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【日常γ】春風時々、くしゃみ【その13】

125アイリス:2022/03/20(日) 01:19:28 ID:bzHkI0Pw0
>>124
車同士の衝突は当然、大きな破壊音となる。
残り少ないガソリンに引火した車は引火し、僅かな時間の末に爆発した。
短刀が頭に突き刺さったままの男は既に絶命している。
ルファスを殺すのは自分だと意気込んだ結果、安易な死を引き寄せる結果となったのは、ルファスの実力を甘く見ていたか、
あるいは実力を見誤ったか。戦闘向きでは無い、常に鉄火場にいるわけではない男の異能を責めるのは酷なものだろう。

紫煙を燻らせたままの男、ガフガリオンはニタニタ嗤っていた。
いつの間にか手に持った安酒を煽り、例えルファスがこの場で野垂れ死のうが関係ない。
愛の反対は憎悪というが、この男はアイリスに対して、愛を反転した末の感情である憎悪を抱えている。
雑魚の部下が死のうが関係ない。ガフガリオンはそれなりの金を持っているし、自分のファミリーの中ではそれなりの権力も有している。
その手の伝手を使えば、この程度の護衛はいつでも用意できる。

――そろそろかねぇ

ガフガリオンはそろそろ動き出そうとしていた。

一方その頃アイリスはというと。建物の中を逃げ回っっていた。
例え演技とは言えども、か弱いフリをしている状況の中で、自身の追手を躱しながらルファスが事態を打破するまで待っていた。
だが、アイリスの足元に影の中を潜航する男の魔の手が伸びていた。
アイリスが走って時間稼ぎをしている間、影を潜航する男の手が文字通り影から伸びてきた。
たったそれだけのことでアイリスは足を取られ、砂埃が溜まる建物の中を転がることとなった。

「――――嗚呼、もう、腹が立って仕方がない。」

アイリスは我慢はしてきた。
我慢はしてきたのだが、ガフガリオンの手勢相手に背を向けているという事実にアイリスは我慢の末に怒りを覚えていた。
異能を使うことも吝かでは無いほどに怒りを覚えていた。
ルファスの敵は、常に二者択一を迫っていた。ルファスにはお見通しだろうが、常にルファスを相手取り、アイリスをフリーにすることで
憎々しいアイリスを“狩る”楽しみを見出している。
つまり、ルファスがやられてしまうと、アイリスはもう二度と日の目を浴びる生活を送られないだろう。
貞操の問題などもそうだが、アイリスのレベルでは多数に対して優位を取れない。
だからこそルファスという護衛を使ってまで行動しているのだ。
アイリスの赤い目は不気味な虹色の瞳に輝きを増そうとしていた。


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