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【日常α】眠らない魔都・異能都市【その19】
695
:
?→アーリル
:2019/02/03(日) 22:59:17 ID:ORmT3UkU0
>>694
「ええ、月はとてもいいものですもの。
――手を伸ばせば、届きそうなのに、届かない。月には何かいるのでしょうか。」
この少女、アーリルは僅かに顎を上げ、物思いに耽るように一度眼をつむれば、僅かに色の違う赤い眼が
アリスを見つめた。
「アリスさん、初めまして。私(わたくし)はアーリル。アーリル・フォン・ルズィフィールと申します。
私たちは初対面ですが、私は一方的に貴方を知っています。」
立ち上がり、見る限り上等な仕立てのシルクのドレスが揺れた。
一歩、アリスに近づく。
その足取りは音も無く、柔らかな髪を揺れ、ジャーマンアイリスの青い髪飾りも僅かに揺れた。
アリスの近くに立てば、アーリルは虚空に手を伸ばした。
そこから取り出したのは手紙だった。
「兄、アイリス・フォン・ルズィフィールが貴方宛に遺した手紙です。どうぞ。」
差し出されたのは白く、滑らかな触り心地の不思議な、赤い蝋で白百合がシールされた手紙だった。
これはアイリスがアリス宛に遺したもの。
寂しがってはいないか、甘い物ばっかりを食べていないか、夜中に出歩いていないかなど、アリスを心配するものが綴られている。
そして、記録メディアには、音声のみが記録されている。
アリス向けのメッセージには『お小言』を少々とまた遊びに行こう、という話だった。少なくとも、この小さな少女にとって死というワードは重いだろうと考えてのことだった。
そして、アーリルの膝は床につき、アリスの頭に手を伸ばそうとしていたが、止まった。
「えっ…あれ…?どうして?……ごめんなさい、突然!」
アーリルの眼は潤んでいた。元気なアリスの姿を見られたからだろうか。
■■■■の記憶<記録>がそうさせるのか。アーリルにも理由は分からなかった。
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