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【イベントC】永劫を超越せし異能都市【LV5】

1名も無き異能都市住民:2014/08/31(日) 00:34:34 ID:6j0R4hiw0
<<ルールとか>>
・ここは、各スレでなんらかのイベント・クエスト・戦闘が発生した場合に使います。
・雑談も可能ですが、日常の範囲で済むかどうかは各自で判断してください。
・クエストスレはA・B・Cの3つがあります。開いている場所ならどこでも使って構いません。
・逆に、使用中の場合は混乱の元になりますので、同じクエストスレで2つのクエストを進行させることはやめてください。
・クエストで使われている場所を、クエスト以外のスレで使うことは『構いません』。
 時間軸が異なる・平行世界である、など解釈は自由です。
・またクエストスレと他のなりきりスレに、同時に現れることは『構いません』。
 ただしそれによって起こり得る弊害は自力でなんとかしてください。
・GM役をあらかじめ決めておくとスムースにことが運ぶかもしれません。
・識別をしやすくするために、トリップをつけると幸せになれるかも。

前スレ
【イベントC】惑い集うは異能都市の宴【四軒目】
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12841/1330010239/

2防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2014/12/30(火) 22:55:13 ID:cPpBiNT20
前スレ>>1000
【そのまま探偵事務所に送られた時にはすでに鶫は意識を失っていた】
【治療すればまた話を聞くことはできそうであるが…】

3ゼオラ&アルビノ:2015/05/08(金) 22:58:25 ID:.c.CGMyw0
――――???


普段、生活している都市から隔絶された空間。
歪みとは隔絶されていながらも、かすかな繋がりを持った場所。

都市の作る固く灰色の地面、造形物によって遮られた空。
そういった場所から隔絶されたココは、やはりいつもと変わらぬ風景だった。
青い空には雲一つなく、頬を撫でる程度の風が吹けば足元の草木が揺れる。
真反対の要素ばかりで構成された景色の中にある唯一の造形物が、この空間の中心ともいえる黒い洋館で。

ここにたどり着くには、歪みに巻き込まれた偶然か、所有者による必然。
後者によって招かれた上弦は、自然と最上階の部屋へと足を運ぶだろう。
「……やぁ、待っていたよ」
ゼオラの部屋。
最上階だというのに、彼女たちはいつもここに集まっていて。
良く知る漆黒のゴスロリ少女と、黒いドレスを着た女性はテーブルを挟んだ椅子に腰かけていて。
そして唯一、黒以外の色―――純白―――に身を包んだ真紅の双眸を持つ人間が上弦の正面を向いて出迎えた。

4上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/05/08(金) 23:36:57 ID:UQkmW0gQ0
>>3
いつ来てもここは不思議な場所だ・・・
そんな事を考えながら幻想的でどこか懐かしい風景を歩き、黒い館にたどり着く人物
身長190cm前後の男は白いコートに身を包み、ダークブラウンのアスコットスカーフを巻いている
まるでどこかの貴族のような出で立ちだが、男は”錬金術士”である
ミントグリーンというの珍しい髪色だが、その髪色や貴族のような服装それら全てを上回る特徴が男にはあった
両目と片頬を覆うベネツィアンマスクを連想させるような豪華な意匠が施された仮面を付けているのだ

そんな男が黒い館を訪ねたのは招待されたからだ、この館に存在する少女は男にとって特別な存在、なので招待されれば訪ねるのが必然である
館に足を踏み入れ、最上階へと到る
男は仮面に隠れる瞳で周りを見回す、少女達の姿を確認し自分を館に招いた人物の挨拶に返すように

「ご招待ありがとう」

そう言って、胸に手を当てながら頭を下げた

5ゼオラ&アルビノ:2015/05/09(土) 00:01:50 ID:.c.CGMyw0
>>4
小さく、笑顔を込めて、動かずに。上弦の来訪に三様の反応が返ってくる。
左右に構える黒い少女達が会話を苦手とするのも良く知っているだろう。
自然と正面に構える純白の少女が会話に回るハメになる。
「よく来てくれたね、キミに大事な話があるんだ。
 正確には誰だっていいが……キミが適任だと思えてね」
ただ、今回に限っては呼びつけたのもこの少女だ。
目の前の双眸の持ち主は上弦の娘とそう変わらない年齢の筈だが、その目つき、声は落ち着きに満ちていて。
静かであるがよく通る、そんな声で告げる言葉は、仮面の奥の彼そのものへ届けようとしていた。
「さて、早速だが本題に入ろう。
 それも簡潔に言おう―――そこのゼオラが消えるとしたら、キミはどうする?」
彼女の左手。真紅のグローブに包まれた手が指し示すのは、椅子に腰かけて動かないまのゼオラ。

6上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/05/09(土) 00:25:39 ID:UQkmW0gQ0
>>5
三人の顔を見て男の口元には少しだけ笑みが浮かぶが、白い少女の真剣な声色にすぐに真面目な表情に戻す

「話・・・?」

一体何の話だろうか、そんな事を考えるがすぐに白い少女から言葉が返ってくる
ゼオラが消える、そう言ったのか?男はゼオラという存在にはとても強い想いを寄せているが・・・

「それはどういう意味かな?」

いや、男は少し考える
同じ時空に年齢は違うとはいえ同じ存在が存在することの意味と結果を
しかし、どうしたものだろうか・・・

「”何者かが彼女に害を及ぼすなら”私は彼女をどんな手を使ってでも護ろうとするだろう・・・
しかし消えるとは一体・・・すまないが詳しく聞かせてもらえるかな?」

白い少女の真意がわからず、男は質問を返す
しかしその姿に先ほどまでの柔らかさはなく、先ほどとは全く異質の錬金術士と言う存在ががそこに立っていた

7ゼオラ&アルビノ:2015/05/09(土) 00:39:35 ID:.c.CGMyw0
>>6
「フフ、少し話を急ぎすぎたかな」
疑問を浮かべる表情に笑って返し。
「では改めて。と言っても難しい話じゃないんだ。
 ……彼女が、この小さなゼオラの未来の姿だという話は聞いたね?
 可能性の一つ。闇に飲まれ、光を完全に失ってしまった未来の話だと」
今度は彼女から見て右手に居る、寡黙な少女に目を落とし。
「その可能性の一つ、その未来が、とある事象により『あり得ないことが確定してしまったら』。
 ここにいる彼女の存在は否定される。無かったことになれば当然、消えてしまう。という訳さ」
男のように仮面を身に着けている訳でもないし、衣装が煌びやかなわけでもない。
けれども、少女の口調、表情は全て芝居掛かったような口調で展開されていく。

8上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/05/09(土) 01:08:58 ID:UQkmW0gQ0
>>7
「・・・・・・」

チラリと小さなゼオラと未来のゼオラを交互に見る
そして白い少女を仮面奥の瞳で捕らえ

「なるほど・・・続けてくれ」

どうにも少女の目的がわからない、わざわざ自分を呼び出し、二人のゼオラの前でその話をする意味
確かに、小さなゼオラを闇に飲み込ませる訳にはいかない。
しかし、未来のゼオラがこのまま消えることをよしとすれば今まで光を失ってもなお彼女が生きてきた事を全て否定することになる。
それは自分には出来ないと男はわかっていた、だから最後まで純白の少女の話を聞く
この娘はただ自分を悩ませるためにここに招待したのだろうか?芝居がかった仕草を見てその可能性もあると考える。

「まだ私は、彼女を助けるという考えでいるよ
 君は私に何をして欲しいんだ?ただ消えたらどうするという答えが聞きたいわけじゃないのだろう?」

9ゼオラ&アルビノ:2015/05/09(土) 01:33:23 ID:.c.CGMyw0
>>8
「キミの心配は無用だよ。キミのその決意があればね。
 今もこうして二人が一緒に居られているんだ。障害さえ取り除けば今までと同じように暮らせるさ」
クス、クス、と相変わらず、嘲笑うかのような笑みを零す。
「キミが焦るのが解る。恐れるのも解る。
 何故ならば僕が明確に答えを示さないから、だね?
 キミの手が及ばないまま、ただ眺めて居ろ、そんな話をする為に呼んだわけじゃないよ、安心してくれ。
 僕の聞きたい答えは聞けた。つまり、キミにその障害を取り除く役割をお願いしたくてね。こればかりは僕にはできないのさ」

「その障害……具体的には人だがね。それを取り除くということは……解るね?」
白く華奢な右手で少女のゼオラを撫でながら。
受け入れた側は頭上の手をそのままに、手元のカップに口をつけて中身を啜る。

10上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/05/09(土) 22:44:24 ID:UQkmW0gQ0
>>9
この娘はよくわからない、なんとも掴みづらい存在だ
しかし、ゼオラたちに害を及ぼす存在ではないようだ・・・
男はともすれば失礼にあたる白い少女の態度には気にも留めない
しかし少女の発言にはとても興味を持った

「君が楽しそうなのは些か疑問だが・・・つまり私はその障害となる人物をなんとかすれば良い訳か・・・
 もちろん、問題を取り除くのに尽力するのはやぶさかではないが・・・私は殺し屋ではないぞ?」

この男は自ら人を傷つける存在ではない、あくまでもゼオラの為・・・

11ゼオラ&アルビノ:2015/05/10(日) 21:08:34 ID:.c.CGMyw0
>>10
「楽しそうに見えるかい?
 野蛮に思われたいつもりなんて無いんだけどね」
尋ねはしたが、少女は笑顔を浮かべていて。
撫でられている黒の少女とは対照的に、表情は豊かだ。

「それは解っているさ。
 ただふざけたいだけに見えるがその実高名な錬金術師。
 キミと会う前にも名前を聞いたことはあってね。形振りには驚いたものだが……尊敬はしているよ」
ふぅ。と一呼吸おいて。
「話が逸れたね。
 単純な人殺しならゼオラのが適任だ、そうだろう?
 そうじゃいかない訳があるのさ……そして、だからキミが呼ばれた」

12上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/05/11(月) 23:37:51 ID:UQkmW0gQ0
>>11
「野蛮とは思わないさ、私にはその子達が君にとても懐いている様に見えるからね」

黒い少女達の表情が乏しいせいか、白い少女の表情・仕草が際立って豊かに見える。
そう男は思いながら三人を見ていた。

「ただマナ達が頑張ってくれてるだけさ、私を尊敬するなら・・・マナ達にお菓子でもプレゼントしてやってくれ。
 あの子達はお菓子が大好きなんだ。アメかチョコがいい・・・仕事中にパクパク食べて困るんだけどね」

照れ隠しか、男は自分に仕えるマナ達を褒めて欲しいと話す。
しかし、満更でもなさそうである。
白い少女が話を再開すると男は納得したように頷き

「・・・それなら私も心置きなく協力させてもらおう。ゼオラの為だ、全力を尽くそうじゃないか。
 では、その相手の話など・・・聞かせてもらおうか?」

13ゼオラ&アルビノ:2015/05/12(火) 12:55:21 ID:VRIZZRkc0
>>12
「それはどうも。
 彼女達とは不思議と……そう、不思議と気が合うんだ」
そこでも浮かべるのはやはり笑み。
緩んだ真紅の双眸は手元の少女へと向き、撫でる手つきは柔らかくなっていく。

「それも考えておくよ。お菓子作りは趣味なんだ。
 ……さて、協力してくれるというのなら、頼んだよ」
ゼオラから手を離すと席を立つ。
部屋の出口を目指し足を運び、上弦の隣に並んだところで立ち止まり。
「じゃあ、外で待っているよ。殺してくれ」
と、微笑み混じりに肩を叩いて部屋を後にした。

残された少女は一度、上弦と目線を合わせると同じように出ていこうとする。
沈黙に徹していたドレスの……消え行くだろう彼女は未だにそのままで。

14上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/05/12(火) 19:59:40 ID:UQkmW0gQ0
>>13
「だから殺しは・・・行ってしまったか」

部屋を出て行く少女に一言言おうと思ったが少し遅かったようだ
男はやれやれと息を吐きながら襟を整える
整え終えると振り返り、二人を見つめ

「私に何かして欲しいことはあるかな?」

外に出る前に、二人に近づきそう尋ねる

15ゼオラ&アルビノ:2015/05/12(火) 20:32:41 ID:.c.CGMyw0
>>14
「……別に」
漆黒の少女は男の横を抜け、純白の少女と同じように部屋を出ていこうとする。
ふと、足を止めて、振り返ると小さく手招きをする。
漆黒のゼオラは重い腰を上げると、窓脇に置かれた椅子に座り、外を眺めていた。

16上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/05/12(火) 20:50:05 ID:UQkmW0gQ0
>>15
「そうか・・・」

相変わらずだと声に出さずに心の中で呟く
苦笑いを浮かべながら手招きをする少女に今行くと答え、もう一度振り返り
ドレスを着た少女に軽く手を挙げて声をかける

「じゃ、言ってくる」

わざとらしいアクションと共に踵を返し部屋から出て行く
歩いてる最中に一度だけ両手をパチンと叩き合わせ、手を揉み合わせる

「あの子は私がおふざけ好きだと言っていたが・・・最近はカッコイイ男を目指してるからな・・・
 惚れるなよぉ?」

などと独り言を言うが、結局ふざけてるように見えてしまうのがこの男であった

17ゼオラ&アルビノ:2015/05/12(火) 22:01:44 ID:.c.CGMyw0
>>16
上弦の言葉に返答はなく、音、気配、共になく。。
まるで一人でいるときと同じ―――消えてしまっても同じだと言わんばかり。

「……そう?」
やってきた上弦を眺め、じっと、金の瞳で見つめ……何事もなかったかのように背けていく。
「がんばって」
とだけ。

館の外は相変わらずの快晴で。
頬を撫でる風は心地よく、足元では草木が擦れる音。
視線の先には純白の少女が準備運動をしていて、目が合うとゆっくりと歩み寄ってきた。
「では、手筈通り。よろしく頼むよ」

18上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/05/12(火) 22:23:56 ID:UQkmW0gQ0
>>17
この子に言われたなら頑張らなくては・・・などと思いながら意気揚々と外に出る
しかし、はっきりと言われた訳ではないので相手は誰なのか・・・大体予想はつくのだが・・・

「いやぁ、相変わらずいい天気だな、ここはいい場所だ・・・」

外に出て空を見上げると雲ひとつない空を見上げ呟く
草原などは男の好きなロケーションの一つだ。
両腕を広げて風を感じたり、地面に手を付けて足元に広がる草や土を楽しそうに撫でる

「素敵な場所だ・・・君もそう思うだろ?」

一通り環境を楽しんだ男は白い少女に向き直りながら、仮面で隠れた眼を細める

「さぁて、じゃあ私は誰を相手にするのかな?」

わざとらしい仕草で3歩前に進むと仁王立ちのまま少女に向き合う

19ゼオラ&アルビノ:2015/05/12(火) 23:16:12 ID:.c.CGMyw0
>>18
「あぁ、いい場所だ。
 しかし……ゼオラの思い通りに作ったと考えれば、この景色も興味の対象にならないかい?」
口元に手を当てて考え込む素振りを見せつつも、視線だけは様子を伺うように向けられていて。
仮面の奥すらも見透かしそうな瞳、その真意は仮面が無くとも見え辛くて。

「さて、そろそろキミも察しがついただろう?」
上弦が追った頃には準備運動をしていた少女。
目線が合うと不適な笑みを浮かべ手を伸ばした。
「さぁ、キミの準備が良ければ始めよう」

20上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/05/13(水) 00:07:41 ID:UQkmW0gQ0
>>19
確かに、いつも無口なあの子が作った空間だと考えると別の印象を抱く
あの子はどうしてこのような空間を創造したのだろうか・・・

「ふふ、今度聞いてみるか・・・」

そんな事を考えながら笑みをこぼし、改めてこの景色を見渡し、白い少女に向き直る
手を伸ばしてくる少女をみて男は自分を手を差し伸べ

「そうだな、始めるか・・・開戦前の握手なんてどうだい?」

そういう男は隙だらけで、仮面で隠れて表情は判断しづらいが、口元には笑みを浮かべていて

21アルビノ:2015/05/13(水) 00:55:44 ID:.c.CGMyw0
>>20
「握手、か。キミは呑気なものだね。
 つまり、これ以上、尋ねることは無いということだね?」
握手に応じ、差し出された手を握り返しながらも再度確認をして。
「さて、ただ黙って殺される……そんなつもりは無いよ」
握手も程々に背を向けて距離を離していく。
まっすぐに歩いていくその姿は正に無警戒、隙だらけに見えた。

振り返ると彼女の中で特徴的な左手を伸ばして向ける。
アルビノ、全身を白に覆われ、衣服までを好んで白に染める彼女の唯一身に着けた赤。左手のグローブだ。
「本気さ」
その手を握ると同時、拳から炎が噴き出して。

22上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/05/13(水) 10:00:09 ID:UQkmW0gQ0
>>21
「ふふふ、どうなんだろうな・・・これが私のいい所なんじゃないかな?
 なぁに、何故君を倒さねばならないか・・・それは今からゆっくり聞かせてもらうよ」

握手の際、男は何も仕掛けてくる様子もなく、ただ口に笑みを浮かべていた
少女が戦闘態勢を取るまで男は握手した場所から一歩も動かなかった
だが、少女が拳から炎を生み出すと同時に男の前に大きな土の壁が現れる
その壁は地面から生えてきたようで、男の能力『源素還元』の仕業だ
源素 とは 元素 と違い世界中に溢れるマナの力の事を意味する
マナと言う言葉には広い意味があり、例えば魔力、例えば自然、そして自然界に棲む精霊のことをマナと呼ぶ
男はもともとマナを理解し、使役するのではなく 協力 してもらう形で錬金術の力の源としていた
本来、この能力は物質を分解し魔力の元としてストックし、錬金術のアイテムを瞬時に作り出す為のものだ
これを行うには一度手を触れ、精密な源素の量や構成を理解する必要がある
それを男は応用し分解・再構成を行うことにより、瞬時に物質を変形させることを得意技としていた。
男は生来マナの精霊に好かれる性質なこともあり、この能力に関しては他の追随を許さない

「さて、見たところ君は接近戦・肉弾戦が得意だと見た・・・
 私はそういうのは最近めっきり駄目になってしまってね・・・ここは距離を置かせてもらうよ」

土の壁で姿を隠した男の声が聞こえる
壁の向こうで男は歩き出し、土の壁もそれに追従する形で伸びていく

23アルビノ:2015/05/13(水) 12:56:33 ID:xHa3uu4Y0
>>22
「倒すんじゃない、殺すんだ。
 そして殺しに来るということは、逆もまた。だよ」
相手を省みない、見下して諭すような口調。
さらにはクスクスと、それを楽しげにしているかのような笑い声も聞こえてきて。

「ほぅ、壁か。
 確かに、物理的に強固な壁というのは鬼門だよ」
壁越しに声が聞こえてくるだけで、何か事を起こしているような雰囲気はない。
声のトーンは相変わらずで、壁に阻まれることすらを楽しんでいる様子すら。
「では、キミはどう手を出してくれるのかな?」

24上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/05/13(水) 23:18:25 ID:UQkmW0gQ0
>>23
「ははははは!何故君を殺さねばゼオラが消えてしまうのか分からないからね
 あの子に応援されてしまった身としては確実に君に勝利して見せるが・・・ただ殺せ殺せと言われてもなぁ」

私は知りたがりなのだ、と男は壁の向こうから少女に言葉を投げかけ
男は少女の挑発に少しだっけ乗ることにした

「さぁて、壁さえあれば私は安全だからなぁ・・・こういう攻撃も出来るんだよ」

男は手を軽く・・・とは言っても空に向かって何かを投げるような動きで振り抜く
放物線を描きながら空から現れるのは液体の入った複数の試験管
それぞれ赤・青・緑・黄と色とりどりだ、それらは地面に落ちて割れると、炎・冷気・風の刃・岩の弾丸とそれぞれ爆発する
本来お互いが打ち消し合ってもおかしくない状況だが、それらより一歩早く・・・地面に落ちて炸裂したラメを溶かしたような透明な液体が打ち消し合うのを防ぐ

「私は体力がないのでね・・・ゆっくりとチマチマ行かせてもらうよ」

25アルビノ:2015/05/13(水) 23:39:51 ID:.c.CGMyw0
>>24
「フフ、待っていれば全て解るだろうだなんて思ってないよね。
 さぁ、考えろ、導き出してくれ、キミなりの結論を聞かせておくれよ!」

「そんな攻撃じゃ、何時まで経っても殺せはしない。
 忘れでもしたのかな、僕が殺せなければ何れ彼女が消えるんだ。
 僕だって死にたがりじゃないんだよ。無理は慎むさ」
壁の向こうは見えないが、彼女の言葉からは危機を感じない。
ただ少しだけ熱の籠るようになった口は饒舌さを増し畳み掛けてくるだけ。
「しかしねぇ、見覚えのある攻撃だ。
 そうか、キミはこういうのが得意なのだね、だったら今度教えてほしい」
嘲るような気概すら見えてきて。

26上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/05/14(木) 00:00:16 ID:UQkmW0gQ0
>>25
「全く・・・私の周りの人はいつも答えを教えてくれないな
 その度に自分で考えさせられるが・・・必死に考えた答えが間違ってたら怖いよな」

男は試験管を投下してからも止まらずに歩き続ける、壁も追従して作られ続け
結局は自分には一撃必殺の技は存在しない、なのでどうするべきか・・・男は歩きながら考える
幸い少女は壁の向こう側、自分を挑発するだけのようだ
それが相手の作戦なのかはわからないが、相手がどう出るにせよ、ダメージを与える方法を考えなければ

「武器も防具も全てアウテリートにあげてしまったからなぁ・・・
 いくら娘が可愛いとは言え・・・こういうときに困るなぁ・・・」

まぁ、自分が持っていてももう使えないが・・・と男はこぼす
とにかくは時間を稼ごう・・・

27アルビノ:2015/05/14(木) 00:47:14 ID:.c.CGMyw0
>>26
「僕も知らないなんて野暮じゃないんだ。
 キミの答えが合っているかどうか聞いてあげよう」

壁の向こうの様子は伺うことも知ることもできない。
純白の少女が何を考え、何を成そうとしているのかは、全てが秘密に包まれていて。

「正解だったら、終わりにしよう。
 それと、そうだ―――――すぐそっちに行くよ」

それを察する暇もなく、壁を越えて現れてきた。
純白の駆る白銀、機械の鷹が雄々しく翼を広げて空を舞っていた。
上空から見下ろす真紅と目が合えば、やはり彼女は笑っていて。
次の瞬間、急降下。真紅の左手には開戦の口火が滾る。

28上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/05/14(木) 01:33:00 ID:UQkmW0gQ0
>>27
「いやいや、まだ考え中だよ・・・あの子と君はどんな関係なんだろうね」

歩きながらそう答え、仮面をコツコツと指先で叩く
ヒントとかないのかな?そんな事を言いながら男は空を見上げる

「おお?それは鳥型のオートマタか?
 その素早さ・・・今からじゃ回避が間に合わないな」

少女と目が合う、笑みを浮かべる少女を男は急降下の直前まで何もせず見ていて
そういえば私は戦闘はとても久しぶりだ・・・最後に戦いを行ったのはいつだったか・・・
自分はどこまでの攻撃に耐えられるのか・・・

「そうだ、それ・・・私も出来るぞ」

そう言った男が掲げる手には丸過ぎると言っていいほどの硝子玉が乗っていた
男がそれを握り砕くと一瞬液体がこぼれたかと思うとその液体は見る見る形を変えていき
真っ青な焔となって男の拳を包み込む

「一回だけ、君と真正面からぶつかってみよう・・・
 一回だけだ・・・体が持たないからね」

そう言った瞬間、男の体がノーモーションで浮き上がり少女と鷹に飛んでいく
男は自分の真下に壁を突き出させ、飛んだのだった
青い焔を纏った右手で男は拳底を繰り出し、少女に挑む

29アルビノ:2015/05/14(木) 23:24:22 ID:.c.CGMyw0
>>28
「考えるだけで勿体ぶるなんてイヤだよ?
 答えだけだなんて言わないで、全てを僕に教えてくれ。
 キミという人間が見たいし、僕も見てほしい。キミと共有したいんだ僕の想いを!」
紡ぐ言葉はリズムよく。楽しげなだけに弾んでいて。
それに呼応してか左手を包む炎はより盛り揺らめかせる程で。

「避けられないなら……ってことかい?
 フフッ、だけどね、正面衝突はお断りだよ」
身を翻し、機械の大鷹から離脱する。
迷わずその鋭利な嘴を向けるその横を、落下していくすれ違い様には軽く手を振る余裕すら。
このまま大鷹と衝突しようものならその瞬間、上弦の『力』に一瞬のタイムラグを感じるだろう。
純白の少女が持ちうる能力、『周囲の異能を無効にする力』を一瞬だけ発動させたのだ。
目にも見えない、音も、光すらなく水面下で働くそれは、周囲の魔素や元素すらもその空間内では無効にしてしまう。

30上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/05/15(金) 00:36:47 ID:UQkmW0gQ0
>>29
「おっと・・・いかんなそれは、私は機械より女の子とぶつかり合いたかったんだがね」

簡単に避けられると残念そうな表情を浮かべ、すぐさま男は地面に着地する
風のマナの力で身軽になった男は、それを利用して自身を飛ばしたのだが、一瞬とはいえそれが無効化されてしまった為に地面に落ちてしまったのだ
だが、鷹に直撃しなかっただけでも儲けものだろう

「そうだなぁ・・・あれかな?私がゼオラと仲良くしすぎるから嫉妬してしまったのかな?
 いやぁ・・・色男はこれだから辛いねぇ!」

冗談交じりに笑い、すぐに向きを変え土壁を突き破るよう・・・(実際には土壁が男を避けるように穴を作り出したのだが)に逃げ出す
少女の能力を男は知らない・・・しかし今の一瞬で近い予想は出来た

「敵の力を吸い取るか・・・マナの流れを変えてしまう能力か?
 どちらにせよ防御は完璧だな・・・」

ぶつぶつと呟きながら両手に複数のフラスコを持ち、中の液体を地面に撒き散らすように歩く

31アルビノ:2015/05/15(金) 01:12:01 ID:.c.CGMyw0
>>30
「悪いね、ただぶつかり合うのは苦手なんだ。
 見てくれ、得意そうには見えないだろう?」
着地した上弦と再び向かい合うと両手を広げて身体を隠すこと無く。
華奢を通り越して細すぎる肢体は力の無さを自称する上弦であっても軽く御する事ができそうで……おまけに胸も壁。

地面すれすれを旋回して墜落を回避した機械の鷹は再び高度を上げ監視するかの如く空を飛び回る。
巨大な体躯の作り出す巨大な影。純白の身体が微かに明度を落とし、再び日光に晒された瞬間、まるで硝子糸のように髪が煌めく。
「さ、て。近寄らせて貰うよ。
 僕は正直者だからね。キミの言う通り接近戦しか出来ないことを明かすのさ」
土壁に突っ込んで行くが衝突はしない。
上弦の手の中にある物の筈なのに容易く崩壊してしまうのは不思議な感覚。
マナそのものを感じることもできるのなら、飽くまでも一時的に操作不能に陥った不思議な状態だと伝えてくる。

「だから、キミが距離を離そうと追いかけるのさ、僕は」
揺らめく炎が残る手を顔の高さまで掲げ。
フッ。と息を吐けは冷気が満ちていき周囲に氷を張っていく。
みるみる内に冷気の侵略は進み一本の氷のレーンが出来上がるとそこに足を掛けた。
「じゃあ、行くよ」
靴に仕込まれた金属板を刃にしてスケートのように滑走する。
左手の熱が氷を溶かし、加速度的な接近を可能にしていた。

32上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/05/20(水) 23:40:11 ID:UQkmW0gQ0
>>31
「ははは、この街では見た目なんてなんの基準にもならないさ
 私の娘も、ゼオラだって華奢に見えるが圧倒的に私より接近戦は強いはずさ
 ああでも、確かにその胸は防御力低そうだね?」

空の鷹を見て、地面を見る
見る見るうちに氷の道が出来上がるのを見届けるか否かの一瞬
男の足元から三つの影が飛び出し、空の鷹へと突っ込んでいく、影の正体は土で出来た『隼』である

「すまないが君は扱いが難しいから足止めさせてもらうよ・・・
 さて、私はこの子をどうにかするか・・・君に弱点とかないのかい?」

そういいながら片足を上げて一気に地面を踏みしめる、そうする事によって男の前に土が舞い上がった
舞い上げたと言うよりも抉り上げたと言った方が正しいそれらは大きな塊を成している

「とにかく、君の口から接近戦しか出来ないと聞いたからには、遠距離で攻めさせていただくよ」

男は小さな動きで土の塊を叩く、男が土を叩いた瞬間それらは粉々になりながらも少女に飛んでいく
さながら土の弾丸を放つショットガンである

33アルビノ:2015/05/21(木) 01:34:31 ID:.c.CGMyw0
>>32
「確かに、キミの言うとおりだ。
 そうそう、キミの娘の話はよく聞いているよ。
 余程愛らしいだろうね、ぜひとも顔を合わせたいものだ」
本気の勝負を挑んでおきながら、弾む会話も楽しげに。
まだ見ぬ少女に思いを馳せていたが、向いた言葉に表情が凍る。
「ふぅん……?
 キミというものは少し、いやかなり、配慮というものが足りないようだね……」
ゼオラ同様に禁止ワードだったらしく、その反応はゼオラよりも顕著だ。

「フフ、言った通りだし、キミの言う通りだ。
 僕は近付くことしかできない。炎・氷・雷は扱えるが基本は変わらないよ」
燃え盛る赤、金切る金、透き通る青を手足のように自在に扱う。
ただ何れも真紅のグローブの収まる左手が発端のようで、ゼオラの魔術のようにはいかないようだ。
「だからこそ、いやそうでなくとも、キミに近付きたいんだ」
氷のレールは炎によって切断され、進行も途絶える。
直ぐ様氷の壁が張られなおすことにより、それが上弦の行動を見ての対応だと解るだろう。
氷の壁は土のショットガンを遮るも、砕け破片が散乱する。
空からの光が氷のレンズで煌めいて、少女の白が浮き彫りになっていく……その瞬間の出来事であった。
砕け、崩れていく破片の一つが、上弦へと向かって来る。
落ちていく氷の中から大きく、鋭い破片の一つを見極め、それを蹴り飛ばしたのだ。

34上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/05/31(日) 20:37:00 ID:UQkmW0gQ0
>>33
「ふふふ、そうだな・・・是非とも娘とも友達になって欲しい・・・あまりの可愛さにおったまげるぞ?」

少女に向かう岩の散弾、しかし結局は単純な物理攻撃
能力者同士の戦いでは子供だましに過ぎないだろう、男は能力者相手に対してお世辞にも強いとはいえない
晴れた空に氷のレンズが舞う・・・どこまでもこの空間は幻想的だ

「・・・どれ」

男は向かい来る氷の刃に対して手をかざす、試したいことがある
男は周りに煌く氷もろとも刃を己の能力で源素に還るべく能力を発動させた

35アルビノ:2015/05/31(日) 23:28:30 ID:uLx5Owos0
>>34
「ふふ、ゼオラを良く可愛がってくれているようで、礼を言いにいかないとね」
岩の散弾は氷の防壁によって砕かれる。
ダメージを与えることは叶わなかったが、足を止めることには成功した。
上弦の思索をする余裕はあるだろうか。
手を刃へと差し伸べれば光が発する……答えは、『可能』だった。
魔術によって作られた物らしく、少しだけ含まれる魔素は多いが、普通の氷として扱える代物だということが解っただろう。
ただ、その魔術の質。攻撃的な側面があり、どこかで何かと結びつく。そんなヒントになるだろうが、ゆっくりと思案する時間は許されていなかった。
「……捕まえたっ!」
氷が元素へと帰っていく。その光に紛れて飛び込んでくる白い影。
一瞬、足を止め、彼女をとめる手段を無くしてしまったばかりに接近を許してしまったのだ。
「さぁ、時間切れだ。あまり僕も時間を掛けたくはない。
 頭でもいい、身体でもいい。全力を出すんだ……でなければ本当にキミは死んでしまうぞ?」
その鋭さ、冷たさは凶器のように向けられて。
軽快な口調こそ同じだが、そこに冗談は無く、殺意を露わにした口調。
静かで鋭い瞳こそ変わらずでも、そこに柔らかさは無く敵意を剥き出しにした瞳だった。

36上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/06/01(月) 08:26:48 ID:UQkmW0gQ0
>>35
「・・・・・・そうだな、あの子は君と会ったらどんな反応をするんだろうな?今から楽しみで仕方がない」

男は一歩も動かず、簡単に接近を許す。少女の必死さに申し訳なさそうに一瞬肩を竦めるが・・・
その後はこの男特有の立ち振る舞いとなる・・・接近を許した少女から攻撃は来ない
なので男は余裕の笑みでゆっくりとその長身を屈め少女と目線を合わせる。

「大丈夫だ・・・そろそろ時間じゃないかな?」

男がそう少女に囁くと、急に大きな揺れが発生する。
大地が揺れる・・・それだけでは無い、空間が揺れているのだ。
心地よい風は二人の周りのみ強烈な巨大竜巻を何個も発生させ、暖かな太陽の光は無慈悲な光の剣となる。
ふと男の足元を見ると大地の異常さがわかる。豊かな大地はまるで液体のように自在に形を変えて流れる。

「ちょっとフライングをさせてもらった、どこまでこの世界のマナに力を貸してもらえるかはわからないがね?」

そう言った瞬間に少女に襲い来るのは地から伸びる無数の槍・太陽の光から無限に湧き出す光の剣・大気中から発せられる風の刃
まだ終わらない、少女の能力を理解した男が考えた様々な手段

地から、大気から、太陽の光から次から次へと現れる獣のような何か
実際には獣ではなく男が魔素から作り出したオートマタ・・・ゴーレムだ。
ライオン、大蛇、猪、熊、大鷲、馬・・・誰もが知っている生物のかたどった物
ドラゴン、ケルベロス、悪魔、天使など、幻想種など様々だ・・・あとアザラシ

「君の能力は無効化だろ?例えば・・・勢いよく突っ込んでくるゴーレムを無効化する。
 ゴーレムは消え去るがそれらを構成する物質が勢い余って君にぶつかったりするんじゃないかい?岩で出来たものとかね?」

37アルビノ:2015/06/01(月) 12:58:11 ID:NBhldY4I0
>>36
「そうだ、それも確かに正解だよ。
 僕の能力はその性質とは相性が悪い。非常にね。
 このゴーレムとやらを消しされても、それが起こした事象すらは消せないのさ。
 ……手詰まりだ。
 この状況を回避するには……そうだね、答え合わせだ。僕も本気を出そう」
フフ。と浮かべる笑みは儚く、吐息は草原を抜ける涼し気な風にすらかき消されそうで。
けれどもその微かな笑みは、目の前の上弦には鮮明に、映し出されることだろう。
何故なら、終焉を認めているにもかかわらず、その瞳は微塵にもその気配を見せず、むしろ光を強く灯したからだった。

「僕は全てを理解したつもりさ……だけど、まだ足りないんだ!
 僕は探しているのさ! この……魂の在り処を!!」
次の瞬間、強い光が発せられ、純白の身体が飛び上がる。
否、跳躍ではなく、飛翔。強い風を纏い飛び上がるその背には黄金の鴉の翼。
「オオオオオオォォッッ!!」
ゴーレムの一つへと飛び立てば、繰り出した左脚が黄金の輝きを纏う。
さらに、さらに。その脚が帯びる電撃。その輝きの色は紫。

「さぁ、時間だといったはずだ。
 キミの考えを聞かせてくれ! 彼女が、どうして存在できないのか!」

38上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/06/02(火) 21:24:12 ID:UQkmW0gQ0
>>37
「そうだな・・・間違っても笑うんじゃないよ?
 何事もトライ&エラーだ・・・そもそも私が君をはじめて見た時、ゼオラとは全くの正反対な子だと思った。」

光り輝く少女を眺める男とゴーレム達、依然男の周りでは異常気象とも言える程に自然の魔素が荒ぶり
とにもかくにも、相手が本気を見せた以上気を引き締めてかからなければならない

「君はよく喋るし元気だ、色だって真っ白じゃないか・・・
 そんな君がいる限り、光を失ったあの子が存在することが出来なくなる・・・つまりはそういうことなのかなって思ったよ」

男が腕を振る、その腕に従うように巨大な竜巻が少女に襲い掛かり
もう一度男が腕を振ると無数のゴーレム達が少女へと向かう

「もしかして君はゼオラと同一、もしくは近しい存在だったりするのかい?」

39アルビノ:2015/06/03(水) 02:17:36 ID:uLx5Owos0
>>38
黄金の鴉の翼を従えた彼女は、自分の何倍もあるゴーレムの軍勢を目にしても一切狼狽えない。
上弦からすれば生意気にも見えるだろうか、何処までも勝ち気で生気にあふれた瞳はゼオラからは程遠い。
けれどもその強い意志。闘争に対する興味は重なっていた。
勝利への欲動と破壊への殺意。目の前の相手を叩き潰すことに関して、寸分の違いも無かった。
 
「キミの考えを、答えを、キミの口から聞きたかったんだ。
 その言葉で、僕の仮説が確信に変わる。キミの口にした言葉こそが答えだったんだ」
動き始めたマナゴーレム。対して彼女は目を閉じ力を集中させる。
紫色の電撃が駆け巡り、発散されると次に逆巻き揺らめくのは炎、その色は漆黒。

「僕はゼオラ=アドヴァルド。
 ゼオラの未来を奪ったんじゃない、僕自身が未来だったんだ」

「本気を出す。『学園』を壊させた英雄、勝利を司る者としてだ。
 これに彼女なんか関係ない。僕は――――――僕は、勝利英雄神・『ウルスラグナ』だッ!!!」
逆巻いていた漆黒がはじけ飛び、白金の輝きが溢れだす。
再び発生する強い風。魔素を掻き乱しゴーレム達の進行を一瞬、止める。
その一瞬さえあれば輝きの中で更に一対を増した黄金の鴉の翼で駆け抜けて、目の前へと存在していた。
身を翻し、上から踵を振り下ろす『勝利者』には闘争を、絶対的な勝利を見据えた笑みが広がっていて。
「黄金の角だッ!」
太陽の煌めきと見紛うほどの一瞬、謎の紋章が光を発し、黄金に包まれる振り下ろされた脚。
同時に、彼女の能力が発動すれば、抉られたゴーレムは直ちに魔素に変換されて淡い光に戻っていく。
「そして、」
二対の翼が羽ばたいて、黄金の羽を散らす。
巻き起こる風は浚った魔素の流れをコントロールして瞬時にして魔力の塊を作り上げてしまう。
勝利英雄神の鴉の羽は、悪い呪いを跳ね返す効力があるという、その力が発動しているのだ。
打消しから反射へと昇華した力は、上弦と同じようにして鋭い黄金の角を持つ雄鹿を誕生させた。


「さぁ……奪って見せろ、この勝利英雄神から、光を!」

40上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/06/09(火) 00:25:07 ID:Lgf4Je6A0
>>39
「やはりそうか・・ゼオラ・・・いや、ウルスラグナか?」

ゴーレム達が次々と破壊され、消え去っていく中・・・男は荒れ狂う暴風の最中をコートを揺らしながら真っ直ぐに歩き出す。
目の前の少女の力は強大だ、勝利・・・英雄神・・・それを名乗るのに相応しい力を持っている
しかし、男はその強大な力にも怯まず、黄金角の鹿にも恐れない

「先に言っておく・・・君は私には勝てない・・・絶対に
 いくら私の力を消そうとも・・・いかに君の力が強くてもだ・・・」

残ったゴーレム達が男の為に道を開ける、それは少女と鹿へと繋がる道だ
男は仮面に隠された瑠璃の瞳と紫水晶の瞳で少女と鹿を見据える
小細工なし、悠々と大胆に、偉大で力強く、猛々しく華やかに歩く

「理由は簡単だ・・・戦っているのが私だということ、私がゼオラに応援されてしまったことだ・・・」

ただただ、単純に簡単にそれだけの理由で男は自身の勝利を疑わない
さぁ、男はもう目の前まで迫っている、もう仮面の装飾まではっきりと見える距離だ
男は構えもせずに少女に、鹿に向かっていく

「おっと、あと一つ・・・大きな理由があるんだぜ?」

41ウルスラグナ=アドヴァルド:2015/06/09(火) 01:36:11 ID:uLx5Owos0
>>40
「そうさ……僕はゼオラ。
 だが、僕自身は別。栄光を掴んだのは『ウルスラグナ』さ」
黄金の翼をはためかせ、上空から上弦を見下ろす真紅の瞳。
太陽を後光にして眩さを増すその姿は、神と呼ぶにも相応しく思えるだろう。
瞳と同じく、彼女の真紅。手袋を光に透かす瞳は、既に勝利の優越感に浸っている余裕が見えて。

黄金角の鹿は残ったゴーレム達と対峙して。
嘶いた? ……否、風の騒めき。金色の風が巻き起こる。
ウルスラグナの白金の髪が揺れ、金の羽が舞い散って。
黄金角の鹿がその風に流されるようにゆっくりと溶けていき、ゴーレム達と混ざり合う。
上弦の力、元素を還元する力だ。鹿とゴーレムは互いを打ち消しあう形となり……二人だけが残った。

ゆっくりと、けれど一切の恐れを見せず歩いてくる上弦を見下ろし。
「フフッ……いいだろう。
 その理由もう一つ、言ってみると良い」
微かに笑みを浮かべながら翼が揺らめき、ゆっくりと高度を落としてくる。
脚は付けず、浮いたままで、上弦に手を差し伸べる。
その瞳は相変わらず強く、そぐわぬ答えを口にしようものなら裁かれそうな、威光の眼差し。

42上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/06/10(水) 10:00:35 ID:Lgf4Je6A0
>>41
「聞きたいかな?それは私の力にある・・・私の力は決してマナや呪いの類ではないんだ」

消え去るゴーレム達を眺め、少女の余裕ぶった姿に視線を移す
唯一見ることの出来る男の口元がニコリと動いた

「知っているか、私の娘や生徒は戦闘力でいえば私以上なんだが、悪いことをした際にはどんなに頑張っても私には勝てないんだ・・・
 何故かと言うと、私が娘や生徒を大好きだから・・・まぁ愛の鞭ってやつだな」

さて、さっきから目の前の少女は随分と身勝手だ
こっちはゼオラの為に動いているのにまるで自分の力を見せ付けたいだけのように振る舞い
遊んでいるのだろうか?そもそも演技がかった台詞で本心がわかりにくい
負けたくないのか?ならば何故自分を殺せなどと?  とにかく・・・

「勝利英雄神ちゃん・・・だっけ?つまりは君が私に勝てない最後の理由は・・・今から私は愛の鞭を君に振るうからだ
 その人を小馬鹿にした態度は一体君が何をしたいのかがわからない・・・全くね」

全くわからないとは言ったが
恐らくその勝利と栄光へのこだわりから察するに、彼女はただ死にたいわけではないと思う。
わざわざ男に自分を殺すよう告げる事により、無意識に自分に試練を課しているのではないか?
関係ないとはいうものの・・・本当はゼオラのことを気にしているのでは?
まぁ、ただの勝手な憶測だが・・・

とにかく、その態度はいけない・・・素直になれるようにしないと・・・

「そういえば黒い君を本気で怒った事がなかった気がする・・・自分の分身が消えるかも知れないってのにその態度は褒められたものじゃないぞ?
 少しはしおらしくしたらどうだい?
 小娘が・・・君には拳骨が必要みたいだな。」

43ウルスラグナ=アドヴァルド:2015/06/10(水) 22:43:08 ID:uLx5Owos0
>>42
「なんだ、キミはまだ、理解できて居なかったのか」
上弦の話を聞き終えればゆっくりと手が引いていく。
やれやれ、と溜息。上弦の言葉は響かなかったのだろうか。
お互いの手は届く、そんな距離に居るのに、どちらともが攻撃を始めようとしない。
『殺し合いの場』には少々、不釣合いな光景だった。

「愛の鞭、だ……。
 いきなりそんな物を持ち出すんだ。馬鹿にするのも許してはくれないか?」
フッ。と鼻で笑って軽くあしらって。
「何がしたいのかわからない。か……考えてもみなよ。
 僕は彼女を受け継いだ。この身体は僕の物だ……もう、ゼオラの物じゃない。
 同一時間上に同じ人間は存在できない……そうだろう?
 僕が居れば、未来の彼女は消えてしまう運命なんだ。
 二者択一だよ。これが、僕を殺さなければ彼女が消えてしまう原理。
 僕を殺さなければ……キミの大好きな、ゼオラが消えてしまうんだよ。そんな僕に、愛などと……」
上弦に対して、理解の悪い子どもを説くみたくなんども繰り返して。締めた結論は嘲笑うかのような瞳。

「どうだ、本気でかかってくる気にになったかい?
 折角、この姿を始めて見せたんだ……その拳、当てられるように頑張ってくれよ?」
アハハ。と楽しげに笑いながら風を巻き起こす。
一瞬の間に黄金の翼で後方に飛び去ってしまう。
追う追われるが逆転し、今度はこちらが距離を取る。

44上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/06/16(火) 01:32:33 ID:Lgf4Je6A0
>>43
「ふ、君が誰であろうと大人として子供には教育というものをしてあげないといけないからな・・・
 聞けば栄光などと大層な事を言う・・・その割には今の君は随分と小さいじゃないか?」

距離を取った少女に歩きながら近寄っていく、走ることもなく乗り物を練成する訳でもなく
何を考えているのか、口からは少女を小馬鹿にする言葉が紡がれて

「ほら、”ゼオラ”?急いで逃げないと君の勝利はないぞ?
 私は屋敷のゼオラの為に最強の戦士となったからね?君のその短い腕で・・・小さな体で・・・私を倒せるかね?」

男は歩く、しかしただ歩いてるだけなのにどんどんと距離を縮めてくる
速度も何も変わらないし、走っても乗り物にも乗っていない・・・気付けば距離が縮まっているのだ

45ウルスラグナ=アドヴァルド:2015/06/16(火) 02:14:22 ID:uLx5Owos0
>>44
「本当。面倒だな、キミは……。
 キミが本気を出してくれないと、楽しめないじゃないか。
 だからこんなにも煽って、楽しませてあげているというのに」
浮かぶ笑み。けれど瞳は寂しげで。
やはり攻撃の手は無い。しかしながら、言葉同士での牽制は続く。

四枚の黄金の翼をはためかせ、ゆっくりと後退するウルスラグナ。
離しただけ追ってくる。きっと離さなければ追いもしないのだろう。
そう遠くないうちに屋敷へとたどり着き、正面の門で佇んでいたゼオラの元へとたどり着いてしまう。
「いくら強がっても無駄だろうからね、正直に行こう。
 そろそろ、だよ。僕は飽きてしまいそうだ、キミに。
 だからだ、尋ねようと思う。どうしたらキミはやる気になってくれる?」
門に背を預け身体を傾ける黒衣の少女の頭を優しく撫でながら。

46上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/06/20(土) 09:43:20 ID:Lgf4Je6A0
>>45
「・・・・・・」

黒い少女を撫でる白い少女、それを男は歩を進めながら眺めていた
仮面で隠れているが、いやの上からでも優しさを浮かべた瞳がわかってしまう

「そうだなぁ・・・逃げ回る女の子を捕まえるにはたまには押すよりも引くほうがいいと聞くからね・・・
 君が私に向かってくるようにしたかったんだが・・・」

『まぁ、そこまで言うならそろそろ必死になってもいいな・・・』

男の姿は白い少女の眼に映っている、少し離れたところでこちらに向かって歩いてきている・・・

しかし・・・急に声は前方からではなく、白い少女の真後ろから聞こえてきて・・・
少女は後ろを振り向かなくては気付かないだろうが、もし第三者がいるのならば気付くだろう
少女の前方に男が一人・・・そして真後ろに全く同じ姿の男が立っているのだ

「君は勘違いしているようだが・・・私は最初からいままでずっとやる気だった・・・
 私がやる気のない人間に見えたかい?ゼオラを守るために動く私が?
 言っただろう?拳骨してやると」

今までにない声---否 声色はいつもと変わらぬ優しいままなのだ
しかし、その言葉から伝わる正体不明の威圧、恐怖・・・白い少女にはわかるだろうか?

その言葉を耳元で囁いた瞬間、男の腕は眼にも止まらぬ速度で振るわれる・・・
握り拳はそのまま白い少女の脳天に向かう

47ウルスラグナ=アドヴァルド:2015/06/20(土) 16:13:36 ID:uLx5Owos0
>>46
「後ろ……ッ?」
声、気配、上弦が姿を現すと同時に認識する。
しかしそれは既に手遅れ、翼を翻し振り向いたときには既に拳は振り下ろされていた。
黄金の翼が揺らめいて消える。少女の顔が苦痛にゆがみ、地面へと落ちる。
叩き付けられて跳ねる……その瞬間、黄金の翼は復活し強力な風で上弦を弾き飛ばしてしまう。

「フン……僕も少し調子に乗っていたようだ。
 この力に慢心しすぎたようだね……キミの本気が見られてうれしいよ。
 その心に酬いよう……本気を出す。ゼオラ、僕に力を貸してくれ……!」
微かに浮かぶ少女は腕を組み、小さく頷くと溜息をつく。
差し出したゼオラの手をとると身を屈めじっと見つめあい―――――


「さぁ行こう、ゼオラ。
 キミの未來と僕の過去……無くした物を埋め合わせるんだ」

――――手を離す。飛び上がると闇と化したゼオラがそれに追従する。
漆黒の炎を再び巻き上がらせる。その火力は初めとはくらべものにならないほど高く、竜巻のようで。
そこにゼオラの闇が加わり激しさはより一層に。空に暴威の如く荒ぶる黒点が浮かび。
その漆黒の中で少女は炎に身を包まれていく。


「勝利とは、完全なる虚無の先にこそ!!」


衣服を焼き払いその身にも黒い炎の文様を刻み込んだ少女の姿。
黒い少女、ゼオラを取り込んでその片目を金に、かすかに柴色に色づいた髪を漆黒の暴風で靡かせる。
両手には純白。光で金に輝く巨大な鎌が一対。振りかざせば漆黒の炎が燻る。

背中から大きく伸びた煉獄の炎の翼にて詰め寄って。
上空から上弦目がけて両手の大鎌を強く、強く振り下ろす!

48上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/06/21(日) 23:12:36 ID:Lgf4Je6A0
>>47
「んー、たった一発食らわせるのにここまで時間を稼ぎ、結構無理をしてしまったな」

風に吹き飛ばされながら男は二人の少女が交わるのを見ていて、いつの間にか男は一人に戻り
身を翻し着陸する、空を見上げて新たな少女の姿を確認する

「やれやれ・・・まさかゼオラが相手に協力するとは予想外であったな・・・全く、そこまで仲がいいなら共存出来そうなものだがな
 全く、二回目の変身とはやってくれる」

新たな姿・・・それは少女達の真の姿なのかはわからない、この勝負は勝つべきか負けるべきか・・・今の姿を見て少し迷う
まぁ、とにかく・・・少しばかりセクシーな少女達を眺めて楽しもうか・・・いや真面目に戦うか・・・
男は少しだけ疲れた様子でため息を吐く・・・自分の努力は徒労に終わるかもしれないと、二人の様子を見て思う

「あまり頑張り過ぎると体調を崩してしまうが・・・まぁ今回は諦めようか・・・」

その瞬間少女の鎌が男に迫る、早い・・・男にはそれを避ける方法はない
ならばやることは一つ・・・防御だ

壁は効果はない、消されてしまうだろう
だったら自分の体で防ぐのみ、両腕にマナの力を流して構成を変化させる
鎌の斬撃を防ぐために金属に、炎を防ぐために水の力を付与、耐性を持った両手で鎌を受け止める

49ウルスラグナ=アドヴァルド:2015/06/27(土) 15:49:45 ID:uLx5Owos0
>>48
「何を……僕とゼオラは親友さ。
 心さえ分かり合える……不思議に思っていたが、今は全てに納得がいく」
ゼオラと、その身体を受け継いだウルス。
二人分の精神を取り込んだ身体は力が溢れオーラの様なものとして彼女に纏われていた。
今、メインの彼女たちとなっているのはウルスの方だ。
蠢く闇を周囲に舞わせる少女の髪は白く瞳は紅い。
鎌を振りかざし肉薄した表情は豊かで、今は戦闘の楽しみを最大限に感じているようだった。

「これが『僕達』の力さ……そのままではこの腕、斬れてしまうぞ?」
左手の鎌を押し付けたまま、右腕を振り上げ打ち付ける。
なんども、何度も。次第にそれを受けるたび上弦の腕にも負担がかかってくるはずだ。
思うようにマナの変換ができなくなる。マナが破壊されているからだと気づくのはそう遅くないだろう。
生命のみに拘らず、全てを相対的に殺してしまう。ゼオラの持つ破壊の力。

50上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/07/05(日) 00:52:56 ID:Lgf4Je6A0
>>49
「ふふん、君こそそんなに私に近づいていいのかな?」

保険はかけてある、男は腕を鎌に押し付けたまま少女に急接近する事に躊躇しない
いつの間にか男が手にしていたのは透き通った緑色の液体が詰まった硝子玉だ両手で、計二つのそれを男は少女に接近しながら握り砕く
詰まっていた液体はすぐに弾け跳び、男の拳には風の力が宿る

「さっきまでの君の力は私の能力を無効化するものだ、しかし錬金釜で作り出したアイテムはどうかな?これは私の異能とは無関係・・・さぁ!」

そのまま男はまるで弓を引くように両腕を引き、地面を踏みしめる
ほんの一瞬静止したかに見えた瞬間、両の拳を同時に突き出す、双掌打とも呼ばれるその技は男が得意とする掌底を用いる攻撃方の一つだ
風の力で威力・速度ともに上昇する攻撃を避けるのは難しいだろう
しかし、風の力はおまけだ・・・男の狙いはまだ他にもある

51ウルスラグナ=アドヴァルド:2015/07/06(月) 01:32:31 ID:6NPEA0ts0
>>50
「ッ……水……いや、風か?
 だが、なんであっても! 僕達の力を舐めるな!」
雄々しく叫ぶ少女。それと同時に波動が沸き起こる。
これも能力を打ち消す作用を持った白の少女の特殊能力だが、さきほどのそれとは毛色が違った。
黒の少女の持つ破壊の力との相互作用で上弦の放ったアイテムの効力すら殺ぎ落とす。
掌底に込められた風の力は弱められたが、細く軽い少女の身体は遠くへ飛んでいく。

黄金の翼を生やし空中で体勢を立て直せば上弦を睨みつける。
右手の鎌を回す、その背後で闇が渦巻き新たな魔力を生み出していた。
「ゼオラ……こういうことか?」
発した魔術は上弦に対抗してか、風。
ゼオラの魔術は独特な色遣いが特徴だったが、この風の魔術もそう。
漆黒の炎、柴色の雷、翠色の氷……そして、銀色の風。
渦巻く闇が口を開くと突風が吹き荒れ瞬く間に景色が銀に染まっていく。
他の色、他の術に漏れず風もまた破壊の因子を含んでいて、銀に靡けば長閑な風景は焼かれ、上弦の身体をも蝕むだろう。
「そして……こうだッ!」
右手の大鎌が風に乗り回転を増す。
それを振りかぶり投げつけると漆黒の炎を纏った純白の軌跡が銀の風に乗って迫ってくる。

52上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/07/08(水) 15:13:39 ID:Lgf4Je6A0
>>51
「チぃッ!アイテムも駄目か・・・私の戦闘が次々に封じられていくな」

ちらりと周りを見渡せば先ほどまでとは全く異質の空気、男はそれがすぐに少女の魔力のものだと気付くが

「ただの風では無いようだな・・・全く・・・容赦なしじゃないか」

男は苦笑いを浮かべて横に駆け出す、能力とアイテムの効果は消されてしまう
唯一効果があったのは自らの体から繰り出される物理攻撃のみ
しかし一撃だけでは効果的に相手にダメージを与えたのかはわからない

「しかし・・・能力、アイテム効果の発動自体は出来るようだな」

そんな事を考えていると、少女が大きな鎌を投げつけてくる
こちらの防御は無効化されるので意味は無い、しかし当たってしまったなら致命的なダメージを受けてしまうだろう

「まだ、出来るかわからないが・・・やるしかないか!」

もうこれしか防ぐ、もとい避ける方法は無い
目の前に鎌が迫る瞬間、男の体を切り裂こうとするその刹那
男は懐から色とりどりに輝く綺麗な硝子輪を取り出す、それが確認できたと思った瞬間、男の姿はパッタリと消えてしまっていた。

53ウルスラグナ=アドヴァルド:2015/07/22(水) 00:28:31 ID:a98rLMMM0
>>52
錬金術で作り出したアイテムの力も、無効まではいかなかったが弱まってしまう。
上弦にとって錬金術の生徒でもあるゼオらの知識が超常的な力を解析し、ウルスの力で弱めるに至っていた。
それゆえに、ダメージを与えたもののそれで決着をつけるには及ばずに、再び身を翻せば黄金の翼をはためかせる。

「今、また一つ、僕達は同じになれた……。
 キミのお蔭だよ。キミの知識が僕達を結びつかせた。
 さぁ……もう一歩踏み出そう、ゼオラ。そして、キミへ……今度こそ、これで終わりさ」

詩を紡ぐかのように軽やかに、発した言葉は内に存在するもう一人の自分へと。そして向かうキミへと。
時間を掛け、行動を起こすことにより受け継いだウルスの肉体にゼオラの精神が回帰しつつあった。
今、上弦の目の前にあり口を開き、腕を掲げ、黄金の翼を輝かせるのは白の少女。
しかし、彼女の纏う漆黒の風、死のオーラ、戦いへの欲動と溢れ出る凶刃にも匹敵する意思は何度も感じたゼオラの物だった。
その二つが互いに融合し、完全な一つへと重なり合い、より新たな姿を生むために輝きを漏らす。

投げ出した鎌に対し懐に手を伸ばすその動向。
何かしらの兆候を見空いた少女達は光の中から手を伸ばした。
その指先を指揮棒のように差し出せば、黄金の背後から闇が溢れだし数多の漆黒で塗り固められた武器が目がけて振ってゆく。
僅か一瞬でも遅れれば大鎌と共に無数の闇に身体を喰われていたのだろう。
闇が晴れ、その中に男はいない。逃げられたのだと理解すると吐いた溜息は黄金の羽ばたきに流される。

「やってみるといい、キミの全てを掛けて……僕の命を、勝利を、奪って見せてくれ」

54上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/07/26(日) 22:46:44 ID:Lgf4Je6A0
>>53
『君に触ってみてわかったんだが、どうにも君は・・・君たちはお互いを高め合う様な状態になっているようだね』

空間が震えるかのように錯覚する程の奇妙な響きで男の声が聞こえる
それは遠くから聞こえているようにも思えるし、目の前で語りかけてくるようにも聞こえた。

『小細工は無意味なのかも知れないと思った。だから・・・』

その瞬間、少女の背後で何かが破れるような音が響く
背後にあるのは大きな亀裂と裂かれたような穴が無数、不思議なのはそれの全てが地面ではなく空間に存在したこと
そして不気味なのはその空間の奥から、亀裂から新たに空間を突き破り
男の姿・・・否、男を見たならばもっとも印象に残る存在・・・仮面が現れたのだ
仮面は不規則に動きながら少女の周りを付かず離れず漂う
それらは少女の能力では消せはしない、特異な存在だった

そして少女の背後、すぐ後ろ、耳元で囁くように男の声が聞こえた

「ゴリ押しで行かせてもらう」

逆立ったミント色の髪を風に靡かせ、切れ長の瑠璃・・・ではなく、かといって瑠璃と紫水晶でもない
真っ赤な・・・輝く真紅の瞳を持つ男が少女のすぐ後に・・・空に立つように存在していた

55ウルスラグナ=アドヴァルド:2015/07/27(月) 00:25:19 ID:a98rLMMM0
>>54
上弦が背後に回り超えろ掛けると同時に、少女達を覆っていた光が発散する。
音に気付き、振り返る……上弦にも匹敵する背丈、幾度とも戦いに身を投じた経験が作る凛々しい顔立ちは正しく白の少女の物。
それなのに、浮かべれた表情は彼女が見せたことのない、触れるだけで崩れそうなほど儚げな……上弦がよく知る黒の顔。
「いいよ……それで」
至近距離で相対する上弦の頬に手を当てて発した呟くような声もまた黒の物。
顔、声。真逆に見えた彼女たちは、やはり同じ名を冠する少女達。

儚げな瞳は色を変えた。
金と紅。彼女達の一つ一つを取りあわせたオッドアイへと変化していた。
その双眸が一瞬、細く歪められたかと思えば、一閃。
暗殺を得意とする黒らしく、鋭い蹴りが横から迫ろうとしてきている。

56上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/08/09(日) 01:16:53 ID:Lgf4Je6A0
>>55
「全く、私は君達のその顔に弱いんだ・・・そんな君達を傷付ける事になるとは
モテる男は辛いねぇ・・・」

頬を撫でられ、いつも通りの優しい笑みを浮かべる男・・・軽口までいつものように発する
しかし、それもここまで・・・少女が瞳の色を変えたならば、男の表情も優しさから一変・・・その鋭い目つきに相応しい謹厳であるが威圧の表情を浮かべる

少女の鋭い蹴りを、男は深く考えず手のひらで掴むような形で受け止める
この蹴りに何か仕掛けが在ろうと無かろうと、関係ないとでも言うように少女の足首を掴む

「・・・まず飛ぶのは禁止だ」

その後、少女に強烈な引力が襲い掛かる
天から地面へ叩きつけるような強烈な衝撃、どう加速したのかもわからない程の速度で地に向かい少女を引き摺り落とそうとする男
天からの重力、男からの引力・・・その二つが合わさり少女に負荷がかかる、男の目的はこのまま少女を地面に叩きつけることだ

57ウルスラグナ=アドヴァルド:2015/08/10(月) 22:46:54 ID:QdUT3/Ew0
>>56
振り抜いた脚は剣の一撃に及ぶ鋭さ。
ゼオラも蹴りを使ってはいたがこの威力は白の技によるものだ。
しかし彼女どちらともパワーの扱いは苦手。
掌は切り傷を作り血を流すが、それにさえ耐えれば難なくと掴めるだろう。

強大な力に身を捕らわれる。
二人ごと地面に落ちる。足を掴まれたまま。
黒の少女の顔は皺一つ浮かべずに瞳を投げ続ける……いつも通りだ。
その彼女が、何の保証もないままただ掴まるわけがないのは、上弦が一番知っているはずだ。
地面が迫る最中、近付くに連れて大きくなっていく影が突如変形し大口を開けた。
牙は無く、二人を待ち受けるだけ。しかし飲み込んだのは少女のみ。
地面より下に落ちていった身体はすぐさま闇に消えて見えなくなる。
その直後。黒い地面が湧き上がり上弦を飲み込もうと迫った。
周囲の視界を奪い闇一色に包まれる……目、耳、どちらとも信用が置けない深黒、無音の世界。
闇に囚われるその背後から、迫る蹴りが背中を穿こうと繰り出される。

58上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/08/16(日) 22:02:37 ID:Lgf4Je6A0
>>57
「・・・ふふふふふ・・・クククク・・・・はは、はぁーっはっはっはッは!!」

攻撃は不発、それだけに終わらず自分が闇に飲み込まれてしまう
思えば男は少女の闇は見たことはあっても飲み込まれると言う経験は初めての事だ・・・
しかし男は楽しそうに笑っている、いつもの優しい笑いとは違う、ともすれば邪悪な印象を受ける笑い声だ

「ちゃんと足は拭いたかな?何も見えなくても攻撃する手はあるぞ!」

男は闇に飲まれて隙だらけであるにもかかわらず、一切身を守ろうとしない
攻撃されようがされないが今の男には関係ない、とにかく自分の攻撃で相手にダメージを与えることに専念する
宣言どおりゴリ押しだ

「今私は新しいアイテムを考えたぞ・・・単純で誰でも思いつくアイテムだ、仮に・・・マジックミサイルとでも言っておこうか
 名前は後で誰かに考えてもらうさ」

そう言った男の手には緑色の光球が在った、先ほどまでの硝子玉に液体という形状とは違う
緑色の光が本体、光そのものが硝子玉になったようにも見えるし、実体が無いかのようにも見える

「こいつは今、私の血に反応する・・・もちろん、とある女の子に付いた私の血にだけだがなぁ!!
 ハハハハハハ!!!」

男が笑い声を上げて光を握り潰し、それを千切るかのように両腕を広げる
その瞬間、男の周りから無数の光の矢・・・否、光の杭が弾ける様に広がった、隙間の出来ないほどの杭の物量
その物量は男の周りを広がった後、少女の足目掛けてまるで光の帯のように向かっていく

59ウルスラグナ=アドヴァルド:2015/08/17(月) 22:25:35 ID:l3ehZJ6I0
>>58
無限にも、無にも感じられる漆黒の中。
一寸先は闇という言葉を一寸の狂い無く現した空間。
上弦の創り出した対抗策。闇への導は無数の光となって背後へと飛んだ。
眩く闇を切り裂き突き進む光。その先には純白の衣を纏った少女。

「チッ……!!」

避けられない。
そう本能で察してからは切り替える。
黄金の翼を瞬時に展開する。飛ぶことはできないがその羽ばたきで瞬間的に加速する。
闇の中で閃光が走り乱れ炸裂する。導の杭を受けながらも少女は止まらない。

「ならば望み通りだ、相手してやるッ!!」

急加速した光の翼の中に突き出された拳。
杭で身を裂き朱を交えながらも食らいつこうとする。

60上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/09/17(木) 01:31:49 ID:Lgf4Je6A0
>>59
光は男の背後へ、攻撃と共に男を導く光の帯、男は振り返る
真紅の瞳の光跡が細く揺らめく、それはゆっくりとした動作に見えたが、実際には一瞬・・・暗闇で戦うべき存在を見つけ出した男の顔は笑っていた

「ハハハハハハハハハ!!いいぞ!来い!来い!来い来い来い来いッ!!!!」

男は急加速する少女を見ると両手を広げ胸を張る、避けられないのか避けないのか、男は眼前に迫る拳を前に動かない
いや、もう既に少女の拳は男を捕らえている、間違いなく男の胸へと拳は届いた
このまま男の体を貫く事も出来る、第三者が居たとすれば全員が全員そう確信し、信じたであろうその結末・・・・空間に何かが砕ける音が響き渡った
その正体はなんなのか・・・今知る術は、空から舞い落ちる白い謎の欠片のみ、しかし今少女が向き合うべきは・・・

「君は撃たれ強いタイプだったか?ゼオラと合体・・・とでもいうのかな?とにかくそれをしたら防御力が下がってるかと思っていたが・・・ゴリ押しは苦手な分野じゃないかな?」

少女を見下ろし、右手には深蒼の光 左手には真紅の光を携えた男だ
ともすれば最高と謳われる魔術師すら上回る程の魔力の奔流
かつて男の愛娘は会う人々全員に語って聞かせたことがある自慢話
娘が父を愛するあまりの妄想話・与太話・膨張話だと誰もが冗談半分に聞き流すその話

『お父様の錬金術は真理すら凌駕するのですわよ!』

61ウルスラグナ=アドヴァルド:2015/09/22(火) 20:21:04 ID:l3ehZJ6I0
>>60
突き上げた拳は確実に。上弦の胸を捉え砕いた。そのはずだった。
砕く瞬間まで、確かな感触を得ていたものは一瞬のうちに空虚に変わる。
ハズレだ。途端にそう脳内が理解し、無数の輝きの欠片が降り注いでくる出どころへと、目を向けた。

「ほぅ、今度はキミが細工をする番か。
 キレイだよ……だけどその輝きに、意味はあるのかな?」

何かが起ころうとしている。起こそうとしている。それは肌を刺す感覚で伝わってくる。
大地の震え、風の羽ばたき。事象の元素を操ることに特化した男が、目の前に居る。
しかしながら、一歩たりとも引かず竦まず。一歩前にすら出て見せて。

「なんだっていい。キミはゼオラに……僕に勝てない」

62上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/10/22(木) 01:50:48 ID:AI3ZH5Wo0
>>61
「勝てはしないか・・・まぁ確かにそうかもしれないな、私と君では相性が悪過ぎる、でも可愛い女の子に頑張れと言われたら頑張らないといけないじゃないか?
 それに、私が思うに君が私に勝つのも難しいと思うよ?」

パラパラと白い破片が地に・・・といっても暗闇で地面なんかわからないが、そこに落ちる
両手の深蒼と真紅の光をゆらゆらと暗闇に彷徨わせながら男は口を開く

「私の力は源素を扱う力だ、それは敵の武器だって怪光線だって場合によっては該当する
 幸いこの暗闇だ、闇の源素は潤沢・・・私の能力的には闇素と呼ぶね
 先ほどの草原にだって、木素・水素・風素・光素・土素・幻素等々いっぱいだ・・・それら全てが私の力になる・・・わかるかい?君の体だって大雑把に分類すると火素・闇素・命素で出来ているんだ・・・さっきの握手でわかったよ?」

もっとも、わからないこともたくさんあると男は苦笑する

「さて、今から私はそれら全てを無理矢理自分の力と換えてマナのエネルギーとして一気に放出するとしよう
 全てのエネルギーを放出する真紅の光・・・そしてこの蒼い光は全てのエネルギーを優しく包み込み、再び力に変える・・・つまりこうすると・・・」

言い終えるか否か、男は拍手するかのように一度、パンッと手を合わせた
その瞬間、火か水か、風か土か・・・闇か光か、それとも別の何かか・・・
属性などわからない、何が襲い掛かってきたのかわからない、これはマナなのか解らない
恐怖か安堵か・・・希望か絶望か・・・その全てか、とにかく正体不明の衝撃が広がる、爆発が広がる、マナが広がる、エネルギーが広がる

「真紅から生まれた力は深蒼に包まれ新たな力となる・・・永久機関、その名は『ウロボロス』
 君が私の力をどこまで奪える?この永久無限に生まれ続けるマナの力を?」

何度も何度も爆発は広がっていく、永久に広がり続ける
逃げても無限に、防いでも無限に・・・何度も何度も強大な力の波が少女に襲い掛かる
周囲に響くのは破壊の音、陶器が割れるかのような美しくとも不安な音色

63ウルスラグナ=アドヴァルド:2015/10/27(火) 01:08:48 ID:l3ehZJ6I0
>>62

「フフ……全く。キミも退かないね。
 なら、キミと僕で、この戦いの果てという真実を証明しようか」

大渦の如く沸き起こる闇の中心に立つ真紅の瞳の持ち主は、ただ一心で男を見つめる。
視線と向かう先を同じくした拳が強く握られると、手のひらから眩い白金の光が溢れだす。

「ありがとう……ゼオラ。
 あとは、僕のすべてを、見ていてくれ……」

完全を形作っていたうちの漆黒が抜け落ちていく。
周囲に広がる闇から湧き出るようにして傍らに添っていたゼオラは、ウルスの言葉に頷き消える。
真紅と深蒼が景色を揺らがせても、純白の一点は揺らぐことなく視線を貫き。
やがて拳から溢れた光が一閃の輝きを生む。


「奔れ<The Order>不滅の神聖<Amesha Spenta>!!!」


一筋の光芒は狙いを定め、視界の先へと弾け飛ぶ。
幾重にも繰り返され、失われも、衰えもしない円環。

「これが僕の力のすべてさ……これで、終わりにしよう」

その解答は、不滅。

64上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/11/26(木) 23:31:46 ID:AI3ZH5Wo0
>>63
「ははははは!だって退けないだろ?ゼオラが消えるんだ、そして君も私に自分を殺すように言った
 ゼオラが消えることを望んでいても、君が生きたいと思っていても、私は頼まれたら断れない性格なのでね・・・」

依然として周囲に響く陶器が連続で割れるような破壊音
広がるマナの激流、その中心にいる男のコートは激しく揺れる
全身がマナと一体化したかのように所々に炎のような揺らぎが生じる

「さて、君の奥の手はなんだ?なんにせよ・・・これが最後のぶつかり合いだ!」

男の発するは全体へ向けた無限に増え続けるエネルギーフィールド
少女が放つのは一転集中型の光の一線・・・真逆の性質、ともすれば同じ性質の力がぶつかり合う

65ウルスラグナ=アドヴァルド:2015/12/01(火) 23:21:34 ID:VOn/yaUY0
>>64
「そうだ、僕は生きたい。僕には、まだやらなければならないことがある。
 しかし、ゼオラも同じことを思っているはずだ。彼女の心はただ悲哀それだけではない。
 二者択一だよ。その取捨選択を、キミに尋ねてみた。キミの答えを、聞き出したかった」

空間を歪ませすべてを呑み込もうとする円環、無限。
その、絶対を、永遠を、感じさせるような感覚には、身に覚えがあった。
触れ合った心が、引き継いだ身体が、それをよく覚えていた。

捧げた一筋の光が、爆ぜる。
言葉に嘘偽りはなく、光が力全てを物語る。
瞬く間に全てを無にきす彼女の力。その力の集合体が放出された物。

全ては、何事もなかったかのように。
お互いの全てがぶつかり合う寸前との差異は、視界に輝きが散りばめられていることだけだった。

「ご苦労。これで、終わりにしよう」

散りばめられた輝きに、全ての終わりを悟った少女が浮かべた笑みは、晴れやかだった。

662:『血に濡れた涙』:2016/03/26(土) 22:25:00 ID:p1won6CY0
>>326
「ふっ…!
やられた…本命は…!
避けろ防人!!」

振り向いて叫ぶが間に合うか。
ウォーリアは囮ならば、本命は――!

防人の背後から長剣の一閃が迫る――っ!

67防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/03/27(日) 00:41:07 ID:NugK2bM60
>>66
「本命…
 それは一体…!」
涙音は、彼の声を聞き、
何処かへ逃げようと足を踏み込ませる…

が、僅かに遅い。

バシュッ

「あっ…がっ…!!」
少し前に踏み出したところで、
背中に鋭い一閃が刻まれる。

「あうっ…!」
激痛で悲鳴を上げた涙音は、
進みきれずに地面に倒れ込む。

「……いつの…まにっ……」
背中には浅くない赤い傷跡が刻まれている。
起き上がる暇は…有るのだろうか。

682:『血に濡れた涙』:2016/03/27(日) 14:21:02 ID:iCQU7WVA0
>>67
防人の怪我を見て不味いと思ったが、しぶといこいつら相手には…!!
どうする、どうする、どうする……!
無我夢中に、思考が状況を変えることに固まる。
掌に小さな欠片のようなものが感じられる。
封じていた俺の『能力(ペルソナ)』――。

「――ロキ!こいつらを止めろォッ!!」

嘲笑うように、歓喜に震えるように。
慇懃無礼に、狡猾な笑みを浮かべた触手にまみれた悪魔が、
その手を伸ばし、現れ――総てを氷に変えた。

ウォーリアも、後から現れた本命すらも一瞬のうちに凍りついてしまった。
震える体で防人に駆け寄り。

「生きてるか…?」

69防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/03/27(日) 14:45:15 ID:NugK2bM60
>>68
「……う…?」
突然周囲に発生した冷たい大気を感じ…
ふと顔を上げるとあらゆるものが氷へと変わった。

「敵が……凍って……?
 あっ…いたっ……!」
動こうとすれば背中の傷が痛む。
駆け寄ってきた彼の顔を見て。

「え、ええ……なんとか生きてますよ…
 うっかり…してしまいました…ね」
なんとかゆっくりと起き上がる。
周囲がどうなったのか。それが気になる。

702:『血に濡れた涙』:2016/03/28(月) 23:26:43 ID:p1won6CY0
>>69
「動くな、傷が開く。
ロキ!」

後ろに立つ悪魔に告げると、ロキは手を伸ばし――。
不思議な輝きが防人を包む、光が傷を塞ぐと。
完治ではないが、痛みと血が止まっていた。

「これで動くくらいは出来るだろ。……っ」

頭にノイズのような異音が走る。
意図的に封じてきた蓋が開き、何かが飛び出そうとする。
それを抑えるように、自制を働かせる。
――凍らせたくらいじゃ死にそうにない、倒すにはもっと攻撃力がいる…‥!

71防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/03/28(月) 23:38:29 ID:EZkhChXg0
>>70
「うっ……はぁ……
 なんだかちょっと調子が治りました…」
彼が使った魔神の力…
そのおかげでどうにか立ち上がれるほどには傷が治る。
が……

「…だ、大丈夫…ですか?
 なんだか、つらそう……ですけど…」
不安そうに彼の様子を見るが、
しかし、周囲の様子もまだまだ安心はできない。

「…どうしましょうか。
 凍らせただけで倒せるといいんですけど…」
と、凍りついた敵にじっと鉄砲を向け続ける。

722:『血に濡れた涙』:2016/03/28(月) 23:41:56 ID:p1won6CY0
>>71
「トドメはさしたいが…追っ手が来る。
いまので気づかれた、移動、しないと…っ!」

そう言って立ち上がり、ロキを戻す。
氷はしばらくは残るだろう。
…遠くから足音が聞こえる。追手の可能性が高い。

矢野達の救援は望めない、どうにか逃げ延びなければ。

73防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/03/28(月) 23:59:03 ID:EZkhChXg0
>>72
「なるほど…
 厄介ですね…
 ここは敵を倒すより…
 逃げるのを優先しましょうか」
そう言ってつぐみは周囲の音に気を配る。

「とりあえず…
 音のする方からはなれましょうか…」
と言って彼の背中を押しながら、音のする方とは
別の方向へと足早に進み始める。
相手はこちらの動きを読んでいるだろうか?
不安に思うが、今は逃げるしかない

742:『血に濡れた涙』:2016/03/29(火) 22:17:48 ID:p1won6CY0
>>73
「すまん……結局助けられた。
『悪魔』の野郎も迫ってるってのに……」

押されながら考える。
誰の差金かしらないが、碌なやつじゃないだろう。
だがペルソナの負担が少ない、本来安定していない俺のは、
こっちじゃ使うだけでも骨がきしむのだ。それが吐き気程度なのは――何故だ?

「防人、ここ最近のニュースで一番話題になったのって、なんだ?
俺住居ないから知らないんだよ、教えてくれ」

75防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/03/29(火) 22:44:46 ID:EZkhChXg0
>>74
「…悪魔…ですか…
 先ほどの輩のことですか?
 狙われたのは私なんでしょうか…
 それともあなたの方…」
少し心配を感じながら周囲を確認する。
一応今は周囲に敵がいない……はずである。

「最近のニュースですか…
 最近は、なんとか騎士団とかいうテロリストまがいの連中が
 あちこちで騒ぎを起こしたり、或いはドラゴンが現れたりとか
 そういうふうな話はありましたけどねー…
 …少なくともニュースではその…なんとか抜きと言うのは聞いたことがない…
 気がします。」

76焔 リンネ:2016/03/30(水) 00:13:46 ID:VOn/yaUY0
―――――っ、と。と……」

丁度二人の目の前に飛び出してくる人影。
彼女の背後はただ壁であり、他に人が居る訳でもない。
なのに足元をふらつかせながら出てきたと思えば周囲を見渡し、溜息を吐いた。

暗がりの中で二人の様子を伺う素振りを見せていたが、そっと歩み寄ってきた。
だが、警戒心は未だ持ち合わせているのだろう。
暗がりから身を晒すだけで、それ以上は近づこうとせず、彼女の手にはナイフが見えた。

「ええ、と。
 一つ、質問をさせてください。ここが何処だか、わかりますか?」
姿を現したのは鶫よりも幼い少女だった。
似たデザインの制服から中等部の所属だということが解るだろう。
灰色の髪を揺らめかせ、返答を伺う。うつむき加減な顔からは朱色の瞳が覗いていた。

772:『血に濡れた涙』:2016/03/30(水) 21:55:28 ID:p1won6CY0
>>75>>76
「異能都市第三区画の路地裏……だったか。
……誰だ、あんた」

回復した体を起こし、相手を見る。
服装は前に見た真由子と同じか、歳下だな。
向こうも警戒している、解くのは任せるか。

「……危険な目に会いたくなかったら、
大通りに出ろ、今日は危ない」

ナイフを警戒しながら、周囲に探知を張る。
…何かが近づいてきている・・・?

78防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/03/30(水) 22:11:54 ID:EZkhChXg0
>>76-77
「ふぅ……
 この辺りは、あっちの方に行けば大通りに出られますけど…」
と言って大通りの方向の道を指差す。

「私たちはそのほうが…
 っと?」
少女の姿を確認し、軽く首を傾げた。

「えっと、あなたは…
 うちの学校の人ですか…
 この辺は危ないから離れたほうがいいと思いますが…」
と、彼女を心配そうな顔で見つめながら
声をかける。

普通の人だったらどうしようとも考えているが…

しかし
「ふー…こんな時に誰か来たらどうしましょうね…」
と言ってあたりを見回す。
鶫は流石に気配察知などは出来ないらしく、
足音から判断する他ない。

79焔 リンネ:2016/03/30(水) 22:41:43 ID:VOn/yaUY0
>>77>>78

「……ありがとうございます」
双方から回答が得られ、その二つを組み合わせれば満足たる情報になった。
実は、『歪み』に押し出されるようにしてこの場へと流れ着いたのだが、それを語るまでもなく。
少女は灰色の髪を揺さぶり一礼すると踵を返し暗がりに消えようとし―――――足を止めた。

「先に言っておきますが、私に戦闘能力はありませんので……」
観念したように溜息を付きながらさらに半回転すると二人の方へと寄って来る。
間を縫うように抜けていくと最後尾に立ち、ともに暗がりを見つめる立場となった。
「構えてください――――来ますよ」

802:『血に濡れた涙』:2016/03/31(木) 21:53:43 ID:p1won6CY0
>>79 78
リンネがそういった瞬間、雄叫びのような声とともに。
吹き飛ばされてきた、その人物は。
防人にとっては何時か見た、天沢にとっては見たくもない、リンネにとっては初めての。
――あの着物の少女だった。

「――とっ!中々しぶといな、あいつら。
もう10回はやったはずだけど、まだ死なないのか」

少女の後に現れたのは、犬のような狼のような獣。
但し、あちこちに腐食が見られ、さながらゾンビのようだ。
少女を見た天沢は、嫌な顔を見たように。

「香音…?」

小さく、少女のものと思われる名前を呼ぶ。

81防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/03/31(木) 22:17:29 ID:EZkhChXg0
>>79-80
「ん……えっ!?」
リンネの言葉と同時に何かが飛んで来る。
着物の少女の姿だ…

「あれ…あなたまでなんでここに…?」
そしてその前にいるのは…

「……香音さん…ですか」
と言いつつ、目の前の気味の悪い獣の姿を見る。
「また…大物が現れましたね。
 …こいつを倒さなきゃいけないんじゃないですか?」
と言って再び身構える。
両手に力を保持したまま、その獣の様子を注意深く見る

82焔 リンネ:2016/03/31(木) 23:16:28 ID:VOn/yaUY0
>>80>>81

やはり『視た』通りだ。
双方共に、彼女と面識があるようだが再開を喜ぶものではない。
特に天沢の忽然とした呟きに深い因縁を感じながら、自衛用のナイフを構える。

和平で終わらないことは感じていたし、これも視た以上確定事項。
鼻を刺す腐臭を堪えながらさらに一歩、下がる。

832:『血に濡れた涙』:2016/03/31(木) 23:51:50 ID:p1won6CY0
>>82
「ん?ああ、天沢か。
久しぶり、高校以来だっけ?悪いけど、おっと。
言いたいことは後で聞くから、取り敢えず手伝ってくれよ」
「体力があったらそうする…時間はかけられないぞ、
俺も追われてるし、怪我人がいる」

天沢の言葉に香音はふーんと、興味ないようにつぶやくと。
飛びかかってきた犬を高そうなブーツを履いた足で蹴り飛ばし。
素早くナイフを投擲し、突き刺す。
一瞬、死んだように止まるが、すぐさまナイフが抜け、立ち上がる。

「ち、やっぱり普通に殺すのは無理かな」
「リンネは下がっとけ、防人はいけるか?」

天沢は血に濡れた腹部から赤い剣を取り出すと、二人に告げた。

84防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/03/31(木) 23:56:56 ID:EZkhChXg0
>>82-83
「ふぅ…リンネさん。
 ここはおまかせを…」
と言ってぐっと拳を握りしめた。
彼女の目は闘志に溢れている。

「いけますよ。おふたりとも…
 それに、さっきの戦いで分かりましたが…」
と言ってぐっと両手のエネルギーを高める。

「こういう相手には多分…
 私の能力が有効そうですし…!」
と言って、先ほど持っていた鉄砲に力を込め
弾丸をいくつも打ち込んでいく。

85焔 リンネ:2016/04/01(金) 00:19:13 ID:SrMYpqxs0
>>83>>84

歩みだす一瞬で視えたのはここまでだ。
これ以上のことは解らないし、今すぐに視る余裕もない。
「……最低限の事はやれるつもりです」
こういう場面でも、自然と恐怖感は湧かない。
記憶を持ちながらにして戦闘スキルと度胸だけは持ち合わせていた。
その中でも尤もな教訓は「侮るなかれ」ということ。眼のお蔭もあってか強く刻み込まれていた。

しかし、ナイフを突き刺してもダメージが通った様子はない。
恐らくと言わずとも、あの狂犬には痛みを与えるだけのただの攻撃は通用しない。
以前、アイリスには隠しておけと言われたが、右手の内で灰色の炎が燻る。

862:『血に濡れた涙』:2016/04/01(金) 21:18:30 ID:p1won6CY0
>>84
2つ弾丸を受けたゾンビ犬は大きく怯むが、素早く狙いを防人に絞るように。
その胴体からまるで大蛇のような触手を生やし、襲わせていく。
触手を生やすと共に、まるで筋肉が肥大化していくように大きく、巨大になってゆく。

「おいおい…此奴何処のキメラだよ」
「悪魔の仕業だろ…!効いてるんだが、近づけるかこれ!」

刀剣を使って切断していくが切っても切っても再生している。
奴もさっきのダメージか、動かず確実にこちらの動きを止めることに注力している。
その時、苛立ちを感じたのか、香音は前に進んで。

「――ペルソナ」

青白い炎とともに、言霊を紡いだ。

87防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/04/01(金) 22:20:26 ID:93haM6P.0
>>85-86
「むう…
 一発でやろうと思ったんですが…」
と、敵の動きを見て首を傾げたところで…

「一体何何ですか…
 この無茶苦茶な…」
ゾンビ犬はどんどんと巨大化を開始した。
そして自分の方へ向けてヘビのように触手が伸びていく

「ち、近づくなんて流石にちょっと…」
敵はこちらに凄まじい勢いで迫ってくる。
逃げようにも逃げられず、鉄砲の弾丸も俊敏な触手の動きにかわされる。
更に触手はいくら斬られても再生を続け

バシュッ!!
「ぐっ…!!まずいっ…!」
鉄砲を構えていた鶫の両手を縛るように巻き付いてきた。
(四肢を拘束されたら…
 戦う手段が…!)
彼女の能力はあくまで物質の性質を高めるだけ。
腕力も脚力も上がるわけではないのだ。

88焔 リンネ:2016/04/01(金) 22:38:10 ID:SrMYpqxs0
>>86>>87

リンネは渦中に居ながらも安息を迎えることができていた。
香音の呼ばれた少女と青年が攻撃を仕掛け犬の動きを削ぐ。
犬は制服――確か、同じ学園の高等部の物―――の少女に狙いを絞ったかのような動きを見せる。

考えていた。
全身が腐敗を始めている割には知能を持つ生物。
今はじっくりと耐え、巨大化と回復に掛ける時間を稼いでいるのだろう。
銃弾を撃ち込んでも、刀剣を突き刺しても再生する相手に対抗するには……。

「犬に舐められるのは、愛情表現の方だけにしてほしいな……」
危険度が低いと判断されたからか、リンネに及ぶ攻撃は無い。
それが読み取れると身体が落ち着き、思考が冴えていく。
鶫の元へ走り寄ると拘束する触手に掴みかかり、手元で燻る灰で炙り、ナイフで裂く。
その一方で、目を閉じ瞼の裏の未來へと意識を馳せていた……次は――――『視える』。

892:『血に濡れた涙』:2016/04/02(土) 23:15:33 ID:p1won6CY0
>>88
「――ムサシ、とっとと切れ」

青白い炎とともに、周囲の触手を次々に切り裂く。
動きを読みきっているように、二天一流の技は冴え渡る。
天沢を置いていくようにゆっくりと迫っていく。
その雰囲気はこいつに時間をかけていられないとでも言いたげであった。

「香音!」
「うるさいな、解ってるよ。
どうせ切っても死なないし、内から爆発させなきゃならないんだろ。
オレじゃな出来無いっていうのはわかるさ、だから前に出てるんだろ」

見れば、目前の脅威に対応するためかほぼすべての触手が向かっている。
だが、防人を離そうとしないのはそれが自身を殺すとわかっているからだろう。
しかし――誰かがこの出来過ぎた状況に、違和感を感じるだろうか?

90防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/04/02(土) 23:36:30 ID:.LY5OmZY0
>>88-89
「うっ……!あっ…っと!」
ナイフで触手を切り裂かれたことによって
ひとまずは両手は自由になったが…

「うう…ありがとうございま…
 って…!」
今度は数で押すかのように触手が彼女に殺到する。
これでは対応しきれない…!

「嫌ですよもぅ!!
 私は触手に好かれたくはないです!」
自分が一番の脅威だと思われてるんだろうか?
と思ったが、それ以上のことを考える暇などない。
ひとまず避けようと一気に足を踏み込もうとするが

「あっ…痛っ…!」
急な動きに対応しきれないのだろうか。
背中の傷が急に痛み、動きが鈍る

「…こっ…のぉ!」
それでも敵に向けて力を込めた弾丸を放つ。
程なく触手は鶫を捕縛してしまいそうだ。

91焔 リンネ:2016/04/03(日) 00:17:27 ID:SrMYpqxs0
>>89>>90

鶫に伸びる触手の量が増していく。
一つ掴み切り裂いて、また一つと繰り返していくが増える速度を超すことができない。
……ただ、リンネは刃を振るう内に疑問を浮かべた。

余りにも他がノーマークすぎる。
リンネ自身はともかく、前線の二人さえも無視しているのは疑問だ。
犬の思考回路がそれまでと言えばそれまでなのだろうが、何かが気にかかる。
「罠、か……? 最悪の場合は……」
この身を犠牲にしてでも視る。
何度破壊されても蘇る力がこの時ばかりは後押しする要因になった。
周囲の視界をシャットダウンして、脳裏に意識を集中させる。
犬がこのままリンネを捉えないのであれば、未来を視、この状況を声に出し伝えるだろう。

922:『血に濡れた涙』:2016/04/03(日) 19:48:43 ID:p1won6CY0
>>91
夜に血塗れの鎧が光る。
明らかに異質で異常な、存在そのものにズレすら感じるもの。
2mはあろうと言う巨体が彼らの背後に迫っていた。
歩幅はゆるく、一歩一歩ゆっくりと。

「血液武装、刀剣投射――!」

防人に襲いかかる触手を血から生成した刀剣が切り裂く。
精神の疲労はあるが、肉体は十全に動くのは幸運だったのだろう。
素早く触手と弾丸のルート状の障害物を排除していた。
だが相手はそれでも対処する。

咆哮とともに弾丸は触手の壁に阻まれる。
しかし受けた事自体が失敗か、受けた触手の数本がエネルギーを受けてか。
『砂』に変じていった。

「やっぱり内側からしか効果はないってことか。
矢野達もよくこんなの相手にしてるよ」

香音は軽業師のように壁を蹴りながら迫る触手をナイフとペルソナを持って断つ。
疲労を感じていないように動きの速度が変わっていない。
その姿は華奢な少女のような姿には似つかわしくなかった。

93防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/04/03(日) 20:38:12 ID:.LY5OmZY0
>>91-92
「うっと……流石に今のはまずかったですね…
 でも…」
少女の放つ血液の刃がどうにか拘束されずに済んでいる。
敵の本体が見えてきた気がする。

「一瞬のすきを突いてみるしかないですね…」
今度は一気に力を溜め込み始める…
一気に本体である巨剣に向けての一撃を放とうとしているようだ。

「皆さん……!もう少しだけお願いします!
 ……ここで一気に破壊力を高めます!」
彼女の持っていた鉄砲に一気に力が集まり始める。
次で決めるつもりで居るようだ。

94焔 リンネ:2016/04/03(日) 22:32:54 ID:SrMYpqxs0
>>92

こちらへと延びる触手の数が減ってきていた。
気づけば、血濡れの鎧武者が刃を振り回し鶫へのルートを阻んでいた。

「砂……」
腐食したまま動き回るのもそうだが、切れた触手が砂に変貌するのも疑問だった。
その一方で、前衛の彼らは何かを知っているらしく。
「わかりました。手伝いましょう」
口の端を歪める直前で、鶫の声に振り返った。
彼女のガードを務めながらもう少しだけ様子を見ておこうと。

952:『血に濡れた涙』:2016/04/05(火) 22:44:54 ID:p1won6CY0
>>93 94
戦う防人たちの遠い後ろ。
月夜に照らされた何かが迫っていた。
ゆっくりと、確実に歩を進めて。

「お前いつの間に俺の能力を…!」
「コピーとパクリはオレの得意技だぜ?
ま、お前ほど上手くないよ。応用はさっぱりだし」

と、次の瞬間。
ゾンビ犬はいきなり駆け出す、それを押しとどめるは血塗れの鬼武者、ムサシ。
しかし距離を詰められ、防人に触手が迫っていく!
何よりリンネにあたっては不味い!香音はそう考えカバーに回ろうとするが――!

「Set――!血液防御、血の壁だッ!!!」

ぐちゃりと言う音共に血液が撒き散らされ忽ち壁のように立ちふさがる。
触手は壁を突き抜けるが、抜けた途端に血に絡め取られるように止められてしまう。
天沢がいつの間にかリンネ達の前に立ちふさがり、手を真っ赤に染めていた。
灰色のパーカーも血で濡れているように見え、大怪我を追っているように錯覚してしまう。

96防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/04/07(木) 20:38:06 ID:RG4c/hWA0
>>94-95
「…ん、誰か居る……んでしょうか?」
と思って辺りを見回すと…
新たな侵入者が!?

「あなたは一体……っと!?
 あぶなっ…」
すぐさま触手はまた自分へと迫っていく。
だが突然目の前に血液の壁が現れ…


「……んー……
 と、止まりましたけど…
 一体何をしたんですか?」
突然のことで目を白黒させている鶫。
…天沢が大怪我を負っている…様に見えるのを見て


「ちょっ……大丈夫ですか!?
 あなたは下がったほうが……」
と、心配して駆け寄って行く

97焔 リンネ:2016/04/07(木) 23:06:56 ID:SrMYpqxs0
>>95>>96

何かが来る。
数秒後の未来がリンネの脳裏に浮かび上がっていた。

凝固した血液の壁。
食い止められる触手。
そして、血濡れの天沢。

「あなたは……っ!」
実際に見えた光景に目を見開き、灰色の炎を手に新手へと目を移す。
しかし、遅れて見えてきた数秒前の未来に、リンネの血は急速に冷めて行く。
「血を、被っただけですか」
新手に敵意が無いことも悟ると口調は落ち着き、灰色の炎もゆっくりと収まっていく……。

982:『血に濡れた涙』:2016/04/07(木) 23:17:08 ID:p1won6CY0
>>97
「…犬じゃあ不足か。
まあ、良いね……あの人達のはまた何れ、貰うことにしよう」

遠くから迫っていた影は小さく呟くと、闇に姿を消す。
呟きは彼らには聞こえず、残されたのは残したゾンビ犬のみ。

「だが、まあ――最後くらい、報いをあげようか」

――――――――――


「被ったんじゃねえよ、正真正銘、俺の血だ。
悪いが俺は自分が触れた血液しか制御はできないんでね」

血に濡れたまま天沢はつぶやく。
ゾンビ犬から目を離さず、息を荒くして。
その横に香音が飛び下がってきた。

「やっぱアイツ、斬るじゃダメだな。
オレの苦手な相手だ」
「……決め手はやっぱ防人か、やれるか?」

そう、天沢は聞く。
短い間しかいないが、彼の眼は信頼に満ちていた。

99防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/04/08(金) 19:33:42 ID:RG4c/hWA0
>>97-98
「…ん……誰かいたような気がしますね…
 一体何が……」
と、何かが現れたような、そんな気配を感じたが…
どうも今はそれどころではなさそうだ。


「流石にやばいんじゃ……
 そんなたくさんの血液を使ったら…」
彼が貧血になるんじゃないかと思いながら、
しかしそれでもゾンビ犬はこちらを狙ってくるようだ。

「…分かりました。
 まぁ、今一番有効なのは私のしかなさそうですし…」
と言って彼女は一気に鉄砲へと力を込めた。
防御のために制服にまとわせていた分も解除し、
急速に力が高まる。

「触手じゃなく…
 あの犬そのものを撃ち抜けば仕留められるでしょう!
 本体を一直線で狙えば、一撃でいけます!」
と言って…ゾンビ犬に狙いを定める。

「皆さん……!
 あとは触手を払って下さい!
 …これで……!」
じっとゾンビ犬の身体そのものを狙い……

「おしまいに!!」
引き金を引いた。
鉄砲からはすさまじい破壊力の
光をまとった弾丸が射出される!

100焔 リンネ:2016/04/10(日) 00:19:15 ID:SrMYpqxs0
>>98>>99

燻る灰色の焔を見つめる。
一度注意を受けたのに、湧き上がる感情に乗せられ無意識に発現させてしまった。
血の壁の内側に居られるおかげか、冷静になった頭で溜息を吐いた。
「私の命は……」

見渡せば、防人と呼ばれた先輩が何かの準備をしているようだった。
全容までは知らないが、それで蹴りをつけるつもりだろうことを推測すると、傍観に回ることにした……。


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