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リリカルなのはクロス作品バトルロワイアル13
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「…………?」
流石にスカリエッティも不自然に感じたのだろう。
眉根をぴくりとひそませて、えも言われぬ不快感に、焦慮の色を浮かばせる。
そんなスカリエッティを見るや、アインハルトはまたも不敵に瞳をギラつかせ。
スカリエッティの傍に着地したトーレを鋭く睨み付け、
「貴女の拳法、見切らせて頂きました――!」
ぐっ、と拳を握り締め、そうのたまう。
音速で動ける者と、常人の速度でしか動けぬ者。
その二人がぶつかりあって、後者が勝てる訳などない。
あの博士だってそう思ったからこそ、トーレを最後の切り札としたのだろう。
実際、かつて一度だけ敗れたのも、同じく音速で動ける魔道師が相手であったからだ。
何の加速力も持たないアインハルトに、勝利する道理などあり得ない。
――筈だった。
「貴様……言うに事欠いて“見切った”だと? その程度の速度で、私をナメているのか」
トーレが、苛立ちの視線をぶつける。
だれど、そんな苛立ちなどは意に介さず。
意識を集中させて、構えを取る。
再びトーレが音速を越えた時こそが、勝負だ。
周囲の殺気全てに意識を尖らせて――トーレの姿が、掻き消えた。
――今だ!
「勝負ッ!」
高らかに宣言し、拳を突き出す。
最早何度目になるかも解らない両者の激突。
音速を越えたトーレと、アインハルトの拳が接触した。
めき、と……耳朶を打つのは、何かが壊れる際の破損音。
アインハルトの表情に、僅かな余裕が浮かんだ。
「な……にぃッ!?」
アインハルトの両手が、トーレの両の拳を握り締める。
刹那、トーレの両腕に装着されていた手甲が粉々に砕けて、地へと落ちてゆく。
エネルギー翼を展開する為に使用していた手甲が、今完全に破壊されたのだ。
光の翼を失ったトーレに、これ以上の音速稼働は不可能――!
「ハァッ!」
アインハルトの掌が、トーレの両手を叩き落した。
未だ瞠目したままのトーレの顔面を、覇王の拳が強打する。
初めての反撃。初めての、確かなダメージを伴った反撃。
鮮血を吐き出したトーレが、数歩後じさる。
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