【日本史】やる夫は元寇を戦い抜くようです - 1393054927

1：sinnho010626：2014/02/22(土) 16:42:07 ID:itqcPAVE0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼
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　　　　　　　　　　　【やる夫は元寇を戦い抜くようです】

このスレは日本中世の文永弘安の役、所謂元寇とその付近を扱うスレです
うｐ主はやる夫スレ初心者のため見苦しいところもあると思いますが、手加減していただけると感謝です
ネタバレは御遠慮ください
2： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 16:43:57 ID:itqcPAVE0: おうふ、鳥つけ失敗しとるがな
第一話投稿は午後１９時前後を予定しています
3：名無しのやる夫だお：2014/02/22(土) 16:48:18 ID:huc6vqPw0: 期待
酉は変えた方が良いぞ、これは
4： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 16:49:55 ID:itqcPAVE0: >>3
ありがとうございます

>>1と>>2は別の酉にしてありますので、問題はないとは思います
5： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 17:14:12 ID:itqcPAVE0: それと合わせて
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12973/1387957234/895-919
の予告編もどうぞ。
プロローグというかプロトタイプということになりますので、一読いただけると読みやすくなるかと
6：名無しのやる夫だお：2014/02/22(土) 18:23:26 ID:CQEa3wCo0: 鎌倉後期とかは詳しくないし予告の演出も面白そうだから期待
7： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 18:57:41 ID:itqcPAVE0: ちと早いですが投下を始めます。第１話終了までしばしおつきあいを

――１２６４年、文永元年。大陸においては至元元年
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　　　　　　　　 |i: : :ﾊ　　　|:⌒ﾞ⌒|　ｲ: : :l　　　軍勢を入れ、この地と民を襲うとは！
　　　　　　　　 |i: : i: :ﾄ､　ゝ──' ,ｲ:|: : i:|　　　一体どういうつもりだ！
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　　　　　　　　ゝ:| iハヽ　｀￣ ´　{:.:.!: /ﾘ
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日本の北端のさらに北、樺太で一つの戦乱が発生した

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　　　　＼､　　　　　　/､入ヽヽ｀ｰ'　（ヽ(ヽ(({ヽ_ヽ__人､}
　＼　ヽ､＼　　　　　 /､.//,ヽヽ＼　　⌒''ｰ- ､ヽ,_ノﾝ　ヽ
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　＼ヽ　＼ヽヽ＼ /　//SSSs.〉 / 　　, '=､｀i!　｀ヽ､ヽ彡ﾉ　　　黙れぃ！北方の蛮族が！
　　　ヽ､ヽ　ヽヽヽヽ＼//SSSs/ /　⌒ ､.｀･､） i! ﾉﾉ}　ヽV　　　　既にギメリとその部族は我が帝国の傘下におるわ
　／⌒　＞､ヽヽヽ＼SSs/ /　　､　　｀ _,," ﾐｼジ'"ﾌ)）　　　　それらを苦しめる蛮族は帝国の精兵が退治してくれる！
／　　　 //----> ､ヽヽヽ＼/ /　　 { ｀ﾐ≡(ヽ　 }･､T/"
　　　 //----'"--　＼ヽヽﾐく　　　''　＼　ｰ､ｲ｀"{
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前年の元北方遠征の際に服属したアムール川流域の部族と敵対関係にあった樺太を拠点とするアイヌ族へ攻撃を仕掛けた
8： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 18:58:18 ID:itqcPAVE0: 　　　　 /::::/|::::::／|::|　/￣｀`i}､`ー-ｙ┐
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　　 //_______/　　　 i　　＼ヽヽ＼　　　ヽ｀ｰゞﾐ､/　　　それこそが間違いだといっておるのだ
　 //　　　　／￣￣iへ＼/ ＼ヽﾐ. ､　　⌒ﾞ｀､　　メ｀　　　ギメリが住む土地は帝国の国土、それを蛮族が掠め取るなどあってはならん暴挙
_//------'　________{_　＼／}　＼ヽヽi!i 　　　　/　　　　　貴様らと共に住む必要も、貴様らを迎える必要もないわ！
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9： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 18:59:34 ID:itqcPAVE0: 　　　　　　　　　 /⌒ヽ､‐ ､: : : : ＼: : : ／: ￣｀ヽ/ﾍ: : : ＼
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　　　　, ': : , ': : : : : : i⌒|''ll￣匚_＞ヽ、　 ,r'　￣´　/: : : : : :　　　女子供をチャシ（砦）へ避難させろ！
　　　／: :／: : : : : : : : ',　」 `￣　　　 ,,,ゝ-ﾍ_　　　　 ,': : : : : : : :　　戦えるものは武器をとれ！
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１２００年代後半、生活圏を北へと拡大しつつあったアイヌ部族は徐々に大陸側へ渡海し、既存の部族と生活圏を重ね始めていた
そして、その圧力に耐え切れなくなった部族の多くは既に中国圏北部を支配下に置いた元に臣従してその軍事力を頼むようになる
「北の元寇」とも称される北進のアイヌ部族への出兵はこの後３０年以上にわたってとぎれとぎれに繰り返されることとなった
10： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:00:11 ID:itqcPAVE0: ――そして、この生活圏の拡大と並行するように北海道のアイヌ部族も混乱の波にさらされつつあった
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ヽ、　ゞ;:::::::::::l´..:..:.l“ 　　　ﾚ',ﾆ,ﾆ,｝　ヽ __,-､／⌒ヽ､　　　　１貫准布※につき昆布の干物１０枚といったにゃも！
　｀丶､ゞ;::::::{..:..:..:..|　　　　　ﾄﾐ二￣）　 }└ｙ'＿,.='=‐､
　　　　｀`'┴-､..:|　　　　ﾉ　　｀ﾌ}　ﾊ /　　　-‐｀ﾆ=┐
　　　　　　　｀ヽ､＿'´　　ー'ノ‐く　ll! 　　　 ´
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　　　　　　　　　　　　｀ヽ＜l〔〕ﾄ､.:.:.|.:.:.;Ｌ|　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ＜r=ヽ|.:/｛.:| 　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　※一貫目分の銭に相当する布
蝦夷沙汰職　安藤某　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　東国では米納入よりも布納入が盛ん

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.　　　　 / .l　　　　l　　　　　 l　　　　　i　　　　　　,'.l　　 i l,　　　　何をおっしゃられるのじゃ！
　　　　/　 l.　　　　lヽ､　　 -一　｀一-　-'　ー-　　／l　　i　l',　　　　去年までは昆布３枚で一貫准布と交換であった筈
　　　 / .::..:l i　　 i　l.　　　 l l　　　　　　　　　　 l　　　.!　 ,i　l:.',　　　　それがなぜ……
.　　 /:.:::::::::l l　　 l　l　　i.　l l l ,　-一-ー-- ､　i　l 　 i　 .i　,l::::',
　　/:::::::::／i l　　 l　l　　l　　l　｀ー　－一 ´　 ,'　_ノi　 i i l､::::::',
_,／:::::／; ; ;l li　　 ', l｀ｰ-!　　　　　￣　　　　　i- ';;;;;;l　 i i l;;i:iヽ､ヽ
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11： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:01:08 ID:itqcPAVE0: 　　　　　　　　　　　　,､_,,,､_r-､_,､_
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ヽ、　ゞ;:::::::::::l´..:..:.l“ 　　　ﾚ',ﾆ,ﾆ,｝　ヽ __,-､／⌒ヽ､　　　　　今年は御曹司君の連署就任を兼ねて盛大な宴を催すにゃも！
　｀丶､ゞ;::::::{..:..:..:..|　　　　　ﾄﾐ二￣）　 }└ｙ'＿,.='=‐､　　　　　来年は御舎弟君が小侍所別当になられるから盛大な宴を催すにゃも！
　　　　｀`'┴-､..:|　　　　ﾉ　　｀ﾌ}　ﾊ /　　　-‐｀ﾆ=┐　　　再来年は御曹司１６歳の宴にゃも！その次も、そのまた次も！
　　　　　　　｀ヽ､＿'´　　ー'ノ‐く　ll! 　　　 ´　　　　　　これから得宗は金が入用にゃも！
｀＞―--　.._　　　　　＞､｀`ー‐く､}!　 lヽ| 　　　　 r=
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.　　　　 / .l　　　　l　　　　　 l　　　　　i　　　　　　,'.l　　 i l,　　　このような暴挙……
　　　　/　 l.　　　　lヽ､　　 -一　｀一-　-'　ー-　　／l　　i　l',　　
　　　 / .::..:l i　　 i　l.　　　 l l　　　　　　　　　　 l　　　.!　 ,i　l:.',
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_,／:::::／; ; ;l li　　 ', l｀ｰ-!　　　　　￣　　　　　i- ';;;;;;l　 i i l;;i:iヽ､ヽ
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12： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:02:22 ID:itqcPAVE0: 　　　　　　　　　　　　,､_,,,､_r-､_,､_
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ヽ、　ゞ;:::::::::::l´..:..:.l“ 　　　ﾚ',ﾆ,ﾆ,｝　ヽ __,-､／⌒ヽ､　　　　文句があるなら自分で海を渡って商売すればいいにゃも！
　｀丶､ゞ;::::::{..:..:..:..|　　　　　ﾄﾐ二￣）　 }└ｙ'＿,.='=‐､　　　　どうせ誰も相手にしないにきまってるにゃも！
　　　　｀`'┴-､..:|　　　　ﾉ　　｀ﾌ}　ﾊ /　　　-‐｀ﾆ=┐
　　　　　　　｀ヽ､＿'´　　ー'ノ‐く　ll! 　　　 ´
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´　　　　　　｀¨－ .._ |〔　〕ト､.:.:.:.:｀ﾞ|.:.:.:|｜　　　　 !_
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　　　 / .::..:l i　　 i　l.　　　 l l　　　　　　　　　　 l　　　.!　 ,i　l:.',
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_,／:::::／; ; ;l li　　 ', l｀ｰ-!　　　　　￣　　　　　i- ';;;;;;l　 i i l;;i:iヽ､ヽ
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13： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:03:03 ID:itqcPAVE0: ――鎌倉時代、北海道のアイヌと正式な交易は行われていない
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実質的な交易を行っていた安藤氏に関しても、与えられていた役職は「蝦夷沙汰職」流刑者を監視することを目的とした役職である
名目上はあくまで鎌倉からの遠流刑者が戻ってくることがないよう監視する役職なのである

勿論だがその実際は別である
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　　　ｉ｛　　　　　　　　｝i
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　　　　　　｀¨¨¨¨¨¨´
安藤氏はいくつかの流派に分かれて勢力争いを繰り返していたが、それらが大量の大陸伝来の陶器を保有していることが
発掘で判明している。中世の財力ステータスである使い捨ての素焼き土器の破片も大量に発掘された
14： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:05:03 ID:itqcPAVE0: ――それだけの巨大な富をもたらすものがアイヌ交易にはあったのだ
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　　 f’::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｝
　,.-ｆ~::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∫
´　i!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;r－-::_:::::;:､::::::::::::::::::::::ﾘ
　｛:::::::::::::::::::::::::::::::::::::r’　　　　i~　ヽ::::::::::::::::::;j
　{::::::::::::::::::::::::::::::::::::/　 `,ﾆ,=_､! ,_=,1:::::::::::::;ｒ″
　 '!::::::::::::::::::::::::::::::::i!　ｰ´二　　ヽﾆヽ::::::;i''”　 ,.､__,r‐-､
　　ﾞ';:::::::::::::::::::_,-ﾍ:i! 　　　し､_,ﾑ　Ｖ″ 　 jﾉ~~~~ヽ　　　　熊の毛皮、鷹の羽、乾燥海産物、どれも高値で売れてたまらんにゃも！
ヽ、　ゞ;:::::::::::l´..:..:.l“ 　　　ﾚ',ﾆ,ﾆ,｝　ヽ __,-､／⌒ヽ､　　　　得宗に上納しても全然余るにゃも！
　｀丶､ゞ;::::::{..:..:..:..|　　　　　ﾄﾐ二￣）　 }└ｙ'＿,.='=‐､　　　　十三湊※から舶来品を買いだめるにゃも！
　　　　｀`'┴-､..:|　　　　ﾉ　　｀ﾌ}　ﾊ /　　　-‐｀ﾆ=┐
　　　　　　　｀ヽ､＿'´　　ー'ノ‐く　ll! 　　　 ´
｀＞―--　.._　　　　　＞､｀`ー‐く､}!　 lヽ| 　　　　 r=
´　　　　　　｀¨－ .._ |〔　〕ト､.:.:.:.:｀ﾞ|.:.:.:|｜　　　　 !_
　　　　　　　　　　　　｀ヽ＜l〔〕ﾄ､.:.:.|.:.:.;Ｌ|　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ＜r=ヽ|.:/｛.:| 　　　 /　　　　　　　　　　　　　※東北地方の大型貿易港

　　　　　　　　　　　　|ｌ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|　|
　　　　　　　　　　 .／|::::::　|　　　　　／　　＼　　　　　　　|　|:二二二二:|
　　　　　　　　　.／／|::::::　|　　　　　|二二二 |　　　　　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　　　　　 .／／.　.|::::::　|　　　　　|ｌ|　寂　|l|　　　　　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　　　　.／／　　　|::::::　|　　　　　|ｌ|　滅　|l|　　　　　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　　／|／　　　　 |::::::　|　　　　　|ｌ|　為　|l|　　　　　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　／／|　　　　　 |::::::　|　　　　　|ｌ|　楽　|l|　　　　　 |　|:::::::ll::|::ll:::::::|
　／／.　.|　　　　　 |::::::　|　　　　　|二二二 |　　　　　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
／／　　　|　　　　　 |::::::　|　　　　　0　　　　0　　　　　　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
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　　　　　 | 0: :::: 艸 ::|／　　　　　／_（~~~）_／　　　　　　 :|　|　　。|。　　|
　　　　 :0 |::::艸::::　::: |￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|　|　　　|　　　|
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　　 :: 艸 ::|::艸:: ／
:::::艸::::　　|　／
　 :: 艸 ::　|／
:艸:::　　／
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／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┃政村居室┃
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15： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:06:07 ID:itqcPAVE0: ――そして、この「蝦夷沙汰職」は幕府の正式な役職ではない
　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿ _
　　　　　　　　　　　,r'"´　　　　　　＼
　　　　　　　　　　/　　　　〈±〉　　　ヽ
　　　　　　　　 |　　　, -──‐‐- ､　　|
　　　　　　　!　,r'´.:.::::::::::::::::::.::.:.:.:＼ !
　　　　　　　　　ﾚ'.:.::::r'"´￣￣￣｀ヾ､:::.:.!
　　　　　　　　　 |;r'"´-‐`ヽ　 ,/´-ｰ-､`^i
　　　　　　　　　!jィ〔´（◯）｀二´（◯）｀ﾄ､|
　　　　　　　　　ﾊﾚ' ﾞｰ＝'ﾞ´.:;! ' ｀ﾞ＝‐'ﾞ^ﾚj､
　　　　　　　　　l ﾄ､'.., 　 / .::;j,_　｀ヽ　ノｲ !
　　　　　　　　　! ﾘj　i　　　 ^"^　　　 l^iｲｿ
　　　　　　　　　ヾU　',　 ''ｰ＝＝‐''´ ,! |ノi　　　　　うむ、安藤の奴はずいぶんと羽振りよく上納金を出すな
　　　　　　　＿ _」^i　 ',　　｀ﾆ二"´　,' ,!　ﾄ､＿ _　　何であれ甥御の宴を盛大に催せるのはいいことだ
　　　,r'"´.:.:.:.:.::::::|　ﾞ､　 Y´　　　｀)　/　 |:::::::::.:.:.｀`ヽ
　　 ,!.:.:.:.:::::::::::::::::j　　＼,ゝ‐---‐ 'ﾞ,イ　　」::::::::::.:.:.:.:.:.:!
　　 |/＼.:.:.:.:::::::::|￣￣｀¨`ヾ｀二´イ"´￣ i:::::::::::::::::／|
　　 |.:.::::::＼.:::::::::|　　　　　｀ﾞYi"´ 　　　|:::::::::::::/::.:.:.|
　　 |::::::::::::::i:::::::::| 「***j」　　!l |　「***j」/:::::::::::/:::.:.:.:.:|
＿,ノ.:::::::::::::|:::::::::!　　　　　　 | ||　　　　/::::::::::::/::::::.:.:.:.:L_ ＿
::::::::::::::::::::::::!:::::::::ﾄ､｀`二二ﾆj i |　-ー'/:::::::::::/::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:
北条得宗家被官に与えられる役職である

　　　　　 ::＼　　　　ｉ}　 }　　Ｙ{
　　　　　 :ヽ　　ﾘ　/　ノ 7
. ＼　　＼: .　　　　ｲﾍ　 / }
　　＼r冖¨¨¨¨¨`　"　　 ∨ /
　　　「　　　　　　＼　　{i 　 V
ー-　} 　:ﾉ　　　　ヽ　ﾘ_,ｨ7}
ｰ- 　7　　-=ﾐzzzz彡'　{f苡〈
r-.､〈　　　ィ忖}　　 ∨
{てﾊ ‘，　　　　　／　　∨　}
ゝ` ﾑ ‘，　　／　　 ,= -く　八　　これだけあれば、鼻薬をかがせるにも十分だ
{从ｰく} ‘，、　　／　　　､}i　＼
　从ﾉ　 ‘，ヽ　「ムイ " `｀八　　`ﾄ
㍉　ムイ　＼　　　　ィへノトゝ　ﾘ㍉
　} ㍉　ﾑヘ　　ｰ-彳　　　i}　／　　　㍉ー- ､
: :} ､ｉ:ｉ㍉ ‘，＼　　　　　　　ﾘ/｀ヽ　　　　　㍉　ヽ
: :‘，丶ｉ:ｉ㍉}i. 　ｰヘト､从ｲi:i/⌒}　　　　　㍉
: : :‘，　＼:i:i:＞――＜　　/i/i:i:i:/　　　　　　　　㍉}
　: : ‘，　＼i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:〉=く人:iノ　　　　　　　　㌻ |
　 : : :‘，　　 YﾆﾆﾆﾆY　　}　　　　　　　　　㌻ |　 |
弘長年間、文永初期は政村が政務を代行しながらも、得宗家が他の北条分家より頭一つとびぬけた体制は維持されている
　　　　・　・　・・・　・・　・・・　・・　・・・・　・・　・・・　・・
だが、一強体制の維持には莫大な金銭と巨大な組織が必要となる
関東一円の荘園を多数保有するだけの北条氏が幕府という巨大な警察権と裁判権を持つ組織をどうやって「牛耳った」のか
――現在の研究で答えは出ていない
16： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:07:01 ID:itqcPAVE0: 　　　　　ノ ⌒ ＼
　　　　/―,　　　　＼
　　　/ξノ　　　　　　ヽ
　　　i---- ､､__　　　　|
　　ノ￣￣'''''''---､､,,__）
　⊂ ――'''''二￣　　　i
　　（ヾ）√（ヾ））コ''--､!　　　だが、あまり銭をばらまきすぎると金に疎い御家人たちは
　　ヽ^.!　　' ⌒　 >''ヽ!　　　　またいらん贅沢を始めるんじゃないか？
　　　i '-='　　i'' 　i.δl
　　　!i. -‐‐- ! 　 !　ｲ
　　　!i　"　ﾉ　ノi　.|
　　　　ゝ-　―'￣ノ___!入
　　,,,=ﾍヽ '''''　￣､､―''　＼
　　　　ヽ |||└／＼
幕府は御家人や女房の過度な贅沢を嫌って複数回の贅沢禁止令を発布している
弘長３年にも鐙に飾り付けをしたり、身分不相応の格好をすることを禁止する禁令を発布したばかりである

　　　　　　　　　 {　　　　 ` ｰ-　　　　　　　　　＼　　　　 } ヽ
　　　　　　　　　　　}＼､　　　　　　　　　ﾐZ⌒ヽト　　　　 :}　　/　　}
　　　　　　　　 ′ 丶　` ｰ-　　　　／　　　　　｀ヽト､　　:} 　/　　/
　　　　　　　　　 {　　　＼　　　　　ｲ　／　　　　　　　＼ムイ　〃ｧ
　　　　　　　　､　　　, =ﾐ　　 r彡　　 r==ミ､　　　　　 j ／／
　　　　　　　　､ｰ＼　/ ヘ} 　 {　　　　　　-‐＼､_　}　/　　 { 彡
　　　　　　　　 } 　　 {　{　|　　|　　　　仗__〕｀¨　ム-=＝!
　　　　　　　　　 . 　八　く|　　| :} 　　　　　　　仗¨〕／
　　　　　　　　　　 >、　ﾊ `.! 　 | :}　　　-‐　¨　　　　ﾄ、　}　　　確かに、その点は気を付けねばならんな……
　　　　　　　　／ｲ　r'人 j　 /　} 　　　　　　　 }:　ﾉ
　　チラッ　　　　 ∧{ﾊ、ﾉ　z彡　{､　　　r , -‐￢‐=ﾆノ／
　　　　　　　 rｰ{　　＼　く、　　　＼　　/ ｨ ,__,_, 　　｀V
　　　　　 rｰ┘　㍉　　＼ム、　　＼　　　　＿｀ `Wj
　　　 rｰ┘　　　　㍉　　ﾆ=-＼　　ｰz ィ , ﾍ　 /　≧=-　､
　 _rｰ┘　　　　　　　　㍉　　　　ﾆ=- ､　　　　　　゛{ 　　　　 }
　{　　　　　　　　　　　　　㍉　　　／⌒ヽ　　　从, =ﾐ　　 /
17： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:08:37 ID:itqcPAVE0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,...　---- ..,_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.- '´　　　　　　　　｀' - .,
　　　　　　　　　　　　　　 , - ''''',‐ '´　　　,.--- ､　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　／'´ ,. '´　　　　／　　　｀' - .,_ 　　　 '､　
　　　　　　　　　　　 r'"　　l´　　　　　　　,.、　　　　　　　　　　　｀;
　　　　　　　　　　　 !　　　,!　　　　　 ,-､.l. ｀､　　,　　　　　　ヽ　 .!
　　　　　　　　　 |　　 /　　, '　　 / .r‐'"´.'､ ', '､　　　　　ヽ,';. !.',
　　　　　　　　　 !　　'､　　l　　　 ,､ |.　　　ヽヽ,ヾ,-､　､　　lヾ | .〉
　　　　　　　　　 ,'　　　ヽ　|l,　　　!.', !　　　　　ヾ､-‐'二i, l',ﾉ　.,!/　　　　いやーこれだけあればまた新しい馬買えちゃうなー
　　　　　　　　　 !　　　　|　', '､､　|-',!‐ﾆ　　　￣,.‐'"'i,;:7/ l／'i ',　　　　この前の馬は気性が荒くてよかったんだけどおとなしい馬もいいなー
　　　　　　　　　／　　　　　ヽゝ'ヽ',ゞ!'"ﾋ;:!　　　　　￣￣.'´ ' !)　l ,!
　　　　　　　／　　　　　　　ﾉ,' r','､.`‐'"´　　 !　　　　　　 |'//,'
　　　　　／　　　　　　　 .／ '､'､ヾ,　　　　 ',　　　　　　　 lr'　!
　　　／　　　　　　 .／.　　｀'｀;-､　　　　　ヽ　　 _,　　 /!　.!
.　　／　　　　　　　.／　　　　　　 !｀'.､.　　　 ,. -‐',ﾆ-' 　 ,.'.ﾉ',i !ー-､
　／　　　　　　　　／　　　　　　　ヾ;. iヽ　　｀"´-‐　　.,.'　'´!'.'_r'　　!
.'　　　　　　　　 , '　　　　　　　　 ,.､-'"ヾ,　｀' .､　　　　 ./　　 r'‐il.l　　 !
　　　　　　　　,.'ー,‐--　..,,_　　 i,.､','　 ,.' !　　　｀' ー‐ '　_,. ;='´ !.!l.!.　　',_
　　　　　 /',',　 ',　　　　｀"く　',',　ヽ｀'' ‐----‐ '' ´　 l　　 !.l.ll　 ,.;'.' `'ー‐--　..,,＿
　　　　　　 /',. ',',　 ',　　　　　　,',　'';,.　 !　　　　　　　　　　|　　 ',.',';,,.;'.'
　　　　 /　l　',.',.　l　　＿＿_|.i､. ヾ､ l､_　　　　　　　　　l!　　/l '//､
　　　　　/i　 .!.　',.'-‐　　|　　　 !!'ヽ　'ｰiヽヽ'' ‐-,,..... -‐ '　!　 /　'-'　｀"'' - ..,,_
現安達家当主　安達泰盛（時宗夫人の義理の父親、血縁的には異母兄）
18： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:09:09 ID:itqcPAVE0: ――安達泰盛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,......................_
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.- ´:...:::::　　　　　｀丶､_
　　　　　　　　　　　　　　, -‐''´::::::: ...::::::::::::...　　　　　　￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　}.:::::::::::::::::::::::::::: .::..........　　　　::....　　 }
　　　　　　　　　　　　　ﾉ.:::::::::::::::::::::::::::::::;:-:､::::::::::..　　　:.　　 `‐-､
　　　　　　　　　　　　ｒ'.::::::::::::::::::::::::::::::::〈;-‐ヽ､::::. :..　　　::.　　　　}
　　　　　　　　　　　　ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::/　　　}::::　. .　 ..　　　　ｒ'
　　　　　　　　　　　　　 } ::::::::::::::::::::;::::::i:{　　　 |::: .:: ::　　:. ::.　　｀>
　　　　　　　　　ﾉ ::::::::i::::::::::ｊ!::i::{`＿_,,　{i:::::ﾄ､:i::.... ､::::: :..　/
　　　　　　　　　　　　　ヽ::;;-i::､:::::::{_>{戈ﾐ､　　　ヽ{.ｨ戈ヽｲ::::ノ::: L
　　　　　　　　　　　　　　ｿｒ､ﾍ:ヽトヽ┴‐┴　　　　 ┴┴ ﾉｨ/}ル'｀`
　　　　　　　　　　　　　　'､､〈ﾍ{　　　　　　　　　{　　　 l'　 ′
　　　　　　　　　　　　　　ﾉｨﾍ.._　　　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　「｀`＝ゝ､_　　　　　　　_'　　　/　　　　　　　　ほら、俺ってば慎重派だからさ、その日その日に合った馬に乗りたいっていうか
　　　　　　　　　　　　　　ｊ　　　　` ‐ ﾆｭ　｀ー＝ '　／､_　　　　　　　　御曹司の義父としてもカッコつけないとまずいっていうか……
　　　　　　　　　　　　　　{　　　　　　　| |ヽ、　￣ , ': :＼‐｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　__ゝ.､　　　　　 | |: : :}＿_ノ: : : : : ヽ､＼ヽ
　　　　　　　　_ ... -‐ ´　　_ｒ丶､　　 //: :〃:　: }: : : : : : : : ＼/
　　　 _ .. -‐ ´ ｀ヽ_.. -‐ ´　　　　｀ﾞ＜/､:〃:　:　:＼: : : : : : : : :〉
_..- '´　　　　,. - '´＼　　　　　　　　　｀ヽ､:　:　:　:　＼: : : : : :/ヾ‐-､_
　　　 , - ´　　　　　ヽ　　　　　　　　　　}}:　:　:　:　: {i ー‐ ' ￣｀ヽ､_｀丶､
　 , - '´　　　　　　ヽ　　　　　　　 {{:　:　:　:　: ﾞヽ､　　　　　ヽ｀丶､｀丶､
／　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　ヾ､＿:　:　:　:　:}＼　　　　　､　　ﾞ丶､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　　　　　｀丶､:　: |　〉　　　　　,　　　　｀ﾞヽ
　　　　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　　　　　　＼｜/　　　　　　i　　　　　　ヽ
三代目執権泰時の代から親執権派の外様御家人として活動する安達家の文永期当主
時宗夫人の異母兄で養父。時宗の補佐を務める非北条系御家人の代表格である

　　　　　　　　　 /　　　　　　 /　　／　　　　　　 '.
　　　　　　　　「 У　　　　　　　　/　／　　　　　　　　　　 ∨}
　　　　　　　　　} { 　　　　 `ﾄ､/ イ斗≦ イ＜彡　　　 }
　　　　　　　　 /　〉 .r`⌒ヽト､{　　　　　　　　 ∨　　　 /　}
　　　　　　　 {　′ | /　　　　　　　　 /　　　 i　 V 　 /
　　　　　　　　　､　　| }　　　 { 　　　/　　　　 {: 　 } :./　, 　ム
　　　　　　　､￢ﾐ　L　＿　　:.　　 /　　　＿　　 }　: /　/ /´
　　　　　　　＼　ィ⌒ヾﾐﾒ､ {　　{ rzz彡 ⌒ヾ　 }　/ﾍ　 .′
　　　　　　　　　　Yﾊ } /ノ´苡≧､ｰヘィ廴苡>､　　} //} } /
　　　　　　　　　　 }　}i　｀¨¨　／ }　　＼　　　　ｲ〃り }′
.　　　　　　　　 V八　　／　　}　　　 ` ､　　/ } }/　/
　　　　　　　　＼ﾄ､　　　　､　 ,　　　　　 /　| |　ム　　　　　　　　……おい、泰盛
　　　　　　　　　　 Vﾊ　　イ""　　　｀丶、ヽ　 | しﾍ厂_
　　　　　　　　　　　　 ∧ }〈{　ィイ_ヘ_トﾄﾐ }　} 　ﾉ　}､}､　｀ヽ
　　　　　　　　　／∨ ﾑゝゞ'　｀¨ﾆﾆﾆ¨´　　／　　〈ﾉ }　　 ⌒ヽ
　　　　　　　　　_{　　∠ィ　＼　 , へ　　／　　､}／　/　　　 γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　 -‐y⌒Y´　 }　〈　ﾑﾍ　 ` "　　 ` ` `　,　-=彡　/i:}　　　　|　　　　　　　　　泰盛殿　　　　　　　　　　＞
　　{　　　 /　　 {　　ゝ =ﾐ　} ィ　　 i　　　〃　　　 /i:i/　　　　ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__,ノ
　 /　　　 { 　　 V´:i:i:i:i:i:iヽ人､从{从ｲイ {　　　 /i:i/　　　　　　　　ゝ､:＼
19： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:09:54 ID:itqcPAVE0: :::::::l:!:|‐ ﾍ:ヽ::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::ヽ
:::::::ﾘ:j　　ヽ:ヽ::::::::::::!::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::j｝
::!:::|:/　　　 !::|ｌ:::|::::::::!:::::::ヽ::::::::::ヽ::::::::::::::::::`:ー:::::::(､＿ノ
::!:::|'　　　　ｌ:| !:l:!:::::::ﾄ､:::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::ヽヽ
::|:::|=､－-､. l:! !|:::!:::::::l＿､:::::::::ヽ:::::::::::::ヽ::::::::ﾄ::!:::::::ｌ!:}）
:::!::|二二ミヽｌ| ﾘヽト､::::!二二ヽ:::::ヽ:::::ヽ::::ヽ:::|::}!:::::::{ﾘ
::::ﾄ｢ゝ--ヘ. |/─‐||＼トゝ-- 'フヽ〉:::::!::ト{l:|!:::::::ﾉ!:!
ヽ:!　　　－' |｢|￣｀|ﾄ､ー‐　　　ノ |ﾍ::j:ﾄ /ﾘ:::::::j ｊﾉ
└ヽ───┘!　　└─────┘ｊｲﾉ/ :::::i::::{
　　　　　　　　|　　　　　　　　　　ﾘ´｢|!::::l}:ﾉ`
ハ　　　　　　|　　　　　　　　　　 /　 !| ヽ:ﾄし
ヽﾊ　　　　　　ゝ::::ｒ '　　　　　　　 / 　ｊ:| 　ヽ、
_／ﾊ　　､＿ _ __ ＿　　＿, 　　 , '　　 ,'::|　　　ｌ｀丶、　　将軍自らが発布した禁令からまだ一年ほどしか経っていません
　/::::ﾄ､　　｀ー─一￣´　　／:::: 　〃:::|　　　ｌ　　　　あまり目立つ奢侈は控えていただきたいのですが
　!:::: |　ヽ　 ` ー── '´ 　／:::::::　 //::::::|　　　　ｌ
_/:::::::|　　ヽ　　　　　　　／::::::::::::　//:::::::::|　　　　ｌ
:::::::::: |　　ヽ　　　　／:::::::::::::::　//::::::::::::|　　　　ｌ
::::::::::::|　　　　￣￣￣:::::::::::::::::::　//::::::::::::::::|　　　　　ｌ
:::::::::::::|　　　　:::::::::::::::::::::::::::::::　 //::::::::::::::::::::|　　　　　ｌ
北条得宗家内管領（身内人筆頭）　平頼綱

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,...　---- ..,_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.- '´　　　　　　　　｀' - .,
　　　　　　　　　　　　　　 , - ''''',‐ '´　　　,.--- ､　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　／'´ ,. '´　　　　／　　　｀' - .,_ 　　　 '､　
　　　　　　　　　　　 r'"　　l´　　　　　　　,.、　　　　　　　　　　　｀;
　　　　　　　　　　　 !　　　,!　　　　　 ,-､.l. ｀､　　,　　　　　　ヽ　 .!
　　　　　　　　　 |　　 /　　, '　　 / .r‐'"´.'､ ', '､　　　　　ヽ,';. !.',
　　　　　　　　　 !　　'､　　l　　　 ,､ |.　　　ヽヽ,ヾ,-､　､　　lヾ | .〉
　　　　　　　　　 ,'　　　ヽ　|l,　　　!.', !　　　　　ヾ､-‐'二i, l',ﾉ　.,!/　　
　　　　　　　　　 !　　　　|　', '､､　|-',!‐ﾆ　　　￣,.‐'"'i,;:7/ l／'i ',　
　　　　　　　　　／　　　　　ヽゝ'ヽ',ゞ!'"ﾋ;:!　　　　　￣￣.'´ ' !)　l ,!
　　　　　　　／　　　　　　　ﾉ,' r','､.`‐'"´　　 !　　　　　　 |'//,'
　　　　　／　　　　　　　 .／ '､'､ヾ,　　　　 ',　　　　　　　 lr'　!　　　悪い悪い
　　　／　　　　　　 .／.　　｀'｀;-､　　　　　ヽ　　 _,　　 /!　.!　　　そうはいっても銭なんて倉に入れておいても置物にしかならないだろ？
.　　／　　　　　　　.／　　　　　　 !｀'.､.　　　 ,. -‐',ﾆ-' 　 ,.'.ﾉ',i !ー-､
　／　　　　　　　　／　　　　　　　ヾ;. iヽ　　｀"´-‐　　.,.'　'´!'.'_r'　　!
.'　　　　　　　　 , '　　　　　　　　 ,.､-'"ヾ,　｀' .､　　　　 ./　　 r'‐il.l　　 !
　　　　　　　　,.'ー,‐--　..,,_　　 i,.､','　 ,.' !　　　｀' ー‐ '　_,. ;='´ !.!l.!.　　',_
　　　　　 /',',　 ',　　　　｀"く　',',　ヽ｀'' ‐----‐ '' ´　 l　　 !.l.ll　 ,.;'.' `'ー‐--　..,,＿
　　　　　　 /',. ',',　 ',　　　　　　,',　'';,.　 !　　　　　　　　　　|　　 ',.',';,,.;'.'
　　　　 /　l　',.',.　l　　＿＿_|.i､. ヾ､ l､_　　　　　　　　　l!　　/l '//､
　　　　　/i　 .!.　',.'-‐　　|　　　 !!'ヽ　'ｰiヽヽ'' ‐-,,..... -‐ '　!　 /　'-'　｀"'' - ..,,_
20： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:10:28 ID:itqcPAVE0: :::::::l:!:|‐ ﾍ:ヽ::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::ヽ
:::::::ﾘ:j　　ヽ:ヽ::::::::::::!::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::j｝
::!:::|:/　　　 !::|ｌ:::|::::::::!:::::::ヽ::::::::::ヽ::::::::::::::::::`:ー:::::::(､＿ノ
::!:::|'　　　　ｌ:| !:l:!:::::::ﾄ､:::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::ヽヽ
::|:::|=､－-､. l:! !|:::!:::::::l＿､:::::::::ヽ:::::::::::::ヽ::::::::ﾄ::!:::::::ｌ!:}）
:::!::|二二ミヽｌ| ﾘヽト､::::!二二ヽ:::::ヽ:::::ヽ::::ヽ:::|::}!:::::::{ﾘ
::::ﾄ｢ゝ--ヘ. |/─‐||＼トゝ-- 'フヽ〉:::::!::ト{l:|!:::::::ﾉ!:!
ヽ:!　　　－' |｢|￣｀|ﾄ､ー‐　　　ノ |ﾍ::j:ﾄ /ﾘ:::::::j ｊﾉ
└ヽ───┘!　　└─────┘ｊｲﾉ/ :::::i::::{
　　　　　　　　|　　　　　　　　　　ﾘ´｢|!::::l}:ﾉ`
ハ　　　　　　|　　　　　　　　　　 /　 !| ヽ:ﾄし
ヽﾊ　　　　　　ゝ::::ｒ '　　　　　　　 / 　ｊ:| 　ヽ、
_／ﾊ　　､＿ _ __ ＿　　＿, 　　 , '　　 ,'::|　　　ｌ｀丶、　　　だとしても我々がまず規範を示さないと下の者はついてきません
　/::::ﾄ､　　｀ー─一￣´　　／:::: 　〃:::|　　　ｌ　　　　　
　!:::: |　ヽ　 ` ー── '´ 　／:::::::　 //::::::|　　　　ｌ
_/:::::::|　　ヽ　　　　　　　／::::::::::::　//:::::::::|　　　　ｌ
:::::::::: |　　ヽ　　　　／:::::::::::::::　//::::::::::::|　　　　ｌ
::::::::::::|　　　　￣￣￣:::::::::::::::::::　//::::::::::::::::|　　　　　ｌ
:::::::::::::|　　　　:::::::::::::::::::::::::::::::　 //::::::::::::::::::::|　　　　　ｌ

　　　　　　　　　 }　:/　　}　 :}　　 ::/　　　　ー―ｧ
　　　　　　　 /　 {　　{　ﾉ　 ::ノ＿　　　　　ノ
　　　　　　　 (　　ト､､イノｰ ´ 　く　　　　 `ｰｧ
　　　　　　　　}｀ヽｨ´　　　　　　　　　　ヽ　　　　／
　　　　　　　　{　　 {　　 {　 ./　／⌒　　}　　　　7
　　　　　　　､　ﾉ ,==ﾐ　　ｰくこぅ､　　〈　　 /
　　　　　　　　八 ∨f 斗 } 　　＼　　　, } rヘ 7
　　　　　　　　　ヽ}　　 ,:　　　　　 /: | |ﾉ:} }′
　　　　　　　　　　人　 _` ` ‐-､　　 {:　| | xく　　　　泰盛、これは頼綱に分があるぞ
　　　　　　　　　ﾊ {ム-‐ ､ｰヽ　　　j　ﾐ　､}
　　　　　　　　　　 i}　　´__｀　　 -‐ 　くｨ／}_
　　　　　　　　　　　八／　｀Y´　　／⌒　 /　㍉
　　　　　　　　　　　　〈 {　　　　　／　　　ｲ　　　㍉＿
　　　　　　　　　　厂｀丶､ノイ　　　／ﾉ　　　　㍉　ﾆ=-　､
　　　　　　　　人　　 }　／ =ﾐヽイ／　　 rｰ￢へ} 　　　ヽ
　　　　　　　 -‐ , =ミヽ＿/ {（__） } }／　　rｰ┘.， ´
　　　　 r ' 　　 {　(__) } }ﾆﾆﾆゝ __彡　　r‐┘ ´　　　　　　　　 }
21： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:11:03 ID:itqcPAVE0: 　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　 _　　　　　＼
　　　　　　 ,.'　　　　　　　　　　　　 ,.:i／:::', 　　　　　＼
　　　　　r'´　　　　 , '　 ,　　!　　 iヽ‐ ｰ.､!　　　　　　ヽ
　　　　　i.　　　　　 /　　,'　　l.　 ,!.i　　　　!　　　　　　　　　　!
　　　　　l　　　　　 l , 　 !　　il　,' !|　　　　!　!　　　　　　l 　 /
　　　　　i　　 , =ヽ l'!　 .l　 i ﾄ! .!,_'l､_　　　i　!　　　　　　 ', /
　　　　 /　 .〃　｀! lヽ　lヽ.l､!,,ヾ＿ｰ-ヽ　ヽ!',. i',　!,　　　 i
　　　　ヽ,　',',.i´ゝ!.|　ヽl　ヽヽ.!;::'-!ヾ　｀"　　l/-i l‐!　 .,　.!
　　　　 !　ヽi くヾ　　　　　　￣　　　　　　'7;:7ｿ,ｲ /l /
　　　　　 i　　'､_ヽ_　　　　　　　　　　　　　　i ｀".ｨ／'´/'
　　　　 !,　　　!" l　　　　　　　　　　　　　　'､　 i
　　　＿_'i　　 iヽ　!　　　　　　　　　　　　　 ,.' ./
　　 r'　　｀""7'''r‐',- ､　　　　　　　　　　 '´／
　　 |　　　　　i　!　i　 r'ｰ､　　　 ´￣｀"' , '　　　　　　……わかった、じゃぁ今回「は」自重するよ
　　 l　　　　　! .l　.!　 !　　｀'i　　　　　"ﾞ .,'...,_　　　　　ただし、連署就任祝いの宴での大盤振る舞いはさせてもらうぜ
　　,'　　　　 !-! .,'　.,'　　　 ,' ＼　　　　 / ゝ..!_
.._,/ｰ､　　 /ｰi　i　 i. 　　 ,'､_　｀!ー‐ '/ /　 /
'　｀`'‐｀,ヽ､｀" /　/　　　.,' 　｀" ｀!　./ /　 /!

　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,. '"´￣￣￣￣｀｀''ｰ､,,＿
　　　　　　　　　　　　　　　 r'"´　　　　　　　　　　　　　　　＼
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　　　　　　 r‐-; 　　　 l ( '='-!| ./ 'ヽ,!"!|/'''! |=-､　 '　!　 !、　　 .|　 '､
　　　　　 ',　 ',　　　l　';ヾ ( !;'　　　 .l_ﾟ;:7`'ヽ`　｀"　ヽﾉ_|　　　|. ／
.　　　　　　　',　 ',　　,'　ヽﾆ'.　　　　　｀`ー　　　　　rｧi-/ ノ　丿!
　　　　　　 ',　 ',/´　　　,' |　　　　　　　　　　　　 r 'ｰ'､'/'／_,ノ
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　　　　　 _l´ ￣￣!.',,.'　　/_. '､　　　　　r- ､_ 　　 -' ／
　　　　,!´ `ー.､　 | ﾞ|　　i / ｀`｀-､　　　ヽ｀`''｀ヲ ,. '´
　　　i´ ー.､　　! ,.! ,.!　 .|/　 //　'､'.､　　　￣´／　　　　　　何せかわいい妹……じゃなくて娘の夫が正式に政務に着いた祝いなんだ
　　　! -､　ヽ _l" .l　　　!　.,.',.'　　 /_ヽ, ＿ , '｀'r ､
-=''"l　　｀'ー'ｰ'　 '　　　!_/./　　 /　｀`ﾞ｀)　 ,.;'.' /
_.　＼＼　　　　　　　　丿-'ヽ _. /_　　　 /,,_// ./､_
､＼　＼,!:､　　　　　　/　　　　　'ｰ,｀ｰ- ,'っ!'､.,.'　　｀`' - ､_
､＼＼ .i　　　　　./　　ヽ　　　 !　　　'　!. ヽ｀｀'ヽ　　　　`'‐ ､_
. ＼＼,'　　　　　　 ,'　　　　ヽ　　',　　　　|　/　　　 'ー- ､　　 / `' ､
ヽ　`'/　　　　　 ,'.　　　　　　＼　'､　　　|./ 　　　　　 |　　'-.､//!
時宗の公職デビューは１１歳（弘長２年）の時の将軍近侍を担当する小侍所の別当だが、これは政治向きの役職ではない
公的な書類を取り扱う仕事は１４歳（文永元年）の時に就任した連署が最初である
22： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:11:46 ID:itqcPAVE0: :::::::l:!:|‐ ﾍ:ヽ::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::ヽ
:::::::ﾘ:j　　ヽ:ヽ::::::::::::!::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::j｝
::!:::|:/　　　 !::|ｌ:::|::::::::!:::::::ヽ::::::::::ヽ::::::::::::::::::`:ー:::::::(､＿ノ
::!:::|'　　　　ｌ:| !:l:!:::::::ﾄ､:::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::ヽヽ
::|:::|=､－-､. l:! !|:::!:::::::l＿､:::::::::ヽ:::::::::::::ヽ::::::::ﾄ::!:::::::ｌ!:}）
:::!::|二二ミヽｌ| ﾘヽト､::::!二二ヽ:::::ヽ:::::ヽ::::ヽ:::|::}!:::::::{ﾘ
::::ﾄ｢ゝ--ヘ. |/─‐||＼トゝ-- 'フヽ〉:::::!::ト{l:|!:::::::ﾉ!:!
ヽ:!　　　－' |｢|￣｀|ﾄ､ー‐　　　ノ |ﾍ::j:ﾄ /ﾘ:::::::j ｊﾉ
└ヽ───┘!　　└─────┘ｊｲﾉ/ :::::i::::{
　　　　　　　　|　　　　　　　　　　ﾘ´｢|!::::l}:ﾉ`
ハ　　　　　　|　　　　　　　　　　 /　 !| ヽ:ﾄし
ヽﾊ　　　　　　ゝ::::ｒ '　　　　　　　 / 　ｊ:| 　ヽ、　　　　
_／ﾊ　　､＿ _ __ ＿　　＿, 　　 , '　　 ,'::|　　　ｌ｀丶、　宴に関しては問題ないかと
　/::::ﾄ､　　｀ー─一￣´　　／:::: 　〃:::|　　　ｌ　　　　ですが、平素の奢侈は風紀の乱れにつながります
　!:::: |　ヽ　 ` ー── '´ 　／:::::::　 //::::::|　　　　ｌ
_/:::::::|　　ヽ　　　　　　　／::::::::::::　//:::::::::|　　　　ｌ
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::::::::::::|　　　　￣￣￣:::::::::::::::::::　//::::::::::::::::|　　　　　ｌ
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　　　 l､　　　　 | _,,.―ｰ''''''''''''''''''''''''―-､,,,、　　　ヽ　　　ヽ
　　　　ヽ　　　 |'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;~ﾞ'ｰ､,,,_　ヽ　　　＼
.　　　　　＼.,,,こ,,,,,,,.､.----―',!'''''''''ｉ￢￢┬---､,_「', ヽ　　　　＼
　　　,,,―''"゛;;;;;,/,,,,ﾆ'"'';,ｿ-ﾆl'|　　｀! ﾞ|　 `'|'ヽ、::;;ﾞ`＼, ＼　　　　ヽ
　／　;;;;;;;;;;;;;;,〈ｰ、　|'l',,.､＿リ､,,,,,ノ　,!　　 |「 ,!广-､,::`'-,|'-、　　　|
.　＼,,,,,,,__　;;|:l'　ﾉ　,!」゜ |　ﾞ'ﾆ､.,,,,.／′ ,r'''ヽl'|　.,.-二;､ﾞ|;;;;;ﾞ>　　,/
　　　　　　￣ﾟｉヽ／ ,/,l］　|　　 /''ｰ----''"　ヽ　ﾞ/ ,i´iﾝ､|'シ'゛_／
.　　　　　　　　ﾞi―''ソﾞ,l'　|　 ..,,|　`'ｰ-、　　　　｝　| ヽ| | |;;;,ト''"
.　　　　　　　　 l'￣　ﾚ-'''ﾆ-､,,ﾉ　　　　　,,／″　ﾉ ,i´,ﾉﾞ,|,］
.　　　　　　　　＼　　"″　　　　　　　へ、l'　　　ヽ`'',,r"::ﾞ|
.　　　　　　　　　　ヽ　　 .,,,,,．_,,,.,,,.､-‐ ″| ﾞi　　　　ｒ‐′ﾞ''l,i
　　　　　　　　　　　| Ｌ_,,,,,.ﾆﾆヾ＾　　　　　　ヽ　　　|::::::::::::::〉　　　……控えろ、頼綱
　　　　　　　　　　　|　　 .,,,,.――‐‐　　　　　 }　　　l::::::::::::::|　　　　安達殿は得宗たる時宗の義父である
　　　　　　　　　　　|　　 /.ｒ'"￣｀　　　　　 ,ﾉ　　　/　.:::::::::::|　　　内管領とはいえ陪臣の身ででしゃばることは許さん
　　　　　　　　　　　ヽ.　 ″　　　　　　　　 '′ ,,／,!　 ..:::::::::|
.　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　 ,,/,-'′,/　　 ..::::::::l'
.　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　／　;::::::,／ .__,,,,,,,.､､-ト-
.　　　　　　　　　　　　ﾞ-y,,,,,,,,,,.―‐'";;::::,―ｰ''""ﾞﾞ＾::::::::::::::::::::::::|
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　　　　　　　　　　　　|"ﾆｉＺ'|ﾞﾞンｰ''''"ﾞﾞ゛;;;;;;l'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〔
　　　　　　　　　　　　" ":::"."."::::::::::::::::::::::::"　　　　　　　　　　　"
23： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:12:30 ID:itqcPAVE0: :::::::l:!:|‐ ﾍ:ヽ::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::ヽ
:::::::ﾘ:j　　ヽ:ヽ::::::::::::!::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::j｝
::!:::|:/　　　 !::|ｌ:::|::::::::!:::::::ヽ::::::::::ヽ::::::::::::::::::`:ー:::::::(､＿ノ
::!:::|'　　　　ｌ:| !:l:!:::::::ﾄ､:::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::ヽヽ
::|:::|=､－-､. l:! !|:::!:::::::l＿､:::::::::ヽ:::::::::::::ヽ::::::::ﾄ::!:::::::ｌ!:}）
:::!::|二二ミヽｌ| ﾘヽト､::::!二二ヽ:::::ヽ:::::ヽ::::ヽ:::|::}!:::::::{ﾘ
::::ﾄ｢ゝ--ヘ. |/─‐||＼トゝ-- 'フヽ〉:::::!::ト{l:|!:::::::ﾉ!:!
ヽ:!　　　－' |｢|￣｀|ﾄ､ー‐　　　ノ |ﾍ::j:ﾄ /ﾘ:::::::j ｊﾉ
└ヽ───┘!　　└─────┘ｊｲﾉ/ :::::i::::{
　　　　　　　　|　　　　　　　　　　ﾘ´｢|!::::l}:ﾉ`
ハ　　　　　　|　　　　　　　　　　 /　 !| ヽ:ﾄし
ヽﾊ　　　　　　ゝ::::ｒ '　　　　　　　 / 　ｊ:| 　ヽ、
_／ﾊ　　､＿ _ __ ＿　　＿, 　　 , '　　 ,'::|　　　ｌ｀丶、　　　……失礼しました
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　　　　　　　　　　　 ',　,. =''ヽ　,､!　,.ｲ　 ,ｲ／　　|.l !　　　　 l　l
　　　　　　 r‐-; 　　　 l ( '='-!| ./ 'ヽ,!"!|/'''! |=-､　 '　!　 !、　　 .|　 '､
　　　　　 ',　 ',　　　l　';ヾ ( !;'　　　 .l_ﾟ;:7`'ヽ`　｀"　ヽﾉ_|　　　|. ／
.　　　　　　　',　 ',　　,'　ヽﾆ'.　　　　　｀`ー　　　　　rｧi-/ ノ　丿!
　　　　　　 ',　 ',/´　　　,' |　　　　　　　　　　　　 r 'ｰ'､'/'／_,ノ
　　　　　　　_,..!　 .',　 ,. -､l　l　　　　　　　　　　　　 |　 ., '　"´
　　　　　 _l´ ￣￣!.',,.'　　/_. '､　　　　　r- ､_ 　　 -' ／
　　　　,!´ `ー.､　 | ﾞ|　　i / ｀`｀-､　　　ヽ｀`''｀ヲ ,. '´　　　　　　　　時定殿、俺は別にこれくらいの小言気にしないって
　　　i´ ー.､　　! ,.! ,.!　 .|/　 //　'､'.､　　　￣´／　　　　　　　　　　　それに頼綱だって北条家と幕府を思って言ってくれてるんだ
　　　! -､　ヽ _l" .l　　　!　.,.',.'　　 /_ヽ, ＿ , '｀'r ､
-=''"l　　｀'ー'ｰ'　 '　　　!_/./　　 /　｀`ﾞ｀)　 ,.;'.' /
_.　＼＼　　　　　　　　丿-'ヽ _. /_　　　 /,,_// ./､_
､＼　＼,!:､　　　　　　/　　　　　'ｰ,｀ｰ- ,'っ!'､.,.'　　｀`' - ､_
､＼＼ .i　　　　　./　　ヽ　　　 !　　　'　!. ヽ｀｀'ヽ　　　　`'‐ ､_
. ＼＼,'　　　　　　 ,'　　　　ヽ　　',　　　　|　/　　　 'ー- ､　　 / `' ､
ヽ　`'/　　　　　 ,'.　　　　　　＼　'､　　　|./ 　　　　　 |　　'-.､//!
24： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:13:39 ID:itqcPAVE0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,...　---- ..,_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.- '´　　　　　　　　｀' - .,
　　　　　　　　　　　　　　 , - ''''',‐ '´　　　,.--- ､　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　／'´ ,. '´　　　　／　　　｀' - .,_ 　　　 '､　
　　　　　　　　　　　 r'"　　l´　　　　　　　,.、　　　　　　　　　　　｀;
　　　　　　　　　　　 !　　　,!　　　　　 ,-､.l. ｀､　　,　　　　　　ヽ　 .!
　　　　　　　　　 |　　 /　　, '　　 / .r‐'"´.'､ ', '､　　　　　ヽ,';. !.',
　　　　　　　　　 !　　'､　　l　　　 ,､ |.　　　ヽヽ,ヾ,-､　､　　lヾ | .〉
　　　　　　　　　 ,'　　　ヽ　|l,　　　!.', !　　　　　ヾ､-‐'二i, l',ﾉ　.,!/
　　　　　　　　　 !　　　　|　', '､､　|-',!‐ﾆ　　　￣,.‐'"'i,;:7/ l／'i ',
　　　　　　　　　／　　　　　ヽゝ'ヽ',ゞ!'"ﾋ;:!　　　　　￣￣.'´ ' !)　l ,!
　　　　　　　／　　　　　　　ﾉ,' r','､.`‐'"´　　 !　　　　　　 |'//,'
　　　　　／　　　　　　　 .／ '､'､ヾ,　　　　 ',　　　　　　　 lr'　!
　　　／　　　　　　 .／.　　｀'｀;-､　　　　　ヽ　　 _,　　 /!　.!　　　　　おべっか言うだけの連中よりよっぽど信用できるさ
.　　／　　　　　　　.／　　　　　　 !｀'.､.　　　 ,. -‐',ﾆ-' 　 ,.'.ﾉ',i !ー-､
　／　　　　　　　　／　　　　　　　ヾ;. iヽ　　｀"´-‐　　.,.'　'´!'.'_r'　　!
.'　　　　　　　　 , '　　　　　　　　 ,.､-'"ヾ,　｀' .､　　　　 ./　　 r'‐il.l　　 !
　　　　　　　　,.'ー,‐--　..,,_　　 i,.､','　 ,.' !　　　｀' ー‐ '　_,. ;='´ !.!l.!.　　',_
　　　　　 /',',　 ',　　　　｀"く　',',　ヽ｀'' ‐----‐ '' ´　 l　　 !.l.ll　 ,.;'.' `'ー‐--　..,,＿
　　　　　　 /',. ',',　 ',　　　　　　,',　'';,.　 !　　　　　　　　　　|　　 ',.',';,,.;'.'
　　　　 /　l　',.',.　l　　＿＿_|.i､. ヾ､ l､_　　　　　　　　　l!　　/l '//､
　　　　　/i　 .!.　',.'-‐　　|　　　 !!'ヽ　'ｰiヽヽ'' ‐-,,..... -‐ '　!　 /　'-'　｀"'' - ..,,_

　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿ _
　　　　　　　　　　　,r'"´　　　　　　＼
　　　　　　　　　　/　　　　〈±〉　　　ヽ
　　　　　　　　 |　　　, -──‐‐- ､　　|
　　　　　　　!　,r'´.:.::::::::::::::::::.::.:.:.:＼ !
　　　　　　　　　ﾚ'.:.::::r'"´￣￣￣｀ヾ､:::.:.!
　　　　　　　　　 |;r'"´-‐`ヽ　 ,/´-ｰ-､`^i
　　　　　　　　　!jィ〔´（◯）｀二´（◯）｀ﾄ､|
　　　　　　　　　ﾊﾚ' ﾞｰ＝'ﾞ´.:;! ' ｀ﾞ＝‐'ﾞ^ﾚj､
　　　　　　　　　l ﾄ､'.., 　 / .::;j,_　｀ヽ　ノｲ !
　　　　　　　　　! ﾘj　i　　　 ^"^　　　 l^iｲｿ
　　　　　　　　　ヾU　',　 ''ｰ＝＝‐''´ ,! |ノi　　　　　泰盛殿がそういうのであれば、ここまでとしよう
　　　　　　　＿ _」^i　 ',　　｀ﾆ二"´　,' ,!　ﾄ､＿ _　　それよりも、政村
　　　,r'"´.:.:.:.:.::::::|　ﾞ､　 Y´　　　｀)　/　 |:::::::::.:.:.｀`ヽ　　私だけでなく泰盛殿と頼綱を呼んだということは安藤の上納金の話だけではないな？
　　 ,!.:.:.:.:::::::::::::::::j　　＼,ゝ‐---‐ 'ﾞ,イ　　」::::::::::.:.:.:.:.:.:!
　　 |/＼.:.:.:.:::::::::|￣￣｀¨`ヾ｀二´イ"´￣ i:::::::::::::::::／|
　　 |.:.::::::＼.:::::::::|　　　　　｀ﾞYi"´ 　　　|:::::::::::::/::.:.:.|
　　 |::::::::::::::i:::::::::| 「***j」　　!l |　「***j」/:::::::::::/:::.:.:.:.:|
＿,ノ.:::::::::::::|:::::::::!　　　　　　 | ||　　　　/::::::::::::/::::::.:.:.:.:L_ ＿
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25： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:14:46 ID:itqcPAVE0: 　　　　　　　　　 }　:/　　}　 :}　　 ::/　　　　ー―ｧ
　　　　　　　 /　 {　　{　ﾉ　 ::ノ＿　　　　　ノ
　　　　　　　 (　　ト､､イノｰ ´ 　く　　　　 `ｰｧ
　　　　　　　　}｀ヽｨ´　　　　　　　　　　ヽ　　　　／
　　　　　　　　{　　 {　　 {　 ./　／⌒　　}　　　　7
　　　　　　　､　ﾉ ,==ﾐ　　ｰくこぅ､　　〈　　 /
　　　　　　　　八 ∨f 斗 } 　　＼　　　, } rヘ 7
　　　　　　　　　ヽ}　　 ,:　　　　　 /: | |ﾉ:} }′
　　　　　　　　　　人　 _` ` ‐-､　　 {:　| | xく　　　　　うむ、京から知らせが来た。例の歌集だが、完成の目途が付いたそうだ
　　　　　　　　　ﾊ {ム-‐ ､ｰヽ　　　j　ﾐ　､}　　　　年明けにはとりあえずのものが届くと思う。
　　　　　　　　　　 i}　　´__｀　　 -‐ 　くｨ／}_
　　　　　　　　　　　八／　｀Y´　　／⌒　 /　㍉
　　　　　　　　　　　　〈 {　　　　　／　　　ｲ　　　㍉＿
　　　　　　　　　　厂｀丶､ノイ　　　／ﾉ　　　　㍉　ﾆ=-　､
　　　　　　　　人　　 }　／ =ﾐヽイ／　　 rｰ￢へ} 　　　ヽ
　　　　　　　 -‐ , =ミヽ＿/ {（__） } }／　　rｰ┘.， ´
　　　　 r ' 　　 {　(__) } }ﾆﾆﾆゝ __彡　　r‐┘ ´　　　　　　　　 }
　　　　 ,廴　　　ゝ＿彡ﾏ　/　/ ノ　rｰ┘ /

　　　　　　　　　　　　　　　_ ＿_ _
　　　　　　　　　　　／　＿　　｀`ヽ､
　　　　　　　　　　/　　 /ﾉゝヽ　　 .: .＼
　　　　　　　　 l　　 ,j　Y　/｀`ヽ､ .:. :.＼
　　　　　　　　　　　 |　　/ ｀ｰ‐'_＿__　＼. :.:. :＼
　　　　　　　　　　　 !　」イ二＿,/ / ＼.ヽ..: .:.:.:.＼
　　　　　　　　　　 ,イ二ﾌr =､二´r＝､.:.;ﾞヾj､ .: .:.: .:.〉
　　　　　　　　　　　￣｀1(◎,)元,(◎,)_j」＼.::ヽ」.:／
　　　　　　　　　 ,ｲｰ-‐j⌒ゝ‐-‐'ﾞ^iｰ;:'乍7'´
　　　　　　　　　　　　 i{t､　,ｨﾆ>'ヾ､　　j;:;:,ﾍ;「
　　　　　　　　　　　　ゝj,'　 _ ＿,,､､　 .::;ﾚ'ｿ;/　　　　　おお、おぬしも選出されたとかいう歌集か
　　　　　　　　　　　　　jﾘ　'"￣｀ｰ'ﾞ ,'　,'::;i;:ｲ　　　　　かつては東夷（あずまえびす）と陰口叩かれたものだが……
　　　　　　　　　ﾞ!　　´￣`　,'　.:j;::;!;:1　　　　　時代は変わるものだな
　　　　　　　　　　　　　ﾄ､　　　　　.:,ｲィ;:;:/
　　　　　　　　　　　　 ,ｲ!. `ー一‐''.:´/.:.j:;:;:ﾄ､
　　　　　　　　　　| ﾄﾐt､.: .:. .:_,､-‐''"´ .:.::i
　　　　　　　　　　| | T j 「￣ T　　　.: .:.:.:|
　　　　　　　　＿_, イ」 | ,! |　　 |　　.: .: .::.::L_
　 r77´￣￣　　　　 `ヾj ,! ,! 　　」＿,．-‐'"´.:.:.:`ｰ- ､_
　//j′　　　　　　　　　」 ! 7´￣　　　. :. ..: .: .:. :. :.. :. : :; ￣
26： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:15:59 ID:itqcPAVE0: ――文永年間は様々な社会的混乱を含めながら、同時に武士出身者の文化的な躍進が多い年間でもあった

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　　　　　　　／:::;;;;;ミミ; /　　　　　｀ﾞ';;:::::::::::ヽ
　　　　　　 /;;;;;';ミミﾐﾂ/;;;';';'';'';;''ヾ,'::::`::::::::::::::::}
　　　　　　/:; ;::,＿＿､,＿＿＿＿_,:;:::. ;::::::::::::;'i
　　　　　　i::; ;;::i　　　　　　　　　　ﾞ|::'::. ;__;,-',‐；
　　　　　 /;; ,: :{──────‐‐{;;;::, ;:ヽ‐'´::::ヽ
　　　　　/:.　;;':{￣￣￣￣￣￣￣{:::: ::::｀;::. `::::;ﾞi
　　　　　i;;, '' ,;:|＿＿__,..､＿＿＿_ﾞl;;,_ :::::. :::, :::::iﾞ...　　／￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　 /,,;'::';:l;`‐゜‐';i　;;;;;`ｰ゜‐';;;;;|:: `; `;;;::::`:::ﾞi　＜　歌はいいぞぉ……
　　　　　'Y ;:::::ﾞi 　::::::l　　　　　　　 {;;;_ ﾞ'ﾞﾞ:::::,';:: ::ﾞ-,　＼＿＿＿＿＿＿＿
.　　　　　 / ,;; ';:ﾞi　::::::l　　　　　　　 |::ﾞ'';;;;.:.::::`;::.`::;;ゝ
　　　　　　`'i;; ';:::ﾞi　:::{__,,,ゞ　,　　　　,|;, ::;;;;`''::;':::`::::;;ゞ､＿
.　　　　 _,‐´`ｰ!､ ;ﾞi, ¨ニﾆ￣　　　,‐':{:::';::::'::::::::',,,'''';;;;'　　￣￣
.　　　／　　　/`i; ;::ﾞ､　'''　　　 _,‐'::::::{;;;;:`;::.:::::::::;;ヾ_,,ﾞ
　　／　　　 /　/ `i;:::ﾞ;,_　　,,／:::::::　 /`'';;:. ;;;;:ヾ ''''
　　　　　　 /　 |　ﾞｿ;;'''￣:::::::::::　　 iﾞ::::::' .::::'''ヾ　　　　　　島津忠景
その中でも特に輝かしい功績の一つが、勅撰和歌集への多数の御家人歌人排出である
２１代歌集と称される勅撰和歌集の中で文永２年の『続古今和歌集』は初めて多数の御家人歌人の歌を選出した
文化上非常に重要な和歌集であと言える。そしてこの御家人歌壇を形成していたのが――

――六代目鎌倉将軍宗尊親王である
.　　　　　 ∨: : :丶: : : : : :丶 : : : : : : :ヽ: : : : : :Y: ヽ
　　　　人　 ∨: : : :＼: : : : : : ＼: : : : : : : : : : : : : : : :}
　　　　{: : : 、　∨ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : く__＿
　　　＼: : : : : ≧=‐- : : : : : : : : -―….、: : : : : : : : :ヽ(〈
　　　　　　≧=‐- : : : ﾍ: : :へ : /: : 丶: : : :≧=‐-: : :-‐=≦て
　　　　／: : : : / : :/ : : /: : : ﾊ＼ : : :ヽ : : : : : : : : : : : : : :刈ヽ
. 　　Y¨⌒¨¨ /: /: ｌ : l {: : : / ﾑ斗-‐≧＼: : : : : : : : : : : : : :ｌ : .、
　　　　　　 /: /: : | : l人:.:/　/¨迅_癶　　丶 : : : : : :_:_: : : : ｌ : : }
.　　　　　 /: 人√}::/-=ミzzY⌒Yr―――　￢ : : :{⌒ } : : |八{
　　　　　　／　　　{:ハ迅_厂ヽ::::ﾉ′　　　　{　八ヽ:ｌじ八: :{
　　　　　　　　　　　　{:::::乂_^　　　　　　　　__＿_从ﾉ‐く:ノﾚ′____　　　　 -‐…
　　　　　　　　　　　 {　　ﾑ-‐=＝=、.　　|__＿＿＿＿＿＿＿ {　／: . .　　　　　. .`　　　政なんて関係ねえ！
　　　　　　　　　　　＼　＼　/⌒ j.ｉ　　|　　丁: : : : : : : : : : : ∨: : : : . .　　　. . : : : ヽ　俺の歌を聞けぇ！
　　　　　　　　　　　　　　＼　`辷ﾂ　　　|　　　} : : : : : : : : : : : ,ﾉ　＝=‐- 　　-‐=＝彳
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼`ｰ‐　　　人　　 ` : : : : : : : : : :/
　　　　　　　　　 [[匚￣￣￣_＞－＜ ./　＼_　_丶: : : : : : : :!
　　　　　　　　　　　＼＼: : : : : : : : :∨ / /　　丶_　_＼: : : : : :!
.　　　　　　　　 -‐……＼＼: : : : : : : ∨ /　　　}}　　 /: : : : : :!
　　　　　　 ∠　　　　　＼＼ : : : : : ∨　　　　}}　‐く: : : : : :｜
四代目将軍の藤原頼経で警戒したのか、将軍に関しては政治から一切シャットアウトしていたため和歌の創作に打ち込むことになる
その結果として、宗尊親王の周りには多数の教養高い御家人が集まって一種の文化サロンを形成していたのである
そして、このサロンは幕府の文化水準を飛躍的に高めた
27： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:17:23 ID:itqcPAVE0: 　　　　　　　　　 }　:/　　}　 :}　　 ::/　　　　ー―ｧ
　　　　　　　 /　 {　　{　ﾉ　 ::ノ＿　　　　　ノ
　　　　　　　 (　　ト､､イノｰ ´ 　く　　　　 `ｰｧ
　　　　　　　　}｀ヽｨ´　　　　　　　　　　ヽ　　　　／
　　　　　　　　{　　 {　　 {　 ./　／⌒　　}　　　　7
　　　　　　　､　ﾉ ,==ﾐ　　ｰくこぅ､　　〈　　 /
　　　　　　　　八 ∨f 斗 } 　　＼　　　, } rヘ 7
　　　　　　　　　ヽ}　　 ,:　　　　　 /: | |ﾉ:} }′
　　　　　　　　　　人　 _` ` ‐-､　　 {:　| | xく
　　　　　　　　　ﾊ {ム-‐ ､ｰヽ　　　j　ﾐ　､}
　　　　　　　　　　 i}　　´__｀　　 -‐ 　くｨ／}_　　　　　　歌を作って喜んでいるならば構わん
　　　　　　　　　　　八／　｀Y´　　／⌒　 /　㍉　　　　お飾りでいてくれるならば追い返す必要も無駄に束縛する必要もない
　　　　　　　　　　　　〈 {　　　　　／　　　ｲ　　　㍉＿
　　　　　　　　　　厂｀丶､ノイ　　　／ﾉ　　　　㍉　ﾆ=-　､
　　　　　　　　人　　 }　／ =ﾐヽイ／　　 rｰ￢へ} 　　　ヽ
　　　　　　　 -‐ , =ミヽ＿/ {（__） } }／　　rｰ┘.， ´
　　　　 r ' 　　 {　(__) } }ﾆﾆﾆゝ __彡　　r‐┘ ´　　　　　　　　 }
　　　　 ,廴　　　ゝ＿彡ﾏ　/　/ ノ　rｰ┘ /
.　　　 /　　㍉、　｀¨¨|　　V　 //rｰ┘　　.′　　　　　　　　　　　　 /
　　　 /　　　　｀¨¨¨ヽ!　　′://" 　　　 {　　　　　　　　　　　　　/
. 　　/　　　　　　　/　　:|　/ 　// 　　 .::　　〉　　　　　　　　　　　 /
　　/　r_ｰ- ､　, ､/　　 |　{　://　　　.::　　　,{　　　　　. :　　　厂
　 .′rー‐-　V　} 　　 :L　-=ミ､　-‐　､:／　　　 . : : 　　　 /}
　　 _｀二` ､　｀ヽ　／　　=＝/　　　 /　　　　　　　　　　　 / ′
.{ 　ゝ---　　-‐　¨¨　　　/　/{　　　　{　／　　　　　　　　〃/　　　　……わしも歌は好きだし
.{ 　｀¨¨／　　　　　　 {　 {从_ 　 -=≦　　　　　　　〃/
.{　　／　　　　　　　八八　　　　　　 `　　　　／　/
それと同時に鎌倉における宗尊親王の地位に対する保障にもなった
　　「鎌倉幕府運営を北条家と有力御家人で行う」
この一点に差しさわりがない限りは将軍に対してある程度の自由行動を容認していたのだ
28： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:18:06 ID:itqcPAVE0: ――将軍の身辺が一気に緊迫化するのは文永２年が終わって文永３年に入ってからである
　　　 V.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ､.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　＞- .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:..′.:.:.:.:. : ｉ.:.:.:.ｌ.:.:.:.:.: ｉ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.､ .:.:.:.::.:＼ .:.:.:.:.:.ヽ
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　　 |i.:.:ｉ V.:.:.:.:.:.:.:/ ´￣ラ|.:.:. :／.:.:イ　　　　　　　　　代zリ__ 丿_＿＿_ |/　 :仔ﾗ,∧ﾄ､/ Ⅵ.:.:.:./　ｉ.:/
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ｭ.　　V　 Ⅵ.:.:.:八　　{ ｰ　　|.:.:.:.:.:.|　　　　　　　　　　　ー‐, /. : : : : : : : : :_|￣ヽフ. : : : : : :∧/
二≧=　_　＼ﾄ､.:.:.｀ヽ _ﾞー-=|.:.:.:.:.:.|　　　　　　　　　　　　 | |: : : : : : : : ／/　　＼ / : : :.:/　´
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二二二二二二二ﾆ≧=､_　|　　　､　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿, 　 /
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29： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:18:45 ID:itqcPAVE0: ――申子革命にあやかって改変されたという文永元年は五代目執権時頼の嫡男時宗の連署就任以外は
　　　種々の懸案こそあれ割と平穏な年であった

　　　　　　　　　　　　 {　/　 ::{　 {　 {　{ /　／／　　　　-=ﾆ　　　　ﾉ　　　 }
　　　　　　　　　　　　　　 ∨　　 ::＼､､､ムイイ -‐　¨¨Z≦､　　ー==彡　　／}
　　　　　　　　　　　　　　　{　　 ::／　　　　　　　　　　　　　 ::＼　　　　／　/
　　　　　　　　　　　　　　　　、　/　　　　　　　　　　　　＿　　　 ::ヽ　　ｰ=彡　 }
　　　　　　　　　　　　　　〈＼{　　　　　　　　　,ｨ=≠ ¨¨¨` 　　 ::」　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　∨ ヽ ≠＝=ミ　　 / 　r_巧≧　　　　＼ `ｰ===彡ヘ
　　　　　　　　　　　　　　　〉､ }　ィ_巧≧x}　 .:　　　　　　　　　　　 }　　　　　厂
　　　　　　　　　　　　　　　　＼ﾉ　　ノ / 　:　{　　　　　　　　　 /　/　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　〈　　　　 /　　: 　ヽ　　　　　　　　. :}　 }⌒ヽく
　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧　　　 {　,　 r ､　}::.　　　　　　. : :}　 }て　}　)、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧　　／` ーー＜:::: . 　　　. : : : }　 }　}' {　　〉
　　　　　　　　　　　　　　　 ∧　 ′ /　ｉ　i　　　｀ヽ:: .　　: : : }　 }_ノﾉ／　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ { { /从从从从 } } }::: }　　 : :/　八彡く　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 } }　　　こ二二ヽ　　 /　　 :ノ　　ゝ〔
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾑ人＿__ ｨ　　｀ーーー､ xく　､　　／　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　イ　/ / / {i }　、ヽ＼＼ヽ　＼＼」　彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　r ＼ { /　{　{ ハ } 　}　 }i　 }　} 　／ Υ
　　　　　　　　　　　　　　　＿厂　　ヽ{ 　 } ｉ{′/　 / 　ﾘ　/　ﾘイ　　 }
　　　　　　　　　　　 r┘　　　　　　)人} 八　{　/ 　 /／. :´　　　 /＼
　　　　　　　　 -=ﾆ　{　　　　　　　　　　　　＼/　x≦- ､　　　　　/　 :/〉、
　　　　　 -=ﾆ　　　　　　{　　　　　　　　　　 }／　　　＼　　 .′ :// /`ー- ､
　　　´　　　　　　　ゝ、　　　　　　　　　 ∨ ,　=＝ミ＼　 {　 // ≧=ﾐ　　＼
／　　　　　　　　　　　（　　　　　　　　　　　　　 ∨　, ==ﾐ｀ヽ　{_:// / 　 -‐ヽ　　ﾆ=-
　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　{　{　r‐.､ }　}≧==={　/　f⌒})　　　　　　ﾆ=-
泰時世代の生き残りで３０年以上幕府中枢に居続ける北条政村
30： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:19:46 ID:itqcPAVE0: 　　　 l､　　　　 | _,,.―ｰ''''''''''''''''''''''''―-､,,,、　　　ヽ　　　ヽ
　　　　ヽ　　　 |'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;~ﾞ'ｰ､,,,_　ヽ　　　＼
.　　　　　＼.,,,こ,,,,,,,.､.----―',!'''''''''ｉ￢￢┬---､,_「', ヽ　　　　＼
　　　,,,―''"゛;;;;;,/,,,,ﾆ'"'';,ｿ-ﾆl'|　　｀! ﾞ|　 `'|'ヽ、::;;ﾞ`＼, ＼　　　　ヽ
　／　;;;;;;;;;;;;;;,〈ｰ、　|'l',,.､＿リ､,,,,,ノ　,!　　 |「 ,!广-､,::`'-,|'-、　　　|
.　＼,,,,,,,__　;;|:l'　ﾉ　,!」゜ |　ﾞ'ﾆ､.,,,,.／′ ,r'''ヽl'|　.,.-二;､ﾞ|;;;;;ﾞ>　　,/
　　　　　　￣ﾟｉヽ／ ,/,l］　|　　 /''ｰ----''"　ヽ　ﾞ/ ,i´iﾝ､|'シ'゛_／
.　　　　　　　　ﾞi―''ソﾞ,l'　|　 ..,,|　`'ｰ-、　　　　｝　| ヽ| | |;;;,ト''"
.　　　　　　　　 l'￣　ﾚ-'''ﾆ-､,,ﾉ　　　　　,,／″　ﾉ ,i´,ﾉﾞ,|,］
.　　　　　　　　＼　　"″　　　　　　　へ、l'　　　ヽ`'',,r"::ﾞ|
.　　　　　　　　　　ヽ　　 .,,,,,．_,,,.,,,.､-‐ ″| ﾞi　　　　ｒ‐′ﾞ''l,i
　　　　　　　　　　　| Ｌ_,,,,,.ﾆﾆヾ＾　　　　　　ヽ　　　|::::::::::::::〉
　　　　　　　　　　　|　　 .,,,,.――‐‐　　　　　 }　　　l::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　|　　 /.ｒ'"￣｀　　　　　 ,ﾉ　　　/　.:::::::::::|
　　　　　　　　　　　ヽ.　 ″　　　　　　　　 '′ ,,／,!　 ..:::::::::|
.　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　 ,,/,-'′,/　　 ..::::::::l'
.　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　／　;::::::,／ .__,,,,,,,.､､-ト-
.　　　　　　　　　　　　ﾞ-y,,,,,,,,,,.―‐'";;::::,―ｰ''""ﾞﾞ＾::::::::::::::::::::::::|
.　　　　　　　　　　　　 ,,,,ｺ::::::::._,,,,,.--‐''ﾆコ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　|"ﾆｉＺ'|ﾞﾞンｰ''''"ﾞﾞ゛;;;;;;l'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〔
　　　　　　　　　　　　" ":::"."."::::::::::::::::::::::::"　　　　　　　　　　　"
五代目執権北条時頼の弟で北条氏の長老格の一人である北条時定
31： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:21:20 ID:itqcPAVE0: 　　　　　　　　　　　　　　, -‐''´::::::: ...::::::::::::...　　　　　　￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　}.:::::::::::::::::::::::::::: .::..........　　　　::....　　 }
　　　　　　　　　　　　　ﾉ.:::::::::::::::::::::::::::::::;:-:､::::::::::..　　　:.　　 `‐-､
　　　　　　　　　　　　ｒ'.::::::::::::::::::::::::::::::::〈;-‐ヽ､::::. :..　　　::.　　　　}
　　　　　　　　　　　　ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::/　　　}::::　. .　 ..　　　　ｒ'
　　　　　　　　　　　　　 } ::::::::::::::::::::;::::::i:{　　　 |::: .:: ::　　:. ::.　　｀>
　　　　　　　　　ﾉ ::::::::i::::::::::ｊ!::i::{`＿_,,　{i:::::ﾄ､:i::.... ､::::: :..　/
　　　　　　　　　　　　　ヽ::;;-i::､:::::::{_>{戈ﾐ､　　　ヽ{.ｨ戈ヽｲ::::ノ::: L
　　　　　　　　　　　　　　ｿｒ､ﾍ:ヽトヽ┴‐┴　　　　 ┴┴ ﾉｨ/}ル'｀`
　　　　　　　　　　　　　　'､､〈ﾍ{　　　　　　　　　{　　　 l'　 ′
　　　　　　　　　　　　　　ﾉｨﾍ.._　　　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　「｀`＝ゝ､_　　　　　　　_'　　　/　
　　　　　　　　　　　　　　ｊ　　　　` ‐ ﾆｭ　｀ー＝ '　／､_　　
　　　　　　　　　　　　　　{　　　　　　　| |ヽ、　￣ , ': :＼‐｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　__ゝ.､　　　　　 | |: : :}＿_ノ: : : : : ヽ､＼ヽ
　　　　　　　　_ ... -‐ ´　　_ｒ丶､　　 //: :〃:　: }: : : : : : : : ＼/
　　　 _ .. -‐ ´ ｀ヽ_.. -‐ ´　　　　｀ﾞ＜/､:〃:　:　:＼: : : : : : : : :〉
_..- '´　　　　,. - '´＼　　　　　　　　　｀ヽ､:　:　:　:　＼: : : : : :/ヾ‐-､_
　　　 , - ´　　　　　ヽ　　　　　　　　　　}}:　:　:　:　: {i ー‐ ' ￣｀ヽ､_｀丶､
　 , - '´　　　　　　ヽ　　　　　　　 {{:　:　:　:　: ﾞヽ､　　　　　ヽ｀丶､｀丶､
／　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　ヾ､＿:　:　:　:　:}＼　　　　　､　　ﾞ丶､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　　　　　｀丶､:　: |　〉　　　　　,　　　　｀ﾞヽ
　　　　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　　　　　　＼｜/　　　　　　i　　　　　　ヽ
北条氏の準一門級の御家人で時宗の義父である安達泰盛
これら幕府を統括・運営するに足る人材が十分いたということが大きいといえる
また、時宗周辺の人々もこの時点では大まかに順風満帆といえる
32： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:21:52 ID:itqcPAVE0: 　　　　　　　｛::::::::::::::::::::/::::::::/:::::/:::::::l::::::::::|::::ヽl＼l N､ﾄＷl
　　　　　　　　　〉:::::::::::::::/::::::::/::／l::::::::;!:::::::::ﾊ::::::::::::ヽlﾍﾄl::ヽﾄl
　　　　　　　　／::::::::::::::::;:::::::::/:/＿ｊ::::::/l::::::::::! ヽ:::::::::::::::::::::ヽ:::
.　　　　　　　 /:::::::::::::::::::::{::::::/!/―‐l::::::' l::::::::::! ,-|:::::/:::::::::::::::::＼
　　　　　　　/ィ::::::::::::::::::::ゝ:::ﾚl'テ〒l:::::ｌ　､:::::/ィZ|:::/|::|:::::::::::::::::::
　　　　　　　　l::::::::::::::::::::::ﾄヽ!上Z弖ヽ/　 l:::/ ´しl://l/|:::::::∧::::::
　　　　　　　　|:::::::::::::::::::､N::l　　　　　　 l:/　｀`ｌ'"‐ /::::::/::::::､::
　　　　　　　 /:::::::::::::l::::Ｗ､::l　　　　　 l'　/ 　　／:::／::::::::::lヽ
　　　　　 /ｲ:::::::::::::l､::N::l｀`　　　　　　　　_ 　／-‐彳:l::::::::::::|
　　　　　　 |:::::::::::::::ｖ＼::ヽ　　　　　 , -‐ー､　　 /l:/l::::::::::::|
　　　　　　 l:::∧::::ヽl-､＼＼　　　　　￣　　　ムｌ'::|＼:::::::l
　　　　　　 |/　ﾍ::ﾄ､:::::＞ .｀`＼　　　　　　／:::::l::/　丶ﾄl
　　　　　　　　　lニ｀lﾆヽ:::＼　｀　‐-　　＿　ィ´二二ヽ
　　　　　　　　　V l　　　lﾊ::::ﾄ　　　　　　　　　//,/ 　 /
　　　　　　　　　ｖﾍ.　　　 l从　　　　　　　 ///ｌ/　/
　　　　　　　　　　ｖﾍ　　　　ﾍ　　　　　　　_」」７〉 /
時宗の同母弟である宗政も小侍所別当に就任することが決定している

　　　　　　　　　　　　　　　　／∨＼
　　　　　　　　　　 r､　／　　　　ヽ,
　　　　　　　　 i　 Y　　　　　　　　jヽｲ
　　　　　　　　　　 i　　 ,ｲ!　　　　　 ,ｲ　 i
　　　　　　 i ヽ,　　 ,j｡ '"　j　ｰ─‐一'’ 　 ,'
　　　　　　 i　　ﾍ'"　　　.ｲ　　　　　　　　ﾘ
　　　r,　　 j　　ｿ　　 "　　　 ,.ｨ'´￣￣　ヽ､　　＿
　　　} `'ィ’　　i　　　 {　　　　　　　　　　￣　 /
　　　 Ⅵﾊ　　 }　　　ﾍ　　　　j,.イ　　　　　ノ
　　　　}　ﾍ　　　､､　ヽ　　ソ　　　　　　　 `く
　　　　Ⅵ　　 ,＞''¨~￣ﾞﾞ''"~"~~~~´`'ゞ,　　　　`'ーｧ
　　　　 ∨,　 i'　　　　　　　　　　　　　ヽ,　　　　／
　　　　　∨　{　　,.ｨﾍ　',　　j'　 ,.ｨュ.,　　i　　　〉
　　　　 'r､i{　 ´¨ﾍﾍ.,_　､ _,.ィノ｀ｰ`　 ;}ｨ´｀!／
　　　　　　iﾍﾊ　 ,.-‐≧〈 ! ヾy´ ＞ｬ,　　ﾘ仁iﾑ
　　　　　 j くﾍ　｀´￣ >｀!　 'ｰ´,　　　 ,ﾊヒ,ﾘム
　　　　,.イﾍ　iﾑ　　　　 i　　　　　　　ﾊi'ﾗﾘ　ｨ｀'ｰｬ､
　　　,ｨ　　 ∧i ',　　　　 ,　　 __　　　 ,ij{ｲ　j　　　　　ヽ,_
　　r’ ∨　　　i　',,.ィ~｀'ｰ｀'´'~ 　 ,＞ｧ' i ﾍ,'　　　　　　　　{
　ｲ　　 ∨　　/　',ﾍヘﾆ二二￣　ﾘノリ　>'　　　　　　　 .ｲ
∧ 　　 ∨　'ヘ　ヽ､｀'ー─一'"　／／　　　　　　　／ i
　　　　　 ∨　　 >､　ゞ‐＞ﾆ＜,.ィ／j　　　　　　 ,. ＜　 {
　　　　　　∨　　/ ~''ﾍ,　　　　　 /　）　　　 ,. ＜　　　 .{
,　　　　　 ∨ /　　　∧ヘ,　　,ｲ　　j　 ,. ＜　　　　　　　 Y
　　　　　　　 ∨　　　　∧　ﾞ^ｲ　　　i!,ｲ　　　　　　　 i
ちなみにこの年結婚していて、相手は政村の娘である
33： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:22:28 ID:itqcPAVE0: ――そしてもう一人、側室の子で時宗の兄、時輔
　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀丶､::::::ヽ
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ::::＼
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/｀ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. :. .:. :ヾ
:: :: :::::::::::::::::::i::::::{-'´''´ ｀丶::::::::::::::::::::::::::::::::. :::::::::.::. ::. :.ヽ
:.:: :::::::::::::::::::::|:::::|　　　　　ヽ::::::. :: :ヽ::;::::::::::. ::::::::::::::.::ヽ::.ヽ
:::::::::::::::::::::::i:::ﾄ;:::!　　　　　　ヽ::::::. :::ﾄ､:ﾄ､:::::.::i::::::::::ヽ:::::ﾄ､::',
:::::::::::::::::::::::ﾄ;:l ';::',　　　　　　ヽ;:::::. | }:|　i::::::ﾊ:::}::::::::. ::::', ヾ;
:::::::::ヽ::::::::::ﾄz;=ヽ:ヽ- ..___ 　　 lﾄ;:::. Lﾘz-}:::ム!::j::: ::::: ;::::i　`!
:::::::::::::ヽ::::::ヾ,ｒ‐;;=ヽテﾐ;;､''`　　!' l::::|';ｒ; ''ぅ!/７;:: j::. i::::ﾄ;:::|
::::::::::::::::::＼::ヽ`‐ゞ＝''-　　　　 l:::|ゞ＝''-' ｲ:./::::::ﾄ;::}.∨
::i::::::::::::::::::::ト､:ヽ　　　　　　　　　　}/　　　　/:/::::::i::|.リ
::j::::::::::::::::::::ヽ `ｰヽ　　　　.:::::::　!　　　　,;ｲ::::::::::|::l
ｲ:::i::::::l::::::::::::ﾄヽ　　　　　　　　　, 　　　　/:::::::|::::ﾄ;',
.|:::ﾊ:::::ヽ::ヽ:::',ヽ　　　　　　　　　　　　　　,.ｲ:::::::!ｲ:| ヽ
..l::| ﾍ:::::ﾄ;ﾄ;:ﾄ;:', ｀､　　　 -―ニ;'''　／::::ﾊ::::::八!
. リ　ヽ::| ヽヽﾄ､{_` ‐-､_ 　　´　　 ∠ﾆ）::/ |:::/　 ′
　　　　`　ﾍﾞ} 　｀` ―- ニ､__／'´,　/ ﾘ　∨
　　　 __,... ┤　　　　ヽ､　　| l |／/ l.._
-― '' ´　　　j　　　　　ヽ}　.| | ﾄ､Z　|　｀`　‐-　､__
文永元年に六波羅探題南方に就任しており、文永二年には官位が授与されることが決定
既に妻帯しており、相手は有力御家人小山長村の娘

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r:::::::::::::::::::;|!::::::ﾊ:::::ﾊ:::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
{:::ｲ:|::::::::::::|=|:/=|;:/=!::ハ:::::::::::::::/::::;ｲ:::::::::::::::::::::::ヾ､::::ヽ
|::{:r'|:::::::::::|rィ＝'うミy'　 !::::::::::;ｲ::::/=}:::::::::::::::::::::::::::＼ヽ､ヽ
.!:::{{ |::::::::::|､ゞ-'´,.ﾉ　　　 |::::::/_/∠　!::/::::::|::::::::::::::::::::ヽ　ヾヽ
..|::ヽ |:::::::ﾄ､｀ﾞ＝'‐'　　　　|:::/k"´うヾy'::::/:i::::::::::::::::ト､:::ヽ　｀ヽ
. !ﾊヽ|::::::|　　　　　　..:::::　,ﾘ' ゞﾆ'ノ　ｲ::/:::ｲ::::::::::ﾄ:::::|　ヽ::ヽ
. ! }::::;!:::::|　　　　　　:::::::　!　　｀￣´ノ;ｲ::::;ﾊ:::::::::| i::::i　　ヾヽ
.　ﾙ､|::::ﾄ､　　　　　___ .. '　　　　 '/ノ:::;:::| |:::::::::!　|::!　　　｀`
.　　|　!::|｀`＼　　　 `‐-｀'　　　,／}:;イｲ::!　!::::::|　 y
.　　}　i::! ｀`ヽ＼　　ﾞﾞﾞ　,　‐' ´y'　!' !/ﾙ'　 |::::!
.　 /　 !'　　　　｀``'‐＜´ｫ　　　　 ′　　リ
-へ　　　　　　　ヾ| ///7'
　　｀ヽ　　　　　ﾒﾄ////
　　　　　｀ヽ　　ゝ'////､
　　　　　　　｀`'‐､{_{_{_ゝ｀`'‐-.._
　´￣´ヽ､　　　　　/ヽ　　　　　｀`'‐-.._
　　　　　＼　　　/　ヽ　　/｀`'‐-､　　｀`'‐-.._
　　　　,..‐'ヽ　 /　　　ヽ /　　　　｀`ヽ　　　　}
　　　〈´　　　∨　　　　∨　　　　　　　｀',　　 !
　　　　ヽ　　　',　　　　　　┌-- ..__　　　　',　〈
文永２年、漢字四文字で記されるこの年は西暦でも受検で大して重要視されない年である
だが、当時を生きた時宗にとってはある意味最も幸福な一年であったのかもしれない
良き先輩、信頼できる兄弟に囲まれ、自身の政務もつつがなく進み、御家人も多く入選した勅撰和歌集が刊行される
公私ともに充実した一年といっていい
34： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:23:23 ID:itqcPAVE0: そのため、この年を記す歴史書はどれも不調である
あまりの不調っぷりは何かにかけて批判的なこいつでさえ
　　|＼　　　　　　／|
　　|＼＞. ― ＜／|
　　ヽ, '　　　　　　∨　　　　　何も書くことがないね！
　　 i{　●　　　● .}!
　　八　　､_,_,　　八
＿/　 |ゝ-,---,- '| 　',＿日蓮宗開祖日蓮

批判的な手紙を出してない
３０日雨が降らなかったのを邪宗を信仰する幕府のせいだとかいう手紙をだしている日蓮が、である
だが、順風満帆なのはその一年だけだった
35： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:23:58 ID:itqcPAVE0: ,x幺主圭歪≫''¨”´ ,ｘｉｆ斧lll圭圭才''"´　　　刈圭狄ｱ㌢　　　　　　　 '守|会ｭ　　　 '守圭圭圭圭
丞圭亥7才´　　,.x幺lllll圭才"´　　　　　　　　,炸Ｉ圭jⅣ´　　　　　　　　　　　｀Ⅵ|丞　　　｀Ⅵ圭圭圭|
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これから時宗が生涯を終えることになるまでの約２０年、時宗の人生はいくつもの不幸に見舞われることになる
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ll圭圭圭淤冰ik会ｭ｡　　　　 ,ｨ劣圭:㌢　　　　　　Ⅵ心　　　`''寺圭斧≧ｭ｡._　 `''寺圭圭丞
圭圭圭圭圭圭圭ik会ｭ｡　 ,ｨ劣lll斧ｱ　　　　　　　　Ⅵ会ｭ｡　　 .ﾞ㍉丞圭圭会ｭ｡_　｀'守圭ik会ｭ｡

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＿____＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　／＼____＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼____＼／____／
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　　　　　　　　　　　　　　　　　＼____＼／____／
　　　　　　　　　　　　　　　　.　　＼＿____／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼／
　　　　　　　　　　　【やる夫は元寇を戦い抜くようです】
　　　　　　　　　　　　　　第一話　始まりまでの事
36： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:24:49 ID:itqcPAVE0: ――年が明けて文永三年
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　'　"　　　　　`　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　／:　 ___V__,, 　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　/:: 　　＼　/　　　　　　　　　ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　/:: 　　　　 V　　　　 __,, -ｲ┓ 　 i
　　　　　　　　　　　　　　 i:::i 　　　　　i　/ 　 _／　_,,r～' 　　li
　　　　　　　　　　　　　　l:┏ -　,,_　＼癶ﾚ／　_,,"-=ｫ　　　lik
　　　　　　　　　　　　　　il:::iﾚ__こ __ﾐ`V　 `Y ﾄ-'-`-'ノ　　　　jﾐ/^ ,
　　　　　　　　　　　　　 il::::`尤~_っ`)ｲ:i　　　ヽ ~`　　　　　　ﾅj　 l
　　　　　　　　　　　　　ﾊ:::`:::'"　　'ｲ:_l,_　 _ ,　　　　　　　xXjl（ ll
　　　　　　　　　　　　　 Y^l::`::　　　ｨ::r::: :へy ゝ　　　　　ヽミvXj/ l
　　　　　　　　　　　　　　lljlﾘ:::　　　　　:::::::ソ　　　　　　　　＼ヾll　lヽ
　　　　　　　　　　　　　　l川ﾘ::::　　　　__:::,,__　_,,,,_　　　　:.　ヽ`y/ﾘ7`,
　　　　　　　　　　　　　爪ﾘリ::::　: __,,ノ_,,　,,　,　- - `=っ　 i:::　　ﾘ彡りり
　　　　　　　　　　　　,ｲ巛川l:::: ::　　　...::::::::::.....　　　　　　i::::　ﾚり彡'ﾘYヽ
　　　　　　　　　　　,ｲ巛巛llﾘl:::: `::　　　"　　　 ~　　　　　　':　　ﾚﾘ'"彡り川
　　　　　　　　　　　＼` 三川k:::::::　　　　/ﾊ＼,_　　　　　　　　ﾘ li彡彡'ﾘｿﾘ
　　　　　　　　　　,入NN＼Nl::::＼　　　　7ﾘ川(￣　　　　 /／ '/　li～-弋川
　　　　　　　　　巛三三ｫ -ll:::::!ヾヽﾄ i,,, _川川ﾊl,,__ｨｲ_, ノ'　　　/　ﾄ,　　　liり
　　　＼　　　 l|(三二y/　 llll`,::!l:::::::`ミミミ川ﾘ彡彡 '　　'::ﾉ　　/　ハ: 　　 liﾘ
　　　　　人`--＞～-ll　　lllllヽ:::::::: : : : :`ミ三ﾘ彡'　　　　 jり　 /　:j: / 　　人＼
　　　　ヽ人人_^_^_^_^l　　 Y,::::::::::::::::: : : : `ミh　　　　　　ｿ　　　:j:/　　　/_^_l入入ヽ ,,__へ__
　　　　　ヽ人人^ ^ ^ _＼　　＼:::: : : : : : : : 三_　　　　　　　　/　　　/^_^_^l_入入/_^_^_^
　　　　　ヽ人人^ ^ ^ ^ _＼　＼:::: : : : :　　二_　　　　　　/　　／^_^_^_^l入入/_^_^_^
　　　　　　　ヾ＼^ ^ ^ ^ ^ _＼　＼: : 　　 ,,,,__ 二　_ソ　　　/　／^_^_^_^_^_lﾊ入/_^_^_^_^　
　　　　　　　　＼l^ ^ ^ ^ ^ ^ ^＼　＼　　　　　　　　　　/　/^_^_^_^_^_^_ lﾊ入l_^_^_^_　　　元皇帝世祖（フビライ・ハン）
『高麗史』及び『元史』の記述に基づくならば文永３年の８月、前年に高麗人の趙イの進言を受け入れ
日本招諭使の準備に取り掛かっていた元が使節を派遣を正式決定
使節として兵部侍郎（軍の事務次官）の黒的と礼部侍郎（祭事担当次官）の殷弘を中心とした施設を派遣
これに道案内役として高麗枢密院副使（中央行政機関次官）と侍御史（文官査察官）が同行する

――はずだったのだが、渡海に失敗
　 ∧＿∧∧＿∧
　（　´∀ （　´∀｀）
　（　｀∽（　｀∽)　　　　ムリダナー
　｜　ｌ｜　ｌ｜
　（＿__）_（＿__）__）　
　　黒的　　殷弘
史書によれば海のあれ具合と対馬の人々の頑ななさであきらめたという
37： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:25:30 ID:itqcPAVE0: 　　　　　　　　　　_,.．---- ．._
　　　　　　　　／　、　　　　､ ,,ヽ
　　　　　　　/ 　　ﾐ))))))))))）　ｯ'))）
　　　　　　/　　　　　,ｨ｡ﾆ>,;;　ヾむi　
　　　　　　彡､　　　　"""　　(,-､ｯ, ヽ　
　　　　　　{-ﾏ彡ｨｨｯｯ'' ..　　　,,__'_,,,_､i　　風土の険しさ如きで戻ってくるとは何事だ！
　　　　　　ﾊヽヽ彡'　　:::　''"~　,,;;;;;,,` l
　　　　　/ﾐヽﾆ-）ii　　　'''　　　　/iii> ,}
　　　　（ミﾐﾐミﾐi｀iiii;,,　　　,,,,,,,,,,,ﾉllll!,ii!
　　　　{ミミﾐ/⌒i: : :　"　""'''!!!!!!!!!ｿ"
　　　（ﾐﾐﾐ（　（｀ヽ: :　　　;　　　　.::|
　　　〉ﾉﾉﾉヽ＼　ヽ　　　 ''';;,　　.::ﾄ､
　　 /ﾉﾉiii　iii ＼＼　､　　;;　 .::::|　ヽ
　／/ iii　iii　 iiii ＼＼　　　　　　:::ﾄ､　ヽー
当然だが、派遣した世祖が大激怒
そして再度の国使派遣と派遣成功を厳命されたのが――

　　　　　　　　　〉::::::::::::::::::::::; ﾍ/ﾘヾヽ:ﾊ; ヘj::::::::::≧__
. 　　　　､ー'::::::::::::::::/}／__,ｨ -､ヾー‐ ､＿ヽiヽ:::＜
　　　　　　ヽ:::::::ﾉﾘﾙ'ｨ≦圭/　　ヽi::＼ヽ圭≧､i:::;::≧=-
　　　　　　　 ,ｲ::::i∧::ヽ＼＞{ ﾊ　ﾊ )￣｀ー‐ ﾍﾘｲ:::::>
.　　　　　　　 /ｲ::// ヽ= '　　, ─ '¨¨ヽ　　 u　ﾏ!::::ﾍ￣ヽ　　　＿
..　　／￣ヽ　　j:::!:|　　　　 {　　　　 i　　　　ﾏ:::::iヽ＿＞'´　　ヽ:￣＼‐-
.　 /,:'　　　　ﾏ乂:|. 　 u　　 } iニ´｀ヽ !　　　　 : :|:::|｀i: ＼:: 　　　　: : ::: 〈_
.　　　　　　ﾏ∧!::::.　　　　 i |　　　 | l　　　　　: :ﾘﾉ｀i}::　　　　　 :: 　: ::: )　　　何で俺ェ！？
.　　　　　　　 ',｀(ﾍ:::::.　　　　 | 　　　|　　　　 : : : :ｲ､/ ::.　　　 l　　i: :　／
　 l'　　 ,:' ￣ヽ＼ )';::::.　　　 |～┴ｲ　　　　 : :　ﾉ/: :: :.　　　 i i: :　i: :/
　ﾍ　〈_/ ￣　　ヽi::　　　　 |　　　 i　　　　　 jノﾑ: :　　　', i i: : ;' /＼
　　ﾑ　　　　　　 }:　　　　　辷´｀´ﾉ　　　　　 /,仁ﾐ! 　　 : :ﾏii:.　ﾚ′　〉
　　　ﾑ＼　　　　ﾉ::＼　　　i 　＿_ 丿　　ｲ:i三ミ|　.::　 : : :ﾏ: :/: ::　/
　＼　ﾑ　ー‐　´ ﾏ从ﾉ＼　｀¨´,.ｨ､　　／乂j三ミ| . : 　 : : : ∨: : : /
　　　＼ﾑ　　　　　　ﾏﾑ　＼　,ｲ::::::ヽ _／/　 /三三| : :　: : : : : :ヽ: i〈
時の高麗王、元宗である
最初の国使派遣で「広大な聖恩に報いたい」とか上表したので責任取らされただけっぽいが……
38： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:26:11 ID:itqcPAVE0: 　　　　　　　　　　　　　　､＿刈从WWWW从从≦二ィ_,_
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　　　　　　　　　　　　　　　　}ﾄ､_ 　　　　｀二　 /　　 ::.皇帝怖ぇからなぁ……
　　　　　　　　　　　　从汽　　　　　,ｨi斥仆v　　　:.:
　　　　　　　　　　　　　　　洲　｀ー‐-　{i｣从｣ｼ{　　　.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ]}　　　　　　　　　|　　　.:
　　　　　　　　　　　　　　／.::i｣　、　　　　　 j＼_　: .
　　　　　　　　　　 _ 　-‐ {::::::::{、　　、　　　　 / {ヽ::ヾヽ、
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　　　_ 　-‐　´　　　　 |::::::::|　　｀ヽ､__　　　／　 ',:.:.:.. i　　｀`丶、
　　／　　　　　　　　　　|::::::::|　　　　　｀ヽ.　 {_ 　　',:.:.:. i　　　　　　ヽ、
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　　　　　　　　　　＼　　 |::::::::|　　　／／　／＞≦二;;}:::::::l　　　　　　 |　　　　`､
つい１０年前に国土を荒地にした皇帝の命令である。逆らう気も無い
国使責任者に起居舎人（皇帝付き秘書官）の藩阜を任命し本格的に国使派遣と国書通達に取り掛かることになった
この国使が日本に到着したのは文永５年のことである
39： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:27:16 ID:itqcPAVE0: ――そしてその前に、鎌倉幕府はある一つの波乱を迎えることになる

　　　　　　　　　　　　　　　┏━━┓
　　　　　　　　　　　　　　　┃鎌倉┃
　　　　　　　　　　　　　　　┗━━┛
　　　　　　　　　　　　|ｌ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|　|
　　　　　　　　　　 .／|::::::　|　　　　　／　　＼　　　　　　　|　|:二二二二:|
　　　　　　　　　.／／|::::::　|　　　　　|二二二 |　　　　　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　　　　　 .／／.　.|::::::　|　　　　　|ｌ|　寂　|l|　　　　　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　　　　.／／　　　|::::::　|　　　　　|ｌ|　滅　|l|　　　　　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　　／|／　　　　 |::::::　|　　　　　|ｌ|　為　|l|　　　　　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　／／|　　　　　 |::::::　|　　　　　|ｌ|　楽　|l|　　　　　 |　|:::::::ll::|::ll:::::::|
　／／.　.|　　　　　 |::::::　|　　　　　|二二二 |　　　　　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
／／　　　|　　　　　 |::::::　|　　　　　0　　　　0　　　　　　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
／　　　　 |　　　　　 |::::::　|　　　　　　　　　　　　　　　　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　　　 |　　　　　 |::::::　|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　　　 |　　　艸 ::|::::::／　　　　　__）''（＿　　　　　　　 |　|:二二二二:|
　　　　　 | 0: :::: 艸 ::|／　　　　　／_（~~~）_／　　　　　　 :|　|　　。|。　　|
　　　　 :0 |::::艸::::　::: |￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|　|　　　|　　　|
　　　　　 |　:::::　::::／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　 :: 艸 ::|::艸:: ／
:::::艸::::　　|　／
　 :: 艸 ::　|／　　　　　　　　　　　γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
:艸:::　　／　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　それは本当か？　　　　　＞
　　　／　　　　　　　　　　　　　　　ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__,ノ
　／
／

　　 ∧＿∧
　　（,；´∀｀）　　　はい、その……見間違いだと思いますが……
　　（　⊃⊂）
　／_,ノ） .）
（＿）（＿）
40： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:27:48 ID:itqcPAVE0: .　　　　　　　　　 /　　　　 ,'　　　　　　　　　　/ 　く
　　　　　　　　　　/　　　　 {　　　　　　　 /　 7ノ
　　　　　　　　　　　　,,.=ミﾍ　　 ,彡ﾍ,,.=-.　　　　 {
　　　　　　　 i　　ﾐ　　　｀¨^　　　　　ミ -=　 }
.　　　　　　　　 ',　ミ　　、　　　　　　　ミ　-= ノフ
.　　　　　　　　 '　ミ,-‐‐- 、__彡-‐‐-､{.ミ　　　く
　　　　　　　　　　　Ｖ r⌒ヽ　　　ｒ⌒ヽ　￣二7、　〉
　　　　　　　　　　 i.入__ノ　厂i 入__.ノ厂六/ :|⌒　　　いや、良く教えてくれた
　　　　　　　　　　　 ', ｰ--‐7　｀ー--‐'　,./｜) }　　　　　何であれ私が調べてみよう
　　　　　　　　　 Λ　　ｖ:フ　　　　ｨ }　!_ノ　　　　　……もし、また似たようなことがあれば教えてくれ
　　　　　　　　　　　　} .；　/¨　~¨¨ヽ　ノ /　{　〉-､
　　　　　　　　　　　人＼レ'"＾｀ヽﾉ　　 /　｜　　ヽ
　　　　　　　　　　／　〉｀一¨^¨ー.,_／　　ﾚ'"
. 　　　　 .． "¨　　Λ　　　　　　　　　　,．'
　　　　／　　　／人　　　　　　　　／ｒ
　　,． ¨7　　　〈　　　｀ヽ,.__,.__,.ノ-'"_ノ
　　ｉ　　 {i　　　　ヽ.,ノ-､ ∨//////¨/
　　|　　＼　　　　　く　∨////¨/　　　　　　_ノ~
　　|　　　｀ ‐--ミ、　　ト　V//¨ /　　　ノ¨￣
　 r{　　　　　　　　　{__　　{　　}/　/　　,．"
　 {　、　　　　　　　　＼ }　 /　/,． "　　　　　／
　/　＼　　　　　　　　 `{ ./　/　　　　　　　／
　{　　　　　　　　　　　　 }/　 {

　　 ∧＿∧
　　（；´Д｀）　　　分りました
　⊂ 　 ⊂ ）　　……このことは内密にお願いします。
　　〉〉＼＼　　 γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　（＿）　（＿）　　|　　　　　　　　当然だとも　　　　　　　＞
　　　　　　　　　　ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__,ノ
41： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:28:24 ID:itqcPAVE0: .
　　　　　　　　　 /　　　　 ,'　　　　　　　　　　/ 　く
　　　　　　　　　　/　　　　 {　　　　　　　 /　 7ノ
　　　　　　　　　　　　,,.=ミﾍ　　 ,彡ﾍ,,.=-.　　　　 {
　　　　　　　 i　　ﾐ　　　｀¨^　　　　　ミ -=　 }
.　　　　　　　　 ',　ミ　　、　　　　　　　ミ　-= ノフ
.　　　　　　　　 '　ミ,-‐‐- 、__彡-‐‐-､{.ミ　　　く
　　　　　　　　　　　Ｖ r⌒ヽ　　　ｒ⌒ヽ　￣二7、　〉
　　　　　　　　　　 i.入__ノ　厂i 入__.ノ厂六/ :|⌒
　　　　　　　　　　　 ', ｰ--‐7　｀ー--‐'　,./｜) }
　　　　　　　　　 Λ　　ｖ:フ　　　　ｨ }　!_ノ
　　　　　　　　　　　　} .；　/¨　~¨¨ヽ　ノ /　{　〉-､　　　　君は小侍所に自分の代から出仕だったな
　　　　　　　　　　　人＼レ'"＾｀ヽﾉ　　 /　｜　　ヽ　　　君の息子も小侍所に出仕できるよう取り計ろう
　　　　　　　　　　／　〉｀一¨^¨ー.,_／　　ﾚ'"
. 　　　　 .． "¨　　Λ　　　　　　　　　　,．'
　　　　／　　　／人　　　　　　　　／ｒ
　　,． ¨7　　　〈　　　｀ヽ,.__,.__,.ノ-'"_ノ
　　ｉ　　 {i　　　　ヽ.,ノ-､ ∨//////¨/
　　|　　＼　　　　　く　∨////¨/　　　　　　_ノ~
　　|　　　｀ ‐--ミ、　　ト　V//¨ /　　　ノ¨￣
　 r{　　　　　　　　　{__　　{　　}/　/　　,．"
　 {　、　　　　　　　　＼ }　 /　/,． "　　　　　／
　/　＼　　　　　　　　 `{ ./　/　　　　　　　／
　{　　　　　　　　　　　　 }/　 {

　　 ∧＿∧
　　（,；´∀｀）　　　……ありがとうございます
　　（　⊃⊂）
　／_,ノ） .）
（＿）（＿）
42： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:28:59 ID:itqcPAVE0: 　　　　　{　　　　　　　　　　／}ノ　　　　　く　　　ｰ=彡　　　　/　}
　　　　＼　　N＼}｀ヽN ､イ　　　　　　　　　　.　　　ｰ=彡　　 /　/
　　　　　　「ヽ　{　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　 , - ､　/ }
　　　　　　＼　 .　　　　　　　　　　　　　　　　{　　ゝ　／}/ /＾ ∨/_
　　　　　　　　＼}　　　　､　　{ /　　　 -‐-　　　　　／／:|/　} 　} ／
　　　　　　　 {, -=ミ　 }　　{′ ／　　　　｀ヽﾍ　／|　 | ） '　/_
　　　　　　　〈　＿　＼{ 　　{ 〃　.　´ 　｀ヽ　}　〉　｜　!i′ /ヽ}, Y´
　　　　　　　　　ム-=ﾐ｀ヽ{`ー―{　/ ィ⌒ヽ､ .}　|Y　　 !　 |　 /　ヽ} .|　　　幕府のためとはいえ、主を密告するようなまねをさせてわるかったな
　　　　　　　　 /　'⌒ヽヽ }｀¨¨¨´V{ 弋___ノ　}ﾉノ　　 !　 |ｰく　､,/　ﾘ　　　だが、事は急を要する。得宗の御舎弟が別当に就任したばかりだ
　　　　　　八弋___ﾉﾉﾉ　　　　　ゞー==彡"　　　 /｜　|/　)ﾉ/　/　　　なるべく、穏便に済ませたいのだ
　　　　　　　　 `ー=彡　 |　　　￢　　　　　　　　　{　.| 　ゝ彳/　/
　　　　　　　xく　 /＼　/ }　　　ｲ、＿_　　、　　 }　ﾘ　　ノ/　/{
　　　　　__／_r' 　/　 ∧ r└‐=彡　　　　　＼　:　　　 /　 Z　′ ゝ
　　　　ノ､_}　　 /　　　ﾊﾉ　 , , , ､__､___､__､__､ヽ}　　/　 /／　〔
　, -‐/ く　　　 /　　　 ‘ｰ'"} 辷＿＿ーv_ノ　/ 　 / 　〃　　厂
./　 / 　＼　 /　　　　　∧ {　　　　　　　　　　　　/ ／/　　/

　　 ∧＿∧
　　（,；´∀｀）　わ、我々も精いっぱい御奉公させていただきます
　　（　⊃⊂）
　／_,ノ） .）
（＿）（＿）
43： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:29:44 ID:itqcPAVE0: 　　　　　　　　　　　　　　　 /ハ／ } 　イ／　　}
　　　　　　　　　　　　　　　/ {/　　}　／　　　　　　ムｲ
　　　　　　　　　　　 }｀Y　　　　　　　ィ_　ィ　　　　 |
　　　　　　　　　　 / 八 xー`ｰ` " "　　　Z、　　:|
　　　　　　　　　　　　{　　/　　　　　 / 　　　 {　　　j7
　　　　　　　　　　　　､ ./　　　 {　　{ 　　　　 {　、　/ イ
　　　　　　　　　　　＜.〈ィﾆﾆミ､--v ィﾆﾆミ､「　　 /
　　　　　　　　　　　　　 [{:::(◯)::}::}⌒V:{:(◯)::}]ﾆﾆゝ､く
　　　　　　　　　　　　　{＾ゝ＿彡/　　ゝ＿彡　}/:ﾍ}｀¨
　　　　　　　　　　　 Vﾊ　　｛､__,_，　　　　〃) /
　　　　　　　　　　　 ∨}　／　　　　｀ヽ　　/ ! イ
　　　　　　　　　　　　　八 {　-‐_＾`_‐-　}　/　}　}ヽ.／⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　 /　j ヽ、, ,人､､ __ .ノ　从ﾉ_./　　　ﾉ　　　うむ、よい御家人を得て幕府は一層安泰だな
　　　　　　　　　　 { ｀ヽノ〕　　　　／　｀¨¨¨¨／ {　　　{､＿
　　　　　　　　　＿厂{ 　　 L.. {　　　{　　　. -‐/γ´￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　 r‐　¨¨　　　　ー┐ 　八__ノｰ廴_ノ　　{　|　し、失礼しました　　　　＞
　　　／ゝ　　　　　　　{¨¨　 /{__./ヽ／ﾉ　　/　ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿__,ノ
　　／　　〕　　　　　　＼　{i:i:i/　/ ／　　　{ " ¨¨¨¨`　　 /　|　／
｀Y 　　 / 廴　　　　　　 ∧ ∨　/　{　　　 {　＿_ 　　　　 | 〃　　　　　　　　　}
　|　　.′　　｀ヽ　　　　 /　 }/　/　/　　　　〉´　　｀　　　　　ﾊ′　ﾆ=-　　　　　.
　|　　 {　　　　　ーz　 /　　/　/　:}　　､__,ノ{､　　　　　　 / :}　　　　　ﾆ=-　/
_人　　､　　　　〔 /　　.′.′ ﾉ　厂　　ゝ`ｰz　　　　ｲ}　　　　　　　　＼　＼

　　　　　　　　　 {　　　　 ` ｰ-　　　　　　　　　＼　　　　 } ヽ
　　　　　　　　　　　}＼､　　　　　　　　　ﾐZ⌒ヽト　　　　 :}　　/　　}
　　　　　　　　 ′ 丶　` ｰ-　　　　／　　　　　｀ヽト､　　:} 　/　　/
　　　　　　　　　 {　　　＼　　　　　ｲ　／　　　　　　　＼ムイ　〃ｧ
　　　　　　　　､　　　, =ﾐ　　 r彡　　 r==ミ､　　　　　 j ／／
　　　　　　　　､ｰ＼　/ ヘ} 　 {　　　　　　-‐＼､_　}　/　　 { 彡
　　　　　　　　 } 　　 {　{　|　　|　　　　仗__〕｀¨　ム-=＝!
　　　　　　　　　 . 　八　く|　　| :} 　　　　　　　仗¨〕／
　　　　　　　　　　 >、　ﾊ `.! 　 | :}　　　-‐　¨　　　　ﾄ、　}
　　　　　　　　／ｲ　r'人 j　 /　} 　　　　　　　 }:　ﾉ
　　　　　　　　　 ∧{ﾊ、ﾉ　z彡　{､　　　r , -‐￢‐=ﾆノ／　　　　そうか……御台様の所に護持僧が出入りしているか……
　　　　　　　 rｰ{　　＼　く、　　　＼　　/ ｨ ,__,_, 　　｀V
　　　　　 rｰ┘　㍉　　＼ム、　　＼　　　　＿｀ `Wj
　　　 rｰ┘　　　　㍉　　ﾆ=-＼　　ｰz ィ , ﾍ　 /　≧=-　､
　 _rｰ┘　　　　　　　　㍉　　　　ﾆ=- ､　　　　　　゛{ 　　　　 }
　{　　　　　　　　　　　　　㍉　　　／⌒ヽ　　　从, =ﾐ　　 /
44： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:30:29 ID:itqcPAVE0: ――教養高い文化人として有名であった宗尊親王だが、その親王の不幸は親王自身ではなくその身内からであった
　　　 V.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ､.:.:.:.:.:.:.＼
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　　ｉ.:.:. ｲ .:.:.:.:.:.:.:.γ≦|:/| .:.:.:.:.:.:／.:.:＞'´ 　 /／　　 /.:∠z==?.￣￣￣.|: /　厶孑|/. :.ﾄ､.:.:.:.:.:.:.ハ:.:.:.′
　　 |i.:.:ｉ V.:.:.:.:.:.:.:/ ´￣ラ|.:.:. :／.:.:イ　　　　　　　　　代zリ__ 丿_＿＿_ |/　 :仔ﾗ,∧ﾄ､/ ?.:.:.:./　ｉ.:/
. 　八.:|　i.:.:.:.:.:.:.:ｉ　|　 rｰ|_／|.:.:.:.:.:.|　　　　　　　　　　　＿＿_／: : : : : : ｀ヽ＿{＿__／￣｀ V.:.:/ 　 .|/
ｭ.　　V　 ?.:.:.:八　　{ ｰ　　|.:.:.:.:.:.|　　　　　　　　　　　ー‐, /. : : : : : : : : :_|￣ヽフ. : : : : : :∧/
二≧=　_　＼ﾄ､.:.:.｀ヽ _ﾞー-=|.:.:.:.:.:.|　　　　　　　　　　　　 | |: : : : : : : : ／/　　＼ / : : :.:/　´
二二二≧=　_` ｀ヽ.:.:.:.:.｀ヽ __ﾊ.:.:.:.:.|　　　　　　　　　　乂: : : : : : : : :У　　　　〉: :.:／　　　鎌倉の歌壇は嫌いじゃないし
二二二二二二≧=＼.:.:.:.:.:.| 　 Y^^ヽ　　　　　　　　　　　　ヽ = ==≠´　￣　7¨ ￣　　　　今の小侍所別当はガキの頃から知ってる宗政だからな
二二二二二二二ﾆ≧=､_　|　　　､　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿, 　 /　　　　　　　政治に口出さなきゃそこまで過ごしづらい環境じゃないさ
二二二二二二二二二仁≧=　､　＼　　　　　　　　　　　　￣　　　　　　 /
二二二二二二ﾆﾆﾆ=,小ﾆﾆﾆﾆ≧=　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ′
二二二二二二ニニ/二二二二二二二≧=
二二二二二ニニ=/二二二二二二二二二二≧=　　　　　　　　　／
二二二二二ニニ/二二二二二二二二二二二二二≧= 　＿＿ ,　-　´
二二二二ニニ=/二二二二二二二二二二二二二二二二≧=
傀儡とするために幕府へ送られたという点では歴代将軍と変わりのない宗尊親王は
和歌に没頭することで傀儡という立場にありながらもそれなりに充実した生活を過ごしていた
そんな風に全てを自己完結して過ごせる人間しかいないならば大きな問題にはならない
45： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:31:24 ID:itqcPAVE0: ――だが、そんな人間だけで世界が形作られているはずはない
　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_/⌒フ"⌒ヽ--､
　　　　　　　　　　　　　　　ｒ'´／⌒Ｖ／⌒ヽ──ヽ-､
　　　　　　　　　　　　＿／／　二　 //⌒ヽ　＼｀ヽ、　＼
　　　　　　　　　,　 '´ ／／　∠二ミｒ大‐￢＼─‐ ､＼　ヽ
　　　　　　　／　　 / /　　// // / ﾊﾍぃヽ＼l　　　　｀`}　｀、
　　　　　　／　　　│/　　// // /　|　　| |　 !! ヽ　　　　 | ＼|
　　　　 /　　　　 |/　　//　l// l l |　　| |　ﾘ　|　　　 ∨　　|＼
　　　 /　　　　 /　　 / -=＝{ { | |　十＝＝-|　　　ヽ　| |　ヽ
　　　 |　　　　　 |　l　 |　　＿_ヽ!ヽl　　l/. -- 、l　　　 |　| |　　 |　　　私の夫は親王だし、私は近衛の姫君よ！
　　　　　　　 |　l　 | _〃_)バ ! 　　〃_)Ｊ.ハ|　　 l　|　| |　　　　　　何であれもするなこれもするなと武家に口出されなきゃならないのよ！
　　　　　　　 |　l　ﾄ!　ヾﾋツ　　　　ヾツ′|　| 　| ﾊ}│|　　　　　　公家の作法も分らない奴らに文句を言われなきゃならないなんて！
　　　　　　　　 ∨　 |(l 　一　　　　　￣, , , |　|　ﾚｿｌ　|
　　　　　　　　　　　{/　ト」　' ' ' 　〈　　　　　　　　|　|　ﾚｲ│ |
　　　　　　　　　 |　 l､_ﾊ　　　 ___　　　　ｰ‐|　|　 | | ││
　　　　　　　　　 |　 |　 |ヽ､　　└┘　　　　　/|　|　/│ |　 l
　　　　　　　　　 |　 |　 | 　ヽ、　　　　 ,　 '　 |　l 〃 |　| 　 l
　　　　　　　　　　　ﾊ　 l　 l　　|　 ` ー‐ '"　　　 /　リ　│ l　　 l
　　　　　　　　　　 /ﾊ　 l　 l 　 | 　 |　　　　　　 // ∠.　 |　|　　 |
　　　　　　　　　　/ ハ　|＼l _. -‐ク!　　　　　 //|∧　｀丶､_　　|
　　　　　　　 /　/ハ├ｧ'´ /＿_ﾉ　　 __〃 ///　　　ヽヽ`┴　..__
　　　　　　　 _/　-┴ｧﾍ!　　 |　　｀　　 ´　　￣/　　　　　ヽヽ　　　　￣
　　　　,　 '"´　　／／　＼　|　　　　　　　　 /　　　　　　ヽヽ　　宗尊親王御台所宰子
　　／　　　　　〈　〈　　　　 |ー─-------─/　　　　　　　　〉〉
御台所の近衛宰子はそういった境遇を受け入れるタイプの人間ではなかったのだろう
北条時頼の養子という形になってはいるがではるが、もともとは近衛家の姫君であった上に鎌倉入りは１９才の時である
貴族の姫君として前半生を過ごした御台所にとってみれば、傀儡の将軍の妃など屈辱だったのかもしれない
46： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:32:22 ID:itqcPAVE0: もしかしたら、一連の行動は若気の至りかそういった大したことのない反抗心からの行動だったのかもしれないが
　　　　　　　　　　　　　　 ,.　-　　￣　　　_
　　　　　　　　　　　 , : ´　　　　　　　｀　、
　　　　　　　　　　　 , '　　　　　　　　　　｡　　ヽ
.　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　｡　　ﾟ　　',
　　　　　　　　　 i　　　　　ゝ=ミヽ　　　｡　ﾟ　　 !
　　　　　　　　　　ﾉ⌒ヽ　　　 / ｀ヾ:ﾄ､　';:　　ﾟ -　__,}
　　　　　　　 / '::,ﾊ　ﾞ　　 i{ 　　 tｯ､　　_,.ｨ::__:: /
.　　　　　　　 {　〈/-'　　＿_`ｰ　 _ 　 `´ﾉゞ'´　,'./
　　　　　　　　　ヽヽ-､　　　￣｀ -　　　　　--' /
　　　　　　　　｀iーr' 　　　　 __　　　丶 ,′　　御台所様のおっしゃりたいことは分かります
　　　　　　　　　　　,'　ハ　　　　　 `ｰ　ｺ　　　,'　　　　ですが、いたずらに幕府を刺激される行いは将軍の身をも危うくするかと……
　　　　　　　　 / 　　:ト .　　　　　　　　ｲ
　　　　　＿__,.　 '′ 　　 ',:::::＞ ,　　　, ＜
__,. r=＜:_: : :＼　　　　　　 ',　　::::::::￣{
: : : : : : : :.｀　､: ＼＿＿　　､　／　ｉ＼--､
: : : : : : : : : : :..＼: ＼　　￣　　- ､　/　　ヽ: ＼- ､　護持僧良基
出産の際に祈祷を行った護持僧との密会は幕府にとって見て見ぬふりをすることのできる内容ではなかった
ましてや相手は将軍付きの僧侶で既に没しているとはいえ四条天皇の護持僧を務めた定豪の弟子である
細縁とはいえ、朝廷とのつながりがあるかもしれないし何よりその定豪を天皇付き護持僧にしたのが――

　　　　　　　.:.:.:.:：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：
　　　　　　 .:.:.:.:.：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：
　　　　　　　 .:.:：：：：|：：/l：：：：／l：：：：：／/ ﾄ：ﾄ､：：：：：：：：：
　　　　　　 : :.:.:：：：：|：/ ｌﾚ'ﾚ'´ 　刈：イ　 ' 　　　｀寸：：：：：：
　　　　　　 :.:.:.：：：：ﾚ'　　　　　　　　　　　　　　　　　 il|：：：：：
　　　　　　.:.::.:.:V i：：l　　　　　 i ',　　　 ,' i 　　　　il|：：：：
　　　　　　:.:..:.:./∧：j　_,,,､､､、__ゝヽ　　 jﾉ_＿,,,､､､、..l　frx
　　　　　　 .:.:.:.l {frﾑ,__,fr==rf行=个‐-r匕r=f行==^寸_ﾚ' )l }
　　　　　　:.:.:.:.:＼∧｢¨l{≧zzzzz彡}r===代≧zzzzrげi´　y/
　　　　　　 .:.:.:.V仏 `マ三三ン　　} `マ三三ン　l　 {/
　　　　　　　　　.:.:.:.Vﾑ　　　　　ｨ　　　i ,ﾑ　　　　　ｲ　/
　　　　　　　　.:.:.:.:.:.,＞ﾄ､　　 /¨＞､__j_／ヽ、　　/∴く
　　　　　　　　.:..:.:.:f：：：：　　　i _＿__....,,... ＿, 　　∴：：ﾑ
　　　　　　　　.:..:.:.:|：：：∴　　　　　　_____　　　　　∴：：：：|
　　　　　　 .:.:..:丿：：：：∴　　　　｀....´　　　　　,∴：：：：>､
　　　.:..:.:.:.:,x＜：：：：：：：：：：：：：：：：∴∴：：：：：：：：：：：：：：：＞､
　.:..:.:.:.:＜：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：＞､
九条道家であった。４代目将軍頼経の父で５代目将軍の祖父
関東申次という要職を自身の一族で固めようとした権勢家
既に死去したとはいえ、５代目執権時頼の知世の最初の障害として立ちはだかったという点では
頼経の同世代と息子世代が主導権を握る鎌倉幕府にとってみれば無視できるものではない
47： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:33:07 ID:itqcPAVE0: 　　　　　　　　V.:ﾍﾏ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::}_,ｲ
　　　　　　　　　 V.:ﾑﾏ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::}
.　　　　　　　　 ',.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　 У. :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::}
　　　　　　　　　　/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::ｉ|
　　　　　　　　 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/'|.:|.:.:.:};:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}:::::::::::::＿::::::::::|
　　　　　　　　　:.:.ﾊ.:.:.: ｢|.:./ｰ|:ﾊ.:.:.|:Ⅷ.:/｀ヽ.:.:.＼.:.:.:.:.:.}､:::::::〃'¨i} ::::.′
　　　　　　　　　ｉ.′{ｉ.:.:| |.:|ヽ |ﾄﾐⅥ! Ⅶ|ｰ=彡､ .:ﾄ＼.:.:.{.ヽ:::ｉ/~｀ ′/
　　　　　　　　　|{ 　Ⅵ:| |.:|　| iT｣ｧ｣ヽⅥ¨´ィtうN　　＼ヽ|:::|>ﾉﾉ::/
　　　　　　　　　′　 Ⅶ ﾚ'γ‐ ､　 ,¨. : :____　　　／　斗::|彡':::i'>＼
　　　　　　　　　 -=―‐‐{ : : : Y===Y : : : :ヽ_,.／　　 |ﾙ　ﾚヌ　 };∧
　　　　　 _　-=::::::::::::::::::::::::::＼_:_ﾉ ′ _＼: : : :ﾉ　　　　　　/　/＿__/.:::∧
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何よりも問題なのは、事が政治問題化した際の宗尊親王の人脈の巨大さである

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　　　　　　　／:::;;;;;ミミ; /　　　　　｀ﾞ';;:::::::::::ヽ
　　　　　　 /;;;;;';ミミﾐﾂ/;;;';';'';'';;''ヾ,'::::`::::::::::::::::}
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　　　　　 /;; ,: :{──────‐‐{;;;::, ;:ヽ‐'´::::ヽ
　　　　　/:.　;;':{￣￣￣￣￣￣￣{:::: ::::｀;::. `::::;ﾞi
　　　　　i;;, '' ,;:|＿＿__,..､＿＿＿_ﾞl;;,_ :::::. :::, :::::iﾞ...　　／￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　 /,,;'::';:l;`‐゜‐';i　;;;;;`ｰ゜‐';;;;;|:: `; `;;;::::`:::ﾞi　＜　歌はいいぞぉ……
　　　　　'Y ;:::::ﾞi 　::::::l　　　　　　　 {;;;_ ﾞ'ﾞﾞ:::::,';:: ::ﾞ-,　＼＿＿＿＿＿＿＿
.　　　　　 / ,;; ';:ﾞi　::::::l　　　　　　　 |::ﾞ'';;;;.:.::::`;::.`::;;ゝ
　　　　　　`'i;; ';:::ﾞi　:::{__,,,ゞ　,　　　　,|;, ::;;;;`''::;':::`::::;;ゞ､＿
.　　　　 _,‐´`ｰ!､ ;ﾞi, ¨ニﾆ￣　　　,‐':{:::';::::'::::::::',,,'''';;;;'　　￣￣
.　　　／　　　/`i; ;::ﾞ､　'''　　　 _,‐'::::::{;;;;:`;::.:::::::::;;ヾ_,,ﾞ
　　／　　　 /　/ `i;:::ﾞ;,_　　,,／:::::::　 /`'';;:. ;;;;:ヾ ''''
　　　　　　 /　 |　ﾞｿ;;'''￣:::::::::::　　 iﾞ::::::' .::::'''ヾ　　　　　
南九州の雄、島津家の出身で将軍近侍の島津忠景
48： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:33:54 ID:itqcPAVE0: 　　　　　　　　　i､ ,/f´'´ﾚ=ﾆ-ｧ
　　　　　　　　iv' '´,　,-‐=ー'´、
　　　　　　　　 >-‐＝:ｰｭ､-=ﾆ｀＞
　　　　　　　 ,:i=三= ,!　ﾄ,)i､ミ`ﾐ､
　　　 rv‐t')</ヾ,==へノ;〈ﾞﾚ、ﾐ`、
　　 /`tj''´i/　 `ヽ;-　 ,.:'_,.-‐ｬﾞ`
　　 i　'´ ／　　　　`ｰｧ､´ ,.-',´.'｀=‐ｧｰ--、
　　f`iｰ-|　　　　 ,.-'/7'^>'.,'　:',:'.'／　　　ヽ
　　|_|_＿j、　　,:/;':/ i /´.' ,:.',:' .'/　　　　　 |
　 /'　　　 l ,r‐'/;./　ﾚ',:'.; : ' : .,.:'´　　　　 !
　 |　　　 |,!､_/: ;|　 /, ,: , : ; /　　　　　 /
　ヽ　　　ﾄi　|ｌ|.il|　///,:'.:',i ヽ､＿　　　r'´
　｜　　　ﾉ　||il:`y'//.',;.:-r'￣`ｰ､ヽ、i´
引付衆で鎌倉市政において大きな影響力を持つ後藤基政

　　　　　　　　　　　　　　　　　,.........,_　　__
　　　　　　　　　　　　　 ,.r'"~~ヽ、::::ヾ、:::::ヽ､
　　　　　　　　　　　 ,r''"::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ,::::::::::ヽ､
　　　　　　　　　　ノ''"~::::::::::::::::::::::::::::､:::::::ヽ::::::::::::::ﾞ:,
　　　　　　　　　r"::::::::-‐'"~~`:::::::::ヽ、::ヽ::::::ヽ,::::::::::::ヽ.
　　　　　　　　　l::,r:::::::::::::r'"~ヽ、:::ヽ::ヽ、::::::::ﾞ;;::r'":::::::ｿ
　　　　　　　　　l"::::::::::::::::::::-､:::::t---､、::::::ヽﾉ,:::::::::::､:ﾞ:,
　　　　　　　　 r":::::::::::___::::ﾞヽr''　　　　ﾞｰ,:r;.j:､t-､::::ヾ.
　　　　　　　　 t,::::／::::::::::::::ミ''　　　　　　 'ノ",!ﾉl| ﾞ:,::::,r'
　　　　　　　　　l:::::::::,r‐ ､:ﾐ'"　　―‐-､､,__　ノ　'__,,.!ノ
　　　　　　　　/::::::::l.ヽ,ゝ|,ﾐ, 　　ヾﾕﾆﾌ~`>　,r:j>i'
　　　　　　 ,r'l:::::::::::::ヽ、,| ﾞ;:　　　　　　　　 i　 |
　　　　　／　|:::::::::::::,|,,、ﾞ' l'　　　　　　　　 t,.r'
　　　 ,ri"　　 l:::::::::/,/'i’　ﾞ　　　　 __ 　　-┬ '
-‐'''""~|　　　ﾞi,;!'ｿ,ﾉ l'　:,　ヽ、　　　￣￣ ,:'
　　　　 | 　　　ﾞi、ヽ、　:i　　ヽ.､　　　　　,!,
.　　　　 | 　　　　＼＼ﾞi, 　　ヽ`ｰ,r--'ﾞi,＼
　　　　　l　　　　　　＼＼､　　　　 lﾞi､ﾞi,　ﾞi、＼
評定衆で名越北条家当主の北条教時
これらの幕府内部の中枢やそれに近い位置にいる御家人をはじめとして
幕府に出仕している御家人は大なり小なり宗尊親王と知己の関係にある
49： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:34:32 ID:itqcPAVE0: 　　　　　ト､.__　　_＿　　　ト､　 __
　　　ト､ヽ　　｀`ヽゝ　｀`ヽl　.＼ヽ｀ヽ.
　　　ヽ　｀ヽゝ　　　　　　　　　iﾉ　ヽ
　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ`ヽ
　　　　ﾄ-ゝ　　　　　　　　　　　　　　　　　　i
　　　　ヽ､_　　　　　　　　　　　　　　　　　 }ノ）
　　　　　｀`ゝ　　　 ,、ﾄ､_　　　　　　　　　く
　　　　　　　 {　　, 　　,ハ| r=ﾄ､.＿_　　　　　　 }
　　　　　　　ヽ　ﾄ､ .,心　,.-'マ> 　＼　,.-､　ﾄﾉ
　　　　　　ヽ! Y⌒ﾉ＾､__,ﾉ￣￣￣| !i＾ﾘ ./
　　　　　　　　 `i‐ヽ＿_　　　　　り,ソ /
　　　　　　　　　　ヽ　`ﾆ´　　　　　　 ! /
　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　|,′
　　　　　　　　　　　　　 ,ゝ‐r‐ｧ '´ 　　 !
　　　　　　,. ‐'´￣｀ヽ.／　〔_.|　　　　　ト―- ､__
　　　 , -くヽ二二二_)､ __　 L_＼＿　　 |　　　　￣ｱ
　　／｀ヽ｀ヽ　　　　　　　`ｰ-､__ 　lﾄ､　　!ｰ-､　　 ,rく_
そういった意味では、親王が幅広い交友関係を持つことができたのはあくまでそれが文化活動だったからと言っていい
しかし、妻の密会はそれに全く別の意義を与えてしまった

　　　　　　＿＿＿＿
　　　　　／　　　　　　＼
　　　／　　　　。。　　　＼
　　　|　　　　　。。　　　　 |
　　　|　彡ﾐﾐ　　。。　彡ﾐ　|
　／ヽ　 ┏llliii　　_iiillllll　 /＼
　|　6 |　 ┃　0　　0　┃　/6　）
　＼　 |　　━　　　 ━　　|　 /
　　　￣|　　　　　　　　　 /￣
　　　　＼　　　━┛　 /
　　　　　　＼＿＿＿／
良基を介しての京・反得宗派御家人による謀反計画の可能性である
これが幕府に出仕する下級貴族やただの歌人ならば大事にはならなかっただろう
せいぜい醜聞をとがめられる程度であったかもしれない
50： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:35:35 ID:itqcPAVE0: ――だが、渦中の人物は下級貴族でも、ただの歌人でもなかったのである
　　　　　　　　　　┏━━━━━━━━━┓
　　　　　　　　　　┃鎌倉府中　時宗邸宅┃
　　　　　　　　　　┗━━━━━━━━━┛

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (二二二ﾆ/二二ﾆ/二｜二二ヽ二ヽ二ニニ)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //＿/__//＿/__//＿/| |ヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//＿/__//＿/__//＿/_| |__ヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //＿/__//＿/__//＿/__| |＿ヽ＿ヽヽ＿_ヽヽ＿ヽヽ
　　　二二二ﾆ/二二ﾆ/二二二//＿/__//＿/__//＿/＿| |＿_ヽ＿ヽヽ＿_ヽヽ＿ヽヽヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ
　　 γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ//＿/＿ | |＿_＿ヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　　＜　　　　　それは本当なのか？　　　　 |======.○=====○===○===○===○ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　 // ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__,ノ┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬|＿＿|＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　○====○====○====○===.|　　　|││││││││││││││││||　　.||===○===○===○===○===○
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　|│││││γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　|┴┴┴┴┴ |　　　ああ、裏が取れた　　　　　　　　＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　|┬┬┬┬┬ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__,ノ
　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|　　　|││││││││││││││││|| 　 ||＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　＼／＼／＼／＼／＼／＼|　　　|││││││││││││││││||　　.||＼／＼／＼／＼／＼／＼／
　　／＼／＼／＼／＼／＼／|　　　|││││││││││││││││|￣￣|／＼／＼／＼／＼／＼／＼
　　"""￣￣￣'''''''''''''''"""""￣"""￣￣''''''''''"""""""""""""""""""""""""""￣￣'''''''''""""￣￣￣￣"""""""""

　　　　　　　　　 }　:/　　}　 :}　　 ::/　　　　ー―ｧ
　　　　　　　 /　 {　　{　ﾉ　 ::ノ＿　　　　　ノ
　　　　　　　 (　　ト､､イノｰ ´ 　く　　　　 `ｰｧ
　　　　　　　　}｀ヽｨ´　　　　　　　　　　ヽ　　　　／
　　　　　　　　{　　 {　　 {　 ./　／⌒　　}　　　　7
　　　　　　　､　ﾉ ,==ﾐ　　ｰくこぅ､　　〈　　 /
　　　　　　　　八 ∨f 斗 } 　　＼　　　, } rヘ 7
　　　　　　　　　ヽ}　　 ,:　　　　　 /: | |ﾉ:} }′　　　　　他の出仕御家人にも確認した
　　　　　　　　　　人　 _` ` ‐-､　　 {:　| | xく　　　　　　御台所のもとに良基が出入りしている
　　　　　　　　　ﾊ {ム-‐ ､ｰヽ　　　j　ﾐ　､}
　　　　　　　　　　 i}　　´__｀　　 -‐ 　くｨ／}_
　　　　　　　　　　　八／　｀Y´　　／⌒　 /　㍉
　　　　　　　　　　　　〈 {　　　　　／　　　ｲ　　　㍉＿
　　　　　　　　　　厂｀丶､ノイ　　　／ﾉ　　　　㍉　ﾆ=-　､
　　　　　　　　人　　 }　／ =ﾐヽイ／　　 rｰ￢へ} 　　　ヽ
　　　　　　　 -‐ , =ミヽ＿/ {（__） } }／　　rｰ┘.， ´
　　　　 r ' 　　 {　(__) } }ﾆﾆﾆゝ __彡　　r‐┘ ´　　　　　　　　 }
　　　　 ,廴　　　ゝ＿彡ﾏ　/　/ ノ　rｰ┘ /
51： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:36:12 ID:itqcPAVE0: 　　　　　　　　　　　　　　,.　　　'"´￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　,.　'ﾞ´　　　　　　／.::`ヽ＼
　　　　　　　　　／　　　　　,. __´ _＿|.:‐=!=‐!: : :}
　　　　　　　　／　　　　 ,.　´: : : : : : :{ ( ﾉ}:::ﾉ: : :.!
　　　　　　,.　´　　　／. : : : ._ _＿＿＼,. ｲ: : : ;′
　　　　.　´　　　　／ ,.　.:.:::´.:.::::::::::::::.:.｀ヽj: : ./
　　　　ヽ　　　,.　´　´ ￣　＞　==_-===_-- く_
　　　　　ヽイィ´　　　ィ´.:.:.:.:.:(　) `ｰく､､,,「￣
　　　　　　｀Y´ ィ´ ,.　ィ´￣`ｰ===r⌒ヽ(　}
　　　　　　　ﾚ'ハ｀Vﾞ´{;　　　 ,.　'ﾞﾞ´ .; .}`=ｲ
　　　　　　　{！い{: :.:;;;`ゝ　,.　　'´ｰ=_ﾊ, .;}　　　　　　　ただの貴族の姫君の愚痴聞きではないのか？
　　　　　｝ヽ_ 」: : :..:;{　 { ー__--_-､_,.,'′　　　　　　宮殿とて歌以外気を向けている様子がない
　　　　　　 i:.:.'､.:i: : : : .;: : :: : : .,ﾆﾆﾆ､ j!　　　　　　　　とてもではないが謀反など起こすようには見えんぞ
　　　　　　 j.:.:.:',:{: : :: : ;: : : ::.'ﾞ´　ﾞﾞﾞﾞ｀.ﾉ
　　　　　 _！.:.:.:',｀丶､: :ﾐヽ､: .　　　ｲ
　　　　　「:::::::.￣｀丶､:::::::;:;:;ヽ::.:...:.:.:.ﾉ
　　　　　 i　　　　　　　｀Tﾆﾆﾆ-_二i´
　　　　！　　　　　　　 |::::::::::::::::TTi
　,. .::´.:::::.L　　　　　　　　|:::::::::::::::::| | L
　.:.:.::::::::::::::.:.:.:｀丶､　　　」::::::::::::::::| | |:::`ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　 . -=ﾐ　　　 j/／
　　　　　 ...._ ＼ヽ　　　　　　　／　　　∨　　　/'′
　　　　　 /　　｀ヽ＼,、　　　　 /　　　　 V
.　　　　 /　　　　　＼　　　　　/ 　　　　　　∨
　　　　/ 　　　　　 ’，　　 ′　　　　　　 V
　　　 ,′　　　　　　　　ヽ.....ノ　　　　　　　 ∨
　　｛　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /｀ヽ
　　　‘，　　　　　　　　　　　　 / ,　　　　　　レう｝
　　　 ‘，　　　　　　ﾍ、　　 / /　,　 ─=イ　{_,ノﾘ
　　ハ　i〃　　　　　＼　ﾚ′/　　‘ ／　 |忻ﾊ　丿
　　｛し｝ ! ＼_＿＿＿　　 __ｊ　jﾉ /ミ＝彡′　 lﾉ/ /／　　　伯父貴の言うことが本当なら大事だけどよ
　　 Ⅵ乢、　｀ヽ＿‘｀彡ヘﾂ　　ヾ　　　　　　j/ //　　　　それをどうやって証明するんだよ？
　＼∨ ^Ｙ　｀¨¨¨¨¨´　　ｊ　｜　｝　　　ｲ_彡'　　　　　第一なんて言って詮議するんだ？俺たちゃ一応将軍の家来だぜ
　｀`≧＼_ハｊ　　　　　　 /　｛しｸ　＼　　/小、
　⌒¨¨¨｀ヾ小　＼　　 └-､j__/ 　　 ,ヽ　ハ　ヽ
　　　　　　　|∧ 　 }　,.,_＿＿　--一／　　ｉ　|　　＼
　　　　　　　|/∧　　　　｀ー―‐=彡　　　 ′j　　　ヽ
　　　　　　　|///＼　　　　　癶辷彡'　　 /　/
　　　　　　　∨/// ＼　　　　　　　　 /　/
金沢北条氏当主　北条実時（時宗補佐役）
52： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:37:04 ID:itqcPAVE0: 　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　 _　　　　　＼
　　　　　　 ,.'　　　　　　　　　　　　 ,.:i／:::', 　　　　　＼
　　　　　r'´　　　　 , '　 ,　　!　　 iヽ‐ ｰ.､!　　　　　　ヽ
　　　　　i.　　　　　 /　　,'　　l.　 ,!.i　　　　!　　　　　　　　　　!
　　　　　l　　　　　 l , 　 !　　il　,' !|　　　　!　!　　　　　　l 　 /
　　　　　i　　 , =ヽ l'!　 .l　 i ﾄ! .!,_'l､_　　　i　!　　　　　　 ', /
　　　　 /　 .〃　｀! lヽ　lヽ.l､!,,ヾ＿ｰ-ヽ　ヽ!',. i',　!,　　　 i
　　　　ヽ,　',',.i´ゝ!.|　ヽl　ヽヽ.!;::'-!ヾ　｀"　　l/-i l‐!　 .,　.!
　　　　 !　ヽi くヾ　　　　　　￣　　　　　　'7;:7ｿ,ｲ /l /
　　　　　 i　　'､_ヽ_　　　　　　　　　　　　　　i ｀".ｨ／'´/'
　　　　 !,　　　!" l　　　　　　　　　　　　　　'､　 i　　　　　俺もあんまり性急な決定は避けるべきだと思う
　　　＿_'i　　 iヽ　!　　　　　　　　　　　　　 ,.' ./　　　　　得宗の邸宅で身内だけ集まって決められるような問題じゃないしな
　　 r'　　｀""7'''r‐',- ､　　　　　　　　　　 '´／　　　　　　評定に上げて他の連中の意見を聞いた方がいい
　　 |　　　　　i　!　i　 r'ｰ､　　　 ´￣｀"' , '
　　 l　　　　　! .l　.!　 !　　｀'i　　　　　"ﾞ .,'...,_
　　,'　　　　 !-! .,'　.,'　　　 ,' ＼　　　　 / ゝ..!_
.._,/ｰ､　　 /ｰi　i　 i. 　　 ,'､_　｀!ー‐ '/ /　 /
'　｀`'‐｀,ヽ､｀" /　/　　　.,' 　｀" ｀!　./ /　 /!

　　　　　　　　　　　　 {　/　 ::{　 {　 {　{ /　／／　　　　-=ﾆ　　　　ﾉ　　　 }
　　　　　　　　　　　　　　 ∨　　 ::＼､､､ムイイ -‐　¨¨Z≦､　　ー==彡　　／}
　　　　　　　　　　　　　　　{　　 ::／　　　　　　　　　　　　　 ::＼　　　　／　/
　　　　　　　　　　　　　　　　、　/　　　　　　　　　　　　＿　　　 ::ヽ　　ｰ=彡　 }
　　　　　　　　　　　　　　〈＼{　　　　　　　　　,ｨ=≠ ¨¨¨` 　　 ::」　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　∨ ヽ ≠＝=ミ　　 / 　r_巧≧　　　　＼ `ｰ===彡ヘ
　　　　　　　　　　　　　　　〉､ }　ィ_巧≧x}　 .:　　　　　　　　　　　 }　　　　　厂
　　　　　　　　　　　　　　　　＼ﾉ　　ノ / 　:　{　　　　　　　　　 /　/　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　〈　　　　 /　　: 　ヽ　　　　　　　　. :}　 }⌒ヽく
　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧　　　 {　,　 r ､　}::.　　　　　　. : :}　 }て　}　)、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧　　／` ーー＜:::: . 　　　. : : : }　 }　}' {　　〉　　　宮殿と親しい名越の連中が出席する評定で、か？
　　　　　　　　　　　　　　　 ∧　 ′ /　ｉ　i　　　｀ヽ:: .　　: : : }　 }_ノﾉ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ { { /从从从从 } } }::: }　　 : :/　八彡く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 } }　　　こ二二ヽ　　 /　　 :ノ　　ゝ〔
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾑ人＿__ ｨ　　｀ーーー､ xく　､　　／　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　イ　/ / / {i }　、ヽ＼＼ヽ　＼＼」　彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　r ＼ { /　{　{ ハ } 　}　 }i　 }　} 　／ Υ
　　　　　　　　　　　　　　　＿厂　　ヽ{ 　 } ｉ{′/　 / 　ﾘ　/　ﾘイ　　 }
　　　　　　　　　　　 r┘　　　　　　)人} 八　{　/ 　 /／. :´　　　 /＼
　　　　　　　　 -=ﾆ　{　　　　　　　　　　　　＼/　x≦- ､　　　　　/　 :/〉、
　　　　　 -=ﾆ　　　　　　{　　　　　　　　　　 }／　　　＼　　 .′ :// /`ー- ､
　　　´　　　　　　　ゝ、　　　　　　　　　 ∨ ,　=＝ミ＼　 {　 // ≧=ﾐ　　＼
／　　　　　　　　　　　（　　　　　　　　　　　　　 ∨　, ==ﾐ｀ヽ　{_:// / 　 -‐ヽ　　ﾆ=-
　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　{　{　r‐.､ }　}≧==={　/　f⌒})　　　　　　ﾆ=-
53： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:37:44 ID:itqcPAVE0: 　　　　　　　　　　　　　, -‐'　　　　　　　　, -─-､　｀ヽ､
　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　 /　　　　　＼　　ヽ
　　　　　　　　　　 |　　　/　　　 ⌒Y　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　ﾉ　　 /　　　　　从ﾍ　　　 l　　　　　　　〉
　　　　　　　　　　　/　　　|　ﾉ i　l　/　＾i　　　ﾉ　　　ヽ　　 /
　　　　　　　　　　 / 　 ,-､ﾚｲ |! ﾊl/　　　|　|　 |!　　　　 |　　 |
　　　　　　　　　　 |　 /-､|　ﾊﾄ､|`iｰ-､　ヽﾄ､ |ﾄ､　　　 |　　 |
　　　　　　　　　 }　| ノ | /　ヽ､ｆｊこﾄ`　ヾヽ!__ヽ i　/　）ﾉ
　　　　　　　　　　ﾉ　ﾍ　ﾚ'　　　　　　　　　ｨrヶ「|/　/ /
　　　　　　　　　　从　ﾄ､　　　　　　　　　 l　　　　彡/ /ﾉ
　　　　　　　　　　__」　ﾘ　|　　　　　　　　 |　　　　 /ｰｲ'´　　　……穏やかな言い方じゃないな
　　　　　　　　　 | ｀ヽ､ﾉ　ヽ　　　　＿　　'´　　　／　　　　　　その理屈を通すなら俺も政村殿も多少なりとも宮殿とは親交があるだろ
　　　　　　　　 /　　　｀　-ヽ_　　　､｀￣　　／
　　　　　　　　 /　　　　　　　　７>､　　　／
　　　　　　　 r〈ヽ　　　　　　　 // /7ｧ___／ﾌ7ｧ
　　　　　,／´　＼＼　　　 // // /丁////７
　_,. - '´　　　　　｀ヽ｀ヽ､__ |」 // /　/|」// /
´　｀ヽ､　　　　　　　　｀ーｧ-､ｒｆ」 | ┴､// /
既に鎌倉時代の中ごろにはいると、上流の御家人層は貴族文化への理解や造詣が深い者が増えてきていた
政村も勅撰歌集に自身の歌が収納される文化人でもある

　　　　　　　　　　　　 {　/　 ::{　 {　 {　{ /　／／　　　　-=ﾆ　　　　ﾉ　　　 }
　　　　　　　　　　　　　　 ∨　　 ::＼､､､ムイイ -‐　¨¨Z≦､　　ー==彡　　／}
　　　　　　　　　　　　　　　{　　 ::／　　　　　　　　　　　　　 ::＼　　　　／　/
　　　　　　　　　　　　　　　　、　/　　　　　　　　　　　　＿　　　 ::ヽ　　ｰ=彡　 }
　　　　　　　　　　　　　　〈＼{　　　　　　　　　,ｨ=≠ ¨¨¨` 　　 ::」　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　∨ ヽ ≠＝=ミ　　 / 　r_巧≧　　　　＼ `ｰ===彡ヘ
　　　　　　　　　　　　　　　〉､ }　ィ_巧≧x}　 .:　　　　　　　　　　　 }　　　　　厂
　　　　　　　　　　　　　　　　＼ﾉ　　ノ / 　:　{　　　　　　　　　 /　/　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　〈　　　　 /　　: 　ヽ　　　　　　　　. :}　 }⌒ヽく
　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧　　　 {　,　 r ､　}::.　　　　　　. : :}　 }て　}　)、　　　　私は歌は好きだが宮殿の家来になった覚えはないぞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧　　／` ーー＜:::: . 　　　. : : : }　 }　}' {　　〉　　　　それとも名越に何か遠慮するところがあるのか？
　　　　　　　　　　　　　　　 ∧　 ′ /　ｉ　i　　　｀ヽ:: .　　: : : }　 }_ノﾉ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ { { /从从从从 } } }::: }　　 : :/　八彡く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 } }　　　こ二二ヽ　　 /　　 :ノ　　ゝ〔
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾑ人＿__ ｨ　　｀ーーー､ xく　､　　／　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　イ　/ / / {i }　、ヽ＼＼ヽ　＼＼」　彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　r ＼ { /　{　{ ハ } 　}　 }i　 }　} 　／ Υ
　　　　　　　　　　　　　　　＿厂　　ヽ{ 　 } ｉ{′/　 / 　ﾘ　/　ﾘイ　　 }
　　　　　　　　　　　 r┘　　　　　　)人} 八　{　/ 　 /／. :´　　　 /＼
　　　　　　　　 -=ﾆ　{　　　　　　　　　　　　＼/　x≦- ､　　　　　/　 :/〉、
　　　　　 -=ﾆ　　　　　　{　　　　　　　　　　 }／　　　＼　　 .′ :// /`ー- ､
　　　´　　　　　　　ゝ、　　　　　　　　　 ∨ ,　=＝ミ＼　 {　 // ≧=ﾐ　　＼
／　　　　　　　　　　　（　　　　　　　　　　　　　 ∨　, ==ﾐ｀ヽ　{_:// / 　 -‐ヽ　　ﾆ=-
　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　{　{　r‐.､ }　}≧==={　/　f⌒})　　　　　　ﾆ=-
54： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:38:29 ID:itqcPAVE0: 　　　　　　　　　　　　　　　　｛　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ.
　　　　　　　　　　　　 i ｊ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｝
　　　　　　　　　　　　　　从、　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'
　　　　　　　　　　　　　　　ミ≧　　从　　　　　　　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　ヾゞ　　 {｛ﾍ、　　 ,＞ "´｀`ヾ､、　　　　｛
　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　　　 :/ヾゞ　　У　　　　　　ヾ、　　　　ヾｲ
　　　　　　　　　　　　ﾄ､　　 :/　　｀`"´　　　　　　ﾐ　　　　　　 |
　　　　　　　　　　ﾄト　　 :/　　　　　　　　　　　ﾐ　　　　ﾉｲ
　　　　　　　　　　　　　ヾミ　　 :i　　　　　　　　　　　　　　　ﾐ　　　　彡
　　　　　　　　　　　｀ミ≧.:!γ　　　　 {　　　　　｀ヽ　 }　　　　　,彳
　　　　　　　　　　　　　｀ヾﾍ　ｒ- 。、　|　 _,.rｰ｡─ 、　| /⌒V　彡′　　　　政村の伯父貴も泰盛もこんな所で険悪になるんじゃねぇよ
　　　　　　　　　　　　　　い　ヽ _ ゝ, ヾく　ヽｰ彡　ﾘ /:｝｝イ　　　　　　御曹司はどうしたいんだ？あと御舎弟はどうなんだ？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 V!　　　i　　　　　　　　 .:　ﾚﾍﾉﾉｲ′　　　　　　特に御舎弟は小侍所別当（将軍付き役所の長官）だろ
　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ　　 |　　　　　　　 .:　　,__,.イ彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧　　L.,､-　　　　 .:　　/　|　彡廴＿___
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ　　ー＝一　　:　／:　 jイji圭圭圭圭圭圭jハ､、_
　　　　　　　　　　　　　　　 _..,､r≦圭i､　　`'" 　　／　.:　/ /圭圭圭圭圭圭Ⅳ /
　　　　　　　　　　　 __..,ィ/７圭圭圭圭7ﾍ､　　　　　 / 　 :　/ /圭圭圭圭圭圭Ⅳ /
　　　　　/７｡ﾟ/７´　　　/ /圭圭圭圭7 /ハｰ---‐::´ 　 :　/ /圭圭圭圭圭圭Ⅳ /
　　　,.イ.:/｡ﾟ/:/　　　 :/ /圭圭圭圭/ /　　∨　　　　　 : / /圭圭圭圭圭圭Ⅳ /
. 　 /　｀￣￣　　　 :/ /圭圭圭圭/ /ー　、　　　　＿;/ /圭圭圭圭圭圭Ⅳ /
　 /　　　　　　　　 :/ /圭圭圭圭/ /　　　　ヽ　／　　/ /圭圭圭圭圭圭Ⅳ /

　　　　　　／　　／.::::::: .::: .: ::: ::::: :::::::::::;: :::::::::::::::.　:. ::.　:..:::::::::::::',
　　　　　　　　／:::;イ::: : .: .: :: .::::; :: : ::::;'!: .:.;:::::::::::::.:..:::. :.:::::::::::::::;:::',
　　　　　　　/::::／/:::　.::::::.: .:::::/::..:ｌ.: ./ ';.::.::l;:::::::::::;:::::::::::::::::::::::::::;:::',
　　　　　　/::／ /::::::;.::::::::::::::;ｲｌｌ:::::ｲ::/　 ';:::::ｌ';:::::::::ﾄ;';::::::::::;::::::::::::::;:::',
　　　　　 //　 /:::::;/::::::::;:::::::ｌ l' !:/ !::ｌ　　 ';::::ｌヽ::::::!_lﾊ::::::/:::::::::::::::ﾄ､
　　　　　/　　/:::://::::;::::::':;::::l＝';|=l:::!　　　ｌ:::ｌ,ィ';::ｌﾆl､!:::/!::::;::::::::::::|
　　　　　　ノ::／　!::::l::::;:::::ｌﾘ'´/ ﾌヾ:!｀　　';::ｌ´/りﾊ /ｲ/:::/::::::::l::::|
　　　　　／‐''　　ｌ:::::ｌ::::ｌ::::::', ､ヒ;:ノ';:!　　　 ';:ｌ､ゞ:::ノ,,. /:::/::::/:::ﾊ:::!
　　　　 ´　　　　　';:::ハ:l;:::::､', ￣￣ ';!　ｌ ::.　';!　￣´ /イ:::;:ｲi:::/ ｌ:;'
　　　　　　　　　　ヽｌ　ﾘ';:;::::ﾄ'、　　　,　　 ′　　 ´/:::/ノ/!/　.ﾘ　　　え？俺？
　　　　　　　　　　　｀　. ｌ:::;::ヽ　　　　　 _ 　　　　　 /ィ"´:::ｌ　　　　　　俺は……できれば将軍には傷ついてほしくはないけど……
　　　　　　　　　　　　　　!::ﾊ:::;::ヽ、　　⊂⊃　　　 ,.イ､:::::l::!
　　　　　　　　　　　　　 /´,,..ゞｆ'´',ﾞヽ､　￣　　, ィｒ＝イ∠ﾘ
　　　　　　　　　　　　,.‐''´!　ハ',　',　｀ー‐''´　ｌ !/　/"´｀ヽ
　　　　　　　　　 /　　ｌ　ｌ　 ',',, !　　　　　　 ! ｌ'　/　　　　',
　　　　　　　　　　　|　　　ｌ　 ! 　iK'　　　　　　ｌ l!　/　　　　_l|
　　　　　　　＿,.-‐''ｌ　　｜　ｌ |! ｌ !`ヽ､　　__,.ィｌ　 !　　　　{ｿ‐､
,. -―''"´￣　　　　ｌ　　　 !　 !　ｌ>'､＿_￣＿_ｊ｜ /　　　　 7　　｀''
55： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:39:15 ID:itqcPAVE0: 　　　　　　　　　　　　　　,.　　　'"´￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　,.　'ﾞ´　　　　　　／.::`ヽ＼
　　　　　　　　　／　　　　　,. __´ _＿|.:‐=!=‐!: : :}
　　　　　　　　／　　　　 ,.　´: : : : : : :{ ( ﾉ}:::ﾉ: : :.!
　　　　　　,.　´　　　／. : : : ._ _＿＿＼,. ｲ: : : ;′
　　　　.　´　　　　／ ,.　.:.:::´.:.::::::::::::::.:.｀ヽj: : ./
　　　　ヽ　　　,.　´　´ ￣　＞　==_-===_-- く_
　　　　　ヽイィ´　　　ィ´.:.:.:.:.:(　) `ｰく､､,,「￣
　　　　　　｀Y´ ィ´ ,.　ィ´￣`ｰ===r⌒ヽ(　}
　　　　　　　ﾚ'ハ｀Vﾞ´{;　　　 ,.　'ﾞﾞ´ .; .}`=ｲ
　　　　　　　{！い{: :.:;;;`ゝ　,.　　'´ｰ=_ﾊ, .;}　　　　小侍所別当だし、当然の意見だ
　　　　　｝ヽ_ 」: : :..:;{　 { ー__--_-､_,.,'′　　　わしもできれば追放というようなまねは避けたい
　　　　　　 i:.:.'､.:i: : : : .;: : :: : : .,ﾆﾆﾆ､ j!　　　　　名越殿の兄上二人が失脚したのは将軍を追放した折だった
　　　　　　 j.:.:.:',:{: : :: : ;: : : ::.'ﾞ´　ﾞﾞﾞﾞ｀.ﾉ
　　　　　 _！.:.:.:',｀丶､: :ﾐヽ､: .　　　ｲ
　　　　　「:::::::.￣｀丶､:::::::;:;:;ヽ::.:...:.:.:.ﾉ
　　　　　 i　　　　　　　｀Tﾆﾆﾆ-_二i´
　　　　！　　　　　　　 |::::::::::::::::TTi
　,. .::´.:::::.L　　　　　　　　|:::::::::::::::::| | L
　.:.:.::::::::::::::.:.:.:｀丶､　　　」::::::::::::::::| | |:::`ヽ

　　　　　　　, ,
　　　 , , ,-'　　～ゝ_
.　　//,'　　　　　　　⌒ ～ ,
　　 |.i.i　　　ｒ'　　,,,_　　　　　ヽ
.　　 |!|!|i､　 |i　,',-==- ､　　　　ヽ
　　　）ゞヾ､（_（' _-=- ､ヾ　　　　|
　 γ `./　　　　　　　　｜　　　　!
　　|　/　　　　, '　　　　　| 　　　ゝ
　　ゝi,　___　 / __,,,　,,_　ゝ　　　!　　　　俺も時定もまだ若造だった時だ
　　　!'' -`'）　　` ―``　γヽゞﾉ　　　　名越の連中が得宗憎しで固まったのは泰時様のせいじゃねぇ
　　　i､　ノ_　　　　　_ノ　iλ !　i　　　　　俺や時定、時頼が名越を伊豆に追放しちまった時だよ
　　　　}　ヾ'､ゝ　　　i'　　 ν/ ｿ
　　　　|　,-―---　　　　し　/
　　　｜　 ''''　　　　　　/ |　ゝ
　　　　 !、　　　　__--'''　ﾚ彡
　　　　`┐ー''''　　ノ　レ
　　　　　λ､,,,,,,､､---'''⌒!i
　　　　　ﾉ>πiiiiiii!!!!!
56： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:40:07 ID:itqcPAVE0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ―‐ ミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　,... ＜　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　､＿,ｨ=く　　　　　　　　　丶
　　　　　　　　　　　　　　｀.T７ /ﾊ、　　　　　　　　 .∧
　　　　　　　　　　　　　　　l/ .,′ハ、　　　　　　　　　.∧
　　　　　　　　　　　　　　 /,' ﾉ　,'l|./|＼　　　　　　　　　 ';
　　　　　　　　　　　　ｌ l/,l　.从_,| ,'ﾘ＼_　　　　　　 ,
　　　　　　　　　　　　　　 .|/,ｌ:.弋トﾐ;' l´ｨ=ｚﾄ､　　　　　 ';
　　　　　　　　　　　　　 /ｲ.l .| ';ゞ'　　　ヾｿﾘ>､　　　　　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　｜Vﾄハ｀._ _　　/'.ｨｨ.〉　　　　　.∧
　　　　　　　　　　　　　　　〈　　　`:｀::...,.-､ィ-＜::::〉　　　　　.ﾘ
　　　　　　　　　　　　　＼_,＜¨∨/,....:＞.､／　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r彡＜￣　　　　〉、_,.イ
　 ,　　―――-　、　　　　　　　〈ｲ/　γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
ｲ　　　　　　　　　　｀＞=-‐==‐イ.,′　|　　将軍とツルんで何か企んでたアイツ等を　　　　　 |
＞、　　　　　　　　　　￣￣／７,′　|　　　　　幕府のためとはいえ追い出したあの時に　　 |
　　　¨｀`ｰ.､　　　　　　　　,ｨ⌒ ./　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
　　　　　　　＼　　　 _ .／　　,イ　　　　　　　 ,′　　 ./:′
　　　　　　　　‐≠'´￣　　 /　　　　　　　　 , 　　 ./.::;
　　,ィ＝'´　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .;'　　　/.:::;′
／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,′　〈::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハ　　ﾘ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨ′　　.ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_....＜／　　　　ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ｲ　　　　　　 ';
　　　＿＿＿_　　　　　　　　 _....＜ /　　　　　　　 ';
￣　　　　　　　￣＞――＜:::::::::／　　　　　　　　　　l
57： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:40:39 ID:itqcPAVE0: 　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r'´　　　　　　　　　　　　　`ヽ,,
　　　　　　　　　　　　　　ﾄV　 ,　 ,:′　　　　　　　　　　　　｀`ヽ
　　　　　　　　　　　M.:i　,′ ,′　　　　　　　　　　　　　　　',
　　　　　　　　　　　　　ﾄ､V .:i　.i:l:;′　　　　　,.ｨ'" ´　　　　　 i
　　　　　　　　　　　　　ﾄ､　　i:|.:.:l:l; 　　　　　,ｨｲ彡三ミヽ　　　　（ﾉ)
　　　　　　　　　　　　ヽ　､ﾄﾄ､iﾄﾄ､.:.:.:.:.:.,:ｨｲ彡'"￣｀`ヽ　　　　　 (
　　　　　　　　　　　`ヾﾐﾐ斗'´｀ﾞﾞー'"´　　　　　　　ﾞﾄ､:.:.　　　　',
　　　　　　　　　　　　　　jミﾐ;;l　　　　　　　　　　　　　ミﾐ､.:.:. 　　 v′
　　　　　　　　　　　　　 j .:.:;;;l　　　　　　　　　　　　',:.. ミﾐヽ.:.:.　　 j!
　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､.:.:.:.l 　　　　　,′ 　_,,. ｨ.　ミﾐハ.:.　 .:ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　 `ミﾐヽi　　　　　〈　,.ィ´･_ノ　　ミ!ﾍ !.:.:;.ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　 `ヾミﾐ; ＜・_ﾝ:;.　 .:::´￣　　　　ﾐ!リ !.:.彡j
　　　　　　　　　　　　　　　　　 `い~´　 .:.:;;　　　　　 ,:′　　ﾉｨ彡j　　　だからだ、時宗
　　　　　　　　　　　　　　　　｀ぃ　 .:.:.:;;i 　　　　 {;:　　rｲｨｲｯﾂ′　今この場で名越をかばっても俺達は何も文句なんて言わねぇ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀:ヽ.:.:. .`ｰ'´　　　　′　j　ﾚ'ｲﾂ′　　ここにいる連中は皆、幕府のためなら腹かっ捌ける連中だからな
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',.:.:.　,. -…一　　　,.ｲ.: .: .「　　　　　お前が庇っても俺たちでけりをつける。結果、腹を切っても文句なんてねぇ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　'､:.　　´￣　　／./　. :. ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ﾄ､　　　　／.:.:./　 .: .: .L
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　いゝ--‐'´ .: .:/　　　　　Vﾊ:､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , .ｨｲﾊ. 　　　　′　　　　　 l |::::.ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ ／.:.://´　 ',　`ヽ　　　　　　　| |:::::::::::.`丶､
　　　　　　　　　　　　　_ ＿ ,.イ:.:.:.:.:.:.//　　　　　　　　／　　　　| |::::::::::::::::::::::l;ﾄ､
　　　　　　,∠∠´¨¨´　　　〃.:.:.:.:.:.:.//　　　　　　　　∠,. -─一　 | |::::::::::::::::::::::l;l　`ヽ､､
　　　　／￣　　　　　　〃.:.:.:.:.:.:.://　￣￣｀ヽ　,. - ‐ ─一　　　| |::::::::::::::::::::::l;l　　　　 `ヽ､
　　　／　　　　　　　　　〃.:.:.:.:.:.:.:// .: .:. . :.　　　　　　　　　　. :. : .| |::::::::::::::::::::::l;l

　　　　　　　　　,､:.':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀''‐-.､
　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.　:.:.:. :.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　, ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:　.: ::: ::　:.:.:.: :. :. :.:.:＼
.　　　　　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :.:.: .:.:. .: :: :.γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: :.:. :.:. :|　　　　　　テメェに正直に決めろ　　　＞
　　　　/:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:../:.:./:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.;.:.: ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__,ノ
.　　　/イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,イ:.／|:.:.:.:.:.:.:/:.:.:./|.:.:/|/:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
　　　′|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:../=|'ﾆ､ｌ:.:.:.,.ｨ´:.:.:./イ/､/!:.:.:.::..:.:.ｌ､:.:.ｌ
　　　　ｌ:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:./ｒ_ラゝ｀ｌ:.:.//:.:.:,.ｲ_ﾉｌ' 冫!:.:.:.ｌ::.:.:.ハ:.:.ｌ
.　　　　 |:|:.∧|:.:.:.:.:ｌ:.ｌ┴‐'-　|:://:.／ ┴‐'‐' /:.:.:.:|:.:.:.:ｌ.　'､:|
.　　　　 '/:.ヽｌ:.:.:.:.|ｌ:ｌ　　　　 '´/'´:: ｌ　　　 /ィ/:.|ｌ:.:.:.ｌ　　｀!
.　　　　/;,:.:.:.:｀|::.:.:ハ!　　　　　　　　,.　　　　//ｌ:.ハ:.:|　　　　僕は……
　　　 /'´￣/,.ｽ::.:|ヽi!　　　　　　_..:＝、　 ,ｲ/. ｌ:/　ｌ:.|
　　　　　　／　ヽ:|￣｀ヽ､　　　　 -‐　／ ′ /′ ｌ/
.　　　　／　　　　｀　　　　｀ヽ.､　　／　　　　　　 ′
　 ,,－'"｀￣￣￣｀''‐-､　　　　｀ヾく_
　　　　　　　　　　　＼　　　　　｀'i＼
　￣￣｀ヽ　　　　　　　　ヽ　　　　ハ:::｀ヽ
58： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:41:29 ID:itqcPAVE0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _.． -────-　､__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , . : ´　　　. : : : : : : : 　　　｀丶、
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 . : : : : : : : : : :　　　　　　　　　　｀　､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　. : : : : : : : : :　 . : : : :　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　／イ . : : : : : : : : : : : : :　　　　　. : : 　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　／／. : : : ／. : : : : : : :　　. : : : : :／　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　/. : : : ／: : : : : : : :　 . : : : : : ／　　　　　　　　　　　　　 `､
　　　　　　　　　　　　　　 /. : : :/. /: : : : : : :　. : : : : : ／　　／ . :　　　　　　　　　　　 '
　　　　　　　　　　　　　　 , : : : ィ: :/: : : : :／: : : ,　ィ／: 　／ : : : 　　　　　　　　　　　　 '
　　　　　　　　　　　　　　ﾉ／/ /イ: : : : :/: : ∠∠f､'"´> '. : : : :　　 . :　　　　　　　　　i　 .ﾊ
　　　　　　　　　　　　　／／{ 　 /. : : : //彳_ム｀ヾ. ∨: : : : :　　. : :　/　　　　　　　　ﾄ. |} !
　　　　　　　　　　＿ノ／: : :ﾊ　/: : : : /:癶{、ぃ}　 }'/: : : _ ノ: : : : ／//　　/ /　　　　l } | |!
　　　　　　　　　　　　ゝ- ､/: イ: : :／//　　｀＜　 /:／/: : : : : :／∠/: : ィ: /　　　　　l リ l!
　　　　　　　　　　　　　／r‐ i': : /l　〃　　　　　 /' _ノ. :_:　-彳_..孑イv': ／　　　　,!
＿＿＿＿＿＿_r― ￢ ´ 　 l: :/、V/　　　　　　-＝‐ '" ,　　弋_シ　／, '　　/: 　 |! 　l
=､:　:　:　:　:　:　:　｀丶､　　 |/　ヽ{、　　　　　　　　　　 !　　　　｀ｰ／　／:　　ﾊ　 l　　　　僕は、将軍を送り返すべきだと思います
　＞‐ ､:　:　:　:　:　:　: ＼　　　　　ヽ'、　　　　　　　　／　　　／_ . : ´: : : 　/　}　,l
／　　　＼　:　:　:　:　:　:　ヽ　　　　＼　　　　￣｀ヽ､_　　　　イ／／.ｲ: : :　/　 '!　j
　　　　　　ヽ:　:　:　:　:　:　:　ヽ　　　　　＼　　　　｀　　　　　 _／／/:/ j: : : /　　 | /
　　　　　　　　V:　:　:　:　:　:　: }　　　　　　ヽ､　　 _　-‐ '　´/／　/:/ /. :／　　　j/
　　　　　　　　 !:　:　:　:　:　:　: ﾊ　　　　　　ヽゝ ´　　　　／　／'´ /:／
、　　　　　　　 l:　:　:　:　:　:　:　:｝　　　　　　　ヽ､　　　　　　　　　 /'"
:＼　　　　　　 j:　:　:　:　:　:　:　: !　　　　　　　, ｝ﾊ
:　: ヽ　　　　　l:　:　:　:　:　:　:　: j　　　　　　／ j　ﾊ
:　:　: ＼　　　 |:　:　:　:　:　: 厂|/　　　　／　ノ'　　〉
:　:　:　:　ヽ　　!:　:　:　:　:　: i,　j　　　／＞'"　　 /
:　:　:　:　:　}､ ,l:　:　: 厂!:　:　{,/　　, ｲ／　　　 /
:　:　:　:　:　: V:　:　: ,l　l:　:　:/　／:　!　　　　／:'､

　　　　　　　　　 {　　　　 ` ｰ-　　　　　　　　　＼　　　　 } ヽ
　　　　　　　　　　　}＼､　　　　　　　　　ﾐZ⌒ヽト　　　　 :}　　/　　}
　　　　　　　　 ′ 丶　` ｰ-　　　　／　　　　　｀ヽト､　　:} 　/　　/
　　　　　　　　　 {　　　＼　　　　　ｲ　／　　　　　　　＼ムイ　〃ｧ
　　　　　　　　､　　　, =ﾐ　　 r彡　　 r==ミ､　　　　　 j ／／
　　　　　　　　､ｰ＼　/ ヘ} 　 {　　　　　　-‐＼､_　}　/　　 { 彡
　　　　　　　　 } 　　 {　{　|　　|　　　　仗__〕｀¨　ム-=＝!
　　　　　　　　　 . 　八　く|　　| :} 　　　　　　　仗¨〕／
　　　　　　　　　　 >、　ﾊ `.! 　 | :}　　　-‐　¨　　　　ﾄ、　}
　　　　　　　　／ｲ　r'人 j　 /　} 　　　　　　　 }:　ﾉ　　　本気か？
　　　　　　　　　 ∧{ﾊ、ﾉ　z彡　{､　　　r , -‐￢‐=ﾆノ／　　　　お前はまだ若い。私や実時の意見に流される必要は――
　　　　　　　 rｰ{　　＼　く、　　　＼　　/ ｨ ,__,_, 　　｀V γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　 rｰ┘　㍉　　＼ム、　　＼　　　　＿｀ `Wj　 |　　　　　　　　違います　　　　　　　　＞
　　　 rｰ┘　　　　㍉　　ﾆ=-＼　　ｰz ィ , ﾍ　 /　≧ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__,ノ
　 _rｰ┘　　　　　　　　㍉　　　　ﾆ=- ､　　　　　　゛{ 　　　　 }
　{　　　　　　　　　　　　　㍉　　　／⌒ヽ　　　从, =ﾐ　　 /
59： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:42:50 ID:itqcPAVE0: 　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀
　　　　　　／
　　　　　　/　 ,　　´
　　　　 /_／　_ ,／　　　　　　　　/ 　　 /　　　,　　　　　／　/
　　 _　 ´_.. ィ ´.／　　　　　　 / 　./!　　　/　　.／　　　　　／　　/
-＝￢7 :/　／　　　　　i　　〃　/7　 , イ　／　　　　　／　　 /　　 /
　　　　l /　/　　　／/　l　 /　∠7 , く /　,ｲ　/　　　／　　　／　/　/
　　　　ｌ′/　　　 ´ /　/:!　{／〃´)::㍉l //　/　　　 /　　　／　／　/
　　　　　/　　／　ィ　/ 小 l、 {¨ﾟ´::::::ﾊ//　ｨ　　　,〃　／/ ／7 ,〃
＿＿_ ノ!　 /- ´　,　ﾊ!〈i　V｀＞二´　/／ ′　/ / .／示く､ / //　　　　/
　　　 ,l　/ ー―{ l/V　l　　　　　　／´ 　i　　/_　イ`ー '::::}`VV./　　　/
　　　　 l /　　,　イ l　ヽ!　　　　　　　／::,l　/　　､ゝ__oノ /V /　　　/　　 /
　　　　 |l　／　　V　　ﾊ　　　　　　 iイ/ |/ l　　　　｀ー '　//　　　/　　,ｲ /
　　　_　- ´　　　　　　　　'. 　　　　　　' ヽ_／　　　　　　　〃　　／/　/ 〃　　　僕は、政村様ほど政務を経験していません
-‐ ´　　　　　　　　　　　　 ' 　　　 r‐- 、　　　　　　　　　 /　 , イ/〃/′′　　　時定殿や実時殿のような決意もまだありません
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ.　　 _｀ー'　　　　　　　　／　／　/ノ/'l　　　　　　でも、少なくとも僕は得宗、北条嫡流の当主であるとは思っています
　　　　　　　　　　　　　　　　 {ﾍ　　　｀　　　　　　　　／　／｀¨ 7／　j
￣￣　 ─ ､　　　　　　　　　　lヽヽ　__.　　 -―　´／イ´ 　　 /´ 　ﾊ
　　　　　　　丶、　　　　　　　'l　｀＜ ──__ 二,　'′　　　　　　 /　ヽ
￣｀　ｰ -{{｀＞､＼　　　　　　　l　　　｀￣_　-　´　　　　　　　　　 {　　　＼
60： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:43:12 ID:itqcPAVE0: .
　　　　　　 ,.‐'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､
.　　　　 ,.‐':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､:::::::::::ヾ｀`
.　　　,.‐':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::＼
　　／ｸ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::_::::::::::＼
　 '　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾄ:::::ヾゝ､:::::::::::::::::::::::::',´ ｀ヽ;::::トヽ､
　　/:;ｲ::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::ヽゝ::ヽｨ=ヽ;:::::::::::::;::::::::',´｀} ,}::::ヽ､
　/://:::::::::::::::::::{::::::::::::::ヽ､:::::､ヽf'て_ﾉゝ:::::::::!ヽ::::::',)ﾉ　!:::::ﾄ:＼
./'´/::::::::::::::::::::::ヽ:::::::ﾄ:::::::iヽ､ヽ　 _ゞ,／ヽ:::::|　ヽ:::!_,,〈:::::::::ヽ`ヽ　　　父、時頼がなぜ頼経公を追放しなければならなかったのかも
　　!:::::;イ:::ヽ::::::::ヽ､::{ﾆヽ:::',　｀ヽ　　　ヽ:::i　ヾ:!　ヽ／｀ヽ､　　　政村様や身内の者から聞いて、一通りは知っているつもりです
.　 |:::::/ |::::::ヽ:::::::::ト､K'うヾ､　　　　　　ヽ:|　　y,.-‐'´　　　　｀ヽ､　そして父ならば、このような時は毅然と行動したと思っています
　　|::/　|::::::::::ヽ:::::::ﾍ　ゞ_ノ, .::::::.　　　　　　ﾘ　,.-'　　　　　　　 ,.-‐マ
.　　!'　　!:::::::::::::ヽ::::::ヽ｀　､_　　　　　　　　　／　　　　　　,. ‐'´　　　　｀`ヽ､
.　　　　ヽ:::::::::::::{１ヽ､:ヽ　　　'r_ァ　　　　／　　　　　 ,. '´　　　　　　　　　　｀` ､
　　　　　ヽ::ﾄ:::::::| !:::::::ﾄ:::ヽ､　　 '"　　　, '　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　 `ヽ
.　　　　　　ヾ!ヽ::::',ヽ:::::|ヽ:::{ ｀`'' ‐‐-､/ 　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　`　ヽ:::', ヽ::',　ヾ､　　　／　　　　 /　　　　　　　　　　　　　＿_　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　　　　ヾ､　ヾ､　　　　ヽ　　　　　　/　　　　　　　　　　 ,. -‐'´　　｀`'''‐--r----
　　　　　　　　　　　　`　　`　　　　 ',　　　　 /　　　　　　　　　,.-'´　　　　　　 _　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　　　　/　　　　　　　　 ,'　　　　　　 ,.‐' ´ ｀ヽ､　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　　　　/ ヽ　　　　　　／　　　　　／　　　　　　＼}
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　 /　　',　　　　 , '　　　　／　　　　　　　　　｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　　/　　　 ',　　 ,. '　　　　　 , '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 /　　　　 ',　　i　　　　　／
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 ,/,ﾍ､. 　　 i, 　 }　　　／
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　j　ｲ/　ヾヽ　　{ |　 !ヽ､／
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ' ´　　 ',､,>　ヾヽ { <´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　ヽヽ､ヽ
61： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:43:42 ID:itqcPAVE0: 　　　　　　　　　　　　 {　/　 ::{　 {　 {　{ /　／／　　　　-=ﾆ　　　　ﾉ　　　 }
　　　　　　　　　　　　　　 ∨　　 ::＼､､､ムイイ -‐　¨¨Z≦､　　ー==彡　　／}
　γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ　　　　　　　　 ::＼　　　　／　/
＜　　　歴代屈指の執権と呼ばれ　　　 |　　　　　＿　　　 ::ヽ　　ｰ=彡　 }
　　ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__,ノ　　,ｨ=≠ ¨¨¨` 　　 ::」　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　∨ ヽ ≠＝=ミ　　 / 　r_巧≧　　　　＼ `ｰ===彡ヘ
　　　　　　　　　　　　　　　〉､ }　ィ_巧≧x}　 .:　　　　　　　　　　　 }　　　　　厂
　　　　　　　　　　　　　　　　＼ﾉ　　ノ / 　:　{　　　　　　　　　 /　/　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　〈　　　　 /　　: 　ヽ　　　　　　　　. :}　 }⌒ヽく
　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧　　　 {　,　 r ､　}::.　　　　　　. : :}　 }て　}　)、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧　　／` ーー＜:::: . 　　　. : : : }　 }　}' {　　〉
　　　　　　　　　　　　　　　 ∧　 ′ /　ｉ　i　　　｀ヽ:: .　　: : : }　 }_ノﾉ／　　　…………
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ { { /从从从从 } } }::: }　　 : :/　八彡く　　　　時定、近隣の御家人に使いを送れ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 } }　　　こ二二ヽ　　 /　　 :ノ　　ゝ〔　　　　実時、嘘でもなんでも構わん。将軍の謀反の証拠もってこい
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾑ人＿__ ｨ　　｀ーーー､ xく　､　　／　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　イ　/ / / {i }　、ヽ＼＼ヽ　＼＼」　彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　r ＼ { /　{　{ ハ } 　}　 }i　 }　} 　／ Υ
　　　　　　　　　　　　　　　＿厂　　ヽ{ 　 } ｉ{′/　 / 　ﾘ　/　γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　 r┘　　　　　　)人} 八　{　/ 　 /／. :´|　　今の北条家の繁栄を築きあげた父なら　　　　　 |
　　　　　　　　 -=ﾆ　{　　　　　　　　　　　　＼/　x≦- ､　　|　　　　きっとそのようなことを座視しなかったと　　　　 |
　　　　　 -=ﾆ　　　　　　{　　　　　　　　　　 }／　　　＼乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
　　　´　　　　　　　ゝ、　　　　　　　　　 ∨ ,　=＝ミ＼　 {　 // ≧=ﾐ　　＼
／　　　　　　　　　　　（　　　　　　　　　　　　　 ∨　, ==ﾐ｀ヽ　{_:// / 　 -‐ヽ　　ﾆ=-
　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　{　{　r‐.､ }　}≧==={　/　f⌒})　　　　　　ﾆ=-

　　　　　　　　　　　　　　,.　　　'"´￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　,.　'ﾞ´　　　　　　／.::`ヽ＼
　　　　　　　　　／　　　　　,. __´ _＿|.:‐=!=‐!: : :}
　　　　　　　　／　　　　 ,.　´: : : : : : :{ ( ﾉ}:::ﾉ: : :.!
　　　　　　,.　´　　　／. : : : ._ _＿＿＼,. ｲ: : : ;′
　　　　.　´　　　　／ ,.　.:.:::´.:.::::::::::::::.:.｀ヽj: : ./
　　　　ヽ　　　,.　´　´ ￣　＞　==_-===_-- く_
　　　　　ヽイィ´　　　ィ´.:.:.:.:.:(　) `ｰく､､,,「￣
　　　　　　｀Y´ ィ´ ,.　ィ´￣`ｰ===r⌒ヽ(　}
　　　　　　　ﾚ'ハ｀Vﾞ´{;　　　 ,.　'ﾞﾞ´ .; .}`=ｲ
　　　　　　　{！い{: :.:;;;`ゝ　,.　　'´ｰ=_ﾊ, .;}　　　　任せておけ
　　　　　｝ヽ_ 」: : :..:;{　 { ー__--_-､_,.,'′　　　将軍近侍には一切気取らせんよ
　　　　　　 i:.:.'､.:i: : : : .;: : :: : : .,ﾆﾆﾆ､ j!　　　　　宗政はいつも通り職務を続けろ
　　　　　　 j.:.:.:',:{: : :: : ;: : : ::.'ﾞ´　ﾞﾞﾞﾞ｀.ﾉ
　　　　　 _！.:.:.:',｀丶､: :ﾐヽ､: .　　　ｲ
　　　　　「:::::::.￣｀丶､:::::::;:;:;ヽ::.:...:.:.:.ﾉ
　　　　　 i　　　　　　　｀Tﾆﾆﾆ-_二i´
　　　　！　　　　　　　 |::::::::::::::::TTi
　,. .::´.:::::.L　　　　　　　　|:::::::::::::::::| | L
　.:.:.::::::::::::::.:.:.:｀丶､　　　」::::::::::::::::| | |:::`ヽ
62： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:44:49 ID:itqcPAVE0: 　　　　　〃　　　　　　　　　　　　　 j/ ／
　　　　＼｛　　　　　　　　　　　　 /〃
　　　　　｀ヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 . -=ﾐ　　　 j/／
　　　　　 ...._ ＼ヽ　　　　　　　／　　　∨　　　/'′
　　　　　 /　　｀ヽ＼,、　　　　 /　　　　 V
.　　　　 /　　　　　＼　　　　　/ 　　　　　　∨
　　　　/ 　　　　　 ’，　　 ′　　　　　　 V
　　　 ,′　　　　　　　　ヽ.....ノ　　　　　　　 ∨
　　｛　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /｀ヽ
　　　‘，　　　　　　　　　　　　 / ,　　　　　　レう｝
　　　 ‘，　　　　　　ﾍ、　　 / /　,　 ─=イ　{_,ノﾘ
　　ハ　i〃　　　　　＼　ﾚ′/　　‘ ／　 |忻ﾊ　丿　　応とも
　　｛し｝ ! ＼_＿＿＿　　 __ｊ　jﾉ /ミ＝彡′　 lﾉ/ /／　　　宗政、適当な小侍所の御家人を借りるぞ
　　 Ⅵ乢、　｀ヽ＿‘｀彡ヘﾂ　　ヾ　　　　　　j/ //　　　　あとお前ことに及ぶときの御家人を都合いいよう操作するから手伝え
　＼∨ ^Ｙ　｀¨¨¨¨¨´　　ｊ　｜　｝　　　ｲ_彡'
　｀`≧＼_ハｊ　　　　　　 /　｛しｸ　＼　　/小、
　⌒¨¨¨｀ヾ小　＼　　 └-､j__/ 　　 ,ヽ　ハ　ヽ
　　　　　　　|∧ 　 }　,.,_＿＿　--一／　　ｉ　|　　＼
　　　　　　　|/∧　　　　｀ー―‐=彡　　　 ′j　　　ヽ
　　　　　　　|///＼　　　　　癶辷彡'　　 /　/
　　　　　　　∨/// ＼　　　　　　　　 /　/

　l:::::::::::l､:Ｎ::::::ﾄ､:::レ＝＼::::::::::＼
__ｊ:::::::::::| ｌ|､ｌ:::::|_,ｊl:K ｧ⌒ﾟヽ:::::､ヽ＼
､::｀::::::::ﾍｌ::::A:::|= l'　ヽ. ､　 /ﾊ:::＼｀＼
. ＼::::::::::::: :l∧l　　／ ⌒ヽ　 ∧､:::`.=-
　 /:;::::::::::::::V/,　､l´　,　--ヽ.　ｖ}::､:＼
　 l/|::::::::::::ヽ＼l　'l　/　　　ｊ }　 l’__｀≦, -.- ､
　　 |:::/|:::::::､＼､｀ゝ---彡′ ﾊ::＼ィ / ＼＼＿
　　ヽｌ |::::l::::`:‐ヽヽ　￣　彡 ∧:ｔ‐ ‘ { {　　｀ ‐- ､＼　　　いやちょっと何で俺スパルタなの！？
.　　　　l::∧:::ヽ:ヽﾍﾟ ――　 ´　V｀　ヽヽ,　　二二. __＞　俺まだ１５なんですけど！？
.　　　 /´　ヽ:::::､::::l:＼　　　　　　ヽ､　　} } ／　　　　　　 __兄上より年下だよ俺！？
　　　　　　 >､l､:l｀　ヽ　　　　　　　＼{ γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　ヽ. ﾄ＼　∧　　　　　　　人||　　　　　お前得宗じゃないし　　　　　　＞
　　　　　　　　 | |　ヽ.＼∧＿＿、-‐'´::::::ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__,ノ
　　　　　　 / ′／＼＼!:::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　　|＼　　　 Vｖﾍ｜
　　　　　　　｜レ',∧　 {｀ `ー-､::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　l､　＼　　ヽｖﾍ＼　　分ってましたよ！
　　　　　　　 | ／/　∨ヘ＼　　|:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､ヽ　￣￣　ｖl　　　　俺どっちかっていうと実時様ルートなの知ってたけど！
　　　　　　　 ”／　　 ∨ ヘ＼ |:::::::::::::::::::::::::|::::::::::ヽヽ＼　　　　ﾞl､_
　　　　　　 / 　　　＼　＼　＼:::::::::::::::::::/::/::::::::::｀＼｀ ―　､」
63： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:45:21 ID:itqcPAVE0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,...　---- ..,_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.- '´　　　　　　　　｀' - .,
　　　　　　　　　　　　　　 , - ''''',‐ '´　　　,.--- ､　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　／'´ ,. '´　　　　／　　　｀' - .,_ 　　　 '､　
　　　　　　　　　　　 r'"　　l´　　　　　　　,.、　　　　　　　　　　　｀;
　　　　　　　　　　　 !　　　,!　　　　　 ,-､.l. ｀､　　,　　　　　　ヽ　 .!
　　　　　　　　　 |　　 /　　, '　　 / .r‐'"´.'､ ', '､　　　　　ヽ,';. !.',
　　　　　　　　　 !　　'､　　l　　　 ,､ |.　　　ヽヽ,ヾ,-､　､　　lヾ | .〉
　　　　　　　　　 ,'　　　ヽ　|l,　　　!.', !　　　　　ヾ､-‐'二i, l',ﾉ　.,!/
　　　　　　　　　 !　　　　|　', '､､　|-',!‐ﾆ　　　￣,.‐'"'i,;:7/ l／'i ',
　　　　　　　　　／　　　　　ヽゝ'ヽ',ゞ!'"ﾋ;:!　　　　　￣￣.'´ ' !)　l ,!
　　　　　　　／　　　　　　　ﾉ,' r','､.`‐'"´　　 !　　　　　　 |'//,'　　　　参ったね
　　　　　／　　　　　　　 .／ '､'､ヾ,　　　　 ',　　　　　　　 lr'　!　　　　皆がやる気を出してる以上、俺もやる気出さなきゃいけないっぽいか
　　　／　　　　　　 .／.　　｀'｀;-､　　　　　ヽ　　 _,　　 /!　.!　　　　じゃぁ、北条一門以外の御家人への根回しは俺がやっておくか
.　　／　　　　　　　.／　　　　　　 !｀'.､.　　　 ,. -‐',ﾆ-' 　 ,.'.ﾉ',i !ー-､
　／　　　　　　　　／　　　　　　　ヾ;. iヽ　　｀"´-‐　　.,.'　'´!'.'_r'　　!
.'　　　　　　　　 , '　　　　　　　　 ,.､-'"ヾ,　｀' .､　　　　 ./　　 r'‐il.l　　 !
　　　　　　　　,.'ー,‐--　..,,_　　 i,.､','　 ,.' !　　　｀' ー‐ '　_,. ;='´ !.!l.!.　　',_
　　　　　 /',',　 ',　　　　｀"く　',',　ヽ｀'' ‐----‐ '' ´　 l　　 !.l.ll　 ,.;'.' `'ー‐--　..,,＿
　　　　　　 /',. ',',　 ',　　　　　　,',　'';,.　 !　　　　　　　　　　|　　 ',.',';,,.;'.'
　　　　 /　l　',.',.　l　　＿＿_|.i､. ヾ､ l､_　　　　　　　　　l!　　/l '//､
　　　　　/i　 .!.　',.'-‐　　|　　　 !!'ヽ　'ｰiヽヽ'' ‐-,,..... -‐ '　!　 /　'-'　｀"'' - ..,,_
64：名無しのやる夫だお：2014/02/22(土) 19:45:44 ID:6nij.H1Q0: シンちゃんｗ
65： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:46:57 ID:itqcPAVE0: 　　 /.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:::::.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.: :. :.:.:.:.:.:.:. :　　 :.:.::::.:.:.:.:＼
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　 |:ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::トﾍ __ﾍ:!z-.､ヽ:::::.: :ﾊ::::::.:l ,ィ≠ﾐlｲ:::.:.l::::.:.:.:.:ト､:.:.l
　ﾘ l:::::::::::::｣:::::::::::::::::::::::::::::::lzﾍ＝7'う;;ミ､＼:::.l ﾍ::::.l ''l r'j! 7:::::/:::::::.:.:.:.l　ヽﾍ
　　ﾍ:::::::/,ｲ:::::::::::::::::::::::::.:::::.爪　{_,/ﾉﾍ!　　ヽl　 ∨ ､辷,j, l:::/:.::::::::::.:.:.:l　ヽ:'、
　　　 l:ﾊ:l r'ﾍ::::::::::::::::::::.l:::ヽ::ヽーゞ＝'"‐　　　　　　、｀　 /ｨ:::::.:.:ﾄ､::::.:.:l　　ヾ
　　　 l|ﾍﾍヽl:::i:::::::::::::::::.ヽ:.ﾄ､ヽ　　　　　　　　　　　ヽ　　　l:::::::.:.:| ヽ:::.:.:!
　　　 l|　l::ヽヽ::ﾄ､:::::::::::::. : ﾄヽ｀ヾ　　　　　　　　　　　　,　　∧:::::.:.:!　ヽ::.|
　　　 l!　ｌ|:::i:｀`:ﾍ::::ヽ::::::. : lヽヽ　　　　　　　　　　　_　' 　 /　ヽ:::.:.|　　ﾍ:!
.　　　　 l::ﾊ:::::::::ヽ:::ﾄ;:::::. :.l　｀ヽ　　　　　　　　,　-ぅ　, ﾍ| 　ﾍ:.:.! 　　 l!　　　　よろしく頼みます
　　　　ﾘ |:ﾊ:; ─＼ヽ:::.: :l　　　　　　　　　　｀´,-　／　　　　ﾍ:|　　　　　　　　政村殿、僕は何をすれば？
　　　　　ﾘ /｀丶{ヽ. 丶:::l｀　-　_ 　　　　　　　／　　　　　　 '
　　　　　　 /　　　　｀丶ﾍ::ｌ_ 　　　｀ ‐-　.__＿,ハ
.　　　　　/　　　　　　　　ﾍ! ｀ ‐--　..＿..ﾉ7　　ヽ--　　.....＿＿__
　　　　　　 /　　　　　　　　　 ` ｀ヽ、::::::::::::::/　　 ,...._＼::::::::::::::::::::::::::::｀丶、
　　　　　　∧ 　　　　　　　　　　　　　＼ーイ　　　|､　　ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ

　　　　　　　　　 /　　　　　　 /　　／　　　　　　 '.
　　　　　　　　「 У　　　　　　　　/　／　　　　　　　　　　 ∨}
　　　　　　　　　} { 　　　　 `ﾄ､/ イ斗≦ イ＜彡　　　 }
　　　　　　　　 /　〉 .r`⌒ヽト､{　　　　　　　　 ∨　　　 /　}
　　　　　　　 {　′ | /　　　　　　　　 /　　　 i　 V 　 /
　　　　　　　　　､　　| }　　　 { 　　　/　　　　 {: 　 } :./　, 　ム
　　　　　　　､￢ﾐ　L　＿　　:.　　 /　　　＿　　 }　: /　/ /´
　　　　　　　＼　ィ⌒ヾﾐﾒ､ {　　{ rzz彡 ⌒ヾ　 }　/ﾍ　 .′
　　　　　　　　　　Yﾊ } /ノ´苡≧､ｰヘィ廴苡>､　　} //} } /
　　　　　　　　　　 }　}i　｀¨¨　／ }　　＼　　　　ｲ〃り }′
.　　　　　　　　 V八　　／　　}　　　 ` ､　　/ } }/　/　　　　　お前は何もするな。私と共に政務を滞りなく行うだけでいい
　　　　　　　　＼ﾄ､　　　　､　 ,　　　　　 /　| |　ム　　　　　いいか？現在の謀反の根拠は御台所のもとに良基が出入りしているという点だけだ
　　　　　　　　　　 Vﾊ　　イ""　　　｀丶、ヽ　 | しﾍ厂_　　　　別に御家人や北条の有力者が協力しているというわけではない
　　　　　　　　　　　　 ∧ }〈{　ィイ_ヘ_トﾄﾐ }　} 　ﾉ　}､}､　｀ヽ
　　　　　　　　　／∨ ﾑゝゞ'　｀¨ﾆﾆﾆ¨´　　／　　〈ﾉ }　　 ⌒ヽ
　　　　　　　　　_{　　∠ィ　＼　 , へ　　／　　､}／　/　　　　 }_
　　 -‐y⌒Y´　 }　〈　ﾑﾍ　 ` "　　 ` ` `　,　-=彡　/i:}　　　　　　｀ヽ
　　{　　　 /　　 {　　ゝ =ﾐ　} ィ　　 i　　　〃　　　 /i:i/　　　　　　 }＼
　 /　　　 { 　　 V´:i:i:i:i:i:iヽ人､从{从ｲイ {　　　 /i:i/　　　　　　　　ゝ､:＼
66： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:47:50 ID:itqcPAVE0: 　　ﾉ} ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　　　　V　}
　／ /　　　　　-‐　 ¨¨　　　　　　　　　　　　 /
「Y　　{ 　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　 /⌒ー　´} 　ﾊ
| :|　　 :/　 ′　　　　　　　-‐　 ¨¨　　　　　　　　　　　 ′ 　ﾉ
| :| 　 /　　　　　　　／　　　　　　　／　　　　　　 /　　⌒ヽ
　　　′/{／{／ "Z　　　　　　　　　／　　　　　　 / 7　厂
　＼　{ /　　　　　　＼　　　　　／　　　　　　　　　　 /　ノ
　｀V　　　　　　　　ｰ=彡　　　　　　　　　　　　　　/く
　　 | 　　 -ｧ　　　　｀ヽ　 Y⌒ヽ　　　　　　　　　　ﾉ
　　　 |　／xく　　　　　　　　| 　 |　　 V 　／　　　／
.　　　八`´ 苡ﾝ　　　　　　　 | 　 | 　　 | ／　　　　く
　　　　 }　`ｰ､　　　　　　　八　ムヘ　|　　　　　厂
　　　　 .′　　　　　　　　　 ′／　　＞　　　／
　　　 {　　　　　　　　　　 {／　＞ ´　　　　⌒ヽ、- ､　　　この状態で大っぴらに事を運べばあるかどうかわからん謀反が本当に結実しかねん
　　　 └　ン`ｰ-　､　　／＞ ´ﾉ　＼　ﾊ　厂　　　 }　　今回の事は芽を摘みたいのであって、間違っても
　　　　　　〈__ ､ -‐=ﾐ〉　¨´　／　 _厂ﾑｲ　}ﾉ　　　　 ⌒}　幕府内部からの反乱を招きたいのではない
　　　　　　　に二彡　　／　／　厂ヽノ　　　　　　八
　　　　　　　　　ﾊ、＿彡　　／　厂　　　　　　　　　　　　 }
　　　　　　　　　{　　　　　　 }" 厂　　　　　　　　　　八
　　　　　　　 }　　　　／"厂　　　　　　　　　　　　 }
　　　　　　　　ﾑﾍ从イ厂　　　　　　　　　　厂⌒⌒⌒`く
　　　　　　 r┘ 'ﾊ厂　　　　　　　　　　　厂　　　　　　　＼
　　　　　　　　}　 / ノ　　　　　　　　厂　　　　　　　＼
　　　　　{⌒′厂　　　　　　　　　　　厂
　　　　〉　ｲ　　　　　　　　　　　厂　　　　　-‐　　　¨¨¨ミ　　　‘，
　　　ｒｰ} / ﾉ　　　　　　　　　ﾉ　　　／　　　　　　　　　　＼　}
67： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:48:23 ID:itqcPAVE0: 　　　　　　　　　　　　 .　 ´.::.::.::.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ、
　　　　　　　　　　　／.::.::.::.::.::.::.: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　. .::.::.::.::.::.::.::. . .:.: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. .:.:.:.:.:.γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　/ .::.::.::.::.::.::.::..:.: : .:.:.:.: .: .:.:.: .:.: .:.:.:.: . :.|故に、我々は今回は直前まで動かん　＞
.　　　　　　　 /　.　.::.::.::.::.::.:.:. .::.::.::. .:: :.:. .:. : .:.:.:.:.: :.: ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__,ノ
　　　　　　　 /　/ .::.::.::.::.::.::.:.:.:.::.::.:.::.::. .: .:.:.: .:.:.:.:.:.:. .:.:. : .:.:.:.:. :. .:.:.:.:.!
　　　　　　 .′.′.::.::.::.::.::.:.:.::.::/./.::.:/. .:.:.:.::/.::.::.:.:.:.:.:.:.:.:. .:.:.:.:.:i:.:.:.:.i:|
　　　　　　 ′/ .::/.::.::.::.:::.::.::.:/./.::.:/.::.::.:.:.:/.::.::.:./.:ｲ:i::.::.::.::.:.:.:.:!:.:.:.:ﾄl
　　　　　　i　ｲ .:/.::.:ｉ::.::.::i::.::./ｲ!::.:/.::.::.:.:.:/.::.::.::/./_｣::!::.::.::.::.::.::.|:.:.:.:.l
　　　　　　|/ |:.ｲ.::.::.|::.::.::|::./メ.l:.ｲ::.::.::.::./.::.::.::/}/-‐i::!::.::.::.::.::.::.ﾄ､::.::|
.　　　　　 |:　}::.::.|::.::.::|/７ラﾄ､!:::.::.::/.::.::.::,ｨf≠㌫ﾘ::.::.:/.::.::.::iﾄ }::.{
.　　　　　 ||　|::.::.|::.::.i:|、krf少|:::.::/ |::.::.:/ {rvf少,l::.::/.::.::i::.::レ'.:ハ、
.　　　　　 |ｌ　|::.::.|::.::.ﾄl ｀￣　 |:::/ 　!::./ 　｀^~´ ｌ::/.::.::.::ｌ::.:| V. : : : 丶、　　　……はい
　　　　　　　　　｣::.::.|::.ｉ::ハ　　　|/ ,′|/　　　　　 lハ::.::.::.l::.:|　|: : : : : : : :丶、
　　　　　／ : !::./l/l/ : ﾊ、　　　､　　　　　　　 ′l::.::.::ハ:|　|: : : : : : : : : : :丶、
　　　　　／. : : : |/. : : : / 　＼　　ー-ー- 、　　／l::.::/　 }|　|: : : : : : : : : : : : : :
　　　　/. : : : : : : : : : : /　　　　ヽ　　ー　　　　イ　/／　　　 !: : : : : : : : : : : : :
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.　 / : : : : : : : ト、 /　　　　　　／　　／　　　　　　　　　　　 |: : : : : : : : : : : : : :
　 { : : : : : : : : ｌ　l/　　　　　　／_.＞'" へ、　　　　　　　　　 |、: : : : : : : : : : : :
　　ヽ、 : : : : : ｌ　l　　　　　, ィ´{r-‐: :´: : : : :＼　　　　　　　　 | ＼: : : : : : : : : : :
　　 {: :＼: : : : |　l 　　　／､__＼ : : : : : : : : : : : ヽ、　　　　　　　|＼　ヽr-‐‐‐ ￢'"

　　　　　　　　　　　　　　,.　　　'"´￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　,.　'ﾞ´　　　　　　／.::`ヽ＼
　　　　　　　　　／　　　　　,. __´ _＿|.:‐=!=‐!: : :}
　　　　　　　　／　　　　 ,.　´: : : : : : :{ ( ﾉ}:::ﾉ: : :.!
　　　　　　,.　´　　　／. : : : ._ _＿＿＼,. ｲ: : : ;′
　　　　.　´　　　　／ ,.　.:.:::´.:.::::::::::::::.:.｀ヽj: : ./
　　　　ヽ　　　,.　´　´ ￣　＞　==_-===_-- く_
　　　　　ヽイィ´　　　ィ´.:.:.:.:.:(　) `ｰく､､,,「￣
　　　　　　｀Y´ ィ´ ,.　ィ´￣`ｰ===r⌒ヽ(　}
　　　　　　　ﾚ'ハ｀Vﾞ´{;　　　 ,.　'ﾞﾞ´ .; .}`=ｲ
　　　　　　　{！い{: :.:;;;`ゝ　,.　　'´ｰ=_ﾊ, .;}　　　　こじ付けのような根拠で将軍を追い出そうという企てを決定しながら
　　　　　｝ヽ_ 」: : :..:;{　 { ー__--_-､_,.,'′　　　自身が何もしないのは気に入らんというのは分かる。だが、わしらはそれで嬉しいのだ
　　　　　　 i:.:.'､.:i: : : : .;: : :: : : .,ﾆﾆﾆ､ j!　　　　　「我らの得宗は命を懸けるに値する」そう感じさせてくれただけでな
　　　　　　 j.:.:.:',:{: : :: : ;: : : ::.'ﾞ´　ﾞﾞﾞﾞ｀.ﾉ
　　　　　 _！.:.:.:',｀丶､: :ﾐヽ､: .　　　ｲ
　　　　　「:::::::.￣｀丶､:::::::;:;:;ヽ::.:...:.:.:.ﾉ
　　　　　 i　　　　　　　｀Tﾆﾆﾆ-_二i´
　　　　！　　　　　　　 |::::::::::::::::TTi
　,. .::´.:::::.L　　　　　　　　|:::::::::::::::::| | L
　.:.:.::::::::::::::.:.:.:｀丶､　　　」::::::::::::::::| | |:::`ヽ
68： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:49:00 ID:itqcPAVE0: 　　　　　〃　　　　　　　　　　　　　 j/ ／
　　　　＼｛　　　　　　　　　　　　 /〃
　　　　　｀ヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 . -=ﾐ　　　 j/／
　　　　　 ...._ ＼ヽ　　　　　　　／　　　∨　　　/'′
　　　　　 /　　｀ヽ＼,、　　　　 /　　　　 V
.　　　　 /　　　　　＼　　　　　/ 　　　　　　∨
　　　　/ 　　　　　 ’，　　 ′　　　　　　 V
　　　 ,′　　　　　　　　ヽ.....ノ　　　　　　　 ∨
　　｛　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /｀ヽ
　　　‘，　　　　　　　　　　　　 / ,　　　　　　レう｝
　　　 ‘，　　　　　　ﾍ、　　 / /　,　 ─=イ　{_,ノﾘ
　　ハ　i〃　　　　　＼　ﾚ′/　　‘ ／　 |忻ﾊ　丿
　　｛し｝ ! ＼_＿＿＿　　 __ｊ　jﾉ /ミ＝彡′　 lﾉ/ /／
　　 Ⅵ乢、　｀ヽ＿‘｀彡ヘﾂ　　ヾ　　　　　　j/ //　　　そういうこった
　＼∨ ^Ｙ　｀¨¨¨¨¨´　　ｊ　｜　｝　　　ｲ_彡'　　　　こういったヤバイもんは俺たちがやる
　｀`≧＼_ハｊ　　　　　　 /　｛しｸ　＼　　/小、　　　　　お前はふんぞり返って結果を待ってりゃいいんだ
　⌒¨¨¨｀ヾ小　＼　　 └-､j__/ 　　 ,ヽ　ハ　ヽ
　　　　　　　|∧ 　 }　,.,_＿＿　--一／　　ｉ　|　　＼
　　　　　　　|/∧　　　　｀ー―‐=彡　　　 ′j　　　ヽ
　　　　　　　|///＼　　　　　癶辷彡'　　 /　/
　　　　　　　∨/// ＼　　　　　　　　 /　/

　／／　／:::::::::::::::::::::::::::::::::;:-‐' ヽ:::::::::::::::::::::::::::::l !:::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
／／　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::/　　　 ';::::::ト;ﾄ､:::::::::/_l:::::/l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
''´　 ,::'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/　　　　　 ';::::::l‐!‐';::::/ｚ l／~|::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::::
.　／::::::::::::::::::::::::::::::i::::::::::l　　　　　 ,ｒ;l::::::iｚ=;;l∠_｀`ミ､ﾉ:::::/:::::::::::::i;:::::::::::::::::::
./::::::::::::;/::::::::::::::::::::::i::::::::l　　　　〈 l/ l:::::l　{ ´ 　}　_ /::::;/:::::::::::::::::l丶:::::::::::::
'::::::;-'´/:::;ｲ:::::::::::::::::li:::::::l＝= ､　　　　l::::l　ゞ-‐''´ /::／l::::::::::::::::::::l　}:::::::::::/
-''´　 /::/ l:::::::::::::::::::ﾞ;;:::::l_ｚ;;=ミ、　　 ';::l　　　　　/:; '　 !:::::::::::::::::::::', l:::::::::::l
　　 /::/　l:::::::::::::::::::::ﾞ;;::::l/ｒ''i'ヽ　　　 l/　　　　 //　　 l:::::::::::::::::::::i､l':::::;::::::!
　　 l:/　. l::::::::::::::::::::::::';:::',ヽﾉ,／ '　　　　　　　 /´　　 l:::::::::::::::::::::l"`:::/ヽ::l
　　 l'　　 l::::::::::::::::::::::::::';:::',"´　　＼　　　　　　　　　 l:::::::/ !::::::::::::::::::|　||ﾘ　　　兄上、俺もできる限りのことをやってみます
　　　　　 l:::::;:ィ::::::::;;::::::::ヽ;'､　　　　　　　　　　　　　　l:::::/　l::::::::::::::::/.| ┌──┐
.　　　　 l::::/　';:::::;'　';:::::::::',`　　　　,-‐;;＝''　　　　　 l:::/　,ｲ::::::;;::::: γ │実時│￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　ｊノ　　 ';::l　　';:::::::::ヽ　　　 `''´,. -　　　　　 l/-´　l::::/l∨　|　└──┘焦点あってねぇぞ　　　　　＞
　　　　　/　　　　';:!　.　';:::::::::/｀ｒ;-､　　　　　　　　／　　　 l::/ l　　ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__,ノ
　　　　　　　　　　ヾ　　 l::::::/　 l:::/ `ヽ　　　　_ - ´　　　　 l/　 l　　 l　l !
　　　　　　　　　　　　　ｒl:::/ニﾆl/￣　　` ー1　　　　　　　 /　　 l　　l　l l　　　いきなり無茶ぶりされてテンパってるからだよ
　　　　　　　　　　　　　ﾞｊｲヽ　　　　　　　　　丶　　　　　　　　　　ヽｌ　l ｊヽ
　　　　　　　　　　　　　　ヽヽ　　　　　　　　　 ',　　　　　　　「￣￣l-‐'´　｀`
　　　　　　　　　　　　　　　ヽヽ　　　　　　ﾉﾞ　　　　　　ｊ
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽヽ　　　　　 ,ｒ1　　　 _,.-‐''´/
69： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:49:47 ID:itqcPAVE0: ――宗尊親王の「謀反」に関して語る史書は少ない
　　　　　 |＼　　　　　　　／|
　　　　 |＼＼　　　　／／|
　　　　　 : 　,>　｀´￣｀´　<　 ′
.　　　　　Ｖ　　　　　　Ｖ
.　　　　　 i{　●　　　 ●　}i
　　　　　八　　､_,_, 　　八　　　　ボクも信者への手紙でこの事には触れてないんだよ
. 　　　 /　个 . ＿　＿ . 个 ',　　　　むしろ同じ時期に伊豆で念仏信者の地頭に切り付けられたことの方が問題だよ！
　　　　　 /,,―　-ー　　､　,　-‐ ､　　　それもこれも邪宗を認めてる幕府が……
　　　　（　　　,　-‐　'"　　　　　）
　　　　　 `;ー"　`　ー-ー　-ー'
　　　　　　l　　　　　　　　　　　l
『北条９代記』によると親王の妻と親しい間柄にあった良基がそそのかし
本気にした親王が周りに相談したことで発覚したのだという
だが、その謀反計画とやらの真贋はともかくとして、その経過と首謀者とされた者達に関する記述は詳細に残されている

文永３年７月１日
鎌倉近在の御家人が完全武装で鎌倉に集結
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　';';,..
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'';;';';;,.,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ''';;';';;'';;;,.,　　　　　　　　　　　　　　　　　　ザッ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　''';;';'';';''';;'';;;,.,　　　ザッ
　　　　　　　　　　ザッ　　　　　　　　 ;;''';;';'';';';;;'';;'';;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 vymyvwymyvymyvy　　　　　ザッ
　　　　　　　　　　　　　ザッ　　　 MVvvMvyvMVvvMvyvMVvv、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Λ＿ﾍ＾－＾Λ＿ﾍ＾－＾Λ＿ﾍ＾Λ＿ﾍ
　　　　　ザッ　　　　　　　　　　ﾍ＿＿Λ　ﾍ＿＿Λ　ﾍ＿＿Λ　ﾍ＿＿Λ
　　　　　　　　　　　　　　　＿＿,/ヽ＿　/ヽ＿＿,.ヘ　/ヽ＿＿,.ヘ　＿,.ヘ　,.ヘ　　　　ザッ
　　　　/＼＿＿_／ヽ　　　/＼＿＿＿ /＼＿＿_／ヽ　_／ヽ　/＼＿＿_／ヽ
　　／''''''　　　'''''':::::::＼／''''''　　　'''／''''''　　　'''''':::::::＼　　／''''''　　　'''''':::::::＼
.　　|（●）,　　　､（●）､.:|（●）,　　　.|（●）,　　　､（●）､.:|､（ |（●）,　　　､（●）､.:|
.　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.:::|　　 ,,ﾉ(､_, )|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|_, )|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|
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　　＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／＼　　｀ﾆﾆ　＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／ﾆ´ ＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／
　　／｀ー‐--‐‐―´＼／｀ー‐-　　／｀ー‐--‐‐―´＼-‐‐ ／｀ー‐--‐‐―´＼
70： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:51:24 ID:itqcPAVE0: その物々しさに鎌倉に住む人々は身の回りの物を纏めて鎌倉府外へと非難
　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　ィ`´￣￣￣￣ヽ　　　|　　 ,えﾞ　　　　　　　　 r―-､
　　　　　　　　＼　　　　　　　　　〃　._八__､､　　|　　　　|　　,.‐-､vﾍﾊﾉVvﾍﾊﾊ∠二ヽヽ　　　　　　／
　　　ｰ` ｀ ` ｀　｀　＼　　　　　　　ﾙ三''′`三ヽ. 　l　　　　|　/／フlul｜lu|｜lu| l∠二ヽ /　　　　　／
　　 ∠/ﾚ'ﾚ'ﾚ'ﾚ'L. 　　＼　　　　　　　　 [ ≧|ニ|≦_]~|^)ﾄ､.　　 | 〈 /'''フ-‐～'　～'⌒⊂"^ヽ/￣￣￣　／
　　／|│|u| _|_|_ 7　　　|＼　　　　　　　 | ,-L__」 -､u |ﾄ:|　|'''ｰ |"~ヾノつへ、U　／ヽu|ヾi＿＿＿__／
　　|＼　／　　　 | r.､　| 　＼　　　,.. -┬|l王l王l王l`/ .|　 | |　|　　　_||（　 o　　　 o　,ﾉ ||f|-―l　l／
　　|ﾆ・〉　ニ・ﾌ　.|l６|　|　　＼　,∧　　|├‐┬─‐''′/ 　 ||　|i'"l~:::l::|　し'｜ u | `Jｕ l!'|::::::::／
.　　|∠　っ　　u　 ll,ノ　|　　　＼　 |　　|.|-―l､＿__／-―┤ .||　|:::::|:::| v ___L,__,.」＿u　|::|／＿＿＿＿
　　ヽlﾆ二二)　.／ >‐､l 　　　　＼ |　　|｜　ヽ. ／　　　| | 　||　|::::|:::::ヽ（(三≡≡三) ／　　＿　　　 `i
　　　ヽ＝　.／／　,.ベ＼　　　　＼　 | |　　Y。　　　| | 　||　|::::|:::::::::::＼ｕ､━､／_ -イi~| | |~ヽ　　　｜
　　　　ヽ_. く／　／　　ヽ＼　　＿|＼_／＼_／＼_／＼_／＼_／|＿__:::::::::::::／ TT l |υl_, -'_フヽ　　 |
　　　　　　 /　／　　　　ヽ　ヽ　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::::::／＼υ　 , -''_~- ''~ u ／　　｜
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿___／戦　乱　開　始　の・・・・・　＼／～ヽゝ||　||, -ー～フ ::|　|⌒i　|
< ／l/ 　u |ﾊ、　　　　　ヽ　　　　　〉　　　　　　　　　　　　　　／　 |)_ o／u ≡丶o_　ノ　 ::::| .|⌒|　|＼
　ﾚ =､＼　 _メヽ!ヽ!、　　 |　　　　く　　予　感　っ　・・・・・・・　＞　 |( /,' 　　U 　（　)　υ::| ｌＤ |　|　 |`ｰ
　 |ヽ｡>_ 　／｡ﾉ　| ,へ　|　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼_＿|/,'　υ　　υ　し'　　 ::::|.|_,ノ　| 　 |
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　　　＞--― "u ／　　,ｼ^'~'^~''^~^''^''ゞ､　 |:l |∥┃┃│∥　|│ | |　　　 _≧ｰ＼≡　υ 　::/:::　　／| 　　　 |
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..〈　 / ／|　／　　　c / lυl l lυl | |u ｌ　|　||｜|　 │ 　_ 　　　､)ﾉﾉ　|　　^ｲイイイイイｲ＼-‐''"~　　／|＿＿＿_,|
　 l　 ll　／,､,､,,　　 c　|二ヽ'___∠二＿＿_| | l│|　 │　|i┴-､　| |　　|　　/､＼　u　／>Z. ＼　　／　 |
　.ﾄ､／　,､,､,､,､;. っ c　「⊂・「^^|二･)|~~~''6|:l:|│|　　　 └‐ｌ　 l_,/､|　　|　 |r==､l　　<／== 'i ｉﾍ＼　　　|
,／　| 　 |ァ,,ｧ| っ.　　└廾┘ └―┘　 -|ｉ||:|│　　_,r―;rミ巛彡/　　｜　|`ｰ・　　　・― '　|.|ﾍ|　| ＼
　　　|　6 lﾆコ| っ. 　　 |U　'～`υ υ　　| || |│　 └ヽ/ヽ､|Ｍ|ノ　　 |　｜∴（＿_)∵∴ u||.ﾝ　|＼　＼
　　　Vﾆﾆ￣ﾍ. 　　 c　| l三三三三ｌ　　| | |ｉ|│ミ`--へ,,／￣　　　｜l|　 |u(二ニﾆ二) 　/ヽ.　| 　 |"'''‐＼
　　　　　　　　　　　　　 l ￣￣￣￣_厂| | l ||│| ￣￣　　 │┃　 ┃|| l| '"|＼　━　　／　　ヽ| 　｜　　　＼
　　　　　　　　　　　￣￣|￣￣/　| |l |l |│|∥┃ 　│∥┃│┃|l| l|　| 　 `r― '" 　　／|　　｜　　　　＼
71： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:52:23 ID:itqcPAVE0: 　　　　r ､
　　　　｀ `　　　＿
　　(丶.　　／__ 　￣ ¨丶、
　　　｀　　/ / v ｀ｰ-‐''^ヽ.ヽ
　⊂=　　_|/ __,ノ.ﾌv　(ヽ._　}.|
　　　ｆｎl|Ｔ''r｡￢--r‐_-ﾆ.jｈ
　　　　 |h|| ヽ｀ﾆｲ￣Lﾟ-'_.ﾉl|,ﾘ　　　　　わ、我々が悪いんじゃない……
　　　＿,ゞ| u . . .L___.| .　v lﾚ'　 __n__　このような非常事態は想定外……想定外なんだ……
　￣::::::::::::l: :ｆこ二ﾆ二_ヽ: .ﾊ.　　,ｺに.lゝ　将軍の謀反なんて知らないんだ……
:::::__ｎ__::::::l:.:ヽ-～ｰ- ､_ｿ:/:::`ｰ（.(l ｢ﾞ)ﾉ　　　　　　　　 (^Y^ｈ
:::: ,ｺに.lゝ:ﾄ:､:_: : ⌒:v:.:_ノ:::::::::::::::￣:::l)l)　　　　　　ｉ＾)　}: }..j(ヽ
:::（.(l ｢ﾞ)ﾉ:::| ＼￣ﾞﾞﾞフ´/:::::::::::::::く∨ﾌ:ﾊ　　　　　ﾉ ,レ'‐´ ' ﾉ..〉
::::::￣:::l)l):::l　　,＞く　 /::::::::::::::: （.(´_:/:::ヽ　　　　　　 {　´、｀ヽ. ｀/
:::: く∨ﾌ :::::ｌ／ |:::/ ∨::::::::::::::::::::: ｀:７´::::::ﾄ､　　　　　 ,〉、 }' ´ ／
::: （.(´__:::::::::!　/:::l　/::::::::::::::::::::::::::::O::::::::/:::}.　　　／:ヽ._^-rく
:::::::::￣´:::::::::V::::::|./::::::::::::::::::::::::::::/:ｏ :::/:::/::＼.／ :::::::::::::｀¨ラ′
:::::::: ｏ :::::::::::::::::::::′::::::::::::::::::::::: /:::::o:::::::/:::::／::::::::::::::::::::::／
:::::::::ｏ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
終結した御家人たちを府内に駐留させたうえで二階堂忠行らを使者として将軍御所へ派遣
将軍御所からの立ち退きと時宗邸宅への移住を要求
これに将軍御所で警固の任務にあたっていた御家人たちが逃走
72： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:53:00 ID:itqcPAVE0: 大多数の御家人たちが逃げ出した後も残っていた御家人たちは数えるほどで、その筆頭は島津忠景であったという
"//;; 彡,､-ｰ''ｱ:;､-'/:::::::::::＼＼::;;､-'７三三ヽヽ;）;/￣/＿ヽt
从从iii:ﾉ　／／／/了;;;;;;;ミ)）;/　／彡ミﾐ::;;-ｰ―"　＿＿/ヽヽ
:::::::::ﾘｲ　　i::/　/ / /;;;;;;;;;;;iiiii)/ ,r',,,,,､- ｧ／-z''"　　/iii从;;;））　|
//;;;/:|　ノ:ﾉz''"/／ ,,､-ｰ ''"　　,､-ｰ''"::|;i／／/　/从从;;;;ﾘ|　ヽ
i;;;;i;;;;ﾘ　/;;;､-''了　 / ,､z''"／|　/　　　 :ﾘ;|／,,;/　/ｲii|／＼从从
iii||;;;;i　　 ,､-ｰ'i|　　"／／ :/ /　　　　 /ﾘﾘ/;/／从:::~'-／;;､-'/
ﾘ|ii|/　「"､ﾘt i|ii|i　ﾉ／ヽ:/ /　　ﾉ　　:{;;| :|ii|从i|;;､-''|;;;､-",､ '从
ﾘﾘ/　/､,ﾘﾉ;;|''|;;|ｰ-|/----ﾚ------ ｰﾘ;;;|''||ii从ﾘ,､;;;;／　／从从
:::::|　 |ﾉﾉ人ｿ''|ﾘ+::､::,,＿ｏ;:;:'､ｏ;) ,,､-ｰ|;;|i|'"iii|从从;|　／ヽヽミミミ
:::::|／彡ﾉﾘ　ﾉﾉ　ｰ--､￣￣￣ノ:::::::::t;;tヽヽ､;;ミミ;ﾚ"ヽ､ミ三''ン;;
彡"从从ノノノ　　　　ヽ~　j::::（　r'　　｀ヽミ､,,,､＝'}~'-､､ミ三シ<":
彡彡ｲ/）;;;~"'''ミz;;;;;;;;;;__iz-ﾉ人t-;;=ニ､ﾆ,-ｰヲ;;;;;;;;;;;;;)￣　､;;;;:::::::::
＞''"//;;;;;;;;;;;;;;｀'ｰ｀＝´-''rミ:ｧ了彡:~''''''i''ｱ'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽヽ､'ｰ､::::　　　おいたわしや御所様！
;;;;;;;;;/|;;;;;;;;;;;;;;;;'''''了""":（ミﾐi|:::j:::彡::::''"ヽj'''"　 ::;;;;;i|ミﾄﾄミ　::::::::::::　　　この忠景の目が黒いうちは叛徒どもを一兵たりとも近づけさせませんぞ！
;;;;;;;;;/|;i|;;;;;;;:::::: 　|}　　:::::（ﾐ　i :|:／ﾘ::::､　||　　　::;;;;;从~'-､ｰ､､､､r'"
;;;;;;/ |t;;;;;;;;;;）:::::::::ij:::::::::::i'⌒ :j :}:::''"ヽ::::: |j　　 :ﾉｲ;;ﾘ;;;|从::::::::::::::::::
;;;;/从i);;;;;;;t'､:::::::::|i:::::::::::'ｰ:､（　）'"~´　　ﾘ　　:ｲ/;;;;|i|i||从ヽヽヽ;;ヽ
ノﾉﾉﾉ;;;;;;;;;;;;t';::::::::::},::::::::::~''ｰ､;;;／　　　 ij　　:::/::|;;; || i 从:::;;;;;;;;;;;;;
　从;;;;;;;;;;;;|;;;;;;'､::::::::ij:ヽｰ__ニ三三'''=ｰ''ﾉ　　ノ::::|;;;|i||ii t从;;;;;;;;;;;;;;
ﾘ;;;;;;;;从;;;;j::::::::::ヽ::::::i|::::~ ､"￣￣￣"::::ﾉ　 r'::::::ﾘ;;r､（((ヽ't;;;;;;;;;;;ヽ
;;;;;;;;ノ ;;;;;;;|､::::::::::::ヽ:j ":::;;､ '' ~~""ヽ､ノ:::; '::::::::/;;/从ヽヽヽヽ;;;;;;;;;;
;;;;;;/ｲﾘ;;;;;;i､_::::::::::::::::ヽ::::（　　　　　　　／::::::::::i;;;;从ii|ヽ))）从）;;;;;;;i|
;;;（　（i|;;;;;;ヽ､,,,::::::::::::::::ヽ;;:::''''''''''''''ヽ／:::::::::::::::t;;;;i|从ii|;;;)）''ﾉﾉ､;;;;;;
　　　　　　　　　　　　　　:｀￣￣￣
忠景は完全武装で御所の門前に立ち、御家人を一人も通さなかったという
この際の立ち振る舞いを評価され、忠景は朝廷から勲章と官位を授与されることになる
73： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:53:45 ID:itqcPAVE0: 　　　　　ト､.__　　_＿　　　ト､　 __
　　　ト､ヽ　　｀`ヽゝ　｀`ヽl　.＼ヽ｀ヽ.
　　　ヽ　｀ヽゝ　　　　　　　　　iﾉ　ヽ
　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ`ヽ
　　　　ﾄ-ゝ　　　　　　　　　　　　　　　　　　i
　　　　ヽ､_　　　　　　　　　　　　　　　　　 }ノ）
　　　　　｀`ゝ　　　 ,、ﾄ､_　　　　　　　　　く
　　　　　　　 {　　, 　　,ハ| r=ﾄ､.＿_　　　　　　 }
　　　　　　　ヽ　ﾄ､ .,心　,.-'マ> 　＼　,.-､　ﾄﾉ　　　やめるんだ忠景
　　　　　　ヽ! Y⌒ﾉ＾､__,ﾉ￣￣￣| !i＾ﾘ ./　　　　俺は謀反なんて企んでないし評定衆の連中とも親しい
　　　　　　　　 `i‐ヽ＿_　　　　　り,ソ /　　　　　政村殿や時宗殿の誤解だ。すぐに元通りになるさ
　　　　　　　　　　ヽ　`ﾆ´　　　　　　 ! /
　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　|,′
　　　　　　　　　　　　　 ,ゝ‐r‐ｧ '´ 　　 !
　　　　　　,. ‐'´￣｀ヽ.／　〔_.|　　　　　ト―- ､__
　　　 , -くヽ二二二_)､ __　 L_＼＿　　 |　　　　￣ｱ
　　／｀ヽ｀ヽ　　　　　　　`ｰ-､__ 　lﾄ､　　!ｰ-､　　 ,rく_
宗尊親王はそれらの要求を受諾。供数名と時宗邸宅へと移った

――だが、それは親王の考えていたような一時拘束などではなかったのである
.　　　　　ﾉ} ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　　　　V　}
　　　　／ /　　　　　-‐　 ¨¨　　　　　　　　　　　　 /
　　「Y　　{ 　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　 /⌒ー　´} 　ﾊ
　　 | :|　　 :/　 ′　　　　　　　-‐　 ¨¨　　　　　　　　　　　 ′ 　ﾉ
　　 | :| 　 /　　　　　　　／　　　　　　　／　　　　　　 /　　⌒ヽ
　　　　　′/{／{／ "Z　　　　　　　　　／　　　　　　 / 7　厂
　　＼　{ /　　　　　　＼　　　　　／　　　　　　　　　　 /　ノ
　　　｀V　　　　　　　　ｰ=彡　　　　　　　　　　　　　　/く
　　　　 | 　　 -ｧ　　　　｀ヽ　 Y⌒ヽ　　　　　　　　　　ﾉ
　　　　 |　／xく　　　　　　　　| 　 |　　 V 　／　　　／
.　　　八`´ 苡ﾝ　　　　　　　 | 　 | 　　 | ／　　　　く
　　　　　 }　`ｰ､　　　　　　　八　ムヘ　|　　　　　厂
　　　　　 .′　　　　　　　　　 ′／　　＞　　　／
　　　　 {　　　　　　　　　　 {／　＞ ´　　　　⌒ヽ、- ､
　　　　 └　ン`ｰ-　､　　／＞ ´ﾉ　＼　ﾊ　厂　　　 }　　　御所様、心苦しいが明日には鎌倉から退去していただく
　　　　　　　〈__ ､ -‐=ﾐ〉　¨´　／　 _厂ﾑｲ　}ﾉ　　　　 ⌒}
　　　　　　　　に二彡　　／　／　厂ヽノ　　　　　　八
　　　　　　　　　　ﾊ、＿彡　　／　厂　　　　　　　　　　　　 }
　　　　　　　　　　{　　　　　　 }" 厂　　　　　　　　　　八
　　　　　　　　 }　　　　／"厂　　　　　　　　　　　　 }
　　　　　　　　　ﾑﾍ从イ厂　　　　　　　　　　厂⌒⌒⌒`く
　　　　　　　 r┘ 'ﾊ厂　　　　　　　　　　　厂　　　　　　　＼
　　　　　　　　　}　 / ノ　　　　　　　　厂　　　　　　　＼
　　　　　　{⌒′厂　　　　　　　　　　　厂
　　　　　〉　ｲ　　　　　　　　　　　厂　　　　　-‐　　　¨¨¨ミ　　　‘，
　　　　ｒｰ} / ﾉ　　　　　　　　　ﾉ　　　／　　　　　　　　　　＼　}
政村は良基の宰子夫人との密通を根拠として親王の退去を命令
また、街道が騒ぎにならないように女房籠による護送を行うと通達したのである
既に親王が弁解を行うという場面ではなく、どうやって護送するのかまでを決定した処分通達の場であった
74： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:54:54 ID:itqcPAVE0: ――そして、この通達は忠実に実行されることとなった
　　　　　ト､.__　　_＿　　　ト､　 __
　　　ト､ヽ　　｀`ヽゝ　｀`ヽl　.＼ヽ｀ヽ.
　　　ヽ　｀ヽゝ　　　　　　　　　iﾉ　ヽ
　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ`ヽ
　　　　ﾄ-ゝ　　　　　　　　　　　　　　　　　　i
　　　　ヽ､_　　　　　　　　　　　　　　　　　 }ノ）
　　　　　｀`ゝ　　　 ,、ﾄ､_　　　　　　　　　く
　　　　　　　 {　　, 　　,ハ| r=ﾄ､.＿_　　　　　　 }
　　　　　　　ヽ　ﾄ､ .,心　,.-'マ> 　＼　,.-､　ﾄﾉ
　　　　　　ヽ! Y⌒ﾉ＾､__,ﾉ￣￣￣| !i＾ﾘ ./
　　　　　　　　 `i‐ヽ＿_　　　　　り,ソ /
　　　　　　　　　　ヽ　`ﾆ´　　　　　　 ! /
　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　|,′
　　　　　　　　　　　　　 ,ゝ‐r‐ｧ '´ 　　 !
　　　　　　,. ‐'´￣｀ヽ.／　〔_.|　　　　　ト―- ､__
　　　 , -くヽ二二二_)､ __　 L_＼＿　　 |　　　　￣ｱ
　　／｀ヽ｀ヽ　　　　　　　`ｰ-､__ 　lﾄ､　　!ｰ-､　　 ,rく_
７月４日には女房駕籠に乗せ、鎌倉幕府を出発
護送は幕府側が選んだ御家人２０人で行われることとなった
同月２０日には京都へ到着。６代目将軍宗尊親王は将軍の任を解かれたのである

――だが、この決定を不服と思う御家人も多かった
.　　　　　　 }}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::／　 __　　　　　　 /⌒:::::::::::::く　　　　 /::::/
　　　　　　〃:.:/￣ヽ:.:.:.:./　,　´　｀丶::.. 　　　 {/⌒}:::::∧:::|　　　 /::::/
　　　　　 /:.:.://ハ　}:.:.:.ヽ　　　 __ ＿刻≧ｭ_　　　厶イ　}丿　　　 .:::::/
.　　　　　〈:.:.: { {:{::::} 八:.:.冫　 '´о　　｀ヽ　｀`'~´　　}ii:　　　　　 i::.:/
　　　　　 }:.:.:.L Y´ ′ｉ:.:.:{　　^''ﾊｧ‐--‐=彡ﾍ,,_　___ ,ソiiL≦⌒ヽ　|:/
　　　　　　　{{__:.:.:.｜{ 　 |∧::::.　　　　　　　　　 __ _{::「о ｀ヽ　 У
　　　　　　　{{:.:.:.:.:. ソ　 {　 }:::|　　　　　　　　　　 ~⌒}:. ｀丶 __ﾄ､ ;＾　　　　我々に一切の相談無く事を行うとはどういうつもりだ！
_＿　　　／￣￣￣￣￣￣￣￣￣ :〉　　　　　　　　　 |::.　　　　　,'　　　　　ましてや相手は将軍だぞ！
:. :. :. :／: : : : : : : : : : : : : : : : : : .: .:/　　　　　　　　 |::..　　　ハ
:___／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .:/ 　 ,　　　 -　　＿」:::　　／|::::|
: : : : : : : : :[_　　　_] : : : : : : : : :/　　,'__　　　　_ _　　　 ::: : ／　 ::::::|
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :{ 　　辷三二二ニﾏ　　 : 　 |:::|　::::::|
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :{ 　　　ｰ――- 　 , ´　　 |/　 ::::/
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :{＿＿＿___　　　　 /＿＿_/＿__i/___
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : {　　　 /: : : : : : : : : : : : : :＼
将軍追放という重要事項を寄合（時宗と関係のある御家人たちのみで行わる会議）で決定したこと
将軍に近い立場にあったことなどから名越教時が配下の武士を武装させ、時宗邸宅に押し掛けた
75： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:55:41 ID:itqcPAVE0: 　　　　　　　　　　　　　　　／　　　.　. : :　: : : : : : : : : ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　, : : : . . : . : . : .　　　:　 . : : : : . : ﾊ
　　　　　　　　　　　　　 /／. : : : : :/ ./ . : /　././: : : : : : : :ﾊ
　　　　　　　　　　　　／イ. : /: : /: /!: : / . :/:/: :i i: :i: : : : : !
　　　　　　　　　　　 /:/ /: : /: : 4: ム: :/ . :/:/: :,ｨ: |: :!: : : : :l
　　　　　　　　　　　 l/ ,l : : 小: :{,尤うV. : :/:/廾'‐!ム:l: /: : .′
　　　　　　　　　　　　　l: :/l: { v:厂¨´ l: :/i:/´代うム7:/／'′
　　　　　　　　　　　　　l: ' .|/lﾊヾ　　 l:ｲ ′　｀¨ ７:／}:/
　　　　　　　　　　　　　l:!　l　|:爪　　　 _' 　　　　／´_ノ/　　　将軍の謀反という一大事であった故、内々の者のみで行いました
　　　　　　　　　　　　　|l　　　　|: >、 ´､｀　　,彡'7／´　　　　既に執権たる政村殿と連署たる僕で決めた事。変更はありません
　　　　　　　　　　　　　　　　　 , ィ! ヽ､　_ イ l,-､´　　　　　　それに、なぜあなたは武具を身に着けて我が邸宅に押し掛けたのですか？
　　　　　　　　　　　　　　 __ノ　ﾄ､` ー　＞'´　 }
　　　　　　　_　 -―ァ'´￣　　　　}_ ＞ '´ 　　　 l､
　　　　 , ィ´三三／　　 _　-ヶ '"´　　　　　　　　　＼
.　　／三三三/ _ ィ　丁{r─ ､　　　　　　　　　 /≧ ､
　／三三三／'´三ﾑ　 {　V三≧、　　　　　　　　　 /三三三､
く三三三三r ７三/三l　l　{三三≧､　　　　　　　　{三三三三≧､
　＼三／／三三三l .ﾊ_j三三三三ﾑ、　　　　　 l三三三三三≧.
　　 {i∨　/三三三三l/三三三三三三≧､　　　　 l三三三三三三ﾑ、
これに対応したのは時宗であったという

　　　　　　／　　　　　`　　　＼　　　　 { {　　　　 /　/　∧
　　　／　　　｀　　＼　　＼　　　　i{ il　　　 /　/　/　{
　　　〃　　　　　　　丶　　　＼　　　　i{ ｉ|　　　/　/　/　ハ
　　 {{ __ 　-― 　　ミ　＼　　　＼　〉　　i| ||{__　/　/　/　 /　 }
　　 ≧‐-　三　　　　　 /＾ｰ――――ｧ__ 　　 l.r―‐ﾍ　　く
　　 {{三_　-―=　　ミ　/: :　　　　　　 //　｀ヽ丶l.| 　　 {_　/　}
　　 {{三__　三　　　{{: : :.　　　　 // 　　 }　从　　　 i|　 ′
　　 {{三　　三　　　丿: . __ 　　　乂{　　厶ｲ　　 __　i|/
　　　　三　ｒ=ミ　 __: : :.''~￣｀` ｰ-＝=ｭ　　　r=＝-‐ ⌒刈
　　　　三　|　圦 /: : : : . 艾_刻i厂｀ヾ:..:..ヽ　ﾉ:.仗刻￣
　　　ハ三　|　i乢｀ヽ: : : .　　　　　　 7: .　　　　　　 {
　　　　　夊　| 　　＼: .　　　　　　/: : : 　 | i　　　　爪
　　_ ..　　 i し刈ﾊ　　ｉ: .　　　　　/: : : : 　 | |　　　　 /小}　　　　　……この騒ぎに乗じて得宗や将軍を害そうなどという者が出ないとも限らない
　 ´　{{　　　` ´　}′:. 　 |: .　　　　ヾ: : : :　　| |,　　　 /|　|　　　　　　それゆえ、警固と「獅子身中の虫」への警告を兼ねて私と配下の者が参った次第
　i　　＼　 , 　　八　从: :.　　　　　｀　-､_. ┘　　　 |　|-=ﾆニ二三__
　|　　　＼｀ . 　　 }/ 、: :. 　　 f‐ ‐--　 ‐‐ｧ' 　 / 　}乂　　　　　 __｀ヽ
　|　　　　　＼从　{　　＼: :.　　　　　ﾆ二ニ′ 　 i|　　　　　　　　　「:.:.:.:.:.:.
　|　　　　　　　＼　___二　　＼　　　　　￢　　んﾘ　　　　　　　　　 |:.:.:.:.:..:.:.
　|　　　　　　　　 ≧‐-　ミ　　　　　　　　　　　　{　　＼　　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:..
　|　　　　　　　　　　　＼　　　　 ‐‐―ｧ　´　　.'⌒ヽ　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　|　　　　　　　　　　　　 -‐　　　　　　　∧　　　 i...........|　　　　　　 |:.:.:.:.:.:.::.:.:|
　|　　　　　　　　　　　　 /:.:.:.:.:.:.:.}}__　　　 ′ ヾ　　 |...........|　　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:..:.:|
　|　　　　　　　　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:　__｀　　i::._　　| 　 |...........|　　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.::.:|
　|　　　　　　　　　　　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|「｀ヽ　 {´　　 |　..ﾑ..........L　　　　　　|:.:.:.:.:.:.:.:..:|
76： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:56:51 ID:itqcPAVE0: 　　　　　　　　　　　　 .　 ´.::.::.::.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ、
　　　　　　　　　　　／.::.::.::.::.::.::.: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　. .::.::.::.::.::.::.::. . .:.: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
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　　　　　　 .′.′.::.::.::.::.::.:.:.::.::/./.::.:/. .:.:.:.::/.::.::.:.:.:.:.:.:.:.:. .:.:.:.:.:i:.:.:.:.i:|
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　　　　　　i　ｲ .:/.::.:ｉ::.::.::i::.::./ｲ!::.:/.::.::.:.:.:/.::.::.::/./_｣::!::.::.::.::.::.::.|:.:.:.:.l
　　　　　　|/ |:.ｲ.::.::.|::.::.::|::./メ.l:.ｲ::.::.::.::./.::.::.::/}/-‐i::!::.::.::.::.::.::.ﾄ､::.::|
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.　　　　　 ||　|::.::.|::.::.i:|、krf少|:::.::/ |::.::.:/ {rvf少,l::.::/.::.::i::.::レ'.:ハ、
.　　　　　 |ｌ　|::.::.|::.::.ﾄl ｀￣　 |:::/ 　!::./ 　｀^~´ ｌ::/.::.::.::ｌ::.:| V. : : : 丶、　　　　そうですか、ですがあなたほどの人物がそのように
　　　　　　　　　｣::.::.|::.ｉ::ハ　　　|/ ,′|/　　　　　 lハ::.::.::.l::.:|　|: : : : : : : :丶、　　大騒ぎしては市井の者も穏やかではありません
　　　　　／ : !::./l/l/ : ﾊ、　　　､　　　　　　　 ′l::.::.::ハ:|　|: : : : : : : : : : :丶、それは軽挙というものでは？
　　　　　／. : : : |/. : : : / 　＼　　ー-ー- 、　　／l::.::/　 }|　|: : : : : : : : : : : : : :
　　　　/. : : : : : : : : : : /　　　　ヽ　　ー　　　　イ　/／　　　 !: : : : : : : : : : : : :
.　　 /. : : : : : : : : : : /　　　　　　　ヽ、_　 . : ´:／　/´　　　　 l: : : : : : : : : : : : : :
　　 /. : : : : : : : : : : /　　　　　　　　　　＼ｰｧ'" 　　　　　　　 |: : : : : : : : : : : : : :
.　 / : : : : : : : ト、 /　　　　　　／　　／　　　　　　　　　　　 |: : : : : : : : : : : : : :
　 { : : : : : : : : ｌ　l/　　　　　　／_.＞'" へ、　　　　　　　　　 |、: : : : : : : : : : : :
　　ヽ、 : : : : : ｌ　l　　　　　, ィ´{r-‐: :´: : : : :＼　　　　　　　　 | ＼: : : : : : : : : : :
　　 {: :＼: : : : |　l 　　　／､__＼ : : : : : : : : : : : ヽ、　　　　　　　|＼　ヽr-‐‐‐ ￢'"
77： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:57:35 ID:itqcPAVE0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_八{ (爪_}///｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 / )__　_刈//rﾍ=ﾐ
　　　　　　　　　　 __　　　/　{√ /　{ 　　 =ミ
　　　　　　　　-－＝ : : : }r‐ 　　 {茫苳　筏禾ミﾐ
　　 . . : : : : : : : : : : : : : __||__ 　 __人　　} ､　　　} )
　. : : : : : : : : : : : : : : : :___|L厂　ヽ刈　- 一　イ　へ
(__: : : : : : : : : : : : : : : : : 「_＿　＿ハ　　￣　　ﾉ/: : : :＼
ゞ======: : ‐- 　　 -‐≦:::::::::||: : : : ::`; i⌒ ｰ　/: : : : : : :丶
.∨:. :.:.:/ : : : : : ::＼ __　-‐=::::||::: /)⌒|..}　厂∨: : : : : : : : : :＼　　　なるほど、それも道理ですな。配下の兵を引いて自邸へと戻ることにします
　ｰ=彡ヘ__: : : : : : : :｀Y´ : : :l|::/ r―′..《　乂_ 斗-‐=≦: : :　　　私に二心があったわけではなく、あくまで幕府を思ってのこと
　　＼:: :: :: :｀ヽ: : : ::} }: : : : :||i＿| ｀ヽ__」{{　／: : : : : : : : : :／　　　それによって府内の民が苦しむのは私とて苦しい
..　　　　＼: :: :: :: : ::..//: : : : :八___い_/⌒ヽ/: : : : : : : : : :／
.　　　　　　く:::::::: /: : : :／〉___{__{_⌒ヽ/: : : : : : : : : :
　　　　　　　　　｀ヽ/: : ／　 f廴{__i廴」　ｉ: : : : : : : : : : :
.　　　　　　　　　　__Xく　　 f辷{__i辷「　|: : : : : : : : : : :
.　　　　　　／／: :冫, 　 f辷{__{辷」　|: : : : : : : : : : ::
　　　　　　／／: : : : }　　 f辷{__{辷「　|: : : : : : : : : : ::|
.　　　　　／／: : : : : : }　　 f辷{__{辷」　|: : : : : : : : : : :::|
. 　　／／: : : : : : : : }　　 f辷{__{辷「　|: : : : : : : : : : ::::|
　　／／: : : : : : : : : : }　　 f辷{__{辷」　|: : : : : : : : : : :::::|
史書によるとこの教時の威嚇は時宗の諫めによって即座に解散。将軍が出発する午後８時ごろには一応の決着がついたという
――だが、この教時の行動はその後の彼の運命を決定づけるものとなってしまったのである

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　　　|　　　　　。。　　　　 |
　　　|　彡ﾐﾐ　　。。　彡ﾐ　|
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　|　6 |　 ┃　0　　0　┃　/6　）
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そして、残った護持僧の良基と宰子夫人はそれぞれ別に鎌倉を追放
良基のほうは謹慎先の高野山にて食を断ち自害したことが伝わっている
78： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 19:58:16 ID:itqcPAVE0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_/⌒フ"⌒ヽ--､
　　　　　　　　　　　　　　　ｒ'´／⌒Ｖ／⌒ヽ──ヽ-､
　　　　　　　　　　　　＿／／　二　 //⌒ヽ　＼｀ヽ、　＼
　　　　　　　　　,　 '´ ／／　∠二ミｒ大‐￢＼─‐ ､＼　ヽ
　　　　　　　／　　 / /　　// // / ﾊﾍぃヽ＼l　　　　｀`}　｀、
　　　　　　／　　　│/　　// // /　|　　| |　 !! ヽ　　　　 | ＼|
　　　　 /　　　　 |/　　//　l// l l |　　| |　ﾘ　|　　　 ∨　　|＼
　　　 /　　　　 /　　 / -=＝{ { | |　十＝＝-|　　　ヽ　| |　ヽ
　　　 |　　　　　 |　l　 |　　＿_ヽ!ヽl　　l/. -- 、l　　　 |　| |　　 |
　　　　　　　 |　l　 | _〃_)バ ! 　　〃_)Ｊ.ハ|　　 l　|　| |
　　　　　　　 |　l　ﾄ!　ヾﾋツ　　　　ヾツ′|　| 　| ﾊ}│|
　　　　　　　　 ∨　 |(l 　一　　　　　￣, , , |　|　ﾚｿｌ　|
　　　　　　　　　　　{/　ト」　' ' ' 　〈　　　　　　　　|　|　ﾚｲ│ |
　　　　　　　　　 |　 l､_ﾊ　　　 ___　　　　ｰ‐|　|　 | | ││
　　　　　　　　　 |　 |　 |ヽ､　　└┘　　　　　/|　|　/│ |　 l
　　　　　　　　　 |　 |　 | 　ヽ、　　　　 ,　 '　 |　l 〃 |　| 　 l
　　　　　　　　　　　ﾊ　 l　 l　　|　 ` ー‐ '"　　　 /　リ　│ l　　 l
　　　　　　　　　　 /ﾊ　 l　 l 　 | 　 |　　　　　　 // ∠.　 |　|　　 |
　　　　　　　　　　/ ハ　|＼l _. -‐ク!　　　　　 //|∧　｀丶､_　　|
　　　　　　　 /　/ハ├ｧ'´ /＿_ﾉ　　 __〃 ///　　　ヽヽ`┴　..__
　　　　　　　 _/　-┴ｧﾍ!　　 |　　｀　　 ´　　￣/　　　　　ヽヽ　　　　￣
　　　　,　 '"´　　／／　＼　|　　　　　　　　 /　　　　　　ヽヽ
　　／　　　　　〈　〈　　　　 |ー─-------─/　　　　　　　　〉〉
宰子夫人は、男女一人ずついた子の内の娘、倫子と共に帰京。その後の行方は不明
近衛家の姫君であったことから考えると、近衛の邸宅に住んでいたのかもしれない

　　　　　　　　　　　／　　　　　　 ,　　　　　　　　　　　　　　　　_＞
　　　　　　　ヽー '´／　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　｀＜.._
　　　　　　　　｀／/　　　　　　/　 :.　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　 _/
　　　　　　　 , ' .:/　　 ;'　　 /　　:::　　.　　　　　　　 .　　　........｀ヽ、
　　　　　　　/...::/　　.:::i　　.:.！　 ::::::　 ::::...　　 :|:.　　　　 :',　　.......::::∠_
　　　　　　 ''"´/_j　.::::::!　.:､:::::ﾄ.　 ::::::. ::|､:::::::..　.!::..　l　　 ::::}. .:. ::::::::::＜_
　　　　　　　 /'´ |.::::/::i/.::;厶::L.',　::::::i ::| ＼::::::::|､:::. |　　:::::i::.:::::::::::::::r'´
　　　　　　　　 /!:/::::::|／! __j:L_ﾍ..::::::|i::|'"´_＼::｢ヽ:::!　 ::::::!:::::::::::::|､::|
　　　　　　　　/.:j/ .:::::':::::八i´う心ぃ:::::ぃ!'´ｧ=;气ト､＼　:::::i‐､::::::::::l ヽ
　　　　　 /::/ .::::::::::::/! ヽ. ﾏヒﾘ　＼:',　　　ｒ'仍ﾘ'|　　:::::|^'|::::::}:::!
　　　　　 ,:〃.::::::::::::/　|　　｀¨¨　　　ヽ　ｰ`ー'-１ ::..::::::l ﾘ:::::ﾊﾉ
　　　　　 /″::::::;ｲ/　　 !　　　　　　　　　　　！{:::::::::〈::;ﾍ{
　　　　　　　i　:／　′　　、　　　丶　　　　　　　　 ,い､:::::::〈
　　　　　　 | /　　　　　　　＼　　－--　　　　　　.ｲv∨ 丶 :ヽ
　　　　　 |,′　　　　　　＼　　　　　　,.　 '´ノ:::〈　　　　｀
　　　　　　 !　　　　　　　　　　　,..｀ー;r‐　´_,.. :'´:::::::::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　 ,. : :´: : :／ﾑ '"´:::::::::::::::::/::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　／: : : : : :/:／-ﾍ: : : :::::::::::;::':::::: : :＼
　　　　　　　　　 / : : : : : : /ｲ　　　.i : _: : :／ : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　　　 /: |: : : : : : : :L._ .:::/:| `'／: : : : : : : : : : : : ヘ
そして、鎌倉に残った３歳になる王子が７代目将軍惟康王となり、傀儡将軍として据え置かれることになる
この後も、幕府は惟康王の親王位取得と征夷大将軍及びそれにふさわしい官位取得に奔走することになるがそれは今回は述べない
79： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 20:00:02 ID:itqcPAVE0: ――将軍追放と後任将軍の官位獲得運動に没頭する幕府を別の衝撃が襲うのは文永５年の正月になってからである
　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　 ,.:':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
　　　　　 ,.':::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;::::ヽ
　　　　／::::::::::／::::::::::/:::::::::::::::::::::::: ハ:::::::::::::::::::ヽ:::::;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾヽ:::＼
　　　／-‐'"ﾌ´:::::::::::::/:::::::::/:::::::::::::;'　 ';::::::::::::::::::::ﾄ;::: ﾄ;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ￣｀`
　　　　　／''"ﾌ::::::::::::l:::{::::::l:::::::::;ｲ::|　　 !::i;::::::::::::::l l:::ハ:::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::ｒ‐､::ヽ
　　　　　　　/::::::::::::::i::::i::::::i:::::::/_{::|__　,. ';:l';:::::::::::ｊ__ｊ/‐l:::::::::::;:ｲ:::/::::::::::::::::::::::',　｀`ヽ
　　　　　　　l:::::::|:::::::|::::l::::::|:::::ｆ＝'､!;‐ヽ　ﾘ1::::::::/;ニニｊ:::::／ｲ::/::::::::::::;:::::::i;:::::',
　　　　　 l:::::::;i:::::::|:::::i:::::|:::/　（ﾌヾヽ　　!::::::/　（ﾌ彳´｀ﾞ/;:':::::::::::::ノl::::::} lﾄlヾ
　　　　　　 {:::／{:::::ハ::::;::::{::{､',ゝニ彡　　｜::/　　､_ニ彡ノ''ﾌ::::::::／　 !::/　',」ー―-､
　　　　 ,. ‐'|/.　 ';:/　l{/ ヽi/ハ',　　　　　ｊノ　　　　　　　ノ:;:-''"　　　/'-''´　　　　　 }
　　 ,.‐''　　　　　 `　 l　　/ヽヽ!丶　　/　　　　　　　　／'~　　　　／　　 ,.-―――┴　　　子供の扱いとか分らないんだけど俺……
　‐'′　　　　　　　　 { ノ{　｀`l::/｀丶､丶　　　　　　／￣ヽ　　／　 ,.-''~　,. -‐'''"´~￣　　母上に会いたいって泣きじゃくられるし……
　　｀ヾ　　　　　　　ｌ ',',　ｌ　　 " ヽ　 ,ｲ`ヾ＝- ､　｜｀ｌ　　}　 , '　 ,. '" ,∠"__　 __,.　-―　　ていうか官位も将軍位も持ってない将軍……
　　＼ヽ　　　　　　ヽヾ　!　 / ',　! / .ト､｀''ﾆ,,.　イ　 |　　{ / _∠弍弋;￣ﾍ{ フヽ￣｀丶
　　　　丶､＿　　　　　ｌ }　l /　」-予ーゝ-''――┴-､ゝ-‐'"´　　　､｀丶､フ''／{ｒ;――
　　　　　　　　￣￣￣￣￣｀ﾌ"／　　　　　　　　,.‐''"　　　　　　､　　丶､　｀く (__)ﾉ
　　　　　　　　　　　／／　　　　　　　　／　　　　　　　　　ヽ､　　ヽ_ノ　}ﾆ|
　　　　　　　　　　　　／ , '　　　　　　　　, '　　　　　､＿　　＼　　＼ノ　　｜ !
そして何よりも、この獲得運動がひと段落する文永５年、幕府は日本中に抱えた火種と共に、時宗が生涯をかける難敵に立ち向かうことになるのであった
80： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 20:00:52 ID:itqcPAVE0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＿____＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　／＼____＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼____＼／____／
　　　　　　　　　　　　　　／.＼　＼＿____／　／＼
　　　　　　　　　　　　　／＿____＼　　＼／／＿___ ＼
　　　　　　　　　　　／____／＼____＼　　／____／＼___＼
　　　　　　　　　　　＼____＼／____／　　＼____＼／___／
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　　　　　　　　　　　　　　　＼／　／＿____＼　＼／
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　　　　　　　　　　　　　　　　　＼____＼／___／
　　　　　　　　　　　　　　　　.　　＼＿___／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼／
　　　　　　　　　　　【やる夫は元寇を戦い抜くようです】
　　　　　　　　　　　　　　第１話　始まりまでの事　了
81： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 20:02:11 ID:itqcPAVE0: 第一話は以上となります
初めてのやる夫スレということもあり、つたない面もあったと思いますが精進していきたいと思います

第二話は2週間後を目安に考えております
82：名無しのやる夫だお：2014/02/22(土) 20:14:15 ID:6nij.H1Q0: 乙です
83：名無しのやる夫だお：2014/02/22(土) 20:34:44 ID:CQEa3wCo0: 乙
初やる夫スレとしてもよく出来てると思う
ただAAと文章の間に一行以上間を開けたほうが見やすいかと

ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12973/1392899935/51
例えば今回の話の冒頭だとこんな感じ
84： ◆q/QapWeGMk：2014/02/22(土) 20:40:16 ID:itqcPAVE0: >>83
指摘、ありがとうございます
次回からはＡＡと文章のあいだに間を開けさせていただきます
85：名無しのやる夫だお：2014/02/22(土) 21:00:50 ID:huc6vqPw0: 乙
いきなり戦乱から始まると思ってたらこんなとこからやるのか……
気合入ってるな
86：名無しのやる夫だお：2014/02/22(土) 21:28:00 ID:Elf/KwhY0: 乙
大河「北条時宗」も13年前か・・和泉元○何してるんだろう
87：名無しのやる夫だお：2014/02/22(土) 23:24:17 ID:mA8roxsQ0: 乙
大河放送も随分懐かしく感じる
今後の展開にも期待してます
88：名無しのやる夫だお：2014/02/23(日) 00:22:20 ID:VKXxcSFc0: おつでした
高校以来の鎌倉時代の勉強になるな
89： ◆q/QapWeGMk：2014/02/23(日) 00:41:09 ID:0zVzfJno0: >>85
戦乱から始めると5000近い兵が大宰府に集結してた理由が分らなかったり
そもそも幕府の危機管理能力とか時宗とかどうなってたのかが分らなかったりでこれくらいの時代から始めることになりました

>>86
そういえば彼が主演してたんですよね

>>87
もう13年ですからね
あれ以来鎌倉～室町を題材にした大河ドラマが一切ないですし

>>88
勉強になるとうれしいです
90：名無しのやる夫だお：2014/02/23(日) 05:18:42 ID:DqX637xs0: >>89
元々鎌倉以前の歴史は
執権（枕草子の出版）ー天皇（黒歴史で隠したい）ー徳川（枕草子についづい）ー戦後日本叩き史観（他国に負ける愚かな日本でないといけない）

などにより長い歴史の中で政治の主要集団によってたびたび改ざんされた節があって未だ改ざんーブロパガンダありきなので
それこそ積極的に取り上げればその改ざんもばれるからえてして積極的に取り上げないの。

間違っても
天皇は事実上の日本国政府の成立の段階で権力の主動争いに敗れ､魔王と呼ばれ実質幽閉状態にあった（後期は傀儡）とかを隠すには「なかったこと運動が妥当」であると

また
無理の有りすぎる源氏物語ー枕草子の嘘がバレて､むしろ賤民強盗山賊であったのは源氏と平氏だったとばれるから。
などもヤバイわけだ。
91：名無しのやる夫だお：2014/02/23(日) 06:58:14 ID:wgIBA/ok0: 乙

宮将軍は歌作りに励んで人脈が大きくなり過ぎたのが死亡フラグとは（死んでないけど）
危険視されるのもわかるけど、ままならんな

>>90
何言ってるのかわからん
92：名無しのやる夫だお：2014/02/23(日) 14:04:35 ID:js3bpFuM0: おお・・・・、この時代を取り上げるとは。
期待してます。
93：名無しのやる夫だお：2014/02/23(日) 19:33:26 ID:ZYhcFD3w0: >>90
お薬が必要ですね
94：名無しのやる夫だお：2014/02/24(月) 18:31:42 ID:kgo9jLgc0: 乙
95：名無しのやる夫だお：2014/02/26(水) 02:35:53 ID:TSPnZD/60: つくづく思うんだが鎌倉時代までの政治陰謀劇ってのは、証拠揃えるのがやたら雑なのに成功率が高くて、
やられた側はほとんど弁解できず「狙われたら終わり」感が漂いまくってる。
政治陰謀劇はどこもそんなもんと言われたらそうなのかも知れんが。
96：名無しのやる夫だお：2014/02/28(金) 06:49:07 ID:FzY092pc0: 陰謀による暗殺は、江戸時代には聞かないな
日本史では、信長の本能寺の変が最後か
97：名無しのやる夫だお：2014/02/28(金) 09:42:47 ID:hafX55yM0: いや、何人かの将軍が病弱なのって毒……
98：名無しのやる夫だお：2014/02/28(金) 11:07:15 ID:B6v1iIEw0: 説だけならいくらでも

将軍継承問題時の尾張藩はかなりあやしい
99：名無しのやる夫だお：2014/02/28(金) 23:57:04 ID:8/s7W0360: 陰謀はともかく、綱吉は暗殺説があるんじゃなかったっけ？
大河ドラマで与太話として出てたが
100：名無しのやる夫だお：2014/03/01(土) 06:42:43 ID:dlZI6Kv.0: 幕末の孝明天皇とか
101：名無しのやる夫だお：2014/03/01(土) 23:34:43 ID:dlZI6Kv.0: 橋本龍太郎の死亡にも陰謀説が
102： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 18:32:13 ID:nohOh9Oc0: 本日22：00前後から第二話の投稿を始めます
103： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 21:52:06 ID:nohOh9Oc0: ちょっと早いですが開始します。しばしおつきあいを

┏━━━━━━┓
┃九州　筑前国 ┃
┗━━━━━━┛

　　　　|┃
　　　　|┃　＿＿＿_
　　　　|┃／⌒　　⌒＼
　　　　|┃ （―）　（―）＼　
――‐.|┃:⌒（__人__）⌒:::::＼　やらない夫ー、ご主人様が来たおー！
　　　　|┃　　　　　　　　　　 |
　　　　|┃　　　　　　　　／
　　　　|┃ヽ・　　　　・￣／
　　　　|┃　＼　　　　,.:∴~・:,゜・~・:,゜・　,
　　　　|┃ヽ＿）つ‘∴・゜゜・・∴~・:,゜・・∴
　　　　|┃　　(::)(::)　　ヽ　　　　・゜゜・∴~゜
　　　　|┃／　　　　>　　）　　　　゜゜・∴:,゜・~
　　　　|┃　　　　　(＿＿)　　　　:,゜・~:,゜・゜゜・~.
少弐やる夫経資　（少弐家嫡男）

　　／￣￣＼
　／ﾉ(　_ノ　　＼
　|,'⌒ (（ ●）（●）　　　　　いらっしゃいませご主人様ァッ！
　|　　　　（__人__）
　|　　　　　｀ ⌒´ﾉ　,rっっ　　　　　　　　　　　　　　　,
／"⌒ヽ　　　ｿ,ﾉ .iﾞ）' 'ｨ´　　　　　　　　　｀　　　,.　＿＿＿_
　　　　　ﾞヾ　,,/　{　) 丿　　　　　　　　　　,　　゜;,／⌒　　　　⌒u:::＼　｡
　ィ≒　　　｀＼ /'ﾆ７´　　　　スパｧｧ────/(◯.;）; :::::､;（;.◯）);:'::::ヽ‐─────‐‐ ン
／＾ヾ　　　　　＼ ./　　　　　　　　　　　　　ﾟ　;i`､ ⌒:（__人__） ⌒:::::;;,´:::|　　
　　 }　　　　 _＿＼__＿＿＿＿　 __＿＿´＿;;{　　;` j|r┬-|:;〉::,,ﾟ，｡;;:;;|　　　　　　　　ふぐぉぅっ！
　　 )ﾝィ⌒￣"￣￣￣￣￣　￣￣￣　￣￣￣￣ﾆ≡┴‐ー-,==ｰ--ｧ人て゜ﾟ;:，::|:　゜　.
　　ﾉ/　　　　　　　　　　　　　≡''　　　　　　　　;;;;（（三iiii_iiiiiii))))）て,,;;／　　｡　　;
　　ヾ　　　　　　　　__＿＿_＝≒=ー────;‐‐￣/i'只￣/￣|Ｙ‐-<｀ `
　　　＼､　　ーィ⌒￣　　　　　　　　　　　　／/ 　 > |≡| /　＜〃　　ヽ
やる夫付き家人（私的家臣）やらない夫
104： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 21:53:53 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　ノし. u:_ノ｀ ,,＼.
　　　　　　　/⌒`　（ ◯）（Ｏ):
　　　　　　 .:| 　　j（　　（__人__）　　　　　人んちの畠にやらかすってのはどういうつもりだ
　　　　　　　:|　　＾　　､｀ ⌒´ﾉ:　　　　　ましてやそこ大切な乾田（野菜用の畑、課税対象外）なんだけどｊｋ
　　　　　　　 |　　u; 　　　ﾞ⌒}:　
　　　　　ヽ　　　ﾟ　　" }:
　　　　　　　　ヽ　:j　　　ノ:　　　　　　　　　　　　＿＿＿__
　　　　　　　/⌒＼　ﾟ　(´ .　　　　　　　　 :/　ﾉし　　　＼
　　　　　　 :|　　ﾟ　＼～､,⌒＼.　　　 _　　　 :/ u ⌒ 　　　ﾟ＼　　　ちょっとした出来心だお一々文句言うんじゃねーお
　　　　　　:|　＼j(,　＼　　r 　＼　:gj }`hi､.　 :|,　　｡　　:j　　　}
　　　　　　|　　　＼　〆ー───〆八　ヽ　（　　　u　　〃ノ
　　　　　 |　:j　　　＼＿＿ﾟ＿__' ,ノﾉー｀Y　＼＼／⌒ヽ～ヽ
　　　　　|　　　　　　　　　|:　　ー──‐‐＼ . ィ ´ ﾟ　／　　＼
　　　　 | 　　ﾟ　　　　 :j　 |:　　　　　　　　　＼､__／l　　ﾟ　:j　＼

　　　／￣￣＼
　　／　　 _ノ　　＼
　　|　　　（ー）（ー）
.　　|　　　　（__人__）
　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　で、いったい何をしに来たんだ？
　　.ｌ^l^lｎ　　　　　}　　　　　御当主からの通達は来てないし、国内の御家人連中も相論抱えてるやつはいないだろｊｋ
.　　ヽ　 L　　　　}
　　　ゝ　ﾉ　　　ノ
　　／　/　　　＼
　／　 /　　　　　＼
. /　　/　　　　　　|ヽ、二⌒)､
　ヽ＿＿ﾉ
105： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 21:54:05 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　ノし. u:_ノ｀ ,,＼.
　　　　　　　/⌒`　（ ◯）（Ｏ):
　　　　　　 .:| 　　j（　　（__人__）　　　　　人んちの畠にやらかすってのはどういうつもりだ
　　　　　　　:|　　＾　　､｀ ⌒´ﾉ:　　　　　ましてやそこ大切な乾田（野菜用の畑、課税対象外）なんだけどｊｋ
　　　　　　　 |　　u; 　　　ﾞ⌒}:　
　　　　　ヽ　　　ﾟ　　" }:
　　　　　　　　ヽ　:j　　　ノ:　　　　　　　　　　　　＿＿＿__
　　　　　　　/⌒＼　ﾟ　(´ .　　　　　　　　 :/　ﾉし　　　＼
　　　　　　 :|　　ﾟ　＼～､,⌒＼.　　　 _　　　 :/ u ⌒ 　　　ﾟ＼　　　ちょっとした出来心だお一々文句言うんじゃねーお
　　　　　　:|　＼j(,　＼　　r 　＼　:gj }`hi､.　 :|,　　｡　　:j　　　}
　　　　　　|　　　＼　〆ー───〆八　ヽ　（　　　u　　〃ノ
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.　　|　　　　（__人__）
　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　で、いったい何をしに来たんだ？
　　.ｌ^l^lｎ　　　　　}　　　　　御当主からの通達は来てないし、国内の御家人連中も相論抱えてるやつはいないだろｊｋ
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　ヽ＿＿ﾉ
106： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 21:55:17 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　　　　／）
　　　　　　　　　　　／／／）
　　　　　　　　　／,.=ﾞ''"／
　　　／　　　　 i f　,.r='"-‐'つ＿＿＿_　　　　　親父から逃げてきたお！
　　/　　　　　 /　　　_,.-‐'~／⌒　　⌒＼　　　あの親父と一緒になって調練とか死ぬお！
　　　　／　　,i　　　,二ﾆ⊃（＞）.　（＜）＼
　　　/　　　ﾉ　　　 ilﾞフ::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
　　　　　　,ｲ｢ﾄ､　　,!,!|　　　　　|r┬-|　　　　　|
　　　　　/　iﾄヾヽ_/ｨ"＼　　　 `ー'´ 　　／

　　　　　　　　　　　　 . -‐: : : :￣￣_: : ｀: : .､
　　　　　　　　　 ,.　:／´: : ／: :　-─ﾍ : : : : : : :＼
　　　　　　／ : 〈: : : ／／´　　　＼ : : : : : : ヽ_
　　　　　　　/: :,＞-‐一 '´　　　　　　＜￣: : ＝‐- ,ﾍ
　　　　　 {: :/　　　　　　　　　　　　　　＼: : : : :／Vﾍ
　　　　　ヽ{　　　　　ｉ　　　,x≦二´" 　ヽ: ／__/| : }
　　　　　　　　|　　　　{ 　{　 x〃´　ｔｯﾉ　　　　〉:ヽ'､｀ヽ:ﾊ
　　　　　　　　|　,-‐＝ミ､ `"´ ｀ー'´　　　　 .′ : ﾟ:，〉}: :｝ヽ　　　　　　やる夫よ、精進せいっ！
　　　　　　　　〈　/ 　ｔｯ〉,　i　｀ー　　　　　　' : : : : :}/∧ﾉ: : }
　　　　　　　　 }　｀￣/'|　:|　　　　　　　　　ﾊ i : : : |/　:!: : :′
　　　　　　　 |ｉ　　　 |　 ! 　___〉＿_ ヽ〈　|:|: : : :|! 　|__/ヽ
　　　　　　　　从　　　ヽ__／::::::::::::::__:ﾉ　l　|:|: : : :}ｉ　　| : : ′
　　　　　　　　 {: |ヽ　　 /:::_::::,.-─´_丿　　:! 从: : / |　　|__ノ､
　　　　　　　　 |: | : ﾟ，　｀¨ゝ-─''´__,　　　　　 V′:|　　 | : : }
　　／￣￣＼ﾚﾍ: :∧　　　ｰ　´　　　　　　　 /　　:| 　　|__ノ､
　／　　 _ノ　　＼＼{ ＼　　　{ 　　　　　 .:′　　|　　 | : : /
　|　　　（ー）（ー）　　　｝　 ‘，　　　　／ /　　 | 　　|__ノ}
.　|　　　　（__人__）　　　＼＿　ヽ　-‐　´_ 　 -‐=ﾆ¨ヽ　{: :/}
　|　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　ああ、うん分らなくはないだろ　
.　 |　　　　　　　ｎｌ^l^l 　「　´|::::::::::|　　　　　　　　　　_ﾉ──´-　＿
.　ヽ　　　　　 |　　ﾉ　 |　　|::::::::::}　　　　-‐=＝ﾆ　　　　　　　　　　　￣　｀
　　ヽ　　　　ヽ　く　／｀ｰ/:::::::/￣ ´
　　　/　　　　　ヽ　＼　　　　　　現少弐家当主　少弐資能
107： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 21:55:52 ID:nohOh9Oc0: 　　　ゞﾐ三三／,ｨ仁／／／,　　　／　　＿　二三ゝ、＼　　　　 }ヽ
｀ﾆγ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽヽ　｀ヽミﾊ　＼　　ﾉﾘﾊ　|
ﾐ三|　　　　その上景資まで本気だお　　　＞＼　　＼ｌ__　｀ﾆ彡'ノﾉﾙ'!
＼ニゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__,ノﾊ. ヽ＼　　＼＼ミ三二彡'’
ｰ=≧彡'ﾉﾉ |./'／／／　　 /／　　　　　ミﾆ￢　＼＞ ,＼　　Vﾊヾﾐ寸㌣´
ヾﾐ三二ニﾉ/' ／／ﾅ"￣ /'　　　　　　　　　｀　　{=､∠ﾉﾉヽ　| ｌ |㌧、＼｀ヽ
ｨ彡≠ｧ彡/k'´ /　/　　　　-―=' 　　　　　　　〈ー､＼∨ ｌ |ハﾊヾ∧
´／ ////　!　/　/　　／　,x≦ ￣｀丶、　　　　　 -―>rt_l　}/ //j l|/|/l/∧
　　/／/ ,/|　'　/　／　／ヘ. ￣｀丶　＼　　　　　／ヽゞ' V // //ﾘ/|/ト､/l
　 / // /　|　:. 　　／　　〉､　　　＼　＼　　　　　.:ー/// /////|/|　 'l|　　　行くぞ兄上ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ！
　　/'　/　 |　:.　　 /　　　 / 　＼　　　ヽ　ｌ　　　　 .:　/// /// |//l/l　　i!
　　　 / 　 |　:: 　 /-､　　　 {　　　〉　　,イ}__ﾉ　／　.:／イ　///　///ｌ/　　|
　　 /　　 |　::　八 └ ､　　j　　 /　　＞‐'　　　／／´'////　///〃
　　　　　　|　:.　{　＼_　＼　　／　 γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣.∧
＼　　　　∧ :.　　　 -､＼　丶ﾍ.)／　l　そ、想像つく風景だろ…… （__;）
:.　＼　　 '/∧:.　　　　　　＼_ノ'´　　ヽ、＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿,ノ
:　　　＼　'///＼　　　　　　　　 ., ＜ハ|/ ////／　　／／´
:. . .　　　＼　'///＼＿_ .　ｨ≦{　 }//　 '|　//／　　　　／
資能次男　少弐景資

　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　／　　　＼
　　　　　　　　　　／　 ⌒ 　 ⌒　＼
　　　　　　　　／　　（─）　（─）　　＼　　　あの二人と調練なんて死んでも嫌だお
　　　　　　 l　　 ⌒（__人__）⌒　　ｌ　　　第一やる夫はやる夫で大宰府での執務とかいろいろあるお
　　　　　　　　＼　　　｀⌒´　　　／　　　覆勘状※の発給は親父の仕事だけど
　　　　　　　　／　　　　　　　　＼　　　着到状※2がほしいなんて連中への対応をしなきゃならんお

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　※大番役終了証明書、一部御家人以外は守護から受け取る
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　※2兵士を率いてきた場合に総大将から与えられる在陣証明書
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　大番役では出ないが、功績証明のために欲しがる場合がある
108： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 21:56:33 ID:nohOh9Oc0: 　　／￣￣＼
　／　　ノ　ヽ､＼
. |　　（●）（●）|
. |　　　（＿人_）│　　けど、いいのか？
　| 　　｀ ⌒´　 |　　毎度毎度執務を抜け出してたら問題になるだろ
　 | 　　　　　 |
.　ヽ　　　　　　/
　　ヽ　　　　/
　　　.> 　　　<
　　　|　　　　 |
　　 |　　　　 |

　　　　　　　／￣￣￣＼
　　　　　／　　─　　 ─＼
　　　　／　　（ー）　（ー）＼
　　　　|　　　　（__人__）　　　|　　　問題なんてあるわけねーお
　　　　＼　　　　｀ ⌒´　　／　　　第一九州は平和そのもの――
　　　　　　／　ヽノ　　⌒＼＿_　　　γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　/　|　　　　　　＼_＿＿）⌒＼|　　　　やる夫様ー！　　　＞
　　　　　｀￣＼　＼　　　　 -''' ⌒(＿_ ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿__,ノ
　　　　　　　　　＼　　　　　　　／＼　＼__
　　　　　　　　　　　` ―─―─´　　　ヽ＿__）
109： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 21:56:57 ID:nohOh9Oc0: 　∧ ∧
　(*ﾟーﾟ)　　　吉田様が来てほしいとのことです！
　 U　 |)　　　何か大陸から使者が来たとのことで……
～|　　|
　ＵＵ

　　　　　　　／￣￣￣＼
　　　　　／　　─　　 ─＼
　　　　／　　（●）　（●）＼　　　　……大陸？
　　　　|　　　　（__人__）　　　|
　　　　＼　　　　｀ ⌒´　　／
　　　　　　／　ヽノ　　⌒＼＿_
　　　　　/　|　　　　　　＼_＿＿）⌒＼
　　　　　｀￣＼　＼　　　　 -''' ⌒(＿__)
　　　　　　　　　＼　　　　　　　／＼　＼__
　　　　　　　　　　　` ―─―─´　　　ヽ＿__）
110： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 21:57:29 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＿____＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　／＼____＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼____＼／____／
　　　　　　　　　　　　　　／.＼　＼＿____／　／＼
　　　　　　　　　　　　　／＿____＼　　＼／／＿___ ＼
　　　　　　　　　　　／____／＼____＼　　／____／＼___＼
　　　　　　　　　　　＼____＼／____／　　＼____＼／___／
　　　　　　　　　　.　　＼＿____／　／.＼　＼＿___／
　　　　　　　　　　　　　　　＼／　／＿____＼　＼／
　　　　　　　　　　　　　　　　　／____／＼___＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼____＼／___／
　　　　　　　　　　　　　　　　.　　＼＿___／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼／

　　　　　　　　　　　【やる夫は元寇を戦い抜くようです】
　　　　　　　　　　　　　第２話　始まりを告げる者達
111： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 21:58:03 ID:nohOh9Oc0: ――第１回の蒙古使は天候に阻まれて失敗した

　　　　　　　　　　_,.．---- ．._
　　　　　　　　／　、　　　　､ ,,ヽ
　　　　　　　/ 　　ﾐ))))))))))）　ｯ'))）
　　　　　　/　　　　　,ｨ｡ﾆ>,;;　ヾむi　
　　　　　　彡､　　　　"""　　(,-､ｯ, ヽ　
　　　　　　{-ﾏ彡ｨｨｯｯ'' ..　　　,,__'_,,,_､i　　いいか、風土天候如きで我が威光を妨げることは許さんぞ！
　　　　　　ﾊヽヽ彡'　　:::　''"~　,,;;;;;,,` l
　　　　　/ﾐヽﾆ-）ii　　　'''　　　　/iii> ,}
　　　　（ミﾐﾐミﾐi｀iiii;,,　　　,,,,,,,,,,,ﾉllll!,ii!
　　　　{ミミﾐ/⌒i: : :　"　""'''!!!!!!!!!ｿ"
　　　（ﾐﾐﾐ（　（｀ヽ: :　　　;　　　　.::|
　　　〉ﾉﾉﾉヽ＼　ヽ　　　 ''';;,　　.::ﾄ､
　　 /ﾉﾉiii　iii ＼＼　､　　;;　 .::::|　ヽ
　／/ iii　iii　 iiii ＼＼　　　　　　:::ﾄ､　ヽー

その際皇帝・世祖が正使、副使ともに叱りつけたというのは前回述べた所で

その後の使節派遣を成功させるよう命令されたのが高麗王元宗だというのもやっぱり述べた

　　　　　　　　　　　　　　､＿刈从WWWW从从≦二ィ_,_
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　　　　　　　　　　　　　ｲ洲ｒ=i{|　　　　　　 _ 冫　　 }　:.
　　　　　　　　　　　 }从{ V|i ､_　　　　　　 ′　　 .'　:.
　　　　　　　　　　　　　从 {_　　｀　　　.ィこ> 　 ,'　 :.　　　藩阜、頼むからうまく片付けてくれよ
　　　　　　　　　　　　　　　　}ﾄ､_ 　　　　｀二　 /　　 ::.　　マジ冗談抜きで罰金銀8000両とか言われたらもう国もたねーから
　　　　　　　　　　　　从汽　　　　　,ｨi斥仆v　　　:.:
　　　　　　　　　　　　　　　洲　｀ー‐-　{i｣从｣ｼ{　　　.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ]}　　　　　　　　　|　　　.:
　　　　　　　　　　　　　　／.::i｣　、　　　　　 j＼_　: .
　　　　　　　　　　 _ 　-‐ {::::::::{、　　、　　　　 / {ヽ::ヾヽ、
　　　　　　　　 _／　　　　|::::::::| ＼　　、　　　{　　ハ::.:.:.. ｀丶、
　　　_ 　-‐　´　　　　 |::::::::|　　｀ヽ､__　　　／　 ',:.:.:.. i　　｀`丶、
　　／　　　　　　　　　　|::::::::|　　　　　｀ヽ.　 {_ 　　',:.:.:. i　　　　　　ヽ、
　/　　　　　　　　　 |::::::::|　　　　　 l　|　 ||!　　　}:.:.:.::!　　　　　　　＼
./　　　　　　＼　　　　　 |::::::::|　　　　　 l　|　 |{　　　ｌ::.:.:::l　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　ヽ　　　 |::::::::|　　　　／,ア￣￣｀ヽ　l:.:::::::l　　　　　　　i　　　`､
　　　　　　　　　　＼　　 |::::::::|　　　／／　／＞≦二;;}:::::::l　　　　　　 |　　　　`､

その高麗王が処理を委託したのが、秘書官の藩阜である
112： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 21:59:13 ID:nohOh9Oc0: :::::/::::::::::::/:::::/:::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::i
:::/:::::::::::/::::::/:::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::i::::::::i::::::::::::i
:/:::::::::::/::::::/::::::::::::i:::::::::::::::::::::::::::::/:::::/:::::::::::::i
::::::::::::/:::::::i::::::::::::::::i::::::::::::ｲ:::ｲ:::::/:::::/ i:::::i::::::i
::::::::::/::::::::i:::::::::/ﾆ`l:::::::::/'i::/i:::/::::×　i::::i::::/
::::::::i::::::::::i::::::::::{ ' } i:::::::/ i/　i//-'〒,ヽi:/i::/
:::::::i::::::::::i::::::::::入てi::::::i　　　' '　＼ﾚ ri/i:/
::::::i:::::::::i::::::::::::/　"' i:::::i　　　　　　　　'、'
::::i::::::::::i::::::::::/　　　 i:::::i　　　　　　,..　 .)
:::i::::::::::i:::::::::/　　　　'i::::i　　　　　　　i'"　　　　　　　　王の御命令とあれば受けないわけにはいかないだろう
:::i:::::::::i::::::::/　　　　　.i::::i　　　　 "j'"　　　　　　　　　だが正直なところどうすればいいのかまるで分らん
:::i:::::::::i:::::::i'''‐-、　　　i::::i　　　　/'
:::i::::::::i:::::::i_:::::::::::::::ヽ..∧:::i'''‐--''
::::i:::::::i::::::i::::"''‐-..,,:::::::ヽ.i:::i
::::::::::::i::::::i::::::::::::::::::"'''‐-ヽi::i
i::::::::::::i::::i:::::::::::::::::::....　　"'‐:::i
::i:::::::::::i:::i::::::::::::::::::::::::::......　　　ヽ
:::i:::::::::::i::i::::::::::::::::::::::::::::::::::...　　　ヽ
::::::i:::::::::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....::　　＼
::::::::i::::::::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　　　　＞、
:::::::::::i:::::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::　 ..:::::::／:::::::::ヽ
::::::::::::::i:::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::ヽ
::::::::::::::::i::::i::::::::::::::起居舎人　藩阜::::::::::::::::::::ヽ

秘書官じゃなくてもっと別に頼む奴いないのかよという話もあるが

元宗には頼めない理由があった

武官筆頭の金俊と対立していたのであまり文官に貸しを作れなかったのである
113： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 21:59:53 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　´　　ｨ　´ ー''　ｨ　　.＼
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:::: :::: :::r//ｨゝ’ヽヽ!:: !　　{ゞ/　ﾘ　:::ゝx　　　　　 /:::::ｨ’「’!　　高麗武官　金俊
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元々高麗が元に服属する前に実権を握っていたのは崔氏を中心とした武臣勢力であった

だが、その勢力は元のと戦争の中で疲弊。元との戦争時に常設化された三別抄の協力を得た文官によって

崔氏は滅亡。元宗と文官、それに協力した武官たちによる国家運営がスタートした
114： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:00:35 ID:nohOh9Oc0: ――が、この協調関係は早い段階でとん挫した

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　　　　　　　　　　　　　　　　　 {{::::::::::::::::(⌒ヾ州￣￣下赱l! 　　　　 |　　　　　　　ま
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　　　　　　　　　　　　　　　⌒≧ｭ_｀} ::::::::::::::::厂　＼　￣、〉　　　　 |　　　　　　　ん
　　　　　　　　　　　　　　　／　　　￣≧ｭ_ jﾚ'　　　　 i　　 <　　　　　　　|　　　　　　　だ
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崔氏の滅亡後、文官が名目上の最高位におかれたものの、協調体制発足の２年後（1260年）でその体制は崩壊

次いで金俊の一強体勢が確立。それ以後は武官を中心とした政治運営体制となったのだが……

　 l::::::::::::::::::|＿!::lヽ::::::::: ﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::i､::!　ノ
　 !:::::::::::::::::l-‐ｪ!;ﾄヽ:::::l ´!:::::::::::::::::::::::::::::l ｀　ヽ　　幺ク　亡月　|　　┼‐　.|] |]
　 l:::::::::::::::::「（;;;)ヽ､__､::ﾚ'´ｌ:::::::::/l､:::::::::::::l　　 /　　小巴　三l三. ヽ_ﾉ / こ　o o
　　!:::::::::/l:::l＿_,,,rﾀ"ﾞ､;!)､__!::::/ノ〉､::::::::l　　＼
　　 l::::/　lヽ!　　　　_　_　　 l;/´　 !　>､::l　　／　　実権握れない文官に絶望した！！
　　ﾉノlヽ､_!　　　 r――‐┐　　 /_ノ:::|　　／
　　　　l::::::>､　　ﾚ,二二ェ!　　/i:::::::::::l　　￣￣|＿　　　　／ヽ、　 /＼　　 /＼　　　／
　　　　l:::/ /::ヽ、 `ｰ-―-'　,ｨ'::::!＼:::::l　　　（ヽ､/／＼／　　　＼/　　＼/　　＼／
　　　　ﾚ' ム-''´lヽ､　　_,,.／! ﾞヾ!＿_ヽ!　　　　ヽ´ヽ、ヽ
　　　　　　　 !　￣　　レ;'´　　|　　（,ゝ、　＼ヽ　l､
　　　　　　　　／|　＿,,.-／´　 ;;　.,,,-!　　ヽ､ヽ、　|　|　! l
　　　　　　　/ 斤'"〇 /´　　　 ,;;:''" _,l_　　　ヽ　ヽ/　 l　| l
　　　　　　/;　l､」＿,,/　　　　 '' ﾞ;;／　ヽ､　　〉　｀ヽ　 l/
　　　／!,r''´!/　 /　　　　　';,/"ﾞ''':;,,,,;;'' ＼ /　　　　　,!
　　　/　l ,;;　 |l　 /`'';, ,,　　 /　　 ,;;''"ﾞ''　　 l　　　　　/

当然ながら文官側から文句殺到である

文官からすれば長い間続いていた武官体勢を打破したはずなのに

実際は別の武官が実権を握っただけなのだからある意味当然である
115： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:01:24 ID:nohOh9Oc0: ――だが、その文官を更に追いつめる事態が起きた

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j/小.:ヽ､{こ二'｣ ,／.:ij.:i
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　ｆ＾} { 　{ ﾍ　'._｣　{　　　　　　　　　 -一￢ﾍ　　 '. 　　 . ′ 　　 / '￢=ｰ-　　　　　　　 '.　ｰ'　 ¨　 ´　　_｣
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　ヽ._＿_　　　　　　 {　　 .′　　　　/　　 '.　　 '. , ′ 　　. ′ 　 '.　　　　　　 '.　　　　 /　　　　　厶 '
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116： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:02:01 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　　　､__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__,
　　　　　　　　　　 _）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（_
　　　　　　　　　　 _）　　　　　　　何故功臣堂に崔怡の姿が　　　　　　　　　　　（_
　　　　　　　　　　 _）　　　　　　　　　　　　描かれているんですか！？　　　　（_
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　　　　　　　　　　ヽ⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒y'---''ーj:::::::::::j
　ヽ　　　　　　　 r　ヽ　　　　　　　　　　/:::::::::j　　　　　　　　　　　　ゞ-ｨ'' ´　´¨　　　　　　　.ゞ:::::::j.!
!　　j　　　　　　　! ﾍ　j　ｨー　― ヽr ヽ!:::::::ｨ'　　　　　 l　　　l　　　　 l　1:!　　,　　　　　　　ゝ::::::j'
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　　 !::　　　　　 ∧　　ｲj´　　　　l　　l　ﾄj::!　´　　ヾ::ヽ　　l　　l:l　　j:l !　ﾊ'　l　　　 lj　　　　ｲ::::::l'
ﾄ　　l::　　　　　　∧　ｨﾘrー.、　　l　　j　!::!　　.｀ﾄf、ゞ:::ヽl　;l1l　j'　ﾘ:l:j　lj　　　　　 ⊥、　 .ｨ::::::::j;!、
ﾄ　ｭ、!　　　　　　　~　ｲ　　　!　　!　　l ｲ::!、　　ﾏf tﾍ.≧::ﾏj　　l　 l　1’ll　　　lィ::::::::ｨ==ゝ　j::ィ　ヽ,
ト　　 l　　　　　　　　∧　　　j　　l　　l(:::::jﾄ　　　ゝr ッ=ヾ::ヽ!:l1　j　ｨ　　l　lィ::::ィ´_ _＿　　 l:ｨ /´r:ｨ
l..k　　l　　　　　　　 ∧ﾊ　　ｨ　　j　　l1::::j .ト　ｨ　　　ニニ=ゞｨ'　==' r:::ィr'ft ッｧ　ア'　　ｨ／　ニ,
l　ｋ　 !　　　　　　 ∧. ﾊ　ｨ　　　!　　lj:::::ﾊ　><l　　　　　ィ’ ゝニ一><===ー　　ィ'　　ィｭj´ ! /-’
l　ト　ﾏ　l　　　　∧　r-、!　　　l　　l:::::::ﾄ、/　　l:　　　　　、 / ..l　'　　lゝ　￣　　ィ'　　　/!}　r,/
l　ト　ﾏ　　　　∧　 l　 .ヽj　　 l　　l::::::j　j,　　r=　　　ィ「ゝｨ　 .l　l ｨl、　　　ゝｭ、　　　.ﾊy　ヾ'ュ-　、
l　　ﾄ　　ﾏ　　 ∧　　l　　　ﾄ　　’　 j::::::lﾄ .｀　/　rk=　、　ヽ l 　 !　_ ｨヘ　　　　　!｀　ｨ::::ﾄ,)'´、　　へヽ
lj　　ﾄ　　l　　∧　　 l　　　j　 .j　　ﾄ:::::j.l’　　l　l.ﾊ _ゝ　二、ｭ=　＿ _　　　　、　　　ィ!::::'三三三ヽ、　へヽ
lj　　ﾄ　　l　∧　　　八　　 j'　 ’　ｨ.j::::! l　　 '　l.l:::::::ゝ　ニー　ー―― ィ j　/　ィ / !::::j三三三三三ゝノ　」
lj　　.ト　 ∨　　　　　ゞ　ｨ　　l　　lﾘ::::jハ　l　　l.ﾄr´￣.　、二 - 、ー―ｲ'/　　　 /　l:::y三三三三ィ´　　 yﾞ
lj　　ト　　l　　　　　　｀l　　　l　 .j 1:::! ∧ l　　 l.l.l　　　　　　　　へ:::::ｨ /　'　　/　 .l::j三三三ィ　　／／l、
lj　　.ト　y'　　　　　　　　　　 !　ﾄ !:::j　 ∧　　ゝﾄヽ　　　　　　　　　ﾉ.'.ｨ　　　l.ｨ　　 l:::!三三j /´　　ィ　　ﾄ、
lj　　 /ハ' ハ　　　l　　　∧　ﾘ　 j .l::::j　　∧　　ﾍゝニ　、＿　.＿ｨﾞ./ｨ　　　ｨﾞ　　　j::::j三三! 　　/　　　　ﾄﾊ
lj　　lﾘハk　ハ、　 l　　ｨ　l　 j　 l'　!:::!　　 l::ﾍ　　ゝニ　-　＿ _ _ .ｨ y　　　.イ　　　 .ﾄ::::!三ｨ　　 /　　　　　ﾄ . j
lj　 //　　>　　ィ '　　ィ　　ｨ'　　!　l:::j　　./::::ﾍ　　ゞ　ニ=---　　ィ　　　ィ!　　　　ﾊl:::::ﾄjﾞ　　 /　　)　　　ﾄ　ｨ　　　　　　　　ィ
lj／ｨ　　　ィ　　　イ　　　　ｨ　　ﾉ-=!:::!、ｨ:::::::::::ヽ、l　　l　l:::::　｀´　　ィ::::::!　　　 l ｨ l::::::ﾄ'　/ /　　rー　、 .ﾄ.ィ、　　　　　ィ
l　　ィ　　　　ィ　　　　　ィ　　ィ　　!:::ﾄk='::::::::::::ｨ’ .ﾄ::::ゝ..＿　＿ィ:::::::::::::::!　　　 l 　.l::::j’　　　　　!＿　　r　、　ﾞへ　ィ　　　ィ、
高麗武官筆頭（故人）　崔怡　:::!　j:::::::::::ﾊ、　ﾄ:::::::::::::::::::y　 .ﾍ:::::::::::::l　　　　　 l::y　　l　l　　(　　ヽ　(　　　ｭ、　ヽ　　　　　ヽ

元との戦争で焼失した際に新たにされた功臣堂（歴代の功臣の姿を壁画として残すお堂）に粛清したはずの崔一族の重鎮で

元との戦争を開戦した崔怡が描かれていたのである。これが示す所はただ一つであった
117： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:03:47 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　ｲ　　　　　　　　　　　　 k ﾍ
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　　　　　　　　　／∠’ｙ=/ﾊｌｊ;ｌ::;　:ｌゞﾟQj ｌ　ﾍヾ￣　 ! k　 l/ﾍ　ﾍ ∧
　　　　　　　／ゞﾞ´　　　j　ゞl:jx　ﾍ　 ':::!　　ヽ　　j　ﾍ jﾊ　ヽ　ヽヽ、
　　　　　／ ´　　　　 /ゞ=-∠ゞ　ﾍ　l　Lｭ　_ _　ヽ　jハl　}　}　ﾍﾍ　ヽ
　　　　ｲﾟ　　　　　　/　　｀￣j k　. ゝﾍ!　ﾞ　　　/ 　入ﾘ　j　　ﾘ　　 ∧＼
　　　/´　　　　　　　/　　　　 / ヾvr 入 .＼｀~ 7　 ∥入>　,　人ﾘ　ﾍ　ﾍ　ヽ
　　 l　　　　　　　　 l　　　／’／〉,　＜　」　ヽ　ｨ/ｿ::<　ﾞ／'　}ﾘ　｀}　　ﾍ:ヽﾍ
　　 ;!、　　　　　　　j;　 /´／ '　／lゝﾚ'=-ｪﾞ¨／／l ｒ／／ノ丿∧ /へ、　ﾍ　　}
　　　￣　　　　　　　入’//'-　　ゝ'　へ／／ //　/y ゝ　／ﾞノ　!ソ　　ヽ　ヾﾘ '
　　　　　　　　　　　　ソ/ﾍ、／　lj／　//　/　/　j　<-==--ｪーjr-ｭ、　∧ﾍ　r
　　　　　　　　　　　／｛r／へ／　=ｭ∠　∧l:;l/ｼ　ｼー―ｭｪﾌ彡　　ヽ　 j::｝ !
　　　　　　　　／　 lj-=　　　　／{j　／¨ﾟl::j／　　　　　ヽ::::　　へ　　　　jﾘｿ
　　　　　　　　r　／ﾞ:;:;:;:;:;:;:;:丶_r　／´　　/　　　　　　　　　ゞ::::　　　　　　ﾘ入
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　　　　／入　ﾍr　ヽゞ　ﾍ　ゝ　='　　　　　　　　　　　　　　,,;::::
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金俊は打倒される前の武官による政治体制を志向していると示して見せたのである
118： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:06:06 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〆
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| | Y⌒∨ |‐ !　＼ ',:.::.:', _〆＼:.:.::.:.:ﾍ::.:.:..:::.i∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !! ﾍ　　|　ﾄ弋込ヽ .',:::ﾊ　,ｨｧ刋.ヽ:.:. ∧:.:..:.:}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　!ヽ　ゞー＝イｧ== ﾊ .=- イ　 ∨ .ﾊ:.:::.!　　　我々は武官の専制と疲弊した国土のために崔ギ※を討った！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |,. -‐）l 圦ｰ--‐'　 .i . ﾄゝ __　ノ　/ノ　ﾍ:.}　　　なのに何故その崔一族が功臣第一位としてこの堂に
　　　　　　　　　　　　 ,,,.-‐''"￣￣＿＿从ゝ　　　　　　　　ｲﾊ:.!ﾊ∧'　　　　祭られているのですか！？
　　　　　　　　　　　　　／　　,　'´￣￣　　　!/￣　ヽ　　　´ ｀　　　　 ./ ! .i｝ﾍ
　　　　　　　　　　　　/　　／　　ヽ　　　　　　｀ '' ､｀丶‐-､　　 ,　　从　　i
　.　　　　　　　　 /　／｀丶　　　 ..,,　　_,.,,,.-ヘ､＼}.）　　　／/ 　ｸ　ﾊ　　 ',
　　　　　　　 ,.ﾇ,ト-.ヽ　　　＼／ヽ　￣___,,　　ヽ / 仆　　イ　/　／ /　ｉ
　　　　　　　,,,.-‐'/　 ,′ , ﾍ　　　ﾊ　　￣　入,.,/ /つ __　　_,, .／　./　　, 　　ﾊ
　　　　　　/　／　　ﾊ　 !　ゝ .σ ゝ　,′ｉ　　　 .|　.ヽ、ｉ　σ　　 , 　 ,' 　 / 　　ｉ
. 　　 _,.,,ノ／　　　/　!　ｉ　　 /ﾍ／ / ,'　ｉ　　　 |　　',　ゝー‐ イ　 / 　 /　　　 ,　　　　　　　　※金俊と共に討った崔一族の長老
　　 /　／　　　 / 　　ｉ　ﾉ　　 /　 !　 .|　　　 tヽ　　 ,'　　 /　　　　,'　　　　 !

当然ながら、この堂の壁画の時点で文官と武官の対立は差引ならないところまで来てしまった

元々文官が主導権を握るために起こしたクーデターと元への臣従の筈が、金俊の行動によって台無しになったのだ
119： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:07:17 ID:nohOh9Oc0: ――さらに金俊の行動は止まらなかった

　　　　　　　　　　　　　　　,ｪ=- ｭﾞヽ -ヽ- ｭ、
　　　　　　　　　　　　　／ﾞ「　　ヽヽ　ヽ　ヽ ;ヽ＼
.　　　　　　　　　　／ !　∧　　ﾍ　ﾍ　ｪヽ　　 ;　ﾞヽ
　　　　　　　　　イ//　l　{{∧　　ヽ　　ヽヽﾍ　ﾍ　ﾍ
　　　　　　　　 //彳l　 !;; ﾘl .ヽ　　ヽ　　　　ヽﾍ　　ﾍヽ
　　　　　　　ｨﾉ　ﾉハ k　ﾘ　ヽ,,_　ﾍ　　　ﾍ　ﾍ　　ヽﾍ
　　　　　　　ｼ　/´ﾄﾄ!ゝ　lj ====ア,　ヽ　ﾍ　ﾍ　ﾍ＿,ﾍヽ
　　　　　　　ﾉｲ::::.l ∧ ヽ　ｨ .Qﾟ　ｼ!ﾊ　ヽ　ヽヽゝー..ゝ ;ゝ
　　　　　　　 lv !:::::l. ﾄゝ　ｨ!,　　 =彡、　ﾍ　　ﾍ　ﾍー,ﾍゝゝ　　　　江華島からの遷都だと？
　　　　　　　 lﾘj==ﾄｲ　ﾍ　ヾ＝’　　ヽ　　　　ﾄヽヽリlj lﾊﾊ　　　　当然、断固反対だ
　　　　　　　 lkrゞﾟ∨'　　ﾍ　ﾍ　　　　　ﾍ　　　ﾄヽヽｊ .ト、∧　　　
　　　　　　　ゞlj==/　　　ゝ .ゝ　　　　　ヽ　　　ﾄﾍ　ﾍYﾉ∧　∧
　　　　　　　ゝﾄ''./　　　－ト　ﾍ__　　　　ﾍ　ﾍ　ﾄﾍ　ﾍYヽ　 ∧
　　　　　　　　ゞﾄゝ、r-=,　ﾉ∧:ﾍ　｀’　　　∧　　∧　∧∧ ﾍ　ﾍ
　　　　　　　　ヾﾍゝ＞ /===-ゝﾍ　　　　　∧　　j ヽ　ヽ　ヽ　　ヽ
　　　　　　　　　ゞ　ﾄノ∠＝ュ>ﾍ’　　　　/ ヾ　ﾘ　∧　∧ﾍ　ﾍﾍ
　　　　　　　　　 ∨r　rー .’~¨´. ヽ、　　　　ゝ　ﾘ /　ﾍ　　ヽ　ヽヽ
　　　　　　　　　　　ｖl　ｒ,=ーｧ '　　ヽ　　　　　ﾍ　!’、　ヽ　ヽヽ　ヽ;ヽ
　　　　　　　　　　　へ｀;;;¨　　　　ﾍ　　　　久ﾘﾟ　ヽ　＼＼　＼:　＼
　　　　　　　　　　　ｌ;;ﾍ ;;;..　　　　　ヽ　　／彳ﾘ　　;;;　　＼　　＼　.＼
　　　　　　　　　　　ヾ;;;ﾍ;;;　;.;.;.　　ｨ　 :ﾍィ´:::　ﾘｊ　　　;;　　∧ﾍ　＼　＼　＼
　　　　　　　　　　　　 }:;:}ﾊ＿　＿　_ .ィﾞ:::::::::　　ｿ　　　.;;;　 / /　＼、　へ
　　　　　　　　　　　　ｌ;;ｊ　:::::　:::　:::::　:::::　/　　ｊ’　　　;;;;./ /　ｒ-ｙ　ｭェ＝--」
　　　　　　　　　　　　//　　　　∧　　　　∧　　/　　　　;;//ノ＝/　　　　　　　ﾍ

元へ臣従したときから要求されていた江華島からの遷都に強硬に反対を始めたのである

元との戦争の時、徹底抗戦路線をとるために遷都した江華島からの再遷都は元への完全服従を示す重要な政策だったのだ

それを断固拒否するということは、実質的に高麗の服従は多分形式的なものであると宣言するに等しい
120： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:08:12 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　〉::::::::::::::::::::::; ﾍ/ﾘヾヽ:ﾊ; ヘj::::::::::≧__
. 　　　　､ー'::::::::::::::::/}／__,ｨ -､ヾー‐ ､＿ヽiヽ:::＜
　　　　　　ヽ:::::::ﾉﾘﾙ'ｨ≦圭/　　ヽi::＼ヽ圭≧､i:::;::≧=-
　　　　　　　 ,ｲ::::i∧::ヽ＼＞{ ﾊ　ﾊ )￣｀ー‐ ﾍﾘｲ:::::>
.　　　　　　　 /ｲ::// ヽ= '　　, ─ '¨¨ヽ　　 u　ﾏ!::::ﾍ￣ヽ　　　＿
..　　／￣ヽ　　j:::!:|　　　　 {　　　　 i　　　　ﾏ:::::iヽ＿＞'´　　ヽ:￣＼‐-
.　 /,:'　　　　ﾏ乂:|. 　 u　　 } iニ´｀ヽ !　　　　 : :|:::|｀i: ＼:: 　　　　: : ::: 〈_　　　　金俊ちょっと待ってくれないそれぇ！
.　　　　　　ﾏ∧!::::.　　　　 i |　　　 | l　　　　　: :ﾘﾉ｀i}::　　　　　 :: 　: ::: )
.　　　　　　　 ',｀(ﾍ:::::.　　　　 | 　　　|　　　　 : : : :ｲ､/ ::.　　　 l　　i: :　／
　 l'　　 ,:' ￣ヽ＼ )';::::.　　　 |～┴ｲ　　　　 : :　ﾉ/: :: :.　　　 i i: :　i: :/
　ﾍ　〈_/ ￣　　ヽi::　　　　 |　　　 i　　　　　 jノﾑ: :　　　', i i: : ;' /＼
　　ﾑ　　　　　　 }:　　　　　辷´｀´ﾉ　　　　　 /,仁ﾐ! 　　 : :ﾏii:.　ﾚ′　〉
　　　ﾑ＼　　　　ﾉ::＼　　　i 　＿_ 丿　　ｲ:i三ミ|　.::　 : : :ﾏ: :/: ::　/
　＼　ﾑ　ー‐　´ ﾏ从ﾉ＼　｀¨´,.ｨ､　　／乂j三ミ| . : 　 : : : ∨: : : /
　　　＼ﾑ　　　　　　ﾏﾑ　＼　,ｲ::::::ヽ _／/　 /三三| : :　: : : : : :ヽ: i〈

当然ながらこの行動に元宗を含めた武官以外が大反対したのは言うまでもない

「骸骨野を覆う」とまで言われた元との戦争からまだ10年も経っていないのにこの宣言である

戦って勝つとかそういったレベルの話じゃねーぞ

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　　　　　　　　　　ｲ/　/∧v'　//　rﾉ///　ﾂﾞ¨-:::Q ゞﾞ/　ﾂﾞ ! 1ｨ==l,,j /
　　　　　　　　　　///　/∧v//ﾞ´ rj//// ∧ヾ=::＿::ｨ’ /ﾞ　1彳:::Q::ｱｨ
　　　　　　　　　 //　//　/!ﾘr　　/　// /　　　　 // ／　　1l!1= ='　/
　　　　　　　　　ｨ　/　//　1 {　　:1　/ ｿ　　　　ｨ/ﾂ´::::　　l!:1　　ﾉ:/
　　　　　　　　 //　/イｸ　1 l　　 l　/1ﾞ　　　　／ﾞｲ_::::　　　ﾘ!ﾟ　　ｲ　　　　なぜだ……何故私の言葉に耳を貸さんのだ……
　　　　　　　 ∥///:r /　1　ﾍ　 :j1:ｿﾞ　　　ｨ/ﾊ' ｀::::::　　ﾉ%　,. /
....≠''ﾍ　　　ｲ///ク　1　llり:ヾ　 j1/　　　ｨｼ㌔=::::ゝ＿.ｨ∥　ｨ
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こんなことするもんだから当然金俊の政治的な立場は下り坂を転げ落ちるように悪化していった
121： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:09:28 ID:nohOh9Oc0: |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||ヽ
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||||ｲ|ﾊ||||ﾘ　 '　　 '　　｀　"}/ !||||||||||＜
|ｲ　ﾘ　|/　　　、　　　　　　　 |/||||￣´
||　 '　　　　＿_≧ｭ、　＼　　　|||}
||||,,=＝≡冖三三三三> ノ＿__|ﾘ
||; ;　　　　 {三三（　ﾉ||冖{三__ｲ
||: :　　　　　 ∨三三//} 　 !三__}
||: :　　　＼ヽ｀￣￣´　　ヾ三!
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||;;;;;;;;; , ,　　　　　　　　　　　＼
||;;;;;;;;; ; ; ,　　　　　　　　　　 /　　　　　　俺だってできれば外交経験のある連中を使いたいんだよ
||;;;;;;;;; ; ; ; ;　　　　　　　　´　 T　　　　　　　なのに武官は皇帝に刃向うようなそぶり見せるし、文官連中は金俊に対抗するって言って
||;;;;;;;; ; ; ; ;　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　三別抄の指揮官たちと会合開いて内戦始める気満々だし……
||;;;;;;;;;;;;;;;; ;　　　　　　　／＼_ノ
||;;;;;;;;;;;;;;;; ;　　　　　　／　-<
||;;;;;;;;;;;;;;;; ; ;　　　　　　＿}
||;;;;;;;;;;;;;;;; ; ;　　　　　　　ｲ
||;;;;;;;;;;;;;;;; ; ; ;　　　　　 ,,|||

ちょうど元宗が日本への使節派遣の責任を取らされていた時期は高麗は高麗で内戦に向かいつつあったのだ

そんな状況下で日本への使節派遣をやらせようものなら確実に内政問題に転用されてしまう

結果として、苦肉の策としてとったのが秘書官の抜擢だったのかもしれない

――だが、そんな張りつめた糸は使節派遣のすぐ後に音を立てて切れてしまった

　　　　　　　　　　_,.．---- ．._
　　　　　　　　／　、　　　　､ ,,ヽ
　　　　　　　/ 　　ﾐ))))))))))）　ｯ'))）
　　　　　　/　　　　　,ｨ｡ﾆ>,;;　ヾむi　
　　　　　　彡､　　　　"""　　(,-､ｯ, ヽ
　　　　　　{-ﾏ彡ｨｨｯｯ'' ..　　　,,__'_,,,_､i　　　高麗王には日本への使者を成功させるように命令したのだぞ
　　　　　　ﾊヽヽ彡'　　:::　''"~　,,;;;;;,,` l　　　その高麗の臣たる貴様らがそんな様では上手くいかんだろうが
　　　　　/ﾐヽﾆ-）ii　　　'''　　　　/iii> ,}　　　貴様らのその態度は我が帝国への忠誠のなさの表れである！
　　　　（ミﾐﾐミﾐi｀iiii;,,　　　,,,,,,,,,,,ﾉllll!,ii!
　　　　{ミミﾐ/⌒i: : :　"　""'''!!!!!!!!!ｿ"
　　　（ﾐﾐﾐ（　（｀ヽ: :　　　;　　　　.::|
　　　〉ﾉﾉﾉヽ＼　ヽ　　　 ''';;,　　.::ﾄ､
　　 /ﾉﾉiii　iii ＼＼　､　　;;　 .::::|　ヽ
　／/ iii　iii　 iiii ＼＼　　　　　　:::ﾄ､　ヽー

使節の派遣によって、金俊の行動を元が許す状況にはなくなっていたのである

高麗から使者出発した翌年の至元5年、つまり文永5年に金俊と文官筆頭の李蔵用に元へ出頭するよう命令が下った
122： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:10:28 ID:nohOh9Oc0: そこで金俊がとった行動は

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　´　　ｨ　´ ー''　ｨ　　.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨ¨´　,　／,r　ィ　≦≠　-'　,,..　≒
　　　　　　　　　　　　　　　 *'　/ﾞ　／／　／=ｲ／≦ｲｨ　≠∧ ::∧
　　　　　　　　　　　　　　ｨ´　ｲ／　ｨ　ｲy　／／　　　　／≠　,,　ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　/　/　　　ｲ　／／　ｲ　　’　／　／　ﾉﾍﾍ　丶
　　　　　　　　　　　　　./　/lr'ﾍ、!　/　/　/ﾞ　　ﾞ´　ﾟ　　㌣　ﾉﾞ　1ljﾊ　ﾊ
　　　　　　　　　　　　ｲ/　r　へ/　/　　/　/　　　　　/　／/　/11ハ　ﾊ
　　　　　　　　　　　　ｨ　/ﾉ /¨¨' /　///　/　　／　／　／ﾉ///　∧l　j j
　　　　　　　　　　　　///l r::::::!¨≠　≠　// ｨﾟ　／／ﾞ:::: //　/!　l ゝ　ﾘ」
　　　　　　　　　　　ｨ　∧!l:::::!/　//　//　/ｲﾞ　／ﾞ　　 //　/ﾊ!:1　lﾘ　j }
　　　　　　　　　　　ﾉ　ﾉl1１''j//　/1/　///　/ｯ===ｭkjﾞ　yｯ/!　j.　 j! 1ﾂ
　　　　　　　　　　ｲ/　/∧v'　//　rﾉ///　ﾂﾞ¨-:::Q ゞﾞ/　ﾂﾞ ! 1ｨ==l,,j /
　　　　　　　　　　///　/∧v//ﾞ´ rj//// ∧ヾ=::＿::ｨ’ /ﾞ　1彳:::Q::ｱｨ
　　　　　　　　　 //　//　/!ﾘr　　/　// /　　　　 // ／　　1l!1= ='　/
　　　　　　　　　ｨ　/　//　1 {　　:1　/ ｿ　　　　ｨ/ﾂ´::::　　l!:1　　ﾉ:/
　　　　　　　　 //　/イｸ　1 l　　 l　/1ﾞ　　　　／ﾞｲ_::::　　　ﾘ!ﾟ　　ｲ
　　　　　　　 ∥///:r /　1　ﾍ　 :j1:ｿﾞ　　　ｨ/ﾊ' ｀::::::　　ﾉ%　,. /　　　　　陛下、いっそのこと元の使いを殺して遠い島に遷都しましょう
....≠''ﾍ　　　ｲ///ク　1　llり:ヾ　 j1/　　　ｨｼ㌔=::::ゝ＿.ｨ∥　ｨ
:::: :::: l;;ヽ,,／//ｨﾞ´/　ﾘ　;!11lrﾍ::j1j　　　 /ｿx　- ＿＿ ≧!≠'
:::: :::: :::!y/∥//ﾞﾉl:}　lj　ｨ! l　 l:::㌧　　　㌃/ゝ＿ _一 ‐’ /ﾉﾟ
:::: :::: ::::vｲ//∧ﾍ’l!::ﾘ　 lj!　ﾉ　ljヘ　 /:/　　:::: :::: ゞﾟ　//'
:::: :::: :::r//ｨゝ’ヽヽ!:: !　　{ゞ/　ﾘ　:::ゝx　　　　　 /:::::ｨ’「’!
:::: :::: ::ｨ//へr　ゞ　ゞl　　1lr　　!　　∠　＞　　　　＜l1　!1

ちょっとどころかかなり斜め上だった

　　　　　　　　 / 　 , -､
　　　　　　　　l.　　 l　 l
　落　　.お　　ヽ、 l　 l
　ち　　前　　/´　l　 l ,,､/丶／i- ､　,
　着　　ち　 _i´｀','　 l´　　　　　　￣i,_
　け　　　ょ　　l丶　 i_, l　　　i,ヽ,iヾlヾ,l,　,｀'
　ぇ　　　っ,-ヽl 　 l｀ヽ,､i｀｀ｰ､ _ ,.-' ヽi
　 !! 　　とl 　 l　ﾉヽ l／l,￣フ´ヽ￣ﾌ
　　　　　,- ヽ-'￣　　/　　￣,　 - ﾉ￣ ',
　　　　　l,　　　　　,／i　 ij 　' i== ﾆi 　 l　　、）｀ - ´ヽ
　　　　__l｀ｰ ´i 　l i ｀　　　　　|　　 | 　/　　　l
－､/´/　　　　i　l　l｀-i　　　　l　-　i. ,'　　　ノ
　　 /　　　　　　l´｀ヽ!｀ヽ,　　｀￣　l　　　 l 　　落
　　/l　　　　　　 lヽ,　　ヽ, ｀ｰ;;;ﾞ;ﾞ;ﾞ;;ﾞ´　　　）　　　.ち
　/　l　 :　　　　ﾄ, ヽ,　　ヽ,　　　/　　　　）　　　着
　|　丶::　　　　/　l　ヽ,　　ヽ,　/｀' ,　　　 l　　　　け
　|　 l::､　　　 /　　l　　ヽ,　　ヽ,ヽ,　ヽ　=ﾆ　　　　ぇ
　|　ヽ;:｀::::::::::l　　　　　　ヽ,　　l　l　　ﾄ,　　ヽ　　　!!
　|　ﾞl ヽ;:::::::::l　　　　　　 l　　 l　l　　l l　　 l_
　|ヽ, ヽ, ヽ;_;;/　　　　　　　l　　 l　l 　 l　l　　　）　　　,-
　|　ヽ, ヽ,　 /　　　　　　　ﾞl　　l　l　　l 　l　　　⌒｀´
　 l　　ヽ, ｀´　　　　　　　　 l　　l　l　　l　ﾞl
　ﾞl､　　l　　　　　　/　　　　ﾞl 　ﾞl　l　　l　ﾞl
　　lヽ　 l　　　　　 /　　　　　　l　　l　l　　l　　l
　　l　ヽ l　　　　 /　　　　　　　l　　 l　l　　l　　l

当然この提案を元宗は却下、いきなりの出頭命令で金俊が混乱していると考えたのか、とりあえず邸宅に帰らせたのである
123： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:12:24 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　　　　　ｨ´　入　:.ヽ::.、
　　　　　　　　　　／／／イﾊﾍ　ﾍ :.ﾍ
　　　　　　　　 /´/　/　/ﾞ//∧　ヽ　ヽヽ
　　　　　　　 ./　∥ ∥∥j∥l!∧ﾍ　ﾍ　::.ヽ
　　　　　　　 ///ィ/　ｲﾞ:j　!　l ﾘﾍ　ﾍﾞヽ　ﾍ::.
　　　　　　　 //　/　/ﾞ:::l　;l::ﾊ　ﾄヾ　ヾヾ　ﾍ
　　　　　　　ｨ///　/ｨ_　!ﾘ//::k lj _ ﾍﾍ　ヽ::.ﾍ
　　　　　　　l　j'l　jr'ﾞ:Qヾ　ﾉ=ヾ !r Q ァﾍﾍ　!
　　　　　　　!1 lj　lゝ==ｨ''jｿ’　ﾍﾍ==ｭﾊﾍ　lj }.
　　　　　　　11　j　l　ｲ! ﾘ::! 　 l:ﾘﾞ¨　ゝゝリ’
　　　　　　　'j　y　j　　 lｿﾞ:::!　　ヾ!　　ゝj/lｲ
　　　　　　　}　l;;　;l::　　!ｊヾ:j　　,lﾘ!　　　ﾄl　ﾘ’
　　　　　　　.}　l1　! 　 l1Lヾ=ｨｪ _ﾄ　　 /::l　l1　　　　松佑、良い手はないか？
　　　　　　　 lj　1 ﾄ　　1'∠ー一 ' ﾄ　/::ｨ’　!
　　　　　　　ﾄ　ﾊ:ト　 ;j　ゝz=-' '' .ゝ:::::ｲ! 11
　　　　　　　 }　lj　l＼∥ヽ　:::　　／l ｨ:: lj　r:!
　　　　　　　ハl1l;;1　ﾄ、　　　　ｨ∧ﾉｿj∧!
　　　　　　　ｨｲl1ﾘﾘ}　∧::::｀￣　　;;　∥リ∧!
　　　　　　ﾉ∥lk∧j::　　ヽ::::　/　　 {/ﾄﾘ’∧_
　　　　　....:::-ﾋﾊ∧j:::　　　:;;:'　　　;　;　/ﾄヒ'}:::: :::...
二ゝ':::: :::: ::::ゝ^-ﾘlj、:::　　　:::'''::.. ﾞ　// 丿x’:::: :::: :::: ゞへ::..
:::: ::::k:::: :::: :::::ゞL ∧ヽ::　　 l::::/　　 //ﾊ’/:::: :::: :::: ::::' :::: :::: :::..=ヽ
:::: ::::ゝ:::: :::: ::::: ＼≒ヾ’::　　r　　　ｲ/ヽ/::::: :::: :::: ::::ｲ:::: :::: ::::/’:::: ー、

だが、金俊はある意味冷静だった
124： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:12:57 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　　　　　　　　__　　 -‐ =≠　　　　　　　 . . . . . . . ._　　￣￣｀　　、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　. . .,>‐ '　´　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　／⌒〉　　　　　　ｉ. . , . .　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　／　　　 , /,<: : |, /: : ｉ　　 i
.　　　　　　　　　　　　　　 /　／　　/　　　///　＼{厶-=}　　 |i
.　　　　　　　　　　　　　　　／　　 /　　　///　　　　　　 }ｉ.　八　 :ｉ
　　　　　　　　　　　　　　　／／／ //　ｉｌ/{| {|　　　　　　 /ﾘ /　∧　|　i　　　　　　　　 :,
　　　　　　　　　　　　／　 //{/{_ﾑ　　ｊ ∟L｣_　　　　　　 /　　　 } ｌ|　|i　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　 //: : {/　}　∧{ v-=ﾐｘ　　　 _厶=ｧ＝ｰトl∟L　　　　. i 　ﾄ　＼＼
　　　　　　　　　　　　　　 {.′／｝ﾊ　 | ‘　{rぃ　　　　厶=ｧ‐=ﾐ｣_刈　　　 : l 　 | ′jﾍ}`＾'
　　　　　　　　　　　　　　　／／ ,′　　ゝ `ｰゞ'　　　　　 ´ 　 r'ｰツ'^　} /　　 i |　 .|　jリ
　　　　　　　　　　　　　厂ﾞ〈　 /　 /　　　　{　　　　　　　　　｀`7ァ'` 　 //}　　　Ⅳ . ｉ| ,ﾉ
　　　　　　　　　　　　へ＼__Y′ /}/}i　　！　　 , 　　　　 ⌒ﾆＺ.....／ ′ 　ﾉ　 i |{,
　　　　　　　　　　ヘ､,__Y　｢ _ / {{: :|　　　ｉ　　　〈　　　　　　　　　　　　/　　　厶､ｉ {｛
　　　　　　　 / 厶└ ｀¨　　‘: :乂 |ｉ　　小　　　､＿　　__　　　　　　/ ,　／￣｀|ﾉ　　　　　簡単なことだよ
　　　　　　 ,′　　　　　　{／⌒>|i　 i |{ ｈ　　｀ー　 ´　　　　.イ／／　　　　　　　　　　今の王を追放して新しい傀儡の王を立てよう
　　　　　　　　/　　　　　　／　／　 Ⅵ {八{: :＼　｀¨　　　　_. ＜_,ﾉ^r'
　　　　　 /　　　 {　／　　　/　　　　Ⅵ{: : 、: : `　,_　 -= ﾆ二／／{,＿
.　　　　　　 ,′ 　　乂(　　　　´　　　　　〈: :　＼　　_j　　　　　　　　　 ∨￣]7ァ
　　　　　　′ 　　　　　／　　　　　＼,__ -‐ ´｝　　　　　　　 _.　┴　´　 _｣_
　　　　 ,ノヽ　__,,　　,､ _／＿______／　, 二ア´ヽ_ -'ﾌ　　　_　-‐　´　　_　-‐　´ ￣`'=ｰ　.,_
.　　　 /　　　　　　 /-‐ｧァ′ 　ア　　〈_｣　￣¨^'ｰ‐　一'"　　_　-‐　´　　　　　　　　 -r＜￣〉
　　　 /　　　　　 /-‐‘_厶／＾ア7　　　//＾冖ｧ-　 ..,,__,.　　 ´　　　　　　　　　　　　j 　＼　/∧
　／,　　　　　　　 ′　/ ／　 / ｛ﾊ　／ ;' 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／} 　　＼/∧
　 ,　　　　　　　, j／⌒ ´　　 /　ﾉ |/ 　 }　 /　　　　　　　　　　　　　　　／　/　　　　＼}
. /　　　　　　 / ｛　　/　　　 ;　　　/　　〈　/　　　　　　　　　　　　　　　　　 , //　/　　　　　　＼
/　車松佑（金俊派武官）　｜　　　　｝′　　　　　　　　　　　　　　　　／//　/　　　　　　　　　ヽ

冷静に、クーデター計画を立て始めたのだ

しかも隠そうとはしなかった
125： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:13:54 ID:nohOh9Oc0: ――文官も出席する大臣たちの会議で提案したのだ

　　　　　　　　　　　　　ｨ´　入　:.ヽ::.、
　　　　　　　　　　／／／イﾊﾍ　ﾍ :.ﾍ
　　　　　　　　 /´/　/　/ﾞ//∧　ヽ　ヽヽ
　　　　　　　 ./　∥ ∥∥j∥l!∧ﾍ　ﾍ　::.ヽ
　　　　　　　 ///ィ/　ｲﾞ:j　!　l ﾘﾍ　ﾍﾞヽ　ﾍ::.
　　　　　　　 //　/　/ﾞ:::l　;l::ﾊ　ﾄヾ　ヾヾ　ﾍ
　　　　　　　ｨ///　/ｨ_　!ﾘ//::k lj _ ﾍﾍ　ヽ::.ﾍ
　　　　　　　l　j'l　jr'ﾞ:Qヾ　ﾉ=ヾ !r Q ァﾍﾍ　!
　　　　　　　!1 lj　lゝ==ｨ''jｿ’　ﾍﾍ==ｭﾊﾍ　lj }.
　　　　　　　11　j　l　ｲ! ﾘ::! 　 l:ﾘﾞ¨　ゝゝリ’
　　　　　　　'j　y　j　　 lｿﾞ:::!　　ヾ!　　ゝj/lｲ
　　　　　　　}　l;;　;l::　　!ｊヾ:j　　,lﾘ!　　　ﾄl　ﾘ’　　　　　今の王を追放し、新たな王を擁立しよう
　　　　　　　.}　l1　! 　 l1Lヾ=ｨｪ _ﾄ　　 /::l　l1　　　　　そして、もう一度元と戦うのだ
　　　　　　　 lj　1 ﾄ　　1'∠ー一 ' ﾄ　/::ｨ’　!
　　　　　　　ﾄ　ﾊ:ト　 ;j　ゝz=-' '' .ゝ:::::ｲ! 11
　　　　　　　 }　lj　l＼∥ヽ　:::　　／l ｨ:: lj　r:!
　　　　　　　ハl1l;;1　ﾄ、　　　　ｨ∧ﾉｿj∧!
　　　　　　　ｨｲl1ﾘﾘ}　∧::::｀￣　　;;　∥リ∧!
　　　　　　ﾉ∥lk∧j::　　ヽ::::　/　　 {/ﾄﾘ’∧_
　　　　　....:::-ﾋﾊ∧j:::　　　:;;:'　　　;　;　/ﾄヒ'}:::: :::...
二ゝ':::: :::: ::::ゝ^-ﾘlj、:::　　　:::'''::.. ﾞ　// 丿x’:::: :::: :::: ゞへ::..
:::: ::::k:::: :::: :::::ゞL ∧ヽ::　　 l::::/　　 //ﾊ’/:::: :::: :::: ::::' :::: :::: :::..=ヽ
:::: ::::ゝ:::: :::: ::::: ＼≒ヾ’::　　r　　　ｲ/ヽ/::::: :::: :::: ::::ｲ:::: :::: ::::/’:::: ー、

: : : : : : : :: :::: :: :: : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　. . : : : :: : : :: : ::: :: : :::: :: ::: ::: :::::::::::::::::::::::::＼＼ | l　i 川　| l　i川　| l　i 川 |　| l　i川| l　i 川／／
　　　.　. .... ..: : :: :: ::: :::::: :::::::::::: : ::::::::::::::::::::::::::::::::三　　何言ってんだよ……　　　　　　　　　　　　　三
　　　　　　　 Λ＿Λ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: ::::::::::::::::三　　　　　　　　　勝てるわけねーだろ……　　　三
　　　　　　/:彡ミ゛ヽ;）ー､　. . .: : : :Λ＿Λ . . . ／／ | l　i 川　| l　i川　| l　i 川 l　i川　| l　i 川 |＼＼
　　　　　 / :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.:. ./彡ミ゛ヽ;）‐､. .: : : :::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　 / :::/;;: 　ヽ　ヽ ::ｌ　. 　./ :::/;;: ヽ　ヽ::i:. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
￣￣￣（_,ノ￣￣￣ヽ､_ノ￣ ..（_,ノ￣￣.ヽ_ノ￣

当然ながら賛成意見が出るはずもなかった

文官武官問わず元に降伏する際の粛清で勢力を半減させていた上に正規兵の数が足りない

臨時編成の三別抄を解散させることもできず、未だに残している状態であったことからも

元との戦争以前に比べて正規兵が不足しているのがわかる
126： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:14:54 ID:nohOh9Oc0: だが、首都の防衛を担当していて国内武官のトップに立つ金俊に真っ向から逆らうことはできない

　　　　　　　　　　　　　ｨ´　入　:.ヽ::.、
　　　　　　　　　　／／／イﾊﾍ　ﾍ :.ﾍ
　　　　　　　　 /´/　/　/ﾞ//∧　ヽ　ヽヽ
　　　　　　　 ./　∥ ∥∥j∥l!∧ﾍ　ﾍ　::.ヽ
　　　　　　　 ///ィ/　ｲﾞ:j　!　l ﾘﾍ　ﾍﾞヽ　ﾍ::.
　　　　　　　 //　/　/ﾞ:::l　;l::ﾊ　ﾄヾ　ヾヾ　ﾍ
　　　　　　　ｨ///　/ｨ_　!ﾘ//::k lj _ ﾍﾍ　ヽ::.ﾍ
　　　　　　　l　j'l　jr'ﾞ:Qヾ　ﾉ=ヾ !r Q ァﾍﾍ　!
　　　　　　　!1 lj　lゝ==ｨ''jｿ’　ﾍﾍ==ｭﾊﾍ　lj }.
　　　　　　　11　j　l　ｲ! ﾘ::! 　 l:ﾘﾞ¨　ゝゝリ’
　　　　　　　'j　y　j　　 lｿﾞ:::!　　ヾ!　　ゝj/lｲ
　　　　　　　}　l;;　;l::　　!ｊヾ:j　　,lﾘ!　　　ﾄl　ﾘ’　　　異論がないならば具体的な方法について……
　　　　　　　.}　l1　! 　 l1Lヾ=ｨｪ _ﾄ　　 /::l　l1
　　　　　　　 lj　1 ﾄ　　1'∠ー一 ' ﾄ　/::ｨ’　!
　　　　　　　ﾄ　ﾊ:ト　 ;j　ゝz=-' '' .ゝ:::::ｲ! 11
　　　　　　　 }　lj　l＼∥ヽ　:::　　／l ｨ:: lj　r:!
　　　　　　　ハl1l;;1　ﾄ、　　　　ｨ∧ﾉｿj∧!
　　　　　　　ｨｲl1ﾘﾘ}　∧::::｀￣　　;;　∥リ∧!
　　　　　　ﾉ∥lk∧j::　　ヽ::::　/　　 {/ﾄﾘ’∧_
　　　　　....:::-ﾋﾊ∧j:::　　　:;;:'　　　;　;　/ﾄヒ'}:::: :::...
二ゝ':::: :::: ::::ゝ^-ﾘlj、:::　　　:::'''::.. ﾞ　// 丿x’:::: :::: :::: ゞへ::..
:::: ::::k:::: :::: :::::ゞL ∧ヽ::　　 l::::/　　 //ﾊ’/:::: :::: :::: ::::' :::: :::: :::..=ヽ
:::: ::::ゝ:::: :::: ::::: ＼≒ヾ’::　　r　　　ｲ/ヽ/::::: :::: :::: ::::ｲ:::: :::: ::::/’:::: ー、

反対意見なしのまま会議が進むに思えたが、反対意見が意外なところから出た

　　　　　　　　　　　　　　ｭ!{　'　　ｭｪ、　一　ﾆ　、　　-　　ﾌ
　　　　　　　　　　　　ィ　ゝ　ヽj}　　　　>、ﾍ　　ヽ　7ニ　一　r ュ　、
　　　　　　　　　　ィ´l ヽ　ﾌ=　j;r　-　、y　ヾ　へ　ヽ7二-　　'　ィ=｀、
　　　　　　　　　 ∧l r　ｨ　　　ﾆy　＿ ≧-　 ≒　　　　二>-≪-－　、
　　　　　　　　　/　k,ｨ　ｲ　rｭk　jr ⌒>ヾﾍヽ　,ヾ　　,　ィ'　二＞　＞、
　　　　　　　　ｲ　 7 /　/´￣　￣　￣ﾍﾍﾄ　　j}　　　一　>　ﾄ、
　　　　　　　　 jﾊ / / .ｿ　　　　　　　　　ヽﾍ.ヽﾄ .ﾄkﾍ´　一'　一　、
　　　　　　　　r、j y　y　　　　　　　　　　　>ヽヽ rﾄ　ト　ﾄ、
　　　　　　　　l　j　 y　>、　　　　　 ,　　ｨ ' ヾ　ﾍﾄ　　　　　ﾄ,
　　　　　　　　〉 r.y　rftﾆ≧ｭ, j}　　r ｨ≦ftァ　.7ﾄ　ト、　　ﾄ,
　　　　　　　 //r∧　　ﾞ｀¨.ｪヾゞ -　 = ｀¨　ﾞ　　//ﾍ　ﾍ｀　　　ﾄ,
　　　　　　　.ｲ　lヽﾍ　　　　　ﾞﾞl:j　　　　　　　 ∧!　ﾍ　ﾍ　　　｀　　兄上、いかなる考えであろうとそれはできません
　　　　　　　 >1l /j:ﾍ　　　　　ゝ　,　　　　　.∧k　　j　　　　　　　今蒙古と戦って勝てると本気でお思いか
　　　　　　　　　//lゝヽ　　　　ヽ_∠　_　　　ｨ7l jヽ
　　ュ　r　、　yｲ=r┤　ヽ　　｀　ニ ,　　　ｨ　ﾄヽゝﾍ＿
ニ二二二r二ﾆrイｲj　│ > 　　,、　　ィ　j　j　rﾍイ二二二ニk、
二二二ニ二=.ljｲ< ヾ　ゝ　　ゝ-.+'　´　　 j　j:y.lrニ二ｨニ二ニ二ニｭ
ニ二ニ二rr一ly,　j ヾ　ヾ　　;;;;j';;ﾞ　　　 !　y ゝ　,rニ二ニ二-ニ-ニ二ｭ、
ニ二≪ニ二二r - 、.ﾍ　、　　　<　,　　　 y　＿　ﾄィ二二フ''二二二-二7-
二二二>一二ﾆj　3,　ﾍ　　　　;;;;;　　　　y　>　'　r二二二r一一二二二二k
二ニｨ二二二二j 2,ﾄゝﾍ　　　 ;;;;　　　 //　ゝk.,ｼニｨ==二二二二>二ニ二ﾆ
二二ニ≧二ﾆ一j} 'ﾆｭ ≒、　　;;;　　 ≠ ' (ﾆﾏ .y二ニニニ≫二ｨニニ二ニﾆ
二二ﾆィ二ニ二ﾆゝｨｒｪｊﾍヘ　 .;;;　ｨ　ｨｒｋﾏ,y二一ニ二ニﾆ=一ニ二二二

金俊の弟金冲が反対したのだ

弟で高麗の有力武官でもあった金冲が反対意見を出したことで、提案は却下された
127： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:16:16 ID:nohOh9Oc0: 当然だが、公式の大臣が集まる会議でこんな発言をすれば元宗の耳にも入る

　ノ＿,､＿ノﾉ,,孑 / ノ
彡从毛乂乍ﾘｿミヾ壬ミ
从彳川少匕从彳ﾐ川少＜
毛仆卅从ﾐ从毛仆卅从彡
Ｗ从匕ﾐ弋幵Ｗ从匕弋乂
从乂lヽlﾐ＼卅从乂lヽl＼Wﾐ
从W毛彡厂''V'＼ '　　 .∨
Ｗ从匕乂　　　　　　　　　',
从卞弋V'　　　　 ',　　 , -',
災什人.　　　　　 ', ii／少ﾐ}
升入　　　｀ﾞｰ-=_ノ_,t壬昨ﾉ　　　そうかい、金俊のあの言葉は本気だったてか……
ミﾐ______　_, -壬少ﾉ rxﾞ".rxl　　　　俺だってただで王位を追われる気なんて一切ないんだがな
W　　 .｀弋匕ﾐ少'　{　.', { .∨
/'　　　　　｀￣´　　_.',　.',.',　',
∧　　　　　 rｘ　　.｀',　.',.',　',
. ∧.　　　　 rﾞx X--‐'',　.',l　 ',
　　｀ｰ- ,_. 　＼＼＼/',　.',　 lヽ
　　　　　｀ｰ- .._ヽヽ｀ｰ'　　　l ﾊ
　　　　　　 Y´ ヽ　ヽ　　　　 l　＼

元宗が金俊を本気で排除しようと考えたのは、おそらくこの会議以降だろう

――そして、その金俊排除をためらいなく行える人物が高麗王朝にはいたのである

　　　　　　　　　　　_　　/＾￣￣¨¨¨ーrm,,
　　　　　　　　　　　i ^^´　＼　＼　　　＼￣＼
　　　　　　　　　　_人ヾ＼　　＼　＼　　　＼　｀i
　　　　　　　　　ﾍ　　　i ＼　　＼　｀i 　　　ヾ　　i
　　　　　　　　|三ミ　　 ||||＼　　　i　　|　　　 |　　 |
　　　　　　　レ　　ミ／:::::::::i　　　 |　｜ |　| 　| 　|
　　　　　　　〈　　　;^::::::::::::::::::||　| 　||　 ||｜|| | |　| |
　　　　　　　 .レ／i::::__ｘ≠x v |　レ＾,-三=テヽ//,/
　　　　　　　　l（＼ r´r´＿土ヾ示~^|≦ﾐゞ"　 || ノ　　　　　ああ、素晴らしい
　　　　　　　　ヾヽ＼ｒﾍﾆゞﾟ"｀ }t‐ｰ´＼;;＿_／ |/　　　　　　金俊殿は己の保身が国の保身であると考えている
　　　　　　　　　＼::|::＼_:::::::_,／^|::: :::::::::　_ﾍ　.| ＼,,,...,,　　　まだ一波乱ありそうじゃないかこの国は……
　　　　　　　　　　ゝ.|:::::::::二:::::::;;;;;___;/_,,,ェｦ　.|＼＼:::::　　　次の戦乱は私を何処まで高めてくれるのか楽しみじゃないか
　　　　　　　　　　/.∧:::::｀ヾ-=;;;ー二二ノ´　/||＼＼＼
　　　　　_┌ー¨¨/　;;｀＼;;::::::::-￣:::::"　　／´;;;;;;| .;i:::::::::
ーー¨¨¨/;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;|;;;;;||||｀"ー;;;;;;;_;;;;;;-"´:::　　　||　　＼
＿＿,,,../;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:::|:::::::::ﾍ||||::::::::::::::,ﾍ＼:::::: 　　:|;;;;;;::::::

だが、文永の役以前の高麗の混乱の中心が歴史の表舞台に立つにはもう少しだけ時間を必要であった
128： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:17:54 ID:nohOh9Oc0: ――時は少しさかのぼる
　　　高麗の混乱の少し前に出発した元の国使だが、こちらは大過なく日本に到着した

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:/:::::::::::/::::::/::::::::::::i:::::::::::::::::::::::::::::/:::::/:::::::::::::i
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::::::::::/::::::::i:::::::::/ﾆ`l:::::::::/'i::/i:::/::::×　i::::i::::/
::::::::i::::::::::i::::::::::{ ' } i:::::::/ i/　i//-'〒,ヽi:/i::/
:::::::i::::::::::i::::::::::入てi::::::i　　　' '　＼ﾚ ri/i:/
::::::i:::::::::i::::::::::::/　"' i:::::i　　　　　　　　'、'
::::i::::::::::i::::::::::/　　　 i:::::i　　　　　　,..　 .)
:::i::::::::::i:::::::::/　　　　'i::::i　　　　　　　i'"　　　　ここが日本か
:::i:::::::::i::::::::/　　　　　.i::::i　　　　 "j'"　　　　　確か日本で使節を扱うのは大宰府という施設だと史書に残っていたな
:::i:::::::::i:::::::i'''‐-、　　　i::::i　　　　/'
:::i::::::::i:::::::i_:::::::::::::::ヽ..∧:::i'''‐--''
::::i:::::::i::::::i::::"''‐-..,,:::::::ヽ.i:::i
::::::::::::i::::::i::::::::::::::::::"'''‐-ヽi::i
i::::::::::::i::::i:::::::::::::::::::....　　"'‐:::i
::i:::::::::::i:::i::::::::::::::::::::::::::......　　　ヽ
:::i:::::::::::i::i::::::::::::::::::::::::::::::::::...　　　ヽ
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:::::::::::i:::::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::　 ..:::::::／:::::::::ヽ
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『高麗史』によると博多に到着した使節は藩阜を中心とした一団で、第一回の使節が渡す予定の国書と高麗王の書状
藩阜の書簡の三通の文書を大宰府にて現地の役人に手渡したという

――が、日本側の反応は微妙だった

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　　　　　　　　　　　　　　 , 　/　　|　|　　＼｀ヽ､‐ニ￣　　　,ｨ　　｜
　　　　　　　　　　　　　　/　/　「l　∨　「l　　ヽｨ　　　 _／ｌ|　　 l
　　　　　　　　　　　r- ､T￢- ┴　　＿二イl　ﾚ─'￣　＼j｜　 l
　　　　　　　　　　 l 　ト､l ヽ￣r‐　　７　/／/l　　　　　　 __ |　 l
　　　　　　　　　　　　 V厶　￣ヽ >‐＝'ﾍV 　 |　ヽ _,. -─く_ /　/
　　　　　　　--､￣Ｖ}-}￣ト- ､/　　　　　ヽr' l 　 /　　/ゞ')} 　/　　　こんなもの手渡されても……
　　　　　　 {l＾ヽV厂＞､〈　ｌ　＼・＿‘ ／　 l　Ｌ r ﾊ _/､／
.　　　　 __>‐ ｲ　,ﾆr＜Ｌﾊ |　　　　　　l 　　　＞'7{ヽ-/ ∨ヽ
　　　　 lr ヽ┘ ﾚくﾉしくﾚ个-─r─ッ￢ﾆ -ィ7￢{ヽ-/　/ 　 |
　　　 _ rく　} Vﾍ　-Ｌﾌ／　ヽ￣l三ﾖ￣　　∠ -‐_ 7ｰr-ヘ二/
　r二　V ￣　　￣　７ｰ-､　＼ｰr' ￣／-─＜ .厶/=‐＜
　└ﾝ／　　　　　　厶＜　￣`ヽ _∠ア￣￣＼二-‐ ､--､＼
　　　　　　　　_∠ ∠＿_ヽ､　　　∨, ─＜＿ヽ一'￣ヽ-ヘく
　　　　　　　　ヽ--────｀ｰ一'^ ー─────‐＝--一'
　太宰権帥（着任貴族トップ）　吉田経俊

確かに大宰府はかつては大陸との外交窓口であったが、そもそも外交的な交流自体が途絶えて久しい。

その上、いきなり使節が来訪して国書を手渡すという行動が前例のないものであったため対応しかねたのである
129： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:18:53 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　　　　　_,,..　 -―-　..,,_
　　　　　　　　　　. ＜　＿_　　　＼ヽ　l＞､
　　　　　　／-―ｧ'´　　｀　＜　l |ﾉ　　　>､
　　　　　　／　　∠´　　　　　　　　｀ ¨´￣ヽﾆﾊ
　　　　　/ 　／／　　　　　　　　　　ヽ｀|
　　　　 /ニ´　／　_ ＿　　　　　､　　　　　〈V
　　　イ{. -､　{　　　　,≧二ﾆ、￢ｰﾉ　 { ＿　　 l'
　　/ ／ﾍ　}　ヽ　　ﾍ　辷;;ﾉﾉｧｰﾆ,　冫二.`￢|
　　{〈　 rﾉ ,　　 ',　　 -― ''"　　 / i　〈ﾋ;;ｿ〉/
　 /{ハヽ. |　　l卜　ﾉ　　　／　　　|　　|ヽ　　〈
　{　ヽﾊヽj | 　 N　l　　　　 _, -〈_＿ヽ-/　　　/
./{　　} ｀ﾄ.ﾘ　　|　 |i　　／/￣　｀_ーくj　／l
{　ゝノ　 |ﾉj 　 :|　 |l　　＾⌒亡二´ー＼ﾊ /　 |
丶　}　r |　|　　|　 |　　　　､_　￣` ｰ'＾"ﾘ　　|
　 )'　_八　∨ l:|　　　　　　　　￣｢`ｰ　 / ///
_ノ　/　　＼∨ﾘ＼　　　　　　 }　　 / // ′
ー /　　　＼　　＼　　　　　ノ　　/ﾚ}/

また、太宰権帥である経俊とは全く別系統の執務形態に属する少弐資能がいたため、独断で国書を受理していいのかも問題であった

外交を含めた政治は朝廷、軍事は幕府、裁判は所領に応じてという原則はあったが原則だけですべてが処理出来るなら問題にはなっていない

外交は「場合によっては戦争も視野に入れねばならない政治」という非常に微妙なものであったのも事実である

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |、
　　　　　　　　　　　　　　　　　 r | l ┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　_ ⊥|　!┴-　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　 , 　/　　|　|　　＼｀ヽ､‐ニ￣　　　,ｨ　　｜
　　　　　　　　　　　　　　/　/　「l　∨　「l　　ヽｨ　　　 _／ｌ|　　 l
　　　　　　　　　　　r- ､T￢- ┴　　＿二イl　ﾚ─'￣　＼j｜　 l
　　　　　　　　　　 l 　ト､l ヽ￣r‐　　７　/／/l　　　　　　 __ |　 l
　　　　　　　　　　　　 V厶　￣ヽ >‐＝'ﾍV 　 |　ヽ _,. -─く_ /　/　　　というわけで資能殿、経資殿
　　　　　　　--､￣Ｖ}-}￣ト- ､/　　　　　ヽr' l 　 /　　/ゞ')} 　/　　　　この国書は幕府と朝廷どっちが持ち帰ればいいだろうか？
　　　　　　 {l＾ヽV厂＞､〈　ｌ　＼・＿‘ ／　 l　Ｌ r ﾊ _/､／
.　　　　 __>‐ ｲ　,ﾆr＜Ｌﾊ |　　　　　　l 　　　＞'7{ヽ-/ ∨ヽ
　　　　 lr ヽ┘ ﾚくﾉしくﾚ个-─r─ッ￢ﾆ -ィ7￢{ヽ-/　/ 　 |
　　　 _ rく　} Vﾍ　-Ｌﾌ／　ヽ￣l三ﾖ￣　　∠ -‐_ 7ｰr-ヘ二/
　r二　V ￣　　￣　７ｰ-､　＼ｰr' ￣／-─＜ .厶/=‐＜
　└ﾝ／　　　　　　厶＜　￣`ヽ _∠ア￣￣＼二-‐ ､--､＼
　　　　　　　　_∠ ∠＿_ヽ､　　　∨, ─＜＿ヽ一'￣ヽ-ヘく
　　　　　　　　ヽ--────｀ｰ一'^ ー─────‐＝--一'
130： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:19:53 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　,. : :´､ : : : : : /｀: .､
　　　　　　　　　　　　　　　　　/´:,.:─- .__. -─‐､-:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.: /　　　　　　　　　ヽ: :ﾟ，
　　　　　　　　　　　　　 {: :i　''ﾆ≧_ﾉヽ_≦ﾆ''　ト､}
　　　　　　　　　　　　　,ﾄ､:ｊ　｀ｰﾟ'´ｊ　! ｀'ﾟｰ´　 }:∧
　　　　　　　　　　　｛　|:i　　 ,.〈.....ｊ..、　　 |:.| }
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ从、　ｊ､三三三ゞ　/|:.|ﾉ　　　わしとしては朝廷、幕府どちらが持ち帰ってもかまいませんぞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　V{:}　　｀¨ﾆﾆ¨´ 　 { ｊ!ﾉ　　　　ただ、朝廷が持ち帰る場合は写しをいただきたい
　　　　　　　　　　　　　　　　　{ﾉ|.､　｀　　 ´ 　　从　　　　使節の行き来で済まねば十中八九戦になりますのでな
　　　　　　　　　　　　　　　　　{ﾉ|、＼._＿ｊi＿__／ |!　　　　　敵を知らねば戦は始まりませぬ
　　　　　　　　　　　　　　　　｛ノ「｀ー‐---t─‐ｧ‐┐
　　　　　　　　_ ＿＿＿＿＿_ヽ|＿__ 　　 |///| 　 |
　　　　　,. : :´: : : : : : : : : : : : : ｀r─‐｀ｰ─'///,ｊ一´`: : :ｰ-:. . . __
.　　　　/: : : : : : : : : : : : : : : : : :.|///「￣￣￣´ : : : : : : : : : : : : : :｀: ､
.　　　 ,.: : : : : : : : : : : : : : : : : : :.∨/∧:.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.＼
　　　ｉ: : : : : : : : : : : : : : : ｊ} : : : ｏ=＝=o: : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽｊ: : : : : ､
　　　 |: : : : : : : : : : : : : : : |!: : : : :ｏ=≠=o: : : : : : : : : : : : : : : : : : : ‘，:..: : : i
　　　 {: : : : : : : : : : : : : :ヾ{ｊ〃: : : : ∨/∧ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｊ} : : : : |
　　　ﾍ: : : : : : : : : : : : : と二二ヽ: : ∨/∧ : : : : : : : : : : : : : : : : : : ﾘ:.: : : : |

　　　　　＿＿＿_
　　　　／_ノ　ヽ、＼
　　　／（ ●）　（●）.＼
　／　　　（__人__）　　u. ＼　　　やる夫も同意見ですお
　 |ｎi 7　　｀ ⌒´　　　　.　|ｎ　　いきなり使節が来て国書を手渡すなんてただ事じゃないですお
l^l | | ｌ ,/)　　　　　　U 　l^l.| | /）
', U ! ﾚ' /　　　　　　.　.　| U ﾚ'/／)
{　　　〈　　　　　　　　　ﾉ　　　／
..i,　　　."⊃　　　　ｒニ　　　 /
　."'""⌒´　　　　　　　`''""''''

基本的に使節が国書を手渡すのはその国の要人に謁見した際であって間違っても外交窓口では渡さないというのが日本側の見解であった
131： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:20:28 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |、
　　　　　　　　　　　　　　　　　 r | l ┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　_ ⊥|　!┴-　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　 , 　/　　|　|　　＼｀ヽ､‐ニ￣　　　,ｨ　　｜
　　　　　　　　　　　　　　/　/　「l　∨　「l　　ヽｨ　　　 _／ｌ|　　 l
　　　　　　　　　　　r- ､T￢- ┴　　＿二イl　ﾚ─'￣　＼j｜　 l
　　　　　　　　　　 l 　ト､l ヽ￣r‐　　７　/／/l　　　　　　 __ |　 l
　　　　　　　　　　　　 V厶　￣ヽ >‐＝'ﾍV 　 |　ヽ _,. -─く_ /　/
　　　　　　　--､￣Ｖ}-}￣ト- ､/　　　　　ヽr' l 　 /　　/ゞ')} 　/　　　そうか、では……
　　　　　　 {l＾ヽV厂＞､〈　ｌ　＼・＿‘ ／　 l　Ｌ r ﾊ _/､／
.　　　　 __>‐ ｲ　,ﾆr＜Ｌﾊ |　　　　　　l 　　　＞'7{ヽ-/ ∨ヽ
　　　　 lr ヽ┘ ﾚくﾉしくﾚ个-─r─ッ￢ﾆ -ィ7￢{ヽ-/　/ 　 |
　　　 _ rく　} Vﾍ　-Ｌﾌ／　ヽ￣l三ﾖ￣　　∠ -‐_ 7ｰr-ヘ二/
　r二　V ￣　　￣　７ｰ-､　＼ｰr' ￣／-─＜ .厶/=‐＜
　└ﾝ／　　　　　　厶＜　￣`ヽ _∠ア￣￣＼二-‐ ､--､＼
　　　　　　　　_∠ ∠＿_ヽ､　　　∨, ─＜＿ヽ一'￣ヽ-ヘく
　　　　　　　　ヽ--────｀ｰ一'^ ー─────‐＝--一'

よほど責任問題にしたくなかったのか、それとも事情があったのか、経俊がとった行動は――

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |、
　　　　　　　　　　　　　　　　　 r | l ┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　_ ⊥|　!┴-　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　 , 　/　　|　|　　＼｀ヽ､‐ニ￣　　　,ｨ　　｜
　　　　　　　　　　　　　　/　/　「l　∨　「l　　ヽｨ　　　 _／ｌ|　　 l
　　　　　　　　　　　r- ､T￢- ┴　　＿二イl　ﾚ─'￣　＼j｜　 l
　　　　　　　　　　 l 　ト､l ヽ￣r‐　　７　/／/l　　　　　　 __ |　 l
　　　　　　　　　　　　 V厶　￣ヽ >‐＝'ﾍV 　 |　ヽ _,. -─く_ /　/　　幕府に任せるからあとよろしく
　　　　　　　--､￣Ｖ}-}￣ト- ､/　　　　　ヽr' l 　 /　　/ゞ')} 　/
　　　　　　 {l＾ヽV厂＞､〈　ｌ　＼・＿‘ ／　 l　Ｌ r ﾊ _/､／
.　　　　 __>‐ ｲ　,ﾆr＜Ｌﾊ |　　　　　　l 　　　＞'7{ヽ-/ ∨ヽ
　　　　 lr ヽ┘ ﾚくﾉしくﾚ个-─r─ッ￢ﾆ -ィ7￢{ヽ-/　/ 　 |
　　　 _ rく　} Vﾍ　-Ｌﾌ／　ヽ￣l三ﾖ￣　　∠ -‐_ 7ｰr-ヘ二/
　r二　V ￣　　￣　７ｰ-､　＼ｰr' ￣／-─＜ .厶/=‐＜
　└ﾝ／　　　　　　厶＜　￣`ヽ _∠ア￣￣＼二-‐ ､--､＼
　　　　　　　　_∠ ∠＿_ヽ､　　　∨, ─＜＿ヽ一'￣ヽ-ヘく
　　　　　　　　ヽ--────｀ｰ一'^ ー─────‐＝--一'

丸投げである
132： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:21:34 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　＿＿＿_
　　　　／ノ　ヽ､_＼
　　　／（ ○）}liil{（○）＼
　／　　　（__人__）　　　＼　　よろしくって……外交は朝廷の仕事だお！
　 |　　　ヽ　|!!il|!|!l|　/　　　|
　＼　　　　|ｪｪｪｪ| 　　／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |、
　　　　　　　　　　　　　　　　　 r | l ┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　_ ⊥|　!┴-　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　 , 　/　　|　|　　＼｀ヽ､‐ニ￣　　　,ｨ　　｜
　　　　　　　　　　　　　　/　/　「l　∨　「l　　ヽｨ　　　 _／ｌ|　　 l
　　　　　　　　　　　r- ､T￢- ┴　　＿二イl　ﾚ─'￣　＼j｜　 l
　　　　　　　　　　 l 　ト､l ヽ￣r‐　　７　/／/l　　　　　　 __ |　 l　　　　戦になるかもなんて言われて受け取れないよ
　　　　　　　　　　　　 V厶　￣ヽ >‐＝'ﾍV 　 |　ヽ _,. -─く_ /　/　　　　第一私はここを問題なく過ごせれば昇進決まってるし
　　　　　　　--､￣Ｖ}-}￣ト- ､/　　　　　ヽr' l 　 /　　/ゞ')} 　/　　　　　だから幕府で受け取って。ダメなら朝廷に回せばいいから
　　　　　　 {l＾ヽV厂＞､〈　ｌ　＼・＿‘ ／　 l　Ｌ r ﾊ _/､／
.　　　　 __>‐ ｲ　,ﾆr＜Ｌﾊ |　　　　　　l 　　　＞'7{ヽ-/ ∨ヽ
　　　　 lr ヽ┘ ﾚくﾉしくﾚ个-─r─ッ￢ﾆ -ィ7￢{ヽ-/　/ 　 |
　　　 _ rく　} Vﾍ　-Ｌﾌ／　ヽ￣l三ﾖ￣　　∠ -‐_ 7ｰr-ヘ二/
　r二　V ￣　　￣　７ｰ-､　＼ｰr' ￣／-─＜ .厶/=‐＜
　└ﾝ／　　　　　　厶＜　￣`ヽ _∠ア￣￣＼二-‐ ､--､＼
　　　　　　　　_∠ ∠＿_ヽ､　　　∨, ─＜＿ヽ一'￣ヽ-ヘく
　　　　　　　　ヽ--────｀ｰ一'^ ー─────‐＝--一'
133： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:22:16 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　／ノ　ヽ､_＼　　　　r ⌒j
　　　　　　／（ ○）.　（○）＼　　/ 　 /
　　　　／　　　（__人__）　　＼/ 　 / 　　／　）　　戦を出されると反論しづらいお
　　　　|　u　　　 .｀ ⌒´　　　 /　　/　／　／
　　　　＼　　　　　　　　　　 /　　'` ´ 　／
　　　　　　r´　　(⌒'ー―- イ′　　　　　´廴
　　　　　/　　　＞、　　　　　ヽ　　　　 _　￣￣￣)
　　　　/　　　　　　 -､　　　　 } 　　　　(　￣¨´
　　　/　　　　　　　　　ヽ._　　　　　　　__　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　｀　　　--‐'´　｀ﾞ'

　　　　　　　　　　　　　_,,..　 -―-　..,,_
　　　　　　　　　　. ＜　＿_　　　＼ヽ　l＞､
　　　　　　／-―ｧ'´　　｀　＜　l |ﾉ　　　>､
　　　　　　／　　∠´　　　　　　　　｀ ¨´￣ヽﾆﾊ
　　　　　/ 　／／　　　　　　　　　　ヽ｀|
　　　　 /ニ´　／　_ ＿　　　　　､　　　　　〈V
　　　イ{. -､　{　　　　,≧二ﾆ、￢ｰﾉ　 { ＿　　 l'
　　/ ／ﾍ　}　ヽ　　ﾍ　辷;;ﾉﾉｧｰﾆ,　冫二.`￢|
　　{〈　 rﾉ ,　　 ',　　 -― ''"　　 / i　〈ﾋ;;ｿ〉/
　 /{ハヽ. |　　l卜　ﾉ　　　／　　　|　　|ヽ　　〈
　{　ヽﾊヽj | 　 N　l　　　　 _, -〈_＿ヽ-/　　　/　　仕方がありませんな。わしらがこれを預かりましょう
./{　　} ｀ﾄ.ﾘ　　|　 |i　　／/￣　｀_ーくj　／l　　誰ぞ早馬の準備じゃ！新年早々じゃが鎌倉に届けねばならん！
{　ゝノ　 |ﾉj 　 :|　 |l　　＾⌒亡二´ー＼ﾊ /　 |　　封は厳重にせよ！
丶　}　r |　|　　|　 |　　　　､_　￣` ｰ'＾"ﾘ　　|
　 )'　_八　∨ l:|　　　　　　　　￣｢`ｰ　 / ///
_ノ　/　　＼∨ﾘ＼　　　　　　 }　　 / // ′
ー /　　　＼　　＼　　　　　ノ　　/ﾚ}/

その場の受け取りは資能が行い、幕府がとりあえず中身を確認することになった
134： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:23:04 ID:nohOh9Oc0: この国書が幕府のもとに届いたのは翌月の閏正月５日になってからである

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (二二二ﾆ/二二ﾆ/二｜二二ヽ二ヽ二ニニ)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //＿/__//＿/__//＿/| |ヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//＿/__//＿/__//＿/_| |__ヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //＿/__//＿/__//＿/__| |＿ヽ＿ヽヽ＿_ヽヽ＿ヽヽ
　　　二二二ﾆ/二二ﾆ/二二二//＿/__//＿/__//＿/＿| |＿_ヽ＿ヽヽ＿_ヽヽ＿ヽヽヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ
　　 //＿/__//＿/__//＿/__///＿/＿//＿/__//＿/＿ | |＿_＿ヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　　//＿/__//＿/__//＿/__//○====○====○======.○=====○===○===○===○ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　 //＿/__//＿/__//＿/__//＿|　　　|┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬|＿＿|＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　○====○====○====○===.|　　　|││││││││││││││││||　　||===○===○===○===○===○
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　|┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴||　　||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　|┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬||＿_||
　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|　　　|││││││││││││││││|　　 |＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　＼／＼／＼／＼／＼／＼|　　　|││││││││││││││││|　　 |＼／＼／＼／＼／＼／＼／
　　／＼／＼／＼／＼／＼／|　　　|││││││││││││││││|　　 |／＼／＼／＼／＼／＼／＼
　　"""￣￣￣'''''''''''''''"""""￣"""￣￣''''''''''"""""""""""""""""""""""""""￣￣'''''''''""""￣￣￣￣"""""""""

　　　　　　　　　 }　:/　　}　 :}　　 ::/　　　　ー―ｧ
　　　　　　　 /　 {　　{　ﾉ　 ::ノ＿　　　　　ノ
　　　　　　　 (　　ト､､イノｰ ´ 　く　　　　 `ｰｧ
　　　　　　　　}｀ヽｨ´　　　　　　　　　　ヽ　　　　／
　　　　　　　　{　　 {　　 {　 ./　／⌒　　}　　　　7
　　　　　　　､　ﾉ ,==ﾐ　　ｰくこぅ､　　〈　　 /
　　　　　　　　八 ∨f 斗 } 　　＼　　　, } rヘ 7
　　　　　　　　　ヽ}　　 ,:　　　　　 /: | |ﾉ:} }′
　　　　　　　　　　人　 _` ` ‐-､　　 {:　| | xく
　　　　　　　　　ﾊ {ム-‐ ､ｰヽ　　　j　ﾐ　､}
　　　　　　　　　　 i}　　´__｀　　 -‐ 　くｨ／}_
　　　　　　　　　　　八／　｀Y´　　／⌒　 /　㍉
　　　　　　　　　　　　〈 {　　　　　／　　　ｲ　　　㍉＿
　　　　　　　　　　厂｀丶､ノイ　　　／ﾉ　　　　㍉　ﾆ=-　､　　　　　これが国書か……
　　　　　　　　人　　 }　／ =ﾐヽイ／　　 rｰ￢へ} 　　　ヽ　　　時定、読んでみてくれんか？
　　　　　　　 -‐ , =ミヽ＿/ {（__） } }／　　rｰ┘.， ´
　　　　 r ' 　　 {　(__) } }ﾆﾆﾆゝ __彡　　r‐┘ ´　　　　　　　　 }
　　　　 ,廴　　　ゝ＿彡ﾏ　/　/ ノ　rｰ┘ /
.　　　 /　　㍉、　｀¨¨|　　V　 //rｰ┘　　.′　　　　　　　　　　　　 /
　　　 /　　　　｀¨¨¨ヽ!　　′://" 　　　 {　　　　　　　　　　　　　/
. 　　/　　　　　　　/　　:|　/ 　// 　　 .::　　〉　　　　　　　　　　　 /
135： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:23:45 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿ _
　　　　　　　　　　　,r'"´　　　　　　＼
　　　　　　　　　　/　　　　〈±〉　　　ヽ
　　　　　　　　 |　　　, -──‐‐- ､　　|
　　　　　　　!　,r'´.:.::::::::::::::::::.::.:.:.:＼ !
　　　　　　　　　ﾚ'.:.::::r'"´￣￣￣｀ヾ､:::.:.!
　　　　　　　　　 |;r'"´-‐`ヽ　 ,/´-ｰ-､`^i
　　　　　　　　　!jィ〔´（◯）｀二´（◯）｀ﾄ､|
　　　　　　　　　ﾊﾚ' ﾞｰ＝'ﾞ´.:;! ' ｀ﾞ＝‐'ﾞ^ﾚj､
　　　　　　　　　l ﾄ､'.., 　 / .::;j,_　｀ヽ　ノｲ !
　　　　　　　　　! ﾘj　i　　　 ^"^　　　 l^iｲｿ　　　　　　わかった。では元の国書から
　　　　　　　　　ヾU　',　 ''ｰ＝＝‐''´ ,! |ノi
　　　　　　　＿ _」^i　 ',　　｀ﾆ二"´　,' ,!　ﾄ､＿ _
　　　,r'"´.:.:.:.:.::::::|　ﾞ､　 Y´　　　｀)　/　 |:::::::::.:.:.｀`ヽ
　　 ,!.:.:.:.:::::::::::::::::j　　＼,ゝ‐---‐ 'ﾞ,イ　　」::::::::::.:.:.:.:.:.:!
　　 |/＼.:.:.:.:::::::::|￣￣｀¨`ヾ｀二´イ"´￣ i:::::::::::::::::／|
　　 |.:.::::::＼.:::::::::|　　　　　｀ﾞYi"´ 　　　|:::::::::::::/::.:.:.|
　　 |::::::::::::::i:::::::::| 「***j」　　!l |　「***j」/:::::::::::/:::.:.:.:.:|
＿,ノ.:::::::::::::|:::::::::!　　　　　　 | ||　　　　/::::::::::::/::::::.:.:.:.:L_ ＿
::::::::::::::::::::::::!:::::::::ﾄ､｀`二二ﾆj i |　-ー'/:::::::::::/::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:

『天からの慈しみを受ける元皇帝が日本国皇帝へと送る　私が思うに古より小国の主は国境が接していれば国交を結ぶものである

　ましてや我が祖父は天より命を授かって世界をことごとく所有し、遠い異域の国家も我が威光を恐れて朝貢に訪れるほどである

　私が即位した時、高麗とその民は戦争に疲れ苦しんでいたが私が兵を返すよう命じて高麗の兵は故郷に帰り民も
　元の場所に戻ることができた

　このことに高麗の君臣は感謝を示して来朝したほどである。君主と臣下の関係こそが正しい国家の関係であるといえるが

　その内実は父と子のように親しい。そのことは貴国にも届いていよう

　さて、高麗は我が帝国の東藩であり、日本は高麗に近く国が興ってからは中華の帝国と国交を結んでいるという
136： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:24:32 ID:nohOh9Oc0: 　だが、私の代においてはいまだに使者が訪れていない。きっと我が帝国の事を知らないのではないかと思い使いを送った

　願わくばこの後通交を結びたい。聖人は四海を治めて家とするのである。互いに使いを送らないことには一家とは言えまい

　故に、私は兵を用いて意を通すのは好むところではないのである

　王はその点を考慮せよ　　不宣』

　　　　　　　　　 }　:/　　}　 :}　　 ::/　　　　ー―ｧ
　　　　　　　 /　 {　　{　ﾉ　 ::ノ＿　　　　　ノ
　　　　　　　 (　　ト､､イノｰ ´ 　く　　　　 `ｰｧ
　　　　　　　　}｀ヽｨ´　　　　　　　　　　ヽ　　　　／
　　　　　　　　{　　 {　　 {　 ./　／⌒　　}　　　　7
　　　　　　　､　ﾉ ,==ﾐ　　ｰくこぅ､　　〈　　 /
　　　　　　　　八 ∨f 斗 } 　　＼　　　, } rヘ 7
　　　　　　　　　ヽ}　　 ,:　　　　　 /: | |ﾉ:} }′　　　　　　　……友好？
　　　　　　　　　　人　 _` ` ‐-､　　 {:　| | xく
　　　　　　　　　ﾊ {ム-‐ ､ｰヽ　　　j　ﾐ　､}
　　　　　　　　　　 i}　　´__｀　　 -‐ 　くｨ／}_
　　　　　　　　　　　八／　｀Y´　　／⌒　 /　㍉
　　　　　　　　　　　　〈 {　　　　　／　　　ｲ　　　㍉＿
　　　　　　　　　　厂｀丶､ノイ　　　／ﾉ　　　　㍉　ﾆ=-　､
　　　　　　　　人　　 }　／ =ﾐヽイ／　　 rｰ￢へ} 　　　ヽ
　　　　　　　 -‐ , =ミヽ＿/ {（__） } }／　　rｰ┘.， ´
　　　　 r ' 　　 {　(__) } }ﾆﾆﾆゝ __彡　　r‐┘ ´　　　　　　　　 }
　　　　 ,廴　　　ゝ＿彡ﾏ　/　/ ノ　rｰ┘ /
.　　　 /　　㍉、　｀¨¨|　　V　 //rｰ┘　　.′　　　　　　　　　　　　 /
　　　 /　　　　｀¨¨¨ヽ!　　′://" 　　　 {　　　　　　　　　　　　　/
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137： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:25:15 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　 _　　　　　＼
　　　　　　 ,.'　　　　　　　　　　　　 ,.:i／:::', 　　　　　＼
　　　　　r'´　　　　 , '　 ,　　!　　 iヽ‐ ｰ.､!　　　　　　ヽ
　　　　　i.　　　　　 /　　,'　　l.　 ,!.i　　　　!　　　　　　　　　　!
　　　　　l　　　　　 l , 　 !　　il　,' !|　　　　!　!　　　　　　l 　 /
　　　　　i　　 , =ヽ l'!　 .l　 i ﾄ! .!,_'l､_　　　i　!　　　　　　 ', /
　　　　 /　 .〃　｀! lヽ　lヽ.l､!,,ヾ＿ｰ-ヽ　ヽ!',. i',　!,　　　 i
　　　　ヽ,　',',.i´ゝ!.|　ヽl　ヽヽ.!;::'-!ヾ　｀"　　l/-i l‐!　 .,　.!
　　　　 !　ヽi くヾ　　　　　　￣　　　　　　'7;:7ｿ,ｲ /l /
　　　　　 i　　'､_ヽ_　　　　　　　　　　　　　　i ｀".ｨ／'´/'　　　前半は国交を結ぶことを求めてるのは分かるし
　　　　 !,　　　!" l　　　　　　　　　　　　　　'､　 i　　　　　　高麗の例を出して善政をしてるって言いたいのは分かるんだが
　　　＿_'i　　 iヽ　!　　　　　　　　　　　　　 ,.' ./　　　　　　　……何で冒頭は皇帝宛てなのに文末は王に宛ててるんだ？
　　 r'　　｀""7'''r‐',- ､　　　　　　　　　　 '´／
　　 |　　　　　i　!　i　 r'ｰ､　　　 ´￣｀"' , '
　　 l　　　　　! .l　.!　 !　　｀'i　　　　　"ﾞ .,'...,_
　　,'　　　　 !-! .,'　.,'　　　 ,' ＼　　　　 / ゝ..!_
.._,/ｰ､　　 /ｰi　i　 i. 　　 ,'､_　｀!ー‐ '/ /　 /
'　｀`'‐｀,ヽ､｀" /　/　　　.,' 　｀" ｀!　./ /　 /!

　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r'´　　　　　　　　　　　　　`ヽ,,
　　　　　　　　　　　　　　ﾄV　 ,　 ,:′　　　　　　　　　　　　｀`ヽ
　　　　　　　　　　　M.:i　,′ ,′　　　　　　　　　　　　　　　',
　　　　　　　　　　　　　ﾄ､V .:i　.i:l:;′　　　　　,.ｨ'" ´　　　　　 i
　　　　　　　　　　　　　ﾄ､　　i:|.:.:l:l; 　　　　　,ｨｲ彡三ミヽ　　　　（ﾉ)
　　　　　　　　　　　　ヽ　､ﾄﾄ､iﾄﾄ､.:.:.:.:.:.,:ｨｲ彡'"￣｀`ヽ　　　　　 (
　　　　　　　　　　　`ヾﾐﾐ斗'´｀ﾞﾞー'"´　　　　　　　ﾞﾄ､:.:.　　　　',
　　　　　　　　　　　　　　jミﾐ;;l　　　　　　　　　　　　　ミﾐ､.:.:. 　　 v′
　　　　　　　　　　　　　 j .:.:;;;l　　　　　　　　　　　　',:.. ミﾐヽ.:.:.　　 j!
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　　　　　　　　　　　　　　 `ミﾐヽi　　　　　〈　,.ィ´･_ノ　　ミ!ﾍ !.:.:;.ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　 `ヾミﾐ; ＜・_ﾝ:;.　 .:::´￣　　　　ﾐ!リ !.:.彡j
　　　　　　　　　　　　　　　　　 `い~´　 .:.:;;　　　　　 ,:′　　ﾉｨ彡j
　　　　　　　　　　　　　　　　｀ぃ　 .:.:.:;;i 　　　　 {;:　　rｲｨｲｯﾂ′　　　　いやそれ以前に小国ってどういうこった？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀:ヽ.:.:. .`ｰ'´　　　　′　j　ﾚ'ｲﾂ′　　　　兵を用いたくないってのは要求が通らなきゃ用いるってことか？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',.:.:.　,. -…一　　　,.ｲ.: .: .「
　　　　　　　　　　　　　　　　　　'､:.　　´￣　　／./　. :. ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ﾄ､　　　　／.:.:./　 .: .: .L
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　いゝ--‐'´ .: .:/　　　　　Vﾊ:､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , .ｨｲﾊ. 　　　　′　　　　　 l |::::.ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ ／.:.://´　 ',　`ヽ　　　　　　　| |:::::::::::.`丶､
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　　　　／￣　　　　　　〃.:.:.:.:.:.:.://　￣￣｀ヽ　,. - ‐ ─一　　　| |::::::::::::::::::::::l;l　　　　 `ヽ､
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138： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:26:09 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　＿__,........ -＝==￣｀`ﾞ丶`丶､
　　　　　　　,.`.ﾆ='''''　　　　　　　　　........:.`ヽ、
　　　　-‐'';:'-'"　　　　　　　　　　..　.. .. ::::::::::ヽ
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　 ,:'::;ｲ　　　 : :.;:　:::l::;::i::::;';ゞ;=､i::::::::::::::::::::::i､`;､::::::::|
. / '´,'　 .:;:　.::.::ﾄ!､:::!:|'!ヽ!'!_';ヽ,.〉:::::::::::::::::::::i'ヽヽ::::::l
　　 l　.::/i　::::::'ゞ!;､|'!　　`‐'" i:;ｲ::::::::::::::::::|),ﾉﾉ::::::l　　　四海を治めて一家となすのは分かりますが
　　｜.::/ |:::::::::::::',ゞ' .::::.. 　　 ;'/ !:::::::::::::::;:ﾉノ'::::::::|　　　いつからこの国がその家の一部になったのだろう……
　　 | :/　 !::::;ｨ:::::;ｲ ::::::::　　　ﾉ'　i::::;ｨ;:::::::;'l'!:;'､:::::::|
.　　|/　　'!::/!'!::::`､　＿　　　 /:;:' i!'!:::/ ,l'-'"ヽ::|
　　　　　　':/ ! !:::/'!`´. _ ｀　　/; ',../''!:/'´　　　 `'
　　　　　　　　　!:| |! 　ヽ　　 ,. ､',.､‐'"!'
　　　　　　　　　 !' 　　　｀　'´ｨ'"ヘ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　!',!、　＼＼　,.-'"
　　　　　　　　　　　　　　　　 l iヽ　　＼`',. ‐'

一応国書は到着したのだが、反応は微妙極まりなかった

先ず第一に幕府中枢部は外交をしたこともないし、ほとんど外国人との付き合いもなかった

　　　 l､　　　　 | _,,.―ｰ''''''''''''''''''''''''―-､,,,、　　　ヽ　　　ヽ
　　　　ヽ　　　 |'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;~ﾞ'ｰ､,,,_　ヽ　　　＼
.　　　　　＼.,,,こ,,,,,,,.､.----―',!'''''''''ｉ￢￢┬---､,_「', ヽ　　　　＼
　　　,,,―''"゛;;;;;,/,,,,ﾆ'"'';,ｿ-ﾆl'|　　｀! ﾞ|　 `'|'ヽ、::;;ﾞ`＼, ＼　　　　ヽ
　／　;;;;;;;;;;;;;;,〈ｰ、　|'l',,.､＿リ､,,,,,ノ　,!　　 |「 ,!广-､,::`'-,|'-、　　　|
.　＼,,,,,,,__　;;|:l'　ﾉ　,!」゜ |　ﾞ'ﾆ､.,,,,.／′ ,r'''ヽl'|　.,.-二;､ﾞ|;;;;;ﾞ>　　,/
　　　　　　￣ﾟｉヽ／ ,/,l］　|　　 /''ｰ----''"　ヽ　ﾞ/ ,i´iﾝ､|'シ'゛_／
.　　　　　　　　ﾞi―''ソﾞ,l'　|　 ..,,|　`'ｰ-、　　　　｝　| ヽ| | |;;;,ト''"
.　　　　　　　　 l'￣　ﾚ-'''ﾆ-､,,ﾉ　　　　　,,／″　ﾉ ,i´,ﾉﾞ,|,］
.　　　　　　　　＼　　"″　　　　　　　へ、l'　　　ヽ`'',,r"::ﾞ|　　　　　　　　かろうじて好意的なのは末尾の「不宣」だが……
.　　　　　　　　　　ヽ　　 .,,,,,．_,,,.,,,.､-‐ ″| ﾞi　　　　ｒ‐′ﾞ''l,i
　　　　　　　　　　　| Ｌ_,,,,,.ﾆﾆヾ＾　　　　　　ヽ　　　|::::::::::::::〉
　　　　　　　　　　　|　　 .,,,,.――‐‐　　　　　 }　　　l::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　|　　 /.ｒ'"￣｀　　　　　 ,ﾉ　　　/　.:::::::::::|
　　　　　　　　　　　ヽ.　 ″　　　　　　　　 '′ ,,／,!　 ..:::::::::|
.　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　 ,,/,-'′,/　　 ..::::::::l'
.　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　／　;::::::,／ .__,,,,,,,.､､-ト-
.　　　　　　　　　　　　ﾞ-y,,,,,,,,,,.―‐'";;::::,―ｰ''""ﾞﾞ＾::::::::::::::::::::::::|
.　　　　　　　　　　　　 ,,,,ｺ::::::::._,,,,,.--‐''ﾆコ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　|"ﾆｉＺ'|ﾞﾞンｰ''''"ﾞﾞ゛;;;;;;l'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〔
　　　　　　　　　　　　" ":::"."."::::::::::::::::::::::::"　　　　　　　　　　　"

古文書的には「不宣」は友人に対して使用する末尾文言である

だが、それを考慮しても内容は「お前の隣国は俺支配下、国交を結ばなきゃ兵を出す。よく考えろ」というものであって好意的とは見えない
139： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:26:59 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　 ::＼　　　　ｉ}　 }　　Ｙ{
　　　　　 :ヽ　　ﾘ　/　ノ 7
. ＼　　＼: .　　　　ｲﾍ　 / }
　　＼r冖¨¨¨¨¨`　"　　 ∨ /
　　　「　　　　　　＼　　{i 　 V
ー-　} 　:ﾉ　　　　ヽ　ﾘ_,ｨ7}
ｰ- 　7　　-=ﾐzzzz彡'　{f苡〈
r-.､〈　　　ィ忖}　　 ∨
{てﾊ ‘，　　　　　／　　∨　}
ゝ` ﾑ ‘，　　／　　 ,= -く　八　　　　　　　　　　では、高麗の王から書状にはなんと？
{从ｰく} ‘，、　　／　　　､}i　＼
　从ﾉ　 ‘，ヽ　「ムイ " `｀八　　`ﾄ
㍉　ムイ　＼　　　　ィへノトゝ　ﾘ㍉
　} ㍉　ﾑヘ　　ｰ-彳　　　i}　／　　　㍉ー- ､
: :} ､ｉ:ｉ㍉ ‘，＼　　　　　　　ﾘ/｀ヽ　　　　　㍉　ヽ
: :‘，丶ｉ:ｉ㍉}i. 　ｰヘト､从ｲi:i/⌒}　　　　　㍉
: : :‘，　＼:i:i:＞――＜　　/i/i:i:i:/　　　　　　　　㍉}
　: : ‘，　＼i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:〉=く人:iノ　　　　　　　　㌻ |
　 : : :‘，　　 YﾆﾆﾆﾆY　　}　　　　　　　　　㌻ |　 |
　　 : : ‘，　　｀¨¨¨7´ 　 {/　　　　　　　㌻　　 | :八
　　 : : :‘，　　　　∨　　 ∧ 　　　㌻　　　 |/ 　}

　　　 l､　　　　 | _,,.―ｰ''''''''''''''''''''''''―-､,,,、　　　ヽ　　　ヽ
　　　　ヽ　　　 |'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;~ﾞ'ｰ､,,,_　ヽ　　　＼
.　　　　　＼.,,,こ,,,,,,,.､.----―',!'''''''''ｉ￢￢┬---､,_「', ヽ　　　　＼
　　　,,,―''"゛;;;;;,/,,,,ﾆ'"'';,ｿ-ﾆl'|　　｀! ﾞ|　 `'|'ヽ、::;;ﾞ`＼, ＼　　　　ヽ
　／　;;;;;;;;;;;;;;,〈ｰ、　|'l',,.､＿リ､,,,,,ノ　,!　　 |「 ,!广-､,::`'-,|'-、　　　|
.　＼,,,,,,,__　;;|:l'　ﾉ　,!」゜ |　ﾞ'ﾆ､.,,,,.／′ ,r'''ヽl'|　.,.-二;､ﾞ|;;;;;ﾞ>　　,/
　　　　　　￣ﾟｉヽ／ ,/,l］　|　　 /''ｰ----''"　ヽ　ﾞ/ ,i´iﾝ､|'シ'゛_／
.　　　　　　　　ﾞi―''ソﾞ,l'　|　 ..,,|　`'ｰ-、　　　　｝　| ヽ| | |;;;,ト''"
.　　　　　　　　 l'￣　ﾚ-'''ﾆ-､,,ﾉ　　　　　,,／″　ﾉ ,i´,ﾉﾞ,|,］
.　　　　　　　　＼　　"″　　　　　　　へ、l'　　　ヽ`'',,r"::ﾞ|　　　　　　うむ、ではこっちを読むぞ
.　　　　　　　　　　ヽ　　 .,,,,,．_,,,.,,,.､-‐ ″| ﾞi　　　　ｒ‐′ﾞ''l,i
　　　　　　　　　　　| Ｌ_,,,,,.ﾆﾆヾ＾　　　　　　ヽ　　　|::::::::::::::〉
　　　　　　　　　　　|　　 .,,,,.――‐‐　　　　　 }　　　l::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　|　　 /.ｒ'"￣｀　　　　　 ,ﾉ　　　/　.:::::::::::|
　　　　　　　　　　　ヽ.　 ″　　　　　　　　 '′ ,,／,!　 ..:::::::::|
.　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　 ,,/,-'′,/　　 ..::::::::l'
.　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　／　;::::::,／ .__,,,,,,,.､､-ト-
.　　　　　　　　　　　　ﾞ-y,,,,,,,,,,.―‐'";;::::,―ｰ''""ﾞﾞ＾::::::::::::::::::::::::|
.　　　　　　　　　　　　 ,,,,ｺ::::::::._,,,,,.--‐''ﾆコ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　|"ﾆｉＺ'|ﾞﾞンｰ''''"ﾞﾞ゛;;;;;;l'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〔
　　　　　　　　　　　　" ":::"."."::::::::::::::::::::::::"　　　　　　　　　　　"

『今皇帝が貴国との通交を欲しているのは、利益からの事ではない

　帝国が四海ことごとくの国を従えているという名誉を天高く示したいからである
140： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:28:15 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　　　　　　､＿刈从WWWW从从≦二ィ_,_
　　　　　　　　　　　　､_x≧W从从从WWi{从从从i从ア
　　　　　　　　　　　ィW洲从从}i州从ハ从从}Wkく :.
　　　　　　　　　　　　､_j从WWW{i从{　　　 , ､_　 `}从 :.
　　　　　　　　　　　　　洲W从从ﾘ{ィ＝≦壬r示≧＝代 :
　　　　　　　　　　　　　刈洲W{iﾚ'´ 込Z弐シ　{Z弐近{　:.
　　　　　　　　　　　　　ｲ洲ｒ=i{|　　　　　　 _ 冫　　 }　:　　　　　　　┏────
　　　　　　　　　　　 }从{ V|i ､_　　　　　　 ′　　 .'　:.　　　　　　 │もし貴国からの国交申し出があれば、必ず厚く報いることだろう
　　　　　　　　　　　　　从 {_　　｀　　　.ィこ> 　 ,'　 :.　
　　　　　　　　　　　　　　　　}ﾄ､_ 　　　　｀二　 /　　 ::.　　　　　　　　それが本当かどうかは国交を結んだあと、必ず分るだろう
　　　　　　　　　　　　从汽　　　　　,ｨi斥仆v　　　:.:
　　　　　　　　　　　　　　　洲　｀ー‐-　{i｣从｣ｼ{　　　.:.　　　　　　　とりあえず一度使節送って、その反応を見てみるのがいいと思う│
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ]}　　　　　　　　　|　　　.:　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　────┛
　　　　　　　　　　　　　　／.::i｣　、　　　　　 j＼_　: .
　　　　　　　　　　 _ 　-‐ {::::::::{、　　、　　　　 / {ヽ::ヾヽ、
　　　　　　　　 _／　　　　|::::::::| ＼　　、　　　{　　ハ::.:.:.. ｀丶、
　　　_ 　-‐　´　　　　 |::::::::|　　｀ヽ､__　　　／　 ',:.:.:.. i　　｀`丶、
　　／　　　　　　　　　　|::::::::|　　　　　｀ヽ.　 {_ 　　',:.:.:. i　　　　　　ヽ、
　/　　　　　　　　　 |::::::::|　　　　　 l　|　 ||!　　　}:.:.:.::!　　　　　　　＼
./　　　　　　＼　　　　　 |::::::::|　　　　　 l　|　 |{　　　ｌ::.:.:::l　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　ヽ　　　 |::::::::|　　　　／,ア￣￣｀ヽ　l:.:::::::l　　　　　　　i　　　`､
　　　　　　　　　　＼　　 |::::::::|　　　／／　／＞≦二;;}:::::::l　　　　　　 |　　　　`､

高麗王からの補足書状に書かれているのは以上の内容であったという
141： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:29:20 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　,.‐'´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､
.　　　　　　 ,.‐'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､
.　　　　 ,.‐':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､:::::::::::ヾ｀`
.　　　,.‐':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::＼
　　／ｸ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::_::::::::::＼
　 '　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾄ:::::ヾゝ､:::::::::::::::::::::::::',´ ｀ヽ;::::トヽ､
　　/:;ｲ::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::ヽゝ::ヽｨ=ヽ;:::::::::::::;::::::::',´｀} ,}::::ヽ､
　/://:::::::::::::::::::{::::::::::::::ヽ､:::::､ヽf'て_ﾉゝ:::::::::!ヽ::::::',)ﾉ　!:::::ﾄ:＼
./'´/::::::::::::::::::::::ヽ:::::::ﾄ:::::::iヽ､ヽ　 _ゞ,／ヽ:::::|　ヽ:::!_,,〈:::::::::ヽ`ヽ　　　　　　　この内容が本当かどうか確認できる者は？
　　!:::::;イ:::ヽ::::::::ヽ､::{ﾆヽ:::',　｀ヽ　　　ヽ:::i　ヾ:!　ヽ／｀ヽ､
.　 |:::::/ |::::::ヽ:::::::::ト､K'うヾ､　　　　　　ヽ:|　　y,.-‐'´　　　　｀ヽ､
　　|::/　|::::::::::ヽ:::::::ﾍ　ゞ_ノ, .::::::.　　　　　　ﾘ　,.-'　　　　　　　 ,.-‐マ
.　　!'　　!:::::::::::::ヽ::::::ヽ｀　､_　　　　　　　　　／　　　　　　,. ‐'´　　　　｀`ヽ､
.　　　　ヽ:::::::::::::{１ヽ､:ヽ　　　'r_ァ　　　　／　　　　　 ,. '´　　　　　　　　　　｀` ､
　　　　　ヽ::ﾄ:::::::| !:::::::ﾄ:::ヽ､　　 '"　　　, '　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　 `ヽ
.　　　　　　ヾ!ヽ::::',ヽ:::::|ヽ:::{ ｀`'' ‐‐-､/ 　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　`　ヽ:::', ヽ::',　ヾ､　　　／　　　　 /　　　　　　　　　　　　　＿_　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　　　　ヾ､　ヾ､　　　　ヽ　　　　　　/　　　　　　　　　　 ,. -‐'´　　｀`'''‐--r----
　　　　　　　　　　　　`　　`　　　　 ',　　　　 /　　　　　　　　　,.-'´　　　　　　 _　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　　　　/　　　　　　　　 ,'　　　　　　 ,.‐' ´ ｀ヽ､　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　　　　/ ヽ　　　　　　／　　　　　／　　　　　　＼}
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　 /　　',　　　　 , '　　　　／　　　　　　　　　｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　　/　　　 ',　　 ,. '　　　　　 , '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 /　　　　 ',　　i　　　　　／
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 ,/,ﾍ､. 　　 i, 　 }　　　／
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　j　ｲ/　ヾヽ　　{ |　 !ヽ､／
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ' ´　　 ',､,>　ヾヽ { <´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　ヽヽ､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　ヽ｀ヽ
142： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:30:16 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　 /　　　　　　 /　　／　　　　　　 '.
　　　　　　　　「 У　　　　　　　　/　／　　　　　　　　　　 ∨}
　　　　　　　　　} { 　　　　 `ﾄ､/ イ斗≦ イ＜彡　　　 }
　　　　　　　　 /　〉 .r`⌒ヽト､{　　　　　　　　 ∨　　　 /　}
　　　　　　　 {　′ | /　　　　　　　　 /　　　 i　 V 　 /
　　　　　　　　　､　　| }　　　 { 　　　/　　　　 {: 　 } :./　, 　ム
　　　　　　　､￢ﾐ　L　＿　　:.　　 /　　　＿　　 }　: /　/ /´
　　　　　　　＼　ィ⌒ヾﾐﾒ､ {　　{ rzz彡 ⌒ヾ　 }　/ﾍ　 .′
　　　　　　　　　　Yﾊ } /ノ´苡≧､ｰヘィ廴苡>､　　} //} } /
　　　　　　　　　　 }　}i　｀¨¨　／ }　　＼　　　　ｲ〃り }
.　　　　　　　　 V八　　／　　}　　　 ` ､　　/ } }/　/　　　　　　いないな。少弐に確認の使者を送ろう
　　　　　　　　＼ﾄ､　　　　､　 ,　　　　　 /　| |　ム　　　　　　それと、幕府だけではやはり判断できん
　　　　　　　　　　 Vﾊ　　イ""　　　｀丶、ヽ　 | しﾍ厂_　　　　　朝廷に送って判断を仰ぐぞ
　　　　　　　　　　　　 ∧ }〈{　ィイ_ヘ_トﾄﾐ }　} 　ﾉ　}､}､　｀ヽ
　　　　　　　　　／∨ ﾑゝゞ'　｀¨ﾆﾆﾆ¨´　　／　　〈ﾉ }　　 ⌒ヽ
　　　　　　　　　_{　　∠ィ　＼　 , へ　　／　　､}／　/　　　　 }_
　　 -‐y⌒Y´　 }　〈　ﾑﾍ　 ` "　　 ` ` `　,　-=彡　/i:}　　　　　　｀ヽ
　　{　　　 /　　 {　　ゝ =ﾐ　} ィ　　 i　　　〃　　　 /i:i/　　　　　　 }＼
　 /　　　 { 　　 V´:i:i:i:i:i:iヽ人､从{从ｲイ {　　　 /i:i/　　　　　　　　ゝ､:＼

ちなみに正使の藩阜の書状もほぼ高麗王の書状と同じ内容であったというが、正式な文章は残っていない

――結局、幕府だけでは判断できないということから、書状は幕府経由で朝廷へと送られた
　　　書状の到着は翌月の２月７日であった

　　　　　　　　　　＿,,､＿、
　　　　　　　　／|　　 / /　｀ｰ､
　　　　　　_rｲ　 i|　 l !/　　_, イ´｀ ┐
　　　　ﾉ_,,.､　、|　{ i|　イ'´　 _ﾆ二ｽ
　　　　ﾉ＿　＼ヽ { i} ／Z _∠r√¨`ﾊ
　　　厂 _ｿ´｀` ヾﾊﾉ/-‐'´　　ヾ＝弌
　　　　ﾝ_,イ!　　　ｲ|{ヽ　　　　　r/二ﾆ〉
　　　　ヾ、j　＿　__｣{ ﾉ＿,,,,､､_! 〉孑/　　　ということで、幕府から送られてきたのですが
　　　　　 {ヽ'"フｭｯｷ< ｀＾､''エi'ヽ-,ﾊr‐}
　　　　 lrﾊ　　 '′{　　｀`　　 j彳ｿ
　　　　　　ヾﾊ､　　 r'}　 >　、　/ﾉﾐj/
　　　　　　　 `ﾍ} /_ `ｰ' ＿_,ヽ /|`´
　　　　　　　　 _|ヾ　￣､、　ﾞ／ | ､
　　　　　　　 i（人ﾍ　　　 /-‐'ノ |
　　　　　　　ﾉ　＼　'ｰ--‐ ', - '′　ヽ、
　　　　 _／/　　　｀ヽ､／´　　　　　＞､_
　　_／´　　ヽ、　　　 |　　　　　_,､‐'´　　　｀＼_
関東申次　西園寺実氏
143： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:31:05 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　、
　　　　　　　　 }ヽ　　　　　　　　_ 　- ──-　、
　　　　　　　　 | 　L_ r '⌒＞r　 (フ　　　　　＼
　　　　　　　　∠７＿」　｀＜　､ヘ、　　, 　　　　r､ヽ
　　　　　　　/　　　　　ヽ　ヽ　＼ゝ　〈ﾉ　　　ﾊ　ヽ　ﾄ､
　　　　　 {　 (　)　　　}　　 }ヽ　,ﾆ､<＾ヽ､　　し　　 /〉ヽ
　　　　　　, ﾍ　　　　_ ノi　　//ﾊＬ. }　＼　｀T￢ r 7´〉r､　|　　　異国が交易を求めてきたと？
　　　 ∠　-ヘ、＿} 　 |　厶ｲ_｣　r- 　 _｀　ヽ j ﾚ／　Ｌ.}人
　　　　　　　　　ヽﾆﾄ､　ﾚ＾ト､_　 /二ニ＝‐_　　ﾆヽニ7 '　　}
.　　　　　　　　　　ヽj７iVﾆ=-､-　二＿_〔　　〕_ ∠_ rv^}
　　　　　　　　　　　　／ヽﾚ'ー─-ヽヽ＼　r-､７ﾆr个i､ヽﾄﾚ′
.　　　　　　　　　 _厶∠三ユ__　　 }　l　〉 --ｲ￣ヾY＾ヽ、
　　　　　　　　　/　　　r‐ ￢＿　二コｰ'─r一'　　　,二、 _ﾕ
　　　　　　　　　￣￣￣￣　　　　　　　￣￣￣￣￣
後嵯峨上皇

書状は早速当時の治天の君である後嵯峨上皇に届けられ、評定にかけられることになった

　　　　　　ｻﾞﾜｻﾞﾜ……
　　　　　　 ∧,,∧　 ∧,,∧　　　　　　　　 ∧,,∧ 　∧,,∧ｷﾓｷﾓ……
　　　　∧ (´・ω・) (・ω・｀) ∧∧　　∧ (´・ω・) (・ω・｀) ∧∧
　　　(　´・ω)　Ｕ) ( つとﾉ(ω・｀ )(　´・ω)　Ｕ) ( つとﾉ(ω・｀ )
　　　｜　Ｕ (　　´・) (・｀　　)　とﾉ｜　Ｕ (　　´・) (・｀　　)　とﾉﾄｵﾅｵﾅ……
　　　　ｕ-ｕ（l 　　　∧,,∧ 　∧,,∧　ｕ-ｕ（l 　　 ) (∧,,∧ 　∧,,∧
　　　　　　　 `ｕ-∧ (´・ω・) (・ω・｀) ∧∧`ｕ-∧ (´・ω・) (・ω・｀) ∧∧
　　　　　　　　　(　´・ω)　Ｕ) ( つとﾉ(ω・｀ )(　´・ω)　Ｕ) ( つとﾉ(ω・｀ )
　　　　　　　　　｜　Ｕ (　　´・) (・｀　　)　とﾉ｜　Ｕ (　　´・) (・｀　　)　とﾉ
ｶﾞﾔｶﾞﾔ……　　ｕ-ｕ（l 　　 )　(　　　ﾉu-ｕ　　ｕ-ｕ（l 　　 ) (　　　ﾉu-ｕﾄﾞﾖﾄﾞﾖ……
　　　　　　　　　　　　　 `ｕ-ｕ'.　`ｕ-u'　　　　　　　　 .`ｕ-ｕ'　`ｕ-u'

……のだが、この評定は難航した
144： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:33:20 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　 /l
　　　　　　　　　　　　 /｜　 ,
　　　　　　　　　　　　/ 　ﾚ' /
　　　　　　　　　　　/　　 l∠￣｀ヽ､　　　　　　　　　　　┏───
　　　　　　　　ﾑﾆ_／ ┐ヽ　　 >､　　　　　　　　　│早朝から勅によって院に参上した。異国から届いた書状に関する評議を行うとのことだ
　　　　　　／　 , イ　/　　ｰ┐/　＼r ￢r─ -､
　　　 .r 7￣/　 ∠ _厶 '_,. ‐'7　ﾚ'　　　_| 　 Lj＿ ⊥　　書状は高麗からのものと蒙古からのもの二通で、和親を講ずるかどうかを評議する
　　　 r'７　〈　　 ,r　￢　／ rく＞<￣　|　　l{ )　＿}
　　　　 7　／ヽ　〈ヽr-'ﾆ_rくン′　ｉ　　|　　r-ﾆ､_　　前代未聞、国家の珍事と言えよう。万人が驚嘆するしかない　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　 / 〈　,' 　＞ヽ/ {二r '´/＿　 |　　 | 　 └-､_｣「ﾘ|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ───┛
　　　〉r'^>､イ　ー'　｀￢─-|r--ﾐﾄ､ｌ　　厂`ト､　　 l}　l
　　　　Ｙ_j　ヽ｀Ｔ￣｀ヽ二ﾆr 个ｰ-ｼくTニ^ゝrく　ヽーr-┘
　　　　VTf-イ7r＜￣ }￢r--ﾍ　　　/ {　丁ﾄ､ヽ､__/
　　　　 rﾍｰく_ヽＬ＿V_　　ｌ　　_>｢￣ト､`く　ヽ＞ー┘
　　　　　 r｣＿V´＿ヽ＿__＼_ Ｚ´＿j＿｣＿ミｰ-､ヽ_〉
左大臣　近衛基平

当時の左大臣で実際に評定に参加した一人である近衛基平の日記に記された内容である

文体から単語の使用傾向まで様々な点から検討を行い、前例に照らし合わせたらしくとにかく難航した

　　　　　　　　　　　　 /l
　　　　　　　　　　　　　　　 /｜　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　/ 　ﾚ' /
　　　　　　　　　　　　　　/　　 l∠￣｀ヽ､
　　　　　　　　　　　ﾑﾆ_／ ┐ヽ　　 >､
　　　　　　　　　／　 , イ　/　　ｰ┐/　＼r ￢r─ -､　　　　 ┏───
　　　　　　 .r 7￣/　 ∠ _厶 '_,. ‐'7　ﾚ'　　　_| 　 Lj＿ ⊥　　　　│朝廷の重鎮たちも参内して評議に参加しているが、皆言葉がない
　　　　　　 r'７　〈　　 ,r　￢　／ rく＞<￣　|　　l{ )　＿}
　　　　　 7　／ヽ　〈ヽr-'ﾆ_rくン′　ｉ　　|　　r-ﾆ､_　ヽ　　　夜まで評議を続けて、帰宅して朝また参内するということになった│
　　　　　 / 〈　,' 　＞ヽ/ {二r '´/＿　 |　　 | 　 └-､_｣「ﾘ|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　───┛
　　　　　〉r'^>､イ　ー'　｀￢─-|r--ﾐﾄ､ｌ　　厂`ト､　　 l}　l
　　　　　　　Ｙ_j　ヽ｀Ｔ￣｀ヽ二ﾆr 个ｰ-ｼくTニ^ゝrく　ヽーr-┘
　　　　　　　VTf-イ7r＜￣ }￢r--ﾍ　　　/ {　丁ﾄ､ヽ､__/
　　　　　 rﾍｰく_ヽＬ＿V_　　ｌ　　_>｢￣ト､`く　ヽ＞ー┘
.　　　　　 r｣＿V´＿ヽ＿__＼_ Ｚ´＿j＿｣＿ミｰ-､ヽ_〉

朝廷での評議は連日開かれた。最初に評定の場が持たれたのは８日だが、９日、１０日と連日評定の場を持っている

参加者は多少の変化があったようだが、朝廷の重鎮や長老と呼ばれるような人物はほぼ参加していたとされる
145： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:34:02 ID:nohOh9Oc0: ――連日の評定でもなかなか決まらなかったが、あることが朝廷の動きも決定づけることになった

.　　　　　ﾉ} ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　　　　V　}
　　　　／ /　　　　　-‐　 ¨¨　　　　　　　　　　　　 /
　　「Y　　{ 　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　 /⌒ー　´} 　ﾊ
　　 | :|　　 :/　 ′　　　　　　　-‐　 ¨¨　　　　　　　　　　　 ′ 　ﾉ
　　 | :| 　 /　　　　　　　／　　　　　　　／　　　　　　 /　　⌒ヽ
　　　　　′/{／{／ "Z　　　　　　　　　／　　　　　　 / 7　厂
　　＼　{ /　　　　　　＼　　　　　／　　　　　　　　　　 /　ノ
　　　｀V　　　　　　　　ｰ=彡　　　　　　　　　　　　　　/く
　　　　 | 　　 -ｧ　　　　｀ヽ　 Y⌒ヽ　　　　　　　　　　ﾉ
　　　　 |　／xく　　　　　　　　| 　 |　　 V 　／　　　／
.　　　八`´ 苡ﾝ　　　　　　　 | 　 | 　　 | ／　　　　く　　　　　　西国の守護に書状を出せ
　　　　　 }　`ｰ､　　　　　　　八　ムヘ　|　　　　　厂　　　　　　蒙古人の侵入に備えての用意を任国の御家人たちに触れるようにな
　　　　　 .′　　　　　　　　　 ′／　　＞　　　／
　　　　 {　　　　　　　　　　 {／　＞ ´　　　　⌒ヽ、- ､
　　　　 └　ン`ｰ-　､　　／＞ ´ﾉ　＼　ﾊ　厂　　　 }
　　　　　　　〈__ ､ -‐=ﾐ〉　¨´　／　 _厂ﾑｲ　}ﾉ　　　　 ⌒}
　　　　　　　　に二彡　　／　／　厂ヽノ　　　　　　八
　　　　　　　　　　ﾊ、＿彡　　／　厂　　　　　　　　　　　　 }
　　　　　　　　　　{　　　　　　 }" 厂　　　　　　　　　　八
　　　　　　　　 }　　　　／"厂　　　　　　　　　　　　 }
　　　　　　　　　ﾑﾍ从イ厂　　　　　　　　　　厂⌒⌒⌒`く
　　　　　　　 r┘ 'ﾊ厂　　　　　　　　　　　厂　　　　　　　＼
　　　　　　　　　}　 / ノ　　　　　　　　厂　　　　　　　＼
　　　　　　{⌒′厂　　　　　　　　　　　厂
　　　　　〉　ｲ　　　　　　　　　　　厂　　　　　-‐　　　¨¨¨ミ　　　‘，
　　　　ｒｰ} / ﾉ　　　　　　　　　ﾉ　　　／　　　　　　　　　　＼　}

幕府の出した軍備命令である

ﾊﾟｯ　　　ﾊﾟｯ　　　ﾊﾟｯ　　　　ﾊﾟｯ　　　ﾊﾟｯ
　[無視]　 [黙殺]　 [シカト]　[知らん] [無理]
　　∥∧∧　∥∧_∧ .∥∧,,∧ ∥　　　.||∧_∧.
　　∩・ω・｀)∩・ω・`)∩・ω・｀)∩＞＜)∩ω(・))
　　　(　　　)　 (　　　) 　 (　　　)　(　　　)　(　　　)
.　　　ｕ-ｕ.　　ｕ-ｕ　　　.ｕ-ｕ　　ｕ-ｕ　　.ｕ-ｕ

幕府の命令を受けて、朝廷の方針も決まった

国書への返答は無し。つまり、黙殺である
146： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:36:05 ID:nohOh9Oc0: ――決まった返答は幕府に通達され、再度大宰府に送付されることとなった

ー　＿. : : : : : :＿_　　　　　　　　＼　　〉:.: }:　 }__
　　　｀ー　´￣￣. . : : : . .　　　　＼　｝..:/: : /: : / /
: : : : .　　 : : : : : : : : : : : :／ー―`---＼: : : :ィ{: :.　｛
ゝ: : : : : . 　: : : : : : : : : :,′　|　　　　　　￣　　}: :　 }
: : : : : : : : : :　　　　　:_;/　　 }　　　　　　|　　　│:.／
: : : : :ー : : : : : : : : :_;ノ　　 /　　　　　 | 　 /　∨
∨: : : ￣.: : ―＜:..:.|　　　　 ,.ィ二ヽ　 │　{　ノ:.〉
__＼: : : : :/ ⌒ヽ |: :|　　　　　　／ゝﾆ==〉　ﾚ'ィ/
｀ヽ : : : : :{　{ 　〉 :.:|　　　　 ,.＜艾/／ﾐ　{-丐
　　乂 : : ∧ ｝〈 |:..:|　　　　　　　　／　　　:,　}
　　　＞:.:小、__j:..:{　＼　　　　　　　　　　 ∨
　／ﾚ{: : ﾄ､{　r=':.:.:|　　│　　　　　　　 -:.＞′
´~| ＼乂_|　　/: :..　＼　 }　　　 ,:／￣￣〈
.....|　　＼　　　｀¨ﾌ:..:.　＼　　｛ィ　´￣Yﾊ｀　　　最初に受け取ったのが幕府である以上当然幕府が伝えねばなるまい
.....{　　　　　丶　　｀ヽ: :　＼　　ｰ==='''}　い、
.......丶　　　　丶　　＼:..: ＼_,ｨ_,ｨノヽ八　ヾ＼
　 ............＼　　　　　＼　ヾ: :　　　　　｝　＼::、
　　　　　＼　　　　　} 　／ﾚヽ: : : : : : : :/ 　／:::ｉ
　　　　　　　　＼　 ____{　｛　|　＼: : : :ｨ/,　'~~::::::::}
　　　　　　　　　＼└┐　　 } 　く｀T〔{／:::::::::|::::::/

　　　　　　　　　　　　＼!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨　 (
　　　　　　　　　　　　　 }　＼　　　　　　　　　　　＿､　　　　　〈　　 }
　　　　　　　　　　　　　　　{　　　　　　ﾆ=-　　　　／　　｀ヽN　　　} 　 /
　　　　　　　　　　　　　　､　　　 , ⌒ヽ　､彡　　 /　　　　＼　　　/´}
　　　　　　　　　　　　　　　 }　　　 / ,　-}/　/　　　　　　　　　　ｰz　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ､　ｰ{ :{ r /　/　　　 ` =ミ､　 i　, /　／
　　　　　　　　　　　　　　　　∠　　ﾊ i V　/ }　　　｀ヽx=ﾐ＼} 　 / ´
　　　　　　　　　　　 __､ -‐　Y人/　ゝ-' ./　′　　＿　-‐　ﾑ 7
　　　　　　　　　　r'　　　　　＼ z彡　{　{　　　　　　　　 }ｿ′
　　　　　　　　＿廴　　　　　　＼　　∧　　　　-‐　､〈ｰ　ﾉ
　　　　　 .， ´ﾆﾆﾆﾆﾆミ　　　　ム、　∧　 ´¨¨`ｰ､　 Y
　　 .， ´ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ＼　　　　 ∧　　､　　　　ヽ/　　　　大陸からの使者か……
.， ´ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＼　　　 ∧　　｀¨Z　､　／　　　　　もう私が出る幕ではないのかもしれんな
Yﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ　-‐ ￢ミ､　　ﾑ　　　　Ｙ
:|ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ／ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆヽ　 V{　　　 /
:|ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ.／ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾑ　 }从ノイ
:|ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ./ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ}　}
:|ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ /ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/}　}
八ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ }ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ /ﾆ} /

そして、この西国守護への命令と書状の受け取り拒否通達が、７代目執権北条政村としての最後の仕事となった
147： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:37:28 ID:nohOh9Oc0: ┏━━━┓
┃大宰府┃
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:::::::i::::::::::i::::::::::入てi::::::i　　　' '　＼ﾚ ri/i:/
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::::i::::::::::i::::::::::/　　　 i:::::i　　　　　　,..　 .)
:::i::::::::::i:::::::::/　　　　'i::::i　　　　　　　i'"
:::i:::::::::i::::::::/　　　　　.i::::i　　　　 "j'"　　　　そうか、受け取ってはもらえぬか
:::i:::::::::i:::::::i'''‐-、　　　i::::i　　　　/'　　　　　では、私はそのことを主に伝えねばならぬ故失礼する
:::i::::::::i:::::::i_:::::::::::::::ヽ..∧:::i'''‐--''
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拒否の知らせを受け取ると、藩阜は帰国。高麗に帰国した藩阜が元宗に報告したのは７月になってからである

　ノ＿,､＿ノﾉ,,孑 / ノ
彡从毛乂乍ﾘｿミヾ壬ミ
从彳川少匕从彳ﾐ川少＜
毛仆卅从ﾐ从毛仆卅从彡
Ｗ从匕ﾐ弋幵Ｗ从匕弋乂
从乂lヽlﾐ＼卅从乂lヽl＼Wﾐ
从W毛彡厂''V'＼ '　　 .∨
Ｗ从匕乂　　　　　　　　　',
从卞弋V'　　　　 ',　　 , -',
災什人.　　　　　 ', ii／少ﾐ}
升入　　　｀ﾞｰ-=_ノ_,t壬昨ﾉ　　　いい返事はもらえなかったか
ミﾐ______　_, -壬少ﾉ rxﾞ".rxl　　　　まぁ、あんな状況じゃしょうがないな
W　　 .｀弋匕ﾐ少'　{　.', { .∨　　　藩阜、悪いが世祖にも同じことを報告しに行ってくれ
/'　　　　　｀￣´　　_.',　.',.',　',
∧　　　　　 rｘ　　.｀',　.',.',　',
. ∧.　　　　 rﾞx X--‐'',　.',l　 ',
　　｀ｰ- ,_. 　＼＼＼/',　.',　 lヽ
　　　　　｀ｰ- .._ヽヽ｀ｰ'　　　l ﾊ
　　　　　　 Y´ ヽ　ヽ　　　　 l　＼
148： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:38:12 ID:nohOh9Oc0: :::::/::::::::::::/:::::/:::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::i
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::::i::::::::::i::::::::::/　　　 i:::::i　　　　　　,..　 .)
:::i::::::::::i:::::::::/　　　　'i::::i　　　　　　　i'"　　　かしこまりました
:::i:::::::::i::::::::/　　　　　.i::::i　　　　 "j'"　　　　王よ、宮廷にて金俊の専横の噂を耳にしましたが……
:::i:::::::::i:::::::i'''‐-、　　　i::::i　　　　/'
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　　　　　　　　　､_／N从ﾏ大Ｗ从＼l　ﾍ卅从W勹災七災七
　　　　　　　　　　乂;从l勹|＼|　＼l　　　ﾍＷ从ﾀﾞﾐ从ｵﾐ仆匕
　　　　　　　　　￣Y毛l＼l　ヽ　　　　　　＼W勹災七卅从
　　　　　　　　ﾍl＼l　　　　　　　　　 , r '´
　　　　　　　　　　　　　 ', ;;　 /　　　, r ' ´
　　　　　　　　　　　　　 ',;;; /　, r ';;´''
　　　　　　　　　　　　　　 j ,ｲ､'´
　　　　　　　　　　　 l //ハ
　　　　　　　　　　　　｀lヽ//i
　　　　　　　　　　　　　　　｀| ｀ '
　問題ねぇ　　　　　　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　 l
　　　　　　　　　　　　　　 l_＿r‐
　　　　　　　　　　　　　｀i
　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿ヽ==‐―'　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣ l 　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　弋ilililililililiツ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀'''''''''''´　.｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',
149： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:38:46 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,斗'¨¨¨¨¨¨¨¨¨｀ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r‐'”ヽf^Y⌒^^⌒ｰ^ｰ^Y､廴
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r'＼＼ {ト､丶　丶　丶丶　ﾞ込
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｲヽ､ヽ八Ⅷ､　＼＼　＼ヽ､ﾞY
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /-‐　　　､､州拆　Ⅶ､ヽ　ヽ､　}　　＼＼ | l　i 川　| l　i川　| l　i 川 |　| l　i川| l　i 川／／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 } ／￣シ´　　　 Ⅵ＼＼Ⅶ､ﾄ､i､ｉﾊ　　三　アイツにぶつけるのに最適な奴がいる　三
　　　　　　　　　　　　　　　　　 { ／ノ　　　　　　l|ｌﾊiﾄ､i､ヽi|i|ｉ|ｌ|ｌ|_}　／／ | l　i 川　| l　i川　| l　i 川 l　i川　| l　i 川 |＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Ⅶ,ｲ　　　　　　　ﾘ|| ｌ|ヽﾄ､ｌ||ｌ|ｌ|ｌ|ﾉﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　fヽ{,,ｨ竺ミｰ-､__j ﾞﾘ､l|_l|斗l|刈ﾘr |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ ﾄヽf´￣￣￣ヽ___f´,ｨﾓﾁｱ　}}l) }(￣ー──‐- ､＿___
　　　　　　　　　　　　　　　　　八.ヾﾄ{　　　　　 }ﾆﾆ{ ゛｀ﾞﾞﾞ´　ﾉ |‐':: ＼ー──‐-ミ　＼＼__
　　　　　　　　　　　　　　　　,斗'”ヽ/ﾞヽ{ 乂＿＿_ノ￣i⌒ー─‐'┐}:i:i:　　＼ :i:i:i:　　 :iﾞー‐┴┘}⌒ｰ-､　　ああ、これは大変だ
　　　　　　　　　　　　　,斗'”(:::::)ノ/:i:i:i八　　､＿__ ‐､j_r‐' ___ノﾉ/l:i: :i　　　＼　:i:i:　　:i:i:　　:i:i }　:i:i:i　}　　あの金俊を始末するのだから大仕事になるなぁ
　　　　　　　 _,斗'” 　 .＞'” ./:i:i:i:/:i会｡　｀ｰ-ミー─彡'´　,ｲ :}､:i:　i.　　　∨　:i:　　:i:　　 :i:l　　:i:　j､　　楽しみじゃないか。実に楽しみじゃないか
　　　　 r─＜￣　　＞'”:i:i:i:　/:i:i:i:/:i:i∧:::≧s｡　｀¨¨¨´　.,イ　. :.|::}:i:　 i:　　　∨i:.　　 :i:　　　|i:i:　　/i: ＼
　　　,イ⌒ヽ､＼＞'”i:i:　　:i:i: /:i:i:i:/　:/:::ﾄ､::::::::..｀ー─=≦　　. : :.} Ⅵi:　 i.　　　∨i:.　　　　　 |i:i:　 /ｉ:　　＼
　　 / :i:i:i:i:i:i:i:ﾞ寸’ 　 i:　　.:ｉ:ノ:i:i:i:i{　　{:::::{::Ⅵ:ﾞ": : : /Y⌒Y､. : : : :/　:Ⅵi.　 :i.　　 ∨i:.　丶　　:}i:i:ﾉ/i:.　　　　＼
.　 / :i:i:i:i:i:i:　　丶　　i:　／:i:i:i:　/　　|::: :ﾄ､}}:.0: :／〈::::::::〉＼:0/{　:. Ⅵi:. 　 :i:　　 ∨i:i:.　＼ﾉi:i:i/:i:.　　 __　　　＼
　/ :i:i:i:i:i:　　　　　ヽ　／:i:i:i:i:　 /:　　ﾊ::. {::::＼／:::::　〉::〈　 :: ﾞ´,ｲ　:::. Ⅵi:i.　　:i:i.　　＼:i:i:i:i:i.ヽj:/:i:　.:i:'´ ／
./.:i:i:i:i:i:　　　　　　　∨:i:i:i:i　　 /:i.　　j::}::.ム::::ヽ:　　ﾞrｲ(0)ﾄ､　 :/ j　 ::::: Ⅵi:i:i　　i:i:i:i.　　＼:i:i:i:i:}':i:i:i:i:i:iﾚ'”
150： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:39:31 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　　　　　　､＿刈从WWWW从从≦二ィ_,_
　　　　　　　　　　　　､_x≧W从从从WWi{从从从i从ア
　　　　　　　　　　　ィW洲从从}i州从ハ从从}Wkく :.
　　　　　　　　　　　　､_j从WWW{i从{　　　 , ､_　 `}从 :.
　　　　　　　　　　　　　洲W从从ﾘ{ィ＝≦壬r示≧＝代 :
　　　　　　　　　　　　　刈洲W{iﾚ'´ 込Z弐シ　{Z弐近{　:.
　　　　　　　　　　　　　ｲ洲ｒ=i{|　　　　　　 _ 冫　　 }　:.
　　　　　　　　　　　 }从{ V|i ､_　　　　　　 ′　　 .'　:.
　　　　　　　　　　　　　从 {_　　｀　　　.ィこ> 　 ,'　 :.
　　　　　　　　　　　　　　　　}ﾄ､_ 　　　　｀二　 /　　 ::.　　　　とりあえず、義理立てはしたしもう当分は無茶苦茶な命令はないだろ
　　　　　　　　　　　　从汽　　　　　,ｨi斥仆v　　　:.:　　　　こっちもこっちで色々やらなきゃならないしなぁ……
　　　　　　　　　　　　　　　洲　｀ー‐-　{i｣从｣ｼ{　　　.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ]}　　　　　　　　　|　　　.:
　　　　　　　　　　　　　　／.::i｣　、　　　　　 j＼_　: .
　　　　　　　　　　 _ 　-‐ {::::::::{、　　、　　　　 / {ヽ::ヾヽ、
　　　　　　　　 _／　　　　|::::::::| ＼　　、　　　{　　ハ::.:.:.. ｀丶、
　　　_ 　-‐　´　　　　 |::::::::|　　｀ヽ､__　　　／　 ',:.:.:.. i　　｀`丶、
　　／　　　　　　　　　　|::::::::|　　　　　｀ヽ.　 {_ 　　',:.:.:. i　　　　　　ヽ、
　/　　　　　　　　　 |::::::::|　　　　　 l　|　 ||!　　　}:.:.:.::!　　　　　　　＼
./　　　　　　＼　　　　　 |::::::::|　　　　　 l　|　 |{　　　ｌ::.:.:::l　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　ヽ　　　 |::::::::|　　　　／,ア￣￣｀ヽ　l:.:::::::l　　　　　　　i　　　`､
　　　　　　　　　　＼　　 |::::::::|　　　／／　／＞≦二;;}:::::::l　　　　　　 |　　　　`､

報告を受けた元宗はすぐさま藩阜を元へと派遣。結果を世祖へと報告した

――結果、おそらくは帰国した藩阜と共に次の使節団が高麗に到着。再度送り込まれることになった

　 ∧＿∧∧＿∧
　（　´∀（　´∀｀）　　勅命が届いてまーす
　（　｀∽（　｀∽)
　｜　ｌ　｜　ｌ｜
　（＿__）_（＿__）__）
　　黒的　　殷弘

┏───
│第１回目は天候のせいにした。２度目は任せておいたら藩阜は何も得ていないと言っている

　この結果は恥じ入るべきことである。藩阜は何もできずに帰ったというではないか
　
　このような結果は信頼を損なうに十分である。もう一度黒的と殷弘を派遣する。重臣に案内させよ│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ───┛
151： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:40:34 ID:nohOh9Oc0: .　　　　　ﾄ}
.　　　　　ﾄ}
　　　　　　 ,斗|
　　　　　 ,rfi穴fﾄ､
.　　　,f歹　　弋ﾍ
　　　 rf歹　　　弋ﾊ
　　　 Ⅳ　　　　　　Ⅵ
　　　ﾄ!　　　　　　ﾄ}　　　　　　　,_,,_,
　　　ﾄ!　　　　　　ﾄ}　　　　　､k≧爻ミ≦k_
　　　ﾄ!　　　　　　ﾄ}　　　　爻弐衣三≦ﾒ､
　　　{ﾍ.　　　　＿ﾄ}　　　　´Y＾_､__`^州刋
　　　r'‐う　　　 { 　 ` 、　　　　fk=代F=㌃!f`
　　　辷うt竺竺廴　　ヽ　　　{￣} ｀￣　,り　　　　……………………
　　　　｀ヽ　＼　　｀ヽ.　＼,_＿、t_‐　ノ{_　　　　 ……………………
　　　　　　ヽ、｀Yﾞ￣｀`ヽ、｜　｀`ゞ≦=‐'⌒ヽ.
.　　　　　　＼l 　　　ﾄ､}　　　　　　　　　　 ',
.　　　　　　　 |　　　　　V　　　　　　　　　 }
　　　　　　　　　└‐- ､　　|　　　　　　　／　　/
　　　　　　　　　　　　　｀ヽ｀ヽ,＿＿ .ィ´　　　{
　　　　　　　　　　　　　　　| 　 |　／ / 　　　 i
　　　　　　　　　　　　　　j　　|/　 /　　　　　！
　　　　　　　　　　　 / 　 / 　/　　　　　　 }
　　　　　　　　　　　　　〈　　 { 　{　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　ゝ＝`≠＝≦三三く
　　　　　　　　　　　　　 /　　/　{{　　　　　　　}

使節団が藩阜とともに高麗に到着したのは１１月だった

この時期は元宗と金俊の緊張関係が既に限界を迎えている時期であり、有体にいって時間も余裕もない

――また、大臣級２名を随伴させて派遣した第３回使節も散々な結果であった

　 ∧＿∧∧＿∧
　（　´∀｀（　´∀｀）　　失敗しましたー
　（　｀∽（　｀∽)
　｜　ｌ　｜　ｌ｜
　（＿__）_（＿__）__）
　　黒的　　殷弘

またもや日本への渡航失敗

今度は対馬でもめ事を起こしてあきらめたという
152： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:42:29 ID:nohOh9Oc0: 　 ∧＿∧　　　 ∧＿∧
　（´Д｀；,,）　　（´Д｀；,,）
（ ( つ　⊂ ））（ ( つ　⊂ ））
　〉　〉く　<　　　〉　〉く　<
( （＿_）（＿_）( （＿_）（＿_））
　　塔二郎　　　　弥二郎

ただし、この時は現地人２名を連れ帰っている。誘拐だったのかもめ事の張本人だったのかははっきりしない

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　'　"　　　　　`　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　／:　 ___V__,, 　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　/:: 　　＼　/　　　　　　　　　ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　/:: 　　　　 V　　　　 __,, -ｲ┓ 　 i
　　　　　　　　　　　　　　 i:::i 　　　　　i　/ 　 _／　_,,r～' 　　li
　　　　　　　　　　　　　　l:┏ -　,,_　＼癶ﾚ／　_,,"-=ｫ　　　lik
　　　　　　　　　　　　　　il:::iﾚ__こ __ﾐ`V　 `Y ﾄ-'-`-'ノ　　　　jﾐ/^ ,
　　　　　　　　　　　　　 il::::`尤~_っ`)ｲ:i　　　ヽ ~`　　　　　　ﾅj　 l
　　　　　　　　　　　　　ﾊ:::`:::'"　　'ｲ:_l,_　 _ ,　　　　　　　xXjl（ ll
　　　　　　　　　　　　　 Y^l::`::　　　ｨ::r::: :へy ゝ　　　　　ヽミvXj/ l　　　　　ふむ、この二人には我が都を存分に見学させよ
　　　　　　　　　　　　　　lljlﾘ:::　　　　　:::::::ソ　　　　　　　　＼ヾll　lヽ　　　　次の使節の際にともに送り返し、日本にて証言させるべし
　　　　　　　　　　　　　　l川ﾘ::::　　　　__:::,,__　_,,,,_　　　　:.　ヽ`y/ﾘ7`,
　　　　　　　　　　　　　爪ﾘリ::::　: __,,ノ_,,　,,　,　- - `=っ　 i:::　　ﾘ彡りり
　　　　　　　　　　　　,ｲ巛川l:::: ::　　　...::::::::::.....　　　　　　i::::　ﾚり彡'ﾘYヽ
　　　　　　　　　　　,ｲ巛巛llﾘl:::: `::　　　"　　　 ~　　　　　　':　　ﾚﾘ'"彡り川
　　　　　　　　　　　＼` 三川k:::::::　　　　/ﾊ＼,_　　　　　　　　ﾘ li彡彡'ﾘｿﾘ
　　　　　　　　　　,入NN＼Nl::::＼　　　　7ﾘ川(￣　　　　 /／ '/　li～-弋川
　　　　　　　　　巛三三ｫ -ll:::::!ヾヽﾄ i,,, _川川ﾊl,,__ｨｲ_, ノ'　　　/　ﾄ,　　　liり
　　　＼　　　 l|(三二y/　 llll`,::!l:::::::`ミミミ川ﾘ彡彡 '　　'::ﾉ　　/　ハ: 　　 liﾘ
　　　　　人`--＞～-ll　　lllllヽ:::::::: : : : :`ミ三ﾘ彡'　　　　 jり　 /　:j: / 　　人＼
　　　　ヽ人人_^_^_^_^l　　 Y,::::::::::::::::: : : : `ミh　　　　　　ｿ　　　:j:/　　　/_^_l入入ヽ ,,__へ__
　　　　　ヽ人人^ ^ ^ _＼　　＼:::: : : : : : : : 三_　　　　　　　　/　　　/^_^_^l_入入/_^_^_^
　　　　　ヽ人人^ ^ ^ ^ _＼　＼:::: : : : :　　二_　　　　　　/　　／^_^_^_^l入入/_^_^_^
　　　　　　　ヾ＼^ ^ ^ ^ ^ _＼　＼: : 　　 ,,,,__ 二　_ソ　　　/　／^_^_^_^_^_lﾊ入/_^_^_^_^
　　　　　　　　＼l^ ^ ^ ^ ^ ^ ^＼　＼　　　　　　　　　　/　/^_^_^_^_^_^_ lﾊ入l_^_^_^_

二人は世祖に献上されたが、客人待遇として大都に滞在。皇帝私有地の万寿山に招かれるなどかなりの好待遇であった

また、実際に世祖も謁見して「あくまで名声をえるための交易であってそれ以上のものではない」との言葉も与えている
153： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:43:20 ID:nohOh9Oc0: 　　 ∧＿∧
　　（,；´∀｀）
　　（　⊃⊂）
　／_,ノ） .）
（＿）（＿）
申思セン

また、この二人を送り届けた使者にも労いの言葉をかけるなど渡海に失敗した割には前回のような叱責は受けずに済んだ

だが、使節が帰国した文永６年（１２６９年）３月

　　　　　　　　　　　_　　/＾￣￣¨¨¨ーrm,,
　　　　　　　　　　　i ^^´　＼　＼　　　＼￣＼
　　　　　　　　　　_人ヾ＼　　＼　＼　　　＼　｀i
　　　　　　　　　ﾍ　　　i ＼　　＼　｀i 　　　ヾ　　i
　　　　　　　　|三ミ　　 ||||＼　　　i　　|　　　 |　　 |
　　　　　　　レ　　ミ／:::::::::i　　　 |　｜ |　| 　| 　|
　　　　　　　〈　　　;^::::::::::::::::::||　| 　||　 ||｜|| | |　| |
　　　　　　　 .レ／i::::__ｘ≠x v |　レ＾,-三=テヽ//,/
　　　　　　　　l（＼ r´r´＿土ヾ示~^|≦ﾐゞ"　 || ノ　　　　　まったくを以て残念だ
　　　　　　　　ヾヽ＼ｒﾍﾆゞﾟ"｀ }t‐ｰ´＼;;＿_／ |/　　　　　　金俊殿と同じ手を使うことになるとは
　　　　　　　　　＼::|::＼_:::::::_,／^|::: :::::::::　_ﾍ　.| ＼,,,...,,　　だがこれも戦乱の愉悦を味わうためというものだ
　　　　　　　　　　ゝ.|:::::::::二:::::::;;;;;___;/_,,,ェｦ　.|＼＼:::::
　　　　　　　　　　/.∧:::::｀ヾ-=;;;ー二二ノ´　/||＼＼＼
　　　　　_┌ー¨¨/　;;｀＼;;::::::::-￣:::::"　　／´;;;;;;| .;i:::::::::
ーー¨¨¨/;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;|;;;;;||||｀"ー;;;;;;;_;;;;;;-"´:::　　　||　　＼
＿＿,,,../;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:::|:::::::::ﾍ||||::::::::::::::,ﾍ＼:::::: 　　:|;;;;;;::::::

この時高麗は混乱へと突入する直前にあった

否、突入し迷走を始める直前であった
154： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:43:54 ID:nohOh9Oc0: ――時間が少し巻き戻って、文永５年１２月

　　　　　　　　　　　　　　　,ｪ=- ｭﾞヽ -ヽ- ｭ、
　　　　　　　　　　　　　／ﾞ「　　ヽヽ　ヽ　ヽ ;ヽ＼
.　　　　　　　　　　／ !　∧　　ﾍ　ﾍ　ｪヽ　　 ;　ﾞヽ
　　　　　　　　　イ//　l　{{∧　　ヽ　　ヽヽﾍ　ﾍ　ﾍ
　　　　　　　　 //彳l　 !;; ﾘl .ヽ　　ヽ　　　　ヽﾍ　　ﾍヽ
　　　　　　　ｨﾉ　ﾉハ k　ﾘ　ヽ,,_　ﾍ　　　ﾍ　ﾍ　　ヽﾍ
　　　　　　　ｼ　/´ﾄﾄ!ゝ　lj ====ア,　ヽ　ﾍ　ﾍ　ﾍ＿,ﾍヽ
　　　　　　　ﾉｲ::::.l ∧ ヽ　ｨ .Qﾟ　ｼ!ﾊ　ヽ　ヽヽゝー..ゝ ;ゝ
　　　　　　　 lv !:::::l. ﾄゝ　ｨ!,　　 =彡、　ﾍ　　ﾍ　ﾍー,ﾍゝゝ
　　　　　　　 lﾘj==ﾄｲ　ﾍ　ヾ＝’　　ヽ　　　　ﾄヽヽリlj lﾊﾊ
　　　　　　　 lkrゞﾟ∨'　　ﾍ　ﾍ　　　　　ﾍ　　　ﾄヽヽｊ .ト、∧
　　　　　　　ゞlj==/　　　ゝ .ゝ　　　　　ヽ　　　ﾄﾍ　ﾍYﾉ∧　∧　　　出頭は断固拒否だ
　　　　　　　ゝﾄ''./　　　－ト　ﾍ__　　　　ﾍ　ﾍ　ﾄﾍ　ﾍYヽ　 ∧　　どうせ我が金一族を誅滅させる口実にすぎん
　　　　　　　　ゞﾄゝ、r-=,　ﾉ∧:ﾍ　｀’　　　∧　　∧　∧∧ ﾍ　ﾍ
　　　　　　　　ヾﾍゝ＞ /===-ゝﾍ　　　　　∧　　j ヽ　ヽ　ヽ　　ヽ
　　　　　　　　　ゞ　ﾄノ∠＝ュ>ﾍ’　　　　/ ヾ　ﾘ　∧　∧ﾍ　ﾍﾍ
　　　　　　　　　 ∨r　rー .’~¨´. ヽ、　　　　ゝ　ﾘ /　ﾍ　　ヽ　ヽヽ
　　　　　　　　　　　ｖl　ｒ,=ーｧ '　　ヽ　　　　　ﾍ　!’、　ヽ　ヽヽ　ヽ;ヽ
　　　　　　　　　　　へ｀;;;¨　　　　ﾍ　　　　久ﾘﾟ　ヽ　＼＼　＼:　＼
　　　　　　　　　　　ｌ;;ﾍ ;;;..　　　　　ヽ　　／彳ﾘ　　;;;　　＼　　＼　.＼
　　　　　　　　　　　ヾ;;;ﾍ;;;　;.;.;.　　ｨ　 :ﾍィ´:::　ﾘｊ　　　;;　　∧ﾍ　＼　＼　＼
　　　　　　　　　　　　 }:;:}ﾊ＿　＿　_ .ィﾞ:::::::::　　ｿ　　　.;;;　 / /　＼、　へ
　　　　　　　　　　　　ｌ;;ｊ　:::::　:::　:::::　:::::　/　　ｊ’　　　;;;;./ /　ｒ-ｙ　ｭェ＝--」
　　　　　　　　　　　　//　　　　∧　　　　∧　　/　　　　;;//ノ＝/　　　　　　　ﾍ

金俊はクーデター計画の破綻後も元からの出頭命令を拒み続けていた

既に金俊は武官派閥からも孤立を始めていたが、それでもまだ武官の頂点にいることには変わりない
155： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:44:52 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.::::.:.:.:.:.::::::..､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
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:.:.:.:.:ﾞ.､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,ｲ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.,　--- ､:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.､.:.:.:.:.:.:.:.:..､

だが、この時点で金俊は少なくとも二つの間違いを犯していた
156： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:45:46 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　　　　　　　,ｪ=- ｭﾞヽ -ヽ- ｭ、
　　　　　　　　　　　　　／ﾞ「　　ヽヽ　ヽ　ヽ ;ヽ＼
.　　　　　　　　　　／ !　∧　　ﾍ　ﾍ　ｪヽ　　 ;　ﾞヽ
　　　　　　　　　イ//　l　{{∧　　ヽ　　ヽヽﾍ　ﾍ　ﾍ
　　　　　　　　 //彳l　 !;; ﾘl .ヽ　　ヽ　　　　ヽﾍ　　ﾍヽ
　　　　　　　ｨﾉ　ﾉハ k　ﾘ　ヽ,,_　ﾍ　　　ﾍ　ﾍ　　ヽγ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　ｼ　/´ﾄﾄ!ゝ　lj ====ア,　ヽ　ﾍ　ﾍ　ﾍ＿,ﾍ|　　金俊殿、少しよろしいかな？　　　＞
　　　　　　　ﾉｲ::::.l ∧ ヽ　ｨ .Qﾟ　ｼ!ﾊ　ヽ　ヽヽゝー..ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__,ノ
　　　　　　　 lv !:::::l. ﾄゝ　ｨ!,　　 =彡、　ﾍ　　ﾍ　ﾍー,ﾍゝゝ
　　　　　　　 lﾘj==ﾄｲ　ﾍ　ヾ＝’　　ヽ　　　　ﾄヽヽリlj lﾊﾊ
　　　　　　　 lkrゞﾟ∨'　　ﾍ　ﾍ　　　　　ﾍ　　　ﾄヽヽｊ .ト、∧
　　　　　　　ゞlj==/　　　ゝ .ゝ　　　　　ヽ　　　ﾄﾍ　ﾍYﾉ∧　∧
　　　　　　　ゝﾄ''./　　　－ト　ﾍ__　　　　ﾍ　ﾍ　ﾄﾍ　ﾍYヽ　 ∧
　　　　　　　　ゞﾄゝ、r-=,　ﾉ∧:ﾍ　｀’　　　∧　　∧　∧∧ ﾍ　ﾍ　　　む？おお、貴公か
　　　　　　　　ヾﾍゝ＞ /===-ゝﾍ　　　　　∧　　j ヽ　ヽ　ヽ　　ヽ　　私に何か用事があるのかね？
　　　　　　　　　ゞ　ﾄノ∠＝ュ>ﾍ’　　　　/ ヾ　ﾘ　∧　∧ﾍ　ﾍﾍ
　　　　　　　　　 ∨r　rー .’~¨´. ヽ、　　　　ゝ　ﾘ /　ﾍ　　ヽ　ヽヽ
　　　　　　　　　　　ｖl　ｒ,=ーｧ '　　ヽ　　　　　ﾍ　!’、　ヽ　ヽヽ　ヽ;ヽ
　　　　　　　　　　　へ｀;;;¨　　　　ﾍ　　　　久ﾘﾟ　ヽ　＼＼　＼:　＼
　　　　　　　　　　　ｌ;;ﾍ ;;;..　　　　　ヽ　　／彳ﾘ　　;;;　　＼　　＼　.＼
　　　　　　　　　　　ヾ;;;ﾍ;;;　;.;.;.　　ｨ　 :ﾍィ´:::　ﾘｊ　　　;;　　∧ﾍ　＼　＼　＼
　　　　　　　　　　　　 }:;:}ﾊ＿　＿　_ .ィﾞ:::::::::　　ｿ　　　.;;;　 / /　＼、　へ
　　　　　　　　　　　　ｌ;;ｊ　:::::　:::　:::::　:::::　/　　ｊ’　　　;;;;./ /　ｒ-ｙ　ｭェ＝--」
　　　　　　　　　　　　//　　　　∧　　　　∧　　/　　　　;;//ノ＝/　　　　　　　ﾍ

一つ目は自身の権力は盤石であると過信しすぎた事
157： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:48:10 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,斗'¨¨¨¨¨¨¨¨¨｀ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r‐'”ヽf^Y⌒^^⌒ｰ^ｰ^Y､廴
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r'＼＼ {ト､丶　丶　丶丶　ﾞ込
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｲヽ､ヽ八Ⅷ､　＼＼　＼ヽ､ﾞY
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /-‐　　　､､州拆　Ⅶ､ヽ　ヽ､　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 } ／￣シ´　　　 Ⅵ＼＼Ⅶ､ﾄ､i､ｉﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 { ／ノ　　　　　　l|ｌﾊiﾄ､i､ヽi|i|ｉ|ｌ|ｌ|_}　　　　ええ……「少しの間」だけ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Ⅶ,ｲ　　　　　　　ﾘ|| ｌ|ヽﾄ､ｌ||ｌ|ｌ|ｌ|ﾉﾘ　　　　立ち話などをしようかと
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　fヽ{,,ｨ竺ミｰ-､__j ﾞﾘ､l|_l|斗l|刈ﾘr |　　　　何、ほんの一時です
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ ﾄヽf´￣￣￣ヽ___f´,ｨﾓﾁｱ　}}l) }(￣ー──‐- ､＿___
　　　　　　　　　　　　　　　　　八.ヾﾄ{　　　　　 }ﾆﾆ{ ゛｀ﾞﾞﾞ´　ﾉ |‐':: ＼ー──‐-ミ　＼＼__
　　　　　　　　　　　　　　　　,斗'”ヽ/ﾞヽ{ 乂＿＿_ノ￣i⌒ー─‐'┐}:i:i:　　＼ :i:i:i:　　 :iﾞー‐┴┘}⌒ｰ-､
　　　　　　　　　　　　　,斗'”(:::::)ノ/:i:i:i八　　､＿__ ‐､j_r‐' ___ノﾉ/l:i: :i　　　＼　:i:i:　　:i:i:　　:i:i }　:i:i:i　}
　　　　　　　 _,斗'” 　 .＞'” ./:i:i:i:/:i会｡　｀ｰ-ミー─彡'´　,ｲ :}､:i:　i.　　　∨　:i:　　:i:　　 :i:l　　:i:　j､
　　　　 r─＜￣　　＞'”:i:i:i:　/:i:i:i:/:i:i∧:::≧s｡　｀¨¨¨´　.,イ　. :.|::}:i:　 i:　　　∨i:.　　 :i:　　　|i:i:　　/i: ＼
　　　,イ⌒ヽ､＼＞'”i:i:　　:i:i: /:i:i:i:/　:/:::ﾄ､::::::::..｀ー─=≦　　. : :.} Ⅵi:　 i.　　　∨i:.　　　　　 |i:i:　 /ｉ:　　＼
　　 / :i:i:i:i:i:i:i:ﾞ寸’ 　 i:　　.:ｉ:ノ:i:i:i:i{　　{:::::{::Ⅵ:ﾞ": : : /Y⌒Y､. : : : :/　:Ⅵi.　 :i.　　 ∨i:.　丶　　:}i:i:ﾉ/i:.　　　　＼
.　 / :i:i:i:i:i:i:　　丶　　i:　／:i:i:i:　/　　|::: :ﾄ､}}:.0: :／〈::::::::〉＼:0/{　:. Ⅵi:. 　 :i:　　 ∨i:i:.　＼ﾉi:i:i/:i:.　　 __　　　＼
　/ :i:i:i:i:i:　　　　　ヽ　／:i:i:i:i:　 /:　　ﾊ::. {::::＼／:::::　〉::〈　 :: ﾞ´,ｲ　:::. Ⅵi:i.　　:i:i.　　＼:i:i:i:i:i.ヽj:/:i:　.:i:'´ ／
./.:i:i:i:i:i:　　　　　　　∨:i:i:i:i　　 /:i.　　j::}::.ム::::ヽ:　　ﾞrｲ(0)ﾄ､　 :/ j　 ::::: Ⅵi:i:i　　i:i:i:i.　　＼:i:i:i:i:}':i:i:i:i:i:iﾚ'”

そしてもう一つは、自身のクーデター失敗の重要性を理解できなかったことであった
158： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:48:33 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　　　　 ,　'
　　　　　　　　　　　　　〆
　　　　　　　　　　　／/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,,....-::::,,..-;:'
　　　　　　　　　　ﾉ　/　　　　　　　　　　　　　　　　　 _, -=''""""　　　　＝--、,、`,"+`ゞ,;:
　　　　　　　　　　/　 i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.-'^　"　　　　　　　　　　　￣＝.、".
　　　　　　　　　 ,i　　|i　　　　　　　　　　　　　　　　　 -'^　　　　　　　　　　　　　　　＼`,`,;⌒`;・",;+
　　　　　　　　　,'　　|i　　　　　　　　　　　　　　　　　>　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾐ`+,;:;"・ヽ｀　`
　　　　　　　　 i|　　 |i　　　　　　　　　　　　　　　　:"　　.＿＝＿＿　　　　　　　　　　　　ヽゞ,:;*ヾ"`丶　┼
　　　　　　　　i|　　　.|i　　　　　　　　　　　　　　　/ 　彡　 .　　　　　　　-ﾐ、　　　　　　　ﾐ　　　`,;:"
　　　　　　　　|　　　　.i、　　　　　　　　　　　　　/〆"　　　　　　　　　　　＼　　　　　　`i　　　　　　　丶
　　　　　　　　ゝ　　　　 i、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丶　　　　　 |i　　　　　＋　　　+
　　　　　'　　　i|　　　　　ゝ　　／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼
　　　　　　　　 .i|　　　　　　丶|　　　　　　　　貴方が斬られる間だけ　　　　　　　　　　　 |　　/　　+
　　　　　　　　　.i|　　　　　　　＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／　　　　　´
　　　　　　　　　 .i|　　　　　　　丶　　　.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.i|　　　　|i　　ゞ
　　　　　　　　　　.i|　　　　　　　　丶丶、、,,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i|　　　　|i　　´｀　　＋
　　　　　　　　　　　i|　　　　　　　　　＼ゞ`　　　　　　　　　　　　　　　　　　　j|　　　 ,/　　'　　／
　　　　　　　　　　　　i|、　　　　　　　`＼　、、,　　　　　　　　　　　　　　　　 .i|　　　,/;:";:|;,/×
　　　　　　　　　　　　　ゝ　　　　　　　`丶`＼ゞ　　　　　　　　　　　　　　　　i|　　 ,/";:`, ､丶
　　　　　　　　　　　　　　　＼　　,.　　　ﾐ＼丶　`　　　　　　　　　　　　　　 i|　　,/`,;:ノ`,
　　　　　　　　　　　　　　　　　`;丶＼丶　　、`丶　　　　　　　　　＼人_从人__从_从人__从人_人从ﾉ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　丶　　　　　　　　　　＞　　　　　　　　　　　　　　　　＜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　＞　　　　グアァッ！　　　　　　＜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞　　　　　　　　　　　　　　　　＜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒WY＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　ゞ
159： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:49:07 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　 .ｌ;;i′　　　　　　/　　　　　.!圭/ .ｲ、圭圭圭/　|圭/ 　　　　　　ｨ幺才　　　　 ,イﾞ .,〃　　　　　　ｨ幺才
　　　　　　 .|/　　　　　　　ﾉ　　　　　 .ｌ圭!　 l圭圭圭ゝ　!Ⅳ 　　　　　 ,,ilｒ'"　　　　　,i'./　　　　　　　 ,ｨ幺才 .,.
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圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭才_,,ｨ幺圭圭圭圭才￣ﾞﾞﾞ‐'"゛
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圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭才㌢￣,,
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭才 '"￣゛ . _..yrｰ''“''''"　　　 . _,,.. -;;ﾆﾆコﾆ;;r‐
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭_.-‐'' 二ﾆ　―ﾆﾆ｀-'”'"゛　　　　 .,_iiir=｀-''''"´
160： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:49:48 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　_　__ ＿　r-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {.ｒ､＼＼`?､｀＼i＼¨ミ､
　γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ?i＼＼＼　＼ .＼.? `?
＜　　　　　キ、サマ……林衍　　　　　 |i?ﾑヽ　ヽ　　＼ .＼}＼∧
　ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__,ノﾊ?iﾑ　＼　＼　.ヽ .∨ ?
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {／,ｲ　`¨¨∧ .i　i　　　　　.∨i}i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Y// 　　　.∨| |　|　|i　i　}　l!?}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {i i,ｨzzzzミ､ .乂i}i 从乂八il　} i乂､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{｀Y ,ｨ==r=ｧﾐ､___,Yrィ尨ラ.}i}从{i ﾉﾉ　　　いやはや、申し訳ない。これも王からの御命令ですので
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人 {（弋__`彡豸⌒}i}_`⌒".ﾉﾉ　}／}　　　何、貴公の一族は皆すぐに送って差し上げるから心配はいりません
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `Y`ｰ====彳i⌒` ‐==‐'.,ィ　 iﾉノ　　　これでまた戦乱が始まる。芳しく麗しい戦乱が……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､＿,ィ　　. ,ｲ　 /ミ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人　　`‐-=　zzz-≠彡′/{? ヽ＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　.＼　　`ｰ‐‐‐　　　　／ﾉiﾄ､i}　}i:i:　Yヽ､
　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_,.．-'／　　／i} ＞‐-　　--,.．イ.／ / ./ ./i:i:　 i　` ＼
　　　　　　　　　　　　／i}＿＿＿__／　　／.／}　　 /ゝﾍ　　 .／　./ ./　i{i:i:　　i}乂　　`ｰミ､____
　　　　　　　　　　　／乂⌒/　　i／　／.／i∨ j　/}´⌒i}　　　　 ./ ./　　ヽ＿__///i`?____　　　〉､
　　　　　　　　　　/　//　 / , -'" 　／.／　 i/__.／i迄亥ｲ＼　 .／ ./　　　　 i}/　i:i:／　　ヽ／⌒＼
高麗武官次席　林衍_,.．　　　　　／}　　 {ii:　i／⌒?}彡' Уi:i:i:/　　　　　　 i}i:i:i:i:/　　　／　　　　∧

高麗枢密院副使（陸軍次官）林衍、かつて武官のトップとして高麗の政治に君臨し、元との戦争を指導していた崔一族粛清から

史書に現れた人物である。度胸腕力ともに抜群と評されているがその出身については何一つわかっていない

だが、事実上の政治の最高権力者と一族が殺害・追放された割に高麗の政治は殆ど動揺を見せなかった

　　　 ∧∧　　　　 ∧∧　　　　 ∧∧　　　　 ∧∧　　　　 ∧∧　　　　 ∧∧
　　　/⌒ヽ)　　　 /⌒ヽ)　　　 /⌒ヽ)　　　 /⌒ヽ)　　　 /⌒ヽ)　　　 /⌒ヽ)
　　　i三 ∪　　　 i三 ∪　　　 i三 ∪　　　 i三 ∪　　　 i三 ∪　　　 i三 ∪　　　　蚊帳の外だったから……
　　〇三 |　　　〇三 |　　　〇三 |　　　〇三 |　　　〇三 |　　　〇三 |
　　　(/~∪　　　　(/~∪　　　　(/~∪　　　　(/~∪　　　　(/~∪　　　　(/~∪
　　三三　　　　三三　　　　三三　　　　三三　　　　三三　　　　三三
　　三三　　　　三三　　　　三三　　　　三三　　　　三三　　　　三三
　三三三　　　三三三　　　三三三　　　三三三　　　三三三　　　三三三

金俊自身が声望を失っていたこと、金俊とその一族以外の官位は殆ど変動しなかったこと、何より金俊の不意を打っての殺害から

粛清までが林衍主導のもと迅速に行われたためと思われる
161： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:50:52 ID:nohOh9Oc0: |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||ヽ
||||||||||||||||||ｲ||||、|ヽ||||ヽ|||||||||||||||、ヽ、
||||||||||||||||/ ||/　 l ヽ|||　||||||||||||||||＼￣
||||ｲ|ﾊ||||ﾘ　 '　　 '　　｀　"}/ !||||||||||＜
|ｲ　ﾘ　|/　　　、　　　　　　　 |/||||￣´
||　 '　　　　＿_≧ｭ、　＼　　　|||}
||||,,=＝≡冖三三三三> ノ＿__|ﾘ
||; ;　　　　 {三三（　ﾉ||冖{三__ｲ
||: :　　　　　 ∨三三//} 　 !三__}
||: :　　　＼ヽ｀￣￣´　　ヾ三!
||;;;;;;;,;　　　　　ヽ＼＼＼　　ヾ-'
||;;;;;;;;; , ,　　　　　　　　　　　＼　　　当然だけど、俺はこの計画を承認してたからな
||;;;;;;;;; ; ; ,　　　　　　　　　　 /
||;;;;;;;;; ; ; ; ;　　　　　　　　´　 T
||;;;;;;;; ; ; ; ;　　　　　　　　　　ヽ
||;;;;;;;;;;;;;;;; ;　　　　　　　／＼_ノ
||;;;;;;;;;;;;;;;; ;　　　　　　／　-<
||;;;;;;;;;;;;;;;; ; ;　　　　　　＿}
||;;;;;;;;;;;;;;;; ; ;　　　　　　　ｲ
||;;;;;;;;;;;;;;;; ; ; ;　　　　　 ,,|||

秘密裏の計画とはいえ、元宗公認であったのも大きかった

ちなみにこの粛清成功は世祖にも報告されており、金俊の存在を元も問題視していたことがわかる

――これで林衍が文官と協力して政治に取り組むのであれば、問題なかったのだが、そうはならなかった

　　　　　)　　　　　　　　　　　　 ,ｲ彡'::::::::::::::::::|ﾊl､Ⅵ　ヽ､　　　　　　　　　　　　 {
二ﾆ=彡ｲ　　　　　　　　　　　　　　 j彡',ｨ⌒ヽ､:::::::ﾉ斗､|ヽ　ヽ:i:ﾞY　　　　　　　　　　　/
, 　／　ヽ　　　　　　　　　　　 {_f´犲”￣¨Y___r‐l|‐ﾘ-l| l| i:i:i{　　　　　　　　 _＿f´
彡'　　　　ﾞY　　　　　　　　　　　 {ミ i{　　　　/ﾆﾐ{　　　　||ﾊ li:i:}　　　　　　　f´　　{
　　　　　　　}､　　　　　　　　 f^ﾄ/乂＿_ノ,'n n丶_＿_乂ﾉﾉi:i:}　　　　　　　{　　 l
　　　　　　　| ≧s｡､.　　　　　　 | ｉ{　r‐'　_＿＿＿___ﾞﾞﾞﾞﾞノ'ﾘf^Y　　　　　　,ｲ　　　 ',
　　　　　　　|　　 Ⅵ≧s｡　　　 l i:|　{｀Y´r───‐､｀Y)〉　 |):}　　　,イ⌒ /　　　　　　　/
　　　　　　 l 　　 }}==ﾐ､ﾞｰｫ､　　乂|　　 l ':::::::::::::::::::::::`/　　　|'ﾉ__　 //　　 {　　　　　 ,'
　　　　　 l　　　 }　　　ﾞ // ＼　　{　　 {:n⌒ー‐'⌒n/　　　,'´ 　＼　　,'　Ⅵ　　　　　 i　　　さぁ、金俊殿はいなくなった
　　　　　　 ,' 　　 j　　　 //　 ,ｲ¨¨圦　込ミﾆﾆﾆﾆ彡'　　　/.　　　　＼j　　＼　　　 .|　　　ならば次の武官が政治を牛耳るべきだと思わないかね！
　　　　　　　　　 /　　　ノ/ .／　　　　ゝ　 '´¨¨¨¨¨¨｀　　ノ:} 　　　　ﾑ　　　ヽ､　　 |　　　ああ、ちなみに遷都は拒否だ！
　　　　　　 __ム＿／　／　　　 /　＞　_＿___　｡s≦　　{ヽ､　　　　ﾑ､　　　ﾞY 　 |
　　　　_,斗匕　　,斗'”￣　　　　　／　 .／⌒ー⌒＼　　　　 Ⅵ:ﾑ　　　　　ﾑ＼　＼廴　|
　　　 (　　　　,イ　　　　　　／/　／⌒Y:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i>､　　　 Ⅵ::ﾑ　　　　ﾑ. ＼　　ヽ
　　　　Ⅵ 　 / 　　　　　.／:::/／::::::.　 }:i:i:i:i:i:i:i:／　::＼　０ }:::::::ﾑ　___　　ム　丶　　＼
.　　　　 Ⅵ /　　　_____　／/､:::”　＼::::　ﾉ:iroｫ:i:i(　　.:::/::｀￣´::::::/:ﾑ/㍉ミ､　　ﾑ　　＼　　 Y　/　,
＼　　　 Ⅵ　 ,イ”⌒Y} ﾉ /:::. ＼::.　｀ー{彡へ＼}＿ノ　..:::::::::::／:::::::}　　　＼､ﾞｰ' 　　＼　 i　　/
　ﾞ寸 _＿≧彡'　　　／　〈:::::::.　＼　／:i:i:i:i:i:i:i:〈　　　..:::::::::／::::::::,イ　　　＼　　　　　ヽ　　/
s≦￣ f´　　{　　　 f´:　　＼::::::. 　ﾞ/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ﾑ......:::::,斗’:::::,斗’/　　　　　　ﾉ　　　　　丶/
　　　　{　　 {　　　 {:::....　　　＼:::::. /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iﾑ,斗’:::::,斗’..::::/　　　　　　/　　　　　　　　 }

文官と協調体制をとるどころか、独走を始めたのである

しかも、遷都の拒否などを含めてた金俊の対元路線をほぼ踏襲した方向性での活動であった
162： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:51:45 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　〉::::::::::::::::::::::; ﾍ/ﾘヾヽ:ﾊ; ヘj::::::::::≧__
. 　　　　､ー'::::::::::::::::/}／__,ｨ -､ヾー‐ ､＿ヽiヽ:::＜
　　　　　　ヽ:::::::ﾉﾘﾙ'ｨ≦圭/　　ヽi::＼ヽ圭≧､i:::;::≧=-
　　　　　　　 ,ｲ::::i∧::ヽ＼＞{ ﾊ　ﾊ )￣｀ー‐ ﾍﾘｲ:::::>
.　　　　　　　 /ｲ::// ヽ= '　　, ─ '¨¨ヽ　　 u　ﾏ!::::ﾍ￣ヽ　　　＿
..　　／￣ヽ　　j:::!:|　　　　 {　　　　 i　　　　ﾏ:::::iヽ＿＞'´　　ヽ:￣＼‐-
.　 /,:'　　　　ﾏ乂:|. 　 u　　 } iニ´｀ヽ !　　　　 : :|:::|｀i: ＼:: 　　　　: : ::: 〈_　　　またかよぉ！
.　　　　　　ﾏ∧!::::.　　　　 i |　　　 | l　　　　　: :ﾘﾉ｀i}::　　　　　 :: 　: ::: )
.　　　　　　　 ',｀(ﾍ:::::.　　　　 | 　　　|　　　　 : : : :ｲ､/ ::.　　　 l　　i: :　／
　 l'　　 ,:' ￣ヽ＼ )';::::.　　　 |～┴ｲ　　　　 : :　ﾉ/: :: :.　　　 i i: :　i: :/
　ﾍ　〈_/ ￣　　ヽi::　　　　 |　　　 i　　　　　 jノﾑ: :　　　', i i: : ;' /＼
　　ﾑ　　　　　　 }:　　　　　辷´｀´ﾉ　　　　　 /,仁ﾐ! 　　 : :ﾏii:.　ﾚ′　〉
　　　ﾑ＼　　　　ﾉ::＼　　　i 　＿_ 丿　　ｲ:i三ミ|　.::　 : : :ﾏ: :/: ::　/
　＼　ﾑ　ー‐　´ ﾏ从ﾉ＼　｀¨´,.ｨ､　　／乂j三ミ| . : 　 : : : ∨: : : /
　　　＼ﾑ　　　　　　ﾏﾑ　＼　,ｲ::::::ヽ _／/　 /三三| : :　: : : : : :ヽ: i〈

元宗は再度武官との対決を迫られることになっていた――

――そのころ日本では

┏━━━━━┓
┃ 九州肥前 ┃
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　,､--､,i|l;:::::￣"'''ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　／;;:''::`;;ヾiilr''"::::::ヾ|i
　　　　　　　　　　　　　　　　r';':::r-;;;;‐;;ヾ／""::‐;;i::ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　ノ;:::/:::/:::;;;:::､/::::r';;､;:::::li:;ii:｀i
　　　　　　　　　　 _,ノニ"´::;::;:|::::|::;/""~`''''´7/::::il|i;;ヾ:|
　　　　　　　　　／;:;-―フ:;:::;::l;;:::l;::|　　 i　:i :|:;;;;:::l|l::i;:::ヽ､
　　　　　　　　　|:;:/_／'/:/::;:::::i;::::::;i|'';;;､_i,,, _,i;;'"|:::ヾ;i|i;:::::ヾ＝=;-､　　　　高麗の状態？
　　　　　　　　　ヾi'i:| ／::::;:::::::ﾉ;;:::;;i| `i"´"|,"`!;::|;::::::ヽ;;::;;;ヾ｀"`!､ｿ　　　　知っているぞ
　　　　　　　　　 |:!!| |i::::l　|:::i::;;::;;;!'|　 !' _ ||l　i`iヽ::i;;::::ヽ;;;;;|;;;;;;∧ヽ､
　　　　　　　　　,/:ヾヽ!;;::ヾ:`''ヽ:::i;|iヽ　--~-;: i/i|:ヽ|i::::ﾘi;;;;ﾉ;;;i;|､　`i;ヽ,
　　　　　　　　（(ヾ=`;;;､:::ﾉ:::i:::::;;|:::）!!＼￣／!!!|i:::::i;i:::::;;/;;;;;|!ヾ'ー'i/＿,,､
　　　　　　　　　,〉-;'´;;:::ｲi､:::l::;ン;r'!!!!!!!!￣!!!!!!ﾉﾝ':::!;i::::|i::::l:;;;;;`i:::i:n:'iii7;;i´
　　　　　　　　 i|:;;r'"r'7l|＞;;|（::::i;;|!!!!!!!!!!!!!!!!!/ri::;;:::i':::;;|_::ﾉ;::;ヾ）:::ﾚ::`'i:|,
　　　　　,,,,,,,,,i'"_ll）,,ヾ-!'／（;::::ヽnヾ､!!!!!!!!!!!!!､i:::::;;;;|:::::!``‐;､､!/;;;(ヽヾi＼ヽ＝､
　　　,､/!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ヽi i i ヽ;::::| iヾi）!!!!!!!!!!!!!`ｦi;::::〉:::）::ii |!!!!!!!!!!!!!!!!!!`;ヽ;i,|;:ﾉ
　　 |:::i!:::::::::::::!!!!!!!!!!!!ﾉi i i iﾉﾝ:::;'::ﾉ!､!!!!!!!!!!!／,,,i|:::i:;/／i i|!!!!!!!!!::::::::::::::::i`ヾ（
　　 /:::i´::::::::::::::!!!!!!!!!/i i i／i|::::i::i|　　`ヾ／　　ノi:::ii|iヽi i iヾ!!!!!!!!!!!:::::::::::|::::!､
　 /i::::::|:::::::::::!!!!!!!!!!!!/i ／　i|:ﾘi;:::i|､　 ,,,,,　,;;;;'"i"（;ﾉﾂ!,　＼i i |!!!!!!!!!!!!!::::::|:::::|ヽ
　i!!|:::::::!:::::::::!!!!!!!!!!!!ri'"　　 >i!|::!ﾉ|i））　　　　　ヾii:::|）iヽ　　ヽi !!!!!!!!!!!::::::ﾉ:::::ﾉ!!|
　|!!ヽ:::::ヾ::::::!!!!!!!!!!!|i:|　　（／!::::::!,ヽ　　.:::.. ／;;）i:::lヾlﾘ　　　li i!!!!!!!::::／:::／!!!!|
肥前松浦党当主　佐志房
163： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:52:34 ID:nohOh9Oc0: 　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼
　／　　─　　 ─＼
／　　（●）　（●）＼　　　教えてほしいお
|　　　　（__人__）　　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　＼　／＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼／＿＿＿／

　　　　　' 　　 !　 ./:::｀::...､＼ ./ ハ i　　ヽ
　　　　'　　　　!　/::::::::::::::::::＼ヽ'::::::l .l　　 !
　　／　　　　ｌ　 !:::::::::::::::::::::::::ヽ/::::::!　!　　',
.／　／　　　 ' 　.!　　　￣｀` ｀`'"´ l　 l　、ヽ
　／　/　　 '　　'　　　　　　　　　　　l　 ',　、　ヽ
／　　　 /　 ./ 　　　　 !　　　　　!　＼　　ヽ
　　 /　　,.'　　/_　　　　　、　 ', 　 }　　　ヽ　ﾞ,
.　 / 　　　 /三≧z＿　　　＼　.}　./l　　　、ヽ }
　/　／　 ./丿ヽｔ;;ァ＝≧=-／　／'　ﾉ　ヽヽ. ヽ
　／ /　 ./イ　　　￣￣-'｀ヾ　 :::::!./　!/　　 '　!',　 '　　　高麗が最後に臣従したのは十年程前だ
,.'　./　 /、 .{　　　　　　　　　　 :::::l.{　 !{ 　 }　; .jﾉ　ﾉ　　　元に臣従したのはいいが、献納品が莫大過ぎて不満がたまったようだな
　./　 /　ヽ. !　　　　　　　　　　 :::::!',　乂 .ﾉ　i （.／　　　　当時の権力者の崔一族が主導して元との戦争に踏み切ったのが３０年ほど前と聞いている
　'　 .ハ　　､　　　　　　　　 ::::! V　　',ノ、､
. {　 .{　',ヽ　! ヽ　　　　　　　　 ,.. ノ /　　　}. ヽ　,
　!　.!　 .} ! .l　　　　　　　　　　 /　,' l　 .!　 } ﾉ
.　乂　 .ハ .!　　　ー― 　　 '" /　/ .!,　 !　ﾉ'
　 .〃 , {　} !.＼　　　　　　―　　'　./　'/ 丿
　/'　/　ヽ.ﾉ;;;;;;;;＼　　　　　　　'　./　' { '
./　./'　　ﾊ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,,,＿_,...ｨ　./　 .ﾊl
ノ;;;'　!　/;;;}.!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、 j / 、 /;;;;;;;;,,,,_
;;;;;;}　i, （;;;;;ﾘ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾄ､;;;)　　 }. {;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ー　"´￣｀
;;;;;;ﾘ,ハ ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;乂｀　　ﾉヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／////////
;;;;;'";;;;;;ヽ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ー'";;}　!;;;;;;;;;;;;;／//////////
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽイ　ﾉ;;;;;;;／////////////
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀";;;;／//////////////
164： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:53:13 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　／―　―　＼
　　　　　　／（●）　（●）＼
　　　　／　　（__人__）　　＼
　　　 |　　　　｀ ⌒´　　　　　|　　　　献納品ってどれくらいだお？
　　　　＼　　　　　　　　　／
　　　　／　　　　　　　　　＼
　　　　 |　　　　　　　　　　）
.　　　　　|　　|　　　　　 /　 /
　　　　 | 　 |　　　　　 /　 / |
　　　　 |　　|　　　　 /　 / 　|
　　　 (YYYヾ　　Y　(YYYヽ　|
　　　　（_＿＿ノ-'-（'＿＿_）_ﾉ

　　　　　' 　　 !　 ./:::｀::...､＼ ./ ハ i　　ヽ
　　　　'　　　　!　/::::::::::::::::::＼ヽ'::::::l .l　　 !
　　／　　　　ｌ　 !:::::::::::::::::::::::::ヽ/::::::!　!　　',
.／　／　　　 ' 　.!　　　￣｀` ｀`'"´ l　 l　、ヽ
　／　/　　 '　　'　　　　　　　　　　　l　 ',　、　ヽ
／　　　 /　 ./ 　　　　 !　　　　　!　＼　　ヽ
　　 /　　,.'　　/_　　　　　、　 ', 　 }　　　ヽ　ﾞ,
.　 / 　　　 /三≧z＿　　　＼　.}　./l　　　、ヽ }
　/　／　 ./丿ヽｔ;;ァ＝≧=-／　／'　ﾉ　ヽヽ. ヽ
　／ /　 ./イ　　　￣￣-'｀ヾ　 :::::!./　!/　　 '　!',　 '
,.'　./　 /、 .{　　　　　　　　　　 :::::l.{　 !{ 　 }　; .jﾉ　ﾉ　　馬一万頭。兵士百万人分の布
　./　 /　ヽ. !　　　　　　　　　　 :::::!',　乂 .ﾉ　i （.／　　　あと良家の子息子女を１０００人だったか？
　'　 .ハ　　､　　　　　　　　 ::::! V　　',ノ、､
. {　 .{　',ヽ　! ヽ　　　　　　　　 ,.. ノ /　　　}. ヽ　,
　!　.!　 .} ! .l　　　　　　　　　　 /　,' l　 .!　 } ﾉ
.　乂　 .ハ .!　　　ー― 　　 '" /　/ .!,　 !　ﾉ'
　 .〃 , {　} !.＼　　　　　　―　　'　./　'/ 丿
　/'　/　ヽ.ﾉ;;;;;;;;＼　　　　　　　'　./　' { '
./　./'　　ﾊ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,,,＿_,...ｨ　./　 .ﾊl
ノ;;;'　!　/;;;}.!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、 j / 、 /;;;;;;;;,,,,_
;;;;;;}　i, （;;;;;ﾘ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾄ､;;;)　　 }. {;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ー　"´￣｀
;;;;;;ﾘ,ハ ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;乂｀　　ﾉヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／////////
;;;;;'";;;;;;ヽ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ー'";;}　!;;;;;;;;;;;;;／//////////
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽイ　ﾉ;;;;;;;／////////////
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀";;;;／//////////////
165： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:54:12 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　／⌒　　⌒＼　　　　　━━┓┃┃
　　　　　／（ ○）　（○）＼　　　　　　　　 ┃　　　━━━━━━━━
　　　　／::::::⌒（__人__）⌒:::: ＼　　　　　┃　　　　　　　　　　　　　　　┃┃┃　　　　桁ヤベェ！
　　　　|　　　ゝ'ﾟ　　　　　≦　三　ﾟ｡　ﾟ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┛
　　　　＼　｡≧　　　　　　　三　＝=-
　　　　　　　 -ｧ,　　　　　　　　≧=-　。
　　　　　　　ｲﾚ,､　　　　　　　＞三　　｡ﾟ　･　ﾟ
　　　　　　　 ≦｀Vヾ　　　　　　　ヾ　≧
　　　　　　　｡ﾟ　/｡･ｲﾊ､､　　　　｀ミ　｡ﾟ　｡･

　　　　 : : : :_: : : : : : |: :|: : : : :!: : :/　　ヽ: : : : : : : : : : |
　　　　: ／⌒ヽ: : : :/: :j: :/: ノ : /l! 　　ｉ: : : : : : : : : : |
.　　　　ｌ　　|: : : {／: / : : ／川　　 i!: : : : : : : : : /
.　　　　ｌ　、 |: : :/: : : !　 ´　　ヾL　　 i!: : : : : : : : /
　　　　ヽ　/: : :{ : : : |　　　芝z ヾ{ 　 }: : : : : : : /
　　　　＿／ : : : l＼: : ＼　　　｀ｰ　　ノ: : : : { : : |
　　　　: : : : : : : : : }: :!＼: : ＼　　　　　|: : : : : :＼: :＼
　　　　: : : : : : : ／: : }　￣ヽ＼　　 i!: : : : : : : :＼: :＼＿_
　　　　: : : : l──一'　　　　　￣ヽ､＿: : : : : : : : : : ヽ :}ー┐　　　当然だがそんなもの払えなかったようだな
　　　　: : : : {　　　　　　　　　　＿　　i!ヽ: : : : : : : : : i :|　　|!　　　方々の村にまで徴税使が来たと愚痴っていたぞ
　　　　: : : : :!＼　　　　　　　　ヾ厂: : : : : : : : : : : : :| :!　ノ:}
　　　　: : : : :∨/k ､　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : ﾉ/´:／
　　　　: : : : : :∨//,＼　　　　　{ : : : : : : : : : : : : : ／ : ＜
　　　　: : : : : : :Ｖ//: : : ヽ　＿ﾉ: : : : : : : : : : : : : : :／ヽ: :＼
　　　　⌒ヽ: : : :∨: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :／　　ヽ: : }
　　　　:::::::::::｀:..､: : : :-=二￣　ﾌ : : : : : : : : : : : :＼　＿ノ: :/
　　　　:::::::::::::::::::＼: : : :_:_￣／￣￣￣　ー── ^ ――
　　　　､:::::::::::::::::::＼: ＼＿
　　　　＼::::::::::::::::::::､: : : : : ｀ー . .── ､
　　　　　　　＼::::::::::::::::＼: : ヽ:_:_:_:- ‐　⌒ﾞ
　　　　､　　　　＼:::::::::::::::ヽ:_:_: : : :＼
　　　　:::＼　　　　＼::::::::::::}＼＼: : : ＼
　　　　:::::::::＼　　　　＼::::::|: : ヽ　￣￣ヽ_────: : ノ
　　　　:::::::::::::::＼　　　　＼|: : : :＼　　　　　￣｀ー一'´
　　　　:::::::::::::::::::::＼　　　 |ﾄ､: : : : :＼
　　　　:::::::::::::::::::::::::::＼　　 i!:::＼ : : : : ＼
166： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:54:53 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　＿＿＿_
　　　　／ノ　ヽ､_＼
　　　／（ ○）}liil{（○）＼　　　んなもん要求されたら誰だって反乱起こすお！
　／　　　（__人__）　　　＼
　 |　　　ヽ　|!!il|!|!l|　/　　　|
　＼　　　　|ｪｪｪｪ| 　　／

　　　　　　　　　　, . :´: : : : : : :、: : : : : : :ﾍ
　　　　　　／: : : : : : : : : : : :ー: : : :⌒ヾ
　　　　　　 ′: : : : : : : : : : : ヽ: :／: : : : . 、
.　　　　　ｉ: l! : : : : /: :/⌒ヽ: : : ／⌒: : : :
.　　　　　　ﾉノ! : : : /: : :| r‐ ､:V /: : : : : :＼
　　　　／: : /: : : : : : : :| | ､ヾV /⌒ｉ : : : : :
.　　　 / : :／: :/ : : : : : :| |｀ー ''' ー /: : : : : :
..　　　　}:／ /: / : : : : : ノノ　　　　　 {: :|: : : : :
　　　　 {: : /: /: : : : ミ≧x､　 i|　　　　ヽ＼: :　　　うむ、その時今の都に遷都したようだな
　　　　ﾉ: : {: :{: : : : : :`ﾄ｀tｯ>　jｌ　/ 　,x≦彡ヽ:　　　国軍まで一緒に移動させたおかげで地方は略奪し放題だったようだが
.　　／: : : : :､:ヽ: : : i: :}　　　｀　'　 <tｯ´ }: : : }:
　 /: : : : : : /}: :i: : :/:/　　　　i　ｉ　　　　/ : : :/:
／: : : : : ／/: / : /:/!　　　 i　i　　　　ｌ : : /: :
:.: : : : ／: :/: /: :/: {　､　　　｀´　　　 ∧: :{: : :
: : : : ( : : /: /{: : !: : ＼ヽ　´￣　｀　／: : ＼ヽ:
: : : : : ) : : // ＼ト: : : :＼、＿　イL__､: : : :＼
:.: : ／ : : //////＼: : : : :ヽ////////∧: : :ト :
:／: : : : /////////): ヽ: : :ｉ/////////∧: :ヽ;
: : : : :／///////／ : /} : ////////////〉: : :
: : ／＼//////': : ／/: ///////////／: : :/
167： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:55:23 ID:nohOh9Oc0: 　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼
　／　　　　　　　＼
／　　　　　　　　　　＼　　　けど話を聞くと２０年近く元と戦い続けたように聞こえるお
|　　　　＼　　 ,＿　　 |　　　……それなりに渡りあったんじゃないのかお？
/　　ｕ　 ∩ノ ⊃―）／
(　＼　／＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼／＿＿＿／

　　　　　　　　　　, . :´: : : : : : :、: : : : : : :ﾍ
　　　　　　／: : : : : : : : : : : :ー: : : :⌒ヾ
　　　　　　 ′: : : : : : : : : : : ヽ: :／: : : : . 、
.　　　　　ｉ: l! : : : : /: :/⌒ヽ: : : ／⌒: : : :
.　　　　　　ﾉノ! : : : /: : :| r‐ ､:V /: : : : : :＼
　　　　／: : /: : : : : : : :| | ､ヾV /⌒ｉ : : : : :
.　　　 / : :／: :/ : : : : : :| |｀ー ''' ー /: : : : : :　　　徹底して戦わなかったようだな
..　　　　}:／ /: / : : : : : ノノ　　　　　 {: :|: : : : :　　　行軍中、疲れた所、不意をつける時、勝てる場面までは兵力を温存していたようだ
　　　　 {: : /: /: : : : ミ≧x､　 i|　　　　ヽ＼: :　　　……密輸先の連中が未だに恨み言を話しているぞ
　　　　ﾉ: : {: :{: : : : : :`ﾄ｀tｯ>　jｌ　/ 　,x≦彡ヽ:　　　国の兵が重要な時に来なかった。とな
.　　／: : : : :､:ヽ: : : i: :}　　　｀　'　 <tｯ´ }: : : }:
　 /: : : : : : /}: :i: : :/:/　　　　i　ｉ　　　　/ : : :/:
／: : : : : ／/: / : /:/!　　　 i　i　　　　ｌ : : /: :
:.: : : : ／: :/: /: :/: {　､　　　｀´　　　 ∧: :{: : :
: : : : ( : : /: /{: : !: : ＼ヽ　´￣　｀　／: : ＼ヽ:
: : : : : ) : : // ＼ト: : : :＼、＿　イL__､: : : :＼
:.: : ／ : : //////＼: : : : :ヽ////////∧: : :ト :
:／: : : : /////////): ヽ: : :ｉ/////////∧: :ヽ;
: : : : :／///////／ : /} : ////////////〉: : :
: : ／＼//////': : ／/: ///////////／: : :/
168： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:56:57 ID:nohOh9Oc0: 　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼
　／　　　　　　　＼　　　……太宰少弐家の嫡男に面と向かって密輸って言ったことは見逃すお
／　　　　　　　　　　＼　　で、そのあとはどうなったんだお？
|　　　　＼　　 ,＿　　 |
/　　ｕ　 ∩ノ ⊃―）／
(　＼　／＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼／＿＿＿／

　　　　 : : : :_: : : : : : |: :|: : : : :!: : :/　　ヽ: : : : : : : : : : |
　　　　: ／⌒ヽ: : : :/: :j: :/: ノ : /l! 　　ｉ: : : : : : : : : : |
.　　　　ｌ　　|: : : {／: / : : ／川　　 i!: : : : : : : : : /
.　　　　ｌ　、 |: : :/: : : !　 ´　　ヾL　　 i!: : : : : : : : /
　　　　ヽ　/: : :{ : : : |　　　芝z ヾ{ 　 }: : : : : : : /
　　　　＿／ : : : l＼: : ＼　　　｀ｰ　　ノ: : : : { : : |
　　　　: : : : : : : : : }: :!＼: : ＼　　　　　|: : : : : :＼: :＼
　　　　: : : : : : : ／: : }　￣ヽ＼　　 i!: : : : : : : :＼: :＼＿_
　　　　: : : : l──一'　　　　　￣ヽ､＿: : : : : : : : : : ヽ :}ー┐
　　　　: : : : {　　　　　　　　　　＿　　i!ヽ: : : : : : : : : i :|　　|!　　戦争も十年を過ぎたあたりで腰が折れてきてな
　　　　: : : : :!＼　　　　　　　　ヾ厂: : : : : : : : : : : : :| :!　ノ:}　　人質を出したりして和議を結ぼうとするようになってきた
　　　　: : : : :∨/k ､　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : ﾉ/´:／
　　　　: : : : : :∨//,＼　　　　　{ : : : : : : : : : : : : : ／ : ＜
　　　　: : : : : : :Ｖ//: : : ヽ　＿ﾉ: : : : : : : : : : : : : : :／ヽ: :＼
　　　　⌒ヽ: : : :∨: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :／　　ヽ: : }
　　　　:::::::::::｀:..､: : : :-=二￣　ﾌ : : : : : : : : : : : :＼　＿ノ: :/
　　　　:::::::::::::::::::＼: : : :_:_￣／￣￣￣　ー── ^ ――
　　　　､:::::::::::::::::::＼: ＼＿
　　　　＼::::::::::::::::::::､: : : : : ｀ー . .── ､
　　　　　　　＼::::::::::::::::＼: : ヽ:_:_:_:- ‐　⌒ﾞ
　　　　､　　　　＼:::::::::::::::ヽ:_:_: : : :＼
　　　　:::＼　　　　＼::::::::::::}＼＼: : : ＼
　　　　:::::::::＼　　　　＼::::::|: : ヽ　￣￣ヽ_────: : ノ
　　　　:::::::::::::::＼　　　　＼|: : : :＼　　　　　￣｀ー一'´
　　　　:::::::::::::::::::::＼　　　 |ﾄ､: : : : :＼
　　　　:::::::::::::::::::::::::::＼　　 i!:::＼ : : : : ＼
169： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:58:04 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　＿＿＿_
　　　　　／　　　　＼
　　　　／　　 _ノ　ヽへ＼
　　／　　　（ ―）　（―）ヽ　　そこから更に十年戦ったのかお……
　　 .l　 .u 　 ⌒（__人__）⌒　|
　　＼　　　　　｀ ⌒r'.二ヽ<
　　／　　　　　　ｉ＾Yﾞ r─ ゝ、
　　/　　　,　　　　　ヽ._Ｈﾞｆﾞﾆ、|
　　{　　　{　　　　　＼｀7ｰ┘!

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,､,_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　,､--､,i|l;:::::￣"'''ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　／;;:''::`;;ヾiilr''"::::::ヾ|i
　　　　　　　　　　　　　　　　r';':::r-;;;;‐;;ヾ／""::‐;;i::ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　ノ;:::/:::/:::;;;:::､/::::r';;､;:::::li:;ii:｀i
　　　　　　　　　　 _,ノニ"´::;::;:|::::|::;/""~`''''´7/::::il|i;;ヾ:|
　　　　　　　　　／;:;-―フ:;:::;::l;;:::l;::|　　 i　:i :|:;;;;:::l|l::i;:::ヽ､
　　　　　　　　　|:;:/_／'/:/::;:::::i;::::::;i|'';;;､_i,,, _,i;;'"|:::ヾ;i|i;:::::ヾ＝=;-､　　　和議を結んだり入朝をして侵攻を先延ばししたりしながらな
　　　　　　　　　ヾi'i:| ／::::;:::::::ﾉ;;:::;;i| `i"´"|,"`!;::|;::::::ヽ;;::;;;ヾ｀"`!､ｿ　　だが、本格的に和議を結ぶ段になってから、徹底抗戦を主張する
　　　　　　　　　 |:!!| |i::::l　|:::i::;;::;;;!'|　 !' _ ||l　i`iヽ::i;;::::ヽ;;;;;|;;;;;;∧ヽ､　　崔一族が邪魔になった
　　　　　　　　　,/:ヾヽ!;;::ヾ:`''ヽ:::i;|iヽ　--~-;: i/i|:ヽ|i::::ﾘi;;;;ﾉ;;;i;|､　`i;ヽ,
　　　　　　　　（(ヾ=`;;;､:::ﾉ:::i:::::;;|:::）!!＼￣／!!!|i:::::i;i:::::;;/;;;;;|!ヾ'ー'i/＿,,､
　　　　　　　　　,〉-;'´;;:::ｲi､:::l::;ン;r'!!!!!!!!￣!!!!!!ﾉﾝ':::!;i::::|i::::l:;;;;;`i:::i:n:'iii7;;i´
　　　　　　　　 i|:;;r'"r'7l|＞;;|（::::i;;|!!!!!!!!!!!!!!!!!/ri::;;:::i':::;;|_::ﾉ;::;ヾ）:::ﾚ::`'i:|,
　　　　　,,,,,,,,,i'"_ll）,,ヾ-!'／（;::::ヽnヾ､!!!!!!!!!!!!!､i:::::;;;;|:::::!``‐;､､!/;;;(ヽヾi＼ヽ＝､
　　　,､/!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ヽi i i ヽ;::::| iヾi）!!!!!!!!!!!!!`ｦi;::::〉:::）::ii |!!!!!!!!!!!!!!!!!!`;ヽ;i,|;:ﾉ
　　 |:::i!:::::::::::::!!!!!!!!!!!!ﾉi i i iﾉﾝ:::;'::ﾉ!､!!!!!!!!!!!／,,,i|:::i:;/／i i|!!!!!!!!!::::::::::::::::i`ヾ（
　　 /:::i´::::::::::::::!!!!!!!!!/i i i／i|::::i::i|　　`ヾ／　　ノi:::ii|iヽi i iヾ!!!!!!!!!!!:::::::::::|::::!､
　 /i::::::|:::::::::::!!!!!!!!!!!!/i ／　i|:ﾘi;:::i|､　 ,,,,,　,;;;;'"i"（;ﾉﾂ!,　＼i i |!!!!!!!!!!!!!::::::|:::::|ヽ
　i!!|:::::::!:::::::::!!!!!!!!!!!!ri'"　　 >i!|::!ﾉ|i））　　　　　ヾii:::|）iヽ　　ヽi !!!!!!!!!!!::::::ﾉ:::::ﾉ!!|
　|!!ヽ:::::ヾ::::::!!!!!!!!!!!|i:|　　（／!::::::!,ヽ　　.:::.. ／;;）i:::lヾlﾘ　　　li i!!!!!!!::::／:::／!!!!|
170： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:58:37 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　／ノ　　ヽ__ 　＼
　　　　　　　　　　　　　／（―）　（― ）　＼　　崔一族はどうなったんだお？
　　　　　　　　　　　　　|.　　（_人＿）　　　u　|
　　　　　　　　　＼　｀⌒ ´　　　 ,／
　　　　　　　　　　　　　　/ 　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　./　l　　　,/　 /　　 i
　　　　　　　　　　　　　(＿) 　　(__ ノ　　 l
　　　　　　　　　　　　　／　　／　　　___ ,ノ
　　　　　　　　　　　　　!､＿__!､＿_＿＿_つ

　　　　　' 　　 !　 ./:::｀::...､＼ ./ ハ i　　ヽ
　　　　'　　　　!　/::::::::::::::::::＼ヽ'::::::l .l　　 !
　　／　　　　ｌ　 !:::::::::::::::::::::::::ヽ/::::::!　!　　',
.／　／　　　 ' 　.!　　　￣｀` ｀`'"´ l　 l　、ヽ
　／　/　　 '　　'　　　　　　　　　　　l　 ',　、　ヽ
／　　　 /　 ./ 　　　　 !　　　　　!　＼　　ヽ
　　 /　　,.'　　/_　　　　　、　 ', 　 }　　　ヽ　ﾞ,
.　 / 　　　 /三≧z＿　　　＼　.}　./l　　　、ヽ }
　/　／　 ./丿ヽｔ;;ァ＝≧=-／　／'　ﾉ　ヽヽ. ヽ
　／ /　 ./イ　　　￣￣-'｀ヾ　 :::::!./　!/　　 '　!',　 '　　　主だった連中は全員処刑か追放になったようだ
,.'　./　 /、 .{　　　　　　　　　　 :::::l.{　 !{ 　 }　; .jﾉ　ﾉ
　./　 /　ヽ. !　　　　　　　　　　 :::::!',　乂 .ﾉ　i （.／
　'　 .ハ　　､　　　　　　　　 ::::! V　　',ノ、､
. {　 .{　',ヽ　! ヽ　　　　　　　　 ,.. ノ /　　　}. ヽ　,
　!　.!　 .} ! .l　　　　　　　　　　 /　,' l　 .!　 } ﾉ
.　乂　 .ハ .!　　　ー― 　　 '" /　/ .!,　 !　ﾉ'
　 .〃 , {　} !.＼　　　　　　―　　'　./　'/ 丿
　/'　/　ヽ.ﾉ;;;;;;;;＼　　　　　　　'　./　' { '
./　./'　　ﾊ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,,,＿_,...ｨ　./　 .ﾊl
ノ;;;'　!　/;;;}.!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、 j / 、 /;;;;;;;;,,,,_
;;;;;;}　i, （;;;;;ﾘ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾄ､;;;)　　 }. {;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ー　"´￣｀
;;;;;;ﾘ,ハ ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;乂｀　　ﾉヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／////////
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　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　／―　―　＼
　　　　　　／（●）　（●）＼
　　　　／　　（__人__）　　＼
　　　 |　　　　｀ ⌒´　　　　　|　　　　そのあとは？
　　　　＼　　　　　　　　　／
　　　　／　　　　　　　　　＼
　　　　 |　　　　　　　　　　）
.　　　　　|　　|　　　　　 /　 /
　　　　 | 　 |　　　　　 /　 / |
　　　　 |　　|　　　　 /　 / 　|
　　　 (YYYヾ　　Y　(YYYヽ　|
　　　　（_＿＿ノ-'-（'＿＿_）_ﾉ
171： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 22:59:40 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　' 　　 !　 ./:::｀::...､＼ ./ ハ i　　ヽ
　　　　'　　　　!　/::::::::::::::::::＼ヽ'::::::l .l　　 !
　　／　　　　ｌ　 !:::::::::::::::::::::::::ヽ/::::::!　!　　',
.／　／　　　 ' 　.!　　　￣｀` ｀`'"´ l　 l　、ヽ
　／　/　　 '　　'　　　　　　　　　　　l　 ',　、　ヽ
／　　　 /　 ./ 　　　　 !　　　　　!　＼　　ヽ
　　 /　　,.'　　/_　　　　　、　 ', 　 }　　　ヽ　ﾞ,
.　 / 　　　 /三≧z＿　　　＼　.}　./l　　　、ヽ }
　/　／　 ./丿ヽｔ;;ァ＝≧=-／　／'　ﾉ　ヽヽ. ヽ
　／ /　 ./イ　　　￣￣-'｀ヾ　 :::::!./　!/　　 '　!',　 '　　　博多に出入りしてる連中は前と変わらないと言っていたが……
,.'　./　 /、 .{　　　　　　　　　　 :::::l.{　 !{ 　 }　; .jﾉ　ﾉ
　./　 /　ヽ. !　　　　　　　　　　 :::::!',　乂 .ﾉ　i （.／
　'　 .ハ　　､　　　　　　　　 ::::! V　　',ノ、､
. {　 .{　',ヽ　! ヽ　　　　　　　　 ,.. ノ /　　　}. ヽ　,
　!　.!　 .} ! .l　　　　　　　　　　 /　,' l　 .!　 } ﾉ
.　乂　 .ハ .!　　　ー― 　　 '" /　/ .!,　 !　ﾉ'
　 .〃 , {　} !.＼　　　　　　―　　'　./　'/ 丿
　/'　/　ヽ.ﾉ;;;;;;;;＼　　　　　　　'　./　' { '
./　./'　　ﾊ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,,,＿_,...ｨ　./　 .ﾊl
ノ;;;'　!　/;;;}.!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、 j / 、 /;;;;;;;;,,,,_
;;;;;;}　i, （;;;;;ﾘ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾄ､;;;)　　 }. {;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ー　"´￣｀
;;;;;;ﾘ,ハ ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;乂｀　　ﾉヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／////////
;;;;;'";;;;;;ヽ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ー'";;}　!;;;;;;;;;;;;;／//////////
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　　　／　　　　＼
　／　　　　　　　＼
／　　　　　　　　　　＼　　　じゃぁ、今高麗の情勢はどうなってるんだお？
|　　　　＼　　 ,＿　　 |　　　崔一族を粛清しても状況が変わってないっていうのが分らんお
/　　ｕ　 ∩ノ ⊃―）／
(　＼　／＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
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　　　　　＿＿__
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.　　　／　　　　　　　＼
.　　／　／）　ノ ' 　ヽ､　＼
　　|　／ .ｲ '（ー）　（ー）　u|　　なんにせよ、貴重な話で助かったお
.　　 /,'才.ﾐ).　（__人__）　／　　また何かわかったら、聞かせてほしいお
.　　 |　≧ｼ'　　｀ ⌒´ 　＼
　／＼　ヽ　　　　　　　　　ヽ
172：名無しのやる夫だお：2014/03/06(木) 23:00:20 ID:bM0yaHzQ0: 鎌倉スレのラストでも軽く言われてたように、「元は友好を求めてただけなのに日本の対応が悪くて戦争になった」
と主張するいう人らの認識と違って、軍事力や征服の実績などを背景にした思いっきり恫喝的な代物だったんですな
173： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 23:00:51 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,､,_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　,､--､,i|l;:::::￣"'''ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　／;;:''::`;;ヾiilr''"::::::ヾ|i
　　　　　　　　　　　　　　　　r';':::r-;;;;‐;;ヾ／""::‐;;i::ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　ノ;:::/:::/:::;;;:::､/::::r';;､;:::::li:;ii:｀i
　　　　　　　　　　 _,ノニ"´::;::;:|::::|::;/""~`''''´7/::::il|i;;ヾ:|
　　　　　　　　　／;:;-―フ:;:::;::l;;:::l;::|　　 i　:i :|:;;;;:::l|l::i;:::ヽ､
　　　　　　　　　|:;:/_／'/:/::;:::::i;::::::;i|'';;;､_i,,, _,i;;'"|:::ヾ;i|i;:::::ヾ＝=;-､
　　　　　　　　　ヾi'i:| ／::::;:::::::ﾉ;;:::;;i| `i"´"|,"`!;::|;::::::ヽ;;::;;;ヾ｀"`!､ｿ　　　また近いうちに高麗へ渡るからその時情報を仕入れて来よう
　　　　　　　　　 |:!!| |i::::l　|:::i::;;::;;;!'|　 !' _ ||l　i`iヽ::i;;::::ヽ;;;;;|;;;;;;∧ヽ､
　　　　　　　　　,/:ヾヽ!;;::ヾ:`''ヽ:::i;|iヽ　--~-;: i/i|:ヽ|i::::ﾘi;;;;ﾉ;;;i;|､　`i;ヽ,
　　　　　　　　（(ヾ=`;;;､:::ﾉ:::i:::::;;|:::）!!＼￣／!!!|i:::::i;i:::::;;/;;;;;|!ヾ'ー'i/＿,,､
　　　　　　　　　,〉-;'´;;:::ｲi､:::l::;ン;r'!!!!!!!!￣!!!!!!ﾉﾝ':::!;i::::|i::::l:;;;;;`i:::i:n:'iii7;;i´
　　　　　　　　 i|:;;r'"r'7l|＞;;|（::::i;;|!!!!!!!!!!!!!!!!!/ri::;;:::i':::;;|_::ﾉ;::;ヾ）:::ﾚ::`'i:|,
　　　　　,,,,,,,,,i'"_ll）,,ヾ-!'／（;::::ヽnヾ､!!!!!!!!!!!!!､i:::::;;;;|:::::!``‐;､､!/;;;(ヽヾi＼ヽ＝､
　　　,､/!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ヽi i i ヽ;::::| iヾi）!!!!!!!!!!!!!`ｦi;::::〉:::）::ii |!!!!!!!!!!!!!!!!!!`;ヽ;i,|;:ﾉ
　　 |:::i!:::::::::::::!!!!!!!!!!!!ﾉi i i iﾉﾝ:::;'::ﾉ!､!!!!!!!!!!!／,,,i|:::i:;/／i i|!!!!!!!!!::::::::::::::::i`ヾ（
　　 /:::i´::::::::::::::!!!!!!!!!/i i i／i|::::i::i|　　`ヾ／　　ノi:::ii|iヽi i iヾ!!!!!!!!!!!:::::::::::|::::!､
　 /i::::::|:::::::::::!!!!!!!!!!!!/i ／　i|:ﾘi;:::i|､　 ,,,,,　,;;;;'"i"（;ﾉﾂ!,　＼i i |!!!!!!!!!!!!!::::::|:::::|ヽ
　i!!|:::::::!:::::::::!!!!!!!!!!!!ri'"　　 >i!|::!ﾉ|i））　　　　　ヾii:::|）iヽ　　ヽi !!!!!!!!!!!::::::ﾉ:::::ﾉ!!|
　|!!ヽ:::::ヾ::::::!!!!!!!!!!!|i:|　　（／!::::::!,ヽ　　.:::.. ／;;）i:::lヾlﾘ　　　li i!!!!!!!::::／:::／!!!!|

　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　／　　　　＼
　　　　／　　─　　 ─＼
　　　／　　（●）　（一）＼
　　　|　　　　（__人__）　　 |　　頼んだお
　　　＼　　　 `_⌒ ´　　／
.　　　　ノ.,.,.,.,.,.,.,/　）ヽ.,.,.,く
　　　(;:;:;:＼;:;:／|_ノi　）;:;:;:;:)
.　　 |;:;:;:;:ﾞ;:;:;:;:;:|;:;:;:|;:;:;:;:;:;:/
　　　＼_;:;:;:;:;:;:;|;:;:;:|;:;:;:;:::ﾉ

幕府が本格的に情報収集を行っていた時期は不明だが、その情報の入手経路は北九州沿岸部の御家人を通してのものと思われる

後に、高麗で日本に内通した罪で高官が処刑されるが、この処刑の決めてとなったのは朝鮮半島沿岸部で拿捕された日本の船を見逃した

というのが原因であった。
174： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 23:01:46 ID:nohOh9Oc0: ――そして、それらの情報は北九州の御家人を統率していた少弐家を通して幕府にもたらされていたと考えるのが自然である

┏━━━━━━━┓
┃鎌倉　時宗邸宅 ┃
┗━━━━━━━┛

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (二二二ﾆ/二二ﾆ/二｜二二ヽ二ヽ二ニニ)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //＿/__//＿/__//＿/| |ヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//＿/__//＿/__//＿/_| |__ヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
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　　　二二二ﾆ/二二ﾆ/二二二//＿/__//＿/__//＿/＿| |＿_ヽ＿ヽヽ＿_ヽヽ＿ヽヽヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ
　　 //＿/__//＿/__//＿/__///＿/＿//＿/__//＿/＿ | |＿_＿ヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
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　　　　　　　　　 {　　　　 ` ｰ-　　　　　　　　　＼　　　　 } ヽ
　　　　　　　　　　　}＼､　　　　　　　　　ﾐZ⌒ヽト　　　　 :}　　/　　}
　　　　　　　　 ′ 丶　` ｰ-　　　　／　　　　　｀ヽト､　　:} 　/　　/
　　　　　　　　　 {　　　＼　　　　　ｲ　／　　　　　　　＼ムイ　〃ｧ
　　　　　　　　､　　　, =ﾐ　　 r彡　　 r==ミ､　　　　　 j ／／
　　　　　　　　､ｰ＼　/ ヘ} 　 {　　　　　　-‐＼､_　}　/　　 { 彡
　　　　　　　　 } 　　 {　{　|　　|　　　　仗__〕｀¨　ム-=＝!
　　　　　　　　　 . 　八　く|　　| :} 　　　　　　　仗¨〕／
　　　　　　　　　　 >、　ﾊ `.! 　 | :}　　　-‐　¨　　　　ﾄ、　}
　　　　　　　　／ｲ　r'人 j　 /　} 　　　　　　　 }:　ﾉ　　　少弐からの書状には何と書いておりますかな？
　　　　　　　　　 ∧{ﾊ、ﾉ　z彡　{､　　　r , -‐￢‐=ﾆノ／
　　　　　　　 rｰ{　　＼　く、　　　＼　　/ ｨ ,__,_, 　　｀V
　　　　　 rｰ┘　㍉　　＼ム、　　＼　　　　＿｀ `Wj
　　　 rｰ┘　　　　㍉　　ﾆ=-＼　　ｰz ィ , ﾍ　 /　≧=-　､
　 _rｰ┘　　　　　　　　㍉　　　　ﾆ=- ､　　　　　　゛{ 　　　　 }
　{　　　　　　　　　　　　　㍉　　　／⌒ヽ　　　从, =ﾐ　　 /
175： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 23:03:30 ID:nohOh9Oc0: 　　　　／イ: : : : : :　　　　　　　　　. : :　　　　　　　　　　　 . : 　: : 　　　　　　　'.
　γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ: : : :　　　　　　　　　　　. : : 　 : : 　　　　　　　 '.
＜　　　　　得宗殿　　　　 |: : : : :　　　./　　　　　. , イ:　. : : :　　　　　　　　}
　ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿__,ノ : /: : : 　　.〃　/　, イ /二7: . : : : :　　　　　　　　!
.　　　/:イ: : : /: : 　　. : :　. : /: 〃 /: :　 / /: /7/'´7:/　 /:/: /: : :　　　. :　　　　 |
　　 ///: : : :/: : :　 . : : :i : :/': /7:/: : : :/ 7: ///, ィ:/云7://イ: : :　　　. :　. :　　 }
　　 / .l: : :, ｲ: : : 　. : :i: |: /7:/_|:/j : : /　//　/ ,彳'ノ::_ﾊ7ｲ/: : : :　 . : : : . : 　　　!
　　′ l: : l　|:i: : : : : : :!: ﾘ,ｨ|7 ≠ﾄ| : /　/′　　　{´ ゝ' :ﾉ /:/: : :　 . : : :/ 7ﾊ　　 j
　　　　|: i:!　!:i: :|: : : : :|: l卞7_ノ_ﾊ! /　　　　　　｀￣￣￣7/: : : :　. :/: ﾊ /ﾊ }　 .′
　　　　|:ﾊ|　|:l: ﾊ: : : : |: l　､戈_:シ!′　　　　　　　　　　//:/: : : : イ: /丿} //　:l
　　　　|l　!　|:|:| .l: : : : !: l　　　　／　　　　　　　　　　／イ: : ／ //'´__ノ' / 　 |l
　　　　　　　|ﾊ|　l,: : : ﾄ､ﾊ　　　､　　　　　　　　　　　　ノ　'"　／'´　__ノ':　 lﾉ′　　……なんか、まだ政村殿にそう言われるの慣れませんね
　　　　　　　　|l 　l,: : |l　ﾍ　　　　ヽ　　　　　　　　　　´ 　　　　/１:´: : :　　!
　　　　　　　　　　ﾍ : ﾘ　　ヽ　　　　､二＞　　　　　　　　,　′|: : : i: 　i l
　　　　　　　　　　ヽ:ｌ　　　＼　　　ー-　　　　　　　　　 ∠＿__j:ﾑ: :i: 　| l
　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　ヽ　　　　　　　　　　 rく￣￣::.::.::.::ﾍ!::､: ､: :ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞､　　　　　_　＜ﾍ　.::.::.::.::.::.::.::.::.::＼ﾊj
　　　　　　　　　　　　　　　　　 f__､ヽ::.:｀.r―　'´　｢　　l　l::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.!
　　　　　　　　　　　　　　　 f'´　ヽv::.::.l 　　　　 .|　　 l　l::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::}､__
　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ　　　v::.::! 　　　 |　　.!　l::.::.::.::.::.::.:_　二!: : ヽ､＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　l l:.　　､v::.l 　　　 |　　　l　l::.::.::_ -, ＜: : : : : : : : : : : :｀
　　　　　　　　　　　　　　 _.　-l l::.､　　∨ﾉ　　　　_j　　　 l　` ´＜´＼丶､_: : : : : : : : : :

時宗の執権就任は文永５年３月の初めであったと言われている
176： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 23:04:46 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　　　　　　　　／∨＼
　　　　　　　　　　 r､　／　　　　ヽ,
　　　　　　　　 i　 Y　　　　　　　　jヽｲ
　　　　　　　　　　 i　　 ,ｲ!　　　　　 ,ｲ　 i
　　　　　　 i ヽ,　　 ,j｡ '"　j　ｰ─‐一'’ 　 ,'
　　　　　　 i　　ﾍ'"　　　.ｲ　　　　　　　　ﾘ
　　　r,　　 j　　ｿ　　 "　　　 ,.ｨ'´￣￣　ヽ､　　＿
　　　} `'ィ’　　i　　　 {　　　　　　　　　　￣　 /
　　　 Ⅵﾊ　　 }　　　ﾍ　　　　j,.イ　　　　　ノ
　　　　}　ﾍ　　　､､　ヽ　　ソ　　　　　　　 `く
　　　　Ⅵ　　 ,＞''¨~￣ﾞﾞ''"~"~~~~´`'ゞ,　　　　`'ーｧ
　　　　 ∨,　 i'　　　　　　　　　　　　　ヽ,　　　　／
　　　　　∨　{　　,.ｨﾍ　',　　j'　 ,.ｨュ.,　　i　　　〉
　　　　 'r､i{　 ´¨ﾍﾍ.,_　､ _,.ィノ｀ｰ`　 ;}ｨ´｀!／　　　　　そう言ってくれるな。執権の職を得た嫡流当主を呼び捨てにはできんよ
　　　　　　iﾍﾊ　 ,.-‐≧〈 ! ヾy´ ＞ｬ,　　ﾘ仁iﾑ　　　　　　何、執務は私が連署として補佐するし、時定に実時、泰盛殿もともに行う
　　　　　 j くﾍ　｀´￣ >｀!　 'ｰ´,　　　 ,ﾊヒ,ﾘム
　　　　,.イﾍ　iﾑ　　　　 i　　　　　　　ﾊi'ﾗﾘ　ｨ｀'ｰｬ､
　　　,ｨ　　 ∧i ',　　　　 ,　　 __　　　 ,ij{ｲ　j　　　　　ヽ,_
　　r’ ∨　　　i　',,.ィ~｀'ｰ｀'´'~ 　 ,＞ｧ' i ﾍ,'　　　　　　　　{
　ｲ　　 ∨　　/　',ﾍヘﾆ二二￣　ﾘノリ　>'　　　　　　　 .ｲ
∧ 　　 ∨　'ヘ　ヽ､｀'ー─一'"　／／　　　　　　　／ i
　　　　　 ∨　　 >､　ゞ‐＞ﾆ＜,.ィ／j　　　　　　 ,. ＜　 {
　　　　　　∨　　/ ~''ﾍ,　　　　　 /　）　　　 ,. ＜　　　 .{
,　　　　　 ∨ /　　　∧ヘ,　　,ｲ　　j　 ,. ＜　　　　　　　 Y
　　　　　　　 ∨　　　　∧　ﾞ^ｲ　　　i!,ｲ　　　　　　　 i

時宗の執権就任後、七代目執権政村は隠居をせずに幕府政界に留まり、連署として時宗の執政を補佐することになった

歴代執権経験者の中で、引退後も連署に就任したのは政村が最初で最後である

昨年から本格的に機能を始めた「寄合」もメンバーはそのまま残され、時宗を支えることが決定している

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　　　　　　＿__,........ -＝==￣｀`ﾞ丶`丶､
　　　　　　　,.`.ﾆ='''''　　　　　　　　　........:.`ヽ、
　　　　-‐'';:'-'"　　　　　　　　　　..　.. .. ::::::::::ヽ
　　　　 ,.-'　　　　　　　　　　　　　 .::::..:::::::::::::::::::ヽ
　　／ ,　　　　　　　　　　　::::.::::: : ::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　 ,.:'-イ'　　　　 ;　 ; :: ;　::;:;. :::::::::::::: ::::::::::::::::::::::::::::::!
　'´ ／,　　　　: :　:::! :: ;:　;'!-、;:::::::::::::::::::::::::_::::::::::::::l
　 ,:'::;ｲ　　　 : :.;:　:::l::;::i::::;';ゞ;=､i::::::::::::::::::::::i､`;､::::::::|
. / '´,'　 .:;:　.::.::ﾄ!､:::!:|'!ヽ!'!_';ヽ,.〉:::::::::::::::::::::i'ヽヽ::::::l　　　それは分かりますけど……
　　 l　.::/i　::::::'ゞ!;､|'!　　`‐'" i:;ｲ::::::::::::::::::|),ﾉﾉ::::::l
　　｜.::/ |:::::::::::::',ゞ' .::::.. 　　 ;'/ !:::::::::::::::;:ﾉノ'::::::::|
　　 | :/　 !::::;ｨ:::::;ｲ ::::::::　　　ﾉ'　i::::;ｨ;:::::::;'l'!:;'､:::::::|
.　　|/　　'!::/!'!::::`､　＿　　　 /:;:' i!'!:::/ ,l'-'"ヽ::|
　　　　　　':/ ! !:::/'!`´. _ ｀　　/; ',../''!:/'´　　　 `'
　　　　　　　　　!:| |! 　ヽ　　 ,. ､',.､‐'"!'
　　　　　　　　　 !' 　　　｀　'´ｨ'"ヘ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　!',!、　＼＼　,.-'"
　　　　　　　　　　　　　　　　 l iヽ　　＼`',. ‐'
177： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 23:05:37 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　　　　　　　　／∨＼
　　　　　　　　　　 r､　／　　　　ヽ,
　　　　　　　　 i　 Y　　　　　　　　jヽｲ
　　　　　　　　　　 i　　 ,ｲ!　　　　　 ,ｲ　 i
　　　　　　 i ヽ,　　 ,j｡ '"　j　ｰ─‐一'’ 　 ,'
　　　　　　 i　　ﾍ'"　　　.ｲ　　　　　　　　ﾘ
　　　r,　　 j　　ｿ　　 "　　　 ,.ｨ'´￣￣　ヽ､　　＿
　　　} `'ィ’　　i　　　 {　　　　　　　　　　￣　 /
　　　 Ⅵﾊ　　 }　　　ﾍ　　　　j,.イ　　　　　ノ
　　　　}　ﾍ　　　､､　ヽ　　ソ　　　　　　　 `く
　　　　Ⅵ　　 ,＞''¨~￣ﾞﾞ''"~"~~~~´`'ゞ,　　　　`'ーｧ
　　　　 ∨,　 i'　　　　　　　　　　　　　ヽ,　　　　／
　　　　　∨　{　　,.ｨﾍ　',　　j'　 ,.ｨュ.,　　i　　　〉
　　　　 'r､i{　 ´¨ﾍﾍ.,_　､ _,.ィノ｀ｰ`　 ;}ｨ´｀!／
　　　　　　iﾍﾊ　 ,.-‐≧〈 ! ヾy´ ＞ｬ,　　ﾘ仁iﾑ
　　　　　 j くﾍ　｀´￣ >｀!　 'ｰ´,　　　 ,ﾊヒ,ﾘム
　　　　,.イﾍ　iﾑ　　　　 i　　　　　　　ﾊi'ﾗﾘ　ｨ｀'ｰｬ､　　　　何、すぐに慣れる。
　　　,ｨ　　 ∧i ',　　　　 ,　　 __　　　 ,ij{ｲ　j　　　　　ヽ,_　　で、書状には何と？
　　r’ ∨　　　i　',,.ィ~｀'ｰ｀'´'~ 　 ,＞ｧ' i ﾍ,'　　　　　　　　{
　ｲ　　 ∨　　/　',ﾍヘﾆ二二￣　ﾘノリ　>'　　　　　　　 .ｲ
∧ 　　 ∨　'ヘ　ヽ､｀'ー─一'"　／／　　　　　　　／ i
　　　　　 ∨　　 >､　ゞ‐＞ﾆ＜,.ィ／j　　　　　　 ,. ＜　 {
　　　　　　∨　　/ ~''ﾍ,　　　　　 /　）　　　 ,. ＜　　　 .{
,　　　　　 ∨ /　　　∧ヘ,　　,ｲ　　j　 ,. ＜　　　　　　　 Y
　　　　　　　 ∨　　　　∧　ﾞ^ｲ　　　i!,ｲ　　　　　　　 i

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./:::::i:::::::::::::::: : l l:::: : : /|:: : ﾊ:: : l!::::::::: : : :　. : : : : . : : : : : . : : . : :　:
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:::ｲ:::|:i:::::::::: : : |__|:: :/z.､|:/　 |:/ヽｌ::::::: : : . /:/:: : :/:::/: : . : :　. :　: : :
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　|::/ﾊ::::::::: : i: l　{､__r-f':::ﾄ､i}　　ﾊ::::: : ://　|: /7/ﾍ: :/: : : i: : : : . :
　|::l l |::::::: : :l: lヾ弋_い::ノ　　　　l:::: :〃,;ィ|/z/_　|:/: : :/:l::: : : : ﾄ､
　|::ﾊ. |::::::: : ﾊ:l　　￣￣´　　　　 l:: :/ 〃 __);;:ﾄﾐ,|ｲ : /:: l::::.: : : l　　　ええと……
　|ｲ::ヽ!::::: : l .ﾘ　　　　　　　　　. :　 |:/ ､弋´ｰﾍ:}刈': :/::::: |::::::: : :l　　　『使者から受け取ったことに関してお返事します――
.　 |::::::|:::::: :l　　　　　　　 . : : : 　| ′ ｀` ≠＜,/: , ':::::: :l!::::::: : l
.　 |::/ﾊ:::::::ﾄ､　　　　　　　　　: : :　,　　　　　　　/／}:::::::: ﾊ::::::: : l
　 |/ |ム:::::|　＼　　　　　　　　　／　　　　　／7／:::i:::: ,　l:::: : :l
　　 |::.::.l::::ﾄ｀ヽヽ　　　　　＜ -､　　　　　　 /::::::/:::|:: ,　　l:: : l
.　　 |::.::.:|:::|::.::.:＼＼､　　　　､｀^ 　　　　_ イ /::/ |::ﾊ: l　　 l : l
　　 }::.::.::ﾍ:|::.::.::.::.::.＼ヽ　　　　 _.　-　´ }/　|:/　 |!　|'　　　|: l
.　　ｌ::.::.::.::.::`:.::.::.::.:.:.:.:.:.:.:` -- ィヽ＼　　　　　　　　′　　　　|:l
　　l::.::.::.::.::.::.::.::.::.:.:.:.:.:.:.:.:|!:.:.:.|　/, ７　　　　　　　　　　　　　 |′
178： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 23:07:01 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　／　　　　＼　　　　　 ┏───
　　　　　　　　　　／　─　　 ─　＼　　　　│高麗につてのある御家人たちに話を聞いたところ
　　　　　　　　／　（●）　（●）　＼　　　　全員、高麗は実際的に元の支配下にあるということと
　　　　　　 |　　　（__人__）　　　 |　　　　服属した当初に莫大な量の献納品を要求されたことを
　　　　　　　　＼　　　｀⌒´ 　　　,／　　　　話していましたお│　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　／　　　　ー‐　　　　＼　　　　　　　　　 ───┛

　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　／　　　　＼　　　　 ┏───
　　　　　　　　　　／　　 ⌒　　 ⌒＼　　　│また、博多に住む唐人なども蒙古人が宋を破壊しつくしたと言っていましたお
　　　　　　　　／　　　（ ●）　（ ●）ヽ　　　大陸の唐人は話を聞けなかったけど、唐人から話を聞いたことのある連中は
　　　　　　 l　　　 ⌒（__人__）⌒　|　　　皆似たようなことを言っていましたお│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　＼　　　　　｀ ⌒´ 　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　───┛
　　　　　　　　／　　　　　　　　ヽ

　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　／　　 ─　　　 ―　　　　┏───
　　　　　　／　　　（ ●）　（●）'　　　│よって、少弐及び任国の御家人衆は元との通交には反対しますお
　　　　　　|　　　　　（__人__）　 |　　　　今の博多の盛況は唐人との取引で成り立っているものですお
　　　　　　＼　　　　　｀ ⌒´　／　　　　わざわざ唐人との関係を悪くしてまで評判の悪い元との通交を行う必要はないですお│
　　　　　　／　　　　　　　ー‐　 '　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　───┛
179： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 23:07:57 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　{　　　＼　　}　　ﾉ }
　　　　　　　　rﾍ　　　ミｰ､ノイ幺ｲ
　　　　　　　 _{ 　　／　　　　　　ﾐ/ 7
　　　　　　＼｀ヽ f　ｰ=ミ } /-=‐ } /
　　　　　　　　 `ﾊ} }　<苡　 { 苡>}ﾊ
　　　　　　　 {く} } 　／　 }＼　ﾘi}　　　　ふむ、高麗の書状はすべては信用できんか
　　　　　　　　　ゝ} }　　, -｀‐´､　〃'　　　　莫大な献納というのも聞き捨てならん話だな
　　　　　　小ﾑﾍ、ムィへｰﾐ.从〉､
　　　　　　／　{　､＼ーzへ､イ／ / ㍉、
　　　, -r┘　 ∧　＞- ､从从ｲ- ､′ 　㍉、
　　／ r┘　　　∧{ r_，）}＿ィ r_，}　　　　 }､
r‐くﾆﾆ㍉　　　　　ゝ-彡 ¨¨¨ ゝ-彡　　　　ノﾆ=- ､
|ﾆﾆ丶ﾆﾆ㍉　　　 ∧ 　 Υ 　 {　　　　　ノﾆﾆﾆﾆﾑ
|ﾆﾆニヽﾆニ㍉　　　ﾊ　　|　　 {　　　ノﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾊ
|ﾆﾆﾆニ‘，ﾆニ㍉　　 }　｜　 {　　　ノﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ}

　/::::::::::::::::::::: |:i!:::: : : : |:: : :,':: : :|:::::::::: : :　: : . : : : : . : : : : . : : : :　: .
./:::::i:::::::::::::::: : l l:::: : : /|:: : ﾊ:: : l!::::::::: : : :　. : : : : . : : : : : . : : . : :　:
'::::/:|:::::::::::::: : :lﾆl:: : :/={:: :i ､|: :ﾊ::::::::: : :　. : : /: . :/:: : :　. : : . : :　: :
:::ｲ:::|:i:::::::::: : : |__|:: :/z.､|:/　 |:/ヽｌ::::::: : : . /:/:: : :/:::/: : . : :　. :　: : :
/ !:::|:l:::::::::: : : :!＞l/＝＞､ﾐ､.|!　ﾊ:::::: : : /:ﾑ:: : /!:/!: : : : : . : : :　: :
　|::/ﾊ::::::::: : i: l　{､__r-f':::ﾄ､i}　　ﾊ::::: : ://　|: /7/ﾍ: :/: : : i: : : : . :
　|::l l |::::::: : :l: lヾ弋_い::ノ　　　　l:::: :〃,;ィ|/z/_　|:/: : :/:l::: : : : ﾄ､
　|::ﾊ. |::::::: : ﾊ:l　　￣￣´　　　　 l:: :/ 〃 __);;:ﾄﾐ,|ｲ : /:: l::::.: : : l
　|ｲ::ヽ!::::: : l .ﾘ　　　　　　　　　. :　 |:/ ､弋´ｰﾍ:}刈': :/::::: |::::::: : :l
.　 |::::::|:::::: :l　　　　　　　 . : : : 　| ′ ｀` ≠＜,/: , ':::::: :l!::::::: : l　　　僕もそう思います。わざわざ少弐殿が書状で莫大と書くほどです
.　 |::/ﾊ:::::::ﾄ､　　　　　　　　　: : :　,　　　　　　　/／}:::::::: ﾊ::::::: : l　　　並大抵ではないでしょう
　 |/ |ム:::::|　＼　　　　　　　　　／　　　　　／7／:::i:::: ,　l:::: : :l
　　 |::.::.l::::ﾄ｀ヽヽ　　　　　＜ -､　　　　　　 /::::::/:::|:: ,　　l:: : l
.　　 |::.::.:|:::|::.::.:＼＼､　　　　､｀^ 　　　　_ イ /::/ |::ﾊ: l　　 l : l
　　 }::.::.::ﾍ:|::.::.::.::.::.＼ヽ　　　　 _.　-　´ }/　|:/　 |!　|'　　　|: l
.　　ｌ::.::.::.::.::`:.::.::.::.:.:.:.:.:.:.:` -- ィヽ＼　　　　　　　　′　　　　|:l
　　l::.::.::.::.::.::.::.::.::.:.:.:.:.:.:.:.:|!:.:.:.|　/, ７　　　　　　　　　　　　　 |′
180： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 23:08:56 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　 }　:/　　}　 :}　　 ::/　　　　ー―ｧ
　　　　　　　 /　 {　　{　ﾉ　 ::ノ＿　　　　　ノ
　　　　　　　 (　　ト､､イノｰ ´ 　く　　　　 `ｰｧ
　　　　　　　　}｀ヽｨ´　　　　　　　　　　ヽ　　　　／
　　　　　　　　{　　 {　　 {　 ./　／⌒　　}　　　　7
　　　　　　　､　ﾉ ,==ﾐ　　ｰくこぅ､　　〈　　 /
　　　　　　　　八 ∨f 斗 } 　　＼　　　, } rヘ 7
　　　　　　　　　ヽ}　　 ,:　　　　　 /: | |ﾉ:} }′
　　　　　　　　　　人　 _` ` ‐-､　　 {:　| | xく　　　　そうなると朝廷にはみだりな返使派遣は見合わせるべき
　　　　　　　　　ﾊ {ム-‐ ､ｰヽ　　　j　ﾐ　､}　　　と、進言したほうがいいやもしれんな
　　　　　　　　　　 i}　　´__｀　　 -‐ 　くｨ／}_
　　　　　　　　　　　八／　｀Y´　　／⌒　 /　㍉
　　　　　　　　　　　　〈 {　　　　　／　　　ｲ　　　㍉＿
　　　　　　　　　　厂｀丶､ノイ　　　／ﾉ　　　　㍉　ﾆ=-　､
　　　　　　　　人　　 }　／ =ﾐヽイ／　　 rｰ￢へ} 　　　ヽ
　　　　　　　 -‐ , =ミヽ＿/ {（__） } }／　　rｰ┘.， ´
　　　　 r ' 　　 {　(__) } }ﾆﾆﾆゝ __彡　　r‐┘ ´　　　　　　　　 }
　　　　 ,廴　　　ゝ＿彡ﾏ　/　/ ノ　rｰ┘ /
.　　　 /　　㍉、　｀¨¨|　　V　 //rｰ┘　　.′　　　　　　　　　　　　 /
　　　 /　　　　｀¨¨¨ヽ!　　′://" 　　　 {　　　　　　　　　　　　　/
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　　 !:::::::::::!::::::::!:::::::::::::::::::::::;!::;i::::::::::::;ｨ::;:::::::::::::::::/|:l='' ﾍ::::::::::|:::::::::::::l;::::::::::l, ':|
　　'!::::::::::|::::::::|::::::::::::::::::::::ﾊ::!|::::::／//|::::::::::::::/ｸ;;!;=ﾆ､!:::::::!:;::::::::::::i､:::::::::|
　　ヽ:::::::::l:::::::::l:i::::::::::::::::::!ﾆl!'l::::/''''ﾅｰ!::::::::::ノ〃' l;;;;:ｿﾍ::::::l::ﾄ､::::::::| ヽ;:;::::!
.　　　ヽ:::l:::!i::i;::::l:ﾄ;:::::::::::::|;:=ｲﾊ/'`i.ヽ. i:::::::; ' 　ｰ'"´　　}:::;::::l l:::::::::!　 'l',l::!
　　　　ヽ'､::l' !ヽ::'!ヽ:::::::::::|,　ゝ;;;;::ｨ''　/:::／　;　　　　　　i:::l l::! `!:::::|　　ﾞ'!　　次、使節が派遣されるようなことがあればそうしましょう
　　　　　ヾヽ:ヽ､ヽ::::'i､:::::::i´￣´　　 /／　　ヽ　　　　　ﾊ:!　!l　 !::::!　　　　　　それよりも今は六波羅の交代要員をどうするかを考えないと
　　　　　　　ヽ:::i､ヾ､::ヽヽ::!　　　　 '"　　　 ::::/　　　　/　!　 '　 l::::l　　　　　　あと、親王の将軍位就任の返礼をしないといけないですね
　　　　　　　　ヾ、'､:`ヾ､、ﾞ　　　　　　 _,:. ｨ　　／! 　　　 |:/
　　　　　　　　　　　ヽi､r'ヽ､　　　　　`"´-‐'　／　 l　　　　'
　　　　　　　　　　　　　 ,i　'､｀ ‐　､_　　　　　／　　　|
　　　　　　　　　 ,.　-‐''|　 /〉,.r┐"´｀ﾞ.　 ‐‐'"　　　　ﾄ､_
　　　　　　　-‐'"　　　　|　 !l .| .| l　　　　　　　　　　／'　　`ヽ､

文永５年３月、時宗の執権就任に合わせて七代目将軍の惟康親王の親王位取得及び征夷大将軍就任が決定した

宗尊親王追放から親王位も官位も持ち合わせていない将軍を据えていた幕府としては組織を固めるための重要事であり

何よりも朝廷が認めた将軍の就任によって、幕府と朝廷の友好関係は再確認されたことになる
181： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 23:10:11 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　{　　　　　　　　　　／}ノ　　　　　く　　　ｰ=彡　　　　/　}
　　　　＼　　N＼}｀ヽN ､イ　　　　　　　　　　.　　　ｰ=彡　　 /　/
　　　　　　「ヽ　{　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　 , - ､　/ }
　　　　　　＼　 .　　　　　　　　　　　　　　　　{　　ゝ　／}/ /＾ ∨/_
　　　　　　　　＼}　　　　､　　{ /　　　 -‐-　　　　　／／:|/　} 　} ／
　　　　　　　 {, -=ミ　 }　　{′ ／　　　　｀ヽﾍ　／|　 | ） '　/_
　　　　　　　〈　＿　＼{ 　　{ 〃　.　´ 　｀ヽ　}　〉　｜　!i′ /ヽ}, Y´
　　　　　　　　　ム-=ﾐ｀ヽ{`ー―{　/ ィ⌒ヽ､ .}　|Y　　 !　 |　 /　ヽ} .|　　　うむ、外の事も重要だが朝廷をおろそかにすることはできん
　　　　　　　　 /　'⌒ヽヽ }｀¨¨¨´V{ 弋___ノ　}ﾉノ　　 !　 |ｰく　､,/　ﾘ　　　返礼に関して六波羅の両方に任せるのがいいだろう
　　　　　　八弋___ﾉﾉﾉ　　　　　ゞー==彡"　　　 /｜　|/　)ﾉ/　/　　　時輔殿にも経験を積んでもらわねばならんからな
　　　　　　　　 `ー=彡　 |　　　￢　　　　　　　　　{　.| 　ゝ彳/　/
　　　　　　　xく　 /＼　/ }　　　ｲ、＿_　　、　　 }　ﾘ　　ノ/　/{
　　　　　__／_r' 　/　 ∧ r└‐=彡　　　　　＼　:　　　 /　 Z　′ ゝ
　　　　ノ､_}　　 /　　　ﾊﾉ　 , , , ､__､___､__､__､ヽ}　　/　 /／　〔
　, -‐/ く　　　 /　　　 ‘ｰ'"} 辷＿＿ーv_ノ　/ 　 / 　〃　　厂
./　 / 　＼　 /　　　　　∧ {　　　　　　　　　　　　/ ／/　　/

当時は六波羅は南北両方に頭人を持つ状態にあり、南方の時輔、北方の時茂がそれぞれ着任していた

また、時輔は蹴鞠の名人としても知られており、貴族文化への造詣も深い。対朝廷の折衝に当たらせるには

最適な人物であった

　　　　　　　　 /. :　. .:::::::::::;;--､:::::::::::::.　:::::::::::::::::::. . :::::::::::::::::::::::::.
　　　　　　　　　　/:.:: . : .::::::::::/　　ヽ::::::::::::. ::::::i;:::::::::::::.:.:::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　 /::::.::..::::::i:::::::{　　　　ヽ:::::::::::::::::ﾊ::::::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　 l:::::::::::::::::l:::::::l　　　　　ヽ:::::::::::::l　';:::::ﾊ:::l:::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　 l::::::::::::::::::＼:::'､＿_　　　ヽ::::::::::! _」::/-l/!::::::;ｲ:::::::::::::::::
　　　　　　　　　 ';::l:::::::::::::::::::l`ﾞヽ　｀ヽ　　';:::::::;'´ l/ｚ＿/／`ｌ::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　';ﾄ;:::::::::::::::::∨7~テミ､　　l:::::/　 ''7 _ﾌ/ｲ`ミl:::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　 ` ﾞi:::::::::::::ﾄ'､{‐':::::ｊ　　　 l::/　　　{´:::::::ﾉ_ /::::::::::::::::::::　　　返礼の準備と日時の折衝ですか……
　　　　　　　　　　　　l:::::::::::::::'､￣￣　　　ｊ/　　　　￣￣´/::::::::::::::::::::::　　　時茂殿、どうしますか？
　　　　　　　　　　　 l:l::::::::::::::::',　　　 '　　　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　 /1::::::::::::::::ﾄ、　　､　　　　　　　 /;ｲ:::::::::;ｲ:::i:::::::
　　　　　　　　　　　　 ';::::i::::::::::::ヽ　　　｀ _　　　　　　 '´　l:::::::/-!:/l::::::
　　　　　　　　　　　　 ';:ハ::::::::i;::::;＼　 ´ ニ~`''　　　　 l::::/''´l'　l:::/
　　　　　　　　　　　　　ヽヽ:::::l';/l::::/＼　　　　　　 _,.-;ﾆl/　　　　{/
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ;:!'　l/　　ヽ､　　_,.-ﾆ‐''´　　　　　　ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　 `　　　　　 lﾄ`Tｌ「／lｨ　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,. - ﾍ1 !ｌ l　ゝ /　　　 _,.-''´
　　　　　　　　　　　　　　　__,,..-‐''"´　　　　ヽ.!| |　l/ _,,..-‐'´
　　　　　　　　_,,..　-‐''´￣　　　　　　　　　　｀ﾞ'┴'"´
182： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 23:10:57 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　_,. - ''"￣｀''ｰ- ,,,,. -―-､
　　　　　　,. -:'"　　　　　　　　　　　　　　｀'-、
　　　　 ,:'´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
.　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !
　　_,ノ　　　　　　　,　　　　　　　､　　　　　　　'､
　 ,'　　　　　　　　/　　r､､ヽ.　　ヽ　 ./　　　　＼
　 !　　　　　　　　i　　 i､　ヽヽ　　 |ヽ/ .,:'　　　　ヽ
.　!　　　　　 ,., r_ヽ　　!_ヽi !　　　/l l,!　!　 ,　　　ノ
. ,'　　　　　 l 'ﾞ"´ ｀_-.,ゝ`''´/　ノ-,':'-'､!､　　　 i´　　　時輔殿にお任せします
. ヽ. i　　ヽ､ヽ,ri'/´i;;i:､　 ´"´　 _,.-=､_`-'　/ヽヽ　　　僕は次の当番なので当分六波羅に詰め切りになりますから
　） !　　ヽヽ'ヽヾ;'_ﾉ_　　　　　　 i,,,.:;;!ｯ:,.-'ィ,'i ノ
　 '､_.i'i､ヽ､.) |　￣　　　　　ヽ　 -'=ﾞ-　/i"'´.'"
　　　ヽヽ!-.l '　　　　　　　　　i　　　　　lﾉ
　　　　)｀''ｰ.',　　　　　　,,＿_　　　　　 /
　　　ヽ iｰ-,,lヽ､　　　　　--￣　　／
　　　　｀　 .|-｀-｀-.､　　　　　　.／
　　　　　　 |　　　,､!-ﾆ-;.,,__,.r:i´
　　　　　　_,.!　　.ヾヽiｰ'.| | | 'r'.|
　_,. -‐:''"　　`‐- ,,ヾ'_.　! ! ! '-'ヽ､
´　　　　　　　　　　　　`'--''"´　　`'ｰ､,,_
北条時茂（極楽寺流北条家）

六波羅は北条家のエリートコース本流に乗れない庶流家の人物が集まるためか、六波羅長官には得宗家の支持者を据えることが多い

時茂もそういった得宗家支持者の六波羅長官の一人であった

　　　　　　./;;;;;;;;;;;;;;:::::;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::∠;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::ヽ,
　　　　　./;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::／　~｀ﾞ`　- ､;;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::/i./　　　　　　　　Y;:::::::::::::::::::::::::::::::::::`,
　　　　 /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::ん/､._　　　　　　　 |;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;
.　　　　i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/|::/~K'ヽ､'_-,　　　　　 i;:::::/;:::;;;::::::;;::::::::::.|､::::i
　　　　i;;;;;;;;;／|;;;;;;;;;;;;;;;;;;; i. |:i,=>>→ゞ,,ヾi,　　　　/:::/|;;:;;;;;;::::;;;;::::::::::::iヽ:::;
　　　 /;;;;;;/"r |;;;;:::;;;;;;;;:;;;;i　i:K　r⌒>;,ヽ　　　　/::/ .|;;:/|;;;::;;;;;;::::::::|:::|　`,.i
　　　ヽ;;;;i （　|;;:::::;;;;;;;;:::;;;i　V ゛'K,"ツ,　゛　　　/:/=__|/=|;;;;/;;;;;::::::/:::i　　ヾ
　　　　）;;i ゛､.|;::;;::;;;;;;;;::::;;;i,　　　　￣　　　.／",ﾂｒ=ｯiﾐ/;ｲ;;;;;;::／;;:::i　　　゛
　　　 r";;;;;ヽ.,|;;;;;;;:;;;;;;;;;::iヽ',　　　　　　　　　　　 'K`''ﾂ/'／;;;;／ /;:::/
　　,r";;;;;;;;;;;;;;;i;;;∧;;;;;;;;;;:|　 '.,　　　　　　　　　　 l,　゛~／;;;;イ　,/;;r"　　　分りました
,..r'";;;;;.n;;;;;;;;;;;|/;;;;ヽ;;;;;;N＿＿　　　　　　　　　,,　 .;;,"ィ."|;;:| .""　　　　　明日からの裁判はお願いします
--‐'"／;;;;.:::::/== "ヽ;;;|~--;　/　　　 ‐‐ ､ ._　　　　 /;;;;;;|;;::|
　F￣￣　　　　ヽ､　|/　./ /　　　　　 -､.,　`　　,r'";;;;;;∧;:i
　|　　　　　　‐ ､,ヽ゛ヽ,　.i　i,　　　　　　　　　.r '";;;;;;;;;/　|;:i
　|　　　　　　 ‐;`､`+,ー`.i　i `' ､,　　　　　／,;;;;;;;;/ヽ;/　　i/
/"'､.　　　　　　＼ i＼　 .i　i`''::- `;,- っ,";;;/|∧/二"二￣/
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そういう意味では六波羅とそこに勤務する御家人たちにとって、時茂の存在は一種の安全弁であったのかもしれない

六波羅はあくまで幕府の影響下に置かれた出先機関であるという、保障を体現した人物として
183： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 23:13:00 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　_,. - ''"￣｀''ｰ- ,,,,. -―-､
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　　　　 ,:'´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
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　 ,'　　　　　　　　/　　r､､ヽ.　　ヽ　 ./　　　　＼
　 !　　　　　　　　i　　 i､　ヽヽ　　 |ヽ/ .,:'　　　　ヽ
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. ,'　　　　　 l 'ﾞ"´ ｀_-.,ゝ`''´/　ノ-,':'-'､!､　　　 i´
. ヽ. i　　ヽ､ヽ,ri'/´i;;i:､　 ´"´　 _,.-=､_`-'　/ヽヽ
　） !　　ヽヽ'ヽヾ;'_ﾉ_　　　　　　 i,,,.:;;!ｯ:,.-'ィ,'i ノ
　 '､_.i'i､ヽ､.) |　￣　　　　　ヽ　 -'=ﾞ-　/i"'´.'"
　　　ヽヽ!-.l '　　　　　　　　　i　　　　　lﾉ
　　　　)｀''ｰ.',　　　　　　,,＿_　　　　　 /
　　　ヽ iｰ-,,lヽ､　　　　　--￣　　／
　　　　｀　 .|-｀-｀-.､　　　　　　.／
　　　　　　 |　　　,､!-ﾆ-;.,,__,.r:i´
　　　　　　_,.!　　.ヾヽiｰ'.| | | 'r'.|
　_,. -‐:''"　　`‐- ,,ヾ'_.　! ! ! '-'ヽ､
´　　　　　　　　　　　　`'--''"´　　`'ｰ､,,_

――北条時茂、年明け文永７年初頭に死去。享年３１歳、幕府の重鎮重時創設の極楽寺流出身のエリートとして嘱望された人物であった

　　　そして、六波羅における時宗最大の協力者の死、その年から六波羅もまた混乱へと大きく歩み始めることになった
184： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 23:13:59 ID:nohOh9Oc0: ――そして同年、元の年号において至元７年

　　　　　　　　　　　　　　､＿刈从WWWW从从≦二ィ_,_
　　　　　　　　　　　　､_x≧W从从从WWi{从从从i从ア
　　　　　　　　　　　ィW洲从从}i州从ハ从从}Wkく :.
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　　　　　　　　　　　　　　　　}ﾄ､_ 　　　　｀二　 /　　 ::.
　　　　　　　　　　　　从汽　　　　　,ｨi斥仆v　　　:.:　　褜、わかってくれ
　　　　　　　　　　　　　　　洲　｀ー‐-　{i｣从｣ｼ{　　　.:.　　これしかもう、手は残ってないんだ……
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ]}　　　　　　　　　|　　　.:
　　　　　　　　　　　　　　／.::i｣　、　　　　　 j＼_　: .
　　　　　　　　　　 _ 　-‐ {::::::::{、　　、　　　　 / {ヽ::ヾヽ、
　　　　　　　　 _／　　　　|::::::::| ＼　　、　　　{　　ハ::.:.:.. ｀丶、
　　　_ 　-‐　´　　　　 |::::::::|　　｀ヽ､__　　　／　 ',:.:.:.. i　　｀`丶、
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　　　　　　　　　八 ?　　　　　　　　　　ル'人:{
　　　　　　　　　　　）八　　　　 .　,　　　　 /イ　　　　親父、言いたいこたぁ分るが
　　　　　　　　　　　从:.:.、　　 ____　　　 ,:.:.从　　　　……茨の道だってことは分かってんのか？
　　　　　　　　　／, ,ｲ:l::|>.　　　ご｀　　／|:.:i|∧＼
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　　　　　　　〈　《//////|　　　ｰ '　　　 |//////》　〉
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高麗王太子褜（後の忠烈王）

高麗も一つの結果へ向けて大きく歯車を軋ませ始めていた
185： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 23:16:44 ID:nohOh9Oc0: すみません、文字化けしました

――そして同年、元の年号において至元７年

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　　　　　　　　　　　　　从 {_　　｀　　　.ィこ> 　 ,'　 :.
　　　　　　　　　　　　　　　　}ﾄ､_ 　　　　｀二　 /　　 ::.
　　　　　　　　　　　　从汽　　　　　,ｨi斥仆v　　　:.:　　シン（言に甚）、わかってくれ
　　　　　　　　　　　　　　　洲　｀ー‐-　{i｣从｣ｼ{　　　.:.　　これしかもう、手は残ってないんだ……
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ]}　　　　　　　　　|　　　.:
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　　　　　　　　　八 ?　　　　　　　　　　ル'人:{
　　　　　　　　　　　）八　　　　 .　,　　　　 /イ　　　　親父、言いたいこたぁ分るが
　　　　　　　　　　　从:.:.、　　 ____　　　 ,:.:.从　　　　……茨の道だってことは分かってんのか？
　　　　　　　　　／, ,ｲ:l::|>.　　　ご｀　　／|:.:i|∧＼
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高麗王太子シン（後の忠烈王）

高麗も一つの結果へ向けて大きく歯車を軋ませ始めていた
186： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 23:17:41 ID:nohOh9Oc0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼
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　　　　　　　　　　　【やる夫は元寇を戦い抜くようです】
　　　　　　　　　　　　第２話　始まりを告げる者達　　了
187： ◆q/QapWeGMk：2014/03/06(木) 23:18:43 ID:nohOh9Oc0: 一時間ほどおつきあいありがとうございました
本日分は以上になります

次回も同じく二週間程度での投稿を予定しております
188：名無しのやる夫だお：2014/03/06(木) 23:28:44 ID:fJs48ELs0: 乙です
189：名無しのやる夫だお：2014/03/06(木) 23:31:44 ID:XazXg1d20: 乙
元としては南宋包囲網の一環としての外交なのかな？
190：名無しのやる夫だお：2014/03/06(木) 23:38:21 ID:HbG0MCFM0: 乙

日本が言えるセリフではないかもしれませんが、朝鮮王朝はどの王朝もいつの時代もgdgdですなあ……
早速NHKでやってる韓国産ドラマを地で行くような展開
191：名無しのやる夫だお：2014/03/07(金) 00:50:49 ID:02PaTGco0: >>172
ポーランド、トルコ、ペルシャまで攻めて行った奴ら相手にそんなことほざく人間の言葉なんか真に受けたらアカンで

乙
この時代の高麗は元を相手にしたにしては上手くやってんじゃないの？
日本が武力偏重過ぎ
192： ◆q/QapWeGMk：2014/03/07(金) 01:59:04 ID:sEgqpFrw0: >>172
よく出てくる「あの国書は友好的メッセージなんだよ！」は末尾の「不宣」だけが根拠ですので、正直厳しいところではあります

>>189
包囲網というよりも狂犬外交状態です
どっかに因縁つける→収奪→次の目標へを繰り返している段階ですのでとにかく攻撃対象に飢えています
元がある程度版図拡大を落ち着けるのはもう少し後になります

>>190
高麗にしても李氏朝鮮にしても大陸の勢力圏争いの影響をもろにかぶる上に派閥内抗争が三族皆殺しとかそっちの方向にいっちゃうので……
日本的な派閥争いとは別次元ではあります

>>191
文官優越の原則がある朝鮮半島の王朝にしては珍しい武官優越の時代にぶつかったのが幸いしたかと
殆ど名前だけしか出てない崔一族が私兵を大量動員したりしてかなり頑張ったのがおそらくとぎれとぎれとはいえ
２０年戦えた理由と思われます
193：名無しのやる夫だお：2014/03/07(金) 08:46:52 ID:c7zoLJo60: おつです
高麗情勢とかさっぱりなので面白い
194：名無しのやる夫だお：2014/03/07(金) 21:38:11 ID:E7cA7SYg0: このスレの安藤某って

A、北方アイヌと戦って戦死
B、アイヌを率いて元と戦って戦死

どっちになるの
195：名無しのやる夫だお：2014/03/07(金) 22:38:02 ID:W9P2PrMc0: 乙乙！　まだ引き返せる段階なんだね
196：名無しのやる夫だお：2014/03/08(土) 02:37:20 ID:0/anbcb.0: 乙です。前回よりは良くなったけど読みやすさについてはもっと工夫が必要だと思う。

>>106
AAを分断させて文章を入れちゃダメだろう。
197：名無しのやる夫だお：2014/03/08(土) 08:13:48 ID:l0KHquPE0: その場にいないキャラだから、表現方法としてはありだと思う
見にくいから多用は避けた方がいいけど
198：名無しのやる夫だお：2014/03/12(水) 08:57:55 ID:6ge0ycgQ0: 乙でした
歴史スレも古代から現代まで、どんどん未開拓の領域が埋まっていくなあ、という印象
199：名無しのやる夫だお：2014/03/16(日) 23:37:01 ID:yTxUONEMO: 結局の所、10年くらい前までは信じられてた「元は日本に通商求めただけ」説も
「侵攻はただの威力偵察」説も「使い道に困った征服民の棄民」説も

「モンゴルほどの大帝国が一々日本みたいな小さな島国相手に本気を出すはずがない」

という全く史料の裏付けもクソも無い単なるおまそうレベルの
結論有りきで展開してるからメチャクチャな内容の説ばっかなんだよな。
そもそも元寇って殆どの歴史家は八幡愚童訓ベースの通説なぞるばっかりで
近年、佐藤鉄太郎氏辺りが通説に疑問投げかけてから漸くマトモな研究が始まったところ。
そういう意味では今回のやる夫シリーズにはマジで期待してるよ。
200：名無しのやる夫だお：2014/03/17(月) 01:18:25 ID:cPcHMvas0: >>199
日本より小さくて人口も同じかそれ以下であり、
しかもポーランドまで攻め込んだことを考えると、有ってないような距離の差でありながら
滅ぼされた韓国と撃退した日本の差をどうやって説明つけたんだろうか
201：名無しのやる夫だお：2014/03/17(月) 06:30:25 ID:y3RtzN4w0: 陸戦と海戦の差じゃないの？
202：名無しのやる夫だお：2014/03/17(月) 09:14:41 ID:ycFNLkTM0: そもそも当時の日本は１０万を超える職業軍人中心の軍を出せるチートな軍事国家で
決して『東の果ての未開の小国』ではなかったんだけどね（当時のヨーロッパは５万で空前絶後の大軍）
203：名無しのやる夫だお：2014/03/20(木) 21:46:18 ID:Xvkhjtt20: そして当時の武士は、虎眼流門弟や拳王親衛隊みたいなのしかいなかった
204： ◆q/QapWeGMk：2014/03/22(土) 23:26:22 ID:srfgactY0: 第三話前編の完成が見えたので、投下予告させていただきます

明日２３日（日）の夕方～夜にかけて投下します
詳しい時間は明日もう一度アナウンスさせていただきます

あと今回高麗サイドのみのお話になります。ていうか高麗文永７年前後で動きすぎ……
205：名無しのやる夫だお：2014/03/23(日) 00:19:25 ID:qAoN.Po20: お待ちしてます～
206：名無しのやる夫だお：2014/03/23(日) 00:24:24 ID:kKu2oSoQ0: 把握、当時の高麗が大変だとは思ってたけど想像以上に大変でびっくりした

ところで、余裕がある時があれば簡単な登場人物紹介をして頂けるとありがたいです
キャラクターAA＋人物名＋生没年＋2～3行の説明で、1レス二人くらいの分量で
やる夫とキラが主人公だってことはわかるんですが、この時代に疎いと他の人物の立ち位置がちょっとわかり辛くて……
207： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 01:30:26 ID:WbZJHgcY0: >>206
ためしに作ってみましたが、こんな感じでしょうか

金俊（生年不詳～１２６８）……万極/キングダム

　　　　　　　　　　　　　　　,ｪ=- ｭﾞヽ -ヽ- ｭ、
　　　　　　　　　　　　　／ﾞ「　　ヽヽ　ヽ　ヽ ;ヽ＼
.　　　　　　　　　　／ !　∧　　ﾍ　ﾍ　ｪヽ　　 ;　ﾞヽ
　　　　　　　　　イ//　l　{{∧　　ヽ　　ヽヽﾍ　ﾍ　ﾍ
　　　　　　　　 //彳l　 !;; ﾘl .ヽ　　ヽ　　　　ヽﾍ　　ﾍヽ
　　　　　　　ｨﾉ　ﾉハ k　ﾘ　ヽ,,_　ﾍ　　　ﾍ　ﾍ　　ヽﾍ
　　　　　　　ｼ　/´ﾄﾄ!ゝ　lj ====ア,　ヽ　ﾍ　ﾍ　ﾍ＿,ﾍヽ
　　　　　　　ﾉｲ::::.l ∧ ヽ　ｨ .Qﾟ　ｼ!ﾊ　ヽ　ヽヽゝー..ゝ ;ゝ
　　　　　　　 lv !:::::l. ﾄゝ　ｨ!,　　 =彡、　ﾍ　　ﾍ　ﾍー,ﾍゝゝ
　　　　　　　 lﾘj==ﾄｲ　ﾍ　ヾ＝’　　ヽ　　　　ﾄヽヽリlj lﾊﾊ
　　　　　　　 lkrゞﾟ∨'　　ﾍ　ﾍ　　　　　ﾍ　　　ﾄヽヽｊ .ト、∧
　　　　　　　ゞlj==/　　　ゝ .ゝ　　　　　ヽ　　　ﾄﾍ　ﾍYﾉ∧　∧
　　　　　　　ゝﾄ''./　　　－ト　ﾍ__　　　　ﾍ　ﾍ　ﾄﾍ　ﾍYヽ　 ∧
　　　　　　　　ゞﾄゝ、r-=,　ﾉ∧:ﾍ　｀’　　　∧　　∧　∧∧ ﾍ　ﾍ
　　　　　　　　ヾﾍゝ＞ /===-ゝﾍ　　　　　∧　　j ヽ　ヽ　ヽ　　ヽ
　　　　　　　　　ゞ　ﾄノ∠＝ュ>ﾍ’　　　　/ ヾ　ﾘ　∧　∧ﾍ　ﾍﾍ
　　　　　　　　　 ∨r　rー .’~¨´. ヽ、　　　　ゝ　ﾘ /　ﾍ　　ヽ　ヽヽ
　　　　　　　　　　　ｖl　ｒ,=ーｧ '　　ヽ　　　　　ﾍ　!’、　ヽ　ヽヽ　ヽ;ヽ
　　　　　　　　　　　へ｀;;;¨　　　　ﾍ　　　　久ﾘﾟ　ヽ　＼＼　＼:　＼
　　　　　　　　　　　ｌ;;ﾍ ;;;..　　　　　ヽ　　／彳ﾘ　　;;;　　＼　　＼　.＼
　　　　　　　　　　　ヾ;;;ﾍ;;;　;.;.;.　　ｨ　 :ﾍィ´:::　ﾘｊ　　　;;　　∧ﾍ　＼　＼　＼
　　　　　　　　　　　　 }:;:}ﾊ＿　＿　_ .ィﾞ:::::::::　　ｿ　　　.;;;　 / /　＼、　へ
　　　　　　　　　　　　ｌ;;ｊ　:::::　:::　:::::　:::::　/　　ｊ’　　　;;;;./ /　ｒ-ｙ　ｭェ＝--」
　　　　　　　　　　　　//　　　　∧　　　　∧　　/　　　　;;//ノ＝/　　　　　　　ﾍ

高麗武臣政権末期の権臣（臣下の最高権力者）で、一番まともな方の人

元宗の父親太宗の代からの武官で、文官と協力して当時の武官最高位にいた崔ギを暗殺した

その後９年政権を持つが、徐々に反元政策へと舵を切ったため、対元服従政策を志向する元宗と文官によって排除された
208： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 01:31:18 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　　　ｨ´　入　:.ヽ::.、
　　　　　　　　　　／／／イﾊﾍ　ﾍ :.ﾍ
　　　　　　　　 /´/　/　/ﾞ//∧　ヽ　ヽヽ
　　　　　　　 ./　∥ ∥∥j∥l!∧ﾍ　ﾍ　::.ヽ
　　　　　　　 ///ィ/　ｲﾞ:j　!　l ﾘﾍ　ﾍﾞヽ　ﾍ::.
　　　　　　　 //　/　/ﾞ:::l　;l::ﾊ　ﾄヾ　ヾヾ　ﾍ
　　　　　　　ｨ///　/ｨ_　!ﾘ//::k lj _ ﾍﾍ　ヽ::.ﾍ
　　　　　　　l　j'l　jr'ﾞ:Qヾ　ﾉ=ヾ !r Q ァﾍﾍ　!
　　　　　　　!1 lj　lゝ==ｨ''jｿ’　ﾍﾍ==ｭﾊﾍ　lj }.
　　　　　　　11　j　l　ｲ! ﾘ::! 　 l:ﾘﾞ¨　ゝゝリ’
　　　　　　　'j　y　j　　 lｿﾞ:::!　　ヾ!　　ゝj/lｲ
　　　　　　　}　l;;　;l::　　!ｊヾ:j　　,lﾘ!　　　ﾄl　ﾘ’
　　　　　　　.}　l1　! 　 l1Lヾ=ｨｪ _ﾄ　　 /::l　l1
　　　　　　　 lj　1 ﾄ　　1'∠ー一 ' ﾄ　/::ｨ’　!
　　　　　　　ﾄ　ﾊ:ト　 ;j　ゝz=-' '' .ゝ:::::ｲ! 11
　　　　　　　 }　lj　l＼∥ヽ　:::　　／l ｨ:: lj　r:!
　　　　　　　ハl1l;;1　ﾄ、　　　　ｨ∧ﾉｿj∧!
　　　　　　　ｨｲl1ﾘﾘ}　∧::::｀￣　　;;　∥リ∧!
　　　　　　ﾉ∥lk∧j::　　ヽ::::　/　　 {/ﾄﾘ’∧_
　　　　　....:::-ﾋﾊ∧j:::　　　:;;:'　　　;　;　/ﾄヒ'}:::: :::...
二ゝ':::: :::: ::::ゝ^-ﾘlj、:::　　　:::'''::.. ﾞ　// 丿x’:::: :::: :::: ゞへ::..
:::: ::::k:::: :::: :::::ゞL ∧ヽ::　　 l::::/　　 //ﾊ’/:::: :::: :::: ::::' :::: :::: :::..=ヽ
:::: ::::ゝ:::: :::: ::::: ＼≒ヾ’::　　r　　　ｲ/ヽ/::::: :::: :::: ::::ｲ:::: :::: ::::/’:::: ー、

高麗史列伝では叛臣伝に列記されることの多い末期武臣政権の中ではちゃんと武臣伝に名前があるので

末期武臣政権の中では比較的まともな扱いで済んでいると言えなくもない

ちなみに、この後も金姓の武官が何人か出てくるが、この金俊とは違う一族なので注意
209： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 01:32:05 ID:WbZJHgcY0: 北条政村（１２０５～１２７３）……フリット・アスノ（第三期）/ガンダムＡＧＥ

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　　　　　　　　　　 r､　／　　　　ヽ,
　　　　　　　　 i　 Y　　　　　　　　jヽｲ
　　　　　　　　　　 i　　 ,ｲ!　　　　　 ,ｲ　 i
　　　　　　 i ヽ,　　 ,j｡ '"　j　ｰ─‐一'’ 　 ,'
　　　　　　 i　　ﾍ'"　　　.ｲ　　　　　　　　ﾘ
　　　r,　　 j　　ｿ　　 "　　　 ,.ｨ'´￣￣　ヽ､　　＿
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　　　 Ⅵﾊ　　 }　　　ﾍ　　　　j,.イ　　　　　ノ
　　　　}　ﾍ　　　､､　ヽ　　ソ　　　　　　　 `く
　　　　Ⅵ　　 ,＞''¨~￣ﾞﾞ''"~"~~~~´`'ゞ,　　　　`'ーｧ
　　　　 ∨,　 i'　　　　　　　　　　　　　ヽ,　　　　／
　　　　　∨　{　　,.ｨﾍ　',　　j'　 ,.ｨュ.,　　i　　　〉
　　　　 'r､i{　 ´¨ﾍﾍ.,_　､ _,.ィノ｀ｰ`　 ;}ｨ´｀!／　　　　　
　　　　　　iﾍﾊ　 ,.-‐≧〈 ! ヾy´ ＞ｬ,　　ﾘ仁iﾑ　　
　　　　　 j くﾍ　｀´￣ >｀!　 'ｰ´,　　　 ,ﾊヒ,ﾘム
　　　　,.イﾍ　iﾑ　　　　 i　　　　　　　ﾊi'ﾗﾘ　ｨ｀'ｰｬ､
　　　,ｨ　　 ∧i ',　　　　 ,　　 __　　　 ,ij{ｲ　j　　　　　ヽ,_
　　r’ ∨　　　i　',,.ィ~｀'ｰ｀'´'~ 　 ,＞ｧ' i ﾍ,'　　　　　　　　{
　ｲ　　 ∨　　/　',ﾍヘﾆ二二￣　ﾘノリ　>'　　　　　　　 .ｲ
∧ 　　 ∨　'ヘ　ヽ､｀'ー─一'"　／／　　　　　　　／ i
　　　　　 ∨　　 >､　ゞ‐＞ﾆ＜,.ィ／j　　　　　　 ,. ＜　 {
　　　　　　∨　　/ ~''ﾍ,　　　　　 /　）　　　 ,. ＜　　　 .{
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　　　　　　　 ∨　　　　∧　ﾞ^ｲ　　　i!,ｲ　　　　　　　 i

鎌倉幕府７代目執権にして政村流北条氏の始祖。３代目執権泰時の年の離れた弟にあたる

本編当時、官位も幕府屈指の高位で長老格と目されていた人物である

同時に文化人としても有名で、和歌が勅撰和歌集に記載されるほどであった
210： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 01:33:05 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　　 {　/　 ::{　 {　 {　{ /　／／　　　　-=ﾆ　　　　ﾉ　　　 }
　　　　　　　　　　　　　　 ∨　　 ::＼､､､ムイイ -‐　¨¨Z≦､　　ー==彡　　／}
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　　　　　　　　　　　　　　　　、　/　　　　　　　　　　　　＿　　　 ::ヽ　　ｰ=彡　 }
　　　　　　　　　　　　　　〈＼{　　　　　　　　　,ｨ=≠ ¨¨¨` 　　 ::」　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　∨ ヽ ≠＝=ミ　　 / 　r_巧≧　　　　＼ `ｰ===彡ヘ
　　　　　　　　　　　　　　　〉､ }　ィ_巧≧x}　 .:　　　　　　　　　　　 }　　　　　厂
　　　　　　　　　　　　　　　　＼ﾉ　　ノ / 　:　{　　　　　　　　　 /　/　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　〈　　　　 /　　: 　ヽ　　　　　　　　. :}　 }⌒ヽく
　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧　　　 {　,　 r ､　}::.　　　　　　. : :}　 }て　}　)、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧　　／` ーー＜:::: . 　　　. : : : }　 }　}' {　　〉
　　　　　　　　　　　　　　　 ∧　 ′ /　ｉ　i　　　｀ヽ:: .　　: : : }　 }_ノﾉ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ { { /从从从从 } } }::: }　　 : :/　八彡く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 } }　　　こ二二ヽ　　 /　　 :ノ　　ゝ〔
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾑ人＿__ ｨ　　｀ーーー､ xく　､　　／　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　イ　/ / / {i }　、ヽ＼＼ヽ　＼＼」　彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　r ＼ { /　{　{ ハ } 　}　 }i　 }　} 　／ Υ
　　　　　　　　　　　　　　　＿厂　　ヽ{ 　 } ｉ{′/　 / 　ﾘ　/　ﾘイ　　 }
　　　　　　　　　　　 r┘　　　　　　)人} 八　{　/ 　 /／. :´　　　 /＼
　　　　　　　　 -=ﾆ　{　　　　　　　　　　　　＼/　x≦- ､　　　　　/　 :/〉、
　　　　　 -=ﾆ　　　　　　{　　　　　　　　　　 }／　　　＼　　 .′ :// /`ー- ､
　　　´　　　　　　　ゝ、　　　　　　　　　 ∨ ,　=＝ミ＼　 {　 // ≧=ﾐ　　＼
／　　　　　　　　　　　（　　　　　　　　　　　　　 ∨　, ==ﾐ｀ヽ　{_:// / 　 -‐ヽ　　ﾆ=-
　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　{　{　r‐.､ }　}≧==={　/　f⌒})　　　　　　ﾆ=-

５代目執権時頼を評定衆として、６代目で甥の長時の急死のピンチヒッターとして７代目執権に就任し、幕府を運営

８代目執権時宗の知世前半を連署として輔弼するなど、鎌倉幕府中期の巨人と称していい大人物である

また、政村の娘の多くは北条家各流派に嫁いでおり、婚姻という点でも幕府に尽くした人物であるともいえる
211： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 02:07:37 ID:WbZJHgcY0: このような形で、ストーリー上もう出しても大丈夫なキャラクターからで不定期ならば可能です
生没年がネタバレになるキャラクターもいるのですぐにあれもこれもというのはちょっと厳しいので
212：名無しのやる夫だお：2014/03/23(日) 02:30:25 ID:kKu2oSoQ0: おおありがてぇ
わがまま言ってすいません、生没年とか無理のない範囲で出しても大丈夫なキャラからちょびっとずつ書いていっていただければありがたいです
213：名無しのやる夫だお：2014/03/23(日) 06:26:03 ID:5In//N2I0: え？　万極さんがまともな方なの……？
高麗王朝どんだけや
214： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 18:25:53 ID:WbZJHgcY0: 連絡遅れて申し訳ありません
時間的な余裕がありませんが、本日１９時より投下を開始します
215： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 18:59:59 ID:WbZJHgcY0: では開始します、少しの間おつきあいをば

　　　　　　　　　　 ┏──────┓　　,斗'¨¨¨¨¨¨¨¨¨｀ヽ､_
　　　　　　　　　　 │文永５年暮れ │r‐'”ヽf^Y⌒^^⌒ｰ^ｰ^Y､廴
　　　　　　　　　　 ┗──────┛'＼＼ {ト､丶　丶　丶丶　ﾞ込
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｲヽ､ヽ八Ⅷ､　＼＼　＼ヽ､ﾞY
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /-‐　　　､､州拆　Ⅶ､ヽ　ヽ､　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 } ／￣シ´　　　 Ⅵ＼＼Ⅶ､ﾄ､i､ｉﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 { ／ノ　　　　　　l|ｌﾊiﾄ､i､ヽi|i|ｉ|ｌ|ｌ|_}　　　　　　　　　　　　　　遷都は拒否だ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Ⅶ,ｲ　　　　　　　ﾘ|| ｌ|ヽﾄ､ｌ||ｌ|ｌ|ｌ|ﾉﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　fヽ{,,ｨ竺ミｰ-､__j ﾞﾘ､l|_l|斗l|刈ﾘr |　　　　　　　　　　　　　　当然ながら武官中心で行く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ ﾄヽf´￣￣￣ヽ___f´,ｨﾓﾁｱ　}}l) }(￣ー──‐- ､＿___
　　　　　　　　　　　　　　　　　八.ヾﾄ{　　　　　 }ﾆﾆ{ ゛｀ﾞﾞﾞ´　ﾉ |‐':: ＼ー──‐-ミ　＼＼__
　　　　　　　　　　　　　　　　,斗'”ヽ/ﾞヽ{ 乂＿＿_ノ￣i⌒ー─‐'┐}:i:i:　　＼ :i:i:i:　　 :iﾞー‐┴┘}⌒ｰ-､
　　　　　　　　　　　　　,斗'”(:::::)ノ/:i:i:i八　　､＿__ ‐､j_r‐' ___ノﾉ/l:i: :i　　　＼　:i:i:　　:i:i:　　:i:i }　:i:i:i　}
　　　　　　　 _,斗'” 　 .＞'” ./:i:i:i:/:i会｡　｀ｰ-ミー─彡'´　,ｲ :}､:i:　i.　　　∨　:i:　　:i:　　 :i:l　　:i:　j､
　　　　 r─＜￣　　＞'”:i:i:i:　/:i:i:i:/:i:i∧:::≧s｡　｀¨¨¨´　.,イ　. :.|::}:i:　 i:　　　∨i:.　　 :i:　　　|i:i:　　/i: ＼
　　　,イ⌒ヽ､＼＞'”i:i:　　:i:i: /:i:i:i:/　:/:::ﾄ､::::::::..｀ー─=≦　　. : :.} Ⅵi:　 i.　　　∨i:.　　　　　 |i:i:　 /ｉ:　　＼
　　 / :i:i:i:i:i:i:i:ﾞ寸’ 　 i:　　.:ｉ:ノ:i:i:i:i{　　{:::::{::Ⅵ:ﾞ": : : /Y⌒Y､. : : : :/　:Ⅵi.　 :i.　　 ∨i:.　丶　　:}i:i:ﾉ/i:.　　　　＼
.　 / :i:i:i:i:i:i:　　丶　　i:　／:i:i:i:　/　　|::: :ﾄ､}}:.0: :／〈::::::::〉＼:0/{　:. Ⅵi:. 　 :i:　　 ∨i:i:.　＼ﾉi:i:i/:i:.　　 __　　　＼
　/ :i:i:i:i:i:　　　　　ヽ　／:i:i:i:i:　 /:　　ﾊ::. {::::＼／:::::　〉::〈　 :: ﾞ´,ｲ　:::. Ⅵi:i.　　:i:i.　　＼:i:i:i:i:i.ヽj:/:i:　.:i:'´ ／
./.:i:i:i:i:i:　　　　　　　∨:i:i:i:i　　 /:i.　　j::}::.ム::::ヽ:　　ﾞrｲ(0)ﾄ､　 :/ j　 ::::: Ⅵi:i:i　　i:i:i:i.　　＼:i:i:i:i:}':i:i:i:i:i:iﾚ'”

金俊とその一族を粛清し、新たに高麗を掌握した林衍は金俊の政治路線を踏襲
216： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:00:34 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　　　　､＿刈从WWWW从从≦二ィ_,_
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　　　　　　　　　　　　　　／.::i｣　、　　　　　 j＼_　: .
　　　　　　　　　　 _ 　-‐ {::::::::{、　　、　　　　 / {ヽ::ヾヽ、
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./　　　　　　＼　　　　　 |::::::::|　　　　　 l　|　 |{　　　ｌ::.:.:::l　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　ヽ　　　 |::::::::|　　　　／,ア￣￣｀ヽ　l:.:::::::l　　　　　　　i　　　`､
　　　　　　　　　　＼　　 |::::::::|　　　／／　／＞≦二;;}:::::::l　　　　　　 |　　　　`､

元宗の求めた文官協調路線への転換はそのかけらも現れないうちに消滅した
217： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:01:13 ID:WbZJHgcY0: 　　　　 _ _
　　　　r､ヽヽ　,..
　　　 l.i^iヽヽ! ｌ
　　　　 `、ヽ　　 `!
　　　　 `、 `　　{
　　　　　　ヽ　　, ﾍヘ
　　　　　　　ヽ' ／　　＼
　　　　　　　く｡.　　　　＼　　　　　　　　　 ,.-､、ﾍ
　　　　　　　　＼ﾟ｡　　　＼　　　　　　　,.._彡ミ',ハ、
　　　　　　　　＼　　　　　`ゝ､._　　,イヽ (_ノ彡,　ヽ
　　　　　　　　　　　＼　　　　　　 __ヽ.l.　ヽi、 `i彡ﾉ// `;-
　　　　　　　　　　＿　ヽ-─　￣__,..-l、　　　　 L./// ,F`
　　　　　　　　ヽ´　　　　　_. -‐'ﾆィ○l　｀`　‐_,ーｲ//,ﾄ　　　ああ、金俊には遠慮というものがあったな
　　　　　　　　/ヽ`=i　,.-'´, - '´,. ﾍ. _,!‐.ニ∠._,.-｀　 !、
　　　　　　　 /　　／/_..i'　／'"l∠ _,.-─‐,.､｀_ヽ､　ヽ　　　あれは私にはないから安心したまえ
　　　　　　 /　　/‐-´-〈イ　....＿i'_ 　　 i' r（ヽ! l'´　 .i
　　　　　　 ,' 　 /　　　ｉ　ヽ　　　l、`ヽ-､/{ヽヽヽ!ミミ､`、
　　　　　　,' 　 i'　　　　　 i.　ヽ　　 l、　￣li. i ` 　 lﾄl　`ﾞヽ
　　　　 i　 /l　　　　　　ヽ,.-'′ 　 l、　 lヽ　　ﾉ ,!　　　`、
　　　　　 ,l. /.{　　　　　　　　　 _ 　 l、　 !　`l,.'- ´　　　　/
　　　　 ./l/　 ! ｌ　　　　　　 _.- '´　ヽ.　i、　l.＼--　　..._ ／
　　　　/ l　　l　 l　　　　　ヽ　,.- ´　　　i、 l　＼
　　　 ,'　l 　ｌ　 l.i　　　　　　´　　　　　　 i、l.　　＼
　　　,' 　l　 l.　 l. l、　　　　　　　 _. - ´　　i､l. 　　ヽ
　　 ,'　　l.　ヽ､_j　 l、　　__.. -　´　　 l 　　 l、　　　ヽ
　　i　　　l.　　 `、　`､ ´　　　　　　　　l.　　　 l、　　　／ヽ,
　　　`ヽ、l　　　`、　ヽ　　　　　　　　　l　　　　l、　ヽ. ／ヽ
　　　`　/　l　　　`、　ヽ　　　　　　 l　　　 l、　　　　　`

更に元宗との方針の食い違いが明らかになるや

首都防衛の任務に就く三別抄・六番戸房（私兵部隊）を招集
218： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:01:44 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　_　__ ＿　r-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {.ｒ､＼＼`㍉､｀＼i＼¨ミ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／Ⅵi＼＼＼　＼ .＼.Ⅵ `㍉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ彡iiⅥﾑヽ　ヽ　　＼ .＼}＼∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }彡ﾆﾊⅦiﾑ　＼　＼　.ヽ .∨ Ⅵ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {／,ｲ　`¨¨∧ .i　i　　　　　.∨i}i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Y// 　　　.∨| |　|　|i　i　}　l!Ⅵ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {i i,ｨzzzzミ､ .乂i}i 从乂八il　} i乂､　　何ということだろう！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{｀Y ,ｨ==r=ｧﾐ､___,Yrィ尨ラ.}i}从{i ﾉﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人 {（弋__`彡豸⌒}i}_`⌒".ﾉﾉ　}／}　　王は功臣である私を追い出そうとしている
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `Y`ｰ====彳i⌒` ‐==‐'.,ィ　 iﾉノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､＿,ィ　　. ,ｲ　 /ミ､　　　そんな間違いは正されるべきだ！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人　　`‐-=　zzz-≠彡′/{㍉ヽ＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　.＼　　`ｰ‐‐‐　　　　／ﾉiﾄ､i}　}i:i:　Yヽ､
　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_,.．-'／　　／i} ＞‐-　　--,.．イ.／ / ./ ./i:i:　 i　` ＼
　　　　　　　　　　　　／i}＿＿＿__／　　／.／}　　 /ゝﾍ　　 .／　./ ./　i{i:i:　　i}乂　　`ｰミ､____
　　　　　　　　　　　／乂⌒/　　i／　／.／i∨ j　/}´⌒i}　　　　 ./ ./　　ヽ＿__///i`㍉____　　　〉､
　　　　　　　　　　/　//　 / , -'" 　／.／　 i/__.／i迄亥ｲ＼　 .／ ./　　　　 i}/　i:i:／　　ヽ／⌒＼
　　　　　　　 /　//_,.．　　　　　／}　　 {ii:　i／⌒㍉}彡' Уi:i:i:/　　　　　　 i}i:i:i:i:/　　　／　　　　∧

王宮周辺に展開し、公然と元宗への圧力を強めていった

　　　　　　　　　　　　}ｉ|ハi从}ｉ｛{ｌ|W从川｛ {从i|{　 i　!　　　　　　｛_
　　　　　　　　　　　　V 　｝ハハ{V 　 Vハ{｛i｛ハ :{i｜! 　　　　{｛｀′
　　　　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　|Ｗ从小j！i !i|　 ,　､_≧ｧ
　　　　　　　　　　　ﾑ　　　　　　　　　　 |/}ｲ小j｝}_} ｝!}W釗　｢广
　　　　　　　　　　　｣__＼､　　　　_　　-‐　　　|/}/从从从ｉ｛ﾊ　｛
　　　　　　　　　　　{ f≧メ}､_,)≦二 __ 　　　　 |/ﾑi7'⌒Ｖ小!|W
　　　　　　　　　　　‘斥沙′｀} ]三三ミF￢＝＝≠f/　　　}仆{ハ!
　　　　　　　　　　　　｛　/　　‘弐三三ｦ　　　　　}小／　从｝Ⅵド
　　　　　　　　　　　　 ∨　　　　　｀￣´　　　　　 l/ﾉ__／/从Wバ
　　　　　　　　　　　　　}〉--､　　　　　　　　　　　　　　_ ｲ/}|V/　　　
　　　　　　:　　　／∠}厶_　　　　　　　/　　 /　　|ﾊ|｣｛i
　　　　　　　:　　／／　｝>r‐ ｀　　　　　　　 _／　　　　|从{了　　
　　　　　　 :. ／／　　 }i|ｌ}ﾄ､_　　　_　 -‐ 　　　　　／｛_
　　　　　　　　`ﾞ´ 　　　ﾞｰ≠≧=≠ 　　　　　　／　　　{ﾍ._
　　　　　　　　　　　　　　_／　　　　l　　　　　　／　　　 ,′ ＼_
　　　　　　　　　　　　　´ ハ　　　 |　　　　　／　　　　/　　　 }＼
　　　　　　　／　　｛　‘.　　　｣　　　　／　　　　　　/　　　　,′
.　　　　　　　　 / 　　　 !　 }i　／　　　　ハ　　　　　　, '　　　 /
　　　　　　　　/　　　　　 |／∧/　　　　　 {　ヽ. 　　／　　　　 /
　　　　　 /　　　　　 /　/　｛＼　　＿｣　　＼／　　　　 / /

一方の忠敬王元宗は文官との協調体制を作って林衍を牽制するが、度重なる粛清と内乱で

既に有力武官は数えるほどになっていた
219： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:02:20 ID:WbZJHgcY0: 　　　ヾ,::::ヽ」::::'::::: ::::: ::::: :::: ,::::: .::::: ::::: ::::: y==- '　　　ヽ.::::: ::::: ::::: ::::/
　 _,　　ヾ:::::ゞ::::: ::::: :::ｼ´ﾞ　　｀　　　　｀ゞ´　　　　　　　　;;ヾ::::: ::::: ::::ｨ
　　　ヽ.,卞:::::: ::::: :::::/;;;　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ;;; ヾ::::: :::::/　-ｭ
-==ｭ　ヾ:::::: ::::: ::::: ｨ.;;;　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ィy'ﾊ::::: ゞ´:::≠,
　　　≒::::: ::::: ::::: 卜、　　　　　　k、　　　　　ｨ;;　　ｨﾞ ´:::::ｿゞ::::: ::::: ／
　　　＿ゞ::::: ::::: ::::ﾄ、::::: :::ﾄ　、　　ヾﾍ　　　　∥. ／::::: :::ィﾞ　, ﾐ::::: ::::: へ
-ｭ'≦::::: ::::: ::::: ::::: ! :>ゞ::::: ::::: :ﾄへ、ヾ　　　1yｨ::::: ィー一ｨｱ　ゞ:::<ハ_ﾌ
　　　ﾌ/lkｭ,::::: :::::ﾊ　=fk=　=kｭ::::: :::::ヾj:}:　ヽj::::: ｨ fｔッjﾟィ/'　　rｊハ＜<
　　/::/_ｭ=j:::::くﾊ:::!　　ゞk=f!ッ:ﾟ' ィ’:::ﾊ　　　ゞ::::: -,,一　　　　 lﾊ=:::≧-
　ｨ::ｿー＝::::、:::ﾘ::j　　　　　　￣一ｼ::::ﾊ　　　::　　　　'　　　　　l::::ﾘ卜ﾊ,
≠/ﾞ　　ｨ::/ ﾌ::::x::ゞ:: 　　　　　　　　　 ::::j　　　::　　　　　　　　　:!:::::卜!ﾍ　　　あーあ
::ｿ　　//ﾂｨ::::ｲjX>ﾍ:::　　　　　　　　　 !:::l　　　、 :: 　　　　　　　j::ﾄﾘ=-├
ｨ　　/ｨ'/'/::::ﾄ-=':::::ﾊ:::　　　　　　　　 ::::ゝ　　 _ _!　　　　　　　 :!ﾄソﾍヾ'　　　林衍にいいようにされちまってやんの
!　　! ｼ ´ !:::ﾄヾ'::::<ハ:::　　　　　　　　ヾ:::ゝｨ::::::'　　　, 、　　　:j::::: ::::<ﾍ
、　ｌ 1　　ｌ1　ヾ/:::へヾ:::　　　　　 ,　＿　ゝ::::: ::'ー‐一ﾞ　ｊ　　　ｊ:::::く＞‐ゝ
;;;;;;;!ｌ:ｌ'　　1!　ｨ/’::':::'::ﾍ::::　　　　ゝ　　　　＿　＿ ,　　　　　　ｊ::::: ｋ''ﾍヽ
へ !ﾘl;;;;;'ﾄl:j-!ｿ//へ::::::ヽ:::　　　　　　　　ゞ'''':::::::'　　　　　　　ｨ;; ﾄ’トk/:::::
＼l::j'ヾヽ!ljvj>::< /∧::::! へ　　　　　　　　::::: ::::'　　　　　　 /　:::!卜::::: ::::
　　ljﾍ　ﾍx<<,l::j;;/'ﾍ/::::ゞ　　ヽ　　　　　　　　、　　　　.ｨﾟ　　:::!::::: rxｿ !
ﾍﾍl!;;;;;／/x!<<'j7;;;;ﾍヾﾍ　　::::: へ　　　　　　 j!　　　　ｨ:::　　 ::::j:::::vxy　'
ﾍ;;;;!j;;;;; ハl!∧!ソヘj::!ヾﾊ　　:::　　　;;::ゝ、＿:ﾉ::::k=ｨ;;;;　　　　j::: !::::: ｿ:::::「
≒ﾍj;;;;; ;;;lﾘｘ’ｿ;;;;へl:j:::::l:j　　　:::　　　　;;;;::::;;::{:::::!;;;:::;;'　　　　j　ゞ;;;;’;;;;; ;;;
;;;;;;kﾍ;;;;; ;;;xｿl!ｿ;;;;;へlj}}xjﾊ　　　:::::　　　　:::;;;::;ゞﾘ;;::;;　　　　 :::　　llk≦≠;;

その武官たちも地方へ左遷されていたり、金俊派であったなどの理由で首都に移動できる状態にはない
220： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:03:08 ID:WbZJHgcY0: 丶　　　 __Ⅶ　　　　　丶　　　　　　　／　　　　　　　　/ r'　　　 Ⅶ',　　　　　　　　　　＼
　＼__,斗 .Ⅶ:i:i:i:i:...　　　}＼　　　　　 /.:i:i:i:i:　　　　　　/ ,ｲ　丶　　 Ⅶ',　',　　　　　　　　　｀ヽ
　　　Ⅶ～~ﾞⅦ:i:i:i:i:i:i:.　八_ ＼　　 ,イ:i:i:i:i:i:.　　　／ f´⌒ヽ､ヽ＼Ⅶﾟ， ':,　　　　　　　　　　ﾞｰ
　　　　}　　 :乂:i:i:i:i:i:i:i>'　　　ヽﾞY／､ :i:i:i:i:i:.　　　／　.r'─‐- ミ､∧ ､:Ⅶﾑ　',　ヽ
:i:i:i:i:i:i:i.}:i　　　｀ﾞ""´　　 ,斗'”ｱ’　　ヽ:i:i:i:i:　　ノ　　 j￣二=ｧ'"⌒ﾞﾞﾞﾞ`Ⅶﾑ　i　　 l　ｌ ll　　ｌ
:i:i:i:i:i,イﾉ　　　　　　 ,斗'”　　 ,'.:i:i:　　　＼:　r'´　　　 }'´　,ｲ" 　　　　　 Ⅶi､　 l　ｌ ll　　ｌ l
=彡'　'　　　　　／/　　　　　{:i:i:i:i:.　　　 7　　　　 Ⅶ//　　　　　　　　　 |ｌ |l 　 l　ｌ ll　　ｌ l
　　　　　　 _,イ'’,ｨ'　　　　ヽ Ⅶ:i:i:i:　　　 /　　　　 _V/{　　　　　　　　 lﾊl l 　 |　ｌ ll　　ｌ l
　　　　,斗':i:斗'”,{:　　　　　丶Ⅷ:i:i:　　,イ=ﾐ　　　　　{ﾄ:Ⅵ,ｨ斗芸ミヽ､　　 } ｌ| |　 l　l_l,斗‐ｌｌｌｌ
　　　,ｲ:i:'"　　 /:{:.　　　　　　　ヾ､:i:i__,ｲ丿V廴__　　 { n}ﾄ､r'¨¨¨_二ﾆ｀寸)/__ｌ| ,ｌ|斗芸zzｌ||「|「|ﾄ/　　王は功臣を追い出そうとしている！
　　,:'　　　　 .:/:i:{:i　　　　　　　 ` ´ { }　 Ⅵ､__≧==Ⅵ{Ⅵ　 ,ｨ'弋uﾉミ､ﾞY⌒ﾞ7/¨¨　　　　｀寸/,ｲ
　.,:'　　 .:i:i:／:i:i:i:{:i..　　　　　　　　　　 i }＼ }i:i:.　(＿/∧:', { 　ﾞ≧━=彡' }____ji'　　　　　　　 Ⅶ:,
､/　　.:i_iノ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:..　.　　　　 .: 　 !∧　ﾟ，乂＿/:i:i:∧l 乂　　　　　　ノﾞｰ‐'{　　　　　　　 /} /
:i:　 .:i:i: .:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:. . . . .:i:i:　 /　∧　',:. Ⅵ/:i:i:i:i:i:{　{^ﾄ､ー─‐ '’　 ::!　｀ｰ=二_＿_.｡s':,'~
ﾉ:　　 ..:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:　/　　 l　 N ∨:i:i:i:i:i圦　`｀㍉､_　　 ‐-､:j_,斗: : : :.ｧｧﾌ: : :∧､_
　　...:i:i:i:i:i:＼:ヽ､:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:.　ノi:. . . . :l　 Ⅶ/:i:i:i:i:i　八　　　ﾞ寸ﾞｪｪｪｪｪｪｪｪｪｪｪイ": : : : /::. Ⅷ
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:,斗芸､込､:i:i:i:i:i:i:i__,斗'”' }:i:i:i:i:i:i:i:}:. i V:i:i:i:i:i:i: 　 |へ　　＼｀ｰ'ｰ'ｰ'´二二ノ: : : :,イ::::::: V
r…━='”ー…━…'¨¨¨¨¨　 //:i /:i:i:i:i:i:i:i:i}i: i. {:i:i:i:i:i:ｉ:　　|:::::≧｡.　｀¨¨´￣:::::::::::: : : :.／/}::::::::: {::
Ⅷ:i:i:i:i. ／l　　　　:i:i:i:i:i:i:i:i:／/:i /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}i:i:　}:i:i:i:i:i:i:　　}:::::::::::::≧s｡._＿＿＿__.｡s≦イ /:::::::::: N

そして、「粛清実行犯」である林衍は最初から遠慮というものを持ち合わせていなかった
221： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:03:42 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　)　　　　　　　　　　　　 ,ｲ彡'::::::::::::::::::|ﾊl､?　ヽ､　　　　　　　　　　　　 {
二ﾆ=彡ｲ　　　　　　　　　　　　　　 j彡',ｨ⌒ヽ､:::::::ﾉ斗､|ヽ　ヽ:i:ﾞY　　　　　　　　　　　/
, 　／　ヽ　　　　　　　　　　　 {_f´犲”￣¨Y___r‐l|‐ﾘ-l| l| i:i:i{　　　　　　　　 _＿f´
彡'　　　　ﾞY　　　　　　　　　　　 {ミ i{　　　　/ﾆﾐ{　　　　||ﾊ li:i:}　　　　　　　f´　　{
　　　　　　　}､　　　　　　　　 f^ﾄ/乂＿_ノ,'n n丶_＿_乂ﾉﾉi:i:}　　　　　　　{　　 l
　　　　　　　| ≧s｡､.　　　　　　 | ｉ{　r‐'　_＿＿＿___ﾞﾞﾞﾞﾞノ'ﾘf^Y　　　　　　,ｲ　　　 ',
　　　　　　　|　　 ?≧s｡　　　 l i:|　{｀Y´r───‐､｀Y)〉　 |):}　　　,イ⌒ /　　　　　　　/　　今の王には退位してもらうのが一番いい！
　　　　　　 l 　　 }}==ﾐ､ﾞｰｫ､　　乂|　　 l ':::::::::::::::::::::::`/　　　|'ﾉ__　 //　　 {　　　　　 ,'
　　　　　 l　　　 }　　　ﾞ // ＼　　{　　 {:n⌒ー‐'⌒n/　　　,'´ 　＼　　,'　?　　　　　 i　　　　そうは思わないかね！？文官の諸君！
　　　　　　 ,' 　　 j　　　 //　 ,ｲ¨¨圦　込ミﾆﾆﾆﾆ彡'　　　/.　　　　＼j　　＼　　　 .|
　　　　　　　　　 /　　　ノ/ .／　　　　ゝ　 '´¨¨¨¨¨¨｀　　ノ:} 　　　　ﾑ　　　ヽ､　　 |
　　　　　　 __ム＿／　／　　　 /　＞　_＿___　｡s≦　　{ヽ､　　　　ﾑ､　　　ﾞY 　 |
　　　　_,斗匕　　,斗'”￣　　　　　／　 .／⌒ー⌒＼　　　　 ?:ﾑ　　　　　ﾑ＼　＼廴　|
　　　 (　　　　,イ　　　　　　／/　／⌒Y:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i>､　　　 ?::ﾑ　　　　ﾑ. ＼　　ヽ
　　　　? 　 / 　　　　　.／:::/／::::::.　 }:i:i:i:i:i:i:i:／　::＼　０ }:::::::ﾑ　___　　ム　丶　　＼
.　　　　 ? /　　　_____　／/､:::”　＼::::　ﾉ:iroｫ:i:i(　　.:::/::｀￣´::::::/:ﾑ/?ミ､　　ﾑ　　＼　　 Y　/　,
＼　　　 ?　 ,イ”⌒Y} ﾉ /:::. ＼::.　｀ー{彡へ＼}＿ノ　..:::::::::::／:::::::}　　　＼､ﾞｰ' 　　＼　 i　　/
　ﾞ寸 _＿≧彡'　　　／　〈:::::::.　＼　／:i:i:i:i:i:i:i:〈　　　..:::::::::／::::::::,イ　　　＼　　　　　ヽ　　/
s≦￣ f´　　{　　　 f´:　　＼::::::. 　ﾞ/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ﾑ......:::::,斗’:::::,斗’/　　　　　　ﾉ　　　　　丶/
　　　　{　　 {　　　 {:::....　　　＼:::::. /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iﾑ,斗’:::::,斗’..::::/　　　　　　/　　　　　　　　 }

政権に着くや否や公然と王の追放を唱え始めたのだ

: : : : : : : :: :::: :: :: : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　. . : : : :: : : :: : ::: :: : :::: :: ::: ::: ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::またかよ……去年もあったぞこのやり取り……
　　　.　. .... ..: : :: :: ::: :::::: :::::::::::: : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :::::: :::::::::::: : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　 Λ＿Λ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: ::::::::::::::::::::: :: ::: :::::: :::::::::::: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　/:彡ミ゛ヽ;）ー､　. . .: : : :Λ＿Λ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: :::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　 / :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.:. ./彡ミ゛ヽ;）‐､. .: : : :::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　 / :::/;;: 　ヽ　ヽ ::ｌ　. 　./ :::/;;: ヽ　ヽ::i:. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
￣￣￣（_,ノ￣￣￣ヽ､_ノ￣ ..（_,ノ￣￣.ヽ_ノ￣

金俊の時は親族である金冲が反対し、計画がとん挫した
222： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:04:44 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　zZヽ　　　　　,　'´￣￣　　｀　､　　　　　　,ｨ
　　　　　　　　ヽ＼＼　　／　　　　　　　＼　　　／ {
　　　　　　　　　l　l＼`,ｲ　　　　　　　　　　　　　＼／　 ∧
　　　　　　　　　ゝヽ／　　　　／＼＼　＼　　　　　､　 /:,ﾐ
　　　　　　　　　　〉´　　ﾊ／｀　　 `　＼＿　　　　　ヽ/ /
　　　　　　　　／　　　ム{=ﾐ､　　　イ＼｀＼　　　 ∨
　　　　　　　／　　　〃γ⌒刈　　　ｘ＝ﾐ　＼　　 ',
　　　　 , イ＿. 　／　入しﾘ　　　〃γヽＹ　　　　i
　　　　　￣／　　 |　　　｀¨´ 　　 ,､　　､匕ﾘ　ﾐ从:＼ i|
　　　　　∠　 /／　l　　　　　　 У　　　　´　　| :∧　 i|
　　　　　　　／／　; 　　｀┬‐‐'´｀ヽ､___,　　　 ,ﾚ': :ﾍ　:|
　　　　　_／／＿　∧　　　　|　　　　　V　　　 . : : : : : ﾍ.:|
　　　　　￣⌒＞‐-: : ,　　　　　　　 / 　　/: : : : : : : :.ﾍ
　　　　　　　∠　 -‐ : :.＼　　 `ー─'　　 ...: : : :＼＼ヽ`
　　　　　　　　　　　　/／　 .,　　　　　　／ヾ|＼∧＼|
　　　　　　　　　 ′／⌒≧=　　=≦ 〉＼〈三三二ニﾆ､
　　　 ‐=ニ二二三三|　　　　｀rf千=lr ´　　|　ｘ────､ヽ
　 ≦´ー──‐‐''´＼ |　　　／〉////＼　　|　　　　　　　　＼}､
／　　　＼:＼　　　　 |　／　 |////　　＼ |　　　　　　　　　　＼
　　　　　　＼:＼　　　 |／　　　〉‐ﾍ'　　　　` 　　　　　　　　＼

だが、林衍の親族は実子の林惟茂と惟幹のみでしかもまだ若齢である

まず間違いなく、林衍の行動を掣肘できない

　　　　　　　　　　　　　ｨ´　入　:.ヽ::.、
　　　　　　　　　　／／／イﾊﾍ　ﾍ :.ﾍ
　　　　　　　　 /´/　/　/ﾞ//∧　ヽ　ヽヽ
　　　　　　　 ./　∥ ∥∥j∥l!∧ﾍ　ﾍ　::.ヽ
　　　　　　　 ///ィ/　ｲﾞ:j　!　l ﾘﾍ　ﾍﾞヽ　ﾍ::.
　　　　　　　 //　/　/ﾞ:::l　;l::ﾊ　ﾄヾ　ヾヾ　ﾍ
　　　　　　　ｨ///　/ｨ_　!ﾘ//::k lj _ ﾍﾍ　ヽ::.ﾍ
　　　　　　　l　j'l　jr'ﾞ:Qヾ　ﾉ=ヾ !r Q ァﾍﾍ　!
　　　　　　　!1 lj　lゝ==ｨ''jｿ’　ﾍﾍ==ｭﾊﾍ　lj }.
　　　　　　　11　j　l　ｲ! ﾘ::! 　 l:ﾘﾞ¨　ゝゝリ’
　　　　　　　'j　y　j　　 lｿﾞ:::!　　ヾ!　　ゝj/lｲ
　　　　　　　}　l;;　;l::　　!ｊヾ:j　　,lﾘ!　　　ﾄl　ﾘ’
　　　　　　　.}　l1　! 　 l1Lヾ=ｨｪ _ﾄ　　 /::l　l1
　　　　　　　 lj　1 ﾄ　　1'∠ー一 ' ﾄ　/::ｨ’　!
　　　　　　　ﾄ　ﾊ:ト　 ;j　ゝz=-' '' .ゝ:::::ｲ! 11
　　　　　　　 }　lj　l＼∥ヽ　:::　　／l ｨ:: lj　r:!
　　　　　　　ハl1l;;1　ﾄ、　　　　ｨ∧ﾉｿj∧!
　　　　　　　ｨｲl1ﾘﾘ}　∧::::｀￣　　;;　∥リ∧!
　　　　　　ﾉ∥lk∧j::　　ヽ::::　/　　 {/ﾄﾘ’∧_
　　　　　....:::-ﾋﾊ∧j:::　　　:;;:'　　　;　;　/ﾄヒ'}:::: :::...
二ゝ':::: :::: ::::ゝ^-ﾘlj、:::　　　:::'''::.. ﾞ　// 丿x’:::: :::: :::: ゞへ::..
:::: ::::k:::: :::: :::::ゞL ∧ヽ::　　 l::::/　　 //ﾊ’/:::: :::: :::: ::::' :::: :::: :::..=ヽ
:::: ::::ゝ:::: :::: ::::: ＼≒ヾ’::　　r　　　ｲ/ヽ/::::: :::: :::: ::::ｲ:::: :::: ::::/’:::: ー、

金俊が実権を握ってから林衍の粛清で命を落とすまでは約１０年

クーデターを計画するのはその末期の事である
223： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:05:23 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　_　　/＾￣￣¨¨¨ーrm,,
　　　　　　　　　　　i ^^´　＼　＼　　　＼￣＼
　　　　　　　　　　_人ヾ＼　　＼　＼　　　＼　｀i
　　　　　　　　　ﾍ　　　i ＼　　＼　｀i 　　　ヾ　　i
　　　　　　　　|三ミ　　 ||||＼　　　i　　|　　　 |　　 |
　　　　　　　レ　　ミ／:::::::::i　　　 |　｜ |　| 　| 　|
　　　　　　　〈　　　;^::::::::::::::::::||　| 　||　 ||｜|| | |　| |
　　　　　　　 .レ／i::::__ｘ≠x v |　レ＾,-三=テヽ//,/
　　　　　　　　l（＼ r´r´＿土ヾ示~^|≦ﾐゞ"　 || ノ
　　　　　　　　ヾヽ＼ｒﾍﾆゞﾟ"｀ }t‐ｰ´＼;;＿_／ |/
　　　　　　　　　＼::|::＼_:::::::_,／^|::: :::::::::　_ﾍ　.| ＼,,,...,,
　　　　　　　　　　ゝ.|:::::::::二:::::::;;;;;___;/_,,,ェｦ　.|＼＼:::::
　　　　　　　　　　/.∧:::::｀ヾ-=;;;ー二二ノ´　/||＼＼＼
　　　　　_┌ー¨¨/　;;｀＼;;::::::::-￣:::::"　　／´;;;;;;| .;i:::::::::
ーー¨¨¨/;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;|;;;;;||||｀"ー;;;;;;;_;;;;;;-"´:::　　　||　　＼
＿＿,,,../;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:::|:::::::::ﾍ||||::::::::::::::,ﾍ＼:::::: 　　:|;;;;;;::::::

林衍はわずか数か月でその段階まで突き進んだことになる

丶　　　 __?　　　　　丶　　　　　　　／　　　　　　　　/ r'　　　 ?',　　　　　　　　　　＼
　＼__,斗 .?:i:i:i:i:...　　　}＼　　　　　 /.:i:i:i:i:　　　　　　/ ,ｲ　丶　　 ?',　',　　　　　　　　　｀ヽ
　　　?～~ﾞ?:i:i:i:i:i:i:.　八_ ＼　　 ,イ:i:i:i:i:i:.　　　／ f´⌒ヽ､ヽ＼?ﾟ， ':,　　　　　　　　　　ﾞｰ
　　　　}　　 :乂:i:i:i:i:i:i:i>'　　　ヽﾞY／､ :i:i:i:i:i:.　　　／　.r'─‐- ミ､∧ ､:?ﾑ　',　ヽ
:i:i:i:i:i:i:i.}:i　　　｀ﾞ""´　　 ,斗'”ｱ’　　ヽ:i:i:i:i:　　ノ　　 j￣二=ｧ'"⌒ﾞﾞﾞﾞ`?ﾑ　i　　 l　ｌ ll　　ｌ
:i:i:i:i:i,イﾉ　　　　　　 ,斗'”　　 ,'.:i:i:　　　＼:　r'´　　　 }'´　,ｲ" 　　　　　 ?i､　 l　ｌ ll　　ｌ l
=彡'　'　　　　　／/　　　　　{:i:i:i:i:.　　　 7　　　　 ?//　　　　　　　　　 |ｌ |l 　 l　ｌ ll　　ｌ l
　　　　　　 _,イ'’,ｨ'　　　　ヽ ?:i:i:i:　　　 /　　　　 _V/{　　　　　　　　 lﾊl l 　 |　ｌ ll　　ｌ l
　　　　,斗':i:斗'”,{:　　　　　丶?:i:i:　　,イ=ﾐ　　　　　{ﾄ:?,ｨ斗芸ミヽ､　　 } ｌ| |　 l　l_l,斗‐ｌｌｌｌ
　　　,ｲ:i:'"　　 /:{:.　　　　　　　ヾ､:i:i__,ｲ丿V廴__　　 { n}ﾄ､r'¨¨¨_二ﾆ｀寸)/__ｌ| ,ｌ|斗芸zzｌ||「|「|ﾄ/
　　,:'　　　　 .:/:i:{:i　　　　　　　 ` ´ { }　 ?､__≧==?{?　 ,ｨ'弋uﾉミ､ﾞY⌒ﾞ7/¨¨　　　　｀寸/,ｲ
　.,:'　　 .:i:i:／:i:i:i:{:i..　　　　　　　　　　 i }＼ }i:i:.　(＿/∧:', { 　ﾞ≧━=彡' }____ji'　　　　　　　 ?:,
､/　　.:i_iノ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:..　.　　　　 .: 　 !∧　ﾟ，乂＿/:i:i:∧l 乂　　　　　　ノﾞｰ‐'{　　　　　　　 /} /
:i:　 .:i:i: .:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:. . . . .:i:i:　 /　∧　',:. ?/:i:i:i:i:i:{　{^ﾄ､ー─‐ '’　 ::!　｀ｰ=二_＿_.｡s':,'~
ﾉ:　　 ..:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:　/　　 l　 N ∨:i:i:i:i:i圦　`｀?､_　　 ‐-､:j_,斗: : : :.ｧｧﾌ: : :∧､_
　　...:i:i:i:i:i:＼:ヽ､:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:.　ノi:. . . . :l　 ?/:i:i:i:i:i　八　　　ﾞ寸ﾞｪｪｪｪｪｪｪｪｪｪｪイ": : : : /::. ?
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:,斗芸､込､:i:i:i:i:i:i:i__,斗'”' }:i:i:i:i:i:i:i:}:. i V:i:i:i:i:i:i: 　 |へ　　＼｀ｰ'ｰ'ｰ'´二二ノ: : : :,イ::::::: V
r…━='”ー…━…'¨¨¨¨¨　 //:i /:i:i:i:i:i:i:i:i}i: i. {:i:i:i:i:i:ｉ:　　|:::::≧｡.　｀¨¨´￣:::::::::::: : : :.／/}::::::::: {::
?:i:i:i:i. ／l　　　　:i:i:i:i:i:i:i:i:／/:i /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}i:i:　}:i:i:i:i:i:i:　　}:::::::::::::≧s｡._＿＿＿__.｡s≦イ /:::::::::: N

そして、粛清を複数回経験している林衍にとって、金俊やその周辺がためらった

「最後の一線」は最後の一線では無くなっていたのである
224： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:05:57 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＿____＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　／＼____＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼____＼／____／
　　　　　　　　　　　　　　／.＼　＼＿____／　／＼
　　　　　　　　　　　　　／＿____＼　　＼／／＿___ ＼
　　　　　　　　　　　／____／＼____＼　　／____／＼___＼
　　　　　　　　　　　＼____＼／____／　　＼____＼／___／
　　　　　　　　　　.　　＼＿____／　／.＼　＼＿___／
　　　　　　　　　　　　　　　＼／　／＿____＼　＼／
　　　　　　　　　　　　　　　　　／____／＼___＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼____＼／___／
　　　　　　　　　　　　　　　　.　　＼＿___／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼／

　　　　　　　　　　　【やる夫は元寇を戦い抜くようです】
　　　　　　　　　　　　第３話　戦乱の兆し/高麗内乱
225： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:06:34 ID:WbZJHgcY0: 　　　　、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　、
　　　　,' 　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',
　　　 ,' 　　　 l　　 l　 l　　｜　.l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!、
　　　,' 　　 |　 !　　　l､｜　　!　｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!
　　 ,l　　　|　,|l,　　 .| ',　l　　|'l　 λ　　　　　　 ',　　　　　　　　 |
　　 |　 ,|.l　|　| ,|　　 |　ヽ l┐ ! !、 l,ヽ .､　　　　　!　　　　　　　　 l
　　 !　 ! l　l　|　', 　 |　　_l,l,ﾊ l―!、!、ヽ`i、　　　｜　　　　　　　　　 ,l
　　 ! .卜 ! |凵　 ', 　l ／　,-_l|l- ､,_ヽ!、 Ц!、　　 .|　　　　　　　　　 |
　　〈.l.l　| !l ll匸' ヽ .|　 / /｜　l ヽ.ヽ＼　 l　`i,、 .,!　 __　　　　　　 l
　　　　l｜У,~|~'r ヽL_|　　!、 ,'　／|‐-――＜= lﾚ'.,- ヽ　　　　 ,'
　　　　 .｀l´　､｜_l｀　　 !、　`ー ' 　／　　　　　｜ ,l .lL ヽ !　　　 ,'　　王、林衍に「遠慮」や「躊躇」はありません
　　　　　 !、　`ｰЛ　　　｀ 'ｰ―' '´　　　　　　　! ,!.,iヽ｀,r'｜　　 ,'
　　　　　　｀`厂　/ 　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ'　! " 　/　､　/　　　やると言ったら本当にやりかねません
　　　　　　　｜　ヽ、､　　　　　　　　　　　　　　 '´　／　 ,' ,/
　　　　　　　　 !　　　　　　　　　　　　　　　 /―厂　　 ll,i′
　　　　　　　　＼　 ⊂ニ=　　　　　　　　　　,/ 　　|,il, .　| `
　　　　　　　＼　‐--'　　　　　　　　　,r　　　　 '´ !,!.┘
　　　　　　　　　　　＼　　　　　　_, -'"　　　　　＿, イ―┐
　　　　　　　　　　　　ヽ　　 __, -' "　　　　 ,-‐''"'　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　｀ ´ヽ　　　　　_／"　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　/､　　 , -'　　　　　　 __, -‐''"￣ヽ
　　　　　　　　　　　　 _/　 l ／　　　　　　　_, -''"　　　　　　　＼_
　　　　　　　　 __, ‐''´,'　 .／　　　　　　_, -''　　　　　　　　　　　 `‐!、
高麗文官筆頭　　李蔵用　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼

　ノ＿,､＿ノﾉ,,孑 / ノ
彡从毛乂乍ﾘｿミヾ壬ミ
从彳川少匕从彳ﾐ川少＜
毛仆卅从ﾐ从毛仆卅从彡
Ｗ从匕ﾐ弋幵Ｗ从匕弋乂
从乂lヽlﾐ＼卅从乂lヽl＼Wﾐ
从W毛彡厂''V'＼ '　　 .∨
Ｗ从匕乂　　　　　　　　　',
从卞弋V'　　　　 ',　　 , -',　　蔵用、戸房も動かないのか？
災什人.　　　　　 ', ii／少ﾐ}
升入　　　｀ﾞｰ-=_ノ_,t壬昨ﾉ　　林衍の奴に取って代われて気に入らないのだっているはずだ
ミﾐ______　_, -壬少ﾉ rxﾞ".rxl
W　　 .｀弋匕ﾐ少'　{　.', { .∨
/'　　　　　｀￣´　　_.',　.',.',　',
∧　　　　　 rｘ　　.｀',　.',.',　',
. ∧.　　　　 rﾞx X--‐'',　.',l　 ',
　　｀ｰ- ,_. 　＼＼＼/',　.',　 lヽ
　　　　　｀ｰ- .._ヽヽ｀ｰ'　　　l ﾊ
　　　　　　 Y´ ヽ　ヽ　　　　 l　＼
226： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:07:32 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　 ,,／＾　　　　　　　　　　　　　　｀ﾞ'-､、
　　　　　　 ,／｀　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞヽ、
　　　　　 ,／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀'i､
　　　　　　.,/｀　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　 ,i´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　,i´　　　　　　　　　　　　　　　 !　　　　　　　　　　 │
　　　　 /　　　　　　．　　　、　　　　　　　 │　　　　　　　　　　ﾞl
　　　　.lﾞ　　　、　 .,i´ 、　 ,ﾘ　、　　　、　　|　　　　　　　　　　　 |
　　　　| 、　　|　 │　,lﾞ　│|　,!|　　　.|)、　 l,　,ﾋ　　l、　 .lﾞ　　　 .|
　　　　lﾞ lﾞ　　|　 ,ﾋ　,lト　lﾞ　| .lﾞ.|　　　| ﾞl　 .|ﾞl /.ﾞl　 |ﾞl、　,!　　　 .|
　　　　ﾞl .|　　|　.lﾞ］ ,lﾞ┤ﾒ―| |,,,ﾞl、　 |　ﾞl　,{ |,ト┤.,ヽ｣　│　， .lﾞ
　　　　 |. ﾞl　 .| .|＾ﾞl/,,,,ﾞl,{,,,,,,,ﾞl|　ヽ　.|　 .|.,lﾞ,,|lヽ,,|,i＿ | ./|　　|　/
　　　　 .ﾞl,,ﾋ　.| | .,,广　　　　｀ﾞ'i､ .ヽ|　.,/″　　　　 `'V゜_|　ﾒ/′　　　……我々は武官とその兵に恨まれすぎています
　　　　　 | ﾞl　lデ|　　　　　　　　ﾞl,,,,,,ﾆ丿　　　　　 T＾.| 丿 |
　　　　　ﾞl .ﾞl ﾞl　＼、　　　　　,,/｀　　 .ヽ、　　　　　 ,,/　.|丿　|　　　　　誰も、兵を挙げようとはしないでしょう
　　　　　 .ﾞl、ﾞ'↓　｀''''―ｰ''''"｀　　　　　｀ﾞﾞﾞ'''''―ｰ'"｀　 ,ﾚ゜ ,/′
　　　　　　ﾞ'i､ .ﾞl　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,「 ,/｀
　　　　　　　ﾞ'-,ﾞl、　　　　　　 ,、.,、　　　　　　 ,l／
　　　　　　　　　|.ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,/.lﾞ
　　　　　　　 | ｀ヽ　　　　　　,,-----、　　　　　 .,/｀,lﾞ
　　　　　　　　　 |　, ＼　　　　　　--- 　　　　 ,／ｫ lﾞ
　　　　　　　 |.八　|''-,、　　　　　　　 _,／｀|丿|lﾞ
　　　　　　　 '″ﾞl .|　 ‘'-,,、　　　　 _,-‐"　　 |/　｀
　　　　　　　　　　　　ﾞl|　　　　｀''―-‐''"　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　ﾞ′　　　　　　　　　　　　　 `

林衍が政権を握って半年、林衍を中心とした武官による王退位運動は激しさを増していた

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼ | l　i 川　| l　i川　| l　i 川 |　| l　i川| l　i 川／／
: : : : : : : :: :::: :: :: : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　三　　　　同意できねぇ……　　　　　　　　　　三
　　　　. . : : : :: : : :: : ::: :: : :::: :: ::: ::: ::::::::::::::::::::::::::::三　　　　　　　　つーかしたくねぇ……　　　　三
　　　.　. .... ..: : :: :: ::: :::::: :::::::::::: : ::::::::::::::::::::::::::::::::／／ | l　i 川　| l　i川　| l　i 川 l　i川　| l　i 川 |＼＼
　　　　　　　 Λ＿Λ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: ::::::::::::::::::::: :: ::: :::::: :::::::::::: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　/:彡ミ゛ヽ;）ー､　. . .: : : :Λ＿Λ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: :::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　 / :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.:. ./彡ミ゛ヽ;）‐､. .: : : :::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　 / :::/;;: 　ヽ　ヽ ::ｌ　. 　./ :::/;;: ヽ　ヽ::i:. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
￣￣￣（_,ノ￣￣￣ヽ､_ノ￣ ..（_,ノ￣￣.ヽ_ノ￣

文官も賛成意見は出さずに会議では沈黙を守るという方法で消極的には抵抗を続けている
227： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:08:38 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　)　　　　　　　　　　　　 ,ｲ彡'::::::::::::::::::|ﾊl､Ⅵ　ヽ､　　　　　　　　　　　　 {
二ﾆ=彡ｲ　　　　　　　　　　　　　　 j彡',ｨ⌒ヽ､:::::::ﾉ斗､|ヽ　ヽ:i:ﾞY　　　　　　　　　　　/
, 　／　ヽ　　　　　　　　　　　 {_f´犲”￣¨Y___r‐l|‐ﾘ-l| l| i:i:i{　　　　　　　　 _＿f´
彡'　　　　ﾞY　　　　　　　　　　　 {ミ i{　　　　/ﾆﾐ{　　　　||ﾊ li:i:}　　　　　　　f´　　{
　　　　　　　}､　　　　　　　　 f^ﾄ/乂＿_ノ,'n n丶_＿_乂ﾉﾉi:i:}　　　　　　　{　　 l
　　　　　　　| ≧s｡､.　　　　　　 | ｉ{　r‐'　_＿＿＿___ﾞﾞﾞﾞﾞノ'ﾘf^Y　　　　　　,ｲ　　　 ',
　　　　　　　|　　 Ⅵ≧s｡　　　 l i:|　{｀Y´r───‐､｀Y)〉　 |):}　　　,イ⌒ /　　　　　　　/
　　　　　　 l 　　 }}==ﾐ､ﾞｰｫ､　　乂|　　 l ':::::::::::::::::::::::`/　　　|'ﾉ__　 //　　 {　　　　　 ,'
　　　　　 l　　　 }　　　ﾞ // ＼　　{　　 {:n⌒ー‐'⌒n/　　　,'´ 　＼　　,'　Ⅵ　　　　　 i　　素晴らしい！
　　　　　　 ,' 　　 j　　　 //　 ,ｲ¨¨圦　込ミﾆﾆﾆﾆ彡'　　　/.　　　　＼j　　＼　　　 .|
　　　　　　　　　 /　　　ノ/ .／　　　　ゝ　 '´¨¨¨¨¨¨｀　　ノ:} 　　　　ﾑ　　　ヽ､　　 |　　反対しないという事は賛成なのだね！
　　　　　　 __ム＿／　／　　　 /　＞　_＿___　｡s≦　　{ヽ､　　　　ﾑ､　　　ﾞY 　 |
　　　　_,斗匕　　,斗'”￣　　　　　／　 .／⌒ー⌒＼　　　　 Ⅵ:ﾑ　　　　　ﾑ＼　＼廴　|
　　　 (　　　　,イ　　　　　　／/　／⌒Y:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i>､　　　 Ⅵ::ﾑ　　　　ﾑ. ＼　　ヽ
　　　　Ⅵ 　 / 　　　　　.／:::/／::::::.　 }:i:i:i:i:i:i:i:／　::＼　０ }:::::::ﾑ　___　　ム　丶　　＼
.　　　　 Ⅵ /　　　_____　／/､:::”　＼::::　ﾉ:iroｫ:i:i(　　.:::/::｀￣´::::::/:ﾑ/㍉ミ､　　ﾑ　　＼　　 Y　/　,
＼　　　 Ⅵ　 ,イ”⌒Y} ﾉ /:::. ＼::.　｀ー{彡へ＼}＿ノ　..:::::::::::／:::::::}　　　＼､ﾞｰ' 　　＼　 i　　/
　ﾞ寸 _＿≧彡'　　　／　〈:::::::.　＼　／:i:i:i:i:i:i:i:〈　　　..:::::::::／::::::::,イ　　　＼　　　　　ヽ　　/
s≦￣ f´　　{　　　 f´:　　＼::::::. 　ﾞ/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ﾑ......:::::,斗’:::::,斗’/　　　　　　ﾉ　　　　　丶/
　　　　{　　 {　　　 {:::....　　　＼:::::. /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iﾑ,斗’:::::,斗’..::::/　　　　　　/　　　　　　　　 }

だが、林衍は積極的に賛成されないからといって行動にストップをかけるような男ではない
228： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:09:34 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　 }: 　}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､ ____,,.. ． ___ｘ≦X弋¨”ミ*､＿＿
　　　　／^v: /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Ⅵヽ　　　＼　　`Ⅶ ヽ㍉　　ｖ　　ヽ
　　　〃　 ./ ｲ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }Ii.v.ヽ　　 .＼　.}i､＼　ヽ　..∨　　　v
　　　⌒i .ｲ　:}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .人　Ⅵ.､　　　醃}∨ ＼.　 vi:i}＼　　.V
　　　／　:i :.ｲ　　　　　 __　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{＼ > Ⅵ ＼　　　.ⅥiⅣ　 Ⅵ. Ⅵｖヽ　　.∨
　　 {　:::/:::::{　　　／　　} 　 .　　　　　　　　　　　　　 {ト､′ .Ⅵ　＼　　.ⅥiⅣ　.}v.VⅦⅥ ＼i .}i
　　 ⌒> }:::/ヽ　　 }:ヽ　/　　　　　　　　　　　　　　　 .V′ 　 .Ⅵﾄ､　iヽ　}Nｉ:iﾄ､ }i} }} }ｉⅣｖ､乂 }I}
　　　ｲ　／　人　 ./　　,′　　　　　　　　　　　　　　　　　　 } __　｀　iⅥ .＼从ｉ}i }ｉｉ}　Ⅵ i} }{⌒ヽ}i: } }}}
　　 :::i:/ 　 /: : .`彳　　{　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_〕zz㍉i .〈____..イヽ Ⅵ}八iｉ }i} i} }i㍉ _i}i: } }}}
　　　/　　/i:}: : ／　　./　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{I{´{”ｒV笊I{Iｒ*乏ラ”醞刈i }i}Ni从^} ｉI}i: } }}}　　　そうと決まれば退位の日程を決めよう！
　　　.／./.: : 　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　乂{戈”ｉ}⌒Vi､“⌒″ﾉｲ　 i}ｉ　} .／丿i:i:Ⅶ′
　　　.ｲ.／　　　　　ノx　　　　　　　　　　　　　　　　　斗{”“¨I} 　ｒ､`ｰ=*ﾞ　___　　　　} ／}ｉ:八i}I}　　　そうだ、流刑地はどこにしようか！
　　　　　　／≠“”{　i}　　　　　　　　　　　　　　／　 .{　　.{　　___ｱ　　 ”㍉i　　　 }I{ ｉ八ｉ:ｉ:i从､
　　　　 .ｲi〃i:i:i:i:i:}　　　　　　　　　　　　　　　 , 　　　 .　 {ﾄ`z_^＿__........zz.ｲｉ} 　　 }I{/　 }i:/　　}
　　 ==彡′i:i:i:i:ｉ:i/　 }　　　　　　　　　　　　　　 /I{　　　　　　.Vr気i:i:i:i:i:i:i:i:iノ.′　　.ハi:i:i:ｉ:/ 　 ./
　　　　/i:i:／i:i:ｉ:ｉ:/ 　 .}　　　　　　　　　　　　　 .ｲｉ:I{　　　　＼ .釻ﾆ==-‐*'”　　　／i:i/:i:i:ｉ/ 　 ./i:
　　　.ｲi:i:i:i:i:i:i:i／　　 }　　　　　　　　　　　　　　 {i:ｉ{i:i:i} }　　　　／i:､　“¨¨¨ 　　 .,，..:ｉ:i:ｉ／i:ｉ:ｉ:/　　 .i:i:i:
　　 {i:i:i:i:i:i:i:／／i:i: 　 }　　　　　　　　　　　　斗*ｉｉiⅥｉ:ｉ:} }　　／　　i:ゝ，＿__...ｘ≦i:i:ｉ__／　/i:ｉ/　　 ,i:i:i:i:
　　 }iト==彡i:i:i:i:i:i,′､.ト､　　　　　　　　.,，*{ｉ:ｉ{xくi{ Ⅶi:ｉ:ｉ}__／　　　　　八__≧x≪“釤　　ゝi,′　 /i:i:i:i:
　　 }i: 　 I}i:i:i:i:i:i:/　　ii}i:i:}rv 　　　／　　 V{　 i{　}＞ '"　　　　　./i:} ”7”⌒V　　　　　./　　　{i:i:i:i:i:i:
　　 }i:◯ I}>i:i:i:i/　　　Ⅳ′i＼____／_____　　 Vｒ＜”　　　　　　　　　./i:ｉﾉ .ｲ　　〃ｖ: ｏ: : : /　 ,ｲ　 Vi:i:i:i:i
　　 }i: ヽ　醃ｉ:,′　　/i:ｉV /　 }戈““㍉　　　／i:Vv ◎　　　　　..ｲｉ:ｲイ .{r气_／.Vi:i:ｉ:ｉ:/　 /i:}　　 Vi:i:i:i
　　 }i.◯ ） .V′　／i:i:i:i:{ {　　}ゝ､＼ .i} r＜i:i:i:i:i:iVv　　　　　.／i/i:i:　.／　 /′ ｉ:ｉV.._/　 /ｉ:ｉ:}　　 .Vi:i:i
229： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:10:07 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....-‐…‐-...._
　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.::'.:::::::::::::::::::::::::::::::`::.、
　　　　　　　　　　　　　　　 ,.:'.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　 ;:::::::::::|::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　 |:|::::/::ﾄ､::|:::|:l:::::l::::::|:::ﾄ:::::::::::::::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　 |:|:::什|≧ﾄ､|从:戈戎刈:|::::::::::l::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　|ﾊ::{i' 込刈￣ﾊ弋㌃ﾉ.八:::::::/ﾊ:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　 И| ー '/　　｀ｰ‐ ´　И/　ﾘ　　ま、待て林衍！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | 　　`. '　　　　ι　　,'. イ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　、　{￣ ¨ヽ　　　 /|::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　ｰ― ' 　　／ И＿ __
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼￣　 .　 '´　　　ﾚ'´ 　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 '　¨¨ハ￣　　　　／.::.::.::.::.:／￣　¨¨　　、
　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　/::.:ﾊ　　　　／.::.::.::.::.:;. ′　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　 , '　　　　　/.::.::И　　　.:′.::.::.::.::; ′　　　　　　　　　∧
　　　　　　　　　　　　/　　　　　,′::.::.:ﾊ　, ′.::.::.::.::.:/　　　　　　　　　　　　∧
　　　　　　　　　 /　　　　　′::.::.::|　 /:.::.::.::.::, へ.　　　　 ,′ 　　　　　　∧
　　　　　　　　/￣二ヽ.　　　　 |:.::.::.::.:| ./.::.::.::.ｒ┴―ｰ｀ヽ.　,′　　　　　　　　　∧
　　　　　　 ,′__＿　ﾑ　　　　|:.::.::.::.:ﾚ:.::.::.::.:ﾉ } ―‐-　　Ｖ　′　　　　　　′ 　∧
　　　　　　＿/　　＿_ Y /　　.′　l::.::.::.:/.::.::.::.::.:｀´ゝ―‐　　　Ｖ　　　　　　　 ,′　　 .∧
　　　　　/　ｲ　　＿　〉´　　　l　　釗::.::/.::.::.::.::.::.::.::.{ _ー　　　　　ヽ、__　　　　,′　　　∧
.　　　　/　И　　不ソ　　　 |　　 |::.:/:.::.::.::.::.::.::.::./　｀ヽ、　　　＼＼｀ヽ,′　　　　.∧
　　　, ' 　 l　、　丿И 　　　 |　　 |:/::.::.::.::.::.::.::.::/　　　　｀ー、　　　＼}　　＼　　　＿ _∧｀ヽ
　／　　　| 　／|　釗　　　　 |　　 |::.::.::.::.::.::.::.::./　　　　　　　|＼　　　}　　　ヽ、　　　　　　〉
230： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:10:50 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }i!,｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,rzｧﾊi!, 　｀T7z､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,rﾍ彡仆i]{i!; 　　i|　　〕ix
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r冬´少'^¨`^！　 i;i{i　　　 ;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }ﾐ7r'"　　　鄯;　{ｉ |i;　i　鄯
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　灯j〕竓=z_　　}i !}!i| |ｉ{! |!! i{{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　炒竝些≧㍉ j{ﾉﾘ{l_jｿ!j}||ｉﾘi{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 f¨i{! 　　｀Y〕jY圻こ〉刈ｉ|ｿﾘ　　おや？いかがしたのかな蔵用殿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |i|i}!、　　以〔｀¨¨¨＾~＾ﾚ'}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂}､,ﾞ'ー= __j{__ ｀　-==イｿ/　　　朝議ももう佳境という所での発言だ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〕~`ｰ=＝≠=　..,_,rｧ' ﾘノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __jY´∧　　､｀¨ここ¨´　　∧､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r=‐ 、
　　　　　 , ⌒ヽ　　　　　　　　　　　 _,.　-=≦/乂/|　＼　　　　　　ｲ}i∧＼..,_　　　　　　　　　　　　　　 }
　　　　　i{　　　　　　　　　　 .　-=≦㌻^≧㌻// /　|　＼＞　__　＜乂{　∧　Y㌻≧=-　.,__　　　　　　　　　　.′　　;
　　　　　，　　 .　　　　　／¨¨´　　　　　ノ´/　ｉ} 　|　　Ⅵ r‐ﾍ　／　/ /i}! ヽ‘, 　　　｀¨^㌻ﾐ､　　　　　 .′ 　 _j}
　　　　 Ⅵ}　　 ,　　　 /　/　　　　　　　　/ 　 ij! 　|　　　Ⅶi|!j|iⅥ 　 .′　ij!　　 ;　　　　　　　｀! ’ 　　　 .′　ｧ〔ｿ{
　　　　　　 Ⅵ{i_　 ‘，　 .′ ,　　　　　　　 /　　 i{!　 i}　　　ﾘⅥil|!八　鄯/　 i{!　　 }!　　　　　　　　|　‘,　　　　　　ぐj|Ⅳ
＼　　　　　<㌻j> 　､　 ,　　ｉ!　　　　　　　/　　 ij! 　 i}-=イ　 Ⅶ/　∧_{　　 jｉ}! 　八　　　　　　 .::|　 ‘,　　 / 　　｀Y 　　　／
:.　＼　　　　 }　　　　{　.　.:　|! 　　　　 / 　　 i{! 　 ‘, 　レ=介=v′　　　/ i{! 　　＼　　　　 :::|　　‘， /　　　　　j　　　／
　　＞-==-jx,　　　 ∨ .::::. |!　　　　　　　　 i}!　　 ‘,　　 /!|!|i|!|　　　／　,i}!　　　　＼　　 .:::|　　　∨　　　zｧﾔレ'㌻´
　　　　　::　　~`j　　　 ∨::::::.}!　　　／　　　　　i{! 　　 ‘，　}i!l|ｉ|j!i| 　／　／ i{!　　　　　　＼　 :::::|　　　/　　く!jⅣ/　　　:.
　　.: 　 .:: :　　　　　　　 } ::::::.}!　ｘく　　　　 _j{}!　　　＼}!|l;lｉ|i!lj ／　／ {¨¨ﾟ'ｰ'⌒ヽ、　　＼:::_|　　 ,′　　　〕!i{^i　　　::..
　 .::: 　　 :.　　　　　 ‘,:.. ∧V′　＼　 Y´/{/′　　　　 Ⅵj|i／　　　　　＼　　＼　ﾟ'ー--=ｲ::厂＼/　　　　 {j!i|{　　 ::::::... `::...
..:::::::　　.:　:::..　　　　　　 ‘, 　 /　　　　｀メ /{/{ 　　　　　 v'´　　 /　　　　＼　　＼　　　 |ｿｱ　 :{　　　　｀Y＼　 ::::::::::.　::::
231： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:11:26 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　_　__ ＿　r-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {.ｒ､＼＼`㍉､｀＼i＼¨ミ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／Ⅵi＼＼＼　＼ .＼.Ⅵ `㍉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ彡iiⅥﾑヽ　ヽ　　＼ .＼}＼∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }彡ﾆﾊⅦiﾑ　＼　＼　.ヽ .∨ Ⅵ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {／,ｲ　`¨¨∧ .i　i　　　　　.∨i}i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Y// 　　　.∨| |　|　|i　i　}　l!Ⅵ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {i i,ｨzzzzミ､ .乂i}i 从乂八il　} i乂､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{｀Y ,ｨ==r=ｧﾐ､___,Yrィ尨ラ.}i}从{i ﾉﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人 {（弋__`彡豸⌒}i}_`⌒".ﾉﾉ　}／}　　　何か意味があっての事なのでしょう？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `Y`ｰ====彳i⌒` ‐==‐'.,ィ　 iﾉノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､＿,ィ　　. ,ｲ　 /ミ､　　　さぁ、遠慮なさらずに
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人　　`‐-=　zzz-≠彡′/{㍉ヽ＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　.＼　　`ｰ‐‐‐　　　　／ﾉiﾄ､i}　}i:i:　Yヽ､
　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_,.．-'／　　／i} ＞‐-　　--,.．イ.／ / ./ ./i:i:　 i　` ＼
　　　　　　　　　　　　／i}＿＿＿__／　　／.／}　　 /ゝﾍ　　 .／　./ ./　i{i:i:　　i}乂　　`ｰミ､____
　　　　　　　　　　　／乂⌒/　　i／　／.／i∨ j　/}´⌒i}　　　　 ./ ./　　ヽ＿__///i`㍉____　　　〉､
　　　　　　　　　　/　//　 / , -'" 　／.／　 i/__.／i迄亥ｲ＼　 .／ ./　　　　 i}/　i:i:／　　ヽ／⌒＼
　　　　　　　 /　//_,.．　　　　　／}　　 {ii:　i／⌒㍉}彡' Уi:i:i:/　　　　　　 i}i:i:i:i:/　　　／　　　　∧

　.　　　　　　　　　　　イ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､
　.　　　　　　　　　／: .:::: :: :::: ::::::::: :::::::::::::::::: : :::　:::::-､ヽ
　.　　　　　　　　　 / ::　.　.　.::: :::::::: :: :::::. ::::::: :::::　::.　:::.::ヽ.ヽ
　.　　　　　　　　　ﾊ　:::　.:　:　:::: : :　:　:　:::.　:::.　:.　 ::　:::::::::ヽi､.
　.　　　　　　　　 ,': ::: :: ::　　　::　: : :　　　:　::　　:　　: ::　::::､ー-､.
　　　　　　　　　 i:::　: ::::　:　:: ::　:: : : :　::　:::　　　:　::::: ::::::::::ヽ、
　.　　　　　　　 ::: :: : :: :: ::::: :::: ::::: : :: ::　:: ::::::　　　 ::::::::::::::::::::ヽ、
　　　　　　　　　 i!::　: : ::: : ::: :/､:::::::::::::::: :､ ::: ::::::: :　 :::::::::::::::､-､_ヽ
　.　　　　　　　　 ∨:::::::::::::/i::i　ヾ:::i:::::iヾ:::iヾ､:.i､:i::::::::::::::::::::::-ヾ.　ヾ
　.　　　　　　　　　 ';::::::::/i:i i::i｀_ｰヽiヽ:ヽヾi'ｰヾiヾi i::::::r､:::i ヽ::ヽ
　　　　　　　　　　ﾊ::::::iヽi '､弋ンヾi ヾi_r　弋ｿ`,ヾi'i:::/ i::::i 　ヾ､　　……お、王は
　　　　　　　　　　　 { ヾi　ヽ､二´ ノ￣ヽ､_ 二ノ　i:/ﾉﾊi`
　　　　　　　　　　　　ヽﾄ.　　　　　　　　　　　 iﾑ／
　　　　　　　　　　　　　　　i:'､　　　　　､　,　　　　　 /i::i
　　　　　　　　　　　 i/ヽ、　　　, - ､　　　ｲハi
　　　　　　　　　　　　　ヾi ヽ、　.｀ニ´　　／iｲi
　　　　　　　　　　　　　　　　 _i　　:`ヽ､ __ , イ　 i'､_
　　　　　　　　　　　　　　　／::i　　 : : : :.　　　　i::::::`ヽ､
　　　　　　　　　　　　　 _ノ:::::::::i　　　　　　　　　 `i:::::::::::ヽ
　　　　　　　　　 _ .イ￣:::::::::::::::i　　　　　　　　　　　i:::::::::::::::｀ : . _
　_, ..-::ー '::´:￣:　　 :::::::::::::::::::i　　　　　　　　　　　/::::::::::::::::::::::ﾊ｀ :
232： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:12:16 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　_　　/＾￣￣¨¨¨ーrm,,
　　　　　　　　　　　i ^^´　＼　＼　　　＼￣＼
　　　　　　　　　　_人ヾ＼　　＼　＼　　　＼　｀i
　　　　　　　　　ﾍ　　　i ＼　　＼　｀i 　　　ヾ　　i
　　　　　　　　|三ミ　　 ||||＼　　　i　　|　　　 |　　 |
　　　　　　　レ　　ミ／:::::::::i　　　 |　｜ |　| 　| 　|
　　　　　　　〈　　　;^::::::::::::::::::||　| 　||　 ||｜|| | |　| |
　　　　　　　 .レ／i::::__ｘ≠x v |　レ＾,-三=テヽ//,/　　　王は？
　　　　　　　　l（＼ r´r´＿土ヾ示~^|≦ﾐゞ"　 || ノ
　　　　　　　　ヾヽ＼ｒﾍﾆゞﾟ"｀ }t‐ｰ´＼;;＿_／ |/
　　　　　　　　　＼::|::＼_:::::::_,／^|::: :::::::::　_ﾍ　.| ＼,,,...,,
　　　　　　　　　　ゝ.|:::::::::二:::::::;;;;;___;/_,,,ェｦ　.|＼＼:::::
　　　　　　　　　　/.∧:::::｀ヾ-=;;;ー二二ノ´　/||＼＼＼
　　　　　_┌ー¨¨/　;;｀＼;;::::::::-￣:::::"　　／´;;;;;;| .;i:::::::::
ーー¨¨¨/;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;|;;;;;||||｀"ー;;;;;;;_;;;;;;-"´:::　　　||　　＼
＿＿,,,../;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:::|:::::::::ﾍ||||::::::::::::::,ﾍ＼:::::: 　　:|;;;;;;::::::

　　　　　　　　　　 ,,／＾　　　　　　　　　　　　　　｀ﾞ'-､、
　　　　　　 ,／｀　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞヽ、
　　　　　 ,／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀'i､
　　　　　　.,/｀　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　 ,i´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　,i´　　　　　　　　　　　　　　　 !　　　　　　　　　　 │
　　　　 /　　　　　　．　　　、　　　　　　　 │　　　　　　　　　　ﾞl
　　　　.lﾞ　　　、　 .,i´ 、　 ,ﾘ　、　　　、　　|　　　　　　　　　　　 |
　　　　| 、　　|　 │　,lﾞ　│|　,!|　　　.|)、　 l,　,ﾋ　　l、　 .lﾞ　　　 .|
　　　　lﾞ lﾞ　　|　 ,ﾋ　,lト　lﾞ　| .lﾞ.|　　　| ﾞl　 .|ﾞl /.ﾞl　 |ﾞl、　,!　　　 .|
　　　　ﾞl .|　　|　.lﾞ］ ,lﾞ┤ﾒ―| |,,,ﾞl、　 |　ﾞl　,{ |,ト┤.,ヽ｣　│　， .lﾞ
　　　　 |. ﾞl　 .| .|＾ﾞl/,,,,ﾞl,{,,,,,,,ﾞl|　ヽ　.|　 .|.,lﾞ,,|lヽ,,|,i＿ | ./|　　|　/
　　　　 .ﾞl,,ﾋ　.| | .,,广　　　　｀ﾞ'i､ .ヽ|　.,/″　　　　 `'V゜_|　ﾒ/′
　　　　　 | ﾞl　lデ|　　　　　　　　ﾞl,,,,,,ﾆ丿　　　　　 T＾.| 丿 |　　　王は既に分別が付く年齢だ
　　　　　ﾞl .ﾞl ﾞl　＼、　　　　　,,/｀　　 .ヽ、　　　　　 ,,/　.|丿　|
　　　　　 .ﾞl、ﾞ'↓　｀''''―ｰ''''"｀　　　　　｀ﾞﾞﾞ'''''―ｰ'"｀　 ,ﾚ゜ ,/′
　　　　　　ﾞ'i､ .ﾞl　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,「 ,/｀
　　　　　　　ﾞ'-,ﾞl、　　　　　　 ,、.,、　　　　　　 ,l／
　　　　　　　　　|.ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,/.lﾞ
　　　　　　　 | ｀ヽ　　　　　　,,-----、　　　　　 .,/｀,lﾞ
　　　　　　　　　 |　, ＼　　　　　　--- 　　　　 ,／ｫ lﾞ
　　　　　　　 |.八　|''-,、　　　　　　　 _,／｀|丿|lﾞ
　　　　　　　 '″ﾞl .|　 ‘'-,,、　　　　 _,-‐"　　 |/　｀
　　　　　　　　　　　　ﾞl|　　　　｀''―-‐''"　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　ﾞ′　　　　　　　　　　　　　 `
233： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:12:58 ID:WbZJHgcY0: 　γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
: ｜　……私が退位するよう説得する　 |:::::::
　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ:::::::::::::::::::::::
　　　.　. .... ..: : :: :: ::: :::::: :::::::::::: : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :::::: ＼＼ | l　i 川　| l　i川　| l　i 川 |　| l　i川| l　i 川／／
　　　　　　　 Λ＿Λ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: ::::::::::::::::::::: :: ::: ::三　李蔵用がそう言うってことは　　　　　　　　三
　　　　　　/:彡ミ゛ヽ;）ー､　. . .: : : :Λ＿Λ . . . .: : : ::: : ::三　もうどうしようもないってことかよ……　　　三
　　　　　 / :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.:. ./彡ミ゛ヽ;）‐､. .: : : :::::: ／／ | l　i 川　| l　i川　| l　i 川 l　i川　| l　i 川 |＼＼
　　　　 / :::/;;: 　ヽ　ヽ ::ｌ　. 　./ :::/;;: ヽ　ヽ::i:. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
￣￣￣（_,ノ￣￣￣ヽ､_ノ￣ ..（_,ノ￣￣.ヽ_ノ￣

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　|::.　　　.:.　　　　　　　　　　　　　　 .:　　　　 .:.　.:::
　　　　　　　　　　　 :::.　　　.::.　..:.　　 ..　 :.　.:.　　　　　.:::　　　 :.　.::. .::::
　　　　　　　　 ∨:. .:.　.:::.　.::.　 .::::∧:::　::.　ﾊ　　.::::::::. .:.　.::. .:::::..::::
　　　　　　　　　 ∨::::::::::::::::.∧.:::. Y＾ヽ::::::::.,'　} ﾊ::::八::::::::::::: .::::::::::::|　　　だから、流刑にするのだけは止めてくれ
　　　　　　　　　　　　 ⌒ :./ Y＾ヽ从i.八　ヽﾊﾘ　从__}ﾘ-‐ﾍ::::| ::.|:::::/⌒',
　　　　　　　　　 {　 ∨　Y＾,　ﾏ --∨　ヽ　　, -‐‐‐- 、lﾘ::::.|:::/　　 }　　……王は自発的に退位させる
　　　　　　　　　　　 ∨ ﾄﾊ　　ﾏ　.∨　　-（　　　　　）-‐彡{
　　　　　　　　　　　ゝ　　ﾏ，　乂.__人.　へ｀ ‐---‐´ 　γ＾ヽ／
　　　　　　　　　　　　＞　 |ヽ　＼　　＼　ヽ.　　＼　　　　　/　 y　　＼
　　　　　　　＿　　―　 ∨　 |　＼　.＼　　 ‐-　　　＼　　 /　　　　 }　　―　　＿
　　　　―　　　　　　　　 | 　乂　　　　　　　　　　　　　　‐- '　　/　　　　|　　　　　　　　―
　￣　　　　　　　　　　 |　　　＼　　　　:.＼　　:.＼　　　　　　　　　 .|　　　　　　　　￣
　　　　　　　　　　　 |　　　　 .＼　　　 :.＼　　　　　　　　 ,:　　　　　|　　　　　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　　　　 |　　　　 |　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　 .|　　　　 |　　　乂　　　　　　　　 /　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　 |　　　　 |　　　∧　＞　　　　　 .〈　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　 ‘，
　　　　　　　　　　　　 |　　　　 |　　　 ∧.　　〉　　　　ヽ　　　　 |
　　　　　　　　　　　 |　　　　 |　　　　　｀y´　ﾟ。 ./　　　　　ﾍ　　　 .|
　　　　　　　　　　 |　　　　 |　　　　　　/　　 ∨ /　　　　　ゝ　　 .|　　　　　　　　　　　　　　　 ∧
234： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:14:38 ID:WbZJHgcY0: ――至元６年６月

　　　　　)　　　　　　　　　　　　 ,ｲ彡'::::::::::::::::::|ﾊl､Ⅵ　ヽ､　　　　　　　　　　　　 {
二ﾆ=彡ｲ　　　　　　　　　　　　　　 j彡',ｨ⌒ヽ､:::::::ﾉ斗､|ヽ　ヽ:i:ﾞY　　　　　　　　　　　/
, 　／　ヽ　　　　　　　　　　　 {_f´犲”￣¨Y___r‐l|‐ﾘ-l| l| i:i:i{　　　　　　　　 _＿f´
彡'　　　　ﾞY　　　　　　　　　　　 {ミ i{　　　　/ﾆﾐ{　　　　||ﾊ li:i:}　　　　　　　f´　　{
　　　　　　　}､　　　　　　　　 f^ﾄ/乂＿_ノ,'n n丶_＿_乂ﾉﾉi:i:}　　　　　　　{　　 l
　　　　　　　| ≧s｡､.　　　　　　 | ｉ{　r‐'　_＿＿＿___ﾞﾞﾞﾞﾞノ'ﾘf^Y　　　　　　,ｲ　　　 ',
　　　　　　　|　　 Ⅵ≧s｡　　　 l i:|　{｀Y´r───‐､｀Y)〉　 |):}　　　,イ⌒ /　　　　　　　/
　　　　　　 l 　　 }}==ﾐ､ﾞｰｫ､　　乂|　　 l ':::::::::::::::::::::::`/　　　|'ﾉ__　 //　　 {　　　　　 ,'　　そうかそうか！
　　　　　 l　　　 }　　　ﾞ // ＼　　{　　 {:n⌒ー‐'⌒n/　　　,'´ 　＼　　,'　Ⅵ　　　　　 i
　　　　　　 ,' 　　 j　　　 //　 ,ｲ¨¨圦　込ミﾆﾆﾆﾆ彡'　　　/.　　　　＼j　　＼　　　 .|　　　貴殿が王を説得してくれるか！
　　　　　　　　　 /　　　ノ/ .／　　　　ゝ　 '´¨¨¨¨¨¨｀　　ノ:} 　　　　ﾑ　　　ヽ､　　 |
　　　　　　 __ム＿／　／　　　 /　＞　_＿___　｡s≦　　{ヽ､　　　　ﾑ､　　　ﾞY 　 |
　　　　_,斗匕　　,斗'”￣　　　　　／　 .／⌒ー⌒＼　　　　 Ⅵ:ﾑ　　　　　ﾑ＼　＼廴　|
　　　 (　　　　,イ　　　　　　／/　／⌒Y:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i>､　　　 Ⅵ::ﾑ　　　　ﾑ. ＼　　ヽ
　　　　Ⅵ 　 / 　　　　　.／:::/／::::::.　 }:i:i:i:i:i:i:i:／　::＼　０ }:::::::ﾑ　___　　ム　丶　　＼
.　　　　 Ⅵ /　　　_____　／/､:::”　＼::::　ﾉ:iroｫ:i:i(　　.:::/::｀￣´::::::/:ﾑ/㍉ミ､　　ﾑ　　＼　　 Y　/　,
＼　　　 Ⅵ　 ,イ”⌒Y} ﾉ /:::. ＼::.　｀ー{彡へ＼}＿ノ　..:::::::::::／:::::::}　　　＼､ﾞｰ' 　　＼　 i　　/
　ﾞ寸 _＿≧彡'　　　／　〈:::::::.　＼　／:i:i:i:i:i:i:i:〈　　　..:::::::::／::::::::,イ　　　＼　　　　　ヽ　　/
s≦￣ f´　　{　　　 f´:　　＼::::::. 　ﾞ/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ﾑ......:::::,斗’:::::,斗’/　　　　　　ﾉ　　　　　丶/
　　　　{　　 {　　　 {:::....　　　＼:::::. /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iﾑ,斗’:::::,斗’..::::/　　　　　　/　　　　　　　　 }

林衍の発議を受け入れる形で高麗王元宗が退位
235： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:15:16 ID:WbZJHgcY0: 　　　 /.:.:.:.:.:.:, - ''::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ、:.:.:.:.:ﾊ
.　　 /.:.:./l／:::::::::::::::::/:::::::::::: /::l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::'｀ヽﾄ､ ',
. 　 ,':/l/::::::::::::::::::i:::::/l::::::::::::ﾊ::l ',:::::l::::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ',
　　i/::::::::::::::l:::::l::l !::i　l､ﾉ::::,'ヽｌl、',::::ﾄ､::ll､:::::::::::l:::::::::::::::::::::::i
　　!::::::::::::::::l､::ll:! .l::l_ ｲ ',:::i　　ll ＞キ＝‐ﾍ:::::::l::::::::::::::::l::::::!
.　 l::l:::::::::::l::l.斗lｧ升‐-ﾐ､V　　/ '´　ﾟ　　`ヽヽ::l,ｲ:::::::::::::l:::::l
　　!:l:::::::::::l::l/l/　ﾟ　　　〉==､l　　､＿ , --､　ﾘト!:::::::::::,'::::::!
　　l:lヽ:::::::ﾍl r"￣ 7= '/　　　ヽ、　￣ヽ　　V　 l:::::::::/､:::/
　　 l　ヾ、:::トl､_il__l..-'' ﾉ　　　 ` ー--l ィ´!　 l::::::/､. V
　　　　　ヽｌ. l　ll　!　〈　　_ 　　　　　l　ll l 　.l:::/`　} i　　　申し訳ありません
　　　　　　｜ ! ll　l　　 `　し　　　　　　l　ll l 　ｌ/}　ﾉ/
.　　　　　 ', .l ll　l　, -――― - ､.　　 l　ll l 　/ '　／　　　　せめて我々に兵が居れば王を守れたものを
　　　　　　　ヽ!ll　l /r ´￣￣￣｀ヽヽ　 ! .lｌｌ　r-イ
　　　　　　　　l l､ﾄ´￣￣￣￣￣ `ｰ' } l　ll l ,ｲ::/
　　　　　　　　｀ヾ､　　ー―‐　　　　 /〃ノ l:/
　　　　　　　　　　　i＼　　　　　　　,, ィノ´　　l′
　　　　　　　　　　　l　丶､__ .. - ''　　　　　　 !__
　　　　　　　　　　　l　　　　　　　　　　　　　　l〉:.ヽ
　　　　　　　　　／l　　　　　　　　　　　　　〃:.:.:.:ヽ
　　　　　　　／:.:.:.l　　　　　　　　　　／/:.:.:.:.:.:.:.:＼__
　　　　　　,-/:.:.:.:.:.:.l　　　　　　　　／／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾉ｀ヽ、

発議案の中にあった流刑という条項を取り下げる形の自発的退位となった

　　　　　　　　　　　　　　　　　　､_,ヽ＼汁|ヽヾ_,_,
　　　　　　　　　　　　　　　　｀久匕卅从W勹災七
　　　　　　　　　　　　乂从Ｗ仆幵卞从Wﾐ
　　　　　　　　　　　　 YヾlVlN从ﾏ大Ｗ从ﾀﾞﾐ
　　　　　　　　　　　　ﾉ　　 ∨r ､卞卅从从
　　　　　　　　　　　　　　　　r}-―==ヽ）}从ｵﾐ仆匕
　　　　　　　　　　　　　　　　｀l　　　　|i/ 'W从卅冫　　……いいんだ
　　　　　　　　　　　　　　　　　',　　　　　 W从彡'
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',　　　 ,　 ,r'´￣　　　　……よくやってくれた
　　　　　　　　　　　　　　　　　 """"ヾ／／´///
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l/´//////
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/////////
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //////////
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{/////,r'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ//,r'´　,r'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　）'´　,r'´

この時、王宮は首都防衛の三別抄と林衍の私兵に囲まれていたという
236： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:16:02 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　　　　　 __
　　　　　　　　　　　　　　／へヽ
　　　　　　　　　　　　　／／.　|.|
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　　　　　　　　　　丶 ----　′

後任として王弟の安慶公ショウ（さんずいに昌）が王に就任

:. 　 {
:i:.　 ‘｡　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 f´≧s｡､
:i:i:　　廴_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.斗‐{ト､＼ヽ≧^廴
:i:i:　　　ｉ: }　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,*',斗'”¨ﾞ寸､丶＼ヽ､ヽ
:i:i:　　 }} ト､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ /_____　__, Ⅵlｌ|芸ｌ|ｌ|､丶 Y
:i:i:i./ .,ｲ}､i}　%　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ'r'¨¨¨¨¨ﾞY⌒ﾞf´　　ﾞY　 }
:i:i:/_ノ:/:i} }:.　%　　　　　　　　　　　　　　　　　 {i_{{　　　 }'⌒ﾞ廴_＿__八　}
:i:i:¨:i:i:':i:iﾉﾉ:　　%　　　　　　　　　　　　　　　　 {l 込=-‐'”{:fi:fi:〉　　　　ﾚ^Y　　　さぁ、武官も文官も新たな王に仕えよう！
:i:i:i:i:i:i:i:/,ｲ:}　　　＼　　　　　　　　　　　　　 rN　^､___,ｨｪｪｪｪｪﾐ､__,ｲ〉 |ﾉ: }
:i:i:i:i:i:i:iﾞ’:i:/,'　i:　　廴＿_　＿,斗=ミ_　　　　　{ {:l: 　＼､＿＿__,彡' ′ }:j ,'
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:丶　{:　　　　 }ﾞ{　　　　/斗=ミ　　 Ⅵ:: 　　｀¨¨¨¨¨´　　　 .:l ﾉ
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iヽﾄ､　　:i: 　 }:i}　　　/≧s｡⌒>､　ﾞｰi::.　　　｀ﾞﾞﾞ"""´　 .:::::「
､:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iⅦ､ :i:i:i　/:/ , ｉ　/　　　　　/:7>'¨¨ﾍ::::::::.....　　　 ....,::::::::,ｲ=ミ
. ＼:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}:i:i:}:.i:i:i:　ﾚ',ｲ i| /　　　　 ,:':／　,:'/ 込丶:::::::::::::::::::::::::,イノ {　 >､
.　　＼:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:Ⅶ:i: //:i:i i:i/　　　　／　 ,.:'　.ｉ:/{￣￣￣ｱ^寸´￣　　.:Ⅷ　＼__
　　　＼:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}:iVi:i:{:i:i:}:/　　　／　　,.:': 　.i:/::}　:i　　,ｲixixiﾞ寸　　　.:}l:::∨ 丶 N⌒ヽ､
　　　　　＼:i:i:i:i:i:i:iⅥ:i:/:i/:/ ／／　　　　　 .:i:/:::/　 } ／{ixixixi/＼: :　:/:ﾑ:::∨　`　＼　 ≧s｡.
　　　　　　　＼:i:i:i:i:i:Ⅵ:i:/:/'’ ／　　　　 :／:::/,斗'”　〔ﾆ０ﾆ〕,:'} ＼/: ::::}: :::Ⅵ　:､　＼　　 ≧s｡.__ _
　　　　　　　　＼:i:i:i:Ⅶ':,ｲ／　　　,ｨ　　 .i:/::: :::{´ ':,　',　/ixixixiﾑ,:': : ::}:　 }:|　 ::∨　:i.　　丶　　　　　 } ﾑ
　　　　　　　　　　＼:i:i:i/／　　　,イ:i:　　.i:/=ﾆミﾑ　 ':, ∨ixixixixiﾑ: : : .,'　 ,ｲ≧=xⅥ　:i:.　　　Ⅵ　　　 }　ム
　　　　　　　　 >' /　　　,.:'i:i:i:　　.:i:/::::　　:::ﾑ　 .':/ixixixixixiﾑノ,.:' .,.:'/　　　::::Ⅵ　:i:.　　　∨　　　 }　　ヽ
　　　　　　　　　　／　 ≧s｡._＿＿__.:i:i:/::::::　　 :::::ﾑ　/ixixixixixixix}　,.:':::/　　　　:::::Ⅵ　:i:i.　　　Ⅵi:. . / ,　　ム
　　　　　　　 /　,斗匕¨¨¨¨¨¨¨｀ヾく　::::::　　　:::::∨ixixixixixixixｉ|ノ　:/　　　　　::::::Ⅵ　:i:i:i:.　　∨:i:i:} /　　　ﾑ

新王のもと、林衍は「教定別監（特別職歴代武官筆頭が就任）」に任命された
237： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:17:21 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　 ,.z=='三ミﾐ=-,.､、
　　　　　　 .　　__」fr三ミヾヾミミミﾐヽ、
　　　　　　　 r行ミヾ'f示ヾヾヾヾミミﾐﾐヽ
　　　　　　 l彡三ミヾ川ヾヾヾヾヾヾミﾐl
　　　　　　　尨ｨ三ミﾐヾ川ヾヾヾヾヾヾﾐi、
　　　　　　　 Y彡三ミﾐヾ'ﾞﾞﾞヾヾ､,斗､ヾﾘ
　　　　　　　ヾ彡ﾃ'´　　　　ヾ/ヾヾ州l
　　　　　　　　klV'　／＾`ヾ'　' ,r' ⌒刈
　　　　　　　　ヾ,ﾍ. -ｚt;ﾃ=y彡'＾ ¨´ | iー - －､_　　　これは病気による退位だ
　　　　　　　　　`Tヾ(____ノ　__V ,ｲ / 　!　　　　 ,ﾊ
　　　　　　　　　／ . ヽ、''ｰ-=≠'"ノ　/l　　　　〈　 /　　王は体調思わしくなく王弟に王位を譲った
　　　　　　　　,　　　　〈l ｔ― ー_´　 r'　i　　ｖ /　｛
.　　　　　　/　　 ,　、＼　丶￣　　!　　ﾚﾞ　　　 i
　　　　　　　{　〈｀ヽ　ｊ__ ＼　ヽ　　/　　〉　 {　　ヽ
.　　　　　　〉　ヽ　∨ ) }　 >=､,｀=ｖ　　/　　′　　ﾞ,
　　　　　　/　　丶}　;'　厶_/　//　/!　　/　　 ! {　　　 !
　　　　　　|　　　　∨　/　 /　//　,　!　 /　　　}！　　?@
　　　　　　{　　　　 ′/、 /　〃丶′!　.ﾞ　　　ヽｊ　　｛
　　　　　　ヽ　　〈　ﾞ　ｙ　/　 /､丿ｲ　　　　　〉　　ム
　　　　　　丿　＿_>、 ′ ′／／　丿　　　 ∠　　　 }
　　　　　〈＿／┌／ `ーー-ｒ匕ｒ''⌒ヽｚ―‐ｔ／ヽ　／〈
　　　　　く /　　八　　　　 ∧/ ヘ､　く　＼　｀く　｜/ 　｀､
.　　　　　ﾘ　　　 `,　　　 /　〉　 ∧　ぃ　￣ｿ　ヽ
　　　　　　＼　　　！　　　/、 /　 /　ｊ　｜＼ｲ

この退位は表向きには「病気による政務続行不能」であると宣言され

　　　　　　　　　/ヾ∧
　　　　　　　彡|　・　＼
　　　　　　彡| 　丶.＿）つ
　　　　　　　（つ　　 /
⌒ヽ　　　　　/　　　⌒)　　　 Y⌒ヽ
　　人　　　 /＿＿し　　ノ⌒ヽ　人　ｽﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ…
Y⌒ヽ）⌒ヽし　　　Y⌒ヽ　　　Y　　）⌒ヽ

元にもその発表に基づいた報告書が届けられた
238： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:18:43 ID:WbZJHgcY0: ――だが、皇帝世祖に報告は届かなかった

┏━━━━━━━━━┓
┃緑鴨江沿岸　九連城┃
┗━━━━━━━━━┛
　　　　　　 /| .Ｎ　'　　　　　　　 ,_≦＜⌒
　　　　　 | ∨　　　　 ,､ ,､､ヾ-ﾍ> ､-ミヽ
　　　　　／｀ ,.ｨ　　　 ,　/ ﾊ !ヾ|ﾊ.V, ,ﾄ,ﾊ-ヽイ
　　　　 /'ﾌ／/∧,ｨ ./.|/　,､ﾘ小|,ﾄ,:|:ﾘ､:ヽ|:＜
　　　　　И　.ﾚ　' .|//ﾉ　/jｨ::ﾊ::!:::ﾘ;ﾒ「ﾊ:}'ヾ､Y
　　　　弋ｰ__,､　| ,//|'/|/:ﾑ!/‐|l::::|ﾘｨｔﾁ''Vﾘ
　　　　ヽ-≧:::Ⅵ.代!ﾊ:|;::/,ﾑｔﾁ Ⅳヾ￣　.ﾄヾ
　　　　　.｀Ｔ:|;::::ﾊ|:_'ヽ､Ⅳ￣´ 　　 _,〉　.|
　　　　　.ヽﾄ､ｌ:::「:トヾ､`　　　　　　__,,　 .iｧﾌ　　親父が退位させられただぁ？
　　　　　　　厶イゞｲ≧ヽ　　　　' ﾆ´　/./:!
　　　　　　　　　 '´ ﾚﾍ;ｰヘ　 ,,_＿＿__,,//:::::ゝ　　_ -､
　　　　　　　　　　　　　ハ|;V: : : : : : : /./:::::／7才　　ヽ,,_ _
　　　　　　　　　　　／ｲ:::ﾚ:ﾍ　 : : : : 'ーｧﾌ::::/ｲ　　　　　／｀ー-ミ、
　　　　　　　　　　 / /_::::::::::::ﾊ　　　　　 j |:::;ｲ　　　　　, ′ 　　　｀丶、
　　　　　　　　　ム-- ミ丶::::「' :.　　　 //:/　　　　　, ′　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　ﾉ:::ヽV|__,,,､　ｨ7 //　　　　　,:′　　　　,　　　　　ハ
　　　　　　　　　　　／::::::::ﾊ.'|　　｀　/〃　　　　 ./　　　　./!　　　　　　ハ
　　　　　　　　　／:::::::::::::::ﾊ !　　 .//′　　　 /　　　　　　,'::!　　　　　　 .ハ
　　　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::ﾊ∨　//　　　　　./ 　　　　 ,::::|　　　　　　　 .ﾊ
　　　　　　　　.ハ:::::::::::::::::::::::::ﾊＶ//　　　　　 /　　　　　 ,::::|　　　　　　　　.ﾊ

元服属後、高麗王朝は王太子を元に入朝させるようになっていた

王太子であるタンも大都に滞在していたが、一時帰国のために、移動していたのである

　　　　　|＼　　　　　　　　／|
　　　　　|　＼　　　　　／　 |
　　　　　|　　　゛ー─''"　　､|
　　　　　レ　　　　_,　､_　　ヽ
　　　　 /　　　　０　　　　０　　ヽ　　は、はい！
　　　　 !　＊　　　r‐-､　　　　|
　　　　 l　　　　　　l　　|　　し　 !　　林衍様が中心となって、王に退位を迫って
　　　　　ヽ　　　　ト─'　　　　/
　　　　　　/　　　/⌒ヽ　/⌒ヽ
　　　　　/　　　γ　　丿|　　　|
239： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:19:17 ID:WbZJHgcY0: .　　　　　　　　　　 lヽゝｰ` `　　　　　　　　　　三ミヽ、
　　　　　　　　　　, `ﾆ　　　　　　　　　､　､　　 ⌒ヽ`＼
　　　　　　　　　 '／　　ム／ﾚ＾ソヽ ! ヽ l ヽ,､､ `‐`-- ,
　　　　　　　､ -‐ '//／ //ィ / l l　ﾘ　ヽ l､ l.ヽl`ー二ﾆ-
　　　　　　　＼￣　　　　 /::l/!.ノﾘ /ヽ､ﾄ.ヽ.!ヽ! .ﾘ　ヽ
　　　　　　　　>'　　.ｲ/!/::::l:::l',､l /::::l::ﾘN;ヽﾘl::l,､廴ヽ`＼
　　　　　　　　ﾚ'ﾌ　/l/ ﾘ::::::l:::/ﾙ':∧:l.､:ﾘ:ﾄ:::lN:::::l lミ‐-`
　　　　　　　-ﾆ∠:::l:::ｒｲ:::::::ﾄ､l/／二ニﾐ./ ! l/.ﾉ /＼`
　　　　　　　　`‐-,::l::l '_ゝ::N 　　　` `´ /　 l/lｲ/ｿ￣
　　　　　　　　　　ﾉ:::::ヾﾆ`:ゝ　　　　　　　　 l　/　　　……他の武官連中はどうしたんだ？
　　　　　　　　／'´7:::::`ー､　　　　　　　　ノ/
　　　　　　　　　　 / 'ﾘ:::λ!ヽ. 　　　　　 - ‐ｿ
　　　　　　　　　　　　l::`-`_- _`　、　　ー/-､_
　　　　　　　　　　　」::::::::::::`-`_-,　` ‐-, '::::`:::‐, 7
　　　　　　　　　　ハ::::::::::::::::::::l l　　　,'::::::::::::::〃‐- 、
　　　　　　　　 ,..::'´:::::::::＼:::::::::::l !　　　lヽ:::::::::〃　　　` ､
　　　　　 ,...:'´:::::::::::::::::::＼＼:::::l.!.　　　' .ヽ::::〃ヽ　　　　ヽ
.　　　,...::'´::::::::::::::::::::::::::::::::＼:＼!l＿　　／l::::!l.　ヽ　　　　ヽ
　,..::'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ヽ;;;ヽ､　` ´　 l::::!l　　ヽ　　　i　ヽ

　　　　　　　　　　　/＼　　　　　　　　/＼
　　　　　　　　　　 /　　＼　　　　　　/　　＼
　　　　　　　　　　/　　　　ﾞ'----''"´　　　　ヾ
　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　｀:､
　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　｀:　　　私が知る限り
　　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　i
　　　　　　　　　|　　　　　　ノ '　　　　　　　　　 |　　誰も兵を挙げたり異を唱えることはなかったと
　　　　　　　　　|　　　　　 .,___.,　　　　　.,___.,　　 i
　　　　　　　　　､　　　 ''"´｀:､　　　　　　 υ /
　　　　　　　　　　｀丶,:' ､.　　. ）___Д____,,.,_,,.;''"
　　　　　　　　　　　/　　　　/　　　　　　　ο
240： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:19:56 ID:WbZJHgcY0: 　　　ゝ　　　　　　　　　　　　　　　　＼::::`, ,､　丶
　 ,／:ｩ　　／ _ｩ　,ｨ　　　　　　 ,　　　　　￣／　　丶
￣´'"/　／ .／/／/　／l　　ｨ /l　lヽ､　 ‐r'::::　　　　ヽﾌ
. ／ .ﾚ　/／　ﾚ / ィ /　ﾘ ./.l l| | .ﾉ.ヽlヽ.l＼`:::　　　　ヽ
/.／ｲ　ﾚ　　　/／ |/　　 .l l　Y| .ﾚ,　ヽlヽ,　ヽ::: 　　　 `丶
´ l/:ﾉ　 /／//.l 　 ,' 　　ヾ　 .l .l´　　　　　､.|:::::::.... 　　　｀
_ -‐ ,ｨ .//./ .ﾉ:.|　/:|　　　　,イﾊ l　 ,ヘヽヽ､.ﾄ､`'-.､::::...
`‐ ,:/／ﾚ/　/:.:.|../:l:l　／l/.l::l l: l.l: l l: :l:ヽヽヽ: l:､:::-'ヽ::::...
=ニﾃ: : :/／;|: : ﾚ:/l:l 〃ｨ:../|::l l: l,l: l ､ lヽ :lヽl:./:l:=ﾆ´ .＼:::::..
　　i:./l:.|/l: :l:l､:l: :|　､ﾚ`l:/_ l::l l: ヾ: ∨:r'ヽl　ﾚ: /,´￣　　＼::
　　ﾚ' l:.|: l､ｺ:l:ヽ: l　 `'ｰ.l|ｰ≧llﾐ: : :{: {‐ヾ'´l /／ﾉ
.　　 /:/l: : :r‐ :l ｀'　　　　　　ヾ:.lゝi　｀ ./　　　　　　　　そうか……
　　/'　 l : : ゝ-ゝ　　　　　　　　　ヽ;.l` 　 /
　　／|ｲ: : :|:::::ヽ　　　　　　　　-　ノ　ヽ､
　／／: l: / |:: ::::::ヽ､　　　　　_ ニ,'.ﾉ／｀丶ヽ　　　 __　-　＿
／／: : : ﾚ: l l 　 ::::::::::::`..､　　　 -‐. '::::|: : : :＼＼<　　　　／/
く: : : : : : : :/i　　　 :::::::::::::::｀.....､ .／:::::::l: : : : : : > /　　　./／
ヽヽ: : : : : :l　　　　　 :::::::::::::::::::::::::::::::::::l: : : : : / /　　　./:/ .〃
__,､ヽ: : : : :l　　　　　　 ::::::::::::::::::::::::::: ﾉ`: : : :/ /ヽ　　/:/ /:/
: : ヽヽ: : : : }　　　　　　　 ::::::::::::::::　　 |: : :/ / l､|　 /:/ /::l　/

　　　　　　　　｛ゞ. . .{　/ 　　 . / . , . /: .　　　　, .　 . . （＿__,
　　　　　　 ∠: : : : :ヽ{: .　. : : :{: :∧/: : : : : :｛: :{: :|: : : : :辷ﾌ
　　　　　　　ヾi...:...:...:../:.:.:...:...:...:ヾ{...:トﾐ:...:...:...:.∨ヽ{:...:...:...:ｒ'
　　　　　　丿.:.:.:.:.:.:|:|.:./{/|:..:..:. : |:|　ヽ:.:j::ｉ|::..:...:....:...:.卜｝
　　　　　｛:イ:::::::::::|T/ T大::::::!:.:ﾄﾄ=＝Ⅵﾉ|:://::::.:.:｛:ﾉ
　　　　　　　 ∠;::::::::l:::ﾄ≠＝tﾃヾﾄﾄ{ ヽ:ｨ＝tﾃﾚｨ/:::::＜:.＼
　　　　　　　ルﾍ:V|　｀￣　　＼　｀￣　ｲ::/}:::ﾄ::厂｀
　　　　　　　　　八 Ⅵ　　　　　　　　　　ル'人:{　　　（異論が出ないってことは文官連中に味方した奴
　　　　　　　　　　　）八　　　　 .　,　　　　 /イ
　　　　　　　　　　　从:.:.、　　 ____　　　 ,:.:.从　　　　　　林衍と事を構えようって奴はいないってことか）
　　　　　　　　　／, ,ｲ:l::|>.　　　ご｀　　／|:.:i|∧＼
　　　　　　／／//ﾚl:ｲ　＼　　　　　　卜j{//＼ヽ
　　　　　　　〈　《//////|　　　ｰ '　　　 |//////》　〉
　　　　　　＼＼////ii　　　　　　　　ｉi////／／
　　　　　　　 ∠/｝｛///八　　　　　　　　八///　/ ＼
241： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:20:54 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　∧　　　　ﾍ
　　　　　　　　　,' i ':,　　　/ i ヽ
　　　　　　　 ,'､,,ｊ　ーｰｲ,,､ｊ　ヽ､
　　　　　　　,:´　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　○　　　　　○ 　　　',
　　　　　　ｌ　　　　　　　　　　　　　 |　　　蒙古への使者も既に義州に渡っています
　　　　　　':,　　　r―-､　　　　　　/
　　　　　　ヽ､　ｌ　　 )　　　　　／
　　　　　　　　｀> ―　'　　　＜
　　　　　　　,"　　　　　　　　　｀' :､
　　　　　　./　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　ｌ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 } ＼＿＿_/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r─{ 　　)┐
　　　γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ　＿＿_,/　　　／⌒
　　　｜　河挟んだ向かい側じゃねぇか　　 |　',　　　　　　/
　　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ___ﾉ　　　　　[
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　 {
　　　　　　　　　　　　　　　　_r‐'′　　　　　　　　　 ┌┘　　　◆：現在地
　　　　　　　　　　　　　　_,r‐'"　　　　　　　　　　　　　 _,/
　　　　　　　　　　　 ◆ ／●　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　●：使者の位置
　　　　　＿＿----}　　　　　　　　　　　　__／¨¨
　　　　　　　￣　　　｀y¨弌,　　　　　　　 _}
　　　　　　　　　　　　　　　　　} 　　　　　 {
　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　￣＼
　　　　　　　　　　　辷‐　　　　　　　　　　 ¨:,
　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　ﾞ:,
　　　　　　　　　　　　￣ﾌ__ 辷_____　　　　　　ﾞ、
　　　　　　　　　　　　　　　 └'　　￣0)　　　　　　　ﾞ .
　　　　　　　　　　　　　　　　γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　｜　　　　よし、誰か使いを出せ　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　[{}　　　　　　　　　 {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　 {__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾗ‐　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　 c〈　　　　　＿　＿__/
　　　　　　　　　　　　　　　　_0 ｿ　　 __,ﾍ ( 0}‐‰
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　とﾉ} ,し'⊆}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　¨

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , -‐┐
　　　　　　　　　　　　　　　 └‐…'
242： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:21:24 ID:WbZJHgcY0: ――王位の交代を元へ通告する予定だった使者は

　　　偶然帰国の途にいた王太子タンによって捕えられた

　　　　∧彡ﾍ
　　　ﾐ|::::::･::::＼
　　　ﾐ|::::::::,,,‘＿）　　痛いの嫌いだし仕方がないよね
　　　　　|:（ﾉ:::::::|）
　　　　　|:::::::::::::|
　　　　人.＿,,,ﾉ
　　　　　　U"U

捉えられた使者は簡単な尋問で報告内容を告白したと言われている

　　　　　　　　｛ゞ. . .{　/ 　　 . / . , . /: .　　　　, .　 . . （＿__,
　　　　　　 ∠: : : : :ヽ{: .　. : : :{: :∧/: : : : : :｛: :{: :|: : : : :辷ﾌ
　　　　　　　ヾi...:...:...:../:.:.:...:...:...:ヾ{...:トﾐ:...:...:...:.∨ヽ{:...:...:...:ｒ'
　　　　　　丿.:.:.:.:.:.:|:|.:./{/|:..:..:. : |:|　ヽ:.:j::ｉ|::..:...:....:...:.卜｝
　　　　　｛:イ:::::::::::|T/ T大::::::!:.:ﾄﾄ=＝Ⅵﾉ|:://::::.:.:｛:ﾉ
　　　　　　　 ∠;::::::::l:::ﾄ≠＝tﾃヾﾄﾄ{ ヽ:ｨ＝tﾃﾚｨ/:::::＜:.＼
　　　　　　　ルﾍ:V|　｀￣　　＼　｀￣　ｲ::/}:::ﾄ::厂｀　　親父を助けに行こうってのは無理みたいだな
　　　　　　　　　八 Ⅵ　　　　　　　　　　ル'人:{
　　　　　　　　　　　）八　　　　 .　,　　　　 /イ　　　　　　　粛清に関係ないやつも動いてねぇ
　　　　　　　　　　　从:.:.、　　 ____　　　 ,:.:.从
　　　　　　　　　／, ,ｲ:l::|>.　　　ご｀　　／|:.:i|∧＼
　　　　　　／／//ﾚl:ｲ　＼　　　　　　卜j{//＼ヽ
　　　　　　　〈　《//////|　　　ｰ '　　　 |//////》　〉
　　　　　　＼＼////ii　　　　　　　　ｉi////／／
　　　　　　　 ∠/｝｛///八　　　　　　　　八///　/ ＼

この際の尋問で、タンは独力での王位奪還をあきらめたと思われる
243： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:22:12 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　｛ゞ. . .{　/ 　　 . / . , . /: .　　　　, .　 . . （＿__,
　　　　　　 ∠: : : : :ヽ{: .　. : : :{: :∧/: : : : : :｛: :{: :|: : : : :辷ﾌ
　　　　　　　ヾi...:...:...:../:.:.:...:...:...:ヾ{...:トﾐ:...:...:...:.∨ヽ{:...:...:...:ｒ'
　　　　　　丿.:.:.:.:.:.:|:|.:./{/|:..:..:. : |:|　ヽ:.:j::ｉ|::..:...:....:...:.卜｝
　　　　　｛:イ:::::::::::|T/ T大::::::!:.:ﾄﾄ=＝Ⅵﾉ|:://::::.:.:｛:ﾉ
　　　　　　　 ∠;::::::::l:::ﾄ≠＝tﾃヾﾄﾄ{ ヽ:ｨ＝tﾃﾚｨ/:::::＜:.＼
　　　　　　　ルﾍ:V|　｀￣　　＼　｀￣　ｲ::/}:::ﾄ::厂｀
　　　　　　　　　八 Ⅵ　　　　　　　　　　ル'人:{
　　　　　　　　　　　）八　　　　 .　,　　　　 /イ
　　　　　　　　　　　从:.:.、　　 ____　　　 ,:.:.从
　　　　　　　　　／, ,ｲ:l::|>.　　　ご｀　　／|:.:i|∧＼
　　　　　　／／//ﾚl:ｲ　＼　　　　　　卜j{//＼ヽ
　　　　　　　〈　《//////|　　　ｰ '　　　 |//////》　〉
　　　　　　＼＼////ii　　　　　　　　ｉi////／／
　　　　　　　 ∠/｝｛///八　　　　　　　　八///　/ ＼

規模は小さくなってこそいるが、ある程度の戦力は軍団として配置されている筈である

だが、それら軍団が廃位に反対した形跡が見られなかったのである

　　　ヾ,::::ヽ」::::'::::: ::::: ::::: :::: ,::::: .::::: ::::: ::::: y==- '　　　ヽ.::::: ::::: ::::: ::::/
　 _,　　ヾ:::::ゞ::::: ::::: :::ｼ´ﾞ　　｀　　　　｀ゞ´　　　　　　　　;;ヾ::::: ::::: ::::ｨ
　　　ヽ.,卞:::::: ::::: :::::/;;;　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ;;; ヾ::::: :::::/　-ｭ
-==ｭ　ヾ:::::: ::::: ::::: ｨ.;;;　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ィy'ﾊ::::: ゞ´:::≠,
　　　≒::::: ::::: ::::: 卜、　　　　　　k、　　　　　ｨ;;　　ｨﾞ ´:::::ｿゞ::::: ::::: ／
　　　＿ゞ::::: ::::: ::::ﾄ、::::: :::ﾄ　、　　ヾﾍ　　　　∥. ／::::: :::ィﾞ　, ﾐ::::: ::::: へ
-ｭ'≦::::: ::::: ::::: ::::: ! :>ゞ::::: ::::: :ﾄへ、ヾ　　　1yｨ::::: ィー一ｨｱ　ゞ:::<ハ_ﾌ
　　　ﾌ/lkｭ,::::: :::::ﾊ　=fk=　=kｭ::::: :::::ヾj:}:　ヽj::::: ｨ fｔッjﾟィ/'　　rｊハ＜<
　　/::/_ｭ=j:::::くﾊ:::!　　ゞk=f!ッ:ﾟ' ィ’:::ﾊ　　　ゞ::::: -,,一　　　　 lﾊ=:::≧-　　所詮は中央の武官と文官が縄張り争いしてるだけだからな
　ｨ::ｿー＝::::、:::ﾘ::j　　　　　　￣一ｼ::::ﾊ　　　::　　　　'　　　　　l::::ﾘ卜ﾊ,
≠/ﾞ　　ｨ::/ ﾌ::::x::ゞ:: 　　　　　　　　　 ::::j　　　::　　　　　　　　　:!:::::卜!ﾍ　
::ｿ　　//ﾂｨ::::ｲjX>ﾍ:::　　　　　　　　　 !:::l　　　、 :: 　　　　　　　j::ﾄﾘ=-├
ｨ　　/ｨ'/'/::::ﾄ-=':::::ﾊ:::　　　　　　　　 ::::ゝ　　 _ _!　　　　　　　 :!ﾄソﾍヾ'
!　　! ｼ ´ !:::ﾄヾ'::::<ハ:::　　　　　　　　ヾ:::ゝｨ::::::'　　　, 、　　　:j::::: ::::<ﾍ
、　ｌ 1　　ｌ1　ヾ/:::へヾ:::　　　　　 ,　＿　ゝ::::: ::'ー‐一ﾞ　ｊ　　　ｊ:::::く＞‐ゝ
;;;;;;;!ｌ:ｌ'　　1!　ｨ/’::':::'::ﾍ::::　　　　ゝ　　　　＿　＿ ,　　　　　　ｊ::::: ｋ''ﾍヽ
へ !ﾘl;;;;;'ﾄl:j-!ｿ//へ::::::ヽ:::　　　　　　　　ゞ'''':::::::'　　　　　　　ｨ;; ﾄ’トk/:::::
＼l::j'ヾヽ!ljvj>::< /∧::::! へ　　　　　　　　::::: ::::'　　　　　　 /　:::!卜::::: ::::
　　ljﾍ　ﾍx<<,l::j;;/'ﾍ/::::ゞ　　ヽ　　　　　　　　、　　　　.ｨﾟ　　:::!::::: rxｿ !
ﾍﾍl!;;;;;／/x!<<'j7;;;;ﾍヾﾍ　　::::: へ　　　　　　 j!　　　　ｨ:::　　 ::::j:::::vxy　'
ﾍ;;;;!j;;;;; ハl!∧!ソヘj::!ヾﾊ　　:::　　　;;::ゝ、＿:ﾉ::::k=ｨ;;;;　　　　j::: !::::: ｿ:::::「
≒ﾍj;;;;; ;;;lﾘｘ’ｿ;;;;へl:j:::::l:j　　　:::　　　　;;;;::::;;::{:::::!;;;:::;;'　　　　j　ゞ;;;;’;;;;; ;;;
;;;;;;kﾍ;;;;; ;;;xｿl!ｿ;;;;;へlj}}xjﾊ　　　:::::　　　　:::;;;::;ゞﾘ;;::;;　　　　 :::　　llk≦≠;;
北西部軍団記官（実行権限付き書記官）　崔坦

実際に少し南下すれば林衍を牽制できるだけの勢力として、半島北西部には相当規模の軍団が駐留していた

首都防衛軍（正規兵に昇格した）三別抄と私兵だけの林衍ならば十分に叩けただけの能力があるというのに
244： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:23:31 ID:WbZJHgcY0: ;:;:;:;;:;:;:;:;:、;:;:;:;:ﾊ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/　ｨ
;:;:;:;:;:;:;:;:>:;:;:;:;,,ｭ=,,;;ｭ;:;:;:;:j｀;:;ｨ／/
;:;:;:;:;:ﾞ;:;:;:;:;:;:;:/ﾞ　　 lゝ　ヾ;:;:;: ／ﾞ
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ﾉ　　　　ﾏヽ　ヾ;:!≧-
;:;:;:;:}j;:;:;:;≠　　　　l　≒ヽﾍゝﾞ´
r 'ヽ;:;:;:ﾘ´　　　　　=ｋ　≧ﾍヽ
:｛-ヽ!:;:j　　　　　　　ヾ _ ｧ:::j::〉
:ﾍ´,/;:;:j　　　　　　　　　ﾆﾆ::　＼
: ﾍｨ:;「ﾘ、,　　　　　　　　　´　　　＼　　　王を助ける気なんざ一切ねぇよ
>!＜ｿ::!＼>、　　　　　　　　　　一　ゝ
;:;:;:ﾍゝ>>　ﾍ;:ﾍ　　　　　r.、　　ゝ:r ´
;:;:;:;:;/!ﾘ∧　ヾ;:ヽ　　　　　　ー一y
;:;:;:《　ﾘ! ﾍ　　j;:;:ﾊ　　　　　ゞ;; ;ノ
;:;:jﾍk !:;、lﾊ　:l:;:;:;ﾊ　　　　　　ゝ
＝ｭjﾊ!k　　ゝ+;:;:;ﾊ　　　　　　ヽ=≠'　　　　 _,,
≒÷,,≒ﾍﾍ　!;:;:;:;:;ﾄ、　　　　　jﾞ´　　　ｨ':;:;:ｨ''
　ﾍ　≒≡≒,-l;:;:;:;:;:l,　≧ >;;- 、ﾍ　ｨﾞ;:;:;:;ｯ´

だが、この軍団が動こうとした気配は一切ない

あとこの崔坦は崔姓ではあるが粛清された武官の崔一族は無関係である

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　　　　　　　　　　　　　　／.::i｣　、　　　　　 j＼_　: .
　　　　　　　　　　 _ 　-‐ {::::::::{、　　、　　　　 / {ヽ::ヾヽ、
　　　　　　　　 _／　　　　|::::::::| ＼　　、　　　{　　ハ::.:.:.. ｀丶、
　　　_ 　-‐　´　　　　 |::::::::|　　｀ヽ､__　　　／　 ',:.:.:.. i　　｀`丶、
　　／　　　　　　　　　　|::::::::|　　　　　｀ヽ.　 {_ 　　',:.:.:. i　　　　　　ヽ、
　/　　　　　　　　　 |::::::::|　　　　　 l　|　 ||!　　　}:.:.:.::!　　　　　　　＼
./　　　　　　＼　　　　　 |::::::::|　　　　　 l　|　 |{　　　ｌ::.:.:::l　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　ヽ　　　 |::::::::|　　　　／,ア￣￣｀ヽ　l:.:::::::l　　　　　　　i　　　`､
　　　　　　　　　　＼　　 |::::::::|　　　／／　／＞≦二;;}:::::::l　　　　　　 |　　　　`､

結果から言えば、元宗の文官寄りの姿勢が地方の武官まで敵に回したという事になる

　　　　　　ﾉ,,/　　 ,　　､　　　ヾ　　　　ゝ､
　　　　 ∠_,　i､ i　　　ヾi､ﾍ,,ﾉ'ヽ,,/　ﾍ,=-
　　　　　 .（ ., l,ｿヾ i､ミ､ゞヽj '::､　ﾉ　,ﾆﾌ　　　……他に道はねぇ
　　　　　　 `ヽ l .､, ,,,i,`'ヽ,i,　ヾ,ﾐ　ﾉ　ｿ､
　　　　　　　　ﾚλ　　i　,,　　ヾ､'' _,,､-‐‐-ｔ
　　　　　　　　　　i'　　`'"';　　,r:'"::::::::::::...　ヽ､_
　　　　　　　　　　　 l､　　　 j::,//::::::::..:.:.:.........　　ヽ
　　　　　　　　　　　　't_,,､:　 //:::::::::::::::::::::::::.:.:.::....　"ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　/二ﾆﾆﾆ,,"'' -､,_:::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　,－'　　　　　 "`-､__,,
　　　　　　　　　　 ,-''"　　　　　　　　　　　　ﾞ''

その状況下で王位奪還を行おうと考えれば、選択肢は一つしかなかったのである
245： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:24:47 ID:WbZJHgcY0: ――元首都　大都

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　'　"　　　　　`　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　／:　 ___V__,, 　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　/:: 　　＼　/　　　　　　　　　ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　/:: 　　　　 V　　　　 __,, -ｲ┓ 　 i
　　　　　　　　　　　　　　 i:::i 　　　　　i　/ 　 _／　_,,r～' 　　li
　　　　　　　　　　　　　　l:┏ -　,,_　＼癶ﾚ／　_,,"-=ｫ　　　lik
　　　　　　　　　　　　　　il:::iﾚ__こ __ﾐ`V　 `Y ﾄ-'-`-'ノ　　　　jﾐ/^ ,
　　　　　　　　　　　　　 il::::`尤~_っ`)ｲ:i　　　ヽ ~`　　　　　　ﾅj　 l
　　　　　　　　　　　　　ﾊ:::`:::'"　　'ｲ:_l,_　 _ ,　　　　　　　xXjl（ ll
　　　　　　　　　　　　　 Y^l::`::　　　ｨ::r::: :へy ゝ　　　　　ヽミvXj/ l
　　　　　　　　　　　　　　lljlﾘ:::　　　　　:::::::ソ　　　　　　　　＼ヾll　lヽ　　　　なるほど、兵を貸してほしいというわけか
　　　　　　　　　　　　　　l川ﾘ::::　　　　__:::,,__　_,,,,_　　　　:.　ヽ`y/ﾘ7`,
　　　　　　　　　　　　　爪ﾘリ::::　: __,,ノ_,,　,,　,　- - `=っ　 i:::　　ﾘ彡りり
　　　　　　　　　　　　,ｲ巛川l:::: ::　　　...::::::::::.....　　　　　　i::::　ﾚり彡'ﾘYヽ
　　　　　　　　　　　,ｲ巛巛llﾘl:::: `::　　　"　　　 ~　　　　　　':　　ﾚﾘ'"彡り川
　　　　　　　　　　　＼` 三川k:::::::　　　　/ﾊ＼,_　　　　　　　　ﾘ li彡彡'ﾘｿﾘ
　　　　　　　　　　,入NN＼Nl::::＼　　　　7ﾘ川(￣　　　　 /／ '/　li～-弋川
　　　　　　　　　巛三三ｫ -ll:::::!ヾヽﾄ i,,, _川川ﾊl,,__ｨｲ_, ノ'　　　/　ﾄ,　　　liり
　　　＼　　　 l|(三二y/　 llll`,::!l:::::::`ミミミ川ﾘ彡彡 '　　'::ﾉ　　/　ハ: 　　 liﾘ
　　　　　人`--＞～-ll　　lllllヽ:::::::: : : : :`ミ三ﾘ彡'　　　　 jり　 /　:j: / 　　人＼
　　　　ヽ人人_^_^_^_^l　　 Y,::::::::::::::::: : : : `ミh　　　　　　ｿ　　　:j:/　　　/_^_l入入ヽ ,,__へ__
　　　　　ヽ人人^ ^ ^ _＼　　＼:::: : : : : : : : 三_　　　　　　　　/　　　/^_^_^l_入入/_^_^_^
　　　　　ヽ人人^ ^ ^ ^ _＼　＼:::: : : : :　　二_　　　　　　/　　／^_^_^_^l入入/_^_^_^
　　　　　　　ヾ＼^ ^ ^ ^ ^ _＼　＼: : 　　 ,,,,__ 二　_ソ　　　/　／^_^_^_^_^_lﾊ入/_^_^_^_^
　　　　　　　　＼l^ ^ ^ ^ ^ ^ ^＼　＼　　　　　　　　　　/　/^_^_^_^_^_^_ lﾊ入l_^_^_^_

　　　〃　　 /　 /　 / 　 l　　ｌ　、　　　　　　　　　ヽ
　　　{i{ｲ　　 | |　|　/　 | ∥l∥ｌ l ヽ{　　ﾐ､　ヽ、ｒi }､|
　　　＿ツ　 /||　|| || /|､| || ｌ |　ｌﾄ､｀ヽ､、ﾐ､　l| ｛ }八!
　　≧‐_,　ｌﾊl|　ｌＮｌ/ ｌﾄ､l|| ヾ!　ｌ| ヾﾄ､ }|ﾄ､ﾐ､ﾉ　ﾒ,_ノ
　　　　/ ィi　l l　ﾄ三≧x､il_ヽヽｌ_,,ﾘ≦三ヽ|ｌ　 `＝彳
　　　　l/ lい､l ﾄ､lゝ `ﾆ’｀ヽ（＼ヾ `ﾆ’_,｀　 }! ､トー '
　　　　　　ヽハ{、　　　　　　　｀ヽ　　　　〃７ﾘ
　　　　　　ﾄ､_ｊ　　　　　　　　　　　　厶ｲ　　　国内の武官連中は頼りになりません
　　　　　　ﾉｲｌﾊ　　　　　　 _　_　　　　　/　トゝ
　　　　　　　ｊ/| |l ､　　　　　＿_　　　　 /!l l ﾄ､　　大元の力をお借りしたい
　　　　　　ｊﾉ||　＼　　 ´ 二｀　／|从ﾊ{、
　　　　　　ﾄ､ヽ　　＼　　　　　／　 |! 　ヽ＼
　　　　　　 _|　＼＼　｀ー─ '　　　 |　l　/ /
　　＿,. -‐くヽ! 　 |　|　　　　　　　　　 ∨ / / ＼
246： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:26:12 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　'　"　　　　　`　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　／:　 ___V__,, 　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　/:: 　　＼　/　　　　　　　　　ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　/:: 　　　　 V　　　　 __,, -ｲ┓ 　 i
　　　　　　　　　　　　　　 i:::i 　　　　　i　/ 　 _／　_,,r～' 　　li
　　　　　　　　　　　　　　l:┏ -　,,_　＼癶ﾚ／　_,,"-=ｫ　　　lik
　　　　　　　　　　　　　　il:::iﾚ__こ __ﾐ`V　 `Y ﾄ-'-`-'ノ　　　　jﾐ/^ ,
　　　　　　　　　　　　　 il::::`尤~_っ`)ｲ:i　　　ヽ ~`　　　　　　ﾅj　 l
　　　　　　　　　　　　　ﾊ:::`:::'"　　'ｲ:_l,_　 _ ,　　　　　　　xXjl（ ll
　　　　　　　　　　　　　 Y^l::`::　　　ｨ::r::: :へy ゝ　　　　　ヽミvXj/ l
　　　　　　　　　　　　　　lljlﾘ:::　　　　　:::::::ソ　　　　　　　　＼ヾll　lヽ　
　　　　　　　　　　　　　　l川ﾘ::::　　　　__:::,,__　_,,,,_　　　　:.　ヽ`y/ﾘ7`,　　　ふむ……
　　　　　　　　　　　　　爪ﾘリ::::　: __,,ノ_,,　,,　,　- - `=っ　 i:::　　ﾘ彡りり
　　　　　　　　　　　　,ｲ巛川l:::: ::　　　...::::::::::.....　　　　　　i::::　ﾚり彡'ﾘYヽ
　　　　　　　　　　　,ｲ巛巛llﾘl:::: `::　　　"　　　 ~　　　　　　':　　ﾚﾘ'"彡り川
　　　　　　　　　　　＼` 三川k:::::::　　　　/ﾊ＼,_　　　　　　　　ﾘ li彡彡'ﾘｿﾘ
　　　　　　　　　　,入NN＼Nl::::＼　　　　7ﾘ川(￣　　　　 /／ '/　li～-弋川
　　　　　　　　　巛三三ｫ -ll:::::!ヾヽﾄ i,,, _川川ﾊl,,__ｨｲ_, ノ'　　　/　ﾄ,　　　liり
　　　＼　　　 l|(三二y/　 llll`,::!l:::::::`ミミミ川ﾘ彡彡 '　　'::ﾉ　　/　ハ: 　　 liﾘ
　　　　　人`--＞～-ll　　lllllヽ:::::::: : : : :`ミ三ﾘ彡'　　　　 jり　 /　:j: / 　　人＼
　　　　ヽ人人_^_^_^_^l　　 Y,::::::::::::::::: : : : `ミh　　　　　　ｿ　　　:j:/　　　/_^_l入入ヽ ,,__へ__
　　　　　ヽ人人^ ^ ^ _＼　　＼:::: : : : : : : : 三_　　　　　　　　/　　　/^_^_^l_入入/_^_^_^
　　　　　ヽ人人^ ^ ^ ^ _＼　＼:::: : : : :　　二_　　　　　　/　　／^_^_^_^l入入/_^_^_^
　　　　　　　ヾ＼^ ^ ^ ^ ^ _＼　＼: : 　　 ,,,,__ 二　_ソ　　　/　／^_^_^_^_^_lﾊ入/_^_^_^_^
　　　　　　　　＼l^ ^ ^ ^ ^ ^ ^＼　＼　　　　　　　　　　/　/^_^_^_^_^_^_ lﾊ入l_^_^_^_

政界からは距離をとっていたタンは知らなかったが、実は高麗の政情不安定は元でも課題になっていた

ほんの２か月前まで出兵するか否かに関する評議がなされていたのである

――５月

　　　　　　　　　　　　　　 |::::.::;ｨ￢￢ｘ:川:川::r￢ｰミ:.:.::.:l　
　　　　　　　　　　　　　　_|:::::::{　　 '´ ヾ从ﾝ⌒ヽ　ﾚ!:::::」
　　　　　　　　　　　　／ﾊ:::::| ／　　　　｀´　　　＼ｎ1::/|＼　
　　　　　　　　　　／　　|ﾋ!:::}ｆべ、　　　　　_／ｿH七!　ヽ
　　　　　　　 /　　／|〈|:::| ｯ=ミヽ._　} {　.ｨシ==ﾐ　|lＪ |　　　　高麗は今は来朝していますが不安定
　　　　　　　　　　　　ヽｙ::l ﾄ ○　ゞ癶　巛<　○ﾉ |:∨　　　
　　　　　　　　　＿_r～'乂::l　｀￣　'´.:|　　`　￣´　 j::广｀ヽ.＿　この際、我が県郡の一つとして併合なされては？
　　　　　＿_r‐ｧ'´／　/ /ハ::ヾ、　　 .::|　〈　　　　 /:√!　ト､　 `ー､__
　　r‐イ/　// // /　/ /　彡ﾊ:. i　　L{　丿　　 /ﾚ'　|　 } } }　　 } }　ト￢､
／ {　 /　//　{ |　|　|　|　　|　ﾚＶ　ｨﾄｨ `_´ ､ｘﾍ　VV　 /　///　　/ /　 / 〉〉`ｰ
　　|　 |　| |　 |│ |　|　|　　|　V八/シ `＝＝' ヾﾄ!jﾙ'　/ ／//　／／／ /／／
　　ヽ. ヽヽ　 l│ |　|　ヽ　ヽ　ヽﾄ、　` ー '　　〃／／／／　　／　／／　/
戸部尚書　馬亨

高麗併合を主張していたのは戸部尚書（財務担当）の馬亨
247： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:26:54 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　　　　 |::::.::;ｨ￢￢ｘ:川:川::r￢ｰミ:.:.::.:l　
　　　　　　　　　　　　　　_|:::::::{　　 '´ ヾ从ﾝ⌒ヽ　ﾚ!:::::」
　　　　　　　　　　　　／ﾊ:::::| ／　　　　｀´　　　＼ｎ1::/|＼　
　　　　　　　　　　／　　|ﾋ!:::}ｆべ、　　　　　_／ｿH七!　ヽ宋や日本を征するにあたって高麗は基地として使えます
　　　　　　　 /　　／|〈|:::| ｯ=ミヽ._　} {　.ｨシ==ﾐ　|lＪ |　　　　
　　　　　　　　　　　　ヽｙ::l ﾄ ○　ゞ癶　巛<　○ﾉ |:∨　　日本征伐用の兵を入れるとでも言って要地を抑えれば容易いかと
　　　　　　　　　＿_r～'乂::l　｀￣　'´.:|　　`　￣´　 j::广｀ヽ.＿　
　　　　　＿_r‐ｧ'´／　/ /ハ::ヾ、　　 .::|　〈　　　　 /:√!　ト､　 `ー､__
　　r‐イ/　// // /　/ /　彡ﾊ:. i　　L{　丿　　 /ﾚ'　|　 } } }　　 } }　ト￢､
／ {　 /　//　{ |　|　|　|　　|　ﾚＶ　ｨﾄｨ `_´ ､ｘﾍ　VV　 /　///　　/ /　 / 〉〉`ｰ
　　|　 |　| |　 |│ |　|　|　　|　V八/シ `＝＝' ヾﾄ!jﾙ'　/ ／//　／／／ /／／
　　ヽ. ヽヽ　 l│ |　|　ヽ　ヽ　ヽﾄ、　` ー '　　〃／／／／　　／　／／　/

その際は否決されたが、朝議における反応は悪くないものであったという

　　　　　　　　　　　,.ゝ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､｀ゝ
　　　　　　　　　,．";.　´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　: : : : :.ヽ、 ;､
　　　　　　　　／: : . : . :　. : . : :　　 :　　　　　　　　　: : : : : :ー- ".;
　　　　　　 ,.', : : : : : :　: : : : : :　:.　 : : .　　 : : .　　　. . . . . : : : : :.ノ .
　　　､．..,,．': : : : :.. : : : : : : : : :i: .: : . : ヽ: . : : . : : : : : . . ｀丶: : : :｀ー'ﾉ
　　　　ヽ: : : : :...:::::::: ..: .::: : : : : : :!: : : : .: : ＼: : : : : :::::....ｰ:.､ヽ:`: : : :ヽ'
　　　､　｀ｰｧ:::::::;:::':::::.:::::::: : : : : : ﾞ:、: : : : : : : ｀ｰ-:..: ::...:,.- 、::丶.: : ﾞ､`
　　　ヾ.: :"::::::;:':::::::::::::::':::: : ::. : : : :.＼: ､`:ｰ-:'": :::::::::..::ヽﾞヽヽ:::::: : :＼
　　　　　｀ `/::;:'::::::::::;'::::i:::l.:::::: : ::,: :::::`:.ゝ::::::....: :.::､:::::i:::::ヽ). 　}::::::.: :ヽ
　　　　　 ,:., !::::;:::::::l.::::::!::l.:::ヽ:..::､:...:::､:-:､._::ヽ::::::::!､:::!､::ｉ!.〉.; ,::::::::::.: :＼　　（世祖に高麗のウケが悪いのくらい風の噂で知ってる
.　　　　　 i/ .i.:::i ::::::l.::l:::ﾞ:;:ﾞ:;::､:＼:ヾ､:::＼ゝ￣ヽj!:}.ヽ! ﾞ;} ﾞ.' /:::::::::::. :.ヽ｀
. 　　　　 ′ ﾞ: {ﾞ: :::::ﾞ,:iﾞ:;::＼:::､_::::`:＼.｀ｰ-｀-　' ﾘ　ﾞ　　ｰ'ヽ:::::ヽ::､:ﾞ､ヽ.-.、
　　　　　　　　　ヾヽ._;::ﾞ:::＼､:.ヾ､`ー--ゝ　　　　　　　　　 ;　　ﾞ:从ヾヾ〉'/,∧だが、林衍を倒せる兵を借りられるのは元だけだ）
　　　　　　　　　　ノ:イ:;ﾉ:::;i:::i;;.!　　　　　　　　　　　　　 / 　　　／////,∧
　　　　　　　　　　　　　'"' '" ヾ{ ﾞ!.＿ ,　　　　　　　　　　,　　　.／////////∧
　　　　　　　　　　　　　　　　＼;_,...　 ´　　　　　　　　／////////////,'へ._
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ｰ　´　　　／　／/////////////,'.-''"~ ￣｀`ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ.　_,..;';;ヽ.,,'//////////////'／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／;;;;;;;;;;;;;;;ヽ////////////／　　　　　 .. -
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;}/////////'／　　　　　　　.　´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ///////'／　　　　　　 ,. '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞｰ .._;;;;;;;;;;;;;;;;;;{//////,'." 　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l/`,-._;;;;;;;;;|//////　　　　 .／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |////,`,.､;;;!'////　　　　／

危うい賭けであったが、他に方法はなかった
248： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:28:00 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　ヽ､______＿＿ヽヽ. ､
　　　　　　　_,, ..≧::::::::::::::::::::::::::ヽV::ヽl
　　　　　　 ,.イ::;ィ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`＝イ/
　　　　　　 /／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::<
　　　　　　〃::::::::::::;ｲ／/ﾘ|:/|:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　∠::::::::从（　　　l/ !::::::::::::::::::::::::::::::: ヾヽ
　　　　　　/イ∧` ､,,ｨ≦=ｒヽl／ﾙ::::::::::::::::::::::::ヾ、
　　　　　　　〈_≧ｒ=!:::::::ノ　　　　ﾘ:::/ヽ:::::::::::::ｌヽ
　　　　　　　　!:::::/　￣　　　　　 lん） !::::::::::ﾙ
　　　　　　　　`ｌ〈　_　　　　　　 ,.. 　( ,.ｲ:::::::::::（
　　　　　　　　ヽｒ__　　　　　　/　　l´　!::::::::从ヽ
　　　　___ ,....,..._　ト-｀¨　　　　　　ノ　ルﾘ人ヾヽ
　　ｒ‐"＿ｌ＿辷〕_}illi、　　　,, -　　　,,..::::"::::..　|　＿_
　ｆ,! └‐ｒ‐‐／ / ^vllllllｒ''"　 ,,...::''::::::::::::::::::::／´　／`!
　 H__ﾉ__ﾉ__ﾉ　/　　　ｒ=`-''::::::::::::::::::::::::::::／　　／　　ヽ
　{　　 ∨　　　ｌ　　　ヽ:::::::::::::::::::::::::::::／　　／　,.　" 　　＼
　l､　　 l　　／　　　 / l::::::::::::::::::::::／　　／　／
　/｀'ー― /　　　／ /:::::::::::::::::／　　／　／
/　　　　 /　／￣/　 /:::::::::::::／　　　　　/

いくら王であったとはいっても、林衍が元宗を殺さないという保障は何処にもない

　　　　　　　　　　　,.:' : '　　　　　　＿　　ヾv,;, ヽ
.　　　　　　　　　　/. : :　　　_　ﾄﾐー- . .　　｀ヾ'　ﾉ '.　,
　　　　　　　　　 ,: : : :彡イ:::/ ﾑ::::::::::::::::≧z_}j　'_彡::ｲﾊ,
　　　　　　　　　,イ:::::::::::::::::,'　　￣r＜ミ:::::::::ﾘ!} }::::＞彡
　　　　　　　　 ,ﾞ:::rー-､::::::{　　ヾ　｀＝ﾟ=ﾐ彡⌒'.叱ﾊ {
　　　　　　　　,:::::::} ハ }::::::j　＞ー=彡´: :´ 　 '. ∨;ｲム
　　　　　　　 i:::::/ }ｖﾑ:!:::::｀彡::::／´　　 ./　,z-　i　ミ:::}
　　　　　　,ｲ::::ﾑ　ゞ:{ } ::::::::::::/　　　／　´　￣ヽ　 ';ﾘ
　　　　　,.ｲ:{::ﾍ::::ハ.＿)_:_:_:_:_/　　　　　　＞≡=ミ　　{
.　　　　/.:ﾊ:＞/´/////////ﾊ　　,彡='ﾞ -―＝＝ﾐ　｜_
　　　＞/,´//////////////∧}､_　　＿　＿＿__　ﾉj!///≧x
　　　{///////////////////,|　　　　　／.:::::::｀ヽ　 '//////∧
　　　|///////////////////,|　　　　　￣ﾉ:::::::::'. 　 !////／/,{
　　 //////////////////// |ﾄ､　　　　 /.:::::::::::::'.　j/＞'////ﾑ

引き連れただけで林衍を威圧できるのは元以外にはいなかったのである
249： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:28:56 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　,.ゝ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､｀ゝ
　　　　　　　　　,．";.　´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　: : : : :.ヽ、 ;､
　　　　　　　　／: : . : . :　. : . : :　　 :　　　　　　　　　: : : : : :ー- ".;
　　　　　　 ,.', : : : : : :　: : : : : :　:.　 : : .　　 : : .　　　. . . . . : : : : :.ノ .
　　　､．..,,．': : : : :.. : : : : : : : : :i: .: : . : ヽ: . : : . : : : : : . . ｀丶: : : :｀ー'ﾉ
　　　　ヽ: : : : :...:::::::: ..: .::: : : : : : :!: : : : .: : ＼: : : : : :::::....ｰ:.､ヽ:`: : : :ヽ'
　　　､　｀ｰｧ:::::::;:::':::::.:::::::: : : : : : ﾞ:、: : : : : : : ｀ｰ-:..: ::...:,.- 、::丶.: : ﾞ､`
　　　ヾ.: :"::::::;:':::::::::::::::':::: : ::. : : : :.＼: ､`:ｰ-:'": :::::::::..::ヽﾞヽヽ:::::: : :＼
　　　　　｀ `/::;:'::::::::::;'::::i:::l.:::::: : ::,: :::::`:.ゝ::::::....: :.::､:::::i:::::ヽ). 　}::::::.: :ヽ　　大元に背く気もありません
　　　　　 ,:., !::::;:::::::l.::::::!::l.:::ヽ:..::､:...:::､:-:､._::ヽ::::::::!､:::!､::ｉ!.〉.; ,::::::::::.: :＼
.　　　　　 i/ .i.:::i ::::::l.::l:::ﾞ:;:ﾞ:;::､:＼:ヾ､:::＼ゝ￣ヽj!:}.ヽ! ﾞ;} ﾞ.' /:::::::::::. :.ヽ｀　……兵を貸してください
. 　　　　 ′ ﾞ: {ﾞ: :::::ﾞ,:iﾞ:;::＼:::､_::::`:＼.｀ｰ-｀-　' ﾘ　ﾞ　　ｰ'ヽ:::::ヽ::､:ﾞ､ヽ.-.、
　　　　　　　　　ヾヽ._;::ﾞ:::＼､:.ヾ､`ー--ゝ　　　　　　　　　 ;　　ﾞ:从ヾヾ〉'/,∧
　　　　　　　　　　ノ:イ:;ﾉ:::;i:::i;;.!　　　　　　　　　　　　　 / 　　　／////,∧
　　　　　　　　　　　　　'"' '" ヾ{ ﾞ!.＿ ,　　　　　　　　　　,　　　.／////////∧
　　　　　　　　　　　　　　　　＼;_,...　 ´　　　　　　　　／////////////,'へ._
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ｰ　´　　　／　／/////////////,'.-''"~ ￣｀`ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ.　_,..;';;ヽ.,,'//////////////'／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／;;;;;;;;;;;;;;;ヽ////////////／　　　　　 .. -
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;}/////////'／　　　　　　　.　´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ///////'／　　　　　　 ,. '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞｰ .._;;;;;;;;;;;;;;;;;;{//////,'." 　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l/`,-._;;;;;;;;;|//////　　　　 .／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |////,`,.､;;;!'////　　　　／
250： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:30:14 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　'　"　　　　　`　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　／:　 ___V__,, 　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　/:: 　　＼　/　　　　　　　　　ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　/:: 　　　　 V　　　　 __,, -ｲ┓ 　 i
　　　　　　　　　　　　　　 i:::i 　　　　　i　/ 　 _／　_,,r～' 　　li
　　　　　　　　　　　　　　l:┏ -　,,_　＼癶ﾚ／　_,,"-=ｫ　　　lik
　　　　　　　　　　　　　　il:::iﾚ__こ __ﾐ`V　 `Y ﾄ-'-`-'ノ　　　　jﾐ/^ ,
　　　　　　　　　　　　　 il::::`尤~_っ`)ｲ:i　　　ヽ ~`　　　　　　ﾅj　 l
　　　　　　　　　　　　　ﾊ:::`:::'"　　'ｲ:_l,_　 _ ,　　　　　　　xXjl（ ll
　　　　　　　　　　　　　 Y^l::`::　　　ｨ::r::: :へy ゝ　　　　　ヽミvXj/ l　　　……よかろう
　　　　　　　　　　　　　　lljlﾘ:::　　　　　:::::::ソ　　　　　　　　＼ヾll　lヽ
　　　　　　　　　　　　　　l川ﾘ::::　　　　__:::,,__　_,,,,_　　　　:.　ヽ`y/ﾘ7`,　兵３０００に将として洪茶丘とシュン※共を付ける
　　　　　　　　　　　　　爪ﾘリ::::　: __,,ノ_,,　,,　,　- - `=っ　 i:::　　ﾘ彡りり
　　　　　　　　　　　　,ｲ巛川l:::: ::　　　...::::::::::.....　　　　　　i::::　ﾚり彡'ﾘYヽ
　　　　　　　　　　　,ｲ巛巛llﾘl:::: `::　　　"　　　 ~　　　　　　':　　ﾚﾘ'"彡り川
　　　　　　　　　　　＼` 三川k:::::::　　　　/ﾊ＼,_　　　　　　　　ﾘ li彡彡'ﾘｿﾘ
　　　　　　　　　　,入NN＼Nl::::＼　　　　7ﾘ川(￣　　　　 /／ '/　li～-弋川
　　　　　　　　　巛三三ｫ -ll:::::!ヾヽﾄ i,,, _川川ﾊl,,__ｨｲ_, ノ'　　　/　ﾄ,　　　liり
　　　＼　　　 l|(三二y/　 llll`,::!l:::::::`ミミミ川ﾘ彡彡 '　　'::ﾉ　　/　ハ: 　　 liﾘ　　　　　　　　　　　※糸扁に亨
　　　　　人`--＞～-ll　　lllllヽ:::::::: : : : :`ミ三ﾘ彡'　　　　 jり　 /　:j: / 　　人＼
　　　　ヽ人人_^_^_^_^l　　 Y,::::::::::::::::: : : : `ミh　　　　　　ｿ　　　:j:/　　　/_^_l入入ヽ ,,__へ__
　　　　　ヽ人人^ ^ ^ _＼　　＼:::: : : : : : : : 三_　　　　　　　　/　　　/^_^_^l_入入/_^_^_^
　　　　　ヽ人人^ ^ ^ ^ _＼　＼:::: : : : :　　二_　　　　　　/　　／^_^_^_^l入入/_^_^_^
　　　　　　　ヾ＼^ ^ ^ ^ ^ _＼　＼: : 　　 ,,,,__ 二　_ソ　　　/　／^_^_^_^_^_lﾊ入/_^_^_^_^
　　　　　　　　＼l^ ^ ^ ^ ^ ^ ^＼　＼　　　　　　　　　　/　/^_^_^_^_^_^_ lﾊ入l_^_^_^_

この要請を世祖は受諾した
251： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:31:34 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　_　　--┤∥jﾟ　　　　　　　　　　　　　　　　　.r-三r´ /rr三y=ニヽ
　　　　　　　／´::::: ::::: ::::: ｀ー::::..、　　　　　　　　　　　　　　／ﾍへ,. {< ｿl ,,r,,,二ニﾆヽ
　　　　　／::::: ::::: ::::: ::::: ::::: ::::: :::::ヽ　　　　　　　　　　　　 jﾆr='''- ﾟﾞ ´￣　　　,　ゞ三=ゝ
　　　　ィ::::: ::::: ::::: ::::: ::::: ::::: ::::: ::::: ::::..　　　　　　　　　　　ｿﾆr ,　　　ー -　　　ヽ　ゞ二=k
　　　/ﾞ::::: ::::: ::::: ::::: ::::: ::::: ::::: ::::: ::::: :::..　　　　　　　　　　rﾆ=' {　　　　　　　　　ｭz,,., ゞ二=y
　　/::::: ::::: :::::rﾞ一=　 _::::: ::::: ::::: ::::: ::::::...　　　　　　　　　／ﾆr ,へ、　　　　／∠´ﾞ´. ゝjﾘl=k,
　ﾄﾞ::::: ::::: :::/:::::: rﾊ,::::: :::::;ーｭr」,,,::::: :::::ﾊ　　　　　　　　 { / /´ﾞ｀二ヾｭ,　 .'ゞr ﾞQ ｧ,　　ﾘ}.}k ゞ _ =-、
: ハ::::: :::::/:::::r、:::::'::::: ::(リ::::: :::::j:::::_::::へﾄ,　　　　　　　　 yr,l　　ﾄ Q ヾ,.l　　ゝ￣　　ｲ, /、三ﾆニﾆ,
: }:::::へ::/:::ィlrヽ　ゝ、:::::~:::: :::::ｨ::::(ﾘ)::::rj::}　　　　　　　　〈y.lヾ　｀ﾞ´　 .l　　,＿_r=、　´}ﾍニ三-二ﾆ
=＝ュ::::: /ﾞ　ヾﾞ　ゝﾍ　''ﾏ::::: /:::::｀:::::ｭ::::j　　　　　　　　　{jﾆゝﾍ　 r- -r _, ,ｲﾆ=- ﾞ j　 .lﾊゞ三ニニﾍ
: ::::」;ｊ/::/｀　　r k、ヾﾍ　ヽゝ=ィ´ /ィﾘ∥　　　　　　　　　jlニ=ﾘl　<-= .＿ _ ー ,　　'　イl.ﾄ,ﾆニニy´
::卞j/:::ｨ/　　　:;:ゞ＼k;ﾍ } ｊ:「ﾉｨ≠ﾞ　ﾂ　　　　　　　　　/jニy j=ゝヽ　　r;;;;z　　　　.ィ, .lﾊﾆ,=jr;／
┐:::: ::彳　　　ゝ、二ゝﾞ=ｨゝﾊｨﾞッ´7,/　　　　　　　　　ｿ''ニ'=ﾉ /jﾄ、　　ﾞ　　　　 ./　l./　ﾄ-／　　;;;
:::。ﾍ∧'　　　　　一ィ　ヾ' =ﾊｭ- ´/'　　　　　　　　　{{、ニ/´　ｿ　、, ヽ＿jkｧーｨー━y　r　　　;;;;;;y
:::://∧ ヽ　　　　ｨ´ハ::　　ﾘ　　　ｨ　　　　　　　　　　ゞ>,ゝ　l!　rゝ-ﾄ-ヾ-、r-ｲ- ´_ ／　　／´シ
/ィ∧　　　　rﾟ´ ,　-ゝ::｀　　 }、:j /　　　　　　　　　　　 ,ソj　} ﾍ,- ´　-<;;;;;;＿ .-ーｙ ’　／;;;;ｨ´
升　k　　　 r=≦ﾐ= ｭ=＞-＜ﾐrｨ´　　　　　　　　　　　　ゝr-{ﾘ'　　＿ -ﾌz　　／'' ﾉ　　/;;;;;;ｨ　　　r;;;
ﾍﾍ　ﾍ　　ﾞ　ﾍ　r ＿　‐ 一ゝｿlj　　　　　　　　　　　　　　｛´ /´::::::ｨ''´　　／´ ノ　　ｲ;;;;;/　　　ィ;;;;;;
入＼::＼　　　ヽヾ:::::ﾞ　　' /!:l;..　　　　　　　　　　　＿＿r-k;;;ｨ´＿ _zｲ´ ／　　;;;/;;;;／　　／ ´ ￣
　　　　　｀　　　　　:::: :::　　ｨ;:;!:j;;;;; ;;;;..　　　　　　　ｿ´ｪｭｲ´ --´　ー＿ｨry'　　　;;;/;;;;ｨ　　　´
　　　　　シュン共　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　洪茶丘

付随の将は両名とも元高麗戦争の時の捕虜で将軍として抜擢されたという人物である

　　　　　　　　　　 .r-三r´ /rr三y=ニヽ
　　　　　　　　　／ﾍへ,. {< ｿl ,,r,,,二ニﾆヽ
　　　　　　　　　jﾆr='''- ﾟﾞ ´￣　　　,　ゞ三=ゝ
　　　　　　　　ｿﾆr ,　　　ー -　　　ヽ　ゞ二=k
　　　　　　　　rﾆ=' {　　　　　　　　　ｭz,,., ゞ二=y
　　　　　　　／ﾆr ,へ、　　　　／∠´ﾞ´. ゝjﾘl=k,
　　　　　　　 { / /´ﾞ｀二ヾｭ,　 .'ゞr ﾞQ ｧ,　　ﾘ}.}k ゞ _ =-、
　　　　　　　 yr,l　　ﾄ Q ヾ,.l　　ゝ￣　　ｲ, /、三ﾆニﾆ,
　　　　　　　〈y.lヾ　｀ﾞ´　 .l　　,＿_r=、　´}ﾍニ三-二ﾆ
　　　　　　　　{jﾆゝﾍ　 r- -r _, ,ｲﾆ=- ﾞ j　 .lﾊゞ三ニニﾍ　　今は元の将ですが地理に詳しいですから
　　　　　　　　jlニ=ﾘl　<-= .＿ _ ー ,　　'　イl.ﾄ,ﾆニニy´
　　　　　　　/jニy j=ゝヽ　　r;;;;z　　　　.ィ, .lﾊﾆ,=jr;／　　　……まぁ適任でしょう
　　　　　　ｿ''ニ'=ﾉ /jﾄ、　　ﾞ　　　　 ./　l./　ﾄ-／　　;;;
　　　　　　{{、ニ/´　ｿ　、, ヽ＿jkｧーｨー━y　r　　　;;;;;;y
　　　　　　　ゞ>,ゝ　l!　rゝ-ﾄ-ヾ-、r-ｲ- ´_ ／　　／´シ
　　　　　　　,ソj　} ﾍ,- ´　-<;;;;;;＿ .-ーｙ ’　／;;;;ｨ´
　　　　　　　ゝr-{ﾘ'　　＿ -ﾌz　　／'' ﾉ　　/;;;;;;ｨ　　　r;;;
　　　　　　　　｛´ /´::::::ｨ''´　　／´ ノ　　ｲ;;;;;/　　　ィ;;;;;;
　　　　　＿＿r-k;;;ｨ´＿ _zｲ´ ／　　;;;/;;;;／　　／ ´ ￣
　　　　ｿ´ｪｭｲ´ --´　ー＿ｨry'　　　;;;/;;;;ｨ　　　´

特に茶丘はこの後日本と二回干戈を交えることになる
252： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:32:08 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　'　"　　　　　`　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　／:　 ___V__,, 　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　/:: 　　＼　/　　　　　　　　　ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　/:: 　　　　 V　　　　 __,, -ｲ┓ 　 i
　　　　　　　　　　　　　　 i:::i 　　　　　i　/ 　 _／　_,,r～' 　　li
　　　　　　　　　　　　　　l:┏ -　,,_　＼癶ﾚ／　_,,"-=ｫ　　　lik
　　　　　　　　　　　　　　il:::iﾚ__こ __ﾐ`V　 `Y ﾄ-'-`-'ノ　　　　jﾐ/^ ,
　　　　　　　　　　　　　 il::::`尤~_っ`)ｲ:i　　　ヽ ~`　　　　　　ﾅj　 l
　　　　　　　　　　　　　ﾊ:::`:::'"　　'ｲ:_l,_　 _ ,　　　　　　　xXjl（ ll
　　　　　　　　　　　　　 Y^l::`::　　　ｨ::r::: :へy ゝ　　　　　ヽミvXj/ l
　　　　　　　　　　　　　　lljlﾘ:::　　　　　:::::::ソ　　　　　　　　＼ヾll　lヽ　　それと高麗に勅使を出せ
　　　　　　　　　　　　　　l川ﾘ::::　　　　__:::,,__　_,,,,_　　　　:.　ヽ`y/ﾘ7`,
　　　　　　　　　　　　　爪ﾘリ::::　: __,,ノ_,,　,,　,　- - `=っ　 i:::　　ﾘ彡りり　いかなる理由があろうと我が命に背いて王を変えるなど許さん
　　　　　　　　　　　　,ｲ巛川l:::: ::　　　...::::::::::.....　　　　　　i::::　ﾚり彡'ﾘYヽ
　　　　　　　　　　　,ｲ巛巛llﾘl:::: `::　　　"　　　 ~　　　　　　':　　ﾚﾘ'"彡り川
　　　　　　　　　　　＼` 三川k:::::::　　　　/ﾊ＼,_　　　　　　　　ﾘ li彡彡'ﾘｿﾘ
　　　　　　　　　　,入NN＼Nl::::＼　　　　7ﾘ川(￣　　　　 /／ '/　li～-弋川
　　　　　　　　　巛三三ｫ -ll:::::!ヾヽﾄ i,,, _川川ﾊl,,__ｨｲ_, ノ'　　　/　ﾄ,　　　liり
　　　＼　　　 l|(三二y/　 llll`,::!l:::::::`ミミミ川ﾘ彡彡 '　　'::ﾉ　　/　ハ: 　　 liﾘ
　　　　　人`--＞～-ll　　lllllヽ:::::::: : : : :`ミ三ﾘ彡'　　　　 jり　 /　:j: / 　　人＼
　　　　ヽ人人_^_^_^_^l　　 Y,::::::::::::::::: : : : `ミh　　　　　　ｿ　　　:j:/　　　/_^_l入入ヽ ,,__へ__
　　　　　ヽ人人^ ^ ^ _＼　　＼:::: : : : : : : : 三_　　　　　　　　/　　　/^_^_^l_入入/_^_^_^
　　　　　ヽ人人^ ^ ^ ^ _＼　＼:::: : : : :　　二_　　　　　　/　　／^_^_^_^l入入/_^_^_^
　　　　　　　ヾ＼^ ^ ^ ^ ^ _＼　＼: : 　　 ,,,,__ 二　_ソ　　　/　／^_^_^_^_^_lﾊ入/_^_^_^_^
　　　　　　　　＼l^ ^ ^ ^ ^ ^ ^＼　＼　　　　　　　　　　/　/^_^_^_^_^_^_ lﾊ入l_^_^_^_

同時に、世祖は勅使を先行させた

――勅使到達は８月末から９月初頭と思われる

　　　　　　　　　　_,.．---- ．._
　　　　　　　　／　、　　　　､ ,,ヽ
　　　　　　　/ 　　ﾐ))))))))))）　ｯ'))）
　　　　　　/　　　　　,ｨ｡ﾆ>,;;　ヾむi　
　　　　　　彡､　　　　"""　　(,-､ｯ, ヽ　
　　　　　　{-ﾏ彡ｨｨｯｯ'' ..　　　,,__'_,,,_､i
　　　　　　ﾊヽヽ彡'　　:::　''"~　,,;;;;;,,` l
　　　　　/ﾐヽﾆ-）ii　　　'''　　　　/iii> ,}
　　　　（ミﾐﾐミﾐi｀iiii;,,　　　,,,,,,,,,,,ﾉllll!,ii!
　　　　{ミミﾐ/⌒i: : :　"　""'''!!!!!!!!!ｿ"
　　　（ﾐﾐﾐ（　（｀ヽ: :　　　;　　　　.::|
　　　〉ﾉﾉﾉヽ＼　ヽ　　　 ''';;,　　.::ﾄ､
　　 /ﾉﾉiii　iii ＼＼　､　　;;　 .::::|　ヽ
　／/ iii　iii　 iiii ＼＼　　　　　　:::ﾄ､　ヽー

┏───
│国王ショク（示扁に直、元宗の本名）はこれと言った過失がない

　過失があり諫言も聞かないのであれば私に報告し裁可を仰げ│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ───┛
253： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:33:15 ID:WbZJHgcY0: 　　　　 _ _
　　　　r､ヽヽ　,..
　　　 l.i^iヽヽ! ｌ
　　　　 `、ヽ　　 `!
　　　　 `、 `　　{
　　　　　　ヽ　　, ﾍヘ
　　　　　　　ヽ' ／　　＼
　　　　　　　く｡.　　　　＼　　　　　　　　　 ,.-､、ﾍ
　　　　　　　　＼ﾟ｡　　　＼　　　　　　　,.._彡ミ',ハ、
　　　　　　　　＼　　　　　`ゝ､._　　,イヽ (_ノ彡,　ヽ
　　　　　　　　　　　＼　　　　　　 __ヽ.l.　ヽi、 `i彡ﾉ// `;-
　　　　　　　　　　＿　ヽ-─　￣__,..-l、　　　　 L./// ,F`　　　素晴らしい！
　　　　　　　　ヽ´　　　　　_. -‐'ﾆィ○l　｀`　‐_,ーｲ//,ﾄ
　　　　　　　　/ヽ`=i　,.-'´, - '´,. ﾍ. _,!‐.ニ∠._,.-｀　 !、　　　　　まさかこうも早く元を頼るとは！
　　　　　　　 /　　／/_..i'　／'"l∠ _,.-─‐,.､｀_ヽ､　ヽ
　　　　　　 /　　/‐-´-〈イ　....＿i'_ 　　 i' r（ヽ! l'´　 .i　　　　┏───
　　　　　　 ,' 　 /　　　ｉ　ヽ　　　l、`ヽ-､/{ヽヽヽ!ミミ､`、　　│私に訴え出ず臣下が勝手に王を廃置するなど
　　　　　　,' 　 i'　　　　　 i.　ヽ　　 l、　￣li. i ` 　 lﾄl　`ﾞヽ
　　　　 i　 /l　　　　　　ヽ,.-'′ 　 l、　 lヽ　　ﾉ ,!　　　`、　　古今において一切の理にない│
　　　　　 ,l. /.{　　　　　　　　　 _ 　 l、　 !　`l,.'- ´　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　───┛
　　　　 ./l/　 ! ｌ　　　　　　 _.- '´　ヽ.　i、　l.＼--　　..._ ／
　　　　/ l　　l　 l　　　　　ヽ　,.- ´　　　i、 l　＼
　　　 ,'　l 　ｌ　 l.i　　　　　　´　　　　　　 i、l.　　＼
　　　,' 　l　 l.　 l. l、　　　　　　　 _. - ´　　i､l. 　　ヽ
　　 ,'　　l.　ヽ､_j　 l、　　__.. -　´　　 l 　　 l、　　　ヽ
　　i　　　l.　　 `、　`､ ´　　　　　　　　l.　　　 l、　　　／ヽ,
　　　`ヽ、l　　　`、　ヽ　　　　　　　　　l　　　　l、　ヽ. ／ヽ
　　　`　/　l　　　`、　ヽ　　　　　　 l　　　 l、　　　　　`
254： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:33:47 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　)　　　　　　　　　　　　 ,ｲ彡'::::::::::::::::::|ﾊl､Ⅵ　ヽ､　　　　　　　　　　　　 {
二ﾆ=彡ｲ　　　　　　　　　　　　　　 j彡',ｨ⌒ヽ､:::::::ﾉ斗､|ヽ　ヽ:i:ﾞY　　　　　　　　　　　/
, 　／　ヽ　　　　　　　　　　　 {_f´犲”￣¨Y___r‐l|‐ﾘ-l| l| i:i:i{　　　　　　　　 _＿f´
彡'　　　　ﾞY　　　　　　　　　　　 {ミ i{　　　　/ﾆﾐ{　　　　||ﾊ li:i:}　　　　　　　f´　　{
　　　　　　　}､　　　　　　　　 f^ﾄ/乂＿_ノ,'n n丶_＿_乂ﾉﾉi:i:}　　　　　　　{　　 l
　　　　　　　| ≧s｡､.　　　　　　 | ｉ{　r‐'　_＿＿＿___ﾞﾞﾞﾞﾞノ'ﾘf^Y　　　　　　,ｲ　　　 ',
　　　　　　　|　　 Ⅵ≧s｡　　　 l i:|　{｀Y´r───‐､｀Y)〉　 |):}　　　,イ⌒ /　　　　　　　/ 　だが王太子は愚か者ではない
　　　　　　 l 　　 }}==ﾐ､ﾞｰｫ､　　乂|　　 l ':::::::::::::::::::::::`/　　　|'ﾉ__　 //　　 {　　　　　 ,'
　　　　　 l　　　 }　　　ﾞ // ＼　　{　　 {:n⌒ー‐'⌒n/　　　,'´ 　＼　　,'　Ⅵ　　　　　 i　　　ならばこの勅命がどのような意味か分かる筈！
　　　　　　 ,' 　　 j　　　 //　 ,ｲ¨¨圦　込ミﾆﾆﾆﾆ彡'　　　/.　　　　＼j　　＼　　　 .|
　　　　　　　　　 /　　　ノ/ .／　　　　ゝ　 '´¨¨¨¨¨¨｀　　ノ:} 　　　　ﾑ　　　ヽ､　　 |
　　　　　　 __ム＿／　／　　　 /　＞　_＿___　｡s≦　　{ヽ､　　　　ﾑ､　　　ﾞY 　 |
　　　　_,斗匕　　,斗'”￣　　　　　／　 .／⌒ー⌒＼　　　　 Ⅵ:ﾑ　　　　　ﾑ＼　＼廴　|
　　　 (　　　　,イ　　　　　　／/　／⌒Y:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i>､　　　 Ⅵ::ﾑ　　　　ﾑ. ＼　　ヽ
　　　　Ⅵ 　 / 　　　　　.／:::/／::::::.　 }:i:i:i:i:i:i:i:／　::＼　０ }:::::::ﾑ　___　　ム　丶　　＼
.　　　　 Ⅵ /　　　_____　／/､:::”　＼::::　ﾉ:iroｫ:i:i(　　.:::/::｀￣´::::::/:ﾑ/㍉ミ､　　ﾑ　　＼　　 Y　/　,
＼　　　 Ⅵ　 ,イ”⌒Y} ﾉ /:::. ＼::.　｀ー{彡へ＼}＿ノ　..:::::::::::／:::::::}　　　＼､ﾞｰ' 　　＼　 i　　/
　ﾞ寸 _＿≧彡'　　　／　〈:::::::.　＼　／:i:i:i:i:i:i:i:〈　　　..:::::::::／::::::::,イ　　　＼　　　　　ヽ　　/
s≦￣ f´　　{　　　 f´:　　＼::::::. 　ﾞ/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ﾑ......:::::,斗’:::::,斗’/　　　　　　ﾉ　　　　　丶/
　　　　{　　 {　　　 {:::....　　　＼:::::. /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iﾑ,斗’:::::,斗’..::::/　　　　　　/　　　　　　　　 }

勅命の内容が受け入れられるということは、王の退位即位は元に主導権が握られるという事を意味している
255： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:34:27 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　／: : . : . :　. : . : :　　 :　　　　　　　　　: : : : : :ー- ".;
　　　　　　 ,.', : : : : : :　: : : : : :　:.　 : : .　　 : : .　　　. . . . . : : : : :.ノ .
　　　､．..,,．': : : : :.. : : : : : : : : :i: .: : . : ヽ: . : : . : : : : : . . ｀丶: : : :｀ー'ﾉ
　　　　ヽ: : : : :...:::::::: ..: .::: : : : : : :!: : : : .: : ＼: : : : : :::::....ｰ:.､ヽ:`: : : :ヽ'
　　　､　｀ｰｧ:::::::;:::':::::.:::::::: : : : : : ﾞ:、: : : : : : : ｀ｰ-:..: ::...:,.- 、::丶.: : ﾞ､`　　　（今王位を奪還するには元に頼るしかねぇ
　　　ヾ.: :"::::::;:':::::::::::::::':::: : ::. : : : :.＼: ､`:ｰ-:'": :::::::::..::ヽﾞヽヽ:::::: : :＼
　　　　　｀ `/::;:'::::::::::;'::::i:::l.:::::: : ::,: :::::`:.ゝ::::::....: :.::､:::::i:::::ヽ). 　}::::::.: :ヽ　　　　どれだけでかい代償だとしても王位を持ってれば……）
　　　　　 ,:., !::::;:::::::l.::::::!::l.:::ヽ:..::､:...:::､:-:､._::ヽ::::::::!､:::!､::ｉ!.〉.; ,::::::::::.: :＼
.　　　　　 i/ .i.:::i ::::::l.::l:::ﾞ:;:ﾞ:;::､:＼:ヾ､:::＼ゝ￣ヽj!:}.ヽ! ﾞ;} ﾞ.' /:::::::::::. :.ヽ｀
. 　　　　 ′ ﾞ: {ﾞ: :::::ﾞ,:iﾞ:;::＼:::､_::::`:＼.｀ｰ-｀-　' ﾘ　ﾞ　　ｰ'ヽ:::::ヽ::､:ﾞ､ヽ.-.、
　　　　　　　　　ヾヽ._;::ﾞ:::＼､:.ヾ､`ー--ゝ　　　　　　　　　 ;　　ﾞ:从ヾヾ〉'/,∧
　　　　　　　　　　ノ:イ:;ﾉ:::;i:::i;;.!　　　　　　　　　　　　　 / 　　　／////,∧
　　　　　　　　　　　　　'"' '" ヾ{ ﾞ!.＿ ,　　　　　　　　　　,　　　.／////////∧
　　　　　　　　　　　　　　　　＼;_,...　 ´　　　　　　　　／////////////,'へ._
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ｰ　´　　　／　／/////////////,'.-''"~ ￣｀`ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ.　_,..;';;ヽ.,,'//////////////'／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／;;;;;;;;;;;;;;;ヽ////////////／　　　　　 .. -
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;}/////////'／　　　　　　　.　´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ///////'／　　　　　　 ,. '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞｰ .._;;;;;;;;;;;;;;;;;;{//////,'." 　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l/`,-._;;;;;;;;;|//////　　　　 .／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |////,`,.､;;;!'////　　　　／

.　　　　　　　　　　 lヽゝｰ` `　　　　　　　　　　三ミヽ、
　　　　　　　　　　, `ﾆ　　　　　　　　　､　､　　 ⌒ヽ`＼
　　　　　　　　　 '／　　ム／ﾚ＾ソヽ ! ヽ l ヽ,､､ `‐`-- ,
　　　　　　　､ -‐ '//／ //ィ / l l　ﾘ　ヽ l､ l.ヽl`ー二ﾆ-
　　　　　　　＼￣　　　　 /::l/!.ノﾘ /ヽ､ﾄ.ヽ.!ヽ! .ﾘ　ヽ
　　　　　　　　>'　　.ｲ/!/::::l:::l',､l /::::l::ﾘN;ヽﾘl::l,､廴ヽ`＼
　　　　　　　　ﾚ'ﾌ　/l/ ﾘ::::::l:::/ﾙ':∧:l.､:ﾘ:ﾄ:::lN:::::l lミ‐-`
　　　　　　　-ﾆ∠:::l:::ｒｲ:::::::ﾄ､l/／二ニﾐ./ ! l/.ﾉ /＼`　　（どっかで巻き返すことだってできる
　　　　　　　　`‐-,::l::l '_ゝ::N 　　　` `´ /　 l/lｲ/ｿ￣
　　　　　　　　　　ﾉ:::::ヾﾆ`:ゝ　　　　　　　　 l　/　　　　　　　今内乱で国を失いさえしなけりゃまだ目だってあるんだ）
　　　　　　　　／'´7:::::`ー､　　　　　　　　ノ/
　　　　　　　　　　 / 'ﾘ:::λ!ヽ. 　　　　　 - ‐ｿ
　　　　　　　　　　　　l::`-`_- _`　、　　ー/-､_
　　　　　　　　　　　」::::::::::::`-`_-,　` ‐-, '::::`:::‐, 7
　　　　　　　　　　ハ::::::::::::::::::::l l　　　,'::::::::::::::〃‐- 、
　　　　　　　　 ,..::'´:::::::::＼:::::::::::l !　　　lヽ:::::::::〃　　　` ､
　　　　　 ,...:'´:::::::::::::::::::＼＼:::::l.!.　　　' .ヽ::::〃ヽ　　　　ヽ
.　　　,...::'´::::::::::::::::::::::::::::::::＼:＼!l＿　　／l::::!l.　ヽ　　　　ヽ
　,..::'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ヽ;;;ヽ､　` ´　 l::::!l　　ヽ　　　i　ヽ

結果として、この元の勅命に対する抗議をタンは自身が生きている間一度として行うことはなかった
256： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:35:20 ID:WbZJHgcY0: 　　　ヾ,::::ヽ」::::'::::: ::::: ::::: :::: ,::::: .::::: ::::: ::::: y==- '　　　ヽ.::::: ::::: ::::: ::::/
　 _,　　ヾ:::::ゞ::::: ::::: :::ｼ´ﾞ　　｀　　　　｀ゞ´　　　　　　　　;;ヾ::::: ::::: ::::ｨ
　　　ヽ.,卞:::::: ::::: :::::/;;;　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ;;; ヾ::::: :::::/　-ｭ
-==ｭ　ヾ:::::: ::::: ::::: ｨ.;;;　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ィy'ﾊ::::: ゞ´:::≠,
　　　≒::::: ::::: ::::: 卜、　　　　　　k、　　　　　ｨ;;　　ｨﾞ ´:::::ｿゞ::::: ::::: ／
　　　＿ゞ::::: ::::: ::::ﾄ、::::: :::ﾄ　、　　ヾﾍ　　　　∥. ／::::: :::ィﾞ　, ﾐ::::: ::::: へ
-ｭ'≦::::: ::::: ::::: ::::: ! :>ゞ::::: ::::: :ﾄへ、ヾ　　　1yｨ::::: ィー一ｨｱ　ゞ:::<ハ_ﾌ
　　　ﾌ/lkｭ,::::: :::::ﾊ　=fk=　=kｭ::::: :::::ヾj:}:　ヽj::::: ｨ fｔッjﾟィ/'　　rｊハ＜<
　　/::/_ｭ=j:::::くﾊ:::!　　ゞk=f!ッ:ﾟ' ィ’:::ﾊ　　　ゞ::::: -,,一　　　　 lﾊ=:::≧-
　ｨ::ｿー＝::::、:::ﾘ::j　　　　　　￣一ｼ::::ﾊ　　　::　　　　'　　　　　l::::ﾘ卜ﾊ,　　　王位を元が決めるってことは俺らの君主は元の臣下
≠/ﾞ　　ｨ::/ ﾌ::::x::ゞ:: 　　　　　　　　　 ::::j　　　::　　　　　　　　　:!:::::卜!ﾍ
::ｿ　　//ﾂｨ::::ｲjX>ﾍ:::　　　　　　　　　 !:::l　　　、 :: 　　　　　　　j::ﾄﾘ=-├　　　なら、俺らが元に臣従したって問題はないよな？
ｨ　　/ｨ'/'/::::ﾄ-=':::::ﾊ:::　　　　　　　　 ::::ゝ　　 _ _!　　　　　　　 :!ﾄソﾍヾ'
!　　! ｼ ´ !:::ﾄヾ'::::<ハ:::　　　　　　　　ヾ:::ゝｨ::::::'　　　, 、　　　:j::::: ::::<ﾍ
、　ｌ 1　　ｌ1　ヾ/:::へヾ:::　　　　　 ,　＿　ゝ::::: ::'ー‐一ﾞ　ｊ　　　ｊ:::::く＞‐ゝ
;;;;;;;!ｌ:ｌ'　　1!　ｨ/’::':::'::ﾍ::::　　　　ゝ　　　　＿　＿ ,　　　　　　ｊ::::: ｋ''ﾍヽ
へ !ﾘl;;;;;'ﾄl:j-!ｿ//へ::::::ヽ:::　　　　　　　　ゞ'''':::::::'　　　　　　　ｨ;; ﾄ’トk/:::::
＼l::j'ヾヽ!ljvj>::< /∧::::! へ　　　　　　　　::::: ::::'　　　　　　 /　:::!卜::::: ::::
　　ljﾍ　ﾍx<<,l::j;;/'ﾍ/::::ゞ　　ヽ　　　　　　　　、　　　　.ｨﾟ　　:::!::::: rxｿ !
ﾍﾍl!;;;;;／/x!<<'j7;;;;ﾍヾﾍ　　::::: へ　　　　　　 j!　　　　ｨ:::　　 ::::j:::::vxy　'
ﾍ;;;;!j;;;;; ハl!∧!ソヘj::!ヾﾊ　　:::　　　;;::ゝ、＿:ﾉ::::k=ｨ;;;;　　　　j::: !::::: ｿ:::::「
≒ﾍj;;;;; ;;;lﾘｘ’ｿ;;;;へl:j:::::l:j　　　:::　　　　;;;;::::;;::{:::::!;;;:::;;'　　　　j　ゞ;;;;’;;;;; ;;;
;;;;;;kﾍ;;;;; ;;;xｿl!ｿ;;;;;へlj}}xjﾊ　　　:::::　　　　:::;;;::;ゞﾘ;;::;;　　　　 :::　　llk≦≠;;

タン、後の高麗王、忠烈王の世において一度としてそのような目は訪れることはなかったのである

――元の勅命が届くと、林衍は武官、金方慶を元へ派遣

　　　　　　　, -‐''¨¨¨''ヽ､
　　　　　／　　　　_,. - ､＼　　　　＿
　　　　 /　　　　　/　Ｍ　ヽ_,. -‐''¨￣　¨＼
　　　　/　　　　　 |　　_, -'´　_,. -――　　 |
　　　 /　　　　　　 >‐´　_,-'´　＿　　　　ﾉ
　　　|　　　　　　／　 ∠ -‐''''彡≡ヽ　／
　　 |　　　　　 /　r≡ﾐヽ　　　ﾘ,. -､ヽ'´
　　 |　　　　 /　　|ﾘ￣二,_　　 |-‐､ヽ l＿＿
　　 |　　　　/　 / ﾘ /　r'''ヽ　　|¨i_, -'´　　　＼
　　 |　　　 /__／　　|　 | l¨｀|　／　　　　　　　 |
　　ノ　　　|　　　　　ヽヽヽ,,,|　　　　　　　　　　|;;;;|
　/　　　　|- ,,＿_　　__＼ニ‐　　　　　　　　　 /;;r'!
　!　　＿_ |:::::::::::::|　 |;;ヽ＿＿lヽ､_　　　　_,,／;;;;;|
　 Y´　　｀'‐ ,:::::::::） └-i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:｀¨'''¨´;;;;;;/￣|
　 |　　-‐-､　￣　　　　ヽ＿＿＿＿/￣''''´　 /
　 |　　　￣）　　　　　　　　　 |二''''‐--i　　　/
　　＼　　　　　　　　　　　　　 |　｀'''''''/　／
　　　＼＿__,-､_　　　　　　　　＼＿_/　　/
　　　　　　　　　　｀''――'''''-､_　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣
高麗都督使（将軍）　金方慶

あくまで退位は病気によるものであると説明した
257： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:36:26 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　_,.．---- ．._
　　　　　　　　／　、　　　　､ ,,ヽ
　　　　　　　/ 　　ﾐ))))))))))）　ｯ'))）
　　　　　　/　　　　　,ｨ｡ﾆ>,;;　ヾむi　　　　言い訳は聞かん！
　　　　　　彡､　　　　"""　　(,-､ｯ, ヽ　　
　　　　　　{-ﾏ彡ｨｨｯｯ'' ..　　　,,__'_,,,_､i　　　ショク、ショウ、林衍を連れてこい！
　　　　　　ﾊヽヽ彡'　　:::　''"~　,,;;;;;,,` l
　　　　　/ﾐヽﾆ-）ii　　　'''　　　　/iii> ,}
　　　　（ミﾐﾐミﾐi｀iiii;,,　　　,,,,,,,,,,,ﾉllll!,ii!
　　　　{ミミﾐ/⌒i: : :　"　""'''!!!!!!!!!ｿ"
　　　（ﾐﾐﾐ（　（｀ヽ: :　　　;　　　　.::|
　　　〉ﾉﾉﾉヽ＼　ヽ　　　 ''';;,　　.::ﾄ､
　　 /ﾉﾉiii　iii ＼＼　､　　;;　 .::::|　ヽ
　／/ iii　iii　 iiii ＼＼　　　　　　:::ﾄ､　ヽー

が、謁見するなり追い返された

　　　　　　　　：　, 　--- 　、：
　　　　　　：　／　　　 { M.}ﾊ：
　　　　　　： i_＿_ , -＜二二ﾝ：
　　　　　　： Y^ゝZ　◯ 　◯i､：
.　　　　　： (,'_ 　 lヽU(⌒)U'l ：　　やっぱそうですよね……
.　　　　　： ,ト、　ゞ;;;;;仁i;;ノ：
.　　　　　　： /　 ! .|ﾄ　--‐r个x ：
.　　　　　： {l 　Ｙ化----化ｲ：
　　　　　　： { l　 l　　　　　 l　l ：
. 　　　　　： i .l　 l　　　　,l　l ：
　　　　　　： i .l＿l　　　　　l,ｿ：
.　　　　　　： i ｀^^　　　　　l ：

すぐさま金方慶は帰国

　 ∧＿∧
　（　´∀｀）　　勅命でーす
　（　｀∽)
　｜　ｌ｜
　（＿__）__）

それを追いかけるように黒的を派遣
258： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:37:07 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　　　,. ＝i/∨i i iへ.,
　　　　　　　　　　　ハ丶丶//∨i i i i i i へ
　　　　　　　　　　ハ丶ヾ　'　'　∨i i i i i i i i i i ,
　　　　　　　　　ﾊ ,.=ー=.,　　,.=-^ﾚi i i i i i i i i i
　　　　　　　　　├(　　　ノ二(　　　　'iｼi i i/i i i i
　　　　　　　　　(　}　￣く　_　丶＿　へﾚ/ﾊi i i |
.　　　　　　　　　 v　,',.＿　　丶　　　　　!.i'’ソ /
　　　　　　　　　　i　 i 彑彑彑彑彑 )　　, ノノ,/　　　　最初から話を聞く気が無いとは！
　　　　　　　　　人　,、册册册册’,　　/ﾃテ
.　　　　　　　　／'-,ヾ二　二￣　　ノ彡’ヾ.,_　　　　
　　　　　　　　／　　ヽ::......￣........-=三’　 /　　ト,_ _
　　　　　　 ,:’　　　〃^i;::::_;: - '’　　　　 /　　｜ .{　{ヽ
　　　　,.・∨　　　　/i .i’ヽ、　　　　　／/.　　 |　/”
　　　’ ∨　　　　 /ﾉル　,ゝ　　　／.∨　　　 |/
　　　∨　　　　　/レ'=o＝> 丶, 0/　 ,/　　　　 |
　　　’　　　　　/　ハノ /i　　ヽ’／/　　　　　.i,.・’
　　　　　　　　ﾊ,:'　　　/ i　　 . /　 /　　　　　 |
　　　=.,＿　　ﾚ　　　 .ﾉ　i　ノ　　./　　　　　　 |　,'
　　　／／'＝く　　　く　,.- ’　　 ./　　　　　　 .|　ir’
　　 ∨/　　　 V　　.／　　　　　/- 、　　　　 .|　|
　　　∨/　　　　V／　　　　　　/　　ヽ、　　　　|　ヽ

再度、元宗、王弟ショウ、林衍の元への出頭を命じたのである

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　_　__ ＿　r-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {.ｒ､＼＼`㍉､｀＼i＼¨ミ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／Ⅵi＼＼＼　＼ .＼.Ⅵ `㍉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ彡iiⅥﾑヽ　ヽ　　＼ .＼}＼∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }彡ﾆﾊⅦiﾑ　＼　＼　.ヽ .∨ Ⅵ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {／,ｲ　`¨¨∧ .i　i　　　　　.∨i}i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Y// 　　　.∨| |　|　|i　i　}　l!Ⅵ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {i i,ｨzzzzミ､ .乂i}i 从乂八il　} i乂､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{｀Y ,ｨ==r=ｧﾐ､___,Yrィ尨ラ.}i}从{i ﾉﾉ　　とはいえ江華島の要塞化はまだ初めてすらいない
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人 {（弋__`彡豸⌒}i}_`⌒".ﾉﾉ　}／}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `Y`ｰ====彳i⌒` ‐==‐'.,ィ　 iﾉノ　　ここは王に復位していただくとしようか
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､＿,ィ　　. ,ｲ　 /ミ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人　　`‐-=　zzz-≠彡′/{㍉ヽ＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　.＼　　`ｰ‐‐‐　　　　／ﾉiﾄ､i}　}i:i:　Yヽ､
　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_,.．-'／　　／i} ＞‐-　　--,.．イ.／ / ./ ./i:i:　 i　` ＼
　　　　　　　　　　　　／i}＿＿＿__／　　／.／}　　 /ゝﾍ　　 .／　./ ./　i{i:i:　　i}乂　　`ｰミ､____
　　　　　　　　　　　／乂⌒/　　i／　／.／i∨ j　/}´⌒i}　　　　 ./ ./　　ヽ＿__///i`㍉____　　　〉､
　　　　　　　　　　/　//　 / , -'" 　／.／　 i/__.／i迄亥ｲ＼　 .／ ./　　　　 i}/　i:i:／　　ヽ／⌒＼
　　　　　　　 /　//_,.．　　　　　／}　　 {ii:　i／⌒㍉}彡' Уi:i:i:/　　　　　　 i}i:i:i:i:/　　　／　　　　∧

林衍とショウ王は出頭は拒否した

だが、ショウ王を廃位させて、元宗を王位に復帰させて様子を見る構えをとる
259： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:38:07 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　　　　　 __
　　　　　　　　　　　　　　／へヽ
　　　　　　　　　　　　　／／.　|.|
　　　　　　　　　.. ---|　|--- |.|..
　　　　　　　／　　　　　　　（）＼
　　　　　／　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　__|　　　　　　●　　　●　　　　　　 |__
　／:: |　　　　　　ヽ　　　　/　　　　　　| ::＼
　|:::::::::>　　　-=・=-　　　　-=・=-　　　<::::::::::|
　ヽ::::/　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:::/
　ヽ-|　　　　　　　（　　　）　　　　　　　　|-/
　　　|　　　　　　　　^　^　　　　　　　　　|
　　　＼　　　　　　　　ｍ　　　　　　　　／
　　　　　＼　　　　　　 ∪　　　　　　／
　　　　　　＼____　　　　　　 ___ ／
　　　　　　　　　　丶 ----　′

この後、安慶公ショウは歴史の表舞台から姿を消す

短期とはいえ王位に付きながら、列伝も治世年間も作成されない王であった

　　　　　　　　ヽ､______＿＿ヽヽ. ､
　　　　　　　_,, ..≧::::::::::::::::::::::::::ヽV::ヽl
　　　　　　 ,.イ::;ィ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`＝イ/
　　　　　　 /／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::<
　　　　　　〃::::::::::::;ｲ／/ﾘ|:/|:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　∠::::::::从（　　　l/ !::::::::::::::::::::::::::::::: ヾヽ
　　　　　　/イ∧` ､,,ｨ≦=ｒヽl／ﾙ::::::::::::::::::::::::ヾ、
　　　　　　　〈_≧ｒ=!:::::::ノ　　　　ﾘ:::/ヽ:::::::::::::ｌヽ
　　　　　　　　!:::::/　￣　　　　　 lん） !::::::::::ﾙ　　　よっしゃ！
　　　　　　　　`ｌ〈　_　　　　　　 ,.. 　( ,.ｲ:::::::::::（
　　　　　　　　ヽｒ__　　　　　　/　　l´　!::::::::从ヽ　　　蔵用、チャンスを見て入朝だ！
　　　　___ ,....,..._　ト-｀¨　　　　　　ノ　ルﾘ人ヾヽ
　　ｒ‐"＿ｌ＿辷〕_}illi、　　　,, -　　　,,..::::"::::..　|　＿_
　ｆ,! └‐ｒ‐‐／ / ^vllllllｒ''"　 ,,...::''::::::::::::::::::::／´　／`!
　 H__ﾉ__ﾉ__ﾉ　/　　　ｒ=`-''::::::::::::::::::::::::::::／　　／　　ヽ
　{　　 ∨　　　ｌ　　　ヽ:::::::::::::::::::::::::::::／　　／　,.　" 　　＼
　l､　　 l　　／　　　 / l::::::::::::::::::::::／　　／　／
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一方の元宗と林衍政権に反対の立場の文官派閥代表である李蔵用
260： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:39:04 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....-‐…‐-...._
　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.::'.:::::::::::::::::::::::::::::::`::.、
　　　　　　　　　　　　　　　 ,.:'.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　 ;:::::::::::|::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　 |:|::::/::ﾄ､::|:::|:l:::::l::::::|:::ﾄ:::::::::::::::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　 |:|:::什|≧ﾄ､|从:戈戎刈:|::::::::::l::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　|ﾊ::{i' 込刈￣ﾊ弋㌃ﾉ.八:::::::/ﾊ:/　　　陛下、大きく動いては林衍に感づかれます！
　　　　　　　　　　　　　　　　　 И| ー '/　　｀ｰ‐ ´　И/　ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | 　　`. '　　　　ι　　,'. イ　　　　　入朝までは慎重に動かないと！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　、　{￣ ¨ヽ　　　 /|::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　ｰ― ' 　　／ И＿ __
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼￣　 .　 '´　　　ﾚ'´ 　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 '　¨¨ハ￣　　　　／.::.::.::.::.:／￣　¨¨　　、
　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　/::.:ﾊ　　　　／.::.::.::.::.:;. ′　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　 , '　　　　　/.::.::И　　　.:′.::.::.::.::; ′　　　　　　　　　∧
　　　　　　　　　　　　/　　　　　,′::.::.:ﾊ　, ′.::.::.::.::.:/　　　　　　　　　　　　∧
　　　　　　　　　 /　　　　　′::.::.::|　 /:.::.::.::.::, へ.　　　　 ,′ 　　　　　　∧
　　　　　　　　/￣二ヽ.　　　　 |:.::.::.::.:| ./.::.::.::.ｒ┴―ｰ｀ヽ.　,′　　　　　　　　　∧
　　　　　　 ,′__＿　ﾑ　　　　|:.::.::.::.:ﾚ:.::.::.::.:ﾉ } ―‐-　　Ｖ　′　　　　　　′ 　∧
　　　　　　＿/　　＿_ Y /　　.′　l::.::.::.:/.::.::.::.::.:｀´ゝ―‐　　　Ｖ　　　　　　　 ,′　　 .∧
　　　　　/　ｲ　　＿　〉´　　　l　　釗::.::/.::.::.::.::.::.::.::.{ _ー　　　　　ヽ、__　　　　,′　　　∧
.　　　　/　И　　不ソ　　　 |　　 |::.:/:.::.::.::.::.::.::.::./　｀ヽ、　　　＼＼｀ヽ,′　　　　.∧
　　　, ' 　 l　、　丿И 　　　 |　　 |:/::.::.::.::.::.::.::.::/　　　　｀ー、　　　＼}　　＼　　　＿ _∧｀ヽ
　／　　　| 　／|　釗　　　　 |　　 |::.::.::.::.::.::.::.::./　　　　　　　|＼　　　}　　　ヽ、　　　　　　〉

こちらは早期の入朝を目指す構えではあるが、林衍の実力行使を警戒し

慎重に計画を進めるはずであったのだが
261： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:39:47 ID:WbZJHgcY0: ――元宗の目指した早期入朝は思いもよらない形で実現することになった

　　　ヾ,::::ヽ」::::'::::: ::::: ::::: :::: ,::::: .::::: ::::: ::::: y==- '　　　ヽ.::::: ::::: ::::: ::::/
　 _,　　ヾ:::::ゞ::::: ::::: :::ｼ´ﾞ　　｀　　　　｀ゞ´　　　　　　　　;;ヾ::::: ::::: ::::ｨ
　　　ヽ.,卞:::::: ::::: :::::/;;;　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ;;; ヾ::::: :::::/　-ｭ
-==ｭ　ヾ:::::: ::::: ::::: ｨ.;;;　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ィy'ﾊ::::: ゞ´:::≠,
　　　≒::::: ::::: ::::: 卜、　　　　　　k、　　　　　ｨ;;　　ｨﾞ ´:::::ｿゞ::::: ::::: ／
　　　＿ゞ::::: ::::: ::::ﾄ、::::: :::ﾄ　、　　ヾﾍ　　　　∥. ／::::: :::ィﾞ　, ﾐ::::: ::::: へ
-ｭ'≦::::: ::::: ::::: ::::: ! :>ゞ::::: ::::: :ﾄへ、ヾ　　　1yｨ::::: ィー一ｨｱ　ゞ:::<ハ_ﾌ
　　　ﾌ/lkｭ,::::: :::::ﾊ　=fk=　=kｭ::::: :::::ヾj:}:　ヽj::::: ｨ fｔッjﾟィ/'　　rｊハ＜<
　　/::/_ｭ=j:::::くﾊ:::!　　ゞk=f!ッ:ﾟ' ィ’:::ﾊ　　　ゞ::::: -,,一　　　　 lﾊ=:::≧-
　ｨ::ｿー＝::::、:::ﾘ::j　　　　　　￣一ｼ::::ﾊ　　　::　　　　'　　　　　l::::ﾘ卜ﾊ,
≠/ﾞ　　ｨ::/ ﾌ::::x::ゞ:: 　　　　　　　　　 ::::j　　　::　　　　　　　　　:!:::::卜!ﾍ
::ｿ　　//ﾂｨ::::ｲjX>ﾍ:::　　　　　　　　　 !:::l　　　、 :: 　　　　　　　j::ﾄﾘ=-├　　　今の高麗は信用できねぇな
ｨ　　/ｨ'/'/::::ﾄ-=':::::ﾊ:::　　　　　　　　 ::::ゝ　　 _ _!　　　　　　　 :!ﾄソﾍヾ'
!　　! ｼ ´ !:::ﾄヾ'::::<ハ:::　　　　　　　　ヾ:::ゝｨ::::::'　　　, 、　　　:j::::: ::::<ﾍ　　　王国の北西部は独立させてもらうぜ
、　ｌ 1　　ｌ1　ヾ/:::へヾ:::　　　　　 ,　＿　ゝ::::: ::'ー‐一ﾞ　ｊ　　　ｊ:::::く＞‐ゝ
;;;;;;;!ｌ:ｌ'　　1!　ｨ/’::':::'::ﾍ::::　　　　ゝ　　　　＿　＿ ,　　　　　　ｊ::::: ｋ''ﾍヽ
へ !ﾘl;;;;;'ﾄl:j-!ｿ//へ::::::ヽ:::　　　　　　　　ゞ'''':::::::'　　　　　　　ｨ;; ﾄ’トk/:::::
＼l::j'ヾヽ!ljvj>::< /∧::::! へ　　　　　　　　::::: ::::'　　　　　　 /　:::!卜::::: ::::
　　ljﾍ　ﾍx<<,l::j;;/'ﾍ/::::ゞ　　ヽ　　　　　　　　、　　　　.ｨﾟ　　:::!::::: rxｿ !
ﾍﾍl!;;;;;／/x!<<'j7;;;;ﾍヾﾍ　　::::: へ　　　　　　 j!　　　　ｨ:::　　 ::::j:::::vxy　'
ﾍ;;;;!j;;;;; ハl!∧!ソヘj::!ヾﾊ　　:::　　　;;::ゝ、＿:ﾉ::::k=ｨ;;;;　　　　j::: !::::: ｿ:::::「
≒ﾍj;;;;; ;;;lﾘｘ’ｿ;;;;へl:j:::::l:j　　　:::　　　　;;;;::::;;::{:::::!;;;:::;;'　　　　j　ゞ;;;;’;;;;; ;;;
;;;;;;kﾍ;;;;; ;;;xｿl!ｿ;;;;;へlj}}xjﾊ　　　:::::　　　　:::;;;::;ゞﾘ;;::;;　　　　 :::　　llk≦≠;;

王国の北西部駐屯軍団が蜂起したのである

首謀者である崔坦は司令官を殺害後軍管轄区を素早く掌握。北進を開始した

;:;:;:;;:;:;:;:;:、;:;:;:;:ﾊ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/　ｨ
;:;:;:;:;:;:;:;:>:;:;:;:;,,ｭ=,,;;ｭ;:;:;:;:j｀;:;ｨ／/
;:;:;:;:;:ﾞ;:;:;:;:;:;:;:/ﾞ　　 lゝ　ヾ;:;:;: ／ﾞ
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ﾉ　　　　ﾏヽ　ヾ;:!≧-
;:;:;:;:}j;:;:;:;≠　　　　l　≒ヽﾍゝﾞ´
r 'ヽ;:;:;:ﾘ´　　　　　=ｋ　≧ﾍヽ
:｛-ヽ!:;:j　　　　　　　ヾ _ ｧ:::j::〉
:ﾍ´,/;:;:j　　　　　　　　　ﾆﾆ::　＼
: ﾍｨ:;「ﾘ、,　　　　　　　　　´　　　＼　　　　逆臣林衍を討ち果たす（棒
>!＜ｿ::!＼>、　　　　　　　　　　一　ゝ
;:;:;:ﾍゝ>>　ﾍ;:ﾍ　　　　　r.、　　ゝ:r ´
;:;:;:;:;/!ﾘ∧　ヾ;:ヽ　　　　　　ー一y
;:;:;:《　ﾘ! ﾍ　　j;:;:ﾊ　　　　　ゞ;; ;ノ
;:;:jﾍk !:;、lﾊ　:l:;:;:;ﾊ　　　　　　ゝ
＝ｭjﾊ!k　　ゝ+;:;:;ﾊ　　　　　　ヽ=≠'　　　　 _,,
≒÷,,≒ﾍﾍ　!;:;:;:;:;ﾄ、　　　　　jﾞ´　　　ｨ':;:;:ｨ''
　ﾍ　≒≡≒,-l;:;:;:;:;:l,　≧ >;;- 、ﾍ　ｨﾞ;:;:;:;ｯ´

ちなみに蜂起の名目は林衍が牛耳る高麗を解放するためとした

ただし北進である
262： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:41:13 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　／ミﾐ_,,,---- ．_
　　　　　ｏシ'"　　　　　　　ヽ､
　　　.／;;/　　　　　　　　　､､､ヽ
　　　,{ミ/　　　　　　　　　､､ヽ}} ﾊ
　　　,{ﾐ:l　　　　　　 ,:: _,,,,__｀ヽ））_,,,）
　　　,{ﾐﾉ-､;ii　　　　　｀===｀ﾃ'''{=''〈
　　　,{ﾐ{ iﾆ l!!　　　　'''　''''",'-''ヽ､,,}　　　これはいかなることか？
　　　{ミヽ{ ' |!!　　　　　 -''"｀ ` -' ヽ
　　　｀>-ヽ~ |!! 　　　　..:　,i!'/三ﾖ､i!　　逆臣林衍を討つと言いながら何故北上してきた
　　　 {川ﾘ｀ｰl!!　　　　　.:::,i! '" ,,,,､｀} i!　　　, -'ﾆｰ- ､
　　　 l川ﾉﾘ} |!!､　　　　 ,i!;;　' ⌒　{ i!__,ｨﾝ／二
　　　　〉=〈 }i!|ﾐ､｀＼､　　i! i!!,,,,,,,,,,,,i!i（｀〃　／　＿
　　　（ <ﾆ）!i |　::...　　｀ナ-!i!i!i!i!i!i!i'' ノ )／) ／) ＿
　　　（二ﾆ､ミミミﾐｰ-- /､:::..__,,,,-､）/ ｀ｰ^ｰ-'ｰ-'　　｀ヽ
　　　二ﾆニﾆニﾆニﾆニﾆニﾆﾆヽ/,-'"　　　　　　　　　 }
　　　　‐- ．..＿=､----''"Ｏ￣<ﾆヽ＼,,,;;'　　.::''　　　ﾉ　ﾉ
　　　　　　　　)_　　＼ﾆﾆ>　Ｏ　<ﾆﾆヽヽ　　　　　　/` 'ヽ
　　　　　　　　⌒)　　'ヽﾆﾆ>　Ｏ <ﾆﾆﾆ} };;;''　　　 /＼
　　　　　　　　 //｀)　/ }ﾆﾆﾆ>　Ｏ <ﾆﾉﾉ-''ｰ､＿ノＯ
　　　　　　　ノ/ /（　　ﾊ }ﾆﾆ>　O<ﾆｿＯ}ヽヽヽ＼ノ
元の使者　トドル

崔坦率いる軍勢は元との国境付近で停止

派遣された使節トドルとの面会に臨んだ

――そこで出されたのは高麗の臣下としては無茶苦茶なものであった

;:;:;:;;:;:;:;:;:、;:;:;:;:ﾊ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/　ｨ
;:;:;:;:;:;:;:;:>:;:;:;:;,,ｭ=,,;;ｭ;:;:;:;:j｀;:;ｨ／/
;:;:;:;:;:ﾞ;:;:;:;:;:;:;:/ﾞ　　 lゝ　ヾ;:;:;: ／ﾞ
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ﾉ　　　　ﾏヽ　ヾ;:!≧-
;:;:;:;:}j;:;:;:;≠　　　　l　≒ヽﾍゝﾞ´
r 'ヽ;:;:;:ﾘ´　　　　　=ｋ　≧ﾍヽ
:｛-ヽ!:;:j　　　　　　　ヾ _ ｧ:::j::〉
:ﾍ´,/;:;:j　　　　　　　　　ﾆﾆ::　＼
: ﾍｨ:;「ﾘ、,　　　　　　　　　´　　　＼　　林衍は王を攫って遠島に遷都しようとしている
>!＜ｿ::!＼>、　　　　　　　　　　一　ゝ
;:;:;:ﾍゝ>>　ﾍ;:ﾍ　　　　　r.、　　ゝ:r ´　　事態は急を告げるので皇帝にお話ししたい
;:;:;:;:;/!ﾘ∧　ヾ;:ヽ　　　　　　ー一y
;:;:;:《　ﾘ! ﾍ　　j;:;:ﾊ　　　　　ゞ;; ;ノ
;:;:jﾍk !:;、lﾊ　:l:;:;:;ﾊ　　　　　　ゝ
＝ｭjﾊ!k　　ゝ+;:;:;ﾊ　　　　　　ヽ=≠'　　　　 _,,
≒÷,,≒ﾍﾍ　!;:;:;:;:;ﾄ、　　　　　jﾞ´　　　ｨ':;:;:ｨ''
　ﾍ　≒≡≒,-l;:;:;:;:;:l,　≧ >;;- 、ﾍ　ｨﾞ;:;:;:;ｯ´

当然ながら訴え出るのは高麗の臣下ならば高麗で訴え出るべきである

いくら服属しているとはいえ、元は国内問題まで口を出す権利を有していない
263： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:42:18 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　／ミﾐ_,,,---- ．_
　　　　　ｏシ'"　　　　　　　ヽ､
　　　.／;;/　　　　　　　　　､､､ヽ
　　　,{ミ/　　　　u 　　　　､､ヽ}} ﾊ
　　　,{ﾐ:l　　　u 　　 ,:: _,,,,__｀ヽ））_,,,）
　　　,{ﾐﾉ-､;ii　　　　　｀===｀ﾃ'''{=''〈
　　　,{ﾐ{ iﾆ l!!　　　　'''　''''",'-''ヽ､,,}　　　……陛下に？
　　　{ミヽ{ ' |!!　　　　　 -''"｀ ` -' ヽ
　　　｀>-ヽ~ |!! 　　　　..:　,i!'/三ﾖ､i!
　　　 {川ﾘ｀ｰl!!　　　　　.:::,i! '" ,,,,､｀} i!　　　, -'ﾆｰ- ､
　　　 l川ﾉﾘ} |!!､　　　　 ,i!;;　' ⌒　{ i!__,ｨﾝ／二
　　　　〉=〈 }i!|ﾐ､｀＼､　　i! i!!,,,,,,,,,,,,i!i（｀〃　／　＿
　　　（ <ﾆ）!i |　::...　　｀ナ-!i!i!i!i!i!i!i'' ノ )／) ／) ＿
　　　（二ﾆ､ミミミﾐｰ-- γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　二ﾆニﾆニﾆニﾆニ|　　　　　　　　陛下に　　　　　　　　　　＞
　　　　‐- ．..＿=､----'ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__,ノ
　　　　　　　　)_　　＼ﾆﾆ>　Ｏ　<ﾆﾆヽヽ　　　　　　/` 'ヽ
　　　　　　　　⌒)　　'ヽﾆﾆ>　Ｏ <ﾆﾆﾆ} };;;''　　　 /＼
　　　　　　　　 //｀)　/ }ﾆﾆﾆ>　Ｏ <ﾆﾉﾉ-''ｰ､＿ノＯ
　　　　　　　ノ/ /（　　ﾊ }ﾆﾆ>　O<ﾆｿＯ}ヽヽヽ＼ノ

　　　　　　／ミﾐ_,,,---- ．_
　　　　　ｏシ'"　　　　　　　ヽ､
　　　.／;;/　　u 　　　　　､､､ヽ
　　　,{ミ/　 u　　　　　　　､､ヽ}} ﾊ
　　　,{ﾐ:l　　　u 　　 ,:: _,,,,__｀ヽ））_,,,）
　　　,{ﾐﾉ-､;ii　　　　　｀===｀ﾃ'''{=''〈　　　いやだってお前高麗の
　　　,{ﾐ{ iﾆ l!!　　　　'''　''''",'-''ヽ､,,}
　　　{ミヽ{ ' |!!　　　　　 -''"｀ ` -' ヽ
　　　｀>-ヽ~ |!! 　　　　..:　,i!'/三ﾖ､i!
　　　 {川ﾘ｀ｰl!!　　　　　.:::,i! '" ,,,,､｀} i!　　　, -'ﾆｰ- ､
　　　 l川ﾉﾘ} |!!､　　　　 ,i!;;　' ⌒　{ i!__,ｨﾝ／二
　　　　〉=〈 }i!|ﾐ､｀＼､　　i! i!!,,γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　（ <ﾆ）!i |　::...　　｀ナ-!i!i!i|　　　　林衍が牛耳ってるから　　　　＞
　　　（二ﾆ､ミミミﾐｰ-- /､:::..__,,,ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__,ノ
　　　二ﾆニﾆニﾆニﾆニﾆニﾆﾆヽ/,-'"　　　　　　　　　 }
　　　　‐- ．..＿=､----''"Ｏ￣<ﾆヽ＼,,,;;'　　.::''　　　ﾉ　ﾉ
　　　　　　　　)_　　＼ﾆﾆ>　Ｏ　<ﾆﾆヽヽ　　　　　　/` 'ヽ
　　　　　　　　⌒)　　'ヽﾆﾆ>　Ｏ <ﾆﾆﾆ} };;;''　　　 /＼
　　　　　　　　 //｀)　/ }ﾆﾆﾆ>　Ｏ <ﾆﾉﾉ-''ｰ､＿ノＯ
　　　　　　　ノ/ /（　　ﾊ }ﾆﾆ>　O<ﾆｿＯ}ヽヽヽ＼ノ
264： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:43:33 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　／ミﾐ_,,,---- ．_
　　　　　ｏシ'"　　　　　　　ヽ､
　　　.／;;/　　　　　　　　　､､､ヽ
　　　,{ミ/　　　　　　　　　､､ヽ}} ﾊ
　　　,{ﾐ:l　　　　　　 ,:: _,,,,__｀ヽ））_,,,）
　　　,{ﾐﾉ-､;ii　　　　　｀===｀ﾃ'''{=''〈
　　　,{ﾐ{ iﾆ l!!　　　　'''　''''",'-''ヽ､,,}　　……陛下に報告してみるからとりあえず戻るように
　　　{ミヽ{ ' |!!　　　　　 -''"｀ ` -' ヽ
　　　｀>-ヽ~ |!! 　　　　..:　,i!'/三ﾖ､i!
　　　 {川ﾘ｀ｰl!!　　　　　.:::,i! '" ,,,,､｀} i!　　　, -'ﾆｰ- ､
　　　 l川ﾉﾘ} |!!､　　　　 ,i!;;　' ⌒　{ i!__,ｨﾝ／二
　　　　〉=〈 }i!|ﾐ､｀＼､　　i! i!!,,,,,,,,,,,,i!i（｀〃　／　＿
　　　（ <ﾆ）!i |　::...　　｀ナ-!i!i!i!i!i!i!i'' ノ )／) ／) ＿
　　　（二ﾆ､ミミミﾐｰ-- /､:::..__,,,,-､）/ ｀ｰ^ｰ-'ｰ-'　　｀ヽ
　　　二ﾆニﾆニﾆニﾆニﾆニﾆﾆヽ/,-'"　　　　　　　　　 }
　　　　‐- ．..＿=､----''"Ｏ￣<ﾆヽ＼,,,;;'　　.::''　　　ﾉ　ﾉ
　　　　　　　　)_　　＼ﾆﾆ>　Ｏ　<ﾆﾆヽヽ　　　　　　/` 'ヽ
　　　　　　　　⌒)　　'ヽﾆﾆ>　Ｏ <ﾆﾆﾆ} };;;''　　　 /＼
　　　　　　　　 //｀)　/ }ﾆﾆﾆ>　Ｏ <ﾆﾉﾉ-''ｰ､＿ノＯ
　　　　　　　ノ/ /（　　ﾊ }ﾆﾆ>　O<ﾆｿＯ}ヽヽヽ＼ノ

トドルは世祖への報告を約束。必要ならば援助を行うという約束をして帰国した

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　'　"　　　　　`　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　／:　 ___V__,, 　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　/:: 　　＼　/　　　　　　　　　ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　/:: 　　　　 V　　　　 __,, -ｲ┓ 　 i
　　　　　　　　　　　　　　 i:::i 　　　　　i　/ 　 _／　_,,r～' 　　li
　　　　　　　　　　　　　　l:┏ -　,,_　＼癶ﾚ／　_,,"-=ｫ　　　lik
　　　　　　　　　　　　　　il:::iﾚ__こ __ﾐ`V　 `Y ﾄ-'-`-'ノ　　　　jﾐ/^ ,
　　　　　　　　　　　　　 il::::`尤~_っ`)ｲ:i　　　ヽ ~`　　　　　　ﾅj　 l
　　　　　　　　　　　　　ﾊ:::`:::'"　　'ｲ:_l,_　 _ ,　　　　　　　xXjl（ ll　　　馬亨、高麗の土地を切り取った後の慰撫の方法
　　　　　　　　　　　　　 Y^l::`::　　　ｨ::r::: :へy ゝ　　　　　ヽミvXj/ l
　　　　　　　　　　　　　　lljlﾘ:::　　　　　:::::::ソ　　　　　　　　＼ヾll　lヽ　　考えておけ
　　　　　　　　　　　　　　l川ﾘ::::　　　　__:::,,__　_,,,,_　　　　:.　ヽ`y/ﾘ7`,
　　　　　　　　　　　　　爪ﾘリ::::　: __,,ノ_,,　,,　,　- - `=っ　 i:::　　ﾘ彡りり
　　　　　　　　　　　　,ｲ巛川l:::: ::　　　...::::::::::.....　　　　　　i::::　ﾚり彡'ﾘYヽ
　　　　　　　　　　　,ｲ巛巛llﾘl:::: `::　　　"　　　 ~　　　　　　':　　ﾚﾘ'"彡り川
　　　　　　　　　　　＼` 三川k:::::::　　　　/ﾊ＼,_　　　　　　　　ﾘ li彡彡'ﾘｿﾘ
　　　　　　　　　　,入NN＼Nl::::＼　　　　7ﾘ川(￣　　　　 /／ '/　li～-弋川
　　　　　　　　　巛三三ｫ -ll:::::!ヾヽﾄ i,,, _川川ﾊl,,__ｨｲ_, ノ'　　　/　ﾄ,　　　liり
　　　＼　　　 l|(三二y/　 llll`,::!l:::::::`ミミミ川ﾘ彡彡 '　　'::ﾉ　　/　ハ: 　　 liﾘ
　　　　　人`--＞～-ll　　lllllヽ:::::::: : : : :`ミ三ﾘ彡'　　　　 jり　 /　:j: / 　　人＼
　　　　ヽ人人_^_^_^_^l　　 Y,::::::::::::::::: : : : `ミh　　　　　　ｿ　　　:j:/　　　/_^_l入入ヽ ,,__へ__
　　　　　ヽ人人^ ^ ^ _＼　　＼:::: : : : : : : : 三_　　　　　　　　/　　　/^_^_^l_入入/_^_^_^
　　　　　ヽ人人^ ^ ^ ^ _＼　＼:::: : : : :　　二_　　　　　　/　　／^_^_^_^l入入/_^_^_^
　　　　　　　ヾ＼^ ^ ^ ^ ^ _＼　＼: : 　　 ,,,,__ 二　_ソ　　　/　／^_^_^_^_^_lﾊ入/_^_^_^_^
　　　　　　　　＼l^ ^ ^ ^ ^ ^ ^＼　＼　　　　　　　　　　/　/^_^_^_^_^_^_ lﾊ入l_^_^_^_

早速その報告を受けた世祖はすぐさま勅を出した
265： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:44:34 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　　　　 |::::.::;ｨ￢￢ｘ:川:川::r￢ｰミ:.:.::.:l　　　　／￣＼
　　　　　　　　　　　　　　_|:::::::{　　 '´ ヾ从ﾝ⌒ヽ　ﾚ!:::::」　　　　/　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　／ﾊ:::::| ／　　　　｀´　　　＼ｎ1::/|＼　　|　　完　　|
　　　　　　　　　　／　　|ﾋ!:::}ｆべ、　　　　　_／ｿH七!　ヽ.　|　　璧　　|
　　　　　　　 /　　／|〈|:::| ｯ=ミヽ._　} {　.ｨシ==ﾐ　|lＪ |　　＜　　だ　　|
　　　　　　　　　　　　ヽｙ::l ﾄ ○　ゞ癶　巛<　○ﾉ |:∨　　　　ヽ、　　／
　　　　　　　　　＿_r～'乂::l　｀￣　'´.:|　　`　￣´　 j::广｀ヽ.＿　　￣
　　　　　＿_r‐ｧ'´／　/ /ハ::ヾ、　　 .::|　〈　　　　 /:√!　ト､　 `ー､__
　　r‐イ/　// // /　/ /　彡ﾊ:. i　　L{　丿　　 /ﾚ'　|　 } } }　　 } }　ト￢､
／ {　 /　//　{ |　|　|　|　　|　ﾚＶ　ｨﾄｨ `_´ ､ｘﾍ　VV　 /　///　　/ /　 / 〉〉`ｰ
　　|　 |　| |　 |│ |　|　|　　|　V八/シ `＝＝' ヾﾄ!jﾙ'　/ ／//　／／／ /／／
　　ヽ. ヽヽ　 l│ |　|　ヽ　ヽ　ヽﾄ、　` ー '　　〃／／／／　　／　／／　/

;:;:;:;;:;:;:;:;:、;:;:;:;:ﾊ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/　ｨ
;:;:;:;:;:;:;:;:>:;:;:;:;,,ｭ=,,;;ｭ;:;:;:;:j｀;:;ｨ／/
;:;:;:;:;:ﾞ;:;:;:;:;:;:;:/ﾞ　　 lゝ　ヾ;:;:;: ／ﾞ
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ﾉ　　　　ﾏヽ　ヾ;:!≧-
;:;:;:;:}j;:;:;:;≠　　　　l　≒ヽﾍゝﾞ´
r 'ヽ;:;:;:ﾘ´　　　　　=ｋ　≧ﾍヽ
:｛-ヽ!:;:j　　　　　　　ヾ _ ｧ:::j::〉　　　これで逆臣から元の忠臣に変化ってわけだ
:ﾍ´,/;:;:j　　　　　　　　　ﾆﾆ::　＼
: ﾍｨ:;「ﾘ、,　　　　　　　　　´　　　＼
>!＜ｿ::!＼>、　　　　　　　　　　一　ゝ
;:;:;:ﾍゝ>>　ﾍ;:ﾍ　　　　　r.、　　ゝ:r ´
;:;:;:;:;/!ﾘ∧　ヾ;:ヽ　　　　　　ー一y　　　　　　　┏───
;:;:;:《　ﾘ! ﾍ　　j;:;:ﾊ　　　　　ゞ;; ;ノ　　　　　　　 │坦の忠誠はまったくを以て見事である
;:;:jﾍk !:;、lﾊ　:l:;:;:;ﾊ　　　　　　ゝ
＝ｭjﾊ!k　　ゝ+;:;:;ﾊ　　　　　　ヽ=≠'　　　　 _,,　その地の臣民は蒙古にますますの忠誠を尽くすべし │
≒÷,,≒ﾍﾍ　!;:;:;:;:;ﾄ、　　　　　jﾞ´　　　ｨ':;:;:ｨ''　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ───┛
　ﾍ　≒≡≒,-l;:;:;:;:;:l,　≧ >;;- 、ﾍ　ｨﾞ;:;:;:;ｯ´

文永７年初頭、前年１２月に蜂起した崔坦を元は元の臣下であると認定
266： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:45:32 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 } ＼＿＿_/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r─{ 　　)┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿_,/　　　／⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ヘ、　　　',　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }⌒ 辷...____ﾉ　　　　　[
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　 {　　
　　　　　　　　　　　　　　　　_r‐'′　　　　　　　　　 ┌┘　　
　　　　　　　　　　　　　　_,r‐'"　　　　　　反乱中　　 _,/　　　　
　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　＿＿----}　　　　　　 ┏━━━━_／¨¨
　　　　　　　￣　　　｀y¨弌,　　　┗┓　　　 _}
　　　　　　　　　　　　　　　　　} 　　　┃　　　 {
　　　　　　　　　　　　　 /　　 ┏┛　　　￣＼
　　　　　　　　　　　辷━━┛‐　　　　　　　 ¨:,
　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　ﾞ:,
　　　　　　　　　　　　￣ﾌ__ 辷_____　　　　　　ﾞ、
　　　　　　　　　　　　　　　 └'　　￣0)　　　　　　　ﾞ .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ^V 　　　　　　ﾞ:.,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_r-㍉　　　　　　　　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　[__　　　　　　　　　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　[{}　　　　　　　　　 {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　 {__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾗ‐　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　 c〈　　　　　＿　＿__/
　　　　　　　　　　　　　　　　_0 ｿ　　 __,ﾍ ( 0}‐‰
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　とﾉ} ,し'⊆}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　¨

蜂起軍のもともとの管轄区を版図に加えたのである

.　　　　　ﾄ}
.　　　　　ﾄ}
　　　　　　 ,斗|
　　　　　 ,rfi穴fﾄ､
.　　　,f歹　　弋ﾍ
　　　 rf歹　　　弋ﾊ
　　　 Ⅳ　　　　　　Ⅵ
　　　ﾄ!　　　　　　ﾄ}　　　　　　　,_,,_,
　　　ﾄ!　　　　　　ﾄ}　　　　　､k≧爻ミ≦k_
　　　ﾄ!　　　　　　ﾄ}　　　　爻弐衣三≦ﾒ､
　　　{ﾍ.　　　　＿ﾄ}　　　　´Y＾_､__`^州刋
　　　r'‐う　　　 { 　 ` 、　　　　fk=代F=㌃!f`　　　……………
　　　辷うt竺竺廴　　ヽ　　　{￣} ｀￣　,り
　　　　｀ヽ　＼　　｀ヽ.　＼,_＿、t_‐　ノ{_
　　　　　　ヽ、｀Yﾞ￣｀`ヽ、｜　｀`ゞ≦=‐'⌒ヽ.
.　　　　　　＼l 　　　ﾄ､}　　　　　　　　　　 ',
.　　　　　　　 |　　　　　V　　　　　　　　　 }
　　　　　　　　　└‐- ､　　|　　　　　　　／　　/
　　　　　　　　　　　　　｀ヽ｀ヽ,＿＿ .ィ´　　　{
　　　　　　　　　　　　　　　| 　 |　／ / 　　　 i
　　　　　　　　　　　　　　j　　|/　 /　　　　　！
　　　　　　　　　　　 / 　 / 　/　　　　　　 }
　　　　　　　　　　　　　〈　　 { 　{　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　ゝ＝`≠＝≦三三く
　　　　　　　　　　　　　 /　　/　{{　　　　　　　}

この発表と北西部の吸収に元宗は出国を強行
267： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:47:11 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　 , ==､lr､ヽﾊﾊﾊ‐-､､
　　　　　　　　　　 ,ｨ'三三ﾐ.llililil,ﾍﾊﾊﾄ,liﾍﾊ‐､_
　　　　　　　　　 ,ｆ三三三ミllilililil l l l　l l l l l ﾊヽ、
　　　　　　　　 ,ｆ三彡´　　　　　 ∨ﾊﾊ.iﾊ l l l　l ﾊﾊ
　　　　　　　　l彡ｨ=-― ､ｖ--､,,,ｨ-l从l从lﾊ l ｌi .l ﾊlﾊ
　　　　　　 ,l-ｲl、　　 ,ﾉ--､ll｡　　　　ヾl l l l.l,ﾘ.l 洲
　　　　　　　 l lイ'`ー=彳ﾉ　ヾ,､_　　__ノﾙlﾘlﾙｲlﾙ州l
　　　　　　　 l､リ. ,　　　 `‐'ミ､　￣　´　`ヽﾘ_ﾉﾘ州ﾘ
　　　　　　　 `l　 l ﾄ--､-,　,､_ `　、､、　 ´ l,ミlﾉｲﾘ'　　ハッハッハッ！
　　　　　　　　 l　　l Yﾆ'二ニ='‐｀｀ﾗ .!'　　 l ﾉｲｲﾘ/
　　　　　　　　 .l､　,. ､ゞｪｪｪｪｪｪｨリ'　　　 ./`-ｲ,'´　　　　あやつめ！
　　　　　　　 >、ヽ、ー----‐イ　　　,/彡ｲ〈、
　　　　　　　 ,.ｲイﾊ‐､ ` ､＿___,, ィ _,,イ彡イィﾄﾄ､
　　　　　 ,ｲｲ　　ﾍ　`　‐----‐_彡'´　　 / 　 ,'　.l`i､__
　　　　 _,ｲ-‐-､　_,.イﾍ、　_,,　＜　　　　　/ ｲ// 　.l ﾄ､@ヽ、
　　 ,.イ//　　　)'´ l i'ミ､r,ミ､　　　　　,ﾉ ,/ｲ././　　l l　〉､__
.,ィl　 ,/,.'　　 ,' ,! ｌ ,i!l´　`ヾ,il　　 .,,ｨ'´,ｲ . ./ / 　 . l.l ,' .l
.l l　/,.'　　　 ,' ,' l!,ﾘ..ﾉr‐,ヽ,ｲﾍ、 ,ｲ　〃,ｲ / /　　 .l.ﾘ .ﾘ.,ｲ
ﾊｲ, '　　　 l /.ﾚl'l彡◎ミl}　ﾍ, @,ｲ . ｲ / /　　　.ｌl! /／
ｲ.'　　　　　l.,'.　.Yl iノ.ﾉ.l､　　 ,ヽ'　,.'　.,' ,　　　　　ｌｌ/ｲ　l
　　　　　 ,'　./　　 .'//.l　　　　 ,ｲ　 ,' /　　　　　.ｌl'　ｌ ,l
_　　　　　 ,' ./　　　 //l l 　　 , ' 　 .,' /　　　　ｌｌ　l ,',.ｲ
ﾄﾐ=､______ .l./　　　.,','={{lト‐_／=､ . /./ 　　　　 .ｌl　l.l!　ｨ
,》＞=‐-ミ.〈　　　　l.l　 ,l,lｙ'´　　　l,.//　　　　　　ｌl! l l,ｲ!

林衍も一切の妨害を行わずに元宗を送り出した

　　　　　　　　　〉::::::::::::::::::::::; ﾍ/ﾘヾヽ:ﾊ; ヘj::::::::::≧__
. 　　　　､ー'::::::::::::::::/}／__,ｨ -､ヾー‐ ､＿ヽiヽ:::＜
　　　　　　ヽ:::::::ﾉﾘﾙ'ｨ≦圭/　　ヽi::＼ヽ圭≧､i:::;::≧=-
　　　　　　　 ,ｲ::::i∧::ヽ＼＞{ ﾊ　ﾊ )￣｀ー‐ ﾍﾘｲ:::::>
.　　　　　　　 /ｲ::// ヽ= '　　, ─ '¨¨ヽ　　 u　ﾏ!::::ﾍ￣ヽ　　　＿
..　　／￣ヽ　　j:::!:|　　　　 {　　　　 i　　　　ﾏ:::::iヽ＿＞'´　　ヽ:￣＼‐-　┏───
.　 /,:'　　　　ﾏ乂:|. 　 u　　 } iニ´｀ヽ !　　　　 : :|:::|｀i: ＼:: 　　　　: : ::: 〈_ 　 │最近、我が国の臣民が西部を襲い、守令を害し
.　　　　　　ﾏ∧!::::.　　　　 i |　　　 | l　　　　　: :ﾘﾉ｀i}::　　　　　 :: 　: ::: )
.　　　　　　　 ',｀(ﾍ:::::.　　　　 | 　　　|　　　　 : : : :ｲ､/ ::.　　　 l　　i: :　／　　　　その罪から逃れようと考えています│
　 l'　　 ,:' ￣ヽ＼ )';::::.　　　 |～┴ｲ　　　　 : :　ﾉ/: :: :.　　　 i i: :　i: :/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　───┛
　ﾍ　〈_/ ￣　　ヽi::　　　　 |　　　 i　　　　　 jノﾑ: :　　　', i i: : ;' /＼
　　ﾑ　　　　　　 }:　　　　　辷´｀´ﾉ　　　　　 /,仁ﾐ! 　　 : :ﾏii:.　ﾚ′　〉
　　　ﾑ＼　　　　ﾉ::＼　　　i 　＿_ 丿　　ｲ:i三ミ|　.::　 : : :ﾏ: :/: ::　/
　＼　ﾑ　ー‐　´ ﾏ从ﾉ＼　｀¨´,.ｨ､　　／乂j三ミ| . : 　 : : : ∨: : : /
　　　＼ﾑ　　　　　　ﾏﾑ　＼　,ｲ::::::ヽ _／/　 /三三| : :　: : : : : :ヽ: i〈

大都へと向かう途上、元宗は世祖に向けて手紙を出している

内容は言うまでもなく高麗を無視して吸収された北西部と崔坦に関してであった
268： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:48:20 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　'　"　　　　　`　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　／:　 ___V__,, 　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　/:: 　　＼　/　　　　　　　　　ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　/:: 　　　　 V　　　　 __,, -ｲ┓ 　 i
　　　　　　　　　　　　　　 i:::i 　　　　　i　/ 　 _／　_,,r～' 　　li
　　　　　　　　　　　　　　l:┏ -　,,_　＼癶ﾚ／　_,,"-=ｫ　　　lik
　　　　　　　　　　　　　　il:::iﾚ__こ __ﾐ`V　 `Y ﾄ-'-`-'ノ　　　　jﾐ/^ ,
　　　　　　　　　　　　　 il::::`尤~_っ`)ｲ:i　　　ヽ ~`　　　　　　ﾅj　 l
　　　　　　　　　　　　　ﾊ:::`:::'"　　'ｲ:_l,_　 _ ,　　　　　　　xXjl（ ll　　
　　　　　　　　　　　　　 Y^l::`::　　　ｨ::r::: :へy ゝ　　　　　ヽミvXj/ l
　　　　　　　　　　　　　　lljlﾘ:::　　　　　:::::::ソ　　　　　　　　＼ヾll　lヽ
　　　　　　　　　　　　　　l川ﾘ::::　　　　__:::,,__　_,,,,_　　　　:.　ヽ`y/ﾘ7`,
　　　　　　　　　　　　　爪ﾘリ::::　: __,,ノ_,,　,,　,　- - `=っ　 i:::　　ﾘ彡りり　　　┏───
　　　　　　　　　　　　,ｲ巛川l:::: ::　　　...::::::::::.....　　　　　　i::::　ﾚり彡'ﾘYヽ　│そのため、上朝を冒涜する暴挙に及んでいます│
　　　　　　　　　　　,ｲ巛巛llﾘl:::: `::　　　"　　　 ~　　　　　　':　　ﾚﾘ'"彡り川　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　───┛
　　　　　　　　　　　＼` 三川k:::::::　　　　/ﾊ＼,_　　　　　　　　ﾘ li彡彡'ﾘｿﾘ
　　　　　　　　　　,入NN＼Nl::::＼　　　　7ﾘ川(￣　　　　 /／ '/　li～-弋川
　　　　　　　　　巛三三ｫ -ll:::::!ヾヽﾄ i,,, _川川ﾊl,,__ｨｲ_, ノ'　　　/　ﾄ,　　　liり
　　　＼　　　 l|(三二y/　 llll`,::!l:::::::`ミミミ川ﾘ彡彡 '　　'::ﾉ　　/　ハ: 　　 liﾘ
　　　　　人`--＞～-ll　　lllllヽ:::::::: : : : :`ミ三ﾘ彡'　　　　 jり　 /　:j: / 　　人＼
　　　　ヽ人人_^_^_^_^l　　 Y,::::::::::::::::: : : : `ミh　　　　　　ｿ　　　:j:/　　　/_^_l入入ヽ ,,__へ__
　　　　　ヽ人人^ ^ ^ _＼　　＼:::: : : : : : : : 三_　　　　　　　　/　　　/^_^_^l_入入/_^_^_^
　　　　　ヽ人人^ ^ ^ ^ _＼　＼:::: : : : :　　二_　　　　　　/　　／^_^_^_^l入入/_^_^_^
　　　　　　　ヾ＼^ ^ ^ ^ ^ _＼　＼: : 　　 ,,,,__ 二　_ソ　　　/　／^_^_^_^_^_lﾊ入/_^_^_^_^
　　　　　　　　＼l^ ^ ^ ^ ^ ^ ^＼　＼　　　　　　　　　　/　/^_^_^_^_^_^_ lﾊ入l_^_^_^_

だが、この手紙で世祖は方針を転換することも、崔坦を高麗へ引き渡すこともなかった

――それどころか、元宗の訴えも入朝しての弁解も待つことはなかったのである

　　　　　　　　　　　　　　　　　　､_,ヽ＼汁|ヽヾ_,_,
　　　　　　　　　　　　　　　　｀久匕卅从W勹災七
　　　　　　　　　　　　乂从Ｗ仆幵卞从Wﾐ
　　　　　　　　　　　　 YヾlVlN从ﾏ大Ｗ从ﾀﾞﾐ
　　　　　　　　　　　　ﾉ　　 ∨r ､卞卅从从
　　　　　　　　　　　　　　　　r}-―==ヽ）}从ｵﾐ仆匕　　　内乱になったのも武官連中を抑えなかったのも俺だ
　　　　　　　　　　　　　　　　｀l　　　　|i/ 'W从卅冫
　　　　　　　　　　　　　　　　　',　　　　　 W从彡'　　　　だけどここまでやるのかよ……
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',　　　 ,　 ,r'´￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　 """"ヾ／／´///
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l/´//////
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/////////
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //////////
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{/////,r'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ//,r'´　,r'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　）'´　,r'´
269： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:49:49 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 } ＼＿＿_/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r─{ 　　)┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿_,/　　　／⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ヘ、　　　',　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }⌒ 辷...____ﾉ　　　　　[
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　 {　　
　　　　　　　　　　　　　　　　_r‐'′　　　　　　　　　 ┌┘　　
　　　　　　　　　　　　　　_,r‐'"　　　　　　東寧府　　 _,/　　　　
　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　＿＿----}　　　　　　　　　　　　 _／¨¨
　　　　　　　￣　　　｀y¨弌,　　　　 ┏━━━_}
　　　　　　　　　　　　　　　　　} 　　　┃　　　　 {
　　　　　　　　　　　　　 /　　 ┏┛　　　￣＼
　　　　　　　　　　　辷━━┛「￣　　　　 ¨:,
　　　　　　　　　　　 /　　￣￣￣　　　　　　ﾞ:,　　　　┏───
　　　　　　　　　　　　￣ﾌ__ 辷_____　　　　　　ﾞ、　　 │西京を東寧府と改名し、慈悲嶺を国境とする│
　　　　　　　　　　　　　　　 └'　　￣0)　　　　　　　ﾞ .　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　───┛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ^V 　　　　　　ﾞ:.,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_r-㍉　　　　　　　　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　[__　　　　　　　　　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　[{}　　　　　　　　　 {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　 {__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾗ‐　　　　　　　　　　 /　　　※太線が国境、細線が慈悲嶺の位置
　　　　　　　　　　　　　　　　 c〈　　　　　＿　＿__/
　　　　　　　　　　　　　　　　_0 ｿ　　 __,ﾍ ( 0}‐‰
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　とﾉ} ,し'⊆}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　¨

元宗到着直前の文永７年１月、勅命が発布

反乱地が東寧府として正式に併合されることになった
270： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:50:31 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　,.ゝ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､｀ゝ
　　　　　　　　　,．";.　´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　: : : : :.ヽ、 ;､
　　　　　　　　／: : . : . :　. : . : :　　 :　　　　　　　　　: : : : : :ー- ".;
　　　　　　 ,.', : : : : : :　: : : : : :　:.　 : : .　　 : : .　　　. . . . . : : : : :.ノ .
　　　､．..,,．': : : : :.. : : : : : : : : :i: .: : . : ヽ: . : : . : : : : : . . ｀丶: : : :｀ー'ﾉ
　　　　ヽ: : : : :...:::::::: ..: .::: : : : : : :!: : : : .: : ＼: : : : : :::::....ｰ:.､ヽ:`: : : :ヽ'
　　　､　｀ｰｧ:::::::;:::':::::.:::::::: : : : : : ﾞ:、: : : : : : : ｀ｰ-:..: ::...:,.- 、::丶.: : ﾞ､`
　　　ヾ.: :"::::::;:':::::::::::::::':::: : ::. : : : :.＼: ､`:ｰ-:'": :::::::::..::ヽﾞヽヽ:::::: : :＼
　　　　　｀ `/::;:'::::::::::;'::::i:::l.:::::: : ::,: :::::`:.ゝ::::::....: :.::､:::::i:::::ヽ). 　}::::::.: :ヽ
　　　　　 ,:., !::::;:::::::l.::::::!::l.:::ヽ:..::､:...:::､:-:､._::ヽ::::::::!､:::!､::ｉ!.〉.; ,::::::::::.: :＼　　　　親父、すまねぇ
.　　　　　 i/ .i.:::i ::::::l.::l:::ﾞ:;:ﾞ:;::､:＼:ヾ､:::＼ゝ￣ヽj!:}.ヽ! ﾞ;} ﾞ.' /:::::::::::. :.ヽ｀
. 　　　　 ′ ﾞ: {ﾞ: :::::ﾞ,:iﾞ:;::＼:::､_::::`:＼.｀ｰ-｀-　' ﾘ　ﾞ　　ｰ'ヽ:::::ヽ::､:ﾞ､ヽ.-.、　間に合わなかった
　　　　　　　　　ヾヽ._;::ﾞ:::＼､:.ヾ､`ー--ゝ　　　　　　　　　 ;　　ﾞ:从ヾヾ〉'/,∧
　　　　　　　　　　ノ:イ:;ﾉ:::;i:::i;;.!　　　　　　　　　　　　　 / 　　　／////,∧
　　　　　　　　　　　　　'"' '" ヾ{ ﾞ!.＿ ,　　　　　　　　　　,　　　.／////////∧
　　　　　　　　　　　　　　　　＼;_,...　 ´　　　　　　　　／////////////,'へ._
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ｰ　´　　　／　／/////////////,'.-''"~ ￣｀`ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ.　_,..;';;ヽ.,,'//////////////'／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／;;;;;;;;;;;;;;;ヽ////////////／　　　　　 .. -
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;}/////////'／　　　　　　　.　´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ///////'／　　　　　　 ,. '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞｰ .._;;;;;;;;;;;;;;;;;;{//////,'." 　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l/`,-._;;;;;;;;;|//////　　　　 .／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |////,`,.､;;;!'////　　　　／

また、この大都へ向かう途上、遼東半島で出兵の準備を行っていたタンと合流した

高麗の捕虜上がりの元兵３０００の編成と各種準備が済み、出兵する直前であったという
271： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:51:23 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　　　　､＿刈从WWWW从从≦二ィ_,_
　　　　　　　　　　　　､_x≧W从从从WWi{从从从i从ア
　　　　　　　　　　　ィW洲从从}i州从ハ从从}Wkく :.
　　　　　　　　　　　　､_j从WWW{i从{　　　 , ､_　 `}从 :.
　　　　　　　　　　　　　洲W从从ﾘ{ィ＝≦壬r示≧＝代 :
　　　　　　　　　　　　　刈洲W{iﾚ'´ 込Z弐シ　{Z弐近{　:.
　　　　　　　　　　　　　ｲ洲ｒ=i{|　　　　　　 _ 冫　　 }　:.
　　　　　　　　　　　 }从{ V|i ､_　　　　　　 ′　　 .'　:.
　　　　　　　　　　　　　从 {_　　｀　　　.ィこ> 　 ,'　 :.　　　いや、お前が来るまでの間俺が持ちこたえてれば
　　　　　　　　　　　　　　　　}ﾄ､_ 　　　　｀二　 /　　 ::.
　　　　　　　　　　　　从汽　　　　　,ｨi斥仆v　　　:.:　　こんなことにはならなかったんだ
　　　　　　　　　　　　　　　洲　｀ー‐-　{i｣从｣ｼ{　　　.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ]}　　　　　　　　　|　　　.:
　　　　　　　　　　　　　　／.::i｣　、　　　　　 j＼_　: .
　　　　　　　　　　 _ 　-‐ {::::::::{、　　、　　　　 / {ヽ::ヾヽ、
　　　　　　　　 _／　　　　|::::::::| ＼　　、　　　{　　ハ::.:.:.. ｀丶、
　　　_ 　-‐　´　　　　 |::::::::|　　｀ヽ､__　　　／　 ',:.:.:.. i　　｀`丶、
　　／　　　　　　　　　　|::::::::|　　　　　｀ヽ.　 {_ 　　',:.:.:. i　　　　　　ヽ、
　/　　　　　　　　　 |::::::::|　　　　　 l　|　 ||!　　　}:.:.:.::!　　　　　　　＼
./　　　　　　＼　　　　　 |::::::::|　　　　　 l　|　 |{　　　ｌ::.:.:::l　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　ヽ　　　 |::::::::|　　　　／,ア￣￣｀ヽ　l:.:::::::l　　　　　　　i　　　`､
　　　　　　　　　　＼　　 |::::::::|　　　／／　／＞≦二;;}:::::::l　　　　　　 |　　　　`､

　ノ＿,､＿ノﾉ,,孑 / ノ
彡从毛乂乍ﾘｿミヾ壬ミ
从彳川少匕从彳ﾐ川少＜
毛仆卅从ﾐ从毛仆卅从彡
Ｗ从匕ﾐ弋幵Ｗ从匕弋乂
从乂lヽlﾐ＼卅从乂lヽl＼Wﾐ
从W毛彡厂''V'＼ '　　 .∨
Ｗ从匕乂　　　　　　　　　',
从卞弋V'　　　　 ',　　 , -',
災什人.　　　　　 ', ii／少ﾐ}　　それに部隊を編制してくれてて好都合だった
升入　　　｀ﾞｰ-=_ノ_,t壬昨ﾉ
ミﾐ______　_, -壬少ﾉ rxﾞ".rxl
W　　 .｀弋匕ﾐ少'　{　.', { .∨
/'　　　　　｀￣´　　_.',　.',.',　',
∧　　　　　 rｘ　　.｀',　.',.',　',
. ∧.　　　　 rﾞx X--‐'',　.',l　 ',
　　｀ｰ- ,_. 　＼＼＼/',　.',　 lヽ
　　　　　｀ｰ- .._ヽヽ｀ｰ'　　　l ﾊ
　　　　　　 Y´ ヽ　ヽ　　　　 l　＼
272： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:51:59 ID:WbZJHgcY0: .　　　　　　　　　　 lヽゝｰ` `　　　　　　　　　　三ミヽ、
　　　　　　　　　　, `ﾆ　　　　　　　　　､　､　　 ⌒ヽ`＼
　　　　　　　　　 '／　　ム／ﾚ＾ソヽ ! ヽ l ヽ,､､ `‐`-- ,
　　　　　　　､ -‐ '//／ //ィ / l l　ﾘ　ヽ l､ l.ヽl`ー二ﾆ-
　　　　　　　＼￣　　　　 /::l/!.ノﾘ /ヽ､ﾄ.ヽ.!ヽ! .ﾘ　ヽ
　　　　　　　　>'　　.ｲ/!/::::l:::l',､l /::::l::ﾘN;ヽﾘl::l,､廴ヽ`＼
　　　　　　　　ﾚ'ﾌ　/l/ ﾘ::::::l:::/ﾙ':∧:l.､:ﾘ:ﾄ:::lN:::::l lミ‐-`
　　　　　　　-ﾆ∠:::l:::ｒｲ:::::::ﾄ､l/／二ニﾐ./ ! l/.ﾉ /＼`
　　　　　　　　`‐-,::l::l '_ゝ::N 　　　` `´ /　 l/lｲ/ｿ￣　　どういう意味だ？
　　　　　　　　　　ﾉ:::::ヾﾆ`:ゝ　　　　　　　　 l　/
　　　　　　　　／'´7:::::`ー､　　　　　　　　ノ/
　　　　　　　　　　 / 'ﾘ:::λ!ヽ. 　　　　　 - ‐ｿ
　　　　　　　　　　　　l::`-`_- _`　、　　ー/-､_
　　　　　　　　　　　」::::::::::::`-`_-,　` ‐-, '::::`:::‐, 7
　　　　　　　　　　ハ::::::::::::::::::::l l　　　,'::::::::::::::〃‐- 、
　　　　　　　　 ,..::'´:::::::::＼:::::::::::l !　　　lヽ:::::::::〃　　　` ､
　　　　　 ,...:'´:::::::::::::::::::＼＼:::::l.!.　　　' .ヽ::::〃ヽ　　　　ヽ
.　　　,...::'´::::::::::::::::::::::::::::::::＼:＼!l＿　　／l::::!l.　ヽ　　　　ヽ
　,..::'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ヽ;;;ヽ､　` ´　 l::::!l　　ヽ　　　i　ヽ

　　　　　　　　　､_／N从ﾏ大Ｗ从＼l　ﾍ卅从W勹災七災七
　　　　　　　　　　乂;从l勹|＼|　＼l　　　ﾍＷ从ﾀﾞﾐ从ｵﾐ仆匕
　　　　　　　　　￣Y毛l＼l　ヽ　　　　　　＼W勹災七卅从
　　　　　　　　ﾍl＼l　　　　　　　　　 , r '´
　　　　　　　　　　　　　 ', ;;　 /　　　, r ' ´
　　　　　　　　　　　　　 ',;;; /　, r ';;´''
　　　　　　　　　　　　　　 j ,ｲ､'´
　　　　　　　　　　　 l //ハ
　　　　　　　　　　　　｀lヽ//i
　　　　　　　　　　　　　　　｀| ｀ '　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　腹をくくったのさ
　　　　　　　　　　　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　 l　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　 l_＿r‐
　　　　　　　　　　　　　｀i
　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿ヽ==‐―'　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣ l 　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　弋ilililililililiツ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀'''''''''''´　.｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',
273： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:53:16 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　　}ｉ|ハi从}ｉ｛{ｌ|W从川｛ {从i|{　 i　!　　　　　　｛_
　　　　　　　　　　　　V 　｝ハハ{V 　 Vハ{｛i｛ハ :{i｜! 　　　　{｛｀′
　　　　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　|Ｗ从小j！i !i|　 ,　､_≧ｧ
　　　　　　　　　　　ﾑ　　　　　　　　　　 |/}ｲ小j｝}_} ｝!}W釗　｢广
　　　　　　　　　　　｣__＼､　　　　_　　-‐　　　|/}/从从从ｉ｛ﾊ　｛
　　　　　　　　　　　{ f≧メ}､_,)≦二 __ 　　　　 |/ﾑi7'⌒Ｖ小!|W
　　　　　　　　　　　‘斥沙′｀} ]三三ミF￢＝＝≠f/　　　}仆{ハ!
　　　　　　　　　　　　｛　/　　‘弐三三ｦ　　　　　}小／　从｝Ⅵド
　　　　　　　　　　　　 ∨　　　　　｀￣´　　　　　 l/ﾉ__／/从Wバ
　　　　　　　　　　　　　}〉--､　　　　　　　　　　　　　　_ ｲ/}|V/　　　林衍だけじゃねぇ
　　　　　　: 　　　く_､__　　　　　　　　／　厂´}ｉ||Ｖ|ﾄ|{
　　　　　　:　　　／∠}厶_　　　　　　　/　　 /　　|ﾊ|｣｛i　　　　　従わない武官全て、元の力で叩き潰す
　　　　　　　:　　／／　｝>r‐ ｀　　　　　　　 _／　　　　|从{了
　　　　　　 :. ／／　　 }i|ｌ}ﾄ､_　　　_　 -‐ 　　　　　／｛_
　　　　　　　　`ﾞ´ 　　　ﾞｰ≠≧=≠ 　　　　　　／　　　{ﾍ._
　　　　　　　　　　　　　　_／　　　　l　　　　　　／　　　 ,′ ＼_
　　　　　　　　　　　　　´ ハ　　　 |　　　　　／　　　　/　　　 }＼
　　　　　　　／　　｛　‘.　　　｣　　　　／　　　　　　/　　　　,′
.　　　　　　　　 / 　　　 !　 }i　／　　　　ハ　　　　　　, '　　　 /
　　　　　　　　/　　　　　 |／∧/　　　　　 {　ヽ. 　　／　　　　 /
　　　　　 /　　　　　 /　/　｛＼　　＿｣　　＼／　　　　 / /

　　　　　　 /| .Ｎ　'　　　　　　　 ,_≦＜⌒
　　　　　 | ∨　　　　 ,､ ,､､ヾ-ﾍ> ､-ミヽ
　　　　　／｀ ,.ｨ　　　 ,　/ ﾊ !ヾ|ﾊ.V, ,ﾄ,ﾊ-ヽイ
　　　　 /'ﾌ／/∧,ｨ ./.|/　,､ﾘ小|,ﾄ,:|:ﾘ､:ヽ|:＜
　　　　　И　.ﾚ　' .|//ﾉ　/jｨ::ﾊ::!:::ﾘ;ﾒ「ﾊ:}'ヾ､Y
　　　　弋ｰ__,､　| ,//|'/|/:ﾑ!/‐|l::::|ﾘｨｔﾁ''Vﾘ
　　　　ヽ-≧:::Ⅵ.代!ﾊ:|;::/,ﾑｔﾁ Ⅳヾ￣　.ﾄヾ　　　　……意味が分かってんだろうな？
　　　　　.｀Ｔ:|;::::ﾊ|:_'ヽ､Ⅳ￣´ 　　 _,〉　.|
　　　　　.ヽﾄ､ｌ:::「:トヾ､`　　　　　　__,,　 .iｧﾌ
　　　　　　　厶イゞｲ≧ヽ　　　　' ﾆ´　/./:!
　　　　　　　　　 '´ ﾚﾍ;ｰヘ　 ,,_＿＿__,,//:::::ゝ　　_ -､
　　　　　　　　　　　　　ハ|;V: : : : : : : /./:::::／7才　　ヽ,,_ _
　　　　　　　　　　　／ｲ:::ﾚ:ﾍ　 : : : : 'ーｧﾌ::::/ｲ　　　　　／｀ー-ミ、
　　　　　　　　　　 / /_::::::::::::ﾊ　　　　　 j |:::;ｲ　　　　　, ′ 　　　｀丶、
　　　　　　　　　ム-- ミ丶::::「' :.　　　 //:/　　　　　, ′　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　ﾉ:::ヽV|__,,,､　ｨ7 //　　　　　,:′　　　　,　　　　　ハ
　　　　　　　　　　　／::::::::ﾊ.'|　　｀　/〃　　　　 ./　　　　./!　　　　　　ハ
　　　　　　　　　／:::::::::::::::ﾊ !　　 .//′　　　 /　　　　　　,'::!　　　　　　 .ハ
　　　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::ﾊ∨　//　　　　　./ 　　　　 ,::::|　　　　　　　 .ﾊ
　　　　　　　　.ハ:::::::::::::::::::::::::ﾊＶ//　　　　　 /　　　　　 ,::::|　　　　　　　　.ﾊ

林衍が指揮下に置くのは首都防衛の三別抄と私領で賄う私兵

新たに雇い入れる傭兵も考えられた
274： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:54:10 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　　}ｉ|ハi从}ｉ｛{ｌ|W从川｛ {从i|{　 i　!　　　　　　｛_
　　　　　　　　　　　　V 　｝ハハ{V 　 Vハ{｛i｛ハ :{i｜! 　　　　{｛｀′
　　　　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　|Ｗ从小j！i !i|　 ,　､_≧ｧ
　　　　　　　　　　　ﾑ　　　　　　　　　　 |/}ｲ小j｝}_} ｝!}W釗　｢广
　　　　　　　　　　　｣__＼､　　　　_　　-‐　　　|/}/从从从ｉ｛ﾊ　｛
　　　　　　　　　　　{ f≧メ}､_,)≦二 __ 　　　　 |/ﾑi7'⌒Ｖ小!|W
　　　　　　　　　　　‘斥沙′｀} ]三三ミF￢＝＝≠f/　　　}仆{ハ!
　　　　　　　　　　　　｛　/　　‘弐三三ｦ　　　　　}小／　从｝?ド　　　分ってる
　　　　　　　　　　　　 ∨　　　　　｀￣´　　　　　 l/ﾉ__／/从Wバ
　　　　　　　　　　　　　}〉--､　　　　　　　　　　　　　　_ ｲ/}|V/　　　　　だが、これしか道はない
　　　　　　: 　　　く_､__　　　　　　　　／　厂´}ｉ||Ｖ|ﾄ|{
　　　　　　:　　　／∠}厶_　　　　　　　/　　 /　　|ﾊ|｣｛i
　　　　　　　:　　／／　｝>r‐ ｀　　　　　　　 _／　　　　|从{了
　　　　　　 :. ／／　　 }i|ｌ}ﾄ､_　　　_　 -‐ 　　　　　／｛_
　　　　　　　　`ﾞ´ 　　　ﾞｰ≠≧=≠ 　　　　　　／　　　{ﾍ._
　　　　　　　　　　　　　　_／　　　　l　　　　　　／　　　 ,′ ＼_
　　　　　　　　　　　　　´ ハ　　　 |　　　　　／　　　　/　　　 }＼
　　　　　　　／　　｛　‘.　　　｣　　　　／　　　　　　/　　　　,′
.　　　　　　　　 / 　　　 !　 }i　／　　　　ハ　　　　　　, '　　　 /
　　　　　　　　/　　　　　 |／∧/　　　　　 {　ヽ. 　　／　　　　 /
　　　　　 /　　　　　 /　/　｛＼　　＿｣　　＼／　　　　 / /

それだけの兵力に対抗するには元から相当数の兵を招かねばならない

何より、招いた兵が林衍を打倒した後に素直に帰還するとは考えられなかった

　　　　　　　　／-ﾌ´￣　　　　　　　　　　　　　　　　　 `‐-一ノ
　　　　　　　　‐ﾆ／＿,-‐,__　　　, -‐　-,‐　　　,　 /l　　__ヾく
　　　　　　　　 /／　　 /'./　／／' ´ム-‐彡ル' l l /　ﾍヽ_`__
　　　　　　　-斗＿　　　 /／／／　_ -‐／／'´ィ/ノ.∧! ‐､-　´
　　　　　　　　＞ィフ　ィ　／'./　_二ｒ'/／:::/／::l／l,ィ　　､ヽ
　　　　　　　 /／ﾚ:'.´::〃'::::::N／〃ｙ/::::::ィ／'::::ノ:::ィ:ﾚ1,､ﾘﾘ
　　　　　　　 '＜／:::::::::::::::::::::::::〈　ゝ/:::ｨ:/／ｰ'´_≧ﾐl/:/::::ゝ
　　　　　　　　/::／ﾚ／::::::::::::::::::ヽ ( !:/. '　　　　`　’/／/'
　　　　　　　　ﾚ　彡､::::::::::::::::::::;ﾚｰﾘ　　　　　　　´､　　　　　　……茨の路だぜ
　　　　　　　　　　_ノ／:::::::ィ::!,ﾍゝ　!　　　　　　　　_　',
　　　　　　　　　　//'-´彡／ﾘ　　　` 、　　　　　 __ｊ ´
　　　　　　　　＿/::::::::::::::::`‐-､`ヽ、　＼　　　　 , '
.　　　　 , -‐'´ィ/:::::::::::::::::::::::::::::`:...､` ､　＞　　/
　　　 /　／/´:::`:::::､::::::::::::::::::::::::::::::`:..､` 、` ´
　　／'　/'´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ `　、
.／/　, '::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／,. '´
' /　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,' ／
/　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ'
　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::-─'::´` ､
./:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／´::::::::::::::::::::::ヽ
'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,:::::::::::::::::::::::::::::::::::＼

内政問題であった武官と文官の対立が元との外交問題に変質してしまう

そして何より、元への大きな借りを作ることとなってしまう
275： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:56:14 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　　}ｉ|ハi从}ｉ｛{ｌ|W从川｛ {从i|{　 i　!　　　　　　｛_
　　　　　　　　　　　　V 　｝ハハ{V 　 Vハ{｛i｛ハ :{i｜! 　　　　{｛｀′
　　　　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　|Ｗ从小j！i !i|　 ,　､_≧ｧ
　　　　　　　　　　　ﾑ　　　　　　　　　　 |/}ｲ小j｝}_} ｝!}W釗　｢广
　　　　　　　　　　　｣__＼､　　　　_　　-‐　　　|/}/从从从ｉ｛ﾊ　｛
　　　　　　　　　　　{ f≧メ}､_,)≦二 __ 　　　　 |/ﾑi7'⌒Ｖ小!|W
　　　　　　　　　　　‘斥沙′｀} ]三三ミF￢＝＝≠f/　　　}仆{ハ!
　　　　　　　　　　　　｛　/　　‘弐三三ｦ　　　　　}小／　从｝Ⅵド
　　　　　　　　　　　　 ∨　　　　　｀￣´　　　　　 l/ﾉ__／/从Wバ　　　これしか道はないんだ
　　　　　　　　　　　　　}〉--､　　　　　　　　　　　　　　_ ｲ/}|V/
　　　　　　: 　　　く_､__　　　　　　　　／　厂´}ｉ||Ｖ|ﾄ|{　　　　　今より立場が悪くなっても、国が残れば巻き返せる
　　　　　　:　　　／∠}厶_　　　　　　　/　　 /　　|ﾊ|｣｛i
　　　　　　　:　　／／　｝>r‐ ｀　　　　　　　 _／　　　　|从{了
　　　　　　 :. ／／　　 }i|ｌ}ﾄ､_　　　_　 -‐ 　　　　　／｛_
　　　　　　　　`ﾞ´ 　　　ﾞｰ≠≧=≠ 　　　　　　／　　　{ﾍ._
　　　　　　　　　　　　　　_／　　　　l　　　　　　／　　　 ,′ ＼_
　　　　　　　　　　　　　´ ハ　　　 |　　　　　／　　　　/　　　 }＼
　　　　　　　／　　｛　‘.　　　｣　　　　／　　　　　　/　　　　,′
.　　　　　　　　 / 　　　 !　 }i　／　　　　ハ　　　　　　, '　　　 /
　　　　　　　　/　　　　　 |／∧/　　　　　 {　ヽ. 　　／　　　　 /
　　　　　 /　　　　　 /　/　｛＼　　＿｣　　＼／　　　　 / /

　　　　　　　　　　　　　　　　　　､_,ヽ＼汁|ヽヾ_,_,
　　　　　　　　　　　　　　　　｀久匕卅从W勹災七
　　　　　　　　　　　　乂从Ｗ仆幵卞从Wﾐ
　　　　　　　　　　　　 YヾlVlN从ﾏ大Ｗ从ﾀﾞﾐ
　　　　　　　　　　　　ﾉ　　 ∨r ､卞卅从从
　　　　　　　　　　　　　　　　r}-―==ヽ）}从ｵﾐ仆匕
　　　　　　　　　　　　　　　　｀l　　　　|i/ 'W从卅冫　　　（それに、今より元との距離を縮めたって
　　　　　　　　　　　　　　　　　',　　　　　 W从彡'
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',　　　 ,　 ,r'´￣　　　　　　　いいんだしな……）
　　　　　　　　　　　　　　　　　 """"ヾ／／´///
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l/´//////
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/////////
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //////////
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{/////,r'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ//,r'´　,r'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　）'´　,r'´

元宗が高麗の危機的状況を打破する手段に出ることを決心したのはこの頃だと思われる

でなければ、実力行使に出ても出られても元の介入だけは避けてきた元宗の行動と説明がつかなくなる
276： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:57:30 ID:WbZJHgcY0: ――元宗・タン・李蔵用の三名が世祖に謁見したのは文永７年２月１日であった

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　'　"　　　　　`　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　／:　 ___V__,, 　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　/:: 　　＼　/　　　　　　　　　ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　/:: 　　　　 V　　　　 __,, -ｲ┓ 　 i
　　　　　　　　　　　　　　 i:::i 　　　　　i　/ 　 _／　_,,r～' 　　li
　　　　　　　　　　　　　　l:┏ -　,,_　＼癶ﾚ／　_,,"-=ｫ　　　lik
　　　　　　　　　　　　　　il:::iﾚ__こ __ﾐ`V　 `Y ﾄ-'-`-'ノ　　　　jﾐ/^ ,
　　　　　　　　　　　　　 il::::`尤~_っ`)ｲ:i　　　ヽ ~`　　　　　　ﾅj　 l
　　　　　　　　　　　　　ﾊ:::`:::'"　　'ｲ:_l,_　 _ ,　　　　　　　xXjl（ ll
　　　　　　　　　　　　　 Y^l::`::　　　ｨ::r::: :へy ゝ　　　　　ヽミvXj/ l　　　　　高麗王ショク、林衍が子惟幹
　　　　　　　　　　　　　　lljlﾘ:::　　　　　:::::::ソ　　　　　　　　＼ヾll　lヽ
　　　　　　　　　　　　　　l川ﾘ::::　　　　__:::,,__　_,,,,_　　　　:.　ヽ`y/ﾘ7`,　　ともに申し開きはあるか？
　　　　　　　　　　　　　爪ﾘリ::::　: __,,ノ_,,　,,　,　- - `=っ　 i:::　　ﾘ彡りり
　　　　　　　　　　　　,ｲ巛川l:::: ::　　　...::::::::::.....　　　　　　i::::　ﾚり彡'ﾘYヽ
　　　　　　　　　　　,ｲ巛巛llﾘl:::: `::　　　"　　　 ~　　　　　　':　　ﾚﾘ'"彡り川
　　　　　　　　　　　＼` 三川k:::::::　　　　/ﾊ＼,_　　　　　　　　ﾘ li彡彡'ﾘｿﾘ
　　　　　　　　　　,入NN＼Nl::::＼　　　　7ﾘ川(￣　　　　 /／ '/　li～-弋川
　　　　　　　　　巛三三ｫ -ll:::::!ヾヽﾄ i,,, _川川ﾊl,,__ｨｲ_, ノ'　　　/　ﾄ,　　　liり
　　　＼　　　 l|(三二y/　 llll`,::!l:::::::`ミミミ川ﾘ彡彡 '　　'::ﾉ　　/　ハ: 　　 liﾘ
　　　　　人`--＞～-ll　　lllllヽ:::::::: : : : :`ミ三ﾘ彡'　　　　 jり　 /　:j: / 　　人＼
　　　　ヽ人人_^_^_^_^l　　 Y,::::::::::::::::: : : : `ミh　　　　　　ｿ　　　:j:/　　　/_^_l入入ヽ ,,__へ__
　　　　　ヽ人人^ ^ ^ _＼　　＼:::: : : : : : : : 三_　　　　　　　　/　　　/^_^_^l_入入/_^_^_^
　　　　　ヽ人人^ ^ ^ ^ _＼　＼:::: : : : :　　二_　　　　　　/　　／^_^_^_^l入入/_^_^_^
　　　　　　　ヾ＼^ ^ ^ ^ ^ _＼　＼: : 　　 ,,,,__ 二　_ソ　　　/　／^_^_^_^_^_lﾊ入/_^_^_^_^
　　　　　　　　＼l^ ^ ^ ^ ^ ^ ^＼　＼　　　　　　　　　　/　/^_^_^_^_^_^_ lﾊ入l_^_^_^_

世祖自身による詰問の場には、元宗たちとは別ルートで林衍の子である林惟幹も出席していた

自陣営が一方的に不利にならないために行ったものと考えられる
277： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:59:13 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　　.........:::::::::::::::::::::.....　　　　∨////////////////
　　　　　　　　　　....::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...　　　l///////////////
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　　　　　　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽl////////////l
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　　　　　　　l:::::::::::::::::::::::::::::;'''´　　゛`ﾞ、　ヽ::::::::::::!///////////｜
　　　　　　　l::::::::;'´:::′ 　´　　　　　　`_　l::::lヽ::::!////////////
　　　　　　　l:::::::: 　::　　　　　　　　, 〃l''´l::ﾉ　ｉ:::ｉ///////////l　　　はい、陛下
　　　　　 ',:::/　,,_::_　　　　　　ノ''´　　.:;'　　ｉ::l///////////l
　　　　　　 l::　　　　｀ﾞﾞﾞヽ　ヽ　　ｲ了ヽﾉ / l:!///////////ｌ
　　　　　　　　l::.　　　－- 　ヽ . 　/ｰ｀‐~´ '　/;'l///////////lヽ
　　　　　　　　l::::ヽイヽﾟノ-｀l十‐l l : . : . : .　,',' !///////////∧｀ヽ
　　　　　　　　:::::::〉′゛　　　ノ l　　｀　ー　‐´l::l////////////∧｀ヽ
　　　　　　　ﾉ::::::｀ヽ　_　- ´　ﾉ　_　　　,__‐　l://///////////∧
　　　　　　 /::::::/l::::::::ヽ　　　　｀　　-　ｆ 'ノ　l//////////////::.
　　　　 .　/:::::::/　!::::::::::::ヽ.　　＜-_ _´　′ ／l///////////////:::...
　　　　　/:::::::/ 　l:::::::::::::::::::::.......　　ー ´.／　///////////////l　ヽ:::
　　　 /:::::::/　　l:::::::::::::::::::::::::::::l　｀ー ′／//////////////∧　　ヽ
　　. 　/:::::::/　　/::::::::::::::::::/￣ｒ´｀ｉ　￣　/////////////////∧:::.

最初に口を開いたのは、林惟幹

　　　　　　_,.　-=;;￣;;=-._
　　　_..-:"::::::::::::::::::::::::::::::::＼　　__,.-＝==-,,､
　_-'"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;:::V≦_　　　　　ヾ,
":::::::::::::::::::::::::::::, ､::::::::::::／ "''iヽヾ,　　　　　　ヾ,
::::::::::::::::::::::::::::/　ﾉ::::::/ __,,_　　i. ii　　i　　　　　　　ii,
::::::::::::::::::::::::::::!/:::::::/＼ﾍヽ　|　ii　 ,i　　　　　　　iii
::::::::::::::::::::::／::::::ノ　　, ,.VIY／ ,i'　　　　　　　　　 ,ii　　　まず第一に、我々は李蔵用や王の言うような逆臣ではありません
::::::::::::::::::::::::< i::i　　　 ' '　iﾉi,　　　　　　 /i　　 ,,ﾉ
:::::::::::::::::::::ﾉヽ!ヽ　　 i_､_.i--'　　　　　　ヾ=='"
::::::::::::::::/i,　　 >::ヽ､_,/:::::::::::=‐-:::､:_
::::::::::::::/::::k'　 i;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::￣::=‐-...､.._
:::::::::ノ::::::::::i Y:::;_::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::￣:::::=-...､,,__
／:::::::::::::::::::V:::ﾉ￣　"=--　 _:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::￣.."=---.､
:::::::::::::::::::::::::i:::l'　　　　　　　　￣"'''=--　､::_::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::√l_　_,,,__
::::::::::::::::::::::/:::/　　　　　　　　　　　　　　　　　￣ "'''= ､_::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ .ﾉ "y 　ﾄ-､,__
::::::::::::::::::::::::/　　　　　　　　　　　_=-―-､　　　　　　　　￣"''=-::::＿_,,/__/-iノ　 .ﾉ./　　"=- ､,__
-::= ､;_::::::/　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::i,　　　　　　　　　　　　　　　　　　"'''=' >　‐-　　,____ノ
::::::::::::￣:L_　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::i,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　("''-,__　　　'i,
::::::::::::::::::i' 7y-,_　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'i,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞"／ /l　i
;;;__;;;:::ノ .ﾉ/　/"''=-<:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'i　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　4　／ l' .l
278： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 19:59:56 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　　　　　　　　　　　　　　／　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　, ィ:::::::::::｀ヽ.　　　　　　　　　 _　　／　　／
　　　　　　　　　　　　　　　ノ:::;ｨｧ､:::::::::::::::ヽ　　　　　　（ ∨イ　　／
　　　　　　　　　　　　　／ｲ::/　i{　￣Yヾ､:::ﾊ　　　　　　　〉. V | ／
　　　　　　　　　　　　// jｲﾍ.__ ﾘ　　ｊ　i lﾄ::::.　　　　_ｚ<//!　ﾘ/
　　　　　　　　　　　 // .{ｿ!´⌒ヽヽｰ/=ｭﾘﾚｌ:::i 　ｒィヽ　ヾ' ｲｊ
　　　　　　　　 /ｲ　ゞ::lヾ=ｲｊ__ﾄ=彡zｲｿ::ﾊ　人）　'　　 /　　　　　あくまで高麗が為、陛下が為に行動しただけであります
　　　　　　　 __{::l＿/:::::i ￣ {!　｀ー'/::::::_ｲｱ/ﾊ　　　_/
　　　　　　　　　/ﾆﾊVﾆｒ､ ∧ ｰ-｡ -　/:::::/)／7ｒィヽゞ=-'ｲ
　　　　　　　　_ﾉニﾆ＞=ｲﾆﾆｊヽ __　ィｿ　ﾘ´￣ヾ彡_{二ﾆTｭ､
　　　　　　　　}ニニニニﾆﾆ/　ヽﾆｒ'´　/ｨ! ヽ｀Yニ＞-=≦ﾆ!
　　　　　　　 /ニニニニニ'-ｒイﾆﾆヽ_/　ﾉｭ__)ニニニニﾆﾆ!　　
　　　　　　ｒニニニニニニﾆ!__Vﾆｒｱ　　 / ｊ-'ニﾆﾆoニﾆﾆ|
　　　　　　/ニニニニ＝‐≦ニ|　i!{　ゝ-ｒ'／ニニニニニﾆﾆ!
　　　　　/ニニ＝‐≦ニニニﾆﾊ　i＞ｲ／i!ニニニニoニﾆﾆ|
　　　　/ﾆ＝-≦ニニニニﾆﾆﾆハ｣／ |ﾆ!ニニニニニニニ!
　　　ｒ 'ニニニニニニニニoニﾆｊ／|" .!ﾆ!ニニニニニニニ!
　　　ｊニニニニニﾆoニニ=‐´／l//i|　j!/ニニニニニﾆﾆﾆi|
　　〈ニニニニニニ＝ ´　／ﾆ∨//!/ニニニニニニニニﾆ
　　　ヾニニニｒ―´ <ヾ.／ニﾆﾆ∨/ニニニニニニニニﾆﾆ}
　　　　￣￣´　　　　7='ニニニニ〉{ｒ､ﾆoニニニニニニニﾉ
　　　　　　　　　　　/::::j!ニﾆｏニＶ >｀ニニニニニニニ= '
　　　　　　　　　　ｲ:::::::i!ニニニニニニニニ>==＝‐ ￣＼
　　　　　　　　／:::::::::::i!ニニニニニニニニニヽ:::::::::::::::::::::＼
　　　　　 ,, イ:::::::::::::::::j!ニﾆｏニニニニｏニニニY:::::::::::::::::::::::ヽ
　　_　ｚ彡::::::::::::::::::::::::j!ニニニニニニニニニニﾆ:::::::::::::::::::::::::::｀ミ

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　　　　　　　l:::::::::::::::::::::::::::::;'''´　　゛`ﾞ、　ヽ::::::::::::!///////////｜
　　　　　　　l::::::::;'´:::′ 　´　　　　　　`_　l::::lヽ::::!////////////
　　　　　　　l:::::::: 　::　　　　　　　　, 〃l''´l::ﾉ　ｉ:::ｉ///////////l
　　　　　 ',:::/　,,_::_　　　　　　ノ''´　　.:;'　　ｉ::l///////////l
　　　　　　 l::　　　　｀ﾞﾞﾞヽ　ヽ　　ｲ了ヽﾉ / l:!///////////ｌ　　　そもそも嘘八百で王を丸め込み
　　　　　　　　l::.　　　－- 　ヽ . 　/ｰ｀‐~´ '　/;'l///////////lヽ
　　　　　　　　l::::ヽイヽﾟノ-｀l十‐l l : . : . : .　,',' !///////////∧｀ヽ　退位に追い込んだのは……
　　　　　　　　:::::::〉′゛　　　ノ l　　｀　ー　‐´l::l////////////∧｀ヽ
　　　　　　　ﾉ::::::｀ヽ　_　- ´　ﾉ　_　　　,__‐　l://///////////∧
　　　　　　 /::::::/l::::::::ヽ　　　　｀　　-　ｆ 'ノ　l//////////////::.
　　　　 .　/:::::::/　!::::::::::::ヽ.　　＜-_ _´　′ ／l///////////////:::...
　　　　　/:::::::/ 　l:::::::::::::::::::::.......　　ー ´.／　///////////////l　ヽ:::
　　　 /:::::::/　　l:::::::::::::::::::::::::::::l　｀ー ′／//////////////∧　　ヽ
　　. 　/:::::::/　　/::::::::::::::::::/￣ｒ´｀ｉ　￣　/////////////////∧:::.
279： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 20:00:45 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....-‐…‐-...._
　γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ:::::::::::::::::::::`::.、
　｜　　　　李蔵用、あなたでしょう？　　 |:::::::::::::::::::::::::::ヽ.
　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　 ;:::::::::::|::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　 |:|::::/::ﾄ､::|:::|:l:::::l::::::|:::ﾄ:::::::::::::::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　 |:|:::什|≧ﾄ､|从:戈戎刈:|::::::::::l::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　|ﾊ::{i' 込刈￣ﾊ弋?ﾉ.八:::::::/ﾊ:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　 И| ー '/　　｀ｰ‐ ´　И/　ﾘ　　　　　ふ、ふざけるな！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | 　　`. '　　　　ι　　,'. イ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　、　{￣ ¨ヽ　　　 /|::/　　　　　　お前たちが退位しなければ陛下を流刑にすると……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　ｰ― ' 　　／ И＿ __
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼￣　 .　 '´　　　ﾚ'´ 　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 '　¨¨ハ￣　　　　／.::.::.::.::.:／￣　¨¨　　、
　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　/::.:ﾊ　　　　／.::.::.::.::.:;. ′　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　 , '　　　　　/.::.::И　　　.:′.::.::.::.::; ′　　　　　　　　　∧
　　　　　　　　　　　　/　　　　　,′::.::.:ﾊ　, ′.::.::.::.::.:/　　　　　　　　　　　　∧
　　　　　　　　　 /　　　　　′::.::.::|　 /:.::.::.::.::, へ.　　　　 ,′ 　　　　　　∧
　　　　　　　　/￣二ヽ.　　　　 |:.::.::.::.:| ./.::.::.::.ｒ┴―ｰ｀ヽ.　,′　　　　　　　　　∧
　　　　　　 ,′__＿　ﾑ　　　　|:.::.::.::.:ﾚ:.::.::.::.:ﾉ } ―‐-　　Ｖ　′　　　　　　′ 　∧
　　　　　　＿/　　＿_ Y /　　.′　l::.::.::.:/.::.::.::.::.:｀´ゝ―‐　　　Ｖ　　　　　　　 ,′　　 .∧
　　　　　/　ｲ　　＿　〉´　　　l　　釗::.::/.::.::.::.::.::.::.::.{ _ー　　　　　ヽ、__　　　　,′　　　∧
.　　　　/　И　　不ソ　　　 |　　 |::.:/:.::.::.::.::.::.::.::./　｀ヽ、　　　＼＼｀ヽ,′　　　　.∧
　　　, ' 　 l　、　丿И 　　　 |　　 |:/::.::.::.::.::.::.::.::/　　　　｀ー、　　　＼}　　＼　　　＿ _∧｀ヽ
　／　　　| 　／|　釗　　　　 |　　 |::.::.::.::.::.::.::.::./　　　　　　　|＼　　　}　　　ヽ、　　　　　　〉

　　　　　　　　　　_,.．---- ．._
　　　　　　　　／　、　　　　､ ,,ヽ
　　　　　　　/ 　　ﾐ))))))))))）　ｯ'))）
　　　　　　/　　　　　,ｨ｡ﾆ>,;;　ヾむi　　言いたいことがあるならば朕に報告せよ！
　　　　　　彡､　　　　"""　　(,-､ｯ, ヽ
　　　　　　{-ﾏ彡ｨｨｯｯ'' ..　　　,,__'_,,,_､i　この場での言い争いは一切禁じる！
　　　　　　ﾊヽヽ彡'　　:::　''"~　,,;;;;;,,` l
　　　　　/ﾐヽﾆ-）ii　　　'''　　　　/iii> ,}
　　　　（ミﾐﾐミﾐi｀iiii;,,　　　,,,,,,,,,,,ﾉllll!,ii!
　　　　{ミミﾐ/⌒i: : :　"　""'''!!!!!!!!!ｿ"
　　　（ﾐﾐﾐ（　（｀ヽ: :　　　;　　　　.::|
　　　〉ﾉﾉﾉヽ＼　ヽ　　　 ''';;,　　.::ﾄ､
　　 /ﾉﾉiii　iii ＼＼　､　　;;　 .::::|　ヽ
　／/ iii　iii　 iiii ＼＼　　　　　　:::ﾄ､　ヽー
280： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 20:01:16 ID:WbZJHgcY0: 　　　　、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　、
　　　　,' 　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',
　　　 ,' 　　　 l　　 l　 l　　｜　.l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!、
　　　,' 　　 |　 !　　　l､｜　　!　｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!
　　 ,l　　　|　,|l,　　 .| ',　l　　|'l　 λ　　　　　　 ',　　　　　　　　 |
　　 |　 ,|.l　|　| ,|　　 |　ヽ l┐ ! !、 l,ヽ .､　　　　　!　　　　　　　　 l
　　 !　 ! l　l　|　', 　 |　　_l,l,ﾊ l―!、!、ヽ`i、　　　｜　　　　　　　　　 ,l
　　 ! .卜 ! |凵　 ', 　l ／　,-_l|l- ､,_ヽ!、 Ц!、　　 .|　　　　　　　　　 |
　　〈.l.l　| !l ll匸' ヽ .|　 / /｜　l ヽ.ヽ＼　 l　`i,、 .,!　 __　　　　　　 l　　　申し訳ありません、皇帝陛下
　　　　l｜У,~|~'r ヽL_|　　!、 ,'　／|‐-――＜= lﾚ'.,- ヽ　　　　 ,'
　　　　 .｀l´　､｜_l｀　　 !、　`ー ' 　／　　　　　｜ ,l .lL ヽ !　　　 ,'　　　　林惟幹の言う所はすべてでたらめです
　　　　　 !、　`ｰЛ　　　｀ 'ｰ―' '´　　　　　　　! ,!.,iヽ｀,r'｜　　 ,'
　　　　　　｀`厂　/ 　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ'　! " 　/　､　/
　　　　　　　｜　ヽ、､　　　　　　　　　　　　　　 '´　／　 ,' ,/
　　　　　　　　 !　　　　　　　　　　　　　　　 /―厂　　 ll,i′
　　　　　　　　＼　 ⊂ニ=　　　　　　　　　　,/ 　　|,il, .　| `
　　　　　　　＼　‐--'　　　　　　　　　,r　　　　 '´ !,!.┘
　　　　　　　　　　　＼　　　　　　_, -'"　　　　　＿, イ―┐
　　　　　　　　　　　　ヽ　　 __, -' "　　　　 ,-‐''"'　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　｀ ´ヽ　　　　　_／"　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　/､　　 , -'　　　　　　 __, -‐''"￣ヽ
　　　　　　　　　　　　 _/　 l ／　　　　　　　_, -''"　　　　　　　＼_
　　　　　　　　 __, ‐''´,'　 .／　　　　　　_, -''　　　　　　　　　　　 `‐!、
　　　　　　／　　　 ./　/ 　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
281： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 20:02:13 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　 ,,／＾　　　　　　　　　　　　　　｀ﾞ'-､、
　　　　　　 ,／｀　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞヽ、
　　　　　 ,／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀'i､
　　　　　　.,/｀　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　 ,i´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　,i´　　　　　　　　　　　　　　　 !　　　　　　　　　　 │
　　　　 /　　　　　　．　　　、　　　　　　　 │　　　　　　　　　　ﾞl
　　　　.lﾞ　　　、　 .,i´ 、　 ,ﾘ　、　　　、　　|　　　　　　　　　　　 |
　　　　| 、　　|　 │　,lﾞ　│|　,!|　　　.|)、　 l,　,ﾋ　　l、　 .lﾞ　　　 .|
　　　　lﾞ lﾞ　　|　 ,ﾋ　,lト　lﾞ　| .lﾞ.|　　　| ﾞl　 .|ﾞl /.ﾞl　 |ﾞl、　,!　　　 .|
　　　　ﾞl .|　　|　.lﾞ］ ,lﾞ┤ﾒ―| |,,,ﾞl、　 |　ﾞl　,{ |,ト┤.,ヽ｣　│　， .lﾞ
　　　　 |. ﾞl　 .| .|＾ﾞl/,,,,ﾞl,{,,,,,,,ﾞl|　ヽ　.|　 .|.,lﾞ,,|lヽ,,|,i＿ | ./|　　|　/　　　そもそも金俊を処分した後、専横を振るったのは林衍
　　　　 .ﾞl,,ﾋ　.| | .,,广　　　　｀ﾞ'i､ .ヽ|　.,/″　　　　 `'V゜_|　ﾒ/′
　　　　　 | ﾞl　lデ|　　　　　　　　ﾞl,,,,,,ﾆ丿　　　　　 T＾.| 丿 |　　　　兵を押し立て、陛下を流罪にするよう大臣に迫ったのも
　　　　　ﾞl .ﾞl ﾞl　＼、　　　　　,,/｀　　 .ヽ、　　　　　 ,,/　.|丿　|
　　　　　 .ﾞl、ﾞ'↓　｀''''―ｰ''''"｀　　　　　｀ﾞﾞﾞ'''''―ｰ'"｀　 ,ﾚ゜ ,/′　　　林衍です
　　　　　　ﾞ'i､ .ﾞl　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,「 ,/｀
　　　　　　　ﾞ'-,ﾞl、　　　　　　 ,、.,、　　　　　　 ,l／
　　　　　　　　　|.ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,/.lﾞ
　　　　　　　 | ｀ヽ　　　　　　,,-----、　　　　　 .,/｀,lﾞ
　　　　　　　　　 |　, ＼　　　　　　--- 　　　　 ,／ｫ lﾞ
　　　　　　　 |.八　|''-,、　　　　　　　 _,／｀|丿|lﾞ
　　　　　　　 '″ﾞl .|　 ‘'-,,、　　　　 _,-‐"　　 |/　｀
　　　　　　　　　　　　ﾞl|　　　　｀''―-‐''"　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　ﾞ′　　　　　　　　　　　　　 `
282： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 20:03:16 ID:WbZJHgcY0: 　　　　、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　、
　　　　,' 　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',
　　　 ,' 　　　 l　　 l　 l　　｜　.l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!、
　　　,' 　　 |　 !　　　l､｜　　!　｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!
　　 ,l　　　|　,|l,　　 .| ',　l　　|'l　 λ　　　　　　 ',　　　　　　　　 |
　　 |　 ,|.l　|　| ,|　　 |　ヽ l┐ ! !、 l,ヽ .､　　　　　!　　　　　　　　 l
　　 !　 ! l　l　|　', 　 |　　_l,l,ﾊ l―!、!、ヽ`i、　　　｜　　　　　　　　　 ,l
　　 ! .卜 ! |凵　 ', 　l ／　,-_l|l- ､,_ヽ!、 Ц!、　　 .|　　　　　　　　　 |
　　〈.l.l　| !l ll匸' ヽ .|　 / /｜　l ヽ.ヽ＼　 l　`i,、 .,!　 __　　　　　　 l　　　確かに最後に陛下に退位するよう説得したのは私です
　　　　l｜У,~|~'r ヽL_|　　!、 ,'　／|‐-――＜= lﾚ'.,- ヽ　　　　 ,'
　　　　 .｀l´　､｜_l｀　　 !、　`ー ' 　／　　　　　｜ ,l .lL ヽ !　　　 ,'　　　……そのことが臣下の行いにあるまじきことなのは重々承知
　　　　　 !、　`ｰЛ　　　｀ 'ｰ―' '´　　　　　　　! ,!.,iヽ｀,r'｜　　 ,'
　　　　　　｀`厂　/ 　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ'　! " 　/　､　/　　　　処分を免れようとは思いません
　　　　　　　｜　ヽ、､　　　　　　　　　　　　　　 '´　／　 ,' ,/
　　　　　　　　 !　　　　　　　　　　　　　　　 /―厂　　 ll,i′
　　　　　　　　＼　 ⊂ニ=　　　　　　　　　　,/ 　　|,il, .　| `
　　　　　　　＼　‐--'　　　　　　　　　,r　　　　 '´ !,!.┘
　　　　　　　　　　　＼　　　　　　_, -'"　　　　　＿, イ―┐
　　　　　　　　　　　　ヽ　　 __, -' "　　　　 ,-‐''"'　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　｀ ´ヽ　　　　　_／"　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　/､　　 , -'　　　　　　 __, -‐''"￣ヽ
　　　　　　　　　　　　 _/　 l ／　　　　　　　_, -''"　　　　　　　＼_
　　　　　　　　 __, ‐''´,'　 .／　　　　　　_, -''　　　　　　　　　　　 `‐!、
　　　　　　／　　　 ./　/ 　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼

　　　　　　　　　∠::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　/::ソｿ／::/::/ﾉﾍヾ!ヽ:::::::::::｀ヽ
　　　　　　　　/!::(　　 ) ━ (　　　　)、::::::::::::::::｀、
　　　　　　　　 iﾉ　￣ ´ ｀　　￣￣　｀!::::::::::::::::::ゝ　　ですが……この件について第一に裁かれるべきなのは……
　　　　　　　　 !´　　 ,へ、　　　　　　ヽｿ::::::::::::::ﾉ
　　　　　　　　/　　　　¨　　　　　　　　　ｿ:::::::::::::i
　　　　　　　　i　　______　、　　　　　　丿::冖:::::/
　　　　　　　　! /::::::::::::::::::::＼___、　　　　６ﾉ::ソ
　　　　　　　　＼:::::::::::::::::::::::::::::::::⌒´´／::::::ｿ
　　　　　　　　　│::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::_ﾉ
　　　　　　　　　│::::::::::::::::::::::::::::::::::::│:::ﾉ
　　　　　　　　　│:::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ
283： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 20:04:15 ID:WbZJHgcY0: 　.　　　　　　　　　　　イ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､
　.　　　　　　　　　／: .:::: :: :::: ::::::::: :::::::::::::::::: : :::　:::::-､ヽ
　.　　　　　　　　　 / ::　.　.　.::: :::::::: :: :::::. ::::::: :::::　::.　:::.::ヽ.ヽ
　.　　　　　　　　　ﾊ　:::　.:　:　:::: : :　:　:　:::.　:::.　:.　 ::　:::::::::ヽi､.
　.　　　　　　　　 ,': ::: :: ::　　　::　: : :　　　:　::　　:　　: ::　::::､ー-､.
　　　　　　　　　 i:::　: ::::　:　:: ::　:: : : :　::　:::　　　:　::::: ::::::::::ヽ、
　.　　　　　　　 ::: :: : :: :: ::::: :::: ::::: : :: ::　:: ::::::　　　 ::::::::::::::::::::ヽ、
　　　　　　　　　 i!::　: : ::: : ::: :/､:::::::::::::::: :､ ::: ::::::: :　 :::::::::::::::､-､_ヽ
　.　　　　　　　　 ∨:::::::::::::/i::i　ヾ:::i:::::iヾ:::iヾ､:.i､:i::::::::::::::::::::::-ヾ.　ヾ　　林衍とその一派です
　.　　　　　　　　　 ';::::::::/i:i i::i｀_ｰヽiヽ:ヽヾi'ｰヾiヾi i::::::r､:::i ヽ::ヽ
　　　　　　　　　　ﾊ::::::iヽi '､弋ンヾi ヾi_r　弋ｿ`,ヾi'i:::/ i::::i 　ヾ､
　　　　　　　　　　　 { ヾi　ヽ､二´ ノ￣ヽ､_ 二ノ　i:/ﾉﾊi`
　　　　　　　　　　　　ヽﾄ.　　　　　　　　　　　 iﾑ／
　　　　　　　　　　　　　　　i:'､　　　　　､　,　　　　　 /i::i
　　　　　　　　　　　 i/ヽ、　　　, - ､　　　ｲハi
　　　　　　　　　　　　　ヾi ヽ、　.｀ニ´　　／iｲi
　　　　　　　　　　　　　　　　 _i　　:`ヽ､ __ , イ　 i'､_
　　　　　　　　　　　　　　　／::i　　 : : : :.　　　　i::::::`ヽ､
　　　　　　　　　　　　　 _ノ:::::::::i　　　　　　　　　 `i:::::::::::ヽ
　　　　　　　　　 _ .イ￣:::::::::::::::i　　　　　　　　　　　i:::::::::::::::｀ : . _
　_, ..-::ー '::´:￣:　　 :::::::::::::::::::i　　　　　　　　　　　/::::::::::::::::::::::ﾊ｀ :

林惟幹の発言に対しての李蔵用の返答によって審問の大勢は決した

　　　　　　　　　　_,.．---- ．._
　　　　　　　　／　、　　　　､ ,,ヽ
　　　　　　　/ 　　ﾐ))))))))))）　ｯ'))）
　　　　　　/　　　　　,ｨ｡ﾆ>,;;　ヾむi　　　逆臣は林衍とその一党である
　　　　　　彡､　　　　"""　　(,-､ｯ, ヽ
　　　　　　{-ﾏ彡ｨｨｯｯ'' ..　　　,,__'_,,,_､i　　その痴れ犬を牢に放り込め！
　　　　　　ﾊヽヽ彡'　　:::　''"~　,,;;;;;,,` l
　　　　　/ﾐヽﾆ-）ii　　　'''　　　　/iii> ,}
　　　　（ミﾐﾐミﾐi｀iiii;,,　　　,,,,,,,,,,,ﾉllll!,ii!
　　　　{ミミﾐ/⌒i: : :　"　""'''!!!!!!!!!ｿ"
　　　（ﾐﾐﾐ（　（｀ヽ: :　　　;　　　　.::|
　　　〉ﾉﾉﾉヽ＼　ヽ　　　 ''';;,　　.::ﾄ､
　　 /ﾉﾉiii　iii ＼＼　､　　;;　 .::::|　ヽ
　／/ iii　iii　 iiii ＼＼　　　　　　:::ﾄ､　ヽー
284： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 20:05:20 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　／///////////////＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /////////////////////＼
　　　　　　　　　　　　　　　 ////////////////////////ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　//////////////////////////ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　 /////////////ミｧ7~アヾ///////ハ　　＿＿＿　　　　　　そ、そんな！
　　　　　　　　　　　　　　 ////＞ヽ//≧7 　/ ,ｲ　　ｲ｀ヾ/////ｊ´　￣￣￣｀　　　、
　　　　　　　　　　　　 /////{　ヽj//´　|　/__ｊ7＿/_|　　ヾイ/人､　　　　　　　　　＼　もう一度弁明を！
　　　　　　　　　　　　　　　 /////∧　 |//!　 |´T￣|￣|｢｀!　　 /∧　｀ヽ.　　　　　　　　　　ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　ｲ//////八_///|　 |　7⌒_ヾｆ　　　_イ/i　ﾘ　　 ',　　　　　　　　　　　丶
　　　　　　　　　　　／//////////////l!　 |　ｰ≠'　　ﾉ ,ｨfﾗﾘ　!/　　　 j!
　　　　　　　　　／////////////|////|　 | ｀ー― '⌒fヾソ/ ,ｲ　　　　ﾘ　　　　　　　　　　　　　､
　　　　　　　／／´￣￣｀ヾ/彡´ |////|　　　　　　 __ｊ￣7/　ｊ　　　　/　　　　　　　　　　　　　ﾊ
　　　　　　　イ７　　　　　 iﾊ　　l////ﾄ　　ー～イ///ｲ　 ′　　,ｲ　　　　　　　　　　　　　　j|}
　　　　　　 ,ｲ//　　　　　　　 |ハ､　ｊ////|　ヽ　イ´ 　 |///|! ノ　　／´　　　　　　　　　　　　　　ｊ|!
　　　　　　///　　　　　　 |｀ヽ. ///// ヽ　　）　 |///|´　　　　　　　/　　　　　　　　　　　 /ﾘ
　　　　 ///　　　　　　　　,　　　　|////|　　　　 /　　 |///|　　　　　　　 {!　　　　　　　　　　　,ｲ/
　　　　 .///　　　　　　　,イ　　　　 |////|　　 V /　　　.|///|　　　　　　　ヽ、　　　　　　／／
　　　　///　　　　　　 //ﾊ　　　 |////|　　ｊ/　　　 |///|　　　　　　　　　　　　＿＿　ィ／

林惟幹は問責の場で捕縛、大都の牢へと幽閉された

その後、処刑されたのかどうか生死すら不明である

――さらに元宗の元への接近政策は進む

　ノ＿,､＿ノﾉ,,孑 / ノ
彡从毛乂乍ﾘｿミヾ壬ミ
从彳川少匕从彳ﾐ川少＜
毛仆卅从ﾐ从毛仆卅从彡
Ｗ从匕ﾐ弋幵Ｗ从匕弋乂
从乂lヽlﾐ＼卅从乂lヽl＼Wﾐ
从W毛彡厂''V'＼ '　　 .∨
Ｗ从匕乂　　　　　　　　　',
从卞弋V'　　　　 ',　　 , -',
災什人.　　　　　 ', ii／少ﾐ}
升入　　　｀ﾞｰ-=_ノ_,t壬昨ﾉ
ミﾐ______　_, -壬少ﾉ rxﾞ".rxl
W　　 .｀弋匕ﾐ少'　{　.', { .∨
/'　　　　　｀￣´　　_.',　.',.',　',
∧　　　　　 rｘ　　.｀',　.',.',　',
. ∧.　　　　 rﾞx X--‐'',　.',l　 ',
　　｀ｰ- ,_. 　＼＼＼/',　.',　 lヽ
　　　　　｀ｰ- .._ヽヽ｀ｰ'　　　l ﾊ
　　　　　　 Y´ ヽ　ヽ　　　　 l　＼

林惟幹捕縛の三日後、タンの正妻に世祖の一族が与えられることを要請
285： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 20:06:11 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　,.:' : '　　　　　　＿　　ヾv,;, ヽ
.　　　　　　　　　　/. : :　　　_　ﾄﾐー- . .　　｀ヾ'　ﾉ '.　,
　　　　　　　　　 ,: : : :彡イ:::/ ﾑ::::::::::::::::≧z_}j　'_彡::ｲﾊ,
　　　　　　　　　,イ:::::::::::::::::,'　　￣r＜ミ:::::::::ﾘ!} }::::＞彡
　　　　　　　　 ,ﾞ:::rー-､::::::{　　ヾ　｀＝ﾟ=ﾐ彡⌒'.叱ﾊ {　　　別の機会に要請しろ
　　　　　　　　,:::::::} ハ }::::::j　＞ー=彡´: :´ 　 '. ∨;ｲム
　　　　　　　 i:::::/ }ｖﾑ:!:::::｀彡::::／´　　 ./　,z-　i　ミ:::}
　　　　　　,ｲ::::ﾑ　ゞ:{ } ::::::::::::/　　　／　´　￣ヽ　 ';ﾘ
　　　　　,.ｲ:{::ﾍ::::ハ.＿)_:_:_:_:_/　　　　　　＞≡=ミ　　{
.　　　　/.:ﾊ:＞/´/////////ﾊ　　,彡='ﾞ -―＝＝ﾐ　｜_
　　　＞/,´//////////////∧}､_　　＿　＿＿__　ﾉj!///≧x
　　　{///////////////////,|　　　　　／.:::::::｀ヽ　 '//////∧
　　　|///////////////////,|　　　　　￣ﾉ:::::::::'. 　 !////／/,{
　　 //////////////////// |ﾄ､　　　　 /.:::::::::::::'.　j/＞'////ﾑ

その場での回答はなかったが、否定はされなかった

正式な使節による要望ならば答えないでもないという言質ともなる

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　'　"　　　　　`　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　／:　 ___V__,, 　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　/:: 　　＼　/　　　　　　　　　ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　/:: 　　　　 V　　　　 __,, -ｲ┓ 　 i
　　　　　　　　　　　　　　 i:::i 　　　　　i　/ 　 _／　_,,r～' 　　li
　　　　　　　　　　　　　　l:┏ -　,,_　＼癶ﾚ／　_,,"-=ｫ　　　lik
　　　　　　　　　　　　　　il:::iﾚ__こ __ﾐ`V　 `Y ﾄ-'-`-'ノ　　　　jﾐ/^ ,
　　　　　　　　　　　　　 il::::`尤~_っ`)ｲ:i　　　ヽ ~`　　　　　　ﾅj　 l
　　　　　　　　　　　　　ﾊ:::`:::'"　　'ｲ:_l,_　 _ ,　　　　　　　xXjl（ ll
　　　　　　　　　　　　　 Y^l::`::　　　ｨ::r::: :へy ゝ　　　　　ヽミvXj/ l
　　　　　　　　　　　　　　lljlﾘ:::　　　　　:::::::ソ　　　　　　　　＼ヾll　lヽ
　　　　　　　　　　　　　　l川ﾘ::::　　　　__:::,,__　_,,,,_　　　　:.　ヽ`y/ﾘ7`,
　　　　　　　　　　　　　爪ﾘリ::::　: __,,ノ_,,　,,　,　- - `=っ　 i:::　　ﾘ彡りり
　　　　　　　　　　　　,ｲ巛川l:::: ::　　　...::::::::::.....　　　　　　i::::　ﾚり彡'ﾘYヽ
　　　　　　　　　　　,ｲ巛巛llﾘl:::: `::　　　"　　　 ~　　　　　　':　　ﾚﾘ'"彡り川
　　　　　　　　　　　＼` 三川k:::::::　　　　/ﾊ＼,_　　　　　　　　ﾘ li彡彡'ﾘｿﾘ
　　　　　　　　　　,入NN＼Nl::::＼　　　　7ﾘ川(￣　　　　 /／ '/　li～-弋川
　　　　　　　　　巛三三ｫ -ll:::::!ヾヽﾄ i,,, _川川ﾊl,,__ｨｲ_, ノ'　　　/　ﾄ,　　　liり
　　　＼　　　 l|(三二y/　 llll`,::!l:::::::`ミミミ川ﾘ彡彡 '　　'::ﾉ　　/　ハ: 　　 liﾘ
　　　　　人`--＞～-ll　　lllllヽ:::::::: : : : :`ミ三ﾘ彡'　　　　 jり　 /　:j: / 　　人＼
　　　　ヽ人人_^_^_^_^l　　 Y,::::::::::::::::: : : : `ミh　　　　　　ｿ　　　:j:/　　　/_^_l入入ヽ ,,__へ__
　　　　　ヽ人人^ ^ ^ _＼　　＼:::: : : : : : : : 三_　　　　　　　　/　　　/^_^_^l_入入/_^_^_^
　　　　　ヽ人人^ ^ ^ ^ _＼　＼:::: : : : :　　二_　　　　　　/　　／^_^_^_^l入入/_^_^_^
　　　　　　　ヾ＼^ ^ ^ ^ ^ _＼　＼: : 　　 ,,,,__ 二　_ソ　　　/　／^_^_^_^_^_lﾊ入/_^_^_^_^
　　　　　　　　＼l^ ^ ^ ^ ^ ^ ^＼　＼　　　　　　　　　　/　/^_^_^_^_^_^_ lﾊ入l_^_^_^_

ただし、同時に行われたもう一つの要請、元兵の貸与は即日了承を得た

既にタンが編成していた部隊に追加要員を送るという形で実行されることになる
286： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 20:07:14 ID:WbZJHgcY0: ――ちなみにその５日後。再度謁見した際に

|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||ヽ
||||||||||||||||||ｲ||||、|ヽ||||ヽ|||||||||||||||、ヽ、
||||||||||||||||/ ||/　 l ヽ|||　||||||||||||||||＼￣
||||ｲ|ﾊ||||ﾘ　 '　　 '　　｀　"}/ !||||||||||＜
|ｲ　ﾘ　|/　　　、　　　　　　　 |/||||￣´
||　 '　　　　＿_≧ｭ、　＼　　　|||}
||||,,=＝≡冖三三三三> ノ＿__|ﾘ
||; ;　　　　 {三三（　ﾉ||冖{三__ｲ
||: :　　　　　 ∨三三//} 　 !三__}
||: :　　　＼ヽ｀￣￣´　　ヾ三!
||;;;;;;;,;　　　　　ヽ＼＼＼　　ヾ-'　　　　東寧府の領地、返還してもらえません？
||;;;;;;;;; , ,　　　　　　　　　　　＼
||;;;;;;;;; ; ; ,　　　　　　　　　　 /
||;;;;;;;;; ; ; ; ;　　　　　　　　´　 T
||;;;;;;;; ; ; ; ;　　　　　　　　　　ヽ
||;;;;;;;;;;;;;;;; ;　　　　　　　／＼_ノ
||;;;;;;;;;;;;;;;; ;　　　　　　／　-<
||;;;;;;;;;;;;;;;; ; ;　　　　　　＿}
||;;;;;;;;;;;;;;;; ; ;　　　　　　　ｲ
||;;;;;;;;;;;;;;;; ; ; ;　　　　　 ,,|||

要請したみたが、即却下された

　　　　　　　　　　　　}ｉ|ハi从}ｉ｛{ｌ|W从川｛ {从i|{　 i　!　　　　　　｛_
　　　　　　　　　　　　V 　｝ハハ{V 　 Vハ{｛i｛ハ :{i｜! 　　　　{｛｀′
　　　　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　|Ｗ从小j！i !i|　 ,　､_≧ｧ
　　　　　　　　　　　ﾑ　　　　　　　　　　 |/}ｲ小j｝}_} ｝!}W釗　｢广
　　　　　　　　　　　｣__＼､　　　　_　　-‐　　　|/}/从从从ｉ｛ﾊ　｛
　　　　　　　　　　　{ f≧メ}､_,)≦二 __ 　　　　 |/ﾑi7'⌒Ｖ小!|W
　　　　　　　　　　　‘斥沙′｀} ]三三ミF￢＝＝≠f/　　　}仆{ハ!
　　　　　　　　　　　　｛　/　　‘弐三三ｦ　　　　　}小／　从｝Ⅵド
　　　　　　　　　　　　 ∨　　　　　｀￣´　　　　　 l/ﾉ__／/从Wバ
　　　　　　　　　　　　　}〉--､　　　　　　　　　　　　　　_ ｲ/}|V/
　　　　　　: 　　　く_､__　　　　　　　　／　厂´}ｉ||Ｖ|ﾄ|{
　　　　　　:　　　／∠}厶_　　　　　　　/　　 /　　|ﾊ|｣｛i
　　　　　　　:　　／／　｝>r‐ ｀　　　　　　　 _／　　　　|从{了
　　　　　　 :. ／／　　 }i|ｌ}ﾄ､_　　　_　 -‐ 　　　　　／｛_
　　　　　　　　`ﾞ´ 　　　ﾞｰ≠≧=≠ 　　　　　　／　　　{ﾍ._
　　　　　　　　　　　　　　_／　　　　l　　　　　　／　　　 ,′ ＼_
　　　　　　　　　　　　　´ ハ　　　 |　　　　　／　　　　/　　　 }＼
　　　　　　　／　　｛　‘.　　　｣　　　　／　　　　　　/　　　　,′
.　　　　　　　　 / 　　　 !　 }i　／　　　　ハ　　　　　　, '　　　 /
　　　　　　　　/　　　　　 |／∧/　　　　　 {　ヽ. 　　／　　　　 /
　　　　　 /　　　　　 /　/　｛＼　　＿｣　　＼／　　　　 / /

兵貸与の要請から２週間後、元宗は王太子のタンと共に高麗へ出発
287： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 20:08:14 ID:WbZJHgcY0: 　　　　ｲ　／. : : : :ヾ:､: :ヾ:､: ﾊ: :ﾊj: :j｀ヽ
　　／}_／. : ＼ヾ:､ヾﾞ　｀^ーゞﾐi;i;ｲ;/ｲｲﾂ;
　／　,.:ﾞ: : :＞､: ヾ: :ﾐ　　　　　　　　　　 }'ﾞ
'　　,ｲ. :彡/⌒i.!: ＞'ﾞ　　　　　　　　　　 '
　ノ/. : : : { /う.{: ;ﾞ　｀ヾ≠ミ:､　　　　　_,;xﾞ
/ /. : : : : ﾊゝ(ﾘ::{　　＼tr:､ヾﾐ､　 /斧ｲ
_/. : : : : : : ゝ_j::::j　　　　￣- ' 　ｆゞﾞ' .′
. : : : ; : : : : / {彡,　　　　　　　　　'. 　 ′
. : ／/／// 八ノ,　　　　　　　　 ', ,:i
／ ./'　 ,:/ｊ:､　ヾノ,　　 ,..--:::彡ゝチ.,::{
. . . . . ./'. . . .＼ヾノ, ;ﾞ:::／ー---｀ヾ从
. . . . . .､ . . . . . .＼.＼!:/　ー=-'　 i::::八
＼. . . . .ヽ. . . . . . . ヽ{:i､彡,ﾉ/i|l il,りｲﾊ
. . ｀ー-. 　＼. . . . . ..ﾉﾍ｀ー--=≦.i/. . ＼__
. . . . . ._ . . . ..｀ー.／. . ..＼ノ彡'　./. . ／. . ノ､
. .ー-. .-=ミ. . . . . . _彡'⌒ヽ⌒ヾｲ. イ. ._／. . .｀ー-､
. . . . ._　＿_. . . . .--イ⌒ヾ.i . . ﾉ.jー-=ﾆ＝彡. . . . . ＼
. . . . . . . . . . . . . . . ./. . . . }ﾞ.ｲ/ソ＼. . . . . . . . . ._彡'⌒＼
￣　ー-- -――-イ. . . . /りイ＼. . ヽー--― ´｀ヽ: : : : : ＼
元将軍　ダルカチ

随行と護衛を兼ねて、タンの編成した高麗兵３０００とダルカチが率いる元兵が同行

早馬を先行させ、方々の都市に勅命が公布された

　　　　　　　　　　_,.．---- ．._
　　　　　　　　／　、　　　　､ ,,ヽ
　　　　　　　/ 　　ﾐ))))))))))）　ｯ'))）
　　　　　　/　　　　　,ｨ｡ﾆ>,;;　ヾむi　
　　　　　　彡､　　　　"""　　(,-､ｯ, ヽ　
　　　　　　{-ﾏ彡ｨｨｯｯ'' ..　　　,,__'_,,,_､i　　　　┏───
　　　　　　ﾊヽヽ彡'　　:::　''"~　,,;;;;;,,` l　　　 │国の権臣が思いのまま王を廃置するのは民が不安を感じる所である
　　　　　/ﾐヽﾆ-）ii　　　'''　　　　/iii> ,}
　　　　（ミﾐﾐミﾐi｀iiii;,,　　　,,,,,,,,,,,ﾉllll!,ii!　　　　　朕は兵を貸し与え、旧都への再遷都と王位復活を助けることとした│
　　　　{ミミﾐ/⌒i: : :　"　""'''!!!!!!!!!ｿ"　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　───┛
　　　（ﾐﾐﾐ（　（｀ヽ: :　　　;　　　　.::|
　　　〉ﾉﾉﾉヽ＼　ヽ　　　 ''';;,　　.::ﾄ､
　　 /ﾉﾉiii　iii ＼＼　､　　;;　 .::::|　ヽ
　／/ iii　iii　 iiii ＼＼　　　　　　:::ﾄ､　ヽー
288： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 20:09:04 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　　}ｉ|ハi从}ｉ｛{ｌ|W从川｛ {从i|{　 i　!　　　　　　｛_
　　　　　　　　　　　　V 　｝ハハ{V 　 Vハ{｛i｛ハ :{i｜! 　　　　{｛｀′
　　　　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　|Ｗ从小j！i !i|　 ,　､_≧ｧ
　　　　　　　　　　　ﾑ　　　　　　　　　　 |/}ｲ小j｝}_} ｝!}W釗　｢广
　　　　　　　　　　　｣__＼､　　　　_　　-‐　　　|/}/从从从ｉ｛ﾊ　｛
　　　　　　　　　　　{ f≧メ}､_,)≦二 __ 　　　　 |/ﾑi7'⌒Ｖ小!|W
　　　　　　　　　　　‘斥沙′｀} ]三三ミF￢＝＝≠f/　　　}仆{ハ!
　　　　　　　　　　　　｛　/　　‘弐三三ｦ　　　　　}小／　从｝Ⅵド　　　これでいい……これで、高麗は滅んだりしない……
　　　　　　　　　　　　 ∨　　　　　｀￣´　　　　　 l/ﾉ__／/从Wバ
　　　　　　　　　　　　　}〉--､　　　　　　　　　　　　　　_ ｲ/}|V/
　　　　　　: 　　　く_､__　　　　　　　　／　厂´}ｉ||Ｖ|ﾄ|{　　　　┏───
　　　　　　:　　　／∠}厶_　　　　　　　/　　 /　　|ﾊ|｣｛i　　　　　│もし妄動をしようものならば、一族もろとも捕えるだろう
　　　　　　　:　　／／　｝>r‐ ｀　　　　　　　 _／　　　　|从{了
　　　　　　 :. ／／　　 }i|ｌ}ﾄ､_　　　_　 -‐ 　　　　　／｛_　　　　　よろしく、この勅命を思い行動するべきである│
　　　　　　　　`ﾞ´ 　　　ﾞｰ≠≧=≠ 　　　　　　／　　　{ﾍ._　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　───┛
　　　　　　　　　　　　　　_／　　　　l　　　　　　／　　　 ,′ ＼_　　
　　　　　　　　　　　　　´ ハ　　　 |　　　　　／　　　　/　　　 }＼
　　　　　　　／　　｛　‘.　　　｣　　　　／　　　　　　/　　　　,′
.　　　　　　　　 / 　　　 !　 }i　／　　　　ハ　　　　　　, '　　　 /
　　　　　　　　/　　　　　 |／∧/　　　　　 {　ヽ. 　　／　　　　 /
　　　　　 /　　　　　 /　/　｛＼　　＿｣　　＼／　　　　 / /

この勅命公布と元兵に守られての入国によって、元宗は高麗内部の武官と完全に袂を分かった
289： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 20:09:41 ID:WbZJHgcY0: :. 　 {
:i:.　 ‘｡　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 f´≧s｡､
:i:i:　　廴_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.斗‐{ト､＼ヽ≧^廴
:i:i:　　　ｉ: }　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,*',斗'”¨ﾞ寸､丶＼ヽ､ヽ
:i:i:　　 }} ト､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ /_____　__, Ⅵlｌ|芸ｌ|ｌ|､丶 Y
:i:i:i./ .,ｲ}､i}　%　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ'r'¨¨¨¨¨ﾞY⌒ﾞf´　　ﾞY　 }
:i:i:/_ノ:/:i} }:.　%　　　　　　　　　　　　　　　　　 {i_{{　　　 }'⌒ﾞ廴_＿__八　}
:i:i:¨:i:i:':i:iﾉﾉ:　　%　　　　　　　　　　　　　　　　 {l 込=-‐'”{:fi:fi:〉　　　　ﾚ^Y　　　素晴らしい！
:i:i:i:i:i:i:i:/,ｲ:}　　　＼　　　　　　　　　　　　　 rN　^､___,ｨｪｪｪｪｪﾐ､__,ｲ〉 |ﾉ: }
:i:i:i:i:i:i:iﾞ’:i:/,'　i:　　廴＿_　＿,斗=ミ_　　　　　{ {:l: 　＼､＿＿__,彡' ′ }:j ,'　　　王はとうとう国を割る戦を行うか！
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:丶　{:　　　　 }ﾞ{　　　　/斗=ミ　　 Ⅵ:: 　　｀¨¨¨¨¨´　　　 .:l ﾉ
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iヽﾄ､　　:i: 　 }:i}　　　/≧s｡⌒>､　ﾞｰi::.　　　｀ﾞﾞﾞ"""´　 .:::::「
､:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iⅦ､ :i:i:i　/:/ , ｉ　/　　　　　/:7>'¨¨ﾍ::::::::.....　　　 ....,::::::::,ｲ=ミ
. ＼:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}:i:i:}:.i:i:i:　ﾚ',ｲ i| /　　　　 ,:':／　,:'/ 込丶:::::::::::::::::::::::::,イノ {　 >､
.　　＼:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:Ⅶ:i: //:i:i i:i/　　　　／　 ,.:'　.ｉ:/{￣￣￣ｱ^寸´￣　　.:Ⅷ　＼__
　　　＼:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}:iVi:i:{:i:i:}:/　　　／　　,.:': 　.i:/::}　:i　　,ｲixixiﾞ寸　　　.:}l:::∨ 丶 N⌒ヽ､
　　　　　＼:i:i:i:i:i:i:iⅥ:i:/:i/:/ ／／　　　　　 .:i:/:::/　 } ／{ixixixi/＼: :　:/:ﾑ:::∨　`　＼　 ≧s｡.
　　　　　　　＼:i:i:i:i:i:Ⅵ:i:/:/'’ ／　　　　 :／:::/,斗'”　〔ﾆ０ﾆ〕,:'} ＼/: ::::}: :::Ⅵ　:､　＼　　 ≧s｡.__ _
　　　　　　　　＼:i:i:i:Ⅶ':,ｲ／　　　,ｨ　　 .i:/::: :::{´ ':,　',　/ixixixiﾑ,:': : ::}:　 }:|　 ::∨　:i.　　丶　　　　　 } ﾑ
　　　　　　　　　　＼:i:i:i/／　　　,イ:i:　　.i:/=ﾆミﾑ　 ':, ∨ixixixixiﾑ: : : .,'　 ,ｲ≧=xⅥ　:i:.　　　Ⅵ　　　 }　ム
　　　　　　　　 >' /　　　,.:'i:i:i:　　.:i:/::::　　:::ﾑ　 .':/ixixixixixiﾑノ,.:' .,.:'/　　　::::Ⅵ　:i:.　　　∨　　　 }　　ヽ
　　　　　　　　　　／　 ≧s｡._＿＿__.:i:i:/::::::　　 :::::ﾑ　/ixixixixixixix}　,.:':::/　　　　:::::Ⅵ　:i:i.　　　Ⅵi:. . / ,　　ム
　　　　　　　 /　,斗匕¨¨¨¨¨¨¨｀ヾく　::::::　　　:::::∨ixixixixixixixｉ|ノ　:/　　　　　::::::Ⅵ　:i:i:i:.　　∨:i:i:} /　　　ﾑ

現在の首都、江華島においてこの布告を知った林衍は集められる軍団を召集

内陸部の村々に廃村命令を出して、沿岸地域への移動を命じた
290： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 20:10:50 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､_人_从_人__/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _）
　,..r;;:　　（　人)　 )　,;｀ｰ､　　　　　　　 |　ヽ丶　　　　　　　_）　破　　拠
　ヾゞ､　　ゞ'´　　　'｀´　　｀ヾ､　　　　─|─　　　　　　　　_）　壊　点
　　　　　　　　　　-‐':､ゞ'｀` 　,l　　　　/ |　ヽ　　　　　　 _）　だ　　は
ヾ､ゞ;;.　　,r-､　　　｀ヾ､　　　　ヽ､　　　　　　　　　　　　 _）　 l
, rヾ　　 ,r!/r'ヽ　　　　'｀　　　　　＼　　　　＿|＿　　　　　 _）　っ
　　　_,,,.,ﾉ､_ ヽ,　　　　　　　｀ゞ;;　　 ;:､　　　　／|　　　　　　｀)　！
,r‐'''"　,.r ,ｲ彡ミﾐヾ､　　　　　　｀`　 ´;;i　　　　　　　　　　　　　V^V⌒W^Y⌒
__,.;;,ｨ'´　,:;;;;彳彡ミ;j｀､　　　　　　　　`i;:､　　　　　　オ
;;　ヾ､彡;;;ﾉﾘ;jjjjj;;;jr'　i 　 .　ノ;;:''　｀ﾞ｀､　｀`ｰ､　　　　　　　　　　　　 ,ｨ
彡冫;;il;;;ミ;;;;;y;ﾚ　,t'´ 　　　　　　 ,.､ｰ､　　ゝ　　　ｫ　　　　　　 i|l;
;'ｲ;;;'ヾ｀`ヽ､ｨ;;i ,ri'´　　ヽヾノ　,ry' il'Yﾞr　　ヽ､　　　　　　　　　　　　,j|l;;
j'´ '´ '´／ゞ';;::`´ヽ　　｀`´ｰ　ﾞi　;;: ,r'　　　　　 )　　,r､　　　　　　,rヾlir'ﾐ,
　　/ ,;:' '´/　ｰ≡;i{､　　　　　／ヾr'´　　,.　　　'`;;:､　〉ゝ　 r-ｰ-､_ ,{i＝i= }i､
ｰr-､j　,!　,;',;'ｨ;;:ｲ''｀`ゞ､_,､-‐'´ヽ:;/　､　｀`ヽ　　;:､　｀' (´　｀ゞ､;;;;'',,fi､,≡:;ｲ＝=､
,,:'　｀`ゞ､,;;ゞ､ "´ｲ ,...　`'彡 ,／´　　｀ヾ､ヾ　　　'　　　ｰ､　ii;j ｀i;;!'´ﾆil';;;;ゞr､_,r'ミ
'　　　ｰ‐─　,rｰ'ﾞｰ─-､_j;:r'´　　　　ヾ,ゞ　　　　　　　　､ゞ,ﾐ;:l;;l　　,! 　,!,i;;'´¨/
;.　　　r-‐;;'"}　　　　　　　　　　　｀`ヾ､　ﾉ　　　　　　　,;;;:　(i,;)））､,,:;!､__,:};!_,.､l
....　　　_,,,ｨ､ i　　　　　　　　'ヾ人　　､}(　/　　　　ノ　　 ,r'i　 r'"ヾ-‐i‐-:;ｲ, / ヾ
　　　　,.r'´,ｨ'l､　　　_ｨ;;､　　　､,.ミﾐ'´　,;:'´ﾊ　　　'´　　,j　,r'　 }ミ,r;}ゞ‐'─l:::.i 　,jl
,l:.　　　ヾ;'´ｲ'´ﾄ､_　　j (＿,r'´（`'´`ｰ'´,ﾉ　 i; l　　（｀'´ Y´　　　 ,ｲ≡＝‐-ゞ､,r'
ｷ:.　　,.彡;:､　　　 }ヽ、'´　｀　　　､,;{　　　ﾞﾚ　　 ,ゝ'　　　　　　　 i;;;:: ,;:li三ﾐ;}jlK
'i　　　,r'"´,;ゞ､_,.イレ'ﾞ､　　　　　　　　　,.{ i'　　 )　　　　　　　 ,ｲ　;;;;;;jk三ミ}ﾞkiヾ､

さら夜別抄（捕虜からの脱走兵中心の部隊）を各地へ派遣

命令を無視して残った村民を強制移住させながら駐屯地になりそうな地区を破壊
291： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 20:11:53 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　)　　　　　　　　　　　　 ,ｲ彡'::::::::::::::::::|ﾊl､Ⅵ　ヽ､　　　　　　　　　　　　 {
二ﾆ=彡ｲ　　　　　　　　　　　　　　 j彡',ｨ⌒ヽ､:::::::ﾉ斗､|ヽ　ヽ:i:ﾞY　　　　　　　　　　　/
, 　／　ヽ　　　　　　　　　　　 {_f´犲”￣¨Y___r‐l|‐ﾘ-l| l| i:i:i{　　　　　　　　 _＿f´
彡'　　　　ﾞY　　　　　　　　　　　 {ミ i{　　　　/ﾆﾐ{　　　　||ﾊ li:i:}　　　　　　　f´　　{
　　　　　　　}､　　　　　　　　 f^ﾄ/乂＿_ノ,'n n丶_＿_乂ﾉﾉi:i:}　　　　　　　{　　 l
　　　　　　　| ≧s｡､.　　　　　　 | ｉ{　r‐'　_＿＿＿___ﾞﾞﾞﾞﾞノ'ﾘf^Y　　　　　　,ｲ　　　 ',
　　　　　　　|　　 Ⅵ≧s｡　　　 l i:|　{｀Y´r───‐､｀Y)〉　 |):}　　　,イ⌒ /　　　　　　　/　前以上に徹底的に破壊してしまえ！
　　　　　　 l 　　 }}==ﾐ､ﾞｰｫ､　　乂|　　 l ':::::::::::::::::::::::`/　　　|'ﾉ__　 //　　 {　　　　　 ,'
　　　　　 l　　　 }　　　ﾞ // ＼　　{　　 {:n⌒ー‐'⌒n/　　　,'´ 　＼　　,'　Ⅵ　　　　　 i
　　　　　　 ,' 　　 j　　　 //　 ,ｲ¨¨圦　込ミﾆﾆﾆﾆ彡'　　　/.　　　　＼j　　＼　　　 .|
　　　　　　　　　 /　　　ノ/ .／　　　　ゝ　 '´¨¨¨¨¨¨｀　　ノ:} 　　　　ﾑ　　　ヽ､　　 |
　　　　　　 __ム＿／　／　　　 /　＞　_＿___　｡s≦　　{ヽ､　　　　ﾑ､　　　ﾞY 　 |
　　　　_,斗匕　　,斗'”￣　　　　　／　 .／⌒ー⌒＼　　　　 Ⅵ:ﾑ　　　　　ﾑ＼　＼廴　|
　　　 (　　　　,イ　　　　　　／/　／⌒Y:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i>､　　　 Ⅵ::ﾑ　　　　ﾑ. ＼　　ヽ
　　　　Ⅵ 　 / 　　　　　.／:::/／::::::.　 }:i:i:i:i:i:i:i:／　::＼　０ }:::::::ﾑ　___　　ム　丶　　＼
.　　　　 Ⅵ /　　　_____　／/､:::”　＼::::　ﾉ:iroｫ:i:i(　　.:::/::｀￣´::::::/:ﾑ/㍉ミ､　　ﾑ　　＼　　 Y　/　,
＼　　　 Ⅵ　 ,イ”⌒Y} ﾉ /:::. ＼::.　｀ー{彡へ＼}＿ノ　..:::::::::::／:::::::}　　　＼､ﾞｰ' 　　＼　 i　　/
　ﾞ寸 _＿≧彡'　　　／　〈:::::::.　＼　／:i:i:i:i:i:i:i:〈　　　..:::::::::／::::::::,イ　　　＼　　　　　ヽ　　/
s≦￣ f´　　{　　　 f´:　　＼::::::. 　ﾞ/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ﾑ......:::::,斗’:::::,斗’/　　　　　　ﾉ　　　　　丶/
　　　　{　　 {　　　 {:::....　　　＼:::::. /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iﾑ,斗’:::::,斗’..::::/　　　　　　/　　　　　　　　 }

かつての武臣政権が行った焦土戦略を再度使用した

都合５回元軍を撤退に追い込んだ戦術である

　　　　ｲ　／. : : : :ヾ:､: :ヾ:､: ﾊ: :ﾊj: :j｀ヽ
　　／}_／. : ＼ヾ:､ヾﾞ　｀^ーゞﾐi;i;ｲ;/ｲｲﾂ;
　／　,.:ﾞ: : :＞､: ヾ: :ﾐ　　　　　　　　　　 }'ﾞ
'　　,ｲ. :彡/⌒i.!: ＞'ﾞ　　　　　　　　　　 '
　ノ/. : : : { /う.{: ;ﾞ　｀ヾ≠ミ:､　　　　　_,;xﾞ
/ /. : : : : ﾊゝ(ﾘ::{　　＼tr:､ヾﾐ､　 /斧ｲ
_/. : : : : : : ゝ_j::::j　　　　￣- ' 　ｆゞﾞ' .′
. : : : ; : : : : / {彡,　　　　　　　　　'. 　 ′　　むう……
. : ／/／// 八ノ,　　　　　　　　 ', ,:i
／ ./'　 ,:/ｊ:､　ヾノ,　　 ,..--:::彡ゝチ.,::{
. . . . . ./'. . . .＼ヾノ, ;ﾞ:::／ー---｀ヾ从
. . . . . .､ . . . . . .＼.＼!:/　ー=-'　 i::::八
＼. . . . .ヽ. . . . . . . ヽ{:i､彡,ﾉ/i|l il,りｲﾊ
. . ｀ー-. 　＼. . . . . ..ﾉﾍ｀ー--=≦.i/. . ＼__
. . . . . ._ . . . ..｀ー.／. . ..＼ノ彡'　./. . ／. . ノ､
. .ー-. .-=ミ. . . . . . _彡'⌒ヽ⌒ヾｲ. イ. ._／. . .｀ー-､
. . . . ._　＿_. . . . .--イ⌒ヾ.i . . ﾉ.jー-=ﾆ＝彡. . . . . ＼
. . . . . . . . . . . . . . . ./. . . . }ﾞ.ｲ/ソ＼. . . . . . . . . ._彡'⌒＼
￣　ー-- -――-イ. . . . /りイ＼. . ヽー--― ´｀ヽ: : : : : ＼

実際にこの戦術は効果を発揮した

陸軍主体で海軍を持たなかった元宗側は進軍速度が一気に低下
292： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 20:12:57 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ヘ、　　　',　　　　　　/
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　 {　　
　　　　　　　　　　　　　　　　_r‐'′　　　　　　　　　 ┌┘　　
　　　　　　　　　　　　　　_,r‐'"　　　　　　東寧府　　 _,/　　　　
　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　＿＿----}　　　　　　　　　　　　 _／¨¨
　　　　　　　￣　　　｀y¨弌,　　　　 ┏━━━_}
　　　　　　　　　　　　　　　　　} 　　　┃　　　　 {
　　　　　　　　　　　　　 /　　 ┏┛　　　￣＼
　　　　　　　　　　　辷━━┛「￣　　　　 ¨:,
　　　　　　　　　　　 /　　￣￣￣　　　　　　ﾞ:,　　　　
　　　　　　　　　　　　￣ﾌ__ 辷_____　 ● 　　　　ﾞ、　　
　　　　　　　　　　　　　　　 └'　　￣0)　　　　　　　ﾞ .　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ^V 　　　　　　ﾞ:.,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_r-㍉　　　　　　　　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　[__　　　　　　　　　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　[{}　　　　　　　　　 {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　 {__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾗ‐　　　　　　　　　　 /　　　●開京
　　　　　　　　　　　　　　　　 c〈　　　　　＿　＿__/
　　　　　　　　　　　　　　　　_0 ｿ　　 __,ﾍ ( 0}‐‰
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　とﾉ} ,し'⊆}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　¨

かつての都、開京に到着したのは出兵から３か月後の５月に入ってからだった

　　　　　　　　　　　　　　､＿刈从WWWW从从≦二ィ_,_
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　　　　　　　　　　　ィW洲从从}i州从ハ从从}Wkく :.
　　　　　　　　　　　　､_j从WWW{i从{　　　 , ､_　 `}从 :.
　　　　　　　　　　　　　洲W从从ﾘ{ィ＝≦壬r示≧＝代 :
　　　　　　　　　　　　　刈洲W{iﾚ'´ 込Z弐シ　{Z弐近{　:.
　　　　　　　　　　　　　ｲ洲ｒ=i{|　　　　　　 _ 冫　　 }　:.　　　まさかあの林衍がなぁ
　　　　　　　　　　　 }从{ V|i ､_　　　　　　 ′　　 .'　:.
　　　　　　　　　　　　　从 {_　　｀　　　.ィこ> 　 ,'　 :.
　　　　　　　　　　　　　　　　}ﾄ､_ 　　　　｀二　 /　　 ::.
　　　　　　　　　　　　从汽　　　　　,ｨi斥仆v　　　:.:
　　　　　　　　　　　　　　　洲　｀ー‐-　{i｣从｣ｼ{　　　.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ]}　　　　　　　　　|　　　.:
　　　　　　　　　　　　　　／.::i｣　、　　　　　 j＼_　: .
　　　　　　　　　　 _ 　-‐ {::::::::{、　　、　　　　 / {ヽ::ヾヽ、
　　　　　　　　 _／　　　　|::::::::| ＼　　、　　　{　　ハ::.:.:.. ｀丶、
　　　_ 　-‐　´　　　　 |::::::::|　　｀ヽ､__　　　／　 ',:.:.:.. i　　｀`丶、
　　／　　　　　　　　　　|::::::::|　　　　　｀ヽ.　 {_ 　　',:.:.:. i　　　　　　ヽ、
　/　　　　　　　　　 |::::::::|　　　　　 l　|　 ||!　　　}:.:.:.::!　　　　　　　＼
./　　　　　　＼　　　　　 |::::::::|　　　　　 l　|　 |{　　　ｌ::.:.:::l　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　ヽ　　　 |::::::::|　　　　／,ア￣￣｀ヽ　l:.:::::::l　　　　　　　i　　　`､
　　　　　　　　　　＼　　 |::::::::|　　　／／　／＞≦二;;}:::::::l　　　　　　 |　　　　`､

だが、開京に入城した元宗を待っていたのは思いもよらない知らせであった
293： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 20:14:27 ID:WbZJHgcY0: ――林衍急死

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　_　__ ＿　r-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {.ｒ､＼＼`㍉､｀＼i＼¨ミ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／Ⅵi＼＼＼　＼ .＼.Ⅵ `㍉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ彡iiⅥﾑヽ　ヽ　　＼ .＼}＼∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }彡ﾆﾊⅦiﾑ　＼　＼　.ヽ .∨ Ⅵ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {／,ｲ　`¨¨∧ .i　i　　　　　.∨i}i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Y// 　　　.∨| |　|　|i　i　}　l!Ⅵ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {i i,ｨzzzzミ､ .乂i}i 从乂八il　} i乂､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{｀Y ,ｨ==r=ｧﾐ､___,Yrィ尨ラ.}i}从{i ﾉﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人 {（弋__`彡豸⌒}i}_`⌒".ﾉﾉ　}／}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `Y`ｰ====彳i⌒` ‐==‐'.,ィ　 iﾉノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､＿,ィ　　. ,ｲ　 /ミ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人　　`‐-=　zzz-≠彡′/{㍉ヽ＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　.＼　　`ｰ‐‐‐　　　　／ﾉiﾄ､i}　}i:i:　Yヽ､
　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_,.．-'／　　／i} ＞‐-　　--,.．イ.／ / ./ ./i:i:　 i　` ＼
　　　　　　　　　　　　／i}＿＿＿__／　　／.／}　　 /ゝﾍ　　 .／　./ ./　i{i:i:　　i}乂　　`ｰミ､____
　　　　　　　　　　　／乂⌒/　　i／　／.／i∨ j　/}´⌒i}　　　　 ./ ./　　ヽ＿__///i`㍉____　　　〉､
　　　　　　　　　　/　//　 / , -'" 　／.／　 i/__.／i迄亥ｲ＼　 .／ ./　　　　 i}/　i:i:／　　ヽ／⌒＼
　　　　　　　 /　//_,.．　　　　　／}　　 {ii:　i／⌒㍉}彡' Уi:i:i:/　　　　　　 i}i:i:i:i:/　　　／　　　　∧

江華島の要塞化を進めている最中の急な病死と言われている

　　　　　　　　zZヽ　　　　　,　'´￣￣　　｀　､　　　　　　,ｨ
　　　　　　　　ヽ＼＼　　／　　　　　　　＼　　　／ {
　　　　　　　　　l　l＼`,ｲ　　　　　　　　　　　　　＼／　 ∧
　　　　　　　　　ゝヽ／　　　　／＼＼　＼　　　　　､　 /:,ﾐ
　　　　　　　　　　〉´　　ﾊ／｀　　 `　＼＿　　　　　ヽ/ /
　　　　　　　　／　　　ム{=ﾐ､　　　イ＼｀＼　　　 ∨
　　　　　　　／　　　〃γ⌒刈　　　ｘ＝ﾐ　＼　　 ',
　　　　 , イ＿. 　／　入しﾘ　　　〃γヽＹ　　　　i
　　　　　￣／　　 |　　　｀¨´ 　　 ,､　　､匕ﾘ　ﾐ从:＼ i|
　　　　　∠　 /／　l　　　　　　 У　　　　´　　| :∧　 i|
　　　　　　　／／　; 　　｀┬‐‐'´｀ヽ､___,　　　 ,ﾚ': :ﾍ　:|
　　　　　_／／＿　∧　　　　|　　　　　V　　　 . : : : : : ﾍ.:|
　　　　　￣⌒＞‐-: : ,　　　　　　　 / 　　/: : : : : : : :.ﾍ
　　　　　　　∠　 -‐ : :.＼　　 `ー─'　　 ...: : : :＼＼ヽ`
　　　　　　　　　　　　/／　 .,　　　　　　／ヾ|＼∧＼|
　　　　　　　　　 ′／⌒≧=　　=≦ 〉＼〈三三二ニﾆ､
　　　 ‐=ニ二二三三|　　　　｀rf千=lr ´　　|　ｘ────､ヽ
　 ≦´ー──‐‐''´＼ |　　　／〉////＼　　|　　　　　　　　＼}､
／　　　＼:＼　　　　 |　／　 |////　　＼ |　　　　　　　　　　＼
　　　　　　＼:＼　　　 |／　　　〉‐ﾍ'　　　　` 　　　　　　　　＼

のこった林衍陣営は息子の林惟茂を教定別監へ擁立し、体勢の立て直しを図った
294： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 20:15:36 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　ヽ､______＿＿ヽヽ. ､
　　　　　　　_,, ..≧::::::::::::::::::::::::::ヽV::ヽl
　　　　　　 ,.イ::;ィ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`＝イ/
　　　　　　 /／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::<
　　　　　　〃::::::::::::;ｲ／/ﾘ|:/|:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　∠::::::::从（　　　l/ !::::::::::::::::::::::::::::::: ヾヽ
　　　　　　/イ∧` ､,,ｨ≦=ｒヽl／ﾙ::::::::::::::::::::::::ヾ、
　　　　　　　〈_≧ｒ=!:::::::ノ　　　　ﾘ:::/ヽ:::::::::::::ｌヽ
　　　　　　　　!:::::/　￣　　　　　 lん） !::::::::::ﾙ
　　　　　　　　`ｌ〈　_　　　　　　 ,.. 　( ,.ｲ:::::::::::（
　　　　　　　　ヽｒ__　　　　　　/　　l´　!::::::::从ヽ
　　　　___ ,....,..._　ト-｀¨　　　　　　ノ　ルﾘ人ヾヽ
　　ｒ‐"＿ｌ＿辷〕_}illi、　　　,, -　　　,,..::::"::::..　|　＿_
　ｆ,! └‐ｒ‐‐／ / ^vllllllｒ''"　 ,,...::''::::::::::::::::::::／´　／`!
　 H__ﾉ__ﾉ__ﾉ　/　　　ｒ=`-''::::::::::::::::::::::::::::／　　／　　ヽ
　{　　 ∨　　　ｌ　　　ヽ:::::::::::::::::::::::::::::／　　／　,.　" 　　＼
　l､　　 l　　／　　　 / l::::::::::::::::::::::／　　／　／
　/｀'ー― /　　　／ /:::::::::::::::::／　　／　／
/　　　　 /　／￣/　 /:::::::::::::／　　　　　/

だが、元宗の一手の方が素早かった

　　　　　　　　　　　　}ｉ|ハi从}ｉ｛{ｌ|W从川｛ {从i|{　 i　!　　　　　　｛_
　　　　　　　　　　　　V 　｝ハハ{V 　 Vハ{｛i｛ハ :{i｜! 　　　　{｛｀′
　　　　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　|Ｗ从小j！i !i|　 ,　､_≧ｧ
　　　　　　　　　　　ﾑ　　　　　　　　　　 |/}ｲ小j｝}_} ｝!}W釗　｢广
　　　　　　　　　　　｣__＼､　　　　_　　-‐　　　|/}/从从从ｉ｛ﾊ　｛
　　　　　　　　　　　{ f≧メ}､_,)≦二 __ 　　　　 |/ﾑi7'⌒Ｖ小!|W
　　　　　　　　　　　‘斥沙′｀} ]三三ミF￢＝＝≠f/　　　}仆{ハ!
　　　　　　　　　　　　｛　/　　‘弐三三ｦ　　　　　}小／　从｝Ⅵド　　　┏───
　　　　　　　　　　　　 ∨　　　　　｀￣´　　　　　 l/ﾉ__／/从Wバ　　　 │既に世祖の勅命は知っているはずである
　　　　　　　　　　　　　}〉--､　　　　　　　　　　　　　　_ ｲ/}|V/
　　　　　　: 　　　く_､__　　　　　　　　／　厂´}ｉ||Ｖ|ﾄ|{　　　　　　　この期に及んで島から戻らないのはいかなることか│
　　　　　　:　　　／∠}厶_　　　　　　　/　　 /　　|ﾊ|｣｛i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ───┛
　　　　　　　:　　／／　｝>r‐ ｀　　　　　　　 _／　　　　|从{了
　　　　　　 :. ／／　　 }i|ｌ}ﾄ､_　　　_　 -‐ 　　　　　／｛_
　　　　　　　　`ﾞ´ 　　　ﾞｰ≠≧=≠ 　　　　　　／　　　{ﾍ._
　　　　　　　　　　　　　　_／　　　　l　　　　　　／　　　 ,′ ＼_
　　　　　　　　　　　　　´ ハ　　　 |　　　　　／　　　　/　　　 }＼
　　　　　　　／　　｛　‘.　　　｣　　　　／　　　　　　/　　　　,′
.　　　　　　　　 / 　　　 !　 }i　／　　　　ハ　　　　　　, '　　　 /
　　　　　　　　/　　　　　 |／∧/　　　　　 {　ヽ. 　　／　　　　 /
　　　　　 /　　　　　 /　/　｛＼　　＿｣　　＼／　　　　 / /

林衍の死後、林惟茂体制が確立する前に使者を進発

反乱に乗り気でない文官、林衍への協力に消極的な武官を離反させる作戦に出た
295： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 20:17:40 ID:WbZJHgcY0: すみません途中ですが席を外します

残りは２１時３０分ごろから投下します
296： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 21:32:13 ID:WbZJHgcY0: すみませんでした
投下を再開します

　　　　　　　　　　　　　　_,.ィ
　　　　　 ,.　　-‐　''"´二ニ＝イイ
　　　　／　　　　　　　　　二ニ＝イイ
　　　 / 　　　　＼￣￣￣￣,.不ﾆ=ィ
　　 /　　　　　　　　　＼:::::::::／ /ニ＝‐
　　 |　＼＼＼,,.......,,_､＼`ー--<ニ＝‐
　_,,..|　　|＼.V　,斗､ヽ＼＼二ニ＝‐ﾆ=-　　こういう場合、どうすればいいだっけ
.`'‐-l｜r|㍉　/,.ゞ‐ヘﾄ､＼二ニ＝‐ﾆ=-
　　 !l　 (ゞ〉　 :::　　　 `ｰ--＜＼＼`　　┏───
　　 ∧　 |〈　＿__　　　　　 ∨ !＼＼　　│文官武官の違いなく、村々の農民まで夫人子息
　＜__∧人ヾ￣７　　 .　　 ∨ !/＼
　　ムイノ＼`ｰ' 　　...:: 　　 ∨　　　　　　全て連れて帰参せよ│
　　　　　　￣ﾚ＼__,.　イ:　 ,.　'"￣|､_,.　　　　　　　　　　　　 ───┛
　　　　　　　　　　　r＜r'"　　　／_,／
　　　　　＿＿_,.　-ﾉ /｜　　／
　　 r'"/ｰ┬┬＜...ノ､ノ＼　/
　　 |　{　　',　',　／:::::}　　｀′

これに対して、林惟茂は江華島に在留する完了を招集

命令に従うべきかどうかを諮問した

　　　　　　　　　　　☆
　　　　　　　／￣|　　　☆
　　　　　　　｜　｜彡　　　ビシィ
　　　　　　　｜　｜　　　　　　　　　　　　　　／￣￣￣￣￣￣
　　　　　 ,―　　　　＼　　　　　　　　　　　　　 |　そりゃ君命に従うべきでしょ
　　　　　| ＿＿_）　｜　　　　　　　　　　　　　　∠　俺たち臣下ですし
　　　　　| ＿＿_）　｜　　　　　　∧＿∧　　　　＼＿＿＿＿＿＿
　　　　　| ＿＿_）　｜＼＿＿＿（´Д｀　）＿＿＿__
　　　　　ヽ＿＿）＿／＼＿＿＿　　　　　＿＿＿__,　）＿＿
　　　　　　　　〃　 .　　　　　　　/　　　　/　　　　/ / 　　〃⌒i
　　　　　　　　 |　　　　　　　　　/　　　 ./　　　　 / /　　　 .i::::::::::i
　　＿＿＿＿|　　　　　/⌒＼./　　　 /　　　　 /　| ＿__＿|;;;;;;;;;;;i
　　[__]＿＿＿|　　　　/　/-、 .＼_.　 /　　　　　Uし'［＿］　　　　 .|
　　 | ||　　　 |　　　 /　/i　 i　　　　/　　　　　　　　 | ||　　　　　|
　　 | ||＿__＿|＿___/　/ .|　.|＼＿ノ＿＿＿＿＿＿..| ||　　　　　|
　　 |（＿＿＿_＿ノ　/＿|　|＿＿＿＿＿＿＿＿＿..| ||　　　　　|
　　 | LLLLLL.／　__）L_|　|LLLLLLLLLLLLLLLL. | ||＿＿＿__」
　　 | ||　　　 (＿／　　 /　i　　　　　　　　　　　　 .| ||　　　　| ||
　　 |_||　　　　　　　　／　.ノ　　　　　　　　　　 |_||　　　　|_||
　　　　　　　　　　　(＿／

文官武官の違いなく、林衍の与党以外は君命に随って江華島から退去することを支持
297： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 21:33:52 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　zZヽ　　　　　,　'´￣￣　　｀　､　　　　　　,ｨ
　　　　　　　　ヽ＼＼　　／　　　　　　　＼　　　／ {
　　　　　　　　　l　l＼`,ｲ　　　　　　　　　　　　　＼／　 ∧
　　　　　　　　　ゝヽ／　　　　／＼＼　＼　　　　　､　 /:,ﾐ
　　　　　　　　　　〉´　　ﾊ／｀　　 `　＼＿　　　　　ヽ/ /
　　　　　　　　／　　　ム{=ﾐ､　　　イ＼｀＼　　　 ∨
　　　　　　　／　　　〃γ⌒刈　　　ｘ＝ﾐ　＼　　 ',
　　　　 , イ＿. 　／　入しﾘ　　　〃γヽＹ　　　　i
　　　　　￣／　　 |　　　｀¨´ 　　 ,､　　､匕ﾘ　ﾐ从:＼ i|　　それが意見？
　　　　　∠　 /／　l　　　　　　 У　　　　´　　| :∧　 i|
　　　　　　　／／　; 　　｀┬‐‐'´｀ヽ､___,　　　 ,ﾚ': :ﾍ　:|　　じゃぁ君たちはいらないね
　　　　　_／／＿　∧　　　　|　　　　　V　　　 . : : : : : ﾍ.:|
　　　　　￣⌒＞‐-: : ,　　　　　　　 / 　　/: : : : : : : :.ﾍ
　　　　　　　∠　 -‐ : :.＼　　 `ー─'　　 ...: : : :＼＼ヽ`
　　　　　　　　　　　　/／　 .,　　　　　　／ヾ|＼∧＼|
　　　　　　　　　 ′／⌒≧=　　=≦ 〉＼〈三三二ニﾆ､
　　　 ‐=ニ二二三三|　　　　｀rf千=lr ´　　|　ｘ────､ヽ
　 ≦´ー──‐‐''´＼ |　　　／〉////＼　　|　　　　　　　　＼}､
／　　　＼:＼　　　　 |　／　 |////　　＼ |　　　　　　　　　　＼
　　　　　　＼:＼　　　 |／　　　〉‐ﾍ'　　　　` 　　　　　　　　＼

だが、林惟茂は一切の意見を無視

江華島各所に兵を配置しての徹底抗戦の構えをとった

だが、この諮問は林惟茂の考えを浸透させるどころか、完全に裏目に出てしまった

　　　　　　　　　　　＿　　ノヘ
　　　　　　　　　　ｆ´∧) ∧ｙ　）ヽ、
　　　　　　　　　　（´Д｀;／ /　,　ヽ、　　　俺たち完全に無視されてる……
　　　　　　　　　　 |｀ヽ／／／｀　）
　　　　　　　　　　 .し（､＿_／〉　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　／　　〈
　　　　　　　　　　　　　　ノ　、　　＼
　　　　　　　　　　　　　／　／＾＼　 .＼
　　　　　　　　　　　／　／ ,;ヘ_）.＼　＼_＿＿＿_
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ （＿_,_／‐‐‐‐‐‐‐＼＿＿＿＿　（‐‐‐‐‐‐‐‐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼_）

この意見無視よって潜在的に反林衍であった武官文官が相次いで離反を開始したでのである

特に半島に残ってゲリラ戦を行う予定であった武官たちの離反が顕著であった
298： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 21:36:43 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　zZヽ　　　　　,　'´￣￣　　｀　､　　　　　　,ｨ
　　　　　　　　ヽ＼＼　　／　　　　　　　＼　　　／ {
　　　　　　　　　l　l＼`,ｲ　　　　　　　　　　　　　＼／　 ∧
　　　　　　　　　ゝヽ／　　　　／＼＼　＼　　　　　､　 /:,ﾐ
　　　　　　　　　　〉´　　ﾊ／｀　　 `　＼＿　　　　　ヽ/ /
　　　　　　　　／　　　ム{=ﾐ､　　　イ＼｀＼　　　 ∨
　　　　　　　／　　　〃γ⌒刈　　　ｘ＝ﾐ　＼　　 ',
　　　　 , イ＿. 　／　入しﾘ　　　〃γヽＹ　　　　i
　　　　　￣／　　 |　　　｀¨´ 　　 ,､　　､匕ﾘ　ﾐ从:＼ i|
　　　　　∠　 /／　l　　　　　　 У　　　　´　　| :∧　 i|
　　　　　　　／／　; 　　｀┬‐‐'´｀ヽ､___,　　　 ,ﾚ': :ﾍ　:|
　　　　　_／／＿　∧　　　　|　　　　　V　　　 . : : : : : ﾍ.:|
　　　　　￣⌒＞‐-: : ,　　　　　　　 / 　　/: : : : : : : :.ﾍ
　　　　　　　∠　 -‐ : :.＼　　 `ー─'　　 ...: : : :＼＼ヽ`
　　　　　　　　　　　　/／　 .,　　　　　　／ヾ|＼∧＼|
　　　　　　　　　 ′／⌒≧=　　=≦ 〉＼〈三三二ニﾆ､
　　　 ‐=ニ二二三三|　　　　｀rf千=lr ´　　|　ｘ────､ヽ
　 ≦´ー──‐‐''´＼ |　　　／〉////＼　　|　　　　　　　　＼}､
／　　　＼:＼　　　　 |　／　 |////　　＼ |　　　　　　　　　　＼
　　　　　　＼:＼　　　 |／　　　〉‐ﾍ'　　　　` 　　　　　　　　＼

戦う前に、林惟茂の交戦体制が瓦解してしまったのだ

――その瓦解が林惟茂の運命を象徴していたのかもしれない

.　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
..　　　─────────────｀ヽ
..　　　三三三三三ﾆ､　　　　　　　　＼
.　　　　　　　　　丶＼　　　　　　　ﾏニﾆヽzヽ
　　　　　　　　　丶＼　　　　　　　　　刈〉
　　　　　　　　　　　　　　丶ヽ　　　ｰ＝〈闔〉/
　　　　　　　　　　　　ヾ｀ﾐ､＿＿＿_ 二/
　　　　＿＿＿＿＿_　　　　｀¨ 二二圭|_イ〉
.　　　　 /,-- ヽﾙ厶77ｰ===========ﾆﾆi三{
　　　 ///´ i |イﾘ,厶/イ／,込￣￣￣￣￣ヾ!ヽ
.　　　ﾍ´ゝ　{ﾙｲ//／ｲミ三ｲ`ゞ,、　　　　　ヽ＼
.　　　　ヽ｀ノ　　 |ﾙ' i/´　ﾐ三乂ﾞ´ﾉﾐヽ､.　　　丶＼
　　　　　　/　　　　　　　　　｀¨¨¨´ｲ／;.ﾘﾐx､　　　　　＼
　　　　 ,’　　　　　　　　　／　 ‘,＜ミ､　　　　丶 _
.　　　　 ;:.　　　　　　　　　　　　　　　 ‘,　｀¨`===========ミj
...　　　　i:.ヽ、　　　ｰ‐- ､　　ヽ＿＿_‘, 　　｀￣￣￣￣￣
　　　　＼ヽ.　　　　　____｀ヾﾐゞ
.　　　　　 /:iヽヽ、　　　｀ヾミ;'＿＿＿＿_
. 　　　 /　l　￣＞､＿＿ｊ/////￣￣｀ヽ、
　　　　 /　 .l　　　　￣／ｉ´＞ｰ‐;─── ';丶
...　　　/　　 l　　　　　／　 .l　　　/ :i　　　　/ ,’
　　　　　　　l 　　／　　 |　　./　 l.　　　/ /
　　　　　　　l.　／　　　　　|　 / {i!} l　　 / /

妹婿の洪文系が離反。文官と共に三別抄と共に挙兵
299： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 21:39:28 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　　　　_,.ィ
　　　　　 ,.　　-‐　''"´二ニ＝イイ
　　　　／　　　　　　　　　二ニ＝イイ
　　　 / 　　　　＼￣￣￣￣,.不ﾆ=ィ
　　 /　　　　　　　　　＼:::::::::／ /ニ＝‐
　　 |　＼＼＼,,.......,,_､＼`ー--<ニ＝‐
　_,,..|　　|＼.V　,斗､ヽ＼＼二ニ＝‐ﾆ=-
.`'‐-l｜r|㍉　/,.ゞ‐ヘﾄ､＼二ニ＝‐ﾆ=-
　　 !l　 (ゞ〉　 :::　　　 `ｰ--＜＼＼`
　　 ∧　 |〈　＿__　　　　　 ∨ !＼＼
　＜__∧人ヾ￣７　　 .　　 ∨ !/＼
　　ムイノ＼`ｰ' 　　...:: 　　 ∨
　　　　　　￣ﾚ＼__,.　イ:　 ,.　'"￣|､_,.
　　　　　　　　　　　r＜r'"　　　／_,／
　　　　　＿＿_,.　-ﾉ /｜　　／
　　 r'"/ｰ┬┬＜...ノ､ノ＼　/
　　 |　{　　',　',　／:::::}　　｀′

林惟茂は暗殺され親族は追放された
300： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 21:39:55 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　./´ 　`ヽ、＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //'´｀ヽ,　｀´　　　￣`ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　 ,／´,￣'｀`｀ヽ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i.l'　　　/　　　　　　　,ヾ、ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　,｛､i!,'/／ｲ'"''ヾゞ｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||、　　i　　　　　　　ヾ,ヽヽヽ`i
　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ｀`__,."´　　 :.`;ミﾐﾞヽ　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 `.'　　 ,l　　　　　ヽ, ＼ヽヽ.i　i.ヽ
　　　　　　　 =二=　　　　ﾘ __,ｨ {､ﾆ==-､くﾐミ､゛ﾞ!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ゝ__人--‐‐--,,_ヽヾi.ヽ | |
　　　　 =二=二二=　　 ;ｲﾃく=｛:ｨｪｧ;::}ヽ､ゞﾐ､:. |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ__.ﾉ｀ー.'´　　　iヽ||i | .l i
　　　　 =二=二￣　　 (:´‘'/　､ー‐'　　`!ﾒ､:､:}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .|（___,入　　　　 |.| |||.| i.|i
　　　　　　　　ﾆ二＝　　i￣,ゝ丶'`ヽ　 ,ｨ='､ﾊ}ﾉ'′　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ,___　ヽ　　　|.i/i/|ヽヽ、
　　　　　　　　　　ﾆ二＝====三=､:.ヽ ' | i｀ヾ.､＿　　　　　　　　　　　　　　　　　____,-、_　　 iー｀　　 _,r'´iﾉ/ _,hi,ヽ,｀ゝ
　　　　　　　　　　　ﾍi: ｰ‐'´. : ﾉ　 | |:::::::::ー‐｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　,__フl‐'/´i　 .i´''-,,,-;'/　 //-'´ _|ヽヽ、
　　　　　　＿＿,.ゝﾆﾆﾆ{: : . :. ;ｨ‐'ｲ´.| |:::::::::::::::::｀ヽ〉　　　　　　　　　　　　 ,-i.｀l　|ﾉ /　　 '',;;、;i`'_,--'´ _,-'´::::::''`-ヽ
　　　　　　　　＼､....:::::::::::::::::コ､¨-‐'　　,| |...................ｲゞ¨}　　　　　　　　　　　 ll .i_ﾉｿ　 |　　　|　i￣.i　|-‐'´::::::::::::::::::::::｀ヽ、
　　　　　　　　　＼＼..........／ |!ヽ　　,.イ〉〉:::::::;ゝ'´.:.:;;;;;;;＞'⌒ヽ.　　　　　　　l｀´ .|　 / __,..-'|　|￣:|　|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::...ヽ、
　　　　　　　　　／＼＼:::f　　|　　／　 / !::／.:.:.:.:.;;;;;;;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,ゝ､　　　　　 .,`,-‐｀ /,'´:::::::::i　|）::::l　 |:::::::::::::::::::::::::::::::,--―'´ヽ、
　　　　　　　　ノ.:!:.:.:.;;;;Yi:::l!.　ヽ／　　/ ／.:.:.;;;;;;;;;;;;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／.:::....＼　　　/'::`ー::'´/:::::::::::/　i::::::::|　 |:::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　/.:.:.;;.:.:;;;;;;;;;ヾl!:.　 /＿＿/／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／.::::::.......　　　,/::::::::::::::::::i :::::::::::|　.|::::::::i　 .|::::::::::::::::::::::/::::::::::::: :::::::::::::::|
　　　　　,ｨ´i:.:.:.:.;;;:.:.;;;;;;;;;;;;;y´￣.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;;;;;;;;;;;;;:.:.:.;;;;;;;:.;;;;;/.::::/.:::::::::::::::.　 ,i::::::::::::::::::::/.:::::::::::i　.i.）:::::|　 .|:::::::::::::::::::::| ::::::::.::::::::::::::::::::::|,
　　　　/ .::::ﾍ:.:.:.:.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;;;;;;;;;;;;;;;;;;//／.:::::::::::::::::::　/::::::::::::::::::/.::::::::::::/　 i::::::::|　　|::::::::::::::::::::| :::::::::::::::::::::::::::::::''
　　　　　　　　　　李応烈　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　宋君斐

これに林衍の部下であった武官の李応烈と宋君斐が応戦

鎮圧こそしたものの、反乱の首謀者一族を失うという痛手を負うことになった
301： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 21:40:47 ID:WbZJHgcY0: 元来、この林衍の反乱は高麗内部の主導権争いに端を発したものであった

丶　　　 __Ⅶ　　　　　丶　　　　　　　／　　　　　　　　/ r'　　　 Ⅶ',　　　　　　　　　　＼
　＼__,斗 .Ⅶ:i:i:i:i:...　　　}＼　　　　　 /.:i:i:i:i:　　　　　　/ ,ｲ　丶　　 Ⅶ',　',　　　　　　　　　｀ヽ
　　　Ⅶ～~ﾞⅦ:i:i:i:i:i:i:.　八_ ＼　　 ,イ:i:i:i:i:i:.　　　／ f´⌒ヽ､ヽ＼Ⅶﾟ， ':,　　　　　　　　　　ﾞｰ
　　　　}　　 :乂:i:i:i:i:i:i:i>'　　　ヽﾞY／､ :i:i:i:i:i:.　　　／　.r'─‐- ミ､∧ ､:Ⅶﾑ　',　ヽ
:i:i:i:i:i:i:i.}:i　　　｀ﾞ""´　　 ,斗'”ｱ’　　ヽ:i:i:i:i:　　ノ　　 j￣二=ｧ'"⌒ﾞﾞﾞﾞ`Ⅶﾑ　i　　 l　ｌ ll　　ｌ
:i:i:i:i:i,イﾉ　　　　　　 ,斗'”　　 ,'.:i:i:　　　＼:　r'´　　　 }'´　,ｲ" 　　　　　 Ⅶi､　 l　ｌ ll　　ｌ l
=彡'　'　　　　　／/　　　　　{:i:i:i:i:.　　　 7　　　　 Ⅶ//　　　　　　　　　 |ｌ |l 　 l　ｌ ll　　ｌ l
　　　　　　 _,イ'’,ｨ'　　　　ヽ Ⅶ:i:i:i:　　　 /　　　　 _V/{　　　　　　　　 lﾊl l 　 |　ｌ ll　　ｌ l
　　　　,斗':i:斗'”,{:　　　　　丶Ⅷ:i:i:　　,イ=ﾐ　　　　　{ﾄ:Ⅵ,ｨ斗芸ミヽ､　　 } ｌ| |　 l　l_l,斗‐ｌｌｌｌ
　　　,ｲ:i:'"　　 /:{:.　　　　　　　ヾ､:i:i__,ｲ丿V廴__　　 { n}ﾄ､r'¨¨¨_二ﾆ｀寸)/__ｌ| ,ｌ|斗芸zzｌ||「|「|ﾄ/
　　,:'　　　　 .:/:i:{:i　　　　　　　 ` ´ { }　 Ⅵ､__≧==Ⅵ{Ⅵ　 ,ｨ'弋uﾉミ､ﾞY⌒ﾞ7/¨¨　　　　｀寸/,ｲ
　.,:'　　 .:i:i:／:i:i:i:{:i..　　　　　　　　　　 i }＼ }i:i:.　(＿/∧:', { 　ﾞ≧━=彡' }____ji'　　　　　　　 Ⅶ:,
､/　　.:i_iノ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:..　.　　　　 .: 　 !∧　ﾟ，乂＿/:i:i:∧l 乂　　　　　　ノﾞｰ‐'{　　　　　　　 /} /
:i:　 .:i:i: .:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:. . . . .:i:i:　 /　∧　',:. Ⅵ/:i:i:i:i:i:{　{^ﾄ､ー─‐ '’　 ::!　｀ｰ=二_＿_.｡s':,'~
ﾉ:　　 ..:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:　/　　 l　 N ∨:i:i:i:i:i圦　`｀㍉､_　　 ‐-､:j_,斗: : : :.ｧｧﾌ: : :∧､_
　　...:i:i:i:i:i:＼:ヽ､:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:.　ノi:. . . . :l　 Ⅶ/:i:i:i:i:i　八　　　ﾞ寸ﾞｪｪｪｪｪｪｪｪｪｪｪイ": : : : /::. Ⅷ
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:,斗芸､込､:i:i:i:i:i:i:i__,斗'”' }:i:i:i:i:i:i:i:}:. i V:i:i:i:i:i:i: 　 |へ　　＼｀ｰ'ｰ'ｰ'´二二ノ: : : :,イ::::::: V
r…━='”ー…━…'¨¨¨¨¨　 //:i /:i:i:i:i:i:i:i:i}i: i. {:i:i:i:i:i:ｉ:　　|:::::≧｡.　｀¨¨´￣:::::::::::: : : :.／/}::::::::: {::
Ⅷ:i:i:i:i. ／l　　　　:i:i:i:i:i:i:i:i:／/:i /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}i:i:　}:i:i:i:i:i:i:　　}:::::::::::::≧s｡._＿＿＿__.｡s≦イ /:::::::::: N

そのために林衍は元宗を退位させて傀儡の王を据えることでその目的を果たそうとした

だが、その政争は国内外の勢力を引き入れた内乱へと姿を変えた

そして、林衍の死去と実子の林惟茂の暗殺が起きた

　　　　　　　　　　　　　　_,.ィ
　　　　　 ,.　　-‐　''"´二ニ＝イイ
　　　　／　　　　　　　　　二ニ＝イイ
　　　 / 　　　　＼￣￣￣￣,.不ﾆ=ィ
　　 /　　　　　　　　　＼:::::::::／ /ニ＝‐
　　 |　＼＼＼,,.......,,_､＼`ー--<ニ＝‐
　_,,..|　　|＼.V　,斗､ヽ＼＼二ニ＝‐ﾆ=-
.`'‐-l｜r|㍉　/,.ゞ‐ヘﾄ､＼二ニ＝‐ﾆ=-
　　 !l　 (ゞ〉　 :::　　　 `ｰ--＜＼＼`
　　 ∧　 |〈　＿__　　　　　 ∨ !＼＼
　＜__∧人ヾ￣７　　 .　　 ∨ !/＼
　　ムイノ＼`ｰ' 　　...:: 　　 ∨
　　　　　　￣ﾚ＼__,.　イ:　 ,.　'"￣|､_,.
　　　　　　　　　　　r＜r'"　　　／_,／
　　　　　＿＿_,.　-ﾉ /｜　　／
　　 r'"/ｰ┬┬＜...ノ､ノ＼　/
　　 |　{　　',　',　／:::::}　　｀′

これによって、内乱の意義は失われた筈であった
302： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 21:41:51 ID:WbZJHgcY0: ――だが、内乱は終わらない

: : : : : : : :: :::: :: :: : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　. . : : : :: : : :: : ::: :: : :::: :: ::: ::: ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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　　　　　　　 Λ＿Λ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: ::::::::::::::::::::: :: ::: :::::: :::::::::::: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　/:彡ミ゛ヽ;）ー､　. . .: : : :Λ＿Λ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: :::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　 / :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.:. ./彡ミ゛ヽ;）‐､. .: : : :::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　 / :::/;;: 　ヽ　ヽ ::ｌ　. 　./ :::/;;: ヽ　ヽ::i:. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
￣￣￣（_,ノ￣￣￣ヽ､_ノ￣ ..（_,ノ￣￣.ヽ_ノ￣

この後も内乱は半島南部を中心に広がり、三年間続くことになる

ある研究者は言う「この内乱が日本を救った」と

　　　　　　　 .＿
.　　　　　　.／ﾆ三ミ.＼
　　　　 ,'ﾆ三三三三ヽ
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だが、それはあまりにも穿った見方であろう
303： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 21:43:47 ID:WbZJHgcY0: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| !;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,|!;;;;| !;";;;;;;iﾞ､;;;;;;.!!;;/.!;;;;;;‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;l|;;;;;;;;;;;;l.|;;;;;;|,!;;;;;;;;;;;;;;!.lﾞ;;;;!!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i､;;;;;;
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この内乱の間も出兵の準備は続く。そして、その代償を払うために多くの血と命を奪い続けることになる

これがいかなる意味を持つのかはここでは扱わない。だが、一つだけ確実なことがある
304： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 21:45:41 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　　}ｉ|ハi从}ｉ｛{ｌ|W从川｛ {从i|{　 i　!　　　　　　｛_
　　　　　　　　　　　　V 　｝ハハ{V 　 Vハ{｛i｛ハ :{i｜! 　　　　{｛｀′
　　　　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　|Ｗ从小j！i !i|　 ,　､_≧ｧ
　　　　　　　　　　　ﾑ　　　　　　　　　　 |/}ｲ小j｝}_} ｝!}W釗　｢广
　　　　　　　　　　　｣__＼､　　　　_　　-‐　　　|/}/从从从ｉ｛ﾊ　｛
　　　　　　　　　　　{ f≧メ}､_,)≦二 __ 　　　　 |/ﾑi7'⌒Ｖ小!|W
　　　　　　　　　　　‘斥沙′｀} ]三三ミF￢＝＝≠f/　　　}仆{ハ!
　　　　　　　　　　　　｛　/　　‘弐三三ｦ　　　　　}小／　从｝Ⅵド
　　　　　　　　　　　　 ∨　　　　　｀￣´　　　　　 l/ﾉ__／/从Wバ
　　　　　　　　　　　　　}〉--､　　　　　　　　　　　　　　_ ｲ/}|V/
　　　　　　: 　　　く_､__　　　　　　　　／　厂´}ｉ||Ｖ|ﾄ|{
　　　　　　:　　　／∠}厶_　　　　　　　/　　 /　　|ﾊ|｣｛i
　　　　　　　:　　／／　｝>r‐ ｀　　　　　　　 _／　　　　|从{了
　　　　　　 :. ／／　　 }i|ｌ}ﾄ､_　　　_　 -‐ 　　　　　／｛_
　　　　　　　　`ﾞ´ 　　　ﾞｰ≠≧=≠ 　　　　　　／　　　{ﾍ._
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　　　　　　　　　　　　　´ ハ　　　 |　　　　　／　　　　/　　　 }＼
　　　　　　　／　　｛　‘.　　　｣　　　　／　　　　　　/　　　　,′
.　　　　　　　　 / 　　　 !　 }i　／　　　　ハ　　　　　　, '　　　 /
　　　　　　　　/　　　　　 |／∧/　　　　　 {　ヽ. 　　／　　　　 /
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この内乱を通して、高麗はもはや元と体制的に離れることができないほど一体化していくという事である
305： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 21:46:09 ID:WbZJHgcY0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼
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　　　　　　　　　　　【やる夫は元寇を戦い抜くようです】
　　　　　　　　　　　第３話　戦乱の兆し/高麗内乱　了
306： ◆q/QapWeGMk：2014/03/23(日) 21:48:31 ID:WbZJHgcY0: これで本日投下分は終了です。ありがとうございました

次回投下も二週間前後を予定しております
307：名無しのやる夫だお：2014/03/23(日) 21:52:08 ID:UmzNeY8w0: 乙！
高麗のどうにもならない状況が良く分かった。
こういう形で一体化してったのか。
308：名無しのやる夫だお：2014/03/23(日) 22:14:17 ID:C8t2TYFI0: 乙でした。
元宗としては仕方ない選択なんだろうけどなぁ・・・
309：名無しのやる夫だお：2014/03/23(日) 23:45:04 ID:IjRmzslM0: 乙です。

日本には仏僧や交易商人を通じて、こうした錯綜した状況が伝わっていたのでしょうか。
こうも情勢が複雑だと、鎌倉幕府もうかつに朝鮮半島の反乱に援助するわけには
いかなかったでしょうね。
310：名無しのやる夫だお：2014/03/23(日) 23:46:14 ID:XzZUNjFo0: 乙です

武官は揃いも揃ってなんなの？
主導権握って対元路線取ったって、元に叩き潰されるのわかりきってるやん
開戦前ならわかるけど、散々戦争して負けに負けての結果なのにさあ
もうこれ元に一体化された方がマシなレベル
こいつらがこんなんだったから文官偏重になったって言われても信じるね
311：名無しのやる夫だお：2014/03/23(日) 23:48:05 ID:ZMnj.f6A0: 乙
元寇の時の朝鮮が酷いとは聞いていたけど、やっぱ酷いなぁ
312：名無しのやる夫だお：2014/03/24(月) 00:05:49 ID:FMd7EUsM0: 乙
内乱まだ続くのか……武官と良くない高麗王家としては元の力を頼るしかなくなるわなぁ
313： ◆q/QapWeGMk：2014/03/24(月) 00:51:45 ID:Jva.iR/U0: >>307
参考になるならば幸いです

>>308
武官から嫌われてて領地に私兵持ってる武官相手じゃ隣国の陸軍呼んでこなきゃ無理ではあります

>>309
詳しくはともかく大体の状況は１００％把握していると思われます
少弐氏にしろ箱崎八幡にしろ幕府とパイプ持ってますのでそっから情報が出ているかと

>>310
実は高麗は何回か軍事力で元を追い返してます
ただし焦土作戦+ゲリラ戦で状況調えて最後に決戦を挑むという国家破綻なにそれ作戦での勝利です
勝てるけどそれやると国やばくね？が元宗と文官、勝てるならいいじゃねーかを地でいくのが武官という
あと高麗は１００年ほど武官が主導権を握っていた時期があるので輝かしき時代を取り戻したいっていうスケベ心も働いてます

>>311
朝鮮半島の王朝は中華圏が混乱してると大体こんな混乱になるという法則がありまして……

>>312
混乱が収まるのはもうチョイ先ですね。完全収束して普通の服属国になるのは多分本編中で語る後です
314：名無しのやる夫だお：2014/03/24(月) 09:26:31 ID:icdzZpn20: ちょっと朝鮮の歴史を調べていると、やんぬるかなって感情が込み上げてくるわ

>>乙
315：名無しのやる夫だお：2014/03/27(木) 14:05:57 ID:K8b3KXiE0: 乙でした
これはこれで一つのドラマなのだが、この先にもっと大きな戦が待ち構えているのを考えると・・・
316： ◆q/QapWeGMk：2014/03/27(木) 23:53:38 ID:bzY3WlMw0: 【一口人物紹介】

林衍（生年不詳～１２７０）……少佐/ＨＥＬＬＳＩＮＧ

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高麗の武臣政権末期というか最後の武官権臣

金俊以上に経歴がはっきりしない人物で、歴史の表舞台に現れたのは元宗と文官、金俊の崔政権へのクーデターの時

この時活躍で金俊に見いだされて、陸軍次官のポストを与えられている
317： ◆q/QapWeGMk：2014/03/27(木) 23:54:49 ID:bzY3WlMw0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __
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..:::::::　　.:　:::..　　　　　　 ‘, 　 /　　　　｀メ /{/{ 　　　　　 v'´　　 /　　　　＼　　＼　　　 |ｿｱ　 :{　　　　｀Y＼　 ::::::::::.　::::

金俊が健在の時は忠実だったのはまず間違いないが元宗から金俊排除を持ちかけられたらそれに乗っかる

武臣政権末期の混乱期だからこそ頭角を現すことのできた人物であったといえよう

ただその高麗の奸雄は最後は戦争準備中の病死というあまりにもあっけない幕切れで生涯を閉じた
318：名無しのやる夫だお：2014/03/28(金) 10:54:40 ID:tV2jmG3I0: 記録が残らなかったのか、抹消されたのか
319： ◆q/QapWeGMk：2014/04/05(土) 23:58:20 ID:rwQECYoU0: 来週中ごろまでリアル多忙のため、投下を一週間ほど延期します
320：名無しのやる夫だお：2014/04/06(日) 09:02:31 ID:wBWfo1zo0: 忙しい時期ですからね、楽しみにしてますから
じっくり創ってください
321：名無しのやる夫だお：2014/04/06(日) 22:38:36 ID:YmI9x/920: はーい、のんびりどうぞです～
322： ◆q/QapWeGMk：2014/04/24(木) 22:36:39 ID:1SD7Atpw0: 次回の第４話「戦乱の兆し/始まりの終わり」
を２６日土曜日に投下させていただきます
現状では１８：３０分ごろを予定しております
323：名無しのやる夫だお：2014/04/25(金) 14:11:10 ID:/Nh389.s0: 待ってた
324：名無しのやる夫だお：2014/04/25(金) 18:37:05 ID:zHM/rhhc0: おお、待ってたよ
325： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 17:17:22 ID:RGM0sGRc0: 夜から用事が出来てしまったので、投下を早めます
本日１８時より第四話「戦乱の兆し/始まりの終わり」の投下を開始します
326： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 17:59:12 ID:RGM0sGRc0: ――文永７年初頭

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　　　　　　　　 |　　　ヽ　 | | |　/　　|

京都六波羅探題北方、北条時茂死去

時宗の支援者であり、極楽寺流北条家の重鎮の死去に西国は大きく……
327： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 17:59:58 ID:RGM0sGRc0: ――揺れなかった

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　　 l　.::/i　::::::'ゞ!;､|'!　　`‐'" i:;ｲ::::::::::::::::::|),ﾉﾉ::::::l
　　｜.::/ |:::::::::::::',ゞ' .::::.. 　　 ;'/ !:::::::::::::::;:ﾉノ'::::::::|　　　それ以上に重要なことがあったから……
　　 | :/　 !::::;ｨ:::::;ｲ ::::::::　　　ﾉ'　i::::;ｨ;:::::::;'l'!:;'､:::::::|
.　　|/　　'!::/!'!::::`､　＿　　　 /:;:' i!'!:::/ ,l'-'"ヽ::|
　　　　　　':/ ! !:::/'!`´. _ ｀　　/; ',../''!:/'´　　　 `'
　　　　　　　　　!:| |! 　ヽ　　 ,. ､',.､‐'"!'
　　　　　　　　　 !' 　　　｀　'´ｨ'"ヘ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　!',!、　＼＼　,.-'"
　　　　　　　　　　　　　　　　 l iヽ　　＼`',. ‐'

時茂の死去で六波羅の頭人が時輔一人になってしまったのだが

六波羅の頭人が一人なのは別に珍しいことではない

　　　　　　　　　　　　 , .,.-'"´''ー'｀`''ー''"´｀`:､
　　　　　　　　　　　,:''"´　　　, 　　　　　　 `ｰ,
　　　　　　　　　　 ,i　　　　/´　　　　　　　　　　　ゝ
　　　　　　　 r'´　　　　i.!　　　　　　　,.;!"´｀　　`､_
　　　　　　　　　ヽ　　　　,,`;,_､_　　　　r';',,,__　　　 r'
　　　　　　　　　　ゝ　　i''´　　　｀`'''''"´　　　 `:,　　iﾞ
　　　　　　　　　　ヽ　.i　　　　　　､　　　　　　 ',　.r'
　　　　　　　　　　　r'-,!.-==-;;､_,.　!　' _,,.;;-=-　!r':､
　　　　　　　　 i.lr`i　 ==tェ,　　　　=ェi=　　､.i i
　　　　　　　　　　　'､､':､.　　　　　　i::.　　　　　 '/　　　　まぁ、すぐに人員が送られるけど
　　　　　　　　　　　　`'-',　　　　 |::　　　　 /‐'ﾞ
　　　　　　　　　　　　　_,.:'､　　.＿＿＿　　,.;':､　　　　　一年くらいの空位は日常茶飯事なんだよ
　　　　　　　　　　　,.-'　　.i`' ､ '--;;;;;--:'.／ ,! ' `' ､
　　　　　　　 ,. :'" 　　 .ヽ,　`:､　　 ,. :' 　./　　　　`' :､_
　　　　　　 ,. :'".　　　　　　ヽ　　｀"´　　,.:'　　　　　　　｀'‐:､
　　　　 ,. :'　　　　　　　　　　　＼　　　／　　　　　　　　　　　` ､
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　　　i.'､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,:'　 i
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　　　 ',. 　ヽ　　　.| ,'　　　　　　　　　　　　　　　　l　|　 ,.:'　　　　 l
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六波羅探題頭人北方（後任）　北条義宗

現代日本のような厳密な人事システムが中世に構成されているはずがなく

適格者がいない、そもそも別の重要事項が優先など様々な理由で頭人一人体制というのはよくあった
328： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:01:28 ID:RGM0sGRc0: .　　　　/.:: :.: .: : .: ::ｌ.::ｌ'"｀ヽ'､::..:. : .:.　: : .　:ヽ
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　　　 ll:.:.,-|:.:.:.:､:.ヽゞ='-　　　ィﾃｒゞ,:.:.:.:.ト､:'､｀`
　　　'|:.ｌ'´|:.:.:.:.:ヽﾄゝ　　　　ヾ`'‐'"ハ:.:.:.|　｀ヾ
　　　 !:.'､(ｌ:.:.:.:.:.:.:.､＼　　　　ﾉ　　 !:.:.:ヽ:.ｌ　　　私がいればとりあえずの裁判業務はできる
　　　 /:.:.:.｀|:.:ｌ:､:.:.:.:｀ヾ､-‐　ﾐ　　,.:':.:.:.:.:ヾﾄ､
.　　 /ｨ:.:.:.:.:.ｌ:.ﾄ､!ヽ､:.:ヾ`､　｀　,ィ:.:.:ｌ:.:.:.:ﾄ､:ｌ｀　　
　　 '´ｌ!:.:.:.:.:.ﾄ､!-｀ﾆミヽ:.ヽ__／! ヽｌ:.ﾄ､ﾄゝ｀
　-―‐ゝ‐-､| ｀　　　｀ミ｀''‐､ﾄ!　ヾ!
　￣￣￣｀'' ､｀ヽ　　ｒﾄｌ __!/〃
　　　　　　　　｀''､＼ヽﾄ' /〃

また、文永７年時点の六波羅探題は西国の裁判業務と朝廷折衝が基本的な仕事であり

頭人が一人いれば直ちに問題が起きるわけではないという事情もある

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　　　　　　　　　　/:.:: . : .::::::::::/　　ヽ::::::::::::. ::::::i;:::::::::::::.:.:::::::::::::::::::::::::::
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　　　　　　　　　 l:::::::::::::::::l:::::::l　　　　　ヽ:::::::::::::l　';:::::ﾊ:::l:::::::::::::::::::::::::::
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　　　　　　　　　 ';::l:::::::::::::::::::l`ﾞヽ　｀ヽ　　';:::::::;'´ l/ｚ＿/／`ｌ::::::::::::::::::　　　それに今は本当に「それどころじゃない」からな
　　　　　　　　　　';ﾄ;:::::::::::::::::∨7~テミ､　　l:::::/　 ''7 _ﾌ/ｲ`ミl:::::::::::::::::::
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　　　　　　　　　　　　　ヽヽ:::::l';/l::::/＼　　　　　　 _,.-;ﾆl/　　　　{/
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ;:!'　l/　　ヽ､　　_,.-ﾆ‐''´　　　　　　ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　 `　　　　　 lﾄ`Tｌ「／lｨ　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,. - ﾍ1 !ｌ l　ゝ /　　　 _,.-''´
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　　　　　　　　_,,..　-‐''´￣　　　　　　　　　　｀ﾞ'┴'"´

そして、現実的な問題として文永７年は年暮れまで六波羅人事を動かすことができなかったのだ
329： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:02:37 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　　　／　　　　　　 ,　　　　　　　　　　　　　　　　_＞
　　　　　　　ヽー '´／　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　｀＜.._
　　　　　　　　｀／/　　　　　　/　 :.　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　 _/
　　　　　　　 , ' .:/　　 ;'　　 /　　:::　　.　　　　　　　 .　　　........｀ヽ、
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　　　　　　 ''"´/_j　.::::::!　.:､:::::ﾄ.　 ::::::. ::|､:::::::..　.!::..　l　　 ::::}. .:. ::::::::::＜_
　　　　　　　 /'´ |.::::/::i/.::;厶::L.',　::::::i ::| ＼::::::::|､:::. |　　:::::i::.:::::::::::::::r'´
　　　　　　　　 /!:/::::::|／! __j:L_ﾍ..::::::|i::|'"´_＼::｢ヽ:::!　 ::::::!:::::::::::::|､::|
　　　　　　　　/.:j/ .:::::':::::八i´う心ぃ:::::ぃ!'´ｧ=;气ト､＼　:::::i‐､::::::::::l ヽ
　　　　　 /::/ .::::::::::::/! ヽ. ﾏヒﾘ　＼:',　　　ｒ'仍ﾘ'|　　:::::|^'|::::::}:::!
　　　　　 ,:〃.::::::::::::/　|　　｀¨¨　　　ヽ　ｰ`ー'-１ ::..::::::l ﾘ:::::ﾊﾉ
　　　　　 /″::::::;ｲ/　　 !　　　　　　　　　　　！{:::::::::〈::;ﾍ{
　　　　　　　i　:／　′　　、　　　丶　　　　　　　　 ,い､:::::::〈
　　　　　　 | /　　　　　　　＼　　－--　　　　　　.ｲv∨ 丶 :ヽ
　　　　　 |,′　　　　　　＼　　　　　　,.　 '´ノ:::〈　　　　｀
　　　　　　 !　　　　　　　　　　　,..｀ー;r‐　´_,.. :'´:::::::::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　 ,. : :´: : :／ﾑ '"´:::::::::::::::::/::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　／: : : : : :/:／-ﾍ: : : :::::::::::;::':::::: : :＼
　　　　　　　　　 / : : : : : : /ｲ　　　.i : _: : :／ : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　　　 /: |: : : : : : : :L._ .:::/:| `'／: : : : : : : : : : : : ヘ

現将軍惟康王の官位昇格と源氏姓下賜が正式に決定

鎌倉へ朝使を招くための準備、祝賀の八幡宮参拝のための準備などで謀殺されていたのである

　l:::::::::::l､:Ｎ::::::ﾄ､:::レ＝＼::::::::::＼
__ｊ:::::::::::| ｌ|､ｌ:::::|_,ｊl:K ｧ⌒ﾟヽ:::::､ヽ＼
､::｀::::::::ﾍｌ::::A:::|= l'　ヽ. ､　 /ﾊ:::＼｀＼
. ＼::::::::::::: :l∧l　　／ ⌒ヽ　 ∧､:::`.=-
　 /:;::::::::::::::V/,　､l´　,　--ヽ.　ｖ}::､:＼
　 l/|::::::::::::ヽ＼l　'l　/　　　ｊ }　 l’__｀≦, -.- ､　　　　　　誰か助けてくださぁい！
　　 |:::/|:::::::､＼､｀ゝ---彡′ ﾊ::＼ィ / ＼＼＿
　　ヽｌ |::::l::::`:‐ヽヽ　￣　彡 ∧:ｔ‐ ‘ { {　　｀ ‐- ､＼　あとこういう場合の前例教えてくださぁい！
.　　　　l::∧:::ヽ:ヽﾍﾟ ――　 ´　V｀　ヽヽ,　　二二. __＞
.　　　 /´　ヽ:::::､::::l:＼　　　　　　ヽ､　　} } ／　　　　　　 __
　　　　　　 >､l､:l｀　ヽ　　　　　　　＼{ {｀二二二二､￣＼＼
　　　　　　　ヽ. ﾄ＼　∧　　　　　　　人|＞―‐ ､　　　＼　＼ヽ
　　　　　　　　 | |　ヽ.＼∧＿＿、-‐'´:::::::＼　　､――‐ﾍ　_」∧
　　　　　　 / ′／＼＼!:::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　　|＼　　　 Vｖﾍ｜
　　　　　　　｜レ',∧　 {｀ `ー-､::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　l､　＼　　ヽｖﾍ＼
　　　　　　　 | ／/　∨ヘ＼　　|:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､ヽ　￣￣　ｖl
　　　　　　　 ”／　　 ∨ ヘ＼ |:::::::::::::::::::::::::|::::::::::ヽヽ＼　　　　ﾞl､_
　　　　　　 / 　　　＼　＼　＼:::::::::::::::::::/::/::::::::::｀＼｀ ―　､」

当時の近侍を担当する小侍所別当は北条宗政

１９才の若者では膨大な業務を遂行しきれなかった
330： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:03:20 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿ _
　　　　　　　　　　　,r'"´　　　　　　＼
　　　　　　　　　　/　　　　〈±〉　　　ヽ
　　　　　　　　 |　　　, -──‐‐- ､　　|
　　　　　　　!　,r'´.:.::::::::::::::::::.::.:.:.:＼ !
　　　　　　　　　ﾚ'.:.::::r'"´￣￣￣｀ヾ､:::.:.!
　　　　　　　　　 |;r'"´-‐`ヽ　 ,/´-ｰ-､`^i
　　　　　　　　　!jィ〔´（◯）｀二´（◯）｀ﾄ､|
　　　　　　　　　ﾊﾚ' ﾞｰ＝'ﾞ´.:;! ' ｀ﾞ＝‐'ﾞ^ﾚj､　　　まぁ、宗政だけですべて賄いきることはできんだろう
　　　　　　　　　l ﾄ､'.., 　 / .::;j,_　｀ヽ　ノｲ !
　　　　　　　　　! ﾘj　i　　　 ^"^　　　 l^iｲｿ
　　　　　　　　　ヾU　',　 ''ｰ＝＝‐''´ ,! |ノi
　　　　　　　＿ _」^i　 ',　　｀ﾆ二"´　,' ,!　ﾄ､＿ _
　　　,r'"´.:.:.:.:.::::::|　ﾞ､　 Y´　　　｀)　/　 |:::::::::.:.:.｀`ヽ
　　 ,!.:.:.:.:::::::::::::::::j　　＼,ゝ‐---‐ 'ﾞ,イ　　」::::::::::.:.:.:.:.:.:!
　　 |/＼.:.:.:.:::::::::|￣￣｀¨`ヾ｀二´イ"´￣ i:::::::::::::::::／|
　　 |.:.::::::＼.:::::::::|　　　　　｀ﾞYi"´ 　　　|:::::::::::::/::.:.:.|
　　 |::::::::::::::i:::::::::| 「***j」　　!l |　「***j」/:::::::::::/:::.:.:.:.:|
＿,ノ.:::::::::::::|:::::::::!　　　　　　 | ||　　　　/::::::::::::/::::::.:.:.:.:L_ ＿
::::::::::::::::::::::::!:::::::::ﾄ､｀`二二ﾆj i |　-ー'/:::::::::::/::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:

そのため、幕府の中から人員を融通したのだが……

　　　　　／　 .／)三三)／)三三)／)／　 ..／)
三三)／)三三)／)三三)／)三三)／)三三)／)三三)／)
三三)／)三三)／)三三)／)三三)／)三三)／)三三)／)
三三)／)三三)／)三三)／三三)／三三)／) 三三)／)
三三)／)三三)∧,,∧　　　∧,,∧　　三三)／) 三三)／)
三三)／　　　(´；ω；) 　 (；ω；｀)　　三三)／三三)／
　　 ∧∧　　と　　φ)　 .( つφﾉ　　∧,,∧　　　＿＿
　　(　´；ω)/⌒/⌒/￣/⌒/⌒/￣(ω；｀ )　／　 ..／)
／￣／),,∧口　　∧,,∧ ⌒　　 □と_　／￣／)三)／)
三三)／) 　´；)η(；｀　　)/⌒/　　／＿三三)／)三)／)
三三)／)／￣..／) ／￣..／) ／￣..／)三三)／)三)／
三三)／)三三)／) 三三)／)　三三)／)三三)／
三三)／)三三)／) 三三)／)　三三)／)
三三)／)三三)／) 三三)／)　三三)／
三三)／)三三)／　三三)／)

当然ながらそれ以外の各種業務は普段通り持ち込まれる
331： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:04:46 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　, ,
　　　 , , ,-'　　～ゝ_
.　　//,'　　　　　　　⌒ ～ ,
　　 |.i.i　　　ｒ'　　,,,_　　　　　ヽ
.　　 |!|!|i､　 |i　,',-==- ､　　　　ヽ
　　　）ゞヾ､（_（' _-=- ､ヾ　　　　|
　 γ `./　　　　　　　　｜　　　　!
　　|　/　　　　, '　　　　　| 　　　ゝ
　　ゝi,　___　 / __,,,　,,_　ゝ　　　!
　　　!'' -`'）　　` ―``　γヽゞﾉ　　祝賀前の恒例行事とはいえ慣れねぇな
　　　i､　ノ_　　　　　_ノ　iλ !　i
　　　　}　ヾ'､ゝ　　　i'　　 ν/ ｿ
　　　　|　,-―---　　　　し　/
　　　｜　 ''''　　　　　　/ |　ゝ
　　　　 !、　　　　__--'''　ﾚ彡
　　　　`┐ー''''　　ノ　レ
　　　　　λ､,,,,,,､､---'''⌒!i
　　　　　ﾉ>πiiiiiii!!!!!

結果、幕府は上から下まで諸事務に忙殺される

　　　　　　　　　　　　 , .,.-'"´''ー'｀`''ー''"´｀`:､
　　　　　　　　　　　,:''"´　　　, 　　　　　　 `ｰ,
　　　　　　　　　　 ,i　　　　/´　　　　　　　　　　　ゝ
　　　　　　　 r'´　　　　i.!　　　　　　　,.;!"´｀　　`､_
　　　　　　　　　ヽ　　　　,,`;,_､_　　　　r';',,,__　　　 r'
　　　　　　　　　　ゝ　　i''´　　　｀`'''''"´　　　 `:,　　iﾞ
　　　　　　　　　　ヽ　.i　　　　　　､　　　　　　 ',　.r'
　　　　　　　　　　　r'-,!.-==-;;､_,.　!　' _,,.;;-=-　!r':､
　　　　　　　　 i.lr`i　 ==tェ,　　　　=ェi=　　､.i i
　　　　　　　　　　　'､､':､.　　　　　　i::.　　　　　 '/　　　　まぁ、交代人員がいないってのもあったんだけどな
　　　　　　　　　　　　`'-',　　　　 |::　　　　 /‐'ﾞ
　　　　　　　　　　　　　_,.:'､　　.＿＿＿　　,.;':､　　　　　俺、文永７年じゃ１７歳だし
　　　　　　　　　　　,.-'　　.i`' ､ '--;;;;;--:'.／ ,! ' `' ､
　　　　　　　 ,. :'" 　　 .ヽ,　`:､　　 ,. :' 　./　　　　`' :､_
　　　　　　 ,. :'".　　　　　　ヽ　　｀"´　　,.:'　　　　　　　｀'‐:､
　　　　 ,. :'　　　　　　　　　　　＼　　　／　　　　　　　　　　　` ､
　　　／　　　　　　　　　　　　　　`ｰ-:'´　　　　　　　　　　　　　　`>
　　　',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /',
　　　i.'､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,:'　 i
　　　|　':､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　　　 ,.:'　　 |
　　　',.　ヽ　　　　|　i　　　　　　　　　　　　　 l　 l　　／　　　 |
　　　 ',. 　ヽ　　　.| ,'　　　　　　　　　　　　　　　　l　|　 ,.:'　　　　 l
　　　 i　　　＼　　|.i　　　　　　　　　　　　　 l | ／　　　　.|

そのため、京都六波羅への追加人員は文永８年末まで派遣できなかったのである
332： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:05:38 ID:RGM0sGRc0: .　　　　/.:: :.: .: : .: ::ｌ.::ｌ'"｀ヽ'､::..:. : .:.　: : .　:ヽ
　　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|.:|ｌ:.:ｌ　　｀ヽ:､:.:.:.:.:.:.　:. :.:.::.',
　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.ｌ_'､ﾄ､　　　ヽ'､:.:､:.:.:.:.:.:.､:.､:'､
.　　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,ｌ'､!ﾃﾄ=ー''　､弌､ｌ:.:.:.:.:ｌ:.ヾ',ヾ'､
　　　 ll:.:.,-|:.:.:.:､:.ヽゞ='-　　　ィﾃｒゞ,:.:.:.:.ト､:'､｀`
　　　'|:.ｌ'´|:.:.:.:.:ヽﾄゝ　　　　ヾ`'‐'"ハ:.:.:.|　｀ヾ
　　　 !:.'､(ｌ:.:.:.:.:.:.:.､＼　　　　ﾉ　　 !:.:.:ヽ:.ｌ
　　　 /:.:.:.｀|:.:ｌ:､:.:.:.:｀ヾ､-‐　ﾐ　　,.:':.:.:.:.:ヾﾄ､
.　　 /ｨ:.:.:.:.:.ｌ:.ﾄ､!ヽ､:.:ヾ`､　｀　,ィ:.:.:ｌ:.:.:.:ﾄ､:ｌ｀
　　 '´ｌ!:.:.:.:.:.ﾄ､!-｀ﾆミヽ:.ヽ__／! ヽｌ:.ﾄ､ﾄゝ｀
　-―‐ゝ‐-､| ｀　　　｀ミ｀''‐､ﾄ!　ヾ!
　￣￣￣｀'' ､｀ヽ　　ｒﾄｌ __!/〃
　　　　　　　　｀''､＼ヽﾄ' /〃

結果、時輔は文永７年初頭から８年末までのほぼ２年に渡って一人で六波羅探題を運営することになるのだが……

　　　　　　　　　　ﾟ･　*:　 :　*･
　　　　　　*･　゜ﾟ･　*　:　　.｡.　.｡.:　　*゜
　　　*　･゜　ﾟ･　*:　.　.｡.:　*･　゜ﾟ　　･　*　　:..
　｡.　･　･*:.｡ ∧,,∧ 　.∧,,∧　　　.:*　･゜　　　時輔様に頼もう！
　　　 ∧∧(´・ω・｀)(´・ω・｀)∧∧
　　　(´・ω・｀).∧∧) (∧∧(´・ω・｀)
　　　｜　Ｕ (´・ω・｀)(´・ω・｀) とﾉ
　　　　ｕ-ｕ　（l 　　 ) ( 　　　ﾉ u-ｕ
　　　　　　　　 `ｕ-ｕ'　`ｕ-u'

これが後々大問題へと発展していくのであった
333： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:06:24 ID:RGM0sGRc0: ――とはいえ、その問題が顕在化するのは文永８年も中ほどに入ってからである

　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::/::: .: .::/ｌ:::::　 :: .::: :: :::. ::.　 .　::　:. :::::l
　　　,.:':::::::::::::/:::::::/:::::::;/:::::::;ィ::::.: .::/´l:::::: : :.::::::::::.:::l::.::::. ::. :..　:.　::::!
.　　/::::::::::::::/:::::::::{:::::::/ｊ::::／ l::::::..:/　 l::::::::..::l:::::::::::::l:::::::: ::::::::::..::::: :::'､
　 /::::::::::;;イ:::::::::::::';:::/´l::/｀ﾞ７:::::::/ 　 l::::::::::::ﾊ::::::::::ｊ::::::::::::::::::::::::::::::::::
. /:::::::／ /:::::::::::::::l∨＿ﾘ- /::::::/　　｜:::::::::l‐1::::::/:::::::::/:::::::::::::::::::::::
/::::／.　/::::::::::::::::::l ﾍﾆ=ﾆﾐl::::::/　　　ｌ::::::::::ｊ__!:::/l::::::::/:::::::::::::::::::::::::
:／　 .ノ::;ィ:::::::::::::::|　　　　1:::/　　　　,l::::::::/ﾆ=ｊﾆﾐ,!::/:::::::::::::::::::::::::::　　将軍、年末のお召し物は絹使いましょう！絹！
　　／／./::::::::::::::::{　"""　!::/　 ,　　 l::::::ｊ　　ﾉ　/:;ｲ::::::::::::::::::;ｲ:::::ﾄ
. ／"´　/::::::::::::::ヽ:'､　　ｌ:/　 '　　　 l::::/ """　'´ /:::::::::::::::::/ }::::ｊ
.　　　　/::::::::::::::::::',｀`　　　l' 　 i　　　　!:/　　　　／::::::::::::::::::/ ﾉ::/
.　　　 /::::;ｲ::::::::::::::ヽ　　 {"＞'''ー､ _ l'　　　／;;;ィ::::::::::::::::/'´ﾙ'
　　　 l::::/ ｊ;ｲ::::::/::::::ヽ　　∨ 　　　ﾉ　　　 '"´／::::::::::::::::/:;:::{
　　　 l:/　, ｲ::::/!::::;ｲ:::ヽ　丶　　 _／　　　＿/::::::::::::;ｨ:::ノ:::ﾊ::!
　　　 ′< <l::/ l::/ ｊ::／丶　｀二　　　　　/ ｒ/:::::::::;: '/／ｨ:/　ﾘ
　　　　　ヽ∨ /´ /´　　 l ヽ　　 _　- ''´/ //::::;;-'´/ｲ/´/′
　　　　　　ヽヽ　　　　　 /ｌ　￣　　　 / /ｊィ´ ﾚ/　/
　_　 -―― ﾍヽ　　　ノ　|　　　　　　 / / ＜_　`7ノ丶

　 ,'::: ::: :: :::　::　 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r'､::::::i､:::::::::::::::::::ヽ::::l 　ヽ
　 |:::　: :: :::: ::::: :::::::::::::::::::::::::;::::::::;:::::::::::::::::::::::::i;::::;::;'_=_!::::l､;::::::::::::::::::::lヽ::!
　 !:::　　:: ::: ::::: ::::::::::::::::::::::;/|::::;ｲ::::;::::::::::::::::::::!|:::;ｲ')::;｀';::l`il:::;::::::::::::::::| '::l
　 |::::: :: :::::::::::::::::::::::::::;::::::::;､ﾆ::/=:::il::::::::::::;ｲ:::; !/!::ゝ,;':::l/　|/!:::::;:::::::::|　':|
.　 l:::::::::::::::::::;::::::::::::::/i::::::ﾑ=ﾆ:|ﾐl:::|'!:::::::::/'!::/ 'ヽゝ-_,‐' -''" !:::/'l;:::i､|
　　':::::::::::::::::::;:::::::::::::lr!:::/_ﾉ-､'!. `;| ':::::::/ .|/::::.　｀ ´　　　　/;:'lﾉ.!:::| !'
　　 ';:::::::::;::::::::;:::::::::::i'i!l::|:::ゝ.:'::ﾉ　,'　l:::/　〈'::::::::..　　　　　ﾉ'　|/,!:::| '
　　　'､::::::ヽ::::::';::::::::! `':|`ｰ-,. ' '" 　 '/　　ヽ:::::::::.　　　　　　　l ,ﾉ::|　　　宗政、君の荘園から費用出してね
　　　ヽ::::::::ヽ::::'､::::::＼ ` ´　　　　　　　　　`,::::　　　　　　　 /'::::::|
.　　　＼:::::::`i､ヽ;::::::::＼_　　　　　　　　　　'_　　　　　 /､::::ｉ:|
　　　　　　＼:::::! l`ヾ`'=;-ﾞヽ　　　　　　　_,. ‐',.ﾆゝ　　　 /.!' l:::|l|
　　　　　　　＼::ヽ.､_`ーヽ、　　　　　　　 ' ''´;;‐''　　　/"　　i|'!'
　　　　　　　　＼､::::::｀`:::::^ヽ､_ 　　　　　　　　γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣.∧
　　　　　　　　　　 `｀ヽ:ヽ、:::::::::〉` ｰ- ､ ,　　　　／l　　で、できれば幕府持ちで（__;）
　　　　　　　　　　　　　｀丶ヽ::､:{ `ーr-､...,.＞ ─､'´　ヽ、＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿,ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　 `ヽヾ,　{. i　 '!　　ヽヽ.　　　 / /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　`,.ゝヽヽ　'!　　丶丶　／／
334： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:08:00 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　　　／　　　　　　 ,　　　　　　　　　　　　　　　　_＞
　　　　　　　ヽー '´／　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　｀＜.._
　　　　　　　　｀／/　　　　　　/　 :.　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　 _/
　　　　　　　 , ' .:/　　 ;'　　 /　　:::　　.　　　　　　　 .　　　........｀ヽ、
　　　　　　　/...::/　　.:::i　　.:.！　 ::::::　 ::::...　　 :|:.　　　　 :',　　.......::::∠_
　　　　　　 ''"´/_j　.::::::!　.:､:::::ﾄ.　 ::::::. ::|､:::::::..　.!::..　l　　 ::::}. .:. ::::::::::＜_
　　　　　　　 /'´ |.::::/::i/.::;厶::L.',　::::::i ::| ＼::::::::|､:::. |　　:::::i::.:::::::::::::::r'´
　　　　　　　　 /!:/::::::|／! __j:L_ﾍ..::::::|i::|'"´_＼::｢ヽ:::!　 ::::::!:::::::::::::|､::|
　　　　　　　　/.:j/ .:::::':::::八i´う心ぃ:::::ぃ!'´ｧ=;气ト､＼　:::::i‐､::::::::::l ヽ
　　　　　 /::/ .::::::::::::/! ヽ. ﾏヒﾘ　＼:',　　　ｒ'仍ﾘ'|　　:::::|^'|::::::}:::!　　　源姓をいただいて将軍になるんだから、絹はいい！
　　　　　 ,:〃.::::::::::::/　|　　｀¨¨　　　ヽ　ｰ`ー'-１ ::..::::::l ﾘ:::::ﾊﾉ
　　　　　 /″::::::;ｲ/　　 !　　　　　　　　　　　！{:::::::::〈::;ﾍ{
　　　　　　　i　:／　′　　、　　　丶　　　　　　　　 ,い､:::::::〈
　　　　　　 | /　　　　　　　＼　　－--　　　　　　.ｲv∨ 丶 :ヽ
　　　　　 |,′　　　　　　＼　　　　　　,.　 '´ノ:::〈　　　　｀
　　　　　　 !　　　　　　　　　　　,..｀ー;r‐　´_,.. :'´:::::::::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　 ,. : :´: : :／ﾑ '"´:::::::::::::::::/::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　／: : : : : :/:／-ﾍ: : : :::::::::::;::':::::: : :＼
　　　　　　　　　 / : : : : : : /ｲ　　　.i : _: : :／ : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　　　 /: |: : : : : : : :L._ .:::/:| `'／: : : : : : : : : : : : ヘ

　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::/::: .: .::/ｌ:::::　 :: .::: :: :::. ::.　 .　::　:. :::::l
　　　,.:':::::::::::::/:::::::/:::::::;/:::::::;ィ::::.: .::/´l:::::: : :.::::::::::.:::l::.::::. ::. :..　:.　::::!
.　　/::::::::::::::/:::::::::{:::::::/ｊ::::／ l::::::..:/　 l::::::::..::l:::::::::::::l:::::::: ::::::::::..::::: :::'､
　 /::::::::::;;イ:::::::::::::';:::/´l::/｀ﾞ７:::::::/ 　 l::::::::::::ﾊ::::::::::ｊ::::::::::::::::::::::::::::::::::
. /:::::::／ /:::::::::::::::l∨＿ﾘ- /::::::/　　｜:::::::::l‐1::::::/:::::::::/:::::::::::::::::::::::
/::::／.　/::::::::::::::::::l ﾍﾆ=ﾆﾐl::::::/　　　ｌ::::::::::ｊ__!:::/l::::::::/:::::::::::::::::::::::::
:／　 .ノ::;ィ:::::::::::::::|　　　　1:::/　　　　,l::::::::/ﾆ=ｊﾆﾐ,!::/:::::::::::::::::::::::::::
　　／／./::::::::::::::::{　"""　!::/　 ,　　 l::::::ｊ　　ﾉ　/:;ｲ::::::::::::::::::;ｲ:::::ﾄ
. ／"´　/::::::::::::::ヽ:'､　　ｌ:/　 '　　　 l::::/ """　'´ /:::::::::::::::::/ }::::ｊ　　　そうですね！
.　　　　/::::::::::::::::::',｀`　　　l' 　 i　　　　!:/　　　　／::::::::::::::::::/ ﾉ::/
.　　　 /::::;ｲ::::::::::::::ヽ　　 {"＞'''ー､ _ l'　　　／;;;ィ::::::::::::::::/'´ﾙ'　　　　いやぁ、たくましくなられて……
　　　 l::::/ ｊ;ｲ::::::/::::::ヽ　　∨ 　　　ﾉ　　　 '"´／::::::::::::::::/:;:::{
　　　 l:/　, ｲ::::/!::::;ｲ:::ヽ　丶　　 _／　　　＿/::::::::::::;ｨ:::ノ:::ﾊ::!
　　　 ′< <l::/ l::/ ｊ::／丶　｀二　　　　　/ ｒ/:::::::::;: '/／ｨ:/　ﾘ
　　　　　ヽ∨ /´ /´　　 l ヽ　　 _　- ''´/ //::::;;-'´/ｲ/´/′
　　　　　　ヽヽ　　　　　 /ｌ　￣　　　 / /ｊィ´ ﾚ/　/
　_　 -―― ﾍヽ　　　ノ　|　　　　　　 / / ＜_　`7ノ丶
335： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:09:22 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　＿__,........ -＝==￣｀`ﾞ丶`丶､
　　　　　　　,.`.ﾆ='''''　　　　　　　　　........:.`ヽ、
　　　　-‐'';:'-'"　　　　　　　　　　..　.. .. ::::::::::ヽ
　　　　 ,.-'　　　　　　　　　　　　　 .::::..:::::::::::::::::::ヽ
　　／ ,　　　　　　　　　　　::::.::::: : ::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　 ,.:'-イ'　　　　 ;　 ; :: ;　::;:;. :::::::::::::: ::::::::::::::::::::::::::::::!
　'´ ／,　　　　: :　:::! :: ;:　;'!-、;:::::::::::::::::::::::::_::::::::::::::l
　 ,:'::;ｲ　　　 : :.;:　:::l::;::i::::;';ゞ;=､i::::::::::::::::::::::i､`;､::::::::|　　　（親ばかみたいになってるね）
. / '´,'　 .:;:　.::.::ﾄ!､:::!:|'!ヽ!'!_';ヽ,.〉:::::::::::::::::::::i'ヽヽ::::::l
　　 l　.::/i　::::::'ゞ!;､|'!　　`‐'" i:;ｲ::::::::::::::::::|),ﾉﾉ::::::l
　　｜.::/ |:::::::::::::',ゞ' .::::.. 　　 ;'/ !:::::::::::::::;:ﾉノ'::::::::|
　　 | :/　 !::::;ｨ:::::;ｲ ::::::::　　　ﾉ'　i::::;ｨ;:::::::;'l'!:;'､:::::::|
.　　|/　　'!::/!'!::::`､　＿　　　 /:;:' i!'!:::/ ,l'-'"ヽ::|
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　　　　　　　　　!:| |! 　ヽ　　 ,. ､',.､‐'"!'
　　　　　　　　　 !' 　　　｀　'´ｨ'"ヘ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　!',!、　＼＼　,.-'"
　　　　　　　　　　　　　　　　 l iヽ　　＼`',. ‐'

――実の父親を追放されてはいたが、惟康王と幕府中枢の関係は良好であった

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　　　　　　　ヽー '´／　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　｀＜.._
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　　　　　　　　 /!:/::::::|／! __j:L_ﾍ..::::::|i::|'"´_＼::｢ヽ:::!　 ::::::!:::::::::::::|､::|
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まだ１０歳にもなっていない上に、両親共に帰京していた以上頼る相手は

小侍所に近侍する御家人衆しかいないという現実もあった
336： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:10:25 ID:RGM0sGRc0: 　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::/::: .: .::/ｌ:::::　 :: .::: :: :::. ::.　 .　::　:. :::::l
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　　　 l::::/ ｊ;ｲ::::::/::::::ヽ　　∨ 　　　ﾉ　　　 '"´／::::::::::::::::/:;:::{
　　　 l:/　, ｲ::::/!::::;ｲ:::ヽ　丶　　 _／　　　＿/::::::::::::;ｨ:::ノ:::ﾊ::!
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　　　　　ヽ∨ /´ /´　　 l ヽ　　 _　- ''´/ //::::;;-'´/ｲ/´/′
　　　　　　ヽヽ　　　　　 /ｌ　￣　　　 / /ｊィ´ ﾚ/　/
　_　 -―― ﾍヽ　　　ノ　|　　　　　　 / / ＜_　`7ノ丶

小侍所別当として、近侍する御家人を統率する宗政もまだ若年で

年の離れた弟の面倒を見る気分だったのかもしれない

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　　　　　　　ヽー '´／　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　｀＜.._
　　　　　　　　｀／/　　　　　　/　 :.　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　 _/
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事情がどうであれ、この幼い将軍は時宗と宗政兄弟、それを支える北条一門を信頼し

将軍職を辞するまで幕府にとってはよき将軍であり続けるのであった
337： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:10:58 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼
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　　　　　　　　　　　　　　　　　＼____＼／___／
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　　　　　　　　　　　【やる夫は元寇を戦い抜くようです】

　　　　　　　　　　　　　戦乱の兆し/始まりの終わり
338： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:11:47 ID:RGM0sGRc0: ――元の使節として藩阜が帰国してから２年
　　　
　　　幕府は警戒命令の追加法以外は大きな動きを見せなかった

　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　＿__,........ -＝==￣｀`ﾞ丶`丶､
　　　　　　　,.`.ﾆ='''''　　　　　　　　　........:.`ヽ、
　　　　-‐'';:'-'"　　　　　　　　　　..　.. .. ::::::::::ヽ
　　　　 ,.-'　　　　　　　　　　　　　 .::::..:::::::::::::::::::ヽ
　　／ ,　　　　　　　　　　　::::.::::: : ::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　 ,.:'-イ'　　　　 ;　 ; :: ;　::;:;. :::::::::::::: ::::::::::::::::::::::::::::::!
　'´ ／,　　　　: :　:::! :: ;:　;'!-、;:::::::::::::::::::::::::_::::::::::::::l
　 ,:'::;ｲ　　　 : :.;:　:::l::;::i::::;';ゞ;=､i::::::::::::::::::::::i､`;､::::::::|
. / '´,'　 .:;:　.::.::ﾄ!､:::!:|'!ヽ!'!_';ヽ,.〉:::::::::::::::::::::i'ヽヽ::::::l　　　使節を送り返したはいいけど、それ以降
　　 l　.::/i　::::::'ゞ!;､|'!　　`‐'" i:;ｲ::::::::::::::::::|),ﾉﾉ::::::l
　　｜.::/ |:::::::::::::',ゞ' .::::.. 　　 ;'/ !:::::::::::::::;:ﾉノ'::::::::|　　　何の使節も来ないからね
　　 | :/　 !::::;ｨ:::::;ｲ ::::::::　　　ﾉ'　i::::;ｨ;:::::::;'l'!:;'､:::::::|
.　　|/　　'!::/!'!::::`､　＿　　　 /:;:' i!'!:::/ ,l'-'"ヽ::|
　　　　　　':/ ! !:::/'!`´. _ ｀　　/; ',../''!:/'´　　　 `'
　　　　　　　　　!:| |! 　ヽ　　 ,. ､',.､‐'"!'
　　　　　　　　　 !' 　　　｀　'´ｨ'"ヘ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　!',!、　＼＼　,.-'"
　　　　　　　　　　　　　　　　 l iヽ　　＼`',. ‐'

一応対馬まで第３次使節団が来てはいたが、対馬でもめ事を起こして帰国したため

これと言ったアクションが無いというのが大きかった

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ___
　,ﾍ´}　　　　　　　　　　　　　r―‐=≦＼＼ｰ‐- 、
ィ ,ﾉ｛　　　　　　　　　　 /ヽ∨∨∨∨∨∨ ‘:,
｛ {-｛.　／）　　　　　　　 | / ∨∨∨∨∨∨V }
_｝｝ ‘,_/　,′　　　　　　　　 l/ゝ､}ハ∧ハ∧ハ∨{
ﾉ　　　　 {　　　　　　　　　　r=ミ,__r―＜zzﾊ{-<∨}　　　日本だと？そんなことより対元戦争だ！
　__／　 /　　　　　　　　　人_ ﾉ=乂___,ﾉ　　ん'|∧!
　　　_／l{　　　　　　　／ l （_ ﾉ＿___ ィ　厂Ⅵー‐
¨¨「／／{　　　　　　 ,′,∧　〕:.:.:.:.:.ア　,ﾉ--/
=≦:./　｛　　　　　　厂　/ /丶｀¨こ´ ｡o彡　,.′
―＜　　 ‘:,　　　　／　　＿/　　≧=≦　　　 /
　　　　　 ‘:, ‐=彡　　　|　　　 /　｝ ‘:、　 /
:,　　　　　　 `:,　　＿＿l　　　,′/⌒7´＼,′
‘:,　　　　　　　　 /　　　　 ,′,'　｛　　 ,′ 厂￣

その上、高麗は高麗で林衍の起こした内乱が原因の混乱の最中であった

高麗から独自の接触などは一切起きる状況にはない
339： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:12:54 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　　／　─　　 ─　＼
　　　　　　　／　（●）　（●）　＼　　　高麗につてのある御家人たちに話を聞いても
　　　　　　　 |　　　（__人__）　　　 |
　　　　　　　＼　　　｀ ⌒´ 　　 ,／　　　具体的なものはなんも出てこないお
　r､　　　　r､／　　　　　　　　　　ヘ
　ヽヾ　三　|:l1　　　　　　　　　　　　ヽ
　　＼>ヽ/ |｀｝　　　　　　　　　　　|　|
　　　ﾍ　lノ `'ｿ　　　　　　　　　　　|　|
　　　　/´　 /　　　　　　　　　　　　 |.　|
　　　　＼. ｨ　　　　　　　　　　　|　 |
　　　　　 |　　　　　　　　　　　 | 　|

そのため、西国の守護に警戒命令を発してからは幕府としても何の防備も行えなかった

この状況が変わるのは、第４回の使節が到着してからである

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　　　　　　　ヽー '´／　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　｀＜.._
　　　　　　　　｀／/　　　　　　/　 :.　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　 _/
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そのため、使節到来以前の幕府にとって直近の重要事は将軍惟康王の昇格式典になった
340： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:13:45 ID:RGM0sGRc0: ――惟康王の官位昇給と源氏姓の下賜式典は盛大に催された

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御所で朝使から官位昇格の報告を受けた後、

幕府の有力御家人を引き連れての鶴岡八幡宮への参賀が執り行われた

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　　　　　　　　　!:| |! 　ヽ　　 ,. ､',.､‐'"!'
　　　　　　　　　 !' 　　　｀　'´ｨ'"ヘ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　!',!、　＼＼　,.-'"
　　　　　　　　　　　　　　　　 l iヽ　　＼`',. ‐'

参賀に随行するのは執権時宗を筆頭に

鎌倉に在住する北条一門
341： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:14:29 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　　 ,.ィ　,.ィ
.　　　　　　　 ,ｨ／　 '´　 !／ﾚi
　　　　　 /　　　　　　　　′ﾚi
.　　　　 jﾞ ,.ﾍ、　／＼　　　 !
　　　　　 |/　　 ¨´ 　　ヽ　　│
　　　　ﾚ_ニュ　 r'ﾆﾆヽ〉　 !
　　　　　 l =＝｡、　＝｡= :|∩　!
　　　　　　| `zzr' 　ｚｚｚ'　||tﾘ .|
.　　　　　　l　　L -`　 ┌ :lﾚ′j
.　　　　　ｌ　⊂ﾆニ⊃　.ﾊ.　ハ
.　　　　　ﾊ　, ,ー, , ,. '/　ｌ ./: :ヾ''ｰ-
　　_,,　-‐''7 :ヽ＿＿＿/ 　 l/: : : :!: : : :
￣ : : : : : ,' : : : |:::::::::::　　　 |: : : : :|: : : :
: : : : : : :.:i: : : : :L._　　　＿_｣.: : : : :| : : :
: : : : : : :.l : : : : ﾄ､_｀　'´ _,ノ| : : : : :| : : :
: : : : : : :| : : : : |;';';';'￣;';';';';'|:.: : : : :| : : :
.: : : : : :.| : : : : l;';';';';';';';';';';';'|: : : : : :|: : :
千葉頼胤

千葉氏当主頼胤をはじめとした関東近縁の有力守護

　∠ヽ_'ヽ　　 ∧__∧ο 　 ∧__∧
　（；´∀｀）　　(*´∀｀∩　（´∀｀*,）
　（つ _ ⊂）　 (つ__ __ノ　　(⊃o⊂）
　と__＿）＿）　（__　）　）　　(⌒(⌒)）

鎌倉幕府に出仕していた御家人たちと

幕府に関係する武士はこぞって八幡宮参賀の行列に参加した

　　　　　　　　　　ﾟ･　*:　 :　*･
　　　　　　*･　゜ﾟ･　*　:　　.｡.　.｡.:　　*゜
　　　*　･゜　ﾟ･　*:　.　.｡.:　*･　゜ﾟ　　･　*　　:..
　｡.　･　･*:.｡ ∧,,∧ 　.∧,,∧　　　.:*　･゜　新しい将軍様はまだ７歳らしいけど
　　　 ∧∧(´・ω・｀)(´・ω・｀)∧∧
　　　(´・ω・｀).∧∧) (∧∧(´・ω・｀)　　　どんな姿なんだろう？
　　　｜　Ｕ (´・ω・｀)(´・ω・｀) とﾉ
　　　　ｕ-ｕ　（l 　　 ) ( 　　　ﾉ u-ｕ
　　　　　　　　 `ｕ-ｕ'　`ｕ-u'

その参賀の行列を見物するために、道端には多くの人々で溢れ返ったと史書は伝えている
342： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:15:55 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　　　／　　　　　　 ,　　　　　　　　　　　　　　　　_＞
　　　　　　　ヽー '´／　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　｀＜.._
　　　　　　　　｀／/　　　　　　/　 :.　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　 _/
　　　　　　　 , ' .:/　　 ;'　　 /　　:::　　.　　　　　　　 .　　　........｀ヽ、
　　　　　　　/...::/　　.:::i　　.:.！　 ::::::　 ::::...　　 :|:.　　　　 :',　　.......::::∠_
　　　　　　 ''"´/_j　.::::::!　.:､:::::ﾄ.　 ::::::. ::|､:::::::..　.!::..　l　　 ::::}. .:. ::::::::::＜_
　　　　　　　 /'´ |.::::/::i/.::;厶::L.',　::::::i ::| ＼::::::::|､:::. |　　:::::i::.:::::::::::::::r'´
　　　　　　　　 /!:/::::::|／! __j:L_ﾍ..::::::|i::|'"´_＼::｢ヽ:::!　 ::::::!:::::::::::::|､::|
　　　　　　　　/.:j/ .:::::':::::八i´う心ぃ:::::ぃ!'´ｧ=;气ト､＼　:::::i‐､::::::::::l ヽ
　　　　　 /::/ .::::::::::::/! ヽ. ﾏヒﾘ　＼:',　　　ｒ'仍ﾘ'|　　:::::|^'|::::::}:::!
　　　　　 ,:〃.::::::::::::/　|　　｀¨¨　　　ヽ　ｰ`ー'-１ ::..::::::l ﾘ:::::ﾊﾉ
　　　　　 /″::::::;ｲ/　　 !　　　　　　　　　　　！{:::::::::〈::;ﾍ{
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参賀の際の装束の華やかさは光り輝かんばかりであったという
343： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:16:24 ID:RGM0sGRc0: ――日があるうちに行われた鶴岡八幡宮参賀が終了すると、今度は御所で酒宴が開かれた

,　　　　 |iiiiii;iii;;;;i;;:: ::::::!."~ 　　　　　　　　　　　　　　　 _　　　　　　　　　　　　　　　_　　ｲｪｰ♪
　　　`　　|iii;;iiiii;::;:;;;;::: :::|　　　　　　　　　　　　　.　　　　〉`lXl　ﾉﾏﾉﾏｲｪｲ♪ 　　.lXl 〈　　
　　　..M|M|iMiiii;;ii:i;;:;i:i;;::;:|,... , 　　　　　[ >o<]ノi　　 __＜i.ﾟﾜﾟ)＞,,､ __　　　　＜(ﾟーﾟ*.＞
　　　　　　　　　ﾓｺｰ♪　_　　　　　,.'",=" "=｀<,　　｀ヽ｀v´ﾟ｀｀ﾟ｀ヽ,vｼi　　　　 .,´ﾟ,.-==ﾟヽ　<みんな来た
　　　　　　　　　,　　　　〉`lXl　　　γ/(ﾉﾉλﾉ))　　　,ﾍ_) ﾉﾉ））））　　　　　　l　((ﾉﾉ))）)）　　　　_
　　よっ♪きたよ　　＜8.´ﾜ｀)＞　(ｲ(iﾘﾟ - ﾟﾉ(,　　　｀ﾉﾘ´ -｀ﾉﾘ<イェイ　　ハ)´ -｀ﾉ)）　　.lXl 〈　ｷｬｰ♪
　　　_　, -､i/／　　　　｀し-J´ 　　　(__)つヽヽσ　　（,,（($つ日ヾ　　 .r┐　　(__)つヽヽσ＜(ﾟﾜﾟ*.＞
　　 i|_｀>´‐ ｀ヽ　　　, ´:::::::::::ヽ　　く_ﾉ,_λ｀)｀)　　.(､s(_～λ｀)｀)　[酒]　　く_ﾉ,_λ｀)｀)　（( ﾟ0-vﾟ )）
　　　 i　!ﾉﾉﾉ））)）　　i:::::::::::::::::;ﾞ　<ﾋｷﾞｨ　
　　　 |,iﾊﾟｰ.ﾟﾉﾊ　　i!::::::::::::::::!i　　　　　　 _..._　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　よしよし
　　i>/|<＾i´：_i_〉　　i!:::::::::::::::.!i　　　　　, ´::::::ヽ<ﾋﾟｷﾞｨ♪　_　　　　　　　　　<|　,.-──-,ﾍ／i　　 |>
　 i>/,ﾉ｀'´::Y::´〉　　i!;::::::::::::::.!i　　　　　i.::::::::::;;ﾞ　　　 ,.lXl 〈　　　　　　　＜>i　,'y,.-=＝くyヽ_」　／<＞
　　（,（(i｀i_ﾌﾞi_ﾌ´　　（(;;;;;;;;;;;;;;;;;!)　　　　!;:::::::::.!i　　＜(>ヮ<8＞　　　　　　＜>、ﾊ(ﾉハﾉｲ〉(.ｲ　/<＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(;;;;;;;;;;;;!)　　　ﾟ0‐vﾟ )）　　　　　_　.＜>ヽ.ﾊl､ﾟヮﾟ !ﾊ ( ノ<＞
　　　　　 _ )）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　0､0〉 lXl、　＜>とi yと_)〉ﾚ´<＞、
♪　　__/＿`､__　　 s､､　　　　　　　　　_　　♪　　　　　　　　　｡＜8>o<＞｡,.く∩/__!∩_>)
　л　.l_,l -‐‐-､i　　　 |l|　　　♪ 　,ﾞ〇"　　★ 　　　　　　　　,
　 l|　 i　（（(ﾊ)）,）　.((´i｀)　　　 __/＿`､__´　～Po｡. ♪　Σ｀☆　　♪
　 l|　 .ll |l.ﾟ -.ﾟﾉﾘ　　））i（.　　　 l_,l -‐‐-､i　　　 _　　　__/＿`､__　。　♪
　 l| 　 (S〉y8ySつ（（ .v ）　　ﾉ )((s（( ),）　　（（6｀）　l_,l -‐‐-､i　(
　 d　 (ﾝ_ﾉ__,8ヽ、　｀￣´ ﾟ　　 ((ｇsﾟヮﾟﾉS 　　｀l i､　（（,,,ﾉ,,ﾉ)ﾉ）　(　 _　　　　　　　　　_
　　　　￣i_ﾌ_ﾌ￣　　　　　　　　　(S〉y8ySつ　 8ﾖ￠)　ﾟ(wl.ﾟヮﾟﾉl)　(　( ｀､__｡｡＿__｡｡__,´ﾉ　))
　　　　　　　　　　　♪ 　　　　　(ﾝ_'__,ハヽ、　　　i_i´　　(S〉y8ySつ　 (ﾉil=YAMADA=j )
　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣i_ﾌ_ﾌ￣　　　　　　　(ﾝ,_i_Y_ヽ,　　　 ´￣￣￣￣￣´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀l.ﾌl.ﾌ´

御家人たちは上下の関係なく幕府の安寧を祝い、酒を飲み交わした
344： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:17:02 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　 /　　　　　　 /　　／　　　　　　 '.
　　　　　　　　「 У　　　　　　　　/　／　　　　　　　　　　 ∨}
　　　　　　　　　} { 　　　　 `ﾄ､/ イ斗≦ イ＜彡　　　 }
　　　　　　　　 /　〉 .r`⌒ヽト､{　　　　　　　　 ∨　　　 /　}
　　　　　　　 {　′ | /　　　　　　　　 /　　　 i　 V 　 /
　　　　　　　　　､　　| }　　　 { 　　　/　　　　 {: 　 } :./　, 　ム
　　　　　　　､￢ﾐ　L　＿　　:.　　 /　　　＿　　 }　: /　/ /´　　（参賀は滞りなく終了したな……
　　　　　　　＼　ィ⌒ヾﾐﾒ､ {　　{ rzz彡 ⌒ヾ　 }　/ﾍ　 .′
　　　　　　　　　　Yﾊ } /ノ´苡≧､ｰヘィ廴苡>､　　} //} } /　　　　　　これで名実共に惟康王は将軍となる）
　　　　　　　　　　 }　}i　｀¨¨　／ }　　＼　　　　ｲ〃り }′
.　　　　　　　　 V八　　／　　}　　　 ` ､　　/ } }/　/
　　　　　　　　＼ﾄ､　　　　､　 ,　　　　　 /　| |　ム
　　　　　　　　　　 Vﾊ　　イ""　　　｀丶、ヽ　 | しﾍ厂_
　　　　　　　　　　　　 ∧ }〈{　ィイ_ヘ_トﾄﾐ }　} 　ﾉ　}､}､　｀ヽ
　　　　　　　　　／∨ ﾑゝゞ'　｀¨ﾆﾆﾆ¨´　　／　　〈ﾉ }　　 ⌒ヽ
　　　　　　　　　_{　　∠ィ　＼　 , へ　　／　　､}／　/　　　　 }_
　　 -‐y⌒Y´　 }　〈　ﾑﾍ　 ` "　　 ` ` `　,　-=彡　/i:}　　　　　　｀ヽ
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　 /　　　 { 　　 V´:i:i:i:i:i:iヽ人､从{从ｲイ {　　　 /i:i/　　　　　　　　ゝ､:＼

　　　　　 ::＼　　　　ｉ}　 }　　Ｙ{
　　　　　 :ヽ　　ﾘ　/　ノ 7
. ＼　　＼: .　　　　ｲﾍ　 / }
　　＼r冖¨¨¨¨¨`　"　　 ∨ /
　　　「　　　　　　＼　　{i 　 V
ー-　} 　:ﾉ　　　　ヽ　ﾘ_,ｨ7}　　　　（名越が大人しいのは気がかりだが……
ｰ- 　7　　-=ﾐzzzz彡'　{f苡〈
r-.､〈　　　ィ忖}　　 ∨
{てﾊ ‘，　　　　　／　　∨　}
ゝ` ﾑ ‘，　　／　　 ,= -く　八
{从ｰく} ‘，、　　／　　　､}i　＼
　从ﾉ　 ‘，ヽ　「ムイ " `｀八　　`ﾄ
㍉　ムイ　＼　　　　ィへノトゝ　ﾘ㍉
　} ㍉　ﾑヘ　　ｰ-彳　　　i}　／　　　㍉ー- ､
: :} ､ｉ:ｉ㍉ ‘，＼　　　　　　　ﾘ/｀ヽ　　　　　㍉　ヽ
: :‘，丶ｉ:ｉ㍉}i. 　ｰヘト､从ｲi:i/⌒}　　　　　㍉
: : :‘，　＼:i:i:＞――＜　　/i/i:i:i:/　　　　　　　　㍉}
　: : ‘，　＼i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:〉=く人:iノ　　　　　　　　㌻ |
　 : : :‘，　　 YﾆﾆﾆﾆY　　}　　　　　　　　　㌻ |　 |
　　 : : ‘，　　｀¨¨¨7´ 　 {/　　　　　　　㌻　　 | :八
　　 : : :‘，　　　　∨　　 ∧ 　　　㌻　　　 |/ 　}
345： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:17:56 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　 _＿__ 　　_　__＿
　　　　　　　__r‐=　　　　　　｀ヽ . . ＼__＿_
　　　　　　　〃::.:. :‐=＝　ミ:.: ..　　　 . .丶　{|
　　　　　　　」{::.::.: . : :. : . . .: : : :: ::　　　　　 . : {ﾄ､
　　　　　　 {{:.: : :: : : : : : : : : : : : ::γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　 {{:: ::-‐― : : :. ミ:.:. :. : :｜　奴とてそうそう謀反など考えん筈　|
　　　　　　八___:..:....:...: : .　. :＼＼::乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
　　　　　　 }.:.:.:.:.:..:....:...: : :. : :　.::＼＼` ､　 ∨∨: :{./〉
　　　　　 }.:.:.:.:...:...:...:..: : : .:√｀ヽ:.:.ヽ＼:丶.:}:.}}{／{/
　　　　　　}}.:.:.:.:ﾑ-ﾐ..:.:.:...√　　　　`　^ゞ ; ∧刈,.. ′
　　　　　 }}.:.:..:. i乢:}. :√　‐-=::.　　／　//　／　{
　　　　 }}.:.:.:.:.艾「|.: 抃　　-‐辷禾ｰ､//　杙禾.:､　　　　いや実にめでたい！
　　　　ﾉ'.:.:.:.:.: (( 八:ｉ:::| 　 ´´´　　　/:::`　　　〉::}
　　　　｀7.:.:.:.:.八:{　　 ^:{　　　　　 .:::::::.:::.　　 /:/　　　　これで幕府は安泰というもの！
　　　　　{.:.:.:.:/{　｀{ 　 '.　　　　　〈::::::::.:.::i 　ﾊ:{ : :
.　　　　ﾑ.:.:.:{ ﾄ　ハ　　＼　　　､__　　_r'　, .:: : : : :
　　　　　乂_{　 ,　　＼　　＼　　 `ｰ=＝' /＼ : : : :
　　　　　..: : : :∨ /　　＼　　＼　　　　　 / 　 ′: : :
　　　　　. : : : : ∨, ′　　＼　 `　ｰ―≦:　ハ: : : :
　　　　　. :.: : : : :〈　　　／| 　,/:　∧. 　／ｉｉ|: : : :
　　　 . . : : : : : : ＼　∠＿|　 {::..　. :|_／⌒ヽi|: : : :
　　　　　. .: : : : : : : : ＼　[　[r‐ У_ , :|　{__ 　　|: : : :
　　　　　 : : : : : : : : : : : ＼　＼　　 . :|　 __{　　|: : : :

　　　　　　　　　　　　＼!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨　 (
　　　　　　　　　　　　　 }　＼　　　　　　　　　　　＿､　　　　　〈　　 }
　　　　　　　　　　　　　　　{　　　　　　ﾆ=-　　　　／　　｀ヽN　　　} 　 /
　　　　　　　　　　　　　　､　　　 , ⌒ヽ　､彡　　 /　　　　＼　　　/´}
　　　　　　　　　　　　　　　 }　　　 / ,　-}/　/　　　　　　　　　　ｰz　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ､　ｰ{ :{ r /　/　　　 ` =ミ､　 i　, /　／
　　　　　　　　　　　　　　　　∠　　ﾊ i V　/ }　　　｀ヽx=ﾐ＼} 　 / ´
　　　　　　　　　　　 __､ -‐　Y人/　ゝ-' ./　′　　＿　-‐　ﾑ 7　　　（時宗はまだ未熟だがそれも時が解決する）
　　　　　　　　　　r'　　　　　＼ z彡　{　{　　　　　　　　 }ｿ′
　　　　　　　　＿廴　　　　　　＼　　∧　　　　-‐　､〈ｰ　ﾉ
　　　　　 .， ´ﾆﾆﾆﾆﾆミ　　　　ム、　∧　 ´¨¨`ｰ､　 Y
　　 .， ´ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ＼　　　　 ∧　　､　　　　ヽ/　　　　……む？
.， ´ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＼　　　 ∧　　｀¨Z　､　／
Yﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ　-‐ ￢ミ､　　ﾑ　　　　Ｙ
:|ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ／ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆヽ　 V{　　　 /
:|ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ.／ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾑ　 }从ノイ
:|ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ./ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ}　}
:|ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ /ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/}　}
八ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ }ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ /ﾆ} /
ﾆ∧ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ｜ﾆﾆ／ﾆ.ﾘ′
./ﾆ∧ﾆﾆﾆﾆ〃ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾘ／ﾆﾆ /
346： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:19:36 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　　　／　　　　　　 ,　　　　　　　　　　　　　　　　_＞
　　　　　　　ヽー '´／　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　｀＜.._
　　　　　　　　｀／/　　　　　　/　 :.　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　 _/
　　　　　　　 , ' .:/　　 ;'　　 /　　:::　　γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　/...::/　　.:::i　　.:.！　 ::::::　 :|　　　　　　　　　　　御所様　　　　　　　＞
　　　　　　 ''"´/_j　.::::::!　.:､:::::ﾄ.　 ::::::. ::|ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__,ノ
　　　　　　　 /'´ |.::::/::i/.::;厶::L.',　::::::i ::| ＼::::::::|､:::. |　　:::::i::.:::::::::::::::r'´
　　　　　　　　 /!:/::::::|／! __j:L_ﾍ..::::::|i::|'"´_＼::｢ヽ:::!　 ::::::!:::::::::::::|､::|
　　　　　　　　/.:j/ .:::::':::::八i´う心ぃ:::::ぃ!'´ｧ=;气ト､＼　:::::i‐､::::::::::l ヽ
　　　　　 /::/ .::::::::::::/! ヽ. ﾏヒﾘ　＼:',　　　ｒ'仍ﾘ'|　　:::::|^'|::::::}:::!
　　　　　 ,:〃.::::::::::::/　|　　｀¨¨　　　ヽ　ｰ`ー'-１ ::..::::::l ﾘ:::::ﾊﾉ　　ん？政村か……
　　　　　 /″::::::;ｲ/　　 !　　　　　　　　　　　！{:::::::::〈::;ﾍ{
　　　　　　　i　:／　′　　、　　　丶　　　　　　　　 ,い､:::::::〈
　　　　　　 | /　　　　　　　＼　　－--　　　　　　.ｲv∨ 丶 :ヽ
　　　　　 |,′　　　　　　＼　　　　　　,.　 '´ノ:::〈　　　　｀
　　　　　　 !　　　　　　　　　　　,..｀ー;r‐　´_,.. :'´:::::::::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　 ,. : :´: : :／ﾑ '"´:::::::::::::::::/::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　／: : : : : :/:／-ﾍ: : : :::::::::::;::':::::: : :＼
　　　　　　　　　 / : : : : : : /ｲ　　　.i : _: : :／ : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　　　 /: |: : : : : : : :L._ .:::/:| `'／: : : : : : : : : : : : ヘ

　　　　　　　　　　　　　　　　／∨＼
　　　　　　　　　　 r､　／　　　　ヽ,
　　　　　　　　 i　 Y　　　　　　　　jヽｲ
　　　　　　　　　　 i　　 ,ｲ!　　　　　 ,ｲ　 i
　　　　　　 i ヽ,　　 ,j｡ '"　j　ｰ─‐一'’ 　 ,'
　　　　　　 i　　ﾍ'"　　　.ｲ　　　　　　　　ﾘ
　　　r,　　 j　　ｿ　　 "　　　 ,.ｨ'´￣￣　ヽ､　　＿
　　　} `'ィ’　　i　　　 {　　　　　　　　　　￣　 /
　　　 Ⅵﾊ　　 }　　　ﾍ　　　　j,.イ　　　　　ノ
　　　　}　ﾍ　　　､､　ヽ　　ソ　　　　　　　 `く
　　　　Ⅵ　　 ,＞''¨~￣ﾞﾞ''"~"~~~~´`'ゞ,　　　　`'ーｧ
　　　　 ∨,　 i'　　　　　　　　　　　　　ヽ,　　　　／
　　　　　∨　{　　,.ｨﾍ　',　　j'　 ,.ｨュ.,　　i　　　〉
　　　　 'r､i{　 ´¨ﾍﾍ.,_　､ _,.ィノ｀ｰ`　 ;}ｨ´｀!／　　　何かありましたかな？
　　　　　　iﾍﾊ　 ,.-‐≧〈 ! ヾy´ ＞ｬ,　　ﾘ仁iﾑ
　　　　　 j くﾍ　｀´￣ >｀!　 'ｰ´,　　　 ,ﾊヒ,ﾘム　　　　食が進んでおらん様子ですが
　　　　,.イﾍ　iﾑ　　　　 i　　　　　　　ﾊi'ﾗﾘ　ｨ｀'ｰｬ､
　　　,ｨ　　 ∧i ',　　　　 ,　　 __　　　 ,ij{ｲ　j　　　　　ヽ,_
　　r’ ∨　　　i　',,.ィ~｀'ｰ｀'´'~ 　 ,＞ｧ' i ﾍ,'　　　　　　　　{
　ｲ　　 ∨　　/　',ﾍヘﾆ二二￣　ﾘノリ　>'　　　　　　　 .ｲ
∧ 　　 ∨　'ヘ　ヽ､｀'ー─一'"　／／　　　　　　　／ i
　　　　　 ∨　　 >､　ゞ‐＞ﾆ＜,.ィ／j　　　　　　 ,. ＜　 {
　　　　　　∨　　/ ~''ﾍ,　　　　　 /　）　　　 ,. ＜　　　 .{
,　　　　　 ∨ /　　　∧ヘ,　　,ｲ　　j　 ,. ＜　　　　　　　 Y
　　　　　　　 ∨　　　　∧　ﾞ^ｲ　　　i!,ｲ　　　　　　　 i
347： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:20:46 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　　　／　　　　　　 ,　　　　　　　　　　　　　　　　_＞
　　　　　　　ヽー '´／　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　｀＜.._
　　　　　　　　｀／/　　　　　　/　 :.　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　 _/
　　　　　　　 , ' .:/　　 ;'　　 /　　:::　　.　　　　　　　 .　　　........｀ヽ、
　　　　　　　/...::/　　.:::i　　.:.！　 ::::::　 ::::...　　 :|:.　　　　 :',　　.......::::∠_
　　　　　　 ''"´/_j　.::::::!　.:､:::::ﾄ.　 ::::::. ::|､:::::::..　.!::..　l　　 ::::}. .:. ::::::::::＜_
　　　　　　　 /'´ |.::::/::i/.::;厶::L.',　::::::i ::| ＼::::::::|､:::. |　　:::::i::.:::::::::::::::r'´
　　　　　　　　 /!:/::::::|／! __j:L_ﾍ..::::::|i::|'"´_＼::｢ヽ:::!　 ::::::!:::::::::::::|､::|
　　　　　　　　/.:j/ .:::::':::::八i´う心ぃ:::::ぃ!'´ｧ=;气ト､＼　:::::i‐､::::::::::l ヽ　　　考えていたんだ
　　　　　 /::/ .::::::::::::/! ヽ. ﾏヒﾘ　＼:',　　　ｒ'仍ﾘ'|　　:::::|^'|::::::}:::!
　　　　　 ,:〃.::::::::::::/　|　　｀¨¨　　　ヽ　ｰ`ー'-１ ::..::::::l ﾘ:::::ﾊﾉ　　　　　皆、私を将軍といって慕ってくれる
　　　　　 /″::::::;ｲ/　　 !　　　　　　　　　　　！{:::::::::〈::;ﾍ{
　　　　　　　i　:／　′　　、　　　丶　　　　　　　　 ,い､:::::::〈
　　　　　　 | /　　　　　　　＼　　－--　　　　　　.ｲv∨ 丶 :ヽ
　　　　　 |,′　　　　　　＼　　　　　　,.　 '´ノ:::〈　　　　｀
　　　　　　 !　　　　　　　　　　　,..｀ー;r‐　´_,.. :'´:::::::::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　 ,. : :´: : :／ﾑ '"´:::::::::::::::::/::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　／: : : : : :/:／-ﾍ: : : :::::::::::;::':::::: : :＼
　　　　　　　　　 / : : : : : : /ｲ　　　.i : _: : :／ : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　　　 /: |: : : : : : : :L._ .:::/:| `'／: : : : : : : : : : : : ヘ

　　　　　 ::＼　　　　ｉ}　 }　　Ｙ{
　　γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
. ＼｜　皆がそう思ってくれるなら、私は　 |
　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
　　　「　　　　　　＼　　{i 　 V
ー-　} 　:ﾉ　　　　ヽ　ﾘ_,ｨ7}
ｰ- 　7　　-=ﾐzzzz彡'　{f苡〈
r-.､〈　　　ィ忖}　　 ∨
{てﾊ ‘，　　　　　／　　∨　}　　　　……ふむ
ゝ` ﾑ ‘，　　／　　 ,= -く　八
{从ｰく} ‘，、　　／　　　､}i　＼
　从ﾉ　 ‘，ヽ　「ムイ " `｀八　　`ﾄ
㍉　ムイ　＼　　　　ィへノトゝ　ﾘ㍉
　} ㍉　ﾑヘ　　ｰ-彳　　　i}　／　　　㍉ー- ､
: :} ､ｉ:ｉ㍉ ‘，＼γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
: :‘，丶ｉ:ｉ㍉}i. 　｜　……私はよき将軍になりたい　　 |
: : :‘，　＼:i:i:＞乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
　: : ‘，　＼i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:〉=く人:iノ　　　　　　　　㌻ |
　 : : :‘，　　 YﾆﾆﾆﾆY　　}　　　　　　　　　㌻ |　 |
　　 : : ‘，　　｀¨¨¨7´ 　 {/　　　　　　　㌻　　 | :八
　　 : : :‘，　　　　∨　　 ∧ 　　　㌻　　　 |/ 　}
348： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:21:49 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　　　　　　　　／∨＼
　　　　　　　　　　 r､　／　　　　ヽ,
　　　　　　　　 i　 Y　　　　　　　　jヽｲ
　　　　　　　　　　 i　　 ,ｲ!　　　　　 ,ｲ　 i
　　　　　　 i ヽ,　　 ,j｡ '"　j　ｰ─‐一'’ 　 ,'
　　　　　　 i　　ﾍ'"　　　.ｲ　　　　　　　　ﾘ
　　　r,　　 j　　ｿ　　 "　　　 ,.ｨ'´￣￣　ヽ､　　＿
　　　} `'ィ’　　i　　　 {　　　　　　　　　　￣　 /
　　　 Ⅵﾊ　　 }　　　ﾍ　　　　j,.イ　　　　　ノ
　　　　}　ﾍ　　　､､　ヽ　　ソ　　　　　　　 `く
　　　　Ⅵ　　 ,＞''¨~￣ﾞﾞ''"~"~~~~´`'ゞ,　　　　`'ーｧ
　　　　 ∨,　 i'　　　　　　　　　　　　　ヽ,　　　　／　　　ならばまずは我らを頼ることですな
　　　　　∨　{　　,.ｨﾍ　',　　j'　 ,.ｨュ.,　　i　　　〉
　　　　 'r､i{　 ´¨ﾍﾍ.,_　､ _,.ィノ｀ｰ`　 ;}ｨ´｀! γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　iﾍﾊ　 ,.-‐≧〈 ! ヾy´ ＞ｬ,　　ﾘ仁iﾑ｜　　　　　　　頼るのか？　　　　　 |
　　　　　 j くﾍ　｀´￣ >｀!　 'ｰ´,　　　 ,ﾊヒ,ﾘム乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
　　　　,.イﾍ　iﾑ　　　　 i　　　　　　　ﾊi'ﾗﾘ　ｨ｀'ｰｬ､　　　　　　　　　　　　　　　左様
　　　,ｨ　　 ∧i ',　　　　 ,　　 __　　　 ,ij{ｲ　j　　　　　ヽ,_　
　　r’ ∨　　　i　',,.ィ~｀'ｰ｀'´'~ 　 ,＞ｧ' i ﾍ,'　　　　　　　　{
　ｲ　　 ∨　　/　',ﾍヘﾆ二二￣　ﾘノリ　>'　　　　　　　 .ｲ
∧ 　　 ∨　'ヘ　ヽ､｀'ー─一'"　／／　　　　　　　／ i
　　　　　 ∨　　 >､　ゞ‐＞ﾆ＜,.ィ／j　　　　　　 ,. ＜　 {
　　　　　　∨　　/ ~''ﾍ,　　　　　 /　）　　　 ,. ＜　　　 .{
,　　　　　 ∨ /　　　∧ヘ,　　,ｲ　　j　 ,. ＜　　　　　　　 Y

　　　　　　　　　　　　　　　　／∨＼
　　　　　　　　　　 r､　／　　　　ヽ,
　　　　　　　　 i　 Y　　　　　　　　jヽｲ
　　　　　　　　　　 i　　 ,ｲ!　　　　　 ,ｲ　 i
　　　　　　 i ヽ,　　 ,j｡ '"　j　ｰ─‐一'’ 　 ,'
　　　　　　 i　　ﾍ'"　　　.ｲ　　　　　　　　ﾘ
　　　r,　　 j　　ｿ　　 "　　　 ,.ｨ'´￣￣　ヽ､　　＿
　　　} `'ィ’　　i　　　 {　　　　　　　　　　￣　 /
　　　 Ⅵﾊ　　 }　　　ﾍ　　　　j,.イ　　　　　ノ
　　　　}　ﾍ　　　､､　ヽ　　ソ　　　　　　　 `く
　　　　Ⅵ　　 ,＞''¨~￣ﾞﾞ''"~"~~~~´`'ゞ,　　　　`'ーｧ　　かの右大将頼朝公とて体は一つ
　　　　 ∨,　 i'　　　　　　　　　　　　　ヽ,　　　　／
　　　　　∨　{　　,.ｨﾍ　',　　j'　 ,.ｨュ.,　　i　　　〉　　　畿内西国の戦は弟の判官義経公を始め
　　　　 'r､i{　 ´¨ﾍﾍ.,_　､ _,.ィノ｀ｰ`　 ;}ｨ´｀!／
　　　　　　iﾍﾊ　 ,.-‐≧〈 ! ヾy´ ＞ｬ,　　ﾘ仁iﾑ　　　　　弟君達に任せました
　　　　　 j くﾍ　｀´￣ >｀!　 'ｰ´,　　　 ,ﾊヒ,ﾘム
　　　　,.イﾍ　iﾑ　　　　 i　　　　　　　ﾊi'ﾗﾘ　ｨ｀'ｰｬ､
　　　,ｨ　　 ∧i ',　　　　 ,　　 __　　　 ,ij{ｲ　j　　　　　ヽ,_
　　r’ ∨　　　i　',,.ィ~｀'ｰ｀'´'~ 　 ,＞ｧ' i ﾍ,'　　　　　　　　{
　ｲ　　 ∨　　/　',ﾍヘﾆ二二￣　ﾘノリ　>'　　　　　　　 .ｲ
∧ 　　 ∨　'ヘ　ヽ､｀'ー─一'"　／／　　　　　　　／ i
　　　　　 ∨　　 >､　ゞ‐＞ﾆ＜,.ィ／j　　　　　　 ,. ＜　 {
　　　　　　∨　　/ ~''ﾍ,　　　　　 /　）　　　 ,. ＜　　　 .{
,　　　　　 ∨ /　　　∧ヘ,　　,ｲ　　j　 ,. ＜　　　　　　　 Y
349： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:22:25 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　 /　　　　　　 /　　／　　　　　　 '.
　　　　　　　　「 У　　　　　　　　/　／　　　　　　　　　　 ∨}
　　　　　　　　　} { 　　　　 `ﾄ､/ イ斗≦ イ＜彡　　　 }
　　　　　　　　 /　〉 .r`⌒ヽト､{　　　　　　　　 ∨　　　 /　}
　　　　　　　 {　′ | /　　　　　　　　 /　　　 i　 V 　 /
　　　　　　　　　､　　| }　　　 { 　　　/　　　　 {: 　 } :./　, 　ム
　　　　　　　､￢ﾐ　L　＿　　:.　　 /　　　＿　　 }　: /　/ /´
　　　　　　　＼　ィ⌒ヾﾐﾒ､ {　　{ rzz彡 ⌒ヾ　 }　/ﾍ　 .′　　己に足りぬと思うものを持つ者を頼るのです
　　　　　　　　　　Yﾊ } /ノ´苡≧､ｰヘィ廴苡>､　　} //} } /
　　　　　　　　　　 }　}i　｀¨¨　／ }　　＼　　　　ｲ〃り }′　　　われら北条一門は将軍様の家人
.　　　　　　　　 V八　　／　　}　　　 ` ､　　/ } }/　/
　　　　　　　　＼ﾄ､　　　　､　 ,　　　　　 /　| |　ム　　　　　幕府が為に己を捨て働きましょう
　　　　　　　　　　 Vﾊ　　イ""　　　｀丶、ヽ　 | しﾍ厂_
　　　　　　　　　　　　 ∧ }〈{　ィイ_ヘ_トﾄﾐ }　} 　ﾉ　}､}､　｀ヽ
　　　　　　　　　／∨ ﾑゝゞ'　｀¨ﾆﾆﾆ¨´　　／　　〈ﾉ }　　 ⌒ヽ
　　　　　　　　　_{　　∠ィ　＼　 , へ　　／　　､}／　/　　　　 }_
　　 -‐y⌒Y´　 }　〈　ﾑﾍ　 ` "　　 ` ` `　,　-=彡　/i:}　　　　　　｀ヽ
　　{　　　 /　　 {　　ゝ =ﾐ　} ィ　　 i　　　〃　　　 /i:i/　　　　　　 }＼
　 /　　　 { 　　 V´:i:i:i:i:i:iヽ人､从{从ｲイ {　　　 /i:i/　　　　　　　　ゝ､:＼

　　　　　　　　　　　／　　　　　　 ,　　　　　　　　　　　　　　　　_＞
　　　　　　　ヽー '´／　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　｀＜.._
　　　　　　　　｀／/　　　　　　/　 :.　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　 _/
　　　　　　　 , ' .:/　　 ;'　　 /　　:::　　.　　　　　　　 .　　　........｀ヽ、
　　　　　　　/...::/　　.:::i　　.:.！　 ::::::　 ::::...　　 :|:.　　　　 :',　　.......::::∠_
　　　　　　 ''"´/_j　.::::::!　.:､:::::ﾄ.　 ::::::. ::|､:::::::..　.!::..　l　　 ::::}. .:. ::::::::::＜_
　　　　　　　 /'´ |.::::/::i/.::;厶::L.',　::::::i ::| ＼::::::::|､:::. |　　:::::i::.:::::::::::::::r'´
　　　　　　　　 /!:/::::::|／! __j:L_ﾍ..::::::|i::|'"´_＼::｢ヽ:::!　 ::::::!:::::::::::::|､::|
　　　　　　　　/.:j/ .:::::':::::八i´う心ぃ:::::ぃ!'´ｧ=;气ト､＼　:::::i‐､::::::::::l ヽ　　……そうだな、私も困ったら時宗や宗政を頼ろう
　　　　　 /::/ .::::::::::::/! ヽ. ﾏヒﾘ　＼:',　　　ｒ'仍ﾘ'|　　:::::|^'|::::::}:::!
　　　　　 ,:〃.::::::::::::/　|　　｀¨¨　　　ヽ　ｰ`ー'-１ ::..::::::l ﾘ:::::ﾊﾉ
　　　　　 /″::::::;ｲ/　　 !　　　　　　　　　　　！{:::::::::〈::;ﾍ{
　　　　　　　i　:／　′　　、　　　丶　　　　　　　　 ,い､:::::::〈
　　　　　　 | /　　　　　　　＼　　－--　　　　　　.ｲv∨ 丶 :ヽ
　　　　　 |,′　　　　　　＼　　　　　　,.　 '´ノ:::〈　　　　｀
　　　　　　 !　　　　　　　　　　　,..｀ー;r‐　´_,.. :'´:::::::::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　 ,. : :´: : :／ﾑ '"´:::::::::::::::::/::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　／: : : : : :/:／-ﾍ: : : :::::::::::;::':::::: : :＼
　　　　　　　　　 / : : : : : : /ｲ　　　.i : _: : :／ : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　　　 /: |: : : : : : : :L._ .:::/:| `'／: : : : : : : : : : : : ヘ
350： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:23:26 ID:RGM0sGRc0: 投下ミス失礼
>>349の前にこれが来ます

　　　　　　　　　　　／　　　　　　 ,　　　　　　　　　　　　　　　　_＞
　γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ　　　　　　　　　　　　｀＜.._
　｜　　　　　　　弓がうまい者　　　　 |　　　　　　　ヽ　　　　　 _/
　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ　　　　　　 .　　　........｀ヽ、
　　　　　　　/...::/　　.:::i　　.:.！　 ::::::　 ::::...　　 :|:.　　　　 :',　　.......::::∠_
　　　　　　 ''"´/_j　.::::::!　.:､:::::ﾄ.　 ::::::.γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　 /'´ |.::::/::i/.::;厶::L.',　::::::i｜　　　　　　　馬術に秀でる者　　　 |
　　　　　　　　 /!:/::::::|／! __j:L_ﾍ..::::::|i乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
　　　　　　　　/.:j/ .:::::':::::八i´う心ぃ:::::ぃ!'´ｧ=;气ト､＼　:::::i‐､::::::::::l ヽ
　　　　　 /::/ .::::::::::::/! ヽ. ﾏヒﾘ　＼:',　　　ｒ'仍ﾘ'|　　:::::|^'|::::::}:::!
　γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽｰ`ー'-１ ::..::::::l ﾘ:::::ﾊﾉ
　｜　　　　　　　政の得意な者　　　　 |　　　！{:::::::::〈::;ﾍ{
　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ　　　　　 ,い､:::::::〈
　　　　　　 | /　　　　　　　＼　　－--　　　　　　.ｲv∨ 丶 :ヽ
　　　　　 |,′　　　　　　＼　　　　　　,.　 '´ノ:::〈　　　　｀
　　　　　　 !　　　　　　　　　　　,..｀ー;r‐　´_,.. :'´:::::::::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　 ,. : :´: : :／ﾑ '"´:::::::::::::::::/::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　／: : : : : :/:／-ﾍ: : : :::::::::::;::':::::: : :＼
　　　　　　　　　 / : : : : : : /ｲ　　　.i : _: : :／ : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　　　 /: |: : : : : : : :L._ .:::/:| `'／: : : : : : : : : : : : ヘ
351： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:24:05 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　　　　　　　　／∨＼
　　　　　　　　　　 r､　／　　　　ヽ,
　　　　　　　　 i　 Y　　　　　　　　jヽｲ
　　　　　　　　　　 i　　 ,ｲ!　　　　　 ,ｲ　 i
　　　　　　 i ヽ,　　 ,j｡ '"　j　ｰ─‐一'’ 　 ,'
　　　　　　 i　　ﾍ'"　　　.ｲ　　　　　　　　ﾘ
　　　r,　　 j　　ｿ　　 "　　　 ,.ｨ'´￣￣　ヽ､　　＿
　　　} `'ィ’　　i　　　 {　　　　　　　　　　￣　 /
　　　 Ⅵﾊ　　 }　　　ﾍ　　　　j,.イ　　　　　ノ
　　　　}　ﾍ　　　､､　ヽ　　ソ　　　　　　　 `く
　　　　Ⅵ　　 ,＞''¨~￣ﾞﾞ''"~"~~~~´`'ゞ,　　　　`'ーｧ
　　　　 ∨,　 i'　　　　　　　　　　　　　ヽ,　　　　／
　　　　　∨　{　　,.ｨﾍ　',　　j'　 ,.ｨュ.,　　i　　　〉　　　　それがよいでしょう
　　　　 'r､i{　 ´¨ﾍﾍ.,_　､ _,.ィノ｀ｰ`　 ;}ｨ´｀!／
　　　　　　iﾍﾊ　 ,.-‐≧〈 ! ヾy´ ＞ｬ,　　ﾘ仁iﾑ　　　　　　皆、存外頼られるのを楽しみにしているものです
　　　　　 j くﾍ　｀´￣ >｀!　 'ｰ´,　　　 ,ﾊヒ,ﾘム
　　　　,.イﾍ　iﾑ　　　　 i　　　　　　　ﾊi'ﾗﾘ　ｨ｀'ｰｬ､
　　　,ｨ　　 ∧i ',　　　　 ,　　 __　　　 ,ij{ｲ　j　　　　　ヽ,_
　　r’ ∨　　　i　',,.ィ~｀'ｰ｀'´'~ 　 ,＞ｧ' i ﾍ,'　　　　　　　　{
　ｲ　　 ∨　　/　',ﾍヘﾆ二二￣　ﾘノリ　>'　　　　　　　 .ｲ
∧ 　　 ∨　'ヘ　ヽ､｀'ー─一'"　／／　　　　　　　／ i
　　　　　 ∨　　 >､　ゞ‐＞ﾆ＜,.ィ／j　　　　　　 ,. ＜　 {
　　　　　　∨　　/ ~''ﾍ,　　　　　 /　）　　　 ,. ＜　　　 .{
,　　　　　 ∨ /　　　∧ヘ,　　,ｲ　　j　 ,. ＜　　　　　　　 Y
　　　　　　　 ∨　　　　∧　ﾞ^ｲ　　　i!,ｲ　　　　　　　 i

――政村の言葉は嘘ではない

　　　　　　　　　　　／　　　　　　 ,　　　　　　　　　　　　　　　　_＞
　　　　　　　ヽー '´／　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　｀＜.._
　　　　　　　　｀／/　　　　　　/　 :.　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　 _/
　　　　　　　 , ' .:/　　 ;'　　 /　　:::　　.　　　　　　　 .　　　........｀ヽ、
　　　　　　　/...::/　　.:::i　　.:.！　 ::::::　 ::::...　　 :|:.　　　　 :',　　.......::::∠_
　　　　　　 ''"´/_j　.::::::!　.:､:::::ﾄ.　 ::::::. ::|､:::::::..　.!::..　l　　 ::::}. .:. ::::::::::＜_
　　　　　　　 /'´ |.::::/::i/.::;厶::L.',　::::::i ::| ＼::::::::|､:::. |　　:::::i::.:::::::::::::::r'´
　　　　　　　　 /!:/::::::|／! __j:L_ﾍ..::::::|i::|'"´_＼::｢ヽ:::!　 ::::::!:::::::::::::|､::|
　　　　　　　　/.:j/ .:::::':::::八i´う心ぃ:::::ぃ!'´ｧ=;气ト､＼　:::::i‐､::::::::::l ヽ
　　　　　 /::/ .::::::::::::/! ヽ. ﾏヒﾘ　＼:',　　　ｒ'仍ﾘ'|　　:::::|^'|::::::}:::!
　　　　　 ,:〃.::::::::::::/　|　　｀¨¨　　　ヽ　ｰ`ー'-１ ::..::::::l ﾘ:::::ﾊﾉ
　　　　　 /″::::::;ｲ/　　 !　　　　　　　　　　　！{:::::::::〈::;ﾍ{
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　　　　　　 | /　　　　　　　＼　　－--　　　　　　.ｲv∨ 丶 :ヽ
　　　　　 |,′　　　　　　＼　　　　　　,.　 '´ノ:::〈　　　　｀
　　　　　　 !　　　　　　　　　　　,..｀ー;r‐　´_,.. :'´:::::::::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　 ,. : :´: : :／ﾑ '"´:::::::::::::::::/::::ヽ
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将軍、源惟康が幕府に忠実である間、北条一門と御家人は輔弼し続けた
352： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:24:35 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, - '´　　　　　　　　　　ーノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, ／´　　　　　　　　　　　　　　　`ヽ-‐‐ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿,-一'´　,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜、
　　　　　　　　　　　　　　　、＿,,,,ニ一''′　／　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　` ー,ラ　　　/´　　　／　　　　　　　　 il　　　　　　　＼__＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　,　　 /　　　　 /　　　　　　　　　　ｌｌ　　　　　　　　　＼` ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　／　..／　　/　　　　./　　　　　　　　　　鄱　　　　　　　　　　丶
　　　　　　　　　　　　,,, -''´.;;;;;;/　　 /,　　　　.:/　　　　　　　　　　 /l　　　　　│　　　　　｀ヽ、
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だが、惟康が成人し自ら政治を行いたいと考えたならばどうだろうか

……きっと許しはしないだろう
353： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:25:15 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　　　　 {　/　 ::{　 {　 {　{ /　／／　　　　-=ﾆ　　　　ﾉ　　　 }
　　　　　　　　　　　　　　 ∨　　 ::＼､､､ムイイ -‐　¨¨Z≦､　　ー==彡　　／}
　　　　　　　　　　　　　　　{　　 ::／　　　　　　　　　　　　　 ::＼　　　　／　/
　　　　　　　　　　　　　　　　、　/　　　　　　　　　　　　＿　　　 ::ヽ　　ｰ=彡　 }
　　　　　　　　　　　　　　〈＼{　　　　　　　　　,ｨ=≠ ¨¨¨` 　　 ::」　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　∨ ヽ ≠＝=ミ　　 / 　r_巧≧　　　　＼ `ｰ===彡ヘ
　　　　　　　　　　　　　　　〉､ }　ィ_巧≧x}　 .:　　　　　　　　　　　 }　　　　　厂
　　　　　　　　　　　　　　　　＼ﾉ　　ノ / 　:　{　　　　　　　　　 /　/　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　〈　　　　 /　　: 　ヽ　　　　　　　　. :}　 }⌒ヽく
　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧　　　 {　,　 r ､　}::.　　　　　　. : :}　 }て　}　)、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧　　／` ーー＜:::: . 　　　. : : : }　 }　}' {　　〉
　　　　　　　　　　　　　　　 ∧　 ′ /　ｉ　i　　　｀ヽ:: .　　: : : }　 }_ノﾉ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ { { /从从从从 } } }::: }　　 : :/　八彡く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 } }　　　こ二二ヽ　　 /　　 :ノ　　ゝ〔
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾑ人＿__ ｨ　　｀ーーー､ xく　､　　／　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　イ　/ / / {i }　、ヽ＼＼ヽ　＼＼」　彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　r ＼ { /　{　{ ハ } 　}　 }i　 }　} 　／ Υ
　　　　　　　　　　　　　　　＿厂　　ヽ{ 　 } ｉ{′/　 / 　ﾘ　/　ﾘイ　　 }
　　　　　　　　　　　 r┘　　　　　　)人} 八　{　/ 　 /／. :´　　　 /＼
　　　　　　　　 -=ﾆ　{　　　　　　　　　　　　＼/　x≦- ､　　　　　/　 :/〉、
　　　　　 -=ﾆ　　　　　　{　　　　　　　　　　 }／　　　＼　　 .′ :// /`ー- ､
　　　´　　　　　　　ゝ、　　　　　　　　　 ∨ ,　=＝ミ＼　 {　 // ≧=ﾐ　　＼
／　　　　　　　　　　　（　　　　　　　　　　　　　 ∨　, ==ﾐ｀ヽ　{_:// / 　 -‐ヽ　　ﾆ=-
　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　{　{　r‐.､ }　}≧==={　/　f⌒})　　　　　　ﾆ=-

政村が求める幕府に対する忠実さとはつまるところは飾り物であるという１点に限る
354： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:25:51 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　　　／　　　　　　 ,　　　　　　　　　　　　　　　　_＞
　　　　　　　ヽー '´／　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　｀＜.._
　　　　　　　　｀／/　　　　　　/　 :.　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　 _/
　　　　　　　 , ' .:/　　 ;'　　 /　　:::　　.　　　　　　　 .　　　........｀ヽ、
　　　　　　　/...::/　　.:::i　　.:.！　 ::::::　 ::::...　　 :|:.　　　　 :',　　.......::::∠_
　　　　　　 ''"´/_j　.::::::!　.:､:::::ﾄ.　 ::::::. ::|､:::::::..　.!::..　l　　 ::::}. .:. ::::::::::＜_
　　　　　　　 /'´ |.::::/::i/.::;厶::L.',　::::::i ::| ＼::::::::|､:::. |　　:::::i::.:::::::::::::::r'´
　　　　　　　　 /!:/::::::|／! __j:L_ﾍ..::::::|i::|'"´_＼::｢ヽ:::!　 ::::::!:::::::::::::|､::|
　　　　　　　　/.:j/ .:::::':::::八i´う心ぃ:::::ぃ!'´ｧ=;气ト､＼　:::::i‐､::::::::::l ヽ
　　　　　 /::/ .::::::::::::/! ヽ. ﾏヒﾘ　＼:',　　　ｒ'仍ﾘ'|　　:::::|^'|::::::}:::!
　　　　　 ,:〃.::::::::::::/　|　　｀¨¨　　　ヽ　ｰ`ー'-１ ::..::::::l ﾘ:::::ﾊﾉ
　　　　　 /″::::::;ｲ/　　 !　　　　　　　　　　　！{:::::::::〈::;ﾍ{
　　　　　　　i　:／　′　　、　　　丶　　　　　　　　 ,い､:::::::〈
　　　　　　 | /　　　　　　　＼　　－--　　　　　　.ｲv∨ 丶 :ヽ
　　　　　 |,′　　　　　　＼　　　　　　,.　 '´ノ:::〈　　　　｀
　　　　　　 !　　　　　　　　　　　,..｀ー;r‐　´_,.. :'´:::::::::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　 ,. : :´: : :／ﾑ '"´:::::::::::::::::/::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　／: : : : : :/:／-ﾍ: : : :::::::::::;::':::::: : :＼
　　　　　　　　　 / : : : : : : /ｲ　　　.i : _: : :／ : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　　　 /: |: : : : : : : :L._ .:::/:| `'／: : : : : : : : : : : : ヘ

将軍とは飾り物であり担がれる神輿でなければならない

.　　　　　　　　　 /　　　　 ,'　　　　　　　　　　/ 　く
　　　　　　　　　　/　　　　 {　　　　　　　 /　 7ノ
　　　　　　　　　　　　,,.=ミﾍ　　 ,彡ﾍ,,.=-.　　　　 {
　　　　　　　 i　　ﾐ　　　｀¨^　　　　　ミ -=　 }
.　　　　　　　　 ',　ミ　　、　　　　　　　ミ　-= ノフ
.　　　　　　　　 '　ミ,-‐‐- 、__彡-‐‐-､{.ミ　　　く
　　　　　　　　　　　Ｖ r⌒ヽ　　　ｒ⌒ヽ　￣二7、　〉
　　　　　　　　　　 i.入__ノ　厂i 入__.ノ厂六/ :|⌒
　　　　　　　　　　　 ', ｰ--‐7　｀ー--‐'　,./｜) }
　　　　　　　　　 Λ　　ｖ:フ　　　　ｨ }　!_ノ
　　　　　　　　　　　　} .；　/¨　~¨¨ヽ　ノ /　{　〉-､
　　　　　　　　　　　人＼レ'"＾｀ヽﾉ　　 /　｜　　ヽ
　　　　　　　　　　／　〉｀一¨^¨ー.,_／　　ﾚ'"
. 　　　　 .． "¨　　Λ　　　　　　　　　　,．'
　　　　／　　　／人　　　　　　　　／ｒ
　　,． ¨7　　　〈　　　｀ヽ,.__,.__,.ノ-'"_ノ
　　ｉ　　 {i　　　　ヽ.,ノ-､ ∨//////¨/
　　|　　＼　　　　　く　∨////¨/　　　　　　_ノ~
　　|　　　｀ ‐--ミ、　　ト　V//¨ /　　　ノ¨￣
　 r{　　　　　　　　　{__　　{　　}/　/　　,．"
　 {　、　　　　　　　　＼ }　 /　/,． "　　　　　／
　/　＼　　　　　　　　 `{ ./　/　　　　　　　／
　{　　　　　　　　　　　　 }/　 {

政村にとってはその１点は絶対に譲ることのできないものであった
355： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:27:00 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　 {　　　　 ` ｰ-　　　　　　　　　＼　　　　 } ヽ
　　　　　　　　　　　}＼､　　　　　　　　　ﾐZ⌒ヽト　　　　 :}　　/　　}
　　　　　　　　 ′ 丶　` ｰ-　　　　／　　　　　｀ヽト､　　:} 　/　　/
　　　　　　　　　 {　　　＼　　　　　ｲ　／　　　　　　　＼ムイ　〃ｧ
　　　　　　　　､　　　, =ﾐ　　 r彡　　 r==ミ､　　　　　 j ／／
　　　　　　　　､ｰ＼　/ ヘ} 　 {　　　　　　-‐＼､_　}　/　　 { 彡
　　　　　　　　 } 　　 {　{　|　　|　　　　仗__〕｀¨　ム-=＝!　　　　（幸い、宗政は惟康王と仲良く――
　　　　　　　　　 . 　八　く|　　| :} 　　　　　　　仗¨〕／
　　　　　　　　　　 >、　ﾊ `.! 　 | :}　　　-‐　¨　　　　ﾄ、　}
　　　　　　　　／ｲ　r'人 j　 /　} 　　　　　　　 }:　ﾉ
　　　　　　　　　 ∧{ﾊ、ﾉ　z彡　{､　　　r , -‐￢‐=ﾆノ／
　　　　　　　 rｰ{　　＼　く、　　　＼　　/ ｨ ,__,_, 　　｀V
　　　　　 rｰ┘　㍉　　＼ム、　　＼　　　　＿｀ `Wj
　　　 rｰ┘　　　　㍉　　ﾆ=-＼　　ｰz ィ , ﾍ　 /　≧=-　､
　 _rｰ┘　　　　　　　　㍉　　　　ﾆ=- ､　　　　　　゛{ 　　　　 }
　{　　　　　　　　　　　　　㍉　　　／⌒ヽ　　　从, =ﾐ　　 /

ｨ彡三ﾐヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/｀　ｨ彡三ﾐヽ
彡'⌒ヾﾐヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー彡'⌒ヾﾐヽ
　　　　　ヾ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/
　　＿　　　｀ー―'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ー―'
彡三ミﾐヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　彡三ミﾐヽ
彡'　　　ヾ､　　　＿ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿　　　ヾ´　　　　´ミ
　　　　　　｀ー '　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ー ´
　,ｨ彡三ﾆﾐヽ　　＿_ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｨ彡三ﾆﾐヽ
彡' 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミ'
　　　　　　＿　　＿＿ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　,ｨ彡'　　　　　　　　.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｨミ'
ﾐ三彡'　　　　　　　／⌒　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾐ三ミ'
　　　　　　ｨﾆﾆ=- '　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨﾆﾆ=- '
　　　 ,ｨ彡'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ミｨ,
356： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:27:32 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　:|　 {　　　　　ヽ　　　　 /　　　　　　　|　　　　/ /　　/
丶　　　　ﾘ　 ;　　　　　　ﾐ, 　　　 /　　　　　　　八　　　/ / 　 /
　＼　　　ﾚ! ﾉ　　　　　　 `, 　　 /　　　　　　　〈　ゝ-彡 '　　/
ヽ　　￣　厶　　　　　　　　 l　　　;　　　　　　　　ヽミ　　　 ,厶,,_
　＼_　　／‐=ニニﾆヽ　　 {　　ﾉ,　　／　二ﾆ=、　}　　_,／　 , ´
ﾐ, 　　 }　{　　／,≫＝ミゝ_,｝〉　 {《___ノｧ=≪ ＼　　　| 　　　丿
　＼ｒ‐┤ |　　／　め　　｀`〈　　　　ﾉ　め＼､　　｜|>―､彡　
　　ﾉ　Ｊ　|　　　ミー==彡ゝ　i　　　へ　ﾐ=　___,,.　　　 |｜/＾ i
　　}　ノｌ　!　へ,,__　　　／　　}　　　　＼　　　ノ＾'　 } ｊくl　 ;
　　{　{ l|　!　　　　 _,／　　　　　　　　　　`ｰ　　　　　 ; ｌ| ﾉ　八
　八　ﾘ ‘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ﾘ　 /
　　　＼‘　ゝ　　ﾉ　＿＿_ュ__ｒュ＿＿_　丶　　,ｲ　{　,〈
　　　＿ゞ,　い,　 l　／　　　　　　　　　　＼　}　 /ﾉ ,厶ハ,
　／　　ハ　! ｌ　 V　,　 ,___ｔ___人__ｘ,__､　､　Ｖ　//　{　 V└―ｘ、
__」　　 /　 '，l `　 '⌒了___ｧ………=ｔ__T＾ﾞ⌒`　 ′ l　　}／ ⌒　＼___
　　ミ〈　　い、　　弋く　　　　　　 >ｿ　　　　 ;　 l 　 ‘　　　　　　　｀ ,
　　　　》　　ﾉ　＼　　　ヽ辷ｰ─一少　　　　ﾉ　〈　　乂　　　　　　　 |
　　　〃　く,　　　＼　　　　,,.二二.,,　　　　　／　　ゝ　　ﾏ　　　　　　└ｭ_
　　　ヘ　　＾气　　　￣乙ィ／＼､__,z―=彡　　厂　　　ﾉ　　　　　　＼
　　　　〕ﾄ　　厶　　　　　 ´　ﾉ　｀ゞ　　　　　 ,厶　　　／　　　　　　　　ヽ

　　　　　　　　　　　／　　　　　　 ,　　　　　　　　　　　　　　　　_＞
　　　　　　　ヽー '´／　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　｀＜.._
　　　　　　　　｀／/　　　　　　/　 :.　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　 _/
　　　　　　　 , ' .:/　　 ;'　　 /　　:::　　.　　　　　　　 .　　　........｀ヽ、
　　　　　　　/...::/　　.:::i　　.:.！　 ::::::　 ::::...　　 :|:.　　　　 :',　　.......::::∠_
　　　　　　 ''"´/_j　.::::::!　.:､:::::ﾄ.　 ::::::. ::|､:::::::..　.!::..　l　　 ::::}. .:. ::::::::::＜_
　　　　　　　 /'´ |.::::/::i/.::;厶::L.',　::::::i ::| ＼::::::::|､:::. |　　:::::i::.:::::::::::::::r'´
　　　　　　　　 /!:/::::::|／! __j:L_ﾍ..::::::|i::|'"´_＼::｢ヽ:::!　 ::::::!:::::::::::::|､::|
　　　　　　　　/.:j/ .:::::':::::八i´う心ぃ:::::ぃ!'´ｧ=;气ト､＼　:::::i‐､::::::::::l ヽ
　　　　　 /::/ .::::::::::::/! ヽ. ﾏヒﾘ　＼:',　　　ｒ'仍ﾘ'|　　:::::|^'|::::::}:::!
　　　　　 ,:〃.::::::::::::/　|　　｀¨¨　　　ヽ　ｰ`ー'-１ ::..::::::l ﾘ:::::ﾊﾉ　　　政村？
　　　　　 /″::::::;ｲ/　　 !　　　　　　　　　　　！{:::::::::〈::;ﾍ{
　　　　　　　i　:／　′　　、　　　丶　　　　　　　　 ,い､:::::::〈　　　　　　どうかしたのか？顔色が悪いぞ
　　　　　　 | /　　　　　　　＼　　－--　　　　　　.ｲv∨ 丶 :ヽ
　　　　　 |,′　　　　　　＼　　　　　　,.　 '´ノ:::〈　　　　｀
　　　　　　 !　　　　　　　　　　　,..｀ー;r‐　´_,.. :'´:::::::::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　 ,. : :´: : :／ﾑ '"´:::::::::::::::::/::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　／: : : : : :/:／-ﾍ: : : :::::::::::;::':::::: : :＼
　　　　　　　　　 / : : : : : : /ｲ　　　.i : _: : :／ : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　　　 /: |: : : : : : : :L._ .:::/:| `'／: : : : : : : : : : : : ヘ
357： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:28:28 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　　　　　　　　／∨＼
　　　　　　　　　　 r､　／　　　　ヽ,
　　　　　　　　 i　 Y　　　　　　　　jヽｲ
　　　　　　　　　　 i　　 ,ｲ!　　　　　 ,ｲ　 i
　　　　　　 i ヽ,　　 ,j｡ '"　j　ｰ─‐一'’ 　 ,'
　　　　　　 i　　ﾍ'"　　　.ｲ　　　　　　　　ﾘ
　　　r,　　 j　　ｿ　　 "　　　 ,.ｨ'´￣￣　ヽ､　　＿
　　　} `'ィ’　　i　　　 {　　　　　　　　　　￣　 /
　　　 Ⅵﾊ　　 }　　　ﾍ　　　　j,.イ　　　　　ノ
　　　　}　ﾍ　　　､､　ヽ　　ソ　　　　　　　 `く
　　　　Ⅵ　　 ,＞''¨~￣ﾞﾞ''"~"~~~~´`'ゞ,　　　　`'ーｧ
　　　　 ∨,　 i'　　　　　　　　　　　　　ヽ,　　　　／
　　　　　∨　{　　,.ｨﾍ　',　　j'　 ,.ｨュ.,　　i　　　〉
　　　　 'r､i{　 ´¨ﾍﾍ.,_　､ _,.ィノ｀ｰ`　 ;}ｨ´｀!／　　　……はは、酒がまわったようですな
　　　　　　iﾍﾊ　 ,.-‐≧〈 ! ヾy´ ＞ｬ,　　ﾘ仁iﾑ
　　　　　 j くﾍ　｀´￣ >｀!　 'ｰ´,　　　 ,ﾊヒ,ﾘム　　　何、大したことではありません。歳はとりたくないものです
　　　　,.イﾍ　iﾑ　　　　 i　　　　　　　ﾊi'ﾗﾘ　ｨ｀'ｰｬ､
　　　,ｨ　　 ∧i ',　　　　 ,　　 __　　　 ,ij{ｲ　j　　　　　ヽ,_
　　r’ ∨　　　i　',,.ィ~｀'ｰ｀'´'~ 　 ,＞ｧ' i ﾍ,'　　　　　　　　{
　ｲ　　 ∨　　/　',ﾍヘﾆ二二￣　ﾘノリ　>'　　　　　　　 .ｲ
∧ 　　 ∨　'ヘ　ヽ､｀'ー─一'"　／／　　　　　　　／ i
　　　　　 ∨　　 >､　ゞ‐＞ﾆ＜,.ィ／j　　　　　　 ,. ＜　 {
　　　　　　∨　　/ ~''ﾍ,　　　　　 /　）　　　 ,. ＜　　　 .{
,　　　　　 ∨ /　　　∧ヘ,　　,ｲ　　j　 ,. ＜　　　　　　　 Y
　　　　　　　 ∨　　　　∧　ﾞ^ｲ　　　i!,ｲ　　　　　　　 i

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_八{ (爪_}///｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 / )__　_刈//rﾍ=ﾐ
　　　　　　　　　　 __　　　/　{√ /　{ 　　 =ミ
　　　　　　　　-－＝ : : : }r‐ 　　 {茫苳　筏禾ミﾐ　　　　　政村殿、体調がすぐれないようですな
　　 . . : : : : : : : : : : : : : __||__ 　 __人　　} ､　　　} )
　. : : : : : : : : : : : : : : : :___|L厂　ヽ刈　- 一　イ　へ　　　後の段取りは私たちで行う故、休まれてはいかがでしょうか
(__: : : : : : : : : : : : : : : : : 「_＿　＿ハ　　￣　　ﾉ/: : : :＼
ゞ======: : ‐- 　　 -‐≦:::::::::||: : : : ::`; i⌒ ｰ　/: : : : : : :丶
.∨:. :.:.:/ : : : : : ::＼ __　-‐=::::||::: /)⌒|..}　厂∨: : : : : : : : : :＼
　ｰ=彡ヘ__: : : : : : : :｀Y´ : : :l|::/ r―′..《　乂_ 斗-‐=≦: : :
　　＼:: :: :: :｀ヽ: : : ::} }: : : : :||i＿| ｀ヽ__」{{　／: : : : : : : : : :／
..　　　　＼: :: :: :: : ::..//: : : : :八___い_/⌒ヽ/: : : : : : : : : :／
.　　　　　　く:::::::: /: : : :／〉___{__{_⌒ヽ/: : : : : : : : : :
　　　　　　　　　｀ヽ/: : ／　 f廴{__i廴」　ｉ: : : : : : : : : : :
.　　　　　　　　　　__Xく　　 f辷{__i辷「　|: : : : : : : : : : :
.　　　　　　／／: :冫, 　 f辷{__{辷」　|: : : : : : : : : : ::
　　　　　　／／: : : : }　　 f辷{__{辷「　|: : : : : : : : : : ::|
.　　　　　／／: : : : : : }　　 f辷{__{辷」　|: : : : : : : : : : :::|
. 　　／／: : : : : : : : }　　 f辷{__{辷「　|: : : : : : : : : : ::::|
　　／／: : : : : : : : : : }　　 f辷{__{辷」　|: : : : : : : : : : :::::|
358： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:29:40 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　 {　　　　 ` ｰ-　　　　　　　　　＼　　　　 } ヽ
　　　　　　　　　　　}＼､　　　　　　　　　ﾐZ⌒ヽト　　　　 :}　　/　　}
　　　　　　　　 ′ 丶　` ｰ-　　　　／　　　　　｀ヽト､　　:} 　/　　/
　　　　　　　　　 {　　　＼　　　　　ｲ　／　　　　　　　＼ムイ　〃ｧ
　　　　　　　　､　　　, =ﾐ　　 r彡　　 r==ミ､　　　　　 j ／／
　　　　　　　　､ｰ＼　/ ヘ} 　 {　　　　　　-‐＼､_　}　/　　 { 彡
　　　　　　　　 } 　　 {　{　|　　|　　　　仗__〕｀¨　ム-=＝!
　　　　　　　　　 . 　八　く|　　| :} 　　　　　　　仗¨〕／
　　　　　　　　　　 >、　ﾊ `.! 　 | :}　　　-‐　¨　　　　ﾄ、　}
　　　　　　　　／ｲ　r'人 j　 /　} 　　　　　　　 }:　ﾉ　　　そうだな。私は一足先に帰らせてもらうか
　　　　　　　　　 ∧{ﾊ、ﾉ　z彡　{､　　　r , -‐￢‐=ﾆノ／
　　　　　　　 rｰ{　　＼　く、　　　＼　　/ ｨ ,__,_, 　　｀V　　　　　　あとは名越殿と時宗に任せるとしよう
　　　　　 rｰ┘　㍉　　＼ム、　　＼　　　　＿｀ `Wj
　　　 rｰ┘　　　　㍉　　ﾆ=-＼　　ｰz ィ , ﾍ　 /　≧=-　､
　 _rｰ┘　　　　　　　　㍉　　　　ﾆ=- ､　　　　　　゛{ 　　　　 }
　{　　　　　　　　　　　　　㍉　　　／⌒ヽ　　　从, =ﾐ　　 /

　　　　　　 r====:.:.:.:.:.:.:. 丶＼＼∧ ; //{___
　　　　　　r=＝ミ: : : : : : : :. ＼＼　〉//　／L
.　　　　　八__:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..ヾ＼ヽ＼::///∠__ __{
　　　　　 {{:.:.:.:.:.:.:.:.: : ／　　　｀ヽ //// __ //_{
　　　　 {{:.:.:.:.:.:.:.:.: /　　　　　　}八小｀ヽ|///
　　　　 {{:.:.:.:.:.:.:.::,'　-‐=::...　　,,　　乂　 |//
　　　　 {{:.:.:.:.:.:.r''　-‐―辷㌻´_　-‐=::...|/
.　　　　 Y⌒ｉ:.::.:ヽ　´´￣￣'' .:::｀;　代刈
　　　　 { じ小.:.: i　　　　 .:..::::::::ｉ　　｀｀|
. 　　　ハ._ _|:i ヽ{　　　　 .:..::::::::|　　　 |　　　　そうしてください
　　　　　{:.:.:.((从　　　　　　、_ノ　　　ﾉ
　　　　　{:.:.:.:{　｀.　　　 -‐=＝　=ｧ　,　　　　　政村殿は北条一門の支柱。何かあっては大事となりましょう
　　　 ___丶:.{＿＿_　　　　ﾆ二´　 ´―――┐
.　　{//// / /////|＼　　　　　　　/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |
.　　|// / ///////|　＼　　　 /:.:.:.:.:.:.:.:..:.:. : |
.　　|/ / ////////|　　｀ｰ―‐'__:::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |
.　　| / /////////|￣￣}￣￣￣￣}:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:＼
.　　|__//////////| : : : :}: : . . 　　 {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／
.　　| / /////////| : : : :{: : : . . . 　 }:.:.:.:.:.:.:.:.／‐=ミ
.　　|/ / ////////ｉ＼ : :}: : : : . . 　 {:.:.:.:.:.／　: 　::　:
: : : ￣￣￣￣￣￣＼＼{::: : : : . 　 }:.:.／ : :. 　　:　:
::.: : : : : : : : : : : : : : : :.:＼＼: : : . 　 {/: : :...／: : : : :..:
359： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:30:33 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　　　／　　　　　　 ,　　　　　　　　　　　　　　　　_＞
　　　　　　　ヽー '´／　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　｀＜.._
　　　　　　　　｀／/　　　　　　/　 :.　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　 _/
　　　　　　　 , ' .:/　　 ;'　　 /　　:::　　.　　　　　　　 .　　　........｀ヽ、
　　　　　　　/...::/　　.:::i　　.:.！　 ::::::　 ::::...　　 :|:.　　　　 :',　　.......::::∠_
　　　　　　 ''"´/_j　.::::::!　.:､:::::ﾄ.　 ::::::. ::|､:::::::..　.!::..　l　　 ::::}. .:. ::::::::::＜_
　　　　　　　 /'´ |.::::/::i/.::;厶::L.',　::::::i ::| ＼::::::::|､:::. |　　:::::i::.:::::::::::::::r'´
　　　　　　　　 /!:/::::::|／! __j:L_ﾍ..::::::|i::|'"´_＼::｢ヽ:::!　 ::::::!:::::::::::::|､::|
　　　　　　　　/.:j/ .:::::':::::八i´う心ぃ:::::ぃ!'´ｧ=;气ト､＼　:::::i‐､::::::::::l ヽ
　　　　　 /::/ .::::::::::::/! ヽ. ﾏヒﾘ　＼:',　　　ｒ'仍ﾘ'|　　:::::|^'|::::::}:::!
　　　　　 ,:〃.::::::::::::/　|　　｀¨¨　　　ヽ　ｰ`ー'-１ ::..::::::l ﾘ:::::ﾊﾉ　　　そうだぞ
　　　　　 /″::::::;ｲ/　　 !　　　　　　　　　　　！{:::::::::〈::;ﾍ{
　　　　　　　i　:／　′　　、　　　丶　　　　　　　　 ,い､:::::::〈　　　　　　政村が倒れたら私も困る
　　　　　　 | /　　　　　　　＼　　－--　　　　　　.ｲv∨ 丶 :ヽ
　　　　　 |,′　　　　　　＼　　　　　　,.　 '´ノ:::〈　　　　｀
　　　　　　 !　　　　　　　　　　　,..｀ー;r‐　´_,.. :'´:::::::::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　 ,. : :´: : :／ﾑ '"´:::::::::::::::::/::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　／: : : : : :/:／-ﾍ: : : :::::::::::;::':::::: : :＼
　　　　　　　　　 / : : : : : : /ｲ　　　.i : _: : :／ : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　　　 /: |: : : : : : : :L._ .:::/:| `'／: : : : : : : : : : : : ヘ

　　　　　　　　　　　　　　　　／∨＼
　　　　　　　　　　 r､　／　　　　ヽ,
　　　　　　　　 i　 Y　　　　　　　　jヽｲ
　　　　　　　　　　 i　　 ,ｲ!　　　　　 ,ｲ　 i
　　　　　　 i ヽ,　　 ,j｡ '"　j　ｰ─‐一'’ 　 ,'
　　　　　　 i　　ﾍ'"　　　.ｲ　　　　　　　　ﾘ
　　　r,　　 j　　ｿ　　 "　　　 ,.ｨ'´￣￣　ヽ､　　＿
　　　} `'ィ’　　i　　　 {　　　　　　　　　　￣　 /
　　　 Ⅵﾊ　　 }　　　ﾍ　　　　j,.イ　　　　　ノ
　　　　}　ﾍ　　　､､　ヽ　　ソ　　　　　　　 `く
　　　　Ⅵ　　 ,＞''¨~￣ﾞﾞ''"~"~~~~´`'ゞ,　　　　`'ーｧ
　　　　 ∨,　 i'　　　　　　　　　　　　　ヽ,　　　　／
　　　　　∨　{　　,.ｨﾍ　',　　j'　 ,.ｨュ.,　　i　　　〉
　　　　 'r､i{　 ´¨ﾍﾍ.,_　､ _,.ィノ｀ｰ`　 ;}ｨ´｀!／
　　　　　　iﾍﾊ　 ,.-‐≧〈 ! ヾy´ ＞ｬ,　　ﾘ仁iﾑ
　　　　　 j くﾍ　｀´￣ >｀!　 'ｰ´,　　　 ,ﾊヒ,ﾘム　　　　　　　はは、これはこれは
　　　　,.イﾍ　iﾑ　　　　 i　　　　　　　ﾊi'ﾗﾘ　ｨ｀'ｰｬ､
　　　,ｨ　　 ∧i ',　　　　 ,　　 __　　　 ,ij{ｲ　j　　　　　ヽ,_　　将軍様にまで言われてはたまりませんな
　　r’ ∨　　　i　',,.ィ~｀'ｰ｀'´'~ 　 ,＞ｧ' i ﾍ,'　　　　　　　　{
　ｲ　　 ∨　　/　',ﾍヘﾆ二二￣　ﾘノリ　>'　　　　　　　 .ｲ　　一足先に休ませていただきましょう
∧ 　　 ∨　'ヘ　ヽ､｀'ー─一'"　／／　　　　　　　／ i
　　　　　 ∨　　 >､　ゞ‐＞ﾆ＜,.ィ／j　　　　　　 ,. ＜　 {
　　　　　　∨　　/ ~''ﾍ,　　　　　 /　）　　　 ,. ＜　　　 .{
,　　　　　 ∨ /　　　∧ヘ,　　,ｲ　　j　 ,. ＜　　　　　　　 Y
　　　　　　　 ∨　　　　∧　ﾞ^ｲ　　　i!,ｲ　　　　　　　 i
360： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:31:20 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　 _＿__ 　　_　__＿
　　　　　　　__r‐=　　　　　　｀ヽ . . ＼__＿_
　　　　　　　〃::.:. :‐=＝　ミ:.: ..　　　 . .丶　{|
　　　　　　　」{::.::.: . : :. : . . .: : : :: ::　　　　　 . : {ﾄ､
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　　　　　　 }.:.:.:.:.:..:....:...: : :. : :　.::＼＼` ､　 ∨∨: :{./〉
　　　　　 }.:.:.:.:...:...:...:..: : : .:√｀ヽ:.:.ヽ＼:丶.:}:.}}{／{/
　　　　　　}}.:.:.:.:ﾑ-ﾐ..:.:.:...√　　　　`　^ゞ ; ∧刈,.. ′
　　　　　 }}.:.:..:. i乢:}. :√　‐-=::.　　／　//　／　{　　　　……ごゆるりと
　　　　 }}.:.:.:.:.艾「|.: 抃　　-‐辷禾ｰ､//　杙禾.:､
　　　　ﾉ'.:.:.:.:.: (( 八:ｉ:::| 　 ´´´　　　/:::`　　　〉::}　　　将軍、あちらで我が一門の者達と物語でも致しましょう
　　　　｀7.:.:.:.:.八:{　　 ^:{　　　　　 .:::::::.:::.　　 /:/
　　　　　{.:.:.:.:/{　｀{ 　 '.　　　　　〈::::::::.:.::i 　ﾊ:{ : :
.　　　　ﾑ.:.:.:{ ﾄ　ハ　　＼　　　､__　　_r'　, .:: : : : :
　　　　　乂_{　 ,　　＼　　＼　　 `ｰ=＝' /＼ : : : :
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　　　〃　　　　　　　丶　　　＼　　　　i{ ｉ|　　　/　/　/　ハ
　　 {{ __ 　-― 　　ミ　＼　　　＼　〉　　i| ||{__　/　/　/　 /　 }
　　 ≧‐-　三　　　　　 /＾ｰ――――ｧ__ 　　 l.r―‐ﾍ　　く
　　 {{三_　-―=　　ミ　/: :　　　　　　 //　｀ヽ丶l.| 　　 {_　/　}
　　 {{三__　三　　　{{: : :.　　　　 // 　　 }　从　　　 i|　 ′
　　 {{三　　三　　　丿: . __ 　　　乂{　　厶ｲ　　 __　i|/
　　　　三　ｒ=ミ　 __: : :.''~￣｀` ｰ-＝=ｭ　　　r=＝-‐ ⌒刈
　　　　三　|　圦 /: : : : . 艾_刻i厂｀ヾ:..:..ヽ　ﾉ:.仗刻￣
　　　ハ三　|　i乢｀ヽ: : : .　　　　　　 7: .　　　　　　 {
　　　　　夊　| 　　＼: .　　　　　　/: : : 　 | i　　　　爪　　　　……衰えたな
　　_ ..　　 i し刈ﾊ　　ｉ: .　　　　　/: : : : 　 | |　　　　 /小}
　 ´　{{　　　` ´　}′:. 　 |: .　　　　ヾ: : : :　　| |,　　　 /|　|
　i　　＼　 , 　　八　从: :.　　　　　｀　-､_. ┘　　　 |　|-=ﾆニ二三__
　|　　　＼｀ . 　　 }/ 、: :. 　　 f‐ ‐--　 ‐‐ｧ' 　 / 　}乂　　　　　 __｀ヽ
　|　　　　　＼从　{　　＼: :.　　　　　ﾆ二ニ′ 　 i|　　　　　　　　　「:.:.:.:.:.:.
　|　　　　　　　＼　___二　　＼　　　　　￢　　んﾘ　　　　　　　　　 |:.:.:.:.:..:.:.
　|　　　　　　　　 ≧‐-　ミ　　　　　　　　　　　　{　　＼　　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:..
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361： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:32:07 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　　　／　　　　　　 ,　　　　　　　　　　　　　　　　_＞
　　　　　　　ヽー '´／　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　｀＜.._
　　　　　　　　｀／/　　　　　　/　 :.　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　 _/
　　　　　　　 , ' .:/　　 ;'　　 /　　:::　　.　　　　　　　 .　　　........｀ヽ、
　　　　　　　/...::/　　.:::i　　.:.！　 ::::::　 ::::...　　 :|:.　　　　 :',　　.......::::∠_
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　　　　　　　 /'´ |.::::/::i/.::;厶::L.',　::::::i ::| ＼::::::::|､:::. |　　:::::i::.:::::::::::::::r'´
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　　　　　　　　/.:j/ .:::::':::::八i´う心ぃ:::::ぃ!'´ｧ=;气ト､＼　:::::i‐､::::::::::l ヽ
　　　　　 /::/ .::::::::::::/! ヽ. ﾏヒﾘ　＼:',　　　ｒ'仍ﾘ'|　　:::::|^'|::::::}:::!
　　　　　 ,:〃.::::::::::::/　|　　｀¨¨　　　ヽ　ｰ`ー'-１ ::..::::::l ﾘ:::::ﾊﾉ
　　　　　 /″::::::;ｲ/　　 !　　　　　　　　　　　！{:::::::::〈::;ﾍ{　　　……？
　　　　　　　i　:／　′　　、　　　丶　　　　　　　　 ,い､:::::::〈
　　　　　　 | /　　　　　　　＼　　－--　　　　　　.ｲv∨ 丶 :ヽ　　　　何か言ったか？
　　　　　 |,′　　　　　　＼　　　　　　,.　 '´ノ:::〈　　　　｀
　　　　　　 !　　　　　　　　　　　,..｀ー;r‐　´_,.. :'´:::::::::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　 ,. : :´: : :／ﾑ '"´:::::::::::::::::/::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　／: : : : : :/:／-ﾍ: : : :::::::::::;::':::::: : :＼
　　　　　　　　　 / : : : : : : /ｲ　　　.i : _: : :／ : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　　　 /: |: : : : : : : :L._ .:::/:| `'／: : : : : : : : : : : : ヘ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_八{ (爪_}///｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 / )__　_刈//rﾍ=ﾐ
　　　　　　　　　　 __　　　/　{√ /　{ 　　 =ミ
　　　　　　　　-－＝ : : : }r‐ 　　 {茫苳　筏禾ミﾐ　　　　いえ、何も言っておりませんよ
　　 . . : : : : : : : : : : : : : __||__ 　 __人　　} ､　　　} )
　. : : : : : : : : : : : : : : : :___|L厂　ヽ刈　- 一　イ　へ　　さぁ、あちらへ
(__: : : : : : : : : : : : : : : : : 「_＿　＿ハ　　￣　　ﾉ/: : : :＼
ゞ======: : ‐- 　　 -‐≦:::::::::||: : : : ::`; i⌒ ｰ　/: : : : : : :丶
.∨:. :.:.:/ : : : : : ::＼ __　-‐=::::||::: /)⌒|..}　厂∨: : : : : : : : : :＼
　ｰ=彡ヘ__: : : : : : : :｀Y´ : : :l|::/ r―′..《　乂_ 斗-‐=≦: : :
　　＼:: :: :: :｀ヽ: : : ::} }: : : : :||i＿| ｀ヽ__」{{　／: : : : : : : : : :／
..　　　　＼: :: :: :: : ::..//: : : : :八___い_/⌒ヽ/: : : : : : : : : :／
.　　　　　　く:::::::: /: : : :／〉___{__{_⌒ヽ/: : : : : : : : : :
　　　　　　　　　｀ヽ/: : ／　 f廴{__i廴」　ｉ: : : : : : : : : : :
.　　　　　　　　　　__Xく　　 f辷{__i辷「　|: : : : : : : : : : :
.　　　　　　／／: :冫, 　 f辷{__{辷」　|: : : : : : : : : : ::
　　　　　　／／: : : : }　　 f辷{__{辷「　|: : : : : : : : : : ::|
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362： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:33:00 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　　　／　　　　　　 ,　　　　　　　　　　　　　　　　_＞
　　　　　　　ヽー '´／　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　｀＜.._
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　　　　　　　 , ' .:/　　 ;'　　 /　　:::　　.　　　　　　　 .　　　........｀ヽ、
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　　　　　　 | /　　　　　　　＼　　－--　　　　　　.ｲv∨ 丶 :ヽ　　
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　　　　　　 !　　　　　　　　　　　,..｀ー;r‐　´_,.. :'´:::::::::ﾊ
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　　　　　　　　　l"::::::::::::::::::::-､:::::t---､、::::::ヽﾉ,:::::::::::､:ﾞ:,
　　　　　　　　 r":::::::::::___::::ﾞヽr''　　　　ﾞｰ,:r;.j:､t-､::::ヾ.
　　　　　　　　 t,::::／::::::::::::::ミ''　　　　　　 'ノ",!ﾉl| ﾞ:,::::,r'　　（あの顔色、悪酔いではあるまい）
　　　　　　　　　l:::::::::,r‐ ､:ﾐ'"　　―‐-､､,__　ノ　'__,,.!ノ
　　　　　　　　/::::::::l.ヽ,ゝ|,ﾐ, 　　ヾﾕﾆﾌ~`>　,r:j>i'
　　　　　　 ,r'l:::::::::::::ヽ、,| ﾞ;:　　　　　　　　 i　 |
　　　　　／　|:::::::::::::,|,,、ﾞ' l'　　　　　　　　 t,.r'
　　　 ,ri"　　 l:::::::::/,/'i’　ﾞ　　　　 __ 　　-┬ '
-‐'''""~|　　　ﾞi,;!'ｿ,ﾉ l'　:,　ヽ、　　　￣￣ ,:'
　　　　 | 　　　ﾞi、ヽ、　:i　　ヽ.､　　　　　,!,
.　　　　 | 　　　　＼＼ﾞi, 　　ヽ`ｰ,r--'ﾞi,＼
　　　　　l　　　　　　＼＼､　　　　 lﾞi､ﾞi,　ﾞi、＼
363： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:33:40 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　 _＿__ 　　_　__＿
　　　　　　　__r‐=　　　　　　｀ヽ . . ＼__＿_
　　　　　　　〃::.:. :‐=＝　ミ:.: ..　　　 . .丶　{|
　　　　　　　」{::.::.: . : :. : . . .: : : :: ::　　　　　 . : {ﾄ､
　　　　　　 {{:.: : :: : : : : : : : : : : : ::｀ヽ　　　　 . : ＼
　　　　　 {{:: ::-‐― : : :. ミ:.:. :. : :: :　　　　 . : : : 八
　　　　　　八___:..:....:...: : .　. :＼＼:: . 　＼　 ;　: : / /
　　　　　　 }.:.:.:.:.:..:....:...: : :. : :　.::＼＼` ､　 ∨∨: :{./〉
　　　　　 }.:.:.:.:...:...:...:..: : : .:√｀ヽ:.:.ヽ＼:丶.:}:.}}{／{/
　　　　　　}}.:.:.:.:ﾑ-ﾐ..:.:.:...√　　　　`　^ゞ ; ∧刈,.. ′
　　　　　 }}.:.:..:. i乢:}. :√　‐-=::.　　／　//　／　{　　　　（北条政村……若造の時宗と宗政で幕府が運営できているのは
　　　　 }}.:.:.:.:.艾「|.: 抃　　-‐辷禾ｰ､//　杙禾.:､
　　　　ﾉ'.:.:.:.:.: (( 八:ｉ:::| 　 ´´´　　　/:::`　　　〉::}　　　　　奴がいるからだ）
　　　　｀7.:.:.:.:.八:{　　 ^:{　　　　　 .:::::::.:::.　　 /:/
　　　　　{.:.:.:.:/{　｀{ 　 '.　　　　　〈::::::::.:.::i 　ﾊ:{ : :
.　　　　ﾑ.:.:.:{ ﾄ　ハ　　＼　　　､__　　_r'　, .:: : : : :
　　　　　乂_{　 ,　　＼　　＼　　 `ｰ=＝' /＼ : : : :
　　　　　..: : : :∨ /　　＼　　＼　　　　　 / 　 ′: : :
　　　　　. : : : : ∨, ′　　＼　 `　ｰ―≦:　ハ: : : :
　　　　　. :.: : : : :〈　　　／| 　,/:　∧. 　／ｉｉ|: : : :
　　　 . . : : : : : : ＼　∠＿|　 {::..　. :|_／⌒ヽi|: : : :
　　　　　. .: : : : : : : : ＼　[　[r‐ У_ , :|　{__ 　　|: : : :
　　　　　 : : : : : : : : : : : ＼　＼　　 . :|　 __{　　|: : : :

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_八{ (爪_}///｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 / )__　_刈//rﾍ=ﾐ
　　　　　　　　　　 __　　　/　{√ /　{ 　　 =ミ
　　　　　　　　-－＝ : : : }r‐ 　　 {茫苳　筏禾ミﾐ　　　　（アイツが死ぬか少なくとも政務ができなくなれば
　　 . . : : : : : : : : : : : : : __||__ 　 __人　　} ､　　　} )
　. : : : : : : : : : : : : : : : :___|L厂　ヽ刈　- 一　イ　へ　　　　奴らの内輪政務など懼れるに足りん）
(__: : : : : : : : : : : : : : : : : 「_＿　＿ハ　　￣　　ﾉ/: : : :＼
ゞ======: : ‐- 　　 -‐≦:::::::::||: : : : ::`; i⌒ ｰ　/: : : : : : :丶
.∨:. :.:.:/ : : : : : ::＼ __　-‐=::::||::: /)⌒|..}　厂∨: : : : : : : : : :＼
　ｰ=彡ヘ__: : : : : : : :｀Y´ : : :l|::/ r―′..《　乂_ 斗-‐=≦: : :
　　＼:: :: :: :｀ヽ: : : ::} }: : : : :||i＿| ｀ヽ__」{{　／: : : : : : : : : :／
..　　　　＼: :: :: :: : ::..//: : : : :八___い_/⌒ヽ/: : : : : : : : : :／
.　　　　　　く:::::::: /: : : :／〉___{__{_⌒ヽ/: : : : : : : : : :
　　　　　　　　　｀ヽ/: : ／　 f廴{__i廴」　ｉ: : : : : : : : : : :
.　　　　　　　　　　__Xく　　 f辷{__i辷「　|: : : : : : : : : : :
.　　　　　　／／: :冫, 　 f辷{__{辷」　|: : : : : : : : : : ::
　　　　　　／／: : : : }　　 f辷{__{辷「　|: : : : : : : : : : ::|
.　　　　　／／: : : : : : }　　 f辷{__{辷」　|: : : : : : : : : : :::|
. 　　／／: : : : : : : : }　　 f辷{__{辷「　|: : : : : : : : : : ::::|
　　／／: : : : : : : : : : }　　 f辷{__{辷」　|: : : : : : : : : : :::::|
364： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:34:43 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　,.........,_　　__
　　　　　　　　　　　　　 ,.r'"~~ヽ、::::ヾ、:::::ヽ､
　　　　　　　　　　　 ,r''"::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ,::::::::::ヽ､
　　　　　　　　　　ノ''"~::::::::::::::::::::::::::::､:::::::ヽ::::::::::::::ﾞ:,
　　　　　　　　　r"::::::::-‐'"~~`:::::::::ヽ、::ヽ::::::ヽ,::::::::::::ヽ.
　　　　　　　　　l::,r:::::::::::::r'"~ヽ、:::ヽ::ヽ、::::::::ﾞ;;::r'":::::::ｿ
　　　　　　　　　l"::::::::::::::::::::-､:::::t---､、::::::ヽﾉ,:::::::::::､:ﾞ:,
　　　　　　　　 r":::::::::::___::::ﾞヽr''　　　　ﾞｰ,:r;.j:､t-､::::ヾ.
　　　　　　　　 t,::::／::::::::::::::ミ''　　　　　　 'ノ",!ﾉl| ﾞ:,::::,r'　　　（そうなれば評定衆たる我々が主導権を握ることができる）
　　　　　　　　　l:::::::::,r‐ ､:ﾐ'"　　―‐-､､,__　ノ　'__,,.!ノ
　　　　　　　　/::::::::l.ヽ,ゝ|,ﾐ, 　　ヾﾕﾆﾌ~`>　,r:j>i'
　　　　　　 ,r'l:::::::::::::ヽ、,| ﾞ;:　　　　　　　　 i　 |
　　　　　／　|:::::::::::::,|,,、ﾞ' l'　　　　　　　　 t,.r'
　　　 ,ri"　　 l:::::::::/,/'i’　ﾞ　　　　 __ 　　-┬ '
-‐'''""~|　　　ﾞi,;!'ｿ,ﾉ l'　:,　ヽ、　　　￣￣ ,:'
　　　　 | 　　　ﾞi、ヽ、　:i　　ヽ.､　　　　　,!,
.　　　　 | 　　　　＼＼ﾞi, 　　ヽ`ｰ,r--'ﾞi,＼
　　　　　l　　　　　　＼＼､　　　　 lﾞi､ﾞi,　ﾞi、＼

――時宗が執権に就任してから２年

　　　　　 ::＼　　　　ｉ}　 }　　Ｙ{
　　　　　 :ヽ　　ﾘ　/　ノ 7
. ＼　　＼: .　　　　ｲﾍ　 / }
　　＼r冖¨¨¨¨¨`　"　　 ∨ /
　　　「　　　　　　＼　　{i 　 V
ー-　} 　:ﾉ　　　　ヽ　ﾘ_,ｨ7}
ｰ- 　7　　-=ﾐzzzz彡'　{f苡〈
r-.､〈　　　ィ忖}　　 ∨
{てﾊ ‘，　　　　　／　　∨　}
ゝ` ﾑ ‘，　　／　　 ,= -く　八
{从ｰく} ‘，、　　／　　　､}i　＼
　从ﾉ　 ‘，ヽ　「ムイ " `｀八　　`ﾄ
㍉　ムイ　＼　　　　ィへノトゝ　ﾘ㍉
　} ㍉　ﾑヘ　　ｰ-彳　　　i}　／　　　㍉ー- ､
: :} ､ｉ:ｉ㍉ ‘，＼　　　　　　　ﾘ/｀ヽ　　　　　㍉　ヽ
: :‘，丶ｉ:ｉ㍉}i. 　ｰヘト､从ｲi:i/⌒}　　　　　㍉
: : :‘，　＼:i:i:＞――＜　　/i/i:i:i:/　　　　　　　　㍉}
　: : ‘，　＼i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:〉=く人:iノ　　　　　　　　㌻ |
　 : : :‘，　　 YﾆﾆﾆﾆY　　}　　　　　　　　　㌻ |　 |
　　 : : ‘，　　｀¨¨¨7´ 　 {/　　　　　　　㌻　　 | :八
　　 : : :‘，　　　　∨　　 ∧ 　　　㌻　　　 |/ 　}

時宗政権は政村という幕府長老の庇護下にいた
365： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:35:30 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_八{ (爪_}///｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 / )__　_刈//rﾍ=ﾐ
　　　　　　　　　　 __　　　/　{√ /　{ 　　 =ミ
　　　　　　　　-－＝ : : : }r‐ 　　 {茫苳　筏禾ミﾐ
　　 . . : : : : : : : : : : : : : __||__ 　 __人　　} ､　　　} )
　. : : : : : : : : : : : : : : : :___|L厂　ヽ刈　- 一　イ　へ
(__: : : : : : : : : : : : : : : : : 「_＿　＿ハ　　￣　　ﾉ/: : : :＼
ゞ======: : ‐- 　　 -‐≦:::::::::||: : : : ::`; i⌒ ｰ　/: : : : : : :丶
.∨:. :.:.:/ : : : : : ::＼ __　-‐=::::||::: /)⌒|..}　厂∨: : : : : : : : : :＼
　ｰ=彡ヘ__: : : : : : : :｀Y´ : : :l|::/ r―′..《　乂_ 斗-‐=≦: : :
　　＼:: :: :: :｀ヽ: : : ::} }: : : : :||i＿| ｀ヽ__」{{　／: : : : : : : : : :／
..　　　　＼: :: :: :: : ::..//: : : : :八___い_/⌒ヽ/: : : : : : : : : :／
.　　　　　　く:::::::: /: : : :／〉___{__{_⌒ヽ/: : : : : : : : : :
　　　　　　　　　｀ヽ/: : ／　 f廴{__i廴」　ｉ: : : : : : : : : : :
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　　／／: : : : : : : : : : }　　 f辷{__{辷」　|: : : : : : : : : : :::::|

「寄合」という形態での幕府運用はいまだに発展どころか形作られたばかりの段階であり

長年幕府で実権を持ち続けた評定衆とは直接対決できる段階にはなかったのである

――あと10年政村が時宗を輔弼し続けることができれば

　　　　　　　　　 /　　　　　　 /　　／　　　　　　 '.
　　　　　　　　「 У　　　　　　　　/　／　　　　　　　　　　 ∨}
　　　　　　　　　} { 　　　　 `ﾄ､/ イ斗≦ イ＜彡　　　 }
　　　　　　　　 /　〉 .r`⌒ヽト､{　　　　　　　　 ∨　　　 /　}
　　　　　　　 {　′ | /　　　　　　　　 /　　　 i　 V 　 /
　　　　　　　　　､　　| }　　　 { 　　　/　　　　 {: 　 } :./　, 　ム
　　　　　　　､￢ﾐ　L　＿　　:.　　 /　　　＿　　 }　: /　/ /´
　　　　　　　＼　ィ⌒ヾﾐﾒ､ {　　{ rzz彡 ⌒ヾ　 }　/ﾍ　 .′
　　　　　　　　　　Yﾊ } /ノ´苡≧､ｰヘィ廴苡>､　　} //} } /
　　　　　　　　　　 }　}i　｀¨¨　／ }　　＼　　　　ｲ〃り }′
.　　　　　　　　 V八　　／　　}　　　 ` ､　　/ } }/　/
　　　　　　　　＼ﾄ､　　　　､　 ,　　　　　 /　| |　ム
　　　　　　　　　　 Vﾊ　　イ""　　　｀丶、ヽ　 | しﾍ厂_
　　　　　　　　　　　　 ∧ }〈{　ィイ_ヘ_トﾄﾐ }　} 　ﾉ　}､}､　｀ヽ
　　　　　　　　　／∨ ﾑゝゞ'　｀¨ﾆﾆﾆ¨´　　／　　〈ﾉ }　　 ⌒ヽ
　　　　　　　　　_{　　∠ィ　＼　 , へ　　／　　､}／　/　　　　 }_
　　 -‐y⌒Y´　 }　〈　ﾑﾍ　 ` "　　 ` ` `　,　-=彡　/i:}　　　　　　｀ヽ
　　{　　　 /　　 {　　ゝ =ﾐ　} ィ　　 i　　　〃　　　 /i:i/　　　　　　 }＼
　 /　　　 { 　　 V´:i:i:i:i:i:iヽ人､从{从ｲイ {　　　 /i:i/　　　　　　　　ゝ､:＼

そうすれば、完成した寄合で評定衆を抑えることもできただろう
366： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:37:04 ID:RGM0sGRc0: ｨ彡三ﾐヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/｀　ｨ彡三ﾐヽ
彡'⌒ヾﾐヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー彡'⌒ヾﾐヽ
　　　　　ヾ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/
　　＿　　　｀ー―'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ー―'
彡三ミﾐヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　彡三ミﾐヽ
彡'　　　ヾ､　　　＿ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿　　　ヾ´　　　　´ミ
　　　　　　｀ー 'γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ｀ー ´
　,ｨ彡三ﾆﾐヽ　　｜だが、政村にはそんな時間は残っていなかったのである |　　,ｨ彡三ﾆﾐヽ
彡' 　　　　　　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ　　　　　　　　　ミ'
　　　　　　＿　　＿＿ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　,ｨ彡'　　　　　　　　.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｨミ'
ﾐ三彡'　　　　　　　／⌒　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾐ三ミ'
　　　　　　ｨﾆﾆ=- '　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨﾆﾆ=- '
　　　 ,ｨ彡'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ミｨ,

――年が明けて文永8年

　　　　　　　　　　　　 , .,.-'"´''ー'｀`''ー''"´｀`:､
　　　　　　　　　　　,:''"´　　　, 　　　　　　 `ｰ,
　　　　　　　　　　 ,i　　　　/´　　　　　　　　　　　ゝ
　　　　　　　 r'´　　　　i.!　　　　　　　,.;!"´｀　　`､_
　　　　　　　　　ヽ　　　　,,`;,_､_　　　　r';',,,__　　　 r'
　　　　　　　　　　ゝ　　i''´　　　｀`'''''"´　　　 `:,　　iﾞ
　　　　　　　　　　ヽ　.i　　　　　　､　　　　　　 ',　.r'
　　　　　　　　　　　r'-,!.-==-;;､_,.　!　' _,,.;;-=-　!r':､
　　　　　　　　 i.lr`i　 ==tェ,　　　　=ェi=　　､.i i
　　　　　　　　　　　'､､':､.　　　　　　i::.　　　　　 '/　　　
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　　　　　　　　　　　　　_,.:'､　　.＿＿＿　　,.;':､　　
　　　　　　　　　　　,.-'　　.i`' ､ '--;;;;;--:'.／ ,! ' `' ､
　　　　　　　 ,. :'" 　　 .ヽ,　`:､　　 ,. :' 　./　　　　`' :､_
　　　　　　 ,. :'".　　　　　　ヽ　　｀"´　　,.:'　　　　　　　｀'‐:､
　　　　 ,. :'　　　　　　　　　　　＼　　　／　　　　　　　　　　　` ､
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　　　 ',. 　ヽ　　　.| ,'　　　　　　　　　　　　　　　　l　|　 ,.:'　　　　 l
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死去した北条時茂の後任として同じく極楽寺流北条家から北条義宗が六波羅長官に就任

年末には京都で六波羅北方頭人として政務をとることが決定――
367： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:37:51 ID:RGM0sGRc0: ……したのだが、幕府はそれとは別の問題にぶつかった

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　　　　　　　　　　　　　　/　/　「l　∨　「l　　ヽｨ　　　 _／ｌ|　　 l
　　　　　　　　　　　r- ､T￢- ┴　　＿二イl　ﾚ─'￣　＼j｜　 l
　　　　　　　　　　 l 　ト､l ヽ￣r‐　　７　/／/l　　　　　　 __ |　 l
　　　　　　　　　　　　 V厶　￣ヽ >‐＝'ﾍV 　 |　ヽ _,. -─く_ /　/
　　　　　　　--､￣Ｖ}-}￣ト- ､/　　　　　ヽr' l 　 /　　/ゞ')} 　/　　　これどっちが本当なの？
　　　　　　 {l＾ヽV厂＞､〈　ｌ　＼・＿‘ ／　 l　Ｌ r ﾊ _/､／
.　　　　 __>‐ ｲ　,ﾆr＜Ｌﾊ |　　　　　　l 　　　＞'7{ヽ-/ ∨ヽ
　　　　 lr ヽ┘ ﾚくﾉしくﾚ个-─r─ッ￢ﾆ -ィ7￢{ヽ-/　/ 　 |
　　　 _ rく　} Vﾍ　-Ｌﾌ／　ヽ￣l三ﾖ￣　　∠ -‐_ 7ｰr-ヘ二/
　r二　V ￣　　￣　７ｰ-､　＼ｰr' ￣／-─＜ .厶/=‐＜
　└ﾝ／　　　　　　厶＜　￣`ヽ _∠ア￣￣＼二-‐ ､--､＼
　　　　　　　　_∠ ∠＿_ヽ､　　　∨, ─＜＿ヽ一'￣ヽ-ヘく
　　　　　　　　ヽ--────｀ｰ一'^ ー─────‐＝--一'

文永8年9月、２通の書状が大宰府に到達

その２つに関しての詮議でてんやわんやの騒ぎとなったのである

　　　　　＿＿＿_
　　　　／_ノ　ヽ、＼
　　　／（ ●）　（●）.＼
　／　　　（__人__）　　u. ＼　　　　わかりませんお
　 |ｎi 7　　｀ ⌒´　　　　.　|ｎ　　
l^l | | ｌ ,/)　　　　　　U 　l^l.| | /）　ただ、高麗が耽羅に遷都したなんて話聞いてないですお
', U ! ﾚ' /　　　　　　.　.　| U ﾚ'/／)
{　　　〈　　　　　　　　　ﾉ　　　／
..i,　　　."⊃　　　　ｒニ　　　 /
　."'""⌒´　　　　　　　`''""''''
368： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:39:04 ID:RGM0sGRc0: ――それぞれの内容はこうであった

　　　　　　　　　　　　　　　　　, -――- ､
　　　　　　　　　　　　　　　／三三三三=ヽ
　　　　　　　　　　　　 /三三三三三三ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 l三三三三三三三}
　　　　　　　　　　　　　　 l三三三三三三/
　　　　　　　　　　　　　　ヽ=三三三三三{　　　　　　┏───
　　　　　　　　　　　　　　　∨ﾆ三三三三/　　　　　 │我々は耽羅島に遷都した。元とは戦になっている
　　　　　　　　　　　　　　__/三三三三／
　　　　　　　_, 　-　 '" ´三三三三三ヽ､_　　　　　　　　すぐに援軍と兵糧を送ってほしい│
　　　　　 /三三三三三三三三三三三三三｀ヽ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　───┛
　　　　　/三三三三三三三三三三三三三三三ヽ
　　　　 /三三三三三三三三三三三三三三三三 ',
　　　 /三三三三三三三三三三三三三三三三三',
　　　,/三三三三三三三三三三三三三三三三三三,
　　 /三三三三三三三三三三三三三三三三三三ﾆ',
.　 /三三三三三三三三三三三三三三三三三三三ﾆ,
（自称）高麗王族の署名入り書状

　　　　　　　　＿
　　　　 ,.-''"三ﾆ.＼
　　　　.r'三三三三ミ`,　　　　　　　　┏───
　　　　.ヽ三三三三三|　　　　　　　│中務省からの国書である。高麗は平穏であり陛下の威光に随っている
　　　　　 ',ニ三三三ﾐ,'
　　　　　　',三三三ミ,'　　　　　　　　　　ついては日本の入朝に関しての返答をいただきたい│
　　　　　 .'､_三三ミ`、_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　───┛
.　　　　　._,,.-┘ﾆ三三三ミ..､　　　　　　　　　 ,､
　　 ,r.''"三三三三三三三三ミ''.-､　　　　　 _　f;!..l;L!i
　　.lﾆ三三三三三三三三三三三l,　　　　ヾ,.j;;ﾚミ'ﾉ
　　lﾆ三三三三三三三三三三三ﾐ',　　　　ζ三,.r"
　 .lニ三三三三三三三三三三三ニi 　 γ'三r"
　 lﾆ三三三三三三三三三三三三ﾆ`､.ｨ.三ミヽ
　.!ﾆ三三三三三三三三三三/､ﾆ三三三三.／
　!ﾆ三三三三三三三三三ﾐノ.　.＼三三三./
. lニ三三三三三三三三ニ,'　　　＼ﾆミ/
.,'ﾆ三三三三三三三三三〈　　　　　｀.´
,'.三三三三三三三三三三`、
元中務省発行の書状

最初に到着したのは高麗王朝の使者を名乗る人物からの書状で援軍を請うもの

次いで到着したのは前に渡された国書とほぼ同じ内容のもので中務省発行のものであった
369： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:39:35 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　、
　　　　　　　　 }ヽ　　　　　　　　_ 　- ──-　、
　　　　　　　　 | 　L_ r '⌒＞r　 (フ　　　　　＼
　　　　　　　　∠７＿」　｀＜　､ヘ、　　, 　　　　r､ヽ
　　　　　　　/　　　　　ヽ　ヽ　＼ゝ　〈ﾉ　　　ﾊ　ヽ　ﾄ､
　　　　　 {　 (　)　　　}　　 }ヽ　,ﾆ､<＾ヽ､　　し　　 /〉ヽ
　　　　　　, ﾍ　　　　_ ノi　　//ﾊＬ. }　＼　｀T￢ r 7´〉r､　|　　　ううむ、どちらが正しいのか……
　　　 ∠　-ヘ、＿} 　 |　厶ｲ_｣　r- 　 _｀　ヽ j ﾚ／　Ｌ.}人
　　　　　　　　　ヽﾆﾄ､　ﾚ＾ト､_　 /二ニ＝‐_　　ﾆヽニ7 '　　}
.　　　　　　　　　　ヽj７iVﾆ=-､-　二＿_〔　　〕_ ∠_ rv^}
　　　　　　　　　　　　／ヽﾚ'ー─-ヽヽ＼　r-､７ﾆr个i､ヽﾄﾚ′
.　　　　　　　　　 _厶∠三ユ__　　 }　l　〉 --ｲ￣ヾY＾ヽ、
　　　　　　　　　/　　　r‐ ￢＿　二コｰ'─r一'　　　,二、 _ﾕ
　　　　　　　　　￣￣￣￣　　　　　　　￣￣￣￣￣

こちらはすぐに朝廷に送られ、どちらに返答するべきか朝議にかかった

　　　　　　ｻﾞﾜｻﾞﾜ……
　　　　　　 ∧,,∧　 ∧,,∧　　　　　　　　 ∧,,∧ 　∧,,∧ｷﾓｷﾓ……
　　　　∧ (´・ω・) (・ω・｀) ∧∧　　∧ (´・ω・) (・ω・｀) ∧∧
　　　(　´・ω)　Ｕ) ( つとﾉ(ω・｀ )(　´・ω)　Ｕ) ( つとﾉ(ω・｀ )
　　　｜　Ｕ (　　´・) (・｀　　)　とﾉ｜　Ｕ (　　´・) (・｀　　)　とﾉﾄｵﾅｵﾅ……
　　　　ｕ-ｕ（l 　　　∧,,∧ 　∧,,∧　ｕ-ｕ（l 　　 ) (∧,,∧ 　∧,,∧
　　　　　　　 `ｕ-∧ (´・ω・) (・ω・｀) ∧∧`ｕ-∧ (´・ω・) (・ω・｀) ∧∧
　　　　　　　　　(　´・ω)　Ｕ) ( つとﾉ(ω・｀ )(　´・ω)　Ｕ) ( つとﾉ(ω・｀ )
　　　　　　　　　｜　Ｕ (　　´・) (・｀　　)　とﾉ｜　Ｕ (　　´・) (・｀　　)　とﾉ
ｶﾞﾔｶﾞﾔ……　　ｕ-ｕ（l 　　 )　(　　　ﾉu-ｕ　　ｕ-ｕ（l 　　 ) (　　　ﾉu-ｕﾄﾞﾖﾄﾞﾖ……
　　　　　　　　　　　　　 `ｕ-ｕ'.　`ｕ-u'　　　　　　　　 .`ｕ-ｕ'　`ｕ-u'

で、案の定朝議は難航した
370： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:40:33 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　、
　　　　　　　　 }ヽ　　　　　　　　_ 　- ──-　、
　　　　　　　　 | 　L_ r '⌒＞r　 (フ　　　　　＼
　　　　　　　　∠７＿」　｀＜　､ヘ、　　, 　　　　r､ヽ
　　　　　　　/　　　　　ヽ　ヽ　＼ゝ　〈ﾉ　　　ﾊ　ヽ　ﾄ､
　　　　　 {　 (　)　　　}　　 }ヽ　,ﾆ､<＾ヽ､　　し　　 /〉ヽ
　　　　　　, ﾍ　　　　_ ノi　　//ﾊＬ. }　＼　｀T￢ r 7´〉r､　|　　　まぁ、使節も来てるしこっちが正しいだろ
　　　 ∠　-ヘ、＿} 　 |　厶ｲ_｣　r- 　 _｀　ヽ j ﾚ／　Ｌ.}人
　　　　　　　　　ヽﾆﾄ､　ﾚ＾ト､_　 /二ニ＝‐_　　ﾆヽニ7 '　　}
.　　　　　　　　　　ヽj７iVﾆ=-､-　二＿_〔　　〕_ ∠_ rv^}
　　　　　　　　　　　　／ヽﾚ'ー─-ヽヽ＼　r-､７ﾆr个i､ヽﾄﾚ′
.　　　　　　　　　 _厶∠三ユ__　　 }　l　〉 --ｲ￣ヾY＾ヽ、
　　　　　　　　　/　　　r‐ ￢＿　二コｰ'─r一'　　　,二、 _ﾕ
　　　　　　　　　￣￣￣￣　　　　　　　￣￣￣￣￣

結局、使節が一緒に到来したことや、片方は正当な王朝ということなのに文書形式が無茶苦茶などの理由から

中務省署名の国書が正式だと判断。返答の書状を執筆するよう命令を下した

　　　　　　　、
　　　　　　　　 }ヽ　　　　　　　　_ 　- ──-　、
　　　　　　　　 | 　L_ r '⌒＞r　 (フ　　　　　＼
　　　　　　　　∠７＿」　｀＜　､ヘ、　　, 　　　　r､ヽ
　　　　　　　/　　　　　ヽ　ヽ　＼ゝ　〈ﾉ　　　ﾊ　ヽ　ﾄ､
　　　　　 {　 (　)　　　}　　 }ヽ　,ﾆ､<＾ヽ､　　し　　 /〉ヽ
　　　　　　, ﾍ　　　　_ ノi　　//ﾊＬ. }　＼　｀T￢ r 7´〉r､　|
　　　 ∠　-ヘ、＿} 　 |　厶ｲ_｣　r- 　 _｀　ヽ j ﾚ／　Ｌ.}人
　　　　　　　　　ヽﾆﾄ､　ﾚ＾ト､_　 /二ニ＝‐_　　ﾆヽニ7 '　　}
.　　　　　　　　　　ヽj７iVﾆ=-､-　二＿_〔　　〕_ ∠_ rv^}
　　　　　　　　　　　　／ヽﾚ'ー─-ヽヽ＼　r-､７ﾆr个i､ヽﾄﾚ′
.　　　　　　　　　 _厶∠三ユ__　　 }　l　〉 --ｲ￣ヾY＾ヽ、
　　　　　　　　　/　　　r‐ ￢＿　二コｰ'─r一'　　　,二、 _ﾕ
　　　　　　　　　￣￣￣￣　　　　　　　￣￣￣￣￣

返答の書状の内容は写しがあるためわかっているが、長いので割愛する

早い話が「独立国に何言ってんだ」「平和とか言いながら兵立てるってどういう意味だ」

という内容であったらしい
371： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:41:33 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　-　ﾐ　　　　　　　　＿＿＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃ｌ　　 _ ヽ　　　i´¨iL |　　　　　　　ｌ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｢¨i 　　 i[| |て)ﾌ　 _i　　＞ﾍ￣＼　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣Z!＿ _L| ﾚ´＝二_　　|　　 V二Σ　　　　　 l|
　　　　　　　　　　　　　　⊥ 　ｒﾌ｡＝ｔ≠¨＝ｉ_.|　|￣∧　　 V二Σ:l￣|　　ｌ|　　清原家をはじめとした記録専門の者から
　　　　　　　　　　　　　　中　 |　| 〃⌒ﾞヽノ| :|　|　[{{∧　　＜_γ＿」　　 l|
　　　　　　　　　　　　　　忠_＿|　|`ﾚ＝=､ i:　|{!|.ノ　￣「｀Y＞ﾟ´ヨ　:l　　 l|　　儀礼文書専門の家まで総動員でしたな
　　　　　　　　　　　　　　　　　｣二人ヾﾄ＿,i=ヾ_ゞ､Ｖ　ｒi　|　 Y＜ﾟ´_/L_!　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ二二＞ﾄ､_＿_ﾉ＿三＞｡.＿.＞'’Y＞三}￣l　　 l|
　　　　　　　　　 i^ﾄ　　　／ヾ　｢｢ |＿__|l :| :|二土i／|>､.　E＞＝|_,ﾘ　　l|
　　　　　　　　　 | | |　　｢　｀ヽ／ｊ　|》―γ　|o|　　〃⌒ヽﾞ>, ﾞY　￣ | l 　　|
　　　　　　　　　 //:ﾘ／　　ﾉ,/　 |[二|/ 　ﾞ¨|　　{{　　　 Y　 l! ＿_ | l 　　|
　　　　　　　 ,　‐　､// /´ ＝ミ／ /　　 ///l: 　　 |　　乂　　 }}　「- ―-Y　　 |
　　　　　　〃　　　}} /=≧､__ノ　/ﾄ､／/// ﾄ:..　／|ミﾒi彡ﾐ≧ﾌ　〃｢|￣¨｢|　　 |
　　　　　　 {{　　　ノ｢|_._ //　　 Ⅵ／《《《__|＼|／i 　｀　＼リ　 { :{ﾚテテl:|　　 |
　　　　　　　>=＜／∪｣｣/ 　　　 |　　　　 ,/三ｦ∧.　　　 l!　　Yノノノノ:|　／
　　　　　　/　 //ゝ⊃ﾌ　　　　　 :l　　　,/　　　 V　　　　i!　　　　＼|　|／
　　　　　〈＼〈/　／　　　　　,人　　　/　　　　　 V　　　 ! ∧. 　　/¨∧
　　　　,/V/ﾍ／　　　　　　　　 Y¨》＝イ　　　　　　 Ⅵ￣｢Ⅱ Ⅵ,_　/＿_∧
　　　　　/V/ /　　　　　　　　　　;仁レ､__L　　　　　　　｣＿У｀=ﾐ｢=ﾍ:V　　 /
　　　　〈V/ /　　　　　　　　　　ﾄ＝'´￣　i!　　　　　　∧＿_ノ　ヽ＝i:V＿/
　　　 //　　　　　　　　　 |ー　-　　ﾘ￢　　　 Ⅶ　　　　　}}＿〉
　　　/'７　　　　　　　　　　　　 i!　　　　 /｀ '’　　　　　V_　　　　 7 Ⅵ
　　 ,/ / 　　　　　　　　　 ,! 　　うY　　　　　　　　　ヾ　　　 ∧　Ⅵ
　　〈 /　　　　　　　　　　　　　　,!　　　　|　　　　　　　　　　V　　　∧　Ⅵ
　　　　　　　　　　　　　　　　／｀ヽ　　 i!　　　　　　　　　　 }} ,　--.∧　Ⅵ
　　　　　　　　　　　　　　　 ´＞､　ー ' ﾍ　　　　　　　　　　ﾚ’,｡==-｡_≧Ⅵ
　　　　　　　　　　　　　　　〃＿ >､＿__ﾘ　　　　　　　　　 /ムﾌ´￣ﾞヾ[¨:ヾ|
　　　　　　　　　　　　　　∠＿　　　　∧ Y　　　　　　　　　 ¨,ｲゝ――' ､ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　/　　　￣￣　 |i D　　　　　　　　　ﾄ:ﾚ'　￣￣￣　:i
　モブ貴族　　　　 /＿＿/＿＿＿__|LD　　　　　　　　 |＿＿l＿＿＿l_|

当時の文書博士をはじめとした朝廷知識人総動員の力作であったのだが……
372： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:42:12 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　 ::＼　　　　ｉ}　 }　　Ｙ{
　　　　　 :ヽ　　ﾘ　/　ノ 7
. ＼　　＼: .　　　　ｲﾍ　 / }
　　＼r冖¨¨¨¨¨`　"　　 ∨ /
　　　「　　　　　　＼　　{i 　 V
ー-　} 　:ﾉ　　　　ヽ　ﾘ_,ｨ7}
ｰ- 　7　　-=ﾐzzzz彡'　{f苡〈
r-.､〈　　　ィ忖}　　 ∨
{てﾊ ‘，　　　　　／　　∨　}　　　　返答も却下で
ゝ` ﾑ ‘，　　／　　 ,= -く　八
{从ｰく} ‘，、　　／　　　､}i　＼
　从ﾉ　 ‘，ヽ　「ムイ " `｀八　　`ﾄ
?　ムイ　＼　　　　ィへノトゝ　ﾘ ?
　} ?　ﾑヘ　　ｰ-彳　　　i}　／　　　?ー- ､
: :} ､ｉ:ｉ? ‘，＼　　　　　　　ﾘ/｀ヽ　　　　　?　ヽ
: :‘，丶ｉ:ｉ?}i. 　ｰヘト､从ｲi:i/⌒}　　　　　 ?
: : :‘，　＼:i:i:＞――＜　　/i/i:i:i:/　　　　　　　　?}
　: : ‘，　＼i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:〉=く人:iノ　　　　　　　　 ? |
　 : : :‘，　　 YﾆﾆﾆﾆY　　}　　　　　　　　　 ? |　 |
　　 : : ‘，　　｀¨¨¨7´ 　 {/　　　　　　　?　　 | :八
　　 : : :‘，　　　　∨　　 ∧ 　　　 ?　　　 |/ 　}

幕府からの反対で結局渡されることはなかった

　　　　　　　　　　　　　　　　　, -――- ､
　　　　　　　　　　　　　　　／三三三三=ヽ
　　　　　　　　　　　　 /三三三三三三ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 l三三三三三三三}
　　　　　　　　　　　　　　 l三三三三三三/
　　　　　　　　　　　　　　ヽ=三三三三三{　　
　　　　　　　　　　　　　　　∨ﾆ三三三三/　　
　　　　　　　　　　　　　　__/三三三三／
　　　　　　　_, 　-　 '" ´三三三三三ヽ､_　　　　
　　　　　 /三三三三三三三三三三三三三｀ヽ､　　
　　　　　/三三三三三三三三三三三三三三三ヽ
　　　　 /三三三三三三三三三三三三三三三三 ',
　　　 /三三三三三三三三三三三三三三三三三',
　　　,/三三三三三三三三三三三三三三三三三三,
　　 /三三三三三三三三三三三三三三三三三三ﾆ',
.　 /三三三三三三三三三三三三三三三三三三三ﾆ,

ちなみに偽物とされた書状だが、こちらを日本へ送ったのは……
373： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:43:24 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　　__
　　　　　　　　./´ 　`ヽ、＿＿
　　　　　　　 //'´｀ヽ,　｀´　　　￣`ヽ、
　　　　　　　i.l'　　　/　　　　　　　,ヾ、ヽ
　　　　　　　||、　　i　　　　　　　ヾ,ヽヽヽ`i
.　　　　　　 `.'　　 ,l　　　　　ヽ, ＼ヽヽ.i　i.ヽ
　　　　　　　　　　_ゝ__人--‐‐--,,_ヽヾi.ヽ | |
　　　　　　　　　　ヽ__.ﾉ｀ー.'´　　　iヽ||i | .l i
　　　　　　　　　　　.|（___,入　　　　 |.| |||.| i.|i
　　　　　　　　　　　ヽ,___　ヽ　　　|.i/i/|ヽヽ、
　　　　　　____,-、_　　 iー｀　　 _,r'´iﾉ/ _,hi,ヽ,｀ゝ
　　　　　 ,__フl‐'/´i　 .i´''-,,,-;'/　 //-'´ _|ヽヽ、
　　　　 ,-i.｀l　|ﾉ /　　 '',;;、;i`'_,--'´ _,-'´::::::''`-ヽ
　　　　 ll .i_ﾉｿ　 |　　　|　i￣.i　|-‐'´::::::::::::::::::::::｀ヽ、
　　　　 l｀´ .|　 / __,..-'|　|￣:|　|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::...ヽ、
　　　　.,`,-‐｀ /,'´:::::::::i　|）::::l　 |:::::::::::::::::::::::::::::::,--―'´ヽ、
　　　/'::`ー::'´/:::::::::::/　i::::::::|　 |:::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::::ヽ
　　,/::::::::::::::::::i :::::::::::|　.|::::::::i　 .|::::::::::::::::::::::/::::::::::::: :::::::::::::::|
　 ,i::::::::::::::::::::/.:::::::::::i　.i.）:::::|　 .|:::::::::::::::::::::| ::::::::.::::::::::::::::::::::|,←ちゃっかり三別抄に所属した
　/::::::::::::::::::/.::::::::::::/　 i::::::::|　　|::::::::::::::::::::| :::::::::::::::::::::::::::::::''

三別抄である
374： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:44:03 ID:RGM0sGRc0: ――話は林惟茂暗殺直後、多くの林衍派の武官は投降

　　　元宗派として残った武官たちに預けられて再編成を受けることになった

　　　　　　　：, -‐''¨¨¨''ヽ､：
　　　　　：／　　　　_,. - ､＼：　　　　＿：
　　　　：/　　　　　/　Ｍ　ヽ_,. -‐''¨￣　¨＼：
　　　　：/　　　　　 |　　_, -'´　_,. -――　　 |：
　　　：/　　　　　　 >‐´　_,-'´　＿　　　　ﾉ：
　　　：|　　　　　　／　 ∠ -‐''''彡≡ヽ　／：
　　：|　　　　　 /　r≡ﾐヽ　　　ﾘｨ,.-－､'´：
　　：|　　　　 /　　|ﾘ￣~''　　　'ィt或ｱﾁl＿＿：
　　：|　　　　/　 / ﾘ, -－-_,,　　` ‐''"´¨　　　＼：　　林ｗｗｗ衍ｗｗｗざまぁｗｗｗ
　　：|　　　 /__／　､,ィ或tｭ､　　／　　　　　　　 |__：
　　：ノ　　　|　　　　｀ヽ二ノ　　　　　　　　　　　|;;;;|：
　：/　　　　|- ,,＿_　　__　　　　　　　　　　　　 /;;r'!：
　：!　　＿_ |:::::::::::::|　 |;;ヽ＿＿lヽ､_　　　　_,,／;;;;;|：
　：Y´　　｀'‐ ,:::::::::） └-i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:｀¨'''¨´;;;;;;/￣|：
　：|　　-‐-､　￣　　　　ヽ＿＿＿＿/￣''''´　 /：
　：|　　　￣）　　　　　　　　　ﾄｪｪｪｪｪｪｲ　　 /：
　　：＼　　　　　　　　　　　　　 |　｀'''''''/　／：
　　　：＼＿__,-､_　　　　　　　ヾ'zｪｪッ'　　/：
　　　　　　　　　　：｀''――'''''-､_∪　　　／：

ちなみにこの時高麗の武官のまとめ役になったのは都督の地位にあった金方慶

やっぱり成り上がりの林衍に就きたくなかったのか、早期に寝返ったらしい

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_＞ｰ‐≦へア
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　____,..．<~ﾞv　 ./彡／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,斗-＜￣　　　　}　/ｰ‐-∠,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧ ′　 i　　　　／≦．=＝=`,
　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　　　 i 　 ,∠' ´　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　ﾑ≦　　　　　（　M ）　}
　　　　　　　　　　　　　　　 i 　　　 /　　　　,_..＞ー―-=．､/　　　これ三別抄の名簿でーす！
　　　　　　　　　　　　 i 　　　 {　　　,ィヒ''"ﾞ"`'’,_ ＜, ヾ）
　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　/　　r≧彳　＜ｱj !　y. ヾ .}_ノ
　　　　　　　　　　　　　　 |　 /　　 { (Y/　/i　-‐,. （ｨｱj l!/
　　　　　　　　　　　　　　　　|　ｲ ∠斗ゝ{.　ｷ辷-r_　jヽ`' /
　　　　　　　　　　　　　　　／イ　　.ﾊ　i 　 /`ｰェｴｪ爻ヤ　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.．へ,
　　　　　　　　　　 x＜　　＞イ｀.∧　{{　 !ﾞ j.i/　_ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　／ .,ノ=､,.>
　　　　　　　　　　　　／　　／　　,/,∠..i::::`､辷　メ≦＿　　　　　　　　　　＿＿＿＿ ,{　 γヽ､ j
　　　　　　　　　　／　／　　, ＜.．''"　.／　＞＜　　　　｀＞-‐――ｧイ"　　　 /f　　A≦Y＾＼,j
　　　　　　　　／（ _）/ 　／　　　　／　.／/　　　斗‐'ﾞ´　　　,,.. ∠-‐　　　　 {､,__v,,___,ソ＞"
　　　　　　　　/　廴ﾉ《　 /　　　　／　／　/ 　,／　　　　　　　　‐-‐=　　　　　＞"
　　　　　 /　　　　　ミ≧＝ =ノ　 /　　 j斗ﾂ＿　＿　　　　　＿,,..．≧ｰ‐' ´
　　　　　　 /　　　　　　　　　　ｆ（ _）トｰ''7　／　　／￣￣￣
　　　　　 ./　　　　　　　　　　　廴_ﾉ∧ /　　　＞'

だが、おそらくコイツは止めなかったし、むしろ推奨したと思われるのだが

投降者リストとして三別抄の構成員名簿を提出
375： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:45:23 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　　__
　　　　　　　　./´ 　`ヽ、＿＿
　　　　　　　 //'´｀ヽ,　｀´　　　￣`ヽ、
　　　　　　　i.l'　　　/　　　　　　　,ヾ、ヽ
　　　　　　　||、　　i　　　　　　　ヾ,ヽヽヽ`i
.　　　　　　 `.'　　 ,l　　　　　ヽ, ＼ヽヽ.i　i.ヽ
　　　　　　　　　　_ゝ__人--‐‐--,,_ヽヾi.ヽ | |
　　　　　　　　　　ヽ__.ﾉ｀ー.'´　　　iヽ||i | .l i
　　　　　　　　　　　.|（___,入　　　　 |.| |||.| i.|i　　　三別抄は義勇兵と元からの脱走捕虜なんだが……
　　　　　　　　　　　ヽ,___　ヽ　　　|.i/i/|ヽヽ、
　　　　　　____,-、_　　 iー｀　　 _,r'´iﾉ/ _,hi,ヽ,｀ゝ
　　　　　 ,__フl‐'/´i　 .i´''-,,,-;'/　 //-'´ _|ヽヽ、
　　　　 ,-i.｀l　|ﾉ /　　 '',;;、;i`'_,--'´ _,-'´::::::''`-ヽ
　　　　 ll .i_ﾉｿ　 |　　　|　i￣.i　|-‐'´::::::::::::::::::::::｀ヽ、
　　　　 l｀´ .|　 / __,..-'|　|￣:|　|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::...ヽ、
　　　　.,`,-‐｀ /,'´:::::::::i　|）::::l　 |:::::::::::::::::::::::::::::::,--―'´ヽ、
　　　/'::`ー::'´/:::::::::::/　i::::::::|　 |:::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::::ヽ
　　,/::::::::::::::::::i :::::::::::|　.|::::::::i　 .|::::::::::::::::::::::/::::::::::::: :::::::::::::::|
　 ,i::::::::::::::::::::/.:::::::::::i　.i.）:::::|　 .|:::::::::::::::::::::| ::::::::.::::::::::::::::::::::|,
　/::::::::::::::::::/.::::::::::::/　 i::::::::|　　|::::::::::::::::::::| :::::::::::::::::::::::::::::::''

挙兵当時から義勇兵部隊として戦功のあった三別抄は兵士が処刑をされることを懸念

　　　　　　　　　　__
　　　　　　　　./´ 　`ヽ、＿＿
　　　　　　　 //'´｀ヽ,　｀´　　　￣`ヽ、
　　　　　　　i.l'　　　/　　　　　　　,ヾ、ヽ
　　　　　　　||、　　i　　　　　　　ヾ,ヽヽヽ`i
.　　　　　　 `.'　　 ,l　　　　　ヽ, ＼ヽヽ.i　i.ヽ
　　　　　　　　　　_ゝ__人--‐‐--,,_ヽヾi.ヽ | |
　　　　　　　　　　ヽ__.ﾉ｀ー.'´　　　iヽ||i | .l i
　　　　　　　　　　　.|（___,入　　　　 |.| |||.| i.|i
　　　　　　　　　　　ヽ,___　ヽ　　　|.i/i/|ヽヽ、　　　戻ったら処刑されちゃうでしょ
　　　　　　____,-、_　　 iー｀　　 _,r'´iﾉ/ _,hi,ヽ,｀ゝ
　　　　　 ,__フl‐'/´i　 .i´''-,,,-;'/　 //-'´ _|ヽヽ、
　　　　 ,-i.｀l　|ﾉ /　　 '',;;、;i`'_,--'´ _,-'´::::::''`-ヽ
　　　　 ll .i_ﾉｿ　 |　　　|　i￣.i　|-‐'´::::::::::::::::::::::｀ヽ、
　　　　 l｀´ .|　 / __,..-'|　|￣:|　|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::...ヽ、
　　　　.,`,-‐｀ /,'´:::::::::i　|）::::l　 |:::::::::::::::::::::::::::::::,--―'´ヽ、
　　　/'::`ー::'´/:::::::::::/　i::::::::|　 |:::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::::ヽ
　　,/::::::::::::::::::i :::::::::::|　.|::::::::i　 .|::::::::::::::::::::::/::::::::::::: :::::::::::::::|
　 ,i::::::::::::::::::::/.:::::::::::i　.i.）:::::|　 .|:::::::::::::::::::::| ::::::::.::::::::::::::::::::::|,
　/::::::::::::::::::/.::::::::::::/　 i::::::::|　　|::::::::::::::::::::| :::::::::::::::::::::::::::::::''

江華島の城跡※付近に陣を敷いて、降伏を拒否した

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　※最初降伏したときに完全に破却された
376： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:46:10 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　〉::::::::::::::::::::::; ﾍ/ﾘヾヽ:ﾊ; ヘj::::::::::≧__
. 　　　　､ー'::::::::::::::::/}／__,ｨ -､ヾー‐ ､＿ヽiヽ:::＜
　　　　　　ヽ:::::::ﾉﾘﾙ'ｨ≦圭/　　ヽi::＼ヽ圭≧､i:::;::≧=-
　　　　　　　 ,ｲ::::i∧::ヽ＼＞{ ﾊ　ﾊ )￣｀ー‐ ﾍﾘｲ:::::>
.　　　　　　　 /ｲ::// ヽ= '　　, ─ '¨¨ヽ　　 u　ﾏ!::::ﾍ￣ヽ　　　＿
..　　／￣ヽ　　j:::!:|　　　　 {　　　　 i　　　　ﾏ:::::iヽ＿＞'´　　ヽ:￣＼‐-　　いやいやいや……降伏したでしょ！
.　 /,:'　　　　ﾏ乂:|. 　 u　　 } iニ´｀ヽ !　　　　 : :|:::|｀i: ＼:: 　　　　: : ::: 〈_
.　　　　　　ﾏ∧!::::.　　　　 i |　　　 | l　　　　　: :ﾘﾉ｀i}::　　　　　 :: 　: ::: )
.　　　　　　　 ',｀(ﾍ:::::.　　　　 | 　　　|　　　　 : : : :ｲ､/ ::.　　　 l　　i: :　／
　 l'　　 ,:' ￣ヽ＼ )';::::.　　　 |～┴ｲ　　　　 : :　ﾉ/: :: :.　　　 i i: :　i: :/
　ﾍ　〈_/ ￣　　ヽi::　　　　 |　　　 i　　　　　 jノﾑ: :　　　', i i: : ;' /＼
　　ﾑ　　　　　　 }:　　　　　辷´｀´ﾉ　　　　　 /,仁ﾐ! 　　 : :ﾏii:.　ﾚ′　〉
　　　ﾑ＼　　　　ﾉ::＼　　　i 　＿_ 丿　　ｲ:i三ミ|　.::　 : : :ﾏ: :/: ::　/
　＼　ﾑ　ー‐　´ ﾏ从ﾉ＼　｀¨´,.ｨ､　　／乂j三ミ| . : 　 : : : ∨: : : /
　　　＼ﾑ　　　　　　ﾏﾑ　＼　,ｲ::::::ヽ _／/　 /三三| : :　: : : : : :ヽ: i〈

あんまりな事態に、元宗は元・高麗それぞれの軍から使節を派遣

速やかに金方慶の指揮下に入ることを要求した

　　　　　　　　　　__
　　　　　　　　./´ 　`ヽ、＿＿
　　　　　　　 //'´｀ヽ,　｀´　　　￣`ヽ、
　　　　　　　i.l'　　　/　　　　　　　,ヾ、ヽ
　　　　　　　||、　　i　　　　　　　ヾ,ヽヽヽ`i
.　　　　　　 `.'　　 ,l　　　　　ヽ, ＼ヽヽ.i　i.ヽ
　　　　　　　　　　_ゝ__人--‐‐--,,_ヽヾi.ヽ | |
　　　　　　　　　　ヽ__.ﾉ｀ー.'´　　　iヽ||i | .l i
　　　　　　　　　　　.|（___,入　　　　 |.| |||.| i.|i　　　いや、無理
　　　　　　　　　　　ヽ,___　ヽ　　　|.i/i/|ヽヽ、
　　　　　　____,-、_　　 iー｀　　 _,r'´iﾉ/ _,hi,ヽ,｀ゝ　今戻ったら皆殺しだって。どう考えたって
　　　　　 ,__フl‐'/´i　 .i´''-,,,-;'/　 //-'´ _|ヽヽ、
　　　　 ,-i.｀l　|ﾉ /　　 '',;;、;i`'_,--'´ _,-'´::::::''`-ヽ
　　　　 ll .i_ﾉｿ　 |　　　|　i￣.i　|-‐'´::::::::::::::::::::::｀ヽ、
　　　　 l｀´ .|　 / __,..-'|　|￣:|　|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::...ヽ、
　　　　.,`,-‐｀ /,'´:::::::::i　|）::::l　 |:::::::::::::::::::::::::::::::,--―'´ヽ、
　　　/'::`ー::'´/:::::::::::/　i::::::::|　 |:::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::::ヽ
　　,/::::::::::::::::::i :::::::::::|　.|::::::::i　 .|::::::::::::::::::::::/::::::::::::: :::::::::::::::|
　 ,i::::::::::::::::::::/.:::::::::::i　.i.）:::::|　 .|:::::::::::::::::::::| ::::::::.::::::::::::::::::::::|,
　/::::::::::::::::::/.::::::::::::/　 i::::::::|　　|::::::::::::::::::::| :::::::::::::::::::::::::::::::''

が、この要求に至っては返答すらしない有様であった
377： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:47:23 ID:RGM0sGRc0: ――実は三別抄が戻れなかったのはもう一つのっぴきならない事情があった

　　　　　　　　　　__
　　　　　　　　./´ 　`ヽ、＿＿
　　　　　　　 //'´｀ヽ,　｀´　　　￣`ヽ、
　　　　　　　i.l'　　　/　　　　　　　,ヾ、ヽ
　　　　　　　||、　　i　　　　　　　ヾ,ヽヽヽ`i
.　　　　　　 `.'　　 ,l　　　　　ヽ, ＼ヽヽ.i　i.ヽ
　　　　　　　　　　_ゝ__人--‐‐--,,_ヽヾi.ヽ | |
　　　　　　　　　　ヽ__.ﾉ｀ー.'´　　　iヽ||i | .l i
　　　　　　　　　　　.|（___,入　　　　 |.| |||.| i.|i
　　　　　　　　　　　ヽ,___　ヽ　　　|.i/i/|ヽヽ、
　　　　　　____,-、_　　 iー｀　　 _,r'´iﾉ/ _,hi,ヽ,｀ゝ
　　　　　 ,__フl‐'/´i　 .i´''-,,,-;'/　 //-'´ _|ヽヽ、
　　　　 ,-i.｀l　|ﾉ /　　 '',;;、;i`'_,--'´ _,-'´::::::''`-ヽ
　　　　 ll .i_ﾉｿ　 |　　　|　i￣.i　|-‐'´::::::::::::::::::::::｀ヽ、
　　　　 l｀´ .|　 / __,..-'|　|￣:|　|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::...ヽ、
　　　　.,`,-‐｀ /,'´:::::::::i　|）::::l　 |:::::::::::::::::::::::::::::::,--―'´ヽ、
　　　/'::`ー::'´/:::::::::::/　i::::::::|　 |:::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::::ヽ
　　,/::::::::::::::::::i :::::::::::|　.|::::::::i　 .|::::::::::::::::::::::/::::::::::::: :::::::::::::::|
　 ,i::::::::::::::::::::/.:::::::::::i　.i.）:::::|　 .|:::::::::::::::::::::| ::::::::.::::::::::::::::::::::|,
　/::::::::::::::::::/.::::::::::::/　 i::::::::|　　|::::::::::::::::::::| :::::::::::::::::::::::::::::::''

高麗王朝お得意の粛清合戦において、武官側と文官側両方に参戦している経歴があったのである

　　　　　　　　　　　　　ｨ´　入　:.ヽ::.、
　　　　　　　　　　／／／イﾊﾍ　ﾍ :.ﾍ
　　　　　　　　 /´/　/　/ﾞ//∧　ヽ　ヽヽ
　　　　　　　 ./　∥ ∥∥j∥l!∧ﾍ　ﾍ　::.ヽ
　　　　　　　 ///ィ/　ｲﾞ:j　!　l ﾘﾍ　ﾍﾞヽ　ﾍ::.
　　　　　　　 //　/　/ﾞ:::l　;l::ﾊ　ﾄヾ　ヾヾ　ﾍ
　　　　　　　ｨ///　/ｨ_　!ﾘ//::k lj _ ﾍﾍ　ヽ::.ﾍ
　　　　　　　l　j'l　jr'ﾞ:Qヾ　ﾉ=ヾ !r Q ァﾍﾍ　!
　　　　　　　!1 lj　lゝ==ｨ''jｿ’　ﾍﾍ==ｭﾊﾍ　lj }.
　　　　　　　11　j　l　ｲ! ﾘ::! 　 l:ﾘﾞ¨　ゝゝリ’
　　　　　　　'j　y　j　　 lｿﾞ:::!　　ヾ!　　ゝj/lｲ
　　　　　　　}　l;;　;l::　　!ｊヾ:j　　,lﾘ!　　　ﾄl　ﾘ’
　　　　　　　.}　l1　! 　 l1Lヾ=ｨｪ _ﾄ　　 /::l　l1
　　　　　　　 lj　1 ﾄ　　1'∠ー一 ' ﾄ　/::ｨ’　!
　　　　　　　ﾄ　ﾊ:ト　 ;j　ゝz=-' '' .ゝ:::::ｲ! 11
　　　　　　　 }　lj　l＼∥ヽ　:::　　／l ｨ:: lj　r:!
　　　　　　　ハl1l;;1　ﾄ、　　　　ｨ∧ﾉｿj∧!
　　　　　　　ｨｲl1ﾘﾘ}　∧::::｀￣　　;;　∥リ∧!
　　　　　　ﾉ∥lk∧j::　　ヽ::::　/　　 {/ﾄﾘ’∧_
　　　　　....:::-ﾋﾊ∧j:::　　　:;;:'　　　;　;　/ﾄヒ'}:::: :::...
二ゝ':::: :::: ::::ゝ^-ﾘlj、:::　　　:::'''::.. ﾞ　// 丿x’:::: :::: :::: ゞへ::..
:::: ::::k:::: :::: :::::ゞL ∧ヽ::　　 l::::/　　 //ﾊ’/:::: :::: :::: ::::' :::: :::: :::..=ヽ
:::: ::::ゝ:::: :::: ::::: ＼≒ヾ’::　　r　　　ｲ/ヽ/::::: :::: :::: ::::ｲ:::: :::: ::::/’:::: ー、

直近では金俊暗殺に動員されたほか
378： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:48:10 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,,,,､__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　___{r､　　 ',¨ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　 , '´　 Ⅷ'，　 '，i　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　r'’ ｀ヽ､ Ⅵ:'，　　i l　　Y
　　　　　　　　　　　　　　　　　　{⌒ヽr'ﾞﾞﾞﾞ`ﾞﾞﾞ}　 ll ll !　　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　,ｲ"　　　 } l ｌ| l|　l　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ⅵ　,ｨ⌒ヽ　刈'⌒ｌ|､|　j
　　　　　　　　　　　　　　　　　／{ ﾄ､r━━ﾐｰr━━ﾐﾘ'}､
　　　　　　　　　　　　　　　／　八{`廴＿ノ¨¨廴＿ノ'}ﾉヽ丶
　　　　　　　　　　　　　／　 /　 {　.,､　　､j:,.　　,､　八　ﾟ，＼
　　　　　　　　　　　／　　 .{　込　^ー=ﾆﾆ=‐'^ ノ　　　ｉ　　＼
　　　　　　　　　／　　　 :{ 　　｀ー､ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞノ´}　　　　.}　　　＼
　　　　　　　　　 / 　　　　 |　　　　 ∨｀¨¨¨´∨　　　　　l　　　／＼
　　　　　　　 {⌒ヽ､　　 .|　.f^ヽ､っ＿＿＿と⌒ヽ.　　}　　 /　　　ﾟ，
　　　　　　　　 {　　　＼　　 Ⅷ}ﾞゝ-'((　⊂:::::::::::)ﾞrと⌒)　j　　/　　　 }
　　　　　　　　　　l　　　　＼　,ｲ　､__つ￣￣￣´ﾉ⊂¨¨)／　 /　　　　　}
　　　　　　　 Ⅷ　　　　ﾞ∧ 廴__⊃､　　　　/_⊂_¨ﾉ､＼f´　　　　　 j
.　　　　　　　　Ⅷ　　　 ∧∧　ﾞｰ､⊃──(　⊂__ノ}ﾑノj　　　　　ﾚ'
　　　　　　　　　　〉　　　 /　 ∨＼_,斗'/　　　Ⅶ￣ｱ./　ﾑ{　　　　 iﾟ，
　　　　　　　　　　　Ⅶ斗'”　　　∨　//'´　　.,斗{､／ /　　　＼　　　　|:}
　　　　　　　　〈　　　　　　　ﾞV /__,斗'”: : :.∨ /　　　　　ヾ　　 /
　　　　　　　　　　　 }　　　　　　　／o: : : : : : : : :∨　　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　 |　　　　　　 ,ｲヽ: : : : : : : : : : : :＼　　　　　 /

林衍政権下では文官に圧力をかける側に回った

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ___
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　，rぉiび三ﾆ=-
　　　　　　　　　　　　　　　　　，rぉiび　　　　　　　　　　｀
　　　　　　　　　　　　　　，rぉiびﾆﾆﾆﾆ=--　　　 -=-，rぉiび Ⅷ
　　　　　　　　　　　　-=ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=--- ，rぉiび　　　　 --=Ⅷ
　　　　　　　　 / ＼ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ二二，rぉiびﾆﾆ=- - -　　　　　 -=Ⅷ
.　　　　　　　 /ﾆﾆﾆ＼　，ぉiびﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-　　　　　　 -=ﾆⅧ
.　　　　　 /ﾆﾆニ二|ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ= - - - -　　　　，rぉひ
　　　　　　〈ﾆ二二二|二ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=- -，rぉiひ三ﾆ=-
.　　　　　　　＼ﾆﾆ二 |ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ二二二，rぉiひ三三二ﾆ=-
.　　　　　　　　＼ﾆﾆ |二ﾆﾆﾆﾆﾆニ，rぉiひ三三三三二ﾆ=-
　　　　　　　　　　＼｜二ﾆ　rぉiひ三三三三三二ﾆ=-
.　　　　　　　　　　〕爪三三三三三三三二ﾆ=-

しかもどちらに就くかで重要なのが財宝

詰まる所金次第ということがさらに問題であった
379： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:48:52 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　　　　　　､＿刈从WWWW从从≦二ィ_,_
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　　　　　　　　　　　ィW洲从从}i州从ハ从从}Wkく :.
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　　　　　　　　　　　　　ｲ洲ｒ=i{|　　　　　　 _ 冫　　 }　:.
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　　　　　　　　　　　　　　　　}ﾄ､_ 　　　　｀二　 /　　 ::.
　　　　　　　　　　　　从汽　　　　　,ｨi斥仆v　　　:.:
　　　　　　　　　　　　　　　洲　｀ー‐-　{i｣从｣ｼ{　　　.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ]}　　　　　　　　　|　　　.:
　　　　　　　　　　　　　　／.::i｣　、　　　　　 j＼_　: .
　　　　　　　　　　 _ 　-‐ {::::::::{、　　、　　　　 / {ヽ::ヾヽ、
　　　　　　　　 _／　　　　|::::::::| ＼　　、　　　{　　ハ::.:.:.. ｀丶、
　　　_ 　-‐　´　　　　 |::::::::|　　｀ヽ､__　　　／　 ',:.:.:.. i　　｀`丶、
　　／　　　　　　　　　　|::::::::|　　　　　｀ヽ.　 {_ 　　',:.:.:. i　　　　　　ヽ、
　/　　　　　　　　　 |::::::::|　　　　　 l　|　 ||!　　　}:.:.:.::!　　　　　　　＼
./　　　　　　＼　　　　　 |::::::::|　　　　　 l　|　 |{　　　ｌ::.:.:::l　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　ヽ　　　 |::::::::|　　　　／,ア￣￣｀ヽ　l:.:::::::l　　　　　　　i　　　`､
　　　　　　　　　　＼　　 |::::::::|　　　／／　／＞≦二;;}:::::::l　　　　　　 |　　　　`､

今後、元宗政権下においては元宗には元の武力という後ろ盾が付く

　　　　　　　　　　__
　　　　　　　　./´ 　`ヽ、＿＿
　　　　　　　 //'´｀ヽ,　｀´　　　￣`ヽ、
　　　　　　　i.l'　　　/　　　　　　　,ヾ、ヽ
　　　　　　　||、　　i　　　　　　　ヾ,ヽヽヽ`i
.　　　　　　 `.'　　 ,l　　　　　ヽ, ＼ヽヽ.i　i.ヽ
　　　　　　　　　　_ゝ__人--‐‐--,,_ヽヾi.ヽ | |
　　　　　　　　　　ヽ__.ﾉ｀ー.'´　　　iヽ||i | .l i
　　　　　　　　　　　.|（___,入　　　　 |.| |||.| i.|i
　　　　　　　　　　　ヽ,___　ヽ　　　|.i/i/|ヽヽ、
　　　　　　____,-、_　　 iー｀　　 _,r'´iﾉ/ _,hi,ヽ,｀ゝ
　　　　　 ,__フl‐'/´i　 .i´''-,,,-;'/　 //-'´ _|ヽヽ、
　　　　 ,-i.｀l　|ﾉ /　　 '',;;、;i`'_,--'´ _,-'´::::::''`-ヽ
　　　　 ll .i_ﾉｿ　 |　　　|　i￣.i　|-‐'´::::::::::::::::::::::｀ヽ、
　　　　 l｀´ .|　 / __,..-'|　|￣:|　|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::...ヽ、
　　　　.,`,-‐｀ /,'´:::::::::i　|）::::l　 |:::::::::::::::::::::::::::::::,--―'´ヽ、
　　　/'::`ー::'´/:::::::::::/　i::::::::|　 |:::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::::ヽ
　　,/::::::::::::::::::i :::::::::::|　.|::::::::i　 .|::::::::::::::::::::::/::::::::::::: :::::::::::::::|
　 ,i::::::::::::::::::::/.:::::::::::i　.i.）:::::|　 .|:::::::::::::::::::::| ::::::::.::::::::::::::::::::::|,
　/::::::::::::::::::/.::::::::::::/　 i::::::::|　　|::::::::::::::::::::| :::::::::::::::::::::::::::::::''

今更金次第でどうにも転ぶ戦力など物騒なだけである

更には毎度の粛清の度に誰がどれくらいの金を渡したのかが分かるといろいろと騒ぎの種になる
380： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:49:58 ID:RGM0sGRc0: ――まぁ要するに
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼ | l　i 川　| l　i川　| l　i 川 |　| l　i川| l　i 川／／
: : : : : : : :: :::: :: :: : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::三　　　　　消えてくれないかな……　　　　　　　三
　　　　. . : : : :: : : :: : ::: :: : :::: :: ::: ::: :::::::::::::::::::三　　　　　　　　　　（物理的な意味で）　　　　　　三
　　　.　. .... ..: : :: :: ::: :::::: :::::::::::: : :::::::::::::::::::::::／／ | l　i 川　| l　i川　| l　i 川 l　i川　| l　i 川 |＼＼
　　　　　　　 Λ＿Λ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: ::::::::::::::::::::: :: ::: :::::: :::::::::::: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　/:彡ミ゛ヽ;）ー､　. . .: : : :Λ＿Λ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: :::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　 / :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.:. ./彡ミ゛ヽ;）‐､. .: : : :::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　 / :::/;;: 　ヽ　ヽ ::ｌ　. 　./ :::/;;: ヽ　ヽ::i:. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
￣￣￣（_,ノ￣￣￣ヽ､_ノ￣ ..（_,ノ￣￣.ヽ_ノ￣

……ということである

　　　　　　　　　　__
　　　　　　　　./´ 　`ヽ、＿＿
　　　　　　　 //'´｀ヽ,　｀´　　　￣`ヽ、
　　　　　　　i.l'　　　/　　　　　　　,ヾ、ヽ
　　　　　　　||、　　i　　　　　　　ヾ,ヽヽヽ`i
.　　　　　　 `.'　　 ,l　　　　　ヽ, ＼ヽヽ.i　i.ヽ
　　　　　　　　　　_ゝ__人--‐‐--,,_ヽヾi.ヽ | |
　　　　　　　　　　ヽ__.ﾉ｀ー.'´　　　iヽ||i | .l i
　　　　　　　　　　　.|（___,入　　　　 |.| |||.| i.|i　　　　これ高麗に残ったら死ぬでしょ
　　　　　　　　　　　ヽ,___　ヽ　　　|.i/i/|ヽヽ、
　　　　　　____,-、_　　 iー｀　　 _,r'´iﾉ/ _,hi,ヽ,｀ゝ　　次は俺たちが粛清される番でしょこれ
　　　　　 ,__フl‐'/´i　 .i´''-,,,-;'/　 //-'´ _|ヽヽ、
　　　　 ,-i.｀l　|ﾉ /　　 '',;;、;i`'_,--'´ _,-'´::::::''`-ヽ
　　　　 ll .i_ﾉｿ　 |　　　|　i￣.i　|-‐'´::::::::::::::::::::::｀ヽ、
　　　　 l｀´ .|　 / __,..-'|　|￣:|　|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::...ヽ、
　　　　.,`,-‐｀ /,'´:::::::::i　|）::::l　 |:::::::::::::::::::::::::::::::,--―'´ヽ、
　　　/'::`ー::'´/:::::::::::/　i::::::::|　 |:::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::::ヽ
　　,/::::::::::::::::::i :::::::::::|　.|::::::::i　 .|::::::::::::::::::::::/::::::::::::: :::::::::::::::|
　 ,i::::::::::::::::::::/.:::::::::::i　.i.）:::::|　 .|:::::::::::::::::::::| ::::::::.::::::::::::::::::::::|,
　/::::::::::::::::::/.::::::::::::/　 i::::::::|　　|::::::::::::::::::::| :::::::::::::::::::::::::::::::''

当然ながらそういった粛清の尖兵として活躍しただけあって、三別抄の嗅覚は鋭かった
381： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:50:32 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,　 -‐‐- 　 ,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , ' ´　　　　　　　　｀　、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　ヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 , 　 _　　　　　＿＿　　　　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　′｀ー　'´　ノ　｀ｉ　　　　 }
　　　　　　　　　　　　　 V　　ｖ　　　　　 _　ヽ　　　 ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　〈_｀_ヽ　ｘ=ニ二彡ﾉ　 | ,/＾V
　　　　　　　　　　　　　　　　 }ｰﾟ' }　ヽｰﾟ‐ '´　　　 V Sﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　/ 　、　　ー ´ 　_ ィ、
　　　　　　　　　　　　　　　　 V‐-一' ヽ､_　　 /　/ , |〉｝＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',　ー‐‐ ´　〉　イ_／´〉ヽﾆヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　-‐ﾆ∧ ` '　　　／: : : : : / 　,ﾆニ〉ﾆヽ
　　　　　　　　　　 -‐=ニニニ/ニ}｀ー‐一 ´ : : ／: :/　 /ﾆﾆ/ﾆニﾆ＼
　　　　　　　　 -‐=ニニニﾆﾆ/二∧: :-‐=＝ﾆ彡: : ,/ 　/ﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＼
.　　　　　　　　 /ニニニﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆ/　|: : :__ -‐ ´ : ／　/ﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ=‐- 、
　　　　　　　　/ニニニﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆ/　 :|: -＝二: :／　　,/ﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆヽ
.　　　　　　　/ﾆﾆ{ｿﾆﾆﾆﾆﾆ,/ﾆﾆ/|　　|: : : : : :／　／ 'ﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ‘，
. 　　　　 /ﾆニ{{ﾆﾆﾆﾆﾆ,/ﾆﾆ/ ‘，　∨:ｰ／　／　/ﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ}}ﾆﾆﾆ／ニニﾆﾆ‘，
　　　　　／ﾆﾆ{ﾆﾘﾆﾆﾆニ/ﾆﾆ/ 　 ‘，　V''゛　／　 /ﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆニ,ﾘﾆﾆ/ニニニニニ‘，
　　　　 {ﾆﾆﾆﾆ〃ﾆニニ/ﾆﾆ/　　　､／　 /　　,/ﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆニ〃ニ/ニニニニﾆﾆﾆ‘，
夜別抄指揮官盧永喜

元からの脱走捕虜主体の夜別抄の指揮官盧永喜と

　　　　　　　　 l´
　　　　　　　　　　 },, ´　　　　　　　　　　｀'''''
　　　　　　　　　　r'/　,,ｯ　　, r ' ´ ｀ﾞﾞ''ｰ-=、
　　　　　　　　　 {´/ , r ' ´
　　　　　　　　　 .l'/´ ';;;' ,､_＿,,,,=-―'''｀ヽ,,
　　　　　　　　　 >　ﾉ（_　＿,,,,==-―'''´ヽ=
　　　　　　　　　Yｰ-'´人_,,=,,r=''"´ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;}
　　　　　　　　　ﾊ_,,=-‐''´ﾘ｀)ﾊ;;;;,,　,;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
　　　　　　　 .{;;;,　'';;;;;;/　,;'　＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
　　　　　　　　ﾍ;;;;;;;;;;;;;;l　,;'　　　｀ｰ===-‐'
　　　　　　　　弋;;;;;;;;|　;;　　　､
　　　　　　　　 l　　.|　 ';　　　｀ヽ、
　　　　　　　　　　　',.　 }ｰ=__,,¨r‐-'´　＼
　　　　　　　　　　　 ' ,. l,r' ﾉ　　｀ー､｀ﾞﾞ''ヽ
　　　　　　　　　　　　 ',i r'ノ'-='ｰ-=,,_｀ヽ｀Y
　　　　　　　　　　　　　| | ヾ;;,,＿　　｀　 ',　',
　　　　　　　　　　　　　',.|　　　　　　　　　}　 l
　　　　　　　　　　　　　 ';;,,　　　　　　　　,;
　　　　　　　　　　　　　 }＼;;,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,ノ
　　　　　　　　　　　　　ノ)ヾ l｀ー―――''´
　　　　　　　　　 ,r' /ソ__',
　　　　　　　　　　 _,,j=-‐'´　 .',
　　　　　　　　'''"´,r'　　　／,;}
　　　　　　　　　 /　　　／ ,,,;;;l
都督（将軍）裴仲孫

都督の裴仲孫が中心となって武器庫から武器を奪取
382： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:51:52 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　 _ , -ー────--- 、
　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　 /　　　　　　　　　●　　　　　　＼
　　　＿/　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼__
　　/´::::::::ヽ　　　　　　●　　　　●　　　　　 !::::＼
　,´::::::::::::::::i　　　　　　　ミ　　　彡　　　　　!:::::::::)
（::::::::::::::::::::〉　　　-= ・=-　　　　-= ・=-　　　ｌ::::::::::i
　ヾ:::::::::::::〈　　　　　　´´　　　　　　ﾞﾞ　　　　　!:::::::::ﾉ
　ヽ::::::::::ﾉ　　　　　　　　(　_　_ )　　　　　　　ヽ_::ノ
　　ヾﾞノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !
　　　　i　　　　　　　　　　/⌒⌒i　　　　　　　 /
　　　　ヽ　　　　　　　　　ヽ￣ノ　　　　　　丿
　　　　　＼　　　　　　　　￣　　　　　　／　　　※林衍擁立の王とは別人
　　　　　　　｀ー─-- 、　　　　＿ - ー´
　　　　　　　　　　　　　｀ー─´

元宗の弟の承化候、温を国王に擁立

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,　 -‐‐- 　 ,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , ' ´　　　　　　　　｀　、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　ヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 , 　 _　　　　　＿＿　　　　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　′｀ー　'´　ノ　｀ｉ　　　　 }
　　　　　　　　　　　　　 V　　ｖ　　　　　 _　ヽ　　　 ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　〈_｀_ヽ　ｘ=ニ二彡ﾉ　 | ,/＾V
　　　　　　　　　　　　　　　　 }ｰﾟ' }　ヽｰﾟ‐ '´　　　 V Sﾉ　　　　悪りぃな
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　/ 　、　　ー ´ 　_ ィ、
　　　　　　　　　　　　　　　　 V‐-一' ヽ､_　　 /　/ , |〉｝＿　　あんたらに恨みはないが死んでくれ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',　ー‐‐ ´　〉　イ_／´〉ヽﾆヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　-‐ﾆ∧ ` '　　　／: : : : : / 　,ﾆニ〉ﾆヽ
　　　　　　　　　　 -‐=ニニニ/ニ}｀ー‐一 ´ : : ／: :/　 /ﾆﾆ/ﾆニﾆ＼
　　　　　　　　 -‐=ニニニﾆﾆ/二∧: :-‐=＝ﾆ彡: : ,/ 　/ﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＼
.　　　　　　　　 /ニニニﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆ/　|: : :__ -‐ ´ : ／　/ﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ=‐- 、
　　　　　　　　/ニニニﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆ/　 :|: -＝二: :／　　,/ﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆヽ
.　　　　　　　/ﾆﾆ{ｿﾆﾆﾆﾆﾆ,/ﾆﾆ/|　　|: : : : : :／　／ 'ﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ‘，
. 　　　　 /ﾆニ{{ﾆﾆﾆﾆﾆ,/ﾆﾆ/ ‘，　∨:ｰ／　／　/ﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ}}ﾆﾆﾆ／ニニﾆﾆ‘，
　　　　　／ﾆﾆ{ﾆﾘﾆﾆﾆニ/ﾆﾆ/ 　 ‘，　V''゛　／　 /ﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆニ,ﾘﾆﾆ/ニニニニニ‘，
　　　　 {ﾆﾆﾆﾆ〃ﾆニニ/ﾆﾆ/　　　､／　 /　　,/ﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆニ〃ニ/ニニニニﾆﾆﾆ‘，

江華島に降伏勧告に来ていた元と高麗の使者を殺害し、高麗全土に蜂起を促す檄文をばらまいた
383： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:52:56 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　､_,ヽ＼汁|ヽヾ_,_,
　　　　　　　　　　　　　　　　｀久匕卅从W勹災七
　　　　　　　　　　　　乂从Ｗ仆幵卞从Wﾐ
　　　　　　　　　　　　 YヾlVlN从ﾏ大Ｗ从ﾀﾞﾐ
　　　　　　　　　　　　ﾉ　　 ∨r ､卞卅从从
　　　　　　　　　　　　　　　　r}-―==ヽ）}从ｵﾐ仆匕
　　　　　　　　　　　　　　　　｀l　　　　|i/ 'W从卅冫　　　……え？江華島の家族が人質として連れ去られたって？
　　　　　　　　　　　　　　　　　',　　　　　 W从彡'
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',　　　 ,　 ,r'´￣　　　　いや、蜂起って？　……え？
　　　　　　　　　　　　　　　　　 """"ヾ／／´///
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l/´//////
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/////////
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //////////
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{/////,r'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ//,r'´　,r'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　）'´　,r'´

蜂起した日はちょうど元宗が旧都開京へ再遷都を祝う式典を行っていた日であり、完全に狙っていたことがわかる

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 } ＼＿＿_/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r─{ 　　)┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿_,/　　　／⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ヘ、　　　',　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }⌒ 辷...____ﾉ　　　　　[
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　 {
　　　　　　　　　　　　　　　　_r‐'′　　　　　　　　　 ┌┘
　　　　　　　　　　　　　　_,r‐'"　　　　　　　　　　　　　 _,/
　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　＿＿----}　　　　　　　　　　　　__／¨¨
　　　　　　　￣　　　｀y¨弌,　　　　　　　 _}
　　　　　　　　　　　　　　　　　} 　　　　　 {
　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　￣＼
　　　　　　　　　　　辷‐　　　　　　　　　　 ¨:,
　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　ﾞ:,
　　　　　　　　　　　　￣ﾌ__ 辷_____　　　　　　ﾞ、
　　　　　　　　　　　　　　　 └'　　￣0)　　　　　　　ﾞ .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ^V 　　　　　　ﾞ:.,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_r-㍉　　　　　　　　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　[__　　　　　　　　　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　[{}　　　　　　　　　 {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　 {__　　　●：珍島
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾗ‐　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　 c〈　　　　　＿　＿__/
　　　　　　　　　　　　　　　　 ● ｿ　　 __,ﾍ ( 0}‐‰
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　とﾉ} ,し'⊆}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　¨

また、江華島の城が修復不能と判断したのか、即座に半島南部の珍島へと移動を開始
384： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:53:50 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　　　_ 　.　-‐‐=ミ　　　 ___
　　　　　　　　　ｨ´　,,ｯｘｧァァ7７≧ｘく ,ｒ=ﾐx
　　　　　　　　/ヾ"´　　　　　 ⌒彡ハ{ 　ｊﾘ
　　　　　 /ﾐY´ ￣￣__,ノ　 _ノ　　ﾊ'爪
　　　　　　爪､ｊｊ{ィイ彡_ノﾉ｀ヾｰ=ﾆ彡ハｉ.!
　　　　　｀{(:)ﾌi{{て(:)_ﾌ´.へ、 Yミミ彡',}八
　　　　　　/／.::、`ニ彡'＾ヽ　爪r' : }'/∧　＼
.　　　　　 i'ｰ-ｧ ' ､　　　　　ﾉ　jﾐ）.:i'//　 Ⅵ, ハ
　　　　　ｨ小八小ﾑ、　 .イ　 i､ {_ノ/,'　　l l　　l
　ｰ-=彡r''二二ヽ气ﾐｘ'::::ﾉ　､i､､{彡'⌒ヽ､リ　ﾉ
　　　　　/ﾞ⌒ﾞﾞ　　イヾミ=-　ﾊ､ﾐ=-　　　ヽ（
.　　　　/爪　　　ノ　　　 .ｲ　`￢＝‐-
　　　〃小ﾊノ///{ィｨｨイ .::ﾉ　.::/｀＞=‐-,,.. ＿
. 　／　ノ//厶イ-‐=ﾆニ二二三三ラ'"´
元軍元帥阿海

阿海を総大将とした追撃部隊を振り切って珍島を占拠した

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 } ＼＿＿_/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r─{ 　　)┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿_,/　　　／⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ヘ、　　　',　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }⌒ 辷...____ﾉ　　　　　[
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　 {
　　　　　　　　　　　　　　　　_r‐'′　　　　　　　　　 ┌┘
　　　　　　　　　　　　　　_,r‐'"　　　　　　　　　　　　　 _,/
　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　＿＿----}　　　　　　　　　　　　__／¨¨
　　　　　　　￣　　　｀y¨弌,　　　　　　　 _}
　　　　　　　　　　　　　　　　　} 　　　　　 {
　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　￣＼
　　　　　　　　　　　辷‐　　　　　　　　　　 ¨:,
　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　ﾞ:,
　　　　　　　　　　　　￣ﾌ__ 辷_____　　　　　　ﾞ、
　　　　　　　　　　　　　　　 └'　　￣0)　　　　　　　ﾞ .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ^V 　　　　　　ﾞ:.,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_r-㍉　　　　　　　　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　[__　　　　　　　　　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　[{}　　　　　　　　　 {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　　　●　　　　　　　 {__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾗ‐　　　　　　　　　　 /　　　　●：全州
　　　　　　　　　　　　　　　　 c〈　　　　　＿　＿__/
　　　　　　　　　　　　　　　　　ｿ　　 __,ﾍ ( 0}‐‰
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　とﾉ} ,し'⊆}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　¨

珍島から小型船による襲撃を連発し、内陸部の全州にまで出没するようになる

更には度重なる焦土作戦による荒廃から治安が悪化。農民の蜂起も見られるようになった
385： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:54:37 ID:RGM0sGRc0: 　　　　ｲ　／. : : : :ヾ:､: :ヾ:､: ﾊ: :ﾊj: :j｀ヽ
　　／}_／. : ＼ヾ:､ヾﾞ　｀^ーゞﾐi;i;ｲ;/ｲｲﾂ;
　／　,.:ﾞ: : :＞､: ヾ: :ﾐ　　　　　　　　　　 }'ﾞ
'　　,ｲ. :彡/⌒i.!: ＞'ﾞ　　　　　　　　　　 '
　ノ/. : : : { /う.{: ;ﾞ　｀ヾ≠ミ:､　　　　　_,;xﾞ
/ /. : : : : ﾊゝ(ﾘ::{　　＼tr:､ヾﾐ､　 /斧ｲ
_/. : : : : : : ゝ_j::::j　　　　￣- ' 　ｆゞﾞ' .′
. : : : ; : : : : / {彡,　　　　　　　　　'. 　 ′　　これではきりがないな
. : ／/／// 八ノ,　　　　　　　　 ', ,:i
／ ./'　 ,:/ｊ:､　ヾノ,　　 ,..--:::彡ゝチ.,::{
. . . . . ./'. . . .＼ヾノ, ;ﾞ:::／ー---｀ヾ从
. . . . . .､ . . . . . .＼.＼!:/　ー=-'　 i::::八
＼. . . . .ヽ. . . . . . . ヽ{:i､彡,ﾉ/i|l il,りｲﾊ
. . ｀ー-. 　＼. . . . . ..ﾉﾍ｀ー--=≦.i/. . ＼__
. . . . . ._ . . . ..｀ー.／. . ..＼ノ彡'　./. . ／. . ノ､
. .ー-. .-=ミ. . . . . . _彡'⌒ヽ⌒ヾｲ. イ. ._／. . .｀ー-､
. . . . ._　＿_. . . . .--イ⌒ヾ.i . . ﾉ.jー-=ﾆ＝彡. . . . . ＼
. . . . . . . . . . . . . . . ./. . . . }ﾞ.ｲ/ソ＼. . . . . . . . . ._彡'⌒＼
￣　ー-- -――-イ. . . . /りイ＼. . ヽー--― ´｀ヽ: : : : : ＼

高麗駐屯の元軍と高麗軍が三捌抄の現れるたびに出撃し、撃退はしていたが珍島は要塞化されていた

そのため、本拠地の珍島攻略が進まず、軍費の出費が増大するという悪循環が発生し始める

――と、いってもこの三別抄の反乱も文永８年の年の暮に入ると失速

　　　　　　　　　　 .r-三r´ /rr三y=ニヽ
　　　　　　　　　／ﾍへ,. {< ｿl ,,r,,,二ニﾆヽ
　　　　　　　　　jﾆr='''- ﾟﾞ ´￣　　　,　ゞ三=ゝ
　　　　　　　　ｿﾆr ,　　　ー -　　　ヽ　ゞ二=k
　　　　　　　　rﾆ=' {　　　　　　　　　ｭz,,., ゞ二=y
　　　　　　　／ﾆr ,へ、　　　　／∠´ﾞ´. ゝjﾘl=k,
　　　　　　　 { / /´ﾞ｀二ヾｭ,　 .'ゞr ﾞQ ｧ,　　ﾘ}.}k ゞ _ =-、
　　　　　　　 yr,l　　ﾄ Q ヾ,.l　　ゝ￣　　ｲ, /、三ﾆニﾆ,
　　　　　　　〈y.lヾ　｀ﾞ´　 .l　　,＿_r=、　´}ﾍニ三-二ﾆ
　　　　　　　　{jﾆゝﾍ　 r- -r _, ,ｲﾆ=- ﾞ j　 .lﾊゞ三ニニﾍ　
　　　　　　　　jlニ=ﾘl　<-= .＿ _ ー ,　　'　イl.ﾄ,ﾆニニy´
　　　　　　　/jニy j=ゝヽ　　r;;;;z　　　　.ィ, .lﾊﾆ,=jr;／　　
　　　　　　ｿ''ニ'=ﾉ /jﾄ、　　ﾞ　　　　 ./　l./　ﾄ-／　　;;;
　　　　　　{{、ニ/´　ｿ　、, ヽ＿jkｧーｨー━y　r　　　;;;;;;y
　　　　　　　ゞ>,ゝ　l!　rゝ-ﾄ-ヾ-、r-ｲ- ´_ ／　　／´シ
　　　　　　　,ソj　} ﾍ,- ´　-<;;;;;;＿ .-ーｙ ’　／;;;;ｨ´
　　　　　　　ゝr-{ﾘ'　　＿ -ﾌz　　／'' ﾉ　　/;;;;;;ｨ　　　r;;;
　　　　　　　　｛´ /´::::::ｨ''´　　／´ ノ　　ｲ;;;;;/　　　ィ;;;;;;
　　　　　＿＿r-k;;;ｨ´＿ _zｲ´ ／　　;;;/;;;;／　　／ ´ ￣
　　　　ｿ´ｪｭｲ´ --´　ー＿ｨry'　　　;;;/;;;;ｨ　　　´

洪茶丘を中心とした援軍が到着し、元高麗連合軍の兵数が膨れ上がると珍島の防衛で手一杯になり――
386： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:55:43 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　 l´
　　　　　　　　　　 },, ´　　　　　　　　　　｀'''''
　　　　　　　　　　r'/　,,ｯ　　, r ' ´ ｀ﾞﾞ''ｰ-=、
　　　　　　　　　 {´/ , r ' ´
　　　　　　　　　 .l'/´ ';;;' ,､_＿,,,,=-―'''｀ヽ,,
　　　　　　　　　 >　ﾉ（_　＿,,,,==-―'''´ヽ=
　　　　　　　　　Yｰ-'´人_,,=,,r=''"´ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;}
　　　　　　　　　ﾊ_,,=-‐''´ﾘ｀)ﾊ;;;;,,　,;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
　　　　　　　 .{;;;,　'';;;;;;/　,;'　＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
　　　　　　　　ﾍ;;;;;;;;;;;;;;l　,;'　　　｀ｰ===-‐'
　　　　　　　　弋;;;;;;;;|　;;　　　､
　　　　　　　　 l　　.|　 ';　　　｀ヽ、
　　　　　　　　　　　',.　 }ｰ=__,,¨r‐-'´　＼
　　　　　　　　　　　 ' ,. l,r' ﾉ　　｀ー､｀ﾞﾞ''ヽ
　　　　　　　　　　　　 ',i r'ノ'-='ｰ-=,,_｀ヽ｀Y
　　　　　　　　　　　　　| | ヾ;;,,＿　　｀　 ',　',
　　　　　　　　　　　　　',.|　　　　　　　　　}　 l
　　　　　　　　　　　　　 ';;,,　　　　　　　　,;
　　　　　　　　　　　　　 }＼;;,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,ノ
　　　　　　　　　　　　　ノ)ヾ l｀ー―――''´
　　　　　　　　　 ,r' /ソ__',
　　　　　　　　　　 _,,j=-‐'´　 .',
　　　　　　　　'''"´,r'　　　／,;}
　　　　　　　　　 /　　　／ ,,,;;;l

裴仲孫が戦死すると、珍島は陥落

　　　　　　　　 _ , -ー────--- 、
　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　 /　　　　　　　　　●　　　　　　＼
　　　＿/　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼__
　　/´::::::::ヽ　　　　　　●　　　　●　　　　　 !::::＼
　,´::::::::::::::::i　　　　　　　ミ　　　彡　　　　　!:::::::::)
（::::::::::::::::::::〉　　　-= ・=-　　　　-= ・=-　　　ｌ::::::::::i
　ヾ:::::::::::::〈　　　　　　´´　　　　　　ﾞﾞ　　　　　!:::::::::ﾉ
　ヽ::::::::::ﾉ　　　　　　　　(　_　_ )　　　　　　　ヽ_::ノ
　　ヾﾞノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !
　　　　i　　　　　　　　　　/⌒⌒i　　　　　　　 /
　　　　ヽ　　　　　　　　　ヽ￣ノ　　　　　　丿
　　　　　＼　　　　　　　　￣　　　　　　／
　　　　　　　｀ー─-- 、　　　　＿ - ー´
　　　　　　　　　　　　　｀ー─´

承化候温も逆賊の王として処刑された
387： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:56:44 ID:RGM0sGRc0: ――ちなみに、日本に書状が到着するのは元からの援軍が到着し、三別抄の本拠地珍島が陥落した時期である

　　　　　　　、
　　　　　　　　 }ヽ　　　　　　　　_ 　- ──-　、
　　　　　　　　 | 　L_ r '⌒＞r　 (フ　　　　　＼
　　　　　　　　∠７＿」　｀＜　､ヘ、　　, 　　　　r､ヽ
　　　　　　　/　　　　　ヽ　ヽ　＼ゝ　〈ﾉ　　　ﾊ　ヽ　ﾄ､
　　　　　 {　 (　)　　　}　　 }ヽ　,ﾆ､<＾ヽ､　　し　　 /〉ヽ
　　　　　　, ﾍ　　　　_ ノi　　//ﾊＬ. }　＼　｀T￢ r 7´〉r､　|　
　　　 ∠　-ヘ、＿} 　 |　厶ｲ_｣　r- 　 _｀　ヽ j ﾚ／　Ｌ.}人
　　　　　　　　　ヽﾆﾄ､　ﾚ＾ト､_　 /二ニ＝‐_　　ﾆヽニ7 '　　}
.　　　　　　　　　　ヽj７iVﾆ=-､-　二＿_〔　　〕_ ∠_ rv^}
　　　　　　　　　　　　／ヽﾚ'ー─-ヽヽ＼　r-､７ﾆr个i､ヽﾄﾚ′
.　　　　　　　　　 _厶∠三ユ__　　 }　l　〉 --ｲ￣ヾY＾ヽ、
　　　　　　　　　/　　　r‐ ￢＿　二コｰ'─r一'　　　,二、 _ﾕ
　　　　　　　　　￣￣￣￣　　　　　　　￣￣￣￣￣

渡海して一戦するだけの物資輸送能力があったかどうかは微妙なので机上の空論だが、日本の判断は正しいといえる

もし万が一援軍を送っていたら、待っているのは役に立たなくなった三別抄海軍と策源地付近で準備万端の元高麗軍であった

――尚、この後も三別抄は金通精という人物を総大将として、耽羅島（現済州島）を根拠地に戦闘を続ける

　　　　　　　　＿
　　　　 ,.-''"三ﾆ.＼
　　　　.r'三三三三ミ`,　　
　　　　.ヽ三三三三三|　　
　　　　　 ',ニ三三三ﾐ,'
　　　　　　',三三三ミ,'　　
　　　　　 .'､_三三ミ`、_　　　
.　　　　　._,,.-┘ﾆ三三三ミ..､　　　　　　　　　 ,､
　　 ,r.''"三三三三三三三三ミ''.-､　　　　　 _　f;!..l;L!i
　　.lﾆ三三三三三三三三三三三l,　　　　ヾ,.j;;ﾚミ'ﾉ
　　lﾆ三三三三三三三三三三三ﾐ',　　　　ζ三,.r"
　 .lニ三三三三三三三三三三三ニi 　 γ'三r"
　 lﾆ三三三三三三三三三三三三ﾆ`､.ｨ.三ミヽ
　.!ﾆ三三三三三三三三三三/､ﾆ三三三三.／
　!ﾆ三三三三三三三三三ﾐノ.　.＼三三三./
. lニ三三三三三三三三ニ,'　　　＼ﾆミ/
.,'ﾆ三三三三三三三三三〈　　　　　｀.´
,'.三三三三三三三三三三`、

といっても、海軍主力を喪失して、陸軍も半島南部には元の屯田兵が駐屯

できることは海賊紛いの襲撃程度で大勢に影響を与えることはなかった
388： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:57:47 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　　 .r-三r´ /rr三y=ニヽ
　　　　　　　　　／ﾍへ,. {< ｿl ,,r,,,二ニﾆヽ
　　　　　　　　　jﾆr='''- ﾟﾞ ´￣　　　,　ゞ三=ゝ
　　　　　　　　ｿﾆr ,　　　ー -　　　ヽ　ゞ二=k
　　　　　　　　rﾆ=' {　　　　　　　　　ｭz,,., ゞ二=y
　　　　　　　／ﾆr ,へ、　　　　／∠´ﾞ´. ゝjﾘl=k,
　　　　　　　 { / /´ﾞ｀二ヾｭ,　 .'ゞr ﾞQ ｧ,　　ﾘ}.}k ゞ _ =-、
　　　　　　　 yr,l　　ﾄ Q ヾ,.l　　ゝ￣　　ｲ, /、三ﾆニﾆ,　　　皇帝陛下からの御命令です
　　　　　　　〈y.lヾ　｀ﾞ´　 .l　　,＿_r=、　´}ﾍニ三-二ﾆ
　　　　　　　　{jﾆゝﾍ　 r- -r _, ,ｲﾆ=- ﾞ j　 .lﾊゞ三ニニﾍ　　　軍船６００隻と兵士３万人分の兵糧の準備をお願いします
　　　　　　　　jlニ=ﾘl　<-= .＿ _ ー ,　　'　イl.ﾄ,ﾆニニy´
　　　　　　　/jニy j=ゝヽ　　r;;;;z　　　　.ィ, .lﾊﾆ,=jr;／　　　　あと鏃１０万本分
　　　　　　ｿ''ニ'=ﾉ /jﾄ、　　ﾞ　　　　 ./　l./　ﾄ-／　　;;;
　　　　　　{{、ニ/´　ｿ　、, ヽ＿jkｧーｨー━y　r　　　;;;;;;y
　　　　　　　ゞ>,ゝ　l!　rゝ-ﾄ-ヾ-、r-ｲ- ´_ ／　　／´シ
　　　　　　　,ソj　} ﾍ,- ´　-<;;;;;;＿ .-ーｙ ’　／;;;;ｨ´
　　　　　　　ゝr-{ﾘ'　　＿ -ﾌz　　／'' ﾉ　　/;;;;;;ｨ　　　r;;;
　　　　　　　　｛´ /´::::::ｨ''´　　／´ ノ　　ｲ;;;;;/　　　ィ;;;;;;
　　　　　＿＿r-k;;;ｨ´＿ _zｲ´ ／　　;;;/;;;;／　　／ ´ ￣
　　　　ｿ´ｪｭｲ´ --´　ー＿ｨry'　　　;;;/;;;;ｨ　　　´

　　　　　　　　　　　　　　　　　　､_,ヽ＼汁|ヽヾ_,_,
　　　　　　　　　　　　　　　　｀久匕卅从W勹災七
　　　　　　　　　　　　乂从Ｗ仆幵卞从Wﾐ
　　　　　　　　　　　　 YヾlVlN从ﾏ大Ｗ从ﾀﾞﾐ
　　　　　　　　　　　　ﾉ　　 ∨r ､卞卅从从
　　　　　　　　　　　　　　　　r}-―==ヽ）}从ｵﾐ仆匕
　　　　　　　　　　　　　　　　｀l　　　　|i/ 'W从卅冫　　　ｱｯﾊｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　',　　　　　 W从彡'
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',　　　 ,　 ,r'´￣　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　 """"ヾ／／´///
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l/´//////
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/////////
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //////////
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{/////,r'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ//,r'´　,r'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　）'´　,r'´

そして、この時期から高麗に軍船の建造と大量の兵糧準備、鏃の製造命令が下るようになる
389： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:58:21 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　 iｲ彡　_＝三三三ｆ　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　 !ｲ彡彡´_ -_=＝{　　　　二三三ﾆﾆﾆﾆヽ　　　
　　　　　　　fｲ彡彡ｨ　彡ｲ／　　　　ｨ_‐- ､　　￣￣ヽ　　
　　　　　　　ｆ彡イ彡彡ィ／　　　　　ｆ　　　ヾﾕ　 fへ‐ｫ　　
　　　　　　　ｆ／ミヽ＝＝＝＝＝＝<| 　　　 lr＝〈　　ﾘ　
　　　　　　　ｲｲレ､´彡ｆ　　　　　　ヽ＿ __ノ　　 λ 　ﾉ　
　　　　　　　ｆﾉ／）彡!　　　　　　　　ｨ　　　ﾉ￣l　　　　ふむ、異民族の懐柔ですか
　　　　　　　ﾄヾ__ら 'ｲf　　　　　　　　　／_ヽ,,テtt,仏　 !
　　　　　　　|l|ヽｰ　 '/　　　　　　　　　 rfｲｆ〃ｲ川ﾄﾘ　/　　　　陛下じきじきの御命令とあればきくしかありませんな
　　　　　　 r!lﾄ､{'ー‐　　　ヽ　　　　　　´　　ヾミ､　 /
　　　　　　/ ＼ゞ　　ヽ　　ヽ　　　　　　　ヽ /
　　　　 ./　　＼　　　＼　　ヽ　　　　　　　　　　/
　　　／〈　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ
-‐ ´ ヽ　ヽ　　　　＼＼　　　　＼　　　　　　人

第五次使節団の編成もすでに終わり、半島の南下を開始している

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　'　"　　　　　`　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　／:　 ___V__,, 　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　/:: 　　＼　/　　　　　　　　　ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　/:: 　　　　 V　　　　 __,, -ｲ┓ 　 i
　　　　　　　　　　　　　　 i:::i 　　　　　i　/ 　 _／　_,,r～' 　　li
　　　　　　　　　　　　　　l:┏ -　,,_　＼癶ﾚ／　_,,"-=ｫ　　　lik
　　　　　　　　　　　　　　il:::iﾚ__こ __ﾐ`V　 `Y ﾄ-'-`-'ノ　　　　jﾐ/^ ,
　　　　　　　　　　　　　 il::::`尤~_っ`)ｲ:i　　　ヽ ~`　　　　　　ﾅj　 l
　　　　　　　　　　　　　ﾊ:::`:::'"　　'ｲ:_l,_　 _ ,　　　　　　　xXjl（ ll
　　　　　　　　　　　　　 Y^l::`::　　　ｨ::r::: :へy ゝ　　　　　ヽミvXj/ l
　　　　　　　　　　　　　　lljlﾘ:::　　　　　:::::::ソ　　　　　　　　＼ヾll　lヽ
　　　　　　　　　　　　　　l川ﾘ::::　　　　__:::,,__　_,,,,_　　　　:.　ヽ`y/ﾘ7`,
　　　　　　　　　　　　　爪ﾘリ::::　: __,,ノ_,,　,,　,　- - `=っ　 i:::　　ﾘ彡りり
　　　　　　　　　　　　,ｲ巛川l:::: ::　　　...::::::::::.....　　　　　　i::::　ﾚり彡'ﾘYヽ
　　　　　　　　　　　,ｲ巛巛llﾘl:::: `::　　　"　　　 ~　　　　　　':　　ﾚﾘ'"彡り川
　　　　　　　　　　　＼` 三川k:::::::　　　　/ﾊ＼,_　　　　　　　　ﾘ li彡彡'ﾘｿﾘ
　　　　　　　　　　,入NN＼Nl::::＼　　　　7ﾘ川(￣　　　　 /／ '/　li～-弋川
　　　　　　　　　巛三三ｫ -ll:::::!ヾヽﾄ i,,, _川川ﾊl,,__ｨｲ_, ノ'　　　/　ﾄ,　　　liり
　　　＼　　　 l|(三二y/　 llll`,::!l:::::::`ミミミ川ﾘ彡彡 '　　'::ﾉ　　/　ハ: 　　 liﾘ
　　　　　人`--＞～-ll　　lllllヽ:::::::: : : : :`ミ三ﾘ彡'　　　　 jり　 /　:j: / 　　人＼
　　　　ヽ人人_^_^_^_^l　　 Y,::::::::::::::::: : : : `ミh　　　　　　ｿ　　　:j:/　　　/_^_l入入ヽ ,,__へ__
　　　　　ヽ人人^ ^ ^ _＼　　＼:::: : : : : : : : 三_　　　　　　　　/　　　/^_^_^l_入入/_^_^_^
　　　　　ヽ人人^ ^ ^ ^ _＼　＼:::: : : : :　　二_　　　　　　/　　／^_^_^_^l入入/_^_^_^
　　　　　　　ヾ＼^ ^ ^ ^ ^ _＼　＼: : 　　 ,,,,__ 二　_ソ　　　/　／^_^_^_^_^_lﾊ入/_^_^_^_^
　　　　　　　　＼l^ ^ ^ ^ ^ ^ ^＼　＼　　　　　　　　　　/　/^_^_^_^_^_^_ lﾊ入l_^_^_^_

誰もが日本か南宋への大規模出兵が近いことを予感し始めていた――
390： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 18:58:49 ID:RGM0sGRc0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼
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　　　　　　　　　　　【やる夫は元寇を戦い抜くようです】

　　　　　　　　　　　戦乱の兆し/始まりの終わり　　　了
391： ◆q/QapWeGMk：2014/04/26(土) 19:00:14 ID:RGM0sGRc0: 本日の投稿分は以上となります

ちょっと短めの分量で申し訳ありません
一週間で忙しいの終わるって言ってたじゃないですか……

次回はできれば五月中ごろには投稿したいと思っております
392：名無しのやる夫だお：2014/04/26(土) 20:05:20 ID:rNEzHLSk0: 乙ー
運が良かった、のかねえ？
393：名無しのやる夫だお：2014/04/26(土) 20:24:39 ID:q8SCCkY.0: 乙！
このちゃくちゃくと色んなフラグが積み重ねられてるのがなんとも言えないな
394：名無しのやる夫だお：2014/04/26(土) 20:44:00 ID:55fDmkDw0: 乙
395：名無しのやる夫だお：2014/04/26(土) 22:42:01 ID:2gjQrMP.0: 乙
結局は敗北したか……
ま、勝てる相手じゃねーけどさ
396：名無しのやる夫だお：2014/04/26(土) 23:04:59 ID:b12RsaWM0: 乙

反乱側が日本に援軍を求めるって発想があったのがちょっとびっくりした、当時の中華世界での日本ってそんな存在感ないイメージだったんで
単純に独立勢力の一つに繋ぎをとっただけかもしれないけど
397：名無しのやる夫だお：2014/04/26(土) 23:27:03 ID:CnPFe1Cw0: 乙でした
元の足音が迫ってますなぁ
398：名無しのやる夫だお：2014/04/27(日) 00:41:50 ID:WRAPSNyU0: 乙でした
逆にここまでしぶとく抵抗できたのは元の水軍力の無さ故かな？
399： ◆q/QapWeGMk：2014/04/27(日) 10:37:44 ID:6zq4Au6E0: >>393
もっとフラグは積んでいきます
というかもう文永の役自体がフラグ回になりそうな

>>395
練度とか戦意はそれなりでも相手が元と高麗正規軍の相手で数も倍以上だとかなり厳しいですね
義勇兵だった時以上に買収合戦のせいで傭兵じみてたので金目的で寝返るやつもいたとか

>>396
最近になって貴族の文書が出てきて比定が可能になったそうです
なんだかんだ言っても南宋最大の貿易国の一つで、朝鮮半島の国家とは民間での交易があったので
知らないというレベルではなかったそうです。時期的には完全に神頼みレベルのものだとは思われます

>>397
文永の役まであと二年という所なのですが
高麗お前らイベント多すぎんよ……

>>398
元軍駐屯→「物資お願い」→高麗「無理言うなっての」
以下物資の負担で押し問答という経緯ががが
400：名無しのやる夫だお：2014/04/27(日) 23:29:13 ID:5HHk7.220: 乙

珍島の名前は最近有名になりましたねえ
401：名無しのやる夫だお：2014/04/29(火) 15:10:29 ID:rVofeB6g0: 乙でした
内も外も嵐の予感しかしないっていう・・・
402：名無しのやる夫だお：2014/05/17(土) 11:52:54 ID:wIoQQq.EO: 三別抄で支援しなかったのは、白村江の教訓を活かしたとも言えるのかな？
403： ◆q/QapWeGMk：2014/05/24(土) 01:20:53 ID:HoBYlOzU0: 生存報告を兼ねて一口人物紹介
本日修羅場その２完結して一週間ほど余裕ができたので近日第五話投稿できると思います

皇帝世祖/フビライ・ハン（１２１５～１２９４）……董卓/蒼天航路

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　　　　　　　　　　　　　　 i:::i 　　　　　i　/ 　 _／　_,,r～' 　　li
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　　　　　　　　　　　　　　il:::iﾚ__こ __ﾐ`V　 `Y ﾄ-'-`-'ノ　　　　jﾐ/^ ,
　　　　　　　　　　　　　 il::::`尤~_っ`)ｲ:i　　　ヽ ~`　　　　　　ﾅj　 l
　　　　　　　　　　　　　ﾊ:::`:::'"　　'ｲ:_l,_　 _ ,　　　　　　　xXjl（ ll
　　　　　　　　　　　　　 Y^l::`::　　　ｨ::r::: :へy ゝ　　　　　ヽミvXj/ l
　　　　　　　　　　　　　　lljlﾘ:::　　　　　:::::::ソ　　　　　　　　＼ヾll　lヽ
　　　　　　　　　　　　　　l川ﾘ::::　　　　__:::,,__　_,,,,_　　　　:.　ヽ`y/ﾘ7`,
　　　　　　　　　　　　　爪ﾘリ::::　: __,,ノ_,,　,,　,　- - `=っ　 i:::　　ﾘ彡りり
　　　　　　　　　　　　,ｲ巛川l:::: ::　　　...::::::::::.....　　　　　　i::::　ﾚり彡'ﾘYヽ
　　　　　　　　　　　,ｲ巛巛llﾘl:::: `::　　　"　　　 ~　　　　　　':　　ﾚﾘ'"彡り川
　　　　　　　　　　　＼` 三川k:::::::　　　　/ﾊ＼,_　　　　　　　　ﾘ li彡彡'ﾘｿﾘ
　　　　　　　　　　,入NN＼Nl::::＼　　　　7ﾘ川(￣　　　　 /／ '/　li～-弋川
　　　　　　　　　巛三三ｫ -ll:::::!ヾヽﾄ i,,, _川川ﾊl,,__ｨｲ_, ノ'　　　/　ﾄ,　　　liり
　　　＼　　　 l|(三二y/　 llll`,::!l:::::::`ミミミ川ﾘ彡彡 '　　'::ﾉ　　/　ハ: 　　 liﾘ
　　　　　人`--＞～-ll　　lllllヽ:::::::: : : : :`ミ三ﾘ彡'　　　　 jり　 /　:j: / 　　人＼
　　　　ヽ人人_^_^_^_^l　　 Y,::::::::::::::::: : : : `ミh　　　　　　ｿ　　　:j:/　　　/_^_l入入ヽ ,,__へ__
　　　　　ヽ人人^ ^ ^ _＼　　＼:::: : : : : : : : 三_　　　　　　　　/　　　/^_^_^l_入入/_^_^_^
　　　　　ヽ人人^ ^ ^ ^ _＼　＼:::: : : : :　　二_　　　　　　/　　／^_^_^_^l入入/_^_^_^
　　　　　　　ヾ＼^ ^ ^ ^ ^ _＼　＼: : 　　 ,,,,__ 二　_ソ　　　/　／^_^_^_^_^_lﾊ入/_^_^_^_^
　　　　　　　　＼l^ ^ ^ ^ ^ ^ ^＼　＼　　　　　　　　　　/　/^_^_^_^_^_^_ lﾊ入l_^_^_^_

モンゴル帝国の五代目皇帝にして、中華帝国の元の初代皇帝

モンゴル帝国を創設したチンギス・カンの孫にあたる人物で【パクス・モンゴリカ】を担った皇帝でもある

カン（遊牧民族の統一王）位を得たのは１２６０年と物語開始の直後で、そのころはまだカン位争奪戦の最中だったりする
404： ◆q/QapWeGMk：2014/05/24(土) 01:21:27 ID:HoBYlOzU0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__　_
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　　　　　　　　　　　　　 il::::`尤~_っ`)ｲ:i　　　ヽ ~`　　　　　　ﾅj　 l
　　　　　　　　　　　　　ﾊ:::`:::'"　　'ｲ:_l,_　 _ ,　　　　　　　xXjl（ ll
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　　　　　　　　　　　　　　l川ﾘ::::　　　　__:::,,__　_,,,,_　　　　:.　ヽ`y/ﾘ7`,
　　　　　　　　　　　　　爪ﾘリ::::　: __,,ノ_,,　,,　,　- - `=っ　 i:::　　ﾘ彡りり
　　　　　　　　　　　　,ｲ巛川l:::: ::　　　...::::::::::.....　　　　　　i::::　ﾚり彡'ﾘYヽ
　　　　　　　　　　　,ｲ巛巛llﾘl:::: `::　　　"　　　 ~　　　　　　':　　ﾚﾘ'"彡り川
　　　　　　　　　　　＼` 三川k:::::::　　　　/ﾊ＼,_　　　　　　　　ﾘ li彡彡'ﾘｿﾘ
　　　　　　　　　　,入NN＼Nl::::＼　　　　7ﾘ川(￣　　　　 /／ '/　li～-弋川
　　　　　　　　　巛三三ｫ -ll:::::!ヾヽﾄ i,,, _川川ﾊl,,__ｨｲ_, ノ'　　　/　ﾄ,　　　liり
　　　＼　　　 l|(三二y/　 llll`,::!l:::::::`ミミミ川ﾘ彡彡 '　　'::ﾉ　　/　ハ: 　　 liﾘ
　　　　　人`--＞～-ll　　lllllヽ:::::::: : : : :`ミ三ﾘ彡'　　　　 jり　 /　:j: / 　　人＼
　　　　ヽ人人_^_^_^_^l　　 Y,::::::::::::::::: : : : `ミh　　　　　　ｿ　　　:j:/　　　/_^_l入入ヽ ,,__へ__
　　　　　ヽ人人^ ^ ^ _＼　　＼:::: : : : : : : : 三_　　　　　　　　/　　　/^_^_^l_入入/_^_^_^
　　　　　ヽ人人^ ^ ^ ^ _＼　＼:::: : : : :　　二_　　　　　　/　　／^_^_^_^l入入/_^_^_^
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後の元朝版図の大体の形を完成させたのもフビライの在位中であり、その業績から歴代皇帝の中でも偉人であるとされている

また、周辺王朝に自身の親族の娘を娶らせて親族化したうえで藩屏を形成してく手法もフビライの治世で本格化している

その一方で、晩年は元の版図の方々で発生する戦争の鎮圧に奔走する毎日を送ることになってしまった
405： ◆q/QapWeGMk：2014/05/24(土) 01:34:53 ID:HoBYlOzU0: 高麗王元宗（１２１９～１２７４）……長谷川泰三/銀魂

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元服属直後に即位した王で、文永の役まで高麗王として元との外交に当たった

父親で対元戦争を指導し、最終的に降伏した太宗が死去した時はなんと元に人質として入朝するための移動している最中で

フビライに面会した途端とんぼ返りで即位したという、まさしく服属当初の高麗王国を見てきた王と言える
406： ◆q/QapWeGMk：2014/05/24(土) 01:35:17 ID:HoBYlOzU0: .　　　　　ﾄ}
.　　　　　ﾄ}
　　　　　　 ,斗|
　　　　　 ,rfi穴fﾄ､
.　　　,f歹　　弋ﾍ
　　　 rf歹　　　弋ﾊ
　　　 Ⅳ　　　　　　Ⅵ
　　　ﾄ!　　　　　　ﾄ}　　　　　　　,_,,_,
　　　ﾄ!　　　　　　ﾄ}　　　　　､k≧爻ミ≦k_
　　　ﾄ!　　　　　　ﾄ}　　　　爻弐衣三≦ﾒ､
　　　{ﾍ.　　　　＿ﾄ}　　　　´Y＾_､__`^州刋
　　　r'‐う　　　 { 　 ` 、　　　　fk=代F=㌃!f`
　　　辷うt竺竺廴　　ヽ　　　{￣} ｀￣　,り
　　　　｀ヽ　＼　　｀ヽ.　＼,_＿、t_‐　ノ{_
　　　　　　ヽ、｀Yﾞ￣｀`ヽ、｜　｀`ゞ≦=‐'⌒ヽ.
.　　　　　　＼l 　　　ﾄ､}　　　　　　　　　　 ',
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　　　　　　　　　　　　　｀ヽ｀ヽ,＿＿ .ィ´　　　{
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　　　　　　　　　　　　　〈　　 { 　{　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　ゝ＝`≠＝≦三三く
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だが、部下は武臣政権を体験していて無駄に強硬的な金俊とか元々下士官クラスだったと思われる奸雄林衍とか

とにかく王命何それ食えるの？な武臣と、忠実ではあるけど軍事的な裏打ちのない文官との間で板挟み

元の出す結構な献納品のために国内からあるだけの財産を絞り出すさなければならないだの、とにかく貧乏くじの多い王であった
407： ◆q/QapWeGMk：2014/05/24(土) 01:38:12 ID:HoBYlOzU0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　､_,ヽ＼汁|ヽヾ_,_,
　　　　　　　　　　　　　　　　｀久匕卅从W勹災七
　　　　　　　　　　　　乂从Ｗ仆幵卞从Wﾐ
　　　　　　　　　　　　 YヾlVlN从ﾏ大Ｗ从ﾀﾞﾐ
　　　　　　　　　　　　ﾉ　　 ∨r ､卞卅从从
　　　　　　　　　　　　　　　　r}-―==ヽ）}从ｵﾐ仆匕
　　　　　　　　　　　　　　　　｀l　　　　|i/ 'W从卅冫
　　　　　　　　　　　　　　　　　',　　　　　 W从彡'
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l/´//////
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/////////
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ//,r'´　,r'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　）'´　,r'´

そのため、曲りなりにも元と友好的な関係を樹立して国内を持ちなおした忠烈王と比べられて暗君との評価を受けがちである

まぁ、実際武官の暴走を止められないで内乱起こしてるからあんまり有能とは言えないのかもしれないが

少なくとも忠烈王の親元政策を支えた降嫁要求を提案したあたりただの暗愚とかではないと思われる
408：名無しのやる夫だお：2014/05/24(土) 01:48:12 ID:DBana0NI0: 乙
歴代朝鮮の中でも中々不幸な王だろうな
409： ◆q/QapWeGMk：2014/05/24(土) 01:50:54 ID:HoBYlOzU0: >>405
すみません
太宗→高宗でした

>>408
自分は元の親族じゃないけど一番国が荒れてる時に即位ですので
よくある貧乏クジ引かされた王様といえます
410：名無しのやる夫だお：2014/05/24(土) 03:29:06 ID:GW.YU4E20: カンとハンが混ざってるけど両方同じ意味だよね？
411： ◆q/QapWeGMk：2014/05/24(土) 16:24:31 ID:HoBYlOzU0: >>410
すみません両方とも意味は同じです
412：名無しのやる夫だお：2014/05/31(土) 22:53:17 ID:0ZadNKIQ0: パックスモンゴリカはもうちょい後だよね
モンゴル帝国の侵略と皇族国家と争いに妥協が成立した辺りだから
413： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 00:31:17 ID:cEL/Arn60: >>412
すみません、勉強不足でした
パクスモンゴリカはフビライの次代からでした

一応予告、第五話「二月騒動」を二日午後十時ごろより投下を行います
詳しい時間はまた時間が近くなってから
414： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 20:17:30 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼
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　　　　　　　　　　　【やる夫は元寇を戦い抜くようです】

　　　　　　　　　　　　本日午後１０時より投下いたします
415： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:00:23 ID:cEL/Arn60: では投下を始めます、一時間半ほどおつきあいお願いします

─――文永８年

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　　　　　　　ヽー '´／　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　｀＜.._
　　　　　　　　｀／/　　　　　　/　 :.　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　 _/
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　　　　　　　/...::/　　.:::i　　.:.！　 ::::::　 ::::...　　 :|:.　　　　 :',　　.......::::∠_
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　　　　　　　 /'´ |.::::/::i/.::;厶::L.',　::::::i ::| ＼::::::::|､:::. |　　:::::i::.:::::::::::::::r'´
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　　　　　　　　/.:j/ .:::::':::::八i´う心ぃ:::::ぃ!'´ｧ=;气ト､＼　:::::i‐､::::::::::l ヽ
　　　　　 /::/ .::::::::::::/! ヽ. ﾏヒﾘ　＼:',　　　ｒ'仍ﾘ'|　　:::::|^'|::::::}:::!
　　　　　 ,:〃.::::::::::::/　|　　｀¨¨　　　ヽ　ｰ`ー'-１ ::..::::::l ﾘ:::::ﾊﾉ
　　　　　 /″::::::;ｲ/　　 !　　　　　　　　　　　！{:::::::::〈::;ﾍ{
　　　　　　　i　:／　′　　、　　　丶　　　　　　　　 ,い､:::::::〈
　　　　　　 | /　　　　　　　＼　　－--　　　　　　.ｲv∨ 丶 :ヽ
　　　　　 |,′　　　　　　＼　　　　　　,.　 '´ノ:::〈　　　　｀
　　　　　　 !　　　　　　　　　　　,..｀ー;r‐　´_,.. :'´:::::::::ﾊ
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　　　　　　　　　　　　 /: |: : : : : : : :L._ .:::/:| `'／: : : : : : : : : : : : ヘ

惟康王の源姓下賜を祝う式典は大成功に終わった

　　　　　　　　　 /　　　　　　 /　　／　　　　　　 '.
　　　　　　　　「 У　　　　　　　　/　／　　　　　　　　　　 ∨}
　　　　　　　　　} { 　　　　 `ﾄ､/ イ斗≦ イ＜彡　　　 }
　　　　　　　　 /　〉 .r`⌒ヽト､{　　　　　　　　 ∨　　　 /　}
　　　　　　　 {　′ | /　　　　　　　　 /　　　 i　 V 　 /
　　　　　　　　　､　　| }　　　 { 　　　/　　　　 {: 　 } :./　, 　ム
　　　　　　　､￢ﾐ　L　＿　　:.　　 /　　　＿　　 }　: /　/ /´
　　　　　　　＼　ィ⌒ヾﾐﾒ､ {　　{ rzz彡 ⌒ヾ　 }　/ﾍ　 .′
　　　　　　　　　　Yﾊ } /ノ´苡≧､ｰヘィ廴苡>､　　} //} } /
　　　　　　　　　　 }　}i　｀¨¨　／ }　　＼　　　　ｲ〃り }′
.　　　　　　　　 V八　　／　　}　　　 ` ､　　/ } }/　/
　　　　　　　　＼ﾄ､　　　　､　 ,　　　　　 /　| |　ム
　　　　　　　　　　 Vﾊ　　イ""　　　｀丶、ヽ　 | しﾍ厂_
　　　　　　　　　　　　 ∧ }〈{　ィイ_ヘ_トﾄﾐ }　} 　ﾉ　}､}､　｀ヽ
　　　　　　　　　／∨ ﾑゝゞ'　｀¨ﾆﾆﾆ¨´　　／　　〈ﾉ }　　 ⌒ヽ
　　　　　　　　　_{　　∠ィ　＼　 , へ　　／　　､}／　/　　　　 }_
　　 -‐y⌒Y´　 }　〈　ﾑﾍ　 ` "　　 ` ` `　,　-=彡　/i:}　　　　　　｀ヽ
　　{　　　 /　　 {　　ゝ =ﾐ　} ィ　　 i　　　〃　　　 /i:i/　　　　　　 }＼
　 /　　　 { 　　 V´:i:i:i:i:i:iヽ人､从{从ｲイ {　　　 /i:i/　　　　　　　　ゝ､:＼

名目上の最高位として貴種の人物を据え、北条一門が政務を司るという体制が確認され

幕府の政治体制は再度安定期に入ると思われていた
416： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:00:54 ID:cEL/Arn60: ――少なくとも、この時多くの者にとっては

　　　　　　　　　　　　　　　　　,.........,_　　__
　　　　　　　　　　　　　 ,.r'"~~ヽ、::::ヾ、:::::ヽ､
　　　　　　　　　　　 ,r''"::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ,::::::::::ヽ､
　　　　　　　　　　ノ''"~::::::::::::::::::::::::::::､:::::::ヽ::::::::::::::ﾞ:,
　　　　　　　　　r"::::::::-‐'"~~`:::::::::ヽ、::ヽ::::::ヽ,::::::::::::ヽ.
　　　　　　　　　l::,r:::::::::::::r'"~ヽ、:::ヽ::ヽ、::::::::ﾞ;;::r'":::::::ｿ
　　　　　　　　　l"::::::::::::::::::::-､:::::t---､、::::::ヽﾉ,:::::::::::､:ﾞ:,
　　　　　　　　 r":::::::::::___::::ﾞヽr''　　　　ﾞｰ,:r;.j:､t-､::::ヾ.
　　　　　　　　 t,::::／::::::::::::::ミ''　　　　　　 'ノ",!ﾉl| ﾞ:,::::,r'
　　　　　　　　　l:::::::::,r‐ ､:ﾐ'"　　―‐-､､,__　ノ　'__,,.!ノ
　　　　　　　　/::::::::l.ヽ,ゝ|,ﾐ, 　　ヾﾕﾆﾌ~`>　,r:j>i'
　　　　　　 ,r'l:::::::::::::ヽ、,| ﾞ;:　　　　　　　　 i　 |　　　ああ、そうとも時が解決してくれるとも
　　　　　／　|:::::::::::::,|,,、ﾞ' l'　　　　　　　　 t,.r'
　　　 ,ri"　　 l:::::::::/,/'i’　ﾞ　　　　 __ 　　-┬ '　　　　政村という邪魔者がいなくなれば幕府は正道へと回帰する
-‐'''""~|　　　ﾞi,;!'ｿ,ﾉ l'　:,　ヽ、　　　￣￣ ,:'
　　　　 | 　　　ﾞi、ヽ、　:i　　ヽ.､　　　　　,!,
.　　　　 | 　　　　＼＼ﾞi, 　　ヽ`ｰ,r--'ﾞi,＼
　　　　　l　　　　　　＼＼､　　　　 lﾞi､ﾞi,　ﾞi、＼

幕府という体制は盤石に思えるものだった

　　　　　　:|　 {　　　　　ヽ　　　　 /　　　　　　　|　　　　/ /　　/
丶　　　　ﾘ　 ;　　　　　　ﾐ, 　　　 /　　　　　　　八　　　/ / 　 /
　＼　　　ﾚ! ﾉ　　　　　　 `, 　　 /　　　　　　　〈　ゝ-彡 '　　/
ヽ　　￣　厶　　　　　　　　 l　　　;　　　　　　　　ヽミ　　　 ,厶,,_
　＼_　　／‐=ニニﾆヽ　　 {　　ﾉ,　　／　二ﾆ=、　}　　_,／　 , ´
ﾐ, 　　 }　{　　／,≫＝ミゝ_,｝〉　 {《___ノｧ=≪ ＼　　　| 　　　丿
　＼ｒ‐┤ |　　／　め　　｀`〈　　　　ﾉ　め＼､　　｜|>―､彡　　　急がねばならん……
　　ﾉ　Ｊ　|　　　ミー==彡ゝ　i　　　へ　ﾐ=　___,,.　　　 |｜/＾ i
　　}　ノｌ　!　へ,,__　　　／　　}　　　　＼　　　ノ＾'　 } ｊくl　 ;　　　　時宗を、幕府を守るためには急がねばならんのだ……
　　{　{ l|　!　　　　 _,／　　　　　　　　　　`ｰ　　　　　 ; ｌ| ﾉ　八
　八　ﾘ ‘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ﾘ　 /
　　　＼‘　ゝ　　ﾉ　＿＿_ュ__ｒュ＿＿_　丶　　,ｲ　{　,〈
　　　＿ゞ,　い,　 l　／　　　　　　　　　　＼　}　 /ﾉ ,厶ハ,
　／　　ハ　! ｌ　 V　,　 ,___ｔ___人__ｘ,__､　､　Ｖ　//　{　 V└―ｘ、
__」　　 /　 '，l `　 '⌒了___ｧ………=ｔ__T＾ﾞ⌒`　 ′ l　　}／ ⌒　＼___
　　ミ〈　　い、　　弋く　　　　　　 >ｿ　　　　 ;　 l 　 ‘　　　　　　　｀ ,
　　　　》　　ﾉ　＼　　　ヽ辷ｰ─一少　　　　ﾉ　〈　　乂　　　　　　　 |
　　　〃　く,　　　＼　　　　,,.二二.,,　　　　　／　　ゝ　　ﾏ　　　　　　└ｭ_
　　　ヘ　　＾气　　　￣乙ィ／＼､__,z―=彡　　厂　　　ﾉ　　　　　　＼
　　　　〕ﾄ　　厶　　　　　 ´　ﾉ　｀ゞ　　　　　 ,厶　　　／　　　　　　　　ヽ

だが、その「盤石」というものがどんなものなのか一部の者は気づいていた
417： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:01:24 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　　　　 /　　　　　　 /　　／　　　　　　 '.
　　　　　　　　「 У　　　　　　　　/　／　　　　　　　　　　 ∨}
　　　　　　　　　} { 　　　　 `ﾄ､/ イ斗≦ イ＜彡　　　 }
　　　　　　　　 /　〉 .r`⌒ヽト､{　　　　　　　　 ∨　　　 /　}
　　　　　　　 {　′ | /　　　　　　　　 /　　　 i　 V 　 /
　　　　　　　　　､　　| }　　　 { 　　　/　　　　 {: 　 } :./　, 　ム
　　　　　　　､￢ﾐ　L　＿　　:.　　 /　　　＿　　 }　: /　/ /´
　　　　　　　＼　ィ⌒ヾﾐﾒ､ {　　{ rzz彡 ⌒ヾ　 }　/ﾍ　 .′
　　　　　　　　　　Yﾊ } /ノ´苡≧､ｰヘィ廴苡>､　　} //} } /
　　　　　　　　　　 }　}i　｀¨¨　／ }　　＼　　　　ｲ〃り }′
.　　　　　　　　 V八　　／　　}　　　 ` ､　　/ } }/　/
　　　　　　　　＼ﾄ､　　　　､　 ,　　　　　 /　| |　ム
　　　　　　　　　　 Vﾊ　　イ""　　　｀丶、ヽ　 | しﾍ厂_
　　　　　　　　　　　　 ∧ }〈{　ィイ_ヘ_トﾄﾐ }　} 　ﾉ　}､}､　｀ヽ
　　　　　　　　　／∨ ﾑゝゞ'　｀¨ﾆﾆﾆ¨´　　／　　〈ﾉ }　　 ⌒ヽ
　　　　　　　　　_{　　∠ィ　＼　 , へ　　／　　､}／　/　　　　 }_
　　 -‐y⌒Y´　 }　〈　ﾑﾍ　 ` "　　 ` ` `　,　-=彡　/i:}　　　　　　｀ヽ
　　{　　　 /　　 {　　ゝ =ﾐ　} ィ　　 i　　　〃　　　 /i:i/　　　　　　 }＼
　 /　　　 { 　　 V´:i:i:i:i:i:iヽ人､从{从ｲイ {　　　 /i:i/　　　　　　　　ゝ､:＼

たった一人の老人の、尽きかけた命の上に乗せられたひどく危ういものであるという事に

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼
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　　　　　　　　　　　　　　　　　／　／＼____＼
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　　　　　　　　　　　【やる夫は元寇を戦い抜くようです】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　二月騒動
418： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:01:55 ID:cEL/Arn60: ――文永８年１１月

　　　　　　　　　　　ｰ､-、　 _.- ‐- ､___,.)、
　　　　　　　　　ｒ　'ﾆ´‐' ￣　　　　　　　´ｰ- ､
　　　　　　　　 i_)´　ｒ'　　　ｒ'_.ﾆ=ュ_　　　ヽ　（
　　　　　　　　　`ｰﾍ､__, -‐'　　　　　　　　　 `ァ
　　　　　　　　　　/　　　´´＾ヽ,__.　-='⌒　｀ヽ)　ゝ
　　　　　　　　　ヽ!／　　　　ヽ　_.-‐　、　ｒ,＾-　　　さて、俺も時茂殿みたいに立派に務めなきゃな
　　　_ 　　　　　 / `-jr､ﾆ、　　ヽ　　　　　_,-'´
_ ‐ ´　ヽ　　　､　　　｀`　　　　　レ'ﾆヽ／　　　　_,
　　　　　ヽ　　　!､__　　　　　　　ｒ__ﾉ.// 　　_,-'´
　-く　_　(二.ヽ　 >　　　　　 _,／`‐＜/　　／
　 ‐'´　__　　ヽ} 　ヽ-‐ｒ=ニ´ー -- ‐'7　／　　　　,.ｲ
　　　<　_i　　ヽ`ｰ-､ﾉ｡ﾟ. : : : : : : : ::/／　　　　.ｲ//
ヽ.　　 ´　　　_.-ゝ／.::::::` ｰ - - ‐''7´　　　 .ｲ////
　ヽ.　　_.-'_,.=''´.::::::::::::::::::::::::::::::／　　　///////
　　_.>v'"´.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／　　　　　////////

式典の終了によって通常の業務に戻った幕府は、空位となっていた六波羅探題北方頭人に北条義宗を配置

六波羅へ着任させ、六波羅二頭体制を再始動させた

　　　　　　　　　　　　　　┏━━━━━━━┓
　　　　　　　　　　　　　　┃　六波羅探題　 ┃
　　　　　　　　　　　　　　┗━━━━━━━┛
　　　　　　　　　　　　　 ┏━━━┻━━━┓
　　　　　　　　　 ┏━━━━┓　　　 ┏━━━━┓
　　　　　　　　　 ┃　北方　┃　　　 ┃　南方　┃←1か月ごとか半月ごとに勤務責任者を交代する
　　　　　　　　　 ┗━━━━┛　　　 ┗━━━━┛
　　　　　　　　　　　　┗━━━━┳━━━━┛
　　　　　　　　　　　　　　 ┏━━━━━┓
　　　　　　　　　　　　　　┃ 　奉行人　┃←現地に判決執行命令を出したりの業務一般
　　　　　　　　　　　　　　┗━━━━━┛

六波羅探題の組織は時代や頭人によって多少の変化はあるが、基本的にはこのような組織図系をとっている

頭人を二つ置く理由は諸説あるが、基本的にこの一点だけは確実視されている。すなわち
419： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:02:32 ID:cEL/Arn60: 　　　,.!-'"　､ｰ-､-丶､ヽ　　　　　　　　　　　　　　ノノ　ﾉﾉ
　ー'´　　､-'､‐''"　､-､ｰ`ｰ- ､, ＿　　　　　　_,.ィ'"　 , ',ノ
　ﾗ‐'　　 _,.-,.''"　 z'　　　　　　　　￣￣￣￣ '´ｰ,　' /´
　´　　　 `ﾐ=-　 ∠_　　　　　　　　　　　　　　　　'i 　l　 ,.
　､　 ,.-'.ﾆ'=-:....ｨ;'" ,.　､_　　　　　､　　　　　　　l,　`´|
　ﾉ ,.'"'´,. -;　　/´,.:'"-ｰ-`､ｰ--==ｿ　丿-;-‐:'ﾆﾐ､!　,.ﾉ
　／　　 '/"　;　|　　　;ｪ=`ヾ､､`　　　　ィﾆ=-､. 　/.'"
　,.-､　　 ,r'ﾗヽ }　　く（;:::;,,.!ノﾞ　　　　　く {;::::;iヾ l.'
　　 }　　 i,l ,r‐ﾊ i　　 ´￣　　　　　 .::: i　￣｀ `'　!
　　 {　　 '.'､ヽ〈 `'　　　　　　　　　.::::::. l. 　　　 |　　　　　時輔殿はきっちりやってんのかね
　　 `､,、　ヽ.丶､　　　　　　　　　 ::::::::: ',　　　　 !
　　　 `ﾞ` ヽ、ﾞ‐;...i　　　　　　　　　　　ノ　　　　ﾉ　　　　　一人だと結構独断とか依怙贔屓することがあるからなぁ
　　　　　　ﾉ,､ .|　ヽ　　　　　　　 ,.- ﾆ､　　　, '
　　　　,. -''"´'､,|　　｀､　　　　￣二｀　／
　　／　　　　､!|　　　ヽ、　　　　　　 , '　｀`丶､
　/　　　　　　ヾ　　　　　　`ヽ､　　　 ,.ｲ　　　　　 `ヽ、
　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　￣￣　|ヽ　　　　　　＼
　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　＼

「西日本の裁判業務独占による独立王国形成を掣肘する」という点である

　　　　　　　　　　　　　　　＿,,,,,,,,,,,,,＿
　　　　　　　　　　　 ,,r;:r""　　　　　　ヽ、
　　　　　　　　　　,r'"　"　　　　　,r''"` 　ヽ、
　　　　　　　　 ,r"　／　　　,,r ,r"rヾ､`ヽ､　ヽ、
　　　　　　　　,|､_　（_ 　 _　（_,r"'"　　ヽ、 `ー､i
　　　　　　　 ,|ヾl`'ー`ヽ!`i'"　　　　　　ﾞi、　　_,〕
　　　　　　　 tヽ|　　　　　ﾞi、　　　　　　ヾー[」-!、
　　　　　　　　ヾ|　　　ﾞi、,|　 _,,,;;;=''"` 　ヽﾉ､　〕　　　諸君らの力を貸していただきたい！
　　　　　　　　　 !i,‐-;;;;;;､,ﾞi、r'"-,ﾆlア　　　|i､ﾞ`ｲ|
.　　　　　　　　　 `i;-､ﾆｌｱ　i、　"　　　　　　|､ヾ|l|ﾞ　　　
.　　　　　　　　　　ﾞi, 　　|:|　　　　　　　　 | ﾞi, ﾉ,
　　　　　　　　　　　ﾞl、　 `!_,,.　　　　　　　|　ﾞi　|
　　　　　　　　　　　　ﾞ!、　　,,,,.. -'''　　　 /　　| .|
　　　　　　　　　　　　　ﾞi､　　 --　　　 ,r'　　　ﾞi_!-;
　　　　　　　　　　　　　　 `!､　　　　 ,r"_,,,r-'''ﾆ-‐''ﾞi
　　　　　　　　　　　　　　rヾ､`ーｒ‐''ﾆ""-‐'"　　　　ヽ,.........,＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　__λ i,ヾ| i''"　　　　　　　_,,.r-t"_,r'"＿:＿:＿
　　　　＿＿＿_,......r-i'",r'ヽ | |:| |　　　　　_,,--'"　　 ~ヽ、:::::　　!.
　　＜￣ j'"ー'''''j;,￣￣　 `i | |:| |　　_,,r''"　　　　　　　ヽ、:::::　 `t､/
　　冫>､i :::::,r'"　　　　　　i i,r ﾉ_,,r'"　　　　　　　　　　　ヽ、:::::..　/
　　　|,ｲ'" ::,r"　　　　　　　ﾄ,i",r'"　　　　　　　　　　　　　　ヽ、 :::/
　　　/::::,r'" ＿＿　　　　　// |　　　 r'"￣￣￣￣￣/　　　　ヽ/
初代将軍　源頼朝

幕府の権力の根底は頼朝に付き従った武士たちに対する公正な裁判と代ごとの権益保障に依存する部分が大きい
420： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:03:12 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　　　　　　　,.. - ..,＿,.. - ､.、
　　　　　　 , ‐''''´　　　　　　｀'ヽ"'ヽ
　　　　　　 /　　　　　　　￣｀'ｰ､ヽ　, ＼
　　　　　　　/　　__-､ヽ　　　　　　　! i ﾉ,._　';
　　　　　　r'　　'" r'/''｀'rrｰ- ..,,__,,.=,く'´ｰ;　 {
　　　　　 r'　_,...　 /　　　'　　　　　　 !l　　!　.!
　　　　　ヽ'.r''ｰr'i　..,,,＿　　　､　　.,'/　　| ./
　　　　　　', !l ; !l !.　 -r‐iﾞ;i''ｰ.) ヽ. /r;i‐;'' i-'
　　　　　　 ',ヾｰ.|{　　　￣　　　 l´ ￣　/　　　領家が与奪を決定する身分ではなく
　　　　　　　', ｀"!'　　　　　　　 !　　 ,'
　　　　　　　 !,!　!､　　　　　　　ｰ '　　 /　　　　幕府が与奪を行う身分を作成しなければならない
　　　　　　　 '_'､.l`ヽ　　　　 ――　　/
　　　　　　　,'､;-' ,_　＼　　　　" 　 ,.'
　　　　　　 ,'　｀"''ｰ"=‐'_- _ ..,__,.ノ- ､
,.. -､----､'- ､　　　　　　｀"'ｰ｀;'ir,j,''r'--.､
-―ヽ＿＿ヽ　｀'ｰ .,_　　　　　　!l!l ,',' !＿__ヽﾆﾆﾆﾆﾆー_-=,―''''フ
ﾆ"-l l　　　　　　　　｀'ｰ､　　 l !l l !.,'　　　　ヽヽ..二''_－､ヽヽ-'´
'ﾆ7,'/　　　　　　　　　　｀'ｰ !ヾ.!l/　　　　＼ヾー_'_. ', ', !

その権益保障を確実化するために、わざわざ頼朝は今まで荘園制度の中に組み込まれていた武士たちに

新しく「地頭」という身分を創設して与えたのもそのためと言える

　　　　　　　　　　 /:::::::::::::::::::/　　　　　　　　　　　　　　 ∨
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　　　　　　　　　l::::::::::::::::::::t　　__＿＿__　　　　　　　　　　 ∨
　　　　　　　　　,ﾞ::::::::::::::::::::::ゝ-ヾ三三ミミﾐゞx､　ヽ　　　 __. ∨
　　　　　　　　　|:::::::::::::::_:::::::::::::/´ ￣＜弋tｭヾミx､ヽ!　メ三z∨
　　　　　　　　　l::::::::::γ ヽ:::::::::!　　　｀ゝー一／´ 　<ーtｭ-ヾゞ
　　　　　　　.∨:::::::::/,へ l:::::::人　　　´´´￣´　　　　　ヽーヽノ
　　　　　　　∨::::::::::::!　 {l|!::::::!　　ヽ　　　　　, -　　　　ﾄ､ニl
　　　　　　 ∨::::::::::::::k　ソ:::::::l　　　）　　　/､_＿　　　l! 　ﾉ　　　頼朝公から与えられた身分は将軍、執権といえども
　　　　　　　|:::::::::::::::::ヽ　tﾘlノ.　　 /　　　／　　　　,r-一ﾞ／
　　　　　　　l::::::::::::::::::::}｀-|.　　　 /　　／　＿＿__　　　./l!　　　　裁判を経ずに剥奪することは許されてはいないのだ
　　　　　　人::::::::::::::ノ　l　　　　l　　l　´￣｀ー--｀ュ　/ /
, -ー───- >､- ﾞ　　　ゝ　　　　　!　　　　　　_　）　/
//////////////ﾊ　　 |　｀ヽ　　ヽl　　　　　　´　｀ .rﾞ/
///////////////|　　.l　　｀＼　人　,ヘ　　　,ﾍ　l/
///////////////l!_＿　　　　ヽ　　ヽ.l:::::::｀ーﾞ:::::ﾞ:::::!
///////////////ﾊー､￣　ー __｀､_　人::::::::::::::::::::::::ﾉ/ゝ､_＿＿＿ ,kー--- ､
////////////////l　　｀´ヽ/´ヽソ-- ､　｀_　　ー＜///////////////////
////////////////ﾊ　　　　　　　　,､　) )　｀ヽ ///////////////////／
三代目執権北条泰時

そして、その地頭とその身分を有する御家人は貞永式目、通称御成敗式目によって明確に保障

その後の執権も３０年以上前の裁判の再審無効の追加法を度々発布することで保証の再確認を行っている
421： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:04:06 ID:cEL/Arn60: ::::::::::::::::::::::::::::::::/　　　　　　　　　　　 ∨
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:::::::::::::::::::::::, - ､:::::::!　　ヽ三Ｚｚ､　　　l
::::::::::::::::::::/ ,へ､::::l　　　　　　｀ヾx､｀ヽ)
::::::::::::::::::::! (´ヽｿ::::|　（　　　　｀弋ﾂ> !
:::::::::::::::::::l　ﾄ（ /::::ﾉ　　ヽ　　　__ ノ　　ﾞ,
::::::::::::::::::::ゝ､　ヽ:::l　　　/ ,　　　 _　　　|　　　無法な横領を行わない限りは御家人身分は剥奪しない
_,,..　--一''''''""￣ハ　　　　　／ ‐-　　j
///////////////ﾑ　　＿＿＿__,r一´ 　__
////////////////　　´　｀ -つr-/ 　Ｙ´ ./´ ヽ
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////////////ヽヽ_　ｿ　／　　　　　　　　　　ゝ-t´ノ_
////////////＼＼／ヽ　　　　　　　　　　　　 r´ヽ　}
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そして、地域秩序を乱さない限りには御家人の身分は侵害されないのが幕府の基本理念として今まで通用している

――だが、中世における「公正」は個人に依る処が圧倒的に大きい

　　　　　　　　　　　　 ´￣￣￣ゝ- ､
　　　　　　　　　　／　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　／　　　　　　　　　　　ﾊ
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　　　　　　　　}: : { ぅ | ｌ　　　　　　　　ヽ　′　　　六波羅探題の現地における裁判執行は
.　　　　　　く: : ∧　{_{　　　　　　ノ　,
.　　　　　　　 Y : : ｱ　　　　　　/￣ﾆ7　′　　　　現地の御家人の協力のもと行え！
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　　　　　　乂､ | 　ヽ. 　　ゝ __ｿ　/
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五代目執権　北条時頼

幕府の成熟の歴史は法体制と運用制度発展の歴史と言っていいほど様々な手段を講じてきている

裁判を受ける際のマニュアルを定めて発表するなど、歴代幕府を見ても異例の力の入れようである
422： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:05:03 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　,ィ´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽヽ,`´ ｊｨ
　　　　　（,/　　　　　　ー､　　　　　　　　　　　　　ヽ l　　ｊ
.　　　　　/　　　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　ｊﾉ,ﾉ /
　　　 _,ノ　　　　´￣｀丶､　　　　｀丶､　　　　　　　/, '／)
　　｀`ｚ;‐''　,.－－―- ､　｀''ｚｧ､＿＿__ｆゞ､_ｒ-､＿_ノヽ /
　　　　/´　　　　　　　　　 ∠　　　　　　　　　　ヾ
　　　 /ｨ /　　　　　　　　_ゞ　　　　　　　　　　　　　　,'ﾉ
　　　 ´ヽﾄ,　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　､　,ｨく
　　　　　　ヽ　 ,.''⌒ヽ､　ｒ'｀　　　　　　＿,,.ｒ' ｲｿ'|
.　　　　　　 } /{i　｀ヽヽｌ　　　　 ,.‐;ﾆﾆ;=ｆ‐''´　丶､ l
　　　　ヾー'/　',　ｆ⌒';､ヾﾞ　　／´ ｆ";ﾋ=''´　　　　ヾ
　　　　　￣ヽ, ヽ　､く_　　　　　　　　　　　　　　　　　）
　　　　　　＿ノ　｀''-;､__,.　　　　　　　　　　　　　　ｒ'´ヽ
　　　　　　｀ゝ　　　､ヽ　ヽ　　　　　　　　　　　_,. ｲ　｜
　　　　　　"⌒;　　､|｀ﾞ`　l｀''‐-.,_　　　　　 '´　ｲ　　｜
　　　　　_,.ノ'"_､__ノヾ,　　 l　　　　｀''－ ..,,_　　ノ､,.イ｜
　　　　 {ィ´￣　､　　　｀ヽ､ヽ　　　　　　 /ヽ￣　 /　ｌ /
　　　　, '　　　　　＼　　　　｀''－- .,_　 ,ﾍ:::::',　 /　　i,{
　　　/　　　　　　　　＼　　　　　　　｀ヽ ';:::::', '､__　ｌ 7
　　/　　　　　　　　　　｀　､　　　　　 /ﾞ´ｌ::::::',　　￣ヾ,
.　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　 !::::::ヽ　　　 /

そういった法体制を守ることで権力を維持する幕府にとって、西日本の裁判業務を行う六波羅探題は

独走させてはならない存在であり、その組織を個人に帰結させることがないよう細心の注意を払ってきた

　　　　／´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : }}: : : : :｀:ヽ､
　　ﾍ||: : : : : : : , :r ,=_'_‐_´_ ｀ '‐= JL: : : : : : : : ヽ
　 |: ||:||, - , = r´': /　,-, フ　｀ '_r‐>-､= -､: : : : : : }
　ﾍ: >/竺ヽ}: : : r　//:|´　r‐'´／　　　ヽ: : ヽ: : : /
　　ヽ{ !焦ﾝﾉ二 }　ﾉﾆﾉ .ﾉ　人　／_ノ　＼: :ﾍ:/
　　　{｀'‐'-´ ‐::´:｀´ﾉ人､ヽ　ﾍ　´ﾉ　　､　　ヽ-‐,ヘ､　　　　　　我々としても関東方と事を構える気はないからな
　　　{／::´::::::::::::／{　・ヽ, ノ､‐｀/　｀i　　　　　/　　｀＼
　　 /:::::::::::, r ' ´ 　ﾍ　ノ　　　ヽ＿,,､ !､　　　/　　　　　　｀　､
　　/,::: r'i´ﾟﾉ　　　　｀　　　　　　　|　＼_　ノ　　　　　　　　　ﾍ: :＼
　　'´　 | ｀r　_ - ､　　　　　　 |　　／　　　　　　　　　　／: : : :
　　　　 .|　'ヽ　ﾜ '　　　　　　　　　 | ／　　　　　　　　　／ｸ: : : :
　　　　　|　　｀　　 _ , -― ' ‐ ､　　ヽ､　　　　　_ , - ‐ ': : : : : : : :
　　　　　ﾍ　　r '´　　　　　　　　　　 r｀ヽ､＜: : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　ノ　　ヽ＼: : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　　ﾍ　　　　　　　,　‐　´´ ￣￣ >==≧: : : : : : : : : : : :
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　　　　　　　　　{-‐i　.|, -'―': : : : : ○: : : : : : :
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京都近侍御家人筆頭　大友頼泰

西国近侍専門の御家人たちの中に、頼朝時代からの古参である大友氏を配するのもその一環といっていいだろう
423： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:05:39 ID:cEL/Arn60: ――だが、これらの策を講じておきながらも

　　　　　　　　　　　　 /　　　　 _ 　|｀　　　　　　　　　　　　　　　　｀ｰ''"丿
　　　　　　　　　　　//　　　　/　｀　　　　　　,..-ｰ'´　　　　　　　　　　-=-.._
　　　　　　　　　　/ v　　　N/　 /|lヘ､　　／／￣　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　|　　　 /　| ﾊ |　ヾ　｀ヾｰz＿　　　　　　　　　　　　　　　(⌒`
　　　　　　　　　　|ヽ= 　/　　ヽ !|　　　　　　　　ヽﾘl　⌒　　　ヽ　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　ヾ　　i＿　　　ヽ　　　　　 u 　ﾉ;;;;| ﾄ､　ヽ,..-、|　　　　　　（⌒
　　　　　　　　　　　ﾄ､ ´!｀ｰ､ヽ　　　　　　　U　　 ;;;;;;ヾ;;ヽ　|　 |ﾉ　　　　　　　`ｰ,-
　　　　　　　　　　　|　 |:::::,≡ﾐ､__　　　　　　　　　;;;;;;;;　;; |　| 丿Z　　 ,　　　　_ノ　　　なんだよこりゃ……
　　　　　　　　　　　|　l:::::::ヽ､!'"u,ﾐ_-､!　　ﾉ　　,;;;;;;;;;;;;　＼|　 /　＝=´-　　　〉
　　　　　　　　＿,.-ヽ|:::";′ `''ｰ　　　　く＿_＿∠二ヽ_　　ヽ＞　　　　　　　＞　　　一体何がどうなってんだ……
　　　　 ,..- ﾌ￣　　　|:::::::u　　　　　　　　.::::´卞,ﾐ｀_ヽ￣　　]　／＼　　／
　　　／／　　　　　　 i:し::..　　..:::/　　U　　　｀`ｰ'=ヽ-　　 ∠ /／^/ ／
　　/ /　　　　　　　　∧:::::::::::::::::　　　　';'':　′`;;;;;;;;;"　　　ﾌﾉ/ ._/rヽ)
　 / 〈　　　　　　　　　　ヽ::::　:::::ヽ　　　　　　　;;;;;"　　　 /ヽ-i'''"＼＼
　 |　 |　　　　　　　　　　 `、　<ミ､_　　　　　　 ;;' ''　　／　　　|::::::::::ヽ＼
　 |　 |　　　　　　　　　　　|! 　､｀`ｰ｀ヽ　　　　,;'　　／　　　　 ::'　　::::::）|: ＼
　ﾄ､　＼　　　　　　　　　　|　i　　￣　　　　　,;'-'''"　　　　　　　　　／ |::　　＼
　〉｀　　ヽ　　　　　　　　 |　ヽ、＿,.. -ｰ'''￣"　　　　　　　　　　／　　|:::　　　＼
　|　　　　　ヽ　　　　　　　　＼＼　　＼　　　　　　　　　　　　　／　　　/::
　|　　　　　　|　　　　　　　　　＼＼　　|　　／　　　　　 ,..-'''"　　　　/:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼丿 <＿__＿,..-''"　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿,..-''''"　　　　　　　　　　.'

完全な意思統一というのは不可能なのであった

――六波羅という組織は矛盾が多い

　_ゝ` ｀"´　　　　　　　　　　　　　｀ー-､｀''ー''‐.､
'´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽヽ　　 .',
、　　　　　　ー―-- ､　　　　　　　　　　　! .!　 /,.i-
,'　　　,.-‐''""''―,､---`= - ､_　_,　　　　 _,/　　 /
.　　　　ミ　　　/`　　　　　　　｀｀´｀""´　',　ノ.）
.　　　　_ミ　　 r'　　　　　　　　　　　　 ',ﾆ,.='
'、　_,,....,,_ｰ､,,,'､　　　　　　　　　　　　　　_,,_!ノ
/　　　　　`ｰヽ　,_,-="‐＝==-､　,,　!　/二ﾞ`!
',　　., =＝､　;'　　　　-r:r'',;Tｰ　　　　 ' !-:l`|
〉　 ,',',.'"´ヾ､!.　　　　　ｰﾞ‐'ﾞ"　　　　ヽ￣ l
'ｰ､ !',!　i´ ,'r　　　　　　　　　　　　　　　`;　,'
　r' ヽ､-､- `　　　　　　　　　　　　 ´ ./
　ヽr' ､`'i--,- ',　　　　　　　　 ,.-―,　,.'
. r,==='-'!/i､!　ヽ ,　　　　　　　￣ , '
. |`‐i,､-_　 '- ､_　　｀ ‐-　,_　　　　　 /
./　,','　　｀`‐ir-､_'‐- .,_　　｀ ‐-r--.'
'　.,';'　　　　 ||　｀''‐-=-_ - ;;_- '=､`'=-;､
. //　　　　 ,','　　　　　,',' ｀ '' -,｀-=‐_- `-'i
`'.'- ､　　　,','　　　　　,','　　　 l　　　　｀l｀!/- ､_
　　　｀ ‐´'　　　　　　!l　　　 .|　　　　 | i.l　　　ヽ

義宗などの北条一門の将来の有力候補が登竜門として六波羅重役を与えられることもあれば
424： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:06:13 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　　　　／　　　 /　 . / . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
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　　　　　　 l / .i　:/ l　 : ﾄ､: '､: :{ニ|: |i: :/!: : : : : : : : : : : i: ﾄ､: : : : : :
　　　　　　 |{　.l　:|　ﾊ : :ﾑﾊ: :ﾄ､| 'ﾊV､7ｲ: : : : : : : : : : : :ﾄ､Vﾊ: : : : :
　　　　　　　　 |　:ﾊ : ﾄ､:|ﾊvﾄ､'､` _ﾘ_,/' l: : : : : : : : : : : : |　ｔ.7: : : : :
　　　　　　　　ﾍ :l ヽ:|　ヽ: l7　＼　　　/ｨ: : : : : : : : : : : :!ノ/: : : : : :
　　　　　　　　　ヽ　` ノУ. : : :　　　//,l: : : : : : : : : : : :|'": : : : : : :
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　　　　　　　　　　　　　 `ト､　　　　　 ,l /　: : : : : : : : ﾄ:V{: : : : : : :
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　　　　　　　　　　　　　　l :/: : :`T ､　 l/ ,l . : : : : /: :/　　＼､
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　　　　　　　　　　　　　　ﾘ'. : ／ l: :７７´j　. : ／j／
　　　　　　　　　　　　　　_l :/　 ⊥/ ﾊ::/. :／　　　　　　　　　 __.　-
　　　　　　　　　　　,　 "　|ｲ_ _＞'´¨ ｲ:／　　　　　　　　　 .　´
　　　　　　　　　／　　／{ f―‥ ´　´　　　　　　　　／

時輔のような非主流の御家人たちを多数内包しているという妙にちぐはぐな点が見ることができる

　　　　　　　　 ,.､-‐‐''''''''''''‐‐--､
　　　　　 ,､‐''"　　　　　　　　　｀ﾞ`ヽ､
　　　　　lﾞ､　　　　, '　　　　　　　　　　＼
　　　　_,j　ﾞ　　　,.-‐‐-､ '　､　､　　　　　　ﾞ!
　　,r''"　　　　　ﾞ,　　　＼　' , ' ､　　　　　`ヽ､
　,'ﾞ　,　　　　　,.-､'､　　　　＼　　｀　　　　　　ヽ,
　l　 ' , '　　ﾞ､ l　 `ヾ､_r――‐ヽ､ ,,.rl　　　　　　　l
　ﾞl　'　　 ' ,　l .,／´| ｀`''‐-､,.､-'ﾞ　.l､　　　 ,　　 j
　　|　　　　　/.lﾞ　　 |　　　 |　　　/　|　 ,,.ノ　 .r'ﾞ
　 / l　　　 /ヾ''‐-､ |　　　∧　　,',,.-'l/''ﾞ_/　 /
　{:　ヽ､　 .|､_,,,,....,,_.`　　〈　〉　 ´_,,,..,,,_'//　 !　　　　庶流にとっては唯一の昇進できる場所ではあるからな
　ﾞ'､　lrl 　 '､＼　　`ヽ　　 V　,.r'"　　／/　　|
　　 l　'､|　　ヽ `i‐‐'"´　　 |　　`'‐-i"　{　', ', !　　　　鎌倉で栄達を望めない我々にはここしかないのだよ
　　 |　 :l　　　,'　 |　　　　 |　　　　 !　 ,j､　ﾞ }
　　 l　:,'　, , /!ヽ､|`''‐-､　　|　,.､-‐'ﾞ|／!　|　r'ﾞ
　　/　l　' ﾞ .{ ＼ ` 　　 `''┴''ﾞ　　　／ﾞ　 ! .|
.　 {　　`ヽ,　lr':､＼　　ﾞ￣￣￣　 ,.ｨﾞ　　 ,'　l
　　`ヽ､　 j　l:::::ﾞヽ,＼　　　　　／::::|　　 l　 |
　　　　 `, l　|::::::::::::｀::`''‐-,-‐'ﾞ:::::::::l､　　ヽ, ﾞ､
　　　　　l:l!:!j::::::::::::::ﾞヽ:::::| l |::/:::::::::l　ﾞ､　　} ﾉ
安達頼景（泰盛庶兄）

おそらくは非主流にとっては最終到達点であり
425： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:06:51 ID:cEL/Arn60: 　_ゝ` ｀"´　　　　　　　　　　　　　｀ー-､｀''ー''‐.､
'´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽヽ　　 .',
、　　　　　　ー―-- ､　　　　　　　　　　　! .!　 /,.i-
,'　　　,.-‐''""''―,､---`= - ､_　_,　　　　 _,/　　 /
.　　　　ミ　　　/`　　　　　　　｀｀´｀""´　',　ノ.）
.　　　　_ミ　　 r'　　　　　　　　　　　　 ',ﾆ,.='
'、　_,,....,,_ｰ､,,,'､　　　　　　　　　　　　　　_,,_!ノ
/　　　　　`ｰヽ　,_,-="‐＝==-､　,,　!　/二ﾞ`!
',　　., =＝､　;'　　　　-r:r'',;Tｰ　　　　 ' !-:l`|
〉　 ,',',.'"´ヾ､!.　　　　　ｰﾞ‐'ﾞ"　　　　ヽ￣ l　　　　俺はここでの勤務が無事に終われば次は評定衆になれるからな
'ｰ､ !',!　i´ ,'r　　　　　　　　　　　　　　　`;　,'
　r' ヽ､-､- `　　　　　　　　　　　　 ´ ./
　ヽr' ､`'i--,- ',　　　　　　　　 ,.-―,　,.'
. r,==='-'!/i､!　ヽ ,　　　　　　　￣ , '
. |`‐i,､-_　 '- ､_　　｀ ‐-　,_　　　　　 /
./　,','　　｀`‐ir-､_'‐- .,_　　｀ ‐-r--.'
'　.,';'　　　　 ||　｀''‐-=-_ - ;;_- '=､`'=-;､
. //　　　　 ,','　　　　　,',' ｀ '' -,｀-=‐_- `-'i
`'.'- ､　　　,','　　　　　,','　　　 l　　　　｀l｀!/- ､_
　　　｀ ‐´'　　　　　　!l　　　 .|　　　　 | i.l　　　ヽ

主流の若手にとっては重要な通過点であるというのが影響しているのだろう

　/:::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　!::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ
　'.､:::::::::ゝ,ﾆ"- ､￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ 'ー-- ...／
　　｀'ｰ i/ゝ /_- .):.:.:.:.:.:._;: ---i‐i,..-､＿＿＿__ :.:.:.:!
　　　　 '!､7,,..ゝ'´‐',..ﾆ´-‐‐‐;:-ｰ'ー':::; -_ ､: ::: :￣'､
　　　　 r'‐,ﾆ-;;'";;;;;;;;;;;;. -='´ ｀'.;:::::::::i /｀ヾ､';: :　 ::::ヽ､
　　　　 /´;;;;;;;;;_,. -rr::i''　.　　　 ';::::::::!ヾヽ .!ﾉ::. .::. ::::ヾ　　え？ワシ等？
.　　　 /_,. ィt!´　ヽ￣　'´　　　 !::::::::!'´,. '/:::::::::::::::､;､'､
　　　 ´ 　.i !　　　　　　　　　／::::::::::','.-〈:::::::::: :::::: !i ｀　そりゃワシ等は……
　　　　　　 'l　　　　　_,,　　　/::::::::::::::::::'､　ヽ;､:. : :::<
.　　　　　　 ',__,..-'::"´::::｀ヽ　!::::::::::::::::::::::;'　｀＼:.:._.!
　　　　　　　　l_;::r‐_'_"ﾆ':::ヽ!::::::::::::::::::; '　 _,. -_=-"'i'
　　　　　　　　　ヾ´:::::::::::::::::::::::::::;. ;'ﾆ_-='‐ '":::::::::::::::!
　　　　　　　　　 ,!::::::::::::::::::::::;_ '.-´'":::::::::::::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　ヽ;;:: -‐i‐::'´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i､

ということもあって、赴任組の構成は庶流と嫡流が入り混じっているのだが

比率がそれなりに保たれているのは頭人などの中核クラスの話である。それ以下は――
426： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:07:29 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　　　 ,,.. -r――--　..,_
　　　　　 ,. ‐'´　　 !　　　　　　　｀"' ‐- .,
.　　　／　　　　　 ',　　　　　　　　　　　　｀ｰ､
　　（　　　　　　＿',,,,, ＿　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　｀'ｰ.､-‐ '" r'_,ゝZ,_ヽ￣ " ''ー-- ..,_　　 ., -'
　　　　　　l､_　　ヽ.7,,), ィ　　　　　　　　｀iｰ'´
.　　　　 /'ｰ｀ニ''_ー――――― _'',)]ｺi-'､
　　　　　/､　　　　￣￣￣￣￣￣_,r'i,´ .,.ﾆ!
　　　　　i l｀!ーr､テ,-----‐r､-;ﾆ,´ ｀ .!, .!'ヽl
　　　　　{'! l 　　￣　i　｀ｰ　｀ ´　　 .}ﾉｨ!.〃
　　　　　く. !　　　　 ,'　　　　　　　　　〈彡!'/　　京御家人（非主流）です
　　　　｀!　　　　､　　,,　　　　　　　 i, /'
　　　　　ヽ　　　_,,｀_´＿,,,,_　　　　　 i',ｲ
　　　　　　　l｀' ､ ´　ー　　　｀　　 ., ‐'´ .!
　　_,,.. -‐ '"ﾞ',　ヽ,　　　　　 ,　'"　 ,. ‐'｀'ｰ- ..,_
'"´　　　　　ヽ　　i.､, __　,.,-r'´　　／　　　　　　｀'
　　　＿　　　　＼ i`>!l l´i ｧ　 ,　'´
‐ '"´　　!　　　　　ヽ'! l.!.!/ｨ.／　　　　　 , ..,,_
　　　 ,'　　　　　　＞‐'､'´　　　　　　 /　　｀ '‐ ､,
　　　 ,'　　　　　／　　　ヽ　　　　 /

鎌倉政界？なにそれ旨いの？の京都近辺に所領をもつ御家人と

　/:::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　!::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ
　'.､:::::::::ゝ,ﾆ"- ､￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ 'ー-- ...／
　　｀'ｰ i/ゝ /_- .):.:.:.:.:.:._;: ---i‐i,..-､＿＿＿__ :.:.:.:!
　　　　 '!､7,,..ゝ'´‐',..ﾆ´-‐‐‐;:-ｰ'ー':::; -_ ､: ::: :￣'､
　　　　 r'‐,ﾆ-;;'";;;;;;;;;;;;. -='´ ｀'.;:::::::::i /｀ヾ､';: :　 ::::ヽ､
　　　　 /´;;;;;;;;;_,. -rr::i''　.　　　 ';::::::::!ヾヽ .!ﾉ::. .::. ::::ヾ　　庶流じゃよ
.　　　 /_,. ィt!´　ヽ￣　'´　　　 !::::::::!'´,. '/:::::::::::::::､;､'､
　　　 ´ 　.i !　　　　　　　　　／::::::::::','.-〈:::::::::: :::::: !i ｀　嫡流？本領で地頭やってんじゃねーの？
　　　　　　 'l　　　　　_,,　　　/::::::::::::::::::'､　ヽ;､:. : :::<
.　　　　　　 ',__,..-'::"´::::｀ヽ　!::::::::::::::::::::::;'　｀＼:.:._.!　　　わしらだって御家人なのに分家ってだけでなぁ
　　　　　　　　l_;::r‐_'_"ﾆ':::ヽ!::::::::::::::::::; '　 _,. -_=-"'i'
　　　　　　　　　ヾ´:::::::::::::::::::::::::::;. ;'ﾆ_-='‐ '":::::::::::::::!
　　　　　　　　　 ,!::::::::::::::::::::::;_ '.-´'":::::::::::::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　ヽ;;:: -‐i‐::'´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i､

やっぱ地元じゃ芽が出ない庶流と
427： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:08:38 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　　　　　　　　　　,. - ''"￣￣｀`'' ‐ ､
　　　　　　　　　 ,. '"´　　　　　　　　　　｀' ､
　　　　　　　　　　　,.´　　　　　　　　　　　　　 ',
　　　　　　　　　　 ,'　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',
　　　　　　　　　　,'　　,　　　　　　　　　　　　　　 ',　l
　　　　　　　　　 ; '"）l　　 l､　　　　 ,､　　､.　　　 ',. |
　　　　　　　　／ ,.'　.l、　,' .＼　　　ヽ＼ヽ.　 ',　l |
　　　　　　／／ .ﾉ､!ヽ |''―-ヽ ',ヽ, ヽ‐'ヽ,ヽ､. ',. !l
　　　　　／／ .,.='､i-',‐'lr;;;i-､　`ヽヾ､',r;;'ヽ ','､ l |　　　嫡流ですよ
　　　　 /　　' .／,.-'､| 　￣￣　　 l　　　　￣ ` '!.l |.|
.　　　 /　　.,:' ,:' .! ヾ!.　　　　　　 |　　　　　　　.,'!'ﾘ　　　え？地頭？新補地頭が楽できるわけないでしょ
　　 /　　 ./ .,'　ヽ､!l',　　　　　　 !　　　　　　./,'
.　　/　　 ./.ノ　　　ヾ'､　　　､------,　　　,.'/
　_/　　　./´ 　　　　ヽ.!＼　　`ー―" 　.／!'
./ ￣｀`"''７　　　　　｢!､_. ヽ、　￣　.／ ._,.!'!
'　　　　/　　　　　　　|　　｀ﾆ''`ー‐ ''ﾆ"´ 　 !
　　　　 /　　　　　　　 .|　　ヾ/　| | | ヾ!　　 |
　　　 /　　　　 _,,. -‐'`'- ､_'､ゝ | | | ./ゝ_,, -!- ､_
　　　 /,　-― ''"　　　　　　　｀'''/""ヽ''"´　　　　　 `'' - ､_

嫡流だけど小規模過ぎてそれどころじゃない御家人という状況である

要するに――

　　　　　　　　 ,.､-‐‐''''''''''''‐‐--､
　　　　　 ,､‐''"　　　　　　　　　｀ﾞ`ヽ､
　　　　　lﾞ､　　　　, '　　　　　　　　　　＼
　　　　_,j　ﾞ　　　,.-‐‐-､ '　､　､　　　　　　ﾞ!
　　,r''"　　　　　ﾞ,　　　＼　' , ' ､　　　　　`ヽ､
　,'ﾞ　,　　　　　,.-､'､　　　　＼　　｀　　　　　　ヽ,
　l　 ' , '　　ﾞ､ l　 `ヾ､_r――‐ヽ､ ,,.rl　　　　　　　l
　ﾞl　'　　 ' ,　l .,／´| ｀`''‐-､,.､-'ﾞ　.l､　　　 ,　　 j
　　|　　　　　/.lﾞ　　 |　　　 |　　　/　|　 ,,.ノ　 .r'ﾞ
　 / l　　　 /ヾ''‐-､ |　　　∧　　,',,.-'l/''ﾞ_/　 /
　{:　ヽ､　 .|､_,,,,....,,_.`　　〈　〉　 ´_,,,..,,,_'//　 !
　ﾞ'､　lrl 　 '､＼　　`ヽ　　 V　,.r'"　　／/　　|
　　 l　'､|　　ヽ `i‐‐'"´　　 |　　`'‐-i"　{　', ', !
　　 |　 :l　　　,'　 |　　　　 |　　　　 !　 ,j､　ﾞ }　　　幹部以外の者達にとって鎌倉政界なんてものは
　　 l　:,'　, , /!ヽ､|`''‐-､　　|　,.､-‐'ﾞ|／!　|　r'ﾞ
　　/　l　' ﾞ .{ ＼ ` 　　 `''┴''ﾞ　　　／ﾞ　 ! .|　　　　雲の上の遥か彼方の話でしかないのだよ
.　 {　　`ヽ,　lr':､＼　　ﾞ￣￣￣　 ,.ｨﾞ　　 ,'　l
　　`ヽ､　 j　l:::::ﾞヽ,＼　　　　　／::::|　　 l　 |
　　　　 `, l　|::::::::::::｀::`''‐-,-‐'ﾞ:::::::::l､　　ヽ, ﾞ､
　　　　　l:l!:!j::::::::::::::ﾞヽ:::::| l |::/:::::::::l　ﾞ､　　} ﾉ

基本的には鎌倉政界なんてことに興味のない御家人が大多数なのである

で、ここからが問題なのだが
428： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:09:16 ID:cEL/Arn60: 人間、名目がどうであれ実際に所属している共同体だったり身近な組織のが重要なものである

　/:::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　!::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ
　'.､:::::::::ゝ,ﾆ"- ､￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ 'ー-- ...／
　　｀'ｰ i/ゝ /_- .):.:.:.:.:.:._;: ---i‐i,..-､＿＿＿__ :.:.:.:!
　　　　 '!､7,,..ゝ'´‐',..ﾆ´-‐‐‐;:-ｰ'ー':::; -_ ､: ::: :￣'､
　　　　 r'‐,ﾆ-;;'";;;;;;;;;;;;. -='´ ｀'.;:::::::::i /｀ヾ､';: :　 ::::ヽ､
　　　　 /´;;;;;;;;;_,. -rr::i''　.　　　 ';::::::::!ヾヽ .!ﾉ::. .::. ::::ヾ
.　　　 /_,. ィt!´　ヽ￣　'´　　　 !::::::::!'´,. '/:::::::::::::::､;､'､
　　　 ´ 　.i !　　　　　　　　　／::::::::::','.-〈:::::::::: :::::: !i ｀　　幕府だと？
　　　　　　 'l　　　　　_,,　　　/::::::::::::::::::'､　ヽ;､:. : :::<
.　　　　　　 ',__,..-'::"´::::｀ヽ　!::::::::::::::::::::::;'　｀＼:.:._.!　　　　そんなことより六波羅の仕事だ！
　　　　　　　　l_;::r‐_'_"ﾆ':::ヽ!::::::::::::::::::; '　 _,. -_=-"'i'
　　　　　　　　　ヾ´:::::::::::::::::::::::::::;. ;'ﾆ_-='‐ '":::::::::::::::!
　　　　　　　　　 ,!::::::::::::::::::::::;_ '.-´'":::::::::::::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　ヽ;;:: -‐i‐::'´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i､

　　　　　　　　 ,,.. -r――--　..,_
　　　　　 ,. ‐'´　　 !　　　　　　　｀"' ‐- .,
.　　　／　　　　　 ',　　　　　　　　　　　　｀ｰ､
　　（　　　　　　＿',,,,, ＿　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　｀'ｰ.､-‐ '" r'_,ゝZ,_ヽ￣ " ''ー-- ..,_　　 ., -'
　　　　　　l､_　　ヽ.7,,), ィ　　　　　　　　｀iｰ'´
.　　　　 /'ｰ｀ニ''_ー――――― _'',)]ｺi-'､
　　　　　/､　　　　￣￣￣￣￣￣_,r'i,´ .,.ﾆ!
　　　　　i l｀!ーr､テ,-----‐r､-;ﾆ,´ ｀ .!, .!'ヽl
　　　　　{'! l 　　￣　i　｀ｰ　｀ ´　　 .}ﾉｨ!.〃
　　　　　く. !　　　　 ,'　　　　　　　　　〈彡!'/　　　御家人役と違って、奉行は歓待受けられるし付け届けもあるしね
　　　　｀!　　　　､　　,,　　　　　　　 i, /'
　　　　　ヽ　　　_,,｀_´＿,,,,_　　　　　 i',ｲ
　　　　　　　l｀' ､ ´　ー　　　｀　　 ., ‐'´ .!
　　_,,.. -‐ '"ﾞ',　ヽ,　　　　　 ,　'"　 ,. ‐'｀'ｰ- ..,_
'"´　　　　　ヽ　　i.､, __　,.,-r'´　　／　　　　　　｀'
　　　＿　　　　＼ i`>!l l´i ｧ　 ,　'´
‐ '"´　　!　　　　　ヽ'! l.!.!/ｨ.／　　　　　 , ..,,_
　　　 ,'　　　　　　＞‐'､'´　　　　　　 /　　｀ '‐ ､,
　　　 ,'　　　　　／　　　ヽ　　　　 /

ましてやそれが収入に直結するものとなればなおさらである
429： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:09:40 ID:cEL/Arn60: 結果として、京御家人たちの帰属意識は六波羅へ強く持つようになる

♪　∧,＿∧　　♪
　　 ( ´･ω･) ))　　　　　　ぼっくたっち♪
　(( (　つ　ヽ、　　　♪
　　　〉とノ　)))
　　（__ノ^(＿)

　　　∧＿,∧　♪
　 (( (･ω･｀ )　　　　　　ろっくはっら奉行人♪
♪　 /　⊂　) ))　♪
　　((( ヽつ〈
　　 (＿)^ヽ__）

　_ゝ` ｀"´　　　　　　　　　　　　　｀ー-､｀''ー''‐.､
'´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽヽ　　 .',
、　　　　　　ー―-- ､　　　　　　　　　　　! .!　 /,.i-
,'　　　,.-‐''""''―,､---`= - ､_　_,　　　　 _,/　　 /
.　　　　ミ　　　/`　　　　　　　｀｀´｀""´　',　ノ.）
.　　　　_ミ　　 r'　　　　　　　　　　　　 ',ﾆ,.='
'、　_,,....,,_ｰ､,,,'､　　　　　　　　　　　　　　_,,_!ノ
/　　　　　`ｰヽ　,_,-="‐＝==-､　,,　!　/二ﾞ`!
',　　., =＝､　;'　　　　-r:r'',;Tｰ　　　　 ' !-:l`|
〉　 ,',',.'"´ヾ､!.　　　　　ｰﾞ‐'ﾞ"　　　　ヽ￣ l
'ｰ､ !',!　i´ ,'r　　　　　　　　　　　　　　　`;　,'
　r' ヽ､-､- `　　　　　　　　　　　　 ´ ./
　ヽr' ､`'i--,- ',　　　　　　　　 ,.-―,　,.'
. r,==='-'!/i､!　ヽ ,　　　　　　　￣ , '
. |`‐i,､-_　 '- ､_　　｀ ‐-　,_　　　　　 /
./　,','　　｀`‐ir-､_'‐- .,_　　｀ ‐-r--.'
'　.,';'　　　　 ||　｀''‐-=-_ - ;;_- '=､`'=-;､
. //　　　　 ,','　　　　　,',' ｀ '' -,｀-=‐_- `-'i
`'.'- ､　　　,','　　　　　,','　　　 l　　　　｀l｀!/- ､_
　　　｀ ‐´'　　　　　　!l　　　 .|　　　　 | i.l　　　ヽ

といっても、通常通り六波羅頭人が二人いて交代制が機能しているならば問題はない

帰属意識が六波羅であろうと幕府であろうと影響力は分散され、六波羅と幕府に乖離は発生しない
430： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:10:25 ID:cEL/Arn60: ――だが、今回は問題が別であった

　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀丶､::::::ヽ
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ::::＼
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/｀ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. :. .:. :ヾ
:: :: :::::::::::::::::::i::::::{-'´''´ ｀丶::::::::::::::::::::::::::::::::. :::::::::.::. ::. :.ヽ
:.:: :::::::::::::::::::::|:::::|　　　　　ヽ::::::. :: :ヽ::;::::::::::. ::::::::::::::.::ヽ::.ヽ
:::::::::::::::::::::::i:::ﾄ;:::!　　　　　　ヽ::::::. :::ﾄ､:ﾄ､:::::.::i::::::::::ヽ:::::ﾄ､::',
:::::::::::::::::::::::ﾄ;:l ';::',　　　　　　ヽ;:::::. | }:|　i::::::ﾊ:::}::::::::. ::::', ヾ;
:::::::::ヽ::::::::::ﾄz;=ヽ:ヽ- ..___ 　　 lﾄ;:::. Lﾘz-}:::ム!::j::: ::::: ;::::i　`!
:::::::::::::ヽ::::::ヾ,ｒ‐;;=ヽテﾐ;;､''`　　!' l::::|';ｒ; ''ぅ!/７;:: j::. i::::ﾄ;:::|
::::::::::::::::::＼::ヽ`‐ゞ＝''-　　　　 l:::|ゞ＝''-' ｲ:./::::::ﾄ;::}.∨
::i::::::::::::::::::::ト､:ヽ　　　　　　　　　　}/　　　　/:/::::::i::|.リ　　執権の兄として、しっかり業務をしなきゃな
::j::::::::::::::::::::ヽ `ｰヽ　　　　.:::::::　!　　　　,;ｲ::::::::::|::l
ｲ:::i::::::l::::::::::::ﾄヽ　　　　　　　　　, 　　　　/:::::::|::::ﾄ;',　
.|:::ﾊ:::::ヽ::ヽ:::',ヽ　　　　　　　　　　　　　　,.ｲ:::::::!ｲ:| ヽ
..l::| ﾍ:::::ﾄ;ﾄ;:ﾄ;:', ｀､　　　 -―ニ;'''　／::::ﾊ::::::八!
. リ　ヽ::| ヽヽﾄ､{_` ‐-､_ 　　´　　 ∠ﾆ）::/ |:::/　 ′
　　　　`　ﾍﾞ} 　｀` ―- ニ､__／'´,　/ ﾘ　∨
　　　 __,... ┤　　　　ヽ､　　| l |／/ l.._
-― '' ´　　　j　　　　　ヽ}　.| | ﾄ､Z　|　｀`　‐-　､__

第一に時輔が相当に優秀であったこと

北方頭人空位の約２年間、裁判業務で大きな支障が出ていないのがそれを証明している

　　　　　　　　 ,.､-‐‐''''''''''''‐‐--､
　　　　　 ,､‐''"　　　　　　　　　｀ﾞ`ヽ､
　　　　　lﾞ､　　　　, '　　　　　　　　　　＼
　　　　_,j　ﾞ　　　,.-‐‐-､ '　､　､　　　　　　ﾞ!
　　,r''"　　　　　ﾞ,　　　＼　' , ' ､　　　　　`ヽ､
　,'ﾞ　,　　　　　,.-､'､　　　　＼　　｀　　　　　　ヽ,
　l　 ' , '　　ﾞ､ l　 `ヾ､_r――‐ヽ､ ,,.rl　　　　　　　l
　ﾞl　'　　 ' ,　l .,／´| ｀`''‐-､,.､-'ﾞ　.l､　　　 ,　　 j
　　|　　　　　/.lﾞ　　 |　　　 |　　　/　|　 ,,.ノ　 .r'ﾞ
　 / l　　　 /ヾ''‐-､ |　　　∧　　,',,.-'l/''ﾞ_/　 /
　{:　ヽ､　 .|､_,,,,....,,_.`　　〈　〉　 ´_,,,..,,,_'//　 !
　ﾞ'､　lrl 　 '､＼　　`ヽ　　 V　,.r'"　　／/　　|
　　 l　'､|　　ヽ `i‐‐'"´　　 |　　`'‐-i"　{　', ', !　　　私を含めて六波羅幹部には有力御家人庶子も多いからな
　　 |　 :l　　　,'　 |　　　　 |　　　　 !　 ,j､　ﾞ }
　　 l　:,'　, , /!ヽ､|`''‐-､　　|　,.､-‐'ﾞ|／!　|　r'ﾞ　　　……時輔殿が迎え入れられる土壌は十分にある
　　/　l　' ﾞ .{ ＼ ` 　　 `''┴''ﾞ　　　／ﾞ　 ! .|
.　 {　　`ヽ,　lr':､＼　　ﾞ￣￣￣　 ,.ｨﾞ　　 ,'　l
　　`ヽ､　 j　l:::::ﾞヽ,＼　　　　　／::::|　　 l　 |
　　　　 `, l　|::::::::::::｀::`''‐-,-‐'ﾞ:::::::::l､　　ヽ, ﾞ､
　　　　　l:l!:!j::::::::::::::ﾞヽ:::::| l |::/:::::::::l　ﾞ､　　} ﾉ

また、庶子として幼少期から冷遇されていたこともあってか

庶流出身者の多い六波羅ではむしろ声望は高かった
431： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:11:02 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　　　　　　　　 i､〈ｌ〈l　r,==￢
　　　　　　　　　　　 -=| |=‐　　|.| 　 |.|　o o o
　　　　　　 / 　　　 i7 |.| 「/ 　 L===」
　　　　　　〈　　　　　　ﾞ'
　　　　　／　　　　　､ｰ--‐へ､　（⌒＼
　　.　　, '　　　　 l`i‐r-ゝ　 v 　＼＼､ヾ;　ヽーｧ─
　　　 /イ　　　 :ﾄ､!│|　!　,　ij 　 u　＼ヽﾘ　　 ∨
　　　　│,ｲ　　 | u　| | l∠ﾆ　　u　　　ト､　　ヽ　　/　　　ひどい……っ
　　　　 l/ | ,ｲ　|─ｧつ_ ~U~ u/;⌒i　　 |:: ＼　　ヽ　/
　　　　　　ﾚ　W　f／ノ　,.-　// ./ j　v |:: u ＼　　V　　　　菊池の本家も、嫡出家を見捨てるなんて……っ
　　　　　　　　　 { ／つ　ｨ .// / 　 u　 |::v　/ヽ.　 i
　　　　　　　　　　l ／つ/ ﾚ'　〈__,.ﾍ　　 |￣7　ヽ　|
　　　　　　　　　　ヽﾍ'v　ｰ-､　ﾉ　　ヽ　 |　/　　 W
　　　　　　　　　　　＼　ij　０　ヽ.　　 `ｰ'　| r‐￢ |
　　　　　　　　　　　　　＼　ノ　O ＼　　　　|_!o ol_|

とどめに、この時期になると顕著化してきた問題があった

「無足御家人問題」である

　　⊂⊃　　／~~＼ ⊂⊃
...............,,,,傘傘傘::::::::傘傘傘.............　　　六波羅の裁判通達でーす
　∧_∧
（´・ω・）　　　　　　ｷｷｰｯ！
O┬O　)
◎┴し'-◎ ≡

御家人が御家人として認められる上で重要な業務がいくつかある

例えば六波羅近侍御家人が行う「御使」
432： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:11:49 ID:cEL/Arn60: 　　　　　/　　　　　/　　　　　/　　　　　/
　　　　＿_,____
　　／// |ヽヽ＼　　　　/　　　　/　　　　雨が降ろうが風が吹こうが書状を届けます・受け取ります
　　 ^^^^^.|^^^^^^
.　/　　　　|∧＿∧　　/　　　　/　　　　　/
　　　　　　|´･ω･｀)
　　　/　　０と　　)　　　/　　　　/
　　　　　　し─Ｊ。。。。。

これは、裁判の結果を現地に通達したり、裁判を進めるうえで必要な書状を受け取って届けるなどの

現地密着の裁判業務で、畿内御家人の重要な職務とされた

　　　　　　　　　　-'´
　；　　　　._..__Λ_..__　・　；
　　；　／；　　　　::::＼；　：
　；：／　　:: 。・　:: 　:;;;;ヽ　：　・
　　/ :：　　　　。　　・　::: |　　；
　； ⌒⌒⌒⌒||⌒⌒⌒⌒ ；　　　　君、押し込みしたよね？
　；　＿＿＿ ||
　　　ヽ==@==|| ∧___∧　　　　　　資産没収ね？
　；・　(´・ω・ ||(´・ω・`)
；　　　(　　.つＯ(つ■∪
　：　　ｕ－ｕ´ .｀ｕ－ｕ

他にも地頭の職務

これは荘園によって多少の差異はあるが基本は現地の警察業務である場合が多い
433： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:12:14 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　ｊｊｊｊ　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　タ　　　　　 {!!! _ ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,/　　ﾉ　　　　　　　 ~ `､　＼　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`､　`ヽ.　　∧＿∧　, ‐'` 　ﾉ　　　　　／　　`j　　　町の治安は僕たちが守る！
　＿　　　　　　　　　　　　　　　∧＿∧＿　　　　　　＼　　`ヽ（´･ω･｀）"　.ノ／　　　　／　 /`ｰ'
│ｊｊｊｊ　　∧＿∧　　　　　　　　（´･ω･｀）　￣"⌒ヽ　　｀､ヽ.　　｀`Y"　　r '　　　　　〈　 `ヽ
│ヽ　　（ω･｀　）　　　　　　／）ヽ'　／　　　　､ `､　　　ｉ. ､　　￥　　ﾉ　　　　　　　`､　　ヽ∧＿∧
│　　⌒　　,　⌒ヽ　　　 /　 --‐　'　　　　　　ﾍ.　　;　　 `､.` -‐´;｀ーｲ　　　　　　　　　〉　　　 ´･ω）　　　 ,-､、　　　　 ∧＿∧
　ヽ-＿、　/　　/　＼　　ｆ　　､　　ヾ　　　／　　　）　　　　ｉ彡　ｉ　ミ/　　　　　　　　　/ ノ　　￣⌒ヽ　　「　　〉　　　　（´･ω･｀）
　　　　ヘ　　丿丶　ヽ　　!　　ﾉヽ､._,　'｀"／　 _,.　'"　　　　　｝　　　　｛　　　　　　　　　ﾉ　　' L　　　　 `ヽ.／　 /　　／⌒　　　　⌒丶
　　　　　│ミ　　/　ﾞ　ﾉ　　|　￣`ｰ-`ヽ〈　 < _　ヽ.　　　／　　　　　`＼　　　　　　／　, '　　　ノ＼　　´　　/　／　　ノヽ　人　ノ　ヽ
　／￣⌒　／　/　／　　　 !､＿＿,,,　　ｌ　,＼_,ソ　ﾉ　　 /　　　／ヽ、　　ヽ.　　　　（　　　　 ∠_　　　ヽ､＿, '　　ヽ、　ヽ　ﾞ　　、ﾉヽ　ｿ
《　　　＿/　　彡ノ　　　　　　　　　　〈'_,/ /　　　／　　 /　　ノ　　　ヽ.　　）　　　　　ｉ　､　　　　　ヽ　　　　　　　　ヽ＿ｿ　´　/巛／、
　＼　｀ /　　　/　　　　　　　　　　　　|　|　　イ-､__　　＼　 `ヽ　　　 {　　ｆ　　＿,,　┘　「`ー-ｧ　　ｊ　　　　　　 /´　　　＿ノ＿　　　ヽ
　　＼　/　　ﾉ　＿へ　　　　　　　　 l.__|　　｝_　　ｌ　　　＼　＼　　 |　　i　ｆ"　　　　　ﾉ　　　｛　　/　　 /⌒、／　　　／　　　　＼　ﾞ丿
　　　ヽ│　　⌒　　　│　　　　　　　　＿.|　 .〔　ｌ　ｌ　　　　ノ　　_>　ｊ　　ｷ　|　　i⌒"￣　　　 /　 /_　　/　　　　　／　　　　　　丿　/、
　　　<.,,ヽ＿　ノﾞ´<.,,_/　　　　　　　　〔＿＿＿! '--' 　　 <.,,_／~　　〈　　 `、ヾ,,_」　　　　　　　i＿__,,｣　ヾ,,_」ヘ＿ソ　　　　　　　 i＿__,,｣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ー-‐'

そして何より京都と鎌倉の警固を行う大番役

これを行う代わりに、荘園に新設された「地頭」という地位を与えられ、そこから報酬を得ていると言っても過言ではない

　　　　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　　　　／:::::::　　　　　　＼
　　　　　|:::.　　 ''''''　　 '''''' 　 |
　　　　　|::::.,（一）,　　　､（一）.|
　　　　　|::::::: ノ　,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　|
　　　　＼:::::.ヽ｀-=ﾆ=- '　／
　　　　　/ 　｀一｀ﾆﾆ´-,ｰ´
　　　　 /　　|　|　　 /　|
　　　　/　　 |　|　　/ |　|
　　　 /　　　ｌ　|　/　 |　|
＿＿/　　　 | ⊥_ｰｰ | ⊥_ ＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　|　 `ｰヽｌ_ｌ_ｌ.}　ヽｌ_ｌ_ｌ.}　　　　　　　　　＼
　　（､`ｰｰ､ｨ　　 }￣` 　　ﾉ　　　　　　　　　　　＼
　　　 `ｰ､､＿__/｀"''－‐"　　　　　　　⑩　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⑤　⑤　　　　　＼

が、どれも業務に必要な経費は自腹である

しかも奉行人を除けばどの業務も軍事警察系列で人数と武装が必要になる
434： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:13:09 ID:cEL/Arn60: ――この御家人役がどんだけキツイのかを示す手紙が残されているのだが……

　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┏───
　　－＝≡　　 Λ,,Λ　　　　　│京都から使いを出しました。お金が足りないという内容の書状を持たせています
　－＝≡　　 (；´・ω・）
－＝≡　　　⊂　　　ｏ　　　　　当座の金は畿内の所領を質入れして工面していますが、それでも不安です
　－＝≡　　（　　⌒)
　　－＝≡　　 c し'　　　　　　　九州の所領に手紙を出して金銭を工面してもらえるよう交渉しています　　　　　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　───┛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

千葉氏ゆかりの寺に残されていた書状だが、これは鎌倉初期の千葉氏の財政に関して書かれていることが最近判明した

鎌倉時代屈指の大豪族ですら、所領を質入れして経費を工面しているのである。中小御家人にとってはどれほどの負担かは

想像に難くない

　　　　　 /　　　　　　　　 : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　 }　　　　　　　　　 : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ﾊ
　　　　　　ヽ　　　 /⌒ヽ　　 : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : }
　　　　　　　 }　　 /　　　∨ 　: : : : :.,　　⌒ヽ : : : : : : : :/　　　┏───
　　　　　　）　/　　 γ v　 : : ／　　　　　l : : : : : : /　　　│近年、富裕の者を養子として御家人とする者がいる。これは幕府に対する
.　　　　　く}ﾊr‐:..､　 { 〃ｰ一'　　　　　　 l : : : : : /
￣￣:二ﾆ =‐- { l「｀ヾﾍ　　　　　　　　　 l: : : : :/　　　　　　　不忠である。正当な理由が認められない養子縁組は一切無効とする│
:::::::::::::::::::::::::::::八ﾘ　弋ﾄﾐ:､ {　〃　　ｘ ─- ､l: :ハ/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　───┛
:::::::::::::::::::::::::::::::ハ|'⌒ﾞｰ｀´ >j　{{r匕-tｧ_ﾁ￣　ﾚ/ /＿　　　
::::::::::::::::::::::::::::/::::::l　　　 / /　｀　ｰ─一　 /ｲノ|:::::::::::::ミ::...
:::::::::::::::::::::::::/f 7::::　　　 /　　　　　　　　 /斤::::|::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::://j/::::∧ 　　ゝ '　　　　　 /::::::::::::|::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::/::レ::::::::::| ，　` ー＝=　　　ｲ:::::::∧::l:::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::ｌl:::::::::／ヽ∧　　 ´｀　　　／/:::::::::/0 }:l:::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::|l:::／／::l |ｱゝ　　＿_　イ.:.:/:::::::::〈0 /::l:::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::|ﾚ／::::::::ｌ |.:.:./.:.:i.:.:.:.:.:.:.:.i.:./⌒V::::::::∨::/:::::::::::::::::::::::

そのあまりの負担から、時頼が執権として政務を執る頃になると、身分売買が横行するようになり

その後の執権が度々身分売買禁止令を発布してこの流れを食い止めようとするが、一向に収まる気配はなかった
435： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:14:15 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　＿__,........ -＝==￣｀`ﾞ丶`丶､
　　　　　　　,.`.ﾆ='''''　　　　　　　　　........:.`ヽ、
　　　　-‐'';:'-'"　　　　　　　　　　..　.. .. ::::::::::ヽ
　　　　 ,.-'　　　　　　　　　　　　　 .::::..:::::::::::::::::::ヽ
　　／ ,　　　　　　　　　　　::::.::::: : ::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　 ,.:'-イ'　　　　 ;　 ; :: ;　::;:;. :::::::::::::: ::::::::::::::::::::::::::::::!
　'´ ／,　　　　: :　:::! :: ;:　;'!-、;:::::::::::::::::::::::::_::::::::::::::l
　 ,:'::;ｲ　　　 : :.;:　:::l::;::i::::;';ゞ;=､i::::::::::::::::::::::i､`;､::::::::|
. / '´,'　 .:;:　.::.::ﾄ!､:::!:|'!ヽ!'!_';ヽ,.〉:::::::::::::::::::::i'ヽヽ::::::l　　父上の頃からの問題だからね
　　 l　.::/i　::::::'ゞ!;､|'!　　`‐'" i:;ｲ::::::::::::::::::|),ﾉﾉ::::::l
　　｜.::/ |:::::::::::::',ゞ' .::::.. 　　 ;'/ !:::::::::::::::;:ﾉノ'::::::::|　　……どうにかしなきゃならないんだけど
　　 | :/　 !::::;ｨ:::::;ｲ ::::::::　　　ﾉ'　i::::;ｨ;:::::::;'l'!:;'､:::::::|
.　　|/　　'!::/!'!::::`､　＿　　　 /:;:' i!'!:::/ ,l'-'"ヽ::|
　　　　　　':/ ! !:::/'!`´. _ ｀　　/; ',../''!:/'´　　　 `'
　　　　　　　　　!:| |! 　ヽ　　 ,. ､',.､‐'"!'
　　　　　　　　　 !' 　　　｀　'´ｨ'"ヘ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　!',!、　＼＼　,.-'"
　　　　　　　　　　　　　　　　 l iヽ　　＼`',. ‐'

この身分売買は時頼時代から顕在化し、政村が連署として時宗を輔弼する頃にはかなり深刻化していた

政村署名の身分売買禁止令と倹約令が発布されていることからも、その深刻度をうかがうことができる

: : : : : : : : : . : : : : : : ／／/ ,　 .,　i　: /　　//:　i　　､ヽ: : .　ヽ
: : : : : : : : : : : : : : : ///イ／/// / : /:　 .//: : /:　　 i ヽヽ: :　'ｌ
: : : : : : : : : : : : : :　'. : //イ/ / / : /: :　//i: : /:　　 / :　i　ﾄ: 　'l
: : :　. : : : : : : :/: : . :　l /　| / /: :〃: : 厶V:イ: : 　 /: : 　|､ lヽ:　!
:　 . : : : _. ィ /. : :/: :　l′ j/./.／/／､ﾊﾊ/イ. :　イ:|: : :　! ヽ　､ l
. : : : : : :l　v. : : /: : 　 /　　/: : ! ´　　ヽ!　 j:／:/: ﾊ: :　 l　　　 '|
: : : : : : : V. : : /: : : . /　　/ l:　!　　　　　／´ヽ/ l/　l: :　l'　　　 l
: : :／. : /:/: /1: /: ./　　/! ﾊ　l　　　　　　　　＼　,l:　/
／:ィ／イ: /｀l: i: :/　　/ l l'　! |　　　　　　　　　
／／／/: ∧/:ﾊ:/　　/　, ﾉ　l |　　　　　＿　 r'′　//
´~　　{/／ //　i'　　ハ /′　ヽ　　　　´ーf'"　　　/′
　　　 l'′ /′ ,l　 /､ /　　　　　　　　　-r'
　　　 '.　　　　 | /　＼ _ , ､　　　　　　ﾊ
　　　　 '.　　　　|′　　 /ﾊ/イ＞､...__.ィ　l
　　　　_ ' 　　　　　　r／イ､/／　　i: / | /　　　　　＿　／￣｀ー、
_..　　´　ハ　　　　//∧ヽ　＼ヽ､/:/　 !′　　　｛　　∨　　 ,＿__　ｰ､
　　 _. - '　'　　　 ///,、 '. ﾄ､　 /' ｀ヽ､　　　　　ヽ　 {　　/ i＞′　　'､
‐'"´　　　　 ' 　　} } !ヽ＼', ',ゝ､_　　　　ヾ､　　　　 '.　! 　!'"　　 , ､　　　}
　　　　　　　 ′　j V　＼ i､'､　｀ー､　ヽ＼　　　 `.|　 ! 　　/ 7´　　　'､
　　　　　　　　ヽ//　　　｀ヽヽ　　　　ヽ.　ヽ.＼　　　ゝｲ　 /7′　／　 }

この後の歴代執権が取り組む課題は困窮する御家人をいかに救うかという事が至上命題となっていく
436： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:15:07 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　　　　　　　 l　　〃 | | /　j/　　 /　/　 i|　　　　　 /　　 ||　　 ! |　|　 l|　　 }
　　　　　　　　　　　　　l 　 //　ｌ| | |　/　　 /　/　　 |　　　　 /　　 ||　　 |｜ |　｜　 /
　　　　　　　　　　 l　/ l　| l| | |　|＼ /　/　　ﾉ　　　　 / 　　 ||　　｜|　|　∧　/
　　　　　　　　　　　 |/　ｌ　　l| | |　|＝=､/ 　 }　{　　　 , /　　　 ||.　　 | |　| ﾊ　V　 /
　　　　　　　　　　　　　/　 l　 | l| | l　ト､l　l＼　〈　ヽ　　 /'　　　　　||　　 ! !　||、∨　/
　　　　　　　　　　　　 / 　 |　 | l| | | 　r‐ ＼　＼ヽ　　ｲ、-‐ ,　　''||¨￣¨| ト､||ﾍヽ //
　　　　　　　　　r‐＜/ /　 |　 | l| | |｜ヾﾟ.ﾉ　ヾヽ　　　ﾞ｀ｱｰ-‐;二-=＝| | | lヽﾊ V/ !
　　　べー‐-＜::::::::::ｌ　| 　 |　 | l| | | | ｀'l |-‐- ｿ }ﾊ`　　　 / _,:彡'　|レ- 、| | | |｀>ｧV||｜
　／::::::::::::::::::::::::::::::::l　 ! |　|　 | l| | | |ヾｰ|=彡'"　 _}'⌒丶､ｌ　、ヽ､||ｰﾟ‐'　|.|　|ﾚ' /!　l! |
´ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::l　｜|｜|　| l| | | |　 ||　　　　f/' 　 .:　 |ヽ　ヾﾐヽ｀`'＝=||'",|ﾚ'　|　j| |　　　　おやおや、彼らは使えないのですか
.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::|　｜|｜| |l　| ト|_|　｜　　／ ′ .:::::.　V　　　 |ﾞ　　 =| '"|!　　l/ lｌ|
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|　｜|｜l !|　| |｜|｀¨|¨¨ ´　 /　 .:::::::::.　ヽ,　　 |　　　　|　,′　/ / |　　　　では、我々の幕府は別のものを使わねば
::::::::::::::::::::::::::::::: ::::::::.　 |　ｌj　l|　人|｜l!　|　　　 ,′ .:::::::::::::. 　＼　 |　　　　| / ／/ /　|
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ|　 |　j:ｲ　ｌ|从!　|　　〈　 .::::::::::::::::: 　　｀ |ｰ----‐/´　/ /　l|
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l |　　　|　　|　||　　　　　:、.:::::::::::_::::　　　　 |　　　 ∧ 　 7 　｜
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ﾊ.|　　l　　|　||　　　　　ヽ:::::´　　　　　　 |　　　 ∧l　 /　　 |　　 /
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::://::::||　 |｜　|　|ﾄ､　　＼_　　　　　　　　 |　　 /　l ∨ /　 ll　　/ l|
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::://::::::||　 |　l　||　l | ヽ　　 Yｧｰ- 　 ._　　　　 __,.　／　〉∨　　||　/　｜
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::://:::::::::|　 l　 l. ||. 　|　 :ﾍ　　ﾏｯ:、　　￣￣￣／／/　 / /　　 ||/ 　 ,||
::::::::::::::::::::::::::::::::::::〃 ::::::::: |　j 　 | ||l　 | 　ハ　　丶、ー---‐ '　／　/　 / /　　　 ||/　/ ||
::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::| ﾊ　 | || l　|　　|:::’、　　　｀ニニニ ¨´　　/ 　/ /　　　 ∧ / 〃
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::|　∧||　l |　　|:::::::.，　　　　　　　　　　　/　 / /　　　 /　 ∨/
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:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /::::::: |::::ヽ　 /::::::::::::::ヽ　　　　　　 /　／/ 　　 //　　//

だが、この傾向は幕府が滅亡するまで解決されることはなかったのである
437： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:16:05 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　　　　　　　　 i､〈ｌ〈l　r,==￢
　　　　　　　　　　　 -=| |=‐　　|.| 　 |.|　o o o
　　　　　　 / 　　　 i7 |.| 「/ 　 L===」
　　　　　　〈　　　　　　ﾞ'
　　　　　／　　　　　､ｰ--‐へ､　（⌒＼
　　.　　, '　　　　 l`i‐r-ゝ　 v 　＼＼､ヾ;　ヽーｧ─
　　　 /イ　　　 :ﾄ､!│|　!　,　ij 　 u　＼ヽﾘ　　 ∨
　　　　│,ｲ　　 | u　| | l∠ﾆ　　u　　　ト､　　ヽ　　/　　　何でだよ……っ
　　　　 l/ | ,ｲ　|─ｧつ_ ~U~ u/;⌒i　　 |:: ＼　　ヽ　/
　　　　　　ﾚ　W　f／ノ　,.-　// ./ j　v |:: u ＼　　V　　　　俺は庶流をバカにしたことなんて……っ
　　　　　　　　　 { ／つ　ｨ .// / 　 u　 |::v　/ヽ.　 i
　　　　　　　　　　l ／つ/ ﾚ'　〈__,.ﾍ　　 |￣7　ヽ　|
　　　　　　　　　　ヽﾍ'v　ｰ-､　ﾉ　　ヽ　 |　/　　 W
　　　　　　　　　　　＼　ij　０　ヽ.　　 `ｰ'　| r‐￢ |
　　　　　　　　　　　　　＼　ノ　O ＼　　　　|_!o ol_|

そして、この御家人たちの没落の第一段階は裁判による庶流家の反乱に端を発する事例が多い

また、この裁判による没落の傾向が顕著化するのは西国からである

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:::::::::::: ::: : : ::.:l::::l ';:!　　　　　　 ';::;:::::::::::::l::::::::::l:::::!:::::::l:::::::::::::::';::::ﾄ;::::!
:::::::::::::::::::. ::､::l::::| ヾ　　　　　　 ';i､:::::::::::ﾄ;::::::::l;::ﾊ::::::l::::::::::::::::ﾊ::! ';::l
::::::l:::::::::::::::..::;::l;::l―‐- ､_　　　　　 l ,';::::::::l-ﾍ:::::l.ﾘ`l::::/:::::::::::::::l　ﾘ .ｊ/
:::ｒﾍ:::::::::l::::::::ﾄlヾl,二;;ニ;=;ミ;;一　, ノ｜:::::l７ﾌ!:/ ﾄｊ:::/::::::::;ｲ::/
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:::',、!::::::::::::::､:::::'､　　　　　　　　　　　ｊ/ヽ　　　　ノ／::::.｜　　御家人に後も先も無い！
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:::::::/::::::::::::::::. : :､:::'､　　　　　　　　　　／　　　 /::::::: ::';::.',　　皆幕府の大切な臣下だ！それが内輪もめなど……
:::::::::::::::::::::::i:::::.　:＼ヽ　　　　　　　　 __　　　 /::::l;::::: :::ﾄ;:',
::::::::::::::::i::::::l､:::::. .: l ｀ヽ　　　　,ｒ;;――'ｺ　　 ,:'::::::八::::::::l .';',
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:::i;:::::::::l　';:::l　ヽ::::::::ト､　　　　　　￣　　,:':::::/ l::ｌ　 . ';::::|
::l l::::::::l　ヽ'､　ヽ::::',‐､｀丶､　　　　　 ,/:::::::/　!:l　　 ';:::!
:l　l::::::l 　　ヾ.　　ヽ::', i､丶､_` －,- ; '7:ハ/　 l/　　　 ';:l
:!‐ﾍ::::l　　　　　　　ヾiｊ丶　　}　 l　K/ー--------- ‐ﾘ―――- .､
'　　∨＼　　　　 iー` ﾞ　　丶 l　 l　l {　　　　　　　　　　　　　　　　 i丶

時輔が単独で裁判業務に当たった時期はこの裁判による嫡流家超越が徐々に顕在化していた時期に当たる

庶嫡の違い無しに、既得権益を守るために奮闘する時輔に多くの御家人たちは心を寄せるようになっていった
438： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:17:14 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　　　　　ﾟ･　*:　 :　*･
　　　　　　*･　゜ﾟ･　*　:　　.｡.　.｡.:　　*゜
　　　*　･゜　ﾟ･　*:　.　.｡.:　*･　゜ﾟ　　･　*　　:..
　｡.　･　･*:.｡ ∧,,∧ 　.∧,,∧　　　.:*　･゜　　　時輔様なら僕たちを守ってくれる！
　　　 ∧∧(´・ω・｀)(´・ω・｀)∧∧
　　　(´・ω・｀).∧∧) (∧∧(´・ω・｀)
　　　｜　Ｕ (´・ω・｀)(´・ω・｀) とﾉ
　　　　ｕ-ｕ　（l 　　 ) ( 　　　ﾉ u-ｕ
　　　　　　　　 `ｕ-ｕ'　`ｕ-u'

教育役の南宋亡命僧から時宗以上に愛されたといわれるだけあって人望も十分であったのだろう

わずか二年の単独勤務で六波羅探題を見事に纏め上げて「しまった」

――それは折しも、名越教時が時宗とは距離を置く御家人たちと頻繁に連絡を取り合う時期と重なってしまっていたのだ

　　　　　　　　　 _＿__ 　　_　__＿
　　　　　　　__r‐=　　　　　　｀ヽ . . ＼__＿_
　　　　　　　〃::.:. :‐=＝　ミ:.: ..　　　 . .丶　{|
　　　　　　　」{::.::.: . : :. : . . .: : : :: ::　　　　　 . : {ﾄ､
　　　　　　 {{:.: : :: : : : : : : : : : : : ::｀ヽ　　　　 . : ＼
　　　　　 {{:: ::-‐― : : :. ミ:.:. :. : :: :　　　　 . : : : 八
　　　　　　八___:..:....:...: : .　. :＼＼:: . 　＼　 ;　: : / /
　　　　　　 }.:.:.:.:.:..:....:...: : :. : :　.::＼＼` ､　 ∨∨: :{./〉
　　　　　 }.:.:.:.:...:...:...:..: : : .:√｀ヽ:.:.ヽ＼:丶.:}:.}}{／{/
　　　　　　}}.:.:.:.:ﾑ-ﾐ..:.:.:...√　　　　`　^ゞ ; ∧刈,.. ′
　　　　　 }}.:.:..:. i乢:}. :√　‐-=::.　　／　//　／　{
　　　　 }}.:.:.:.:.艾「|.: 抃　　-‐辷禾ｰ､//　杙禾.:､　　　　お話は考えていただけだろうか？
　　　　ﾉ'.:.:.:.:.: (( 八:ｉ:::| 　 ´´´　　　/:::`　　　〉::}
　　　　｀7.:.:.:.:.八:{　　 ^:{　　　　　 .:::::::.:::.　　 /:/
　　　　　{.:.:.:.:/{　｀{ 　 '.　　　　　〈::::::::.:.::i 　ﾊ:{ : :
.　　　　ﾑ.:.:.:{ ﾄ　ハ　　＼　　　､__　　_r'　, .:: : : : :
　　　　　乂_{　 ,　　＼　　＼　　 `ｰ=＝' /＼ : : : :
　　　　　..: : : :∨ /　　＼　　＼　　　　　 / 　 ′: : :
　　　　　. : : : : ∨, ′　　＼　 `　ｰ―≦:　ハ: : : :
　　　　　. :.: : : : :〈　　　／| 　,/:　∧. 　／ｉｉ|: : : :
　　　 . . : : : : : : ＼　∠＿|　 {::..　. :|_／⌒ヽi|: : : :
　　　　　. .: : : : : : : : ＼　[　[r‐ У_ , :|　{__ 　　|: : : :
　　　　　 : : : : : : : : : : : ＼　＼　　 . :|　 __{　　|: : : :
439： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:17:50 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　　　 .∧__,,∧
　　　　　　　　（´・ω・`）　　あの……僕じゃ多分お役には……
　　　　　　　　 (つ　と）
　　　　　　　　｀ｕ―ｕ´

　　　　　　　　　　　　　　　　　,.........,_　　__
　　　　　　　　　　　　　 ,.r'"~~ヽ、::::ヾ、:::::ヽ､
　　　　　　　　　　　 ,r''"::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ,::::::::::ヽ､
　　　　　　　　　　ノ''"~::::::::::::::::::::::::::::､:::::::ヽ::::::::::::::ﾞ:,
　　　　　　　　　r"::::::::-‐'"~~`:::::::::ヽ、::ヽ::::::ヽ,::::::::::::ヽ.
　　　　　　　　　l::,r:::::::::::::r'"~ヽ、:::ヽ::ヽ、::::::::ﾞ;;::r'":::::::ｿ
　　　　　　　　　l"::::::::::::::::::::-､:::::t---､、::::::ヽﾉ,:::::::::::､:ﾞ:,
　　　　　　　　 r":::::::::::___::::ﾞヽr''　　　　ﾞｰ,:r;.j:､t-､::::ヾ.
　　　　　　　　 t,::::／::::::::::::::ミ''　　　　　　 'ノ",!ﾉl| ﾞ:,::::,r'
　　　　　　　　　l:::::::::,r‐ ､:ﾐ'"　　―‐-､､,__　ノ　'__,,.!ノ
　　　　　　　　/::::::::l.ヽ,ゝ|,ﾐ, 　　ヾﾕﾆﾌ~`>　,r:j>i'　　　　いや、間違っても私と共に戦ってほしいというわけではない
　　　　　　 ,r'l:::::::::::::ヽ、,| ﾞ;:　　　　　　　　 i　 |
　　　　　／　|:::::::::::::,|,,、ﾞ' l'　　　　　　　　 t,.r'　　　　あくまで、事が成ったあかつきには支持してほしいというだけだよ
　　　 ,ri"　　 l:::::::::/,/'i’　ﾞ　　　　 __ 　　-┬ '
-‐'''""~|　　　ﾞi,;!'ｿ,ﾉ l'　:,　ヽ、　　　￣￣ ,:'
　　　　 | 　　　ﾞi、ヽ、　:i　　ヽ.､　　　　　,!,
.　　　　 | 　　　　＼＼ﾞi, 　　ヽ`ｰ,r--'ﾞi,＼
　　　　　l　　　　　　＼＼､　　　　 lﾞi､ﾞi,　ﾞi、＼
440： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:18:20 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　　　 .∧__,,∧
　　　　　　　　（´・ω・`）　　そ、そういうことでしたら……
　　　　　　　　 (つ　と）
　　　　　　　　｀ｕ―ｕ´

　　　　　　　　　　　　　　　　　,.........,_　　__
　　　　　　／　　　　　`　　　＼　　　　 { {　　　　 /　/　∧
　　　／　　　｀　　＼　　＼　　　　i{ il　　　 /　/　/　{
　　　〃　　　　　　　丶　　　＼　　　　i{ ｉ|　　　/　/　/　ハ
　　 {{ __ 　-― 　　ミ　＼　　　＼　〉　　i| ||{__　/　/　/　 /　 }
　　 ≧‐-　三　　　　　 /＾ｰ――――ｧ__ 　　 l.r―‐ﾍ　　く
　　 {{三_　-―=　　ミ　/: :　　　　　　 //　｀ヽ丶l.| 　　 {_　/　}
　　 {{三__　三　　　{{: : :.　　　　 // 　　 }　从　　　 i|　 ′
　　 {{三　　三　　　丿: . __ 　　　乂{　　厶ｲ　　 __　i|/
　　　　三　ｒ=ミ　 __: : :.''~￣｀` ｰ-＝=ｭ　　　r=＝-‐ ⌒刈　　それはありがたい！
　　　　三　|　圦 /: : : : . 艾_刻i厂｀ヾ:..:..ヽ　ﾉ:.仗刻￣
　　　ハ三　|　i乢｀ヽ: : : .　　　　　　 7: .　　　　　　 {　　　もし事が成ったならば貴殿の一族に新たな役職を設けねば
　　　　　夊　| 　　＼: .　　　　　　/: : : 　 | i　　　　爪
　　_ ..　　 i し刈ﾊ　　ｉ: .　　　　　/: : : : 　 | |　　　　 /小}
　 ´　{{　　　` ´　}′:. 　 |: .　　　　ヾ: : : :　　| |,　　　 /|　|
　i　　＼　 , 　　八　从: :.　　　　　｀　-､_. ┘　　　 |　|-=ﾆニ二三__
　|　　　＼｀ . 　　 }/ 、: :. 　　 f‐ ‐--　 ‐‐ｧ' 　 / 　}乂　　　　　 __｀ヽ
　|　　　　　＼从　{　　＼: :.　　　　　ﾆ二ニ′ 　 i|　　　　　　　　　「:.:.:.:.:.:.
　|　　　　　　　＼　___二　　＼　　　　　￢　　んﾘ　　　　　　　　　 |:.:.:.:.:..:.:.
　|　　　　　　　　 ≧‐-　ミ　　　　　　　　　　　　{　　＼　　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:..
　|　　　　　　　　　　　＼　　　　 ‐‐―ｧ　´　　.'⌒ヽ　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　|　　　　　　　　　　　　 -‐　　　　　　　∧　　　 i...........|　　　　　　 |:.:.:.:.:.:.::.:.:|
　|　　　　　　　　　　　　 /:.:.:.:.:.:.:.}}__　　　 ′ ヾ　　 |...........|　　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:..:.:|
　|　　　　　　　　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:　__｀　　i::._　　| 　 |...........|　　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.::.:|
　|　　　　　　　　　　　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|「｀ヽ　 {´　　 |　..ﾑ..........L　　　　　　|:.:.:.:.:.:.:.:..:|
441： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:19:09 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　　　 .∧__,,∧
　　　　　　　　（´・ω・`）　　　あ、ありがとうございます
　　　　　　　　 (つ　と）
　　　　　　　　｀ｕ―ｕ´

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_八{ (爪_}///｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 / )__　_刈//rﾍ=ﾐ
　　　　　　　　　　 __　　　/　{√ /　{ 　　 =ミ
　　　　　　　　-－＝ : : : }r‐ 　　 {茫苳　筏禾ミﾐ
　　 . . : : : : : : : : : : : : : __||__ 　 __人　　} ､　　　} )
　. : : : : : : : : : : : : : : : :___|L厂　ヽ刈　- 一　イ　へ　　　　　さて、めでたく話が決まったのですから、ここからは酒宴としましょう
(__: : : : : : : : : : : : : : : : : 「_＿　＿ハ　　￣　　ﾉ/: : : :＼
ゞ======: : ‐- 　　 -‐≦:::::::::||: : : : ::`; i⌒ ｰ　/: : : : : : :丶　　　いつまでも政の話では息が詰まってしまう
.∨:. :.:.:/ : : : : : ::＼ __　-‐=::::||::: /)⌒|..}　厂∨: : : : : : : : : :＼
　ｰ=彡ヘ__: : : : : : : :｀Y´ : : :l|::/ r―′..《　乂_ 斗-‐=≦: : :
　　＼:: :: :: :｀ヽ: : : ::} }: : : : :||i＿| ｀ヽ__」{{　／: : : : : : : : : :／
..　　　　＼: :: :: :: : ::..//: : : : :八___い_/⌒ヽ/: : : : : : : : : :／
.　　　　　　く:::::::: /: : : :／〉___{__{_⌒ヽ/: : : : : : : : : :
　　　　　　　　　｀ヽ/: : ／　 f廴{__i廴」　ｉ: : : : : : : : : : :
.　　　　　　　　　　__Xく　　 f辷{__i辷「　|: : : : : : : : : : :
.　　　　　　／／: :冫, 　 f辷{__{辷」　|: : : : : : : : : : ::
　　　　　　／／: : : : }　　 f辷{__{辷「　|: : : : : : : : : : ::|
.　　　　　／／: : : : : : }　　 f辷{__{辷」　|: : : : : : : : : : :::|
. 　　／／: : : : : : : : }　　 f辷{__{辷「　|: : : : : : : : : : ::::|
　　／／: : : : : : : : : : }　　 f辷{__{辷」　|: : : : : : : : : : :::::|
442： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:19:42 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　　　 .∧__,,∧
　　　　　　　　（´・ω・`）　　は、はい
　　　　　　　　 (つ　と）
　　　　　　　　｀ｕ―ｕ´

　　　　　　　　　 _＿__ 　　_　__＿
　　　　　　　__r‐=　　　　　　｀ヽ . . ＼__＿_
　　　　　　　〃::.:. :‐=＝　ミ:.: ..　　　 . .丶　{|
　　　　　　　」{::.::.: . : :. : . . .: : : :: ::　　　　　 . : {ﾄ､
　　　　　　 {{:.: : :: : : : : : : : : : : : ::｀ヽ　　　　 . : ＼
　　　　　 {{:: ::-‐― : : :. ミ:.:. :. : :: :　　　　 . : : : 八
　　　　　　八___:..:....:...: : .　. :＼＼:: . 　＼　 ;　: : / /
　　　　　　 }.:.:.:.:.:..:....:...: : :. : :　.::＼＼` ､　 ∨∨: :{./〉
　　　　　 }.:.:.:.:...:...:...:..: : : .:√｀ヽ:.:.ヽ＼:丶.:}:.}}{／{/
　　　　　　}}.:.:.:.:ﾑ-ﾐ..:.:.:...√　　　　`　^ゞ ; ∧刈,.. ′
　　　　　 }}.:.:..:. i乢:}. :√　‐-=::.　　／　//　／　{　　　（ふふ、やはり時宗の屋敷で物事が決められるのを
　　　　 }}.:.:.:.:.艾「|.: 抃　　-‐辷禾ｰ､//　杙禾.:､
　　　　ﾉ'.:.:.:.:.: (( 八:ｉ:::| 　 ´´´　　　/:::`　　　〉::}　　　　不安に思っている御家人は相当いるようだな）
　　　　｀7.:.:.:.:.八:{　　 ^:{　　　　　 .:::::::.:::.　　 /:/
　　　　　{.:.:.:.:/{　｀{ 　 '.　　　　　〈::::::::.:.::i 　ﾊ:{ : :
.　　　　ﾑ.:.:.:{ ﾄ　ハ　　＼　　　､__　　_r'　, .:: : : : :
　　　　　乂_{　 ,　　＼　　＼　　 `ｰ=＝' /＼ : : : :
　　　　　..: : : :∨ /　　＼　　＼　　　　　 / 　 ′: : :
　　　　　. : : : : ∨, ′　　＼　 `　ｰ―≦:　ハ: : : :
　　　　　. :.: : : : :〈　　　／| 　,/:　∧. 　／ｉｉ|: : : :
　　　 . . : : : : : : ＼　∠＿|　 {::..　. :|_／⌒ヽi|: : : :
　　　　　. .: : : : : : : : ＼　[　[r‐ У_ , :|　{__ 　　|: : : :
　　　　　 : : : : : : : : : : : ＼　＼　　 . :|　 __{　　|: : : :
443： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:20:15 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_八{ (爪_}///｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 / )__　_刈//rﾍ=ﾐ
　　　　　　　　　　 __　　　/　{√ /　{ 　　 =ミ
　　　　　　　　-－＝ : : : }r‐ 　　 {茫苳　筏禾ミﾐ
　　 . . : : : : : : : : : : : : : __||__ 　 __人　　} ､　　　} )
　. : : : : : : : : : : : : : : : :___|L厂　ヽ刈　- 一　イ　へ　　　　（北条一門を有力御家人が支えて幕府を動かす
(__: : : : : : : : : : : : : : : : : 「_＿　＿ハ　　￣　　ﾉ/: : : :＼
ゞ======: : ‐- 　　 -‐≦:::::::::||: : : : ::`; i⌒ ｰ　/: : : : : : :丶　　泰時様の時代より続く正道を曲げることに意味などないのだ）
.∨:. :.:.:/ : : : : : ::＼ __　-‐=::::||::: /)⌒|..}　厂∨: : : : : : : : : :＼
　ｰ=彡ヘ__: : : : : : : :｀Y´ : : :l|::/ r―′..《　乂_ 斗-‐=≦: : :
　　＼:: :: :: :｀ヽ: : : ::} }: : : : :||i＿| ｀ヽ__」{{　／: : : : : : : : : :／
..　　　　＼: :: :: :: : ::..//: : : : :八___い_/⌒ヽ/: : : : : : : : : :／
.　　　　　　く:::::::: /: : : :／〉___{__{_⌒ヽ/: : : : : : : : : :
　　　　　　　　　｀ヽ/: : ／　 f廴{__i廴」　ｉ: : : : : : : : : : :
.　　　　　　　　　　__Xく　　 f辷{__i辷「　|: : : : : : : : : : :
.　　　　　　／／: :冫, 　 f辷{__{辷」　|: : : : : : : : : : ::
　　　　　　／／: : : : }　　 f辷{__{辷「　|: : : : : : : : : : ::|
.　　　　　／／: : : : : : }　　 f辷{__{辷」　|: : : : : : : : : : :::|
. 　　／／: : : : : : : : }　　 f辷{__{辷「　|: : : : : : : : : : ::::|
　　／／: : : : : : : : : : }　　 f辷{__{辷」　|: : : : : : : : : : :::::|

　　　　　　　　　　　　　　　　　,.........,_　　__
　　　　　　　　　　　　　 ,.r'"~~ヽ、::::ヾ、:::::ヽ､
　　　　　　　　　　　 ,r''"::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ,::::::::::ヽ､
　　　　　　　　　　ノ''"~::::::::::::::::::::::::::::､:::::::ヽ::::::::::::::ﾞ:,
　　　　　　　　　r"::::::::-‐'"~~`:::::::::ヽ、::ヽ::::::ヽ,::::::::::::ヽ.
　　　　　　　　　l::,r:::::::::::::r'"~ヽ、:::ヽ::ヽ、::::::::ﾞ;;::r'":::::::ｿ
　　　　　　　　　l"::::::::::::::::::::-､:::::t---､、::::::ヽﾉ,:::::::::::､:ﾞ:,
　　　　　　　　 r":::::::::::___::::ﾞヽr''　　　　ﾞｰ,:r;.j:､t-､::::ヾ.
　　　　　　　　 t,::::／::::::::::::::ミ''　　　　　　 'ノ",!ﾉl| ﾞ:,::::,r'
　　　　　　　　　l:::::::::,r‐ ､:ﾐ'"　　―‐-､､,__　ノ　'__,,.!ノ　　　（少々杜撰な計画立てだが時間がない以上仕方がない
　　　　　　　　/::::::::l.ヽ,ゝ|,ﾐ, 　　ヾﾕﾆﾌ~`>　,r:j>i'
　　　　　　 ,r'l:::::::::::::ヽ、,| ﾞ;:　　　　　　　　 i　 |　　　　　　……政村の調子ではあと５年も持つまい）
　　　　　／　|:::::::::::::,|,,、ﾞ' l'　　　　　　　　 t,.r'
　　　 ,ri"　　 l:::::::::/,/'i’　ﾞ　　　　 __ 　　-┬ '
-‐'''""~|　　　ﾞi,;!'ｿ,ﾉ l'　:,　ヽ、　　　￣￣ ,:'
　　　　 | 　　　ﾞi、ヽ、　:i　　ヽ.､　　　　　,!,
.　　　　 | 　　　　＼＼ﾞi, 　　ヽ`ｰ,r--'ﾞi,＼
　　　　　l　　　　　　＼＼､　　　　 lﾞi､ﾞi,　ﾞi、＼
444： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:20:50 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_八{ (爪_}///｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 / )__　_刈//rﾍ=ﾐ
　　　　　　　　　　 __　　　/　{√ /　{ 　　 =ミ
　　　　　　　　-－＝ : : : }r‐ 　　 {茫苳　筏禾ミﾐ　　　　　（今優先すべきは力を持つこと
　　 . . : : : : : : : : : : : : : __||__ 　 __人　　} ､　　　} )
　. : : : : : : : : : : : : : : : :___|L厂　ヽ刈　- 一　イ　へ　　　　機会を逃さぬことだ）
(__: : : : : : : : : : : : : : : : : 「_＿　＿ハ　　￣　　ﾉ/: : : :＼
ゞ======: : ‐- 　　 -‐≦:::::::::||: : : : ::`; i⌒ ｰ　/: : : : : : :丶
.∨:. :.:.:/ : : : : : ::＼ __　-‐=::::||::: /)⌒|..}　厂∨: : : : : : : : : :＼
　ｰ=彡ヘ__: : : : : : : :｀Y´ : : :l|::/ r―′..《　乂_ 斗-‐=≦: : :
　　＼:: :: :: :｀ヽ: : : ::} }: : : : :||i＿| ｀ヽ__」{{　／: : : : : : : : : :／
..　　　　＼: :: :: :: : ::..//: : : : :八___い_/⌒ヽ/: : : : : : : : : :／
.　　　　　　く:::::::: /: : : :／〉___{__{_⌒ヽ/: : : : : : : : : :
　　　　　　　　　｀ヽ/: : ／　 f廴{__i廴」　ｉ: : : : : : : : : : :
.　　　　　　　　　　__Xく　　 f辷{__i辷「　|: : : : : : : : : : :
.　　　　　　／／: :冫, 　 f辷{__{辷」　|: : : : : : : : : : ::
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. 　　／／: : : : : : : : }　　 f辷{__{辷「　|: : : : : : : : : : ::::|
　　／／: : : : : : : : : : }　　 f辷{__{辷」　|: : : : : : : : : : :::::|

　　　　　　　　 .∧__,,∧
　　　　　　　　（´・ω・`）　　　…………
　　　　　　　　 (つ　と）
　　　　　　　　｀ｕ―ｕ´
445： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:21:37 ID:cEL/Arn60: ――名越教時がいつごろから「謀反計画」なるものを考えていたのかはあまり詳しくわかっていない

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　　　　　　　　　　　　　 ,.r'"~~ヽ、::::ヾ、:::::ヽ､
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　　　　　　　　　　ノ''"~::::::::::::::::::::::::::::､:::::::ヽ::::::::::::::ﾞ:,
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　　　　　　　　 r":::::::::::___::::ﾞヽr''　　　　ﾞｰ,:r;.j:､t-､::::ヾ.
　　　　　　　　 t,::::／::::::::::::::ミ''　　　　　　 'ノ",!ﾉl| ﾞ:,::::,r'
　　　　　　　　　l:::::::::,r‐ ､:ﾐ'"　　―‐-､､,__　ノ　'__,,.!ノ
　　　　　　　　/::::::::l.ヽ,ゝ|,ﾐ, 　　ヾﾕﾆﾌ~`>　,r:j>i'
　　　　　　 ,r'l:::::::::::::ヽ、,| ﾞ;:　　　　　　　　 i　 |
　　　　　／　|:::::::::::::,|,,、ﾞ' l'　　　　　　　　 t,.r'
　　　 ,ri"　　 l:::::::::/,/'i’　ﾞ　　　　 __ 　　-┬ '
-‐'''""~|　　　ﾞi,;!'ｿ,ﾉ l'　:,　ヽ、　　　￣￣ ,:'
　　　　 | 　　　ﾞi、ヽ、　:i　　ヽ.､　　　　　,!,
.　　　　 | 　　　　＼＼ﾞi, 　　ヽ`ｰ,r--'ﾞi,＼
　　　　　l　　　　　　＼＼､　　　　 lﾞi､ﾞi,　ﾞi、＼

『鎌倉年代記』などの鎌倉時代に関する歴史書は謀反や粛清といったネガティブな情報を隠す傾向があるためで

該当記載事項も年月日に事実関係のみという記述の場合が多い

　　　　　　　　　　　　　　　 _＿__
　　　　　　　　　　　　　　〃´ 　 . 7ヽ,
　　　　　　　　　　　　　 /　　　 / 　 .}
　　　　　　　　　　 /　　　 / 　 . /
　　　　　　　　　　　　/　　　 / 　 . /
　　　　　　　　 /　,ｒｨ天ヽ　　./
　　　　　　　　　　 /　 .〈7<ﾗ<） . /
　　　　　　　 /　　　 ''‐ｒ ''　/
　　　　　　　　　/　　　 / 　 . /
　　　　　　 /　　　 / 　 . /
　　　　　 ./　　　 / 　 . /
　　　　　　 / ._ .＿_/ 　 . /
　　　　　　〃ｨ7三ミヾ　 ./
　　　　　　{l「（{{句j刈}｝./
　　　　　　ヾ弋沁少ｨjﾘ
　　　　　　　ヾ＝一"'

比較的詳しい『北条九代記』も「年々の不満をためて」としか書いていないためこの辺りはまさしく歴史の謎である

ただ、その後の行動からわかっていることがいくつかある
446： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:22:18 ID:cEL/Arn60: ――第一にこの謀反計画がかなり杜撰であったこと

　　　　　　　　　 }　:/　　}　 :}　　 ::/　　　　ー―ｧ
　　　　　　　 /　 {　　{　ﾉ　 ::ノ＿　　　　　ノ
　　　　　　　 (　　ト､､イノｰ ´ 　く　　　　 `ｰｧ
　　　　　　　　}｀ヽｨ´　　　　　　　　　　ヽ　　　　／
　　　　　　　　{　　 {　　 {　 ./　／⌒　　}　　　　7
　　　　　　　､　ﾉ ,==ﾐ　　ｰくこぅ､　　〈　　 /
　　　　　　　　八 ∨f 斗 } 　　＼　　　, } rヘ 7
　　　　　　　　　ヽ}　　 ,:　　　　　 /: | |ﾉ:} }′
　　　　　　　　　　人　 _` ` ‐-､　　 {:　| | xく
　　　　　　　　　ﾊ {ム-‐ ､ｰヽ　　　j　ﾐ　､}
　　　　　　　　　　 i}　　´__｀　　 -‐ 　くｨ／}_
　　　　　　　　　　　八／　｀Y´　　／⌒　 /　㍉
　　　　　　　　　　　　〈 {　　　　　／　　　ｲ　　　㍉＿
　　　　　　　　　　厂｀丶､ノイ　　　／ﾉ　　　　㍉　ﾆ=-　､
　　　　　　　　人　　 }　／ =ﾐヽイ／　　 rｰ￢へ} 　　　ヽ
　　　　　　　 -‐ , =ミヽ＿/ {（__） } }／　　rｰ┘.， ´
　　　　 r ' 　　 {　(__) } }ﾆﾆﾆゝ __彡　　r‐┘ ´　　　　　　　　 }
　　　　 ,廴　　　ゝ＿彡ﾏ　/　/ ノ　rｰ┘ /
.　　　 /　　㍉、　｀¨¨|　　V　 //rｰ┘　　.′　　　　　　　　　　　　 /
　　　 /　　　　｀¨¨¨ヽ!　　′://" 　　　 {　　　　　　　　　　　　　/
. 　　/　　　　　　　/　　:|　/ 　// 　　 .::　　〉　　　　　　　　　　　 /
　　/　r_ｰ- ､　, ､/　　 |　{　://　　　.::　　　,{　　　　　. :　　　厂
　 .′rー‐-　V　} 　　 :L　-=ミ､　-‐　､:／　　　 . : : 　　　 /}
　　 _｀二` ､　｀ヽ　／　　=＝/　　　 /　　　　　　　　　　　 / ′

言及された史書によると、どうにもこの謀反計画、持ちかけた御家人から露見したようである

　　　　　　　　 .∧__,,∧
　　　　　　　　（´・ω・`）
　　　　　　　　 (つ　と）
　　　　　　　　｀ｕ―ｕ´

『北条九代記』によれば、よく吟味せずに御家人を誘った挙句に、一族の使いを惟康王のもとへ頻繁に遣わしたらしい

これで政村に警戒され謀反計画が明るみに出たらしい
447： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:23:04 ID:cEL/Arn60: ――そして第二に

　　　　　　　　　　 /. :. :. :. :. :. : .: .: .:.､. :.: .: .:､､. :. :. :.: ｀ヽ:.:＼
　　　　　　　　　　j.: .: .: .: .: .:.. :. :.:::::::ﾄ､. :. :.:.ミﾐヽ. :. :. :. :.ヽ. :.:i
　　　　　　　　 ,r'´.:.:.::::::::.:..,ィ"ヾミ彡彡ヽ. :. :.:ミﾐヽ .: .:. :. :.｀ヽ.:ヽ
　　　　　　　,〃.:.:.:.::::::::. .:/ }:!　　　　￣｀`ヾ｀ヽ.:.}j. :.: .: .:. i.l..:.:ヽ.ﾞ,
　　　　　　　l;!.:.:.:.::::::::.:.:./　ﾘ　　　　　 ,j! ｨﾆﾆヽり.: .:⌒ヽﾉ从.:.:ヽ{
　　　　　　　ﾘヾ.:.:::::::/./,,,,...　｀ヽ　ｲ ,.ｨ=＝＝= ､　ヽ .: .: .:. :. :. :. :. 〉
　　　　　　　　｝.:.:./.:/7ヲ=＝=､__,.ｲ::::::::::::::::::::::::}ミﾐヽ. :. :. :. :. ヽV
　　　　　　　_ノ.:.:./.:/.:｝::::::::::::::::/⌒ヽ.:.:.::::::::::::::ノ　ﾄ､j.:./⌒ヽ.:.:.l.:.ﾄ､
　　　　　　　 `ヽ｛.:.｛.:！::::::::::::/　　　　｀¨¨ｷｷ　 _ノ. :.:.:.l ( ﾉ　〉.:l.:.lヽj 　　得宗を裏切っていったい何の意味がある！？
　　　　　　　　　ヽ｛ヾ}::::,. イヽ　　_ヽ　　ｷ}　ヽ. :. :.:.:.l　ﾉ /.:.:.l.::l
　　　　　　　　　　　 ___」　　　　　　　　　　　ﾘ　　ゝミﾐ.:ﾉ__ノ.:.:.:.:l/___
　　　　　　　　　　 `ヽ.:.:ﾞ､　　　 r---‐‐ ､　　　　　´¨¨｀〈.:.:.:l.:.:/.:.:.:.:.:｀
　　　　　　　　　　　　 ).:.:.',　　　ﾚ'´￣`ヽl　　　　　　 /　｀ヽ:l./.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　,. イ.:.:.:.:.:ﾞ､　　ﾚ'´　　ﾉ　　　　　/　　ﾉﾉﾉ.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　,.　'´. : : `ーヽ　｀ー‐‐'　　　　　／　　　ノ￣L.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　 ,.　'´. : : : : : : : : : : ＼　｀¨¨¨´　　／　 ,.　 '´　　　　l.:.:.:.:.:.
　　　　　 /. : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ _,,,,,,,,,.. イ,.　 '´　　　　　　　 l.:.:.:.:.:.
　　　　/. : : : : : : : : : : : : : : : :／　___⊥＿/　　　　　　　　　l.:.:.:.:.:
　　　 /. : : : : : : : : : : : : : : ／/´　　　　　　　　　　　　　　　　　l.:.:.:.:.:

この謀反計画、一族にも承認を得ていなかった痕跡が見られるのだ

――名越一族は反得宗の急先鋒ではあったが、反得宗一色というわけではなかった

　　　_,r'"　　 i i　l　　　　　ヽ.
　　 i"　　　　i. l　ヽ　　　v ）　＼
　　 j　 i　　　　,ゞ-ゝ‐'"~ヾ_　　ヽ
　 r'　　,＞r―''　　　　　　ヽ　　|
　ゝ　 .i　　　　　　　　　　　|　　i　　　　
　　ゝ　 |　　　　　　i!　_,_;;;ﾆﾐ､ ,j!　　　　
　　 .!　ﾚ'二ニ≧jiヾ≦'o ,)ﾞレ(　　　
　　　ヽ､Y"'≧ﾟ:ク(. !ヾ:.￣　ﾉ!ｨ､|　　　　
　　　｢iヽi　　　　 ! !ノ　　　/i!k |　　　　
　　　 | ゝ|i　　ノ~'Y〃＼　ハﾉ　　　　
　　　＼j' i　　　rｰ‐--､　　|　ﾄ, 　　
　　　　　!八　　　〃　　　,/　,|
　　　　　!,,　｀ヽ､_,,r(,,＿,,ノ　　ji
　　　　｢'ヽ,,　　　　　　　　　,,ノ |
　　　　|　　ﾞ''ｰ-､,,__,,,r―''"　　 |
名越北条家元当主　光時

宮騒動に連座され伊豆に流罪になった光時は反得宗の急先鋒ではあった

だが、その弟である時章は得宗との協調路線をとっていた
448： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:23:33 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　　　　　　＿_　　 ,　---- ､
　　　　　　　　　／　　 `rイ　　　　ヽ､_.ｨ
　　　　　　ﾄ､___{　　　ﾄ､{　　　　　　　　＜
　　　　　　＞-　　　　 }┼⌒ヽ＼　　＼　ヽ
　　　　／／　　/　| / {{　　　_}_|≧、　＼i
　　　　/ /{　 / /├‐--､___r'´　 ......::ヾ　　 |
　　　　l/　!　{ /.ヽ!..:::::::::j⌒ヽ....::::::::::::H l　　}
　　　　　　∨l/|....::::::::／j　　＼::::::::ノ | i__ /　　　そもそも名越は得宗に次ぐ守護職を持つ名家
　　　　　　　　トr─'　〈　-`　￣}N￣ﾚ┤
　　　　　　　｛　ﾚ!　　　__...._　　 _」　　|) }　　　　嫡流でないといっても幕府での地位は揺るぎないものだ
　　　　　　　　ヽ　!　　'´ -- ｀`　＼　 j丿
　　　　　　　　　＼ﾊ　　　　　　　　　メ「
　　　　　　　　　 ~ヽ　　　　　　／/ﾚ!
　　　　　　　　　　　 | ヽ、　_.　'"／　 |
　　　　　　,　-─‐ｧｧｿ''"~´￣￣￣￣￣￣}￣￣＼
　　　　／　　　 |_| |　　　　　　　　　　　〈　 /|　　＼
　　　／　　　　 | | |　　　　　　　　　　　　|／/＼　　＼
　／／〉　　　 / | | 　　　　　　　／　/　＼＼　　丶

名越家の当主で引付頭人筆頭で教時の兄という立場にあり

大隅守護の職にを持つ時章は名越内部の穏健派筆頭といっていい地位にある

　　　　　　　　　　　　 /: : : : : : : : ://∧: :V/∧::lヽ､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : 弋: : ﾊ
　　　　　　　　　　 >: : : : : : :ノ::::＞ﾗ／⌒ヽ≧xﾊ: : ヽ: : : : :ﾊ: : : : : : : : : : _:ヽ､: ＼
　　　　　　　　　　　イ: : : : : : : :Y彡ｲ //　　　　　　　i＞､ﾊ≧x: ﾊ: : : : : : : : : ハヽ :i: : :l
　　　　　　　　　ｲ: : : : : : : : : : : У　 { { 　　　　　 |l 　リ___ﾊ :iﾃ=-‐=ニ=ヽ;ﾊ : ﾘヽ: |
　　　　　　　　〃ｲ: : : : : : : : :Y　　　人　　　/　　 x≦三ニ===ﾘヽ: : : : : : : : :リ: : : : :＼
　　　　　　　　（( 人: : : : : : : :.ﾉ　　　　　ヽ　 y　x≦////////ミ､　刈: : : : : : : : : : : : : : l
　　　　　　　　　）　 Y: : : : : : ｲ三三ニﾆ≧　{{≦///////////∧≧xﾐ: : : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　 __ﾉノ: : : :イ／///////∧ﾆﾆV/////////////￣≧ﾐx､: /￣Y: : : : : ヽ
　　　　　　　　　　　/: /: : :////////////　　　＼//////////　大ﾆ彡: :l ∧ ﾊ: : : : ﾊ: Y
　　　　　　　　　　ﾊ :lヽ: :lV//////////　　__　　 ≧ﾆニニ≦　ラ : : : : : | ゝイﾊ: : : : :ﾊ.:l
　　　　　　　　ﾘ　リ V//////イ　　　　ヽ　　　　 V∧ =彳: : : : : : .{ つ　ノ: : :l: :{ .ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　＞=--イヾ､　　　　　　　　 V∧ 彡: : : : : : :Y　 /: : : : l: :.）
　　　　　　　　　　　　　ィ彡: : |　　　　　　　　　　　　　 V∧ ヒ: : : : : :.人_/: : : : : :У≧x
　　　　　　　　　　　　　-=ﾆﾆ三　　　　　,　 -‐=ニ=､　　　ヾﾘ彳⌒Y彡ﾉ: : : : : : ／:::::::::
　　　　　　　　　　　　　　イ三∧　　　 Yヽ (￣￣＞Y　　　　　　　 l　＼ : : : : ｛::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　ム:::::::∧　　　V//≧‐=ニﾆｌ|　　　　　　　　 l　　　Y: l: : :ヽｲ:::::::
　　　　　　　　　　　　　　　＞"::::::::∧　　V : : : : : : : :/　　　　　　　　ｲ　　.ﾉノ=‐-､ Y:::::::
　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::∧　　ゞ======イ　　　　　　　イ　　　　　 l､　　 Y |l::::::
　　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､　ゝ--‐‐-　　　　／　/　　　＞イ　　 { |l::::::
　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　　　　　　／　 / ＞イ　　　　　 Y::::::::
　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::人　　　　 __／　＞イ　　　　　　　　　　 |:::::::::
.　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::x≦｀T ￣　＞イ　　　　　　　　　　　　　　　 |:::::::::
　　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／ﾃ=-‐=≦　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::::::::

その時章が謀反計画に関して何かの行動を行った形跡がどの史書にも残っていないのだ

穏健派である時章の立場からすれば教時に対して掣肘する動き位は見せてもいい筈だが……
449： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:24:12 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　 _　-─￢ﾆ＝ニﾆ丶、
　　　 {{＿_ﾉ　　　　 /　　　　｀ヽ＼
　　　 ,ニ＞　　　　 {　　　　　　ー- ､ヽ
　　 /,ｨ　　　　　　ﾄｙ/ﾊ　　　　　　　ヽ !
　　|//　〃　 ||　/｛{　｀ヽ＼＼＼　ヽ}}
　　　{　/|　八ﾙ'､＿,j　'´＿iiヽト､ﾄ､ヽ　 }{
　　　ヽ|| ハ|￣￣￣|={￣￣￣ヽＨＹVﾊ〉
　　　　 |!　 {　.:::::::::/|　＼....:::::::::ノ }　Ｙ」}|
　　　　　　　 |`了´ /　　　￣ヾト-' 　ﾚ八
　　　　　　　〈 ´ jｨ　｀　｀　　　ヾ＝　ハヽ
　　　　　　　　ヽ∧　 'ニニ`　　　!`Ｔ´ 彳ﾉ￣ヽ
　　　　　　／￣｀ヽ　　　　　 , イ_　-┴ﾍ　　　＼
　　　　　 /　　　 { /ヽ､＿__／￣　　　　 / 　　　＼
　　　　　/　　　 | {{　　　　　　／　　／　　　　　　　ﾄ､
　　　 /　　　　　| }}　　＿_,　'´　　／　　　　　　　　　|| ｀`ー- ､

何もしてない

繰り返すが、何か政治的な行動を起こした形跡がない

　　　　　　　　　　　　　　　　　,.........,_　　__
　　　　　　　　　　　　　 ,.r'"~~ヽ、::::ヾ、:::::ヽ､
　　　　　　　　　　　 ,r''"::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ,::::::::::ヽ､
　　　　　　　　　　ノ''"~::::::::::::::::::::::::::::､:::::::ヽ::::::::::::::ﾞ:,
　　　　　　　　　r"::::::::-‐'"~~`:::::::::ヽ、::ヽ::::::ヽ,::::::::::::ヽ.
　　　　　　　　　l::,r:::::::::::::r'"~ヽ、:::ヽ::ヽ、::::::::ﾞ;;::r'":::::::ｿ
　　　　　　　　　l"::::::::::::::::::::-､:::::t---､、::::::ヽﾉ,:::::::::::､:ﾞ:,
　　　　　　　　 r":::::::::::___::::ﾞヽr''　　　　ﾞｰ,:r;.j:､t-､::::ヾ.
　　　　　　　　 t,::::／::::::::::::::ミ''　　　　　　 'ノ",!ﾉl| ﾞ:,::::,r'
　　　　　　　　　l:::::::::,r‐ ､:ﾐ'"　　―‐-､､,__　ノ　'__,,.!ノ
　　　　　　　　/::::::::l.ヽ,ゝ|,ﾐ, 　　ヾﾕﾆﾌ~`>　,r:j>i'
　　　　　　 ,r'l:::::::::::::ヽ、,| ﾞ;:　　　　　　　　 i　 |
　　　　　／　|:::::::::::::,|,,、ﾞ' l'　　　　　　　　 t,.r'
　　　 ,ri"　　 l:::::::::/,/'i’　ﾞ　　　　 __ 　　-┬ '
-‐'''""~|　　　ﾞi,;!'ｿ,ﾉ l'　:,　ヽ、　　　￣￣ ,:'
　　　　 | 　　　ﾞi、ヽ、　:i　　ヽ.､　　　　　,!,
.　　　　 | 　　　　＼＼ﾞi, 　　ヽ`ｰ,r--'ﾞi,＼
　　　　　l　　　　　　＼＼､　　　　 lﾞi､ﾞi,　ﾞi、＼

よほど教時の計画が秘密裏に行われていたのか……といえば、そんなことはない

杜撰な計画で早い時期に政村や時宗の知る処となっている
450： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:25:20 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　 _　-─￢ﾆ＝ニﾆ丶、
　　　 {{＿_ﾉ　　　　 /　　　　｀ヽ＼
　　　 ,ニ＞　　　　 {　　　　　　ー- ､ヽ
　　 /,ｨ　　　　　　ﾄｙ/ﾊ　　　　　　　ヽ !
　　|//　〃　 ||　/｛{　｀ヽ＼＼＼　ヽ}}
　　　{　/|　八ﾙ'､＿,j　'´＿iiヽト､ﾄ､ヽ　 }{
　　　ヽ|| ハ|￣￣￣|={￣￣￣ヽＨＹVﾊ〉
　　　　 |!　 {　.:::::::::/|　＼....:::::::::ノ }　Ｙ」}|
　　　　　　　 |`了´ /　　　￣ヾト-' 　ﾚ八
　　　　　　　〈 ´ jｨ　｀　｀　　　ヾ＝　ハヽ
　　　　　　　　ヽ∧　 'ニニ`　　　!`Ｔ´ 彳ﾉ￣ヽ
　　　　　　／￣｀ヽ　　　　　 , イ_　-┴ﾍ　　　＼
　　　　　 /　　　 { /ヽ､＿__／￣　　　　 / 　　　＼
　　　　　/　　　 | {{　　　　　　／　　／　　　　　　　ﾄ､
　　　 /　　　　　| }}　　＿_,　'´　　／　　　　　　　　　|| ｀`ー- ､

もしかしたら知ってはいたが、あまり重要なことだとは思っていなかった可能性はある

このあたりは歴史の謎といえるだろう

　　　　　　　　　　 /. :. :. :. :. :. : .: .: .:.､. :.: .: .:､､. :. :. :.: ｀ヽ:.:＼
　　　　　　　　　　j.: .: .: .: .: .:.. :. :.:::::::ﾄ､. :. :.:.ミﾐヽ. :. :. :. :.ヽ. :.:i
　　　　　　　　 ,r'´.:.:.::::::::.:..,ィ"ヾミ彡彡ヽ. :. :.:ミﾐヽ .: .:. :. :.｀ヽ.:ヽ
　　　　　　　,〃.:.:.:.::::::::. .:/ }:!　　　　￣｀`ヾ｀ヽ.:.}j. :.: .: .:. i.l..:.:ヽ.ﾞ,
　　　　　　　l;!.:.:.:.::::::::.:.:./　ﾘ　　　　　 ,j! ｨﾆﾆヽり.: .:⌒ヽﾉ从.:.:ヽ{
　　　　　　　ﾘヾ.:.:::::::/./,,,,...　｀ヽ　ｲ ,.ｨ=＝＝= ､　ヽ .: .: .:. :. :. :. :. 〉
　　　　　　　　｝.:.:./.:/7ヲ=＝=､__,.ｲ::::::::::::::::::::::::}ミﾐヽ. :. :. :. :. ヽV
　　　　　　　_ノ.:.:./.:/.:｝::::::::::::::::/⌒ヽ.:.:.::::::::::::::ノ　ﾄ､j.:./⌒ヽ.:.:.l.:.ﾄ､　　　兄上は執権と対立したが私は違う！
　　　　　　　 `ヽ｛.:.｛.:！::::::::::::/　　　　｀¨¨ｷｷ　 _ノ. :.:.:.l ( ﾉ　〉.:l.:.lヽj
　　　　　　　　　ヽ｛ヾ}::::,. イヽ　　_ヽ　　ｷ}　ヽ. :. :.:.:.l　ﾉ /.:.:.l.::l
　　　　　　　　　　　 ___」　　　　　　　　　　　ﾘ　　ゝミﾐ.:ﾉ__ノ.:.:.:.:l/___
　　　　　　　　　　 `ヽ.:.:ﾞ､　　　 r---‐‐ ､　　　　　´¨¨｀〈.:.:.:l.:.:/.:.:.:.:.:｀
　　　　　　　　　　　　 ).:.:.',　　　ﾚ'´￣`ヽl　　　　　　 /　｀ヽ:l./.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　,. イ.:.:.:.:.:ﾞ､　　ﾚ'´　　ﾉ　　　　　/　　ﾉﾉﾉ.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　,.　'´. : : `ーヽ　｀ー‐‐'　　　　　／　　　ノ￣L.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　 ,.　'´. : : : : : : : : : : ＼　｀¨¨¨´　　／　 ,.　 '´　　　　l.:.:.:.:.:.
　　　　　 /. : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ _,,,,,,,,,.. イ,.　 '´　　　　　　　 l.:.:.:.:.:.
　　　　/. : : : : : : : : : : : : : : : :／　___⊥＿/　　　　　　　　　l.:.:.:.:.:
　　　 /. : : : : : : : : : : : : : : ／/´　　　　　　　　　　　　　　　　　l.:.:.:.:.:

だが、この時の時章の行動が彼の運命を決定づけることとなってしまうのであった――
451： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:25:58 ID:cEL/Arn60: ――鎌倉で名越の謀反計画が進行する中、九州に元・高麗の第五次使節団が来訪した

　　　　　　　　　　 _____
　　　　　 ,. ‐''三ヾ´彡ｼ,=｀丶、
　　　　　／'".:=≡ミ_≧_尨彡三:ヽ、
　　　　/／.:;:彡:f'"´‐------ ｀`'ｒ=:l
　　　/〃彡_彡′,.=､￣￣ ,.=､　|ミ:〉
　　　'ｙ=､､:ｆ´===tr＝=､.___,. ==､._ゞ{
　　　{´yﾍl'′　　 |　　 /⌒l′　 |｀Ｙ}　　　ふむ、ここが日本ですか
　　　ﾞ､ゝ) 　　　 `''''ﾂ_　 _;`ｰ‐'ﾞ:::::ｌ{　　
.　　　ヽ.__　　　　　,ｨnmmm､　　 .:::|!
　　,.ィ'´ﾄ.´　　　　　´｀"｀"｀ﾞ″　.::::;'
イ´::ﾉ|::::l ＼　　　　　　"'　　　:::/
::::::::::::|:::::l 　ヽ、　　　　　..::　 .:::/.､
:::::: ::: |:::::ヽ　　ヽ、.......::::／..:::／!＼＼
::::::::::: |::::::::ヽ　　　｀`''‐--ｧt''′ |!:::ヽ:::＼
:::::::::::::|::::::::::::ヽ、　　　 /i|iﾄ､　 |l:::::::ヽ:::::＼
:::::::::::::|::::::::::::::/:ヽ、　　∧|i|i|i|〉. ||::::::::::ヽ:::::::＼

使節団の正使は女真族出身の張良弼

慰撫使として派遣されていたが、その働きを評価されて使節団主席に就任した人物である

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　＿
　　　　　　　　　　　　　　　,　' ´ ､､ `'　, ,　｀　､
　　　　　　　　　　　　　／彡ミ三ミY彡三ミﾐ　､
　　　　　　　　　　　　彡ﾐ　　　　　　　　　　彡ミ
　　　　　　　　　　　　彡ミ　　二二二二　　彡ミ
　　　　　　　　　　　　　　　彡ﾐ　　　ー ― ―　　　彡ﾐ
　　　　　　　　　　　　　　 X彡　彳≧ｘ　　 .ｨ≦ミﾐ . ﾐγ､
　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､|￣Y　　　γ=Y　　　Y￣|/ .|　　返事が来ないのはどこかで書類が握りつぶされているからでしょう
　　　　　　　　　　　 !ﾄﾞ　入＿ノ　　入＿ノ　　.}' ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　＼i　　　　　` ー ' 　　　 .i／　　　私が直接手渡せばそのようなことはおきますまい
　　　　　　　　　　　　　　　　 λ　　ｨ彡彡ミミミﾐ､　　 j
　　　　　　　　　　　　　　　　/ ﾊ　　　　　　　　　　 ,ハ
　　　　　　　　　　　　　　 /　　` ､. 　乂＿_ノ　　 .ｲ　ﾍ
　　　　　　　 _　-　´／:::　　|　ミ　､＿ ,　彡' i!　　＼｀　ｰ　_
　　　　　　　　　 ´　　　ｌ :::::::　　| 　｀ゝ====<´ 　 |　　　　ｌ　　　　　｀
　　　　　　　　　　　　　／　　　 |: ／´》:::::::::《｀＼　|　　　＼
　　　　　　　　　ｌ　　　　 |　　 /:::::::::::ﾍ　　 |　　　　　ｌ
　　　　　　　　　　ｌ　　　　! 　 ,.::::::::::::::::‘　　!　　　　ｌ
　　　　　　　　　　　ｌ:　　　　　! 　 !::::::::::::::::::ｌ　　!　　　　 !
　　　　　　　　　ｌ　　　　　! 　 !::::::::::::::::::ｌ　　!　　　　:!
　　　　　　　　　　ｌ　　　　 ! 　 !::::::::::::::::::ｌ　　!　　　　 !

今回も元皇帝世祖の署名が入った国書を所持しての来訪であったが

今回は大宰府ではなく京都まで書状を直接渡すことを望んでいたようである
452： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:26:41 ID:cEL/Arn60: ――であったのだが

　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　／_ノ　ヽ、＼
　　　　　　／（●）　（● ）.＼
　　　　／　　（__人__）　　u　＼　　　これ以上は入れられないお
　　　ｎ|i 7　　｀ ⌒´　　　　ｎ|
　　l^l | | ｌ ,/)　　　　　　U 　l^l.| | /）　何であれ、大宰府以東に移動することは拒否させてもらうお
　　', U ! ﾚ' /　　ー‐　　　　| U ﾚ'/／)
　　{　　　〈　　　　　　　　　ﾉ　　　／
　　..i,　　　."⊃　　　　ｒニ　　　 /
　　　."'""⌒´　　　　　　　`''""''''

大宰府西の守護所に到着したところそれ以上の東進を拒否された

場所から考えて少弐一族がストップをかけたのだろう

　 ,.　 -　ｧz　.,
イヶ､ヾ〃ケヘ､ヽ　　　　　　　　ホ
zシー｀´ー__ ＜ﾔヘ　　　　　　　ッ
　_ 三二彡三_　｀ﾐミﾍ　　　　　　ホ
,.ｨ≠z、　　ﾏ⌒ヽ　ﾐミｹ、　　　　ッ
.l´￣｀jzzzl!´￣｀l＝ﾔﾘz､　　　　　　ホ
入__ ノ　 .入 __ ﾉ　　ヾ j.!
　　 , ゝ～ｰ' ､　　　　 ',.ﾘ　　　　　エゴですよそれは
　イﾑﾘﾑﾘﾑﾘﾊヾ　　 j
　　　､＿__ ,　　　　 .l､
　　　　　　　　　　　　 ,'7＞､
　　　　　　　　　　 /.j　j !　＞．
　　ゝー─ イ　　　,ｲ.j!　.ﾘ .!l ﾍ　＞．
､　　　　　　　　　イ　7　,' l　!l　.ﾍ　　　＞､
　 ` ーｧ- ﾏチ´　　./　　　　|　　ﾍ　　　　＼
　　　/:::::::::ﾍ　　 /　　　　　　　 .ﾍ　　　　/ ﾍ
＼ ./ ゝーｲ＼　./　　　　　　　　　　',　　 /　　j

今までの使節であれば、その場で同意したのだろうが、今回の使節団主席張良弼は違った

フビライの政策に直訴するだけの度胸を持つだけあって、物怖じをしない
453： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:27:21 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　／ノ　ヽ､_＼　　　　r ⌒j
　　　　　　／（ ○）.　（○）＼　　/ 　 /
　　　　／　　　（__人__）　　＼/ 　 / 　　／　）　　んなこといっても……
　　　　|　u　　　 .｀ ⌒´　　　 /　　/　／　／
　　　　＼　　　　　　　　　　 /　　'` ´ 　／
　　　　　　r´　　(⌒'ー―- イ′　　　　　´廴
　　　　　/　　　＞、　　　　　ヽ　　　　 _　￣￣￣)
　　　　/　　　　　　 -､　　　　 } 　　　　(　￣¨´
　　　/　　　　　　　　　ヽ._　　　　　　　__　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　｀　　　--‐'´　｀ﾞ'

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　';';,..　　　　　　　　　　　　 /|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'';;';';;,.,　　　　　＼_WＷ/ |WWWWWWWWWWWWW／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ''';;';';;'';;;,.,　　≫　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≪
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　''';;';'';';''';;'';≫　そんな大所帯通せないお！　≪
　　　　　　　　　　ザッ　　　　　　　　 ;;''';;';'';';';≫　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≪
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;;'';';';;'';;';'／MMMMMMMMMMMMMMMMM､＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 vymyvwymyvymyvy　　　　　ザッ
　　　　　　　　　　　　　ザッ　　　 MVvvMvyvMVvvMvyvMVvv、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Λ＿ﾍ＾－＾Λ＿ﾍ＾－＾Λ＿ﾍ＾Λ＿ﾍ
　　　　　ザッ　　　　　　　　　　ﾍ＿＿Λ　ﾍ＿＿Λ　ﾍ＿＿Λ　ﾍ＿＿Λ
　　　　　　　　　　　　　　　＿＿,/ヽ＿　/ヽ＿＿,.ヘ　/ヽ＿＿,.ヘ　＿,.ヘ　,.ヘ　　　　ザッ
　　　　/＼＿＿_／ヽ　　　/＼＿＿＿ /＼＿＿_／ヽ　_／ヽ　/＼＿＿_／ヽ
　　／''''''　　　'''''':::::::＼／''''''　　　'''／''''''　　　'''''':::::::＼　　／''''''　　　'''''':::::::＼
.　　|（●）,　　　､（●）､.:|（●）,　　　.|（●）,　　　､（●）､.:|､（ |（●）,　　　､（●）､.:|
.　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.:::|　　 ,,ﾉ(､_, )|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|_, )|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|
.　　|　　｀-=ﾆ=- '　.:::::::|　　｀-=ﾆ=.|　　｀-=ﾆ=- '　.:::::::|ﾆ=|　　｀-=ﾆ=- '　.:::::::|
　　＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／＼　　｀ﾆﾆ　＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／ﾆ´ ＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／
　　／｀ー‐--‐‐―´＼／｀ー‐-　　／｀ー‐--‐‐―´＼-‐‐ ／｀ー‐--‐‐―´＼

第五次使節団派遣の時期は三別抄戦も大詰めという時期であったためか

使節団団員の他に護衛の軍人が多数同行していたらしく１００人規模の大所帯であった
454： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:28:07 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　／　.u　　　＼
　　　　　　／(（○）) (（○）)＼
/⌒)⌒)⌒).::::　（__人__）　l_j :::＼　　　 /⌒)⌒)⌒)　　大宰府以東にあからさま武装してる奴連れた異国人
|　/　/　/　　　　 |r┬-|　　　　　|　(⌒)/　/ / /／
|　:::::::::::(⌒)　U　.|　|　 |　　　／　ゝ　　:::::::::::/　　　　しかも大所帯なんて通したらやる夫たちが処分されるお！
|　　　　　ノ　　　|　|　 |　　　＼　　/　　）　　/
ヽ　　　　/　　　 └ー.┘　　　　ヽ /　　　　／

しかもこの使節団、到着早々沿岸部に滞在していた南宋人ともめ事を起こしていた

元の対南宋戦も襄陽を残してほぼ主要な要塞が陥落か陥落寸前の状況にあったため、使節団の到着は南宋にとっても他人事ではなかった

　　　　　　＿＿　／ノﾉﾉﾉﾉﾉ`－､＿
　　　　／ヽヽヽソ　ﾉﾉﾉ丿ﾉﾉノ丿ﾉ丿ﾉ＼
　　　/ヽヽヽヽヽヽ＼ノﾉﾉﾉﾉﾉﾉﾉﾉﾉﾉﾉノ彡＼
　　 /ミﾐ　　　　─-＿＿＿　　　　　　≡｜
　　 |≡= 　　──　　＿　＿＿─　　 =≡|
　　.|彡　　　＿　　　　　　　　＿_　　　ミミ|
　　|彡　　ノ,─丶　　　　　　 ´─ヽ　　ミミ|
　 .|彡　 ┌───┐ 　┌───┐　　ミ|
　ゝ━─┤ 　　　 ├==┤ 　　　 ├─━/
　,-` 　　 |　　　　　|　.　.|　　　　　 | .　　|＼
　|(/　　 └───┘ 　└───┘　　ヽ）|　　　ですが今度こそちゃんとした返事を受け取らねば帰れませんな
　|6|　　　　　　　 /　　　　ヽ　　　　　　 |》|
　＼| 　　　　　　　￣`─´￣　　　　　　　|/　　　どうせどこかで親書が握りつぶされているのでしょう？
　　|　　　　　　/////| | | | ヽヽヽ　　　　　.|
　 .|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|
　 .ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /
　　 .ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　/
　　　　ヽ　　　 `───-　　　　　　　/
　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　./
　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
455： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:28:55 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　＿＿＿_
　　／::::::─三三─＼
　／:::::::: （　）三（　）＼
　|::::::::::::::::::::（__人__）:::: 　|
　|:::::::::::::::::::::: |ililililil|::::: 　|
　|:::::::::::::::::::::: |ililililil|::::: 　|　　返事出してないのはやる夫の関知するところじゃねぇお！
　|:::::::::::::::::::::: |ililililil|::::: 　|
　|:::::::::::::::::::::: |ililililil|::::: 　|　　１人２人ならともかくこんな大所帯は絶対に通さないお！
　|:::::::::::::::::::::: |ililililil|::::: 　|
　|:::::::::::::::::::::: |ililililil|::::: 　|
　＼:::::::::　　|r┬-| 　,／
　　ノ::::::::　　　`ー'´　　＼

　　　　　　　　 __＿＿
　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　／　＼　　／　＼
　　　　／　（●）i!i!（●）　＼　　　とにかく、何があってもここは通せないお！
　　　　| 　u ,　（__人__）　　　 |
　　　　＼　　　 .｀⌒´　　　　〆ヽ　親書は必ず届けるようにやる夫たちが手配するからその間博多で大人しくしててほしいお
　　　　　/　　　　　　　　　　ヾ_ノ
　　　　/rｰ､　　　　　　　　　　　|
　　　/,ﾉヾ　,> 　　　　　　　|　/
　　　ヽヽ〆|　　　　　　　　 .|
456： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:29:22 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　＿
　　　　　　　　　　　　　　　,　' ´ ､､ `'　, ,　｀　､
　　　　　　　　　　　　　／彡ミ三ミY彡三ミﾐ　､
　　　　　　　　　　　　彡ﾐ　　　　　　　　　　彡ミ
　　　　　　　　　　　　彡ミ　　二二二二　　彡ミ
　　　　　　　　　　　　　　　彡ﾐ　　　ー ― ―　　　彡ﾐ
　　　　　　　　　　　　　　 X彡　彳≧ｘ　　 .ｨ≦ミﾐ . ﾐγ､　　　……わかりました
　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､|￣Y　　　γ=Y　　　Y￣|/ .|
　　　　　　　　　　　 !ﾄﾞ　入＿ノ　　入＿ノ　　.}' ﾉ　　　しばらくの間、博多で返事を待ちましょう
　　　　　　　　　　　　　　　＼i　　　　　` ー ' 　　　 .i／
　　　　　　　　　　　　　　　　 λ　　ｨ彡彡ミミミﾐ､　　 j
　　　　　　　　　　　　　　　　/ ﾊ　　　　　　　　　　 ,ハ
　　　　　　　　　　　　　　 /　　` ､. 　乂＿_ノ　　 .ｲ　ﾍ
　　　　　　　 _　-　´／:::　　|　ミ　､＿ ,　彡' i!　　＼｀　ｰ　_
　　　　　　　　　 ´　　　ｌ :::::::　　| 　｀ゝ====<´ 　 |　　　　ｌ　　　　　｀
　　　　　　　　　　　　　／　　　 |: ／´》:::::::::《｀＼　|　　　＼
　　　　　　　　　ｌ　　　　 |　　 /:::::::::::ﾍ　　 |　　　　　ｌ
　　　　　　　　　　ｌ　　　　! 　 ,.::::::::::::::::‘　　!　　　　ｌ
　　　　　　　　　　　ｌ:　　　　　! 　 !::::::::::::::::::ｌ　　!　　　　 !
　　　　　　　　　ｌ　　　　　! 　 !::::::::::::::::::ｌ　　!　　　　:!
　　　　　　　　　　ｌ　　　　 ! 　 !::::::::::::::::::ｌ　　!　　　　 !
457： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:30:02 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　＿
　　　　　　　　　　　　　　　,　' ´ ､､ `'　, ,　｀　､
　　　　　　　　　　　　　／彡ミ三ミY彡三ミﾐ　､
　　　　　　　　　　　　彡ﾐ　　　　　　　　　　彡ミ
　　　　　　　　　　　　彡ミ　　二二二二　　彡ミ
　　　　　　　　　　　　　　　彡ﾐ　　　ー ― ―　　　彡ﾐ
　　　　　　　　　　　　　　 X彡　彳≧ｘ　　 .ｨ≦ミﾐ . ﾐγ､　　　ただし、ちゃんとした返事が無くば好を通じる気はないとします
　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､|￣Y　　　γ=Y　　　Y￣|/ .|
　　　　　　　　　　　 !ﾄﾞ　入＿ノ　　入＿ノ　　.}' ﾉ　　　その時は兵馬を鍛えておくことですな
　　　　　　　　　　　　　　　＼i　　　　　` ー ' 　　　 .i／
　　　　　　　　　　　　　　　　 λ　　ｨ彡彡ミミミﾐ､　　 j
　　　　　　　　　　　　　　　　/ ﾊ　　　　　　　　　　 ,ハ
　　　　　　　　　　　　　　 /　　` ､. 　乂＿_ノ　　 .ｲ　ﾍ
　　　　　　　 _　-　´／:::　　|　ミ　､＿ ,　彡' i!　　＼｀　ｰ　_
　　　　　　　　　 ´　　　ｌ :::::::　　| 　｀ゝ====<´ 　 |　　　　ｌ　　　　　｀
　　　　　　　　　　　　　／　　　 |: ／´》:::::::::《｀＼　|　　　＼
　　　　　　　　　ｌ　　　　 |　　 /:::::::::::ﾍ　　 |　　　　　ｌ
　　　　　　　　　　ｌ　　　　! 　 ,.::::::::::::::::‘　　!　　　　ｌ
　　　　　　　　　　　ｌ:　　　　　! 　 !::::::::::::::::::ｌ　　!　　　　 !
　　　　　　　　　ｌ　　　　　! 　 !::::::::::::::::::ｌ　　!　　　　:!
　　　　　　　　　　ｌ　　　　 ! 　 !::::::::::::::::::ｌ　　!　　　　 !

　　　　　　　　　 _＿＿＿┘(
　　　　　　　／＼　／　⌒
　　　　　　／（○）　（○.）＼
　　　　／　　（__人__）　　＼　　……そう、伝えさせてもらうお
　　　　 |　　　　 |::::::|　　　　　|
　　　　＼　　　 l;;;;;;l 　　　,／
　　　　／ヽ　　`ｰ´ 　ｨ⌒ヽ
　　　 rｰ'ゝ　　　　　　　〆ヽ .)
　　　　ﾉヾ　,>　　　　　　ヾ_ノ,ヽ}
　　　　ヽヽ|　　　　　　　　ヽ_ノ
458： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:30:37 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　　　　,＿＿
　　　　,. ≦三ミ彡=ﾆ＼
.　　 // 彡ｨ'￢''^ ー=ミヽ
　　　i〃彡'　,=､― ,=､ {ﾐ}　
　　ｒｈ, f＝=r＝ｯｰｒ＝ｖゞ!
　　 { ｒ) 　　ー.'._ ,ゝ-'.::Y}
　　.ゝ、　　　ｨnmmx　.:::;ﾘ
. イ:|::::iヽ　　　　 ,,　　.:::,′
::::::::|::::|　＼　　　 .::　.:::∧
::::::::|:::::.、　ヽ..__.:∠:.イ＼＼
::::::::|::::::::::.、　　厂{　|::::::ヽ:::ヽ

最後通牒付きの元親書は今回は幕府を経由せずに直接朝廷に送られた

　　　　　　、
　　　　　　　　 }ヽ　　　　　　　　_ 　- ──-　、
　　　　　　　　 | 　L_ r '⌒＞r　 (フ　　　　　＼
　　　　　　　　∠７＿」　｀＜　､ヘ、　　, 　　　　r､ヽ
　　　　　　　/　　　　　ヽ　ヽ　＼ゝ　〈ﾉ　　　ﾊ　ヽ　ﾄ､
　　　　　 {　 (　)　　　}　　 }ヽ　,ﾆ､<＾ヽ､　　し　　 /〉ヽ
　　　　　　, ﾍ　　　　_ ノi　　//ﾊＬ. }　＼　｀T￢ r 7´〉r､　|　　　……最後通牒付きとなると、さすがに返書を出した方がいいのか？
　　　 ∠　-ヘ、＿} 　 |　厶ｲ_｣　r- 　 _｀　ヽ j ﾚ／　Ｌ.}人
　　　　　　　　　ヽﾆﾄ､　ﾚ＾ト､_　 /二ニ＝‐_　　ﾆヽニ7 '　　}
.　　　　　　　　　　ヽj７iVﾆ=-､-　二＿_〔　　〕_ ∠_ rv^}
　　　　　　　　　　　　／ヽﾚ'ー─-ヽヽ＼　r-､７ﾆr个i､ヽﾄﾚ′
.　　　　　　　　　 _厶∠三ユ__　　 }　l　〉 --ｲ￣ヾY＾ヽ、
　　　　　　　　　/　　　r‐ ￢＿　二コｰ'─r一'　　　,二、 _ﾕ
　　　　　　　　　￣￣￣￣　　　　　　　￣￣￣￣￣

最後通牒ということもあって、朝廷側は前回作成した返書を一部改訂して渡そうとしたのだが――
459： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:31:14 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　　　　 /　　　　　　 /　　／　　　　　　 '.
　　　　　　　　「 У　　　　　　　　/　／　　　　　　　　　　 ∨}
　　　　　　　　　} { 　　　　 `ﾄ､/ イ斗≦ イ＜彡　　　 }
　　　　　　　　 /　〉 .r`⌒ヽト､{　　　　　　　　 ∨　　　 /　}
　　　　　　　 {　′ | /　　　　　　　　 /　　　 i　 V 　 /
　　　　　　　　　､　　| }　　　 { 　　　/　　　　 {: 　 } :./　, 　ム
　　　　　　　､￢ﾐ　L　＿　　:.　　 /　　　＿　　 }　: /　/ /´
　　　　　　　＼　ィ⌒ヾﾐﾒ､ {　　{ rzz彡 ⌒ヾ　 }　/ﾍ　 .′　　今回も返書は出さないでいただきたい
　　　　　　　　　　Yﾊ } /ノ´苡≧､ｰヘィ廴苡>､　　} //} } /
　　　　　　　　　　 }　}i　｀¨¨　／ }　　＼　　　　ｲ〃り }′
.　　　　　　　　 V八　　／　　}　　　 ` ､　　/ } }/　/
　　　　　　　　＼ﾄ､　　　　､　 ,　　　　　 /　| |　ム
　　　　　　　　　　 Vﾊ　　イ""　　　｀丶、ヽ　 | しﾍ厂_
　　　　　　　　　　　　 ∧ }〈{　ィイ_ヘ_トﾄﾐ }　} 　ﾉ　}､}､　｀ヽ
　　　　　　　　　／∨ ﾑゝゞ'　｀¨ﾆﾆﾆ¨´　　／　　〈ﾉ }　　 ⌒ヽ
　　　　　　　　　_{　　∠ィ　＼　 , へ　　／　　､}／　/　　　　 }_
　　 -‐y⌒Y´　 }　〈　ﾑﾍ　 ` "　　 ` ` `　,　-=彡　/i:}　　　　　　｀ヽ
　　{　　　 /　　 {　　ゝ =ﾐ　} ィ　　 i　　　〃　　　 /i:i/　　　　　　 }＼
　 /　　　 { 　　 V´:i:i:i:i:i:iヽ人､从{从ｲイ {　　　 /i:i/　　　　　　　　ゝ､:＼

幕府の要望で返書を渡すのは見送られることになった

　　　　　　　　　　 ∧∧
　　　　　　　　　　(/ﾟдﾟ)　　∧_∧
　　　　　　　　　0０　　/　　(・ω・ )
　　　　＿＿＿_/＿＿)＿＿∪∪__)
　　　.(@)@)@)/三三三三三三三三）
":":":":":":":(/ ）))":":":":":":":":":":":":":"∈(･ω･)∋":"

ではあるが、最後通牒に対して返事をしないのは流石に拙いと思ったのか

弥四郎という人物を中心とした使節１２名を張良弼に同行させることが決まる
460： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:31:47 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　　　　,＿＿
　　　　,. ≦三ミ彡=ﾆ＼
.　　 // 彡ｨ'￢''^ ー=ミヽ
　　　i〃彡'　,=､― ,=､ {ﾐ}　
　　ｒｈ, f＝=r＝ｯｰｒ＝ｖゞ!　　まぁ、成果無しで帰るよりはいいでしょう
　　 { ｒ) 　　ー.'._ ,ゝ-'.::Y}
　　.ゝ、　　　ｨnmmx　.:::;ﾘ
. イ:|::::iヽ　　　　 ,,　　.:::,′
::::::::|::::|　＼　　　 .::　.:::∧
::::::::|:::::.、　ヽ..__.:∠:.イ＼＼
::::::::|::::::::::.、　　厂{　|::::::ヽ:::ヽ

元側もこの日本側使節の同行を承諾

大都への訪問が決まった

……のだが、この使節はフビライに面会できずに終わる

　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　'　"　　　　　`　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　／:　 ___V__,, 　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　/:: 　　＼　/　　　　　　　　　ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　/:: 　　　　 V　　　　 __,, -ｲ┓ 　 i
　　　　　　　　　　　　　　 i:::i 　　　　　i　/ 　 _／　_,,r～' 　　li
　　　　　　　　　　　　　　l:┏ -　,,_　＼癶ﾚ／　_,,"-=ｫ　　　lik
　　　　　　　　　　　　　　il:::iﾚ__こ __ﾐ`V　 `Y ﾄ-'-`-'ノ　　　　jﾐ/^ ,
　　　　　　　　　　　　　 il::::`尤~_っ`)ｲ:i　　　ヽ ~`　　　　　　ﾅj　 l
　　　　　　　　　　　　　ﾊ:::`:::'"　　'ｲ:_l,_　 _ ,　　　　　　　xXjl（ ll
　　　　　　　　　　　　　 Y^l::`::　　　ｨ::r::: :へy ゝ　　　　　ヽミvXj/ l
　　　　　　　　　　　　　　lljlﾘ:::　　　　　:::::::ソ　　　　　　　　＼ヾll　lヽ
　　　　　　　　　　　　　　l川ﾘ::::　　　　__:::,,__　_,,,,_　　　　:.　ヽ`y/ﾘ7`,
　　　　　　　　　　　　　爪ﾘリ::::　: __,,ノ_,,　,,　,　- - `=っ　 i:::　　ﾘ彡りり
　　　　　　　　　　　　,ｲ巛川l:::: ::　　　...::::::::::.....　　　　　　i::::　ﾚり彡'ﾘYヽ
　　　　　　　　　　　,ｲ巛巛llﾘl:::: `::　　　"　　　 ~　　　　　　':　　ﾚﾘ'"彡り川
　　　　　　　　　　　＼` 三川k:::::::　　　　/ﾊ＼,_　　　　　　　　ﾘ li彡彡'ﾘｿﾘ
　　　　　　　　　　,入NN＼Nl::::＼　　　　7ﾘ川(￣　　　　 /／ '/　li～-弋川
　　　　　　　　　巛三三ｫ -ll:::::!ヾヽﾄ i,,, _川川ﾊl,,__ｨｲ_, ノ'　　　/　ﾄ,　　　liり
　　　＼　　　 l|(三二y/　 llll`,::!l:::::::`ミミミ川ﾘ彡彡 '　　'::ﾉ　　/　ハ: 　　 liﾘ
　　　　　人`--＞～-ll　　lllllヽ:::::::: : : : :`ミ三ﾘ彡'　　　　 jり　 /　:j: / 　　人＼
　　　　ヽ人人_^_^_^_^l　　 Y,::::::::::::::::: : : : `ミh　　　　　　ｿ　　　:j:/　　　/_^_l入入ヽ ,,__へ__
　　　　　ヽ人人^ ^ ^ _＼　　＼:::: : : : : : : : 三_　　　　　　　　/　　　/^_^_^l_入入/_^_^_^
　　　　　ヽ人人^ ^ ^ ^ _＼　＼:::: : : : :　　二_　　　　　　/　　／^_^_^_^l入入/_^_^_^
　　　　　　　ヾ＼^ ^ ^ ^ ^ _＼　＼: : 　　 ,,,,__ 二　_ソ　　　/　／^_^_^_^_^_lﾊ入/_^_^_^_^　
　　　　　　　　＼l^ ^ ^ ^ ^ ^ ^＼　＼　　　　　　　　　　/　/^_^_^_^_^_^_ lﾊ入l_^_^_^_　　

面会に当たってフビライが臣下に意見を求めた所、この面会は国交の前準備ではなく

軍備の偵察を行うためのものであるという意見が大きかったからであると言われている
461： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:32:29 ID:cEL/Arn60: 　　　　　／|..,,_/|　　　　,,...--―ー-- ､.
　　　　/　　　　ヽ　　（　　　・・・・。　　）
　　　 ,'　　０　 0　i　　　'ー--‐yー--‐'
　　 ,/､丶　　lｺ　ﾉ
　　,'　ヽ_,,ｒー-ｲ,ﾉ
　　i　　 | 終了 |
,～'!　　ーｒ-ｒ-ｲ
　　i　　　,-L」　,!
　　 '､_,ノ　　ヽ_ﾉ

この後、この使節がどんなルートで帰国したのかは分かってないが『元史』『高麗史』に死んだという記述はない

多分、帰ってこられたのだろう

――そして、この使節が大都に到着したのとまさしく同じ月

　　　　　{　　　　　　　　　　／}ノ　　　　　く　　　ｰ=彡　　　　/　}
　　　　＼　　N＼}｀ヽN ､イ　　　　　　　　　　.　　　ｰ=彡　　 /　/
　　　　　　「ヽ　{　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　 , - ､　/ }
　　　　　　＼　 .　　　　　　　　　　　　　　　　{　　ゝ　／}/ /＾ ∨/_
　　　　　　　　＼}　　　　､　　{ /　　　 -‐-　　　　　／／:|/　} 　} ／
　　　　　　　 {, -=ミ　 }　　{′ ／　　　　｀ヽﾍ　／|　 | ） '　/_
　　　　　　　〈　＿　＼{ 　　{ 〃　.　´ 　｀ヽ　}　〉　｜　!i′ /ヽ}, Y´
　　　　　　　　　ム-=ﾐ｀ヽ{`ー―{　/ ィ⌒ヽ､ .}　|Y　　 !　 |　 /　ヽ} .|　　　もう、待っておられん
　　　　　　　　 /　'⌒ヽヽ }｀¨¨¨´V{ 弋___ノ　}ﾉノ　　 !　 |ｰく　､,/　ﾘ
　　　　　　八弋___ﾉﾉﾉ　　　　　ゞー==彡"　　　 /｜　|/　)ﾉ/　/　　　わしが泥を被る
　　　　　　　　 `ー=彡　 |　　　￢　　　　　　　　　{　.| 　ゝ彳/　/
　　　　　　　xく　 /＼　/ }　　　ｲ、＿_　　、　　 }　ﾘ　　ノ/　/{
　　　　　__／_r' 　/　 ∧ r└‐=彡　　　　　＼　:　　　 /　 Z　′ ゝ
　　　　ノ､_}　　 /　　　ﾊﾉ　 , , , ､__､___､__､__､ヽ}　　/　 /／　〔
　, -‐/ く　　　 /　　　 ‘ｰ'"} 辷＿＿ーv_ノ　/ 　 / 　〃　　厂
./　 / 　＼　 /　　　　　∧ {　　　　　　　　　　　　/ ／/　　/

政村が中心となった最後の事件が始まろうとしていた
462： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:33:02 ID:cEL/Arn60: ――得宗派の北条家と反得宗派の名越家の関係が険悪化したのはいくつかの段階がある

　　　　　 /　　　　　　　　 : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　 }　　　　　　　　　 : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ﾊ
　　　　　　ヽ　　　 /⌒ヽ　　 : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : }
　　　　　　　 }　　 /　　　∨ 　: : : : :.,　　⌒ヽ : : : : : : : :/
　　　　　　）　/　　 γ v　 : : ／　　　　　l : : : : : : /
.　　　　　く}ﾊr‐:..､　 { 〃ｰ一'　　　　　　 l : : : : : /
￣￣:二ﾆ =‐- { l「｀ヾﾍ　　　　　　　　　 l: : : : :/
:::::::::::::::::::::::::::::八ﾘ　弋ﾄﾐ:､ {　〃　　ｘ ─- ､l: :ハ/
:::::::::::::::::::::::::::::::ハ|'⌒ﾞｰ｀´ >j　{{r匕-tｧ_ﾁ￣　ﾚ/ /＿
::::::::::::::::::::::::::::/::::::l　　　 / /　｀　ｰ─一　 /ｲノ|:::::::::::::ミ::...
:::::::::::::::::::::::::/f 7::::　　　 /　　　　　　　　 /斤::::|::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::://j/::::∧ 　　ゝ '　　　　　 /::::::::::::|::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::/::レ::::::::::| ，　` ー＝=　　　ｲ:::::::∧::l:::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::ｌl:::::::::／ヽ∧　　 ´｀　　　／/:::::::::/0 }:l:::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::|l:::／／::l |ｱゝ　　＿_　イ.:.:/:::::::::〈0 /::l:::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::|ﾚ／::::::::ｌ |.:.:./.:.:i.:.:.:.:.:.:.:.i.:./⌒V::::::::∨::/:::::::::::::::::::::::

悪化の第一段階は就任直後の時頼が断行した将軍頼経と近しい御家人の追放事件である

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ―‐ ミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　,... ＜　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　､＿,ｨ=く　　　　　　　　　丶
　　　　　　　　　　　　　　｀.T７ /ﾊ、　　　　　　　　 .∧
　　　　　　　　　　　　　　　l/ .,′ハ、　　　　　　　　　.∧
　　　　　　　　　　　　　　 /,' ﾉ　,'l|./|＼　　　　　　　　　 ';
　　　　　　　　　　　　ｌ l/,l　.从_,| ,'ﾘ＼_　　　　　　 ,
　　　　　　　　　　　　　　 .|/,ｌ:.弋トﾐ;' l´ｨ=ｚﾄ､　　　　　 ';
　　　　　　　　　　　　　 /ｲ.l .| ';ゞ'　　　ヾｿﾘ>､　　　　　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　｜Vﾄハ｀._ _　　/'.ｨｨ.〉　　　　　.∧
　　　　　　　　　　　　　　　〈　　　`:｀::...,.-､ィ-＜::::〉　　　　　.ﾘ
　　　　　　　　　　　　　＼_,＜¨∨/,....:＞.､／　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r彡＜￣　　　　〉、_,.イ
　 ,　　―――-　、　　　　　　　〈ｲ/　　　　　　　/　　 .∨
ｲ　　　　　　　　　　｀＞=-‐==‐イ.,′　　　　　ｌ/　　　　|
＞、　　　　　　　　　　￣￣／７,′　　　　　　|!　　　　ﾘ
　　　¨｀`ｰ.､　　　　　　　　,ｨ⌒ ./　　　　　 .;リ　　　.:/
　　　　　　　＼　　　 _ .／　　,イ　　　　　　　 ,′　　 ./:′
　　　　　　　　‐≠'´￣　　 /　　　　　　　　 , 　　 ./.::;
　　,ィ＝'´　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .;'　　　/.:::;′
／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,′　〈::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハ　　ﾘ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨ′　　.ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_....＜／　　　　ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ｲ　　　　　　 ';
　　　＿＿＿_　　　　　　　　 _....＜ /　　　　　　　 ';
￣　　　　　　　￣＞――＜:::::::::／　　　　　　　　　　l

将軍位は息子の頼嗣に譲りながら、自身も「大殿」として御所に滞在する頼経は反執権の旗頭となっていた

これが実際に担ぎ上げられるのを警戒した時頼と弟時定による追放事件であった
463： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:33:50 ID:cEL/Arn60: 　　　_,r'"　　 i i　l　　　　　ヽ.
　　 i"　　　　i. l　ヽ　　　v ）　＼
　　 j　 i　　　　,ゞ-ゝ‐'"~ヾ_　　ヽ
　 r'　　,＞r―''　　　　　　ヽ　　|
　ゝ　 .i　　　　　　　　　　　|　　i　　　　
　　ゝ　 |　　　　　　i!　_,_;;;ﾆﾐ､ ,j!　　　　
　　 .!　ﾚ'二ニ≧jiヾ≦'o ,)ﾞレ(　　　
　　　ヽ､Y"'≧ﾟ:ク(. !ヾ:.￣　ﾉ!ｨ､|　　　　
　　　｢iヽi　　　　 ! !ノ　　　/i!k |　　　　
　　　 | ゝ|i　　ノ~'Y〃＼　ハﾉ　　　　
　　　＼j' i　　　rｰ‐--､　　|　ﾄ, 　　
　　　　　!八　　　〃　　　,/　,|
　　　　　!,,　｀ヽ､_,,r(,,＿,,ノ　　ji
　　　　｢'ヽ,,　　　　　　　　　,,ノ |
　　　　|　　ﾞ''ｰ-､,,__,,,r―''"　　 |

この事件の際、連座して伊豆へ流刑となったのが当時の名越家当主の光時

頼経の側近で、反執権として大きな権勢を持っていたことからの処分である

　　　　　　　　　　 /. :. :. :. :. :. : .: .: .:.､. :.: .: .:､､. :. :. :.: ｀ヽ:.:＼
　　　　　　　　　　j.: .: .: .: .: .:.. :. :.:::::::ﾄ､. :. :.:.ミﾐヽ. :. :. :. :.ヽ. :.:i
　　　　　　　　 ,r'´.:.:.::::::::.:..,ィ"ヾミ彡彡ヽ. :. :.:ミﾐヽ .: .:. :. :.｀ヽ.:ヽ
　　　　　　　,〃.:.:.:.::::::::. .:/ }:!　　　　￣｀`ヾ｀ヽ.:.}j. :.: .: .:. i.l..:.:ヽ.ﾞ,
　　　　　　　l;!.:.:.:.::::::::.:.:./　ﾘ　　　　　 ,j! ｨﾆﾆヽり.: .:⌒ヽﾉ从.:.:ヽ{
　　　　　　　ﾘヾ.:.:::::::/./,,,,...　｀ヽ　ｲ ,.ｨ=＝＝= ､　ヽ .: .: .:. :. :. :. :. 〉
　　　　　　　　｝.:.:./.:/7ヲ=＝=､__,.ｲ::::::::::::::::::::::::}ミﾐヽ. :. :. :. :. ヽV
　　　　　　　_ノ.:.:./.:/.:｝::::::::::::::::/⌒ヽ.:.:.::::::::::::::ノ　ﾄ､j.:./⌒ヽ.:.:.l.:.ﾄ､
　　　　　　　 `ヽ｛.:.｛.:！::::::::::::/　　　　｀¨¨ｷｷ　 _ノ. :.:.:.l ( ﾉ　〉.:l.:.lヽj 　　我ら名越もまた幕府の一員！
　　　　　　　　　ヽ｛ヾ}::::,. イヽ　　_ヽ　　ｷ}　ヽ. :. :.:.:.l　ﾉ /.:.:.l.::l
　　　　　　　　　　　 ___」　　　　　　　　　　　ﾘ　　ゝミﾐ.:ﾉ__ノ.:.:.:.:l/___
　　　　　　　　　　 `ヽ.:.:ﾞ､　　　 r---‐‐ ､　　　　　´¨¨｀〈.:.:.:l.:.:/.:.:.:.:.:｀
　　　　　　　　　　　　 ).:.:.',　　　ﾚ'´￣`ヽl　　　　　　 /　｀ヽ:l./.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　,. イ.:.:.:.:.:ﾞ､　　ﾚ'´　　ﾉ　　　　　/　　ﾉﾉﾉ.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　,.　'´. : : `ーヽ　｀ー‐‐'　　　　　／　　　ノ￣L.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　 ,.　'´. : : : : : : : : : : ＼　｀¨¨¨´　　／　 ,.　 '´　　　　l.:.:.:.:.:.
　　　　　 /. : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ _,,,,,,,,,.. イ,.　 '´　　　　　　　 l.:.:.:.:.:.
　　　　/. : : : : : : : : : : : : : : : :／　___⊥＿/　　　　　　　　　l.:.:.:.:.:
　　　 /. : : : : : : : : : : : : : : ／/´　　　　　　　　　　　　　　　　　l.:.:.:.:.:

この後名越家は穏健派の時章が中心となって幕政に参加

時章自身も引付頭人をはじめとした数々の要職を担当しエリートコースを進むことになる
464： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:34:19 ID:cEL/Arn60: 　　　　　ト､.__　　_＿　　　ト､　 __
　　　ト､ヽ　　｀`ヽゝ　｀`ヽl　.＼ヽ｀ヽ.
　　　ヽ　｀ヽゝ　　　　　　　　　iﾉ　ヽ
　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ`ヽ
　　　　ﾄ-ゝ　　　　　　　　　　　　　　　　　　i
　　　　ヽ､_　　　　　　　　　　　　　　　　　 }ノ）
　　　　　｀`ゝ　　　 ,、ﾄ､_　　　　　　　　　く
　　　　　　　 {　　, 　　,ハ| r=ﾄ､.＿_　　　　　　 }
　　　　　　　ヽ　ﾄ､ .,心　,.-'マ> 　＼　,.-､　ﾄﾉ　　
　　　　　　ヽ! Y⌒ﾉ＾､__,ﾉ￣￣￣| !i＾ﾘ ./　　　　
　　　　　　　　 `i‐ヽ＿_　　　　　り,ソ /　　　　　
　　　　　　　　　　ヽ　`ﾆ´　　　　　　 ! /
　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　|,′
　　　　　　　　　　　　　 ,ゝ‐r‐ｧ '´ 　　 !
　　　　　　,. ‐'´￣｀ヽ.／　〔_.|　　　　　ト―- ､__
　　　 , -くヽ二二二_)､ __　 L_＼＿　　 |　　　　￣ｱ
　　／｀ヽ｀ヽ　　　　　　　`ｰ-､__ 　lﾄ､　　!ｰ-､　　 ,rく_

このまま穏便に……とはいかないのが現実で、宗尊親王の追放事件によって再度名越と執権は関係悪化が発生

.　　　　　　 }}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::／　 __　　　　　　 /⌒:::::::::::::く　　　　 /::::/
　　　　　　〃:.:/￣ヽ:.:.:.:./　,　´　｀丶::.. 　　　 {/⌒}:::::∧:::|　　　 /::::/
　　　　　 /:.:.://ハ　}:.:.:.ヽ　　　 __ ＿刻≧ｭ_　　　厶イ　}丿　　　 .:::::/
.　　　　　〈:.:.: { {:{::::} 八:.:.冫　 '´о　　｀ヽ　｀`'~´　　}ii:　　　　　 i::.:/
　　　　　 }:.:.:.L Y´ ′ｉ:.:.:{　　^''ﾊｧ‐--‐=彡ﾍ,,_　___ ,ソiiL≦⌒ヽ　|:/
　　　　　　　{{__:.:.:.｜{ 　 |∧::::.　　　　　　　　　 __ _{::「о ｀ヽ　 У　　貴様ら将軍の追放を我々に相談なしで行ったのか！？
　　　　　　　{{:.:.:.:.:. ソ　 {　 }:::|　　　　　　　　　　 ~⌒}:. ｀丶 __ﾄ､ ;＾
_＿　　　／￣￣￣￣￣￣￣￣￣ :〉　　　　　　　　　 |::.　　　　　,'
:. :. :. :／: : : : : : : : : : : : : : : : : : .: .:/　　　　　　　　 |::..　　　ハ
:___／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .:/ 　 ,　　　 -　　＿」:::　　／|::::|
: : : : : : : : :[_　　　_] : : : : : : : : :/　　,'__　　　　_ _　　　 ::: : ／　 ::::::|
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :{ 　　辷三二二ニﾏ　　 : 　 |:::|　::::::|
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :{ 　　　ｰ――- 　 , ´　　 |/　 ::::/
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :{＿＿＿___　　　　 /＿＿_/＿__i/___
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : {　　　 /: : : : : : : : : : : : : :＼

評定衆に属しながら、追放事件に一切関与できなかったことに腹を立て

武装した軍勢で時宗宅へ向かったことは本編でも述べた
465： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:35:09 ID:cEL/Arn60: ――と、大体名越が不満を持ちそうな事件はこの二つなのだが、実はこれ以上に名越をはじめとした御家人に喧嘩を売る政策があった

　　　　　　　　　　　　　　　 /ハ／ } 　イ／　　}
　　　　　　　　　　　　　　　/ {/　　}　／　　　　　　ムｲ
　　　　　　　　　　　 }｀Y　　　　　　　ィ_　ィ　　　　 |
　　　　　　　　　　 / 八 xー`ｰ` " "　　　Z、　　:|
　　　　　　　　　　　　{　　/　　　　　 / 　　　 {　　　j7
　　　　　　　　　　　　､ ./　　　 {　　{ 　　　　 {　、　/ イ
　　　　　　　　　　　＜.〈ィﾆﾆミ､--v ィﾆﾆミ､「　　 /
　　　　　　　　　　　　　 [{:::(◯)::}::}⌒V:{:(◯)::}]ﾆﾆゝ､く
　　　　　　　　　　　　　{＾ゝ＿彡/　　ゝ＿彡　}/:ﾍ}｀¨
　　　　　　　　　　　 Vﾊ　　｛､__,_，　　　　〃) /
　　　　　　　　　　　 ∨}　／　　　　｀ヽ　　/ ! イ
　　　　　　　　　　　　　八 {　-‐_＾`_‐-　}　/　}　}ヽ.／⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　 /　j ヽ、, ,人､､ __ .ノ　从ﾉ_./　　　ﾉ
　　　　　　　　　　 { ｀ヽノ〕　　　　／　｀¨¨¨¨／ {　　　{､＿
　　　　　　　　　＿厂{ 　　 L.. {　　　{　　　. -‐/´￣￣￣｀ヽ　｀ヽ
　　　　 r‐　¨¨　　　　ー┐ 　八__ノｰ廴_ノ　　{　-―-　､　　ﾊ　　 }￣￣≧=- ､
　　　／ゝ　　　　　　　{¨¨　 /{__./ヽ／ﾉ　　/　　　　　　 }-‐ ' .， ´　　　ヽ
　　／　　〕　　　　　　＼　{i:i:i/　/ ／　　　{ " ¨¨¨¨`　　 /　|　／
｀Y 　　 / 廴　　　　　　 ∧ ∨　/　{　　　 {　＿_ 　　　　 | 〃　　　　　　　　　}
　|　　.′　　｀ヽ　　　　 /　 }/　/　/　　　　〉´　　｀　　　　　ﾊ′　ﾆ=-　　　　　.
　|　　 {　　　　　ーz　 /　　/　/　:}　　､__,ノ{､　　　　　　 / :}　　　　　ﾆ=-　/
_人　　､　　　　〔 /　　.′.′ ﾉ　厂　　ゝ`ｰz　　　　ｲ}　　　　　　　　＼　＼

新規不易法の設定と引付衆廃止事件である

　　　　　　　　　　　　　　　＿,,,,,,,,,,,,,＿
　　　　　　　　　　　 ,,r;:r""　　　　　　ヽ、
　　　　　　　　　　,r'"　"　　　　　,r''"` 　ヽ、
　　　　　　　　 ,r"　／　　　,,r ,r"rヾ､`ヽ､　ヽ、
　　　　　　　　,|､_　（_ 　 _　（_,r"'"　　ヽ、 `ー､i
　　　　　　　 ,|ヾl`'ー`ヽ!`i'"　　　　　　ﾞi、　　_,〕
　　　　　　　 tヽ|　　　　　ﾞi、　　　　　　ヾー[」-!、
　　　　　　　　ヾ|　　　ﾞi、,|　 _,,,;;;=''"` 　ヽﾉ､　〕　　　地頭は継承されるのだ！
　　　　　　　　　 !i,‐-;;;;;;､,ﾞi、r'"-,ﾆlア　　　|i､ﾞ`ｲ|
.　　　　　　　　　 `i;-､ﾆｌｱ　i、　"　　　　　　|､ヾ|l|ﾞ　　　私が死すとも、君たちの子に孫に幕府が存続する限り！
.　　　　　　　　　　ﾞi, 　　|:|　　　　　　　　 | ﾞi, ﾉ,
　　　　　　　　　　　ﾞl、　 `!_,,.　　　　　　　|　ﾞi　|
　　　　　　　　　　　　ﾞ!、　　,,,,.. -'''　　　 /　　| .|
　　　　　　　　　　　　　ﾞi､　　 --　　　 ,r'　　　ﾞi_!-;
　　　　　　　　　　　　　　 `!､　　　　 ,r"_,,,r-'''ﾆ-‐''ﾞi
　　　　　　　　　　　　　　rヾ､`ーｒ‐''ﾆ""-‐'"　　　　ヽ,.........,＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　__λ i,ヾ| i''"　　　　　　　_,,.r-t"_,r'"＿:＿:＿
　　　　＿＿＿_,......r-i'",r'ヽ | |:| |　　　　　_,,--'"　　 ~ヽ、:::::　　!.
　　＜￣ j'"ー'''''j;,￣￣　 `i | |:| |　　_,,r''"　　　　　　　ヽ、:::::　 `t､/
　　冫>､i :::::,r'"　　　　　　i i,r ﾉ_,,r'"　　　　　　　　　　　ヽ、:::::..　/
　　　|,ｲ'" ::,r"　　　　　　　ﾄ,i",r'"　　　　　　　　　　　　　　ヽ、 :::/
　　　/::::,r'" ＿＿　　　　　// |　　　 r'"￣￣￣￣￣/　　　　ヽ/

幕府の権力の源泉は既得権益の継承とそれへの公正な裁可によって担保されている

というのは前半で書いてあった。それを守るために幕府が様々な努力をしてきたのも書いた
466： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:35:36 ID:cEL/Arn60: ━━━━━━━━━━━━━

　　本日の裁判
　 _＿__
　鄴■∧　　/
━ミ,, ﾟДﾟミ/━━━━━ ∧ ∧　　　　　 ∧ ∧
　　ﾐ　　つ　 ▽　　　　　（ﾟДﾟ；) 　　　　（ﾟДﾟ；)
　　ﾐ　ﾐ　┌─┐　　　/⊂　　ヽ　　　 /⊂　　ヽ
　～ﾐ　ﾐ　｜□ |　　√￣ (_＿_ﾉ～　√￣ (_＿_ﾉ～
　　 ∪∪　　| 　｜　　||　　　━┳┛　 ||　　　━┳┛
￣￣￣￣￣| 　|＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

その一つの努力の結晶が裁判の審査機関「引付」である

二階堂家をはじめとした文筆に優れた御家人と北条家などの大規模御家人で裁判審理を行うシステムで

幕政の円滑化を目指して結成された組織である

　　　　　　　　　　 /. :. :. :. :. :. : .: .: .:.､. :.: .: .:､､. :. :. :.: ｀ヽ:.:＼
　　　　　　　　　　j.: .: .: .: .: .:.. :. :.:::::::ﾄ､. :. :.:.ミﾐヽ. :. :. :. :.ヽ. :.:i
　　　　　　　　 ,r'´.:.:.::::::::.:..,ィ"ヾミ彡彡ヽ. :. :.:ミﾐヽ .: .:. :. :.｀ヽ.:ヽ
　　　　　　　,〃.:.:.:.::::::::. .:/ }:!　　　　￣｀`ヾ｀ヽ.:.}j. :.: .: .:. i.l..:.:ヽ.ﾞ,
　　　　　　　l;!.:.:.:.::::::::.:.:./　ﾘ　　　　　 ,j! ｨﾆﾆヽり.: .:⌒ヽﾉ从.:.:ヽ{
　　　　　　　ﾘヾ.:.:::::::/./,,,,...　｀ヽ　ｲ ,.ｨ=＝＝= ､　ヽ .: .: .:. :. :. :. :. 〉
　　　　　　　　｝.:.:./.:/7ヲ=＝=､__,.ｲ::::::::::::::::::::::::}ミﾐヽ. :. :. :. :. ヽV
　　　　　　　_ノ.:.:./.:/.:｝::::::::::::::::/⌒ヽ.:.:.::::::::::::::ノ　ﾄ､j.:./⌒ヽ.:.:.l.:.ﾄ､
　　　　　　　 `ヽ｛.:.｛.:！::::::::::::/　　　　｀¨¨ｷｷ　 _ノ. :.:.:.l ( ﾉ　〉.:l.:.lヽj 　北条一門の職務の最終履歴がこれという人物もいる
　　　　　　　　　ヽ｛ヾ}::::,. イヽ　　_ヽ　　ｷ}　ヽ. :. :.:.:.l　ﾉ /.:.:.l.::l
　　　　　　　　　　　 ___」　　　　　　　　　　　ﾘ　　ゝミﾐ.:ﾉ__ノ.:.:.:.:l/___　　ある程度の地位にいれば次に評定衆となる場合も多いな
　　　　　　　　　　 `ヽ.:.:ﾞ､　　　 r---‐‐ ､　　　　　´¨¨｀〈.:.:.:l.:.:/.:.:.:.:.:｀
　　　　　　　　　　　　 ).:.:.',　　　ﾚ'´￣`ヽl　　　　　　 /　｀ヽ:l./.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　,. イ.:.:.:.:.:ﾞ､　　ﾚ'´　　ﾉ　　　　　/　　ﾉﾉﾉ.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　,.　'´. : : `ーヽ　｀ー‐‐'　　　　　／　　　ノ￣L.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　 ,.　'´. : : : : : : : : : : ＼　｀¨¨¨´　　／　 ,.　 '´　　　　l.:.:.:.:.:.
　　　　　 /. : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ _,,,,,,,,,.. イ,.　 '´　　　　　　　 l.:.:.:.:.:.
　　　　/. : : : : : : : : : : : : : : : :／　___⊥＿/　　　　　　　　　l.:.:.:.:.:
　　　 /. : : : : : : : : : : : : : : ／/´　　　　　　　　　　　　　　　　　l.:.:.:.:.:

時章などがそうであるように、引付の責任者である頭人は幕政のエリートコースの最終地点であり

北条家によってその席がほぼ固められる非常に重要なものであった
467： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:36:22 ID:cEL/Arn60: ――のだが、これが文永３年になってから急に廃止された

　　　　　　　　　　　　　　　 /ハ／ } 　イ／　　}
　　　　　　　　　　　　　　　/ {/　　}　／　　　　　　ムｲ
　　　　　　　　　　　 }｀Y　　　　　　　ィ_　ィ　　　　 |
　　　　　　　　　　 / 八 xー`ｰ` " "　　　Z、　　:|
　　　　　　　　　　　　{　　/　　　　　 / 　　　 {　　　j7
　　　　　　　　　　　　､ ./　　　 {　　{ 　　　　 {　、　/ イ
　　　　　　　　　　　＜.〈ィﾆﾆミ､--v ィﾆﾆミ､「　　 /
　　　　　　　　　　　　　 [{:::(◯)::}::}⌒V:{:(◯)::}]ﾆﾆゝ､く　　　政務に滞りが出るようになった
　　　　　　　　　　　　　{＾ゝ＿彡/　　ゝ＿彡　}/:ﾍ}｀¨
　　　　　　　　　　　 Vﾊ　　｛､__,_，　　　　〃) /　　　　引付を廃止して、執権への諮問機関を新設する
　　　　　　　　　　　 ∨}　／　　　　｀ヽ　　/ ! イ
　　　　　　　　　　　　　八 {　-‐_＾`_‐-　}　/　}　}ヽ.／⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　 /　j ヽ、, ,人､､ __ .ノ　从ﾉ_./　　　ﾉ
　　　　　　　　　　 { ｀ヽノ〕　　　　／　｀¨¨¨¨／ {　　　{､＿
　　　　　　　　　＿厂{ 　　 L.. {　　　{　　　. -‐/´￣￣￣｀ヽ　｀ヽ
　　　　 r‐　¨¨　　　　ー┐ 　八__ノｰ廴_ノ　　{　-―-　､　　ﾊ　　 }￣￣≧=- ､
　　　／ゝ　　　　　　　{¨¨　 /{__./ヽ／ﾉ　　/　　　　　　 }-‐ ' .， ´　　　ヽ
　　／　　〕　　　　　　＼　{i:i:i/　/ ／　　　{ " ¨¨¨¨`　　 /　|　／
｀Y 　　 / 廴　　　　　　 ∧ ∨　/　{　　　 {　＿_ 　　　　 | 〃　　　　　　　　　}
　|　　.′　　｀ヽ　　　　 /　 }/　/　/　　　　〉´　　｀　　　　　ﾊ′　ﾆ=-　　　　　.
　|　　 {　　　　　ーz　 /　　/　/　:}　　､__,ノ{､　　　　　　 / :}　　　　　ﾆ=-　/
_人　　､　　　　〔 /　　.′.′ ﾉ　厂　　ゝ`ｰz　　　　ｲ}　　　　　　　　＼　＼

名目は「政務が滞るようになった」であったが、引付の職務を評定衆が継承

連署と別に「伝奏」という身分が作られ、評定衆の上部におかれている

今までの幕府組織は大雑把にはこうなっていたが

┏━━━━━┓
┃ 　　将軍　　┃
┗━━━━━┛
　　　　┃ 　
┏━━━━━┓
┃　　執権　　┃
┗━━━━━┛
　　　　┃┏━━━━━┓
　　　　┣┃　　連署　　 ┃
　　　　┃┗━━━━━┛
┏━━━━━┓
┃　評定衆　┃
┗━━━━━┛
　　　　┃
┏━━━━━┓
┃　　引付　 ┃←廃止
┗━━━━━┛
468： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:36:58 ID:cEL/Arn60: このような形になったのである

　　　　　　　　　　 ┏━━━━━┓
　　　　　　　　　　 ┃ 　　将軍　　┃
　　　　　　　　　　 ┗━━━━━┛
　　　　　　　　　　　　　　 ┃ 　
　　　　　　　　　　 ┏━━━━━┓
　　　　　　　　　　 ┃　　執権　　┃
　　　　　　　　　　 ┗━━━━━┛
　　　　┏━━━━━┓┃┏━━━━━┓
　　　　┃　　伝奏　　 ┃╋┃　　連署　　 ┃
　　　　┗━━━━━┛┃┗━━━━━┛
　　　　　　　　　　 ┏━━━━━┓
　　　　　　　　　　 ┃　評定衆　┃→引付の業務を代行
　　　　　　　　　　 ┗━━━━━┛
　　　　　　　　　　　

.　　　　　　 }}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::／　 __　　　　　　 /⌒:::::::::::::く　　　　 /::::/
　　　　　　〃:.:/￣ヽ:.:.:.:./　,　´　｀丶::.. 　　　 {/⌒}:::::∧:::|　　　 /::::/
　　　　　 /:.:.://ハ　}:.:.:.ヽ　　　 __ ＿刻≧ｭ_　　　厶イ　}丿　　　 .:::::/
.　　　　　〈:.:.: { {:{::::} 八:.:.冫　 '´о　　｀ヽ　｀`'~´　　}ii:　　　　　 i::.:/
　　　　　 }:.:.:.L Y´ ′ｉ:.:.:{　　^''ﾊｧ‐--‐=彡ﾍ,,_　___ ,ソiiL≦⌒ヽ　|:/
　　　　　　　{{__:.:.:.｜{ 　 |∧::::.　　　　　　　　　 __ _{::「о ｀ヽ　 У
　　　　　　　{{:.:.:.:.:. ソ　 {　 }:::|　　　　　　　　　　 ~⌒}:. ｀丶 __ﾄ､ ;＾　　　どういうつもりだ政村ァ！
_＿　　　／￣￣￣￣￣￣￣￣￣ :〉　　　　　　　　　 |::.　　　　　,'
:. :. :. :／: : : : : : : : : : : : : : : : : : .: .:/　　　　　　　　 |::..　　　ハ
:___／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .:/ 　 ,　　　 -　　＿」:::　　／|::::|
: : : : : : : : :[_　　　_] : : : : : : : : :/　　,'__　　　　_ _　　　 ::: : ／　 ::::::|
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :{ 　　辷三二二ニﾏ　　 : 　 |:::|　::::::|
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :{ 　　　ｰ――- 　 , ´　　 |/　 ::::/
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :{＿＿＿___　　　　 /＿＿_/＿__i/___
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : {　　　 /: : : : : : : : : : : : : :＼

当然ながらこれに北条一門の反執権派が大反発

今まで幕府の合議決定機関であった評定衆が引付の業務を代行することとなってしまったのだ
469： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:37:29 ID:cEL/Arn60: そしてもう一つ

　　　　　　　　　　　　　　　 /ハ／ } 　イ／　　}
　　　　　　　　　　　　　　　/ {/　　}　／　　　　　　ムｲ
　　　　　　　　　　　 }｀Y　　　　　　　ィ_　ィ　　　　 |
　　　　　　　　　　 / 八 xー`ｰ` " "　　　Z、　　:|
　　　　　　　　　　　　{　　/　　　　　 / 　　　 {　　　j7
　　　　　　　　　　　　､ ./　　　 {　　{ 　　　　 {　、　/ イ
　　　　　　　　　　　＜.〈ィﾆﾆミ､--v ィﾆﾆミ､「　　 /　　　業務の簡略化と再審要求の鎮静化のために
　　　　　　　　　　　　　 [{:::(◯)::}::}⌒V:{:(◯)::}]ﾆﾆゝ､く
　　　　　　　　　　　　　{＾ゝ＿彡/　　ゝ＿彡　}/:ﾍ}｀¨　　　泰時様の治世において決まった採決を覆すことを禁止する
　　　　　　　　　　　 Vﾊ　　｛､__,_，　　　　〃) /
　　　　　　　　　　　 ∨}　／　　　　｀ヽ　　/ ! イ
　　　　　　　　　　　　　八 {　-‐_＾`_‐-　}　/　}　}ヽ.／⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　 /　j ヽ、, ,人､､ __ .ノ　从ﾉ_./　　　ﾉ
　　　　　　　　　　 { ｀ヽノ〕　　　　／　｀¨¨¨¨／ {　　　{､＿
　　　　　　　　　＿厂{ 　　 L.. {　　　{　　　. -‐/´￣￣￣｀ヽ　｀ヽ
　　　　 r‐　¨¨　　　　ー┐ 　八__ノｰ廴_ノ　　{　-―-　､　　ﾊ　　 }￣￣≧=- ､
　　　／ゝ　　　　　　　{¨¨　 /{__./ヽ／ﾉ　　/　　　　　　 }-‐ ' .， ´　　　ヽ
　　／　　〕　　　　　　＼　{i:i:i/　/ ／　　　{ " ¨¨¨¨`　　 /　|　／
｀Y 　　 / 廴　　　　　　 ∧ ∨　/　{　　　 {　＿_ 　　　　 | 〃　　　　　　　　　}
　|　　.′　　｀ヽ　　　　 /　 }/　/　/　　　　〉´　　｀　　　　　ﾊ′　ﾆ=-　　　　　.
　|　　 {　　　　　ーz　 /　　/　/　:}　　､__,ノ{､　　　　　　 / :}　　　　　ﾆ=-　/
_人　　､　　　　〔 /　　.′.′ ﾉ　厂　　ゝ`ｰz　　　　ｲ}　　　　　　　　＼　＼

この再審禁止法、通称不易法の制定が更に対立に拍車をかけることになった

この法律の決定は文永４年初頭。つまり――

.　　　　　　 }}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::／　 __　　　　　　 /⌒:::::::::::::く　　　　 /::::/
　　　　　　〃:.:/￣ヽ:.:.:.:./　,　´　｀丶::.. 　　　 {/⌒}:::::∧:::|　　　 /::::/
　　　　　 /:.:.://ハ　}:.:.:.ヽ　　　 __ ＿刻≧ｭ_　　　厶イ　}丿　　　 .:::::/
.　　　　　〈:.:.: { {:{::::} 八:.:.冫　 '´о　　｀ヽ　｀`'~´　　}ii:　　　　　 i::.:/
　　　　　 }:.:.:.L Y´ ′ｉ:.:.:{　　^''ﾊｧ‐--‐=彡ﾍ,,_　___ ,ソiiL≦⌒ヽ　|:/
　　　　　　　{{__:.:.:.｜{ 　 |∧::::.　　　　　　　　　 __ _{::「о ｀ヽ　 У　　なぜそのような重要な法を評定衆の決議なしで決めるのだ！
　　　　　　　{{:.:.:.:.:. ソ　 {　 }:::|　　　　　　　　　　 ~⌒}:. ｀丶 __ﾄ､ ;＾
_＿　　　／￣￣￣￣￣￣￣￣￣ :〉　　　　　　　　　 |::.　　　　　,'
:. :. :. :／: : : : : : : : : : : : : : : : : : .: .:/　　　　　　　　 |::..　　　ハ
:___／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .:/ 　 ,　　　 -　　＿」:::　　／|::::|
: : : : : : : : :[_　　　_] : : : : : : : : :/　　,'__　　　　_ _　　　 ::: : ／　 ::::::|
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :{ 　　辷三二二ニﾏ　　 : 　 |:::|　::::::|
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :{ 　　　ｰ――- 　 , ´　　 |/　 ::::/
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :{＿＿＿___　　　　 /＿＿_/＿__i/___
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : {　　　 /: : : : : : : : : : : : : :＼

評定衆が評定衆として機能していない時期である
470： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:38:40 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　　　　　　　　 ,　ー────- ､
　　　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::/´￣￣｀
　　　　　　　　　　　　l::::::::::::::::::::::/　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　 |::::::::::::::::::::::!　　　　　　　 ∨
　　　　　　　　　　 |::::::::::::::::::::人　　､ーzzzz ﾔ､
　　　　　　　　　　.　 |:::::::::::::::::, - ､ヾ　　ー弋/　∨
　　　　　　　　　　　 !::::::::::::::::! ,ﾍ !:::|ゝ､　／ ,-　 ∨
　　　　　　　　　　　/::::::::!::::::人ゝ {::::! 　}　　 /ゝー-ﾞ
　　　　　　　　　　　!:::l:::::|::::ﾘﾉ::ﾉ-ﾞソ.　 j　,_　-‐/
　　,rー-────────── ､　ヽゝ　　ヽ
　　ヽ////////////////////////|ヽ　ヽ:::ー::ヽ
　　　 .＼/////////////////////|!　｀ヽ_ゝ､::::ノ
　　　　　＼//////////////////|l!´＞､ー------ー一ｭ
　　　　　　　ヽー//--//､////////l!l 　ゞ!////////////
　　　　　　,,..　''"ゝ- ,,./////Zzz､//人　/////////////
　　,,..　''"/////////////////////ゝ､7///////////
..／////////////////////////////∧∨////////
//Zz､////////////////////////////ヽ///////
/////ヽ////////////////////////////ﾊ///./
///////.Y///////////////////////////∧∨
////////!////////////////////////////∧

法律そのものに不満があるわけではない

幕府の不動産法が２０年で越訴不可となるように、当時の社会では決議して時間の空いた法は覆らないのが常識だからだ

　　　　　　　　　　　　　　‐……‐
　　　　　　　　／　 ,r=====ミヽ
　　　　　　　　　 ′　 /　　　　　ﾟ。
　　　　　　　　　　 i　　./　　　　　　　 .
　　　　　　　　　　 |　〈　　　　　　　　 l
　　　　　　　　　 j　　 } ＿＿_　　　　＿j_
　　　　　　　　〃⌒i釗ﾞー‐tｯﾐ　ﾉｿｔｯ‐r'
　　　　　　　　爪　 | | ゝ　　彡　　∨ノ
　　　　　　　 {　ヽ.Y{　{　〃ヽ.__ ﾉi′
　　　　　　　　／ゝ从l| |　　厶 -－=:! 、
　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.l　＼ {′　二　|:.:.＞．
.　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:./＼. ヾ乂￣　｀ｿ:.:.:.:.:.:.:.:｀:.:...、
　　　　　{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ′　 ≧ー｀ニニく:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: /
　　　　ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:{　　　　 V⌒ｉ | r|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ′
--─…≦//＞．:.:.:＼　　　ﾏｌ | k!:.:.:.:.:.:.:.:.／
//////////////＞､:.:.ヽ. ー===| l 彡 :.:.:.:.:./≧x __
/////////////////＼ :ﾟ｡　　 .| | l　Ⅵ:.:.///////＼
///////////////////ヾ:ﾄ　　 | | |　ﾔ:.:i////////∧
/////////////////////∧　　| | | 　 }:リ/////////l|
//////////////////////ｌ|　　| | | 　 l///////////l|
//////////////////////ｌ|　　| | | 　 l///////////l|

また、幕府の基礎を築きあげた泰時は頼朝と北条政子と並んで尊敬される偉人であった

その判断を神聖化するのに北条一門として異論があるわけではない
471： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:39:21 ID:cEL/Arn60: ――だが

.　　　　　　 }}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::／　 __　　　　　　 /⌒:::::::::::::く　　　　 /::::/
　　　　　　〃:.:/￣ヽ:.:.:.:./　,　´　｀丶::.. 　　　 {/⌒}:::::∧:::|　　　 /::::/
　　　　　 /:.:.://ハ　}:.:.:.ヽ　　　 __ ＿刻≧ｭ_　　　厶イ　}丿　　　 .:::::/
.　　　　　〈:.:.: { {:{::::} 八:.:.冫　 '´о　　｀ヽ　｀`'~´　　}ii:　　　　　 i::.:/
　　　　　 }:.:.:.L Y´ ′ｉ:.:.:{　　^''ﾊｧ‐--‐=彡ﾍ,,_　___ ,ソiiL≦⌒ヽ　|:/
　　　　　　　{{__:.:.:.｜{ 　 |∧::::.　　　　　　　　　 __ _{::「о ｀ヽ　 У　　我々をなんだと思っている！
　　　　　　　{{:.:.:.:.:. ソ　 {　 }:::|　　　　　　　　　　 ~⌒}:. ｀丶 __ﾄ､ ;＾
_＿　　　／￣￣￣￣￣￣￣￣￣ :〉　　　　　　　　　 |::.　　　　　,'　　　　名越だけではない！他の支族すら蔑ろか！
:. :. :. :／: : : : : : : : : : : : : : : : : : .: .:/　　　　　　　　 |::..　　　ハ
:___／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .:/ 　 ,　　　 -　　＿」:::　　／|::::|
: : : : : : : : :[_　　　_] : : : : : : : : :/　　,'__　　　　_ _　　　 ::: : ／　 ::::::|
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :{ 　　辷三二二ニﾏ　　 : 　 |:::|　::::::|
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :{ 　　　ｰ――- 　 , ´　　 |/　 ::::/
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :{＿＿＿___　　　　 /＿＿_/＿__i/___
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : {　　　 /: : : : : : : : : : : : : :＼

それはそれ、これはこれの心境であった

この政策は、執権とその輔弼である連署と評定衆に格差を設けて一門との間に家格を付けようとしたと言われている

北条得宗家とそれ以外の北条支族に大きな差があったのか？という問いだがこれは

　　　　　　　　　 /　　　　　　 /　　／　　　　　　 '.
　　　　　　　　「 У　　　　　　　　/　／　　　　　　　　　　 ∨}
　　　　　　　　　} { 　　　　 `ﾄ､/ イ斗≦ イ＜彡　　　 }
　　　　　　　　 /　〉 .r`⌒ヽト､{　　　　　　　　 ∨　　　 /　}
　　　　　　　 {　′ | /　　　　　　　　 /　　　 i　 V 　 /
　　　　　　　　　､　　| }　　　 { 　　　/　　　　 {: 　 } :./　, 　ム
　　　　　　　､￢ﾐ　L　＿　　:.　　 /　　　＿　　 }　: /　/ /´
　　　　　　　＼　ィ⌒ヾﾐﾒ､ {　　{ rzz彡 ⌒ヾ　 }　/ﾍ　 .′　　　否だ
　　　　　　　　　　Yﾊ } /ノ´苡≧､ｰヘィ廴苡>､　　} //} } /
　　　　　　　　　　 }　}i　｀¨¨　／ }　　＼　　　　ｲ〃り }′　　　　わしは得宗家ではないが執権に就いている
.　　　　　　　　 V八　　／　　}　　　 ` ､　　/ } }/　/
　　　　　　　　＼ﾄ､　　　　､　 ,　　　　　 /　| |　ム
　　　　　　　　　　 Vﾊ　　イ""　　　｀丶、ヽ　 | しﾍ厂_
　　　　　　　　　　　　 ∧ }〈{　ィイ_ヘ_トﾄﾐ }　} 　ﾉ　}､}､　｀ヽ
　　　　　　　　　／∨ ﾑゝゞ'　｀¨ﾆﾆﾆ¨´　　／　　〈ﾉ }　　 ⌒ヽ
　　　　　　　　　_{　　∠ィ　＼　 , へ　　／　　､}／　/　　　　 }_
　　 -‐y⌒Y´　 }　〈　ﾑﾍ　 ` "　　 ` ` `　,　-=彡　/i:}　　　　　　｀ヽ
　　{　　　 /　　 {　　ゝ =ﾐ　} ィ　　 i　　　〃　　　 /i:i/　　　　　　 }＼
　 /　　　 { 　　 V´:i:i:i:i:i:iヽ人､从{从ｲイ {　　　 /i:i/　　　　　　　　ゝ､:＼

そこまで大きな差が無かったというのが一応の通説になっている
472： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:39:53 ID:cEL/Arn60: ＼〃ｨ个′　　　　　　＼=ﾆ　 : : : : .
　　{{ﾊ乂　　　　／⌒`　　F　γ ヽ: : : :
　　l !　　　　／＞tﾃ　　 ∨ {/ ､ ': : : :
. 　｀{r=ミ　¨´ ゝ　´ "　　 |　|〉ﾘ } : : :
　　　ヽ弐}　　　　　　　　　|　|!ノ /: : : :
　　　　'　/　　　　　　　　 l__jTチ: :ﾊ: :
　　　　　ゝ｀　　 ,　　　　　ﾉ　∨: : l |: :}
　　　　 ‘.　-　´ _ .．.-:─'──`─‐＜
　　　　　 :.　 rf´.:.:＿＿_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
. 　　　　， l:|.:.:.|=*=*=|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　　　　　　　｀T|.:.:.:.￣￣.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＿.:.:.:.:
　　　　　　　ｘ弋､.:.:.:.:.:＞ヒ.:´-ゝ｀＜.:.:.:.:.:
　　　　　　く///｀77/.:´.: ＜////＞､｀.:.:.:

実際、執権として大きな力を得ている時頼ですら時宗への権力継承は異常なまでに用意を行っている

.　　　　/.:: :.: .: : .: ::ｌ.::ｌ'"｀ヽ'､::..:. : .:.　: : .　:ヽ
　　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|.:|ｌ:.:ｌ　　｀ヽ:､:.:.:.:.:.:.　:. :.:.::.',
　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.ｌ_'､ﾄ､　　　ヽ'､:.:､:.:.:.:.:.:.､:.､:'､
.　　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,ｌ'､!ﾃﾄ=ー''　､弌､ｌ:.:.:.:.:ｌ:.ヾ',ヾ'､
　　　 ll:.:.,-|:.:.:.:､:.ヽゞ='-　　　ィﾃｒゞ,:.:.:.:.ト､:'､｀`
　　　'|:.ｌ'´|:.:.:.:.:ヽﾄゝ　　　　ヾ`'‐'"ハ:.:.:.|　｀ヾ
　　　 !:.'､(ｌ:.:.:.:.:.:.:.､＼　　　　ﾉ　　 !:.:.:ヽ:.ｌ
　　　 /:.:.:.｀|:.:ｌ:､:.:.:.:｀ヾ､-‐　ﾐ　　,.:':.:.:.:.:ヾﾄ､
.　　 /ｨ:.:.:.:.:.ｌ:.ﾄ､!ヽ､:.:ヾ`､　｀　,ィ:.:.:ｌ:.:.:.:ﾄ､:ｌ｀
　　 '´ｌ!:.:.:.:.:.ﾄ､!-｀ﾆミヽ:.ヽ__／! ヽｌ:.ﾄ､ﾄゝ｀
　-―‐ゝ‐-､| ｀　　　｀ミ｀''‐､ﾄ!　ヾ!
　￣￣￣｀'' ､｀ヽ　　ｒﾄｌ __!/〃
　　　　　　　　｀''､＼ヽﾄ' /〃

唯一時宗から暴力で家督を簒奪する可能性のある時輔の序列を三位（政宗の下）と明言したのにはじまり
473： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:40:19 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　　　　　_,.. -― ､_,-､
　　　　　　　 , ‐'´　　　　　　　ヽ
　　　　　　／　　　　　　　, -,　　ヽ
　　　　／　　　　　　　 / / , -j　 lj
　　　／　　　 , = ､ﾍ　_j　ｲ〃｀´ !
　　 !　　　　　　〃ヽ､　　　ﾍ'ヽ　 !
.　　 |　　　　　 /　　〃ｰrｰ'　　 ! |
　　　!　　　　 /　　　　　ヽ　　　 l !
　　　ヽ　　　 {　　_,,__　　　　_,._‐''ﾘ
　　　　l,　 r ､ l '´-ﾆt'ﾃ''　　!┴' |
　　　　 i　{ r､l l　　　　　　　'､　 !
　　　　 ! iヾｰl j　　　　　 - '　 !
　　　　 _j人l Tl　　　　ー―,,'　ト- ､
　　　 lく　　 Tヽ`ｰ- ､　　　　　l　　〃
　　　ヽヽ　　! ＼ヽ､,-ミェ- くﾄi　〃
　　　　＞ヽ　ヽ　/7　ﾊヽヽヽl　〃､＿＿
_, -‐ ''´　｀´l　ヾ/　　ﾘ !　 l! lヾく　　　　　｀
　　　　　　　ヽ＼＼　　 '　 l /ィ7 '
￣￣￣｀ｰ､ヽ＼ヽ　　／イ/　　　　, - '
　　　　　　　　l　ヽ　ヽl／／ﾚ　 ,. -‐'´

早期の出家による家督の継承

　　　 l､　　　　 | _,,.―ｰ''''''''''''''''''''''''―-､,,,、　　　ヽ　　　ヽ
　　　　ヽ　　　 |'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;~ﾞ'ｰ､,,,_　ヽ　　　＼
.　　　　　＼.,,,こ,,,,,,,.､.----―',!'''''''''ｉ￢￢┬---､,_「', ヽ　　　　＼
　　　,,,―''"゛;;;;;,/,,,,ﾆ'"'';,ｿ-ﾆl'|　　｀! ﾞ|　 `'|'ヽ、::;;ﾞ`＼, ＼　　　　ヽ
　／　;;;;;;;;;;;;;;,〈ｰ、　|'l',,.､＿リ､,,,,,ノ　,!　　 |「 ,!广-､,::`'-,|'-、　　　|
.　＼,,,,,,,__　;;|:l'　ﾉ　,!」゜ |　ﾞ'ﾆ､.,,,,.／′ ,r'''ヽl'|　.,.-二;､ﾞ|;;;;;ﾞ>　　,/
　　　　　　￣ﾟｉヽ／ ,/,l］　|　　 /''ｰ----''"　ヽ　ﾞ/ ,i´iﾝ､|'シ'゛_／
.　　　　　　　　ﾞi―''ソﾞ,l'　|　 ..,,|　`'ｰ-、　　　　｝　| ヽ| | |;;;,ト''"
.　　　　　　　　 l'￣　ﾚ-'''ﾆ-､,,ﾉ　　　　　,,／″　ﾉ ,i´,ﾉﾞ,|,］
.　　　　　　　　＼　　"″　　　　　　　へ、l'　　　ヽ`'',,r"::ﾞ|
.　　　　　　　　　　ヽ　　 .,,,,,．_,,,.,,,.､-‐ ″| ﾞi　　　　ｒ‐′ﾞ''l,i
　　　　　　　　　　　| Ｌ_,,,,,.ﾆﾆヾ＾　　　　　　ヽ　　　|::::::::::::::〉
　　　　　　　　　　　|　　 .,,,,.――‐‐　　　　　 }　　　l::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　|　　 /.ｒ'"￣｀　　　　　 ,ﾉ　　　/　.:::::::::::|
　　　　　　　　　　　ヽ.　 ″　　　　　　　　 '′ ,,／,!　 ..:::::::::|
.　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　 ,,/,-'′,/　　 ..::::::::l'
.　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　／　;::::::,／ .__,,,,,,,.､､-ト-
.　　　　　　　　　　　　ﾞ-y,,,,,,,,,,.―‐'";;::::,―ｰ''""ﾞﾞ＾::::::::::::::::::::::::|
.　　　　　　　　　　　　 ,,,,ｺ::::::::._,,,,,.--‐''ﾆコ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　|"ﾆｉＺ'|ﾞﾞンｰ''''"ﾞﾞ゛;;;;;;l'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〔
　　　　　　　　　　　　" ":::"."."::::::::::::::::::::::::"　　　　　　　　　　　"

弟で時頼政権の有力者である時定への後見依頼
474： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:41:05 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　　　　 /　　　　　　 /　　／　　　　　　 '.
　　　　　　　　「 У　　　　　　　　/　／　　　　　　　　　　 ∨}
　　　　　　　　　} { 　　　　 `ﾄ､/ イ斗≦ イ＜彡　　　 }
　　　　　　　　 /　〉 .r`⌒ヽト､{　　　　　　　　 ∨　　　 /　}
　　　　　　　 {　′ | /　　　　　　　　 /　　　 i　 V 　 /
　　　　　　　　　､　　| }　　　 { 　　　/　　　　 {: 　 } :./　, 　ム
　　　　　　　､￢ﾐ　L　＿　　:.　　 /　　　＿　　 }　: /　/ /´
　　　　　　　＼　ィ⌒ヾﾐﾒ､ {　　{ rzz彡 ⌒ヾ　 }　/ﾍ　 .′
　　　　　　　　　　Yﾊ } /ノ´苡≧､ｰヘィ廴苡>､　　} //} } /
　　　　　　　　　　 }　}i　｀¨¨　／ }　　＼　　　　ｲ〃り }′
.　　　　　　　　 V八　　／　　}　　　 ` ､　　/ } }/　/
　　　　　　　　＼ﾄ､　　　　､　 ,　　　　　 /　| |　ム
　　　　　　　　　　 Vﾊ　　イ""　　　｀丶、ヽ　 | しﾍ厂_
　　　　　　　　　　　　 ∧ }〈{　ィイ_ヘ_トﾄﾐ }　} 　ﾉ　}､}､　｀ヽ
　　　　　　　　　／∨ ﾑゝゞ'　｀¨ﾆﾆﾆ¨´　　／　　〈ﾉ }　　 ⌒ヽ
　　　　　　　　　_{　　∠ィ　＼　 , へ　　／　　､}／　/　　　　 }_
　　 -‐y⌒Y´　 }　〈　ﾑﾍ　 ` "　　 ` ` `　,　-=彡　/i:}　　　　　　｀ヽ
　　{　　　 /　　 {　　ゝ =ﾐ　} ィ　　 i　　　〃　　　 /i:i/　　　　　　 }＼
　 /　　　 { 　　 V´:i:i:i:i:i:iヽ人､从{从ｲイ {　　　 /i:i/　　　　　　　　ゝ､:＼

幕府の最長老政村の抱き込みなど、時宗の与党をそろえることに腐心し続けた
475： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:41:33 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ノ´　　　｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　厂　　　　　｀＞､ _
　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ´　　　　　　　　　　　　　｀＞､
　　　　　　　　　　　　　　　　 .,.イ　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 / /　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　〈　{　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',
　　　　　　　　　　　　　 ∨ヽ、　　 ⌒ヽ、　　　　　　　　　　　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　 }　　｀　　　　 .,ﾍ　　　　　}　　 __　　　　　　l
　　　　　　　　　　　　　　｛　　　　　 /　ゞ　　　　ﾉノ´　｀ ,:　　　 l
　　　　　　　　　　　　　ゝ、　　　 /　 {〃ｲ , - '"　　　　　∨:　　 j
　　　　　　　　　　　　　　　　　ミ　　　/　　ヽ　!ﾘ　　　　　　 ∨:　　,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨ 　 ,'　　　　｛　　　　　　　ﾐ:　 ,'
　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨　l ＜≧-.､,,_ 　 {_,,､-≦千＞　j:　,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨lj 　ーｔｧｰヽ　ヾ"￢ｔｧー　 lﾍ,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!K:!　　￣´ 　 l　　　￣´　　 j_）｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l（l:!　　　　　　 j　　　　　　　　|)/
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時頼への後継者政策はほぼ完ぺきと言っていいものである

……たった一つ、時宗が一人前になる前に病死したという失敗以外は
476： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:42:04 ID:cEL/Arn60: そしてこの病死は、時宗が引き継ぐはずだった得宗権力というものが成熟しきらないという現象を生んだ

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　　　　 }}.:.:.:.:.艾「|.: 抃　　-‐辷禾ｰ､//　杙禾.:､
　　　　ﾉ'.:.:.:.:.: (( 八:ｉ:::| 　 ´´´　　　/:::`　　　〉::}　　時頼公の果断さは見事なものだ！
　　　　｀7.:.:.:.:.八:{　　 ^:{　　　　　 .:::::::.:::.　　 /:/
　　　　　{.:.:.:.:/{　｀{ 　 '.　　　　　〈::::::::.:.::i 　ﾊ:{ : :　　だが、それと時宗の事績は別だ
.　　　　ﾑ.:.:.:{ ﾄ　ハ　　＼　　　､__　　_r'　, .:: : : : :
　　　　　乂_{　 ,　　＼　　＼　　 `ｰ=＝' /＼ : : : :
　　　　　..: : : :∨ /　　＼　　＼　　　　　 / 　 ′: : :
　　　　　. : : : : ∨, ′　　＼　 `　ｰ―≦:　ハ: : : :
　　　　　. :.: : : : :〈　　　／| 　,/:　∧. 　／ｉｉ|: : : :
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　　　　　. .: : : : : : : : ＼　[　[r‐ У_ , :|　{__ 　　|: : : :
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すなわち、得宗家の一強化の失敗である

　　　　　　　　　　　　　　　　　,.........,_　　__
　　　　　　　　　　　　　 ,.r'"~~ヽ、::::ヾ、:::::ヽ､
　　　　　　　　　　　 ,r''"::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ,::::::::::ヽ､
　　　　　　　　　　ノ''"~::::::::::::::::::::::::::::､:::::::ヽ::::::::::::::ﾞ:,
　　　　　　　　　r"::::::::-‐'"~~`:::::::::ヽ、::ヽ::::::ヽ,::::::::::::ヽ.
　　　　　　　　　l::,r:::::::::::::r'"~ヽ、:::ヽ::ヽ、::::::::ﾞ;;::r'":::::::ｿ
　　　　　　　　　l"::::::::::::::::::::-､:::::t---､、::::::ヽﾉ,:::::::::::､:ﾞ:,
　　　　　　　　 r":::::::::::___::::ﾞヽr''　　　　ﾞｰ,:r;.j:､t-､::::ヾ.
　　　　　　　　 t,::::／::::::::::::::ミ''　　　　　　 'ノ",!ﾉl| ﾞ:,::::,r'
　　　　　　　　　l:::::::::,r‐ ､:ﾐ'"　　―‐-､､,__　ノ　'__,,.!ノ
　　　　　　　　/::::::::l.ヽ,ゝ|,ﾐ, 　　ヾﾕﾆﾌ~`>　,r:j>i'
　　　　　　 ,r'l:::::::::::::ヽ、,| ﾞ;:　　　　　　　　 i　 |
　　　　　／　|:::::::::::::,|,,、ﾞ' l'　　　　　　　　 t,.r'
　　　 ,ri"　　 l:::::::::/,/'i’　ﾞ　　　　 __ 　　-┬ '
-‐'''""~|　　　ﾞi,;!'ｿ,ﾉ l'　:,　ヽ、　　　￣￣ ,:'
　　　　 | 　　　ﾞi、ヽ、　:i　　ヽ.､　　　　　,!,
.　　　　 | 　　　　＼＼ﾞi, 　　ヽ`ｰ,r--'ﾞi,＼
　　　　　l　　　　　　＼＼､　　　　 lﾞi､ﾞi,　ﾞi、＼

歴史にＩＦはあり得ない

だがもし、時頼がまだ生きていたら、死んだとしても得宗権力が健全に譲位されていれば――
477： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:42:31 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　　　　　　　:,:　　　　　　　　　　 :(::)
　　　　　　　　　　　　/⌒''⌒) :,,゜　　　　　 '　　　　　　　　 ,,,,,,,
　　　　　　　　　　　(:::::::::::::::!'　　　　　　　　　　　　　　　　 (::::::)
　　　　　　　　　　　ヽ::::::::';'''　　　　　　　　　　　　　　　　　''`┏───
　　　　　　　　　　 τ'::/ .;:
　　　　　　　　　　　 )/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　文永九年二月十一日と十五日
　　　　　　　　　。　　　　　　　　　　　　'　　、　　　　　　　;:　。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`'''`~''・　その日の流血は避けることができたのかもしれない
　　　　　f''`⌒(　　　　　,,,,　　　　　　　　　　　　　　　!:(',,,,、　　　　　　　　　　　　　　::,,,,,、...
　　　　　,!,,,、(　　　　　/::τ　　　　　　　　　　　　　ノ:::::::::::::::::)　　　　　　　　　。　!::::::::::`!　、　　　　　　　　　　───┛
　:.、　　　　　　　　　　!:::(　　　　　ﾉ::`!　　o　　　(::::::::::::::::::τ　　　　　　　　　　　　(:::,,;,;,、; 。
　　　　　　゜　　　　　(/　　　　　　⌒・　.　　・、;::::::::::::;;.;`` ''
　　　　　,,、..　　　／/　　　ノ'　　　　　　　　　/／'''`'`'` `　　　　　　 ..,,.. _,,,.、・　　　　　　　　　,, ...:・..
　　π /;::::::::(,.,.(;;;::::(　　 ,,.,　　・っ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;,;;( ):::::;.　　　　c::── '`'''::::::::::;''
　　　):::::::::::::::::::::::::::/　　'''''`　　　`　　　　　　　　'`　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒　` !.:::τ''　``
　τ　!::::::::::::::::::::::::::::)／,,,,,　γ　　　　　　　　　　　　　　 :'`'``:!
　　　(::::::::::::::::::::::::::::冫 `'`'　　　　、,:'::::::`:::,,,,　　　　　　　 !:::::ノ　　　　　　　　　・
　::：':'::::::::::::::::::::::::::::;(,,,,,,,、:::::::-ｰ''''`'`''''''''"
478： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:43:27 ID:cEL/Arn60: ――奈良の神主中臣佑賢の日記には当日の風聞が伝えられている

　　　　　　 _　-─￢ﾆ＝ニﾆ丶、
　　　 {{＿_ﾉ　　　　 /　　　　｀ヽ＼
　　　 ,ニ＞　　　　 {　　　　　　ー- ､ヽ
　　 /,ｨ　　　　　　ﾄｙ/ﾊ　　　　　　　ヽ !
　　|//　〃　 ||　/｛{　｀ヽ＼＼＼　ヽ}}
　　　{　/|　八ﾙ'､＿,j　'´＿iiヽト､ﾄ､ヽ　 }{　　　　┏───
　　　ヽ|| ハ|￣￣￣|={￣￣￣ヽＨＹVﾊ〉　　　 │尾張入道見西――
　　　　 |!　 {　.:::::::::/|　＼....:::::::::ノ }　Ｙ」}|
　　　　　　　 |`了´ /　　　￣ヾト-' 　ﾚ八
　　　　　　　〈 ´ jｨ　｀　｀　　　ヾ＝　ハヽ
　　　　　　　　ヽ∧　 'ニニ`　　　!`Ｔ´ 彳ﾉ￣ヽ
　　　　　　／￣｀ヽ　　　　　 , イ_　-┴ﾍ　　　＼
　　　　　 /　　　 { /ヽ､＿__／￣　　　　 / 　　　＼
　　　　　/　　　 | {{　　　　　　／　　／　　　　　　　ﾄ､
　　　 /　　　　　| }}　　＿_,　'´　　／　　　　　　　　　|| ｀`ー- ､

　　　　　　　　　　　　　　　　　,.........,_　　__
　　　　　　　　　　　　　 ,.r'"~~ヽ、::::ヾ、:::::ヽ､
　　　　　　　　　　　 ,r''"::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ,::::::::::ヽ､
　　　　　　　　　　ノ''"~::::::::::::::::::::::::::::､:::::::ヽ::::::::::::::ﾞ:,
　　　　　　　　　r"::::::::-‐'"~~`:::::::::ヽ、::ヽ::::::ヽ,::::::::::::ヽ.
　　　　　　　　　l::,r:::::::::::::r'"~ヽ、:::ヽ::ヽ、::::::::ﾞ;;::r'":::::::ｿ
　　　　　　　　　l"::::::::::::::::::::-､:::::t---､、::::::ヽﾉ,:::::::::::､:ﾞ:,
　　　　　　　　 r":::::::::::___::::ﾞヽr''　　　　ﾞｰ,:r;.j:､t-､::::ヾ.　　　
　　　　　　　　 t,::::／::::::::::::::ミ''　　　　　　 'ノ",!ﾉl| ﾞ:,::::,r' 　　　遠江守教時、誅せらる│
　　　　　　　　　l:::::::::,r‐ ､:ﾐ'"　　―‐-､､,__　ノ　'__,,.!ノ　　　　　　　　　　　　　　───┛
　　　　　　　　/::::::::l.ヽ,ゝ|,ﾐ, 　　ヾﾕﾆﾌ~`>　,r:j>i'
　　　　　　 ,r'l:::::::::::::ヽ、,| ﾞ;:　　　　　　　　 i　 |
　　　　　／　|:::::::::::::,|,,、ﾞ' l'　　　　　　　　 t,.r'
　　　 ,ri"　　 l:::::::::/,/'i’　ﾞ　　　　 __ 　　-┬ '
-‐'''""~|　　　ﾞi,;!'ｿ,ﾉ l'　:,　ヽ、　　　￣￣ ,:'
　　　　 | 　　　ﾞi、ヽ、　:i　　ヽ.､　　　　　,!,
.　　　　 | 　　　　＼＼ﾞi, 　　ヽ`ｰ,r--'ﾞi,＼
　　　　　l　　　　　　＼＼､　　　　 lﾞi､ﾞi,　ﾞi、＼
479： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:44:14 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　　　　　　　　　　 _＿__
　　　　　　　　　　　　　　〃´ 　 . 7ヽ,
　　　　　　　　　　　　　 /　　　 / 　 .}
　　　　　　　　　　 /　　　 / 　 . /
　　　　　　　　　　　　/　　　 / 　 . /
　　　　　　　　 /　,ｒｨ天ヽ　　./　┏───
　　　　　　　　　　 /　 .〈7<ﾗ<） . /　 │但し、見西にその咎無きに依って、討手五人、大蔵二郎左衛門尉、渋谷新左衛門尉、四方田滝口左衛門尉
　　　　　　　 /　　　 ''‐ｒ ''　/
　　　　　　　　　/　　　 / 　 . /　　　　石河神次左衛門尉、薩摩左衛門三郎等、ことごとく刎首せらる。教時討手においては賞罰無し│
　　　　　　 /　　　 / 　 . /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ───┛
　　　　　 ./　　　 / 　 . /
　　　　　　 / ._ .＿_/ 　 . /
　　　　　　〃ｨ7三ミヾ　 ./
　　　　　　{l「（{{句j刈}｝./
　　　　　　ヾ弋沁少ｨjﾘ
　　　　　　　ヾ＝一"'

この日記に記されるように、二月十一日に名越当主時章見西と教時が殺害された

実行者は御内人で、佑賢が「外に殊に思う人無し」と称するほど迅速且つ狙い撃ちに進攻した

そして同日、ある鎌倉幕府法が追加で発布された

　　　　　　　　　 /　　　　　　 /　　／　　　　　　 '.
　　　　　　　　「 У　　　　　　　　/　／　　　　　　　　　　 ∨}
　　　　　　　　　} { 　　　　 `ﾄ､/ イ斗≦ イ＜彡　　　 }
　　　　　　　　 /　〉 .r`⌒ヽト､{　　　　　　　　 ∨　　　 /　}　　　┏───
　　　　　　　 {　′ | /　　　　　　　　 /　　　 i　 V 　 /　　　　　　 │これ以降、追討を命じられて向かわない者
　　　　　　　　　､　　| }　　　 { 　　　/　　　　 {: 　 } :./　, 　ム
　　　　　　　､￢ﾐ　L　＿　　:.　　 /　　　＿　　 }　: /　/ /´　　　　命じられていないのに追討を行う者
　　　　　　　＼　ィ⌒ヾﾐﾒ､ {　　{ rzz彡 ⌒ヾ　 }　/ﾍ　 .′
　　　　　　　　　　Yﾊ } /ノ´苡≧､ｰヘィ廴苡>､　　} //} } /　　　　　　全員重罪とする。これは鎌倉殿の仰せによるものである
　　　　　　　　　　 }　}i　｀¨¨　／ }　　＼　　　　ｲ〃り }′　　
.　　　　　　　　 V八　　／　　}　　　 ` ､　　/ } }/　/　　　　　　　　　　左京権大夫（北条政村）　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　＼ﾄ､　　　　､　 ,　　　　　 /　| |　ム　　　　　　　　　　　　　得宗へ謹上する　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
　　　　　　　　　　 Vﾊ　　イ""　　　｀丶、ヽ　 | しﾍ厂_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ───┛
　　　　　　　　　　　　 ∧ }〈{　ィイ_ヘ_トﾄﾐ }　} 　ﾉ　}､}､　｀ヽ
　　　　　　　　　／∨ ﾑゝゞ'　｀¨ﾆﾆﾆ¨´　　／　　〈ﾉ }　　 ⌒ヽ
　　　　　　　　　_{　　∠ィ　＼　 , へ　　／　　､}／　/　　　　 }_
　　 -‐y⌒Y´　 }　〈　ﾑﾍ　 ` "　　 ` ` `　,　-=彡　/i:}　　　　　　｀ヽ
　　{　　　 /　　 {　　ゝ =ﾐ　} ィ　　 i　　　〃　　　 /i:i/　　　　　　 }＼
　 /　　　 { 　　 V´:i:i:i:i:i:iヽ人､从{从ｲイ {　　　 /i:i/　　　　　　　　ゝ､:＼

この条文の意味するところは単純明快だった

本日の追討以降は命令無しに動いたものを処分するという粛清の波及防止策である
480： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:44:45 ID:cEL/Arn60: ――実際、この条文は十分な効果を発揮した

　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼
　／　　─　　　─＼
／　　（●）　（●）＼　　　　┏───
|　　　　（__人__）　　 | 　　　│鎌倉より書状が到来しました
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　＼　／＿ノ　|　 |　　　　　　　この命令通り、我々は鎮西の守りに専念します│
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ───┛
　　＼／＿＿＿／

沿岸警備のために九州へ着任した御家人が騒動を聞いて帰ろうとした際に、現地守護がこの法例を根拠として

帰国しようとする御家人たちを押しとどめることに成功したのだ

　　　　　　　　　 /　　　　　　 /　　／　　　　　　 '.
　　　　　　　　「 У　　　　　　　　/　／　　　　　　　　　　 ∨}
　　　　　　　　　} { 　　　　 `ﾄ､/ イ斗≦ イ＜彡　　　 }
　　　　　　　　 /　〉 .r`⌒ヽト､{　　　　　　　　 ∨　　　 /　}
　　　　　　　 {　′ | /　　　　　　　　 /　　　 i　 V 　 /
　　　　　　　　　､　　| }　　　 { 　　　/　　　　 {: 　 } :./　, 　ム
　　　　　　　､￢ﾐ　L　＿　　:.　　 /　　　＿　　 }　: /　/ /´
　　　　　　　＼　ィ⌒ヾﾐﾒ､ {　　{ rzz彡 ⌒ヾ　 }　/ﾍ　 .′
　　　　　　　　　　Yﾊ } /ノ´苡≧､ｰヘィ廴苡>､　　} //} } /
　　　　　　　　　　 }　}i　｀¨¨　／ }　　＼　　　　ｲ〃り }′
.　　　　　　　　 V八　　／　　}　　　 ` ､　　/ } }/　/
　　　　　　　　＼ﾄ､　　　　､　 ,　　　　　 /　| |　ム
　　　　　　　　　　 Vﾊ　　イ""　　　｀丶、ヽ　 | しﾍ厂_
　　　　　　　　　　　　 ∧ }〈{　ィイ_ヘ_トﾄﾐ }　} 　ﾉ　}､}､　｀ヽ
　　　　　　　　　／∨ ﾑゝゞ'　｀¨ﾆﾆﾆ¨´　　／　　〈ﾉ }　　 ⌒ヽ
　　　　　　　　　_{　　∠ィ　＼　 , へ　　／　　､}／　/　　　　 }_
　　 -‐y⌒Y´　 }　〈　ﾑﾍ　 ` "　　 ` ` `　,　-=彡　/i:}　　　　　　｀ヽ
　　{　　　 /　　 {　　ゝ =ﾐ　} ィ　　 i　　　〃　　　 /i:i/　　　　　　 }＼
　 /　　　 { 　　 V´:i:i:i:i:i:iヽ人､从{从ｲイ {　　　 /i:i/　　　　　　　　ゝ､:＼

政村の提案した幕府法は粛清の波及を最小限にとどめることに成功したと言えよう
481： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:45:24 ID:cEL/Arn60: ――そしてもう１人

　　　　　　　＿＿＿＿＿
　　　　　　／:;:;:;:;:;:;:;i:;:;:;:;:;:;＼
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　　　　　　　 |:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:i;:;:;:;:;:;:;:;:;|
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　　　　　　　 |:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:i;:;:;:;:;:;:;:;:;|
　　　　　　　 |:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:i;:;:;:;:;:;:;:;:;|
　　　　　　　 |:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:i;:;:;:;:;:;:;:;:;|
　　　　　　 |;:;:_:;:_:;:_;:;_:l:;_;:_:;_:;:_;|　　　部下に話を聞いて見に来たけど……
　　　　　　　 |＿＿＿＿|＿＿＿_|
　　　　　　　/::.::/::;´::.::.::.::.:.::.::.ヽ::.::ヽ
　　　　　　　ｌ::.::;'::/::.::,:::.::.:::.::.:.:::.::.}::.::.|
　　　　　　　|::.::ﾚ'::.::::i:.::.::.::.:.i::.:.::.:.|::.::.|
　　　　　　　∨::.l::.:::.:ﾚ:.::.::.::;i::.::.::.j::.}:/
　　　　　　　 }:l::.|:::.::.:::.::.:::.::.:::.::.:/:/:,′
　　　　　　　/人:ドレ|::.::.::.:.::.::.::.:.l::ﾘ
　　　　　 ′　｀ヽﾚ'|ゝ'V´| ﾚ'|;/
　　　　　　　　　rt＜　　　　　ｰ､
　　　　　　　　 / :.｀ヾ､　　　　　ﾊ

　　　　　　　ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ　　　　　　　　　　　　　,'
ゝ.;:_:_;:;:_:_;:;:_;:_:_;:;:_:_;:;:_:_;:;:_:_;:;:_:_;:||(:';:;:;:;:　　　　　　　　　　　　　　　 .::... .　　　. .':::;:, .:.
ミゝ､＿＿_／＼二｀＞､;:_:_＿＿',;:;:;:;:)）;　:＿γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
ゝミミミ／／＼＼￣7 ＼――};:;:;:/(;:　:―｜　　　　　燃えちゃってるよ　　　　 |
彡彡／／lll;lll;ll;＼＼i＼　 ,'　ﾉし': :ヽ;:;:;:-,-,乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
彡／／ll;ll;ll;ll;ll;ll;ll;＼＼（(,ｲ: :　　:: :V）;:　　,',',',',',',',',',','7,','_　人　　　　　　て:;;':.　ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ
／／l;;l;l;l;l;l;,'　　　　;l＼＼ゝ: :　　　: :(ﾉ};:　　＼,',',',',',',','|,人)ヾ;　从　　　　　　（::..
;／;;;;;;;;;;;;;;;(:';:;:;:;:　　;;;;;;;;;＼｜ヽ: :: :　 : :: :/;　;',',','＼,','_ノ　　_人　 (,＿ｿﾊ　　　,ゞ.:.
:_:_;:＿＿',;:;:;:;:)）;:;:;:;:＿_;:;:_:;｜ゝ;:;;::;从;ノ;:＿＿:＿＿ヾ从　(⌒　　　　ﾞ /⌒　　　（: :.
_;:;:_――};:;:;:/(;:;:;:;:―_;:;:_:_;:┴;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:　　　 _;:;:_:_;:;:_:　　　　　.　　　　火:.::ﾉ　　）:::...
_;:;:_:_;,'　ﾉし': :ヽ;:;:;:　:_;:;:_:_;:;:_:_;:;|; ||三三ﾐ|_;;:_;:;:_:_;人　　　　　.,;,.,　　　　｀ﾍ/
_;:;:_（(,ｲ: :　　:: :V）;:　_;:;:_:_;:;:_:_;:;|; ||_三三|_;;:_;_,ノ　　　　　.,.,; 　　;,,.,　　　（　＿
_;:;:_ゝ: :　　　: :(ﾉ};:　:::_;:;:_:_;:;:_:;:;:|; ||三二ｔ|_:｀ﾍ(　　从;:　 .;　　　　　;,　　　∨(
_;:;:_｜ヽ: :: :　 : :: :/;:;:;_:_;:;:_:_;:;:_;:|; ||[三:　　　_）　　　　,;　　　　　　　　;,　　　从
_;:;:_｜ゝ;:;;::;从;ノ;:;:;:;:;:;:_:_;:;:_:_;:;:|; || 三二|⌒ヽ　　　.;:　　　　　　　　　:;,　　ﾉ_イ
_;:;:_┴;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:　　　/￣/￣￣｀!;;;;;;;;;;;;;;|__人ﾉ,　　 ;:　　　　　　　　　　;;　　/
_;:;:_:_;:;:_:_;:;:_:_;:;:_:_;:;:__|　　i;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;;;／;|_;ヽ　　　 ;　　　　　　　　.,ﾉｌ火)　　'ﾍ,
_;:;:/￣￣￣/l:_;:;:_:_;:;,ｨ´⌒i;;;;;;;;;;;;;|;;／,.,火_)i_从　　 ;:　　　　　　　　　　;;　　火/(_
_;/_;:;;_;;:;;:;_/__:_;:;:_:_;:_|ﾐ_ ノ..{　　 {　　　._ﾉLノｌ　　　 ;　　　　　　 l(　　　　;　　　ヾ.,_从
　　　　　　　　　　　　　｀ ┴―┴――｀　　　　　､从_　　　　　　　　　　　　　　　　　ゞ_人_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　"ﾞ"''`ー;､从_ノ（_.,;:.)ﾍ　　　　）L从_;:,火,.;:ー'"ﾞ⌒

二月十五日、六波羅において――
482： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:46:06 ID:cEL/Arn60: .　　　　/.:: :.: .: : .: ::ｌ.::ｌ'"｀ヽ'､::..:. : .:.　: : .　:ヽ
　　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|.:|ｌ:.:ｌ　　｀ヽ:､:.:.:.:.:.:.　:. :.:.::.',
　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.ｌ_'､ﾄ､　　　ヽ'､:.:､:.:.:.:.:.:.､:.､:'､
.　　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,ｌ'､!ﾃﾄ=ー''　､弌､ｌ:.:.:.:.:ｌ:.ヾ',ヾ'､
　　　 ll:.:.,-|:.:.:.:､:.ヽゞ='-　　　ィﾃｒゞ,:.:.:.:.ト､:'､｀`
　　　'|:.ｌ'´|:.:.:.:.:ヽﾄゝ　　　　ヾ`'‐'"ハ:.:.:.|　｀ヾ
　　　 !:.'､(ｌ:.:.:.:.:.:.:.､＼　　　　ﾉ　　 !:.:.:ヽ:.ｌ
　　　 /:.:.:.｀|:.:ｌ:､:.:.:.:｀ヾ､-‐　ﾐ　　,.:':.:.:.:.:ヾﾄ､
.　　 /ｨ:.:.:.:.:.ｌ:.ﾄ､!ヽ､:.:ヾ`､　｀　,ィ:.:.:ｌ:.:.:.:ﾄ､:ｌ｀
　　 '´ｌ!:.:.:.:.:.ﾄ､!-｀ﾆミヽ:.ヽ__／! ヽｌ:.ﾄ､ﾄゝ｀
　-―‐ゝ‐-､| ｀　　　｀ミ｀''‐､ﾄ!　ヾ!
　￣￣￣｀'' ､｀ヽ　　ｒﾄｌ __!/〃
　　　　　　　　｀''､＼ヽﾄ' /〃

時宗庶兄、六波羅探題南方頭人北条時輔、討死

得宗の命令を受けた義宗によって討たれたと記録されている

.　　　　/.:: :.: .: : .: ::ｌ.::ｌ'"｀ヽ'､::..:. : .:.　: : .　:ヽ
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　　　 ll:.:.,-|:.:.:.:､:.ヽゞ='-　　　ィﾃｒゞ,:.:.:.:.ト､:'､｀`
　　　'|:.ｌ'´|:.:.:.:.:ヽﾄゝ　　　　ヾ`'‐'"ハ:.:.:.|　｀ヾ
　　　 !:.'､(ｌ:.:.:.:.:.:.:.､＼　　　　ﾉ　　 !:.:.:ヽ:.ｌ
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　　 '´ｌ!:.:.:.:.:.ﾄ､!-｀ﾆミヽ:.ヽ__／! ヽｌ:.ﾄ､ﾄゝ｀
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罪状として掲げられたのは謀反

名越と連動して挙兵しようとしたのを先手を打って誅殺したという
483： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:46:46 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　　　 ,.､-‐‐''''''''''''‐‐--､
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　　　　　lﾞ､　　　　, '　　　　　　　　　　＼
　　　　_,j　ﾞ　　　,.-‐‐-､ '　､　､　　　　　　ﾞ!
　　,r''"　　　　　ﾞ,　　　＼　' , ' ､　　　　　`ヽ､
　,'ﾞ　,　　　　　,.-､'､　　　　＼　　｀　　　　　　ヽ,
　l　 ' , '　　ﾞ､ l　 `ヾ､_r――‐ヽ､ ,,.rl　　　　　　　l
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　 / l　　　 /ヾ''‐-､ |　　　∧　　,',,.-'l/''ﾞ_/　 /
　{:　ヽ､　 .|､_,,,,....,,_.`　　〈　〉　 ´_,,,..,,,_'//　 !　
　ﾞ'､　lrl 　 '､＼　　`ヽ　　 V　,.r'"　　／/　　|
　　 l　'､|　　ヽ `i‐‐'"´　　 |　　`'‐-i"　{　', ', !　　
　　 |　 :l　　　,'　 |　　　　 |　　　　 !　 ,j､　ﾞ }
　　 l　:,'　, , /!ヽ､|`''‐-､　　|　,.､-‐'ﾞ|／!　|　r'ﾞ
　　/　l　' ﾞ .{ ＼ ` 　　 `''┴''ﾞ　　　／ﾞ　 ! .|
.　 {　　`ヽ,　lr':､＼　　ﾞ￣￣￣　 ,.ｨﾞ　　 ,'　l
　　`ヽ､　 j　l:::::ﾞヽ,＼　　　　　／::::|　　 l　 |
　　　　 `, l　|::::::::::::｀::`''‐-,-‐'ﾞ:::::::::l､　　ヽ, ﾞ､
　　　　　l:l!:!j::::::::::::::ﾞヽ:::::| l |::/:::::::::l　ﾞ､　　} ﾉ

また、謀反に関与したとして安達泰盛庶兄、安達頼景が所領没収

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　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　 /　　　　　＼　　ヽ
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　　　　　　　　　　ﾉ　　 /　　　　　从ﾍ　　　 l　　　　　　　〉
　　　　　　　　　　　/　　　|　ﾉ i　l　/　＾i　　　ﾉ　　　ヽ　　 /
　　　　　　　　　　 / 　 ,-､ﾚｲ |! ﾊl/　　　|　|　 |!　　　　 |　　 |
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　　　　　　　　　 }　| ノ | /　ヽ､ｆｊこﾄ`　ヾヽ!__ヽ i　/　）ﾉ
　　　　　　　　　　ﾉ　ﾍ　ﾚ'　　　　　　　　　ｨrヶ「|/　/ /
　　　　　　　　　　从　ﾄ､　　　　　　　　　 l　　　　彡/ /ﾉ
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頼景と対立していた泰盛がこの処分を断行したとの風聞が流れるが、定かではない
484： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:47:48 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,...　---- ..,_
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　　　　　　　　　　　　　／'´ ,. '´　　　　／　　　｀' - .,_ 　　　 '､　
　　　　　　　　　　　 r'"　　l´　　　　　　　,.、　　　　　　　　　　　｀;
　　　　　　　　　　　 !　　　,!　　　　　 ,-､.l. ｀､　　,　　　　　　ヽ　 .!
　　　　　　　　　 |　　 /　　, '　　 / .r‐'"´.'､ ', '､　　　　　ヽ,';. !.',
　　　　　　　　　 !　　'､　　l　　　 ,､ |.　　　ヽヽ,ヾ,-､　､　　lヾ | .〉
　　　　　　　　　 ,'　　　ヽ　|l,　　　!.', !　　　　　ヾ､-‐'二i, l',ﾉ　.,!/
　　　　　　　　　 !　　　　|　', '､､　|-',!‐ﾆ　　　￣,.‐'"'i,;:7/ l／'i ',
　　　　　　　　　／　　　　　ヽゝ'ヽ',ゞ!'"ﾋ;:!　　　　　￣￣.'´ ' !)　l ,!
　　　　　　　／　　　　　　　ﾉ,' r','､.`‐'"´　　 !　　　　　　 |'//,'
　　　　　／　　　　　　　 .／ '､'､ヾ,　　　　 ',　　　　　　　 lr'　!
　　　／　　　　　　 .／.　　｀'｀;-､　　　　　ヽ　　 _,　　 /!　.!
.　　／　　　　　　　.／　　　　　　 !｀'.､.　　　 ,. -‐',ﾆ-' 　 ,.'.ﾉ',i !ー-､
　／　　　　　　　　／　　　　　　　ヾ;. iヽ　　｀"´-‐　　.,.'　'´!'.'_r'　　!
.'　　　　　　　　 , '　　　　　　　　 ,.､-'"ヾ,　｀' .､　　　　 ./　　 r'‐il.l　　 !
　　　　　　　　,.'ー,‐--　..,,_　　 i,.､','　 ,.' !　　　｀' ー‐ '　_,. ;='´ !.!l.!.　　',_
　　　　　 /',',　 ',　　　　｀"く　',',　ヽ｀'' ‐----‐ '' ´　 l　　 !.l.ll　 ,.;'.' `'ー‐--　..,,＿
　　　　　　 /',. ',',　 ',　　　　　　,',　'';,.　 !　　　　　　　　　　|　　 ',.',';,,.;'.'
　　　　 /　l　',.',.　l　　＿＿_|.i､. ヾ､ l､_　　　　　　　　　l!　　/l '//､
　　　　　/i　 .!.　',.'-‐　　|　　　 !!'ヽ　'ｰiヽヽ'' ‐-,,..... -‐ '　!　 /　'-'　｀"'' - ..,,_

もう一つ、泰盛はこの二月騒動には一切関知しておらず、頼景の処分に不満を持っていたという説がある

だが、それを裏付ける証拠はない

――そして、この粛清は直接的にかかわっていない者達にも波及していく

　　　　　　　 ∧＿∧:::
　　　　　　　（　´Д｀）:::
　　　　　/⌒ 丶'　　 ⌒）:::
　　　　 / ヽ　　　　 /　/:::
　　　　/　/へヘ　/　/l:::
　　　 /　　＼ヾミ　 //:::
　　　（__／|　＼___ノ/:::
　　　　　　〉　　　　/:::
　　　　　 /　ｙ　　　）:::
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　　　　　／　　／::::
　　　／　　／:::::
　　　（　　く::::::::
　　　（＼　ヽ:::::
　　　 |　＼　ヽ:::::
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　　　 |　/::::　ヽ　〈::
　　　 |　i::::::　（__ノ:
　 __ノ　）:::::
￣（＿／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

新田氏支流世良田氏当主、世良田頼氏流罪。正室が名越出身であったためとされる

これ以外にも、渋川義春が流罪になったほか名越の所有する守護職が没収され、大友頼泰や安達泰盛が任命されている
485： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:48:56 ID:cEL/Arn60: 　　　／　／　　　／　　　　/　 i　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　/　／　　　／　　／　/ 　ﾊ　　　　　　　　　　　　　　　　 !
　/ ／/　　／　　 /　 ,ｲ　!　! ｀⌒ヽ＼　　ヽ　　　　　　　ヽ
　l/　l　　／/　　　〃　/､l /|　!　　　ヽヽヽ　　　ヽ　　　　ヽ＼ヽ
　　　l　/　/　　　/l　 /_ヽ!{　! |　　　　ﾍ　l　ヽ　　　lヽ　　　　ト　ヽl
　　　|/ 　 !　　ハ! ,| l ﾊくヽ! l　　　_　-! |＝ヽ　　 ! ヽ　　　ﾘ､ー--
　　　|　 _ j　　 l￣l l'l ヽ辷ﾊl　l　ｰ７T j/jヽ｀7!　ﾘ　 !　　ノl' ハ
　 ,. イ´　ヽ　 | 　〉l、　￣　ヽヽ　　　ゞ-ﾟ 'ノ　! 〃 j! !　 l Y ﾊ lヽ
／　　　　　ヽ. | 　ハヽ　ノ　＼　　　　　　/／l　l ﾘ　/ /./　ヽ l
、　　　　　ヽ|　 |　l＼　｀ヽ＿ ,.._ヽ　　　／´　l　 | ク´/ /　　,!　!
. ヽ　　　　　　　ヽ　l　|　＼　l｀７´｀ヽ　　　　／|　 |'　, '／　　/|　 l
　　ヽ　　　　　　　　l　|　　＼ヽ! ＿ﾉ　　／　 ,.l　ﾚ'／　　 / l　　l
　　　ヽ　　 |　　　　ヽ l　　　　iヽ＿, r＜´　／, ﾍ　|'　　　　/
＼　　ヽ.　 !　　　　 | lヽ、　　 |ヽ　　ヽ　ヽ　ﾚ' ／l　!　　　 /
　　ヽ、　ヽ l 　　　 l |　＼　　|　ヽ＿ヽ　 {　/ 　ﾊ !　　 /
　　　ヽ.　ヽ! 　　　 !.l 　　ヽ|　　 - ､Y　ヽヽ　　 |
　　　　ヽ.　|　　　　　l l　　　　 l　　　　 l　 rｰヽヽ

間違って誅殺されたという時章に関しては、その遺児公時に名越名跡の継承を許可し、評定衆に抜擢するなど

罪滅ぼしとも取れる人事が見られるが、時章が持つ大隅守護職は返還されることはなかった

.　　　　　ﾉ} ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　　　　V　}
　　　　／ /　　　　　-‐　 ¨¨　　　　　　　　　　　　 /
　　「Y　　{ 　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　 /⌒ー　´} 　ﾊ
　　 | :|　　 :/　 ′　　　　　　　-‐　 ¨¨　　　　　　　　　　　 ′ 　ﾉ
　　 | :| 　 /　　　　　　　／　　　　　　　／　　　　　　 /　　⌒ヽ
　　　　　′/{／{／ "Z　　　　　　　　　／　　　　　　 / 7　厂
　　＼　{ /　　　　　　＼　　　　　／　　　　　　　　　　 /　ノ
　　　｀V　　　　　　　　ｰ=彡　　　　　　　　　　　　　　/く
　　　　 | 　　 -ｧ　　　　｀ヽ　 Y⌒ヽ　　　　　　　　　　ﾉ
　　　　 |　／xく　　　　　　　　| 　 |　　 V 　／　　　／
.　　　八`´ 苡ﾝ　　　　　　　 | 　 | 　　 | ／　　　　く　　　大友殿には鎮西奉行として下向してもらう
　　　　　 }　`ｰ､　　　　　　　八　ムヘ　|　　　　　厂
　　　　　 .′　　　　　　　　　 ′／　　＞　　　／　　　　　泰盛は守護職を保持したまま鎌倉で時宗の補佐を頼む
　　　　 {　　　　　　　　　　 {／　＞ ´　　　　⌒ヽ、- ､
　　　　 └　ン`ｰ-　､　　／＞ ´ﾉ　＼　ﾊ　厂　　　 }
　　　　　　　〈__ ､ -‐=ﾐ〉　¨´　／　 _厂ﾑｲ　}ﾉ　　　　 ⌒}
　　　　　　　　に二彡　　／　／　厂ヽノ　　　　　　八
　　　　　　　　　　ﾊ、＿彡　　／　厂　　　　　　　　　　　　 }
　　　　　　　　　　{　　　　　　 }" 厂　　　　　　　　　　八
　　　　　　　　 }　　　　／"厂　　　　　　　　　　　　 }
　　　　　　　　　ﾑﾍ从イ厂　　　　　　　　　　厂⌒⌒⌒`く
　　　　　　　 r┘ 'ﾊ厂　　　　　　　　　　　厂　　　　　　　＼
　　　　　　　　　}　 / ノ　　　　　　　　厂　　　　　　　＼
　　　　　　{⌒′厂　　　　　　　　　　　厂
　　　　　〉　ｲ　　　　　　　　　　　厂　　　　　-‐　　　¨¨¨ミ　　　‘，
　　　　ｒｰ} / ﾉ　　　　　　　　　ﾉ　　　／　　　　　　　　　　＼　}

この粛清劇に関しては、ほぼ確実に政村の計画的なものであることが通説化している

感情に駆られたというには、その後の守護職の没収と再付与が計画的過ぎるからだ
486： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:49:42 ID:cEL/Arn60: 　　　　／´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : }}: : : : :｀:ヽ､
　　ﾍ||: : : : : : : , :r ,=_'_‐_´_ ｀ '‐= JL: : : : : : : : ヽ
　 |: ||:||, - , = r´': /　,-, フ　｀ '_r‐>-､= -､: : : : : : }
　ﾍ: >/竺ヽ}: : : r　//:|´　r‐'´／　　　ヽ: : ヽ: : : /
　　ヽ{ !焦ﾝﾉ二 }　ﾉﾆﾉ .ﾉ　人　／_ノ　＼: :ﾍ:/
　　　{｀'‐'-´ ‐::´:｀´ﾉ人､ヽ　ﾍ　´ﾉ　　､　　ヽ-‐,ヘ､　
　　　{／::´::::::::::::／{　・ヽ, ノ､‐｀/　｀i　　　　　/　　｀＼
　　 /:::::::::::, r ' ´ 　ﾍ　ノ　　　ヽ＿,,､ !､　　　/　　　　　　｀　､
　　/,::: r'i´ﾟﾉ　　　　｀　　　　　　　|　＼_　ノ　　　　　　　　　ﾍ: :＼
　　'´　 | ｀r　_ - ､　　　　　　 |　　／　　　　　　　　　　／: : : :
　　　　 .|　'ヽ　ﾜ '　　　　　　　　　 | ／　　　　　　　　　／ｸ: : : :
　　　　　|　　｀　　 _ , -― ' ‐ ､　　ヽ､　　　　　_ , - ‐ ': : : : : : : :
　　　　　ﾍ　　r '´　　　　　　　　　　 r｀ヽ､＜: : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　ノ　　ヽ＼: : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　　ﾍ　　　　　　　,　‐　´´ ￣￣ >==≧: : : : : : : : : : : :
　　　　　　　　 ' - -, ､r = ´ _, - ‐_, '''''／: : : : : : : ＼: : : : : : : : :
　　　　　　　　　 /‐=｀|　 r'´r―ﾂ ´ ~: : : : : : : :
　　　　　　　　　{-‐i　.|, -'―': : : : : ○: : : : : : :
　　　　　　　rﾉ´=´ノ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　　, r'r,´=＝´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :

外様の有力御家人で、時輔誅殺の際は義宗の補佐を務めた大友頼泰を鎮西奉行として下向させ

同じく鎮西奉行の少弐資能と並立させる。明らかな九州指揮権への介入である

　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　 _　　　　　＼
　　　　　　 ,.'　　　　　　　　　　　　 ,.:i／:::', 　　　　　＼
　　　　　r'´　　　　 , '　 ,　　!　　 iヽ‐ ｰ.､!　　　　　　ヽ
　　　　　i.　　　　　 /　　,'　　l.　 ,!.i　　　　!　　　　　　　　　　!
　　　　　l　　　　　 l , 　 !　　il　,' !|　　　　!　!　　　　　　l 　 /
　　　　　i　　 , =ヽ l'!　 .l　 i ﾄ! .!,_'l､_　　　i　!　　　　　　 ', /
　　　　 /　 .〃　｀! lヽ　lヽ.l､!,,ヾ＿ｰ-ヽ　ヽ!',. i',　!,　　　 i
　　　　ヽ,　',',.i´ゝ!.|　ヽl　ヽヽ.!;::'-!ヾ　｀"　　l/-i l‐!　 .,　.!
　　　　 !　ヽi くヾ　　　　　　￣　　　　　　'7;:7ｿ,ｲ /l /
　　　　　 i　　'､_ヽ_　　　　　　　　　　　　　　i ｀".ｨ／'´/'
　　　　 !,　　　!" l　　　　　　　　　　　　　　'､　 i
　　　＿_'i　　 iヽ　!　　　　　　　　　　　　　 ,.' ./
　　 r'　　｀""7'''r‐',- ､　　　　　　　　　　 '´／
　　 |　　　　　i　!　i　 r'ｰ､　　　 ´￣｀"' , '
　　 l　　　　　! .l　.!　 !　　｀'i　　　　　"ﾞ .,'...,_
　　,'　　　　 !-! .,'　.,'　　　 ,' ＼　　　　 / ゝ..!_
.._,/ｰ､　　 /ｰi　i　 i. 　　 ,'､_　｀!ー‐ '/ /　 /
'　｀`'‐｀,ヽ､｀" /　/　　　.,' 　｀" ｀!　./ /　 /!

そして、九州守護職を多数抱えることになった安達泰盛を恩賞奉行へ抜擢

恩賞を執権側で抱え込んで主導権を手渡すことが無いよう念を入れた
487： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:50:31 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　　　　　　　　　　　ｨ　＿＿　-‐￢ _　-‐ 7´　}
　　　　　　　　　　　　-‐=彡 ´ 　 -‐ 　　ﾉ　　　 /　　从
　　　　　　ト　／　´　　　　´　　　　　　 ¨¨¨ ー┐ 　　ﾊ
　　　　　　　　}　{ /　　　／　　　　　　　　＿　　　ﾉ　　　 }
　　　　　　 /　 /　　／　　 -‐　 ¨¨￣　　　　　　｀Y´}　ﾑ
　　　　　　　{　､ { 　ィ-‐ ´￣´ーく　　　　　　　　　　 / 　厂
　　　　　　　＼}^"　　　　　　〃　ﾄ　　　　　　　 /　/
　　　　　　　　ﾘ　　　　　　　{i 　 {　　　　　　　　　勹/　　……これでいい
　　　　　　〈　 {__,　-く⌒　　　乂　　 __ 　　　 /
　　　　　　　 i}　辷rtｯｰ､　　　　　〉　/　|　　　 /7　　　これで、私の役割は終わりだ
　　　　　　　ﾘ　　＼　　　　　 V　/_　.|　　　 ' /
　　　　　　　　 /　　　　　　　　　 /{ /　｀V　　　ノ
　　　　　　〈__､_,　　　　　　　／　／i 　〈
　　　　　　　　　〈　　｀¨¨ヾ　　 r＜＞ ´ } `}　}､ﾉ｀ヽ__
　　　　　　　　　`辷__ ^^^`　　　／　xく　ﾑｲ: : : : }　ヽ
　　　　　　　　　　　}ｰ- ､ __ .， ´　xく　.， ´: : ＿厂　　 }
　　　　　　　　　〈　　　　　　／ .， ´: : : : r┘　　　　八
　　　　　　　　　　 } 　　　／／.: : : :. :.厂　　　　　　 }≧x
　　　　　　　　从从斗く　{: : : : : : r┘　　　　　　　　 {ニニ＼
　　　　　　　　　厂　∧＿: :/: :.ｰ┐ 厂　　　　　　　ノニニニ≧= ､
　　　　　厂　　　／ {　/￣ r┘　　　　　ｧ^⌒ ´ニ≫ ´ニニニﾑ
　　　　　　∧　　　　〈 : : ∨: :厂　　　　　ｧ^⌒ニニﾆ／ニニニニニニﾆ

政村は粛清によって得たリソースを可能な限り、得宗と寄合メンバーによって活用できるよう基礎を作り上げたのであった

――これが、政村の最後の政治的な活動になった

　　　　　　　　　 /　　　　　　 /　　／　　　　　　 '.
　　　　　　　　「 У　　　　　　　　/　／　　　　　　　　　　 ∨}
　　　　　　　　　} { 　　　　 `ﾄ､/ イ斗≦ イ＜彡　　　 }
　　　　　　　　 /　〉 .r`⌒ヽト､{　　　　　　　　 ∨　　　 /　}
　　　　　　　 {　′ | /　　　　　　　　 /　　　 i　 V 　 /
　　　　　　　　　､　　| }　　　 { 　　　/　　　　 {: 　 } :./　, 　ム
　　　　　　　､￢ﾐ　L　＿　　:.　　 /　　　＿　　 }　: /　/ /´
　　　　　　　＼　ィ⌒ヾﾐﾒ､ {　　{ rzz彡 ⌒ヾ　 }　/ﾍ　 .′
　　　　　　　　　　Yﾊ } /ノ´苡≧､ｰヘィ廴苡>､　　} //} } /
　　　　　　　　　　 }　}i　｀¨¨　／ }　　＼　　　　ｲ〃り }′
.　　　　　　　　 V八　　／　　}　　　 ` ､　　/ } }/　/
　　　　　　　　＼ﾄ､　　　　､　 ,　　　　　 /　| |　ム
　　　　　　　　　　 Vﾊ　　イ""　　　｀丶、ヽ　 | しﾍ厂_
　　　　　　　　　　　　 ∧ }〈{　ィイ_ヘ_トﾄﾐ }　} 　ﾉ　}､}､　｀ヽ
　　　　　　　　　／∨ ﾑゝゞ'　｀¨ﾆﾆﾆ¨´　　／　　〈ﾉ }　　 ⌒ヽ
　　　　　　　　　_{　　∠ィ　＼　 , へ　　／　　､}／　/　　　　 }_
　　 -‐y⌒Y´　 }　〈　ﾑﾍ　 ` "　　 ` ` `　,　-=彡　/i:}　　　　　　｀ヽ
　　{　　　 /　　 {　　ゝ =ﾐ　} ィ　　 i　　　〃　　　 /i:i/　　　　　　 }＼
　 /　　　 { 　　 V´:i:i:i:i:i:iヽ人､从{从ｲイ {　　　 /i:i/　　　　　　　　ゝ､:＼

この後、文永９年後半に入ると、政村政治的な行動は一切見えなくなる。あまりの立ち消えに急病の風聞が流れ

朝廷は上も下も政村の病気回復を祈ったとも伝えられる
488： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:52:06 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　　　　 {　　　　 ` ｰ-　　　　　　　　　＼　　　　 } ヽ
　　　　　　　　　　　}＼､　　　　　　　　　ﾐZ⌒ヽト　　　　 :}　　/　　}
　　　　　　　　 ′ 丶　` ｰ-　　　　／　　　　　｀ヽト､　　:} 　/　　/
　　　　　　　　　 {　　　＼　　　　　ｲ　／　　　　　　　＼ムイ　〃ｧ
　　　　　　　　､　　　, =ﾐ　　 r彡　　 r==ミ､　　　　　 j ／／
　　　　　　　　､ｰ＼　/ ヘ} 　 {　　　　　　-‐＼､_　}　/　　 { 彡
　　　　　　　　 } 　　 {　{　|　　|　　　　仗__〕｀¨　ム-=＝!
　　　　　　　　　 . 　八　く|　　| :} 　　　　　　　仗¨〕／
　　　　　　　　　　 >、　ﾊ `.! 　 | :}　　　-‐　¨　　　　ﾄ、　}
　　　　　　　　／ｲ　r'人 j　 /　} 　　　　　　　 }:　ﾉ
　　　　　　　　　 ∧{ﾊ、ﾉ　z彡　{､　　　r , -‐￢‐=ﾆノ／
　　　　　　　 rｰ{　　＼　く、　　　＼　　/ ｨ ,__,_, 　　｀V
　　　　　 rｰ┘　㍉　　＼ム、　　＼　　　　＿｀ `Wj
　　　 rｰ┘　　　　㍉　　ﾆ=-＼　　ｰz ィ , ﾍ　 /　≧=-　､
　 _rｰ┘　　　　　　　　㍉　　　　ﾆ=- ､　　　　　　゛{ 　　　　 }
　{　　　　　　　　　　　　　㍉　　　／⌒ヽ　　　从, =ﾐ　　 /

そして翌文永１０年、政村病死

その死は鎌倉だけでなく、朝廷も哀悼を示して亀山天皇が下向するほどであった

　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ::::::: :::: .::::::::::::: :. ::.. ::　: . ::::::',
.　　　 , ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :: .:::::::: :: .:::::::::::::::: ::. ::.　:. :. : ::::::',
　　　, '::;ｲ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :: .::::l:::　.::::::::::::::::::: :::. :: :. : : ::::::::::',
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　 /´　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: : :::/|::: ::∧::::∧:::::::::/::::::::: :::|::::::::::l
　　　 /::::/::::::::::::::::::::::::::::::::l:::l､:::::: :.::!､|:::::/.=}::/=l::::::;ｲ::::::: ::: :::lヽ::::::l
.　　　 {:::/l:::::::::::::::::::::::::::::l::::ﾄ;:|_ヽ:::::::l　l::::l　ｚl/＝l:::/_}:::/::: : :､:l) }:::l:|
.　　　 |:/ .|::::::::;i::::::::::::::::::l{:::lｒl:|=;ﾍ:::::|　';::l ´　{‐''´V_/::/:::::　: ﾄ|/:::::l`
.　　　 l'　｜:::::l ';::::::::::::::::ﾍV　{‐'　ﾊ::|　 V　￣￣　/::/::::::: .:.:ｌ/:::::l/
　　　　　　l::::::l　l::::::;:::::::::::ヽ￣￣　｀`　　　　　　 /／}:::::::: :::/::::;::|
　　　　　　ﾍ::::l　l:::::ﾄ､:::::::::::ﾍ　　　 '　　　　　　　 '´　/:l::::::..:∧:;:ﾄ;l
　　　　　ヽi　 ';:::l ﾍ::::::::::::ヽ　　ヽ､　　　　　　　　ｊ/}:::::;ｨ/ハｊ `
　　　　　　　　　　ﾍ:l　 ';::::::::::::::丶、　 -‐___''''´　　／ l:::/ , '　ヽ
　　　　　　　　　　　｀　 }::ﾊ::::;:::::::l!:|｀丶､　　　　,　'　　ｊ:/ /　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　|/　';::ﾄ;::::ﾊ|　　」`ｒ‐ｒ‐'´　　　/'／　　　　　丶_
　　　　　　　　　　　　　　　 `l ヽ{　　, ' ﾍヽヽ　　／　　　　　 //ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ィ　　　l　l l　　／.へ　　　　　　 //　　　｀`‐-
　　　　　　　　　　　　　 _　 -‐　// ／|　 l　} }／／　　丶､　　　 //ヽ､
　　　　　　　　　_ -‐　´　　 _ ィ/／　 .|　 ∨'´ く　　　　＼　//　　　`丶､
　　　　　, -‐ "~　　 _ -‐　´///　 ,　'´　／　　　丶､　　　　 ///

いつ時宗が「得宗専制」を作り上げたのか、これは歴史家の間でも意見が分かれる

だが、一点はほぼ全員が口をそろえる
489： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:52:59 ID:cEL/Arn60: ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃時宗が真の意味で執権として幕政に向かうのは政村が表舞台を去ったその日からである┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
490： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:53:27 ID:cEL/Arn60: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＿____＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　／＼____＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼____＼／____／
　　　　　　　　　　　　　　／.＼　＼＿____／　／＼
　　　　　　　　　　　　　／＿____＼　　＼／／＿___ ＼
　　　　　　　　　　　／____／＼____＼　　／____／＼___＼
　　　　　　　　　　　＼____＼／____／　　＼____＼／___／
　　　　　　　　　　.　　＼＿____／　／.＼　＼＿___／
　　　　　　　　　　　　　　　＼／　／＿____＼　＼／
　　　　　　　　　　　　　　　　　／____／＼___＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼____＼／___／
　　　　　　　　　　　　　　　　.　　＼＿___／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼／

　　　　　　　　　　　【やる夫は元寇を戦い抜くようです】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　二月騒動　了
491： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 22:54:16 ID:cEL/Arn60: 本日分は以上となります
ありがとうございました

次回はできれば今月中に投下したいと思っております
492：名無しのやる夫だお：2014/06/02(月) 23:21:58 ID:jYHOF9AA0: 乙
やばい、混乱してきた……
えーと、まだ幼い君主の代わりに補佐をする人間がいて、そいつらが政権を握ってた
対向者による杜撰なクーデターが政権補佐官を殺し、政権担当官も殺したっ、てところ？
頭の中で名前と顔と役職と地位が一致しねぇ……
493：名無しのやる夫だお：2014/06/02(月) 23:24:00 ID:jYHOF9AA0: いや、政権担当官は病死か……
ここまで緊張は伝わってきてるんだけど俺の頭も幕府並に混乱してる
説明面倒臭かったらスルーして下さい

次回も期待してます
494： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 23:36:23 ID:cEL/Arn60: ややこしくなってきたようですので臨時番外編
【出てきた奴の立ち位置って何？】
を投下します

今準備してるのでちょっと待ってください
495：名無しのやる夫だお：2014/06/02(月) 23:38:27 ID:jYHOF9AA0: おお！！
ありがとうございます！！
496： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 23:57:12 ID:cEL/Arn60: では、臨時番外編

『人物一口紹介』＆幕府内部の組織ってどう変わった？を行います
多分これで立ち位置がわかると思いますが、>>1も結構アップアップなところ有るのでご容赦を

まずは今回出てきた重要人物の一口説明から

　
　●北条時頼（五代目執権：作中では既に病死）
　
　＼〃ｨ个′　　　　　　＼=ﾆ　 : : : : .
　　　{{ﾊ乂　　　　／⌒`　　F　γ ヽ: : : :
　　　l !　　　　／＞tﾃ　　 ∨ {/ ､ ': : : :
　. 　｀{r=ミ　¨´ ゝ　´ "　　 |　|〉ﾘ } : : :
　　　　ヽ弐}　　　　　　　　　|　|!ノ /: : : :
　　　　　'　/　　　　　　　　 l__jTチ: :ﾊ: :
　　　　　　ゝ｀　　 ,　　　　　ﾉ　∨: : l |: :}
　　　　　 ‘.　-　´ _ .．.-:─'──`─‐＜
　　　　　　 :.　 rf´.:.:＿＿_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　. 　　　　， l:|.:.:.|=*=*=|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　　　　　　　　｀T|.:.:.:.￣￣.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＿.:.:.:.:
　　　　　　　　ｘ弋､.:.:.:.:.:＞ヒ.:´-ゝ｀＜.:.:.:.:.:
　　　　　　　く///｀77/.:´.: ＜////＞､｀.:.:.:
　
　時宗の父で五代目執権。得宗専制体制を時宗に譲ろうとするが、計画中に病死
　
　
　●北条時定（時頼の弟：現役）
　
　
　　　　 l､　　　　 | _,,.―ｰ''''''''''''''''''''''''―-､,,,、　　　ヽ　　　ヽ
　　　　　ヽ　　　 |'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;~ﾞ'ｰ､,,,_　ヽ　　　＼
　.　　　　　＼.,,,こ,,,,,,,.､.----―',!'''''''''ｉ￢￢┬---､,_「', ヽ　　　　＼
　　　　,,,―''"゛;;;;;,/,,,,ﾆ'"'';,ｿ-ﾆl'|　　｀! ﾞ|　 `'|'ヽ、::;;ﾞ`＼, ＼　　　　ヽ
　　／　;;;;;;;;;;;;;;,〈ｰ、　|'l',,.､＿リ､,,,,,ノ　,!　　 |「 ,!广-､,::`'-,|'-、　　　|
　.　＼,,,,,,,__　;;|:l'　ﾉ　,!」゜ |　ﾞ'ﾆ､.,,,,.／′ ,r'''ヽl'|　.,.-二;､ﾞ|;;;;;ﾞ>　　,/
　　　　　　　￣ﾟｉヽ／ ,/,l］　|　　 /''ｰ----''"　ヽ　ﾞ/ ,i´iﾝ､|'シ'゛_／
　.　　　　　　　　ﾞi―''ソﾞ,l'　|　 ..,,|　`'ｰ-、　　　　｝　| ヽ| | |;;;,ト''"
　.　　　　　　　　 l'￣　ﾚ-'''ﾆ-､,,ﾉ　　　　　,,／″　ﾉ ,i´,ﾉﾞ,|,］
　.　　　　　　　　＼　　"″　　　　　　　へ、l'　　　ヽ`'',,r"::ﾞ|
　.　　　　　　　　　　ヽ　　 .,,,,,．_,,,.,,,.､-‐ ″| ﾞi　　　　ｒ‐′ﾞ''l,i
　　　　　　　　　　　　| Ｌ_,,,,,.ﾆﾆヾ＾　　　　　　ヽ　　　|::::::::::::::〉
　　　　　　　　　　　　|　　 .,,,,.――‐‐　　　　　 }　　　l::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　|　　 /.ｒ'"￣｀　　　　　 ,ﾉ　　　/　.:::::::::::|
　　　　　　　　　　　　ヽ.　 ″　　　　　　　　 '′ ,,／,!　 ..:::::::::|
　.　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　 ,,/,-'′,/　　 ..::::::::l'
　.　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　／　;::::::,／ .__,,,,,,,.､､-ト-
　.　　　　　　　　　　　　ﾞ-y,,,,,,,,,,.―‐'";;::::,―ｰ''""ﾞﾞ＾::::::::::::::::::::::::|
　.　　　　　　　　　　　　 ,,,,ｺ::::::::._,,,,,.--‐''ﾆコ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　|"ﾆｉＺ'|ﾞﾞンｰ''''"ﾞﾞ゛;;;;;;l'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〔
　　　　　　　　　　　　　" ":::"."."::::::::::::::::::::::::"　　　　　　　　　　　"
　
　時宗の伯父に当たる。兄時頼から時宗の後見を依頼されている。作中において存命中
497： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 23:57:59 ID:cEL/Arn60: 　
　
　●北条政村（七代目執権、八代目時宗の政権補佐官）
　
　　　　　　　　　　 /　　　　　　 /　　／　　　　　　 '.
　　　　　　　　　「 У　　　　　　　　/　／　　　　　　　　　　 ∨}
　　　　　　　　　　} { 　　　　 `ﾄ､/ イ斗≦ イ＜彡　　　 }
　　　　　　　　　 /　〉 .r`⌒ヽト､{　　　　　　　　 ∨　　　 /　}
　　　　　　　　 {　′ | /　　　　　　　　 /　　　 i　 V 　 /
　　　　　　　　　　､　　| }　　　 { 　　　/　　　　 {: 　 } :./　, 　ム
　　　　　　　　､￢ﾐ　L　＿　　:.　　 /　　　＿　　 }　: /　/ /´
　　　　　　　　＼　ィ⌒ヾﾐﾒ､ {　　{ rzz彡 ⌒ヾ　 }　/ﾍ　 .′　
　　　　　　　　　　　Yﾊ } /ノ´苡≧､ｰヘィ廴苡>､　　} //} } /
　　　　　　　　　　　 }　}i　｀¨¨　／ }　　＼　　　　ｲ〃り }′　
　.　　　　　　　　 V八　　／　　}　　　 ` ､　　/ } }/　/
　　　　　　　　　＼ﾄ､　　　　､　 ,　　　　　 /　| |　ム
　　　　　　　　　　　 Vﾊ　　イ""　　　｀丶、ヽ　 | しﾍ厂_
　　　　　　　　　　　　　 ∧ }〈{　ィイ_ヘ_トﾄﾐ }　} 　ﾉ　}､}､　｀ヽ
　　　　　　　　　　／∨ ﾑゝゞ'　｀¨ﾆﾆﾆ¨´　　／　　〈ﾉ }　　 ⌒ヽ
　　　　　　　　　　_{　　∠ィ　＼　 , へ　　／　　､}／　/　　　　 }_
　　　 -‐y⌒Y´　 }　〈　ﾑﾍ　 ` "　　 ` ` `　,　-=彡　/i:}　　　　　　｀ヽ
　　　{　　　 /　　 {　　ゝ =ﾐ　} ィ　　 i　　　〃　　　 /i:i/　　　　　　 }＼
　　 /　　　 { 　　 V´:i:i:i:i:i:iヽ人､从{从ｲイ {　　　 /i:i/　　　　　　　　ゝ､:＼
　
　第五話において二月騒動（時輔と名越兄弟の粛清事件）を主導。その後病死
　
　
　●北条時宗（八代目執権、五代目執権時頼の息子）
　
　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
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　　　　　　　　,.`.ﾆ='''''　　　　　　　　　........:.`ヽ、
　　　　　-‐'';:'-'"　　　　　　　　　　..　.. .. ::::::::::ヽ
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　作中における執権。本作の主人公の一人
498： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 23:58:52 ID:cEL/Arn60: 　
　
　●名越時章（名越北条家現当主）
　
　　　　　　　 _　-─￢ﾆ＝ニﾆ丶、
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　　　　　　　　 |`了´ /　　　￣ヾト-' 　ﾚ八
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　名越家の当主。時宗たちに協力的だったが、弟教時の謀反計画の巻き添えを食う
　
　

　●名越教時（名越家有力者）
　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.........,_　　__
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　.　　　　 | 　　　　＼＼ﾞi, 　　ヽ`ｰ,r--'ﾞi,＼
　　　　　　l　　　　　　＼＼､　　　　 lﾞi､ﾞi,　ﾞi、＼
　
　謀反計画を立てるが露見。粛清される
499： ◆q/QapWeGMk：2014/06/02(月) 23:59:58 ID:cEL/Arn60: 　●北条時輔（時宗の異母兄。六波羅探題長官）
　
　.　　　　/.:: :.: .: : .: ::ｌ.::ｌ'"｀ヽ'､::..:. : .:.　: : .　:ヽ
　　　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|.:|ｌ:.:ｌ　　｀ヽ:､:.:.:.:.:.:.　:. :.:.::.',
　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.ｌ_'､ﾄ､　　　ヽ'､:.:､:.:.:.:.:.:.､:.､:'､
　.　　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,ｌ'､!ﾃﾄ=ー''　､弌､ｌ:.:.:.:.:ｌ:.ヾ',ヾ'､
　　　　 ll:.:.,-|:.:.:.:､:.ヽゞ='-　　　ィﾃｒゞ,:.:.:.:.ト､:'､｀`
　　　　'|:.ｌ'´|:.:.:.:.:ヽﾄゝ　　　　ヾ`'‐'"ハ:.:.:.|　｀ヾ
　　　　 !:.'､(ｌ:.:.:.:.:.:.:.､＼　　　　ﾉ　　 !:.:.:ヽ:.ｌ
　　　　 /:.:.:.｀|:.:ｌ:､:.:.:.:｀ヾ､-‐　ﾐ　　,.:':.:.:.:.:ヾﾄ､
　.　　 /ｨ:.:.:.:.:.ｌ:.ﾄ､!ヽ､:.:ヾ`､　｀　,ィ:.:.:ｌ:.:.:.:ﾄ､:ｌ｀
　　　 '´ｌ!:.:.:.:.:.ﾄ､!-｀ﾆミヽ:.ヽ__／! ヽｌ:.ﾄ､ﾄゝ｀
　　-―‐ゝ‐-､| ｀　　　｀ミ｀''‐､ﾄ!　ヾ!
　　￣￣￣｀'' ､｀ヽ　　ｒﾄｌ __!/〃
　　　　　　　　　｀''､＼ヽﾄ' /〃
　
　謀反計画に連動して挙兵しようとしたとして粛清される
　
　
　
他にも安達泰盛（ＡＡはムウ・ラ・フラガ）とかいますが、六話以降で重要なキャラクターなので無視しても大丈夫なはずです
500： ◆q/QapWeGMk：2014/06/03(火) 00:01:08 ID:UZ9bIQVI0: 　
　
　
　二月騒動まではこんな感じでグループが構成されてました（本編と関係ないグループは省略）

┏━━━━━━時宗グループ━━━━━━┓　
┃　┏━━━━━━┓　┏━━━━━━┓ ┃　　┏━━━━━━━┓
┃　┃ 　　時宗　　 ┃╋┃　　　政村　　┃ ┃← ┃その他北条一門┃…各家ごとに温度差があるが概ね協力
┃　┗━━━━━━┛　┗━━━━━━┛ ┃　　┗━━━━━━━┛
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
　　　　　　　　　　↑政務を補佐
　　　　　┏━━━━━━━━━━━┓
　　　　　┃ 泰盛・時定などの寄合衆 ┃
　　　　　┗━━━━━━━━━━━┛
　　　　　　　　　　　↑
　　　　　　　　　　　↓時宗たちの出す政策に反発
┏━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃　　　　　反得宗派名越グループ　　　　┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━┛

●この内『反得宗派名越グループ』が謀反計画を立てたと言われています

●それに対して、政村と時宗は【対元戦争体制構築を視野に入れた粛清計画を立案します】（政村が主導）

●第五話の最後において行われたのが上記【粛清計画】となります
501： ◆q/QapWeGMk：2014/06/03(火) 00:02:01 ID:UZ9bIQVI0: この粛清計画は成功し、以下のように幕府内部グループが変動しました

┏━━━━━━時宗グループ━━━━━━┓　
┃　┏━━━━━━┓　　　　　　　　　　　　　 ┃　　
┃　┃ 　　時宗　　 ┃ ←政村が病死　　　　┃
┃　┗━━━━━━┛ 　　政務を単独で行う┃
┃　　　　　　　　 ↑政務を補佐　　　　　　　　 ┃
┃　　　 ┏━━━━━━━━━━━┓ 　　　┃
┃　　　 ┃ 泰盛・時定などの寄合衆 ┃　　　　┃
┃ 　　　┗━━━━━━━━━━━┛　　　 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
　　　　　　　　　　　　　↓命令を伝達。主導権は時宗グループが掌握
　　　　　┏━━━━━━━┓
　　　　　┃その他北条一門┃……協力体制は維持するが、上下関係は確定
　　　　　┗━━━━━━━┛
　　　　　　　　　　　╋
┏━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃　　　　　反得宗派名越グループ　　　　┃……極度に弱体化。対抗勢力としての能力が喪失
┗━━━━━━━━━━━━━━━━┛

このため、幕府において『時宗の専制体制が確立した』という事になります
502： ◆q/QapWeGMk：2014/06/03(火) 00:08:28 ID:UZ9bIQVI0: それぞれを血縁関係の濃淡と協力的であるかどうかを判別すると大体こんな感じです

　　　　　時宗の近親者
　　　　　　５　　┃
　　２　　　　　　┃
　　　　　　　　　┃　　　　　　　　非
協　　　　　　　┃　　　　　　　　協
力━━━━━╋━━━━━ 力
的　　　　　　　 ┃　　　　　　　　的
　　１　　　　　　┃
　　　　　　　　　┃
　　　　　　３　 ┃　　　　４
　　　　血縁関係が薄い
　　　　　　　　
　　　　　　　　
　　　　　　　　
１：政村
２：時定
３：名越時章
４：名越教時
５：北条時輔　　　　　　

番外編というか補足は以上になります
理解の助けになれば幸いです
503：名無しのやる夫だお：2014/06/03(火) 01:00:15 ID:P1lVQ.Zs0: 分かりやすいです
ありがとうございます
なるほど、体制側に反発した与党が野党と共に暴発って感じですか
引付を代行させられて怒ったんですかね？
それとも越権行為で勝手に職務を変えられたから？
評定衆の権力が増したように見えるんですが……
504：名無しのやる夫だお：2014/06/03(火) 01:02:21 ID:P1lVQ.Zs0: 評定衆の容認無く決定した事に対する怒りは分かりますが、
引付については単純にシステムの変更に反発したってことでしょうか
505： ◆q/QapWeGMk：2014/06/03(火) 01:10:50 ID:UZ9bIQVI0: 評定衆の仕事は「執権への助言」と「合議による政策決定」の二つであると言われています
要するに幕府の合議制意思決定機関なのですが、引付はあくまで「裁判の審査機関」でしかありません
格式も評定衆以下ですし、仕事の範囲も重要とはいえ狭いです
ですので、評定衆から見れば引付はあくまで奉行人の仕事であって間違っても評定衆という【幕府の頭脳】が行う仕事とは考えられていません

その仕事を評定衆が代行させられた上に、今まで評定衆が占めていた位置に新しく「伝奏」という組織を置いて評定衆の地位を下げてしまいました
これを評定衆にいた幕府の幹部たちは非常に不満に思ったと言われています
その上三年後に復活させた引付は構成要因が時宗グループ出身者で責任者を時村（政村の息子）にするという露骨な派閥人事を行っています
この事にも引付出身の幕府幹部であった名越一族が反発した原因であると推測されています
506：名無しのやる夫だお：2014/06/03(火) 01:21:31 ID:P1lVQ.Zs0: ありがとうございます
勝手に潰してくっつけた上、切り離して復活させる時には指も触れさせないとは、怒りを買うには十分ですな……
507：名無しのやる夫だお：2014/06/03(火) 07:07:54 ID:MRQJ2xMc0: 乙です
鎌倉幕府の法の支配への執着はスゴイよなあ……
508：名無しのやる夫だお：2014/06/03(火) 09:28:17 ID:3it.UUAI0: 鎌倉幕府自体、室町のように源氏の血を引く明確なトップはおらず
江戸幕府のように圧倒的な実力と実績を持ち合わせた事実上の王もいない
『有力者による寄り合い所帯』に過ぎないからこそ法の支配に拘るんでしょう。
509：名無しのやる夫だお：2014/06/03(火) 23:36:04 ID:/YnGxfik0: 乙です
文永10年か……イマイチ影の薄かった九州組が前面に出てくる頃かな
510：名無しのやる夫だお：2014/06/03(火) 23:38:08 ID:t8GJDSOQ0: >>496
親父の弟なら伯父じゃなくて叔父だよ

ちょうど梅松論スレのほうでも、北条の得宗問題をやってたな
511：名無しのやる夫だお：2014/07/01(火) 19:48:14 ID:lqOwoKts0: 源平～南北朝の頃まで、武士の闘争は地縁血縁が入り乱れて相関図を思い描くのが面倒くさい（ｗ
今より母系の血統も重視されていたから尚更。
しかも、姓と名前も似たり寄ったりだし。
分かり始めると一気に面白くなるんだけどね。
512： ◆q/QapWeGMk：2014/07/29(火) 00:39:12 ID:Ajk494fs0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼
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　　　　　　　　　　　　　　　　.　　＼＿___／
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投下予告いたします
土曜日の午後１８時前後から第六話「文永の役前日譚」を投下致します
513：名無しのやる夫だお：2014/07/29(火) 00:56:54 ID:aH6KU1/A0: wktk
514：名無しのやる夫だお：2014/07/30(水) 22:36:39 ID:8MHT5quo0: おかえり
SDガンダムなんて見るのここぐらいだし、楽しみにしてる
515： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 17:53:47 ID:.A8nCohA0: ものすごい直前になってしまいましたが、事前の予告通り本日１８時より第六話の投下を始めます
516： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 17:59:36 ID:.A8nCohA0: ――文永９年２月

　　　　　　　　　　　　　　　　／∨＼
　　　　　　　　　　 r､　／　　　　ヽ,
　　　　　　　　 i　 Y　　　　　　　　jヽｲ
　　　　　　　　　　 i　　 ,ｲ!　　　　　 ,ｲ　 i
　　　　　　 i ヽ,　　 ,j｡ '"　j　ｰ─‐一'’ 　 ,'
　　　　　　 i　　ﾍ'"　　　.ｲ　　　　　　　　ﾘ
　　　r,　　 j　　ｿ　　 "　　　 ,.ｨ'´￣￣　ヽ､　　＿
　　　} `'ィ’　　i　　　 {　　　　　　　　　　￣　 /
　　　 Ⅵﾊ　　 }　　　ﾍ　　　　j,.イ　　　　　ノ
　　　　}　ﾍ　　　､､　ヽ　　ソ　　　　　　　 `く
　　　　Ⅵ　　 ,＞''¨~￣ﾞﾞ''"~"~~~~´`'ゞ,　　　　`'ーｧ
　　　　 ∨,　 i'　　　　　　　　　　　　　ヽ,　　　　／
　　　　　∨　{　　,.ｨﾍ　',　　j'　 ,.ｨュ.,　　i　　　〉
　　　　 'r､i{　 ´¨ﾍﾍ.,_　､ _,.ィノ｀ｰ`　 ;}ｨ´｀!／
　　　　　　iﾍﾊ　 ,.-‐≧〈 ! ヾy´ ＞ｬ,　　ﾘ仁iﾑ
　　　　　 j くﾍ　｀´￣ >｀!　 'ｰ´,　　　 ,ﾊヒ,ﾘム
　　　　,.イﾍ　iﾑ　　　　 i　　　　　　　ﾊi'ﾗﾘ　ｨ｀'ｰｬ､
　　　,ｨ　　 ∧i ',　　　　 ,　　 __　　　 ,ij{ｲ　j　　　　　ヽ,_
　　r’ ∨　　　i　',,.ィ~｀'ｰ｀'´'~ 　 ,＞ｧ' i ﾍ,'　　　　　　　　{
　ｲ　　 ∨　　/　',ﾍヘﾆ二二￣　ﾘノリ　>'　　　　　　　 .ｲ
∧ 　　 ∨　'ヘ　ヽ､｀'ー─一'"　／／　　　　　　　／ i
　　　　　 ∨　　 >､　ゞ‐＞ﾆ＜,.ィ／j　　　　　　 ,. ＜　 {
　　　　　　∨　　/ ~''ﾍ,　　　　　 /　）　　　 ,. ＜　　　 .{
,　　　　　 ∨ /　　　∧ヘ,　　,ｲ　　j　 ,. ＜　　　　　　　 Y
　　　　　　　 ∨　　　　∧　ﾞ^ｲ　　　i!,ｲ　　　　　　　 i

政村主導のもと行われた粛清、二月騒動は幕府法による手回しもあって無事に鎮静化した

そして、政村の行動はこの時期に完全に途絶える
517：名無しのやる夫だお：2014/08/02(土) 17:59:52 ID:koYdJV8E0: ちょうぇぇ！？
518： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:00:44 ID:.A8nCohA0: 　　　　　. .:´:::::__::: . 　 .:: .:::::::::::::::::::::::::::: .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ::.ヽ
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　/.:／　　/:::;ｨ::::::::::::::::::|::l于ﾑ:::::::/:/　|::/彳_,r-'|::/:::::::::::::::::::::l:::|::::::::::::::
　|/　　　,.:::::/.l:::::::::::::::i::小'_刈1:::/|/　 |/　_辷心ｼ': .::::::::j::::::::::l:::|_:::::::::::::
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　　　　　　　　　　ﾊ::/'’　　　　　　,rf‐r‐ '´　　　　　′ ／　　　＼
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そして、その後の幕府において増えるのは執権、時宗の署名と

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　　　　　　　_,..!　 .',　 ,. -､l　l　　　　　　　　　　　　 |　 ., '　"´
　　　　　 _l´ ￣￣!.',,.'　　/_. '､　　　　　r- ､_ 　　 -' ／
　　　　,!´ `ー.､　 | ﾞ|　　i / ｀`｀-､　　　ヽ｀`''｀ヲ ,. '´
　　　i´ ー.､　　! ,.! ,.!　 .|/　 //　'､'.､　　　￣´／
　　　! -､　ヽ _l" .l　　　!　.,.',.'　　 /_ヽ, ＿ , '｀'r ､
-=''"l　　｀'ー'ｰ'　 '　　　!_/./　　 /　｀`ﾞ｀)　 ,.;'.' /
_.　＼＼　　　　　　　　丿-'ヽ _. /_　　　 /,,_// ./､_
､＼　＼,!:､　　　　　　/　　　　　'ｰ,｀ｰ- ,'っ!'､.,.'　　｀`' - ､_
､＼＼ .i　　　　　./　　ヽ　　　 !　　　'　!. ヽ｀｀'ヽ　　　　`'‐ ､_
. ＼＼,'　　　　　　 ,'　　　　ヽ　　',　　　　|　/　　　 'ー- ､　　 / `' ､
ヽ　`'/　　　　　 ,'.　　　　　　＼　'､　　　|./ 　　　　　 |　　'-.､//!

恩賞奉行、安達泰盛や寄合のメンバーである
519： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:02:20 ID:.A8nCohA0: ――そして、九州においては二人

　　　　／´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : }}: : : : :｀:ヽ､
　　ﾍ||: : : : : : : , :r ,=_'_‐_´_ ｀ '‐= JL: : : : : : : : ヽ
　 |: ||:||, - , = r´': /　,-, フ　｀ '_r‐>-､= -､: : : : : : }
　ﾍ: >/竺ヽ}: : : r　//:|´　r‐'´／　　　ヽ: : ヽ: : : /
　　ヽ{ !焦ﾝﾉ二 }　ﾉﾆﾉ .ﾉ　人　／_ノ　＼: :ﾍ:/
　　　{｀'‐'-´ ‐::´:｀´ﾉ人､ヽ　ﾍ　´ﾉ　　､　　ヽ-‐,ヘ､
　　　{／::´::::::::::::／{　・ヽ, ノ､‐｀/　｀i　　　　　/　　｀＼　　　　　　　これからは私も九州で指揮を執ることになります
　　 /:::::::::::, r ' ´ 　ﾍ　ノ　　　ヽ＿,,､ !､　　　/　　　　　　｀　､
　　/,::: r'i´ﾟﾉ　　　　｀　　　　　　　|　＼_　ノ　　　　　　　　　ﾍ: :＼　……よろしくお願いします
　　'´　 | ｀r　_ - ､　　　　　　 |　　／　　　　　　　　　　／: : : :
　　　　 .|　'ヽ　ﾜ '　　　　　　　　　 | ／　　　　　　　　　／ｸ: : : :
　　　　　|　　｀　　 _ , -― ' ‐_､　　ヽ､　　　　　_ , - ‐ ': : : : : : : :
　　　　　ﾍ　　r_'´- ‐　￣　　　　　 r｀ヽ､＜: : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　ノ　　ヽ＼: : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　　ﾍ　　　　　　　,　‐　´´ ￣￣ >==≧: : : : : : : : : : : :
　　　　　　　　 ' - -, ､r = ´ _, - ‐_, '''''／: : : : : : : ＼: : : : : : : : :
　　　　　　　　　 /‐=｀|　 r'´r―ﾂ ´ ~: : : : : : : :
　　　　　　　　　{-‐i　.|, -'―': : : : : ○: : : : : : :
　　　　　　　rﾉ´=´ノ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　　, r'r,´=＝´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :

鎮西奉行西方、大友頼泰と

　　　　　　　　　　　　　_,,..　 -―-　..,,_
　　　　　　　　　　. ＜　＿_　　　＼ヽ　l＞､
　　　　　　／-―ｧ'´　　｀　＜　l |ﾉ　　　>､
　　　　　　／　　∠´　　　　　　　　｀ ¨´￣ヽﾆﾊ
　　　　　/ 　／／　　　　　　　　　　ヽ｀|
　　　　 /ニ´　／　_ ＿　　　　　､　　　　　〈V
　　　イ{. -､　{　　　　,≧二ﾆ、￢ｰﾉ　 { ＿　　 l'
　　/ ／ﾍ　}　ヽ　　ﾍ　辷;;ﾉﾉｧｰﾆ,　冫二.`￢|
　　{〈　 rﾉ ,　　 ',　　 -― ''"　　 / i　〈ﾋ;;ｿ〉/
　 /{ハヽ. |　　l卜　ﾉ　　　／　　　|　　|ヽ　　〈　　執権殿から書状は届いておりますぞ
　{　ヽﾊヽj | 　 N　l　　　　 _, -〈_＿ヽ-/　　　/
./{　　} ｀ﾄ.ﾘ　　|　 |i　　／/￣　｀_ーくj　／l　　　既に都甲殿が大宰府に来ております故存分に談義なさってくだされ
{　ゝノ　 |ﾉj 　 :|　 |l　　＾⌒亡二´ー＼ﾊ /　 |
丶　}　r |　|　　|　 |　　　　､_　￣` ｰ'＾"ﾘ　　|
　 )'　_八　∨ l:|　　　　　　　　￣｢`ｰ　 / ///
_ノ　/　　＼∨ﾘ＼　　　　　　 }　　 / // ′
ー /　　　＼　　＼　　　　　ノ　　/ﾚ}/

同じく鎮西奉行東方、少弐資能の２名である

二人とも北九州における将軍執行代行の鎮西奉行に任命されていた。文永の役における実質的な指揮官はこの二人になる
520： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:03:31 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　／;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ヽ
　　　　　／;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i
　　　　／;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:1
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　　　 ,'|;:;:;:、;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:　..v,,n/ｙ'!┐　;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i　　　私たちも書状は受け取っています
　　　　いﾞﾊj 、;:;:;:;:;: / r｀'F‐’ 　 ` （,'〕;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ﾉ
　　　　　┤　ﾞ-r丿v/ﾞ′　　　　　　　ﾚ1;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:　 1　　　よろしくお願いますね
　　　　　ﾞ{＝∟ ｀┘ ..-'￣冖､、　　 ’ ∟;:.;:;:;:;:_....tＫ..'、
　　　　　 '1―ヽ　　　　／⌒゛i_　’　　　 `｛ユ=フ　 ..ｨ八卜....
　　　　　 iユ　　ﾞ､　　｝　　　 ')-..,,..ｨjメ"' ￣"　-'、） /　ﾞi　｀''''‐--
　　　　　 rヽ、　ｆ jコ7} 　　　｛゛ﾞﾞ'´　　ﾉ　　, ソＫ/.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
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豊後御家人（大友氏任国）筆頭都甲兼重

それ以外にも守護からではなく幕府から直接書状を受け取ることのできる御家人たちが多数存在した
521： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:04:00 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ | |
　　　　　　　　　　　ミ￣｀ヽ､,,ﾉ'''ノ'''/ ,/ﾉニ＝'
　　　　　　　　.＿ミ'　　　　| ﾄ､､　,,ノ ,//,,ノ,ﾆ''_ノj_,,　
　　　　　　　ﾐ : : : : 　　　　|〉｀l ）|/,,/ /　/三／彡'　　　＿　
　　　　　　　ミ::::::∠＿ミ--ﾉ　,,_,,彡_,ｲ_ノ￣ミ､ T　_,,ｨY彳⌒　　われらが少弐の風下に立つなど……
　　　　　　　｀l､_ト-‐''⌒三く {::::::::<三/ﾊＶミ＿ Lｲﾉ／
　　　　　　＿ノ / rj ｎ ,,;ｴ !:::::::::::: ヾ´ ﾉハ　　ﾉ::∠　　＿　　　考えられんことだな
　　　　　　＜二_ﾉ/ ﾄ'j 彡 l:::::::::::::::　　r'|,,ｲヽ:::::-､ﾞi /.......ﾞl
　　　　　　　ヽ--'ノト|ニ-､::::::::::::::::　 j　　Vﾄ､:::::::|,/ ::::::: ﾉ
　　　　　　　　ﾞﾗ＿ﾉ.|/ / ,､＼::::::::::　/:::＼,,-┴‐'_ハ＿_/
　　　　　　　　　　　 { 「　 V┴ﾍ:::::::::/:::::／＿,-//､＿_,,ト､_
　　　　　　　　　　　　Vヽ:　｀ヽ└,､'::::／r∠　く .{::::::::::: |┐.ﾞl
　　　　　　　　　　　　ゝ､＿__.}_,-ﾉ_:::|_/ノ　ヽ　＼ﾞー-ｲ,,l_　|｀ヽ
　　　　　　　　　 ,-─ｪ| {::::::,,-l／::::|::∠､: : :: ﾉ--､　　 /　　.ﾊ:::::|
　　　　　　　　／::／ハヽ__//:::::::::／: : ::}__,ｨ'､＿ﾉ　　/./｀V　.|::::|
　　　　　　_∠_／:::::::::::::,フｲ /　l´: : ::／|　|　|::::ヽ　 {_ﾞ=ノ／|:::}､
　　　　_∠　　|／::::::::／/　 |　　｀ーｲハ.l-ﾄ､ハ::::|／／ ,,ｲ |_|:/ﾉ
　　／　　　　|::::::::::/ /::::::,⊥＿__　|　ﾊヽヽ|:::::rﾆ､イ／:::| l　|Y
　 /　　 ,,-‐'':::｀ーｲ /_,,／/:::　　　ヽV::::::ﾊヽ＼{__ﾉ‐'´::::::::,ト|_j´
　j::::::::/::::::::::::::::::://|:::::::::::ﾉナ-､＿＿}::::::::::|.|:::::::::::￣￣￣|,L/
/　　/::::::::::::::::／: 〈〈::::::∠__}＿＿}:::::::∧:::::::||:::::::::::::::::::三」ﾞｰ'
ヽー'--､＿／|::::::::|.|:| {＿__}＿＿_::::::|＿:::::::||::::::::::::三＞ﾉ´
　　　　　　　 {三三|||:::::::::::}:::::::::::::::::::|　ﾄ::::::ヾ､三三ﾉ　|

彼らが、これからの１０年間を戦うことになる主人公たちとなる――
522： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:04:30 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼
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　　　　　　　　　　　【やる夫は元寇を戦い抜くようです】

　　　　　　　　　　　　　　　　文永の役前日譚
523： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:05:10 ID:.A8nCohA0: ――二月騒動以降、時宗を中枢に据えた新たな幕府は急速に対元戦争体制を整備しつつあった

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　　 /:::::::::.::: ::: ::: ::::::::::::i:: :: :: .:::::::::::::::::::::::::::::::::: :::　::::: : :::::i:::::::::::::i
　　,':::::/:::::::.::::.::: .::::i:::::::i:: : :: :: ::::::::|::::::::::::::::::::::: :::: :::::: ::.:::::i:::::::::::::l
.　/::::;ｲ:::::::::::::i::: ::::::|:::::::|::.:　:: ::::::::::!:::::i::::::::::::;ｨ:.::::: .:::::::::::::::|:::::::::::!|
　l:::::/|:::::i::::::::::l::::::::::!;::::::ﾄ;:::. :::.::::::::ﾊ:::::li::::::::/ |:::i:: :::::::::::::::::|､::::::::ﾘ
　l:::/ l::::::|::::::;::::l:::::::ﾑ;!::::|_ヽ::.::::::::::l l::::ﾑ:::::/＝}:j:::::::::|:::::::::::! ';::::|:|
　|/　.|::::::!::::::ヽ::';:::::|=ﾄ､:|ミヽ::::::::::l　!::|=|:/＝ｧ|/}::::/::::::::::::! ,j:::::ﾄ!
　′　l:::::!|:::::::::::i:::ﾄ､|_ヒﾍ!}｀ヽ::::::!　∨ !ﾊ-'´:::j/::/:::::::::::::i:ﾚ':i::::l　　　　┏───
　　　 l:::ﾊ:::::::::::i::::ヽ! 　￣　 ,ﾍ:::|　　　￣￣/:/|:::::::::::::::lj::::ﾊ::!　　　　│ 幕命を受けながらいまだに鎮西の領地に到着していない御家人がいます
　　　　|:l　';:::::::::|;:::::::',　　　　 '　ヽ!　　　　　 |/ /::::::::::::::;<|/ .ﾘ
　　　 !′ヽ::::::ﾊ::i:::::｀､　　　ヽ　　　　　　　　　l::::::::::/:/ :ﾄ､　　　　　　　はなはだ不忠です。すぐに鎮西へと赴きなさい│
　　　　　　　ヽ:::| ﾘ､::::::::|ヽ､　　 --;::....＿　　　,j:::::::;ｲ::j　ﾉ　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　───┛
　　　　　　ヽ! 　ﾍ::::::!　　＞,､　ー　　　, イ::::/　|/／　　＼
　　　　　　　　　　　ヽ:j , z'´　ﾍヽ､_ ,, 　'´　 |／　.／　　　　　　＼
　　　　　　　　　_,..-‐''7 /　　　ﾍ　　| } 　　　／　　　　　　　　/ 〉.､
　　_ 　-─　￣　　　// 　　　ﾍ　 ! l 　　／　　　　　　/ / 　｀
'´ 　　　　　　　　, イ ,'　　 .／〉　',　| |　／ , ､　　　　　　　　/ /
　　　　__　 -‐ ´ 　 ,' ,'　　／／　　∨j／　　＼＼　　　　 / /､
　-　￣　　　　　　　! ! .／／　　　　／　　　　　ヽヽ　　　　/ /　｀ヽ

承久の乱の際に九州に遠隔地の所領を獲得した御家人たちに対する九州移住令は実行具合が芳しくなかったため

時宗の署名入りの追加法が発布され再度の移住が実行されたのは好例だろう
524： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:05:56 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　 ,.ィ　,.ィ
.　　　　　　　 ,ｨ／　 '´　 !／ﾚi
　　　　　 /　　　　　　　　′ﾚi
.　　　　 jﾞ ,.ﾍ、　／＼　　　 !
　　　　　 |/　　 ¨´ 　　ヽ　　│
　　　　ﾚ_ニュ　 r'ﾆﾆヽ〉　 !
　　　　　 l =＝｡、　＝｡= :|∩　!
　　　　　　| `zzr' 　ｚｚｚ'　||tﾘ .|　　　守護だからって命令聞かないのは許してくれそうにないしな
.　　　　　　l　　L -`　 ┌ :lﾚ′j
.　　　　　ｌ　⊂ﾆニ⊃　.ﾊ.　ハ
.　　　　　ﾊ　, ,ー, , ,. '/　ｌ ./: :ヾ''ｰ-
　　_,,　-‐''7 :ヽ＿＿＿/ 　 l/: : : :!: : : :
￣ : : : : : ,' : : : |:::::::::::　　　 |: : : : :|: : : :
: : : : : : :.:i: : : : :L._　　　＿_｣.: : : : :| : : :
: : : : : : :.l : : : : ﾄ､_｀　'´ _,ノ| : : : : :| : : :
: : : : : : :| : : : : |;';';';'￣;';';';';'|:.: : : : :| : : :
.: : : : : :.| : : : : l;';';';';';';';';';';';'|: : : : : :|: : :

この書状を受け、有力守護千葉頼胤は自身の守護職を返上

肥前の千葉氏領へと移住し。肥前千葉氏を創設することになる

　　　　／´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : }}: : : : :｀:ヽ､
　　ﾍ||: : : : : : : , :r ,=_'_‐_´_ ｀ '‐= JL: : : : : : : : ヽ
　 |: ||:||, - , = r´': /　,-, フ　｀ '_r‐>-､= -､: : : : : : }
　ﾍ: >/竺ヽ}: : : r　//:|´　r‐'´／　　　ヽ: : ヽ: : : /
　　ヽ{ !焦ﾝﾉ二 }　ﾉﾆﾉ .ﾉ　人　／_ノ　＼: :ﾍ:/
　　　{｀'‐'-´ ‐::´:｀´ﾉ人､ヽ　ﾍ　´ﾉ　　､　　ヽ-‐,ヘ､
　　　{／::´::::::::::::／{　・ヽ, ノ､‐｀/　｀i　　　　　/　　｀＼　　　　　　「我々の裁量で御家人を動員して警備しろ」か……
　　 /:::::::::::, r ' ´ 　ﾍ　ノ　　　ヽ＿,,､ !､　　　/　　　　　　｀　､
　　/,::: r'i´ﾟﾉ　　　　｀　　　　　　　|　＼_　ノ　　　　　　　　　ﾍ: :＼
　　'´　 | ｀r　_ - ､　　　　　　 |　　／　　　　　　　　　　／: : : :
　　　　 .|　'ヽ　ﾜ '　　　　　　　　　 | ／　　　　　　　　　／ｸ: : : :
　　　　　|　　｀　　 _ , -― ' ‐_､　　ヽ､　　　　　_ , - ‐ ': : : : : : : :
　　　　　ﾍ　　r_'´- ‐　￣　　　　　 r｀ヽ､＜: : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　ノ　　ヽ＼: : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　　ﾍ　　　　　　　,　‐　´´ ￣￣ >==≧: : : : : : : : : : : :
　　　　　　　　 ' - -, ､r = ´ _, - ‐_, '''''／: : : : : : : ＼: : : : : : : : :
　　　　　　　　　 /‐=｀|　 r'´r―ﾂ ´ ~: : : : : : : :
　　　　　　　　　{-‐i　.|, -'―': : : : : ○: : : : : : :
　　　　　　　rﾉ´=´ノ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　　, r'r,´=＝´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :

また、九州で沿岸警備に当たっている鎮西奉行にも書状を送付
525： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:06:38 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　　　　_,,..　 -―-　..,,_
　　　　　　　　　　. ＜　＿_　　　＼ヽ　l＞､
　　　　　　／-―ｧ'´　　｀　＜　l |ﾉ　　　>､
　　　　　　／　　∠´　　　　　　　　｀ ¨´￣ヽﾆﾊ
　　　　　/ 　／／　　　　　　　　　　ヽ｀|
　　　　 /ニ´　／　_ ＿　　　　　､　　　　　〈V
　　　イ{. -､　{　　　　,≧二ﾆ、￢ｰﾉ　 { ＿　　 l'
　　/ ／ﾍ　}　ヽ　　ﾍ　辷;;ﾉﾉｧｰﾆ,　冫二.`￢|
　　{〈　 rﾉ ,　　 ',　　 -― ''"　　 / i　〈ﾋ;;ｿ〉/
　 /{ハヽ. |　　l卜　ﾉ　　　／　　　|　　|ヽ　　〈　　なるほど、執権殿も此度は本気といったところですな
　{　ヽﾊヽj | 　 N　l　　　　 _, -〈_＿ヽ-/　　　/
./{　　} ｀ﾄ.ﾘ　　|　 |i　　／/￣　｀_ーくj　／l　　
{　ゝノ　 |ﾉj 　 :|　 |l　　＾⌒亡二´ー＼ﾊ /　 |
丶　}　r |　|　　|　 |　　　　､_　￣` ｰ'＾"ﾘ　　|
　 )'　_八　∨ l:|　　　　　　　　￣｢`ｰ　 / ///
_ノ　/　　＼∨ﾘ＼　　　　　　 }　　 / // ′
ー /　　　＼　　＼　　　　　ノ　　/ﾚ}/

着任して動員が可能な御家人に廻文（回覧板的なもの。命令を承諾したら署名させて別の御家人に渡す）を

守護に筆頭の署名をさせて九州各地の御家人に閲覧させた

――そしてもう一つ

　　　 /:::/／:::! /-=､　,//　u　/ _,,.-ゝ. 「ヽ　l　　　　! , l
　　 /::_;イ-‐=ﾚ'＝＝ミ"　　　'∠-=＝ヽl＝ヽlヽ　ﾚ'ﾚV　　　　┏───
　／::::::::..、　ｏ　　　,≡:::::::〈､　　ｏ　　 ,　　:|│ ﾘ　'　　　　　 │本所一円地の住人も参戦させよ│
　::::::::::::::::: ` ｰ--‐ '´三 :::::::::ヽ`::ｰ-‐:'.´　　 |│ l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　───┛
　:::::::::::::::　　　　ニニ　 ::::::::::::::ヽ:::::::::　U　　|│ !　
　:::::::::::::::U　￣￣　　　U::::::::::::::::ヽ:::　u　　 |│ .l　　　　　　　……この命令が通るなら俺も参戦できる！
　::::::::::::::::　　　U　　 r‐:::::::::::::::::::::ヽ.　　　 Lﾉ　 |
526： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:07:32 ID:.A8nCohA0: 　　 /:,ィ::::/:::/:::!:::/　／ ,>:､ヽ::､　ヽ、:::::::::::::::l
.　 // /::/:::::l:::/l:/、　,.:'／｡￣,｀` 　 !::r- ､::::::!
　/'　,'::/|::::/|,'＞｡y　ﾞ<ゝ-‐'´　　　|::|　l }::::::l
　　　i'´ |:/　ﾍ`／　　　　　　　　|::| ﾉﾉ:::::::ヽ　　　　　　俺が！
　　　　i'　 ∠. _　 - 　 _,.．-､　　 |::ﾚ'::::::::::!:::::＼
　　　　　　　　ヽ｀rr'ﾆ´ｰ'￣´ ヽ　　!:|::::::::::::ト､:::::::ヽ、　　　この竹崎季長がもう一度御家人になる起死回生の一戦に！
　　　　　　　　　ヽヾ　　__‐,'ﾆ､｀〉　/'!::::::::::::|　｀ヽ-､_ヽ＿
　　　　　　　　　　ﾍヽﾆ'-‐'―''´ 　/　!::::::::::::|　　ヽ. ヾ　　￣｀
　　　　　　　　　　　ヽ　-‐‐ 　　／　 l:::::::::::::l　　　　∨
　　　　　　　　　　　　〉、　　／　　　|:::::::::::::l　　　　､
　　　　　　　　　　　 ,/:::;ﾍ／ ,､　　　!::::::::::::j　　　　ヽ
　　　　　　　　　,．'´ !::::l::::::￣l/ iヽ　,'::::;ｲ::/|　　　　　　　ヽ.
　　　　　　　／　 /|:::::!:::::::/ 　　　 /ｲ/ |/　!　　　　　　　　l
　　　　　／　　 / l:::/!:::ﾊi　　　　　ﾉ' 　' 　 !　　　　　　　!
肥前及び筑前付近の御家人　竹崎季長

参戦する権利、軍役付加の対象地を消失しているはずの「無足御家人」

そもそも幕府の命令系統に属していない「本所一円地（御家人のいない領地）の住人」への動員計画の発令

　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　, ヘｰ‐- ､　　　／ヽ　／　＼
　 -‐ノ .ヘー‐-ｨ　　／（●.）　（● ）ヽ
　''"/／ヽｰ､　ﾉ .／:::⌒（__人__）⌒::::::ヽ　　この大難の前には御家人であるのかどうかなんて
　 /／＾＼　ヾ-､.|　　　　|r┬-|　　　　 |
,ノ　ヽ,_　ヽノヽ_)＼　　　`ー'´　　　／　　ささいなことだお！
/　　 <＾_,.ｲ `r‐'ﾞ ::::ヽー‐-..､　　,..-‐|、
＼＿＿_,／|　 !　　::::::l、:.:.:.:.:.ヽ /:.:.:.:.| ＼

日本国内で軍事動員できそうな人員は全て動員するというような内訳だったのだが……
527： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:08:07 ID:.A8nCohA0: 　　　　　＿＿＿_
　　　　／―　　―＼
　　／　　⌒　　 ⌒ ＼　　　やっぱ御家人か無足でも御家人じゃなきゃだめだわこれ
　／　　　　_ﾉ､_! ヽ　　＼
　|　　　　　ﾄｪｪｪｲ　　　 |
　＼　　　　ヽニｿ　　／

実際はそんなうまくいっていなかったりする

　　 ∧＿,.,.
　r'（　・∀・）
　| /::::::ハ:::i　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧　　　 ∧ 　　　∧　　　 ∧　　　 ∧　　　 ∧
　| ｀─､:::､::ヽ　　　　　　　　　　　　 [::::::::::∨[:::::::::::∨[:::::::::::∨[:::::::::::∨[:::::::::::∨[:::::::::::∨
　||´￣||＿）__）　　　　　　　　　　　　　（・∀・|| （・∀・|| （・∀・|| （・∀・|| （・∀・|| （・∀・ || ）
￣￣￣|￣￣￣￣￣￣￣￣|　　　　〈_j:Y:::iＯ〈_j:Y:::iＯ〈_j:Y:::iＯ〈_j:Y::iＯ〈_j:Y:::iＯ〈_j:Ｙ:::Ｏ:〉
￣￣￣￣|￣￣￣￣￣￣￣￣|　　　　l::::,:::::||:l l::::,:::::||:l l::::,:::::||:l l::::,:::::||:l l::::,:::::||:l　l:::::,::::||::l
￣￣￣￣￣|￣￣￣￣￣￣￣￣|　　（＿ﾊ_||_（＿ﾊ_||_（＿ﾊ_||_（＿ﾊ_||_（＿ﾊ_||　（＿ﾊ_||_,）
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

中世、警察業務を行う人々は基本的に領主か領主でないにしてもそれなりに権威のある団体に所属している場合が多い
528： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:08:34 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　　　 ∧∧　　　　∧___∧　　　　 ∧＿∧
　　　　　　　　　　　　　 (,,ﾟДﾟ)　　　　（ ´∀｀）　　　（・∀・ ,,）
　　　　　　　　　　 (i　　i)　　　（　　　）　　（　　　　）
　　　　　　　　　　　　　～|　　|.　　　　 i　　　i　　　　 |　｜｜
　　　　　　　　　　　　　　　し`Ｊ　　　（,__,ﾊ,__,）　　（＿（_＿）

御家人は幕府に所属してるし、下司（警察業務を行う荘官）は領家の管理下にある

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧,..,.　　　　　 ∧∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　('(ﾟＯﾟ#)　　　　　と(；ﾟＯﾟ)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__ﾊﾊと i:i:i　　　　__ﾊﾊと i:i:i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　('＿ﾟ　ﾐヽ,,,ヽ～　('＿ﾟ　ﾐヽ,,,ヽ～
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ "Ｕ´）ミ　　　ヽ "Ｕ´）ミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 <^||￣<　　　　　　<^||￣<
　　　　　 ∧∧　　　　 ∧∧　　　　 ∧∧　　　　 ∧∧　　　　　　　　　　 ∧∧　　　∧∧　　 ∧∧
　　 /＼(ﾟ- ﾟ；)　　/＼(ﾟ- ﾟ；)　 /＼(ﾟ- ﾟ；)　 /＼(ﾟ- ﾟ；)　　　　　　　　　　(ﾟ- ﾟ；)　　 (ﾟ- ﾟ；)　　(ﾟ- ﾟ；)
　　<l―≪と )　∧∧‐≪と ∧∧‐≪と ∧∧‐≪と ∧∧　＜＞)))━＜＞)))━＜＞)))━＜＞)))━━
　　ヽ／(,,/＼(ﾟ- ﾟ；)　/＼(ﾟ- ﾟ；)　/＼(ﾟ- ﾟ；)　/＼(ﾟ- ﾟ；)　　　　　　　　 | 　 ,,）∧∧　　　∧∧　　 ∧
　　　　　　<l―≪と )　∧∧‐≪と ∧∧‐≪と ∧∧‐≪と ∧∧　　　　　し'｀Ｊ(ﾟ- ﾟ；)　　 (ﾟ- ﾟ；)　　(ﾟ
　　　　　　ヽ／(,,/＼(ﾟ- ﾟ；)　/＼(ﾟ- ﾟ；)　/＼(ﾟ- ﾟ；)　/＼(ﾟ- ﾟ；)　＜＞)))━＜＞)))━＜＞)))━＜＞
　　　　　　　　　　<l―≪と )　∧∧‐≪と ∧∧‐≪と ∧∧‐≪と ∧∧　　　　　| 　 ,,）～~　　∧∧
　　　　　　　　　　ヽ／(,,/＼(ﾟ- ﾟ；)　/＼(ﾟ- ﾟ；)　/＼(ﾟ- ﾟ；)　/＼(ﾟ- ﾟ；)　　　し'｀Ｊ　　　　 (ﾟ- ﾟ；)
　　　　　　　　　　　　　　<l―≪と )　∧∧‐≪と ∧∧‐≪と ∧∧‐≪と ∧∧　＜＞)))━＜＞)))━＜
　　　　　　　　　　　　　　ヽ／(,,/＼(ﾟ- ﾟ；)　/＼(ﾟ- ﾟ；)　/＼(ﾟ- ﾟ；)　/＼(ﾟ- ﾟ；)　　　　　　　 | 　 ,,）～~
　　　　　　　　　　　　　　　　　　<l―≪と ) <l―≪と )　<l―≪と ) <l―≪と )　　　　　　し'｀Ｊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ／(,,_つ　ヽ／(,,_つ　ヽ／(,,_つ　ヽ／(,,_つ

だが、実際に戦闘を行えるレベルでの軍備を備えている荘園では、下司が任命されずにそのまま地頭が業務を行っている場合が多い

わざわざ荘園に内乱を持ちこみたくない領家側が下司職を廃止したり、そもそも下司職を持っていた者達が地頭になっているからである

では、実際にこの「御家人以外」の招集命令に従ったのはどんな勢力か
529： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:09:18 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　 ∧∧　　　∧∧　　 ∧∧　　　∧∧
　　　　　　　　(ﾟ- ﾟ；)　　 (ﾟ- ﾟ；)　　(ﾟ- ﾟ；)　　(ﾟ- ﾟ；)
　＜＞)))━＜＞)))━＜＞)))━＜＞)))━━Ｏ━と )━
　　　　　　　　　　　　　　 ∧∧　　　∧∧　　 ∧∧　　　∧∧
　　　　　　　　　　　　　　(ﾟ- ﾟ；)　　 (ﾟ- ﾟ；)　　(ﾟ- ﾟ；)　　(ﾟ- ﾟ；)
　　　　　　　＜＞)))━＜＞)))━＜＞)))━＜＞)))━━Ｏ━と )━

第一に地頭が設置されていない荘園の警察業務遂行者

所謂下司である

　　　　　　ｒ､
　　　　　　 |　＼
ｰ―-､　____|＿　ヽ_
　　　´　　　　　　｀ヽ.
＼/　　　　　　　　　　　:,
　i'　　　　 -―　　　‐-　i　　え？いやうちは地頭職持ってるから
　l　　し　　　　　　　　l
　ゝ､　　　　　　rっ　　/　　国に下司しかない荘園がいくつあるかって？
／⌒　　　　,.-ｰ-､___,ノ^)
　　　　　　　｀⌒ｨ　　　〈　　……さぁ？
　　　　　　　　　ﾞｰ--､　＼

だが、この下司の数は少ない

九州にしても関東にしても荘園が広大すぎるため、そもそもの荘官の絶対数が少ない。その上――
530： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:10:01 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノヽ)）ヽ,,rｰrヽ,, ,,ﾉi
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾉ~'tiii"（t　i}}|j　　　　　"　"ﾂヽ|t
　　　　　　　　　　　　　　　iヽ/ﾂii|}}从､}iii)''ijﾘﾘ}　､　　　　　ﾉﾂﾘ､
　　　　　　　　　　　　　　　ii}}y"}!､iii､'';/r"t}}}（iij,yiiヽ-ﾘヽii}j､,,　"ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　t,｀､i､}ヽ''ii）;;|iMtヽ''" ｀" ﾉ　""ノﾉﾉjjり ''ﾌ
　　　　　　　　　　　　　､)" ミ;;,,t､ti;i､ t;;､､）)ﾘiﾉﾂノ／""''彡"彡ョ
　　　　　　　　　　　　　　i､｀''i ;;;;:::ijj}､｀';;;;;;'"":::;;;'"　,,,,　　廴r''ﾂ r'
　　　　　　　　　　　　　 't､ ;;;､ t;; ::;;;｀;;;;;;;;;;|}:::'"::;;'"ii"　　､迄彡ﾉﾂ
　　　　　　　　　　　　　　ヽ, ;) (|;;ヽ;;､;;;;;;;;;ﾉ':::i:::;'":::';;"　　::'≡　" ﾉ　　　　島津庄の強者共よ！
　　　　　　　　　　　　　　 'i ,;i,,､;;､､,;; ;;;;､;;;i'i},,ir')ノ,,,,,,,,___　:::ミ≡:r'i
　　　　　　　　　　　　　　　t ;t;;iitｰﾐｩﾃ;;､刈ｼ='r'-ﾐｭｫヲｦ　 ')'''/'|:|　　　　幕命が下った！
　　　　　　　　　　　　　　　 '',､,i'"｀￣"::::了 j''"｀￣:::::"　　 ;;ﾘ/)ﾘ/i　　　　　　　,,
.　　　　　　　　　　　　　　　　t､i'::::　　:::::::| ,'　 j""　　　　 :::ﾘ'､/ｲ'(,, ､､ -ｰ '",､　~ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽt::::::: :::::t,,ハ　,､)　　　　;;;;:::i-ｰ'"t)）::::: ..;､-'",, "　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　i;t :::::::::::~'- '":"　　　了 ,i;;;;:::　 t:::;､-'"　'"　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　 ,,, ､ - ｰt;ヽ ::::::::;;､､､:::,,,　　　;;'" /;;;;:::　,､'":::::彡
　　　　　　　　　 ,,､- ''":::::::::::::::::::t:;ヽ :::::":::::::::::::｀'　 /　, ';;;;;;;r''":::::::...
　　　　　　 ,,､-'"::::::::::::::::::::::::::::::::::t::;;ヽ ;;;:::::::::　　　 "／;;;;／::::::::::
　　　,,､- '"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::t:::;;;ヽ　:::::::::::: 　､';;;;;r'"::::::::
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./　 ;;;;;;;;;;､ -ｰｰ ''''' """ '''' ｰ,-ｰ''''::":::::::::::::::::::::::::::::::::::::
"""　　　　　　　　　　ｰﾆ"､,,,,,,,,＿:::,,,,,,,,,:::＿＿,,,､ -ｰ'"
島津庄地頭・薩摩国守護　島津久経

国をまたぐような超が付く大規模な荘園の地頭は守護を兼任しているのがほとんど常識と言っていい状態であった

つまり、九州で御家人でない軍事能力を持つ荘官の数など高が知れていたのだ

では、御家人でなく荘官でもないで武士団と共同歩調が取れる可能性のある軍事力となると――
531： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:10:59 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-─- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　,.ｯ;:"　　ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ト　　ﾗ'"　　 -､}　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l= /　=-　　ﾚ /　　 }､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { /　　　　　　ﾉ　　/　 }､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄｔ _-､　　　/! 　 /　 /　}＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉi ヽ　　　 /　　　 /　/i 　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.　'´　 !　｀ｒ'"´ノ　　　　 i　 / |　　　i
　　　　　　　　　　　　　　　 /　 |　　 }　ヽ/　　　　　/　/ /|　　　 l
　　　　　　　　　　　　　 /　　 l.　　 i 　 /　　　　／　/ ./ .l　|/ 　 l
　　　　　　　　　　　　　／　　 l　　ヽ /　　　／　.／／　 !ノ　　　 l
　　　　　　　　　　　／　ｉ　　　 !__＿／ミ)'´　／／　　 | ＿_,ノ　 l
　　　　　　　　　／　　　｀＞'´　(／,ノ ′ ／／　　　,　'´　　　　 l
　　　　　　　　　　　　／/ 　　 |　ｒ　ｒ─ ､＿＿／<´￣｀ヽ.　　 l
　　　　　　　　　　　　　 / ./　　　　|　|　　{　　　　}}　　ヽ　ヽ、　＼　 |
　　　　　　　　　　 / ./　　　　ｌ　ｌ　　｀ー ´「 |　　　l　　 !　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　／／　　　　 /　/　　　　　　l. | 　　 !　　ヽ　　　　 |

仏閣が保有する兵力。つまり僧兵ということになる

だが、この仏閣の軍事力というものもおおいに問題を内包していた

　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　／　ノ　ヽ＼
　　　　／　（○）}liil{（○）
　　　／　　　　　（__人__）ヽ　　　神社の連中うぜぇぇぇぇぇっ！
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　　　＼　　　　 lｪｪｪl　／
　　　　/　　　　　　　　　ヽ
　　　しヽ　　　　　　　ﾄ､ﾉ
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　　　　　 !___ノ´　ヽ__丿

御家人と仏閣の仲はあまりよろしくない場合が多かったのだ
532： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:11:32 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　／ノ　ヽ､_＼　　　　r ⌒j
　　　　　　／（ ○）}liil{（○）＼　　/ 　 /
　　　　／　　　（__人__）　　＼/ 　 / 　　／　）　　輸入品の分配は大宰府の仕事だお！
　　　　|　　　　　|i|||||||i|　　　/　　/　／　／
　　　　＼　　　|ｪｪｪｪ| 　　 /　　'` ´ 　／
　　　　　　r´　　(⌒'ー―- イ′　　　　　´廴
　　　　　/　　　＞、　　　　　ヽ　　　　 _　￣￣￣)
　　　　/　　　　　　 -､　　　　 } 　　　　(　￣¨´
　　　/　　　　　　　　　ヽ._　　　　　　　__　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　｀　　　--‐'´　｀ﾞ' 、_.)

古代は朝廷が主導して行っていた大陸物産の輸入だが、鎌倉中期に入るとその輸入独占体制が弛緩

民間貿易の勃興と共に物産の輸入も活発化した

結果として、輸入品（唐物）を独占して流通させていた大宰府勢力は経済的な打撃を受けることになった

.　　　　 .　-‐…・・・・…‐-　.
　　　ｉ｛　　　　　　　　｝i
　　　 | ｀　　‐------‐.:.:.:.:.´ |
　　　 |:　　　　 . : : .:.:.:.:.:.:.:.: |
　　　 | 　　　 . : : : .:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　　　､　　 . . : : : ..:.:.:.:.:.:.:.:.: /
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. 　　　　｀'┬───┬'"
　　　　　　｀¨¨¨¨¨¨´

特に、文永年間に入ると京都では本格的な銭貨流通が開始

輸入品は濃尾平野で産出される絹と共に京都市場の花形商品として扱われることになる
533： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:12:17 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-─- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　,.ｯ;:"　　ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ト　　ﾗ'"　　 -､}　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l= /　=-　　ﾚ /　　 }､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { /　　　　　　ﾉ　　/　 }､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄｔ _-､　　　/! 　 /　 /　}＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉi ヽ　　　 /　　　 /　/i 　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.　'´　 !　｀ｒ'"´ノ　　　　 i　 / |　　　i
　　　　　　　　　　　　　　　 /　 |　　 }　ヽ/　　　　　/　/ /|　　　 l
　　　　　　　　　　　　　 /　　 l.　　 i 　 /　　　　／　/ ./ .l　|/ 　 l
　　　　　　　　　　　　　／　　 l　　ヽ /　　　／　.／／　 !ノ　　　 l
　　　　　　　　　　　／　ｉ　　　 !__＿／ミ)'´　／／　　 | ＿_,ノ　 l
　　　　　　　　　／　　　｀＞'´　(／,ノ ′ ／／　　　,　'´　　　　 l
　　　　　　　　　　　　／/ 　　 |　ｒ　ｒ─ ､＿＿／<´￣｀ヽ.　　 l
　　　　　　　　　　　　　 / ./　　　　|　|　　{　　　　}}　　ヽ　ヽ、　＼　 |
　　　　　　　　　　 / ./　　　　ｌ　ｌ　　｀ー ´「 |　　　l　　 !　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　／／　　　　 /　/　　　　　　l. | 　　 !　　ヽ　　　　 |

一部の寺院が服飾品費の名目で銭貨を給料として支給するようになるのもやはりこの時期からである

　　　　　　　　　　　　 _,,..-―‐-..,,_
　　　　　　　　　　　　 ,,-''"　　　　　　　｀ヽ、
　　　　　　　　　　　／　　　　　　　 l|　＼
　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　 U　　.ヽ
　　　　　　　 ,'　　　　　　　 l　　　　　　　ヽ　　　　おかしいお……輸入品の販売でもっと儲けが出るはずだお
　　　　　　　　　 l　＿＿＿＿l　　ヽ-―‐tｲ''"´　 ',‐-、
　　　　　　　,-''"|　　　　｀′　　　　｀′ .〃 .lヽ .'.,
　　　　　　　| l'´.',　　≡≡／　　　ヽ≡≡彡　,'　ヽヽ_
　　　　　　 / |　 .'., 　　　（　　　 .,、　　）　　　 /　 .／　ヽ、
　　　　　/　＼　ヽ、　　｀￣ ´ ｀￣´　　　／　／　　_,,..-'
　　　　 {　　　｀''-‐"ヽ-..,,__　　　　　 __.／￣￣´ .,,..イ　∨
　　　　　 /.T ‐-..__　　　＿.ヽ￣￣￣／,..-――‐'"　/　　∨
　　　　r┘　',.　　　￣￣　〈￣＼ .／イ´　　　　　　 /　/　 ∨
　　　　| ヽ-、',　　　　　　　/　　　　　 .ヽ　　　　　　/／　　　∨
　　　./　ヽヽ .',　　　　　ロ　　　　　　　｀ロヽ、　/　　　　　 .∨
　　 /　　、＿_ ', _/　　　　　　　　　　　　　　　＼|　　　　L__　∨

今まで以上の収入が認められたはずの唐物輸入が目論見ほどの価値を出しづらくなってきていたのだ
534： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:12:56 ID:.A8nCohA0: そして、この輸入品で大きな利益を出し始めていた経済団体は

　　　　　　　　　　　　　ヽ＿　　-―　＿｀{ゝ｀　―-　　　　　 //
　　　　　　　　　　　　<<´　　　　　　　-‐......￣:::::::::::::::::::::｀ヽ　　 //、
　　　　　　　　　　　　　ヾ､　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼｣/、ﾍ
　　　　　　　　　　　　　 /l l__ ／:::::::::::::::::::::::ハﾊ::ヽ::::::::::::::::::::::ヽ　＼!
　　　　　　　　　　 /::::`/´./:::::::l::::/:__,::::|: :||: :l､__l:::ﾊヽ:::::::::::::i＼　ヽ
　　　　　　　　　　　 /::::::/　/l:::::::┼'丁::ハl: :∥ |:::::l丁トi::::::::::::::l:::::l 　 l
　　　　　　　　 /::::::/　/:::!::::::::::/-＝- 、: :l: : , =＝=-､::::::!::/:::::| 　 |　　儲かるわぁ……
　　　　　　　　　　 /::::::/　/::l:::l:::::::ｨ'　i´n｀! : : :: : : i´n｀!　!:::::::l/:l::l:::! 　 |
　　　　　　　 /::::::/　/:::::| ﾊ:::::::l　'⌒　　　　　　 ⌒`　|::::::ハl::i:::| 　 l　　輸入口利きむっちゃ儲かるわぁ
　　　　　　　　　 /／/　/:::::::::|'::::!:::::!　　　　　 '　　_,ｨ＾　　i⌒!:::::|:::/　 /
　　　　　　　　 ' ／　/::::|:::::::|:::::!⌒!　　 `=ﾆ二￣_ノ　　　|　 |:::::!:l::ヽ/
　　　　　　　　　 l＿ {´::::∥:/:|::l::|　 |ヽ　　　　　　　／ﾄ=ｲ::::l::l:::/
　　　　　　　　　　　l::l:::l::::ll/ヽl::l::ﾄ=ｲ:::::＞　＿　＿　＜:/::|:::::|:l:::/l/
　　　　　　　　　　　|八|ヽ| 　 lﾊﾉ!::::l ヽlヽl､:}　　　　{:::/l/l:/!:::::!:l/　　　　　, -,_
　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ'l::::l　-‐ '´＼　　／｀' ‐- l:::::l、　r ､-､／／＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 r'l::::l ゞ､　　 ,, >-< ､　　ﾞ(´l|::::l l r ヽヽ l '＼／／
　　　　　　　　　　　　　　　　 l　l:::l ｀ゞ､r／`{ y}'＼､ﾞ(´　l|::::l(｀ヽ　　_ l　／＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　l:::l　｀´ 　/ /ﾊ＼｀´　 l ／}　　r　／　＼／／
　　　　　　　　　　　 ┌--┴ ヽ! 　　 / //　　＼　／／ヽ´　 /||　／＼　＼
　　　　　　　　　　　　 j= 　==　=|　　ノ //　　l!　／／l'´ ヽヽ/　||　＼／､／
　　　　　　　　　　　　　 {　 , -=＝=､　｀く/　r-､l／／ ´ l 　　ヽヽ ||　／＼'　＼
　　　　　　　　　　　　　 j／/´￣｀ヽj　　　'⌒ ／／　　 lヽ　　ヽ｣　＼／､／

何を隠そう博多の大規模寺院である

　　　　　　　　　　　 _f_
　　　　　　　 r _,.　 ''"）_,,)｀''　､、r
　　　　　 ,ｬ‐-､　 .ｬ‐-.､　　､‐-､
　　　 ,r ,' ﾘ,,...,,!　　ﾘ,,,...,,!　　,ﾉ,,..,ﾘヽ
　　 pヽll' λ¨¨ﾞﾞ'! λ￣~ヽ. λ¨'''ﾊ　ヽ　,
　　　ｌ.ﾉ_llヽ.,!_,,,,_ﾉ ,'ﾉ__,,,,,_ﾉ..,'ノ＿,,ﾉ　,／
　　　ヾ,,___｀~~¨¨'',''ﾍ,,_||＿_,'_,r‐'‐ｭ,／）二)
　　　 iｪｪｪｪ'　＝=　,,, ,,,,　=＝　ｪェ''ﾃ'''~
　　　　 lゝ.,,,,＿＿＿＿＿＿＿_,,,,ノ/

民間の輸入業者といっても裸一貫で始められるわけではない

様々な機材と人員、そして船を管理する資産を保有しなければならない
535： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:13:38 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　♪　　　　　　　　,.-r､.
　　　 r'7ｰ-..､　　　　 _,.,,_ 　　　／::::::ヽ!､
　　　//::::::::::::｀ヽ､ ,.:'´:::::::｀ヽ／:::::::::::::::::Yi
　　　{ !::::::::::::::::::::;＞'''"´￣　｀"''＜:;::::::::::!」
　　　}.!:::::::::;ゝ'"´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ;::::!_!
　　「/::::::;:':::;::::::::;::::::::::;:::::::;:::::';::::ヽ.:::::::::Y_/
　　　｀ヽ/:::::;':::::/::!:::::::;!::::::ﾊ::::_!_:::::!::::::!:::!､
♪　　 /;'::::::i::::;'::/!-‐/!:::_」ﾚ'_」_｀ﾊ_ﾚ'::::!:::ヽ.
　　　/::i:::::::::i::::i/,.'-‐-´ 　　´　　｀!__!）:::ﾊ:::::::〉､　　　輸入は一年がかりの仕事だから大変でしょ？
　 ,rく::::ﾊ;:::/!_;ﾊ ,.,.　　　 __　　""i::::|::;ｲ:::';:::/ﾝ'
　｀'ﾐ_ｺ_;ヽi´::!_,i'､　　 l'´ 　｀;　,.:'!::::!:::!-r'ｱ´　i　　　配下に下るなら面倒見てあげるわよ
　　　　/::::::;'::i::::!:/｀iｧ.,､..,,__,,. イ::::!::::|/'´「　　| l　バン
　　　 ;'::::／!::!::::!::::::,.ｨ'ヽ､　／ヽ､!::::!:::::;'!　　| l l|　人.__
　　　 !::/::::::';|:::::!7´ヽ.ヽ /ﾑ　／/|:::;!ヽ!_|　／）､　　　（
　　　ﾚi:::::::/!::::::!:::::::::V/ ハﾍ /　ﾚ'_L_ｧ'´）'　'　'）　 Y⌒　☆　ﾊﾞﾝ
　　　　 '､:/　ﾚ､ﾊ:::::,,..く. - ''"´」二二二二二二二二二二i
　　　　 r'",.-/､｀ｿ´_,,.. - ''"´　|　　　　　　　　　　　　　　 |
　　　 / '´./i 　ｿ´　　　　　　 !　　　これが　素敵な　　|
　　　;'　/;':::ゝイ　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　 !
　　　 !　! i::::::::::';　　　　　　　　|　　　　　賽　銭　箱　　　|

だが、それほどの資産を保有する商人など数えるほどしかいない

そうなればどこかの配下に下って金銭で面倒を見てもらうことになる

九州においてそれが可能なのは大規模な所領をもつ武士か――
536： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:14:14 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　　, ､＿
　　　　　　　　　　Y /:::::::::` ､_　　　　　　　　　　　　　　,,．"iﾍ
　　　　　　　　　　ヾi:::::::::::::::::::` ､　　　　　　 ,,．"´:::::::::::i ｝
　　　　　　　　　　（ i::::::::::::::::::::::::::＼________　　／::::::::::::::::::::::i ）
　＼　／　　　　　{ i:::::::::::::::::::_,,-''´ : : : : : : ¨''-,,_::::::::::::::::::::i ｝
　　　 !　　　　　　ム_!:::::::::_,,r'’: : ; : : :,;,: : : : : : : : ヽ:::::::::::::::i ）
　　　 !　　　　 r'´ _,,,ヽ,r" ,:': i:i /,;`v';,;,;! :i:ヽ :i: :`､ iヽ _;;;;メﾉ
　　 _,,,,,　　　 !　(　　/: : i : :l,;l_!　　　　l :l!:i-i´!:i : ! ! !:::::ヾ7
　　 !--　　　　 `ー､/l i : :!: : !､!!ヽ　　　ﾚ´l;!!:!/!:l: :l: !:'!:::::::ヽ7
.　　￣　　　　 /〃ヽ!: :l､ ! ‐-､　　　 ∠,,,__ ﾚ!:/: :!::l::::::::::ヽ7
　　 _,,　　　　 /　　　ヽ!ﾄ: !　／　　　　　ヽヽ　’!. : :!::､:::::::::ヾ7
　　`ｰ'''7　　　　i 〃　　［　］//　i'''''¨¨￣　! 　　［　.］: :!;;:::::::::/
　　　ｰ'′ 　　 `､　　　［　］ヽ　ｌ　　　　 l　　　［　.］: :ム:::::/
　　　 /　　　　　ヽ　　.i: : i ./` ｰヽ ______,!,,-‐'" .|: : |: : i ｀V
　　　 /　　　　　　　ヽ　.i: : i/｀lヾ¨¨!　　,!ヽ. : : : : ! : :!: : i
　　 o　　　　　　　丶VV .ヽl::;ヽ .l　 / 　,>､.: : :VV: : :.i
　　　　　　　　　　 i｀: : : : l:::;:::ヽV,,,-''´::::i`､: : : : : : :|
　　　　　　　　　　ﾚ从ｖVl::::(_/l ﾄ､_,!::::::::i_, !_ﾍ人从i
　　　　　　　　　　　　　　　　　 `､:::/l lヽ::::::::;;;;i=　=i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::ヾ’:::::;:`::::::::;_i　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::::`'￣`ｰ''¨;;;;!　　　`､
.　　　　　　　　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::;;;;! 　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::;!　　　　　`､
　　　　　　　　　　　　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i =　=　=_.,,,!
　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ｰ-i''i'''´ ,!
　　　　　　　　　　　　 !:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;! ￣
　　　　　　　　　　　　　　 `ｰ- ::;;;;;;::::::::::::::::::::::::.__:;;;;;;;;;!
　　　　　　　　　　　　　　　　　 l::;;/　￣￣￣ !::;;;!
　　　　　　　　　　　　　　　　　 l;/　　　　　　　ヽ;;;!

広大な寄進地を保有する大規模寺院である

少弐氏は朝廷からの名分を持つ前者の代表格で、博多の大規模寺院は後者の代表格と言える
537： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:14:57 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　　　　(⌒ヾ｀
　　　　　　　　　　　　ゝ´　,）)
　　　　　　　 (（ ⌒ゝ　 lij
　　　　　　　　　ｰ" ミ
　　　　　　／/_/l　　＿＿＿_
　　　　　　 |　 __/　／　ノ（　＼
　　　　　／／　／_ノ三ヽ､　　　＼
　　 γ⌒ヽ'　／（｡）三（ﾟ）　=ll=.＼　 γ⌒ヽ　　神社仏閣は祈ってりゃいいんだお！
　　入__ ノ＼.|　　（__人__）　ノ（　　 |／弋　_ノ
　［_Ａ〉ヽ　＼　 |++++| 　⌒　　／　　／　　　　銭は武士か商人が扱えばいいんだお！
　　　　　　　＼　　　---　　　　　　　／
　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　|
　　　ｾ⌒ヽ个　、　　　　　　　　　　/
　　 l三三　　,　　　　　　　　　　　 /　ｨニヽ
　　　|三三.レ'＼　　　　　　　　　　レ´ 　 /.ヽ
　　　`ｰ-ｰ'　　　ヽ_ _＿＿　　　　　イ爻..|
　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿＿／.弋＿ﾉ

そういった寺院の中でも博多の東方に位置する箱崎八幡宮は最大手であり、少弐氏と貿易利権で争っていた歴史を持つ

まさしく犬猿の仲といえる

で、そういった普段から仲の悪い宗教界と武士が共同歩調をとれるかと言えば

　　　　 ,.．¨￣￣¨丶
　　　/　　　　　　　　＼
　　/ ヽ、:::::::::　　　　　ヽ,
.　 /（ ●）:::::::::::, -‐　　　　i　　合戦に参加するのも勲功を上げるのも自由だけど邪魔するんじゃねーお！
　 i 　　　:::::　（ ●）　　　 |
　＼　(_,､　　　　　　　 /　
　　　＼　` ‐'　　　＿_／
　　　 /　　　　　　　　＼

大体こんな感じである
538： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:15:32 ID:.A8nCohA0: 　)｀ヽ‐-､..,_　　　　　　　　＿＿,,,.---i
　.)_|{　　　　｀"'＞二＜'"´　　　　 } (
　.) |{ 　 _,.-‐'"´:::::::::::｀"'ヽ、　　　 } (
　　)|{／::::::/::::::::::::::::::::::::::::::＼　 } (
　／,:::::::::::/l:::i i:::::|､:::::::::::::::::::::l .} （
/;'"i::i::::i:::/.l::l 　ヽ::l__x::::::::::::::::::l_ノ　　　幕府が兵を貸してくれって言ってるから私兵を出してあげてもいいって言ってるのよ
　 .l:::|:::|:〈─'.,_ ﾊ　_,.　｀'rｺ::っ::::l
　　|.ｌｌ:::r‐i.,.-‐　　 ´￣ヽ |.~|::::::::l　　　　そもそも私たちが領地に困ってるとでも思ってるの？
　　ﾚ' .〉i~l "　　　__　゛゛u|　|:::::::::::ヽ、
　　　./::| ヽ、　l'"__｀)　 .ｲ　|::::::::::::::lヾ
　　 /i::::|___|:＞-. ._. r'´　|__.|::::::::::::::l
　　　.|::<二l／ﾉ　　ヾ,＼二>::::::/ﾚ
　　／l::/::::l　 .＼　 /　 /:::::::::／-､
　/　　.ll::::::l 　　二　 .|::::::/)i　　 l
　|　　_|l:::::lｉ　　./´　｀､ l:::::l ( l_　　 .|
　|　 .|ｺrl::l li　/ .〉.‐〈　l }ヾ (i r| 　 .|
　|　 .|　　 )‐/　//V .l　＼)'" .｀l 　 |
　|　 .|/　　 l ./　　　 l　| 　　 l　 .|

一方の寺社も大量の寄進地と貿易による利益で貧乏とは無縁の状態にあった

そもそも戦争は「諸国の鎮護」を存在意義としていた幕府の領分でもある

　　　　　　＿＿＿_
　　／::::::─三三─＼
　／:::::::: （　）三（　）＼
　|::::::::::::::::::::（__人__）:::: 　|
　|:::::::::::::::::::::: |ililililil|::::: 　|　　　（それ言われると言い返せねぇ）
　|:::::::::::::::::::::: |ililililil|::::: 　|
　|:::::::::::::::::::::: |ililililil|::::: 　|
　|:::::::::::::::::::::: |ililililil|::::: 　|
　|:::::::::::::::::::::: |ililililil|::::: 　|
　|:::::::::::::::::::::: |ililililil|::::: 　|
　＼:::::::::　　|r┬-| 　,／
　　ノ::::::::　　　`ー'´　　＼

元々求められるはずのない仕事に仲のよろしくない者達と協調するというのだから

上手くいくはずがない
539： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:16:17 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ,,ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ﾟωﾟ）　　　警備してます
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|｜　　 | |　
　　　　　　　　　　　　　　　　　｜| 　　｜|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　し|　 i　|J
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .|　 |｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　| .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.しiヽＪ

結果、寺院からの供出兵士はそのまま寺院の警備や後方警備に回されることになった

　　　　　 , '　　　　　　 ,ﾍ. ﾄ､､..＿　　/ r‐､ヽ.
　　　　 /　.／　　　　 ,ｲ/　/`ﾒ.`ヽv::＼＼＼r ､ヽ
　　　. / ／/　　　　 / !' v/ / , ' !　　:::::＼＼､ﾘ l　　　　　　どうしよう……大宰府まで来てみたものの金が無い……
　　　,'／ / .,ｲ　,　 /　l _,/ /,/　│　　　:::::＼.ヽ._ﾉ
　　　.　　! / l ,ｲ ./､.　＼//　　 ! } 　 v　u:::::＼'､　　　　　　　圧倒的な資金不足……
　　　　　|/　|/ W　　`''‐､,,ヽ　,ノ,j'　　　　　　:::::|ヽ.　　　ﾄ.
　　　　　　　　　　　　　 /　　~U　　 u　ﾉ> uj ::::|　ヽ　　 | i
　　　.　　　　　　　　 /　v　‐，　j　／'´　　 :::|; 　 !. 　 |. !
　　　　　　　　　 /　　イ　　／　v　　　u:::|;; 　 ! 　 |　!
　　　.　　　　　　　 /　, ‐'´ﾉ _,／　u　　　　　 :::|;;　　|.　 |.　!
　　　　　　　　ｰ''´ 　￣　　＼_／｀! u　 v::|;;;　　|　 |　 |

代わりに戦力にと期待されたのは何を隠そう「無足の御家人」たちであった

失った領地を取り返すということもあって、九州各地から本領を失って細々とした収入で暮らす御家人たちが集まってくる
540： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:17:12 ID:.A8nCohA0: 　　∠ -‐ｧ　　　　　　 ,､'´　　,.､-'' "　　　　　　　　　　　＼
　　　／　　　　　　,､'´ ,.､-''´　　　ｆi fｉ　ﾄ､　　　　　　ヾ､ヽ
.　／　　　　　　,､'´.,､''´　　　 /| ,ｨ |:| |:l　.l_.ﾝ　　　　　　 l｀ヾ
　/／l　　　　,､'´,､''´　　　　〈:::ﾚ':|.|::| |::ヽ　　/＼ヽ　 .ﾄ､　|
〃　 |　　 ,､'´,､'´　　　　ｎ,　＼:ﾘ:::リ:::::i|　〈==､ lヾ　 | ヽ|
.　　 |　,､'´,､'´　　　　　　 | _|f=-､.＼　ｕ !|/ヾ.､　〉|　|ヽ|
.　　 ,!'´,､'´　　　　　　 r( ﾘ　　＼!i　　〈ｏ　.ノﾉ|　|
,､-'´,､r′　　＿　　　 N ヾ､　o　　》　　ヾ￣　　|　|　　　　嘘だろ……っ守護の元に部隊を編成するって……
,､-'´　|　　　（ r‐ヽ、　 |　|j~ ゝ==シ　 |j.　　＼.|j~|　|
　　　 |　　　　ヽヽr‐ゝ　|　　〃"　 |ju　 U　ｕ　＼|　'､　　　　守護って３００騎くらい一族で出すんだろ……っ！
　　　 |　　　　　ヽヽ⌒l .|　　u　＿__　　 r'　__ ｕ＿)　ヽ、　 ,､-'´
.　　　|　　　　　　ヽゝ-l |　|j　i´　＿｀ ''ー----‐ｧ/　　,.､ゝ''´,､-'´
　　　|　　　　　　　ゝ-リ　　　l￣　　￣￣二ニ7.ﾑ-''´ ,.､-'ヾ
　　 ,'　　　　　　　　　|＼ |j　{　　 ,.､-'´　,.､-r‐i ''' "´　　　＼／
.　 / /　　　　　　　 |::::::＼ ,,ゝ-'´ ,.､-''´　　|　l　　　　　　　／
　/〃　　　　　　　　 |,.､-''´,.､-t''´￣｀`_二ﾆ! l　＿....　-‐''´　,､"
〃/　　　　 _,.､-‐'' " ,.､-''´::::::＼ゝ- '´ r=＝ l　ヽ､　　|j ＝'"´
. /　,.､-‐'' "　　 ,.､-''´ヽ、　　::::::::｀'-､..　ｕ |j |　　ヾ　　　　　ｕ
/''´　　　 ,､-''´　　　　　＼　　　::::::::::::｀''..r-'′　　＼　U

が、この部隊はかなり扱いが難しかった

　　　　＿＿∧ 　　 ¶彡　　／￣￣￣
　　　（＿　・　ミ∠⌒∧ ＜　GO GO
　　　　　＼　ミ（´∀｀《）　＼＿＿＿
　　　　　　（　　（　　　　つ╂───
　　　　　／　　／　／　　　∧∧　　　　　∧∧
　　　　　＼（/（＿_）Ｙ彡　(*ﾟーﾟ)　　　　 (*ﾟーﾟ)
　　　　　 | | ＼　　ヽ━(　つＯ━ ━(　つＯ━━━━(((＜＞
　　　　　　　　　( ( 　～（,,　　<　　　～（,,　　<
　　　　　　　　　/ / /　　　し｀Ｊ　　　　　し｀Ｊ
　　　　　　　/_/_/

基本的に、鎌倉時代の最小戦闘単位は騎兵一人につき

歩兵が２，３人付属したものを「一騎」としてカウントする
541： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:18:08 ID:.A8nCohA0: 　　|＼　　　|　|　　／／　　U　　/＼　｀,　　＼　　＼　　／
　;;;|　　＼　|　|　／／　,　　　　/　　/ヽ　、=＝＼　　＼(
　;;|＼　　＼|／／　ｌｊ　ｌ　ｊ　　/　　/／＼ヽ　　　＼　　＼）
　｜ｕ＼／／|ヾ||　　　ｌ|　　||´　//　　　＼、　　(　＼　（
　|ｆ゛／.へ|　|　　||　ｌｊ　　　ｉ||　/　　　　　　　　　　|　　ゝ）　　ー-|-―
　|／／　　ヽｉヾ､;||　　　　　ﾙ/　　　　　　　　　　　|　　（　　　＿Ｌ_，
／／　　　　　　　ヾ）゛　　　≡　　　○　　　　　　/　　　)　　|´　レ´￣）　　　　駄目だ！金が無い！
人|　　　　　　○　/　=　　　ニ=_　　　　　_=--W　　　（　　　ゝ-´｀　　´
　ヽー､　　　　　/　=　Ｕ　　　U-==_　　（　　ｕ　ｊ　　　）　　　ー-|-―　　　　　　兵糧を買う金も！従者を武装させる金も！
＼　ｌｊ　し-､　ノｉ　=　　　ｉ　　　　　　　し　ヽ　　　　　ｉ´　　　　　＿Ｌ_，
　＼　　　ｕ)　ｉ/　=　　ｕ　ｌｊ　　　　　　ゝ　　）　U　　ｌ　　　　　|´　レ´￣）
　　|｀ヽｕ　ゝ／　=　　　　　　　　　　　ゝｰ´　　　　　ゝ　　　　ゝ-´｀　　´
　　|　　|　　/　　=　__－＝ニニ￣￣￣ー―￣￣￣）　　　　ー-|-―
　ノ　ーーニニ＝＝-￣　　　).￣￣ｰ―――￣￣/　　　　　＿Ｌ_，
―￣ー７　=　ｌｊ　　　=〓ヽ　/　　　　　(⌒)　　　　　（　　　　|´　レ´￣）
―￣　/　=　　　　　　　　　　ｌｊ　　　　　｀¨´　　　＿_　　）　　ゝ-´｀　　´
　　　｜　　／　　ｕ　U　Ｕ　　　　　　＿―,－￣|　　｀/　　　ー-|-―
　　　　｀Ｔ　ー,　　　　　　　　＿－-,　　　｜　　｜　/　　　　　＿Ｌ_，
　　　　　|　|　　|￣|￣￣|￣　|　　　|＿＿ｌー―+ー（　　　　|´　レ´￣）
　　　　　｜トー+－ー―+ー-+￣￣　　　　　　　　　）　　　ゝ-´｀　　´
　　　　　　|｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　⌒）
　　　　　　｜|　　　　　　　　　　　　　　○――　／　　　　　　　　　´
　　　　　　｜|￣￣￣￣￣と￣￣￣　　　　　/
　　　　　　　|.匚匚匚匚匚匚匚匚匚匚匚匚（
.　　　　　　　|　　　　　　ｕ　　　　　ｌｊ　　　　　　ゝ

無足の御家人たちはこの兵力を捻出する予算が足らずごく少数の参戦となる

竹崎季長の場合、自身を含めて全体で２騎（４～６人）で参戦である
542： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:19:10 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノヽ)）ヽ,,rｰrヽ,, ,,ﾉi
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾉ~'tiii"（t　i}}|j　　　　　"　"ﾂヽ|t
　　　　　　　　　　　　　　　iヽ/ﾂii|}}从､}iii)''ijﾘﾘ}　､　　　　　ﾉﾂﾘ､
　　　　　　　　　　　　　　　ii}}y"}!､iii､'';/r"t}}}（iij,yiiヽ-ﾘヽii}j､,,　"ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　t,｀､i､}ヽ''ii）;;|iMtヽ''" ｀" ﾉ　""ノﾉﾉjjり ''ﾌ
　　　　　　　　　　　　　､)" ミ;;,,t､ti;i､ t;;､､）)ﾘiﾉﾂノ／""''彡"彡ョ　　　←薩摩国最大の荘園の地頭
　　　　　　　　　　　　　　i､｀''i ;;;;:::ijj}､｀';;;;;;'"":::;;;'"　,,,,　　廴r''ﾂ r'
　　　　　　　　　　　　　 't､ ;;;､ t;; ::;;;｀;;;;;;;;;;|}:::'"::;;'"ii"　　､迄彡ﾉﾂ
　　　　　　　　　　　　　　ヽ, ;) (|;;ヽ;;､;;;;;;;;;ﾉ':::i:::;'":::';;"　　::'≡　" ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　 'i ,;i,,､;;､､,;; ;;;;､;;;i'i},,ir')ノ,,,,,,,,___　:::ミ≡:r'i
　　　　　　　　　　　　　　　t ;t;;iitｰﾐｩﾃ;;､刈ｼ='r'-ﾐｭｫヲｦ　 ')'''/'|:|
　　　　　　　　　　　　　　　 '',､,i'"｀￣"::::了 j''"｀￣:::::"　　 ;;ﾘ/)ﾘ/i　　　　　　　,,
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　　　　　　　　　　　　　　　　ヽt::::::: :::::t,,ハ　,､)　　　　;;;;:::i-ｰ'"t)）::::: ..;､-'",, "　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　i;t :::::::::::~'- '":"　　　了 ,i;;;;:::　 t:::;､-'"　'"　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　 ,,, ､ - ｰt;ヽ ::::::::;;､､､:::,,,　　　;;'" /;;;;:::　,､'":::::彡
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./　 ;;;;;;;;;;､ -ｰｰ ''''' """ '''' ｰ,-ｰ''''::":::::::::::::::::::::::::::::::::::::
"""　　　　　　　　　　ｰﾆ"､,,,,,,,,＿:::,,,,,,,,,:::＿＿,,,､ -ｰ'"

だが、この御家人を配下に組み込むのは本領が所属する国の守護

当然ながら、その国で最大の兵力を有する大豪族がその地位にある
543： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:19:52 ID:.A8nCohA0: そんな大兵力の中に１騎やら２騎が参戦すればどうなるか

　　|l　　ヽ＼|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＝~_
　　ヽ＼____>　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ~＞
　___,,,ﾆ＝=　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜
　　~二;;;;.=-　　　　　　 /|ｌ.ｌ.| llヾヽ　　　　　　　　　　-=ﾆ,
　　　　　~二ﾆ　　　　 /l;;;;;;||;;l;;;;;;ヽ;＼ヽ　　　　　　　　　　~~'''''Ｚ､
　　　_,,,ニ-=　　　　　/ﾉ;;;;;;;|;;;;l;;;;; ××_ヽ |⌒ ヽ　　　　　　　　_､
　　　　　／／/　　 ./＼＼ ;;;;;u／.×''~ 　 | |⌒ｌ .|　　　　　　_,､‐~　　どうしろってんだ……っ！
　　　　/／/// |∥/ ~ ｡ヾ||:.:.:.||／｡　　,ノ　| |⌒| |　　　　ヽ
　　　　　　 //| | |/|ヽ,_,.､／::'''彡ｰu <~u　　|.|ﾆﾉ/　　　　|ヾ＼　　　　１０００人２０００人に紛れて俺ら４，５人が何しろっていうんだよ……っ！
　　　　　　/　　　　 |u／　u　u　　｀'　u　　 ||ｰ ′　　　.ｌ
　　　　　./　　　　　／　_丶u　　u　__,,О 　 /| .|　　　　　　ヽ、
　　　　 /　　　　　｀ｌ､,,__,,.､､-;;;二-‐｀l　./　　 l　　　　　　　ヽ、
　　　 /　　　　　＼　 l l''‐-‐'''~　　　 ___| /;;　　u｜
　　　/　　　　　　　＼ヽ|-‐'''┬;;ﾆﾆ゜-‐ /;;０　　　l|ヽ、
　　./　　　　　　　　　＼ヽ￣Ｏ,,,,,,,;;;u　/;;;;;　　u　　u　|ヽ、ーｰ／　,,_　'''''''''　　　 |　|
　 /　　　　　　　　　　　Ｏヽ u　'''''''　/;;;;; u　　　　　　/　　　　（／　,,_　''''''''　　　 | ｜
./　　　　　　　_,,,､､-‐‐-､､,/＼　u　/ヽ、　　　u　u　/　　　　　（ _／　　''''''　　　｜｜
/　　　　　　／　　　　　　　 ~'''‐､､_/　　ヽ、Ｕ　　　ノ　　　　　　　''-＝=ヽ_____,,,,､-ﾉ　|

やっぱり、勲功なんて立てられない。軍団の群れに巻き込まれて合戦は終了してしまう

　　∠ -‐ｧ　　　　　　 ,､'´　　,.､-'' "　　　　　　　　　　　＼
　　　／　　　　　　,､'´ ,.､-''´　　　ｆi fｉ　ﾄ､　　　　　　ヾ､ヽ
.　／　　　　　　,､'´.,､''´　　　 /| ,ｨ |:| |:l　.l_.ﾝ　　　　　　 l｀ヾ
　/／l　　　　,､'´,､''´　　　　〈:::ﾚ':|.|::| |::ヽ　　/＼ヽ　 .ﾄ､　|
〃　 |　　 ,､'´,､'´　　　　ｎ,　＼:ﾘ:::リ:::::i|　〈==､ lヾ　 | ヽ|
.　　 |　,､'´,､'´　　　　　　 | _|f=-､.＼　ｕ !|/ヾ.､　〉|　|ヽ|
.　　 ,!'´,､'´　　　　　　 r( ﾘ　　＼!i　　〈ｏ　.ノﾉ|　|　　　一つしかねぇ……っ！
,､-'´,､r′　　＿　　　 N ヾ､　o　　》　　ヾ￣　　|　|
,､-'´　|　　　（ r‐ヽ、　 |　|j~ ゝ==シ　 |j.　　＼.|j~|　|　　　誰にも文句を言わせない、絶対的な軍功を上げる方法は一つしか……っ！
　　　 |　　　　ヽヽr‐ゝ　|　　〃"　 |ju　 U　ｕ　＼|　'､
　　　 |　　　　　ヽヽ⌒l .|　　u　＿__　　 r'　__ ｕ＿)　ヽ、　 ,､-'´
.　　　|　　　　　　ヽゝ-l |　|j　i´　＿｀ ''ー----‐ｧ/　　,.､ゝ''´,､-'´
　　　|　　　　　　　ゝ-リ　　　l￣　　￣￣二ニ7.ﾑ-''´ ,.､-'ヾ
　　 ,'　　　　　　　　　|＼ |j　{　　 ,.､-'´　,.､-r‐i ''' "´　　　＼／
.　 / /　　　　　　　 |::::::＼ ,,ゝ-'´ ,.､-''´　　|　l　　　　　　　／
　/〃　　　　　　　　 |,.､-''´,.､-t''´￣｀`_二ﾆ! l　＿....　-‐''´　,､"
〃/　　　　 _,.､-‐'' " ,.､-''´::::::＼ゝ- '´ r=＝ l　ヽ､　　|j ＝'"´
. /　,.､-‐'' "　　 ,.､-''´ヽ、　　::::::::｀'-､..　ｕ |j |　　ヾ　　　　　ｕ
/''´　　　 ,､-''´　　　　　＼　　　::::::::::::｀''..r-'′　　＼　U

結果として、竹崎季長を代表とする無足の御家人たちはその多くが「危険な賭け」に出ることになるのであった
544： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:20:43 ID:.A8nCohA0: ――文永１０年３月

　　　　　　　　　　 _____
　　　　　 ,. ‐''三ヾ´彡ｼ,=｀丶、
　　　　　／'".:=≡ミ_≧_尨彡三:ヽ、
　　　　/／.:;:彡:f'"´‐------ ｀`'ｒ=:l
　　　/〃彡_彡′,.=､￣￣ ,.=､　|ミ:〉
　　　'ｙ=､､:ｆ´===tr＝=､.___,. ==､._ゞ{
　　　{´yﾍl'′　　 |　　 /⌒l′　 |｀Ｙ}
　　　ﾞ､ゝ) 　　　 `''''ﾂ_　 _;`ｰ‐'ﾞ:::::ｌ{　　あきらめたら
.　　　ヽ.__　　　　　,ｨnmmm､　　 .:::|!　　　そこで招諭使失格ですよ
　　,.ィ'´ﾄ.´　　　　　´｀"｀"｀ﾞ″　.::::;'
イ´::ﾉ|::::l ＼　　　　　　"'　　　:::/
::::::::::::|:::::l 　ヽ、　　　　　..::　 .:::/.､
:::::: ::: |:::::ヽ　　ヽ、.......::::／..:::／!＼＼
::::::::::: |::::::::ヽ　　　｀`''‐--ｧt''′ |!:::ヽ:::＼
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:::::::::::::|::::::::::::::/:ヽ、　　∧|i|i|i|〉. ||::::::::::ヽ:::::::＼

沿岸警備を開始し、次々と現地に御家人や守護が到着する中、大宰府に第六次使節団が到着した

正使は張良弼。国書などは所持せず、日本が服属するかどうかを問い詰めるだけであったという

　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　／―　―　＼
　　 rヽ　　　　／（●）　（●）＼
　　 i　!　　　／　　（__人__）　　＼　　　お話合いは終わりだお
　 r;r　| ヽ　|　　　　｀ ⌒´　　　　　　|
〈　　　　 }　.＼　　　　　　　　　　 .／　　　次は矢玉もってこいお
　l　　　　/　／　　　　　　　　　　＼
　ヽ　　l　／　　　　　　　　　　　　　＼

対して日本側も腹をくくっていたのだろう

大宰府にて南宋との国交回復が行われたと通達し、追い返すことになった
545： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:21:28 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　 _____
　　　　　 ,. ‐''三ヾ´彡ｼ,=｀丶、
　　　　　／'".:=≡ミ_≧_尨彡三:ヽ、
　　　　/／.:;:彡:f'"´‐------ ｀`'ｒ=:l
　　　/〃彡_彡′,.=､￣￣ ,.=､　|ミ:〉
　　　'ｙ=､､:ｆ´===tr＝=､.___,. ==､._ゞ{
　　　{´yﾍl'′　　 |　　 /⌒l′　 |｀Ｙ}
　　　ﾞ､ゝ) 　　　 `''''ﾂ_　 _;`ｰ‐'ﾞ:::::ｌ{　　駄目ですか……
.　　　ヽ.__　　　　　,ｨnmmm､　　 .:::|!　　皇帝陛下になんと報告すべきか……
　　,.ィ'´ﾄ.´　　　　　´｀"｀"｀ﾞ″　.::::;'
イ´::ﾉ|::::l ＼　　　　　　"'　　　:::/
::::::::::::|:::::l 　ヽ、　　　　　..::　 .:::/.､
:::::: ::: |:::::ヽ　　ヽ、.......::::／..:::／!＼＼
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この通達を受けて張良弼は帰国

３月に日本、６月には元へ到着していたというから、ほとんどとんぼ返りだと思われる

――通達の結果を伝える席で良弼はいくつかの理由を列挙して出兵中止を進言する

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　＿
　　　　　　　　　　　　　　　,　' ´ ､､ `'　, ,　｀　､
　　　　　　　　　　　　　／彡ミ三ミY彡三ミﾐ　､
　　　　　　　　　　　　彡ﾐ　　　　　　　　　　彡ミ
　　　　　　　　　　　　彡ミ　　二二二二　　彡ミ
　　　　　　　　　　　　　　　彡ﾐ　　　ー ― ―　　　彡ﾐ
　　　　　　　　　　　　　　 X彡　彳≧ｘ　　 .ｨ≦ミﾐ . ﾐγ､　　　　┏━━━━
　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､|￣Y　　　γ=Y　　　Y￣|/ .|　　　　　荒々しく獰猛で殺を好み、父子の孝行を知らず、上下の礼を知りません
　　　　　　　　　　　 !ﾄﾞ　入＿ノ　　入＿ノ　　.}' ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　＼i　　　　　` ー ' 　　　 .i／　　　　　地は山水が多く、田畑を耕す利がありません
　　　　　　　　　　　　　　　　 λ　　ｨ彡彡ミミミﾐ､　　 j　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━━━┛
　　　　　　　　　　　　　　　　/ ﾊ　　　　　　　　　　 ,ハ
　　　　　　　　　　　　　　 /　　` ､. 　乂＿_ノ　　 .ｲ　ﾍ
　　　　　　　 _　-　´／:::　　|　ミ　､＿ ,　彡' i!　　＼｀　ｰ　_
　　　　　　　　　 ´　　　ｌ :::::::　　| 　｀ゝ====<´ 　 |　　　　ｌ　　　　　｀
　　　　　　　　　　　　　／　　　 |: ／´》:::::::::《｀＼　|　　　＼
　　　　　　　　　ｌ　　　　 |　　 /:::::::::::ﾍ　　 |　　　　　ｌ
　　　　　　　　　　ｌ　　　　! 　 ,.::::::::::::::::‘　　!　　　　ｌ
　　　　　　　　　　　ｌ:　　　　　! 　 !::::::::::::::::::ｌ　　!　　　　 !
　　　　　　　　　ｌ　　　　　! 　 !::::::::::::::::::ｌ　　!　　　　:!
　　　　　　　　　　ｌ　　　　 ! 　 !::::::::::::::::::ｌ　　!　　　　 !

中国的な儒教文化を持たないこと、山がちで耕地が少ないこと

何より季節風を利用しての渡海では援軍を自由に送れないことをを理由としている
546： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:22:08 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　'　"　　　　　`　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　／:　 ___V__,, 　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　/:: 　　＼　/　　　　　　　　　ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　/:: 　　　　 V　　　　 __,, -ｲ┓ 　 i
　　　　　　　　　　　　　　 i:::i 　　　　　i　/ 　 _／　_,,r～' 　　li
　　　　　　　　　　　　　　l:┏ -　,,_　＼癶ﾚ／　_,,"-=ｫ　　　lik
　　　　　　　　　　　　　　il:::iﾚ__こ __ﾐ`V　 `Y ﾄ-'-`-'ノ　　　　jﾐ/^ ,
　　　　　　　　　　　　　 il::::`尤~_っ`)ｲ:i　　　ヽ ~`　　　　　　ﾅj　 l
　　　　　　　　　　　　　ﾊ:::`:::'"　　'ｲ:_l,_　 _ ,　　　　　　　xXjl（ ll
　　　　　　　　　　　　　 Y^l::`::　　　ｨ::r::: :へy ゝ　　　　　ヽミvXj/ l
　　　　　　　　　　　　　　lljlﾘ:::　　　　　:::::::ソ　　　　　　　　＼ヾll　lヽ
　　　　　　　　　　　　　　l川ﾘ::::　　　　__:::,,__　_,,,,_　　　　:.　ヽ`y/ﾘ7`,
　　　　　　　　　　　　　爪ﾘリ::::　: __,,ノ_,,　,,　,　- - `=っ　 i:::　　ﾘ彡りり
　　　　　　　　　　　　,ｲ巛川l:::: ::　　　...::::::::::.....　　　　　　i::::　ﾚり彡'ﾘYヽ
　　　　　　　　　　　,ｲ巛巛llﾘl:::: `::　　　"　　　 ~　　　　　　':　　ﾚﾘ'"彡り川
　　　　　　　　　　　＼` 三川k:::::::　　　　/ﾊ＼,_　　　　　　　　ﾘ li彡彡'ﾘｿﾘ
　　　　　　　　　　,入NN＼Nl::::＼　　　　7ﾘ川(￣　　　　 /／ '/　li～-弋川
　　　　　　　　　巛三三ｫ -ll:::::!ヾヽﾄ i,,, _川川ﾊl,,__ｨｲ_, ノ'　　　/　ﾄ,　　　liり
　　　＼　　　 l|(三二y/　 llll`,::!l:::::::`ミミミ川ﾘ彡彡 '　　'::ﾉ　　/　ハ: 　　 liﾘ
　　　　　人`--＞～-ll　　lllllヽ:::::::: : : : :`ミ三ﾘ彡'　　　　 jり　 /　:j: / 　　人＼
　　　　ヽ人人_^_^_^_^l　　 Y,::::::::::::::::: : : : `ミh　　　　　　ｿ　　　:j:/　　　/_^_l入入ヽ ,,__へ__
　　　　　ヽ人人^ ^ ^ _＼　　＼:::: : : : : : : : 三_　　　　　　　　/　　　/^_^_^l_入入/_^_^_^
　　　　　ヽ人人^ ^ ^ ^ _＼　＼:::: : : : :　　二_　　　　　　/　　／^_^_^_^l入入/_^_^_^
　　　　　　　ヾ＼^ ^ ^ ^ ^ _＼　＼: : 　　 ,,,,__ 二　_ソ　　　/　／^_^_^_^_^_lﾊ入/_^_^_^_^
　　　　　　　　＼l^ ^ ^ ^ ^ ^ ^＼　＼　　　　　　　　　　/　/^_^_^_^_^_^_ lﾊ入l_^_^_^_

世祖もこの進言を受け入れ、一度は出兵を見送ったと『元史』に記されている
547： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:22:53 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,/´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､--､　 _　　　（´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ　 / ／￣|　　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,,_ノ　　｀′　　(＿,､　　｀ヽ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀‐´ ／´　　　　　）　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　レ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く,,_
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　し､_　　　●：襄陽
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ´
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ´
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,, -´
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_／　　　 `´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /

この時期は南宋の最重要防衛拠点である襄陽に対する攻撃が佳境を迎えていたという事情もあった

襄陽が陥落すれば、南宋の首都臨安府の北まで長江上流から物資を送り込むことができ、南宋の降伏は確実になる

臨安府は城郭都市だが、物資補給を長江からの水運に頼っているため、都市の防御力は極端に低い
548： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:23:36 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　　ヾヽ'::::::::::::::::::::::::::'',　　　 /　戦 .あ　ま　ヽ
　　　　　　　　　　ヾゝ:::::::::::::::::::::::::::::{ 　　 |　況 .わ　だ　 |
　　　　　　　　　　　　ヽ::r----―‐;:::::|　　｜　じ　て　　　　|
　　　　　　　　　　　　　ｨ:f＿､　､_,..,ヽrﾘ　　 .|　ゃ　る　　　 |
　　　　　　　　　　　　Ｌ|` "'　 ' " ´bﾉ　　 |　な　よ　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　',　､,..　　 ,ｲ　　　　ヽ　い　う　　　 /
　　　　　　　　　　　　　＿ﾄ, ‐;:-　 / ﾄr-､_　　　＼　な　／
　　　　　　　,　 __. ィｲ´　|:|: ヽ-- '.:　〃　 `i,r-- ､_ ￣￣
　　　　　〃／　'" !:!　　|:|　:､　. .:　〃　 i // ｀　　ヽヾ
　　　　　/ /　　　 |:|　　ヾ,､｀　　´//　ヽ　!:!　　　　　'､｀
　　　　　　!　　　 |:|　//　ヾ＝=' '　 i　 i' |:|　　　　 ',
　　　　　｜　　 ...:// 　 l　　　　 / __　, 　 |:|::.. 　　　 |
　とﾆとヾ_-‐'　 ∨ i l　 '　　　　 l　|< 天　ヾ,-､＿: : : .ヽ
　と二ヽ`　ヽ､_::{:! ｌ l 　　　　 !　|'　夂__ -'_,ドヽ､_}-､_:ヽ
襄陽城守備隊副指揮官（指揮官死去で実質的な指揮官）
　　　呂文煥

襄陽城を守る呂文煥は名将ではあったが、南宋を支える大軍閥、呂一族は疲弊

数回にわたる後詰援軍も元の攻囲軍とその支援軍に撃退され、既に城を守るのは絶望的な状況である
549： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:24:14 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　'　"　　　　　`　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　／:　 ___V__,, 　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　/:: 　　＼　/　　　　　　　　　ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　/:: 　　　　 V　　　　 __,, -ｲ┓ 　 i
　　　　　　　　　　　　　　 i:::i 　　　　　i　/ 　 _／　_,,r～' 　　li
　　　　　　　　　　　　　　l:┏ -　,,_　＼癶ﾚ／　_,,"-=ｫ　　　lik
　　　　　　　　　　　　　　il:::iﾚ__こ __ﾐ`V　 `Y ﾄ-'-`-'ノ　　　　jﾐ/^ ,
　　　　　　　　　　　　　 il::::`尤~_っ`)ｲ:i　　　ヽ ~`　　　　　　ﾅj　 l
　　　　　　　　　　　　　ﾊ:::`:::'"　　'ｲ:_l,_　 _ ,　　　　　　　xXjl（ ll
　　　　　　　　　　　　　 Y^l::`::　　　ｨ::r::: :へy ゝ　　　　　ヽミvXj/ l
　　　　　　　　　　　　　　lljlﾘ:::　　　　　:::::::ソ　　　　　　　　＼ヾll　lヽ
　　　　　　　　　　　　　　l川ﾘ::::　　　　__:::,,__　_,,,,_　　　　:.　ヽ`y/ﾘ7`,
　　　　　　　　　　　　　爪ﾘリ::::　: __,,ノ_,,　,,　,　- - `=っ　 i:::　　ﾘ彡りり
　　　　　　　　　　　　,ｲ巛川l:::: ::　　　...::::::::::.....　　　　　　i::::　ﾚり彡'ﾘYヽ
　　　　　　　　　　　,ｲ巛巛llﾘl:::: `::　　　"　　　 ~　　　　　　':　　ﾚﾘ'"彡り川
　　　　　　　　　　　＼` 三川k:::::::　　　　/ﾊ＼,_　　　　　　　　ﾘ li彡彡'ﾘｿﾘ
　　　　　　　　　　,入NN＼Nl::::＼　　　　7ﾘ川(￣　　　　 /／ '/　li～-弋川
　　　　　　　　　巛三三ｫ -ll:::::!ヾヽﾄ i,,, _川川ﾊl,,__ｨｲ_, ノ'　　　/　ﾄ,　　　liり
　　　＼　　　 l|(三二y/　 llll`,::!l:::::::`ミミミ川ﾘ彡彡 '　　'::ﾉ　　/　ハ: 　　 liﾘ
　　　　　人`--＞～-ll　　lllllヽ:::::::: : : : :`ミ三ﾘ彡'　　　　 jり　 /　:j: / 　　人＼
　　　　ヽ人人_^_^_^_^l　　 Y,::::::::::::::::: : : : `ミh　　　　　　ｿ　　　:j:/　　　/_^_l入入ヽ ,,__へ__
　　　　　ヽ人人^ ^ ^ _＼　　＼:::: : : : : : : : 三_　　　　　　　　/　　　/^_^_^l_入入/_^_^_^
　　　　　ヽ人人^ ^ ^ ^ _＼　＼:::: : : : :　　二_　　　　　　/　　／^_^_^_^l入入/_^_^_^
　　　　　　　ヾ＼^ ^ ^ ^ ^ _＼　＼: : 　　 ,,,,__ 二　_ソ　　　/　／^_^_^_^_^_lﾊ入/_^_^_^_^
　　　　　　　　＼l^ ^ ^ ^ ^ ^ ^＼　＼　　　　　　　　　　/　/^_^_^_^_^_^_ lﾊ入l_^_^_^_

元軍も無駄な出血を嫌って回回砲（ペルシア製の改良投石器）による砲撃と城そのものを土塁で包囲する

土木戦術を採用したため、即壊滅という状況ではないが、５年目に突入した籠城戦は既に終わりが見えている
550： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:24:48 ID:.A8nCohA0: 　　　　 /ﾌＹ　ヽ
　o ﾟﾟo/(/)(＼) ヽoﾟﾟ o　　どうしようもないっていう
　　／⌒｀´⌒　　＼
　　| -）＿＿＿（-、 |　　　　囲まれた城を救援する兵力なんて無いっていう
　　|　　｀⌒´　　ｌ　|
　　＼　　　　　　／
笵文虎

そして、呂一族が保有する軍が降伏すれば残るのは武将としては劣る笵文虎と南宋正規軍のみ

対南宋戦に限ってはこの文永１０年の襄陽城攻防戦が正念場であった

　　　　　　　　　　　　　　　　 ,､- '' ﾞ￣,ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　／　 ,､-''｀ﾞヽ　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　/　　 !ﾞ　　　 |　　　｀.
　　　　　　　　　　　　├--''ﾞ　　　　/　　　　i
　　　　　　　　　　　　 , .,L _;.;;;;､　　ヽﾞヽ､./´｀!i
　　　　　　　　　　,､-';;､-''ﾞ!,.､ヽ-- 'ﾞ｀_,／'ﾞ!Ｇ.ﾉ!　　　たとえ襄陽が陥落してもまだまだ南宋は持ちこたえられます
　　　　　　　　／,;-'ﾞ ,,-';ﾞ!--ﾞi-i'" ￣ '，　 Yi,
　　　　　　　 /　　　".／ヽ, 　 ! ﾞ;;＿,,ノ　　! ﾞヽ,　　　何より、襄陽は十分な将兵と兵糧を蓄えている。陥落しませんとも
　　　　　　　/　　　 ./　　　￣;Ｔ!　 ,／　　ﾉ.　丿i ┬-─ '',ﾞﾆ'- ､
　　　　　　 /　　　,,/　　　　　ﾞ''ニﾞ- 　／　i／　/　i　　　/　　　｀i
　　　　　.,_,i　＿,;;'ﾞ　　　　　 ,､-''ﾞヽ､_／,､-''｀　 /　　i　　/　　　　　 i
　　　　　i　￣＿,.ﾌ　　　　 /i　　 /　! i´ ）､　,/　　 !　 i　　　　　　 i
　　　　 !￣￣　　 ! 　　 / !　　/　,i　!'iﾞ　'.／!-､,／　/　　　　　　 !
　　　　 i　　○ 　　i 　　 ! !　　｀yﾞi .i　!.　　/　　ﾞ> ﾉ　　　　　 /
　　　　 !　　　　　 !､-ヽ;ﾞ↓　　/　i !　 !　./　　 /./　　　　　 /
　　　　　i　　○ 　　!｀'　　　ﾞi. 　i 　 !　　i. /　　 //　　　　　　　 /i
　　　　　 !　　　　　 !　　　　i_,,_ !　 ! 　 .i/.　　//　　　　　　　 / i
　　　　　 !　　　　　 ! 　　／／ﾞ￣ﾞ'' - 'ﾞ´￣￣　　　　　　　 /　i
賈似道（南宋丞相）

だが、その正念場という事に関して、南宋の首脳部は楽観的であった

というよりも丞相の賈似道はガチガチの文官畑出身で対元戦争で昇進してきた呂一族を疎んでいた
551： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:25:36 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　　　　　　 _,:-=====‐-､
　　　　　　　　　　　　　 /''二￣　　　) ﾞヽ
　　　　　　　　　　　　　　 ir'"r-__,,,,,,.:-'"　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　r_,,r''"´`i'''ヽ　r‐:､　l
　　　　　　　　　　　　／"r'.!__..-'　　`'";'ﾉ,! ,'
　　　　　　　　　　　　ヽ_,r'iﾞ　　　、　 'r:< ,'
　　　　　　　　　　　　　　ヽr‐=''''` ,!.　丿, `i
　　　　　　　　　　　　　　　`(　　_,,-‐'"　l _,.!>､__
　　　　　　　　　　　　　　　　`'''".)､i ,.:-:'" ,.:'　 i. `'''ー--,-.､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.:|.iﾞ''ヽ　 /　　 .|　　　 r'"　　`:､
　　　　　　　　　　　　　　　　,:r'　|,!,ノ.ヽ/_　　 |　　 ,'　　　　　i
　　　　　　　　　　　　　　,-'"/ ,ィﾞi |　 ,'　`‐＜"　　 ,'　　　　　 .|
　　　　　　　　　　　 i'|　.<,:' .|.,' |　,'　　　,:'　　　 i　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　l |.　/　 |.i　| ,'　　 ,:'　　　　 |　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　| |　 ',　 |ﾞ　'/　　/　　　　　 |　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　| .|　_.',　|　.i　　/　　　　　 |　　　　　　 !
　　　　　　　　　　 | .|i"　', .i .,'　 /　　　| 　　　|　　　　　　.|
　　　　　　　　　　　　　,!''|_　ﾉ､.V　/　　　　i　　　　i 　　　　 |

また、政務の一元化のために多くの南宋の有力豪族を官職から遠ざけていたため

状況判断を助けることのできる者たちが残っていないのも痛手であった

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､ヽ l / ,
　　　　　　　　　　　　　　　 , -――――- ､　　　　　　= 　　　　 =
　　　　　　　　　　　（.:::::::::::::::::::::::::::::: |　　　　　ﾆ=　丞そ　-=
　　　　　　　　　　　　　 |:r￢‐--─勹:::::|　　　　　ﾆ=　相れ　=ﾆ
　　　　　　　　　　　　　　 |:} ,,,,,,,　l,,,,,,,, ﾐ}f'〉ｎ＿　　 =-　な. で　-=
　　、､ l | /, ,　　　　　　 ,ﾍ}´`’'ﾞ|　`’´　|ﾉ::|.|　　ヽ.　ﾆ　.ら. も　ﾆ
　.ヽ　　　　　´´, 　　　　　,ゝ|、　ｰ　　 l|ヽ:ヽヽ　　}　´r　：　　ヽ｀
.ヽ　し意丞　ﾆ.　　　／|｛/ :ヽ　-=-　./| |.|:::::| |　　|　　´/小ヽ｀
=　て見相　 =ﾆ　／:.:.::ヽ､　　＼二／ :| |.|:::::| |　 /
ﾆ　く　をな　　-=　ヽ､:.:::::::ヽ､.＿､　　＿,ﾉ/.:::::| | /|
= 　れ.請ら　　-= 　ヽ､:::::::::＼､＿＿／::.z先.:| |' :|
ﾆ　るけ.多　　=　　　| |:::::::::::::::::::::::::::::::::::.|'夂.:Y′ﾄ､
/,　：　た分　.ヽ､　　 | |::::::::::::::::::::::::::::::::::::_土_::|　 'ﾞ, .＼
　/　　り　　ヽ、　　 | |:::::::::::::::::::::::::::::::::::.|:半:|.ﾄ､　　　＼
　 / / , , ､ヽ｀｀　　r￢|ﾉ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|　＼
呂文徳（南宋有力武官）

その地位にいたのは、南宋最大の軍閥のトップで襄陽で抵抗を続ける呂文煥の兄

呂文徳であったが、襄陽籠城直後に病死していて既にいない
552： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:26:21 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　　ヾヽ'::::::::::::::::::::::::::'',　　　 /　あ　あ　ま　ヽ
　　　　　　　　　　ヾゝ:::::::::::::::::::::::::::::{ 　　 |　あ　わ　だ　 |
　　　　　　　　　　　　ヽ::r----―‐;:::::|　　｜　わ　あ　　　 |
　　　　　　　　　　　　　ｨ:f＿､　､_,..,ヽrﾘ　　 .|　あ　わ　　　　|
　　　　　　　　　　　　Ｌ|` "'　 ' " ´bﾉ　　 |　わ　わ　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　',　､,..　　 ,ｲ　　　　ヽ　わ　わ　　 /
　　　　　　　　　　　　　＿ﾄ, ‐;:-　 / ﾄr-､_　　　＼.　て　／
　　　　　　　,　 __. ィｲ´　|:|: ヽ-- '.:　〃　 `i,r-- ､_ ￣￣
　　　　　〃／　'" !:!　　|:|　:､　. .:　〃　 i // ｀　　ヽヾ
　　　　　/ /　　　 |:|　　ヾ,､｀　　´//　ヽ　!:!　　　　　'､｀
　　　　　　!　　　 |:|　//　ヾ＝=' '　 i　 i' |:|　　　　 ',
　　　　　｜　　 ...:// 　 l　　　　 / __　, 　 |:|::.. 　　　 |
　とﾆとヾ_-‐'　 ∨ i l　 '　　　　 l　|< 天　ヾ,-､＿: : : .ヽ
　と二ヽ`　ヽ､_::{:! ｌ l 　　　　 !　|'　夂__ -'_,ドヽ､_}-､_:ヽ

現場と中央の危機認識に齟齬が発生し、南宋の心臓である長江を守る最後の砦は陥落を迎えようとしていた

――そして高麗では

　　ﾉノ　　　,' / /:/ :/:/｜　 . : : :.ヽl、
. Y´ . l　｜ !/ /:厶ｲへ!ｌ|: : /: : : : : .､一
　| . :.:ｊ:.: :ﾄ､l　イｰ=ﾆニ}ﾘ//.:.:l :l :「￣
　| l: :{｀ヽ|　　　｀''ｒｰ┴' /. : ﾉ:ﾉ:ﾉ
　| l: ﾘ　　　　　 l|l|　　 /　〈　´´
） Ⅵ:{ 　　　　　　　　丶
ｰ、ヽ　　　　　　　　　　　 _ ノ　　　いや無理だって！
: : ヽ　　　　　　　　　　　 (
: : : : .　　　　　 r―‐一'　　　　　一万人分の屯田用意しろって、田畑なんて荒れ果ててるって！
ー‐――┐　　　￣￣)
:.:.:.:.:.:.:.:.//､　　　　　 |
: : .:.:.:.:// 　 ,ー-　　　..ﾉ
: :.:.:.:.// 　 /.: ￣.:ﾌ
:.:.:.:.// 　 /.:.:.:.:／
: : // 　 /.:.:.／
.:.:.{ {　　Ｌ〃＼
:.:.:.ヽヽ　｀ヽ　＼

耽羅島に籠城する三別抄の討伐軍として更に一万人が増派

それら軍団兵の食料やら物資やらを賄うために四苦八苦している最中である
553： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:27:42 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　　　　ヽ＼　　　　　　　　　 .／＼|／／／／／／＼
　　　　　　　　　　　　.／　＼＼　　　.／／／ .|＿__|.／／／／／:::::＼＼
　　　　　　∧＿∧／　　　　￣　　／∠∠∠∠∠∠∠∠∠／:::::::::::::::::＼＼
　　　　　　（；´Д｀）.　　　 i i i 　￣|　┌┬┐┌┬┐ 　 |::::::::::::::::::::::::::::|￣
''""~"'''"/　　　ヽ''"~"＿＿i i i--､　.|　├┼┤├┼┤ 　 |::::::::||||||||||:::::::|
　　　　./|　|　　 | |　　￣￣￣ |:::::|　..|　└┴┘└┴┘ 　 |::::::::||||||||||:::::::|
iiiiiiiiiiiii/　＼ヽ／| |iiiiiiiiiiiiii::..　ﾉ__ﾉ..||￣||￣||￣||￣||￣||　 |::::::::||||||||||:::::::|
　　　/　　　＼＼| |　　　　　　　　||＿||＿||＿||＿||＿||＿|＿_.||||||||||:::::::|
　　 /　/⌒＼し(メ　　　　.i i i　.　..||￣￣||￣￣||￣￣||￣　||　　||乃三三-_
　／／　　　 >　）　＼　　ﾉﾉﾉ
/　/ 　　　　/ ／　　 .＼＿　　ｻﾞｯｸｻﾞｯｸ
し'　　　　　（＿つ　　　/:::::/::...　　ｻﾞｯｸｻﾞｯｸ
　　　　　　　　　　　　ノ・ ./∴:・:
　　　　　　　　　　　''""~~"''

屯田というと三国時代の兵士が田畑を耕して兵糧補給というのがイメージされるがここでいう屯田は違う

土地とそこに住む農民を提供させてそこから必要経費をねん出する

いわば駐屯の経費を現地で負担させる方策である

駐屯先は強力な兵士を、駐屯元は兵士育成費用を負担しないで済むwin-winと言えなくもないが――

　　ﾉノ　　　,' / /:/ :/:/｜　 . : : :.ヽl、
. Y´ . l　｜ !/ /:厶ｲへ!ｌ|: : /: : : : : .､一
　| . :.:ｊ:.: :ﾄ､l　イｰ=ﾆニ}ﾘ//.:.:l :l :「￣
　| l: :{｀ヽ|　　　｀''ｒｰ┴' /. : ﾉ:ﾉ:ﾉ
　| l: ﾘ　　　　　 l|l|　　 /　〈　´´
） Ⅵ:{ 　　　　　　　　丶
ｰ、ヽ　　　　　　　　　　　 _ ノ　　金がねぇ！（無事な）土地がねぇ！
: : ヽ　　　　　　　　　　　 (
: : : : .　　　　　 r―‐一'　　　　そもそも船が作れてねぇ！
ー‐――┐　　　￣￣)
:.:.:.:.:.:.:.:.//､　　　　　 |
: : .:.:.:.:// 　 ,ー-　　　..ﾉ
: :.:.:.:.// 　 /.: ￣.:ﾌ
:.:.:.:.// 　 /.:.:.:.:／
: : // 　 /.:.:.／
.:.:.{ {　　Ｌ〃＼
:.:.:.ヽヽ　｀ヽ　＼

高麗は今財政的に一万の兵士に衣食住を提供できる状況にない
554： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:28:08 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　'　"　　　　　`　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　／:　 ___V__,, 　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　/:: 　　＼　/　　　　　　　　　ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　/:: 　　　　 V　　　　 __,, -ｲ┓ 　 i
　　　　　　　　　　　　　　 i:::i 　　　　　i　/ 　 _／　_,,r～' 　　li
　　　　　　　　　　　　　　l:┏ -　,,_　＼癶ﾚ／　_,,"-=ｫ　　　lik
　　　　　　　　　　　　　　il:::iﾚ__こ __ﾐ`V　 `Y ﾄ-'-`-'ノ　　　　jﾐ/^ ,
　　　　　　　　　　　　　 il::::`尤~_っ`)ｲ:i　　　ヽ ~`　　　　　　ﾅj　 l
　　　　　　　　　　　　　ﾊ:::`:::'"　　'ｲ:_l,_　 _ ,　　　　　　　xXjl（ ll
　　　　　　　　　　　　　 Y^l::`::　　　ｨ::r::: :へy ゝ　　　　　ヽミvXj/ l
　　　　　　　　　　　　　　lljlﾘ:::　　　　　:::::::ソ　　　　　　　　＼ヾll　lヽ
　　　　　　　　　　　　　　l川ﾘ::::　　　　__:::,,__　_,,,,_　　　　:.　ヽ`y/ﾘ7`,
　　　　　　　　　　　　　爪ﾘリ::::　: __,,ノ_,,　,,　,　- - `=っ　 i:::　　ﾘ彡りり
　　　　　　　　　　　　,ｲ巛川l:::: ::　　　...::::::::::.....　　　　　　i::::　ﾚり彡'ﾘYヽ
　　　　　　　　　　　,ｲ巛巛llﾘl:::: `::　　　"　　　 ~　　　　　　':　　ﾚﾘ'"彡り川
　　　　　　　　　　　＼` 三川k:::::::　　　　/ﾊ＼,_　　　　　　　　ﾘ li彡彡'ﾘｿﾘ
　　　　　　　　　　,入NN＼Nl::::＼　　　　7ﾘ川(￣　　　　 /／ '/　li～-弋川
　　　　　　　　　巛三三ｫ -ll:::::!ヾヽﾄ i,,, _川川ﾊl,,__ｨｲ_, ノ'　　　/　ﾄ,　　　liり
　　　＼　　　 l|(三二y/　 llll`,::!l:::::::`ミミミ川ﾘ彡彡 '　　'::ﾉ　　/　ハ: 　　 liﾘ
　　　　　人`--＞～-ll　　lllllヽ:::::::: : : : :`ミ三ﾘ彡'　　　　 jり　 /　:j: / 　　人＼
　　　　ヽ人人_^_^_^_^l　　 Y,::::::::::::::::: : : : `ミh　　　　　　ｿ　　　:j:/　　　/_^_l入入ヽ ,,__へ__
　　　　　ヽ人人^ ^ ^ _＼　　＼:::: : : : : : : : 三_　　　　　　　　/　　　/^_^_^l_入入/_^_^_^
　　　　　ヽ人人^ ^ ^ ^ _＼　＼:::: : : : :　　二_　　　　　　/　　／^_^_^_^l入入/_^_^_^
　　　　　　　ヾ＼^ ^ ^ ^ ^ _＼　＼: : 　　 ,,,,__ 二　_ソ　　　/　／^_^_^_^_^_lﾊ入/_^_^_^_^
　　　　　　　　＼l^ ^ ^ ^ ^ ^ ^＼　＼　　　　　　　　　　/　/^_^_^_^_^_^_ lﾊ入l_^_^_^_

現在、高麗は元の命令で対日本遠征用の鏃と軍船、兵糧の備蓄を行っている

この兵糧は３万人程度のを想定していると思われるが、もともと火山灰地質で雑穀食が主流の高麗では並大抵の負担ではない
555： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:28:49 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　　 _f_
　　　　　　　 r _,.　 ''"）_,,)｀''　､、r
　　　　　 ,ｬ‐-､　 .ｬ‐-.､　　､‐-､
　　　 ,r ,' ﾘ,,...,,!　　ﾘ,,,...,,!　　,ﾉ,,..,ﾘヽ
　　 pヽll' λ¨¨ﾞﾞ'! λ￣~ヽ. λ¨'''ﾊ　ヽ　,
　　　ｌ.ﾉ_llヽ.,!_,,,,_ﾉ ,'ﾉ__,,,,,_ﾉ..,'ノ＿,,ﾉ　,／
　　　ヾ,,___｀~~¨¨'',''ﾍ,,_||＿_,'_,r‐'‐ｭ,／）二)
　　　 iｪｪｪｪ'　＝=　,,, ,,,,　=＝　ｪェ''ﾃ'''~
　　　　 lゝ.,,,,＿＿＿＿＿＿＿_,,,,ノ/

軍船は数百人が乗船できる規模で、揚陸用の小型船も付属した本格的な代物である

それを数百隻となれば、国家財政を傾けねば完成できない

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　　　　　　　 7/＼
　　　　　　　　ヾ　 .＼
　　　　　　　　　　　ヽヽ　＼　　　　　　　　　　　　　　　　 _,-'i＿
　　　　　　　　　ヽヽ　.＼　　　　　　　　　　　　 i~,-'_,-'
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀＼＼　 .＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ､､_ .＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ~＝-,ゝ

製造している矢の負担もバカにはできない

モンゴル軍は軽装歩兵の飽和射撃から白兵戦に移るのを基本としているため、兵士一人当たり２．３０発を１会戦で消費する

２万の兵士が最低使用と考えて、単純計算で４０万本分の鏃を製造することになる。これも莫大な負担となっている
556： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:29:15 ID:.A8nCohA0: 基本的に朝鮮半島の南部は農耕が盛んな地域で、北部に比べれば作物の生育も行える。だが……

　　　　r､ヽヽ　,..
　　　 l.i^iヽヽ! ｌ
　　　　 `、ヽ　　 `!
　　　　 `、 `　　{
　　　　　　ヽ　　, ﾍヘ
　　　　　　　ヽ' ／　　＼
　　　　　　　く｡.　　　　＼　　　　　　　　　 ,.-､、ﾍ
　　　　　　　　＼ﾟ｡　　　＼　　　　　　　,.._彡ミ',ハ、
　　　　　　　　＼　　　　　`ゝ､._　　,イヽ (_ノ彡,　ヽ
　　　　　　　　　　　＼　　　　　　 __ヽ.l.　ヽi、 `i彡ﾉ// `;-
　　　　　　　　　　＿　ヽ-─　￣__,..-l、　　　　 L./// ,F`
　　　　　　　　ヽ´　　　　　_. -‐'ﾆィ○l　｀`　‐_,ーｲ//,ﾄ　　　ああ、死してなお混乱を招く私……
　　　　　　　　/ヽ`=i　,.-'´, - '´,. ﾍ. _,!‐.ニ∠._,.-｀　 !、
　　　　　　　 /　　／/_..i'　／'"l∠ _,.-─‐,.､｀_ヽ､　ヽ　　　
　　　　　　 /　　/‐-´-〈イ　....＿i'_ 　　 i' r（ヽ! l'´　 .i
　　　　　　 ,' 　 /　　　ｉ　ヽ　　　l、`ヽ-､/{ヽヽヽ!ミミ､`、
　　　　　　,' 　 i'　　　　　 i.　ヽ　　 l、　￣li. i ` 　 lﾄl　`ﾞヽ
　　　　 i　 /l　　　　　　ヽ,.-'′ 　 l、　 lヽ　　ﾉ ,!　　　`、
　　　　　 ,l. /.{　　　　　　　　　 _ 　 l、　 !　`l,.'- ´　　　　/
　　　　 ./l/　 ! ｌ　　　　　　 _.- '´　ヽ.　i、　l.＼--　　..._ ／
　　　　/ l　　l　 l　　　　　ヽ　,.- ´　　　i、 l　＼
　　　 ,'　l 　ｌ　 l.i　　　　　　´　　　　　　 i、l.　　＼
　　　,' 　l　 l.　 l. l、　　　　　　　 _. - ´　　i､l. 　　ヽ
　　 ,'　　l.　ヽ､_j　 l、　　__.. -　´　　 l 　　 l、　　　ヽ
　　i　　　l.　　 `、　`､ ´　　　　　　　　l.　　　 l、　　　／ヽ,
　　　`ヽ、l　　　`、　ヽ　　　　　　　　　l　　　　l、　ヽ. ／ヽ
　　　`　/　l　　　`、　ヽ　　　　　　 l　　　 l、　　　　　`

林衍がらみの内乱と対三別抄戦争で南部はズタズタである

ついでに言うなら先遣隊の元軍も南部で屯田を敷いている
557： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:29:46 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:|.　　　　　　　　　　　　　　／:|
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　　　　　憤慨する農民の図　　　　　　　　　　　　　|　　...:::::|　　　　　　　　　　/　　　::::|
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　　　　　　　ﾍ　　　　　　　　　　　　　　ﾍ　　　　／　　　ﾞ^＼ヽ..　 , /ﾞ　　　¨＼,.-z　　::::::::::＼
　　　　　　 /:::ヽ　　　　　　　　　　　　　/::ヽ　　「　●　　　　| 》　 l| 　●　　　ﾞ》　ミ..　　　.::::::＼
　　　　　　/:::::::ヽ　　　　　　　　　　　　/::;:::ヽ　　/i,.　　　　　 .,ﾉ .l|　《　　　　　　|´_ilﾄ　　　　::::::::::＼
　　　　　 / ::::::::::::ヽ　　　　　　　　　　 /::::::::::ヽ /　＼___,,,,,_／ .'″　　^=u,,,,_ v／　　　　　　　 :::::::::::::l!
　　　　　/　::::::::::::::ヽ＿＿＿＿＿＿ノ.::::::::::::　|　　　　　　　　　　　￣　,,､　　　　　　　　　i し.／::::::::.｝
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　　／　　／。　ヽ＿ヽ　V　/:::　／　。ヽ　　:::|　　|.. |　／└└└└＼../＼　　＼　　　'~ヽ　::::::::::::::｝
　/　　／￣￣￣/　＿＿＿＿　ヽ￣￣￣＼ :::|　　.∨.|llllllllllllllllllllllllllllllllllllllll|　　　　　　　　　　::::::::::｛
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　　＼　　　　　　├―----‐-――┤　　　　　　　　ヽｰ─￢ｰ～ｰ―――　:::::::::::::

ちなみに当時の高麗王朝に民力休養とかそういった内政意識はない

無いわけではないのだが、農民から搾り取らなければ兵士に払う給料とか軍船製造の人工に払う給料が無くなる
558： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:30:25 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　ゴガギーン
　　　　　　　　　　　　　ドッカン
　　　　　　　　　ｍ　　　　ドッカン
　　＝＝＝＝＝）　）)　　　　　　☆
　　　　　 ∧_∧ |　|　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　（　　　）|　|　Ｏ　人　　　　　　　　∧＿∧　　　／
　　　　　「　⌒￣　|　　ｏ人人. 　　　　　　 (｀∀´ ）　＜　おらっ！税払えやっ！
　　　　　|　　　/ 　￣ ||人人人　　　　　「　　　＼　　＼
　　　　　|　　　|　　　人人人人　　　　　 ||　　 /＼＼　　　￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　|　　　 | 　／|￣￣￣￣￣|＼　へ//|　　|　　| |
　　　　　|　　　 |　　　|　　□□　　 | ／,へ＼|　　|　 | |
　　　　　|　∧　| 　　 |　　□□　　 | ／　　＼　　/　（　）
　　　　　|　|　|　|　卜|　　□□　　 | 　　　　　　|　|
　　　　 / /　/ / 　ヒ|　　　　　　　|　　　　　　|　|
　　　 / /　 / /　　　￣||￣￣￣||￣Ｌ　　　 |　|
　　　/ /　/ /　　　　　 || 　　　 ||　　　Ｌ　　 |　|

ちなみにこの年の徴税は目標額に届かなかったため、一戸ずつ訪問して麦を一束ずつ徴収したという記録が残っている

末期政権っぷりも甚だしい状況であった
559： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:32:07 ID:.A8nCohA0: 　　　}＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,:'　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ﾍ　　　　　　　　　　　　　　／ヽ、
　　　|:　` ‐- ､_　　　　　　　　　　　　　　　 /.::　　　ﾞ:､　　　　　　　　　　　　　　　　 , '　::ヽ　　　　　　　　　　　 , '　　 .::i
　　 |:.　　　　　｀ヽ､　　　　　　　　　　　　/.::　　　　　:i　　　　　　　　　　　　　　　/　　　.::i　　　　　　　　　,r'" 　　 .::|
　.　 |::　　　　　　　 :ﾞ:、　　　　　　　　　/:.:　　　　　 .::|波動を纏う農民の図　 /　　　 .::|　　　　　　　　ノ　　　　　 .::|
　　ｌ:.:..　　　　　　　 .:ヽ　　　　　　　　,:'::　　　　　　 .::|　　　　　　　　　　　　　,':.　　　　.::i.　　　　　　. /´ 　　　　 .::|
　　 {:.:.:..　　　　　　　 .:.:|　　　　　　　 ,!:　　　　　　 . .::}　　　　　　　　　　　　　 /.:..　　　　,.;;ヽ　　　　　　{:.:.. 　　　　 .::|
　.　ﾞ、:.:.:.,.,..　　　　　,;.:},.-‐―ー―-'":;:,...　　　　　.:,:'　　　　　　　　　　　　 ,ノ.:　　　 ,.-‐''" ￣ﾞﾞﾞﾞﾞ￣｀ﾞ'"ｰ-､:.. 　　.,;.;.'::,!
　　　ヽ､;,:,'　　　　'"´　　　、　　　　　　　:,　　:　::.く　　　　　　　　　　　　,'´　　　　,'　　　　 "'::.,:.´　 .　　　　　　.':'.く
　　　　 /::´::　　 .:´　／{　:.　,:.　　　　　 .　.:　}ヽ、　 :.`:、　　　　　　　　　ノ　　　　　｛　,:!　,:!　　 ,!:..　.:　　　　　　　　 .:::ヽ
　　　 /:::.:. 　　.: 　 ,r'‐-､}　:.　 ;.: ,ﾍ,:..:,ﾍ, :　 :. {‐-' ､　 :.ヽ　　　　　　　　/ ,.　　　　　:.` 　.::　　　　　.:　,.　　　　　　.　　　.::::ﾞ、
　　 ,':::.:.　　.:　　/:.　o .:i　: }ヽ_,.-―-ｰ-､_,ｨ｛:.｡o .:ヽ, 　::ﾞ:、　. 　　　/,　,.-‐‐-､｀:. |::..　　　　　 /´;'",,.-―-..、｀, :. 　　.::::i
　　 i::.:.　　 .:　　,!::..ﾟ..:.:.:,ﾉ .: :|:: r-―--―-､:{ :.ヾ;:__;:ﾉ {　　::i 　　　　,:´/　 _,.　｀:, ,:|ｰ､,＿,＿,_/ :　,::':　_,. 　.:.ヽ　',:. 　　 .:::|
　 . |:::.　　　.: 　/ `ｰ-r"　.:; : |:: |`ﾞﾞ}ﾞﾞ｀|´ﾞ}ﾞ`} {: :. ヽ_,.:..::ヽ,_, .:|　.　　　 { :{:.. {ﾟ｡;}　.:.:｝: }l_,!__i,_,i,,_,j| .:　l::.　{ﾟ｡;}　 .:.::}　｝:.　　　 .::}
　　l:::.:.　 ,:　_,ノ::.:.::.;ノ　ﾉ.:;　:.|:: ト'＾ｰ'`ｰ＾‐'! |: :.＼ `ー-‐'　:|　　　　.　| :,ヽ:.. . . :.:;ノ.:: |:::::::::::::::::::| :. :. ﾞ､::.. . . .:.:.:.ﾉ　';:. 　　　 .:::|
　　 |:::.:.　｀::.`ー--"　／.: ,:　.:|:: |::::::::::::::::::::::| |: :.ヽ `ｰ--' 　.:| 　　　　{　､.ﾞﾞ'━''"..: 　}:::::::::::::::::::{ :.　:.　`'‐━‐'" ノ.: 　　　　.:::,'
　 . |:::.:.　　' 　 'ｰ-‐'　 ,ノ.:　:: |:: |::/⌒⌒ヽ:| |:.　 :.`ー-‐ 　.:,!　　　　　 i　｀ｰ-‐'":　　|::,:'⌒/⌒|　:.　　｀:‐:-:‐:'":.: 　　　　.:.:./
　　ﾞ､:::.:..　　―-､　￣:.:.　 .:　|:: |. :. : .: : .: | |::　　/´.::　　.::ﾉ　　　　　　ヽ　　　　　　.:｝_,__,.__,__,{　 :.　　　　　　　　　　　.:.::/
　　　ヽ:::.:..　　　:.:.＼　　 ::.:: 　|:: |: .: .: .: .:. | }:.　 /:.　　.:.,:'　　　　　　　　ﾞ、　　　　:{ﾞﾞi　:i　,!:ﾞﾞ,!:.　.　　　　　　　　　 .:.:::;ノi、
　 .　　＼::::....　　:.:.:.ヽ、　 ::　 |:: |´`i'ﾞﾞi´ﾞi/ ,!:　/:. 　 .:.／　　　　　　　　　　ヽ、　 ..:;ノ`^‐^-'`ｰ' ヽ､ :..　　　　　　　 .:.'" .:.::::ヽ
　　　　　ヽ:::.:.　　　:.:.:}　　 :　 l:. `ｰ'ｰ^ｰ'_ﾉ :　{:. 　,.ィ゛　　　　　　　　　　　　ﾉ.:..　.:.　`ｰ--‐''"　:.:.:.. 　､__,,. -‐'" .:. _,．　 .:.::::ﾞ､
　　　　　　　ト､;_:　　　:.: 　 .:､　`ー-'"~ﾞﾞ´　:.　 r'" :.{　　　　　　　　　　　,r'".:.　 :.` 、　　　　　　　:.: :.:.:.:.:.　 :. _,: '"　　　　 ::.:.::|
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　　　　＿,ノ::::..　...:　 ::.: .:.: .:.: .:... ... .. .. 　　.　.:　:　　::..`ー　　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ..:.:.:.;ﾉ

当然ながら、こんな無茶苦茶な納税が続くはずもない

この年、１２７３年は軍船製造の人工が給料遅配への抗議を兼ねたストライキに始まり農民反乱と災難続きになる
560： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:32:39 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿
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余りのことにこれ以上の負担はできないとの上奏を世祖に提出

元から資金援助されるまで、高麗の財政難は続くことになる
561： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:33:34 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　＿
　　　　 ,.-''"三ﾆ.＼
　　　　.r'三三三三ミ`,　　
　　　　.ヽ三三三三三|　　
　　　　　 ',ニ三三三ﾐ,'
　　　　　　',三三三ミ,'　　
　　　　　 .'､_三三ミ`、_　　　
.　　　　　._,,.-┘ﾆ三三三ミ..､　　　　　　　　　 ,､
　　 ,r.''"三三三三三三三三ミ''.-､　　　　　 _　f;!..l;L!i
　　.lﾆ三三三三三三三三三三三l,　　　　ヾ,.j;;ﾚミ'ﾉ
　　lﾆ三三三三三三三三三三三ﾐ',　　　　ζ三,.r"
　 .lニ三三三三三三三三三三三ニi 　 γ'三r"
　 lﾆ三三三三三三三三三三三三ﾆ`､.ｨ.三ミヽ
　.!ﾆ三三三三三三三三三三/､ﾆ三三三三.／
　!ﾆ三三三三三三三三三ﾐノ.　.＼三三三./
. lニ三三三三三三三三ニ,'　　　＼ﾆミ/
.,'ﾆ三三三三三三三三三〈　　　　　｀.´
,'.三三三三三三三三三三`、

ちなみに、この軍船のストライキが発生していた頃、金方慶と洪茶丘の元・高麗連合軍が耽羅島を攻略

三別抄の司令官金通精も戦死し、三別抄の反乱は完全鎮圧された

鎮圧された後の耽羅島には総管府が設置され、元の領地として統治を受けることになる

　　　　　　　　｛ゞ. . .{　/ 　　 . / . , . /: .　　　　, .　 . . （＿__,
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　　　　　　　　　／, ,ｲ:l::|>.　　　ご｀　　／|:.:i|∧＼
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また、元宗が持ち込んで徐々に進められていたフビライ一族の降嫁も同年に実施されている
562： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:34:10 ID:.A8nCohA0: 　　｛: :〃: : :./: : : : : :./: : : : : : : : : : /￣｀ヽ､/／ィイ. : 　　ハ
　　 V (: : : /＼: : : :./ : : : : : : : : : :/　　　　　　　 |: :ｉ　　　　 i
　　　ヽ.{_:_; : : : ＼ :' : : : : : : : : : : :|　　　　　　　 |: :l　　　　｜
　　　　　 | : : : : : :i: : : : : : : : :/l: :.|　　　　 ―┼┼|: :l　　　　｜
　　　　　 | : : : : : :| : : : l: :.l :;　」_|:|　　　　　　　　 ||.:ｌ: :　　　 |
　　　　　 |｀丶: : : | : : : l: :.l.:|＿|_|:i｀丶、　　　　ｉ|.:l:: :!: : : . |
　　　　　ト: ､: /｀Y: l : :l: :.l├=示ミｘ　＼　　 -‐ﾘｌ|: ! : : : :.|
　　　　　　:＼ /,へ|: :l : :',: :l ﾄ､{:しﾘ　　　　　　ｨ示ミﾘ:.!: : :!: :.|
　　　　　　 V: { '⌒|: :l : : ﾊﾊ|　　￣　　　　　　 {:しﾘ　,i:.!: : .!i : |
　　　　　　ヽ:＼ (|: :|: : :i　　　　　　　　　　｀ T`｀|:|: : :| !:.:|
　　　　　　　　　､:._|: :|: : :|　　　　　　　　　　　､　干　|:|: : :l l: :|
　　　　　　　　　｀iﾄ |: : :|　　　　　　　　　　ノ　ﾅ　从: : l .!: |
　　　　　　　　 |从: :.:|　　　　　　　ｒ　　,　ﾆ/ﾆｲ: :l: : :ｌｊ:iﾘ
　　　　　　　 , 　 l : :|＼　　　　　｀こ　　イ丿ｲ|: :.ハﾉ
　　　　　　　　　 /　　 : :|　　　　　　　　　／　　ノﾉ:./
　　 -‐=ニ二三≧:.. 八:.|　　　　　　　／　　　　　 |:/
　　 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ヽ.　　　　 /＞ "　　　　　　ﾉ'
　　 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　　　 /
クトゥルク・ケルミシュ（フビライ皇女）

このケルミシュ降嫁に伴って、王太子タンはフビライの親族ということになった

　　　〃　　 /　 /　 / 　 l　　ｌ　、　　　　　　　　　ヽ
　　　{i{ｲ　　 | |　|　/　 | ∥l∥ｌ l ヽ{　　ﾐ､　ヽ、ｒi }､|
　　　＿ツ　 /||　|| || /|､| || ｌ |　ｌﾄ､｀ヽ､、ﾐ､　l| ｛ }八!
　　≧‐_,　ｌﾊl|　ｌＮｌ/ ｌﾄ､l|| ヾ!　ｌ| ヾﾄ､ }|ﾄ､ﾐ､ﾉ　ﾒ,_ノ
　　　　/ ィi　l l　ﾄ三≧x､il_ヽヽｌ_,,ﾘ≦三ヽ|ｌ　 `＝彳
　　　　l/ lい､l ﾄ､lゝ `ﾆ’｀ヽ（＼ヾ `ﾆ’_,｀　 }! ､トー '
　　　　　　ヽハ{、　　　　　　　｀ヽ　　　　〃７ﾘ
　　　　　　ﾄ､_ｊ　　　　　　　　　　　　厶ｲ
　　　　　　ﾉｲｌﾊ　　　　　　 _　_　　　　　/　トゝ
　　　　　　　ｊ/| |l ､　　　　　＿_　　　　 /!l l ﾄ､
　　　　　　ｊﾉ||　＼　　 ´ 二｀　／|从ﾊ{、
　　　　　　ﾄ､ヽ　　＼　　　　　／　 |! 　ヽ＼
　　　　　　 _|　＼＼　｀ー─ '　　　 |　l　/ /
　　＿,. -‐くヽ! 　 |　|　　　　　　　　　 ∨ / / ＼

といっても、タンが忠烈王として高麗で政治を行うようになるのは翌年で

１２７３年、至元１０年の段階は元宗が政務を行っている
563： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:34:51 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 rf三≧x,＿　　　川
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 f三三≧{/　｀ヽ　川　　もうやだ……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └三ｼ'"´ 　　　ヽ,川
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　　＿＿　　　 Ⅵ|　　何やっても反乱起きるし
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｢｀¨¨´ヽ＼　　　　　川
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| 　、　＼＼　　　川
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　ヽ　　ヾミﾐx､__,川
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └┬ f　　　ヽ｀ミﾐ川
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　ﾄ､　　　　 ',　　川
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　ﾉ　ヽ　　　ｊ　川
　　　　　　　　　　　　　　　　‐＝≡ﾆ二三三三三三三三三三三三≧=彡′

この時期の元宗は元の要求する各種軍需物資の集積とそれに伴う財政負担と農民反乱との板挟みで相当追いつめられていたようである

五十代中ごろとまだ現役で活動できる年齢でありながら病気がちであったのはこれのせいなのかもしれない
564： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:35:13 ID:.A8nCohA0: ┏━━━━
　　そして、年が明ける
　　　　　　　　　　　　━━┛
565： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:35:47 ID:.A8nCohA0: 　　　　　 !　l l 　ゞｪｪソ　　　　ﾍ　ゝ ----＝= .,_　　　　　　　ﾊﾊ　　 i i
　　　　　 !.　!.l　　　,,.　-‐'''"´￣_,,,,.. -－寸－､　ヽ　　　　　　ﾊﾊ　　ゝゝ
　　　　　 l　 l l ,.ィ"　_,,. -‐'''"´~／´　 __,,,_ﾞヾ)　｀V∧　　　　　　ﾊﾊ　　｀
　　　　　　 l　ﾉ ' ,,.匕´:::;;　　::　 / 　 .イ_,,,_　｀ﾞ_　　 V∧　　　　　　〉 >
　　　　　　　ﾚ',.イ￣｀ﾞ'ヽ、:; 　　ﾉ　 ,ｲイの;ゝ;´'　　 ,,V∧　　　　　 ,! ,!
　　　　　　 VV_,r''⌒_ヽ,_ゝ-_',.イfｲ,. -,,''"´''　　　 "''V∧.　　　 ,! ,!
　　　　　　　　V.∧ :f´ _(9У~　,;　　 ''　　　　　　 ,　　ﾉV∧　　　 ,! ,!
　　　　　　 VVゝ'´;;:　7　　 ' ,.- ''ヽ;;,,,,..,,_　,.イｿ,.ノﾉ∧∧　　　,! ,!
　　　　　　　　 VV　　　,'　　　,.r=っ,ﾉ　_,,,,≦彡彡ソｲ/彡'ﾍ　　 ! ,!
　　　　　　　　　　V　　 :{、　_,',;;;彡≡≡＝＝=≦彡彡イﾍ∧　　,! .l
　　　　　　　　　､､乂ゝソi_ﾞフｿ'´　_,,,..　-－''''"ヽ　 ;l,;ﾉ　,,;::V∧,／／:;;;;
　　　　　　　　　ゞゞゞゞミr',´-‐''´_,,.　-‐''ﾆ´ｧｦｲ ,,; '　 ;ii;'' li.　,.イ l: : :.:.:
　　　　　　　　　　｀三彡ｿ;'ゝ.夂´　 ,.イ´_,,. ,ﾉｲ　　　　,.''　 ,!｀´;;ﾉ　!:.:.:;;;;;
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　　　　　　　　　　　　　　 V::"´_,,..　,,　''　　　,, ,,,'// ,／: : :　　'_,,..　　-‐,,;;
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　　　　　　　　　　　　 //,,　 ,,ィ111_,,..ィ;;イ´,. - "　,,-　－''''""´￣

至元１１年（文永１１年）、元軍はダヤン（チンギス・ハンの代から仕える重鎮）を総大将に公称２０万の軍勢を襄陽から南下

　　　　　　　　　　　ヾヽ'::::::::::::::::::::::::::'',　　　 /　い .ど　も　ヽ
　　　　　　　　　　ヾゝ:::::::::::::::::::::::::::::{ 　　 |　　 .う　う　 |
　　　　　　　　　　　　ヽ::r----―‐;:::::|　　｜　　に　　　 |
　　　　　　　　　　　　　ｨ:f＿､　､_,..,ヽrﾘ　　 .|　　　も　　　 |
　　　　　　　　　　　　Ｌ|` "'　 ' " ´bﾉ　　 |　　　で　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　',　､,..　　 ,ｲ　　　　ヽ　　　き　　　 /
　　　　　　　　　　　　　＿ﾄ, ‐;:-　 / ﾄr-､_　　　＼　な　／
　　　　　　　,　 __. ィｲ´　|:|: ヽ-- '.:　〃　 `i,r-- ､_ ￣￣
　　　　　〃／　'" !:!　　|:|　:､　. .:　〃　 i // ｀　　ヽヾ
　　　　　/ /　　　 |:|　　ヾ,､｀　　´//　ヽ　!:!　　　　　'､｀
　　　　　　!　　　 |:|　//　ヾ＝=' '　 i　 i' |:|　　　　 ',
　　　　　｜　　 ...:// 　 l　　　　 / __　, 　 |:|::.. 　　　 |
　とﾆとヾ_-‐'　 ∨ i l　 '　　　　 l　|< 天　ヾ,-､＿: : : .ヽ
　と二ヽ`　ヽ､_::{:! ｌ l 　　　　 !　|'　夂__ -'_,ドヽ､_}-､_:ヽ

襄陽が見捨てられたことを悟り、降伏した呂文煥を道案内と方々の懐柔役として連れて

南宋の首都、臨安府へと迫った
566： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:36:38 ID:.A8nCohA0: 　　＿|￣|○　○|￣|＿　　　呂一族が裏切ったって……あいつ等陸軍の要じゃねーか……

＿|￣|○　　　　　○|￣|＿　しかも略奪もされないなら死ぬ覚悟で戦う必要なんてないし……

　　＿|￣|○　○|￣|＿

呂文煥が懐柔して回ったことと無駄な抵抗を受けるのを嫌った元軍の徹底した略奪禁止令によって

もともと低かった南宋軍の士気は絶望的なまでに低下

長江に沿って臨安府へ近づけば近づくほど投降兵によって軍団規模が膨れ上がる有様であった

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.イイ
　　　　　　　　　　　　　　　　　／二￣ﾞﾞヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　 ,.へ　ー-､　　)ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 __l___!__,.r===ｧ'<ミﾐ
　　　　　　　　　　　　　　|　　 jﾊ､＿__ﾉ　ヽミ}
　　　　　　　　　　　　　　`┬ﾌﾟﾟｰ､　　　ﾉ/)）
　　　　　　　　　　　　　　　 i ヾ===､　 }　 rノ　,._'ﾌﾌ
　　　　　　　　　　 ,. ‐--､_　ﾞ､} /γ} }　ｨj,.-''"ノノ
　　　　　,.r-=ﾆ二二ニ=ｰ---L`==',.-‐''"　-'',-'
　　 ,.-''"　　　　　　　　　　　　￣! |　　_-'_ノ--っｰ--､-､
　 r'　　　　　　　　　　　　　　　　|　|_ノ　　,r‐''"~、　　 `i ｀!
　 |　　　　　　　　　　　　O　O　 {　し`ー´　 j　　ヽ　　 |　ヽ
　＼　　　　　　　　　　　　　　＿Y"　|:::::|　ﾉ-､∠ 　　 |　　＼
　　　`ー‐---‐‐､───'''""ヾ　　|　 |:::::| j　　　/　　　|　　　＼
　　　　　　　　　　し　　　r---ヽ　 |　|:::::ﾚ　　 /　　　 j　　　　　＼
　　　　　　　　　　 |　　　　　　　ヽ　| |:::::::j　　/ 　　　 /　　　　　　　＼

この状況にあって、自らの派閥で固めたはずの南宋内部で賈似道は非難の嵐に晒されることになり――
567： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:37:26 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　 / ノＹヽ
　　　　　(ヽ　　/（ﾟ )( ﾟ）ヽ　　　/)
　　　　 (((i ) ／::::⌒｀´⌒::::＼　( i)))　　もう笑うしかねーっていうｗｗｗｗ
　　　　／∠_|　,-）　　　　（-，|＿ゝ＼
　　　 ( ＿＿　 l　ヽ＿＿ノ　　 ,＿＿）　ねーっていう……
　　　　　　　＼　 |r┬-|　／´
　　　　　　　　　|　 |　|　 |　 |
　　　　　　　　　|　 |　|　 |　 |
　　　　　　　　　　　`ー'´

この翌年、笵文虎と共に南宋に残された兵力を結集して大博奕を打つことになるが、それは文永の役以降の話である

――そして、高麗においては

　　　　　＿　／.:ﾞ､　､ヽ i　l　, / ﾉ /＿｀ヽ.___
　　　　 ,ゝ''''7¨ヾ≠ヽﾞ､゛l　!,.'/ /ノ＝ﾍ¨¨'''ﾃ'ヾ.ﾐ､
　　　　ﾉﾊﾉ,'i: i／　　＼ヾ､j'/〃ｲ　　　∨ノ.:ﾞ.　ヾﾊ
　　　 '´ 　ﾄ､/　　　　/｀゛ﾞ^"､´ ､　､　　 ∨ ﾉ!
　　　　　 l､,' 　 i l　i !　 _.__,__＼､:. ヽ　　､＼!
　　　　　 .У ,　 l |､､l!ヽ　　　＼､ヾ:.　ﾞ､ﾞ､
　　　　　　ﾉ/,'　:l:ﾊﾄ､ヾ､｀　　　　 __メヾ､:.　､ヽ＼
　　　　　　ｿl!! .:;ｲ! ヽ￣｀ヽ　　ｨ'´　　　　ヽ:.､ﾞ､:.＼ヽ.　　親父殿は大元から金を出すから準備を急げと言っておるが
　　　　　　ヾ!: ::l |lヽ===‐　　　　‐==ｷ"　∧:.､ﾞ.｀ヽ.ヾ＼
　　　　　　ﾍ::.::l!||　　　　　　　　　　┼　,'ﾒﾉ!､::.､　ヽ.｀ヽ
　　　　　 {:::iLlﾄ､　　　　､ _　　　干 /'´　!ﾊ:､}　　ヽ
　　　　　　ﾍヾ､ヽ｀　　､＿ ,　　ﾅ'′　ﾉ'　ﾘl!　　　）
　　　　　　＼ﾞ､ヽ.　　ｰ '　　,ｨ′　　　　,'　!　　　´
　　　　　　　｀ヽ. |＞　　　. ＜.|
　　　　　　　　　　 |　　｀¨　　　!
　　　　　/｀ヽ　　　　ノ　　　　　　　|　　　　＿＿__
　　　 /;;;;;;;;;;＼-‐´　　　　　　　　ヽ. ／;;;;;;;;;;;;;;;;|　　　　　　　　　　　　
　　　_,/;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼　　　　　　　　／.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ.　　_ノ_￣＼　　　　
　_ノ;;;;;;;｀ヽ.;;;;;;;;;;;;;;;;;＼ー- ､ , ―.／;;;;;;;;;;;;;;;;; ｨー‐┬--!､　｀ヽ､__ヽ＿＿＿＿__r==ｫ
´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼:;;;;;;;;;;;;;;;;;＼　　／;;;;;;;;;;;;;;;;:／;;;｀￣´/￣｀ヽ､　　 }―,――┴――‐‐'
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼:;;;;;;;;;;;;;;;;;＼ｨ';;;;;;;;;;;;;;;;;／;;;;;;;;;;;;;;;;;;,ゝ‐､　 V　　 |　/
568： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:38:12 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　／-ﾌ´￣　　　　　　　　　　　　　　　　　 `‐-一ノ
　γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ　　,　 /l　　__ヾく
　｜　　　夫殿、そこはどうかのう？　　 |彡ル' l l /　ﾍヽ_`__
　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ／'´ィ/ノ.∧! ‐､-　´
　　　　　　　　＞ィフ　ィ　／'./　_二ｒ'/／:::/／::l／l,ィ　　､ヽ
　　　　　　　 /／ﾚ:'.´::〃'::::::N／〃ｙ/::::::ィ／'::::ノ:::ィ:ﾚ1,､ﾘﾘ
　　　　　　　 '＜／:::::::::::::::::::::::::〈　ゝ/:::ｨ:/／ｰ'´_≧ﾐl/:/::::ゝ
　　　　　　　　/::／ﾚ／::::::::::::::::::ヽ ( !:/. '　　　　`　’/／/'
　　　　　　　　ﾚ　彡､::::::::::::::::::::;ﾚｰﾘ　　　　　　　´､
　　　　　　　　　　_ノ／:::::::ィ::!,ﾍゝ　!　　　　　　　　_　',　　　親父の喪に服してる間くらいはそれ忘れさせてくれねーか
　　　　　　　　　　//'-´彡／ﾘ　　　` 、　　　　　 __ｊ ´
　　　　　　　　＿/::::::::::::::::`‐-､`ヽ、　＼　　　　 , '
.　　　　 , -‐'´ィ/:::::::::::::::::::::::::::::`:...､` ､　＞　　/
　　　 /　／/´:::`:::::､::::::::::::::::::::::::::::::`:..､` 、` ´
　　／'　/'´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ `　、
.／/　, '::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／,. '´
' /　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,' ／
/　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ'
　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::-─'::´` ､
./:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／´::::::::::::::::::::::ヽ
'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,:::::::::::::::::::::::::::::::::::＼

至元１１年８月――
569： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:38:44 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　　　}ｉ|ハi从}ｉ｛{ｌ|W从川｛ {从i|{　 i　!　　　　　　｛_
　　　　　　　　　　　　V 　｝ハハ{V 　 Vハ{｛i｛ハ :{i｜! 　　　　{｛｀′
　　　　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　|Ｗ从小j！i !i|　 ,　､_≧ｧ
　　　　　　　　　　　ﾑ　　　　　　　　　　 |/}ｲ小j｝}_} ｝!}W釗　｢广
　　　　　　　　　　　｣__＼､　　　　_　　-‐　　　|/}/从从从ｉ｛ﾊ　｛
　　　　　　　　　　　{ f≧メ}､_,)≦二 __ 　　　　 |/ﾑi7'⌒Ｖ小!|W
　　　　　　　　　　　‘斥沙′｀} ]三三ミF￢＝＝≠f/　　　}仆{ハ!
　　　　　　　　　　　　｛　/　　‘弐三三ｦ　　　　　}小／　从｝Ⅵド
　　　　　　　　　　　　 ∨　　　　　｀￣´　　　　　 l/ﾉ__／/从Wバ
　　　　　　　　　　　　　}〉--､　　　　　　　　　　　　　　_ ｲ/}|V/
　　　　　　: 　　　く_､__　　　　　　　　／　厂´}ｉ||Ｖ|ﾄ|{
　　　　　　:　　　／∠}厶_　　　　　　　/　　 /　　|ﾊ|｣｛i
　　　　　　　:　　／／　｝>r‐ ｀　　　　　　　 _／　　　　|从{了
　　　　　　 :. ／／　　 }i|ｌ}ﾄ､_　　　_　 -‐ 　　　　　／｛_
　　　　　　　　`ﾞ´ 　　　ﾞｰ≠≧=≠ 　　　　　　／　　　{ﾍ._
　　　　　　　　　　　　　　_／　　　　l　　　　　　／　　　 ,′ ＼_
　　　　　　　　　　　　　´ ハ　　　 |　　　　　／　　　　/　　　 }＼
　　　　　　　／　　｛　‘.　　　｣　　　　／　　　　　　/　　　　,′
.　　　　　　　　 / 　　　 !　 }i　／　　　　ハ　　　　　　, '　　　 /
　　　　　　　　/　　　　　 |／∧/　　　　　 {　ヽ. 　　／　　　　 /
　　　　　 /　　　　　 /　/　｛＼　　＿｣　　＼／　　　　 / /

第１４代目高麗王元宗死去

病死であったと伝わっている

　ノ＿,､＿ノﾉ,,孑 / ノ
彡从毛乂乍ﾘｿミヾ壬ミ
从彳川少匕从彳ﾐ川少＜
毛仆卅从ﾐ从毛仆卅从彡
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从乂lヽlﾐ＼卅从乂lヽl＼Wﾐ
从W毛彡厂''V'＼ '　　 .∨
Ｗ从匕乂　　　　　　　　　',
从卞弋V'　　　　 ',　　 , -',
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ミﾐ______　_, -壬少ﾉ rxﾞ".rxl
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/'　　　　　｀￣´　　_.',　.',.',　',
∧　　　　　 rｘ　　.｀',　.',.',　',
. ∧.　　　　 rﾞx X--‐'',　.',l　 ',
　　｀ｰ- ,_. 　＼＼＼/',　.',　 lヽ
　　　　　｀ｰ- .._ヽヽ｀ｰ'　　　l ﾊ
　　　　　　 Y´ ヽ　ヽ　　　　 l　＼

死去のひと月前には要求された軍船を初めとした軍需品を揃い終え

総勢２万近い高麗軍を組織
570： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:39:25 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: :: :ｧ-‐-､: :: :: :: :: :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .{: :: : { |lv1| } : :: :: :: :: :: :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _〉-‐=＝＝=‐-: :．_: :: :: :: :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .(;;;;;;;{l〃＜　＞¨｀ヾ　ミﾐ: :: :: :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀＜ゝtｯｭ { f.ｯ_ﾃ　.ヾうヽく
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .i 　i j ｭ　　　　ﾐ〉rﾘミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｷｧ彡_匁ミｭ､　 .} <ミﾐ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧ ゝｰ-　　　 /..､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヘ ',　”¨ 　／..}　｀　､─────────┐ 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.　'′　､ヽ.≧- イ:　.′　　　 `　 .///////////////}||ｌｌ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.． '´　　　＼ヽ/,ﾊ::.:..:. /　　　　　　｀　ｰ- ､///////:}||ｌｌ|ｌｌ|}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　ノﾄ_,ﾉ┘.∧　　/､:.:.:.:.:.:.:l.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.ヽ///// }||ｌｌ|ｌｌ|}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /￣￣ヽイ:l: :ｲ!ﾊ///　ヽ./:.: ＼:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,':.:.:.:.:.:.:.:. '/////}||ｌｌ|ｌｌ|}
　　　　　　　　　　　　　　　　 /￣￣｀ヽ/:.:.／:.:.:i:l//i:　　/: : :.:.:.:.＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,':.:.:.:.:.:.:.:.: :.:'////:}||ｌｌ|ｌｌ|}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.:.:.:.:.:.: : : /iく.:.:.:.:.:.:!l//! 　 /:.:.:.:.:.:.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:,':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ///}||ｌｌ|ｌｌ|}
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　　　 ,..　. _ 　　　 r─…　`ｰ‐匕. 　　 ..-─,.:.:.:.:.:.:.:.:}:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::_;厶 -‐:.''"´: : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:'l{
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　/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`　＜こ三三三三ﾝ:.:.:.:.:.:.:.:./:O.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : , ′　　 .}ﾉﾉ...-──…… ' 二二|
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総大将に金方慶を任命し、内乱で疲弊しきった高麗としては、破格の規模の軍団を用意して見せた
571： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:40:00 ID:.A8nCohA0: 　ノ＿,､＿ノﾉ,,孑 / ノ
彡从毛乂乍ﾘｿミヾ壬ミ
从彳川少匕从彳ﾐ川少＜
毛仆卅从ﾐ从毛仆卅从彡
Ｗ从匕ﾐ弋幵Ｗ从匕弋乂
从乂lヽlﾐ＼卅从乂lヽl＼Wﾐ
从W毛彡厂''V'＼ '　　 .∨
Ｗ从匕乂　　　　　　　　　',
从卞弋V'　　　　 ',　　 , -',
災什人.　　　　　 ', ii／少ﾐ}
升入　　　｀ﾞｰ-=_ノ_,t壬昨ﾉ
ミﾐ______　_, -壬少ﾉ rxﾞ".rxl
W　　 .｀弋匕ﾐ少'　{　.', { .∨
/'　　　　　｀￣´　　_.',　.',.',　',
∧　　　　　 rｘ　　.｀',　.',.',　',
. ∧.　　　　 rﾞx X--‐'',　.',l　 ',
　　｀ｰ- ,_. 　＼＼＼/',　.',　 lヽ
　　　　　｀ｰ- .._ヽヽ｀ｰ'　　　l ﾊ
　　　　　　 Y´ ヽ　ヽ　　　　 l　＼

その代償として多くの餓死者と流民を生んだが、この軍団を用意したことで

高麗は元の信任を得ることが出来た

.　　　　　　　　　　 lヽゝｰ` `　　　　　　　　　　三ミヽ、
　　　　　　　　　　, `ﾆ　　　　　　　　　､　､　　 ⌒ヽ`＼
　　　　　　　　　 '／　　ム／ﾚ＾ソヽ ! ヽ l ヽ,､､ `‐`-- ,
　　　　　　　､ -‐ '//／ //ィ / l l　ﾘ　ヽ l､ l.ヽl`ー二ﾆ-
　　　　　　　＼￣　　　　 /::l/!.ノﾘ /ヽ､ﾄ.ヽ.!ヽ! .ﾘ　ヽ
　　　　　　　　>'　　.ｲ/!/::::l:::l',､l /::::l::ﾘN;ヽﾘl::l,､廴ヽ`＼　　（親父、すまねぇ
　　　　　　　　ﾚ'ﾌ　/l/ ﾘ::::::l:::/ﾙ':∧:l.､:ﾘ:ﾄ:::lN:::::l lミ‐-`
　　　　　　　-ﾆ∠:::l:::ｒｲ:::::::ﾄ､l/／二ニﾐ./ ! l/.ﾉ /＼`　　　　　　散々格好いいこと言っといて汚いことは全部やらせちまったな）
　　　　　　　　`‐-,::l::l '_ゝ::N 　　　` `´ /　 l/lｲ/ｿ￣
　　　　　　　　　　ﾉ:::::ヾﾆ`:ゝ　　　　　　　　 l　/
　　　　　　　　／'´7:::::`ー､　　　　　　　　ノ/
　　　　　　　　　　 / 'ﾘ:::λ!ヽ. 　　　　　 - ‐ｿ
　　　　　　　　　　　　l::`-`_- _`　、　　ー/-､_
　　　　　　　　　　　」::::::::::::`-`_-,　` ‐-, '::::`:::‐, 7
　　　　　　　　　　ハ::::::::::::::::::::l l　　　,'::::::::::::::〃‐- 、
　　　　　　　　 ,..::'´:::::::::＼:::::::::::l !　　　lヽ:::::::::〃　　　` ､
　　　　　 ,...:'´:::::::::::::::::::＼＼:::::l.!.　　　' .ヽ::::〃ヽ　　　　ヽ
.　　　,...::'´::::::::::::::::::::::::::::::::＼:＼!l＿　　／l::::!l.　ヽ　　　　ヽ
　,..::'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ヽ;;;ヽ､　` ´　 l::::!l　　ヽ　　　i　ヽ

そういう意味では、国土が荒廃しきっているという事以外は１５代目高麗王

忠烈王は恵まれた状況で国を引き継ぐことが出来たのかもしれない
572： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:40:22 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　　,.ゝ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､｀ゝ
　　　　　　　　　,．";.　´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　: : : : :.ヽ、 ;､
　　　　　　　　／: : . : . :　. : . : :　　 :　　　　　　　　　: : : : : :ー- ".;
　　　　　　 ,.', : : : : : :　: : : : : :　:.　 : : .　　 : : .　　　. . . . . : : : : :.ノ .
　　　､．..,,．': : : : :.. : : : : : : : : :i: .: : . : ヽ: . : : . : : : : : . . ｀丶: : : :｀ー'ﾉ
　　　　ヽ: : : : :...:::::::: ..: .::: : : : : : :!: : : : .: : ＼: : : : : :::::....ｰ:.､ヽ:`: : : :ヽ'
　　　､　｀ｰｧ:::::::;:::':::::.:::::::: : : : : : ﾞ:、: : : : : : : ｀ｰ-:..: ::...:,.- 、::丶.: : ﾞ､`
　　　ヾ.: :"::::::;:':::::::::::::::':::: : ::. : : : :.＼: ､`:ｰ-:'": :::::::::..::ヽﾞヽヽ:::::: : :＼　　（やるしかねぇ……世祖をたきつけた以上、もう後戻りはできねぇ）
　　　　　｀ `/::;:'::::::::::;'::::i:::l.:::::: : ::,: :::::`:.ゝ::::::....: :.::､:::::i:::::ヽ). 　}::::::.: :ヽ
　　　　　 ,:., !::::;:::::::l.::::::!::l.:::ヽ:..::､:...:::､:-:､._::ヽ::::::::!､:::!､::ｉ!.〉.; ,::::::::::.: :＼
.　　　　　 i/ .i.:::i ::::::l.::l:::ﾞ:;:ﾞ:;::､:＼:ヾ､:::＼ゝ￣ヽj!:}.ヽ! ﾞ;} ﾞ.' /:::::::::::. :.ヽ｀
. 　　　　 ′ ﾞ: {ﾞ: :::::ﾞ,:iﾞ:;::＼:::､_::::`:＼.｀ｰ-｀-　' ﾘ　ﾞ　　ｰ'ヽ:::::ヽ::､:ﾞ､ヽ.-.、
　　　　　　　　　ヾヽ._;::ﾞ:::＼､:.ヾ､`ー--ゝ　　　　　　　　　 ;　　ﾞ:从ヾヾ〉'/,∧
　　　　　　　　　　ノ:イ:;ﾉ:::;i:::i;;.!　　　　　　　　　　　　　 / 　　　／////,∧
　　　　　　　　　　　　　'"' '" ヾ{ ﾞ!.＿ ,　　　　　　　　　　,　　　.／////////∧
　　　　　　　　　　　　　　　　＼;_,...　 ´　　　　　　　　／////////////,'へ._
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ｰ　´　　　／　／/////////////,'.-''"~ ￣｀`ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ.　_,..;';;ヽ.,,'//////////////'／
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至元１１年の正月、年始の挨拶で世祖と謁見した際、まだ王太子であった忠烈王は

日本への早期出兵を求める上奏文を提出していた
573： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:40:52 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　｛ゞ. . .{　/ 　　 . / . , . /: .　　　　, .　 . . （＿__,
　　　　　　 ∠: : : : :ヽ{: .　. : : :{: :∧/: : : : : :｛: :{: :|: : : : :辷ﾌ
　　　　　　　ヾi...:...:...:../:.:.:...:...:...:ヾ{...:トﾐ:...:...:...:.∨ヽ{:...:...:...:ｒ'
　　　　　　丿.:.:.:.:.:.:|:|.:./{/|:..:..:. : |:|　ヽ:.:j::ｉ|::..:...:....:...:.卜｝
　　　　　｛:イ:::::::::::|T/ T大::::::!:.:ﾄﾄ=＝Ⅵﾉ|:://::::.:.:｛:ﾉ
　　　　　　　 ∠;::::::::l:::ﾄ≠＝tﾃヾﾄﾄ{ ヽ:ｨ＝tﾃﾚｨ/:::::＜:.＼　　　┏━━━
　　　　　　　ルﾍ:V|　｀￣　　＼　｀￣　ｲ::/}:::ﾄ::厂｀　　　　私は忠義を示したいと常に思っております
　　　　　　　　　八 Ⅵ　　　　　　　　　　ル'人:{
　　　　　　　　　　　）八　　　　 .　,　　　　 /イ　　　　　　　　　未だ日本は聖蒙化されていません　軍に命令し兵糧と軍船を用意しました
　　　　　　　　　　　从:.:.、　　 ____　　　 ,:.:.从　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━━━┛
　　　　　　　　　／, ,ｲ:l::|>.　　　ご｀　　／|:.:i|∧＼　　　
　　　　　　／／//ﾚl:ｲ　＼　　　　　　卜j{//＼ヽ
　　　　　　　〈　《//////|　　　ｰ '　　　 |//////》　〉
　　　　　　＼＼////ii　　　　　　　　ｉi////／／
　　　　　　　 ∠/｝｛///八　　　　　　　　八///　/ ＼

　　　〃　　 /　 /　 / 　 l　　ｌ　、　　　　　　　　　ヽ
　　　{i{ｲ　　 | |　|　/　 | ∥l∥ｌ l ヽ{　　ﾐ､　ヽ、ｒi }､|
　　　＿ツ　 /||　|| || /|､| || ｌ |　ｌﾄ､｀ヽ､、ﾐ､　l| ｛ }八!　　┏━━━
　　≧‐_,　ｌﾊl|　ｌＮｌ/ ｌﾄ､l|| ヾ!　ｌ| ヾﾄ､ }|ﾄ､ﾐ､ﾉ　ﾒ,_ノ　　　　臣下たる私に任せていただければ　心を尽くしてお助け致します
　　　　/ ィi　l l　ﾄ三≧x､il_ヽヽｌ_,,ﾘ≦三ヽ|ｌ　 `＝彳　
　　　　l/ lい､l ﾄ､lゝ `ﾆ’｀ヽ（＼ヾ `ﾆ’_,｀　 }! ､トー '　　　　帝国の軍を助けることを切に願っています
　　　　　　ヽハ{、　　　　　　　｀ヽ　　　　〃７ﾘ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━━━┛
　　　　　　ﾄ､_ｊ　　　　　　　　　　　　厶ｲ
　　　　　　ﾉｲｌﾊ　　　　　　 _　_　　　　　/　トゝ
　　　　　　　ｊ/| |l ､　　　　　＿_　　　　 /!l l ﾄ､
　　　　　　ｊﾉ||　＼　　 ´ 二｀　／|从ﾊ{、
　　　　　　ﾄ､ヽ　　＼　　　　　／　 |! 　ヽ＼
　　　　　　 _|　＼＼　｀ー─ '　　　 |　l　/ /
　　＿,. -‐くヽ! 　 |　|　　　　　　　　　 ∨ / / ＼

この上奏は世祖に非常に気に入られ、見送られたという

また、この時期から忠烈王は高麗風の衣服から蒙古風の衣服や髪形を使用するようになる
574： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:41:28 ID:.A8nCohA0: 　　●●
　 ▲　　●
／　＼　●
|　中　|　●　
| - － |　●　←この髪型
|/ー＼|　●　
＼＿／　●
　　　　⊃◯⊂
　　　　　 ▲

所謂、弁髪である

モンゴル周辺地域の髪型で、中世の中国文化の影響が強い国家では蛮族の髪型と蔑まされていた

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／ ,／／　　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　,,=＝' ／　　／　　∠,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,,,,,, ,,,,,;;;;;／､-'" ／／　::::／ ,,､-'""""""フ　　,,､-'"
　　i　　　　　　　　　　　　　　　　　(　,､-'|;;;;;;;;;/　　　―=-､i,,,（／''|;;;;ii;／／ :::　／ ''"::::~'t;ヽヽ;;／,､-'"
､―'　　　だ　　出　　て　　　　　　Ｌ（::::(|;;;;;;;/　　　　 i从,,二;;;;;､';;､／'"ii|||　::　:::::::::::::::::;;;;）;;;／'i'r―――- ､
　）'　　　 ┃　　　　　　　　　　　　／~''､|;;;;;/　　:::::::::　'､""''''ｰ､,ヽヽ~'､ミ　 :::　::::::::::;;;;''"/;;ﾉﾉノ;;;;￣~i''i'ァ／
ノ　　　　 ┃　　身.　め　　　　　（~''''::::::t;;/　　 ::::::::::::: ｀'-､ (:・:)~'' ､;;,,,,　　::::　,,r'''~::ノr"ノノ /;;;;;;i;;;;;Ｕﾉノ
)　　　　　┃　　　　　　　　　　　　ヽミ､,_ y'　　　:::::::::::::::::::::::: ~'''ｰ--jヽ;;;;≧z'""　ノ"彡彡" ﾘ;;;;;;;;（);;＿;;;;;＿
7'　　　　 ┃　　は　　え.　　　　　　／;t''/　　　　:::::::::::::::''''"''::::::::::i､;;;;ミミ三'''_∠彡､;;;;マﾆ;ノ;;;;､;;;;／／／／＿
ヽﾞ　　　　┃　　　　　　　　　　　／;;;;;ﾘ:/　　　　　　　　　:::::::::::::::''" ~'-､ヽ　/~''ｰ'z;;",,,,>";;;;;;;;ミﾆ=""　""／／
/'　　　　 ┃　　ど　　ら　　　　（;;;;;;ノir' 　　　　　　　　::::::::'''" r'~~ヽ,　 y　/::::::~'''ｰ'",/;;;;;;;;;;;;;;~'''ｰ-､､,／／
　　　　　つ　　　　　　　　　　　ヽヽ　t　　　　　　　　"　　　:::::t~ヽ､　:::::::/､:::::::::''" ノ;;;;;;;（､ｰ---- ､, ）￣
､__　　　　//　　こ.　の　　　　　,〉i | :ヽ　　　　　　 ,'"i' ､;:::: 　 :::::ヽ:ヽ　ﾉ'":::::　／;;;r､;;;ミ ;;;;ヽ　　ノ
　 |　　　・・　　　　　　　　　　　　（ } |:::::ヽ　　　　　/　　~ｰ､'-､;;　:::::)::ｰ'":::::::::: , ';りi;;;;） ~ヽ;）ﾉノ
　/ ,,,,,,,,　　　　　　　　　　　　　 rゝ| |i::::::ヽ　　　　:}､"~~~ヽ;;~''ｰ"'ﾆ=ｰｧ"::''"／;;ﾉﾉﾉノヽ, ノ'
　"　　ヽ　　　　　　　　　,,､-､i"::　i. |i:::::: ヽ　　　　:::t､　 :::::"''~~ ）;;;／'", '";;;;;;（"　　､　ヽ,
　　　　　ヽ／t,,､-ｰ―ｰ ' :::::　　:::　t t:::　ヽ　　:::ヽ::｀'､'''-､ __､ノ;／　／;;;;;;;;;;;;;;;;｀' ｰ--- ､,ヽ
　　　　　　ﾘ|　 |;;;;/⌒ヽ　 :::::...　::　 t t"　 ::ヽ　　::｀' ､､,,~''' ｰ--''　／;;;;人;;;;;;;;;;;;､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;~' ､
　　　　　 / |　　Y :::　/"⌒ i:::::　:ヽ　t t　 :::::ヽ　　~ ''ｰ-"､:::::''" ,､'";r'7　　 ~ '''' - ､;;,,　　　ヽ;ﾘ
.　　　　 / /;;;;;;;/ ::　/:::::　 /⌒j::　:ﾚ　tt　 :::::::ヽ　　.....::::::::::::　／/;;/ /　・　 ⌒ｰ　　~);;）　　ノ'i
　　　　/ /;/;;;/ :::: /:::::　 /::::: /::　 ::::　tヽ:::::::::::~' ､　::::::::'''"／r'"ノ /　　＞　　 ,,,､-''"　　　　 |　※善良な高麗人
　　　 / /ｲ〉"::: ノ:::::　 /::::: /|i::::　:::::..　i |:::::::::::::::::::~~ ''''''"／-'",ノ　　　｀､　　　　　　　　　　　|

『高麗史』によると胡服（モンゴル風衣装）と弁髪で帰国した忠烈王を見て、道々の人々は歎き悲しんだという
575： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:42:05 ID:.A8nCohA0: 　　　〃　　 /　 /　 / 　 l　　ｌ　、　　　　　　　　　ヽ
　　　{i{ｲ　　 | |　|　/　 | ∥l∥ｌ l ヽ{　　ﾐ､　ヽ、ｒi }､|
　　　＿ツ　 /||　|| || /|､| || ｌ |　ｌﾄ､｀ヽ､、ﾐ､　l| ｛ }八!
　　≧‐_,　ｌﾊl|　ｌＮｌ/ ｌﾄ､l|| ヾ!　ｌ| ヾﾄ､ }|ﾄ､ﾐ､ﾉ　ﾒ,_ノ
　　　　/ ィi　l l　ﾄ三≧x､il_ヽヽｌ_,,ﾘ≦三ヽ|ｌ　 `＝彳
　　　　l/ lい､l ﾄ､lゝ `ﾆ’｀ヽ（＼ヾ `ﾆ’_,｀　 }! ､トー '
　　　　　　ヽハ{、　　　　　　　｀ヽ　　　　〃７ﾘ
　　　　　　ﾄ､_ｊ　　　　　　　　　　　　厶ｲ
　　　　　　ﾉｲｌﾊ　　　　　　 _　_　　　　　/　トゝ
　　　　　　　ｊ/| |l ､　　　　　＿_　　　　 /!l l ﾄ､
　　　　　　ｊﾉ||　＼　　 ´ 二｀　／|从ﾊ{、
　　　　　　ﾄ､ヽ　　＼　　　　　／　 |! 　ヽ＼
　　　　　　 _|　＼＼　｀ー─ '　　　 |　l　/ /
　　＿,. -‐くヽ! 　 |　|　　　　　　　　　 ∨ / / ＼

ここまで元に気に入られなければならない理由があったのか？

そう聞かれれば、あったのだ

.　　　 //　　　　 / 　/ /　　/ﾉ　/　　　　　　　ヽ |、
、　　'"　　　l 　 l. ノ //: :／/ /ヽ　!　　 /: : : : : : : .＿,'
. l.　　　 /　ム　i 　 /／ /／＼ ! !!: : :/　: : : : : ＿
│　　: :/: : ﾉ .i .ｌ　''’　--=ﾆﾆ二〕! / ! /: :丿「´
│ |: : :,'ヽ: :| 　ﾞ'、　　　｀''ｰ- 　ﾘ´ // /: :／丿
　l: :!: :.l　＼ヾ　　　　l!i:li　　￣　/／／　/
　 l. !: :l　　　　　　　　 i:li　　　　 /　ヽ
）ﾍ .! l 　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　ﾞ ' 、　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　え？軍人の妻にするから女集めろって？
-┐　ﾞヾ　　　　　　　　　　　　　　　　_ ノ
: : ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　 ' （　　　　　　１０００人って後宮でも作るの？
: : :ヽ　　　　　　　　　　　　　＿＿..ノ
: : : : : 　　　　　　　　　　　 '――-、　　　　　　しかも全員貴族！？
‐　ー: : : 　　　　　　　　　　　　　ノ
::::::::.......二　ｰｧ　　　　　　　　　 |
:::::::::::::::::::::/ /　` -　　　　　　　 |
:::::::::::::::::::/ /　　/_‐-　_　-　　_ ノ
:::::::::::::::::/ /　 ./　　｀ｰｧ｀ｧ
:... 　　 / /　 ./::::....　／／
:::::::::::::/ /　 /　::: ／／
..　::::::l / 　/　／／
:::::::::::l l　 │::/ /ヽ
:::::::::::l　ｰ､　l (. ヽ＼
::::::::::::::...ヽ│、、　ヽ　＼

とにかく莫大な元からの貢納要求の矛先を変えなければならなかったのである

軍船と兵糧と鏃の他に定期的に妙齢期の女性やら布やらを要求されていたのであった

特に女性の要求は規模が大きく、要求される時期に入ると結婚を禁止させて処女を集めるという有様であった
576： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:43:01 ID:.A8nCohA0: 　　ﾉノ　　　,' / /:/ :/:/｜　 . : : :.ヽl、
. Y´ . l　｜ !/ /:厶ｲへ!ｌ|: : /: : : : : .､一
　| . :.:ｊ:.: :ﾄ､l　イｰ=ﾆニ}ﾘ//.:.:l :l :「￣
　| l: :{｀ヽ|　　　｀''ｒｰ┴' /. : ﾉ:ﾉ:ﾉ
　| l: ﾘ　　　　　 l|l|　　 /　〈　´´
） Ⅵ:{ 　　　　　　　　丶　　兵糧は提供してるのに何で略奪すんのよ……
ｰ、ヽ　　　　　　　　　　　 _ ノ
: : ヽ　　　　　　　　　　　 (　　　　ていうか高麗の役人勝手に捕まえて処刑しないでくれよ……
: : : : .　　　　　 r―‐一'
ー‐――┐　　　￣￣)
:.:.:.:.:.:.:.:.//､　　　　　 |
: : .:.:.:.:// 　 ,ー-　　　..ﾉ
: :.:.:.:.// 　 /.: ￣.:ﾌ
:.:.:.:.// 　 /.:.:.:.:／
: : // 　 /.:.:.／
.:.:.{ {　　Ｌ〃＼
:.:.:.ヽヽ　｀ヽ　＼

また、元兵の駐屯する南部では度々元兵による略奪が発生し、その都度元に抗議の使いをだす状況にあった

正直良くこんな状況を何年も続けたものだと思ってしまうレベルである

　　　　　　　　　　　 _ ,
　　　　　　　　　∧/　ﾊ/l_　　　l
　　　　　　l　┌>　　　　　ｨ┐
　　　　　　l　_」>　ﾊl/l /l/ Zl＿＿
　　　l　_ -‐ 　_kﾊlﾞ"",""V _　　l.jｌ...l..T‐､　　ダメだー！
　　 -　　 _ ‐　^t.ィ/=l /'＿￣l|.ﾉ...ｌ...|　 l
　〈　　_ イ､＿≦::::l ﾆｲ::::::/-‐l..lｲﾍ./　/　　あいつら早く出て言ってくれねーと国がー！
　　ヽ、ﾉ:::::::::::::::::::::lｰ ‐|::/ ﾊ　l..l/.ﾉ　/
　　　　＼:::::::::::::::::::::ヽ /:/ /　　l..l..／
　　　　　　ヽ::::::::::::::::::::::/ /　 , ／
　　　　　　l　k:::::::::::::::::/ / 　/
　　　　　　l　 k:::::::::::::/ /　　j　　l
　　　　　l　　 , k-､::ノ /_-‐_ 〉　 |
　　　　　|　　//ﾉー-..-:.:.:.:.:._l
　　　　　　 // /::ニニlI::Ｉ!ニﾆl
　　　　　 ///::::l l　　　l|　　 l
　　　　 /ﾐ/l::::::l l　　 l|　　　l

が、この高麗王の苦労は在位期間どころか死ぬまでついて回ることになるのであった
577： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:43:30 ID:.A8nCohA0: 一方の日本も文永１１年の中ごろには防衛体制がほぼ形を成した

　　　　／´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : }}: : : : :｀:ヽ､
　　ﾍ||: : : : : : : , :r ,=_'_‐_´_ ｀ '‐= JL: : : : : : : : ヽ
　 |: ||:||, - , = r´': /　,-, フ　｀ '_r‐>-､= -､: : : : : : }
　ﾍ: >/竺ヽ}: : : r　//:|´　r‐'´／　　　ヽ: : ヽ: : : /
　　ヽ{ !焦ﾝﾉ二 }　ﾉﾆﾉ .ﾉ　人　／_ノ　＼: :ﾍ:/
　　　{｀'‐'-´ ‐::´:｀´ﾉ人､ヽ　ﾍ　´ﾉ　　､　　ヽ-‐,ヘ､
　　　{／::´::::::::::::／{　・ヽ, ノ､‐｀/　｀i　　　　　/　　｀＼　　　　　
　　 /:::::::::::, r ' ´ 　ﾍ　ノ　　　ヽ＿,,､ !､　　　/　　　　　　｀　､
　　/,::: r'i´ﾟﾉ　　　　｀　　　　　　　|　＼_　ノ　　　　　　　　　ﾍ: :＼　
　　'´　 | ｀r　_ - ､　　　　　　 |　　／　　　　　　　　　　／: : : :
　　　　 .|　'ヽ　ﾜ '　　　　　　　　　 | ／　　　　　　　　　／ｸ: : : :
　　　　　|　　｀　　 _ , -― ' ‐_､　　ヽ､　　　　　_ , - ‐ ': : : : : : : :
　　　　　ﾍ　　r_'´- ‐　￣　　　　　 r｀ヽ､＜: : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　ノ　　ヽ＼: : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　　ﾍ　　　　　　　,　‐　´´ ￣￣ >==≧: : : : : : : : : : : :
　　　　　　　　 ' - -, ､r = ´ _, - ‐_, '''''／: : : : : : : ＼: : : : : : : : :
　　　　　　　　　 /‐=｀|　 r'´r―ﾂ ´ ~: : : : : : : :
　　　　　　　　　{-‐i　.|, -'―': : : : : ○: : : : : : :
　　　　　　　rﾉ´=´ノ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　　, r'r,´=＝´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
大友頼泰（鎮西御家人東方）

　　　　　　　　　　　　　　　　　 -‐……‐-
　　　　　　　　　　　　　　　／: ｉ: : : : : : ′ : : : : : :＼
　　　　　　　　　　　 /: : : :,: : : : : :{: : : : : : /: : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　 /＼: __:ヽ: : : : |: : : : : /: __: : :∧
　　　　　　　　　　 ': : / 　｀　､: : : : : :． ´　　 V: /:
　　　　　　　　　　　　ｉ: : :Z　　　　｀￣´　　　　　く:/: :i
　　　　　　　　　　〃} /｀_≧ミｘ､i　{　,ｘ≦乏"´　|:{＾ヽ
　　　　　　　　　　　 {　l/　ヽ___ﾟノ{　 '"ヽ _ﾟ__ノ´ 　|: ,　}
　　　　　　　　　　　ヽ'{　　 -‐　/|　i　　‐-　　　　}: ∨
　　　　　　　　　 |∧　　　　,　!　!　、　　　 /: : }
　　　　　　　　　 |: :ﾊ　 ,-‐ヽ ___ ／─-、　ﾊ: :∧
　　　　　　　　　ﾚ'i: :} i {三三三三三三ﾉ｝ } |: {: :}
　　　　　　　　　　　　　　从} ｀　ー‐--‐一　　　/从ﾉ{/}
　　　　　　　　　　　　　　　 |＼　　　　,　　　　 /　ｊﾉ　{∧
　　　　　　　　　　　　／{＾＼＼　　 |i 　　　／_／}ヽ_ヽ∧
　　　　　　　-‐　　　´　　　､　 ` ｀ー===一´　　　/　　｀　‐‐-
　￣￣　　　　　　　　　　　＼＿」/////|　　／　　　　　　　　　￣｀
　　　　　　　　　　　　　　┌─ ´/////|￣ ´
少弐資能（鎮西御家人西方）

東西の鎮西御家人を総指揮官として
578： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:44:33 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　　　　　／.../
　　　　　　　　　　　　＿ヽ......i、　　＿＿.............._
γ⌒ヽ　　　　　 ,. ::''".........`..........￣.............................ヽ､_　　　　　　、
ヽ　;;;ノ　　　 ,.::'"........_;:.-‐''.........................................................＼　　　　 l!
　`! 'ヽ　　／,..-''".-'.......;:-.................................................................`ー-‐'..l
　　l　ヽ /／　／........;／..;..................................................................、.........ノ
　　 !　 /'　／....; -'"/...././'''''7⌒ヽ/_.......................................ヽ..ヽｰ'"　　　,,.
　　 l　;;;;／.-''"　　/.; 'r'7;;;;;/;;;;;;;;／;;;ヽ''''ー――l.....i......l.......i.....`ーー'"/
　　 .l　'';;''l~＿　　/' /ﾉ\;;;;;l､;;;;;/;;;;;;--､L　　　　　!...l.......l........l..............／__
　　,j:: -‐''"　　~'/'ヽ「;;l;;;;;;l;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l＿＿＿j...l.........l.......ll.ヽー'"7ノ
.／　　　　　　　 l　 /!/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ',.. -ｨi--l.l..........l......l!l.......￣／、
'_,,..　-―　''''''''' ￣/{;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;j　,,~`ｰ"-ｲl..........l.....l-l;;::_-''"　　`
　　　　＿　　　　　ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/l.　 """"/ l......../!...i;;l;;;;;;;,,,＼
　,.-;;''";;;;;;;;~;;丶､　　 ,{;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/`＿,..、 /／l..../ /!/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ./　ヽ､.;;;;;;;;;;;;;;;;;／＝==:'' ／ ,./／ /;;';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
　　''''''''''''',,;;;;;;;;;;;;;;;;/ ,.:‐''''-､`ー--{ ＼＿_／―'"/'　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
　　,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／V　,...、　ヽ　　/､＿　　　　 __,,.／;;;;;;;;;;;;''''''',,,,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;
　,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／ ;;;;;;l,,ﾉノ;;;; ﾉ　 /､;;;;;;;;;;;;￣￣;;;;;;;;;;;;;''''' ,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　'';;;;;;;;;;;;;;;;;;／ ;;;;;;;;;;ヽ_ノー'￣７;;,,　 ''''''';;;;;;;;;;;;;;;;;;''''　 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;

戦場の総指揮を少弐景資

　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　　／　─　　 ─　＼
　　　　　　　／　（●）　（●）　＼
　　　　　　　 |　　　（__人__）　　　 |　　書類仕事と勲功引付はやるお
　　　　　　　＼　　　｀ ⌒´ 　　 ,／
　r､　　　　r､／　　　　　　　　　　ヘ　　　戦闘？　弟が優秀だから任せるお
　ヽヾ　三　|:l1　　　　　　　　　　　　ヽ
　　＼>ヽ/ |｀｝　　　　　　　　　　　|　|
　　　ﾍ　lノ `'ｿ　　　　　　　　　　　|　|
　　　　/´　 /　　　　　　　　　　　　 |.　|
　　　　＼. ｨ　　　　　　　　　　　|　 |
　　　　　 |　　　　　　　　　　　 | 　|

臨時指揮所に割り当てられた博多には少弐資経が両鎮西の補佐として滞在
579： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:45:32 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノヽ)）ヽ,,rｰrヽ,, ,,ﾉi
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾉ~'tiii"（t　i}}|j　　　　　"　"ﾂヽ|t
　　　　　　　　　　　　　　　iヽ/ﾂii|}}从､}iii)''ijﾘﾘ}　､　　　　　ﾉﾂﾘ､
　　　　　　　　　　　　　　　ii}}y"}!､iii､'';/r"t}}}（iij,yiiヽ-ﾘヽii}j､,,　"ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　t,｀､i､}ヽ''ii）;;|iMtヽ''" ｀" ﾉ　""ノﾉﾉjjり ''ﾌ
　　　　　　　　　　　　　､)" ミ;;,,t､ti;i､ t;;､､）)ﾘiﾉﾂノ／""''彡"彡ョ
　　　　　　　　　　　　　　i､｀''i ;;;;:::ijj}､｀';;;;;;'"":::;;;'"　,,,,　　廴r''ﾂ r'
　　　　　　　　　　　　　 't､ ;;;､ t;; ::;;;｀;;;;;;;;;;|}:::'"::;;'"ii"　　､迄彡ﾉﾂ
　　　　　　　　　　　　　　ヽ, ;) (|;;ヽ;;､;;;;;;;;;ﾉ':::i:::;'":::';;"　　::'≡　" ﾉ　　後詰か……激戦となれば我らが勝利を決するということよ
　　　　　　　　　　　　　　 'i ,;i,,､;;､､,;; ;;;;､;;;i'i},,ir')ノ,,,,,,,,___　:::ミ≡:r'i
　　　　　　　　　　　　　　　t ;t;;iitｰﾐｩﾃ;;､刈ｼ='r'-ﾐｭｫヲｦ　 ')'''/'|:|　　　
　　　　　　　　　　　　　　　 '',､,i'"｀￣"::::了 j''"｀￣:::::"　　 ;;ﾘ/)ﾘ/i　　　　　　　,,
.　　　　　　　　　　　　　　　　t､i'::::　　:::::::| ,'　 j""　　　　 :::ﾘ'､/ｲ'(,, ､､ -ｰ '",､　~ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽt::::::: :::::t,,ハ　,､)　　　　;;;;:::i-ｰ'"t)）::::: ..;､-'",, "　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　i;t :::::::::::~'- '":"　　　了 ,i;;;;:::　 t:::;､-'"　'"　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　 ,,, ､ - ｰt;ヽ ::::::::;;､､､:::,,,　　　;;'" /;;;;:::　,､'":::::彡
　　　　　　　　　 ,,､- ''":::::::::::::::::::t:;ヽ :::::":::::::::::::｀'　 /　, ';;;;;;;r''":::::::...
　　　　　　 ,,､-'"::::::::::::::::::::::::::::::::::t::;;ヽ ;;;:::::::::　　　 "／;;;;／::::::::::
　　　,,､- '"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::t:::;;;ヽ　:::::::::::: 　､';;;;;r'"::::::::
.　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::t:::;;;;;;'､;;;;;;;;;,､-';､-'":::::
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./　 ;;;;;;;;;;､ -ｰｰ ''''' """ '''' ｰ,-ｰ''''::":::::::::::::::::::::::::::::::::::::
"""　　　　　　　　　　ｰﾆ"､,,,,,,,,＿:::,,,,,,,,,:::＿＿,,,､ -ｰ'"
島津庄地頭・薩摩国守護　島津久経

博多から東、後詰の位置にある筥崎八幡には南九州の雄島津氏当主久経と薩摩御家人衆

　　　　　　　　　　 ,.ィ　,.ィ
.　　　　　　　 ,ｨ／　 '´　 !／ﾚi
　　　　　 /　　　　　　　　′ﾚi
.　　　　 jﾞ ,.ﾍ、　／＼　　　 !
　　　　　 |/　　 ¨´ 　　ヽ　　│
　　　　ﾚ_ニュ　 r'ﾆﾆヽ〉　 !
　　　　　 l =＝｡、　＝｡= :|∩　!
　　　　　　| `zzr' 　ｚｚｚ'　||tﾘ .|　　少弐殿の指揮下だけど、有数の大勢力だぞ
.　　　　　　l　　L -`　 ┌ :lﾚ′j
.　　　　　ｌ　⊂ﾆニ⊃　.ﾊ.　ハ
.　　　　　ﾊ　, ,ー, , ,. '/　ｌ ./: :ヾ''ｰ-
　　_,,　-‐''7 :ヽ＿＿＿/ 　 l/: : : :!: : : :
￣ : : : : : ,' : : : |:::::::::::　　　 |: : : : :|: : : :
: : : : : : :.:i: : : : :L._　　　＿_｣.: : : : :| : : :
: : : : : : :.l : : : : ﾄ､_｀　'´ _,ノ| : : : : :| : : :
: : : : : : :| : : : : |;';';';'￣;';';';';'|:.: : : : :| : : :
.: : : : : :.| : : : : l;';';';';';';';';';';';'|: : : : : :|: : :

書状が残ってないので今一居場所が分らないが、肥前・肥後勢に名族千葉氏出身の千葉頼胤
580： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:46:09 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　＿＿__
　　　　　　　 /⌒⌒}　｀Y⌒＼　ﾄ､
　　　　　　　　__ノ⌒＼　　　　｝ﾉ　＼
　　　　　／´ 　　　　　　　　　　　　}ノ{_
.　／´￣　　　　　　　　　　} } }　　　　／
　 {　/⌒Y´￣　　￣＼__ノノノ　　　　ニフ
　ﾉ./　　 {　　　　　ミヽノﾆニ{　　}/ヽ　 __ノ　幕命とあれば仕方があるまい
　}ﾉ　　ﾉ　 } 　　　　｝ニニ＼_/ fﾘ}　{　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・・・・・
　}　　／　　(　　　／ニニニ{　 __ノ⌒＼　　少弐の命令に従ってやるとするか。今のうちは
.　／　_厂⌒)　ｎ ∧ニニニﾆ}　 }　∨　,ハ
　//￣　　 /／八{ （　＼ニﾆ{　/　　∨l}ｌ}ｌ}
　{｛＿＿__./　　三三＼,ﾉ＼-}/　　　 ∨ﾉﾉ
／ /　　/⌒＞-( ￣｀＞＼ノ＼　　　　＼
　｛　 /三三(　￣￣｀＞ .} 　 }　　　　＼==ミ
　　　　　　　　￣￣｀＞､　　､ }----
　　　　三三(￣￣￣￣￣　 ) :|　　　　　　／／
　　　ニニニニニニニ＞　　　 :{ 　 /´ﾆﾆﾆﾆイ
　　　三三三（＿_＿＿／　　ﾉ＼ {　ｎ　）） lU イ
　　　　　　三三三三人＿_／　ﾉﾆ＼U≦三三
　　　　　三三三三三三＼___／ﾆﾆニ≧====ミ
　　　　　　　　　三三三三＼ニニニニ
　　　　　　　　　　　三三三三＼ニニ
　　　　　　　　　　　　三三三三＼

そしてもう一名――
581： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:46:48 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　ハ
　　　　　　　　　　　　 |　',
　　　　　　　　　冂　 /l　 |
　r､　　　　 |ヽ　l　|　〃　|.iヽ
　|,li､　　　 |　V /　//　ノ＼＼
/　川　　　/ ./ / / ｲ　/　　/＼￣￣＼
　ハ　,,,,-''"　 ////川 l＼ /　l ヽ　　　ヽ
　川''"　　　 //.|/ |||　ヽ, ＼, /|/　　　 .|-､
　V　　　　 //　 |　＼､　　i .／/　　　　/　ヽ
　l　　　　　K　　ヽ　　|　　／ /　　　　/ﾆ=　ヽ
　　　　　　 l l　　 `.　 |　　|　/　　　 /Y,　＼ヽ､
＼　　　　　＼＿_　　|　　|　　　i　((/ //　　￣
.　＼-､　 ,,,,_〃　　''ヽl　　ヽ/i　 | ／／ｲ
￣‐'´{.＼　　ト　_　　ヽ川　川／／／l.|
　　　<_　＼川　ﾘ　_,_ V/二川_ ´／/ﾐl lしlー-
　　　へi　ヽ｀‐‐-,,,/-ﾆ'''''::::))ﾆ-'＼､_,, .l .|'‐'' i
　,　/　　 >―￣￣ヽ､:::::::://// ／7ﾉﾘﾉ|-､　ヽ　　　だが、私も低くみられたものだな
　　　 T川_∧＼￣li ''/-v　l'',,／∠,,/　| /_ ＼＼
　!　　川ﾄ　! ヽ二 ‐-､! ,! / /'´ィシノ　 :l　|､＼　　　　他の有象無象共と同じ扱いで配置されるとは
　　　 |.l川ヽ｀. ＼弋_ｩ >.|.!/／,'''''"　　ｨ|　|.l　＼
　ii'''''' ミヽ__|ヽ __ ｀二´,'''|,,,;;　 ''''　　　　| / |　　 !
　　　　｀`'　｀ __,,-=-ゝ |;;''' ,, , '　　　　ﾚ　.l
.＼--―― ,､＜ {　　　　ヽ,_ /''　　　 ./　　 |
. /_-‐7　／　 '､､　　　_,,-―_''= 　 /
　　／／　　　　＼,＼　 ;;二=''''　/
　／／　　　　　　＼　＼　--　 _/　　　　＿,,．-‐
　／　　　　　　　　ヽ＼　ヽ-ー'"　　　√
/　　￣￣````'''''ーー,,ヽ　　　　　　／　　　_ ー
　　　　＿　　　　　　　　｀‐､ ,,,,, - ´　　／
　　￣´　　￣￣　　　　　　　　　　　 ´
菊池武房

肥後御家人衆の最大勢力で守護少弐と並ぶ権勢を誇る大豪族、菊池氏当主武房が博多西側に着陣
582： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:47:42 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_
　　　　　　　　　　　　　　　 _..　-‐''"´￣:::::::::::::ﾞi
　　　　　　　　　　 _,, -''":::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　 _,. ｧ''"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　 ,､ｯヽｿイｲｨ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::L
　　　　 }ヾﾞ/ / // ｲ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,r７¨ヽ::| |
　　ｆ（_ﾉヾl　{ // /ﾚ;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｛ﾐ{　　 }::l |
　　（ヾミ.ﾆヾ={ { （（ {/(::::::_...　--―=＝ニニニﾆコ′
　｛ミヾニ =ヽﾞ､ヾ､ヽﾞ､（○）ニニ二二＿￣ ¨ └-　.._
　　ｊヾミヾ＝ヾミ､ヾ二ノ― -　..._　　　　￣フTｉ┬- 二 _‐- ､
　　）ミヾミ二＝=ヾミﾆ/―‐__----　二ﾂ）ﾉﾉ／∠ﾘﾉ　　　　￣ )′
　｛二ニ＝ヾミ二ﾆ〉　＜で・ﾌ¨ヾ>三⌒〈・ﾗﾅﾘ__..　-‐　"´
　　ﾞi二ニ = ,≡三二.ﾆ{　　　 `冖' ´　"´　　 ',¨ﾞ|
　　 lﾆ -‐.二ｆ　ｒ､ヽミ二}　　　　　　　　　　　　 ',│
　　 l,ﾆ-‐フ|　| | ＼｀Ｙ´　　　　　　　　　　 '"　/ |　　　おい、わかってるだろーが幕命は守れよ
　　　 l／/ l ｌ　l l　（　　　　　　　　　　　　　　　 |
　　　 l/ リ八ヾ､_ ]　　　　　　　　　　　 _.. ﾆ=ﾆ､ |
　　　彡ｲ｝ }｀ヽ､　o ﾉ　　　　　　＜..＿＿.ノ |
　　　　 l ｌﾉノ　ﾉ　￣　',　　　　　　　　　　　　　 |
　　　　　 l ｌﾚ /l　　　　　｀丶､　　　　　　　　＿_ l　　,ｒ‐- ､
　　　　　ﾘﾊｲ l__...　 -‐　'' "´￣￣￣￣ｌ| ´三／　 / /"ヽ_ヽ_
　　 _..　 -‐ ''"´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ｌ| ￣ l--―{　{￣--┐|二`ヾ"二
　l´: : : : : : : : : : : : : ／⌒＼ : ／⌒＼: : ｌ|　　 | ￣￣ヽ..)　｡中|　 {ヽ､}
　|: : : : : : : : : : : : : :｛　　　　｝｛　　　　｝: ｌ|　　 |　　　　　 l　 |│二>､..二
　| : : : : : : : : : : : : : :＼＿／ : ＼＿／ : ｌ|　　 l 　　　　ﾟ　中|
菊池有隆

弟で、最近菊池庶流家を創設した有隆もこの菊池勢に同行している
583： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:48:11 ID:.A8nCohA0: 　'´　　＿,. -‐'^ヽ　　i　ヽ┐
　＼　l　　　ｒ'^ヽ＼ﾉ　/　l＿
　＼ _/　　,.-､/　ﾍ､　/／　　l
　,三.l　　 i-‐‐,!　,!ﾐｒ‐v‐<＾ｉハ
　ｰｧ'　　/__.二／-弋､ ,ﾊ¨ｉ l　l
　＜＿ノ｀ﾞﾆ_‐-x　　)｀ヾV　!　/
　'´／i _ヽ.＼でｱミ､.､ﾉ _,.ｫ'"ノ
　ト-'i"　　ｌ　｀￣ /-‐ｷｲｦ'´!　　　いつぞやの幕府法か
　　　ﾐ　 ,'　　　 '､　　ｌ ∨
　　　　　　　　　　＼'´_ブ
　ﾊ.　　　ｉ. r'　　　,. _｀',.l
　　i. 　　 ',　弋ﾆ´-‐‐〈!l
　.　i　　　　　｀¨´￣ニ!
　　ヽ、　　ヽ　｀¨"´Ｔ^!
　ﾉ　　　丶､　'､_,,.. 二ノ
　─----...,,､_｀´: :＞''´
　:::::::::::::::::::::::::::｀ヽ､!
　ト､::::::::::::::::::::::::::::::|、

幕府は嘉元年間に守護の命令に背いた場合はいかなる勲功も認定しないという幕府法を発布している

三三三三三三　　ﾐ　　　　　　　　　三三三三
三三三三三三　ﾐ　　　　　　　三三三三三三
三三三三三三　　ﾐ　＿　　　　三三三三三三
三三三三三三　〔|ミlｍ|_＿＿,Θ三三三三三
三三三三./ ,)-＿＿二二-―－´ｌミミミミミミ彡　　わかってんなら下らねーことするなよ
三三三　/,,/￣￣￣) .､テ‐,-　　ヽミ/~ヽミミ彡
三三三 /,,,/　(,,ヽ／　i ~``　ヽﾐ　　ｌＳｌ |ミミﾐ彡　　兵糧は指定された場所に運んどいたぜ
三三／＾ヽヽノ　lヽ) _　`　　　|　　　_／彡ミ彡
三　/　＼ｿ.　　/　｝‐- 、　　　　　ｌヽ彡ミミ
三 l､＼ )（　　ノ　ﾉ⌒　　　　　／ |　ヽミミ　＼
三 l＼ソ、　 _/　　ヽ＿＿　　_ ／　　|　　　/三三＼
三＼　_／i |‐、三三三三＼　　　/　／三三三
三三ｌﾐ　　／　(三三三三三. ) ∩　／三三三
三∠|ﾐ／　／ .|三三三三ｌ￣￣ｌ l￣三三三

この追加法には要害に兵糧を集積することも記載されており、文永の役では大宰府北の水城に集積されていた

そのため、現地にいた神官の日記が元ネタという『八幡愚童訓』には水城が本陣として描かれている
584： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:48:55 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　」ヽr‐-ゞ｀`vｉレヽ∧
　　　　　　　　　　　　　　､-ミ'　人　｀ﾞ‐-'　''､ ´V__7
　　　　　　　　　　　　　 __ゝ__,､-,z　|二二ﾆ､__ヽ､ﾆく
　　　　　　　　　 ,ヘ_-‐ヾ〈 (､:´ //ヾl/　　_/ノ､_‐-ゝ7
　　　　　　　　　f　　へ「llﾉ＼ヽ/';／';‐=二-7 ヾ,､l'´ヽ
　　　　　　　　　(　（_:::ﾌ-ヾｉ :): :{/､_ ﾉ /rュ/　;　V lヽ|　　ご苦労
　　　　　　　　　ヽっ（::ﾚ=トゝ､」ヾ-'､`￣,,_　　ﾞ,　了_l､
　　　　　　　　　　 / ,J ｉ::））:::::::::::|'__　ヾ,'´´　　;　　 V､`,　菊池勢は赤坂山の博多側に着陣する
　　　　　　　　　ゝ_7､ヾ､l:::::::::::::ヽ､7　　　_　　;　　 !)」ヽ
　_　　　　　　　　　´　　丶ゝ､:::::::::::::,:_-‐ﾆﾌ'　　 :　 /::､＼｀'､　地勢の確認を頼む
　} ヽ　　　　　　　　　　lゝ､:::::::､｀‐￣__;;　　　/::　;　　V､
　|　 l　　　　　　　　　　　　ヾ､ﾊ:::::::｀:::´;;　__　　/::::　　; ; ; ヾ
　! ノ､　　　　　　　　　　　　lｉﾍ::::::.　,´////>'::::::　　_ -‐フ`
　ｉ :　}　　　　　　　　　　　　　　l」｀､＼:.' ///／:::::::;;／.....o..//
　ｉ､:´ ｉ　＿__┌‐-､　　　　　　　　ヾ:::｀:::::´:::::_:／....0.......// ,'
　l､:　 V　 }} 」.＿　|　　　　　　　　　　ｉ:ヽ:;;;┌l「l................../／
　ゝ　､/　へ」l_ ｀ｉﾉ､　　　　　　　　l_:::::::::| |　L......／::/
　 >'´,,　'/　 }}ヽ=´　7　　　　　　　「V-'＼ヽ..／:::::://
　 )　　_　,,-‐へ＼ .l 　　　　　　　　[l|...o.....／:::::::::://
　ヽ´　￣　　　}}＼l .|　　　　　　／/'ゞ‐'´:::::::::::::::://

ちなみに菊池はほぼ緊急動員だった文永の役で１００騎を動員している

準備した守護の動員が３００騎とされる時代で菊池の権勢がいかに強かったかがわかる

　　　　　ゞ-､_: : : ／ニミ_ー､　 ,.-ニ-ヽ
　　　　　ゞﾐﾐミi'´弋弋ラy‐'　 !くゞク　|_
　　　　　　l,.ミﾐﾐ　　 ,.￣:ヽ　ゞ∨:　　 | i　　　おい、赤坂は悪路だ
　　　　　　| ﾍ｀'ﾞ　　　　　ヽ<、/　　　|| |
　　　　　 !ヾ|''ヽ　　　　　_,.､_,. ､　　ﾚﾉ　　　馬がうまく走らせられねぇだろ
　　　　　　 'ヽヽ-i　　　　 -‐=ﾆ＝ﾗ　 !ﾞ|　　 ,.-―-､
　　　　　　　ﾘ｀i''ｰi　　　　 "'''''T""　レヽ,-<__/｀ヽヽ
　　　　　　ゞ川　:ゝ、　　　　　　　_／i　　|: : : ｀''‐|　|__
　＿＿＿＿ﾚ川　　: :｀'-､_　 ,. -,.ﾍゝ､> ﾉ: :,.-‐ﾆﾉ ,ﾉ: :｀7
　|: rｰ-----〉川　　　　: : :｀´／ヽ　　r''´｀'ー＜-イヽ: : :|＿＿＿＿
　|: |＝ o　　ヾ川　　　　　 ∠　　＿∠-‐''´ヽ,,..!-ﾉﾉ／´: : :: :,.-‐''´￣｀'''‐-､
　|: |　　|　　　. :｀'|　　　　（　　　＿　　　 ),l､〉ィﾞ: : : : ,.-'´: : : : :::::::::::::::::::::::＼
　|: |＝ 9　　: : : : |　|i‐､＿_|　（　　＿,.-‐'"´ ヽ〉ﾉ: : :／: : : : : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
￣￣￣￣￣,. -‐┘ ||: : : : :|　 !　　　　　　　／ﾞく: ／: : : : : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　,.-''´　　　　　|| : : : : | ,/　　　r　　／　　,/: : : : : : : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|

当初の防衛計画では上陸された場合は馬の脚が悪い（操りづらい）赤坂まで引きこんでの逆襲策を採用していたようであった
585： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:49:34 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　i
　　　　　　　　　　　　 r-､　　./ 　 }　　　　 r､
　　　　　　　　　　　イ )入　/　　 il _　　　ﾉﾊ _
　　　　　　 ,､　　/Kﾐ　/　 /ﾊヾ　　V ヽ＿}　ノ入
　　　　　　 i 廴/＼ヾ/　 //　ﾐ､　 /il　|￣ヾ　人ゝ,　ノi
　　　　　　人ﾐ=､ヾ　il　　ilⅦ　ミ / ﾉ . |　　　　)　r''´　 }
　　　　　 { ヾ　ヽﾐミ il　　弋　　/　il　 .|　il　ｿ,/ i i /　/
　　　　　　}　＼　}ミﾐ､ヾ　＼　i　ilil 川V.il彡/ ｲ il　 / _
　　　　　 /iｲ　 il　廴ﾐ　ヽ　　Ⅵ　ヾ　ヽ　.V/ ./ノ　./ .)　)
　　　　ノｨ=三=､＿_ ｀≧ヾ　　il　　 )　ｿ　/／　／／i /
　　　イ/小/,＿､　 /￣￣｀ー､il　　il／.／　≦イィﾊ V
　 -=ﾄミV/i　ﾃﾐ=il/　/　/　 /ﾊVi／.／￣ヾ　ヾ Y　＼
　　　ヾ廴/　il　 /i　/　/　 /ilililⅦiⅣililil)　　}　} 人　　 }
　　　　ヾ-ィ':::::::::::ヽil　il　 .{::/￣.:v.￣V　　/　/ｲ::::＼.ノ
.　　　　　ﾄ､::::::::::::::＼＼ il::{:::::..　　..:::}　　　ｲ:::::::/　　・・・・
　　　　　　ﾊil￣il＼￣＼＼＼;;;,,, ;／　／￣ﾃｲｲ　　だからだ
　　　　　　廴ﾊ il　､_≧､ .＼ }　￣　{／ ,,ィ__ﾌ .i/}
　　　　　　 |人 il　＼ tュ≧ ヾ　 r　≦ィﾌ /　ﾚ　　あそこなら必ず戦闘に巻き込まれる
　　　　　　/｀ﾊi　　::::￣￣￣｀i　 K　￣￣　　/i
　　　　　./　/ハi　　:::.　　/ ..:::|　 |::.　　　　　ﾊ l
　　　　　i　 il　　i.　　　　..:::::|　 |::::...　　　ｲ　|
　　　　　|　　　ハ　　　　　ヽ .|　 | ,　､　　/:: i　|
　　　　　|　／　 |＼　- ､＿,,,ニ,,＿ノ　 /::iﾊ　.|
　　　　　| ./　　 |　＼　　 ,,,,, ￣,,,,　　.ｲﾉ::ilハ |＿＿＿＿
　　　　　ﾚ　 _ / .|　　　＼　　 """　　/:::::::::il:::::i/:::::::::::::/　　ヽ
　　　　　r=//:::rー───ヽ＿＿ _ /::::::::::::il:::::::::::::::::::/　　　　i＿＿＿＿
＿＿＿ノ.//:::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: il::::::::::::::::ｲi　　　／￣￣￣￣
￣￣￣ //::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾘ:::::::::::::::il　　　./
　　　　//:::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::il　　 /
　　　.//:::::::::::::::｀::､::＿＿＿＿＿＿＿:､:':´:::::::::::::::::::il　　 il
586： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:50:04 ID:.A8nCohA0: 　:::::::::::::i　　　　　　　　　 ,ﾉ::::::::::::ｆ¨フ¨￣ .l::l
　::::::::::::::',　　　　　　　　/ィ"¨ﾞヽ::l i　ｒ｢lｍ. !:l
　::::::::::::::::ヽ　　　　　　/:!ｆ　　　 }::l i∩! !.!ｌｌ::l
　:::::::;.-､::::::::＿ ..... 、--ヽ-　 '∠⊥L_｀＿i l::l
　:::::::ｉ（）i￣　＿......ﾑ　二二二....＿＿）＿￣¨}
　:::::::ヽ-'"´::＞､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／　￣¨｀丶、
　::::::::::::::::::::::::::ノjﾌﾞ＜::_..._::::::::::::::::::::＼　　　　　　　＼
　､::::::::::::::::;.ｨ.:,, _: : : : ｆl⌒ilﾞ ‐- ::;;__:::::::｀丶､..,, ＿　　 ,）
　. V:::::ｒ''"｀ﾞ_ｰ-: ¨;;;‐ｉｰ‐1 }ﾊ-‐;;:__-‐''¨７::天::Ｔ¨￣　　これを機に少弐の鼻を明かそうってのか……
　ﾄ、V::l､: : :.'､¨ヾｦﾗ¨l.　　iくﾉ:バﾜﾌ¨ﾞヽ:.ﾚ' 　リ
　l l〉 l::l　ヽ､'^｀ｰ "¨ ｆ＝ｌｌ i ヽ:.｀¨"´:.;.イﾘ　／　　　　やれやれだ。爺さんの代の事を根に持ってやがるのか？
　ヽヽV!.　　｀;'￣ ¨　.!　　 ll　l　i/¨￣ｉ´ ,'./
　ﾄ､＼ﾞ'　　　;　　　　.!　__ﾉKノV　　 ;　,'/
　:::ﾊO）　　 i　　　　l'´¨¨ トレ'　　 ;　,'´
　:ﾉ　｀::l　　 l　　　,.ｲ　　 l＿　　　;' /
　::ﾌ　　＼　 ', ,.<´　!　　　l 　 ¨Y__ /l　　 , -=-､
　/　　　　ヽ. ./　　ﾉ　　　 l　　　i　 ¨ヽ-､/ /⌒', i
　￣¨二ﾆ＝/　　　i 　,.　i . l　　　l　　 |　ﾞi {￣￣
　:::/⌒ヽ:::::ヽｰ'⌒!　 {　〉　　　　Ｖ　　l　 l ）

武房の祖父にあたる有隆は承久の乱の際に上皇側に付き、所領を没収されている

それ以来、北九州の御家人社会においてトップの地位に君臨するのは少弐氏であった
587： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:50:30 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨ　　　　　ｨ
　　　　　　　　＿＿＿..,,,ｨ=- ､　　　　　　　　　／{　　／/＿＿ ,, ｲ/
　　　　　　　/　　r=''´￣ヽ　 .::ヽ　　　　　　　 i　人r''r／＝-ｖr＝-ヾ
　　　　　　 r>''´´{ ::.　　　　',　 .::i　　　　　　　ﾉ / ﾆ.Y ﾚ=イ　ヾ､_＞-､''ーｧ
　　　　　斗　　　{　　　　　 ',　　 ',　　　　　 {彡r--､Vrilil>　 Y─-､　＼　_
　　　 i''´ ..:i　　　 {　　　　　　ゞ､_　ヽ　　　ｲ/ /ﾐ /｀´⌒}::i ./;;;;;;;::::::＼ー{￣
　　ｲ　　.:i　　　 {　..:::　　　　ﾊ　　 .}　　　ﾄ/　.人ヾ_／｀i/≧ｲゞ＞x /ハ　　　　いいや
　　/ ﾉ　　.|　　　 {　::::　　　　 i　　　 |　　　 il　/ i≧-､／┴'''´　Ⅵ Yミﾐ
　/　,' ..::　.{　..::　 i　 ::::...　　...:::　　　　}　　ﾊヽ ..ﾄ￣ﾉ　 Y　　 /　r::ﾉ人ﾐ､ゝ　　　ただ、資能も経資も気に入らんだけだ
..{　 il　..:　.{　..::　　｀　 :::......:::　　　　　/　　 ≧ﾐ＞=-　ヽ '´　　　　ｵｲﾊﾐﾐﾐ
..ﾄ　｀ ::　　｀ :::..　　　　　:::::.　　　　　{　　　　　　　　i　'-＝='´　　　|iY　 iミミ
..ヽ　　ヽ　　　ヽ　　　　　　　::.　　　 iﾄヽ''￣￣￣＼ﾊ　''''''´　　　人_ r────── ､
　ヽ;;::...　　　　　　　　　　　　ヾ　　 il::::i::＼_　　　ヽ＼}＿＿イ──/　　　　　　　　　　＼
　　｀､:::.　　　　　　　　　　　　　　　/::::/::::::il::T､　　　ヽ＼ _, - -::､:/　　　　　　　　　　　　ｲ
　　　　｀ー､::..　　　　　　　　　　／::／:::::::/::/i　ヽ　　　V　＼＼　 Y::.._　　　　　　　　　　/
　　　　　　　　＞､_＿　　　　／:::::/:::::::／::/:::il　　}　　　ヽ　　ﾄ､＼　V　ヾ　　　　　　　 / |
　　　　　　　 / /:::...:.:廴￣￣::::::／::::／::／::／=-､　　　　　　　　ヽ　}　il　 }　　　　　　 /　 |
　　　　　　　 i li::::::ｲ::::::ト- - ''´:::::／::／::／　　　　ヽ　　　　　　 i　ﾊ　 }　　　　- イ　 .ﾉ
　　　　　　　 i li:::::/:::::::il､　｀ー-''´／:::／　　　　　　　Y　　　 /　.　人ﾉ V/　　　i　　 .il　/
　　　　　　イ.i il:::::::::／::::::＼　　　　￣ヾ　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ/　Y　　　/i　　　 /
　　　r ''´　　 iil:::／::::::::::::::::::＼　　　　　　￣　　　　　　　　　　　　　V　　　　 ./ il　　イ
　　人　　　　ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::::＼＿＿ィ=- ＿　　　　　　　　　　　 /　　　　 /＿/　 /
-=イ .ｲ　　　　il:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::://＼　　｀　　　ヽ　　　　ノ　　＿＿/　　　 ./
-＝彡il　　　 /}}:::::::::::,:::-::──-::､::::://＝= ｀ヽ　　　　　＞＝-　- '' ´:::::...　　　　./
588： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:51:01 ID:.A8nCohA0: 　　　　　 __,,..　-‐:::::¨::::::::::::::::::::::;.ｲ
　　　／￣:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::::ｨ
.　　 i＼　:::::::::::::::::::::::::::::::::::,.ィ:"::::::::::::〉
　　ヽ:::｀:ﾞ::'':…ｰ‐::''''ﾞﾞ":´:::ﾌ-‐ｧ:::::::ﾚ
　　　　V::::::::::::::::::::::::__::.. -ｭ:ｊ::::ﾙ;:::::::::::l,.
.　　　 V:::::::::::;.- ､::i ,.ｍ i !ﾉﾉ:ヶ‐､:::::::i
. 　　　Ｖ::::::::i ⌒ｉ.}:!l　 _L⊥彡ﾄ､ﾉ:::;.-!、　　　そうかい
　　　　　{｀ｰ--ヽ-'ｲﾆ¨-‐ ブ,.ィｦ::::::i /i l ＼､
　　　／｀¨:::::¨´:::::::::::::＞ﾆ"彡'＾l:::j ｉｸ l::ヽ ',:!　　まぁ、俺は惣領の指揮に従うだけだからな
　　／::::::::::::::::::::::＞'ｉ"´ｒブ‐ｒﾃﾄ｀｀　ﾚノ::::::Lｊ:l
　 {-‐ ニ¨-‐i ｒ‐ｔｦﾝ!　　ｰ宀''´　　 i¨ ﾚ'´　ヽ::＼
／￣::::::::::::::::ﾊ. ￣/ｌ,､　　　　 i　　 l　i　iﾌ¨ヽ !､:::
::::::／:::::::／:::／'、　i__ ..　　　 !　　ｊ　 Y/:i　(ﾉ、i::
:::/::::::／:::／.　　', 　ヽ '"　　　　　.／／/:::l　l::_ｉ l::
:::::::::〈:::::<　ｉ　,.イﾊ　 -‐…‐　　.／／／:::::ﾊ. ',_｀ヽ
::::::::::::';::::i　／ / 　 ', ｀丁´　 ,.'　　ｌ　i::::::::::ｉ l｀¨ i　|
::::::::::::::}::ｙ"　/｀丶　ヽ＿＿／　　　i. i:::::::::::', V＾i ノ
:::::::::＜ <　 /i＼　＼　＼　　　　　ｌ l::::::::::::｀i　{:::::

　　　　|　　　／￣ヽ _　　ゝ､ V !　　/ ￣　　　　　　＿＿／ｲ　ﾉ
　　　 ├ -､./　　　　　／　＼У　 {　　　　　rｰ彡　 i　　　／ /
　　　 / ヽ .ﾉ　　,,;;;;; ／　　　　`ｰ　　ヽ　　 ,;;;｛彡" 　ノ r=≠ ＜
　　,;/　／　　／≧/　　　 ,;;;ヾ　　　　;;;i　　　 i! i　｛　彡!　,,,;;;;ノ
　,,;/　（　　　i＼/,/　　 ,;;人 _Y⌒廴 _ _i;;,,, ＿　 V/彡.// r＝;;/
,;;;/　　 `ヽ　;!　i　ヽ　　;;{三jﾐ:i　　　　　）彡=)）　　Y彡／）,,;ノ
　! _ __,,　ﾊ j　 !ii 》.＼　 V三＼_____,_<三／　　／￣　｛　　ﾉ
　　／ﾉ　　ii　 .}Y　 ,,,,） /;;,, ;;　..,,,..,;;::;;...／,_＿／_＿ z＜ rイ＜
　　　/;;;;;;;;;;;;;;;;l人i!　 / 人≧;;｝　ノ;;;; ,,￣,,;;_zz彡{ミツ　｛ゝ　　　それでいい
　　<;;;;;;;;;;;;;;;;;（( ﾉj ／ヽ`ｰ'ﾐi;,,,i,i,＜_-zz≠三ニ　 Уｲ/ /}
　/　＼;;;;;;;;;;;;;;;;;i;;;|　　.￣'´ﾉ⌒　ii:::ミ. `┴'´／　/ ソ　人　　　　まぁ、少弐の奴を驚かせた後
　　　　ヾ;;;;;;;;;;;/i;;;|......:::::　 /::..　　 ::::::::￣.￣　 ..:/ノ　..ｲ　/
　　　　　 );;;;;/　!;;|:::::　　 / :::....... .:::::　　　　　"./)）<　 j! .i!　　　祖父の所領返還を幕府に求めてみるのもいいな
　　　　　i;;;;/:::::::i;;|'　､_　ヽ::.._,,;;;　　 _　　　　 /⌒i!　　i! .ﾘ
　　　　　／:::::::::::::}　　ヽ;,,,,,,,_..　　,,　 `　　 /　 /il　 / /:::
　　　／::::::::::::::::ハ　 `;;,,,,,￣` =-''"　　　　ｲ .／::::|iV /::::::
⌒V/::::::::::::::::::::/:::::i　　/　''''''"´　　　＜...イ:::::::::::|! /:::::::::
　//::::::::::::::::::::/::::: ヽ　:::....　　　 ...:'::´::イ:::::::::::::::::::::ﾚ::::::::::/
.／::::::::::::::::::::/::::::::::::::::`:::.＿イ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i!:::::::ノ:::
:::::::::::::::`ヽ::: {::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／　 /:::::::

文永の役において、最も活躍し――
589： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:51:35 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　r`"⌒`ｰ＝v ‐-､
　　　　　　 1:::::.....................　　}
　　　　　　　|:::::::::::::::::::::::＿__::ﾘ,
　　　　　　ｒ| ::::::::::::::(　)|'爪|::ｊﾘ
　　　　／``＝====＝_‐ラ(6,′　　結局恩賞が欲しいんじゃねーか
　　　　 ,>‐'つ__... =-〒ｒｔッﾃ|h′
　　　／.ノ (:{,||　i　　ｉｌﾞ｀~.ｊl|ﾘ
　　　!　}／ﾞヽl.l　',　ヾﾂ　 |ｌ!|)　＿
　　｛ (´／ヽ.):ヽ　ｒ＝-　l/ｌ:}/,ｒ=,ヽ.._
　　ヽ(　ｲ- ）￣ｌ|､|!ﾞ¨´ / ｌ:八.>=iこ⊂⊃
　　　＼　｀ヽ:::::ｌドﾐ==‐'　ﾚ＿___ｌ[二´__
￣:¨"７ﾞ<〉　　）::¨o７　/　￣フ 7ｰ-､:_::￣
::::::::::/:::::::＼ノﾉ:::／　 '　　'"´　/　　/　｀ヽ

そして最も評価されなかった一族、ここに参戦

　　∠ -‐ｧ　　　　　　 ,､'´　　,.､-'' "　　　　　　　　　　　＼
　　　／　　　　　　,､'´ ,.､-''´　　　ｆi fｉ　ﾄ､　　　　　　ヾ､ヽ
.　／　　　　　　,､'´.,､''´　　　 /| ,ｨ |:| |:l　.l_.ﾝ　　　　　　 l｀ヾ
　/／l　　　　,､'´,､''´　　　　〈:::ﾚ':|.|::| |::ヽ　　/＼ヽ　 .ﾄ､　|
〃　 |　　 ,､'´,､'´　　　　ｎ,　＼:ﾘ:::リ:::::i|　〈==､ lヾ　 | ヽ|
.　　 |　,､'´,､'´　　　　　　 | _|f=-､.＼　ｕ !|/ヾ.､　〉|　|ヽ|
.　　 ,!'´,､'´　　　　　　 r( ﾘ　　＼!i　　〈ｏ　.ノﾉ|　|　　　　なぜ……っ！
,､-'´,､r′　　＿　　　 N ヾ､　o　　》　　ヾ￣　　|　|
,､-'´　|　　　（ r‐ヽ、　 |　|j~ ゝ==シ　 |j.　　＼.|j~|　|　　　　武房殿……俺は菊池の支流……
　　　 |　　　　ヽヽr‐ゝ　|　　〃"　 |ju　 U　ｕ　＼|　'､
　　　 |　　　　　ヽヽ⌒l .|　　u　＿__　　 r'　__ ｕ＿)　ヽ、　 ,､-'´　このままでは守護勢に組み込まれて……
.　　　|　　　　　　ヽゝ-l |　|j　i´　＿｀ ''ー----‐ｧ/　　,.､ゝ''´,､-'´
　　　|　　　　　　　ゝ-リ　　　l￣　　￣￣二ニ7.ﾑ-''´ ,.､-'ヾ
　　 ,'　　　　　　　　　|＼ |j　{　　 ,.､-'´　,.､-r‐i ''' "´　　　＼／
.　 / /　　　　　　　 |::::::＼ ,,ゝ-'´ ,.､-''´　　|　l　　　　　　　／
　/〃　　　　　　　　 |,.､-''´,.､-t''´￣｀`_二ﾆ! l　＿....　-‐''´　,､"
〃/　　　　 _,.､-‐'' " ,.､-''´::::::＼ゝ- '´ r=＝ l　ヽ､　　|j ＝'"´
. /　,.､-‐'' "　　 ,.､-''´ヽ、　　::::::::｀'-､..　ｕ |j |　　ヾ　　　　　ｕ
/''´　　　 ,､-''´　　　　　＼　　　::::::::::::｀''..r-'′　　＼　U

ちなみに菊池氏支流だが、竹崎氏は菊池勢として参戦できなかった

おそらく地頭職を失って軍勢として組織されなかったと思われる
590： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:52:43 ID:.A8nCohA0: ちなみにこの時期、朝廷でも代替わりがあった

　　　　　　　　　　ｌヽ
　　　　　　　　　｜｜_, -─-、
　　　　　　　　 , -┤　Ｌ_ヽ　/ ｌ _　　/!
　　　　　　／　　| 　　｀V　 l　ヽ/｜
　　　　　　　 /　　　　| 　　　/　　|￣　｜　＿,ｨ
.　　　　　　　| 　　　＞‐ ､/ ＼_ﾉ!　 _丿∠ <´
　　　　　　Ｌ. -─＜_ 　　＼_/／く_⊥、_」厶
　　　　　　 /　　／　 l￣ﾞヽ、...__＿_ＸT￢ _／｀
　　　　　／　／　　ヽ　_／ _ l￣ }｜|
　　　　{「￣ﾚ'{丁(て`ー─一' Ｌ.二 ∧ヽ　　私も天皇を退いて院政を始めるぞ
　　　　　＼　ヽゝﾄ＜｀　　 ( ﾆ=　　/ﾘ　〉ﾉ
　　　　　　｀７爪≧-≧. ､_＿＿／ _／
　　　　　 _ノ┴=‐ﾍ　L_二ヽ ⊥ﾝ＜、
　　　　 / ィ´￣`く_ヽ　く´ ､, ﾍ　コ　ﾊ
　　　／´　＼　　 _)＼ヽ' ∧ ∨ ﾉ｜
　＜＿　　_人＿_ン工」トr'＝ﾐ_∠r'７
　　　　￣　仁厶=､　　｀ヾ＝ '⌒]　}
　　　　　　　L/‐一个ーrｯ─┬r'＾ｰ'
　　　　　　　_ノ　　-┴- 〈　　´‐ ＼
　　　　　　　`ー‐──一'´￣￣￣´
亀山天皇改め亀山上皇

二月騒動の翌月に死去した後嵯峨上皇に代わって、親政を行っていた亀山天皇が退位

治天の君として朝廷を取り仕切るようになる

　　　　　　　　 _,　-─‐─- ､
　　　　　／　／￣　　ヽ　＼
　　　　　 ./ 　　￣￣￣｀ヽ　　＼
　　　　/　　　　　　　　　　　　＼
　　　　.| {　l　l!　　　　　　 l　/　/　　＼
　　　ハヽ {八　 { 　 |　/_厶ｲ r､　　　｀二7
　　　 /　r｀ド＞‐=ﾐﾄ､_j∠ﾆ≦」｜|　　ヾミ､
　　／　 |　|ﾊ￣ビﾌ`　　ゞ-' ,小ﾚ′ 　　/
　ヾ彡'　　ゝ|ハ　　　､　_　　厶LＬ!、＼／
　　＼//　　>→､　　‐´　　ｨ´ 　　}／
　　　　｀＜l　/　 (＞‐-‐ ' / 　　 ∧
　　　　　 |　ヽ　　　　_ ノ7　　　/ 　',
　　　　　 ∧　 `ー-イ　　_了＜´　　 ',
　　　　　 /　ヽ､__,. -┴─-'　　ヽ　　ゝ
　　　　　ん--､ノ个、　／＼　　｜厂
　　　　　　　　.´⌒ |　 Y´　　　|＞┴'
　　　　　　　　　　　ヽノﾆ彡　_{
後宇多天皇　　　　　￣￣￣

後任となったのは亀山上皇の息子の後宇多天皇で、即位当時は８歳である

即位は先代の治天の君であった後嵯峨天皇の意向であったと言われる
591： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:53:35 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　／￣￣｀ヽ､
　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　'、
　　　　　　　　　 /{ 　　　　　　 }r＜}
　　　　　　　 rくl-ﾄ､／>､　　　 /lﾍ　ヽ　　　なぜ弟の血統が重要視されているんだ……
.　　　　　／￣ ` ＜ヽ＼ヽ｀_7ー ´ /l-|(＞ﾄ､
　　　　　/　　　　r─ヘ >､｀≧-┐r'7 /　 _／, --､
.　　　　/　　　　/ r厂ヽﾄ､/｀7 Tﾆ二V仁r-ﾚ<ﾝ^7-}
. 　　 /　　　　/ 厶-f二ｭ_ ｀T弌⊆ヲ_r＜r＜r-ﾍ./- ､＿
. 　　ヽ　　 / r}c　cヽ　７ﾞ￣＞rﾍヽ V〉-厂￣　　 / /
　　　　＼ム/人　 r j, 斗f＾｢ l _jｰ辷ﾆﾌ-┘　　　／／
　　　　　　 ∠ィ仁≦ｰ=仝ﾄ-<｢　トィ≦Ｌ二二ﾆ‐＜
　　　　　 / 　〈厂{＿{　＿j-ニイ￣{　　　　〉　}_冫
　後深草上皇｀￣￣￣￣￣　　　｀￣￣￣￣￣￣

ただし、この即位を快く思わなかった一派が存在する

亀山上皇の兄で亀山上皇の前に天皇位にあった後深草上皇である

　　　　　　　、
　　　　　　　　 }ヽ　　　　　　　　_ 　- ──-　、
　　　　　　　　 | 　L_ r '⌒＞r　 (フ　　　　　＼
　　　　　　　　∠７＿」　｀＜　､ヘ、　　, 　　　　r､ヽ
　　　　　　　/　　　　　ヽ　ヽ　＼ゝ　〈ﾉ　　　ﾊ　ヽ　ﾄ､
　　　　　 {　 (　)　　　}　　 }ヽ　,ﾆ､<＾ヽ､　　し　　 /〉ヽ
　　　　　　, ﾍ　　　　_ ノi　　//ﾊＬ. }　＼　｀T￢ r 7´〉r､　|　　亀山可愛い、だから孫もかわいい
　　　 ∠　-ヘ、＿} 　 |　厶ｲ_｣　r- 　 _｀　ヽ j ﾚ／　Ｌ.}人
　　　　　　　　　ヽﾆﾄ､　ﾚ＾ト､_　 /二ニ＝‐_　　ﾆヽニ7 '　　}
.　　　　　　　　　　ヽj７iVﾆ=-､-　二＿_〔　　〕_ ∠_ rv^}
　　　　　　　　　　　　／ヽﾚ'ー─-ヽヽ＼　r-､７ﾆr个i､ヽﾄﾚ′
.　　　　　　　　　 _厶∠三ユ__　　 }　l　〉 --ｲ￣ヾY＾ヽ、
　　　　　　　　　/　　　r‐ ￢＿　二コｰ'─r一'　　　,二、 _ﾕ
　　　　　　　　　￣￣￣￣　　　　　　　￣￣￣￣￣

先代の後嵯峨上皇が亀山天皇を寵愛し、その息子である後宇多天皇を可愛がっていたための人事であったためか

今一正当性に欠ける譲位であったのだ
592： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:54:13 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　／￣￣｀ヽ､
　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　'、
　　　　　　　　　 /{ 　　　　　　 }r＜}
　　　　　　　 rくl-ﾄ､／>､　　　 /lﾍ　ヽ
.　　　　　／￣ ` ＜ヽ＼ヽ｀_7ー ´ /l-|(＞ﾄ､
　　　　　/　　　　r─ヘ >､｀≧-┐r'7 /　 _／, --､
.　　　　/　　　　/ r厂ヽﾄ､/｀7 Tﾆ二V仁r-ﾚ<ﾝ^7-}
. 　　 /　　　　/ 厶-f二ｭ_ ｀T弌⊆ヲ_r＜r＜r-ﾍ./- ､＿
. 　　ヽ　　 / r}c　cヽ　７ﾞ￣＞rﾍヽ V〉-厂￣　　 / /
　　　　＼ム/人　 r j, 斗f＾｢ l _jｰ辷ﾆﾌ-┘　　　／／
　　　　　　 ∠ィ仁≦ｰ=仝ﾄ-<｢　トィ≦Ｌ二二ﾆ‐＜
　　　　　 / 　〈厂{＿{　＿j-ニイ￣{　　　　〉　}_冫
　　　　　　｀￣￣￣￣￣　　　｀￣￣￣￣￣￣

結果として、後深草上皇は後宇多天皇の即位は正当性が無いと主張し、自身の息子である煕人

後の伏見天皇の即位のために様々な運動を繰り広げることになる

そして、亀山天皇系と後深草天皇系の二つの血統は後の世にこう呼ばれることになる
593： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:54:44 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　 /|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　|
　　　　　 , -rf冖ヽ　　　　　　　　く　　|
　　　　 _｣Ｌﾑﾄ辷ｿr─‐--　　､ __,ｲlﾍ　｜
. 　　 /r ､　　　＼rー　　＼_|　ｌ　 !　 l|
　　　 |｜ | 　　　　 ',　　　　　　 | 　Ｌ　V7|
　　 ,｣⊥｜　　　　　　}　　,、　／´＼　〉 ∨　　　鎌倉大納言殿こそ正当なる統治者よ！
.　　 l　　 L＿　　　　人くrﾍ〈　　　　｀ { ｢ﾘ}　ト､
　　ﾊ　　／二〉￣｀ヽﾄ､　｀^ ﾄr ､　　｀YﾍＪヘヽ
　　 }　｀7 /∠ｲl　　r ､ |＼ iﾍ　 lヽ-勹ｭ､ _｣　｣ﾚｲｌ|
　　ヽ∠ィ r'ﾌ八　rヘ./ 　ヽﾄ-ﾍ｀￣,ﾆｿﾍ、＼ lﾌﾘ
　　 rｲ7-,ﾆY仁＞‐＜二‐-､}＼　辷l、　jr个ｭ、l　|
　　 |／ｲn }ﾚv‐┴‐- ､　｀下、ート-､_厂 /7r-ﾍ　 |
　　 t辷∠　/ 厂￣　}_Ｌ＿j二辷≧ｰ仁厶-─┘-'
　　　　　　｀￣￣￣

持明院統と――

　　　　　　　　　　　　ﾉl 　 ,, -‐"´￣￣｀丶、
　　　　　　　　　／　ﾚ'´　　　　　　　　 ―ヽ､
　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　 ,-ゝ　　　　　　　　　　　　　　　゛、
　　　　　　, ‐,―-､　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ
　　　　　 l　　　　r )　　　　　,、　　　　　　　　　　､ |
　　　　、　　Ｙ　　　　　|_ヽ､_(＼｀ヽ人ヽ　　　　ヽ
　　　　　／￣￣゛、　　）ノ￣ヾ､､_ ｀￣　｀!人｜ヽﾉ
　　　　ヽ　　　　ヽ　、(´　,, ＝、´　　　 '三'´ﾉノ　 !'
　　　　　　ヽ／￣￣ヽ l｀ _/　　 ∥ 　　 /￣ヽ |/ _ﾉ
　　　　　　ヽ　　　　ｿ　.:::::. 　　　　　' 　　 l|｣､）　　奴らはただの朝敵さ！
　　　　　　　　゛、　　゛、　　 ,､＿＿＿_´ 　 .::::!ﾉ
　　　　　　　　　　ヽ　　　ヽ　ﾄ―――'/ 　　ﾉ
　　　　　　　　　゛、　　｀‐,ヽ'￣￣ﾝ　　／
　　　　　　　　　　　　＼　　　ヽニlニｆlｺｺ"-､
　　　　　　　　　　　　　＼　　　ヘ｀ヽ|||/〃l ヽ,-ｒ― 、
　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　＿__|||＿_|l´（/､｀ヽ !
　　　　　　　　　　　　　　ゝ<<]____(ニニ)｀l>（ヽ｀ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　ヾ'´　　　　|||　￣｀ﾞゝー'
　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　|||　　　ヽ

大覚寺統である
594： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:55:11 ID:.A8nCohA0: ――文永１１年　１０月

　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼
　／　　　　　　　＼
／　　　　　　　　　　＼
|　　　　＼　　 ,＿　　 |　　うーん……
/　　ｕ　 ∩ノ ⊃―）／
(　＼　／＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼／＿＿＿／

　　　　,ｒｎ　　／￣￣＼
　　　r｢l l h. ／　ノ　ヽ　＼
　　　|　､. !j |　（ ●）（●）　|
　　　ゝ　.f,　| 　（__人__）　 |
　　　|　　|　 |　　｀ ⌒ ´　 |
　　,｣　　L_　|　　　　　　 |　　　何悩んでるんだ？
　　ヾー‐'|　ヽ　　　　/
　　　|　　　じ_,,ゝ　　　 (,_　　今日の沿岸部見回りは終わっただろ
　　　＼　　　´ `ー-一´｀ヽ
　　　　＼　　　　　　　　 ,　|
　　　　　│　　　　　 |　 l
　　　　　│　　　　　　 l_　|
　　　　　│　　　　　　 |'　}
　　　　　＼　ー─‐一ヾ/
　　　　　　 |　　　 ij　　ﾉ
　　　　　　 |　　　|. 　 |
　　　　　　　|　　 | 　 l
　　　　　　 i'　　,}　 ,ﾉ
　　　　　　　 l　　 |　/
　　　　　　　 |,＿､|,/
　　　　　　（ﾞ　　）)
595： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:55:58 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　＿＿＿_
　　　　　／　　　　＼
　　　　／　　 _ノ　ヽへ＼
　　／　　　（ ―）　（―）ヽ
　　 .l　 .u 　 ⌒（__人__）⌒　|　　……対馬の宗殿から連絡がこないお
　　＼　　　　　｀ ⌒r'.二ヽ<
　　／　　　　　　ｉ＾Yﾞ r─ ゝ、
　　/　　　,　　　　　ヽ._Ｈﾞｆﾞﾆ、|
　　{　　　{　　　　　＼｀7ｰ┘!

文永１１年に入ってから、対馬の宗資国の元には選抜された御家人たちが配備され、警戒態勢に入っていた

多くは北九州の御家人で、文永の役のやり取りから考えてある程度きちんとした連絡体制が敷かれていたと考えられる

　　　　　　／￣￣＼
　　　　　／　　　 _ノ　ヽ
　　　　　|　　　　（ ●） |　　来ないって、今日来なかっただけだろ
　　　　　|　　　　　（__人）
　　　　　|　　　　　 ⌒ﾉ　　海の調子とかで遅れただけだろ
　　　　　ﾝ　　　　　ノ
　　　／⌒ヽ､　　 _ノ
　　 / 　ﾉ＼__ィ ´
　 /　 /　　　　'|.
　（　　y　　　 |.
　　＼　＼　　　 |
　　　　＼ｨﾝ､＿＿)、
　　　　 .| 　　 ij　,ﾉ
596： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:56:41 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　／ノ　　ヽ__ 　＼
　　　　　　　　　　　　　／（―）　（― ）　＼　　　資国殿は一度も遅れたことがないお
　　　　　　　　　　　　　|.　　（_人＿）　　　u　|
　　　　　　　　　＼　｀⌒ ´　　　 ,／　　　もし大陸から軍勢が来てその防戦に当たっていたら……
　　　　　　　　　　　　　　/ 　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　./　l　　　,/　 /　　 i
　　　　　　　　　　　　　(＿) 　　(__ ノ　　 l
　　　　　　　　　　　　　／　　／　　　___ ,ノ
　　　　　　　　　　　　　!､＿__!､＿_＿＿_つ

　　　　　／￣￣＼　（ ;;;;(
　　　　／ ._ノ　　ヽ､＼) ;;;;)
　　　　|　（●）（●）/;;／
　　　　|　　（__人__）l;;,´|
　　　　|　./´ニﾄ━・'　.ｌ　　　おいおい、一日遅れたくらいで大げさな
　　　　| .l　_ニｿ　　　 }　　　　　　　　　　＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
　　　　 /ヽ､_ノ　　　 /　　　きっと資国殿も)　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
　　 __/　　/　　　ノ__　　　　　　　　　　＜　　　　　　注進！　　　　　　　　＞
　　/ /　　/　　　　　　｀ヽ.　　　　　　　　　<　　　　　　　　　　　　　　　　　　(
　 /´　　./　　　　　　　,.　ヽ.　　　　　　　　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
　ﾄ､＿,/.　　　　　　　｜､　ヽ
　　｜　　　　　　　　｜/　 /
597： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:57:39 ID:.A8nCohA0: 　　　＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／
　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜
-=ニ　対馬に大陸の軍勢来襲！その数おおよそ３万！　 ≦
　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦
　　／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼

　　　　　／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　 |　　　（ ○）（○）
　.　　 |　Ｕ　　（__人__）　　　　本当に来ただろ……
　　　　|　　Ｕ　　|r┬-|　　彡
　.　　　|　　　　　｀ ⌒}　　　彡
　.　　　ヽ　　　　　　 }
　　　　　ヽ　　　　　ノ
　　　　　／　　　　＼
　　　　/ /＼　　　/￣＼＿＿＿＿l⌒l
　　　 |　|　＼　/　ヽ　＼_＿＿＿＿|
　Σ(⌒ノ　　　ゝ　　　＼＿_）

　　　＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／
　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜
-=ニ　　　　　　　　　壱岐守護代平景隆殿討死！　　　 ≦
　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦
　　／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼

　　　　　　　／￣￣￣＼：
　　　：:／　　　　　　　::::＼：
　　　;： |　　　　　　　　 :::::::| ：
　　　　　＼.....::::::::: 　　::::, ／　　宗殿……
　　　　 r "　　　　.r　　／ﾟ。
　　　　：|::|　　　　 ::::|　:::i　　　　壱岐の御家人衆も……
　　　　：|::|:　　　.::::|　:::|：
　　　　：`.|:　　　.::::|　:::|_：
　　　　：.,':　　　.::（　　:::}：
　　　　：i　　　　　　`.-‐"

１０月５日、対馬守護宗資国以下、対馬の御家人衆全員討死
598： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 18:58:52 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, ‐､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . : ´: ￣￣￣｀ : 、
　　　　　　　　　　　　　　　　／ヽ: : : : : :!| : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　/:ヽ: : } : : : : !|: : : : : :/ : ハ
　　　　　　　　　　　　　　 ′:/＾＼: : : : :ｊ : : : ／＾ヽ: : '
　　　　　　　　　　　　　　　　 i:｀〈　　｀　‐--‐　´　　　〉: :i
　　　　　　　　　　　　　　　　_|､: :>　　　　、　,　　　　< : /|
　　　　　　　　　　　　　 { _,〉{　ﾆ≠ミ、!　i x≦ニ　}: /,}、　　　大友殿に急ぎ使いを送れ！
　　　　　　　　　　　　　　 ∨: | 　ヽ__ﾟノヾ}-{'゛ヽﾟ__ﾉ　! { ﾉ〉､
　　　　　　　　　　　 .　 -─}: :ﾊ　　／　ｊ　|　ヽ　　　| : 〉￣￣: :ヽ　やる夫！筥崎の島津殿と近隣の御家人に書状を！
　　　　　　　　　 __／: : : : : : :ﾚ'i :ﾟ，　 __ ､　 | ｊ｀　　ﾊ:/: : : : : : : : ｀: : ‐-
　　　　　　-‐: : : : : : : : : : : : : 从i }　/ﾆﾆ｀ﾆﾆ´ﾆﾆヽ　'从: : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
　　　／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ｊ∧　'〈_ ‐-__-‐ 〉 ' / /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .､
　　/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :{　＼｀￣　￣´ ／ﾚ′: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
　 ,: : : : : : : : : : : : : : : : : : :__ : : : ヽ　ヽ___ｊ!___／　,/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ::,
　 : : : : : : : : : : : : : :_／⌒ヽ｀ー‐ ､＼　　 lﾆニ|　／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ::,
　 : : : : : : : : : : : :／　　　／⌒ヽ　　ヽ `¨¨|ﾆニ|´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :: : : : : : : : : :,
　 : : : : : : : : :／´ 　 __／　　　　〉､__ﾉﾆﾆﾆﾆニ|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /: : : : : : : : : : : :,
　 : : : : : : : :〈　/ 　　　　　 __ ／　　〉ニニニニﾉ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : Y//: : : : : : : : : : :,
　 : : : : : : : : :ヽ　　　　　　　　　-‐　ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :|/ : : : : : : : : : : : :,

同月１４日　壱岐に元軍上陸。守護代平景隆討死

　　　　　／￣￣￣＼
　　　　　／　　 :::::＼:::／＼
　　　／　　　｡<一>:::::<ー>。
　　　 |　　　　.:::｡ﾟ~（__人__）~ﾟj　　……はい、ですお
　　　＼、　　　゜i⌒i.⌒´,;／゜
　　　　／　 ⌒ヽ.ﾉ　ﾉ'"´(;ﾟ　｡
　　　/　,＿＼　l||l 从＼＼
　　と_＿＿）_ヽ＿つ_;_ヾ_つ.;.
　　　　　　　　　ﾍﾞｼﾍﾞｼﾍﾞｼ

同月１５日　北九州沿岸部に元軍上陸。上陸地点にて松浦党と戦闘開始

世に言う「文永の役」の開幕である――
599： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 19:00:09 ID:.A8nCohA0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼
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　　　　　　　　　　　【やる夫は元寇を戦い抜くようです】

　　　　　　　　　　　　　　文永の役前日譚　了
600： ◆q/QapWeGMk：2014/08/02(土) 19:01:05 ID:.A8nCohA0: 本日の投下分は以上になります

期間を開けて申し訳ありませんでした
次回はできれば九月中に投下したいと思っています
601：名無しのやる夫だお：2014/08/02(土) 19:03:58 ID:Ui2V2vlo0: 乙でした～
602：名無しのやる夫だお：2014/08/02(土) 19:06:48 ID:JNuPWR1E0: 乙でした～
いよいよ本題にはいりますね
603：名無しのやる夫だお：2014/08/02(土) 19:17:08 ID:ryhtQTMI0: 乙でした
出番がほとんどないのに、島津の存在感がやばいｗｗ
604：名無しのやる夫だお：2014/08/02(土) 19:17:44 ID:ev7lnseY0: 乙乙！　大軍勢来襲って雰囲気がぷんぷんしやがるぜ
605：名無しのやる夫だお：2014/08/02(土) 20:11:52 ID:eCP.tI6I0: 乙乙
いよいよ来たか
606：名無しのやる夫だお：2014/08/02(土) 21:10:03 ID:Lh/MCCN60: 乙
元、強そうやな
そして相変わらず悲惨な大陸……
御家人の立場がいまいち分からなかったけど、武装警察みたいなもんかね
607：名無しのやる夫だお：2014/08/02(土) 21:41:36 ID:koYdJV8E0: 乙
対馬はどうなってるんだ……
608： ◆q/QapWeGMk：2014/08/03(日) 05:48:48 ID:pkAS8jhc0: >>602
はい、ただ現状史料的に誰のが正しいのかががが

>>603
一応活躍してるんですが、記録が少ないんですよね＞島津

>>604
最低２万５千、最大４万とは言われてますね＞元軍

>>605
いよいよです。はい

>>606
まぁ、内乱から大軍駐屯、ものすごい軍役のコンボですので良く国がもったもんだとおもいます
御家人は荘園内部の治安維持を行う代わりに、荘園から給料を得て、いざというときの幕府の招集に応じる
幕府は御家人が義務を履行したら恩賞を与えるというのを基本理念にしています
ただ、実際は御家人が現地でシンパを作って荘園を乗っ取ろうとしてたりするので、もし番外編が作れればその辺やってみたいなと

>>607
次回対馬の戦況を取り上げます
609：名無しのやる夫だお：2014/08/03(日) 10:58:54 ID:7J.0YMCY0: 対馬と壱与は...
610：名無しのやる夫だお：2014/08/04(月) 22:17:39 ID:LZ9VXZ4o0: 推奨BGM

http://www.youtube.com/watch?v=C36pDA8u-EE

http://www.nicovideo.jp/watch/sm1517978
611：名無しのやる夫だお：2014/08/09(土) 00:58:34 ID:u4W614TQ0: 一週間遅れの乙
DIO菊池に妙に納得した、考えてみたら南北朝～戦国時代の関係も根をたどれば古かったりするんだよなぁ
612： ◆q/QapWeGMk：2014/09/22(月) 16:50:19 ID:zpZicZwM0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼
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　　　　　　　　　　　【やる夫は元寇を戦い抜くようです】

　２３日　２１：３０より第７話「文永の役/蒙古襲来」を投下いたします
613：名無しのやる夫だお：2014/09/22(月) 16:51:32 ID:qF9DrgHA0: wktk
614：名無しのやる夫だお：2014/09/22(月) 17:56:41 ID:XZxQWS0c0: 石築地の上で正座待機
615： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:30:35 ID:85swnSQg0: では、予定通り投下を始めます

――元軍の対馬来着から２日前

　　　　　　　￣　　　｀y¨弌,　　　　　　　 _}
　　　　　　　　　　　　　　　　　} 　　　　　 {
　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　￣＼
　　　　　　　　　　　辷‐　　　　　　　　　　 ¨:,
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　　　　　　　　　　　　￣ﾌ__ 辷_____　　　　　　ﾞ、
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ^V 　　　　　　ﾞ:.,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_r-㍉　　　　　　　　　 ',
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　 {__
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾗ‐　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　 c〈　　　　　＿　＿__/
　　　　　　　　　　　　　　　　_0 ｿ　　 __,ﾍ ( 0}‐‰
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　とﾉ} ,し'⊆}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　¨

半島南部、合浦から艦隊が出発した

総勢３万とも４万とも言われる大軍であった
616： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:31:04 ID:85swnSQg0: 総司令官は都元帥忽敦（クドゥン）

　　　　　　　　　　.　　― -
　　　　　　　　／　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　 '
　　　　　　 /　＿__,　
　　　　　 _.ﾞｰ--　　＿__ 　　　　　 '
　　　　　{::::ヽ　/　ﾉ_::::::.ヽ　　　　 .i
　　　　　　fｔﾇ八zく_tﾂ　 )'　　{:ﾒ⌒, l
　　　　　 }-仗　　ー＝´　　　}ミ　{｜
　　　　　｛r'　　_｀ヽ　、ヽ　　jﾐヌ, ｛＞-ｭ＿
　　　　　ｨ从ミｰﾊヌ从ミ　　　}入／　乂之}
　　＞. ´: :ﾊf´二二二｀ヾ　　从ミ＞ﾆ.{＿_乂
. ::´: : : : 彡 }. : : : : : : : : } j .斗ﾐﾊニ／_ニニ
. : : : : : 彡ｲ辷f辷f辷f_ハ八ヾミ／_ニニニニ
. : : : ／彡彡, ´￣｀　　乂从ミ./_ニニニニニ
. : :彡'イ彡'イﾒ从从ﾇくﾐ从从 / -ニニニニニ
＜. : : : : ´.イ彡彡彡彡彡く.〃_ニニニニニニ

モンゴル人であるという事以外来歴は詳しくわかっていないが、方面軍の総司令官である元帥である以上

相応の実力者であると考えられる
617： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:31:35 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　　 .r-三r´ /rr三y=ニヽ
　　　　　　　　　／ﾍへ,. {< ｿl ,,r,,,二ニﾆヽ
　　　　　　　　　jﾆr='''- ﾟﾞ ´￣　　　,　ゞ三=ゝ
　　　　　　　　ｿﾆr ,　　　ー -　　　ヽ　ゞ二=k
　　　　　　　　rﾆ=' {　　　　　　　　　ｭz,,., ゞ二=y
　　　　　　　／ﾆr ,へ、　　　　／∠´ﾞ´. ゝjﾘl=k,
　　　　　　　 { / /´ﾞ｀二ヾｭ,　 .'ゞr ﾞQ ｧ,　　ﾘ}.}k ゞ _ =-、
　　　　　　　 yr,l　　ﾄ Q ヾ,.l　　ゝ￣　　ｲ, /、三ﾆニﾆ,
　　　　　　　〈y.lヾ　｀ﾞ´　 .l　　,＿_r=、　´}ﾍニ三-二ﾆ
　　　　　　　　{jﾆゝﾍ　 r- -r _, ,ｲﾆ=- ﾞ j　 .lﾊゞ三ニニﾍ　
　　　　　　　　jlニ=ﾘl　<-= .＿ _ ー ,　　'　イl.ﾄ,ﾆニニy´
　　　　　　　/jニy j=ゝヽ　　r;;;;z　　　　.ィ, .lﾊﾆ,=jr;／　　　
　　　　　　ｿ''ニ'=ﾉ /jﾄ、　　ﾞ　　　　 ./　l./　ﾄ-／　　;;;
　　　　　　{{、ニ/´　ｿ　、, ヽ＿jkｧーｨー━y　r　　　;;;;;;y
　　　　　　　ゞ>,ゝ　l!　rゝ-ﾄ-ヾ-、r-ｲ- ´_ ／　　／´シ
　　　　　　　,ソj　} ﾍ,- ´　-<;;;;;;＿ .-ーｙ ’　／;;;;ｨ´
　　　　　　　ゝr-{ﾘ'　　＿ -ﾌz　　／'' ﾉ　　/;;;;;;ｨ　　　r;;;
　　　　　　　　｛´ /´::::::ｨ''´　　／´ ノ　　ｲ;;;;;/　　　ィ;;;;;;
　　　　　＿＿r-k;;;ｨ´＿ _zｲ´ ／　　;;;/;;;;／　　／ ´ ￣
　　　　ｿ´ｪｭｲ´ --´　ー＿ｨry'　　　;;;/;;;;ｨ　　　´

副将として洪茶丘

　　　　　　　　　　　　, =-‐ﾆニニミヽ､
　　　　　　　　　　,ｨ´ｨ,ｨ'"´_=-‐-=､｀ヾヽ
　　　　　 .,r‐‐=///´r''´⌒､_∧_⌒,=､ヽヽ､____
ｰ＜´￣~¨7　 .///f´｀,ｨゝ‐''.〈ﾊ〉￣ゝ‐'､ヾヽ｀ヽ＼r‐-､
ヽ　ヽ＿/　.///r‐f´　　　〈ﾊ〉　　　　f｀Ｙ:l‐-､. }　　l‐-､
　ﾞｖ''"´　｀ヽ{ i l｀/'"//⌒ヽ. 〈_〉 .／⌒ヾ､ l l､　｀ヽノ´｀,､´ヾ
　 }ゝ､ __, ｨ'"l l: Ｙ｀i l l (⌒ヽヽ__/´,ｨ'⌒) l l_l_l､ゝ ___）´｀　⌒
　 .l｀ｰ---'''"l l:..l　rf⌒ l`x､｀ v ´)ヽ,ｨ' ff´ ﾊ｀ｰ-‐'i ´｀ ,,､
　　l　　　　 l l八ﾉｌヽrｉﾞゞﾆﾞ､_|_,∠´､",r｀Ｙﾉ　　　　l
　　l　　　　_　ﾍ∨ゝ. /.f´ｌ:.'´-三-｀ﾞl｀iヾ　ﾊ'"　　　　 l
　 .ハ,ｨ'"´:::ﾍ　/／ヽ,,｀ゝ{ ,＞＝＜ }‐'"rﾍ l.　　　　　 l
　.ﾉ //////∧'"ヽ､ﾞゝﾊ'´ヾ　　,ｲﾊ　ノ,ｨﾍl ／⌒ヽ　l
:./　l///////,｀＞-､　八_,,｀ー‐‐'__ﾉ´　,,ｨ'"/////}　l
/　ゝ///////////｀ｰ=i　｀ー―'　 ,ｨ'´////////ﾉ　l
　　　｀､////////////l　l7777l　l´/////八￣　　 /
　　_ =-‐'"///////＞'"_ ヾ//ノ　l////////｀＞.　/

中国東平（山東省）出身の劉復亨

この三名が指揮を執る
618： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:32:26 ID:85swnSQg0: 　　　　 ,.　-─-　､
　　　／　 { ﾊﾊ }　＼
　　 {　,. -= ＝ =- ､　}
　　　V　（ fj　fj ）　 V
　〈∨７､__/⌒ヽ__,ハﾄ,
　（　　}､_,ﾊ＿,ﾊ__／′
　└--<ヽ.__＿__,.イ
　　　　廴j　 |＿_| ﾄ<´￣}
　　　 }　　 O　　 [)ﾉ‐- ′
　　 , ｜　　　　　 | ､
　 /::::::廴＿|　　　|:::::＼
　{:::::::::::::::: ├- -┤::::::::}
　＼:::::::::::::::＼_／::::::::/
　　　｀　────　´

高麗軍の総司令官は金方慶

元軍が地方方面軍総司令をトップに置いたのに対して、高麗は都督使（将軍、方面軍司令官）をトップに据えているので

名目上は総司令の祈都と同格ということになる

――実際は総兵力の３分の２を元兵が占めていたので副将各扱いであったようである

　　　　　　　　　, 　--- 　、
　　　　　　　／　　　 { M.}ﾊ
　　　　　　 i_＿_ , -＜二二ﾝ
　　　　　　 Y^ゝZ　◯ 　◯i､　　いや、兵が少なくてね……
.　　　　　 (,'_　　lヽ__(⌒)ノl
.　　　　　 ,ト、　ゞ;;;;;仁i;;ノ
.　　　　　　 /　 ! .|ﾄ　--‐r个x
.　　　　　 {l 　Ｙ化----化ｲ
　　　　　　 { l　 l　　　　　 l　l
.　　　　　 i .l　 l　　　　,l　l←公称２万（七千前後出兵予定）
　　　　　　 i .l＿l　　　　　l,ｿ
.　　　　　　 i ｀^^　　　　　l
619： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:33:24 ID:85swnSQg0: 　　ﾉノ　　　,' / /:/ :/:/｜　 . : : :.ヽl、
. Y´ . l　｜ !/ /:厶ｲへ!ｌ|: : /: : : : : .､一
　| . :.:ｊ:.: :ﾄ､l　イｰ=ﾆニ}ﾘ//.:.:l :l :「￣
　| l: :{｀ヽ|　　　｀''ｒｰ┴' /. : ﾉ:ﾉ:ﾉ
　| l: ﾘ　　　　　 l|l|　　 /　〈　´´
） Ⅵ:{ 　　　　　　　　丶
ｰ、ヽ　　　　　　　　　　　 _ ノ　　　　いや、茶丘が気に入らないのは分かるけどあんまり騒がれると……
: : ヽ　　　　　　　　　　　 (
: : : : .　　　　　 r―‐一'
ー‐――┐　　　￣￣)
:.:.:.:.:.:.:.:.//､　　　　　 |
: : .:.:.:.:// 　 ,ー-　　　..ﾉ
: :.:.:.:.// 　 /.: ￣.:ﾌ
:.:.:.:.// 　 /.:.:.:.:／
: : // 　 /.:.:.／
.:.:.{ {　　Ｌ〃＼
:.:.:.ヽヽ　｀ヽ　＼

しかも、人間関係的に問題を抱えていた

　　　　 ,.　-─-　､
　　　／　 { ﾊﾊ }　＼
　　 {　,. -= ＝ =- ､　}
　　　V　（ fj　fj ）　 V
　〈∨７､__/⌒ヽ__,ハﾄ,
　（　　}､_,ﾊ＿,ﾊ__／′
　└--<ヽ.__＿__,.イ
　　　　廴j　 |＿_| ﾄ<´￣}
　　　 }　　 O　　 [)ﾉ‐- ′
　　 , ｜　　　　　 | ､
　 /::::::廴＿|　　　|:::::＼
　{:::::::::::::::: ├- -┤::::::::}
　＼:::::::::::::::＼_／::::::::/
　　　｀　────　´

現在の高麗で大きな発言力を持っているのは林衍政権を早期に寝返って

忠烈王政権に復帰した軍人たち。金方慶を中心とした派閥だが、この派閥元軍と仲があまりよろしくない

特に金方慶と洪茶丘の仲の悪さは有名だった
620： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:33:58 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　　　 ,＿　＿,、
　　　　　　　　　,斗三三三笠,三ェ,
.　　　　　　　ｭｙ三ｙ'´　´￣　　ヾ三ｋｪ
　　　　　　　ｨ三ｭ　　　￣´　ィァ≠ゞ三ｋ
　　　　　　 j彡ﾉ≦ﾆ=ｭ,.l,　l≠r Qyjヾ三ｆュ==、
　　　　　　ｿ彡ﾊ,f´　Qゞ　　≧-ィ'　　ﾄ三三≦
　　　　　 <彡ﾐ!　｀￣ｼ .ｌ　　　｀　　　ｌｊｌ.ｌ三ﾄ三k三二一,、
　　　　　　】ﾐｌ.ｌ　　　ノ .ソ{ ゝヽ-=　 .ｌ.ﾉﾄ三三　三爪
.　　　　　　ｊ三ﾍ-　（´_.竺二一、'-´　ﾄ三ﾐﾐ爪三ﾍへ
　　　　　　ﾄ巛≡　　, ／　,＿ ,｀　´　 ljﾐ巛ﾐミkミ巛三三爪、
　　　　　　ヾ仙ミゝ　　　 {;;;;;,　　　　　ｨハ三ミﾐ三　／y　｀三三　へ
　　　　　　　ヽy三>　　　　¨　,　　　ィj;　ゞk爪ﾐ／´
　　　　　　　　 jﾐミk　へ　＿j山ー´　j;　,＞´　／　　　／　　　／; j
　　　　　　　　ヾ三k　　　弋=ｿ¨　　ﾄy´　／　　;;;;;／　　　　／　　j
　　　　　　　　　ﾄ三ﾍヽ,　　　＿　ソ　　／¨　　;;;;;y'　　　　;;;;;ｙ´　　;ｙ
　　　　　　　　　　j三ﾄ　　　;;;;;´ /;;　ノ´　　　;;;/　　／　;;;;／
　　　　　　　　　　k´ l;;ゞ　　;;ノ´　／　　　;;;／　／　 ;;;;y　　　　　/;;;
　　　　　　　　＿j;;;　　¨´　´　　/　　　;;;y　　y　　　;;;;j　　　　　ｼ´
　　　　　　　/　/卜=ー'　　　　'　　　;;;;j　／　　　;;;;;/　　　　　;;/

どうにも洪茶丘の出自と元軍の将として赴任してきてからの行動が気に入らなかったようである

特に大きな理由は二つ
621： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:34:39 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　　 .r-三r´ /rr三y=ニヽ
　　　　　　　　　／ﾍへ,. {< ｿl ,,r,,,二ニﾆヽ
　　　　　　　　　jﾆr='''- ﾟﾞ ´￣　　　,　ゞ三=ゝ
　　　　　　　　ｿﾆr ,　　　ー -　　　ヽ　ゞ二=k
　　　　　　　　rﾆ=' {　　　　　　　　　ｭz,,., ゞ二=y
　　　　　　　／ﾆr ,へ、　　　　／∠´ﾞ´. ゝjﾘl=k,
　　　　　　　 { / /´ﾞ｀二ヾｭ,　 .'ゞr ﾞQ ｧ,　　ﾘ}.}k ゞ _ =-、
　　　　　　　 yr,l　　ﾄ Q ヾ,.l　　ゝ￣　　ｲ, /、三ﾆニﾆ,
　　　　　　　〈y.lヾ　｀ﾞ´　 .l　　,＿_r=、　´}ﾍニ三-二ﾆ
　　　　　　　　{jﾆゝﾍ　 r- -r _, ,ｲﾆ=- ﾞ j　 .lﾊゞ三ニニﾍ　
　　　　　　　　jlニ=ﾘl　<-= .＿ _ ー ,　　'　イl.ﾄ,ﾆニニy´
　　　　　　　/jニy j=ゝヽ　　r;;;;z　　　　.ィ, .lﾊﾆ,=jr;／　　　
　　　　　　ｿ''ニ'=ﾉ /jﾄ、　　ﾞ　　　　 ./　l./　ﾄ-／　　;;;
　　　　　　{{、ニ/´　ｿ　、, ヽ＿jkｧーｨー━y　r　　　;;;;;;y
　　　　　　　ゞ>,ゝ　l!　rゝ-ﾄ-ヾ-、r-ｲ- ´_ ／　　／´シ
　　　　　　　,ソj　} ﾍ,- ´　-<;;;;;;＿ .-ーｙ ’　／;;;;ｨ´
　　　　　　　ゝr-{ﾘ'　　＿ -ﾌz　　／'' ﾉ　　/;;;;;;ｨ　　　r;;;
　　　　　　　　｛´ /´::::::ｨ''´　　／´ ノ　　ｲ;;;;;/　　　ィ;;;;;;
　　　　　＿＿r-k;;;ｨ´＿ _zｲ´ ／　　;;;/;;;;／　　／ ´ ￣
　　　　ｿ´ｪｭｲ´ --´　ー＿ｨry'　　　;;;/;;;;ｨ　　　´

第一に洪茶丘は元高麗軍人で現在は元軍に所属しているという点

高麗側から見れば裏切ってのうのうとしていた奴という事になり、現役高麗軍人から評判が悪かった
622： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:35:27 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く　　　　　　　 /
人_人_人_人_　　　　／二二ニﾆ＝==ー―‐‐' 　　ノ　働　　お　＞
　　　　　　　（. 　　 //´　　　　　　　　　　　　ヽ　け　　ら　＼　＿＿＿__
　な　手　（　　 //　　　　　　　　　　　　　〉　働　　｜　　/ ／　　　　＼
　 |　　を　　（.　　//　　　　　＿＿_r冖‐､＿_. 　　}　け　　｜　ゝ　　　　　　　　ヽ
　 |　　休　　（　 //　　　　＿∠-―‐く_/二ゝ―' 　ノ　　ぇ　　 |　　/　　　 ,人/　　　ヽ
　 |　　め　（.　ヽニニr彡_,ィ_ミ､　　 {!＿_｝　　く　　　//　　っ　〉　　　､ﾌ /　　/＼　Yﾍ
　っ　る　　(　　　｛Ｖ∠ノム}ミ=-　　}!　　}　　　ヽ　・・　　　　 /.',　、　Ｚ r'　 ,　＼/　ヾ.ヽ
　　　　　　　/　　　　｀ｺ匸e] L)ミ　　 j}´￣}　　　　）　　　　　 ( 　', ﾐ　_} （、｛　爪_ /　/}i }
⌒Ｙ⌒Y⌒´　,r=ﾆ二¨ ＼=ｲ/_{=ｧ＼∠ゝ- ｲ　　　 ⌒V⌒Y＼/⌒　ﾄﾐ　_｝ {_＼{_(ｲ_｡7∠ィiｌﾉ-
　　　　　ｨ三/´　　｀ヽ､＼三彡' 　ヽ　　} 　　　　　｛　 {.: .:::::::::::∧kｰ-＜｡≧⌒ミ　　｛ｌ|ｌ!ニ,
　　　＿r‐ノ⌒´￣　　_ﾐ} }　｀丁´ 　 /　/　/ ―==rニ)　＼,ゝヘ.::::::{　ヽゝ彡^ r_j__ｨ　ィ　,l|||三!
　　,ｲ/´　　　　　　ノミ}｛　　｛　　厶ノ-‐' ,,　　　辷}　　ーr‐' .:::::ヽ　 }ﾄ、ヽ‐--= ´/　,i|l|l三|
_,イ{l{　ヽ― ´＿,≦三ﾐゝ＼__廴__/　　　.r{{‐y‐ｧ'　/ 　　　ヽ .:::::::::} 　 l|ｉ!　弋三- ´/ ,|ｌ|l|!厂}
/_圦,ゝ-―￢}丁´ 　｀￣￣/ヽ=ｲ　　　　rゝイ｛_ ｨ'　　　　／＾) .:::|　　`ｌ|ｉl、,ヽ‐ ⌒´ｉ|ｌ||ｌiィ　/
　　　　　　　厶}_,. -r-i_　　/　／　　　／{彡廴彡｛.　　　　　￣ヽ.:::::|　　　ヾｉ|ｌ|ｉ|l||ｉ|l|i|ｌ|r'／／
　　　　　　＿//＿廴} ＼_ 　/　　　 (_ィヘ/＾}＿__}　　　　　　 ∧.::{　　　ミミ'弍二二二／／
　　　　　 r仁二) =-､〈＼＿Y　　　　　　{　ｲ∨ {￣＾＼_　　　　ーヘ＞.　　ミミミ|彡彡´　／＿
　　　　／二Ｘ＾＼ヽ　| 　　}　　　　　ー'　}　-r‐-ｲｰ＼_r￢―=rっ　｀ヽ､ﾐミミ}彡彡　/:::::＼
　　／ｰ=イ＼＼　　 }　　 |　　　　　　　　 / ｰ/　　＼=‐}　ｨｰ{ //ﾐ)　　　｀ミミ{彡　 /:::::::::..
　／　　,／　｀　｀rz彡､＿_ゝ-―　´￣て /-=/　　　　 }=‐つ〉　ｰ'ｰ'　　　　　　　＼　｛:::／＾)

第二に洪茶丘が軍役賦課の監督官であったという点

高麗に日本への出兵に当たって大量の賦課がかかっているのは述べたがこれを洪茶丘が監督していた
623： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:36:09 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　　 .r-三r´ /rr三y=ニヽ
　　　　　　　　　／ﾍへ,. {< ｿl ,,r,,,二ニﾆヽ
　　　　　　　　　jﾆr='''- ﾟﾞ ´￣　　　,　ゞ三=ゝ
　　　　　　　　ｿﾆr ,　　　ー -　　　ヽ　ゞ二=k
　　　　　　　　rﾆ=' {　　　　　　　　　ｭz,,., ゞ二=y
　　　　　　　／ﾆr ,へ、　　　　／∠´ﾞ´. ゝjﾘl=k,
　　　　　　　 { / /´ﾞ｀二ヾｭ,　 .'ゞr ﾞQ ｧ,　　ﾘ}.}k ゞ _ =-、
　　　　　　　 yr,l　　ﾄ Q ヾ,.l　　ゝ￣　　ｲ, /、三ﾆニﾆ,　　父を殺された恨みは忘れていません
　　　　　　　〈y.lヾ　｀ﾞ´　 .l　　,＿_r=、　´}ﾍニ三-二ﾆ
　　　　　　　　{jﾆゝﾍ　 r- -r _, ,ｲﾆ=- ﾞ j　 .lﾊゞ三ニニﾍ　
　　　　　　　　jlニ=ﾘl　<-= .＿ _ ー ,　　'　イl.ﾄ,ﾆニニy´
　　　　　　　/jニy j=ゝヽ　　r;;;;z　　　　.ィ, .lﾊﾆ,=jr;／　　　
　　　　　　ｿ''ニ'=ﾉ /jﾄ、　　ﾞ　　　　 ./　l./　ﾄ-／　　;;;
　　　　　　{{、ニ/´　ｿ　、, ヽ＿jkｧーｨー━y　r　　　;;;;;;y
　　　　　　　ゞ>,ゝ　l!　rゝ-ﾄ-ヾ-、r-ｲ- ´_ ／　　／´シ
　　　　　　　,ソj　} ﾍ,- ´　-<;;;;;;＿ .-ーｙ ’　／;;;;ｨ´
　　　　　　　ゝr-{ﾘ'　　＿ -ﾌz　　／'' ﾉ　　/;;;;;;ｨ　　　r;;;
　　　　　　　　｛´ /´::::::ｨ''´　　／´ ノ　　ｲ;;;;;/　　　ィ;;;;;;
　　　　　＿＿r-k;;;ｨ´＿ _zｲ´ ／　　;;;/;;;;／　　／ ´ ￣
　　　　ｿ´ｪｭｲ´ --´　ー＿ｨry'　　　;;;/;;;;ｨ　　　´

どうやら父を処刑されたことを相当根に持っていたらしく苛烈な要求を度々押し付けていたらしい

　　　　　　　　　　 z≦￣¨: .．
　　　　　　　　　（:: :(M)_::_:: :: ｀'' ､
　　　　　　　　　 >≦⌒ヾ_ヽ:: :: ::}
　　　　　　　　　（(::;^fぇ tﾃ`了'=┤　　　いや茶丘さんね、言いたいこと分るけどね
　　　　　　　　ﾐ1　j_,､　１ﾗﾐ}
　　　　　　　　　　从〆ﾆ㍉ｬj《弐　　　　我々だって内戦してただんだからちょっとくらい大目に見てもらってもね
　　　　　　　　　　　ﾍ ¨　 ,.ｲノ}､＿
　　　　　　　　　　　_／〕爪ﾌ´:_::;仁/: ￣｀ヽ
　　　　　　　　　ィ仁}=､Vz≦´/ﾆ/: :: :: :: ::.:.:.
　　　　　　　／:: /ﾆ/.: :j!: :: :: ::{ﾆ｛: :',: :: :: :.:.:.:}
　　　　　　/: :,': ;'ﾆ/: :: {! :: :: ::_|ﾆiﾄγ⌒｀ヾ :λ
　　　　 {: : l!.:{iﾆト-‐+:≦三｛O》: ::l!: :: :: :.:.:.:.',
　　　　　　}γ^《O｝三ﾆ＝ニ二三王{: ::_::_::.:.:.:.:}
　　　　　 ,'Y: :: }任Ξ三二二二三王∨´　￣｀}
　　　　 i_l_::_:::{仁三二二≡三王王l!{　　　ｨ |
　　　　　{´;￣｀守二二二二二三王》ヾ-‐≠ l!{
　　　　　j_i_　　 ,'》仁二＝≡二三彡《　{　　　 i }
　　　　/´/ ｀　ﾞ{(住㌢[＿＿]::::::::::l l:::::{！　;. 　 ;i
　　　./　,′　　}　[z≦二i i二二三三か'，ﾐ　 ;|

そして、それに対して真っ向から異を唱えていたのが金方慶であった

地方軍の司令官で賦役負担地区出身であった金方慶は高麗側からの賦役監督官として

茶丘の要求に対抗していたようである
624： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:37:22 ID:85swnSQg0: >>623
金方慶のセリフが「してただん」ですが正しくは「してたん」です

　　　　　　　　＿
　　　　　 ,. :'´:.:.:.:. ｀ヽ
　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:. :: :}
　　　 {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:メヽ、
　　　ヽ:.:.:.:.::＞:i´（{├‐'　　　いくらなんでもこの量を作るのは無理だな
　　　　　守秡州ｉｌi : |
　　　　､_)州州i从ﾘ　　　　　形式を変えてしまうか
　_ 　-‐≦､:.:.:.:.:._:.冫=ｭ_
　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｉ.:.:.:.:.:.:.|ニ|:: :: ‐-　.
　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!.:.:.:.:.:.:.|ニ|:.:.:.:.:.:.:..:: ::ヽ
　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!.:.:.:.:.:.:.|ニ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.: :: :.
　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i.:.:.:.:.:.:.|ニ|:.:.､:_:.:.:.:.:.:. :: |
　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｉ.:.:.:.:.:.:ｌニｌ:.:.:{:.:.:¨:.‐-:. :.}
　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!.:.:.:.:.::!ニ!:.:.:.',:.:.:.:.:.:.:.:..:.ﾊ
　三三三三王三三三三气＿　＞ ´ ﾍ
　三三三三王三三三三三＼　　 __彡}

ちなみに南宋形式の大型船から高麗形式の小型船へと建造計画を変えたのも金方慶といわれている

この変更は賦役達成という結果をもたらすと同時に、後の災難につながることになるがその辺は割愛する

　　　　　　　　　　 .r-三r´ /rr三y=ニヽ
　　　　　　　　　／ﾍへ,. {< ｿl ,,r,,,二ニﾆヽ
　　　　　　　　　jﾆr='''- ﾟﾞ ´￣　　　,　ゞ三=ゝ
　　　　　　　　ｿﾆr ,　　　ー -　　　ヽ　ゞ二=k
　　　　　　　　rﾆ=' {　　　　　　　　　ｭz,,., ゞ二=y
　　　　　　　／ﾆr ,へ、　　　　／∠´ﾞ´. ゝjﾘl=k,
　　　　　　　 { / /´ﾞ｀二ヾｭ,　 .'ゞr ﾞQ ｧ,　　ﾘ}.}k ゞ _ =-、
　　　　　　　 yr,l　　ﾄ Q ヾ,.l　　ゝ￣　　ｲ, /、三ﾆニﾆ,
　　　　　　　〈y.lヾ　｀ﾞ´　 .l　　,＿_r=、　´}ﾍニ三-二ﾆ
　　　　　　　　{jﾆゝﾍ　 r- -r _, ,ｲﾆ=- ﾞ j　 .lﾊゞ三ニニﾍ　
　　　　　　　　jlニ=ﾘl　<-= .＿ _ ー ,　　'　イl.ﾄ,ﾆニニy´
　　　　　　　/jニy j=ゝヽ　　r;;;;z　　　　.ィ, .lﾊﾆ,=jr;／　　　
　　　　　　ｿ''ニ'=ﾉ /jﾄ、　　ﾞ　　　　 ./　l./　ﾄ-／　　;;;
　　　　　　{{、ニ/´　ｿ　、, ヽ＿jkｧーｨー━y　r　　　;;;;;;y
　　　　　　　ゞ>,ゝ　l!　rゝ-ﾄ-ヾ-、r-ｲ- ´_ ／　　／´シ
　　　　　　　,ソj　} ﾍ,- ´　-<;;;;;;＿ .-ーｙ ’　／;;;;ｨ´
　　　　　　　ゝr-{ﾘ'　　＿ -ﾌz　　／'' ﾉ　　/;;;;;;ｨ　　　r;;;
　　　　　　　　｛´ /´::::::ｨ''´　　／´ ノ　　ｲ;;;;;/　　　ィ;;;;;;
　　　　　＿＿r-k;;;ｨ´＿ _zｲ´ ／　　;;;/;;;;／　　／ ´ ￣
　　　　ｿ´ｪｭｲ´ --´　ー＿ｨry'　　　;;;/;;;;ｨ　　　´

裏切りからの出戻り組、先代国王からの軍人、宗主国からの賦役監督官と属国の賦役監督官

何かと対照的な二人の仲は加速度的に悪化していたようである
625： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:38:07 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　／　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　 '
　　　　　　 /　＿__,　
　　　　　 _.ﾞｰ--　　＿__ 　　　　　 '
　　　　　{::::ヽ　/　ﾉ_::::::.ヽ　　　　 .i　　わしここに赴任してきたばっかだし……
　　　　　　fｔﾇ八zく_tﾂ　 )'　　{:ﾒ⌒, l
　　　　　 }-仗　　ー＝´　　　}ミ　{｜
　　　　　｛r'　　_｀ヽ　、ヽ　　jﾐヌ, ｛＞-ｭ＿
　　　　　ｨ从ミｰﾊヌ从ミ　　　}入／　乂之}
　　＞. ´: :ﾊf´二二二｀ヾ　　从ミ＞ﾆ.{＿_乂
. ::´: : : : 彡 }. : : : : : : : : } j .斗ﾐﾊニ／_ニニ
. : : : : : 彡ｲ辷f辷f辷f_ハ八ヾミ／_ニニニニ
. : : : ／彡彡, ´￣｀　　乂从ミ./_ニニニニニ
. : :彡'イ彡'イﾒ从从ﾇくﾐ从从 / -ニニニニニ
＜. : : : : ´.イ彡彡彡彡彡く.〃_ニニニニニニ

しかも総司令官である忽敦は内陸部の出身でこの辺りの人間関係にはまるきり不理解であった
626： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:39:03 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　　　　, =-‐ﾆニニミヽ､
　　　　　　　　　　,ｨ´ｨ,ｨ'"´_=-‐-=､｀ヾヽ
　　　　　 .,r‐‐=///´r''´⌒､_∧_⌒,=､ヽヽ､____
ｰ＜´￣~¨7　 .///f´｀,ｨゝ‐''.〈ﾊ〉￣ゝ‐'､ヾヽ｀ヽ＼r‐-､
ヽ　ヽ＿/　.///r‐f´　　　〈ﾊ〉　　　　f｀Ｙ:l‐-､. }　　l‐-､
　ﾞｖ''"´　｀ヽ{ i l｀/'"//⌒ヽ. 〈_〉 .／⌒ヾ､ l l､　｀ヽノ´｀,､´ヾ
　 }ゝ､ __, ｨ'"l l: Ｙ｀i l l (⌒ヽヽ__/´,ｨ'⌒) l l_l_l､ゝ ___）´｀　⌒
　 .l｀ｰ---'''"l l:..l　rf⌒ l`x､｀ v ´)ヽ,ｨ' ff´ ﾊ｀ｰ-‐'i ´｀ ,,､
　　l　　　　 l l八ﾉｌヽrｉﾞゞﾆﾞ､_|_,∠´､",r｀Ｙﾉ　　　　l
　　l　　　　_　ﾍ∨ゝ. /.f´ｌ:.'´-三-｀ﾞl｀iヾ　ﾊ'"　　　　 l
　 .ハ,ｨ'"´:::ﾍ　/／ヽ,,｀ゝ{ ,＞＝＜ }‐'"rﾍ l.　　　　　 l
　.ﾉ //////∧'"ヽ､ﾞゝﾊ'´ヾ　　,ｲﾊ　ノ,ｨﾍl ／⌒ヽ　l
:./　l///////,｀＞-､　八_,,｀ー‐‐'__ﾉ´　,,ｨ'"/////}　l
/　ゝ///////////｀ｰ=i　｀ー―'　 ,ｨ'´////////ﾉ　l
　　　｀､////////////l　l7777l　l´/////八￣　　 /
　　_ =-‐'"///////＞'"_ ヾ//ノ　l////////｀＞.　/

その点でいえば劉復亨も似たようなものである

近衛軍出身で前任地は中国内陸部であったため、人間関係はノータッチであった
627： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:39:43 ID:85swnSQg0: ――副指令と合同司令官の不仲という不安要素を載せながら、元・高麗軍は合浦を出発していくことになる

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＿____＼
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　　　　　　　　　　　　　　　　　＼____＼／___／
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼／

　　　　　　　　　　　【やる夫は元寇を戦い抜くようです】

　　　　　　　　　　　　　　　文永の役/蒙古襲来
628： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:40:26 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　 γ´￣￣￣￣￣￣￣￣γ
　　　　　　　　　　　　　　 l　　　　　　何？　　　　　 l
　　　　　　　　　　　　　　ヽ、＿＿＿＿＿＿＿＿,/

　　　　　　　　_､-''"´￣￣¨''ｰ､
　　　　　､-'"　　　　　　　　　｀ヽ.
　　　　／　　　　　　　　　　　　　ﾞヽ
　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞi
　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　 |
　　　/　　　　　　　　　　,　　　　　　 |
　　　!、　i　 ,　　　　　　 i　　　　 __ ,!
　　　〉、∠　＿＿　　 }!　　 ,ｨ二, ﾚ′　　沖合に高麗の船団が停泊しているだと？
　　　〈`_ｦ ≡≦≡=-　 '"　　　ﾒ-ｭﾘ
　　　 ∨/　　` 二ﾞ- ""　　　　,>ノｲ
　　　　l!'_,,≧:　　　　,､-''　　ｨﾞ_,､イ｢ﾞi
　　　　｢｢ミ`ﾆｰﾐ､　 |　　　　｢　　/l! ﾞi
　　　　| !｀`ｰヽヾ　ﾉ　　　　ﾉ　,／ｨﾘ　|
　　　 j ﾋﾍ、_,..}　ﾞY　　_､-" ､ｲ f.／　ﾄ､
　　　　!ﾀ_,N"lii;,　_ﾉ-''"_､-''" ﾉ／　　　|. ＼
　　　/　　|.ﾄ-三ﾆ=_,ﾆ"　 :='／　　　　 .|　　ヽ、
　　 /　　,'|.| ｢ﾅ'ﾆﾆｨﾞ　 ,／　　　　　　 |　　　 `
　　　　　' |.| ﾚ'__二ﾌ′ ｨ'　　　　　　　 |
対馬守護代　宗資国
629： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:41:12 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　,r ´丶 .　　､｀ヽ、
　　　　　　　　　　/ー-..,,_ヽ､_ .ヽ i .l　.､
　　　　　　　　　 l-ー'' ¨''-r　　｀丶、 | .ヽ
　　　　　　　　　l., -.、ー- l /　　　　　ｰｲ
　　　　　＿＿_/l　ミ.l　r ~ ´ ,,__　　、　i ｌ
　 ,.-=''´: : : : /,」.八l　l: : -　.､k.ﾐｯ,,_ヽi_.l
　, '´ﾉ: : : : ＿i/: .丶l .l: :　　　　 .　' l'i´　　物見に拠れば３００を下ることのない大船団と
__,r´,: : : /'' ＼､: : : ..l l: : : 　　　 ,_._ｌ´
: : , iー/: : : 　..＼丶 l l: : :　　　-_-r.i　　　　鎌倉が言っていた元の兵団ではないかと思われます
-<''~: ｀丶、: : .,　＼ | ..＼　　　. /l |
: : : ヽ: : : .ヽ丶,　　　＼ﾐl　＞ .イ　|
　　.　ヾ: : : : ヽ丶,　　　i.|;;;ィ´ﾉ_ 　l
　　　　ハ: : : : : lヾ、　 !|/　ｨヾ　゛ｰ. 、
　　　:ｲ　.l　　i-.、l　ヽ｀ー ´ l　丶　　｀ヽ
対馬宗氏家臣　小太郎

　　　　　　　　_､-''"´￣￣¨''ｰ､
　　　　　､-'"　　　　　　　　　｀ヽ.
　　　　／　　　　　　　　　　　　　ﾞヽ
　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞi
　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　 |
　　　/　　　　　　　　　　,　　　　　　 |
　　　!、　i　 ,　　　　　　 i　　　　 __ ,!
　　　〉、∠　＿＿　　 }!　　 ,ｨ二, ﾚ′　　（兵船一つに１００の兵が乗るとして３万）
　　　〈`_ｦ ≡≦≡=-　 '"　　　ﾒ-ｭﾘ　　　　　（御家人衆を合わせてもこちらは５００ほどか）
　　　 ∨/　　` 二ﾞ- ""　　　　,>ノｲ
　　　　l!'_,,≧:　　　　,､-''　　ｨﾞ_,､イ｢ﾞi
　　　　｢｢ミ`ﾆｰﾐ､　 |　　　　｢　　/l! ﾞi
　　　　| !｀`ｰヽヾ　ﾉ　　　　ﾉ　,／ｨﾘ　|
　　　 j ﾋﾍ、_,..}　ﾞY　　_､-" ､ｲ f.／　ﾄ､
　　　　!ﾀ_,N"lii;,　_ﾉ-''"_､-''" ﾉ／　　　|. ＼
　　　/　　|.ﾄ-三ﾆ=_,ﾆ"　 :='／　　　　 .|　　ヽ、
　　 /　　,'|.| ｢ﾅ'ﾆﾆｨﾞ　 ,／　　　　　　 |　　　 `
　　　　　' |.| ﾚ'__二ﾌ′ ｨ'　　　　　　　 |

当時の対馬には守護宗氏の他に選抜された御家人衆が駐屯していたが

それを合わせても５００程度の兵しかいなかった
630： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:41:53 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　_､-''"´￣￣¨''ｰ､
　　　　　､-'"　　　　　　　　　｀ヽ.
　　　　／　　　　　　　　　　　　　ﾞヽ
　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞi
　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　 |
　　　/　　　　　　　　　　,　　　　　　 |
　　　!、　i　 ,　　　　　　 i　　　　 __ ,!
　　　〉、∠　＿＿　　 }!　　 ,ｨ二, ﾚ′　　……兵衛二郎をここへ
　　　〈`_ｦ ≡≦≡=-　 '"　　　ﾒ-ｭﾘ　　　　　（籠城も難しい……ならば手は一つのみ）
　　　 ∨/　　` 二ﾞ- ""　　　　,>ノｲ
　　　　l!'_,,≧:　　　　,､-''　　ｨﾞ_,､イ｢ﾞi
　　　　｢｢ミ`ﾆｰﾐ､　 |　　　　｢　　/l! ﾞi
　　　　| !｀`ｰヽヾ　ﾉ　　　　ﾉ　,／ｨﾘ　|
　　　 j ﾋﾍ、_,..}　ﾞY　＼人_从人__从_从人__从人_人从ﾉ／
　　　　!ﾀ_,N"lii;,　_ﾉ-''"_＞　　　　　　　　　　　　　　　　＜
　　　/　　|.ﾄ-三ﾆ=_,ﾆ" ＞　　　　　　御意！　　　　　　＜
　　 /　　,'|.| ｢ﾅ'ﾆﾆｨﾞ　＞　　　　　　　　　　　　　　　　＜
　　　　　' |.| ﾚ'__二ﾌ′／Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒WY＼
631： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:42:46 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　 ,rー---､_ 　_＿
　　　　　　 ,．'´ . : ::.:::::::､:::':::::::.:'ヾ､
　　　　　　 / . ..:.:.:::::;:;:;;;;;;:;ij,;;;;;;;;;;;::::.:.＼
　　　　／ . : ::.::::;;;;;;;;r‐ ､,{li　,ｲヽ;;;;;;::.:.＼
　　　　 { . : ::.::::;;;;;;;;;;;!ミﾐi',ﾄ!ilﾘﾝ彡l;;;;;;;::::.:.:.!
　　　　ﾘ､. : ::::::;;;;;;;;jﾘ￣｀ﾞゞl!ｨr=＝i;;;;;;:::::.:l
　　　 ,r'. ::｀::;;;;',;:ミソ　　　｀ﾞﾞ´　　｀ゝｲ;;;:.:':ﾚ
　　（. . : ::::;;;;il'"＝=-､__, 　　_,ｨz= ｀i;;;::':.!
　　　＼ヾ'､;;;;! 　 ,ｲﾓﾝ'"´　f´fﾁｪ　 |'´;:ﾉ
　　　　｀}>;ソ　　 "´　　　 ! ｀" 　　,!ﾚ´　　　お呼びでしょうか？
　　　　　（'、ゝ＼　　　　,　 ,!i　　　 ,ｲ,!
　　　　　｀ゝk{ 　　　　 `ｰ''"　　　,!ｿ
　　　　　　ヾ!｀､　　　　-‐―‐-　　,!'
　　　　　 ,r-‐|　＼　　　　ｰ一　　,/
　　　　 /（}‐-!､　＼　　　　　　,ｲヽ,
　　　　,!　｀丶､｀- ､.　＼＿,＿／j´/ﾞi
　　　　l　　　　｀丶､ゞ-､＿,､-‐ゞ/　|
　　-‐'"＼　　　　　　｀ヽゝjil ,､‐'" 　,!‐- ､_
　　　　　　＼　　　　　｀Y´ ／l 　,!　　　￣｀
　　ヾ､　　　＼　　　　 |　l／／　　　,ｲ´
対馬宗氏家臣　兵衛二郎

　　　　　　　　_､-''"´￣￣¨''ｰ､
　　　　　､-'"　　　　　　　　　｀ヽ.
　　　　／　　　　　　　　　　　　　ﾞヽ
　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞi
　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　 |
　　　/　　　　　　　　　　,　　　　　　 |
　　　!、　i　 ,　　　　　　 i　　　　 __ ,!
　　　〉、∠　＿＿　　 }!　　 ,ｨ二, ﾚ′　　うむ。小太郎と共に急ぎ少弐殿の許へ
　　　〈`_ｦ ≡≦≡=-　 '"　　　ﾒ-ｭﾘ
　　　 ∨/　　` 二ﾞ- ""　　　　,>ノｲ　　　　　わしと御家人衆で時を稼ぐ
　　　　l!'_,,≧:　　　　,､-''　　ｨﾞ_,､イ｢ﾞi
　　　　｢｢ミ`ﾆｰﾐ､　 |　　　　｢　＼人_从人__从_从人__从人_人从ﾉ／
　　　　| !｀`ｰヽヾ　ﾉ　　　　ﾉ　,／＞　　　　　　　　　　　　　　　　＜
　　　 j ﾋﾍ、_,..}　ﾞY　　_､-" ､ｲ f.＞　　　　　　殿！？　　　　　　＜
　　　　!ﾀ_,N"lii;,　_ﾉ-''"_､-''" ﾉ／＞　　　　　　　　　　　　　　　　＜
　　　/　　|.ﾄ-三ﾆ=_,ﾆ"　 :='／　／Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒WY＼
　　 /　　,'|.| ｢ﾅ'ﾆﾆｨﾞ　 ,／　　　　　　 |　　　 `
　　　　　' |.| ﾚ'__二ﾌ′ ｨ'　　　　　　　 |
632： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:43:45 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　　　　　 ,,ｨｬｲ!!.||　||　〃ﾙｯ;;,,
　　　　　　　　　　 yｯヾ ii||| |||| | ﾚﾙｹﾚｿゝ
　　　　　　　　　　 / ｼ'　　　　　　　　　　　ﾏﾓｪ
　　　　　　　　　　 i ﾖj　　　　　　 .　　　　　　i.ﾋﾆi
　　　　　　　　　　 | ﾖ}　　　　　 i　　　　　 { ﾓﾓi
　　　　　　　　　　ﾋ {　rｰ-､,,,　　|　　_,,-ｰヘﾓﾓi
　　　　　　　　　　ｨﾔ{　　ﾆｴﾇ"'' ´｀.r'´ﾔｵﾆ　 }ｿﾍ
　　　　　　　　　　i ^ﾘ　　　　　j　 | ﾔ　　　　　||^i !
　　　　　　　　　　ヾ∥　　　　　 |　i.　　　　|| /　　　私も若輩とはいえ宗氏の家臣！
　　　　　　　　　　　.∥　　　　　 , l ,　　　　　 .||
　　　　　　　　　　 ||ヽ　　　　＿＿　　　　　||ゝ　　　果てるならば殿と同じ戦場で！
　　　　　　　　　　　∥ ヽ　　　´ｰ─ ｀　　　'|| ｀ヽ
　　　　　　　　　　　∥ 　|ヽ　　　¨¨ 　　　ｲ∥　ヾ
　　　　　　　　　　　 |　　|　ヽ.　　　　／ |. |　　ヾ
　　　　　　　　　 jkt　　ヽ＿＿／　　 |ti　　ｿ
　　　　　　　　　　 {:;:;:;:;ヽ､　　　,,,, ｨ:;:;:;:;:;}　　　ｿ
　　　　　　　　　　＿}:;:;ミヽ｀iTi´ ﾒ　彡:;:;:;{＿　ｿ
　　　　　　　　　　　　;:;:;:;ミ　ヽ-|-ｲ　彡:;:;:;:;ﾄ￣
　　　　　　　　　　　;:;:;:;丶､＿|＿ノ:;:;:;:;:;:;:
633： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:44:09 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　｀丶、
　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　 ',
　　　　　　　　 l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l
　　　　　　　　　　｜　 l|　　　　　　　 l　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　 |　　 l|　　　　　ヾヽヽ　　l|〃,　　　　 |
　　　　　　　　　　 ,⊥、くL_　, -─‐- ､ヽ l| l l/〃,__--､　 l､
　　　　　　　　　 | lハ　　　 ∠ ￣．＼ﾊV/ _ノ．ヽ、`/ i
　　　　　　　　 | ,ﾆ､i 　　 ,ﾆ　 `ﾆﾆ彡＞iヽ＾ヽ`ﾆ´-､ lﾉ｜　　
　　　　　　　, -､／l｛　〈_く　　＾ヽ-- '　 r'　 |　l｜ `ｰ '＾ﾚ' |
　　　　　／／/　＼ヽ_ﾉ＼　　　　　 / ヾ　| 　 |　　　　〉ﾘ
　　_, -‐ '／//　　　ﾊ　 i　 |　　　／ └- 、l　/_＼　　/l∧＿
￣　／　 | |　　　 l∧_ﾉl　｜　 / /￣_,￣_,ﾆ､_,､_｀V　| l　ﾞ､＿￣`ｰ─- ．__
-┬…' "￣| |　　　 | ﾊ　|　 | 　 l/ /{´+￣+￣+ ） l |　l｜　＼人_从人__从_从人__从人_人从ﾉ／
　l|　　　　 //　　　｜ハ |　＼/ /　｀￣￣￣ ´ ｜l / |　　＞　　　　　　　　　　　　　　　　＜
　l|　　　 //　　　　｜|　ヽ＼ / 　l　　　´￣￣` 　〉 |　l　　＞　　　　　　　ならん！　　　　　＜
　l| = ＝//　　　　　　l ヽ　ヽ＼　＼　　 /ﾍ、_／ l　l/|　　＞　　　　　　　　　　　　　　　　＜
¨ ￣￣//　　　　　 ∧ 　　＼＼　 ` ￣l　　ｌ｜　V　l|　／Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒WY＼
　　　//　　　　　＿l　l、　　　＼ヽ_｣l＿L⊥⊥｣／　/|　　　　　ヽ
　　 //　 _,.．- ' ´ 　 |　|｀､　　ﾄ＼｀丶､＿＿／ ,､ / :|　｢｀丶､　　　｀､
　　 //　/┌┐l¨| |¨|｜｜　＼ﾄ､　`ｰ┐丶 | / ／//　::|　 | lヽ､ __｀丶、　ﾞ､
　　//　 l　| ｜l.｜l. |｜｜　　＼` ｰ　＼l　| l/　／　.:::|　 | | 　|l　 l｢ l l| 　|
634： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:44:58 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　 ,′　　　　　　　　　　ﾊ
　　　　　　　　 |　　　　　　 /　　　　　　 {　 !
　　　　　　　　　 !　　　　ヽ　/　　＿　　　 }_」､
　　　　　　　　　f､‐ﾆ‐ｪ-= } '-‐≦ｪr-｀ﾆ　　´/ハi
　　　　　　　 i }_´―"ｿ〉T ､ヽ｀ー'　,ﾐ　 i　f-,　i
　　　　　　　　　 !j　｀ー´ { ||　 }_｀ー ´　　 |　{r' ﾉ　　　わしは守護
　　　　　　　　　｀!　　　_ｲ ||　_人_-､　　ﾉ　イ
　　　　　　　ヽ　fr　｀ｰ'´　　｀ヽ!　/　 !´ |　　　　民のため弓矢を取る義務がある
　　　　　　　　 ', !! r=＝＝‐｀ｰ,　', i 　 ,i　 !
　　　　　　　　　　　 Ⅵ j　 ――' 　 !　, ! 　,j　 |
　　　　　　　　　　　　!i　{　　,､　　 j　∨ /　　|
　　　　　　　　　　　　ﾄ,　ヽ/　＼／　　'y/　　 |､
　　　　　　　　　　　 ,ｲヽ　　　　　　　　//　／ィ }
　　　　　　　　　　　ｲ､ハ＿＿＿＿ _/_，ィｨ7//j i＼
　　　　　　　　　／:.:iﾊ/ヽ＼＿_,. ィ´ｨ7/////／ｲ:.:.:.＼
　　　　　　／:.:.:.:.:j/ヽ｀i/} | f//ィ ´ =ｲ///｀ー}:.:.:.:.:.:.＼_

　　　　　　　　　　, -‐''"´￣￣｀゛` ‐-、
　　　　　　　　　ｒ、/,,,__,_//,,,,,,,,/,,　　゛ヽ
　　　　　　　　　ｌ　　　　　　　/／　γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　ヽ　　　　　　〈／/ ｜　　　だが、お前はまだ若い　　　 |
　　　　　　　　　〈r,,ィ-‐‐ー　　＼　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
　　　　　　　　　/゛.'-'-‐‐`　　　〉　|..♭）ｌ　|　゛ヽ、
　　　　　　　　く_.　　ヽ　　　　　｜｜.イ　/　＼　ヽ
　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　|　|　レ´|l　/〉　　〉
　　　　　　　　　　ヽー　　　　　/｜|　ト、｜l　/　｜
　　　　　　　　　　　ｉヽ　　　 γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　｀　‐イ　｜　　命の懸け場所は別にある　　　 |
　　　　　　　　　　　　,／⊥／乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
　　　　　　　　　　　　|　Y　|／　　／/　　｜
　　　　　　　　　　人 ⊥―￣/　／
635： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:45:33 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　 ,′　　　　　　　　　　ﾊ
　　　　　　　　 |　　　　　　 /　　　　　　 {　 !
　　　　　　　　　 !　　　　ヽ　/　　＿　　　 }_」､
　　　　　　　　　f､‐ﾆ‐ｪ-= } '-‐≦ｪr-｀ﾆ　　´/ハi
　　　　　　　 i }_´―"ｿ〉T ､ヽ｀ー'　,ﾐ　 i　f-,　i　　　その時が来たら思う存分もののふの勤めを果たせ
　　　　　　　　　 !j　｀ー´ { ||　 }_｀ー ´　　 |　{r' ﾉ
　　　　　　　　　｀!　　　_ｲ ||　_人_-､　　ﾉ　イ　　　　今は、わしが勤めを果たす時よ
　　　　　　　ヽ　fr　｀ｰ'´　　｀ヽ!　/　 !´ |
　　　　　　　　 ', !! r=＝＝‐｀ｰ,　', i 　 ,i　 !
　　　　　　　　　　　 Ⅵ j　 ――' 　 !　, ! 　,j　 |
　　　　　　　　　　　　!i　{　　,､　　 j　∨ /　　|
　　　　　　　　　　　　ﾄ,　ヽ/　＼／　　'y/　　 |､
　　　　　　　　　　　 ,ｲヽ　　　　　　　　//　／ィ }
　　　　　　　　　　　ｲ､ハ＿＿＿＿ _/_，ィｨ7//j i＼
　　　　　　　　　／:.:iﾊ/ヽ＼＿_,. ィ´ｨ7/////／ｲ:.:.:.＼
　　　　　　／:.:.:.:.:j/ヽ｀i/} | f//ィ ´ =ｲ///｀ー}:.:.:.:.:.:.＼_
636： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:46:23 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　 ,′　　　　　　　　　　ﾊ
　　　　　　　　 |　　　　　　 /　　　　　　 {　 !
　　　　　　　　　 !　　　　ヽ　/　　＿　　　 }_」､
　　　　　　　　　f､‐ﾆ‐ｪ-= } '-‐≦ｪr-｀ﾆ　　´/ハi
　　　　　　　 i }_´―"ｿ〉T ､ヽ｀ー'　,ﾐ　 i　f-,　i　　果たして、生き切ったならあの世でわしに語ってくれ
　　　　　　　　　 !j　｀ー´ { ||　 }_｀ー ´　　 |　{r' ﾉ
　　　　　　　　　｀!　　　_ｲ ||　_人_-､　　ﾉ　イ　　　おぬしの武士としての生き様を
　　　　　　　ヽ　fr　｀ｰ'´　　｀ヽ!　/　 !´ |
　　　　　　　　 ', !! r=＝＝‐｀ｰ,　', i 　 ,i　 !
　　　　　　　　　　　 Ⅵ j　 ――' 　 !　, ! 　,j　 |
　　　　　　　　　　　　!i　{　　,､　　 j　∨ /　　|
　　　　　　　　　　　　ﾄ,　ヽ/　＼／　　'y/　　 |､
　　　　　　　　　　　 ,ｲヽ　　　　　　　　//　／ィ }
　　　　　　　　　　　ｲ､ハ＿＿＿＿ _/_，ィｨ7//j i＼
　　　　　　　　　／:.:iﾊ/ヽ＼＿_,. ィ´ｨ7/////／ｲ:.:.:.＼
　　　　　　／:.:.:.:.:j/ヽ｀i/} | f//ィ ´ =ｲ///｀ー}:.:.:.:.:.:.＼_

　　　　　　　　　　, -‐''"´￣￣｀゛` ‐-、
　　　　　　　　　ｒ、/,,,__,_//,,,,,,,,/,,　　゛ヽ
　　　　　　　　　ｌ　　　　　　　/／　/　　゛ヽ
　　　　　　　　　ヽ　　　　　　〈／/　　　　　!
　　　　　　　　　〈r,,ィ-‐‐ー　　＼　「⌒ヽ　|_
　　　　　　　　　/゛.'-'-‐‐`　　　〉　|..♭）ｌ　|　゛ヽ、　　……御武運を……っ！
　　　　　　　　く_.　　ヽ　　　　　｜｜.イ　/　＼　ヽ
　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　|　|　レ´|l　/〉　　〉
　　　　　　　　　　ヽー　　　　　/｜|　ト、｜l　/　｜
　　　　　　　　　　　ｉヽ　　　／　｜Ｌ／｜/λノ/|/
　　　　　　　　　　　｀　‐イ　　／|/l　　,λ,/_/_,-‐'"￣゛`‐
　　　　　　　　　　　　,／⊥／　_／　　/　　/
　　　　　　　　　　　　|　Y　|／　　／/　　｜
　　　　　　　　　　人 ⊥―￣/　／
637： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:47:07 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　 ,′　　　　　　　　　　ﾊ
　　　　　　　　 |　　　　　　 /　　　　　　 {　 !
　　　　　　　　　 !　　　　ヽ　/　　＿　　　 }_」､
　　　　　　　　　f､‐ﾆ‐ｪ-= } '-‐≦ｪr-｀ﾆ　　´/ハi
　　　　　　　 i }_´―"ｿ〉T ､ヽ｀ー'　,ﾐ　 i　f-,　i
　　　　　　　　　 !j　｀ー´ { ||　 }_｀ー ´　　 |　{r' ﾉ
　　　　　　　　　｀!　　　_ｲ ||　_人_-､　　ﾉ　イ　　　……達者でな
　　　　　　　ヽ　fr　｀ｰ'´　　｀ヽ!　/　 !´ |
　　　　　　　　 ', !! r=＝＝‐｀ｰ,　', i 　 ,i　 !
　　　　　　　　　　　 Ⅵ j　 ――' 　 !　, ! 　,j　 |
　　　　　　　　　　　　!i　{　　,､　　 j　∨ /　　|
　　　　　　　　　　　　ﾄ,　ヽ/　＼／　　'y/　　 |､
　　　　　　　　　　　 ,ｲヽ　　　　　　　　//　／ィ }
　　　　　　　　　　　ｲ､ハ＿＿＿＿ _/_，ィｨ7//j i＼
　　　　　　　　　／:.:iﾊ/ヽ＼＿_,. ィ´ｨ7/////／ｲ:.:.:.＼
　　　　　　／:.:.:.:.:j/ヽ｀i/} | f//ィ ´ =ｲ///｀ー}:.:.:.:.:.:.＼_

　　　　　　　　_､-''"´￣￣¨''ｰ､
　　　　　､-'"　　　　　　　　＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／
　　　　／　　　　　　　　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜
　　　 /　　　　　　　　-=ニ　　　　　　急ぎ船を出せ！博多へ参る！　　　　　　 ≦
　　　 |　　　　　　　　　　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦
　　　/　　　　　　　　　　, ／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼
　　　!、　i　 ,　　　　　　 i　　　　 __ ,!
　　　〉、∠　＿＿　　 }!　　 ,ｨ二, ﾚ′
　　　〈`_ｦ ≡≦≡=-　 '"　　　ﾒ-ｭﾘ　　　そういうことで悪いが……力を貸してはいただけないか？
　　　 ∨/　　` 二ﾞ- ""　　　　,>ノｲ
　　　　l!'_,,≧:　　　　,､-''　　ｨﾞ_,､イ｢ﾞi
　　　　｢｢ミ`ﾆｰﾐ､　 |　　　　｢　　/l! ﾞi
　　　　| !｀`ｰヽヾ　ﾉ　　　　ﾉ　,／ｨﾘ　|
　　　 j ﾋﾍ、_,..}　ﾞY　　_､-" ､ｲ f.／　ﾄ､
　　　　!ﾀ_,N"lii;,　_ﾉ-''"_､-''" ﾉ／　　　|. ＼
　　　/　　|.ﾄ-三ﾆ=_,ﾆ"　 :='／　　　　 .|　　ヽ、
　　 /　　,'|.| ｢ﾅ'ﾆﾆｨﾞ　 ,／　　　　　　 |　　　 `
　　　　　' |.| ﾚ'__二ﾌ′ ｨ'　　　　　　　 |
638： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:47:39 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　/　 / / .／ﾉ ./¨¨¨¨¨''ﾆ=‐-ミﾆ=‐ ＼
.　　　　　 /　 / /／／ ./　　　　　　　　　ヾﾆ=‐ {
　　　　　 /　　　　／/ ノ　 .:.:.:.:.:.:　　　　＿ _ V 　.ﾊ
　　　　　 i　　　／￣≧，_　:.:.:.:.:.:　　／　　　 V 　 }
　　　　　 |　　 /　,ィ´￣ヽ, ヽ:.:.:.:. ヽ,ィ´￣ヽ,　　}　　|
　　　　　 }.　 / 　､　・　　} .|:.:.:.:. 　､　・　　}　 { 　 |
.　　　　 /⌒ヽ　ヾ `==彡′|:.:.:.:.　ヾ `==彡′ .{⌒ヽ　　い、いえ我々とてこの地に来た時から覚悟しております
　　　　 {　{心| 　　　　 /　{:.:.:.:.: ﾊ　　　　n　　|斥 .}
　　　　 {　し .|　　 ∪　ノ　ｒ､　　ｒ､ヽ　　　　　| し ,'　　何より――
　　　　入ゝ.!　　　　/　ゝ-‐=ﾆﾆ=‐- ､',　　　 |　ﾉ
　　　　　　ヽ_|　∪　/　从: :i:i : i:i :i:i: : i从　∪ ├彡
　　　　　／ {　　　　ｒ┬┬┬┬┬┐ }　　　}＼
　　　-ｧ''　　ﾊ　　（　　　|￣￣￣￣￣¨|　　　ﾊ　ﾍ _
／　／　　　　}､　　　　弋二二二二ノ　ﾉ　 / }　　ﾍ　＞，
　 /　　　　　.|. ＼　　　　　　　　　　　　　　/　 |　　 .ﾍ　　＞，
. /　　　　　　|　　ヽ　　　　　　　　　　　　, '　　.|　　　ﾍ　　　＞，
/　　　　　　.{　　　≧，　　　　　　 _，＜　　　 |　　　　ﾍ　　　　　＼
　　　　　　　　',　　　　　二ﾆ=‐-‐≦.　　　　｜　　　　ﾍ
. 　　　　 /　ﾊ　　　 /　〈////∧＼　　　　　/＼　　　　　ﾍ
＼　　　　 /　　ﾊ　　 /　　 ∨///　　＼　　　/　　＼　　　／
北九州御家人　山代諧
639： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:48:22 ID:85swnSQg0: .　　 / / / 　　ヽ }　＼　＼　＼　　　ヽ　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿_
.　　 V ./　-‐=ﾆ　} {.　　＼　＼　.＼＿＿j＿＿　　/　　　　　　　　　　　　＼
　　　 Y　て二ミ､ Vヾ　　＼　ヽ／　　　　　　＼/　.か逃　稼　も　.も.　　|
　　　　}　　ィテ=ｧ　.＼.　Ｙ⌒Y./ .な逃　逃　ど　　も .げ　い　し　し.　　｜
　　　 /　　　`¨　　∪ .＼ﾉ心 ./. ...い .げ　げ　こ　し . ら　だ　か　か　　 |
.　　 /　　ヽ　　　　　　 ./　　　 .ら　. て . か　れ ..れ .時 ..し ....し.　｜
　　人_　-‐ '　＼　　u　　　｜　　.　 .れ　船 .の　　な　る　で .た　た　　 .|
　　　　{_j_j_j_j_j_j 〉　　　　 |　　 .　　る　.で .港　　い .　　民　ら　ら　　　|
　　　　　ヽ‐-　　 ′ 　　　 |　　　　か　沖　へ　　　　　　.が.　　　：　　　|
　　　　／:ヽ　　　　　　 .／.｜　　　　も　へ .　 .|＼＿＿＿＿＿＿＿＿／
　　　 }::::::::::≧，_-‐　／　　|　　 .　　し　と　　 |
　　ﾉ::::::::::::::::::/ ヽ／　　　　|　　　　　れ　　　　 |

　　　　　　　/　 / / .／ﾉ ./¨¨¨¨¨''ﾆ=‐-ミﾆ=‐ ＼
.　　　　　 /　 / /／／ ./　　　　　　　　　ヾﾆ=‐ {
　　　　　 /　　　　／/ ノ　 .:.:.:.:.:.:　　　　＿ _ V 　.ﾊ
　　　　　 i　　　／￣≧，_　:.:.:.:.:.:　　／　　　 V 　 }
　　　　　 |　　 /　,ィ´￣ヽ, ヽ:.:.:.:. ヽ,ィ´￣ヽ,　　}　　|
　　　　　 }.　 / 　､　・　　} .|:.:.:.:. 　､　・　　}　 { 　 |
.　　　　 /⌒ヽ　ヾ `==彡′|:.:.:.:.　ヾ `==彡′ .{⌒ヽ
　　　　 {　{心| 　　　　 /　{:.:.:.:.: ﾊ　　　　n　　|斥 .}　　我々も多かれ少なかれ領民を持つ身
　　　　 {　し .|　　 ∪　ノ　ｒ､　　ｒ､ヽ　　　　　| し ,'
　　　　入ゝ.!　　　　/　ゝ-‐=ﾆﾆ=‐- ､',　　　 |　ﾉ　　　ここで逃げては彼らに顔向けできません！
　　　　　　ヽ_|　∪　/　从: :i:i : i:i :i:i: : i从　∪ ├彡
　　　　　／ {　　　　ｒ┬┬┬┬┬┐ }　　　}＼
　　　-ｧ''　　ﾊ　　（　　　|￣￣￣￣￣¨|　　　ﾊ　ﾍ _
／　／　　　　}､　　　　弋二二二二ノ　ﾉ　 / }　　ﾍ　＞，
　 /　　　　　.|. ＼　　　　　　　　　　　　　　/　 |　　 .ﾍ　　＞，
. /　　　　　　|　　ヽ　　　　　　　　　　　　, '　　.|　　　ﾍ　　　＞，
/　　　　　　.{　　　≧，　　　　　　 _，＜　　　 |　　　　ﾍ　　　　　＼
　　　　　　　　',　　　　　二ﾆ=‐-‐≦.　　　　｜　　　　ﾍ
. 　　　　 /　ﾊ　　　 /　〈////∧＼　　　　　/＼　　　　　ﾍ
＼　　　　 /　　ﾊ　　 /　　 ∨///　　＼　　　/　　＼　　　／
640： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:48:54 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.．─ ﾆミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿／/77≧，　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ィ'' ヾ ii} ./////ハ　　＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ -‐=ミﾞ　゛¨¨¨¨¨ミ刈　　＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉-‐=ｧミ＿　　　　　　　 V　　　ヾ　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　／,' '´￣ ¨''ヽ､_　し＿{　＼ヾ　　　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 } /　/ ィﾆﾆ≦{{i　u {ﾊ､＿_＼　＼＼.　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　 /⌒Y　　 {弋.・ j }　　　ｒﾆﾆ≧､＼　ヽ　 ,′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { 斥.|　ヾ　`ｰ彡/　　　ヽ弋’ノヽヽ人/　　　「務めは果たさなかった
　　　　　　　　　　　　　　　　 ', ツ|　　u　　 /　　　ヽ　￣-‐彡　}'心} 　　　　　　　　　　だが税は寄越せ」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ ゝ | u /ｒ-‐ｧヽ　　　　〉､　u　 u .ﾊﾋﾉ　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　ィ/////,{　 {{{ ／:.:.:.:＼__ ／:.:.:＼　u .ﾊィ_　　　　　……そんな不格好な御家人では納められますまい
　　　　　　　　　　 ,ィ////////,ﾊ　ヾ `ｰ-‐=彡ヾ:.:.:.::.:.:.:.}　　ﾊ/,∧＞，_
　　　　　　　　　　　ィ　　|/////////,ﾊ u　　 `ｰ= ‐､二二ヽ从　ﾊ///∧　　＼＞，
　　　　　　　　ィ　／　.／/////////ﾊﾍ　　　　　　　　　　ノ　　ﾊ/////∧　　　＼　＞，
　　　　　／　.／　／///////////,ﾊ　＼ヽ＿　　　　　　　　ｲ |////////＞，　＼　　＞，
.　　　／　／　.／//////////////,ﾊ　　＞，ﾆ=‐--‐彡，＜ |////////////＞，＼／/|
　　／＼／　／/////////////////ﾊ　　　　＞，_ ，＜　　 .|/////////////////////|
　　∨//＼／///////////////////,ﾊ　　　　　////＼　　　i/////////////////////{_
.　　 ∨/////////////////////////ﾊ＼　　./V/////＼　　.|//////////////////////}_
.　　 ///////////////////////////,ﾊ.　＼/　 V///ﾊ　ヽ/.|///////////////////////ﾊ
　　 }////////////////////////////ﾊ　　　　./////ハ　　|///////////////////////ハ
641： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:49:29 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　_､-''"´￣￣¨''ｰ､
　　　　　､-'"　　　　　　　　　｀ヽ.
　　　　／　　　　　　　　　　　　　ﾞヽ
　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞi
　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　 |
　　　/　　　　　　　　　　,　　　　　　 |
　　　!、　i　 ,　　　　　　 i　　　　 __ ,!
　　　〉、∠　＿＿　　 }!　　 ,ｨ二, ﾚ′……恩に着る
　　　〈`_ｦ ≡≦≡=-　 '"　　　ﾒ-ｭﾘ
　　　 ∨/　　` 二ﾞ- ""　　　　,>ノｲ
　　　　l!'_,,≧:　　　　,､-''　　ｨﾞ_,､イ｢ﾞi　　　　　　　　　　　┏━━━━━────
　　　　｢｢ミ`ﾆｰﾐ､　 |　　　　｢　　/l! ﾞi　　　　　　　　　　　　対馬宗氏と御家人の兵士は浜辺へと布陣
　　　　| !｀`ｰヽヾ　ﾉ　　　　ﾉ　,／ｨﾘ　|　
　　　 j ﾋﾍ、_,..}　ﾞY　　_､-" ､ｲ f.／　ﾄ､　　　　　　　　　　船団を背後にした元・高麗軍へと対峙した
　　　　!ﾀ_,N"lii;,　_ﾉ-''"_､-''" ﾉ／　　　|. ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ────━━━━┛
　　　/　　|.ﾄ-三ﾆ=_,ﾆ"　 :='／　　　　 .|　　ヽ、
　　 /　　,'|.| ｢ﾅ'ﾆﾆｨﾞ　 ,／　　　　　　 |　　　 `
　　　　　' |.| ﾚ'__二ﾌ′ ｨ'　　　　　　　 |

　　　　　　　　　　　　　　,. -― -　.,
　　　　　　　　　　 , ｨ　´　　　　　　｀　､
　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　j　 i　　 /　　　　　　 {　　　ヽ
　　　　　　　ﾉ　　!､,く　,ｨﾆニ二｀_ ﾉ　　 _ﾊ
　　　　　　　　ヽ｀≧｡}-}くヽｰﾟ―ィ´＿　　 ´r､ヽ
　　　　　　　　　}､ラｲ/::::} ｀ー-‐ "　　　　くﾆ､} i　　　貴公等！
　　　　　　 {　　i f::::::ﾍ､　　　　ﾉ　 {r‐ ノ
　　　　　　　　　ヽハr=＝ー｀ヽ　　r'　　 ,_／!　　　　いかなる理由があってこの地へと攻め入った！
　　　　　　　　　ﾊ´:i:i:i:i:i:i:i:iﾊ:i:iﾊ　 !　　 i 　 i
　　　　　　　　　ｲ:f　二二　ヽ:i:i＼　　　j 　 |　　　　┏━━━━────
　　　　　　　 i:i　　　　ヽ　　〉:i:i:i:ヽ／　　i　　　　　開戦に先立って、資国が立ち入った理由を問いただすが無視
　　　　　　　 j:i､_／＼＿／:i:i:i:i／　　　 !　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ────━━━━┛
　　　　　　　　　/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i／´　ﾑｪｨ=＝､f-､　　　
　　　　　　　　　｀ー-ｭ-----≧rィf"´///////! {/:.＼
　　　　　　　　　　　f≦､rイ7/＞ ´　j/////､_ノ/:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　,イ∨|| |//　　二ﾆj/////>:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼_
　　　　　　　／:.:.:ﾄヽ|| |/　＿二ラ///／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i |フ7ー
　　_,. ｨ￣7/:.:.:.:.: 人ヽ|| |／///≧ ´／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.j F |＿
642： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:50:01 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　　 .r-三r´ /rr三y=ニヽ
　　　　　　　　　／ﾍへ,. {< ｿl ,,r,,,二ニﾆヽ
　　　　　　　　　jﾆr='''- ﾟﾞ ´￣　　　,　ゞ三=ゝ
　　　　　　　　ｿﾆr ,　　　ー -　　　ヽ　ゞ二=k
　　　　　　　　rﾆ=' {　　　　　　　　　ｭz,,., ゞ二=y
　　　　　　　／ﾆr ,へ、　　　　／∠´ﾞ´. ゝjﾘl=k,
　　　　　　　 { / /´ﾞ｀二ヾｭ,　 .'ゞr ﾞQ ｧ,　　ﾘ}.}k ゞ _ =-、
　　　　　　　 yr,l　　ﾄ Q ヾ,.l　　ゝ￣　　ｲ, /、三ﾆニﾆ,　　　全軍、斉射開始
　　　　　　　〈y.lヾ　｀ﾞ´　 .l　　,＿_r=、　´}ﾍニ三-二ﾆ
　　　　　　　　{jﾆゝﾍ　 r- -r _, ,ｲﾆ=- ﾞ j　 .lﾊゞ三ニニﾍ　
　　　　　　　　jlニ=ﾘl　<-= .＿ _ ー ,　　'　イl.ﾄ,ﾆニニy´　　　┏━━━━────
　　　　　　　/jニy j=ゝヽ　　r;;;;z　　　　.ィ, .lﾊﾆ,=jr;／　　　　　返答の代わりは矢の斉射であったという
　　　　　　ｿ''ニ'=ﾉ /jﾄ、　　ﾞ　　　　 ./　l./　ﾄ-／　　;;;　　　　
　　　　　　{{、ニ/´　ｿ　、, ヽ＿jkｧーｨー━y　r　　　;;;;;;y　　　　ちなみに対馬一つに全軍を投入したわけではなく
　　　　　　　ゞ>,ゝ　l!　rゝ-ﾄ-ヾ-、r-ｲ- ´_ ／　　／´シ
　　　　　　　,ソj　} ﾍ,- ´　-<;;;;;;＿ .-ーｙ ’　／;;;;ｨ´　　　　　　　実際に投入したのは１０００人程度である
　　　　　　　ゝr-{ﾘ'　　＿ -ﾌz　　／'' ﾉ　　/;;;;;;ｨ　　　r;;;
　　　　　　　　｛´ /´::::::ｨ''´　　／´ ノ　　ｲ;;;;;/　　　ィ;;;;;;　　　　それでも宗氏・御家人連合の倍以上の兵力だが
　　　　　＿＿r-k;;;ｨ´＿ _zｲ´ ／　　;;;/;;;;／　　／ ´ ￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ────━━━━┛
　　　　ｿ´ｪｭｲ´ --´　ー＿ｨry'　　　;;;/;;;;ｨ　　　´

　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧∧
　　　　　　　　　　　　　　　　(#ﾟＯﾟ)　　　　　　<l―≪　＝　―
　　　　　　　　　　　　　　━( つ━Ｏ━━(((＜＞
　　　　　　　　　　　　　～（,,　つﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　 (,/
　　　　　　∧∧　　　　　　　　　　　　　<l―≪　＝　―　　　　　　　　　　　　　　┏━━━━────
　　　　　 (iliﾟ:;i―≪　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　資国と御家人衆も陣を固めながら応戦
　　　　　( ∩∩　　　　　　<l―≪　＝　―　　　　　　　　　　　<l―≪　＝　―　　　　　　　　　　　　　　────━━━━┛
　　　～（,,;::;:;i―≪　　　　　　　　　/つとヽ⌒ヽ～　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　━(,/ ｀Ｊ━━━(((＜＞　　（(ﾟ０T；) ）(,,_つ
　　　　　　　　　　　　　　　＜ニ二l|＝　　　　　　　　　　　　　　　　<l―≪　＝　―
643： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:50:49 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　｀丶、
　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　 ',
　　　　　　　　 l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l
　　　　　　　　　　｜　 l|　　　　　　　 l　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　 |　　 l|　　　　　ヾヽヽ　　l|〃,　　　　 |
　　　　　　　　　　 ,⊥、くL_　, -─‐- ､ヽ l| l l/〃,__--､　 l､　　　　奴らを進ませるな！
　　　　　　　　　 | lハ　　　 ∠ ￣．＼ﾊV/ _ノ．ヽ、`/ i
　　　　　　　　 | ,ﾆ､i 　　 ,ﾆ　 `ﾆﾆ彡＞iヽ＾ヽ`ﾆ´-､ lﾉ｜　　　　民が逃げる時を稼げ！
　　　　　　　, -､／l｛　〈_く　　＾ヽ-- '　 r'　 |　l｜ `ｰ '＾ﾚ' |
　　　　　／／/　＼ヽ_ﾉ＼　　　　　 / ヾ　| 　 |　　　　〉ﾘ　　　　　　　　　　　　　┏━━━━────
　　_, -‐ '／//　　　ﾊ　 i　 |　　　／ └- 、l　/_＼　　/l∧＿　　　　　　　　　　　　　資国自身も弓を持ち応戦
￣　／　 | |　　　 l∧_ﾉl　｜　 / /￣_,￣_,ﾆ､_,､_｀V　| l　ﾞ､＿￣`ｰ─- ．__
-┬…' "￣| |　　　 | ﾊ　|　 | 　 l/ /{´+￣+￣+ ） l |　l｜　ヽ　￣|｢¨ ' ｰ- ､_￣　　　自ら４人の元兵を射倒したと記録されている
　l|　　　　 //　　　｜ハ |　＼/ /　｀￣￣￣ ´ ｜l / |　　　｀、　|l　　　　 |l￣　　　　　　　　　　　　　　　　────━━━━━┛
　l|　　　 //　　　　｜|　ヽ＼ / 　l　　　´￣￣` 　〉 |　l　　　ヽ.ﾆ!l－‐- ．__|l＿
　l| = ＝//　　　　　　l ヽ　ヽ＼　＼　　 /ﾍ、_／ l　l/|　　　　　｀、￣¨ ' ｰ- ｌL._
¨ ￣￣//　　　　　 ∧ 　　＼＼　 ` ￣l　　ｌ｜　V　l|　　　　ヽ
　　　//　　　　　＿l　l、　　　＼ヽ_｣l＿L⊥⊥｣／　/|　　　　　ヽ
　　 //　 _,.．- ' ´ 　 |　|｀､　　ﾄ＼｀丶､＿＿／ ,､ / :|　｢｀丶､　　　｀､
　　 //　/┌┐l¨| |¨|｜｜　＼ﾄ､　`ｰ┐丶 | / ／//　::|　 | lヽ､ __｀丶、　ﾞ､
　　//　 l　| ｜l.｜l. |｜｜　　＼` ｰ　＼l　| l/　／　.:::|　 | | 　|l　 l｢ l l| 　|
644： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:51:28 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　ｷﾞｬｱｱｱｱｱ！！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヒィィィ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ―‐――　＿-ﾋｭﾝ―‐――・
　.ﾁｭｰﾝ　　　　―　＿-ﾋｭﾝ―‐ -───・　　　　　　　 ―‐――　＿-ﾋｭﾝ―‐――・
　‐――＿――　　　　　　　　　 ── ﾁｭｰﾝ　　・　∧_∧
　　　　・　　　　　　　 -───・　　　　　 ∧＿∧　（・∀・；　　‐――・　∧ ∧
―‐――　＿-ﾋｭﾝ―‐―・　､,.λ∧　ｹﾞﾌ　・ ´Д｀；）　i　　 i’))　　　＼　　(；ﾟДﾟ)　ｺﾛｻﾚﾙ！
　　　　　ｸﾞﾎﾞｱ,,, ､,.,,,,.,,,）　ノ・;;(#ﾞ;;0ﾞ),,, ∴､／　／　　､ノ⌒;;,､,.､,.　　　（､.,,,.,,.,,つつ
　　＜@;;,　(ﾒ_;;｡#)@;;';;@）（@∴U(ﾞｐ;`;,)ξ;,と@;,　(､0;'｡#)っ@）~ と´#;;ﾒつ#!i;-ﾞ)っ
　　　　　"'`''"";""ﾞ'";;'""∵""''"""ﾞ'"　　　　　　　~;ﾞ`'ﾞﾞ;''∨""　　　　　"'`;"""∵∵`'

　　　　　　　　　　┏━━━━────
　　　　　　　　　　　だが、倍以上の兵力に正面会戦を挑んだ以上結果は見えていた
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　────━━━━┛

　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　 ,′　　　　　　　　　　ﾊ
　　　　　　　　 |　　　　　　 /　　　　　　 {　 !
　　　　　　　　　 !　　　　ヽ　/　　＿　　　 }_」､
　　　　　　　　　f､‐ﾆ‐ｪ-= } '-‐≦ｪr-｀ﾆ　　´/ハi
　　　　　　　 i }_´―"ｿ〉T ､ヽ｀ー'　,ﾐ　 i　f-,　i　　　┏━━━━────
　　　　　　　　　 !j　｀ー´ { ||　 }_｀ー ´　　 |　{r' ﾉ　　　　対馬守護宗資国以下、参戦した御家人衆全員討死
　　　　　　　　　｀!　　　_ｲ ||　_人_-､　　ﾉ　イ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　────━━━━┛
　　　　　　　ヽ　fr　｀ｰ'´　　｀ヽ!　/　 !´ |
　　　　　　　　 ', !! r=＝＝‐｀ｰ,　', i 　 ,i　 !
　　　　　　　　　　　 Ⅵ j　 ――' 　 !　, ! 　,j　 |
　　　　　　　　　　　　!i　{　　,､　　 j　∨ /　　|
　　　　　　　　　　　　ﾄ,　ヽ/　＼／　　'y/　　 |､
　　　　　　　　　　　 ,ｲヽ　　　　　　　　//　／ィ }
　　　　　　　　　　　ｲ､ハ＿＿＿＿ _/_，ィｨ7//j i＼
　　　　　　　　　／:.:iﾊ/ヽ＼＿_,. ィ´ｨ7/////／ｲ:.:.:.＼
　　　　　　／:.:.:.:.:j/ヽ｀i/} | f//ィ ´ =ｲ///｀ー}:.:.:.:.:.:.＼_

御家人衆は数多くの元兵を射倒しながらの壮絶な討死であったという
645： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:52:21 ID:85swnSQg0: ――だが、資国達の奮戦によって少なくない数の人々が山間部へと逃げる時間を稼ぐことが出来た

　　　　　　　　　　　　
ﾆｹﾞﾛﾆｹﾞﾛ　　　　　　　∧,,∧
　　∧,,∧ 　　　　　　（ω・｀；）≡=- 　　　∧,,∧　≡=
　（ω・｀；）　　　　　　O┯と　ヽ　　　　　ﾑ（ω・´；）へ
　U┌/　）　　　　　　　| Ｕ-Ｕ′≡=-　　　ヽ┌　）≡=
◎└彡－◎　　　　　（（￣(◎)≡=-　　　　　　　＼　:。;

この後も山狩りで相当数の人々が殺害、もしくは捕まったという

　　　　　|＼　　　　　　／|
　　　　 |＼＼　　　　／／|　　　　┏━━━━────
　　　　　 : 　,>　｀´￣｀´　<　 ′　　　　風聞によると捕まった対馬の人々は男は殺されるか連行されて
.　　　　　Ｖ　　　　　　Ｖ
.　　　　　 i{　●　　　 ●　}i　　　　　　女は手に縄を貫通させて一まとめにして船につるすか生け捕りにしたそうだよ
　　　　　八　　､_,_, 　　八
. 　　　 /　个 . ＿　＿ . 个 ',　　　　　　まったくむごいことだね
　　　＿/ 　 il 　 ,'＿_　 '.　 li　 ',＿_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　────━━━━┛
　　　　　￣（__.ノ　　（__.ノ￣￣

当時を生きた日蓮は文永の役の二年後に信者に向けてこのような手紙を書いている

噂レベルの話である以上、全てが事実とは言えないが、実際に相当数の人間を高麗へと連れ帰っていた
646： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:53:08 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　　.　　― -
　　　　　　　　／　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　 '
　　　　　　 /　＿__,　
　　　　　 _.ﾞｰ--　　＿__ 　　　　　 '
　　　　　{::::ヽ　/　ﾉ_::::::.ヽ　　　　 .i　　　　　　『元帥忽敦によって、俘童男女２００人が献上される』
　　　　　　fｔﾇ八zく_tﾂ　 )'　　{:ﾒ⌒, l
　　　　　 }-仗　　ー＝´　　　}ミ　{｜
　　　　　｛r'　　_｀ヽ　、ヽ　　jﾐヌ, ｛＞-ｭ＿
　　　　　ｨ从ミｰﾊヌ从ミ　　　}入／　乂之}
　　＞. ´: :ﾊf´二二二｀ヾ　　从ミ＞ﾆ.{＿_乂
. ::´: : : : 彡 }. : : : : : : : : } j .斗ﾐﾊニ／_ニニ
. : : : : : 彡ｲ辷f辷f辷f_ハ八ヾミ／_ニニニニ
. : : : ／彡彡, ´￣｀　　乂从ミ./_ニニニニニ
. : :彡'イ彡'イﾒ从从ﾇくﾐ从从 / -ニニニニニ
＜. : : : : ´.イ彡彡彡彡彡く.〃_ニニニニニニ

忽敦は文永の役後捉えた子供２００人を高麗に献上していることが記録されている

当時、人間も重要な資産であったのことが窺える

また、元・高麗軍にはそれ以上に重要な問題があった

　　　　　　　　　　 .r-三r´ /rr三y=ニヽ
　　　　　　　　　／ﾍへ,. {< ｿl ,,r,,,二ニﾆヽ
　　　　　　　　　jﾆr='''- ﾟﾞ ´￣　　　,　ゞ三=ゝ
　　　　　　　　ｿﾆr ,　　　ー -　　　ヽ　ゞ二=k
　　　　　　　　rﾆ=' {　　　　　　　　　ｭz,,., ゞ二=y
　　　　　　　／ﾆr ,へ、　　　　／∠´ﾞ´. ゝjﾘl=k,
　　　　　　　 { / /´ﾞ｀二ヾｭ,　 .'ゞr ﾞQ ｧ,　　ﾘ}.}k ゞ _ =-、
　　　　　　　 yr,l　　ﾄ Q ヾ,.l　　ゝ￣　　ｲ, /、三ﾆニﾆ,　　水、食料を積み込みなさい
　　　　　　　〈y.lヾ　｀ﾞ´　 .l　　,＿_r=、　´}ﾍニ三-二ﾆ
　　　　　　　　{jﾆゝﾍ　 r- -r _, ,ｲﾆ=- ﾞ j　 .lﾊゞ三ニニﾍ　　あと拾える矢は全て拾うように
　　　　　　　　jlニ=ﾘl　<-= .＿ _ ー ,　　'　イl.ﾄ,ﾆニニy´
　　　　　　　/jニy j=ゝヽ　　r;;;;z　　　　.ィ, .lﾊﾆ,=jr;／　　　
　　　　　　ｿ''ニ'=ﾉ /jﾄ、　　ﾞ　　　　 ./　l./　ﾄ-／　　;;;
　　　　　　{{、ニ/´　ｿ　、, ヽ＿jkｧーｨー━y　r　　　;;;;;;y
　　　　　　　ゞ>,ゝ　l!　rゝ-ﾄ-ヾ-、r-ｲ- ´_ ／　　／´シ
　　　　　　　,ソj　} ﾍ,- ´　-<;;;;;;＿ .-ーｙ ’　／;;;;ｨ´
　　　　　　　ゝr-{ﾘ'　　＿ -ﾌz　　／'' ﾉ　　/;;;;;;ｨ　　　r;;;
　　　　　　　　｛´ /´::::::ｨ''´　　／´ ノ　　ｲ;;;;;/　　　ィ;;;;;;
　　　　　＿＿r-k;;;ｨ´＿ _zｲ´ ／　　;;;/;;;;／　　／ ´ ￣
　　　　ｿ´ｪｭｲ´ --´　ー＿ｨry'　　　;;;/;;;;ｨ　　　´

深刻な物資不足である
647： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:53:49 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _
　　　　　　　　　　　　,　'　　　´　　　.　　　、
　　　　　　　　　　. ´　　　　_　　.　　　　　　y 、
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　　　　　　　, '　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 ;
.　　　　　　, ﾞ　　　　ﾞ　　　　　　　　　ヾ　　　　　　!
　　　　　,'　　　　　　　　　.　　　　　　　　　　　　　,
　　　　 . 　.　´　　　　　　　　　　　　　　,　　　　　 ;
　　　 ,'　　　　　.　　,　　　　　　´　　　　,　　　　　　!
　　　/　　,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i
.　　,'　　　 l㍑㍊㌦℡; ,.._　　　　　　　　　　　　.　　,　 !
　　;　　　　j㌫㍊㌫㍑㌍㌶℡;;, ,.._　　　　　ﾞ　　　　 i
　　i　　. 　!㍊㌫㍊㌫㍑㌍㌶㌶㍊㌫!　　　　　　　　　 !
　　ヾ　　i㍑㌫㌫㍊㌫㍑㌍㌶㍊㌫i!.　　　　　　.　　　i
　　　｀　、ﾄ㌶㍍㌫㍊㌫㍑㌍㌶㍊㌫i!　　　　;　　　　　;
　　　　　　㌦㍊㌍㌫㍊㌫㍑㌍㌶㍊!i　　.　　 !　　　　'
　　　　　　　　㌦㍊㌍㌫㍊㌫㍑㌍㌶　　　　 ,　　.　'
　　　　　　　　　　｀〝㌦㌫㍊㌫㍑㌍　　　　_　 ´
　　　　　　　　　　　　 ~ ~~ ~~ ｰ-ｰ　 ' ´

今でも昔でも軍隊にとって最も重要な物は変わらない

食料である。人間、食料に事欠くと戦闘どころではなくなってしまう

　　　　　　　　　　　　　ヽ＼　　　　　　　　　 .／＼|／／／／／／＼
　　　　　　　　　　　　.／　＼＼　　　.／／／ .|＿__|.／／／／／:::::＼＼
　　　　　　∧＿∧／　　　　￣　　／∠∠∠∠∠∠∠∠∠／:::::::::::::::::＼＼
　　　　　　（；´Д｀）.　　　 i i i 　￣|　┌┬┐┌┬┐ 　 |::::::::::::::::::::::::::::|￣
''""~"'''"/　　　ヽ''"~"＿＿i i i--､　.|　├┼┤├┼┤ 　 |::::::::||||||||||:::::::|
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iiiiiiiiiiiii/　＼ヽ／| |iiiiiiiiiiiiii::..　ﾉ__ﾉ..||￣||￣||￣||￣||￣||　 |::::::::||||||||||:::::::|
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　　 /　/⌒＼し(メ　　　　.i i i　.　..||￣￣||￣￣||￣￣||￣　||　　||乃三三-_
　／／　　　 >　）　＼　　ﾉﾉﾉ
/　/ 　　　　/ ／　　 .＼＿　　ｻﾞｯｸｻﾞｯｸ
し'　　　　　（＿つ　　　/:::::/::...　　ｻﾞｯｸｻﾞｯｸ
　　　　　　　　　　　　ノ・ ./∴:・:
　　　　　　　　　　　''""~~"''

兵糧に関しては、鎌倉幕府側も捻出に苦慮していた。手弁当では限界があるため

どこかから徴発しなければならなかったのである
648： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:54:51 ID:85swnSQg0: 　　　　　＿＿＿,,＿,_,,._...、　､､､､､､　 --- ―――┐　　　 ┏━━━━────
　　　　 .|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜　:.　::.　幕府が兵糧調進として米を持っていきました
　　　　　　.|　　＿＿＿＿　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　::.
　　　　:: 　|　　　　　　　　　　　　＿＿,,＿,_,,._..､､､､　　 |　　　:.　年貢として納める分の米が無くなってしまったため、どうすることもできません
　　　　: 　:. |　　'''' ""ﾞ ´´￣￣　　　　　　　　　　　　 |　　　　　::.::.
　　　 ::　: : |　　　　　　　　　　＿＿,,＿,_,,._..、､､　 |　:.::.　　つきましては今年の分の年貢公事は免除してください
　　　　.::.: |　　 '''' ""ﾞ ´´￣￣　　　　　　　　　　　　 .|´｀""''' ―- ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　────━━━━┛
　　　　 :. ::..|　　　　　　　　　　　　　　　＿,,＿,_,, _、､､　|　　　　 _,. -''´ヽ
　　　　　 .: : |　　 '''''_""ﾞ_´´ ＿￣_ ＿,.＿,.,, 、,､､ -z- =-'、,. -''´:::::::::::::::::::＼
　　　:　　　　ﾞ、"`｀""´´￣￣　　￣＿＿,,＿,_,,._..､､､､　　ﾞ、:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　:: 　　　　ﾞ、　　'''' ""ﾞ ´´￣￣　　　　　　　　　　　　　ﾞ、::::::::::::::::::::::::::::::::::: ＼
　　　:: 　　　　　ﾞ、　　　＿＿,,_,, _、､､､　----- ――― 　　ﾞ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　::.. 　　.　　　ﾞ、　　　　　　　　　　　　＿＿,,＿,_,、､､､　　ﾞ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　ﾞ、　　　'''' ""ﾞ´´￣￣　　　　　　　　　　　ﾞ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　:: 　　　　　　　ﾞ、　　　　＿＿,,_,, _、､､､　---- ――― .　　ﾞ、:::::::::::::::::::::::::::::::_,. -
　　　　　:: 　　 .　　　ﾞ、　　　　　　　　　＿,,._,,.　、､､､､､　--――''`::::::::::::::::::_,. -''´
　　　　　　　:::: 　 `''''　""､´´::￣￣:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_,. -''´

結局、幕府は大宰府周辺の寺社領や貴族領から徴発によって兵糧を捻出したようである
649： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:55:52 ID:85swnSQg0: ――では、元・高麗はどうしたのか

　　　　　　　　／　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　 '
　　　　　　 /　＿__,　
　　　　　 _.ﾞｰ--　　＿__ 　　　　　 '
　　　　　{::::ヽ　/　ﾉ_::::::.ヽ　　　　 .i　　略奪でどうにかしよう
　　　　　　fｔﾇ八zく_tﾂ　 )'　　{:ﾒ⌒, l
　　　　　 }-仗　　ー＝´　　　}ミ　{｜
　　　　　｛r'　　_｀ヽ　、ヽ　　jﾐヌ, ｛＞-ｭ＿
　　　　　ｨ从ミｰﾊヌ从ミ　　　}入／　乂之}
　　＞. ´: :ﾊf´二二二｀ヾ　　从ミ＞ﾆ.{＿_乂
. ::´: : : : 彡 }. : : : : : : : : } j .斗ﾐﾊニ／_ニニ
. : : : : : 彡ｲ辷f辷f辷f_ハ八ヾミ／_ニニニニ
. : : : ／彡彡, ´￣｀　　乂从ミ./_ニニニニニ
. : :彡'イ彡'イﾒ从从ﾇくﾐ从从 / -ニニニニニ
＜. : : : : ´.イ彡彡彡彡彡く.〃_ニニニニニニ

見切り発車であった

というか農民反乱が発生するような状況の高麗では満足な兵糧確保ができなかった

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _
　　　　　　　　　　　　,　'　　　´　　　.　　　、
　　　　　　　　　　. ´　　　　_　　.　　　　　　y 、
　　　　　　　　 , '　　　　　　　　　　　　　　　　　i
　　　　　　　, '　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 ;
.　　　　　　, ﾞ　　　　ﾞ　　　　　　　　　ヾ　　　　　　!
　　　　　,'　　　　　　　　　.　　　　　　　　　　　　　,
　　　　 . 　.　´　　　　　　　　　　　　　　,　　　　　 ;
　　　 ,'　　　　　.　　,　　　　　　´　　　　,　　　　　　!
　　　/　　,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i
.　　,'　　　 l㍑㍊㌦℡; ,.._　　　　　　　　　　　　.　　,　 !
　　;　　　　j㌫㍊㌫㍑㌍㌶℡;;, ,.._　　　　　ﾞ　　　　 i
　　i　　. 　!㍊㌫㍊㌫㍑㌍㌶㌶㍊㌫!　　　　　　　　　 !
　　ヾ　　i㍑㌫㌫㍊㌫㍑㌍㌶㍊㌫i!.　　　　　　.　　　i
　　　｀　、ﾄ㌶㍍㌫㍊㌫㍑㌍㌶㍊㌫i!　　　　;　　　　　;
　　　　　　㌦㍊㌍㌫㍊㌫㍑㌍㌶㍊!i　　.　　 !　　　　'
　　　　　　　　㌦㍊㌍㌫㍊㌫㍑㌍㌶　　　　 ,　　.　'
　　　　　　　　　　｀〝㌦㌫㍊㌫㍑㌍　　　　_　 ´
　　　　　　　　　　　　 ~ ~~ ~~ ｰ-ｰ　 ' ´

何せ戦闘要員３万、非戦闘員を含めれば４万の大軍である

必要な食糧は莫大な量になる
650： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:56:34 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _
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　　　　　　　, '　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 ;
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　　　　　,'　　　　　　　　　.　　　　　　　　　　　　　,
　　　　 . 　.　´　　　　　　　　　　　　　　,　　　　　 ;
　　　 ,'　　　　　.　　,　　　　　　´　　　　,　　　　　　!
　　　/　　,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i
.　　,'　　　 l㍑㍊㌦℡; ,.._　　　　　　　　　　　　.　　,　 !
　　;　　　　j㌫㍊㌫㍑㌍㌶℡;;, ,.._　　　　　ﾞ　　　　 i
　　i　　. 　!㍊㌫㍊㌫㍑㌍㌶㌶㍊㌫!　　　　　　　　　 !
　　ヾ　　i㍑㌫㌫㍊㌫㍑㌍㌶㍊㌫i!.　　　　　　.　　　i
　　　｀　、ﾄ㌶㍍㌫㍊㌫㍑㌍㌶㍊㌫i!　　　　;　　　　　;
　　　　　　㌦㍊㌍㌫㍊㌫㍑㌍㌶㍊!i　　.　　 !　　　　'
　　　　　　　　㌦㍊㌍㌫㍊㌫㍑㌍㌶　　　　 ,　　.　'
　　　　　　　　　　｀〝㌦㌫㍊㌫㍑㌍　　　　_　 ´
　　　　　　　　　　　　 ~ ~~ ~~ ｰ-ｰ　 ' ´

南北朝期の春日大社修復で一人当たりに配当した米は１升５合で、だいたい2kg程になる

雑穀食文化の高麗では相当差があるのでそのままではないが、同数で武士団の場合一日に必要な量は８０ｔ

麦や米の俵にして１３０個分である
651： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:57:13 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　　　　, =-‐ﾆニニミヽ､
　　　　　　　　　　,ｨ´ｨ,ｨ'"´_=-‐-=､｀ヾヽ
　　　　　 .,r‐‐=///´r''´⌒､_∧_⌒,=､ヽヽ､____
ｰ＜´￣~¨7　 .///f´｀,ｨゝ‐''.〈ﾊ〉￣ゝ‐'､ヾヽ｀ヽ＼r‐-､
ヽ　ヽ＿/　.///r‐f´　　　〈ﾊ〉　　　　f｀Ｙ:l‐-､. }　　l‐-､
　ﾞｖ''"´　｀ヽ{ i l｀/'"//⌒ヽ. 〈_〉 .／⌒ヾ､ l l､　｀ヽノ´｀,､´ヾ
　 }ゝ､ __, ｨ'"l l: Ｙ｀i l l (⌒ヽヽ__/´,ｨ'⌒) l l_l_l､ゝ ___）´｀　⌒
　 .l｀ｰ---'''"l l:..l　rf⌒ l`x､｀ v ´)ヽ,ｨ' ff´ ﾊ｀ｰ-‐'i ´｀ ,,､　　探せ！いくら小さな島とは言え食料の備蓄はある筈！
　　l　　　　 l l八ﾉｌヽrｉﾞゞﾆﾞ､_|_,∠´､",r｀Ｙﾉ　　　　l
　　l　　　　_　ﾍ∨ゝ. /.f´ｌ:.'´-三-｀ﾞl｀iヾ　ﾊ'"　　　　 l
　 .ハ,ｨ'"´:::ﾍ　/／ヽ,,｀ゝ{ ,＞＝＜ }‐'"rﾍ l.　　　　　 l
　.ﾉ //////∧'"ヽ､ﾞゝﾊ'´ヾ　　,ｲﾊ　ノ,ｨﾍl ／⌒ヽ　l
:./　l///////,｀＞-､　八_,,｀ー‐‐'__ﾉ´　,,ｨ'"/////}　l
/　ゝ///////////｀ｰ=i　｀ー―'　 ,ｨ'´////////ﾉ　l
　　　｀､////////////l　l7777l　l´/////八￣　　 /
　　_ =-‐'"///////＞'"_ ヾ//ノ　l////////｀＞.　/

これだけの物資を消耗する軍隊が、補給の望めない高麗から出発する

これの意味するところはただ一つ

　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｘ≦ﾆﾆ=‐-ミ､
　　　　　　　　　　　　　　　／:i: i:挂圭≧ｘi:i ＼
　　　　　　　　　　　　／__,,..．-========ミi:ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　/´　, .　　　　}　　　ﾄ､ .＼}
　　　　　　　　　　　　　} .／ｲ　　.／　　ヽ　 .＼ .酛
　　　　　　　　　〃/　　 .／　　　 .:i　　i　 Y i〉
　　　　　　　　　 i /　　イ　　 __,,. __/　.乂　 }　}
　　　　　　　　　 /,,.. ．-‐≦圭圭圭i:≧㍉､ﾉi i{
　　　　　　　　　　　　{ ii:i:i:i : :　ヽ.Ⅵi:／i:i: : ___:i:i:Ⅵi{
　　　　　　　　　　　　}ﾄ､f斧弐忝ｘi}i:i{: iｨf翁琵㌻i:酛
　　　　　　　　 /i:i: Ⅶ圭戔刈i:i乂戔圭毟': i:〈{{
　　　　　　　　　　 {i:ii:`ｰ≠¨ 亥/r=､i:i:ヽ.¨: :　:i:i:i:}i
　　　　　　　　　　　＼i:i: :ｘ≦三i{ {i酛}三≧ｘi:i:: :ノ
　　　　　　　　　　　　　`Ⅶ酛i:圭`Ⅶi:{圭三≠i:/
　　　　　　　　　　 Ⅵ.Ⅶｒ､i:i:i:i:i:i:i:i:Yi:/i:i/
　　　　　　　　　　　　 Ⅵ{{`冖V⌒ⅥⅥi /
　　　　　　　　　　　　　　 Ⅵi{ﾑｘzz,､zzｲi:i {
　　　　　　　　　　　　　　　　Ⅶ≧=‐‐‐‐彡i/
　　　　　　　　　　　　　＼圭挂圭i:iノ

蝗の群れがあらゆるものを食べ尽くすような、猛烈な収奪である
652： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:58:10 ID:85swnSQg0: ――山間部までの徹底的な捜索を終えた後、対馬上陸から９日後

　　　　　　　　　　.　　― -
　　　　　　　　／　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　 '
　　　　　　 /　＿__,　
　　　　　 _.ﾞｰ--　　＿__ 　　　　　 '
　　　　　{::::ヽ　/　ﾉ_::::::.ヽ　　　　 .i　　　南下するぞ！
　　　　　　fｔﾇ八zく_tﾂ　 )'　　{:ﾒ⌒, l
　　　　　 }-仗　　ー＝´　　　}ミ　{｜
　　　　　｛r'　　_｀ヽ　、ヽ　　jﾐヌ, ｛＞-ｭ＿
　　　　　ｨ从ミｰﾊヌ从ミ　　　}入／　乂之}
　　＞. ´: :ﾊf´二二二｀ヾ　　从ミ＞ﾆ.{＿_乂
. ::´: : : : 彡 }. : : : : : : : : } j .斗ﾐﾊニ／_ニニ
. : : : : : 彡ｲ辷f辷f辷f_ハ八ヾミ／_ニニニニ
. : : : ／彡彡, ´￣｀　　乂从ミ./_ニニニニニ
. : :彡'イ彡'イﾒ从从ﾇくﾐ从从 / -ニニニニニ
＜. : : : : ´.イ彡彡彡彡彡く.〃_ニニニニニニ

元・高麗軍は対馬を出発

翌日には壱岐島西岸に到着した

　　　　　　　　　　　　　　　／: : ￣ `　､
　　　　　　　　　　　　　　／｀i: : : : : : : : ｀､
　　　　　　　　　　　　　　,　"i 　ﾉ: : : :`　､,,＿_ ヽ
　　　　　　　　　　　　　/: : : :￣: : : : : : : : : : : : : :::`;
　　　　　　　　　　　 __,,l,,,,..........,,,,,,,＿__: : : : : : : : : :::|
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　　　　　/::::::::::::::::::::::::;;=＝=i　;;;;;=＝==､:::::::::::::::::::::::::::::::::::｀' ､
　　　　　'.,:::::::::::::::::::::::|l∩'>/　 ;;;(.∩~ゝ､｀　､:::::::::::::::::::::::::::::::::::｀､
　　　　　 .`　､:::::::::::::::! .`~/ 　　`ヾ￣::::`; ...:::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
　　　　　　　　` ‐- ､/`" ! 　 _ ）　 `"::::: 　:::::::::::`'´　ｌ::::::::::_,, 　'"
　　　　　　　　　　　| 　 i:`゛"::` 　　 :::　　　　　j;;;;;| /　'' "
　　　　　　　　　　　 .! 　.! r--､　　　　::::::::::::::::,i .`~ /　　　　　よく来たな震旦のクズ共！
　　　　　　　　　　　　', 　 ',;;;;;;;;＼　　 `::::::::::::::| -‐"　　
　　　　　　　　　　　　', 　 l;;;;;;;;;;/ 　　　　 ::::::ﾉ /　　　　　　　┏━━━━────
　　　　　　　　　　　　　',　└- "'　　 i　::::::　 (. /　　　　　　　　　これに対して壱岐守護代の平景隆は郎党と
　　　　　　　　　　　　　　,　｀;;;'"　　,'::::::::　　　l　　　　　　　　　　　警固の御家人を総動員して浜辺へ布陣
　　　　　　　　　　　　　　ヽ ,,__,, 'ﾞノ:::::::/ 　,／ ',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　────━━━━┛
　　　　　　　　　　　　 / ヽ　_, "_ -‐'. ／　　',ゝ ‐-　._
　　　　　　　 _.　 -‐ '"!　　`ｰ-::__:- '"　　　 /　'''　‐- 二''' ‐- 　 _
壱岐守護代　平景隆
653： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:58:57 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　　 z≦￣¨: .．
　　　　　　　　　（:: :(M)_::_:: :: ｀'' ､
　　　　　　　　　 >≦⌒ヾ_ヽ:: :: ::}
　　　　　　　　　（(::;^fぇ tﾃ`了'=┤　　　ふむ、２０００も出せばいいだろう
　　　　　　　　ﾐ1　j_,､　１ﾗﾐ}
　　　　　　　　　　从〆ﾆ㍉ｬj《弐　　　　
　　　　　　　　　　　ﾍ ¨　 ,.ｲノ}､＿
　　　　　　　　　　　_／〕爪ﾌ´:_::;仁/: ￣｀ヽ
　　　　　　　　　ィ仁}=､Vz≦´/ﾆ/: :: :: :: ::.:.:.　　┏━━━━────
　　　　　　　／:: /ﾆ/.: :j!: :: :: ::{ﾆ｛: :',: :: :: :.:.:.:}　　　都合１０００ほどの兵で布陣した景隆に対して
　　　　　　/: :,': ;'ﾆ/: :: {! :: :: ::_|ﾆiﾄγ⌒｀ヾ :λ　　　倍する兵を投入する
　　　　 {: : l!.:{iﾆト-‐+:≦三｛O》: ::l!: :: :: :.:.:.:.',　　　　　　　　　　　　　　　　　　────━━━━┛
　　　　　　}γ^《O｝三ﾆ＝ニ二三王{: ::_::_::.:.:.:.:}
　　　　　 ,'Y: :: }任Ξ三二二二三王∨´　￣｀}
　　　　 i_l_::_:::{仁三二二≡三王王l!{　　　ｨ |
　　　　　{´;￣｀守二二二二二三王》ヾ-‐≠ l!{
　　　　　j_i_　　 ,'》仁二＝≡二三彡《　{　　　 i }
　　　　/´/ ｀　ﾞ{(住㌢[＿＿]::::::::::l l:::::{！　;. 　 ;i
　　　./　,′　　}　[z≦二i i二二三三か'，ﾐ　 ;|

　　　　　　　　　　　　　　　　 _＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　. :':ﾉ:.:.:',:.:. : .、
　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:'⌒ヽ:.:.:.:.:.:＼
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　　　　　　　　　　. -‐‐┴＝ニ二二二ニ＝┴‐- .
　　　　　　　　（.:.:.:.:.:.:.:.:x个,ｧｔｯﾌi jﾐxtｯｧ､丁Y.:.:.:.:.:.:.:）
　　　　　　｀　ー--rｲ'`ー'';;'´ｊ:.`ー''^Y}^Ｔ ¨￣´
　　　　　　　　　　　 { |　　ム､ﾉ:)、　ｉﾉﾚ }　　　　資国の爺さんが根性見せたのに俺たちが逃げられるか！
　　　　　　　　　　　ゝ:.　 i　,-''-､ i　ｊ　,ﾙ′
　　　　　　　　　　　＿　ﾊ i {〈ＴこＴ}ｊ　 ,′
　　　　　　　　　　/{　::::Ｙ::::| ',^ヽ二ﾝﾉ //_＿＿___
　　　　　　　___∧ｊ　.:::ﾉ.::::ヽ＼｀ﾞﾞ´ ノ/|:::＼ｰ-=ﾆ＼　　　┏━━━━────
　　　　ｘ＜＞/:: 　 .::::}、o:::::＼二ﾆ彡ﾍ|:::o:::>:::::::::::::::ヽ　　対する景隆側も奮戦。降伏に見せかけて騙し討ちを試みるなど
　　　 /一'.:::ノ　ー―-=ミｘー､:＼∧__∧:::::::＼:::::::::::::::|
　　　｣＼:::/　　　　　　　 .:::ヽ.::::⌒ヽl　ヽ!:::::::::/i三三i::|　　　積極的に攻撃を仕掛けるが、兵力差は覆せなかった
　　 /:::＼:::}:::.　　＿__ 　:::::::}:::! 　（7＼　|:::::::/:::!二ニl::|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ────━━━━┛
　　 }＼::::Y′　　　 |8:|:::｀ヽ::厂ヽ.__ﾉ::::::::ヾ::::/.:::::!*=*=!:|
　　 }＼}::::|　　　　.. |8:|::　.::},'.::::::::::::::::::::::＼i/.::::::::!:Ｘ:Ｏ:!:|
　　/ヽﾉ.:::j　　　　´￣￣¨フ.::::::::::::::::::::::::::::::}:::::::::::＼::::ﾉ::|
654： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 21:59:46 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,......ー-....､
　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`.... . ､
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　　　　　｀ ''ｰ .!"／ ..::::::::::ヽ￣""!ヾ､゛:::::::::::',::.::.::.::.:.:`::.､::::::::::::::::::::::`　､
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　　　　　　　　　| .|! |:::::::::::::＼..:::', 　 :::::.　　　　! 　　_／　　　　　　　　　　┏━━━━────
　　　　　　　 ! i! |::::::／´ﾞ:./　 `,　::::::　　　　 i!`''' ´ /　　　　　　　　　　　　　壱岐守護代平景隆
　　　　　　　　　 i　 L!ﾆﾆ`／/::i 　l:::!:::::::　　i　,'::　　, '　　　　　　　　　　　　　　桶詰城にて自害
　　　　　　　　　 |　 `－-- '"::ノ　,' .,':::::::　　 !'"　／/ーー- ､　　　　　　　　　　　────━━━━┛
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　　　　　　, 　 '"゛ヽ､　　　　／::::,':::::::::::::/::::::::／:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀` ー-
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　　 ,:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:', /(-=＝=-､/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
655： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 22:00:41 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　／　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　 '
　　　　　　 /　＿__,　
　　　　　 _.ﾞｰ--　　＿__ 　　　　　 '
　　　　　{::::ヽ　/　ﾉ_::::::.ヽ　　　　 .i　　食料は根こそぎ運び出せ
　　　　　　fｔﾇ八zく_tﾂ　 )'　　{:ﾒ⌒, l
　　　　　 }-仗　　ー＝´　　　}ミ　{｜　女子供は献上品になる！　逃がすんじゃないぞ！
　　　　　｛r'　　_｀ヽ　、ヽ　　jﾐヌ, ｛＞-ｭ＿
　　　　　ｨ从ミｰﾊヌ从ミ　　　}入／　乂之}
　　＞. ´: :ﾊf´二二二｀ヾ　　从ミ＞ﾆ.{＿_乂
. ::´: : : : 彡 }. : : : : : : : : } j .斗ﾐﾊニ／_ニニ
. : : : : : 彡ｲ辷f辷f辷f_ハ八ヾミ／_ニニニニ
. : : : ／彡彡, ´￣｀　　乂从ミ./_ニニニニニ
. : :彡'イ彡'イﾒ从从ﾇくﾐ从从 / -ニニニニニ
＜. : : : : ´.イ彡彡彡彡彡く.〃_ニニニニニニ

桶詰城落城後、元・高麗軍は略奪を開始

対馬よりも平野部が多い壱岐はより迅速かつ徹底的に略奪されたという

　　　　　　　　　　 .r-三r´ /rr三y=ニヽ
　　　　　　　　　／ﾍへ,. {< ｿl ,,r,,,二ニﾆヽ
　　　　　　　　　jﾆr='''- ﾟﾞ ´￣　　　,　ゞ三=ゝ
　　　　　　　　ｿﾆr ,　　　ー -　　　ヽ　ゞ二=k
　　　　　　　　rﾆ=' {　　　　　　　　　ｭz,,., ゞ二=y
　　　　　　　／ﾆr ,へ、　　　　／∠´ﾞ´. ゝjﾘl=k,
　　　　　　　 { / /´ﾞ｀二ヾｭ,　 .'ゞr ﾞQ ｧ,　　ﾘ}.}k ゞ _ =-、　　物資が尽きる前に進発しましょう
　　　　　　　 yr,l　　ﾄ Q ヾ,.l　　ゝ￣　　ｲ, /、三ﾆニﾆ,
　　　　　　　〈y.lヾ　｀ﾞ´　 .l　　,＿_r=、　´}ﾍニ三-二ﾆ　　大宰府か博多あたりを落とせばとりあえず一息つけるはずです
　　　　　　　　{jﾆゝﾍ　 r- -r _, ,ｲﾆ=- ﾞ j　 .lﾊゞ三ニニﾍ　
　　　　　　　　jlニ=ﾘl　<-= .＿ _ ー ,　　'　イl.ﾄ,ﾆニニy´
　　　　　　　/jニy j=ゝヽ　　r;;;;z　　　　.ィ, .lﾊﾆ,=jr;／　　　
　　　　　　ｿ''ニ'=ﾉ /jﾄ、　　ﾞ　　　　 ./　l./　ﾄ-／　　;;;
　　　　　　{{、ニ/´　ｿ　、, ヽ＿jkｧーｨー━y　r　　　;;;;;;y
　　　　　　　ゞ>,ゝ　l!　rゝ-ﾄ-ヾ-、r-ｲ- ´_ ／　　／´シ
　　　　　　　,ソj　} ﾍ,- ´　-<;;;;;;＿ .-ーｙ ’　／;;;;ｨ´
　　　　　　　ゝr-{ﾘ'　　＿ -ﾌz　　／'' ﾉ　　/;;;;;;ｨ　　　r;;;
　　　　　　　　｛´ /´::::::ｨ''´　　／´ ノ　　ｲ;;;;;/　　　ィ;;;;;;
　　　　　＿＿r-k;;;ｨ´＿ _zｲ´ ／　　;;;/;;;;／　　／ ´ ￣
　　　　ｿ´ｪｭｲ´ --´　ー＿ｨry'　　　;;;/;;;;ｨ　　　´

壱岐到着から２日、１６日朝には九州に向けて出発
656： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 22:01:24 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　　, . :´: : : : : : :、: : : : : : :ﾍ
　　　　　　／: : : : : : : : : : : :ー: : : :⌒ヾ
　　　　　　 ′: : : : : : : : : : : ヽ: :／: : : : . 、
.　　　　　ｉ: l! : : : : /: :/⌒ヽ: : : ／⌒: : : :
.　　　　　　ﾉノ! : : : /: : :| r‐ ､:V /: : : : : :＼
　　　　／: : /: : : : : : : :| | ､ヾV /⌒ｉ : : : : :
.　　　 / : :／: :/ : : : : : :| |｀ー ''' ー /: : : : : :
..　　　　}:／ /: / : : : : : ノノ　　　　　 {: :|: : : : :
　　　　 {: : /: /: : : : ミ≧x､　 i|　　　　ヽ＼: :
　　　　ﾉ: : {: :{: : : : : :`ﾄ｀tｯ>　jｌ　/ 　,x≦彡ヽ:　　　来たか
.　　／: : : : :､:ヽ: : : i: :}　　　｀　'　 <tｯ´ }: : : }:
　 /: : : : : : /}: :i: : :/:/　　　　i　ｉ　　　　/ : : :/:
／: : : : : ／/: / : /:/!　　　 i　i　　　　ｌ : : /: :
:.: : : : ／: :/: /: :/: {　､　　　｀´　　　 ∧: :{: : :
: : : : ( : : /: /{: : !: : ＼ヽ　´￣　｀　／: : ＼ヽ:
: : : : : ) : : // ＼ト: : : :＼、＿　イL__､: : : :＼
:.: : ／ : : //////＼: : : : :ヽ////////∧: : :ト :
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佐志一族統領　佐志房

その日の午後の内に北九州沿岸部に到着した

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　　　　　　　　　 / /　,.ィ:::ﾆ＝　´ ＿　　　 | :.:.:.:| /⌒ 　 ∨.:.:.／//／　ヽ.://!.:.:.:.:.:..:.:. /|
　　　　　　　　　､　 ´一 ´　ィrﾃ辷ｿ　　　　/.:.:.:.:.|　　ｿ　ﾉ:／//／　　　.／//.:.:.:.:.:.:.:. //!
　　　　　　　　　＼　　　ｰ─　´　　　／.:.:.:.:.:.|　／　.／//／´￣ヽ／/／!.:.:.:.:.:.:.:.:///　　父上、避難しますか？
　　　　　　　　　ｌr}　　　　　　　　　　∠.:.:.:.:.:.:. /　　／//／　　　 .／/／　 |.:.:.:.:.:.／//
　　　　　　　　　　　V　　　　　　　　　　ムイ.:.:／　　／//／　　　 .／/／￣￣￣／/／.:|
　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　 /／　　／//／　　　 .／/／　　　　／/／.:.:.: |
　　　　　　　　　　ゝ､　､　　　　　　　　　　　　／//／　　　.／/／　　　　／/／/|.:.:.:.:ﾘ
　　　　　　　　　　　　＼＿＿　　　　　　　／//／　　　.／/／　　　　／/／ |/ .|.:.:.:/
　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿　ヽ　　　　／//／　　　.／/／　　　　／/／　　　 |.:./
　　　　　　　　　　　　　　 ',　r‐ｧ　　　／//／　　　 .／/／　　　　／/／　＼　　 .!/
　　　　　　　　　　　　 ∨.:.{＿　／//／　　 .　＜/／　　　　／/／三三∧
　　　　　　　　　　　　　 l:.:.:.:. ／//／.　＜//＞　´＝ニ三三三三三三三三∧
　　　　　　　　　　　　 |.: ／//∠//＞　´　　　　　　　　　　　　｀ヽ三三三∧
　　　　　　　　　　　　　　／//／＞　´　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼三三ﾆ|
佐志房嫡男　直
657： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 22:02:04 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　　　　　　　 }　　ζ¨`　`　ヽ､ｌ /＿/´_ , ' _/_　}
　　　　　　　　　　　　　　 }‐-　ζ{＼　　　　　　　　　　　　 }! ,!
　　　　　　　　　　　　　　　.!ヽ　ゝ､ヽ＼　　　　　　　　　ノ, {, .{
　　　　　　　　　　　　　　　}ヽ､{｀　　＞ヽ､　　　　　　　ｧ／rζ!
　　　　　　　　　　　　　　 }!　 i　　ｨ‐ｪ-ｧ､ヽ　〉〈_ ／＿　､ .}.i
　　　　　　　　　　　　　　{´ヽ　､　´　　¨￣釤´　 …＜心冫 .酈
　　　　　　　　　　　　　　} ‐} ､　､　　　　　　　}　　　　　　' 　∧
　　　　　　　　　　　 }ヽ〉Ⅴ ゝ　　　　　/ .!　　　　　　　ﾉ!ﾘ　　幸い、ここから博多まではそう離れてはいない
　　　　　　　　　　　　　　∧　! ∨ ヽ　　　　{‐‐､　ｧ　　　 / /,'
　　　　　　　　　　　　　 / .∧i}　 {⌒ヽ　　　ヽﾆr'　　　勹' /　　　女子供でも一日で逃げることが出来る
.　　　__＿＿＿＿＿＿＿/＿}}　ヽ　　　＿　====　_　　 /r'
　　　ﾏ三三三三三三三三ヨｉ　　　､ヽ　 ‐==‐-　　,　ﾉ/------------　　　　__
　　　　ﾏ:ﾑ　　　　　　　　￣i!　＼　　　／〈　　　}ヽ　 ' ﾉ{ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ三７
　　　　ﾏ:ﾑ　　　　　　　　λ　　　≧ ζ　ヽ- r'´ 〉／　i　 / 　　　　　　 /ﾆ７
　　　　　ﾏﾑ　　　　　　／:::::＞....　　　＞　　　　＜　　ノ:∨ /　　　　　　 /ﾆ７
　　　＞: ﾏﾑ　　　　 /7:::::::::::::::::::::＞..　　.＞＜　 ....＜::::::∨ / 　　　　 /ﾆ７
＞: : : : : : : :ﾏﾑ　　　/ﾆ}:::::::::::::::::::::::::::::::＞..　　...＜:::::::::::::::::∨､　　　　　 /ﾆ７＞. .＿　　　　　 __
: :_:_:_:_:_:_:_:_:_:ﾏﾑ　　 { ﾆ!::::::::::::::::::::::::::::::::::∧__.∧::::::::::::::::::::::::ﾋ:ﾕ　　　　∥ﾆ7: : : : : : : : : : : : : : : :
: {三三三三ﾆﾆﾆﾑ　　!ﾆﾖﾄ､:::::::::::::::::::::::::/: : : : : : ＼:::::::::::::::::::〉ﾆﾑ　　.∥ﾆ三三三三三}: : : : : : :
: ﾏ三ﾑ　　　￣¨‐-}　 .{ﾆﾆ!::::＞:::::::::::::::/＼＞　＜/::＼::::::::／:::ﾋﾊ　　 {{三ﾆﾆﾆ=-‐‐ﾋﾆ}: : : : : : : :
: : ﾏ三ﾑ　　ο 　　　 {:ﾆﾖ:::::::::::::＞:､/:::::〈￣〈〉｀〉:::::::ヽ::´::::::::ﾋﾆﾊ　　r‐￣　 r'／　.}三}: : : : : : :
次男　留
658： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 22:02:43 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／|
　　　　　　　　 |￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣││
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　　　　　　　　│　　　　　│　/ │　　　　　|　　　　　││
　　　　　　　　│　　　　　│ /　│　　 ──　　　　　││
　　　　　　　　│　　　　　│/　 │ 　　　　│　　　　 ││
　　　　　　　　│　　　　　　──　　　 ──　　　　　.││　　我らの内誰かが殿を務めれば可能でしょう
　　　　　　　　│　　　　　　　　ＳＯＵＮＤ　　　　　　　 ││
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　　　　　　　　│　　　　　　　　　ＯＮＬＹ　　　　　　　 ││
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　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　││
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　　　　　　　　｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |／
　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
三男　勇
659： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 22:03:52 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　　, . :´: : : : : : :、: : : : : : :ﾍ
　　　　　　／: : : : : : : : : : : :ー: : : :⌒ヾ
　　　　　　 ′: : : : : : : : : : : ヽ: :／: : : : . 、
.　　　　　ｉ: l! : : : : /: :/⌒ヽ: : : ／⌒: : : :
.　　　　　　ﾉノ! : : : /: : :| r‐ ､:V /: : : : : :＼
　　　　／: : /: : : : : : : :| | ､ヾV /⌒ｉ : : : : :
.　　　 / : :／: :/ : : : : : :| |｀ー ''' ー /: : : : : :
..　　　　}:／ /: / : : : : : ノノ　　　　　 {: :|: : : : :
　　　　 {: : /: /: : : : ミ≧x､　 i|　　　　ヽ＼: :　　　　対馬の使者が領地を通ったのは５日程前だったな？
　　　　ﾉ: : {: :{: : : : : :`ﾄ｀tｯ>　jｌ　/ 　,x≦彡ヽ:
.　　／: : : : :､:ヽ: : : i: :}　　　｀　'　 <tｯ´ }: : : }:
　 /: : : : : : /}: :i: : :/:/　　　　i　ｉ　　　　/ : : :/:
／: : : : : ／/: / : /:/!　　　 i　i　　　　ｌ : : /: :
:.: : : : ／: :/: /: :/: {　､　　　｀´　　　 ∧: :{: : :
: : : : ( : : /: /{: : !: : ＼ヽ　´￣　｀　／: : ＼ヽ:
: : : : : ) : : // ＼ト: : : :＼、＿　イL__､: : : :＼
:.: : ／ : : //////＼: : : : :ヽ////////∧: : :ト :
:／: : : : /////////): ヽ: : :ｉ/////////∧: :ヽ;
: : : : :／///////／ : /} : ////////////〉: : :
: : ／＼//////': : ／/: ///////////／: : :/

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　　　　　　　　│　　　　　　──　　　 ──　　　　　.││　　６日前です
　　　　　　　　│　　　　　　　　ＳＯＵＮＤ　　　　　　　 ││
　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　││　　早馬に乗せたので博多に到着しているでしょう
　　　　　　　　│　　　　　　　　　ＯＮＬＹ　　　　　　　 ││
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660： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 22:04:41 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　　, . :´: : : : : : :、: : : : : : :ﾍ
　　　　　　／: : : : : : : : : : : :ー: : : :⌒ヾ
　　　　　　 ′: : : : : : : : : : : ヽ: :／: : : : . 、
.　　　　　ｉ: l! : : : : /: :/⌒ヽ: : : ／⌒: : : :
.　　　　　　ﾉノ! : : : /: : :| r‐ ､:V /: : : : : :＼
　　　　／: : /: : : : : : : :| | ､ヾV /⌒ｉ : : : : :
.　　　 / : :／: :/ : : : : : :| |｀ー ''' ー /: : : : : :
..　　　　}:／ /: / : : : : : ノノ　　　　　 {: :|: : : : :　　　　
　　　　 {: : /: /: : : : ミ≧x､　 i|　　　　ヽ＼: :　　　　（近隣の御家人が集まるまであと２，３日は持ちこたえねばならんか
　　　　ﾉ: : {: :{: : : : : :`ﾄ｀tｯ>　jｌ　/ 　,x≦彡ヽ:　　　　　　　　　　　　　　　　南方の御家人が集まるまで５日で足りるかどうか）
.　　／: : : : :､:ヽ: : : i: :}　　　｀　'　 <tｯ´ }: : : }:
　 /: : : : : : /}: :i: : :/:/　　　　i　ｉ　　　　/ : : :/:
／: : : : : ／/: / : /:/!　　　 i　i　　　　ｌ : : /: :
:.: : : : ／: :/: /: :/: {　､　　　｀´　　　 ∧: :{: : :
: : : : ( : : /: /{: : !: : ＼ヽ　´￣　｀　／: : ＼ヽ:
: : : : : ) : : // ＼ト: : : :＼、＿　イL__､: : : :＼
:.: : ／ : : //////＼: : : : :ヽ////////∧: : :ト :
:／: : : : /////////): ヽ: : :ｉ/////////∧: :ヽ;
: : : : :／///////／ : /} : ////////////〉: : :
: : ／＼//////': : ／/: ///////////／: : :/
661： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 22:05:15 ID:85swnSQg0: 　　　　　' 　　 !　 ./:::｀::...､＼ ./ ハ i　　ヽ
　　　　'　　　　!　/::::::::::::::::::＼ヽ'::::::l .l　　 !
　　／　　　　ｌ　 !:::::::::::::::::::::::::ヽ/::::::!　!　　',
.／　／　　　 ' 　.!　　　￣｀` ｀`'"´ l　 l　、ヽ
　／　/　　 '　　'　　　　　　　　　　　l　 ',　、　ヽ
／　　　 /　 ./ 　　　　 !　　　　　!　＼　　ヽ
　　 /　　,.'　　/_　　　　　、　 ', 　 }　　　ヽ　ﾞ,
.　 / 　　　 /三≧z＿　　　＼　.}　./l　　　、ヽ }
　/　／　 ./丿ヽｔ;;ァ＝≧=-／　／'　ﾉ　ヽヽ. ヽ
　／ /　 ./イ　　　￣￣-'｀ヾ　 :::::!./　!/　　 '　!',　 '　　　戦に出られんものは避難させろ
,.'　./　 /、 .{　　　　　　　　　　 :::::l.{　 !{ 　 }　; .jﾉ　ﾉ
　./　 /　ヽ. !　　　　　　　　　　 :::::!',　乂 .ﾉ　i （.／　　　　熊五郎（勇の長男）と歳が近いものも皆逃げさせよ
　'　 .ハ　　､　　　　　　　　 ::::! V　　',ノ、､
. {　 .{　',ヽ　! ヽ　　　　　　　　 ,.. ノ /　　　}. ヽ　,
　!　.!　 .} ! .l　　　　　　　　　　 /　,' l　 .!　 } ﾉ
.　乂　 .ハ .!　　　ー― 　　 '" /　/ .!,　 !　ﾉ'
　 .〃 , {　} !.＼　　　　　　―　　'　./　'/ 丿
　/'　/　ヽ.ﾉ;;;;;;;;＼　　　　　　　'　./　' { '
./　./'　　ﾊ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,,,＿_,...ｨ　./　 .ﾊl
ノ;;;'　!　/;;;}.!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、 j / 、 /;;;;;;;;,,,,_
;;;;;;}　i, （;;;;;ﾘ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾄ､;;;)　　 }. {;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ー　"´￣｀
;;;;;;ﾘ,ハ ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;乂｀　　ﾉヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／////////
;;;;;'";;;;;;ヽ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ー'";;}　!;;;;;;;;;;;;;／//////////
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽイ　ﾉ;;;;;;;／////////////
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀";;;;／//////////////
662： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 22:06:05 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　　　　　　　 }　　ζ¨`　`　ヽ､ｌ /＿/´_ , ' _/_　}
　　　　　　　　　　　　　　 }‐-　ζ{＼　　　　　　　　　　　　 }! ,!
　　　　　　　　　　　　　　　.!ヽ　ゝ､ヽ＼　　　　　　　　　ノ, {, .{
　　　　　　　　　　　　　　　}ヽ､{｀　　＞ヽ､　　　　　　　ｧ／rζ!
　　　　　　　　　　　　　　 }!　 i　　ｨ‐ｪ-ｧ､ヽ　〉〈_ ／＿　､ .}.i
　　　　　　　　　　　　　　{´ヽ　､　´　　¨￣釤´　 …＜心冫 .酈
　　　　　　　　　　　　　　} ‐} ､　､　　　　　　　}　　　　　　' 　∧
　　　　　　　　　　　 }ヽ〉Ⅴ ゝ　　　　　/ .!　　　　　　　ﾉ!ﾘ　　そうなると我々は全員ここに残ることになりますな
　　　　　　　　　　　　　　∧　! ∨ ヽ　　　　{‐‐､　ｧ　　　 / /,'
　　　　　　　　　　　　　 / .∧i}　 {⌒ヽ　　　ヽﾆr'　　　勹' /　　　それは問題はありません。ですが――
.　　　__＿＿＿＿＿＿＿/＿}}　ヽ　　　＿　====　_　　 /r'
　　　ﾏ三三三三三三三三ヨｉ　　　､ヽ　 ‐==‐-　　,　ﾉ/------------　　　　__
　　　　ﾏ:ﾑ　　　　　　　　￣i!　＼　　　／〈　　　}ヽ　 ' ﾉ{ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ三７
　　　　ﾏ:ﾑ　　　　　　　　λ　　　≧ ζ　ヽ- r'´ 〉／　i　 / 　　　　　　 /ﾆ７
　　　　　ﾏﾑ　　　　　　／:::::＞....　　　＞　　　　＜　　ノ:∨ /　　　　　　 /ﾆ７
　　　＞: ﾏﾑ　　　　 /7:::::::::::::::::::::＞..　　.＞＜　 ....＜::::::∨ / 　　　　 /ﾆ７
＞: : : : : : : :ﾏﾑ　　　/ﾆ}:::::::::::::::::::::::::::::::＞..　　...＜:::::::::::::::::∨､　　　　　 /ﾆ７＞. .＿　　　　　 __
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: {三三三三ﾆﾆﾆﾑ　　!ﾆﾖﾄ､:::::::::::::::::::::::::/: : : : : : ＼:::::::::::::::::::〉ﾆﾑ　　.∥ﾆ三三三三三}: : : : : : :
: ﾏ三ﾑ　　　￣¨‐-}　 .{ﾆﾆ!::::＞:::::::::::::::/＼＞　＜/::＼::::::::／:::ﾋﾊ　　 {{三ﾆﾆﾆ=-‐‐ﾋﾆ}: : : : : : : :
: : ﾏ三ﾑ　　ο 　　　 {:ﾆﾖ:::::::::::::＞:､/:::::〈￣〈〉｀〉:::::::ヽ::´::::::::ﾋﾆﾊ　　r‐￣　 r'／　.}三}: : : : : : :
663： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 22:06:47 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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　　　　　　　　│　　　　　──　　　｜避難に勇あたりは同行させては？　|
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　　　　　　　　│　　　　　│/　 │ 　　　　│　　　　 ││
　　　　　　　　│　　　　　　──　　　 ──　　　　　.││　　兄上！？
　　　　　　　　│　　　　　　　　ＳＯＵＮＤ　　　　　　　 ││
　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　││
　　　　　　　　│　　　　　　　　　ＯＮＬＹ　　　　　　　 ││
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　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
664： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 22:07:19 ID:85swnSQg0: 　　　　　' 　　 !　 ./:::｀::...､＼ ./ ハ i　　ヽ
　　　　'　　　　!　/::::::::::::::::::＼ヽ'::::::l .l　　 !
　　／　　　　ｌ　 !:::::::::::::::::::::::::ヽ/::::::!　!　　',
.／　／　　　 ' 　.!　　　￣｀` ｀`'"´ l　 l　、ヽ
　／　/　　 '　　'　　　　　　　　　　　l　 ',　、　ヽ
／　　　 /　 ./ 　　　　 !　　　　　!　＼　　ヽ
　　 /　　,.'　　/_　　　　　、　 ', 　 }　　　ヽ　ﾞ,
.　 / 　　　 /三≧z＿　　　＼　.}　./l　　　、ヽ }
　/　／　 ./丿ヽｔ;;ァ＝≧=-／　／'　ﾉ　ヽヽ. ヽ
　／ /　 ./イ　　　￣￣-'｀ヾ　 :::::!./　!/　　 '　!',　 '
,.'　./　 /、 .{　　　　　　　　　　 :::::l.{　 !{ 　 }　; .jﾉ　ﾉ　　　そんな必要はない
　./　 /　ヽ. !　　　　　　　　　　 :::::!',　乂 .ﾉ　i （.／
　'　 .ハ　　､　　　　　　　　 ::::! V　　',ノ、､　　　　　あと２，３年で熊五郎が元服する
. {　 .{　',ヽ　! ヽ　　　　　　　　 ,.. ノ /　　　}. ヽ　,
　!　.!　 .} ! .l　　　　　　　　　　 /　,' l　 .!　 } ﾉ
.　乂　 .ハ .!　　　ー― 　　 '" /　/ .!,　 !　ﾉ'
　 .〃 , {　} !.＼　　　　　　―　　'　./　'/ 丿
　/'　/　ヽ.ﾉ;;;;;;;;＼　　　　　　　'　./　' { '
./　./'　　ﾊ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,,,＿_,...ｨ　./　 .ﾊl
ノ;;;'　!　/;;;}.!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、 j / 、 /;;;;;;;;,,,,_
;;;;;;}　i, （;;;;;ﾘ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾄ､;;;)　　 }. {;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ー　"´￣｀
;;;;;;ﾘ,ハ ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;乂｀　　ﾉヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／////////
;;;;;'";;;;;;ヽ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ー'";;}　!;;;;;;;;;;;;;／//////////
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽイ　ﾉ;;;;;;;／////////////
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀";;;;／//////////////
665： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 22:08:04 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　　　　__........----......_
　　　　　　　　　, ‐ ´＿.....--――--ﾆ｀ヽ､
　　　　　　　／　_－'_ ,‐‐‐´￣￣｀ ‐-｀_ ､:＼
　　　　　／／／: : : : : : : : : : : : : : : : ＼ヽ＼
　　　　 ./　/　/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼,‐＼
　　　　/　/ /: : : : : : : : : : γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　ｌ　ｌ/: : : : : : : : : : : : ｜　　　　　　　あの子は賢い　　　　 |
　　　　|　/: : : : : : : : : : : : : 乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
　　　/＿|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : |__ヽ: : : : : : : : :|　　|
　　　|　　|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : |　＼_: : : : : : ::|　/
　　　|　　|: : : : : : : : : : : : : : : : : : :.|／≠:.､＼. : : : ｌ／
　　　|　　|: : : : : : : : : : : : : : : : : : |　廴ﾉ::::::} .|: : : /
　　　ヽ　ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : /　弋:::::::ｸ　|: : :/
　　　　ヽ　ヽ: : : : : : : : : : : |ヽ/　　　　￣´　.|: /
　　　　　￣｀ヽ: : : : : : : : : : ヽ　､　　　　　　/
　　　　　　　　＼: : : : : :ヽ＼|　　　　　　　／
　　　　　　　　　　＼: : : : ＼　　　￣　 ,――二|
　　　　　　　　　　　＼/二二二―､‐　ｌ　/´:::::::|
　　　　　　　　　　　　　｀|:::::::::::::＼ヽ |　.|::::::::::ヽ_
　　γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ::::::::::::＼
　　｜きっと松浦党を守ってくれるだろう　 |:::::::::::::::::＼
　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノヽ::::::::::ｌ＾ヽ:::ヽ
　　　　　　　 /::::::／ｌ::::::::::::::::::::::::::::|　 |:::○:〉ヽヽ:::::::::|　＼ヽ
　　　　　　 ./／　　 |:::::::::::::::::::::::::::|　 |ヽ:::::ｌ　ヽヽ:::::::::|　|＼＼
　　　　　　/´ ／´|　|::::::::::::::::::::::::::|　 |　/,､ヽ　ヽヽ:::::::|　|　＼＼
666： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 22:08:42 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　　　 . :´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼//＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　／.:.:.:.ﾆ＝　￣￣｀ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼/∧.:..:..:.:.:.:/|.:.:.:.:...:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　 /.:.:.:／　　　　　　　彡.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧/∧.:.:..／/!.:.:..:.:..:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　/､／　　　　　　　　＿　｀ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ﾊ.//:／///.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　|　　　　　／/,.イ.:／　　　',.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: .:ｌ／//／.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　ｌ　　　／:.:.:.:.:.:／　　　 | .:.:.〃´￣｀ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:／//／、.:.:.:/|.:.:.:..:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　 / /　,.ィ:::ﾆ＝　´ ＿　　　 | :.:.:.:| /⌒ 　 ∨.:.:.／//／　ヽ.://!.:.:.:.:.:..:.:. /|
　　　　　　　　　､　 ´一 ´　ィrﾃ辷ｿ　　　　/.:.:.:.:.|　　ｿ　ﾉ:／//／　　　.／//.:.:.:.:.:.:.:. //!
　　　　　　　　　＼　　　ｰ─　´　　　／.:.:.:.:.:.|　／　.／//／´￣ヽ／/／!.:.:.:.:.:.:.:.:///　　殉じるおつもりか？
　　　　　　　　　ｌr}　　　　　　　　　　∠.:.:.:.:.:.:. /　　／//／　　　 .／/／　 |.:.:.:.:.:.／//
　　　　　　　　　　　V　　　　　　　　　　ムイ.:.:／　　／//／　　　 .／/／￣￣￣／/／.:|　
　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　 /／　　／//／　　　 .／/／　　　　／/／.:.:.: |
　　　　　　　　　　ゝ､　､　　　　　　　　　　　　／//／　　　.／/／　　　　／/／/|.:.:.:.:ﾘ
　　　　　　　　　　　　＼＿＿　　　　　　　／//／　　　.／/／　　　　／/／ |/ .|.:.:.:/
　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿　ヽ　　　　／//／　　　.／/／　　　　／/／　　　 |.:./
　　　　　　　　　　　　　　 ',　r‐ｧ　　　／//／　　　 .／/／　　　　／/／　＼　　 .!/
　　　　　　　　　　　　 ∨.:.{＿　／//／　　 .　＜/／　　　　／/／三三∧
　　　　　　　　　　　　　 l:.:.:.:. ／//／.　＜//＞　´＝ニ三三三三三三三三∧
　　　　　　　　　　　　 |.: ／//∠//＞　´　　　　　　　　　　　　｀ヽ三三三∧
　　　　　　　　　　　　　　／//／＞　´　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼三三ﾆ|
667： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 22:09:37 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　ｒ=====ヽ　　　　　　　　　ｒ―､　　＿
　　　　　　　　＿))　　)　ノ　　　　　　　／∠二ﾆＹニヽ
　　　　　　〃￣　　　{ / (＿＿＿　∠ノ　／⌒ v ⌒　＼ヽ､
　　　　　　 {{　　　　　＞／二二ニニ7　／二ヽ/　ヽ＼ﾊ＼ヽ
　　　　　　　　　　　　// 　　／　／/ / ／ ⌒ V⌒ヽ＼＼} )ﾉ　　　　＿
　　　　　　　　／￣ヽー―／　／／ / /　{'゛゛ﾞ｀´"")ﾊ l|ヽ￣＼　／::::::ヽ
　　　　　　　//　 /￣　＿＿／〃　 /У/ ﾊ　.::　 / {! / |　|＼＿ヽ{:::::/:::::::〉
　　　　　 {l{＿/∠二＿)　)) ﾉ　／{ ( ｿﾉ )ｔｧ┐-tzｵ| ﾘﾊ「ﾊ) )ﾉ'ｰ/::::::/　＿_
　　　　　　　　フ/￣／ ∠ ＿_／　) )ﾉ／　ﾊ　.::l ::::　 V((＿ｨｧ ((　 /::::::〈 ∠::/::::ヽ
　　　　　　 //　 /／／　　＿∠ ／ノ人ﾘ　ｰ'　　/)){/:::::ノ　}}／:::::::}::Υ::::::／〉
　　　　　　 {l{ 　 {l　/　　∠二≧―＜〃ヽ ´二｀ノ}//::::ム/}／::::::::::/::::::::::::/::/　　　御家人である以上逃げることはできん
　　　　　　　　ヽ二|ト―／／:::::::::::::ミ:::::::ヽヽ//ーイ///::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::／::/|
　　　　　　　　／　＿/ ∧:::::::::::::::ミ:::::::::::::∨ト////// ＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/　　　　松浦党を束ねられるのも御家人だからこそだ
　　　　　　　 ∧ ／　／{　　￣￣ヽ::::::::::::::::ｿ|　ミ､　彡　ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
　　　　　　人ヽ　/ノ/| 777ァｧ､　 }:::::::::::::::}}|　　::.ミ　ｒ‐く入:::::::::::::::::::::::::／
　　　　　〃　Ｖ∠ノ/ 人//////}　|:::::::::::::ｰ-v ⌒ヽミ　{ ﾊ人ヽ:::::::::::::::::ｒ
　　　　　　{{　ﾊ(　 / / ∨/////,|　|::::/{::::........:::＼)　}　ヽУ　＼二二ﾆｲ
　　　　　 -=彡' ヽ/ / : : ∨////,|　∨⌒ヽ::::::::::::::::∨人_/　　　　　　　/
　　　　　　　 {ト-/ / : : : : ∨///,| 　ヽ「ヽ}::::::::::::::ムイ {　　　　　 /
　　　　　ヽ／/:.: : : : : : ∨// ＼　　ト三彡/::::::::|　|　　　　 /
　　　　　 /: :/:.:.: : : : : : : :＼///∧　＼::::::::::ﾉ::: 彡| ﾄ＼＿＿ｲ　　　　　＿
　　　　　　 /: ://: : : : : : : : /: :/＼// ＼ミ　￣└―‐┤|　ー―ｧ／＼ｒ､／::::::::ー､
.　　　　 /: ://: : : : : : : : /: :/　　 ∨＝＼ミ　　　Υ｜|　　／'　　/ ／:::::::::::::〉┤ノ
　　　　　 {: : /: : : : : : : : /: :/　　　　ト＝＝＝＼　「/ 人二イ＼　/ /:::::::::ー::く└┌ ､
　　　　　 |: : {l: : : : : : : / ／　　　l|/////////＼{///／(( = ､　ヽ{::::::::ｒｖ Y ヽ::::｀::ﾉ
　　　　　 |: : ﾘ: : : : : : : :/　　　　 /￣￣￣ヽ〃⌒ヽ　 {{::::::::ﾊ　　＼1:::|:::|:::::}⌒´
　　　　　 |: :/: : : : : : : /　　　　 /　／　//　Ｙ{::::::::::::}}　ゝ==ｲﾄ　　　ー- ‐┘
668： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 22:10:16 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　　 /:::＿:ヽ
　　　　　　　　　　　 {::::{ .) ):l
　　　　　　　　　　＿＿ゝ、::´ノ　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　 /::::::::::::ヽ__｀´::ゝ─ 、　　.∧´　　ヽ　∧
　　　　　　　　 l:::::::::::/::///ヽ、／￣ヽ　/. { ☆　 .l /　ヽ
　　　　　　　　　 ∨::::::l::::￣::::::::ヽ　　/￣＼ヽ.__.／── 、
　　　　　　　　　 ∧＞::．::::::::::::::::|　 /　　　 l´　　　 ≡´￣ヽ
　　　　　　　 l　ヽ:::::::＞─-- .´｀,─--´ ￣￣｀　　　〉
　　　　　　　　　l　　　l:::::::::::::::::::::::::::/ l l　￣＼　　　　／　/
　　　　　　 l　　 /二二二二二l　l ヽ＿_／｀ー- ´　／ .|
　　　　　　 l　　　l　　　　　　　 |　l | .∧ (_l__)　　 .l　　 |
　　　　　　　 l　　 ./ ─　、　　　 - ., l |/　l .(_l__)　　 ∧　　|　　　┏━━━━────
　　　　　　　l　　 /:::::::::::::∧　／::::::∧l.　 l　　　　　　　∧∨　　　　１６日松浦党と近隣に所領を持つ石志氏が沿岸部に着陣
.　　　　　 l　　/:::::::::::::::::::::|_/::::::::::::::∧　l　　＼　　　 l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ────━━━━┛
　　　　　 l　　l::::::::::::::::::::::∧::::::::::::::::::∧l　　　　∧　　　　l
　　　　　　l　　 l::::::::::::::::／　＼:::::::::::::::∧　　　/　.∨　　 l
.　　　　 l 　 ./:::::::::::／.　　　＼:::::::::::∧　 ./　　 ∨　　 l
　　　　　 l　／￣ヽ.|　　　　　　　ヽ:::::::::∧ ./　　　 ∨　　|
　　　　　l _ l　　　 /ヽ＿　ノ⌒ヽ＿l ／　 l　　　　　 ∨　ヽ
　　　　　　　|　　／　　　　　　　　　　ヽ　　.|　　　　　　∨　 |
石志兼　二郎親子

　　　　　　　　　　　　, =-‐ﾆニニミヽ､
　　　　　　　　　　,ｨ´ｨ,ｨ'"´_=-‐-=､｀ヾヽ
　　　　　 .,r‐‐=///´r''´⌒､_∧_⌒,=､ヽヽ､____
ｰ＜´￣~¨7　 .///f´｀,ｨゝ‐''.〈ﾊ〉￣ゝ‐'､ヾヽ｀ヽ＼r‐-､
ヽ　ヽ＿/　.///r‐f´　　　〈ﾊ〉　　　　f｀Ｙ:l‐-､. }　　l‐-､
　ﾞｖ''"´　｀ヽ{ i l｀/'"//⌒ヽ. 〈_〉 .／⌒ヾ､ l l､　｀ヽノ´｀,､´ヾ
　 }ゝ､ __, ｨ'"l l: Ｙ｀i l l (⌒ヽヽ__/´,ｨ'⌒) l l_l_l､ゝ ___）´｀　⌒　　　一気に押しつぶせ！
　 .l｀ｰ---'''"l l:..l　rf⌒ l`x､｀ v ´)ヽ,ｨ' ff´ ﾊ｀ｰ-‐'i ´｀ ,,､
　　l　　　　 l l八ﾉｌヽrｉﾞゞﾆﾞ､_|_,∠´､",r｀Ｙﾉ　　　　l
　　l　　　　_　ﾍ∨ゝ. /.f´ｌ:.'´-三-｀ﾞl｀iヾ　ﾊ'"　　　　 l
　 .ハ,ｨ'"´:::ﾍ　/／ヽ,,｀ゝ{ ,＞＝＜ }‐'"rﾍ l.　　　　　 l
　.ﾉ //////∧'"ヽ､ﾞゝﾊ'´ヾ　　,ｲﾊ　ノ,ｨﾍl ／⌒ヽ　l　　　┏━━━━────
:./　l///////,｀＞-､　八_,,｀ー‐‐'__ﾉ´　,,ｨ'"/////}　l　　　　対する元・高麗軍も部隊を展開
/　ゝ///////////｀ｰ=i　｀ー―'　 ,ｨ'´////////ﾉ　l　　　　　　　　　　　────━━━━┛
　　　｀､////////////l　l7777l　l´/////八￣　　 /
　　_ =-‐'"///////＞'"_ ヾ//ノ　l////////｀＞.　/
669： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 22:11:10 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　ｷﾞｬｱｱｱｱｱ！！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヒィィィ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ―‐――　＿-ﾋｭﾝ―‐――・
　.ﾁｭｰﾝ　　　　―　＿-ﾋｭﾝ―‐ -───・　　　　　　　 ―‐――　＿-ﾋｭﾝ―‐――・　┏━━━━────
　‐――＿――　　　　　　　　　 ── ﾁｭｰﾝ　　・　∧_∧　　　　　　　　　　　　　　　やはり同じく射撃戦を展開する
　　　　・　　　　　　　 -───・　　　　　 ∧＿∧　（・∀・；　　‐――・　∧ ∧　　　　　　　　　　　────━━━━┛
―‐――　＿-ﾋｭﾝ―‐―・　､,.λ∧　ｹﾞﾌ　・ ´Д｀；）　i　　 i’))　　　＼　　(；ﾟДﾟ)　ｺﾛｻﾚﾙ！
　　　　　ｸﾞﾎﾞｱ,,, ､,.,,,,.,,,）　ノ・;;(#ﾞ;;0ﾞ),,, ∴､／　／　　､ノ⌒;;,､,.､,.　　　（､.,,,.,,.,,つつ
　　＜@;;,　(ﾒ_;;｡#)@;;';;@）（@∴U(ﾞｐ;`;,)ξ;,と@;,　(､0;'｡#)っ@）~ と´#;;ﾒつ#!i;-ﾞ)っ
　　　　　"'`''"";""ﾞ'";;'""∵""''"""ﾞ'"　　　　　　　~;ﾞ`'ﾞﾞ;''∨""　　　　　"'`;"""∵∵`'

だが、ここでは今までとは少し違う事情があった

　　　　　' 　　 !　 ./:::｀::...､＼ ./ ハ i　　ヽ
　　　　'　　　　!　/::::::::::::::::::＼ヽ'::::::l .l　　 !
　　／　　　　ｌ　 !:::::::::::::::::::::::::ヽ/::::::!　!　　',
.／　／　　　 ' 　.!　　　￣｀` ｀`'"´ l　 l　、ヽ
　／　/　　 '　　'　　　　　　　　　　　l　 ',　、　ヽ
／　　　 /　 ./ 　　　　 !　　　　　!　＼　　ヽ
　　 /　　,.'　　/_　　　　　、　 ', 　 }　　　ヽ　ﾞ,
.　 / 　　　 /三≧z＿　　　＼　.}　./l　　ヽ人_从人__从_从人__从人_人_从人__从人__从人ﾉ
　/　／　 ./丿ヽｔ;;ァ＝≧=-／　／'　ﾉ＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
　／ /　 ./イ　　　￣￣-'｀ヾ　 :::::!./　!/＜　　　　　　　　　直様、勇様お討死！　　　　　　＞
,.'　./　 /、 .{　　　　　　　　　　 :::::l.{　 !{＜　　　　　　　　　　　留様の部隊も劣勢！　　　　＞
　./　 /　ヽ. !　　　　　　　　　　 :::::!',　乂 .＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
　'　 .ハ　　､　　　　　　　　 ::::! V　　',ノY⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒WY⌒⌒Y⌒WY
. {　 .{　',ヽ　! ヽ　　　　　　　　 ,.. ノ /　　　}. ヽ　,
　!　.!　 .} ! .l　　　　　　　　　　 /　,' l　 .!　 } ﾉ
.　乂　 .ハ .!　　　ー― 　　 '" /　/ .!,　 !　ﾉ'　　……あちらも苦しいか
　 .〃 , {　} !.＼　　　　　　―　　'　./　'/ 丿　　┏━━━━────
　/'　/　ヽ.ﾉ;;;;;;;;＼　　　　　　　'　./　' { '　　　　　今までは一か所に固まっていた元・高麗軍がここにきて散開
./　./'　　ﾊ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,,,＿_,...ｨ　./　 .ﾊl
ノ;;;'　!　/;;;}.!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、 j / 、 /;;;;;;;;,,,,_　　　松浦党の領地にそのままなだれ込んできたのである
;;;;;;}　i, （;;;;;ﾘ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾄ､;;;)　　 }. {;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ー　"´￣｀　　　　　　　　　　　　　　　　　　　────━━━━┛
;;;;;;ﾘ,ハ ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;乂｀　　ﾉヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／////////
;;;;;'";;;;;;ヽ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ー'";;}　!;;;;;;;;;;;;;／//////////
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽイ　ﾉ;;;;;;;／////////////
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀";;;;／//////////////
670： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 22:12:18 ID:85swnSQg0: 　　　　　　 /:.:.:.:.i.: : : : : : : :.,r´⌒` 、 : : : : : : : }::＼
　　　　　　　　/:.:.:.:.:.|.: : : : : : : :.{ /∨ヽ.}: : : : : : : : .ｉ:.:.:.ヽ
　　　　　　　 |:.:.:.:.:.:|.: : : : : : : :.丶､__,．': : : : : : : : 丿:.:.:.:）
　　　　　　 i:.:.:.:.:.:.:i、 : :__,,.-ｬ=ァ~~￣~~了"べ亙:.:.:.:./
　　　　　　　　i.:.:.:.:.:.:`iｧ弋: : : : : : : : :.ﾄ､.: : : : : :.ノl|∨/
　　　　　　　　＼／＼,＿.: : : : : : : :.|,,,i、_,,.∠;斗l|l|ｲ　　　ここは海賊の根城だというな
　　　　　　　　　,ゞ,l|l||´<込ﾆﾅｧーｰ亠 z弋才ゞ{l|れヽ
　　　　　　　　　i､丸l|{　.f　￣.,,/" }　!"ヾ,,￣　}ミ/ﾜﾘ　　　燃やし尽くしてしまえ
　　　　　　　　　ヾ`､_言ｌ.　　　　|　　　　　　./ﾐfｿ./
　　　　　　　　　　　＼_ﾐ. ｉ　　　i､,i_,jゞ, 　　 /　|／
　　　　　　　　　　　ノl`i、､_.．イ´彡ｪﾐ爻ﾞｼｪ;,.ｬ　i|`夊　　┏━━━━────
　　　　　　　　　　　ﾙj;|ト`ｰ‐''""￣￣｀`゛゜`゛　ﾒ|ミﾐし　　武装商船みたいなことをしていた松浦党を高麗が特に敵視していた
　　　　　　　　　　　彡廴＼ヽ.　~武才~ 　/ ／/_|父
　　　　　　　　　　　　ノ|:.:.ｉＶ＼!, 　　　　　／ｵ.ｉ:.:ト．_　　　と言われているが、定かではない
　　　　　_,,.．ｬヒ''"´ 斗:.:.:ｉﾍ.: :＼,_＿_,／ｼﾞ/: :.ｉ.:.:r-ゝ~"'ｰ- ,,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　────━━━━┛

　　　　　　　　　　, . :´: : : : : : :、: : : : : : :ﾍ
　　　　　　／: : : : : : : : : : : :ー: : : :⌒ヾ
　　　　　　 ′: : : : : : : : : : : ヽ: :／: : : : . 、
.　　　　　ｉ: l! : : : : /: :/⌒ヽ: : : ／⌒: : : :
.　　　　　　ﾉノ! : : : /: : :| r‐ ､:V /: : : : : :＼
　　　　／: : /: : : : : : : :| | ､ヾV /⌒ｉ : : : : :
.　　　 / : :／: :/ : : : : : :| |｀ー ''' ー /: : : : : :　　　……１日、稼げただけか
..　　　　}:／ /: / : : : : : ノノ　　　　　 {: :|: : : : :　　　　　だが、この１日は５００の援兵に等しい
　　　　 {: : /: /: : : : ミ≧x､　 i|　　　　ヽ＼: :
　　　　ﾉ: : {: :{: : : : : :`ﾄ｀tｯ>　jｌ　/ 　,x≦彡ヽ:　　┏━━━━────
.　　／: : : : :､:ヽ: : : i: :}　　　｀　'　 <tｯ´ }: : : }:　　　理由はなんであれ、松浦党は自身の領地付近で元軍を迎撃
　 /: : : : : : /}: :i: : :/:/　　　　i　ｉ　　　　/ : : :/:
／: : : : : ／/: / : /:/!　　　 i　i　　　　ｌ : : /: :　　　　主だった武将がほぼ全員討死するという大損害を受けることになる
:.: : : : ／: :/: /: :/: {　､　　　｀´　　　 ∧: :{: : :
: : : : ( : : /: /{: : !: : ＼ヽ　´￣　｀　／: : ＼ヽ:　　　　明確に討死と判明するだけで佐志房と三人の息子
: : : : : ) : : // ＼ト: : : :＼、＿　イL__､: : : :＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　────━━━━┛
:.: : ／ : : //////＼: : : : :ヽ////////∧: : :ト :
:／: : : : /////////): ヽ: : :ｉ/////////∧: :ヽ;
: : : : :／///////／ : /} : ////////////〉: : :
: : ／＼//////': : ／/: ///////////／: : :/
671： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 22:12:58 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　　　　　 /:::＿:ヽ
　　　　　　　　　　　 {::::{ .) ):l
　　　　　　　　　　＿＿ゝ、::´ノ　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　 /::::::::::::ヽ__｀´::ゝ─ 、　　.∧´　　ヽ　∧
　　　　　　　　 l:::::::::::/::///ヽ、／￣ヽ　/. { ☆　 .l /　ヽ
　　　　　　　　　 ∨::::::l::::￣::::::::ヽ　　/￣＼ヽ.__.／── 、
　　　　　　　　　 ∧＞::．::::::::::::::::|　 /　　　 l´　　　 ≡´￣ヽ
　　　　　　　 l　ヽ:::::::＞─-- .´｀,─--´ ￣￣｀　　　〉
　　　　　　　　　l　　　l:::::::::::::::::::::::::::/ l l　￣＼　　　　／　/
　　　　　　 l　　 /二二二二二l　l ヽ＿_／｀ー- ´　／ .|
　　　　　　 l　　　l　　　　　　　 |　l | .∧ (_l__)　　 .l　　 |
　　　　　　　 l　　 ./ ─　、　　　 - ., l |/　l .(_l__)　　 ∧　　|　　　┏━━━━────
　　　　　　　l　　 /:::::::::::::∧　／::::::∧l.　 l　　　　　　　∧∨　　　　石志親子とその郎党
.　　　　　 l　　/:::::::::::::::::::::|_/::::::::::::::∧　l　　＼　　　 l　　　　　　 ────━━━━┛
　　　　　 l　　l::::::::::::::::::::::∧::::::::::::::::::∧l　　　　∧　　　　l
　　　　　　l　　 l::::::::::::::::／　＼:::::::::::::::∧　　　/　.∨　　 l
.　　　　 l 　 ./:::::::::::／.　　　＼:::::::::::∧　 ./　　 ∨　　 l
　　　　　 l　／￣ヽ.|　　　　　　　ヽ:::::::::∧ ./　　　 ∨　　|
　　　　　l _ l　　　 /ヽ＿　ノ⌒ヽ＿l ／　 l　　　　　 ∨　ヽ
　　　　　　　|　　／　　　　　　　　　　ヽ　　.|　　　　　　∨　 |

　　　　　　　　　　　　＿　　　　　　|＼
　　 .　＿,,,...　'"￣~　　､!;　　　　　 !　ヾ､
　　 .　;|　:／　　　　　　　ヽ;　　　　,|　　￣￣ﾞ'､
.　　　 ;ヽ/:::　　`￣￣/　　 ;;　　　/:::
　　　　;!:::　　　`- ´　　　|;　　 .i:::／), 　　　　　i
　　.　　　;ヽ:::　　　　　　　/;　 .　;＿´　　　　　　/　　　　　┏━━━━────
　　.　　　　;〉:::　　　　　 .〈;　　　　　ﾉ　　　　,,,,,,,;ヽ　　　　　近隣の寺社の私兵たち
　　　　;ヽ　　　　　　　　　ヾ　　　　`‐/⌒ヽ;:;:;:;:;:;:＼　　　　　　 ────━━━━┛
.　　　　　　　　ξ⌒ヽ{＼　　　　　　／;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ゞ

その多くがこの１６日から１７日にかけての合戦で命を落とすことになる
672： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 22:13:44 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　　　　　, -‐'　　　　　　　　, -─-､　｀ヽ､
　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　 /　　　　　＼　　ヽ
　　　　　　　　　　 |　　　/　　　 ⌒Y　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　ﾉ　　 /　　　　　从ﾍ　　　 l　　　　　　　〉
　　　　　　　　　　　/　　　|　ﾉ i　l　/　＾i　　　ﾉ　　　ヽ　　 /
　　　　　　　　　　 / 　 ,-､ﾚｲ |! ﾊl/　　　|　|　 |!　　　　 |　　 |
　　　　　　　　　　 |　 /-､|　ﾊﾄ､|`iｰ-､　ヽﾄ､ |ﾄ､　　　 |　　 |
　　　　　　　　　 }　| ノ | /　ヽ､ｆｊこﾄ`　ヾヽ!__ヽ i　/　）ﾉ
　　　　　　　　　　ﾉ　ﾍ　ﾚ'　　　　　　　　　ｨrヶ「|/　/ /
　　　　　　　　　　从　ﾄ､　　　　　　　　　 l　　　　彡/ /ﾉ
　　　　　　　　　　__」　ﾘ　|　　　　　　　　 |　　　　 /ｰｲ'´
　　　　　　　　　 | ｀ヽ､ﾉ　ヽ　　　　＿　　'´　　　／
　　　　　　　　 /　　　｀　-ヽ_　　　､｀￣　　／
　　　　　　　　 /　　　　　　　　７>､　　　／
　　　　　　　 r〈ヽ　　　　　　　 // /7ｧ___／ﾌ7ｧ
　　　　　,／´　＼＼　　　 // // /丁////７
　_,. - '´　　　　　｀ヽ｀ヽ､__ |」 // /　/|」// /
´　｀ヽ､　　　　　　　　｀ーｧ-､ｒｆ」 | ┴､// /

文永の役後に配られる恩賞の内、闕所地（管理者不在地）として配分される土地の多くが

松浦党の領地の近辺であることからも、この上陸地点で多くの人々が戦死したことを物語っている

　　　　　　　　　　.　　― -
　　　　　　　　／　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　 '
　　　　　　 /　＿__,　
　　　　　 _.ﾞｰ--　　＿__ 　　　　　 '　　　奴隷は何人いてもかまわん
　　　　　{::::ヽ　/　ﾉ.:::::::.ヽ　　　　 .i
　　　　　　fｔﾇ八zく_tﾂ　 )'　　{:ﾒ⌒, l　　　捉えられるだけ捉えておけ
　　　　　 }-仗　　ー＝´　　　}ミ　{｜
　　　　　｛r'　　_｀ヽ　、ヽ　　jﾐヌ, ｛＞-ｭ＿
　　　　　ｨ从ミｰﾊヌ从ミ　　　}入／　乂之}
　　＞. ´: :ﾊ亡亡亡亡j_/　　从ミ＞ﾆ.{＿_乂
. ::´: : : : 彡廴廴廴廴.ｲ　　斗ﾐﾊニ／_ニニ
. : : : : : 彡ｲ、__￣￣　 , 八ヾミ／_ニニニニ
. : : : ／彡彡ｨﾊﾒ　　.ﾊﾇくメハﾐ/_ニニニニニ
. : :彡'イ彡'イ彡ｲﾊ从从从イ / -ニニニニニ
＜. : : : : ´.イ彡彡彡彡彡く.〃_ニニニニニニ

また、避難に遅れた松浦党の領地の人々の多くが捕えられ元へ連れ去られている

その数は４００人を超えるとも言われ、対馬・壱岐と変わらない有様であったと伝えられている
673： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 22:14:48 ID:85swnSQg0: ┏━━━━────
　ここまでは元・高麗軍は快進撃と言っていい速度で進んでいる。だが
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ────━━━━┛

　　　　　　　　　　　　　／. :: :: ::_::_:: :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　.: :: :: :γ ﾄ、/lヽ :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　/.:.:.:.:. ::弋！V！ﾉ_:: :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　. {.:.:.:.:＞:: ::¨￣:: :: :: :｀＞x.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　､::≫=＝＝==≪.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　//州__: : : : : : : :｀＞≧≡= ≧､.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　{（:州へ≧=x ､≦rﾋﾞﾃ‐`　　川⌒ヽ:i　　　　　物資が足りない？
　　　　　　　　　　　゛¨沁 <ツゝi　!::''　　　､__彡ｲ/＾} ｝i
　　　　　　　　　　　　-=彡　　　|　　　　　　　￣　}!_ ﾉ/:i:i
　　　　　　　　　　　　　 j!　　 ,{、ﾑ )　　　）}　〔彡'州:i
　　　　　　　　　　　　　　 ∧　,ｨ升_守≧=≦ノ　 ,' _）)川:i:
　　　　　　　　　　　　　　辷彡ノ辷ﾆ≧≡'" 　 / ｰ=≦彡
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ　 `:::::7´　　　 ,:′　　从州
　　　　　　　　　　.　　　　　　　 ';　　　　　　／ ;;　　　/:/ﾆﾆ
　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.斗｀ー‐一升i/:ﾐ　／.:.:i二ﾆ
　　　　　　　　　　　　　　　,ｨ劣/∧､ _＿＿___,/／:: ::.:.:|二ﾆ
　　　　　　　　　　-‐: :: :,ｨ仁:i/:: ::∧:.:. :: :: :: :/: :: ::.:.:.:.:｣二ﾆ
　　　　　　　　　　: :: : /ﾆ二/: :: :: :∧:.: :: :: :/:: :: :__二=!≠ﾆ
　　　　　　　　　　: :: /ﾆ二/三二ﾆ=‐､: : ｒ=ニ￣: :: :: :|三二

三-'_ <二y'’　　ｌ　　　　　　　、 _ 　ヽ
´三二ニ7　　　　　　 ,　- .、　　　　｀ . l
ィ-=二シﾞ　　　　　ﾞ-=ゞへ、ヽ、　　　　ゝ
ｲ∧vlﾉ　　　　　　　　 -ｨﾆｭｪ.ﾍヽ,　　／j
ー}ﾍl.}、　　　　　　　ゞﾄ　.Q jヾゞj　ﾉ∠
/(　ゝﾊ　　　　　　　ヽ　ゞ-'' ﾞ,　　、 { Q}
ゝ)　ヽﾍ、　　　　　　　　　　　　　ゝヽ''l　　　ええ、正直なところ矢に関してはあと２，３回やりあえば
_ l_ y,　;;;;へ、　　　　　　＿ _ r　　ヽゝ.}
>-yj　　　　ヽ　　　　ゝ-　　 <＿、 _, ｝i　　　　完全に使い果たしそうですね
　　i　　　　　　　　　/ゝ-===>-、;;r=ｿ/
　　ｭ　　　　　　　　ｉ　ゝ- ー=　ーｒｨ
　　＼　　　　　　　　　　　　、　　　ｨ'
へ、_. ＼　　　　　　　　　　;;;￣　ﾞ´{　　　　　┏━━━━────
　　　へ、ヽ_、　　　　　　　　　　　/　　　　　　その快進撃も限界が近づいていた
-=、_;;;;;;;;;;;　ｭェｚ、　　　　　　,,　ｲ. .、　　　　　　　　　　　　　　────━━━━┛
＼　＼、;;;;;;;;;;;;;　＼ｒ-ﾆ-ｌｊﾘｧｲ;;/　　へ、＿ _
、　へ　　＼、_;;;;;;;;;;;;;;;;　　＼ｌﾘ;ｌｋ　　　　　ｌﾍ　　ﾍ-　-ーー-ｒ、
..＼、　　＼　　＼ﾍ、;;;;;;;;;;;;;;　　＼、＿　　　ｌヽ　　ヽ、　;;;;;;;;;; ｿ
　　＼　　　＼　　　＼k、　　　　　　　´　　　k　ヽ　　｀;;;;;;;;　人
　　　　　≧　　＞　　　　　＞　　;;;;;;;;;;;;≧　　　　　　ヽ;;;;;;;;;;;;;;　　ﾍ
674： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 22:15:52 ID:85swnSQg0: 　　　 /: :: :: ::r' ｢｀'v'´1ヽ: :: :: :: :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　 ': :: :: :: ::{　|_ｌ∨ｌ_|　}: :: :: :: :: :: :: :: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　{: :: :: :: :: ゝ __ 　 __ノ: :: :: :: :: :: :: :: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　ヽ: :: :-‐: :¨￣: :￣¨: :: :‐-: : _: :: :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　／: :: : ＿＿__　__＿＿＿＿＿_z≧.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.　　　高麗で製造した分に屯田兵が備蓄していた分
　　｀￣￣へ≧x､　　x≦三x＜¨`　　j三≧x:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　ｉﾐ', ｨてｵ}　j: >'てﾘ＞　　　 !ﾆﾆ／＾ヽ.:／　　　元から持ち込まれた分……相当数持っていたはずですが
.　　　　　 iﾐｌ　　¨´!　　｀¨'' 　　　　 lﾆﾆﾚく}　}ﾐ
　　　　　　ﾐi　　 /　　　　　　　　　　ミﾐ/ ,ク /ﾐ
　　　　　ｷr､　ヽｰ'ｧ､) 　　 ,.ｨ　　　ﾐミ}ノ／ミ
　　　　　　圦辷ﾁ彡_込三彡’　　　　　ー'州ﾘ
　　　　　　　ﾍ　¨`￣￣｀　　　　　 ,′{州≧=ｲ
　　　　　　　　ﾊ　　( ⌒｀''　　　　　　ノ　从辷彡’

.　　　　　　　　　　　　　　　／　／::::::::::,::,　-‐─==--- ､
　　　　　　　　　　　　　 /　／:::::::::∧' }ニヽ: : : : : : : : : :
　　　　　　　　　　 /γ¨ﾞ>= ,/!ヽ.}/￣￣￣¨¨　､: : : :
　　　　　　　　　　　　　,'　.{／　 /ヽ! /　．-─- 　　＼: :
　　　　　　　　　　 , /　| ,/ ´¨ｉ　{　/¨ ／: : : : : : : ＼　　＼
.　　　　　　　 /¨/.γﾞ⌒ヽ:. : |　 ¨ ／: : ．　⌒ヽ: .: :.＼
　　　　　　_．/ r'　 {　　、　＼ゞ=='': :／　　　　　}: : : :.:‘，
ヽ　_ ．≦三三{:　　Y :ｉ＼　 ‘， :／　ヽ､　ノ　　: : : ‘，
≦三三三三 /`ﾆニ}|　{　　＼.　Y　　　 }='}¨, 　　　　 Y　　　無理もない
三三三三三,' :::::::: γ　 .､__tｧ≧{　__≦三ゞ_ゞ､='　　　　 {{
三三三三三|::::::　　{:　　γ¨￣￣¨=--¨¨　`ｰ､}　　γ⌒ヽ`　　　行く島々で戦っているのだ。矢も尽きる
三三三三三| 　　 ,'r　 ¨￣¨=‐-　_　　　 r､.　}ヽ /　　　‘，
三三三三三|　　厶＿　　　　　　　　　　　 |　ヽ! 　}　　　　 }
三三三三三!γ´　:|::　 ¨=‐- 　　　　人_}＿_}`ｰ'　　　　 '
三三三三ニ| { ヽ　:|　　　ノ　 Yヽ___／　　　　　　　　 /　　┏━━━━────
＜三三三ニ| |`ﾄ､_ ‘，　´　　.从__}, 　　　　ー──--'　　　　元軍の陸戦は基本的に短弓の速射から始まる
　　-=ﾆニ=-| 乂　　`ｰ─　　¨　　　　　　　　　　　　　　　..:　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :────━━━━┛
.　　　　　 |　 _＞=､＿＿　=-　　　　　　　　　　　_＞ ´　.:
.　　　　　 |　|//////∧　￣¨t¨＝───　　¨　　　　..::::
.　　　　　　　', :l///////∧　　　＼　`ｰ--　　　--　　　...::::
675： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 22:16:26 ID:85swnSQg0: 　　　　　 ∧∧　　　　 ∧∧　　　　 ∧∧　　　　 ∧∧　
　　 /＼(ﾟ- ﾟ；)　　/＼(ﾟ- ﾟ；)　 /＼(ﾟ- ﾟ；)　 /＼(ﾟ- ﾟ；)　
　　<l―≪と )　∧∧‐≪と ∧∧‐≪と ∧∧‐≪と ∧∧　　　　　　┏━━━━────
　　ヽ／(,,/＼(ﾟ- ﾟ；)　/＼(ﾟ- ﾟ；)　/＼(ﾟ- ﾟ；)　/＼(ﾟ- ﾟ；)　　　　　　白兵戦に入る前に弓の飽和射撃で敵陣を弱体化させるのだが
　　　　　　<l―≪と )　∧∧‐≪と ∧∧‐≪と ∧∧‐≪と ∧∧
　　　　　　ヽ／(,,/＼(ﾟ- ﾟ；)　/＼(ﾟ- ﾟ；)　/＼(ﾟ- ﾟ；)　/＼(ﾟ- ﾟ；)　　当然ながらこの戦術は矢を大量に消費する
　　　　　　　　　　<l―≪と )　∧∧‐≪と ∧∧‐≪と ∧∧‐≪と ∧∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ────━━━━┛
　　　　　　　　　　ヽ／(,,/＼(ﾟ- ﾟ；)　/＼(ﾟ- ﾟ；)　/＼(ﾟ- ﾟ；)　/＼(ﾟ- ﾟ；)
　　　　　　　　　　　　　　<l―≪と )　∧∧‐≪と ∧∧‐≪と ∧∧‐≪と ∧∧
　　　　　　　　　　　　　　ヽ／(,,/＼(ﾟ- ﾟ；)　/＼(ﾟ- ﾟ；)　/＼(ﾟ- ﾟ；)　/＼(ﾟ- ﾟ；)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　<l―≪と ) <l―≪と )　<l―≪と ) <l―≪と )　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ／(,,_つ　ヽ／(,,_つ　ヽ／(,,_つ　ヽ／(,,_つ
676： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 22:17:22 ID:85swnSQg0: 　　　　　　 /:.:.:.:.i.: : : : : : : :.,r´⌒` 、 : : : : : : : }::＼
　　　　　　　　/:.:.:.:.:.|.: : : : : : : :.{ /∨ヽ.}: : : : : : : : .ｉ:.:.:.ヽ
　　　　　　　 |:.:.:.:.:.:|.: : : : : : : :.丶､__,．': : : : : : : : 丿:.:.:.:）
　　　　　　 i:.:.:.:.:.:.:i、 : :__,,.-ｬ=ァ~~￣~~了"べ亙:.:.:.:./
　　　　　　　　i.:.:.:.:.:.:`iｧ弋: : : : : : : : :.ﾄ､.: : : : : :.ノl|∨/
　　　　　　　　＼／＼,＿.: : : : : : : :.|,,,i、_,,.∠;斗l|l|ｲ
　　　　　　　　　,ゞ,l|l||´<込ﾆﾅｧーｰ亠 z弋才ゞ{l|れヽ　　　日本の矢は我々の弓で扱うには重すぎる
　　　　　　　　　i､丸l|{　.f　￣.,,/" }　!"ヾ,,￣　}ミ/ﾜﾘ
　　　　　　　　　ヾ`､_言ｌ.　　　　|　　　　　　./ﾐfｿ./　　　あるだけでやりくりしなければならないか
　　　　　　　　　　　＼_ﾐ. ｉ　　　i､,i_,jゞ, 　　 /　|／
　　　　　　　　　　　ノl`i、､_.．イ´彡ｪﾐ爻ﾞｼｪ;,.ｬ　i|`夊　┏━━━━────
　　　　　　　　　　　ﾙj;|ト`ｰ‐''""￣￣｀`゛゜`゛　ﾒ|ミﾐし　日本の矢は長弓用の物で重量があるため短弓では扱うことが出来ない
　　　　　　　　　　　彡廴＼ヽ.　~武才~ 　/ ／/_|父
　　　　　　　　　　　　ノ|:.:.ｉＶ＼!, 　　　　　／ｵ.ｉ:.:ト．_　　そのため、消耗品である矢は補給できなかったのだ
　　　　　_,,.．ｬヒ''"´ 斗:.:.:ｉﾍ.: :＼,_＿_,／ｼﾞ/: :.ｉ.:.:r-ゝ~"'ｰ- ,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,────━━━━┛

　　　　　　　　　　 .r-三r´ /rr三y=ニヽ
　　　　　　　　　／ﾍへ,. {< ｿl ,,r,,,二ニﾆヽ
　　　　　　　　　jﾆr='''- ﾟﾞ ´￣　　　,　ゞ三=ゝ
　　　　　　　　ｿﾆr ,　　　ー -　　　ヽ　ゞ二=k
　　　　　　　　rﾆ=' {　　　　　　　　　ｭz,,., ゞ二=y
　　　　　　　／ﾆr ,へ、　　　　／∠´ﾞ´. ゝjﾘl=k,
　　　　　　　 { / /´ﾞ｀二ヾｭ,　 .'ゞr ﾞQ ｧ,　　ﾘ}.}k ゞ _ =-、　　まぁ、博多か大宰府を落とせば敵も降伏するでしょう
　　　　　　　 yr,l　　ﾄ Q ヾ,.l　　ゝ￣　　ｲ, /、三ﾆニﾆ,
　　　　　　　〈y.lヾ　｀ﾞ´　 .l　　,＿_r=、　´}ﾍニ三-二ﾆ
　　　　　　　　{jﾆゝﾍ　 r- -r _, ,ｲﾆ=- ﾞ j　 .lﾊゞ三ニニﾍ
　　　　　　　　jlニ=ﾘl　<-= .＿ _ ー ,　　'　イl.ﾄ,ﾆニニy´
　　　　　　　/jニy j=ゝヽ　　r;;;;z　　　　.ィ, .lﾊﾆ,=jr;／
　　　　　　ｿ''ニ'=ﾉ /jﾄ、　　ﾞ　　　　 ./　l./　ﾄ-／　　;;;　　┏━━━━────
　　　　　　{{、ニ/´　ｿ　、, ヽ＿jkｧーｨー━y　r　　　;;;;;;y　　当時の元・高麗軍の主要攻撃目的は中国人居留地があり、
　　　　　　　ゞ>,ゝ　l!　rゝ-ﾄ-ヾ-、r-ｲ- ´_ ／　　／´シ　　　北九州経済の中心である博多
　　　　　　　,ソj　} ﾍ,- ´　-<;;;;;;＿ .-ーｙ ’　／;;;;ｨ´
　　　　　　　ゝr-{ﾘ'　　＿ -ﾌz　　／'' ﾉ　　/;;;;;;ｨ　　　r;;;　　　古代から外交窓口として使用されている大宰府の二つがあった
　　　　　　　　｛´ /´::::::ｨ''´　　／´ ノ　　ｲ;;;;;/　　　ィ;;;;;;　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ────━━━━┛
　　　　　＿＿r-k;;;ｨ´＿ _zｲ´ ／　　;;;/;;;;／　　／ ´ ￣
　　　　ｿ´ｪｭｲ´ --´　ー＿ｨry'　　　;;;/;;;;ｨ　　　´
677： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 22:17:51 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　　.　　― -
　　　　　　　　／　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　 '
　　　　　　 /　＿__,　
　　　　　 _.ﾞｰ--　　＿__ 　　　　　 '
　　　　　{::::ヽ　/　ﾉ_::::::.ヽ　　　　 .i　
　　　　　　fｔﾇ八zく_tﾂ　 )'　　{:ﾒ⌒, l　　　　　　　落とすなら大宰府の方が良い
　　　　　 }-仗　　ー＝´　　　}ミ　{｜
　　　　　｛r'　　_｀ヽ　、ヽ　　jﾐヌ, ｛＞-ｭ＿　　ただ、水城とやらを陥落させるとなると１日では厳しいな
　　　　　ｨ从ミｰﾊヌ从ミ　　　}入／　乂之}
　　＞. ´: :ﾊf´二二二｀ヾ　　从ミ＞ﾆ.{＿_乂　　┏━━━━────
. ::´: : : : 彡 }. : : : : : : : : } j .斗ﾐﾊニ／_ニニ　　　　優先順位は大宰府の方が圧倒的に上だが
. : : : : : 彡ｲ辷f辷f辷f_ハ八ヾミ／_ニニニニ
. : : : ／彡彡, ´￣｀　　乂从ミ./_ニニニニニ　　　太宰府へ軍団を通すには水城を通過する必要があった
. : :彡'イ彡'イﾒ从从ﾇくﾐ从从 / -ニニニニニ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　────━━━━┛
＜. : : : : ´.イ彡彡彡彡彡く.〃_ニニニニニニ
678： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 22:18:17 ID:85swnSQg0: 　　　　　＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,,―- ..,,_　　._,,　　　　 . 1：博多
　　　　　　　　ｌ゛　.ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　　,,..　-'"　　　　 '|'‐'゛ .|　　　２：大宰府
　　　　　　　　!　 ./ 　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　 /　　 !　　　３：水城
　　　　　　　　ﾞ'"　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　 . / 　　 .l　　　●：１７日時点での位置
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i'①　　　　　　 / 　　　　.ｌ,　　　　　　　　　　　　,､
　　　　　　　　　　　　　 ● 　　 i‐'"ﾞ´ﾞ''-....-′ 　　　　 / 　　　　　 .ヽ　　　　　　　　　／　.＼
　　　　　　　　　 ,i''''―､　　　 lﾞ　　　　　　　　　③　　　 l、　　　　　｀''ｰ-z＿＿　 . / 　　　　`'､
　　　　　　　　ィ'''''"　　　 !　./'"ヽ　　　　　　　　　②　　　　＼　　　　　　　　　　｀{″　　　　　 . |
　　 ,,--、　　　｀¨¨|　　　｀´　　ゝ　..,,＿_　　　　　　　　　　｀'､　　　　　　　　　　　　ｌ,　　　　　 }
　 ./ 　　｀''''^＼＿__｢　　　　　　　　　￣ﾞﾞ"'ｰ ..、　　　　　.,ﾒ､_　　　　　　　　　　　 !　　　　　　│
. / 　 !¨¨}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ﾉﾞ''-,,,　　./　　｀ﾞ''ｰ- ..,,,,,__　　　　./　　　　 . _,,ﾉ
.ﾞ'―'"　.i'"　　　　　　　　　　　　　　　　／゛　　　 .｀ﾞ''ｲ　　　　　　　￣￣´゛　　../ ''"゛
　　　　 . ＼　　　　　　　　　　　　_r‐z__ 　　／　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　廴
　　　　　　 .｀¨¨¨ヽ　　　　　 /　　　ｌ''"´　　　　　　　 |　　　　i､　　　　　　　　　　　`''''"´ﾞゝ__r-､
　　　　　　　　　　｀ﾞ'';;　　　　 ./ 　　　　.ｌ　　　　　 ,,,,,,,、　│　　　,! ＼　　　　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　 ./'''､　　　 .ｌ,　　　＼　　　　　ヽ　　　　　／　　｀ﾞ''┴----″　.ヽ　　　　　　　　　　　　　　　＼,,,、
　　　　　　.i′　!　　　 .ヽ　　　　ｌ　　　　　ゝ＿-‐'"　　　　　　　　　　　　　　ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　　/

地図だけならば南下するだけなのだが、実際は少々事情が異なる
679： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 22:19:23 ID:85swnSQg0: |　　|　　　　　 |｜|　　　　　　　　　　　　　　　　 |　|／|　　| |
|　　|　　　　　 | 同　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　| l l|　　|'´
|　　|　　　　　 | 凶　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ｲ同］l l|　　|
|　　|　　　　　 |｜|　　　　　　　　　　　　　　　　　. イ! | 凶］'´|　　|
|　　|　　　　　 |｜|　　　　　　　　　 _ .. ＜ l 川↓|　|　 |　　|
|　　|　　　　　 |｜|　　　　_ ....　-┬　i T^｢| l ! l_j..L!イ＾ |　|　 |　　|
| r ┤ 　　　　 |''ｈ|'ＴＴ＾「 |｜| | ｌ_|_..⊥-┴Ｔ＾　 |　　|　 |　|　 |　　|
| | i |　　　　　 |止|⊥ｰ┼ 　 '^「ﾞ　　 |　　｜　 |　　|　 |　|　 |　　|
| | l |　　　　　 |｜|　|　｜　　 |　　　｜　　|　　 |　　|　 |　|　 |　　|
| L._|　　　　（X）|｜|　|　｜　　 |　　　｜　　|　　 |　　|　 |　|　 |　　|
|l文l|￣|　　　.:|| :|｜|　|　｜　　 |　　　｜　　|　　 |　　|　 r‐┐ |┐｜
|　　|　 |　　　.:|| :Ｌ|｜_|　｜　　 |　　　｜　｜　 |　　|　 L. ｣　|｜｜
|　　|　 |　　　.:|| :|..|｜:. ￣　 :￢┴-　..._l._ 　 |　　 |　　|　 |　|　 |┘｜
|　　|　 |　　　.:|| :|''|｜､.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `ｰＬ_　 |　　|　 r‐┐ |＿,.|
|　　|　 |　　　,.||'ﾞ .:Ｌｌ:} } :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾞＬ.._ |　 L. ｣　| l ｌ |
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現在博多から大宰府に向かう場合は国道３号線を南下するのだが

この国道はかつての官道とほぼ同じルートを通っている
680： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 22:20:05 ID:85swnSQg0: 　　　　　　;;⌒　　、
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そして、この国道３号線は太宰府市に入るあたりで谷間を超えるようなルートになっている

その谷間を超えるあたりの地名は「水城」
681： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 22:20:51 ID:85swnSQg0: ＿|￣[|＿|￣[|＿|￣[|＿|￣[|＿|￣[|＿|￣[|＿|￣[|＿|￣[|＿|￣[|＿|￣[|＿|￣[|＿|￣[|＿|￣[|＿|￣[|＿|￣[|＿|￣[
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そう、水城というのは谷間を走る官道を塞ぐ形で形成された城塞で、場所も南西に矢岳

北東に乙金山という二つの山をつなげるような形で形成されているのである

　　　　 ∧∧ 　　　　　　 ∧∧ 　　　　　　 ∧∧ 　　　　　　 ∧∧
　　　 (；ﾟへﾟ)／ヽ　　　 (；ﾟへﾟ)／ヽ　　　 (；ﾟへﾟ)／ヽ　　　 (；ﾟへﾟ)／ヽ
　　　　(　つ≫―l>　　　　(　つ≫―l>　　　　(　つ≫―l>　　　　(　つ≫―l>
（Ｘ）三三三三三|￣|三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三|￣|三三三三三三（Ｘ）
（Ｘ）三三三三三|　 |三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三|　 |三三三三三三（Ｘ）
（Ｘ）三三三三三|　 |三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三|　 |三三三三三三（Ｘ）
（Ｘ）三三三三三|＿|三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三|＿|三三三三三三（Ｘ）
"'"'"'"'"'"'"''""'"'"'"'"'"'"''""'"'"'"'"'"'"''""'"'"'"'"'"'"''""'"'"'"'"'"'"''""'"'"'"'"'"'"''""'"'"'"'"'"'
:;; ;::; :; :;:; ::; ;:; :;:; :; :; ::; ;:; :;:; :; :; ::; ;:; :;:; :; :; ::; ;:; :;:; :; :; ::; ;:; :;:; :; :; ::; ;:; :;:; :; :; :;:; ;:; :;:; :; :; :; :; :; :; :; :;
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"'"'"'"'"'"'"''""'"'"'"'"'"'"''""'"'"'"'"'"'"''""'"'"'"'"'"'"''""'"'"'"'"'"'"''""'"'"'"'"'"'"''""'"'"'"'"'"'

元軍もかつての騎馬民族というわけではなく、対南宋戦で攻城戦の経験は積んでる

だが、それでも城を陥落させるとなれば相応の時間がかかる
682： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 22:21:37 ID:85swnSQg0: 　　　 /: :: :: ::r' ｢｀'v'´1ヽ: :: :: :: :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　 ': :: :: :: ::{　|_ｌ∨ｌ_|　}: :: :: :: :: :: :: :: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　{: :: :: :: :: ゝ __ 　 __ノ: :: :: :: :: :: :: :: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　ヽ: :: :-‐: :¨￣: :￣¨: :: :‐-: : _: :: :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　／: :: : ＿＿__　__＿＿＿＿＿_z≧.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.　　　となれば、博多ですが……
　　｀￣￣へ≧x､　　x≦三x＜¨`　　j三≧x:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　ｉﾐ', ｨてｵ}　j: >'てﾘ＞　　　 !ﾆﾆ／＾ヽ.:／　　　良弼殿の持って帰ってきた地図には博多に堀が巡らされていましたな？
.　　　　　 iﾐｌ　　¨´!　　｀¨'' 　　　　 lﾆﾆﾚく}　}ﾐ
　　　　　　ﾐi　　 /　　　　　　　　　　ミﾐ/ ,ク /ﾐ
　　　　　ｷr､　ヽｰ'ｧ､) 　　 ,.ｨ　　　ﾐミ}ノ／ミ　　　┏━━━━────
　　　　　　圦辷ﾁ彡_込三彡’　　　　　ー'州ﾘ　　　　元・高麗軍は最低限の地理は把握できていた
　　　　　　　ﾍ　¨`￣￣｀　　　　　 ,′{州≧=ｲ　　　というのも――
　　　　　　　　ﾊ　　( ⌒｀''　　　　　　ノ　从辷彡’　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ────━━━━┛

　　　　　　　　　,＿＿
　　　　,. ≦三ミ彡=ﾆ＼
.　　 // 彡ｨ'￢''^ ー=ミヽ
　　　i〃彡'　,=､― ,=､ {ﾐ}　　地図を作っておきましょう
　　ｒｈ, f＝=r＝ｯｰｒ＝ｖゞ!
　　 { ｒ) 　　ー.'._ ,ゝ-'.::Y}
　　.ゝ、　　　ｨnmmx　.:::;ﾘ　　┏━━━━────
. イ:|::::iヽ　　　　 ,,　　.:::,′　　博多に滞在している間、暇な時間を利用して
::::::::|::::|　＼　　　 .::　.:::∧
::::::::|:::::.、　ヽ..__.:∠:.イ＼＼　　周辺の地図をちゃっかり作成していたのである
::::::::|::::::::::.、　　厂{　|::::::ヽ:::ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　────━━━━┛
683： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 22:22:26 ID:85swnSQg0: 　　　　　　 /:.:.:.:.i.: : : : : : : :.,r´⌒` 、 : : : : : : : }::＼
　　　　　　　　/:.:.:.:.:.|.: : : : : : : :.{ /∨ヽ.}: : : : : : : : .ｉ:.:.:.ヽ
　　　　　　　 |:.:.:.:.:.:|.: : : : : : : :.丶､__,．': : : : : : : : 丿:.:.:.:）
　　　　　　 i:.:.:.:.:.:.:i、 : :__,,.-ｬ=ァ~~￣~~了"べ亙:.:.:.:./
　　　　　　　　i.:.:.:.:.:.:`iｧ弋: : : : : : : : :.ﾄ､.: : : : : :.ノl|∨/
　　　　　　　　＼／＼,＿.: : : : : : : :.|,,,i、_,,.∠;斗l|l|ｲ　　　空堀とはいえ防御は防御
　　　　　　　　　,ゞ,l|l||´<込ﾆﾅｧーｰ亠 z弋才ゞ{l|れヽ
　　　　　　　　　i､丸l|{　.f　￣.,,/" }　!"ヾ,,￣　}ミ/ﾜﾘ　　　攻城器具を持っていない我々では苦戦は免れませんな
　　　　　　　　　ヾ`､_言ｌ.　　　　|　　　　　　./ﾐfｿ./
　　　　　　　　　　　＼_ﾐ. ｉ　　　i､,i_,jゞ, 　　 /　|／　　　┏━━━━────
　　　　　　　　　　　ノl`i、､_.．イ´彡ｪﾐ爻ﾞｼｪ;,.ｬ　i|`夊　　　おかげで道には迷わなかったようだが、そこには無視できない
　　　　　　　　　　　ﾙj;|ト`ｰ‐''""￣￣｀`゛゜`゛　ﾒ|ミﾐし
　　　　　　　　　　　彡廴＼ヽ.　~武才~ 　/ ／/_|父　　　　情報があった。博多にめぐらされた空堀である
　　　　　　　　　　　　ノ|:.:.ｉＶ＼!, 　　　　　／ｵ.ｉ:.:ト．_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ────━━━━┛
　　　　　_,,.．ｬヒ''"´ 斗:.:.:ｉﾍ.: :＼,_＿_,／ｼﾞ/: :.ｉ.:.:r-ゝ~"'ｰ- ,,

　　　　　　　　　　 .r-三r´ /rr三y=ニヽ
　　　　　　　　　／ﾍへ,. {< ｿl ,,r,,,二ニﾆヽ
　　　　　　　　　jﾆr='''- ﾟﾞ ´￣　　　,　ゞ三=ゝ
　　　　　　　　ｿﾆr ,　　　ー -　　　ヽ　ゞ二=k
　　　　　　　　rﾆ=' {　　　　　　　　　ｭz,,., ゞ二=y
　　　　　　　／ﾆr ,へ、　　　　／∠´ﾞ´. ゝjﾘl=k,
　　　　　　　 { / /´ﾞ｀二ヾｭ,　 .'ゞr ﾞQ ｧ,　　ﾘ}.}k ゞ _ =-、　　ふむ……
　　　　　　　 yr,l　　ﾄ Q ヾ,.l　　ゝ￣　　ｲ, /、三ﾆニﾆ,
　　　　　　　〈y.lヾ　｀ﾞ´　 .l　　,＿_r=、　´}ﾍニ三-二ﾆ　　ならば１か所良いところがありますな
　　　　　　　　{jﾆゝﾍ　 r- -r _, ,ｲﾆ=- ﾞ j　 .lﾊゞ三ニニﾍ
　　　　　　　　jlニ=ﾘl　<-= .＿ _ ー ,　　'　イl.ﾄ,ﾆニニy´
　　　　　　　/jニy j=ゝヽ　　r;;;;z　　　　.ィ, .lﾊﾆ,=jr;／
　　　　　　ｿ''ニ'=ﾉ /jﾄ、　　ﾞ　　　　 ./　l./　ﾄ-／　　;;;　　┏━━━━────
　　　　　　{{、ニ/´　ｿ　、, ヽ＿jkｧーｨー━y　r　　　;;;;;;y　　　城壁に比べれば楽ではあるが、基本的に攻城能力に乏しい現状では
　　　　　　　ゞ>,ゝ　l!　rゝ-ﾄ-ヾ-、r-ｲ- ´_ ／　　／´シ
　　　　　　　,ソj　} ﾍ,- ´　-<;;;;;;＿ .-ーｙ ’　／;;;;ｨ´　　　　　　厳しいのは変わりがない。何より物資の融通ができない分次は橋頭堡を
　　　　　　　ゝr-{ﾘ'　　＿ -ﾌz　　／'' ﾉ　　/;;;;;;ｨ　　　r;;;
　　　　　　　　｛´ /´::::::ｨ''´　　／´ ノ　　ｲ;;;;;/　　　ィ;;;;;;　　　取らなければならなかった
　　　　　＿＿r-k;;;ｨ´＿ _zｲ´ ／　　;;;/;;;;／　　／ ´ ￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　────━━━━┛
　　　　ｿ´ｪｭｲ´ --´　ー＿ｨry'　　　;;;/;;;;ｨ　　　´
684： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 22:23:01 ID:85swnSQg0: 　　　　爪三lニ三ｿ弐/ニ二ーゝ、＿ _
　　笊三二ニゞ川''ﾞゞ'''-r ニ二三二ニ-ヽ、
　ｨニ二三ﾐﾞ´´　　　　　　　ゞ-三二ニ-ニヽ-ニk
　/二ニﾐﾟ;　　　　 _ _　　-　　　ゞ三≧-ニ≠シニ-
. j=ニ二!'l;;　　 -　　　　　　ｨ=ｭァ' ゝ-＝ニ∠ニ三
∠ニ二ｊ　ﾄ_　__　　　　　　ｨｙ'' _,_, ヽ} ヽ三二ニ＝ー
ゞ刀ニﾐ /ｭ--=ゞｭzr　　ゝ.r　- 、ヾ　　l=ｋ-jニ二三　　ここなら大宰府と博多を分断できるし、他の所より見通しがいい
. }二ニミ!　ゞ- ーｭ;ヽ　　' 、ゞﾂ,ｨ　　　ｊ、＝-ニ二-
∧三二ﾐﾄ- 《, ゞう,ノ,::ﾍ　　　=　　　　　ｿ=//ニ三三　　ここを確保して橋頭堡としましょう
ニ二三∧　　ﾞ'' '' '　　:;:ｊ　　　、_,　,ュ　 /ｌ_/三二ニ=
三ニ=ｌゝヽ　　　　　　 /´_　　ﾉ! ＿ｙﾄ　　ｌ:}三二ニ=
三三=ヽヽヽ、　　-,　 _ゞ;;''ｚソ-ﾟー''. ｊ　　ｊゝ-　￣
三三二へ、ゝ　　ゞｒ{「＿　ー‐'　_, '　　　/　ｌゝ:::
三＝ニ二=ゞ.ヽ　　ヽ　　-ｒ=- ｿ'　　　 /::　.ｊ}】::::　　　┏━━━━━────
三三三三=入ゞ、　　　　　ヽ;;　　　　　ｊ::　　】 }::::　　　元・高麗軍が最低限求めていた条件は三つ
三三＝入:::::ヽ　ヽゝ . 、　　　　ｒ、　／ｌ::　　ｌｌ::::
／　　　　　:::::ヾ　ヽ　　へ、k=jﾘアｿf''　　　　l j:::::　　　博多と大宰府を監視できること、防御が容易なこと、本陣である船を
l;;;　　　　　　:::::ﾍﾍ　　　　　　弋川;ｿ'　　　　　j彳
ヘ;;;　　　　　 :::::::ヽ　ヾ　　　　　　ゞj　　　　　 r:::´　　　　後方に置くだけの距離が稼げること
　ヽ;;;　　　　　　::::ヽ、ヽ　　　 r _　__ ｨ;;　　 j/:::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:────━━━━┛
　　ヽ;;;　　　　　　:::::丶丶　　　ゝ;:;:;:;:;:;:　　 ∠::::ﾞ
　　　ヽ;;;;　　　　　　::::::ゝﾍ　　　　ﾍ;:;:;　　∠::::
　　　　ﾍ;;;;;　　　　　　　ﾞﾟ ¨ゞｭzｪ-　-∠::::
　　　　　＼;;;;
685： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 22:23:45 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　　　　, =-‐ﾆニニミヽ､
　　　　　　　　　　,ｨ´ｨ,ｨ'"´_=-‐-=､｀ヾヽ
　　　　　 .,r‐‐=///´r''´⌒､_∧_⌒,=､ヽヽ､____
ｰ＜´￣~¨7　 .///f´｀,ｨゝ‐''.〈ﾊ〉￣ゝ‐'､ヾヽ｀ヽ＼r‐-､
ヽ　ヽ＿/　.///r‐f´　　　〈ﾊ〉　　　　f｀Ｙ:l‐-､. }　　l‐-､
　ﾞｖ''"´　｀ヽ{ i l｀/'"//⌒ヽ. 〈_〉 .／⌒ヾ､ l l､　｀ヽノ´｀,､´ヾ
　 }ゝ､ __, ｨ'"l l: Ｙ｀i l l (⌒ヽヽ__/´,ｨ'⌒) l l_l_l､ゝ ___）´｀　⌒
　 .l｀ｰ---'''"l l:..l　rf⌒ l`x､｀ v ´)ヽ,ｨ' ff´ ﾊ｀ｰ-‐'i ´｀ ,,､　　　確かにここなら問題なさそうだな
　　l　　　　 l l八ﾉｌヽrｉﾞゞﾆﾞ､_|_,∠´､",r｀Ｙﾉ　　　　l
　　l　　　　_　ﾍ∨ゝ. /.f´ｌ:.'´-三-｀ﾞl｀iヾ　ﾊ'"　　　　 l
　 .ハ,ｨ'"´:::ﾍ　/／ヽ,,｀ゝ{ ,＞＝＜ }‐'"rﾍ l.　　　　　 l　　　┏━━━━────
　.ﾉ //////∧'"ヽ､ﾞゝﾊ'´ヾ　　,ｲﾊ　ノ,ｨﾍl ／⌒ヽ　l　　　　博多周辺でこの条件を満たす土地は一つしかなかった
:./　l///////,｀＞-､　八_,,｀ー‐‐'__ﾉ´　,,ｨ'"/////}　l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　────━━━━┛
/　ゝ///////////｀ｰ=i　｀ー―'　 ,ｨ'´////////ﾉ　l
　　　｀､////////////l　l7777l　l´/////八￣　　 /
　　_ =-‐'"///////＞'"_ ヾ//ノ　l////////｀＞.　/

　　　／. :: :: ::_::_:: :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　.: :: :: :γ ﾄ、/lヽ :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.:.
　/.:.:.:.:. ::弋！V！ﾉ_:: :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.
. {.:.:.:.:＞:: ::¨￣:: :: :: :｀＞x.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　､::≫=＝＝==≪.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　//州__: : : : : : : :｀＞≧≡= ≧､.:.:.:.:.:.
　{（:州へ≧=x ､≦rﾋﾞﾃ‐`　　川⌒ヽ:i
　゛¨沁 <ツゝi　!::''　　　､__彡ｲ/＾} ｝i　　　とりあえず、そこを取ってからですな
　　-=彡　　　|　　　　　　　￣　}!_ ﾉ/:i:i
　　　 j!　　 ,{、ﾑ )　　　）}　〔彡'州:i
　　　　 ∧　,ｨ升_守≧=≦ノ　 ,' _）)川:i:
　　　　辷彡ノ辷ﾆ≧≡'" 　 / ｰ=≦彡
　　　　　　ﾍ　 `:::::7´　　　 ,:′　　从州
.　　　　　　　 ';　　　　　　／ ;;　　　/:/ﾆﾆ　　┏━━━━────
　　　　　　 ,.斗｀ー‐一升i/:ﾐ　／.:.:i二ﾆ　　　刀伊の入寇の際にも防御と監視の拠点として利用され――
　　　　　,ｨ劣/∧､ _＿＿___,/／:: ::.:.:|二ﾆ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　────━━━━┛
-‐: :: :,ｨ仁:i/:: ::∧:.:. :: :: :: :/: :: ::.:.:.:.:｣二ﾆ
: :: : /ﾆ二/: :: :: :∧:.: :: :: :/:: :: :__二=!≠ﾆ
: :: /ﾆ二/三二ﾆ=‐､: : ｒ=ニ￣: :: :: :|三二
686： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 22:24:18 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　　.　　― -
　　　　　　　　／　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　 '
　　　　　　 /　＿__,　
　　　　　 _.ﾞｰ--　　＿__ 　　　　　 '
　　　　　{::::ヽ　/　ﾉ_::::::.ヽ　　　　 .i　　　決まりだな
　　　　　　fｔﾇ八zく_tﾂ　 )'　　{:ﾒ⌒, l
　　　　　 }-仗　　ー＝´　　　}ミ　{｜　　部隊が再編され次第、そこを目指すぞ
　　　　　｛r'　　_｀ヽ　、ヽ　　jﾐヌ, ｛＞-ｭ＿
　　　　　ｨ从ミｰﾊヌ从ミ　　　}入／　乂之}　　┏━━━━────
　　＞. ´: :ﾊf´二二二｀ヾ　　从ミ＞ﾆ.{＿_乂　　　江戸時代には福岡城が築かれることになる土地
. ::´: : : : 彡 }. : : : : : : : : } j .斗ﾐﾊニ／_ニニ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ────━━━━┛
. : : : : : 彡ｲ辷f辷f辷f_ハ八ヾミ／_ニニニニ
. : : : ／彡彡, ´￣｀　　乂从ミ./_ニニニニニ
. : :彡'イ彡'イﾒ从从ﾇくﾐ从从 / -ニニニニニ
＜. : : : : ´.イ彡彡彡彡彡く.〃_ニニニニニニ

　　　　　　;;⌒　　、
　　　（;;;　,,;;　　　　ヽ、　_,,,...:-‐‐=-..,,,_
　　　　　　 (＿,,, 　;;ノ,r'"::　::　 γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ　、
　　　　　　　　　 ,,r'"::　::　:...　　｜　　　　　　　　赤坂山を　　　　　　 |ヽ、
　　　　　　　　,:r':::　::　.:::　::　　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ;;ノ
　　　　　　,r'":::..　..::　..:::.　....　　　　　 :　 ::　　:;　:: ::.　::`'::､_
　　　　,r'"::::　　...:::　:...:::　::　;,,, - '''' ''':‐-,, ,,　　　　　　::.　::`'::､_　　　　　　　　　 __,, - ''""
　　,r'"...::::..　......:::::　　　　　　　　　　　　　　" ''''‐- ,..,,,...　　__,, -‐- ,...　.-‐‐''''"
,r'":::,,,,,,　:::::......::::::　...　　　　　　　　　　　　　　　_,, - ''" ""'''"" `'' -,..
　　:::.....　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-‐"　　　　　　　　　　　　 "''　-‐‐‐-,..,,.　┏━━━━─
　　　　　::::,,,::;;;;:::::::: :::::;;;;;::::::: ;;:::::;::;;;;::::,:::::;;;;;::;;; :::,,::::::: ::::; ;;;;:::::::;;; :::,,:::::::::::::;;,,,　　　　　　　赤坂である
　　...:::::;;:::::::::::;;;;,::::::::::::::::::::://::::,,;;;;:::::::::::;;;;:::::::: :::::;;;;;::::::: ;;:::::;::;;;;:::;;::;::::://:::::::.::::;;:.......　　　 ─━━━━┛
　::::;;; :::,,::::::: ::::; ;;;;:: :::::::::: //...::::.::::;;;;:;;;;;,:;;;;;::;;;;;;;;;;:::::::::: :::::::: ;;;;;;;;;;;; :::://:;::::::::::;;;::::::;;::::::::...,,,
WWWwwwjij,,.、,、,,,vWWwjjwvjiiijwwiijijyyywWwWWjjwv,,.、,、,,,jiiijwwiijijyyviiijwiijijywWw
',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',','',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',','',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',
687： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 22:24:47 ID:85swnSQg0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼
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　　　　　　　　　　　【やる夫は元寇を戦い抜くようです】

　　　　　　　　　　　　　　文永の役/蒙古襲来　了
688： ◆q/QapWeGMk：2014/09/23(火) 22:25:37 ID:85swnSQg0: 少々短いですが、今回の投稿分は以上になります

なるべく早く次回の投稿を行いたいと思っております
689：名無しのやる夫だお：2014/09/23(火) 22:36:01 ID:pKt8hmRk0: 乙でした～
690：名無しのやる夫だお：2014/09/23(火) 22:43:49 ID:V/3Khz8o0: 乙～
691：名無しのやる夫だお：2014/09/23(火) 22:57:46 ID:Yg528Xi.0: 乙でした
692：名無しのやる夫だお：2014/09/23(火) 23:51:19 ID:Dyf9pHjM0: 乙
693：名無しのやる夫だお：2014/09/23(火) 23:58:30 ID:OnmuNHVk0: 乙
694：名無しのやる夫だお：2014/09/24(水) 00:15:31 ID:M3G/lleo0: 乙でした
この時代には大濠公園とかないもんなぁ
695：名無しのやる夫だお：2014/09/24(水) 02:51:35 ID:7yWEvpfo0: 乙でした。
696： ◆q/QapWeGMk：2014/12/07(日) 23:40:02 ID:ZD0oFZXs0: すみません、ただ今鋭意制作中ですが卒論の草稿を今年中に完成させないと大目玉を食らいますので年末ごろまでまとまった時間が取れません
おそらく次の更新は年明けになります。お待たせして申し訳ありません
697：名無しのやる夫だお：2014/12/07(日) 23:46:21 ID:ujB/xwII0: 了解です
リアルお大事に
698：名無しのやる夫だお：2014/12/10(水) 03:33:45 ID:neezrWGI0: 大学4回生だったのかw
699： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 00:49:43 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼
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　　　　　　　　　　　【やる夫は元寇を戦い抜くようです】

２月２日　１６時ごろから第八話「文永の役/赤坂攻防戦」を投下いたします
700：名無しのやる夫だお：2015/02/02(月) 05:34:40 ID:8OsX.two0: wktk……って、16時？！
701： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 11:10:18 ID:f7dzBggw0: 睡眠前に急いで書きこんだら変な時間になってもうた
本日１８時から投稿の間違いでした。訂正します
702： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 17:48:07 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　　　　　　　／＼
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　　　　　　　　　　　　　　　　　＼____＼／____／
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　　　　　　　　　　　【やる夫は元寇を戦い抜くようです】

　　１８時より投下を開始します
703：名無しのやる夫だお：2015/02/02(月) 17:57:00 ID:8OsX.two0: wktk
704： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 17:59:46 ID:f7dzBggw0: 投下を開始します。しばらくの間お付き合いを

――松浦党と周辺の武士団との戦闘から３日

　　　　　＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,,―- ..,,_　　._,,　　　　 . 1：博多
　　　　　　　　ｌ゛　.ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　　,,..　-'"　　　　 '|'‐'゛ .|　　　２：大宰府
　　　　　　　　!　 ./ 　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　 /　　 !　　　３：水城
　　　　　　　　ﾞ'"　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　 . / 　　 .l　　　●：20日時点での位置
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i'①　　　　　　 / 　　　　.ｌ,　　　　　　　　　　　　,､
　　　　　　　　　　　　　　　　 i‐'"ﾞ●ﾞ''-....-′ 　　　　 / 　　　　　 .ヽ　　　　　　　　　／　.＼
　　　　　　　　　 ,i''''―､　　　 lﾞ　　　　　　　　　③　　　 l、　　　　　｀''ｰ-z＿＿　 . / 　　　　`'､
　　　　　　　　ィ'''''"　　　 !　./'"ヽ　　　　　　　　　②　　　　＼　　　　　　　　　　｀{″　　　　　 . |
　　 ,,--、　　　｀¨¨|　　　｀´　　ゝ　..,,＿_　　　　　　　　　　｀'､　　　　　　　　　　　　ｌ,　　　　　 }
　 ./ 　　｀''''^＼＿__｢　　　　　　　　　￣ﾞﾞ"'ｰ ..、　　　　　.,ﾒ､_　　　　　　　　　　　 !　　　　　　│
. / 　 !¨¨}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ﾉﾞ''-,,,　　./　　｀ﾞ''ｰ- ..,,,,,__　　　　./　　　　 . _,,ﾉ
.ﾞ'―'"　.i'"　　　　　　　　　　　　　　　　／゛　　　 .｀ﾞ''ｲ　　　　　　　￣￣´゛　　../ ''"゛
　　　　 . ＼　　　　　　　　　　　　_r‐z__ 　　／　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　廴
　　　　　　 .｀¨¨¨ヽ　　　　　 /　　　ｌ''"´　　　　　　　 |　　　　i､　　　　　　　　　　　`''''"´ﾞゝ__r-､
　　　　　　　　　　｀ﾞ'';;　　　　 ./ 　　　　.ｌ　　　　　 ,,,,,,,、　│　　　,! ＼　　　　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　 ./'''､　　　 .ｌ,　　　＼　　　　　ヽ　　　　　／　　｀ﾞ''┴----″　.ヽ　　　　　　　　　　　　　　　＼,,,、
　　　　　　.i′　!　　　 .ヽ　　　　ｌ　　　　　ゝ＿-‐'"　　　　　　　　　　　　　　ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　　/

再編を終えた元・高麗は早良郡へと上陸。東進の構えを取った

　　　　　　　　　　.　　― -
　　　　　　　　／　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　 '
　　　　　　 /　＿__,　
　　　　　 _.ﾞｰ--　　＿__ 　　　　　 '
　　　　　{::::ヽ　/　ﾉ.:::::::.ヽ　　　　 .i
　　　　　　fｔﾇ八zく_tﾂ　 )'　　{:ﾒ⌒, l
　　　　　 }-仗　　ー＝´　　　}ミ　{｜
　　　　　｛r'　　_｀ヽ　、ヽ　　jﾐヌ, ｛＞-ｭ＿
　　　　　ｨ从ミｰﾊヌ从ミ　　　}入／　乂之}
　　＞. ´: :ﾊ亡亡亡亡j_/　　从ミ＞ﾆ.{＿_乂
. ::´: : : : 彡廴廴廴廴.ｲ　　斗ﾐﾊニ／_ニニ
. : : : : : 彡ｲ、__￣￣　 , 八ヾミ／_ニニニニ
. : : : ／彡彡ｨﾊﾒ　　.ﾊﾇくメハﾐ/_ニニニニニ
. : :彡'イ彡'イ彡ｲﾊ从从从イ / -ニニニニニ
＜. : : : : ´.イ彡彡彡彡彡く.〃_ニニニニニニ

元・高麗共に右、中、左の三部隊を編制。一軍として運用する形である
705： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:00:56 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　　　　　　|!　ﾄヽヽ,＼__　__,、
　　　　　　　　　　　　 f ,i !- ':´ ￣￣ヽ.　ヾトｨ',ｨ, ,.ィ__
　　　　　　　　　　　 __∠　　　 ― 二 =､ヾY,}:i:iK '｀　　｀てｲｰzｨ
　　　　　　　　　　 `斗ﾚ'　　　￢ .＜ヾﾄ､　Y}:}:j厶- - ､　　　　　　`ｔ__
　　　　　　　　　　 __ノ’ ,.　　--､ヽ.＼ヽ:Y!iv厂 --一-　｀`、　　　　 `^戈__,＞`ヘ
　　　　　　　　　 __Z　　 , ィ'´fiﾐ__Yiいヽ!:ﾘ√ィ彡r '´￣´￢丶ヽ、　　 X. i{　　　　　',
　　　　　　　＿__）　　　 ≦ 'ﾗ_{(･)}j川 kｿ个rイ〃 '/／＿ヽ　ヽ.　　　ﾍヾ　　　 }
　　　　　　＿,)'/,　 z 彡rｼｿｿ:｀,ｿ:'　ﾒ⌒i. j ‐､ヾi i,.ｨ_'ﾆ二ヽ,　　ヽ　　　｝:i　　　　/
　　　　　　勹/〃,　 -ｰ彳´ ;／¨:::`::く._　　　　ヾ Yij{(･)>= ≧ヾ:ヽ:ヽヾ,　 `ﾐゞ--:r'　　おう、食らい殺してやるぜ
　　　　　之. イ/ ／ , ﾞ ,'　{::f⌒}::,':::::::::ヽ　 ,丶 `iヾ三ぐ￢ミド}　}ヽト :}　　ゞﾐ(＾
　　　　　'ﾗｲ〃i;'　,'　　 ,' :v'ヾ| ,ﾉ:::/⌒!:::/　　　　,.i ﾄヽヽ丶`　ヾﾐ:ヾﾄ､　　ヾヽミi}
　　　　_,ﾒィ/;:イ　' /　 ;i:　i! ヽ.. ｰ' ￢'Lｲ ji ,i　　　,i.l }: ヽ丶`｀　　　ヾ　ヽ＼:.ヽ:ﾄゝ
　　　__Z イｨ /i　,〃　/!i　iト .,___　ヾ´　'’　,八ヽ　}!　　　＼ヽ`　　　＼､ヾ :,ﾊﾍ,
　　ブｲ〃/／i ,:/:,　ﾊ1ｉ: ,＞'‐L/7'ｧ-ｧｧ'个､ヽヾ　　　　 c　ヾ`　､`:　ﾐﾄ､}　ﾊﾒゝ
　　厶'〃// ,' ,.ｲ ,' /　'i:iﾊ.y' ｛_ ￣ブZ j:j:ヽヽ__,ｨこつ　ヾヽ、　ヽ. ＼　ヾﾄ､ﾍN
　　 ,ﾉiii/〃/ ,'/ ,' ,:　,' i:{,ﾊ!　　7ｰ'´/り } :ﾄ､　￣´　　ヽ　　　＼ヽ`: ＼ヽ`＼ﾍﾍ!
　　,jﾊ/:〃/〃/〃,' ,' ,'iﾊ/`ﾄ､/__,_,_仄! .Ｎﾄ､＼ヾﾐJヽﾄ､ヾ` ｀ヾ`｀ヾ`｀ヾ`｀ヾし!
　　, ｲ:〃/〃/〃/〃;ﾊli　`'く,_l,｣jﾉ┘iﾄ :i: j: ヾ`ヾ`ヾ`ヾ`ヾ`ヾ`ヾ`ヾ`ヾ`ヾミ三;く
　 ,ﾉｨ〃/〃/〃/〃〃,':ヾ= ｰz i ､ﾄヾｉ: .:|:. ! i　 i:.i:. i:.ヾ＼ヾ＼ヾ＼ヾ＼ヾ＼ヾﾐ::(_
竜造寺家当主　竜造寺家清

対する幕府軍も対馬、壱岐、松浦党と協力した武士団の時間稼ぎの間に兵を招集
706： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:01:40 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノヽ)）ヽ,,rｰrヽ,, ,,ﾉi
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾉ~'tiii"（t　i}}|j　　　　　"　"ﾂヽ|t
　　　　　　　　　　　　　　　iヽ/ﾂii|}}从､}iii)''ijﾘﾘ}　､　　　　　ﾉﾂﾘ､
　　　　　　　　　　　　　　　ii}}y"}!､iii､'';/r"t}}}（iij,yiiヽ-ﾘヽii}j､,,　"ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　t,｀､i､}ヽ''ii）;;|iMtヽ''" ｀" ﾉ　""ノﾉﾉjjり ''ﾌ
　　　　　　　　　　　　　､)" ミ;;,,t､ti;i､ t;;､､）)ﾘiﾉﾂノ／""''彡"彡ョ
　　　　　　　　　　　　　　i､｀''i ;;;;:::ijj}､｀';;;;;;'"":::;;;'"　,,,,　　廴r''ﾂ r'
　　　　　　　　　　　　　 't､ ;;;､ t;; ::;;;｀;;;;;;;;;;|}:::'"::;;'"ii"　　､迄彡ﾉﾂ
　　　　　　　　　　　　　　ヽ, ;) (|;;ヽ;;､;;;;;;;;;ﾉ':::i:::;'":::';;"　　::'≡　" ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　 'i ,;i,,､;;､､,;; ;;;;､;;;i'i},,ir')ノ,,,,,,,,___　:::ミ≡:r'i
　　　　　　　　　　　　　　　t ;t;;iitｰﾐｩﾃ;;､刈ｼ='r'-ﾐｭｫヲｦ　 ')'''/'|:|
　　　　　　　　　　　　　　　 '',､,i'"｀￣"::::了 j''"｀￣:::::"　　 ;;ﾘ/)ﾘ/i　　　　　　　,,
.　　　　　　　　　　　　　　　　t､i'::::　　:::::::| ,'　 j""　　　　 :::ﾘ'､/ｲ'(,, ､､ -ｰ '",､　~ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽt::::::: :::::t,,ハ　,､)　　　　;;;;:::i-ｰ'"t)）::::: ..;､-'",, "　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　i;t :::::::::::~'- '":"　　　了 ,i;;;;:::　 t:::;､-'"　'"　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　 ,,, ､ - ｰt;ヽ ::::::::;;､､､:::,,,　　　;;'" /;;;;:::　,､'":::::彡
　　　　　　　　　 ,,､- ''":::::::::::::::::::t:;ヽ :::::":::::::::::::｀'　 /　, ';;;;;;;r''":::::::...
　　　　　　 ,,､-'"::::::::::::::::::::::::::::::::::t::;;ヽ ;;;:::::::::　　　 "／;;;;／::::::::::
　　　,,､- '"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::t:::;;;ヽ　:::::::::::: 　､';;;;;r'"::::::::
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　/　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｿ:::;;;､ - ｰｰ'''":::::::::::　....::''"
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"""　　　　　　　　　　ｰﾆ"､,,,,,,,,＿:::,,,,,,,,,:::＿＿,,,､ -ｰ'"

南九州の御家人衆は少数の到着であったが、北九州一円の御家人・寺社の私兵

有徳人（富豪）の私兵が参集しつつあった
707： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:02:19 ID:f7dzBggw0: 　　　　　/::::::::_..‐´::::::::::::::::::::::::..-‐ ′　　　　　　　　　　　`' ､::::::ヽ
　　　 /_..‐´::::::::::::::::::::::::::::::_..-'" 　　　　　_,,l「ｌ１‐－――‐‐-...｀l、
　　／_..‐´::::::::::::::::::::::::_..‐´　　　　,,..-‐''´　ゝ-'′_ ,,...............,,, ヽ/..
　　＼::::::::::::::::::::::_..‐´　　_.._..-‐'' 　　__....-‐'''::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　＼::::::::::::::_..‐´′ ,- ′　_..-‐''::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_.,,,,,,._.._,,,, ﾉ、
　　　　＼::::::ｨ''´　　／　　...‐" :::::::::::::::::::::::::::::::::::　 ,, .ﾆ／--、ﾉﾞｉ
　　　　　　＼　　／　ｨ''´::::::::::::::::::::::::_..-‐'' / /ハノ　　ﾟ,‐´ ,　ﾞｉ′
　　　　　　　＼　j丿　'ぃ―f ......--''¨___　'く　　　〈' ⌒ﾞﾞﾞﾞﾞ ''´ 　ｉ丶
　　　　　　　 l''、,,-':;:;:;:; !'''′ エ￣ﾟ　,/　/　　　　ﾞｉ　　　　　　ｉ〉　 .⌒.:.:.:.:）.:.:.:.:⌒.:.:⌒.:⌒）.:.
　　　　　　　 ./　､:;:;:;:;:;〔　　　　ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ＿＿ィ　　　ﾞｉ　　　　　　　ｌｿ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:⌒.:.:⌒.:.:.:）.:.
　　　　　　ﾉ(　｀ゝ:;:;:;:;卜　‐ 　　　　　　　　　 / ﾞｉヽ　　　　　　ｌ　＼、）.:.）.:. ）.:.　　　資国殿には感謝しなければなりませんね
　　　　　　/ (　ヽ　`　巛　　　、　　..‐-､　　　ゞ‐ﾞ'ﾉ ..,,　　　　ｌi!i!i!i!i!ｌ｀＼
　　　　,ノ"　　ﾍ　　　　ゝ、　｀　／　〕ゝ - ' ..-‐'' ｀　　 "'‐-､　ｌi!i!i!i!i!ｌ　'、＼　　　　　あと三日早く異賊が乱入していたらどうなっていたか
　　　 / ､´ r广´` ､　　‐ ､、　／　 / │‐..'′　　 ,,.. _＿＿.:.:.:.:.:.:.:.:⌒、.:.:.:.:.:.:.:.:⌒、）ﾉ :::
　　/..''j ''´､厂　　''ｰ､ .._ 　'、! ..　´′　　　　 ,,‐'' ｀　;;;;;;;;;;;;;;　;;;;;;;;;（　　　((;;） ::::
..／　ノ'(　r'　　　　　　i!/:;TTTヽ　 ’ ;''゛　　、 ..-"´　　￣￣￣￣￣￣￣￣:.:⌒.:⌒
''　　丿ﾍ　　　"ヽ.. ''i!i!i!i!i!| | | | '、 ' ／　　 '"　　ゝ '/....:-－´ﾞﾞ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:⌒、｀.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
　i　|, 　 ''　　　ゝ　　ﾞ!i!i!i!i!i!i!i!i!i!l　 '´　　　./　　　..-'ﾞ^‐ゝ､　/.:.:丶.:丶.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:⌒.:.:⌒.:.:.:
.. ⊥ 　　　ミ　　　　　　. ''ﾞくi!i!i!i!i!l　　ｉ　　./　　　、　　　　 (-!′.:.:.:.:.:丶.:.:.:.:.:.:⌒.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.

中核をなすのは鎮西奉行東方、大友頼泰と配下の豊後御家人衆と――

　　　　　　　　　　　 _ ∧:::::::::::::::::::::::::::::::::::::l::| |　ｌ|::::::::::::::::::::::
＿_三二ﾆ=-‐　　　　　_ノ〉::::::::::::::::::::::::::::::::::l::斗-く:::::::::::::::::::::
_ ＿　,　　　　　　_,ｨ二　ｨカ::::ﾊ:::::::::::::::::::::／　｀ｎ┴‐ｧrｰ､―
ーfヵ(　丶=＝彡'´　　ゞ' V/⌒ﾊ:::::::∠、　ｎｰＵ.／､ヽ.ﾉ厂
　ゞ'＾ヽ　　　　　￣￣｀二ﾆﾞ/-‐'　|／: : : ＼∪／　　　／'ｎ
｀ﾆ二´ l〉　　　　-‐ ﾆ -－ /ｎ― /: : : :ｎ― ∠.　　 xｎ＿Ｕ/　　父上、兄上、本陣をよろしく頼みます
/　　　/　　　　　　　　　∠._∪.／: : : : ∪／: : : ヽ／_∪ ､/ /
丶　く　　　　　　　　　/:ｎ‐ ／: : : : : : ／: : : : :／―ｎ　 / //
＼＼　＼　　　　　　／: ∪/: : : : : : : : : : : : :／ｎ＿Ｕ､/ｎ //
/{ ＼丶　　_　＿／: : : ／: : : へ、: : : : : : /＿∪: : :xｎ_∪//
/∧　＼　´ －-/: : : ／: : :／　　＼: : : : : : : : : : ∠._Ｕ/ ///
∨/ﾍ.　ヽ.　　 ,: : : : : : :／　　　　'＼: : : : : : : : : : : ∧///,
ノ///＼　ヽ　 |: : : : : :{　　　　　　　　　'ヽ: : : : : : : ／　 V//
////// ＼　ｰ|: : : : : : ＼　　　　　　　　　ヽ: : : : /l|　　 |//
/////////丶/: : : : : : : : : ＼　　　　　　　 /: : : /　|　　ﾉ//

西方の少弐氏に付き従う筑前御家人衆

こちらは少弐家次男景資が指揮を執る
708： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:02:58 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　 -‐……‐-
　　　　　　　　　　　　　　　／: ｉ: : : : : : ′ : : : : : :＼
　　　　　　　　　　　 /: : : :,: : : : : :{: : : : : : /: : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　 /＼: __:ヽ: : : : |: : : : : /: __: : :∧
　　　　　　　　　　 ': : / 　｀　､: : : : : :． ´　　 V: /:
　　　　　　　　　　　　ｉ: : :Z　　　　｀￣´　　　　　く:/: :i
　　　　　　　　　　〃} /｀_≧ミｘ､i　{　,ｘ≦乏"´　|:{＾ヽ　　うむ、先陣はおぬしの働き次第
　　　　　　　　　　　 {　l/　ヽ___ﾟノ{　 '"ヽ _ﾟ__ノ´ 　|: ,　}
　　　　　　　　　　　ヽ'{　　 -‐　/|　i　　‐-　　　　}: ∨　　　存分に働いてまいれ
　　　　　　　　　 |∧　　　　,　!　!　、　　　 /: : }
　　　　　　　　　 |: :ﾊ　 ,-‐ヽ ___ ／─-、　ﾊ: :∧
　　　　　　　　　ﾚ'i: :} i {三三三三三三ﾉ｝ } |: {: :}
　　　　　　　　　　　　　　从} ｀　ー‐--‐一　　　/从ﾉ{/}
　　　　　　　　　　　　　　　 |＼　　　　,　　　　 /　ｊﾉ　{∧
　　　　　　　　　　　　／{＾＼＼　　 |i 　　　／_／}ヽ_ヽ∧
　　　　　　　-‐　　　´　　　､　 ` ｀ー===一´　　　/　　｀　‐‐-
　￣￣　　　　　　　　　　　＼＿」/////|　　／　　　　　　　　　￣｀
　　　　　　　　　　　　　　┌─ ´/////|￣ ´

鎮西奉行の資頼と

　　　　　　＿＿＿_
　　　　／　　　　　＼
　　　／　＼:::::::::::／　＼
　／　　（●）:::::（●）　　＼　　既に上陸したという物見の話もあるお！
　 |　　　　（__人__）　u　　　|
　　＼　　.　|┬-r|　　　　／　　絶対に油断するんじゃないお！
　　／　　　｀ー´９ｍー　）
　　　　　　　　　　`ーー‐'ﾞ

当主の経資は博多で指揮を執る

この大友と少弐指揮下の武士団が中核戦力である
709： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:03:34 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノヽ)）ヽ,,rｰrヽ,, ,,ﾉi
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾉ~'tiii"（t　i}}|j　　　　　"　"ﾂヽ|t
　　　　　　　　　　　　　　　iヽ/ﾂii|}}从､}iii)''ijﾘﾘ}　､　　　　　ﾉﾂﾘ､
　　　　　　　　　　　　　　　ii}}y"}!､iii､'';/r"t}}}（iij,yiiヽ-ﾘヽii}j､,,　"ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　t,｀､i､}ヽ''ii）;;|iMtヽ''" ｀" ﾉ　""ノﾉﾉjjり ''ﾌ
　　　　　　　　　　　　　､)" ミ;;,,t､ti;i､ t;;､､）)ﾘiﾉﾂノ／""''彡"彡ョ
　　　　　　　　　　　　　　i､｀''i ;;;;:::ijj}､｀';;;;;;'"":::;;;'"　,,,,　　廴r''ﾂ r'
　　　　　　　　　　　　　 't､ ;;;､ t;; ::;;;｀;;;;;;;;;;|}:::'"::;;'"ii"　　､迄彡ﾉﾂ
　　　　　　　　　　　　　　ヽ, ;) (|;;ヽ;;､;;;;;;;;;ﾉ':::i:::;'":::';;"　　::'≡　" ﾉ　　　……まとまった兵は比志島家と渋谷家だけか
　　　　　　　　　　　　　　 'i ,;i,,､;;､､,;; ;;;;､;;;i'i},,ir')ノ,,,,,,,,___　:::ミ≡:r'i
　　　　　　　　　　　　　　　t ;t;;iitｰﾐｩﾃ;;､刈ｼ='r'-ﾐｭｫヲｦ　 ')'''/'|:|
　　　　　　　　　　　　　　　 '',､,i'"｀￣"::::了 j''"｀￣:::::"　　 ;;ﾘ/)ﾘ/i　　　　　　　,,
.　　　　　　　　　　　　　　　　t､i'::::　　:::::::| ,'　 j""　　　　 :::ﾘ'､/ｲ'(,, ､､ -ｰ '",､　~ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽt::::::: :::::t,,ハ　,､)　　　　;;;;:::i-ｰ'"t)）::::: ..;､-'",, "　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　i;t :::::::::::~'- '":"　　　了 ,i;;;;:::　 t:::;､-'"　'"　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　 ,,, ､ - ｰt;ヽ ::::::::;;､､､:::,,,　　　;;'" /;;;;:::　,､'":::::彡
　　　　　　　　　 ,,､- ''":::::::::::::::::::t:;ヽ :::::":::::::::::::｀'　 /　, ';;;;;;;r''":::::::...
　　　　　　 ,,､-'"::::::::::::::::::::::::::::::::::t::;;ヽ ;;;:::::::::　　　 "／;;;;／::::::::::
　　　,,､- '"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::t:::;;;ヽ　:::::::::::: 　､';;;;;r'"::::::::
.　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::t:::;;;;;;'､;;;;;;;;;,､-';､-'":::::
　/　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｿ:::;;;､ - ｰｰ'''":::::::::::　....::''"
./　 ;;;;;;;;;;､ -ｰｰ ''''' """ '''' ｰ,-ｰ''''::":::::::::::::::::::::::::::::::::::::
"""　　　　　　　　　　ｰﾆ"､,,,,,,,,＿:::,,,,,,,,,:::＿＿,,,､ -ｰ'"

薩摩及び南九州御家人衆は兵の参集が遅れていることもあり

博多東方の筥崎八幡宮付近で待機。後詰となっている
710： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:04:11 ID:f7dzBggw0: ―― 一方、独自行動を取っている御家人衆もいた

　　　　　　　　　ハ
　　　　　　　　　　　　 |　',
　　　　　　　　　冂　 /l　 |
　r､　　　　 |ヽ　l　|　〃　|.iヽ
　|,li､　　　 |　V /　//　ノ＼＼
/　川　　　/ ./ / / ｲ　/　　/＼￣￣＼
　ハ　,,,,-''"　 ////川 l＼ /　l ヽ　　　ヽ
　川''"　　　 //.|/ |||　ヽ, ＼, /|/　　　 .|-､
　V　　　　 //　 |　＼､　　i .／/　　　　/　ヽ
　l　　　　　K　　ヽ　　|　　／ /　　　　/ﾆ=　ヽ
　　　　　　 l l　　 `.　 |　　|　/　　　 /Y,　＼ヽ､
＼　　　　　＼＿_　　|　　|　　　i　((/ //　　￣
.　＼-､　 ,,,,_〃　　''ヽl　　ヽ/i　 | ／／ｲ
￣‐'´{.＼　　ト　_　　ヽ川　川／／／l.|
　　　<_　＼川　ﾘ　_,_ V/二川_ ´／/ﾐl lしlー-　　　さて、抜け駆けしようとした連中は浜辺に向かったようだが
　　　へi　ヽ｀‐‐-,,,/-ﾆ'''''::::))ﾆ-'＼､_,, .l .|'‐'' i
　,　/　　 >―￣￣ヽ､:::::::://// ／7ﾉﾘﾉ|-､　ヽ
　　　 T川_∧＼￣li ''/-v　l'',,／∠,,/　| /_ ＼＼
　!　　川ﾄ　! ヽ二 ‐-､! ,! / /'´ィシノ　 :l　|､＼
　　　 |.l川ヽ｀. ＼弋_ｩ >.|.!/／,'''''"　　ｨ|　|.l　＼
　ii'''''' ミヽ__|ヽ __ ｀二´,'''|,,,;;　 ''''　　　　| / |　　 !
　　　　｀`'　｀ __,,-=-ゝ |;;''' ,, , '　　　　ﾚ　.l
.＼--―― ,､＜ {　　　　ヽ,_ /''　　　 ./　　 |
. /_-‐7　／　 '､､　　　_,,-―_''= 　 /
　　／／　　　　＼,＼　 ;;二=''''　/
　／／　　　　　　＼　＼　--　 _/　　　　＿,,．-‐
　／　　　　　　　　ヽ＼　ヽ-ー'"　　　√
/　　￣￣````'''''ーー,,ヽ　　　　　　／　　　_ ー
　　　　＿　　　　　　　　｀‐､ ,,,,, - ´　　／
　　￣´　　￣￣　　　　　　　　　　　 ´

菊池武房を中心とした菊池一族は赤坂山へ布陣

　　　　　　　r`"⌒`ｰ＝v ‐-､
　　　　　　 1:::::.....................　　}
　　　　　　　|:::::::::::::::::::::::＿__::ﾘ,
　　　　　　ｒ| ::::::::::::::(　)|'爪|::ｊﾘ
　　　　／``＝====＝_‐ラ(6,′　　　さぁな
　　　　 ,>‐'つ__... =-〒ｒｔッﾃ|h′
　　　／.ノ (:{,||　i　　ｉｌﾞ｀~.ｊl|ﾘ　　　　　随分と頭数の少ない連中もいたがあれは無足どもか？
　　　!　}／ﾞヽl.l　',　ヾﾂ　 |ｌ!|)　＿
　　｛ (´／ヽ.):ヽ　ｒ＝-　l/ｌ:}/,ｒ=,ヽ.._
　　ヽ(　ｲ- ）￣ｌ|､|!ﾞ¨´ / ｌ:八.>=iこ⊂⊃
　　　＼　｀ヽ:::::ｌドﾐ==‐'　ﾚ＿___ｌ[二´__
￣:¨"７ﾞ<〉　　）::¨o７　/　￣フ 7ｰ-､:_::￣
::::::::::/:::::::＼ノﾉ:::／　 '　　'"´　/　　/　｀ヽ

武房の弟、有隆に半分の兵を預けて伏撃の構えを取る
711： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:04:56 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　」ヽr‐-ゞ｀`vｉレヽ∧
　　　　　　　　　　　　　　､-ミ'　人　｀ﾞ‐-'　''､ ´V__7
　　　　　　　　　　　　　 __ゝ__,､-,z　|二二ﾆ､__ヽ､ﾆく
　　　　　　　　　 ,ヘ_-‐ヾ〈 (､:´ //ヾl/　　_/ノ､_‐-ゝ7
　　　　　　　　　f　　へ「llﾉ＼ヽ/';／';‐=二-7 ヾ,､l'´ヽ
　　　　　　　　　(　（_:::ﾌ-ヾｉ :): :{/､_ ﾉ /rュ/　;　V lヽ|　　　　だろうな
　　　　　　　　　ヽっ（::ﾚ=トゝ､」ヾ-'､`￣,,_　　ﾞ,　了_l､
　　　　　　　　　　 / ,J ｉ::））:::::::::::|'__　ヾ,'´´　　;　　 V､`,　　　どいつもこいつも功に逸って局面を見ていない
　　　　　　　　　ゝ_7､ヾ､l:::::::::::::ヽ､7　　　_　　;　　 !)」ヽ
　_　　　　　　　　　´　　丶ゝ､:::::::::::::,:_-‐ﾆﾌ'　　 :　 /::､＼｀'､　　見てみろ
　} ヽ　　　　　　　　　　lゝ､:::::::､｀‐￣__;;　　　/::　;　　V､
　|　 l　　　　　　　　　　　　ヾ､ﾊ:::::::｀:::´;;　__　　/::::　　; ; ; ヾ
　! ノ､　　　　　　　　　　　　lｉﾍ::::::.　,´////>'::::::　　_ -‐フ`
　ｉ :　}　　　　　　　　　　　　　　l」｀､＼:.' ///／:::::::;;／.....o..//
　ｉ､:´ ｉ　＿__┌‐-､　　　　　　　　ヾ:::｀:::::´:::::_:／....0.......// ,'
　l､:　 V　 }} 」.＿　|　　　　　　　　　　ｉ:ヽ:;;;┌l「l................../／
　ゝ　､/　へ」l_ ｀ｉﾉ､　　　　　　　　l_:::::::::| |　L......／::/
　 >'´,,　'/　 }}ヽ=´　7　　　　　　　「V-'＼ヽ..／:::::://
　 )　　_　,,-‐へ＼ .l 　　　　　　　　[l|...o.....／:::::::::://
　ヽ´　￣　　　}}＼l .|　　　　　　／/'ゞ‐'´:::::::::::::::://

　　　　　　　　　　　　　　　　　γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　あの軍兵の数、３万を下るまい　　＞
─────────.,.,:'' '';::.,ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__,ノ
　　　　　　　　　　 ,..,,:;';.::;;'　　　":;;':;.;.,., ,.._
　　　　　　,..,",.;':;''.:;:';:',.:;;';:'　　　　　''";::'':;:',;,;:.;':;,..,..
　　　 nmn mmnn m n　　　　　　　　n mn mnnm n
ｍ∩ｎ∩∩ｍ ∩ ∩ｎ　　　　　　　　　　　∩n m∩nm∩ ∩n
712： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:05:42 ID:f7dzBggw0: 　'´　　＿,. -‐'^ヽ　　i　ヽ┐
　＼　l　　　ｒ'^ヽ＼ﾉ　/　l＿
　＼ _/　　,.-､/　ﾍ､　/／　　l
　,三.l　　 i-‐‐,!　,!ﾐｒ‐v‐<＾ｉハ
　ｰｧ'　　/__.二／-弋､ ,ﾊ¨ｉ l　l
　＜＿ノ｀ﾞﾆ_‐-x　　)｀ヾV　!　/
　'´／i _ヽ.＼でｱミ､.､ﾉ _,.ｫ'"ノ
　ト-'i"　　ｌ　｀￣ /-‐ｷｲｦ'´!
　　　ﾐ　 ,'　　　 '､　　ｌ ∨　　　　　　あれに少しばかりの数で攻め入っても取り殺されるのが関の山よ
　　　　　　　　　　＼'´_ブ　　　　　
　ﾊ.　　　ｉ. r'　　　,. _｀',.l
　　i. 　　 ',　弋ﾆ´-‐‐〈!l
　.　i　　　　　｀¨´￣ニ!
　　ヽ、　　ヽ　｀¨"´Ｔ^!
　ﾉ　　　丶､　'､_,,.. 二ノ
　─----...,,､_｀´: :＞''´
　:::::::::::::::::::::::::::｀ヽ､!
　ト､::::::::::::::::::::::::::::::|、

　　　　　　　　∧,,∧　　　　　　　　　 ∧,,∧　　　　　　　　　 ∧,,∧
　　　 ∧,,∧（・ω・´）　　　 ∧,,∧（・ω・´）　　　 ∧,,∧（・ω・´）
　　 ε=━┓Ｏニ)< > 　　 ε=━┓Ｏニ)< >　　 ε=━┓Ｏニ)< >
　　 /　　ノ lﾐl_, (ヾゝ　　　./　　ノ lﾐl_, (ヾゝ　　　./　　ノ lﾐl_, (ヾゝ
　　 (o_o,ｲ　ヽ´|(__) ﾉ~⌒）(o_o,ｲ　ヽ´|(__) ﾉ~⌒.(o_o,ｲ　ヽ´|(__) ﾉ~⌒）彡
　　　　ﾉ　　ヽ| |￣ノl　ﾉ　　　ﾉ　　ヽ| |￣ノl　γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　 / /~ヽﾉ'''''''~ヽヽ＼ヽ_ ./ /~ヽﾉ'''''''~ヽヽ＼|　　　我ら菊池の精兵百騎でも危うい　＞
　　　　ヽニﾌ|_|　　　(_/　　ヽﾉヽニﾌ|_|　　　(_/　　ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__,ノ
　　　　　　　 (_ヽ　　　　　　　　　　 (_ヽ　　　　　　　　　　 (_ヽ
713： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:06:25 ID:f7dzBggw0: 　　　　　 |二＿　　＿―-､_ 　　|､ヽ＿,./ r''‐'´ヽ　ヽヽ　 |　 |
　　　　　 |　i二ﾆ―---､__, |　|　|￣─_ヽヽ､:::::ノミ-|　l　/　 |
　　　　　く二二ﾆ-‐''''''~´　＼ヽ｀'‐=,´　　＼/　＼ﾉ　　人） |
　　　　　|　　ノ／　／二三´｀ヽヽ　l　/ヽヽヽ　/r‐´／/　|┐
　　　　 /‐'´,／　／く　＼--￣｀''‐＼ヽく｜|ノ､lノ,-'´／／　|
　　　　ヽ/＿／／/く　　　:ヽ弋;;;;ｯ-､ | |:::::-<::::-=ﾆ二//　 /´
　　　　 Y´　 .＼／ﾉ　　　　　￣￣::::ﾉ/　ヽ　!弋シﾌ´/ r‐'　　　この場で我らが行うべきことは最適な位置で伏撃を加えること
　　　　 | /｀i､　 .V/ ヽ　　　　　　::::::lノ　　__|　ヽ::　　 | /
　　　　 .l l　| ヽ　|　　　　　　　　　　:::::..／:::::￣ﾉ　　 //　　　　　猪のように敵勢へと向かう事ではない
　　　　　ヽヽヽ!　|　　　　　　　　　　　　＼::::::／　　 |/
　　　　　 |　vヽ　|　　　　　　　　　 _,. -''''ヽ-‐､　　 .|､ヽ
　　　　／.（ (>､_|　　　　　　　　 !-‐''~´ ｀~´＼!　 ./'ノ
　　　　 |/　｀-i´　|. 　　　　　　　　 '';;,,,,,,,,,,,,,,,;;''　　/|/　　　　　　　　　　　　　＿,,､
　　　　 |　　　|　　|. 　　　　　　　　　　"""""　　 / |　　　　　　　　　　ｒ'''ヽ''´ヽ　ヽ!-､
_,. --､　|｜｜|　　＼　　　　　　　　　　　　　　　|　|　　　　　　　　　　'､　｀''''''　 _ﾉ,.--｀--┬''ヽ,
　　　ヽ|　川｜　　　　＼　　　　　　＿＿_　　 /　|　　　　　　　　　　　｀''''''''フヽ´　　　ヽ,,,,ヽ＿ﾉ＿＿,,
　　　|　||｜｜|　　　　　 ::::::＼　　／:::::::::::::::＼/　｜　　　　　　　　　　_,. -''´-､,.-‐‐''''''''´.／　ヽ　　ヽ　）
　　 /　| | 川｜　　　　　　　::::::｀'''‐------‐''´:　　|　　　　　　　　　/r‐'''''''´／ヽヽ_, イ´　　　　ﾉ　＿フ

博多と水城双方を通る際、必ず経由しなければならない赤坂で伏撃の構えを取る

――そして竹崎季長

　ヽ.＼　　　＼　　　　　　　　　　　ノﾉィ
　　＼ `'＜_￣｀　　　　　　　　　 {. （　/-─:ｧ
　　　　,＞､_ ヽ､　　　　　　　＼ヽ.　∠.__
.　　 / .／　＼＼|　,ｲ　　,.ィ　　　ヽヽ　＜
　　　|,ｲ　,　　 ,〃ゝ.ﾆ'_ｰ＜.丿.ﾄ、　　　 l l　ヽ｀
ヽ　　　|,ｲ __ /{ |/l,ｲﾊV｢iヘヽ∧ﾍ.ト､　 l l　ﾄﾉ　　　どうすべきだ？
| l.　　　ｆ´　_{{u〉　 o ﾚ, Vrヘ＼　ソ〉、j ﾙ'
ヽヽ. 　ヽ.（　iひ‐'＾uく<::::) o　ヽ.`くr' /ﾄ{｛　　　　　　抜け駆けをするべき……いや、ここは少弐殿に了承を……
　ヽ.＼　 l |‐||. v (＾ソ）‘ｰ'ひ‐ﾍ.　Vｿ.ﾊ.ヽ.
─-;＞､ヽ.Lﾆ!Lrェｪﾐｭ' Ｊ,.ィＴﾞ｢ﾌ,ﾊ　Ｖ　＼ヽ.
::／:::::::::::｀7⌒TｌTｴヽ`く_」⊥Lﾚ　}Tヽ.＼　　ヽ.＼
:{::::::::::::::::ノ　　| ヽl_.Ll>､ヽ⊥」ﾉ .く. ゝ＼ヽ
:ヽ::::::::::::イ　 _,.>､ v　-‐ヽ i-　 ijv ）＼.　ヽ.＼
ｰ-ゝ､:_:::ﾚi く: :/ ｀ｰ､_ u } l　 rく´{.　トゝ　＼ヽ
-─‐-..二ﾆ''.Y＼　　　_7rﾍ`く　 l:::`:-ゝ.._
:::::::::::::j::/ : : l l:::::::;＞:': :ﾉ::| ＼＼|:::::::::::::::::￣
:::::::::::::ソ: : : :ヽ`'く : :／:::::::Vヽ!＼ヽ､::::::::::::::

迷っていた
714： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:06:51 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＿____＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　／＼____＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼____＼／____／
　　　　　　　　　　　　　　／.＼　＼＿____／　／＼
　　　　　　　　　　　　　／＿____＼　　＼／／＿___ ＼
　　　　　　　　　　　／____／＼____＼　　／____／＼___＼
　　　　　　　　　　　＼____＼／____／　　＼____＼／___／
　　　　　　　　　　.　　＼＿____／　／.＼　＼＿___／
　　　　　　　　　　　　　　　＼／　／＿____＼　＼／
　　　　　　　　　　　　　　　　　／____／＼___＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼____＼／___／
　　　　　　　　　　　　　　　　.　　＼＿___／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼／

　　　　　　　　　　　【やる夫は元寇を戦い抜くようです】

　　　　　　　　　　　　　　　文永の役/赤坂攻防戦
715： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:07:20 ID:f7dzBggw0: ┏━━━━────
　当時、合戦で勲功を認定されるは意外と面倒な手続が必要であった
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ────━━━━┛

　　　 ,イ／i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!≧x．
　　 /i:!ﾚi:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i≧x、
　　 li:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!＜￣｀ヽ
　　 |i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:ヽ
　　 |i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!ト､i.、
　　〉i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:|＼:|￣/￣≧xi:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!:＼｀ヽ　　何で首獲ったのに手柄にならんのじゃ！
.　 /i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!/　＼i:!i:!i:!i:!| i　j ,/／／１|l|l!＼|＼i:!i:!i:!i:!:i
　/i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!/ 、｀　＼i:!i:!i:く〔ノ'' ／　　川i!　　 ∨＾Yｉ:!ﾊ|
　|i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i|`≧ミゞz､＼i:!i:!ヽ≦zzzz彡"　　　 !｀; |ﾑ!￢、
　!i:!ﾊi:!i:!i:!i:!i:!!ﾄ:!zr――ｧ7">＞､:!`ヽﾆ=-　　　　u　鄯ﾉ∧: ヽ: ＼ー-　．_
　 !|　|i:!i:!i:!i:!i:!| ヾミ≡彡"／-=ΞΞニニ＝‐二._ 　ﾚ∧: ヽ: :｀､: :ヽ: : : : : ｀ヽ⌒＼_
　　!　!i!i!i!i!i∧ゝ　-==ﾆΞ三三ヽΞ　 -=υ三￣　　|'/∧: : i: : ヽ: : :i: : : : : : : :＼ヽ:
　　　＼i:!i:| !∧　 | 　-=ﾆ三三〈ゝ -´　　　　　∪　｜'//|: : |:､: :}i: : :!: : : : : : : : : :ヾ:
　　　　　 >ﾍ（ﾍ. U　　∪　　　　=ﾆΞ 　 ,. -＿､　八∧|: : |: :｀T!⌒Yr-――--:､:_:
　　　　」: : ＼ヽﾍ　　　　　　　　ﾆΞ三／≦__y_）'/〃: :ﾘ: : |: : : }!: : :}!: : : : : : : : : : :
　　　／: ﾄ: : {!: :ゝ∧　　,　＿,二ﾆ=ｧ≡＜￣ヽ　　/}!: : :/.: : :|: : :！: : :!: : : : : : : : : : :
　厂i: : : :ﾄ､: :}!: : :{// ､ { 〔ゝ／／-=三=-　　　 //}!: :/.: : : :|: : : : : : : : : : : : : : : : : :
/ｉ: : !: : : :ゝ、:{!: : :∨/|ヘ　￣ ´　￣三￣　　／//,: :{: : : : : | : : : : : : : : : : : : : : : : :
: |: : : :／: : : : :}!: : : ＼＼/＞　　　 Ξ　. イ////: : : ∨: : :,′: : : : : : : : : : : : : : : : :
: :ヽ厂ヽ: : : : : :＼: : : :.＼＼ /////777///////: : : : : ∨:./: : : : : : : : : : : : : : : : : : :
:／:｀:､: : : : : : : : :.＼: : : }|: : ＼＼ ///////〉//: : : : : : :.∨: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : ＼:.}|: : : : .＼＼=-､　ﾉｲ : : : : : : : : |!: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :

獲った首を持っていったり、負傷した姿を見せるだけでは勲功としては認められなかったのだ
716： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:08:09 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ィﾃ州州ｚ､＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲﾐ;州州州州ﾘｲﾊ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,仁三ﾐ州州川|ｌｌｲ彡ｲﾐi、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲf三ｲ´｀`｀ヾﾘ州州彡'三ﾐi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 lイl彡!ﾊ　　　　｀`'´〈ﾂ〈三ミﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //ｲ|ｲ!|　　　　　　　　　 l ﾏﾐﾊ.l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　メl l .ｲィｷ≧ｘ_　l.|　ィｧ＝ｷﾘﾄﾘ|ミ=―'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　イ／ﾊ,ｌ | ,イ////ム彡",ｨ=ｷミ､ lﾐｘ_,ｨ仁ミx
　　　　　　　　　　　　　　　／ .l i 彡'ﾊ,|.!//////ﾘ'./,ｲィモﾃｦ ,ﾊ l三≧ﾐｘ |li　　　おう確かにそこの武者は奮戦しとったぞ
　　　　　　　　　　　　　 `―彡＝彡ｲ彡州ｷ‐ﾐ三彡!' ﾊ　 `ー｀´ /ﾉ/三ミｘﾘ,ｨ仁ﾐｘ
　　　　　　　　　　　　　ｲl彡'フ〃,ﾘ州州ｷr―..、　.ハ　　　　./イ州ﾐ三三彡'　　ﾘ　　……八百万の神々に誓って本当だって
　　　　　　　　　　　　　　　〉ﾘﾘ〈 ,ﾘ .l!.l州ﾘ'.:ｷﾘﾊlliﾐ､_,'.::;l　,,ミｘｲ州州ﾐｘ､====ﾐｘ　/
　　　　　　　　　　　　　　　　,州　/＞-‐ﾐl|.il⌒li州l`ー‐-､州ｲﾘｲli|lﾐｘヾliｘ｀ヽ｀`州l
　　　　　　　　　/-､＞――― ﾆ二| |　　ﾘ.l|　.liｷ州州洲T,ﾘlｲ! ﾄf‐ﾘ==ﾐｘ州ﾂ! l州
　　　　　　　 /　/´￣￣￣￣´ iｌｌ l　〈　.|　.|l::.ヾ州州lilﾘ'　l　|!.l　l７　ﾘ `ﾘﾄ-ｲﾘ'__,ｨ､
　　　　　　　 ./ .〃　　　　　　 .ll ｌ .l 　　 .|　.ｌl　　:::::::::::/　/　l|li l　V　.l　州ﾄ lﾘー=ﾊヽ､
　　　　 /　　l|　 l　　　　リ　　　l ,' / 　　ｌﾄ､ヽ　ヽ::::::/　/　,ｲ|ﾄ､ｌ　Ｖ .ヽﾍﾐ=l `、　　 l　l. ヽ
　　　,f´l　　.l|　 l　　　　　　　　,'〃　　　　 ||､.ヽヽ　　　 /　ｲ .l.|!,ｲl　 V　 l .l　 l　　　　.|　ll　ﾊ
　 .／l　|　　 |　 |　　　　　　　/ /　　　　　 ||ﾐ､ヽ、　　　′　 ,.ｲ|..::ハ　　　　ヽ　ヽ　　　l　.l!　l l

それ以外に必要なものは同じ戦場にいた証人。しかも、どの様に活躍したのか、具体的な功績は何なのか

それらを起請文の形にして守護に提出することが求められた。これが無いとどうなるのか？

　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　　／　─　　 ─　＼
　　　　　　　／　（●）　（●）　＼
　　　　　　　 |　　　（__人__）　　　 |　　え？首持ってきても困るお
　　　　　　　＼　　　｀ ⌒´ 　　 ,／
　r､　　　　r､／　　　　　　　　　　ヘ　　　それどっかの死体からとってきたもんじゃないのかお？
　ヽヾ　三　|:l1　　　　　　　　　　　　ヽ
　　＼>ヽ/ |｀｝　　　　　　　　　　　|　|
　　　ﾍ　lノ `'ｿ　　　　　　　　　　　|　|
　　　　/´　 /　　　　　　　　　　　　 |.　|
　　　　＼. ｨ　　　　　　　　　　　|　 |
　　　　　 |　　　　　　　　　　　 | 　|

勲功として認定されないのである。認定されないということは、当然ながら恩賞はない
717： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:09:06 ID:f7dzBggw0: 　　　 ,イ／i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!≧x．
　　 /i:!ﾚi:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i≧x、
　　 li:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!＜￣｀ヽ
　　 |i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:ヽ
　　 |i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!ト､i.、
　　〉i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:|＼:|￣/￣≧xi:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!:＼｀ヽ　　兵士どもの兵糧と飼葉と矢で金が無くなってしまいもうした！
.　 /i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!/　＼i:!i:!i:!i:!| i　j ,/／／１|l|l!＼|＼i:!i:!i:!i:!:i
　/i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!/ 、｀　＼i:!i:!i:く〔ノ'' ／　　川i!　　 ∨＾Yｉ:!ﾊ|　　　　ないごち恩賞がでなっとよ！
　|i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i|`≧ミゞz､＼i:!i:!ヽ≦zzzz彡"　　　 !｀; |ﾑ!￢、
　!i:!ﾊi:!i:!i:!i:!i:!!ﾄ:!zr――ｧ7">＞､:!`ヽﾆ=-　　　　u　鄯ﾉ∧: ヽ: ＼ー-　．_
　 !|　|i:!i:!i:!i:!i:!| ヾミ≡彡"／-=ΞΞニニ＝‐二._ 　ﾚ∧: ヽ: :｀､: :ヽ: : : : : ｀ヽ⌒＼_
　　!　!i!i!i!i!i∧ゝ　-==ﾆΞ三三ヽΞ　 -=υ三￣　　|'/∧: : i: : ヽ: : :i: : : : : : : :＼ヽ:
　　　＼i:!i:| !∧　 | 　-=ﾆ三三〈ゝ -´　　　　　∪　｜'//|: : |:､: :}i: : :!: : : : : : : : : :ヾ:
　　　　　 >ﾍ（ﾍ. U　　∪　　　　=ﾆΞ 　 ,. -＿､　八∧|: : |: :｀T!⌒Yr-――--:､:_:
　　　　」: : ＼ヽﾍ　　　　　　　　ﾆΞ三／≦__y_）'/〃: :ﾘ: : |: : : }!: : :}!: : : : : : : : : : :
　　　／: ﾄ: : {!: :ゝ∧　　,　＿,二ﾆ=ｧ≡＜￣ヽ　　/}!: : :/.: : :|: : :！: : :!: : : : : : : : : : :
　厂i: : : :ﾄ､: :}!: : :{// ､ { 〔ゝ／／-=三=-　　　 //}!: :/.: : : :|: : : : : : : : : : : : : : : : : :
/ｉ: : !: : : :ゝ、:{!: : :∨/|ヘ　￣ ´　￣三￣　　／//,: :{: : : : : | : : : : : : : : : : : : : : : : :
: |: : : :／: : : : :}!: : : ＼＼/＞　　　 Ξ　. イ////: : : ∨: : :,′: : : : : : : : : : : : : : : : :
: :ヽ厂ヽ: : : : : :＼: : : :.＼＼ /////777///////: : : : : ∨:./: : : : : : : : : : : : : : : : : : :
:／:｀:､: : : : : : : : :.＼: : : }|: : ＼＼ ///////〉//: : : : : : :.∨: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : ＼:.}|: : : : .＼＼=-､　ﾉｲ : : : : : : : : |!: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :

これが御家人にとって最も望ましくない結果となる

一部給付されるといっても基本的に物資は自弁で賄わなければならない

　　　　　　＿＿＿_
　　／::::::─三三─＼
　／:::::::: （　）三（　）＼
　|::::::::::::::::::::（__人__）:::: 　|
　|:::::::::::::::::::::: |ililililil|::::: 　|
　|:::::::::::::::::::::: |ililililil|::::: 　|　　　勲功立てたってんなら守護の引付か軍忠状もってこいってんの！
　|:::::::::::::::::::::: |ililililil|::::: 　|
　|:::::::::::::::::::::: |ililililil|::::: 　|　　　鎌倉の恩賞奉行に書状送って確認されなきゃ恩賞なんて与られないの！
　|:::::::::::::::::::::: |ililililil|::::: 　|
　|:::::::::::::::::::::: |ililililil|::::: 　|
　＼:::::::::　　|r┬-| 　,／
　　ノ::::::::　　　`ー'´　　＼

軍務を伴う賦役だから軍役なのでこの辺りは義務のレベルなのだが、莫大な出費なので死活問題である
718： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:09:47 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　　　　＿＿／i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:.
　　　　　　　　　　 / ／i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:.｀ヽ
　　　　　　　　　　　 / /i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ／ヽi:i:i:i:i:i:i:i:i:.
.　　　　　　　　　　〈〈i:i:i/{i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i／＿.　}i:i:i:i:i:i:i:i:i:i
　　　　　　　　　　　　〉_∨/{i/ヽ|:i:i:i:{/≧=x、 }:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}
　　　　　　　　　　　 i:ｉ:ｉ:∨i:i{ b :|i:i:i:|{　ゞ‐‐'　jﾊi:i:i:i:i:i:i:i:}
　　　　　　　　　　　 i:i:i:〈∨〉ヽ .|i:i:i:|　｀￣´　　ゝ'´}i:i:i/
　　　　　　　　　 }i:i:i:i:〉〈|∨ i|i:i:i:|　　　　　　〉 i}/／　　　勲功があればいいんですね？
　　　　　　　　 }i:i:i:/∧〉 v:i|i:i:i:ﾄ、　ヽ　　,　/i:|
.　　　　　　　　　 }i:i:i:i:i:i:ｉ:|　}:i:|i:i:i:| ≧　　　イi:i:ｉ:|　　　　　じゃあ軍令無視して奇襲してきます
　　　　　　　　　　　}i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:|/” :|i:i:i:ﾄ　 : : T　 i}i:i:ｉ:ﾄ
　　　　　　　　　　/i:i:i:i:i:i:i／　 :|i:i:i:|　｀、　｀ヽ＼:i:|　＼＿ノ
　　　　　　　　　.:i:i:i:i:i:i／　　　 |i:i:i:|‐- _｀ヽ　＼＼_
　　　　　　　　 .:i:i:i:i:i:/　　　　　|i:i:i:|　　　ヽ＼　 }　} '､
　　　　　　　　 }i:i:i:ｉ:ｉ:{／⌒'' 　从iﾙ'　　　　＼＼}　}　}
　　　　　　　　/i:i:i:i:i:i{　　　　　｀ヽ.　　　　　＼}　} /
　　　　　　　.:i:i:i:i:i:i:i:ｉ{＼　　　　　　　　　／　　 }　} {
　　　　　　 .:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ{　　=‐　　　　＼　　　　 / /
　　　　　　 }i:i:i:i:i:i:i:i:i:{　＼　　　　　　　}　　　 / /　 }
　　　　　　/i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:{　　　　　　　　　/　　　/ /　　}

こうなると、あらゆる手段で勲功を立てようという連中が出てくるようになる

いわゆる抜け駆け行為である

　　　　　　, .イ´: : : : : : : : : ｀丶､
　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ、
　　　 /: . : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ;ヽヽ
.　　 ,': : : : . : . : . :　: : : : : : : . : : . ヽ:ヽ
　　 l:i: : : : : :i、. : : : i. : . :.i . . . :　 : ﾊヽ',
　　ﾘ!: : : : : lミ: ﾄ､M: . : :.l: : : : : : : :.ﾊﾊ
　　　|: : . : : :ﾚｆテ}ﾐ-∨: A:.ﾑ:.ﾉ: : : ﾄ; !　　　　いや、幕府としてはあんまり御家人単位で好き勝手されるのは困るんだけど……
　　　i:l; : :.ヽ:.!ゝ-'-　 ∨ ゝ=ﾁ: : . : i i:l
　　　ヽ!i; : . ﾊ；　　　 .i　　 /ｲ: :,ｲ:,'
　　　　ﾊ:i、ﾊ｀　　 ,....'.、　ノｲ,:!.ﾘ
　　　,-‐{!`iﾊ､ﾄ＼　ー‐'／ﾊ!ハ!`ｰ- ､._
_, .イ　ﾉ|　`ﾊ｀　｀ .-イ　,'_ ヽ-､_　　　 .｀ﾊ
　　　,...| ! _, ｲヽ　　 |{　　i -ミﾊヽ、` ‐.､　 .!
-.イ´　i .!-イ´ .ヽ　ヽ!　,'　　　｀丶ミ .､|　 ,}
　 ,.イ＞'　　　　　ヽ　i! ,'　　　　　　.|　,＞ i|
イ.　{　　　　　　　　ヽ/　　　　　イ＞i´　/{
｀` ｰ-ミ_- ､ _　　　 ./　　 , イ＞'´　 |　 / i
∧　　　　｀` ｰミ／, イ＞彡イﾗ　ﾉ　　i∧
..∧　　　　　　 .／'＞'´　 /彡 '´ ./　　　 .i∧
　.∧　　　　　 {.i'´　　　　　　　 .∧　　　　 i∧

この抜け駆けが幕府が御家人を動員するたびにぶつかる問題の一つであった
719： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:10:29 ID:f7dzBggw0: 　　　　　／::::l::://.:::::::イ≦三三
　　　／::::ミ::乂/ツ≠‐ミ三三
　　 /.:三＞‐'`　∨l ,_／ﾙ'从Ⅵ
　 ./i:::::イ};' ､　 ,//}ハ./l - ､}:;′
　ｉ .〉:ｲ.|ー-ミx､i〈､_ ‐'´＿_}.〉|
. /メ乂〈〉'///ﾊ', 　 ≪.tッ-彡
〈{.l./ﾒ〉//////,}l. 　〉=￣｀ } |　　　　ああん？証拠の書類が偽造臭いって？
.从l从l ∨/////::|　　　／／';
.|　刈ﾍ.∧://乂::::ヽ¨ｧ－／　　　　　　そんなことねぇさ。右大将頼朝様直筆の手紙っぽいぜこれ
.ﾄ､l　ト∧.|￣ｨ=-､_｀ノ　.ﾐﾐﾐﾐ､_〉)〉
.乂乂/l しﾍヽ.`ｰこ‐==‐-_-≠ }州
　＼_乂ノ.::::刈l｀...｀¨￣....´,　,, 州ﾘ::::∨:::::l::l::|::|:
＜三三:::::彡:::::刈从｀ー '　从Ⅳ.::/} }ｌ:::/.;'::l::;!::
::::::::::::::::／.::/.:::::::::刈从l从l从ｌⅣ.::/!ｨ/／ /.:;'::;::;
::::::::::／..:::::/.:::::::::::::::刈l州l州ﾒ'::／}.|/.:::／//:/./
:::://.::/.::::;':::::i::::l::::::::ﾄ､::::::::::::::::/　/ﾒ::::/.::/l::l::i:〈
乂;'::::ｉ:::::ｲ从:ﾄ､乂ｌ/| :',＼::::／　..l :::ｌ::乂:l::|:乂:::〉
.イl:::::|::::::|:::::.＼/ｌ/:::|　∨　{::: 　八::＼:::::ﾒ　 }:::l
./ |::::乂_.乂　　l |::l:::l:.　.';　　.／ / 〉 . 〉/:::〉:乂|
.!　!　　ト- 、　.乂‘, ∨　l::　 ′_/ノ／./::/ /八

何せ御家人といってもピンキリである

山賊と大差のない行為を行って処分されるものも相当数いた

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , ‐ 7７7 ‐,､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. "／//////////丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　///////////////ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／{.　i////////////////lヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 /.{　ヽi/////////////////! }　　　　ゴメンゴメン、手違いで俺の配下が訴訟相手襲ちゃったよ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 { ヽ　,ｌ/////////////////ｌﾒ、　　　　え？書状の筆跡が隣の領主の出した書類と一緒？おかしいなぁ
　　　　　　　　　　　　,. -‐-､　　 ,　　｀　 ,'//////////////////! ）
　　　　　　　　　　　 {/（　　｀　（,(　　 ,ノ///////////////////,ヽ￣｀ヽﾉ
　　　　　　　　,. '",. -‐//77ｰ--ゝ/77////////////////////////ｰ‐ '"）　）
　　　　　 /／///////////////////////////////////////////ー='､_,._ﾆ=＝､ヽ
　　　　　 ,'/////-, '/////////////////////////////////////＜ヾ｀ヽ/ ヽ/`,.､_,..-=ニニ=ｰ.､
　　　　　　 ,!!///{'　 i !//, '／￣／//////////!///////////////////丶}ﾞヽ, 　 ` ､二-―ヾ、 `ヾ､）　,
　　　　　 _,ﾉ//ﾉ　ヽ !ノ{ ﾉ/!　 .////////////{ !/////////////////////＼丶. }　ヽ｀ヾ、　.）　　 `ー'
. 〃ニﾆ二._ノ{　　,.' l　ｌ!　.!{　./////////////,{ !//////////////////}､///＼ ! ,!　ﾉ.!`ヽ　　ﾉ
. {′-―''"　　ゝ'（　{　.{!、_,.ノ/////////////{　l//////////////////　）////ヽ'　ノ'　.}二く

訴訟合戦になった御家人どうしの書類を比べてみたら筆跡が一緒だったなんてことはままあった

酷い時は訴訟相手の殺傷を試みたという事件すらある
720： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:11:08 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　　　////////////メ;ﾐミ三三三三三
　　　　　　　　　 /ﾘ川川川ｲ川ﾘく｀ヽ∨∧ ミ三三三
　　　　　　　　　 ,川川:/ ¨¨ ハ、＼＼. ∨∧ |ミ三Y￣＼
　　　　　　　　　 /iﾘ|　 :|　　/　　ﾄ､ .ｌ　＞∨∧';¨ミﾆl |=､ .∨
　　　　　　　　　 .,'.刈:;　 :';　/　　.|ｌ .｀メ´￣:V∧|　||ﾐil.|`Y:　川
　　　　　　　　 .| | ｌ|.∨ }∨　, ﾉ./.:／/ 　 ,ィ|/∧､:|| |`.:./　//,|　　　　ああ悪い。問い合わせに来た荘官な、殺しちまったよ
　　　　　　　　　乂ﾊlｨヘⅣヽ// ／r‐'_.ィﾘ..从'/∧ﾉ|.乂_fi ///,l
　　　　　　　　　　ﾄ:|ｲﾍ,ｨ示ﾐ､ヽ〉./ｨ≦ｚ≠/´Ⅳ/∧　　｢.乂ﾊ'/,|
　　　　　　　　 .ﾉ乂 l/////ｉ　ｨ≠´ ￣/ ./ .∨/_＼.ｌ|::.　::::';/|三三三
　　　　　　　　　/　　 |ﾊ'////|　　　　　　　　　 _＼三ﾆ≧=―|三三三三三
　　　　　　　　 ,’|　　ｌ| .乂'//,l　　　　　　　 ,＜才}ﾐ从ナ￣';ミ';三三三三三
　　　　　　　 i　',　　| ＼じ⌒i　　 ,.:‐　_zz≦+八川ﾘ::|､＿:Ⅵ三三三三三
　　　　　　　 |.　∨　　　ヽヘ.ゝ-.'　 == _,ｨ　彡川ﾘ':::ｌト､＿.Ⅵ三三三三三
　　　　　　　.:从.　.∨　　　 |/へ`≠＝ ¨_,..:／,ｨﾘメ:::::::|　　　::Ⅵ三三≧=三
　　　　　　　　　iヽ. 丶　　 |///Ⅵ.￣ｨx￣,ィ从ｲ:::::::::::|　　　　∨三三三三
　　　　　　　＼＼＼､　乂ｌ//∨从从从ﾘｲ:::::::::::::::/　　　　＼三三彡'
　　　　　　　　　 }､＼　＼｀￣ヾ＞≠::＜::::::::::::::::::ミ＞､　　　　　 | | /

特に荘園領主相手となるとやりたい放題の者もいた

用水路の使用権を巡って荘園の官吏を殺害して荘園を乗っ取ったという事件もある
721： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:11:37 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　_　-───｀`￣｀`　-
　　　　　　 ─ '´￣￣,＞:::::::::::::::: : : : : :｀　、
　　　　　　　　,　 ´::::::::::::::::::::: : : 　　 : : : : : ::｀丶
　　　　　　／::ィ:::::::::::::::::::::: : :　　　: : : : : : : : : :`.
　　　　　 /／, ´::::::::::::::;: : ; : : :　　:∪: : : : : : : : : : :｀､
　　　　　　 ./:::::::::::::::::/:::/::: :／: : : : : : : : : : :　: : : : :丶
　　　　　　/:イ:::::::::::/!:∠!:::/: : : : : : : : : : : : 　　: : : : :.i
　　　　　 ,'/ /::::::::::::!/' ﾘ|:/: : ; : : :　　　: :; :　　 : : : : : :|
　　　　　 ' ./:::,..　-'　 .ﾚ /:::/:: : : 　　　: :へ: : : : : :: : : :!　　いや、それ全部厳罰の対象だからね？
　　　　　　/::::ヽ　　　　 /' /:::: :　　　: : /　}}: : : : : : :: /
　　　　　 /／|,.へ_...　∪ /::;::::. . . . : : :/　ノ::: : :∪: : /　　　御家人たるもの、職務の遂行と平素の規律保持も重要だからね？
　　　　　　　　　 !´　　　///::: : ／|: ｨ/イ::::::: : : : : ﾊ
　　　　　　　　　 {、　　 '　,': :／_.. |/-!.ﾍ::::::: : :ﾊ: /
　　　　　　　　　　ヾ厂 7 {/ ´::::::::::::::::／ヽ:: :/ V
　　　　　　　　　　　　　∧i::::::::::::::::::／　　　V
　　　　　　　　　　　／　 }}:::::::::::／、　　　　|｀i　、
　　　　　 _　-‐　´// ,　イ!:}:::::, ' /　＼　　 .| |:　: ｀ -　_
　　,　 '´:　:　: ,. .ｲ/r　　」ヽ:/　　｀　、　｀>　| |｀＼:　:　: ｀ヽ
. r':　:　:_ -‐ _. ﾆ/　!／　　/　　　　　　`　　 Lヽ　　｀ ‐　_:　: |
. |:　:　:|　／イ　　　　　／　　　　　　　　　　　｀｀ﾆ、　　｀}:|
. !:　:　:l　＼＼　　　　, '　　　　　　　　　＿..　─ ﾆ＞＞　 /: i
. ヾ:　:　i　　＼＼　/　　　　　　 z＝　─　二二　　　　　 /:　!
　ヽ:　: ',　　　＼/＿z＝'　　￣　 .r─二二　　|　　　　 ,':　:{
　 { /:　: ',　　　　 |「　　　　　　　　 |二　─　二 |　　',　 ,':　: ',
　 }=〉:　:　',　　　　|!　　　　　　　　 L二￣　-─'　　　∨:　:　/

現存する幕府の判決で殺害・暴力を伴った土地占拠で御家人が処分される事例が圧倒的多数を占めるあたり

幕府の苦悩を代弁しているといえよう
722： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:12:10 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノヽ)）ヽ,,rｰrヽ,, ,,ﾉi
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾉ~'tiii"（t　i}}|j　　　　　"　"ﾂヽ|t
　　　　　　　　　　　　　　　iヽ/ﾂii|}}从､}iii)''ijﾘﾘ}　､　　　　　ﾉﾂﾘ､
　　　　　　　　　　　　　　　ii}}y"}!､iii､'';/r"t}}}（iij,yiiヽ-ﾘヽii}j､,,　"ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　t,｀､i､}ヽ''ii）;;|iMtヽ''" ｀" ﾉ　""ノﾉﾉjjり ''ﾌ
　　　　　　　　　　　　　､)" ミ;;,,t､ti;i､ t;;､､）)ﾘiﾉﾂノ／""''彡"彡ョ
　　　　　　　　　　　　　　i､｀''i ;;;;:::ijj}､｀';;;;;;'"":::;;;'"　,,,,　　廴r''ﾂ r'
　　　　　　　　　　　　　 't､ ;;;､ t;; ::;;;｀;;;;;;;;;;|}:::'"::;;'"ii"　　､迄彡ﾉﾂ
　　　　　　　　　　　　　　ヽ, ;) (|;;ヽ;;､;;;;;;;;;ﾉ':::i:::;'":::';;"　　::'≡　" ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　 'i ,;i,,､;;､､,;; ;;;;､;;;i'i},,ir')ノ,,,,,,,,___　:::ミ≡:r'i
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　i;t :::::::::::~'- '":"　　　了 ,i;;;;:::　 t:::;､-'"　'"　　　　 /
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.　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::t:::;;;;;;'､;;;;;;;;;,､-';､-'":::::
　/　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｿ:::;;;､ - ｰｰ'''":::::::::::　....::''"←元は摂関家に仕えた荘官の一族
./　 ;;;;;;;;;;､ -ｰｰ ''''' """ '''' ｰ,-ｰ''''::":::::::::::::::::::::::::::::::::::::
"""　　　　　　　　　　ｰﾆ"､,,,,,,,,＿:::,,,,,,,,,:::＿＿,,,､ -ｰ'"

勿論、守護や大規模御家人となれば話は別である

鎌倉幕府成立以前から中央と独自のパイプを築き、それによって文化水準の高い生活を享受している

　　　　　　,,､,､､,,,';i;'i,}､,､
　　　　　　ヾ､'i,';||i !｝ 'i, ﾞ〃
　　　　　　　　ﾞ､';|i,!　　'i i"i,　　　　　　､__人_从_人__/し､_人＿入
　　　　　　　　 `､||i　|i　i　l|,　　　　　　､_）
　　　　　　　　　 ',||i　}i |　;,〃,,　　　　_）　財産を没収だ～っ！
　　　　　　　　　 .}.||||　| ! l-'~､ミ　　　　｀)
　　　　　　　　 ,＜.}||| il／,‐'liヾ;;ミ　　　'´⌒V＾'^Y⌒V^V⌒W^Y⌒
　　　　　　　　.{/ﾞ'､}|||/／　 .i| };;;ミ
　　　　　　　　Y,;-　　ｰ､　　.i|,];;彡
　　　　　　　　iil|||||liill||||||||li!=H;;;ﾐミ
　　　　　　　　{　く；ｧｿ　 '';;,;'' ﾞ};;彡ﾐ
　　　　　　　　ﾞi　[`'''~ヾ. ''~ ||^!,彡ミ　　＿,,＿＿
　　　　　　　　ﾞi　}~~　｝ ';;:;li,　ﾞiミミミ=三＝-;;;;;;;;;''
,,,,-‐‐''''''}￣~フハ,“二ﾞ´ ,;／;;'_,;,7''~~,-''::;;;;;;;;;;;;;'',,=''
　;;;;;;;;''''/_　 / | | `ー-‐'´_,,,-',,r'~`ヽ';;:;;;;;;;, '';;;-'''
'''''　　,r'~ `V　ヽニニニ二､-'{ 十　）＿＿;;;;/

とはいってもそんなのは一部で、まだまだ武士たちは軍人であり警察であり現地の軍閥であった
723： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:13:04 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　 __､-─-､,. -‐;ｚ.__
　　　　　　＞::::`::::::::::::::::::::::::: ＜
　. 　　　 ∠::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ゝ
　　　　　　ｲ::::::::::::::::::,ｨ:::ﾊ:::i､:::::::::::::::::ﾄ
　.　　　　 |::::::::::;:ｨ::ﾉ_l/　ヽl_!::ﾄ、:::::::::!
　. 　　　 |:::::::ﾉﾆﾚ'-‐'v └-Vﾆゝ:::::::|
　　　　　 r',ﾆi.l. ⊆nﾆ=　.=ﾆn⊇ |.iﾆY
　　　　　　| こ||　ij　 v　|.| ~ij　ﾉ |に!}　　　やっぱり抜け駆けはよくないな
　.　　　　　トﾆll　ｎ u ヽ.|｣ノ ‐'´_ij|lﾆｲ
　　　　　　 l::::::ヽヽ.` ｰ----‐'´ノ/:::::|　　　　景資殿に先駆けの許可をもらおう
　　　　　　_｣::::::::l＼｀￣二￣´, ｲ:::::::L._
　_,, -‐'' ´:.:. l::::::::|r-ゝ-‐ｰ-‐'‐┤:::::l:.:.:.:｀ '' ‐
　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｌ,. ‐''_二つ　 (二¨_''‐'、:.:.:.:.:.:.:.:
　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: / ./´,..二二) (二二.._＼ヽ:.:.:.:.:.:.:
　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./　' ／_.二つ__.(二.¨_¨丶ﾞ .l:.:.:.:.:.:
　:.:.:.:.:.:.:.:.:./　　 ,.'",二つ─‐と二_`ヽ　.|:.:.:.:.:.
　:.:.:.:.:.:.: ノ　　　　ﾉ:.:.:.|ニニ|:.:.:.:.:.:{　　 |:.:.:.:.:

この御家人たちの法に対する意識の違いが――

　|　三＿二　/　ﾄ⊥-（(｀⌒)､_i　 |　|
　〉─_,.　-‐='＼ '‐＜'´＼/´､ｦ _/､ |
　|,.ノ_, '´,.-ﾆ三-_＼ヽ　川〉ﾚ'＞/ ﾉ
〈´／／´|　｀'tt_ｩ‐=､i |::　:::,.-‐'''ﾉﾍ|
. r´｀ヽ　/　　｀"""｀j/　| |ゞ'"ﾌ/i/
. |〈:ヽ, Y　　　　　　::::: ,. ┴:〉:　 |/　　　有隆の方も布陣したか
. ＼ヾ( l　　　　　　　　ヾ::::ﾉ　　|、
　j .>,、l　　　　　　_,-ニ-ﾆ､,　 |)）
　! >ﾆ<:|　　　　　　､;;;;;;;;;;;;;,.　/|
　|　 |　 !､　　　　　　　　　　.| |
ヽ|　 |　　ヽ＼　　　_,..:::::::.　/ .|
..|.|　 |　　　　:::::ヽ<::::::::::::::::>゛　|＿
..| |　 |　　　　＿;;;;;;;_￣￣　　　|
:.ヽ‐'''!-‐''"´:::::::::::::::::￣￣｀~''‐-､

言い換えれば己の持つ力への自信の差が――
724： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:13:44 ID:f7dzBggw0: 　'´　　＿,. -‐'^ヽ　　i　ヽ┐
　＼　l　　　ｒ'^ヽ＼ﾉ　/　l＿
　＼ _/　　,.-､/　ﾍ､　/／　　l
　,三.l　　 i-‐‐,!　,!ﾐｒ‐v‐<＾ｉハ
　ｰｧ'　　/__.二／-弋､ ,ﾊ¨ｉ l　l
　＜＿ノ｀ﾞﾆ_‐-x　　)｀ヾV　!　/
　'´／i _ヽ.＼でｱミ､.､ﾉ _,.ｫ'"ノ
　ト-'i"　　ｌ　｀￣ /-‐ｷｲｦ'´!
　　　ﾐ　 ,'　　　 '､　　ｌ ∨　　　来るがいい、大陸の兵たちよ
　　　　　　　　　　＼'´_ブ
　ﾊ.　　　ｉ. r'　　　,. _｀',.l　　　　皆菊池武房の武功としてくれるわ！
　　i. 　　 ',　弋ﾆ´-‐‐〈!l
　.　i　　　　　｀¨´￣ニ!
　　ヽ、　　ヽ　｀¨"´Ｔ^!
　ﾉ　　　丶､　'､_,,.. 二ノ
　─----...,,､_｀´: :＞''´
　:::::::::::::::::::::::::::｀ヽ､!
　ト､::::::::::::::::::::::::::::::|、

後にちょっとした騒動を巻き起こすこととなるのであった
725： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:14:32 ID:f7dzBggw0: ┏━━━━━────
　２０日早朝、元軍は博多湾の東側に位置する早良郡へと上陸した
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　────━━━━━┛

.　　　　　　 /ヾヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丿　　　
　　　　　　　＼ /　　　　　　　　 /^^^^;}　　　　　　　　　　　　　　ノ~　＿ヾヾﾞﾞ;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　｛;　　　;;};　　　　　　　　　／＾~　＿C　　　ι
　　　　ヘ　　　　　　　　　　　　;{;　　　 }　　　　　　　/＿＿ヾ　　　　　;;」
　　　│　＼　　　　　　　　　　　ヾ;{＿＿}　￣￣￣￣/　　　　　　　　＿〆　
　　　ヾ　　　λ　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ;;ヽ:: 　 /　　　　　　　∠＿
　　√　　　　ゝ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　~ヾゞ　　　　　　　　＿/
.〆ヾ　　　　；ν　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　●：博多
　　　　　　　;ヾ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣/
　　　　　　　;λ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≫　　　　　　　　　　　　◆：赤坂
　　　　　　　　:τ＿＿＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　■　⌒ヾ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　■：元軍上陸地域
　　　　　　　　　　　　 ´ | /　　　　　　　;;＿　　　　 vvヾ/ヾ＿/ヾ
　　　　　　　　　　　　　　I　　　　　　　/~ヾ　~~~Ｖ~~~　　
　　　　　　　　　　　　　　＼;;ー^ヽヾ/ヾ　　　　　　　　　　◆ ●

　　　　　　　　　　.　　― -
　　　　　　　　／　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　 '
　　　　　　 /　＿__,　
　　　　　 _.ﾞｰ--　　＿__ 　　　　　 '
　　　　　{::::ヽ　/　ﾉ.:::::::.ヽ　　　　 .i
　　　　　　fｔﾇ八zく_tﾂ　 )'　　{:ﾒ⌒, l
　　　　　 }-仗　　ー＝´　　　}ミ　{｜
　　　　　｛r'　　_｀ヽ　、ヽ　　jﾐヌ, ｛＞-ｭ＿　　　全軍東進！
　　　　　ｨ从ミｰﾊヌ从ミ　　　}入／　乂之}
　　＞. ´: :ﾊ亡亡亡亡j_/　　从ミ＞ﾆ.{＿_乂　　　博多東の赤坂山へ向え！
. ::´: : : : 彡廴廴廴廴.ｲ　　斗ﾐﾊニ／_ニニ
. : : : : : 彡ｲ、__￣￣　 , 八ヾミ／_ニニニニ
. : : : ／彡彡ｨﾊﾒ　　.ﾊﾇくメハﾐ/_ニニニニニ
. : :彡'イ彡'イ彡ｲﾊ从从从イ / -ニニニニニ
＜. : : : : ´.イ彡彡彡彡彡く.〃_ニニニニニニ

まる二日の休息と再編を経て、万全の状態での進軍開始である
726： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:15:34 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　 ,. :: ´￣::¨: :.、
　　　　　　／:: :: :: :_（M）:_::）
　　　　　　/:: :: ::≧ _＿______＼
　　　　 {: :rくミ＾rｔｯ) ｬｭ｀!
　　　　　　ヽ{うﾐ　　 '"r 〉　}　　　　　　　　,x= 、　γ7７７'ヽ　　　　高麗軍も西進だ
　　　　　 Jﾘ｀ｷ　`辷会≧ 　　　　ィ/_/_/ 〉〈=-x _ノ､∧
　　_ __＿___ｦ　へ、　⌒ﾉ　　　　　 /:/:∞:cヽ〉　ヾ¨_::Y:_::_;:}　　　　手柄を立てて帰るぞ
／:: :: :: :ヾﾆヽ`ｰ-- ｀¨¨〔＿___　　　｛/:/｀ｰｧ/　　　 }: :: :: :: ｝
::. :: :: :: :: :.ヾﾆヽ‐-ヽ: : /-‐ヾﾆヽ‐-　ﾄ: :｀ｰ':/　　　　/｀￣ ´|
::. :: :: :≠¨￣｀ヽ: :: : ｀〈: :: :: :ヾﾆ'＞ ´ヾ｀ﾐフ'　　　 ,. ′　三｜
:.:.:.:.:.:.:..: :: :／￣｀ヽ: :: :}: :__::＞ ´　　ﾐミ／＞=ｧ-/ 　　二！
:.:.{:.:.:.:.:.:.:./　　　　 У´ '"　　　ﾐミ,／ '´: : / 　,′　 ‐ﾆ三
＞x:.:.:.:.:.:{｀ｰ-　_　 {　　　　ﾐﾐミミ, i!/: :: : /　　｛　　二Ξ,′
＼:.:.＞ｘ_| 　　　！　　ﾐﾐミミ／/ }: :: :: :{　　　ヽ　　三/
　＼////＞x　　　　　　　ミ／./ /！: :: : {　　　　　＿ノ
　　 ∨////////≧=‐-　 "/./ / /　｀￣｀￣￣´
　　　 ∨////////// / / / / / /

高麗軍も一緒に進軍。司令官の金方慶は高麗軍中軍の指揮を執る

　　 ┏━━━━━────
　　　　元・高麗軍の目標は明確だった
　　　　　　　　　　────━━━━━┛

　　　　　　　　　　 .r-三r´ /rr三y=ニヽ
　　　　　　　　　／ﾍへ,. {< ｿl ,,r,,,二ニﾆヽ
　　　　　　　　　jﾆr='''- ﾟﾞ ´￣　　　,　ゞ三=ゝ
　　　　　　　　ｿﾆr ,　　　ー -　　　ヽ　ゞ二=k
　　　　　　　　rﾆ=' {　　　　　　　　　ｭz,,., ゞ二=y
　　　　　　　／ﾆr ,へ、　　　　／∠´ﾞ´. ゝjﾘl=k,
　　　　　　　 { / /´ﾞ｀二ヾｭ,　 .'ゞr ﾞQ ｧ,　　ﾘ}.}k ゞ _ =-、
　　　　　　　 yr,l　　ﾄ Q ヾ,.l　　ゝ￣　　ｲ, /、三ﾆニﾆ,
　　　　　　　〈y.lヾ　｀ﾞ´　 .l　　,＿_r=、　´}ﾍニ三-二ﾆ　　　急いで博多か、少なくとも博多を望む橋頭堡を確保しましょう
　　　　　　　　{jﾆゝﾍ　 r- -r _, ,ｲﾆ=- ﾞ j　 .lﾊゞ三ニニﾍ
　　　　　　　　jlニ=ﾘl　<-= .＿ _ ー ,　　'　イl.ﾄ,ﾆニニy´
　　　　　　　/jニy j=ゝヽ　　r;;;;z　　　　.ィ, .lﾊﾆ,=jr;／
　　　　　　ｿ''ニ'=ﾉ /jﾄ、　　ﾞ　　　　 ./　l./　ﾄ-／　　;;;
　　　　　　{{、ニ/´　ｿ　、, ヽ＿jkｧーｨー━y　r　　　;;;;;;y
　　　　　　　ゞ>,ゝ　l!　rゝ-ﾄ-ヾ-、r-ｲ- ´_ ／　　／´シ
　　　　　　　,ソj　} ﾍ,- ´　-<;;;;;;＿ .-ーｙ ’　／;;;;ｨ´
　　　　　　　ゝr-{ﾘ'　　＿ -ﾌz　　／'' ﾉ　　/;;;;;;ｨ　　　r;;;
　　　　　　　　｛´ /´::::::ｨ''´　　／´ ノ　　ｲ;;;;;/　　　ィ;;;;;;
　　　　　＿＿r-k;;;ｨ´＿ _zｲ´ ／　　;;;/;;;;／　　／ ´ ￣
　　　　ｿ´ｪｭｲ´ --´　ー＿ｨry'　　　;;;/;;;;ｨ　　　´

上陸地点から西に位置する博多かその東隣にある赤坂山を確保することである

手持ちの物資は底が見え始めている以上、短期間のうちにどこか物資の手に入る地域を占領しなければならなかった
727： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:16:12 ID:f7dzBggw0: 　　ﾉノ　　　,' / /:/ :/:/｜　 . : : :.ヽl、
. Y´ . l　｜ !/ /:厶ｲへ!ｌ|: : /: : : : : .､一
　| . :.:ｊ:.: :ﾄ､l　イｰ=ﾆニ}ﾘ//.:.:l :l :「￣
　| l: :{｀ヽ|　　　｀''ｒｰ┴' /. : ﾉ:ﾉ:ﾉ
　| l: ﾘ　　　　　 l|l|　　 /　〈　´´
） Ⅵ:{ 　　　　　　　　丶
ｰ、ヽ　　　　　　　　　　　 _ ノ　　　　兵糧が無いんです！弓矢が無いんです！
: : ヽ　　　　　　　　　　　 (
: : : : .　　　　　 r―‐一'　　　　　　ていうか無事な土地が無いんです！
ー‐――┐　　　￣￣)
:.:.:.:.:.:.:.:.//､　　　　　 |
: : .:.:.:.:// 　 ,ー-　　　..ﾉ
: :.:.:.:.// 　 /.: ￣.:ﾌ
:.:.:.:.// 　 /.:.:.:.:／
: : // 　 /.:.:.／
.:.:.{ {　　Ｌ〃＼
:.:.:.ヽヽ　｀ヽ　＼

なにせ出発地である高麗は少し前まで内乱状態で、余剰物資なんてものは逆立ちしてもなかった

元から賦課された船の建造すら遂行できず、現地の判断で小型の高麗船建造に切り替えたほどである

　　　　　　 /:.:.:.:.i.: : : : : : : :.,r´⌒` 、 : : : : : : : }::＼
　　　　　　　　/:.:.:.:.:.|.: : : : : : : :.{ /∨ヽ.}: : : : : : : : .ｉ:.:.:.ヽ
　　　　　　　 |:.:.:.:.:.:|.: : : : : : : :.丶､__,．': : : : : : : : 丿:.:.:.:）
　　　　　　 i:.:.:.:.:.:.:i、 : :__,,.-ｬ=ァ~~￣~~了"べ亙:.:.:.:./
　　　　　　　　i.:.:.:.:.:.:`iｧ弋: : : : : : : : :.ﾄ､.: : : : : :.ノl|∨/
　　　　　　　　＼／＼,＿.: : : : : : : :.|,,,i、_,,.∠;斗l|l|ｲ
　　　　　　　　　,ゞ,l|l||´<込ﾆﾅｧーｰ亠 z弋才ゞ{l|れヽ
　　　　　　　　　i､丸l|{　.f　￣.,,/" }　!"ヾ,,￣　}ミ/ﾜﾘ　　　兵がいないのも物資が足りないのも知っている……
　　　　　　　　　ヾ`､_言ｌ.　　　　|　　　　　　./ﾐfｿ./
　　　　　　　　　　　＼_ﾐ. ｉ　　　i､,i_,jゞ, 　　 /　|／　　　　だが、まさか博多付近に上陸するまえに底が見え始めるとは
　　　　　　　　　　　ノl`i、､_.．イ´彡ｪﾐ爻ﾞｼｪ;,.ｬ　i|`夊
　　　　　　　　　　　ﾙj;|ト`ｰ‐''""￣￣｀`゛゜`゛　ﾒ|ミﾐし
　　　　　　　　　　　彡廴＼ヽ.　~武才~ 　/ ／/_|父
　　　　　　　　　　　　ノ|:.:.ｉＶ＼!, 　　　　　／ｵ.ｉ:.:ト．_
　　　　　_,,.．ｬヒ''"´ 斗:.:.:ｉﾍ.: :＼,_＿_,／ｼﾞ/: :.ｉ.:.:r-ゝ~"'ｰ- ,,

その上、行く島々で戦闘を行っては再編と兵士の休息、風待ちで日にちをかけ続けている

ただでさえ寒い懐事情は撤退分を除けば素寒貧一歩手前になっていた
728： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:16:36 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　.　　― -
　　　　　　　　／　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　 '
　　　　　　 /　＿__,　
　　　　　 _.ﾞｰ--　　＿__ 　　　　　 '
　　　　　{::::ヽ　/　ﾉ.:::::::.ヽ　　　　 .i　　　　　博多を落とす
　　　　　　fｔﾇ八zく_tﾂ　 )'　　{:ﾒ⌒, l
　　　　　 }-仗　　ー＝´　　　}ミ　{｜　　　　　それができれば兵糧は確保できる
　　　　　｛r'　　_｀ヽ　、ヽ　　jﾐヌ, ｛＞-ｭ＿
　　　　　ｨ从ミｰﾊヌ从ミ　　　}入／　乂之}　　兵糧さえあればまだまだいけるぞ
　　＞. ´: :ﾊ亡亡亡亡j_/　　从ミ＞ﾆ.{＿_乂
. ::´: : : : 彡廴廴廴廴.ｲ　　斗ﾐﾊニ／_ニニ
. : : : : : 彡ｲ、__￣￣　 , 八ヾミ／_ニニニニ　　　　┏━━━━─────
. : : : ／彡彡ｨﾊﾒ　　.ﾊﾇくメハﾐ/_ニニニニニ　　　　　元・高麗軍は別個に隊列を作り、行軍を開始
. : :彡'イ彡'イ彡ｲﾊ从从从イ / -ニニニニニ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ─────━━━━┛
＜. : : : : ´.イ彡彡彡彡彡く.〃_ニニニニニニ

　　　　　　　　　　 .r-三r´ /rr三y=ニヽ
　　　　　　　　　／ﾍへ,. {< ｿl ,,r,,,二ニﾆヽ
　　　　　　　　　jﾆr='''- ﾟﾞ ´￣　　　,　ゞ三=ゝ
　　　　　　　　ｿﾆr ,　　　ー -　　　ヽ　ゞ二=k
　　　　　　　　rﾆ=' {　　　　　　　　　ｭz,,., ゞ二=y
　　　　　　　／ﾆr ,へ、　　　　／∠´ﾞ´. ゝjﾘl=k,
　　　　　　　 { / /´ﾞ｀二ヾｭ,　 .'ゞr ﾞQ ｧ,　　ﾘ}.}k ゞ _ =-、
　　　　　　　 yr,l　　ﾄ Q ヾ,.l　　ゝ￣　　ｲ, /、三ﾆニﾆ,
　　　　　　　〈y.lヾ　｀ﾞ´　 .l　　,＿_r=、　´}ﾍニ三-二ﾆ
　　　　　　　　{jﾆゝﾍ　 r- -r _, ,ｲﾆ=- ﾞ j　 .lﾊゞ三ニニﾍ　　　　……博多を落とすのが先か、我々の物資が尽きるのが先か
　　　　　　　　jlニ=ﾘl　<-= .＿ _ ー ,　　'　イl.ﾄ,ﾆニニy´
　　　　　　　/jニy j=ゝヽ　　r;;;;z　　　　.ィ, .lﾊﾆ,=jr;／　　　　　　ここからは離島の守備兵とは違う、大規模な軍団もいるでしょうな
　　　　　　ｿ''ニ'=ﾉ /jﾄ、　　ﾞ　　　　 ./　l./　ﾄ-／　　;;;
　　　　　　{{、ニ/´　ｿ　、, ヽ＿jkｧーｨー━y　r　　　;;;;;;y
　　　　　　　ゞ>,ゝ　l!　rゝ-ﾄ-ヾ-、r-ｲ- ´_ ／　　／´シ　　　　┏━━━━─────
　　　　　　　,ソj　} ﾍ,- ´　-<;;;;;;＿ .-ーｙ ’　／;;;;ｨ´　　　　　　　先行するのは高麗軍で元軍が後詰の形で進む
　　　　　　　ゝr-{ﾘ'　　＿ -ﾌz　　／'' ﾉ　　/;;;;;;ｨ　　　r;;;　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─────━━━━┛
　　　　　　　　｛´ /´::::::ｨ''´　　／´ ノ　　ｲ;;;;;/　　　ィ;;;;;;
　　　　　＿＿r-k;;;ｨ´＿ _zｲ´ ／　　;;;/;;;;／　　／ ´ ￣
　　　　ｿ´ｪｭｲ´ --´　ー＿ｨry'　　　;;;/;;;;ｨ　　　´
729： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:16:55 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　 /:.:.:.:.i.: : : : : : : :.,r´⌒` 、 : : : : : : : }::＼
　　　　　　　　/:.:.:.:.:.|.: : : : : : : :.{ /∨ヽ.}: : : : : : : : .ｉ:.:.:.ヽ
　　　　　　　 |:.:.:.:.:.:|.: : : : : : : :.丶､__,．': : : : : : : : 丿:.:.:.:）
　　　　　　 i:.:.:.:.:.:.:i、 : :__,,.-ｬ=ァ~~￣~~了"べ亙:.:.:.:./
　　　　　　　　i.:.:.:.:.:.:`iｧ弋: : : : : : : : :.ﾄ､.: : : : : :.ノl|∨/
　　　　　　　　＼／＼,＿.: : : : : : : :.|,,,i、_,,.∠;斗l|l|ｲ　　　　　　　（あれほどの勇者がまだいるというのか……）
　　　　　　　　　,ゞ,l|l||´<込ﾆﾅｧーｰ亠 z弋才ゞ{l|れヽ
　　　　　　　　　i､丸l|{　.f　￣.,,/" }　!"ヾ,,￣　}ミ/ﾜﾘ
　　　　　　　　　ヾ`､_言ｌ.　　　　|　　　　　　./ﾐfｿ./
　　　　　　　　　　　＼_ﾐ. ｉ　　　i､,i_,jゞ, 　　 /　|／
　　　　　　　　　　　ノl`i、､_.．イ´彡ｪﾐ爻ﾞｼｪ;,.ｬ　i|`夊
　　　　　　　　　　　ﾙj;|ト`ｰ‐''""￣￣｀`゛゜`゛　ﾒ|ミﾐし
　　　　　　　　　　　彡廴＼ヽ.　~武才~ 　/ ／/_|父
　　　　　　　　　　　　ノ|:.:.ｉＶ＼!, 　　　　　／ｵ.ｉ:.:ト．_
　　　　　_,,.．ｬヒ''"´ 斗:.:.:ｉﾍ.: :＼,_＿_,／ｼﾞ/: :.ｉ.:.:r-ゝ~"'ｰ- ,,

　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　｀丶、
　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　 ',
　　　　　　　　 l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l
　　　　　　　　　　｜　 l|　　　　　　　 l　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　 |　　 l|　　　　　ヾヽヽ　　l|〃,　　　　 |
　　　　　　　　　　 ,⊥、くL_　, -─‐- ､ヽ l| l l/〃,__--､　＼＼ | l　i 川　| l　i川　| l　i 川 |　| l　i川| l　i 川／／
　　　　　　　　　 | lハ　　　 ∠ ￣．＼ﾊV/ _ノ．ヽ、` 三　　　５００足らずの兵で我々を　　　　　　　　三
　　　　　　　　 | ,ﾆ､i 　　 ,ﾆ　 `ﾆﾆ彡＞iヽ＾ヽ`ﾆ´-､ lﾉ三　　　　　　食い止めようとしたあの男　　　　　三
　　　　　　　, -､／l｛　〈_く　　＾ヽ-- '　 r'　 |　l｜ `ｰ '＾／／ | l　i 川　| l　i川　| l　i 川 l　i川　| l　i 川 |＼＼
　　　　　／／/　＼ヽ_ﾉ＼　　　　　 / ヾ　| 　 |　　　　〉ﾘ
　　_, -‐ '／//　　　ﾊ　 i　 |　　　／ └- 、l　/_＼　　/l∧＿
￣　／　 | |　　　 l∧_ﾉl　｜　 / /￣_,￣_,ﾆ､_,､_｀V　| l　ﾞ､＿￣`ｰ─- ．__
-┬…' "￣| |　　　 | ﾊ　|　 | 　 l/ /{´+￣+￣+ ） l |　l｜　ヽ　￣|｢¨ ' ｰ- ､_￣
　l|　　　　 //　　　｜ハ |　＼/ /　｀￣￣￣ ´ ｜l / |　　　｀、　|l　　　　 |l￣
　l|　　　 //　　　　｜|　ヽ＼ / 　l　　　´￣￣` 　〉 |　l　　　ヽ.ﾆ!l－‐- ．__|l＿
　l| = ＝//　　　　　　l ヽ　ヽ＼　＼　　 /ﾍ、_／ l　l/|　　　　　｀、￣¨ ' ｰ- ｌL._
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730： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:17:30 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,......ー-....､
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　　　　　　　 !　/ヽ 'ヾ''ゝ"',　　..:::::::::..　　　　 , ", -‐　`,:::::::::::::::::::::::::::::::::::)
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　　　　　　　　　| .|! r二ﾆヽ:`:::::',　　:::　　　　 / ﾉ;;__＼＼ | l　i 川　| l　i川　| l　i 川 |　| l　i川| l　i 川／／
　　　　　　　　　| .|! |:::::::::::::＼..:::', 　 :::::.　　　　! 　　_ 三　　　　　力尽きるまで戦い　　　　　　　　　　　三
　　　　　　　 ! i! |::::::／´ﾞ:./　 `,　::::::　　　　 i!`''' ´ / 三　　　　　　　　　最後は自害したあの男　　　　三
　　　　　　　　　 i　 L!ﾆﾆ`／/::i 　l:::!:::::::　　i　,'::　　, '　／／ | l　i 川　| l　i川　| l　i 川 l　i川　| l　i 川 |＼＼
　　　　　　　　　 |　 `－-- '"::ノ　,' .,':::::::　　 !'"　／/ーー- ､
　　　　　　　　　│ 　-ー- 　　 /　,'::::::: : : /:: : :'"／:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:`　､
　　　　　　, 　 '"゛ヽ､　　　　／::::,':::::::::::::/::::::::／:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀` ー-
　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`....-ー'";;;;;;;,:':::::::::::::::::::::／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　　　, ':.:.:.:.:,:.:.'":.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',`ヽ､　`゛::::::;;;;;;／::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　 ,:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:', /(-=＝=-､/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
731： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:17:57 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　 /:.:.:.:.i.: : : : : : : :.,r´⌒` 、 : : : : : : : }::＼
　　　　　　　　/:.:.:.:.:.|.: : : : : : : :.{ /∨ヽ.}: : : : : : : : .ｉ:.:.:.ヽ
　　　　　　　 |:.:.:.:.:.:|.: : : : : : : :.丶､__,．': : : : : : : : 丿:.:.:.:）
　　　　　　 i:.:.:.:.:.:.:i、 : :__,,.-ｬ=ァ~~￣~~了"べ亙:.:.:.:./
　　　　　　　　i.:.:.:.:.:.:`iｧ弋: : : : : : : : :.ﾄ､.: : : : : :.ノl|∨/
　　　　　　　　＼／＼,＿.: : : : : : : :.|,,,i、_,,.∠;斗l|l|ｲ
　　　　　　　　　,ゞ,l|l||´<込ﾆﾅｧーｰ亠 z弋才ゞ{l|れヽ　　　（国のため、民のために戦える勇者……
　　　　　　　　　i､丸l|{　.f　￣.,,/" }　!"ヾ,,￣　}ミ/ﾜﾘ　　　　　　　　　あれほどの勇者が高麗にはどれだけ残っているのだ……）
　　　　　　　　　ヾ`､_言ｌ.　　　　|　　　　　　./ﾐfｿ./
　　　　　　　　　　　＼_ﾐ. ｉ　　　i､,i_,jゞ, 　　 /　|／
　　　　　　　　　　　ノl`i、､_.．イ´彡ｪﾐ爻ﾞｼｪ;,.ｬ　i|`夊
　　　　　　　　　　　ﾙj;|ト`ｰ‐''""￣￣｀`゛゜`゛　ﾒ|ミﾐし
　　　　　　　　　　　彡廴＼ヽ.　~武才~ 　/ ／/_|父
　　　　　　　　　　　　ノ|:.:.ｉＶ＼!, 　　　　　／ｵ.ｉ:.:ト．_
　　　　　_,,.．ｬヒ''"´ 斗:.:.:ｉﾍ.: :＼,_＿_,／ｼﾞ/: :.ｉ.:.:r-ゝ~"'ｰ- ,,

　　　 /: :: :: ::r' ｢｀'v'´1ヽ: :: :: :: :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　 ': :: :: :: ::{　|_ｌ∨ｌ_|　}: :: :: :: :: :: :: :: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　{: :: :: :: :: ゝ __ 　 __ノ: :: :: :: :: :: :: :: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　ヽ: :: :-‐: :¨￣: :￣¨: :: :‐-: : _: :: :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.　（崔一族も、金一族も多くが死んだ
　　／: :: : ＿＿__　__＿＿＿＿＿_z≧.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.　　　都督は三別抄と共に反乱を起こし国土を荒し回った）
　　｀￣￣へ≧x､　　x≦三x＜¨`　　j三≧x:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　ｉﾐ', ｨてｵ}　j: >'てﾘ＞　　　 !ﾆﾆ／＾ヽ.:／
.　　　　　 iﾐｌ　　¨´!　　｀¨'' 　　　　 lﾆﾆﾚく}　}ﾐ
　　　　　　ﾐi　　 /　　　　　　　　　　ミﾐ/ ,ク /ﾐ
　　　　　ｷr､　ヽｰ'ｧ､) 　　 ,.ｨ　　　ﾐミ}ノ／ミ
　　　　　　圦辷ﾁ彡_込三彡’　　　　　ー'州ﾘ
　　　　　　　ﾍ　¨`￣￣｀　　　　　 ,′{州≧=ｲ
　　　　　　　　ﾊ　　( ⌒｀''　　　　　　ノ　从辷彡’
732： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:18:26 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　 /:.:.:.:.i.: : : : : : : :.,r´⌒` 、 : : : : : : : }::＼
　　　　　　　　/:.:.:.:.:.|.: : : : : : : :.{ /∨ヽ.}: : : : : : : : .ｉ:.:.:.ヽ
　　　　　　　 |:.:.:.:.:.:|.: : : : : : : :.丶､__,．': : : : : : : : 丿:.:.:.:）
　　　　　　 i:.:.:.:.:.:.:i、 : :__,,.-ｬ=ァ~~￣~~了"べ亙:.:.:.:./
　　　　　　　　i.:.:.:.:.:.:`iｧ弋: : : : : : : : :.ﾄ､.: : : : : :.ノl|∨/
　　　　　　　　＼／＼,＿.: : : : : : : :.|,,,i、_,,.∠;斗l|l|ｲ
　　　　　　　　　,ゞ,l|l||´<込ﾆﾅｧーｰ亠 z弋才ゞ{l|れヽ　　（林衍の専横を黙認した私も同罪かもしれん
　　　　　　　　　i､丸l|{　.f　￣.,,/" }　!"ヾ,,￣　}ミ/ﾜﾘ　　　　今更文官を惰弱と馬鹿にする気もない。だが――）
　　　　　　　　　ヾ`､_言ｌ.　　　　|　　　　　　./ﾐfｿ./
　　　　　　　　　　　＼_ﾐ. ｉ　　　i､,i_,jゞ, 　　 /　|／
　　　　　　　　　　　ノl`i、､_.．イ´彡ｪﾐ爻ﾞｼｪ;,.ｬ　i|`夊
　　　　　　　　　　　ﾙj;|ト`ｰ‐''""￣￣｀`゛゜`゛　ﾒ|ミﾐし
　　　　　　　　　　　彡廴＼ヽ.　~武才~ 　/ ／/_|父
　　　　　　　　　　　　ノ|:.:.ｉＶ＼!, 　　　　　／ｵ.ｉ:.:ト．_
　　　　　_,,.．ｬヒ''"´ 斗:.:.:ｉﾍ.: :＼,_＿_,／ｼﾞ/: :.ｉ.:.:r-ゝ~"'ｰ- ,,

　　　　　　　　　　 .r-三r´ /rr三y=ニヽ
　　　　　　　　　／ﾍへ,. {< ｿl ,,r,,,二ニﾆヽ
　　　　　　　　　jﾆr='''- ﾟﾞ ´￣　　　,　ゞ三=ゝ
　　　　　　　　ｿﾆr ,　　　ー -　　　ヽ　ゞ二=k
　　　　　　　　rﾆ=' {　　　　　　　　　ｭz,,., ゞ二=y
　　　　　　　／ﾆr ,へ、　　　　／∠´ﾞ´. ゝjﾘl=k,
　　　　　　　 { / /´ﾞ｀二ヾｭ,　 .'ゞr ﾞQ ｧ,　　ﾘ}.}k ゞ _ =-、
　　　　　　　 yr,l　　ﾄ Q ヾ,.l　　ゝ￣　　ｲ, /、三ﾆニﾆ,
　　　　　　　〈y.lヾ　｀ﾞ´　 .l　　,＿_r=、　´}ﾍニ三-二ﾆ
　　　　　　　　{jﾆゝﾍ　 r- -r _, ,ｲﾆ=- ﾞ j　 .lﾊゞ三ニニﾍ
　　　　　　　　jlニ=ﾘl　<-= .＿ _ ー ,　　'　イl.ﾄ,ﾆニニy´
　　　　　　　/jニy j=ゝヽ　　r;;;;z　　　　＼＼ | l　i 川　| l　i川　| l　i 川 |　| l　i川| l　i 川／／
　　　　　　ｿ''ニ'=ﾉ /jﾄ、　　ﾞ　　　　 ./ 三　　　　裏切り者に頼ることなく　　　　　　　　　三
　　　　　　{{、ニ/´　ｿ　、, ヽ＿jkｧーｨー三　王と群臣が政を行える国になればいいが　三
　　　　　　　ゞ>,ゝ　l!　rゝ-ﾄ-ヾ-、r-ｲ- ／／ | l　i 川　| l　i川　| l　i 川 l　i川　| l　i 川 |＼＼
　　　　　　　,ソj　} ﾍ,- ´　-<;;;;;;＿ .-ーｙ ’　／;;;;ｨ´
　　　　　　　ゝr-{ﾘ'　　＿ -ﾌz　　／'' ﾉ　　/;;;;;;ｨ　　　r;;;
　　　　　　　　｛´ /´::::::ｨ''´　　／´ ノ　　ｲ;;;;;/　　　ィ;;;;;;
　　　　　＿＿r-k;;;ｨ´＿ _zｲ´ ／　　;;;/;;;;／　　／ ´ ￣
　　　　ｿ´ｪｭｲ´ --´　ー＿ｨry'　　　;;;/;;;;ｨ　　　´
733： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:18:52 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　 .r-三r´ /rr三y=ニヽ
　　　　　　　　　／ﾍへ,. {< ｿl ,,r,,,二ニﾆヽ
　　　　　　　　　jﾆr='''- ﾟﾞ ´￣　　　,　ゞ三=ゝ
　　　　　　　　ｿﾆr ,　　　ー -　　　ヽ　ゞ二=k
　　　　　　　　rﾆ=' {　　　　　　　　　ｭz,,., ゞ二=y
　　　　　　　／ﾆr ,へ、　　　　／∠´ﾞ´. ゝjﾘl=k,
　　　　　　　 { / /´ﾞ｀二ヾｭ,　 .'ゞr ﾞQ ｧ,　　ﾘ}.}k ゞ _ =-、
　　　　　　　 yr,l　　ﾄ Q ヾ,.l　　ゝ￣　　ｲ, /、三ﾆニﾆ,
　　　　　　　〈y.lヾ　｀ﾞ´　 .l　　,＿_r=、　´}ﾍニ三-二ﾆ　　　　金将軍、私の顔に何か？
　　　　　　　　{jﾆゝﾍ　 r- -r _, ,ｲﾆ=- ﾞ j　 .lﾊゞ三ニニﾍ
　　　　　　　　jlニ=ﾘl　<-= .＿ _ ー ,　　'　イl.ﾄ,ﾆニニy´
　　　　　　　/jニy j=ゝヽ　　r;;;;z　　　　.ィ, .lﾊﾆ,=jr;／
　　　　　　ｿ''ニ'=ﾉ /jﾄ、　　ﾞ　　　　 ./　l./　ﾄ-／　　;;;
　　　　　　{{、ニ/´　ｿ　、, ヽ＿jkｧーｨー━y　r　　　;;;;;;y
　　　　　　　ゞ>,ゝ　l!　rゝ-ﾄ-ヾ-、r-ｲ- ´_ ／　　／´シ
　　　　　　　,ソj　} ﾍ,- ´　-<;;;;;;＿ .-ーｙ ’　／;;;;ｨ´
　　　　　　　ゝr-{ﾘ'　　＿ -ﾌz　　／'' ﾉ　　/;;;;;;ｨ　　　r;;;
　　　　　　　　｛´ /´::::::ｨ''´　　／´ ノ　　ｲ;;;;;/　　　ィ;;;;;;
　　　　　＿＿r-k;;;ｨ´＿ _zｲ´ ／　　;;;/;;;;／　　／ ´ ￣
　　　　ｿ´ｪｭｲ´ --´　ー＿ｨry'　　　;;;/;;;;ｨ　　　´

　　　　　　　 ,　 -‐‐…‐‐-　 .
　　　　　／: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :｀ヽ
.　　　　／: :: :: :: :: :: :: :: :〃「∨|ヾ: : }
　　　　／:.:.:.:.:.:: :: :: :: :: :: :: :ゞ,!___」ﾉ:_::ﾉ
.　　 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: :: ::_;: ::-‐: : ¨￣: :: : ＼
　　　{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.イｧ‐ ,.へ _‐―‐‐ｘｪ一'
　　　ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.ｨ=守i 　" ≧tﾗ＾{ )ﾁｭ}
　　　　｀ｰｧ爪てヾﾐ　 {　　　 '´'. {　｜
　　　　　　川込_うミ　ヽ　　　,. 、）　!　　　　いえ、何も
　　　　 (､_川i∧　jﾐ　　　　,.ｨ彡ミメ〈
　　　　冫少　、ｷ　　 } 〃こ二7/`　　　　ただそろそろ接敵してもおかしくは――
　　　　彡ﾍ、　　　込、　｀　　'⌒ ,′
　　_／: :: :{ :｀ ‐　.,__　＞x＼人_人,_从人_人_人,_从,人／
＜//ヽ　: :: ::.:.:.:.:.:. :｀;: : ::‐― ）　　　敵襲ーっ！　　　　（
: : ＼/∧:_::_::_::_:: :＼::', :: :: ／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ﾍ
: :: :: ∨∧:: :: :: :: ::.｀ヽ',: :: : ﾘ: :-‐　∨/∧‐-x
734： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:19:24 ID:f7dzBggw0: 　　　 /: :: :: ::r' ｢｀'v'´1ヽ: :: :: :: :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　 ': :: :: :: ::{　|_ｌ∨ｌ_|　}: :: :: :: :: :: :: :: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　{: :: :: :: :: ゝ __ 　 __ノ: :: :: :: :: :: :: :: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　ヽ: :: :-‐: :¨￣: :￣¨: :: :‐-: : _: :: :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　／: :: : ＿＿__　__＿＿＿＿＿_z≧.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　｀￣￣へ≧x､　　x≦三x＜¨`　　j三≧x:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　ｉﾐ', ｨてｵ}　j: >'てﾘ＞　　　 !ﾆﾆ／＾ヽ.:／　　　来たか……
.　　　　　 iﾐｌ　　¨´!　　｀¨'' 　　　　 lﾆﾆﾚく}　}ﾐ
　　　　　　ﾐi　　 /　　　　　　　　　　ミﾐ/ ,ク /ﾐ
　　　　　ｷr､　ヽｰ'ｧ､) 　　 ,.ｨ　　　ﾐミ}ノ／ミ
　　　　　　圦辷ﾁ彡_込三彡’　　　　　ー'州ﾘ
　　　　　　　ﾍ　¨`￣￣｀　　　　　 ,′{州≧=ｲ
　　　　　　　　ﾊ　　( ⌒｀''　　　　　　ノ　从辷彡’

　　　　,.-――――――――――――-､
　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l
　　　　　>､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |
　　　／―`＼､　　　　　　　　　　　　　　 |
　　／―――u ＼＿_　　　　　　　　　　　　　 |　　　　行くぞ！
　　ヽ　ヽ二二ニﾆﾆヽ`ｰ-､_____　　　　　　 |
　　　ｎ===～=-､===============､　　　.|　　　　守護の部隊が到着する前に武功を上げるんだ！
　　　| |〉　i]　　　）　　　u 　　 |　|⌒`i　　　　.|
　　　| |　 └┐r'　　u　　　　 |　|⌒`|　　　 .|
　 .／U　u`ーし‐'　　　　 U 　 .l　|(^) |　　　 |
∠＿＿　)　　O　ーU-､＼.　　.| .|___ノ　　　　|　　　　　　┏━━━━─────
　　　＜＿＿＿＿＿　ヽ　　　.Vヽ　　　　　　|　　　　　　　まず高麗軍と接敵したのは抜け駆けで西進していた御家人衆
　　　　└┴┴┴┴`i　　l　　/　　＼　　　　|　　　　　　　一族、もしくは二、三の家で小規模の部隊を形成
　　　　　 ┌┬┬┬rﾉ　　　/　　　　＼　　 |＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─────━━━━┛
　　　　匚￣￣￣￣u.　　/　　　　　　　＼／
　　　　　　| 　 U　 u　　 /　　　　　　　／
　　　　 l＿＿＿＿＿/　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／
735： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:20:00 ID:f7dzBggw0: 　　　 ┏┓　　　 ┏┓　　　 ┏┓　　　 ┏┓　　　 ┏┓　　　 ┏┓　　　 ┏┓ 　　　　 ┏┳┓
┏━━┛┗┳━━┛┗┳━━┛┗┳━━┛┗┳━━┛┗┳━━┛┗┳━━┛┗┓ 　　　 ┃┃┃
┗━┓　 ┏┻━┓　 ┏┻━┓　 ┏┻━┓　 ┏┻━┓　 ┏┻━┓　 ┏┻━┓　 ┏╋┳┳┓ ┃┃┃
　　 ┃┃┃　　 ┃┃┃　　 ┃┃┃　　 ┃┃┃　　 ┃┃┃　　 ┃┃┃　　 ┃┃┃┃┃┃┃ ┗┻┛
┏━┛┃┃┏━┛┃┃┏━┛┃┃┏━┛┃┃┏━┛┃┃┏━┛┃┃┏━┛┃┃┣┻┛┃ ┏┳┓
┗━━┻┛┗━━┻┛┗━━┻┛┗━━┻┛┗━━┻┛┗━━┻┛┗━━┻┛┗━━┛ ┗┻┛
　　　　――――∧＿∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┏━━━━────
　　＿＿＿＿＿(　´Д｀)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　少人数での行軍が可能なわき道を迂回し
　　　―――==○====○=====X二＞　　　　――――∧＿∧　　　　　　　　高麗軍の中央へ奇襲をかける　　　　　　
　　　　　＿＿/　（＿_）　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿(　´Д｀)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─────━━━━┛
　　　―――（＿_）　　　　　　　　　　　　　　　―――==○====○=====X二＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿/　（＿_）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―――（＿_）　　　――――∧＿∧
　　　　　　　　　　∧∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿(　´Д｀)
　　　　　　　　　 (#ﾟДﾟ)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―――==○====○=====X二＞
＜二X=======と/:::::::]つ　　　　――――∧＿∧　　　　　　　　　＿＿/　（＿_）
　　　　　　　　 /;;;;;;;;i;ゝ　　＿＿＿＿＿(　´Д｀)　　　　　　　―――（＿_）
　　　　　　　　　（_/`Ｊ　　　　　―――==○====○=====X二＞　　　　――――∧＿∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿/　（＿_）　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿(　´Д｀)
　　　　　　　　　　　　　　　　　―――（＿_）　　　　　　　　　　　　　　　―――==○====○=====X二＞
　　　　――――∧＿∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿/　（＿_）
　　＿＿＿＿＿(　´Д｀)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―――（＿_）
　　　―――==○====○=====X二＞
　　　　　＿＿/　（＿_）
　　　―――（＿_）
736： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:20:41 ID:f7dzBggw0: 　　　／. :: :: ::_::_:: :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　.: :: :: :γ ﾄ、/lヽ :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.:.
　/.:.:.:.:. ::弋！V！ﾉ_:: :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.
. {.:.:.:.:＞:: ::¨￣:: :: :: :｀＞x.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　､::≫=＝＝==≪.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　//州__: : : : : : : :｀＞≧≡= ≧､.:.:.:.:.:.
　{（:州へ≧=x ､≦rﾋﾞﾃ‐`　　川⌒ヽ:i
　゛¨沁 <ツゝi　!::''　　　､__彡ｲ/＾} ｝i　　　わき道があったのか？
　　-=彡　　　|　　　　　　　￣　}!_ ﾉ/:i:i
　　　 j!　　 ,{、ﾑ )　　　）}　〔彡'州:i　　　全軍隊列を乱すな！
　　　　 ∧　,ｨ升_守≧=≦ノ　 ,' _）)川:i:
　　　　辷彡ノ辷ﾆ≧≡'" 　 / ｰ=≦彡
　　　　　　ﾍ　 `:::::7´　　　 ,:′　　从州
.　　　　　　　 ';　　　　　　／ ;;　　　/:/ﾆﾆ
　　　　　　 ,.斗｀ー‐一升i/:ﾐ　／.:.:i二ﾆ　
　　　　　,ｨ劣/∧､ _＿＿___,/／:: ::.:.:|二ﾆ　
-‐: :: :,ｨ仁:i/:: ::∧:.:. :: :: :: :/: :: ::.:.:.:.:｣二ﾆ　
: :: : /ﾆ二/: :: :: :∧:.: :: :: :/:: :: :__二=!≠ﾆ
: :: /ﾆ二/三二ﾆ=‐､: : ｒ=ニ￣: :: :: :|三二

　　　　　　　　　　　 , -‐-､　 , -─- ､._
　　　　　　　　 .／　　　　V　　　　　 `‐- ､
　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　.／　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　 /　　　　　　 /vﾍ　　　　　　　　ヽ、
. 　　　 l　　　　　　 /、　-＼　 l＼　.i,　　　　　 l
　　　　　|　　　　　　　　/､..＼ ‐--＼|-'＼|＼l`､　　 l
　　　　　|　　　　　　／.　＼..＼__　　　　,／.／＼l＼|
　　　　　|　　 __ 　 /＿＿＿_＼.__|　　　 |.／＿＿__」.
　　　　　| 　 ./‐ヽ┼| 　　====￣ |￣￣|￣====　　|
. 　　　 |　　|.|-､|..| | 　（　　 o　 |￣￣|.　o　　） .|　
.　　　　 |　　|.|‐､| |..＼__ ` ‐u-__ ｲ:　　　lヽ_ u-‐' ,ノ　　　撃ちあうな！
.　　　　　|　　|.l_（.|.|　　　￣￣　 l:::　　　 l　￣￣　|　　　　敵軍になだれ込め！
　　　　 |　　ヽ-'/l 　／＿__/　l_:::　　　　_l　l.___ヽ.|
　　　　　 |　　　 /　l /　/　 , -- ､.｀`‐-‐'´_＿＿__ l
　　　　　│　　./　 ::l. /　 /- ､＿_￣￣￣＿＿ｌ/.l
.　　　／| 　 ./. 　 :::l.　　|_＿＿___￣￣￣　＿/ .|　　┏━━━━────
　　／ :::::|　 /　　　::::l　　＼_　　￣｀Y´￣　/　.|　　　その場での迎撃を試みる高麗軍に対して
. ／ ::::::::::::|. /　　　　::::l　　　￣￣￣￣￣￣　　|＼　　　　圧倒的に数が少ない御家人衆は強攻策を取る
:|::::::::::::::::::::|/ 　　　 :::::l.　　 l.　 l　 l. TTT l　l.__,l:l::::::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─────━━━━┛
|:::::::::::::::::::::|＼　　　　 :::::￣￣￣￣￣￣￣l￣:::::::::|::::　
::::::::::::::::::::::|　＼　　　 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::／|:::::::::::::::|::
737： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:21:17 ID:f7dzBggw0: ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
　　　　　　　　　　　　　　　　　,rt､　　　　 ,-‐､　　　　　　　　　　　　　| ,rt､　　　　　ヾミ　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　ハハ彡　/ト'ヾヽ　　　l=j, (,、　　　　　　　　i`i`彡0ｆト'ヾヽ　　　　　ヽﾐ彡/ 　　　　
　ゞゝ──ゝ　　／､ゝX 　彡ゝoノ　ハハ/ソ/⌒ゝ　　　　　　/　ゝ彡ゝoノ　　　　　　　/|　　iヽ　　　　
　　　　　　　　(　'　Y''''ノ＼　彡　／､ゝx彡ヾ > ）､__ノ彡ﾐ=　| 、ノ　彡くﾐヽノﾐ= 　　　 o,| 　 ||ol.　　　　
　　　　　　　　　`‐'￣＼　ヽノ　(　'　Y''ノ彡く/彡'　　＼　　　`‐' ヽ____/ゞ | ヽ　　へ　 /〈|`‐'　|〉　　　　　
''''''''"""""￣￣￣　　　〉____,／ | `‐'ヽ　ヽノ |/／　|　　　|　　　　　|川ﾘｰ'　　|　　,;' ) / c|､____, |っ　へ　　|
""""￣￣　　　　／＼|ﾘjilji 　丶ゝヽ〉____,／ゝヽｰ'　　 /　　　　　|　y　ノヽ　|　/ (ヽ　　| 川ﾘl |　 ,;' ).　
-‐　_,,.　．-‐　　　ヽｿゝゝ　　　　　`''' 川ﾘ|　　`'''　,'ヽ　丿　　／＼// //　　ヾ|　　　　　　ヽ |ｰ| /　/ (ヽ
　-‐ _,,.　．-‐　　,-‐'''"　ゝ　　ノ-ー'7ゝ　ゝ　　ゝ'　ヽ　ヽ　　ヽｿゝ/ //　　　/ゝ　　　　　ﾉゝﾉゞ　　
　_,,. 　　 -=━━|　-ー　/　彡　　／　　/　／　.　..　ヽ〉　　ノｿヽ/ゝ　　　　　.　　.　　　/ゝ　/ゝ　
　　　　-‐'''""-‐'''ヽヽヽ/ ／ .:-‐' /　／/ ／　　　.　　//　／ゝ /ゝ　　　／／　　　　　　　　　　　　
　　　　,,,-‐'''""　　_,..:-/／,..:-‐'"/／　/／_,..:'_,..:'　　/ゝ／　 < <　　　　　　　／　　　　　　/　　　　
-‐'''"",,,,,　　　　　　　/ゝ　　　　/ゝ　 /／　_,..:'　　／　　　　　ゝ`　　　　／　　　　　　/　　　　　/　
-‐'''""_,..:-‐'"_,..:-‐'" 　　　　　　　　 /ゝ　　　　　　／　　　　　　　／　／　／　　　//　/　//　/　　
_,..:-‐'"_,..:-‐'"_,..:-‐'"_,..:-‐'"_,..:''　　　_,..:'　　／　　　／　　／／　　／　／　　　　 /　　/　　/　/　　
　　　　_,..:-‐'"　　　　　　_,..:''　　　_,..:'　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　/　　　

　　　　　　　　　┏━━━━────
　　　　　　　　　　ほとんどやけっぱちの突撃だったが、これが功を奏した
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ────━━━━━┛
738： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:21:48 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　 ,　 -‐‐…‐‐-　 .
　　　　　／: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :｀ヽ
.　　　　／: :: :: :: :: :: :: :: :〃「∨|ヾ: : }
　　　　／:.:.:.:.:.:: :: :: :: :: :: :: :ゞ,!___」ﾉ:_::ﾉ
.　　 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: :: ::_;: ::-‐: : ¨￣: :: : ＼
　　　{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.イｧ‐ ,.へ _‐―‐‐ｘｪ一'
　　　ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.ｨ=守i 　" ≧tﾗ＾{ )ﾁｭ}
　　　　｀ｰｧ爪てヾﾐ　 {　　　 '´'. {　｜　　　　落ち着け！
　　　　　　川込_うミ　ヽ　　　,. 、）　!
　　　　 (､_川i∧　jﾐ　　　　,.ｨ彡ミメ〈　　　　　敵は百にも満たん少勢だぞ！
　　　　冫少　、ｷ　　 } 〃こ二7/`
　　　　彡ﾍ、　　　込、　｀　　'⌒ ,′
　　_／: :: :{ :｀ ‐　.,__　＞x､　　,ﾘ
＜//ヽ　: :: ::.:.:.:.:.:. :｀;: : ::‐―〕¨´
: : ＼/∧:_::_::_::_:: :＼::', :: :: : :l＞-　..,,__
: :: :: ∨∧:: :: :: :: ::.｀ヽ',: :: : ﾘ: :-‐　∨/∧‐-x

　　　　　　　　　　　 ,＿　＿,、
　　　　　　　　　,斗三三三笠,三ェ,
.　　　　　　　ｭｙ三ｙ'´　´￣　　ヾ三ｋｪ
　　　　　　　ｨ三ｭ　　　￣´　ィァ≠ゞ三ｋ
　　　　　　 j彡ﾉ≦ﾆ=ｭ,.l,　l≠r Qyjヾ三ｆュ==、
　　　　　　ｿ彡ﾊ,f´　Qゞ　　≧-ィ'　　ﾄ三三≦
　　　　　 <彡ﾐ!　｀￣ｼ .ｌ　　　｀　　　ｌｊｌ.ｌ三ﾄ三k三二一,、　　　歩兵は前に出て弓兵を守れ！
　　　　　　】ﾐｌ.ｌ　　　ノ .ソ{ ゝヽ-=　 .ｌ.ﾉﾄ三三　三爪
.　　　　　　ｊ三ﾍ-　（´_.竺二一、'-´　ﾄ三ﾐﾐ爪三ﾍへ　　　　　　何をしている！
　　　　　　ﾄ巛≡　　, ／　,＿ ,｀　´　 ljﾐ巛ﾐミkミ巛三三爪、
　　　　　　ヾ仙ミゝ　　　 {;;;;;,　　　　　ｨハ三ミﾐ三　／y　｀三三　へ
　　　　　　　ヽy三>　　　　¨　,　　　ィj;　ゞk爪ﾐ／´
　　　　　　　　 jﾐミk　へ　＿j山ー´　j;　,＞´　／　　　／　　　／; j
　　　　　　　　ヾ三k　　　弋=ｿ¨　　ﾄy´　／　　;;;;;／　　　　／　　j　　　　┏━━━━─────
　　　　　　　　　ﾄ三ﾍヽ,　　　＿　ソ　　／¨　　;;;;;y'　　　　;;;;;ｙ´　　;ｙ　　　　　元・高麗軍の軍装は渡海の関係上、騎兵の比率が少なっていた
　　　　　　　　　　j三ﾄ　　　;;;;;´ /;;　ノ´　　　;;;/　　／　;;;;／　　　　　　　　　　つまるところ、軽装歩兵中心の軍備になっていたのである
　　　　　　　　　　k´ l;;ゞ　　;;ノ´　／　　　;;;／　／　 ;;;;y　　　　　/;;;　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ─────━━━━┛
　　　　　　　　＿j;;;　　¨´　´　　/　　　;;;y　　y　　　;;;;j　　　　　ｼ´
　　　　　　　/　/卜=ー'　　　　'　　　;;;;j　／　　　;;;;;/　　　　　;;/
739： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:22:19 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧,..,.　　　　　 ∧∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　('(ﾟＯﾟ#)　　　　　と(；ﾟＯﾟ)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__ﾊﾊと i:i:i　　　　__ﾊﾊと i:i:i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　('＿ﾟ　ﾐヽ,,,ヽ～　('＿ﾟ　ﾐヽ,,,ヽ～
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ "Ｕ´）ミ　　　ヽ "Ｕ´）ミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 <^||￣<　　　　　　<^||￣<
　　　　　 ∧∧　　　　 ∧∧　　　　 ∧∧　　　　 ∧∧　　　　　　　　　　 ∧∧　　　∧∧　　 ∧∧
　　 /＼(ﾟ- ﾟ；)　　/＼(ﾟ- ﾟ；)　 /＼(ﾟ- ﾟ；)　 /＼(ﾟ- ﾟ；)　　　　　　　　　　(ﾟ- ﾟ；)　　 (ﾟ- ﾟ；)　　(ﾟ- ﾟ；)
　　<l―≪と )　∧∧‐≪と ∧∧‐≪と ∧∧‐≪と ∧∧　＜＞)))━＜＞)))━＜＞)))━＜＞)))━━
　　ヽ／(,,/＼(ﾟ- ﾟ；)　/＼(ﾟ- ﾟ；)　/＼(ﾟ- ﾟ；)　/＼(ﾟ- ﾟ；)　　　　　　　　 | 　 ,,）∧∧　　　∧∧　　 ∧
　　　　　　<l―≪と )　∧∧‐≪と ∧∧‐≪と ∧∧‐≪と ∧∧　　　　　し'｀Ｊ(ﾟ- ﾟ；)　　 (ﾟ- ﾟ；)　　(ﾟ
　　　　　　ヽ／(,,/＼(ﾟ- ﾟ；)　/＼(ﾟ- ﾟ；)　/＼(ﾟ- ﾟ；)　/＼(ﾟ- ﾟ；)　＜＞)))━＜＞)))━＜＞)))━＜＞
　　　　　　　　　　<l―≪と )　∧∧‐≪と ∧∧‐≪と ∧∧‐≪と ∧∧　　　　　| 　 ,,）～~　　∧∧
　　　　　　　　　　ヽ／(,,/＼(ﾟ- ﾟ；)　/＼(ﾟ- ﾟ；)　/＼(ﾟ- ﾟ；)　/＼(ﾟ- ﾟ；)　　　し'｀Ｊ　　　　 (ﾟ- ﾟ；)
　　　　　　　　　　　　　　<l―≪と )　∧∧‐≪と ∧∧‐≪と ∧∧‐≪と ∧∧　＜＞)))━＜＞)))━＜
　　　　　　　　　　　　　　ヽ／(,,/＼(ﾟ- ﾟ；)　/＼(ﾟ- ﾟ；)　/＼(ﾟ- ﾟ；)　/＼(ﾟ- ﾟ；)　　　　　　　 | 　 ,,）～~
　　　　　　　　　　　　　　　　　　<l―≪と ) <l―≪と )　<l―≪と ) <l―≪と )　　　　　　し'｀Ｊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ／(,,_つ　ヽ／(,,_つ　ヽ／(,,_つ　ヽ／(,,_つ
　　　　　　　　 ∧∧　　　∧∧　　 ∧∧　　　∧∧
　　　　　　　　(ﾟ- ﾟ；)　　 (ﾟ- ﾟ；)　　(ﾟ- ﾟ；)　　(ﾟ- ﾟ；)
　＜＞)))━＜＞)))━＜＞)))━＜＞)))━━Ｏ━と )━
　　　　　　　　　　　　　　 ∧∧　　　∧∧　　 ∧∧　　　∧∧
　　　　　　　　　　　　　　(ﾟ- ﾟ；)　　 (ﾟ- ﾟ；)　　(ﾟ- ﾟ；)　　(ﾟ- ﾟ；)
　　　　　　　＜＞)))━＜＞)))━＜＞)))━＜＞)))━━Ｏ━と )━

　陣形を組んだ上で戦闘に入った対馬や壱岐ならばともかく、いきなりの会戦では戦力となるのは軽装歩兵のみ
740： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:22:45 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　　 , -‐-､　 , -─- ､._
　　　　　　　　 .／　　　　V　　　　　 `‐- ､
　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　.／　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　 /　　　　　　 /vﾍ　　　　　　　　ヽ、
. 　　　 l　　　　　　 /、　-＼　 l＼　.i,　　　　　 l
　　　　　|　　　　　　　　/､..＼ ‐--＼|-'＼|＼l`､　　 l
　　　　　|　　　　　　／.　＼..＼__　　　　,／.／＼l＼|
　　　　　|　　 __ 　 /＿＿＿_＼.__|　　　 |.／＿＿__」.　　　切れ！切れ！
　　　　　| 　 ./‐ヽ┼| 　　====￣ |￣￣|￣====　　|
. 　　　 |　　|.|-､|..| | 　（　　 o　 |￣￣|.　o　　） .|　　　奴らの鎧は大したこと無いぞ！
.　　　　 |　　|.|‐､| |..＼__ ` ‐u-__ ｲ:　　　lヽ_ u-‐' ,ノ
.　　　　　|　　|.l_（.|.|　　　￣￣　 l:::　　　 l　￣￣　|
　　　　 |　　ヽ-'/l 　／＿__/　l_:::　　　　_l　l.___ヽ.|
　　　　　 |　　　 /　l /　/　 , -- ､.｀`‐-‐'´_＿＿__ l　　　┏━━━━────
　　　　　│　　./　 ::l. /　 /- ､＿_￣￣￣＿＿ｌ/.l　　　　対する御家人衆は騎乗者ならば当然ながら大鎧
.　　　／| 　 ./. 　 :::l.　　|_＿＿___￣￣￣　＿/ .|　　　　　騎乗していない従者でも簡素ではあるが鎧を纏っている
　　／ :::::|　 /　　　::::l　　＼_　　￣｀Y´￣　/　.|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─────━━━━┛
. ／ ::::::::::::|. /　　　　::::l　　　￣￣￣￣￣￣　　|＼
:|::::::::::::::::::::|/ 　　　 :::::l.　　 l.　 l　 l. TTT l　l.__,l:l::::::
|:::::::::::::::::::::|＼　　　　 :::::￣￣￣￣￣￣￣l￣:::::::::|::::
::::::::::::::::::::::|　＼　　　 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::／|:::::::::::::::|::

では、元と高麗軍の武装はといえば――
741： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:23:20 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　,. -─────- ､
　　　　　　　　／,. ‐- ､　　　　,. -‐ ､＼
　　　　　　 /.／　　､　`ｰ-‐'´ ,. -‐　ヽ.ヽ
　　　　　　 i ,'　V　　 ` ｰ-‐''´　　　　　i. l
.　　　　　　l {　　,. -ｰ- 　　 v -ー- 、u | |
.　　　　　 | ! ／ , ,:=- 、　U　 =＝､、ヽj } !
.　　　　 , -| } U {（　　@　　　 @　　 }}!　 { {⌒i
　　　　 { f ] | ヾヾミ=ィ　 U　}ﾞ=＝'"　,ィ !.｢ヽ|　　　ふ、ふざけるな！
.　　　　 | {.｣.!vr‐‐-'u {　u　　 l　､_,. -‐ ､ |!＾,ﾘ
　　　　　! L|!/,,,,,,,,,,,,,,,`u^ｰ'^ｰ'､,,,,,,,,,,,,,,,、 |_ソ　　　こっちは布の鎧なんだぞ！
.　　　　 `ｰ| /匚匚匚匚匚匚匚匚囗]ヽ !
　　　　　　 ! !-───‐-r-────-| |
　　＿,.. -‐'| 匸匚匚匚匚匚匚匚匚[_ﾚ'ﾉ`''ｰ- ､.＿
|￣　|　=＝''ﾞヽ､　　u　＿＿＿　　　,. ‐'ﾞヾ＝=　　|　　　　┏━━━━─────
|　　│　　　　 |:::::`''::ｰ:､￣￣,. ‐'' ´:::: |　　　　 |　　　　　布に鋲打ちをして、裏地に鎖を縫い込んだ
|.　　 | 　　　 !　　:::::::::::::｀´:::::::::::::　　 ! 　 v　　 |　　　　　防御力よりも機動性を重視したものである
|　　 |　‐- ､.._　　U 　 ::::::::::::::: 　　　 _,,.. -‐　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　─────━━━━┛

　　　　　　　　 ∧∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ヽ
　　　　　　　　(；ﾟ -ﾟ)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;:　　　 |　 |
　　　　　　━( つ━Ｏ━━(((＜＞　　　　　　　　　　　;:,.　　 |＿|　━━(((＜＞
　　　　　～（,,　つ　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧∧;::　　　　 ||
　　　　　　　 (,/´　　　　　　　　　　　　　　　　　(ﾟp;ﾟ;;:)彡　∧∧つ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ━(;:つ((;:;:., (ﾟへﾟﾒ)ヽ
　　　　　　　　　 ∧∧　　　　　　　　　　　　　～（;:;　ミ;:　ヽ,) ､_ ,,）～
　　　　　　　　　(；>_<)　　　　　　　　　　　　　　　ヽ;:)　;:;:;;:;:　＼ヽ,)
　　　　　　　━( つ━Ｏ━━(((＜＞　　　　　　　　　　　 "'';:;;:,..＼l　　　　　　　　　　　 ∧∧とヽ
　　　　　　～（,,　つ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／´/　　　　　(ﾟ∀ﾟ*) ノ
　　　　　　　　 (,/´　　　　　 ∧∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 /　　　　　 (　つ＝[ニニフ
　　　　　　　　　　　　　　　　(#ﾟ皿ﾟ)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /＿/　　　　　　/　 ,,/～
　　　　　　　　　　　　　　━( つ━Ｏ━━(((＜＞　　　　　　　　　　　　//　　　　　　 (,/´Ｊ
　　　　　　　　　　　　　～（,,　つ　　　　　　　　　　　　　　　　　∧∧ Ｏ∧∧
　　　　　　 ∧∧　　　　　 (,/´　　　　　　　　　　　　　　　　　　(ili>0<)　(iliTＯ･;:｡;:ﾟ;:
　　　　　　(；ﾟへﾟ)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ( つ━Ｏ━l:;:と:)(((＜＞
　　　　━( つ━Ｏ━━(((＜＞　　　　　　　　　　　　　　～（,,　　/ 　 /;::;:: ,,）～
　　　～（,,　つ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(,/'(,/　　 (;/'(;/
　　　　　 (,/´

切りあいならともかく、長物や太刀で思い切り叩かれるのには弱かった
742： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:24:08 ID:f7dzBggw0: 　　　／. :: :: ::_::_:: :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　.: :: :: :γ ﾄ、/lヽ :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.:.
　/.:.:.:.:. ::弋！V！ﾉ_:: :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.
. {.:.:.:.:＞:: ::¨￣:: :: :: :｀＞x.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　､::≫=＝＝==≪.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　//州__: : : : : : : :｀＞≧≡= ≧､.:.:.:.:.:.
　{（:州へ≧=x ､≦rﾋﾞﾃ‐`　　川⌒ヽ:i
　゛¨沁 <ツゝi　!::''　　　､__彡ｲ/＾} ｝i
　　-=彡　　　|　　　　　　　￣　}!_ ﾉ/:i:i　　　一人で戦うな！
　　　 j!　　 ,{、ﾑ )　　　）}　〔彡'州:i
　　　　 ∧　,ｨ升_守≧=≦ノ　 ,' _）)川:i:　　　数人で囲め！
　　　　辷彡ノ辷ﾆ≧≡'" 　 / ｰ=≦彡
　　　　　　ﾍ　 `:::::7´　　　 ,:′　　从州
.　　　　　　　 ';　　　　　　／ ;;　　　/:/ﾆﾆ
　　　　　　 ,.斗｀ー‐一升i/:ﾐ　／.:.:i二ﾆ
　　　　　,ｨ劣/∧､ _＿＿___,/／:: ::.:.:|二ﾆ
-‐: :: :,ｨ仁:i/:: ::∧:.:. :: :: :: :/: :: ::.:.:.:.:｣二ﾆ
: :: : /ﾆ二/: :: :: :∧:.: :: :: :/:: :: :__二=!≠ﾆ
: :: /ﾆ二/三二ﾆ=‐､: : ｒ=ニ￣: :: :: :|三二

三-'_ <二y'’　　ｌ　　　　　　　、 _ 　ヽ
´三二ニ7　　　　　　 ,　- .、　　　　｀ . l
ィ-=二シﾞ　　　　　ﾞ-=ゞへ、ヽ、　　　　ゝ
ｲ∧vlﾉ　　　　　　　　 -ｨﾆｭｪ.ﾍヽ,　　／j
ー}ﾍl.}、　　　　　　　ゞﾄ　.Q jヾゞj　ﾉ∠
/(　ゝﾊ　　　　　　　ヽ　ゞ-'' ﾞ,　　、 { Q}
ゝ)　ヽﾍ、　　　　　　　　　　　　　ゝヽ''l
_ l_ y,　;;;;へ、　　　　　　＿ _ r　　ヽゝ.}　　　　左軍右軍は共に中軍を援護しなさい
>-yj　　　　ヽ　　　　ゝ-　　 <＿、 _, ｝i
　　i　　　　　　　　　/ゝ-===>-、;;r=ｿ/　　　　これ以上の奇襲を許さないように
　　ｭ　　　　　　　　ｉ　ゝ- ー=　ーｒｨ
　　＼　　　　　　　　　　　　、　　　ｨ'　　　　┏━━━━─────
へ、_. ＼　　　　　　　　　　;;;￣　ﾞ´{　　　　　　強襲当初は高麗軍を混乱させることに成功した御家人衆であったが
　　　へ、ヽ_、　　　　　　　　　　　/
-=、_;;;;;;;;;;;　ｭェｚ、　　　　　　,,　ｲ. .、　　　　１００倍を超える兵力差は覆しようがなかった
＼　＼、;;;;;;;;;;;;;　＼ｒ-ﾆ-ｌｊﾘｧｲ;;/　　へ、＿ _　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─────━━━━┛
、　へ　　＼、_;;;;;;;;;;;;;;;;　　＼ｌﾘ;ｌｋ　　　　　ｌﾍ　　ﾍ-　-ーー-ｒ、
..＼、　　＼　　＼ﾍ、;;;;;;;;;;;;;;　　＼、＿　　　ｌヽ　　ヽ、　;;;;;;;;;; ｿ
　　＼　　　＼　　　＼k、　　　　　　　´　　　k　ヽ　　｀;;;;;;;;　人
　　　　　≧　　＞　　　　　＞　　;;;;;;;;;;;;≧　　　　　　ヽ;;;;;;;;;;;;;;　　ﾍ
743： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:24:50 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　　　:,:　　　　　　　　　　 :(::)
　　　　　　　　　　　　/⌒''⌒) :,,゜　　　　　 '　　　　　　　　 ,,,,,,,
　　　　　　　　　　　(:::::::::::::::!'　　　　　　　　　　　　　　　　 (::::::)
　　　　　　　　　　　ヽ::::::::';'''　　　　　　　　　　　　　　　　　''``　　。
　　　　　　　　　　 τ'::/ .;:
　　　　　　　　　　　 )/
　　　　　　　　　。　　　　　　　　　　　　'　　、　　　　　　　;:　。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`'''`~''・　　　　' `
　　　　　f''`⌒(　　　　　,,,,　　　　　　　　　　　　　　　!:(',,,,、　　　　　　　　　　　　　　::,,,,,、...
　　　　　,!,,,、(　　　　　/::τ　　　　　　　　　　　　　ノ:::::::::::::::::)　　　　　　　　　。　!::::::::::`!　、
　:.、　　　　　　　　　　!:::(　　　　　ﾉ::`!　　o　　　(::::::::::::::::::τ　　　　　　　　　　　　(:::,,;,;,、; 。
　　　　　　゜　　　　　(/　　　　　　⌒・　.　　・、;::::::::::::;;.;`` ''
　　　　　,,、..　　　／/　　　ノ'　　　　　　　　　/／'''`'`'` `　　　　　　 ..,,.. _,,,.、・　　　　　　　　　,, ...:・..
　　π /;::::::::(,.,.(;;;::::(　　 ,,.,　　・っ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;,;;( ):::::;.　　　　c::── '`'''::::::::::;''
　　　):::::::::::::::::::::::::::/　　'''''`　　　`　　　　　　　　'`　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒　` !.:::τ''　``
　τ　!::::::::::::::::::::::::::::)／,,,,,　γ　　　　　　　　　　　　　　 :'`'``:!
　　　(::::::::::::::::::::::::::::冫 `'`'　　　　、,:'::::::`:::,,,,　　　　　　　 !:::::ノ　　　　　　　　　・
　::：':'::::::::::::::::::::::::::::;(,,,,,,,、:::::::-ｰ''''`'`''''''''"
　　┏━━━━─────
　　　奇襲から高麗軍の諸隊が立ち直り始めると劣勢となり――
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─────━━━━┛

　　　　　　　　　　　　　　　　　..　/⌒i
　　　　　　　　　　　　　　　_,,..､　.|　 / ,..-､
　　　　　　　　　　　　　　　l 　 l　| /´ l,､_ノ ,
　　　　　　　　　　　　　　　|　 i'　'´_,,、　　　　　..　/⌒i
　　　　　　　　　　　　　　　.|　し''´　」　　　_,,..､　.|　 / ,..-､
　　　　　　　　　　　　　　　.|　 ,,.-''´　　. 　 l 　 l　| /´ l,､_ノ ,
　　　　　　　┌ ､　　　　　　|　.|　　　　　　　|　 i'　'´_,,、
　　　　　く＼.＼＼（＼　 ..l､_ﾉ　　　　　　 .|　し''´　」
　　　　く＼＼＼,}　Ｙ　|　　　　　　　　　　　.|　 ,,.-''´　　.
　　　　　＼ヽ' 　　　/_　　　　　　　　　　　　|　.|　　　　　　,､ r‐'ｌ　.r､、
　　　　く`一'　　　　 /∨＼　　　　　　　　　 ..l､_ﾉ　　　　　　ﾞl.|　ﾞl /　lﾞ
　　　　　｀￣¨丶､＿,／　　//`ー⊥∠⌒＼　ヽ　＿＿　│ ﾞl |　|/　lﾞ
　　　　　　　　　　／　　 ___,ノ厶ﾆヽ.　　　　　　　｜　　　: ﾞl,,ﾉ '"│ /
　　　　　＜　　　＿|＼_／r─＜９クｎ＼　　　　　| 　　　 ´　　.lﾞ　lﾞ
　　　　　　 )　　　　二｀T￢=ﾆニ二辷|_} ｝　　　　 /_＿＿　　　＼,lﾞ
　　　　-　＜　　　　　　　　　　　　　｀〈￣￣￣´
　　　　　　　)　　　　　　　　　　　　　 `
　　　　　　／^⌒`Y´^＼　　 '´⌒`Y´⌒`

　　　　　┏━━━━─────
　　　　　　部隊ごと取り込まれて討ち取られる者達が出始めた
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─────━━━━┛
744： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:25:27 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　／,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.､:.:ヽ
　　　　 /イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,:.:.:ﾊ:.:.:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.ヽ
　　　　 ./'/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,:.:.:.:./:.:/ ',:.:.:.:.',:.:.:.:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:ヽ
　　　　 ' .l:.:.,:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:./:.:./　 ',:.:.:.:.',､:.:.:.:',:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:､':.!
　　　　 l:.ｲ:.:.:.:.:.:.:.:./:.:,イ:.:./　ｰ‐＼:.:.:',＼:.:.',､:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾄ､!
　　　　　 !' l:.:.:.:.:.:／／ /:.:/ ー､　　.,＼:､　＼',｀､_:.:.:.:.:.:.l
　　　　　　 .l_:.:／‐--､/／　　　l　　l　　`　 _,-`'´ ｀‐､:.:.!
　　　　　　./.┌―――｀‐-‐'┐l!　.ヾ┌｀‐'´―――┐ヾ,
　　　　　 . l l .|　 ⊂つ‐--ｏ　l―――|-っ--‐､つ､ . |　l l　　　だめか……っ！
　　　　　　.l l　|　と /　　__,-'|￣￣￣| /､　　　＼ヽ |　l l
　　　　　　.ヽヽl＼〃￣´　　|　　　　 .|.l　｀￣´　.ιλ//　　　　せめて首一つ、それさえあれば……
　　　　_,-'´/ヽ_',〃｀――‐‐'l　　　　　l｀―――‐‐' l／ヽ‐､_
_,-‐‐'´　　/　 l .! l.┌――'´.l　　　　 . l ｉ｀―‐┐l　! l　ヽ　｀‐-､_
　　　　　./　　.l　!.l l .,‐,-,-,-,-,-===,-,-,-,-,-､ .l ! .! .l　　.ヽ
　　　 . /　　　l　 !l.!.(‐,‐,‐,‐,‐,‐,‐,‐,‐,‐,‐,‐,‐ ,) !　!　l　　　ヽ
　　　　/　　　 .l　ヽ　｀￣￣￣￣￣￣￣￣´ l_/　 .l　　　 .ヽ
　　　 /　　　　 l　　.ヽ　　　　=≡≡≡=　　　 ./　　.l　　　　ヽ
　　　.l　　　　　ヽ　　ヽ　　　　　　　　　　　 ./　　 /　　　　　.l
　　　 l　　　　　ヽ　　ヽ〃〃〃〃〃〃〃/　　 /　　　　　　l
　　　 .l　　　　　　ヽ　　　￣￣￣￣￣￣ ´　　 /　　　　 . l
　　　　l　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　l
　　　　.l　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　 /　　　　　 . l
745： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:25:54 ID:f7dzBggw0: ｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）
）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀｀）｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）
　　　　　　　　　　　　　∧＿∧ 　　　　　　　　　　　）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）
　　　　　　　　　 (ヽ（　　　　）ノ)　　　 ∧＿∧　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧＿∧
　　　　　　　　＿/＼／＼/＼／|＿　(ヽ（　　　　）ノ)　　　　　　　∧＿∧　　(ヽ（　　　　）ノ)
　　　　　∧＿＼　　　　　　　　　／ヽ￣ｌ￣ .／　　　　　　(ヽ（　　　　）ノ) ヽ￣ｌ￣ .／
　　　(ヽ（　　＜　　退却だ！　＞　　|　.　. 　 |　　／⌒ヽ　　ヽ￣ｌ￣ .／　 |　.　. 　 |
　　　ヽ￣ｌ　／　　　　　　　　　＼　　(＿/＼／＼/＼／|＿ノ) |　.　. 　 |　　　(___人__　）
　　　∧|＿∧ ￣|／＼/＼/＼/￣　　　∪＼　　　　　　　　　／(___人__　）　　　∧＿∧
　(ヽ（　　　　）ノ) 　　　　∧＿∧　　　　　＜　　　退け！　＞ノ)丿　し　　(ヽ（　　　　）ノ)
　ヽ￣ｌ￣ .／　　　(ヽ（::::::::::::::::）ノ)　　∧／　　　　　　　　　＼∪　　　　　ヽ￣ｌ￣ .／
　　 |　.　. 　 | 　　　　ヽ::￣ー￣.／ (ヽ（　￣|／＼/＼/＼/￣　　　　　　　∧＿∧　|
　　(___人__　）　　∧＿∧::::::|:::::::::|　　ヽ￣ｌ￣／ ( _,;*;,__　）　　／＿/＼／＼/＼／|＿
　　 ; 丿　し　(ヽ（　　　　）ノ) ::::::::）　　　|　.　. 　 |　　∪　 ; 丿(ヽ（　　＼　　　　　　　　　／
　　∪　　　　　ヽ￣ｌ￣ .／　; 丿　　　(___人__　）　　　　∪　　ヽ￣ｌ＜　　　退けぇ！　＞∧
　　　　　　　　　 |　.　. 　|　　　∪　　　　 ; 丿　し　　　　　　　　　|　.　／　　　　　　　　　＼　　）ノ)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣|／＼/＼/＼/￣
）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀｀）｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）
746： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:26:30 ID:f7dzBggw0: 　　　／. :: :: ::_::_:: :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　.: :: :: :γ ﾄ、/lヽ :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.:.
　/.:.:.:.:. ::弋！V！ﾉ_:: :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.
. {.:.:.:.:＞:: ::¨￣:: :: :: :｀＞x.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　､::≫=＝＝==≪.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　//州__: : : : : : : :｀＞≧≡= ≧､.:.:.:.:.:.
　{（:州へ≧=x ､≦rﾋﾞﾃ‐`　　川⌒ヽ:i
　゛¨沁 <ツゝi　!::''　　　､__彡ｲ/＾} ｝i　　　追うな！　
　　-=彡　　　|　　　　　　　￣　}!_ ﾉ/:i:i
　　　 j!　　 ,{、ﾑ )　　　）}　〔彡'州:i　　　わき道に誘い込まれたら戻れなくなるぞ！
　　　　 ∧　,ｨ升_守≧=≦ノ　 ,' _）)川:i:
　　　　辷彡ノ辷ﾆ≧≡'" 　 / ｰ=≦彡
　　　　　　ﾍ　 `:::::7´　　　 ,:′　　从州
.　　　　　　　 ';　　　　　　／ ;;　　　/:/ﾆﾆ
　　　　　　 ,.斗｀ー‐一升i/:ﾐ　／.:.:i二ﾆ
　　　　　,ｨ劣/∧､ _＿＿___,/／:: ::.:.:|二ﾆ
-‐: :: :,ｨ仁:i/:: ::∧:.:. :: :: :: :/: :: ::.:.:.:.:｣二ﾆ
: :: : /ﾆ二/: :: :: :∧:.: :: :: :/:: :: :__二=!≠ﾆ
: :: /ﾆ二/三二ﾆ=‐､: : ｒ=ニ￣: :: :: :|三二

　　　　　　　　　　 .r-三r´ /rr三y=ニヽ
　　　　　　　　　／ﾍへ,. {< ｿl ,,r,,,二ニﾆヽ
　　　　　　　　　jﾆr='''- ﾟﾞ ´￣　　　,　ゞ三=ゝ
　　　　　　　　ｿﾆr ,　　　ー -　　　ヽ　ゞ二=k
　　　　　　　　rﾆ=' {　　　　　　　　　ｭz,,., ゞ二=y
　　　　　　　／ﾆr ,へ、　　　　／∠´ﾞ´. ゝjﾘl=k,
　　　　　　　 { / /´ﾞ｀二ヾｭ,　 .'ゞr ﾞQ ｧ,　　ﾘ}.}k ゞ _ =-、
　　　　　　　 yr,l　　ﾄ Q ヾ,.l　　ゝ￣　　ｲ, /、三ﾆニﾆ,
　　　　　　　〈y.lヾ　｀ﾞ´　 .l　　,＿_r=、　´}ﾍニ三-二ﾆ
　　　　　　　　{jﾆゝﾍ　 r- -r _, ,ｲﾆ=- ﾞ j　 .lﾊゞ三ニニﾍ　　　斥候隊……にしては
　　　　　　　　jlニ=ﾘl　<-= .＿ _ ー ,　　'　イl.ﾄ,ﾆニニy´　　　　ずいぶんと戦意のある部隊でしたが
　　　　　　　/jニy j=ゝヽ　　r;;;;z　　　　.ィ, .lﾊﾆ,=jr;／　　　　
　　　　　　ｿ''ニ'=ﾉ /jﾄ、　　ﾞ　　　　 ./　l./　ﾄ-／　　;;;
　　　　　　{{、ニ/´　ｿ　、, ヽ＿jkｧーｨー━y　r　　　;;;;;;y
　　　　　　　ゞ>,ゝ　l!　rゝ-ﾄ-ヾ-、r-ｲ- ´_ ／　　／´シ
　　　　　　　,ソj　} ﾍ,- ´　-<;;;;;;＿ .-ーｙ ’　／;;;;ｨ´
　　　　　　　ゝr-{ﾘ'　　＿ -ﾌz　　／'' ﾉ　　/;;;;;;ｨ　　　r;;;
　　　　　　　　｛´ /´::::::ｨ''´　　／´ ノ　　ｲ;;;;;/　　　ィ;;;;;;
　　　　　＿＿r-k;;;ｨ´＿ _zｲ´ ／　　;;;/;;;;／　　／ ´ ￣
　　　　ｿ´ｪｭｲ´ --´　ー＿ｨry'　　　;;;/;;;;ｨ　　　´
747： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:27:05 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　 /:.:.:.:.i.: : : : : : : :.,r´⌒` 、 : : : : : : : }::＼
　　　　　　　　/:.:.:.:.:.|.: : : : : : : :.{ /∨ヽ.}: : : : : : : : .ｉ:.:.:.ヽ
　　　　　　　 |:.:.:.:.:.:|.: : : : : : : :.丶､__,．': : : : : : : : 丿:.:.:.:）
　　　　　　 i:.:.:.:.:.:.:i、 : :__,,.-ｬ=ァ~~￣~~了"べ亙:.:.:.:./
　　　　　　　　i.:.:.:.:.:.:`iｧ弋: : : : : : : : :.ﾄ､.: : : : : :.ノl|∨/
　　　　　　　　＼／＼,＿.: : : : : : : :.|,,,i、_,,.∠;斗l|l|ｲ
　　　　　　　　　,ゞ,l|l||´<込ﾆﾅｧーｰ亠 z弋才ゞ{l|れヽ　　　威力偵察用の部隊でしょう
　　　　　　　　　i､丸l|{　.f　￣.,,/" }　!"ヾ,,￣　}ミ/ﾜﾘ
　　　　　　　　　ヾ`､_言ｌ.　　　　|　　　　　　./ﾐfｿ./　　　でなければ、原隊からはぐれた部隊といったところか
　　　　　　　　　　　＼_ﾐ. ｉ　　　i､,i_,jゞ, 　　 /　|／
　　　　　　　　　　　ノl`i、､_.．イ´彡ｪﾐ爻ﾞｼｪ;,.ｬ　i|`夊
　　　　　　　　　　　ﾙj;|ト`ｰ‐''""￣￣｀`゛゜`゛　ﾒ|ミﾐし
　　　　　　　　　　　彡廴＼ヽ.　~武才~ 　/ ／/_|父
　　　　　　　　　　　　ノ|:.:.ｉＶ＼!, 　　　　　／ｵ.ｉ:.:ト．_
　　　　　_,,.．ｬヒ''"´ 斗:.:.:ｉﾍ.: :＼,_＿_,／ｼﾞ/: :.ｉ.:.:r-ゝ~"'ｰ- ,,

　　　 /: :: :: ::r' ｢｀'v'´1ヽ: :: :: :: :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　 ': :: :: :: ::{　|_ｌ∨ｌ_|　}: :: :: :: :: :: :: :: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　{: :: :: :: :: ゝ __ 　 __ノ: :: :: :: :: :: :: :: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　ヽ: :: :-‐: :¨￣: :￣¨: :: :‐-: : _: :: :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　／: :: : ＿＿__　__＿＿＿＿＿_z≧.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　｀￣￣へ≧x､　　x≦三x＜¨`　　j三≧x:.:.:.:.:.:.:.　　　なんであれ行軍を続けましょう
　　　　　ｉﾐ', ｨてｵ}　j: >'てﾘ＞　　　 !ﾆﾆ／＾ヽ.:／
.　　　　　 iﾐｌ　　¨´!　　｀¨'' 　　　　 lﾆﾆﾚく}　}ﾐ　　　　これ以上時間をかけると野営地を作る前に日が沈んでしまう
　　　　　　ﾐi　　 /　　　　　　　　　　ミﾐ/ ,ク /ﾐ
　　　　　ｷr､　ヽｰ'ｧ､) 　　 ,.ｨ　　　ﾐミ}ノ／ミ
　　　　　　圦辷ﾁ彡_込三彡’　　　　　ー'州ﾘ
　　　　　　　ﾍ　¨`￣￣｀　　　　　 ,′{州≧=ｲ
　　　　　　　　ﾊ　　( ⌒｀''　　　　　　ノ　从辷彡’
748： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:27:44 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　　 ,＿　＿,、
　　　　　　　　　,斗三三三笠,三ェ,
.　　　　　　　ｭｙ三ｙ'´　´￣　　ヾ三ｋｪ
　　　　　　　ｨ三ｭ　　　￣´　ィァ≠ゞ三ｋ
　　　　　　 j彡ﾉ≦ﾆ=ｭ,.l,　l≠r Qyjヾ三ｆュ==、
　　　　　　ｿ彡ﾊ,f´　Qゞ　　≧-ィ'　　ﾄ三三≦
　　　　　 <彡ﾐ!　｀￣ｼ .ｌ　　　｀　　　ｌｊｌ.ｌ三ﾄ三k三二一,、　　
　　　　　　】ﾐｌ.ｌ　　　ノ .ソ{ ゝヽ-=　 .ｌ.ﾉﾄ三三　三爪　　　　　　　もう少し西に進めば赤坂山に出るでしょうから
.　　　　　　ｊ三ﾍ-　（´_.竺二一、'-´　ﾄ三ﾐﾐ爪三ﾍへ　　　　　　　そこに布陣しましょう。地図には林があって海風を凌げると有ります
　　　　　　ﾄ巛≡　　, ／　,＿ ,｀　´　 ljﾐ巛ﾐミkミ巛三三爪、
　　　　　　ヾ仙ミゝ　　　 {;;;;;,　　　　　ｨハ三ミﾐ三　／y　｀三三　へ
　　　　　　　ヽy三>　　　　¨　,　　　ィj;　ゞk爪ﾐ／´
　　　　　　　　 jﾐミk　へ　＿j山ー´　j;　,＞´　／　　　／　　　／; j
　　　　　　　　ヾ三k　　　弋=ｿ¨　　ﾄy´　／　　;;;;;／　　　　／　　j
　　　　　　　　　ﾄ三ﾍヽ,　　　＿　ソ　　／¨　　;;;;;y'　　　　;;;;;ｙ´　　;ｙ
　　　　　　　　　　j三ﾄ　　　;;;;;´ /;;　ノ´　　　;;;/　　／　;;;;／
　　　　　　　　　　k´ l;;ゞ　　;;ノ´　／　　　;;;／　／　 ;;;;y　　　　　/;;;
　　　　　　　　＿j;;;　　¨´　´　　/　　　;;;y　　y　　　;;;;j　　　　　ｼ´
　　　　　　　/　/卜=ー'　　　　'　　　;;;;j　／　　　;;;;;/　　　　　;;/

　　　／. :: :: ::_::_:: :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　.: :: :: :γ ﾄ、/lヽ :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.:.
　/.:.:.:.:. ::弋！V！ﾉ_:: :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.
. {.:.:.:.:＞:: ::¨￣:: :: :: :｀＞x.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　､::≫=＝＝==≪.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　//州__: : : : : : : :｀＞≧≡= ≧､.:.:.:.:.:.　　　　それはいいですな
　{（:州へ≧=x ､≦rﾋﾞﾃ‐`　　川⌒ヽ:i
　゛¨沁 <ツゝi　!::''　　　､__彡ｲ/＾} ｝i　　　　海風に当たらないだけで兵たちの疲労も随分と差が出る
　　-=彡　　　|　　　　　　　￣　}!_ ﾉ/:i:i
　　　 j!　　 ,{、ﾑ )　　　）}　〔彡'州:i　　　　そこはなんという名の土地で？
　　　　 ∧　,ｨ升_守≧=≦ノ　 ,' _）)川:i:
　　　　辷彡ノ辷ﾆ≧≡'" 　 / ｰ=≦彡
　　　　　　ﾍ　 `:::::7´　　　 ,:′　　从州
.　　　　　　　 ';　　　　　　／ ;;　　　/:/ﾆﾆ
　　　　　　 ,.斗｀ー‐一升i/:ﾐ　／.:.:i二ﾆ
　　　　　,ｨ劣/∧､ _＿＿___,/／:: ::.:.:|二ﾆ
-‐: :: :,ｨ仁:i/:: ::∧:.:. :: :: :: :/: :: ::.:.:.:.:｣二ﾆ
: :: : /ﾆ二/: :: :: :∧:.: :: :: :/:: :: :__二=!≠ﾆ
: :: /ﾆ二/三二ﾆ=‐､: : ｒ=ニ￣: :: :: :|三二
749： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:28:26 ID:f7dzBggw0: 三-'_ <二y'’　　ｌ　　　　　　　、 _ 　ヽ
´三二ニ7　　　　　　 ,　- .、　　　　｀ . l
ィ-=二シﾞ　　　　　ﾞ-=ゞへ、ヽ、　　　　ゝ
ｲ∧vlﾉ　　　　　　　　 -ｨﾆｭｪ.ﾍヽ,　　／j
ー}ﾍl.}、　　　　　　　ゞﾄ　.Q jヾゞj　ﾉ∠
/(　ゝﾊ　　　　　　　ヽ　ゞ-'' ﾞ,　　、 { Q}
ゝ)　ヽﾍ、　　　　　　　　　　　　　ゝヽ''l　　　　地図によると名前は――
_ l_ y,　;;;;へ、　　　　　　＿ _ r　　ヽゝ.}
>-yj　　　　ヽ　　　　ゝ-　　 <＿、 _, ｝i
　　i　　　　　　　　　/ゝ-===>-、;;r=ｿ/
　　ｭ　　　　　　　　ｉ　ゝ- ー=　ーｒｨ
　　＼　　　　　　　　　　　　、　　　ｨ'
へ、_. ＼　　　　　　　　　　;;;￣　ﾞ´{
　　　へ、ヽ_、　　　　　　　　　　　/
-=、_;;;;;;;;;;;　ｭェｚ、　　　　　　,,　ｲ. .、
＼　＼、;;;;;;;;;;;;;　＼ｒ-ﾆ-ｌｊﾘｧｲ;;/　　へ、＿ _
、　へ　　＼、_;;;;;;;;;;;;;;;;　　＼ｌﾘ;ｌｋ　　　　　ｌﾍ　　ﾍ-　-ーー-ｒ、
..＼、　　＼　　＼ﾍ、;;;;;;;;;;;;;;　　＼、＿　　　ｌヽ　　ヽ、　;;;;;;;;;; ｿ
　　＼　　　＼　　　＼k、　　　　　　　´　　　k　ヽ　　｀;;;;;;;;　人
　　　　　≧　　＞　　　　　＞　　;;;;;;;;;;;;≧　　　　　　ヽ;;;;;;;;;;;;;;　　ﾍ

　|　三＿二　/　／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼
　〉─_,.　-‐='＼ |　　　　松原、という名ですね　　　　　　　　 |
　|,.ノ_, '´,.-ﾆ三-_＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
〈´／／´|　｀'t-t_ｩ=､i |::　:::,.-‐'''ﾉﾍ|
. r´｀ヽ　/　　｀"""｀j/　| |くゞ'ﾌ/i/
. |〈:ヽ, Y　　　　　　::::: ,. ┴:〉:　 |/
. ＼ヾ( l　　　　　　　　ヾ::::ﾉ　　|、　　　　　　　　有隆隊は布陣したか？
　j .>,、l　　　　　　_,-ニ-ﾆ､,　 |)）　　　　　　　　結構、では敵を待つとしよう
　! >ﾆ<:|　　　　　　､;;;;;;;;;;;;;,.　/|　　　　　　　＿__,. -､
　|　 |　 !､　　　　　　　　　　.| |　　　　　　（ヽ-ゝ _i,.＞-t--､
ヽ|　 |　　ヽ＼　　　_,..:::::::.　/ .|　　　　　　　｀''''フく　＿,. -ゝ┴-r-､
..|.|　 |　　　　:::::ヽ<::::::::::::::::>゛　|＿　　　＿,.-''"´ ／￣,.／´　ゝ＿'ヲ
..| |　 |　　　　＿;;;;;;;_￣￣　　　|　￣￣　/　_,. く　／　ゝ_／￣|
:.ヽ‐'''!-‐''"´:::::::::::::::::￣￣｀~''‐-､_　　　 /　にﾆ'／,.､-t‐┴―'''''ヽ
　＼＿:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　/　　/　　.（_ヽ -'__,.⊥--t-⊥,,_
＼　　　￣＼―-- ､ _::::::::::::::::::::＿＿::/　 /　　／　￣　　）　　ﾉ__'-ﾉ
　　＼　　　＼::::::::::::::｀''‐--‐''´::::::::::/　 /　／　／￣ rt‐ﾗ'￣￣ヽヽ
ヽ　　ヽ＼　　＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/　　　　　 /　　　ゝﾆ--‐､‐　　　|
　l 　　ヽヽ　　　＼:::::::::::::::::::::::::::::::/ 　　　　　　　　　　/‐＜_　　ヽ　　|ヽ
750： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:29:04 ID:f7dzBggw0: 　　　　　┏━━━━─────
　　　　　　菊池武房、有隆兄弟が赤坂の松原へ布陣を終えたころ
　　　　　　竹崎季長は少弐家の陣へと赴いていた
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ─────━━━━┛

　　　　　　　　　　　　　　　　____
　　　　　-=ﾆ"`'　,　　　,　' "　 ,," '
　　　　　______＼　` , , '　　　　'-ｰ￣二=-
　　∠二__　　~`　　　　　　　　　　　""'ｰ､
　　　, - ~　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　, '　 , ,　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　 / ／, '　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`,
　 i/　/　　　　　　　 /|　　　　　　　　　　　'i
　　　,'　,　　 /:i　/:i　|:::|　|',　　　　　　　　　 |
　　　i /i　/' /::::| |::::i |::uヽi::`,`ヽ　　　　　　　|　　　　つ、都合のいいことを言っているのは分かっているんですが……
　　　i/ i/ i /ｰ-ﾋ--`|u|--ｴ--ｰ＼　 ___　　　|
　　　　 i　i/|二ﾆ=ﾆ~　二=ﾆニﾆ,:::| |─i`.　　＼　　　その、何と言いますか……
　　　　　　 .,|ヽ＿ﾟ_./:::::"ヽ_ﾟ＿, ｲ/:|.|─| |　|`┬ｰ-
　　　　　　/ |　==:/:::u:::　 u　~／':::|.|ﾆﾉﾉ　|　 |ｰ--
　__;;-ｰ''"~~.λu:/:::::::_::i　　／'::::u::|.|ｰ'　 /　　|
　__;;-ｰ''"~'/| .| (_,-　　u　　　::u:::::/|　　　||　　 |
　　　　　　|　!i .|　<__　__-ｰ''ｰ:-:::/::|　　　|.|　　 |
　　　　　 .|　　| .|x--二__＿__:::::/:::::|　　./ .|　　 .|
　　　　　 |　　 |/~ﾆ二＼＼　'i/:::::　|　　|　 |　　 .|
　　　　　.|　 ,r┴'---,￣＼',　 |::u　|　　|.　 |　　　|
　　　　　|　<／￣￣＼こつ　　i　 /　 .,|　 .|　　　 |
　　　　　!-ｰC'￣￣`こつ　　　 | / /!/,／＼　　 .|
　　　　　　　 |￣￣ヽ、　　　　　 | / /| -　　　 `　, |

　　　　　　　　　　　　／ /
　　　　　　　　　　　／　 /
　　　　　　　　　　　ヽ　　￣￣｀¨''' ｰ- .._　　　　.l
　　　　　　　／￣｀` 　　　　　　　　　ヽ　　/ l
　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ／　!　l 　
　　　　　 /　.ｲ ./　　　/　/----‐‐‐ヽ　ヽ　　　／./｜　　いや、言いたいことは分かるし、それが一番手柄になるのも分ります
　　　　　/／ l/ l　　　l　/-----‐‐‐‐ヽ　l　　∠-'　 /　　　ただその……本気ですか？見た所二騎しかいないようですが
　　　　 /　　 |　l ./　/| l＞-､!　､_. -＜| .l　l　　　／　　
　　　　　　　　　l/l　 /l !` -‐〉　　　-‐ l/l　lﾍ-＜
　　　　　　　　　l　l /　ﾄ､ﾒ、ヽ　　 ∪　l /‐'　___` ｰ／
　　　　　　　　　r ┴'''''77li､　|￣|　　／|/r'''´ /ﾊl‐'　　　┏━━━━─────
.　　　　　　　 |　　　.//｜|ﾞi,|　 | ,.イ /.lﾍﾄ　.// ||　　　　　博多進発の部隊を率いる少弐景資にあることを
　　　　　　　　ﾉ-‐　ﾉﾉ:::::| |　￣　　/ .ト､　//::::||　　　　　　認めてもらうためである
　／￣￣`¨/　　 ∠_￣｀ヽヽ_＿＿/＿｀l ／:::::::|L___　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─────━━━━┛
　/　　　　　`==''´　　｀'ｰ-￣　　　　-‐'''¨´￣て_)､　￣｀＼
751： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:29:45 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　 __､-─-､,. -‐;ｚ.__
　　　　　　＞::::`::::::::::::::::::::::::: ＜
　. 　　　 ∠::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ゝ
　　　　　　ｲ::::::::::::::::::,ｨ:::ﾊ:::i､:::::::::::::::::ﾄ
　.　　　　 |::::::::::;:ｨ::ﾉ_l/　ヽl_!::ﾄ、:::::::::!
　. 　　　 |:::::::ﾉﾆﾚ'-‐'v └-Vﾆゝ:::::::|　　　もう俺ってジリ貧ですし、今更守護の指揮下に入っても後方に回されるし
　　　　　 r',ﾆi.l. ⊆nﾆ=　.=ﾆn⊇ |.iﾆY
　　　　　　| こ||　ij　 v　|.| ~ij　ﾉ |に!}　　　もう一発逆転するにはこれしかないかなって……
　.　　　　　トﾆll　ｎ u ヽ.|｣ノ ‐'´_ij|lﾆｲ
　　　　　　 l::::::ヽヽ.` ｰ----‐'´ノ/:::::|
　　　　　　_｣::::::::l＼｀￣二￣´, ｲ:::::::L._
　_,, -‐'' ´:.:. l::::::::|r-ゝ-‐ｰ-‐'‐┤:::::l:.:.:.:｀ '' ‐
　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｌ,. ‐''_二つ　 (二¨_''‐'、:.:.:.:.:.:.:.:
　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: / ./´,..二二) (二二.._＼ヽ:.:.:.:.:.:.:
　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./　' ／_.二つ__.(二.¨_¨丶ﾞ .l:.:.:.:.:.:
　:.:.:.:.:.:.:.:.:./　　 ,.'",二つ─‐と二_`ヽ　.|:.:.:.:.:.
　:.:.:.:.:.:.: ノ　　　　ﾉ:.:.:.|ニニ|:.:.:.:.:.:{　　 |:.:.:.:.:

　　　　　　　　　　　　／ /
　　　　　　　　　　　／　 /
　　　　　　　　　　　ヽ　　￣￣｀¨''' ｰ- .._　　　　.l
　　　　　　　／￣｀` 　　　　　　　　　ヽ　　/ l
　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ／　!　l 　　
　　　　　 /　.ｲ ./　　　/　/----‐‐‐ヽ　ヽ　　　／./｜
　　　　　/／ l/ l　　　l　/-----‐‐‐‐ヽ　l　　∠-'　 /　　　　……十中八九死にますよ？
　　　　 /　　 |　l ./　/| l＞-､!　､_. -＜| .l　l　　　／　　
　　　　　　　　　l/l　 /l !` -‐〉　　　-‐ l/l　lﾍ-＜　　　　　　　蒙古軍は３万近い大軍と聞いていますし
　　　　　　　　　l　l /　ﾄ､ﾒ、ヽ　　 ∪　l /‐'　___` ｰ／
　　　　　　　　　r ┴'''''77li､　|￣|　　／|/r'''´ /ﾊl‐'
.　　　　　　　 |　　　.//｜|ﾞi,|　 | ,.イ /.lﾍﾄ　.// ||
　　　　　　　　ﾉ-‐　ﾉﾉ:::::| |　￣　　/ .ト､　//::::||
　／￣￣`¨/　　 ∠_￣｀ヽヽ_＿＿/＿｀l ／:::::::|L___
　/　　　　　`==''´　　｀'ｰ-￣　　　　-‐'''¨´￣て_)､　￣｀＼
752： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:30:18 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　＿,ヾ＼／/__
　　　　　　　　　.＞　　　　　　゛' 、
　　　　　　　 ∠　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　/　　　　　　　　　　 |　　　　手柄立てなきゃ、野垂れ死になんです
　　　　　　　　'| 　／| ∧ |ヽ、　 |
　　　　　　　 ,..|,／＝|ﾉuヽ|＝ヽ､ .|､,_　　　借金して戦場に出てて、馬も担保に入れてますから
　　　 _,,､､‐''ﾞ, |(|| =＝ .l.l　＝= ||)||､,_゛''ｰ､,,_
　 .i'i'ﾞ_,,､､‐'ﾞ　l｀||,　u　 |.|　ノ,,､||'/.ｌ　゛''ｰ､,,_~/''､　　死んだら手柄を申請しなくて構いませんから
　 l |~　　　　 l ヽ| `'' ヽl_ﾚ‐''´　|/　 l　　　　　/　 l
　.ｌ |　　　　.l 　　l　　　　　　　/　　ｌ　　　　/　　 l
　l　|　　　ﾑ,--､,l　　　　　　/,,､--､ |　　　/　　ﾉ｜

　　　　　　　　　　　　／ /
　　　　　　　　　　　／　 /
　　　　　　　　　　　ヽ　　￣￣｀¨''' ｰ- .._　　　　.l
　　　　　　　／￣｀` 　　　　　　　　　ヽ　　/ l
　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ／　!　l 　　
　　　　　 /　.ｲ ./　　　/　/----‐‐‐ヽ　ヽ　　　／./｜
　　　　　/／ l/ l　　　l　/-----‐‐‐‐ヽ　l　　∠-'　 /　　　…………………
　　　　 /　　 |　l ./　/| l＞-､!　､_. -＜| .l　l　　　／　　
　　　　　　　　　l/l　 /l !` -‐〉　　　-‐ l/l　lﾍ-＜
　　　　　　　　　l　l /　ﾄ､ﾒ、ヽ　　 ∪　l /‐'　___` ｰ／
　　　　　　　　　r ┴'''''77li､　|￣|　　／|/r'''´ /ﾊl‐'
.　　　　　　　 |　　　.//｜|ﾞi,|　 | ,.イ /.lﾍﾄ　.// ||
　　　　　　　　ﾉ-‐　ﾉﾉ:::::| |　￣　　/ .ト､　//::::||
　／￣￣`¨/　　 ∠_￣｀ヽヽ_＿＿/＿｀l ／:::::::|L___
　/　　　　　`==''´　　｀'ｰ-￣　　　　-‐'''¨´￣て_)､　￣｀＼
753： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:30:50 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　／　　　ノ　　ヽ＼
　　　　／　　u　（●）　（●）＼　　　叔父上、私からもお願いします
　　　　|　　U　　　　 __´__　u　 |
　　　　＼　　　　　`ー'´　／　　　討死したら手柄を申請しなくていいとまで言ってますし
　　　　　ヽ　　　　　　　　<　∩ノ ⊃
　　　　　　|　⌒ヽ　　　 i　|／＿ノ
　　　　　　|　ヽ　　＼　　／　／
少弐経資嫡男　時資（景資隊副将）

:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :ヽ、＿_,ノ:::|
　 >:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ::::::::::::::::___,ﾉ
:Y:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:／:.:.: :::::::::::::::::::＼
/:.:.:.:.:.:.:.:.:/:./ ｀ヽ:.:.:::::::::: ＼:::::: ヽ
:.:.:.:.:.:.:.:.:/:∧、　 |:.::|:::::::::::::::ヽ、:::|
:.:.:.:.:.:.:/:/＼ヽ＼ ! :!::: |::::|:::|: |ャ::|
:.:.:.:.:.ｲ:,气､__ヾ_, ,}:.:|:::::|::: !:::!::| ∨
:.:.:.:./|/　￣ヽ ,/.:.:.j:::: !: /::;ﾊ:!　　　……分りました。では、竹崎殿に先駆けをお願いします
:.:.:,ｲ |　　　　 {:.:.:　ﾉ|::: |/|:/
:.:.ｌﾄ |　　　　＼:./|::: ﾚ'|′
:.:.| l　ﾄ　_____,r‐' ´/::!::::|　　　　　　┏━━━━─────
:.:.| |　| ´ﾞｰ{:.:.:.:.／/_|:::ﾉ　　　　　　　認めてほしかったのは先駆けの許可であった
:.:.| |　　 T´:.:.:./ ./　ｲ:/　　　　　　　当時、先駆けをはじめとした武士の勲功は
￣＞〉 /:.:.:.: / ,/　　l/　　　　　　　　守護の命令に従わなければ認定されなかったのである
／//イ|:.!:.:./- ､__　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─────━━━━┛
:.:// 　 |:|:./ ／ィ/
754： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:31:26 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　 .､-―-..,,_　　／::￣;;Z
　　　　　　　ﾞ＞::::::::::::V::::::::''"::::;;;;＞
　　　　　　∠;;;:::::::: .:::::::::::::::....　:::::::＼
　　　　　　／:::::　 ::::::::::::::::::::::　 ::::::＼ゝ
　　　　　〃:::::::::　 ::::::::::::::::::::　 ::::::::::::ヽ
　　　　　/:::::::::::::::........::;:;;::::::::::::::::::::::::::::i
　　　　　|:::::::::::::::::::/!:/　ヽヽ:::::::::::::::::::::|　　　ありがとうございます！
　　　　ﾚ!::::::::::::::/V/ ij'　ヽヾ:::ﾍ;::::::::::!
　　　　」::::／|/>、ﾞ':.､　／;:ﾍヽ＼;:r''､　　　　必ず成功させます！
　　　　　i r.i:|ヽ"''‐､ヽ､! .i／ ‐''ﾞﾞﾞ7|:ﾋ'i }
.　　　　ヽ'ﾆi:iヾ、　o＼i i< o　ノ' i:ﾋ7/
　　　　　ﾍ,,_|!　ﾞ'=u='"'|.| ﾞ=u=" /|!_,/-､
　　　,, ‐''" |:::ﾍ u　　 , .|.| ､　.,,／/::::!.　　ﾞ''‐ ､..__
　　　　,.┼/!:::::ﾍ.iエｪ.ヽ!.ﾚ'‐rエi/::::::! ヽ‐- ,,_　　ﾞ'' -
　　i┼i‐|/‐!:::::::ﾍrｪｪェェェｪｪﾉ::::::::!‐| ヽ┼i┼i‐- ,,_
　　 i┼i /‐i‐!;:::::| ＼　‐=‐ .／.}:::::::!.i┼i.ヽ‐i┼i┼i┼i
　　 i┼/.|‐i‐ .!::::|　　＼_,／　 /::::/‐i┼i‐ヽ.i┼i┼i┼
　　.i‐|/.┼i┼ |ﾍ|ヽ,,＿＿_,,／|W .|‐i┼i┼ヽ..‐i┼i┼i

　　　　　　　　　　　　／ /
　　　　　　　　　　　／　 /
　　　　　　　　　　　ヽ　　￣￣｀¨''' ｰ- .._　　　　.l
　　　　　　　／￣｀` 　　　　　　　　　ヽ　　/ l
　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ／　!　l 　
　　　　　 /　.ｲ ./　　　/　/----‐‐‐ヽ　ヽ　　　／./｜
　　　　　/／ l/ l　　　l　/-----‐‐‐‐ヽ　l　　∠-'　 /　
　　　　 /　　 |　l ./　/| l＞-､!　､_. -＜| .l　l　　　／　　生きて戻れたら、幕府に勲功を申請しますから安心してください
　　　　　　　　　l/l　 /l !` -‐〉　　　-‐ l/l　lﾍ-＜
　　　　　　　　　l　l /　ﾄ､ﾒ、ヽ　　 ∪　l /‐'　___` ｰ／
　　　　　　　　　r ┴'''''77li､　|￣|　　／|/r'''´ /ﾊl‐'
.　　　　　　　 |　　　.//｜|ﾞi,|　 | ,.イ /.lﾍﾄ　.// ||
　　　　　　　　ﾉ-‐　ﾉﾉ:::::| |　￣　　/ .ト､　//::::||
　／￣￣`¨/　　 ∠_￣｀ヽヽ_＿＿/＿｀l ／:::::::|L___
　/　　　　　`==''´　　｀'ｰ-￣　　　　-‐'''¨´￣て_)､　￣｀＼
755： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:31:55 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　|:::::::　　　　　　　　　　　::Λ::　　　　　　　　　　　::::|
　　　　　　　　 |:::::　　　　　　　　　　　::::/::::|:　　　　　　　　　　　::::::|
　　　　　　　　|::::::　　　　　　　　::::::/|::::/:::::::|　 :|　::::　　　　　　　::::::|
　　　　　　　 |::::::　　　　　　:::/l　:/ |:::/:::　 ::|::::| |　:iﾍ::::　　　　　　:::|
　.　　　　　　 |:::: 　　　　　::::/　| /　|:/::::　　:::|:::|:: |: |: ＼:::　　　　　:::|
　.　　　　　 |:::: 　　　::/|::/＼:|/　:|/::::　　U :::|::|:　|:|／＼::　　　　:::::|
　.　　　　　　 |:::　　　 :/:|/:＼:|:＼:/::::　　　　　　|:／::|／::＼::　　　　:|
　　　　　　 |:: 　　 ::/::|::　　:::＼::::＼　　　　／::::／　　　:::＼:::　　:::|　　　　ありがたい！
　　　　　　　 |:: 　　::/ ＿＿＿＿＿::::||　　||::::＿＿＿＿＿::::|: 　　::|
　　　　　　　　|:l⌒l::::| : ￣￣￣O￣￣/:　::::￣￣O￣￣￣:::::|:: l⌒l|　　　　　すぐに進発するので、これで失礼します！
　　　　　　　 |:|∩|:: |:　　＼＿＿＿／：:|　:: ＼＿＿＿／　 ::|　|∩||
　　　　　　　| :|∩|:: |:::　　　　　　　　：：:|..|::　　　　　　　／ :::|:: |∩|:|
　　　　　　　| 　|l.0|:: |:: 　　　　　　　：：::|..|:::::　　　　　／　 ::|:::|0 l|:::|
　　　　　　|:::　 |Ｕ|:: |:::::::　　　　　　：：：:|..|:::::::　　　.／ v 　 ::|: |U |　::|
　　　　　 |::: 　ヽ人 |:::::: 　 U　　　:(__ ：|..|::::__):　.／　　　 :::|:人ノ:::　::|
　　.　　　|::　　／|::　::ヽ::::::::: ＿　　　　　∪　　　　　.＿　　::/::: 　 ::|＼:::::|
　　　　 |::　／　|:::　 :::|＼::::::＼￣￣￣￣￣￣￣￣／　:／|::::　　::|　＼:::|
　　　　 |:::／　　|:::::　::::|::::＼::::: ￣￣￣￣￣￣￣￣　／:::::|::::　　:|　　＼:|
　　　　|:／　　::::|::: 　 :::|::::::::＼::::::　　　＿＿_ 　　　／::::::::::|:::　　:|　　　＼
　　　／　　　::::::|::　　:|::::::::::::::＼:::::　　：：：：::　　　／:::::::::::::::|::　　:|: 　　　　　＼
756： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:32:22 ID:f7dzBggw0: 　＿　　 l　　　　　＞
　　,)　 .'､__,　　　｀,=-
　：　　　 -+　　　'ｰ､,,
　：　　　{ﾆ|ﾒ､　　､'￣
　：　　　.ｫ,.-､　　　,ﾆ=
　：　　　!'|　/　　 (　　　　　　　､
　：　　　+-ｫ　　　｀,ﾆ=-　　　　ヾ＼　 _,
　：　　　.'ｰ-　　　 {　　　　-=' ￣　｀´　ヽ
　：　　　ｰラ　　　　＞　　 =ﾆ"__,.-　､　　ヽ
　：　　　／L　　　 '-､　　　　i　i!／　ヾ_,　 i
　：　　　　(　　　　(￣｀　 _,.-'　＜　　i l6l　,l　　　先手の大将認定の先駆け……っ！
　：　　　　 )　　　　`,=-　 '-ｭ-　 -=　i l )　i
　 |　　　　 (　　　　 (　　　　｀r三ヲ／| `　 i'　　　俺にも運が向いてきたーッ！
　･　　　　 .)　　　 r､」　　　　7　／;; i　「ヽ｀､
　　　　　　 (　　　　`,=-　　　ｰ' | ,.-|　|十`ヾ､
　　　　　　　)　　　　(　　　　　 /,-'+l .l十十+ i
　　　　　　　　　　　ヽ　　　　('|十ﾚ ,.- ｰ､+ |
　　,.､　,r､　　i､　 ;´⌒ヽ　　　/;;|十+/ 十十',十i
`／　|/　　`;､|　ヽl　　　　　 /+,|,十.i+十十+| +|
　　　　＿　　　　　　　　　〈十,|十.|-十十+|++l
　　　　(`ｰ｀i　　　　　　　　/`''=ヽ+ｷ十十十|++l
　　　　(ﾖ　u 'ｰ----─'''￣｀ u　,|十l､'''''ﾞu''"'l十l

　　　　　　　　　　　　／ /
　　　　　　　　　　　／　 /
　　　　　　　　　　　ヽ　　￣￣｀¨''' ｰ- .._　　　　.l
　　　　　　　／￣｀` 　　　　　　　　　ヽ　　/ l
　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ／　!　l
　　　　　 /　.ｲ ./　　　/　/----‐‐‐ヽ　ヽ　　　／./｜
　　　　　/／ l/ l　　　l　/-----‐‐‐‐ヽ　l　　∠-'　 /　　　　……時資
　　　　 /　　 |　l ./　/| l＞-､!　､_. -＜| .l　l　　　／
　　　　　　　　　l/l　 /l !`’-‐〉　　’-‐ l/l　lﾍ-＜　　　　　　　竹崎殿は、無事に帰ってこれると思うのか？
　　　　　　　　　l　l /　ﾄ､ﾒ、ヽ　　　　　.l /‐'　___` ｰ／
　　　　　　　　　r ┴'''''77li､　‐_‐- 　／|/r'''´ /ﾊl‐'
.　　　　　　　 |　　　.//｜|＼　　,.イ /.lﾍﾄ　.// ||
　　　　　　　　ﾉ-‐　ﾉﾉ:::::| |　￣　　/ .ト､　//::::||
　／￣￣`¨/　　 ∠_￣｀ヽヽ_＿＿/＿｀l ／:::::::|L___
　/　　　　　`==''´　　｀'ｰ-￣　　　　-‐'''¨´￣て_)､　￣｀＼
757： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:32:50 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　． ─―─‐ 、
　　　　 , "　　　　　　＼
　　　　/　　　　　　　　　　　＼
.　　 /　　　　　　＿／::::::＼_ヽ　　　十中八九……いえ
　　 |　　　　　　　　 ::::::::::::::　:..
　　 |　　u　　　　（　ー):::::::::( ー)　　　百に九十九は死ぬでしょうね
.　　＼　　　　　　　　 ´　　 /
　　　　 ,＼　　　　　　` ｰ‐‐／
　　／　　` ｰ─　　　　　＼

　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　／　　　　＼
　　　　　／　　 ⌒　　⌒ ＼
　　　／　　（ー）　（ー）　ヽ　　彼は菊池一族ですし、どうせ無足御家人です
　　　 |　　u　　　___｀___　　　 |
　　　　ヽ、　　　 `ー '´　　／　　うまくいって御の字、死ねば誘因策の囮になります
　⊂⌒ヽ〉　　　　　　　　く　/⌒つ
　　＼　ヽ　 /　　　　　＼　ヽ　/

　　　┏━━━━─────
　　　　北九州沿岸部に上陸された当初、御家人衆が立てた作戦は

　　　　赤坂まで誘引しての逆襲であった
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ─────━━━━┛
758： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:33:18 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　 __　 , -- ､
　　　　　　／:::::::｀′:::::::::＼
　　　　　 /::::::::::::ﾉ'''＾ｌ::::::::::::::ヽ
　　　　　　　l:::::::::ｉ::/ﾆニﾍＮヽ:::::::l
　　　　　 |::::ﾙ'ﾚ'ﾆ>　r',ﾆニゝ::::|　　　┏━━━━───
　　　　　　 l＾｢ﾞ(⌒｡TﾆT｡⌒)ﾞ丁ﾞl　　　　　少数の抜け駆けや――
　　　　　 |ｆ|ﾄ .二.ｲ u ヽ二ノ|ﾘ|　　　　　　　　────━━━━┛
　　　　　ヾl　r一Ｌ､_,Ｊ --､ lﾚ′
　　　　　ハ |⊂ﾆﾆﾆﾆつ |∧
　　　　　　_/　|ヽ. , , ,一 , , , /l　ヽ._
_,,　-‐'''"´/ 　 l　`ー──‐'´ |　　L_｀`'''‐- ､.._
_,,　-‐''' ´l　　ﾄ､.＿＿＿_..ノｌ　　 |　｀`'''‐- ､.._
.　　　　　|　　　ヽ;:::::::::::::::::::: /　　 |
. 　　　 |.　／へ＼::::::::::／へ、　 |
　　　　　|／　　　 |o|::::::::|. |　　＼_|
.　　　　　　　　ヽヽ::::/ /

　　∠ -‐ｧ　　　　　　 ,､'´　　,.､-'' "　　　　　　　　　　　＼
　　　／　　　　　　,､'´ ,.､-''´　　　ｆi fｉ　ﾄ､　　　　　　ヾ､ヽ
.　／　　　　　　,､'´.,､''´　　　 /| ,ｨ |:| |:l　.l_.ﾝ　　　　　　 l｀ヾ
　/／l　　　　,､'´,､''´　　　　〈:::ﾚ':|.|::| |::ヽ　　/＼ヽ　 .ﾄ､　|
〃　 |　　 ,､'´,､'´　　　　ｎ,　＼:ﾘ:::リ:::::i|　〈==､ lヾ　 | ヽ|
.　　 |　,､'´,､'´　　　　　　 | _|f=-､.＼　ｕ !|/ヾ.､　〉|　|ヽ|　　　　　　┏━━━━─────
.　　 ,!'´,､'´　　　　　　 r( ﾘ　　＼!i　　〈ｏ　.ノﾉ|　|　　　　　　　　囮役として討死するものが出るのは許容していたのであった
,､-'´,､r′　　＿　　　 N ヾ､　o　　》　　ヾ￣　　|　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─────━━━━┛
,､-'´　|　　　（ r‐ヽ、　 |　|j~ ゝ==シ　 |j.　　＼.|j~|　|
　　　 |　　　　ヽヽr‐ゝ　|　　〃"　 |ju　 U　ｕ　＼|　'､
　　　 |　　　　　ヽヽ⌒l .|　　u　＿__　　 r'　__ ｕ＿)　ヽ、　 ,､-'´
.　　　|　　　　　　ヽゝ-l |　|j　i´　＿｀ ''ー----‐ｧ/　　,.､ゝ''´,､-'´
　　　|　　　　　　　ゝ-リ　　　l￣　　￣￣二ニ7.ﾑ-''´ ,.､-'ヾ
　　 ,'　　　　　　　　　|＼ |j　{　　 ,.､-'´　,.､-r‐i ''' "´　　　＼／
.　 / /　　　　　　　 |::::::＼ ,,ゝ-'´ ,.､-''´　　|　l　　　　　　　／
　/〃　　　　　　　　 |,.､-''´,.､-t''´￣｀`_二ﾆ! l　＿....　-‐''´　,､"
〃/　　　　 _,.､-‐'' " ,.､-''´::::::＼ゝ- '´ r=＝ l　ヽ､　　|j ＝'"´
. /　,.､-‐'' "　　 ,.､-''´ヽ、　　::::::::｀'-､..　ｕ |j |　　ヾ　　　　　ｕ
/''´　　　 ,､-''´　　　　　＼　　　::::::::::::｀''..r-'′　　＼　U
759： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:33:54 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ | |
　　　　　　　　　　　ミ￣｀ヽ､,,ﾉ'''ノ'''/ ,/ﾉニ＝'
　　　　　　　　.＿ミ'　　　　| ﾄ､､　,,ノ ,//,,ノ,ﾆ''_ノj_,,　　
　　　　　　　ﾐ : : : : 　　　　|〉｀l ）|/,,/ /　/三／彡'　　　＿
　　　　　　　ミ::::::∠＿ミ--ﾉ　,,_,,彡_,ｲ_ノ￣ミ､ T　_,,ｨY彳⌒　　┏━━━━─────
　　　　　　　｀l､_ト-‐''⌒三く {::::::::<三/ﾊＶミ＿ Lｲﾉ／　　　　　　だが、一つ誤算があった
　　　　　　＿ノ / rj ｎ ,,;ｴ !:::::::::::: ヾ´ ﾉハ　　ﾉ::∠　　＿　　　　　　─────━━━━┛
　　　　　　＜二_ﾉ/ ﾄ'j 彡 l:::::::::::::::　　r'|,,ｲヽ:::::-､ﾞi /.......ﾞl
　　　　　　　ヽ--'ノト|ニ-､::::::::::::::::　 j　　Vﾄ､:::::::|,/ ::::::: ﾉ
　　　　　　　　ﾞﾗ＿ﾉ.|/ / ,､＼::::::::::　/:::＼,,-┴‐'_ハ＿_/
　　　　　　　　　　　 { 「　 V┴ﾍ:::::::::/:::::／＿,-//､＿_,,ト､_　　　　ふん、やはり地勢を知らぬ兵だな
　　　　　　　　　　　　Vヽ:　｀ヽ└,､'::::／r∠　く .{::::::::::: |┐.ﾞl
　　　　　　　　　　　　ゝ､＿__.}_,-ﾉ_:::|_/ノ　ヽ　＼ﾞー-ｲ,,l_　|｀ヽ　　この松原は浜風のせいでそこらに窪地があるのだ
　　　　　　　　　 ,-─ｪ| {::::::,,-l／::::|::∠､: : :: ﾉ--､　　 /　　.ﾊ:::::|
　　　　　　　　／::／ハヽ__//:::::::::／: : ::}__,ｨ'､＿ﾉ　　/./｀V　.|::::|
　　　　　　_∠_／:::::::::::::,フｲ /　l´: : ::／|　|　|::::ヽ　 {_ﾞ=ノ／|:::}､
　　　　_∠　　|／::::::::／/　 |　　｀ーｲハ.l-ﾄ､ハ::::|／／ ,,ｲ |_|:/ﾉ
　　／　　　　|::::::::::/ /::::::,⊥＿__　|　ﾊヽヽ|:::::rﾆ､イ／:::| l　|Y
　 /　　 ,,-‐'':::｀ーｲ /_,,／/:::　　　ヽV::::::ﾊヽ＼{__ﾉ‐'´::::::::,ト|_j´
　j::::::::/::::::::::::::::::://|:::::::::::ﾉナ-､＿＿}::::::::::|.|:::::::::::￣￣￣|,L/
/　　/::::::::::::::::／: 〈〈::::::∠__}＿＿}:::::::∧:::::::||:::::::::::::::::::三」ﾞｰ'
ヽー'--､＿／|::::::::|.|:| {＿__}＿＿_::::::|＿:::::::||::::::::::::三＞ﾉ´
　　　　　　　 {三三|||:::::::::::}:::::::::::::::::::|　ﾄ::::::ヾ､三三ﾉ　|
760： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:34:53 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　ハ
　　　　　　　　　　　　 |　',
　　　　　　　　　冂　 /l　 |
　r､　　　　 |ヽ　l　|　〃　|.iヽ
　|,li､　　　 |　V /　//　ノ＼＼
/　川　　　/ ./ / / ｲ　/　　/＼￣￣＼
　ハ　,,,,-''"　 ////川 l＼ /　l ヽ　　　ヽ
　川''"　　　 //.|/ |||　ヽ, ＼, /|/　　　 .|-､
　V　　　　 //　 |　＼､　　i .／/　　　　/　ヽ
　l　　　　　K　　ヽ　　|　　／ /　　　　/ﾆ=　ヽ
　　　　　　 l l　　 `.　 |　　|　/　　　 /Y,　＼ヽ､
＼　　　　　＼＿_　　|　　|　　　i　((/ //　　￣
.　＼-､　 ,,,,_〃　　''ヽl　　ヽ/i　 | ／／ｲ
￣‐'´{.＼　　ト　_　　ヽ川　川／／／l.|
　　　<_　＼川　ﾘ　_,_ V/二川_ ´／/ﾐl lしlー-
　　　へi　ヽ｀‐‐-,,,/-ﾆ'''''::::))ﾆ-'＼､_,, .l .|'‐'' i
　,　/　　 >―￣￣ヽ､:::::::://// ／7ﾉﾘﾉ|-､　ヽ　　　付近を知らないと砂浜と風よけの林のせいで見落とすものだ
　　　 T川_∧＼￣li ''/-v　l'',,／∠,,/　| /_ ＼＼　　　　　・・　・・・　・・・　
　!　　川ﾄ　! ヽ二 ‐-､! ,! / /'´ィシノ　 :l　|､＼　　　　　　お前たちのように、な
　　　 |.l川ヽ｀. ＼弋_ｩ >.|.!/／,'''''"　　ｨ|　|.l　＼
　ii'''''' ミヽ__|ヽ __ ｀二´,'''|,,,;;　 ''''　　　　| / |　　 !
　　　　｀`'　｀ __,,-=-ゝ |;;''' ,, , '　　　　ﾚ　.l
.＼--―― ,､＜ {　　　　ヽ,_ /''　　　 ./　　 |　　　　　┏━━━━─────
. /_-‐7　／　 '､､　　　_,,-―_''= 　 /　　　　　　　　　　抜け駆けした御家人の中に鎌倉室町時代最強の一角
　　／／　　　　＼,＼　 ;;二=''''　/
　／／　　　　　　＼　＼　--　 _/　　　　＿,,．-‐　　　菊池一族が入っていたことである
　／　　　　　　　　ヽ＼　ヽ-ー'"　　　√　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─────━━━━┛
/　　￣￣````'''''ーー,,ヽ　　　　　　／　　　_ ー
　　　　＿　　　　　　　　｀‐､ ,,,,, - ´　　／
　　￣´　　￣￣　　　　　　　　　　　 ´

　　　　　　　　　　　　　　　　 ''';;';';;'';;;,.,　　　　　　　　　　　　　　　　　　ザッ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　''';;';'';';''';;'';;;,.,　　　ザッ
　γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ;'';;'';;;
　｜　　　　　鏑矢を用意しろ　　　　　 |'';';';;;'';;'';;;
　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ＾,.～＾..～＾　　　　　ザッ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒vv⌒yv⌒vv⌒yv⌒vv、　　　　 γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　, '´￣｀ヽ－＾, '´￣｀ヽ－＾, '´￣｀ヽ　　｜　　半ば通り過ぎたら仕掛けるぞ　 |
ザッ　　　　　　　　　　　,‐ '´￣｀ヽ　,‐ '´￣｀ヽ　,‐ '´￣｀ヽ　,‐ '´￣｀乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
　　　　　　　　　　　,‐ '´￣￣｀ヽ＿＿‐ '´￣￣｀ヽ　＿‐ '´￣￣｀ヽ　　　　ザッ
761： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:35:27 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　　 ,＿　＿,、
　　　　　　　　　,斗三三三笠,三ェ,
.　　　　　　　ｭｙ三ｙ'´　´￣　　ヾ三ｋｪ
　　　　　　　ｨ三ｭ　　　￣´　ィァ≠ゞ三ｋ
　　　　　　 j彡ﾉ≦ﾆ=ｭ,.l,　l≠r Qyjヾ三ｆュ==、
　　　　　　ｿ彡ﾊ,f´　Qゞ　　≧-ィ'　　ﾄ三三≦
　　　　　 <彡ﾐ!　｀￣ｼ .ｌ　　　｀　　　ｌｊｌ.ｌ三ﾄ三k三二一,、　　　……これは、拙いかもしれませんな
　　　　　　】ﾐｌ.ｌ　　　ノ .ソ{ ゝヽ-=　 .ｌ.ﾉﾄ三三　三爪
.　　　　　　ｊ三ﾍ-　（´_.竺二一、'-´　ﾄ三ﾐﾐ爪三ﾍへ
　　　　　　ﾄ巛≡　　, ／　,＿ ,｀　´　 ljﾐ巛ﾐミkミ巛三三爪、
　　　　　　ヾ仙ミゝ　　　 {;;;;;,　　　　　ｨハ三ミﾐ三　／y　｀三三　へ
　　　　　　　ヽy三>　　　　¨　,　　　ィj;　ゞk爪ﾐ／´
　　　　　　　　 jﾐミk　へ　＿j山ー´　j;　,＞´　／　　　／　　　／; j
　　　　　　　　ヾ三k　　　弋=ｿ¨　　ﾄy´　／　　;;;;;／　　　　／　　j
　　　　　　　　　ﾄ三ﾍヽ,　　　＿　ソ　　／¨　　;;;;;y'　　　　;;;;;ｙ´　　;ｙ
　　　　　　　　　　j三ﾄ　　　;;;;;´ /;;　ノ´　　　;;;/　　／　;;;;／
　　　　　　　　　　k´ l;;ゞ　　;;ノ´　／　　　;;;／　／　 ;;;;y　　　　　/;;;
　　　　　　　　＿j;;;　　¨´　´　　/　　　;;;y　　y　　　;;;;j　　　　　ｼ´
　　　　　　　/　/卜=ー'　　　　'　　　;;;;j　／　　　;;;;;/　　　　　;;/

　　　／. :: :: ::_::_:: :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　.: :: :: :γ ﾄ、/lヽ :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.:.
　/.:.:.:.:. ::弋！V！ﾉ_:: :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.
. {.:.:.:.:＞:: ::¨￣:: :: :: :｀＞x.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　､::≫=＝＝==≪.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　//州__: : : : : : : :｀＞≧≡= ≧､.:.:.:.:.:.
　{（:州へ≧=x ､≦rﾋﾞﾃ‐`　　川⌒ヽ:i
　゛¨沁 <ツゝi　!::''　　　､__彡ｲ/＾} ｝i　　　拙い？
　　-=彡　　　|　　　　　　　￣　}!_ ﾉ/:i:i
　　　 j!　　 ,{、ﾑ )　　　）}　〔彡'州:i
　　　　 ∧　,ｨ升_守≧=≦ノ　 ,' _）)川:i:
　　　　辷彡ノ辷ﾆ≧≡'" 　 / ｰ=≦彡
　　　　　　ﾍ　 `:::::7´γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
.　　　　　　　 ';　　　　｜　　　　　　動物がいない　　　　　 |
　　　　　　 ,.斗｀ー‐一乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
　　　　　,ｨ劣/∧､ _＿＿___,/／:: ::.:.:|二ﾆ
-‐: :: :,ｨ仁:i/:: ::∧:.:. :: :: :: :/: :: ::.:.:.:.:｣二ﾆ
: :: : /ﾆ二/: :: :: :∧:.: :: :: :/:: :: :__二=!≠ﾆ
: :: /ﾆ二/三二ﾆ=‐､: : ｒ=ニ￣: :: :: :|三二
762： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:35:57 ID:f7dzBggw0: WWiiﾚ'Www;;;;;::::::き　　:::::::;;;;;......　　::ろ::::　　:::::::wwii;;;;;:　　:::WwwwW::　イ
|lii:: i|/ﾘﾘW-'`"^"　;;;;iiiiiiiiWWww;;;;;::..ゝ:::::;≦:::　:::iiiii:::::::::::::::::wwiii::::::::.......　　;;ゝ
|lii:: i|　　､....　　 `^'-WWlii:ノﾉﾘﾘk'`"^;:ﾐ::::::`Ww､iiii＼`WWWiiii;;;;;;;;::::::::;;;;;;;き´:::y
|liγ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽiiiiWwili: l :iレWWW;;;;k'^:::::k　Z
|li｜　　これだけの数で行軍している　 | :iiﾚ' .|i: l川|／ﾘﾘ-'`~;;;;:　::Z　ﾐw
|lii乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ: :ii|　 |i: l川|　wwiiiiw::::::,,ｒ''::::y'ww
|lii:: i|　ﾐ;;;;,,ゝ;;;ﾚ/;;;::::ｋ |lii: i!WﾘﾘWii-''"`" .|i: :ii|　 |i: l川|^'w|川k'w^ii/'"´WWW
|lii:: i|　　`w:!iiii!wWk'ゝ |lii: i|　.|i:::|　　　　　|i: :ii| 　|i: l川|　　|川　|l:i|　　　|i:|　　,,iiゞ~
|lii:: i|　　　　|i::|　　　　|lii: i|　.|i:::|　　　　γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
|lii:: i|　　　　|i::|　　　　|lii: i|　.|i:::|　　　　｜　なのになぜ動物は逃げない？　 |
|lii:: i|　　　　|i::|　　　　|lii: i|　.|i:::|　　　　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ　　　　　ｲ
|lii:: i|　　　　|i::|　　　　|lii: i|　.|i:::|　|ﾚ'　　 |i: :ii|　 |!i: l川　 ∠フi ~''",,iiゞ~　　　　　　　　　　,.j'~
|lii:: i|　　　　|i::|　　　　 |lii: i|　.|i:::| ii||／ ,,wiiiiwvw|i: ll川|　 |.:│|,.ヾ"　　　　　　　　　　,,::ヾ
|lii:: i|　　　　|i::|wiﾞ　　　|lii: i|　WWiii||wW'''''""'''''"wiiWWWiiiwWゞ`　　　　　　　　　　　,,iiゞ
`~~~^wwW""`'''Ww,,.,vWWwjj~^~^　''^~~　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ij从'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`w
iiilwVvvwwvWWwjjwvjiiijw,,,,_,,,wiijijyywiijij,,,__,,wyyv'''"~"`w;;Yゞ　　　　　　　　　　~;;,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`jiy　　　　　　　　　　　　ヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　"'ヾ,,

三-'_ <二y'’　　ｌ　　　　　　　、 _ 　ヽ
´三二ニ7　　　　　　 ,　- .、　　　　｀ . l
ィ-=二シﾞ　　　　　ﾞ-=ゞへ、ヽ、　　　　ゝ
ｲ∧vlﾉ　　　　　　　　 -ｨﾆｭｪ.ﾍヽ,　　／j
ー}ﾍl.}、　　　　　　　ゞﾄ　.Q jヾゞj　ﾉ∠
/(　ゝﾊ　　　　　　　ヽ　ゞ-'' ﾞ,　　、 { Q}
ゝ)　ヽﾍ、　　　　　　　　　　　　　ゝヽ''l
_ l_ y,　;;;;へ、　　　　　　＿ _ r　　ヽゝ.}
>-yj　　　　ヽ　　　　ゝ-　　 <＿、 _, ｝i　　　金将軍、あなたも山での戦闘は経験しているはずだ
　　i　　　　　　　　　/ゝ-===>-、;;r=ｿ/
　　ｭ　　　　　　　　ｉ　ゝ- ー=　ーｒｨ　　　　……この道は静かすぎる
　　＼　　　　　　　　　　　　、　　　ｨ'
へ、_. ＼　　　　　　　　　　;;;￣　ﾞ´{
　　　へ、ヽ_、　　　　　　　　　　　/
-=、_;;;;;;;;;;;　ｭェｚ、　　　　　　,,　ｲ. .、
＼　＼、;;;;;;;;;;;;;　＼ｒ-ﾆ-ｌｊﾘｧｲ;;/　　へ、＿ _
、　へ　　＼、_;;;;;;;;;;;;;;;;　　＼ｌﾘ;ｌｋ　　　　　ｌﾍ　　ﾍ-　-ーー-ｒ、
..＼、　　＼　　＼ﾍ、;;;;;;;;;;;;;;　　＼、＿　　　ｌヽ　　ヽ、　;;;;;;;;;; ｿ
　　＼　　　＼　　　＼k、　　　　　　　´　　　k　ヽ　　｀;;;;;;;;　人
　　　　　≧　　＞　　　　　＞　　;;;;;;;;;;;;≧　　　　　　ヽ;;;;;;;;;;;;;;　　ﾍ
763： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:36:26 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　 ,　 -‐‐…‐‐-　 .
　　　　　／: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :｀ヽ
.　　　　／: :: :: :: :: :: :: :: :〃「∨|ヾ: : }
　　　　／:.:.:.:.:.:: :: :: :: :: :: :: :ゞ,!___」ﾉ:_::ﾉ
.　　 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: :: ::_;: ::-‐: : ¨￣: :: : ＼
　　　{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.イｧ‐ ,.へ _‐―‐‐ｘｪ一'
　　　ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.ｨ=守i 　" ≧tﾗ＾{ )ﾁｭ}
　　　　｀ｰｧ爪てヾﾐ　 {　　　 '´'. {　｜　　　……右軍、左軍の将に伝令を
　　　　　　川込_うミ　ヽ　　　,. 、）　!
　　　　 (､_川i∧　jﾐ　　　　,.ｨ彡ミメ〈　　　　軍ごとに陣を組み、後続を――
　　　　冫少　、ｷ　　 } 〃こ二7/`
　　　　彡ﾍ、　　　込、　｀　　'⌒ ,′
　　_／: :: :{ :｀ ‐　.,__　＞x､　　,ﾘ
＜//ヽ　: :: ::.:.:.:.:.:. :｀;: : ::‐―〕¨´
: : ＼/∧:_::_::_::_:: :＼::', :: :: : :l＞-　..,,__
: :: :: ∨∧:: :: :: :: ::.｀ヽ',: :: : ﾘ: :-‐　∨/∧‐-x

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　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,.. ----=ﾆ_''''ｰ-､_,.._-
　　　　　　　　　　　　　　　,.-'´'""'''''‐-､::::::::;:-'''´ /_,.-7
　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　,. ,.-'-' ／/ '´　-'´
　　　　　　　　　 __-‐ﾆ7ﾞ　　　　　,.-'ﾞl/ ／/／/／/
　　　　　　　,.-'´　　 /　　　　　　|　ﾍ／ /　　__　 _,.-ｧ/!
　　　 _,._-ﾆ--‐: : :　ﾞ : : :i: :　　／／　 / r‐'´/／／/
　　‐'´'´　　　　　　　　　ﾉ　　 | ／ |／/ノ　ノ/ _,-ﾌ /ﾌ／
'´／　　　　　　　　　　 /_,.-'i'ﾉ i:| /　 ,.、／7"´／/レ‐ﾌ以
く　　　　　　　　　　: : :::|::::::::://||:|ﾉ　/ ﾉ　´-‐フ'´/_／／／
　l　　　　　　　　　 : ::_,ｲ::::::/ l,(l,ﾘ　ﾉ／　　　　__　ﾌ,.-'7 ／　　　……鏑矢を放て
｜　　　　　　　　_,.-''´ _|:::/　　>!//>＿__,.-ﾆ-　／''／,ﾞi
｜ヾ:.　　_,.. -‐'´'"'''''"´ |::| , /／,-ヾ=t;ﾃテ'''´ ﾃr‐'ﾞ/　ﾞ''''
　　　）'´　　　　　　　　　ﾞ|∧と_ﾞ／　　￣　／ﾃ'ﾞ::::::::|
　　ノﾉ　　　　　　　　　　.| ヾミｰ-　　　／／:::::::::::::::|
764： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:36:52 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ 　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　／ヽ、）、　　　　　　　/　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　/　_(ヽ､ｿ）　　　　　　　 /　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　丿　ヽ`＿_,く、　　　　 /　　　　　　　/
　　　　　　　　　　 ,､‐''ﾞ"'''''"ﾞ,'``’;ヽ''`　　　　　/　　　　　　　/
　　　　　　　　　　";‐''⌒,,'''‐'`ヽｰ')、　　　　　/　　　　　　　/
　　　　　　　　　 ,r'::::::,r'ｰ､/-,,,`''"ゝ`ヽ､　　 /　　　　　　　/
　　　　　　　　　l::::::::.'　ヽ`-,,,＿,,,-`/ヽ､`ヽ/　　　　　　　/
　　　　　　　　　l::::::::',':,　ヽ､,,,,,＿,,,-`、ヽ/`ヽ､　　　　　　/
　　　　　　　　　l:::::::::;　':, ("ニ=ｰ- ,,,ヽ､/ ヽ､　ヽ、　　　/
　　　　　　　　　',,,-‐'''、　(二ニ===/三ﾉ)"''' ‐- ,,,ヽ､,,,,/、
　　　　　　　　　　　|:　"'''`''''''''"""7`''"　　　　　　"っ''' ‐- ,,,,,__
　　　　　　　　　　　　|:　　　　　　　/　 |　　　　　　　/`'' 　　　　"''' ‐- ,,,,,__
　　　　　,,,,,,,,---ー''';;""'''ー-（ソ）:0`､ヽ|　　　　　　/
　　　r'`ヽ::::::::::::::,.-;'"`ヽ/|ニニ|.ニヽﾉノ.|　　　　　/
　　　|ヾ　',,,,,､--ヽ、`ヽ/..|ニニ|ニニ';､　|　　　　/
　　　|ｰ-､.. ゝヾヽ　`ヽ'ヽ.|ニニ|.|ニニニ'、　　 /
　　　|　　| )　/＾"''ー--'''''ー--' 'ーー--',　／
　　　|　　ｌﾉ‐'　　　　　　　`ヽ、 ',:::::::::::::::',　/
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　_,,,ノ'ー（　　　　　　　　　　ヽ.　',:::::::::::::::',
<ヾヽヽゝ)　　　　　　　　　　　ヽ　',.-‐―ｰ'
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_／゛　　　　／ /
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,／゛心　゛　　／
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,／゛_／´
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765： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:37:36 ID:f7dzBggw0: 　　　　　ゞ-､_: : : ／ニミ_ー､　 ,.-ニ-ヽ
　　　　　ゞﾐﾐミi'´弋弋ラy‐'　 !くゞク　|_
　　　　　　l,.ミﾐﾐ　　 ,.￣:ヽ　ゞ∨:　　 | i
　　　　　　| ﾍ｀'ﾞ　　i　　　ヽ<、/　　　|| |
　　　　　 !ヾ|''ヽ　 i　　　　_,.､_,. ､　　ﾚﾉ
　　　　　　 'ヽヽ-i　　　　 -‐=ﾆ＝ﾗ　 !ﾞ|　　 ,.-―-､　　　やっと合図が来たな
　　　　　　　ﾘ｀i''ｰi　　　　 "'''''T""　レヽ,-<__/｀ヽヽ
　　　　　　ゞ川　:ゝ、　　　　　　　_／i　　|: : : ｀''‐|　|__　　随分と待たせるじゃねーか
　＿＿＿＿ﾚ川　　: :｀'-､_　 ,. -,.ﾍゝ､> ﾉ: :,.-‐ﾆﾉ ,ﾉ: :｀7
　|: rｰ-----〉川　　　　: : :｀´／ヽ　　r''´｀'ー＜-イヽ: : :|＿＿＿＿
　|: |＝ o　　ヾ川　　　　　 ∠　　＿∠-‐''´ヽ,,..!-ﾉﾉ／´: : :: :,.-‐''´￣｀'''‐-､
　|: |　　|　　　. :｀'|　　　　（　　　＿　　　 ),l､〉ィﾞ: : : : ,.-'´: : : : :::::::::::::::::::::::＼
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　　　　　　ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＿_.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
　　　　　　ｿ:､:.:.:.:.:.:.:.Ｙ´/vﾍ｀Y.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ノ
　　　　　ｰ=彡＼¨ﾆ=-∨_＿_∨--‐‐ァ爪》　　　
　　　　　イ彡《＼: :: :: :: :: :: :＿__∠ 》乂i}
　　　　　　八从{　　≧=ァう不ゝ’=彡ﾙ川ﾘ　　　……陣を組め
　　　　　　　ゞ,:{ヽ　　ﾉ｛　}ﾊ　　　ﾉｲ仆"
　　　　　　　　 ''|、} ___,< }　ﾚ)､ｰ=ィ〃|《　　　　　組める者達だけいい！早くしろ！
　　　　　　　　 | ヽゞｚ彡辷冬≧ﾉ,ノ　ト、
　　　　　　ノ|　∧　＞一｀¨〃ｲ　　|　＼ｰ-　_
　　　 x=水ﾌ´　| 　込 _こ＿_ノ /　　 }、　　}:: :: ::
　／ﾆﾆハ　　/|　　∨ 7 ７　 / 　　　i　ヽ /: :: :: :
‐7ﾆニ/: ::‘　/　!　　 ∨ / 　/　　　,′ ／: :_: :-‐
766： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:38:17 ID:f7dzBggw0: 　'´　　＿,. -‐'^ヽ　　i　ヽ┐
　＼　l　　　ｒ'^ヽ＼ﾉ　/　l＿
　＼ _/　　,.-､/　ﾍ､　/／　　l
　,三.l　　 i-‐‐,!　,!ﾐｒ‐v‐<＾ｉハ
　ｰｧ'　　/__.二／-弋､ ,ﾊ¨ｉ l　l
　＜＿ノ｀ﾞﾆ_‐-x　　)｀ヾV　!　/
　'´／i _ヽ.＼でｱミ､.､ﾉ _,.ｫ'"ノ
　ト-'i"　　ｌ　｀￣ /-‐ｷｲｦ'´!
　　　ﾐ　 ,'　　　 '､　　ｌ ∨　　　雑兵どもはこう思うだろうな
　　　　　　　　　　＼'´_ブ
　ﾊ.　　　ｉ. r'　　　,. _｀',.l　　　　「何処から出てきたのだ？」と
　　i. 　　 ',　弋ﾆ´-‐‐〈!l
　.　i　　　　　｀¨´￣ニ!　
　　ヽ、　　ヽ　｀¨"´Ｔ^!
　ﾉ　　　丶､　'､_,,.. 二ノ
　─----...,,､_｀´: :＞''´
　:::::::::::::::::::::::::::｀ヽ､!
　ト､::::::::::::::::::::::::::::::|、
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　　　　　　　　　　　 ,＿　＿,、
　　　　　　　　　,斗三三三笠,三ェ,
.　　　　　　　ｭｙ三ｙ'´　´￣　　ヾ三ｋｪ
　　　　　　　ｨ三ｭ　　　￣´　ィァ≠ゞ三ｋ
　　　　　　 j彡ﾉ≦ﾆ=ｭ,.l,　l≠r Qyjヾ三ｆュ==、
　　　　　　ｿ彡ﾊ,f´　Qゞ　　≧-ィ'　　ﾄ三三≦
　　　　　 <彡ﾐ!　｀￣ｼ .ｌ　　　｀　　　ｌｊｌ.ｌ三ﾄ三k三二一,、　　　……元帥に伝令を
　　　　　　】ﾐｌ.ｌ　　　ノ .ソ{ ゝヽ-=　 .ｌ.ﾉﾄ三三　三爪
.　　　　　　ｊ三ﾍ-　（´_.竺二一、'-´　ﾄ三ﾐﾐ爪三ﾍへ　　　　　　上陸してすぐの平野まで後退すると
　　　　　　ﾄ巛≡　　, ／　,＿ ,｀　´　 ljﾐ巛ﾐミkミ巛三三爪、
　　　　　　ヾ仙ミゝ　　　 {;;;;;,　　　　　ｨハ三ミﾐ三　／y　｀三三　へ
　　　　　　　ヽy三>　　　　¨　,　　　ィj;　ゞk爪ﾐ／´
　　　　　　　　 jﾐミk　へ　＿j山ー´　j;　,＞´　／　　　／　　　／; j
　　　　　　　　ヾ三k　　　弋=ｿ¨　　ﾄy´　／　　;;;;;／　　　　／　　j
　　　　　　　　　ﾄ三ﾍヽ,　　　＿　ソ　　／¨　　;;;;;y'　　　　;;;;;ｙ´　　;ｙ
　　　　　　　　　　j三ﾄ　　　;;;;;´ /;;　ノ´　　　;;;/　　／　;;;;／
　　　　　　　　　　k´ l;;ゞ　　;;ノ´　／　　　;;;／　／　 ;;;;y　　　　　/;;;
　　　　　　　　＿j;;;　　¨´　´　　/　　　;;;y　　y　　　;;;;j　　　　　ｼ´
　　　　　　　/　/卜=ー'　　　　'　　　;;;;j　／　　　;;;;;/　　　　　;;/
767： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:39:12 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼＿_
　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　 .ヽ
　　　　　　　　　　__　イ　　　　　　　　＿＿.||
　　　{ﾄ､　{从iィ ⌒Y}　　　　　　　　　|￣￣|.|
　　（ﾐミ＞::.　|::::::: |.|　　　　 .Y⌒Yz|..rnm||!
　　　>ミ{　　　|::::::: |:|　　　　　 i　　L」（＿ﾘ||
　ト､ >Y{. 　　|::::::::γ＝vニ三三三三三三{_＿　＿
　 >ミ从}　. 　 !:::::::::{､___从ト､_＿＿＿＿＿＿___ _ ノ
　⌒YミﾐV　　∥:::::/￣/:::}}:}ﾘ￣￣￣￣7ｨ T不　）
　.､_ﾉY ./＞.､ |:::::::{　./ミﾒﾆz､__＿,,,　く匕ス{⌒ヽ{
　　てミミニミY:::::::::V　￣＿≧x})ヲﾉ　 .く　 |　　}i!
　　（ミミミr＝ミ≧={ 　ｲﾓソr＜　 i!　　　.Y !　　ﾘ　　　菊池の旗を掲げな
　　ヾミﾐ| r=- ､＜i　　　￣i　　　　ヾ　､_/ ,|
　　　 }ミﾆi 辷= <　.|　　　　 i　　　　　　 _,,ﾉi!
　　　{ミミミ＞ .､＿人　　　＿ヽ＿　　,,彡⌒ﾊ　　　　　先手は当主武房が弟有隆が務める！
.　　　iミミミミミ/ _＞斗＜￣￣￣|ヽ　ヽ'''´　!
　　　 V ＞ー ''´　　　 ,---.､.　　|! }＿＿＿ﾝ
　　＜´　 Y ⌒ Y　　 !　　　 )::　 || |￣￣/
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768： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:39:39 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　　　　　　　 ,;;　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| 　）　　　　　　　　　　　　,／　　　　|　|
　　　　　＼人_人,_从人_人_人,_从,人／　　　　　　　　　　　　　　　|　（　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|
　　　　　　　）まずは手薄な所を叩くぞ（　　　　　　　　　　,;;　　　　　|ヽﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|
　　　　　／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ﾍ　　　　　　　　　　ヽ,　　　　|　（　　　　　　/彡.　　　　　　　　　　|二|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ヽﾉ　　　　､-〈巛. 　　　　　　　　　　|二|
　　　　　　　　　　　　　　　　　,rt､　　　　 ,-‐､　　　　　　　　　　　　　| ,rt､　　　　　ヾミ　　　　　　　　　　　|二|
　　　　　　　　　　　ハハ彡　/ト'ヾヽ　　　l=j, (,、　　　　　　　　i`i`彡0ｆト'ヾヽ　　　　　ヽﾐ彡/ 　　　　　|二|
　ゞゝ──ゝ　　／､ゝX 　彡ゝoノ　ハハ/ソ/⌒ゝ　　　　　　/　ゝ彡ゝoノ　　　　　　　/|　　iヽ　　　　 |二|
　　　　　　　　(　'　Y''''ノ＼　彡　／､ゝx彡ヾ > ）､__ノ彡ﾐ=　| 、ノ　彡くﾐヽノﾐ= 　　　 o,| 　 ||ol.　　　　 |二|
　　　　　　　　　`‐'￣＼　ヽノ　(　'　Y''ノ彡く/彡'　　＼　　　`‐' ヽ____/ゞ | ヽ　　へ　 /〈|`‐'　|〉　　　　　 |二|
''''''''"""""￣￣￣　　　〉____,／ | `‐'ヽ　ヽノ |/／　|　　　|　　　　　|川ﾘｰ'　　|　　,;' ) / c|､____, |っ　へ　　 |二|
""""￣￣　　　　／＼|ﾘjilji 　丶ゝヽ〉____,／ゝヽｰ'　　 /　　　　　|　y　ノヽ　|　/ (ヽ　　| 川ﾘl |　 ,;' ).　　|二|
-‐　_,,.　．-‐　　　ヽｿゝゝ　　　　　`''' 川ﾘ|　　`'''　,'ヽ　丿　　／＼// //　　ヾ|　　　　　　ヽ |ｰ| /　/ (ヽ／ |二|
　-‐ _,,.　．-‐　　,-‐'''"　ゝ　　ノ-ー'7ゝ　ゝ　　ゝ'　ヽ　ヽ　　ヽｿゝ/ //　　　/ゝ　　　　　ﾉゝﾉゞ　　／ヾ,　ヽ'
　_,,. 　　 -=━━|　-ー　/　彡　　／　　/　／　.　..　ヽ〉　　ノｿヽ/ゝ　　　　　.　　.　　　/ゝ　/ゝ　 /⌒､ヾ
　　　　-‐'''""-‐'''ヽヽヽ/ ／ .:-‐' /　／/ ／　　　.　　//　／ゝ /ゝ　　　／／　　　　　　　　　　　　||()|（＼ヾ
　　　　,,,-‐'''""　　_,..:-/／,..:-‐'"/／　/／_,..:'_,..:'　　/ゝ／　 < <　　　　　　　／　　　　　　/　　　　||　|（丶|
-‐'''"",,,,,　　　　　　　/ゝ　　　　/ゝ　 /／　_,..:'　　／　　　　　ゝ`　　　　／　　　　　　/　　　　　/　||()|（丶|
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_,..:-‐'"_,..:-‐'"_,..:-‐'"_,..:-‐'"_,..:''　　　_,..:'　　／　　　／　　／／　　／　／　　　　 /　　/　　/　/　　　＼＼|
　　　　_,..:-‐'"　　　　　　_,..:''　　　_,..:'　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　/　　　　　＼
769： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:40:05 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　 l|　∥ ||　!　|l
　　　 r─┐ ｢　|｢ 7　　 l!∥| ,! -┴┴┴──-!､ |　!
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. |　　　　　　　　　￣| | | i ,'　ー- 、` ｰ-‐''´　 ,. -─ i. l.　∥
　￣￣| 　 !￣''￢　 |∥lll {　　 v　＼　　u ／　v　u　| |.　||
　　|∥|　 ,'　　.　|　 |l∥|| !　 v, ,:=- ､ヽv　" =＝､、 u } !∥|
　　l∥|　,'　　 |　l　,'　, -| } U {（　＠　　　＠　　}}!　 { {⌒i.
　　 l! | /　　　|! | / l { f ] | ヾヾミ=ィ　 U　}ﾞ=＝'"　,ィ !.｢ヽ|
　　∥|/　|　| ∥l/ | | ! {.｣.!vr‐‐-'u {　u　　 l　､_,. -‐ ､ |!＾,ﾘ i　 !
　　∥∥ ||　| |||　∥|l|`｢ 7｢ 7,,,,,,,,,,,`u^ｰ'^ｰ'､,,,,,,,,,,,,,,,、 |_ソ|! l　|　ｉ　　l|　　　て、敵だぁ！
　　 |. ∥ 「￣| || 「￣|| | /| /匚匚匚匚匚匚匚匚匚lヽ !|| ∥ｌ　|!　||!　∥∥
　　　 ∥│　|| |　|.　 | l/ l,ｲ-───‐-rｰ────-|;|∥│| ∥| li|　 ll
　　　 ∥ |　 | ∥_」.　 !-‐'| 匸匚匚匚匚匚匚匚匚[_ﾚ'ﾉ`''ｰ-!!､l＿|ｌ|
　　　 ,! ｨ　.|￣　|.|.　 l='"ﾞヽ､　　u　＿＿＿　　　,. ‐'ﾞヾ＝=　　|　 `ｰ
　　　　　|　,'|　　│|.　 l.　　 |:::::`''::ｰ:､￣￣,. ‐'' ´:::: |　　　　 |　　　 |
　　　　 | / |.　　 | ヽ.　l.　　l　　 ::::::::::::｀´:::::::::::::　　 ! 　 v　　 |　　　│
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　　　　　　 ,'　　　ヽ　　　 |￣||￣|　　　　　, -‐'''"´　　　　 /　　　　 l
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770： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:40:32 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　　　:,:　　　　　　　　　　 :(::)
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　　π /;::::::::(,.,.(;;;::::(　　 ,,.,　　・っ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;,;;( ):::::;.　　　　c::── '`'''::::::::::;''
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　τ　!::::::::::::::::::::::::::::)／,,,,,　γ　　　　　　　　　　　　　　 :'`'``:!
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　　　　　　　　　　　　　　　l 　 l　| /´ l,､_ノ ,
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　　　　　　　　　　　　　　　.|　し''´　」　　　_,,..､　.|　 / ,..-､
　　　　　　　　　　　　　　　.|　 ,,.-''´　　. 　 l 　 l　| /´ l,､_ノ ,
　　　　　　　┌ ､　　　　　　|　.|　　　　　　　|　 i'　'´_,,、
　　　　　く＼.＼＼（＼　 ..l､_ﾉ　　　　　　 .|　し''´　」
　　　　く＼＼＼,}　Ｙ　|　　　　　　　　　　　.|　 ,,.-''´　　.
　　　　　＼ヽ' 　　　/_　　　　　　　　　　　　|　.|　　　　　　,､ r‐'ｌ　.r､、
　　　　く`一'　　　　 /∨＼　　　　　　　　　 ..l､_ﾉ　　　　　　ﾞl.|　ﾞl /　lﾞ
　　　　　｀￣¨丶､＿,／　　//`ー⊥∠⌒＼　ヽ　＿＿　│ ﾞl |　|/　lﾞ
　　　　　　　　　　／　　 ___,ノ厶ﾆヽ.　　　　　　　｜　　　: ﾞl,,ﾉ '"│ /
　　　　　＜　　　＿|＼_／r─＜９クｎ＼　　　　　| 　　　 ´　　.lﾞ　lﾞ
　　　　　　 )　　　　二｀T￢=ﾆニ二辷|_} ｝　　　　 /_＿＿　　　＼,lﾞ
　　　　-　＜　　　　　　　　　　　　　｀〈￣￣￣´
　　　　　　　)　　　　　　　　　　　　　 `
　　　　　　／^⌒`Y´^＼　　 '´⌒`Y´⌒`
771： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:41:04 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　 ,　 -‐‐…‐‐-　 .
　　　　　／: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :｀ヽ
.　　　　／: :: :: :: :: :: :: :: :〃「∨|ヾ: : }
　　　　／:.:.:.:.:.:: :: :: :: :: :: :: :ゞ,!___」ﾉ:_::ﾉ
.　　 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: :: ::_;: ::-‐: : ¨￣: :: : ＼
　　　{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.イｧ‐ ,.へ _‐―‐‐ｘｪ一'
　　　ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.ｨ=守i 　" ≧tﾗ＾{ )ﾁｭ}
　　　　｀ｰｧ爪てヾﾐ　 {　　　 '´'. {　｜　　　落ち着け！
　　　　　　川込_うミ　ヽ　　　,. 、）　!
　　　　 (､_川i∧　jﾐ　　　　,.ｨ彡ミメ〈　　　陣を組め！敵は寡兵なんだぞ！
　　　　冫少　、ｷ　　 } 〃こ二7/`
　　　　彡ﾍ、　　　込、　｀　　'⌒ ,′
　　_／: :: :{ :｀ ‐　.,__　＞x､　　,ﾘ
＜//ヽ　: :: ::.:.:.:.:.:. :｀;: : ::‐―〕¨´
: : ＼/∧:_::_::_::_:: :＼::', :: :: : :l＞-　..,,__
: :: :: ∨∧:: :: :: :: ::.｀ヽ',: :: : ﾘ: :-‐　∨/∧‐-x

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　　　　|　　　／￣ヽ _　　ゝ､ V !　　/ ￣　　　　　　＿＿／ｲ　ﾉ
　　　 ├ -､./　　　　　／　＼У　 {　　　　　rｰ彡　 i　　　／ /
　　　 / ヽ .ﾉ　　,,;;;;; ／　　　　`ｰ　　ヽ　　 ,;;;｛彡" 　ノ r=≠ ＜
　　,;/　／　　／≧/　　　 ,;;;ヾ　　　　;;;i　　　 i! i　｛　彡!　,,,;;;;ノ
　,,;/　（　　　i＼/,/　　 ,;;人 _Y⌒廴 _ _i;;,,, ＿　 V/彡.// r＝;;/
,;;;/　　 `ヽ　;!　i　ヽ　　;;{三jﾐ:i　　　　　）彡=)）　　Y彡／）,,;ノ
　! _ __,,　ﾊ j　 !ii 》.＼　 V三＼_____,_<三／　　／￣　｛　　ﾉ
　　／ﾉ　　ii　 .}Y　 ,,,,） /;;,, ;;　..,,,..,;;::;;...／,_＿／_＿ z＜ rイ＜　　　・・　・・
　　　/;;;;;;;;;;;;;;;;l人i!　 / 人≧;;｝　ノ;;;; ,,￣,,;;_zz彡{ミツ　｛ゝ　　　　　二度目だ
　　<;;;;;;;;;;;;;;;;;（( ﾉj ／ヽ`ｰ'ﾐi;,,,i,i,＜_-zz≠三ニ　 Уｲ/ /}
　/　＼;;;;;;;;;;;;;;;;;i;;;|　　.￣'´ﾉ⌒　ii:::ミ. `┴'´／　/ ソ　人　　　　　　貴様たちが受けた伏撃はこれで二度目
　　　　ヾ;;;;;;;;;;;/i;;;|......:::::　 /::..　　 ::::::::￣.￣　 ..:/ノ　..ｲ　/
　　　　　 );;;;;/　!;;|:::::　　 / :::....... .:::::　　　　　"./)）<　 j! .i!
　　　　　i;;;;/:::::::i;;|'　､_　ヽ::.._,,;;;　　 _　　　　 /⌒i!　　i! .ﾘ
　　　　　／:::::::::::::}　　ヽ;,,,,,,,_..　　,,　 `　　 /　 /il　 / /:::
　　　／::::::::::::::::ハ　 `;;,,,,,￣` =-''"　　　　ｲ .／::::|iV /::::::
⌒V/::::::::::::::::::::/:::::i　　/　''''''"´　　　＜...イ:::::::::::|! /:::::::::
　//::::::::::::::::::::/::::: ヽ　:::....　　　 ...:'::´::イ:::::::::::::::::::::ﾚ::::::::::/
.／::::::::::::::::::::/::::::::::::::::`:::.＿イ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i!:::::::ノ:::
:::::::::::::::`ヽ::: {::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／　 /:::::::
772： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:41:41 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　i
　　　　　　　　　　　　 r-､　　./ 　 }　　　　 r､
　　　　　　　　　　　イ )入　/　　 il _　　　ﾉﾊ _
　　　　　　 ,､　　/Kﾐ　/　 /ﾊヾ　　V ヽ＿}　ノ入
　　　　　　 i 廴/＼ヾ/　 //　ﾐ､　 /il　|￣ヾ　人ゝ,　ノi
　　　　　　人ﾐ=､ヾ　il　　ilⅦ　ミ / ﾉ . |　　　　)　r''´　 }
　　　　　 { ヾ　ヽﾐミ il　　弋　　/　il　 .|　il　ｿ,/ i i /　/
　　　　　　}　＼　}ミﾐ､ヾ　＼　i　ilil 川V.il彡/ ｲ il　 / _
　　　　　 /iｲ　 il　廴ﾐ　ヽ　　Ⅵ　ヾ　ヽ　.V/ ./ノ　./ .)　)
　　　　ノｨ=三=､＿_ ｀≧ヾ　　il　　 )　ｿ　/／　／／i /
　　　イ/小/,＿､　 /￣￣｀ー､il　　il／.／　≦イィﾊ V
　 -=ﾄミV/i　ﾃﾐ=il/　/　/　 /ﾊVi／.／￣ヾ　ヾ Y　＼
　　　ヾ廴/　il　 /i　/　/　 /ilililⅦiⅣililil)　　}　} 人　　 }
　　　　ヾ-ィ':::::::::::ヽil　il　 .{::/￣.:v.￣V　　/　/ｲ::::＼.ノ
.　　　　　ﾄ､::::::::::::::＼＼ il::{:::::..　　..:::}　　　ｲ:::::::/
　　　　　　ﾊil￣il＼￣＼＼＼;;;,,, ;／　／￣ﾃｲｲ
　　　　　　廴ﾊ il　､_≧､ .＼ }　￣　{／ ,,ィ__ﾌ .i/}
　　　　　　 |人 il　＼ tュ≧ ヾ　 r　≦ィﾌ /　ﾚ　　　　一度ならばただの「油断」だが
　　　　　　/｀ﾊi　　::::￣￣￣｀i　 K　￣￣　　/i
　　　　　./　/ハi　　:::.　　/ ..:::|　 |::.　　　　　ﾊ l　　　　二度目は油断ではなく「予感」になる
　　　　　i　 il　　i.　　　　..:::::|　 |::::...　　　ｲ　|
　　　　　|　　　ハ　　　　　ヽ .|　 | ,　､　　/:: i　|
　　　　　|　／　 |＼　- ､＿,,,ニ,,＿ノ　 /::iﾊ　.|
　　　　　| ./　　 |　＼　　 ,,,,, ￣,,,,　　.ｲﾉ::ilハ |＿＿＿＿
　　　　　ﾚ　 _ / .|　　　＼　　 """　　/:::::::::il:::::i/:::::::::::::/　　ヽ
　　　　　r=//:::rー───ヽ＿＿ _ /::::::::::::il:::::::::::::::::::/　　　　i＿＿＿＿
＿＿＿ノ.//:::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: il::::::::::::::::ｲi　　　／￣￣￣￣
￣￣￣ //::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾘ:::::::::::::::il　　　./
　　　　//:::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::il　　 /
　　　.//:::::::::::::::｀::､::＿＿＿＿＿＿＿:､:':´:::::::::::::::::::il　　 il
773： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:42:17 ID:f7dzBggw0: 　　＼＼ | l　i 川　| l　i川　| l　i 川 |　| l　i川| l　i 川／／　r―=＝二￣｀ヽ
　　三　　いたるところに伏兵が潜んでいるという　　三 >‐-_'´　u V:::::|
　　三　　　　　　　　ありもしない「予感」に　　　　　　三 '　r-- ､　　 }:::::|
　　／／ | l　i 川　| l　i川　| l　i 川 l　i川　| l　i 川 |＼＼（　 '　　 }　「r､:::|
　　　　　　　　　/　　　 u　〉:::|　　　　　　　　　　　　　　　 > i}　　ﾘ　 |ヒ}}: |
　　　　　　　　ヽ =＝ﾍ　 /-､::!　　　＿　 __　　　　　　／　ｰ-u'　　 |ン::: |　　　まさかここらへん全部に伏兵が潜んでるのか？
　＿　rｧ__　　／ i　　 }}　|ヒ}!::|　　　＞ ^´　ヽ　　　 ∠__r=_`-ｲ丁ヽ.|ヽ:::::|
＞::::^':::::::::'.　/　　=u彡　 |ン::::|　　　イ/⌒く　 |　　　､---ヾエヱ二」 !　＼|r　　　さっきの奇襲も今の攻撃も全部相手の思惑なんじゃ……
そ:／ヽ:::::_::! ｀1工エｴﾊ ./＼:: 「｀ヽ　 .> i うヒ}l　　 <r ､V^ｰ ´｀ー '_|　／／
　ハ｡＝Y{.）|　　 _}-r‐://　　ヽ＼ﾘ　<_r-┬!ﾄ､|_　　∠≦ﾘ::}　 ,　イ　／／.....
　 <.｀_^､/く:|　　Lー-ｲ/　　／/:.:.:.＼　 f＝' j　| ヽー-＜j /ｲ　　＼/／..........
　　〉-- / ／＼（＿,イ　／:.:./:.: |｀Y´|＼イ-､　l　|　　　/｀ヽ#＼　 /...................
　　ヽ__/／　　＼　　　　（＼:.:.:.|　|　|:.::__|　|　K´　　　l　　＼#Y=―- ､.........
＼　　 }-― 、　　＼r──　　`'┴┴r!（___　 _ア´￣｀ヽ{　　　 }/.................ヽ....
:.:.:.＼/　　　 }　　　 }`ー―― ､　､‐':.:.:.:.:.}　　 , ＜｀ヽ　'._/ 　 /............................
:.:.:.:.:.:V　　__/　　　 :.Y´￣￣￣　　 >:.:/:./ 　 /＼　　 }　} ◯./..◯...................../
:.:.:.:.:.:.:Vノ.　　￣｀Y:.:.|　（￣￣￣￣:.:/:.:/　　.|:.:.:.:.> ／ /　　.}............................/
:.:.:.:.:.:.:.:.',　＼. ヽ_人.人　￣￣￣￣）:.:(__,.ｨ__j:.:／（__／　 ,イ...............／....../
:.:.:.:.:.:.:.:.:.'. ヽ_ＶＬイ:.:.:.:.:￣「￣「￣:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.／　　|:.＼／　j--―..´........../
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.V"´　　　ヽー--}ヽ　＼:.:.:.:.:.:.＼／　　　 j:.:.:.:＼/........................./
774： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:42:48 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨ　　　　　ｨ
　　　　　　　　＿＿＿..,,,ｨ=- ､　　　　　　　　　／{　　／/＿＿ ,, ｲ/
　　　　　　　/　　r=''´￣ヽ　 .::ヽ　　　　　　　 i　人r''r／＝-ｖr＝-ヾ
　　　　　　 r>''´´{ ::.　　　　',　 .::i　　　　　　　ﾉ / ﾆ.Y ﾚ=イ　ヾ､_＞-､''ーｧ
　　　　　斗　　　{　　　　　 ',　　 ',　　　　　 {彡r--､Vrilil>　 Y─-､　＼　_
　　　 i''´ ..:i　　　 {　　　　　　ゞ､_　ヽ　　　ｲ/ /ﾐ /｀´⌒}::i ./;;;;;;;::::::＼ー{￣
　　ｲ　　.:i　　　 {　..:::　　　　ﾊ　　 .}　　　ﾄ/　.人ヾ_／｀i/≧ｲゞ＞x /ハ　　　　　そしてその「予感」は、三度目で「確信」となる
　　/ ﾉ　　.|　　　 {　::::　　　　 i　　　 |　　　 il　/ i≧-､／┴'''´　Ⅵ Yミﾐ
　/　,' ..::　.{　..::　 i　 ::::...　　...:::　　　　}　　ﾊヽ ..ﾄ￣ﾉ　 Y　　 /　r::ﾉ人ﾐ､ゝ　　　　この私――
..{　 il　..:　.{　..::　　｀　 :::......:::　　　　　/　　 ≧ﾐ＞=-　ヽ '´　　　　ｵｲﾊﾐﾐﾐ
..ﾄ　｀ ::　　｀ :::..　　　　　:::::.　　　　　{　　　　　　　　i　'-＝='´　　　|iY　 iミミ
..ヽ　　ヽ　　　ヽ　　　　　　　::.　　　 iﾄヽ''￣￣￣＼ﾊ　''''''´　　　人_ r────── ､
　ヽ;;::...　　　　　　　　　　　　ヾ　　 il::::i::＼_　　　ヽ＼}＿＿イ──/　　　　　　　　　　＼
　　｀､:::.　　　　　　　　　　　　　　　/::::/::::::il::T､　　　ヽ＼ _, - -::､:/　　　　　　　　　　　　ｲ
　　　　｀ー､::..　　　　　　　　　　／::／:::::::/::/i　ヽ　　　V　＼＼　 Y::.._　　　　　　　　　　/
　　　　　　　　＞､_＿　　　　／:::::/:::::::／::/:::il　　}　　　ヽ　　ﾄ､＼　V　ヾ　　　　　　　 / |
　　　　　　　 / /:::...:.:廴￣￣::::::／::::／::／::／=-､　　　　　　　　ヽ　}　il　 }　　　　　　 /　 |
　　　　　　　 i li::::::ｲ::::::ト- - ''´:::::／::／::／　　　　ヽ　　　　　　 i　ﾊ　 }　　　　- イ　 .ﾉ
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　　　　　　イ.i il:::::::::／::::::＼　　　　￣ヾ　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ/　Y　　　/i　　　 /
　　　r ''´　　 iil:::／::::::::::::::::::＼　　　　　　￣　　　　　　　　　　　　　V　　　　 ./ il　　イ
　　人　　　　ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::::＼＿＿ィ=- ＿　　　　　　　　　　　 /　　　　 /＿/　 /
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775： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:43:21 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,.. ----=ﾆ_''''ｰ-､_,.._-
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　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　,. ,.-'-' ／/ '´　-'´
　　　　　　　　　 __-‐ﾆ7ﾞ　　　　　,.-'ﾞl/ ／/／/／/
　　　　　　　,.-'´　　 /　　　　　　|　ﾍ／ /　　__　 _,.-ｧ/!
　　　 _,._-ﾆ--‐: : :　ﾞ : : :i: :　　／／　 / r‐'´/／／/
　　‐'´'´　　　　　　　　　ﾉ　　 | ／ |／/ノ　ノ/ _,-ﾌ /ﾌ／　　　　菊池武房の一撃によってなァーーッ！
'´／　　　　　　　　　　 /_,.-'i'ﾉ i:| /　 ,.、／7"´／/レ‐ﾌ以
く　　　　　　　　　　: : :::|::::::::://||:|ﾉ　/ ﾉ　´-‐フ'´/_／／／
　l　　　　　　　　　 : ::_,ｲ::::::/ l,(l,ﾘ　ﾉ／　　　　__　ﾌ,.-'7 ／
｜　　　　　　　　_,.-''´ _|:::/　　>!//>＿__,.-ﾆ-　／''／,ﾞi
｜ヾ:.　　_,.. -‐'´'"'''''"´ |::| , /／,-ヾ=t;ﾃテ'''´ ﾃr‐'ﾞ/　ﾞ''''
　　　）'´　　　　　　　　　ﾞ|∧と_ﾞ／　　￣　／ﾃ'ﾞ::::::::|
　　ノﾉ　　　　　　　　　　.| ヾミｰ-　　　／／:::::::::::::::|
776： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:43:49 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　　　　　　　 ,;;　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｢|
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777： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:44:17 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　　　:,:　　　　　　　　　　 :(::)
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　　　　　　　　　　　　　　　.|　し''´　」　　　_,,..､　.|　 / ,..-､
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　　　　　く＼.＼＼（＼　 ..l､_ﾉ　　　　　　 .|　し''´　」
　　　　く＼＼＼,}　Ｙ　|　　　　　　　　　　　.|　 ,,.-''´　　.
　　　　　＼ヽ' 　　　/_　　　　　　　　　　　　|　.|　　　　　　,､ r‐'ｌ　.r､、
　　　　く`一'　　　　 /∨＼　　　　　　　　　 ..l､_ﾉ　　　　　　ﾞl.|　ﾞl /　lﾞ
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　　　　　＜　　　＿|＼_／r─＜９クｎ＼　　　　　| 　　　 ´　　.lﾞ　lﾞ
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　　　　-　＜　　　　　　　　　　　　　｀〈￣￣￣´
　　　　　　　)　　　　　　　　　　　　　 `
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778： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:44:55 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ | |
　　　　　　　　　　　ミ￣｀ヽ､,,ﾉ'''ノ'''/ ,/ﾉニ＝'
　　　　　　　　.＿ミ'　　　　| ﾄ､､　,,ノ ,//,,ノ,ﾆ''_ノj_,,　　
　　　　　　　ﾐ : : : : 　　　　|〉｀l ）|/,,/ /　/三／彡'　　　＿
　　　　　　　ミ::::::∠＿ミ--ﾉ　,,_,,彡_,ｲ_ノ￣ミ､ T　_,,ｨY彳⌒
　　　　　　　｀l､_ト-‐''⌒三く {::::::::<三/ﾊＶミ＿ Lｲﾉ／
　　　　　　＿ノ / rj ｎ ,,;ｴ !:::::::::::: ヾ´ ﾉハ　　ﾉ::∠　　＿
　　　　　　＜二_ﾉ/ ﾄ'j 彡 l:::::::::::::::　　r'|,,ｲヽ:::::-､ﾞi /.......ﾞl
　　　　　　　ヽ--'ノト|ニ-､::::::::::::::::　 j　　Vﾄ､:::::::|,/ ::::::: ﾉ　　　　　三度だ！
　　　　　　　　ﾞﾗ＿ﾉ.|/ / ,､＼::::::::::　/:::＼,,-┴‐'_ハ＿_/
　　　　　　　　　　　 { 「　 V┴ﾍ:::::::::/:::::／＿,-//､＿_,,ト､_　　　　　恐ろしいだろう？何せ見知らぬ土地の見知らぬ道だ
　　　　　　　　　　　　Vヽ:　｀ヽ└,､'::::／r∠　く .{::::::::::: |┐.ﾞl
　　　　　　　　　　　　ゝ､＿__.}_,-ﾉ_:::|_/ノ　ヽ　＼ﾞー-ｲ,,l_　|｀ヽ
　　　　　　　　　 ,-─ｪ| {::::::,,-l／::::|::∠､: : :: ﾉ--､　　 /　　.ﾊ:::::|
　　　　　　　　／::／ハヽ__//:::::::::／: : ::}__,ｨ'､＿ﾉ　　/./｀V　.|::::|
　　　　　　_∠_／:::::::::::::,フｲ /　l´: : ::／|　|　|::::ヽ　 {_ﾞ=ノ／|:::}､
　　　　_∠　　|／::::::::／/　 |　　｀ーｲハ.l-ﾄ､ハ::::|／／ ,,ｲ |_|:/ﾉ
　　／　　　　|::::::::::/ /::::::,⊥＿__　|　ﾊヽヽ|:::::rﾆ､イ／:::| l　|Y
　 /　　 ,,-‐'':::｀ーｲ /_,,／/:::　　　ヽV::::::ﾊヽ＼{__ﾉ‐'´::::::::,ト|_j´
　j::::::::/::::::::::::::::::://|:::::::::::ﾉナ-､＿＿}::::::::::|.|:::::::::::￣￣￣|,L/
/　　/::::::::::::::::／: 〈〈::::::∠__}＿＿}:::::::∧:::::::||:::::::::::::::::::三」ﾞｰ'
ヽー'--､＿／|::::::::|.|:| {＿__}＿＿_::::::|＿:::::::||::::::::::::三＞ﾉ´
　　　　　　　 {三三|||:::::::::::}:::::::::::::::::::|　ﾄ::::::ヾ､三三ﾉ　|
779： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:45:39 ID:f7dzBggw0: :..:..:..:..:..:..:..:..:..:|ik;;:;;:;::;;:;:;;::;:;:::;:;;l:;:;::;:j!|:..:..:..:..,(;;ﾊ:..:..:.Vヾ:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..ノ'ﾍ.:..:.|:;:;:;;:;:;::;:;;:::;:;:;;:;
:..:..:..:..:..:..:..:..:..(ik;;:;;:;::;;:;:;;::;:;:::;:;;l:;:;::;:j!:|ゞv'.:..:..:..:..:..,,‐ゞy;;'ゞ<.:..:..:..:..:..:..ゞ>:..､..:..:..:..|:;:;:;;:;:;::;:;;:::;:;:;;:;
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|;;:;;:;;;:;k!:;;:;:;::;;:;:;:;:j!;:;:;;:;|:;ゝ､7-ｰ<ヾ:'(ﾞ':ヾ:.:.:.:.:.:..:..:..:..:..:.〆､,,;"＞-､|:;:;:;;:;:;::;:;;:::;:;;;:;;
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼＼ | l　i 川　| l　i川　| l　i 川 |　| l　i川| l　i 川／／:.ﾊﾞ:.:.:.:.:.:.`‐|:;:;:;;:;:;::;:;;:::;:;:;;:;
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:三　　あの木陰、その木陰　　　　　　　　　　　三:.:.:.:.:.:ﾞ:.~^:.:>ｰ|:;:;:;;:;:;::;:;;:::;:;:;:;;
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:三　　　皆伏兵が隠れているように見えよう　三.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:;:;:;;:;:;::;:;;:::;:;;;:;:
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／／ | l　i 川　| l　i川　| l　i 川 l　i川　| l　i 川 |＼＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:;:;:;;:;:;::;:;;:::;:;;;:;:
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|;;;:;:;:;:;:;:!:::;:;::;:;:;j:;;:;:|;:;:;:;):;:;:;:;:;:|;;i:;:;;:l;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|:;:;:;;:;:;::;:;;:::;:;:;;::
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|;;:;:;:;;;:;:j:;;::;:;:;:;;::;:;:;i:li:;;::|;:;:;:;:;:;:|;;::;!i!;|:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|:;:;:;;:;:;::;:;;:::;:;:;:;:
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|;;:;;;:;;;:;:k:;;:;:;::;;:;;::;:;:j:;:;;::l:;:;:;:;:;（i!;:;:;;:;|::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::|:;:;:;;:;:;::;:;;:::;:;:;;::
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;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|;;;:i!:;:;;;:;:;;:;:;;:::;:;::;:;;:y::;;:;:ヽﾉ;;;:;ﾊ､;vvヾﾍw:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/;:;:;:;:;;:;:;;;:;:;;:;;:;:;:
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;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/;;:;:;:;:;;､:;:;:;:;;:;:;;::ヽ:;::;:;:;;:;:;;:;::;:;;:;:;:;:;｀ー-､＿__~"''"^'"''ﾞ｀_,-‐'´;;:;;:;:;;:::;:;ノ:::;;:;::;:;:ヽ;;:;:;;:
;:;:;:;:;:;:;:;:;:_ノ;;:;;;:;;;:;:;:;ヽ､;:;;;:;:;;:::;`ｰ-､;:ζ:;｀ー-､;:;;:;:;:;:;;:;:;:;:｀ｰ-､;;＿＿＿＿___,-‐'´;;:;:;;:;;:;:;;:;::;ヾ;:;;
;;;;;;,,-‐'´;;:;;;ノ;:;:／:;;:;;^ｰ-､:;:;:;:;:;:;:;:;:`ｰ-､:;:;;:;:;:;~:^";:;:;;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;;:;:;:;:;;｀ﾞ';;:;==;;;;:;;‐､__,,''~"'~
!ｿ;ﾊj|W "" Vv,w,.vw,.v"ji,,Iw,,MW w,,Mv,w,.vw,.vW "" V"ji,,Iw,,MW "" w,,Mv,w,.vw　,,,,,.., ,vv
"~'"'"~　　~""~'"'"　　~~""~'"'"　'"'"~~""~'"'"　　　　　 ~　"'''~"''""'''~"''"　　"'~"''"''~"''"
780： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:46:07 ID:f7dzBggw0: 　　＼＼ | l　i 川　| l　i川　| l　i 川 |　| l　i川| l　i 川／／
　　三　　　　恐怖を抑える勇気も　　　　　　　　　　三　r―=＝二￣｀ヽ
　　三　　　　　　　命を投げ打つ気概もない　　　　三　 >‐-_'´　u V:::::|
　　／／ | l　i 川　| l　i川　| l　i 川 l　i川　| l　i 川 |＼＼, '　r-- ､　　 }:::::|
　　　　　　　　　アー-'^⌒}:::::!　　　　　　　　　　　　　（　 '　　 }　「r､:::|
　　　　　　　　　/　　　 u　〉:::|　　　　　　　　　　　　　　　 > i}　　ﾘ　 |ヒ}}: |
　　　　　　　　ヽ =＝ﾍ　 /-､::!　　　＿　 __　　　　　　／　ｰ-u'　　 |ン::: |　　　　これは偶然なんかじゃない……
　＿　rｧ__　　／ i　　 }}　|ヒ}!::|　　　＞ ^´　ヽ　　　 ∠__r=_`-ｲ丁ヽ.|ヽ:::::|
＞::::^':::::::::'.　/　　=u彡　 |ン::::|　　　イ/⌒く　 |　　　､---ヾエヱ二」 !　＼|r　　　　全部、全部相手の思惑なんだ……
そ:／ヽ:::::_::! ｀1工エｴﾊ ./＼:: 「｀ヽ　 .> i うヒ}l　　 <r ､V^ｰ ´｀ー '_|　／／
　ハ｡＝Y{.）|　　 _}-r‐://　　ヽ＼ﾘ　<_r-┬!ﾄ､|_　　∠≦ﾘ::}　 ,　イ　／／.....　　　　まだそこらじゅうに伏兵がいるんだ！
　 <.｀_^､/く:|　　Lー-ｲ/　　／/:.:.:.＼　 f＝' j　| ヽー-＜j /ｲ　　＼/／..........
　　〉-- / ／＼（＿,イ　／:.:./:.: |｀Y´|＼イ-､　l　|　　　/｀ヽ#＼　 /...................
　　ヽ__/／　　＼　　　　（＼:.:.:.|　|　|:.::__|　|　K´　　　l　　＼#Y=―- ､.........
＼　　 }-― 、　　＼r──　　`'┴┴r!（___　 _ア´￣｀ヽ{　　　 }/.................ヽ....
:.:.:.＼/　　　 }　　　 }`ー―― ､　､‐':.:.:.:.:.}　　 , ＜｀ヽ　'._/ 　 /............................
:.:.:.:.:.:V　　__/　　　 :.Y´￣￣￣　　 >:.:/:./ 　 /＼　　 }　} ◯./..◯...................../
:.:.:.:.:.:.:Vノ.　　￣｀Y:.:.|　（￣￣￣￣:.:/:.:/　　.|:.:.:.:.> ／ /　　.}............................/
:.:.:.:.:.:.:.:.',　＼. ヽ_人.人　￣￣￣￣）:.:(__,.ｨ__j:.:／（__／　 ,イ......＼＼ | l　i 川　| l　i川　| l　i 川 |　| l　i川| l　i 川／／
:.:.:.:.:.:.:.:.:.'. ヽ_ＶＬイ:.:.:.:.:￣「￣「￣:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.／　　|:.＼／　j--―三　　　　　末端の雑兵どもから　　　　　　　　　三
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.V"´　　　ヽー--}ヽ　＼:.:.:.:.:.:.＼／　　　 j:.:.:.:＼/...........三　　　　　　　　　逃げ出すだろう　　　　　　　　三
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／ | l　i 川　| l　i川　| l　i 川 l　i川　| l　i 川 |＼＼
781： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:46:43 ID:f7dzBggw0: ｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）
）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀｀）｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）
　　　　　　　　　　　　　∧＿∧ 　　　　　　　　　　　）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）
　　　　　　　　　 (ヽ（　　　　）ノ)　　　 ∧＿∧　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧＿∧
　　　　　　　　＿/＼／＼/＼／|＿　(ヽ（　　　　）ノ)　　　　　　　∧＿∧　　(ヽ（　　　　）ノ)
　　　　　∧＿＼　　　　　　　　　／ヽ￣ｌ￣ .／　　　　　　(ヽ（　　　　）ノ) ヽ￣ｌ￣ .／
　　　(ヽ（　　＜　　退却だ！　＞　　|　.　. 　 |　　／⌒ヽ　　ヽ￣ｌ￣ .／　 |　.　. 　 |
　　　ヽ￣ｌ　／　　　　　　　　　＼　　(＿/＼／＼/＼／|＿ノ) |　.　. 　 |　　　(___人__　）
　　　∧|＿∧ ￣|／＼/＼/＼/￣　　　∪＼　　　　　　　　　／(___人__　）　　　∧＿∧
　(ヽ（　　　　）ノ) 　　　　∧＿∧　　　　　＜　　　退け！　＞ノ)丿　し　　(ヽ（　　　　）ノ)
　ヽ￣ｌ￣ .／　　　(ヽ（::::::::::::::::）ノ)　　∧／　　　　　　　　　＼∪　　　　　ヽ￣ｌ￣ .／
　　 |　.　. 　 | 　　　　ヽ::￣ー￣.／ (ヽ（　￣|／＼/＼/＼/￣　　　　　　　∧＿∧　|
　　(___人__　）　　∧＿∧::::::|:::::::::|　　ヽ￣ｌ￣／ ( _,;*;,__　）　　／＿/＼／＼/＼／|＿
　　 ; 丿　し　(ヽ（　　　　）ノ) ::::::::）　　　|　.　. 　 |　　∪　 ; 丿(ヽ（　　＼　　　　　　　　　／
　　∪　　　　　ヽ￣ｌ￣ .／　; 丿　　　(___人__　）　　　　∪　　ヽ￣ｌ＜　　　退けぇ！　＞∧
　　　　　　　　　 |　.　. 　|　　　∪　　　　 ; 丿　し　　　　　　　　　|　.　／　　　　　　　　　＼　　）ノ)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣|／＼/＼/＼/￣
）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀｀）｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）⌒｀）
782： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:47:29 ID:f7dzBggw0: 　　　／. :: :: ::_::_:: :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　.: :: :: :γ ﾄ、/lヽ :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.:.
　/.:.:.:.:. ::弋！V！ﾉ_:: :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.
. {.:.:.:.:＞:: ::¨￣:: :: :: :｀＞x.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　､::≫=＝＝==≪.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　//州__: : : : : : : :｀＞≧≡= ≧､.:.:.:.:.:.
　{（:州へ≧=x ､≦rﾋﾞﾃ‐`　　川⌒ヽ:i　　　退却命令は出していないぞ！
　゛¨沁 <ツゝi　!::''　　　､__彡ｲ/＾} ｝i
　　-=彡　　　|　　　　　　　￣　}!_ ﾉ/:i:i　　　陣形を組め！踏みとどまれ！
　　　 j!　　 ,{、ﾑ )　　　）}　〔彡'州:i
　　　　 ∧　,ｨ升_守≧=≦ノ　 ,' _）)川:i:
　　　　辷彡ノ辷ﾆ≧≡'" 　 / ｰ=≦彡
　　　　　　ﾍ　 `:::::7´　　　 ,:′　　从州
.　　　　　　　 ';　　　　　　／ ;;　　　/:/ﾆﾆ
　　　　　　 ,.斗｀ー‐一升i/:ﾐ　／.:.:i二ﾆ
　　　　　,ｨ劣/∧､ _＿＿___,/／:: ::.:.:|二ﾆ
-‐: :: :,ｨ仁:i/:: ::∧:.:. :: :: :: :/: :: ::.:.:.:.:｣二ﾆ
: :: : /ﾆ二/: :: :: :∧:.: :: :: :/:: :: :__二=!≠ﾆ
: :: /ﾆ二/三二ﾆ=‐､: : ｒ=ニ￣: :: :: :|三二

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　|　三＿二　/　ﾄ⊥-（(｀⌒)､_i　 |　|
　〉─_,.　-‐='＼ '‐＜'´＼/´､ｦ _/､ |
　|,.ノ_, '´,.-ﾆ三-_＼ヽ　川〉ﾚ'＞/ ﾉ
〈´／／´|　｀'tt_ｩ‐=､i |::　:::,.-‐'''ﾉﾍ|
. r´｀ヽ　/　　｀"""｀j/　| |ゞ'"ﾌ/i/　　　そして、一度壊走した兵を纏めるのは至難の業だ
. |〈:ヽ, Y　　　　　　::::: ,. ┴:〉:　 |/
. ＼ヾ( l　　　　　　　　ヾ::::ﾉ　　|、　　
　j .>,、l　　　　　　_,-ニ-ﾆ､,　 |)）
　! >ﾆ<:|　　　　　　､;;;;;;;;;;;;;,.　/|
　|　 |　 !､　　　　　　　　　　.| |
ヽ|　 |　　ヽ＼　　　_,..:::::::.　/ .|
..|.|　 |　　　　:::::ヽ<::::::::::::::::>゛　|＿
..| |　 |　　　　＿;;;;;;;_￣￣　　　|
:.ヽ‐'''!-‐''"´:::::::::::::::::￣￣｀~''‐-､
783： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:48:05 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　　　_　　-―-
　　　　　　　　　　／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
　　　　　　　 x≦.:.:.:.:.:,.　-‐…‐-ミ.:.:.:＼
　　　　　　 /:.:.-‐- '".:.:.:.:.:.:.:.:.:: : :: ｀丶､_＼
　　　　　　.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:..:.:.:.: :: :: :: :: :: :: :ヽ
　　　　　　{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: :: :: :: :: :: :: :}
　　　　　　ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＿_.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
　　　　　　ｿ:､:.:.:.:.:.:.:.Ｙ´/vﾍ｀Y.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ノ
　　　　　ｰ=彡＼¨ﾆ=-∨_＿_∨--‐‐ァ爪》
　　　　　イ彡《＼: :: :: :: :: :: :＿__∠ 》乂i}　　　仕方がないか……
　　　　　　八从{　　≧=ァう不ゝ’=彡ﾙ川ﾘ
　　　　　　　ゞ,:{ヽ　　ﾉ｛　}ﾊ　　　ﾉｲ仆"　　　高麗軍はこのまま退きます
　　　　　　　　 ''|、} ___,< }　ﾚ)､ｰ=ィ〃|《
　　　　　　　　 | ヽゞｚ彡辷冬≧ﾉ,ノ　ト、　　　　ある程度下がって纏められるところで兵を纏めて合流しましょう
　　　　　　ノ|　∧　＞一｀¨〃ｲ　　|　＼ｰ-　_
　　　 x=水ﾌ´　| 　込 _こ＿_ノ /　　 }、　　}:: :: ::
　／ﾆﾆハ　　/|　　∨ 7 ７　 / 　　　i　ヽ /: :: :: :
‐7ﾆニ/: ::‘　/　!　　 ∨ / 　/　　　,′ ／: :_: :-‐
/ﾆﾆ７¨ ‐-: :､_　;　　　∨　 /　　　/_／: :¨: :: :: ::
ﾆﾆﾆ|: :: :: :: :: ::､‐-ミ.　 ∨/　 -‐ﾆア: :: :: :: :: :: :: ::
ﾆﾆﾆ|: :: :: :: :: :: :＼__｀ヽ　／,.．''": :: :: :: :: :: :: :: :: :

　　　　　　　　　　 .r-三r´ /rr三y=ニヽ
　　　　　　　　　／ﾍへ,. {< ｿl ,,r,,,二ニﾆヽ
　　　　　　　　　jﾆr='''- ﾟﾞ ´￣　　　,　ゞ三=ゝ
　　　　　　　　ｿﾆr ,　　　ー -　　　ヽ　ゞ二=k
　　　　　　　　rﾆ=' {　　　　　　　　　ｭz,,., ゞ二=y
　　　　　　　／ﾆr ,へ、　　　　／∠´ﾞ´. ゝjﾘl=k,
　　　　　　　 { / /´ﾞ｀二ヾｭ,　 .'ゞr ﾞQ ｧ,　　ﾘ}.}k ゞ _ =-、
　　　　　　　 yr,l　　ﾄ Q ヾ,.l　　ゝ￣　　ｲ, /、三ﾆニﾆ,　　　この混乱です
　　　　　　　〈y.lヾ　｀ﾞ´　 .l　　,＿_r=、　´}ﾍニ三-二ﾆ
　　　　　　　　{jﾆゝﾍ　 r- -r _, ,ｲﾆ=- ﾞ j　 .lﾊゞ三ニニﾍ　　　……それしか方法はないでしょうな
　　　　　　　　jlニ=ﾘl　<-= .＿ _ ー ,　　'　イl.ﾄ,ﾆニニy´
　　　　　　　/jニy j=ゝヽ　　r;;;;z　　　　.ィ, .lﾊﾆ,=jr;／
　　　　　　ｿ''ニ'=ﾉ /jﾄ、　　ﾞ　　　　 ./　l./　ﾄ-／　　;;;
　　　　　　{{、ニ/´　ｿ　、, ヽ＿jkｧーｨー━y　r　　　;;;;;;y
　　　　　　　ゞ>,ゝ　l!　rゝ-ﾄ-ヾ-、r-ｲ- ´_ ／　　／´シ
　　　　　　　,ソj　} ﾍ,- ´　-<;;;;;;＿ .-ーｙ ’　／;;;;ｨ´
　　　　　　　ゝr-{ﾘ'　　＿ -ﾌz　　／'' ﾉ　　/;;;;;;ｨ　　　r;;;
　　　　　　　　｛´ /´::::::ｨ''´　　／´ ノ　　ｲ;;;;;/　　　ィ;;;;;;
　　　　　＿＿r-k;;;ｨ´＿ _zｲ´ ／　　;;;/;;;;／　　／ ´ ￣
　　　　ｿ´ｪｭｲ´ --´　ー＿ｨry'　　　;;;/;;;;ｨ　　　´
784： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:48:47 ID:f7dzBggw0: ..　　　　　　　　　　 ''';;';';;'';;;,.,
　　　　　　　　　　　　　''';;';'';';''';;'';;;,.,
　　　　　　　　　　　　　　;;''';;';'';';';;;'';;'';;;
　　　　　　　　　　　　　;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;
　　　　　　　　　 vymyvwymyvymyvy、
　　　　　　ヽ(ﾟдﾟ)vヽ(ﾟдﾟ)yヽ(ﾟдﾟ)v(ﾟдﾟ)っ
　⊂( ﾟдﾟ )　と( ﾟдﾟ ) 〃ﾐ ( ﾟдﾟ )っ ( ﾟдﾟ )つ
　　ゝ　ﾐ ( ﾟдﾟ )っﾐ）　⊂( ﾟдﾟ ) .(彡　　ｒ　　　　┏━━━━─────
　　　しu(彡　　ｒ⊂( ﾟдﾟ ) .ゝ.　ミ）　i_ﾉ┘　　　　　だが混乱しながら後退を開始した元・高麗軍には
.　　　　　 i_ﾉ┘　ヽ　　ミ）しu
　　　　　　　　　　（⌒） .|　　　　　　　　　　　　　　　秩序だった行軍は不可能であった
　　　　　　　　　　　三`Ｊ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─────━━━━┛

.　　　　　　 /ヾヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丿　　　
　　　　　　　＼ /　　　　　　　　 /^^^^;}　　　　　　　　　　　　　　ノ~　＿ヾヾﾞﾞ;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　｛;　　　;;};　　　　　　　　　／＾~　＿C　　　ι
　　　　ヘ　　　　　　　　　　　　;{;　　　 }　　　　　　　/＿＿ヾ　　　　　;;」
　　　│　＼　　　　　　　　　　　ヾ;{＿＿}　￣￣￣￣/　　　　　　　　＿〆　
　　　ヾ　　　λ　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ;;ヽ:: 　 /　　　　　　　∠＿
　　√　　　　ゝ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　~ヾゞ　　　　　　　　＿/
.〆ヾ　　　　；ν　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　
　　　　　　　;ヾ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣/　　　　○：本来の目的地
　　　　　　　;λ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≫　　　　　■：半数以上が集結
　　　　　　　　:τ＿＿＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　▲：半数以下が集結
　　　　　　　　　　　　　　⌒ヾ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　◆：菊池氏と戦闘
　　　　　　　　　　　　 ´ | /　　　　　　　;;＿　　　　 vvヾ/ヾ＿/ヾ　┏━━━━─────
　　　　　　　　　　　　　　I　　　　　　　/~ヾ　~~~Ｖ~~~　　　　　　　　　先頭集団に従うまま無秩序に撤退した結果
　　　　　　　　　　　　　　＼;;ー^ヽヾ/ヾ　　　　　　　　　◆
　　　　　　　　　　　　　　　■　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　部隊は二分されたうえに目的地に到達しなかったのである
　　　　　　　　　　　　○　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─────━━━━┛
　　　　　　　　　　　　　　　　　▲
785： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:49:53 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　┏━━━━
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そして――
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━━━━┛

　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｨ＝=z- ．__
　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::::::::::::::::::::::::::::::≧z...．._　从ｨ
　　　　　　　　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::刈
　　　　　　　　　　　　　　　　 i::::::::::::::::::::::>= <:|￣￣|i:::::::::メ彡|
　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::::::::::::::::（　　 :|rf^i^ijj::::::（:彡彡
　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::::::::::::ム斗=ﾆ二三三≧zY Yメ|
　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::::r彡三三三≧＝＝=彡｛i ﾉﾉ彡
　　　　　　　　　　 _ ．＜＞禾≧ミｰ人　rz彡≦__,,ｨﾚ彡从　
　　　　　　　　．＜＞ ¨从ｿ代f７Y ⌒¨ヾく≦f７ｦ　ﾚｲ　ヽ
　　　　　　　　　　 {　／　（::ﾄ::| ﾊ　￣￣〃..::..　´ ￣￣　ムf^j　!　　　追撃だ
　　　　　　　　　　　¨｀ー≠八{ ! |　　　　 /::::::>､　　　i 　 r彡ﾉ:ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽﾊ　　　　,,..二 ,, 　　 i　 ,厂イi　　　　遅れるような無様なマネするんじゃあねえぞ！
　　　　　　　　　　　　　　 ,ィi　 {::}ﾄ　　　ｨ =＝= -　　　　H{z杉
　　　　　　　　　　／: |||　 Yi八　　　ー''' -''　　　 / ||:::ｲ　 /￣ヽr= i
　　　　　　　　／;;; :::::|ト､_| |　ヽ　　 i!____　　　／　:||:::ﾘ　 { {イ／¨::|
　　　　　　　　　 Y:;;;;/　 Yz||||　 :|　　＼/: : : : :ヽ／　　..:||:/__／人i　　　|ｰz､
　　　　　　　 |⌒! 　 .i__||||　 :|　　　　ヽ:_:_:_ ／　　　　 ||K　i　　　　　 |ーz ＼r=､
ー=､　　　　　　　ﾄ _.ﾄ--ｲ:::廴__.小_.ィｦ　　ヽ __　＿＿ノ　ヽ　　　{{　　ﾘ__｝レ仝　ヽ
:::::::::::::＼､__＿　.ﾉ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/　　　　｛　￣￣｝!　　　＼ __＿__./三三三/ ｝　ﾄ､
:::::::::::::::::::ヾ:､::::::::::￣￣￣¨::＞:､:_::::｛__　　　　|!　　　＼　 _＿＿≧､　　￣￣,ｲ｛｛ｰ''}　｝
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　　　　　　　,.-'´　　 /　　　　　　|　ﾍ／ /　　__　 _,.-ｧ/!
　　　 _,._-ﾆ--‐: : :　ﾞ : : :i: :　　／／　 / r‐'´/／／/
　　‐'´'´　　　　　　　　　ﾉ　　 | ／ |／/ノ　ノ/ _,-ﾌ /ﾌ／　　　こちらも追撃に移る！
'´／　　　　　　　　　　 /_,.-'i'ﾉ i:| /　 ,.、／7"´／/レ‐ﾌ以
く　　　　　　　　　　: : :::|::::::::://||:|ﾉ　/ ﾉ　´-‐フ'´/_／／／　　兜首だ！それ以外は捨てておけ！
　l　　　　　　　　　 : ::_,ｲ::::::/ l,(l,ﾘ　ﾉ／　　　　__　ﾌ,.-'7 ／
｜　　　　　　　　_,.-''´ _|:::/　　>!//>＿__,.-ﾆ-　／''／,ﾞi
｜ヾ:.　　_,.. -‐'´'"'''''"´ |::| , /／,-ヾ=t;ﾃテ'''´ ﾃr‐'ﾞ/　ﾞ''''
　　　）'´　　　　　　　　　ﾞ|∧と_ﾞ／　　￣　／ﾃ'ﾞ::::::::|
　　ノﾉ　　　　　　　　　　.| ヾミｰ-　　　／／:::::::::::::::|

┏━━━━─────
　逃げ遅れた集団や道に迷った集団に菊池一族が追撃をかける
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─────━━━━┛
786： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:50:30 ID:f7dzBggw0: 　　　 ┏┓　　　 ┏┓　　　 ┏┓　　　 ┏┓　　　 ┏┓　　　 ┏┓　　　 ┏┓ 　　　　 ┏┳┓
┏━━┛┗┳━━┛┗┳━━┛┗┳━━┛┗┳━━┛┗┳━━┛┗┳━━┛┗┓ 　　　 ┃┃┃
┗━┓　 ┏┻━┓　 ┏┻━┓　 ┏┻━┓　 ┏┻━┓　 ┏┻━┓　 ┏┻━┓　 ┏╋┳┳┓ ┃┃┃
　　 ┃┃┃　　 ┃┃┃　　 ┃┃┃　　 ┃┃┃　　 ┃┃┃　　 ┃┃┃　　 ┃┃┃┃┃┃┃ ┗┻┛
┏━┛┃┃┏━┛┃┃┏━┛┃┃┏━┛┃┃┏━┛┃┃┏━┛┃┃┏━┛┃┃┣┻┛┃ ┏┳┓
┗━━┻┛┗━━┻┛┗━━┻┛┗━━┻┛┗━━┻┛┗━━┻┛┗━━┻┛┗━━┛ ┗┻┛
　　　　――――∧＿∧
　　＿＿＿＿＿(　´Д｀)
　　　―――==○====○=====X二＞　　　　――――∧＿∧
　　　　　＿＿/　（＿_）　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿(　´Д｀)
　　　―――（＿_）　　　　　　　　　　　　　　　―――==○====○=====X二＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿/　（＿_）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―――（＿_）　　　――――∧＿∧
　　　　　　　　　　∧∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿(　´Д｀)
　　　　　　　　　 (#ﾟДﾟ)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―――==○====○=====X二＞
＜二X=======と/:::::::]つ　　　　――――∧＿∧　　　　　　　　　＿＿/　（＿_）
　　　　　　　　 /;;;;;;;;i;ゝ　　＿＿＿＿＿(　´Д｀)　　　　　　　―――（＿_）
　　　　　　　　　（_/`Ｊ　　　　　―――==○====○=====X二＞　　　　――――∧＿∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿/　（＿_）　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿(　´Д｀)
　　　　　　　　　　　　　　　　　―――（＿_）　　　　　　　　　　　　　　　―――==○====○=====X二＞
　　　　――――∧＿∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿/　（＿_）
　　＿＿＿＿＿(　´Д｀)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―――（＿_）
　　　―――==○====○=====X二＞
　　　　　＿＿/　（＿_）
　　　―――（＿_）

　　　　　　┏━━━━─────
　　　　　　　この追撃によって菊池一族は多くの首級を上げることに成功した
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─────━━━━┛
787： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:51:00 ID:f7dzBggw0: 　　 ∧＿∧
　　（　・∀・）
　==○====○===X二＞
　　/　/（＿）　　　　　　　　　　　＜＜;;；:'⌒;;.'つ
　（＿_）　　　　／|　　　　　　　　　　ヽつＪ;・;；';;　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧∧ ,、,、
　　　　　　 lＸ/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜:::::..＾）,.　　　　　　　　　　　　 (ﾟo ﾟil)(o；,,)
　　　　　　　　//　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ;:，ζ;;・．:.　　　　　　　　　　/　つ._,,O
　　　　　 /∧＿∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　し´∴;;,；;:,.,.;:,　　　　　　　　/ 　〈
　　　　　　（^（　・∀・）つ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:;, ;: ;,；　　　　　　　　（_/　ヽ）
　　　　 //＼　　　（　　　　　　　　　 ∧_,,, 　　　　　　,.;:・：,､ﾉvヽ
　　　　　//　　）　（＿_）　　　　　　と'⌒@(;;ﾞo;;｡)つ　　　　　 ;:,.〉　〉ヽ）
　　　　　　　　（＿_）　　　　　　　　　　と;；;・；;　　　　　　　　（／
　　 ∧＿∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧ ∧
　　（　・∀・）　　　　　　　　　　　　ヾ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (ﾟДﾟ'il)
　==○====○===X二＞　　　∧＿∧｀＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/０ #;つ
　　/　/（＿）　　　　　　　　と（　　・∀）ヾ）ー‐‐ﾆﾆ　　　　　　　　=======/　,:;*===X二;;＞
　（＿_）　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　○　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（_/ ;.8;.）　　　；
　　　　　　　　　　　　　　　　　/　∧　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.;∞;∞;；;,　　　　・
　　　　　　　　　　　　　　　　（＿_）（＿_）

　　　　　　┏━━━━━─────
　　　　　　　手柄に関する書状は現存していないが
　　　　　　　唯一朝廷から褒美を下賜されていることから考えてもその功績は抜群であったのであろう
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ─────━━━━┛
788： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:51:35 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┏━━━━─────
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　文永の役における菊池武房絶頂期である
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─────━━━━┛

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ}　,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/}/ｲﾉイ },ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃/ ｉ鄽〈ﾉ八
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ⅵ y.乂_K“｀酛　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __　,ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 } ｿ`醬,､/__./,′　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /し/　.}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 N{.　､_`_　.}r′　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　〉　ゝｲ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }八　 __”゛.从　　　 ,ｨ'⌒''*ｘ　　　　　　　　　　　　，*''（￣Ⅸi冫くノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{{　 .Ｘ: : .Ｘ {斗*㍉〃{　　／ﾄ､_____　　　　　,，*　{　　　　　〉ｉ:ｉ>'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ｒミxi}ｒ≦i:i:ｉ:,ｚｚｚくi:}　.}　.{I　　′.ゝ′　ヽ.　　_/　　　　　　　　/`ｰ{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_.,，*､／ /ｘ≦==くi:i彳i:i:i:i:i:i/　 {　.{I　　　 /　　　　 .ｲ:v_ｿ}　　　　　　　し ./　　　これだけの手柄があれば幕府も
　　　　　　　　　　　　　　　　　_／　／{ｉ　/i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ/　, .i}　鄽＾{I ./ 　／　 ,　i}.ｉ/} 　　　 ..::}　　 ,."　　我が菊池一族の勲功を認めざるを得まい！
. _　　　　　　　　　　　　　　　 {　　〃　 i} .{i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ/　/　i}　　.酛ｉ.′ /　　　{／〃′　　　..::}　／
て_ｱ/”ヽ　　　　　　　　　　　 {　　{i 　　 ,′i:i:i:i:i:i:i:i:i:≧ｘi:i:{　/　 .}　　　.Ⅵ　/　　　.〃 _/′　　 .／ _:_ﾉ／　　　　　少弐の悔しがる顔が目に浮かぶぞ！
{_うゝ ′〉　　　　　　　 ,.斗*''¨　 .酛　{i/i:i:i:斗*''¨i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ/ /　　i{　　　 .Ⅶ{__ｘく: : :　　　　　　　 *''
≧ｘ人_ ｲ／⌒ヽ　　　　{: :　　__　　醃/./i:i:i:i:i:i:i:i:イ{”“ミi:{ .{　,.ヘ{__　　　:}/“⌒”''*､＿＿____　,，*'
`ｰ㍉イi:iI}　　　　＼-‐ｘ}: : 　“￣”“*Iｉ{ .{i:i:i:i:i:i:〃i:ｉ:乂_i:i:i:{_.／i:i:i:i:i⌒ヽ.　 i{
　　 {I＼.ｲ　　　　　ヽ. I}ヽ:　　ｘイ//　{i:i:i:i:≠i:i:i:i:i:i:{i､i:ｉ:Ⅳi:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:iﾑ　iﾄ､
　　 `*==ｘ＼　　　 .醃 }　　　 //　 .{i:i／i:i:i:i:i:i:／i:i:`*ｰi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iノ.＼　ヽ
　　　　　　 ≧x､　　　　”¨　ｘ≦”ﾉv 　 ∧i:i:i:i:i:i:''¨i:i:i:ｉ}ﾄ､／^Vi:i:i:i:i:i:i/ﾞ　　　）___）
　　　　　　　　　 `ｰ=ｘ_　＿___.／ /x≦′}＞､i:i:i:i:i:／{I　　 /＼斗*{ト､_..斗*''¨ ._
　　　　　　　　　　￣￣　　 .{ｉ{　　　′: : Ⅵ〃 /.ｉ`ｰ=ｲ＼ .`*ミ____≧===ｘ　}
　　　　　　　　　　　　　　　乂___: : 斗*''¨}i乂/　/i:i:i:i:i:i:i:i}＼＿______________ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 *''¨ ／／Vi:i:i:i:i:i:/　 I}　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ､く　 / 　 .Vi:i:i:i/　　　　_.,，*''¨
789： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:52:20 ID:f7dzBggw0: 　　　　　 __,,..　-‐:::::¨::::::::::::::::::::::;.ｲ
　　　／￣:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::::ｨ
.　　 i＼　:::::::::::::::::::::::::::::::::::,.ィ:"::::::::::::〉
　　ヽ:::｀:ﾞ::'':…ｰ‐::''''ﾞﾞ":´:::ﾌ-‐ｧ:::::::ﾚ
　　　　V::::::::::::::::::::::::__::.. -ｭ:ｊ::::ﾙ;:::::::::::l,.
.　　　 V:::::::::::;.- ､::i ,.ｍ i !ﾉﾉ:ヶ‐､:::::::i
. 　　　Ｖ::::::::i ⌒ｉ.}:!l　 _L⊥彡ﾄ､ﾉ:::;.-!、
　　　　　{｀ｰ--ヽ-'ｲﾆ¨-‐ ブ,.ィｦ::::::i /i l ＼､
　　　／｀¨:::::¨´:::::::::::::＞ﾆ"彡'＾l:::j ｉｸ l::ヽ ',:!　　　　……幕府法を破っておいて恩賞が出るのか？
　　／::::::::::::::::::::::＞'ｉ"´ｒブ‐ｒﾃﾄ｀｀　ﾚノ::::::Lｊ:l
　 {-‐ ニ¨-‐i ｒ‐ｔｦﾝ!　　ｰ宀''´　　 i¨ ﾚ'´　ヽ::＼
／￣::::::::::::::::ﾊ. ￣/ｌ,､　　　　 i　　 l　i　iﾌ¨ヽ !､:::
::::::／:::::::／:::／'、　i__ ..　　　 !　　ｊ　 Y/:i　(ﾉ、i::
:::/::::::／:::／.　　', 　ヽ '"　　　　　.／／/:::l　l::_ｉ l::
:::::::::〈:::::<　ｉ　,.イﾊ　 -‐…‐　　.／／／:::::ﾊ. ',_｀ヽ
::::::::::::';::::i　／ / 　 ', ｀丁´　 ,.'　　ｌ　i::::::::::ｉ l｀¨ i　|
::::::::::::::}::ｙ"　/｀丶　ヽ＿＿／　　　i. i:::::::::::', V＾i ノ
:::::::::＜ <　 /i＼　＼　＼　　　　　ｌ l::::::::::::｀i　{:::::

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.ィレﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｒ‐1＾　　　 l、　 ,.ィ
　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　　／　　　二¨_ﾉ_,.ィ　,.i
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾚ／iﾚｉ　　／　＿　　ム' ﾉ　　　　法だと？あんなもの北条が決めたもの！我々には……
　　　　　　　　　　　　　　　　／　,ｒ　 L∠.＿＿　　 __／｀¨ﾌ
　　　　　　　　　　　　　　. ／　／　　　　　　　 _ 人¨＿　　＞＼　　　レ"　_.ﾆ、　─ｧ " 土
　　　　　　　　　　　　　ｒﾍ／〈　　　 __　　　/　　 i　＼￣ﾞヽ、7　　（___,.　　 ,ﾉ　　（　　　|_,ﾉ
　　　　　　　　　　　　 ,kゆト-‐''"　二　¨￣i　　ノ　ﾆブヽノ! /
　　　　　　　,. -─ ､._ / ノ、　｀¨´i'´ ｒｯヽ.　ｊ　　i　　ｰ--‐ '"フ　　　├　　i　､　　,.┬-､.　_Ｌ､､
　　　　　／　　　　　/.〈　　ｉ　　ノ￣｀ーﾞ　　　ｊ　-=ﾆ、¨￣/　　　ｒｊ-､　.ﾚ　 !　レ'　ﾉ　/ ニ　ア
　　　,　'　　　　　 / ｒ､ｰ'"__　　　　　　　　ﾉ　l　　ｰ─…ラ
　／　　　　　 ./ ,ﾉﾆﾐヽ、　ヽ＼　　　 "´　ｊ/"二ヽ＼ﾐ　　　　　　━━━━━━━━ ツ
　ヽ、　　　　　ノ（:::｀ヽ_＼＼_ｉ　 l　　　　　　 /　ﾉ刀 !､ l
　　./｀¨ ￣ヽ./　　　｀'ー一¨´　　　　　　　　i　ｒノｨ/､　l┘
　　i　　　　 /ヽ¨ ＼　　　　　　　　　　　 /　 L ニノｉ＼!
　　ｌ　　　 /:::::::::',: : : ＼　　　　　　　　／　 /:::i　l　　ｌ　 l
.　　',　　/:::::::::::::ｌ＼: : : :ヽ,,,...　 --一'"　／::::::::l　l 　 l N
.　＿ヽ/::::::::::::::::::!　｀¨ ￣　　　/　　　／:::::::::::::::l　!　lV
　　ノ::::::::::::::::::::::l:＼　　　　 /　　／::::::::::::::::::::::l　ﾄｖ
790： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:53:18 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 rく　　　　　∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ノ　　　　　　　 {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ヽ　　　　　　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　（ｆ　ｰ----rく__,ノ／＼　　　　　 ∧
.　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　ヽ＼　　〉〉　　　　　∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　＼＼／　　　　　　　∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　､≧x 　　＼＼　　　_,ィｆ/ﾉ/彡
　　　　　　　　　　　　　　　 _,ノ V{::::｀’＜.__rｧく__ノ{〈巛{（（彡'
　　　　　　　　　　　　　　　｢､　ﾞヽｔﾘ｀ヽー八{し'三彡'}}ｊﾘｊﾘ彡'　　　手柄に興奮して聞いてねぇな
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ_）　,ノ　ヽ--　ヾﾐミ三ミﾐ川ﾘｆ｢川ﾚ
　　　　　　　　　　　　　　　　〈　　　　　}　　　ﾐミミ'´￣ヽ川川川{　　　……明日以降も合戦できるよう準備は整えておくぜ
　　　　　　　　　　　　　　　r‐､_）　　　 /　　　ﾐﾐソ_ﾉｊ丁 }川ﾘｿｊﾘﾊ
　　　　　　　　　　人__　　　／　　　　（oー‐'_／彡'ﾘﾊ{ﾄﾐﾐ
　　　　　　　　　　　 {　　　　　　　 /￣￣＼￣}ﾆ彡ｸﾉｊ川ﾄﾆ
.　　　　　　　　　　　　　　｀二ニ=─--- /　/￣ヽ　∨彡彡'ﾊ{川,ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　 |──‐,'　/─‐┴ ┴──=ﾆ三
　　　　　　　　　　　　　　＿|＿_, ‐ｉ　{‐､
　　　　　　　　　　　　　　 /　＿＿_ヽヽ_） }
　　　　　　　　　　　 ,　──|　|‐ ､.{　ｉ_ｊ／／
.　　／,二二／￣（　(￣￣ヽ_)　八＿／__
....　（／ ___}__{＿{丁ヽ厂}＿／／￣　　　　￣¨¨　＝…─‐-
　　/ /´┬r ┬‐く＿,ノ　}‐一'
...　{ ｛.＿ｊ│ ‘ｰ──一'
791： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:53:47 ID:f7dzBggw0: ――敵軍先鋒の撃破に成功した武士団であったが、これは想定外の結果だった

　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　／⌒　　⌒＼　　　　　━━┓┃┃
　　　　　／（ ○）　（○）＼　　　　　　　　 ┃　　　━━━━━━━━
　　　　／::::::⌒（__人__）⌒:::: ＼　　　　　┃　　　　　　　　　　　　　　　┃┃┃
　　　　|　　　ゝ'ﾟ　　　　　≦　三　ﾟ｡　ﾟ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┛
　　　　＼　｡≧　　　　　　　三　＝=-
　　　　　　　 -ｧ,　　　　　　　　≧=-　。
　　　　　　　ｲﾚ,､　　　　　　　＞三　　｡ﾟ　･　ﾟ
　　　　　　　 ≦｀Vヾ　　　　　　　ヾ　≧
　　　　　　　｡ﾟ　/｡･ｲﾊ､､　　　　｀ミ　｡ﾟ　｡･

そもそも誘因策を計画していたはずの合戦が守護の下知ですらなく抜け駆けでひっくり返ったのだ

　　　　　　　　 |',　　　　　　　　　　 _,,.._,,..-‐''＼　　　　　　　 ∧
　　　　　　 |.',　　　　　　_,..､-''"／／　　　＼　　　　　　　　∧
　　　　　　　　　i ',　　　　／　, -'", -'ニニ＝; 　　＼　　　　　　　 ∧
　　　　　　　　　 i ,',;;;;;;;l''" , -'",- l 0　　_,,／　　　　ﾞ''-､,_　　　　　∧
　　　　　　　　　 i.ｷ;;;;;"'''l ヽ'"　 _ヽ-‐;'' -''"　　　　　　　　l＼　　　　∧
　　　　　　　　　　 i ヽ;;;;;;;|　`''　ニﾆ‐'"　　　　　　　　　　　 l　｀`丶　　∧　　　誘引して撃滅しなければ敵兵が居座るだろうが！
　　　　　　　　　　　i　＼ i　, -'　　　　　　　∪　　　　　　　　l　　　"'- ､∧
　　　　　　　　　　　ヽ／　　　　　　　　　　　　　　　u　　　　 l　　　　　 "∧　　長期戦になれば兵数差で押し切られかねないんだぞ！
　　　　　　　　　 ,-'"　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　　　　　∧
　　　　　　　　　　　',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　　　　　 ∧
　　　　　　　　　ヽ_______,,..-‐ 、　　　　　　　　,,-="'''- ．._　　 l　　　　　　　）
　　　　　　　　　　　　￣''''ヽﾔ￣　　　　　　　''"　　　ノ゛!　ヽ　 .l　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽl　　　　　　 _,,..-‐''"Y"~ヾ,　　　,l 　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　〈　_＿＿_,,..-‐''　 |、＿,〈,-く　}　　　.l　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ﾞ''ｰ、ヽ　ゝ　~T 　　ﾉ __,ノ / 　__,ｌ　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/l＿＿＿__,,..-‐'￣￣ _,..､'--''"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　<　　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　/
792： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:54:57 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　ヾ
　　　　　　　ゞゝｿ<ゞゝヽ　ｿ　ソゞ〆/丿ノ
　　　　　　ゞ　、　　　　　　　　　　　　　　　　ν
　　　　　　ヾヽゝゞ〃γゞγゞγゞγゞλ　　　ν
　　　　　　ゞ〃　ミヾヾソ／ミミﾐ〃ν　　　ν
　　　　　　ヾι　　ミヽﾐミﾐﾐ Zミ　 ζ　　　ν
　　　　　　ゞζ　ミヽミZﾐΞ/Ξ/　ζ　　ヽ　τ
　　　　　ヾ/　ヽZﾐくﾐヾﾐ/ﾐνﾐ´ﾐνﾐνζ　　ν
　　　　　　|ヾ:: ー::;＼ν.ゞー‐::;‐｀゛　　＼　　ζ　　　……追撃するしかあるまい
　　　　　　ゝ ´￣7　/.λ　´￣ Z7｀´　ヾ＼　τ
　　　　　　..|ヽ　/　　　彡　　　ﾐZ　　.|　|　τ　　
　　　　　　 | |　Z　´　ν　　　　　Z　　 |　| ν
　　　　　　 | |　　　ゞつ　　　ヽ　.　ﾐ　　|／ ν
　　　　　　　|.ゝ　ヽ――――　、..ミﾐ..　ヽ　τ
　　　　　　 |　|ﾐ　´ ｀―　―イ´　　　　/　　τ
　　　　　　 |　ヽ　　　　Z　　　　　　〃.彡　ヽ
　　　　　　 |　　|　　　/、　　　　〃　　彡　　＼
　　　　　　 |ﾐ　ヽゞ＿＿＿　　／　　　ﾐ　　　　＼
　　　　　　 |ﾐヾ　　ミ　ヾ　　　　|　　　ﾐ
　　　　　　 |ﾐ　　　　ﾐ　　　　／　　　　ﾐ

　　　　　　＿＿＿_
　　　　　／　　　　＼
　　　　／　　 _ノ　ヽへ＼
　　／　　　（ ―）　（―）ヽ　　……景資に伝令を
　　 .l　 .u 　 ⌒（__人__）⌒　|
　　＼　　　　　｀ ⌒r'.二ヽ<　　　博多鎮護に必要な兵を残して西進するように
　　／　　　　　　ｉ＾Yﾞ r─ ゝ、
　　/　　　,　　　　　ヽ._Ｈﾞｆﾞﾆ、|
　　{　　　{　　　　　＼｀7ｰ┘!

この想定外に対して博多周辺に展開していた武士団は全て西進を開始

早良郡に本陣を構える元・高麗軍へと進軍を開始する
793： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:55:56 ID:f7dzBggw0: ――そしてこの想定外は、最前線でも小さな齟齬を引き起こしていた

.　　　　 | llllllllllllllllllllllllllllllj　　丿lllllllllllllllll＿lllllllllllll
　　　　　　| :;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;（　 (;;;;;;;;;;;;;;;;::::/／v::;;;;;:::
　　　　　 | ;:::::::::::::::::::::::::::::::）　）:::::::::::::／:::::::::::::::::::
　　　　 | ,:::::::::::::::::::::_;:::::::::ゝ　）::::::／:::::::::::::::::::::::::
.　　　　　 | ,::::::::U:::::::::::::）:::::　)　）／　U　::::::::::::::::::::
.　　　　 | ,::::::::::::::::／::　　　（.／)　　　　　::::::::::::::::　　　なんで……どうして……俺の賭けが……
..　　　　　| ,::::v:::::::／l 　　／（　j　　　　　 ::::::::::::::::
　　　　　 | ,::::::::／ .丿　／ヽ　∪　 ,ﾍ　　　:::::::::::::::　　　場が立つことなく終わるなんて……
　　　　 | ::::／　　￣￣　　　＼_／　 |　　 :::::::::::::::::
　　　　し'´　　　　　　　　　　｀´.　　 |　 :::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∪　　 | ::::U::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::::::::::::/
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::::::::u::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::::::::::::::::/
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿ノ

三三三三三三　　ﾐ　　　　　　　　　三三三三
三三三三三三　ﾐ　　　　　　　三三三三三三
三三三三三三　　ﾐ　＿　　　　三三三三三三
三三三三三三　〔|ミlｍ|_＿＿,Θ三三三三三
三三三三./ ,)-＿＿二二-―－´ｌミミミミミミ彡
三三三　/,,/￣￣￣) .､テ‐,-　　ヽミ/~ヽミミ彡
三三三 /,,,/　(,,ヽ／　i ~``　ヽﾐ　　ｌＳｌ |ミミﾐ彡　　その……なんだ……
三三／＾ヽヽノ　lヽ) _　`　　　|　　　_／彡ミ彡
三　/　＼ｿ.　　/　｝‐- 、　　　　　ｌヽ彡ミミ　　　悪いことしたな
三 l､＼ )（　　ノ　ﾉ⌒　　　　　／ |　ヽミミ　＼
三 l＼ソ、　 _/　　ヽ＿＿　　_ ／　　|　　　/三三＼
三＼　_／i |‐、三三三三＼　　　/　／三三三
三三ｌﾐ　　／　(三三三三三. ) ∩　／三三三
三∠|ﾐ／　／ .|三三三三ｌ￣￣ｌ l￣三三三
794： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:57:09 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.ィレﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｒ‐1＾　　　 l、　 ,.ィ
　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　　／　　　二¨_ﾉ_,.ィ　,.i
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾚ／iﾚｉ　　／　＿　　ム' ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　／　,ｒ　 L∠.＿＿　　 __／｀¨ﾌ
　　　　　　　　　　　　　　. ／　／　　　　　　　 _ 人¨＿　　＞＼　　
　　　　　　　　　　　　　ｒﾍ／〈　　　 __　　　/　　 i　＼￣ﾞヽ、7　　
　　　　　　　　　　　　 ,kゆト-‐''"　二　¨￣i　　ノ　ﾆブヽノ! /
　　　　　　　,. -─ ､._ / ノ、　｀¨´i'´ ｒｯヽ.　ｊ　　i　　ｰ--‐ '"フ　　　
　　　　　／　　　　　/.〈　　ｉ　　ノ￣｀ーﾞ　　　ｊ　-=ﾆ、¨￣/　　　　追撃して首級を上げ来ればよかろう！
　　　,　'　　　　　 / ｒ､ｰ'"__　　　　　　　　ﾉ　l　　ｰ─…ラ
　／　　　　　 ./ ,ﾉﾆﾐヽ、　ヽ＼　　　 "´　ｊ/"二ヽ＼ﾐ　　　　　手柄を上げたら私じきじきに証言してやろう！
　ヽ、　　　　　ノ（:::｀ヽ_＼＼_ｉ　 l　　　　　　 /　ﾉ刀 !､ l
　　./｀¨ ￣ヽ./　　　｀'ー一¨´　　　　　　　　i　ｒノｨ/､　l┘
　　i　　　　 /ヽ¨ ＼　　　　　　　　　　　 /　 L ニノｉ＼!
　　ｌ　　　 /:::::::::',: : : ＼　　　　　　　　／　 /:::i　l　　ｌ　 l
.　　',　　/:::::::::::::ｌ＼: : : :ヽ,,,...　 --一'"　／::::::::l　l 　 l N
.　＿ヽ/::::::::::::::::::!　｀¨ ￣　　　/　　　／:::::::::::::::l　!　lV
　　ノ::::::::::::::::::::::l:＼　　　　 /　　／::::::::::::::::::::::l　ﾄｖ

　　　　,.へ　　　　　　　　　　　/｀',
　　／／ヽ.＼　　　　　 (二二　 .二二二)
.／／　　　＼ヽ._　　　　　　/ ./
` '　　　　　　　＼_｀,　　　 ./／　　　　　　∩∩　　,へ
　　　　　　　　　　　　　／_,-‐－‐‐- ､　 ∪∪／／
　　　　　　　　　　　　-=ニ￣　　　　　＼　　/／　O O O
　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　l＿_
　　　　　　　　　　/　　　　　 __ 　　/| 　　　＿＼
　　　　　　　　　 ( i'^'l r‐ '￣| .| i /　 |　　　､＼￣
　　　　　　　　／/-iﾉr-'⌒ヽ|/ / /二|/　　l |ヽ|
　　　　　 _＜　((／((._　,@　v, 　=､､ |/| | |i |
　　　　＜　　 / u_ιu~=　u/_ @　ヾ//| |l/　　　　３万の軍の本陣に……
　＜￣　　　　l/ﾆヽ-､_r _　 {ι､,-'´/　ﾚ
　─┬─ |　　 /ヾﾆヾ､ヽ､＼J ／　　　　　　　　　　たった２騎で……
　 .／　　//　/ ｀i v　ヾﾆ､_ﾉﾉ
／　　／ //　/　　ヽミ u,/'//
'￣i/　　　//　　　／`-'/´///

文永の役は最終局面へと入っていく――
795： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:57:39 ID:f7dzBggw0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＿____＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　／＼____＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼____＼／____／
　　　　　　　　　　　　　　／.＼　＼＿____／　／＼
　　　　　　　　　　　　　／＿____＼　　＼／／＿___ ＼
　　　　　　　　　　　／____／＼____＼　　／____／＼___＼
　　　　　　　　　　　＼____＼／____／　　＼____＼／___／
　　　　　　　　　　.　　＼＿____／　／.＼　＼＿___／
　　　　　　　　　　　　　　　＼／　／＿____＼　＼／
　　　　　　　　　　　　　　　　　／____／＼___＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼____＼／___／
　　　　　　　　　　　　　　　　.　　＼＿___／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼／

　　　　　　　　　　　【やる夫は元寇を戦い抜くようです】

　　　　　　　　　　　　　文永の役/赤坂攻防戦　　了
796： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 18:58:17 ID:f7dzBggw0: 本日分は以上になります
お付き合いいただきありがとうございます
次回もなるべく早く投下する予定です
797：名無しのやる夫だお：2015/02/02(月) 19:00:22 ID:8OsX.two0: 乙でした～

なんか方角がよく分からない気がしましたが……
798： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 19:01:41 ID:f7dzBggw0: >>726
×西進
○東進でした
申し訳ありません
799： ◆q/QapWeGMk：2015/02/02(月) 19:12:47 ID:f7dzBggw0: >>797
ＡＡの地図に行軍順を書き込むと以下の通りになります

西⇔東
.　　　　　　 /ヾヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丿　　　
　　　　　　　＼ /　　　　　　　　 /^^^^;}　　　　　　　　　　　　　　ノ~　＿ヾヾﾞﾞ;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　｛;　　　;;};　　　　　　　　　／＾~　＿C　　　ι
　　　　ヘ　　　　　　　　　　　　;{;　　　 }　　　　　　　/＿＿ヾ　　　　　;;」
　　　│　＼　　　　　　　　　　　ヾ;{＿＿}　￣￣￣￣/　　　　　　　　＿〆　　　　①：沿岸部に上陸。東進開始
　　　ヾ　　　λ　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ;;ヽ:: 　 /　　　　　　　∠＿　　　　　 ②：抜け駆けの御家人衆と戦闘（詳しい位置不明）
　　√　　　　ゝ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　~ヾゞ　　　　　　　　＿/　　　　　③：菊池氏と戦闘。西へ撤退
.〆ヾ　　　　；ν　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　 ④：上陸地付近の平野部に集結を図る
　　　　　　　;ヾ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣/
　　　　　　　;λ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≫　　　　　　　●：博多
　　　　　　　　:τ＿▲＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　①　⌒ヾ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　▲：元軍の船団停泊地
　　　　　　　　　　　　 ´ | /　　　　　　　;;＿　　　　 vvヾ/ヾ＿/ヾ
　　　　　　　　　　　　　　I　　　　　　　/~ヾ　~~~Ｖ~~~　　　　　　●
　　　　　　　　　　　　　　＼;;ー^ヽヾ/ヾ　　　　　　　　　　③ 　
　　　　　　　　　　　　　　　　　②
　　　　　　　　　　　　　④
800：名無しのやる夫だお：2015/02/02(月) 19:14:02 ID:8OsX.two0: 補足ありがとうございます
801：名無しのやる夫だお：2015/02/02(月) 19:33:29 ID:AJG5JNxQ0: 乙
まあ意識の差は仕方ないよね
……ではすまなくなるんだよねえこれから
802：名無しのやる夫だお：2015/02/02(月) 20:14:17 ID:R4btOhQE0: 乙乙！　中世の軍隊最大の弊害にして長所が輝いていらっしゃる
803：名無しのやる夫だお：2015/02/02(月) 20:42:00 ID:QMpGvpak0: 乙でした
これを軍勢としてまとめるのは無理だろうなあ
主従関係の問題もあるし
804：名無しのやる夫だお：2015/02/02(月) 20:59:05 ID:Snhgx.XE0: 乙
805： ◆q/QapWeGMk：2015/02/03(火) 00:34:08 ID:nCNqBsVU0: >>800
こちらも分りづらく失礼しました

>>801
ある意味この時の齟齬が鎌倉政治の変革に大きな影響を与えることになりますね

>>802
中世は家族単位一族単位が基本ですので

>>803
鎌倉時代の軍事=御家人の統率をどうやって行うかという点もあります
弘安の役においてはとある方法で打開を狙うのですが、それは後の話に
806：名無しのやる夫だお：2015/02/03(火) 01:24:36 ID:Sf3htdTI0: 乙でした。
807：名無しのやる夫だお：2015/02/03(火) 04:02:55 ID:BOB.KNw60: 乙。……ああ、こら竹崎も必死で手柄主張するわ。

>>803
まだ「日本人」なんて概念は影も形もなかったろうし、
全くの異国との戦いに負けたらどうなるのかなんて考えた御家人はどれだけいたんだろうなあ。
808：名無しのやる夫だお：2015/02/03(火) 23:39:59 ID:S/vuiGyc0: おつでした。
いわゆる「てつはう」って、あんまり実際の戦闘じゃ役に立たなかったのかな
809：名無しのやる夫だお：2015/02/05(木) 00:10:07 ID:4u4M0MsA0: 乙
統一された指揮権のもと作戦を展開するのって難しいんですねぇ
810：名無しのやる夫だお：2015/02/05(木) 01:44:16 ID:HCoLlPUo0: >>807
> まだ「日本人」なんて概念は影も形もなかったろうし、
それはありえない。「日本」意識、「日本人」意識はこの時代の人間も濃厚に持っている。
この時代の文書見ればそれはすぐわかる
811：名無しのやる夫だお：2015/02/05(木) 12:48:08 ID:VG0sD38c0: 近代の「国民国家」における○○国・○○人って意識じゃないってだけで、
ここは○○で自分は○○人であるって意識はそれぞれ持ってるからね。
812：名無しのやる夫だお：2015/02/05(木) 19:52:40 ID:8.MMXiE60: 古事記の時代から日本列島に住む人間と
大陸に住む人間は違う人間って意識は有ったんだが・・・
813：名無しのやる夫だお：2015/02/05(木) 22:48:12 ID:BsmDSGxI0: 乙です
最初に抜け駆けした御家人の名前は伝わってないのかな？
元軍にだけ記録があるんだろうか
814：名無しのやる夫だお：2015/02/18(水) 21:09:30 ID:Nv9Y4seo0: 今漫画「アンゴルモア」っての読んでるけど大体こんなんなのかな
フィクションもあるでよ、って感じだけど
815： ◆q/QapWeGMk：2015/02/19(木) 22:31:04 ID:Vk8KX.B60: あの漫画は対馬を舞台にしているののですが、対馬のことは史料が壊滅的に少なくて良くわかっていません
かろうじて残っている史跡も弘安の役のものが大多数で文永の役に関しては皆無レベルの状況です

スレ内の文永の役に関しては近年の研究+各種一次史料と重要資料を物語として整合性を取れるレベルで整理したものを使用しています
物語の関係上強引な解釈もしていますがその辺は容赦を
816：名無しのやる夫だお：2015/03/29(日) 17:45:01 ID:HDJDQKxo0: 対馬の文献ってそんなに少ないんですか
817： ◆q/QapWeGMk：2015/04/05(日) 02:11:33 ID:WzRMsFtI0: 鎌倉時代の一次史料は日記と幕府や朝廷、寺社が発給する文書類です
対馬は鎌倉時代の日記が無く、幕府との発給文書を除くと少数の寺社文書と民族伝承しかないため、非常に史料が少ない地域となっています
818：名無しのやる夫だお：2015/04/09(木) 12:29:41 ID:yLy4n6Nk0: なんかさびしいですね
日記附けられるだけの和紙の蓄積がなかったのか
819：名無しのやる夫だお：2015/04/09(木) 20:16:17 ID:XEl4JjFE0: 文永の役でも弘安の役でも、対馬は全滅に近い被害を受けているから、そもそも記録を残す住民
がほとんど生き残っていなかったのでは
820：名無しのやる夫だお：2015/04/09(木) 21:19:26 ID:NjvkPlrA0: 鎌倉時代に編纂された吾妻鑑さえも、だいたいそんな感じの資料をかき集めて作ったんでしたっけ？
821： ◆q/QapWeGMk：2015/04/09(木) 22:40:46 ID:uHzWQJtE0: >>818
当時の武士は日記をつけるという習慣がありませんでした
日記をつける武士が増えてくるのは応仁以降になります。室町時代ですら武士に関する日記といえば将軍諮問役の僧侶の日記です

>>819
当時の宗氏が壊滅的な打撃を受けたことと、そもそも日記をつける習慣が無かったという二点が大きいかと

>>820
吾妻鏡に引用される史料は大体は綸旨か宣旨で文章に関しては実はほとんど裏付けがなかったりします
吾妻鏡に関する古代から中世初期の研究者のスタンスの違いが出るのがここでして、本当に信用しない人は一切引用しない人もいます
まぁ、日付くらいはいいんじゃね？という方もいますし、他の史料で裏付け取れるならいいかねという方もいます

現在文永の役最終話の作成と並行して、とある史料にまつわる番外編を作成しているので、史料に関してはそっちで詳しく取り上げると思います。
822：名無しのやる夫だお：2015/04/10(金) 01:02:26 ID:rIL1KAzc0: 当時の武士は教養がないことを誇っていたというね。
ガテン系が教養を身に付けることを軟弱だと言って嫌う傾向は世界中にある。
823：名無しのやる夫だお：2015/04/10(金) 12:02:11 ID:mhRZw0w20: 作業お疲れ様
楽しみに待ってます
824：名無しのやる夫だお：2015/04/10(金) 18:42:58 ID:EkDo8woo0: 衣のたてはほころびにけり
825：名無しのやる夫だお：2015/04/10(金) 19:17:56 ID:CpfJtUV20: 年をへし糸のみだれのくるしさに
826：名無しのやる夫だお：2015/04/10(金) 19:21:40 ID:EkDo8woo0: と返せる教養の高い武士もいましたとさ
827：名無しのやる夫だお：2015/04/10(金) 20:32:14 ID:pn/m2ULM0: 源平合戦でも、平家の武将は教養あったようですが、
……鎌倉方は落差が激しかったようですな。
源義経は腰越状を弁慶に代筆してもらったという一方で
源範頼は千載和歌集（当時最新の勅撰和歌集）を写本していたという…
828：名無しのやる夫だお：2015/04/10(金) 20:45:45 ID:kNLI82VY0: 「この時代での比較的文明人な武士が評価されないのがおかしいという奴の方がバカ、この時代の武士は文明的とかどうでも良いんだから」とかいう理論で評価する向きもあるようですし・・・
829：名無しのやる夫だお：2015/04/11(土) 13:01:39 ID:WaMP.JUw0: >>828
大陸でも野蛮な契丹や女真族が文明的な漢族の宋国をボコボコにしていた時代
830：名無しのやる夫だお：2015/04/18(土) 17:12:33 ID:Pn0rypyY0: それは野蛮だから強い文明的だから弱いという話ではなくて
兵科と用兵の相性の問題だな
831：名無しのやる夫だお：2015/05/02(土) 11:26:36 ID:w.VZNokg0: そもそも当時は漢族よりも、北方民族のほうが鉄器生産などでは進んでいたとも言われているし。
漢民族から見た華夷観に日本人まで同調する必要はないよ
832：名無しのやる夫だお：2015/07/27(月) 03:16:46 ID:bRz9.eNw0: 気づいたら2月から止まっとるやん！
833：最中★：＜お茶ーっ！＞: ＜お茶ーっ！＞
834： ◆q/QapWeGMk：2015/07/27(月) 20:03:16 ID:4Utj5/lE0: 恥ずかしながら就職失敗しまして作成の時間がほとんど取れない毎日でして、何とか時間見つけて書いているのでもう少しお待ちください
835：名無しのやる夫だお：2015/07/27(月) 21:35:40 ID:0Jx2jxEs0: 就活も作成もあせらんでええんやで
836：名無しのやる夫だお：2015/07/27(月) 21:42:48 ID:65/zwOng0: >>1の就活に幸あれ
837：名無しのやる夫だお：2015/07/28(火) 00:23:24 ID:987UtP6Y0: 生存報告があれば待てる
リアル優先でいいからね
838： ◆q/QapWeGMk：2016/01/17(日) 10:11:25 ID:UZXfcaSk0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼
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　　　　　　　　　　　【やる夫は元寇を戦い抜くようです】
　　　　　　　　　　　　　　　文永の役/鳥飼塩浜決戦

明日１８日１７時より投下します
839：名無しのやる夫だお：2016/01/17(日) 13:47:28 ID:cMrj1iYQ0: おおお
しゅ、就活はどうなった・・・？
840：名無しのやる夫だお：2016/01/17(日) 14:03:31 ID:ufK4BmlQ0: 待ってた。リアルタイムでは読めないので先乙しておく
841： ◆q/QapWeGMk：2016/01/17(日) 14:54:47 ID:UZXfcaSk0: >>839
一応決まりました
ただ関西に行ってきてねか関東に留まって資格とれるよう頑張ってねかが決まっていないので年度明けからはどうなるか未定です……

それとこのスレの1000までで９話が終了しなかった場合はヒロイン版に移転して再開となる予定です
あと息抜きに短編で「やる夫と学ぶ古文書の読み方」か「やる夫の初めての所務沙汰」を作るかもしれません
842：名無しのやる夫だお：2016/01/17(日) 15:59:21 ID:CQbzoZXQ0: おお、乙です乙です
移転先なら普通のやる夫板とかもいいですぞ
843：名無しのやる夫だお：2016/01/17(日) 17:54:55 ID:cMrj1iYQ0: 内定おめでとうです
844： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:00:05 ID:haPO5OuM0: では、投下を始めます　
少しの間おつきあいを

――菊池氏の伏撃によって元・高麗軍の東進は停止

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　　　　　　　　　　　　　　I　　　　　　　/~ヾ　~~~Ｖ~~~　　
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伏撃にあった際の混乱を収束させることが出来ず、纏まった撤退とはなからなかった

　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　, - ''"u　　ij 　　`ヽ､
　　　　　　　／ ,;; 　　　　　　u　）(　ヽ､
　　　　　　 ./　　___　U　　　　 ., -ｰ､　　i
　　　　　　 i　u{´, -､ヽ.　　　 /.,rｰ''`　　.i
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　　　　r'ヽ|　u　 i .○.l):;;）::::::ii ○ ,!　:　 |/）i
　　　 .i iゝ|　　 ,,,ゝ,_ノ//::　　.｀ｰ''´`'"　 i ( .|
　　　 .| r´|.U　;;　_＿（,､_,;: ,､ﾉ ,ゝ___ u　|i.ﾚ.|　　　　な、何なんだ？
　　　　 !､/.!　　 / _, -`ﾆ7　 (ﾆ´-_-､ .i　.iヽ,/　　　　　何故我が軍が壊走に巻き込まれているんだ？
-ｰ,-､,- >,, |　;　!//_￣￣￣￣￣_｀.i.i/　iゞ>''(ヽ､_,,
::::i､::i.i::r／/i　;　;.|　.｀⌒⌒⌒⌒~ヾ..i　　.iヾ､::::i..i::::ヾ;`
,:::ヾ;:i.i::i.i/／i ij .;.|´i,. -ｰ-､-ー-､　i | 　 i､`＼::i.!:::::::::
.i:::::ヾi.i::i.i/／i　　| i　　　　　　　　,i　| ;' .iヾi,ヾ<::::::::::::::
!.i::::::::ヾi:i.i/／!,　 !　`ー-----一'´　!　/､＼i::::i､::::::::::
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::ヽヽ､:::::::::::/／/ /i､　　'""''""｀　 .,-ヾiヾﾍ,/::::::::::::::::
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､::｀ｰ=ﾆ=､_::::::::>/／/／//iﾊヽiヾ､ヾ＼｀:::::::::_, -ー_'"
｀`ｰ--:::::::::::::::::::::,,::::::／/／iヽ|,＼＼::::::::::::::´:::::::::::::::::

更に間が悪いことに、後詰として進軍していた元軍本隊まで壊走に巻き込まれ、西へ後退
845： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:00:45 ID:haPO5OuM0: 　　 / .i;;;;;;;''´￣｀'ｰ-,-'　::.　` ヾ､__;;; -､;;;;;;iヽ
　　 ! uヾ;;i .::::, ｰ- ､_'':::　　　,;: .　, - ､, :uヾi |
　　ヽ.　ヾ! :::i___r;;､,__>ヽ,　ヾ;,. .i, r;;､_,ゝ,, ﾞ.::i _
　　.r-ヽ　,',,;-ｰ￣-ｰ'''..::i　　｀ﾞ'ｰ￣--::´ｰ i´r｀i
　　.ヽ!, ヽ''　　　＿_　 .::;ﾉ.::　　　　　　　　　ヾゝヽ　　　　　まずい、まずいぞ
　　　|　　|　u /;;;;;;;;;ヽ､（ r､_.:: ,-, ）　　＿＿　!,,ｒi i
　　　| ゞ-|.;　i;;r',ﾆ､ｰ､;`-ｰ､　 ,､_,,,,,,／;;;;_;;;;;;;ヽ,ヾ､i　　　　　このままでは橋頭堡確保ができん……
　　 _,ゝ'´.i!;;　i!.!､i、｀ヽ､,｀ﾆ -ｰ-､＿￣,,､_ヾ､;;;;;､i ｀ヽ､___,
-=ﾆ__,, -ﾉ;i　　ヾ､ﾆ!´｀ｰ--'`ｰ---'--'､__r`ヽヾ;!i ｀ヽ-_'_,,＿
　　　 ∠ノ;i　　　!.!､_　 , ､r_,⌒,,'ｰ'"''_､　ゞr .ヽ` ゞ､`､-一'´
　　　　∠ノﾉ,､_　｀ｰ-ﾆ＿,,,_､~_,､_`_, -ｰ-､_i､_,ﾆつi`ｰ´-=z_
　　　　　_ｿノ7ヽ､,,　　　ー--､_　　 __, -=-､_　 _,／iヽ´`_'ﾆ=-,､
　　　　　_,,z'´,丿/7i'i,､r､　　　, ,,￣　　　　　 ~　　,ﾍ'ヾｰ-一''/

こちらは部隊が散り散りになるようなことはなかったが、前線の混乱から身動きが取れなくなってしまった

――まだ部隊としてしっかり撤退できた元軍はいいほうで、高麗軍はもっとひどかった

　　　　　　　/二三￣￣: :: :｀ヽ、
　　　　　　　　　〈: :: :: :（M）: :: :: :: :: ::＼
　　　　　　　　∠二二二二ニﾆﾆ≧ｭ､ :ヽ
　　　　　　　 lミ　‐- 　　 -‐　ミ三ヽ:j
　　　　　　　　ﾍﾐ　●(⌒ヽ ● 　ミ彡/　　　ここどこだよ……
　　　　　　　ヽﾐ⊃ (从从ﾊ ⊂⊃ ﾐ'ﾉ
.　　　　 /⌒ヽ　ﾍ　　ゝ._）　　 /⌒i
　　　　　　＼〃:｀:⌒＞,､ __　 ,. イ/≧/
　　　　　　　　ヽ: :｀'/ﾆ'ヾ : ,ｨ/ﾆ/': : :/}
　　　　　　　　　ヾ::|ﾆ|: : \: ;'ﾆ/;ィ´: :/

先鋒部隊の壊乱に巻き込まれた形での撤退であったため、撤退後の集合などできていない

それどころか、部隊が分断されそれぞれ立ち往生するという有様である
846： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:01:19 ID:haPO5OuM0: .　　　　　　 /ヾヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丿　　　
　　　　　　　＼ /　　　　　　　　 /^^^^;}　　　　　　　　　　　　　　ノ~　＿ヾヾﾞﾞ;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　｛;　　　;;};　　　　　　　　　／＾~　＿C　　　ι
　　　　ヘ　　　　　　　　　　　　;{;　　　 }　　　　　　　/＿＿ヾ　　　　　;;」
　　　│　＼　　　　　　　　　　　ヾ;{＿＿}　￣￣￣￣/　　　　　　　　＿〆　
　　　ヾ　　　λ　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ;;ヽ:: 　 /　　　　　　　∠＿
　　√　　　　ゝ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　~ヾゞ　　　　　　　　＿/
.〆ヾ　　　　；ν　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　
　　　　　　　;ヾ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣/
　　　　　　　;λ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≫
　　　　　　　　:τ＿＿＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　⌒ヾ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　 ´ | /　　　　　　　;;＿　　　　 vvヾ/ヾ＿/ヾ
　　　　　　　　　　　　　　I　　　　　　　/~ヾ　~~~Ｖ~~~　　
　　　　　　　　　　　　　　＼;;ー^ヽヾ/ヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　●

丘になっていた鹿原山付近に逃れた部隊とそこから南に移動した塚原付近に逃れた部隊が存在した

この内数が多かったのは鹿原山の部隊で、とりあえず陣形を組んで分断された部隊との合流を狙う

――一方の武士団は先発の景資と博多駐留部隊を引き連れた大友頼泰が合流

　　　　　',　　　　i三ﾖ| ,　i--'"　　　＿＿＿＿
　　　　　 i　　　　ヽ-i 　 ;, -ｮョョ三三三三三三三≧ｮｭ､
　　　　　　､_ _　　　 ,-三l＞≦三三三三三三≧ョｮ､三三三≧ョｭ､
　　　　　　　　ヽ　　,〉≦:i三三三三三三三三三三三三≧ョｮ､三三≧ョｭ､
　　　　　　　　ｊ　,-',/三:l三三三三三三三三三三三三三三三≧ｮ､◯ョ7
　　　　　　　,-';　ｨ　 ≧-;､三三三三三三三三三三三三三三＞
　　　　　／::::::',　f　　　 jヽ,::ﾍ,_¨・ニ,ｯニニニ斗ニニ。- ' ﾍ´::::
　　　／:::::::::::::i y'　　,-':',:::::::::::`¨¨¨::::i::ﾍ:::::::::::ヽ::ヽ､＿, イ´:::´
　　イ:::::::::::::::::7ｷ　　 i 7:::',:::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　　　　赤坂から追い落としたなら万単位の軍が合流できる場所は多くはない
／:::::::::::::::::::::::i〃　　 ',i::::::ﾊ　: : : : : ::::ノ　　　 : : :::::::::::::::::::: : :
::::::::::::::::::::::::::::ヽｷ　　　i:::::i:ﾊ　　　 ':::::ﾍ､_　__　　　　　　　　　　　　　敵軍を海に追い落として戦を決着するぞ
:::::::::::::::::::::::::::::::ﾍ’　　l::::::i',:ﾍ　　　　　ヽi -y'
::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾍ　　.i､:::::::ヽﾍ＞⌒>-､＿＿＿＿
::::::::::::::::::::::::::::::::::::i ヽ　i::ヽ:::::／,,,,,<´　　　　　　　　￣`ヽ　　 ,
:::::::::::::::::::::::::::::::::::i,　　　ヽフ　／',iヽ＼　　　　　　　　　　, .＜´
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::＞､　　i::〃:::::::ヽ',ﾍ＼__　　　 _, ィ

博多警固部隊を除いた全部隊が西へと進軍を開始

大友旗下の御家人衆を初めとした北九州の御家人衆がこれに従う
847： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:02:11 ID:haPO5OuM0: 　　　　　　　　　　 ,.ィ　,.ィ
.　　　　　　　 ,ｨ／　 '´　 !／ﾚi
　　　　　 /　　　　　　　　′ﾚi
.　　　　 jﾞ ,.ﾍ、　／＼　　　 !
　　　　　 |/　　 ¨´ 　　ヽ　　│
　　　　ﾚ_ニュ　 r'ﾆﾆヽ〉　 !
　　　　　 l =＝｡、　＝｡= :|∩　!
　　　　　　| `zzr' 　ｚｚｚ'　||tﾘ .|
.　　　　　　l　　L -`　 ┌ :lﾚ′j
.　　　　　ｌ　⊂ﾆニ⊃　.ﾊ.　ハ
.　　　　　ﾊ　, ,ー, , ,. '/　ｌ ./: :ヾ''ｰ-
　　_,,　-‐''7 :ヽ＿＿＿/ 　 l/: : : :!: : : :
￣ : : : : : ,' : : : |:::::::::::　　　 |: : : : :|: : : :
: : : : : : :.:i: : : : :L._　　　＿_｣.: : : : :| : : :
: : : : : : :.l : : : : ﾄ､_｀　'´ _,ノ| : : : : :| : : :
: : : : : : :| : : : : |;';';';'￣;';';';';'|:.: : : : :| : : :
.: : : : : :.| : : : : l;';';';';';';';';';';';'|: : : : : :|: : :

少弐指揮下にあった千葉頼胤も大友勢と共に進軍

この他にも幕府から独立勢力として扱われていた大御家人が大友指揮下として行動を開始

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノヽ)）ヽ,,rｰrヽ,, ,,ﾉi
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾉ~'tiii"（t　i}}|j　　　　　"　"ﾂヽ|t
　　　　　　　　　　　　　　　iヽ/ﾂii|}}从､}iii)''ijﾘﾘ}　､　　　　　ﾉﾂﾘ､
　　　　　　　　　　　　　　　ii}}y"}!､iii､'';/r"t}}}（iij,yiiヽ-ﾘヽii}j､,,　"ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　t,｀､i､}ヽ''ii）;;|iMtヽ''" ｀" ﾉ　""ノﾉﾉjjり ''ﾌ
　　　　　　　　　　　　　､)" ミ;;,,t､ti;i､ t;;､､）)ﾘiﾉﾂノ／""''彡"彡ョ
　　　　　　　　　　　　　　i､｀''i ;;;;:::ijj}､｀';;;;;;'"":::;;;'"　,,,,　　廴r''ﾂ r'
　　　　　　　　　　　　　 't､ ;;;､ t;; ::;;;｀;;;;;;;;;;|}:::'"::;;'"ii"　　､迄彡ﾉﾂ
　　　　　　　　　　　　　　ヽ, ;) (|;;ヽ;;､;;;;;;;;;ﾉ':::i:::;'":::';;"　　::'≡　" ﾉ　　我々も進軍だ
　　　　　　　　　　　　　　 'i ,;i,,､;;､､,;; ;;;;､;;;i'i},,ir')ノ,,,,,,,,___　:::ミ≡:r'i
　　　　　　　　　　　　　　　t ;t;;iitｰﾐｩﾃ;;､刈ｼ='r'-ﾐｭｫヲｦ　 ')'''/'|:|　　　
　　　　　　　　　　　　　　　 '',､,i'"｀￣"::::了 j''"｀￣:::::"　　 ;;ﾘ/)ﾘ/i　　　　　　　,,
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　　　　　　　　　　　　　　　　ヽt::::::: :::::t,,ハ　,､)　　　　;;;;:::i-ｰ'"t)）::::: ..;､-'",, "　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　i;t :::::::::::~'- '":"　　　了 ,i;;;;:::　 t:::;､-'"　'"　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　 ,,, ､ - ｰt;ヽ ::::::::;;､､､:::,,,　　　;;'" /;;;;:::　,､'":::::彡
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　　　　　　 ,,､-'"::::::::::::::::::::::::::::::::::t::;;ヽ ;;;:::::::::　　　 "／;;;;／::::::::::
　　　,,､- '"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::t:::;;;ヽ　:::::::::::: 　､';;;;;r'"::::::::
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./　 ;;;;;;;;;;､ -ｰｰ ''''' """ '''' ｰ,-ｰ''''::":::::::::::::::::::::::::::::::::::::
"""　　　　　　　　　　ｰﾆ"､,,,,,,,,＿:::,,,,,,,,,:::＿＿,,,､ -ｰ'"

博多の東に位置する筥崎八幡宮付近に陣を敷いていた島津と旗下も一兵残らず西進

これによって本陣に残るのは博多警備に必要な最低限の戦力となった
848： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:03:01 ID:haPO5OuM0: ――その結果、文永の役後に思いもよらない方向から文句が出るのだがそれは別の話である

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .,.へ
　　　　　　　　　　　　　　 ◯ 　　　_∠/___＼_
　　　　　　　　　　　　　　　／´└‐'---┘丶　○
　　　　　　　　　　　　　 o/〔∨::/:::/::::j:|:::i!::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　′∨:/ :/|: /|:ﾚ';:ﾘ':::::::O
　　　　　　　　　　　　　 |::ﾚ^{/|:X_,|/､j／　|::::::∧
　　　　　　　　　　　　　 {:/∨／／／／／ﾘ'´}:::∧　　　な、なんで博多に兵が残っていなんですか！
　　　　　　　〃　　　　 /::::｛　 /￣　 ⌒ヽ　ノ:/:ハ
　　　　　　（＼　　〃　 /ｲ:::个｛＿＿＿__ﾉY⌒¨￣｝――--､　さては御家人連中逃げ出しましたね！？
　　　　　　／ヽ　ｰ､＿＿　／⌒Ｙ下､_＞rく___ﾉ∨　　 |ー―--､＼
　　　　〈ヽ＼と_＿＿＿￣｝　 ∨　/:::::仆::::i!　.廴＿｣　　　＼＼
　　　 //￣￣　//　　＼ﾌ　　 }　レ::7!|::::ヽ　 }　　　　　　　｛　、〉
　　　　｛｛　　　 '　　　／ >、　/　/::::/ | }:::::〉　i　　　　　　　　　￣
　　　　　　　　　　　／ xく＿ﾚﾍ　＼{ o| ﾚ'´　/
　　　　ヽ丶　　｛｛／／　　　　 i!　　　　| 　　i!
　　　　　　⊂ﾆ'⌒´ r'　　　　 _ﾊ　　 o| 　　ﾄ､
　　　　　　 └‐とノ＼　　　　　〈ハ　　　 | 　　|　〉
　　　　　　　＼　　　　　　　　人-=.　　o|　　 l 〈
　　　　　　　　　　　　　　　〈　=ﾆ孑　 | .-=孑〉〉
　　　　　　　　　　　　 ∧二ﾆiﾆﾆ∧o三i,/:::＼
　　　　　　　　　　　　　 /:::::厂::::::::T:::::::::::丁:::ヽ::＼
　　　　　　　　　　　／::::::/::::::::::∨:::::::::::∧::::::::＼::〉

――そして竹崎季長

.　　　　 | llllllllllllllllllllllllllllllj　　丿lllllllllllllllll＿lllllllllllll
　　　　　　| :;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;（　 (;;;;;;;;;;;;;;;;::::/／v::;;;;;:::
　　　　　 | ;:::::::::::::::::::::::::::::::）　）:::::::::::::／:::::::::::::::::::
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.　　　　 | ,::::::::::::::::／::　　　（.／)　　　　　::::::::::::::::　　　チクショウ……っ
..　　　　　| ,::::v:::::::／l 　　／（　j　　　　　 ::::::::::::::::
　　　　　 | ,::::::::／ .丿　／ヽ　∪　 ,ﾍ　　　:::::::::::::::　　　　チクショウ……っ
　　　　 | ::::／　　￣￣　　　＼_／　 |　　 :::::::::::::::::
　　　　し'´　　　　　　　　　　｀´.　　 |　 :::::::::::::::::::::　　　　　やってやるよ……っ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∪　　 | ::::U::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::::::::::::/　　　　　やってやる……っ！
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::::::::u::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::::::::::::::::/
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿ノ
849： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:03:35 ID:haPO5OuM0: 　　　＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　‐''´ ／　　　　　　　 ,､　　　　　　　　　　　.',
　　〃　　　　 /|　/　ｌ　 |ヽ、　　　　　　　 |
　.,'　,ｨ　　　　　ﾑｆ /　　ｌ　.L 」　,､　　　　　　|
　|／/　　　_,,､ｖ‐'l/　ij　 ', ┌-､　_　　　　　｜
　.　,' ／| ./__,,r－､　u u　ヽ|､-ヽ| ヽ　　　　 |
　　|/　 |/ｌ(_　　　ヾ、　〃　　　｀)| |-‐ ､　 |　　　　急げぇ！
　.　　　　ｌ.(´　　　O )　;; ､ O　　　)| |ﾆヽヽ｜
　　　　　　l..ヽ、 r-／..::　ι┐ rｌ'´ |.| -､| ..ｌ　l　　　　　敵軍に追いつけぇ！
　　　　　　.l;;;;..｀／..:::::::::　u　し'/　 .l.|__,ノ /　 l、
　　　　　　l　 (__:::::::::::u::｀)　／_　　||-- '′　　ヽ、
　　　　　　　l ｒ‐---‐-－-～'´__｀ｌ　|　　　ｌヽ、　　ヽ、
　　　　　　　l.ｌ￣￣￣￣￣￣　（　|　　　ｌ　ヽ､＿ヽ
　　　　　　 lｌ二二二∠二二二ﾉ.ﾉ　　　|　　　　ｌ　￣
　　　　　　　 _ヽ　　,,,,,,,,,,,,,,,u　　.／ |　　　ｌ　　　　ｌ
　　　　 ,､-''´　,ヽ ij　;;;;;;;;,,　　／;;　 |　　 ,'|　　　　 .ｌ
　_,､‐''´　　　 /　ヽ　u　　／;;;;;;　　ｌ　　/ |　　　　　ｌ
　　　　　　　/　　　ヽ、／;;;;;　　　ﾘ　 /　|　　　　　.l
　　　　　　./　　　　　｀lヽ''''　　　　ｌ　/ 　.|　　　　　 l
　　　　　 /　　　　　　 l .ヽ　　　　 .ｌ /　　 |　　　　　 .ｌ

走っていた
850： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:04:15 ID:haPO5OuM0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＿____＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　／＼____＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼____＼／____／
　　　　　　　　　　　　　　／.＼　＼＿____／　／＼
　　　　　　　　　　　　　／＿____＼　　＼／／＿___ ＼
　　　　　　　　　　　／____／＼____＼　　／____／＼___＼
　　　　　　　　　　　＼____＼／____／　　＼____＼／___／
　　　　　　　　　　.　　＼＿____／　／.＼　＼＿___／
　　　　　　　　　　　　　　　＼／　／＿____＼　＼／
　　　　　　　　　　　　　　　　　／____／＼___＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼____＼／___／
　　　　　　　　　　　　　　　　.　　＼＿___／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼／

　　　　　　　　　　　【やる夫は元寇を戦い抜くようです】
　　　　　　　　　　　　　文永の役/鳥飼塩浜決戦
851： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:04:50 ID:haPO5OuM0: ┏━━━━────
　先駆を了承された季長が赤坂に差し掛かると、そこには予想とは違う光景が広がっていた
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─────━━━━┛

　　　　　　　　::∧,,∧::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ,,ﾊ
　　　　　　　::ミ；o ﾟ,,ミ;;ミ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (*；０ﾟ)っ....,,
　　　　　　⊂;，;:,'∵;.;，;:,'∵;.⊃　　　　　　　　　∧,,,,,　　　　　　　　　　　　　~(,,っ,,っ（｡;;;ζ∵;.'：:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧∧ｃ(ﾟＯζ;;;;　∧η...　　　　　　　　　　　　;:',.,;:',.,;':,;.';:',.,;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(※｡;)　　　　　　（;;;;.';:',.,;':,;.';:',.,;
　　　　　　　　ﾊ,,ﾊ　　　　　　　 ∧,,.';:',.,　;⌒;）　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧
　　　　　　　::c(ﾟ０ﾟi|i　　　　　　（ﾟ O ξ;.';:',.,;':,　　　　　　ﾊ,,ﾊ　　　　　　:',.,;':,;.';:',.Ｏﾟ=）⌒）
　　　　　　　　　 (;;;@;;,,,,　　　　　　　　　;.';:',.,;':,;.';:',.,;':,　　(ﾟ０ﾟ,,)　　　　　　　w;;ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /■ヽ　　　uu,,)~　　　　　ζo ﾟ,,）w;;ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　と（｡0 ﾟ,,）⌒.';:',.,;':,　　　ｃ（ζ∵;.'：:，ξﾟ,,),,)~
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∵~.;.∵;.'：:，　　　:',.,;':,;.';:',.,;:',.,;':,;.';:',.,;

整然と隊列を整える異国の軍ではなく、異国の軍装の死体の群れが転がっていた

　　　　　　 .､-―-..,,_　　／::￣;;Z
　　　　　　　ﾞ＞::::::::::::V::::::::''"::::;;;;＞
　　　　　　∠;;;:::::::: .:::::::::::::::....　:::::::＼
　　　　　　／:::::　 ::::::::::::::::::::::　 ::::::＼ゝ
　　　　　〃:::::::::　 ::::::::::::::::::::　 ::::::::::::ヽ
　　　　　/:::::::::::::::........::;:;;::::::::::::::::::::::::::::i
　　　　　|:::::::::::::::::::/!:/　ヽヽ:::::::::::::::::::::|
　　　　ﾚ!::::::::::::::/V/ ij'　ヽヾ:::ﾍ;::::::::::!
　　　　」::::／|/>、ﾞ':.､　／;:ﾍヽ＼;:r''､　　　　どうなってんだ？
　　　　　i r.i:|ヽ"''‐､ヽ､! .i／ ‐''ﾞﾞﾞ7|:ﾋ'i }
.　　　　ヽ'ﾆi:iヾ、　o＼i i< o　ノ' i:ﾋ7/　　　　　何で蒙古の連中の死体が転がってるんだ……
　　　　　ﾍ,,_|!　ﾞ'=u='"'|.| ﾞ=u=" /|!_,/-､
　　　,, ‐''" |:::ﾍ u　　 , .|.| ､　.,,／/::::!.　　ﾞ''‐ ､..__
　　　　,.┼/!:::::ﾍ.iエｪ.ヽ!.ﾚ'‐rエi/::::::! ヽ‐- ,,_　　ﾞ'' -
　　i┼i‐|/‐!:::::::ﾍrｪｪェェェｪｪﾉ::::::::!‐| ヽ┼i┼i‐- ,,_
　　 i┼i /‐i‐!;:::::| ＼　‐=‐ .／.}:::::::!.i┼i.ヽ‐i┼i┼i┼i
　　 i┼/.|‐i‐ .!::::|　　＼_,／　 /::::/‐i┼i‐ヽ.i┼i┼i┼
　　.i‐|/.┼i┼ |ﾍ|ヽ,,＿＿_,,／|W .|‐i┼i┼ヽ..‐i┼i┼i
852： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:05:38 ID:haPO5OuM0: 　　／　　　　　　　 ,､　　　　　　　　ヽ
　/　ｨ　　　　　 ./;;;;N∧　　　　　　ヽ
./／ .ｌ　　〃ﾘ＼/､;;u;/ /;;ヽl;､　,-‐､　ｌ
　　　|/|/ヾ;;r～､＼|ij|〃ｰ´~);;| |　 /　ｌ
　　　　　　ヽ)_　oヾ ,, o 　_ｒ´;;;| |　ｌ　｜
　　　　　　〈;;;;;iｊ／ij ｀ひy′ |.|､_ﾉ　 |　　　　これじゃ俺が先駆けする相手がいないじゃないか
　　　　　　　l ''''ノ　__┐ -'　゛./l　　　　ｌ
.　　　　　　　ヽ､ｪｪェｪェｴｺゝ〉/　　　　ヽ　　　　先駆けの許可もらったのに先駆けの相手がいないって一体……
　　　　　　　　ｌ.}ｪェｪェｪェｪﾉ/ /　　　ｌ＼ヽ
　　　　　　　　 '､ u ,,,,,,,　　 /　/　　　ｌ　 .ｌ￣"'''ｰ-
　　　　　　　　　ヽ　ij''''　ノ;;; //　　 .ｌ γ´￣￣￣￣￣￣￣￣γ
　　　　　　　_,.､-''|ヽ、　ﾉ;;;;;　 /　　 /ｌ l　貴様、見た顔だな　　 l
　　　　,､-''´　　　|'､　｀´ｌ;;;;　 /ｌ .| ./ .|ヽ、＿＿＿＿＿＿＿＿,/
　　　ﾉヽ、　_,､-'´|　ヾｌ､ |､　　ｌｌ./／|　 ,､　ヽ
　　ｌ　　ｌ''´　　 |　　 .ヾ| ヽ､__ﾘ／　 | ./　￣ヽ
　　/　　ヽ　　ﾉ　, ヘ .|　　　　　　　.|/
　ノ　　　　ヽ　ｌ／　　 .|　　　　　　　 .ｌ

　|　三＿二　/　ﾄ⊥-（(｀⌒)､_i　 |　|
　〉─_,.　-‐='＼ '‐＜'´＼/´､ｦ _/､ |
　|,.ノ_, '´,.-ﾆ三-_＼ヽ　川〉ﾚ'＞/ ﾉ
〈´／／´|　｀'tt_ｩ‐=､i |::　:::,.-‐'''ﾉﾍ|
. r´｀ヽ　/　　｀"""｀j/　| |ゞ'"ﾌ/i/
. |〈:ヽ, Y　　　　　　::::: ,. ┴:〉:　 |/　　　　一門の集まりで見たことがある顔だぞ
. ＼ヾ( l　　　　　　　　ヾ::::ﾉ　　|、
　j .>,、l　　　　　　_,-ニ-ﾆ､,　 |)）　　　　　こんなところで何をしている？
　! >ﾆ<:|　　　　　　､;;;;;;;;;;;;;,.　/|
　|　 |　 !､　　　　　　　　　　.| |
ヽ|　 |　　ヽ＼　　　_,..:::::::.　/ .|
..|.|　 |　　　　:::::ヽ<::::::::::::::::>゛　|＿
..| |　 |　　　　＿;;;;;;;_￣￣　　　|
:.ヽ‐'''!-‐''"´:::::::::::::::::￣￣｀~''‐-､
853： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:06:10 ID:haPO5OuM0: 　ヽ.＼　　　＼　　　　　　　　　　　ノﾉィ
　　＼ `'＜_￣｀　　　　　　　　　 {. （　/-─:ｧ
　　　　,＞､_ ヽ､　　　　　　　＼ヽ.　∠.__
.　　 / .／　＼＼|　,ｲ　　,.ィ　　　ヽヽ　＜
　　　|,ｲ　,　　 ,〃ゝ.ﾆ'_ｰ＜.丿.ﾄ、　　　 l l　ヽ｀
ヽ　　　|,ｲ __ /{ |/l,ｲﾊV｢iヘヽ∧ﾍ.ト､　 l l　ﾄﾉ
| l.　　　ｆ´　_{{u〉　 o ﾚ, Vrヘ＼　ソ〉、j ﾙ'　　　　　武房……殿……
ヽヽ. 　ヽ.（　iひ‐'＾uく<::::) o　ヽ.`くr' /ﾄ{｛
　ヽ.＼　 l |‐||. v (＾ソ）‘ｰ'ひ‐ﾍ.　Vｿ.ﾊ.ヽ.
─-;＞､ヽ.Lﾆ!Lrェｪﾐｭ' Ｊ,.ィＴﾞ｢ﾌ,ﾊ　Ｖ　＼ヽ.
::／:::::::::::｀7⌒TｌTｴヽ`く_」⊥Lﾚ　}Tヽ.＼　　　┏━━━━─────
:{::::::::::::::::ノ　　| ヽl_.Ll>､ヽ⊥」ﾉ .く. ゝ＼ヽ　　　菊池武房の姿を――正確には武房が従える御家人衆を見た瞬間
:ヽ::::::::::::イ　 _,.>､ v　-‐ヽ i-　 ijv ）＼.　ヽ.＼
ｰ-ゝ､:_:::ﾚi く: :/ ｀ｰ､_ u } l　 rく´{.　トゝ　＼　季長は全てを悟った
-─‐-..二ﾆ''.Y＼　　　_7rﾍ`く　 l:::`:-ゝ.._　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─────━━━━┛
:::::::::::::j::/ : : l l:::::::;＞:': :ﾉ::| ＼＼|:::::::::::::::::￣
:::::::::::::ソ: : : :ヽ`'く : :／:::::::Vヽ!＼ヽ､::::::::::::::

　　　　　　 ,-､
　　　　　　 |　＼
　　　　　　　〉　ヽ
　　　　　　ノ二二|｝
　　　　　　/（彡ヽ　　,.ｨ＝====ri　　|ヽ　|ヽ
　　　　　　|;;;;;ヾく＾二__)ヽ―'''ﾞ´`,,;;iijjlソ／ミミﾐﾐ;,
　　　　　　ヽ;;;;;;;;´|￣`u>´　　,,;;iiiijjlii　ゝ　くi　＼ﾞﾞ
　　　　　　/=［二］ヽ　　ﾞﾞﾞ''''--;;;;iijj li　（　＼　　＼
　　　　━/≡/≡ヾヽ,;;iijjliiiijjl iijjlﾞﾞﾞ''''--,,,,　＼　　ｿ
"´´"''ｰ-ｨ"　::;ヽ〈⌒|ii;jjl;iijjl iijjl j　　　　　''''--,,,◆ ┏━━━━─────
　　　　　ヾ（（二）|　/j ij　ijヾ　　　/　　/　　　　　　　武房の従える兵は一様に戦闘後を示す返り血を浴びていた
　　　　　|　（（　）〈/ 　|　　　ヾ　　　　人
　　　　　|　 | i /　　　|　　　　ヾ＝＝=〈　　　　　　　中には元兵のものと思われる首を薙刀に突き刺している者もいる
　　　　　==/丿)）==/∥　　　　　　V　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ─────━━━━┛
　　　　∥　`＝´　　 ∥　　　　　ヾ　 /
854： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:06:51 ID:haPO5OuM0: 　ヽ.＼　　　＼　　　　　　　　　　　ノﾉィ
　　＼ `'＜_￣｀　　　　　　　　　 {. （　/-─:ｧ
　　　　,＞､_ ヽ､　　　　　　　＼ヽ.　∠.__
.　　 / .／　＼＼|　,ｲ　　,.ィ　　　ヽヽ　＜
　　　|,ｲ　,　　 ,〃ゝ.ﾆ'_ｰ＜.丿.ﾄ、　　　 l l　ヽ｀
ヽ　　　|,ｲ __ /{ |/l,ｲﾊV｢iヘヽ∧ﾍ.ト､　 l l　ﾄﾉ
| l.　　　ｆ´　_{{u〉　 o ﾚ, Vrヘ＼　ソ〉、j ﾙ'　　　　　まさか、蒙古の兵はもう撤退して……
ヽヽ. 　ヽ.（　iひ‐'＾uく<::::) o　ヽ.`くr' /ﾄ{｛
　ヽ.＼　 l |‐||. v (＾ソ）‘ｰ'ひ‐ﾍ.　Vｿ.ﾊ.ヽ.
─-;＞､ヽ.Lﾆ!Lrェｪﾐｭ' Ｊ,.ィＴﾞ｢ﾌ,ﾊ　Ｖ　＼ヽ.
::／:::::::::::｀7⌒TｌTｴヽ`く_」⊥Lﾚ　}Tヽ.＼　　ヽ.＼
:{::::::::::::::::ノ　　| ヽl_.Ll>､ヽ⊥」ﾉ .く. ゝ＼ヽ
:ヽ::::::::::::イ　 _,.>､ v　-‐ヽ i-　 ijv ）＼.　ヽ.＼　 ┏━━━━─────
ｰ-ゝ､:_:::ﾚi く: :/ ｀ｰ､_ u } l　 rく´{.　トゝ　＼ヽ　確認するまでもなく、一戦交えた後である
-─‐-..二ﾆ''.Y＼　　　_7rﾍ`く　 l:::`:-ゝ.._　　　　　　　　　　　　　　　　─────━━━━┛
:::::::::::::j::/ : : l l:::::::;＞:': :ﾉ::| ＼＼|:::::::::::::::::￣
:::::::::::::ソ: : : :ヽ`'く : :／:::::::Vヽ!＼ヽ､::::::::::::::

　|　三＿二　/　ﾄ⊥-（(｀⌒)､_i　 |　|
　〉─_,.　-‐='＼ '‐＜'´＼/´､ｦ _/､ |
　|,.ノ_, '´,.-ﾆ三-_＼ヽ　川〉ﾚ'＞/ ﾉ
〈´／／´|　｀'t-t_ｩ=､i |::　:::,.-‐'''ﾉﾍ|
. r´｀ヽ　/　　｀"""｀j/　| |くゞ'ﾌ/i/
. |〈:ヽ, Y　　　　　　::::: ,. ┴:〉:　 |/　　　　　うむ、赤坂から追い落とした
. ＼ヾ( l　　　　　　　　ヾ::::ﾉ　　|、
　j .>,、l　　　　　　_,-ニ-ﾆ､,　 |)）　　　　　今頃後方で隊列を整えている所だろう
　! >ﾆ<:|　　　　　　､;;;;;;;;;;;;;,.　/|　　　　　　　＿__,. -､
　|　 |　 !､　　　　　　　　　　.| |　　　　　　（ヽ-ゝ _i,.＞-t--､
ヽ|　 |　　ヽ＼　　　_,..:::::::.　/ .|　　　　　　　｀''''フく　＿,. -ゝ┴-r-､
..|.|　 |　　　　:::::ヽ<::::::::::::::::>゛　|＿　　　＿,.-''"´ ／￣,.／´　ゝ＿'ヲ
..| |　 |　　　　＿;;;;;;;_￣￣　　　|　￣￣　/　_,. く　／　ゝ_／￣|
:.ヽ‐'''!-‐''"´:::::::::::::::::￣￣｀~''‐-､_　　　 /　にﾆ'／,.､-t‐┴―'''''ヽ
　＼＿:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　/　　/　　.（_ヽ -'__,.⊥--t-⊥,,_
＼　　　￣＼―-- ､ _::::::::::::::::::::＿＿::/　 /　　／　￣　　）　　ﾉ__'-ﾉ
　　＼　　　＼::::::::::::::｀''‐--‐''´::::::::::/　 /　／　／￣ rt‐ﾗ'￣￣ヽヽ
ヽ　　ヽ＼　　＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/　　　　　 /　　　ゝﾆ--‐､‐　　　|
　l 　　ヽヽ　　　＼:::::::::::::::::::::::::::::::/ 　　　　　　　　　　/‐＜_　　ヽ　　|ヽ
855： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:07:41 ID:haPO5OuM0: 　　　　,.へ　　　　　　　　　　　/｀',
　　／／ヽ.＼　　　　　 (二二　 .二二二)
.／／　　　＼ヽ._　　　　　　/ ./
` '　　　　　　　＼_｀,　　　 ./／　　　　　　∩∩　　,へ
　　　　　　　　　　　　　／_,-‐－‐‐- ､　 ∪∪／／
　　　　　　　　　　　　-=ニ￣　　　　　＼　　/／　O O O
　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　l＿_
　　　　　　　　　　/　　　　　 __ 　　/| 　　　＿＼
　　　　　　　　　 ( i'^'l r‐ '￣| .| i /　 |　　　､＼￣
　　　　　　　　／/-iﾉr-'⌒ヽ|/ / /二|/　　l |ヽ|
　　　　　 _＜　((／((._　,@　v, 　=､､ |/| | |i |　　　　ここよりも西……
　　　　＜　　 / u_ιu~=　u/_ @　ヾ//| |l/
　＜￣　　　　l/ﾆヽ-､_r _　 {ι､,-'´/　ﾚ　　　　　　　しかも追い落とされた直後……
　─┬─ |　　 /ヾﾆヾ､ヽ､＼J ／
　 .／　　//　/ ｀i v　ヾﾆ､_ﾉﾉ
／　　／ //　/　　ヽミ u,/'//
'￣i/　　　//　　　／`-'/´///

当然ながら本陣から離れれば離れるほど先駆けの死亡率は高くなる

また、少し心得のある指揮官なら追撃を防ぐために最も信頼できる戦力を後方に配置して警戒しているだろう

　　　　　　　/二三￣￣: :: :｀ヽ、
　　　　　　　　　〈: :: :: :（M）: :: :: :: :: ::＼
　　　　　　　　∠二二二二ニﾆﾆ≧ｭ､ :ヽ
　　　　　　　 lミ　‐- 　　 -‐　ミ三ヽ:j
　　　　　　　　ﾍﾐ　●(⌒ヽ ● 　ミ彡/　　　無茶言うなよ
　　　　　　　ヽﾐ⊃ (从从ﾊ ⊂⊃ ﾐ'ﾉ
.　　　　 /⌒ヽ　ﾍ　　ゝ._）　　 /⌒i　　　　自分が逃げるので精一杯だよ
　　　　　　＼〃:｀:⌒＞,､ __　 ,. イ/≧/
　　　　　　　　ヽ: :｀'/ﾆ'ヾ : ,ｨ/ﾆ/': : :/}
　　　　　　　　　ヾ::|ﾆ|: : \: ;'ﾆ/;ィ´: :/

実際は殿を配置していなかったのだが、季長の知る処ではない
856： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:08:23 ID:haPO5OuM0: 　　／　　　　　　　 ,､　　　　　　　　ヽ
　/　ｨ　　　　　 ./;;;;N∧　　　　　　ヽ
./／ .ｌ　　〃ﾘ＼/､;;u;/ /;;ヽl;､　,-‐､　ｌ
　　　|/|/ヾ;;r～､＼|ij|〃ｰ´~);;| |　 /　ｌ
　　　　　　ヽ)_　oヾ ,, o 　_ｒ´;;;| |　ｌ　｜　　　　　お、俺ともう一騎でできるのか……？
　　　　　　〈;;;;;iｊ／ij ｀ひy′ |.|､_ﾉ　 |
　　　　　　　l ''''ノ　__┐ -'　゛./l　　　　ｌ　　　　　　赤坂山を超えた先にいる連中への先駆け
.　　　　　　　ヽ､ｪｪェｪェｴｺゝ〉/　　　　ヽ
　　　　　　　　ｌ.}ｪェｪェｪェｪﾉ/ /　　　ｌ＼ヽ
　　　　　　　　 '､ u ,,,,,,,　　 /　/　　　ｌ　 .ｌ￣"'''ｰ-
　　　　　　　　　ヽ　ij''''　ノ;;; //　　 .ｌ　　ｌ＿
　　　　　　　_,.､-''|ヽ、　ﾉ;;;;;　 /　　 /ｌ　 .ｌ　￣""
　　　　,､-''´　　　|'､　｀´ｌ;;;;　 /ｌ .| ./ .|　　.｀､
　　　ﾉヽ、　_,､-'´|　ヾｌ､ |､　　ｌｌ./／|　 ,､　ヽ
　　ｌ　　ｌ''´　　 |　　 .ヾ| ヽ､__ﾘ／　 | ./　￣ヽ
　　/　　ヽ　　ﾉ　, ヘ .|　　　　　　　.|/
　ノ　　　　ヽ　ｌ／　　 .|　　　　　　　 .ｌ

だが、季長の眼には元々分の悪い賭けはここにきて勝ち目のない賭けへと変わりつつあったように見えた

　　　　　 __,,..　-‐:::::¨::::::::::::::::::::::;.ｲ
　　　／￣:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::::ｨ
.　　 i＼　:::::::::::::::::::::::::::::::::::,.ィ:"::::::::::::〉
　　ヽ:::｀:ﾞ::'':…ｰ‐::''''ﾞﾞ":´:::ﾌ-‐ｧ:::::::ﾚ
　　　　V::::::::::::::::::::::::__::.. -ｭ:ｊ::::ﾙ;:::::::::::l,.
.　　　 V:::::::::::;.- ､::i ,.ｍ i !ﾉﾉ:ヶ‐､:::::::i
. 　　　Ｖ::::::::i ⌒ｉ.}:!l　 _L⊥彡ﾄ､ﾉ:::;.-!、　　　　　　何やってんだ？
　　　　　{｀ｰ--ヽ-'ｲﾆ¨-‐ ブ,.ィｦ::::::i /i l ＼､
　　　／｀¨:::::¨´:::::::::::::＞ﾆ"彡'＾l:::j ｉｸ l::ヽ ',:!　　　　さっさと博多へ戻って戦功の認定を……
　　／::::::::::::::::::::::＞'ｉ"´ｒブ‐ｒﾃﾄ｀｀　ﾚノ::::::Lｊ:l
　 {-‐ ニ¨-‐i ｒ‐ｔｦﾝ!　　ｰ宀''´　　 i¨ ﾚ'´　ヽ::＼
／￣::::::::::::::::ﾊ. ￣/ｌ,､　　　　 i　　 l　i　iﾌ¨ヽ !､:::
::::::／:::::::／:::／'、　i__ ..　　　 !　　ｊ　 Y/:i　(ﾉ、i::
:::/::::::／:::／.　　', 　ヽ '"　　　　　.／／/:::l　l::_ｉ l::
:::::::::〈:::::<　ｉ　,.イﾊ　 -‐…‐　　.／／／:::::ﾊ. ',_｀ヽ
::::::::::::';::::i　／ / 　 ', ｀丁´　 ,.'　　ｌ　i::::::::::ｉ l｀¨ i　|
::::::::::::::}::ｙ"　/｀丶　ヽ＿＿／　　　i. i:::::::::::', V＾i ノ
:::::::::＜ <　 /i＼　＼　＼　　　　　ｌ l::::::::::::｀i　{:::::
857： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:09:08 ID:haPO5OuM0: 三三三三三三　　ﾐ　　　　　　　　　三三三三
三三三三三三　ﾐ　　　　　　　三三三三三三
三三三三三三　　ﾐ　＿　　　　三三三三三三
三三三三三三　〔|ミlｍ|_＿＿,Θ三三三三三
三三三三./ ,)-＿＿二二-―－´ｌミミミミミミ彡
三三三　/,,/￣￣￣) .､テ‐,-　　ヽミ/~ヽミミ彡　　　　あっ
三三三 /,,,/　(,,ヽ／　i ~``　ヽﾐ　　ｌＳｌ |ミミﾐ彡
三三／＾ヽヽノ　lヽ) _　`　　　|　　　_／彡ミ彡
三　/　＼ｿ.　　/　｝‐- 、　　　　　ｌヽ彡ミミ　　　　┏━━━━─────
三 l､＼ )（　　ノ　ﾉ⌒　　　　　／ |　ヽミミ　＼　　　有隆は一瞬で理解した
三 l＼ソ、　 _/　　ヽ＿＿　　_ ／　　|　　　/三三＼　　 ─────━━━━┛
三＼　_／i |‐、三三三三＼　　　/　／三三三
三三ｌﾐ　　／　(三三三三三. ) ∩　／三三三
三∠|ﾐ／　／ .|三三三三ｌ￣￣ｌ l￣三三三

　　　　　　　　　　　　　　　　____
　　　　　-=ﾆ"`'　,　　　,　' "　 ,," '
　　　　　______＼　` , , '　　　　'-ｰ￣二=-
　　∠二__　　~`　　　　　　　　　　　""'ｰ､
　　　, - ~　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　, '　 , ,　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　 / ／, '　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`,
　 i/　/　　　　　　　 /|　　　　　　　　　　　'i
　　　,'　,　　 /:i　/:i　|:::|　|',　　　　　　　　　 |　　　一度戻るべきか……いやだが大将じきじきの先駆け命令を無視なんて
　　　i /i　/' /::::| |::::i |::uヽi::`,`ヽ　　　　　　　|
　　　i/ i/ i /ｰ-ﾋ--`|u|--ｴ--ｰ＼　 ___　　　|　　　でも死んだら意味がないし……
　　　　 i　i/|二ﾆ=ﾆ~　二=ﾆニﾆ,:::| |─i`.　　＼
　　　　　　 .,|ヽ＿ﾟ_./:::::"ヽ_ﾟ＿, ｲ/:|.|─| |　|`┬ｰ-
　　　　　　/ |　==:/:::u:::　 u　~／':::|.|ﾆﾉﾉ　|　 |ｰ--　　┏━━━━─────
　__;;-ｰ''"~~.λu:/:::::::_::i　　／'::::u::|.|ｰ'　 /　　|　　　　　少し前まで菊池惣領家の一員として活動していた有隆である
　__;;-ｰ''"~'/| .| (_,-　　u　　　::u:::::/|　　　||　　 |
　　　　　　|　!i .|　<__　__-ｰ''ｰ:-:::/::|　　　|.|　　 |　　　　季長が所領関係の裁判で本所を失った菊池一族の者だと知っていた
　　　　　 .|　　| .|x--二__＿__:::::/:::::|　　./ .|　　 .|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─────━━━━┛
　　　　　 |　　 |/~ﾆ二＼＼　'i/:::::　|　　|　 |　　 .|
　　　　　.|　 ,r┴'---,￣＼',　 |::u　|　　|.　 |　　　|
　　　　　|　<／￣￣＼こつ　　i　 /　 .,|　 .|　　　 |
　　　　　!-ｰC'￣￣`こつ　　　 | / /!/,／＼　　 .|
　　　　　　　 |￣￣ヽ、　　　　　 | / /| -　　　 `　, |
858： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:09:58 ID:haPO5OuM0: 　　　　　 __,,..　-‐:::::¨::::::::::::::::::::::;.ｲ
　　　／￣:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::::ｨ
.　　 i＼　:::::::::::::::::::::::::::::::::::,.ィ:"::::::::::::〉
　　ヽ:::｀:ﾞ::'':…ｰ‐::''''ﾞﾞ":´:::ﾌ-‐ｧ:::::::ﾚ
　　　　V::::::::::::::::::::::::__::.. -ｭ:ｊ::::ﾙ;:::::::::::l,.
.　　　 V:::::::::::;.- ､::i ,.ｍ i !ﾉﾉ:ヶ‐､:::::::i
. 　　　Ｖ::::::::i ⌒ｉ.}:!l　 _L⊥彡ﾄ､ﾉ:::;.-!、　　　　　　竹崎家の当主じゃねぇか
　　　　　{｀ｰ--ヽ-'ｲﾆ¨-‐ ブ,.ィｦ::::::i /i l ＼､
　　　／｀¨:::::¨´:::::::::::::＞ﾆ"彡'＾l:::j ｉｸ l::ヽ ',:!　　　　家内のゴタゴタで本所を奪われたのに従軍してるってことは……
　　／::::::::::::::::::::::＞'ｉ"´ｒブ‐ｒﾃﾄ｀｀　ﾚノ::::::Lｊ:l
　 {-‐ ニ¨-‐i ｒ‐ｔｦﾝ!　　ｰ宀''´　　 i¨ ﾚ'´　ヽ::＼
／￣::::::::::::::::ﾊ. ￣/ｌ,､　　　　 i　　 l　i　iﾌ¨ヽ !､:::
::::::／:::::::／:::／'、　i__ ..　　　 !　　ｊ　 Y/:i　(ﾉ、i::
:::/::::::／:::／.　　', 　ヽ '"　　　　　.／／/:::l　l::_ｉ l::
:::::::::〈:::::<　ｉ　,.イﾊ　 -‐…‐　　.／／／:::::ﾊ. ',_｀ヽ
::::::::::::';::::i　／ / 　 ', ｀丁´　 ,.'　　ｌ　i::::::::::ｉ l｀¨ i　|
::::::::::::::}::ｙ"　/｀丶　ヽ＿＿／　　　i. i:::::::::::', V＾i ノ
:::::::::＜ <　 /i＼　＼　＼　　　　　ｌ l::::::::::::｀i　{:::::

　　　　　______＼　` , , '　　　　'-ｰ￣二=-
　　∠二__　　~`　　　　　　　　　　　""'ｰ､
　　　, - ~　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　, '　 , ,　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　 / ／, '　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`,
　 i/　/　　　　　　　 /|　　　　　　　　　　　'i
　　　,'　,　　 /:i　/:i　|:::|　|',　　　　　　　　　 |　　　少弐殿に頼み込んで先駆けにしてもらいました
　　　i /i　/' /::::| |::::i |::uヽi::`,`ヽ　　　　　　　|
　　　i/ i/ i /ｰ-ﾋ--`|u|--ｴ--ｰ＼　 ___　　　|　　　
　　　　 i　i/|二ﾆ=ﾆ~　二=ﾆニﾆ,:::| |─i`.　　＼
　　　　　　 .,|ヽ＿ﾟ_./:::::"ヽ_ﾟ＿, ｲ/:|.|─| |　|`┬ｰ-
　　　　　　/ |　==:/:::u:::　 u　~／':::|.|ﾆﾉﾉ　|　 |ｰ--　　
　__;;-ｰ''"~~.λu:/:::::::_::i　　／'::::u::|.|ｰ'　 /　　|　　　　　
　__;;-ｰ''"~'/| .| (_,-　　u　　　::u:::::/|　　　||　　 |
　　　　　　|　!i .|　<__　__-ｰ''ｰ:-:::/::|　　　|.|　　 |　　　
　　　　　 .|　　| .|x--二__＿__:::::/:::::|　　./ .|　　 .|　　
　　　　　 |　　 |/~ﾆ二＼＼　'i/:::::　|　　|　 |　　 .|
　　　　　.|　 ,r┴'---,￣＼',　 |::u　|　　|.　 |　　　|
　　　　　|　<／￣￣＼こつ　　i　 /　 .,|　 .|　　　 |
　　　　　!-ｰC'￣￣`こつ　　　 | / /!/,／＼　　 .|
　　　　　　　 |￣￣ヽ、　　　　　 | / /| -　　　 `　, |
859： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:10:30 ID:haPO5OuM0: 　　　　　　　　　ｒﾍ、＿　　　　＿＿＿
　　　　　　　　〈V´::::::::::::::::￣￣:::::::::::::::::::::￣:〉
　　　　　　　　ﾄ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::__:::::::::::ﾉ
.　　　　　　　ｿ::::::::::::::::::::::::::::;._-､::://　＼:/
　　　　　　　　}::::::(0ト､＿__::::{.i　　）/ｒｆｌ＾h/
　　　　　　 /ヽ:::/:::＼‐一-.ﾆ_‐く/.」_　//　　　　　　　（俺たちの抜け駆けで先駆けする軍勢がいなくなったのか……）
　　　　　 /ﾊ |:/´_＼::､＜::::::::￣｀..＜_ｵ
.　　　　　　/〈/ｊl/　ヽｆｒﾒ､::ｊ、｀＞..､:::::::::::::＼
.　　　　 /::＼ l　!l 　￣／'´/､ｨｔ:ﾃミ＜::_::::::丶、
　＿　　　l:::::/ ﾞｌ　|ｊ u　　_/ ,' / ‐￣ /ｨ/　　ｰ--'
　:::::::￣::┴::'- L.__ 　　Ｖ >'　　　 /イ
　::::::::::__::::;.--､::::::::::::.､─ -､Ｕ　 /　＿
　:::::/´ ｀/　ヽ ',:::::::::::|.l二ー' 　 ,ｲ／＿ヽ
　::::i　　 {　 _,ﾉｊ::::::::///　　／:/ﾆ|　/＿} |
　＼:ー‐'ヽ.-イ:::::::://ー- :': : /: | .し'￣7У
　:::::::＼:::::::::::::::::::://＼:::::.: : /: : |　　　/:/､＼二ヽ.
　::::::｀ヽ::＼::::::::::〈（＿　ヽ::./:_:_:_|＿__/:/_「ヽ. ）） |

三三三三三三　　ﾐ　　　　　　　　　三三三三
三三三三三三　ﾐ　　　　　　　三三三三三三
三三三三三三　　ﾐ　＿　　　　三三三三三三
三三三三三三　〔|ミlｍ|_＿＿,Θ三三三三三
三三三三./ ,)-＿＿二二-―－´ｌミミミミミミ彡
三三三　/,,/￣￣￣) .､テ‐,-　　ヽミ/~ヽミミ彡　　　その……何だ……
三三三 /,,,/　(,,ヽ／　i ~``　ヽﾐ　　ｌＳｌ |ミミﾐ彡
三三／＾ヽヽノ　lヽ) _　`　　　|　　　_／彡ミ彡　　　　悪いことしたな……
三　/　＼ｿ.　　/　｝‐- 、　　　　　ｌヽ彡ミミ　　　　
三 l､＼ )（　　ノ　ﾉ⌒　　　　　／ |　ヽミミ　＼　　
三 l＼ソ、　 _/　　ヽ＿＿　　_ ／　　|　　　/三三＼　
三＼　_／i |‐、三三三三＼　　　/　／三三三
三三ｌﾐ　　／　(三三三三三. ) ∩　／三三三
三∠|ﾐ／　／ .|三三三三ｌ￣￣ｌ l￣三三三
860： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:11:23 ID:haPO5OuM0: 　　　　　　　　　＿,ヾ＼／/__
　　　　　　　　　.＞　　　　　　゛' 、
　　　　　　　 ∠　　　　　　　　　ヽ　　　　　夜討ち朝駆けは兵家の常ですから……
　　　　　　　　/　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　'| 　／| ∧ |ヽ、　 |　　　　　しょうがないですよね……
　　　　　　　 ,..|,／＝|ﾉuヽ|＝ヽ､ .|､,_
　　　 _,,､､‐''ﾞ, |(|| =＝ .l.l　＝= ||)||､,_゛''ｰ､,,_
　 .i'i'ﾞ_,,､､‐'ﾞ　l｀||,　u　 |.|　ノ,,､||'/.ｌ　゛''ｰ､,,_~/''､
　 l |~　　　　 l ヽ| `'' ヽl_ﾚ‐''´　|/　 l　　　　　/　 l
　.ｌ |　　　　.l 　　l　　　　　　　/　　ｌ　　　　/　　 l
　l　|　　　ﾑ,--､,l　　　　　　/,,､--､ |　　　/　　ﾉ｜

　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,.. ----=ﾆ_''''ｰ-､_,.._-
　　　　　　　　　　　　　　　,.-'´'""'''''‐-､::::::::;:-'''´ /_,.-7
　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　,. ,.-'-' ／/ '´　-'´
　　　　　　　　　 __-‐ﾆ7ﾞ　　　　　,.-'ﾞl/ ／/／/／/
　　　　　　　,.-'´　　 /　　　　　　|　ﾍ／ /　　__　 _,.-ｧ/!
　　　 _,._-ﾆ--‐: : :　ﾞ : : :i: :　　／／　 / r‐'´/／／/
　　‐'´'´　　　　　　　　　ﾉ　　 | ／ |／/ノ　ノ/ _,-ﾌ /ﾌ／　　　　なんだお前！
'´／　　　　　　　　　　 /_,.-'i'ﾉ i:| /　 ,.、／7"´／/レ‐ﾌ以
く　　　　　　　　　　: : :::|::::::::://||:|ﾉ　/ ﾉ　´-‐フ'´/_／／／　　　武功が欲しかったのか！
　l　　　　　　　　　 : ::_,ｲ::::::/ l,(l,ﾘ　ﾉ／　　　　__　ﾌ,.-'7 ／
｜　　　　　　　　_,.-''´ _|:::/　　>!//>＿__,.-ﾆ-　／''／,ﾞi
｜ヾ:.　　_,.. -‐'´'"'''''"´ |::| , /／,-ヾ=t;ﾃテ'''´ ﾃr‐'ﾞ/　ﾞ''''
　　　）'´　　　　　　　　　ﾞ|∧と_ﾞ／　　￣　／ﾃ'ﾞ::::::::|
　　ノﾉ　　　　　　　　　　.| ヾミｰ-　　　／／:::::::::::::::|
861： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:11:54 ID:haPO5OuM0: 　　　　　　　　 -､─- ､　 ,　-─;-
　　　　　　　,.　-─-ゝ　　Y　　∠.._
　　　　　 ´_ ﾆ=-　　　　　　　　　｀ゝ
　　　　∠´.＿__　　　　　　　　　　　　＼
.　　　　 ,. ‐''"´　　　　,　,　、　　　　　　ヽ
　　　∠-ｧ‐　　　　くl/l/::l l::ゝ　、　　　　 |
.　　　　/,.ｨ´,ィ ,ｲ/＼ll':u::l|:∠ヽl:ヽ､　　 |　　　　　　……武功を譲ってくれるんですか？
　　　／/ //ｲ＝＝=､::::;;'==＝＝::| r=､　ゝ
　　　　　l/　　:l `ｰﾟ／:::ij~ ,ｰﾟ-‐ ,ノ|.|ﾆ!}　＼
　　.　　　　　　 l:／:::::::__::，v-‐''"v |Lンﾄ､　ヽ、
　　　　　　　　/ ｢I二二二二二):／|　　 |　|`''ｰ-ゝ.._
　　　　　　　/　 ,ヽ.　 ---　::::／:　.!　　,|　 |
　　　　　_∠-‐''7! ヽ　::::u::／::: 　 |　　/　　|
　　　　　　　　 / l 　＼／:::　u　 |　 ,/　　 |
　　.　　　　　 /　 l　　 |::::　　　 | ,.ｲ | 　　 |
　　　　　　　/　 , ﾍ　 lﾄ､　　　 |/,;1/｀ヽ、　|
　　.　　　　/ ／　　ヽl |;';`';ｰ-‐;';';';';|' 　　＼|
　　　　　　"´　　　（)） |;';';';';';';';';';';';'|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ﾟ｡
　　　　　　　　　　　　　　／/　∧　　　 /＼＿　　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　／　/　　 ∧／＼/　　＿ﾟ｡__／／
　　　　　　　　　　　　／　 /　　 ,ｨ介ﾄ､__/__／￣＼∨ /
　　　　　　　　　　　　　　　|　　ノ　　／iﾉ　ﾘ　｀￣}　　　 / /　　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　　|＿＼　〈{rｖ‐くjﾘ} 　 ∧￣}　/　|＼／ノ
　　　　　　　　　　　厂￣｢} 人___ノ　厶ｨ'___|　ｊノ　 ∧　∠｡.__,
　　　　　　　　　　／　　乂＿_}H{　/r_虍ﾗ＼＿／￣＼＿,ノ
　　　　　　　　　　　 i　　/ {_ノr 虍广∨　　　　　 /ﾋ彡'⌒ヽ.〉
　　　　　　　　　　　| 　 l{ ∟| ￣〈｀ヽ　　 -┐　　　V　/ﾊ }|
　　　　　　　　　　　　＼＿＼ | r __｀´-‐= ニ}　　　　　〈/,ﾉﾉ|　　　　　何を間抜けたことを言っている？
　　　　　　　　　　　　　〉/ﾊ| Ｖ￣￣:: : :│　　　 |r‐／∧
.　　　　　　　　　　　　　　　　//'⌒|　}::::::::: r┬ j 　　 l　 |Ｏ） |＼ヽ
　　　　　　　　　　　　／　ｆ |　|＿__/_/_/　　　　 |　　ｌ|　 } |　　　　そんなわけがないだろうが！
　　　　　　　　　　　　　　　　｀ﾟ　廴＿__,ノ　　　　 ,ﾉ　 l ! | | |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　　＜　　　 | l |_|＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|__, z7ﾌ,ヽ.__,｡ ´　　　＿__∨＿＿ﾉ人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼/////＞‐=ﾆ二￣三三 ∧　／ /ノ）ィ7´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }＞‘´三三三三三三三ﾆ／　　／　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/三三ニ三ニ三ニ三ニ／　,　　ﾟ´　　/
　／￣￣￣＼　/￣￣≧=ｰ‐---一/三三三ニﾆ＞=ニ二／　／　　　　 /
.　　　　　　　 /　／三三三三三_,ﾉ三三ﾆ＞‘´二ニﾆ／　　　　／） /
862： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:12:24 ID:haPO5OuM0: 　　　　　　　＿
　　　　　_.. --ゝ｀ヽ'´￣¨Ｚ_
　　　　　＞　　　　　　＼
　　　 ∠.._　　　　 ,　　　　　　　i
　　　　／　　 ,.ｨ./uヽ,iゝ　　　 |
　　　 /ｲ　ｨ,ヘ'ｉ　ﾋ'.へ｢＼.　　│　　　じゃ、じゃあ一体……
　　　　ﾚ|/lた･ﾗ　:ヽ二’ﾌ:|∩　|
　　.　　　　 l／　_┐ v／u ||9|　l
　　　　　　 `ｉ.r===＝ニヽ　|ﾚ'　 l
　　　　　　　 i‘ー── '´／　　　i
　　　　　　 ,ハ. ￣ v ／　,／!　　ヽ
　　　　　　　ﾌ　ヽ. ／　,∠ -‐l　　　ヽ
　　　　　　ｰz'ノ　Z イ　　　　ヽﾄ､ i 、i
　　　　　　　　　　　/　,. -‐ .、　　}ﾊ}ヽ|
　　　　　　　　 l　/　　　＼　　　 |
　　　　　　　　　　 |　|　　　　ヽ.　　　|

　|　三＿二　/　ﾄ⊥-（(｀⌒)､_i　 |　|
　〉─_,.　-‐='＼ '‐＜'´＼/´､ｦ _/､ |
　|,.ノ_, '´,.-ﾆ三-_＼ヽ　川〉ﾚ'＞/ ﾉ
〈´／／´|　｀'t-t_ｩ=､i |::　:::,.-‐'''ﾉﾍ|
. r´｀ヽ　/　　｀"""｀j/　| |くゞ'ﾌ/i/
. |〈:ヽ, Y　　　　　　::::: ,. ┴:〉:　 |/　　　　うむ、ちょっとばかり敵軍を追いかけて２，３人討ち取って来い
. ＼ヾ( l　　　　　　　　ヾ::::ﾉ　　|、
　j .>,、l　　　　　　_,-ニ-ﾆ､,　 |)）
　! >ﾆ<:|　　　　　　､;;;;;;;;;;;;;,.　/|　　　　　　　＿__,. -､
　|　 |　 !､　　　　　　　　　　.| |　　　　　　（ヽ-ゝ _i,.＞-t--､
ヽ|　 |　　ヽ＼　　　_,..:::::::.　/ .|　　　　　　　｀''''フく　＿,. -ゝ┴-r-､
..|.|　 |　　　　:::::ヽ<::::::::::::::::>゛　|＿　　　＿,.-''"´ ／￣,.／´　ゝ＿'ヲ
..| |　 |　　　　＿;;;;;;;_￣￣　　　|　￣￣　/　_,. く　／　ゝ_／￣|
:.ヽ‐'''!-‐''"´:::::::::::::::::￣￣｀~''‐-､_　　　 /　にﾆ'／,.､-t‐┴―'''''ヽ
　＼＿:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　/　　/　　.（_ヽ -'__,.⊥--t-⊥,,_
＼　　　￣＼―-- ､ _::::::::::::::::::::＿＿::/　 /　　／　￣　　）　　ﾉ__'-ﾉ
　　＼　　　＼::::::::::::::｀''‐--‐''´::::::::::/　 /　／　／￣ rt‐ﾗ'￣￣ヽヽ
ヽ　　ヽ＼　　＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/　　　　　 /　　　ゝﾆ--‐､‐　　　|
　l 　　ヽヽ　　　＼:::::::::::::::::::::::::::::::/ 　　　　　　　　　　/‐＜_　　ヽ　　|ヽ
863： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:13:02 ID:haPO5OuM0: 　　　＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　‐''´ ／　　　　　　　 ,､　　　　　　　　　　　.',
　　〃　　　　 /|　/　ｌ　 |ヽ、　　　　　　　 |
　.,'　,ｨ　　　　　ﾑｆ /　　ｌ　.L 」　,､　　　　　　|
　|／/　　　_,,､ｖ‐'l/　ij　 ', ┌-､　_　　　　　｜
　.　,' ／| ./__,,r－､　u u　ヽ|､-ヽ| ヽ　　　　 |
　　|/　 |/ｌ(_　　　ヾ、　〃　　　｀)| |-‐ ､　 |
　.　　　　ｌ.(´　　　O )　;; ､ O　　　)| |ﾆヽヽ｜　　　それは、つまり……？
　　　　　　l..ヽ、 r-／..::　ι┐ rｌ'´ |.| -､| ..ｌ　l
　　　　　　.l;;;;..｀／..:::::::::　u　し'/　 .l.|__,ノ /　 l、
　　　　　　l　 (__:::::::::::u::｀)　／_　　||-- '′　　ヽ、
　　　　　　　l ｒ‐---‐-－-～'´__｀ｌ　|　　　ｌヽ、　　ヽ、
　　　　　　　l.ｌ￣￣￣￣￣￣　（　|　　　ｌ　ヽ､＿ヽ
　　　　　　 lｌ二二二∠二二二ﾉ.ﾉ　　　|　　　　ｌ　￣
　　　　　　　 _ヽ　　,,,,,,,,,,,,,,,u　　.／ |　　　ｌ　　　　ｌ
　　　　 ,､-''´　,ヽ ij　;;;;;;;;,,　　／;;　 |　　 ,'|　　　　 .ｌ
　_,､‐''´　　　 /　ヽ　u　　／;;;;;;　　ｌ　　/ |　　　　　ｌ
　　　　　　　/　　　ヽ、／;;;;;　　　ﾘ　 /　|　　　　　.l
　　　　　　./　　　　　｀lヽ''''　　　　ｌ　/ 　.|　　　　　 l
　　　　　 /　　　　　　 l .ヽ　　　　 .ｌ /　　 |　　　　　 .ｌ

　|　三＿二　/　ﾄ⊥-（(｀⌒)､_i　 |　|
　〉─_,.　-‐='＼ '‐＜'´＼/´､ｦ _/､ |
　|,.ノ_, '´,.-ﾆ三-_＼ヽ　川〉ﾚ'＞/ ﾉ
〈´／／´|　｀'tt_ｩ‐=､i |::　:::,.-‐'''ﾉﾍ|
. r´｀ヽ　/　　｀"""｀j/　| |ゞ'"ﾌ/i/
. |〈:ヽ, Y　　　　　　::::: ,. ┴:〉:　 |/　　　　何、この菊池武房が証人として文書を提出してやろう
. ＼ヾ( l　　　　　　　　ヾ::::ﾉ　　|、
　j .>,、l　　　　　　_,-ニ-ﾆ､,　 |)）
　! >ﾆ<:|　　　　　　､;;;;;;;;;;;;;,.　/|
　|　 |　 !､　　　　　　　　　　.| |
ヽ|　 |　　ヽ＼　　　_,..:::::::.　/ .|
..|.|　 |　　　　:::::ヽ<::::::::::::::::>゛　|＿
..| |　 |　　　　＿;;;;;;;_￣￣　　　|
:.ヽ‐'''!-‐''"´:::::::::::::::::￣￣｀~''‐-､
864： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:13:41 ID:haPO5OuM0: 　　∠ -‐ｧ　　　　　　 ,､'´　　,.､-'' "　　　　　　　　　　　＼
　　　／　　　　　　,､'´ ,.､-''´　　　ｆi fｉ　ﾄ､　　　　　　ヾ､ヽ
.　γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ.ﾝ　　　　　　 l｀ヾ
　｜　　この菊池が恩賞の証人　　　　 |　/＼ヽ　 .ﾄ､　|
〃乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ〈==､ lヾ　 | ヽ|
.　　 |　,､'´,､'´　　　　　　 | _|f=-､.＼　ｕ !|/ヾ.､　〉|　|ヽ|
.　　 ,!'´,､'´　　　　　　 r( ﾘ　　＼!i　　〈ｏ　.ノﾉ|　|
,､-'´,､r′　　＿　　　 N ヾ､　o　　》　　ヾ￣　　|　|
,､-'´　|　　　（ r‐ヽ、　 |　|j~ ゝ==シ　 |j.　　＼.|j~|　|
　　　 |　　　　ヽヽr‐ゝ　|　　〃"　 |ju　 U　ｕ　＼|　'､
　　　 |　　　　　ヽヽ⌒l .|　　u　＿__　　 r'　__ ｕ＿)　ヽ、　 ,､-'´
.　　　|　　　　　　ヽゝ-l |　|j　i´　＿｀ ''ー----‐ｧ/　　,.､ゝ''´,､-'´
　　　|　　　　　　　ゝ-リ　　　l￣　　￣￣二ニ7.ﾑ-''´ ,.､-'ヾ
　　 ,'　　　　　　　　　|＼ |j　{　　γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
.　 / /　　　　　　　 |::::::＼ ,,ゝ-'｜多少軍功が小さくとも評価せざるを得まい　|
　/〃　　　　　　　　 |,.､-''´,.､-t'' 乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
〃/　　　　 _,.､-‐'' " ,.､-''´::::::＼ゝ- '´ r=＝ l　ヽ､　　|j ＝'"´
. /　,.､-‐'' "　　 ,.､-''´ヽ、　　::::::::｀'-､..　ｕ |j |　　ヾ　　　　　ｕ
/''´　　　 ,､-''´　　　　　＼　　　::::::::::::｀''..r-'′　　＼　U

　　∠　　　　　　　　　　　ヽ
　　／　　　./|,　　　　　　　｜
　/／　､/|/:::::ヽ|ﾊ>　　　　 .|　　　　……遠まわしに死ね、と？
　/　 /X＼:::ij:::／Ｘ｣､　　　.|
　|/l/l .~"'｡'､ij｀''｡"~,　||~ヽ　|
　　　 l｀) r-/u.｀=u´　|| 　|　ヽ、
.　　　 l ｀´/　_┐ ij　 .||_ノ　＿ヽ、
.　　　/ｌ iェｪｪェｺｺ　 /ｌ　　 .ｌヽ　￣""''''―--
-－"゛~'､ｌｪｪｪｪｪｪﾉ／ｌ　　 .!　ヽ￣""''''―--
.-‐''"゛゛/ヽ　≡ ／　 .ｌ,　　,'　　ヽ
　　　 /l　/ ヽ／　　　 .ｌ　/　　　　ヽ
　　　/ l /　　|　　　　 .l/|　　　　／ヽ
865： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:14:21 ID:haPO5OuM0: 　|　三＿二　/　ﾄ⊥-（(｀⌒)､_i　 |　|
　〉─_,.　-‐='＼ '‐＜'´＼/´､ｦ _/､ |
　|,.ノ_, '´,.-ﾆ三-_＼ヽ　川〉ﾚ'＞/ ﾉ
〈´／／´|　｀'tt_ｩ‐=､i |::　:::,.-‐'''ﾉﾍ|
. r´｀ヽ　/　　｀"""｀j/　| |ゞ'"ﾌ/i/　　　死ぬかどうかは時の運よ
. |〈:ヽ, Y　　　　　　::::: ,. ┴:〉:　 |/
. ＼ヾ( l　　　　　　　　ヾ::::ﾉ　　|、　　　　死ぬ気でいっても死なないこともある
　j .>,、l　　　　　　_,-ニ-ﾆ､,　 |)）
　! >ﾆ<:|　　　　　　､;;;;;;;;;;;;;,.　/|
　|　 |　 !､　　　　　　　　　　.| |
ヽ|　 |　　ヽ＼　　　_,..:::::::.　/ .|
..|.|　 |　　　　:::::ヽ<::::::::::::::::>゛　|＿
..| |　 |　　　　＿;;;;;;;_￣￣　　　|
:.ヽ‐'''!-‐''"´:::::::::::::::::￣￣｀~''‐-､

　　　　　　　　　　　　　　　　____
　　　　　-=ﾆ"`'　,　　　,　' "　 ,," '
　　　　　______＼　` , , '　　　　'-ｰ￣二=-
　　∠二__　　~`　　　　　　　　　　　""'ｰ､
　　　, - ~　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　, '　 , ,　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　 / ／, '　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`,
　 i/　/　　　　　　　 /|　　　　　　　　　　　'i
　　　,'　,　　 /:i　/:i　|:::|　|',　　　　　　　　　 |
　　　i /i　/' /::::| |::::i |::uヽi::`,`ヽ　　　　　　　|　　　ですがね、死ぬかもしれないし
　　　i/ i/ i /ｰ-ﾋ--`|u|--ｴ--ｰ＼　 ___　　　|
　　　　 i　i/|二ﾆ=ﾆ~　二=ﾆニﾆ,:::| |─i`.　　＼　　　　何より相手は３万近い大軍――
　　　　　　 .,|ヽ＿ﾟ_./:::::"ヽ_ﾟ＿, ｲ/:|.|─| |　|`┬ｰ-
　　　　　　/ |　==:/:::u:::　 u　~／':::|.|ﾆﾉﾉ　|　 |ｰ--
　__;;-ｰ''"~~.λu:/:::::::_::i　　／'::::u::|.|ｰ'　 /　　γ´￣￣￣￣￣￣￣￣γ
　__;;-ｰ''"~'/| .| (_,-　　u　　　::u:::::/|　　　||　　 l　　　　　この…… 　　　 l
　　　　　　|　!i .|　<__　__-ｰ''ｰ:-:::/::|　　　|.|　　ヽ、＿＿＿＿＿＿＿＿,/
　　　　　 .|　　| .|x--二__＿__:::::/:::::|　　./ .|　　 .|
　　　　　 |　　 |/~ﾆ二＼＼　'i/:::::　|　　|　 |　　 .|
　　　　　.|　 ,r┴'---,￣＼',　 |::u　|　　|.　 |　　　|
　　　　　|　<／￣￣＼こつ　　i　 /　 .,|　 .|　　　 |
　　　　　!-ｰC'￣￣`こつ　　　 | / /!/,／＼　　 .|
　　　　　　　 |￣￣ヽ、　　　　　 | / /| -　　　 `　, |
866： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:14:54 ID:haPO5OuM0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ | |
　　　　　　　　　　　ミ￣｀ヽ､,,ﾉ'''ノ'''/ ,/ﾉニ＝'
　　　　　　　　.＿ミ'　　　　| ﾄ､､　,,ノ ,//,,ノ,ﾆ''_ノj_,,　　
　　　　　　　ﾐ : : : : 　　　　|〉｀l ）|/,,/ /　/三／彡'　　　＿　　　　この菊池武房が行けと言っているのだ
　　　　　　　ミ::::::∠＿ミ--ﾉ　,,_,,彡_,ｲ_ノ￣ミ､ T　_,,ｨY彳⌒　
　　　　　　　｀l､_ト-‐''⌒三く {::::::::<三/ﾊＶミ＿ Lｲﾉ／　　　　　　ならば黙っていくのが菊池庶流家の義務という物
　　　　　　＿ノ / rj ｎ ,,;ｴ !:::::::::::: ヾ´ ﾉハ　　ﾉ::∠　　＿
　　　　　　＜二_ﾉ/ ﾄ'j 彡 l:::::::::::::::　　r'|,,ｲヽ:::::-､ﾞi /.......ﾞl
　　　　　　　ヽ--'ノト|ニ-､::::::::::::::::　 j　　Vﾄ､:::::::|,/ ::::::: ﾉ
　　　　　　　　ﾞﾗ＿ﾉ.|/ / ,､＼::::::::::　/:::＼,,-┴‐'_ハ＿_/
　　　　　　　　　　　 { 「　 V┴ﾍ:::::::::/:::::／＿,-//､＿_,,ト､_
　　　　　　　　　　　　Vヽ:　｀ヽ└,､'::::／r∠　く .{::::::::::: |┐.ﾞl
　　　　　　　　　　　　ゝ､＿__.}_,-ﾉ_:::|_/ノ　ヽ　＼ﾞー-ｲ,,l_　|｀ヽ
　　　　　　　　　 ,-─ｪ| {::::::,,-l／::::|::∠､: : :: ﾉ--､　　 /　　.ﾊ:::::|
　　　　　　　　／::／ハヽ__//:::::::::／: : ::}__,ｨ'､＿ﾉ　　/./｀V　.|::::|
　　　　　　_∠_／:::::::::::::,フｲ /　l´: : ::／|　|　|::::ヽ　 {_ﾞ=ノ／|:::}､
　　　　_∠　　|／::::::::／/　 |　　｀ーｲハ.l-ﾄ､ハ::::|／／ ,,ｲ |_|:/ﾉ
　　／　　　　|::::::::::/ /::::::,⊥＿__　|　ﾊヽヽ|:::::rﾆ､イ／:::| l　|Y
　 /　　 ,,-‐'':::｀ーｲ /_,,／/:::　　　ヽV::::::ﾊヽ＼{__ﾉ‐'´::::::::,ト|_j´
　j::::::::/::::::::::::::::::://|:::::::::::ﾉナ-､＿＿}::::::::::|.|:::::::::::￣￣￣|,L/
/　　/::::::::::::::::／: 〈〈::::::∠__}＿＿}:::::::∧:::::::||:::::::::::::::::::三」ﾞｰ'
ヽー'--､＿／|::::::::|.|:| {＿__}＿＿_::::::|＿:::::::||::::::::::::三＞ﾉ´
　　　　　　　 {三三|||:::::::::::}:::::::::::::::::::|　ﾄ::::::ヾ､三三ﾉ　|
867： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:15:35 ID:haPO5OuM0: 　　　　　　　 /　／|　　　　　　　　/| 　 |ヽ　　　　ヽ,ヽ,　　 |
.　　／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼
　　|　　　　それともこの場で私直々に殺してやろうか　　　　 |
.　　＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
.　　　　　　　　 | / ﾚ　　ﾄ､＿｡_)　 (　　　　　 ,､　| |⌒i　　iヽ,＼
､_　　　　　　　ﾚ　　　 /| ￣／.|j~　`.=°＝´ 　 | |つ.|　　ゝ.＼.＼
､_｀'-､_　　　　　　　　　/ .レ´　　　 u　u _ ,､-'´　 .| |ノ/　　　ヽ　＼＼
　｀' -､,｀' -､／｀7―-/ r'__　　　__ `　￣　　　 |j~　||ノ.　　　　＼　＼＼
　　　　｀'ｧ､＼/―- ､＿_| f＝======＝ニ`i　　 /| 　　　 |＼　＼　＼ .＼
　　　　 /　＼＼　　　 | |　　　　　　　　　 }　 / |　　　　 | /￣ "'' ‐-＼ .＼
　　　　i.　　 / ＼.＼　　 / ||- ―‐-r――‐-/ ／　ﾚ　　　　Ｎ￣ "'' ―‐ --＼
.　　　 |　　 /　　＼.＼〃! |` ――' -／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼
　　　 |　　　　　　　＼.＼| .|　u＝=　|　　　戦の前に怖気づく者は菊池にはいらん……　　　 |
　　　 |　　　　　　　＼＼l_ ,.､- ' ´＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
　　　 |　　　　　　　 | |＼＼　　　　 |j～　 / |　ﾚ　　　|
　　　 |　　　　　　　　　| ﾚ　|＼＼　　　　　　　/　| 　 |　　　|
　　　 |.　　　　　　　　 |　|　|　＼＼　　ｕ　　/　 |　　 |　　　|

　　　＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　‐''´ ／　　　　　　　 ,､　　　　　　　　　　　.',
　　〃　　　　 /|　/　ｌ　 |ヽ、　　　　　　　 |
　.,'　,ｨ　　　　　ﾑｆ /　　ｌ　.L 」　,､　　　　　　|
　|／/　　　_,,､ｖ‐'l/　ij　 ', ┌-､　_　　　　　｜
　.　,' ／| ./__,,r－､　u u　ヽ|､-ヽ| ヽ　　　　 |
　　|/　 |/ｌ(_　　　ヾ、　〃　　　｀)| |-‐ ､　 |
　.　　　　ｌ.(´　　　O )　;; ､ O　　　)| |ﾆヽヽ｜　　　　い、行ってきます！
　　　　　　l..ヽ、 r-／..::　ι┐ rｌ'´ |.| -､| ..ｌ　l
　　　　　　.l;;;;..｀／..:::::::::　u　し'/　 .l.|__,ノ /　 l、　　　　今すぐ追撃します！
　　　　　　l　 (__:::::::::::u::｀)　／_　　||-- '′　　ヽ、
　　　　　　　l ｒ‐---‐-－-～'´__｀ｌ　|　　　ｌヽ、　　ヽ、
　　　　　　　l.ｌ￣￣￣￣￣￣　（　|　　　ｌ　ヽ､＿ヽ
　　　　　　 lｌ二二二∠二二二ﾉ.ﾉ　　　|　　　　ｌ　￣
　　　　　　　 _ヽ　　,,,,,,,,,,,,,,,u　　.／ |　　　ｌ　　　　ｌ
　　　　 ,､-''´　,ヽ ij　;;;;;;;;,,　　／;;　 |　　 ,'|　　　　 .ｌ
　_,､‐''´　　　 /　ヽ　u　　／;;;;;;　　ｌ　　/ |　　　　　ｌ
　　　　　　　/　　　ヽ、／;;;;;　　　ﾘ　 /　|　　　　　.l
　　　　　　./　　　　　｀lヽ''''　　　　ｌ　/ 　.|　　　　　 l
　　　　　 /　　　　　　 l .ヽ　　　　 .ｌ /　　 |　　　　　 .ｌ
868： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:16:17 ID:haPO5OuM0: 　|　三＿二　/　ﾄ⊥-（(｀⌒)､_i　 |　|
　〉─_,.　-‐='＼ '‐＜'´＼/´､ｦ _/､ |
　|,.ノ_, '´,.-ﾆ三-_＼ヽ　川〉ﾚ'＞/ ﾉ
〈´／／´|　｀'t-t_ｩ=､i |::　:::,.-‐'''ﾉﾍ|　　　わかればいい。さっさと行って来い
. r´｀ヽ　/　　｀"""｀j/　| |くゞ'ﾌ/i/
. |〈:ヽ, Y　　　　　　::::: ,. ┴:〉:　 |/
. ＼ヾ( l　　　　　　　　ヾ::::ﾉ　　|、
　j .>,、l　　　　　　_,-ニ-ﾆ､,　 |)）
　! >ﾆ<:|　　　　　　､;;;;;;;;;;;;;,.　/|　　　　　　　＿__,. -､
　|　 |　 !､　　　　　　　　　　.| |　　　　　　（ヽ-ゝ _i,.＞-t--､
ヽ|　 |　　ヽ＼　　　_,..:::::::.　/ .|　　　　　　　｀''''フく　＿,. -ゝ┴-r-､
..|.|　 |　　　　:::::ヽ<::::::::::::::::>゛　|＿　　　＿,.-''"´ ／￣,.／´　ゝ＿'ヲ
..| |　 |　　　　＿;;;;;;;_￣￣　　　|　￣￣　/　_,. く　／　ゝ_／￣|
:.ヽ‐'''!-‐''"´:::::::::::::::::￣￣｀~''‐-､_　　　 /　にﾆ'／,.､-t‐┴―'''''ヽ
　＼＿:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　/　　/　　.（_ヽ -'__,.⊥--t-⊥,,_
＼　　　￣＼―-- ､ _::::::::::::::::::::＿＿::/　 /　　／　￣　　）　　ﾉ__'-ﾉ
　　＼　　　＼::::::::::::::｀''‐--‐''´::::::::::/　 /　／　／￣ rt‐ﾗ'￣￣ヽヽ
ヽ　　ヽ＼　　＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/　　　　　 /　　　ゝﾆ--‐､‐　　　|
　l 　　ヽヽ　　　＼:::::::::::::::::::::::::::::::/ 　　　　　　　　　　/‐＜_　　ヽ　　|ヽ

.　　　　 | llllllllllllllllllllllllllllllj　　丿lllllllllllllllll＿lllllllllllll
　　　　　　| :;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;（　 (;;;;;;;;;;;;;;;;::::/／v::;;;;;:::
　　　　　 | ;:::::::::::::::::::::::::::::::）　）:::::::::::::／:::::::::::::::::::
　　　　 | ,:::::::::::::::::::::_;:::::::::ゝ　）::::::／:::::::::::::::::::::::::
.　　　　　 | ,::::::::U:::::::::::::）:::::　)　）／　U　::::::::::::::::::::
.　　　　 | ,::::::::::::::::／::　　　（.／)　　　　　::::::::::::::::　　　チクショウ……っ
..　　　　　| ,::::v:::::::／l 　　／（　j　　　　　 ::::::::::::::::
　　　　　 | ,::::::::／ .丿　／ヽ　∪　 ,ﾍ　　　:::::::::::::::　　　　チクショウ……っ
　　　　 | ::::／　　￣￣　　　＼_／　 |　　 :::::::::::::::::
　　　　し'´　　　　　　　　　　｀´.　　 |　 :::::::::::::::::::::　　　　　やってやるよ……っ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∪　　 | ::::U::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::::::::::::/　　　　　やってやる……っ！
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::::::::u::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::::::::::::::::/
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿ノ
869： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:17:10 ID:haPO5OuM0: ＼人_人,_从人_人_人,_从,人／　　　三三三三
三）　　　畜生ォォォッ！　　（　三三三三三三
／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ﾍ　三三三三三三
三三三三三三　〔|ミlｍ|_＿＿,Θ三三三三三
三三三三./ ,)-＿＿二二-―－´ｌミミミミミミ彡　　　　……脅しにしてもやりすぎじゃぁねぇか？
三三三　/,,/￣￣￣) .､テ‐,-　　ヽミ/~ヽミミ彡
三三三 /,,,/　(,,ヽ／　i ~``　ヽﾐ　　ｌＳｌ |ミミﾐ彡　　　　　あれじゃ追いつけなくても引き時間違えて敵陣に突っ込んじまうぞ
三三／＾ヽヽノ　lヽ) _　`　　　|　　　_／彡ミ彡
三　/　＼ｿ.　　/　｝‐- 、　　　　　ｌヽ彡ミミ
三 l､＼ )（　　ノ　ﾉ⌒　　　　　／ |　ヽミミ　＼
三 l＼ソ、　 _/　　ヽ＿＿　　_ ／　　|　　　/三三＼
三＼　_／i |‐、三三三三＼　　　/　／三三三
三三ｌﾐ　　／　(三三三三三. ) ∩　／三三三
三∠|ﾐ／　／ .|三三三三ｌ￣￣ｌ l￣三三三

　'´　　＿,. -‐'^ヽ　　i　ヽ┐
　＼　l　　　ｒ'^ヽ＼ﾉ　/　l＿
　＼ _/　　,.-､/　ﾍ､　/／　　l
　,三.l　　 i-‐‐,!　,!ﾐｒ‐v‐<＾ｉハ
　ｰｧ'　　/__.二／-弋､ ,ﾊ¨ｉ l　l
　＜＿ノ｀ﾞﾆ_‐-x　　)｀ヾV　!　/
　'´／i _ヽ.＼でｱミ､.､ﾉ _,.ｫ'"ノ
　ト-'i"　　ｌ　｀￣ /-‐ｷｲｦ'´!　　　あの手の男は追いつめられんと何もしない
　　　ﾐ　 ,'　　　 '､　　ｌ ∨
　　　　　　　　　　＼'´_ブ　　　　　誰かが背中を叩いてやらねば中途半端な追撃をして無駄に死ぬことになるわ
　ﾊ.　　　ｉ. r'　　　,. _｀',.l
　　i. 　　 ',　弋ﾆ´-‐‐〈!l
　.　i　　　　　｀¨´￣ニ!
　　ヽ、　　ヽ　｀¨"´Ｔ^!
　ﾉ　　　丶､　'､_,,.. 二ノ
　─----...,,､_｀´: :＞''´
　:::::::::::::::::::::::::::｀ヽ､!
　ト､::::::::::::::::::::::::::::::|、
870： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:17:55 ID:haPO5OuM0: 　　　　　　　　| /　　　　　ヽ　　　／　　　　／　l　＼
　　　　　　　 ,ｲ　　 l　　ヽ　l　　／　　　／　　／　　 /
　　　　　　 / |　　　!,､　　 l　l /　　　　／　　　　　ノ　ﾚ‐i
　　　　　 /　 |　　/　　｀'-　　l|　　　 /_,.‐ヽ　　／　　　 |
　　　　　/　　|　/　　/ヽ／'''''‐､　　 |´　　ヽ_／／ヽ　　〉
　　　　　|　　　　|　　|ﾐ./　　＿｀!　ﾚ　　　　l　　　_ ﾐ l　/
　　　　　_,.-‐ヽ　|　 /-l　　/_ﾐヽ,|　__,.-､　　レ-‐´ |　l く
　　　　 ´￣＼｀''´　/三l　 |　r''''''-'''ヽ! |　　/三彡-ク　　）
　　　　　　ヽ　L＿/'/￣ヽ l―＼:::::ノ-/　/―フi'´/　　／　　　今から全力で追いかければ逃げ遅れた兵の１人や２人は討ち取れよう
　　　　　　　|　r‐､　ト､,_　|/ ヽ'i ｀´l /　/　／／'|　l／
　　　　　　　ヽ| r-| ﾉ､_ ､＼､ﾉﾚi l, / /_／＿,,.　|　l,
　　　　　　　 .lヽ川　ヽ弋;ｯ､｀ヽ! l:| l_,.ィ;;ﾌノ　人　|　　　　庶流家の面目を保ってやるのも惣領家の勤めよ
　　　　　　　　|. | |り､　｀"´￣ヽ!　|ヽ!￣｀´　　 | /ヽ|
　　　　　　　　|　y-| l,　　　　　　l　|　 l　　　　　|ﾉﾉﾉ
　　　　　　　 .|　,i､し!　　.　　　　l　.|　/.　　　　 | r'´
　　　　　　　 | 　| ｀´!　　　　　ヽ!___ﾚ　　　　　 .!.|
　　　　　　_,.-''i'´l　　l　　　､＿,.-ﾆ-､_,.-　　　/ .|ヽ-------､_
　　　　／／　|　ヽ　ヽ　　　 r｀'''''"´,.　　　/　ﾉ| ｀''―――-､ヽ
　　　 / /　　　|　　＼　＼　　｀"T"´ 　　/　／ |--､_　　　　　＼ヽ
　　 / /　　　 /　　　　＼　＼　　　　　／／　　 |　　＼　　　　　 l.L
　／/　　　 /　　　　　　｀''‐ヽ､,,,,,,,,,,ノ‐'´　　　　l　　　　ヽ　　　　ヽ＼_
871： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:18:26 ID:haPO5OuM0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 rく　　　　　∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ノ　　　　　　　 {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ヽ　　　　　　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　（ｆ　ｰ----rく__,ノ／＼　　　　　 ∧
.　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　ヽ＼　　〉〉　　　　　∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　＼＼／　　　　　　　∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　､≧x 　　＼＼　　　_,ィｆ/ﾉ/彡
　　　　　　　　　　　　　　　 _,ノ V{::::｀’＜.__rｧく__ノ{〈巛{（（彡'
　　　　　　　　　　　　　　　｢､　ﾞヽｔﾘ｀ヽー八{し'三彡'}}ｊﾘｊﾘ彡'　　　そんなにうまくいくもんなのか？
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ_）　,ノ　ヽ--　ヾﾐミ三ミﾐ川ﾘｆ｢川ﾚ
　　　　　　　　　　　　　　　　〈　　　　　}　　　ﾐミミ'´￣ヽ川川川{　　　　……俺は先に博多に戻るぜ。追撃用の船を確保してきておいてやるよ
　　　　　　　　　　　　　　　r‐､_）　　　 /　　　ﾐﾐソ_ﾉｊ丁 }川ﾘｿｊﾘﾊ
　　　　　　　　　　人__　　　／　　　　（oー‐'_／彡'ﾘﾊ{ﾄﾐﾐ
　　　　　　　　　　　 {　　　　　　　 /￣￣＼￣}ﾆ彡ｸﾉｊ川ﾄﾆ
.　　　　　　　　　　　　　　｀二ニ=─--- /　/￣ヽ　∨彡彡'ﾊ{川,ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　 |──‐,'　/─‐┴ ┴──=ﾆ三
　　　　　　　　　　　　　　＿|＿_, ‐ｉ　{‐､
　　　　　　　　　　　　　　 /　＿＿_ヽヽ_） }
　　　　　　　　　　　 ,　──|　|‐ ､.{　ｉ_ｊ／／
.　　／,二二／￣（　(￣￣ヽ_)　八＿／__
....　（／ ___}__{＿{丁ヽ厂}＿／／￣　　　　￣¨¨　＝…─‐-
　　/ /´┬r ┬‐く＿,ノ　}‐一'
...　{ ｛.＿ｊ│ ‘ｰ──一'
872： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:18:55 ID:haPO5OuM0: 　┏━━━━━────
　　竹崎季長の追撃行は迅速であった
　　　　　　　　　　 ────━━━━━┛

　　　＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　‐''´ ／　　　　　　　 ,､　　　　　　　　　　　.',
　　〃　　　　 /|　/　ｌ　 |ヽ、　　　　　　　 |
　.,'　,ｨ　　　　　ﾑｆ /　　ｌ　.L 」　,､　　　　　　|
　|／/　　　_,,､ｖ‐'l/　ij　 ', ┌-､　_　　　　　｜
　.　,' ／| ./__,,r－､　u u　ヽ|､-ヽ| ヽ　　　　 |
　　|/　 |/ｌ(_　　　ヾ、　〃　　　｀)| |-‐ ､　 |　　　　急げぇ！
　.　　　　ｌ.(´　　　O )　;; ､ O　　　)| |ﾆヽヽ｜
　　　　　　l..ヽ、 r-／..::　ι┐ rｌ'´ |.| -､| ..ｌ　l　　　　　敵軍に追いつけぇ！
　　　　　　.l;;;;..｀／..:::::::::　u　し'/　 .l.|__,ノ /　 l、
　　　　　　l　 (__:::::::::::u::｀)　／_　　||-- '′　　ヽ、
　　　　　　　l ｒ‐---‐-－-～'´__｀ｌ　|　　　ｌヽ、　　ヽ、
　　　　　　　l.ｌ￣￣￣￣￣￣　（　|　　　ｌ　ヽ､＿ヽ
　　　　　　 lｌ二二二∠二二二ﾉ.ﾉ　　　|　　　　ｌ　￣
　　　　　　　 _ヽ　　,,,,,,,,,,,,,,,u　　.／ |　　　ｌ　　　　ｌ
　　　　 ,､-''´　,ヽ ij　;;;;;;;;,,　　／;;　 |　　 ,'|　　　　 .ｌ
　_,､‐''´　　　 /　ヽ　u　　／;;;;;;　　ｌ　　/ |　　　　　ｌ
　　　　　　　/　　　ヽ、／;;;;;　　　ﾘ　 /　|　　　　　.l
　　　　　　./　　　　　｀lヽ''''　　　　ｌ　/ 　.|　　　　　 l
　　　　　 /　　　　　　 l .ヽ　　　　 .ｌ /　　 |　　　　　 .ｌ

どんだけ早かったかといえば……

　　 r───────-､
.　　ヽ,.ヘ､__,.　'⌒,ゝ　　 l
.　ヾ`く　　　　　／.／ヽ.　 |
　　/＼_]|　 |｢_ ∠＿ _｣　│　　　竹崎殿、いくらなんでも急ぎ過ぎだ！
　｢::＝=｡lﾆﾆ｢:==｡＝::|r=､ |
　ヽ::::￣:ｌ　　l::::￣:::::ﾉ||＾!| |　　　後続を待って追撃を……っ！
　　ｌ￣ L___.」￣￣　 ||ン│
　　 !　⊂ﾆﾆニ⊃　 .∧.　ﾄ､
　　 !　　 --　　　 /　ヽ　!:::＼
　 __,∧＿＿＿＿./　　　>|:::::::::`ｰ
　::::::::::::| ＼　　　　　／　l:::::::::::::::
　:::::::::::::l.　＼　　.／　　 l:::::::::::::::
　::::::::::::::ｌ　　　ﾝく　　　　l:::::::::::::::

御家人白石通泰
873： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:19:45 ID:haPO5OuM0: 　　　　　　　　　　＿_-- ､,. -‐;ｚ.__
　　　　　　　　　　｀＞　`　　　 ′ ＜
　　　　　　　　　 ∠..　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　 ∠,.　　, ./`ﾍ. i.　、　　 l
　　　　　　　 /　 ,ｨ_l/ u　ヽｌ＞,ゝ、　:|　　　うるせぇ！
　　　　　　　　　　ｲｨ.‐-ﾆjl　 l'∠-‐; |ｎ　|
　.　　　　　　　　 j ｆl|`uﾟ‐/ vﾞゝﾟ～'u|ｆﾘ　|　　　　今この瞬間、武功ってのは走ることなんだよ！
　　　　　　　　　 / ｌj| v /　_ ､　U v lﾚ'　ゝ
　　　　　　　　　 /　.ハにﾆニ二｝ ,ｲ　ﾊ.､_＼
　　　　　　　 _∠イ　|0ヽ.　ー u／│　l　ヽ｀T!'ｰ- ､._
　　　　, -‐'''´ ||　/　│ |::＼.／ O .|.　j　　＼||　　　　｀ゝ、
　　　ハ　　　 |ﾚ'　　 lﾙ':::::　u 　 ,.ｲﾙi　　／ｏ >　　　　/　 i
　　　/　l　　 ∠ｏ_ｏ_/c| `::ｰ-‐0´:::::lyﾄ､<ｏ ,.ｲ!　　　　,'　　 l
　　　〉　 |　　　 ||.　〈ヽ| :::::::::::::::::::::::l0|　` ´ .||　　　　i 　　 l
　.　/　　 l＿_ｏ_.||＿_,∨:::::::::::::::::::::::::|. L＿__｣|_ｏ＿__」　　　/|
　　ﾊ.　　 |T¨｢￣|.￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ |￣｢￣｢|　　./　|
　　! ヽ.　 | |　|　 |　　, ‐┐　　　, ──‐ ､　 |　 |　│|　　　ﾊ
　∧ 　　 | L⊥._|　　┐│　　 l　┌┐　| 　 L.⊥._｣　|　　 /　l

一緒に追撃していた御家人から後続を待つように諭されるくらいぶっちぎりの速度で走っていた

　┏━━━━━────
　　一度撤退して再編中の敵部隊に対してほぼ単独突撃

　　普通であれば狂気の沙汰であったが、そのやけっぱちが功を奏した
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ────━━━━━┛

　　　　　　　　 ,. ‐'"´￣￣￣￣￣｀`''‐ ､
　　　　　　　　　／ _　　　　　　　　　　 _ ＼
　　　　　　　　/ ／　｀`‐ 、　　　　　 , ‐'"´　＼.ヽ
.　　　　　 / /　　　　　　` ‐---‐''´　　　　ﾞi ﾞi
.　　　　　　 i　!　v　　##　　　　　　　＿　　　 !. !
　　　　　 i　!　　 '"´#~｀`''‐----‐''"´　　　　　 ! l
.　　　　　 l　!　　　　　 u　　　　　　　　U　　　　　 l│　　　　クソッ！　クソッ！
.　　　　 |.│　'´￣`ヽ､_,ノﾉ　　(( ヽ､＿／￣` 　 |│
　　　　　/ﾞヽヽ　　　＿_　　　　　　　＿_　　u　 .//~ヽ　　　　原隊からはぐれちまった……
　 _,,. -‐i| i´ﾞ| |　　 ( ＿_ ｡　　　　　　｡＿_ )　　 .| |~`i.!‐- ､.._
　　　　 |.| l~ﾞ|.|　　　　　　/　u　　　　ヽ　　　　 .|.|｀,i.ｌi
.　　　 │ヽ:_;||　　　 u　）l　　　　　U 　l l　 vu　　 ||_,ノ |
　_,,. -‐|　　　|.　 ‐--‐" |　　　v　　　 l ヽ､.＿,ノ　|　　 |‐- ､._
　　　　|　　　 !　r'二ニヽヽ､.＿＿＿ノ-‐'ﾆ二.ヽ　!　　 .!
.　　　│ 　　 !（（　+　+　+　+　+　+　+　+　+　））l.　　　|
　　　 .!　　　ｉ.ヽ､.二ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ二ン./　　　│
　　　 |.　　　　ｉヽ、　u　 ~ ､＿＿＿,,　 U　　　ノi　　　 |
.　　　|　　　　 !　 i`‐ ､..＿＿＿＿＿＿__,,. ‐'´ ,!　　　 .|
　　 .!　　　　 !.　 l、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/　 !　　　　 .!
　　 |　　　　　　i. 　 l、　　　　　　　　 / 　 i　　　　　 .|
.　　 |　　　 ,. ‐'´＼　.!`‐ ､..＿＿＿,. ‐'´/　／｀ ‐､　　　 |

なんと撤退中の部隊の最後尾に追いつくことが出来たのだ
874： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:20:30 ID:haPO5OuM0: 　　　　　　　　　　　　　　 ┏━━━━━━────
　　　　　　　　　　　　　　　　竹崎季長、文永の役における絶頂期である
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　────━━━━━┛

　　|l　　ヽ＼|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＝~_
　　ヽ＼____>　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ~＞
　___,,,ﾆ＝=　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜
　　~二;;;;.=-　　　　　　 /|ｌ.ｌ.| llヾヽ　　　　　　　　　　-=ﾆ,
　　　　　~二ﾆ　　　　 /l;;;;;;||;;l;;;;;;ヽ;＼ヽ　　　　　　　　　　~~'''''Ｚ､
　　　_,,,ニ-=　　　　　/ﾉ;;;;;;;|;;;;l;;;;; ××_ヽ |⌒ ヽ　　　　　　　　_､
　　　　　／／/　　 ./＼＼ ;;;;;u／.×''~ 　 | |⌒ｌ .|　　　　　　_,､‐~　　　まだ神仏は俺を見捨てちゃいねぇ！
　　　　/／/// |∥/ ~ ｡ヾ||:.:.:.||／｡　　,ノ　| |⌒| |　　　　ヽ
　　　　　　 //| | |/|ヽ,_,.､／::'''彡ｰu <~u　　|.|ﾆﾉ/　　　　|ヾ＼
　　　　　　/　　　　 |u／　u　u　　｀'　u　　 ||ｰ ′　　　.ｌ
　　　　　./　　　　　／　_丶u　　u　__,,О 　 /| .|　　　　　　ヽ、
　　　　 /　　　　　｀ｌ､,,__,,.､､-;;;二-‐｀l　./　　 l　　　　　　　ヽ、
　　　 /　　　　　＼　 l l''‐-‐'''~　　　 ___| /;;　　u｜
　　　/　　　　　　　＼ヽ|-‐'''┬;;ﾆﾆ゜-‐ /;;０　　　l|ヽ、
　　./　　　　　　　　　＼ヽ￣Ｏ,,,,,,,;;;u　/;;;;;　　u　　u　|ヽ、ーｰ／　,,_　'''''''''　　　 |　|
　 /　　　　　　　　　　　Ｏヽ u　'''''''　/;;;;; u　　　　　　/　　　　（／　,,_　''''''''　　　 | ｜
./　　　　　　　_,,,､､-‐‐-､､,/＼　u　/ヽ、　　　u　u　/　　　　　（ _／　　''''''　　　｜｜
/　　　　　　／　　　　　　　 ~'''‐､､_/　　ヽ、Ｕ　　　ノ　　　　　　　''-＝=ヽ_____,,,,､-ﾉ　|

尚……

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.. -───‐-　､
　　　　　　　　　　　　　　／　　　　, ', -─‐- ､.._　　_,.-.＼
　　　　　　|二l二　　　　/　　　　ｉ l　　‐#- ､ﾞヽ.￣　　 ,r`ゝ-
-─- ､　　|二|二　ﾊﾞ　（　　　　 | L_ u v　　＼`ｰ-‐''／　ヽ
　＿,ノ　　ハヽヽ亅　　　ヽ　　　 | r‐､}　ヽ￣｀ヽヽ,,　,/／´7;|
　　　　　 ┌┴─　　　　　＞　　 | |ﾄ､|l　u ` ｰﾟｲ　u　vl.ﾟｰ'　 |　　　たった一人で何ができるってんだ！
　ｏ　　　　| 土土l　ｶ　　／　　　　| ヽ_|! u'＿,ﾉ {　　u'　 }じ v |
　　　　　ﾉ上匕　　（　　　　／|　 /! r'',ニﾆ=`＝=＝'=ニヽ!
　ｏ　　　　　ｌ　　　　　　＼__／　 |. / :| | |ｰ'ｰ'ｰ'ｰ'ｰ'ｰ'ｰ'ｰ' ｌ∥
　　　　　ﾆ|二　　　　　　 ,ゝ　　 |/　 :| ｌ lｰiｰiｰiｰiｰiｰiｰｉ‐rl ||
　ｏ　　　　ヽ＿ﾉ　　　／ |　　 iヽ.　ヽヽニニニニニニﾆﾝﾉ
　　　　　　　　　　 / 　 !　　 |　ヽ　　 ` ｰ-- ﾆ二二~-‐'＼
　ｏ　　　　　 |　　　　ヽ　 |　　　|　　ﾞi　　　　 ::::::::::::／　:|＼.　＼
　　　　　　 |　　　　　＼| 　　 !　　 !　　　　　／/　　 | 　＼
　r:､　　　　　 /　　　　　　＞　／＼　 !ヽ..＿＿,/／＼　　|
　|/　　　　 /-､　　　　／! ／　　 oヽ |::::::::::::::/ __　　＼. |
　o　　　　 /　　し'　　（　 "　　　　　　 |:::::::::::/　　　　　　`

追撃そのものには失敗した模様
875： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:21:05 ID:haPO5OuM0: 　　 r───────-､
.　　ヽ,.ヘ､__,.　'⌒,ゝ　　 l
.　ヾ`く　　　　　／.／ヽ.　 |
　　/＼_]|　 |｢_ ∠＿ _｣　│　　　だから言わんこっちゃない！
　｢::＝=｡lﾆﾆ｢:==｡＝::|r=､ |
　ヽ::::￣:ｌ　　l::::￣:::::ﾉ||＾!| |　　　　生きてるか！？竹崎殿！
　　ｌ￣ L___.」￣￣　 ||ン│
　　 !　⊂ﾆﾆニ⊃　 .∧.　ﾄ､
　　 !　　 --　　　 /　ヽ　!:::＼
　 __,∧＿＿＿＿./　　　>|:::::::::`ｰ
　::::::::::::| ＼　　　　　／　l:::::::::::::::
　:::::::::::::l.　＼　　.／　　 l:::::::::::::::
　::::::::::::::ｌ　　　ﾝく　　　　l:::::::::::::::

途中で引き離した白石一党が後続部隊を引き連れて参戦

　　∠　　　　　　　　　　　ヽ
　　／　　　./|,　　　　　　　｜
　/／　､/|/:::::ヽ|ﾊ>　　　　 .|
　/　 /X＼:::ij:::／Ｘ｣､　　　.|　　　　俺の、手柄……
　|/l/l .~"'｡'､ij｀''｡"~,　||~ヽ　|
　　　 l｀) r-/u.｀=u´　|| 　|　ヽ、
.　　　 l ｀´/　_┐ ij　 .||_ノ　＿ヽ、
.　　　/ｌ iェｪｪェｺｺ　 /ｌ　　 .ｌヽ　￣""''''―--
-－"゛~'､ｌｪｪｪｪｪｪﾉ／ｌ　　 .!　ヽ￣""''''―--
.-‐''"゛゛/ヽ　≡ ／　 .ｌ,　　,'　　ヽ
　　　 /l　/ ヽ／　　　 .ｌ　/　　　　ヽ
　　　/ l /　　|　　　　 .l/|　　　　／ヽ

馬から落とされ、絶体絶命の季長は九死に一生を得ることになった
876： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:22:02 ID:haPO5OuM0: 　　|l　　ヽ＼|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＝~_
　　ヽ＼____>　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ~＞
　___,,,ﾆ＝=　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜
　　~二;;;;.=-　　　　　　 /|ｌ.ｌ.| llヾヽ　　　　　　　　　　-=ﾆ,
　　　　　~二ﾆ　　　　 /l;;;;;;||;;l;;;;;;ヽ;＼ヽ　　　　　　　　　　~~'''''Ｚ､
　　　_,,,ニ-=　　　　　/ﾉ;;;;;;;|;;;;l;;;;; ××_ヽ |⌒ ヽ　　　　　　　　_､
　　　　　／／/　　 ./＼＼ ;;;;;u／.×''~ 　 | |⌒ｌ .|　　　　　　_,､‐~　　　命を懸けた先駆け……っ！
　　　　/／/// |∥/ ~ ｡ヾ||:.:.:.||／｡　　,ノ　| |⌒| |　　　　ヽ
　　　　　　 //| | |/|ヽ,_,.､／::'''彡ｰu <~u　　|.|ﾆﾉ/　　　　|ヾ＼　　　　この勲功、絶対に認めさせてやる……っ！
　　　　　　/　　　　 |u／　u　u　　｀'　u　　 ||ｰ ′　　　.ｌ
　　　　　./　　　　　／　_丶u　　u　__,,О 　 /| .|　　　　　　ヽ、
　　　　 /　　　　　｀ｌ､,,__,,.､､-;;;二-‐｀l　./　　 l　　　　　　　ヽ、
　　　 /　　　　　＼　 l l''‐-‐'''~　　　 ___| /;;　　u｜
　　　/　　　　　　　＼ヽ|-‐'''┬;;ﾆﾆ゜-‐ /;;０　　　l|ヽ、
　　./　　　　　　　　　＼ヽ￣Ｏ,,,,,,,;;;u　/;;;;;　　u　　u　|ヽ、ーｰ／　,,_　'''''''''　　　 |　|
　 /　　　　　　　　　　　Ｏヽ u　'''''''　/;;;;; u　　　　　　/　　　　（／　,,_　''''''''　　　 | ｜
./　　　　　　　_,,,､､-‐‐-､､,/＼　u　/ヽ、　　　u　u　/　　　　　（ _／　　''''''　　　｜｜
/　　　　　　／　　　　　　　 ~'''‐､､_/　　ヽ、Ｕ　　　ノ　　　　　　　''-＝=ヽ_____,,,,､-ﾉ　|

ちなみにこの時の戦闘がよほど記憶に残ったのか

当時の御家人としては常識はずれの行動を季長は起こすことになるが、それは後の話である

――一方、高麗軍の本隊

　　　　　　 /:.:.:.:.i.: : : : : : : :.,r´⌒` 、 : : : : : : : }::＼
　　　　　　　　/:.:.:.:.:.|.: : : : : : : :.{ /∨ヽ.}: : : : : : : : .ｉ:.:.:.ヽ
　　　　　　　 |:.:.:.:.:.:|.: : : : : : : :.丶､__,．': : : : : : : : 丿:.:.:.:）
　　　　　　 i:.:.:.:.:.:.:i、 : :__,,.-ｬ=ァ~~￣~~了"べ亙:.:.:.:./
　　　　　　　　i.:.:.:.:.:.:`iｧ弋: : : : : : : : :.ﾄ､.: : : : : :.ノl|∨/
　　　　　　　　＼／＼,＿.: : : : : : : :.|,,,i、_,,.∠;斗l|l|ｲ
　　　　　　　　　,ゞ,l|l||´<込ﾆﾅｧーｰ亠 z弋才ゞ{l|れヽ　　　落ち着かせることが出来たな
　　　　　　　　　i､丸l|{　.f　￣.,,/" }　!"ヾ,,￣　}ミ/ﾜﾘ
　　　　　　　　　ヾ`､_言ｌ.　　　　|　　　　　　./ﾐfｿ./
　　　　　　　　　　　＼_ﾐ. ｉ　　　i､,i_,jゞ, 　　 /　|／
　　　　　　　　　　　ノl`i、､_.．イ´彡ｪﾐ爻ﾞｼｪ;,.ｬ　i|`夊
　　　　　　　　　　　ﾙj;|ト`ｰ‐''""￣￣｀`゛゜`゛　ﾒ|ミﾐし
　　　　　　　　　　　彡廴＼ヽ.　~武才~ 　/ ／/_|父
　　　　　　　　　　　　ノ|:.:.ｉＶ＼!, 　　　　　／ｵ.ｉ:.:ト．_
　　　　　_,,.．ｬヒ''"´ 斗:.:.:ｉﾍ.: :＼,_＿_,／ｼﾞ/: :.ｉ.:.:r-ゝ~"'ｰ- ,,

最低限の部隊編成が終了すると、再度西進を開始
877： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:23:30 ID:haPO5OuM0: .　　　　　　 /ヾヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丿　　　
　　　　　　　＼ /　　　　　　　　 /^^^^;}　　　　　　　　　　　　　　ノ~　＿ヾヾﾞﾞ;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　｛;　　　;;};　　　　　　　　　／＾~　＿C　　　ι
　　　　ヘ　　　　　　　　　　　　;{;　　　 }　　　　　　　/＿＿ヾ　　　　　;;」
　　　│　＼　　　　　　　　　　　ヾ;{＿＿}　￣￣￣￣/　　　　　　　　＿〆　
　　　ヾ　　　λ　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ;;ヽ:: 　 /　　　　　　　∠＿
　　√　　　　ゝ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　~ヾゞ　　　　　　　　＿/
.〆ヾ　　　　；ν　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　
　　　　　　　;ヾ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣/
　　　　　　　;λ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≫
　　　　　　　　:τ＿＿＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　●：姪浜
　　　　　　　　　　　　　　⌒ヾ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　 ´ | /　　　　　　　;;＿　　　　 vvヾ/ヾ＿/ヾ
　　　　　　　　　　　　　　I　　　　　　　/~ヾ　~~~Ｖ~~~　　
　　　　　　　　　　　　　　＼;;ー^ヽヾ/ヾ
　　　　　　　　　　　　　●　　　　　

本隊より西に位置する元軍部隊との合流を兼ねて鹿原山から下山

本陣がある姪浜を目指す

ここには元軍の本隊が陣を敷いてこれ以上の後退を阻止する構えを取っていた

　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　, - ''"u　　ij 　　`ヽ､
　　　　　　　／ ,;; 　　　　　　u　）(　ヽ､
　　　　　　 ./　　___　U　　　　 ., -ｰ､　　i
　　　　　　 i　u{´, -､ヽ.　　　 /.,rｰ''`　　.i
　　　　　　.i　　　, -ヾ,ヽヾ;;:i/, - ､　,i　 i,-､
　　　　r'ヽ|　u　 i .○.l):;;）::::::ii ○ ,!　:　 |/）i
　　　 .i iゝ|　　 ,,,ゝ,_ノ//::　　.｀ｰ''´`'"　 i ( .|
　　　 .| r´|.U　;;　_＿（,､_,;: ,､ﾉ ,ゝ___ u　|i.ﾚ.|　　　　これ以上後退すると船の安全が確保できん
　　　　 !､/.!　　 / _, -`ﾆ7　 (ﾆ´-_-､ .i　.iヽ,/　　　　　
-ｰ,-､,- >,, |　;　!//_￣￣￣￣￣_｀.i.i/　iゞ>''(ヽ､_,,　　　何が何でもここから動かんぞ！
::::i､::i.i::r／/i　;　;.|　.｀⌒⌒⌒⌒~ヾ..i　　.iヾ､::::i..i::::ヾ;`
,:::ヾ;:i.i::i.i/／i ij .;.|´i,. -ｰ-､-ー-､　i | 　 i､`＼::i.!:::::::::
.i:::::ヾi.i::i.i/／i　　| i　　　　　　　　,i　| ;' .iヾi,ヾ<::::::::::::::
!.i::::::::ヾi:i.i/／!,　 !　`ー-----一'´　!　/､＼i::::i､::::::::::
:i..i::::::::::ヾ､／/ヽ,_`ー--ｰｰｰｰ-一''´ /､ヾi::::/::::::::::::
::ヽヽ､:::::::::::/／/ /i､　　'""''""｀　 .,-ヾiヾﾍ,/::::::::::::::::
`:::::,::::::::::::::::::｀/／///,-､_, _､, ,_, r<ヾ!､i´´::::::::::::, -:::::
､::｀ｰ=ﾆ=､_::::::::>/／/／//iﾊヽiヾ､ヾ＼｀:::::::::_, -ー_'"
｀`ｰ--:::::::::::::::::::::,,::::::／/／iヽ|,＼＼::::::::::::::´:::::::::::::::::
878： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:24:12 ID:haPO5OuM0: だが、姪浜付近は干潟で足場が悪い上に、開けた土地が少ない

　　 / .i;;;;;;;''´￣｀'ｰ-,-'　::.　` ヾ､__;;; -､;;;;;;iヽ
　　 ! uヾ;;i .::::, ｰ- ､_'':::　　　,;: .　, - ､, :uヾi |
　　ヽ.　ヾ! :::i___r;;､,__>ヽ,　ヾ;,. .i, r;;､_,ゝ,, ﾞ.::i _
　　.r-ヽ　,',,;-ｰ￣-ｰ'''..::i　　｀ﾞ'ｰ￣--::´ｰ i´r｀i
　　.ヽ!, ヽ''　　　＿_　 .::;ﾉ.::　　　　　　　　　ヾゝヽ　　　　　何だこの陣は
　　　|　　|　u /;;;;;;;;;ヽ､（ r､_.:: ,-, ）　　＿＿　!,,ｒi i
　　　| ゞ-|.;　i;;r',ﾆ､ｰ､;`-ｰ､　 ,､_,,,,,,／;;;;_;;;;;;;ヽ,ヾ､i　　　　　東西に延びてまるで話にならん……
　　 _,ゝ'´.i!;;　i!.!､i、｀ヽ､,｀ﾆ -ｰ-､＿￣,,､_ヾ､;;;;;､i ｀ヽ､___,
-=ﾆ__,, -ﾉ;i　　ヾ､ﾆ!´｀ｰ--'`ｰ---'--'､__r`ヽヾ;!i ｀ヽ-_'_,,＿
　　　 ∠ノ;i　　　!.!､_　 , ､r_,⌒,,'ｰ'"''_､　ゞr .ヽ` ゞ､`､-一'´
　　　　∠ノﾉ,､_　｀ｰ-ﾆ＿,,,_､~_,､_`_, -ｰ-､_i､_,ﾆつi`ｰ´-=z_
　　　　　_ｿノ7ヽ､,,　　　ー--､_　　 __, -=-､_　 _,／iヽ´`_'ﾆ=-,､
　　　　　_,,z'´,丿/7i'i,､r､　　　, ,,￣　　　　　 ~　　,ﾍ'ヾｰ-一''/

結果的に陣は東西に膨れ、前衛部隊が比較的開けていた東隣の鳥飼塩浜に飛び出る形になってしまった

　　　 /: :: :: ::r' ｢｀'v'´1ヽ: :: :: :: :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　 ': :: :: :: ::{　|_ｌ∨ｌ_|　}: :: :: :: :: :: :: :: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　{: :: :: :: :: ゝ __ 　 __ノ: :: :: :: :: :: :: :: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　ヽ: :: :-‐: :¨￣: :￣¨: :: :‐-: : _: :: :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　／: :: : ＿＿__　__＿＿＿＿＿_z≧.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.　　　味方の陣か！
　　｀￣￣へ≧x､　　x≦三x＜¨`　　j三≧x:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　ｉﾐ', ｨてｵ}　j: >'てﾘ＞　　　 !ﾆﾆ／＾ヽ.:／　　よし！我々もここで陣を組むぞ。敵を迎え撃つ！
.　　　　　 iﾐｌ　　¨´!　　｀¨'' 　　　　 lﾆﾆﾚく}　}ﾐ
　　　　　　ﾐi　　 /　　　　　　　　　　ミﾐ/ ,ク /ﾐ
　　　　　ｷr､　ヽｰ'ｧ､) 　　 ,.ｨ　　　ﾐミ}ノ／ミ
　　　　　　圦辷ﾁ彡_込三彡’　　　　　ー'州ﾘ
　　　　　　　ﾍ　¨`￣￣｀　　　　　 ,′{州≧=ｲ
　　　　　　　　ﾊ　　( ⌒｀''　　　　　　ノ　从辷彡’

そして、その前衛部隊が飛び出ることになる鳥飼塩浜こそ文永の役における決戦の地となった
879： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:25:11 ID:haPO5OuM0: 　┏━━━━━────
　　高麗軍がはぐれた残存部隊を吸収し

　　鳥飼塩浜に陣を敷いたのとほぼ同時刻
　　　　　　　　　　　　 ────━━━━━┛

三ﾑ‘　　　,,ｘ　''"¨ ￣　　　ゝﾑﾍ'　　　　/
　　,,,≠　　　　 -=≦三三三≡二二ニﾆ三ニ＞、
￣　　　-=≦三三三三三三三ニ　　　　三三三ﾑ)
==o三三三三三三三三三三三二二,x-=≦'￣
三=="`≦=三三三三≡≡≧¨ー_‐-x / Y
三≠　,x≦´≠'￣￣}ﾑ.　　　 }匸＿Y　l　ﾘ　　　何を思ってここを選んだのかは知らないが……
ﾏ　　　　ミ厶孑,､‐┤　ゝ爻ミ'(´｀⌒爻}/
.　　　ミミﾐ⌒￣￣¨,イ　ﾐ爻.''＞v. 　 i　　　　　随分と都合のいい場所に布陣してくれたな
　　　　ﾞﾞ爻''"　　''"　　　　　　　 }. 　 i
　　　　　　　　　　　　 /⌒≠ｿ.　　}
ﾄ　　　　　　　　　　　 '　´^"く　　i彡
　　　　≠"´　　　　　　　　　_＿ , ｲﾞ　ﾑ彡彡
　＼　「ﾞ下≦ニ二二二二ニ=≠/　ｲ彡彡ミ＼
　　ミ　　　　ゞ､`─------‐彳´　,ｲ巛彡　ﾐ　|　ﾊ＼
　　　ミ　　　　　￣￣￣'""　　 x≦// "　ﾐ　 i　　､

大友頼泰率いる御家人衆が鳥飼塩浜に到着

元・高麗軍と対峙

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,..-‐'';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀'-､,_
　　　　 ,　---　'"　　~　　　　　　　　　　　　　 ∨ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
　 , -'~　　,　___　＿＿＿,　,,,,　　　　　　　 /,,,,　＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼
　(　 ,-ー'　　　　　　　　　　　　　　　 /;;;;;;;;;,,,, 　ﾍ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:＼
　 ~'　　　　　＿　　　　　　　　　　　　 _,,..-‐'':::::ヽ;;;;;;;;;,,, 　ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼
　　 //ヽ　　/　 i, -､　　　　　　　 , -'", -'"　;;/~ヽ:::;;､;;;;;;;;,,　　ﾍ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
　　 ∨//ヽ i　／　,i　　　　／／ ,,,-'""~( 7　;;;;'""｀ﾞ''-,,;;;;;,,,　ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
　　　.∨///-"　／　　　　／／〃　　　　 .ヽi,　"　　　　,--､;;;;;;,,　ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
　　　　∨/　　,-'／ヽ,　　 /　i　〈　　　　　　　/　　　　〈　　・､;;;;;;,,,,.☆--,;;;;;;;;;;;::;;;:::-'"　　　「我々が全力を出せてお前たちは出せない」
　　　　／_,,..-‐<　　/　　.|　 .i　ﾊ　　　　　　ﾊ　　　　　 "'-- ┘＼;;;;;;;;;;;;,,,,,,,,,,:/
　　　/,-'　　　　.ヽ/　　　/　　i　〃　　　　　　ﾍ　　　　　　　　　 -'　,/'~丶．;;;;;;;;;|　　　　　　　　まったく。都合のいい場所を選んでくれたよ
　　 l_,,..-‐''" ヾ,　ヽ--'"　/　.i　ヾ　　　　　　　i　　　　　　　　　　 iヽ｀ - '"/ i
　　/　　＿__　　 ∨　　　　ヽ　∨ヾ　　　　　 i,　　ll　　　　 -､　　j　　　／　）｀'-､
　　ﾔ　　　ﾉヽ　）　　　　　　ヽヽ　冫　　　　　 ∧　＼　　　　￣　　／　 /　　 |
　　ﾔ　　〃　￣ﾉ　ヽ　　　　　　ヾ　∨　　　　　.∧　　｀'-､,_, -　, -'"　　/　　　　ヽ
　　　ﾔ　　　 ,-'　　 i　　　　　　　＼　　　　　｀''-､,_ _,,..-‐''　　　　/　　　　　　＼
　/￣,ﾔ　"--'"　　　/　　　　＼　　　　｀'-､　　　　　　　　　　　　　,-'　　　　　　　　ヽ
./　　　ヽ　　　　　 / ヽ　　　　　＼　　　　　　　　｀ﾞ''ｰ-､,_　　　　　, -'"　　　　　　　　　　　ヽ

途上、他国の御家人衆を指揮下に納めて。総兵力は５０００あまり
880： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:25:53 ID:haPO5OuM0: 　　　　　　／;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ヽ
　　　　　／;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i
　　　　／;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:1
　　　 ,';:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ｿ
　　　 ,'|;:;:;:、;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:　..v,,n/ｙ'!┐　;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i
　　　　いﾞﾊj 、;:;:;:;:;: / r｀'F‐’ 　 ` （,'〕;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ﾉ
　　　　　┤　ﾞ-r丿v/ﾞ′　　　　　　　ﾚ1;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:　 1
　　　　　ﾞ{＝∟ ｀┘ ..-'￣冖､、　　 ’ ∟;:.;:;:;:;:_....tＫ..'、
　　　　　 '1―ヽ　　　　／⌒゛i_　’　　　 `｛ユ=フ　 ..ｨ八卜....
　　　　　 iユ　　ﾞ､　　｝　　　 ')-..,,..ｨjメ"' ￣"　-'、） /　ﾞi　｀''''‐--
　　　　　 rヽ、　ｆ jコ7} 　　　｛゛ﾞﾞ'´　　ﾉ　　, ソＫ/.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
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|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヘ─‐--ニﾞiﾍ|＿＿＿,,,,,-'´.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:

代表的な御家人は、大友氏任国の最大規模の御家人衆、都甲一族

　　　　　　　　　　　　　　　|!　ﾄヽヽ,＼__　__,、
　　　　　　　　　　　　 f ,i !- ':´ ￣￣ヽ.　ヾトｨ',ｨ, ,.ィ__
　　　　　　　　　　　 __∠　　　 ― 二 =､ヾY,}:i:iK '｀　　｀てｲｰzｨ
　　　　　　　　　　 `斗ﾚ'　　　￢ .＜ヾﾄ､　Y}:}:j厶- - ､　　　　　　`ｔ__
　　　　　　　　　　 __ノ’ ,.　　--､ヽ.＼ヽ:Y!iv厂 --一-　｀`、　　　　 `^戈__,＞`ヘ
　　　　　　　　　 __Z　　 , ィ'´fiﾐ__Yiいヽ!:ﾘ√ィ彡r '´￣´￢丶ヽ、　　 X. i{　　　　　',
　　　　　　　＿__）　　　 ≦ 'ﾗ_{(･)}j川 kｿ个rイ〃 '/／＿ヽ　ヽ.　　　ﾍヾ　　　 }
　　　　　　＿,)'/,　 z 彡rｼｿｿ:｀,ｿ:'　ﾒ⌒i. j ‐､ヾi i,.ｨ_'ﾆ二ヽ,　　ヽ　　　｝:i　　　　/
　　　　　　勹/〃,　 -ｰ彳´ ;／¨:::`::く._　　　　ヾ Yij{(･)>= ≧ヾ:ヽ:ヽヾ,　 `ﾐゞ--:r'　　ハッ！
　　　　　之. イ/ ／ , ﾞ ,'　{::f⌒}::,':::::::::ヽ　 ,丶 `iヾ三ぐ￢ミド}　}ヽト :}　　ゞﾐ(＾
　　　　　'ﾗｲ〃i;'　,'　　 ,' :v'ヾ| ,ﾉ:::/⌒!:::/　　　　,.i ﾄヽヽ丶`　ヾﾐ:ヾﾄ､　　ヾヽミi}　　俺らの縄張りでデカイ顔しやがって……
　　　　_,ﾒィ/;:イ　' /　 ;i:　i! ヽ.. ｰ' ￢'Lｲ ji ,i　　　,i.l }: ヽ丶`｀　　　ヾ　ヽ＼:.ヽ:ﾄゝ
　　　__Z イｨ /i　,〃　/!i　iト .,___　ヾ´　'’　,八ヽ　}!　　　＼ヽ`　　　＼､ヾ :,ﾊﾍ,
　　ブｲ〃/／i ,:/:,　ﾊ1ｉ: ,＞'‐L/7'ｧ-ｧｧ'个､ヽヾ　　　　 c　ヾ`　､`:　ﾐﾄ､}　ﾊﾒゝ
　　厶'〃// ,' ,.ｲ ,' /　'i:iﾊ.y' ｛_ ￣ブZ j:j:ヽヽ__,ｨこつ　ヾヽ、　ヽ. ＼　ヾﾄ､ﾍN
　　 ,ﾉiii/〃/ ,'/ ,' ,:　,' i:{,ﾊ!　　7ｰ'´/り } :ﾄ､　￣´　　ヽ　　　＼ヽ`: ＼ヽ`＼ﾍﾍ!
　　,jﾊ/:〃/〃/〃,' ,' ,'iﾊ/`ﾄ､/__,_,_仄! .Ｎﾄ､＼ヾﾐJヽﾄ､ヾ` ｀ヾ`｀ヾ`｀ヾ`｀ヾし!
　　, ｲ:〃/〃/〃/〃;ﾊli　`'く,_l,｣jﾉ┘iﾄ :i: j: ヾ`ヾ`ヾ`ヾ`ヾ`ヾ`ヾ`ヾ`ヾ`ヾミ三;く
　 ,ﾉｨ〃/〃/〃/〃〃,':ヾ= ｰz i ､ﾄヾｉ: .:|:. ! i　 i:.i:. i:.ヾ＼ヾ＼ヾ＼ヾ＼ヾ＼ヾﾐ::(_

少弐氏指揮下で、やはり有数の大規模御家人竜造寺一族
881： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:26:28 ID:haPO5OuM0: 　　　　　　　　　　 ,.ィ　,.ィ
.　　　　　　　 ,ｨ／　 '´　 !／ﾚi
　　　　　 /　　　　　　　　′ﾚi
.　　　　 jﾞ ,.ﾍ、　／＼　　　 !
　　　　　 |/　　 ¨´ 　　ヽ　　│
　　　　ﾚ_ニュ　 r'ﾆﾆヽ〉　 !
　　　　　 l =＝｡、　＝｡= :|∩　!　　　関東からの赴任組も戦意は高い
　　　　　　| `zzr' 　ｚｚｚ'　||tﾘ .|
.　　　　　　l　　L -`　 ┌ :lﾚ′j　　　　十分いけるぞ
.　　　　　ｌ　⊂ﾆニ⊃　.ﾊ.　ハ
.　　　　　ﾊ　, ,ー, , ,. '/　ｌ ./: :ヾ''ｰ-
　　_,,　-‐''7 :ヽ＿＿＿/ 　 l/: : : :!: : : :
￣ : : : : : ,' : : : |:::::::::::　　　 |: : : : :|: : : :
: : : : : : :.:i: : : : :L._　　　＿_｣.: : : : :| : : :
: : : : : : :.l : : : : ﾄ､_｀　'´ _,ノ| : : : : :| : : :
: : : : : : :| : : : : |;';';';'￣;';';';';'|:.: : : : :| : : :
.: : : : : :.| : : : : l;';';';';';';';';';';';'|: : : : : :|: : :

関東の名族、千葉氏出身の千葉頼胤

この他に、名前が挙がるのは立花、和田といった北九州の御家人衆がそれに続く

――そして鳥飼潟の東外れに後詰が陣取る

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノヽ)）ヽ,,rｰrヽ,, ,,ﾉi
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾉ~'tiii"（t　i}}|j　　　　　"　"ﾂヽ|t
　　　　　　　　　　　　　　　iヽ/ﾂii|}}从､}iii)''ijﾘﾘ}　､　　　　　ﾉﾂﾘ､
　　　　　　　　　　　　　　　ii}}y"}!､iii､'';/r"t}}}（iij,yiiヽ-ﾘヽii}j､,,　"ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　t,｀､i､}ヽ''ii）;;|iMtヽ''" ｀" ﾉ　""ノﾉﾉjjり ''ﾌ
　　　　　　　　　　　　　､)" ミ;;,,t､ti;i､ t;;､､）)ﾘiﾉﾂノ／""''彡"彡ョ
　　　　　　　　　　　　　　i､｀''i ;;;;:::ijj}､｀';;;;;;'"":::;;;'"　,,,,　　廴r''ﾂ r'
　　　　　　　　　　　　　 't､ ;;;､ t;; ::;;;｀;;;;;;;;;;|}:::'"::;;'"ii"　　､迄彡ﾉﾂ　　　……む？
　　　　　　　　　　　　　　ヽ, ;) (|;;ヽ;;､;;;;;;;;;ﾉ':::i:::;'":::';;"　　::'≡　" ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　 'i ,;i,,､;;､､,;; ;;;;､;;;i'i},,ir')ノ,,,,,,,,___　:::ミ≡:r'i
　　　　　　　　　　　　　　　t ;t;;iitｰﾐｩﾃ;;､刈ｼ='r'-ﾐｭｫヲｦ　 ')'''/'|:|
　　　　　　　　　　　　　　　 '',､,i'"｀￣"::::了 j''"｀￣:::::"　　 ;;ﾘ/)ﾘ/i　　　　　　　,,
.　　　　　　　　　　　　　　　　t､i'::::　　:::::::| ,'　 j""　　　　 :::ﾘ'､/ｲ'(,, ､､ -ｰ '",､　~ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽt::::::: :::::t,,ハ　,､)　　　　;;;;:::i-ｰ'"t)）::::: ..;､-'",, "　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　i;t :::::::::::~'- '":"　　　了 ,i;;;;::: γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　 ,,, ､ - ｰt;ヽ ::::::::;;､､､:::,,,　　　;;'" /;;;;:::　｜　　　　　親父っどん　　　　　　　 |
　　　　　　　　　 ,,､- ''":::::::::::::::::::t:;ヽ :::::":::::::::::::｀'　 /　, ';;;;;;;r''"乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
　　　　　　 ,,､-'"::::::::::::::::::::::::::::::::::t::;;ヽ ;;;:::::::::　　　 "／;;;;／::::::::::
　　　,,､- '"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::t:::;;;ヽ　:::::::::::: 　､';;;;;r'"::::::::
.　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::t:::;;;;;;'､;;;;;;;;;,､-';､-'":::::
　/　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｿ:::;;;､ - ｰｰ'''":::::::::::　....::''"
./　 ;;;;;;;;;;､ -ｰｰ ''''' """ '''' ｰ,-ｰ''''::":::::::::::::::::::::::::::::::::::::
"""　　　　　　　　　　ｰﾆ"､,,,,,,,,＿:::,,,,,,,,,:::＿＿,,,､ -ｰ'"
882： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:26:59 ID:haPO5OuM0: 　／i::::::i:::::i::::::i:::::l::ヽ::::＼::::::::::::::::＼:＼::::::::::::＼
.　　ﾊ::::|:::::|:::､:ヽ::＼:＼::::＼:::::::::ヽ:::＼:＼::::::＼ミx
　　　i::::l:::::ト､{＼＼{ヽ:::＼ミ＼::::::､＼::＼:＼:::::≧=‐　　　　比志島、渋谷共に陣を構えもした
.　　　Ⅵ::::::∨'⌒≧x､＼::＼z抖≦ﾒ＼::＼:＼＼
＿＿_ 个ミ､{　f艾iァ､≧ ＼{x√ゞ' jll　f㍉从「　｀　　　　　　士気は上々、いつでも駆け込めます
/////人ヽﾊ　ヽ二彡　　 ::::::｀==彡'_, レ「ヽ__
///// / ＼_，　　　　　　　 :::　:::::::::::::;^iヽ{ヽ＼｀⌒ゝ―
//// / / / ∧　.::::::::::.　　 :　_　　　:::ハ}　i⌒ゞ――　ト
///}. {/ ///// ､:::::　　ヽ:::'´　ィｱ .///ﾊ .|　 i　i i　}　}
// |　∨{ヽ　　∨ヽ ^ヽ=ﾆ三彡′/}:l　i ﾉ .}　 |
// |　　ヽ　ヽ　∨ ＼　ー― '　，　l:l／　，
//∧　　 ::､_　　ヽ　 ≧＝＝≦.　／..　　/
　　，　　ト,＼　＼　/////　／　　　 /
　　　 '　　//iヽ＼　ヽ　//　　|　　　／'
　　＼ヽ//　{　＼＼　　　　 /|_z≦彡′
　　　 ∨{　{ 　，　ヽ　ゝ= ／ //￣　　　　　　＿_
　　　　ヽヽ ’　',　　　 i. ／　 / {､　　　　 / ‐...rﾐ､
　　　　　 ) ）ヽ　ヽ　／／／＼＼　　　　 i /__l l_ヽi
島津久経嫡男　島津忠宗

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノヽ)）ヽ,,rｰrヽ,, ,,ﾉi
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾉ~'tiii"（t　i}}|j　　　　　"　"ﾂヽ|t
　　　　　　　　　　　　　　　iヽ/ﾂii|}}从､}iii)''ijﾘﾘ}　､　　　　　ﾉﾂﾘ､
　　　　　　　　　　　　　　　ii}}y"}!､iii､'';/r"t}}}（iij,yiiヽ-ﾘヽii}j､,,　"ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　t,｀､i､}ヽ''ii）;;|iMtヽ''" ｀" ﾉ　""ノﾉﾉjjり ''ﾌ
　　　　　　　　　　　　　､)" ミ;;,,t､ti;i､ t;;､､）)ﾘiﾉﾂノ／""''彡"彡ョ
　　　　　　　　　　　　　　i､｀''i ;;;;:::ijj}､｀';;;;;;'"":::;;;'"　,,,,　　廴r''ﾂ r'
　　　　　　　　　　　　　 't､ ;;;､ t;; ::;;;｀;;;;;;;;;;|}:::'"::;;'"ii"　　､迄彡ﾉﾂ
　　　　　　　　　　　　　　ヽ, ;) (|;;ヽ;;､;;;;;;;;;ﾉ':::i:::;'":::';;"　　::'≡　" ﾉ　　　うむ、先鋒が崩れたらすぐさま後詰に掛れ
　　　　　　　　　　　　　　 'i ,;i,,､;;､､,;; ;;;;､;;;i'i},,ir')ノ,,,,,,,,___　:::ミ≡:r'i
　　　　　　　　　　　　　　　t ;t;;iitｰﾐｩﾃ;;､刈ｼ='r'-ﾐｭｫヲｦ　 ')'''/'|:|　　　　酒匂、下知はうぬに任せる
　　　　　　　　　　　　　　　 '',､,i'"｀￣"::::了 j''"｀￣:::::"　　 ;;ﾘ/)ﾘ/i　　　　　　　,,
.　　　　　　　　　　　　　　　　t､i'::::　　:::::::| ,'　 j""　　　　 :::ﾘ'､/ｲ'(,, ､､ -ｰ '",､　~ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽt::::::: :::::t,,ハ　,､)　　　　;;;;:::i-ｰ'"t)）::::: ..;､-'",, "　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　i;t :::::::::::~'- '":"　　　了 ,i;;;;:::　 t:::;､-'"　'"　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　 ,,, ､ - ｰt;ヽ ::::::::;;､､､:::,,,　　　;;'" /;;;;:::　,､'":::::彡
　　　　　　　　　 ,,､- ''":::::::::::::::::::t:;ヽ :::::":::::::::::::｀'　 /　, ';;;;;;;r''":::::::...
　　　　　　 ,,､-'"::::::::::::::::::::::::::::::::::t::;;ヽ ;;;:::::::::　　　 "／;;;;／::::::::::
　　　,,､- '"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::t:::;;;ヽ　:::::::::::: 　､';;;;;r'"::::::::
.　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::t:::;;;;;;'､;;;;;;;;;,､-';､-'":::::
　/　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｿ:::;;;､ - ｰｰ'''":::::::::::　....::''"
./　 ;;;;;;;;;;､ -ｰｰ ''''' """ '''' ｰ,-ｰ''''::":::::::::::::::::::::::::::::::::::::
"""　　　　　　　　　　ｰﾆ"､,,,,,,,,＿:::,,,,,,,,,:::＿＿,,,､ -ｰ'"
883： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:27:53 ID:haPO5OuM0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ィﾃ州州ｚ､＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲﾐ;州州州州ﾘｲﾊ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,仁三ﾐ州州川|ｌｌｲ彡ｲﾐi、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲf三ｲ´｀`｀ヾﾘ州州彡'三ﾐi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 lイl彡!ﾊ　　　　｀`'´〈ﾂ〈三ミﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //ｲ|ｲ!|　　　　　　　　　 l ﾏﾐﾊ.l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　メl l .ｲィｷ≧ｘ_　l.|　ィｧ＝ｷﾘﾄﾘ|ミ=―'´　　　おう、任された
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　イ／ﾊ,ｌ | ,イ////ム彡",ｨ=ｷミ､ lﾐｘ_,ｨ仁ミx
　　　　　　　　　　　　　　　／ .l i 彡'ﾊ,|.!//////ﾘ'./,ｲィモﾃｦ ,ﾊ l三≧ﾐｘ |li　　　だが、後詰として先鋒のメンツを潰さん程度にせんといかんな
　　　　　　　　　　　　　 `―彡＝彡ｲ彡州ｷ‐ﾐ三彡!' ﾊ　 `ー｀´ /ﾉ/三ミｘﾘ,ｨ仁ﾐｘ
　　　　　　　　　　　　　ｲl彡'フ〃,ﾘ州州ｷr―..、　.ハ　　　　./イ州ﾐ三三彡'　　ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　〉ﾘﾘ〈 ,ﾘ .l!.l州ﾘ'.:ｷﾘﾊlliﾐ､_,'.::;l　,,ミｘｲ州州ﾐｘ､====ﾐｘ　/
　　　　　　　　　　　　　　　　,州　/＞-‐ﾐl|.il⌒li州l`ー‐-､州ｲﾘｲli|lﾐｘヾliｘ｀ヽ｀`州l
　　　　　　　　　/-､＞――― ﾆ二| |　　ﾘ.l|　.liｷ州州洲T,ﾘlｲ! ﾄf‐ﾘ==ﾐｘ州ﾂ! l州
　　　　　　　 /　/´￣￣￣￣´ iｌｌ l　〈　.|　.|l::.ヾ州州lilﾘ'　l　|!.l　l７　ﾘ `ﾘﾄ-ｲﾘ'__,ｨ､
　　　　　　　 ./ .〃　　　　　　 .ll ｌ .l 　　 .|　.ｌl　　:::::::::::/　/　l|li l　V　.l　州ﾄ lﾘー=ﾊヽ､
　　　　 /　　l|　 l　　　　リ　　　l ,' / 　　ｌﾄ､ヽ　ヽ::::::/　/　,ｲ|ﾄ､ｌ　Ｖ .ヽﾍﾐ=l `、　　 l　l. ヽ
　　　,f´l　　.l|　 l　　　　　　　　,'〃　　　　 ||､.ヽヽ　　　 /　ｲ .l.|!,ｲl　 V　 l .l　 l　　　　.|　ll　ﾊ
　 .／l　|　　 |　 |　　　　　　　/ /　　　　　 ||ﾐ､ヽ、　　　′　 ,.ｲ|..::ハ　　　　ヽ　ヽ　　　l　.l!　l l
薩摩守護代　酒匂島津入道本性

　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　 -=…':i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ミ､＿＿_,
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　　　　　 //　 /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ﾄ､　　　　面倒じゃな
.　　　　　//　 ,:i:ｉ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i ヽ
.　　　　 ,/　　ｉ:ｉ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i‘,彳´＼ｉ:i:|i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i从　　　　　この際、一気に駆けて
. 　　　 i{　　八{ i{:i:i:i:i:i:i:i:i∧:i:i:i:i∧:i:i:i:i‘, 'ィ丈ツ}!i:i:i:i:i:i:i:i:i:iⅣ{
　　　　　　　　　 }∧ﾏ´∨　}:i∧{　＼:i:i:i|＾ミ==彡'|:i:∧i:i:i:i:i:i:|ヾ、
　　　　　　　　 /　∧　　 '/　　/:l　＼|　　　　 |/ /:i:ｉ:仆､{　 :}ト､
.　　　　　　　 ,/　 / ∧　　　 /::::|　　　　　　　 ∧i:i:ｉ:|:{　　　}i
　　　　　　　 i{ 　 { / ∧　　　ヽ::|　__,　　　　　 /　:}八{｀　　　}i
　　　　　　 i{　　{/　/∧　､　　 ¨´　　　　　　/　　〉　 }　　 }i
　　γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ '　　 / 　 /i　　　}i
.　＜　　　　馬鹿言うんじゃねぇよ　　　　 |　　／　　/.:i 　　 }i
　　ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__,ノ_,／　　 /. :i　　　〃
　　　　　　 i{ /　〉　/ 　 ∨ヾ三三三三三{{　　　 /. : :i　　 /'
884： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:28:40 ID:haPO5OuM0: 　　　　　　　　　　　　　_,.. -―==‐-,.､_
　　　　　　　　　　　,ｨil州州州州州州ili=-,.､_
　　　　　　　　 ,ｨil州州州州州州州州州州lii;.、
　　　　　　　 ,ｉ州州州州州州州州州州州州ilili;､
　　　　　　　 ,ｉ州州州州州州州州州州州州州州i}
　　　　　　 ,ｉ州州州州州州州州州州州州州州州､
　　　　　 l州州州州州州州州州州州州ゞ州州州
.　　　　　 {州ｉｌ'"/〃ｰ-ゝゝ､lilil/〃'／l! li.lilili l州州iﾄ､　　　　俺たちゃ後詰だ
.　　　　　 ,ｲili;'lili/,' lil　/ li!　　lﾊｉ!／　, l}　l!lilili l州州i!l!
　　　　 ,iliｌｉｲ州ﾚ　!i!./　ll　　 l ,ｲ　 / .l!　_Llilil! l州ill!.!}　　　　後詰が好き勝手したら戦が成り立たんだろ
.　　　 ilil;ﾞ .l州ｉｌ　｣!＿　l!___／ ;! ／_,. l!_,..;!!lililil! liliゞﾏl}
　　　 liﾘ　 /ヽil￣!,／7//∧　;!､ｰﾞ／ｌｰ’'l| lililili lil"〉}ili!
.　　　 lﾘ　 l､.;l|､/,.///////ヽﾉ ,.''"￣!-‐ l!‐lilililili! }/lili､
.　　　 !!　　ﾞlｉ､!､/,!//////"'';,　 , 　　　 !　 lililili_/ililヾ､
.　　　　l!　　　lilil､ｰ;`ｰ‐―'　　 ',　　　　 !　　ヾlilﾄゝli!ヾ､
　　　　 l　　　 |州{.}〃,　　　 ; ;, 　ヽ　　! _､.-7'!州ilil 　丶
.　　　　!　　　l州州ｉ!､/,.,　_ 　_':;,_／_,._､.-=､_-ﾞｌ州州,
　　　　 !　　 ,l州州lｉli ＼〃_'"'_,,... -―__／_=′.!州州iﾄ､
　　　　　　　,ｲ州州ililil 　＼,.;｀￣--‐　 _ﾆﾞ　　.!州州ililゝ、
　　　　　 ,ｲ州州州ililｉ!　　　ヾﾞlili从从liヾ′ 　 ;ｌ州州州il＝ゝ
ヽ､＿,. -ﾆ二州州州州l, 　ヽ　ー一ﾞ゛　　　 l ヾ州州州ﾆ‐..__,.
　　￣￣ ./州州州州州､　　､　　　　　　　/　　.!　∨州州iﾄ､

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　___
　　　　　　　　　　 ..-ｰZ__＿＿　　　　　　 || 弋≠￣＼
　　　 ────,ｲ　,ｲ彡::::::::::::::::::::::::::::::ｱ ───|| /　　　　　＼
　　　　　　　　　{::彡:::::::::::::::::::::::::::::::::::::弋　　　　 ||ヾ.　　／⌒ヽ
　　　二二二二Y::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾄ､二二二||辷＼ /　　 -=ミ､
　　　　　　　　　/:::::::::小､::::::::::N rﾊ:::::::::::::ヽ.　　　ij　｀¨弋__ｲ
　　　　　　　〈::::::::::rj_7ヾヘミヾ丿:::::::弋　　　　　　　　　　＞ー---　　　　そういうても
　　　　　　弋'/ヽ､.　　　　 |　ヾ小　　　　　　__-=辷弌ｰ-
　　　　　　　ﾄ-'ｨ＿__ｨ　　 j　彡´￣＞ｰ=ﾆ￣　　　｀ヽ　　　　　　　　　　兵家として戦に血沸き肉躍らんは……
　　　　　　　　　ﾄt￣　　／／　　／　彡
　　　　　　　　　　　　　{　　 ∠　 -‐＜辷二　 __彡　　　〉　/　　＞≦
　　　　　　　__z辷=弋辷ミヽ､　　　　　　=ﾆ三ﾆ彡　　　∨　/　／彡''
　　─＜￣　｀ヾ､　｀ヽ､　　　　　　　　　　　　　　弋彡炎歹
　　　　　｀　　　　　　　　小　　　　　　　 -‐-､　　人彡'
　　　　　　ヽ､　　　　　ソ／　　　　　ｲ　__l__ }　　　　ヽ
　　　　　 ___ｧ辷三==ミ辷ｲ＜辷_____≧≠　ヽ､. l　ﾉ　　　　　＼
　　=＝''三三三三三三三|弋ﾐｰ-=　　　　　　￣　　　　　　〉
　三三三三三二ﾆ辷ﾆ三|　ヽミｰ　　　　　　　　　　　　　　 /
　三ﾆ=一'''´　　　　辷三|　　　　｀　　　　　 /ヽ､　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　弋三ﾐヽ　　　　　　 /圭ミ＼　　　　./
　　　　　　　　　　　爪三＼　　　　 ./圭圭ﾐ|　ヽ. 　 /
　　　　　　　　　　　　ﾊ彡ミ三＼　　　./圭圭圭|　　',　/
　　　　　　　　　　ﾑ彡炎ミ三ﾐ＼　 /圭圭ﾆ小　　ﾚ′
　　　　　　　　 ,ｲ彡´　　＼三二Y´圭圭三ﾆﾊ
　　　　　　　　　 /　　　　　 ∨圭圭圭三彡'⌒ヽ
885： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:29:21 ID:haPO5OuM0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ィﾃ州州ｚ､＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲﾐ;州州州州ﾘｲﾊ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,仁三ﾐ州州川|ｌｌｲ彡ｲﾐi、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲf三ｲ´｀`｀ヾﾘ州州彡'三ﾐi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 lイl彡!ﾊ　　　　｀`'´〈ﾂ〈三ミﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //ｲ|ｲ!|　　　　　　　　　 l ﾏﾐﾊ.l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　メl l .ｲィｷ≧ｘ_　l.|　ィｧ＝ｷﾘﾄﾘ|ミ=―'´　　　そういう問題じゃねぇから
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　イ／ﾊ,ｌ | ,イ////ム彡",ｨ=ｷミ､ lﾐｘ_,ｨ仁ミx
　　　　　　　　　　　　　　　／ .l i 彡'ﾊ,|.!//////ﾘ'./,ｲィモﾃｦ ,ﾊ l三≧ﾐｘ |li　　　菊池んとこみたいな真似したら守護職没収されっから
　　　　　　　　　　　　　 `―彡＝彡ｲ彡州ｷ‐ﾐ三彡!' ﾊ　 `ー｀´ /ﾉ/三ミｘﾘ,ｨ仁ﾐｘ
　　　　　　　　　　　　　ｲl彡'フ〃,ﾘ州州ｷr―..、　.ハ　　　　./イ州ﾐ三三彡'　　ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　〉ﾘﾘ〈 ,ﾘ .l!.l州ﾘ'.:ｷﾘﾊlliﾐ､_,'.::;l　,,ミｘｲ州州ﾐｘ､====ﾐｘ　/
　　　　　　　　　　　　　　　　,州　/＞-‐ﾐl|.il⌒li州l`ー‐-､州ｲﾘｲli|lﾐｘヾliｘ｀ヽ｀`州l
　　　　　　　　　/-､＞――― ﾆ二| |　　ﾘ.l|　.liｷ州州洲T,ﾘlｲ! ﾄf‐ﾘ==ﾐｘ州ﾂ! l州
　　　　　　　 /　/´￣￣￣￣´ iｌｌ l　〈　.|　.|l::.ヾ州州lilﾘ'　l　|!.l　l７　ﾘ `ﾘﾄ-ｲﾘ'__,ｨ､
　　　　　　　 ./ .〃　　　　　　 .ll ｌ .l 　　 .|　.ｌl　　:::::::::::/　/　l|li l　V　.l　州ﾄ lﾘー=ﾊヽ､
　　　　 /　　l|　 l　　　　リ　　　l ,' / 　　ｌﾄ､ヽ　ヽ::::::/　/　,ｲ|ﾄ､ｌ　Ｖ .ヽﾍﾐ=l `、　　 l　l. ヽ
　　　,f´l　　.l|　 l　　　　　　　　,'〃　　　　 ||､.ヽヽ　　　 /　ｲ .l.|!,ｲl　 V　 l .l　 l　　　　.|　ll　ﾊ
　 .／l　|　　 |　 |　　　　　　　/ /　　　　　 ||ﾐ､ヽ、　　　′　 ,.ｲ|..::ハ　　　　ヽ　ヽ　　　l　.l!　l l

島津家は承久の乱の後政治的な失策の度に守護職を没収され続けて現在は薩摩守護を島津宗家が務めるのみとなっている

　　　　　　　　　　　　　　　　　　__
　　　　　　　　　　　　　＿＿＿　＼　｀　、ﾄ、
　　　　　　　　　　　　_＞　　　　　｀`　　　ヽ　，
　　　　　　　　-‐　ｧ　　　　　　　　　　　　 ‘，
　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　 }_
　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　,,　　　　}
　　　　　　／＿_　　　/⌒Y　　　　／}／〃　　　/
　　　　　　　　　// 　, {⌒jイ　／弋tﾃ7 /／}/　　　そうはいってものう
　　　　　　 //_ 　乂ｰ　}_／　　　￣ }/ ＼
　　　　　　　　￣ }　　ハ　　　U　　　　　　___ ､　　　　わしらとて手弁当で来とるんじゃからのう
　　　　　　　　/≫j／V　　　　　　　r　__　７￣
　　　　　　__ /　　　≫　　　　　　　ｰ‐- ７
　　　／　＿　ミ　､　　　　≫ r-　　＿__/
　　/　／　　＼　＼　　　/ 〉/⌒＼
. 　/　/　/⌒＼　}　　＼　{ /〈　　　} }
　/　/　/　　　}　}　　　　` { V∧ 　/.∧
./　/　/　/⌒V}　}　|　　　　} }　ハ　ヽ＼「}
{ 　{ 　{　{　　　V .!　! 　　 //V　∧ 　}　}ハ
886： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:29:50 ID:haPO5OuM0: .　　　　　　　／/::/:/:::/:::::／:_:_:∠:::::}i､　　|
.　　　　　　 /ｌ:{::{::::{:iレｆ一'⌒ヽ／}｢ヾ::::}i､く
　　　　　 /{::::{_j;ノ⌒￣＼／jﾚ‐┼　＼::}i､ヽ
.　　　　 ∧:∨ｌ|　　Ｕ　／　/j　　{,ィ　　ヾ{＼ }
　　　　／[:::rく　|　　　／＿/　／i{/ ミ　　∨ /　　　ダメなもんはダメなんだよ！
. 　　 {／{:ﾌ /ー‐一/＼　 i　==彳＼_　　　∨
　　　/|　 {ｆ /ｌ／￣oﾊ　ﾊ　＼￣}| 　｛(_　Ｕ/　　　　お前本当に京生まれ京育ちの都会っ子なの！？
　　　l│ 人　 |::::::::::::::}}　}:ﾊ　＿　__　ヾ}　く
　　　／　「ﾊ乂＿_／人_{__／ }liﾄn＼ |　　＼　　　血の気多すぎんだろ！
　　　　　　| { ∨ 　　 / ｨjif{＿／￣＼　|__　}ｌｌｉ}
　　　　　人＼‘, U　/ jｉfく／＼／＼∧　　 |ｌｉﾘ
　　 __／　 }ﾄ､__} 　＼　∨/////〉〉/∧　　 /
.　　　　　 |l::::::::Ｖｌｉ　し　 ∨///〈〈/＼∧／
　　　　 __,ノﾘ:::::::::ｉ｀ﾄN{ ∨＼／＼/　　＿〉
　'⌒ーｧ一'::::::::::::|:ﾉ:::::ﾄN{、└‐　ご￣＜
　／￣:::::::::::::::::／:::::::::{　ﾄNｌ{、　　il川川ｌ＼
　::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::）　|　ﾄN{川川川ﾚｲ´}
　:::::::::::::::::::/⌒}::::::/:::/　　＼＼￣￣￣　 /
　￣):::::___/ ／:／{:::（＼　　　＼　　＼/
　厂:／　　(:::::( 　＼:＼＼　　　＼　　￣￣|＼

島津宗家は代々京都勤務の家柄で、忠宗までの当主は京都生まれ京都育ちが多い

　／i::::::i:::::i::::::i:::::l::ヽ::::＼::::::::::::::::＼:＼::::::::::::＼
.　　ﾊ::::|:::::|:::､:ヽ::＼:＼::::＼:::::::::ヽ:::＼:＼::::::＼ミx
　　　i::::l:::::ト､{＼＼{ヽ:::＼ミ＼::::::､＼::＼:＼:::::≧=‐
.　　　Ⅵ::::::∨'⌒≧x､＼::＼z抖≦ﾒ＼::＼:＼＼
＿＿_ 个ミ､{　f艾iァ､≧ ＼{x√ゞ' jll　f㍉从「　｀
/////人ヽﾊ　ヽ二彡　　 ::::::｀==彡'_, レ「ヽ__
///// / ＼_，　　　　　　　 :::　:::::::::::::;^iヽ{ヽ＼｀⌒ゝ―
//// / / / ∧　.::::::::::.　　 :　_　　　:::ハ}　i⌒ゞ――　ト
///}. {/ ///// ､:::::　　ヽ:::'´　ィｱ .///ﾊ .|　 i　i i　}　}
// |　∨{ヽ　　∨ヽ ^ヽ=ﾆ三彡′/}:l　i ﾉ .}　 |
// |　　ヽ　ヽ　∨ ＼　ー― '　，　l:l／　，
//∧　　 ::､_　　ヽ　 ≧＝＝≦.　／..　　/
　　，　　ト,＼　＼　/////　／　　　 /
　　　 '　　//iヽ＼　ヽ　//　　|　　　／'
　　＼ヽ//　{　＼＼　　　　 /|_z≦彡′
　　　 ∨{　{ 　，　ヽ　ゝ= ／ //￣　　　　　　＿_
　　　　ヽヽ ’　',　　　 i. ／　 / {､　　　　 / ‐...rﾐ､
　　　　　 ) ）ヽ　ヽ　／／／＼＼　　　　 i /__l l_ヽi

忠宗も京都生まれ京都育ちで、現地の事情には疎い面があった
887： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:30:27 ID:haPO5OuM0: 　　　　　　　　　　 ,r v-x/ﾐﾇ´ ,i　i　l／i　l ヽﾐx
　　　　　　　　　 i⌒|　.|　i !ﾆ/.⌒__,／/.￣ヽ,ﾄﾘ、
　　　　　　　　 },,,::!....:!...,!:!ﾇ /fﾆﾆ}}　=＝=-ﾄ、ﾊ　　,　- 、
　　　　　　　　　 .,'... ,'... ,'.. 'i }fi!乂二ｿ_ 、｀ ¨¨.i!ｿ、　 /ｨ
　　　　　　　　　 .f ｰ　__,フ⌒ﾊj,,、 ,,,,,｀.''_,,,,、　,i!三＞=ィ⌒
　　　　　　　 .,. - ,'　ー　(-'_ｨ　i!ﾊﾞ, V￣￣ >,,,,'三三三三ヽ　＿,ｨ　　　とりあえずお前動くな
　　　　　ｰ／￣! 　　 ,f .￣　,八ヾ, ｀二ﾆ´,,,./!ヽ三三三三二＜
　　　　　 / /　＿ii、.. 　　　　／〈::|　｀.ｰ￣-.イ .i!」.i＼三三三ー- ＞　　　奉行が戦闘に出てるのに抜け駆けとか幕府に怒られるだけだから
　　　　　　/二二/ii 　　¨Tﾌ/　　 i!　 i　Y　 ./　i!:i!.i　 i｀ヽ三三ﾐ／
　　　　　,// /, /　ゞﾌ7=イ/!　　　i!、　、　 ,　 ./}}i!ｌ|　.|i　｀￣＞　、
　　　　　　　 /　　　 ¨　 /,'|　　　i!､ﾐx＿　　_//, | |　 |　|　　　i　　 i
　　　　　 | /　　　　 ,.i !.!　　　i　i｀ｰ{iii}ﾆ川　 | |　 |　|　　　|　　 !
　　　　 i/ 　　　　 .,:!.i !、　　,　|_、ﾞﾞﾞﾞ　ﾘﾘ　 | |　 |　|　　　|　　 !
　　　　　　,　　　　　　 ,::!.!| i!　　　 |ﾆヽ、　　　 .i i!　 !　!　　 |　　 |
　　　　　　|　　　　　　, .,:::i,!i! }:.　　　|三ﾆヽ　　 /:} |　,|　| 　 ..::|,,,::　:!
　　　　　　iV　　　　 / /::/　/|　　　ヽ三三＞<ﾆi! !, '　 |　　　|.　　 |
　　　　　　 i!＼　　 ,.／:/　/　!、　　　 ,＼ニ三ﾆ//　　 ,　　　.:! /　 i!
　　　　　　 |::::::ヽ一..::::/　/　/ .＼　　　　＼_／./　　 /　　　 :|　　ﾊ
　　　　　　 |:::::::::::::::::::/　/　/ 　　＼,　　　/　 /　　 /　　　 |　　　ﾄ、
　　　　　　 }::::::::::::::::/　/　/　　　　ハ、 _,/　 /　　 /　　　　 }.　　 |i }
　　　　　　ヽ;::::::::::/　 i__/　　　　　　ヽ/　　/　　 /　　　　　　|　　　.:: i!、
　　　　　　 .}:::::::ﾉ　　i!|　　　　　　 /　　/　　 /　　　　　　/|　　 ..::./i ﾐx
　　　　　　　 i!:／　 ./ﾆヽ,:　　　　＿/　　/　　 /＿＿＿　 ./ i!　　.:::　 ! V}
　　　　　ヽ　　　　／三三＼＿／　／　/ ＿／三三三三二＝=z、　 .:　　ヽ、
　　　　／ヽ＿_／三三三三＼＿,,,..ｪ＜三三三三三三三三三三i＼　　　 :ﾊ
　　　 ./二二三三三三三三ﾆﾆ＼三三三三三三三三三三三三三ﾆ＼　..:　ﾊ
　　　/三三三三二二二二三三三ヽ三三三三二二二二二二二三三ﾆ＼　..:ﾊ

そのため、島津家当主は一門の有力者か血縁関係にある有力御家人に現地の警察業務を代行させている

本性もそのような事情から守護代に任命された一門の有力者であった
888： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:31:01 ID:haPO5OuM0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ィ７三三三三≧=ｘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ィＴ'/////ｲイ≦三三三≧ｘ=-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ川州ｲﾘｲｲﾚﾍ'ヘ三三三ミミlﾍヾli　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　.i　　 /ｲﾘ〈.}!' ` ′'ハ　メ}ﾍハlミ≧ミミﾐ∧ﾐ`ー'
　　　　　　　　　　　　　　　ゝ-/lｲｌﾘ　l|　　　／　ﾘ、l, l≦三ミ≧lハハ　　 ./
　　　　　　　　　　　　　　　 ,' .}./八ヽ‐　 ,.ｲﾒ､／ｉ l,' `l|!.ﾐﾐﾐ/ ,-,.V∧ｰr‐.'
　　　　　　　　　　　　　　　 l　l川,ィ=ｚl`〃〈ｨ≦二二ﾆ７l|ﾊ}ﾐl ,'ﾐi:l ,'//i　ト-
　　　　　　　　　　　　　　　　 .乂lﾚlﾊ ,ｨ示l{ ゞ`.'ﾚ'r;ｯ二ｨﾘ.l|!.:|ｌ|.l! ﾉ'///从ﾄ|､_ノ　　　何が何でも今は動くな
　　　　　　　　　　　　　　　　　,' ,}从;i'///ﾊ　　 '´￣￣´.! l|! .!ﾊlｰｲ/}Ⅵ'/∧ﾐｚ'
　　　　　　　　　　　　　.＿. 　 i__,ﾚ/弋'///,!　　　　　　　〉l|!.,'　从ﾉｌ|ｌ|li|lｉ|ﾐミ≧=　　　主戦場の干潟、あそこはこれ以上兵が進退できん
　　　　　　　　　 , ‐=≦=､_〉＜,Yｨ川}l}ﾐ=‐'ｌ|　　._ヽ _ 　.l l|l,' ﾐ:l川川l|liⅥl|式ｚイ
　　　 _,　―ｚｚ='ｚ彡７＞=ミ≧彡川l川iﾍ.、,`ｰ'　､__ｚzミﾐｉl||ﾐﾐ/川l|l川lⅥl|iミ≧彡
　／ ,ｲ州'７'⌒i}l| {l{/　　,ｨイｨ}川l川l}川ﾍ}li''ﾐ===‐＝-ミﾐｖｼ://}川!.}iⅥliⅥ三三
　　l ,'州l´ .l　_ノﾘ　,≧=彡'从l从l从l从l从iﾍli,,｀,ililｰ‐'､,:iｌﾘｲ::::i,' 川l.|li}|ｌⅥl}iミ三
　__.,ノli|ゞ==‐‐ｚ≦三三彡彡彡从从从从ｌ::::Ⅵ川川Ⅳ'.:::::::::;l|.,'l.|Ⅳl}l|liミ≧==‐
　　乂ミ≧ｘ彡彡彡{lⅣ 〈//.ｲ从从从≧i´fl| l ￣￣:::::::::;:ィﾘ乂ｌi|l 弋三三三ﾘ'
　　　 l､_///////,{ ｌ.Ⅵィ从从从从l}Ⅳミ=;'::|ハl､::::::::::／ ,':,'　 .lⅣﾑミ≧=ｚイｨ
　､＿.ノ/从///从＞'/ｨ///ハ}l|'Ⅵﾑ　ﾉ.,'-､i ハヽ;;/　 ,::/　／乂 ≧=‐/／
　 r‐=彡' Y,ィ〉}`i'￣l}/,'/iⅥ ,ｲﾘ　ﾘﾊ}l/ /ﾄ、∨　!　　　.// /　　　 ,';'　 /ｲ
　､＿.ノ./l´. |! .,':|　　) Ⅵl／ｲ/ ,r'　州!/ハ.', .〉　l　 ‐=ｲ／　　　　;:;　〃/　　 , -
　　 ./Y.{ |　.l|! ｉ∧／　 )} ﾉ　Ⅵl|､_ Ⅵ':l 　 i　ﾄ､_,.ィ／,'　　　　　/;'　,' /

後詰として進軍した島津氏だが、大友氏を中心とした本隊とは合流せずに後方に陣を敷いた

主戦場になると思われる鳥飼塩浜が元・高麗連合軍と武士団の全戦力がぶつかり合うには狭すぎたのである

　　　　　　　　　　　　　　　　　, -――- ､
　　　　　　　　　　　　　　　／三三三三=ヽ
　　　　　　　　　　　　 /三三三三三三ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 l三三三三三三三}
　　　　　　　　　　　　　　 l三三三三三三/
　　　　　　　　　　　　　　ヽ=三三三三三{　　　　　決戦の地となった鳥飼塩浜だが
　　　　　　　　　　　　　　　∨ﾆ三三三三/
　　　　　　　　　　　　　　__/三三三三／　　　　　　ここは狭い。両軍合わせて一万人が戦闘に参加できるかどうかだろう
　　　　　　　_, 　-　 '" ´三三三三三ヽ､_
　　　　／三三三三三三三三三三三三三三ヽ､　　　　　　　　　　┏━━━━─────
　　　／三三三三三三三三三三三三三三三三ヽ　　　　　　　　　　主戦場となった鳥飼塩浜だがこの地域は
　／三三三三三三三三三三三三三三三三三三＼
／三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三＼　　　　　　　明治末に大規模な調査が行われてる
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三＼　　　　　　　　　　　　　　　　　─────━━━━┛
三三三三,三三三三三三三三三三三三三三三三三三三＼
三三／　ヽ三三三三三三三三三三三三三三三!､三三三三ヽ
三／　　　ヽ三三三三三三三三三三三三三三|　｀ヽ､三三三＼

調査に参加した中には日露戦争の従軍経験がある者もおり、再開発前の往時地形を留めている鳥飼塩浜の状況が記録されている
889： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:31:46 ID:haPO5OuM0: 　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　 .／三三ﾆヽ
　　　　　　 ./ニ三三三ﾆ`、
　　　　　　　{ﾆ三三三三ﾆﾉ　　　　周辺に比べれば随分と地盤は安定してるし、馬は走らせるくらいなら可能な筈だな
　　　　　 .',三三三三ﾐ/
　　　　　 .',ﾐ三三三ﾐﾉ
　　　　　　._.,/ニ三三ﾐ/　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┏━━━━─────
　 _,, ．‐''ﾆ三三三三.`- ．,_　　　　　　　　　　　　　　　　記録によれば鳥飼塩浜は周辺に比べて地盤が安定して
f´.三三三三三三三三三三｀'' ､
lﾆ三三三三三三三三三三三ﾆ',　　　　　　　　　　　　　騎馬を走らせることができたという
!.ﾆ三三三三三三三三三三三ミ',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─────━━━━┛
l.ﾆ三三三三三三三三三三三三',
.!ニ三三三三三三三三三三三三',
..',三三三三三三三三三三三三三i
　',ニ三三三三三三三三三三三ﾆ.l
　 ',ﾆ三三三三三三三三三三三ミ.l
　　',ニ三三三三三三三三三ﾆlｰ-┘
　　.|ﾆ三三三三三三三三三三.l

　　　　　　　　　　 .r-三r´ /rr三y=ニヽ
　　　　　　　　　／ﾍへ,. {< ｿl ,,r,,,二ニﾆヽ
　　　　　　　　　jﾆr='''- ﾟﾞ ´￣　　　,　ゞ三=ゝ
　　　　　　　　ｿﾆr ,　　　ー -　　　ヽ　ゞ二=k
　　　　　　　　rﾆ=' {　　　　　　　　　ｭz,,., ゞ二=y
　　　　　　　／ﾆr ,へ、　　　　／∠´ﾞ´. ゝjﾘl=k,
　　　　　　　 { / /´ﾞ｀二ヾｭ,　 .'ゞr ﾞQ ｧ,　　ﾘ}.}k ゞ _ =-、
　　　　　　　 yr,l　　ﾄ Q ヾ,.l　　ゝ￣　　ｲ, /、三ﾆニﾆ,　　　順番に部隊を繰り出すしかありませんね
　　　　　　　〈y.lヾ　｀ﾞ´　 .l　　,＿_r=、　´}ﾍニ三-二ﾆ
　　　　　　　　{jﾆゝﾍ　 r- -r _, ,ｲﾆ=- ﾞ j　 .lﾊゞ三ニニﾍ　　　　陣を背にできる分、まだこちらの方が有利ですが……
　　　　　　　　jlニ=ﾘl　<-= .＿ _ ー ,　　'　イl.ﾄ,ﾆニニy´
　　　　　　　/jニy j=ゝヽ　　r;;;;z　　　　.ィ, .lﾊﾆ,=jr;／
　　　　　　ｿ''ニ'=ﾉ /jﾄ、　　ﾞ　　　　 ./　l./　ﾄ-／　　;;;
　　　　　　{{、ニ/´　ｿ　、, ヽ＿jkｧーｨー━y　r　　　;;;;;;y
　　　　　　　ゞ>,ゝ　l!　rゝ-ﾄ-ヾ-、r-ｲ- ´_ ／　　／´シ
　　　　　　　,ソj　} ﾍ,- ´　-<;;;;;;＿ .-ーｙ ’　／;;;;ｨ´
　　　　　　　ゝr-{ﾘ'　　＿ -ﾌz　　／'' ﾉ　　/;;;;;;ｨ　　　r;;;
　　　　　　　　｛´ /´::::::ｨ''´　　／´ ノ　　ｲ;;;;;/　　　ィ;;;;;;
　　　　　＿＿r-k;;;ｨ´＿ _zｲ´ ／　　;;;/;;;;／　　／ ´ ￣
　　　　ｿ´ｪｭｲ´ --´　ー＿ｨry'　　　;;;/;;;;ｨ　　　´

両軍に大きく影響したのはその戦場の広さだった

陣を敷いたはいいものの、部隊の多さを十分に発揮できない元高麗軍に対して――
890： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:32:58 ID:haPO5OuM0: 　　　　　/::::::::_..‐´::::::::::::::::::::::::..-‐ ′　　　　　　　　　　　`' ､::::::ヽ
　　　 /_..‐´::::::::::::::::::::::::::::::_..-'" 　　　　　_,,l「ｌ１‐－――‐‐-...｀l、
　　／_..‐´::::::::::::::::::::::::_..‐´　　　　,,..-‐''´　ゝ-'′_ ,,...............,,, ヽ/..
　　＼::::::::::::::::::::::_..‐´　　_.._..-‐'' 　　__....-‐'''::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　＼::::::::::::::_..‐´′ ,- ′　_..-‐''::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_.,,,,,,._.._,,,, ﾉ、　　　　全軍、ひるまず戦え
　　　　＼::::::ｨ''´　　／　　...‐" :::::::::::::::::::::::::::::::::::　 ,, .ﾆ／--、ﾉﾞｉ
　　　　　　＼　　／　ｨ''´::::::::::::::::::::::::_..-‐'' / /ハノ　　ﾟ,‐´ ,　ﾞｉ′　　　　　この鎮西奉行大友頼泰が引付だ
　　　　　　　＼　j丿　'ぃ―f ......--''¨___　'く　　　〈' ⌒ﾞﾞﾞﾞﾞ ''´ 　ｉ丶
　　　　　　　 l''、,,-':;:;:;:; !'''′ エ￣ﾟ　,/　/　　　　ﾞｉ　　　　　　ｉ〉　 .⌒.:.:.:.:）.:.:.:.:⌒.:.:⌒.:⌒）.:.
　　　　　　　 ./　､:;:;:;:;:;〔　　　　ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ＿＿ィ　　　ﾞｉ　　　　　　　ｌｿ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:⌒.:.:⌒.:.:.:）.:.
　　　　　　ﾉ(　｀ゝ:;:;:;:;卜　‐ 　　　　　　　　　 / ﾞｉヽ　　　　　　ｌ　＼、）.:.）.:. ）.:.
　　　　　　/ (　ヽ　`　巛　　　、　　..‐-､　　　ゞ‐ﾞ'ﾉ ..,,　　　　ｌi!i!i!i!i!ｌ｀＼
　　　　,ノ"　　ﾍ　　　　ゝ、　｀　／　〕ゝ - ' ..-‐'' ｀　　 "'‐-､　ｌi!i!i!i!i!ｌ　'、＼
　　　 / ､´ r广´` ､　　‐ ､、　／　 / │‐..'′　　 ,,.. _＿＿.:.:.:.:.:.:.:.:⌒、.:.:.:.:.:.:.:.:⌒、）ﾉ :::
　　/..''j ''´､厂　　''ｰ､ .._ 　'、! ..　´′　　　　 ,,‐'' ｀　;;;;;;;;;;;;;;　;;;;;;;;;（　　　((;;） ::::
..／　ノ'(　r'　　　　　　i!/:;TTTヽ　 ’ ;''゛　　、 ..-"´　　￣￣￣￣￣￣￣￣:.:⌒.:⌒
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.. ⊥ 　　　ミ　　　　　　. ''ﾞくi!i!i!i!i!l　　ｉ　　./　　　、　　　　 (-!′.:.:.:.:.:丶.:.:.:.:.:.:⌒.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.

西進部隊は後詰の南九州勢を残したほぼ全軍を投入

同じ戦場で戦った御家人に対して守護が発給する文書が残ることから、大友頼泰など指揮官級の御家人の参戦も確認できる
891： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:33:36 ID:haPO5OuM0: 両軍が対峙し、文永の役最大の激戦が始まる。だが――

　　　　　　　　 |',　　　　　　　　　　 _,,.._,,..-‐''＼　　　　　　　 ∧
　　　　　　 |.',　　　　　　_,..､-''"／／　　　＼　　　　　　　　∧
　　　　　　　　　i ',　　　　／　, -'", -'ニニ＝; 　　＼　　　　　　　 ∧
　　　　　　　　　 i ,',;;;;;;;l''" , -'",- l 0　　_,,／　　　　ﾞ''-､,_　　　　　∧
　　　　　　　　　 i.ｷ;;;;;"'''l ヽ'"　 _ヽ-‐;'' -''"　　　　　　　　l＼　　　　∧　　　　　　 ∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
　　　　　　　　　　 i ヽ;;;;;;;|　`''　ニﾆ‐'"　　　　　　　　　　　 l　｀`丶　　∧　　　＜　　史料が無い！　　　　　　＞
　　　　　　　　　　　i　＼ i　, -'　　　　　　　∪　　　　　　　　l　　　"'- ､∧　　＜　　詳細が分かる奴が無い！＞
　　　　　　　　　　　ヽ／　　　　　　　　　　　　　　　u　　　　 l　　　　　 "∧　　　　ＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶ
　　　　　　　　　 ,-'"　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　　　　　∧
　　　　　　　　　　　',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　　　　　 ∧
　　　　　　　　　ヽ_______,,..-‐ 、　　　　　　　　,,-="'''- ．._　　 l　　　　　　　）
　　　　　　　　　　　　￣''''ヽﾔ￣　　　　　　　''"　　　ノ゛!　ヽ　 .l　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽl　　　　　　 _,,..-‐''"Y"~ヾ,　　　,l 　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　〈　_＿＿_,,..-‐''　 |、＿,〈,-く　}　　　.l　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ﾞ''ｰ、ヽ　ゝ　~T 　　ﾉ __,ノ / 　__,ｌ　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/l＿＿＿__,,..-‐'￣￣ _,..､'--''"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　<　　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　/

いや、本当にごめんなさい

　　　/　　　　　　　／＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾ヽ　　ﾞi
　　/　　　　　∪ /　　　　　　　　　　　　　　　ﾞi　　　ﾞi　 ┏━━━━─────
　/　　 |　　　 /　_....r-ー'―-‐‐‐‐‐‐‐--ｰ--ﾞi　　　ﾞi　　最大の激戦となった鳥飼塩浜合戦だが、
/　　　 |　　　/ ,'ｒj―'''`''‐‐ ､ _.|..| （､,,,-‐''´｀ヽ_ﾞi,.　　ﾞi
|　　　　|　　/ | 　 ,‐'ﾞﾞﾞﾞﾞヽ　　 / / ﾉ ./´￣｀i　.|ｌ　ﾞi　　|　ただでさえ少ない文永の役の史料の中でも格段に史料が少ない
|　　　　|　 /　|　〈　　・　〉　　　　　〈　..・　） |ｌ'、ﾞi　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ─────━━━━┛
|　　　 |　/ﾄ　| 　 `-..,,..-′　　　　　 `-....-′|ｌ'、,,'ﾞi　|
|　　　　!/ i ﾄ│　　　　　　　　　　　　　　　　.|ｌ'、､ﾞi　|　　そのうち一通が私の任国外の御家人への勲功に関する書状だから
|　　　　く | ﾄ　|　　　　　　　　　　　　　　　　 |ｌ'、ｌ ' 　|　
ｲ＼　　＼ﾞ＼ｌ　　　　　　　　　　　　　　　|ｌ'、ﾊﾞi　　　　私が臨戦したのは確実なんだが
　　＼　　　＼<ﾞ‐‐ｰ、　　　　　　　　　..ｨ´´　　　〉 /
＼　　＼（⌒）　ヽゝ｀ゝ‐‐‐､､_____,,-‐''´、　　ﾍゝソ丿
　　｀''-､ﾞﾞ"＼＼　＼　　　　　　　　　　　　-`ｰ､　／ `
　　　　ヽ＼　｀''-､＼＼　　　　　　　 ´ﾞゝ､　／

残っている武士の書状が二通と『蒙古襲来絵詞』に１ページ分だけ記載があるだけで、それ以外に史料が無い
892： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:34:19 ID:haPO5OuM0: 　　　　　　　　　　 .r-三r´ /rr三y=ニヽ
　　　　　　　　　／ﾍへ,. {< ｿl ,,r,,,二ニﾆヽ
　　　　　　　　　jﾆr='''- ﾟﾞ ´￣　　　,　ゞ三=ゝ
　　　　　　　　ｿﾆr ,　　　ー -　　　ヽ　ゞ二=k
　　　　　　　　rﾆ=' {　　　　　　　　　ｭz,,., ゞ二=y
　　　　　　　／ﾆr ,へ、　　　　／∠´ﾞ´. ゝjﾘl=k,
　　　　　　　 { / /´ﾞ｀二ヾｭ,　 .'ゞr ﾞQ ｧ,　　ﾘ}.}k ゞ _ =-、
　　　　　　　 yr,l　　ﾄ Q ヾ,.l　　ゝ￣　　ｲ, /、三ﾆニﾆ,　　高麗史は時系列が良くわからない書き方でしか書いてないんですよ
　　　　　　　〈y.lヾ　｀ﾞ´　 .l　　,＿_r=、　´}ﾍニ三-二ﾆ
　　　　　　　　{jﾆゝﾍ　 r- -r _, ,ｲﾆ=- ﾞ j　 .lﾊゞ三ニニﾍ
　　　　　　　　jlニ=ﾘl　<-= .＿ _ ー ,　　'　イl.ﾄ,ﾆニニy´
　　　　　　　/jニy j=ゝヽ　　r;;;;z　　　　.ィ, .lﾊﾆ,=jr;／
　　　　　　ｿ''ニ'=ﾉ /jﾄ、　　ﾞ　　　　 ./　l./　ﾄ-／　　;;;
　　　　　　{{、ニ/´　ｿ　、, ヽ＿jkｧーｨー━y　r　　　;;;;;;y
　　　　　　　ゞ>,ゝ　l!　rゝ-ﾄ-ヾ-、r-ｲ- ´_ ／　　／´シ
　　　　　　　,ソj　} ﾍ,- ´　-<;;;;;;＿ .-ーｙ ’　／;;;;ｨ´
　　　　　　　ゝr-{ﾘ'　　＿ -ﾌz　　／'' ﾉ　　/;;;;;;ｨ　　　r;;;
　　　　　　　　｛´ /´::::::ｨ''´　　／´ ノ　　ｲ;;;;;/　　　ィ;;;;;;
　　　　　＿＿r-k;;;ｨ´＿ _zｲ´ ／　　;;;/;;;;／　　／ ´ ￣
　　　　ｿ´ｪｭｲ´ --´　ー＿ｨry'　　　;;;/;;;;ｨ　　　´

『高麗史』に至っては「元兵と共に日が落ちるまで戦った」としか記述されていない

ちなみに『元史』は一切なにも書いていない
893： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:35:05 ID:haPO5OuM0: ――それでもその後の史料や流れからわかる点がいくつかある

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　’　,　　　　　　　　　　';
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i;,′,ﾟ;　　　　　　　　　　;i
　　　　　 ';　　　　　　　　　　　　　 ,;;’ ,::;;　　　　　　　　　ヾ^';;..;;;'　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　ﾟ，　　　　　　　　　　　 ,;i;' ,;' ,;　　　　　　　　　　_,.);;:/ヾ' ﾉ;,　　　　　　　　　　　ヽ＼
　.,　　　　　i;　　　 }:,　　,;' 　,.. 　 ,;",;'　/　　　ヾ;"　　　 '"　;;.,,;　　 ',;'　　　　　　　　　　　　}　　　　　　ノ ``
　::;;;;';.､　　 ;;　　　 i;;;.,,.ﾉ;;;:'" 　　,ﾟ;.,;',　 o　　i,.,.,ﾉ}　__ -- ､　,);,,:;'　　　　　　　　　＼`ー--' 　 ┃ 　　＼
　;:;;;:;;;;;v.,　 i;,　　　;;:;;;.;:'"　　　 /_/'=ﾆﾆﾆミﾉ';r''/´ 　ヽ　 } >､;;;i　　　　　　,,;;"　　　　＼　　　　┃
　';:;;.;:;;;.;;:;,,_,};;i／￣};;/､　　　／;;:;ﾟ斗-≠＝ミ＞{　　 _　-- _　）;;;;..,,,, '" 　　　　,:;'　　　ヽ　　 ┃　　ｰ┼__
　 ';;:斗-―-'';i...,,￣ヽ　 ⌒>' /;:;;' /;;;'{　　ﾟ／　_彡⌒VVVV∨;;'7'"ﾉ;　/};.,'"　,:;";,　　　 }　　 ┃　　 /|　）
　´:_:_: : : : : : : : ｀ヽ;;,,;;X /　/;;;;ﾟ;/;:;'=ゝ-"　冫)Vﾞ^ヽ! __,r〈|/;;';;' ;;':;(　ﾉ;;;;,;',,,:;;'.;;:';;:;＿__ ノ　　 ┃
　 -､￣｀ヽ:: : : : : :∨;;;,{　{ ;;;;;;'/_|o　ィテV'ﾞ`′　 r〈人Kヽ;;{/_/_';:;;;斗=ミ:;__;/_;:;:;;;:｀ヽ　　　 ┃　　　‐匕_
　//) γ⌒ヽ＼: : : :_:);;ノヽ| ;;;:v=V⌒<{　-―v―/'YYi}ヽ } } !,,;'ﾟ: : ｀ヽ　　ゝ_　/;:;''"　　}　　　 ┃　　　（乂）
　='-ミ乂__,;ﾉ　￣　　|;;Y　　　　} |,,;i;,,,. Y l/|　,;＼　V{_/}-く/;;:' : : : : : :}''"　 __}_,.,;:;;:;:'"ﾉ　　　 ┃
　;;:..;:;;;:＼　　　　　　 !;;;）　､＿,ﾉ八;;;'　｀¨Lﾉ;;'､　｀ー　｀)/};;;;:;;;,,.;:': :./　ヽ　 ,,.:;);;:＜　　　　 ┃　　　 ‐匕_
　,,,;;;;:;";;:;;＼　　　ﾉ;〈__ノ:::} ∨｢!;;ト,,,.__ノ;;{｀Y^ﾊ＿__彡{;:;;;,,;;:;;;:;;'"/――…;;:;:;;,,.;: 　ヽ　　　　　　　（乂）
　,,;rｯ;;;;;;;'";;:;;丶___／;;;:;;;:;;;:;;/＼ヽﾘ;;/;;;:/;;＼;;　Y__ｊ_^Y^Yノ}´!: :_: 彡'　 ―-ミ/;:;;;:;;;;..;:;ノ　　　　l l 　l
　／rｯ ,:;;';;:;;/;/'ﾟ7;;:;i;:/: :}/: : : . .`ミト=====≧ｘ＿ノ--＜´ ,,';:;/　　　　{_　　ノ;:;;;;,..,／　　　　　ノ　　‐匕_
　ry,,:;;';;:;;;;;:' {;i　 ';;;:;:;': :_,ｨ: : : : : : `i　 __＿_　r=': : : : : : : }''/;(,,,::;,.　　／厂;:;;:;;;'''"￣｀ヽ　　　 l7 l7　　（乂）
　―-''"'':i rｯ;'__) /　　ノ: : : i: : : :.｣ /: : : / /: : : : : : : : :ﾉ ∨{;,,,,'";,:;;:;'"'"|　　　　　　　　i　　　　o o
　　　　　　　:;_ﾉ´　-＜: : : : :i: :-―: ､｀="_,.._＼: : : ＼｀¨　/;,.;;:;;r''';;:;;,,..:ヽ,,,,/:;;;'"　　　 /　　--､　　　　　 .-､　ト
　／　 /　　　 {　　 __＜´: :),;ﾄv{: : :/: } /: : : ／: : ＜　　 /;;:;'c　}ノ;:/ヾ;;∨　'; 　　　 / ／　　　i ／　i　 /;;:;';ヽ!;:;,
　　　/　＿__斗-=￣／￣ヽ;!;;:;;.;v';/"i';-彡': : : : : :.＞ /;;:/c　,;ﾟcY　c;:;! };..,,　　　　／"　　　　/'　　 i ./..;:;;'"
　　　 /　　　＼　　　{　　　＼'''7;:;i;/'/---=;;:;": : : }／c;'／￣二=ミ//　};;:;;,,,,＿　　　　　　　　　　 i/
　　　i　　　　　＼ヽハ　　　　 ∨;;:;;,;;:;;;;`＜__j'__ /￣￣ヽ￣￣｀ヽ＼: ＼c｀ヽ:;;;;:;;..,,,
　　　i　　　／￣ヽ___八　　 --､};;:;;;,;;::;;／=､;:;..,,,､　　　,;　}￣＼c 丶ヽ: :} /　V;:;;:;;:;;;;;;;;...,,,
　 __∧＼　{　　　　∨￣＼/　　 i￣):;;/　　　＼__ /≫x_)､ヽ: : : :} c c} }/⌒!　i;:;'"ヾ;:;;{''"　ﾞﾞ''';;:;,,
　_＿/}　ｰ＼　　　 | !　　i ＼　/｀Y;;;:;};/;!__ i　　ヽ:;;,,'　`　､))___)斗''"　　/　/　　　ヾ:;;,,
　　ヽ　}　　￣￣冫--､　ヾ￣∨:/-{/ ハ　ﾉ;;:;..:　　　　　　　､　　 / ／
　⌒ヽ i/　　　　　i__ノ;;:;/￣`ｰト .　 i': : : :_:_＞!__/ ﾉ:;;;:;,., '';;::;;;,, 　　＜'"´

一点として、指揮官級も交えた激戦であったこと。この合戦で元軍の副司令官の一人劉復亨が流れ矢で負傷

本陣の船に運び込まれた
894： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:35:44 ID:haPO5OuM0: 　　　　　　　　　　　　:,:　　　　　　　　　　 :(::)
　　　　　　　　　　　　/⌒''⌒) :,,゜　　　　　 '　　　　　　　　 ,,,,,,,
　　　　　　　　　　,.ィ　,.ィ:::::!'　　　　　　　　　　　　　　　　 (::::::)
.　　　　　　　 ,ｨ／　 '´　 !／ﾚi　　　　　　　　　　　　　　　　''``　　。
　　　　　　　/　　　　　　　　′ﾚi
.　　　　 jﾞ ,.ﾍ、　／＼　　　 !
　　　　　　|/　　 ¨´ 　　ヽ　　│　　　'　　、　　　　　　　;:　。
　　　　　　ﾚ_ニュ　 r'ﾆﾆヽ〉　 !　　　　　　　　　　　　　`'''`~''・　　　　' `
　　　　　f'l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; :|∩　!　　　　　　　　　　　!:(',,,,、　　　　　　　　　　　　　　::,,,,,、...
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.　　　　　　l　　L -`　 ┌ :lﾚ′j　　ﾉ::`!　　o　　　(::::::::::::::::::τ　　　　　　　　　　　　(:::,,;,;,、; 。
.　　　　　ｌ　⊂ﾆニ⊃　.ﾊ.　ハ　⌒・　.　　・、;::::::::::::;;.;`` ''
.　　　　　ﾊ　, ,ー, , ,. '/　ｌ ./: :ヾ''ｰ-　　　　/／'''`'`'` `　　　　　　 ..,,.. _,,,.、・　　　　　　　　　,, ...:・..
　　_,,　-‐''7 :ヽ＿＿＿/ 　 l/: : : :!: : : :　　　　　　　　　　　　　　　　　;,;;( ):::::;.　　　　c::── '`'''::::::::::;''
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: : : : : : :.:i: : : : :L._　　　＿_｣.: : : : :| : : :　　　　　　　　　　 :'`'``:!
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.: : : : : :.| : : : : l;';';';';';';';';';';';'|: : : : : :|: : :

武士団側も千葉頼胤が負傷

相当な重傷であったらしく、合戦後に死亡したことが伝わっている

　　　 /: :: :: ::r' ｢｀'v'´1ヽ: :: :: :: :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　 ': :: :: :: ::{　|_ｌ∨ｌ_|　}: :: :: :: :: :: :: :: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　{: :: :: :: :: ゝ __ 　 __ノ: :: :: :: :: :: :: :: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　ヽ: :: :-‐: :¨￣: :￣¨: :: :‐-: : _: :: :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　／: :: : ＿＿__　__＿＿＿＿＿_z≧.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.　　　引くことは許さん！
　　｀￣￣へ≧x､　　x≦三x＜¨`　　j三≧x:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　ｉﾐ', ｨてｵ}　j: >'てﾘ＞　　　 !ﾆﾆ／＾ヽ.:／　　ここで引けば民の飢えも戦友の死も無駄になるぞ！
.　　　　　 iﾐｌ　　¨´!　　｀¨'' 　　　　 lﾆﾆﾚく}　}ﾐ
　　　　　　ﾐi　　 /　　　　　　　　　　ミﾐ/ ,ク /ﾐ
　　　　　ｷr､　ヽｰ'ｧ､) 　　 ,.ｨ　　　ﾐミ}ノ／ミ
　　　　　　圦辷ﾁ彡_込三彡’　　　　　ー'州ﾘ
　　　　　　　ﾍ　¨`￣￣｀　　　　　 ,′{州≧=ｲ
　　　　　　　　ﾊ　　( ⌒｀''　　　　　　ノ　从辷彡’

そんな中、元・高麗軍では高麗軍が奮戦
895： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:36:21 ID:haPO5OuM0: 　　　　　　　　　　.　　― -
　　　　　　　　／　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　 '
　　　　　　 /　＿__,　
　　　　　 _.ﾞｰ--　　＿__ 　　　　　 '
　　　　　{::::ヽ　/　ﾉ.:::::::.ヽ　　　　 .i
　　　　　　fｔﾇ八zく_tﾂ　 )'　　{:ﾒ⌒, l　　　　　　高麗兵の勇猛さは蒙古に勝るとも劣らん
　　　　　 }-仗　　ー＝´　　　}ミ　{｜
　　　　　｛r'　　_｀ヽ　、ヽ　　jﾐヌ, ｛＞-ｭ＿　　これを習いとすべきだな
　　　　　ｨ从ミｰﾊヌ从ミ　　　}入／　乂之}
　　＞. ´: :ﾊ亡亡亡亡j_/　　从ミ＞ﾆ.{＿_乂
. ::´: : : : 彡廴廴廴廴.ｲ　　斗ﾐﾊニ／_ニニ
. : : : : : 彡ｲ、__￣￣　 , 八ヾミ／_ニニニニ
. : : : ／彡彡ｨﾊﾒ　　.ﾊﾇくメハﾐ/_ニニニニニ
. : :彡'イ彡'イ彡ｲﾊ从从从イ / -ニニニニニ
＜. : : : : ´.イ彡彡彡彡彡く.〃_ニニニニニニ

どんだけ頑張ったかといえば、総司令官からの褒め言葉が記録されるレベルで頑張っていた

『高麗史』の記述だからある程度割引く必要こそあれ、高麗の戦意は高かった

　　　 /: :: :: ::r' ｢｀'v'´1ヽ: :: :: :: :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　 ': :: :: :: ::{　|_ｌ∨ｌ_|　}: :: :: :: :: :: :: :: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　{: :: :: :: :: ゝ __ 　 __ノ: :: :: :: :: :: :: :: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　ヽ: :: :-‐: :¨￣: :￣¨: :: :‐-: : _: :: :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　／: :: : ＿＿__　__＿＿＿＿＿_z≧.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　｀￣￣へ≧x､　　x≦三x＜¨`　　j三≧x:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　ｉﾐ', ｨてｵ}　j: >'てﾘ＞　　　 !ﾆﾆ／＾ヽ.:／　
.　　　　　 iﾐｌ　　¨´!　　｀¨'' 　　　　 lﾆﾆﾚく}　}ﾐ
　　　　　　ﾐi　　 /　　　　　　　　　　ミﾐ/ ,ク /ﾐ
　　　　　ｷr､　ヽｰ'ｧ､) 　　 ,.ｨ　　　ﾐミ}ノ／ミ
　　　　　　圦辷ﾁ彡_込三彡’　　　　　ー'州ﾘ
　　　　　　　ﾍ　¨`￣￣｀　　　　　 ,′{州≧=ｲ
　　　　　　　　ﾊ　　( ⌒｀''　　　　　　ノ　从辷彡’

兵糧や軍船の多くを高麗が負担している以上、高麗にとって戦果が無いのは死活問題となりかねない

というよりも、元が一回失敗したくらいでは諦めないのは身を以て学んでいる
896： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:36:49 ID:haPO5OuM0: 　　　　　　　　　　_,.．---- ．._
　　　　　　　　／　、　　　　､ ,,ヽ
　　　　　　　/ 　　ﾐ))))))))))）　ｯ'))）
　　　　　　/　　　　　,ｨ｡ﾆ>,;;　ヾむi　
　　　　　　彡､　　　　"""　　(,-､ｯ, ヽ
　　　　　　{-ﾏ彡ｨｨｯｯ'' ..　　　,,__'_,,,_､i
　　　　　　ﾊヽヽ彡'　　:::　''"~　,,;;;;;,,` l
　　　　　/ﾐヽﾆ-）ii　　　'''　　　　/iii> ,}
　　　　（ミﾐﾐミﾐi｀iiii;,,　　　,,,,,,,,,,,ﾉllll!,ii!
　　　　{ミミﾐ/⌒i: : :　"　""'''!!!!!!!!!ｿ"
　　　（ﾐﾐﾐ（　（｀ヽ: :　　　;　　　　.::|
　　　〉ﾉﾉﾉヽ＼　ヽ　　　 ''';;,　　.::ﾄ､
　　 /ﾉﾉiii　iii ＼＼　､　　;;　 .::::|　ヽ
　／/ iii　iii　 iiii ＼＼　　　　　　:::ﾄ､　ヽー

その上、属国に何かと厳しいというか冊封体制とかに知識が無い元の事である

また馬鹿げた量の軍役を負担させられるのは目に見えている

　　ﾉノ　　　,' / /:/ :/:/｜　 . : : :.ヽl、
. Y´ . l　｜ !/ /:厶ｲへ!ｌ|: : /: : : : : .､一
　| . :.:ｊ:.: :ﾄ､l　イｰ=ﾆニ}ﾘ//.:.:l :l :「￣
　| l: :{｀ヽ|　　　｀''ｒｰ┴' /. : ﾉ:ﾉ:ﾉ
　| l: ﾘ　　　　　 l|l|　　 /　〈　´´
） Ⅵ:{ 　　　　　　　　丶
ｰ、ヽ　　　　　　　　　　　 _ ノ　
: : ヽ　　　　　　　　　　　 (
: : : : .　　　　　 r―‐一'
ー‐――┐　　　￣￣)
:.:.:.:.:.:.:.:.//､　　　　　 |
: : .:.:.:.:// 　 ,ー-　　　..ﾉ
: :.:.:.:.// 　 /.: ￣.:ﾌ
:.:.:.:.// 　 /.:.:.:.:／
: : // 　 /.:.:.／
.:.:.{ {　　Ｌ〃＼
:.:.:.ヽヽ　｀ヽ　＼

いくら高麗が元の軍事力を背景に徴税を強行しても無い袖は振れないしどこかから穀物が湧き出てくるわけでもない

それでも徴税を強行すればどうなるか――
897： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:38:11 ID:haPO5OuM0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｘ≦ﾆﾆ=‐-ミ､
　　　　　　　　　　　　　　　／:i: i:挂圭≧ｘi:i ＼
　　　　　　　　　　　　／__,,..．-========ミi:ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　/´　, .　　　　}　　　ﾄ､ .＼}
　　　　　　　　　　　　　} .／ｲ　　.／　　ヽ　 .＼ .ⅵ
　　　　　　　　　〃/　　 .／　　　 .:i　　i　 Y i〉
　　　　　　　　　 i /　　イ　　 __,,. __/　.乂　 }　}
　　　　　　　　　 /,,.. ．-‐≦圭圭圭i:≧㍉､ﾉi i{
　　　　　　　　　　　　{ ii:i:i:i : :　ヽ.Ⅵi:／i:i: : ___:i:i:Ⅵi{
　　　　　　　　　　　　}ﾄ､f斧弐忝ｘi}i:i{: iｨf翁琵㌻i:ⅵ
　　　　　　　　 /i:i: Ⅶ圭戔刈i:i乂戔圭毟': i:〈{{
　　　　　　　　　　 {i:ii:`ｰ≠¨ 亥/r=､i:i:ヽ.¨: :　:i:i:i:}i
　　　　　　　　　　　＼i:i: :ｘ≦三i{ {iⅵ}三≧ｘi:i:: :ノ
　　　　　　　　　　　　　`Ⅶⅵi:圭`Ⅶi:{圭三≠i:/
　　　　　　　　　　 Ⅵ.Ⅶｒ､i:i:i:i:i:i:i:i:Yi:/i:i/
　　　　　　　　　　　　 Ⅵ{{`冖V⌒ⅥⅥi /
　　　　　　　　　　　　　　 Ⅵi{ﾑｘzz,､zzｲi:i {
　　　　　　　　　　　　　　　　Ⅶ≧=‐‐‐‐彡i/
　　　　　　　　　　　　　＼圭挂圭i:iノ

農民による反乱から生じるであろう混乱は想像もできない規模の死者を出すに違いない

　　　 /: :: :: ::r' ｢｀'v'´1ヽ: :: :: :: :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　 ': :: :: :: ::{　|_ｌ∨ｌ_|　}: :: :: :: :: :: :: :: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　{: :: :: :: :: ゝ __ 　 __ノ: :: :: :: :: :: :: :: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　ヽ: :: :-‐: :¨￣: :￣¨: :: :‐-: : _: :: :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　／: :: : ＿＿__　__＿＿＿＿＿_z≧.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.　
　　｀￣￣へ≧x､　　x≦三x＜¨`　　j三≧x:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　ｉﾐ', ｨてｵ}　j: >'てﾘ＞　　　 !ﾆﾆ／＾ヽ.:／　
.　　　　　 iﾐｌ　　¨´!　　｀¨'' 　　　　 lﾆﾆﾚく}　}ﾐ
　　　　　　ﾐi　　 /　　　　　　　　　　ミﾐ/ ,ク /ﾐ
　　　　　ｷr､　ヽｰ'ｧ､) 　　 ,.ｨ　　　ﾐミ}ノ／ミ
　　　　　　圦辷ﾁ彡_込三彡’　　　　　ー'州ﾘ
　　　　　　　ﾍ　¨`￣￣｀　　　　　 ,′{州≧=ｲ
　　　　　　　　ﾊ　　( ⌒｀''　　　　　　ノ　从辷彡’

ここで勝利できなければ将来の出兵に怯えなければならない

高麗にとってこれはただの戦争ではなくこの後の元との関係を決める一戦でもあった
898： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:38:54 ID:haPO5OuM0: それに、勝利すれば分け前を得ることが出来るという目論見もあった

　　　　　　　　　　_,.．---- ．._
　　　　　　　　／　、　　　　､ ,,ヽ
　　　　　　　/ 　　ﾐ))))))))))）　ｯ'))）
　　　　　　/　　　　　,ｨ｡ﾆ>,;;　ヾむi　　　　　　うむ、良く働く者は良く扱うべきだ
　　　　　　彡､　　　　"""　　(,-､ｯ, ヽ
　　　　　　{-ﾏ彡ｨｨｯｯ'' ..　　　,,__'_,,,_､i
　　　　　　ﾊヽヽ彡'　　:::　''"~　,,;;;;;,,` l
　　　　　/ﾐヽﾆ-）ii　　　'''　　　　/iii> ,}
　　　　（ミﾐﾐミﾐi｀iiii;,,　　　,,,,,,,,,,,ﾉllll!,ii!
　　　　{ミミﾐ/⌒i: : :　"　""'''!!!!!!!!!ｿ"
　　　（ﾐﾐﾐ（　（｀ヽ: :　　　;　　　　.::|
　　　〉ﾉﾉﾉヽ＼　ヽ　　　 ''';;,　　.::ﾄ､
　　 /ﾉﾉiii　iii ＼＼　､　　;;　 .::::|　ヽ
　／/ iii　iii　 iiii ＼＼　　　　　　:::ﾄ､　ヽー

良くも悪くも遊牧民国家だった初期の元は戦利品の分配には妙に寛容な面がある

先代元宗から絞りに絞られた富に比べれば少量だろうが、それでも一息つける程度はもらえるだろう

　　ﾉノ　　　,' / /:/ :/:/｜　 . : : :.ヽl、
. Y´ . l　｜ !/ /:厶ｲへ!ｌ|: : /: : : : : .､一
　| . :.:ｊ:.: :ﾄ､l　イｰ=ﾆニ}ﾘ//.:.:l :l :「￣
　| l: :{｀ヽ|　　　｀''ｒｰ┴' /. : ﾉ:ﾉ:ﾉ　　　　　取られたもの
　| l: ﾘ　　　　　 l|l|　　 /　〈　´´　　　　　　　・銀８００両
） Ⅵ:{ 　　　　　　　　丶　　　　　　　　　・布１０万人分
ｰ、ヽ　　　　　　　　　　　 _ ノ　　　　　　　　　　・処女１０００人（貴人に限る）
: : ヽ　　　　　　　　　　　 (　　　　　　　　　　　　　・鏃１０万本分の鉄
: : : : .　　　　　 r―‐一'　　　　　　　　　　　　　　・軍船１００隻
ー‐――┐　　　￣￣)　　　　　　　　　　　　　　　　・兵糧３万人分
:.:.:.:.:.:.:.:.//､　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　なくした権威：プライスレス
: : .:.:.:.:// 　 ,ー-　　　..ﾉ
: :.:.:.:.// 　 /.: ￣.:ﾌ
:.:.:.:.// 　 /.:.:.:.:／
: : // 　 /.:.:.／
.:.:.{ {　　Ｌ〃＼
:.:.:.ヽヽ　｀ヽ　＼

というか、一息つけないと高麗は再軍備も復興もできないくらい疲弊している
899： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:39:33 ID:haPO5OuM0: 　　　　　　　　　　　　　ヽ＼　　　　　　　　　 .／＼|／／／／／／＼
　　　　　　　　　　　　.／　＼＼　　　.／／／ .|＿__|.／／／／／:::::＼＼
　　　　　　∧＿∧／　　　　￣　　／∠∠∠∠∠∠∠∠∠／:::::::::::::::::＼＼
　　　　　　（；´Д｀）.　　　 i i i 　￣|　┌┬┐┌┬┐ 　 |::::::::::::::::::::::::::::|￣
''""~"'''"/　　　ヽ''"~"＿＿i i i--､　.|　├┼┤├┼┤ 　 |::::::::||||||||||:::::::|
　　　　./|　|　　 | |　　￣￣￣ |:::::|　..|　└┴┘└┴┘ 　 |::::::::||||||||||:::::::|
iiiiiiiiiiiii/　＼ヽ／| |iiiiiiiiiiiiii::..　ﾉ__ﾉ..||￣||￣||￣||￣||￣||　 |::::::::||||||||||:::::::|
　　　/　　　＼＼| |　　　　　　　　||＿||＿||＿||＿||＿||＿|＿_.||||||||||:::::::|
　　 /　/⌒＼し(メ　　　　.i i i　.　..||￣￣||￣￣||￣￣||￣　||　　||乃三三-_
　／／　　　 >　）　＼　　ﾉﾉﾉ
/　/ 　　　　/ ／　　 .＼＿　　ｻﾞｯｸｻﾞｯｸ
し'　　　　　（＿つ　　　/:::::/::...　　ｻﾞｯｸｻﾞｯｸ
　　　　　　　　　　　　ノ・ ./∴:・:
　　　　　　　　　　　''""~~"''

何せ穀倉地帯の村々が壊滅状態で、税をとることすらままならない状態なのだ

本来なら無理な外征に参加せずにまずは生産力を回復させなければならない状況にあった

　　　　　　　　　　_,.．---- ．._
　　　　　　　　／　、　　　　､ ,,ヽ
　　　　　　　/ 　　ﾐ))))))))))）　ｯ'))）
　　　　　　/　　　　　,ｨ｡ﾆ>,;;　ヾむi　　
　　　　　　彡､　　　　"""　　(,-､ｯ, ヽ
　　　　　　{-ﾏ彡ｨｨｯｯ'' ..　　　,,__'_,,,_､i
　　　　　　ﾊヽヽ彡'　　:::　''"~　,,;;;;;,,` l
　　　　　/ﾐヽﾆ-）ii　　　'''　　　　/iii> ,}
　　　　（ミﾐﾐミﾐi｀iiii;,,　　　,,,,,,,,,,,ﾉllll!,ii!
　　　　{ミミﾐ/⌒i: : :　"　""'''!!!!!!!!!ｿ"
　　　（ﾐﾐﾐ（　（｀ヽ: :　　　;　　　　.::|
　　　〉ﾉﾉﾉヽ＼　ヽ　　　 ''';;,　　.::ﾄ､
　　 /ﾉﾉiii　iii ＼＼　､　　;;　 .::::|　ヽ
　／/ iii　iii　 iiii ＼＼　　　　　　:::ﾄ､　ヽー

だが、世祖はそんなことを許してくれる寛大な盟主ではない
900： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:40:05 ID:haPO5OuM0: こんな状況下で高麗が少しでも被害を少なくする方法は何か

　　ﾉノ　　　,' / /:/ :/:/｜　 . : : :.ヽl、
. Y´ . l　｜ !/ /:厶ｲへ!ｌ|: : /: : : : : .､一
　| . :.:ｊ:.: :ﾄ､l　イｰ=ﾆニ}ﾘ//.:.:l :l :「￣
　| l: :{｀ヽ|　　　｀''ｒｰ┴' /. : ﾉ:ﾉ:ﾉ　　　　　
　| l: ﾘ　　　　　 l|l|　　 /　〈　´´　
） Ⅵ:{ 　　　　　　　　丶　　
ｰ、ヽ　　　　　　　　　　　 _ ノ　　
: : ヽ　　　　　　　　　　　 (　　　　　　　　今回の遠征で満足してもらおう
: : : : .　　　　　 r―‐一'　　
ー‐――┐　　　￣￣)　　　　　　　　　つーか一発で終わらせよう
:.:.:.:.:.:.:.:.//､　　　　　 |　　
: : .:.:.:.:// 　 ,ー-　　　..ﾉ
: :.:.:.:.// 　 /.: ￣.:ﾌ
:.:.:.:.// 　 /.:.:.:.:／
: : // 　 /.:.:.／
.:.:.{ {　　Ｌ〃＼
:.:.:.ヽヽ　｀ヽ　＼

そういうことになった

――のだが、そんなに上手く行く筈がなかった

　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　, - ''"u　　ij 　　`ヽ､
　　　　　　　／ ,;; 　　　　　　u　）(　ヽ､
　　　　　　 ./　　___　U　　　　 ., -ｰ､　　i
　　　　　　 i　u{´, -､ヽ.　　　 /.,rｰ''`　　.i
　　　　　　.i　　　, -ヾ,ヽヾ;;:i/, - ､　,i　 i,-､
　　　　r'ヽ|　u　 i .○.l):;;）::::::ii ○ ,!　:　 |/）i
　　　 .i iゝ|　　 ,,,ゝ,_ノ//::　　.｀ｰ''´`'"　 i ( .|
　　　 .| r´|.U　;;　_＿（,､_,;: ,､ﾉ ,ゝ___ u　|i.ﾚ.|　　　　ギリギリの兵糧とはいってもこんなに早くなくなるとは……
　　　　 !､/.!　　 / _, -`ﾆ7　 (ﾆ´-_-､ .i　.iヽ,/　　　　　
-ｰ,-､,- >,, |　;　!//_￣￣￣￣￣_｀.i.i/　iゞ>''(ヽ､_,,
::::i､::i.i::r／/i　;　;.|　.｀⌒⌒⌒⌒~ヾ..i　　.iヾ､::::i..i::::ヾ;`
,:::ヾ;:i.i::i.i/／i ij .;.|´i,. -ｰ-､-ー-､　i | 　 i､`＼::i.!:::::::::
.i:::::ヾi.i::i.i/／i　　| i　　　　　　　　,i　| ;' .iヾi,ヾ<::::::::::::::
!.i::::::::ヾi:i.i/／!,　 !　`ー-----一'´　!　/､＼i::::i､::::::::::
:i..i::::::::::ヾ､／/ヽ,_`ー--ｰｰｰｰ-一''´ /､ヾi::::/::::::::::::
::ヽヽ､:::::::::::/／/ /i､　　'""''""｀　 .,-ヾiヾﾍ,/::::::::::::::::
`:::::,::::::::::::::::::｀/／///,-､_, _､, ,_, r<ヾ!､i´´::::::::::::, -:::::
､::｀ｰ=ﾆ=､_::::::::>/／/／//iﾊヽiヾ､ヾ＼｀:::::::::_, -ー_'"
｀`ｰ--:::::::::::::::::::::,,::::::／/／iヽ|,＼＼::::::::::::::´:::::::::::::::::

対馬、壱岐、松浦党と全滅寸前まで抵抗をつづけた御家人衆によって厳しい台所事情の元・高麗軍は困窮

北九州沿岸部に到着する頃には既に継戦能力は喪失寸前にまで追い詰められていた
901： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:40:39 ID:haPO5OuM0: 　|　三＿二　/　ﾄ⊥-（(｀⌒)､_i　 |　|
　〉─_,.　-‐='＼ '‐＜'´＼/´､ｦ _/､ |
　|,.ノ_, '´,.-ﾆ三-_＼ヽ　川〉ﾚ'＞/ ﾉ
〈´／／´|　｀'t-t_ｩ=､i |::　:::,.-‐'''ﾉﾍ|
. r´｀ヽ　/　　｀"""｀j/　| |くゞ'ﾌ/i/
. |〈:ヽ, Y　　　　　　::::: ,. ┴:〉:　 |/
. ＼ヾ( l　　　　　　　　ヾ::::ﾉ　　|、
　j .>,、l　　　　　　_,-ニ-ﾆ､,　 |)）　　
　! >ﾆ<:|　　　　　　､;;;;;;;;;;;;;,.　/|　　　　　　　＿__,. -､
　|　 |　 !､　　　　　　　　　　.| |　　　　　　（ヽ-ゝ _i,.＞-t--､
ヽ|　 |　　ヽ＼　　　_,..:::::::.　/ .|　　　　　　　｀''''フく　＿,. -ゝ┴-r-､
..|.|　 |　　　　:::::ヽ<::::::::::::::::>゛　|＿　　　＿,.-''"´ ／￣,.／´　ゝ＿'ヲ
..| |　 |　　　　＿;;;;;;;_￣￣　　　|　￣￣　/　_,. く　／　ゝ_／￣|
:.ヽ‐'''!-‐''"´:::::::::::::::::￣￣｀~''‐-､_　　　 /　にﾆ'／,.､-t‐┴―'''''ヽ
　＼＿:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　/　　/　　.（_ヽ -'__,.⊥--t-⊥,,_
＼　　　￣＼―-- ､ _::::::::::::::::::::＿＿::/　 /　　／　￣　　）　　ﾉ__'-ﾉ
　　＼　　　＼::::::::::::::｀''‐--‐''´::::::::::/　 /　／　／￣ rt‐ﾗ'￣￣ヽヽ
ヽ　　ヽ＼　　＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/　　　　　 /　　　ゝﾆ--‐､‐　　　|
　l 　　ヽヽ　　　＼:::::::::::::::::::::::::::::::/ 　　　　　　　　　　/‐＜_　　ヽ　　|ヽ

そして赤坂合戦による攻勢の頓挫

この瞬間、早期の博多及び大宰府確保の目論見は露と消える
902： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:41:36 ID:haPO5OuM0: そして、鳥飼塩浜――

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , -=テ` ‐--ｪ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, イ　　　　　　　ﾍ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ-　__　i/y　　　　　〉　 _, ィニﾆ.､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾔ√’ィヽ､ヽ､　　　　 ≧´...＿＿　　ヽ -　-　､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ',ィﾆヽⅥ>-/　　　　　　　　　　｀`ヽ､　　　　ﾔ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Ⅵ_,ｪﾂf　./／　,　　　　　　＼　＼　　ﾔ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ-ﾍﾉ //　／　　　　　　　 ∧､　＞,＞､　　　　＿＿＿＿＿_
　　　　　　　　　 _,ィﾌiｪ､_　　　　　　　ヾ､〃〉イ　　　　　　　　　　＼＞-　､_ .i--‐≦´　　　　　　　　＞､
　　　　　　　　　　　　 ,i i, ヽ､j　ﾍ,　　　　　　　,ｲ_'"￣￣　`　　　` ー ------- ､｀　　　　ﾊ　　　　　　　　　　　　　ﾊ
　　　　　　　　　　　　ヾ､　　 ,ｨﾆニi＿＿_, -‐≠-､＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　 `ヽ､ f　i'　　　　　` ､　　 `　　＼　　　　　　　　　　　 , ----　､　　ﾉ, -＝テ￣ﾍ　　　　　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　ｷ__>　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　 /　　　　　　ヽ＿　　　　 ∧＼　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞､＿＿_　　　　　＿＿　ﾍ＿＿＿　　　 j　　　　　　　 7　　＞､　　　ヽ　＼　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣`ヽ′／　ヽ､　　　　　` - ′　　　　＞'"､　　　　　　＼　　　　＼　.!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　＼　　　　　_, -‐テ￣`　　　 ',　　　　　　`　　　　　　 ≠
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _　/　　　　　　　￣ﾍ￣　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　/',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,／／i　　　　　　　　　　　ヾ､　__________　　　　　＼　　　　　　　　　　　7　)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ ≠７　　＞､　　　　　　　　　＞､　　　￣　 ≧ｪ　､｀＞--　　　　　　 7 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: : : : i≠',　　i　　＞---＜　　　　　　＞､　　　　　　ﾍ　　　　　　　　ノ　i
　　　　　　　　　　　　　　　　／: : : : : : :i　 .∨ﾍi　　　　　　　＞=-テ´　＼　.Ⅵ　　　　　 |　　　　　＞'"　　j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: : : : : : : :ノ　　 ∨ ＼__　　　　　　　　　ﾔ　＼Ⅵ　　　　　　ﾉ___＞ '"　　　　　7
　　　　　　　　　　　　　　　　 ∠-､: : : : : : ／　　　　.∨　　｀≧ ＝テ-　　 /＼　　 i　　　　　/ヽ､　　　　　　〈
　　　　　　　　　　　　　　　　＞､ :＞､: ／　　　　　　 Ⅶ　　　　 /　　　／__/　 jヽｪ､_＞---- '　　 ∨　　　　_, ／./ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`ヽノ　　　　　　　　＞----'" ＞　､/　　　ﾍノ　 j　ﾊ　　　　　　　　ﾔイ￣ﾍ - 彡,'ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ_,／　ﾉ　　　　　　　　　　　　　＼//i∧__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_/　　　,ｲ　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ==ヲヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i_　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　 _ノ≧'　__./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　　　　　　　　　　　　　 7￣　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽー--‐'

遠征と連戦による疲れ、数の優位を生かせない地形での戦闘、そして一度の攻勢頓挫による士気の低下

対する武士団はほぼ無傷の戦力を地勢を把握した戦場へ全力で投入
903： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:42:20 ID:haPO5OuM0: ――結果は見えていたのかもしれない

　　 / .i;;;;;;;''´￣｀'ｰ-,-'　::.　` ヾ､__;;; -､;;;;;;iヽ
　　 ! uヾ;;i .::::, ｰ- ､_'':::　　　,;: .　, - ､, :uヾi |
　　ヽ.　ヾ! :::i___r;;､,__>ヽ,　ヾ;,. .i, r;;､_,ゝ,, ﾞ.::i _
　　.r-ヽ　,',,;-ｰ￣-ｰ'''..::i　　｀ﾞ'ｰ￣--::´ｰ i´r｀i
　　.ヽ!, ヽ''　　　＿_　 .::;ﾉ.::　　　　　　　　　ヾゝヽ　　　　　ひ、退け！
　　　|　　|　u /;;;;;;;;;ヽ､（ r､_.:: ,-, ）　　＿＿　!,,ｒi i
　　　| ゞ-|.;　i;;r',ﾆ､ｰ､;`-ｰ､　 ,､_,,,,,,／;;;;_;;;;;;;ヽ,ヾ､i　　　　　後方に下がって陣を立て直して……
　　 _,ゝ'´.i!;;　i!.!､i、｀ヽ､,｀ﾆ -ｰ-､＿￣,,､_ヾ､;;;;;､i ｀ヽ､___,
-=ﾆ__,, -ﾉ;i　　ヾ､ﾆ!´｀ｰ--'`ｰ---'--'､__r`ヽヾ;!i ｀ヽ-_'_,,＿
　　　 ∠ノ;i　　　!.!､_　 , ､r_,⌒,,'ｰ'"''_､　ゞr .ヽ` ゞ､`､-一'´
　　　　∠ノﾉ,､_　｀ｰ-ﾆ＿,,,_､~_,､_`_, -ｰ-､_i､_,ﾆつi`ｰ´-=z_
　　　　　_ｿノ7ヽ､,,　　　ー--､_　　 __, -=-､_　 _,／iヽ´`_'ﾆ=-,､
　　　　　_,,z'´,丿/7i'i,､r､　　　, ,,￣　　　　　 ~　　,ﾍ'ヾｰ-一''/

元・高麗連合軍、戦線の維持が不可能であると判断

鳥飼塩浜から更に西、姪浜手前の百地原へ後退。戦線の再構築をはかる

　　　　　　／;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ヽ
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　　　　／;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:1
　　　 ,';:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ｿ
　　　 ,'|;:;:;:、;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:　..v,,n/ｙ'!┐　;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i
　　　　いﾞﾊj 、;:;:;:;:;: / r｀'F‐’ 　 ` （,'〕;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ﾉ
　　　　　┤　ﾞ-r丿v/ﾞ′　　　　　　　ﾚ1;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:　 1　
　　　　　ﾞ{＝∟ ｀┘ ..-'￣冖､、　　 ’ ∟;:.;:;:;:;:_....tＫ..'、
　　　　　 '1―ヽ　　　　／⌒゛i_　’　　　 `｛ユ=フ　 ..ｨ八卜....
　　　　　 iユ　　ﾞ､　　｝　　　 ')-..,,..ｨjメ"' ￣"　-'、） /　ﾞi　｀''''‐--　　　　　おっと、敵軍を逃がしてはなりませんよ
　　　　　 rヽ、　ｆ jコ7} 　　　｛゛ﾞﾞ'´　　ﾉ　　, ソＫ/.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　　　／.:.:.:.:.:iﾞ-..4ﾅ　 'っ、　　丿　　　　 /　　ｌ -ｒﾝﾉ.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
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が、大友指揮下の御家人衆が追撃し、後退する元・高麗連合軍を攻撃

陸上での戦線再構築を阻止。船団付近まで押し返す
904： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:43:01 ID:haPO5OuM0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,..-‐'';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀'-､,_
　　　　 ,　---　'"　　~　　　　　　　　　　　　　 ∨ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
　 , -'~　　,　___　＿＿＿,　,,,,　　　　　　　 /,,,,　＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼
　(　 ,-ー'　　　　　　　　　　　　　　　 /;;;;;;;;;,,,, 　ﾍ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:＼
　 ~'　　　　　＿　　　　　　　　　　　　 _,,..-‐'':::::ヽ;;;;;;;;;,,, 　ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼
　　 //ヽ　　/　 i, -､　　　　　　　 , -'", -'"　;;/~ヽ:::;;､;;;;;;;;,,　　ﾍ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
　　 ∨//ヽ i　／　,i　　　　／／ ,,,-'""~( 7　;;;;'""｀ﾞ''-,,;;;;;,,,　ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
　　　.∨///-"　／　　　　／／〃　　　　 .ヽi,　"　　　　,--､;;;;;;,,　ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
　　　　∨/　　,-'／ヽ,　　 /　i　〈　　　　　　　/　　　　〈　　・､;;;;;;,,,,.☆--,;;;;;;;;;;;::;;;:::-'"　　　今日はここまでにしよう
　　　　／_,,..-‐<　　/　　.|　 .i　ﾊ　　　　　　ﾊ　　　　　 "'-- ┘＼;;;;;;;;;;;;,,,,,,,,,,:/
　　　/,-'　　　　.ヽ/　　　/　　i　〃　　　　　　ﾍ　　　　　　　　　 -'　,/'~丶．;;;;;;;;;|　　　　　　　　続きは明日の朝駆けからだ
　　 l_,,..-‐''" ヾ,　ヽ--'"　/　.i　ヾ　　　　　　　i　　　　　　　　　　 iヽ｀ - '"/ i
　　/　　＿__　　 ∨　　　　ヽ　∨ヾ　　　　　 i,　　ll　　　　 -､　　j　　　／　）｀'-､
　　ﾔ　　　ﾉヽ　）　　　　　　ヽヽ　冫　　　　　 ∧　＼　　　　￣　　／　 /　　 |
　　ﾔ　　〃　￣ﾉ　ヽ　　　　　　ヾ　∨　　　　　.∧　　｀'-､,_, -　, -'"　　/　　　　ヽ
　　　ﾔ　　　 ,-'　　 i　　　　　　　＼　　　　　｀''-､,_ _,,..-‐''　　　　/　　　　　　＼
　/￣,ﾔ　"--'"　　　/　　　　＼　　　　｀'-､　　　　　　　　　　　　　,-'　　　　　　　　ヽ
./　　　ヽ　　　　　 / ヽ　　　　　＼　　　　　　　　｀ﾞ''ｰ-､,_　　　　　, -'"　　　　　　　　　　　ヽ

十分な戦果を挙げたと考えたのか、それとも夜間の戦闘を嫌ったのか

大友頼泰は戦闘を中断。兵糧が集積されており、十分な防御能力がある水城へと撤退

元・高麗軍も戦闘を中断し、夜襲を警戒して船団を沖合へと退避させた

.　　　　　　 /ヾヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丿　　　
　　　　　　　＼ /　　　　　　　　 /^^^^;}　　　　　　　　　　　　　　ノ~　＿ヾヾﾞﾞ;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　｛;　　　;;};　　　　　　　　　／＾~　＿C　　　ι
　　　　ヘ　　　　　　　　　　　　;{;　　　 }　　　　　　　/＿＿ヾ　　　　　;;」
　　　│　＼　　　　　　　　　　ヾ;{＿＿}　￣￣￣￣/　　　　　　　　＿〆　
　　　ヾ　　　λ　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ;;ヽ:: 　 /　　　　　　　∠＿
　　√　　　　ゝ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　~ヾゞ　　　　　　　　＿/
.〆ヾ　　　　；ν　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　
　　　　　　　;ヾ　　　　　　　　　●　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣/
　　　　　　　;λ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≫　　　●：元・高麗軍の船団
　　　　　　　　:τ＿＿＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　⌒ヾ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　 ´ | /　　　　　　　;;＿　　　　 vvヾ/ヾ＿/ヾ
　　　　　　　　　　　　　　I　　　　　　　/~ヾ　~~~Ｖ~~~　　
　　　　　　　　　　　　　　＼;;ー^ヽヾ/ヾ

結果から見れば、一日の戦闘で元軍は橋頭堡の確保に失敗

博多湾内に追い返された形になった
905： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:44:07 ID:haPO5OuM0: ――早期決着の目論見は完全に破綻した形となった

　　　　　　　/二三￣￣: :: :｀ヽ、
　　　　　　　　　〈: :: :: :（M）: :: :: :: :: ::＼
　　　　　　　　∠二二二二ニﾆﾆ≧ｭ､ :ヽ
　　　　　　　 lミ　‐- 　　 -‐　ミ三ヽ:j
　　　　　　　　ﾍﾐ　●(⌒ヽ ● 　ミ彡/　　　つ、追加の兵糧を送って……
　　　　　　　ヽﾐ⊃ (从从ﾊ ⊂⊃ ﾐ'ﾉ
.　　　　 /⌒ヽ　ﾍ　　ゝ._）　　 /⌒i　　　　兵糧が届くまでの物資が無い……
　　　　　　＼〃:｀:⌒＞,､ __　 ,. イ/≧/
　　　　　　　　ヽ: :｀'/ﾆ'ヾ : ,ｨ/ﾆ/': : :/}
　　　　　　　　　ヾ::|ﾆ|: : \: ;'ﾆ/;ィ´: :/

当然、この状況でとりうる現実的な方策は一つだけ

　　 / .i;;;;;;;''´￣｀'ｰ-,-'　::.　` ヾ､__;;; -､;;;;;;iヽ
　　 ! uヾ;;i .::::, ｰ- ､_'':::　　　,;: .　, - ､, :uヾi |
　　ヽ.　ヾ! :::i___r;;､,__>ヽ,　ヾ;,. .i, r;;､_,ゝ,, ﾞ.::i _
　　.r-ヽ　,',,;-ｰ￣-ｰ'''..::i　　｀ﾞ'ｰ￣--::´ｰ i´r｀i
　　.ヽ!, ヽ''　　　＿_　 .::;ﾉ.::　　　　　　　　　ヾゝヽ　　　　　陛下の兵士をこれ以上死なせるわけにはいかん
　　　|　　|　u /;;;;;;;;;ヽ､（ r､_.:: ,-, ）　　＿＿　!,,ｒi i
　　　| ゞ-|.;　i;;r',ﾆ､ｰ､;`-ｰ､　 ,､_,,,,,,／;;;;_;;;;;;;ヽ,ヾ､i　　　　　撤退しよう……
　　 _,ゝ'´.i!;;　i!.!､i、｀ヽ､,｀ﾆ -ｰ-､＿￣,,､_ヾ､;;;;;､i ｀ヽ､___,
-=ﾆ__,, -ﾉ;i　　ヾ､ﾆ!´｀ｰ--'`ｰ---'--'､__r`ヽヾ;!i ｀ヽ-_'_,,＿
　　　 ∠ノ;i　　　!.!､_　 , ､r_,⌒,,'ｰ'"''_､　ゞr .ヽ` ゞ､`､-一'´
　　　　∠ノﾉ,､_　｀ｰ-ﾆ＿,,,_､~_,､_`_, -ｰ-､_i､_,ﾆつi`ｰ´-=z_
　　　　　_ｿノ7ヽ､,,　　　ー--､_　　 __, -=-､_　 _,／iヽ´`_'ﾆ=-,､
　　　　　_,,z'´,丿/7i'i,､r､　　　, ,,￣　　　　　 ~　　,ﾍ'ヾｰ-一''/

全軍退却である。
906： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:45:14 ID:haPO5OuM0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼
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　　　　　　　　　　　【やる夫は元寇を戦い抜くようです】
　　　　　　　　　　　　　文永の役/鳥飼塩浜決戦　　了
907： ◆q/QapWeGMk：2016/01/18(月) 17:48:11 ID:haPO5OuM0: だいぶ短めですが、お付き合いいただきありがとうございました
前よりは時間も取れると思うのでできる限り急いで次話を仕上げたいと思います

残りのレス数だと次は移転を挟むと思いますので、短編で適当なところまで埋めて移転するかどうかは並行して作ってる番外編次第となると思います
908：名無しのやる夫だお：2016/01/18(月) 18:10:53 ID:B/1gQG.g0: 乙ー
いろいと知らない事ばかりですねえ、勉強になります
909：名無しのやる夫だお：2016/01/18(月) 18:11:07 ID:rFGREdW20: おつ
910：名無しのやる夫だお：2016/01/18(月) 18:30:42 ID:TadEzt5I0: 乙でした～
911：名無しのやる夫だお：2016/01/18(月) 23:20:57 ID:txs1Rr6M0: 乙
九州武士団の凄まじさと高麗の属国の悲哀に落差が
912：名無しのやる夫だお：2016/01/19(火) 21:56:26 ID:KXr/6GzY0: 乙でした
うちの会社の福岡に都甲（とごう）さんっているけどこんな昔から伝わる姓なんだな
913： ◆q/QapWeGMk：2016/01/20(水) 00:41:58 ID:LfEClcIY0: >>908
少しでも参考になったら幸いです

>>911
中央から離れてるのに文化レベルが高い島津とか人身売買で頼朝にマジギレされるバーバリアン島津とか
京都に在住するインテリ島津とかいろいろいますので
高麗の悲惨さはもうちょっと続くことになりそうです

>>912
鎌倉初期から見られる名字ですので、恐らく日本の在地の名前としては古い部類に入ります
914：名無しのやる夫だお：2016/01/23(土) 09:50:34 ID:cSsbWgB60: 乙でした
竹崎カイジ・・・賭けに出る・・・！だが、得るものなし・・・！現実・・・これが現実・・・！
915：名無しのやる夫だお：2016/01/29(金) 18:14:50 ID:jV2Du7WM0: 続いてよかった
次回も期待
916：名無しのやる夫だお：2016/03/26(土) 18:32:03 ID:pXn00v120: 1000
917：名無しのやる夫だお：2016/07/10(日) 09:26:41 ID:oI0k0BpY0: TESUTO
918：名無しのやる夫だお：2016/07/19(火) 23:45:46 ID:A2X49HB60: 菊池有隆は元寇で、体のどこかを負傷するのか。
919：名無しのやる夫だお：2016/12/24(土) 17:30:37 ID:i/7GkePs0: 壱岐・対馬って、元寇の後、移民があったんだろうか？
920：名無しのやる夫だお：2017/03/12(日) 15:45:34 ID:KAOv.86s0: 乙
921：名無しのやる夫だお：2017/08/16(水) 17:42:23 ID:pYVL8VRk0: 諦めずにもっと日本人をころしてくれればよかったのに
922：名無しのやる夫だお：2017/08/16(水) 19:31:48 ID:dA2Q41WQ0: 残る兵が最後の一人まで戦い続ければ、あと100人くらいは殺せたかも知れない。
逆に言うと、万の兵が全滅するまで戦って100人殺せれば御の字という絶体絶命
これで玉砕を選ぶ将は、滅多にいないだろうな。
923：名無しのやる夫だお：2018/01/29(月) 08:09:19 ID:o./sXLKg0: せっかく面白くなって来たのにエターか
924：名無しのやる夫だお：2018/04/17(火) 01:47:14 ID:ulR5jojs0: 人間を信用するな
925：名無しのやる夫だお：2018/07/19(木) 21:36:52 ID:NMokkaWs0: 元寇ものがアニメ化されているんだねぇ
926：名無しのやる夫だお：2018/07/21(土) 18:57:03 ID:rKrtPoUc0: あ
927：名無しのやる夫だお：2019/05/25(土) 21:43:04 ID:8FMmGy0U0: 実際、モンゴルに渡海能力なしというのが残党
928：名無しのやる夫だお：2022/06/18(土) 16:11:32 ID:onuvxA7k0: ひさご
929：名無しのやる夫だお：2022/10/12(水) 13:54:31 ID:IfOF2jug0: 2014/02/22(土) 16:42:07
930：名無しのやる夫だお：2022/10/12(水) 14:17:31 ID:IfOF2jug0: 株式会社三菱地所
931：名無しのやる夫だお：2022/10/14(金) 13:56:11 ID:jHtEPfWc0: ソニーマーケティング株式会社
932：名無しのやる夫だお：2022/10/14(金) 14:21:31 ID:jHtEPfWc0: ラテン語
933：名無しのやる夫だお：2022/10/14(金) 14:57:23 ID:jHtEPfWc0: 婚約破棄になるくらいの嘘をついた自覚が全くないのがどうしようもない
反省するタイプでもなさそうだし、他の相手を探しても同じこと繰り返しそう
あ、実家にいた頃はそうめんに缶詰のみかんやさくらんぼ入れてましたw
934：名無しのやる夫だお：2022/10/14(金) 18:58:47 ID:jHtEPfWc0: 千葉商科大学
935：名無しのやる夫だお：2022/10/16(日) 22:00:09 ID:32YWT/1g0: 北海道大学
936：名無しのやる夫だお：2022/10/16(日) 22:37:35 ID:32YWT/1g0: 契約社員は派遣以下
937：名無しのやる夫だお：2022/10/16(日) 22:45:46 ID:32YWT/1g0: 君と同い年やけどワイは諦めてるで
唯一の救いは回りの友達皆独身てくらいや
938：名無しのやる夫だお：2022/10/16(日) 23:18:00 ID:32YWT/1g0: 福井大学医学部
939：名無しのやる夫だお：2022/10/16(日) 23:25:55 ID:32YWT/1g0: 株主
940：名無しのやる夫だお：2022/10/16(日) 23:30:23 ID:32YWT/1g0: さようなら。
941：か：2022/10/17(月) 20:31:33 ID:NHQ2K.tg0: http s://uniteapi.dev/p/AMAGAERU

何年かしてたら笑えるやつ
942：名無しのやる夫だお：2022/10/17(月) 21:36:47 ID:9boDWw6w0: 「ああ、ネットの奴らって知的障害者（境界知能）だったのか！だからデータを示しても理解できないし話通じないんだ」
943：名無しのやる夫だお：2022/10/17(月) 22:15:47 ID:9boDWw6w0: 東周君
944：名無しのやる夫だお：2022/10/21(金) 21:32:25 ID:lpWkNL260: フジテレビはもう終わりだな
945：名無しのやる夫だお：2022/10/22(土) 18:21:09 ID:eHUPvmt60: 私は発達障害者
946：名無しのやる夫だお：2022/10/25(火) 21:45:03 ID:gqkCcJNI0: 10/30(日)9:10～12:40国家公務員中途採用者選考試験第1次選考
11/3(木)横浜市2次面接
11/5(土)川崎市面談か国家係長級2次面接
11/6(日)国家係長級2次面接
11/26(土)or11/27(日)川崎市2次面接
12/7(水)～12/19(月)国家公務員中途採用者選考試験第2次選考
947：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 11:29:06 ID:KWLiZU5w0: 公務員しかない
948：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 13:22:59 ID:KWLiZU5w0: 東京大学教養学部文科一類入学
東京大学法学部第２類（公法コース）卒業
国家公務員採用試験第Ⅰ種

これが無理なら次は東京都Ⅰ類Bになるんだよな
949：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 13:31:41 ID:KWLiZU5w0: 理系って全然優秀じゃないよな

評判の高い高専卒も数学や物理はできても優秀さを感じなかった
950：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 13:33:01 ID:KWLiZU5w0: 千葉商科大学大学院政策研究科政策専攻博士課程修了
博士（政策研究）
951：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 14:34:24 ID:KWLiZU5w0: それに東大を出ても俺は官僚にはなれなかっただろう
952：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 14:36:14 ID:KWLiZU5w0: 特別区も放送大学も俺を採用しない
953：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 14:37:53 ID:KWLiZU5w0: 過去に戻れたら誰とも関わりたくない
954：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 14:39:14 ID:KWLiZU5w0: １０月３０日が人生最後の公務員試験の筆記試験だろう
955：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 14:42:15 ID:KWLiZU5w0: 銀行は自分を受け入れなかった
956：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 14:49:17 ID:KWLiZU5w0: 頭の悪い人間にいくら説明しても無駄
957：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:25:06 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　／￣￣￣＼
　　　　／／　　＼＼
　　／　（●）　（●）　＼
　　 |　　　　（__人__）　　　　|　　じゃあ、優等生でもいじめられるってことかお？
　　＼　　　｀ ⌒´　　　／
　　／　　　　　　　　＼
958：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:25:27 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　　　　　　　　　＿＿__　　　＿___
　　　　　　　　　　／ミメ、ﾐr｀Y´ -=彡L
　　　　　　　　　 _r‐'′ー=≧メ、L　＞=ミ廴_
　　　　　　　　　　　「　三二ﾆ=ミメ、／三二ﾆ=-‘:,
　　　　　　　　 }　三㌢~^~^~^~^~^~^~㍉三ﾆ{
　　　　　　､＿_}≧ミ,{　　　　　　　　　　 }}三ﾆ}＿ノ}
　　　　　　　　　_〕= }ﾆ=-｛l　　　　 rvｫ　　　 {{二ﾆ{　　〔_
　　　　　､_ ﾉﾆ=-}ﾆ=㌢ノ　ゝ､ゝ'′ ノ　㍉= ,′三≦__
　　　　　　　＞=‐- }ミ/ 〈＿_ 　 ‘:,　 r'′,.斗rﾉVL =ﾆニ＜　　その通りです。
　　　ー=≦≧=‐,イ‘: {===「≧ミ='＿_ゝく（()）} /{ 　＼__r'´　　そしてスティグマは肉体的、社会的、能力的有徴性以外にも押されます。
　　　　　　　≧ア　| :∧ :,rr乂ﾆノﾊ｝　{ ﾘ≧彡Lﾉ　 |　丶　　　例えばゴシップ、スキャンダル、あるいは罠に嵌ってもスティグマは刻みつけられます。
　　　　　　　／　　:|　　ゝ､≧=≦　＞＜　､　 ′　　　＼　例えば悪い噂を流されたりとかです。
　　　　　　　　 |　　l:,八　　/､__＼__/_ ノ} ィ　　　:|　　　丶
　　　　／　　　　　:|　　|‘:､ `　､　ー‐一　 / ! 　　 |　　　　　＼
　　　/　　　　　　　|　　l　∧　　＼＿＿__,／　|　　　 |　　　　　　、
　／　　　　　　 |　　∨ ∧　　/二二二ﾍ _,′　　｜　　　　　　　 ‘:,
../　　　　　　　　　 |　　 V　ﾍ _∧　　　　 /　|　　　 |　　　　　　 /|
,′　　　　　　　　　|　　　 :,　　　　＼＿__/　 :|　　　 |　　　　　　　　/ :|
　　　　　　　　 |＿＿　＼　　 /　　 |　　|　＿＿|　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　／　　|　　　|　　　|　　l　＼　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　／　　　｜　　 |　　　|　　|　　＼　　　　　　　 ∧
　　　　　　　　 l 　　　 |　　　|　　　|　　|　　　 l　　　　　　　　 / ∧
　　　　　　　　 l 　　　 |　　　|　　　|　　l　　　　|　　　　　　　　　/ ∧
959：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:26:13 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　　＿＿＿
　　　　／　　　　＼
　　／　　　　　　　＼
　／　　　ノ　ヽ､_　　　＼
　|　　（ ●）　（● ）. 　　 |　　最初はばれるんじゃないかってずっと思ってたけど、
　＼ｌ^l^lｎ__人__)　　　／　　みんな気付かなかったお。
　／ヽ　 L⌒ ´
　　　ゝ　ﾉ

　　　　　　　　　　　,=-‐--､＿
　　　　　　　　　,ｨ⌒　 i ,' /,'　｀ゝ､
　　　　　　.r'⌒ヾ　 , , '　, '⌒ヽ､
　　　　　ﾄ､　 .j ,',i´｀ﾞﾞヽ//ﾉ／'ﾂ .i　| ,ｨ
　　　､_!､｀"´彡i　　 u　　　 ./__,-‐'´j.,ｨ
　　　ヽミ彡'´rﾄｬ､,,,　､,,,,ｨ≦ﾒ､彡' ,'´/
　　　　　 .｀ﾐ彡ﾍ弋う)rt代う)ﾐﾉﾘﾆ彡,イ　　「木を隠すには森」これはちゃんと根拠があります。
　　　　　　｀ヽ彡ゝ‐'ぇjゝ‐､=ｲ´ミ彡'´　　　行動経済学者のダニエル・カーネマンは、
　　　　　　　　 ,ｨ个､｀￣´,ｨ"∧:､￣￣ﾞヽ､　この人間の「経験則」を研究し、ノーベル賞を受賞しました。
　　　　　　__,ノ´.i:::|､ヽ｀ﾞ'"´:::ﾉ　',::',　　　　 ',
　　　,＞"´　　.i::::|ﾞ`　≧､,ｲｭ　; i:::i　　　　 i|
　　,ｲ　　　　　 i::::::i_ノく:::ヽﾉ:ﾉヽ､|::::',　　　ﾉ',
　 .i ',　　　　　 i:::::::i　　｀{::::::}　　 ',:::::',　､/　.i
　 i　 ',　　,　　 |:::::::|.　　ゝ=i　　　i::::::i　 i|､　 i
　.i　/,ﾍ / i　 , i:::::::|　　　 |::::',　　 |::::::i.　ﾄ､ヽ|
960：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:26:44 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　　　　　　　　　＿＿__　　　＿___
　　　　　　　　　　／ミメ、ﾐr｀Y´ -=彡L
　　　　　　　　　 _r‐'′ー=≧メ、L　＞=ミ廴_
　　　　　　　　　　　「　三二ﾆ=ミメ、／三二ﾆ=-‘:,
　　　　　　　　 }　三㌢~^~^~^~^~^~^~㍉三ﾆ{
　　　　　　､＿_}≧ミ,{　　　　　　　　　　 }}三ﾆ}＿ノ}
　　　　　　　　　_〕= }ﾆ=-｛l　　　　 rvｫ　　　 {{二ﾆ{　　〔_
　　　　　､_ ﾉﾆ=-}ﾆ=㌢ノ　ゝ､ゝ'′ ノ　㍉= ,′三≦__
　　　　　　　＞=‐- }ミ/ 〈＿_ 　 ‘:,　 r'′,.斗rﾉVL =ﾆニ＜
　　　ー=≦≧=‐,イ‘: {===「≧ミ='＿_ゝく（()）} /{ 　＼__r'´　　何故か？
　　　　　　　≧ア　| :∧ :,rr乂ﾆノﾊ｝　{ ﾘ≧彡Lﾉ　 |　丶　　　それは人間は思考ではなく、大半は学習により得た知識や経験から、
　　　　　　　／　　:|　　ゝ､≧=≦　＞＜　､　 ′　　　＼　　本能的に答えを出すからです。
　　　　　　　　 |　　l:,八　　/､__＼__/_ ノ} ィ　　　:|　　　丶これがヒューリスティックです。
　　　　／　　　　　:|　　|‘:､ `　､　ー‐一　 / ! 　　 |　　　　　＼
　　　/　　　　　　　|　　l　∧　　＼＿＿__,／　|　　　 |　　　　　　、
　／　　　　　　 |　　∨ ∧　　/二二二ﾍ _,′　　｜　　　　　　　 ‘:,
../　　　　　　　　　 |　　 V　ﾍ _∧　　　　 /　|　　　 |　　　　　　 /|
,′　　　　　　　　　|　　　 :,　　　　＼＿__/　 :|　　　 |　　　　　　　　/ :|
　　　　　　　　 |＿＿　＼　　 /　　 |　　|　＿＿|　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　／　　|　　　|　　　|　　l　＼　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　／　　　｜　　 |　　　|　　|　　＼　　　　　　　 ∧
　　　　　　　　 l 　　　 |　　　|　　　|　　|　　　 l　　　　　　　　 / ∧
　　　　　　　　 l 　　　 |　　　|　　　|　　l　　　　|　　　　　　　　　/ ∧
961：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:27:08 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿　　,i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミ　 ,-‐ｲ´,'ｨ'´, '´ ｀ﾗﾉ　,i
　　　　　　　　　ハ　　　　　　　　　　　　o 　.,ｲ.,-‐'´⌒彡'´,彡'´彡ｲ,ｨi
　　　　　　　　　シ　　　　　　　　　　ミ　　　{/　ｨ⌒ヽ'　彡'´彡'´　'´,'}
　　　　　　　　　　ュ　　　　　　 ,､,,,,,,,,,,　０､　r〉､.斥ﾘミ￣ﾄ＝彡t彡'ノﾉ-'ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　ミ,:'´　二ヽ｀i　.ｬ-/､｀〉乏__　　〉　 'ﾉ }三彡 '´彡'´　これにより、それまで考えられてきた
　　　　　　　　　　　　　ミﾞ´　　 ,,-､ヽﾄj､　ヽﾄ､ｨ　ノ｀}ヽ'´　l t＜三二ﾆ彡'　　ノーベル賞受賞者である経済学者のゲーリー・ベッカーが唱えてきた
　　　　　　　　　　　　,,ミ´　,ｨミ､　〈./ミ. ｀ヽｯ'-‐‐'´ 　'　　　,! ﾍ､｀ヽ､　ノ´　　「合理的選択」つまり、
　　　　　　　　　　　　ﾄ､,,...::|ヽ､　　　　ο　｀ゞ､ﾞﾞﾞﾞ　　.,ｨ'´　}　｀ミ三彡'　　　人間は合理的に選択し、行動するという仮説が消えました。
　　　　　　　 ___,,,,､.　}　　｀ゞ' }　　ハ　゜　　 '.,__,ｨ彡::　　 ', 　＼彡'
　　　　　／r‐-　ヽミ　　　ミ　　　シ　　　　　ゝ､__.＼　　 ',.ｨ彳´;|｀ゝ‐-i|li|､i,|i
　　　ミ／.ｨしｰｬ-　＼､　　　　　　　ュ　　　,i|il-‐i‐‐ilﾗ〉､／　/;;;;;{　　　　 ,'　｀ヽ
　　__　 Y´／{､ヽ､｀:.-‐'´ } ＼　　　　　　 i|i|l|'　　　　　// 〈r､ /;;;;;;;i　　　　　/ 　　　}
　,〈､ )〉'／　ゝ乏tヘ､ .ノ　　.＼　､､,,,,,,,j,,,,,.　　　　 ,ｲ;;〉ﾄ'｀∨};;;;;;;;|　　　　　､　　　 |
ゞ＝彡´　　　　　 {､彡'　　　　　ミﾞﾞ　　　ミ､＼　　./;;;/､}___/./;;;;;;;;;|　　　＼{　　　 .{
　　　　　　　　　､ヽ＼　　　　 /ゝ､　　ミ､ヽ.ヽ､〉ο;;;;;{　.|　.{ };;;;;;;;;;;|　　　　　|　　　　',
　　　　　ハ　　　 .､ヽ＼　　ミ　＼｀ヽ､ヽ､＼}､ /;;r､／｀i r‐､＿;;;;;|　　　　　|　　　　 ',
　　　　　シ　　　　　､ヽ＼　　　　ﾞﾞﾞﾞミ｀ヽ'´ﾞ　＼/ｨ-‐'´￣ﾞﾞヽ, ::ヽ､　　　　 .|　　　　　',
　　　　　　ュ　　　　　　ミ　　　　　　　}　　＞ ' ´￣　＿＿＿／　　.,ﾄｲ‐----ミヽ　　　 }
　　　　　　　　　　　　｀ミ　　　　　　ミ　　(　　　,ｨﾆ彳ｨ＿＿,,　...;;;　 /　　　　　　　　　　|
962：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:27:34 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　　　　　　　　　＿＿__　　　＿___
　　　　　　　　　　／ミメ、ﾐr｀Y´ -=彡L
　　　　　　　　　 _r‐'′ー=≧メ、L　＞=ミ廴_
　　　　　　　　　　　「　三二ﾆ=ミメ、／三二ﾆ=-‘:,
　　　　　　　　 }　三㌢~^~^~^~^~^~^~㍉三ﾆ{
　　　　　　､＿_}≧ミ,{　　　　　　　　　　 }}三ﾆ}＿ノ}
　　　　　　　　　_〕= }ﾆ=-｛l　　　　 rvｫ　　　 {{二ﾆ{　　〔_
　　　　　､_ ﾉﾆ=-}ﾆ=㌢ノ　ゝ､ゝ'′ ノ　㍉= ,′三≦__
　　　　　　　＞=‐- }ミ/ 〈＿_ 　 ‘:,　 r'′,.斗rﾉVL =ﾆニ＜
　　　ー=≦≧=‐,イ‘: {===「≧ミ='＿_ゝく（()）} /{ 　＼__r'´　　１１０なら１００と１０に分けてしまう。これが人間の持つ直感です。
　　　　　　　≧ア　| :∧ :,rr乂ﾆノﾊ｝　{ ﾘ≧彡Lﾉ　 |　丶　　　本能と言い換えてもいい。そこからさらに１０円を分ける、これが思考です。
　　　　　　　／　　:|　　ゝ､≧=≦　＞＜　､　 ′　　　＼　　しかし、多くの人間は思考せず、直感のみで反射的に答えてしまう。
　　　　　　　　 |　　l:,八　　/､__＼__/_ ノ} ィ　　　:|　　　丶
　　　　／　　　　　:|　　|‘:､ `　､　ー‐一　 / ! 　　 |　　　　　＼
　　　/　　　　　　　|　　l　∧　　＼＿＿__,／　|　　　 |　　　　　　、
　／　　　　　　 |　　∨ ∧　　/二二二ﾍ _,′　　｜　　　　　　　 ‘:,
../　　　　　　　　　 |　　 V　ﾍ _∧　　　　 /　|　　　 |　　　　　　 /|
,′　　　　　　　　　|　　　 :,　　　　＼＿__/　 :|　　　 |　　　　　　　　/ :|
　　　　　　　　 |＿＿　＼　　 /　　 |　　|　＿＿|　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　／　　|　　　|　　　|　　l　＼　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　／　　　｜　　 |　　　|　　|　　＼　　　　　　　 ∧
　　　　　　　　 l 　　　 |　　　|　　　|　　|　　　 l　　　　　　　　 / ∧
　　　　　　　　 l 　　　 |　　　|　　　|　　l　　　　|　　　　　　　　　/ ∧
963：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:28:01 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　 /し'′　　　　　　　　　　　三二ﾆ=‐-　　　　廴.＿　 /し'
. 　　　　 /　　　,,..　 -‐――‐=≦「￣￣￣　　　　　　　レ′/
　　　　　　 |　　／　　　　　　三二ニﾆ=‐-　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　 |　 ≧=-‐　　　㍉　　　　　　　三二ﾆ=‐- 　　　　「_
　　　　　　ﾚ'´　　　　　　　 }}　｀¨¨＞‐-､　　　　　　　　　 /
　　　　　　 |　　　　　　　　　㍉　　/ /:.:∧∨　三二ﾆ=-　　　　/
　　　　　　　＿,,...　　 - ､　　㍉　 {:.:.:.:∧∨.　　　　　　　＜　　　　　　カーネマンのこの研究にヒントを与えたのが、
　　　　　　　}{　　　 ,..斗＜　　　　㍉{ ヽ:.:. ! |　　　　　　　　-‐=ｧ　　　　　心理学者のジュリアン・フェルドマンの論文でした。
.　　　　　八ー=≦,..斗ミ　/　　　　 }:. ﾉ｜　＞―‐‐ ミ＿ノ＿　　　　フェルドマンは人間が判断を下す際、その多くはそれまでの経験と単純な規則から来ており、
.　　　　　　　 Y　　ゞﾉノ　{　＼　　　ﾚﾞ　/≧=‐-　　x≦「ア´　　＼＿　論理や思考は二の次だと言っています。
　　　　　　　　 |　＞―‐ ､ `:.､　丶　　　　ⅦI　　／　／　　　　　＼
　　　　　　　　 l／／￣｀ヽ}　　__,,..　、　　　Ⅶ　　/　イ　　　　　　　　　　　`:.､
　　　　　　　〈‘:,/　　ノ　　　＞ミ　 }　　　　′　　 ,′
　　　　　　　　} ∧_ ィヽ＿／/　./ 　　　 /　　/　/
　　　　　　　 ///＿//∧ ¨¨´ ／ｲ　　　＿_ /　/
　　　　＿_／／/// ＼ } 　「ﾚ′　　／　　 }／
　　く/〈///ﾍ///////}　　ゝ、　　　　　　　/
　　 /　 ,ヘ//}//// ／　　　　 ≧≦
.　 _/　 /　/ V/r=≦　　　　　　　　 /　　　／￣￣￣＼
／〈　〈　 {　 ∨}　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　丶
　　,　　∨‘:,.　Ⅶ　　　　　　　　　　　　　 l　／　　　　　　　　　　〕iト
　　|　　 V ‘:　Ⅶ　　　　　　　　　 |/　　　　　　　　　　　　　＼
　　|　　　 ∨ }　Ⅶ　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　`:.､
　　　　　　ヽ′ !　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }
　　　　　　　　 |　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /
964：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:28:23 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　　　　　　　　__,=―-､__
　　　　　　　　　　,ｨ⌒ヽ､　　ヽ}｀ﾞヽ､
　　　　　　　　 r'´ミ　､ミ､ヾi//彡彡,〉
　　　　 i､_　　 j/´彡'´　　　　　　 ',⌒ゝ-ｨイ|
　　　　ﾄ､｀￣´,ｨ i::.　　　　u　　　.::i｀―'´ .ノ
　　　ミ｀┴‐彡'彡{-‐ｫﾆｬ'´　ﾄ=‐ｬ､}ミ､＿彡ｨ
　　　ﾄ｀ヽ―'´ ｢｀|彡辷ｿ彳ﾞ|i辷ﾇﾐ´|｀￣　/
　　　 .ミ､＿_,ｨ,火ゝ　 ,ｨ´ﾞﾆiｺ｀ヽ､__ﾉﾐ三彡　　人間は常に論理的に思考して行動しているわけではありません。
　　　　　　彡'´／ゝY´{　　　　　　}j､｀￣ﾌ　　　というよりも常にそんな事をしていたら脳の情報処理能力がすぐにパンクしてしまいます。
　　　　　　｀‐--‐'´人ﾋ-‐'ﾆﾆ=‐ノ'⌒≦＿
　　　　　　　　,=-‐'/ .,个ヽ､＿,ｨ´　／ ,ｨ⌒｀ヽ､
　　　　　,=-‐'　　〈　/　i＼::::／/ /　./　　　　　ヽ､
　　　　.人　　　 i　｀､ r､ Y　/ .ｉ､　,'　　　　　 ',
　　　 ,' 　 ',　λ　i　　.i´|;;;;;;;;/　 |ﾐ､{　　　　　　,　.i,i
　　　.i　　 ', .ﾘ　ﾉ　 / .｢;;;;/　　.|ヾ ',　　　　,, ﾉ　ﾉ入
　　　i　　 / },'.／　 /　.|;;;;i　　 .i 　 )ﾐﾆ／/ 　//　 i
965：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:28:44 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　　　　　 __,ｨ‐ｫ‐ｲ⌒彡｀ヽ=､
　　　　　　　 ,=ｲｿ/ﾉ／／'´"´7　}ﾐ､＼　　 ,ｨ
　　　　　　ノ彡｀´　　　　　　. ｀ﾄﾐ､＿,ｨ≦"/
　　　　　r'"/　　 u　 ,,,,=＜ﾞﾞﾞ: : ミヾ､＿　　'"7 __,ｨ
　　　　 λﾉ,,,,,,,,,ｪｭ''''7´ｨぅ)ﾞv‐-=ゞ､ミﾆ彡'≦'´ ノ
　　　　／〉'´ﾞ〉-､｀7廴二ノミヽ　r=ﾃ-､ﾆ二　∠=ｲ
　ﾄ-‐'´　.辷ﾝ{"＼,ｯ｀ヽ､__　　　}　 7〉∨彡'´　∠　　だから人間の脳は思考の代わりにパターンを学習するようになりました。
　､≧='´ /　/ ヽ込-､＿ノﾞ :}ヽ／: : ''ｿﾉ三彡／´_,ｨ　そしてパターンから判断を下すようになったのです。
　＼ '´　＼{ヽ彡-‐―・´　::　　　　ir‐'´ミ二三￣彡ｨ
　｀ﾐ三彡' ∧ ､　　　　 ::　　　　八　　｀ミ-‐　,イ´
　　　｀´く　　∧:　　　　　 : ＿,=-‐'ﾍヾ､　　　=三ｼ
　　　　　ﾍ彡'.∧＿,=-‐‐'´:::::::　;;　　∨ミ､二彡'´
　　　　　　｀彡'´　＞､::::::::::::　　;;　　　∨ｼ'´
　　　　　　　ゝ-ヘ彡入:::　　　;;＿＿,=┴'"⌒≧―――
　　　　　　　　　　　＿i......:::大´　　,ｨ'´;;;;;;;;;;;;;/
　　　　　　　　　 /λ}:::: /　 ∨"´;;;;;;;;;;;;;;;;;/
966：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:29:01 ID:KWLiZU5w0: 　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼
　／　　─　　　─＼
／　　（●）　（●）＼　　なるほどだお。
|　　　　（__人__）　　 |
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　＼　／＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼／＿＿＿／

　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼
　／　　　_ノ　ヽ､_.＼
／　　（●）　（●）＼　　人間ってサルと変わらないのかお。
|　　　　（__人__）　　 |
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　＼　／＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼／＿＿＿／
967：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:29:21 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　　　　　　　　　＿＿__　　　＿___
　　　　　　　　　　／ミメ、ﾐr｀Y´ -=彡L
　　　　　　　　　 _r‐'′ー=≧メ、L　＞=ミ廴_
　　　　　　　　　　　「　三二ﾆ=ミメ、／三二ﾆ=-‘:,
　　　　　　　　 }　三㌢~^~^~^~^~^~^~㍉三ﾆ{
　　　　　　､＿_}≧ミ,{　　　　　　　　　　 }}三ﾆ}＿ノ}
　　　　　　　　　_〕= }ﾆ=-｛l　　　　 rvｫ　　　 {{二ﾆ{　　〔_
　　　　　､_ ﾉﾆ=-}ﾆ=㌢ノ　ゝ､ゝ'′ ノ　㍉= ,′三≦__
　　　　　　　＞=‐- }ミ/ 〈＿_ 　 ‘:,　 r'′,.斗rﾉVL =ﾆニ＜
　　　ー=≦≧=‐,イ‘: {===「≧ミ='＿_ゝく（()）} /{ 　＼__r'´
　　　　　　　≧ア　| :∧ :,rr乂ﾆノﾊ｝　{ ﾘ≧彡Lﾉ　 |　丶　　　記憶力の点に関して言えば、ピグミーチンパンジーのボノボのほうが、
　　　　　　　／　　:|　　ゝ､≧=≦　＞＜　､　 ′　　　＼　人間よりも極めて優れていますよ。
　　　　　　　　 |　　l:,八　　/､__＼__/_ ノ} ィ　　　:|　　　丶　そう、倍はね。
　　　　／　　　　　:|　　|‘:､ `　､　ー‐一　 / ! 　　 |　　　　　＼
　　　/　　　　　　　|　　l　∧　　＼＿＿__,／　|　　　 |　　　　　　、
　／　　　　　　 |　　∨ ∧　　/二二二ﾍ _,′　　｜　　　　　　　 ‘:,
../　　　　　　　　　 |　　 V　ﾍ _∧　　　　 /　|　　　 |　　　　　　 /|
,′　　　　　　　　　|　　　 :,　　　　＼＿__/　 :|　　　 |　　　　　　　　/ :|
　　　　　　　　 |＿＿　＼　　 /　　 |　　|　＿＿|　　　　　　　　　 |
968：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:29:48 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　　　　　　　　　　　　rt-r‐ｭ-ｭ､__
　　　　　　　　　　　　　,ヘ＜ .i i　'　/, r‐ﾞヽ､
　　　　　　　　　　　　 / /ミヾ､V/,,,ﾉﾉ,'彡〉 .λ
　　　　　　　　　　　 .〈ヽヽﾞ｀｀｀｀"""""´7　/,'!､　.,ｨ.,
　　　　　　　　　､ﾄ､_ノノノ　　　 u　　　〈､__y=-'´彡´
　　　　　　　　ﾄミヽ-‐'´|ﾞﾞｬ､＿,　､_ｨ=孑ヽ､彡'´ 彡´
　　　　　　　　_',　｀‐-　｢代__ﾉﾄ＝廴_ﾉ'ﾐ j /ミﾆ彡7
　　　　　　　　ﾍミﾆ＝　入´　ノﾄ-iっヽ､__/ﾉヽ-‐彡ｲ　　話は戻りますが、人間が思考する場合、
　　　　　　　　　≧､彡'´　｀Y´‐≧≦‐'　 |i ヽ､＿,ｨ'´　　それまでのパターンとは異なる状況に遭遇した時に起こるのが多い。
　　　　　　　 ,'´　i ｀ヽ､彡' ゝｫ､　　　／|ミ＿ノ　　　　というよりもほとんどがこのパターンと思っても差し支えない。
　　　　　　　弋ノ　　　｀ﾞゞ‐-| ｀ゝ-ｲ　,┴､　　　　　
　　　　　　　　 } ﾄ､　　　　,イ´｀ヽ ;: 　 /'｀i　}｀ヽ､
　　　　　　　　 | l__|　_＞ｲ:::/ |'｀ゝ┐r' ／|　|::::::',｀=‐-､＿
　　　　　　r‐'"二i_こi　 /::::|ノ＼＼__／／｀ﾞﾞ',:::::::',　　　　｀ゝ､
　　　　_,=ｲ　 ´ ＿}i´　/:::::i　　　ﾞ{: : : }, '´　　i::::::::',　　　　 /　 ',
　　　./ ｀ﾞﾞ{　 '´＿ﾅ　/:::::::|　　　 7: : | ﾆ彡　 ',::::::::',　　　./　　 ',
　　　i　,'　ﾍ｀､_ ,ｨ')　,':::::::::|　　 /￣￣ﾞﾞ∨r‐-ゞ､::::::',　　/　　　 ,)
　　 /　,　.,ｨ|　　Y" .i:::::::::::j_,=-'―――‐ﾞゝ‐､　｀i:::::',　 {　　　/.{
　　.{　,' r´i {　-ｲ､　i::::::x´　　 r‐⊂二ﾞー―'　　ヾ:::i　 i　　 ,'　 }
　　 i ,' ﾉ　ヽ＼ノ iﾞY::::::::｀r‐--ミﾆ=‐-､｀ﾞ　　　　　 {:::i　 ',　　　 /!
969：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:30:13 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　　　　　　　　,r-‐'￣｀ﾞﾞヽ､
　　　　　　　　　　r‐'´ﾐ　i　　/,ｨ'´｀ヽ
　　　　　　　　　r'ヾ､　､　i､, .'´／ ⌒ヽ
　　　　　　　　 {'´rﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ'""""""ﾐヽ}
　　　｀ミヽ‐-‐'´　{::.　　　 u　　　 .:}ﾐ､＼＿,ｨ'ｲ´
　　　ﾄヾ､＿,彡'´ｲヾ､,,,,,,,,,　､,,,,,,,ｨ'"ﾄミ､　 _,ｨ彡_.,
　　　､ミヾﾆ彡'´,{|ヽ((込)ｲ=ﾄ(匁))'ｲr}ミﾆ彡'彡'´
　　　｀ヽ二彡'´,ﾍ　´ﾞラｲi_j_ﾄ､ﾞﾞ｀ .ﾉﾉ､＿,ｨ彡ｲ　　例えば居間に便器が置かれていたら人間はぎょっとなる。
　　　　｀ヾミ三彡'｀Y´;＿,ﾐ之_,ｨ｀7ｲミヾ､_,彡ｨ´　　その時、何故居間に便器が置かれているのかを考える。
　　　　　　｀‐-≧,ィﾄ､.　｀⌒´　 ,ｨ'ﾄミ､二_ノ´　　　そのような状況に遭遇したことがないから思考するわけです。
　　　　　　　　　　 }::',＞､__,x＜　{｀￣´
　　　　　　　　　 ,ｨ'个､;　;:´　 ;´　/ﾄ､
　　　　　　 ,ｨ'"´ /　}､｀ヽ､;:..,ｨ'"´　} ｀ﾄ-=ﾆ､
　　　 ,ｨ'"´　　 ./　λ｀ /ﾍY/ﾍ　 ,ｲ　｀､　￣｀ﾞﾞヽ､＿
　,ｨ'"´　ﾉ　　 ./　 {　｀´｀Y;;;;Y´｀´　}　　∨　　　　　　ノ｀i
ｲ､〈 i　/　ｨｲ./　　.|'´　　ﾄ;;;ｲ､　＼.|　　 ∨　　　　 iﾉ　　}
970：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:30:33 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　 /し'′　　　　　　　　　　　三二ﾆ=‐-　　　　廴.＿　 /し'
. 　　　　 /　　　,,..　 -‐――‐=≦「￣￣￣　　　　　　　レ′/
　　　　　　 |　　／　　　　　　三二ニﾆ=‐-　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　 |　 ≧=-‐　　　㍉　　　　　　　三二ﾆ=‐- 　　　　「_
　　　　　　ﾚ'´　　　　　　　 }}　｀¨¨＞‐-､　　　　　　　　　 /
　　　　　　 |　　　　　　　　　㍉　　/ /:.:∧∨　三二ﾆ=-　　　　/
　　　　　　　＿,,...　　 - ､　　㍉　 {:.:.:.:∧∨.　　　　　　　＜
　　　　　　　}{　　　 ,..斗＜　　　　㍉{ ヽ:.:. ! |　　　　　　　　-‐=ｧ
.　　　　　八ー=≦,..斗ミ　/　　　　 }:. ﾉ｜　＞―‐‐ ミ＿ノ＿　　　　　　　　しかし、居間にテーブルやテレビが置かれていても、
.　　　　　　　 Y　　ゞﾉノ　{　＼　　　ﾚﾞ　/≧=‐-　　x≦「ア´　　＼＿　　　　人間は気にもかけません。
　　　　　　　　 |　＞―‐ ､ `:.､　丶　　　　ⅦI　　／　／　　　　　＼　　それはこれまでの学習からパターンを見出しているからです。
　　　　　　　　 l／／￣｀ヽ}　　__,,..　、　　　Ⅶ　　/　イ　　　　　　　　　　　`:.､まさかテレビやテーブルが実は便器ではないのかと考える人間は中々いないでしょう。
　　　　　　　〈‘:,/　　ノ　　　＞ミ　 }　　　　′　　 ,′
　　　　　　　　} ∧_ ィヽ＿／/　./ 　　　 /　　/　/
　　　　　　　 ///＿//∧ ¨¨´ ／ｲ　　　＿_ /　/
　　　　＿_／／/// ＼ } 　「ﾚ′　　／　　 }／
　　く/〈///ﾍ///////}　　ゝ、　　　　　　　/
　　 /　 ,ヘ//}//// ／　　　　 ≧≦
.　 _/　 /　/ V/r=≦　　　　　　　　 /　　　／￣￣￣＼
／〈　〈　 {　 ∨}　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　丶
　　,　　∨‘:,.　Ⅶ　　　　　　　　　　　　　 l　／　　　　　　　　　　〕iト
　　|　　 V ‘:　Ⅶ　　　　　　　　　 |/　　　　　　　　　　　　　＼
　　|　　　 ∨ }　Ⅶ　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　`:.､
　　　　　　ヽ′ !　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }
　　　　　　　　 |　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /
971：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:30:57 ID:KWLiZU5w0: 　　　　＿＿＿_　　　
　　　／　　　　＼　　
　／　　＼　　 ,＿＼.　
／　　（●）゛（●）＼
|　 ∪　　（__人__）　　 |　　うーん、少なくてもやる夫はテーブルを便器だって疑ったことは一度もないお。
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　＼　／＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼／＿＿＿／

三二ﾆ=‐　　㌢　　　　　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　㌢　　　　　　　　　　ト　イ　　　 /
ﾆ=‐-　,}㌢　　　人　　　　　　　　　人＿人　　　|
　　㌢　　　　　　＼　　　　‐‐---　 ...,,___　　 |
　二{{　　　＞＞―‐‐-ミメ、　　　　　　　　　／
≧=‐‐- ／イ /---／￣｀ヽ≧ミメ、ﾉ　斗＜く
　　　　//　 { {--- !　　　　 V////}　　//　　 /__
　　　　{{r= ∧∨-｜　　　 }////[二二]　　/ｯｧ′
　　　　{{ r==∧∨∧＿　ノ/////}　　|　　/ｯ/
　　　　{L　r== ≧=‐‐=≦///////}　　|=≦ｯ,′
≧ミ　ﾏ{,　　　 ///////// / / } 　 |　　 ,′
　　　≧ミ}}＿__,／/////////////}____|　／
　　　　,／　￣二ﾆ=-　///// / ∧.　「
　　　　/ 　 r、＿　　　　 ≧=‐-　//}　 ‘:,
　　　,′　　＼:.:.:. 二ﾆ=-　　_,　/≧=‐'′
　　　　　　＼≧=- :.:.:.:.: ノ　 /　　　　仮にそういう人間がいた場合、日常生活では大きな支障を来たすでしょうね。
＼　　　　　　　　〕iト------/／　　　　　時間もかかれば、情報処理も追いつかなくなるし、脳は多くの糖分を消費する。
　　　　　　　　　　　　　　　 ′　　　　　　それは人類の歴史では死に直結するのです。
　　＼　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　 |
　　　　　　〕iト　　　　 /
　　　　　　／　　　￣￣
972：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:31:27 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　　　　/　､　　ﾆ　 ,
　　　　　　　ノ　　ヽ　＿ノ　ュ　ツ
　　　　　　　　　　　　　　　　　,.,,.._,....、
　　　　　　　　　　　 ,-へﾍ＾/´　/　／＾'"'ヽ
　　　　　　,　　　,/　ヾ `　!　/　'　　／~`､`､　　　　　
　　　　　　､i`､＿ノ　 i'¨~"``･〃 '' "~';　'^　ヽ､_;,ノﾘ,　　
　　　　　ﾐヽ､＿__ノ,'j　　　　u　　　　`:,ﾐ.　　　　ノﾉ　　
　　　　　､ﾐ゛-ﾆﾆ彡ｲ.＿___,,.～､＿＿,ｊﾄ､.~_　　_ 彡　　
　　　　　｀ヾ､＿,,..　彳=((◎))-t((◎))=.it ミ＿_ﾆ-'´ﾉ　
　　　　　　ヾ､二ﾆ'-';|: ~ _,.-+!‐!+-､.,__`| |ミー― '",　　人間が今のような生活を手に入れたのはほんの数万年です。
　　　　　　　 `-tﾆ三`ﾄ'",　　^^｀　　､Tｨﾐ三ﾆ-'彡　　それ以前の数百万年はカロリー不足はすぐに餓死に直結していました。
　　　　　　　r''""~￣⊇==き三≡ｰ''~,ｲﾐヾー,,ﾆ='　　　特に人間の脳は糖分でしかエネルギーを補えない。
　　　　　　(　'´ ,: ~ 冫キヽ　ﾊヾ　;' .j'λﾆ=―-―､_　ケトン体のみでは脳の完全な代用エネルギーにはなりませんし。
／　　　ｒ～ヾ､　　　/ ∫`ﾄ､　'　ﾉ￣~"ﾍ　,ゝ　　　.'　!
／　　　）丶,､!ﾐ　　ｊ　/　ヾ､｀"./~　　　　ﾍ'､.　　,　　｀i
／　　/　 /　`ｰ-∠､. `;,/⌒ゝ./ ＿＿＿＿ﾍ !　　　　　ハ
／　 /　 /　　　　　`ｙ　ｉ　, ‐"￣　　　　　　￣"ｰ､　　　ヽ、
973：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:31:50 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　　　　　　　　　＿＿__　　　＿___
　　　　　　　　　　／ミメ、ﾐr｀Y´ -=彡L
　　　　　　　　　 _r‐'′ー=≧メ、L　＞=ミ廴_
　　　　　　　　　　　「　三二ﾆ=ミメ、／三二ﾆ=-‘:,
　　　　　　　　 }　三㌢~^~^~^~^~^~^~㍉三ﾆ{
　　　　　　､＿_}≧ミ,{　　　　　　　　　　 }}三ﾆ}＿ノ}
　　　　　　　　　_〕= }ﾆ=-｛l　　　　 rvｫ　　　 {{二ﾆ{　　〔_
　　　　　､_ ﾉﾆ=-}ﾆ=㌢ノ　ゝ､ゝ'′ ノ　㍉= ,′三≦__
　　　　　　　＞=‐- }ミ/ 〈＿_ 　 ‘:,　 r'′,.斗rﾉVL =ﾆニ＜
　　　ー=≦≧=‐,イ‘: {===「≧ミ='＿_ゝく（()）} /{ 　＼__r'´
　　　　　　　≧ア　| :∧ :,rr乂ﾆノﾊ｝　{ ﾘ≧彡Lﾉ　 |　丶　　　貴重なエネルギーをセーブする為に脳の構造は進化してきたのです。
　　　　　　　／　　:|　　ゝ､≧=≦　＞＜　､　 ′　　　＼　　そしてパターンを読み取る能力に特化していますから、脳は見慣れた物に注意を払わない。
　　　　　　　　 |　　l:,八　　/､__＼__/_ ノ} ィ　　　:|　　　丶　だからクラスメイトも教師もボタン型や火災報知器型の隠しカメラに気付かないのです。
　　　　／　　　　　:|　　|‘:､ `　､　ー‐一　 / ! 　　 |　　　　　＼
　　　/　　　　　　　|　　l　∧　　＼＿＿__,／　|　　　 |　　　　　　、
　／　　　　　　 |　　∨ ∧　　/二二二ﾍ _,′　　｜　　　　　　　 ‘:,
../　　　　　　　　　 |　　 V　ﾍ _∧　　　　 /　|　　　 |　　　　　　 /|
,′　　　　　　　　　|　　　 :,　　　　＼＿__/　 :|　　　 |　　　　　　　　/ :|
　　　　　　　　 |＿＿　＼　　 /　　 |　　|　＿＿|　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　／　　|　　　|　　　|　　l　＼　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　／　　　｜　　 |　　　|　　|　　＼　　　　　　　 ∧
　　　　　　　　 l 　　　 |　　　|　　　|　　|　　　 l　　　　　　　　 / ∧
　　　　　　　　 l 　　　 |　　　|　　　|　　l　　　　|　　　　　　　　　/ ∧
974：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:32:36 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　　　　　　　　,r-‐'￣｀ﾞﾞヽ､
　　　　　　　　　　r‐'´ﾐ　i　　/,ｨ'´｀ヽ
　　　　　　　　　r'ヾ､　､　i､, .'´／ ⌒ヽ
　　　　　　　　 {'´rﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ'""""""ﾐヽ}
　　　｀ミヽ‐-‐'´　{::.　　　 u　　　 .:}ﾐ､＼＿,ｨ'ｲ´
　　　ﾄヾ､＿,彡'´ｲヾ､,,,,,,,,,　､,,,,,,,ｨ'"ﾄミ､　 _,ｨ彡_.,
　　　､ミヾﾆ彡'´,{|ヽ((込)ｲ=ﾄ(匁))'ｲr}ミﾆ彡'彡'´　　
　　　｀ヽ二彡'´,ﾍ　´ﾞラｲi_j_ﾄ､ﾞﾞ｀ .ﾉﾉ､＿,ｨ彡ｲ　　　もう一つは動画をネットに流す事でしょうか。
　　　　｀ヾミ三彡'｀Y´;＿,ﾐ之_,ｨ｀7ｲミヾ､_,彡ｨ´　　　マルセル・ベノイスト賞を受賞した経済学の教授エルンスト・フェールの行なった、
　　　　　　｀‐-≧,ィﾄ､.　｀⌒´　 ,ｨ'ﾄミ､二_ノ´　　　　「信頼ゲーム」では悪人を罰する事に他者は快感を覚えるという実験結果が出ています。
　　　　　　　　　　 }::',＞､__,x＜　{｀￣´　　　　　　　ですが、あまりおすすめはしません。
　　　　　　　　　 ,ｨ'个､;　;:´　 ;´　/ﾄ､
　　　　　　 ,ｨ'"´ /　}､｀ヽ､;:..,ｨ'"´　} ｀ﾄ-=ﾆ､
　　　 ,ｨ'"´　　 ./　λ｀ /ﾍY/ﾍ　 ,ｲ　｀､　￣｀ﾞﾞヽ､＿
　,ｨ'"´　ﾉ　　 ./　 {　｀´｀Y;;;;Y´｀´　}　　∨　　　　　　ノ｀i
ｲ､〈 i　/　ｨｲ./　　.|'´　　ﾄ;;;ｲ､　＼.|　　 ∨　　　　 iﾉ　　}
975：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:32:59 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　　 ,-‐彳/　　＼,ｨ-､
　　　　　　　　　　　 r{　ｲ i´　/, '´ｿ／´￣｀ヽ､
　　　　　　　　　 r‐ｲ i　i ﾉ　〃ノ　／´, '´ 　.｀i
　　　　　　 /´ゞ､',ゞi i　i〃// , '　'´ ,ｨ=ﾆ三ミ
　　　　　　　 /.,　r=ﾐ､ﾐ､ヽ ',i　ｼ'´ ,ｨﾗﾌﾇ､'´⌒ヽ{
　　　　　　　 { i　iミ:｀｀｀｀ﾞﾞヾ〃'""""´ヾミi　} ､. i
　　　　 i､　　.} ', .|ﾐ:.　　　　　　　　　　　ミi　i　 {　　　　 ,
　　　　ﾄ｀ヽ､j　jﾉﾐ､:.　　　　,,,　　　　.ミﾇ　ヽヾ､＿,ｨ'/
　　　　｀ミ､_彡' ミYヾ､＿_,,　(＿__,ｨﾆ'"´,-ﾚ´}ヽ-‐'´彡' ,
　　　　　く＿ﾆ彡'´片(匁))､__,仔匁ﾒ〉)彡'´}リミﾆ=ﾆ彡'´　　人間は裏切り者に対して自分が損をしてでも報復行動に出ます。
　　　　　　ﾍ彡'.ハ〓ゝ=''ｲ|　| ﾄゝ=彳〓 .jノミ=-彡'´_,　　　そして共同体の中で害を為す者を集団で排除しようとする。
　　　　　　.｀ヽ､_彡入＿.,=个‐i´)ヽ､＿__イﾄ､ヾ､二彡'´　　　これも人間の本能、いや、集団的動物の本能といえます。
　　　　　　　　,＞´/;;;;ﾍ',､__｀乏´ｭ､_, }　,ｲ | ｀｢"彳　｀￣￣　ネット上で起こる犯人狩りや叩きなどはこれらの一例でしょうね。
　　　　　 ,＞'´　　i;;;;;;;;;|＼｀-‐-ｨ'　 i／::. j　 };;;;;;∨
　.,＞‐'´　　　　 i;;;;;;;;;ﾍ　ﾍ､＿__／:::::::／,-､/;;;;;;;;∨
./　　　　　　　　　i;;;;;;;;;;;{　 |　:::::::::::::::／ ./　/;;;;;;;;;;;;∨
976：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:33:18 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　　　　　　/./　,' ,' /　　.//　　　ﾉ　,ｨ'´　　　.＿　Y
　　　　　　　　　入{　i　i/　　 //　　　／,ｨ'´.,ｨ='´￣彡ﾆミL､／ /
　　　　　　　　　 {ミヾヽ!{i!､,,〃／／ノノ／,ｨ彡ﾍ､__二=-‐--ﾗ'´　/ﾉ　,ｨ ,ｨ
　　　　　　　　　　t i　,ｨ='／　　　　　　　 .::::::万ヽ=ﾆ二ﾆ='´　　ノ／ｲ'´/ .,
　　　　　　 t‐-‐'´ 〉'´　/　　　　 i　　し　.:::::::::弋　　　　 ,ｨ彡'´　　　　ノﾉｲｨ
　　　　　ﾄ､_',　／ i.　/　 U　　 !j　　　.. .::::: !j ｀i､｀ヽ=彡'´-‐'´　　／／ /
　　　　　ﾍ二/　　 }/　 {　　 ,!　　　　　　　　　,ｨﾆ}､＿＿__　　ノノ　　　/
　　　　　　＼｀￣´.〈ｬ;,,,, ヽ,､(　,,,,,,,,ｨ=ｲ＜＿,ｨ({　 ".〈〈　∨￣´'´　 ,ｨ´ ﾉ
　　　　　　入＿,ｨr(ﾞ弋i〈__二(　iО)　}ﾉ〓　 |　　: }ﾉ　/ヽ､＿_,ｨ彡＜_　　　　　　　しかし、効果のほどはわかりません。
　　　　　　　ｬヾ-=|'乂ノｲﾞﾞi⌒乂__ノノﾉﾍ　 ∧:::.　.'　/ミヽ__ノ´ }　　　｀ﾞヽ､　　　　不特定多数が相手なので正直、予測できないです。
　　　　　　　　_＞､ .入　 ,ｲ__i＿_|ゝ=､　　＿／::　　ﾄ､_/　｀／　 / 　　　　｀ヽ､
　　　　　 ,ｨ'´　　｀￣´`ﾍ廴_,ｨ‐'　　￣｀}/ ;;:　　 / ;　　 // 　 ,'　　　　　　　｀ヽ
　　　　 ∨　　　　　　.::::,=ﾘ　-､,-‐-　　　,'.{ .;;:.　 /:: i　　 //　　/　　　　　　 ,ｨ='"´⌒｀ﾄ､
　　　　∨i　　　　　 .:::: ﾍﾉヽ二⌒ﾞ＞-‐､､)) .ﾉ.,イ;;:: ;　／./　　/　　　　　／　　　　　/,' }
　　　 ∨ i 　　 ,　　:::　 }'　.j,=-‐'´::　.,ｨ' .,ｨ≦,ｨｭ ;;:.／　/　　/ 　　　.／　　　　.'/;'　|
　　　 {　ﾄ､　 i´､　 '´　 jｨ'´ ::　.,ｨ=≦ィ'´　;;　 ,ｨ'／　 / 　 /　　　　 /　　　　　 /.'.　´)
　　　　i　ﾘ万 ',　} ,'　 .{...　 ,ｨﾆ-‐'´ ;;;.　_,ｨ=ﾆｿ　　　 / 　 /　　　　 /　　　　　./ ,ｨｲ´}
　　　　{　ﾚ　ﾄ､ ',ﾉ i　 /　　,,..　　 ,,,-‐'ﾞ´,,,,ｨﾗ´ﾉi＞､ / 　 /　　　　 /　　　　　　 '／/,ｲ{
　　　 ∧ {i　.i ｀ヽ､ゝ/　　,'　　　'´　　／:::ノ ./,ｲi　 Y 　 /　　　　 /　　　　　　／　//　i
977：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:33:52 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　＿,ｨ‐⌒ﾄ‐--､＿__
　　　　　　　　　　　　　　＞'"´ゝ､　{ | }　／,ｨ´　.,＞､_　　　　　 ,ｲ
　　　　　　　　　　　　／ ‐-､｀ヽ､ヾ､i !//ﾉ／／∠-‐ﾗ＼　　　　ノ |
　　　　　　　　　　　./　／三ミﾞﾞﾞﾞヽ､,,　,,-=ﾆﾐ=ﾆﾍイ´ /入_ .,ｨ‐'´/ .} /}
　　　　　　　　　 .r´､〈彡´,-‐'´｀ﾞミﾆ"´ ,,=＝･,,｀ヽ＿,ｨｰ´-'´ ﾉ　j/ .|
　　　　　ﾄ､　　　 }ヾヽ)'´'´,,;""⌒ヽ : : :,ｲﾞ　　　　ﾞヾ{ミ三彡-‐'‐'´ﾉ　ﾉ ,ｨ
　　　　　N､ミー-┴'彡j',,;・"　 __　　.,-ｰ､´ ,ｨ-‐-､　ﾞ!｀‐‐=ﾆ二￣_／イ |
　　　ﾄ､i､　　｀‐-‐ﾗ彡{"　 ,ｲ彡ミ､/ i⌒i∨{::ｲ~ｬ､ﾞv‐Kヽミヾ=ﾆ二　　 /
　　　 i　｀ヽ､二=彡'rヘレﾍ{;;;,廴ﾉﾉ.},ｨ-‐t､j､.辷彡ノﾐヽ} }三二ﾆ-―‐彳'´|
　　　 iヾ､　　｀‐-‐‐'{ {ﾞ〉'彡ヽ_二彡ｨｲ.ﾄ-ﾍiゝ､＿´"　｀.| |ミ､二＿＿‐'´ ノ
　　　ﾄ､ヾミ＝=彡' .| i .|　／　,ｨ‐'´　{´,ｲﾄ､〉　-‐ミヽ､ .ﾉ人ヽ-‐'´　　￣ノ　　　　　やるなら徹底的にやったほうがいい！
　　　　 {ミ､二彡'´ 八｀ゝ､　／r-‐‐--‐ｰ‐ﾆ==ﾃﾗ' }　Yjﾉ　ミ三二ﾆ=彡ｲ　　　　　中途半端に報復するからダメなのですっ！
　　　　 .＼＿＿二彡ヽ　.ﾍ´　{ ヽ┴┴┴┴ｲ"7´ｨ┐|_}ミヾ､＿二彡／　　　　　より豊かで穏やかな生活を送る為にも敵は容赦なく追いつめるべきなのですっ！！
　　　　大￣　ﾗ-､彡'´＼__}　',(￣｀‐/⌒⌒⌒￣_,ノ .jヽ､ミﾆ__｀ヾ,ｲ‐ﾇ　 (⌒ヽ　　その為に犠牲が出ても多少はやむを得ないでしょう！
　　　　　｀＞'´｀ヽｼr‐‐､　　ﾍ.　｀‐ﾗ-/　 X　ヽ"ヽ;／|ヾ　 .r‐､ﾆ入´　.＼ヽ´　＼
　　　　　/ﾞﾞヾ　ｨｿ"｀ヽ/./⌒Yヽ((　(＿__,/三ﾒ､__ノﾉﾉiｭ_＿{,-‐∨ﾆA　""ﾍ.|　⌒|
　　　 /　　 //ﾞﾞヾ　//...⌒//⌒i｀ヽ､ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ　_/::: .:::/--| ﾍ　　∨;;;∧　　|i　　 .|
　　　 ./　　 //　　ｲ./　　/ .i　　}　::　｀￣￣ﾞﾞﾞ　 ::　 |　　∨ﾍ　　∨;;;;;|　　.i|　　 |
　　 ∨　　　ﾘ　　 .//　　./　j　　.}　:: 　 ;;;::::::;; 　 ::　 :|　　 {　〉　　.);;;;;j　　 '｀　　}
978：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:34:47 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　　　　/　､　　ﾆ　 ,
　　　　　　　ノ　　ヽ　＿ノ　ュ　ツ
　　　　　　　　　　　　　　　　　,.,,.._,....、
　　　　　　　　　　　 ,-へﾍ＾/´　/　／＾'"'ヽ
　　　　　　,　　　,/　ヾ `　!　/　'　　／~`､`､　　　　　
　　　　　　､i`､＿ノ　 i'¨~"``･〃 '' "~';　'^　ヽ､_;,ノﾘ,　　
　　　　　ﾐヽ､＿__ノ,'j　　　　u　　　　`:,ﾐ.　　　　ノﾉ　　
　　　　　､ﾐ゛-ﾆﾆ彡ｲ.＿___,,.～､＿＿,ｊﾄ､.~_　　_ 彡　　
　　　　　｀ヾ､＿,,..　彳=((◎))-t((◎))=.it ミ＿_ﾆ-'´ﾉ　
　　　　　　ヾ､二ﾆ'-';|: ~ _,.-+!‐!+-､.,__`| |ミー― '",　　TMS（経頭蓋磁気刺激）で扁桃体を刺激すれば、やる夫君は何の良心の呵責を感じることなく、
　　　　　　　 `-tﾆ三`ﾄ'",　　^^｀　　､Tｨﾐ三ﾆ-'彡　　ターゲットに拷問を加えたり、バラバラに切断することも可能になります。
　　　　　　　r''""~￣⊇==き三≡ｰ''~,ｲﾐヾー,,ﾆ='　　　
　　　　　　(　'´ ,: ~ 冫キヽ　ﾊヾ　;' .j'λﾆ=―-―､_　
／　　　ｒ～ヾ､　　　/ ∫`ﾄ､　'　ﾉ￣~"ﾍ　,ゝ　　　.'　!
／　　　）丶,､!ﾐ　　ｊ　/　ヾ､｀"./~　　　　ﾍ'､.　　,　　｀i
／　　/　 /　`ｰ-∠､. `;,/⌒ゝ./ ＿＿＿＿ﾍ !　　　　　ハ
／　 /　 /　　　　　`ｙ　ｉ　, ‐"￣　　　　　　￣"ｰ､　　　ヽ、
979：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:35:05 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿　　,i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミ　 ,-‐ｲ´,'ｨ'´, '´ ｀ﾗﾉ　,i
　　　　　　　　　ハ　　　　　　　　　　　　o 　.,ｲ.,-‐'´⌒彡'´,彡'´彡ｲ,ｨi
　　　　　　　　　シ　　　　　　　　　　ミ　　　{/　ｨ⌒ヽ'　彡'´彡'´　'´,'}
　　　　　　　　　　ュ　　　　　　 ,､,,,,,,,,,,　０､　r〉､.斥ﾘミ￣ﾄ＝彡t彡'ノﾉ-'ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　ミ,:'´　二ヽ｀i　.ｬ-/､｀〉乏__　　〉　 'ﾉ }三彡 '´彡'´
　　　　　　　　　　　　　ミﾞ´　　 ,,-､ヽﾄj､　ヽﾄ､ｨ　ノ｀}ヽ'´　l t＜三二ﾆ彡'　　　　というのは、サイコパス、特に連続殺人犯のほとんどは、
　　　　　　　　　　　　,,ミ´　,ｨミ､　〈./ミ. ｀ヽｯ'-‐‐'´ 　'　　　,! ﾍ､｀ヽ､　ノ´　　　　扁桃体に何かしらの異変があるからです。
　　　　　　　　　　　　ﾄ､,,...::|ヽ､　　　　ο　｀ゞ､ﾞﾞﾞﾞ　　.,ｨ'´　}　｀ミ三彡'　　　　　扁桃体は感情、それも恐怖や共感性を司る脳内器官なのですが、
　　　　　　　 ___,,,,､.　}　　｀ゞ' }　　ハ　゜　　 '.,__,ｨ彡::　　 ', 　＼彡'　　　　　　これが麻痺すると死や痛みに対する恐怖が消え失せます。
　　　　　／r‐-　ヽミ　　　ミ　　　シ　　　　　ゝ､__.＼　　 ',.ｨ彳´;|｀ゝ‐-i|li|､i,|i
　　　ミ／.ｨしｰｬ-　＼､　　　　　　　ュ　　　,i|il-‐i‐‐ilﾗ〉､／　/;;;;;{　　　　 ,'　｀ヽ
　　__　 Y´／{､ヽ､｀:.-‐'´ } ＼　　　　　　 i|i|l|'　　　　　// 〈r､ /;;;;;;;i　　　　　/ 　　　}
　,〈､ )〉'／　ゝ乏tヘ､ .ノ　　.＼　､､,,,,,,,j,,,,,.　　　　 ,ｲ;;〉ﾄ'｀∨};;;;;;;;|　　　　　､　　　 |
ゞ＝彡´　　　　　 {､彡'　　　　　ミﾞﾞ　　　ミ､＼　　./;;;/､}___/./;;;;;;;;;|　　　＼{　　　 .{
　　　　　　　　　､ヽ＼　　　　 /ゝ､　　ミ､ヽ.ヽ､〉ο;;;;;{　.|　.{ };;;;;;;;;;;|　　　　　|　　　　',
　　　　　ハ　　　 .､ヽ＼　　ミ　＼｀ヽ､ヽ､＼}､ /;;r､／｀i r‐､＿;;;;;|　　　　　|　　　　 ',
　　　　　シ　　　　　､ヽ＼　　　　ﾞﾞﾞﾞミ｀ヽ'´ﾞ　＼/ｨ-‐'´￣ﾞﾞヽ, ::ヽ､　　　　 .|　　　　　',
　　　　　　ュ　　　　　　ミ　　　　　　　}　　＞ ' ´￣　＿＿＿／　　.,ﾄｲ‐----ミヽ　　　 }
　　　　　　　　　　　　｀ミ　　　　　　ミ　　(　　　,ｨﾆ彳ｨ＿＿,,　...;;;　 /　　　　　　　　　　|
980：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:35:26 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　 /し'′　　　　　　　　　　　三二ﾆ=‐-　　　　廴.＿　 /し'
. 　　　　 /　　　,,..　 -‐――‐=≦「￣￣￣　　　　　　　レ′/
　　　　　　 |　　／　　　　　　三二ニﾆ=‐-　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　 |　 ≧=-‐　　　㍉　　　　　　　三二ﾆ=‐- 　　　　「_
　　　　　　ﾚ'´　　　　　　　 }}　｀¨¨＞‐-､　　　　　　　　　 /
　　　　　　 |　　　　　　　　　㍉　　/ /:.:∧∨　三二ﾆ=-　　　　/
　　　　　　　＿,,...　　 - ､　　㍉　 {:.:.:.:∧∨.　　　　　　　＜
　　　　　　　}{　　　 ,..斗＜　　　　㍉{ ヽ:.:. ! |　　　　　　　　-‐=ｧ　　もっとも、扁桃体が完全に麻痺すると、
.　　　　　八ー=≦,..斗ミ　/　　　　 }:. ﾉ｜　＞―‐‐ ミ＿ノ＿　感情の抑制が利かなくなり、欲望のままに行動するようになりますが。
.　　　　　　　 Y　　ゞﾉノ　{　＼　　　ﾚﾞ　/≧=‐-　　x≦「ア´　　＼＿
　　　　　　　　 |　＞―‐ ､ `:.､　丶　　　　ⅦI　　／　／　　　　　＼
　　　　　　　　 l／／￣｀ヽ}　　__,,..　、　　　Ⅶ　　/　イ　　　　　　　　　　　`:.､
　　　　　　　〈‘:,/　　ノ　　　＞ミ　 }　　　　′　　 ,′
　　　　　　　　} ∧_ ィヽ＿／/　./ 　　　 /　　/　/
　　　　　　　 ///＿//∧ ¨¨´ ／ｲ　　　＿_ /　/
　　　　＿_／／/// ＼ } 　「ﾚ′　　／　　 }／
　　く/〈///ﾍ///////}　　ゝ、　　　　　　　/
　　 /　 ,ヘ//}//// ／　　　　 ≧≦
.　 _/　 /　/ V/r=≦　　　　　　　　 /　　　／￣￣￣＼
／〈　〈　 {　 ∨}　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　丶
　　,　　∨‘:,.　Ⅶ　　　　　　　　　　　　　 l　／　　　　　　　　　　〕iト
　　|　　 V ‘:　Ⅶ　　　　　　　　　 |/　　　　　　　　　　　　　＼
　　|　　　 ∨ }　Ⅶ　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　`:.､
　　　　　　ヽ′ !　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }
　　　　　　　　 |　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /
981：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:35:52 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　　　　　　　　　＿＿__　　　＿___
　　　　　　　　　　／ミメ、ﾐr｀Y´ -=彡L
　　　　　　　　　 _r‐'′ー=≧メ、L　＞=ミ廴_
　　　　　　　　　　　「　三二ﾆ=ミメ、／三二ﾆ=-‘:,
　　　　　　　　 }　三㌢~^~^~^~^~^~^~㍉三ﾆ{
　　　　　　､＿_}≧ミ,{　　　　　　　　　　 }}三ﾆ}＿ノ}
　　　　　　　　　_〕= }ﾆ=-｛l　　　　 rvｫ　　　 {{二ﾆ{　　〔_
　　　　　､_ ﾉﾆ=-}ﾆ=㌢ノ　ゝ､ゝ'′ ノ　㍉= ,′三≦__
　　　　　　　＞=‐- }ミ/ 〈＿_ 　 ‘:,　 r'′,.斗rﾉVL =ﾆニ＜
　　　ー=≦≧=‐,イ‘: {===「≧ミ='＿_ゝく（()）} /{ 　＼__r'´　　　北欧神話では彼らはベルセルクと呼ばれ、恐れられました。
　　　　　　　≧ア　| :∧ :,rr乂ﾆノﾊ｝　{ ﾘ≧彡Lﾉ　 |　丶　　　　死に対して恐怖を感じず、常に冷静に戦ったからです。
　　　　　　　／　　:|　　ゝ､≧=≦　＞＜　､　 ′　　　＼　　殺人鬼の脳と優秀な軍人の脳が似ているというのはここにあります。
　　　　　　　　 |　　l:,八　　/､__＼__/_ ノ} ィ　　　:|　　　丶
　　　　／　　　　　:|　　|‘:､ `　､　ー‐一　 / ! 　　 |　　　　　＼
　　　/　　　　　　　|　　l　∧　　＼＿＿__,／　|　　　 |　　　　　　、
　／　　　　　　 |　　∨ ∧　　/二二二ﾍ _,′　　｜　　　　　　　 ‘:,
../　　　　　　　　　 |　　 V　ﾍ _∧　　　　 /　|　　　 |　　　　　　 /|
,′　　　　　　　　　|　　　 :,　　　　＼＿__/　 :|　　　 |　　　　　　　　/ :|
　　　　　　　　 |＿＿　＼　　 /　　 |　　|　＿＿|　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　／　　|　　　|　　　|　　l　＼　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　／　　　｜　　 |　　　|　　|　　＼　　　　　　　 ∧
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　　　　　　　　 l 　　　 |　　　|　　　|　　l　　　　|　　　　　　　　　/ ∧
982：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:37:37 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　　　　　　　　　＿＿__　　　＿___
　　　　　　　　　　／ミメ、ﾐr｀Y´ -=彡L
　　　　　　　　　 _r‐'′ー=≧メ、L　＞=ミ廴_
　　　　　　　　　　　「　三二ﾆ=ミメ、／三二ﾆ=-‘:,
　　　　　　　　 }　三㌢~^~^~^~^~^~^~㍉三ﾆ{
　　　　　　､＿_}≧ミ,{　　　　　　　　　　 }}三ﾆ}＿ノ}
　　　　　　　　　_〕= }ﾆ=-｛l　　　　 rvｫ　　　 {{二ﾆ{　　〔_
　　　　　､_ ﾉﾆ=-}ﾆ=㌢ノ　ゝ､ゝ'′ ノ　㍉= ,′三≦__
　　　　　　　＞=‐- }ミ/ 〈＿_ 　 ‘:,　 r'′,.斗rﾉVL =ﾆニ＜
　　　ー=≦≧=‐,イ‘: {===「≧ミ='＿_ゝく（()）} /{ 　＼__r'´　　獲物を誘い出したいなら餌をちらつかせること、
　　　　　　　≧ア　| :∧ :,rr乂ﾆノﾊ｝　{ ﾘ≧彡Lﾉ　 |　丶　　　これは罠の初歩です。
　　　　　　　／　　:|　　ゝ､≧=≦　＞＜　､　 ′　　　＼
　　　　　　　　 |　　l:,八　　/､__＼__/_ ノ} ィ　　　:|　　　丶
　　　　／　　　　　:|　　|‘:､ `　､　ー‐一　 / ! 　　 |　　　　　＼
　　　/　　　　　　　|　　l　∧　　＼＿＿__,／　|　　　 |　　　　　　、
　／　　　　　　 |　　∨ ∧　　/二二二ﾍ _,′　　｜　　　　　　　 ‘:,
../　　　　　　　　　 |　　 V　ﾍ _∧　　　　 /　|　　　 |　　　　　　 /|
,′　　　　　　　　　|　　　 :,　　　　＼＿__/　 :|　　　 |　　　　　　　　/ :|
　　　　　　　　 |＿＿　＼　　 /　　 |　　|　＿＿|　　　　　　　　　 |
983：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:37:57 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　　　　　＞―-‐'´ミヽ､
　　　　　　　／,彡'´￣｀ﾞﾆ=ﾐ､ﾐヽ
　　　　　　/i }i〃　／￣彡'´ミヾ/
　　　　i∨|ミ彡'　､　　　　i´j|´｀ .}
　　　　ﾍ ',ヽ-'　i､ミヽ-‐‐'　 } 　 ,|
　　　｀ミヾ､ .ﾄ､_',ミ､Yｨt:‐≦_rｨi〈
　　　　　＼｀＼三ﾆゞ､_　 !､｀ﾃィ
　　　　　　｀ヽﾗｪミ彡'´!､＿.｀孑　　この時注意したいのはあまり大きな餌を仕掛けると、
　　　　　　　 /;;;;;;｀ヽ､　', .}_.｀ﾞ´　　相手は用心するか、仲間を集めてくるかもしれないということです。
　　　　　 / ﾞﾞﾞﾞﾞ｀ヽ､ミﾆﾐ､|､　　　心理学者であるアブラハム・マズローはチンパンジーの観察である発見をしました。
　　　　 ./　　　　　　｀ヽ､;;;∨
　　　　　 /,ｨ-‐―‐‐､　　　ﾍ;;;;ヽ
　　　　　{/　i　　　　｀ヽ､　　ﾍ;;;;∨　　　　　 r､
　　　　 ∧　 ',　　　　　i }ヽ　　ﾍ;;;;ヽr‐-ｭ=ｨ´ ﾉﾞﾞ〉
　　　　 .∧　　　　　　 ',i　入　　};;;;;|｀ﾞ´　{　　　 }
　　　　　 ∧　', 　　　　ﾘﾉイ　　|;;;;;{＞-く､　／i｀ヽ
　　　　　 .∧　', 　　 /　　 Yn､-t'´ 　　 }＜,,イ　ﾉ
　　　　　　　 }',　　　　　　ノ〉|/,'　　　　　.ﾄ‐-‐イ´
　　　　　　.i∧　　　/　彡' ,' レ　　　 ,,ｨ'
　　　　　　　 i　ヘ　　＼乂ノ　　 ,,,＜ﾞﾍ
　　　　　　　　ﾄ　　ヘ､＿＿,,ｨ＜´　};;;;;;;',
　　　　　　　　 {　　　　　　　　　　　 .',;;;;;;;∨
　　　　　　　　.〉　　　　　　　　　　　 };;;;;;;;∨
　　　　　　　　 {　　　　　　　　　　　　 ',;;;;;;;;',
　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　 };;;;;;;;;}
984：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:38:19 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　　　　　　　　　　　 ,=＝‐'´￣｀ﾞヽ､　　　　　 ,ｨ
　　　　　　　　　　　　　　／,ｨ'´,彡'´⌒ミヾ､｀ヽ､.　　/ |　 ,
　　　　　　　　　　　　 ,ｨ´／／　　　　　　　　　　入ノ .ﾉ／i　,
　　　　　　　　　　　　〉""〃-イ彡'´イヽ､__,ｨ彡'´ノ ./´　/ノ|
　　　　　　　　　 /⌒.::::::　彡'´ ,　　　　　 ,ｨ彡'´ ,ｨ .´ノﾉ
　　　　　　　　　　　/ﾞﾞﾞヾ;:::　　　｀ヾ彡､ﾆ三彡'´　,ｨ'´　／/i
　　　　　　　　　　 irt‐､,=-‐⌒Ｏ＝彳r⌒∨彡'´　ノ彡'ﾉ,
　　　　　　　　　　　}|) } ﾉ〓,　　ﾉ:::.　 ))ヽ.}三彡'´　'´ノノ/　　チンパンジーは豊富な餌場を見つけると仲間に知らせますが、
　　　　 r'´i　　　 /｀7ゝ‐-=､_／ :::　　リ´/ミ=-‐'　／／ノ　　逆に自分ひとり分しかない場合は仲間から餌を隠します。
　　　　 },. }　　　辷つ　_,ｨ‐､.}; ;　　　ゝｲミ､｀ヽ､__,ｨ'´／ﾍ　　
　　　　 |.　',. 　　　　ﾋｨﾆｨ'"´);: ;　　　 };.　｀ヽ､＿＿／　　 ∨
　　　　 ',ﾞﾞ　∨⌒).　　　　/　　 ', 　.ﾉ;;::.　　／／　　,=＝=∨
　　.,ｨ‐‐ﾑ;;,. }''　{　　　　／　　　 }／..　;;　／ ,ｲ,ｨ´￣　　　 ∨
　　_|　Y_ﾉ=/ 　 |　　　.(,ｲ　　／::::::　　.;/　/　/　　　　　　 ∨
　 ,|.L＿_)'´　　 .〉　　　　.ゝ-彳´⌒｀ﾞヽ./　/　/　　　　　　　 ∨
　 |＼_,ｲ､　　 /　　　　　　　　　　　 /　/　/.　　　　　　　　∨
　＼/　　　　入　　　　　　　　　　 }　/　/ 　　　　　　　　 ∨
985：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:39:03 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　　　　　　　 , ―　､
　　　　　　　　　　／　　､ヽ｀ヽ
　　　　　　,-‐,‐'"　　 .ﾊ　ヾ ,J　　　　　　,. ､. ,. -‐ ､
　　　　／　ヽ　　　.ノ`ー'~　＼　　 ,iﾍ､=;＝､"'.;＾､＼　　　　　　　
　　　／　　　Y''T￣　　　　　　＼-' ” ` ﾐﾆ彳､`;.ｷ　`i　　　　　　　
　／　　　　　　`ｙ　　　　　　　　ﾍ⌒`ヽ､　 ,ヽ　ﾐヽﾘ　､｣_, ノﾉ ,　　　
'　　　　　　　,／　　　　　　　　r'",,..　　￣ ' `‐- 'ｲ　ー－彡' .　　
　　　　　　ノ　　　　　　　ヽ､,,_,!::::::::::::::..､　　　,　　ヾ_　ミ三　彡ノ　
　　　　　／　　　　　　　`≡- ＼::::::::::::::::::::::"　､＾ ,）　､_ __＿彡　　自分だけでは食べきれなければ仲間にもわける。
　　　　/　　　　　　　　　　｀ミ.ﾆ =ヽ::::::::::::::　　/'^"　ﾐ､ー－'ノ　　　しかし、自分の分しかなければ隠す。
　　　,/　　　　　　　　　　　ﾐ= 彡 |:::::::::::　　　!ヾ＼` ､ミ =　彡　　　人間も同じです。
　　　∫　　　　　,／＾`ｰ､＿　`ｰﾋ´|(;; 　'　〃　|ﾍヾ＼ﾐ三＝'"
　 . '　＼ﾍー'￣　　　　　　 `ヽ. 　`i　!: 　/　　／＾、ミ = -'"　　＿
／　 /　　　　　　,　　　　　　i＜￣l　　　　／ﾍ　/":>'"＾ー'"￣　　`ヽ
　　,　　　　　　　　　　　　,.／: ,＼ヽ_ _,,./´／,.;Y::／　　　　　　　'　　（
　.　　　　　／　　　　　,／: : ;ィ'`､＿`　 ,／〃´:／　　　　　　　　　　　`､
　:　　　　'　　　　　／: : :／　ﾍﾝ!!!!!!７'",〃´: ／　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　:　　/　　　　.／: : :／　　 /丗,ｧ'"　,/: : :/　　　　　　　　/　　　　　　＼
　　　　/ 　　　／: : :／:　　/iili/´　　/: : :./　　　　:　　　　'　　　　　　　　ﾍ
　　　,　　　／: : ::／::　　,/iiii/　　　/: : : :/　　　　　　　　i　　　　　　　〃　ヽ
　　j´　／: : : :／:: 　　,/iiii/　　　　/: : : :/　　　　:　　　　　　　　　　　　　　　`ヽ
　ﾉ　 /: : : : :／:::: 　　/iiiiii/　　, '　/: : : : ;　　　　　　　　　　　(　　　　　　　　　　　`ｰ､
　　/: : : : ::/::::: :　　./iiiiii/ 　　_,-‐"~￣￣`i　　　　　　　　　　ヾ　　　　　　　　　　　　ヽ
　/: : : : : /::::: 　　./iiiiiii/ 　_.ノ　　　　　　　|　_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　　"`ヽ､
/: : : : : /:::::　　　/iiiiiii/　 /　　　　　　　　　|（￣`､＿　　　　,～-''""　``ヽ~`ヽ　　　　　　　＼
: : : : : /:::::　　　/iiiiiiii/　 /　 _,,　--―'"~￣￣~`)　　　~`ー-‐ヘ　　　:　　　＼　　`ヽ　　　　＼
: : : : j::::::　　　/iiiiiiii/　,; ‐'" 　 __　　　　　　,- " ,ゞ　　　　　　　　ヽ　　　:　　　　　､　　　　　　　 i
: : : :j::::::　　　/iiiiiiiii/／ ,　ｩヮﾌ　　/￣`""''"~￣　　　　　　　　＿!　　　　　:
986：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:40:26 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　i'"￣~'---‐::::::::::::::＼
　　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
　　　　　　 ./____-一一一―----＿ｌ
　　　　　　/＿＿＿＿＿＿＿,,,,,___::ｌ＿
　　　　._/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　 . ＜:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:::l￣
　　　｜::::::::::／　〈_ﾌ |:::::::l くﾉ　＼:::::::::）
　　　 /　　　.l　　　　 / , ､ヽ　　　l　ｌ〈
　　 : |　　　　ﾞ'―-''" (_　_)　ﾞ'''ｰ''"　 i ヽ　　ああ、それともう一つ、レクター博士は三日前に日本を出国しました。
　　 :（＿,,　　 lﾆﾆﾆﾆﾆﾆｖﾆﾆﾆﾆﾆl　　ノ、　日本人女性はもう食べ飽きたとか、ほほほ。
: _..-'ﾞ゛ーヽ　ヽヽ.＿l＿_l＿__l─l/ 　/:::::::＼
::::::::::::::::::::::＼　.＼ヽ !___│.___|／　_/゛:::::::::::::ﾞ''､
::::::::::::::::::::::｜＼　.｀''ｰ──‐"　／/ﾄ:::::::::::::::::::ヽ
::::::::::::::::::::::｜＼＼＿＿＿＿／　/ |:::::::::::::::::::::::::l
::::::::::::::::::::::::|.　＼/二二二ヽ　／　 |:::::::::::::::::::::::::.|
::::::::::::::::::::::::|　　　＼二二二／　　　|::::::::::::::::::::::::::|
::::::::::::::::::::::::|　　　　　　　　　　　　　.|::::::::::::::::::::::::::|
::::::::::::::::::::::::|　　　　　 .,..-､.　　　　　|:::::::::::::::::::::::::::|
::::::::::::::::::::::::|.　　　　　l′ .!.　　　　 .|::::::::::::::::::::::::::::|
::::::::::::::::::::::::|　　　　　｀'''''゛　　　　 .|:::::::::::::::::::::::::::::|
987：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:40:55 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　 /し'′　　　　　　　　　　　三二ﾆ=‐-　　　　廴.＿　 /し'
. 　　　　 /　　　,,..　 -‐――‐=≦「￣￣￣　　　　　　　レ′/
　　　　　　 |　　／　　　　　　三二ニﾆ=‐-　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　 |　 ≧=-‐　　　㍉　　　　　　　三二ﾆ=‐- 　　　　「_
　　　　　　ﾚ'´　　　　　　　 }}　｀¨¨＞‐-､　　　　　　　　　 /
　　　　　　 |　　　　　　　　　㍉　　/ /:.:∧∨　三二ﾆ=-　　　　/　　　　やる夫君、この世に正義のヒーローはいませんし、
　　　　　　　＿,,...　　 - ､　　㍉　 {:.:.:.:∧∨.　　　　　　　＜　　　　　又、我々は超人でもない。
　　　　　　　}{　　　 ,..斗＜　　　　㍉{ ヽ:.:. ! |　　　　　　　　-‐=ｧ　　　　自分の持てる力や知恵、スキルを必死に使って、
.　　　　　八ー=≦,..斗ミ　/　　　　 }:. ﾉ｜　＞―‐‐ ミ＿ノ＿　　　どうにか生きてるにすぎません。
.　　　　　　　 Y　　ゞﾉノ　{　＼　　　ﾚﾞ　/≧=‐-　　x≦「ア´　　＼＿我々、人間は弱いんですよ。
　　　　　　　　 |　＞―‐ ､ `:.､　丶　　　　ⅦI　　／　／　　　　　＼
　　　　　　　　 l／／￣｀ヽ}　　__,,..　、　　　Ⅶ　　/　イ　　　　　　　　　　　`:.､
　　　　　　　〈‘:,/　　ノ　　　＞ミ　 }　　　　′　　 ,′
　　　　　　　　} ∧_ ィヽ＿／/　./ 　　　 /　　/　/
　　　　　　　 ///＿//∧ ¨¨´ ／ｲ　　　＿_ /　/
　　　　＿_／／/// ＼ } 　「ﾚ′　　／　　 }／
　　く/〈///ﾍ///////}　　ゝ、　　　　　　　/
　　 /　 ,ヘ//}//// ／　　　　 ≧≦
.　 _/　 /　/ V/r=≦　　　　　　　　 /　　　／￣￣￣＼
／〈　〈　 {　 ∨}　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　丶
　　,　　∨‘:,.　Ⅶ　　　　　　　　　　　　　 l　／　　　　　　　　　　〕iト
　　|　　 V ‘:　Ⅶ　　　　　　　　　 |/　　　　　　　　　　　　　＼
　　|　　　 ∨ }　Ⅶ　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　`:.､
　　　　　　ヽ′ !　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }
　　　　　　　　 |　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /
988：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:41:25 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　　　　　　　　　＿＿__　　　＿___
　　　　　　　　　　／ミメ、ﾐr｀Y´ -=彡L
　　　　　　　　　 _r‐'′ー=≧メ、L　＞=ミ廴_
　　　　　　　　　　　「　三二ﾆ=ミメ、／三二ﾆ=-‘:,
　　　　　　　　 }　三㌢~^~^~^~^~^~^~㍉三ﾆ{
　　　　　　､＿_}≧ミ,{　　　　　　　　　　 }}三ﾆ}＿ノ}
　　　　　　　　　_〕= }ﾆ=-｛l　　　　 rvｫ　　　 {{二ﾆ{　　〔_
　　　　　､_ ﾉﾆ=-}ﾆ=㌢ノ　ゝ､ゝ'′ ノ　㍉= ,′三≦__
　　　　　　　＞=‐- }ミ/ 〈＿_ 　 ‘:,　 r'′,.斗rﾉVL =ﾆニ＜
　　　ー=≦≧=‐,イ‘: {===「≧ミ='＿_ゝく（()）} /{ 　＼__r'´
　　　　　　　≧ア　| :∧ :,rr乂ﾆノﾊ｝　{ ﾘ≧彡Lﾉ　 |　丶　　　　　人殺さねば食を得ず、寺巡らねば罪消えず、人殺しつつ、寺巡りつつ、
　　　　　　　／　　:|　　ゝ､≧=≦　＞＜　､　 ′　　　＼　　　進め、進め、波阿弥陀仏。
　　　　　　　　 |　　l:,八　　/､__＼__/_ ノ} ィ　　　:|　　　丶　　チベット僧に伝わる古いことわざです。
　　　　／　　　　　:|　　|‘:､ `　､　ー‐一　 / ! 　　 |　　　　　＼
　　　/　　　　　　　|　　l　∧　　＼＿＿__,／　|　　　 |　　　　　　、
　／　　　　　　 |　　∨ ∧　　/二二二ﾍ _,′　　｜　　　　　　　 ‘:,
../　　　　　　　　　 |　　 V　ﾍ _∧　　　　 /　|　　　 |　　　　　　 /|
,′　　　　　　　　　|　　　 :,　　　　＼＿__/　 :|　　　 |　　　　　　　　/ :|
　　　　　　　　 |＿＿　＼　　 /　　 |　　|　＿＿|　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　／　　|　　　|　　　|　　l　＼　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　／　　　｜　　 |　　　|　　|　　＼　　　　　　　 ∧
　　　　　　　　 l 　　　 |　　　|　　　|　　|　　　 l　　　　　　　　 / ∧
　　　　　　　　 l 　　　 |　　　|　　　|　　l　　　　|　　　　　　　　　/ ∧
989：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:42:31 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　　　　　＞―-‐'´ミヽ､
　　　　　　　／,彡'´￣｀ﾞﾆ=ﾐ､ﾐヽ
　　　　　　/i }i〃　／￣彡'´ミヾ/
　　　　i∨|ミ彡'　､　　　　i´j|´｀ .}
　　　　ﾍ ',ヽ-'　i､ミヽ-‐‐'　 } 　 ,|
　　　｀ミヾ､ .ﾄ､_',ミ､Yｨt:‐≦_rｨi〈
　　　　　＼｀＼三ﾆゞ､_　 !､｀ﾃィ　　指紋の採取方法は現在では４０種類ほどなります。
　　　　　　｀ヽﾗｪミ彡'´!､＿.｀孑　　この内、もっとも使われているのが、
　　　　　　　 /;;;;;;｀ヽ､　', .}_.｀ﾞ´　　　科学捜査用ライト（ALS、代替光源）による指紋の証拠採取です。
　　　　　 / ﾞﾞﾞﾞﾞ｀ヽ､ミﾆﾐ､|､
　　　　 ./　　　　　　｀ヽ､;;;∨
　　　　　 /,ｨ-‐―‐‐､　　　ﾍ;;;;ヽ
　　　　　{/　i　　　　｀ヽ､　　ﾍ;;;;∨　　　　　 r､
　　　　 ∧　 ',　　　　　i }ヽ　　ﾍ;;;;ヽr‐-ｭ=ｨ´ ﾉﾞﾞ〉
　　　　 .∧　　　　　　 ',i　入　　};;;;;|｀ﾞ´　{　　　 }
　　　　　 ∧　', 　　　　ﾘﾉイ　　|;;;;;{＞-く､　／i｀ヽ
　　　　　 .∧　', 　　 /　　 Yn､-t'´ 　　 }＜,,イ　ﾉ
　　　　　　　 }',　　　　　　ノ〉|/,'　　　　　.ﾄ‐-‐イ´
　　　　　　.i∧　　　/　彡' ,' レ　　　 ,,ｨ'
　　　　　　　 i　ヘ　　＼乂ノ　　 ,,,＜ﾞﾍ
　　　　　　　　ﾄ　　ヘ､＿＿,,ｨ＜´　};;;;;;;',
　　　　　　　　 {　　　　　　　　　　　 .',;;;;;;;∨
　　　　　　　　.〉　　　　　　　　　　　 };;;;;;;;∨
　　　　　　　　 {　　　　　　　　　　　　 ',;;;;;;;;',
　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　 };;;;;;;;;}
990：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:42:52 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿　　,i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミ　 ,-‐ｲ´,'ｨ'´, '´ ｀ﾗﾉ　,i
　　　　　　　　　ハ　　　　　　　　　　　　o 　.,ｲ.,-‐'´⌒彡'´,彡'´彡ｲ,ｨi
　　　　　　　　　シ　　　　　　　　　　ミ　　　{/　ｨ⌒ヽ'　彡'´彡'´　'´,'}
　　　　　　　　　　ュ　　　　　　 ,､,,,,,,,,,,　０､　r〉､.斥ﾘミ￣ﾄ＝彡t彡'ノﾉ-'ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　ミ,:'´　二ヽ｀i　.ｬ-/､｀〉乏__　　〉　 'ﾉ }三彡 '´彡'´　ちなみに指紋には潜在指紋と顕在指紋というものがあり、
　　　　　　　　　　　　　ミﾞ´　　 ,,-､ヽﾄj､　ヽﾄ､ｨ　ノ｀}ヽ'´　l t＜三二ﾆ彡'　　顕在指紋はガラスなどに付着したわかりやすい指紋、
　　　　　　　　　　　　,,ミ´　,ｨミ､　〈./ミ. ｀ヽｯ'-‐‐'´ 　'　　　,! ﾍ､｀ヽ､　ノ´　　潜在指紋は紙や拭き取られた指紋をいいます。
　　　　　　　　　　　　ﾄ､,,...::|ヽ､　　　　ο　｀ゞ､ﾞﾞﾞﾞ　　.,ｨ'´　}　｀ミ三彡'
　　　　　　　 ___,,,,､.　}　　｀ゞ' }　　ハ　゜　　 '.,__,ｨ彡::　　 ', 　＼彡'
　　　　　／r‐-　ヽミ　　　ミ　　　シ　　　　　ゝ､__.＼　　 ',.ｨ彳´;|｀ゝ‐-i|li|､i,|i
　　　ミ／.ｨしｰｬ-　＼､　　　　　　　ュ　　　,i|il-‐i‐‐ilﾗ〉､／　/;;;;;{　　　　 ,'　｀ヽ
　　__　 Y´／{､ヽ､｀:.-‐'´ } ＼　　　　　　 i|i|l|'　　　　　// 〈r､ /;;;;;;;i　　　　　/ 　　　}
　,〈､ )〉'／　ゝ乏tヘ､ .ノ　　.＼　､､,,,,,,,j,,,,,.　　　　 ,ｲ;;〉ﾄ'｀∨};;;;;;;;|　　　　　､　　　 |
991：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:43:15 ID:KWLiZU5w0: 三二ﾆ=‐　　㌢　　　　　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　㌢　　　　　　　　　　ト　イ　　　 /
ﾆ=‐-　,}㌢　　　人　　　　　　　　　人＿人　　　|
　　㌢　　　　　　＼　　　　‐‐---　 ...,,___　　 |
　二{{　　　＞＞―‐‐-ミメ、　　　　　　　　　／
≧=‐‐- ／イ /---／￣｀ヽ≧ミメ、ﾉ　斗＜く
　　　　//　 { {--- !　　　　 V////}　　//　　 /__
　　　　{{r= ∧∨-｜　　　 }////[二二]　　/ｯｧ′
　　　　{{ r==∧∨∧＿　ノ/////}　　|　　/ｯ/
　　　　{L　r== ≧=‐‐=≦///////}　　|=≦ｯ,′
≧ミ　ﾏ{,　　　 ///////// / / } 　 |　　 ,′
　　　≧ミ}}＿__,／/////////////}____|　／
　　　　,／　￣二ﾆ=-　///// / ∧.　「
　　　　/ 　 r、＿　　　　 ≧=‐-　//}　 ‘:,
　　　,′　　＼:.:.:. 二ﾆ=-　　_,　/≧=‐'′
　　　　　　＼≧=- :.:.:.:.: ノ　 /　　　　　その潜在指紋を浮き上がらせるのがALSです。
＼　　　　　　　　〕iト------/／　　　　　　皮脂と汗によって、今では拭き取った指紋や紙についた指紋も容易にわかるようになりました。
　　　　　　　　　　　　　　　 ′　　　　　　　紙が吸った皮脂と汗が光に浮かぶからです。
　　＼　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　 |
　　　　　　〕iト　　　　 /
　　　　　　／　　　￣￣
992：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:43:36 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　　　　　　　,=-‐--､＿
　　　　　　　　　,ｨ⌒　 i ,' /,'　｀ゝ､
　　　　　　.r'⌒ヾ　 , , '　, '⌒ヽ､
　　　　　ﾄ､　 .j ,',i´｀ﾞﾞヽ//ﾉ／'ﾂ .i　| ,ｨ
　　　､_!､｀"´彡i　　 u　　　 ./__,-‐'´j.,ｨ
　　　ヽミ彡'´rﾄｬ､,,,　､,,,,ｨ≦ﾒ､彡' ,'´/
　　　　　 .｀ﾐ彡ﾍ弋う)rt代う)ﾐﾉﾘﾆ彡,イ　　ALSは指紋だけではありません。
　　　　　　｀ヽ彡ゝ‐'ぇjゝ‐､=ｲ´ミ彡'´　　　唾液、血や精液、羊水も尿、髪の毛も紫外線、
　　　　　　　　 ,ｨ个､｀￣´,ｨ"∧:､￣￣ﾞヽ､これは３８５の波長を当てる事で判明します。
　　　　　　__,ノ´.i:::|､ヽ｀ﾞ'"´:::ﾉ　',::',　　　　 ',
　　　,＞"´　　.i::::|ﾞ`　≧､,ｲｭ　; i:::i　　　　 i|
　　,ｲ　　　　　 i::::::i_ノく:::ヽﾉ:ﾉヽ､|::::',　　　ﾉ',
　 .i ',　　　　　 i:::::::i　　｀{::::::}　　 ',:::::',　､/　.i
　 i　 ',　　,　　 |:::::::|.　　ゝ=i　　　i::::::i　 i|､　 i
　.i　/,ﾍ / i　 , i:::::::|　　　 |::::',　　 |::::::i.　ﾄ､ヽ|
　,'　/　/i.ﾉ　/ ',:::::::i､.　　|::::::', 　 ;i::::::',　 i　)入
　{　'　/λ. /　,'|:::::::i.',　　 |:::::::i ､.,'.|::::::i.　 |彡ﾐ〈
　i　　ｿ∧/　,' .i:::::::| ',　　i:::::(⌒) .,i::::::',＿j__ﾑこt､
　〉'´ .ノ __j_ ,'　 |:::::::i　　,' |::::::| |　　ﾚ'´ .,ｨｬ‐-､しﾍ',
..(_,ｨ'´ｿ　.,´｀ゝ､_i:::::::i;　._,ｫ―'こつ/　 ,ｲノ　入　∨
　〈ゝ'´／　'´　　｀￣7'´　　と「|j ',{　乂｀　 '´ ノ　.,'
　　Y　,ｨ彡　　　　　 ',: : : .　　∪,ｨj乂　｀ﾞ=‐'´　ノ
　　｀ﾞ`7―‐-=､_＿__ﾚ｀`＞､_彡´　',|:｀t≧-‐＜"
　　　 ,'　i ii.　　|:::::::|_, ／∠|　i'´'´｀|:::::i　　|
　　　 .i　 ',ｉi　　　i:::::::i'´　　 /iﾆi彡'´;;i:::::|　　',
　　　 i　　 'i　　　|:::::::i　　/, '/;;,＼　 ;|:::::',.　　',
　　　.i　　　i　　　|:::::::|　/ /ｲ;;;;;;;,.　　;i::::::i　　 i
　　　,' 　　　　 |:::::::|　 /　};;;;;;;;;;;,.　.;i::::::|　　 ',
993：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:43:54 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿　　,i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミ　 ,-‐ｲ´,'ｨ'´, '´ ｀ﾗﾉ　,i
　　　　　　　　　ハ　　　　　　　　　　　　o 　.,ｲ.,-‐'´⌒彡'´,彡'´彡ｲ,ｨi
　　　　　　　　　シ　　　　　　　　　　ミ　　　{/　ｨ⌒ヽ'　彡'´彡'´　'´,'}
　　　　　　　　　　ュ　　　　　　 ,､,,,,,,,,,,　０､　r〉､.斥ﾘミ￣ﾄ＝彡t彡'ノﾉ-'ﾉ　　　　足跡や偽造紙幣、偽造パスポートは４５５の紫外線、
　　　　　　　　　　　　　　　ミ,:'´　二ヽ｀i　.ｬ-/､｀〉乏__　　〉　 'ﾉ }三彡 '´彡'´　　逆に爆薬や燃焼物は波長が６２５の赤外線を使って調べます。
　　　　　　　　　　　　　ミﾞ´　　 ,,-､ヽﾄj､　ヽﾄ､ｨ　ノ｀}ヽ'´　l t＜三二ﾆ彡'
　　　　　　　　　　　　,,ミ´　,ｨミ､　〈./ミ. ｀ヽｯ'-‐‐'´ 　'　　　,! ﾍ､｀ヽ､　ノ´
　　　　　　　　　　　　ﾄ､,,...::|ヽ､　　　　ο　｀ゞ､ﾞﾞﾞﾞ　　.,ｨ'´　}　｀ミ三彡'
　　　　　　　 ___,,,,､.　}　　｀ゞ' }　　ハ　゜　　 '.,__,ｨ彡::　　 ', 　＼彡'
　　　　　／r‐-　ヽミ　　　ミ　　　シ　　　　　ゝ､__.＼　　 ',.ｨ彳´;|｀ゝ‐-i|li|､i,|i
　　　ミ／.ｨしｰｬ-　＼､　　　　　　　ュ　　　,i|il-‐i‐‐ilﾗ〉､／　/;;;;;{　　　　 ,'　｀ヽ
　　__　 Y´／{､ヽ､｀:.-‐'´ } ＼　　　　　　 i|i|l|'　　　　　// 〈r､ /;;;;;;;i　　　　　/ 　　　}
　,〈､ )〉'／　ゝ乏tヘ､ .ノ　　.＼　､､,,,,,,,j,,,,,.　　　　 ,ｲ;;〉ﾄ'｀∨};;;;;;;;|　　　　　､　　　 |
ゞ＝彡´　　　　　 {､彡'　　　　　ミﾞﾞ　　　ミ､＼　　./;;;/､}___/./;;;;;;;;;|　　　＼{　　　 .{
　　　　　　　　　､ヽ＼　　　　 /ゝ､　　ミ､ヽ.ヽ､〉ο;;;;;{　.|　.{ };;;;;;;;;;;|　　　　　|　　　　',
　　　　　ハ　　　 .､ヽ＼　　ミ　＼｀ヽ､ヽ､＼}､ /;;r､／｀i r‐､＿;;;;;|　　　　　|　　　　 ',
　　　　　シ　　　　　､ヽ＼　　　　ﾞﾞﾞﾞミ｀ヽ'´ﾞ　＼/ｨ-‐'´￣ﾞﾞヽ, ::ヽ､　　　　 .|　　　　　',
　　　　　　ュ　　　　　　ミ　　　　　　　}　　＞ ' ´￣　＿＿＿／　　.,ﾄｲ‐----ミヽ　　　 }
　　　　　　　　　　　　｀ミ　　　　　　ミ　　(　　　,ｨﾆ彳ｨ＿＿,,　...;;;　 /　　　　　　　　　　|
994：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:44:19 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　　　　　　　　　＿＿__　　　＿___
　　　　　　　　　　／ミメ、ﾐr｀Y´ -=彡L
　　　　　　　　　 _r‐'′ー=≧メ、L　＞=ミ廴_
　　　　　　　　　　　「　三二ﾆ=ミメ、／三二ﾆ=-‘:,
　　　　　　　　 }　三㌢~^~^~^~^~^~^~㍉三ﾆ{
　　　　　　､＿_}≧ミ,{　　　　　　　　　　 }}三ﾆ}＿ノ}
　　　　　　　　　_〕= }ﾆ=-｛l　　　　 rvｫ　　　 {{二ﾆ{　　〔_
　　　　　､_ ﾉﾆ=-}ﾆ=㌢ノ　ゝ､ゝ'′ ノ　㍉= ,′三≦__
　　　　　　　＞=‐- }ミ/ 〈＿_ 　 ‘:,　 r'′,.斗rﾉVL =ﾆニ＜
　　　ー=≦≧=‐,イ‘: {===「≧ミ='＿_ゝく（()）} /{ 　＼__r'´　　　　じゃあ手袋をつければいいんじゃないかと言えば、
　　　　　　　≧ア　| :∧ :,rr乂ﾆノﾊ｝　{ ﾘ≧彡Lﾉ　 |　丶　　　　　それで済んだら世話はありません。
　　　　　　　／　　:|　　ゝ､≧=≦　＞＜　､　 ′　　　＼　　　手袋をつけても手袋痕が残りますので。
　　　　　　　　 |　　l:,八　　/､__＼__/_ ノ} ィ　　　:|　　　丶　　
　　　　／　　　　　:|　　|‘:､ `　､　ー‐一　 / ! 　　 |　　　　　＼
　　　/　　　　　　　|　　l　∧　　＼＿＿__,／　|　　　 |　　　　　　、
　／　　　　　　 |　　∨ ∧　　/二二二ﾍ _,′　　｜　　　　　　　 ‘:,
../　　　　　　　　　 |　　 V　ﾍ _∧　　　　 /　|　　　 |　　　　　　 /|
,′　　　　　　　　　|　　　 :,　　　　＼＿__/　 :|　　　 |　　　　　　　　/ :|
　　　　　　　　 |＿＿　＼　　 /　　 |　　|　＿＿|　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　／　　|　　　|　　　|　　l　＼　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　／　　　｜　　 |　　　|　　|　　＼　　　　　　　 ∧
　　　　　　　　 l 　　　 |　　　|　　　|　　|　　　 l　　　　　　　　 / ∧
　　　　　　　　 l 　　　 |　　　|　　　|　　l　　　　|　　　　　　　　　/ ∧
995：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:44:46 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿　　,i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミ　 ,-‐ｲ´,'ｨ'´, '´ ｀ﾗﾉ　,i
　　　　　　　　　ハ　　　　　　　　　　　　o 　.,ｲ.,-‐'´⌒彡'´,彡'´彡ｲ,ｨi
　　　　　　　　　シ　　　　　　　　　　ミ　　　{/　ｨ⌒ヽ'　彡'´彡'´　'´,'}
　　　　　　　　　　ュ　　　　　　 ,､,,,,,,,,,,　０､　r〉､.斥ﾘミ￣ﾄ＝彡t彡'ノﾉ-'ﾉ　　　　指紋や手袋痕以外にも気を付けたいのが手紋痕です。
　　　　　　　　　　　　　　　ミ,:'´　二ヽ｀i　.ｬ-/､｀〉乏__　　〉　 'ﾉ }三彡 '´彡'´　　オウムの信者が犯罪を行った際、彼らは指紋を焼いていたのですが、
　　　　　　　　　　　　　ミﾞ´　　 ,,-､ヽﾄj､　ヽﾄ､ｨ　ノ｀}ヽ'´　l t＜三二ﾆ彡'　　　簡単に捕まりました。何故か、手紋痕を残したからです。
　　　　　　　　　　　　,,ミ´　,ｨミ､　〈./ミ. ｀ヽｯ'-‐‐'´ 　'　　　,! ﾍ､｀ヽ､　ノ´
　　　　　　　　　　　　ﾄ､,,...::|ヽ､　　　　ο　｀ゞ､ﾞﾞﾞﾞ　　.,ｨ'´　}　｀ミ三彡'
　　　　　　　 ___,,,,､.　}　　｀ゞ' }　　ハ　゜　　 '.,__,ｨ彡::　　 ', 　＼彡'
　　　　　／r‐-　ヽミ　　　ミ　　　シ　　　　　ゝ､__.＼　　 ',.ｨ彳´;|｀ゝ‐-i|li|､i,|i
　　　ミ／.ｨしｰｬ-　＼､　　　　　　　ュ　　　,i|il-‐i‐‐ilﾗ〉､／　/;;;;;{　　　　 ,'　｀ヽ
　　__　 Y´／{､ヽ､｀:.-‐'´ } ＼　　　　　　 i|i|l|'　　　　　// 〈r､ /;;;;;;;i　　　　　/ 　　　}
　,〈､ )〉'／　ゝ乏tヘ､ .ノ　　.＼　､､,,,,,,,j,,,,,.　　　　 ,ｲ;;〉ﾄ'｀∨};;;;;;;;|　　　　　､　　　 |
ゞ＝彡´　　　　　 {､彡'　　　　　ミﾞﾞ　　　ミ､＼　　./;;;/､}___/./;;;;;;;;;|　　　＼{　　　 .{
　　　　　　　　　､ヽ＼　　　　 /ゝ､　　ミ､ヽ.ヽ､〉ο;;;;;{　.|　.{ };;;;;;;;;;;|　　　　　|　　　　',
　　　　　ハ　　　 .､ヽ＼　　ミ　＼｀ヽ､ヽ､＼}､ /;;r､／｀i r‐､＿;;;;;|　　　　　|　　　　 ',
　　　　　シ　　　　　､ヽ＼　　　　ﾞﾞﾞﾞミ｀ヽ'´ﾞ　＼/ｨ-‐'´￣ﾞﾞヽ, ::ヽ､　　　　 .|　　　　　',
　　　　　　ュ　　　　　　ミ　　　　　　　}　　＞ ' ´￣　＿＿＿／　　.,ﾄｲ‐----ミヽ　　　 }
　　　　　　　　　　　　｀ミ　　　　　　ミ　　(　　　,ｨﾆ彳ｨ＿＿,,　...;;;　 /　　　　　　　　　　|
996：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:45:12 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　 /し'′　　　　　　　　　　　三二ﾆ=‐-　　　　廴.＿　 /し'
. 　　　　 /　　　,,..　 -‐――‐=≦「￣￣￣　　　　　　　レ′/
　　　　　　 |　　／　　　　　　三二ニﾆ=‐-　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　 |　 ≧=-‐　　　㍉　　　　　　　三二ﾆ=‐- 　　　　「_
　　　　　　ﾚ'´　　　　　　　 }}　｀¨¨＞‐-､　　　　　　　　　 /
　　　　　　 |　　　　　　　　　㍉　　/ /:.:∧∨　三二ﾆ=-　　　　/
　　　　　　　＿,,...　　 - ､　　㍉　 {:.:.:.:∧∨.　　　　　　　＜
　　　　　　　}{　　　 ,..斗＜　　　　㍉{ ヽ:.:. ! |　　　　　　　　-‐=ｧ　　　　　　　手袋痕は握り方の癖や指の大きさ、掴み方から相手を特定します。
.　　　　　八ー=≦,..斗ミ　/　　　　 }:. ﾉ｜　＞―‐‐ ミ＿ノ＿　　　　　　これも十分に逮捕の決め手となるので注意が必要です。
.　　　　　　　 Y　　ゞﾉノ　{　＼　　　ﾚﾞ　/≧=‐-　　x≦「ア´　　＼＿　　　じゃあ、手袋を二重に重ねて掴めばばれにくくなるんじゃないか、
　　　　　　　　 |　＞―‐ ､ `:.､　丶　　　　ⅦI　　／　／　　　　　＼　という考えも浮かんできますね。
　　　　　　　　 l／／￣｀ヽ}　　__,,..　、　　　Ⅶ　　/　イ　　　　　　　　　　　`:.､
　　　　　　　〈‘:,/　　ノ　　　＞ミ　 }　　　　′　　 ,′
　　　　　　　　} ∧_ ィヽ＿／/　./ 　　　 /　　/　/
　　　　　　　 ///＿//∧ ¨¨´ ／ｲ　　　＿_ /　/
　　　　＿_／／/// ＼ } 　「ﾚ′　　／　　 }／
　　く/〈///ﾍ///////}　　ゝ、　　　　　　　/
　　 /　 ,ヘ//}//// ／　　　　 ≧≦
.　 _/　 /　/ V/r=≦　　　　　　　　 /　　　／￣￣￣＼
／〈　〈　 {　 ∨}　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　丶
　　,　　∨‘:,.　Ⅶ　　　　　　　　　　　　　 l　／　　　　　　　　　　〕iト
　　|　　 V ‘:　Ⅶ　　　　　　　　　 |/　　　　　　　　　　　　　＼
　　|　　　 ∨ }　Ⅶ　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　`:.､
　　　　　　ヽ′ !　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }
　　　　　　　　 |　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /
997：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:45:44 ID:KWLiZU5w0: 三二ﾆ=‐　　㌢　　　　　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　㌢　　　　　　　　　　ト　イ　　　 /
ﾆ=‐-　,}㌢　　　人　　　　　　　　　人＿人　　　|
　　㌢　　　　　　＼　　　　‐‐---　 ...,,___　　 |
　二{{　　　＞＞―‐‐-ミメ、　　　　　　　　　／
≧=‐‐- ／イ /---／￣｀ヽ≧ミメ、ﾉ　斗＜く
　　　　//　 { {--- !　　　　 V////}　　//　　 /__
　　　　{{r= ∧∨-｜　　　 }////[二二]　　/ｯｧ′
　　　　{{ r==∧∨∧＿　ノ/////}　　|　　/ｯ/
　　　　{L　r== ≧=‐‐=≦///////}　　|=≦ｯ,′
≧ミ　ﾏ{,　　　 ///////// / / } 　 |　　 ,′
　　　≧ミ}}＿__,／/////////////}____|　／
　　　　,／　￣二ﾆ=-　///// / ∧.　「
　　　　/ 　 r、＿　　　　 ≧=‐-　//}　 ‘:,
　　　,′　　＼:.:.:. 二ﾆ=-　　_,　/≧=‐'′　　駆け出しの捜査官なら騙せるでしょうが、
　　　　　　＼≧=- :.:.:.:.: ノ　 /　　　　　　　ベテランの捜査官なら見破るかもしれません。
＼　　　　　　　　〕iト------/／　　　　　　　　ではどうすればいいのか、二重に手袋をすること自体は正解です。
　　　　　　　　　　　　　　　 ′
　　＼　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　 |
　　　　　　〕iト　　　　 /
　　　　　　／　　　￣￣
998：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:46:07 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　　　　　　　　　＿＿__　　　＿___
　　　　　　　　　　／ミメ、ﾐr｀Y´ -=彡L
　　　　　　　　　 _r‐'′ー=≧メ、L　＞=ミ廴_
　　　　　　　　　　　「　三二ﾆ=ミメ、／三二ﾆ=-‘:,
　　　　　　　　 }　三㌢~^~^~^~^~^~^~㍉三ﾆ{
　　　　　　､＿_}≧ミ,{　　　　　　　　　　 }}三ﾆ}＿ノ}
　　　　　　　　　_〕= }ﾆ=-｛l　　　　 rvｫ　　　 {{二ﾆ{　　〔_
　　　　　､_ ﾉﾆ=-}ﾆ=㌢ノ　ゝ､ゝ'′ ノ　㍉= ,′三≦__
　　　　　　　＞=‐- }ミ/ 〈＿_ 　 ‘:,　 r'′,.斗rﾉVL =ﾆニ＜
　　　ー=≦≧=‐,イ‘: {===「≧ミ='＿_ゝく（()）} /{ 　＼__r'´
　　　　　　　≧ア　| :∧ :,rr乂ﾆノﾊ｝　{ ﾘ≧彡Lﾉ　 |　丶　　　ですが同じ手袋の場合だと、手袋の厚さから二重、三重にしたとばれます。
　　　　　　　／　　:|　　ゝ､≧=≦　＞＜　､　 ′　　　＼　　ではどうするか、別々の種類の手袋をつければいい。
　　　　　　　　 |　　l:,八　　/､__＼__/_ ノ} ィ　　　:|　　　丶　別々の材質で別々の厚さの手袋を。
　　　　／　　　　　:|　　|‘:､ `　､　ー‐一　 / ! 　　 |　　　　　＼
　　　/　　　　　　　|　　l　∧　　＼＿＿__,／　|　　　 |　　　　　　、
　／　　　　　　 |　　∨ ∧　　/二二二ﾍ _,′　　｜　　　　　　　 ‘:,
../　　　　　　　　　 |　　 V　ﾍ _∧　　　　 /　|　　　 |　　　　　　 /|
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999：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:46:32 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　　　　　　　　　　　 ,=＝‐'´￣｀ﾞヽ､　　　　　 ,ｨ
　　　　　　　　　　　　　　／,ｨ'´,彡'´⌒ミヾ､｀ヽ､.　　/ |　 ,
　　　　　　　　　　　　 ,ｨ´／／　　　　　　　　　　入ノ .ﾉ／i　,
　　　　　　　　　　　　〉""〃-イ彡'´イヽ､__,ｨ彡'´ノ ./´　/ノ|
　　　　　　　　　 /⌒.::::::　彡'´ ,　　　　　 ,ｨ彡'´ ,ｨ .´ノﾉ
　　　　　　　　　　　/ﾞﾞﾞヾ;:::　　　｀ヾ彡､ﾆ三彡'´　,ｨ'´　／/i
　　　　　　　　　　 irt‐､,=-‐⌒Ｏ＝彳r⌒∨彡'´　ノ彡'ﾉ,　　一番見つかりにくいのはすべて自分で作ってから使う事です。
　　　　　　　　　　　}|) } ﾉ〓,　　ﾉ:::.　 ))ヽ.}三彡'´　'´ノノ/　　警察は手袋の大きさや素材、繊維からメーカーを割り出して、
　　　　 r'´i　　　 /｀7ゝ‐-=､_／ :::　　リ´/ミ=-‐'　／／ノ　　　捜査しますからね。
　　　　 },. }　　　辷つ　_,ｨ‐､.}; ;　　　ゝｲミ､｀ヽ､__,ｨ'´／ﾍ
　　　　 |.　',. 　　　　ﾋｨﾆｨ'"´);: ;　　　 };.　｀ヽ､＿＿／　　 ∨
　　　　 ',ﾞﾞ　∨⌒).　　　　/　　 ', 　.ﾉ;;::.　　／／　　,=＝=∨
　　.,ｨ‐‐ﾑ;;,. }''　{　　　　／　　　 }／..　;;　／ ,ｲ,ｨ´￣　　　 ∨
　　_|　Y_ﾉ=/ 　 |　　　.(,ｲ　　／::::::　　.;/　/　/　　　　　　 ∨
　 ,|.L＿_)'´　　 .〉　　　　.ゝ-彳´⌒｀ﾞヽ./　/　/　　　　　　　 ∨
　 |＼_,ｲ､　　 /　　　　　　　　　　　 /　/　/.　　　　　　　　∨
　＼/　　　　入　　　　　　　　　　 }　/　/ 　　　　　　　　 ∨
1000：名無しのやる夫だお：2022/10/26(水) 19:47:02 ID:KWLiZU5w0: 　　　　　 /し'′　　　　　　　　　　　三二ﾆ=‐-　　　　廴.＿　 /し'
. 　　　　 /　　　,,..　 -‐――‐=≦「￣￣￣　　　　　　　レ′/
　　　　　　 |　　／　　　　　　三二ニﾆ=‐-　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　 |　 ≧=-‐　　　㍉　　　　　　　三二ﾆ=‐- 　　　　「_
　　　　　　ﾚ'´　　　　　　　 }}　｀¨¨＞‐-､　　　　　　　　　 /
　　　　　　 |　　　　　　　　　㍉　　/ /:.:∧∨　三二ﾆ=-　　　　/
　　　　　　　＿,,...　　 - ､　　㍉　 {:.:.:.:∧∨.　　　　　　　＜
　　　　　　　}{　　　 ,..斗＜　　　　㍉{ ヽ:.:. ! |　　　　　　　　-‐=ｧ　　それともう一つ、やる夫君、他人の指紋は採取して利用することもできるんですよ。
.　　　　　八ー=≦,..斗ミ　/　　　　 }:. ﾉ｜　＞―‐‐ ミ＿ノ＿　これを使えば罪を他人に被せる事もできます。
.　　　　　　　 Y　　ゞﾉノ　{　＼　　　ﾚﾞ　/≧=‐-　　x≦「ア´　　＼＿
　　　　　　　　 |　＞―‐ ､ `:.､　丶　　　　ⅦI　　／　／　　　　　＼
　　　　　　　　 l／／￣｀ヽ}　　__,,..　、　　　Ⅶ　　/　イ　　　　　　　　　　　`:.､
　　　　　　　〈‘:,/　　ノ　　　＞ミ　 }　　　　′　　 ,′
　　　　　　　　} ∧_ ィヽ＿／/　./ 　　　 /　　/　/
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