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【SS】もしアムロがジオンに亡命してたら part5別館
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1 ◆FjeYwjbNh61のSSを読みながら語らいましょう。
今までどおり感想などもこちらへどうぞ。
必要とあらば、別スレを立てます。
荒らしは問答無用で削除します。sage進行の必要はありませんw
なお、このSSは機動戦士ガンダムにおける正史、公式設定とは無関係の2次的創作物です。
実在の人物、架空の人物、MS等、団体等とは一切関係ありません。
まとめサイト(要修正)
http://www27.atwiki.jp/amuroinzion/
パー速スレ
【SS】もしアムロがジオンに亡命してたら part5
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1244461642/
前スレ
【SS】もしアムロがジオンに亡命してたら part4
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1238134482/
過去スレ
【SS】もしアムロがジオンに亡命してたら part3
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1231986146/
【SS】もしアムロがジオンに亡命してたら part2
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/x3/1231018976/
何!?脱走したアムロがジオンに亡命しただと!?
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/x3/1228835968/
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スレ立て(板立て?)乙です。
テストです。トリップは同じでしょうか?
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軽い警告の後、連邦軍の駆逐艦艇からパーソナル・ジェットを背負った連邦兵が次々と【フォルケッシャー】に乗り移り、乗組員に小銃を突きつけながら問答無用の臨検が開始された。
恐らくはルーティンに近い作業なのだろう。やけに手馴れていやがるとドアンは感じた。
この船は本物の漁船を改造して作られた。その為、船舶登録番号を始め各偽装は完璧である。
そして「船底」部屋の偽装も完璧だ。
入り口のハッチは巧妙に隠され、部屋全体が特殊な材質に覆われた隠し部屋は最新鋭の各種センサーを用いてもおいそれと探り当てる事はできない。
尊大な態度の指揮官に卑屈な態度でこの船の目的地を答えるフォルケッシャー船長。
もちろん隊長に申告した行き先はあらかじめ偽装用に想定された偽の港の名だ。
この特務部隊に配属されてからというもの、ドアンの周りには虚構と嘘とまやかしばかりが蔓延り、彼は心を磨り減らされて行く感覚に苛まれていた。
この仕事はつくづく自分には向いていない。それを痛感する。
「船の隅々まで調べましたが、それらしいものは何も発見できませんでした。
この船の乗組員の身分証明もデータに照合しましたが全員シロです」
「ふん。そんな筈はないのだがな・・・」
部下の報告を一通り聞くと、不審な様子で臨検隊隊長は船長とドアンを交互に見比べ、この操舵室に集められている他の乗組員も全てねめつける様に見た。
「ジオン兵の救助ビーコンが先程までは我が艦で確かに受信されていたのだ。
それがいきなり消えた。その消えた地点にこの船がいる。おかしいではないか」
船長は無表情だが明らかに計算が狂った事を後悔している風だった。
「この任務」を始めてからもう何度も連邦軍の臨検を潜り抜けてきた船長だったが、それは全て相手が暗に袖の下を要求して来たからこそだった。
わざわざ民間の漁船商船を足止めして臨検を名目にその上前を跳ねる軍人が連邦軍には大勢いたのである。
逆に「それ」を拒んだり逆らったりすると不当に拘束され、いわれの無い罪を被せられかねない。
ネチネチとした名目をタテに営業妨害をする連邦兵に民間の船は半ば当然の如く「みかじめ料」を支払っていたのだった。
しかし逆に言えばそのシステムは判り易く、民間人は迅速に「それ」をする事で、ある程度自由な商売が保障されてもいた。
しかし今回の臨検は最初から、雰囲気からしていつもと違った。
全ての兵士がギラギラと殺気立っている。袖の下の話など微塵も出ない。これには船長もお手上げだった。
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船長のあずかり知らぬ事ではあったが、先刻まで大規模な海中戦闘が行われており、ジオン軍のたった1機のMSにより、連邦側はその戦闘に投入した全ての部隊を失うという大失態を演じていたのだ。
ホルバインのオール回線での通信も駆逐艦には受信されており、最早この唯一の生存者を確保する事でしかジオンに一矢報いる方法は無く、連邦兵が血眼になるのも当然なのであった。
「隊長!あれを!」
その時、夕闇迫る海面を眼を皿の様にして見ていた兵士が大声を出して波間にたゆたう何かを指差した。
その場の全員が目を向けると、それは嵐が治まりかけた海に漂う「救命ジャケットの残骸」らしき物であった。
兵士が手持ちの投光機で照らすと表面に塗られた反射材が照り返す。その独特の光り方は救命具特有のものだ。
「あたりに人影は?」
「今のところ確認できません」
部下の報告に無言で隊長は考え込んだ。
ドアンはごくりと唾を飲み込む。
もしこのまま連邦軍に基地まで曳航される様な事態になった場合は、船長はじめ他の乗組員には申し訳ないが【船底】の事を連邦兵に明かそうと心に決めていた。
それが何日掛かるか判らないが、どうせこの船の乗組員達は連邦の基地で【船底】の存在が明らかになるまでダンマリを決め込む筈だからだ。
【船底】に食料の備蓄は無い。なるべく早くあの部屋から子供達だけは出してやる必要があった。
もちろん、それは自分達の立場を連邦に晒す自殺行為だという事を踏まえてでも、である。
「隊長!艦から緊急連絡です!ジオンの潜水艦隊が、こ、こちらへ迫っています!
水中用のMSと思われる機影も複数確認されている様です!」
「なんだと・・・!」
悲愴な決意をしていたドアンの前で、みるみる状況は急転した。
「部下を集めろ!引き上げるぞ!」
「た、隊長、臨検を終了されるのですか?」
「あのジャケットの切れ端を見ろ!ジオンの生き残りはこの漁船のスクリューに巻き込まれ、身体をズタズタに引き裂かれたのだ!今頃は魚のエサにでもなっている事だろう!任務完了だ!急げ!」
その時の隊長の頭には、たった一機でこちらの潜水部隊を壊滅させたというジオンの新型MSの事しかなかった。
にわかには信じ難い話だが、まさかそんな強力なMSが複数!?冗談ではない。
敵はやはり戦力を温存していたのだ。前衛たる潜水艦隊を失った今、駆逐艦一隻で敵と交戦する訳には行かない。
嵐の影響で空母からの航空機発進がおぼつかない現状では、敵に追いつかれる前に急いで後退するのが最良の選択だろう。
フォルケッシャーに寄せていた連邦軍駆逐艦は、臨検部隊全員の帰還を確認すると最大船速でこの場を後にしていった。
思わずへたり込みそうになるのを辛うじて堪え、ドアンは深く息を吐き出した。
まさに危機一髪であった。周りを見渡すと船長をはじめ乗組員全員の顔も青ざめている。
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「応答を願う。こちらはジオン軍、マッド・アングラー隊所属のシャア・アズナブル大佐だ」
連邦軍の駆逐艦が見えなくなって暫くすると、フォルケッシャーの無線に明瞭な声で通信が入った。
見ると、海面から上半身を露出させた状態のMSがこちらに近付いて来る。
血の様に赤く塗られたその機体は、確かMSM−07と言ったはずだとドアンは思い出した。
シャアと言えばジオンで知らぬ者は無い程のエースである。軍嫌いなドアンでもその名前には聞き覚えがあった。
そのシャア大佐から更に今一度、同じ内容の通信が届く、が、船長はその通信に答えない。迂闊に答えられない事情があるのだ。
こちらの逡巡を一瞬で読み取ったかの様に、赤いMSがその単眼を揺らす。と・・・
「失礼する」
たった一言のその通信が終わるや否や、MSの胸ハッチが開き、パーソナルジェットを背負った赤い服の兵士が宙を飛んだではないか。
何という行動の早さだとドアンは瞠目した。
埒が明かないと見るや素早い行動で事態を打開しようとするその決断力は、恐らく何が起きても動じない自信に根ざしているものだろう。
流石は「赤い彗星」という事か。
ガルマ・ザビの一件で失脚したと聞いていたが・・・
噂は当てにならないとドアンは、強風をものともせずにフォルケッシャーの甲板に降り立ったシャアを眩しそうに眺めた。
「非礼は詫びよう。【サンフランシスコ】からとお見受けするが?」
「・・・!」
シャアの何気ない一言に艦長の目が見開かれる。
元々彼らの所属はキャリフォルニア・ベースにある戦略情報部であり、その仕事内容は常に極秘、同胞にも表向きには決して身分や任務を明かす事はできない。
通常で考えれば、ここアラビア海にサンフランシスコの船がいる筈は無い。
しかしシャアはキャリフォルニアをサンフランシスコと敢えて言い換える事で「そちらの事情は把握している」と、余計なやり取りを省いたのである。
「・・・そうでしたかな」
艦長は曖昧にそう答えるしか無い。
シャアの仮面が笑うように揺れた。だが口元は笑っていない。
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「あなた方の行動を邪魔するつもりは一切無い。しかし我々は同胞を探している。
この海域で暫く前まで受信できていたビーコンが消えたのだ。何か心当たりは無いだろうか?」
「・・・先程の連邦軍にも同じ様な事を聞かれましたが、我々には」
「失礼。あなたにお聞きしたいのだ」
シャアは船長の言葉を遮り、後ろのドアンに呼び掛けた。
あっけに取られる船長を尻目に、何故自分に聞くのだと、いきなりの指名に一瞬驚いたドアンだったが、表情を平静なものに戻し慎重に口を開いた。
「・・・お答えできません」
「知らない、ではなく、答えられないという訳か。了解した」
船長にとってドアンの返答とシャアの反応は冷汗ものだったが、シャアはすぐにドアンから目を離し船長に向き直った為、船長は何食わぬ顔をせざるを得なかった。
「では船長にお聞きしたい。この船はこれからどこに向かうのだ」
「紅海を抜けましてロドス島に」
これは先程連邦軍の隊長に答えた場所では無い、この船の本当の目的地であった。
余計な詮索さえされなければ、ジオン兵にはそう答えた方が都合がいい。
シャアのバイザーが一瞬、照明の照り返しできらりと光った。
「奇遇だな。これから我々も地中海に戻るのだ。貴艦を護衛して送り届ける事もできるが?」
「いえ。それには及びません。どうかお気遣いなさらず」
その時新たに浮上してきた茶色いMSが、そのマニュピレーターに引っ掛けた何かを船上のシャアに掲げて見せた。
「大佐!これを見てください!ジオン製のライフジャケットです!」
「判った。残念ながら我々は≪同胞の救助に間に合わなかった≫様だ」
「・・・ちくしょう・・・!」
ゴックを操縦するラサが悔しげに声を上げるが、シャアは構わず通信機を切った。
「手間を掛けた、我々はこれで帰還する。旅の無事を祈る」
「いえ、あなたもどうかお気をつけて」
船長と短い挨拶を交わしたシャアはそのまま後ろを振り返らずにパーソナルジェットに点火し、強風の中、危なげなくMSM−07のハッチに取り付いた。
ハッチが閉まる瞬間シャアの顔がこちらに向いたが、その見えない眼差しにドアンは全てを見透かされた様な気がして全身が総毛立つのを感じた。
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シャアがいよいよ登場!
乙です
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乙
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乙!
続き待ってますよー
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乙
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移動したのか、管理人も作者も乙です
シャアキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
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携帯から応援しています!
乙
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作者としたらば管理人の>>1乙です
二回目の移動だけど粘着キチガイ荒らしがうざかったから良かったかも
・・・専ブラいれなきゃ
あとパー速はどうしますか?
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wikiに補完後放置もしくはスレ削除で良いんじゃね?
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>>1移転乙 1◆FjeYwjbNh6乙
>>13
放置でいいんじゃない?
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ただいま戻りました。
皆様の応援感謝です。今後はこちらへの投下で問題は無さそうですね。
パー速スレは落ちないみたいですから、誘導用に残しておきましょうか。
皆様にご意見を頂いたWB塗り直しの件、今回結論出してます。詳しくは本編にて。
投下します!
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「ようやく嵐雲が切れて来たみたいですなあ」
輸送機の窓から眼下を見下ろしながらホッとした様にコズン・グラハム中尉は隣に座るクランプ大尉に声を掛けた。
地上に初めて降下した際、雲間に轟く雷を連邦軍の新兵器だと勘違いした過去が懐かしく思い出される。
あれから地上で幾度もの戦場を潜り抜けて来た身としては、気象の変化には幾分余裕を持って接する事ができるようになっていた。
「ここらの風はウネるらしいからな。着陸時に煽られでもしたら洒落にならん所だった。
しかし、これなら予定通りにアデンに到着できるだろう」
「へへへ。アムロとバーニィは元気でやっていやがるかな」
ぶっきらぼうながら嬉しさを隠さずにコズンはひとりごちた。
さあなと苦笑しながらシートのヘッドレストに頭を預けたクランプも、若い2人の顔を思い浮かべてまんざらではない顔をしている。
そんなクランプの目がふと、遠いものになった。
アムロやバーニィと別れてからのラル隊の日々が、まざまざと思い出されていたのだ。
ベドウィン作戦が発動してからというもの、鹵獲したWBを駆るランバ・ラル隊は、マ・クベが地球方面軍代理指令を勤めるオデッサからの指示により、小規模な部隊で作戦に投入された友軍を援護する役割を与えられ、各地を転戦させられる事となった。
それは、満足な補給も与えられないまま無謀な突貫を命令された「捨て石部隊」が壊滅するのを“身体を張って食い止める”という過酷な任務に他ならず、まさに死と隣り合わせの行脚であった。
しかし、ラル隊に正式編入した黒い三連星の活躍と、優秀な戦闘要員を率いて無事帰還したダグラス・ローデン大佐率いるMS特務遊撃隊との再合流、そして影ながら的確に戦力と物資を横流し・・・いや補給し、巧妙にラル隊のバックアップを勤めたバイコヌール基地指令代理シーマ・ガラハウ中佐の働きにより、ランバ・ラル隊は一人の欠員も出す事無く、無事その使命を果たすことができていたのである。
彼らが運用するWBはジオン軍の所属だという事を明確にする為、両サイドの丸い装甲部(メガ粒子砲収納部)中央にジオンのエンブレムが赤色で描かれ、ラルのパーソナルカラーである鮮やかなブルーのラインが急遽船体側面にリペイントされた。
ラル隊の援護により壊滅を免れた部隊も少なくはなく、「青い巨星」の名と、戦場で一際目立つ「青い木馬」は激戦に喘ぐ最前線のジオン兵を大いに奮い立たせた。
そして残存したジオン兵達は次第にラルの元に集い、その兵力はいつの間にかマ・クベが看過出来ぬほどに程に膨れ上がっていったのである。
一時的にラル隊に組み込まれた兵士達は、負傷兵及び破損したMSや車両などはシーマが合法非合法を問わず調達手配した大量の輸送機でバイコヌール基地へ後送され、戦える兵士とMSはそれぞれ小隊に再編成された後、側面からラル隊の行動をサポートする任に就いた。
皮肉な事に、作戦が進むほどラル隊は戦力が充実する事となり、次第に援護を受ける側の兵力の損耗も抑えられる結果となった。
元々ベドゥイン作戦の様なようなゲリラ的な戦いを展開する場合は、戦力の逐次投入ではなく一点集中で運用した方が効率が良く成功率も高い。
まさにゲリラ戦を得意とするラル隊の本領が発揮される形となったのである。
ジオン軍上層部により、ザビ家にとっての厄介者を体良く葬り去るという目的も含まれて提案された本作戦であったが、戦い方次第でその戦果が大いに変わる事をランバ・ラルは身を持って示して見せたのだった。
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相対的に連邦軍の部隊は、多大な損害を被り、襲撃を受けた部隊の存続すら危うくなった例も稀ではなかった。
だが、そこはジオンとの国力差が30:1とも言われる圧倒的な物量を誇る連邦軍である。
甚大な被害をものともせず、当初予定されていた戦力の60%でオデッサ基地攻略作戦がいよいよ強行されようとしている今、遂にマ・クベより全軍に向けベドゥイン作戦は完了したとの通達が出される運びとなった。
新たな作戦の為、ラルの元に集っていた部隊は速やかに解散させられ、オデッサ防衛の名目で戦力の再編成が行われる事になったのである。
これは前述の通り、ラル隊の意外な善戦と、彼らの元に集った兵員戦力が馬鹿にならないものである事を密かにマ・クベが危惧した措置でもあった。
マ・クベからの新たな指令でラル隊はフェンリル隊と合流した後、オデッサの最も激戦が予測される防衛線に配備される事となったのである。
しかしランバ・ラル中佐はベドウィン作戦の事後処理が依然として終わらず「青い木馬」と共にしばらくバイコヌールを動く事ができない。
そこでコズンとクランプが言わば先遣部隊としてアデン基地に赴く事になったのである。
だがそんな折、バイコヌールに帰還したラルの元を、ある人物が訪れた。
そしてこの人物の到来が、今後彼らの行く末に一石を投じる事となるのは明白であった。
「しかし我々との同行をせがむ姫様とメイ・カーゥインを説得するのには骨が折れましたなあ」
「全くだ。姫様はすぐにラル中佐とハモン様に諭されたがメイの奴がしぶとかった。
遂にはメイが行くならとオルテガ中尉も、この輸送機にドム付きで乗り込んできそうな勢いだったからな・・・アンディ少尉も見ただろう?」
コズンの言葉を受けたクランプが、自分の隣に腰掛け先程から黙り込んでいる男に声を掛けた。
クランプの座席は窓際のコズンと通路側のその男に挟まれる格好になっている。
ラルの元を訪れた男とは、彼の事であった。
「ええ。あの元気なお嬢さん、サイド3の工廠で話には聞いていましたが、噂以上に闊達な方なので驚きました」
苦笑いしながら顔を上げたアンディが頷く。
しかし彼はその表情をすぐに俯けると険しいものに変えた。それは彼がこれから遂行しようとする任務の困難さを思い出したからに他ならなかった。
「まあ、ここで悩んでも始まらん。どちらにしろ少尉が俺達に持ち掛けた事はかなり困難・・・いや、やたらと突破する関門が多いんだ。現場の状況を伺いながら臨機応変にやるしかない」
「しかし、事態は一刻を争います。のんびり構えている訳には・・・」
「心配すんなって。あんたの話を聞いて皆がその気になったんだ。何とかするさ」
横からコズンが元気付ける様に声を掛ける。
「ちょっとばかりクセは強いが、こっちには頭と腕の両面で一騎当千のツワモノ達が揃ってる。
はばかりながら俺達も力を貸す。他に何か必要な物はあるか?」
「いえ。それ以上は望むべくもありません」
思わず笑顔を見せたアンディに、そうだろうぜと満足そうに頷いたコズンはもう一度窓の外に眼を移した。
雲の切れ間から暗い海が覗く。もう暫くすればアデン基地の明かりが見えて来るはずだ。
今回の密やかな計画、アムロには当然一働きして貰う事になるだろう。
またあの神懸ったMS機動を見れるかと思うと、不謹慎だが高揚する気分を抑える事ができない。
もうすぐだ。もうすぐ俺達にとっての全てが始まる。
さまざまな思惑を乗せた高速輸送機は一層スピードを上げると、今また厚い乱雲の残滓を切り裂いた。
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今回の投下は、ここまでですー
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乙
青い木馬いいね
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乙〜
コードネームまんまだけど、無難な日本語でおkだな
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乙でした!
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乙
アンディってサイクロプスの?
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乙
アポリー登場?
サイクロプス??
言葉使いとしてはアポリーかな
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乙
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1おつ
盛り上がってきたな!!
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やっと静かに1 ◆FjeYwjbNh6の話をwktkできるようになったな
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1 ◆FjeYwjbNh6乙ー
向こうで変なの湧いてからずっとROMってたぜ
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乙なんだぜ!
久々のラル一家の登場に胸ワクワクした。
やっぱり、話に安定感が出る希ガス。
現地に向かいたがる姫様かわいいなあ。
しかし向かった先にアムロはいないんよなあ…。
次回も楽しみにしてますよー
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ただいま戻りました。
「青い木馬」評判良さそうでホッとしております。
>>23>>24
そーかサイクロプス隊にも同名の方がいらっしゃいましたね!
SSに登場したのは改名前のアポリーさんです。
正史と比べ、例によって立場は違いますが、ちょっと仕掛けがしてあります。
投下します。
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ドアンが部屋を出て行くと暫くして、赤毛の少年兵はゆっくりとその憔悴しきった瞳を開いた。
ふと視線を横に向けると、彼の横に腰を下ろし、至近距離で彼の顔を覗き込んでいた褐色の肌の少女が目を合わせる。
「「・・・・・・」」
数秒間、焦点の合わない瞳でぼんやりと無言で見詰め合っていたララァと少年兵だったが・・・
突然、何かを思い出した様に目を大きく見開いた少年兵は半身を跳ね起こした。
困惑した表情で慌ててきょろきょろと周囲を見渡している。現在の状況が把握できないようだ。
「ん?気が付いたかい?」
その様子を見て、子供の一人を寝かしつけていたミハルが声を掛けた。
「危ない!」
小さく声を発したのはララァだ。
急いで立ち上がろうとした少年兵がふらついて倒れそうになったのを、ララァが間一髪しがみ付いてセーブしたのだった。
びっくりした顔で少年兵がララァを見つめ、そろそろと床にその腰を下ろす。
「やれやれ。いきなり無理するんじゃないよ。あんたは海に浮かんでいた所をこの船に助けられたんだ。ひとまずは、安心おしよ」
ひとまずは、という所に含みはあったが、少年に近付きながらミハルはなるべく明るい声を出して諭した。
九死に一生を得たこの少年に、今ぐらいは不安を与えたくはなかったのである。
「・・・・??」
「うん?何て言ったんだい?」
ミハルは思わず聞き返した。
何かをララァに言おうとした少年だったが、声が出ていない。
かすれた様な音が咽の奥からヒューヒューと聞こえるだけで明瞭な言葉が発音できていないのだ。
「あんた・・・咽が痛いだろ?たぶん声帯を痛めたんだね」
愕然として自分の咽を押さえる少年兵の顔をミハルは優しい眼で覗き込んだ。
「大丈夫。それは一時的なものだよ。
ウチの子達も大声を出して騒いだ時に良くそうなるのさ。咽の痛みが取れるまでは声を無理に出そうとしちゃいけないよ。いいね」
ミハルの言葉に少年兵はがっくりと肩を落とし、頭を垂れると、何だかそのまま動かなくなってしまった。
魂の抜け殻の様に、見るも無残に消沈している。
まるで、その存在自体が希薄になってしまったかのようだ。
嵐の海にたった一人で漂流していたという、この頼り無さそうな少年の身の上に・・・一体何が起こったというのだろう。
軍人で無い身では想像もつかないが、それはとても、ひどい事だったに違いない。
自分の置かれている状況を差し置いてミハルは彼を“可哀相”だと思った。
そんな少年兵の横顔を、ララァはじっと見つめている。
やがて彼女は小さく口を開いた。その表情が少しだけ怒っている様に見えたのはミハルの見間違いだったろうか――
「繭に入ってしまってはダメよ。あなたには・・・」
少年兵の耳元で囁く様に何かを呟いたララァの言葉は、ミハルには良く聞き取れなかった。
しかし、言葉を掛けられた当の少年兵は顔を上げる事もせず、そのうなだれた姿勢を崩す事もなかった。
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今回の投下は、ここまでですー
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乙〜
色々考えてしまったわ
今更だが、目的地のロードス島で戦闘はあるのかな?
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乙
-
乙
ララアに導かれるか、アムロ
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乙
携帯だと下から読むのが慣れないなぁ
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乙
ついでにパー速part5まとめてきた。
あとは気兼ねなくこっちで投下してくれ。
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>>37
乙。あなたが勇者か!
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>>1乙
>>37超乙であります!
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こっちに移動してたのか。
>>1これからも続き楽しみにしてるぜ!!
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乙
あいかわらずおもろいなー
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乙
続き、まだですか?
楽しみです
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ただいま戻りました。
>>37
まとめ乙です!
正直、こちらでは心穏やかに投下できていて本当に良かったと感じております。
ただそれと比例する様にリアル任務が忙しくなってしまい、執筆時間が
少なくなっているのが痛し痒しなんですが・・・
投下します。
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潜水艦部隊を失った連邦軍艦隊はアデン基地を目前にしながらそのまま撤退を余儀なくされ、フォルケッシャー号を離れたシャア達はレッド・ドルフィン隊と共に、残酷な報告を携えてアデン基地へ帰投した。
「そんな・・・まさか・・・」
ラサから手渡されたライフジャケットの切れ端を愕然と見つめながらバーニィはぐらりとよろめき、横にあったスチール机にぶつかって派手な音を立てた。
レッド・ドルフィン、フェンリル両隊の面々も、隊長のゲラートをはじめ沈痛な面持ちでシャア達の報告を反芻している。
「信じられない・・・」
堪え切れずにしゃがみ込んで嗚咽を漏らすシャルロッテを黙ってサンドラがフォローする。
ゲラートに近付いたハーネスが深々と頭を下げた。
「お預かりした大事な兵士を死なせてしまったのは、全て俺の責任だ。真に申し訳ない」
ゲラートはハーネスの言葉を掌を見せて遮り、軽く首を振った。
「ホルバイン少尉もその命を散らされた。残念ですが、これが戦争というものです」
しかしゲラートのその表情には大きな落胆と喪失感がありありと伺われ、彫りの深い陰影を更に濃い物にしている。
あの少年には期するものがあった。それは、もしかしたらこの戦争を変えるかも知れない何かだと――
それに、何だかアムロはまだどこかで・・・いや、これは未練だ。今となっては全ては詮無い事なのだ。
そう、奥歯を噛み締めながら無理矢理頭の中で決着を付けたゲラートだった。
シャアは腕組みをしたまま無言でそんな一同の様子を興味深そうに眺めている。
相変わらずマスクに覆われたその表情からは何の感情も読み取る事ができない。
だがその時、重い室内の空気を払拭する様な、場違いな明るい声が司令室に響き渡った。
「失礼します!クランプ大尉以下、コズン中尉、アンディ少尉、特命により着任致しました!」
大きな声を上げたのは右端に立つコズンだった。弾かれた様にバーニィが顔を向ける。
司令室の入り口で敬礼をしている3人だが、何となくコズンのそれだけが例によって崩れ気味だ。その佇まいも、懐かしい。
コズンは一同の中からバーニィの顔を見つけると、敬礼したままニヤリと相好を崩した。
「よーう、元気してたかバーニィ!・・・アムロはどこだ?」
クランプとコズンとの虚を突かれる再開に唖然としていたバーニィの顔が、コズンに呑気な声を掛けられた瞬間、堪え切れずにぐにゃりと歪んだ。
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今回の投下は、ここまでですー
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イチモツ
キチガイ粘着荒らしが来ないのは幸せですね
リアルを第一にして気が向いたら書いてください
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>>1乙です
毎回、ワクワクしながら読ませてもらってます
自分のペースで書いてください!
いくらでも待ちますよ〜
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乙〜
いつの間にかコズン好きになってしまった
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>>1乙です!
無理せず書いてください。
やっぱおもろいわw
俺はクランプが好きで仕方ないww
これ読んでPS2の戦記を引っ張り出してきたわ。
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乙ですー。
チョイ役だったけどシャルロッテの出番があって嬉しいw
主さんのSSに影響されてGCBのメインデッキが
シャル・ソフィ・バーニィの三機編成になっちったぜ。
投下ペースは主さんの良い様にやって下さいな。
今後の展開も期待してます!
-
乙
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このSSを読んでるとガンダムゲーがやりたくなるなw
そんな訳でDSのGジェネを買ってきてしまったwww
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GジェネDSの方だよな
クロスドライブは地雷
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>>52
俺はオフハウスでジオニックフロントを\500で買ってしまった。
ホワイトベース捜索作戦で煮詰まってるよ・・・
いつもゲラートに「貴様いままで何をしていた!」って怒鳴られる
才能ないんだろうなorz
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GジェネFでジオニックしばり始めたよ。
鹵獲品ばかりだから機体には困らないけどジオン艦少ないからきつい、WB塗装して使いたい。
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GジェネDSはアムロが死ぬ
これだからギャザビ系列の狂いっぷりはたまらない
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この間GジェネDSと勘違いしてクロスドライブ買っちまった・・・
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ギニアス製のグロムリンと宇宙改装型のEz-8とか08ファンにはたまらん内容だったよなGジェネアドバンスは
クロスドライブはギャザビ系とは一線を画した作品と考えるべき
あまりにも原作どおりもちろん悪い意味でな
アストレイが使えるのが唯一の利点
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>>53
もちろんDSを買ったぜ
CDの評判悪すぎワロタw
>>54
確かガンダムが出てくるミッションだっけ
あのゲームでのガンダムの凶悪さは半端じゃないからな……
ここまでガンダム+アムロを心底恐ろしいと思ったのは、このゲームとSSの裁かれし者だけだなw
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>>54
ここ参考にしてみたらどうだろうか
http://r-dom.hp.infoseek.co.jp/zionic_S001.htm
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<削除>
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>>61
荒らし削除。ID:jML3s6a.O
続けるようならアク禁ね。
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>>61はどんな書き込みをしたんだろうか
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ありゃ専ブラからなら読めちゃうなあ・・・
次回の削除からは透明にします。
もちろん悪意のこもった投稿以外は削除なんてしませんよ。
つー訳で>>61のピンポイントアク禁処置完了。
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>>64
管理乙!
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迅速な処理乙です
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管理人乙
>>61
ざまぁ
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処理乙です
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ざまぁつってるやつも半荒しでいいんじゃねぇの
こういう反応が連中を喜ばせるんだし
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と忘れてた
処理乙
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処理乙です
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>>69
すまん
前のとこじゃ、反応したら負けだから我慢してたが、ついね
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ただいま戻りました。
管理乙です。素早い処理に感謝します。
>>72
私も我慢してました・・・
投下しますー
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ゲラート、バーニィ、クランプ、コズン、アンディそしてシャア。
司令室から場所を移し、現在この会議室には6人の男達が集っている。
ハーネスが事後処理のため席を外した後、クランプは取り乱しているバーニィを叱りつつ、シャアに対し「もう少し詳しくお話を伺いたいので少々お時間を頂けませんか」と、場所を変える事を願い出たのだ。
シャアから改めて事の顛末を聞いたクランプとコズンは互いに顔を見合わせた後、先程から厳しい顔でバーニィに渡されたライフジャケットの切れ端を隅々まで観察している。
「すみません・・・お、俺がついてながら・・・こんな事に・・・うぅ・・・」
身体を丸めて涙を流し続けるバーニィに溜息をつきながら近付いたコズンは、俯いたその頭を上から掌で押さえ付けつつワシワシと揺さぶった。
「いつまでもメソメソ泣いてんじゃねえ。アムロはもう一人前だっただろうが。
何が起ころうがそれは自己責任だ。断じてお前のせいじゃない。それにな・・・」
言いながらコズンは首を巡らせてクランプを見た。クランプもそれに眼で頷く。
「アムロはまだ生きているかも知れねえぜ」
「ぇ・・・・・?」
掠れた声を出しながらバーニィはべしょべしょの顔を上げた。
しかしコズンは既にバーニィを見てはおらず、その視線は腕組みをして目前に立つ仮面の男に注がれている。
ふと、その仮面から僅かに覗いた口元に不敵な笑みが過ぎった。
バーニィは矢も盾も無く、どういう事なんですとコズンに先を促した。
「いいかバーニィ。良く見てみろこのジャケットを。
明らかに刃物でスッパリ切り裂かれてる。こいつは誰かに無理矢理剥がされたもんだ」
「!?」
コズンの手からジャケットの切れ端を引っ手繰ったバーニィは、涙を拭ってからもう一度眼を皿のようにしてそれを見つめてみる。
確かに繊維のほつれも無く、生地もベルトも一直線に切り裂かれている。
波に揉まれたり何かに激突したり巻き込まれて千切れたにしてはあまりにも不自然だ。
「た、確かに、これは破れたり、引き裂かれたりしたんじゃなく、鋭利な刃物で切り裂かれたみたいに見えます・・・え・・・でも誰が何の為に・・・!?」
「そのジャケットの近くにいたという漁船か!」
黙って成り行きを見守っていたゲラートが奥歯を噛み締めた隙間から唸るような声を響かせた。相当に怒っているのが判る。
「・・・戦略情報部のクソ野朗共に攫われたのかも知れんな・・・!」
ゲラートが唾棄する様にその名を口にした。バーニィにとっては初めて耳にする単語である。
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「戦略情報部?」
「民間のフリをして戦場をうろつくザビ家直属の秘密部署だ。
表向きにはその存在すら極秘扱いされている。
俺達フェンリル隊の様にザビ家に疎んじられる海兵降下旅団にとっては、特にアンタッチャブルな部門でもある」
そう言いながらゲラートは目を逸らした。
純粋な眼をしたこのバーニィという青年兵士には聞かせたくない話だ。
それ程までに友軍の筈の部隊を恥じたのである。
しかしバーニィにしてみれば何が何だか判らず戸惑うばかりであった。
「アンタッチャブルって・・・」
「ジオンの暗部と言い換えてもいい。反吐が出そうな噂は山ほど聞いている。口にするのも憚られる程だ。その際たるものが」
「・・・フラナガン機関!」
それまで黙っていたアンディが遂に声を発した。視線は先程からシャアに固定されている。
「そうですよね。シャア大佐殿」
「アンディ少尉と言ったな?みだりにその名を口にするな。迂闊だぞ。
だがその名前を知っている貴様は一体、何者だ?」
アンディの不敵な問い掛けにシャアのマスクが軽い殺気を孕んで揺れる。
その言葉は穏やかだが、間違いなく有無を言わさぬ詰問が含まれている。
しかし、暫しシャアと睨み合う素振りを見せたアンディは一転、表情を嬉しげなものに変えると、
もう我慢できないとばかりの最敬礼をシャアに向けたのだった。
「ここでお会いできるとは、感激であります・・・!」
「運が良かったなあアンディ少尉。労せずして一個目の関門クリアだ」
そう言いながら片目をつぶったコズンに対して頷き返すアンディは言葉を続ける。
「自分はさる御方にシャア大佐の下に付く様に命じられ、サイド3から参りました。侵攻作戦統合司令部付きの辞令がこれであります」
親書を手渡され呆気に取られるシャアの目が、書類の最後にサインされた【アンリ・シュレッサー】の名前に釘付けとなった。
「これは・・・」
宇宙攻撃軍侵攻作戦統合司令部首都防衛大隊長官アンリ・シュレッサー。
「最後のダイクン派」とも言われている公国軍准将である。
顔を上げたシャアは、自分を見つめるアンディ、クランプ、コズンの視線を確認する。
「【木馬】に乗り込んでおられた大佐の御妹君は、現在我がランバ・ラル隊と行動を共にしておられます」
クランプの簡潔な返答に、シャアは軽くよろけ無言でスツールに手を付いたまま俯き、暫く動きを止めた。
彼の妹がランバ・ラルと共にいる。それは、シャアの正体が既に彼らに露見しているという事に他ならない。
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「木馬が鹵獲されたとは聞いていたが、まさかアルテイシアが・・・
成る程。そういう事だったのか」
「事情を把握されたラル中佐は、バイコヌール基地指令シーマ中佐を介してサイド3のアンリ准将に密使を送られたのです」
ジオン・ズム・ダイクンの側近として盟友でもあったアンリ・シュレッサーとジンバ・ラルの関係は深かった。
幼少の頃、シャアと名前を変える前のキャスバルは、妹のアルテイシアと共にその両名とも当然の如く面識があったのである。
「・・・できれば、もう少し自由に動きたかったのだがな」
アンディの説明に対しシャアはそう言ったきり黙り込んだ。
仮面で判らないが、恐らくは瞑目しているのだろう。
シャア・アズナブル本人の与り知らぬ所で、自身の思惑を無視して既に運命の歯車は回り出してしまっていたのである。
素性を隠し、何らかの目的の為にジオン軍に我が身を埋没させて来たこの数年間が、フラッシュバックの様に甦り見えているのかも知れないとコズンは感じていた。
だがこの時点での真実の露呈が、シャアや我らにとって吉と出るか凶と出るかはまだ判らない。
「え?何?何なんですか?シャア大佐がどうされたんです?そんな事より・・・」
「馬鹿、バーニィお前には俺が後から詳しく教えてやる。いいから黙って聞いてろ」
訳も判らずまたもやコズンに頭を小突かれているバーニィの横で、シャアの口からアルテイシアの名前を聞いたゲラートは全てを悟り、体が打ち震えるのを抑える事ができなかった。
ダイクン派としてラルらと共にザビ家に冷遇され続けて来た過去は、この瞬間の為の試練だったのかも知れない。そう思えるほどだ。
アンディが紅潮した顔で口を開いた。
「既にアンリ准将は本国で同士と共に、来るべき日に備え、あくまでも秘密裏にですが動き始めておられます。
しかし、それに先立って、大佐に御依頼したい事が」
シャアはアンディの言葉に興味を持った様に軽く顔を上げた。
「依頼だと?」
「はい。今後我々の一翼を担うであろうVIPからの切なる願いです。
事が上手く運べばその人物の協力も取りつける事ができ、これをする事でザビ家の横暴に歯止めを掛ける事もできます」
-
だがその時、堪りかねた様にシャアとアンディの会話を遮ったのは、コズンの腕を払い除けたバーニィだった。
話がこのまま横道に逸れて行くのではないかと危惧したのである。
「待って下さい!シャア大佐がどうされたのか自分には全く判りませんが・・・!
今、我々が最も優先して考えなければいけないのは、生きているかも知れないアムロの事でしょう!?」
「!」
彼の絶叫にその場にいた全ての人間の動きが止まる。
真摯な眼差しで吐き出されたその言葉のあまりの正論さに、流石のコズンもやり返す事ができない。
しかしアンディは激昂するバーニィの前に落ち着いた表情をして立った。
「安心しろワイズマン伍長。俺の持って来た依頼は、恐らく君の希望と重なっているぜ」
「ど、どういう事です?」
「今回、全ての元凶は戦略情報部所属のフラナガン機関にあるという事さ。
実はジオンのあるVIPの関係者が拉致同然にその施設に引っ張られていてね。その人物の後ろ盾だったドズルが倒れた今、その関係者の身が危険なんだ。
最悪の事態が引き起こされる前に、何としてでもその施設から救出する必要がある」
アンディの言葉に息を呑むバーニィ。
「危険?救出?フラナガン機関とは一体・・・?」
「民間を偽装してサイド6に本部を置く、キシリア直属のニュータイプを軍事的に利用する事を目的として設立された秘密機関だ。
噂では、戦災孤児などを使って人体実験まがいの非人道的な研究を繰り返しているそうだ」
バーニィの問いに答えたのは何とシャアであった。
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「戦場ではぐれた兵士を拉致して秘密裏に実験に使用したり、ニュータイプとして素養を見込まれた新兵を引き抜いて過酷な『調整』を施したりと、その悪行には枚挙にいとまが無い」
「戦場ではぐれた兵士を拉致・・・!」
あの漁船の行き先も合致する。間違いなく君の仲間はあの漁船によってフラナガン機関の施設に連れて行かれたのだろうとシャアは断言した。
「だが私は現在、そのフラナガン機関の研究施設がある一帯の警備責任者という肩書きを担っている。
胸のすく救出劇を演出するには、絶好のポジションだとは思わないか?」
「大佐!それでは!」
嬉しそうに声を上げるアンディを制し、シャアは軽く首を振ってゲラートに詫びた。
「すまない。この件が漏れると諸君等にも危険が及ぶ為、真実を話す事ができなかったのだ」
「キャスバル様・・・」
「だが最早、我々の間には機密も何もあるまい。
そういう事ならば、依頼された人物とその兵士をまとめてフラナガン機関の施設から救出するまでだ。
これならワイズマン伍長も文句はないだろう?」
「は・・・はい!もちろんです!」
キャスバルってシャア大佐のミドルネームかなと呑気に思いを巡らせつつ、バーニィの顔が先程までとは一転して希望に綻ぶ。
「ご立派です。しかし表立って行動してしまっては、間違いなくマ・クベの眼に留まってしまいます。
まだ我らの存在は顕にしない方が宜しいでしょう。何か妙策を考えませんと」
常日頃から【兵は詭道なり】を実践しているゲラートが思慮深い目を向けた。
「それについては私に少しばかり心当たりがある。毒をもって毒を制するというのはどうだ?」
愉しげにゲラートにそう答えたシャアは、策を巡らせ始めている自身を顧みて、この分ではキャスバル・レム・ダイクンだという正式な名乗りは暫く先になりそうだなと苦笑した。
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今回の投下は、ここまでです。
パー速よりも書き込み辛いですので、私も専ブラ導入を考えてみます。
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1乙
だんだん話が動きはじめてきたかな?
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乙〜〜
熱いぜ熱いぜ熱くて死ぬぜ〜
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>>1乙!
VIPの関係者……
ひょっとして「彼女」の出番が来るのかな?
もしそうなら、こんなに嬉しい事はない……
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1おつ、熱い展開だな!!
でもシャアってもうちょい人間不振な気が・・・・
こんな奴ならアクシズ落としたりしないでしょ
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>>84
相手がダイクン派だからでしょ
元々軍に入ったのも、ダイクン派を集めてクーデターを起こす算段だったろうし
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1乙
シャアがあんなんなったのは、ボツ設定としてカミーユにニュータイプとして期待したのが錯乱して絶望したってのがある
またエゥーゴでやってた時に連邦の駄目さを見たりしたからで、この頃はまだ人類に対して絶望しちゃいなかったんじゃ
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vip・・・ドズルが後ろ盾・・・
まさかハマ○ン様!?
○の意味ねぇw
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ビーム輝くフラッシュバックに>>1の影乙
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ハマーソはこの当時はただの女の子のはにゃ〜んだから意味ないだろ。
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今はいいのさ全てを>>1乙して
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そもそも、はにゃーん様はまだようじょですら無いだろ
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そう考えてみると
やっぱりシャアはロリコンだよなwww
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この頃ハニャーン様は12歳か……ゴクリ
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はにゃーんとみねば間違えてましたw
サーセンwww
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>>1乙であります!
アツイ展開が予想されるであります!!
ょぅι゛ょのはにゃーん様って・・・・いいぞ!もっとやれ!!
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遅くなりましたが>>1乙であります!!
みんながはにゃ〜ん様を連呼するせいか、氷川へきるの絵で涙を流すハマーン様を幻視してしまった
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今更だが>>1乙
今後の展開が気になり過ぎて昼寝もできん
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ただいま戻りました。
なかなかSS執筆の時間が取れませんが、書く気は溢れておりますんですよ?
投下します。
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ククルス・ドアンが【船底】の隠し扉を開けて中に入ると、部屋の隅で揉み合う2つの影があった。
何事かと眼を凝らすドアンの前で、拳が脇腹にめり込むドスッという鈍い音が室内に響く。
と、顔面を腫らした少年兵がずるずると体勢を崩し、吐しゃ物を吐き出しながら床に両膝を付いた。
しかし位置が下がった少年兵の顔を蹴り上げ様とした兵士にララァ・スンとミハル・ラトキエが必死で組み付いた為、身体を丸くして倒れ込んだ少年兵は、致命的な一撃を受けずに床に転がる事ができた。
「貴様等ァ!邪魔するな!」
「あっ・・・!」
激昂した兵士に力任せに振り払われ後ろに跳ね飛ばされたミハルは、硬く梱包された小さな積荷群に背中をぶつけ、くぐもった呻き声を上げた。
「何事だ!」
「ドアンか・・・チッ。何でもねえよ。こいつがいきなり襲い掛かって来ただけだ」
血相を変えて駆け寄るドアンに対してその兵士は、煩わしそうにララァを引き剥がしながら
床に転がった少年兵を指差して、あからさまにバツの悪い顔でそう答えた。
「嘘を言うんじゃないよ!
・・・アタシやララァを連れ出して、い、いやらしい事をしようとしやがった癖にさ!」
「貴様ァ!」
「やめろ!!」
真っ赤な顔で自分を指差したミハルに殴り掛かろうとした兵士をドアンが身体を張って制止する。
自分より一回り身体の大きなドアンの力に抑え込まれたその兵士はすぐに力を抜いて恭順を示した。
「この子は無理矢理連れて行かれそうになってたアタシ達を、必死で守ろうとしてくれたんだ!」
苦しげな顔で咳き込んでいる少年兵の背中をさすりながら、悔し涙を浮かべるミハルを見てドアンは兵士に眼を戻す。
「・・・本当なのか」
「だ、だってよ、明日の夜にはロドスだぜ!?お前と違って俺はすぐまたカラチあたりにトンボ帰りなんだ。
だったら今晩ぐらい楽しんだって・・・それにそっちの女は元々カバスにいたって話じゃねえか。
男の相手なんざ手馴れたもんだろう」
無表情ながら、すいと視線を逸らしたララァを横目にしたドアンは無言で兵士の胸倉を掴み上げ、船倉の壁にその体ごと押し付けた。
体重を掛けた簡易ネックロックに兵士の咽が押し潰され呼吸がひしゃげて止まる。兵士は大口を開けるが、もう息を吸い込む事ができない。
「この事は上に報告せず俺の胸だけに止めておいてやる。
だから、これ以上余計な口を開かずにこの部屋から消えろ。いいな?」
ドアンの言葉に兵士は何度も頷こうとしたのだが、首が極まってしまっている為に頭を縦に振る事も声を出す事も叶わず、
朦朧として来る意識と戦いながら充血した眼球を必死で上下に動かして了解の意を伝えた。
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ちと短いですが、今回の投下はここまでですー
専ブラ(Jane Style)導入完了。こ、これは便利だ・・・
でも今回の投下には未使用です。
トリップが同じ物が表示されるなら次回からでも使ってみたいんですが、どうなんでしょう。
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>>1乙です
ウラガン以来の変態登場
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>>1乙
専ブラ使ってもトリは変わらんから安心して使えばいいよ。
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乙
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アムロが勇気ある男の子になっていて、嬉しいなw
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乙ですー。
偉いぞ、アムロ。
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>>1乙!
リアル任務が忙しいのかな?
無理せず>>1のペースで書いておくれー
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>>1乙です〜
アムロよくやった!!
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>1おつ
普通の男の子ならアムロのような反応を示すと思う。
むしろ色々考えてしまい行動に移さないのは大人の男の方じゃないかな?
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1乙
べつに変態でも何でもないじゃん。
レコアしかりマリーダしかり、黒い描写はあってもいい。
だいたい今現在生きてる日本の現代社会だって黒い性的欲望の実際の現実ってのはいくらでも日常に溢れてるわけだし。
なんにもしらない童貞中学生じゃあるまいし、買売春やちょっとした強引な強制的性行為なんてカワイイもんだ。
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俺も忙しいなら無理せずがんばって下さいって言いたいけど、
ぶっちゃけ毎日更新のチェックしてる身としては更新が早いほどうれしい。
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投下感覚が長ければ長いほど妄想が膨らむのでそれはそれで。
正直前回アムロっぽいのが出てくるのは予想GUYだったし。
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>>1乙
で、一息ついたアムロが言うわけだ
「オヤジにも殴られたことがないのに!」
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>>112
というか脱走する前にブライトさんに殴られてるんじゃないか?
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>>113
正解だ!w
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オリジンだとカイなんかと悪さしてたから殴られたことくらい普通にありそうなんだけどな。
地球にいたり宇宙にいったり、アムロよろこべまた宇宙にいけるぞとかいってたし、テムの仕事の都合で転校けっこうしてそうだからイジメられて殴られたりとかさ。
友達もあまりいなくてそいつ自身弱いくせに強いグループに媚びないみたいなちょっと上から目線ぽいアムロみたいなタイプとか普通イジメの恰好の標的だろ。
シャアみたいなタイプなら我を通そうがそいつ自身が強いから逆に媚びたり良好でも険悪でもない微妙な距離感を保つようなふうになるだろうけどね。
アムロなんか朝見かけたら、
ん…アムロだ…よお!アムロぁあ?!ガッ!(朝のモーニング飛び蹴り)みたいな。
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こっち来てからペースが下がったか
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ただいま戻りました。
マジでリアル激務で死にそうです。
書きたいけど書けない状態で歯痒いです。
正直執筆ペースはかなり落ちてますね・・・まずは睡眠を・・・でないと気力が・・・
前にTVCMで見たキーボードが折りたたみ式のワープロみたいなやつ欲しいなあ・・・
あれなら軽く持ち運べてちょっとした時に文章書けそうだなーなどと考えております。
使いごごちはどんなもんでしょうねアレは。ご存知の方がいましたら是非。
投下します。
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赤毛の少年兵に肩を貸し、【船底】のハッチを抜けて外に出たドアンは、
ハッチの前にいた、恐らくはあの不埒な男とグルだったであろう見張りの男に対し
「こいつは重大なケガをさせられたかも知れん。メディカルルームを使うぞ」と、有無を言わさぬ鋭い眼光で一瞥すると
「今後は二度と、おかしな事を考えるなよ」と釘を刺す。
見張りが渋々頷くのを確認すると、ドアンはぐったりした少年兵を抱えて救護室に向かった。
フォルケッシャー号の救護室。
見かけは簡素な作りのこの部屋には通常時には人員は配置されておらず、現在はドアンと少年兵の2人しかいない。
「奴の所業は俺が詫びよう。済まなかった。この通りだ」
簡易ベッドに寝かされ、ぼんやりと天井の灯りを見つめている少年兵に、まずドアンは深々と頭を下げた。
顔を腫らした少年は彼を一顧だにしないでいるが、ドアンは構わず言葉を続ける。
「君のおかげであの2人は救われた。
だが、それは一時的なもので、彼女達を取り巻く環境の根本的な解決にはなっていない。
この意味が判るか」
初めてちらりと少年の目がドアンを向いた。
「俺を含むこの船の連中はジオン軍の戦略情報部に所属している。
偉そうな名前だが、やっている事はジオンの秘密部門である【フラナガン機関】に従属する犬だ。
フラナガン機関とは、ニュータイプを軍事兵器に転用する事を目的にロクでもない人体実験を繰り返す狂人共の集団。
つまり俺は、その狂人共の腐れた命令を忠実に実行している最低の人間だという訳だ」
自嘲気味に語るドアンの見解は一方的ではあったが、ある事実においては実に端的であった。
驚いた少年兵の目が大きく見開かれる。
「人体実験に使われる多くは、君やあの子達みたいな身寄りの無い戦争孤児や戦場で行方不明となった兵士達だ」
淡々と言葉を続けるドアンを少年兵は凝視している。
「様々なおぞましい検査の結果、ニュータイプとしての素養が認められた者には、調整と称した人格が崩壊するほどの過剰な投薬処置が待っている。
そうでない者は狂人共の慰み者になるか切り刻まれて生体パーツと化す。
あの部屋にいる君達全員に俺達から支給されたのは、地獄への片道切符だ」
その瞬間、ベッドから跳ね起きた少年兵の体が翻った。
素早く枕元のラックの中にあった手術用メスを掴み出し、その切っ先を振り向きざまにドアンの首に叩き付けたのである。
その容赦の無いスピードは不意打ちには申し分の無い一撃であった。
しかしドアンは冷静な動きでメスを持った手を捻り上げ、もう一方の手を後ろに回すと簡単に少年兵の動きを封じてしまったのだ。
ドアンが咄嗟に繰り出した特殊訓練を積んだ者特有のレベルの違う体術に、
少年兵の顔が愕然としたものから絶望に変わった。
「・・・そうこなくてはな。やはり俺の目に狂いは無かった」
しかし赤毛の少年兵をギリギリと拘束し、メスを奪いながらドアンはにこりと笑ったのである。
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「君に頼みがある・・・俺に手を貸してくれないか」
その意外な言葉に、もがき、抵抗していた少年は驚いた様な眼をドアンに向け、思わずその動きを止めた。
「俺はずっとこの腐れた【フラナガン機関】を潰し、子供達を助け出したいと考えていたんだ。
しかし、どうにもならん程この組織は深くザビ家と繋がっている。そこで俺は、自分の立場を最大限に利用して密かに情報を集めた。
そして奴等に命令されて嫌々この仕事に携わっている内部の人間を見つけ出し味方に付ける事ができたんだ」
少年兵は拘束されたままの姿勢でドアンの話を聞いている。
「フラナガン機関内部に協力者を得た事で、何とか施設を潰し子供達を助け出す算段はついた。
だが、それにはどうしても被験者に一人、勇敢な協力者が必要だった。
だから、これまでは動く事ができなかったんだ。
チャンスが訪れるまでは、狂人共に言われるがままにこの船で何十人もの子供達を・・・運ぶしかなかった。
まさに忸怩たる思いだったよ。臓物が腐って行くみたいにな。
だからあの海で漂っている君を見つけた時は、内心躍り上がった。
これは待ちに待った千載一遇のチャンスが到来したんじゃないかってな」
少年は何かを考え込むように一旦ドアンから視線を下げた。
「さっき君は自分の身を顧みずミハル達を助けた。
それは、君の心の中に自分の身を捨ててでも『弱き者を守る』という勇敢な信念があったからだろう。
そういう男ならば信頼できると踏んでこの話をしている。だが君が嫌だと言うなら話はここまでだ。
今ここで聞いた事は全て忘れてあの船倉に戻ってくれ。施設に着くまでの安全は俺が保障しよう」
駆け引きの苦手なドアンが手の内を全てをさらけ出したこの交渉は、一か八かの賭けであった。
相手の反応次第だが、いざという時には最悪の事態まで覚悟していた。
――しかし、少年はドアンの言葉に頷くと、力強い視線を向けたのである。
ドアンは安堵した様に拘束を解き、最悪の状況が回避できた事に心底胸を撫で下ろした。
少年兵は自由になった右手で、胸のポケット越しにその中身を握り締めている。
救出した際のボディチェックで、そこには銛の形をした奇妙なアクセサリーが入っている事をドアンは知っていた。
「・・・協力してくれるか。有難う、感謝する。
ここまでの戦場で何があったのかは知らないが、君にその信念を強く植え込んだ人間がいたのだろうな」
今度は自分が『弱き者を守る』番だという訳か。
ドアンの言葉に少年は口を開き何かを答えたのだが、声帯を痛めているらしき咽からは掠れた音しか漏れ出なかった。
しかしその眼差しは強い決意を孕んで電光を発し、その瞳を覗き込んだドアンを暫し打ち据える程であった。
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今回の投下は、ここまでですー
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乙!!
いよいよ話が動き始めてきた!!
私生活も頑張ってください!!
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>>1
乙
-
乙
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乙ー
ドアン、やっぱ漢だなあ
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乙
>>117
ポメラってのですね
昔のDOSノート使ってた人なら十分な性能かと
キータッチとかは、店頭で触ってみたほうがいいです
あちこちでレビュー出てます
ttp://bizmakoto.jp/bizid/articles/0810/22/news085.html
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乙!
そうか・・・
ドアンはこの船の子供達をアムロと救い出して、
ドアンの島に逃げるんですね。
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乙
ギレンの野望を>>1のSSでプレイしたいぞ
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乙〜
ドアンはザク乗りじゃない設定なのね
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1乙
正義感をもってて本編のアムロとはちょっと違うような印象だけど実はアムロってそんな一面もあるんだよな。
本編では、リンゴのおばさんが連邦兵にからかわれてるとこでは金を兵隊に拾ってもらうんだ、とかいって喧嘩になったり、リュウの二階級特進のとこでは、ありがとうとかなんとかないのかよ?とかくってかかったり。
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イチモツ
リアル大事に頑張ってください
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>>1乙です!
お体ご自愛下さい
面白くなってきたw
鬱展開じゃなくてほっとした(;´Д`)
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これで一週間…更新無しかぁ…
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まあさ、楽しみなのはわかるが、週刊連載更新なら我慢しようぜ
俺みたいなくたびれたオッサンならともかく、いい若い衆が夏の盛りにヒマこいてるってほうがどうかしてるんだから
しかし、楽しみにしてるんで週刊連載ペースは維持してください(;_;)
読者からのお願い(+_+)
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社会人は月刊でも待てるw
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さすがに遅いよな
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リアル任務よりただいま戻りました。
投下弾は一応あるのですが、どうもこれがしっくり来ませんので
再装填する所存です。
なんかもうちょっと、こう、どうにかできそうなんですが・・・
と、言う訳でですね。
思い切って今からお台場方面に再出撃します!
実物大ガンダムからイマジネーションエネルギーを補給して来ます。
申し訳ありませんが、SS投下は今暫くお待ち下さいー
-
1乙
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いいなぁ〜お台場ガンダム
見に行きたかったけど予定がつかなかったよ・・・orz
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お台場ガンダムなんてくだらねえよ
あんなもんただの超ライト層向けの客寄せパンダじゃねえかガンダムがけがれる
等身大ガンダイバーだったら評価できたのにな
バカなやつらだ
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むしろ等身大ザクタンク造って実用化しちまえばいいと思うんだが
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>>130
見に行けなくて悔しかったんですね
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>>139へのレスでした失礼
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九州から援竜を借りてきて、ガンタンクに改造するとかだな
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>むしろ等身大ザクタンク造って実用化しちまえばいいと思うんだが
マゼラアタックと現実の戦車を比べた画像を見たが
世界最大の戦車マウスよりデカいので走らせられる場所なんて日本国内では北海道くらいしか無いし
走ったら走ったで大変な事になる
実用化は無理
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家屋を上半身で殴り倒しながらキャタピラーでメリメリ踏み潰しながら進撃するザクタンク
道路走って中央分離帯に股関?をすり付けながら走行するザクタンク
んで、更新はもう少しかかるかな?
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ただいま戻りました。
いやーガンダム凄げえええ!
でけえeeeee!
予想以上の大きさでした。上半身に向けてカメラを構えると遠近感が変になるんですが、足元の人間に眼を移すと
その巨大さに改めてびっくりしましたね。
こんなのと戦うハメになったら、素で怖いでしょうねー・・・
あれは、ガンダムファンでなくとも一見の価値がある造形物と思います。
お台場で撤去された後は、何か日本各地を行脚するという話も聞きましたので
機会がありましたら皆様も是非ご覧になる事をオススメします。
そして、ポメラも買いました!こいつさえあれば・・・!
投下します。
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外界から隔絶されたカプセル状のMSシミュレーター内部に、コネクターコードに埋もれる様にその少女は座っていた。
数多のコードで判然としないが、衣服の類は例えそれが下着であろうとも一切身に付ける事を許されておらず、数え切れない程のセンサーが身体の至る所に貼付、挿入されている。
常識的に考えれば12歳の多感な少女にとって、その状況は言語に尽くし難い羞恥を伴う筈であったが、この施設で3年の間「研究生」として生活を続けてきた彼女にとって、
既にその状況に自分が置かれる事は「日課」であり、別段気に留めるものでは無くなっていた。
そして何より、この中に存在する擬似空間に己を埋没させている時だけが少女にとってこの施設で唯一安らげる時間であった。
この感覚的に無限の空間にいる時だけは、込み上げる感情を思い切り吐き出す事ができた。
本当は大声で泣き叫びたい嫌悪。押し潰されそうになる寂しさや不安。
自分がいつか自分ではない存在にされてしまうのではないかという恐怖。
そして、この施設の大人達や、自分をこんな所へ送り込んだまま3年間も放置したままでいる父親へのどうしようもない、怒り。
それら様々な悲しみや苦しみの感情の爆発を、ここでは戦闘力に転化させる事ができる。
悲しい事だが少女はそうする事である意味精神の平衡を保ち、更に精神を研ぎ澄ませ、彼女にとっての「敵」と戦う力を得るしか無かったのである。
宇宙を模した漆黒の空間。少女はただデータ上のMSを縦横無尽に疾走らせる。
やがて、自由自在の3D機動を邪魔する様に【敵MS】が現れた。
その見慣れないターゲットに少女は眉根を微かに寄せる。
今までの敵影は宇宙戦闘機や戦艦が主であった。
これは最新の連邦軍MSのデータに対応したものであり、つい最近追加アップデートされたプログラムであったのだが、少女にとっては初めて遭遇する人型の敵であった。
しかし戸惑う少女にお構いなく、人型の敵はこちらに向けて容赦の無い攻撃を仕掛けて来る。
『ふざけるな!』
瞬時に少女のまだ幼さを残す切れ長の相貌が吊り上った。
この安らぎを邪魔する敵は排除してやる。
シミュレーターの被験者は全て実験開始直前に投薬処置が施され、感情の起伏が促進されている。
それは初期調整と呼ばれ、薬効はあくまでも短時間で消失する物ではあったが、一時的に人間をこのシステムに同化させる為の処置なのだった。
最初は宇宙戦闘機よりも遥かに複雑な機動を描く人型の標的に翻弄されていた少女は、しかしやがてその機動パターンを冷静に把握すると、正確にターゲットを捉え始め、次々と撃墜していった。
その適応力は初期調整を差し引いても驚くべき物であり、現在この実験チームの暫定チーフであるクルスト・モーゼス博士を驚嘆せしめた。
「・・・驚くべき戦果だ。ニュータイプとは、かくも恐るべき存在なのか」
クルスト博士は慄然としていた。特に戦闘要員ではない12歳の少女にしてからがこの結果なのだ。
ニュータイプとそうではない人間との戦闘能力は比較にならない。
特に空間認識と反応速度は雲泥の差だ。これは訓練によってどうにかできるレベルを遥かに超えている。
そしてこれは、何も戦闘時だけに特化した現象ではないかも知れないという懸念も捨てきれない。
もしもこの様な人種が敵味方に今後増え始めるとすれば、ニュータイプではない自分達の様な「オールドタイプ」はいずれ彼らに駆逐されてしまうに違いないのだ。
新兵器を開発する際にはその対抗策も同時に開発しておかねばならないと言うのがクルスト博士の持論だった。
そうでなければ、安心してその新兵器を使用する事が、できないではないか。
やはり、例のプランを実行に移す必要がある。
この施設の本来の長であるマガニー博士が不在の今が最後のチャンスだ。
「ハマーン・カーン。今日の実験は終了だ。いつもの通り、ナナイの指示に従ってメディカルセクションに移れ」
マイクに向かってシミュレーター内の少女に呼び掛けたクルストは、新たに先程偽装船で到着した「検体人員」のリストをぱらぱらと捲った。
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今回の投下は、ここまでですー
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乙!ニュータイプ恐怖症のクルスト博士が来ちまったか。この人の事すっかり忘れてた。
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乙
ハマーソだけでなくここでナナイまで出たw
ハマーソは敵にまわるのかね?
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…女帝化しないハマーンが見れるのか!?
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セイラさん、ララァ、ハマーン様…。
ええい、メインヒロインは誰というのだ!
つーか、えらいさんの娘でも容赦なく実験台になるんか…。
寒い時代だと思わんか?
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乙
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マハラジャ的には、「NT反応出た以上、娘だからといって特別扱いできんのだ、許してくれ」って感じだっけ?
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クルスト博士はBD作ってユウに渡しさえすれば後はどうなっても構わん。
BD VS メイが改造したガンダムでいつぞやの再戦をしてほしい
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しかし仮にもお偉いさんの娘に対して、名前呼び捨てなのは違和感があるな。
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実はマハラジャさんも実験かけられてんじゃね?
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売ったんじゃないのか?
もしくはザビ家などの命令とか
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シャアに憧れてて自分もあんなふうになりたいとかで訓練してみたらちょっと普通じゃなくてそれをそのスジの人に見つかっちゃって
スッゴい才能っすねどうだい?ちょっとカクカクシカジカってアレがあるんだけどやってみない?君ならできるっすよまじ最強のパイロットになれちゃうんだから
えーどうしよっかな?彗星?赤い人超えちゃう?う〜んやっちゃうしもうガンガンやっちゃうし
ちくしょーだましやがったなほんぼきゃあゆるさんでほんまなんやっちゅうねんこのチューブとかありえへんわ
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ナナイって1年戦争時にはいくつなんだ?
ここで20過ぎくらいだとすると逆シャアのときはババアなんだが
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CDAとか見る限りじゃハマーン様と同じか、ちょい若い感じかな
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>>160
シャアと同い歳ぐらいじゃね?
飛び級で博士号取ったとかなら有り得るし。
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ララァにナナイにハマーン
シャアの修羅場が楽しみだな
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つかララァが存命なら修羅場もクソもないよな
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シャアが下手にちょっかい出さなきゃ丸く収まる
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この展開だと
アムロ→アルテイシアvsララァ
シャア←はにゃーんvs(?)七位(うわ中の人が一緒だ)
シャア→アルテイシア(シスコン)
アルテイシア=アムロ
シャアとアムロの対立点はララァではなくアルテイシア
てなところか?
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なんか普通にセイラさんが二人を説教しそうだなw
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このSSに限ってはヒロイン全員がアムロとフラグ立ってもおかしくない気がするw
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何処のハーレムアニメだよww
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しかしやっぱりアムロとシャアはどうあってもわかり合えない展開だよね。
下手するとシャアが敵に廻るようなとんでもない展開もありそうで困る(笑)
キャスバルのクーデターで正統ジオン公国軍vsアルテイシアの新生ジオン共和国軍vs追い詰められた地球連邦軍vsデラーズとか狂信的信奉者や親衛隊なんかの寄り合い所帯の旧ジオン公国軍
とかさ。
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どうかなぁ
ラン・バラル&シーマ様も「アルテイシア」担ぐ気ではないみたいだし。
シャアもアムロが自軍で一応味方のカテゴラリーならきっと割り切る出しょうし。
色恋沙汰と生死直結したから尾を引いたのであって。
本質的には色恋沙汰と同志は別に考えるタイプらしいですから。
まあハマーン様は明らかに恋愛依存体質の人だから
シャアの「母」にはなってはくれなさそうですがw
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ララァが母で、アムロが父になる展開なんだよこれはw
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アムロはあくまで「一兵士」だったからなあ。徹頭徹尾。
カラバあたりにある種のプロパガンダには使われたけど後付けもあるだろし。
ただ、アムロがジオンに亡命したことで触れ合った人らの影響力で歴史が
動きそうなのがwktkだな。
その筆頭のシャアと直接の邂逅がないのがまたいい。
そして、海水浴&水着のサービスシーンはそろそろ諦めた方がいいのだろうかw
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オデッサが一段落したあたりでありえるかもね?
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>>170
ただでさえ連邦>>>ジオンなんだからそんなにジオン分割しちゃダメだろ
少なくとも内紛起こすのは連邦倒したあとじゃまいか?
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あれ?お盆休み特別号大増10レス投下がないぞ?
どうしたんだろう?
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>>1はポメラを購入したと言ってたし
ネット環境がないか、あってもかなり不自由なところへ帰郷してて
投稿は出来ないが、その分書きまくってるのではないかと想像する。
だから帰って来次第、大量投下があ・・・ったらいいなあw
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いくらなんでも遅すぎるだろ・・・・・
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いやいや…帰省ラッシュに揉まれているかもだからまったり待ちましょうぜ!
もしくはお盆も仕事かな。
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ただいま戻りました。
このスレにはやはりNTがおられるみたいですw
投下できるのはポメラのおかげですー
投下します!
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かつて、その温暖な気候から地中海の楽園と呼ばれ観光地として賑わいを見せたクレタ島。
ここは現在の地上においても僅かに観光地としての面影を残す希少な場所であった。
要衝地オデッサから適度に離れ、それでいて海路空路で容易く行き来できるこの土地に
ジオンは秘密裏にフラナガン機関の地上施設を建設した。
周辺の離島にも関連施設が次々と建設され、特に外洋から赴いた船舶はまず物資集積地であるロドス島に寄航するのが通例であった。
物資や人員を、目立たぬ様にクレタ島に上陸させる為である。
今、ロドス島において【フォルケッシャー号】から小型船舶に乗り換え、慌しくクレタ島に急ぐ第一陣の船中に赤毛の少年はいた。
彼の周りにはフォルケッシャーのあの部屋にいた少年達の姿があり、その中にはミハルの弟ジルの顔も見える。
ロドスの港で男女が分けられ別の船に乗せられる事になったのだ。
ミハルやララァ等の女性陣はすぐ後の便でクレタ島に向かう手筈になっている。
ここからは機関の管理になるからフトドキ者は逆に手を出す事ができない。
彼女達の身柄は心配は無いとドアンは赤毛の少年にそっと耳打ちしてくれた。
少年の着用していたジオンの制服は、今は貫頭衣の様な簡素な肌着に変わっている。
その時、半べそをかいて彼の服の裾を掴むジルの胸に揺れる金属製のタグがちらりと揺れた。
ジオン軍の物とは明らかに形の違うそれは、あの部屋にいた子供達全てが身に付けさせられていた個別認識票であった。
赤毛の少年も、自分の首から下げられたチェーンに通された金属製のタグを掌に乗せて見つめてみる。
これはフォルケッシャーの中で、ドアンから手渡されたものだ。
刻印番号は【BF−0000000】
このタグナンバーはイレギュラーなのだとドアンは言った。
想定外に「拾われた」少年分の認識票はフォルケッシャーには無く、取り敢えず
予備のタグに「今までに使用登録されていない数字」を刻印したものらしかった。
少年は、首に掛けられたチェーンにタグと共に通してある銛のアクセサリーを握りしめた。
衣服を剥ぎ取られた際、これだけは没収されずに済むようにドアンが便宜を図ってくれたものだ。
少年にとって今やそれは、自身の決意の証となっていたのである。
-
素肌に薄いガウンを羽織っただけの姿で検査室に入ったハマーン・カーンは、薬物投与の残留症による酷い頭痛と吐き気、
激しい目眩に堪えきれなくなり、遂にその場にしゃがみ込んでしまった。
「ハマーン!?」
驚いたナナイ・ミゲルが駆け寄り手を差し伸べるが、ハマーンは苦しそうに俯いたままその手を乱暴に振り払った。
「・・・触るなっ!ひ、一人で立てる!」
少女の容姿にそぐわない、その乱暴な言葉遣いに絶句したナナイを無視し、この12歳の少女は
具合の悪さを精神力で圧し、自らの言葉通りふらふらと立ち上がった。
歯を食いしばり呼吸を整えたハマーンは、どうだと言わんばかりの視線をナナイに向ける。
明らかに無理をして強がっている少女の姿は痛々しく、ナナイは彼女を正視する事ができなかった。
自分は強くなければならない。
それはハマーンが常日頃から自らに強く課している決意だと言う事をナナイは知っている。
だが、そんな風に彼女を追い詰めてしまったのは、自分を含めたフラナガン機関の大人達なのだ。
そう思うたびにナナイは重い罪の意識に苛まれ、いたたまれない気持ちを胸の奥に落とし込むのだった。
こんな研究に参加すべきではなかったのだと、もう何度ナナイは悔いていただろう。
もともと精神、心理学の研究において大学で優秀な成績を修め、在学中に博士号を得ていたナナイは、新たに設立されたニュータイプ研究機関
【フラナガン機関】からの誘いに一も二も無く飛びついた。
スペースノイドとして、ニュータイプという人類が到達すべき新たな可能性を示したダイクンの思想に大きな魅力を感じていたからである。
だが、設立の当初こそ穏やかな実験や研究に終始していた機関だったが、ザビ家によって
ジオン公国が軍事国家に変貌し、次第に戦争への機運が高まってゆくにつれ状況は一変した。
キシリアが、≪ニュータイプを軍事利用する為の研究≫を正式に機関に指示したのである。
それはナナイの様に純粋なニュータイプ研究を行っていた研究者からすれば青天の霹靂とも言えるスポンサーの方針転換であった。
そしてそれは機関存続の為、ザビ家に対して迅速なる結果と成果を提示せねばならなくなった事を意味していた。
フラナガン機関は緩やかに、研究を名目にした非人道的な人体実験に手を出し始めた。
ナナイを始め数人の研究員はそれに反対したが、機関の方向性は変わる事はなかった。
そして2年後、ジオン軍が降下作戦によりオデッサを制圧した後「検体の比較的容易な入手が可能」という理由から
フラナガン機関の関連施設が地上に建設されてからは、その危険な傾向は加速度的に増して行ったのだった。
機関の性質が変貌してゆくのを誰もがどうする事もできなかったのである。
気が付いた時には研究員と機関関係者全ての手が血にまみれていた。
こうなってはもう一蓮托生、組織としての軌道修正は不可能であった。
ナナイたち研究者も、ジオンの暗部と最重要機密に関わった者として、もはや組織から離脱する事を許されなかった。
為に、今日までザビ家の指示通り研究を続行するしかなかったのである。
しかし。
ナナイはもう嫌だった。
百歩譲ってそれがどんなに意味や価値のあろう事だとしても。
自分達のやっている事は、人間としてやってはいけない事の限度を遥かに超えていると思えた。
年端も行かない子供の断末魔の声と虚ろな目の色が耳と目に焼き付いて離れない。
恐らく自分は地獄に落ちるだろう。もう、それは構わない。
せめて、これ以上の犠牲者を出す事を避けたいのだ。一部の人間による横暴をこれ以上許してはならないのだ。
それが判っているのに、無力な自分は目の前にいるこの一人の少女をも救ってやる事ができないでいる。
ナナイはそれが悔しい。自分にもっと力があったら、そう思わずにはいられない。
何かを思い詰める様に背中を丸めて黙り込んでしまったナナイをハマーンはまるで睥睨する様に睨み付けると、彼女の横をすり抜けて再び歩き始めた。
その瞳は一見すると、12歳という年齢が信じられない程に大人びて見えた。
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利発な上に勘の鋭い少女であったハマーンは、幼少の頃から彼女こそジオン・ダイクンの提唱したニュータイプを体現する者だと噂されており、
実父マラジャ・カーンにとっては自慢の娘であった。
マハラジャはかつてジオン・ダイクンのコントリズムに共鳴し、デギン・ザビと共にサイド3の中心に位置する政治家であった。
が、ダイクンの死後、実権を握ったザビ家の策謀により、次第にその政治力は衰退してゆく。
今から3年前、キシリアによってサイド6にフラナガン機関が設立されたおり、かねてから
ハマーンの事を見知っていたキシリアに、彼女を機関に入れる様にと命令されたマハラジャは、旧ダイクン派寄りであった自らの立場からそれを拒む事ができなかった。
幼心に父の窮状を察したハマーン自身の申し出もあり結局、当時9歳だったハマーンは出来たばかりのフラナガン機関に
「研究生」として送り出される事となったのである(これは、ハマーンの能力もさる事ながら、多分にマハラジャに対する人質の意味合いもあったと思われる)。
この時、フラナガン博士と共に、サイド6の施設からハマーンを迎えにマハラジャ邸に赴いたのが当時18才だったナナイであった。
「お父様や国のためになるのなら、私はそこに行きます」
最終的な本人の意思を確認しようとナナイが是非を問うた時、ハマーンははっきりとそう答えたものだった。
思えばこの時はまだ、ハマーンの態度は利発な普通の子供のそれと何ら変わるものではなかった。
だが、サイド6の研究施設で暫く過ごすうちに、聡いハマーンは自らを取り巻く状況から
自分のこの研究所における動向が、家族の、とみに父親の立場を左右するであろう事をはっきりと自覚した。
そして2年後、ハマーンは、サイド6よりも家族のいる場所から更に遠いこの地上施設に身柄を移される事となったのである。
彼女の意識が決定的に変化したのは、ふとした偶然からこの施設の中で良く目にする自分の様な「研究生」ではなく
「名前を番号で呼ばれている」同年代の子供達が、どんな扱いを受けているか。それを知った時であった。
彼女が知らなかっただけで、ここは悪魔達の支配する恐ろしい狂気の館だったのである。
その日を境に、ハマーンの顔から子供らしい笑顔が消えた。
しかし、自分の置かれた怖ましい現実が判明しても、12歳の少女にはここから逃げ出すすべが無かった。
そして誰も、自分をここから助け出す事は決してできないのだと言う事も理解していた。
だから。
ハマーンは強く。誰よりも強くなければならなかった。
だから、言葉遣いを変え、今まで普通に接していたナナイに対しても敵視した眼差しを向ける様になった。
今後そう≪ならなければ≫では無く、今、そうで≪なければ≫ならなかった。
そうでなければ、今すぐ絶望と恐怖で心が砕けてしまうだろうから。
そうでなければ、生きて行く事ができないから・・・
無理をして立ち上がり歩き出したものの、断続的に脳天を突き抜ける鋭い痛みがハマーンを襲い、その目に涙を滲ませる。
検査室中央に設えられている通路を、正面からこちらに向けて進んで来た人影とすれ違った時、またもや視界が霞んだ彼女は
床に横たわる太いコードに足を取られバランスを崩し前方に倒れ込んでしまった。
後方でその様子を見ていたナナイが短い悲鳴を上げる。
しかし彼女が機材の尖った縁に身体を打ち付けそうになった瞬間、横から延びてきた手が
彼女の二の腕を素早く掴み、その体を寸でのところで引き戻したのである。
-
「あ・・・」
ハマーンは、肩まで伸ばした髪が半分顔を覆ったそのままで、自分を助けてくれた人影を振り返った。
「・・・」
自分の腕を掴んでいるのは、今すれ違ったばかりの赤毛の少年であった。
あまりハマーンと年が変わらない様に見える華奢な身体つきをしている。
少年の胸に下がる認識票と、見慣れないアクセサリーがぶつかってカチャリと微かな音を立てた。
「え・・・何・・・?」
心配そうにこちらを見ている少年が口を動かし何かを言ったのだが、掠れる様な音しか聞き取れなかったハマーンは思わず聞き返していた。
「済まないなお嬢さん、彼は咽を痛めていて声が出せないんだ」
「声が・・・」
後ろから掛けられた声に素の反応をしてしまったハマーンは、声の主がこの施設でたまに見掛ける大男だという事に気付いて表情を硬くした。
迂闊だった。この施設の大人達には決して心を許してはならないと決めていたのに。
しかし大男はハマーンの敵愾心に気がつかぬ素振りで、後ろにいたナナイに視線を移し声を掛けた。
「連れて来たぞナナイ。彼が、そうだ」
「ドアン!・・・それじゃ・・・!!」
驚いた様に両手を口にやったナナイが、赤毛の少年と、少年の肩に手を置いた大男を交互に見やり、やがてハマーンに視線を移した。
どう見てもその顔は喜びに満ちており、ハマーンを見る目は涙で潤んでいる。
その意味が判らないハマーンは戸惑うばかりだ。
「とびきりの逸材だ。MS操縦の経験もある。これで全ての準備が整った。
だが、大事なのはここからだぞ」
嬉しさを滲ませつつも慎重な大男の言葉に眼鏡を外して涙を拭ったナナイは、眼鏡を掛け直すと決意を込めた笑顔を大男に返した。
「・・・任せておいて。絶対に成功させるわ。私の命に代えてでも、ね」
2人に挟まれる体勢でやり取りを聞いていたハマーンは、そう言えばナナイの笑顔を見たのは久し振りなのだという事を思い出した。
しかし、やはり会話の意味が判らず、怪訝な表情を浮かべる。
そのあどけない表情としぐさは、先程までの彼女とはまるで別人であり、どこにでもいる12歳の少女のそれと変わらぬものであった。
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今回の投下は、ここまでです。
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うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!
乙であります!!!
-
ハマーン様とアムロの邂逅キタコレ
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('A`) 乙これは乙じゃなくてなんたらかんたら
うおー、ここでこうきたのかー!
ここまで溜めてたものが一気に爆発するなあ。
次回がすっごい楽しみです。
ハマーン様も救われて癒されてほしいのう
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乙!
そしてハマーン様に幸あれ!
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>>1乙であります!!
うほー!!
こ・れ・は・・・超展開!!
そしてハマーン様とアムロがケコ━━━━(・∀・)人(・∀・)━━━━ン
-
ホルバインの壮絶な死でのショックからだったのかララァとの出会いがNT同士のアレなかんじにならなかったからな。
ハマーンも薬に汚染されてるから同様なのかな?
カミーユとフォウはフォウ薬漬けでも大丈夫だったからわからんか。
アムロは結局誰と惹かれ合うんだ?
-
ハマーン様とアムロ・・・いいな!
ところで投稿してるのって1だよね?
トリがついてなくて少し不安なんだが
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>>192
しまった。慌てて投下したのでトリ付け忘れていました・・・or2
>>180-185は間違いなく私ですのでご安心を。
本日はまったりと過ごしております。
明日からまたリアル任務なんですが、まあ一山超えたかなという感じですね。
SS投下はまたしばらくお待ち下さいー
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乙です
リアル任務がんばってくれ
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こういうifの出会いこそ二次の醍醐味だね
GJ!
-
GJ
今思い出したがハマーンとナナイは中の人一緒だったな
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加えてマウアーとか出れば榊原さん祭りやなw
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みんなEXPOは行ったの?
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セイラはどうするんだアムロw
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また投下間隔があいてきたね
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はやく書いてくれよ!!
アンタのSSが俺の生き甲斐なんだよ!!!!!
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まあゆっくり待つとしようや
急いても良いものは得られないさね
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いや、2週間あくとさすがにちょっと心配になってきたわ。
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さすがに長すぎる
大変なのもわかるが、待ってる方の身にもなってほしい
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1は仕事で書いてるんじゃないんだから
自由に書かせてやれよ、何様だお前は
過剰な期待や責任感で筆を投げる人も少なくないんだからな
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ケンカするなよ・・・
せっかくいいSSなんだからゆっくりと待とうぜ
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やっぱり民主かよ…
日本終わったな…
スレ主のSS読んで現実逃避するしかないな…
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>>205
何様だとはずいぶんな言い草だな。俺以外にもそう考えてる奴は多いと思うぞ。
現に不満も出始めてるし、スレも盛り上がりに欠けるじゃないか。
投下率が低くなると、読者のモチベーションも下がるんだよ。
まぁ、1の事を考えない発言だったのは確かだし、それで皆が不快になったのなら謝るよ。
ただ1には、こういった意見もあるって事を考えてくれると嬉しい。俺のように待ち続ける者もいるわけだし
-
まあまあ、だからさ、前にもいったけど夏ってのは忙しい季節なんだよ。
暇潰しついでにとか趣味というか気分というかで無償で書いてくれてるんだからそういう言いぐさだと反感買って強めに擁護する者も出てくる。
大方>>1は普通の若い衆と同じく健全に女にでも現ぬかしてるんだよ。
いう通り待ちに待って毎日ここ覗いては、あら、今日もなしか、なんてガッカリしてる輩はいっぱいいるけどさ、もう少しお互いにトーン下げていい流れと雰囲気で>>1の投下を待とうぜ。
ヤツは必ず戻ってきてくれるよ。
-
ただいま戻りました。
ようやく戻って来れました・・・
リアル世界では何が起こるか判りませんよね・・・
頑張りすぎている知人はいませんか?皆様もどうかご自愛下さい。
他愛の無いSSですが、今私はこれを書ける事に無上の喜びを感じていたりします。
投下しますー
-
フォルケッシャーの子供達がクレタ島のフラナガン研究施設に収容されてから3日が過ぎた頃。
施設のラボでは明らかな異変が起こっていた。
クルスト博士が率いる研究チームが、今や他の検体には目もくれず、連日たった一人の「実験体」に懸かりきりになっているのだ。
ここ数年の研究風景からするとそれは一種、異様な光景であった。
「信じられん・・・またゼロの反応計数が上がったぞ。ハマーン・カーンの計測結果を
遙かに上回っているではないか。一体これはどういう事なんだ」
クルスト博士が食い入る様に見つめる眼前のモニターには、体中にコードを取り付けられ
ベッドに寝かされた赤毛の少年の姿が映し出されている。
[ゼロ]とは赤毛の少年の事であった。
赤毛の少年は【BF−0000000】という認識番号からここでは[ゼロ]と呼ばれていたのである。
この施設の少年少女はハマーンの様な研究生を除き、全員が同様に番号で呼称されている。
ナンバーで呼ばれる彼らは単なる「検体」にすぎず、扱いはそれ以上でもそれ以下でもない筈だった。
しかし単なる検体であるゼロのデータを見つめるクルストの目の色が変わっていた。
博士の瞳は熱狂的な光を帯びて長い間モニターに釘付けであったが、一瞬後、戸惑う様に後方のナナイを振り返った。
「ナナイ、これは本当に、本当に、機器の間違いではないのか?」
「間違いありません。計器は全て正常です」
ナナイは真剣な顔でそう答える。
クルストは彼女の冷静な表情を確認すると、モニターに視線を戻し深い息を吐き出して考え込んだ。
そうだ。ナナイの仕事はいつでも常に完璧だ。
彼女の携わった実験に限って不備や落ち度など、ありえる筈がないのだ。
ならば
この計測結果は事実であり現実だという事になる。
空間認識能力も反応速度も何もかも、クルスト自身、優れたNTだと確信を持っていた
ハマーン・カーンの数値の数倍を示している。
つまりそれは通常の人間の数十倍だという事を意味する。
クルストはこれまでの研究から、ニュータイプ能力とは常人を遙かに越える反射神経や瞬間的な空間認識力の域を出ないものだと考えていた。
しかしこのデータが事実ならば、理論的にはゼロは戦闘時において軽度の未来予測すら可能だという事になってしまう。
いや勿論それはあくまでも机上の計算であり、実際にそうなるとはとても考えられないが、どちらにしても驚くべき結果である事には間違いは無い。
「何ということだ。これが本物のニュータイプの力なのか・・・」
クルストは己の中で築き上げられつつあったNTの概念が音を立てて崩れ去って行くのを感じる。
自分はまだ、ニュータイプの力を侮っていたという事なのだろうか。
極めて混乱に近い思考の坩堝に陥ってしまったクルストが再び背を向けたので、誰にも気付かれずにナナイはほっと一息つく事ができた。
システムの偽装は完璧である。
ナナイはドアンと練り上げた[クレタ島脱出計画]の為に、着々と準備を進めていた。
実験の統括責任者である彼女は、密かな細工を検査システムに施す事が可能であった。
彼女の操作で起動するそれは、あたかも被検者が≪優れたニュータイプである様に見える≫データをモニターに表示させるプログラムである。
いずれ現れるであろう「協力者」がNTである様に装う為のプログラム。
そう、この実験結果は全て、ナナイによってクルストを騙す為に仕組まれたフェイクであった。
クルストの見ているモニターに表示されている数値は、全て偽のデータだったのである・・・!
-
「クレタ島の施設には数日後、NT(ニュータイプ)用に調整するという目的で
MSが一機だけ配備される事になっている。【クレタ島脱出計画】にはどうしてもそいつが必要だ」
あの時、フォルケッシャーの医務室でドアンは赤毛の少年にそう切り出していた。
「まずはクレタ島最大の戦力となるこれを押さえ、脱出する際の陽動にも使用する。
つまり、そのMSに君がNTパイロットとして乗り込む事が計画の大前提という訳だ。
それにはまず≪君が施設随一の優秀なNTである≫という事をクルストに強烈にアピールする必要がある。
施設にある唯一のMSは、NTだとクルストに認められた者しか乗り込む事ができないからだ。
だから、君には是が非でもNTとして優れた資質が必要だ」
しかしここでドアンは一端言葉を切り、少年から申し訳なさそうに目を逸らした。
「だが、その、何だ、済まないが君がNTかどうかはその・・・判らない・・・だろう?」
少年のプライドを気遣ってなのか、言い難そうに言葉を選んでいる。
「気を悪くしないで欲しいんだが、検査の結果、もし君がNTで無いことが判明したら・・・計画はそこで頓挫する。
それだけは何としても避けねばならない」
赤毛の少年が思わずその言葉に目を丸くすると、ドアンは真剣な顔で向き直り声を落とした。
「だから、悪いが君が凄いNTであるかの様に偽装させてもらうぞ」
そう言って片目をつぶりながら苦笑した。
ナナイは既にそれ用のフェイクデータを用意している。
そいつを使えば誰でもNTになれる。いや、実際は違うがデータ上ではそう見える様に作られている。
何も君が本当にNTである必要は無いんだ。
だから君は何も心配せずに検査台に横になっていてくれとドアンは笑った。
確かにドアンは赤毛の少年の事を「とびきりの逸材」と評したが、それは彼がニュータイプであるという類の意味では勿論なかったし、
そもそも最初からNTなどという特殊な能力を自分達の協力者に望む必要など無いとドアンとナナイは考えていた。
どうせNTかどうかの判断基準は実験データが全てである以上、付け込む隙がそこにあったのである。
ナナイは普段と変わらぬ様子で≪偽装データ≫をモニターに表示させた。
彼女のごく自然な動きの中で、この重大なフェイクを見破る研究員はクルストを含め、一人もいなかった。
それはまさにナナイだからこそ可能な偽装。
クルストの思っていた通りナナイの仕事はいつでも常に完璧だった。
彼女の携わった実験に限って不備や落ち度など、ありえる筈がなかったのだ。
-
彼女の目論見通り、クルストはこの結果に夢中となり、ハマーンを始め他の子供の実験は一日前から全てが中断されている。
特にフォルケッシャーで運ばれた他の子供達に至っては、クルストが最初の被検者であった赤毛の少年の追加実験に執心した為、未だに身体検査と簡易検疫以外は行われていない状態だ。
しかしこれはドアンとナナイにとっては僥倖だった。
NTという特殊な人材はめったに見つかるものではないが、今は何としてでもクルストの目を少年一人に向けておく必要があるからだ。
ナナイがこっそり確認すると、昨日今日と薬の投与を免れたハマーンは久々に熟睡ができた様子で顔色も良く、体調も幾分回復したようだった。
人体実験による犠牲者も、この2日間は一人も出ていない。
もうすぐ、もうすぐ皆をここから助け出せる。
ナナイは組み合わせた両手の拳にぎゅっと瞑った両目を押し付けた。
計画通り、ここまでは全てが順調に運んでいる。
今は何としてでもクルストを欺き続ける事で、計画を先に進めねばならなかった。
恐らく、この様子では近いうちにクルストは少年をMSシミュレーターに乗せ、実戦データの採取に取り掛かるだろう。
だが抜かりは無い。それ用のフェイク・プログラムも既に作成してあるのだ。
あくまでも架空のデータではあるが、少年はシミュレーターにおいて、ジオンのエース「赤い彗星」も裸足で逃げ出す程の戦果を上げる事になっている。
そうなれば次の段階では搬入された実際のMSに搭乗して―――
その時、目まぐるしく今後の考えをめぐらせていたナナイの思考を寸断させる様に、
コンソールに設えられたスピーカーからアラームが鳴り響いた。
「クルスト博士、ニムバス大尉が到着されました」
要点だけの連絡であったが、弾かれた様にクルストがそれに応じる。
コンソールのマイクを掴むと応接室で待たせるように短く命令を出し、現状待機をナナイに指示すると、彼は足早にラボを出て行ってしまった。
ニムバス。初めて聞く名前である。
残されたナナイは、計画に織り込まれていない来訪者の出現に、漠然とした不安を感じざるを得なかった。
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今回の投下はここまでです。
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このSSをお待ち頂いている方々全てに感謝します。
執筆が遅くて申し訳ない・・・or2
皆さんに無断でこのSSを投げ出す事は絶対にしませんので、それをここに明言しておきます。
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乙です
安心しました
これからも忙しくなるでしょうが頑張ってください
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MSはイフリート改かな?
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乙。
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管理人はこのレスを含み、.>>201〜209を削除するべきだと思う。
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乙
ジオンのエース「赤い彗星」も裸足で逃げ出す程の戦果・・・
実物と戦って生き残ってるもんねえ
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乙です
リアル重視でがんばって下さい
最初、ハマーンの数倍のNTはないよー
とか思って申し訳ございません(´・ω・`)
ニムバス登場により展開を予想してみたがSSの邪魔になったらあれなので予想が当たったら一人でニヤニヤしときます
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>>1乙!!
いいですなー、こういう展開。
周りの人物がアムロを過小評価すればする程、実力を知ってる読者はニヤニヤが止まらないw
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乙
最近俺も仕事忙しいけどそんな中書いてくれてる1に感謝!
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乙。
あいかわらずよいよい。
がんばれ。
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シャアorアムロ率いるニュータイプ部隊まだー?
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ただいま戻りました。
そーいえばPS3が安くなりましたよね・・・
ガンダム戦記はどーなんでしょうね?
ただいま様子見中ですが、プレイされた方がいましたら感想などを是非。
投下します
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ニムバス・シュターゼン大尉は不機嫌だった。
開戦以来、常に最前線に身を投じて来たプライドは地に落ちた。
その苛烈な戦いぶりと優れた操縦技術で自他共に認めるエースであった筈の自分が、敵前逃亡を図ろうとした
臆病な上官を粛清した程度、の、取るに足りない理由で降格された上、事もあろうにこの様な訳の判らない場所に左遷されてしまったからである。
まさか連邦軍がオデッサ奪還の為に大部隊を集結させ、Xディは秒読みだというこの時期に
戦場に居られないという事態は「ジオンの騎士」を自認するニムバスにとっては痛恨の極みであった。
大体がニュータイプだか何だか知らないが、その様なあやふやな能力など無くとも人間は何の問題も無く戦う事ができる。
実際、我等屈強なジオン兵はそれをこれまでに十分証明してきたではないか。
「ようこそニムバス大尉。現在この研究所を任されている、クルスト・モーゼスです」
その時、憮然としているニムバスに後ろから声を掛けて来たのは、資料を片手に白衣を纏った見るからに学者然とした男だった。
クルストはニムバスが口を開く前に持参した資料をぱらぱらとめくった。
「あなたの資料は拝見させて頂いた。素晴らしい戦績だ。
適正も申し分ない。
大尉をここに招へいしたのは、我が軍が新たに創設する特殊部隊の指揮をお任せするためです」
「特殊部隊だと?そんな話は聞かされていないが」
胡散臭そうに聞き返すニムバスに対してクルストは噛んで含めるように言い直した。
「ニュータイプ研究の過程で誕生したキシリア様直属の秘密部隊だからです。設立後はキシリア様の名において多大な権限を与えられる部隊になるそうです。
大尉は任を誇られてしかるべきですぞ」
「何っ!?キシリア様が!」
ニムバスは身体を乗り出した。その目が熱狂的な輝きを発する。
その様子をクルストは満足そうに眺め頷きつつも、心の中では冷笑していた。
盲目的にザビ家に追従するこの手合いには、ザビの名をチラつかせるのが最も効率の良い操縦法なのだ。
ニムバスはきっとこの瞬間、キシリアは失態を演じて降格された自分を見捨てていなかったのだと勝手に思い込み、彼女に対して敬愛と従属の念を更に強めているだろう。
結局自分が使い捨てられている事実などには思い巡らせもしないに違いない。
極めて愚かだが、それはある意味、実に幸せな思考回路だともいえる。
プライドの高すぎる人間は、何事に対しても常に自己中心的な思考を取りたがるものだが、この男はその典型だった。まさに資料の通りである。
だがニュータイプ相手ではこうは行くまい。
迂闊な言動はこちらの思惑を読みとらせる事に繋がるだろうし、事によるとこちらの思考自体を覗かれる可能性も捨てきれない。
ハマーンや、あの恐るべきゼロの才能・・・
対策を急がねばならない。
今後現れて来るであろうニュータイプ達に対しての絶対兵器を『我々』NTではない人間達は一刻も早く手に入れる必要があるのだ。
その為には、手段を選んでいる時間は無い。目の前にいるこのニムバスという男は、その露払いにうってつけである。
せいぜいが「ジオンの騎士」とかいう陳腐で甘美な幻想の中で踊っていれば良い。
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クルストは心中の冷笑が哄笑に変わりそうになった為、ひとまず居住まいを正して話題を変えた。
顔にまで嘲笑が浮かんでは、NTではないニムバスにも流石に不審さが伝わってしまうだろう事を恐れたのである。
「ご存知の通りここではNTを研究しております。
NTとは何か、この定義は難しいですが、一つの概念としてNT同士では強い共感現象が起こるであろうと言われております。
何故なら数多いる動物の中で、人間だけが他人と心を共有する事ができるからです。
他人の悲しみに共感して泣く、怒りに共感して怒る・・・等がそうです。これは確かに他の動物には見られない現象です。
人類が宇宙時代に適応したNTに進化するのであるならば、その傾向は強まる筈ですからな」
ニムバスはクルストの言葉を聞いてはいるが、どこか上の空であるようだ。
恐らく理解できないか、興味が無いかのどちらかであろう。
だがクルストは構わず話を続ける。
「そして研究の過程で一つの実験が行われました。【人間から他者に対する共感という心の作用を取り去る】という実験です」
「そんな事ができるのか」
「薬物投与と脳外科手術、精神操作によって可能です。
まあ確かに少々の犠牲者は出ましたが、ここは検体が豊富に確保できますので問題は無かった。
ですが結論から言うと実験は失敗でした、それは無意味な人体実験だったのです」
恐るべき事をクルストは何事も無かったかの様にさらりと言って流した。
「しかし収穫もありました【他者に共感しない者は、恐るべき兵士になりうる】という事が判明したのです。
つまり彼らは他者に対して幾らでも冷酷になれるのです。他者の痛みが彼らには理解できませんからな、当然です」
最終的に他者との共感を最大の「武器」とする筈のNTに対してそれが通用しない人間。
これはNTに対してのカウンター・ウェポンになりうるかも知れないとクルストは密かに考えていた。
が、例によってこれも口にはしない。
「当然の如く、彼らは普通の人間とのコミュニケーションに著しく欠けます。
その為に彼らは独自の部隊を編成される必要があったのです。
そして、彼らを恐怖と実力で束ねるには、大尉の様な絶対的に優秀な人材が必要です。
キシリア様が大尉を推挙された理由がそれでありましょう」
ニムバスの矜持を絶妙にくすぐりながらクルストは反応を伺う。
しかしニムバスにしてみれば細かい事よりも、キシリアの私兵同然である
戦闘能力の高い部隊を、自らが指揮するという事実に有頂天である様だった。
「それで!特殊部隊の名称は何と言うのだ!」
先程までの仏頂面が嘘の様な上機嫌さでニムバスは尋ねる。
全く単純な男だと少々クルストはうんざりしたが、もちろんそれを顔には出さない。
「キシリア様からは屍食鬼(グール)隊とする様に命令を受けております」
「何、屍食鬼隊だと・・・?」
戸惑った様にニムバスの瞳が見開かれる。
クルストは心の中で舌打ちをした。あまりにも不吉なその響きに普通の人間ならば警戒心抱くのも無理はないと思えたのだ。
だが、ニムバスのプライドがクルストの懸念を杞憂に変えた。
「成る程、ジオンの栄光を阻む連邦軍を完膚なきまでに打ち倒し、その死肉を食らい尽くす程の恐るべき戦闘部隊という訳か!
流石はキシリア様だ、その名前、慎んで拝領しよう!」
クルストは噴き出すのを抑えるのが精一杯だった。
この部隊名の本当の由来を知ったらニムバスはどんな顔をするだろうかと想像したのである。
が、クルストの顔はあくまでも穏やかな笑みを湛えたポーカーフェイスであった。
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今回の投下は、ここまでですー
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おつかれー
早い投稿ktkr
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1乙乙、いつも通りたのしめました。
なんかニムバス気の毒だな。
1st本編で戦馬鹿とウラガンにせせら笑われて死地にむかっていったラルと重なった。
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乙
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乙なんだぜ!
意外な人物キターと思ったけどニムバスはそういや妥当なんよな。
某NTはもう実験の犠牲になったのかな…?
そしてちらっと出たゼロの才能…。このゼロは後のムラサメかな?
またまた次回を楽しみにしてますよー
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いや、0は普通にアムロのことでなんの関係もないでしょ?
ムラサメのことはよくしらないけど。
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>>234
昔謎の村雨城というゲームがあってだな・・・
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ディスクシステムなつかしすぎ。
ってちがうだろ。
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ギレンの野望のゼロ・ムラサメだと思う
でも彼は連邦の最初の強化人間だからここじゃ出てこないと思う
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ここのゼロはアムロだろ?
>211にアムロに振られた番号についての説明が書いてあるし。
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ムラサメの事をしらないと言ってたので書いたんだ
誤解をまねいてスマンかった
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了解。こっちこそスマンかった
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おいおい君たち、無駄な挑発的書き込みはやめたまえ。
知能程度が低いから馬鹿なレスしてるんだからそんなのを構うんじゃない。
嵐はやめてもらいたいものだよ、馬鹿の書き込みは削除してもらいたいよね。
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>>241
俺が削除するのは、あくまでも悪意のある書き込み限定。
荒らし行為は問答無用で削除やアク禁するが、会話や雑談は別に構わないと思う。
雑談内容にあんま堅苦しい事は言いたくないんだよね。
それよか
知能程度が低いからとか馬鹿なレスとかの言葉の方が
よっぽど挑発的な書き込みになっちゃってるから気をつけた方がいい。
俺が出しゃばるのは良くないと思ってるんでいちいち出ては来ないけど
ほぼ毎日このスレをチェックしてるんで、荒らしは即座に撲滅できる。削除依頼は必要ないよ。
もう旧板やパー速の二の舞はゴメンだ。
これは管理人として皆様へのお願いです。
乱暴な言葉遣いはなるべく避け、1やスレ住人をお互いに尊重して下さい。
万が一荒らし行為があっても皆様はスルーして下さい。
俺が削除アク禁した上、悪質な場合はIP晒しの刑に処します。
以上、よろしくお願いします。
まあ、落ち着いて1を待とうぜ。
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>>242
乙です!
読者側も安心して見ることができて、とてもありがたいです。
管理のお仕事大変だと思いますががんばってください!
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241はネタでかいてるだけだろwwww
ネタにマジレスとはこのことですぜ
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>>244
全くネタとして受け取れないんだが・・・
管理人さん乙です
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〜 スレの歩み 旧シャア板からニュー速板へ 〜
1st編 めぐりあいSS
ギ:新ネタだがよく支えてくれる。
もっと1stネタの雑談をスレに回せ。
ん? 遅かったな・・・
キ:シャア板のスレッドどうなりました?
ギ:沈んだよ・・・レスがつかずにな・・・
キ:(立て逃げしたモノが良くも言う)
・・・ワタシが追いかけてくると思いませんでしたか?
甘いようですね・・・
ギ:!! 冗談はよせ!
---- AA荒らし連打w ---- (SE:パーン-)
ΩΩΩ< アッーーー
1氏:ん? 今進行が止まった!?
スレが埋められのか? 規制?
でもボクはやるしかないんだ!
cast:
ギ:ギレン風味な人達
キ:キシリア風なキチ○さん
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ああうぜぇ
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スルーもできないような奴が書き込むなよ
てめーのせいで余計に空気が悪くなるんだ
↓以下何事も無かったように続きをどうぞ
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>>212 乙乙
いつもご苦労様です。
それにしてもグール隊て……
もう少しマシな名前つけてやれよキシリア様w
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乙〜
アムロがゼロ=ムラサメになっちゃうのかと思ったけど、あれ連邦の強化人間だもんな
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つまりレイラ・レイモンドが出るかもしれないってことだろ?
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レイラ自体がゼロがジオンに亡命した時に持ち込んだ強化人間のデータを元に生み出されたものだから
出てこないんじゃないかな
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ハマーンとかドアンの例もあるし意外な形で出る可能性もあるから一応身構えてはいる
いっそカミーユ出るんじゃないかって勝手に思ってたり
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>>253 ねーよwww
確かこの時期カミーユ9歳くらいだろ……
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カミーユよりはクスコ・アルやマリオンの方が可能性あるだろ。
まさかのベルトーチカとかw
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そこでそろそろ色々な後付け作品でスルーされがちな0083キャラをだな
・・・そういやシナプスや不死身の面々やガトーやデラーズなんかはいつになったらでるんだ?
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不死身のメンバーはかなり良さげな敵になりそうだ
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でもシーマ様大活躍しちゃったからもう83キャラは出なそうな予感なんだよね。
さて、アムロが乗せられる機体はなんだろう?
この時期地上で使えるNT機体ってのが想像つかない。
なんだろう?
研究所では単純にザクにでも模擬弾でもつけて使ってるのかな?
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MS-06Z サイコミュ試験用ザク
というそのものがあるから、これじゃね?
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NTを研究してるだけで兵器は宇宙でやるんじゃないか?
まだ地上じゃサイコミュ兵器使えないような
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俺の希望
イフリート改
アクトザク
アッガイ
ズゴック
がいいなぁ
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アムロの能力を活かすには高機動な機体を相当ピーキーに調整
しないといかんだろうな。
宇宙だとアクトザクとかR2とかあるけど地球だとイフリートくらいか
いっそザメルで超長距離精密射撃とかw
一人で弾幕w
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そういえばヤザンやライラもこの頃は連邦軍兵士なんだっけか
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ライラはZの時もティターンズじゃないよ
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ここは海に囲まれた島だろ?
地上、空中じゃ厳しいから、海中を宇宙空間に見立てて水中でサイコミュ試験用ザクの有線サイコミュ兵器みたいのをウネウネ操作して使うんですよ。
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ライラはいいキャラだったよな
あんなに早く死ぬべきではなかった
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アメリアー!
…ラストで死ぬより途中で死ぬ方が注目されるよね。
ラスト近くは死にまくるからなあ
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ただいま戻りました。
管理乙です。今後とも宜しくお願いします。
ちなみに屍食鬼(グール)隊は私のオリジナル設定ではありませんので念の為・・・
投下しますー
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100名は収容できそうな、広いだけの殺風景な食堂部屋。
ここでは現在、ミハルやララァを含む約50名の子供達が雑然と食事を摂っていた。
特別な理由がない限り、施設の子供達はここで決められた時間にこうして食事を摂る。
表向きは戦災孤児収容施設を標榜しているこの施設において、ここは殆んど唯一、それらしき様相を呈している部屋と言えない事もなかった。
しかし役割として設置されているだけの施設職員は子供達に対しての愛情を持ち合わせておらず、配膳が済んだ後、彼らは「問題を起こさないように」とだけ一同に言い含めると時間が来るまで食堂から姿を消すのが通例だった。
当然、子供達がしっかりと食事をしているかどうかはお構い無しである。
彼らはただ、食事の配膳と食器の回収が定時に行われればそれで良いのだった。
数年間、便宜的な戦災孤児収容施設で妹弟と共に過ごしたミハルにとって、それは見慣れた光景であり日常であった。
窓の外には樹木が茂り、山の稜線の向こうには澄み切った青い空が見える。
が、窓には幾本もの太い鉄格子が嵌まっており、ここにいる子供達は外界に一切身を晒す事ができない。
そのストライプに切り取られた風景が、ミハルの心を不安にさせるのだ。
上手くは言えないが、ここは今までにいた孤児院とは決定的に何かが違っている気がする。
ここに収容されてから4日が過ぎた。
今のところフォルケッシャーに乗って来た子供達は自分を含め、施設側から特に何かをされた訳ではないが、得体の知れない淀んだ空気をこの施設の中に感じるのだ。
心配事はまだある。あの赤毛の少年はどうしているだろう。
船の中で自分とララァを助けてくれたあの少年兵とは、ここに来てから一度も顔を合わせていない。
施設内でたまに見かけるドアンに尋ねてみようとも思ったのだが、必ずといっていいほど彼の近くには厳しい顔をした施設関係者がいて、それも叶わなかった。
しかし、子供等はどんな環境であろうと、その中で遊ぶ方法を見つけ出す。
そのバイタリティは呆れるほどで、一種感動的ですらある。
ミハルはどうしようもなく押し寄せる不安感を忘れさせてくれている彼らに感謝しながら、今日もまた大声を張り上げた。
「ほらほら!食べ物で遊ばない!好き嫌いもするんじゃないよ!」
自分の食事もそこそこに、子供達の間をくるくると動き回りながら、またもや甲斐甲斐しく彼らの面倒を見ていた彼女は額の汗を拭うと、殺風景なこの部屋を見渡した。
ミハルと同年代の少年少女はここにはおらず、いるのは10歳前後の年端も行かない子供ばかりだ。
面倒見の良い彼女は、ここでも瞬く間に幼い子供達の世話役になってしまっていたのである。
-
その時ミハルは、子供達の集団から離れ、部屋の片隅でポツリと座っている一人の少女が、ぼんやりとした視線をこちらに向けているのに気がついた。
少女は何かを話しかけたそうに、しきりとこちらを伺い見ていたが、遂にふうと軽い溜息を漏らすと、視線を手にしたマグカップに落としてしまった。
儚げにうなだれたまま動かずにいるその少女を放っておく事ができず、ミハルはそっと彼女に近付いた。
「どうしたんだい?あんたもこっちにおいでよ」
突然後ろから掛けられた声に驚いた少女が振り返ると、そこには赤い髪を無造作にお下げに束ねたそばかす顔のミハルの笑顔があった。
「あ・・・ありがとう・・・い、いや、私に気安く話し掛けるな俗物っ!」
「ぞ、俗物?」
可憐な少女の安堵した瞳が一瞬、思い出した様に釣り上がったのをミハルは怪訝に思った。
先程の所在なさげな雰囲気から一転、少女はすっくと立ち上がり胸をそびやかす。
それでも背丈は頭ひとつ分程ミハルよりも低いが、彼女は顎を思い切り上に向けて、見下す様な視線で言い放った。
「私は公国の宰相、マハラジャ・カーンの娘、ハマーン・カーンだ!」
「おや、お偉いさんの娘さんかい?あたしはミハル・ラトキエ。よろしくね」
「!?」
気張った名乗りをいなされて、ハマーンは拍子抜けしてしまった。
普通こちらがこの様な態度をとれば、相手は警戒してしかるべきではないだろうか?
少なくとも『なんだこいつは』と眉の一つもひそめて、こちらとの距離を置こうと考えるのが当然だろう。
これが、常日頃からハマーンが他人と必要以上親しくなる事を避ける為に行っている手段だった。
彼女は常に自分自身に≪強さ≫を課していた。
だから、親しくなった相手に甘える事で、自分の弱さを克服できなくなる事を恐れていたのである。
今までの相手は皆そうやってハマーンから離れて行ったのに。
ミハルはと言うと、にこにこしながら勝手に彼女の手を取り、握手の様にぶんぶんと振り回しているではないか。
これまでこの施設で貫き通してきた態度がミハルにはまるで通用していない。ハマーンはショックを受けたが、それを悟られまいとして更に強硬な態度をとった。
「さ、触るな!私に構うなっ!」
握られていた手を引っ込めようとしたが、意外と強い力で掴まれていて振り解く事ができない。
「離せ!」
「離さないよ。だってあんた、後で泣いちゃうだろ」
「・・・!」
電光に撃たれた様にその瞬間、ハマーンの動きが止まった。
茫然とミハルの顔を見上げている。
確かに、ハマーンは孤独と寂しさのあまり、深く潜り込んだベッドの中で身体を丸め、誰にも知られない様に声を押し殺して嗚咽を漏らす事が多かった。
特に、自分に優しい言葉を掛けてくれた人を、険を込めた態度で拒絶してしまった日には涙が止め処なく流れるのだった。
なぜそれをミハルは知っているのだろう。頭の中を読まれた?まさか
「まさか、あなたニュータイ・・・」
「え、何だって?」
「違うわ。彼女は違うの」
ハマーンは、聞き慣れない言葉に戸惑うミハルの後ろからいきなり現れ、会話に割り込んで来た褐色の肌の少女を見た。
静かな水面を思わせるような瞳が印象的な彼女は、穏やかに言葉を続けた。
「彼女のは『思いやり』って言うの。おかしな能力なんて無くても、人は・・・」
「やめてよララァ。そんな上等なもんじゃないってば」
本気で照れたようにミハルはララァの声を遮ったが、片手はしっかりとハマーンの手を握ったまま離していない。
ハマーンは、ほのかに暖かいものが流れ込んで来るような不思議な感覚を覚え、ミハルの顔と彼女に握られた手を不思議そうに何度も見比べてしまっていた。
-
今回の投下は以上です。
最近MSの活躍シーンが無くて申し訳無い。
ただ私としてはこの辺、今後の為にきっちり描いておきたい所ですので
ご容赦の程を・・・
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ハマーン様とミハルの交流とは…
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あ、乙です!
-
乙なんだぜ!
まさかのミハルとハマーンの癒しとは・・・っ!
高飛車な態度がかわええw
描写に磨きがかかってますねえ。
ここらの溜めが爆発するときを楽しみにしてますよー
俗物宣言ワロスw
-
乙
-
乙です!
-
1乙
ララァとハマーン、女性のNT同士の共感とかはちょっと珍しいから描いてみてほしいとこだな。
-
乙です
ハマーンの心を開く糸口がまさかミハルとは
このミハルすげぇ好きだけどやっぱカイさんと結ばれて欲しいのが本音…
っていうのも何なんでDVD見てくるわ
-
>>1は乙の涙を見る・・・
-
>>1乙!
まさかミハルにこんな見せ場があるとは……!
こういう本来ありえないキャラ同士の絡みはええのう。
-
いいよね、オレは前の話のアムロとホルバインの絡みがよかったな。
しっかりイグルー的に最後は散ってしまったのは悲しいけど。
-
乙
次も楽しみにしてます
-
乙!
グール隊って小説版のガンダム戦記(PS2)に出てきたやつかな?
ザビ家の名前で補給物資を奪ってく奴ら
-
こんな時間に、ただいま戻りました。
>>283
そうです。ただ「彼ら」のキャラクターは若干変えてあります。
詳しくは本編にて・・・
投下します。
-
突如、けたたましい矯声が部屋中に響き渡った。
ミハルやハマーンがぎょっとして振り返るとそこには、部屋の入り口でケタケタと狂った様に笑い続けている少女の姿があった。
年齢はミハルやララァと同じぐらいだろうか。
人形のように端正な顔立ちをした少女のウェーブの掛かった豊かな金髪が、甲高い引き攣った笑い声と共に揺れている。
「騒がしいよクローディア。何をそんなに笑っているんだい?」
クローディアと呼ばれた少女の後ろから、彼女よりやや年上らしき長身の少年が現れた。
こちらも驚くほど整った顔立ちをしている。
そして微かに面影はクローディアと似ている。兄妹なのだろうか。
髪はやはり金色で、その眼差しはあくまで穏やかだ。
だが、ミハルはその少年の醸し出す雰囲気に何やらぞくりとしたものを感じ取り、密かに肌を粟立てた。
「だってお兄さま。落ちぶれた深窓の御令嬢が自分の事を『宰相の娘』だなどと仰るものですから、わたくしおかしくて・・・」
「仕方が無いだろう、彼女は自身の置かれている立場を知らないのだ。
いつまでも夢の中にいるのも無理はないさ。極めて滑稽だがね」
長身の金髪青年は、慇懃無礼な言葉と、氷のような嘲笑をハマーンに突き刺した。
「クロード・・・クローディア・・・!」
一瞬息を呑んだハマーンが、掠れる声で2つの名前を呟いたのを聞き取ったミハルは、彼らとハマーンは顔見知りなのだと知った。
「久し振りだねハマーン・カーン。いや、墜ちた貴族のお嬢様」
「クロード貴様っ!一体何を言っている!?」
2人に対して身構えるハマーン。
身も心も憔悴しきっている彼女にとって、彼女のプライドとは今にも倒れそうな身体を支えている全てと言って良かった。
それを愚弄する者は何人であれ許す事はできない。
しかし、ハマーンにクロードと呼ばれた青年は侮蔑の眼差しを向けながらあっさりと言い放った。
「君の父親はサイド3にはもういない。ドズル中将が倒れられてすぐ最果ての資源衛星に左遷されたそうだ。中央に戻るのはもう無理だね」
「なっ・・・・!」
「公国の宰相が聞いて呆れますわ」
クロードの言葉に蒼白となったハマーンにクローディアが残酷な言葉で追い討ちを掛ける。
ふらりと体勢を崩したハマーンを、ミハルは横から慌てて支えなければならなかった。
「それから君の姉上の、ええと、何て言ったかな・・・?」
「マ・・・マレーネ姉様がどうしたと言うのだ!?」
自失しそうな意識を、気が付いた様に留めたハマーンは、何かを予感した様に恐怖に歪んだ顔で絶叫した。
「そうそう、それだ。マレーネ・カーンは3年前からドズル中将に愛人として囲われているという話だ。
まあ、名目は『侍女』だそうだが?」
「う、嘘だっ!まさか姉様がそんな・・・!」
「嘘じゃないさ。そのお蔭で君は僕達みたいな『調整』もされず、のうのうと特別扱いされて来たんだ。
当時マレーネ・カーンは16歳だったそうだが、いやドズル中将もお盛んだね」
「うふふ、ゼナ様もお可哀相に・・・」
「貴様らァーーーッッ!!!!」
瞬間、激昂して飛び出しそうになったハマーンをミハルが必死になって後ろから抱き付き押し留めた。
床に落ちたマグカップが割れ、椅子が跳ね飛んだが、ミハルはハマーンを離さなかった。
-
「離せ!奴等は姉様を侮辱したんだ!離せぇっ・・・!」
「あんたを怒らせて、手を出させようとしてるのが判らないのかい?
あいつ等の思う壺だよ!?」
「・・・・!」
眼を見開いてミハルの顔を凝視するハマーン。
一瞬後、彼女の瞳には大粒の涙が盛り上がり、やがて幾筋もの軌跡を辿って頬から顎へと流れ落ちた。
食い縛った口元からは嗚咽こそ漏れ出てはいないが、この3年間、彼女が決して人前では見せなかった感情の発露がそこにあった。
つかつかと歩み寄って来たクロードは面白そうにハマーンの顔を覗き込む。
「おやあ?いつもクールで冷静なハマーン様はどこだ?」
「貴様っ!離せ!はなせえぇっ!!うあああぁ!!!」
「絶対だめだよ!あんたみたいな華奢な子は手を出したら負けなんだ!
綺麗な顔に傷でも付いたらどうするんだい!?」
泣きながら掴み掛かろうとして暴れるハマーンを押さえる為に、ミハルはハマーンを羽交い絞めにしたままぐるりと回転してクロードに背中を向ける格好となった。
「だからっ!」
その瞬間、ミハルは叫びながら勢い良くハマーンをぽんと後ろに突き飛ばした。
突き飛ばされたハマーンは正面にいたララァが驚いて抱き止める。
その反動を利用して素早く反転し、クロードに向き直ったミハルは
「あたしがっ!」
右手に乗った遠心力を直線の運動に変える事で加速を増した後
「代わりに殴るっ!!」
「ぐぶっ・・・!」
そのまま平手と握り拳の中間の様な形の掌で、クロードの左頬を右後頭骨に向けてストレートパンチ的に鋭く打ち抜いたのである。
グシャッという重い打撃音と共に、がくんと膝がくだけたクロードは床に崩れ落ち、白目を剥いて昏倒した。
唇の端からどくどくと血が流れ落ちている所を見ると、口の中の肉をざっくり切ったに違いなかった。
「女の子を虐めるなんて最低な男!ざまあご覧!」
クロードを見下ろして勝ち誇るミハル。
ララァの腕の中、びっくりしてそれを見つめるハマーンの涙も止まった。
これは孤児院時代、止むにやまれずの喧嘩(施設職員に訪ねられた時はリクリェーションという名称に変化)を行う時に拳や指先を痛めない様にと考案した張り手だった。
ミハル自身は意識していなかったが、これは完全なる掌打であり、振り向きざまに脇を締めてコンパクトに放った掌打は相撲でいう突き押しの軌道を描き、捻りの効いた裳底がモロにクロードのアゴを捉えたのである。
NTならぬ身の悲しさ。
クロードもまさかミハルが刃向かう等とは考えてもおらず、この奇襲は完璧に決まったのであった。
-
「お兄様!?」
駆け寄ったクローディアが揺さぶっても耳元で何度名前を叫んでもクロードは一向に目を覚まさない。
「貴様!よくも兄様を!殺してやる!」
「やるかい!?あんたなら不意を突かなくても負けないよ!」
「待て!お前達なにをやっている!?」
ファイティングポーズを取りかけたミハルを制したのは、今更ながら戻って来た施設職員だった。
「問題を起こすなと言っておいた筈だぞ!これは一体どうした事だ!?」
「な、何でもありませんわ!ただのリクリェーションです!それより早くお兄様を医務室に!」
自分の兄が一介の少女に打ち倒された等とは流石に言えなかったのであろう、咄嗟にクローディアは話題を逸らし、懲罰房入りを半ば覚悟していたミハルは内心安堵の溜息をついた。
職員に担がれて食堂を退出してゆくクロードに付き添いながら、クローディアは怒りの視線でミハルとハマーンを睨め付けた。
「覚えていろ。私達は新たに創設されるキシリア様直属の特殊部隊に配属される事が決まった。
そうなれば貴様ら民間人など、如何する事だってできる・・・!」
ぞっとする捨て台詞を残してクローディア達が去るのを見届けると、ミハルはへなへなとその場に腰を下ろしてしまった。
驚いたハマーンが駆け寄ると、ミハルは心配ないよと笑って見せた。
「ちょっと気が抜けただけさ。それよりハマーン、細かい事情は知らないけど、あんな最低の奴の言う事を真に受けちゃいけないよ?」
「ミハル・・・」
「あんたはあんたが大好きな人達の事を信じていれば良いのさ。そうだろ?」
瞬間、またもや両の目から大粒の涙が溢れ出したハマーンは、座り込んでいるミハルにしがみ付いてわあわあと泣き出した。
これまでどんな事があっても決して厳しい顔を崩さず絶対に涙を見せなかった少女の号泣に、それまでのハマーンを知っている施設の子供達は目を疑った。
ミハルに優しく抱き締められると、当のハマーンが驚くほど涙は止め処なく流れ続け、それの量と比例して彼女は自分の身体が軽くなって行くような不思議な感覚を覚えた。
それはいつしか彼女が自分で背負い、自らを拘束していた「重し」が崩れて溶け出し、涙と共に流れ出ているからなのかも知れなかった。
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今回の投下はここまでですー
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ミハルGJ
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なんという武闘派w
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ドズルが倒れたってことは、すでにソロモンが落ちたってことか?
ドアンの救出作戦が始まる前に、公国が落ちてるんじゃないか?
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>>1乙乙
ミハルの株はいったいどこまで上がるんだwww
>>291
まだソロモン陥落の描写は無かった気がする
病気とか事故の可能性もあるんじゃないか?
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乙〜
ドズルは木馬鹵獲直後に、病気かなんか分からんけど「倒れた」らしいよ
>>1が詳しい説明をしてないから、事実関係は不明
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>>291
まとめサイトを読んでみるといい
シーマとラルの会話にもそのくだりがチラッと出て来る
http://www27.atwiki.jp/amuroinzion/pages/20.html
でもシュレッサーの名前が出て来たから、そっちの可能性も
おや、こんな夜更けに誰か来たようだ
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>>1乙!!
ミハルはどこへ行ってもイイ娘だなぁ・・・
>>294 にげてー!
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結局、今は連邦とジオンどっちが優勢なんだろうな。
まだオデッサ始まってなかったよね??
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乙!
さっそく出てきたなあの兄妹
それにしてもミハルすげぇw
ハマーン様かわええw
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読んでるとオデッサ作戦は始まる寸前か始まったばかりかのどっちかかな
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始まる前じゃね?
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オデッサ作戦発動して集結中、しかし参戦予定のコリニーが死んだり、ワイアットだとかその他が捨て駒作戦に足元すくわれたりして遅れが出てる、じゃなかったか?
オデッサ鉱山基地での戦い、大規模戦闘のことならまだはじまってないとおもうけど。
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皆いきてるの?
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次の投下をwktkしながら
だまってROMってるぜ!
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最近ガンダムX見てんだけど、なかなかおもしろいな
ジャミルってクワトロに似てね?
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良かった、なんか安心ですわ。
XはスルーしてたからマクロスF終わったら見てみっかな。
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ガルマが生きていた、とかいう超展開はないのかな?
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シャアに補給を送ったらもうどうしようもないです
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また投下が遅れてきたな
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九月は決算だもの。
あーやだやだ
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(´・ω・`)もうだめかもわからんね・・・
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来月になれば、きっと……
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早く書いてほしいなぁ
待ちきれんよ・・・・・
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来週テストだから2週間待ってくれとか言って3ヶ月書かない奴もいるんだからマシかと
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いや、マジでヤバいかも…
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何がヤバいんだよ
>>1が書かなきゃお前が死ぬってわけでもねぇだろが
少し我慢してろよ
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πИђ??
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>>315
おちつけw
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ただいま戻りました。
いろいろとご心配をお掛けして申し訳ないです。
リアル任務が半端無いです。
でもSSはじわじわ書き進めておりますのでご安心を・・・
投下しますー
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キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!
-
地中海特有のスコールが激しく降り注ぐ中、施設の敷地内に止まっている中型トラックから下ろされた小ぶりな幾つものコンテナが
倉庫に搬入されて行くのを、クルスト・モーゼス博士はじっと眺めていた。
コンテナの中身は新鮮な魚介類を瞬間冷凍した食材である。
一時的とは言えクレタ島施設の責任者となったクルストには、予算配分から研究員指導・教育まで研究室の運営が一手に任されている。
そして主任研究員には、上限はあるがある程度の金額分の物品を許可無く外部に発注できる特権があった。
施設で賄う食料・食材は基本的にオデッサからの便で届くが、マガニーが去ってから一部の海産物が
クルストの強い要望で、特別に民間業者から卸される様になっていたのである。
そして食材の鮮度を確認する為に彼は毎回こうして搬入に立会い、自ら受け取りにサインをする事を習慣にしているのだった。
施設の他の職員は彼の嗜好に内心呆れていたが、クルストは今や施設の最高責任者であり、何よりも新鮮な魚介類は
オデッサからの食材に比べて格段に美味であった為、その行いに表立って異議を申し立てる者は皆無だった。
「お待たせしました。搬入完了しました≪今日はカラマリアが多めです≫」
荷を運び終え、少しだけ緊張気味に納入表を差し出した男の言葉にクルストはぴくりと反応した。
「ご苦労さん、これが次回のリストだ。また宜しく頼む。
そして、これは少しばかりで心苦しいのだが、取っておきたまえ」
リストを手渡し、受け取りにサインしながらそう言ったクルストは、懐から紙幣が重ねて折り畳まれた束を取り出した。
「いえそんな!毎回毎回頂く訳には・・・」
「無理を言って≪危険な海≫に出て貰っているのだ。遠慮は無用だよ。
お子さんが3人もおられるのだろう?何かと入用ではないのかね?」
「・・・申し訳ありません。それでは有り難く頂きます・・・」
恐縮しながらも男は金を受け取り、かなりな分厚さのそれを窮屈そうにポケットに捻り込む。
「また≪美味い魚≫を楽しみにしているよ」
にこりと笑ったクルストは、そう付け加えたのだった―――
「施設内に連邦との内通者っ、で、ありますか!?」
クレタ島近海に潜航するマッド・アングラー潜水母艦内の一室で、素っ頓狂な声を上げたのはバーニィだ。
コズンからシャアに関する全ての事情を聞かされたばかりの彼は、息つく暇も無く告げられた驚くべき情報で、頭が飽和状態になってしまった。
シャアに対する言葉遣いも何だかおかしいが、これは慣れが解決して行くだろう。
同室内にいるコズン、クランプ、アンディの面々も緊張した面持ちをシャアに向ける。
ゲラート少佐はフェンリル隊を率いてアデン基地で待機しており、後日ランバ・ラル隊と合流して一足先にオデッサに向かう予定だ。
バーニィだけは今回、マッド・アングラー隊にフェンリル隊の名代として同行しているのであった。
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おかえり
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「確証は無い。だが、施設の責任者だったマガニーが宇宙に上がってからというもの、施設の長に繰り上がったクルスト・モーゼス博士が
頻繁に外部とコンタクトを取り始めたのは事実だ。その可能性は極めて高いと言って良い」
「その外部ってのが連邦軍だと言う訳ですかい」
相手が誰であろうと口調を変えないコズンに、シャアはそうだと答える。バーニィとは対照的だが
これは、何となくそれが許されるコズンの持つ雰囲気というものだろう。
バーニィは重ねてシャアに尋ねる。
「コンタクトって・・・通信でありますか?」
「まさかな。施設に一部の食料を納入している民間の漁師を利用しているのだ。
施設を取り仕切っていたマガニーが戻る前に、クルストは研究中のNTに関する資料を手に、連邦への亡命を実行に移そうとしていると見て間違いは無いだろう」
慌てたようにバーニィが口を挟んだ。
「待って下さい、俺には判りません。どうしてその民間業者と連邦軍が繋がっていると言い切れるんでありますか?」
「クレタ島に出入りする人間と物品は全て、警備を担当するマッド・アングラー隊がチェックしている。
だからこれはまだ我々しか掴んでいない情報だが、その漁師はつい最近、わざわざ漁場を地中海からジブラルタルを抜けたマデイラ諸島に変えた」
「マデイラ?」
「そこは連邦勢力圏で主航路の、寄港地フンシャルがある。
件の漁船はジオンの勢力圏にあるクレタと連邦が制海権を握るフンシャルを往復しているのだ」
「・・・!」
絶句したバーニィを見ながらシャアは頷く。
「自前の漁船を持っている漁師なら、この海域を出て遠くの港に赴く事は容易い。
海上ではジオンと連邦の勢力圏もそうそう意味を成さない。特にマッド・アングラーが地中海担当にまわった為、大西洋全域の監視が甘くなっている。
民間の船はどちらの港も自由に行き来できているのが実情だ。
だが、それにしてもフンシャルとクレタは、遠すぎる。そこには何かしらの意図を勘ぐらざるを得ない。
我々は、不審な船舶に対して密かに民間に偽装して追跡する事もある」
シャアは数枚の写真をスツールの上に広げて見せた。
その場の全員が注目する中、バーニィがゴクリと唾を飲み込む音が、やけに大きく響いた。
その隠しカメラで撮られたと思しき写真には、連邦の駐屯所に入る男の姿が数枚に渡って納められていたのである。
コズンが静かに息を吐き出しながら唸った。
「こりゃあ決まり、ですな。動かぬ証拠って奴だ」
「で、でも、クルスト博士はどうして亡命なんて考えたんでしょう?」
「さあな。学者の考える事は俺たち一般人では理解できん事もあるしなあ・・・」
そこで頭を掻きながら言葉を切ったコズンはおもむろにシャアを振り返った。
「しかし、大佐の言う【毒を持って毒を制す】の意味が判り掛けて来ましたぜ」
コズンが間延びした声でにやりと笑う、が、その瞳は濁ってはいない。
シャアは口元を緩める。打てば響く。流石はラル隊、使える男達が揃っている様だ。
-
「うむ。来島者の中にも連邦の工作員らしき者が潜り込んで来ている。
現在は監視を付けて泳がせているが、有事の際には奴等は必ず動く。
今回の作戦は奴等の企みを利用して施設に強行突入する。名目上、警備を担当している我々にはそれが可能だ」
「クルストを始末した後に、施設は跡形もなく破壊しちまいましょう。
全てをクルストのせいにすれば問題は無いし、証拠もいろいろと隠滅できる。
俺達はその騒ぎに乗じてハマーン・カーンとアムロを助け出すって寸法だ」
「ハマーン・カーン?」
「それが俺達が密かに依頼を受けたVIP・・・マハラジャ・カーン提督の娘さんの名前だ」
「待って下さい!施設には多くの子供たちが収容されていると聞きました!彼らは一体どうなるんですか!?」
そのバーニィの問いにコズンは固まり、視線を逸らしたまま何も答え様としない。
思わず周囲の人間を見回すバーニィだったが、クランプやアンディも顔を上げず、彼の視線を受け止める者は
無表情なシャアの仮面しか見あたらなかった。
「・・・残念だが迅速に行動せねばならない我々に、余計な人員を救い出している余裕はない」
「そんな!それじゃ施設の子供達は俺達の襲撃の巻き添えに・・・!」
「黙ってろ!人的被害は最小限にするように行動するさ!
だが、ラル中佐の言葉じゃねえが、唯の人間である俺等が出来る事には限界があるんだよ!」
シャアの言葉に非難の声を上げたバーニィに対して、己の内心をねじ伏せる様な大声を、それまで黙っていたクランプが張り上げた。
クランプは、無類の子供好きだった。憐れな子供達の被る犠牲は彼の本意ではない筈なのだ。
自分だってそうだとコズンは思う。
非戦闘員の被害は出来るだけ少なくしたい。それは人間として当然の感情だろう。
しかし、何と言っても今回の救出作戦に失敗は許されないのだ。
全てにおいて任務完遂が最優先される以上、時には非常な決断を迫られる時があるに違いない。
クランプの心根を知っているコズンは、握り締めたクランプの拳が小さく震えているのを見て、いざその時になったら
彼は果たして冷静に任務が遂行できるのだろうかと不安にならざるを得なかった。
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今回の投下はここまでですー
投下間隔は今後どうなるか判りませんが、まったりお付き合い頂けたら幸いです。
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乙です
物語が大きく動き出したな
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乙なんだぜ
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乙
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乙。
まさかクランプ死亡フラグじゃないよね?
続き楽しみにしてるよ。
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乙
ギレンの野望シャアネオジオン軍以上のNT集結に期待
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実際にそろそろ何人か死んでも良いと思うけどね
味方じゃホルバインくらいしか目立った死亡キャラが記憶に残ってないし
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乙
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乙なのですよ、あうあう。
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乙ですた。
マターリ待ってますですよ。
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乙!
さて、こらから長い長い待機圏突入か…
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おれのデカマラも大気圏突乳だぜ!
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見栄っぱりはやめたほうが…
ですが、燃え尽きて無くなるんですね
わかりますん
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コンドーム(TV版、耐熱フィルム)があるから大丈夫ですね。
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下ネタはやめようぜ
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俺は下ネタもありだな
スレが盛り上がるにこしたことはない
ところで濡れ場マダー??
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恐怖!!亀頭!ビクッ・ザム
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先だけでっかくてあとは細いww
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早い!早いよ!スレッガーさん!!
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ガンダム麻雀でカイとスレッガーを対戦相手にすると
スレッガーがリーチする度にそれ言ってちょっと笑う
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なにそれ?
そこっ!
とかいってアムロがロンしたりするの?
箱割れするとシャアが認めたくないものだな・・・若さ故のあやまちとい・・・とかいうの?
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ドズルが追っかけリーチするとやらせはせん!やらせはせんぞぉおお!とか言ったらおもろいな
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大体そんなもん
DSで何年か前に出た奴
ブライトの声が聴けるだけで涙
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そのシリーズのぷよぷよもおもしろかったよな
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ぷよぷよはつまらなそう。
だいたい、ぷよぷよとかいってあんな変な萌キャラみたいのが対戦相手でどうとかライトなキモユーザーに媚びて迎合してるって以外に意味がわからない。
普通にテトリスじゃないけどもっとストイック?にいけよってかんじ。
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萌えキャラ気にせずゲームを楽しめばいいのに7〜8連鎖くらい出来ないとすぐ飽きるけどね
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>>347
論点ズレすぎだろ
まぁ>>1を気長に待ってるか
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>>347
最初期ぷよはストイックだが
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媚びる意味なんて決まってるだろ
その方が売れるからだ
商売なんだからな
無論失敗することもあるけど
-
ただいま戻りました。
連休中、皆様如何お過ごしでしょうか・・・
好天の中、皆様お出掛けかも知れませんが
投下しておきますー
-
イイイヤッッ━━━ヽ[≡]ノ ━━━━ホォォォォォウゥゥゥッ!!
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!
-
施設の通路を全速力で疾走するククルス・ドアンの表情は困惑に歪んでいた。
その形相に、彼の進路上にいた廊下の職員達は皆急いで身体を壁に寄せ、何事かと通り過ぎる彼の横顔を凝視する。
普段はどちらかと言えば物静かな彼が、ここまで自身の感情を周囲に露にするのは珍しい事だった。
ハマーンやララァと共に子供達を伴い、食堂から検査室へ移動中だったミハル・ラトキエは、彼らの横を慌しく走り抜けて行ったドアンの姿に驚いた。
少なくとも今までは彼らの姿を見掛けると、何かしら声を掛けてくれていたドアンが、今日はミハル達に一瞥もくれなかったのである。
只ならぬ彼の様子に不安を覚えたミハルは周りに監視の目が無いのを確認すると、後をララァに託して列を抜け出し、小走りに彼を追い掛けていた。
周囲の子供達を安心させる為に常に明るく振舞っているミハルだったが、決して心の底に澱のように降り積もってゆく不安を払拭できている訳ではなかった。
しかし、そんな彼女の心が何とか折れずに済んでいたのは何よりも、常にミハル達を全力で守ろうとしてくれているドアンの存在が感じられたからだったのだ。
ドアンと話がしたかった。
いつも通りの不器用で暖かな笑顔を向けて、彼女を、子供達を、安心させて欲しかった。
でも、さっきの彼は、今までに見た事の無い表情をしていた。
どうしたのだろう。そう考えると、ミハルは居ても立ってもいられなくなった。
その時の彼女の行動は、自分の置かれている状況よりも、むしろ彼の事を心配してのものだったのである。
だが、通路の角を曲がった所でドアンに追いついたミハルは、ドアンが丁度向こうからやって来た白衣の女性に近付いて話掛けたのを目の当たりにした瞬間、思わず廊下の角に身を隠してしまっていた。
『・・・あ、あれ?』
自分の取った咄嗟の行動に、ミハルは戸惑った。
ドアンが女性と話をしているだけなのに、何故に自分は声を掛ける事を断念して、こそこそと隠れているのだろう。
組んだ両手の下でやけにどきどきと胸が高鳴っているのは、彼に追い付く為に走ったからに違いない。
しかしミハルは、次の瞬間角の向こうから聞えて来たドアンの抑えた声にびくりと身を竦ませた。
「どういう事なんだナナイ!アレキサンドリア基地から搬入されたMSは4機もあるじゃないか!?」
「・・・事情が変わったのよドアン。新設された屍食鬼隊用に3機のMSが新たに必要になったの」
「何だって・・・!」
当初クレタ島には1機のMSしか搬入されない筈だったのだ。
これは、彼等が密かに進めている脱出計画を根底から覆す事態であった。
言葉を失ったドアンにナナイは両掌で抱えた資料をきつく握り締め、首を激しく振りながら泣きそうな声で言葉を継いだ。
「それだけじゃないわ。どうしようドアン!クルスト博士はNTの能力を移植したMSを・・・」
「待て、落ち着くんだナナイ。それ以上の話はここではまずい。PXに場所を代えよう」
「ああ・・・ドアン・・・!」
はっとしたミハルが通路の角から顔だけを突き出して覗き見ると、ドアンと彼の隣で彼の逞しい肩に支えられるようにした華奢な女性が歩き去ってゆく後ろ姿が見えた。
ミハルにとって彼らの話の内容はさっぱり理解できなかったが、そこには睦まじくお互いを支え合う、他人には決して割り込む事の出来ない一種の空気が満ちており、ミハルは彼らが既に男女の深い関係にあるであろう事を察さざるを得なかった。
「・・・」
瞬間、何故だかは判らないが体の力が、がくりと抜けるのをミハルは感じた。
それと同時に胸の奥にぽっかりと空洞でも出来てしまったかの様な違和感を覚えた彼女は、角から覗いていた首を引っ込め呆けた様な視線を床に向けた。
自分でも何がショックだったのか判らない。
が、何となくそのままドアンの後を追う事が出来ず、顔を俯けたまま、のろのろと元来た通路を戻り始めたその時だった。
彼女の名前を呼びながら一目散に駆けて来たジル・ラトキエの声を聞いたミハルは我に返り顔を上げた。
「姉ちゃん大変だ!検査室に大勢の大人達がやって来て、嫌がるハマーンを無理矢理どこかに連れてっちゃったんだよ!」
「な、何だって!?」
ぞわりと今までに感じた事のない焦燥感がミハルを貫く。
彼女の勘は昔から、どういう訳か不吉な事に限って良く当たるのだった。
思わずドアンの去った方角を振り返ったが、一瞬の逡巡の後、思い返した様に子供達がいる検査室に向かってミハルは走り出した。
走っているうちに彼女の瞳には薄っすらと涙が浮かんできたが、それが何故なのか、やはり今のミハルには判らなかった。
-
搬入機材を地下のハンガーや倉庫に直送させる為、施設の敷地内には大型車両にも対応できるエレベーターが設置されている。
今、その巨大なエレベーターの前にクルスト・モーゼス博士の姿があった。
アレキサンドリア基地から運ばれて来た、サムソンと呼ばれるMS運搬用の大型トレーラーに掛けられた幌が取り除かれるとそこには、今までに見た事のないフォルムのMSが横たわっていた。
「これがMS-06R-3S。サイド3の開発陣が通称【ザクⅢ】と呼んでいた機体です。
ドムの後を担う次期主力MS候補としてこいつと試作品のビームライフルがセットで開発されてたんですが・・・
鹵獲された例の木馬に搭載されてた赤いMSのビームライフルを解析した結果、より高性能なビームライフルが別ラインで完成しちまったんです。
で、折角ならそれを運用できるMSが良いだろうって事になって、次期主力MSゲルググは結局こいつの設計は引き継がず、データのみを基盤として完全な新設計で開発されてます。
つまりこの06R-3Sは【先行試作型ゲルググ】とも言うべき機体ですね。
宇宙用の高機動型ザクをベースにしていますが、ゲルググは汎用性を求められて開発されていた為に、こいつは地上でも十分運用が可能です。
まあ、開発経緯が特殊なので世が世なら博物館行きのシロモノでしょうがね」
「サイド3からアレキサンドリア経由という訳か。いや、素晴らしい。遠路遥々ご苦労だった」
整備兵の手を握りながら上機嫌でクルストは笑った。
笑顔を崩さずクルストは奥に控えるトレーラーを親指で指し示した。
意図を把握できない整備兵が首を傾げる。
「あちらはご希望通りの08-TX【イフリート】が3機ですが何か?」
「いや失礼。これはあくまでも仮定の話だが、08-TXと06R-3S。
同じ技量のパイロットが搭乗したとして地上戦を行わせたならば、どちらが勝つと思うかね?
メカニックとして忌憚のない意見を聞かせて欲しいのだが」
意外なクルストの言葉に少しだけ驚いた顔をした整備兵だったが、この手の話は嫌いではないのか、そうですねとしばらく考え込んだ末に目を輝かせて口を開いた。
「正式採用された物より性能が落ちるとは言えビームライフルがある分、3Sが有利だとは思います。
しかし08は機動性が極めて高く、携行しているショットガンも強力なものですから、まあ足場と間合い次第なんじゃないでしょうか。
最後にケチは付きましたが、かたやジオンの技術の粋を集めて開発されていた次期主力機候補。
こなた重力下戦闘に特化して開発された傑作機ですからね」
興奮気味にまくし立てる整備兵に労いの言葉を掛けたクルストは、その場を離れながらニヤリとほくそ笑み、手近な施設内線通話機に急いで手を伸ばした。
「私だ。ハマーン・カーンのシステム接続を急がせろ。戻り次第直ちに実験を執り行うぞ、準備を整えておけ。
それから、システム実装に際して08-TXの頭部改修を行うスタッフを至急2番ハンガーに集合させろ」
簡潔に指示を飛ばした後、通話機を戻したクルストはくくくと笑いながら一人ごちた。
「大仕事の前に出来るだけデータを集めておかねばならん。
しかし、ハマーン以外にもゼロというNTが手に入るとはな。これで心置きなく実験を行う事が出来るというものだ」
呟く様に吐き出した言葉を反芻するように一旦言葉を切ったクルストの目は狂気の色を湛え、体は痙攣でもしているかの様に震えていた。
「NT共め・・・貴様らの思い通りにはさせんぞ・・・
貴様らの力は、全て我々オールド・タイプ(OT)が利用させてもらう!!」
クルストはそう言いながら手にしていた資料をグシャリと握り潰した。
「私が開発した、このEXAM(examination) システムによって、NTは裁かれねばならんのだ!!」
くつくつと咽の奥で哂う彼は、しかし傍から見るとまるで何かに怯える様な奇妙な姿勢で二度三度と身体を捩った。
-
今回の投下はここまでです。
近いうちにまた物語のルート分岐に関するアンケートを実施させて頂きます。
奮ってご参加頂けたら幸いですー
-
乙です
…ハマーン様がピンチで危険だ
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乙。
赤い人は間に合うのか……(汗
-
乙なんdぜ!
ああ、EXAMは完成してるのか・・・
マリオンはもうだめかもわからんね。
今は生き残った子供達が一人でも助かってくれることを願うよ。
そしてできれば皆、ラルを親父代わりに癒されてほしい。
特にハマーンとラルなんて最高に相性いいと思うんだ。
次回も楽しみにしてますよー!!!
-
乙〜
そういやカイ達はどうなってんだろ
-
昨年から就活していて、いまだに無い内定の俺にはこのSSは数少ないオアシスだ
1さん、いつもありがとう
-
1乙、分岐楽しみにしてますよ。
ミハルならずともドアンは惚れるよね。
アニメ本編の様子から察するに、ガッシリした体躯の男らしく懐の深い包容力があるナイスガイだからね。
島で隠遁生活なんぞさせとくには勿体無いカッコいい男だ、男はこうありたい、みたいなある種の理想的な男だよ。
ミハルなんか普段から誰かを支え続けて生きているタイプの女だから尚更逞しい男に寄りかかりたくなるんだろうね。
-
乙!
マリオンも救われたらイイネ……
-
乙、ゼロという名前のアムロを使わないのかデータ上は無敵みたいらしいが
-
アムロやハマーン達が近くにいるのにEXAM搭載MSなんて稼動させたら
暴走起こして真っ先に標的になる気がするんだが……
-
乙
>>364
データ上ってあれインチキデータじゃないか
-
インチキでも実際はもうそうかわらない強さになってそうだけどね。
アニメ本編でいうところのコンスコン時くらいの強さにはなってるようにおもう。
まああくまで機体抜きでの話だけど。
-
この小説書いてる人頭いいね。
複雑な世界観(設定)をよくもまあ、1つのストーリーに収束
させられるもんだ。
ボキャブラリーも豊富だし、あまり若い人じゃない気がするし、
リアルでは結構忙しい仕事についているのではないかと推察。
-
頭がいい悪い抜きに彼、努力家なんだよ。
最初期は読むに耐えない妄想厨の長文駄レスに毛が生えた程度だったけど日増しに読めるようになってきて今じゃこの通りだもん。
がんばって完結まで書き貫いてもらいたいよね。
-
ただいま戻りました。
えーと、あんまり持ち上げないで下さい。顔から火が出そうです////
旧シャアでやってた最初期の文章は、いずれ改定したいと考えています。
そう言えばあの頃は殆どノリだけで書いており、推敲すらロクにしていませんでした。
普通に数話分をまるまる書き直す事もある今から考えると、何とも・・・
でも、書き直す場合は取り敢えず、全てのストーリーが完結した後になると思います。
ま、あのままの方が味がある、とも言えるんですがw
投下します。
-
「MSによる地上模擬戦を行うだと?」
他に誰の姿も無いラボの一角。
訝しげにそう聞き返したニムバス・シュターゼン大尉に対して、クルスト・モーゼス博士は鷹揚に頷いた。
「そうです。我々の押し進めるNT研究の集大成とも言える実験です」
「建前とは言え、この施設は民間を偽装しているのではなかったのか?
そんな目立つ真似は、ここがジオンの関連施設だと公言しているに等しい行為だと思うが」
「あくまでも内密なのですが、これは上からの指示なのです」
「何だと?」
「来るべきオデッサでの大会戦を前に、キシリア様が一刻も早く形になった研究成果をとお望みなのですよ。
その為には多少の無理も、止むを得ないと」
「何、キシリア様が?」
無論、これは全てクルストの企みであり、実際彼はキシリアから命令など受けてはいなかった。
今やクルストは独断で、自らの思惑を達成する事のみを念頭において行動していたのである。
≪自分が去った後≫の、この施設の行く末など、どうなろうが知った事ではなかった。
キシリアの名を出すとニムバスの目が盲目的な色に変わり、やや自身にとって都合の良い思考回路に切り替えるフシがある。
クルストはそれを敏感に察知し、またもや狡猾に利用していたのであった。
「大尉が搭乗する08-TXに搭載した新システム[EXAM]が予定通りに稼動することを実証できれば・・・
恐らく大尉は揮下の屍食鬼隊を率い、オデッサの戦いにおいて連邦を迎え撃つ一番槍を任される事になるでしょう」
「何と・・・!」
些細な不祥事で左遷された惨めな自分が、新兵器を引っ提げて勇壮に前線に返り咲く光景をニムバスは思い浮かべた。
それは現在彼の置かれている状況からの華麗な大逆転劇であり、栄光に満ちていなければならない筈の彼の人生に、極めてふさわしい物であると思えた。
「話は判った。それでそのMSに搭載されるという新システムとはどういった物なのだ?
言うまでもないが、私は【ジオンの騎士】たるエースパイロットだ。
操縦の足枷になる半端なシステムは却って邪魔だぞ」
その不躾なニムバスの言葉に、ぴくりと一瞬クルストの顔が痙攣のように揺れたが、ゆっくりと彼は笑顔を拵えると口を開いた。
「ご心配には及びません。
これは、システムに生体接続されたNTの認識能力をMSにフィードバックする一種の戦闘サポートシステムなのです」
「フン。NT・・・か。どうも私には眉唾なおとぎ話にしか聞こえんがな」
「大尉も、NTのシミュレーション・データはご覧になったのでしょう?」
しかしニムバスは腕組みをすると、怪訝そうにしているクルストの質問を切り捨てた。
「確かにあのデータは凄まじいものだった、だがな・・・
あれは何かがおかしい。違和感と言い換えてもいい。
実際にMSを操縦した事のないお前達には判らんだろうが、MS乗りならあの機動データの不自然さが判る筈だ。
あのデータは、恐らく何かの間違いだろう。
それが意図的なものか、そうで無いかは判らんがな」
じろりとニムバスはクルストを睨み付ける。
「あんなデータは作ろうと思えばいくらでも紛い物を作り出せる。
私はこの目で見た物しか信用しない主義でな」
その時クルストは顔にこそ出さなかったがニムバスの言葉に憤慨していた。
所詮OTのお前とNTの感性はレベルが違うのだ。
能力の劣った者が、自分がたどり着けない領域に対して理解できない、あるいは認めたくないだけなのだろう。
そうタカを括っていたクルストは、ニムバスの見解を端から軽視し、その証言を真剣に省みる事をしなかった。
が、実際ニムバスのパイロットとしての直感は的を射ていたのである。
彼の見た物はナナイがクルストを欺く為に作成した虚構のデータだった。
ナナイは研究員としては極めて優秀だったが、パイロットの感性等とは無縁の人間であった為、その筋のベテランから見ると微妙に不自然なデータを作成してしまっていたのであろう。
施設にはMSを自在に扱える研究員がいなかった為に、誰もがその不自然さに気が付いていなかったのだ。
そういった意味においてニムバスの見解は極めて正しく、その発言は非常に重要な要因を秘めていた。
しかし、ここに露わになった致命的な穴を、クルストはニムバスへの反感とナナイに対する信頼感、そして自らの研究への矜持によって見過ごす事になったのである。
-
「判りました。大尉の様な実戦肌の方には、百万言を尽くして説明申し上げるよりも、直接体験して頂いた方が早く納得して頂けるでしょう」
「フン。確かにそちらの方が手っ取り早いようだな」
すれ違い続けていた二人の意見がここで始めて同意を見せたが、それは泥沼の水掛け論になりそうな状況にウンザリし、
それを回避しようとする利害が一致しただけに過ぎなかった。
「システムを搭載した08-TX[EXAM]は、極限まで機動性と運動性がチューンUPされており、並のパイロットでは到底取り回すことのできないMSです。
が、卓越した技量をお持ちの大尉ならば問題はありませんでしょうな?」
「愚問だ。性能の高いMS程、ジオンの騎士には相応しい」
『・・・せいぜいいい気になっているが良い。EXAMさえ起動してしまえばお前など・・・』
「それで、模擬戦の相手は何者だ?
言うまでもないが、半端な技量の者では私の相手として役不足だぞ」
自信満々のニムバスを内心せせら笑っていたクルストは、思考を中断させるように切り込んできたニムバスの言葉にぎくりとしたが、それを悟られない様に急いで言葉を繋いだ。
「それこそ愚問だ、と申し上げておきましょう。
相手はシミュレーターで大尉が疑問を持たれているデータを叩き出したNTです」
「ほう」
ニムバスの目がすっと細まった。
「彼の搭乗するMSも、最新の試作機06R-3Sを用意してあります。相手にとって不足は無いでしょう」
「面白い。NTの化けの皮が剥がし、お前の目を覚まさせてやるとしよう」
「結構。一切の手加減抜きで存分におやり下さい。
優れたNTである彼をEXAMが倒す事ができれば、このシステムが完成された事の、何よりの証明になりますからな」
「間違えるな。この私が敵を倒すのだ。システムでは無い!」
二人の間に見えない火花が散っている。
だが、それぞれの思惑を抱えている双方にはまた、それぞれの認識違いがあるのも事実だった。
この実験の結果が果たして、関わった人間達の運命をその後どうねじ曲げて行くのか。
この時点ではまだ誰も、想像すらしていなかった。
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今回の投下は、ここまでですー
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>>370
×改定
○改訂
でした・・・推敲が聞いて呆れます or2
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おっつー
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乙〜
いくつかの展開が頭に浮かんだけど、どう料理してくれるのか
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乙
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おつ〜。
完結目指して頑張れ〜
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おつー
続きが楽しみです
リアル大事にしてくださいねー
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おつ
いよいよ始まるな
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まだ始まらんのか
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人間辛抱だ
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人類は麺類だ!
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ただいま戻りました
何はともあれ、投下しますー
-
今にも泣きそうな面持ちのナナイ・ミゲルが06R-3Sの最終調整が行われているハンガーに到着したのは「模擬戦」が行われる一時間前の事だった。
通常ここは彼女には無縁の場所であったが、ゼロがこのMSに搭乗する以上、彼の調整はギリギリまで行なうべきだとするナナイのたっての希望が受け容れられたものであった。
ナナイは元々サイド6においてNT研究の傍らフラナガン博士が提唱していたサイコ・コミュニケーター(通称サイコミュ)の開発に携わっていたメンバーであり、
この施設でも施設の代表者だったマガニー博士の元、主に重力下におけるサイコミュの研究を担当していた。
(NTは緊張状態に置かれると≪感応波≫と呼ばれる特殊な波動を発し、これが周囲のミノフスキー粒子を振動させ、遠くまで伝播させるという特性がある。
その現象を受信、増幅してNTパイロットの意志のままに兵器を操らせようというシステムがサイコミュである)
この施設では当初、ここに運び込まれる機動兵器に試験的にサイコミュを搭載し、重力下(水中も含む)における運用の可能性を研究する予定だった。
その為にここには、大型のミノフスキー粒子発生装置までが設置されていたのである。
しかしここで技術的な壁が立ちはだかった。
計画を強力に推し進めていたマガニーの予測に反し、サイコミュを地上(水中)で運用している既存の兵器に搭載できる程に小型化する事がどうしても叶わなかったのだ。
この時代のサイコミュシステムは「手探り状態」での開発が否めず、あまりにも大型に過ぎたのである。
結局、地上兵器にサイコミュを搭載する事は断念されてしまう。
サイコミュ搭載用の機動兵器は形状やサイズに制限の無い空間用のMAに絞られる事となり、
失意のマガニーはフラナガンに協力し開発体制を整える為に地上での研究成果を手に、宇宙へと上がったのであった。
一方クルスト・モーゼスは、独自の概念で研究を続けていたEXAMが、サイコミュのノウハウを一部システムに組み込む事によって飛躍的に運用効率がアップする事を発見してからというもの、
それまでの「施設の異端児」という汚名を返上するかの様に、サイコミュの研究に最も熱心に取り組む研究者となっていた。
彼にとってサイコミュの完成度が高まる事は、ひいてはEXAMの完成度を高める事に他ならなかったのである。
しかし、機関の方針としてはあくまでもサイコミュ研究が主導であり、いわばEXAMは副次的な産物に過ぎない筈であった。
だがそのある種偏執的とも言える研究姿勢はマガニーの目に留まり、サイコミュと平行したEXAMの研究が許され、今回暫定的とは言え施設の責任者の地位を手に入れる事ができた。
こうしてマガニーの不在を契機に、地上施設での研究はクルストを中心としたEXAMシステムの開発にすげ替わったのであった。
クルストはサイコミュの技術主任であるナナイを遠ざける形で、部下のローレン・ナカモトを中心にEXAMの特別開発チームを編成していた。
ナナイが気付いた時には試作システムは既に完成しており、NTの被験者が生体接続されるのを待つばかりの状態となっていたのである。
-
被験者には、つい先日、ハマーン・カーンが選ばれた。
鎮静剤と代謝抑制剤、そして睡眠導入剤を投与され、虚ろな眼差しでシステム内のシートにぐったりと横たわった12歳の少女が、
研究員の手によって無機的にシステムに接続されて行く様子を、ナナイはモニターでただ見ているしか無かった。
直接EXAMには関わりの無いナナイは、現場に立ち会う事も許されなかったのである。
やがて全ての接続が終わり、ハマーンの横たわる棺桶に酷似した形状のシステムの外装蓋が閉じられた。
小さく外装に開けられた楕円形の窓からは被験者の顔が確認できる造りになっている筈だったが、
小柄なハマーンの顔は彼女の周囲をのたうつコードとパイプに埋まり殆んど見えなくなってしまう有様であった。
今、その様子を思い出し、慙愧の思いでナナイは顔をしかめる。
EXAMはサイコミュ以上に人間をマシンの一部と見做す忌まわしいシステムだった。
ポテンシャルは極めて高いが不明な部分も多く、起動した場合、どんな事が起こるのか全くもって予想が付かない。
クルストは自信満々だが、不測の事態が引き起こされる可能性は極めて高いとナナイは踏んでいた。
そして、クルストが、まるでその不測の事態を「待ち兼ねている」かの様に見えるのは、うがち過ぎだろうか・・・
-
ナナイの前には今、ジオン軍の一般兵が身に付けるパイロットスーツを着込んだ赤毛の少年がいる。
彼はこの後、後方に屹立する06R-3Sに乗り込み、恐るべきEXAMを搭載した08-TXと極めて実戦に近い模擬戦を行うのだ。
≪極めて実戦に近い≫という注釈が付くのは、他でもないクルストがわざわざそう宣言したからである。
まさか実弾を使用するとは思えないが、クルストが何を考えているのか判らない以上、予断は許されない。
08-TXのパイロットのニムバス・シュターゼン大尉は苛烈な性格のエースパイロットだと聞かされた。
凶悪で不安定なシステムに手加減を知らない性格のパイロットが搭乗するのだ。
模擬戦とは言え、幾らなんでも相手が悪すぎる。
しかも間の悪い事に、少年の乗る06R-3Sはスペシャルチューンが施されてしまっている。
これはナナイが捏造したシミュレーション・データを元に機体の反応速度を80%も高めたもので、通常の人間ではとても扱えるシロモノでは無いのである。
反応が速過ぎて、戦闘速度では、まともに走ることすらままならない筈だ。
まさに虚構のNT専用機。
現在ここでNTだと認定されているハマーンですら、このMSは持て余すだろう。
このMSを自在に乗りこなせるとしたら、それは言葉は悪いが一種の「化け物」であると言えるのでは無いだろうか。
目の前のあどけない表情を残した少年には、望むべくも無い――
「・・・ごめんなさい、ゼロ。私達、あなたに何て言えば良いのか・・・」
震える手でボードに挟まった資料を握り締めながらナナイは少年に詫びた。
この島に存在するMSが、予定通りこの一機だけだったならば、戦闘速度で機動させる必要など無かった。
通常兵器に対して睨みを効かせているだけで、MSという最強兵器の意味は十分にあったのだ。
しかし、ドアンと練り上げたその脱出計画は完全に歪められてしまった。
勇気を持って計画に参加してくれていたこの少年は、想像の範疇を超えた危険な戦いに挑もうとしている。
しかもその危機は全て、ドアンとナナイがお膳立てしたものに他ならない。
だがナナイは、この期に及んでこの少年に更に残酷な依頼をしなければならなかった。
彼女はそれを伝える為に、どうしてもここに来る必要があったのである。
「でも、もうここしかチャンスは無いの。私達は機を見て例の作戦を実行に移します。
だから・・・あなたには・・・」
だから、あなたにはなるべく時間を稼いで貰いたい。
あなたには、子供達がドアンの手引きで脱出するチャンスを何としてでも作り出して貰わなければならない――
そう、言わねばならなかったナナイは唇が震え、どうしても言葉を継ぐ事ができなかった。
そんなムシの良い頼みが、どうして出来るというのだ。
06R-3Sは機動性を高める為に徹底的な軽量化が施され、内部の装甲板が相当に抜き取られてしまっている。
例え模擬弾であっても至近距離でコックピット周りに一撃を食らえば操縦者はただでは済むまい。
少年は、自分の命を守る事で精一杯になる筈だ。
それどころか・・・・・・
「大丈夫ですよ。ナナイさん」
俯きかけた自分に向けて掛けられた若々しい声に、ナナイは驚いて顔を上げた。
その声は、目の前の少年が発した物だと改めて気付いた彼女は瞠目する。
「ゼロ・・・あなた、声が・・・!」
「ごめんなさい。本当は数日前から回復していたんです。
でもドアンさんが『余計な事を喋らずに済むから、たとえ咽が治っても出来るだけ声が出せないフリをしておけ』って」
屈託無く笑う赤毛の少年に、こちらを責める色は微塵も無い。
そうだったのと答えながら、ナナイは彼の顔をまじまじと見つめてしまった。
「例の計画、詳しくドアンさんに船の中で聞いています。予定通りに実行するんですね」
「・・・そうよ。取っ掛かりは違っちゃったけど、私達にとって千載一遇の機会である事に違いは無いもの」
でも・・・と言い澱んだナナイに、少年はちらりと後方のMSを見やってからまた笑顔を向けた。
「このMS、今までに乗ったジオンのMSの中で、一番しっくり来るかも知れません。
何だか、そう感じるんです」
「え?ジオンのMS?・・・えっ?・・・あなた一体・・・」
慌てたナナイに苦笑しながら少年は、落ち着いた仕草でヘルメットを手に取った。
「上手くやって見せます。任せておいて下さい。それから」
ヘルメットを手馴れた様子で被りながら少年はナナイに目を向ける。
「僕の名前はアムロ。アムロ・レイです」
照れ臭そうに言いながら少年はバイザーを閉じ、呆気に取られているナナイの前で踵を返すと、
暖気を終えて彼を待つ鋼鉄の巨人に向けて歩き出した。
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今回の投下は、ここまでですー
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キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!
アムロ、かっけーな
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アムロこの段階で既に1stの甘ちゃんぶりからかなり脱却してるな
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ホント、アムロ、かっこいい!
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しっくりしていってね!
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ヒーローの帰還って燃えるよな
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このアムロかっこよすぎる。
ひょっとしたら一年戦争が終わった後ハーレムを築いてるんじゃないか?
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乙。
僕にはまだ1乙出来るところがあるんだ。
2chは書き込み規制の嵐が吹き荒れてるからなぁ……
1乙すら出来ない。
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もしかするとニムバス瞬殺もあり得るか?
続き楽しみに待ってます
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ここで切るかぁー!
乙です
次回楽しみにしています
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1乙
またいよいよ燃える展開になってきたね。
続きお願いしまーす。
-
乙
次も楽しみにしてる
-
1超乙です!
読んでて鳥肌立った!!
いいところで終わっちゃった・・・(´・ω・`)ショボーン
次回を楽しみにおとなしく待ってます!
リアル任務で体を壊さないようにご自愛ください。
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カミーユを出してほしい、後ライラも
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ライラは普通にいるだろうがカミーユはさすがに若すぎないか?
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若すぎるってか7歳ぐらいのはず
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とにかくアムロ無双の予感漂うすばらしい引きだった。
次回も楽しみにしてますよー
・・・セイラさん含めてヒロイン候補百花繚乱キャッキャウフフが楽しみです
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それにしても、凄い想像力だなこの1は
次回も期待してます
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Zのキャラを無理に出して欲しいという願望はないけど、
出しやすそうなのはレコアとかじゃね?
>>404
ああー、セイラさんは久しぶりに会いたいなー。
いったい何してますのん?>セイラさん
-
ディアナ様みたく割烹着で雑務をこなすセイラ想像した
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これはIFストーリーでまだまだガンダムは金になるなwwwww
-
お晩です。
皆様の援護射撃に感謝いたします。マジでエネルギーが充填されます。
次投下弾は準備中ですのでしばしお待ちを。
それから・・・
ストーリーに登場するキャラクターやメカにつきましては、実はラストまで全て決定しており、変更する事ができません。
これはもう、できた物を読んで頂くしか無いんですが、ご希望に副えない場合は、どうかご了承下さい。
ところでガンダムのサイドストーリーならば・・・
私はジオンに潜入してレビル将軍を救い出し、南極条約に間に合わせた特殊部隊の活躍が見たいですね。
安彦先生のオリジンではああ描かれていましたが、アレにはもっと壮絶なドラマがあったと思うんですよ。
ギレンの野望のOPにチラッと出ていた、レビルの降りてきたシャトルのドア横に立っていた目元を帽子で隠した兵士。
彼がきっと部隊の隊長で・・・とか、例の如く勝手に想像していたりします。
さて今夜はもう一つ。
【ハマーン・カーン】 と 【ララァ・スン】
皆様はどちらの女性がお好きですか?
これは以前告知しましたストーリー分岐に関するアンケートです。
結果如何で一つのルートが完全に消滅する重要な選択になります。
好き嫌いの理由なども添えて頂けると嬉しいです。
皆様のご意見を、お待ちしています。
-
>>409
誰が出て来るか、どのメカが出て来るか、は決まってるが、展開自体はまだ不確定、という事ですかな?
…となると、ハマーン様派なのでハマーンルート行って欲しいですね
-
はにゃーん様に一票。
MS戦見たいし。
ララァは遠くでビット操ってるだけってイメージが。
-
ララァ・スン一択
ハマーンはいろんな意味で破壊者にしかならん
と、思ってるから
ハマーン様のファンの方ごめんなさい
-
ハマーンたまが良い!
-
ハマーン様とララァの二択・・・だと・・・っ?
選べぬ・・・っ!
選べるか・・・っ!
ああマジ迷うというか根源的な何かを問いかけるアンケートだわ
ララァはアムロとシャアの目覚めを促し彼らを地球圏に縛り付けたおにゃのこ
ハマーンはシャアに裏切られ責務を一身に背負わなければならなかったおにゃのこ
ララァの魂はその最期に救われてたけどハマーンの魂は疲れきってたんだよなあ。
そういう意味ではこの世界ではハマーンには癒されて欲しいなぁ・・・
というわけでハマーン様に一票。
正史ではシャアに狂わされた運命を、この世界ではアムロに癒されて欲しいのですよ、あうあう。
でもってセイラさんと微妙な三角関係になればいいんだ←ここ重要w
-
>>1さん
説明、㌧です。
元のストーリーからいってもララァかな?
アムロにもシャアにも大きな影響を与えたわけだし。
-
ハマーン様に一票
やるべきことやって散っていったと思えるララァに対して
夢も希望も男もすべてなくしていったハマーン様が悲しいから
-
CDA読んだせいもあって、ハマーン様を救済して欲しくなったw
-
ハマーン人気有りすぎワロタw
かく言う私もハマーン好きでしてね…w
強気な女子が垣間見せる素な表情とかが…何を語ってるんだ俺はw
でもこの時点のハマーンって何歳だ…w
あ、選択肢は没落の令嬢、ハマーンでおながいしますー
-
>>418
0067生まれだから…0079だと12歳ですな
でもって、ローカルにこういうのがあった(出典不明)
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org326499.jpg
12歳っぽい雰囲気ではあるが、これから2〜3年であのツインテールになったのか…
あ、自分もハマーン救済で
-
>>419
!!!
なんという美少女!
このおにゃのこが裸にひんむかれて人体実験の被験者で
心を閉ざしてレイプ目だと・・・
-
ジュドーに騙されて死んでいったハマーンを是非救済して欲しいです。
-
>>419
サンクス&かわええ
ある意味支援画像だなw
しかし12歳かー犯罪だなー
と思ったらアムロも確か15くらいだから釣り合いはとれてるのかw
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まてお前ら
1は最初からSSの中ではにゃーん様の事を12歳だと書いてるジャマイカン
>>147
>常識的に考えれば12歳の多感な少女にとって、その状況は言語に尽くし難い羞恥を伴う筈であったが
つい先日もほれ
>>386
>鎮静剤と代謝抑制剤、そして睡眠導入剤を投与され、虚ろな眼差しでシステム内のシートにぐったりと横たわった12歳の少女が、
そういう訳でハマーン様一択(キリッ
-
>>423
わーい、ハマーン様救済クルー
-
と、そういう意見が多い訳ですねw
了解です
-
やたー!
つーか、類い稀なるNT能力を持ちながら心を閉ざして
仕事に生きるしかなく、共感できるNTは裏切るか敵
なんて哀しすぎるよなー
>>1の筆の滑りに大期待なんだぜ
-
2つに枝分かれしたルートの一本を選択したのだとお考え下さい。
以前皆様にはこのSSにおけるゲルググ×ギャンの次期主力MSを選んで頂いたんですが(結果はゲルググ)
例えばあれがギャンだった場合は、今回アムロが搭乗するMSが違うものになっていました。
山×海のルート選択でも、もし山が選択されていた場合はホルバインは登場せず、違うキャラクターとMSによる
違うストーリーが展開される予定でした。
そのあたりのフローチャートはストーリー完結後にネタバレとして公開する予定です。
今回は、ルート選択により、ストーリー上の基本キャラ配置が決定しました。
皆様ありがとうございました。
今後とも、宜しくお願い致します。末永くお付き合い頂ければ幸いです。
-
1乙
おいおい、いいのかい?そんな早急に決めちゃってさ。
オイラが予想するに、ハマーソルートってララァの死亡退場じゃねーのかい?
で、そのへんの役割をハマーソが代わりにやっていく、みたいな。
ララァルートならハマーソが普通にマハラジャのもとへ、アクシズへ退場、みたいな。
ということで個人的にははにゃ〜んさま支援で。
-
予想厨は嫌われるぞ?
-
一瞬、更新が来たかと期待してしまったぜ。
-
まぁ、どっちかが死ぬとは限るまい
アムロが狂言廻しだとして、
アムロ視点(UC史的には裏歴史)の傍らにいるひとと、
シャア視点(UC史的には表歴史)の傍らにいるひとの、
どっちがどっちになる、とかね
#裏表はどっちでもいいがw
-
そもそもこっちのマハラジャさんは失脚したっぽいので
美少女ハマーンちゃんの帰るおうちはありません。
なのでモルモットにされてたのですよ。
嗚呼、没落した令嬢の運命やいかに!
まー、味方にNTがいるなんて正史ではないパターンだから
ララァともうちとけそうだし、アムロとは・・・
しかしあちこちで「キュピーン」とかってうるさそうw
-
死んで女神のごとく扱われてるララァと
どう見てもに捻くれちゃってるハマーン
ifを見たいのは、やっぱりハマーン様だわな
ララァが妙にはっちゃけて「インドを舐めるな!」とか言い出したら嫌だし
-
「ハマーン・踊るマハラジャ」
失脚したと思われていたマハラジャが帰ってきて歌とダンス
-
>>433
なんやねんそれwww
それはむしろ見たいわwww
・・・なんとなくおとめ座(バルゴ)のセイントとか連想したw
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>>433
カオスw
吹いて嫁に不審がられたぞw
そしたらハマーンよりララァの方が実の娘みたいやんかw
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あえて言おう!
>>423
>>1〜、トリップ、トリップ〜
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>>436
そこはスルーが紳士の優しさだろw
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>>437-438
冷静に見てみると確かにアレでは伝わりません。フザけ過ぎました・・・
判り難い事やっちゃってすいませんでした or2
どうも私は大人しく投下だけしていた方が良さそうですねw
-
>>439
酔っ払って書き込んだ
今は反省している
いや>>1がはにゃーん様を書きたい気持ちは伝わってきたよ
-
ただいま戻りました。
>>440
いえ、アレは私の書き方が悪すぎました。
無用な混乱と誤解を招いてしまい、反省しております・・・
取り急ぎ投下しますー
-
全身が蒼く塗装され、両肩に装備されたスパイクアーマーだけが真紅に彩られたニムバス・シュターゼン大尉の操る
08-TX[EXAM]【イフリート改】が、揮下の屍食鬼隊が操縦する同型の2機を従えて施設の中庭に設置された大型リフトから現れた時、
模擬戦の相手である06R-3S【先行試作型ゲルググ】は既に対峙する所定の位置に付いていた。
「成る程。話には聞いていたが、確かにザクとは全く違うフォルムだな」
ジオン本国では現在急ピッチで高性能な次期主力MS【ゲルググ】を開発していると聞く。
その新型MSの残滓が相手のMSからは濃厚に漂っている。ニムバスは面白くも無さそうに鼻を鳴らした。
「こけ脅しです。ニムバス隊長の腕前ならばあんな奴、問題無く一蹴できます」
通信機に割り込んで来たクロード中尉の言葉に、ニムバスの眉根が跳ね上がった。
「黙れ!ヒヨッコの分際で余計な軽口を叩くな!」
「し、失礼しました、お許し下さい・・・!」
恐縮して黙り込んだクロード機を見て、ニムバスは微かに溜息を漏らす。
彼の部下となる屍食鬼隊員として配属されたクロードとクローディアの兄妹は、投薬と暗示による精神操作、
脳外科手術等での≪調整≫を受けており、ザビ家と屍食鬼隊の隊長であるニムバスに対して絶対的な崇拝と服従を刷り込まれていた。
しかし彼らの兵士としての実力はお世辞にも高いとは言えず、促成栽培でMSの操縦法を叩き込まれただけの彼らでは、
実戦では恐らく敵の良いマトになるのが関の山だろうとニムバスは睨んでいた。
だが彼らはそれぞれ配属時に中尉と少尉の階級を与えられた為か、無根拠の過剰な自信に満ち溢れており、実力主義のニムバスにしてみれば「度し難い」と苦々しく感じていたのである。
兄妹はクルストの実験によって他者との共感をシャットアウトされてしまった為、敵に対して極めて冷酷に振舞える兵士になった、そうだ。
クルストはそう言って誇らしげに笑っていた。
だが、当たり前の話だが【相応の実力が伴わねば、敵に対して冷酷に振舞える状況が作り出せない】ではないか。
常識で考えれば、その思考回路が狂っている事が判るだろう。
こんな欠陥兵器を作り出して悦に入るクルストの様な頭でっかちの輩を、ニムバスは唾棄すべき存在だと断定している。
しかし、今は耐えねばならない。
栄光の戦場に返り咲く為に、である。
その為には、半人前の兵士の育成も、愚にもつかないシステムのモルモットの役割も甘んじて受けようではないか。
そう考えながらゆっくりと08-TX[EXAM]の歩を進めたニムバスは、自らのヘルメットに繋がった何本ものケーブルを忌々しそうに見やった。
ケーブルはヘッドレストを介して後方にある何やら怪しげな装置に接続されている。
この装置を取り付けた為に08-TX[EXAM]の後頭部は通常のものより肥大してしまったと聞く。
そして彼のヘルメットも、現在は跳ね上がっているフェイスガードがシステム起動時には下がり、顔全体がすっぽりと覆われてしまう独特の形状をしている。
「貴様らはここで命令があるまで待機だ。くれぐれも勝手なマネはするなよ」
「了解」「了解です」
2機のイフリート改を下がらせたニムバスは歩を進め、06R-3Sの正面に08-TX[EXAM]を移動させた。
「EXAMか・・・」
ニムバスが呟いた瞬間、中庭と隣り合った施設の建物を隔てる様に、地中から高さ20メートルもの破防壁が次々とそそり立ち、完全に建物と中庭を分断した。
弾性の異なった超鋼スチール合金製の金網が三重に張られたこの防壁は、ザクマシンガンですら撃ち抜く事は不可能な強度を誇る。
ジオンの秘密施設であるここには、非常事態に備えて数多くの仕掛けが施されており、これもその一つであった。
やろうと思えば施設全体を同様の防壁で囲む事が可能だが、今回はその一部分を作動させたのである。
「フン。これで施設への被害を気にせず心置きなく戦えるという訳か」
既に施設に設置された発生装置から濃密に散布されたミノフスキー粒子が電波を遮断し始めた。
ニムバスのヘルメットのフェイスガードが作動し、ゆっくりと彼の顔を覆い隠してゆく。
一時的に視界を奪われた彼の背中を我知らず、一筋の汗がつたう。
得体の知れない新システムでの戦い。百戦錬磨のニムバスにしても、やってみるまでは判らない。
ニムバスは心得ていた。自信と過信は、違うのだという事を。
-
ちょっと短いですが、今回の投下はここまでです。
-
乙でした。
ワクワクだ。
-
ニムバスが、ニムバスなのになんか格好いいぞ?w
GJ!
-
乙〜
このニムバスは綺麗なニムバスw
EXAMと出会う前はこんな感じだったかもなあ
-
これからニムバスって頭おかしくなっちゃうんですか?
-
ただいま戻りました。
それでは投下します。
-
MSを仰臥状態で搭載できるサムソントレーラーの巨大な荷台は、例えMS-06
を積載していても十分な余裕がある。
しかし「この荷物」はいささか何時もとは勝手が違った。
規格が合わない固定器具は何の役にも立たず、応急処置としてワイヤーとベルトで荷台に括り付けてあるだけだ。
それにしても「これ」は06と比べて一回り大きく、遥かに重い。運転しているコズンはさぞかし冷汗をかいている事だろう。
現在このトレーラーは可能な限りのスピードでアムロとハマーンがいるという施設に急行しているのである。
「流石にシャア大佐の情報網は正確だったな。
このMSが動かぬ証拠となり、クルストの息の根を止める事ができるだろう」
クランプはそう言いながら、眼下に横たわる規格外のMSを眺めた。
彼とバーニィはサムソンのペイロードには乗らず、万が一の時に備えてトレーラーの荷台にいるのである。
荷台にはMSごとすっぽりと幌が掛けられており、物騒なその外観を申し訳程度に隠している。
これがある為に2人とも、地中海特有の強烈な日差しに焼かれる心配は無い。
「連邦軍が密かにクレタ島に侵入していて、あんな廃工場でこんなMSを組み立てていただなんて・・・
話を聞いていても、この眼で見るまでは信じられませんでした」
「どうやらパーツごとに小分けして持ち込み、あそこでは最終的な組み立てだけを行い、クルストの亡命に合わせて陽動作戦を行うつもりだったらしいな。
廃工場の提供者、船舶での運搬と、こいつはかなり大掛かりな仕掛けだ。
こんなマネは民間の中にも多数の協力者がいなきゃとても出来ない相談だ。厄介だな」
「所詮、ジオンは侵略者なんですね・・・」
ポツリと漏らしたバーニィの一言には答えず、クランプは両手を頭の後ろに組み、幌がなければ見えているであろう筈の青空を振り仰いだ。
コズン・クランプ・バーニィを含むシャアを筆頭にした小部隊が、彼の部下に監視させていた連邦軍の秘密駐屯地を襲撃したのは今から数時間前の事だった。
シャア指揮による要所を押さえたその電光石火の制圧に、少人数の連邦兵はなす術が無かった。
殆んど抵抗らしい抵抗もしないまま全ての連邦兵は捕虜となり、彼らが組み立て終えていたMSも無傷で鹵獲する事ができたのである。
このMSはクルストが亡命を企み連邦軍をこの島に引き入れた十分な証拠となる。
現在シャアの部下が拘束している捕虜の証言(自白)を合わせれば、クルストの逃げ道は無いだろう。
本来ジオンのMSを運搬するサムソンに連邦製のMSを操縦して積載したのはバーニィだった。
彼は以前アムロの為に連邦とジオンのMS比較性能表を作成した事があり、その際に連邦製MSの操縦マニュアルにも眼を通していたのである。
とは言え、流石にその機動はぎこちない物ではあったが、まがりなりにも敵のMSを動かすスキルを披露した事で、彼の株は大いに上昇したのであった。
-
「後はコイツを情報部の連中とクルストのクソ野朗に突きつけてやりゃあ、余計な血が流れずに済むかも知れねえ。
後は時間との戦いだ」
「それなんですが・・・」
「ん?どうした」
言い澱むバーニィに不審そうにクランプが目を向ける。
そう言えば、クランプから見ても最近ずっとバーニィの様子は変だった。
何かに考え込む様な仕草が頻繁に見られ、彼特有の溌剌さが見られなくなっていたのだ。
「シャア大佐の事です」
「・・・!」
バーニィは眼を合わせない。
「今回、シャア大佐は、目的の為には子供達の犠牲も厭わないと言っていましたよね」
「・・・」
ゆっくり、ぎこちない程ゆっくりとクランプは眼をバーニィから逸らし、正面を向くと黙り込んだ。
「それとシャア大佐は・・・アムロが海で奴等に拉致されたかも知れないって事・・・
感付いていらした筈なのに・・・クランプ大尉達がやって来るまで、俺達に何も話しては下さいませんでした」
「・・・」
「もしあの時、大尉達が来て下さらなかったら・・・
状況が変わらなかったらシャア大佐はたぶん・・・俺達に何も言わず、地中海にお戻りになって」
「やめろ!」
咄嗟にバーニィの言葉を遮り腰を浮かせそうになったクランプは、慌ててトレーラーの荷台に座り直した。
息が荒い。普段冷静なクランプが動揺している。しかしバーニィはあえてクランプを見る事はしない。
「キャスバル・レム・ダイクン・・・ジオンの正当なる後継者。
俺達の、本来の従うべき指導者・・・でも・・・」
「・・・」
「俺は、いや俺達は、もしかしたらとんでもなく冷酷な、それこそザビ家と変わらないくらいに冷酷な」
「もうやめろ!」
横に座るバーニィの胸倉を掴んで引き寄せたクランプは目を寄せる。
バーニィも初めて彼の眼を正面に睨み返した。
「お前に何が判る!こいつはラル中佐や俺達の悲願だったんだよ!
いいか、二度と・・・!」
その時、胸元を掴まれたまま何かを言い掛けたバーニィを遮る様に、傍らに置いてあった通信機の呼び出し音が鳴り響いた。
サムソンの操縦席からである。
クランプは慌ててバーニィを離し、イヤホンを耳に当てた。
「どうした・・・何っ!?了解だ!」
何があったんですと眼で問い掛けるバーニィに、クランプは深刻な顔を向けた。
「前方のフラナガン研究施設から戦闘音確認。どうやらMS同士がドンパチやっているらしい」
「な、何ですって!?それじゃあ・・・!」
「糞ッたれ!一足遅かったって事か!」
荷台の淵まで這いずって移動したクランプは幌の隙間から前方を覗き見る。
山の尾根沿いにある施設の向こうから土煙が上がっている。
こちらから戦いの様子は見えないが、あれは明らかにMSが高速機動している時に巻き起こるものだ。
「バーニィ!お前は念の為コイツの中で待機してろ!最悪の場合は出撃もありうるぞ!」
「む、無理ですよ!?」
「無理でもやる時ゃやるんだよ!」
とんでもない事になってしまったと言いながら、それでもバーニィは幌の中を伝いながら鹵獲したMSに近付いて行く。
クランプはそれを見届けながらまた幌の外を見やった。
施設の建物が近付くにつれ、明瞭にマシンガンの発射音が聞えて来た。
幼い子供達が大勢いる筈の建物を震わせて断続的な発射音が鳴り響いている。
きっと子供達は怖がっているだろう。可哀相に――
我知らずそう考えたクランプは、無意識のうちに拳を握り締め顔を歪めていた。
-
なかなかMS戦闘描写までいかなくて申し訳ないです。
今回の投下は、ここまでです。
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乙です
かなりシリアスな展開だ
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乙なんだぜ!
連邦のMS…BDか…?
バーニィが乗ってもニムバス相手じゃ的になるだけだと
思うんだが…。
次回も楽しみにしてますよー!
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乙。
-
1乙
あれ?
クルスト亡命がダメになったらBDがないじゃん
ユウは何に乗ればいいの?
EXAMなしのユウなんか覚醒アムロの相手にまったくならないんじゃ?
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この時のシャアは冷たいからなー、俺はクワトロ時代の方が人間くさくて好きだな。
みんなはどう??
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俺は逆シャア時代のシャアかな
アムロに対してララァは母親になってくれた女性かもと本音をぶつけてたからね
一番人間臭い感じがする。
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しっかし、バーニィはいくらなんでも甘ったれすぎやしない?
もっと年下、初期の少年の甘ったれアムロだって、戦争なんだよ!て自覚してるのに
普通なら胸ぐらつかまれる程度なんかじゃ済まなくて、こんな似非反戦主義者じみた戯れ言を事あるごとに戦場でほざいてたらこっぴどく修正されて当たり前だとおもうけど
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でもなークランプだってアニメじゃWB襲撃した時にキッカ達見て
爆破を躊躇してたしね
そういう人間的な所のある兵士って魅力的だよ
長生きはできないかもだけど
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はなから思想が甘ったれているのと
とっさに感情が表に出てしまうのではずいぶん違うと思う
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>>455
ユウは1スレで陸ガンに乗って、黒い三連星+アムロとやりあって引き分けになってる
もう出番は無いと思う
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>>1乙です
物語進んできたので楽しみっす
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出番ないのか・・・
シュミレーターと本物の違いとかやってほしかったけど初めからシュミレーター作られることないから無理か・・・
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逆シャア時代のシャアは、年食ってからどうしても受け入れられなくなったな。
昔は、かっこいいとか思ってたけど、今見るとただのゲスなんだよな。
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彼は純粋よ
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いやいや、1st時代から最低のゲス野郎じゃないか(笑)
よきライバルにして友とよび全幅の信頼を寄せていてある種の敬愛的感情を自分に抱いてくれていた人を
きこえているか!生まれの不幸を呪うがいい!君の父上がいけないのだよ!あははははは!!
・・・人間のクズだろ
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>>466
まー、父親の復讐と理想の間で悩んでた頃だしねえ。
一生悩んでたみたいだけど。
彼にもやはり癒しが必要なんだろうね
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その癒しがララァだった訳で…
その後のシャアの行動は、みなさんも承知の通り。
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逆シャアの時のシャアの「ララアは〜」とかは、シャアが人気出たのが気にくわないトミーの影響があるからなぁ…
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シャアが主役だった初期案Ζが見たかったな
俺は1StよりもΖが好き。1にはこれが終わったらZのSSを書いてほしいな
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でも、シャアはそんな人間くささで人気があるよね
・・・シャアはアニメ界でネズミとか抜いて一番人気ある気がするがどう?
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>>466
ゲスだったらガルマ殺して後悔しないだろ
よく見ないで批判するのはやめようね
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>>464
すげぇ良く分かるw
かまってちゃんのにおいしかしない
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>>471
それはない。ガンダムはあくまで男向け。多少は女性にも人気があるかもしれないが、ネズミには到底勝てない。
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ネズミ…。
ピカチュウ?
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ガンバとかロッキーチャックかも
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>>474
あ、書き方悪かった
頭の黒いネズミ(腹も黒いけど)とか別枠として人間キャラクターの中ではという意味ね
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ミッキーマウスなんか別に人気ないだろ。
ただ商品としてアメ公のアメリカ服従従属メディア戦略におどらされたバカどもが異常な脅迫観念的崇拝を右向け右でして西洋一番、アメリカ一番と有り難がって法外な値段で購入してる一種のブランド志向の狂信的崇拝行為からくる偽りの人気だよ。
でずにーみたいなカスを本気で有り難がってるやつはただのバカ。
ガンダムなんかの根源的娯楽や個々の意識による人気と、他者の悪意からくる歪んだ作られた偽りの人気とは根本的にまったく違う別物。
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余所でやれ。
以上
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やっぱシャアよりクワトロだろ。アムロもΖの方がよい
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そんなのはみんな後年の他者の評価に影響されてそう思い込んでるだけだよ。
シャアはシャアでやっぱり強くて冷徹でルッグンごときの爆弾1発で木馬に痛打を与えちゃったり、そんな裏切ったりも平気でする恐ろしさがね、いいのよ。
でもアムロに追い越されちゃって情けない姿になりながらも最後は主役機をギリギリ相討ち的撃墜をしちゃうようなとこがさ。
キシリアの頭を吹っ飛ばしたりとか痛快なこともしてくれちゃったりして。
クワトロとかオールバックの変態おじさんとか(笑)あんなんパラレルですよ。
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>>481
あんたシャア好きなんだなぁってのが伝わってくる
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1stのシャアは若さと勢い、思い込みで突っ走っていたいわゆる中二病みたいなもの。
宇宙の民のため、ジオンの意志を継ぐものとしてどうすべきか。真剣に悩んでいたクワトロ時代が最もらしさがでていたのではないか??
だからこそ逆シャアでは期待していたのに・・・・。全く富野には憤慨ものだよ
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本当はガルマ謀殺して左遷されて出番終わるはずだったんだよな
あんだけ裏がありそうなキャラをあそこで切ろうとした富野はおかしい
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トミノってやつは変人で天の邪鬼で感性がだいぶおかしい人間なんだよ。
大衆に迎合することを極度に嫌って否定しているくせに世間に認められたくて認められたくてどうにも仕方ないといったようなおかしな矛盾を数多く内包している変な人間。
ゲームに例えるとパヤオがファイナルファンタジーだとしたらトミノはサガみたいなもん。
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ただいま戻りました。
投下しますー
-
突如脳内に流れ込んで来た情報の奔流に、ニムバスの身体は激しく硬直した。
そのあまりの圧力に彼は発汗し、血圧と心拍数は急激に上昇する。
頭部を完全に覆うヘルメットの中で息苦しさを感じたニムバスは大きく口を開け舌を突き出し空気を求めるが、うまく深呼吸する事ができない。
それどころか、指一本自由に動かす事ができないと判ると、そのまま意識が薄らいでゆく事にニムバスは恐怖した。
「馬鹿な・・・私は・・・ジオンの騎士・・・・・・」
それが、彼が意識を喪失する寸前に発する事が出来た精一杯の言葉だった。
敵MSの手にしたマシンガンの銃口がいきなり上がり、模擬戦開始の合図が発せられる前に発砲された瞬間、アムロはすでにシールドを構え終えており、きっちりとした防御姿勢でその一掃射をブロックする事ができていた。
それは、当初から目前の敵MSの醸し出す雰囲気の異常さを感知し、その挙動に細心の注意を払っていたアムロだったからこそ防げた不意打ちであった。
「くっ・・・!やはり撃って来たかっ!」
強烈にコックピットを揺るがす衝撃に耐えながら、アムロは食いしばった歯の隙間から怒りの言葉を絞り出す。
しかし予測していたとは言え・・・これはまさに手段を選ばぬ「敵意」と「狂気」の発露であった。
ぞっとする程の執念をはらんだ害意に、皮膚が粟立ちチリチリと総毛立っているのが判る。
08-TX[EXAM]はまるで、あざ哂う様に機体を揺するとマガジンを撃ち尽くしたマシンガンを06R-3Sに向けて投げつけ、ヒートソードを引き抜きそのまま一足飛びに切り込んで来た。
飛んで来たマシンガン本体をシールドで咄嗟に跳ね返したアムロは、シールドが動いた一瞬の間隙を狙ってコジ入れられて来たソードの凶刃を06R-3Sが手にしていたマシンガンの銃身の背部で滑らせるように受け流し、、相手の身体ごと横に弾いた。
体勢を崩された08-TXは一瞬無防備な背中を晒したのも束の間、すかさず空いている左手でもう一本のヒートソード抜き放ち、切っ先を06R-3Sに向けて払う様に振るった為、アムロはそれ以上追撃する事ができなかった。
ちらりと補助モニターで確認すると06Rー3Sのマシンガンの銃身はソードの高熱に晒された為に溶け崩れている。
アムロは躊躇なく一発も撃たぬまま使用不能となったマシンガンを投げ捨て、試作型ゲルググの背部に一本だけ装備されたビームサーベルのグリップを引き抜き手に取った。
ビームの刃はあえて発生させない。
エネルギーの節約、それだけが目的ではない。
タイマン勝負中の敵に、わざわざこちらの間合いを教えてやる必要など無いのだ。
実体の無いビームの刃は変幻自在のトリッキーな戦法が可能なのだという事を、ヒート系の武器が標準装備のジオン製MSに多く搭乗したお蔭でアムロは改めて気付く事ができたのだった。
本来06R-3Sに装備されていた白兵戦用武器はヒートサーベルであったが、鹵獲したガンキャノンのビームライフルとガンダムのデータを解析する事でビームライフルと共にビームサーベルの開発期間が大幅に短縮された。
これにより、試作品のビームライフルを扱える様にジェネレーター出力を1390KWにまで強化していた06R-3Sにも、完成したばかりのビームサーベルを装備する事ができたのである。
ちなみに現在アムロ機が手にしているこれは、開発中のMS-14にも同型の物が装備される予定の純正品であり、同時期に開発されていたYMS-15【ギャン】用に開発されたビームサーベルと比べ格段に高い完成度を誇っていた。
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それにしてもとアムロは冷たい汗を背中に感じる。
敵の動きは尋常ではない。その内部の人間の存在をまるで省みていないかの様な瞬発機動。
不意打ちにより無理矢理相手の隙を作り出す強引な戦法。
明らかにコックピットを狙ってきた容赦のない攻撃。
恐らくNT用に強化されたこの機体でなければ、先ほどの攻撃は受け切れなかっただろう。
だが何よりも気になるのは、一刻も早く、全てを、自らの操縦者すらをも、破壊し尽くしてやろうとする強烈な殺意の波動。
「・・・相手パイロットはもう一人いるのか・・・?」
直感から思わず口をついて出た言葉に、アムロは慄然とした。
対峙しているMSに乗り込んでいるパイロットは傀儡!
この違和感、そう考えれば、全てに辻褄が合う。
瞬間、アムロの目の前の景色が切り替わった。
戦闘濃度で散布されているミノフスキー粒子とEXAMの一部に使用されているサイコミュが、
NT達の感応力を劇的に引き上げていたのである―――
瓦礫の中に血に塗れた傷だらけの女の子がしゃがみ込み、泣いている。
アムロはすぐに、この少女こそが目の前のMSの真の操縦者なのだと理解した。
どこか見覚えのあるその少女は、全身を苛む痛みから逃れようと、周りにあるもの全てに憎悪を剥き出しにしていた。
それはまるで、道端に打ち捨てられ、死にかけた子猫のように。
『消えろ・・・!消えろ・・・!みんな、私の前から消えて無くなれっ・・・!』
少女は周囲の全てを、壊そうと考えていた。
全てを、自分を、全部壊せば、この痛みが消えるかも知れないから。
その時、少女の目がふいに上がり、こちらを向くと生身のアムロを見据えた。
『何故・・・!?何故お前は消えない・・・?』
自分を不思議そうに見上げる少女を怯えさせない様に、アムロはゆっくりと近付いてゆく。
『君を助けに来たんだ』
『嘘だっ!近付くなぁっ!』
闇雲に突き出されて来たヒートソードの切っ先をシールドの縁で横に払いながらアムロは冷静に相手の出方を観察していた。
ビジョンの中での少女との会話は実際の時間では0.1秒にも満たなかっただろう。
アムロは本来の意味で目の前のMSを操る少女と、幻影の中で会話しながら、現実で行われているMS戦闘も同時に行っているのである。
敵MSを操縦している筈のパイロットは意識を喪失しているのか、その気配は微塵も感じられない。
MSの動きは完全にあの少女の感情とシンクロしている所を見ると、恐らく少女がパイロットの肉体を操ってMSを操縦させているのだろうと思える。
そうだとすれば、やり方はある筈だ。そう祈る様に決め付けたアムロは、もう一度意識を集中させた。
『嘘じゃない!僕は本当に・・・!』
『もう騙されないぞ!騙されるもんか!お父様も!フラナガンも!クルストも!ナナイも!嘘つき!みんな大っ嫌いだ!!』
少女の絶叫と共に神速の速さで繰り出される二刀流ヒートソードによる斬撃を、シールドをずたずたに切り裂かれながらも06R-3Sは全て躱してみせた。
必殺の攻撃を避けられた少女が驚いた様に身を竦ませる。
『そんな・・・!今のを躱すなんて・・・!』
『僕たちは、本当に君やこの施設の子供達を助けたいと思っているんだ!
嘘だと思うなら、もっと深く僕の中に入ってみろ!』
『うぅっ・・・!』
肩口から突進して来た08-TX[EXAM]のスパイクアーマーに引っ掛けられたシールドを遂に跳ね飛ばされた06R-3Sは態勢を入れ替えると、頭部に装備されたバルカン砲で牽制しながらバックステップで距離を取った。
『どうした?身体が、痛むのかい?』
『うるさい!うるさい!うるさぁいっ!!』
二刀を振り回し、遮二無二斬りかかって来た08-TX[EXAM]に対し、遂に06R-3Sはビームサーベルの刃を伸ばし4合を交えた末、右手のヒートソードによる斬撃を鍔迫り合いの形でがっちりと受け止めた。
しかしその為に、2体のMSは完全に動きを止める結果となった。
少女が哂う!
『馬鹿め! これで終わりだっ!』
容赦無く、がら空きのボディに水平斬りに叩き込まれて来た左手のヒートソード。
しかしアムロは06R-3Sの持つビームサーベルグリップの反対側からもビームの刃を発生させ、これを受け止めたのである!
『な、何だと!?』
驚愕する少女に構わず06R-3Sはそのままグリップ両端にビームの刃を発生させた【ビーム・ナギナタ】を両手で旋風の様に回転させると、08-TX[EXAM]の左手のサーベルを横に弾き、右前腕部をその手に握るサーベルごと斬り飛ばした。
-
『あっ・・・!』
『そうか、君は・・・!』
その機体同士が密着した一瞬、アムロとハマーンは同時に思い出した。
2人はこれが初対面では無かったのだという事を。
あの日、寒々としたラボで、ハマーンはアムロと擦れ違い、そして助けられた。
赤毛の少年は無言だったが、その手はとても温かく力強かった事を覚えている。
その暖かい掌の持ち主が、もう一度こちらに、力強い手を差し伸べて、また自分を助けると言ってくれているのだ!
驚きと共にそう安堵した瞬間ハマーンは、何の抵抗も無くするりとアムロの意識の中へ入る事ができた。
『ナナイとドアン・・・』
『そうだ。みんなを助ける為に命を懸けている。僕だってそうだ』
全てを理解したハマーンの頬に、今まで流していた涙とは質の違う涙が新たにつたう。
それと共に、彼女の内面を侵食していた全ての物に向けた敵愾心が陽炎の様に薄れてゆく・・・
「むっ!?何故だ!何故EXAMは停止した!?」
その時研究室では、模擬戦の様子をモニターを凝視していたクルストが大声を上げていた。
まるで先程までの激しい戦いが嘘だったかの様に、画面の中では2機のMSがお互いにもたれ掛かるような体勢のまま、動きを止めてしまっている。
アムロとハマーンの精神邂逅など知る由もないクルストにとって現状は、突然EXAMシステムが全く動作しなくなったとしか映っていない。
バグ!?いや、そんな事は有り得ない。EXAMが起動を拒否しているとでも言うのだろうか。
「クルスト博士!システム内の生体ユニット・・・ハマーン・カーンの意識が戦いを拒んでいる模様です!」
「役立たずの小娘が・・・!」
ローレン・ナカモトの報告にクルストは舌打ちした。
時間が無いのだ。見るものを見届けたら急いで準備に掛かる必要があると言うのに、少なくともEXAMの再起動を確認してからでなければ、この場を離れる事ができないではないか。
「構わん!ハマーンの身体に電流を流せ!苦痛と恐怖を、怒りの衝動に変えるのだ!」
「判りました!」
ひとかけらの逡巡も無く、ナカモトは弱電流のスイッチを入れる。
その瞬間、EXAMシステムのカプセルに収められた少女の肢体がびくんと跳ねた――
-
皆様のシャア談義、興味深く読ませて頂いています。
今回の投下は、ここまでです。
-
乙なんだぜ!
いやー、ハマーンにとうとう癒しの時が訪れるのか・・・?
中の人はマリオンじゃなかったのね。
アムロの戦闘もお久しぶりだけど、なんとも頼もしいヒーローじゃないですか。
次回も楽しみにしてますよー
-
>>1さん
乙であります!
-
アムロってジオンに入っていろんなフラグを立ててるけど、戦争が終わって幸せに
成れるのか?
-
nice gundam
-
>>1さん乙です!!
待ちに待ってたアムロのMS戦が読めて嬉しかったんだぜw
ありがとう!!
そしてまた、次回の投下を待つ作業に戻るわ(;´Д`)
-
1乙
>>493
つハーレムエンド
>>494
らめぇ
略すとNGになってしまうぅ
-
援護射撃感謝です。
えー今日はもう一発あります。
投下しますー
-
ハマーンを拷問の如く苛む苦痛が再び襲い始めた事を、彼女と半ば意識を共有していたアムロは鋭敏に感じ取っていた。
『なんて事を・・・!どうすれば君を助ける事ができる?』
『このMSの頭部を壊して・・・!お願い!!私をここから解き放って・・・!!』
『判った!それが君の望みなら!!』
強がりの仮面を脱ぎ捨て、哀願するハマーンの残像を網膜に焼付けると、アムロはスライドさせる様に機体を素早く擦れ違わせ、後方に向けてビームナギナタの切っ先を突き出した。
ビームの刃は正確に08-TX[EXAM]の後頭部から前頭部だけを貫き、モノアイの部分から一瞬、ビームの刃を覗かせた【イフリート改】は、そのままつんのめる様に前方に倒れ、動かなくなった。
08-TX[EXAM]のキャノピーは前開き式である。パイロットの生死は不明だが、頭部を破壊され片腕を失ったMSの体がうつ伏せになっている為、単独での脱出は困難だろう。
アムロは深く息を吐き出し、瞬間、残心を解く事ができた。
「クルスト博士!ニムバス機が完全に沈黙しました!」
「口程にも無い奴!だがやはり、これが、ジオンのMSの限界なのだ・・・!」
暫し瞑目するクルスト。
ジオンのMSに見切りを付けて連邦に亡命する。
クルストが密かにそう決意したのは、鹵獲された木馬に搭載されていたRX-78【ガンダム】のデータを目の当たりにしたからだった。
MS開発の分野においては後発である筈の連邦が開発したMSが、明らかにジオンのそれを凌駕していたのである。
そしてジオンのMSに比べRX-78は、その発展性や未来性をも容易に推測できる程のポテンシャルを秘めていた。
EXAMを搭載するMSは性能が高ければ高い程良い。
いや寧ろ、高くなければ折角のEXAMシステムが十分にその力を発揮できないのだ。
ここでの実験における不甲斐無い結果は、ある意味クルストの考えが正しかった事を証明したのである。
何せ敵は旧人類の共通の敵ニュータイプだ。
整った環境と潤沢な研究資金さえあれば、EXAM研究を完成させる場はジオンでも連邦でも構わないとクルストは考えていた。
「私の選択は、やはり正しかったのだ。
だがゼロめ・・・!NTめ!その名前、決して忘れんぞ!」
クルストはコンソールからデータチップを抜き取るとナカモトに、素早く眼で指示を出した。
それに頷いたナカモトは、待機中であるクロード・クローディア兄妹の搭乗している予備機の08-TX[EXAM]のシステムを、密かにBモードで起動する。
「な・・・何だこれは!?」
「お兄様!?身体が勝手に・・・ぐぅっ・・・!?」
突如勝手に動き始めた機体に驚く2人だったが、やがて先だってのニムバスと同様に脳内に止め処なく流れ込んで来る情報に身体が硬直し、常軌を逸したG、そして遠心力に振り回された挙句、2人ともやがて意識を喪失するに至った。
EXAMはまだ沈黙していなかった。ハマーンの苦痛により増幅された狂気のコントロールがこの2機により再開されたのである。
2機の08-TX[EXAM]はまず、眼下に展開している生身の警備隊員を文字通り、蹴散らした。
驚いて逃げ出す者には容赦なく携行しているマシンガンから実弾を浴びせ掛ける。
何が何だか判らぬままに味方である筈のMSに襲われた施設員達はパニックに陥り、その場はたちまち阿鼻叫喚の地獄絵図と化した。
Bモード、すなわち≪システム暴走≫である。
便宜的に暴走などという表現を使用してはいるが、これは操縦者による一切の入力を受け付けず、敵味方関係無しにシステムが停止するまで破壊と殺戮を行なわせる様に意図的に仕組まれたプログラムであった。
コントロールは不能だが、システムは苦痛を与え続けているハマーンと接続されている為、その戦闘力は驚異的なものになる。
これは、一時的に施設内を大混乱に陥らせる為にクルストとナカモトが共謀して仕掛けた『置き土産』であった。
「データ回収は完了した。行くぞ」
「お供いたします」
ここでやるべき事はもう無い。
既に狂った様に暴れ始めている2体の08-TX[EXAM]の対応と各所からの問い合わせに大わらわとなった研究室のスタッフに「すぐに戻る」と声を掛けてから、クルストはナカモトと共に研究室を急ぎ足で退出し、迅速に所定の場所に向かうのだった。
そして、彼らは二度と、ここへ戻る事は無かったのである。
-
失礼しました。今回の投下は本当に以上です。
-
ボヌスありがとうございます
>>1可愛いよ、>>1(*´Д`)ハァハァ/lァ/ヽァ
-
乙
何となくパトレイバーっぽくなってきたね
気のせいだと思うが
-
最近の展開は数箇所で同時に物語が進行していますので、場面ごとに書き進めています。
今後も予定よりも早く仕上がったパートは今回みたいな【分散投下】となる可能性があります。
混乱させてしまいましたら、申し訳ありません・・・or2
【まとめて投下】の方が読み易い様でしたら、そうしますが・・・
-
これはこれで勢いがあってOK
-
乙でするー
一文字でも多く、一秒でも早く読みたいので問題ありまへん
-
1乙
うんうん、問題ない
次々と当館しちゃってください
次回も期待してるよ
-
乙
-
少し前にシャアについて語っていた物の一人だが、1はシャア(全時代)についてどんな見解をお持ちかね??よかったら教えてくれ。
-
それは平文ではなく
作品で語ってもらえばいいんじゃないかな?
-
ここで描かれているのは「1st」のシャアだろ?俺が1に求めているのは「全時代」を通してのシャアの見解だよ。
1の人物描写は秀逸だから、是非とも聞いてみたい。
まー個人的な意見だし、気に入らなければスルーしてくれて構わないんだけどさ
-
まあまあ、少し落ち着いて。
そんなに声を荒げて二度も自己主張しなくてもいいじゃない。
そそられる話題なら誰かが自然とレスしたり、1も何かしら反応があるやもわからんのだから。
そのような際どい半要求的なのはやめとこうよ、俺は1が皆さんに軽くちょっとしたレスくれて物語を投下してくれるだけでじゅうぶんだよ。
たぶん他の皆さんもそうだろう。
いつ消えても問題ないその他大勢の我々と違って、1は立場があるのだから発言はし辛いんだからさ、そのあたりも気を利かせて少し気遣ってあげなよ。
-
>>1氏再び乙であります!
まさか続きがあったとは・・・・。
ありがとうございます!!
-
>>1乙乙
この調子でどんどん投下してくれると嬉しい。
あくまで個人的な意見だけど、今回気になった点がひとつだけ。
MS同士の戦闘で「タイマン勝負」って言うのは違和感があるかと……
-
お晩です。
皆様の応援に感謝します。
>>507-510
お気遣い感謝です。
えー、私、シャアに関しましては語り出しますと非常に長くなります上に
基本的にしゃべりたがりな人間ですので
このSSのかなりなネタバレを含んでしまう可能性が大です。
それと、私の言葉で皆様に植え付てしまう先入観が怖い。
ですのでここは、私からは何も語らず、SSのみ投下を続けた方が宜しいかと。
>>512
実はその表現、最後まで迷いましたw
取り急ぎ推参しました。
次回の投下はまた暫くお待ち下さい。
-
と、言う訳でただいま戻りました。
投下します。
-
クルスト・モーゼスによってEXAMの実験から実質的に閉め出された格好のナナイ・ミゲルは、ハンガーからアムロの搭乗した06R-3Sを送り出すと直ちに子供達の元に駆け付けていた。
今、彼女のいる食堂ではそれぞれに不安そうな表情を抱えた少年少女達が、暴れるMSの巻き起こす地響きで断続的に揺らされる食堂で恐ろしげに身を寄せ蹲っている。
地面から持ち上がり施設と中庭を二つに切り分けた分厚い特殊合金製の金網が張られた防壁。
しかし今その金網は、突如荒れ狂い出した2体のMSが激突した事によって大きく撓んでいる。
現在そのうちの1機とゼロ、いや「アムロ・レイ」の搭乗したMSは激しく交戦を繰り広げている。
先程の模擬戦で目の当たりにしたアムロの操縦技術は驚嘆に値するものだった。
しかし、アムロ機と戦っていない残りの一機は施設に対しての無差別破壊を継続している。
万が一、防壁が突破され、MSの攻撃に直接晒されたとしたら、この建物などひとたまりもないだろう。
そんな事になる前に、子供達を全て避難させる必要がある。
中庭に面した食堂で、鉄格子の嵌まった窓から外の様子を見ていたナナイは遂に決断した。
「ミハル、ララァ。今から言う事を良く聞いて欲しいの」
「なに?」「・・・」
脱出の準備を整える為にドアンが不在の今、全てを話し協力を求められるのは年長者のこの二人しかいない。
しかしナナイは、いかにも機転の利きそうなミハルの瞳と思慮深く落ち着いたララァの双眸を見て、何故だか奇妙な安心感を覚えるのだった。
「今、ドアンがあなた達をここから脱出させる準備を整えています。
彼が戻って来るまでに施設の中にいる子供達を一人残らずここに集めておきたいの」
その思いがけないナナイの言葉に、驚いて顔を見合わせるミハルとララァ。
だがすぐに状況を察したミハルは明るい表情に変わり、決意を込めた視線で向き直った。
「判った。ここにいない子供達を、手分けして連れて来ればいいんだね?」
すぐにミハルはその場にいる子供の数を数え、足りない人数は3人で名前はケンとジャックとマリーだとナナイに告げる。
「ナナイさんはそっちのドアから出て遊技室とトイレを回ってみて。
ケンとジャックは多分遊技室にいると思うんだ。
マリーは恐いとトイレに長く閉じこもるクセがあるから」
ナナイはミハルがここ数日の間に、約50名もいる子供達の顔と名前、それどころか行動パターンまで把握してしまっている事に驚いた。
22歳の自分より、遙かにしっかりしているのでは無いだろうかと彼女は密かに焦りを感じる。
「ジル。ミリーとここの子供達を頼むよ。みんなおとなしく待っているんだ、いいね」
「わかった」「うん」
ミハルの指示に、彼女の弟と妹は素直に頷く。
-
「ナナイさん。あたし達は念の為にあっちのドアから出て寮室の方を手分けして見て来るよ。ララァ、行こう!」
「気をつけてね!あ、でも無理はしないで!危ないと感じたらすぐに戻るのよ!」
ナナイの言葉に手を挙げて答えたミハルはララァを伴い食堂を抜け、施設員が慌ただしく行き交う大きな通路に出た。
通常なら警備員が監視の目を光らせている筈だったが、非常事態の現在、二人の少女の行動を咎めだてする者は皆無である。
どうやら暴れているMSの対応に全ての保安人員が刈り出されている様だ。
急いで二手に分かれ、寮室をチェックし終えた2人は合流し、互いに誰も残っていなかった事を確認する。
子供達のいる食堂に戻ろうとしたミハルの袖を、ララァが引っ張ったのはその時だった。
「3人は、ミハルの言う通りの所にいたのよ。子供達はナナイに任せておけば大丈夫。
私達は、ハマーンを助けに行きましょう」
思いがけないララァの提案にミハルは驚く。
「ハマーンの居場所が判るの?」
「彼女はずっと泣いているわ。でも今なら助け出せる」
ミハルを見つめるララァの澄んだ眼差しに偽りは微塵も無い。
そこにいない誰かと会話し、遠くの物を見る事のできるララァの不思議な能力を何度も目の当たりにしているミハルは彼女の言う事を疑わなかった。
そしてララァは、決して嘘を吐いたり人を騙したりする人間ではないという事も、心得ている。
無理矢理連れ去られたハマーンの事をずっと気にかけていたミハルは、大きく頷いた。
「うん、行こう。ハマーンを助けに!」
ララァの先導で通路を走り出した2人の横を、大量の書類を抱えて慌しく行き交う所員や、大小さまざまな大きさのコンテナを台車に載せた男達が急ぎ足で擦れ違って行く。
その誰もが2人の少女に一度は目を向けるものの、そのまま通り過ぎて行くのみだ。
保安要員では無い研究者達は厄介事を嫌い、皆自分と自分の抱えたデータの避難を優先させていた為だった。
一瞬彼等に眼を向けたララァだったがすぐに前方に向き直り、ぎゅっと眉根を寄せた眼差しで口元を引き締めた。
「身近にある人の死に感応した頭痛」が先程からまた一段と強く、ララァを襲い始めている。
だが、今はそれに構っている場合では無いのだと彼女は必死にその痛みに耐えていたのである。
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ララァの誘導はまるで建物の内部構造を知り尽くしているかの如く一切の迷いというものが無かった。
やがて通路を駆け抜け何階層もの階段を駆け下りた2人は、遂に誰に妨害される事も無いまま、施設の深部に足を踏み入れる事ができたのだった。
警報は、鳴らない。
彼女達の姿は監視室のモニターに映し出されていたが、本来その部屋にいなければならない筈の監視員が不在だったからである。
しかしその時、前を行くララァの様子がおかしい事にミハルは気が付いた。
見る間にララァの動きは鈍り、遂にはよろよろと壁にもたれ掛かるとそのまま片手で側頭部を押さえ、しゃがみ込んでしまったのである。
「ララァ!あなた、また頭痛が・・・!」
くず折れたララァに駆け寄るミハルの耳に、曲がり角の向こうからこちらに向けて早足で歩き来る複数の足音が聞えて来た。
ここで見つかるのは流石にまずい。ミハルは動けなくなっているララァを抱え、足音が近付いて来る方向を鋭く睨み付けた―――
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今回の投下は、ここまでですー
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最高!!さいこーだよ!!!!
1、あんたの小説は最高だ!!!!
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>>1乙!
良いところで切るねー
続きが気になる
レス表示順が変わってて一瞬混乱したw
携帯だけかな
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乙。
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12月は暇だからこれから更新スピードが増えそうで楽しみ
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12月が暇だってそんなこと言ってたか?
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普通の会社なら11月の半ばには年末調整が終わって暇になるからそう推測しただけだ。
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半端な憶測は語るもんじゃないよ
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NTかも知れないだろ
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普通の会社、ではなくあなたの知っている会社、が暇になるだけなのでその点注意した方がいい。
年末忙しい業界も有るヾ('A`*)ノ゛
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1乙
みんな世間ズレしてんなあ(笑)
会社云々以前にも忘年会、クリスマス等々、忙しなくなるだろ普通
12月が暇とかどんな人種よ?
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huhuhu
お酒の業界とか年末に向けて死ねるぜw
今年は景気悪くて死ねるけどw
皆の衆、年末は日本酒を・・・ぐふっ
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普通の会社ってどんな会社なの?
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>>530
これ以上はスレチになると思う・・・が。
逆に貴方の考える普通ってなんだ。
一部上場とか言うなよw
12月は一般的には全ての消費が大きいので
メーカー、流通、小売は忙しいと思われます。
上記の業界はニッパチと申しまして2月と8月は暇っすわ。
閑話休題
アムロが最近活躍してなかったので、ものっそいカタストロフィを感じます。
色々壊れそうな狂いそうな切ないハマーン(少女)はきっとアムロがそっと抱きしめて
あげるんだろうなと妄想しながら非常に続きが待ち遠しい。
上のほうでシャア談義があったけど、わしはそこまでシャアに思い入れがないのよねん。
スペックはすげえええええええと思うんだけどね。
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もうリアルの話はいいから
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せっかく楽しみに見に来てるんだからそんな野暮な話やめましょうぜ!
仕事とか本気でテンション落ちるんで。
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つまり仕事してないわたry
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仕事はしているが、趣味の時間にまで仕事の話をしたいとは思わないな
>>1乙
続き楽しみにしてます
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お仕事不景気だよ!
秋以降だだ悪だよ!
ここのssが心の支えだわ
業績の支えにはならないけどな!
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三連休、休日出勤の俺がきましたよ。
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>>536
仕事あるだけいいよ…
でも休日手当は貰ってるよな?
(´・ω・`)景気なんか最近一気に悪いお…
アムロがHERMESとかサイコミュ搭載に乗ると凄そう
戦局まではむりかにゃー
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>>536-538
黙れって
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無職だと仕事の話がきついのはわかる
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しかしクルスト博士の亡命は成功するのかね?
なんか失敗しそうな雰囲気だけど。
でも亡命してくれないと、BD開発できないからなぁ……
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ところでみんな何の仕事してるの?
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>>542
スレ違いだ
失せろ
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>>543
そうとんがるなよw
しかしBDが開発されなくても歴史には影響ないよな?
せいぜいユウ・カジマの特殊な戦闘経験が蓄積されないくらいで。
どこいっても活躍するだろうしね。彼。
・・・使いまわされるなら意外とユング(だっけか)を押さえて
撃墜スコアのトップにだって・・・さすがに無理かなあ
ヤザンあたりが撃墜王だろうか。
それともバニング?
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>>544
すまんな。>>539で黙れって言われてなお話をする池沼がいたからな。
BDはどっちかというと裏の歴史っぽいからなぁ。影響はないと思われる
精々逆シャアでの彼の台詞に影響があるくらいか…
ユングっていうとキチガイ将軍しか思い出せないorz
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>>545
むしろジャコビニ流星アタックのおっぱいが浮かんだ
撃墜王…。
やっぱヤザンかなあ。
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ヤザンかぁ
彼の転落人生は半端じゃないw
結局最後はどうなったんだろ
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ZZの小説版であの後が描写されてる聞いたことがある
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>>548
ゲモンと砂漠で暮らしたってヤツか?
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だからZZは大嫌いなんだ。
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しかし、考えてみたこともなかったけど、ミハルとララァって
確かに仲良くなれそうだよなあ。
不幸に負けないタフさを持った、タイプの違う二人。
この二人と同時に出すと、ハマーン様のお嬢ぶりが際立つと
いうのも粋な演出だ。
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ただいま戻りました。
ちょい短いですが、一発投下しておきますー
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新たに攻撃を仕掛けて来た08-TX[EXAM]からは、先程の少女の気配が感じられない。
鋭く繰り出されて来るヒートソードをビームナギナタで払いながらアムロはそれを訝しんでいた。
恐らく彼女の身体に加えられている苦痛が、外部とのコンタクトを阻害しているのだろう。
つまりはそれ程までに彼女は追い詰められているのだという事を意味する。
どうする。どうすれば彼女を、みんなを助けられる。
アムロは焦るが、目の前のMSはこちらの逡巡によって生まれる隙を見逃してくれそうも無い。
そして最初は気のせいかとも思ったが、今アムロは確信している。
自らの操縦する06R-3Sの追従能力が低下して来ている事を。
何より関節の動きにラグが出始めている。
この事態は重力下においてアムロの瞬発機動が、MSの関節部分に多大な負荷を掛け過ぎてしまった事によって起こったものだった。
恐らくNT用に反応速度を強化した06R-3Sでなければオーバーヒートを引き起こしていた事だろう。
もともと急遽チューンUPされた06R-3Sは長時間の稼働を想定されていないアンバランスな機体である。
これは、反応速度強化に合わせた関節部分の強化がされていなかった06R-3SというMSに起こるべくして起こったトラブルと言えた。
このゴリゴリした振動と軋み、これは流体パルスシステムで駆動するアクチュエーター内部に亀裂が無数に走り、磨耗して剥がれ落ちた微小な内材が更に内部を傷付け動きを悪くしているのだとアムロは看破する。
しかし泣き言を言っても始まらない。
今は一刻も早く目前の1機を片付け、無差別に荒れ狂い、防壁に突進を掛けている残りの1機を打ち倒すしかないのである。
アムロは、自分自身が逃げ出す事など一切考えていなかった。
パイロットスーツの中で認識票と共に胸にぶら下がった銛のペンダントが、カチャリと微かな音を立てる。
それは、アムロを守り抜いて命を落としたヴェルナー・ホルバイン少尉の形見であった。
アムロは一瞬だけ胸元に誇らしげな表情を見せると、敵MSの繰り出して来る凄まじい斬撃をまたもや鮮やかに弾き返した。
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ワンシーン投下完了です。
今回の投下は、ここまでです。
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>>554
乙なんだぜ!
NTチューンのゲルググでもアムロの動きについてこれないのか・・・。
これは正直能力を最大限に発揮する期待に困らざるをえない・・・。
ガンダムの優秀さが分かりますなあ。
基礎スペックがものっそいんだろうねえ。
メイドインジャパンに違いないwww
次回も楽しみにしてますよー
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おつ!
このゲルググってマグネット・コーティングされてるんだっけ?
だとしたらアムロどんだけチートだよ。
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>>1乙!
アムロの能力に付いてこれるMSは、現時点じゃあやっぱりガンダムしかないのか……
>>556
MC化されてないんじゃない?
というかまだMCの技術はジオンには無い気がする。
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1乙。
1stでもM.Cしてないガンダムでオーバーヒート気味だったでしょ、ガンダムでも無理。
しかもあれは宇宙空間なので重力がない分、可動部への負荷がいくらか少ないはず。
ゲルググでやっとスペック上はガンダムに追いついたって話だけど超鋼スティールだし、ガンダムは軽く硬いルナチタってのもあるしどうだかね。
むしろまだもってるこの試作ゲルググが優秀なくらいだ。
-
乙
MS-06R-3Sをググってみたが、なんとも微妙な機体だな
型番が示す通り、機体の完成度はゲルググの皮を被った高機動ザクってとこだろう
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1乙!
マグネット・コーティングされてないガンダムじゃ本格的に覚醒したアムロにはついて行けてなかったな。
ブライトさんは油を差すような物って言うけど、マグネット・コーティングって急場しのぎであっという間にガンダムをアムロに対応させたんだから、
とんでもないチート技術だよなw
モスク・ハン博士マジパネエ
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モスク・ハン博士ってファーストの後どうなったんだろうか
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Z時代のMSってマグネットコーティングは標準装備だっけ?
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>>562
全部が全部って訳じゃない。
ただ、可変型は標準装備。
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そうだったのか。Ζの時代はアムロもシャアも弱くみえるが、MSの性能が拮抗していたのもあるんだろうな。
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流体パルス駆動にMCって施工不可能じゃなかったっけ?
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ムーバルフレームとは一体なんだったのか
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ポセイダル軍とティターンズが裏取引したんだろ
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>>566
なんというオーバーテクノロジー…w
なるほど、サイコガンダムあたりをマクトミンが駆ると
無双すぎそうだw
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>>568
あのオカマはニュータイプでも強化人間でもないから無理。
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ダイクン家、カーウィン家に続きこれでカーン家の令嬢が陥落か。
アムロ将来は、島耕作みたいになる気がしてきた。
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>>569
次はザビ家だな
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>>571
ザビ家というと・・・あの紫ババ・・・ゲフンゲフン・・・キシリア=ザビお姉さまですね!!
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>>570
サハリン家は・・・さすがに無理ですよねorz
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>>572
いやいや、今は亡きドズル閣下の遺児のミネバ・ザビさまでしょう。
で、後年ギュネイとクェスの掛け合わせがあったとしたら、当時オムツも取れてない子に手を出したロリコンと言われるんでしょうよ。
キシリア閣下は艦橋ごとロケットランチャーで首チョンパ系の仕事が・・・あったっけ?
>>573
なに、その寝取られナチュラルならぬ、寝取られオールドタイプな展開
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キシリア様ディスってんの?
当時28歳くらいじゃなかったか。
全然いけるじゃねーか。
むしろあの声だけで3杯はいける
キシリア様「ひざまづけっ!」
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>>575
それは無理メン
-
オリジンを見ろよ。若い頃のキシリア様は美しかったんだぞ
-
あまりにハーレムが過ぎると目も当てられない状況になるからあまりやって欲しくないんだがなぁ
-
ハーレムではない。
出会う女子をことごとく陥落させてしまうほど魅力がある
だけのこと…。
魅力なくしてなんの主人公か!
だからキシリア様をだな…
-
キシリアなんかまた頭ぶっとばされて終わりでしょ
そんでギレンがオーバーテクノロジーなモビルアーマーに搭乗して次々と仲間が撃墜されてくんだよ
で最後にアムロがぎりぎり勝ってハッピーエンドだよ
-
>>575
紫ババアは当時たしか24歳
-
ぶっちゃけ、俺キシリア様とヤレるよ
-
24歳といえば新卒OL二年目くらいか…
ありだな
-
1stの登場人物は+10歳にするとリアルだな
-
昔、コロニー生活は過酷なため、実年齢より老けて見える、なんてネタがあったなぁ。
-
お晩です。
キシリア様と言えば、沖一さんのマンガの彼女が美しかったですねー
でもまあ一応、このSSのキャラ像は「ギレンの野望」準拠なんですが・・・
投下します。
-
「一体どうなっているんだ!クルスト博士が所在不明とは!?」
「俺達だけではどうにもならん。実験の続行はこれ以上不可能だ」
「お、おい!システムは稼働中なんだぞ、ハマーン・カーンはあのまま放っておいて良いのか!?」
「稼働中?暴走中の間違いだろう?アレはもう制御不能だ」
「クルスト博士とナカモトはデータと共に姿を消したんだ。
俺達は、もしかしたらとんでもない貧乏クジを引かされたのかも知れんぞ」
戸惑いと怒りの口調を隠しもせず大声で言い争いながら、白衣を着た数人の研究員が低く積まれた資材の前をバタバタと足早に通り過ぎ、脇目もふらずに階段を駆け上ってゆく。
余裕の無い男達は資材の陰にララァ・スンを庇う様に抱えたミハル・ラトキエが身を竦ませて縮こまっていた事など、気付きもしなかった。
男達の足音が完全に消えた事を確かめると、ミハルはようやく大きく息を吐き出し身体を起こす事ができた。
「奴ら、確かにハマーンの名前を口にしてた。間違いない、ハマーンはこの先にいるんだ」
依然、心臓は跳ね身体は小刻みに震えているが、こんな所で挫けてはいられないと彼女は気力を奮い立たせる。
「ミハル・・・」
「ララァ!気がついたの?」
苦しそうに身を起こすララァの顔をミハルは心配そうに覗き込む。
「ごめんなさい。ひどい頭痛で身体が・・・」
「頑張ってララァ、ほら、あたしが支えてあげるから!」
急いで肩を貸そうとしたミハルをしかし、ララァはやんわりと首を振って拒絶した。
「ここからは、ミハルが一人で行くのよ。そして、ハマーンを救ってあげて欲しいの」
「えっ!?ララァは?ど、どうして私一人で、なの?」
驚いて聞き返すミハルにララァは澄んだ瞳を向けた。
「今の私が一緒にいたら、足手まといになってしまうだけ。
でも、あなたが行かなければハマーンを救えない」
「??」
「あなたがいないとハマーンは・・・例え助け出されたとしても救われない・・・
私はここに隠れていれば平気。もう行って。詳しく話して・・・いる時間・・・は、無いのよ・・・」
再び強い痛みが襲うのかララァは苦しげにそう言いながらミハルを自分から引き離す。
弱々しい力ながらも力強い意志で押し退けられたミハルは戸惑うばかりだった。
-
「で、でも、やっぱりララァをこんな所に置いて行くなんてできないよ・・・!
それに、ハマーンを助けると言ったって、ララァがいてくれなきゃ、あたし、どうしたら良いのか・・・」
「らしくないわ、ミハル」
自信なさげなミハルにララァは微笑む。
「大丈夫。あなたらしく行動すれば、ハマーンも、あなたも、子供達も、私もナナイもドアンも・・・きっと全てが上手く行くから」
ララァはきらきらとした目でミハルを見つめている。
しかし、その自信たっぷりな眼差しに答えられる根拠を自分の中に見出す事ができないミハルは思わず泣き出したくなってしまった。
不思議な能力に恵まれたララァと違い、自分は特殊な能力など持たない唯の人間なのだ。
「私、ハマーンに話し掛けてみるわ。彼女の心に力を貸せば、彼女はきっと囚われている檻を中から開ける事が出来る。後はあなたが・・・!」
ララァは強い期待を込めた瞳をミハルに向けている。
ミハルは正直ララァのやろうとしている事は良く判らなかった。しかし、信頼する友達がここまで自分を頼りにしてくれている。
そう思うと胸の中に、じんと暖かいものが広がって来る。
「ララァ・・・判ったよ。必ずハマーンを助け出してここに戻って来る」
一転、覚悟を決めたミハルは笑顔を見せた。
何の事は無い。ララァを信じていたからこそ、ここまで無事に来れたのである。
そのララァが≪全て上手く行く≫と言ってくれた。考えてみれば最初から悩む必要など無かったのだ。
吹っ切れた途端に活力が湧いて、ミハルは勢い良く立ち上がる事が出来た。
もう足は震えていない。こうなった時の彼女は怖い物無しである。
運命に身を任せ、流されるままに人生を過ごして来たララァは、そんなミハルを眩しそうに見上げている。
運命に≪逆らう≫のではなく≪切り開く≫。なんという素晴らしい生き方なのだろう。
前向きなバイタリティは、周囲の人間にも少なからずアクティブな影響を与える。
それはNTすら例外ではない。
ララァも、もし相手がミハルでなかったら、ハマーンを助けに行こう等とは提案しなかったかも知れないのだ。
すぐに戻るからねと言い残し、ララァの示した方角へミハルは急いで走り去った。
ララァは彼女の消えた方向をしばらく見つめた後に、再び身を横たえると少しだけ寂しそうに目を閉じた。
運命の歯車が切り替わり力強く回り始めた事を、今は彼女だけが確信していたのである。
-
ララァ・スンの指し示した通路の突き当りには大掛りな研究施設があり、その最深部にはカプセル状の装置が設置されていた。
装置の稼働音は聞えているが、人影は全く見当たらない。
やはり先程の研究員達が話していた通り、全ての人員が逃げ出してしまったのだろう。
ドアのロックを始め、全てのセキュリティが解除されていた為、迷う事無くこの場所に辿り着いたミハル・ラトキエはあたりを見回すと、数多く並ぶモニターの一つに釘付けになってしまった。
「・・・・・・ハマーン!!」
押し殺した悲鳴に似た声が、両掌を口に押し当てたミハルの口から漏れ出た。
それは恐らくカプセル内部を映し出しているモニターであり、無数のチューブに埋もれ、苦しげに瞑目して横たわる少女の顔が映し出されていたのである。
蒼白いライトに照らし出されたその顔は、ハマーン・カーンその人であった。
ミハルは急いでカプセルに駆け寄ると小さな窓に張り付く様にして中を覗き込む。
ちらりと特徴的な彼女の髪が見えた。確かにこの中にハマーンがいるのだ。
「こんな女の子に、なんて酷い事を・・・!」
一旦カプセルから離れたミハルはコンソールに近付くが、迂闊に操作する事はさすがに思い止まざるを得なかった。
びっしりとパネルに並ぶボタンやスイッチ類を下手にいじればカプセル内のハマーンにどんな事が起こるか判らないからである。
しかしその時、途方に暮れているミハルの後ろで一つのモニターがハマーンの脳波変化を感知した。
4〜8Hzから8〜13Hzの脳波律動に変わったのである。
つまりハマーンは、眼を覚ましつつあるのだ。これはシステム的には想定外の非常事態といえた。
自動的にセーフティが働いて、プログラムを強制終了させる。演出されていたシステム暴走は、ミハルの目前で唐突に終わりを迎えたのだった。
被験者の覚醒を感知して突如けたたましく鳴り響いたアラートの中、目の前でゆっくりと開いて行くカプセルカバーを、ミハルはただ茫然と見つめるしか無かった。
-
眼を開いたハマーンの前には、泣き笑い顔のミハルがいた。
何の邪心も企みも無くハマーンの名を呼び、ただ一心にこちらの無事を喜んで涙を流している人が目の前にいる。
今のハマーンには、それが判る。
この女性(ひと)は、何の見返りを望む事も無く、危険を顧みずこんな場所まで来てくれたのだ。
ハマーンは体に纏わりついたチューブを払い除けて身体を起こし、カプセルを覗き込む様に屈んでいたミハルに抱き付いた。
弾みに身体に差し込まれていた電極が次々と抜け落ちてゆく。
「ハマーン・・・良かった・・・!」
「怖い夢の中で泣いていたら・・・ララァに逢ったの・・・」
「ララァに?」
「がんばれって・・・負けないで一緒に戦おうって・・・・・・!」
ミハルは目を閉じたままハマーンを抱き締め、今ここにはいない友達を想った。
『私、ハマーンに話し掛けてみるわ。彼女の心に力を貸せば、彼女はきっと囚われている檻を中から開ける事が出来る。後はあなたが・・・!』
ララァは約束通り、言った通りの事をやってくれたのだ。
彼女の助けがあったからこそハマーンはこのカプセルから自力で抜け出す事ができたのだろう。
今度は、自分が役目を果たす番だ。
「行こうハマーン、みんなの所へ」
ミハルはそう言いながら近くに脱ぎ捨ててあった白衣をハマーンに羽織らせると、慎重にカプセルから降り立たせた。
体力と精神力を限界まで酷使したハマーンの足取りはおぼつかないが、ミハルは小柄なハマーンに肩を貸し、急いで出口のドアに向かおうとする。
彼女達の前に、手に手に小銃を携えた男達が立ちはだかったのは、その時だった―――
-
今回の投下は、ここまでです。
-
乙なんだぜ
またもとんでもないとこで引きか…
ハマーンが少しでも癒されてよかったす
次回も楽しみにしてますよー
-
>>580
それなんて長谷川ガンダム?
-
1乙
まずいねえ。
やはり誰か犠牲になってしまうような危うい展開になってきたぞ。
-
乙
-
身体に差し込まれていた電極ってどこにどうやって差し込んでいたんだ。
エロスを感じたオレは死んだほうがいいかもしれないorz
-
銃を持った男達ってクランプ達かな?
続き 早く頼んます!
-
いや、グールのその他どうでもいい名無し戦闘員?みたいのじゃねーのかい?
やっぱりヤバいだろ
-
ただいま戻りました。
それでは投下しますー
-
ミハルとハマーンの前に立ち塞がった男達の先頭にいるリーダーらしき男は鮮やかな赤いパイロットスーツを着込み、奇妙な仮面を付けたヘルメットを被っている。
その男はこちらに銃を向けていた部下に命じ、全ての銃口を下げさせた。
「失礼だが、ハマーン・カーン嬢とお見受けする」
物騒な出で立ちからは想像できない程の丁寧な物言いに二人の少女は顔を見交わす。
ハマーンは慎重に仮面の男に向き直り口を開いた。
「いかにも。私がハマーンだ」
いつもの強気な物言いで答えたハマーンは、心中で語尾が震えてしまったのを悔やんだ。
それを察知したのか仮面の男はふと口元を緩めてから、何と彼女に向けて敬礼したのである。
「ご無礼をお許し下さい。私はシャア・アズナブル大佐であります。
マハラジャ・カーン提督から極秘でハマーン様を保護するよう申しつかり参上致しました」
「何!?お父様が?」
と、その時、戸惑う少女の前にシャアの両脇から無言で進み出たクランプとコズンが、支え合って立っている状態のミハルとハマーンを引き離したのである。
「な、何をする!?」
「ハマーン!」
狼狽したハマーンとミハルは同時に声を上げるが男達は全く意に介す素振りも見せない。
「時間がありません。我々は急ぎここから脱出します。ご同行を」
「待ってくれ!今この施設では子供達を脱出させる為に必死で戦っている者達がいるんだ。
彼らに協力して皆の脱出をサポートをして欲しい!」
しかしハマーンの必死の呼び掛けを、仮面の男は冷たく跳ね返したのである。
「残念ですが、それは応じかねます」
「な、何故だ!?あなた達の協力があれば、きっとみんなの脱出は成功するのに!?」
「我々のこの行動は非合法なものです。ハマーン様を秘密理にお連れする為に、目立つ行為は極力避けねばなりません」
「そんな!で、ではここにいる子供達はどうなる!?」
EXAMを介してのアムロやララァとの共振による邂逅で、以前に比べNTであるハマーンの直感力は数段高まっていた。
シャアはハマーンに対し、あえて脱出後この施設を、ここにいる子供達ごと吹き飛ばして証拠隠滅する作戦である事を伏せていた。
が、彼女はシャアの物腰から不吉な企みを感じ取ったのである。
青ざめたハマーンの問いに、ハマーンをミハルから引き離したクランプが強い口調で叫んだ。
「全てはマハラジャ様との約束、そしてハマーン様の安全が優先されるのです!」
「いやだ!離せぇっ!みんなを犠牲にして私だけ逃げ出すなんて絶対に嫌だっ!!」
「・・・お連れしろ」
「いやだ!いやだ!ミハル―――ッ!!!」
「何て情けない男達なんだろうねっ!!」
唐突に上がった怒りの絶叫に、その場の時間は凍り付いたように止まった。
泣き叫んでいたハマーンもその迫力に思わず涙を忘れる程だった。
声の主はコズンに腕を捕まれたままのミハルであった。
-
「手をお放しよ!ハマーンみたいなか弱い女の子を泣かせるなんて、あんたらそれでも男かい!?」
ミハルは拘束された腕をそのままにあたりをぐるりと見回す。
「自分のやってる事、みっともないとは思わないのかい!?」
任務の為と割り切ってはいたが、実は今回の作戦には誰もが負い目を感じている。
少女の糾弾は男達の抱える急所を鋭く抉ったのである。
自分が腕を掴んでいるそばかす顔の少女に真正面から睨み付けられ、直球の詰問をぶつけられたコズンは思わず視線を逸らしかけた。
この場にバーニィがいなくて本当に良かったと彼はばつが悪そうに渋面を作るのが精一杯だった。
相手は武装した屈強な兵士なのだ、下手に逆らえば何をされるか判らない。が、ミハルは目の前の情けない男共に怒りをぶつけずにはおれなかった。
ララァの言葉を借りるなら、これこそがまさに彼女らしい行動であったのである。
「そこの仮面を付けた赤い男!」
「・・・私の事かな」
びしりと指差され名指しされたシャアは渋々答える。真っ直ぐな瞳で自分を見つめるこの少女から、何故か眼を逸らす事ができない。
「そうさ!あんた、仮面を付けた赤い男は子供達のヒーローだって事、知らないのかい!?」
「初耳だな」
「それじゃ教えてあげるよ。赤ずくめの服を着て仮面で正体を隠した男は大昔から【正義の味方】って事になってるんだ!」
ミハルの言葉にその瞬間、その場にいる男達の脳裏に子供の頃に胸躍らせたTVヒーローの姿が鮮やかに甦った。
戦争が始まる前までコロニーも地球も分け隔てなく放映されていたその番組は、超長寿シリーズを誇り、どんな世代でも必ずその子供時代に合わせたヒーローが存在しているという稀有な例であった。
当然、ここにいる男達は全てその洗礼を受けている。それは、幼き頃よりコロニーと地球を渡り歩いた経験を持つシャアすら例外ではなかった。
確かに、その歴代シリーズにおいて赤いコスチュームを身に付けた男はすべからくヒーローチームのリーダーだった。
「私だって現実の世界は子供番組みたいに単純じゃない事は判ってるさ!
でも、力の限り弱きを助け、悪しきを挫く!
それが子供達に見せ付けてやるべき大人の姿じゃないのかい!?」
しかしミハルの言葉にシャアは冷笑で答えた。
「あんなリアルではない物と一緒にされては迷惑だな」
「リアルじゃない?」
「無償で戦う正義の戦士か?下らんな。そんな酔狂な人間が現実にいる筈は無い!」
指導者だった父親が謀殺され、命からがらザビ家の追っ手から妹と共に地球まで落ち延びた過去を持つシャアである。
その荒んだ境遇の中でシャアは、この世に弱き者の為に身を捨てて戦う正義の味方なぞ存在しない事を身に染みて思い知ったのだった。
存在しないヒーローに頼る事はできない。
だから彼は世間一般の子供に許される甘えを捨て、幼きながら修羅の道を歩き始めた。
そうせねば生きていけなかった。
シャアもまたハマーンと同様、いかなる子供よりも早く大人にならねばならなかったのである。
しかし―――
「いいや、いるね!」
「ふざけるな!そんな人間がどこに存在すると言うのだ!」
あっけなく自信満々に答えたミハルにシャアが激昂した。
それはある意味シャアの人生訓の否定だった。取るに足りない小娘の言葉としても聞き捨てならない。
普段シニカルに構え、沈着冷静で心情を滅多に表に出さないシャアがこの娘には完全に冷静さを欠いている。
-
「おいお前、いい加減に・・・」
明らかな異常事態にコズンがミハルを黙らせようと声を掛ける。
が、その瞬間、クランプがコズンを鋭く眼で制した為に彼はそれ以上言葉を継ぐ事ができなくなってしまった。
驚くコズンにクランプは『言わせろ』と目で言っている。
クランプが何がしかを期待した目を少女に向けている事を確認したコズンは微かに頷くと、そのまま2人のやり取りを見物する事にした。
「ドアンがそうさ!」
「ドアンだと?」
「ククルス・ドアン。今もあたし達を助ける為に頑張ってくれているんだ」
誇らしげに彼の名前を呼んだミハルに憧憬と少々の寂しさが入り混じっているのを感じ取ったハマーンは、複雑な顔で彼女を見つめた。
しかしシャアはそんなミハルを見て可笑しそうに唇を歪める。
「その男にはお前達を助ける何らかの理由があるのだ。無償でなどあるものか」
「何だって?」
「そのドアンとやらが軍人ならば恐らくは金か地位・・・危険に見合った報酬が約束されている筈だ。何の見返りも無く、人は動かんさ」
しかしミハルはそう嘯いたシャアに憐れみを含んだ視線を投げ掛ける。
「・・・可哀想に。そういう風にしか考えられないなんて、よっぽど辛い生き方をして来たんだろうね。でも世の中にはそうじゃない人だっているんだよ」
「買い被らないでくれミハル。報酬はある」
通路側、一同の後ろから突然掛けられた声に全員が振り返り一斉に銃を向ける。
ミハルの言葉に何かを言い返しかけたシャアが視線を向けた先には大柄な体格の男が、上げた両掌をこちらに向けて静かに立っていた。
「贖罪。それが俺の報酬だ」
「ドアン!逃げて!」
「ドアンだと?この男がか・・・」
脱出準備を整えてナナイの元に戻ったドアンはミハルとララァが帰っていない事を聞き、まさかと思いつつもこの場所へ赴いた。
彼が駆け付けた時は彼女達は兵士の一団に取り囲まれた状態であり、単独での突入は不可能の状態であった為、通路の影に身を隠してシャアとミハルのやり取りを聞いていたのである。
「どうやら大佐殿にも何やら事情がおありの御様子。お互いに余計な時間を使わず、ここは穏便に事を済ませることは望めないでしょうか?」
武装した集団の前に身一つで歩き出るには生半可な度胸が必要なだけでは無く、タイミングも重要だ。
この大男は少女と自分の言い争いによって兵士達の殺気が殺がれた瞬間を見計らって姿を現したのだろうとシャアは機敏な男の動きに舌を巻いた。
対峙するドアンとシャアを中心に緊迫した空気が一同に張り付いた瞬間、外部の様子を映し出しているモニターに膝から崩れ落ちたMSが映し出された。
「ああっ!危ないアムロ!」
それを目にして思わず叫んだハマーンに、その場の兵士達全員が振り返った。
-
「アムロですって!?もしかして、あのMSを操縦しているのはアムロ・レイなんですかい!?」
「そう、そうだ。アムロも私達の為に戦ってくれているんだ!お願いだ、アムロを助けてくれ!」
コズンの言葉にすがり付くようにハマーンが哀願する。
全員の視線がシャアに集中する。クランプが思い切ってシャアを促した。
「大佐。アムロ救出は我々の初期目標だった筈です。予定を変更する旨、バーニィに連絡を取って宜しいですな?」
「・・・止むを得ん。予定を変更する」
シャアはゆっくりと兵士の間をすり抜けてドアンに近付き、その顔をまじまじと見回した。
「貴様とは初めてでは無いな?」
「覚えておられましたか。嵐の海で一度お会い致しました」
ふむとシャアはドアンとの邂逅を思い出す。あの時シャアは真実の顛末を聞きだす為にフォルケッシャー船長ではなく、わざわざ後方に控えていたドアンを聴取したのだ。
つまりドアンは嘘を吐けない人間だという事を、シャアに初見で看破されていたのである。
「貴様の階級と目的を簡潔に述べよ」
「戦略情報部所属、ククルス・ドアン少尉であります。
私はこれよりジオン軍を脱走し、この施設の地下ドックに係留されている潜水艦に子供達全員を乗せ、しかるべき安全な島まで運んだ後、暫時隠遁する所存であります」
「計画の進捗具合はどうか」
「この2人と途中で潜伏していた1名を連れて戻れば全て完了であります」
ミハルはハッとした。ドアンはここに来るまでにララァを見つけていたのだ。
「計画の変更を要請する。このハマーン・カーンは我等と共に行く。これは彼女の父親からの依頼である。彼女の安全は赤い彗星の名において保障しよう。
計画変更受諾の場合、我々は貴様の計画に協力する用意がある。そうでない場合は」
「了解しました。今は大佐殿のご事情を詮索するつもりはありません。
ジオンきってのエースである赤い彗星を信用致します。ハマーンの事を宜しくお願いします」
敬礼を向けたドアンを見て、やったぜと小さく叫びながらコズンは通信機に手を伸ばす。クランプはハマーンの腕を放しホッとしたように天井を見上げている。
ミハルはハマーンともう一度抱き合い、その目を後方に立つシャアに向けた。
シャアも無言でミハルを見つめている。
あまりにも境遇の違う二人の男女は、暫しそのままの姿勢で向き合った。
「くそっ!駄目か!」
膝から崩れ落ちた06R-3Sのコックピットでアムロは痛恨の声を絞り出した。
対峙していた一体の08-TX[EXAM]の動きが突然鈍ったのを見逃さず、何とか無力化する事ができたが、同時に試作型ゲルググの右膝が完全に破損してしまったのだ。
重力下において下肢の破損はそのMSの無力化を意味する。06R-3Sはもう戦闘不能だった。
しかし動きは鈍ったもののまだ一機の08-TX[EXAM]が破壊活動を継続している。
施設を守る防壁は今や紙の様に折れ曲がり、MSの攻撃は建物に及ぼうとしているのに、アムロはそれを止める事が出来ない自分に毒づいたのだった。
しかし、その時であった。外部からの通信を示すシグナルがコックピットに響き渡ったのである。
「応答せよ!アムロ、聞こえるか!」
「バ、バーニィさんなんですか!?」
驚くアムロの搭乗する06R-3Sの前に、施設と外部を隔てる低いフェンスをなぎ倒して巨大なサムソントレーラーが回り込んで来た。
その荷台には白いボディカラーの【ガンダムもどき】が積載されている。
「待たせたなアムロ!お前の為に、わざわざ連邦製のMSを持って来てやったぜ!!」
得意気にトレーラーの運転席で手を振るバーニィの意図を確認したアムロは急いでシートベルトを外し、ハッチを開放すると急いでコックピットから地上に飛び降りた。
バーニィに飛び付きたくなる衝動を必死で堪えながら急いで【ガンダムもどき】に向かう。
懐かしい仲間との抱擁は、後回しだった。今はとにかく暴れまわるMSを鎮圧する事が先決だったのである。
-
今回の投下は、ここまでです。
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うおおおおおおおおおお!
乙!!!!!!!!!!
燃える、燃える展開だぜ!
アムロまさかの生存!
クランプの驚愕やいかに!
後はアムロが勝利するだけ!
頑張れあむろおおおおおおおお
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乙〜
強引な描写がアニメっぽくて燃えるww
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赤い彗星=赤レンジャー?wwwwwwwwwwwwwwwwww
とりあえず乙でした〜
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1乙、投下きてたか
いいねー、ジムに乗るアムロってのはちょっと予想できなかったよ
てっきりそのままバーニィがやるのかと
さて、ガンダムとの差を量産機の劣化ぶりにガッカリやらイラつくのか、連邦の量産機体の高い完成度に今後の戦局に与える影響を垣間見てジオン機体の危機を感じたりするのか
-
あれ?
バーニィーが持ってきたMSって陸ガン?陸ジム?
なんだったけ?
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このMSが動かぬ証拠になると言ってたからブルーなのか?
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お晩です。今読み返して見まして重大な間違いを発見しました・・・
>>602
× 武装した集団の前に身一つで歩き出るには生半可な度胸が必要なだけでは無く、タイミングも重要だ。
○ 武装した集団の前に身一つで歩き出るには半端ではない度胸が必要なだけでは無く、タイミングも重要だ。
生半可な度胸じゃ駄目です or2
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1乙
シャアが冷徹過ぎだなと思ったけどファーストシャアはこんなもんかもね
>>605
アムロ死んだら終わっちゃうからw
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1stシャアはひどいからね
残念ながらザクには大気圏を突破する能力はない、だが無駄死にではないぞとかいって少し配慮してるように見せ掛けてから
ふむ、燃え尽きんなぁ・・・とか冷静にしてるし
ガルマをハメ殺して高笑いしてるし
マッドアングラーとかでも部下がやられても
ふむ、まあそんなとこだろうとか全然気にしてないし
終いには拾い上げてくれて世話になったキシリアの頭ふっとばしちゃうし
人でなしだよねシャア
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激しく>>1乙
燃える展開キター
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1乙
宇宙世紀になっても戦隊ヒーローは健在なのか。しかも世界規模でw
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さて、ガンダムもどきの正体は何でしょう
本命 ジム
対抗 先行量産ジム
穴 ピクシー
大穴 マドロック(6号機)
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マジレスするとマドロックは今頃ジャブロー地下でエイガーが作ってる真っ最中
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改修してBDになる予定だった陸ガンしかないと思うが
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まあ陸ガンだろうね
GMに乗ったアムロも見てみたい気がするけど
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陸ガンもガンダムなのにガンダムもどき扱いなの?
じゃあジムだとガンダムのデキソコナイってかんじになるの?
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1スレ目の陸ガン+ジム(陸ジム?)初登場からずっと陸ガンはガンダムもどき
ジムは頭が赤いの(ガンキャノン)に似てるって事以外はずっとその他、奴等、連邦のモビルスーツとかでニックネームすらない
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ガンダムピクシーを出してほしいな
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青運命シリーズだったら起動した瞬間コックピット潰して終わりになるしね
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616だが
あえて陸ガンをあげなかったのは
”もどき”ってところがひっかかったから
外観がガンダムに似ててもチョイ外れると考えると
出来損ないってのも考えたけど、時期的に早いだろ
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今すぐまとめサイトに行って本編を読んで来ると幸せになれるぞ
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シローやユウが・・・
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乗ってたよね・・・
-
ピクしーとかか?
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ピクシーとアレックスはアムロが寝返ると生まれることすらなく…
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フルアーマーガンダムは?ヘビーガンダムは?
そういえばさ、沢山あったらしい色々なガンダムってさ、一年戦争後にどうなったわけ?
みんな撃墜ってはずもないし
解体されたりしたのかな?
ジムカスタムとかパワードジムとかジムⅢとか乗ってるより現役で使ってたほうがよさそうじゃん
ハイザックよかたぶん強いでしょ
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パトレイバーの野明ぐらい乗機に愛情がないと時代にあった性能の方選ぶんじゃないの
元々ガンダムって大体はデータ集め用だしGジェネのEz-8ぐらい改造しないと使えないんじゃないかな
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>>630
ガンダムは大凡試作機だからな。戦後は機密なんかのためにも解体されたりしたはず。
試作機は武器やパーツの規格も合わなかったりすることが多いから、補給面で何かと不便。
量産型は違う機種同士でも共通の規格の物も多々ある。
そういうことから武器やパーツの生産ラインを共同にして、高い試作機よりも量産機を何機か配備する方が費用や時間でも効率的なんだと思う。
わかりにくかったらスマン。
それとハイザックははともかく、ジムⅢならヘビーガンダムよりは強いはず。
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MSの開発スピードは、現代の自動車開発と大差ないので
古い機体はすぐに時代遅れになる
メンテナンスも大変だし、10年前のF1マシンで戦えると思うかい?
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えー、そんなかんじに例えると10年前のF1と市販スポーツカーってかんじな印象なんだけど
よくわかんないけどF1のがメチャメチャ速そうじゃん、なんとなくワラ
ジムⅢってそんな強いんだ、ジェガンとかギラドーガくらいいかないとRX-78ガンダムに勝てなそうな印象
-
そういえばピクシーの物語ってどうなったんだろうな?SFCのガンダムのストーリーで終わりかね?
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ジムⅢはMK-IIとほぼ同性能だったはず
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>>636
やっぱりそのくらいなんだよね。一部のゲームではMk−Ⅱより強かったり。
劇中はやられてるシーンしかないからやられメカの印象が強いけど。
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ジムの宿命だな
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>>613
1stのシャアは、ひどいんじゃなくて余裕がないだけの気がする。ろくな経験もないのに戦争に復讐にやることが多すぎで
自分や人生を考える時間もなくてテンパってただけじゃないのか?
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某カプセル戦記で機体能力が
RX−78=ジェガン
だったからそんなもんかと思ってた。
コストはジェガンの方が安かった。
ジェガンってもっと強いのかな?
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ジェガンは安くて強い
だから結構長い間主力として使われてた気がする
F91だと古すぎてやられ役だが
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>>641
スーパーカブみたいなもんか
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ジェガンは30年くらいは使われてたかな。
0133になるとジェムズガンが既に出ていてさっぱり見ないけど
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ジェイガンは成長しないよね。
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>>644
オグマの強さとリンダの脚線美が記憶に残るFC版・・・
奴隷市場で美少女が売られてるんだぜ・・・
色々妄想しちゃうよなあ・・・
詳細違ってたらごめん
しかしザクⅡとザクⅢの間に何があった。
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>>645
あれは少年に扮してたんだぞw
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そろそろか、まだか。
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おれはマリーシアの獣のような・・・のくだりのほうが色々と妄想・・・いやいや、振っといてなんだがスレチですなw
うん、そろそろこないかなあ、楽しみ。
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Ζすげーつまんねーなって思ってたけど、
ティターンズ=自民 エゥーゴ=民主 アクシズ=公明って置き換えて見てみたらめちゃめちゃ楽しかった
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誰も聞いてないのに政治話を持ち出す奴ってなんなの
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うんこにふれたらうんこつくよ!
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わろたww
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シロッコ=小泉
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シロッコに失礼だよ。
あんなゴロツキと大差ないただのホラ吹き詐欺師と重ねられたら気の毒。
シロッコには何にも代え難いニュータイプとしての確かな実力だけは少なくともあったからね。
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冬休みにはまだ早いのに
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みんなはクリスマスはどうするんだ?
俺は普通に仕事して帰ったら酒飲んで寝るけど
(ちなみに既婚です)
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俺は普通に仕事して帰っても酒飲む金ないし寝るだけ
(ちなみに未婚です)
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普通に仕事ry
…不景気らしく得意先のケーキなりワインを買わされそう。
例年より圧力が激しいわ。
…嫁へのプレゼント考えてないや。
NTならプレゼント選びで失敗とかないんやろなあw
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仕事があるだけいいじゃないか。
うちなんか円高のせいでマジでやばいよ・・・・
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クリスマスはサンタ狩り
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>>658
むしろ、読み過ぎて大失敗とかなりかねん
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ただいま戻りました
何!?脱走したアムロがジオンに亡命しただと!?
1 :通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 00:19:28 ID:xlh/qew2
「ガンダムに乗ったままでか…何て事だ…!」
「相手はどうやらランバ・ラルというジオンの将校らしいです!ど、どうしましょうブライトさん」
「く…我が軍の最高機密がジオンに渡ったのか…これは歴史が変わるかも知れんな…!」
…この続きを妄想するスレ
――気が付けば、今日がこのスレ一周年だったでござるの巻――
スレ立てした当初はまさかこんな連載になるとは思いもしていませんでした。
旧シャア→パー速→したらば・・・と場所を変えてお送りしてこれたのも、支援して下さる皆様のお蔭です。
最近パソコンの調子が悪く、なかなか執筆時間が取れない現状ですが
今後ともゆっくりお付き合い頂けたら幸いです。
感謝の気持ちを込めて、投下します。
-
RX-78-XX【ガンダム・ピクシー】それがこの機体の正式名称らしい。
[ガンダムもどき]のコックピットに滑り込み、メインモニターを起動させたアムロはまずその事実を機体スペック画面で確認した。
06R-3Sのモノアイから俯瞰で見た限りでは荒野で黒い三連星達と相対したあの[ガンダムもどき]に見えたのだが、近付いてみると、このMSはあきらかに件のMSよりも「細身」であった。
すっきりした外観は例の[ガンダムもどき]よりもRX-78に近く、ガンダムを一回り痩せさせたイメージである。
しかし華奢では無く、人間で例えるならば明らかに絞り込まれた肉体のそれに近い印象を受ける。
「コアブロック・システムと宇宙空間装備が排除されているのか・・・」
機体データ画面を素早く切り替えて各部チェックを行っていたアムロは初めて目にする連邦軍の新型MSの性能に目を輝かせた。
「アポジモーター増設でジェネレーター出力、スラスター推力は共にガンダムを超えてる・・・
ビーム・ステルスコート塗布・・・?な、何だろうコレは」
この完全陸戦用MSには、その効力は今ひとつ不明ではあったが、最新技術と共に謎のテクノロジーも満載されている様だ。
ピクシーのコックピットレイアウトはガンダムのそれと酷似している。
微かに漂うジオン製MSの物とは異なる、RXシリーズに一貫して使われているシートレザーの放つ独特な臭い。
その懐かしくも嗅ぎ慣れた香りと耳に馴染んだシステム起動音が妙に心を落ち着かせ、やれる、という確信を深めてゆく。
アイドリングは既に終了している。
シートベルトを装着したアムロは慎重にフットペダルを踏み込み、機体の上半身を起き上がらせながらバランサーの具合を確かめる。
胸部のダクトから排気が成されると同時にRX-78-XX【ガンダム・ピクシー】のデュアルカメラが一瞬輝きを増して瞬いた。
-
速い。そして、何よりも軽い。
乗り潰してしまったが06R-3Sもアムロの操縦に素晴らしい追従性を発揮してくれていた。
が、このMSの動きには06R-3Sにそこはかと無くあった「無理矢理速めた感」が全く感じられない。
非常に静か且つスムース、安定感が抜群だ。
これが最初から高い反応速度を想定して建造されたMSとそうでないものとの違いなのだろうか。
明らかにRX-78よりもスピードを増しているその挙動に、アムロの胸は知らず高鳴る。
しっかりと両の足で大地を踏み締め立ち上がったガンダム・ピクシーは、眼下のトレーラーにワイヤーでマウントされているXX専用銃【90mmサブマシンガン】を見下ろした。
このウージータイプの短銃身マシンガンは、取り回しは軽快そうだが集弾率は低そうだ。
敵MSの動きはトリッキーである。間違っても周囲の施設に被害を与えたくない今回は、弾丸を撒き散らすこの武器は使用しない方が賢明だろう。
「ビーム・ダガー・・・?」
白兵戦用の武装をチェックしたアムロは見慣れない表記に眼が留まった。
いわゆる刀身が短いビームサーベルで、エネルギー消費が少ない為に長時間の使用が可能らしい。
ビームサーベルを「太刀」に例えるなら、「脇差(わきざし)」程の長さのこれを逆手で二刀構えるのが想定された使用法の様だ。
卓抜したスピードで敵MSの懐に入り込み、一瞬の隙を突いて必殺の一撃を敵の急所に突き入れる・・・
RX-78-XX【ガンダム・ピクシー】は、まさにそれだけの為に開発された対MS戦専用MSだった。
当然その運用には相当な操縦技量が要求されるのだろう。どう考えても一般向きではないMSである。
アムロはその設計思想に一種の潔さを感じたものの、さまざまな局面で連戦を重ねて来た今となっては、一つの戦い方に特化したMSは現場では運用し辛いんだよな・・・と両手離しで開発陣を褒め称える気持ちには到底なれなかった。
アムロ自身は知る由も無かったが、このピクシーは本来オデッサ作戦発動前にホワイトベース(WB)へ配備される筈のMSであった。
想定されていたパイロットも「RX-78の操縦者」つまりアムロ・レイその人である。
しかしWBがジオンに鹵獲されるという事態を受け、急遽行き場を失ったRX-78-XXは結局、その操作性の難しさからMSの運用に不慣れな連邦軍パイロット達に敬遠され基地を転々とした挙句、解体寸前で今回の作戦に駆り出されたのであった。
数奇な運命を経て巡り合ったパイロットとマシンはしかし、この刹那の邂逅に浸っている暇は無かった。
防壁を完全に破壊し終えた08-TX[EXAM]に軽快な動きで背後から接近したRX-78-XXは、両腰に装備されていたビームダガーを素早く引き抜くと、逆手一文字に構えたその切っ先を神速で閃かせた。
-
今回の投下は、ここまでですー
-
投下乙です。
ガンダムもどきってピクシーだったのか……w
しかし今この場の状況に置かれたアムロにとっては現時点で存在する中でもかなり良い機体だな。
-
乙
-
乙。ガンダムピクシーとは非常に渋い
-
ピクシーってこんなにすごかったんだな
何の作品に出てたのかすら分からんが
-
>>669
SFCのクロスディメンションってやつ。
機体だけならGジェネにも
-
スーパーファミコンのゲームだっけか
やったことないからわからんが
-
>>670
サンクス
スーファミってガンダムゲー多いんだな
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>>672
ガシャポン戦士系やら騎士やら武者やら、F91、V、G、Wと大抵はあるしね
スーファミターボまで入れるとキリがないw
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もう引退したけど、ガンダムウォーでしか知らないMSだ
-
1乙
一周年おめでとうございます
リアルに負けずに頑張って下さい
-
しかし改とはいえイフリート相手にピクシーをぶつけるとは
何かこうクるものがあるな。
-
どうでもいいがどっからピクシーもってきたんだよ
-
読めよ
-
乙
ピクシ−はゲームじゃしょぼかったけど、楽しみだ
-
GNOiって携帯電話のゲームやってたときはピクシーなかなか強かったよ
前衛でのみ使えて回避が高かったしビーム兵器だからいい機体だった
楽しいゲームだったなあ
まあピクシーの物語とかはなにもしらんけど
-
今少将だよ。ジオン終えて連邦中
-
散々遊び尽くして全員NT9で中将でエンドレスSループで放置入って大将まで時間の問題だったけど飽きてやめたよ
2ch主催イベントは楽しかった
いいおもいでだよ
-
ただいま戻りました。
投下します。
-
爆発音と共に突如ラボが吹き飛んだのはシャア達一行がラボを出た直後の事であった。
まさに間一髪、被害を受けた者が一人も出なかったのは幸運であったと言えるだろう。
恐らくクルストによって密かに仕掛けられていた時限爆弾が爆発したのだろうとシャア達は推測したが真相は不明である。
クルストにとって貴重なサンプルである筈のハマーンをも犠牲にして、自分が姿を消す為の攪乱と時間稼ぎ、加えてデータ消去を同時に行うという強引な手段。
周到なクルストならば、やりかねない。が、計画通りならば同様の事を、この施設の子供達相手に自分達が行っている筈だったのだとクランプは密かに冷や汗を流した。
シャア達にはまだやる事が残されていた。姿を消したクルスト博士の捜索である。
クルストが連邦への亡命を画策している事が判明している以上、表向きクレタ島を含むこの海域の警備を担当しているマッド・アングラー隊はザビ家の手前、それをみすみすと許す訳にはいかないのだった。
しかしシャアの想像以上にクルストの行動は迅速だった。
あらゆる局面で今回の作戦は後手を踏んではいたが、それでもこの事件において戦略情報部所属のククルス・ドアンという人物が新たに現れた事は僥倖だった。
シャア達にとってドアンという人物の出現は、何が何でもクルストを探し出す必要が無くなった事を意味していたからである。
つまり、都合の悪い事は全て「連邦に亡命するクルスト」か「ジオンを脱走し隠遁するドアン」に押し被せてしまう事が可能となったのだ。
首尾良くクルストを見つけ出せた場合は、ドアンを子供達と脱出させた後にクルストの口を封じ、その後に施設を完全に爆破して証拠を隠滅する。
ザビ家への報告はクルストの亡骸に、証拠として鹵獲した連邦のMSを添えて行う。施設の爆破はクルストの仕業であり、その際に一部の施設職員と共に収容されていた子供達は全滅した・・・とすれば亡命未遂事件として事は終わり、その後の追及は免れるだろう。
一方クルストが発見できなかった場合は上に報告する際に『クルストの亡命は全て戦略情報部のドアンの手引きであり画策だった』という事にしてしまう。
この場合、ドアンの所属する戦略情報部はキシリアの直属であるという事実を最大限に利用するのである。
戦略情報部員のドアンに『キシリア様の命令で動いている』と言われた為に一般兵の我々は、その行動を制限する事はおろか、追及、詮索する事すらできなかったのだと陳情すれば、ここから先は戦略情報部の責任となる。
戦略情報部の不祥事イコール、キシリアの責任。つまりそれは、一般兵には責任追及が不可能である事を意味している。
現在地上を統括するマ・クベも戦略情報部とは太く繋がっており、クルスト亡命が公になれば自らの保身に躍起とならねばならないだろう。
シャアとしてはそこに付け込む隙を見出したい所だ。
そして誰もが、まさかクルストの亡命とドアンの脱走が別件であるなどとは夢にも思うまい。
それにしても【亡命】あるいは【脱走】という重大な不祥事を引き起こした兵士の所属部署がよりにもよってフラナガン機関及び戦略情報部という、共に秘密主義で特権の塊りたるキシリア直属であったのだ・・・ザビ家としては最悪の事態だろう。
どちらにしろ、真相がザビ家に露見する心配は無い。が、勿論そこには『当事者がジオンに捕まらねば』という注釈が付くのは言うまでもない。
死んだ事になっている、あるいは、全ての罪を被った「当事者ドアン」には何が何でも上手く逃げ出して貰わねばならない。
冷徹なシャアがドアンに対し【貴様の計画に協力する用意がある】と言ったのは、つまりはそういう事なのであった。
-
シャア達一行は二手に分かれた。
クランプとコズンはドアンとミハルに同行し、待機している子供達を連れて脱出用の潜水艦がある地下ドックまで彼等をガードする役割を担う。
シャアとアンディはハマーンをバーニィの待つサムソン・トレーラーに送り届けた後クルストの捜索を兼ねて別ルートから地下ドックへ向かい、先行しているコズン達と合流する手筈である。
地下ドックはラボを除けば施設の最深部に位置しており、顔の知れたクルストがのこのこと地上からは脱出できない以上、何らかの方法でここから逐電するだろう可能性は極めて高いと見るべきだった。
「ララァ!無事で良かった・・・!」
「ミハル・・・」
手はず通りに資材の陰に隠れていたララァと再会したミハルは堅く抱き合った。
「約束通り戻ってきたよ。ありがとう、あんたのお陰でハマーンを助ける事ができた」
「うふふ。違うわ、あなたがハマーンを救ったのよ」
目を瞑ったララァは愛おしそうにミハルの頭をそっと撫でた。
ララァには朧気ながら見えていた。
もしハマーンがシャア達に無理矢理連れていかれそうになったあの時、ミハルがいなければどうなっていたか・・・
施設は爆破されドアンの脱出作戦は失敗し、ミハルやララァを含む子供達は全員が死亡するという最悪の結果に終わっていた。
その事態を目の当たりにしたハマーンは絶望し、暗く心を閉ざしてしまう。
以後彼女は、周囲の大人達全てを憎みながら成長し、暗き怨念と復讐の炎に身を焦がす人生を送る事となる・・・
ララァが別れ際にミハルに言った「あなたがいないとハマーンは助け出されても救われない」の意味がそこにあった。
しかし今、自分を抱きしめているこのあどけない顔をした少女は、自分が担った役割を想像すらしていないだろう。そしてこれからも・・・
そう考えるとララァは少しだけ、彼女が羨ましく思えるのだった。
「話は後だ。今は先を急ぐぞ」
ドアンは軽々とララァを抱き上げると、通路を駆け抜け階段を駆け上がった。
クランプ、コズン、ミハルも急いでそれに続く。
電源がいつ切れるか判らない為エレベーターは使用しない。クルストが仕掛けた時限爆弾は複数ある可能性が高いのだ。
華奢とは言え女性を一人抱えたまま全力で階段を駆け上っているくせに息の一つも切らさないドアンに、内心驚嘆しながらコズンは声を掛けた。
「こんな山の麓の施設に海まで繋がってる地下ドックがあるなんて思いもしなかったぜ」
「島の内部まで浸食している鍾乳洞を利用した、あくまでも緊急脱出専用の狭いドックだ。
係留してある潜水艦も一隻のみだ。
そして、潜水艦を使用する場合は戦略情報部員の許可が必要だ」
「お、なるほど。旦那はそいつを自由に使えるって訳だ」
「素人に潜水艦を操縦する事はできん。
施設に常駐している戦略情報部の連中は保安要員も兼ねているからな。
しかしUHT認証を登録して来たからもう俺しかあの潜水艦は動かせん」
こいつは使える奴だ、と、コズンとクランプはドアンの資質を見抜いていた。
武装した自分達の前に無手で現れたクソ度胸といい、この体力。加えて状況判断や思考能力も極めて高いとくれば、これはもうラル隊にスカウトしたくなる人物である。
このまま脱走させてしまうには非常に惜しい人材だ。
体がデカいからコックピットは窮屈かもしれないが、コイツはMS乗りとしても相当やるだろうぜとコズンは確信していた。
「潜水艦でどこに逃げるつもりだ?海峡は二つとも封鎖されているから地中海から外には出られないぞ」
「それについては考えがある。奴らのウラをかくのさ」
ニヤリと笑ったドアンが食堂の扉を開けると、彼らの到着を首を長くして待っていた子供達の歓声が一同を出迎えた。
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ミハルやララァの元に子供達が殺到する中、ララァを降ろしたドアンにナナイが駆け寄り首筋に抱き付いた。
「済まない、心配を掛けた。ハマーンは無事だ。あと一踏ん張り頑張ろう。力を貸してくれ」
ドアンにしがみついたまま、涙を浮かべて何度も頷くナナイを、ミハルは寂しそうな笑顔で見つめている。
「大丈夫よミハル。あなたにだって素敵な人が・・・」
「え?ななななに言ってるのよララァ?あたしは別に!」
「おい急げ!MSが迫って来てるぞ!」
窓の外を見ていたクランプの大声がその場にいた全員の会話を中断させ、緩みかけていた緊張感を再び張り巡らせた。
「よし。行こう。先導してくれ」
「おう」
「済まないが殿(しんがり)を頼む。
保安要員の俺に警備隊のマッド・アングラーが随行しているんだ、普通に考えたら誰にも手出しはできない筈だが、不測の事態には相応に対処してくれ」
「任せておけ」
子供達の前で銃撃戦は可能な限り避けたいが、非常の場合は背に腹は代えられない。
先導するコズンと後詰めのクランプは共に機関銃のセーフティを外しながらドアンに頷いた。
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進行が遅くて申し訳ありませんが、このあたりも端折らずにじっくり描写したいと考えています。
今回の投下は、ここまでですー
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乙〜
不意打ちすぎて昼飯もどしたwwwwww
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>>687
乙、気の済むようにやってくれ
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お、投下きてたか、乙
気長に根気よく書いてくださいな
最後まで付き合うよ
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乙乙ww
あなたの素敵な人は今どうなってんだか
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>>1乙
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>>693は広告削除ね
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ん?専ブラだと消えてないな。ちゃんと透明にしたんだが何故だ
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お。投下来てる>>1乙です
管理人さんも管理&削除乙です。再取得すれば消えると思いますが。
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乙
今日はくるかね?
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なかなかきませんね
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年末だから忙しいんだろうね
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年末ならしかたない
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メリークリスマス
楽しみに待ってますぞ。
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めりーくるしみました
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遅ればせながら1乙
>>701
ベリー苦しみました
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有馬記念も外れたし
>>1のSS読むしか楽しみがないよ〜
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うんともすんとも反応がないのがきつい。
エターかと不安になる。
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もしかしたらフェードアウトの危険性が出てきたかもね
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そんなパー速じゃないんだから
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さすがに待ちきれない。早く書いてくれよ!!
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まあまあ、気長に待とうぜ
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成人の日までには投下してくれないかな。
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バレンタインデーまでなら待てるよ〜
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じゃあ俺はひな祭りまで待つw
…アムロ達の世界にバレンタインデーとかあるんかなあ。
…アムロはたくさん貰えそうやな。
セイラさん、ハモンさん、ハマーン様、ミハル…et cetera…。
シーマ様は義理ならくれるかにゃ…?
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ただいま戻りました。
いやー長かったです。いろいろと。
どうなる事かと思いましたが、取り敢えず年内に戻って来れました。
お待たせした方々、申し訳ない。
寒さのおり、皆様もお体にはお気をつけ下さい。
管理人さんも乙でした!
取りも直さず、投下しますー
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爆発はその後、施設の重要地点を中心に数回に渡って起きた。
それは明確に意図された爆破そのものであり、最初に起こったラボの爆発もその一環である事は最早疑う余地は無かった。
「おおっ、手際が良いな!」
扉から出て来たアンディが思わず感心した声を上げた。
シャアとアンディがハマーンを連れて施設裏手の非常口から表に出ると、そこにはもう既にバーニィが、トレーラー部分を切り離したサムソントップを横付けさせていたからである。
サムソントレーラーは全長50メートルにも達する巨大車両であり、自在に扱うには熟練を要する。細やかな動きが可能なMSとは違い、慣れていない者では方向転換の切り返しすらままならない。
即席の運転手たるバーニィは、それならばと、思い切って不要となったトレーラー部分を切り離したのだろう。
MSやマゼラアタック等の戦闘車両の運搬を想定して開発されたサムソンはそれ自体、簡易装甲車並の強度を持っている。防御用の機銃を構え、緊急用脱出機構をも備えるこれの中にいれば、そう簡単にハマーンに危険が及ぶ事はないだろう。
「大佐。この身軽な車両の方がここから先、何かと都合が良いでしょう。ワイズマン伍長の判断は、的確です」
そう言いながらアンディは、建物の向こう側で繰り広げられているMS同士の戦闘に釘付けとなっているシャアとハマーンを振り返った。
「アムローッ!」
ここからではもちろん言葉など届くべくも無いが、両手を握り締めたハマーンは、思わずそう声を上げていた。
「むっ・・・!?」
対照的にシャアは微かに呻いた。
分厚い特殊合金製の金網越し、しかも施設の建物にその姿の下半身が遮られている為に2体のMSの戦いの全貌を窺う事はできなかったが、シャアは白いMSの機動に見覚えがあった。
そのMSは確かに数時間前、連邦軍のアジトを急襲し、鹵獲したガンダムタイプのMSである。
あの「木馬」に搭載されていた、散々自分達を苦しめた「白いMS」が連邦軍によって量産されている・・・
その事実はシャアをして心胆を寒からしめたが、エンジンに火の入っていないMSは単に「白いMS」に似ただけの量産機に過ぎなかった。
しかし、目前で生き生きと躍動しているあのMSの姿はどうだ。
かつて自分と何度も激闘を交わしたあの「白い奴」そのものではないか・・・!
シャアはアンディがハマーンをサムソンの後部ペイロードに乗り込ませるのを確認しながらひらりとステップを駆け上がり、運転席のバーニィに側窓ごしに声を掛けた。
「あのMSを操縦しているのはアムロという兵士だと言ったな?」
「は、はい!ご覧の通り、アムロは敵MSと未だ交戦中であります!」
少々緊張気味にバーニィが敬礼しながら答えると、シャアは試す様な口調で訪ねた。
「援護は必要か?」
「いいえ!それには及びません・・・と、存じます!」
慣れない言い回しに口調が変だ。
が、シャアは即断即答したバーニィに興味を持った。
「ずいぶん自信満々に言い切ったものだな。
貴様より年下の少年兵なのだろう?しかも搭乗しているのは鹵獲した連邦のMSだ。心配ではないのか?」
しかしその時の、シャアの質問に対して[よくぞ聞いてくれた]と言わんばかりのバーニィの笑顔こそ見物であった。
「大丈夫であります!彼は【木馬】からの、いえ、連邦軍からの亡命兵なのでありますからして!」
「何、木馬だと!?」
シャアの目がギラリと光ったが、バーニィはそれに気付かず言葉を続ける。
「自分は何度も目の当たりにしていますが、奴の戦闘センスは抜群です!
MSに乗っているアムロを一対一で倒せる奴なんて、はは、連邦にもジオンにも・・・」
得意げに口上を垂れていたバーニィの顔がそこで引きつった。
「あ、い、いえ!申し訳ありません!
も、もちろんジオンのエース、赤い彗星たる大佐は、別であります!」
「木馬からだと・・・やはりな」
恐縮しきって再度敬礼を振り向けるバーニィを気にも止めず、シャアは確信を込めてそう一人ごちた。
-
なんという因果だろう。ジオンを散々に翻弄した白いMSのパイロットが今、彼の味方として目の前で戦っているのだ。
何度も追い詰めつつ、結果的に苦杯を舐めされられ続けた白いMSと木馬。
その木馬を青い巨星ランバ・ラルが無傷で鹵獲した、と、聞かされた時は我が耳を疑ったものだ。
木馬とあの白いMSを仕留めるのは、いや、仕留められるのは自分しかいない。そんな密かな自負があったからである。
だが、ガルマ・ザビを謀殺する為にシャアは木馬を利用した。
今でも脳裏に鮮烈に焼き付いているシアトルでの光景。
そう、あの時自分は、息を潜めている木馬を発見しておきながら、その木馬を討つ事よりも、あえて「復讐」を選択したのだ。
シャア・アズナブルは知らず瞑目している。
その結果、シャアは辺境の潜水鑑部隊に左遷され、木馬を追う権利を失ったのである。
「大佐、ハマーン嬢の収容は完了しました」
地上に降り立ったアンディがシャアにそう声を掛けたのと、眼前の白いMSが08-TX[EXAM]の首を、逆手で構えたビームサーベルで抉り斬ったのはほぼ同時の事だった。
その頭部は放物線を描いて遥か後方の道路脇に落下し、首を失った08-TX[EXAM]はゆっくりと後ろに崩れ落ち動かなくなった。
暫くは臨戦態勢を解かず、倒れたMSの様子を窺っていた白いMSだったが、やがて体勢を戻し建物越しにこちらを静かに見下ろす様に立ち上がった。
「見事なものだ。更に腕を上げたな、ガンダム」
「・・・へっ?」
微かに呟いたシャアの声が耳に入ったバーニィが思わず聞き返したものの、シャアは構わず彼に向き直った。
「あのMSにはこの車両を警護させろ。貴様と2人で何が起ころうと、我々が戻るまでここを死守するのだ。できるな?」
「り、了解であります!」
再度表情を引き締めたバーニィは再び敬礼をシャアに向ける。
このバーナード・ワイズマンという新兵、まだまだ頼りの無い部分があるものの、物怖じしない性格と、任務をそつなくこなす柔軟性は見所があるとシャアは踏んでいた。
アムロという優秀なパイロットが駆る白いMS【ガンダム】と組ませれば、臨機応変に任務を遂行できるだろう。
シャアは期待を込めた答礼をバーニィに返すと、頼むぞと声を掛けてからアンディの待つ地上に飛び降りた。
「大佐」
「うむ、我等も行くぞ。何としてでもクルスト・モーゼスを見つけ出すのだ」
施設内部に戻る前にふと視線を感じたシャアは背後に立つガンダムを振り返った。
瞬間、シャアの身体を再び電流の様な緊張感がぞわりと駆け抜ける。
白いMSは、シャアを見ていた。
人間を模したデュアルセンサーとシャアの双眸が中空でぶつかり見えない火花を散らす。
しかしガンダムは次の瞬間、シャアから視線を外し、ゆっくり背を向けると周囲警戒態勢に入ったのである。
「・・・そうか、もうお前と戦う事は無いのだな」
そう呟いたシャアは言い知れぬ安堵感と引き換えにした一抹の寂寥感を胸に、アンディを伴い、再び施設の建物の中に消えたのだった。
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今回の投下は、そして年内の投下はここまでです。
皆様、どうぞ良い年をお迎え下さい。
年が明けましたら、またお会いしましょう!
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乙です
やっと出会ったか
宿命のライバル
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乙であります!
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乙!
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ぬお!乙!シャアアムロ邂逅きた!
来年早々、今度はシャアアムロの会話がくるのを楽しみに一足はやくよいお年を。
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乙、遂に出会った二人、来年も楽しみにしております、良いお年を。
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乙です!!
今年最後のSSですね
完結するまで最後まで付き合いますよ!
年末年始ゆっくり休んで下さい!
>>1さん、このSS楽しみにしてるみなさん
良いお年を!!
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>>1乙!!
年内に読めるとは思ってなかったから、嬉しい誤算だ。
来年も期待しております!
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乙!!また来年も頑張ってください!
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まだだ、まだ(今年は)終わらんよ
1乙です
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お、いちばんのり
あけおめ
1よ今年もがんばってね
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乙、シャアとの会話はもう少し後かなとても楽しみです。
そして明けましておめでとう
今年も1の素晴らしいSSが読めますように
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あけおめ乙〜
今回はシャアの独り言に絞ってるのがいいねぇ
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ちーす、あけおめ!!
みんな今年もよろしくね
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明けましておめでとうございます。
楽しみにしてましよ。
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明けましておめでとうございます。
楽しみにしてます。
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なかなかこないのう
ヤツは成人式か?!
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まさか!
あれだけの文章書ける人が未成年だったなんて
ありえないッスよ
まさかね…
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んなわけないだろ
何度も仕事で忙しいとか言ってるのに
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遅ればせながら明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
ちなみに成人式は過去に済ませておりますー
それでは、投下します。
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ドアン達一行の前にやがて、小学校の体育館を二つ並べた程の空間が開けた。
ここが施設の最深部、脱出専用の中型潜水艦が格納されている地下ドックである。
施設のあちこちで次々と巻き起こる爆発の中、一隻のみの潜水艦は健在だった。
地上の喧騒が嘘の様に、現在ここには誰の姿も無い。
潜水艦は、三分の二程水に沈んだ状態で係留されており、搭乗用可動式タラップが潜水艦上部の閉じたメインハッチに接合されている。
彼等をじっと待ってくれていた潜水艦の前でドアンは安堵の溜息を漏らした。
一息つく事もせずドック中央にある制御室に駆け込んだドアンは、UHT認証――マスターコードを入力して外部から潜水艦のロック状態を解除する。
プシュッという圧力音と共に潜水艦上部のメインハッチが静かに開いた。これで潜水艦は再び使用可能となったのである。
「よし。急いで子供達を乗り込ませよう。小さい子から順にだ」
ミハルやララァと共にタラップ上で子供達を誘導するナナイに制御室から出てきたドアンは感謝の目を向ける。
ザビ家直属の情報部が使用する車両、船舶、航空機に設定されている機密性が極めて高いマスターコード。
それを書き換える事ができたのは、コードデータを密かに解析したナナイの手腕があったからである。
長い時間を掛けて彼女と練り、積み上げてきた脱出計画が一つ一つ実を結んでいる。
遠大に見えた計画があと少しで完遂しようとしているのだ。
「旦那にゃ無用の忠告かも知れねえが、気を付けてな」
「恩にきる。ここまで順調に事が運んだのは君達のお陰だ」
「まだ爆発は起きるかも知れん。最後まで気を抜くなよ」
後方を警戒しながら声を掛けて来たコズンとクランプにドアンは深く頭を下げた。
50人もの子供達を引き連れての移動中、トラブルに見舞われなかったのは、やはりマッドアングラー隊の随行があればこそであった。
「ここからはもう我々だけでやれる。君達も、一刻も早くここから脱出してくれ」
ドアンとがっちりと握手を交わしたクランプとコズンが背を向けた時、気が付いた様にドアンは彼等を呼び止めた。
「礼と言っては何だが、いくつか俺の知っている情報を提供しよう。
これは戦略情報部でも一部しか掴んでいないトップシークレットだ」
コズンとクランプは思わぬドアンの申し出に眼を丸くしている。
「連邦軍はオデッサ攻略にあたって、黒海を挟んだアンカラに兵力を集め始めている」
「何だって!?」
「アンカラに長距離砲撃用MSを多数配置して、対岸からオデッサに砲撃の雨を降らせるつもりらしい。
拠点防衛の為に動けないジオン軍にとって、これは致命的な痛手となるだろう。
ある意味、爆撃機からの攻撃よりも厄介だ。なにしろ誘導兵器では無い分、ミノフスキー粒子のジャミングが効かんからな。場所さえ特定できれば砲弾は確実に命中する。
だが、この事実を掴んでいてもマ・クベは一向に動く気配を見せない。それが何故なのかは知らんがな」
コズンとクランプの顔から音を立てて血の気が引いた。
オデッサの友軍が『敵の砲撃は黒海の対岸からだ』と気付いた時にはもう手遅れだろう。その頃には既に連邦軍は防御陣形を敷き終えている筈だからである。
そもそも、ただでさえ兵力の少ないジオン軍が、戦闘中のオデッサからアンカラに攻撃隊を別個に振り向けるのはどう考えても不可能だ。
「脱走する俺にはもう関係の無い話だが、こいつはこれからオデッサに飛び込む君達には有益な情報だろう。それから」
「ま、まだあるのか」
冷汗を流しながらクランプは呟いた。必要な情報とはいえ、自軍に不利な状況が次々と判明して行くのは心臓に悪い。
「マ・クベはオデッサ地下に核ミサイルを隠し持っている」
「何だと!?」「マジかよ!?」
クランプとコズンの驚いた声が重なった。
-
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!
-
「前時代の遺産らしいがな。奴は戦況が不利と見たら迷わずこいつを発射してオデッサにいる友軍ごと連邦の大部隊を吹き飛ばすつもりだ」
口の中が一気に干上がったコズンが小さくむせた。クランプの手は機関銃を握ったままぶるぶると震えている。
「マ・クベが側近を引き連れて宇宙へ脱出してから核ミサイルは発射されるだろう。
ジオン宇宙軍をそっくり残したまま、一つの基地と引き換えに連邦の大物を多数に含む大軍を殲滅させる、これがマ・クベの【切り札】だ」
もはや彫像の様に表情を無くした二人の前で、ドアンはゆっくりと言葉を続けた。
「その場合、ジオン軍の犠牲者は全てザビ家から『ジオンの崇高な目的の為に散った勇者』として、もれなく十字勲章が贈られる予定だそうだ」
「・・・ふ、ふざけやがって!」
「マ・クベめ・・・そこまでやるか・・・!」
怒りを露わにする2人だったが、その機先を制するようにドアンは言葉を続けた。
「時間が無い。マ・クベに対する恨み言は後にしてくれ。
実は、伝える情報はもう一つある」
「・・・」「オーイ・・・」
げんなりしながら絶句した2人の顔を見てドアンは苦笑する。
「安心しろ、こちらは朗報だ。連邦軍の中にはジオンのスパイが何人も潜り込んでいる。
その中でも最大の大物がヨーロッパ方面軍の一角、西部攻撃集団砲兵司令部を指揮下に置くエルラン中将だ」
「連邦の中将だと!?」
「エルランはオデッサ作戦中、核ミサイルが発射される前に機を見て寝返る。
こいつを上手く利用すれば戦局の一発逆転が可能だろう」
クランプとコズンは思わず目を見交わした。絶望的な状況を打破する一縷の望みが見えた気がしたのである。
「マ・クベに核を使わせないで戦いを終結させるには、圧倒的な勝利が必要だ。いいか、マ・クベもそうだがエルランの動きから絶対に目を離すな」
「ドアン!こっちは良いよ!」
メインハッチから上半身を覗かせてミハルがこちらに向けて大きく手を振っている。どうやら準備が整った様だ。
「俺たちはとりあえずキプロスの近くにある無人島に身を潜めるつもりだ。戦争の早期終結を望むと君達のボスに伝えておいてくれ。
それから、あのアムロという兵士にククルス・ドアンが感謝していたと」
「必ず伝えるぜ!貴重な情報をありがとうよ」
「気をつけて行きな」
ぶっきらぼうな別れの挨拶だったが、軍を抜ける人間に階級差などは意味が無い。
2人ともう一度固い握手を交わした後ドアンはタラップを渡り、彼を手招きしていたミハルを促して潜水艦のハッチの中に潜り込んだ。
クランプとコズンがドックの入り口まで後退した時、丁度そこにシャアとアンディが降りてきて4人が鉢合わせの状態となった。
-
「大佐!」
「クルストはいたか?」
「残念ながら、それらしき人物は見当たりませんでしたぜ、うおっ!?」
突然鈍い爆発音が響き、ドック奥にある機械室が吹き飛んだ。
それほど大きな爆発ではなかったが、密閉された空間で起こった爆風はシャア達を煽り、その振動はアームに固定されたままの潜水艦を大きく揺さぶった。
「畜生!ここにまで爆弾かよ!」
腰を落とした姿勢でコズンはあたりを見回した。シャア達に怪我は無い。
潜水艦と中の連中は無事だろうかとドックの様子を伺おうとしたコズンだったが、彼の携帯する通信機が短いアラームを何度も鳴らした為に慌ててそれを耳に当てた。
『そちらは無事か!?』
スピーカーの向こうからドアンの緊迫した声が聞こえる。
「旦那か!こちらは心配ない。そっちはどうだ?」
『船体のダメージは無さそうだが・・・むっ!?』
「どうした!?」
『隔壁が開かん・・・!どうやら今の爆発で何らかのセーフティが掛かったらしい!』
「何だと!?ちょっと待ってろ!」
外海と隔てる隔壁がシーケンス通りに開かなくては潜水艦はここから脱出する事ができない。
コズンが慌てて首を巡らすと、水路に張り出したデッキの突端に隔壁の手動スイッチが確認できた。
「OKだ。デッキの端っこに手動開閉装置がある。遠隔操作が無理なら手動で隔壁を開けてやる!」
「待て!それは許可できん!」
瞬間、壁に掛けてあったパーソナルジェットを手に勢い良く飛び出そうとしたコズンをシャアが厳しい声で制したのである。
驚いた顔でコズンが聞き返す。
「な、何故です!?このままじゃ!」
「良く見ろ。開閉装置の真後ろにある圧搾空気タンクに炎が迫っている。恐らくあれは、数分持たずに爆発するだろう」
「・・・!」
コズンが見ると、確かにシャアの言う通り、先程の爆発で生じた炎が舐める様に圧搾空気を表すアルファベットが書かれた中型のタンクを覆っている。
その一部は既に熱で変形しているようにすら見える。
「ランバ・ラルから預かった大事な部下をむざむざ危険な場所にやる訳にはいかんのだ。これからの事もある。無駄死には、許さん」
「・・・・・・!!」
手動装置が爆発に巻き込まれて使用不能になる前に作動させなければ潜水艦の退路は絶たれてしまう。しかし・・・
ぎゅっと唇を噛んで絶句したコズンの手からシャアは通信機を抜き取った。
「シャア・アズナブル大佐だ。手動スイッチ周辺が現在極めて危険な状況にある。
我々はこれ以上、手を貸す事ができない。悪く思うな」
『・・・いえ。これまでの御協力を感謝します。我々の事はお気になさらず脱出して下さい。こちらは、私が何とかします』
「・・・健闘を祈る」
クランプ、アンディ、コズンからの絶望的な視線を受けながらシャアは冷徹に通信を切った。
部隊長としての判断は間違ってはいない。そう自嘲しようとしたシャアの眼がその時、信じられない物を見るが如く見開かれた。
潜水艦上部のハッチが再び開き、そこから赤い髪をふたつのおさげに結わえた少女が飛び出したのである。
それは、シャアに哀れみの視線を向けて可哀相だと言った、あの、そばかす顔の少女だった・・・!
-
シャアが見る間に少女は自ら出て来たハッチを閉めると、勢い良くタラップを駆け降り、ステップを伝って手動開閉装置に向かって走り出した。
「おいバカ!何やってんだあいつは!?」
コズン達も仰天している。今その場所に近付くのは自殺行為だというのはタンクの周囲で燃え上がる炎を見れば素人だって判る筈なのだ。が、少女は走るスピードを緩めない。
その時再び、シャアの持つ通信機にドアンからの呼び出し音が響いた。
『通信を横で聞いていたミハルが勝手に出て行ってしまった!
スイッチを手動で動かすつもりだ!頼む!彼女を止めてくれ!!』
「何だと・・・自から望んで危険な場所に赴くというのか!?何故だ!?」
「仲間の為ですよ!」
顔を伏せたままのクランプが大声を出した。驚いた様にシャアが振り返る。
「・・・損得や理屈抜きに、あの子は皆を助けたいと思ってるんでしょう」
「馬鹿な!」
仲間と言っても所詮は赤の他人に過ぎない。
いくら仲間が助かったとしても、自分自身が死んでしまっては意味が無いではないか。
誰だって自分が一番可愛い。どんなに綺麗事で飾ろうと、土壇場で人は自らのメリットを考えて行動するものだ。
それなのに、何故あんな人間がいるのだ。
シャアはふいに眩暈を感じた様にふらついた。
それはシャアの中に巣食うシニカルな何かが否定された瞬間だった。
これまで心に刻んで生きて来た普遍的な認識が、目の前の少女の行動でがらがらと音を立てて崩れてゆくのが判る。
勢いを増す火勢に煽られながらもミハルは何とか装置の前に辿り着いた。
少女はためらい無くコンソール中央に設えられた大きなレバーに手を伸ばす。が、ビクともしない。全体重を掛けて思い切り引いてみたが、一ミリすら彼女の力では動かす事ができなかった。
炎は既に彼女の背後まで迫り、熱で炙られたミハルの全身からは珠の様な汗が噴き出している。
この場所にドアンを来させる訳にはいかなかった。
彼にもしもの事が起きれば、潜水艦を操縦する人間がいなくなってしまうからである。
『ミハル!聞えるか!?何て無茶をするんだ!!』
「ドアン!?」
コンソールパネルには固定式の通信機が組み込まれている。これによりオープン回線で潜水艦内の人員と外部の作業員が直接会話できる仕様になっているのだ。
ミハルはすぐに突き出ているマイクに口を寄せた。
「操作が良く判らないんだ!レバーがびくともしないんだよ!」
スピーカーの向こうでドアンがぐっと息を呑むのが判った。
事ここに至ってはミハルの無茶な行動を叱り付けるのは後回しだった。
『・・・良く聞いてくれ。まずパネルの右上にある透明なカバーを弾き上げて中の赤いボタンを押すんだ。
そうすると大きなレバーの右横にあるランプがグリーンに変わる筈だ』
「・・・うん、緑に変わった!」
『これでレバーは動かせる筈だ。やってみてくれ』
「あ、やった!動く動く!これでいいの?」
『レバーを最下段まで押し下げたら今度は・・・』
その後幾つか与えられたドアンの指示をミハルは的確にこなし、遂に手動操作は完了し、潜水艦の前面にある隔壁がゆっくりと開き始めた。
「あはは!やったあ!扉が開いたよドアン!」
『手動操作でゲートを開いた場合、シーケンスは全自動で行われるから、モタモタしていると潜水艦は隔壁間に閉じ込められてしまう。ミハル、急いで戻って来てくれ!』
「わかっ・・・・・・・・・!」
身を翻したミハルの背後にあったタンクが爆裂したのは、その時だった
-
強烈な圧力がミハルの身体を跳ね飛ばし、彼女は驚いた表情のまま、不自然な態勢で空中に舞った。
衝撃でほどかれた髪の毛が広がり、眼前を弄って前方に流れるのを見たミハルは、ああ、髪の毛を少し切りたかったなと少しだけ残念に思った。
見る間に視点は天地が逆となり、ミハルは自分が頭から落下しているのだとぼんやり認識した。
この態勢ではどうあっても助かりそうも無いと彼女はまるで人事の様に諦観し目をつぶった瞬間――
ドサリと彼女の身体を包み込む様な衝撃が被ったのである。
驚いて目を開けるミハルの顔の前に、あの無表情な仮面があった。
「ミハルと言ったな?賢くは無い行動を取ったものだ」
「あ、あんたは・・・!」
ミハルは仮面の男に抱きかかえられる格好で宙を飛んでいたのである。
信じられない思いでミハルが首を巡らすと、男の背中にはジェットパックらしき物が装備されているのが見えた。
どうやら彼はこれで空を飛んで来、爆発で吹き飛ばされたミハルを地上スレスレでキャッチしたらしい。
ミハルは思わず息を呑んだ。彼が背負っているのはどう見ても一人用らしきパーソナルジェットである。
こんな真似は神業に近いのだという事は、彼女にだって判る。
続いて二本目のタンクが爆発した瞬間、仮面の男は空中で姿勢をぐるりと変え、ミハルを庇い爆風に自分の背中を向ける姿勢を取った。
「ぐっ・・・!」
「あっ!?」
爆風をもろに背で受ける格好となった仮面の男の頭に何かの破片がぶつかり、男が被っていたヘルメットと共にヘッドギア状のマスクを弾き飛ばした。
その右肩にも鋭い金属片が突き刺さったのを見て、ミハルは小さく悲鳴を上げる。
しかし男は事も無げに手にしていた通信機を口に当てた。
「ミハルという娘は無事保護した。こちらは何の問題も無い」
『大佐!!・・・感謝します・・・ありがとう・・・!!』
ミハルの耳にも通信機の向こうからはドアンの安堵した声が聞えた。
「もう時間が無い。この娘は我々の部隊が預かろう、行け!」
『それは・・・いえ、判りました。口幅ったい様ですが、シャア大佐を信用致します。ミハルを、よろしくお願いします』
「ドアン!」
通信機に顔を近づけたミハルに、ドアンから大佐と呼ばれた男は通信機を向けてやる。
『ミハル、気を付けて行くんだぞ。ジルやミリーは任せろ、この戦争が終わればまた逢える』
「うん!うん!ドアンも元気でね!ララァやみんなも!」
-
潜水艦が沈んで通信機にノイズが掛かり、会話ができなくなると、シャアは手近な地上に降り立ち膝をついた。
素早く彼の腕から降りたミハルは、シャアが勢い良く肩に刺さった鉄片を抜き取るのを見て思わず目を背けた。
破けた軍服からは血が流れ出しているが、生地の色が赤い為、注意して見なければ全く見分けが付かない。
「私がケガをした事を、他の人間には絶対に話さないでいてくれ」
「え・・・で、でも・・・!」
「部下にリスキーな行動を禁じた私が、リスキーな行動でケガをしたのではサマにならん。
私にも面子というものがあるのだ」
ミハルは、強がりながら痛みを堪えて苦笑いしているシャアの顔をまじまじと見つめた。
あの冷たく無表情に見えた仮面の下には、こうも人間らしい表情を浮かべる素顔があったのだ。
「シャア大佐!ご無事ですか!」
慌てて駆け寄ってくるクランプら三人がそばに寄る前に、シャアはポケットから予備のマスクを取り出して素早く装着し、立ち上がった。
「みっともない所を見せた。ヘルメットが無ければ即死だったかも知れんな」
「いやいや!さすが大佐だ!あんな芸当は大佐以外誰もできませんぜ!」
「パーソナルジェットを引っ掴んで大佐が飛び出した時はどうしようかと思いましたよ!」
「潜水艦も無事出奔したみたいで何よりです。我々も急いで脱出しましょう」
コズンやクランプ、アンディと会話するシャアの挙動はキビキビとしており、肩口に裂傷を負っている様にはとても見えない。
ミハルはその場にいる兵士とは全く違った眼差しをシャアに向けていた。
「ん、そう言えばこの娘は?」
「戦場では民間人を可能な限り保護する義務がある。我々と行動を共にさせるしかあるまい」
明後日の方向を向きながら冷たく答えたシャアを見て、ミハルはくすりと笑みを漏らした。
何だか目の前に立つシャアが、意地っ張りのガキ大将に見えたのである。
「みんなを助けてくれてありがとう。あたしはミハル・ラトキエ。よろしくね」
そう言いながら一同に向けてぺこりと頭を下げたミハルを、シャアはさりげなく肩越しに振り返って見つめていた。
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えー今年のこのSSに関する私の抱負は・・・
今後再登場する予定のあのキャラをものっそい魅力的に書き上げる!・・・です。
今回の投下は、ここまでですー
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乙です!
再登場…誰でせうか…ワクワク
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乙でした、あけおめ。
一瞬ミハルがアニメと同じように死ぬのかと思った……シャアすげえよw
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シャアの癒しはララァではなくミハルから受けるのか・・・?
そして再登場のキャラといえば・・・誰だろw
ものっそい楽しみっすよー
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ララァがここで退場か。
意外な展開、でもアムロとシャアに強烈なトラウマを残す存在だからこれはこれで
いいのかな?
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シャアとミハル
予想外のカップルの誕生か?
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ミハル死ななくてよかった…
カイさんが不憫だが
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シャアが予想してたより冷徹になりきれなくて良い意味で裏切られた
しかしミハルが来てララアが退場とは予想外にもほどがある、乙です
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乙です!
あけおめです。
ミハルが爆風で宙を舞った瞬間、あのシーンが思い浮かんだけど死ななくてヨカタ・・
ミハルを殺さないでくれてありがとう!
今年も楽しませていただきます。
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新年1発目から1乙GJ
それは素人故の悲しい事故だったのかもしれ・・・
のやはり歴史はかわらん鬱な展開から・・赤い人がw
そしてこれまたそのセリフとは楽しませていただきましたw
アムロはガンガン成長してるからね、してシャアはというと
迷いを捨てたシャアは最強、アムロ以上だなんて話もあるくらいだから
ザビ家への復讐とララァの死で、ある意味もっとも分かり合えたかもしれないアムロとの決定的な亀裂、確執、の線もなくなり歪みの矯正されたシャアはNTとして人間としても大きく成長できそうな予感
おまけにアルテイシアもいるし
して、再登場の人は・・・カイなんでわなかろーかと
ミハルも奇跡的に無事だったし、1もカイの退場時に重要な役回り?での再登場をだいぶ以前に宣言してたしね
ラル隊の面々に密かに修正wされてたりとかでさ
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あ、常識的に考えたらやっぱりユウあたりですかねw
敵役が光ったほうがある意味、物語も盛り上がるだろうし
自分の願望ばっかし書いちゃってサーセンw
1よ、今年もがんばって描いてください
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754は広告削除。うーむ前回と同じ業者だ。
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乙〜!!
>ヘルメットが無ければ即死だった
糞吹いたww
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乙。
そしてあけおめ&GJ!
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乙シャアカッコヨス
管理人も乙
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俺はセイラさんの再登場を期待しますぜ
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俺はカミーユを出してほしい
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このころカミーユ7歳
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セイラさんとハマーン様の鞘当て期待w
あとはラル一党の安心感かなあ
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そういえばさ、キャスバルかアルテイシアを錦の御旗に反旗を翻して独立って厳しそうじゃない?
政治的なことだと今のシャアじゃまだ若すぎるだろうし知識的にも?ラルやシーマじゃ軍は統制運用はできてもそっち方面が全然今ひとつのような。
マハラジャくらいのが加わらないとやってけないんじゃない?
シーマなら軍事力を背景にした威圧的外交と軍政恐怖政治くらいならできそうだけど。
占領地域の有力者や民衆の懐柔、軍との橋渡し、統治、法やら税やらの制定とか様々な面倒を見られる人材がいないじゃん。
強権的軍事独裁政権に搾取されるだけの国家じゃ長期的には成り立たないんじゃない?
資金収入源、物資や兵器や人員の補給補充生産とか今はジオンがやってくれてるからいいけど自分たちでやりくりするようになったらどうすんのさ?
信頼性安定性の高いしっかりとしたバックアップが期待できる地域基盤がないとどうだろうね。
ザビ家一党を排除してジオンをそのまま乗っ取るとかならまだしも。
やっぱりシーマに金持ちや企業、軍事企業に恫喝、強請りでもやらして更に民衆から物資徴発でもさせるくらいしか思い浮かばんw
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作者の人に変なプレッシャー与えるだけだから、そういう話題は控えるべきじゃないか?
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>>763
このSSでアンディは誰の使いでシャアの元に来たか忘れたか?
ラルがシーマを介して連絡員を密かにサイド3に送り連絡を取った男だよ。
と、いう事はだな、バックアップは万全おっとこんな時間に誰か来たようだ
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いやいや、すまないね。
悪意はないんだよ。
マハラジャがハマソの救出を依頼したのはわかってるよ。
たださ、そういった支援者や占領下地域の基盤だとかの内情の描写とかもあってもいいじゃない?
乙ガソダムのエウーゴとかだって変な中国人みたいなのとかが支援者でごにょごにょチョメチョメ会議して文句つけたりやってたじゃん。
やつらの資金援助があってこそエウーゴが成り立ってたってことでしょ。
1stでもアムロ帰郷の際に軍の占領下の住民が兵隊に嫌な目にあわされてるとかあったでしょ?
おばさん、拾っちゃだめだ!兵隊に拾ってもらうんだ!拾え!って。
あんな地域じゃ物資徴発とか普通にやってたことだろうと容易に想像できる。
08小隊とか行き場なくしたトップだとかアスだとか?なんか忘れたがなんかやって原住民だかにぶち殺されてたじゃん。
当たり前だが補給や基盤のない軍隊なんか機能しない。
華々しいところばかりじゃなくて嫌やらしいストレスな部分にもスポットが当たるのも悪くないんじゃないかって。
あれだ、要するにだ、
・・・2ちゃんが規制で書き込めなくて退屈なんだよw
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>>766
違う違う。アンディはマハラジャ本人からの使いじゃない
アンディの主人はサイド3に常駐するもっと大物の軍人。名前も出てる。
その大物はダイクン派で反ザビ思想を持つ政治家や軍人を影で束ねている裏ボス
察するにマハラジャはその大物が率いるメンバーの一人か。
ジオンの闇はもっと暗くて深いのだよ。
>華々しいところばかりじゃなくて嫌やらしいストレスな部分にもスポットが当たるのも悪くないんじゃないかって
1が書こうと思えばその素材はちゃんと用意されてるみたいだぞ。
ただ前に1は政治話の多用を懸念してたからなあ。描写を思いっきりカットする
可能性はあるよね。
その大物について詳しく知りたいなら
「ギレン暗さt・・・おや、さっきは気のせいだったが今度は本当に誰か来たようだ
-
あまり>>1以外で長文書くなよ
-
つーか1以外で3行以上書いてる奴は読む気しねーわ。
雑スレでも立ててそっちでやれば?
正直邪魔だよ。
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>>769
そういう言い方をしなくてもいいだろう。何様だお前は
テメーが消えろ
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>>770
3行目は完全に余計だったな、悪かった。
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ここは移転前より治安がよくて、居心地がいいや。
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言っちゃあなんだが
旧シャアに集まる人は1stにすごい思い入れがある奴が多いから
こういったifは受け入れられないんじゃないかな。
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>>773
いや、ここの1も読者も1stにすごい思い入れがあるのは間違いないだろう
その上で楽しんでる。旧板でもパー速でも多数の人間が受け入れてた
ただ、粘着荒らしがウザかった。そういう意味でここの管理人GJ
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荒らすのは簡単やからなあ。
ここは基本昭和スメル漂うからスルースキル高いと思う。
言葉一つ足りないくらいで全部壊れてしまうような
はかないスレの多いことよ。
しかしいよいよオデッサか。
史実の一年戦争の進捗からいくと何割くらいなんかな?
-
今日(もう昨日か)見つけて一気に読みました。なんという良作。
続きを楽しみにしてますぜー
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長文!更新キターと思ったら荒らしだった。
マジ、勘弁してください。
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まだこういう>>777みたいなバカがいるのかよ、いいからもう死ねクズが
どうみてもお前みたいに煽って事を荒立ててる基地外のほうが荒らしだろうが
2chからこんなとこまで移転しなければならなかった理由をもう一度振り返って思い返してみな
とりあえずさ、煽ってバカなレス付けてるキチガイのレスは全部削除してくれや管理人さんよ
ああ、このレスも含めてな
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>>777みたいに蒸し返す奴もあぼーんにしてほしい
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んー・・・
問題のレス番は>>763とそれに対する一連の・・・かな。
これさ、確かにこのレスだけ見たら突発的な荒らしに見えるんだよね。
でもこの人、今まで熱烈に1を応援する書き込みをしてきてる人なんだよ。
文章の雰囲気違うから実は俺もID見て驚いたんだわ。
だから>>766の悪気は無いってコメントも本当なんだと思う。
ただ、誤解されそうな文章には注意を払うべきだったなあとも思うんだよね。
でも、本人は766の書き込みを後悔している様子が俺にはIDで見えるんだわ。
つー訳で、まあ今回は削除しなくていいかなと。
俺が消すのはあくまでも悪意のある書き込み限定だからね。
それっぽいレスが残されてる時はワケありか様子見だと思ってくれ。
それとまー今更言うのもなんだけど、コテハン推奨かな。
判り易いっしょ。どうせここだけの事だしね。
雑談スレ立てるかとも思ったんだけど、何かSS予想合戦になりそうな気が。
多分1がそれ見たら萎えると思うんだよね・・・
俺としたら1が書きやすい環境を整えてやりたくてここ立てたんで、本末転倒かなと。
ま、俺達にできるのは待つことだけさ。落ち着いて1を待とうぜ。
以上、長文失礼。
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管理人さんの疲れ様です。
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いつも、ありがとうね
>>1も管理人さんも
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管理人乙〜
コテハンだらけってどうなんだろw
長文投下はコテ推奨でいいんじゃない?
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管理人さん乙です!
いつもありがとうございます!!
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管理人さん乙です
そろそろオデッサかな楽しみだ
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管理人さんいつもありがとう!
みんなで協力していい板にしようね。
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ただいま戻りました。
まずは管理人さん乙です!
いつも感謝しております!
それでは、投下します!
-
「だから駄目だって言ってるだろう!この車両は譲れない。他を当たってくれよ!」
サムソントップの側窓から上半身を乗り出した姿勢で眼下を見下ろしながら、やや困った様に、しかし断固とした強い口調でバーニィは声を張り上げた。
「頼む!怪我人がいるんだ!搬送用のエレカが足りない。このトラックなら大勢の人間が運べるだろう!?」
地上から見上げ、バーニィに懇願している男の着ている白衣は泥と血で汚れている。
その姿は施設から命からがら逃げ出して来た状況を雄弁に物語っており、必死な口調のなによりの証明であった。
しかし、バーニィは厳しい表情で頑なに首を振ると、助手席に置いてあったマシンガンを男に掲げて見せたのである。
「駄目と言ったら絶対に駄目だっ!それ以上近づくと実力で排除せざるを得ないぞ!」
見るからに童顔で人の良さそうな青年兵士に突然突きつけられたマシンガンの銃口に、白衣の男は顔を引き吊らせた。
「お、お前は鬼か!人でなしめ!」
「何と言われようが駄目なものは駄目なんだ!」
同じ様な用向きの申し出を、こうして威嚇込みで断ったのはもう何人目だろうか。
大声で悪態を吐きながら退散して行く白衣の男の後ろ姿を見ながらバーニィは小さくため息をつきながら目を転じた。
今や施設のあちこちは倒壊し、火の手こそ見えないものの薄ぼんやりと煙が周囲に立ちこめている。
先ほどから、慌ただしく何台もの車両がサムソントレーラーの前を通り過ぎてゆくのが否応なく目に入っている。
そのどれもが施設から脱出して来た施設職員を乗せている。
施設内に爆発物が多数仕掛けられている事が明らかになった為、一時的にジオン軍御用達の港湾施設にケガ人を含む関係者全員を避難させる事になったらしかった。
しかし施設に配備されていた車両は思いの外少なく、小型車両でのピストン輸送を余儀なくされていた。
元来他人と歩調を合わせるのを苦手とする研究員達は我先にと車両に殺到し、そこには殺伐とした争いすら生まれていたのである。
更にはパニックに陥っている施設職員達をまとめ上げるリーダーがいないという事態が混乱に拍車をかけた。
施設の長たるクルストの失踪と、ニムバスら屍食鬼隊MSの暴走によって保安要員が壊滅してしまった為である。
入り乱れる車両の中には民間業者も混じっていた為、今や施設の表門から搬入口にかけては、入れ替わり立ち替わり出入りする車両で大混乱の様相を呈していた。
表からこそ見えないものの、施設の裏手に目を移せば飴細工の様にひしゃげ曲がった防護フェンスが張られたままの中庭には未だ無残な姿を晒したままの亡骸が累々と転がったままの惨状であった。
だが、何があろうとこの車両を明け渡す訳にはいかない―――
そう気合を入れ直したバーニィの顔が、パッと輝いた。
シャア達クルスト捜索部隊が続々と施設から戻って来たのである。
-
「ご苦労だったワイズマン軍曹」
「はっ・・・!」
眼下から掛けられたシャアの声に万感の想いを込めて敬礼で答えたバーニィは、一行の中に見慣れない少女がいるのを見て眼を丸くした。
「あたしはミハル・ラトキエ。よろしくね」
クランプに手を引かれて後部ペイロードのドア前までよじ登った少女は、運転席から身を乗り出して見ているバーニィに笑顔を見せた。
「あ、ああ。バーナード・ワイズマン軍曹だ」
「いい子だろう?ああ見えて、お前より勇気があるかも知れないぜい?」
「わっ!な、何すんですかコズン中尉!」
事態が今ひとつ理解できず呆けた様に答えたバーニィを車内に押し込めながら、コズンが強引にドアを開けて運転席に乗り込んで来たのである。
「だがな」
自分の尻でシートの横へ横へと押し退けたバーニィにコズンは顔を寄せた。
何事かとバーニィは身を軽く竦ませる。
「間違ってもあの娘に手を出そうなんて思うな。あのミハルって娘はシャア大佐のお気に入りなんだからよ」
「はぁあ!?」
上半身だけコズンにのし掛かられた状態でバーニィは眼を白黒させた。
さっきチラリと見ただけだが、あんなどう見てもイモ臭い、いや、垢抜けない顔をした少女が「あの」シャア大佐に釣り合うとはとても思えない。
「いやでも・・・え?嘘でしょう?」
「バカヤロウ、俺には判る。お前は男と女の、ひいては人生の機微って奴を知らんだけだ」
「そんなもんですか・・・・」
複雑な表情を見せながら、バーニィはコズンの身体を押し戻すと、襟元を緩めてシートに座り直した。
シャアとミハルの一連のやりとりを知らないバーニィには、今は人生の先輩たるコズンの言い分を拝聴するしか術は無い。
-
「ハマーン!来たよ!」
「ミハル!!??」
サムソントレーラーの運転席とは防弾壁で仕切られた後部ペイロードでシートの片隅に身を縮め、心細さのあまり自らの両肩を抱いて震えていたハマーン・カーンは、ドアを開けるなり両手を広げて駆け込んで来たミハルに驚きながらも抱きついた。
「ごめんよハマーン!寂しかっただろ?ごめんよ・・・」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜・・・・・・」
ミハルの胸にぎゅっと抱き締められたハマーンの眼からは涙が溢れ、咽からは嗚咽が漏れ出るだけで言葉にならなかった。
その様子をミハルに続いて車内に入って来たクランプとアンディが優しい眼で見つめている。
「でもミハル・・・どうしてここに?みんなは?」
「みんな無事に逃げられたよ。大佐が、あたしとみんなを助けてくれたのさ」
涙でべしょべしょのハマーンの顔をハンカチで拭ってやりながらミハルは誇らしげに答える。
が、その途端にハマーンはさっと不安の色を滲ませた。
「大佐って・・・あの赤い色の服を着た・・・?」
「そう。シャア・アズナブル大佐。本当は、とっても優しい人だったんだよ」
くすくすと面映ゆそうに笑うミハルをハマーンは不思議な顔で見つめている。
偶然にもサムソンの運転席とペイロード、同じ車両上のそれぞれ独立した空間には、現在それぞれに怪訝な表情を浮かべた最若年層の2人が振り分けられていた。
そしてコズン言う所の人生の機微とやらを理解するには、まだまだ彼等には時間が必要らしかった。
聞くとは無しに彼女達のやり取りを聞いていたクランプの鼻の奥がツンと痛む。
彼等の主であるシャアを『優しい人』と評した少女に、少なからず心が震えてしまったのである。
不意に上を向いたクランプの肩に、アンディがにっこり笑いながらポンと手を置いた。
-
ショートシーン投下完了です。
現在、これに繋がるシーンの半分が書き上がっていますが、少々伸びるかも知れません。
今回の投下は、ここまでですー
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ゆっくり自分のペースで書き上げてください
>>1おつ
-
乙
-
援護射撃感謝です。久し振りにミスを訂正したいと思います・・・
× ワイズマン軍曹
○ ワイズマン伍長
でしたー・・・or2
また階級表記間違えました・・・・・・
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キテター
-
え、こんなカップリングもあり、か?
そこが凄い意外で、地味に衝撃
乙です!
-
キテター
なんつーか、バーニィが避難民の救援を断るとか、細いところをしっかり書いてて凄いなー
地味だけどこういうトコが作者のキャラ立ての上手さだと思う。
のんびり続き待ってます〜
-
乙〜
キャラ立てもそうだが、常に視覚を刺激する描写を心がけてるね
-
面白いんだが、明らかに荒らしや煽りのレスを放置してる
管理人が理解できない
-
1乙
続き楽しみにしてます。
-
乙です
電話なのでしたらばの仕様変更に戸惑ってる今日この頃w
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まとめサイトで全部読み直したけど、作者氏の描写能力の向上に驚きを禁じ得ない。
最初は台本形式だったし、地の文が少なかったのに今や…!
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>>803
>>804
>すいません、別板でした(´・ω・`)
このカキコとともに削除希望します
了解。本人の申告により、誤爆レス削除
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管理人乙
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専ブラにでも入れてない限り誤爆のしようがないよな
-
>>807
じゃあ専ブラに入れてたんじゃない?
ヒロインはセイラさんなのかはにゃーんなのか気になる今日この頃
あ、今後分岐あったらセイラさんに一票ですw
-
俺はハマーンに一票
今度は幸せになって欲しいよ
だめならWヒロイン制で
言葉と世界みたいに
-
nice boat.
-
ハマーンが言葉ポジだったらZの時以上にヤバくなるな・・・。
下手したらシャアの代わりに地球にアクシズ落としそうだ。
-
もうどっかの『マク○ス』の「メインヒロイン(♂)」みたいに
「お前達が俺の翼だ」って二股宣言しちゃえばいいと思うよ。ここのアムロも。
その方がいっそ清々しい。
-
バーニィとくっついて欲しい……
戦場で芽生える男の友情、そしてその感情は……って感じで
-
…NTてその共感能力から房事の達人ぽいよな。
NT同士だとハウリングでえらいことになりそうだ。
だからNT三人で蕩けちゃえばいいんだYO!
乱れちゃいなYO!
-
セーラさんもハマーンも、二股されても「貴方のために我慢するわ」ってタイプじゃないし。
明らかに二人とも不幸(特に精神的に)になりそうだから、二股やめれ。
ちゃんとそれぞれ幸せにしてあげてよ!
相手はアムロじゃなくても良いから!
-
ニュータイプの二股っていうとアムロはララァポジションになって
セイラさんをかばってハマーンにやられて死ぬけど、死後もいつまでも2人を縛り続けるとか?
(いやな男だw)
-
管理人さん、>>817の削除よろしく
-
了解。例によって>>817広告削除。
ホスト規制はできるだけやりたくないし、痛し痒しだなあ・・・
-
乙です
-
あれ?俺のだと消えてないぞ
-
乙
そろそろ投下がほしいところですな
-
このSSでのオデッサ作戦を取り巻く状況は相当変わっちゃてるから
作者氏オリジナルのオデッサ戦に期待大だな。
-
オデッサ作戦でフレデリックブラウンは出ますか?
-
お晩です。
>>824
えーと、このSSの登場人物については本編をご覧下さいとしか申し上げられませんすいません。
こんな時間ですが、投下しますー
-
コックピットにアラームが鳴り響く。
急いで通信ボタンをONにすると、飛び込んできたのは興奮気味にまくし立てる若い声だった。
「アムロ。連絡が遅れてすまない!
今、全員が無事に帰還した。全てが上手く行ったぞ!」
「本当ですかバーニィさん!それじゃドアンさんや子供達も・・・!」
バーニィからこれまでの経緯を含め、全ての事情を説明されていたアムロにとって、それは待ちに待っていた嬉しい知らせだった。
RX-78-XXのコックピットでアムロは小躍りしたくなるのを必死で堪える。が、弾む声までは抑える事ができない。
「おーう、無事に全員が脱出して行ったぜぇ」
「コズン中尉!」
「お、全員じゃねえな。約一名はこっちの預かりだった」
突然通信に割り込んで来た懐かしいコズンの声に、アムロの顔が更に笑顔になる。
どうやらバーニィの横から通信機をひったくったらしい。
アムロには最後のセリフの意味が判らなかったが、それを聞き返す前にいきなりコズンに怒鳴られてしまった。
「このバカ野郎が!みんなに心配かけやがって・・・!」
「・・・すみませんでした・・・・・・」
怒鳴りつつもコズンの声は、掠れていた。
深い安堵の沈黙が数秒間、まるで通信障害でも起きたかの様にサムソンとRX-78-XXのコックピットを包み込む。
瞑目したアムロの脳裏にはあの嵐の海での光景が焼き付いていた。
そう。この優しい人達と、再び会える保証は無かった。
改めて今、自分達は戦場にいるのだという事に気づき愕然としてしまう。
しかしだからこそ、この瞬間に、価値がある。
やがて、小さく一度鼻をすすり上げた音とへへへと言う照れくさそうなコズンの笑いがその沈黙を破った。
「詳しい話は後だ。早いところ戻って来い!さっさと、ずらかるぞ」
「そ、そうだ、ここに長居するのは危険なんだ。急げアムロ」
コズンの横から声を入れているらしきバーニィの声音も、何だかくぐもって聞こえる。
どうやら彼も、コズンとアムロの会話を聞いて感極まっていたらしい。
「それなんですが・・・」
「ん、どうした。何か問題でもあるのか?」
アムロの逡巡を感じたコズンの表情と声が変わる。
「それがですね・・・」
戸惑った様な声がアムロの口から漏れ出る。
先程から彼の目は、施設の中庭を映し出しているモニターに、正確にはその中の人影に釘付けになっていたのである。
-
ニムバス・シュターゼン大尉は、破壊された08-TX[EXAM]のコックピットからようやく這い出す事ができていた。
特異な形状のヘルメットを脱ぎ捨てた彼は、堪え切れずにその場で膝をつき、二度、三度と地面に向けて嘔吐する。
脳が痺れ、掻き出される様な不快感はまだ残留している。
涙を浮かべ胃の内容物を吐き出しながらニムバスはEXAM起動時の猛烈な違和感を思い起こし、こうして意識を保っていられたのがまるで奇跡の様だと思えるのだった。
実際、ニムバスの強靭な意志がEXAMに晒された自身の精神を繋ぎ止めていたのだが、現在彼の中に有るのは惨めな敗北感のみであった。
クルストからはEXAMとはパイロットのサポートシステムだと聞かされていた。が、実際は逆であった。
システム起動と同時にニムバスは身体をEXAMに完全に乗っ取られ、憐れな傀儡と化したのである。
クルストに騙され、填められたのだと気付いた時にはもうどうする事もできなくなっていた――――
しかしNTならぬニムバスにはアムロとハマーンの意識レヴェルの邂逅こそ感知できなかったものの、彼の身体を介して展開されたMS戦闘は明瞭に「感じ取る事」ができていた。
そして衝撃的な事に、彼の身体を乗っ取ったシステムの技量は荒削りながらも明らかにニムバスのMS操縦技術を凌駕していた。
にも関わらず、結局そのシステムが操るMSは眼前の敵に破れてしまったのである。
クルストにまんまと騙され、システムの支配に負け、システムの技量にも負け、そのシステムの操るMSも眼前の敵に破れ去った。
それは流石のニムバスも、自分の実力とは、たかがその程度のものだったのだと強制的に認識せざるを得ない程の、見事なまでの負けっぷりであった。
ニムバスの人生において、ここまで完璧に叩きのめされた経験はかつて無い。
いっそ清々しいと言える程の完膚なきまでの敗北に、悲しみの涙すら出ない。
さっき嘔吐しながら滲んだ涙は、そういったものとは質の違う涙なのである。
「ぐっ・・・・・・」
それでもニムバスは体の力を振り絞り、全てを投げ出し倒れ込む事無く立ち上がった。
自分は屍食鬼隊の隊長で有るのだという辛うじて残った責任感が、彼の意識を失わせる事をギリギリの所で拒んだのである。
自分の意識喪失中に何が起こったのか、彼の搭乗していたMSのすぐそばに一体、少し離れた施設の脇に一体、彼の部下が搭乗している筈の08-TX[EXAM]が無残な姿で転がっている。
もしMSの内部に部下が取り残されているのならば、隊長として放っておく事はできない。
ニムバスはふらつく足で手近な08-TX[EXAM]に近付くと、コックピットブロックの下を覗き込んだ。
MSは、うつ伏せに倒れ地面にめり込んでいる為にハッチを開ける事は不可能であった。
事態を確認するとニムバスは、自身の両手を使い、黙々とMS下の瓦礫をどかし、土を掘り始めた。
やがて手袋の先が破れ、指先に血が滲んだが気にもしない。まるでその行為が贖罪でも有るかの様にただひたすら彼は土を掘り続けた。
『あの・・・お手伝いしましょうか・・・?』
どの位の時間がたったのだろうか。突然背後から掛けられた外部スピーカーによる音声に、泥だらけになったニムバスは虚ろな瞳でのろのろと振り返った。
焦点の合っていなかった彼の目が、その巨体を見上げながら次第に正気を取り戻してゆく。
「連邦の・・・MSだと!?」
ニムバスはいつの間にか背後に立っていた白いMS――RX-78-XX――に向けて腰のホルスターから銃を抜きかけた。が、一瞬自嘲的な笑みを浮かべると、彼はどうでもいいとばかりに自らの銃から手を離したのである。
「・・・いや。どんな奴であろうが今は助けが有り難い。
すまんがこのMSを裏返してくれ。出来るだけそっと頼む」
『判りました。下がっていてください』
「恩にきる」
本人はそれに全く気がついていないが、プライドが異常に高く鼻持ちのならなかったかつてのニムバスを知る者が聞いたら耳を疑う様な台詞を彼はさらりと口にしていた。
“弱い自分”に余計な拘りなど意味が無い。それよりも使えるものなら何でも使わせてもらう。そして、そんな“弱い自分”を助けてくれる者には、素直に感謝する。
今や彼の思考は極めてシンプルであった。
徹底的に打ちのめされた事で余分な険と肩の力が抜けたニムバスは、憑き物が落ちたかの様に実に自然体であった。
-
やがて、小さな地響きを立てて仰向けにされたMSのコックピットハッチを開放したニムバスは、中にいたクロードを、同様にもう一体の08-TX[EXAM]からもクローディアを引きずり出す事ができた。
二人とも見た目に外傷は無い。が、ヘルメットを外され、地面に仰臥して寝かされたクロード、クローディア共、眼は開いているにも関わらず意識が無かった。
呼吸はしているものの半開きになった口からは涎が零れ落ちている。
ニムバスが何度も耳元で彼らの名を呼び、叫んでも二人の瞳は正気の光を取り戻す事は無かった。
やりきれない表情でその場にヘたり込み、がっくりとうなだれたニムバスの横手から、その時声が掛けられた。
「二人を表門まで運びましょう。今ならまだ病院に向かうエレカに間に合うと思います」
疲れ切った表情で見上げるニムバスの前には、少年とおぼしき赤毛のジオン軍兵士がしゃがみこんでいた。
学徒兵だろうかと一瞬ニムバスがいぶかしんだのも無理は無い。それほどその兵士は若かったのである。
しかしその瞳の色は深く、年齢にそぐわない落ち着いた雰囲気を醸し出している。
ニムバスには判る。これは断じて、うわついた若造にありがちな虚勢やハッタリではなく、堂々とした自信に裏打ちされた漢の目だ。
恐らく、この少年兵がくぐってきた修羅場は一つや二つではないのだろう。
自らを常に最前線に置き、死線を幾度も乗り越えて来たニムバスならばこそ、それが判る。
「なるべくコックピットには衝撃が伝わらない様に、皆さんのMSは無力化したつもりだったんですが・・・」
何気なく漏らした少年兵のつぶやきに、ニムバスの目が見開かれる。
「何だと!?それではまさか貴様が・・・あの06R-3Sのパイロットだったと言うのか!?」
「は、はい。でも06R-3Sは少尉と戦って壊れました。これは連邦軍からの鹵獲品です」
目の前の少年兵は、倒れ伏した08-TX[EXAM]の遙か後方に片膝をついて搭乗降着姿勢を取ったままでいる06R-3Sを指さし、彼の後ろに立つMSを見上げた。
「なんという・・・・・・」
【ジオンの騎士】を気取っていた自分は、こんな年端もいかぬ少年兵に叩きのめされていたのである。
もはやニムバスの口からは乾いた笑いすら出てこない。
いくらこの少年が戦場で経験を積んでいるのだとしても、踏んだ修羅場の数ならばニムバスには、ジオン軍の誰にも引けを取らない自信があった。
つまりそれは戦士としての資質の差――――
「急ぎましょう」
内心の葛藤で動けなくなってしまったニムバスを促すように少年兵はクローディアを背負おうとしている。
我に返ったニムバスは急いでクロードを背負うと少年兵の隣に並び施設の表門に向けて歩き出した。
ここからだと、ひしゃげた破防壁を抜け、ぐるりと施設の建物を回り込んで行かねばならない。
-
「・・・貴様は、何故こんな所にいるのだ」
少年兵に視線を向けずにニムバスはポツリと訊いた。
それは、様々な事実を受け止めねばならない彼が飽和状態の思考の中で紡ぎ出した、あまりにも漠然とした問い掛けだった。
が、少年兵はその質問を、違う意味と捉えたらしい。しばらくの沈黙の後、彼もニムバスを見ずに口を開いた。
「最初は単なる意地でした」
そして少年兵はニムバスを振り向かずに言葉を続ける。
しかし口調が明らかに変わり、その顔には微かな笑みすら浮かんでいる。
「でも今は違います」
信念を宿した言葉には力がある。ほう、とニムバスは思わず彼の横顔に見入った。
羨ましい、と彼は素直に嫉妬し、苦渋に満ちた顔で赤毛の少年から目を逸らし口を開いた。
「私には、命を懸けて守ってやりたい女がいた。
私とは身分が偉く違うが・・・その女の為に戦う事に誇りと喜びを感じていたのだ」
「・・・」
少年兵は歩きながらニムバスの言葉をじっと聞いている。
「その女の為ならば危険な場所にも真っ先に飛び込んだ。
誰よりも長く戦場に留まってその女の歩く道を切り開こうとしたのだ。
余りに凄惨な現場に怯え、逃げだそうとした上官を手に掛けた事すらある」
「・・・」
「だがどうやら私は、その女に利用されたあげく、アッサリと捨てられてしまったらしい」
「そんな・・・」
衝撃を受けた様に少年兵は歩みを止めた。
ちょうど建物の角を曲がった直後である。そこは車両と人員がひしめき合う正面搬入口の外れに位置していた。
明らかに多数の怪我人を乗せていると判る中型のエレカに人を掻き分け近付きながら、ニムバスは言葉を続ける。
「別にその事はいい。私に力が無かったのと、人を見る目が無かっただけの話だ。
が、お笑い草なのは間違いない」
既にクレタ島に送られた時点で、キシリアにとってニムバスなぞ、どうなろうが構わない存在になっていたのだろう。
彼の崇拝するキシリア・ザビは、人体モルモットとしてニムバスをクルストに払い下げたのである。
状況を冷静に見れば、そうとしか考えられない。
今までは”状況を冷静に見る事”ができていなかっただけなのだ。自分の事を客観的に見るしかなくなった今ならば、認めたくなかった現実、知りたくなかった真実も受け容れる事ができる。
クロードとクローディアの2人を黙々とエレカのシートに座らせたのに続き、自分もエレカに乗り込もうとしたニムバスはしかし、運転席から顔を出した白衣の男に大声で遮られた。
「怪我人はまだいるんだ!ピンピンしてるあんたは後だ!」
「この2人は私の部下だ!」
ニムバスも大声で怒鳴り返すが、男は面倒臭そうに声を荒げた。
「軍人さん!病院行きの貴重なエレカのスペースにあんたを座らせる余裕は無いな!
このエレカは心配しなくても港湾施設内のメディカルセンターへ直行する!
重傷者はそこからアレキサンドリア基地に搬送だ!悪いがあんたの出る幕はねえよ!」
つまり役立たずは去れと言っているのだ。
ニムバスは黙り込んで頷き、彼の部下達を一瞥してからエレカを離れた。
所在無いその姿に少年兵が思わず後ろから声を掛ける。
「待って下さい!大尉は、これからどうされるんです?」
「・・・見ての通り私の部隊は壊滅し、上司のクルストも姿を消した。
私はその責任と能力を問われる事になるだろう。
恐らく降格され、一兵卒としてオデッサの最前線に送られるだろうが、なに、それは望むところだ。
せいぜい派手に散り花を咲かせてやる」
「だ、駄目ですよ!」
凄絶な笑みで質問に答えたニムバスに、赤毛の少年兵は目の色を変えて詰め寄った。
その必死の形相を怪訝そうに見返すニムバス。
-
「絶対に死に急いじゃ駄目です!死に場所を勝手に決めないで下さい!」
「貴様に何が判る!私にはもう信じられる物は何一つ残っていないのだ!」
敬愛していたキシリアにも、直属の上司たるクルストにも、自身の実力にすら裏切られた、それは血を吐く様なニムバスの叫びだった。
「それでもです!」
「何だと!?貴様、私にこれ以上、生き恥を晒せと言うつもりか!!」
「そうです!無駄に死ぬよりはずっとマシだ!」
「貴様ッ・・・・・・!」
我知らず少年兵の胸倉を掴み上げていたニムバスはしかし、強い光を湛えた彼の瞳に射竦められた。
「殴りたいなら殴って下さい。
うまくは言えませんが僕は・・・いろんな人に命を救われたから『ここ』で生きています。
だから僕の命は僕だけの物じゃない。最後の最後まで足掻いて生きる義務がある。
あなただって、そうでしょう?」
「・・・・・・」
絶句したニムバスの脳裏に戦死して行った彼の部下達の顔が次々と浮かぶ。
確かにこのまま死んでしまっては、ジオンの栄光を夢見て死んだ彼等に合わせる顔が無い。
「ならば、私の部隊に来るがいい」
「!」「!?」
少年兵とニムバスの後ろにはいつの間にか真紅の軍服に身を包んだ仮面の男が立っていた。
二人とも会話に夢中になり過ぎてこの男の接近に全く気がついていなかったのである。
「シャア・アズナブル大佐だ。話は聞かせて貰った」
「・・・・!!」
「シャア・アズナブル・・・【赤い彗星】か・・・!」
まるで電光に撃たれた様に表情を無くした少年兵の横でニムバスは彼の名を複雑な表情を浮かべながら反芻した。
以前のニムバスであればジオンきってのエースに敵愾心をむき出しにしていた所だろう。
「私の部隊はこれからオデッサに向かう。パイロットは一人でも多い方が良い」
「ふ・・・員数合わせという訳ですか。なるほど、今の自分には、ふさわしいですな・・・」
既にプライドをずたずたに切り裂かれているニムバスにとって、もはやそこは憤慨するポイントではない。
が、やはり他人から下される自身の低評価には一抹の寂しさがある。
「それだけではない。もしかしたら貴様に【信じられる物】とやらを与えてやれるかも知れん」
「・・・軽く見られたものですな」
ニムバスの両目がすっと細まった。
自信は砕かれたが誇りを捨てた訳ではない。
ニムバスの瞳の奥に上官のシャアに対して剣呑な光が新たに宿った。
しかしその苛烈な光は生きる活力となり、消えかけていた彼の魂に再び火を入れる結果となった。
不敵な輝きを取り戻したニムバスの目が、信じる物は自ら見つけ出さねば意味などないと言っている。
恩着せがましく押し付けられた糧を跳ね除ける力ぐらいは、今のニムバスにも残っているのだ。
-
「私と来いニムバス・シュターゼン、貴様の噂は聞いている。
悪い様にはしない。今はこれだけしか言えんがな」
「判りました。しかし大佐の部隊に入るにあたって一つだけ条件があります」
そう言いながらニムバスは挑戦的な眼をシャアに向ける。
駄目ならダメで結構、上官侮辱あるいは不敬罪で処罰するなら勝手にしろという不敵な面構えである。だいぶ調子が戻ってきた様だ。
本来、上官に向かって条件を付けるなど言語道断の行為だが、今のニムバスの心境はある意味怖いもの無しであった。
仮に相手がギレン総帥であっても同じように注文を付けた事だろう。
「・・・言ってみるがいい」
この泥にまみれた男が一体どんな要求をするのか。興味深そうな声音でシャアが聞き返す。
しかしニムバスは一旦シャアから視線を外し、何と横に立つ少年兵を振りかえった。
「貴公の名前と階級を教えて頂きたい」
「あ・・・アムロ・レイ・・・准尉です」
「承知」
戸惑いながら答えた赤毛の少年を見てニムバスはニヤリと笑い、軽く頭を下げてからシャアに向き直った。
「私の階級など何でも結構。自分を、アムロ准尉直属の部下として配置して頂きたい」
「えっ・・・!?」
ニムバスの横には目を丸くした少年兵が立ちすくんでいる。
現在ニムバスは大尉でありアムロの遥か上官にあたる。
つまりニムバスはアムロの下に付く為にわざわざ自身の降格を申し出ているのだ。どう考えても正気の沙汰ではない。
しかしシャアは顎に手を当てると感心した様に口元を綻ばせた。
「なるほど。伊達に戦場を渡り歩いて来た訳ではないという訳か、慧眼だな」
「私は今、放り捨てた命をアムロ准尉に拾われ突き返されたのです。
ならばその命、有効に使わせて頂く所存」
「ま、待って下さい!僕に部下なんて・・・!」
「良いだろう。准尉を筆頭に小隊を組む場合はその様に取り図ろう」
「有り難き幸せ」
焦るアムロを尻目に畏まった拝礼の姿勢を取ったニムバス。彼の入隊はそれで決まってしまった。
-
シャアに促されサムソンに向かうニムバスの後姿を見ながらシャアは―――
始めてアムロ一人だけに向き直った。
「アムロ君と言ったな?君と、こうして生身の身体で相対するのは、初めてだな」
辺りには慌しく行き交う人々の喧騒と次々通り過ぎるエレカの巻き起こす砂煙が濛々と立ち込めている。
こんな雑踏の中での邂逅など予想してもいなかった。が、今はこの騒がしさが逆に有り難いと2人には思える。
「まずはアルテイシアの事、礼を言う。君がいなかったなら、私は恐らく木馬を撃墜していただろう」
シャアは完全にアムロがガンダムのパイロットだという事を前提に話をしている。
凄い自信家なのだなとアムロは思う。だが傲岸ではない。その推量は正しいからだ。
「いいえ。僕は僕のやれる事をやっていただけですから」
気負いは無い。そして以前戦っていた時と比べて随分安定している。そうシャアはアムロを分析した。
落ち着きが出た分、凄みを増しているのだ。
「私は、木馬に関して君の取った行動の理由をいまさら聞こうとは思わん。
君が私と共に戦う同志となった。その事実だけで、十分だ」
「・・・!」
シャアの言葉にアムロは驚く。何と、さも愉快そうにシャアが笑っているではないか。
これは決して演技などではない、まるで恋焦がれた思い人をようやく手に入れたかの如く、シャアは心の底から自分という人間を歓迎しているのだとアムロは直感した。
「君は、君の信念で戦え。そして、君にしかできない事をやってみせろ」
「僕にしかできない事・・・」
シャアの言葉はアムロの肩に入りかけていた余分な力を抜くのに十分だった。
この人の下でやっていけるかも知れない、そう思わせる何かがそこにはあった。
「良く来てくれたアムロ・レイ。頼りにさせて貰うぞ」
「はい、よろしくお願いしますシャア・アズナブル大佐」
それはシャア、アムロ共に、自身が驚くほど素直な言葉だった。
そしてまるで磁石が引き合うかの様に、自然と差し出されたシャアの右手をアムロも自然に握り返した。
――――遂に両雄は並び立った。
連邦とジオンのトップエースがここに、轡を並べたのである。
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私の中では第一部完・・・という感じです。
だからといって一旦執筆を止めたりしませんがw
今回の投下は、ここまでです。
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乙です
二ムバスもいいキャラになっちまったもんだ
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うおぉ!!GJ
凄いことになってきましたな。
-
うおぉ!!GJ
凄いことになってきましたな。
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何二つもレスしてんのww
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乙。
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乙、次も楽しみだ
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ニムバスが仲間に!
しかもアムロの部下に!
なかなかに面白い展開っすなぁ。
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ニムバスはきっといいキャラになってくれるw
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乙でした。
なるほど、第一部完って感じですねw
しかし、いくらアムロの亡命が状況を変えつつあるとしても、連邦軍の圧倒的な物量に違いはないわけで、
はたしてここからアムロたちがどんな戦いをしていくのか……
続きをこれからも楽しみにしています。
-
ニムバスがアムロの騎士となるとは!
しかし、最後の両雄並び立つ構図は、誰しも一度は夢見たかもしれんよなぁ。
ここまでの積み重ねもあって、すごい感動したぜ
この先どうなるか、ホントに楽しみだ!
>>1乙
-
乙です、がんばって。
やっとシャアアムロが話せましたな。
これからどうなることやら、ある程度距離を置いた微妙な関係か、はたまたNT同士の共感やらあって無二の存在となるのやら。
仲良くしてもらいたいねえ。
オデッサはコリニー、ワイアットが消えてエルランが寝返るまではいかなくても指揮下の軍を動かさないくらいはするだろうから。
加えて件の捨て駒作戦の多少の戦果に、V作戦の失態でレビルの求心力やら影響力が落ちて指揮能力に悪く影響してそうだ。
その上シャアらダイクン派がエース級揃いの部隊を率いて?参戦するようだから鬼神の如き活躍をすれば勝機はありそう。
やっぱり一番の問題は早まったマ大佐のミサイルじゃないかな。
バーニィのドダイに乗ったアムロがミサイルぶったぎりにいく絵がうかんじゃったよ。
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乙です。
いやはや驚愕ですね
まさかニムバスがアムロの部下に自分からなるなんて。
そしてそこまで行くニムバスの心情の流れを違和感なく書き切った作者氏にも感服しました。
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乙です!!
相変わらずのクオリティー、先が楽しみすぎて困る。
この内容を再現した動画とか作りたいが、力量がなさすぎて泣ける…
ギレンの野望でアムロをジオン側に配置して遊ぶくらいしか出来ないぜ
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昨晩まとめサイトを発見して突貫で読ませて頂きましたが、
まさかこんなにキリ良く投下に遭遇できるとは・・・。
キャラ愛・作品愛が有る素晴らしいSSですな。乙です。
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乙、もはや正史とは異なりすぎる現状で、二人の英雄がどう未来を紡いでいくのかワクワクして続きを待ってます
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乙〜
ニムバスをこんな形で拾い上げるとは驚いたなあ
オデッサ・デーにはシャアの部隊も参戦するのかな
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そーいやギニアス兄妹ってまだ出てきてないんだっけ?
なんか今のアムロって、アイナと絶妙にかみ合いそうな希ガス
・・・って、そんなことになったら正にアムロ無双だな。ギャルゲ的な意味で。
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ギニアスの立ち位置がわからんのですけど。
ギレン?キシリア?ドズル?ガルマ?どこの派閥なんだろ?
ダイクン派じゃなさそうだけど。
アイナもいいけど、そろそろ姉御の再登場を・・・期待してるんだが。
なんかこの話のライデンとのカップルが妙に好きで。
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素のニムバスの戦闘力がいまいちどんなもんかよくわからん
後のヤザンやガトー級の技量は持ってるのだろうか?仮にもライバルキャラだし
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そこまでは無いだろ
-
そういえばこの頃のガトーはまだ無名だったよね
-
ライデンとシーマのアダルトなカップルが好きなのは同意。
特にシーマは女性としても軍人としても良いパートナー
ができてよかった。
とことん孤独&報われない人だったからねー
しかしシャアの癒しがミハルというのはすごいな。
NT同士の共感による癒しでない所がミソなんだろうなあ。
-
ライデンとシーマのカップルがお似合いすぎて嫉妬
-
えっと、ざっくりだけどギニアスについて
・連邦のテロからアイナを庇って負傷&病気に。
・サハリン家は元々ダイクン派閥だった為、ザビ家の台頭により没落。
・技術将校として仕官後に実力を発揮し、技術少将まで昇進。
・アプサラス計画を立案し、自分が全責任を負うことにより承認させる。
・ザビ家憎しというよりは、没落のきっかけ(ダイクン暗殺はザビ家によるものだとは知らない)である連邦憎し。
・計画の目的は、名家の地位奪回と連邦への復讐。
・派閥は関係なく、研究・開発さえ出来れば良しというスタンス。
こんなところだろうか。
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>>857
つまり連邦のテロリストはアイナ様を狙ってたのか
さすが連邦汚い惨い意気地なし
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確か、宇宙港の開港式典かなんかだったはず。
調子に乗ってるジオン公国にお灸を据えるつもりだったらしいが。
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>>857
詳説㌧
シーマ、ハマーン、ニムバス、さらにはシャア・・・
この話でのアムロって、なんちゅーか、すごい癒し系というか
正史で暗黒面に堕ちた人たちをガンガン救っていってるきがするから
もしかしたらギニアスも救えるんではなかろーか
とか思っちまったw
#かわりにホワイトベース隊の連中がガンガン暗黒面におちてそうだw
#ラスボスがミライさんとかだったりしてw
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未来予知を使っては駄目だ
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ミライはモビルアーマーに乗ったらけっこうやりそう。
NTだからなんとかビット使えるだろうし。
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今ガンダム何処にあるんだっけ?
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>>863
WBで魔改造済みかな
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まさかのジオン版パーフェクトガンダムフラグ
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忘れ去られた感のあるフェンリル隊にもそろそろ出番を……
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>>865
パーフェクトガンダムもいいけどヘビーガンダムも捨てがたい
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とりあえず、まずはゲーカモフをだな・・・
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WBのガンダムはキャスバル専用ガンダムにしても面白そう
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キャスバル専用ガンダムが実現するならガンダムピクシーがベースかな。
わざわざガンダムの装甲を削るより元から運動性に特化しているピクシーの方がいいと思うけど。
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アムロを忘れてないかい?
まぁ、1年戦争時代ならアレックスが残ってるが・・・。
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アレックスは連邦製だしな
亡命した以上アムロのデータも取れないし第一ガンダムタイプばかり盗まれまくるって展開も無理があるし
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ガンダムタイプ2機ありゃ十分だろうよ
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シャアがガンダムをどう評価するのかは聞きたいな
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ゲームのギレン独戦だと
これがガンダムか・・・意外にしっくりくる・・悪くない。
とかいうセリフだったよ。
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思い出したんだけど
このSSではWBが早期に落とされて戦闘データなんかが殆んど連邦に渡んなかった訳だから
ジムの量産計画が原作より遅れるはずだよな。
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陸ジムとは既にいたけどな
-
量産機ネタではスパロボAがおもしろかったな
-
ドラグーンのことか
-
ガンダムタイプ2機か。
連邦からの部品供給の見込みがないならやっぱり共食い整備に使うしか……
某革命後のイランのF-14みたいに。
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第一部完で切が良いからまとめて来た。
酉抽出に>>180-185挿入
1 ◆FjeYwjbNh61の訂正のみ修正
容量制限で>>385から分割
訂正が必要だったら言ってくれると修正する。
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>>881
まとめ乙!あなたが勇者か!
とりあえず、ざっと見てきたけど特に問題点は見当たらなかった。
今後とも、おりを見てまとめてもらえると助かります。
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お久しぶりです、イラスト投下します
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org641843.png.html
ほぼはじめてパソコンで描いた絵、しかも拾い物のトレースのため出来はあまりよくないっす
見れなかったらすまぬ
ではまたいつか
-
>>881>>883
乙です
何だか懐かしい感じがする絵柄だな
-
レス削除の影響か携帯から見ると凄まじく安価ズレしてるように見えるけど
これはしたらばの仕様かね?
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>>883
乙です。
でもジオンマーク付きの木馬って、なんか違和感あるなw
見慣れればそうでもないのかもしれないけど。
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そういえばギレンの野望やってたとき鹵獲した木馬をそのまま運用してたけど
こんな感じだったんだろうかw
-
さあ、そろそろ第二部開始の投下を期待してみようか(^^)
-
今のままのジオンではどう頑張っても原作通り負け戦になりそう。
これ程エルラン頑張れって言いたくなるSSは初めてだな。
-
>>883
もう見れない・・・
まとめスレにうpお願いできませんか?
-
今のラル隊ならガンダム無双が素で出来ると信じている。
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お晩です。
管理人さん、まとめの方、イラストの方、乙です!
そしてこのSSを応援して下さっている全ての方に感謝します。
取り急ぎ、投下しますー
-
「皆さん!お久ぶr」
「うらァ!」
「わぁっっ!?」
ペイロードのハッチを開け、勇んでサムソンに乗り込んだアムロは、内部にいた懐かしい面々を前に頬を上気させ敬礼しようとした瞬間、大声で笑いながら親しげに近付いて来たコズンに・・・突然ヘッドロックを決められて目を白黒させた。
「捕まえたぞコノヤロウ!さあ!俺達を心配させた罪を償いやがれ!」
サムソンの広いサルーンの中、コズンはヘッドロックをガッチリ決めたまま嬉しそうにアムロを振り回し、クランプやバーニィもそれに参加してアムロを寄ってたかってモミクチャにする。
そんな眼前で繰り広げられている手荒い祝福のシーンを、ミハルとハマーンはこれが軍隊式なのかしらと呆れ顔で眺めている。
何せその場の全員が、なにより弄くり回されているアムロ本人がやたらと幸せそうにしているので、諫めるのも何だか憚られる風情だったのだ。
が、しかし―――
「スキンシップはもうその辺で良かろう。准尉への狼藉をこれ以上、見過ごす事はできんな」
頃合を見計らった様に、部屋の隅から進み出て来たニムバスが、アムロの頭を抱え込んでいるコズンの肘に何気無い仕草で手を置いた。
「うお痛てぇっ!?」
途端、肘から先にまるで電流が奔った様に感じたコズンは慌ててアムロを開放したのである。
曲がった肘関節の隙間を触れると腕神経に直接刺激を与える事ができる。
どんな怪力の持ち主であろうと、この際の電流にも似た激痛に耐えて筋力を保持する事は不可能なのだ。
学生の頃、学校の椅子の背もたれに肘の関節をぶつけて指先に電流が奔り、持っていたペンを取り落とした時の記憶が鮮やかにコズンの脳裏に甦った。
しかしこの動作を狙った相手に対して一瞬のうちにこなすには、それ相応の知識と経験が必要であることは言うまでもない。
この技は主に掴み合いになっている喧嘩の仲裁をする時などに揮われる。つまりはこの男、相当に鉄火場慣れしているのである。
「准尉、お怪我はありませんか」
「あ・・・いえ、はい、大丈夫ですニムバス大尉」
「それは何よりです」
恐縮して頭を下げるアムロに対して余裕の笑みを見せながら、あくまでも慇懃な態度を崩さないニムバス。
それはどう見ても時代がかった主従関係にしか見えない。もちろん主がアムロで従がニムバスという構図である。
こいつは何がどうなってやがるんだとコズンは痺れの残る腕をさすりながら、怪訝な顔でクランプやバーニィとしきりと顔を見合わせている。
彼等の様子を後ろから眺めながら、ミハルとハマーンはつい先程ニムバスが単独でこのサムソンに乗り込んで来た時の事を思い出していた。
泥の様な睡魔に抗いきれずシートの片隅でハマーンと頭を預け合ってウトウトしていたミハルは、外部に通じるハッチが開いた音で目を覚ました。
しかしその途端、ハマーンの身が小さく強張り、微かに震え出したのである。
彼女の視線の先には今しがた入ってきたばかりの男がいる。一体どうしたのだろうとミハルが不審に思ったのも無理からぬ事であった。
「本日よりこの隊にアムロ准尉の部下として配属されたニムバス・シュターゼン大尉だ。宜しく頼む」
ニムバスと名乗った金髪の男は厳しい顔でそう言い放ったかと思うと、呆気に取られる一同を無視してペイロードの奥のシートを陣取り、高く足を組み上げ、何と腕組みしたまま瞑目してしまったのである。
そのポーズはつまり他者との会話の拒否、を表明しているのだろう。取り付く島が無いとはこういう態度の事を言う。
このニムバス、階級こそクランプと同じ大尉ではあるが、その何者をも寄せ付けない刺々しい雰囲気はクランプとは対照的であった。
突っ込み所満載であるその発言にも、大尉と言う階級とその物腰から誰も疑問をぶつける事ができない。
突如現れた異分子に、場の雰囲気が次第に重苦しくぎこちないものへと変わって行った―――
しかし、そんな正体不明だった男が今、アムロと談笑しているのだ。
まあアムロは少々戸惑い気味にも見えるが、全くもって周囲の人間には訳が分からない。
-
「い、いやしかしアムロが無事で本当に良かった。フェンリル隊の皆もこれを知ったらきっと・・・」
「待て貴様。准尉に対してその口のきき方は何だ」
「うえっ・・・?」
白けかけた空気を読み、アムロへ勤めて明るく声を掛けたバーニィはしかし、ニムバスに睨まれ逆に凍りついてしまった。
「貴様の姓名と階級を聞いておこうか」
「バ、バーナード・ワイズマン・・・伍長・・・であります」
「何だと!?伍長のくせに貴様・・・!」
「や、やめて下さいニムバス大尉!バーニィさんには僕の方から敬語はやめて欲しいとお願いしたんです!」
色を失ったバーニィと激昂するニムバスの間に割り込んだアムロだったが、ニムバスは厳しい顔を崩さず、噛んで含める様にアムロに語りかけた。
「いけません准尉。いくら年下だとはいえ、軍隊において階級は絶対の基準なのです。
仲が良いのは結構ですが、馴れ合いが過ぎると知らず知らずのうちに部隊の士気が緩みます。
それにこんな様子が他の部隊に知れたら物笑いの種になるどころか、我が部隊の信用は確実に失墜する事になるでしょう」
「まさかそんな・・・」
「事実です。規律の甘い部隊が戦場でヘマをやらかす場面を私は何度もこの目で見てきた。
もしも私が他部隊の隊長ならば、そんな部隊には安心して背中を預けられない。
そうなれば事はもう准尉や伍長だけの問題では無くなるのです」
舌鋒は鋭いが、ニムバスの言は極めて正論であった。
アムロ、バーニィはもちろんコズンやクランプすら一言も言い返す事ができない。グゥの音も出ないとはこの事だった。
確かに彼等の所属するラル隊は他の部隊と比べて比較的自由な気質がウリだ。
それは軍属でもないハモンを部隊に同行させている事などからも明らかだ。
が、自由と奔放は違う、そこにはやはり確固としたケジメが必要であるのだと、ニムバスは言外に言っているのだった。
クランプやコズンはアムロに対して軽口を叩くバーニィをまるで問題視していなかった。
しかし、それはある意味、ラル隊の自由に慣れきってしまった結果の、軍隊感覚の麻痺、であったとは言えないだろうか。
例えばバイコヌール基地で出会ったシーマ・ガラハウの部隊も、現在は曹長であるジョニー・ライデンを副指令格として重用していたが、かの部隊は基地指令シーマ直々の裁量で「部隊内に限り」という制限付きで、実績実力が共に申し分の無いライデンにある種の特務権限を与えている稀なケースに過ぎない。
ラル隊における部隊長ラルとハモンの関係も、似て非なるものではあるがまた然りだ。共にあるのは権限を握るトップの意向と覚悟である。
アムロとバーニィという、いわゆる下っ端兵士の個人的な関係である今回のケースとは事情は全く異なるのである。
-
参ったなとガックリうなだれながらもクランプは、ニムバスの糾弾を密かに有り難いと感じていた。
どんなに留意していても、ラル隊の様に孤立した部隊の中では、どうしてもタガが緩むのである。それがいずれ重大なミスを引き起こさないとどうして言えるだろう。
贔屓無し、完全に第三者からの目線。時には外部からのこういった強烈な指摘が秩序の維持には必要なのだ。
もちろん、それを糧にして部隊を再度引き締める事ができるかどうかはその部隊の資質次第ではあるのだが・・・
きまりが悪そうに頭を掻くコズンを筆頭に、消沈してしまったラル隊の面々を前に、しかしニムバスは少しだけ表情を和らげた。
「ですがこの部隊のチームワークの良さは伺えます。互いが信頼という絆で深く繋がっている部隊は、強い」
弾かれた様にラル隊の全員が顔を上げた。
そうそうその通り俺達けっこうやりますよと全ての顔が言っている。
「要は自覚と切り替えがきっちり出来ていればいいという事だ。今後はそれを肝に銘じておけワイズマン伍長」
「はっ!了解でありますニムバス大尉!」
感激し背筋を伸ばして最敬礼を向けるバーニィに頷きながらも、ニムバスは砕けた様に苦笑した。
「ふふふ。だが偉そうな事を言うのもここまでだ。実を言うと私は近く降格される予定なのでな」
「何と・・・」
アムロを除き、仰天する一同。こういう場合、当の本人には一体何と言えば良いのだろうか。
「諸君より階級が下になったらこき使ってくれて構わん。遠慮は無用で頼むぞ」
「いや、そう言われましても・・・」
いやいやいやとアムロを除き今度は恐縮する一同。
理屈はそうかも知れないが、ニムバスの言葉をいくらなんでも額面通りに受け取る訳にはいくまい。
いくら降格が宣言されていようが、今この場所で全員が説教されたばかり。しかも現在は未だ大尉なのであるからしてゾンザイな口調で答えるのも憚られる。
それどころか、本当にニムバスが降格されたとしたら、彼に対する以後の対応が非常にややこしく面倒臭い事になるのは明白であった。
「どうした、何の騒ぎだ?」
その時、開けっ放しになっていた運転席に通じている小さなハッチからアンディが顔を出した。
そのあまりにノンキな声音と顔を出迎えたのは、一同の吐き出す声無き溜息の合唱だった。
「揃ったな」
そこへ丁度外からシャアが入って来、この場にいるメンバー全員が一同に会する事になった。
「ん、どうかしたのか?」
いえ何の問題もありませんと少し疲れた顔でシャアの問いにクランプが答えると、一同はそれぞれに頷いた。
実は問題は大有りなのだが、それを言っても詮無い事だ。
「どうやらクルストにはまんまと逃げられたらしい。我々は一歩遅かった様だ。
港には網を張っているが、クルストが引っ掛かるかは保障の限りでは無い。
そこで我々はこれより再度トレーラーを接続し、連邦より鹵獲したMSを積み込んだ後ザクソンに向かう。
が、その前に、中庭で破損しているMSは爆薬で完全に破壊し、施設に残された医薬品や食料その他の使える物資をできるだけトレーラーの空いているスペースに積み込まねばならん」
「なるほど。補給が滞りがちなラル隊への土産と言う訳ですな?」
コズンがニヤリと笑うとシャアもそうだと口元を緩めた。
「これからオデッサに向かう我々が、どうせ廃棄される貴重な物資を有効に使ってやろうと言うのだ。誰にも文句は言わせんさ。
やっている事は火事場泥棒と、そう変わらんがな」
少々自嘲気味なシャアの言葉に一同も思わず笑いを漏らす。ジオン軍にとって物資一つは血の一滴にも等しいのだ。
一気に和やかになった空気の中、アムロは自分を見つめているハマーンの視線に気が付いた。
と、彼女はちらりとアムロの横に立つニムバスへと視線を向けた。心なしかニムバスの人となりに安心した様に見えるのは決して思い過ごしでは無いだろう。
彼女とは、EXAMの介入無しで改めて話をしてみたい。きっと・・・
「よし、それじゃアムロ准尉!とっとと仕事に掛かりましょうか!」
「あ、ま、待って下さいバーニィさん!」
バーニィはアムロの背中をぽんと叩くといち早く外部へ通ずるハッチを開けて出て行ってしまった。
彼にとってこの対応がニムバスの言うケジメであり、アムロに対する態度の落とし所なのだろう。
アムロは一瞬ハマーンへ視線をやったものの、バーニィに遅れじと、急いでハッチを潜り抜けると彼の後を追った。
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今回の投下はここまでです。
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乙
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乙です
ニムバスwww
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やばい、ニムバスがいいキャラだ!w
アムロはハマーン様を妹的な視線で見ているのだろうか?
なんというか保護者的というか兄貴的というかw
セイラさんとの合流後が楽しみで仕方ないなちくしょーw
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1乙
ところでセイラとシャアはもう会ったのかね?
とりあえず作中の描写にはまだないようだけど
ラルともまだ?
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乙
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投下乙でした。
EXAMに囚われず、ニムバスの良い所が強調されたらこんな感じだったんだろうな。
しかしアレだな、周りがアムロに無いものを見事に補ってるな。
>>900
サイド7での邂逅はしてるはずだな。
WB鹵獲の時点でラルとは会ってなかったか?
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ごめんごめん
シャアとラルが会ったか?てことで
お懐かしゅうございますキャスバル様!!
みたいな
あとシャアとセイラの両者がジオン在籍の現状で会った時の会話とかさ
楽しみだな、と
史実では分かり合えない立場で刹那的な会話しかできんかったからね
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1乙です
降格を公表するまでは、密かにお前が言うな(笑)と思ってしまいました
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管理人さん>>905削除よろしく
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ニムバスって執事?
そのうちYes、MyLordってか?すごく似合いそうだ。
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了解>>905広告により削除。
どうも毎回同じ業者がしたらばに無差別で貼ってるぽい。
試しに、毎回貼られてる同じアドレス文字列にNGワード規制かけてみた。
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>>908
乙です
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>>1乙です!
管理人さんもいつもありがとうございます。
ニムバスさん最高です!
夢のような部隊ですなw
続きが楽しみです。
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乙〜
ニムバス男前杉ワロタ
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ニムバスが段々とゼンガーに見えてきたw
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またかよ
管理人さん>>913を始末お願いします
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了解>>913削除。
今回は・・・アド無しで意味不明なしたらば無差別広告。
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>>915
乙です
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なんという綺麗なニムバス…!
最高です
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ホント続きが待ち遠しい物語だねえ、まだとわかっていても毎日チェックしてしまう(笑)
ところでそろそろ1000が近くなってきたけど、ここも1000でスレ終了なの?
よくわからんのですけどまあ、管理人さんが次スレは建ててくれるのかな?
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ただいま戻りました。
皆様の援護射撃に感謝します。
管理人の方も、乙です!
それでは、投下しますー
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施設での残務作業を終えた一行は、サムソントレーラーにRX-78-XXを搭載すると一路、マッドアングラー隊が軍港として秘密理に使用しているザクロスに向かった。
小湾ザクロスは表向きクレタ島がジオンの管理下にある事を隠蔽する目的で設置された拠点であり、この島において最大の港であるイラクリオンのちょうど反対側に位置していた。
先のコロニー落下による被害で放棄された港であり、辺り一帯に民家も無く、現在港湾施設は朽ち果てるに任せた状態で封鎖され、民間人の立ち入りは禁止されている。
しかしザクロスはクレタ島の中でジオン軍の集積基地のあるロドス島に向かうに最も適した地であり、オデッサ、アレキサンドリア両基地にも海路で比較的容易に行き来する事ができるという正に秘密基地としては絶好の条件を兼ね備えていたのである。
今回、施設の避難者達を乗せた車両は全てイラクリオンに向かった。
これはザクロスがあくまでもシークレットポイントであるという点と、メディカルセンター等の施設は全てイラクリオンに集中していた為であった。
日が暮れる頃ようやくザクロスに辿り着いた一行は、港の片隅にうち捨てられているかの様に佇む、うらぶれた3階建てビルに隣接した大型ガレージの中にサムソントレーラーを収納し、シャッターを下ろすとようやく一息つく事ができた。
規模は小さいがこの建物が実質、地中海におけるマッドアングラー隊のアジトである。
今回ブーンを筆頭とするマッドアングラー本隊は、シャアの指示で配備されたMS全てと共にイラクリオン港を海上で封鎖する為に出払っており、現在この地にいるのは彼等のみであった。
「手の空いている者はコンテナを下ろすのを手伝ってくれえ」
締め切られたガレージ内に響くコズンの呼び掛けに、サムソンを降車して思い思いのポーズで身体を伸ばしていた一行の中からすぐにバーニィとアムロが応じ、ニムバスもアムロに続く形で作業に加わった。
シャア、クランプ、アンディの面々は何事かを話しながら隣接しているビルの入り口に向かって歩き始めている。
その時リフト作業車に向かおうとしていたコズンに小走りでミハルが近付き声をかけた。
「あたしも何か手伝うよ」
「いや、お前さんにはこのビルの厨房へ行って皆のメシを作って貰いてえんだ。食材はこの中から適当に見繕ってくれ」
コズンはそう言いながら自分の後ろに降ろされたばかりのコンテナを親指で指し示した。
ミハルがコンテナに歩み寄って確認すると、いくつかの中型のコンテナの上部は開いており、中にはジャガイモを始め数種類の野菜や真空パックされた肉類がぎっしりと入っているのが確認できた。
ミハルの後ろについて来たハマーンも、興味深そうにコンテナを覗き込んでいる。
「俺達はこれから今後の打ち合わせをする予定なんだが、その時に食事も一緒に済ませたい。何か手軽に食べられるもの、頼めるか?」
「判った。やってみるよ」
「わ、私も手伝うよミハル!料理なんて作るの・・・初めてだ」
きらきらした眼で服の裾を掴むハマーンにミハルはにっこり笑って頷く。
あの時、アムロをなんだか妙に意識していたハマーンに、隣にいたミハルはすぐに気がついた。
2人の間に何があったのかは全く判らなかったが、きっとアムロに対して何らかのきっかけをハマーンは欲しがっているのだろう、そうミハルには思えたのである。
何せ、あの後結局アムロはトレーラーの荷台にバーニィ等と乗り込んでしまった為、ペイロードにいたハマーンとは顔を合わせる事もできなかったのだ。
この事がその取っ掛かりになればいいねとミハルは心中密かにエールを送り、微笑ましい気持ちで真剣な表情のハマーンを見つめた。
-
盛り上がっている女性陣の様子を見ていたコズンは頭を掻きながら苦笑する。
施設ではボサボサに乱れていたハマーンの髪は、ミハルによって今は前髪を残した形で綺麗に整えられ、高い位置で結わえられた可愛い二つのお下げになっている。
コズン達の目前で爆風でほどけたミハルの髪も、彼女自身の手で、こちらは元通り低い位置でのお下げに整えられていた。
むさ苦しい男達の中で黙々と髪の手入れをする少女達の様子は気高く、その場の男共に何とも言えない新鮮な感動をかき立てていたのである。
「あ〜普段ロクな物を食ってねえ俺達軍人は、常にうまいメシに飢えてんだ。お2人さんには期待してるぜい」
照れ隠しでミハルをからかう様にコズンはおどけて笑うと踵を返し、後ろ手を振って作業に戻ろうとする。
「ミハル!何にしよう?何を作ろう?何を作るの?いっぱい作れるよ?」
「あはは落ち着いてよハマーン。ここにある材料を一度に全部使う訳にはいかないよ」
「そ、そうか・・・」
背後から聞える明らかに落胆したハマーンの声にコズンは思わず小さく噴き出してしまった。
普段虚勢を張った口調と表情で他人と会話しているハマーンは、ミハルに対してだけは12歳という年齢に相応しい喋り方に戻る。
その現象を彼女自身は気付いていない様だが、おそらくこちらの喋りが彼女本来のものなのだろう。
それはこの数時間の間、彼女を交えたサムソンの中での会話を見聞きしていた全ての同乗者の共通した認識となっていた。
そんなハマーンにコズンのイタズラ心がむくむくと頭をもたげ、またもや噴き出しそうになるのを必死で抑え、彼は極めて真面目な顔で振り返った。
「そうそうハマーン様。ジオン軍では料理を失敗した奴は厳罰に処せられますんで、くれぐれもご注意を・・・」
「な、何だと、そんな軍規が!?」
例によってコズンが話しかけた途端にハマーンの口調が肩肘の張ったものに変わってしまうが、コズンは気付かぬふりで頷いた。
「そおです。貴重な物資や食材を無駄にした奴は万死に値するのです。宜しいですか、くれぐれも・・・」
「・・・・・・・ミ、ミハル、どうしよう・・・」
「・・・コズン中尉?」
すっかり蒼くなってしまったハマーンの肩を抱き、からかうのもいい加減にしなさいという面持ちでコズンを軽く睨んだミハルは、そっとハマーンの耳元に囁いた。
「大丈夫だよハマーン。心を込めて料理すれば失敗なんかする筈ないさ。
それに、イザって時にはあたしもあんたも空っぽになったこのコンテナに隠れちゃえばいい。フタを閉めりゃ見つかりっこないよ」
「がははは、そいつはいい。是非ともかくれんぼするハメにならないような味の料理を頼みますぜ」
ミハルの言葉に破顔し、その場を離れかけたコズンの表情がそこで固まった。
「・・・コンテナに、隠れる、だと・・・・・・!?」
笑顔だったコズンの表情がみるみる険しいものに変わってゆく。が、彼はちょうど2人の少女に背を向けていた為、彼女達を怯えさせずに済んだ。
「そう言えば、クルストの野朗、いろんな地元の業者に繋ぎをつけて・・・だからわざと施設内部を混乱させ・・・・・・そういう事か・・・!」
そう小さく呟くなりコズンは突如走り出し、慌しくシャア達の後を追って建物の中へ消えてしまった。
その様子を見て何事かと思わずハマーンと顔を見合わせたミハルは、やがて腰に手を当てて一つ溜息をつくと、不安そうな彼女にウインクする。
「さあ、張り切ってすっごくおいしいご飯を作るよハマーン。きっとアムロも喜んでくれるはずさ」
その瞬間、ハマーンの顔が真っ赤に染まった。
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ちょっと短いですが、今回の投下は、ここまでです。
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乙でした!
-
乙!
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ハマーン可愛すぎるだろう
頑張って榊原良子の声で保管してるけど
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乙です
榊原さんだと萌えないっす
ハマーン様は榊原さんですが、このはにゃーん様は若い頃の声だと勝手に補完してます
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榊原さんだって頑張れば幼い声が…出るに違いない
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無茶言うなw
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キシリア閣下ですら 「ミンキーモモ、デビュー」 とやってくれたんだから
はにゃーん様だって 「ピピルマピピルマ・・・」 で一人二役をこなしてくれるさw
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つまりハマーン様の少女声が実現できたらナナイとハマーン様の対話は榊原さん祭
ということだな。
そこにマウアーも参加したら祭がカーニバルだな
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ハマーンとアムロの会話を楽しみにしてたけど、引っ張るなw
次
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次回を楽しみにしてます。
-
アルテイシアさまも出してええええ
-
1乙
そろそろオデッサに向かうのか
今までの登場キャラがシャア指揮下で総出演?
拠点各地の守備があるから無理かな?
シャアやアムロがオデッサでどんな機体に乗るのかとか今後がひじょうに楽しみだ
期待してるよー
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シャアはキシリア、ラルはドズルだからどうなることやら。
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乙〜
ていうかクルストまだ退場してなかったのか
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>>935
ドずるは何かあったみたいだよ
詳細はわからないけど
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作った料理を手にアムロに声を掛けようとアタフタするハマーンを早く見たい
>>1がんばれ
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ただいま戻りました。
あ、そういえば私も若きハマーン(はにゃーん様)の声は榊原さんを想定してないですね。
だからと言って誰って訳でも無いんですが・・・
はにゃーん様にイメージにぴったりな人って誰でしょう?
せっかくなので募集してみますか。
○○というアニメ(映画・ドラマでも可)の○○役をやってた○○さん
↑こんな感じで提案して下さるとイメージが掴みやすいです。
これは想定外のアンケートになっちゃいますがコレ!という推薦がある方、是非ともお願いします。
投下します!
-
「貴様・・・!おめおめと、よくもそんな報告を私に出来たものだな・・・!!」
断続的ににノイズの入る大型モニターの画像には、元々血色が不良気味な顔色を更に蒼白にさせた痩身の男が映っていた。
激発しそうな感情を必死に抑え付けているのが、微かに震える口元から容易に窺い知れる。
しかしそれとは対照的にモニターのこちら側にいるシャア・アズナブル大佐は不敵な笑みを微かに浮かべていた。
「事実を事実として報告したまでだよマ・クベ大佐。フラナガン機関のクルスト・モーゼス博士はクレタ島の施設を自ら爆破し逃走した。
報告通り、研究データと共に連邦へ寝返った可能性が高い」
「それを貴様は指を咥えて見ていたという訳か!?」
「マッドアングラー隊の任務はあくまでも外部からの脅威に対する施設の警護に限定されていた筈だ。
我々の権限を、その様に縮小したのは貴様だろう」
ぐっと言葉に詰まるマ・クベ。
キシリアに引き抜かれ、大佐として登用されたシャアに危機感を覚え、施設の警備にわざわざ揮下の戦略情報部をあてがったのは確かにマ・クベ自身であった。
「今回我々は民間からの情報を元に連邦のアジトを急襲、制圧した際、敵兵を鎮圧し新型MSを鹵獲したが、我々の権限で出来る事はここまでだ。
施設内部で起こったゴタゴタに我々は関与も対処もできん」
「・・・」
「連邦のアジトを制圧したとほぼ同時刻に爆発が起きたと知らされ、我々は施設に急行したがクルストの姿は既に無かった。
その際、我々は施設内において強権を持つ戦略情報部所属ククルス・ドアンの指示に従い、検体と一部研究員の施設退去をサポートするハメになったが、これはクルスト脱出の陽動だった可能性が高い」
「陽動・・・だと・・・!?」
「施設内部では我々は戦略情報部員の指示に従わねばならん。
その戦略情報部員と、暫定とは言えフラナガン機関のトップが結託して連邦への亡命を企てていたのだ。
そう考えれば全ての辻褄が合う。
何故ならば脱出したククルス・ドアンの潜水艇も、その後どの基地にも戻らず消息を絶ってしまったからだ」
「ばかな・・・!」
「地上におけるフラナガン機関と戦略情報部は共に欧州方面軍司令部管轄、つまり貴様の管理下にある筈だな?」
マ・クベの顔色は今や紙の様に白い。
「・・・マ・クベ大佐。この責任をどう取るつもりだ?」
「せ、責任?この私が責任だと!?貴様ぬけぬけと・・・・・・!」
「何をするにしても決断は早い方がいい。貴様がぐずぐずしているのならば、私が貴様に代わって今回の顛末をキシリア様にお伝えせねばならん」
「余計なマネはするな!」
マ・クベは思わず声を荒げた。
-
「キシリア様へのご報告は詳細な調査の後、私自ら行う!
それよりもシャア!貴様はどうなのだ!?貴様も名目は地中海エリア警備責任者なのだぞ!責任を免れる事はできん!!」
「そうだな。この件については私にもケジメが必要の様だ」
「な、なんだと・・・?」
醜い責任の擦り付け合いに発展しそうだった雲行きをいきなりスカされてマ・クベは面食らった。
「私はマッドアングラー隊を解散させ、オデッサ防衛戦に参加するつもりだ。
それについては便宜を図って貰いたい事がある」
「貴様がオデッサに来るというのか・・・便宜とは何だ」
予想外の申し立てにマ・クベは口元が緩みそうになるのを必死で抑えていた。
ジオンのトップエースであるシャアはかねてよりオデッサ防衛戦に参加しない旨を表明しており、キシリアもそれを認めていた。
しかしその特権を放棄し、自らが率いる部隊を解散させた後、激戦が予想される大会戦へ赴くと言うのである。
それはマ・クベにとっても現在のジオン軍にとっても、恐らく最も都合の良い責任の取り方である事に間違いは無かった。
自分の指揮下にシャアという因縁のライバルが入るという点も、見逃せない。
「簡単な話だ。私に木馬部隊の指揮権を預けて貰いたい」
「む・・・ランバ・ラルの部隊か」
マ・クベの薄い眉が片方だけぴくりと跳ね上がった。
「木馬が青い巨星ランバ・ラルに鹵獲された事は聞いている。子供じみていると笑われるかも知れんが、あの艦には少なくは無い思い入れがあってな。
どうせならあの木馬を手足の様に動かし戦ってみたい」
「ふむ・・・貴様が唯一撃ち漏らし、左遷される原因となった因縁の戦艦だったな」
一時の狼狽が嘘の様に、モニターの向こうのマ・クベは尊大な態度でシャアに対した。
来るべきオデッサ防衛戦を前に、ラル隊には現在ダグラス・ローデン大佐率いる「MS特務遊撃隊」とゲラート・シュマイザー少佐の「闇夜のフェンリル隊」が合流している。
ウラガンに狼藉を働いたかどでマ・クベに見捨てられ木馬に常駐している「黒い三連星」を含め、今や木馬はザビ家にとっての厄介者を寄せ集めた大部隊となっているのだった。
意図的にそれはラルを筆頭に多くの旧ダイクン派からなる軍人によって構成され、戦場で異様に目立つその船影は常に最前線に配置される宿命となった。
栄達も昇進も木馬にいては意味が無い。どれほど勲功をあげようが、階級が上がろうが、結局は激戦の中で使い潰される運命だからである。
恐らくシャアはその事実を知らない。まともな軍人ならば、わざわざその様な場所に身を置こうとは考えない筈だからだ。
これは、マ・クベにとって好都合と言えた。
-
「・・・よかろう。貴様の殊勝な態度に免じて木馬を預けようではないか。キシリア様への報告は今回の件も含めて私からしておく」
辞令はすぐに送ると付け加えたマ・クベの勿体を付けた物言いに、シャアは気付かれない程小さな安堵の息を吐き出した。
「恩にきる。今回の汚名はオデッサで返上させて貰おう」
「期待しているぞ。補給は一切送れんが、悪く思うな。こちらも何かと物入りなのでな」
すました顔で嘯くマ・クベに対し、シャアも勤めて平静な態度で応える。
「了解した。それはこちらで何とかしよう。それから」
「何だ、まだ何かあるのか?」
いらいらと一刻も早く通信を切りたがっているマ・クベに対し、何食わぬ顔でシャアは言葉を続けた。
「施設に取り残されていた3名の児童を保護している。彼等の処遇は、こちらの判断で構わんな?」
「貴様は無能か!?下らん事をいちいち聞くな!!」
遂に激昂したマ・クベ。どうやらシャアにからかわれていると思ったらしい。
「それを聞いて安心した。勝手にやらせて貰うとしよう」
「通信を切るぞ!!」
勢い良くブラックアウトしたモニターを見て、初めてシャアは声を上げて笑った。
「お、お見事でしたシャア大佐・・・!」
アジトの建物の中にある通信室。
その隅から一部始終を見ていたアンディは、赤い彗星の手腕に感服していた。
シャアは策士と名高いマ・クベに対し揺さぶりを掛け、会話の主導権を握ると一気に全てのお膳立てを整えてしまったのだ。
「マ・クベは無能な男では無いが、それ故ある意味思考が読みやすい。こちらが騙されていると思わせられれば、後の誘導は容易いものだ」
「心に刻んでおく事にします」
尊敬を込めた視線でアンディはシャアを見た。自分達のボスはマ・クベ等とは格が違っていたのである。その事実を目の当たりにできた事が何よりも嬉しい。
と、2人が同時にドアの方を振り返った。
「・・・何だか良い匂いがしますね」
「うむ。これは・・・」
腕まくりをしてキッチンに入っていったミハルの料理が出来たに違いなかった。
思い出した様にシャアとアンディの腹の虫が鳴り始めるのを彼等はそれぞれに自覚した。
人間である以上、空腹には勝てない。どんなヒーローも、腹ペコでは戦う事ができないのである。
「皆を集合させてくれ。取り敢えず腹に何かを詰め込もう。会議はその後だ」
照れ臭そうに笑うシャアに、もちろんアンディも異存のあろう筈がなかった。
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今回の投下は、ここまでですー
-
乙
ウラガンどうなったんだろうなww
-
乙!!これがシャアの旨味成分ですがな!
-
1乙
してやったりの心理戦舌戦の後にシャアの腹の虫がなったヲチがまたなかなかよかった
ミハルはなんかフラウ的なポジションなのかね
微笑ましい
遂にオデッサ開戦とシャア軍の立ち上げ的展開にワクワクしてます
続き楽しみにまってるよ
-
乙
いよいよオデッサか
ガンキャノンのほうがマのとこに送られてたはずだから、
オデッサでギャンキャノンが出てくるのかな
考えてみればジオン軍唯一の両肩砲型の気がするが・・・
つか、こうして見ると木馬隊の面子が・・・キャスバル軍無双w
-
乙。
-
いよいよラル達と合流かぁ
アムロがいなくなった後のバイコヌールや木馬の事も書いてほしいお
-
>>1乙
いやいや、マクベを手玉に取る赤い人、爽快ですなあ
てか、>>1はやけに地理に詳しいようだけど、
もしかして旅行関係の人ですかい?
-
乙〜
ここからの展開が楽しみすぎてニヤニヤが止まらないw
-
マ・クベ徹底的に小物すなぁw
-
しかしもうこれ絶対水爆発射するよ、マを挑発しすぎ
戦局の優勢劣勢以前に弱みを握ってるシャアの口封じと厄介者を消すって理由が追加されちゃったから
核ミサイル所持の情報持ってるのにシャアもちょっと計算が甘いような
まあアムロが撃破するだろうけど
-
>>1乙
アムロは原隊ではMIA扱いのままなんだろうか。
アムロを覚えているかもしれないウラガン相手には、そっちの方がいいけどw
-
乙でした。
青い巨星に黒い三連星に赤い彗星、そしてアムロ・レイ。
そのメンツが木馬を運用していたらたとえオデッサでジオンが負けても木馬だけは勝ちまくっていそうだw
問題の補給もどうにかできるみたいだし、先が楽しみだ。
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作中初めての決戦だからね。
どうしても期待は高まる。
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オデッサでサイクロプス隊が出てくると嬉しい
全員スゴックに乗ってさ
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オデッサ辺りならゴッグじゃない?
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もうゾックも出てるんだしアッガイ、ズゴックあたりもあるじゃろ
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確かマ・クベはオデッサ戦で自分の直属の部隊にのみ新型機を配備させて
それ以外の部隊には渡さなかったらしいからどう考えてもアムロ達が新型に乗るのは無いだろうな。
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アムロはガンダムに乗るだろ
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>>960
そうそう、マ・クベだもの。
後、特務隊だし良くてアッガイだろうね。
アムロは今んとこ、フリーのピクシーでしょうな。
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本国にいるダイクン派のなんとかって准将とかハマーン救出にかこつけてマハラジャあたりに協力を要請してるからなんとかなるでしょ、補給や新型は
シーマあたりがそのへんうまいこと交渉してるんじゃ?
それにキシリアはシャアにだけは特別目をかけてるしそう酷いことにはならんのではないかね
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とか色々皆予想してるが、要は「続きが楽しみ」ってコトで。
作者様の投下を心待ちにしております。
-
ラル隊に合流するなら、置いてきたRX-78-2をメイが魔改造して待ってるんでないか?
ピクシーは・・・瞬発力特化型だし、レッドウォーリアにしてキャスバル機とかw
アムロ、ニムバス・・・スタックの残り一人が誰なのかを考えるだけでご飯3杯はイケる!
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あんまし予想しすぎて作者の行動縛ったらあかんよ
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概ねストーリーとかは1氏の中で決まってるみたいだからそのへんは心配ないさね
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それでも程々にしておこうぜ
予想するのは楽しいけどさw
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タイプミスとグーグル先生の導きでやってきたが
何これ?面白過ぎるんだが・・・
作者のおかげで有意義な日曜の午後を過ごせたわ、ありがとう。
今後も応援させて貰うから頑張ってくれ!
-
次スレ準備完了
【SS】もしアムロがジオンに亡命してたら part6
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12849/1267966709/
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管理人乙!
-
管理人さん乙っす
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管理人さん乙!
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乙です
さて、梅ますか?
産めませんか?
-
ただいま戻りました。
新スレたて乙です。それでは今後は、そちらの方に投下させて頂きます。
このスレの埋めネタは、できましたら>>939 の件で是非。
それでは(次スレに)投下します!
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ベテランの方で、日高のり子さんならどうだ
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声優疎いんでキャラクターもあげてもらえると個人的にはありがたいです
釘宮理恵
鋼の錬金術師のアルフォンス役
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これは失礼した。
日高のり子さん
らんま1/2の天道あかね
となりのトトロのサツキ
タッチの南 など
または
鶴ひろみさん
ドラゴンボールのブルマ
アンパンマンのドキンちゃん など
長レス失礼。
-
サツキの声、ハマーンに似合いそう!
-
川澄綾子さん
星界の紋章のラフィールとか
のだめカンタービレの野田恵だったりするがw
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>>978
いえいえ、こちらの勝手な言い分に答えていただき感謝感謝
-
釘宮理恵に一票
ゼロの使い魔 ルイズ
とらドラ! 逢坂大河
-
伊藤静さん
ハヤテのごとく!のヒナギク
ゾイドジェネシスのコトナさん
D.Gray-manのリナリー・リー
(新)ヤッターマンのヤッターマン2号(アイちゃん)
井上喜久子さん
ああっ女神さまっのベルダンディー
ふしぎの海のナディアのエレクトラさん
CLANNADの古河早苗(渚のかーちゃん)
マクロスFのグレイス・オコナー(シェリルのマネージャー兼ラスボス)
大原さやかさん
うみねこのなく頃にのベアトリーチェ
xxxHOLiCの壱原侑子さん
ALIAのアリシアさん
カレイドスターのレイラさん
なんとなく大人っぽい役をやる人をあげてみた。伊藤さんはちょっと声が若いか。
-
ああ、あげてみただけだからもしアンケートという事なら票に入れなくていいです。すいません。
-
日高のり子かなあ
数年後あの声になることを考慮すると釘宮はちょっと違う気がする
-
茅原実里さん
みなみけ 南千秋
涼宮ハルヒの憂鬱 長門有希
千秋のちょっと低めの声があっていそうな気がするのですが…
-
島本須美さん
風の谷のナウシカのナウシカ
ルパン三世 カリオストロの城のクラリス
めぞん一刻の音無響子
など、子供のかわいらしさから強い女性まで幅広く、しかも想像しやすいので
-
くぎゅう(釘宮理恵)が合ってるかな。なんとなく
OOのニーナ・トリニティのイメージで
-
本命 戸松遥
次点 沢城みゆき 真堂圭
大穴 金朋地獄
なんていうのはどうです。
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ハマーン様の脳内声優アンケートにたくさんのご意見ありがとうございました。
基本イメージは【日高のり子】さん。で、お願いします!
本日は新スレに外伝を投下します。
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12849/1267966709/
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壊れてる?
テスト
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直った
最後のレスが削除されてるとJaneだとバグる
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てす
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てす
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てす
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年末年始の特大号は無し?
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連休最終日の大量投下とみた!!
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もう終わりなのかな(T_T)
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