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奥さまは魔王��

24舒龍:2019/01/03(木) 16:25:13 ID:kmO5fYKk0
 翌朝。
三人はゴルゴーンが用意した馬車の乗り込み、ケトの布陣へと向かった。
ケトは反乱軍を束ね、居城からすでに打って出ているらしい。
「ゴルゴーン。大丈夫なのか?」
 ゴトゴトと不規則に揺れる馬車の中、アルドラが不安そうにゴルゴーンに尋ねた。
馬車に乗ってからというもの、ゴルゴーンが幾度となく顔をしかめ、お腹を撫で擦っているのを目にしたからだった。
「ああ、大丈夫だ。ちと腹が痛むがな。こいつの父に似て、暴れん坊らしい」
 事もなげに笑ったゴルゴーンだったが、大丈夫でなさそうなのは明らかだった。
かといって馬車の行軍スピードを緩めることはできない。ケトが本格的に軍を動かす前に説得に行かないと、手遅れになってしまう。
 しばらく進み、あと少しでケトの布陣という所。海の潮の香りがしてきた頃だった。
馬車が急ブレーキをかけ、止まった。アルドラたちは嵐に翻弄される小舟のようにあちこちに身体をぶつけてしまった。
「敵襲です! ケト傘下セイレーン軍。その数およそ数百!」
 御者がなんとか体制を立て直し、現状を叫ぶ。
「くぅう……。なんと……。セイレーンが……」
 痛む身体を擦りながら何とか起き上がったゴルゴーンがため息とともにつぶやく。
顔をしかめ、両手は守るようにお腹に置いている。そのお腹が不気味にボコボコと動いている。


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