/ : : : : : : : . ｏ _/~ ｀´ ~/!`,,,,,､ _,. -+'
7￣ ~ ｀ '' ‐- ..,_ ,..ィ ´: :｀ : ‐ ． / .i;;;;;;;;ヾ、 !
} . : : : : : : : : : ｀丶､ ,.-;";;;;;;|: : : : : : : : : : :` ‐ _ / .i;;;;;;;;;;＼ヽ、,ゝ
L.．．..,,_ : : : : : : : : _; f ';;;;;;;;;;;;;;| : : : : : : : : : : : : : : ｀ ‐ ． / !;;;;;;;;;;;;;;丶ｰ'
Z，．.. ,,_｀ 丶 : ; ‐;'. ;';;;;;;;;;;;;;;;;;;;ｌ : : : : : : : : : : : : : : : : : : :｀ ‐，′ .!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!
.|;;;;;;;;;;;;;;｀;;‐ .,，' ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ.!: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ! .j;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;{
.|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;, ヘ_;;;;;;;:／: : :l: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : l ,';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i
●華雄（字はガウェイン）
_, -‐´￣丶.,_
ゝ-' ".:.:.:.:.;.;.;.;.;.;.;.;.}.;.;.'.:.:.､
／.;.;.;.:.:.:.:.:.:.;.;.;.;.;.;.:.-‐ '､.;.:.:｀.
/.;.;.;.;.;.／.:.:.:.:.:.:.'.:.::.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:i
_..ノ.;.;.;.;./.:.,.'.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}.:.!.:.:.:!
｀ヽ､.;.;.;.;.;.!.:.:!.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾉ.:.:.l.:.i.:.､ 出てきなさい、逆賊ども！！
ノｲ.;.;.;.i.:.:.:i.:!.:.:.:〃ｨ.:.:.:.:.:.:メ.:.:.:.:.!.:.ト:ゝ
};.;';.;!.:.:λ'.:.仆＜!t;.:.:.:.{_,.ゝﾊ.:{.;.t
ノノ/／fﾉノζｆ_Tゝ､).:ﾉi,.ｆ_ｧ>ﾘ.;}''｀`
ﾉ人.;.tヽ{ﾄ､ゝ ﾞ " ｌ｀ ,'ﾙ' この華雄が怖いのですかっ！？
ｎ ＿ ∩ . ヽ.｀ヽ. j /;}
弍_爻 「l｀ﾆ.′ ＿__ ∪ ..ﾉ.;.;.;i丶 ＿_´, ,.';"
.（ ⊂′ └'つ ） `つ_) ｏ . "{.;.;.;|:::::::＼ ｀ー ' .ｲ､( 袁紹！ 一軍を率いながら出てこないとは！
￣ ￣ ／マ!_::::::::::｀ ー::':ﾚ'､.._ 女子供にも劣る卑怯者です！！
／: : : : : : :｀ : T ‐―┴‐< ＼
＿_ ..,ヘ ､..._,..＜ : : : : : : : : : : : |: : : : : : . ＼ . ＼_,.-¬､.._
,. ‐ ": : : :丶: : ｀: ‐ .._. ｀:‐．:_: : : : : : : l : : : : : : . ＼ }｀:ｰ/ ,｀ ‐ ､
／ : : : : : . ｀ ､: : : :｀ - ., : :｀: ‐.ｧ.. ,｣_: : : : : : : . ＼ﾉ:.:ノ , ヽ.
/ : : : : : : . . : : :｀ :7./ ｀ ‐-．.,,＿ . . ／ ＼} , ｏ ヽ
/ : : : : : : : . ｏ _/~ ｀´ ~/!`,,,,,､ _,. -+'
7￣ ~ ｀ '' ‐- ..,_ ,..ィ ´: :｀ : ‐ ． / .i;;;;;;;;ヾ、 !
} . : : : : : : : : : ｀丶､ ,.-;";;;;;;|: : : : : : : : : : :` ‐ _ / .i;;;;;;;;;;＼ヽ、,
L.．．..,,_ : : : : : : : : _; f ';;;;;;;;;;;;;;| : : : : : : : : : : : : : : ｀ ‐ ． / !;;;;;;;;;;;;;;丶ｰ'
軍勢を背後に置き、華雄は艴水関の前に立つと、連日連夜のように声を張り上げて反董卓同盟軍の面々を罵倒した。
イケメンがたった少数の供回りと現れ、罵倒を飛ばす。
兵士たちの間に、次第に動揺が走り始めた。
自分たちはこれだけの大軍なのに、どうして誰も討って出ないのか、と。
／::;;;;;;;,´::::: :::::::: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: : :::: ::: :: ::|
/::/:: ::::::::| :::: :::::::::;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;:::: : :: :: :|
／/|:/;;:: :: ;;|:: :: :::::: :::|;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;:: :: :::::::|
／ﾊｿ;;;;;:::::;;.|:: :: :: :: :::|;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;;.::: ::|:: ::.| まずいな、誰かがあの男を黙らせねば、
i/ハ::;;;, ､.|:: :: :: :: ::|;;;;;;;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;:::: :|:: :::| 我が軍の士気に関わる……！
ﾉ;;;;/ V |::::i::::::::|;;;;;;;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ﾊ;; ;; ;;:::;;;|i:::|::|
／::::;:ヽ i::|::::|:: ;;;:|;;;;;;;; ;; ;; ;; ;; _,／;; ;/;; ;; ;; ;;/;; ;; ;; ;; ;/;; ./ |;; ;; ;; ;;||;;:|ヾ､
ﾉ／;;;;;;;i. .|::|::::|::::;;;ヾ;;;;;.;;_x -''´／／//;; ;; ／/;;/;; ;; ;/;; ;/''´ |;; ;; ;; ;;|ヾ|ﾊゝ 誰かいないのか！
´/::;;;;ﾊ::;;ヽヽi::;;;:::;;;;;｀､／_＞＜<＿//;;;;;／ /;;://;;;;;;//;/ ｨｔ /;;;;;;;;;;;;;;| ﾚ´
/;;;;;/ /;::;;;;;;;li;;i;;;i:::;;;;;;;;|;;|弋及-､|｀//;;;/=､/;;//;;;;;///,xｨ勿ﾄ /;;;;;;;;;;i;;;;|
／|;;;/ |;;i;;;;;;;;|ヽ｀ヾ;;;;;;;;|､;i廴::...::ン｀''ｘ､ ／;//;;;;;//ｨ冬z刻/;;;;;;;;;;ﾊ;; /
|/ |;;|i;;;;;i､ ヽ｀､ヾ;;;;ヽ｀､｀￣ ´ / / |;;/ /;;;;;;;;;/ |;;;|
ヾ ヽ;|＼ ＼ ＼;;;;ヽ､. / | /;;;;;;;;;/､_|/＿
i l＼.＼ ､＼;;;;＼ u. ´ i ／;;;;;;;;;/ / ｀i
v ＼.＼ .＼｀''-､ / ／／i;;;;;;/ |
ゝ｀''- ､＼ _ _ ＿ , ／ﾊ;;//;;／ .|
/ /ヽ_｀｀＼ ￣￣ー.´／／ ｲ､
./ / ￣ ｀> ､ ／ ﾉi
/ / // ｀ -´ ／ ／-､_
｀'',/ ( ( ヽ
,‐-. ､__
,ゝ―'´ ｀ ﾞ ＜
, '´ ､ -｀丶､
,.′, . . ｀ヾ､ヽ｀ヾヽ､
/ .,/ !i : i i､ ／! ､ヾ､ヽ ｀ヽ （……これはお兄さまに手柄を上げさせるチャンス！）
. / ,'' !l i :l !ﾞ"""!i ヽ.､ヽﾞ､
. ! ,',i .ii!i ! i ! i.i! i ､ﾄ､ ヾ､ （それにそれに、あたしがここでカッコよく華雄を斬れば……）
. ! ,'i/! !i_!､__i!i i!i i!i l .ilヾ､ }
. ! ir-!__,ｪi二ニミ‐!! ｨニ三´! i! ﾍ.i ./
!i.（ゝ!i `匕乃ヾヽi!! 乞万¨ゞl‐i! ﾍi i
..ﾉi iﾍﾒ!! .i､!￣ ¨¨¨ﾘ ﾉ!'!i!i i!.!
´iﾉ !i!i｀i! i!iヽ゛゛ ′ ´iﾉ!'ｉ ,'iｉ! ﾉ.l
ノi 'ﾉﾉ,'il! i!i､ ー 一 ,.ｲi| !' .i!i´ ﾍ
乂'＿i|i i|!i≧ ､ . ＜ﾉﾉ!i ! i!.! ﾉ
ヽ:.(...､iﾄi､i!i_＿ `；i｀ヽ､丿!i! ! !/
_≧ﾄ､::ii ヾ.ヽ::i| ,'､:::.. /:`ヽ,i! !i
,ｨ'｀ヽ:::ヾ!i::::ﾞ､ ヽ! !ヽ:::i｀ヽ/､i!i ﾉ'
ヽ.:::::ヽ::::ii:::::::i! i|!ゝ'ｰヽi､::::ヽﾞ､iヽ､
::::i::::::::｀:::i!:::::::i! ヾ. i:::｀７::i`.i!:::::i､
:::::!::::::::::::i|:::::::::i i! ! !:: /::::ヾi!:::::!:!
●関羽（字はアチャ子）
関羽の妄想 :,：;'：.:,：;'：.:,：;'：.:,：;'：.:,：;'：.:,：;'：.:,：;'：.:,：;'：.:,：;'：.:,：;'：.:,：;'：.:,：;'：.:,：;'：.:,：;'：.:,：;'：.:,：;'：.:,：;'：.:,：;'：.:,：;'：.:,：;'：
＿＿＿＿＿＿＿
／ -‐‐-. -‐‐- ＼ よくやったお、アチャ子！！
／ ＼
. ／ /. ､ /. ､ ＼ おめーのお陰で、やる夫は同盟軍でも
. ／ { 二ﾆ= } { =ﾆ二 } ＼ デカい顔ができるようになったお！
／ -‐‐- , ′ , -‐‐-. ＼
／ { 人 } ＼ やっぱりやる夫はアチャ子がいなけりゃ、
. | ゛ ゛ ゛ 〉‐‐イ ﾟｒ‐‐ｲ ゛ ゛ ゛ | 何もできないんだお！！
. | / | | | l | !. |
. | ,. / | | | l | !. | 何かプレゼントをあげるお！ 何がいいかお？
. ＼ { ヽ ,＿__ ＿＿,. ' ／
＼ ゝ ,. ／
yヘ. .. - ‐―┐ 从,、
ハ ＞ ゜ ー、 ／ｲ ＾T
!从 ´ .≦ _＿＞'_ノ从 ﾉ
／ィ ／ ＼（ 廴
〃V / ／ , ｀ヽ 丶 ﾈ に、にへへへ……
/' ﾚﾞ / / /iVｉ| ＼ヽく{ i｀.
゜ / ′ . ｉ |ﾞ｀´'|. ｉ ヽ Y i
{ 〈 ′ ′ i | ｌ li | i | ﾄ､ ゜ ｜ そんな、妹として当然ことを
ヽ } ′ | ,ィ.|T!ト !|T ┼- /,′ ヽ! γ したまでですにゃん
乂| i Ⅵ∧ﾍ! 八! ∧ /ｲ | ﾘ {
/ Ⅵー|=≡ミ =≡ミ!一 ､ !
.' i i::::: , .::::::/ｲ ｉ ﾚ i ′ 関羽は、お兄さまの笑顔が
{ ∧ﾉ 人 ー'１ ﾄ.| .人 { 何よりの報酬なんだよ
丶 / ,ヘ/ ／::.､ ﾏ フ ノ,′ﾉﾉ く ヾ
__/￣′ jく: : :r=丶. _ . ≦ / .ﾍ( ノ ヽ
/1 | / 〈 V:ﾉ:i:i:iヽ|_,ィ:i:i:i:/／｀ヽ_ >＿＿_ だから、お兄さま以外にはなんにもいらないんだ
Υ{｜ .∟ﾍ___}/ ヽ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/「 ノi ｀ｰ､: : : ＞、
{: :ヽ｀く_(＿__ ノ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ir'､|_ _}′/' , Y／: : :}
､: :ﾚ:≧====彳{:i:i:ヽ:i:i:i:i:i:i:i:iヽ.＿）､.ｲ_ ィ 人: : : : ;
〕:/ヾ三三彡': : }========〔{＞-ィヽ.＿_`ノ〃ﾄ､: : :}
..〔: : }: : : : : : : : :イ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ii〃ハ∧ミ===彳' /': :} :ﾉ
|／: : : : : : : :/ ||:i:i:i:i:i:i:i:i／ｲ く__,j{: : ＜≦彡': : : :ﾄ:、
../: : : : : : : : : : : :}!:i:i:ｉ:ｉ:／ : : : : :} }:ヽ: : : : : : : : : : :Ⅴ
※注 （妹として…… いい加減もう必要ないと思うが、念の為。史実の関羽は以下ｒｙ ）
＿＿＿＿＿
／ ＼
／ ＼ そんなのダメだお！
／ ＼ ､ ,./ ＼
／ ., ーヽ ,'. ｰ- ＼ アチャ子は頑張ったんだお！
／ （ ●l l ●） ＼
| ｀ｰ ノ ヽ.ｰ ' |
| '⌒（_＿__人_＿_）｀ | 何かしてやりたいお！！
＼ `/ 7 ´ ／
＼ ' ⌒ ' ／
＿/ ヽ ` ｰ 〈
/￣ ＼
l /⌒i´￣i￣i￣ヽ
. l ', r‐'l ' j j l
l ! ,! l
. l | ヽ l
＿＿＿＿
,. -'"´ ｀¨ｰ ､
／ ＼ でもやる夫たちは軍中にいる身。
/ ', 大したものを上げられないし、
./ , -‐､ _,, -‐､ ', そもそも今回の挙兵で財産はスッカラカンだお……
l ／ ｀' ´ .l
l ,==ﾐヽ ,ｿ==ﾐ .l
.', U , ヽ / だから……
＼ l 人 l ／｀ヽ
/ ｀ー､ ｀ｰ´＿｀ー' ‐' ',
./ l
＿＿＿＿
,. -'"´ ｀¨ー ､
／ ヽ ヽ、 やる夫の ｎ ┌―┐
,,.-'" ,,.-'"｀ ヽ、 ,⊆ ⊇､ [][]「l ｀フ∠
/ ､＿_,,.-='､':'" ヽ、 ￣U￣ くノ └'＾ｰ┘ で我慢してくれお！
i へ＿__, " ﾞ.ﾞ（●）ﾉ ヽ
./ i （●）〉 ｀''''''" ヽ
/ . ﾞｰ-''" ヽ i
/ i 人 ノ l
,' ' ,_,,ノ `─-‐' ヽ l
i ｀､ _y──‐ l /
', ｉ_/ / ＿ ' ／
ヽ、 ￣￣ /
ヽ､_ ／
｀¨i ヽ
/ ヽ
/ ヽ
＿,ゝ-― ―- ､＿
, '´ ,. - ｀＞-.､｀ヽ､
／ ／ i ｀ヽ､ヽ.
/ , ′ ./ .iﾞ! .ﾊ ､ヽヾ.､ そ、そんな……
,′ ,'/ , /i ﾄ.ii〃! ､ ヽ ヽヾ.､ 我慢だなんて……
,' /,' // ! i .!゛'""| i i i ﾞ､ ヽヾ.
, .' , /!' ! ,! i !.i | i i､ ﾞi ｀.､
! . i 'i,!'´￣!｀ヽ i! ! !i i l ! !ﾞ､ ! ﾘ
, i ,' i ,'＿ ! ,' !i -‐!､ i ! i.! .i ヽ .! '
,' i iｨ彡三ミi i,' !! ＿i ｀ﾒ!､ i.| .! ,′ どうしよう……
,' ! -‐く'辷'o::i!｀i i.! !! ,ｨ≠!ﾐノ,'! ii.! .! ,′ あたし、そんなつもりじゃなかったのに……
! ,ゝ! |｀ﾞー‐" ヽ! i! ちo::i!ﾞメ! ﾉi! ! i
!i /ｲ'i i/／/／ ｀ ! ゞう_ﾉﾉゝy' ,′i !
ﾉ'! ヽ､i i i､i ′ ／/／/／!|/ | i
/,' | , .| ﾞ. |ヾi /,^ｉi,′ i !
, '/ ,ｲ/ .| i ! ｀ヽ. '⌒ /!'ﾞ/i! i i ii どど、どうしよう！ 心の準備だって……！
ノ'´ /',i ! ! |＼ .ノ-i!' i! | i i !
,'（ | ｌ i ｌi 丶. . ，＜ ,. i! i| i!ﾉ!,! i!
乂ヽ. ! !.!i ＼ ｀¨´::::::i|, ノ´ .i! i! i ,''i! i!
｀ヽヽ ! ﾞi i ＼:::::ノ'i!" i! i i .i'ノi ﾉ
`ヾ.,′ i, ! ｀ ﾄ､ i! | ｌ i__ﾉ_ノ
,'! ! ! , ! ｀ヽｰ,i!‐ﾉ i,' ノ ヽ.
――――――― ､
／ ＼ いくお！
／ ＼
X / ｀ ＼
／ ゞ _丿 ゝ_ノ ヽ やる夫のファースト・キッスをくれてやるお！
/ /:::ヽ ヽ / /:::ヽ ヽ ｉ
ゝゝ- ' ノ ゝゝ‐ ' ノ |
|. / / / 人 ヽ / / / |
|/ / /ゝ _ノ ゝ __ノ / / / l
＼ ) ) ノ
＼ / / ＿＿＿＿ ゝ
＼ ｀ ー―´ ´ ｀ ヽ
ー┬―‐/ ヾ ｉ
ｌ l l |
| | | |
{.
{
｀ﾞ'''' ー,
/
/
／/／/／/／/／/／/ / ／/／/／/／/／/／
.／/／/／/／/／/／ / ／/／/／/／/／/Ｕ
ｆ__)二＝‐
i ,,..o
し ）
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/ o _,-‐''"
l., _ _ _＿＿＿... --''''´￣
l }: : : : :
, "￣￣｀ﾞ ''''ー- ....,,,, ＿＿___,:′ |: : :
l
|
／ ､ ＼
. ‘ , ヽ ､｀ ､
／／ ／ , .: , .ﾊ ﾊ:. ::i. ヽ:. ヽ ヽ そんな、他のみんなが見てるのに……！
, ' ／ / / /:: /∧∨∧:i:. .::|:. i:. i::. ｀､ .ﾍ お兄様ったら……大胆なんだから……っ！
// , / ,′/.::: i: ﾄ゛゛'""i::l::.:::|::..|:::.. !:::. ! i ﾞ．
/ｲ i ,':. .:i: i::::::: ﾊ::! l::|:::::ﾊ::;､::::. }::: l:. ｉ. }
. !' | .:|: :!:::. .::!:. {:::::: {_,メ !ﾅ!ナ┼┼‐:}‐ !:. l:. ! _＿ ヽ､ _,
ﾘ ﾍ ::i:: ::!:::.::::!:_ﾑｨ'´:!=|:! ﾉ' |ｨ≠三､!::::l::i .ﾄ､ !:. ! ｀ヾ.￣ヽ i ｀Y´(
/ !::|::.:::l:i::.:::lﾊ::ｨ乏不ヾ '´ ﾉ'´f⌒;i! ﾄ>:!::! ﾄ.ﾞ} !､.! ｰ=ミヽ ヽ| i!. i
.ﾉ::|:::::::l:l::::::l! ﾒ､.f‘::ら ′ i!::刋 ,!::ﾉ::l .ﾚﾉ:.ﾞヽﾞ､ '´｀ヽヾ i!: l!: !
/.::ﾊ:::::::!!:!::::ﾄ! `弋辷ﾘ.///,////ゝ≠'´!ﾉ!::i .Yi::i::. iヾ､ |｀ヽ､ ﾍ ! ﾉ ﾉ/ｉ
,'/.,′!:::::|l::!:::|(ﾊ/////////////////ノ'ﾉ.:ﾚ^ヽﾘ::: ﾞ} ヽ ､-'.::::i｀ヽ.ﾍ ﾉ .'／＼〉
/ｲ::! !:::::!l:;!:;:iﾄ､}./////////////////,.ｲ'´ry ＼ ﾉ ｀ヽ/.:::::､ヽ! ／.:::::::::ﾉ
!ハ:! l::::j/ノ ｀ヽゝ.//,.ｨ ⊂ ⊃ ///, ｲﾘ_ノ´ 〉 /;;;;;::::::ヾゝ､.:::::::::::〉
!′i! |:;ｲ´ ｀く〉';:-‐ｲ| ｨﾑﾘゝ' 〈 〈<;;;;::::::フ^､:;;;＼:::〈
! ﾘ{ ヽ::::::〈〈＞，..... ＜ |:::/ ノ‐ｧ ＼_／＼j/＼;;;）::|
,' ﾘ＼ ヽ::::|:|,ｨﾆ三三ﾆﾆ‐{ ,ｨﾆ＝=ﾒ｀ヽ ／,∧ `ー'
ヽ ﾄ.:|:j彡三三三三ﾊ､／'彡'三ミ､ヾﾉ_ 乂{ ノ
rﾆﾆﾆ.ヽ. }ｲ'､三三三三ノ'ｨ'／彡三／｀ヽ-'ｲ､,..ｨｫ-､ / ﾉ＼
,..=＝-‐ｲ三三ミヽ.＼ﾉ::!::!|三三三//.:!|ゝ彡ｨ／.::::::∧::::＼.::,'/.:::ﾍ ＞＜´
_ノ.:｀ヽ:::::::::ﾉ三三三ミﾐヽ〉ﾒ':テi!三三i i:::::!|::ヽ／.::::::::::/.:::::::::::::＼::::::::ﾊ 〈 人 〉
／.:￣￣￣￣￣ .＼
／: : : ＼ そんなの気にする必要ねーお
／: : : : ＼ 十
／: : : : : : ＼. | *
／ : : : : : : :.:.:.:.: _ _ ＼. ＿人＿ みんなに見せつけてやりゃあいいんだお！
|:::: : : : : : : : :.:.::.:.:´⌒＼,, ;、､､／⌒｀ l ￣｀Y´￣
|:: : : : : : : : :.:::::;;（ ● ） ﾉヽ （ ● ）;;:: | | そんなことより、
|:: : :: : : : : : : : : : :´"''", "''"´ l 今晩は寝かせてやんねーから、覚悟するお？
＼ :.: : : : : : : : . . . . （ j ） ／ ＋
＼:::: : : : : : ::.:.:.:.:.:.｀ｰ-‐'´｀ｰ-‐'′／
／´￣￣｀ﾞ'ー､:;:;:;:;:;:;:;_:_: : : : : : : :イ
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ｀ヽﾉ
＿,ゝ-― ―- ､＿
, '´ ,. - ｀＞-.､｀ヽ､
／ ／ i ｀ヽ､ヽ. あ、あたし……
/ , ′ ./ .iﾞ! .ﾊ ､ヽヾ.､
,′ ,'/ , /i ﾄ.ii〃! ､ ヽ ヽヾ.､ 初めてなの……
,' /,' // ! i .!゛'""| i i i ﾞ､ ヽヾ.
, .' , /!' ! ,! i !.i | i i､ ﾞi ｀.､ だから……
! . i 'i,!'´￣!｀ヽ i! ! !i i l ! !ﾞ､ ! ﾘ
, i ,' i ,'＿ ! ,' !i -‐!､ i ! i.! .i ヽ .! '
,' i iｨ彡三ミi i,' !! ＿i ｀ﾒ!､ i.| .! ,′
,' ! -‐く'辷'o::i!｀i i.! !! ,ｨ≠!ﾐノ,'! ii.! .! ,′
! ,ゝ! |｀ﾞー‐" ヽ! i! ちo::i!ﾞメ! ﾉi! ! i
!i /ｲ'i i/／/／ ｀ ! ゞう_ﾉﾉゝy' ,′i !
ﾉ'! ヽ､i i i､i ′ ／/／/／!|/ | i
/,' | , .| ﾞ. |ヾi /,^ｉi,′ i !
, '/ ,ｲ/ .| i ! ｀ヽ. <ヽ /!'ﾞ/i! i i i
ノ'´ /',i ! ! |＼ .ノ-i!' i! | i i !
,'（ | ｌ i ｌi 丶. . ，＜ ,. i! i| i!ﾉ!,! i!
乂ヽ. ! !.!i ＼ ｀¨´::::::i|, ノ´ .i! i! i ,''i! i!
｀ヽヽ ! ﾞi i ＼:::::ノ'i!" i! i i .i'ノi ﾉ
`ヾ.,′ i, ! ｀ ﾄ､ i! | ｌ i__ﾉ_ノ
,'! ! ! , ! ｀ヽｰ,i!‐ﾉ i,' ノ ヽ.
｀´ﾉ i ,ｲ＿ ,.-‐'´ i! ! i' ´ i
,.- 、 ,.-、
| | | ヽ
|― | .ヽ―| /ヽ
l＿ | |＿| |.、| やる夫に任せておけば、万事オッケーなんだお
／ ￣￣￣￣,丶 ― 、 |. | / | / /
／ / ＼|＿∨ .し ｀/ やる夫が、天国に連れて行ってやるお……
／ ―― 、） l ⌒/￣ヽ._., ￣ ｀,'
／ |＿ﾉ ＼ _,'
／. （ -- ） ﾉヽ ﾉ ヽ（● ）.|､‐─―――|
| ´"''" , | 、 ....ﾉ ｀ヽ､ |――――
..|. .（ j ＼ /￣ l / ＼
|. ｀ｰ-‐'´｀ｰ-‐＼ | ,,.-'´ ｜
. ＼. ｀ ⌒ ´ ｀ー――.´"'' 、
＼ ／ ｀ヽ､
／ヽ イ￣￣ −−→
／ ｀`ｰ- -‐'"´
,‐-. ､__
,ゝ―'´ ｀ ﾞ ＜
, '´ ､ -｀丶､ ……や、やだっ
,.′, . . ｀ヾ､ヽ｀ヾヽ､
/ .,/ !i : i i､ ／! ､ヾ､ヽ ｀ヽ
. / ,'' !l i :l !ﾞ"""!i ヽ.､ヽﾞ､ お兄さまったら、大胆なんだから……
. ! ,',i .ii!i ! i ! i.i! i ､ﾄ､ ヾ､
. ! ,'i/! !i_!､__i!i i!i i!i l .ilヾ､ }
. ! ir-!__,ｪi二ニミ‐!! ｨニ三´! i! ﾍ.i ./
!i.（ゝ!i `匕乃ヾヽi!! 乞万¨ゞl‐i! ﾍi i
..ﾉi iﾍﾒ!! .i､!￣ ¨¨¨ﾘ ﾉ!'!i!i i!.!
´iﾉ !i!i｀i! i!iヽ//// ′///iﾉ!'ｉ ,'iｉ! ﾉ.ll
ノi 'ﾉﾉ,'il! i!i､ ⊂ つ ,.ｲi| !' .i!i´ ﾍ
乂'＿i|i i|!i≧ ､ . ＜ﾉﾉ!i ! i!.! ﾉ でも……そういうとこ、素敵……！
ヽ:.(...､iﾄi､i!i_＿ `；i｀ヽ､丿!i! ! !/
_≧ﾄ､::ii ヾ.ヽ::i| ,'､:::.. /:`ヽ,i! !i
,ｨ'｀ヽ:::ヾ!i::::ﾞ､ ヽ! !ヽ:::i｀ヽ/､i!i ﾉ'
ヽ.:::::ヽ::::ii:::::::i! i|!ゝ'ｰヽi､::::ヽﾞ､iヽ､
::::i::::::::｀:::i!:::::::i! ヾ. i:::｀７::i`.i!:::::i､
:,：;'：.:,：;'：.:,：;'：.:,：;'：.:,：;'：.:,：;'：.:,：;'：.:,：;'：.:,：;'：.:,：;'：.:,：;'：.:,：;'：.:,：;'：.:,：;'：.:,：;'：.:,：;'：.:,：;'：.:,：;'：.:,：;'：.:,：;'： 妄想、ここまで
┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃
┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃
┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃
┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃
┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃ ＿＿
┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃ _..-''''ﾞﾞﾞ´ ﾞﾞﾞﾞ'''-､
┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃ ／ ＼
┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃ / U ＿＿ ＿＿ ',
┃┃┃┃┃┃ / ＿＿＿ ＿＿ l な、なんかお前の妹、
┃┃┃┃┃┃ ＿＿_ l （ ● ） （ ● ) .| 涎垂らしてるし、
┃┃┃┃┃┃,,..-''''ﾞﾞﾞ´ ﾞﾞﾞﾞ'''-､ |. u ￣￣￣ ￣￣ | 様子おかしいぞ？
／ U ＼ | |
, ' ＿＿＿ ＿＿ .ヽ | U （ 人 ） |
. / （ ● ） （ ● ) '.,. | ｀ ┬‐ ´ ｀ ┬ ´ |
/ u ￣￣￣ ￣￣ '., l ￣￣￣￣ l 「そこはダメ」って、
,' .l l l どんな妄想してんだ？
l U. （ 人 .） .l l l
.'., ｀.┬‐ ´ ｀ ┬ ´ .,' ', ,'
. ' , ￣￣￣￣ ／ ＼ ／
ゝ、 ／ ＞- -＜
／｀ ー――――― ‐=''' く ,,-'" ヽ
／ ＼ ／ ＼
/ ヽ / ヽ
. /. '., / ',
/ / i l. / / i l
. l | | |. l | | |
. | | | |. | | | |
いつものことだお、気にしないでくれお
＿＿＿_
／ ＼ アチャ子さ〜ん？
／ ─ ─ ＼ そろそろ現実に帰ってくるおー？
／ -=・=- -=・=- ＼
| （__人__） U |
＼ ｀ ⌒´ ／
__＿＿＿＿＿___
,ｨｆ''"~￣三二=‐- _ ｀`ヽ
ム 、 ｀ ､ ｀､ し、しまった！
. ／ j|!jl! ｀､ ＼ ヽ
;';' / ｧ," l|ﾞ'"ヾ、', ｀､ ﾒ、 妄想が激しすぎて下着が
| | //／_./!l| ,,|-!‐‐ |! 大洪水に……っ！
| | |/''"´/｀ﾘ ´ ｿﾘ!,ﾊ! |!
l! | | ,ィ≠ﾐｘ ｨﾃﾐ､| k ﾐx､
| :! ィ''"、沁; 炒 `|从 ヾi l|! ,ｨｆ' ﾐx､
|｀Y | | ｀"´ 丶ﾞ"´/′ﾒ i| |iiﾚ彡"
|У | |、u"ﾞ"r-―,ｧ ,' l|l } |ii| ,ｨｆ'′
. l|!_j!|ﾘ!ﾉ 冫 | |:ヘ、 ﾞ ー' ／ﾊ! ﾉﾘ／ ゞ彡" ｬ''"≠ｧ
k"´i:i:i:i:i:ii:i:i:i:iｿ/ﾞ＼ ｀ﾞ_ー_´ﾍ/〃;ﾌー|j!-|ﾘ!、 j!ｿ /〃
. 〃i:i:i:i:i:ii:i:i:i:i:ii:i:||:i:i:iﾁ奚ｱi:i:i:i://′ｲi:i:i:i:i／i:iﾉ /〃
. |i:i:i:i:i:ii:i:i:i:i:ii:i:i:i{{:i:i:i:i:i壘i:i:i:i:i/ ／i:i:i:i:i:/i:i:i:i/ 彡" ヾﾔｬ''/
. |i:i:i:i:i:ii:i:i:i:i:ii:i:i:ﾉ':i:i:i:i:i嫩:i:i／／i:i:i:i:i:i／i:i:i:i/ 彡"
／￣￣＼ すごい変態だな、お前の義兄弟
／ _ノ ＼ ＿＿＿_
| （ ●）（●） ／ ＼
. | （__人__） ／─ ─ ＼ もういや、この義兄弟
| ｀ ⌒´ﾉ ／ （●） （●） ＼
. | } | （__人__） |
ヽ } ＼ ｀ ⌒´ ／
ヽ ノ > ー‐ ＼
/ く.[ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ｀.ﾆﾆ´ﾆﾆ]ゝ ヽ
| ヽ、二/ 〈〉 〈〉 ヽ__,ノ l
. | / 〈〉 ヽ ｜
| / 〈〉 〈〉 〈〉 ヽ /
ヽ、＿ヾ-‐‐--‐‐--‐‐--‐‐--‐‐--‐‐--‐ゞ＿＿＿／
_＿ _ r．
'=‐-｀`-┴i_＿__
'´-‐-､ ｀ヽ‐´_ノｰ’
r／'￣ヽ
{´;;;;;;;;;;;;;;|
|ｨ=＝＝:!
| !
| !
! , !
!,' !
! ∧ {
! / ,'
! ' ,
,' ,'
,' ! _... -―‐- .
, ! , ' '´ﾟ ｀ヽｰ==ﾆﾆ==‐'
, ,/／, ,' , i!ﾊ ヽ＼
, ,'ｲ ,',ィﾄi､,'! i゛"!i ヽ､', はいはーい！！
, ,' _i__ﾘｨ=ｫ,ﾍ､! ｨ‐､i iﾞヽ',
, .,'/ ﾊ iﾞ{:::ｿ` ヾ,ｨ=､.ﾒ. ﾉ .j i
, /,' ,' ∧!" , 〈:::ｿ）′/ !r'′ あた……
ﾉ /,',: i ﾊ r‐- ､ `,,ﾉﾒ､' i {
!i ノ:,',:! i |ｰ､ ヽ _.ソｰァｲ / ,.ｲ !
ﾊ! ´. /ﾍ! l i!;;;;;ヽ -ｧ:＜/ /ノ/ﾉ ﾉ
! l! ,./' ヽ lﾄ､;;〃;;;;;;/ｲ' /彡'/.／
! i〃/=＝=ゞ!ゞ/=チ' / ! /ヽ.ノ'´
ﾚ/〃;;;;;;;;;;;〃ヾ､=<o´.{ .l,' ! ｀ヽ.
!,'〃;;;;;;;;;;;/';;;;;;;;ヽ;〃､ l :! !/ ／/
j'ｲ;;;;;;;;;;;;;/';;;;;;;;;;;;;ヾ;;;;;ヾ! l/'／ /
/!弋;;;;;／;;;;;;;;;;;;;;;/';;ヽ;;;;;;l :!´.／,'
/'ｲ ヾ";;;;;;;;;;;;;;;;;;;'/;;;;;ﾞ､;;;;} ﾊ´ ,/
r‐,'l! i i｀ヽ;;;;;;;;;;;;;;'/;;;;;;;;;!i;ﾉ,'-ﾘｰ'i
. r┘ i ﾄ.| !､ ヾ!;;;ｨ===＝ﾁﾒノ;;;;;;;;;;;|
―― 関羽が華雄討伐に名乗りを上げようとした、その時だった。
/
/
/ ／
／ ／
. , ｀￣￣´ ／
. ノ / 待つお、アチャ子
／ /
. / , -‐¬ 、 /
r´ ノ / ￣. }
｀¨´ ／ i. /
. / } /
/ ／
. / ／ ） ／
/ / / / ,-, /
./ , ' ./ / / } |
ヽノ / / / ,' ,'
/ / ／. l ,'
ヽ∠／ l /
｀´
やる夫の手が、アチャ子を差し止めた。
,ゝ-'´￣￣｀ ヽ.､ｰ-､
, ′ , ｀ヽ｀ﾞヾ.､
/ / / / ﾊﾊ ヽ＼ ヾ.､
ｉ ,' ,' / /./ﾞﾞ"ﾍ.i i `ﾞ､ヽ )） な、なんで止めるのさ、お兄さま？
j i ,' _,'ｨ,」_{ }_i! i.l i.i 〉,'′
:ｉ l {_i Ⅵﾆ!ﾒ｀ ´_!ﾅ‐ﾘ!. |ｌ!/ ′
!! l i l代:ｿ` 代ｿﾃ‐! ﾉl!,′
ﾉ,! {! ﾄ.!ヾ , ¨´ﾉ'ﾉ'i ﾉ{
ｰ=' | ! iﾄ､ ノ'!'ｲﾉ! i
.乂.! |!`iヽ ´ ￣ ｲ（ {./ | 丿
＿ / ィ///≧ｭ｀´!、 ! / / ｲ
/ ヽ////ヽ ヽ// ∧∧/≧⌒ r 、
/ ∨////＞'´: : : 只: : :｀i//} ',
／ ∨////ゝ: : : /: |ヽ: : :} 7ﾘ }
. ,- ´ 、＿ |///、≧/_: : ヽ､ヽ// ﾏ ヽ.{
〃. |//// / ヾヽ ＼
＿＿＿_
／ ＼ やる夫たちは、やらない夫の客将扱いだお
／ _ノ ヽへ＼
／ （ ―） （―） ヽ それなのに諸侯を差し置いてしゃしゃりでるのは、
.l .u ⌒（__人__）⌒ | 道義に反するお
＼ ｀ ⌒r'.二ヽ<
／ ｉ＾Yﾞ r─ ゝ、 ただでさえ、やらない夫は新皇帝擁立に大反対したせいで、
/ , ヽ._Ｈﾞ ｆﾞﾆ、| その立場は危ういものになってるのに
{ { ＼｀7ｰ┘!
代わりに立候補したのは、袁術だった。
／ ／ ／ ／ / ムV/} ヽヽ ヽ. ヽ
/ ／ / / {斗‐宀ｲ i ', ', ', '.
{/ / / / / / } } | i i i i ……先の戦では、我が配下の孫堅が手柄を立てた。
ｉ / ／, / / /jノ ＿｣ } l l } }i
{／ / / / /-‐. ﾆ ＝ ､} ,′ } } ｉ | {l ならば今度は私が功績を上げるべきだろう。
/ , / ′/l/‐ ´_｣.斗込}｣ , / / ,ハ ｌ | |{
i // /ﾄfﾑ { ´ -‐┴ ¬ / / / /⌒ } ! ! !} 配下の瑜渉に行かせよう
{/ ﾊ 小ｌ ﾄ7 ノ /／ ノ ム / } { l 〉
{ l iﾄl V ｰ=彡'"´ｧ‐‐ｲ／ ,ｲ ﾊ } //
｀l {､ V j｀ﾄ ｀ ノ⌒´ ￣´ ｆﾞ７ｲﾚi/ ﾄｲi//-‐ ──‐ ‐‐- ､
＼ﾄﾒ/ﾚﾊ ｰrー__､__ / , l l | {,｣/｣-‐ ¬ 二 -‐ ァ′
ｰ=彡ハ ー‐一 ノ / ｣/｣斗 二 -‐ ,二 /７ ′
} ∠/.斗 -‐ ´ / / / //
l､＿＿ -‐ 二 ﾆ ´,ﾆ / / / / ′
, .二 -─ｧ｣斗‐ ´ .|｜ ./ / / 〃
. ／／ . -‐ｧ´／ .|｜ / / / 〃
／／ ／ ／／ﾍ |｜ ,' ′ / 〃
/ /. ィ´ ／／ vﾊ |｜ l { / 〃
／／ , ' , ' vﾊ L｣ L/ { ,/′
.:/ / / vﾊ 厂￣￣￣￣￣ ｀ 'ｰ- ､_
. -‐.:.:￣￣￣＞x.
／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ .:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l ……そうか、ならばお任せしよう。
/.ィ.:.:.:| .:.:.:/:.:.〃.:.:/.:.／..:.::.ィ.:.:.:.:!.:.:!
ノ'´ l.:.:.:.| .:.:/.:∠|..:.:'.:./ .:::／ !.:! ..:|.:.:|
|, .:.:| .:.l/ｒｆｭ心|::/.:／r―┤l ..::ﾄ..:| 誰か、瑜渉将軍に景気付けの酒を持て！
ﾉ|l.:∧ .:l上ﾚt癶:{:/ ィｆj升V.:.:∧ ヽ
|l.:.｀ヽ.:.', { ｀¨¨７.:.:./
|ｲ/.:.::ド ､ ′ , ′:/
从/ﾄ'､ > ｀ ￣ イ:.:／
／ ヽ辷 ≧-＜リﾊ{
. , -―――‐〈｀Y ﾍ // /// {__ __
／ ﾅ K // // {ﾄ､ ｀丶
. ／ '´ | | | | ｀ ヽ
| | | | | }
| | | | | ,'
｜ ＼ ┌＝＝＝¨ ¨＝＝=斗 /
/|
/! | チ へ
! ! | ャ ト､ト-〜'''‐-‐-─-､ ﾍ
-──|┼|─‐- ッ ト､」 ! ! ! l i! !`‐'７ ：
／ -─┼|┼‐-､ ＼ ﾄ､ ! i l i i /／!
.／ .／／￣ ! ! |｀ヽ ヽ ヽﾄ､＼!ﾚルﾚﾉﾉﾉﾉ/イハﾄ､ /ｲ
/ . ! ! | ﾄ､＼ヽ! |// 7 必ずや十合以内に華雄を仕留めてみせます。
r‐-､ |┴| `ト､i i ,─-､__ ､__,-─ |ノﾉ7
ト-ｲ /＾Y´＼ `ミ､|Y -‐┰┐┌┰‐ｧ |＾! ｲ
|-‐!/o/´＼o＼ .`┤| ￣７! f ￣ | | ﾉ
入 /o/ ＼o＼ | | L | | 」 |ﾉ/
_（ /＼/＼ 入o＼ ∨ ､ｨ㎜㎜㎜_, ﾚく
（ ＼__）／`ｧ─‐' /＼/__／|＼ ｀￣￣￣ ／| ＼
（`ー-r'ヽ / r‐'￣￣／ | ＼ ＿＿＿_／ ト､ ＼
`r‐‐' _/ ／ ﾄ､ / ∧ ＼
／＼ ／ ﾄ､＼ ／／ !
●瑜渉（モブ）
___ 00 __ ___ 00 ＿＿ ___ 00 ＿＿ ___ 00 ＿＿ ∩
| ∟ └┘/7 | ∟ └‐┐ | | ∟ └‐┐ | | ∟ └‐┐ | ∪
|_厂 ＜ノ |_厂 ┌‐┘ | |_厂 ┌‐┘ | |_厂 ┌‐┘ | ｏ
￣￣ ￣￣ ￣￣
―― 五分としない内に、関の外から太鼓の鳴り響く音が聞こえてきはじめた。
／.::::::::::::::::::::::::::::::::::.｀丶、
／.:::::::::::::::::::/.:::::::::::::. :: ::::::. .ヽ.
/.::/.:::::::.::::::::/. .:::!:::::::::::. : :. :::.:::::ﾍ 思ったよりも早かったな。
i′:′.: .:.::::::/.::::.:::l、:､:::::::. ::. l::::::::ﾊ
|:::::i ::: :: :!:::/.:: .:/.:jヘ､＼:: .::::::ﾄ､:::::::ﾄ､
|:::::l: :. ::::l:/|::!::/}:/ ,rｧ≠fﾄ､::::::|/.::::ﾄ| 華雄め、大したことないじゃないか
|:::::|::::::::::|ｋl::|:{ / ｨ代fiﾂ:::::::::{::::::::ﾄ|
l:i{::ﾄ､::ゝ㌘f沁′ ￣ |:::/:/ l::::i:|
爪:l::::ヽ::::＼¨´ } |/l/ }:::ﾄ!
ノ ヘ.::.::ﾄxヘ、 ｀ t一ｧ / .ｲ|从 ﾊﾊｯ
メ、 ─‐`┐. _ ／,r',仆､l、 ﾞー‐- .._
／ ｀二丁{､｢￣ヽﾞﾏヽ ｆ ＞‐‐､
／ .ｲ｣ /} }／〉､ ヽﾏk｣` ／ i
ｒ'´ ∠ -‐〈/ {/iﾊ ﾒ} i .′ l
∩＿＿＿∩
| ノ ヽ 報告しますクマー！
/ ● ● |
| u. ( _●_) ミ
彡､ |∪| ､｀＼ 瑜渉将軍、一合斬りあっただけで、華雄に切り捨てられましたクマーーっ！！
/ ＿＿ ヽノ /´> )
(＿＿＿） / (_／
| /
| ／＼ ＼
| / ) )
∪ （ ＼
＼＿)
r―=＝二￣｀ヽ
>‐-_'´ u V:::::|
r―-―=＝ 、 , ' r-- ､ }:::::|
アー-'^⌒}:::::! （ ' } 「r､:::| た、たった一合で……！？
/ u 〉:::| > i} ﾘ |ヒ}}: |
ヽ =＝ﾍ /-､::! ＿ __ ／ ｰ-u' |ン::: |
＿ rｧ__ ／ i }} |ヒ}!::| ＞ ^´ ヽ ∠__r=_`-ｲ丁ヽ.|ヽ:::::|
＞::::^':::::::::'. / =u彡 |ン::::| イ/⌒く | ､---ヾエヱ二」 ! ＼|r
そ:／ヽ:::::_::! ｀1工エｴﾊ ./＼:: 「｀ヽ .> i う ヒ}l <r ､V^ｰ ´｀ー '_| ／／
ハ｡＝Y{.）| _}-r‐:// ヽ＼ﾘ <_r-┬!ﾄ､|_ ∠≦ﾘ::} , イ ／／.....
<.｀_^､/く:| Lー-ｲ/ ／/:.:.:.＼ f＝' j | ヽー-＜j /ｲ ＼/／..........
〉-- / ／＼ （＿,イ ／:.:./:.: |｀Y´|＼イ-､ l | /｀ヽ#＼ /...................
ヽ__/／ ＼ （ ＼:.:.:.| | |:.::__| | K´ l ＼#Y=―- ､......... 華雄ってのはバケモノか……！？
＼ }-― 、 ＼r── `'┴┴r!（___ _ア´￣｀ヽ{ }/.................ヽ....
:.:.:.＼/ } }`ー―― ､ ､‐':.:.:.:.:.} , ＜｀ヽ '._/ /............................
:.:.:.:.:.:V __/ :.Y´￣￣￣ >:.:/:./ /＼ } } ◯./..◯...................../
:.:.:.:.:.:.:Vノ. ￣｀Y:.:.| （￣￣￣￣:.:/:.:/ .|:.:.:.:.> ／ / .}............................/
:.:.:.:.:.:.:.:.', ＼. ヽ_人.人 ￣￣￣￣）:.:(__,.ｨ__j:.:／（__／ ,イ...............／....../
:.:.:.:.:.:.:.:.:.'. ヽ_ＶＬ イ:.:.:.:.:￣「￣「￣:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.／ |:.＼／ j--―..´........../
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.V"´ ヽー--}ヽ ＼:.:.:.:.:.:.＼／ j:.:.:.:＼/........................./
／ / ／ / / ｀ , } ﾊ
/ / ／ /ノ ／ / / / ､ ,
l /／ / /´ ／ / ト､_j1 l , V ,
| /,' / / / / ／! / j ! | } }! l
l!/ l / / / ／ , / ﾊ ! j! l ! l , ! なんだと……し、信じられん……
| ! l /,イ／ ,イ/1l |j /ｲ !j! l , ﾚ
l|! ､ l !≠/７升-ノ !l, -─'/レ!十 , ! '
ﾊ l , ∨l|辷≧r､７ ' , | ＿ ィた/ｱ / / / あの瑜将が……？
/ l ﾄ､ ＼,jl l ｀¨´ / 7//!'/
/ !l__ゝ ､＼ u. .:| ７ /ソ /
r≠ﾍ ＼ト､ﾍ .::| ／イ´ /ト､
//::::::::::::::::!Nﾄ､{` :!' /'７/ //::j:＼' ,
| |::::::::::::::::::l:ﾘ! ＼ -=＝＝= ､ , イ! ,//::::::::::::| |
| ﾄ､:::::::::::::, -l! ', ＼ ￣￣ ／ /イ ノ:::::::::::://
ﾄ､ ',:::::::::::| ＼! ､＿_／ 7- ,:::::::::::::::://:|
ノ:/!ﾍ',r-y' ､ ｀＞ ､ , -r'´ ,:::::::::://::::!
／:://::::ﾍ',Y / ｀Y⌒、 l ', ﾄ､::://::「|:',
イ:::／/::::::::::ﾍ,ﾍ , ７ ! l |! ハ/ l7'/:::::| ',::'､
/::::l::::/::::/::::/::::/::::/::::/::::/l::::l::::ヽ:::: l l:::: l
/｀､ ／/ l::::l::::/::::/ /:::: /::::/::::/::::l::::l::::l::::::::l:::: l '、 |
/.......∨ / / l::::l /::::/::::///l/::::/::::///∧ l:::: l::::l::::'、 | ……勝敗は兵家の常。
i∨;;;;／::::/ /::::l l::::l// ////l::::////l // ヽl::::l::::ｌ::::'、 | そういうこともありましょう。
＼;;;;< ::::/ /::::/l l::::l///ﾑll＿ｌ/// /l/_ll__＿_ヽ.|::::|::::l::::|
ｒ'"´⌒-ヘ /ハ lﾞl｀､i,ゝｆ‐-ｔ､"|/ l/ .///,,-‐ｰ-__| }/ﾘｆ..l
ｒｰ-､/＿.,,.,,,, 'i, .../ l l'::i'i ヽ了ｹi ト li' ///ィi ｹTﾌ.ﾘ.ｌソ∧l 中々手強い相手らしい。
'i, .ゝ;;;;;;;;;;;;￣｀ヽl ..ﾍﾍヾ'i,."￣ ../ i./|' ￣.". /::/::::/l|.＼
,,)＼ 'i,／⌒＼-,丿 ..l...＼ﾍ｀､ | ,/:://ｌ/l
| ヽ, 'i,::::::::::::{ i,ヽ‐ｰ‐r､ 'i, ilヽ＼ ＿＿＿,. ,/／ /ｌ ｌ.ｌ 次は誰が名乗りを上げる！？
／| ヽﾄ、｀ｌ｝::::::::∧, ヽ i .| 'i, l.. ｌ＼ ｀ﾞ二"´ イｿi／ | ｌｌ
（ l ヽﾚノ|:: . ::| ` ｰ‐,, / .| 'i, l ｌ .＼ ″..／ゾｌ ｌ
i'、''-､ ヽ, .|:: . ::| ヽ,ヽ ７ . i l 〈二ニl"＞＜"lニ二〉
,/ l ＼ ヽ|:: . ::| ヽ ﾉ .. ..{::::::::l r´¨¨¨｀.f l:::::: {
（ "''-,,_ 'i, )..}:::::::.|ヽ / _＿,,_ l::::::::..l l::::::::::::::::l l:::::::: ＼
~"'' ｰ‐-､;_ ''-７;;;.;;;;i ,ｒ;∠ｰ‐.'"´::::::::::::::::::::::::::::l l::::::::::::::::l l:::::::::::::::::｀`丶､._＿＿
ﾊ＼ ／＿＿∨/||::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l l::::::::::::::::l l:::: :::::::::::::::::::::::::::::::::::￣￣
＿
,, ‐;: ''´. . . ｀. .ｰ .、
,イ.._.｀ . . ､. . . . . . . . .＼
/ iﾍ;;ﾊ. .ヽ. .ヾ.ヽ : : : : ゞ :ヽ
{,バ }. . i: . . .ゞ. .: : :. : : : : :. では、将軍・潘鳳を出しましょう。
/: ;ﾉ { i ハi :从.;, ミ ミ: : :ヽ.:! あの者は１００斤もの大斧の使い手。
V,ｲ,､＿,ゞ{＿j厶-､ゞ.; : : : ヾ: :|
｀{,.＝・{. 〉‐＝・‐｀.、ﾞiﾐﾝヾ: V 必ずや華雄めの首を取りましょうぞ
ｉ ￣ ,' ,' ｀ ￣´ : ﾘζ l: :.}
. 〈 .ﾞ ;､ ノ ノ.ｨ :/
. '｀_｀ ､ ' ｉ ├ｆ´::r'
! ´￣｀¨¨ i ' ,ノ, l : ﾘ
v "" ,／ ,' 'ｲﾉ、
(ゝ ＿ .イ＿,,.ム'',,.ｨ
_i＞ ､ Y ,. --､'''" |-､
_ ,.-､_,,.. -‐ 1{ ⌒! ! | ｌ i⌒ ' ／,/”¨ '' ｰ- ,,.-､ _
,.‐y.-//''７/´ i ﾞー' ,! | l､ゝ..,,. 'ﾞ ／ // ¨７/''ァ'⌒i
〉 ゝ.,!.i＿i i ',. f" ﾘ | | ﾌ , ＜ i_i＿,,..i i''",,.＜ﾉ
/≧=‐-- 二''ｰ ､ _ i. l ',. = ､V / _ ,,.. ‐ ''"二 -=≦ニﾆヽ
iニﾆiﾆiニニニニヽ.ヽ{ {. ﾘ l i i l l { } },,. ' ,,..-=ニニニニiニニニニニﾑ
●韓馥（十八鎮諸侯の一人）
::;:::;;;;::::;;::;;;|;;;;:::::::::::::/:::/:::/ /:/::::;;;;;;;;/:::/::::/ /::/::/i,ゞ斗弋::::;;;;;;;;;;;/:::/:::::::::/::/
;::::;;;;|::;;;::;;;.|;;;;::::::::::/:::/::/ |:/::::;;;;;;;//::/::/ /: /:::/-i'´｀l ヾ＼;;;;;;;/:::/::/::::/;;/:::
::::;;;;;|::;;::;;;;;|;;;;::::::;/+-､/＿/ |:::;;;;;;/ |:/ﾉﾚ-'//´/ .|-_=-''´ヽ＼;/::/::/::::;;;;;;/:::::
::::;;;;;|:;;;::;;;;;i;;;;:::;;/ |ﾊ/｀''/ﾍ i::;;;;/ , |'''i/ // ./-''-ﾅ´歹乃 ヾ/:::::::/::::;;/:::::::;;;; ……行けるか、潘鳳
:::;;;;;;|:;;;;:;;;;;ヽ;;;;/,=/-il､_ /､ |:;;/ .i | // /斗匕ン廴ノﾉ ノ/::::;/:;;／::::::::;;;;;;
:::;;;;;;|:;;;;:;;;;;;;;｀､ヽヾ 弋_ｲ''-､_|/ .i ./ / ー-―''''´´￣/::／;／/:::::;;;;;;;／
::::;;;;;|::;;;:;;;;;;;;;;ヽ＼ ＼廴ｪ-''´ヽ / ／/;;／/::;;:::;;;;;／ ,
;:::;;;;;;ﾄ;;;;i;;;;;;:;;;;::;;;;ﾄ､ ´ | ／ ／ ／:;;;;;;／ ／::
ヾ:;;;;;ﾊ;;;;|i;;;;::ヽ;;::::｀､ヽ | ／ , '´ /;;;;;;;／ r-イ::;;;;;;
ヽ::;;;;| ヽ＼;;:::ヾ;;;:::＼ i ／;;;;;／´./ |´;;;;;;;;;
ヽ:;;| ｀､ ヽ:ヽ＼::-｀'-､ ヽ _,-''´ ノ il:;;;;;;;;;;;;
｀'､ ｀､ ＼､ ｀'-＼- ' ｀ ＿ ／ //;;;;;/;;
ヽ ｀'､ i:::ﾊ､ ー-=-＝−── -´ ／/ /ﾊ;;:;;;il;;;
'' i;;;ハ;;｀'､ ー─── , <´;.;/ /_ i;;;;;;;il;;
ﾚ ｀;i i.＼ ／;.;.;.;.;.;/ _ _ _,-''''/´__|;;;;;;| |;
i ヾ;;;;＼ ＜;.;.;.;.;- '''' ´_ , - ' ' ' ´ |;;;;;;i ｀
i;;;;;;;<ヽ_ ／ ／￣_,- '' ''´ .i;;;;;;;|
/|
/! | チ へ
! ! | ャ ト､ト-〜'''‐-‐-─-､ ﾍ
-──|┼|─‐- ッ ト､」 ! ! ! l i! !`‐'７ ：
／ -─┼|┼‐-､ ＼ ﾄ､ ! i l i i /／!
.／ .／／￣ ! ! |｀ヽ ヽ ヽﾄ､＼!ﾚルﾚﾉﾉﾉﾉ/イハﾄ､ /ｲ
/ . ! ! | ﾄ､＼ヽ! |// 7 私の大戦斧は
r‐-､ |┴| `ト､i i ,─-､__ ､__,-─ |ノﾉ7 いつでも血に飢えております。
ト-ｲ /＾Y´＼ `ミ､|Y -‐┰┐┌┰‐ｧ |＾! ｲ
|-‐!/o/´＼o＼ .`┤| ￣７! f ￣ | | ﾉ
入 /o/ ＼o＼ | | L | | 」 |ﾉ/
_（ /＼/＼ 入o＼ ∨ ､ｨ???_, ﾚく
（ ＼__）／`ｧ─‐' /＼/__／|＼ ｀￣￣￣ ／| ＼
（`ー-r'ヽ / r‐'￣￣／ | ＼ ＿＿＿_／ ト､ ＼
`r‐‐' _/ ／ ﾄ､ / ∧ ＼
／＼ ／ ﾄ､＼ ／／ !
●潘鳳（モブ）
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.: /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
.／/:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
/:/:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:. /:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.i
／/:.:.:.:.:. |:.:.:.:./:.:.:.:.:.:./: /:.:.:/.:.:.:.:.〃::ｨ:∧:,:.:.:.:.:.:|:.:. |:.:.:.i:.:.:..|
. {:.ｲ:.:.:.: |:.:.:..{:.:.:..:.／／/:./:.:.:.:.:./／// i八:.:.:. |:.:.:}:.:.:.:l:.:.:.l ……よし。
l:.ﾊ:.:.:.:.:.l:.:.l:.|/／ ＞=〃i:.:.:.:／/_,,//=-.K ∨::.}:.:/:.:.::/:.:i:/ 華雄の首を取ってきた暁には、
|:i l:.:.:.:.: ﾄ:.:l:.:/ｲ＞=-､ミ|:.:./ 〃' //- ,__ >ニV:./:.:.:.:人:八 １００金と良馬５０頭を褒美として与えよう！
|l .|:.:.i:.:.:lヾ:.:ﾐ Ⅵツ>|:/ , / ≦弋::::::) }:/:.:.:／:.:.:ハi
|i .|:.:ﾊ:.:.l:.:._:.ﾄ､ ￣￣ │ i ゛゛￣￣ ｲ:.:.〃:.:/:.i 出陣祝いの酒を！
i .Vハ:.:i:.i ヾﾐ､_ .:| ／彳ィﾌ:.::/i:.:l
';:.:.l､ ＼ ｀ 〃/ ﾉ:/.八:|
';:.:.:＼>､ ｀ー─ ─ -- -｀ /／:/ ij
ヾ:.i:.:.:.:.:.＼ ￣￣￣ ／´:.:.::{
Y:/:.:.:.:.:i＼ ＜i:.:.:.:.:/:.:|
iﾉi:.:./:.:| ＼ イ |::.i:.:.:i:.:.:|
//:.:ｲ:.:.:| ｀ ｰ ´ |:.│:.ﾊ:. i
/／/:._.」─────┐__」_ :|:.:i ヾゝ
／ /;,├┤ ＿＿＿＿_ ├ ┤ヽi
/ :.斗:::| |::::::::::::::::::::::| |::::::|:',
_..-::'::´ﾉ : | |::::::::::::::::::::::| |::::::ﾄ.､
_...-::':´::::::::::/::: : | |::::::::::::::::::::::| |::::::i::::::｀:::..､
酒を煽り、１００斤の大斧を引っ提げて、潘鳳は城を出て行った。
―― しかし。
___ 00 __ ___ 00 ＿＿ ___ 00 ＿＿ ___ 00 ＿＿ ∩
| ∟ └┘/7 | ∟ └‐┐ | | ∟ └‐┐ | | ∟ └‐┐ | ∪
|_厂 ＜ノ |_厂 ┌‐┘ | |_厂 ┌‐┘ | |_厂 ┌‐┘ | ｏ
￣￣ ￣￣ ￣￣
―― またしても、五分としない内に、関の外から太鼓の鳴り響く音が聞こえてきはじめた。
∩＿＿＿∩
| ノ ヽ た、たた、大変ですクマーー！！
/ ● ● |
| u. ( _●_) ミ
彡､ |∪| ､｀＼ 潘鳳将軍、華雄と一戦交えるも、切り殺されましたクマーーっ！！
/ ＿＿ ヽノ /´> )
(＿＿＿） / (_／
| /
| ／＼ ＼
| / ) )
∪ （ ＼
＼＿)
ナ ゝ ナ ゝ / 十＿" ー;=‐ |! |!
cト cト /＾､_ﾉ | ､.__ つ （.__ ￣￣￣￣ ・ ・
ヽ ノ ヽ l l ｲ / ヽ、
ヽ } /ヽ、ヽ ＼ l ﾊ / / ./ / ＿_｀ー-_
／ ,,､ l / / / u /ィﾆ-ヽ-rヽ､ ｀- l ノ ／ ／／ i|!r'／ -ーY r´
/ _ ノ / l ', ! ／／ _,ﾉ'/{・ } ノ ,. ｀_.,／ /、__ ／ ー_,／ l|／/{ ・｀｝ ﾉ l
ミー-- -‐' ／ / ｨ ! l', {／ ／、__...」 ^ー- ／ ￣~ ／ ヽ ｀ フ、 ヾ-{ ,L,,, /
、 ー--‐´ ／／l / l〉 / ー- /ィ｡ｭY´＾'^ー-- ´ ノ.／ ｀弋´'^=-､ヽr^`ヽ､.＿ ''´
r──ヽ / ∠」_ l ｀￣´ l、_ ノ .＜＿ ノ ィX_{ｿ ﾉ'l 、
l f ・j }r-{ｲｧjl l′ヽ､__／ﾍ ヽ - ￣~ ーィ' ヽ_ ノ u
ヽ＿＿ノ'´ ヾ__ノヽ } ', ,. -ー ､ / .フ ィ ', ヽ､__ - ,.--､
_ 〉ヽ ノ_／ ヽ、<_-‐ニユ /. -ー'＾ー' ^、 _／／＾rへ
´ ﾊ、 ヽ ´ - ／ ヽ、 く／ _/ ,.ｲ
＿ -〉、ヽ ヽ、 ／ ヽ、ヽfﾆﾆ／
／ー-７へ ヽ ／ ヽ ￣-‐'
｀ ⌒ﾃ ｀ー '─-､ ＼、 _／
7 ／ lヽ ￣ ヽ
l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:./:.:.:.:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:/l:/:.:.:.:./.:/l.:l.:.:.:l.:.:.:.:l.:.:.:.l:.:.:.l
. j:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l.:.:.:/:.:.:.／/.:/l.:.:／ .ﾒ //:.:.:/:./ |:l.:.:.:|.:.:.:.:|.:.:.:.|.:.:.:l
ﾉ.:.:.:.:.:.:.:.: .l.:./.:.:../ ./ノ /.:/.///.//.:.:/.:./ ヽ.:.:l.:.:.:.:.|.:.:.:.|.:.:.:l また斬られたのか！？
ｲ.:.:.:.:.:.:.:.:.:l/.:.:.:./ｰﾒ,,_/／__ノ.:.://.:./.:.//,,-‐'''ヽ:l:.:.:.:.:l:.:.:.:l:.:.:.l
l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|/.:/y=‐‐-/､ // l:.l.:./ l.:l ,r‐''"ヽ｀ヽ/:.::.:/ﾘ.:｀j
.l.:.:.:.:.:.:.:.:.:l l/{ ,.-c､ヽ l/ l// lﾉ／ r‐c､ .ﾘ /.:.:.:/./ l/ヽ
l.:.:.:.:.:..:.:.:ヾﾍ｀、 ゝﾟ-' , ./ / .i ´ｲ ､ ゝﾟ-'ノ ﾉ./.:.:/ l どうなっているんだ、華雄とは
. lヽヽ.:.＼ヽヽ ｀￣´ ﾉ . li ｀￣´ ///.:./ / バケモノか何かか！？
ﾍ.:.:ﾍ.:ﾍヽ＼ |i /.:/.::./
ﾍ.:.:.ﾍ.:.:.:ヽヾ lﾘ ／/.:.:.:/
ﾍ.:.:.ﾍ.:.:.:.:＼_ ＿＿_ ｲ.ﾘ l/
ﾍ.:.:.ヽ.:.:.:. ＼ -'――‐‐｀- ／.:l.:.l .ﾘ
ヽ:.:＼.__ ＼ ー‐‐ ／ l.:.i./ ﾘ
＼ﾉ ｀ヽ_ ｀ヽ ／ ,=-'｀i入
i´｀ｰ---ヽ＿ ｀ イ＿ノ_,,-‐'ヽ从
ﾉ´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| |;;;;;;;;;;;;;| |;;;;;;;;;|}入
／.:.:.:. :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
/: .:.:.:./ ..:.:.:.:.:./:.:.:.:.: .i:. :.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
':.: .:.:./ .:./.:.:/:.:.: .:.l .:.l:.: .:',:.:.:.:.:.:.:.l ッ、次は！？
,'.:.| :.:.l. :.:.//:/:.:.,':.: .:|:.:.:!:.:. .|:..:.:.:.:.:.:|
/:.: l:.:.:.|:.:.//:/:.:./.:.:. //∧'.:. !:.:.:.:.:.|:.l
/ｲ.: .|:.:.:.l://l//:./.:.:.:./// _ヽ:l:.:.|:.:.:|'.!
/ /:.:.:.r':.:.|ド㍉､'/}.:.:.///_,∠zﾐ.|:.:l.:.!:{ ヽ 次に行く者は誰だ！？
/´|:.,:.ヽﾊゞｆｪ'ｲﾄ.|:.//廾ゝｭ'ｲﾌ:./ }:.lヽ､
|:.{ヽヽ:ヽ ￣i!´ﾘ ,' ￣ //ｲ:.l'.!
ヽ! ヽ:.l:ヽ. i! /':.:.ﾊ:.| ヽ
l:.|:.:.＼ !ニニ! ／l:.:.| ',{
ﾘ.ｿ}Fr＞､｀＝´イ／ｦ.:.{ ｀
ﾉl｀＝r ≧≦ｦ／ｆ |｀ヽ _ -‐ '￣}
／ 艸 | |: : : : | | 圸｀ｰ---‐´￣￣￣: : : : : : : /: :￣¨}＿＿＿＿＿
_ -‐ー‐ ´: : : 丱 | |: : : : | |: :卉: : : : -─＝ : : : : : : : : : /: :/／: : : : : : : : : : : :
r──'￣: : : : : : ＼: : : : : : : } }: : : : { { : : ／: : : : : : : : : : : : : : : : :/: : /´: : : : : : : : : : : : : :
',: : ヽ: : : : : : : : : : : ｀ｰ- : : | |: : : : : :.| |: : : : : : : : : : : : : : : : : : :／: ／ : : : : : : ／: : : : : : :
∨: :', : : : : : : : : : : : : : : : : | | : : : : : | |: : : : : : : : : : : : : : : : ／: ／: : : : : : : ／: : : : : : : : :
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ｎ. ｎ
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ヽﾆフ `⌒ ー'´ `⌒ ー'´ `⌒ ー'´ `⌒ ー'´ └'＾ｰ┘
,,,､､､､､,,,,
,.: .:;;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:.､
,f;:;:;ミﾐヾ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:',.
,;:;:;;;;ミﾐヽ:;:;;;;;;;f⌒'^^ﾘN;;
,;:;;;;;;;;;;;;ｦｦ'''ｨｲﾊ､ ﾉi;;;;;!
',;:;;;;;;;;;ｨｲ ,,､､､､ ,r- ､;;;;!
V;:;;:;;;ﾙ'ﾞﾞ,rﾓﾃ.:;' ﾉｯｬ''';;ｼ ,． '"´ ￣¨`｀`ヽ
Nいiij ~` ﾘ / .:.:.:..｀ヽ ,．'"´
Nいii!':, ､;::′ ,j! /:: ﾉﾉﾘﾊ.:.:.::::', /
ﾙ:;;;;{, ,, --､ 1 i::::: ,ｨｿ ′ `ﾄﾄ;! ! ,
ﾙﾊｼヽ ´ 二｀` ,′ |::::::. ,.ｨｲ´_,,,,ﾉ ､,,,_ .ﾘ | j 誰だって……
`ﾌﾘﾊ `丶､. / ',::ハ:r'ﾞ ´,ｨtr {ｨtr1 ! .:;;ｨｲ
,/ i ', ｀`ｰｲ i1 ｀ ´ 「` ! ', {^^ﾘ
_,.. -‐''ﾆ7. ヽ ヽ i ヽ ヾｼ i `''´ l ヽ い
￣ `ー─'"7_ ＿ ＼＼ ﾊ ＼_ /:: い ''ﾆﾆ` ,′ V^',
', _＞＼ /7⌒ﾞ`｀`ヽ､ /:::::.ヽ､ ゝ ,.ｲ ,.ｲ^ヽ
i ＜_ ＼ / ＼ ﾄ､ -‐''"´:.ヽ:::::.:.:.｀`ｰ ﾆﾆﾆ彡ヽ ,．-‐''"´1
. l ｀`ヽ, ', ! ／ l ',:::::::::::::.: .: .＼::.:′ 7ヽ＜"´ l
l ＼リ / l i _ ＿, ′ ｀`ヽ l／
l V! l l ﾄ､
l i! l l i::1
一騎打ちで勝てる相手なのか、華雄ってのは……
: /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}.:.:.:.:.:.ｌ::.
/.:.:.:.:.::::::::.:.:.:.:ﾘ:.:.:}.:.:.:.:.:.:.:.:. }.:.:.:.:.:.:}.:.:.:.:.:.}:::'
: :.:.:.:::::::/.:.:.:/ }:.:.:!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.{::::',
:.::.::::::::/.:.:.:/ ,::::八.:.:.{ :.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.l ヽ',
: :.::::::/,'.:::/ /::/ V ﾄ､.: .: |.:.:.:.:.:.:l.:.:.:.:.: | ＼ ええい、不甲斐ない！
:.:.::::/〃/ .:::/ , イ::| ＼ ｌ.:.:.:.:.:.'.:.:.:.:.:. |
: ::://::/ /::/／ 彡ぅi冖Ｖ.:.:.:.:.:ﾊ.:.:.:.:.ﾘ{:l
.:://::/ /:／ｨf[_::::::_｣} jﾉ.:.:.:.:/│.:.:.:′':, 華雄ごときで苦戦するようでは、
ヾ.:::/｛_,.イ/ '弋::::V:::ノ '/.:.:.:∧ | .:.:,′ あの呂布とは戦えないぞ！？
' ／ ／ ｰ-ﾆﾆ´-‐/.:.:::/ ﾉ}.:.:,′
:l /.:.:::/ 人::.′
:| //:::/ ／.:.:.::::{
:| ／ ｲ厂.:.:.::∧::|
／ｲ.:.:.:.:. ﾊ{ '::| ……華雄を斬った者には褒美として、
-‐……‐-､ ／ |.:.:.:.:./ }} ヽ １０００金と良馬１００頭を与える！！
' -─‐- ｀ﾉ ／|.:.:.:|.:.:.:/ ″
￣ ／ |‐-┐:,′
､ ／／ {:::{ 誰か我こそは、と思う者はいないか！？
ｰ` _, イ -‐冖T_／: : : ljﾉ
─-----─┐ |: : : : : : |
: : : : : : : : :| |: : : :｢|: {
: : : : : : : : :| |: ⌒l| し}
_＿ _ r．
'=‐-｀`-┴i_＿__
'´-‐-､ ｀ヽ‐´_ノｰ’
r／'￣ヽ
{´;;;;;;;;;;;;;;|
|ｨ=＝＝:!
| !
| !
! , !
!,' !
! ∧ {
! / ,'
! ' ,
,' ,'
,' ! _... -―‐- .
, ! , ' '´ﾟ ｀ヽｰ==ﾆﾆ==‐'
, ,/／, ,' , i!ﾊ ヽ＼
, ,'ｲ ,',ィﾄi､,'! i゛"!i ヽ､',
, ,' _i__ﾘｨ=ｫ,ﾍ､! ｨ‐､i iﾞヽ',
, .,'/ ﾊ iﾞ{:::ｿ` ヾ,ｨ=､.ﾒ. ﾉ .j i ここにいるぞー！！
, /,' ,' ∧!" , 〈:::ｿ）′/ !r'′
ﾉ /,',: i ﾊ r‐- ､ `,,ﾉﾒ､' i {
!i ノ:,',:! i |ｰ､ ヽ _.ソｰァｲ / ,.ｲ !
ﾊ! ´. /ﾍ! l i!;;;;;ヽ -ｧ:＜/ /ノ/ﾉ ﾉ
! l! ,./' ヽ lﾄ､;;〃;;;;;;/ｲ' /彡'/.／
! i〃/=＝=ゞ!ゞ/=チ' / ! /ヽ.ノ'´
〃;;;;;;;;;;;;;;;;〃ヾ､=<o´.{ .l,' ! ｀ヽ.
〃;;;;;;;;;;;;;;;;;/';;;;;;;;ヽ;〃､ l :! !/ ／/
ｲ;;;;;;;;;;;;;;;;;;/';;;;;;;;;;;;;ヾ;;;;;ヾ! l/'／ /
弋;;;;;;;;;;／;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ;;;;;;;;l !;;;;;;ヽ,'
乂;／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞ､;;;;;;} };;;;;;;;; }ｌ
r‐,'l! i ｀゛=ｰ-==､､;;;;;;;;;;;;!ｉ;;ﾉ,';;;;;;;;;;;;;｝
. r┘ i ﾄ.| !､ ヾ!;;;ｨ＼;;;;ﾁﾒノ;;;;;;;;;;;;;ﾉ|
r┘┌'|´ﾞﾄ j ｀ l|ﾉ' - ゝ:乙_:_:厶イ=!
.r┘┌' ! iヽ i |l! { /イ!;;;;/
／ ／ ／ ／ / ムV/} ヽヽ ヽ. ヽ
/ ／ / / {斗‐宀ｲ i ', ', ', '.
{/ / / / / / } } | i i i i
ｉ / ／, / / /jノ ＿｣ } l l } }i
{／ / / / /-‐. ﾆ ＝ ､} ,′ } } ｉ | {l ……誰だね、君は。
/ , / ′/l/‐ ´_｣.斗込}｣ , / / ,ハ ｌ | |{
i // /ﾄfﾑ { ´ -‐┴ ¬ / / / /⌒ } ! ! !} 見ない顔だが
{/ ﾊ 小ｌ ﾄ7 ノ /／ ノ ム / } { l 〉
{ l iﾄl V ｰ=彡'"´ｧ‐‐ｲ／ ,ｲ ﾊ } //
｀l {､ V j｀ﾄ ｀ ノ⌒´ ￣´ ｆﾞ７ｲﾚi/ ﾄｲi//-‐ ──‐ ‐‐- ､
＼ﾄﾒ/ﾚﾊ ｰrー__､__ / , l l | {,｣/｣-‐ ¬ 二 -‐ ァ′
ｰ=彡ハ ー‐一 ノ / ｣/｣斗 二 -‐ ,二 /７ ′
} ∠/.斗 -‐ ´ / / / //
l､＿＿ -‐ 二 ﾆ ´,ﾆ / / / / ′
, .二 -─ｧ｣斗‐ ´ .|｜ ./ / / 〃
. ／／ . -‐ｧ´／ .|｜ / / / 〃
／／ ／ ／／ﾍ |｜ ,' ′ / 〃
/ /. ィ´ ／／ vﾊ |｜ l { / 〃
／／ , ' , ' vﾊ L｣ L/ { ,/′
.:/ / / vﾊ 厂￣￣￣￣￣ ｀ 'ｰ- ､_
， ‘￣｀`ヽ.
,.ｨ ´ '⌒` ヽ.､
,.-‐メ, ﾞヽ.
,ｨ／,.'´ ／ ＼､ ｰ.､ ヾﾞ┛┗ 見ない顔とは失礼ね！！
, ,ｲ / , / ｉ＼､ ﾍ. ､ ＼ ┓┏
/ / // i ! ﾄ､.|､､.＼､∨ ヽi iミ､ ， あたしは関羽！ 中山靖王・劉勝が末裔、劉やる夫の
/ /.,′i. l!|i. |!i!.!ﾄ､∨i､ヾ.､. :l |ミﾐ､ i !! 義弟、関アチャ子よ！！
. / ,' i l |i!|! i! i!| !ｉ＼ ﾄ､|!i .|ﾐミ､ ﾄﾞ､
ヽ ;.|! l. _i|_!|､゛､ !| |! _ヾﾒｨ| .|メ､ﾐ i､｀ｰ=―''
i i!ﾍ. ﾄ､__i!ﾒﾐヾ､､ i| |!,ｨﾊ´:i!ﾞﾃ‐ .!ﾊ iミ､.ヽ..
| ﾄ､ヾ､ヾゝﾍ弋ソﾞヽ !´'´ゞ='′!l |ﾒ.ﾉ､ヾ=-ﾒ-､
| |ヾ.､､ヽゞ､! ｀¨ ﾉ| |ｲー彡'个==―. ､＿＿＿
. ﾉ i ﾊ＼.| i!lﾄ､ ' ノｲ |＼／.:::::|!､｀ヽ ヾ:::::::::::::..｀`ヽ..
＼ ヽ. ｀ヽ! l |!ゝ. ⊂二二⊃.∠! .i |::::i::::;:::::::|!ヾ, ゛ li:::::::::::::::::::::.ヾ.､
＼.ﾞ､ .| i!.!! l|'｀＞ ｀ _ .，' ﾉi!, l .!::ﾉ､;:::::::::|! |l::::::::::::::::::::::::::i.ﾄ､
ヾ.y l i!.|l ｉ|:::,ﾍ.:::::ﾄ､ｰ=イ::i,' i |/ﾍ.､:::::::|| |i:::::::::::::::::::::::::::|i::::
ﾉ !:|ﾍl|::ｉi^:､､:ﾊ､::ﾍi{::/,. | 人ﾒ:ヾ.､:::|| ｉl:::::::::::::::::::::::::::|!:::
| :|､|i!V ヾ.､Θ===/;'i !iΘ）＿_＼!! ､ :, ./.::::::::::::::::::::::::〃;ｨ
| :!`|ﾄ､;',====ｲ/.:/!i!| !|=/ﾉ¨¨¨｀`ヾ.Y__＿/＝､:::::::::::::::／.::¨:::
| :! .!!｀`i ::::::::::il:::ヾ|!l| :ﾊ:i |:::::::::::::::::::.ヾﾃ'´.:/i!゛ﾄ､ｰ=ｲ'.::::::::::::::
| i! l.! l.::::::::::ｉl:::::L!i! ﾉﾍヾ.Y:::::::::::::::::::}'" ｝|i i|ヾ.Y /.::::::::::::::
| | i| {:::::::::::||:::::::|i! |､:::ヾ!|::::::::::::::::::ﾉ }|i! |ヾﾊ/.::::::::::::::::
| ! |! 乂:::::::||:::::::|! i!ﾐ､::::ヾ!::::::::::::;:'､ｰ ﾒ!!| !,ｨ'´￣｀ヽ.::::::
| :i |! ＞ｰ‐イ;ﾊi!|｀ヽ゛ｰ|!―‐ ' _j,,,,,,,ｨ ﾉ`|ﾉ'´｀ヽ. ､ヾ｀;ｲ
ﾍ.| |! ,ｨ´,ｨﾍ,ﾉ!|'ー-《{|!ｰ ''''´ 〈,,, ,,,',,丿〉,､ ヾ､./
ヽ. ! rｲ‐ｉ´{ i'!|ﾍ.､ ﾞﾞﾞ》〉! ､,,,,,,j,,ｨ, ﾒ/ /´/ 〉ｰ,__ /
ﾉ_ﾊ ﾍ ヽﾉ!!ヾ､ ／＼! '（,ｨ'／t./ノ;;;/_ノｨ .〉
／ ／ / ｀V ＼
, , ／ ／i ,fV ﾊ ヽ. ヽ
,′／ / / l {ﾊ/ ', , ',
/ / / / // } f`'ﾍ } ', } 私の記憶が正しければ、
{ i / / // ,' /八{ l！ i ,'、 君は馬弓手だろう？
｣ !i′ // /i/}ムｲ/ ＿＿_j/! }/ﾐ､ヽ､
／ 乂j { i ﾘ云ミく` 'ーｧ云ミｖ , /{ ヽﾍ、
／ 仆､ Ⅳ`^~｀ ´~＾ア / / ,′ vﾊ 我ら諸侯を愚弄する気かな？
{{ 从 ヽ {__, { 彡'/イ / } } 一介の馬弓手を送りだせば、
vﾍ ﾍ､ iﾄ､ ′ {//／ /〃 華雄に嘲笑われる。
ヽﾍ. ﾉi iﾄ､ -‐一‐- ,ｲ { /,ｲ
lヽﾍ、 rﾍｊﾄ､＼ ´￣ ／ノｲﾊ. //！ それどろか、この同盟軍の品格が
l vﾊ r‐┤ ヽ、_ヽ.＿_∠ __／ ﾄ､ // l 問われる。違うかね？
ﾉ ∧ }ｊ '、 ／ / ', ', ﾉ V'/ ｢i {
_.. -‐¬ 〈／vﾊ ヽ/ { } }／ // L! 〉‐- .._
二二 _ .. -‐¬､ vﾊ. l ', j l // /‐- .._ 二二二
ｆ! ￣ l } } l '. ﾊ ! i ﾄ､ ,′ ￣￣￣ｆ!
|! l 辷｣ ｌ l＼ l , ,′ ! ,{ {＼> ′ ||
|! } } } f! V⌒{ f!／ ｌ l { ||
※注 （馬弓手 ……弓を持った騎馬兵とのこと。要するに、日本で言う足軽）
, ゝ ' ⌒￣￣ヽ.ゝ―.､
, ',´- ＼
,.ｨ'',´ｨ ､ ヽ. （……これだから、お偉い 名士サマ ってのは気に食わないのよ）
, '´ ,ｨ´ ,ィ´ ヽ､. ヽ.
´ , ' , '/ iﾄ､. !
i ,' ./ ./ / , ﾊ./i.i .i ,i .i i､ヽ. ! （そんなに品格が気になるなら、自分で槍を手に行けば
ﾍ .// / / ,ｲ/゛"'!i !ﾘi i i! i ! いいじゃない）
! ,'.,'/ /, ,'＿/','/ i! i!,'!_!_ﾉ, !,ｨi i .i!
ﾉ/ !,'! ,i!__!メ=ミﾒ､ i'イ夭斥テi!ﾊ!i l i!
. ノ,'i /!.! .ili! ,i7`､廴ｿ .ﾉ!ﾉ' ゞ‐!',' !丿! i!i
ﾍ i,'!,ﾍ.i ,'!i i i!i､""" ﾉ' """ ﾉ! !'ﾉﾉi ﾄ.! （たいした腕でもないくせに、エラそうに……）
. ﾍ i!i! _ﾍ!ヾﾐ､i!〉､ﾊ ､_ ＿ 'ﾉ i_/ノ〉,!ヾ､､
ﾍ!ｨ!´`i!¨`ヾ､T´::!､ ｀. ｲ' i.!::７/′ ｀｀
/.::::::::::::i::ヾ:::､::ヽ:i!_i＞-＜_,/!i i!!:/λ
. /.::::::::::::::::!::::ヽ::ヽヽi三三三/,ｲ! ii'::￣｀ヽ､_
. !::::i::::::::::::::.ヽ､:::::::i::ヾ｀ミ三/,'人.､ V:::::::::::::::i:i､
. ∨:!::::::::::::::::::::.ヽ､:!､ヾ､lﾒ,!'/ー-､ヾヽ､:::::::::ﾉ:!i
）::i!:::::::::::::::::::::ヽ::ヽ:::i.i!i,ll,.!､三三∧｀ヽ:::,'::/i
!:::i::::::::::::::::::::::::.ヽ:::i:::i i､i !::ヽ三三i!::ヽ}）ﾉ::}
ﾍ::i::::::::::::::::::i:::::::::ヽ!:::ｉ i! i:::::::ヽ三i!:::::::ヽ:::::｝
!､i:::::::::::::::::i:::::::::::::ヽ!ﾉi !:::::::::ヽ=i!::::::::::∨:!
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:＼
.':.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.／:.:.:.:. /:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:＼ ……お待ちを、従兄殿。
__⊥.:.:.:.:.:/:.:.:.:. ／:.:.:.:.:.／/:.:.:.: .:/ :7:.l ..:.:.:.:.:.:.:.:.l ＿
／￣￣ ／:.:.:.:.:/:.:.:. :./:.:.:.:.:／//:.:.:. :／ :/ l:.|: :.:.:.:.:.:.l:.:.l ｀、￣＼＿＿
ｨ´／¨ﾌ／,':.:l:.:.:.:.|:.:.: .:/!:.:.:／///:.:. :.:/!: ./ l:.|: .:.:.:.:./:.:.:| ヽヽ‐､＿＿ この関羽、美しい銀髪に
／／ : : // /:l:.:| .:.:.|: .∠/:∠／//:.: .／/: /─ｰ|:|:. :.:.:./:.:.:.:| ヽヽ: : : : : : : 鳳凰の如き目をしてる。
／／: : : : // //i:.:.{ .:.:.l:./ﾆ|/二＼l:.l:. :/‐/／厂二_l:|:.: :./:./: :.l ヽヽ: : : : : :
／／: : : : : // /´ ,'. :.| .:.:.l,匕仁仆z､|,'|:./／´,ｨK夊仏} >:./:./: :ﾘ l l: : : : : :
/ /: : : : : : // //| :.ヽ :.',｀┴¬´￣!.|,' i ｀￣¬´／:.ｲ ／:.{ l l: : : : : :
./ /: : : : : : // ノ´ .l l:.|:ヽ:.ヽ ! } ／／:／i:.ﾊ:| l l: : : : : : これぞまさしく、英傑の証。
/ /: : : : : : // '.|:.l:.:ﾄ､:.:＼ ! ／イ:／//:.l }| l l: : : : : : この乱世に、身分など
./ / : : : : : : l l ヽ|:.lヽヽ:.ﾄヽ __.... -- ､＿, ／イ__ノ:.|:.l| ! l l: : : : : : 意味を成しますまい。
ヽ´: : : : : : : | | |:.|:l l.:-＼｀ ー─‐ ／:.:.ﾉ:/|:.|! __, -l l: : : : : :
ヽ : : : : : : | |＼＿＿＿＿_./'´i|:|l:.ﾄ:.:.l｀ ､ ／ |:.:.:.//‐∨-───´ / /: : : : : :
ﾍ : : : : : | | /´|:.l }:.|＿ ｀ ､_ , '´ __.⊥:ﾉｿ / /: : : : : : :
ヽ: : : : :ﾄf ﾉ´〈￣ ￣｀＞＜￣ 〉 / /: : : : : : : 関羽殿、盟主として命ず。
ヽ: : : ヽヽ (二ニﾆ７￣ヽ-r─弋￣￣￣｝ / /: : : : : : : : 必ずや華雄の首を討ちとって
ヽ: : : ＼＼ レ─‐７ / ／ ヽ ｝ ￣¨（ / /: : : : : : : : 見せよ。
|i ＼: : : ＼＼ /￣ ／} |/ l |＼ｰ＝ヽ ／／: : : : : : : :
| ＼ ＼: : : ＼＼_ -┬´_.─／ / | | | ヽ ／ 〉‐‐.／／: : : : : : : : :
| ト､＼＿＿＼: : : ＼＼::ヽ. / / | ﾉ l ', /:::／／: : : : : : : : : :
＿__| | ＼＼: : : : ＼: : : ＼＼::∨ l | ,-､/ ! l ／／／: : : : : : : : :
__,ゝ―-- ．...__
,ゝ‐ ' ｀`ヽ､
／ ｀ヽ..､＼ ―― 当然。
／ _,. i ､｀ヽ､.＼
' /´ ／ , |,ﾊ ｀ヽ ヽ.｀ヽ.
/'i ,′ /i i'"ﾞ| ﾞ､ 丶 ……そうね、華雄の首を取り損ねた場合は、
' /' .|: i ,ｨ/ .| , .! .′ !i .i i.ヽ ,ゝ この関羽の首を差し出して謝罪しましょう。
| .|l i ,ﾅﾘ￣iﾒ‐i.,′-!ﾅi! ｉ. i /
l , _ |i |;_ｨ彡＝</!,' ,ｨｷ'ﾉ! ,i.|.ﾉ.!
! , ｉ / /,､ﾞ!! .iｉ `匕ｿ/'ノ' l'Yﾒ'ﾉ_.ノ,'ﾉ' |
ﾉ,' .|/ !' 〈|| i.i! ヾ' . i ,! .i 袁術殿、これでもまだご不満？
/'!ﾉ .i' ゝ､!! ﾄ.! ,′ﾉ ,'!i| |
' ノ'〈/,ｨ=! ,ｲ!! |. ー―‐' ,ｲi_ノ /ﾉ'| .!
´ /ゝ｀ヽ､/.|! | ` ，. ／!::i.|/／ﾘ i .ノ
∨|: :｀ヽヽ| .|ヽ､/ ＞- '. :ﾞ｀ヽ!/ '´.ﾉ／
jく: : : : : :' iヾ.､;;;;;;;;｀ヽ: : : :// ／
(,:'´￣｀:ヽ:､! ､i: :〉〉;;;;;;;;;/: : :.//!
/ｨ'⌒｀ヽ. ､: :ｉ! ﾍ!:冂;;;;;;;;ﾉ;､: /_'i!|
―― アチャ子の言葉には、皮肉のスパイスが多分に利いていた。
_ ‐"´￣ ヽ／ ヽ
,. ,'"'´ ／￣ メ ｀ヽ ＼
／／ ／/ /| , -､ ヽ ……そうまで言うなら、止めはしまい。
/ / ／ / ∧|/ヽ ヽ ヽ
/〃 / / /〃 |ヽ| ∧ハ ∧ ﾊ
/ ,' / / / /〃/ | l 「｀ﾞ￣ｊ ハ ∧｀ } ただ、これだけは言っておこうか。
,' '/ l l /〃/ |/l { ｊ ハ ∨} 今の大言壮語、ここにいる十八鎮諸侯が
| |l | | 〃/ｲ | | |八 _ ,,. 孑＜ｌ |l }ﾆ ‐ ､ 聞き届けたよ？
Ⅵ /| ｌフ/干〒ミﾐ､ﾝ/イｧ元タｲ l| |l ﾘ::::｀ヽ､＼
∨l | ∨|ゼ芹ﾃ､ ! ｀￣ | //ﾚ′:::::::::::＼ヽ
／ノ| |ヽ＼＼ l ノｲ/::::::::::::::::::::::::ﾊ }
//::::::::＼ミ＼｀ヽ i ｶ{｛::::::::::::::::::::::::::/ﾘ
//::::::::::::::::｀Yfﾍ）ﾉ ' / ﾊ!::::::::::::::::::::::://
| ｌ::::::::::::::::::::::乂ﾊ＼ ‐=二. -＾´./ |ﾘ:::::::::::::::::::::::://
|〔::::::::::::::::::::::::::::｀', ｀ヽ. / _|r‐､::::::::::::::,.ｲノ,′
| l::::::::::::::::::::::::／ヌ,＿_ ヽ--‐'_r'"´ く:::::::::;.ｲ／:::|
| l::::::::::::::::::::_冫-/ r└‐ア´ /:|:. _二-┴／／::/|:::!
|l l:::::::::::::::::/ {. / /:.:／:/ :{:/／ / ,〈:::::::| |:::{
|::l l:::::::::::;/ V /: ´ / .:|′___ / /:::::::::::{ {:::;≧､__
.／ ＠ .＞＝┘ ｀
/三三／ `（ ＼ ＼ 次スレにうつりまーす
/ / / ＼ ＼、 ヽ .
ｉ: / ` ＝ミ、
｝ . 0 0 ﾄ } 今スレッドは雑談なり、
} 八 ( ､_,､_, ﾉ , お話なりで潰してくださって結構です。
乂 ≧-≧=‐- -‐=≦イ
⌒.≦ y }! 〈〉:i{Ｋ
./ ./.}! ∧ :ｉ{ :.
, ＿ / ,}!. ∨ :ｉ{ _ ｊ あんまり長く残るようでしたら、
{＿_/∞j{' ./∧ :ｉ{＿} 過去ログ化申請出しますので、ご安心を
.（__,ﾉ∞j{' Ｖ / ｉ{ ノ
{ ∞,j{' o .ｉ{!
ーｰ＝＝＝＝'
＿ノ ﾉ
⌒ ｰ 、 ／
｀ ¨¨ ´
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12973/1402576663/
>>983 GJ！
もっとスレ立ての勉強しとくべきですね、ハイ……
董卓配下では呂布と並ぶ気が
あっけなく死んじゃったのが惜しい
そもそも「武勇」ってのがよく解らん
本当に雑兵相手に将が戦ってたら命がいくつあっても足りんだろうし
コーエーの武力値も実際は全員ダンゴ状態なんだろうな
呂布も矢を素手で掴めたりごく少数で大軍に突撃して勝利した記録があって
その時は自分の手でかなりの数を殺したはず
将は自分で雑兵を突き殺すんじゃなくて乱戦でも近衛数十騎に囲まれて移動してる感じの想像してたわ
馬上槍だと足軽相手にはほぼ死なないもんなのかな
一人で多数の敵とも戦える武勇の持ち主ってことなのか
軍の先頭に立って突撃する者としてすごいってのかどっちなんだろな
. -＝＝=
.／r.―┐ |三| 〝一騎打ち〟ですが、中国の三国時代に限らず、例えば日本の戦国時代でも、
./ ＠⌒┘ ｊ三ｊ＿_ かなり発生しているようです。
| /」 ＞ ¨ `
l ／ ＼ といっても、映像作品で見られるような 「大勢の兵士が固唾を飲んで将軍同士の
|三 7 / ＼ ＼ ヽ 戦いを見守る」 という形式ではなく 「乱戦中にたまたま一対一になった」 という
.′/ /( ＼ ＼ ＼ 偶発的事例がほとんどですが。
, / /⌒＼ 、
/ ,斧斗 三ニ=彡 近世以降を生きる我々にとっては、指揮官が剣を手に前線に出ている場面は想像
,Y「1: V/り 斧斗 _ ｜ しにくい絵ですが、近世より前の時代では
f {.ｌ :|{＿＿)- r― V/り /Y7./ |
八.:l ｊ l. 八 ` ー＝' ¨/ /// / 〝指揮官の勇猛さ〟 が 〝その部隊の強さ〟 に比例したようです。
`ｊ ..ノヽ ` ‐ _ ノ ./ ,: ./ 八
)＼ ,仏＞―=≦ / .,: ( ／
./ ∨ /..く_ (＿ ソ)八 人⌒く 昔の人々は迷信深かったので、軍を率いる指揮官が強ければ強いほど、
/ Ⅶ..../ ／| /:Y ........_ 兵たちは鼓舞され、勇猛果敢に戦ったからです。
./＼ ＼′ |／ /::/ ∧......._
/.........＼＿＿/／| /く /.∧......}
／¨¨＞ - ミ
/ , :f ヽ また「一騎当千」や「万人敵」という言葉は、おそらくは個人の強さ
l _/ 八 ( の評価だと思われます。
v /¨ `＜ ＼
i: |.ｔｇ ｔｇ.Ｙ ; | ｌ 現代を生きる我々の感覚では理解しにくいですが、あながち誇張
八人'' _ . 'ノィ ノ,／ 表現ではないと思われます。
`⌒≧=≦ア≦
f/...j⌒ー^j(....Ⅶ、 後漢末期から三国時代で例を挙げたいのですが、ネタバレに
v...j( 〈〉 j(..........Ｖ,_ なってしまうので、他の時代で例示しましょう。
｛ﾉ..j( 〈〉 .j(......､....ヽト 、
,..-く￣＼.,j( 〈〉 .,j(...........､......ミＸ.ｊ、_
}ノ ゝ |( 〈〉 j(. .∞..∧...............} .| 例えば、唐代の名将・薛仁貴は単騎で敵軍に突入して、敵将
⌒＾L . j(.〈〉 .j(.....∞ ....ｌ.........／ / を捉えています。この時代に将を失うということは、ほぼ
,:.j(.〈〉 :j(......∞.... ヒ二彡彳 負けを意味しますから、事実上、薛仁貴は一人で敵部隊を
/,j(〈〉 :j(.................{ `ー' 潰走させたことになります。
}.}L＿＿＿;j(.................l
乂⌒＿ー )､￣`¨ーノ 唐代創生期の部将・尉遅敬徳は、その生涯で何度も戦に出陣し、
Ｔ〃 / f ー ¨ 生涯で一度も傷を負わなかったことで有名な武将ですが、
i.}!＿/ .ﾘ＿.l たった三騎で敵陣に突撃し、敵将を捕えていますね。
,i:i:i:i:′ }:i:i:i:;
ﾉi:i:i/ .,i:i:i:/ このように古代〜中世の戦いでは、将に求められる資質は知力
_/>「_} ｨ}i:iイ のみならず、超人的な武勇が求められていたのです。
fi:i:i:i:i:i:/r≪i:i:彡ﾘ
` ー " ` ＝" ¨
／¨¨＞ - ミ
/ , :f ヽ また「一騎当千」や「万人敵」という言葉は、おそらくは個人の強さ
l _/ 八 ( の評価だと思われます。
v /¨ `＜ ＼
i: |.ｔｇ ｔｇ.Ｙ ; | ｌ 現代を生きる我々の感覚では理解しにくいですが、あながち誇張
八人'' _ . 'ノィ ノ,／ 表現ではないと思われます。
`⌒≧=≦ア≦
f/...j⌒ー^j(....Ⅶ、 後漢末期から三国時代で例を挙げたいのですが、ネタバレに
v...j( 〈〉 j(..........Ｖ,_ なってしまうので、他の時代で例示しましょう。
｛ﾉ..j( 〈〉 .j(......､....ヽト 、
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}ノ ゝ |( 〈〉 j(. .∞..∧...............} .| 例えば、唐代の名将・薛仁貴は単騎で敵軍に突入して、敵将
⌒＾L . j(.〈〉 .j(.....∞ ....ｌ.........／ / を捉えています。この時代に将を失うということは、ほぼ
,:.j(.〈〉 :j(......∞.... ヒ二彡彳 負けを意味しますから、事実上、薛仁貴は一人で敵部隊を
/,j(〈〉 :j(.................{ `ー' 潰走させたことになります。
}.}L＿＿＿;j(.................l
乂⌒＿ー )､￣`¨ーノ 唐代創生期の部将・尉遅敬徳は、その生涯で何度も戦に出陣し、
Ｔ〃 / f ー ¨ 生涯で一度も傷を負わなかったことで有名な武将ですが、
i.}!＿/ .ﾘ＿.l たった三騎で敵陣に突撃し、敵将を捕えていますね。
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ﾉi:i:i/ .,i:i:i:/ このように古代〜中世の戦いでは、将に求められる資質は知力
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fi:i:i:i:i:i:/r≪i:i:彡ﾘ
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