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コンペ・ロワイアル

1 : ◆SvmnTdZSsU :2020/07/31(金) 05:47:16 .tQzg/K.0
【当企画について】
・書きたいものを書くロワなので、名簿はまだ決まっていません。
・コンペ形式で登場話を受け付けます。後日発表する締め切りまでに投下した・された作品で>>1が名簿を作ります。

【OPに関して】
・設定追加可能。初期は進行役の声と見せしめのみ認識。

【参加者について】
・何でもアリ

【基本ルール】
・人を殺さずに一定時間経過すると首輪爆破。
・優勝賞品は『何でも願いを叶える権利』
・会場からの脱出は不可能。
・首輪が爆発すると絶対に死亡不可避。
・能力制限は書き手一任。
・優勝すると『願いを叶える権利』が与えられる。
・参加前に所持していた武装は解除・没収済み。

【MAP】
ttps://gamewith.akamaized.net/img/original_b7ee9b5606dac7fdbde04617a1766f00.jpg
・マップにはNPCが居ます。どう扱うかは書き手の自由。

【デイパック】
・全ての参加者はゲーム開始後「デイパック」を渡される。以下中身。

・地図:マップを印刷した安っぽい地図。
・食料:インスタントラーメンと缶チューハイ(ストロングゼロ)×3個だけ。お湯は現地調達。
・ルールブック:基本ルールが書かれている紙。A4用紙。
・ランダム支給品:現実出展かフィクションのアイテム。最大3つ。


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2 : ◆SvmnTdZSsU :2020/07/31(金) 05:48:00 .tQzg/K.0
続けてOP投下します


3 : はい、よーいスタート ◆SvmnTdZSsU :2020/07/31(金) 05:49:30 .tQzg/K.0
「これよりバトル・ロワイアルの説明を行います」

「皆様には、殺し合いをしてもらいます。拒否権はありません」

「最後に残った優勝者には、何でも願いを叶える権利が与えられます」

「ゲームの進行のため、皆様には『首輪』を設置しています。会場からの脱出や、主催者への反抗など、違反行為を行った参加者はこのように……」

 BAN!

「……と、首輪が爆発して死亡します。お気をつけください」

「会場にはNPCが存在しております。どう扱うかは参加者の自由です」

「ゲームの進行状況は定時に行う放送にてお伝え致します」

「以上、ゲーム説明を終わります」

【コンペ・バトル・ロワイアル 始動】

【進行役】??
【主催者】??
【見せしめ】??


4 : ◆SvmnTdZSsU :2020/07/31(金) 05:50:05 .tQzg/K.0
以上です。続けて投下します


5 : 『世界』の遠野 ◆SvmnTdZSsU :2020/07/31(金) 05:53:13 .tQzg/K.0

 森林地帯。人気のないその空間に、この催しの参加者が居た。
 デイパックを漁り終えたその人物は、やがて一言だけ告げる。

「(時間に)お邪魔しまーす」

 瞬間、世界が制止した。
 舞い落ちる木の葉、虫のさえずり、そよ風に至るまで、その場に固定される。
 ……が、それも束の間。数秒とかからず世界に色が戻り、元の営みを再開する。
 その異常な光景を作り出した人物、爬虫類のような顔をした青年『遠野』は、束の間の時の入門に驚愕していた。
 表にはCD、裏にはレシートが貼られている黒Tシャツという平凡な装いからも分かるように、遠野は一般人である。
 断じて時を止める異能など持ち合わせてはいない……筈。
 その秘密は、この催しに参加している全ての参加者に配られる『ランダム支給品』にある。

「凄い……本当に時間が止まった」

 呆然と呟く遠野の側には、シャープながらも引き締まった逞しい体つきの人型が立っていた。
 まるで特撮ヒーローのような、神々しさと力強さを両立させたデザインのそれは、遠野の支給品である。
 『THE WORLDのスタンドDISC』、それが遠野に支給されたアイテムの名前だ。
 同封されていた説明書には、適合するとスタンド能力とやらが使えると書かれていた。
 折れも曲がれもしない無気味な円盤を頭に差すことは戸惑いがあったが、冗談半分に使ってみたら抵抗なく入った。
 自分の力ではない筈なのに、不思議と驚くほど体に馴染む。まるでそうあるべしと定められたかのように、遠野の精神と『世界』はマッチしていた。

 スタンドとは一種の超能力であり、それぞれ固有の能力を備えている。遠野のTHE WORLDもその例に違わず、ひとつの能力を持っていた。

 それはーー時間停止。

 正確には、「自分以外の時間を5秒間止める」というスタンド能力。
 説明書に記載されていた概念を把握したとき、俄には信じられなかった。
 しかし、実際に行使できる以上、信じざるを得ない。
 それは同時に、このバトル・ロワイアルが歴とした現実であることを示していた。
 遠野の記憶は、練習帰りに水泳部の先輩の実家に招かれた所で途切れている。
 この催しにどうやって拉致されたのかも覚えがない。
 だからこそ、最初はこの催しを手の込んだドッキリか何かだと思っていた。そう思いたかった。得体の知れないDISCを使ったのも、そんな浮遊感からくる衝動に従っただけだ。
 しかし、そのささやかな現実逃避は、身をもって体験した超常現象に容易く打ち砕かれた。
 一水泳部員である遠野に、殺し合いを勝ち残れるだけの力はない。
 しかし『世界』を得た以上、それは過去の話。この協力無比なスタンドを使いこなせれば、あるいは遠野が勝ち残り、優勝に到達できる可能性も微粒子レベルで存在している。

「へー、すっごい強そう(スタンドを見ての感想)」

 時を止めるという絶対的な能力に、このエネルギーに満ち溢れたヴィジョンを十全に生かせれば、人の命を絶つこともそう難しくはない。
 遠野が望めば、『世界』は容易く相手を打ち砕く。
 能力を抜きにしても、その実感が精神的な繋がりから確かに伝わってきた。

「優勝すれば、願いも叶う……確かに、そう言っていた」

 優勝すれば、伸び悩んでいたタイムも改善できる。そんな力を得た万能感と優勝への甘い誘惑が心を刺激した。
 しかし、そんな遠野のざわつきは瞬時にかき消される。


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6 : 『世界』の遠野 ◆SvmnTdZSsU :2020/07/31(金) 05:53:48 .tQzg/K.0

「田所さん……先輩なら、きっと……殺し合いには乗らない」

 敬愛する水泳部の先輩を思い浮かべる。
 もし先輩がこの催しに参加させられたら、どうするだろう。
 ーーーー決まっている。優しい田所先輩は、こんな殺し合いにはきっと乗らない。
 後輩の悩みを見抜き、嫌な顔もせず真摯にアドバイスをしてくれる面倒見のいい彼なら、きっと正義感に駆られて主催者に抗うだろう。
 だからこそ、遠野もそれに習って殺し合いには乗らない。
 真夏の夢のごとく、暴力と隣り合わせの非日常に、恐怖は拭えない。
 しかし、超常の力を得ても、人として越えてはならない一線を踏み出せるほど、遠野は堕ちていなかった。

「人殺しなんて……出来るわけない。やめてくださいよ本当に!!」

 啖呵と同時に遠野は決意した。先輩に相応しい後輩として、この催しに抗う事を。
 志を同じくする参加者を探すため、『世界』の遠野は歩を進めるのだった。

 ……もっとも、等の先輩は実際には劣情に抗えず昏睡レ◯プを実行するような危険人物なのだが、今だやわらかスマホやアイスティーに睡眠薬を盛られていない遠野には彼の本性を知る術はないのだった。

【遠野@真夏の夜の淫夢】
[状態]:健康、精神的疲労(小)
[装備]:ザ・ワールドのスタンドDISC@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いには乗らず、脱出を目指す。
1:先輩は無事だろうか…
2:知り合いがいたら合流したい
3:スタンド……はえ^〜すっごい
[備考]
参戦時期は野獣邸にて「なー今日練習きつかったねー」「はぁい」みたいなやり取りをしていた前後。
『THE・WORLDのスタンドDISC』を装備しています。

【THE・WORLDのスタンドDISC】
遠野に支給された。
ジョジョの奇妙な冒険のラスボスの一人、ディエゴ(並行世界)のスタンド。
「自分以外の時間を5秒間止める」能力を持つ。世界のトオノ。


7 : ◆SvmnTdZSsU :2020/07/31(金) 05:54:21 .tQzg/K.0
続けて投下します


8 : 宇崎ちゃんは食べられたくない! ◆SvmnTdZSsU :2020/07/31(金) 05:56:10 .tQzg/K.0
「ハァ……ハァ……ひぃ!? 何で! どうして! 意味がわかんないッス!」

 バトル・ロワイアルが始動して間もない序盤。宇崎花は絶体絶命の状況に置かれていた。
 必死にデイパックを掴み、全力で逃げる宇崎の背後には、ファンタジーな世界観から抜け出してきたような小柄な怪物たちが迫っていた。
 謎の声は言っていた。殺し合いを円滑に進めるための舞台装置として、NPCを会場に放っていると。
 それらが参加者にどういう結果をもたらすのか、その例のひとつがこの状況である。

「もう何なんスか! 『ゴブリン』の群れとかどこのRPGですかぁ!! 意味わかんないっス! 助けてセンパァァァァイーーー!!!」

 そう、まさしく『ゴブリン』としか言い様のない小人の群れが、宇崎花を追い立てていた。
 手にした武器は粗末な棍棒、しかし比類無き下衆な欲望と悪意で塗り固められた性根を隠そうともせず、小鬼たちは嘲りながら獲物を追い立てる。
 小鬼どもの視線は宇崎の豊満な胸に集中しており、捕まればどうなるのかは火を見るより明らかであった。

「く、くるなっ! 来ないで、嫌っ…イヤアアア!! 先輩助けてェエエエエエ!!!」

 無慈悲な現実に異議を唱える宇崎。それを嘲笑うゴブリン。そんな光景をじっと見据えている影がいた。


〜〜〜〜〜


「あァーーいいね、いいよ、いいさ、いいな、いいかも、いいとも、いいじゃないか、いいだろうともさ! 
 殺し合い! ううん、実に喰らい甲斐がある連中が居そうじゃないか!
 献立に何が並ぶかわからない! それもまた一興! これだから俺たちは生きることをやめられないんだ! 
 極上の料理を食って、食んで、噛んで、齧って、喰らって、喰らいついて、噛み千切って、噛み砕いて、舐めて、啜って、吸って、舐め尽くして、しゃぶり尽くして、暴飲! 暴食!」

 ライ・バテンカイトスの脳裏を埋め尽くしたのは歓喜だった。 
 この催しがどこの誰によって行われているものなのか、興味もない。
 どのような目的でこの奇妙な催しが行われているのかもどうでも良い。
 『美食家』であるライにとって重要なのは、極上の人間、その全てを喰らい『幸せ』になる事だけである。
 その点、この催しはライにとって非常に都合が良い。
 福音書を没収されたのは確かに痛いが、あの場で感じた確固たる強者の気配。どれもこれもが食指に触れる極上品だった。彼らを喰らえば、どれほど飢餓が満たされるのか想像もつかない。それを考えれば福音書を奪われた苛立ちも半減した。
 そういった様子で歓喜していたライは、やがて別の参加者を見つけた。

(なんだぁ? アレ)

 緑肌の小人たちに追い立てられる少女の構図が目に止まった。
 一心不乱に逃げる様子に、女に対する興味は早々に失われた。問題は追い立てている方である。
 
「もう何なんスか! 『ゴブリン』の群れとかどこのRPGですかぁ!! 意味わかんないっス! 助けてセンパァァァァイーーー!!!」

 そんな怯えを含んだ絶叫が、ライの耳に届いた。
 なるほど、あれは『ゴブリン』というのか。
 あいつらの顔ときたら、間違いなく弱者をなぶるのを楽しんでいる。魔獣と違い、悪意のある亜人といった所か。
 ライの知識にゴブリンは存在しない。必然的に食した経験もない。
 ライは美食家だ。『悪食』とは違い、食事は厳選する。しかし、都合よく『名前』も知れた。
 あれらがどんな味なのか少し気になったライは、ほんの気紛れで騒動の元に足を運んだ。


9 : 宇崎ちゃんは食べられたくない! ◆SvmnTdZSsU :2020/07/31(金) 05:57:04 .tQzg/K.0
〜〜〜〜〜


「うー、ペッペッ! どいつもこいつも糞みたいな味だ。暗闇で人を羨ましがって妬んで恨んで嫉妬! 嫉妬! 嫉妬! ああ見苦しい。前菜どころか素材にすらなりゃしない! 期待はずれも良いとこだ! 皿に乗る価値もない!」
 
 ゴブリンに追い立てられ、今まさに毒牙にかかる寸前だった宇崎。それを救ったのは、ライ・バテンカイトスだった。
 突如その場に乱入したライは、瞬く間にゴブリンの群れを蹴散らした。
 しかし等の本人はあまりにもあんまりな結果に、地団駄を踏んで怒声を上げている。

「す、スゴいッス…」

 宇崎は信じられなかった。自分より年下の、ボロ切れを纏っただけの少年が、瞬く間に恐ろしい怪物たちを打ち倒したのだ。
 その場にいたゴブリンは、例外なく屍を晒している。

(ーーーあれ、私、なんで?)

 いや、それが何なのか、宇崎は理解できない。そもそも何で自分は此処まで走ってきたのかもよくわからない。
 先ほどまで追いかけられていた筈だが、その記憶が脳裏から抜け落ちていた。まるで、そんな事実など元から無かったかのように。
 結果的に見れば、宇崎は危機を脱した。しかし、未だに震えが止まらなかった。
 原因は抜け落ちているが、結果だけ見ればまどかは助けてもらった筈なのに、寧ろ恐怖感は増すばかり。
 その原因は、語るまでもなく異様そのものなライにある。初対面な筈なのに、彼が善意から宇崎を助けた訳ではないことは明らかだった。
 ひとしきり不満を吐露した後、少年ーーライは、宇崎を一別する。

「で……君は誰かな?」

 そう問いかけつつ、ライは舐め回すように宇崎を眺める。
 まるで品定めするかのような視線に、堪らず悪寒が走った。

「宇崎、花……ッス。……あ、あの! 助けてくれてありがーー」

「ウザキ・ハナ! なるほど、珍しい名前だねえ。ううん、でもあんまり美味しそうじゃないなぁ。胸は無駄にデカイけど…… ああ、でも、逆にいいんじゃないか! いいんじゃないの! 良いとも! 良いだろうとも! そう、このゴミカス以下の出来損ないどもよりはずっとマシだ! 少し物足りないけど、口直しに頂こうかな!」

 落胆したように肩を下げ、かと思えば次の瞬間にはハイテンションに叫び始める。その情緒不安定としか言い様のない言動は、少年が明らかな危険人物である事を示していた。
 ギラギラと狂気に輝く三白眼に捉えられ、さしもの宇崎も状況が何一つ改善していない所か、寧ろ悪化した事を察した。
 宇崎花にとって少年は、これまでの人生で出会うことも、出くわす事もない筈だった人間だが、少なくとも分かっていることはひとつ。
 この少年は、想像もつかないほど、何か嫌な事を自分にしようとしている。無慈悲にも、それだけは明らかだった。

「え、ちょ…… い、嫌……こないで……」

 宇崎の怯えと恐怖が含まれた懇願は、しかし暴食には響かない。
 ライは大口を開け、口直しの食事を実行しようとした。

「それじゃーーイタダキ」







「ーー“雷鳴八卦”!!!」

 

「!!!」

 

 ーー『西洋剣』が振り抜かれた。


10 : 宇崎ちゃんは食べられたくない! ◆SvmnTdZSsU :2020/07/31(金) 05:58:01 .tQzg/K.0

 ライは巧みな身のこなしで、その一撃を防いだ。しかしその威力までは受け流させず、派手に吹っ飛ぶ。

「ヒィ!? こ、今度はなんスか!?」

 宇崎の視線の先には、ライにとっての邪魔者が、宇崎にとっての救い主といえる人物がいた。

「ハァ……ハァ……、剣は慣れないけど……なんとか出来た!!」

 ずば抜けた長身に和服に鬼の面の、歌舞伎を彷彿とさせる装いの人物は、震えてヘタリ込むま宇崎を見下ろす。

「君、大丈夫かい? 怪我は……無いみたいだね」

「ーーあ、は、はい……大丈夫、です」

 宇崎の応答に、その『男性』は安心したようだ。面で表情こそ窺えないものの、その雰囲気だけは伝わってきた。
 しかし彼は一切の油断無く、手にした剣を構え、宇崎を庇うようにライに立ち塞がった。

「いきなりひどいなぁ! ああでも今の技の熟練! 技能! 威力! いいね、いいよ、いいさ、いいな、いいかも、いいとも、いいじゃないか、いいだろうともさ! そこの女なんかより、ずっと、ずっと、遥かに極上だぁ!」

「お前……この催しに乗っているのか! 捨て置けない!!」

「おお、随分とやる気に満ち溢れているねえ! その義憤! 信念! 義侠心! ああ、実に旨そうだ! ……で、君は誰かな『お兄さん』!」

 ライの問いかけに、謎の乱入者は血気盛んに名乗りをあげた。

「僕はーー『光月おでん』! 君を倒す男の名だ! 覚えておけ!」

 その名乗りによって短い問答は終わり、続くのは武技による激しい応答。
 開幕早々、暴食と自称『光月おでん』が激突した。

【ライ・バテンカイトス@Re:ゼロから始める異世界生活】
[状態]:健康、不快感(中)
[装備]:DIOのナイフ詰め合わせ@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:殺し合い! いいね、いいよ、いいさ、いいな、いいかも、いいとも、いいじゃないか、いいだろうともさ! 
1:食欲をそそる相手は積極的に狙う
2:まずは『光月おでん』を食べる。『宇崎花』は正直どうでもいい。
[備考]
参戦時期は『イタダキマス』の後。
リレーされた場合、暴食の権能の制限は書き手に任せます。
ゴブリンの『記憶』を食べました。味は最低らしいです。
ヤマトの名前を『光月おでん』と認識しています。

【ヤマト@ONE PIECE】
[状態]:健康、少年(ライ・バテンカイトス)への警戒
[装備]:鬼の面、約束された勝利の剣(エクスカリバー)@Fate
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:『光月おでん』ならきっと主催者に従わない。なら、『光月おでん』である僕は殺し合いに乗らない!
1:『光月おでん』のように人を助ける。
2:『光月おでん』のように悪漢を倒す。
[備考]
参戦時期はワノ国編以前。

【宇崎花@宇崎ちゃんは遊びたい!】
[状態]:健康、疲労(中)
[装備]:ー
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いには乗らない。もし先輩が居たら合流したい。
1:殺し合いとか意味わかんないッス!
2:お、おでん……スゴい名前ッスね
3:あの人(ライ)怖いッス…
[備考]
ヤマトの名前を『光月おでん』と認識しています。

【DIOのナイフ詰め合わせ@ジョジョの奇妙な冒険】
 第三部のラスボス、DIOが使っていたナイフのセット。切れ味は鋭い。

【約束された勝利の剣(エクスカリバー)@Fate】
 セイバー(アルトリア・ペンドラゴン)の宝具。ビームが出せるかは不明

【ゴブリン@ゴブリンスレイヤー】
 NPC。狡猾で残忍、かつ極めて自己中心的で執念深い。
 夜目が利き、暗所を好み、闇夜に乗じて害を振り撒く。
 弱そうな参加者を積極的に襲い、基本的に女性は「孕み袋」にする。上位種もいるかもしれない。


11 : ◆SvmnTdZSsU :2020/07/31(金) 06:00:00 .tQzg/K.0
投下終了です。続けて投下します。


12 : ファイナル婚約 ◆SvmnTdZSsU :2020/07/31(金) 06:01:56 .tQzg/K.0
 レグルスは激怒していた。
 必ず、かの邪知暴虐の主催者を除かなければならぬと決意した。
 レグルスにはこの催しの理屈がわからぬ。レグルスは、個で完結し、満たされた高潔な存在だと己を自負している。
 与えられた福音書に従い、妻を侍らせ謙虚に暮らしてきた。けれども己の権利の侵害に対しては、人一倍敏感であった。
 レグルスは「新たな花嫁が見つかる」という福音書の指示に従い、愛する妻たちの同伴のもと、野を越え山を越え、水門都市プリステラに向かっていた。
 しかし今は、意味の分からないこの悪趣味な催しに参加させられている。
 このバトル・ロワイアルは、レグルスの私財を、権利を、身勝手かつ無意味に侵害していた。

「まったく、僕を妻たちから引き剥がして、突然こんなところに拉致するとかまず前提としてあり得ないよね。度胸だけは評価できるけど、よりにもよって命のやり取りを強制するとか、もう穏健な僕でも姿も見せない臆病で卑劣で、とんでもないクズだなとしか言い様のない行為だよね」

「自分の都合で相手の同意を得ずにやりたくもない事をさせるって本当に人間として最低だよ。願いを叶えるとか言ってたけど、仮に僕がその権利を望むとしてもまず先に話を通さないなんて常識的におかしいでしょ、っていうか決定的に間違ってるのは明らかだね。僕は優先すべき福音書の指示があるし、誰にだって細やかながらも守られるべき権利ってものがある筈だ」

「ていうか僕はさ、まず、こういう争いとか、元々嫌なんだよね。僕としては、僕はこう、平々凡々とただただひたすら穏やかで安寧とした日々を享受できればそれで十分、それ以上は望まない男なんだ。そんな無欲で謙虚な僕に殺し合えとか、人選として致命的に間違っている。というか、僕を利己的な殺人鬼だと安易に決めつけてるって事だよね。これはもうさ、温厚な僕でも怒ってもいい場面だと思うよ。
仮に主催者が異常者で、僕とは全く違う常識の中で生きてきたからそういった権利を知らないって事もあるかもしれないけどさ、でもそれならそれでまず自分の無知を自覚して、そこから始めるのが人として当然だし、当たり前のことだよね。自分が世界の中心だって考え方はまず当たり前の事だけど、論外だよ。自分の常識が他人と違う事を予め省みるべきだよね。そうした努力もせずに、いきなり意味不明な選択肢をこうして提示するだなんて、相手に歩み寄る気が無いって事だよね?」

「そもそも個人の権利なんて尊重されて当然のものをそう何度も主張したくなんてないけどさ、現時点でそもそもこの状況自体が僕の権利を、数少ない資産を侵害しているって事が解らないのかな。というか最初にさ、その事を理解して自分で自分をおこがましいとか思えないものなのかな? そういう当たり前のことができないなんて、人として卑劣と言われてもしょうがないとさえ思えるよ。……というか、もう僕の福音書を勝手に盗んでる時点で、推定無罪の域を越えてるよねぇ! これはもはや、他者への権利の侵害だ! 温厚で無欲な僕に対する、僕の権利の侵害だ!!」

 主催者に対する怒りと不満、福音書を没収された不快感が滝のように口から溢れている。
 レグルスが殺し合いに否定的なのは事実。なら対主催であるのかと問われれば否である。
 結論から言えば、レグルスは速やかに権利の強姦魔である主催を殺し、この場を脱出する事を計画していた。
 彼の理屈では、殺し合いの否定と参加者の殺害は矛盾なく両立していた。
 口では散々殺し合いを否定していたが、現状では優勝が一番手っ取り早い帰還手段であることは明白である。
 事実、強欲の権能があれば優勝は用意だ。ただ上空から時を止めた砂粒なり何なりをばら蒔くだけで決着はつく。
 ……が、いざ実行に移そうとした時、新たな問題が浮上した。

「ーーーうぐぅ!? ハァ……ハァ……ま、まさか……」

 痛いほど高鳴る心臓の鼓動に、レグルスは、己が無敵では無くなっている事を自覚した。    
 より具体的に言うと、レグルスを無敵たらしめる権能、『獅子の心臓』が無効化されている。
 レグルスの権能は欠点があり、「自分の心臓」の時間だけは止められない。その欠点を補うため、彼は「小さな王」と名付けた疑似心臓を妻たちの心臓に寄生させていた。
 それが使えないということは、恐らくレグルスの妻たちは、主催者によって消されたのだ。

「ああああ!! 下劣で卑劣な主催の屑め!! 人を誘拐するだけじゃ飽き足らず、僕の権能という権利まで侵害するのか!! しかも何の罪もない妻たちも殺すなんて、恥知らずの異常者め!! こんな非道極まりない行為、許されない、許される訳がない!!」


13 : ファイナル婚約 ◆SvmnTdZSsU :2020/07/31(金) 06:02:56 .tQzg/K.0

 レグルスは子供の癇癪のように怒鳴り散らすも、何も状況は変わらない。
 暫くして激情も収まったレグルスの脳裏に、ある天恵が沸き上がった。

(まてよ、逆に考えるんだ……花嫁は、きっとこの催しで僕と出会う運命なのかもしれない。福音書の記述がそう示しているなら、僕は花嫁と出会う運命は決まっている。なら、何も問題はないんじゃないか?)

 気休めではあったが、福音書が所有者の未来を示すことは事実。
 その都合のいい解釈にレグルスは多少機嫌を良くし、漸く移動を始めた。

「花嫁を迎えにいくのも夫の勤め。うん、さながら白馬の王子様って所かな。少しベタだけど、素敵じゃないか」

 レグルスが移動してから半時ほど、やがて彼は参加者を見つけた。
 森の奥、ミニスカワンピースという派手な装いの女性が、緑肌の醜悪な魔物の群れに囲まれている。
 剣呑な雰囲気と、首輪のない存在が複数という異常事態に、そういえば、と思い出す。
 あの姿も表さない卑怯で傲慢な主催者は、殺し合いを円滑に進めるため『えむぴーしー』とやらを場に放っていると言っていた。
 首輪の類が無いのを見るに、あれが例の『えむぴーしー』の類いなのだろう。
 武器と言えば粗末な棍棒や錆びたナイフ程度で、粗末なボロ切れを纏っただけの装いは同僚の暴食担当を連想させる。 
 なるほど、個として完成し満たされた自分とは違い、そこらの一般人では囲まれれば手にあまりそうだ。

「まったく、あんな下等な生物まで放って、そうまでして人が死ぬのを見たいのかな。とてもじゃないけど、その異常な趣向は僕には理解できないね。逆に理解したくもないけど」

 正論を述べ終わると、レグルスは石つぶてを拾い上げ、『獅子の心臓』で時を止めた状態で投げつける。
 世界から拒絶された石つぶては、背後の木々も何もかも巻き添えに、軌道上のゴブリンの群れを轟音を兼ねてぶっ飛ばした。
 運良く余波を免れたゴブリンは、消し飛ばされた仲間を呆然と見やると、漸くレグルスの存在に気がついたようだ。

「見れば見るほど気持ち悪いなぁ、その顔。下衆な我欲が見え透いてるよ。その行いも、そのあり方も、何もかも唾棄すべきものだ。僕は世界の調和を尊ぶ人間だけど、君たちみたいな害虫は駆除すべきだと思うし、その方が世界のためになるよね。彼女みたいな被害者を増やさないためにも、僕はあえて手を汚そう。そうして一人一人が労を惜しまず貢献することで、世界は廻っているんだからね」

 小鬼に言葉は通じない。しかし、レグルスの歪さは伝わったのか、目敏い小鬼は一目散に逃げ出した。
 しかし、レグルスは慌てる事なく、ただ少しだけ息を吐いた。
 『時の制止した』吐息は、そのままゴブリンを引き裂き、中身を大地にぶちまける。
 レグルスと名も知らぬ女性、両者を除くと全て居なくなった。
 駆除を終えたレグルスは、唖然とする女性に向かって歩み出す。
 そして、ヘタリこむ彼女に右手を差し出すと、優しく問いかけた。

「やあ、君。大丈夫かい?」




 女性は、レグルスが自分を助けた事を理解したのか、真摯に礼をしてきた。  
 素直に感謝を口にする姿勢に、レグルスの機嫌が良くなる。
 なるほど、格好は派手だが、顔は悪くない。美人だ。これで処女なら充分妻に加えるのも吝かではない。
 いや、もしかしたら彼女こそ福音書にあった『花嫁』なのでは?
 レグルスが口を開くより先に、女性が決心したように喋り始めた。









「わたくしと結婚してください。」

「ーーーーは?」

 まさかの相手からの求婚であった。


14 : ファイナル婚約 ◆SvmnTdZSsU :2020/07/31(金) 06:03:40 .tQzg/K.0
自らを「キングダムの姫」と名乗った女は、レグルス自身も驚くほど従順に婚約に応じた。というか婚約してきた。
 聞いたこともない国の王族を名乗る時点で、どこか狂っているのかとも思ったが、顔が良くて処女なら性格はどうでも良い。及第点である。問題はない。
 レグルスは機嫌が良かった。
 レグルスは多妻の身だ。これまで相応しい女性を娶った経験は多い。
 しかし、レグルスが相手から求婚された経験は一度として無かった。
 レグルスの基準でも十二分に美人と言える女性から、心から夫に求められるというシチュエーションは、彼の矮小な自尊心を大いに満たしていた。
 元々『獅子の心臓』の常時発動には妻は必須だったが、まさかこんなに早く花嫁を見つけられるとは。
 情報交換もそこそこに、上機嫌で新たな妻となった姫を侍らせる。
  
「さて、……そうだな、夫の財産を管理するのも妻の仕事だから、僕のデイパック、君に預けておくよ。
 僕はこう見えて武闘派だから、こんなもの使わなくても負けないからね。あ、あと笑うのも表情を変えるのも禁止ね。僕はありのままの君に惚れたんだから。妻の顔が醜く歪むのなんて耐えられないんだ。大丈夫、怖がることはないよ。妻を守るのは夫の義務だからね」

「はい」

「うんうん、実に素直で大変よろしい。さて、最初の夫婦の共同作業と言えば、この催しだね。記念に君に勝利を捧げるよ。その程度の労力は惜しまない。君はただ美しいままに僕を支えてくれるだけでいいんだ。分かった?」

「はい」

「君は素晴らしい女性だね。全く、君のように常識を弁えた人間がもっと世に増えてくれれば、世界は平和になるのにね。君もそう思うだろう?」

「はい」

 ゴブリンの死体を背に、どこまでも歪な夫婦の会話が繰り広げられるのだった。


【レグルス・コルニアス@】
[状態]:健康、『獅子の心臓』発動中
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:主催者を被害者の正当な権利として殺す。
1:とりあえず優勝を目指す。
2:夫として妻(姫)を守る。
[備考]
参戦時期は5章直前。
現在「小さな王」を姫に寄生させています。
自分のデイパックを姫に預けています。

【姫@ファイナルソード】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3、レグルスのデイパック
[思考・状況]基本行動方針:キングダムに生還する
1:勇者様(レグルス)に従う
[備考]
主人公に救出される前からの参戦。
「小さな王」の効果により、レグルスの疑似心臓に寄生されています。姫に自覚はありません。
レグルスのデイパックを持たされています

【ゴブリン@ゴブリンスレイヤー】
 NPC。狡猾で残忍、かつ極めて自己中心的で執念深い。
 夜目が利き、暗所を好み、闇夜に乗じて害を振り撒く。
 弱そうな参加者を積極的に襲い、基本的に女性は「孕み袋」にする。上位種もいるかもしれない。


15 : ◆SvmnTdZSsU :2020/07/31(金) 06:05:21 .tQzg/K.0
投下終了です。こんな感じで自由に登場話を書いていく感じになります。


16 : ◆SvmnTdZSsU :2020/07/31(金) 22:07:23 .tQzg/K.0
投下します


17 : 聲の形 ◆SvmnTdZSsU :2020/07/31(金) 22:08:21 .tQzg/K.0

 西宮硝子は震えていた。
 彼女は先天性の聴覚障害を持っており、滑らかな発声と聞き取りが困難であるが、あの謎の『声』は何故か理解できた。
 ここは殺し合いの場で、逆らえば見せしめの人のように殺される。
 障害というハンデを持ち、ただの小学生にしか過ぎない硝子には過酷すぎる。
 パニックに陥った硝子は、デイパックの確認すらせず、
 ただ震える事しかできない。
 幸いにも、硝子の初期位置は室内だった。身を隠すには最適であり、そこで嵐が過ぎるのを待つのも策としては利に叶っていた。

 ーーガチャ

 玄関を開ける音。
 鍵の閉め忘れという痛恨のミスにより、無情にも来訪者は訪れた。

「!?」

 遥かに高い身長で硝子を見下ろす外人は、硝子に何やら話しかけてきた。
 しかし、補聴器を取り上げられている彼女にそれを聞き取る術はない。

「あっ…うぅ、きょ、きょないへ……」

 そんな呂律の回らない返答しかできない。すると黒人男性は優しげな笑みを浮かべ、両腕を忙しなく動かす。

『大丈夫、私は殺し合いには乗っていない。安心してほしい』

ーー手話!?

『あ、あの、本当ですか? えっと、私の手話、通じていますか?』

 硝子も久しく使っていなかった手話で返答を試みる。

『ああ、伝わっている。大丈夫』

 意志疎通ができる。たったそれだけで硝子はどっと安心感が沸き上がる。
 理解のないクラスメイトや、健常者と同等の生活を押し付ける両親に挟まれ、追い詰められていた硝子にとって、手話が通じるだけでも充分すぎた。
 
「うぅ…あうぅ……」

 泣き出す硝子を、謎の黒人男性は優しく介抱するのだった。

『さて、落ち着いたかな?』

『はい。ありがとうございます』

『さて、お互いに大変な目に遭っているが、私は助けが来るまで、君を保護しようと思っている。安全そうな場所を見つけてある。一緒に行こう』

『はい』

 声なき応答を終え、二人は民家から出るのだった。

【西宮硝子@聲の形】
[状態]:健康
[装備]:ー
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:死にたくない
1:手話が通じる……良かった。
2:この人(黒人男性)についていく。
[備考]
参戦時期は学級会前。
補聴器は没収されています。

【でたらめな手話の黒人@現実】
[状態]:健康
[装備]:ー
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:生存優先。乗るかどうかは保留中。
1:西宮硝子と行動する。
[備考]
手話は全てデタラメです。


18 : ◆SvmnTdZSsU :2020/07/31(金) 22:09:48 .tQzg/K.0
投下終了です


19 : ◆SvmnTdZSsU :2020/07/31(金) 23:05:57 .tQzg/K.0
投下します


20 : 僕たちはあのメニューの味を知らない ◆SvmnTdZSsU :2020/07/31(金) 23:06:33 .tQzg/K.0
 
 男は走っていた。
 ただ己の欲望を満たすため、その一心で脇目も降らず足を動かす。
 バトロワとか、願いが叶うとか、見せしめとか、彼にとってはどうでも良い。いや普通に怖いし死にたくないが、それよりも優先すべき事がある。
 腹の虫が絶えず胃袋で存在を主張する。
 食事の直前にこうして拉致されたのだ。腹も減る。
 しかし、デイパックに入っていたのはストロングゼロとお湯のないカップラーメンのみ。

 求めているのはこんな物ではない。
 沸き上がる飢餓感を必死に押し留めつつ、男は走る。とにかく、走る。
 愛して止まないあのメニューを求めて、彼は会場を走り続ける。
 そうして迷いこんだのは市街地。幸運にも彼の眼前には店があった。
 男の愛する店とは欠片も似通っていないが、店ならば飯がある。飯があるなら、望む料理があるかもしれない。

 一縷の望みをかけて、彼は来店する。
 そして、ただ求めるままに、あのワードを口にした。


「すみません、3種のチーズ牛丼の特盛りに温玉つきをお願いします。」

「(チーズ牛丼は)ないです」

「「!?」」


【すき家で三種のチーズ牛丼を頼んでそうな顔の人@Twitter】
[状態]:健康、空腹
[装備]:ー
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:3種のチーズ牛丼の特盛りが食べたい。
1:できれば温玉つきでお願いします。
2:何だこのネズミ!?
[備考]
特になし。

【NYN姉貴@クッキー☆BB】
[状態]:健康
[装備]:ー
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:(死にたく)無いです。
1:何だこの陰キャ!?
[備考]
特になし。


21 : ◆SvmnTdZSsU :2020/07/31(金) 23:07:14 .tQzg/K.0
投下終了です


22 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/01(土) 23:17:01 8QFt60GI0
投下します


23 : パロロワレビューごっこ ◆SvmnTdZSsU :2020/08/01(土) 23:17:59 8QFt60GI0
「ウイイイイイイイイイイイイ↑ッス!どうも、シャムで〜す!」

「まぁ今日はバトル・ロワイアル、当日ですけども。
 えーとですね、まぁ集合場所の、えーマップに行ってきたんですけども、ただいまの時刻は多分1時を回りました。
 はい、ちょっと遅れて来たんですけどもね。えーOP終わったちょっとすぎくらいに、えーきたんですけども。
 ほんでーまぁマップの動画を撮った後に行ったんですけども。スィー。
 ほんでーかれこれまぁ30分くらい、えー待ったんですけども参加者は誰一人来ませんでした。ガチャ(心の鍵を閉める音)。
誰一人来ることなかったですぅ。残念ながら。はい。
一人くらい来るやろうなーと思ってたんですけども、スゥー、結局誰一人来ませんでしたね、えぇ、なのでぇ〜、支給品の紹介、しようかと思いまスゥゥゥ…」

「私の支給品は、このビデオカメラと、ショットガンでスゥゥゥ...。 おい! それってYO! のびハザのネタじゃんか! アッアッアッアッアッ…」

「そしてぇー、最後の1つはぁ、私(わたくし)のスタンド「キング・クリムゾン」でスゥゥゥ…!!」

「十分ニチィ! (スタンド)パワーを貰えますよぉ〜」

「俺がさ、俺たち、我らが、このスタンドとショットガンでさ、女の子を助けてさ…」

「コイニハッテンシテ…  素敵なことやないですかぁ」

「ンーーー、改めて考えると凄いな、って思うなあ。俺はやっぱ。凄いなあと思うなあ。
スタンドも使えるしさ、銃も撃てるしさ、ほんでー対主催もできるでしょ?
ほんでー、さらには女の子も助けるって?
ほんでー、撮影・収録も一人でやってるって?
なかなかできないよ、そういうことは。なかなか難しいと思うよそういうことは。
そういうクリエイティブな人はなっかなかいないと思うなあ」

「主催者見てるかー?(からくりビデオレター)or 主催者見とるかー?(挑発)」

「それじゃあ、わたくしのバトロワ実況! 始まるぞ!本編、行ってみよう! ウォウフォーウフォウフォウフォウフォウフォウフォウフォーウ、ウォウ!」

【syamu_game@例のアレ】
[状態]:健康、オーバーグラス
[装備]:キング・クリムゾンのDISC@ジョジョの奇妙な冒険、ポンプアクションショットガン@ゾット帝国、ビデオカメラと充電器@現実
[道具]:基本支給品
[思考・状況]基本行動方針:助詞とコイニハッテンシテ…素敵なことや無いですかぁ?
1:参加ささんを探す
[備考]
参戦時期はオフ0の後。

【支給品説明書】
・キング・クリムゾンのDISC
 ジョジョの奇妙な冒険のラスボス、ディアボロのスタンド。
 時を「消し飛ばす」能力と、十数秒先(アニメにおける解説では数十秒先)の未来を予見する「エピタフ(墓碑銘)」の能力を持つ。

・ポンプアクションショットガン
 ポンプアクション式のショットガン。

・ビデオカメラ
 録画できる。充電器つき。


24 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/01(土) 23:18:56 8QFt60GI0
投下終了です


25 : ◆OQfaQnysJI :2020/08/02(日) 16:11:54 DoLVEkqU0
投下させていただきます


26 : 可能性の男 ◆OQfaQnysJI :2020/08/02(日) 16:13:11 DoLVEkqU0
静まりかえったどこかの建物の中で、一人の天使が途方に暮れていた。
天使の名は、クリムヴェール。男性とも女性ともつかぬ美しい顔立ちの持ち主だ。
実際、クリムヴェールは両性具有である。ただ便宜上、ここでは「彼」と呼称させてもらうことにする。

「まいったなあ、こんなことになるなんて……。
 僕なんかすぐに殺されちゃうよ……」

クリムヴェールの口から、思わず弱音が漏れる。
事故により天使の輪が欠けている彼は、本来天使が持つ力のほとんどを失っている。
残っているのは、物理と闇以外の属性攻撃を無効化する強力な耐性くらいだ。
これはあるに超したことはないが、ぶっちゃけ物理で来られたらどうにもならない。
そして、いつもならば荒事を担当してくれるスタンクたちもいない。
彼が弱気になるのも無理はないだろう。

「女神様、僕はどうしたら……」

その場にへたり込むクリムヴェール。
その時、部屋のドアを開けて一人の男が勢いよく入ってきた。

「うわあ! な、なんですか、あなたは!」
「何? バトルロワイアルに参加させられて、生き残る自信がないって?」

動揺するクリムヴェールを尻目に、男は大声で語り続ける。

「そんなときは、かぶ……かぶ……あ、あれ?
 あーもう、首輪がフード巻き込んじゃってるじゃん!
 ちょっと、ちょっと待ってて」
「はあ……」

クリムヴェールには、男に生ぬるい視線を送ることしかできなかった。


【クリムヴェール@異種族レビュアーズ】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考]基本行動方針:死にたくない
1:どうしよう、この人……


【ミスターパーカーJr.@有吉の壁】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考]基本行動方針:パーカーの力でバトルロワイアルを破綻させる。
1:クリムヴェールにパーカーの素晴らしさを伝える。


27 : ◆OQfaQnysJI :2020/08/02(日) 16:14:08 DoLVEkqU0
投下終了です


28 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/02(日) 20:24:35 OPP9o7ww0
本企画への投下、感謝致します。
>可能性の男
物理が有効とはいっても、他で高い耐性を持つクリム君は文字通り可能性に溢れていますね。クリム君のクリム君を活用すればあるいは…(精神汚染)
一般的な視点から見るとミスターパーカーJr.はヤベー奴ですが、それでも殺し合いに抗う心は本物。二人がどうバトル・ロワイアルに立ち向かうのか気になる組み合わせでした。


29 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/02(日) 20:59:01 OPP9o7ww0
投下します


30 : ペテ公の奇妙な冒険 ◆SvmnTdZSsU :2020/08/02(日) 21:00:03 OPP9o7ww0

「これはこれは、実に奇妙な催しに巻き込まれたもの……デス!」

 感心したように話す、緑のおかっぱに痩せぎすの男。彼の名は『ペテルギウス・ロマネコンティ』。
 魔女教大罪司教『怠惰』担当の邪精霊である。
 ペテルギウスは福音書の導きにより、崇高なる試練を半魔に行わんと配下とともに潜伏していた。
 それが何の因果か、こうして奇妙な殺し合いの一参加者となっている。

「大罪司教である私を拉致する手腕! 目的のために躊躇無く、罪もない命を犠牲にする行動力! 実に勤勉! 素晴らしい、あはは、素晴らしいぃ!」

 変質者そのものの動きでハイテンションなペテルギウス。別に殺し合いの恐怖で狂った訳ではなく、これが彼の素であった。 

「しかぁし…我が勤勉さの前には、怠惰なる諦めも妥協も無いのデス! 速やかにこの場から脱出し、主催者を八つ裂きにし、試練を遂行するだけの事! 我が信仰は、魔女への愛は、何者にも止められないの……デス!」

 狂信者はこの催しを勤勉に乗り越える決意を表明すると、身につけた法衣の懐をまさぐり始めた。

「さて、ひとまず福音の確認を……」

 魔女教徒にとって、全てに優先されるのは己の福音書に記された内容のみ。ここが殺し合いの場であろうが関係はない。
 しかし、あるべき場所にあるべき物がない事に気がついた。
 懐を探っても、慣れ親しんだ表紙の感触はない。ならばと側に落ちていたデイパックをまさぐってみても、やはり無い。

「無い! 無い! 無い! 我が愛の道標…未熟な私が、正しく寵愛を理解するための福音……それが今! 手元に! 無いのーーーデス!」

 あり得ない事態に、ペテルギウスは奇声をあげる。その激情に身を任せ、披露される流れるようなイナバウアー。

「貴方、デスか?」

 数秒の硬直の後、ペテルギウスはぽつりと呟いた。怒りのあまり顔色の悪かった顔は、より恐ろしいものに変貌していく。

「貴方貴方貴方貴方貴方貴方貴方貴方が奪ったのデスかぁぁぁっ!!」

 ペテルギウスから福音書を奪った盗人。それは主催者である事は明白。その事実に至った瞬間、ペテルギウスの沸点が勢い良く降りきれていた。

「許すまじ! 主催者! ああ脳が震える震える震えるゥゥゥゥ!!!」

 ペテルギウスの絶叫が響き渡った。

【ペテルギウス・ロマネコンティ@Re:ゼロから始める異世界生活】
[状態]:健康、興奮(大)、盗人(主催者)への怒り(大)
[装備]:ー
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:脱出優先。必要なら勤勉に優勝を目指す。
1:我が福音書を取り戻すのデス!
2:許すまじ主催者!
3:あぁ脳が震えるっ!


31 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/02(日) 21:00:39 OPP9o7ww0
投下終了デス


32 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/03(月) 00:15:41 sKJqL0fI0
投下させていただきます。


33 : 薔薇の闇姫と異世界の魔法使い ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/03(月) 00:16:26 sKJqL0fI0

ある鬱蒼とした森林地帯。そのような場所に奇妙な二人の人物がいた。
一人は、所々破けた黒と紫のドレスをまとった灰色の髪の少女。
そしてもう一人は、体の右半分を木の枝や根のようなものに覆われた男だった。

彼らは地図に従い、街のほうへと歩いている最中だった。

そんな中、少女が難解な口調で男に話しかけた。

「聖杯の騎士と同じ名を持つものよ、何故我に同行したのだ?(貴方は、なんで私に同行してくれたんですか?)」

その少女の名は、神崎蘭子。

そして男は彼女に対し、その身に見合わない、とても幼く、たどたどしい口調でその問いに答えた。

「きみが、しんぱいだから。きみがしんだら、きみのかぞくがかなしむから」

その男の名は、パーシヴァル。

そんな彼らが出会ったのは、少し前のこと……。


34 : 薔薇の闇姫と異世界の魔法使い ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/03(月) 00:16:57 sKJqL0fI0
「禁忌に触れるな!(私に近寄らないで!)」

この殺し合いが始まって間もないころ、ある少女がゴブリンたちによって取り囲まれていた。

その少女の身体や服には、何回か彼らから逃げようとしたであろう、抵抗したであろう傷跡があった。

そしてそんな彼女に対し、ゴブリンたちは彼女の程よく実った胸や薄い布に隠された未熟な花弁に対し下種な目線を向けていた。
彼女に対し、これから自分たちは何をしようとしているのかを見せつけるように、彼らはそこを見つめていた。

そして彼女は、彼らがこれから自分に何をしようとしているのかを察した。察してしまった。

自分がこれから、女性としてとても屈辱的なことを、とても汚らわしいことをされるのだと察してしまった。

「ひ……こ、来ないで、お願いだから来ないでぇぇぇっ!!」

そこに普段の高貴なふるまいはなく、恥も外聞もなく泣き叫ぶ彼女がいた。

ゴブリンたちはそんな彼女をあざ笑った。いくら叫んでも助けが来るはずないと、彼らはあざ笑った。

しかし、そんな彼らの予想は覆ることになる。

彼らの足元から、無数の巨大な腕が突如生えてきたのだ。

その結果、彼らの何人かが宙を舞い、地面にたたきつけられたのである。

何者かの襲撃を受けたことに気づいた彼らは、自分たちの背後に何者かの気配を感じた。

そしてそこには、奇妙な男がいた。

身体の右半分が木の枝や根のようなものに覆われた男だった。

そしてその右腕は、異常なほどに肥大化しており、先ほど彼らの足元から生えてきた腕に酷似していた。

彼らは気づいた。こいつが、先ほど自分を襲ったやつだと。

そうして彼らは一斉に男に襲い掛かった。


35 : 薔薇の闇姫と異世界の魔法使い ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/03(月) 00:18:07 sKJqL0fI0
そしてしばらくした後……

ここには胸から血を流している男と、先ほどまで襲われていた少女しかいなかった。

何故ならば、男によってゴブリンたちがすべて蹴散らされたからだ。

しかしゴブリンたちがすべて倒された後も、少女は恐怖におびえていた。

何故ならば、男がゴブリンたちをすべて蹴散らした後、倒れ伏した彼らを男がすべて取り込んだからだ。

倒れているゴブリンに男が右手をかざしたところ、そのゴブリンは全身から血を吹き出し、断末魔を上げながら消滅したからだ。

彼女は、次は自分の番だと思っていた。男から逃げようとしていた。
しかし先ほどの恐怖から腰が抜けていた彼女は、その場から動けなかった。

そうしていると男が、彼女へと近づいて行った。

殺される。彼女がそう感じ、身をかがめていたが、何も起きなかった。

何が起きたのかと彼女が顔を上げると、男が彼女の顔を見つめ、こう言った。

「だい、じょうぶ?どこか、いたくない?」

男は、彼女を心配していた。
動けなくなっていた彼女を、気遣っていた。

そして、そんな男に彼女は問いかけた。

「私を、助けてくれたの?」

なぜ自分を助けてくれたのかと、そう尋ねた。

そして彼はこう答えた。


36 : 薔薇の闇姫と異世界の魔法使い ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/03(月) 00:19:04 sKJqL0fI0

「ぼくは、にんげんをまもるんだ。ぼくは、にんげんだから。かあさんも、それをのぞんでいるはずだから」

自分は人間を守るために戦っていると、そう答えたのである。

そしてその答えを受けて、彼女は彼を信じることにした。

そして彼女は、彼に自分の名を告げた。いつものように、比喩的で難解な口調で自分の名を告げたのである。

「我が名は神崎蘭子、今こそ創世の時なり!(私は神崎蘭子と言います。よろしくお願いします。)」
「我を助けし勇敢なる友よ、名を教えていただけぬか?(よろしければ、貴方の名前を教えてください。)」

そして彼は、そんな彼女の自己紹介に若干戸惑いながらも返した。

「きみがいっていることは、なんとなくだけどわかるきがする」
「ぼくのなまえを、しりたいんだね。ぼくのなまえは、パーシヴァル」

彼は名乗った。自分の名前は、パーシヴァルだと。

そしてその名を聞いた瞬間、彼女はとても驚いた。
自分が知る、ある物語に出てくる騎士と同じ名だったからだ。

「『パーシヴァル』だと?まさか、聖杯を探せし騎士が一人か!?(パ、パーシヴァルですか!?あの有名な騎士の!?)」

彼女は彼を、ギャラハッド卿と共に聖杯を見つけたとされる円卓の騎士、パーシヴァル卿だと思ったのである。

そして彼は、興奮した彼女に困惑しながらも回答をした。

自分は騎士ではなく魔法使いだと、そして、聖杯については知っていると、そう答えたのだ。

彼がそう答えたことで、彼女は若干落ち着きを取り戻した。
自分が変な勘違いをしたことが、少し恥ずかしくなったからだ。

「そうか、人違いだったようだ。すまない(人違いでしたか。お騒がせしてすみません。)」
「いい、よ。わるぐちをいわれるよりは、とてもいい」

彼は、勘違いされたことをあまり気にしていないようだった。


37 : 薔薇の闇姫と異世界の魔法使い ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/03(月) 00:19:43 sKJqL0fI0

-----------------

そうして彼と彼女は街へと向かう。

一人は、自分と同じように殺し合いから脱出するものを探すために。

もう一人は、魔物から人を守るために。

前をまっすぐ向いて、歩き続けていた。


38 : 薔薇の闇姫と異世界の魔法使い ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/03(月) 00:20:14 sKJqL0fI0
【神崎蘭子@アイドルマスター シンデレラガールズ】
[状態]:健康、精神的疲労(中)、ゴブリンに襲われたことによる恐怖
[装備]:―
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いには乗らない。死にたくない。
1:我が魂の赴くままに、人の営みある場所へと赴こう(とにかく、地図に従って街へ出たい)
2:聖杯の騎士と同じ名を持つものよ、我に力を貸してくれて感謝する
 (パーシヴァルさん、私についてきてくれてありがとうございます)
[備考]
パーシヴァルを、何らかの呪いにより怪物となったが心までは怪物とならなかった人間と思っています。

【パーシヴァル@ソウル・サクリファイス】
[状態]:健康、胸から出血
[装備]:―
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:まものは、にんげんのてんてき。だから、ころさなきゃ。
1:まものは、みんなころす。にどとよみがえらないよう、あとかたもなくけしさる。
2:にんげんは、まもる。ぼくは、にんげんだから。ぼくは、まものじゃなかったから。
3:らんこ、ただのにんげんなのに、まほうつかいみたいにふるまっている。とても、しんぱい。
[備考]
蘭子の言っていることをなんとなくだが理解しています。
また、その言動などから魔法使いのふりをしている人間だと思っています。


39 : 薔薇の闇姫と異世界の魔法使い ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/03(月) 00:20:33 sKJqL0fI0

投下終了です
ありがとうございました。


40 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/03(月) 02:04:08 cFEDgalw0
当企画への投下、ありがとうございます。

>薔薇の闇姫と異世界の魔法使い
早速ゴブリンに襲われてしまった神崎蘭子、危機一髪でしたが、救われて良かった。状況が落ち着いたとはいえ、熊本弁に戻る様子はアイドルとしての心の強さを表しているのかもしれません。
そして、異形でありながらも人間を守るパーシヴァル、とても可愛いと感じました。序盤から安定感のあるコンビですが、しかし『まもの』や『まほうつかい』に対する認識の違いが後々波紋を呼びそうですね。


41 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/03(月) 02:04:41 cFEDgalw0
投下します


42 : 夢はでっかく根はふかく ◆SvmnTdZSsU :2020/08/03(月) 02:07:13 cFEDgalw0

 市街地。喫茶店にて、東方常敏はベンチに座り、食事の準備をしていた。
 金ちゃんラーメン。その極一般的なカップラーメンにお湯を注ぎ、三分待つ。
 お湯の調達は簡単だった。水道からお湯を調達し、常敏のスタンドを使えば、簡単に沸かすことができる。
 少し小腹を満たして、それから前向きに考えよう。
 突然の催しへの混乱と情報の整理を予て、彼はそんな行動を行っていた。
 …が、その平穏は一瞬で崩れる。
 喫茶店の解放感溢れる入り口に、ひょっこり顔を出す来訪者。

「!?」

 その人物は、小学生のような装いをした、筋肉質な体格の成人男性だった。
 どうみても変質者丸出しな男は、能天気な顔で常敏を、正確に言えば、手元にある金ちゃんラーメンを見ている。

「……」

「ぼくひで」

 警戒を隠そうともしない常敏の視線に臆すること無く、呟かれる四文字。どうやら自己紹介をしているつもりらしい。

「……『奪い合うと足りない。分け合うと余る』んだよなあ」

「……?」

「相田みつを……知らない? まあ良いが、腹減ってるんだろう、こっち来て、これでも食べなさい」

「ワァオ!」

 友好的な常敏の様子に安心したのか、無警戒に近寄るひで。
 しかし、当然ながら常敏は善意でこのクッソ腹立つ男に飯を施す訳じゃあない。

「おじさん、優しいにょ。 頂きまーす……ヴォエ!?」

 カップ麺に手をつけた瞬間、ひでは苦しげに蹲った。体の内部がボコボコと膨らみ、尋常じゃない苦痛がもたらされる。

「うあッあつい! ああーーあついーー!! ああーね熱いやだー! ああっあああっあつい! あーついーあついあーッ!あーちッ!! あついあっつあつい! あーついあーつい!あー!あついあつい! あ〜っつ、ねえやだ!あついよー」

 体の内側から焼かれる地獄の苦しみに、たまらずのたうち回るひで。
 常敏は苦しむひでを無表情に見下ろしている。

「『熱』は普通、高いところから低いところに流れる……だが、俺の『スピード・キング』は一点に熱を留めておけるんだ。人体の内部を致命的に壊す程度、簡単だ」

「あついあつい!ねえ! あついそれ!あ〜っつい! あ〜っついねん!んあ〜っついよぉおおおお! あつく……ああ〜〜 あっつ!あっついてちょ!あつい!」

「悪いとは言わない……遅かれ早かれ、人のものを無警戒で食うような時点で、アンタはこうなってた筈だ。ただ運が悪かったと諦めろ」

「ねえやだあつい……あつい……なああっあああっあっつい!!!! あー!うぁー! う〜うあついゆー〜〜 あついー!あついー!ああっああっああハッハ、あっつっつ!あつ!」

「……しかし、随分と粘るな。普通ならもう声も出せない筈なのに」


43 : 夢はでっかく根はふかく ◆SvmnTdZSsU :2020/08/03(月) 02:08:10 cFEDgalw0

「やだやだやだや!あぁ〜、う〜うねぇうーっ!あーはあつー! あ〜!あつい! やだぁぁぁぁうーっ!うっあーはー!
あーはーぁぁああついぃぃぃあああぁぁあーー!!!! あ〜あつい! あぁぁぁあああもうやだああああああああああああ
あーあついー! あーはーぁー……」

「ここまで苦しませる気は無かったが…無駄に体力があるせいか。その点だけは済まないと思うよ」

「やだ!ねえやだやだ!あーっあっつい!あ〜あっ! うーっ! あーっ!あつい!あ〜〜〜!!!」

「……イラ」

 中々死なないひでの様子に少しだけ情が沸いたのか、それとも単純に叫び声がクッソイラつくからか、常敏は『スピード・キング』で再度ひでに触れた。
 能力の対象はひでの着ているTシャツである。スピード・キングの能力で一点のみ熱を溜めた衣類は『燃焼』を始めた。
 一気に火達磨になるひで。


「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛も゛う゛や゛だ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」

 
〜〜〜〜 


「やっと死んだか……」

 かりん糖のように黒こげになったひでは、ピクリとも動かない。
 人を殺した。なのに、不思議と心は揺れない。何だ、こんなものか、という小学生並の感想しか無かった。
 転がっているひでのデイパックを抜け目無く回収する。

(俺は……負けない。必ず『勝利』する。この世界はイカれている。イカれてる世界では勝ったヤツが正しい)

(だからこそ……手段は、問わない)

 いずれ来る息子の奇病を直すため、家族を守るため、理由なんて幾らでもある。
 この小学生を騙る変態の命より、優先度が高かった。
 ただ、それだけだ。
 クッソムカつく変質者とはいえ、人を殺した以上、もう戻れない。
 何としても殺し合いを生き抜く『覚悟』とともに、東方常敏は歩を進める。

【東方常敏@ジョジョリオン】
[状態]:健康
[装備]:ー
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:手段を問わず生き延びる。
1:食料は確保したが……さて、どうするか
2:『つまづいても良いじゃない。人間だもの』
[備考]
ひでを殺したと思っています。

 東方常敏が立ち去って数分後。
 その場に放置されていたひでの残骸が、むくりと起き上がる。

「うー☆うー☆」

 黒こげだった肉体は再生を終え、全裸という点以外は元の状態にまで戻っていた。驚異の鬼耐久が成せる技と言える。

「熱いって言ったのに…あの人頭おかしい(小声)」

「再生速度と心臓まで止めて、あー疲れたにょ。あの男、絶対許さないにょ!」

 歯茎を剥き出しにして激怒するひで。開幕早々、復讐に燃えるホモが誕生した。

【ひで(淫夢)@例のアレ】
[状態]:健康、火傷(大・回復中)
[装備]:ー
[道具]:ー
[思考・状況]基本行動方針:痛いのやだにょ!
1:あのおっさん(東方常敏)は許さない。


44 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/03(月) 02:08:51 cFEDgalw0
投下終了です


45 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/03(月) 23:03:49 sKJqL0fI0
投下させていただきます。


46 : この戦いから、目を離せない ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/03(月) 23:05:07 sKJqL0fI0
ある開けた草原地帯、そこに一人の男が全力で走っていた。

「何なんだよあの看板みたいな奴!」

その男の名前は、佐藤和真、通称カズマ。

ある女神によって、勇者として異世界に召喚された男である。

そんな彼は、今全力で逃げていた。

彼の後ろから絵の具のようなものを飛ばしている、巨大な看板みたいな怪物から逃げていた。

そう、カズマはこの殺し合いの会場に飛ばされてすぐにこの怪物と遭遇してしまい、
こうしてデイバッグの中身を確認する間もなく逃げ続けているのである。

「しかも地面に当たった瞬間炎が吹き上がったり凍り付いたり、かなりヤバイ奴だよ!主催者ももうちょっと考えろよ!」

そう愚痴りながら必死に逃げていたが、突如として彼の目の前にある絵が浮かび上がった。

そして彼は、それを見て動きが止まってしまった。

何故なら、それには彼の知人が描かれていたからだ。

…しかしそれだけならば、彼は足を止めなかっただろう。

それにはもう一つ理由があった。


47 : この戦いから、目を離せない ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/03(月) 23:05:55 sKJqL0fI0

その絵には、彼の仲間である水の女神や魔法使い、女騎士が


―― 生まれたままの姿で描かれていたからである。


それがあまりにも衝撃的で、彼は思わず動きを止めてしまったのである。

そうしていると突如としてその絵が光り始めた。

その光を見ると同時に彼の意識が戻り、その絵から飛びのいた。

すると絵が爆発し、間一髪彼はそれから逃れることができた。

そうして彼は、その爆風を受けながらこう思った。

(……ウィズさんやゆんゆんの絵だったら、間違いなく食らっていたな…)

別の、魅力的なカラダをした女性の知人が描かれていたら間違いなく爆発を食らっていたと、そう思っていた……。

しかし脅威がまだ去ったわけではないので、彼は今も逃げ続けている……。


「いつになったら逃げきれるんだー!てか、しつこいぞコイツー!」


【佐藤和真@この素晴らしい世界に祝福を!(アニメ版)】
[状態]:健康、精神的疲労(小)
[装備]:―
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:とりあえず生き残る。仲間がいれば合流したい。
1:まずはあの怪物(インキュバス)から逃げ切りたい。
2:そのあと、安全な場所を探す。
3:ウィズさんやゆんゆんの絵だったら危なかった……。
[備考]
参戦時期は第二期最終回後。

【インキュバス@ソウル・サクリファイス】
 NPC。巨大なキャンバスから絵筆を持った手足が生えた姿の魔物。
 ある画家が、自分が見たイヤらしい夢を基に描いた絵画と一体化して誕生した魔物で、
 それぞれ炎、氷、雷、毒に変化する赤・青・黄・紫の絵の具を発射する能力と
 相手の知人をモチーフにしたスケベな絵を爆弾として召喚するという能力を持っている。
 さらに、彼に襲われた人間は彼の書いた絵の中に一生閉じ込められてしまう。

 ……つまり、スケベな絵の中の世界に閉じ込められるということである。


48 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/03(月) 23:06:30 sKJqL0fI0
投下終了です


ありがとうございました。


49 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/04(火) 00:44:46 8pP/n/Qs0
本企画への投下、ありがとうございます。

>この戦いから、目を離せない

開幕早々厄介なNPCに目をつけられたカズマさん。しかし彼ならしぶとく生き延びてくれる予感がします。 しかし、普段から性格とか行動とかアレとはいっても、このすば勢の裸の誘惑を乗り越えてるの草ですよ。
インキュバス、エッチな絵に閉じ込められるとかご褒美かな?と思いがちですが、一生とか初見殺し感スゴい。こんなヤベー魔物がゴロゴロしてるとか会場の魔境感が上がってて良いと思います。


50 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/04(火) 04:07:55 1aGq0Vj.0
投下します


51 : 炎上(物理) ◆SvmnTdZSsU :2020/08/04(火) 04:10:51 1aGq0Vj.0

「殺し合いとか……めっちゃやむ」

 鬱蒼とした森林地帯。夢見りあむは途方に暮れていた。

「クソザコメンタルのぼくにバトロワとか無理ゲーすぎない? 死んじゃうよ、いや本当に……無理ゲーじゃん」

 突然放り込まれた殺し合い。その現状に、アイドルとは言えただの少女が耐えられる筈が……。

「なんちゃって! いやいやPサマ!? 確かに仕事欲しいって言ったけどさ、こういう無茶振りホント無理だから! もー……」

 深刻そうな顔が一転、おちゃらけた笑顔になる。
 些かわざとらしいテンションだが、りあむはアイドルの『夢見りあむ』らしい行動をとっていた。

 頭がイカれた訳でも、殺し合いでも平然としていられる程根が図太い訳でもない。
 単純に、りあむはこの催しをテレビの企画か何かだと思っていた。
 拉致されて殺し合え、優勝すれば願いを叶えます。なんて、あまりにも胡散臭いし、何より現実感がない。
 アポ無しのドッキリだった方が遥かに説得力がある。

(この場合って、優勝を目指せば良いのかな? うーん、今流行りのデスゲームモノ、オタクが好きそうだよね!)

 とりあえず、りあむはアイドルとしてのキャラをつらぬく事にした。
 まだまだ憧れのアイドルを名乗るのは烏滸がましい(と本人は思っている)が、しっかりとプロ意識はあるのだった。

(まぁ何とかなるかな? だいたいのオタクは乳揺れしとけば許してくれそうだし? それっぽく喋っとけば良いでしょ!)

「えーと、こういう場合は支給品の確認が大事なんだよね! うん、銃とかあるかも……。クイズ! ぼくのクソザコエイムで何人仕留められるでしょうか! なんつって……」

 りあむなりに番組を盛り上げそうなセリフを語りつつ、自分のものらしきデイパックを漁ってみる。
 食料だろうか、何故かカップ麺三つとストゼロが入っていた。

「いやいやぼくギリ未成年だから! これこそ炎上しちゃうよ! ……てかお湯は? え? まさかの現地調達!? やむ!」

 そんな突っ込みを入れつつ、取り出すのは妙な模様の不気味な果実。

「何これキモ!? あ、これ説明書? えーと、……『メラメラの実』?」

 同封されていたメモによると、この変なのは悪魔の実というらしく、食べると一生泳げなくなる代わりに、1つだけ特異な能力を得られると書かれていた。
 いかにも漫画チックなアイテムに、りあむはいよいよこの催しが企画だという確信を深めた。

「いやいや、ぼくがよく炎上するからって炎になる能力とか安直すぎない? というかコレ、ちゃんと食べられるものなの? すっごい不自然な感じするけど……」

 あまり食欲をそそられる果実では無かったし、正直口にはしたくない。
 しかし、食べないのはテレビ的には美味しくない。

「うぅ、めっちゃ不味そう。でも……えーい、ままよ!」

 暫し悩んだ末、りあむは思いきって果実を丸かじりした。
 瞬間、口内に広がる、形容しがたい味覚の暴力。

「うぷ、ヴォエ!! まず!? これゲロマッズ!!」

 想像の倍は不味かった。
 おぞましい食感に吐き気を催しつつ、我慢して飲み込む。多少は、というかかなり吐き出したが……。

「ペッペッ! うぅ……まだ味残ってる… 水が欲しいよぉ。でもあるのはストゼロだけ。アイテム設定おかしいよ」


52 : 炎上(物理) ◆SvmnTdZSsU :2020/08/04(火) 04:11:25 1aGq0Vj.0
「うーん、で、これでぼくは超能力者になったのかな。全然実感無いな〜…… こう、気合いとか入れてみたら……」

 とりあえず設定は守ろうと、おふざけ半分でそれっぽく気合いを入れてみる。

「お わ ぁ !!」

 瞬間、りあむの全身が燃え上がった。

「ギャアアアアーーーー!!! 燃え、燃ええ!! アチッ! アチチ! 水、水ゥゥゥ!! あれ? ……熱く、ない?」

 一瞬で火達磨になったりあむは、半狂乱で地面を転げ回る。しかし、やがて違和感に気がつく。
 燃えているのに、熱くない。いや痛くない。
 そう、りあむが燃えているのではない。りあむ自身が火に成っているのだ!

「え?、え?、……えぇ!?」
 
 種も仕掛けも分からない。というかそんなものもはない、異常な現象。
 もしやあの説明書はそれっぽい設定ではなく、本物? いやいや、それはおかしい。そう、それならこの催しはーー

 この催しはテレビの企画。
 りあむのメンタルを保たせていた設定が根本から大きく揺らいだ。

「……ハ、ハハハ! こ、これならワンチャンあるかな?あるかな?」

 優勝すれば人生逆転のチャンス?とか思ったり。いや無理だから。
 これはドッキリ、企画だから!だからヘーキヘーキ!これもそう、映画とかの小道具に使うアレでしょ!そうに決まってるって!

 そう自分に言い聞かせ、りあむはその場から逃避した。
 あとに残るのは、焼け焦げた地面だけ。

 力を得たりあむが殺し合いの場で何をもたらすのか、まだ分からない。

【夢見りあむ@アイドルマスターシンデレラガールズ】
[状態]:健康、混乱(中)、悪魔の実の能力者(メラメラの実)
[装備]:ー
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いとか……やむ。
1:え、本物? 嘘でしょ!?
2:……ドッキリ、ドッキリだよね!?
[備考]
 メラメラの実@ONEPIECEを食べたことで能力者になっています。
 参戦時期は第8回シンデレラガール総選挙の後。

【メラメラの実@ONE PIECE】
 自然(ロギア)系悪魔の実の一種。外見はオレンジ色のパイナップル型であり、どことなく炎を彷彿とさせる形をしている。
 食べると全身が炎になり、火炎を操る事が出来るが、一生泳げない体質になる。


53 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/04(火) 04:11:50 1aGq0Vj.0
投下終了です


54 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/04(火) 07:03:09 1aGq0Vj.0
投下します


55 : ファイナル開幕 ◆SvmnTdZSsU :2020/08/04(火) 07:03:38 1aGq0Vj.0

 森林地帯。鬱蒼とした森の中で、一人の参加者が居た。

「テ〜レ〜ポ〜ト〜!!」

 銀髪と白髪の中間のような髪型の、やたら肩幅が強調された男性が、実に間の抜けた、しかし本人にとっては真剣そのものの様子で呪文を唱えていた。

「駄目です。移動できません」

 しかし、予想していた効果は発揮されず、彼は落胆したように肩を竦めた。
 本来ならダンジョンの外に転移するテレポート魔法は、何らかの制限が課せられているようだった。
 この調子なら、他に習得している魔法も制限されているかもしれない。
 確認しておきたいが、MPが勿体無いので試すのは止めておいた。

「僕はどうすれば良いのですか?」

 男は困惑していた。
 彼はキングダムの辺境、ローレル村出身の勇者である。
 この催しに招かれる直前、悪の根元であるブラックドラゴンを討伐するため、神聖な木の命に従い、ドラゴンの剣とドラゴンの盾を獲得するため、古代遺跡に転送される筈だった。
 その筈が、何故かこうして殺し合いに参加させられている。

 いや、あるいはこの催し自体が、伝説の武器を得るための試練なのかもしれない。彼にそれを確かめる術はないが。

「装備は没収されています。装備はこれだけですか?」

 所持していた剣や盾、防具は全て没収されていた。身に付けているのはローレル村を出発した直前のように青Tシャツ一枚。
 いかに100年に一人の勇者と言えども、この装備ではそこらのコボルトやただのウルフは勿論、ローレル村周辺に群生しているジェリームにすら勝てないだろう。

 やがて勇者は、何か装備がないか落ちていたデイパックを漁り始めた。
 中身は、基本的な支給品と、開け方のよく解らない容器、同じくよく解らない食べ物らしき物体が3つずつ。




 テレッテッテッテ〜(クソデカBGM)




 『家宝の宝剣 盾 獲得!』


56 : ファイナル開幕 ◆SvmnTdZSsU :2020/08/04(火) 07:04:24 1aGq0Vj.0
そして、匠の技が施された立派な剣と盾が入っていた。
 勇者は慣れた手付きで一瞬で装備すると、その場でバク宙する。

「スゴい武器ですね」

 どこか他人事のような感想だが、どうやら満足したらしい。
 伝説級の品には及ばないものの、実に素晴らしい逸品に彼は感動していた。これなら、剣術スキルも問題なく発動できる。
 同封されていたメモには『令嬢剣士の家宝の宝剣と盾』と書かれていた。

「これは家宝の武器ですね。家宝の武器なのか……?」

 持ち主には申し訳ないが、遠慮無く使わせて貰う事にした。
 歴戦の勇者といえど、素手ではゴブリンやコボルト一匹にすら勝てないのだ。

「主催者はどこに居ますか? この会場のどこかにいますよ」

 不自然な自問自答を呟く。どうやら勇者は、主催者を倒してこの場からキングダムに帰還するつもりらしい。
 とりあえず地図にしたがって街に向かおうとした瞬間、悲鳴が聞こえてきた。

「ん?????」

 驚く勇者。どうやら、もう誰かが何者かに襲われているらしい。

「モンスターの仕業ですね!」

 勇者は一瞬の間も置かず即答。特に原因は解らないのに断言すると、騒動のもとに駆け足で向かった。
 彼は100年に一度の勇者。悲鳴の主を見捨てることはできない。
 もしくは、こういった場合、被害者を助けると、新たな魔法や装備の獲得手段となる事を彼は知っていたのだった。


【主人公@ファイナルソード】
[状態]:健康
[装備]:令嬢剣士の家宝の宝剣と盾@ゴブリンスレイヤー
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1
[思考・状況]基本行動方針:勇者として主催者を倒します。
1:襲われている人を助けます。
2:主催者はどこに居ますか? この会場のどこかにいますよ
3:この催しは神聖な木の試練ですか?
[備考]
 支給品は確認済み。
 参戦時期は神聖な木と会話した直後。
 現在地にて謎の叫び声を聞きました。発生源に向かっています。

【令嬢剣士の家宝の宝剣と盾@ゴブリンスレイヤー】
 令嬢剣士の家宝の剣と盾。特殊効果は無いが家宝に相応しく非常に高品質。
 剣と盾のセットで支給品2つ分。


57 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/04(火) 07:05:02 1aGq0Vj.0
投下終了です


58 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/04(火) 23:08:05 a5pQzZr60
投下させていただきます。


59 : 小さな英雄と禁断の果実 ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/04(火) 23:09:18 a5pQzZr60
ある草原地帯で、一人の少女が怒りに燃えていた。

「主催者!アタシは絶対に、あんたの言いなりにはならない!この戦いを止めてみせる!」

少女の名前は、南条光。

ヒーローにあこがれ、また人々の笑顔を何よりも愛する少女である。

その彼女が、怒りに燃えていた。

この殺し合いを始めたものに、怒りを燃やしていた。

「…そういえばデイバッグというものが配られていたな。まずはそれを確認しよう。」

叫んだからなのか少し落ち着きを取り戻した彼女は、自分に配られた支給品を確認することにした。

「……なんで酒を入れてるんだ!未成年だぞアタシは!」

「これは、何だ?ガラスのようだけど……?一応、持っておくか」

そうして支給品をいくつか確認していた彼女だったが、突如として近くから悲鳴が聞こえてきた。

そして悲鳴が聞こえた彼女は、その場所へと向かい、衝撃的な光景を目の当たりにした。


60 : 小さな英雄と禁断の果実 ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/04(火) 23:09:58 a5pQzZr60

「な、何なんだこれは…」


…そこには、大きな口がついたリンゴがゴブリンたちを捕食している光景だった。


現実ではありえない、まるで自分が見ている特撮の世界に迷い込んだような光景だった。

そうしていると怪物が彼女の存在に気づいたのか、彼女のほうに跳ねながら近づいてきた。

今逃げ出せば助かるかもしれない、しかし彼女は逃げなかった。

何故ならば、ここで自分が逃げれば別の誰かが犠牲になるかもしれない。そう思ったからだ。

そして彼女は怪物へと立ち向かった。デイバッグからサバイバルナイフを取り出し、どこまで戦えるか不安に思いながらも。

まだ見ぬ誰かのために、怪物へと立ち向かったのである。

「アタシは、絶対にあきらめない!ジーッとしていても、ドーにもならない!」

彼女がそう叫ぶと、突如として彼女がバッグから出していたガラスが輝きだし、彼女の身体に取り込まれた。
そして彼女の両足が青白い光に包まれたのである。

「な、何だ……?力が、力がみなぎってくるぞ!」

そうして彼女は、今まさに自分に襲い掛かろうとするリンゴの怪物にキックをした。

そうするとどうしたことだろう、目にもとまらぬ速さで相手に無数のキックを放ったではないか。

「うおぉぉぉぉぉっ!」

そして彼女がとどめのキックを放ち、怪物を吹き飛ばすとその怪物は爆発四散した。

そうして脅威が去った後、彼女はその場に立ち尽くしていた。

「今の力は一体……?それに、あのガラスは一体何だったんだ?」

そう、今自分が手にした力に彼女は困惑していたのだ。

しかし彼女はそれ以上に懸念していることがあった。

(あのリンゴの怪物……もしかしたらそれを生み出している何かがあるんじゃないか……?)

あの怪物が一体ではなく、それを無数に生み出している怪物がいるのではないかということを懸念していた。

そうして彼女は歩き始める。

一つは、自分とともに主催者に立ち向かう仲間を集めるために……。

もう一つは、先ほどの怪物の本体を探すために……。

胸を張って歩き始めた……。


61 : 小さな英雄と禁断の果実 ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/04(火) 23:10:52 a5pQzZr60
【南条光@アイドルマスター シンデレラガールズ】
[状態]:健康、若干の疲労
[装備]:サバイバルナイフ@現実、美脚女の爪(残り九回)@ソウル・サクリファイス デルタ
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いには絶対に乗らない。主催者に立ち向かう。
1:ともに主催者に立ち向かう仲間を探す。
2:この力は、一体……?
3:先ほど倒したリンゴの怪物、その本体(ベヒモス)を探す。
[備考]
自身が手にした力(美脚女の爪)に対し、若干困惑しております。


【美脚女の爪@ソウル・サクリファイス デルタ】
 『シンデレラ』と呼ばれるムカデの魔物から作られた魔法。
 装備することで、残像が残るほどの高速のキックを連続で放つ、という技を十回まで使えるようになる。
 (仮面ライダーで例えると、アクセルトライアルのキックに似た技が使えるようになる)


【ベヒモス@ソウル・サクリファイス】
 どこかに一体だけ配置されたNPC。うずくまる青年の背中から巨大なリンゴの木が生えた魔物。
 病的なまでにリンゴを食べ続けた青年が「永遠にリンゴを食べ続けたい」と願った結果誕生した魔物で、
 腕のような形をした枝で殴り掛かる、体をねじることで周囲に竜巻を発生させるなど様々な攻撃をする。
 なお、巨大な木の姿をしているためか下の青年がリンゴを食べるときを除いてその場から動くことはない。

 しかし自らの身体から落ちた、大きな口のついた巨大なリンゴが自由に動き回っており、
 またそのリンゴは他の生き物を捕食したり、大量の種をマシンガンのように発射する能力を持っている。


62 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/04(火) 23:11:20 a5pQzZr60
投下終了です


ありがとうございました。


63 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/05(水) 00:23:22 aNViGsJo0
申し訳ございません。

>>61に書かれていた支給品の数に誤りがありました。

[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2



[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1

に訂正をお願いします。


64 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/05(水) 01:10:58 pq/5nXUA0
企画への投下、ありがとうございます。

>小さな英雄と禁断の果実
 凶悪無比なNPCが蔓延っている魔境でも、主催に立ち向かう南条光は非常に好感が持てます。未だ参加者の確定していないこのロワで、果たして彼女は同じ志の参加者と出合うことが出来るのでしょうか。
 支給品も強力で、かつ『シンデレラ』繋がりなのも面白いと思いました。得た力に困惑しつつも、着実に使いこなせている様子は実にポテンシャルを感じます。


65 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/05(水) 02:26:27 Ls3FSFYI0
投下します


66 : 夢は同じく根はちがく ◆SvmnTdZSsU :2020/08/05(水) 02:28:36 Ls3FSFYI0

 
 市街地。二人の参加者が対峙している。
 片方の人物は佐々木哲平、週刊少年ジャンプにて、新進気鋭の傑作『ホワイトナイト』を連載する漫画家である。

「ーーあ、あの、すみません。何かボーッとしちゃってて……」

 佐々木はこの催しの序盤に出合った同業者を名乗る参加者と会話していた筈だったが、なぜか『記憶』が飛んでいた。
 慣れない連載で疲労が貯まっていたのか、それとも殺し合いという状況からのストレスが原因か、どちらにしろ、情報交換の途中だったし失礼に当たる。

 そんな感覚で謝罪を口にするも、件の同業者ーー『岸辺露伴』は、険しい表情で佐々木を観察していた。

 佐々木は困惑する。
 同業者という事もあり、先刻まで比較的に友好な雰囲気だった筈だが、その様子は一変していた。
 露伴はまるで養豚場の豚を見るような目をしてくるばかりで、佐々木と一向に口を効こうとしない。

「ど、どうしましたか。露伴さん?」







「とんでもない恥知らずだな。君は」


「は? え?」


 意図の解らない言葉に、佐々木は混乱する。
 しかし、続けられた露伴の回答に背筋が凍りついた。

「佐々木哲平。君…… 『盗作』をしただろう」

「正直、君を『本』にした時は興奮させられたよ。未来の週刊少年ジャンプ、電子レンジのタイムマシン化、どれも素晴らしい『ネタ』に使える。そう思っていた。
 しかし、その先が頂けない。率直に言って、ぼくは『漫画家』として君と同じ空気を吸いたくない。

 ーー心底気持ち悪いよ。佐々木哲平」


67 : 夢は同じく根はちがく ◆SvmnTdZSsU :2020/08/05(水) 02:29:32 Ls3FSFYI0
見下げ果てたと言わんばかりの露伴に、佐々木の心臓が痛いほど鼓動をならし始める。冷や汗が止まらない。

 まさか、まさかこの男は……でも、どうやって!?

「……な、何の話ですか? 意味がよくわからーー」

「しらばっくれるな。もうぼくは君を本にして『読ませて』もらった。
 君の家の電子レンジがタイムマシンで、未来の週刊少年ジャンプが送られてくる事も、そこから原稿をトレースして持ち込みをした事も、さらにアイノイツキの『ホワイトナイト』を自分名義にして連載を続けた事も、全て知っている」

 何故、この男は電子レンジの事も、ホワイトナイトの事も知っているんだ!?

 秘密を知られた衝撃で震え出す佐々木を、しかし露伴は気にもかけない。
 ただ、恐ろしいまでに冷たく佐々木を糾弾するだけだった。
 

「そ……それでも、僕は、皆に楽しんでもらえる漫画を…… そ、それに! 最初はあれが現実だとは思えなかった! 夢だとばかり…… だって、タイムマシンなんてあり得ないじゃないですか!」

 何とか捻り出された弁解を、しかし露伴は一切の手心なく一刀両断する。

「立派な目標ではある。しかし、それだけた。微塵も擁護する気はない。
 君は、都合のいい理屈を並べ立てて、自己を正当化していただけだ。

 それに、”夢だと思った”だと?
 何年かけても捻り出せなかった構想が、具体的どころか印刷されてた完成形で出てくる訳がないだろう。
 どちらにしろ、結果は変わらない。理由や動機がなんであれ、『作品の盗作』……漫画家にとっての最大のタブーをお前は破ったんだよ。佐々木哲平」

「で……でも! 『ホワイトナイト』は世紀の傑作で…… 『皆が楽しめる』作品なんです! だから……」

「だからって盗作は駄目だ。そんな事、そこらの小学生でもわかっている事じゃあないか」

 佐々木は、何も言えなかった。

 全て正論だった。理屈も何もかも、ぐうの音も出ない程に露伴が正しい。

 佐々木がアイノイツキのホワイトナイトを盗作したことは事実であるし、かの傑作が自分のものではない事は佐々木本人も痛いほど実感している。
 佐々木がどれだけ努力したとしても、億、いや京ほども、かの傑作漫画に匹敵する作品を生み出せるとは思えない。

(でも……それでもっ!)

 しかし、佐々木は納得がいかない。
 岸辺露伴という、聞いたこともないマイナーな漫画家が、『ホワイトナイト』を否定する事実が、佐々木はどうしても認められなかった。

「確かに『ホワイトナイト』は僕の作品じゃない。でも、貴方にそこまで否定される謂れは……ない」

「……は?」

「耐えられなかったんです。『ホワイトナイト』が、世紀の大傑作が、アイノイツキという天才の集大成が、消えてしまうことなんて……『ホワイトナイト』は、僕の理想の漫画そのものなんだ!
 傑作を世に残す。ただ、そのためだけに僕はホワイトナイトを『代筆』しました。
 僕は漫画家として、いや……最初の読者として、『ホワイトナイト』を、あの作品を世に出す義務があった! 
 そのためなら、僕は罪の十字架を背負う覚悟です!」

 あくまで『盗作』ではなく『代筆』と言い張る、どこまでも噛み合わない歯車としか言い様のない理論武装を熱弁する佐々木に、露伴はまるで宇宙人を見るかのような視線を向けていた。

「心底どうしようもないな。君は」

 漫画家としても、人としても、露伴の言葉は佐々木に一切届かなかった。

【岸辺露伴@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:健康、佐々木哲平への不快感(大)
[装備]:スタンド『ヘブンズ・ドアー』
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:様々な参加者を取材しつつ、主催者の打倒を狙う。
1:危険人物は取材のついでに無力化を狙う。ただし無理はしない。
2:どうしようもないなこいつ……。
[備考]
 参戦時期は四部終了後。
 佐々木哲平を本にしたため、ホワイトナイトの盗作などを把握済みです。

【佐々木哲平@タイムパラドクスゴーストライター】
[状態]:健康、岸辺露伴への反抗心(大)
[装備]:ー
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:死にたくはないが、人殺しもしたくはない。
1:『盗作』じゃなく、『代筆』という点を露伴に理解させたい。
[備考]
 露伴に本にされましたが、そのときの記憶は忘れています。


68 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/05(水) 02:31:20 Ls3FSFYI0
投下終了です。


69 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/05(水) 22:55:34 aNViGsJo0
投下させていただきます。


70 : 酒は飲んでも呑まれるな ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/05(水) 22:56:59 aNViGsJo0
ここは会場内にある建物の中…

そこには三人の男女がいた。

しかし彼らは皆一様に力なく倒れていた。

白い髪の男は、椅子の背もたれによっかかった状態で頭を抱え、

水色の髪の少女はソファーの上で横たわり、

緑がかった髪をしたオッドアイの女性は机に顔をうずめた状態で倒れていた。

そんな彼らに何があったのか、それは数分前にさかのぼる……


71 : 酒は飲んでも呑まれるな ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/05(水) 22:57:27 aNViGsJo0
--------
ある場所に、頭を不規則に揺らしながら歩いている男がいた。

「……あ゛〜、頭痛ぇ……とりあえずどっかで休まねえと」

その男の名前は、坂田銀時。
歌舞伎町で万事屋を営んでいる、ダメ人間だ。

そんな彼は絶賛二日酔い中で、すさまじい頭痛を抱えていた。

(しっかし、頭痛薬でも入ってんかと思ったのに出てきたのは洞爺湖と酒ぐらいだったよ。もっと飲めってか?)

そんなわけで、彼は休めそうな場所を探している最中だった。

そうしていると、彼は手ごろな家を見つけたのでそこにお邪魔して休むことにした。

「お邪魔しま〜す」

銀時がそう言って入ろうとすると、中から女性の声が聞こえてきた。

「邪魔するんなら帰ってくださ〜い」

邪魔するなら帰って、とそういう返事が返ってきた。

そして彼はその返事を受け止め、そのまま玄関から出ていこうとした。

「は〜い、ってちょっと待てや!何で吉本新喜劇やらせようとすんの!?」

そしてすぐさま我に返った銀時はそのまま家に入り、先ほどの声が聞こえた部屋へと向かっていった。

そうして彼は、ちょっと衝撃的な光景に出くわすことになる。


72 : 酒は飲んでも呑まれるな ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/05(水) 22:58:13 aNViGsJo0
「……何やってんだアンタら?」

そこには、酒を浴びるように飲んだくれている少女と、そのそばで静かに酒を飲んでいる女性がいた。

そして彼女たちの足元には、無数の空き缶などが転がっていた。

「何って、見りゃ分かんでしょ?酒飲んでんのよ。」

水色の髪の少女が、そう答えた。

「ええ、ちょっとここに酒がありましたので、ちょっと飲んでいるところなんですよ。」

そしてそれに合わせて、緑がかった髪の女性も答えた。

「いや、そうじゃなくて……ここ、殺し合いの場所。OK?」

そしてその答えに対し銀時は、困惑しながらツッコミを入れた。

「分かっているわよそんなこと、でもここに酒があったから飲んでんのよ。もったいないじゃない。」

「まあ……少しもったいないな、とは思いましたので」

こうして彼女たちから回答を得られた銀時は、心の中でこう思った。

(あぁ……突っ込んじゃいけないヤツだよコレ……)

そして彼は気を取り直して、彼女たちに少し質問をしてみた。

「すまないんだけど、ちょっと二日酔いで休みたいから、少しこの部屋貸してくれない?」

彼がそういうと彼女らは快くOKを出してくれた。

「ああ、良いわよ。そうそう、自己紹介が遅れたわね。あたしは水の女神のアクアよ。」

「私は高垣楓で、アイドルをやっています。よろしくお願いします。」

「ああ、俺は万事屋やってる坂田銀時だ。よろしく……って女神?」

彼女たちの自己紹介を聞いた銀時は、自分も自己紹介をしたがそこでアクアのいった『女神』という言葉に反応した。


73 : 酒は飲んでも呑まれるな ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/05(水) 22:58:56 aNViGsJo0
「そうよ、私は水の女神のアクアよ。どうしたのかしら?まさか私の威光に恐れをなしたの?プークスクス」

そして彼女は、若干調子に乗った口調で銀時にこう言ったのである。

自分の存在の偉大さに恐れをなしたのかと、調子に乗った口調でそう言った。

そうすると銀時は、いつもの口調で彼女に対し強いツッコミをした。

「お前みたいな飲んだくれが女神なわけねえだろーっ!!それを言ったら、そっちの楓さんのほうがよっぽど女神っぽいわーっ!」

そう、彼の目から見ても、どう見てもアクアが女神に見えないと、そうツッコミを入れたのである。

「何よー!なんでだれも私を女神だと信じでくれないのよー!なんで……ウプッ」

そのツッコミを受けてアクアはちょっと涙目になりながら抗議をしたが、突如として口元を抑え始めた。

「ちょ、ちょっと済まないんだけど、だれか洗面器持ってない?もしくはトイレの場所知らない?」

そう、飲みすぎたせいでちょっとリバースしそうになったのである。

「わー!やめろこんな場所で!今からトイレ探して案内するから我慢しろーっ!」
「そ、そうです!こんなところで出したら、しばらくここが使えなくなるから我慢してください!」

そうして、彼らはちょっとてんやわんやすることになった……。

--------

そうして舞台は現在へと戻る。

……これで分かったと思うが、彼らが倒れている理由は…


―― 全員、酒を飲みすぎただけである。


74 : 酒は飲んでも呑まれるな ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/05(水) 22:59:38 aNViGsJo0
【坂田銀時@銀魂(アニメ版)】
[状態]:二日酔い
[装備]:洞爺湖@銀魂
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:主催者の打倒。殺し合いには乗らない。
1:あ゛〜、頭痛ぇ。完全に二日酔いだよオイ。
2:新八や神楽、呼ばれてねえだろうな?
3:女神だぁ?お前よりこっちの人(高垣楓)のほうがよっぽど女神に見えるぞ。
[備考]
二日酔いによる頭痛に悩まされております。
アクアを女神だと信じていません、というか痛い人だと思っています。

【アクア@この素晴らしい世界に祝福を!(アニメ版)】
[状態]:酒の飲みすぎによる悪酔い
[装備]:―
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:主催者を一発ぶん殴る。殺し合いには乗らない。
1:き゛も゛ち゛わ゛る゛い゛〜。
2:主催者を一発ぶん殴って、元の世界に帰る。
3:カズマ達も呼ばれてるか、少し気になる。
[備考]
施設内にあった大量の酒を飲みまくったせいで悪酔いしています。

【高垣楓@アイドルマスター シンデレラガールズ】
[状態]:ほろ酔い
[装備]:―
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いには乗らない。死にたくない。
1:他に呼ばれている子たちがいないか心配。
2:飲みすぎたのか、少し頭がクラクラします。
3:この子(アクア)、蘭子ちゃんみたい。
[備考]
施設内にあった酒を少し飲んだため、若干酔っています。
アクアのことを、そういう設定のアイドルだと思っています。


75 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/05(水) 23:00:10 aNViGsJo0
投下終了です
ありがとうございました。


76 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/06(木) 02:24:07 TGDJz1nc0
本企画への投下、ありがとうございます。

>酒は飲んでも呑まれるな
三人とも殺し合いの場で飲んだくれる展開は驚きですが、何と言うか親和性が高すぎる。実に微笑ましいです。
銀時とアクアはともかく、高垣楓も飲んだくれ空間で違和感ないのは草が生えます。しかしギャグっぽく見えても実際三人ともポテンシャルは高いので、きっと殺し合いの場でも活躍してくれるという安心感も感じました。


77 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/06(木) 02:25:21 TGDJz1nc0
投下します


78 : 価値観の違い ◆SvmnTdZSsU :2020/08/06(木) 02:26:23 TGDJz1nc0
 森林地帯。そこに参加者がいる。上下ジャージという装いの、目付きの悪い青年が唖然とした様子で佇んでいた。

「バトル・ロワイアル……いやいや、俺も大抵の事は驚かない自信あるけど、これは流石にビックリだわ」

 殺し合いの場においても、菜月昴は平静さを保っていた。
 異世界に召喚されてから、文字通り死ぬような目に何度もあってきた経験は伊達ではない。
 
「俺は確か、エミリアたんと聖域に向かって……糞、思い出せねぇ」

 拉致された記憶の前後は無い。その事に焦る気持ちを押さえつつ、スバルは情報整理を予て、支給品の確認を行おうとした。

 ーーパキッ

 その時、背後から草木を踏みしめる音が鳴る。

「ーっ誰だッ!」

「安心してほしい。わたしは殺し合いには乗っていない」

ーーーー

「いやぁ〜、最初に出会ったのがプッチさんみたいに話の通じる人で、ホント良かったですよ!」

「わたしも同じ意見だよ」
 
 エンリコ・プッチと名乗った神父は、スバルに敵意がない事を示すと、情報交換を持ちかけてきた。
 宗教家と聞くと悪い意味であの怠惰を思い出すが、彼方とは比べ物にならないほど理性的で落ち着いた物腰に、スバルの警戒も自然とほどけていく。
 
(こういう人を本当の宗教家って言うんだろうなぁ。ペテ公よりも全然マシだ。うん、偏見は良くないな)

 話を聞いてみると、プッチ神父はアメリカのグリーン・ドルフィン刑務所から、この催しに拉致されたらしい。
 アメリカ!久しく聞いていなかった国名に興奮を押さえきれない。
 しかし、それは同時に、この催しの主催者が異世界と現実を行き来できる手段を持つ事を示していた。
 
(おいおい…… ただでさえヤベー魔女に目をつけられてるってのに、ここからさらに役満とか不幸ってレベルじゃねーぞ)

 得体の知れない主催者に戦慄するスバルを他所に、プッチは真剣な眼差しで彼に問いかける。

「スバル…… わたしはこの催しを『試練』だと捉えている。『試練』は必ず克服されるべきものだ。しかし、現状ではあまりに手が足りない。……若い君には酷だが、協力してほしい」

 嘘偽りのないプッチの言葉に、スバルは『覚悟』を決めた。差し出された右手をがっちりと掴み、握手を交わす。

「……わかった。俺もこの悪趣味なゲームに乗るなんてまっぴらだ。一緒にこの殺し合いをぶっ壊そうぜ!」

「あぁ、ありがとう。しかし、その前に少し確かめたい事があるんだ」

 「ホワイトスネイク」、プッチがその名を一言告げると、背後に奇妙な人型が出現した。
 塩基配列の描かれた包帯状のラインが全身に走っており、顔の上半分と肩、腰の辺りは紫色の装飾品のようなもので覆われたデザインの人型は、感情の読めない眼差しでスバルを観察していた。
 あまりにも不気味な存在に、スバルの鼓動が跳ね上がった。

「うわぁ! ちょ、プッチさん、何なんですかそれ!」

「なるほど……スタンドは見えているか」

「スタンド? それが、あー、その現代アートっぽい物体の名前なんですかね?」

「ああ、これはわたしの精神が具現化した存在……、側に立つものという意味でスタンドと呼ばれている」

 プッチの説明に納得したのか、スバルは落ち着きを取り戻した。

「へぇー…『スタンド・バイ・ミー』って訳?」

「その通り…… しかし不思議だ。スタンドは普通、スタンドを持たない相手には視認できない」

「スバル、何か心当たりはないか? 身の回りで不思議な現象が起こったりとか、何か変なものを見たとか……」

 スバルは悩んだ。心当たりは確かにある。不思議な現象認定を余裕でぶっちぎる異世界召喚もそうだが、例えばペテルギウスの見えざる手も、最初は全く見えなかったが、後に視認できるようになっていた。
 あの狂人が使っていた権能とやらも、一種のスタンドなのかもしれない。

「最近『見えざる手』って似たような能力を使う奴とあったことがある。最初は文字通り見えなかったけど、あれも後から見えるようになったな。あとは……まぁ、色々と心当たりはあります」

 スバルはまだプッチに異世界の事は告げていない。信憑性の問題もあるが、『死に戻り』のペナルティが、この場でどこまで影響を及ぼすか把握できていないからだ。
 どこか不自然なスバルの言葉を聞いたプッチは、何やら暫し思案した後、意を決したように口を開いた。

「そうか……わかった。ではスバル、少し『確認』させてもらうが、良いかな?」

「確認? 何をーー」

 スバルの意識は途切れた。


79 : 価値観の違い ◆SvmnTdZSsU :2020/08/06(木) 02:27:12 TGDJz1nc0
ーーーー


 物言わぬスバルの頭部から、ホワイトスネイクの手がDISCを引き抜く。
 
(何? DISCが一枚……馬鹿な。スバルはスタンド使いでは無いのか?)

 プッチがなぜこのような暴挙に出たのかと言うと、一重に『信頼』のためである。
 本人は否定しているが、スバルが悪意をもって能力を隠しているスタンド使いの可能性も充分にある。
 仮にスバルにそういった他意が無く、無自覚のスタンド使いであったとしても、土壇場で暴走でもされたら厄介だ。
 そう判断したプッチは、ひとまずホワイトスネイクでスバルをDISC化することを決心したのだった。
 しかし、予想に反して、出てきたのは記憶DISCだけ。
 どうやらスバルがスタンド使いという訳ではなく、この催しの主催者が何かしらの細工でもしたのだろう。

「彼には悪いことをしたな……」

 多少の後ろめたさを感じたが、まぁ必要な行程だったと受け流すプッチ。
 この場で何よりも重要なのは『信頼』であり、初対面の人間同士がこの危険な状況で真っ当な手段で培うには、時間も何もかも足りない。
 ある意味、記憶を覗くのは最短の手段なのだ。
 誤解の一つは解けたが、記憶DISCを戻そうとした手が止まる。

(一般人のようだが、一応保険として見ておくか)
 
 先ほど問いかけたときのスバルの反応は、明らかに何かを隠していた。
 暫く行動を共にするなら、彼の記憶は把握しておいた方がいい。
 そう判断したプッチは、スバルの記憶DISCを読み始めるのだった。


ーーーー


 数分後、菜月昴は意識を覚醒させた。
 同時に、自分の記憶が飛んでいることを自覚した。

「おいプッチさん…… 俺に、何した?」

 警戒するスバル。しかし、プッチは答えない。スタンドとやらも出さず、呆然とその場に佇んでいる。

「お、おいプッチさん。どうしたんだよ。何かあったのか?」

 敵意は感じないが、あまりに異様な雰囲気に、さしものスバルも心配そうに声をかける。すると、漸く件の神父は反応を返した。

「素晴らしいッ!!」

 プッチはスバルの肩を掴むと、感激したように呟いた。突然の称賛に当然ながらスバルは困惑する。

「スバル…… 君こそ、わたしの目指す『天国』そのものだッ!」

 エンリコ・プッチは、完成された芸術品を眺めるような、そんな恍惚とした眼差しでスバルをうっとりと見つめている。
 これまで向けられた経験のある物とは、根本的に質の異なる感情に、スバルの背筋に本能的な悪寒が走った。
 慌てて振り払うと、スバルは距離をとる。正直今のプッチは、かなり気持ち悪かった。

「……は? あ、あはは、プッチさん。俺はノーマル! そっちの気はないんだよね!」

「ああ、すまない。わたしとした事が、興奮のあまり誤解させてしまったかな。そういう意味ではないよ」

 スバルのあからさまな反応を微笑ましいと言わんばかりに苦笑しつつ、プッチは説明を行った。

「まだ説明していなかったが…… スタンドというのは例外なく特殊能力を備えている。当然、わたしの『ホワイトスネイク』もちょっとした能力があってね」

 続けて発せられたプッチの言葉に、ナツキ・スバルは凍りついた。


「君の記憶を、少し覗かせてもらった」


 スバルは、死に戻りを他人に打ち明ける事ができない。
 話そうとすると、『嫉妬の魔女』に物理的に心臓を握られる。それでも無理矢理に伝えると、知った相手が死ぬ。
 その法則は、当に経験済みだった。その筈なのに、何故?
 脳内を駆け巡る動揺した思考にスバルが捕らわれる中、プッチはただスバルを称賛し続ける。

「スバル…… いや本当に、しつこいようだが、君は素晴らしい存在だよ。
 残酷な未来を知りながら、君は『覚悟』することで幾度も運命を乗り越えた。その姿勢も、生き方も、何もかも正しく私の目指す『天国』そのものなんだ」

「……『天国』だって?」

「ああ、宗教的な意味ではない。『天国』とは、精神の行き着く果ての事だよ」

 プッチは、己の目指す『天国』の概念をスバルに語りだした。


80 : 価値観の違い ◆SvmnTdZSsU :2020/08/06(木) 02:28:01 TGDJz1nc0
ーーー

「……アンタ。それ本気で言ってるのか?」

 全てを聞き終えた時、スバルはプッチの正気を疑っていた。
 語られた『天国』の概念は、あまりにもスバルの理解を斜め上に越えていた。
 プッチにとっての『天国』とは、人類が生まれてから滅ぶまでのあらゆる出来事を体験・記憶しており、運命が決まっていて、何が起こるか予知できるようになる世界であるとのたまった。
 あまりにも独善的で、趣味の悪いディストピアそのものな天国の概念を、プッチは、人類が先に起こることへの「覚悟」が出来る幸福な世界だと信じて疑っていないようだった。
 なるほど、確かにそんな思想の持ち主が『死に戻り』を知ったのなら、プッチの態度も理解できる。
 納得と理解は別物なのだが。

「急に理解が得られるとは思っていない。しかし、『覚悟』こそ幸福であると、君は誰よりも、ある意味わたしよりも身を持って理解している筈だッ!」

 好意的でないスバルの反応に、心底理解できないといった顔をするプッチ。
 どうやら、彼はスバルが賛同してくれるものと信じているようだ。

「改めて問おう。ナツキ・スバル。……わたしに協力してほしい」

 ナツキ・スバルの出す答えはーー

【エンリコ・プッチ@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:健康、ナツキ・スバルへの尊敬と興奮(大)
[装備]:スタンド『ホワイト・スネイク』
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:天国への到達を目指す。殺し合いには乗らないが、必要とあれば手段は選ばない。
1:スバルと行動を共にする。
2:スバル…君はまさに『天国』そのものだッ!
[備考]
 ホワイトスネイクにより、スバルの『死に戻り』の記憶を一部把握しました。
 参戦時期は承太郎の記憶DISCを得た後の時間軸。

【ナツキ・スバル@Re:ゼロから始める異世界生活】
[状態]:健康、エンリコ・プッチへの不信感・不快感(大)
[装備]:ー
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:
1:エミリアたんは無事だろうか……
2:『天国』…だって?
[備考]
 エンリコ・プッチの『天国』の解釈を本人からの説明で理解しました。
 参戦時期は聖域に向かう前後。
 『死に戻り』のペナルティには制限が課せられているようです。


81 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/06(木) 02:28:31 TGDJz1nc0
投下終了です


82 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/06(木) 22:41:59 nvIKnD7I0
二作品ほど、投下させていただきます。


83 : 殺し合いなんか物騒だからすなーっ! ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/06(木) 22:43:17 nvIKnD7I0
ここはある会場内の開けた場所……

そこに、赤いヒゲと緑の恐竜がいた。

「ヨッシー、お前の支給品はどんなんだった?」

「結構いけますね。」

「カップラーメンをそのまま食うなーっ!」

赤いヒゲのほうはマリオ、コロコロ一の大ボケ男である。

そして緑の恐竜はヨッシー、なんでも食べるスーパードラゴンである。

そんな彼らは今、主催者と戦うために自分の支給品を確認していた最中である。

「わたしの方は懐かしいものが出てきましたよ、ほら。」

「おお、振動パックか。十何年ぶりに見たなこれ。」

どうやらヨッシーの方は、なかなか面白いものが出てきたようだ。

一方マリオの方はというと…

「なんか紙みたいのが出てきたな……って何だこのポスター!」

「うわぁ……気色悪いものが出てきましたね」

マリオの方からは、男のヌードが写ったポスターが出てきたらしい。

そんな感じで、彼らは時々ツッコミを入れたりしながら談笑していた。


84 : 殺し合いなんか物騒だからすなーっ! ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/06(木) 22:44:39 nvIKnD7I0

そうすると突然、彼らの近くで地響きが聞こえた。

何事かと彼らが後ろを振り返ったところ、土煙を上げながら近づいてくる複数の影があった。

それは、ゴブリンの群れである。

絶体絶命の危機かと思われたかもしれないが、別にそんなことはない。

「こいつらはわたしに任せてください。」
「一瞬で全滅ね。」

何故ならば、ヨッシーが全員を一瞬で食べてしまったからだ。

そうして、迫りくるゴブリンたちの群れを一瞬で食い尽くしたヨッシーがマリオに言った。

「ウッ……マリオさん、いきなりですみませんが……」

「なんだ?遠慮せずに言ってみろよ」

「ウ〇コ出そうなんですー!」

「遠慮しろー!!」

……この後、ヨッシーのお尻からタマゴに包まれたウ〇コが出たのは、言うまでもない…。


【マリオ@スーパーマリオくん(コロコロ版)】
[状態]:健康
[装備]:―
[道具]:基本支給品、沢田ユキオのポスター、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:主催者を倒す。
1:やっとピーチ姫を助けたと思ったら、こんなことに巻き込まれるとは…。
2:主催者を何としても倒す。そのために会場内を探索する。
3:ともに戦う仲間を探す。
[備考]
参戦時期は、オデッセイ編終了後(単行本55巻)。

【ヨッシー@スーパーマリオくん(コロコロ版)】
[状態]:ゴブリンの群れを食べたことによる、若干の腹痛
[装備]:振動パック@スーパーマリオくん
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:主催者を倒す。
1:なんかおなかが痛いです……。
2:マリオさんに付いていきます。
[備考]
基本支給品の食料を、すべて食べつくしました。
制限により、食欲および消化能力が低下してます。


【沢田ユキオのポスター@スーパーマリオくん(コロコロ版)】
 スーパーマリオくんの作者である、沢田ユキオのヌードが写っているポスター。
 マリオパーティ編にて、敵キャラにスターを要求された際にマリオが取り出したもの。
 ……当然、マリオはこの後丸めたポスターで殴られている。

【振動パック@スーパーマリオくん(コロコロ版)】
 本来はニンテンドー64の周辺機器。
 マリオが記憶喪失になった際に、ショック療法で記憶を取り戻させるために使用し、
 またその振動によって敵キャラを文字通り粉砕したこともある。
 なお、マリオの股間にセットされて「ちん動パック」になったこともある。


85 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/06(木) 22:45:24 nvIKnD7I0
投下終了です

では引き続き、もう一作品投下させていただきます。


86 : 箱庭の中で、萌えを叫ぶ ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/06(木) 22:46:12 nvIKnD7I0
ここはある草原地帯。

そこには、巨大なトラックの上で歌っている女の子がいた。

沢山のフリフリがついた、ピンク色のドレスを着た女の子だった。

そしてその足元、彼女がいるトラックの周りにはたくさんのゴブリンがいた。

一見すると彼女がゴブリンたちに襲われており、おかしくなって歌い始めたと思うかもしれない。

しかし実際はそうではなかった。

「みんなー、今日はわたしのライブに集まってくれてありがとー!」

彼女のその声に合わせて、ゴブリンたちは狂喜乱舞した。

またゴブリンの中には、「萌え」という言葉を叫んでいる者もいた。

それはまるで、アイドルのライブ会場のようであった。


87 : 箱庭の中で、萌えを叫ぶ ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/06(木) 22:47:24 nvIKnD7I0

その中心にいる女の子の名前は、リンダ。

かつてアイドルを目指し、路上でひたすらライブをしていた少女であり、
ある人物によるレッスンを受けたことで徐々に才能を開花させ、魔王として目覚めた女の子である。

そんな彼女は、この会場であることを計画していた。

そう、それは長年の夢である、世界一のアイドルになるために優勝することである。

そして丁度よく、彼女にはマイクと移動可能なステージが支給されていたのも彼女の計画を後押ししていた。

彼女はそれらを使って会場内を周り、ありとあらゆる存在を自分のファンにしてこの戦いを有利に進めることを計画したのだ。


……そうして彼女は現在、この会場という箱庭の中で萌えを叫んでいるのである。

魔族らしく、自分の欲望のために、他人を利用して生き残ろうとしていたのである。


【リンダ@ボクと魔王】
[状態]:健康
[装備]:マイク@現実、ドーフ・ワゴン@マッドマックス 怒りのデス・ロード
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1
[思考・状況]基本行動方針:優勝して、世界一のアイドルになる。
1:みんなみんな、わたしのファンにするの。
2:コーチ……見ててください。
3:邪魔するものは誰であろうとすべて薙ぎ払う。
[備考]
参戦時期は、主人公の指導によって魔王へと覚醒し、一つの街を征服した後。
制限により、NPC以外は洗脳できません。
彼女の周囲には、洗脳されたゴブリンたちが30体ほど集まっています。


【ドーフ・ワゴン@マッドマックス 怒りのデス・ロード】
 イモータン・ジョー率いる武装集団が所持している、無数のスピーカーやライトが取り付けられたトラック。
 主に演奏で士気高揚、鼓舞するために使われているため、様々なドラムやギターが取り付けられていた。
 なおリンダは車の動かし方が分からなかったため、洗脳したゴブリンたちにけん引させている。


88 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/06(木) 22:48:07 nvIKnD7I0
投下終了です


ありがとうございました。


89 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/07(金) 00:44:18 ewqnLKho0
本企画への投下、ありがとうございます。

>殺し合いなんか物騒だからすなーっ!
 スーパーマリオくん、懐かしすぎる!ギャグっぽく見えますが(というかギャグの具現化ですが)両者とも確かに実力者なので、シリアスも充分に対応……できるのかな。

>箱庭の中で、萌えを叫ぶ
 登場話から既にゴブリンの群れを掌握するリンダ。かわいらしくも確かに彼女は魔王なのだと理解させられました。洗脳がNPCにのみ有効としても、このロワ環境では一切弱みに感じません。不思議ですね(すっとぼけ)。
 ちなみにマッドマックスは神映画だと私は思います。


90 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/07(金) 00:44:58 ewqnLKho0
投下します


91 : 小鬼殺しとドギー・スタイル ◆SvmnTdZSsU :2020/08/07(金) 00:46:52 ewqnLKho0

「GORB!!GORB!!」
「GORB!!GORBGO!!」

 森林地帯。耳障りな奇声で威嚇するゴブリン。その群れに囲まれている独特なファッションの青年。
 彼の足元には、首を絞め落とされ生き耐えた小鬼の亡骸があった。
 止めを刺したのは男ではない。この小鬼は仲間たちの攻撃で骸と化していた。

(まいったな……何なんだこの生物は? 仲間を盾にしても一向に怯まない…… さて、どうするか)

 男の名は豆銑礼、職業は果樹栽培師、レイではなくライと読む。
 
「単体は弱い……が、数が揃うと厄介だな」

 文句を言っても状況は改善しない。
 豆銑は盾にしたゴブリンを捕まえた時と同じ要領で、スタンド『ドギー・スタイル』でワイヤー状にほどいた腕を振り回す。
 慣性が加わった豆銑のワイヤーは鋭く地面をえぐり、取り囲むゴブリンたちを怯ませた。

「GORB!!GORB!!」
「GORBGORB!!」

 強引に突撃されれば対処できないが、件のゴブリンどもは「自分が最初に負傷するのは嫌だ。お前先に行けよ!」と言わんばかりに、互いに押し付け合うばかりで近寄ってこない。

(一匹ずつ処理するのが確実か……しかし、増援を呼ばれるとまずい)

 一か八か、怪物どもが痺れを切らす前に突破を試みる。そう行動に移そうとした直前に、状況は一変した。

「GOB!?」

 離れていた一匹の小鬼の脳天に、ずぶりと突き刺されるナイフ。

「!?」

 寸分違わず脳裏に貫通した刃は、瞬時に小鬼の生命を絶えさせる。
 生き絶えた仲間に驚く小鬼。豆銑の視線の先には、殺戮者がいた。

「……ゴブリンだな」

 加勢したのは、薄汚れた鎧という装いの不審者だった。

「GORB!?GORB!!」

 我に返った小鬼が怒りのままに襲い掛かるも、男は地面に落ちていた棍棒を使い、瞬く間に怪物たちを処理していく。
 豆銑に注目していた怪物たちは背後からの奇襲に対処できず、あっという間に駆逐された。

(スゴいな…… 淀みが一切ない。その道のプロか?)

 警戒する豆銑に構うこと無く、鎧の男は流れるような手順で死体に止めを指していく。その動作は一切の淀みがなく、洗練された手腕であった。
 血生臭い光景だが、熟練の職人芸といっても過言ではない男の腕前に、豆銑は『敬意』を感じた。

「騙し討ちは小鬼の常套手段だ。死体は必ず確認しろ」

 ゴブリン。サブカルチャーに疎い豆銑でも知っている、有名なモンスター。
 この醜悪な怪物たちがまさにそれだったらしい。


92 : 小鬼殺しとドギー・スタイル ◆SvmnTdZSsU :2020/08/07(金) 00:47:50 ewqnLKho0

「……小鬼(ゴブリン)だと?」

「ああ」

「確認するが……本当に、この生き物は『ゴブリン』なのか?」

「ああ」

「なるほど……『ゴブリン』?」

「ああ」

「しつこいようだが……本当に『ゴブリン』? ヨーロッパ地方発祥の、緑の小人のイメージで、悪戯好きの妖精の?」

「『悪戯好き』なんて可愛げがあるモノではないが、そうだ」

「本当に『ゴブリン』? スタンド能力ではなく?」

「スタンドが何なのか俺は知らん。が、間違いなくコレはゴブリンだ」

「そうか…… ゴブリン……なるほど」

 にわかには信じがたいが、実物が転がっているのなら信じざるを得ない。
 実在するゴブリンを、一切の動揺無く始末できる男。人間嫌いの豆銑でも興味をそそられる。

「俺はゴブリンを殺しにいく。お前はどうする?」

「……自己紹介がまだだったな」

「わたしの名は『豆銑礼』。レイではなくライだ。職業は専属の果樹栽培師……」

「……ゴブリンスレイヤー。冒険者をしている」

 義務的な名乗り。律儀な様子に苦笑する。どうやら『小鬼殺し』は自分に負けず劣らず変人らしい。

「……(小鬼殺し、おまけに職業が冒険者、か)」

 見間違う事もない不審者だが、その実力は証明済み。ならばとるべき選択肢はひとつしかない。

「こんなタチが悪い生物がうろついているんじゃあ、単独行動は危険だ。
 暫く同行させて欲しい。君についていった方が生存確率が上がる」

「何ができる?」

「『ドギー・スタイル』」

 豆銑の体が、林檎の皮を剥く時のようにワイヤー状にほどける。

「ほう……」

 見たことのない『魔法』に、さしものゴブリンスレイヤーも驚いていた。

「こんなことができる。見た目より頑丈で、縛り上げたり飛ばしたり……まぁ応用も効く。君のゴブリン退治にも、ある程度は協力しよう。その方が合理的だ」

「わかった」

 必要最低限の情報交換だったが、互いの利害も一致している。
 小鬼殺しと果樹栽培師は、小鬼の巣を目指し前進を始めた。

【豆銑礼@ジョジョリオン】
[状態]:健康、疲労(小)
[装備]:スタンド『ドギー・スタイル』
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:生存優先
1:ゴブリンスレイヤーと行動する。
2:定助は無事だろうか……
[備考]
 時間軸はプアー・トム撃破後。

【ゴブリンスレイヤー@ゴブリンスレイヤー】
[状態]:健康
[装備]:ゴブリンスレイヤーの装備@ゴブリンスレイヤー、小鬼から奪った装備(粗末な棍棒や短剣)、並行世界のディエゴのナイフ@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]:基本支給品
[思考・状況]基本行動方針:ゴブリンを殺す。
1:殺し合い……ゴブリンではないのか?
2:スタンド……便利そうだ。
[備考]
 時間軸はゴブリンロードを討伐した後。

【ゴブリンスレイヤーの装備@ゴブリンスレイヤー】
 鉄兜と安っぽい革鎧、鎖帷子と円盾のセット。ランダム支給品扱い。

【並行世界のディエゴのナイフ@ジョジョの奇妙な冒険】
 並行世界のディエゴが所持していたナイフ。複数本セット。


93 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/07(金) 00:49:49 ewqnLKho0
投下終了です


94 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/07(金) 07:40:08 ewqnLKho0
投下します


95 : 鬼!悪魔!ちひろ! ◆SvmnTdZSsU :2020/08/07(金) 07:41:21 ewqnLKho0

 森林地帯。殺し合いの開幕から早々に、物騒な鬼ごっこが繰り広げられていた。
 
「ハァ……ハァ……こないでください!」

 千川ちひろは背後から迫る追跡者に懇願する。残念ながら、その言葉は一切聞き入れられなかった。

「待て!待つのじゃ! 主は勘違いしておる!」

 頭に二本角の生えた女が、侵害だと言わんばかりに怒鳴り返す。
 彼女の名はパワー。鬼ではなく血の魔人である。

「ええい逃げるでない! ワシは殺し合いには乗っておらんと言うとるのに!」

 その言葉に反して、パワーの右手には怪しく煌めく妖刀が握り絞められていた。

「じゃ、じゃあ! その手に持ってる刀は何ですか!」

「これはワシの支給品じゃ! コレがワシに人間を殺せと囁くのじゃ! じゃからワシは悪くない! 話し合おう!」

 事実、この鬼ごっこの起点もちひろにパワーが斬りかかった事が発端であった。
 言動と行動の一致しないパワーに、ちひろの恐怖は増大する。

 捕まればまず間違いなく殺される。
 その予感が逆に彼女を雁字搦めに硬直させた。
 
「きゃ!? い、痛い…」

 気が動転し、ちひろは足を枝にひっかけ転んでしまう。
 ホラー映画のワンシーンのような光景だが、しかしここは無情にも現実であった。

「ちょこまかと……生き汚いぞ! 逃げる相手を切らせるなど、ワシを恥知らずにする気か!」

 理不尽な怒りを口につつ、パワーはちひろに接近する。怪しい光彩を放つ刀が、血を求めるかのように揺れていた。

「い、嫌……来ないで! だ、誰か! 助けて!」



「エル・ヒューマ!」

 瞬間、氷の弾幕が殺到する。
 完全な不意打ちだったが、機敏な動きで避けるパワー。
 流れ弾を食らった背後の木々が、無惨に倒壊した。
 魔法による攻撃。それを行った救世主は青髪のメイドだった。

「なんじゃ貴様! 不意打ちとは……この卑怯ものがぁ!」

 白々しいパワーの抗議は、当然のように無視された。

「……まさか、生き残りの同胞が他にいるとは思いませんでした」

 パワーの頭の角を見て、件のメイドーーレムがぽつりと呟いた。しかし、彼女の戦意は一向に衰えない。

「残念です。事情は解りませんが、貴女が殺し合いに乗っていることは明白……。そこの方に代わり、ロズワール・L・メイザース辺境伯が使用人筆頭、レムが御相手致します」

 堂々とした決闘の名乗りに、しかしパワーは生意気だという感想しか抱かない。

「がはははは! 生意気な奴め! このパワー様こそ最強じゃあ!」

 自由の身になった興奮と『アヌビス神』の影響でハイテンションになっているパワーは、控えめに言って調子に乗っていた。 
 妖刀を構え、自信満々といった様子でレムに挑む姿勢を崩さない。

「ワシの剣の錆びにしてくれるわ!」

 鬼のメイドと血の魔人、両者の決戦が幕を開けーー


ーーなかった。


96 : 鬼!悪魔!ちひろ! ◆SvmnTdZSsU :2020/08/07(金) 07:42:33 ewqnLKho0
ドドドドドド


「?」
「え!?」
「ハァ!?」


ドドドドドド


 キャベツだった。
 大量の空飛ぶキャベツの群れが、膨大な緑のうねりが、全てを蹂躙しながら此方に向かっている!

「ぎゃあああああー! キャベツがあああああ!! キャベツの悪魔じゃああああー!!」

「ちょ何あれ何ですかあれ! キャ、キャベツ!? キャベツが飛んでますよ!?」

「野菜の……魔獣? いずれにしてもあの数はーーッ」

 あまりにも異様な光景に呆気にとられる三者。

「っしまーーは?」

 逸早く正気に戻ったレムは、この場で一番の危険人物であるパワーに視線を戻す。 
 しかし、既にパワーは影も形もない。どうやら一目散に逃げたようだ。

「何て逃げ足の早さ……貴女、立てますか? ここは危険です! ひとまず離れましょう!」

「は、はい!」

 迫るキャベツの濁流から逃れるべく、遅れてレムとちひろもその場から逃走するのだった。

【千川ちひろ@アイドルマスターシンデレラガールズ】
[状態]:健康、疲労(大)
[装備]:ー
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:死にたくないが、人も殺したくない。
1:ひとまず助かった……?
2:キャ、キャベツが飛んでる!?

【レム@Re:ゼロから始める異世界生活】
[状態]:健康
[装備]:ー
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いには乗らず、脱出方法を探る。
1:スバル君は無事でしょうか……
2:あの女(パワー)は鬼族の生き残りなの?
3:アレは……魔獣?
[備考]
参戦時期は『イタダキマス』の後。
パワーを危険人物と認識。彼女を鬼族と勘違いしています。

ーーーー


『おいおい、逃げてどうするッ! だ〜か〜ら〜ッ!! 俺に体を貸せば一発だって言っただろーッ!』

 呆れたような『アヌビス神』の言葉に、しかしパワーはまるで堪えた様子もなく、けろりと言い返す。

「ワシは逃げておらん! ワシが手を下さんでもキャベツの悪魔が奴らを仕留めておるわ! これが頭脳戦じゃ! それにこれはワシの体じゃ! 主にはやらん!」

『まぁ、殺る気あるのなら全然良いけどな俺は』

「安心せい! ワシは殺す派じゃア!」

『良いねッ!! 殺し合いだか何だか知らないが、孤独脱出の記念だッ! テメーに協力してやるぜパワーちゃんよォーッ!!』

「がははは、よい心がけじゃな! 流石ワシの刀! 優勝はワシのものじゃ!」

【パワー@チェンソーマン】
[状態]:健康
[装備]:アヌビス神@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:最強のワシなら優勝確定じゃ!
1:強そうな奴からは逃げる。
2:弱そうなのは殺す。
3:キャベツの悪魔!野菜は嫌いじゃ! 
[備考]
時間軸は永遠の悪魔の後。
アヌビス神を所持していますが、特に洗脳はされていません。

【アヌビス神@ジョジョの奇妙な冒険】
【破壊力:B スピード:B 射程距離:E 持続力:A 精密動作性:E 成長性:C】
 妖刀に宿る独り歩き系スタンド。
 能力は「物体(生物)を透過して斬りつける事ができる」こと。もちろん透過させずに斬ることもできる。
 更に「一度受けた攻撃の性質を憶えることができる」性質があり、闘えば闘うほど相手の動きを記憶して強くなっていく。
 宿主が変わっても刀身が無事ならば一度憶えた攻撃は忘れない。
 時間軸はナイル川に沈められた後。
 制限により、洗脳は不可。握った相手には逆らえず、誰が握ってもその命令を聞くようになっている。所有者の合意で体を動かすことは可能。
 それ以外の能力は原作通り。

【キャベツ@この素晴らしい世界に祝福を!】
 NPC。飛行するキャベツ。群れでMAPを徘徊している。
 こいつの体当たりは鎧を破壊する程度には高威力。
 キャベツなので捕獲すれば普通に食べられるが、たまにレタスも混じっている。


97 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/07(金) 07:43:10 ewqnLKho0
投下終了です


98 : ◆3znSZqwzCA :2020/08/07(金) 09:34:36 xhS7gnUU0
投下します


99 : Nuclear ◆3znSZqwzCA :2020/08/07(金) 09:37:15 xhS7gnUU0

角を生やした男が立っている。
男の周りには、気絶した小鬼(ゴブリン)たち。
皆、念入りに首を締められている。恐らくは各個、一度顎をひねられた後、一旦蹴り起こされてからもう一度締められたのだろう。

なぜ、殺さないのか?ーーー否、殺せないのだ。

男は武器を持っておらず、格闘ーーーCQC (Close Quarters Combat)で相手を制圧し得た。

男の側には、恐らくはゴブリンの群れに立ち向かう為に使われたダンボール箱。

ーーー恐らくは、声帯虫と同じ哨戒のためのバイオテクノロジー兵器。

ヴェノム・スネークは見たことのないゴブリンを、そう認識した。



Watching from the edge of the circus
For the games to begin


100 : Nuclear ◆3znSZqwzCA :2020/08/07(金) 09:43:00 xhS7gnUU0

さんざん拉致してきた自らが拉致される事になるとは。
ヴェノム・スネークは こう独り言ち、そして思考する。
ーーー自らが伝説の傭兵「ビッグ・ボス」として、この地獄でやる事は二つ。
非戦闘者(天使)の保護と、彼らの戦闘区域外への解放。
だが。これは「生存戦」だ。
無論そんな行動をして、生き残る確率の方が少ないだろう。
“任務”のために死ぬのはいい。
だが、この戦場は意図されたものではなく、大義とは関係がない。
「・・・どうせ、ここは「天国の外」だ。」

“ビッグボス”のために大義を尽くす方法は、一つではない。

自らは“伝説の傭兵”ではない。
例え、“天使”を殺す鬼と化してでも。
己の為に、見知った“地獄”に帰還しなければ。
大義を尽くさなければ、ならないのかもしれない。
彼が“核”と化すか、”ファントム”として一生を終えるか。
もしくは、優秀な参加者(“プレイヤー”)に屠られるのか。
蛇の道は、ありえるわけのない歴史で大きな分岐点を辿ろうとしていた。

【パニッシュド”ヴェノム”・スネーク@METAL GEAR SOLIDV】
[状態]:健康、左腕欠損
[装備]: ダンボール@現実
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]: 基本行動方針: アウター・ヘブンへの帰還優先。
1:装備を整える。
2:首輪を解除できる技術者を探し、区域外へ離脱する。
3 :状況を鑑みて行動。2が期待できない場合は....

[備考]
※参戦時期は、「世界を売った男の真実」終了後。
※ゴブリンを声帯虫と同じ生体兵器だと思っています


101 : ◆3znSZqwzCA :2020/08/07(金) 09:43:41 xhS7gnUU0
投下終了です


102 : ◆PvbXxeSnhY :2020/08/07(金) 16:04:47 xhS7gnUU0
非常に短いですが投下します


103 : meets the nightmare ◆PvbXxeSnhY :2020/08/07(金) 16:05:41 xhS7gnUU0

ーーリングを採用しないとは、非効率だな。

ある高台から見下ろしている、誰かが思った。
男は、いや彼は影の世界の住人。

彼は一度あの世へ行った男。

殺しの常連にして、促進を正すもの。

彼は復讐の為に歩みを止めなかった。

だが、これは。この殺し合いはAPEXゲームではない。

ーーーならば、愉しむため"だけ"に殺し合いに参加しよう。

彼はそう決めた。見せしめとなった者を見る限り、このゲームは死せば肉塊になるだけ。リスポーンされることもない。
彼にとっては幸いであり、好都合だった。

殺し屋には理由が必要だった。しかし、今はそれすら不要だ。

「さぁ....お楽しみの時間だ」
高台の上から狩る者は、ひそかにほくそ笑んだ。

【レヴナント@APEX Legends】
[状態]:健康
[装備]:マスティフショットガン@APEXLegends、ショットガンアモx16@APEXLegends
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1
[思考・状況]: 基本行動方針:皮付き共の抹殺。(主催側にマーシナリーシンジゲート・ハモンドロボティクスがいた場合彼らも殺害。)
1:獲物を探す。
2:可能であれば支給品の補充(サプライボックス・またはそれに代替する何か)を探す。
3:....エリアは広い。走り回るのに苦労しそうだ,,,,,,。

[能力(アビリティ)紹介]
・サイレンス 
レヴナントのアビリティの一つ。敵のアビリティ(特殊能力)を無効化するデバイスを投げる。
・ストーカー
しゃがんだ状態で高速移動ができ、他のレジェンドより高く登ることができる。
・デストーテム
触れた使用者を短い間、死から保護するトーテムを呼び出す。
※これらアビリティの制限については名簿作成時・本編投下時の書き手にお任せします。


104 : ◆PvbXxeSnhY :2020/08/07(金) 16:06:14 xhS7gnUU0
投下終了します


105 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/07(金) 19:40:55 BFznsEmg0
当企画への投下、ありがとうございます。

>Nuclear
 実力者かつ対主催としての可能性もあるヴェノム・スネーク。
 バトルロワイアルという分岐点で、彼がどういった道筋を辿るのか期待させられるスタンスだと思いました。
 同時にダンボールというアイテムの無限の可能性も感じさせられる作品でした。

>meets the nightmare 
 デスゲーム系統からの参加者、しかも純粋なマーダーとは、かなりの活躍が期待できます。能力も厄介かつ容赦が無さそうなのも素晴らしいです。
 作中の指摘の通り、マップはかなり広いので、危険なNPCを掻い潜りつつ効率よく参加者を探す必要が生じます。
 難易度は高いですが、彼ならば難なく突破できるでしょう。


106 : ◆2zEnKfaCDc :2020/08/07(金) 22:44:18 YX/MVJQE0
投下します


107 : 言わないけどね ◆2zEnKfaCDc :2020/08/07(金) 22:47:28 YX/MVJQE0
(なにこれ……殺し合い?)

 四国の妖怪が通う高校『魍魎分校"死国校"』。そこの生徒である飴宮初夏は、風貌こそ人間と大差ないものの、れっきとした妖怪『舐女』である。彼女は現在、ひたすらに困惑していた。

 少し前にも野襖によって変な催しが開かれたことはあったけど、今回はどの妖怪の仕業かも分からない。だから妖怪の知識をもっている初夏でも、具体的な対処法が浮かんでこない。

(……みんなも巻き込まれているの?)

 じわじわと不安が襲ってくる。これまで出会ったタチの悪い妖怪はせいぜいヤマヒコくらいで、殺し合いを強要されることなんて一度も無かった。安心したくて、きょろきょろと知っている人(or 妖怪)を探し回る。

「お嬢さん、探しものですか?」

 そうこうしていると、声をかけられた。インド式のターバンと青い和服という、和洋折衷の衣装に身を包んだ男だった。

(こ、この人……私の個人情報を探っている!?)

 不審者地味ており、さらには殺し合いを命じられた場における他者との接触。本来はもっと怖がる箇所があるのだろうが、初夏が最も恐ろしいのは自分のことを探られることだった。開口一番、言い放つ。


「ひみつ。」


 取り付く島もないその様子に、害意の無い者ならすごすごと立ち去る場面。しかし男は、それを聞いて悪戯にニヤリと笑う。

「ほう……それは"私にチャレンジ"ということでよろしいですね?」

「えっ……意味わかんない……」

「貴方の探し人、この私が当ててみせましょう。」

「……ほんと?」

 その言葉を聞いて反応する初夏。人探しをしていたことはバレバレであり、その情報管理は飴のように甘い。

ㅤここにみんながいるのかどうかも分からないけれど、居場所が分からないというのはやはり不安だ。男がみんなの居場所を知っているのか半信半疑ではあるが、手がかりが他にない以上頼るしかなかった。

「じゃあ、お願い。」

「それでは、探している人のことを心に思い浮かべてみてください。誰か一人でお願いしますよ。」

「一人……一人……」

 ほわほわほわっと考える吹き出しが初夏から浮かび上がっていき、その中央に一人の男の子の顔が浮かぶ。魍魎分校に引っ越してきた男の子、渡海隼人。真っ先に浮かんできたのはあの人しかおらず、同時に頬が紅潮を見せる。

「男性?」

「!?」

 心の中を見透かされたように驚きつつ、コクコクと頷く初夏。

「髪は黒い?」

 すると、よく分からない質問が飛んできた。再び首を縦に振る。

「好きな女性がいる?」

「すきっ……!?ㅤひっ……ひみつ!!」

「……ふむ、"わからない"と。」

 その後も、矢継ぎ早に色々と質問され続けた。なんの意味があるのかは不明だが、時に答え、時にひみつにし、そうこうしている内にすべての問答が終わった。

「分かりました。あなたの探している人が。」

 そして質問者の男――アキネーターはコホンと咳をして告げる。


108 : 言わないけどね ◆2zEnKfaCDc :2020/08/07(金) 22:47:47 YX/MVJQE0

「――『西片』……ですね?」

「違いますけど……」

 初夏が交えた幾つかの「ひみつ」がその精度を落としてしまったようで、アキネーターの答えは微妙にズレた着地点に留まった。

「……ブラボー。あなたには負けたよ。」

「は、はぁ……。ちなみに私が探してるのは渡海くんっていう人間の男の子です。」

 本当にこの人に任せて大丈夫だろうか。さっそく半信半疑だったのが疑に寄っていったが、とりあえず探し人の名前を伝えてみる。

「分かりました。」

「……」

「……」

「…………え?ㅤそれだけ?」

「はい。」

「探してくれるんじゃないの?」

「当てるだけですよ?」

 そして、アキネーターはそのまま去っていった。

「何しに来たの……!?」


【飴宮初夏@こじらせ百鬼ドマイナー】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:ひみつ
 1:みんなを探さなきゃ……
 2:アキネーターは変質者ね。
[備考]44話以降からの参戦です。

【アキネーター@Akinator】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:チャレンジャーを探す。
[備考]全参加者についての『知識』があります。





 アキネーターの去った後の初夏の方に向けて、一人の男が足音を殺し、こっそりと忍び寄っていく。

「何か……誰かに呼ばれた気が……」

 偶然近くに居たようです。


【西片@からかい上手の高木さん】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:???


109 : ◆2zEnKfaCDc :2020/08/07(金) 22:48:05 YX/MVJQE0
投下終了です。


110 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/08(土) 00:59:12 Ztcy02A60
投下させていただきます。


111 : 命は、限りあるが故に ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/08(土) 01:00:21 Ztcy02A60
ある会場のとある場所、そこには無数の『死』があった。

そこには槍によって頭を貫かれたものや、腹部が避け内臓が飛び出しているもの、首と胴体が分かれたものがいた。

そしてその中心には、一人の少女がいた。

「これであなたたちはしばらく動けないのでしてー、わたくしはこれで失礼するのでして―」

彼女の名前は、依田芳乃。

代々拝み屋をやっている家の出身であり不思議な力を持つ、まるで神社に祀られている存在のようなアイドルである。

そしてそんな彼女は本来、このような血なまぐさいことを好まない少女である。

ではなぜ彼女はこのような凶行に及んだのか?

それは彼女が戦った怪物に関係している。

いま彼女の周りに倒れている無数の怪物たちの名前は、リザードマンという。

彼らは、元は人間であった。

しかし彼らは、「永遠の命」を叶えようとして失敗し、そのために怪物へと変貌した存在だった。

…それだけならば、彼女はここまでの惨事を起こさなかっただろう。


112 : 命は、限りあるが故に ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/08(土) 01:01:43 Ztcy02A60
それにはもう一つ理由がある。

それは、彼らリザードマンは不完全ながらも「永遠の命」を手にしており、どのような傷を負ってもすぐ蘇ってしまうからだ。

また現状彼らを完全に消滅させる方法を、彼女は持っていなかったのである。

そのため彼女は、彼らをしばらく動けなくするために彼らの身体をバラバラにしたのである。

そしてそれは彼女なりの慈悲でもあった。

彼女、依田芳乃は気づいているのである。

彼らにはもうほとんど、自我が残っていないということに。

自分を自分たらしめる自我を持たず、自分が人であったことも忘れ、ただ人を襲うだけの存在となっていることに。

彼らを救うためには、完全に消滅させる以外の方法が存在しないということに。

彼女、依田芳乃はその慧眼により気づいているのである。

それゆえに彼女はこのような凶行に及んだのである。

そして彼女は彼らに背を向けてどこかへと歩き出す。

彼らを救える力を探すため、また彼らを救えるものを探すために……。

【依田芳乃@アイドルマスター シンデレラガールズ】
[状態]:健康、
[装備]:魔始祖の剣戟(残り一回)@ソウル・サクリファイス デルタ
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いには絶対に乗らない。主催者に立ち向かう。
1:他に呼ばれているアイドルがいないかー、わたくしはとても心配でしてー。
2:この術(魔始祖の剣戟)はー、あまりにも危険すぎるのでしてー、以降は封印いたしまするー。
3:彼ら(リザードマン)に安息が訪れることをー、切に願いまするー。
[備考]
自身が戦った魔物(リザードマン)に対し、強い憐れみを抱いております。
彼女の使った魔法により、周囲に人が集まる可能性があります。

【魔始祖の剣戟@ソウル・サクリファイス デルタ】
 ある高名な魔法使いが知識欲により変化した魔物『オーディン』が改良した魔法。
 装備することで『グングニル』と呼ばれる巨大な槍を周囲に降り注がせる、という魔法を二回まで使えるようになる。

 ……なお、本来の『グングニル』は全身の骨を槍に変えて周囲に降り注がせる禁術だが、
   『オーディン』自身の改良により、限定的ではあるが代償なしで使用可能にしたのがこの魔法である。

【リザードマン@ソウル・サクリファイス デルタ】
 NPC。トカゲの頭をした魔法使いたち。

 「永遠の命」を叶えるために禁術を使用したが、代価である『自我』を捨てきれず失敗した者のなれの果て。
 『自我』を中途半端に捨てたからなのか、失ったものを補うように常に複数人で行動している。
 また不完全ではあるが「永遠の命」を手に入れており、いかなる傷を負ってもすぐに回復してしまうため
 彼らを倒すには「霊的な力で身体と魂を完全に分離させる」か、「身体を完全に消滅させる」必要がある。

 攻撃方法としては口から炎をはく、咆哮とともに雷を発生させる、腕を巨大化させて殴り掛かる、
 全身を岩に変化させて突進をするなど様々な魔法を使って攻撃をする。
 
 また、歴史上「永遠の命」を欲するものは後を絶たなかったが故に今もなお生み出されていると言われている。


113 : 命は、限りあるが故に ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/08(土) 01:02:28 Ztcy02A60
投下終了です


ありがとうございました。


114 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/08(土) 01:07:34 AnPk.70o0
本企画への投下、ありがとうございます。

>言わないけどね
 まさかのアキネーターwwww。初夏の困惑も仕方ないですね。何故か一ミリも関係ない位置で指名される西片には大草原。
 しかし、状態表の『全参加者の知識がある』という点、この怪しいインド人のような何かが、このロワにおいて重要なポジションに成り得る参加者であると印象付けます。まぁタイトル通り「言わないけどね」で終わる可能性もありますが。


115 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/08(土) 01:12:30 AnPk.70o0
この企画への投下、ありがとうございます。

>命は、限りあるが故に
慈悲の心でリザードマンを虐殺(厳密には違うが)した依田芳乃。
事情を知れば納得できますが、初手からヤバイ光景を作り出したことが場合によっては後々に響くかもしれないですし、そういう展開にも持っていけるので、素晴らしいと思いました。
支給品も強アイテムですし、ここからどう転ぶのか興味が尽きません。


116 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/08(土) 01:43:49 AnPk.70o0
投下します。


117 : 4バカ珍道中 ◆SvmnTdZSsU :2020/08/08(土) 01:44:47 AnPk.70o0
森林地帯。殺し合いの場に似つかわしくなく、三人の子供が騒いでいる。

「カイル、ケニー、きっとゲームマスターは日本人だよ! 日本人は鯨を殺すし人殺しが大好きなんだ」
「スタン! 主催者の国籍なんてどうでも良いよ! そんなことより何で食料がお酒とヌードルしかないのさ! お湯がないと食べられないよ!」
「〜〜!!」

 スタン・マーシュー、カイル・ブロフロフスキー、ケニー・マコーミックのメンバーは一緒に行動していた。
 アメリカのサウスパークから三人仲良く拉致された彼らは、このゲームへの不満を各々口にしている。
 その様子には、特に殺し合いへの恐怖や緊張感は感じられない。
 サウスパークではこういうイベントは日常茶飯事であり、三人が三人とも「どうせ来週になれば元通りになる」という漠然とした感覚がある。
 偶然かそれとも主催者の意図か、三人揃って同じ場所で目覚めたのも、その能天気な感覚を後押ししていた。
 
「おいお前ら! 何だよ全員集合かぁ! オイラも混ぜろよ!」

 そんな三人組に、嬉しそうに駆け寄ってくる肥満体の少年。

「げ、カートマン!」
「お前も参加してたのかよ!」
「〜〜!」

 お世辞にも好意的とは言えない反応を気にした風もなく、息を切らせたカートマンは深刻そうに口を開いた。

「何か食いもん持ってねぇか? オイラ腹減って死にそうなんだ」

 カートマンの視線の先には、三人のデイパックがある。どうやら知り合いに会えた事が嬉しかった訳ではなく、お目当ては彼らの支給品だったらしい。
 図々しいカートマンの要求に当然ながら三人は不快げに反抗する。

「自分の食料があるだろ」
「もう食っちまったんだよ! これっぽっちじゃ餓死しちまう!」
「アホか! ボクたちにたかるなよ! 自分で何とかしろ!」
「ハァ!? なんて冷たい連中だ!それでも人間か!! カイル! この強欲なユダヤ人め!」
「うるさいぞカートマン!!」
「〜〜!!」

「あーもう分かったよ! ほら、これやるから静かにしろ!」
「おおスタン! お前最高だな! どこぞのユダ公とか大違いだ!」

 煩く騒ぐデブに業を煮やしたのか、スタンは自分のデイパックからカップ麺を取り出すとカートマン放り投げた。
 大喜びのカートマンは包装を雑に破り捨てると、麺をバリバリ食べ始めた。

「う〜ん、味気ないなぁ。ついでにジュースとか持ってない?」
「カートマン!」
「おいおい冗談だよ。そんな怒るなってスタン!」

 礼も口にしないカートマンにその場の空気はどんどん険悪になる。
 そんな雰囲気を払拭したのは、突然の奇襲だった。




「グギャ!?」

 突如飛来した矢が脳天に突き刺さり、ケニーは死亡した。






【ケニー・マコーミック@死亡】


118 : 4バカ珍道中 ◆SvmnTdZSsU :2020/08/08(土) 01:45:42 AnPk.70o0

「なんてこった! ケニーが死んじゃった!」
「この人でなし!」

 お決まりの台詞を口にしつつ、カイルとスタンは襲撃者を睨む。

「GOBGOB!!」
「GOBGO!!」

 そんなカイルたちの罵倒を嘲笑う悪鬼……ゴブリンたちは、それぞれ粗末な武器を構え、残りの獲物に狙いを定めていた。

「あーもう、ここでもそのネタ引っ張るのかよ!」

 絶体絶命の状況でも、呆れたように呟くカートマン。
 ケニーが死ぬのは彼らにとって使い古された日常(ネタ)に過ぎなかった。

「おいおい囲まれてるぞ!ヤバイって! クソ、こいつらがNPCか!?」
「スタン、僕まだ死にたくないよ!」

 武装したモンスターの集団に恐怖するスタンとカイル。
 流石になぶり殺されるのは二人も嫌だった。サウスパークでも、ケニーと違って彼らはそう殺されることは無いのだ。
 それはカートマンも同じだった。

「オイラも賛成! うおりゃ!」
「ぎゃ!?」

 カートマンは突如カイルを突き飛ばすと、次の瞬間には、肥満体とは思えないほど機敏な動作で逃走していた。

「じゃあオイラはおさらばするぜ! アバヨ!」

 見事なまでの捨て台詞。囮にされた二人は当然ながら大激怒する。

「あっ!カートマン! アイツ僕たちに押し付けやがったな!」
「ふざけんなチキショウ! 食料返せ!」

「はい無〜視無〜視、お疲れ様でしたー!」

 二人の罵声など欠片もカートマンには届かず、残されたのはゴブリンの大群と哀れな子供二人だけ。

「GOBGOB!!」

「逃げるぞカイル!」

「でもケニーが……」

「いつものことだろ!ほっとけ!」

 友人の亡骸を放置し、カイルとスタンも逃げ出すのだった。

【スタンリー・マーシュ@サウスパーク】
[状態]:健康
[装備]:ー
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:デスゲームからの脱出方法を探る。
1:カイルと行動する。
2:ゴブリンから逃げる。
3:カートマンに期待しても無駄だよカイル
[備考]
食料(インスタントラーメン)を1つ、カートマンに譲歩しました。残り2つ。

【カイル・ブロフロフスキー@サウスパーク】
[状態]:健康、負傷(小)
[装備]:ー
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:優勝賞品は魅力的だけど、友達を殺すのは嫌だよ。ケニーもスタンも死んだらあのクズしか残らないじゃん。
1:ゴブリンから逃げる。
2:ふざけんなカートマン!あのデブ!

【エリック・セオドア・カートマン@サウスパーク】
[状態]:健康
[装備]:ー
[道具]:基本支給品(食料なし)、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:手段を選ばず生き残る。オイラはここで死ぬべき人間じゃないからな!
1:お人好しが居たら交渉して自分を保護させる。
2:あいつら(スタン・カイル・ケニー)無事だったらまた合流してやるかな。
[備考]
スタンの食料(インスタントラーメン)を1つ貰いましたが、全て食べきりました。食料は0です。

【ケニー・マコーミック@サウスパーク】
[状態]:死亡中
[装備]:ー
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:(正直優勝して金持ちに成りたいが、友達は殺したくない。)
1:……
2:(性病じゃない女とセ◯◯スしたい)
[備考]
ゴブリンの狙撃により一回死亡しました。
復活回数は上限があります。


119 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/08(土) 01:48:01 AnPk.70o0
投下終了です


120 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/08(土) 23:11:15 Ztcy02A60
二作品ほど投下させていただきます。


121 : 我が問いに答えよ。 ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/08(土) 23:12:27 Ztcy02A60
会場内のある開けた場所…

そこには一人の女性と巨大なスフィンクスがいた。

その女性の名前は鷺沢文香。読書を趣味としている、物静かなアイドルである。

そしてそんな彼女は今、目の前にいるスフィンクスから出されるクイズに挑んでいた。

「そこの文学少女よ、我が問いに答えてみよ」

「この中で仲間はずれが一人いる。それはだれか?」
「1. オリオン」
「2. ペガサス」
「3. カルキノス」
「4. カシオペア」

そして文香は少し考えた後、彼の出したクイズに答えた。

「3番のカルキノスです。選択肢にあった名前はすべて、星座のモチーフとなったものたちです」
「しかしカルキノス以外は黄道十二星座ではありませんので、3番が仲間外れです」

そしてその回答に対し、目の前のスフィンクスが口を開いた。

「ほう…正解だ。そなたの言うとおりカルキノスは蟹座のモチーフで、それ以外は黄道十二星座ではない」
「問いに答えし者よ、褒美を受け取るがよい」

そういうと彼は、自身の問いに答えた文香に巨大な鈴を渡した。

「あの……これは一体何でしょうか?」

困惑した彼女が目の前のスフィンクスにそう尋ねると、彼は答えた。

「それはスーパーベルといい、装着することでネコの身体能力を身に着けることができる。早速試すがよい」

そう言われると彼女は、半信半疑ながらもその鈴を首につけることにした。

そして彼女は、確かに猫の力を手にし、またその姿も猫のようなものへと変化した。

しかしそれにより彼女は激怒することになった。何故ならば…

「何ですかこの格好は!」

その姿は、猫の耳を付けて、ぴっちりとした黒いキャットスーツに身を包んだ姿へと変わっていたからだ。

そしてそれにより、彼女のボディーラインがくっきりと出た状態になっていたからである。

そうして彼女は恥じらいから身を隠すようにどこかへと走っていった。


……彼女の今後は、一体どうなるのかは誰にもわからない……。


【鷺沢文香@アイドルマスター シンデレラガールズ】
[状態]:健康、自身の格好に対する恥じらい(大)
[装備]:スーパーベル@スーパーマリオ 3Dワールド
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:死にたくないが、殺し合いに乗るつもりはない。
1:自分以外に呼ばれているアイドルがいないか心配。
2:安全な場所を探す。あと、今の自分の格好を見られたくない。
3:何ですかこの格好は!
[備考]
スーパーベルにより、黒いキャットスーツに身を包んでいます。

【スーパーベル@スーパーマリオ 3Dワールド】
 巨大な鈴の形をしたアイテム。
 使用することで猫のような意匠のきぐるみをかぶり、壁を登ったりカギ爪で敵を倒したりできる。


【スフィン・クイズ@スーパーマリオオデッセイ】
 会場内に一体だけ配置されたNPCで、気球を使ってランダムに移動している。

 古代エジプトのスフィンクスに似た姿をしており、様々なクイズを出題する。
 本来の作品ではクイズに正解することでパワームーンと呼ばれる重要アイテムを渡してくれるが
 今回では様々なアイテムを渡してくれる。

 なお不正解でも特にペナルティはないが、ゲラゲラ大笑いしたり酷い煽り方をしてくる。


122 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/08(土) 23:13:50 Ztcy02A60
投下終了です

では引き続き、もう一作品投下させていただきます。


123 : 怒りの荒野に、血なまぐさい風が吹く ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/08(土) 23:15:09 Ztcy02A60
ここは会場のとある場所、そこには全身を赤く染めた男がいた。

その男の身体は元から赤かったが、その体は彼が先ほど虐殺したゴブリンたちの返り血でより赤く染まっていた。

彼の名はアーマージャック、(一応は)正義のヒーローである。

そんな彼は今、とても憤っていた。

これを見ている諸君は、彼がこの殺し合いに対して怒っていると思うだろう。

確かにそれはある意味間違っていない。
しかし、その動機はまるで違った。

彼が起こっている理由。それは……

「あ〜、せっかく悪の女幹部を正義の元にレ〇プしたりしていい気分だったのに、こんなところに呼びやがってよ〜」
「あ〜気分悪ぃ。こんなきったねえ奴らぶっ殺しても気分晴れねえよぉ〜」

いろいろいい思いをしていたのに、いきなりこんなところに呼び出されたことに怒っていた。

要するに、勝手に自分をこんなところに呼んだことに対して怒っていたのである。

「そういや確か、『優勝すればどんな願いでも叶える』って言ってたな。じゃあ、優勝して願いかなえてもらってからアイツぶっ殺すか」
「そうと決まればさっそくほかの参加者見つけてぶっ殺すか。あと、いいオンナがいれば俺が満足するまでレ〇プしてからぶっ殺そう」

そうして彼は歩きだした。

自分の下種な欲望のために、そしてすさまじいまでの殺人欲求を昇華するために。

そして、正義の名のもとに好き勝手やるヒーローが、今動き出した……。

【アーマージャック@突撃!!アーマージャック】
[状態]:健康、主催者に対するストレス(大)
[装備]:赤く錆びついた大鉈@SILENT HILL2
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:主催者をぶっ殺す。そのために参加者を皆殺しにして優勝する。
1:みんなぶっ殺してやる。そのために会場内を探索する。
2:男はそのままぶっ殺す。女はレ〇プしてから殺す。
3:あ〜、早くだれかぶっ殺してえ〜。
[備考]
製作会社公認のパロディAV『悶絶!!アーマージャック』の要素も混ざっております。


【赤く錆びついた大鉈@SILENT HILL2】
 サイレントヒルのクリーチャーである、レッドピラミッドシングが持っている大鉈。

 あまりにも大きく重いため振り下ろされた場合、常人なら即死は免れないほどの威力を持っている。

 なおその重さゆえ大抵は引きずりながら運ぶことになる。


124 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/08(土) 23:15:39 Ztcy02A60
投下終了です


ありがとうございました。


125 : ◆OQfaQnysJI :2020/08/08(土) 23:45:58 uo0lL.xY0
投下します


126 : これなんてエロゲ? ◆OQfaQnysJI :2020/08/08(土) 23:47:32 uo0lL.xY0
鏡音レンは、歌がうまい以外はごく普通の少年である。
運動は苦手ではないが、得意でもない。
武術や格闘技の心得はないし、もちろん超能力を持っていたりもしない。
殺し合いという舞台では、真っ先に犠牲になりそうな存在と言える。
だが幸運にも、彼は殺し合いが始まってすぐに協力者を作ることができた。
それも高い戦闘力を持つ者が、二人である。
彼の生存確率は、大きく上昇したといっていいだろう。
だがレンは、また別の問題を抱えることになってしまった。

「とりあえず、お互い使い慣れてるのと似た武器が支給されたのは幸運だったわね」
「この悪趣味な戦いに参加させられてる時点で、幸運とは思えないけどね……。
 まあいいわ。とっとと主催者ぶっ飛ばして、帰りましょう。
 ねえ、レンくん」
「ひゃ、ひゃい!」

同行者の呼びかけに返すレンの声は、ひどく調子外れだった。
原因は、同行者たちの外見にある。

巨大な刃物を軽々と持ち運ぶ一人目の同行者は、カトレア。
もはや肉の暴力とでも形容したくなるような、超ダイナマイトボディーだ。
それでいて、服装は裸エプロン同然。
丸々としたお尻が丸見えである。

一方の金属でできた扇を手にした二人目の同行者は、マーニャ。
カトレアほど極端ではないが、こちらもそこらのグラビアアイドル顔負けのナイスバディーである。
そしてやはり、露出が多い。
本人曰く踊り子のユニフォームのようなものだというその服装は、ふんどし……もとい飾り布が付いたビキニといった様相だ。
当然、あらわになっている肌の面積も非常に大きい。

「やっぱり調子悪そうねえ、レンくん。
 普通の男の子が突然こんなことになったら、平然としてる方がおかしいんだろうけど……。
 少し休んだ方がいいかしら?」
「い、いえ、大丈夫です! 本当、俺のことはお気になさらず!」

身をかがめて顔をのぞき込んでくるカトレアに対し、レンは顔を真っ赤にして後ずさる。

(こんなの、殺し合いどころじゃないだろ!
 どうしろっていうんだぁぁぁぁ!!)

殺し合いという本題からかけ離れたところで、苦悩せざるをえないレンであった。


【鏡音レン@VOCALOID】
[状態]思春期の苦悩
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考]基本行動方針:生き残りたい
1:刺激が強すぎる……!


【武器屋カトレア@クイーンズブレイド】
[状態]健康
[装備]首切り包丁@NARUTO
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜2
[思考]基本行動方針:主催者の打倒
1:レンが心配


【マーニャ@ドラゴンクエストIV】
[状態]健康
[装備]たいようのおうぎ@ドラゴンクエストVI
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜2
[思考]基本行動方針:主催者の打倒
1:早く帰りたい
[備考]
参戦時期はエンディング後。


【首切り包丁@NARUTO】
霧隠れの里に伝わる忍び刀の一つ。
長さ2メートルを越える、包丁型の刃物。
破損しても、人を斬り続けることで血液の鉄分を吸収し、自動的に修復されるという恐るべき特性を持つ。


【たいようのおうぎ@ドラゴンクエストVI】
女性とスライム系モンスターが装備できる、扇型の武器。
一度に複数の敵へ攻撃ができる。


127 : ◆OQfaQnysJI :2020/08/08(土) 23:48:34 uo0lL.xY0
投下終了です


128 : ◆2zEnKfaCDc :2020/08/09(日) 00:37:49 /bNLv7HE0
【名無し】の方の代理として、投下致します。


129 : 猫型ロボと吸血鬼の二重奏 :2020/08/09(日) 00:38:36 /bNLv7HE0
この殺し合いのとある場所。猫型ロボット……ドラえもんは憤りを見せていた。

「許せない…こんな殺し合いなんて…!」

ドラえもんの腹部には、本来あるはずの四次元ポケットがなかった。彼はこのポケットからひみつ道具を取り出すのだが、それが無ければひみつ道具を出すのは叶わない。

もしかしたらのび太くんやしずかちゃん、他の友達も巻き込まれているかもしれない……ひみつ道具がなくても、何とかして友達を見つけて殺し合いを止めなければ、と思いながら殺し合いの場を歩いていく──

やがて、ドラえもんの歩みが止まった。

ドラえもんの目の前には、青みがかかった髪を靡かせ、大きな羽を持った少女が佇んでいた。その少女はかなり小柄で、ドラえもんと同じくらいかそれよりも小さいだろう。

そして、その少女は徐に口を開く。

「……あなた、この殺し合いについてどう思う?」
「そりゃ、許せないに決まってるだろ?」

ドラえもんがそう答えると、少女はそう。と言って、

「奇遇ね。私もこんな殺し合いに乗るつもりはない──正確には、この私に上から目線で命令してきた主催をぶちのめす、と言った方が正しいかしら?」

そう話す少女の言葉には、威圧感はあれど、強い頼もしさが内包されていた。
ドラえもんは、彼女について行けば、きっとこの殺し合いを止められるだろうという、確信を持った。

「ぼく、ドラえもんです」
「ドラえもん……ね。紅魔館の主、レミリア・スカーレットよ」
「こうまかん…?」

紅魔館という、聞きなれない単語に困惑するドラえもんに、レミリアが分かりやすく説明をするのは、また別の話。

【ドラえもん@ドラえもん】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いには乗らない
1:友達を探す
[備考]
四次元ポケットは没収されました

【レミリア・スカーレット@東方Project】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]
基本行動方針:主催をぶちのめす


130 : ◆2zEnKfaCDc :2020/08/09(日) 00:39:13 /bNLv7HE0
代理投下終了しました。


131 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/09(日) 05:59:38 zU8IJ/WE0
コンペの投下、ありがとうございます。

>我が問いに答えよ。
知識を活用し、有用な装備を手に入れた文香。デザインは不満でしょうが、生存確率の上昇は確か。
この環境だと、彼女の博識さは後々も輝く場面が多くなる予感がします。
……キャットスーツに恥じらう姿がかわいいなぁ!

>怒りの荒野に、血なまぐさい風が吹く
 正義の味方とは、ヒーローとは一体何なんだろう。そんな哲学的なテーマを感じさせる個性が際立つアーマージャック。シンプルに極悪な彼ならばこのロワで大暴れしてくれそうです。

>これなんてエロゲ? 
 これがおねショタですか?
 カトレアとマーニャ、友好的で頼もしい筈なのに、痴女認定されかねないファッションは対人交渉において予想外な効果をもたらしそうですね。
しかしその前にまずレン君の性癖が歪められちゃいそうなのは草。

>猫型ロボと吸血鬼の二重奏 
 四次元ポケットを没収されたドラえもん。かなり厳しい状況ですが、レミリアという頼もしい同行者と早々に出会えたことはかなり+に働くと思います。
しかし吸血鬼という種族による価値観の違いも懸念すると、後々に響くかもしれないですね。


132 : ◆j1W0m6Dvxw :2020/08/09(日) 16:06:19 9TEVkf4w0
面白そうなので、投下させていただきます。

以前、『サマナー・バトルロワイアル』という企画に投下したものを手直ししたものです。


133 : 魔女と五歳児 :2020/08/09(日) 16:08:17 9TEVkf4w0
謎の主催者が『殺し合い』の為だけに用意した正真正銘の魑魅魍魎が跋扈し、
阿鼻叫喚の地獄絵図が繰り広げられるバトルロワイアル会場。

その片隅で・・・


「おねいさ〜ん♪オラとおちゃしな〜い?」
「えっと・・・そういうのはちょっと・・・」

参加者の一人が、別の参加者にナンパされていた。

◆◆◆◆◆

「え〜っと・・・とりあえず、お茶するかは保留という事で・・・」
「え〜?」

超過人口審議研究所、通称『超人課』所属の魔女である星野輝子はお茶の誘いをやんわりと断ったのだが、
それに赤いシャツと黄色いズボン姿の子供―野原しんのすけは不満そうに頬を膨らましたのだった。

(ふ、風郎太みたいな子だなぁ・・・)

しんのすけの様子を見ながら、輝子の脳裏に超人課の同僚であるオバケの少年の姿が浮かんだ。

・・・と、ここで輝子は互いにまだ自己紹介をしていない事を思い出し、「・・・コホン」と咳払いをすると、
なるだけ心を落ち着かせてから、しんのすけの視線に合わせるように体を屈めて自己紹介を始めた。

「改めまして・・・私の名前は星野輝子。君は?」
「オラ、野原しんのすけ!ふたば幼稚園ひまわり組の5歳児!」

しんのすけは右手を挙げて大きな声で元気よく自己紹介をした。
その子供らしい姿に、輝子は顔を綻ばせる。

「うん。それじゃあ、これからよろしくね!しんのすけ君!」
「・・・」

しかし、しんのすけはまたも不満そうな顔をした。

「?・・・どうしたの?」
「水臭いぞキッコおねいさん。オラのことは『しんちゃん』って呼んで欲しいぞ」

どうやら「君付け」より『ちゃん付け』の方がお好みらしい。

「えっと・・・しんちゃん?」
「・・・ぬぁ〜にぃ?」

輝子が希望通りちゃん付けで呼んだので、しんのすけは気持ち悪いくらいの笑顔を見せた。
それを見て輝子は顔を引き攣らせたが、すぐに気を取り直し、しんのすけに今後の方針を聞いてみた。


134 : 魔女と五歳児 :2020/08/09(日) 16:08:53 9TEVkf4w0
「・・・と、ところで!しんちゃんはこれからどうしたいの?」
「えっ?う〜ん・・・」

しんのすけは腕を組んで少し考えるそぶりを見せると、すぐに答えた。

「オラ、おねいさんとデートしたい!」

いきなり『デートしたい』などとと言われて、輝子は思いっきりズッコケてしまった。
何とか起き上がると、顔を引き攣らせながらもう一回質問した。

「そ、そういうんじゃなくって!ここに来る前に、あの主催の人が言ってたような事をするのかってこと!」
「う〜ん・・・だけどオラ、あの人の言ってた事よく解んないし・・・」
「あっ・・・」

しんのすけの何気ない言葉に、輝子はごく当たり前の事を失念していたことに気づかされた。
目の前のしんのすけはまだ5歳の幼稚園児。
そんな幼い子供に「殺し合い」などという物が理解できるはずがない。
なのに、しんのすけはこの場に連れて来られた・・・これはつまり、殺し合いに乗った参加者への生贄ということになる。
その考えに至った輝子は悲しげな顔をしたのだが・・・すぐに明るい表情に切り替えた。

「・・・それじゃあ、しんちゃん。お姉さんと街に着くまでデートしようか?」
「おぉ〜!!してみたいぞ!」

輝子側からのデートの誘いに、しんのすけは年相応に喜んだ。

「よし!それじゃあ・・・」

輝子は立ち上がると、しんのすけの小さな手をしっかりと握った。

「良い、しんちゃん?絶対手を放しちゃだめだからね」
「ほっほぉ〜い!」

輝子に元気よく答えると、しんのすけも輝子の手を握り返し、二人は歩き始めた。

「♪〜♪〜」

楽し気に大好きなアクション仮面の歌を口ずさむしんのすけに輝子は優し気な笑みを浮かべた。


この先、どんなに悲惨な結果が待っていたとしても、今だけは楽しい思いをしてほしい。
そしていざという時には自分が『超人』としてしんのすけを守る。
そんな風に思いながら・・・。


【野原しんのすけ@クレヨンしんちゃん】
[状態]:健康、嬉し恥ずかし
[装備]:無し
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本:おねいさん(輝子)とデートする
1:ほっほーい!

[備考]:殺し合いについてはよく理解していません。

【星野輝子@コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本:殺し合いには乗らない
1:いざとなったら、『超人』としてしんのすけを守る

[備考]
2期(THE LAST SONG)中盤からの参戦


135 : ◆j1W0m6Dvxw :2020/08/09(日) 16:09:30 9TEVkf4w0
投下終了します。


136 : ◆ytUSxp038U :2020/08/09(日) 20:12:27 k0VXgqwo0
初めまして、投下します


137 : 月光 :2020/08/09(日) 20:16:58 k0VXgqwo0
むせ返るような血の臭いが漂っていた。
臭いの発生源は辺り一面に散らばる小鬼(ゴブリン)の死体。
薄汚れた血と臓物を撒き散らす死体の山を作った男は、静かに考え込んでいた。

(私は無限城に居たはず……何が起きた……?)

つい先ほどまで自分たちの拠点で、鬼殺隊を待ち構えていたはずだ。
それが何の前触れも無く唐突に見知らぬ土地に連れて来られた挙句、殺し合いをしろと言われた。
全く持って訳が分からない。

「急ぎ…戻らねばならぬ…」

何故自分を選びこの地に連れて来たのかは分からないが、今はこんな事をしている場合ではない。
猗窩座に続き童磨までもが敗れ、上弦は自分と鳴女の二体にまで減ってしまった。
加えて主はまだ解毒が済んでいない。

こんな所で持たついている間にも、鬼狩り共の手が主に迫っている。

ならば手っ取り早く皆殺しにし勝ち残るのが最も確実に帰還出来る方法だろう。

「行くか……」

今しがた斬り殺した小鬼どもには目もくれずに、獲物を探すべく動く。

ふと、『優勝すればどんな願いも叶う』という言葉を思い出す。
もしもその言葉が本当ならば、太陽の克服という主の悲願も叶うのだろうか。
いやそれ以上にも、ついぞ勝利することが出来なかったあの日輪にも手が――

「下らぬ……あのような妄言を…信用するなど……」

脳裏に浮かんだ考えを振り払うように吐き捨てる。

今は一刻も早く帰還する事だけを考えろ。

そう己に言い聞かせながら、上弦の壱“黒死牟”は歩き出した。

【黒死牟@鬼滅の刃】
[状態]:健康
[装備]:体内刀@鬼滅の刃
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]基本行動方針:無惨様の元へ戻る
1:参加者を探して殺す。
2:願いが叶う…下らぬ…
[備考]
参戦時期は無限城で時透無一郎と遭遇する前

【体内刀@鬼滅の刃】
黒死牟の体内で生み出された刀。
無数の目が浮き出ており、刀身には血管のような筋が走っている。
破損しても瞬時に再生できる他、複数の刃を生やすことも可能。


138 : ◆ytUSxp038U :2020/08/09(日) 20:17:42 k0VXgqwo0
投下終了です


139 : ◆ytUSxp038U :2020/08/09(日) 21:27:56 k0VXgqwo0
もう一つ投下します


140 : 空手部・優勝の裏技 :2020/08/09(日) 21:29:44 k0VXgqwo0
とある民家の一室。
そこが坊主頭の男、MURのスタート地点だった。

MURは唐突な殺し合いにも動揺せず自らのデイバッグを漁ると、中からお目当ての物を取り出した。

銀の光沢を放つリボルバー銃。
平凡な日常を過ごす一般人なら映画やドラマなどでしか見たことのないであろうソレを、壁に掛けられた時計に向けると、
躊躇なく引き金を引いた。

バァン!(大破)

クッソうるさい音と共に銃弾で貫かれた哀れな時計くんを見て、MURは満足そうな笑みを浮かべた。

「良いゾ〜これ(ご満悦)」

何故MURは銃を引き当てた事に喜びを感じているのだろうか。
殺し合いの場に居るかもしれない後輩たちを守る武器を手に入れられたからか?

否である。

MURの頭にあるのは後輩たちの事でも、ラーメン屋の屋台の事でもない。

主催者が言った何でも願いを叶える権利。
『何でも』という単語をホモ特有の敏感さで「ん?」と聞き取った瞬間、MURの方針は即座に決まった。

「優勝して本物のポッチャマを出して貰うゾ〜」

【MUR@真夏の夜の淫夢派生シリーズ】
[状態]健康、池沼
[装備]:ミスタの拳銃(5/6)@ジョジョの奇妙な冒険、予備弾丸
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜2
[思考・状況]基本行動方針:優勝してポッチャマを出して貰う
1:参加者を見つけて鉛球をブチ込んでやるぜ!(狂気)
[備考]
参戦時期は野獣先輩に「じゃけん夜行きましょうね〜」とラーメン屋の屋台に誘われたあたり。

【ミスタの拳銃@ジョジョの奇妙な冒険】
ブチャラティチームのメンバーであるグイード・ミスタが愛用している六連発式のリボルバー拳銃。


141 : ◆ytUSxp038U :2020/08/09(日) 21:30:40 k0VXgqwo0
投下終了です


142 : ◆ytUSxp038U :2020/08/09(日) 22:09:50 k0VXgqwo0
投下します


143 : 堕ちた隼 :2020/08/09(日) 22:14:31 k0VXgqwo0
皆が笑っている。
嬉しそうに、楽しそうに。
心の底からの笑顔を見せている。

そして俺も笑っている。
それは嬉しいからでも、楽しいからでもない。
この理不尽な現実を前に、笑うことしかできないからだ。

(ああ、本当に……)

どうして、こうなってしまったんだろう。





「ユート、瑠璃、待っていてくれ」

次元戦争。
あの戦いで黒咲隼は全てを失った。
親友も、妹も。
死に物狂いで足掻き続けた結果彼を待ち受けていたのは、
大切な者達には二度と会うことができないという、どうしようもないほどに残酷な末路だった。

何度も考えた。
何故二人が消滅しなければならなかったのか。
自分が消えるというのなら分かる。
スタンダード次元で無関係の人間をカード化してきた自分が罰を受けるというなら、最後はそれを受け入れる覚悟もしていた。
だがユートと瑠璃は?
彼らは何も罪を犯していない。
それなのに何故。

「……」

分かっている。どうしようもない事だと頭では分かっている。
遊矢も柚子も望んで別次元の分身と統合された訳ではない。
むしろ彼らは、ズァークとレイの運命に翻弄された最大の被害者だ。
恨むのはお門違いというものだろう。
それでも黒咲には、どうしてもこの現実を受け入れる事ができなかった。
だから縋る、縋ってしまう。
この地に呼ばれた自分以外の全員を殺せばユート達を取り戻せるという、悪魔の誘惑に。

手には1つの武器を握っている。
拳銃。
呆気なく人間の命を奪う、暴力の塊。
最早己からは鉄の意志も鋼の強さも抜け落ちた。
ここに居るのは外道の道を歩まんとする、ただの敗北者。

「…俺は必ずお前達を取り戻す。その為なら……」

奪われ続け、失い続けた男は歩み始める。
その目に暗く淀んだ決意を宿して。

【黒咲隼@遊戯王ARC-V】
[状態]:健康
[装備]:ベレッタM92F@現実
[道具]:共通支給品一式、ランダム支給品×2、予備弾倉
[思考]
基本:優勝しユートと瑠璃を取り戻す。
1:参加者を探す。
[備考]
※参戦時期は最終回後。


144 : ◆ytUSxp038U :2020/08/09(日) 22:15:27 k0VXgqwo0
投下終了です


145 : ◆OQfaQnysJI :2020/08/09(日) 23:14:55 ddgdrZGg0
投下します


146 : 編集王 ◆OQfaQnysJI :2020/08/09(日) 23:15:55 ddgdrZGg0
一人の青年が、暗い道を歩いていた。
青年の名は、T屋。某有名漫画雑誌の編集者である。

「まあ殺し合いなんて、僕があっという間に終わらせてみせますよ。
 ついでに、参加させられた女の子たちのハートもみんないただきです」

強気な独り言を漏らすT屋。しかしその額には大粒の汗が浮かんでおり、ただの強がりなのは一目瞭然である。

そのまましばらく、T屋は歩き続ける。
すると、不意に建物の陰から誰かが飛び出してきた。

「うわっ!」
「おっと、すまん」

ギリギリで立ち止まり、激突を回避するT屋。
わずかに動揺しつつも、T屋は目の前に現れた人物の姿を確認する。

「!!」

T屋は絶句する。
眼前の男が身につけていたのは、紫色の道着に白いマント。
40代以下の日本人男性なら、知らないはずのないキャラの服装だ。
だが、彼が驚愕したのはそこではない。男の顔だ。
眉毛の薄いその顔を、T屋は知っていた。
漫画編集者なら、知らぬはずがない。
漫画史に残るあの名作を担当し、その後も編集長として数々の名作を支えた伝説の編集者だ。
一介の平編集者に過ぎないT屋とは、編集者としての格が違いすぎる。
例えるならば悟空とミスターサタン、アラレちゃんとスッパマンのようなものだ。

「ぐわああああ!!」

あまりの編集力の違いに、T屋は血を吐きながら吹き飛んだ。

「え、何……?」

一方の眉の薄い男は、目の前で勝手に吹き飛んだ青年に対して困惑するしかなかった。


【T屋@週刊少年マガジン】
[状態]ダメージ(中)
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考]基本行動方針:僕が殺し合いを止めてみせますよ!
1:やばい人に出会ってしまった……


【マユナシ@犬マユゲでいこう】
[状態]健康
[装備]ピッコロの道着@ドラゴンボール
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜2
[思考]基本行動方針:殺し合い? ボツだ!
1:なんだ、こいつ……
[備考]
参戦時期はVジャンプ編集長時代。


【ピッコロの道着@ドラゴンボール】
紫の服と白いマントのセット。
重りは入ってないバージョン。
特殊能力はないが、普通の服よりは丈夫。


147 : ◆OQfaQnysJI :2020/08/09(日) 23:17:13 ddgdrZGg0
投下終了です


148 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/10(月) 00:17:05 weZ4MwQQ0
皆様、本当に投下ありがとうございます。

>魔女と五歳児
星野輝子としんちゃんのコンビ、五才児であるしんちゃんに戦闘は期待できませんが、劇場版パワーでこの過酷な催しを共に切り抜けてくれる予感がします。
マーダーのみならず悪辣なNPCの跋扈する魔境で、星野はその志を貫けるのか……

>月光
生き恥ブレイクしなければ最強に近い人物なので、お兄様はマーダーとしても充分に期待できると感じました。
ただ日光の弱点も加味するとバランスはとれていますね。

>空手部・優勝の裏技
便乗しか脳のない池沼から知将の素質も持つMUR。出展からしてBB劇場の能力も使えそうなので、良い感じにロワを引っ掻き回しそうです。そうだよ(便乗)
参戦時期が妙に具体的なのはホモの特権。

>堕ちた隼
大切な者を失った事実を突きつけられ、人としての道を踏み外す事を決意する様子に悲しさを感じました。
彼の歩む道に果たしてどのような結末が待ち受けるのか、興味を引かれます。

>編集王
編集力という概念にまず草。これぞコンペロワという人選で正直好きです。


149 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/10(月) 00:21:52 weZ4MwQQ0
投下します


150 : ポジティブハッピーチェンソー ◆SvmnTdZSsU :2020/08/10(月) 00:22:50 weZ4MwQQ0

 草原地帯。殺し合いの開幕早々、二人の参加者が対峙している。

「小僧! ワガハイに挑むつもりか! ガハハハ! 返り討ちにしてくれるわ!」

 片方はトゲ付きのアクセサリーを身に付けた黒を基調とした装いの異形の女性。
 尖った耳に大きな角の生えた頭部、大きく裂けた口からは牙が生えている。

 彼女、いや元彼の名はクッパ。スーパークラウンというアイテムで女体化したカメ族の大魔王である。

(おお!!めっちゃ美人!)

 対峙するのは重厚なノコギリが頭部と両腕から生えた怪人。彼はデンジ。チェンソーの悪魔である。 

「ギャハハハ! ナンだアンタ! カメの悪魔?魔人?よくわかんねェ!」

 背中に背負われた甲羅を見て、単純な感想を呟くデンジ。
 特に挑発の意図はない。

「とにかく殺る気マンマンで人じゃネェーなら……ぶっ殺していい奴だよなぁ!」

 轟くチェンソーのエンジン! チェンソーの悪魔と大魔王が激突する。


ーーーー



「小僧、中々強いな! 気に入ったぞ!」

「いやー、クッパさんも強いですねェ! 流石魔王!」

「ガハハハハ!」

「ギャハハハ!」

 数分後。何故か二人は意気投合していた。
 足元には肉片となった小鬼(ゴブリン)の死体が散乱していた。
 いざ決闘を行うとした瞬間、横やりをいれてきた愚かな小鬼どもの成れ果て。

 普通ならゴブリンは同じ化け物同士の戦いに、率先して挑むほど蛮勇に溢れた生物ではない。
 しかし彼らは都合の良いNPC。彼らは主催によってある程度「首輪をつけた者を襲う」用に調節されていた個体だった。

 実に不運で矮小な怪物である。
 結果として乱入者を撃退した両者は、見事に打ち解けていた。
 どうやら、根の部分で馬が合うようだ。

(しっかしエロい体してるなぁクッパちゃん!)

 デンジは興奮していた。クッパ姫の大柄かつボリューミー(むちむち)な体つき。黒いドレスも実にマッチしている。 
 勝ち気な太眉や筋骨逞しい女性という出で立ちのクッパ姫は、デンジ視点でも中々に美人であった。
 豪胆で細かいことを気にしない性格も、単純なデンジには相性が良い。

「決めたぞデンジ、貴様をワガハイの部下にしてやろう!」

「ハァ!?」

 突然の勧誘に驚くデンジ。
 瞬間、彼の脳裏に浮かぶ、恩人件上司のマキマの顔。

(いや、俺にはマキマさんという人がーー)

 デンジの視線の先にはクッパ姫の豊満な胸があった。

「ハイハイ! 部下になりま〜す!」

 デンジは単純だった。


【クッパ姫@Twitter(スーパーマリオシリーズの二次創作)】
[状態]:健康
[装備]:スーパークラウン(解除不可)
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:主催者を倒し、ワガハイが優勝する!
1:部下(デンジ)と行動する。
2:この姿は慣れんが……ワガハイは強いからな!丁度良いハンデだ!
[備考]
性格はマリオ&ルイージRPGシリーズを基準としています。
スーパークラウンの効果は解除できないようになっています。

【デンジ@チェンソーマン】
[状態]:健康、貧血(小)
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:とりあえず主催者をぶっ殺せば解決だぜー!
1:クッパ姫と一緒に行動する。
2:知り合いがいたら合流したい。
[備考]
時間軸は永遠の悪魔の後。


151 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/10(月) 00:23:38 weZ4MwQQ0
投下終了です


152 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/10(月) 00:51:54 Lpb.0NNs0
投下させていただきます。


153 : (ウサギとカメ)×2 ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/10(月) 00:52:54 Lpb.0NNs0
ここは会場のある場所……

そこには、奇妙な二人の男女がいた。

一人は巨大なカメの化け物、そしてもう一人がウサ耳を思わせるリボンを付けた女の子だった。

「しかし、まさかあなたが脱出に協力してくれるとは思いませんでしたよ」

「当たり前だろう、このクッパ様があんな奴らの言いなりになってたまるか!」

カメの方の名前はクッパ、クッパ軍団の首領にしてマリオたちの最大の敵であるカメだ。

「で、え〜と……アナベベだったか?」

「安部菜々です!あと、わたしのことはウサミンと呼んでください」

そして女の子の名前は安部菜々、自分のことを『ウサミン星人』、通称ウサミンと名乗るアイドルである。

この二人はこの会場で出会い、そして「主催者を打倒する」という目的の元ともに行動しているのである。

まあ、最初は安部菜々がクッパを見た瞬間恐怖と驚きで固まったり、クッパの話を全然聞かなかったり紆余曲折あったのだが…。

そうしていると突然どこからかムチの音と何者かが叫んでいる声が聞こえてきた。

そして彼らは、誰かが襲われていると思い、その場へと急いだ。


154 : (ウサギとカメ)×2 ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/10(月) 00:53:48 Lpb.0NNs0
そうしてクッパたちが見たものとは……

「このカメ野郎!この世でお前ほどノロマなヤツはいない、どうしてそんなにノロいんだい?」
「もっと罵倒してくれええええ!もっと踏みつけてくれええええ!」

……SMプレイに興じるバニーガールとカメの怪物だった。

更に言うと、カメの方はその頭を天高くそそり立たせており、どう見てもアブナイやつだった。

そしてクッパたちはそれを見て盛大にズッコケた。

ずる〜っ、とか、どど〜っ、とかそんな感じの音を立てながらズッコケた。

そして気を取り直したクッパはこう言った。

「んま〜、ご立派なこと」

「止めてください、下ネタですよ!」

そしてその横では、真っ赤な顔をした安部菜々が両手で目を覆いながらツッコミを入れていた。


そうすると彼らの声が聞こえたのか怪物たちはクッパたちの存在に気づき、彼らのもとに向かったのである。


その状況に安部菜々の方は慌てていたがクッパは動じず、カウンターとして彼らに強烈な一撃をお見舞いした。

「食らえっ!!久しぶりの、毒ガスもくもく!」

彼らにでっかいオナラをぶちかまし、ひるませたのである。

そうして、怪物たちがひるんだすきに逃げようとしたが、彼の近くにいた安部菜々が倒れているのを発見した。

「どうしたウサミン!何かあったのか!」

クッパが心配するが、ある意味で彼女は彼のせいで倒れてしまったのである。

何故ならば彼女は……

(とてつもなく臭いです……)

風向きなどのせいで、思いっきりオナラの巻き添えを食らっていたのである。

そうして彼らは、何とか怪物から逃げきることができた。

……約一名の嗅覚と引き換えにだが…。

【クッパ@スーパーマリオくん(コロコロ版)】
[状態]:健康
[装備]:トゲワンワン@スーパーマリオRPG
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:主催者をぶっ飛ばす。
1:主催者をぶっ飛ばす。そのために会場を回り仲間を集める。
2:かなり癪だが、マリオがいれば協力をしたい。
3:世話が焼けるなコイツ(安部菜々)…。
[備考]
参戦時期は、オデッセイ編終了後(単行本55巻)。
制限により、巨大化ができません。また、クッパブレスの威力も下がっています。
安部菜々を、『ウサミン星人』という宇宙人だと思っています。


【安部菜々@アイドルマスター シンデレラガールズ】
[状態]:気絶中、クッパに抱きかかえられている
[装備]:―
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:死にたくないが、殺し合いに乗るつもりはない。
1:自分以外に呼ばれているアイドルがいないか心配。
2:まさかクッパが仲間になってくれるとは思いませんでした……。
3:(クッパのオナラが)とてつもなく臭いです……
[備考]
クッパの毒ガスもくもくにより気絶しています。

【トゲワンワン@スーパーマリオRPG】
 その名の通りトゲのついたワンワンで、
 振り回したり投げつけたりして攻撃するクッパ専用の武器。
 ただし顔らしきものがないためただのトゲ付き鉄球の可能性もある。


【ウサギとカメ@ソウル・サクリファイス デルタ】
 NPC。甲羅に無数のトゲが生えた巨大なカメの背中に、ムチとキセルを持ったバニーガールが腰かけた姿の魔物。

 人の上に立つのに疲れ、逆の立場を味わいたいと思った末にSMプレイにドハマりした貴族が変化した魔物で、
 そそり立つ大きな頭を振り回す、頭から大量の砂を吐き出す、甲羅のトゲをミサイルのように発射する、
 カメらしく回転しながら突撃するなどの攻撃をする。

 その姿からバニーガールが本体と思われがちだが、誕生経緯からわかる通り実際はカメの方が本体で、
 背中のバニーガールは彼の理想である「自分をいじめてくれる女性」が具現化されたものである。


155 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/10(月) 00:55:40 Lpb.0NNs0
投下終了です


申し訳ございませんが、出典は異なるものの同じく「クッパ大王」を出すという形になりますので、
今回の話を破棄扱いにするかどうかの判断を企画主にゆだねたいと思います


156 : ◆IuB4aTDNuY :2020/08/10(月) 01:46:11 84KPpBCM0
投下させていただきます


157 : チェンソーウーマン ◆IuB4aTDNuY :2020/08/10(月) 01:47:42 84KPpBCM0
「GYAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!」

それは怒声か、悲鳴かーー。
とても人間から発せられたとは思えない、獣の類の野太い雄叫びが森林地帯に響く。

「おうおうおうおうおうおうッー! 早速やってるねぇッ! やっちゃってくれてますねぇッー!!」

そんなけたたましい咆哮の元へと、軽快にスキップで駆けていく男が一人。

「ヤバい、ヤバい、ヤバい、ヤバい、ヤバいッ……。 何が起こってんの、マジで…? あっちの方角だよッ! おいおいおいおいおい、ドキドキするなぁーー! 」

男の名は、ラッド・ルッソ。
シカゴに拠点を置くマフィア『ルッソ・ファミリー』の一員にして快楽殺人者である。
ラッドは、殺し合いの場に似つかわしくない純白のスーツを着込んでいるが、その片手にはしっかりと他の参加者を殺傷するに足りうる支給品――散弾銃が握られている。

ラッド・ルッソという殺人狂の行動方針は、この殺し合いの会場においても変わりはしない。
それは、自分は死なないと過信している『殺しがいのある』人間を殺すというものである。
したがって、ラッドはこの殺し合いにも乗り、常日頃のように自分が死なないであろうと思っている参加者を見つけて殺していくつもりだ。

そんなラッドの耳に入ったのが森の奥深くから響くこの咆哮であるーー既に参加者間でドンパチを始めているのだろうか。
であれば、そんな楽しそうなパーティに参加しない訳にはいかないとーーこうして意気揚々と、パーティ会場へと向かっていたわけだが。


「あん……? 何だこれ?」

ラッドが辿り着いたころには、件のパーティは既にお開きとなっていた。
ラッドの眼に飛び込んできたのは幾多の血だまりと、刻み込まれた土色の獣の死骸の山――。
そして、その惨劇の中心地に人影が一つ。


「――メイド……?」

それはメイド服を着込んだ少女であった。

「お初にお目にかかります、私、粕谷瞳と申します」

少女もラッドの存在に感づいたか、少女はスカートの裾を持ち上げて丁寧にお辞儀をした。
その傍らには血塗られた得物――チェーンソーが置かれている。


158 : チェンソーウーマン ◆IuB4aTDNuY :2020/08/10(月) 01:48:28 84KPpBCM0

「おいおいおいおいおいおい、メイドに、チェーンソーかぁ……。 いきなりぶっとんだ場面に遭遇しちまったなァ、マジで!」
「うふふ……メイドと言えば、チェーンソーですから」

相変わらずのハイテンションで感想を漏らすラッドに、瞳と名乗った少女は笑顔で応える。
そんな少女にラッドは手に持つ散弾銃を向けて、質問を投げかける。

「一応聞いとくけど、嬢ちゃんが、これやったのか?」
「ええ、その化け物共が有無を言わずにいきなり襲い掛かってきたので、返り討ちにした次第です」
「そうかそうか、そいつはご苦労なこったァ。それじゃあよぉーー」


散弾銃向けられて尚も笑顔を張り付け、問いかけられた質問に和やかに応える少女。
そんな余裕綽々な少女の態度に、ラッドの理性はもはや我慢の限界だった。


「とりあえず、死んどけよォォッ!」
「――ッ!!」

メイドの頭蓋目掛けて、散弾銃が火を噴いた。
しかし、メイドは特に驚いた様子もなく、サイドステップでこれを回避――。
瞬時に、地に刺さっているチェーンソーを手に取り、ラッドの元へと血塗られた地面を蹴る。
チェーンソーのエンジンが稼働する音が鳴り響くと同時に、ラッドは散弾銃の持ち手部分を後ろにスライドし、空の弾を排莢する。


「おいおい、マジかよッ! 結構良い距離でぶっ放しってやったのに避けちゃってるよ、この女。
どんな反射神経しちゃってんのよぉ、マジで! ありえねぇよな、ありえねえって!
なぁなぁ、嬢ちゃん。 嬢ちゃんはさぁ、こうは思っちゃいねえか!? こんなおぞましい怪物を狩りつくせる自分は最強だ、だからこの殺し合いでも絶対に殺されるかとはないってなぁッ!」
「……。」

饒舌になるラッドは、迫り来る死神に狙いを定めて、ショットガンを連射するがーー。
メイドは一切怯むことなくーーむしろ狂気をはらんだ笑みを浮かべたまま、チェーンソーを縦へ横へと振るう。
カキン、カキンという甲高い金属音が立て続けに、銃声の直後に鳴り響く。
信じられないことに、メイドは襲い掛かる銃弾を弾き飛ばしているようだ。


159 : チェンソーウーマン ◆IuB4aTDNuY :2020/08/10(月) 01:49:13 84KPpBCM0


「ハハハハハハハッ! マジかよ、おいおいおいおいおいおい、ありえねぇって!?」

次の瞬間には、メイドはラッドへと肉薄――。
胴元を切り裂かんと、チェーンソーを振るうが、ラッドは寸前で上体を反らしこれを回避する。
メイドの持つチェーンソーが空を切る。
ラッドはお返しとばかりに、メイドの土手っ腹に回し蹴りを叩きこんだのだがーー。


「――ッ!?」

少女はビクリともしない。
肉体を痛めつけたという手応はなく、まるで大岩を蹴りこんだ触覚をとラッドは感じた
メイドが態勢を整える前に、即座に後退し距離を取る。


「おいおいおいおい凄ぇな、最近のメイドはッ!? 清掃、洗濯、炊事に加えて戦闘もお任せってか!? あぁ、やべえな……。頼むから、そんな顔で俺を見つめないでくれよォ……。 そんな澄ました顔で見つめられちまうと、こっちも何が何でも、嬢ちゃんの泣き叫ぶ顔が見たくなるってもんだぁあああああああッーーー!!!」


ラッドの中でメイドに対する殺意がさらに増幅され、散弾銃の引き金に手を掛けたその瞬間――。
ラッドの身体は真横から飛来してきた何かによって、拘束される。

「……あん?」


視線を落とすと。自身の胴にまとわりつくそれは巨大な舌であった。
巨大な舌の元へと視線を向けると、そこにはメイドによって蹂躙された怪物がいた。
殺された群れの残党だろうかーーしかし、よくよく目を凝らせばその体色は異なる。
メイドによって蹂躙された怪物の体色は土色。
それに対してラッドを拘束しているこの化け物の体色は蒼であった。

メイドにもこの事態は予想外だったのだろうか、視線を戻すとほんの一瞬だけ驚いた表情を浮かべていた。

「GUAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」


蒼い化け物はラッドこそが仲間達を皆殺しにした下手人と判断したのだろうか、その瞳に憎悪を滾らせ、拘束したラッドを舌で引っ張り上げてきた。

「邪魔するんじゃねえぞ、この化け物がぁああああ!!!」

幸いなことに、胴は拘束されているが両腕の自由が利く。
ラッドは自分に襲い掛からんとする怪物を睨みつけ、その引き金を引いたのであった。


160 : チェンソーウーマン ◆IuB4aTDNuY :2020/08/10(月) 01:50:18 84KPpBCM0








銃声と怪物の雄叫びが聴こえる。
先程の男とあの蒼い怪物が殺し合っているのだろう。

粕谷瞳は蒼の怪物が出現したのを皮切りに早々に戦場から離脱した。
あの場所に長居する必要はない。

今度こそ、自分が仕えるに相応しい理想の『ご主人様』を見つけ出すため、粕谷瞳は殺し合いの戦場を彷徨う。



【粕谷瞳@リベリオンズ Secret Game 2nd Stage】
[状態]:健康
[装備]:チェーンソー@リベリオンズ Secret Game 2nd Stage
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考]
基本:この殺し合いの中で理想の『ご主人様』を見つけ、ご奉仕する
1:他の参加者を探して、仕えるべき『ご主人様』かどうか見極める
2:先程の男(ラッド)はまた会うようなことがあれば排除する
[備考]
※参戦時期は本編開始前となります。







「あのメイド逃げやがったか……。」

全身穴だらけとなり死骸に成り果てた蒼い怪物を踏みつけ、ラッドは周囲を見渡す。
化け物との戦闘に集中しすぎたせいで、先程のメイドが何処へ向かったか皆目見当がつかない。

ならば、仕切り直し。
次なる獲物を探すまでのことだ。

ラッド・ルッソは舌なめずりをしながら、戦場を跡にした。


【ラッド・ルッソ@BACCANO バッカーノ!】
[状態]:健康
[装備]:レミントンM31@現実(予備弾30)
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考]
基本:自分は死なないと思っている人間を見つけて殺す! とにかく殺す! 殺しまくる!
1:周辺を探索して、殺しがいのある人間を見つける
2:さっきのメイド(瞳)は次会ったら殺す
[備考]
※参戦時期はフライング・プッシーフット号に乗りこむ直前からとなります。



【ベロゴン@ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁】
NPC。
大きな舌を武器にして、顔を舐めまして動きを封じてくる。
人間を見掛けては、無差別に襲い掛かってくる。


【ベロゴンロード@ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁】
NPC。ベロゴンの群れのリーダー。
大きな舌を武器にして、顔を舐めまして動きを封じたり、酸液の唾を吐きかけたりする。


161 : ◆IuB4aTDNuY :2020/08/10(月) 01:50:42 84KPpBCM0
投下終了させていただきます


162 : ◆EPyDv9DKJs :2020/08/10(月) 02:32:35 E3vOgbfA0
投下します


163 : ◆EPyDv9DKJs :2020/08/10(月) 02:34:49 E3vOgbfA0
「ウオオオオオォ───ッ!!」

 赤ジャケットを羽織った金髪の青年は叫ぶ。
 右ストレートと共に、その身は迅雷のごとく走り出す。
 向かう先は相対している、異様な風体の巨漢だ。
 陶器の仮面、上半身はマントだけで下半身はモンペ。
 全てにおいて不審者極まりない恰好をしている姿だが、
 相対する男は拳を振り上げ、紫の衝撃波を飛ばすと拳と相殺させる。
 勢いある動きを、剛腕と衝撃波で受け止めれるのは常人ではできないことだ。

「唸れ───」

「ッ!」

 悪寒。当たれば致命傷は免れない。
 そんな寒気を察知したフェザーは相殺の反動で飛び退く。

「魔神破天弾!!」

 同じく紫色の衝撃波が、蹴り上げと同時に弾丸のごとく飛び出す
 爆発するような強烈な音は、その技の威力を聴覚から示してくれる。
 飛びのいたおかげで直撃こそはしなかったものの、
 僅かながら顔をかすめて赤い線が顔を横断する。

「勘は冴えているようだな。」

 油断と言うわけではないものの、
 今のは当たったと確信に近かった。
 刹那にガードではなく回避を判断するその勘。
 声こそ冷徹ではあるが、多少の評価はしていた。



 なぜこんなことになっているのか。
 それは遡ること数分前のことだ。
 
 青年…フェザーは、所謂バトルジャンキーな男だ。
 拳で語り合うを信条としており、強い奴程燃えてくる。
 そういった強い奴を求めながら、ある騎空団に属している身の彼だが、
 流石に殺し合いに発展するレベルにまで戦いたいわけではない。
 倫理観がないわけではないが、極論を言えば戦いたいからだ。
 何を言ってるのか分からないと思われるが、そういう性格である。

 一方で頭がいいかと言われればよくはない。
 言うなれば、彼は猪が人の形を得たようなもの。
 この状況を一人で打開できるものではなく、一先ず仲間を探す。
 彼のいる騎空団は魔術に長けたものから、機械に精通したものまで多彩だ。
 その可能性に賭けて彼は走りだすと、すぐに参加者に出会うことはできた。

 だが、出会った男は出合い頭に攻撃を仕掛けてきた。
 それが何を意味するかは一つ。殺し合いに乗った相手と言うこと。
 故にすぐに戦いへと発展し、今に至っていた。

「なあ、あんたはなんで戦うんだ?」

 殺しあえと言われてはいそうですかと受け入れる人は少ない。
 元からそういう相手なのだとはなんとなく理解しながら訪ねる。
 戦いをやめたいわけではない。寧ろもっと戦いたい相手だ。
 だからこそ殺し合いは嫌だ。彼とは殺意むき出しの舞台ではなく、
 もっと自由な状態での戦いがフェザーの望みとも言えた。
 拳で語り合えばわかることを信条としてはいるものの、
 このような形での語り合いはしたくない。

「…弱肉強食、という言葉がニホンにあるらしい。」

 一先ず中断の意か、構えを解く。
 構えを解いても先程と雰囲気が全く同じだ。
 殺気らしい殺気も出さずにいられる様子で、
 フェザーはすぐさま来るのではと構えが解けない。
 実際、最初の一撃は巨躯に見合わぬ速度のショルダータックル。
 殺気も感じなかったせいで、壁が押し寄せてきたと勘違い仕掛けるほどだ。
 相当鍛えられた相手なのは、遠慮なく晒す上半身からも察せられた。

「ニホンは知らねえけど、それは俺も知ってるぜ。」

「今日を足掻けぬ者に明日はない。
 相容れぬならば、我らに語る言葉は不要…違うか?」

 シンプルな弱肉強食の思想で実に分かりやすいもの。
 だったら、この殺し合いはまさにその思想の体現ともいえる。
 今時そんな選民思想…とは思うが、生い立ちを考えれば当然だ。
 彼───グラントはそのように足掻いて今の生を勝ち取っている。
 弱肉強食の理論は彼の生き方そのものであり、同時に盟友カインの理想。
 力が正義になる世紀末極まりない、セカンドサウス全地区スラム街の計画。
 これも彼らからすれば真の自由をセカンドサウスにもたらさんとするものだ。
 善意とは思ってはいない一方で、彼らは理想も持たずに惰性に生きている。
 盟友は今のセカンドサウスをそう評して嫌い、グラント自身も同じだ。
 自由は自分の手で勝ち取るべきものだと。

「つまり、あんたを負かせば殺し合いに乗らないんだな!」

 大抵は『間違ってる』だなんだので綺麗事を言うものだ。
 しかし、否定を一切せずに肯定しつつも勝つと言う宣誓。
 こっちもこっちで別の意味で単純な思考回路を持っていた。

 竹を割ったような男とはこういうことを指す。
 脳みそまで筋肉でできてそうな男にグラントは心当たりがあるが、
 此処までストレートな男と言うのは、あのKOFにいただろうか。


164 : ◆EPyDv9DKJs :2020/08/10(月) 02:37:05 E3vOgbfA0
「そうなるな。」

「だったら話は早い! あんたに勝った後は、
 いつかまた此処じゃない場所でまた戦って拳で語ろうぜ!」

 勝った後に希望することも戦い。
 互いに戦いを好む者同士ではあるが、
 こうも方向性が違うとは思いもしなかった。
 もっとも、フェザーは諦めは悪いが物分かりのいい青年。
 グラントは魔人とも呼ばれるほどに至った戦いの殉教者。
 住む世界が文字通り違うのだから、ある意味当然なのだが。

(偶然だろうか。)

 話し合いは終わり、互いに構える中グラントは思う。
 最初にこの男と出会った時、僅かながらに驚かされた。
 あらゆる感情を押し殺すことができる彼が珍しく動揺しかけた最初の出来事。
 余りにも似ているのだ。カインの甥に当たる青年、ロック・ハワードと。
 と言うより、最初はロック・ハワードだと思って襲撃をかけたわけだ。
 赤の他人と間違えるのは無理もない。フェザーとロックは恰好どころか、
 構えや戦い方さえも、極めて類似しているのだ。
 違いがあるならフェザーが電気を用いて戦うぐらいか。
 奇妙な出来事ではあるが、彼としては関係ない。
 今日を生き抜き、盟友のもとへ帰るだけの話だ。

【フェザー@グランブルーファンタジー】
[状態]:疲労(小)、顔にかすり傷、高揚感
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1〜3(未確認)
[思考・状況]基本行動方針:強い奴とは戦いたいが、殺し合いはしない。
1:仮面の男(グラント)に勝ってちゃんとした場所で再戦したい
2:騎空団の仲間を探しておきたい
[備考]
参戦時期はサウザンド・バウンド終了後


【グラント@餓狼 MARK OF THE WOLVES】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1〜3(未確認)
[思考・状況]基本行動方針:盟友がいれば別だが、優勝して生還を果たす
1:目の前の敵を倒す。
2:ロックに似ているが、気のせいか

[備考]
参戦時期は少なくともボスとして戦う前


※互いにデイバックは近くに置いてます


165 : ◆EPyDv9DKJs :2020/08/10(月) 02:37:23 E3vOgbfA0
以上で『SKY BLUE OF THE WOLFS』投下終了です


166 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/10(月) 03:12:21 weZ4MwQQ0

当企画への投下ありがとうございます。

> (ウサギとカメ)×2
安部菜々とクッパ様のコンビは多分このロワでしか実現しないと思います。
出展により差がありますが、クッパ様は大王の鏡なので対主催として志を同じくするなら優秀ですね。しかし屁を嗅がされたウサミンはとばっちりすぎる。
ド変態すぎるNPC、検索したら思わず笑ってしまいました。
まさかのキャラ被りですが、名簿はまだ未定ですので全然大丈夫です。

>チェンソーウーマン
殺し合いエンジョイ勢のラッド・ルッソ。この環境で実に輝きそうなキャラで好きです。
チェンソー片手に暴れるメイドとか属性盛り過ぎな粕谷も面白いキャラでとてもワクワクしました。
方針も色々フラグを建てられるものなので興味を引かれます。
そして惨殺されるペロゴン君。南無。

>SKY BLUE OF THE WOLFS
フェザーとグラント、まるで格闘漫画のような、お互い方向性は異なるものの間違いなくバトルジャンキーの類。
弱肉強食という価値観、相性は良さそうなので拳の語り合いを終えた後は仲良くなれそうですし、
もしくは離反させて動かしても活躍してくれそうです。


167 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/10(月) 03:12:45 weZ4MwQQ0
投下します。


168 : 優勝?当然んじゃろ? ◆SvmnTdZSsU :2020/08/10(月) 03:14:00 weZ4MwQQ0


「なんて酷いことを……」

 森林地帯、ハーフエルフのエミリアは見せしめに心を痛めていた。

「殺し合い…… それって、すごーく悪い事だわ」

 殺し合いに乗る気はない。
 できれば、皆で協力してこの催しを脱出したかった。
 しかし、頼みの綱のパックは、結晶で休んでいて日中まで出てこれない。
 頼れるスバルも、レムも、ラムも、この場にいるか解らない。

「スバルが居たら……いいえ、何でも頼りすぎるのはダメよ。自分で何とかしなくちゃ」

 少なくともパックが出てこれるまで、安全そうな場所を探そう。
 そう決心したエミリアはその場から歩き出した。

ーーーー

 数分後、エミリアはとある中年男性と会話していた。

「それじゃ、王様もこの催しにはすごーく反対なんですね」

「ほほほ、いかにも。国王が殺し合いに乗らないのは当然んじゃろ?
それに、優勝したとして黒幕が我々を生かして返すとは思えんのじゃ」

 王冠を被った男性は自らを『キングダムの国王』と名乗り、エミリアに情報交換を持ちかけてきた。
 聞いたこともない国名に困惑するエミリアだったが、彼女は世情に疎い。
 きっとスバルの出身地のようにずっと遠くにある地方なのだろうと納得していた。

「じゃから、わしは協力者を募り、この地からの脱出方法を探ろうと考えておるのじゃ」

 主催への反抗を示す国王の言葉に、エミリアはおずおずと提案した。

「それじゃあ、あの、なら、良ければで良いんですけど……一緒に行動しませんか?」
(きっとこの人は悪い人じゃないわ。ハーフエルフの私に普通に接してくれる……スバルみたいに)

 国王からはハーフエルフへの差別といった否定的な感情は感じない。
 その事実が、これまで幾度も半魔として差別されてきたエミリアの警戒心を僅かであるが解かしていた。
 エミリアの言葉に、国王は親しみやすい笑みを浮かべる。
 彼女の提案は、国王にとっても願ってもないものだった。

「そんなの当然んじゃろ? わしこそ若者に頼むのは心苦しいが、わしは国王なので戦えんのじゃ。是非協力をお願いしたい。今こそ全ての力が必要な時じゃ」

 王様の言葉に、エミリアも嬉しそうに応答する。
 きっと、言葉を交えれば、どんな人もわかり合えるものなのだ。

「ええ、よろしくお願いします」

「おお、協力してくれるのか……ありがとうエミリア殿」

【エミリア@Re:ゼロから始める異世界生活】
[状態]:健康
[装備]:パックの結晶石
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:皆で協力してこの催しを止める。
1:国王と一緒に行動する。
2:スバル……大丈夫かしら。
[備考]
時間軸は聖域で試練を受ける前後。
パックは支給品扱いです。


(クク……小娘風情を手懐けるのは簡単んじゃ)

 キングダムの国王、いや国王に化けているデーモンは、友好的な笑顔の下で邪悪な思考を巡らせる。

 この地にデーモンの配下のモンスターは居ない。居たとしても、こう広いマップで出会えるのかは不確定。
 ついでに愛用の剣も没収されてる。これでは満足に戦えない。
 だからこそデーモンは、人間受けの良い国王を装い、エミリアに友好的に接しているのだ。

 使える手駒は多い方が良い。
 このハーフエルフでお人好しの魔法使いは実にうってつけだった。

 パックが側に居れば、きっとデーモンの嘘は暴かれていた。しかし、不幸にもこの時刻では彼は結晶から出られない。
 つまり、デーモンの意図をエミリアが見抜ける機会は無かった。

(愚かな人間どもを全て打ち倒し、今度こそ姫を手に入れてくれるわ…!そのためにもこの小娘には働いてもらうぞ!!!)

 邪悪なデーモンは、愚かなハーフエルフ
を嘲笑うのだった。

【デーモン@ファイナルソード】
[状態]:健康、国王に変身中
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:優勝狙い
1:エミリアと行動する。
2:国王として行動し、使えそうな参加者を利用する。
3:人間の姿は窮屈だ……。
[備考]
時間軸は主人公に倒された後。
多分やろうと思えば国王以外にも変身できます。


169 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/10(月) 03:14:36 weZ4MwQQ0
投下終了です


170 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/10(月) 05:08:20 Bw9z.qD60
投下します


171 : のけものはいない ◆SvmnTdZSsU :2020/08/10(月) 05:09:30 Bw9z.qD60

 サーバルキャットのフレンズ『サーバル』は、会場のどこかでとある参加者とお話をしていた。

「ヤジュウちゃん!ヤジュウちゃんはコロシアイって何かわかる?」

 鼻を摘みながら訪ねるサーバルに、対峙する参加者は朗らかに答える。

「(殺し合いとか)これもうわかんねぇな」

 サーバルの問いに答えるのは、海パン一丁という出で立ちの不審者。
 ステロイドで得た偽りの肉体を晒すこの男の名前はーー■■■■。

 野獣先輩。
 水泳部の田所。
 空手部の鈴木。
 デカマクラ24世。
 うんこの擬人化。
 イキスギウス。
 鈴木福。
 インテル長友。
 ジュッセンパイヤー。
 国民的ホモビ男優。
 捨てるところのないゴミ。

 そして、ホモビデオに出ただけで殺し合いに参加させられている男。

 便宜上野獣先輩と称す存在は、冒頭のようにサーバルと会話していた。
 こんな汚物に話しかけるサーバルはフレンズの鏡。
 実際は物凄く臭くて正直最初は離れようと思っていたが、見たことのないフレンズへの好奇心が勝ったのだ。

「えーと、じゃあ、ヤジュウちゃんはここがどこのちほーかわかる?」
「んにゃぴ……よくわかんなかったです」

 サーバルの言葉に、野獣は困ったように返答する。
 そもそも、現時点でこの野獣の記憶は定かではない。
 
 この催しに参加する前は、空手部のメンバーで入浴していたり、屋上で水泳部の後輩と肌を焼いてきた気もする。
 かと思えば本社を爆破していたり、バットマンにインタビューを受けていたり、心霊現象を体験していたりで実に混沌としていた。

 ……が、そんな記憶の混濁に想いを馳せる時間は野獣には無かった。

「GOB?!GOBGOB!!」

 いつの間にか、クッソ小汚ないゴブリンたちが野獣を包囲していた。
 サーバルの優れた嗅覚なら捉えられた可能性のある奇襲。
 野獣から漂うう○このような臭いがサーバルの鼻を鈍らせていたのだ。
 しょうがないね(諦め)

「ファッ!?」

 見たことのない怪物の姿に驚く野獣。
 こんな意味不明な存在もしっかり襲うゴブリンは祈らぬ者(ノンプレイヤー)の鏡。 

 まぁサーバルは可愛いから多少はね?
 ゴキブリたちはサーバルの服(毛皮)の下を想像して嫌らしい視線を向けている。

 お前ノンケかよぉ!(驚愕)。ホモのゴキブリも探せば居るかも知れない(居るとは言ってない)。


172 : のけものはいない ◆SvmnTdZSsU :2020/08/10(月) 05:11:01 Bw9z.qD60
「わぁー、いっぱいいるー!」

 サーバルの能天気な声。
 しかし剣呑な雰囲気とゴキブリの下卑た劣情を感じ取ったのか、少しだけ不安そうにしていた。
 ゴブリンからは恐ろしいセルリアンと似たような感覚がするのだ。
 それを見た野獣は、サーバルを庇うように一歩踏み出す。

「しょうがねぇなぁ〜(悟空)……いいよ!こいよ!」

 瞬間、野獣の両腕の関節が曲がり、クッソ唐突に股間にモザイクのごとく出現した男の顔面が二つに割れる。
 すると、およそ人体に埋め込むには強力過ぎる銃火器の数々が彼の股間から這い出てきた。

「ンアァーッ!!」

 クッソ不愉快な野獣の咆哮と共に、それらの銃火器から実弾が発射され、野獣の口からは白いビームが放出される。


「「「「「GOB!?!?」」」」」


 それらの圧倒的物量は、呆気にとられたゴブリンたちを意図も簡単に蹂躙した。

 『フルオープンアタック先輩BB』。
 TDNホモビ男優であった筈の野獣に付与された偽りの偶像は、何の因果か野獣を構成する能力として反映されていた。

 おふざけの化身のような能力で蹂躙された小鬼を見下ろしつつ、野獣はご満悦な笑みを浮かべる。
 しかしその汚ならしい顔には確かに疲労の色が存在していた。

「ぬわああああん疲れたもおおおおん」

「すごーい、あなたは……うーん、とにかくすごいフレンズなんだね!」

 サーバルだけが癒しだった。

【サーバル@けものフレンズ】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:コロシアイ……狩りごっこかな?負けないよー
1:カバンちゃんや他のフレンズも居たら合流したい
2:ヤジュウちゃんすごいけど臭いよー
[備考]
時間軸はカバンと『としょかん』に向かっている時点のどこか。
野獣の臭いで嗅覚が麻痺しています。

【野獣先輩@真夏の夜の淫夢(ニコニコ動画・例のアレ)】
[状態]:『野獣先輩』、海パン一丁、BB化による疲労(小)
[装備]:各種BB素材
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:地球ありますねぇ!ダイナモ感覚!
[備考]
各種BB素材に変身する能力があります。
野獣先輩新説シリーズを反映して変身したりできるかも知れません。


173 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/10(月) 05:13:23 Bw9z.qD60
投下終了です


174 : ◆ytUSxp038U :2020/08/10(月) 09:28:35 MwmzuH2E0
投下します


175 : 色づく×××はバラ色 :2020/08/10(月) 09:37:41 MwmzuH2E0
一人の少女が幼い身を震わせ怯えていた。

「殺し合いって…ほ、本当に…?」

突如巻き込まれたデスゲーム。
現実離れした今の状況は金髪の少女、櫻井桃華に十分過ぎる程の恐怖を与えていた。

普段から背伸びした態度を取っているとはいえ、如何せんまだ12歳の子どもである。
見せしめとして人が殺された瞬間や、会場に渦巻く異質な空気は桃華の心を蝕んでいた。

信頼しているプロデューサーもアイドルの仲間達も傍には居ない、一人ぼっち。
そんな現状は徐々に思考を悪い方へと導いていく。

「わたくしも…誰かを殺さなければいけないんですの…?」

呟かれたその言葉に、反応する者が居た。

「殺すなんて簡単に言うんじゃねぇよ、ガキの癖によォオン!?」
「っ!?だ、誰ですか!?」

背後から聞こえて来た声に桃華は振り向き、声の主の姿を見てポカンと口を開けた。

そこには男が居た。

「皆さん、ご無沙汰しております。悶絶少年専属調教師の拓也と言います」

トレーニングでもやっているのか、鍛えられた上半身をしている。
だが下半身はどうだ。
これマジ?上半身に比べて下半身が貧弱過ぎるだろ…

それに顔。
デカい。
サングラスを掛けた顔もまた胴体とはアンバランスにデカい。
則巻千兵衛さんかな?(すっとぼけ)

怪しさ満点の男を見た桃華は、恐怖も忘れて叫んだ。

「何ですのこの殿方!?(驚愕)」


ーーーー


「先ほどは申し訳ございませんでした…。わたくしったら冷静さを欠いていて…」
「もぉ〜しょうがねぇなぁ」

数分後。
見た目は怪しいが、殺し合いには乗っていなかった男が桃華を宥め、こうして情報交換するくらいに落ち着かせる事ができた。

「それで…拓也さんは殺し合いには反対なのですね…?」
「当たり前だろォ?拓也ゎ誰かを殺すほど悪魔じゃねぇんだよ」

KBTITこと拓也はSMバー平野の従業員として普段から少年を捕獲し奴隷調教するという、非常にクッソ汚い行為に及んでいる。
しかし、ハードなプレイをする事はあれど、人殺しにまで手を染める程落ちぶれてはいない。

だというのに主催者は、この自分に調教ではなく殺しを要求してきたのだ。
これには一部界隈では良い人説が囁かれているKBTITも、内心は主催者への怒りを燃やしていた。

(死ぬ寸前まで痛めつけてやるからな〜!(憤怒))

バッグに入っていた鞭のような刀を強く握り、KBTITは決意した。
必ずやあの主催を調教して、二度とふざけた真似が出来ないようにしてやると。

「そんじゃあ行くとするかぁ」
「えっ?行くと言いましても何処に…」
「つべこべ言わないで来いホイ!」

こうしてお嬢ちゃまアイドルと悶絶少年専属調教師の珍道中が始まった。
失望しました、ブリーチ全巻売って来ます…。

【櫻井桃華@アイドルマスター シンデレラガールズ】
[状態]:健康、精神疲労(小)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いには乗らない
1:Pちゃまや他のアイドルの皆も居るのでしょうか…
2:とりあえず拓也さんに付いて行く
[備考]

【KBTIT(拓也)@真夏の夜の淫夢派生シリーズ】
[状態]:健康、主催者への怒り
[装備]:甘露寺蜜璃の日輪刀@鬼滅の刃
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜2
[思考・状況]:基本行動方針:主催者を懲らしめる(意味深)
1:とりあえず桃華と行動
2:蓮さんや平野店長も居るのか?
3:もし好みの少年を見つけたら…
[備考]
参戦時期は虐待おじさんと共にまひろを調教している頃。

【甘露寺蜜璃の日輪刀@鬼滅の刃】
恋柱、甘露寺蜜璃が扱う日輪刀。
体の柔らかさと関節の可動域の広さを活かし、鞭のようにしなやかに使いこなしている。


176 : ◆ytUSxp038U :2020/08/10(月) 09:39:05 MwmzuH2E0
もう一つ投下します


177 : Let get it started now :2020/08/10(月) 09:40:52 MwmzuH2E0
オ オ オ ォ ォ ォ ォ

吹きすさぶ旋風にコートを靡せながら、市街エリアを歩く白髪の男。
名を雅と言い、吸血鬼の王である。

「ハ…どこの誰かは知らんが、中々面白い事をするじゃあないか」

自分を拉致し首輪を嵌めただけではなく、殺し合えと命令までしてきた。
何ともまぁ、命知らずで興味深い輩だ。

だからこそ面白い。

「このような場に私を連れて来てくれた事には感謝しているぞ。礼代わりにお前ともいずれ遊んでやろう」

こちらを見下ろしているであろう主催者に向け、宣戦布告とも取れる言葉を放つ。

本土を侵略してからは酷くつまらない日々が続いていた雅にとっては、この殺し合いは退屈を打ち破る魅力的な遊びである。
そんな遊びに招待してくれた事には胸が高まる思いだが、自分を駒のように扱うのは頂けない。

故に殺し合いを存分に楽しんだ後は、主催者も始末する気でいた。

(…それにしても)

支給されたナイフを弄びながら軽い足取りで進む雅の頭には、一人の男の姿が浮かんでいた。

「明。お前もここに来ているのか?いるのならば、早く私の元へ来い」

【雅@彼岸島】
[状態]:健康
[装備]:南洋式の投げナイフ@ゴブリンスレイヤー
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜2
[思考・状況]:基本行動方針:好きに動く
1:適当に歩いて楽しめそうな参加者を探す
2:いずれは主催者も殺す
[備考]
参戦時期は48日後…で精二を喰い殺した後。

【南洋式の投げナイフ@ゴブリンスレイヤー】
ゴブリンスレイヤーが馴染みの武具店で買った短剣。
刀身が三本に分かれ、枝葉のように折れ曲がって伸びた形状をしている。
原作3巻にて闇人(ダークエルフ)の左手を斬り落とした。


178 : ◆ytUSxp038U :2020/08/10(月) 09:41:46 MwmzuH2E0
投下終了です


179 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/10(月) 13:20:09 YPmczt920
本企画への投下、ありがとうございます。

>色づく×××はバラ色 
 クッソ不審者にもキチンと謝れる櫻井はアイドルの鏡。
 そして主催に屈せず信念を曲げない拓也さんも人間の鏡。
 アイドルと悶絶少年専属調教師の組み合わせはこのロワでしか実現できないと思いました。

>Let get it started now
 紛うことなき怪物の雅、マーダーとしてもトリックスターとしても非常に活躍の見込めるキャラクターだと思います。
 小鬼殺しの武器が吸血鬼に支給されるのも因果を感じる……。
 しかし雅様どのロワでもまず最初に明さん求めてますよね。
 ぶれなくて凄いと思います。


 ついでに企画の補足と締め切りに関しての告知を行います。

・締め切りに関して
 本企画のコンペ募集期間ですが、締め切りは【9月2日00:00】となります。1日の日付変更後です。
 名簿は>>1が選考し、後日発表します。人数は50名を目安に前後します。

・名簿に関して
 このロワでは基本支給品に名簿がありませんが、参加者が決定した段階でルールブックの用紙の裏に全参加者の名前が浮き上がる設定にします。
 その情報はルールブックに書かれて『いません』。放送という形で参加者に通知する形式とします。 放送は名簿発表と同時に投下します。


180 : ◆vV5.jnbCYw :2020/08/10(月) 13:45:52 KNllROAw0
投下します。


181 : このバカイヌといわないで ◆vV5.jnbCYw :2020/08/10(月) 13:46:25 KNllROAw0
ここは試合会場の山岳地帯。
青と白の縦じまの服に、青い髪をした少年が一人いた。


(一体ここはどんなダンジョンなんだ……?)
あてもなく辺りを歩き回っているのは、大商人トルネコの一人息子、ポポロである。
少年の無垢な蒼い瞳に映るのは、どの国でも見ることが出来そうな、茶色や黄土色、焦げ茶色、時として灰色。
様々な種類の岩が混ざった山岳地帯。


しかし、ポポロは警戒心を解かなかった。
風景こそはありふれているが、いつものダンジョンと同じ雰囲気が漂っていた。


彼とてただの12歳の少年ではない。
自分でダンジョンを攻略し、魔物を倒し、時には従え、やがて父トルネコさえも石にした巨悪、ヘルジャスティスを倒すことに成功した。


(パパはいるのだろうか……ひょっとしてママも?)
歩きながら、やはり頭たびたび浮かぶのは両親の顔。
参加させられているのか、そうでないのかも分からないが、もしいるのなら是が非でも会いたい。
父なら間違いなく良き協力者になれるし、母がいるのならまた自分の手で守りたい。


(ダンジョンで困ったときは、持ち物を確認しなさい。そうすればきっと、道は開けるよ。)


バリナボ村で、自分が一人で父親のたどった道を歩きたいと言った時に、父がかけてくれた言葉。
父はかつて共に冒険した冒険した勇者や戦士のように、強い力は持っていなかった。
そんな父だが、道具に対する知識や眼力は、誰よりも優れていた。


父に言われたことを思い出し、支給された鞄を開ける。
最初に出てきたのは、保存の壺とは似ても似つかぬ丸い容器と、黒と黄色の缶に入った液体が出てきた。
(これが、食料かな?)

いつの間にやら鞄に入っていた食料と飲料。

いつもダンジョンに入るとき、いつの間にか大きなパンが支給されていたポポロにとって、特に受け入れがたい事実ではなかった。

ただ、受け入れがたかったのは、それが食べ物であったということだ。


(こんな干からびたモンスターの脳みそみたいなのが本当に食べられるのか?)

乾麺というものを見たことのなかったポポロは、若干の嫌悪感を催した。
(それにこの缶のマーク、18歳以下は飲めないんじゃないのか?
まあ腐ったパンだって食べても大したことはなかったけどさあ……)


巻物に書かれているダンジョン文字のような、複雑な字を読めないポポロには、カップ麺の作り方は分からなかった。


182 : このバカイヌといわないで ◆vV5.jnbCYw :2020/08/10(月) 13:47:44 KNllROAw0
食べ物と飲み物は置いといて、ほかに何か入っていないか確かめる。
最初に出てきたのは、黒い色をした日本刀。


それを見て、ポポロはすぐに鞄に仕舞った。

ダンジョンでも父が装備できるような、剣や盾は装備できないポポロに、かつての持ち主に似合った汚らしい邪剣は無用の長物だった。
(せめて爪の一つでもあれば……何かゴソゴソ動いてる?)

モフモフした手触りの何かが、鞄の底で動いていることに怪しく思ったポポロは、「何か」を思いっきり引っ張る。


「ワッホ〜ン♡」
「うわっ!!」

それは出るや否や突然ポポロの顔を舐め回した。
直線状にいたからという理由で仲間のモンスターに矢で射られた経験があったポポロでさえ、出合い頭に顔を舐められるのは予想していなかった。


「キ、キミ、モンスターなの?」
ポポロの問いかけにも答えず、デッサンが狂ったような、どこかロールパンにも似たようなデザインをした生き物は、彼の蒼髪をガジガジと噛んでいる。


(うーん。モンスターじゃないのかなあ……。)
仲間のモンスターに話しかければ、鳴き声であれ人の言葉であれ何か反応があった。
髪の毛をガジガジするモンスターなんて、混乱したモンスターや、バーサーカーでさえあり得ない。


「へえ……キミ、ポチって名前なんだ。誰かに飼われていたのかな?」
よくよくモンスターを観察すると、名前が書いてあった首輪が見つかった。


「ワン!ワン!ワン!」
突然ポポロの頭から飛び降り、地面を掘り始めた。
「え?今度はどうしたの?」


『ここ掘れワンワン』というばかりに、ポチは協力を求める。
「え?掘れってこと?」


そのまま一人と一匹で穴を掘り続けると、そこから何かが出てきた。
地面から出てきたそれは、大きな下着だった。


「え!?これって……。」
それは間違いなく、家で父がよく履いていたステテコだった。
彼の世界では、多くの成人男性が家で、時としては冒険中に履いていたことを、彼は良く知らない。

(よくわからないけど、パパのステテコがあることは、パパも参加させられているのかなあ……。)

「ワン!!ワンワン!!」

再びポチが大声を上げた。
「え!?今度は何があるの?」
また何か埋まっている宝があったと思いきや、それは違った。


183 : このバカイヌといわないで ◆vV5.jnbCYw :2020/08/10(月) 13:48:03 KNllROAw0

「GOB!」
ポチが吠える先には、見た目の醜悪なゴブリンがいた。
ゴブリンはポポロと目が合うや否やジャンプし、そのまま攻撃を仕掛けた。


「危ない!!」
ポポロは上手く躱して、その攻撃をしのぐ。
彼がいた場所に、小さな穴が開いた。

彼も魔物うごめくダンジョンを何度も潜り抜けてきた経験がある。
戦闘経験だってないわけじゃない。
倒した魔物を使役して、より強い魔物を倒すことが出来る。


「よし、ポチ!あいつを倒そう!!『バッチリがんばれ』!!」
いつものように仲間に命令を下す。


「ワンワンワン!!」
「……………。」
しかし、ポチは明後日の方向、崖の下へ逃げていった。


「おい!そっちじゃないよ!!」
しかし、ゴブリンはポチと飼い主のコントを待つほど、我慢強い生き物ではない。

「GOB!!GOB!!」

今度は爪を立てて襲い掛かってくる。
避けきれず、愛用していた服にいくつかの裂け目が出来る。
既にポチの姿は見えなくなっていた。

「こうなったら、キミを倒して、仲間にするしかないか……。」
ポポロは戦いの覚悟を決めて、ゴブリンへ拳を向ける。
爪はないが、ポポロのパンチが怪物に刺さる。


(そこまで強いわけじゃないみたいだな……。)

今度は怒ったゴブリンが攻撃を仕掛ける。
しかし、動きは単純なため、躱すのは容易……そのはずだった。


(しまった……崖だ……!!)
しかし、後ろに飛びのいた先で、地面が崩れた。


「うわあああ!!」
そのまま耐え切れず、崖の上から落ちる

敵から逃げた先で罠を踏み、予想外のピンチに至ったことはダンジョンでも経験したことだった。
まだ自分はダンジョンの経験が足りないなと思うが、苦汁をかみしめている場合ではない。
落ちても受け身をとれば多少のダメージで済みそうな高さだが、落ちた先は鋭利な岩で覆われていた。


184 : このバカイヌといわないで ◆vV5.jnbCYw :2020/08/10(月) 13:48:22 KNllROAw0
「え!?」
しかし、ポポロの背中を、尖った岩ではなく、モフモフした何かが受け入れる。
「ワン!!」


先ほど崖の下へ逃げたポチが、ポポロを背中で受け止めたのだ。
そのままポチはダッシュで進み、平地に着いた所でポポロをポイッと投げ捨てた。


「痛っ!!でも助かったよ。ありがとう!!あんな所を走ってもケガしてないなんて、凄いんだね!」
「ワホ〜ン♡」

ポポロは知らないことだが、彼は背中は柔らかく、足は頑丈だ。
つまり、外はサクっと、中はフワっとしている。
恐竜が踏んでも一発でアウトなマグマやトゲの床も、彼にかかれば問題なしである。


ポチは自分が出てきた鞄を漁り、湯も入れていないカップ麺を器ごとバリバリ食べ始めた。
「え……!?もしかして、それが欲しかったの!?」
「ワンワン!!」


しかも消化は早いのか、食べ終わると瞬く間に立派な物を、岩陰に出した。
(やっぱり大丈夫かなあ……。)

飼い主の心配は、続く。

【ポポロ@トルネコの大冒険3】
[状態]:健康、服に裂け目、精神的疲労(小)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品(カップ麺なし)、邪剣『夜』@BB先輩劇場シリーズ ステテコパンツ@ドラゴンクエストシリーズ ランダム支給品×0〜1
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いには乗らず、脱出を目指す。
1:パパ(トルネコ)やママ(ネネ)は参加させられているのかな?
2:ポチ以外にも仲間を作りたい
3:このバカ犬と呼ぶべきなのか?
[備考]:ヘルジャスティスを撃破後
※原作で巻物が読めない・書けないように、難しい漢字やアルファベット、その他難解な造語などは読めません。

【支給品紹介】

【ポチ@ヨッシーアイランドシリーズ】
[状態]:健康
思考・状況]基本行動方針:おなかいっぱい
【備考】イメージは「スーパーマリオくん」19〜21巻のポチですが、違うイメージでも問題ありません。
また、漫画版のように尻尾を引っ張ると特別な技が使えるかどうかは、別の書き手にお任せします。
ポポロに支給された犬のような生き物。
初登場した際は巨大な顔に大口、白目という中々奇抜な造形をしている。
トゲや溶岩・毒沼といったヨッシーが落ちるとミスになる場所でも物ともせずに突き進み、ヨッシーが倒せない敵(カチカチくん等)も体当たりで一方的にやっつけられる。
ただし、持ち主の思い通りに動いてはくれない。
作品によっては地面に埋まっているものを教えてくれる。


185 : このバカイヌといわないで ◆vV5.jnbCYw :2020/08/10(月) 13:48:35 KNllROAw0
【邪剣『夜』@BB先輩劇場シリーズ】
田所家に伝わる伝家の宝刀。黒い日本刀のような姿をしている。
そのまま剣として使っても強いが、「焼いていかない」の言葉で炎を、「バッチェ冷えてますよ」で氷を、「爆砕かけますね」で爆発を出せる。
クロコダインのグレートアックスみたいなもの。

【ステテコパンツ@ドラゴンクエストシリーズ】
ポポロが持っているでかい下着。何故かバトロワ会場に埋まっていた。
彼の父トルネコをはじめ、成人男性なら装備できる。装備すると防御力はそれなりに上がるが、かっこよさがものすごく下がる。


186 : このバカイヌといわないで ◆vV5.jnbCYw :2020/08/10(月) 13:48:46 KNllROAw0
投下終了です。


187 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/10(月) 14:21:09 YPmczt920
本企画への投下、ありがとうございます。

>このバカイヌといわないで
12歳の少年とはいえ、歴戦といっても過言ではない経験のあるポポロ。
ポチを初めとする優秀……?な支給品を引き当てていますし、きっとこの魔境なロワでもしぶとく活躍してくれる予感がします。
ところで現在知識のない参加者にはインスタントラーメンは、そりゃ得体の知れない物体に見えますよね。反応が新鮮で好きです。 しかし初手から食料なしは結構後々に響きそうですし、字が読みにくいという設定も思わぬフラグを建てそうで面白いです。


188 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/10(月) 14:21:30 YPmczt920
投下します


189 : 乳牛のひみつ ◆SvmnTdZSsU :2020/08/10(月) 14:24:16 YPmczt920

 ある日、朝起きると私は乳牛に成っていた。
 そして、殺し合いに参加していた。

「ここ何処!? 殺し合いなんて冗談じゃない! 早く家に帰らなきゃ!」

 当然、私は混乱した。今すぐにでもこの意味不明な状況から逃げ出したかった。

(エーッ、体が重ッ……!!)

 しかし、慣れない乳牛の体は思うように動いてくれない。
 それどころか、この蹄ではろくに支給品の確認すらもできない。

(首輪も苦しい……狭すぎるよ)

 途方に暮れる『私』の思考は、やがて自らを理不尽な境遇に陥れた主催者への憤怒に染まる。
 気がつくと、その感情に身を任せるがままに、私は叫んでいた。


「自由を奪った状態で殺し合えなんて……やめろよ卑怯者!」


 乳牛の叫びは届かない。


【私@牛乳のひみつ】
[状態]:健康、乳牛
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:家に帰りたい。人間に戻りたい。
1:首輪が苦しい……。
2:体が重い……。
3:誰か助けて……。
[備考]
時間軸は本編の冒頭。


190 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/10(月) 14:25:01 YPmczt920
投下終了です


191 : ◆j1W0m6Dvxw :2020/08/10(月) 14:44:24 flEHfsjE0
投下させていただきます


192 : 偽りの王VS鏡の巨人featクリプトン人 ◆j1W0m6Dvxw :2020/08/10(月) 14:46:46 flEHfsjE0

「あ、あれは・・・!?」

青年‐鏡京太郎は自身の目の前に立つ『もの』を見て、絶句した。


『グギャアァァァァァァァァァァァ!!!』

『それ』は・・・黄金色に輝く高層ビルよりも巨大な体、その体よりも更に巨大な蝙蝠の如き一対の翼、
そして、伝説に伝わる『竜(ドラゴン)』を思わせる3本の首を備えた巨大怪獣だった。
3本ある首の根本には金属で出来た武骨な首輪が各々3個ずつ巻かれており、
この怪獣がNPCなどではなく、京太郎と同じくこの殺し合いの参加者である事を物語っていた。

京太郎はこれまで、地球を狙う暗黒惑星のインベーダーやそのインベーダーの操る様々な怪獣達と
幾度も激闘を繰り広げてきた。
だが今、京太郎の目の前にいる怪獣は、これまでインベーダーが操ってきたどんな怪獣よりも巨大であり、
まるで悪魔か邪神のような禍々しさと恐ろしさを全身から漂わせていた。

『!』

怪獣の3本ある首の向かって右側の首が足元の京太郎に気が付き、他の2本の首に伝えて
3本同時に京太郎を見下ろした。

「・・・あ」

怪獣の真ん中の首と京太郎の視線が合わさる。
その目にはインベーダーの怪獣達には無い強い意志と悪辣さが宿っているように感じられた。

怪獣と京太郎はしばしの間相対し・・・

突如怪獣のうなじが光りだしたかと思うと、3つある怪獣の口全てから金色に輝く稲妻状の光線が
京太郎に向かって吐き出されたのだ。

「うわあぁっ!!!」

寸でのところで京太郎は怪獣の光線から逃れるが、
光線の命中した場所はまるで大量のダイナマイトが爆砕したようになっていた。

『グギャアアアアアアア!!!』

怪獣は京太郎が自身の光線から逃れたのを見ると、再び京太郎に向けて光線を発射していった。

「うわぁ!く、くそっ!」

京太郎は怪獣の光線を回避すると、そのまま怪獣から背を向けて逃げ出していった。

『グギャアアアアア!!!』

京太郎が逃げていくと、怪獣はその巨大な翼を前脚の代わりにして京太郎を追いかけていく。
怪獣からすればアリンコ程の大きさの京太郎など、そのまま踏みつぶしてしまえば良いというのに、だ。
まるで小さな虫をイジメて楽しむ悪ガキのようだった


193 : 偽りの王VS鏡の巨人featクリプトン人 ◆j1W0m6Dvxw :2020/08/10(月) 14:50:17 flEHfsjE0
☆☆☆

「ハァッ・・・ハァッ・・・」
『グギャアアアアア!!グギャアアアアアアア!!!』

巨大怪獣の歩幅は人間の何倍も大きく、とうとう京太郎は湖の畔へとおいつめられてしまった。

「く、クソゥッ!!!」
『グギャアアアア!!』

悔しそうに顔を歪ませる京太郎を嘲笑うように、怪獣は翼を広げて雄叫びをあげる。
まさに万事休す・・・その時だった。

「!」

湖の水面が月の光を反射して淡く輝くのを京太郎は見逃さなかった。
京太郎はすぐさま両腕を広げてミラー・アクションを取った。

「ミラー・スパーク!!!」

叫びとともに京太郎の体は光へと変化し、水面へと飛び込んだ。
そして次の瞬間・・・

「デアッ!」

湖面から銀色を基調に緑と黄色のアクセントを施した巨人が飛び出してきた。
これこそ、二次元人と地球人のハーフである鏡京太郎のもう一つの姿、『ミラーマン』である!

「デアッ!」
『グギャアアアアアア!!』

しばしにらみ合うミラーマンと三つ首の怪獣。
ミラーマンの身長は最大40メートル。
対する三つ首の怪獣の身長は158.8メートル。
人間で言えば子供と大人・・・どころか、赤ん坊と大人程の身長差だ。
だが・・・ミラーマンは怯みも恐れもせず、怪獣に向かっていった。

「ミラーナイフ!」

先手を打ったのはミラーマンだ。
怪獣に向けて伸ばした手刀の先から、白く光る楔型の光線が発射され、
怪獣の胸部に命中すると同時に怪獣の体に爆発が起こった。

『グギャアアアアア!!!』

怪獣は怯むことなく、口から光線を吐き出した。

「ディフェンス・ミラー!」

すかさずミラーマンは空中をなぞるように手を振って透明な光の壁を出現させ、
怪獣の光線を反射させる。
続けざまに空中高くジャンプすると・・・

「ミラクル・キック!」

足先を赤く発光させながら怪獣めがけてキックを放ち、
3つある怪獣の首の内、右端の首をちぎり飛ばしたのだ。

『グギャアアアアア!!!』

首の一つを千切られ、怪獣は悲痛な叫びをあげた
ミラーマンはその隙を逃さず、額と腰のバックルに手を添える。

「シルバークロ・・・」

ミラーマン最大の大技が繰り出されようとした時・・・怪獣が反撃に出た。


194 : 偽りの王VS鏡の巨人featクリプトン人 ◆j1W0m6Dvxw :2020/08/10(月) 14:50:53 flEHfsjE0
『グギャアアアアア!!!」

怪獣の左端の首がその大きな口でミラーマンの体を咥え込んだのだ。

「デア!?」

突如怪獣に犬用カミカミ棒のように咥えられて、ミラーマンはつい態勢を解いてしまった。

『グギャアアアアア!!!グギャアアアアア!!!』

怪獣は大きく首を振って、それまでのお返しのように何度もミラーマンの体を地面に叩きつけた。

「で、デア!?デア!?」

ミラーマンの体が叩きつけられる度に地面には巨大な砂ぼこりと土煙が舞い上がり、
怪獣を始点に半径50メートルのあちこちに40メートル代の人型のクレーターが作られていった。
怪獣は最後に一際勢いよくミラーマンの体を地面に叩きつけると、ミラーマンの体を口から離し・・・

『グギャアアアアアアアアア!!!!』

その141056トンもある巨体を支える脚で、ミラーマンの体を踏み付けたのだ。

「で、デアァ!デアァァァァァ・・・」

怪獣に踏み付けられてミラーマンは悲痛な叫びをあげて身動ぎをする。
その姿は人間によって踏み付けられた小さなネズミのようだった。
そして、ミラーマンの腰のバックルに装着されているカラータイマーが
ブザー音を響かせながら点滅を始め、怪獣は再び光線のチャージを開始した。


怪獣の稲妻のような光線がミラーマンの体を丸焼きにしようとした・・・
その時である。


195 : 偽りの王VS鏡の巨人featクリプトン人 ◆j1W0m6Dvxw :2020/08/10(月) 14:51:19 flEHfsjE0
ドゴオォォォォォォォォン!!!

突如青色の弾丸のような物が目にも止まらない程のスピードで飛来し
怪獣にぶつかってきたのだ。

『グギャアアアアア!!!???』

怪獣は先ほどミラーマンに首の一つを引き千切られた時とは比べようもない程の苦悶の鳴き声を上げ、
そのビルよりも巨大な体をよろめかせ、地響きを立てながら地面に横倒しとなったのだ。

「!?」

怪獣の足から解放されたミラーマンは一体何が起こったのか分からず、周囲を見渡した。
すると・・・空中に何かが浮かんでいるのが見えた。

『それ』は胸に大きく『S』と書かれた青いコスチュームと赤いマントを身に着けた
『普通の人間サイズ』の白人男性だったのだ。

『グギャアアアアアア!!!」

マントの男に倒された怪獣は、なんとか翼を腕代わりにして起き上がると、
空中に浮かぶマントの男に向かって光線を放った。
光線はマントの男を包み込んだ・・・が、光線に当てられているというのに、
男の体にはダメージらしいダメージは見当たらず、着ているコスチュームにもコゲ一つ付いてはいなかった。

「・・・!」

怪獣の攻撃が止むと、今度はマントの男の番だ。
男の目が赤く輝きだしたかと思うと、その両目からは真っ赤な光線が発射され、
怪獣の左端の首の目を焼いたのだ。

『グギャアアア!?グギャアアア!?』

目を潰されてしまい、怪獣はまたも悲痛な叫びを上げた。
3本あった首の内、一つは千切り落され、一つは失明し、唯一無事だった真ん中の首は
ミラーマンとマントの男に憎々しい視線を向ける。そして・・・

『グギャアアア!!』

翼を羽ばたかせて天高く飛び上がり、その場から逃げ去っていったのだった。


後にはミラーマンとマントの男だけが残された。

「「・・・」」

ミラーマンとマントの男はしばし視線を交わす。そして・・・

「え〜っと・・・大丈夫かい?」

マントの男は横たわるミラーマンに手を差し出したのだった。


【鏡京太郎@ミラーマン】
[状態]ミラーマンに変身中、ダメージ大
[装備]無し
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考]
基本:会場からの脱出
1:この男(スーパーマン)は一体・・・?
2:あの怪獣(キングギドラ)はどこへ?

【スーパーマン(クラーク・ケント/カル・エル)@DCエクステンデッドユニバース】
[状態]健康
[装備]スーパーマンのコスチューム@DCエクステンデッドユニバース
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考]
基本:人を助ける
1:巨人(ミラーマン)と対話する
[備考]
『ジャスティスリーグ』後からの参戦です。


☆☆☆

『グギャアアアアア!!!』
「ゴブゥー!?」
「ゴブブゥー!!!」

その頃、逃亡した三つ首の怪獣・・・ギドラはNPCのゴブリン達を
かたっぱしから食らいながら体を再生させていた。
千切られた右の首も、潰された左の首の目玉も、
まるでトカゲの尻尾のように再生されていく。
しかし、その再生スピードは通常時よりもゆっくりとしたもので、
まるでビデオのコマ送りのようだった。

『グルルル・・・』

唯一無傷だった真ん中の首の目には、
自分をコケにした銀色の巨人と青い人間への憎悪の炎が燃え上がっていたのだった・・・。

【キングギドラ(モンスーバース版)@ゴジラ:キング・オブ・モンスターズ】
[状態]ダメージ中、再生中
[装備]無し
[道具]無し
[思考]
基本:自分以外全員殺す
1:巨人(ミラーマン)と人間(スーパーマン)は殺す
[備考]
再生スピードが落ちています


196 : ◆j1W0m6Dvxw :2020/08/10(月) 14:53:28 flEHfsjE0
投下終了します。

スーパーマンならモンスターバースの怪獣とも互角に渡り合えると思います。


197 : ◆4kMBNI9QkE :2020/08/10(月) 15:30:25 ozAyOEA20
投下させていただきます。
以前、『荒野行動』という企画に投下した物を手直しした物になります。


198 : 二人は被造物 ◆4kMBNI9QkE :2020/08/10(月) 15:31:36 ozAyOEA20
「あ〜ららら・・・妙な所で会っちゃったねぇ〜メ・テ・オ・ラ・ちゃん♪」
「・・・」
黒いセーラー服姿の女-築城院 真鍳は、一周回って気持ちよいくらいに腹の立つ笑みを浮かべる。
白髪の少女-メテオラ・エスターライヒは、無表情のままそれを見つめていた。
「・・・何故貴女がここに?」
「さぁ〜どうしてだろうねぇ〜?何だか知らないけど、気がついたらなんか『殺し会え』とか何とか言われててさぁ〜。メテオラちゃんもそうでしょう〜?」
「・・・」
真鍳は相変わらず見ている者が腹を立てそうな物言いをするが、メテオラは一切表情を変えること無くその姿を見ていた。
「イヤァ〜爆弾入りの首輪着けられちゃったのはしゃくに障るけど、自分以外皆殺しにしたらどんな『願い』も叶えてくれるってのはそそられるよねぇ〜・・・という訳でメテオラちゃん、悪いんだけど死んでもらえる?」
「・・・」
何でもないことのようにさらりととんでもないことを言う真鍳。
しかし、メテオラはそれに対して何のリアクションも起こさなかった。
「・・・あぁ〜あ〜・・・メテオラちゃんは私の力の事知ってるからつまんないなぁ〜。じゃあね〜♪」
リアクションが全く無いメテオラに肩をすくめた真鍳はくるりと回れ右して歩き出した。
「・・・」
するとメテオラは、その真鍳の後をついて歩き出した。
「・・・何のつもり〜?」
「貴女はこの殺し合いに乗った危険人物。放っておく訳にはいかない」
「ふぅ〜ん・・・ま、好きにすればぁ〜?」
「そうさせてもらう」
それを最後に会話は無くなり、二人は会場内を当てもなく歩き始めたのだった。

【築城院 真鍳(ちくじょういん まがね)@Re:CREATORS】
[状態]:健康、ちょっと不機嫌
[装備]:無し
[道具]:スマートフォン
[思考・行動]
基本方針:自分以外皆殺し♪
1:メテオラちゃんうっとうしいなぁ〜
[備考]
エリミネーション・チェンバー・フェス終了から、最終話までの間からの参戦。

【メテオラ・エスターライヒ@Re:CREATORS】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:スマートフォン
[思考・行動]
基本方針:会場からの脱出
1:真鍳の動向を監視
[備考]
エリミネーション・チェンバー・フェス終了から最終話までの間から参戦。


199 : ◆4kMBNI9QkE :2020/08/10(月) 15:35:29 ozAyOEA20
投下終了します。

すいません、状態表を以下に変更します。

【築城院 真鍳(ちくじょういん まがね)@Re:CREATORS】
[状態]:健康、ちょっと不機嫌
[装備]:無し
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・行動]
基本方針:自分以外皆殺し♪
1:メテオラちゃんうっとうしいなぁ〜
[備考]
エリミネーション・チェンバー・フェス終了から、最終話までの間からの参戦。

【メテオラ・エスターライヒ@Re:CREATORS】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・行動]
基本方針:会場からの脱出
1:真鍳の動向を監視
[備考]
エリミネーション・チェンバー・フェス終了から最終話までの間から参戦。


200 : ◆OQfaQnysJI :2020/08/10(月) 18:28:27 kU161d3Y0
投下します


201 : 吸血鬼すぐ死ねない ◆OQfaQnysJI :2020/08/10(月) 18:29:24 kU161d3Y0
「まったく、なんだって私がこんな変なイベントに……」

その男は、路傍のベンチに腰掛けて愚痴を漏らしていた。
逆立った髪にとがった耳や鼻。青白い肌。そしてクラシックな黒いマント。
いかにも「吸血鬼でござい」という風貌の彼は、実際に吸血鬼である。
名はドラルク。高貴な血筋が全くの無駄になっている、クソザコ吸血鬼である。

「だいたい私の拉致を許すなんて、ロナルドくんはいったい何をやってるんだ。
 私の安全を確保するなど、最低限の義務だろうに」

ドラルクの愚痴は、同居人への文句にシフトしていく。
そのまま延々としゃべり続けそうなドラルクであったが、ふいにその口が止まる。
誰かが近づいてきていることに気づいたからだ。
現れたのは、金髪で眼鏡をかけた男だった。年の程は、初老程度に見える。

「やあ、どうも。静かな夜ですな」

まるで殺し合いの最中であることを忘れたかのように、ドラルクは気さくに話しかける。
それに対し返ってきたのは、射貫くような視線だった。

「万が一間違ってたら大問題だから、いちおう聞いておくが……。
 貴様、吸血鬼か?」

ぶしつけな質問に、さしものドラルクも眉をひそめる。

「たしかに私は高等吸血鬼(ヴァンパイアロード)だが……。
 ずいぶんな態度じゃないか。ひょっとして、吸血鬼ハン……っ!」

ひょっとして、吸血鬼ハンターか?
そう言いたかったドラルクだったが、それは叶わなかった。
男が、持っていた剣をドラルクの胸に突き立てたからだ。

「ならば死ね」

男が、ゆっくりと剣を抜く。
それとほぼ同時に、ドラルクの体は塵となって崩れ落ちた。

【ドラルク@吸血鬼すぐ死ぬ 死亡】


◆ ◆ ◆


「初っぱなから吸血鬼に出くわすとは……。
 幸先がいいのか悪いのか」

夜の街を歩きながら、男は独りごちる。
彼の名はアレクサンド・アンデルセン。
ヴァチカンの闇の仕事を請け負う機関「イスカリオテ」の一員であり、最強の吸血鬼とも渡り合う実力を持つ化物専門の殺し屋である。

「とにかく、この場に化物がいるのは確認できた。
 ならば俺の使命は、その全てを殺し尽くすこと。
 そして異教徒も殺し、このふざけた催しを開催したやつも殺し、同じ神を信仰する者と共に生還する。
 まあ、最後のははじめからいないのならその方がいいが……」

独白をひとまず終えると、アンデルセンは手にした剣を改めて握り直した。


◆ ◆ ◆


一方、先ほどのベンチ。
残された塵は少しずつ動き、やがて元のドラルクの姿を取り戻した。

「あーっ、痛かったーっ!
 あいつ、聖なる武器使ってやがったな! おかげで再生に時間がかかっちゃったじゃないか!」

完全に再生したドラルクは、何事もなかったかのような力強さで叫ぶ。
彼は一般的な吸血鬼どころか、人間よりも脆弱である。
人間ならば多少痛い程度のダメージでも、あっけなく死ぬ。
だが彼は、死んでもすぐに生き返ることができる。
ここまでのドラルクの言動に今ひとつ緊張感がなかったのも、そのためだ。
彼にとって「死」とは日常であり、殺し合いなど別に恐れるようなことではないのだ。

「今度会ったら、絶対仕返ししてやる……。ん?」

ドラルクはそこで、足下に自分のデイパックが落ちているのに気づく。
元々はベンチに座ったとき傍らに置いていたのだが、刺された衝撃で落下してしまったらしい。

「そういやあいつ、私の荷物は盗まないでいったんだな……。
 うっかりさんなのか、真面目なのか……。
 まあいいや、そういや中身をまだ見てなかったし、ここで確かめておくか」

軽い気持ちで、ドラルクはデイパックを開ける。
すると、一番上に何かが書かれた紙が置かれていた。
そこには、こう書かれていた。

『あなたがこの会場内で死ねるのは、10回までです。
 11回死ぬと、もう再生できなくなります』

「マジで……?」

ドラルクの脳内に、日常が崩れ落ちる音が響いた。


202 : 吸血鬼すぐ死ねない ◆OQfaQnysJI :2020/08/10(月) 18:30:19 kU161d3Y0


【ドラルク@吸血鬼すぐ死ぬ】
[状態]健康、残機9
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考]基本行動方針:殺されるのは慣れてるけど、殺すのは無理
1:これが本当だったら、やばすぎない?
2:吸血鬼ハンター(アンデルセン)に再会できたら、仕返しする(具体的な方法は考えてない)
[備考]
・制限により、10回までしか死ねません。11回死ぬと再生不可能になり、死亡者扱いとなります。
・制限により、塵になっても首輪は外せません。


【アレクサンド・アンデルセン@HELLSING】
[状態]健康
[装備]破邪の剣@ドラゴンクエストシリーズ
[道具]基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考]基本行動方針:化物は殺す。異教徒も殺す。主催者も殺す。
1:カトリック信者は保護する。
[備考]
・参戦時期はロンドンでの決戦に赴く前。
・ドラルクを殺したと思っています。


【破邪の剣@ドラゴンクエストシリーズ】
シリーズおなじみの、中盤で頼りになる剣。
道具として使うとギラの効果があり、閃光を放って敵を攻撃出る。


203 : ◆OQfaQnysJI :2020/08/10(月) 18:31:39 kU161d3Y0
投下終了です


204 : ◆ytUSxp038U :2020/08/10(月) 18:37:34 MwmzuH2E0
投下します


205 : がんばれ零余子ちゃん :2020/08/10(月) 18:43:19 MwmzuH2E0
「わ、私、生きてるの…?」

森林地帯の奥深くにある大木の真下で、二本の角を生やした少女が、信じられないといった表情で立ち尽くしていた。

少女の名は零余子。
十二鬼月・下弦の肆の立場を鬼舞辻無惨に与えられた鬼である。

「で、でも、あの時確かに…」

思い出すのはこの地に来る直前の光景。

下弦の伍の死を切っ掛けに、配下の鬼達の無能ぶりに大層腹を立てた無惨は、下弦の解体を宣言。
当然ながらほとんどの下弦が大人しく死を受け入れる訳も無く、逃走や命乞いをして、処刑を免れようとした。
零余子も涙ながらに必死の命乞いをしたが何の意味も無く、呆気なく命を奪われた。

だというのに今は五体満足でここに居る。

一度死んだ鬼の復活など、あの無惨にすら不可能だ。
まさか主催者は無惨をも超える力の持ち主だというのか。

主催者の底知れなさにブルリと身体を震わせつつ、これからの事について考える。

もしもこの場所から脱出した場合、無惨は再び自分を受け入れてくれるだろうか。

有りえないと即座に否定する。あの上司のことだ、また殺そうとするに決まってる。
一度死に生き返った事で無惨の呪いがどうなっているかは不明だが、まだ残っているのなら結局自分に逃げ場は無い。

では殺し合いに勝ち残るのはどうだろうか。
優勝すれば何でも願いを叶えてくれるのならば、無惨や鬼殺隊の事も何とかなるかもしれない。

しかしこれも簡単ではない。
そこいらの一般人や平隊士程度ならともかく、柱や上弦の鬼のような力を持った参加者が相手では勝てるはずも無い。

「あぁ…どうしたらいいのよ……」

彼女が答えを出すには、まだまだ時間が掛かりそうだった。

【零余子@鬼滅の刃】
[状態]:健康、不安
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]:基本行動方針:死にたくないけど、どうすれば良いか分からない
1:どうしよう…
[備考]
参戦時期は死亡後。
血鬼術や過去の描写等は原作でも不明ですので、書き手で自由に想像してください。


206 : ◆ytUSxp038U :2020/08/10(月) 18:44:16 MwmzuH2E0
続けて投下します


207 : るりまの刃 チョコレート味 :2020/08/10(月) 18:45:38 MwmzuH2E0
「いやぁぁぁぁ!!やめて!離してぇ!!」

少女の悲鳴が周囲に響き渡る。

島村卯月は普段の明るい笑顔とは正反対に、涙を流し恐怖と嫌悪感で顔をグシャグシャに歪めていた。

彼女を取り囲み、地面に押さえ付けるのは無数のゴブリンたち。
ゴブリンたちは皆一様に下卑た笑みを浮かべ、舌なめずりをしている。

スタート地点に飛ばされた卯月は、何が何だか分からない内にゴブリン達に襲われた。
粗末な武器を手にし醜悪な笑みを浮かべる怪物に恐怖を抱いた卯月は、バッグの中身を確認する暇も無いまま逃げ出した。
アイドルとして日頃からレッスンを行っているお陰か、最初の内は何とか捕まらずにいた。
だが、追跡を諦めるどころか徐々に数を増やして追って来るゴブリンに恐怖心を煽られ、焦りからか足をもつれさせ転倒してしまった。

そこからは早かった。
卯月が起き上がる間もなくゴブリン達が殺到し、彼女を押さえ付けた。
卯月の衣服を邪魔だと言わんばかりに引き裂くと、露わになった豊満な胸や白い素肌に手を伸ばし、舌を這わせる。
余りの気持ち悪さに卯月の抵抗も激しくなる。

「いやっ!やめてくださ…ガビュッ!?」

ジタバタと暴れる卯月を鬱陶しく思ったのか、ゴブリンの一人が剣の柄で卯月の顔面を殴りつけた。
鼻から血がボタボタと落ちる。ひょっとしたら折れたかもしれない。
卯月の姿を見てゴブリン達はゲラゲラと笑う。

(いや……お願い……誰か…プロデューサーさん……助けて……!!)

助けを乞う心の声も空しく、周りに誰もいない。
絶望した卯月の身体から徐々に抵抗する気力も失せていく。
一匹のゴブリンが我先にとばかりに、卯月の両脚を無理やり開こうとし――








「忘れ物、忘れ物っ!」


「「「「!!!??!!」」」」


208 : るりまの刃 チョコレート味 :2020/08/10(月) 18:46:43 MwmzuH2E0
唐突に女が現れた。
紅白色の巫女服のようなものを着た女だ。

女は呆気に取られる卯月とゴブリンを目にするや否や、軽い口調で話した。

「あれ?童貞チンポコ先生?まだ居たんだ?ん?何だこの臭いは…?うーん、さては…チンポコシコってたな〜?」

何だこの女は?
いったい何を言っている?

卯月を襲っていた手を止めて、女に困惑した視線を向けるゴブリンたち。
普段ならば新しい獲物が来たと喜ぶ場面だ。
しかしどういう訳かこの紅白女にはそんな気がまるで起きない。
むしろ見ていると、訳の分からない不安に襲われる。

痺れを切らした一匹のゴブリンが、槍を片手に紅白女を殺そうと動いた。
卯月への凌辱を邪魔された苛立ちもあるのだろう。

危ないと卯月が叫びそうになるが、それよりゴブリンの方が早かった。
気味の悪い女へ槍を突き刺そうとし

「お覚悟を」

一瞬で両断された。

見れば女の手には何時の間にか刀が握られている。

突っ立っていたゴブリン達も我に返り、慌てて武器を構えるがもう遅い。

「こんなもの!こんなもの!こんなっ、手作りっ、チョコなんてえええええええ!!」

意味不明なことを叫びながら女は次々にゴブリンを斬殺していく。
気が付けば、逃げようとしたゴブリンも含めて殲滅していた。

「壊れちゃった……私の気持ち……」

何故かすすり泣く女。
だが直ぐに表情を引き締め直す。

「UGRAAAAAAAA!!」

雄叫びと共に現れたのは新たなゴブリン。
しかも先程までの小柄な連中とは違い、見上げるほどの巨体のホブゴブリンである。

「ひっ…」

その大きさに卯月が悲鳴を漏らすが、紅白女に動じた様子は無い。
それどころか不敵に笑い、自らの支給品をまさぐっている。

「お客様ぁ〜♥ご注目!」

通販番組の司会者のような口調と共に取り出したのは巨大なバズーカ砲。
拳を振り上げるホブゴブリンを、後輩の股間をまさぐる野獣の如き眼光で睨みながらトリガーを引く。

「GOBOOOOOOOOOOOO!!?」

爆音と共に吹き飛ばされたホブゴブリンは、ピクピクと痙攣していたが、やがて動かなくなった。

今度こそ終わったと確信した女は、卯月の方へ振り返る。

「災難だったわねお嬢さnあら?」

さっきまでボロボロだった少女の姿は無く、ゴブリンどものバラバラ死体が転がっているだけだった。
ヒューっと寒風が吹くゴブリンの殺戮現場には紅白女、RRM姉貴だけが残されていた。

【RRM姉貴@クッキー☆BB】
[状態]:健康
[装備]:三代鬼徹@ONE PIECE、沖田のバズーカ@銀魂
[道具]:基本支給品
[思考・状況]:基本行動方針:???
1:あの娘(島村卯月)どこに行ったのかしら?

【三代鬼徹@ONE PIECE】
ロロノア・ゾロが所持する業物の一振り。
歴代の所有者がことごとく悲運の死を遂げた逸話を持つ妖刀。

【沖田のバズーカ@銀魂】
真選組の沖田総悟が頻繁にぶっ放してるバズーカ砲。


怖かった。

あの緑色の怪物が。
意味不明な事を口走る女が。
今の状況全てが。

だから逃げ出した。

自分がどこに向かっているのか、誰に会おうとしているのか。

分からないまま走っている。

島村卯月がこの先どうなるのかは、今は誰にも分からない。

【島村卯月@アイドルマスター シンデレラガールズ】
[状態]:疲労(中)、精神疲労(大)、身体の各所にゴブリンの唾液付着、鼻の骨が折れてる
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3(未確認)
[思考・状況]:基本行動方針:死にたくない
1:逃げる


209 : ◆ytUSxp038U :2020/08/10(月) 18:47:23 MwmzuH2E0
投下終了です


210 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/10(月) 20:19:01 Lpb.0NNs0
>>166
キャラかぶりをしたことについて「申し訳ないことをした」と思いましたが、
好意的な回答をしていただき誠にありがとうございます。

では、二作品ほど投下させていただきます。


211 : ヒトコマユバチ ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/10(月) 20:20:05 Lpb.0NNs0
ここはある森林地帯、そこには透明な羽を震わせて飛んでいる少女がいた。

妖精を思わせるモフモフとした姿に、昆虫を思わせる複眼と触角を頭に付けた少女だった。

彼女の名前はダイオリウス、宇宙大昆虫とも呼ばれている怪獣娘である。

そんな彼女は今、森の中を飛び回りながらあるものを探していた。

「どこかにいないかな〜?」

彼女は、だれかを探していた。

これを読んでいる諸君は仲間となる人物を探していると思うだろう。

しかし、彼女が探しているのはそういったものではない。ならば何か?

それは……

「わたしのタマゴを産みつけるのにふさわしい、肉付きのいい子はいないかな〜?」

そう、彼女は肉付きのいい子を探していた。

自分のタマゴを産みつけるのにふさわしい、肉付きのよさそうな子を探していたのである。

「丁度獲物を捕まえるのに役立ちそうなものも手に入ったのに、なかなか見つからないな〜」

そしてそんな彼女の両手には、半円を描く様に大きく湾曲した形の剣が握られていた。

それは彼女の容姿と相まって、カマキリの前足のようにも見えるものだった。

そうこうしているうちに彼女は疲れたのか羽を休めて、森の中を歩き始めた。


わが子を育てるにふさわしい母体を見つけるために、そして『美味しそうな子』を見つけるために……。


【ダイオリウス@ウルトラ怪獣擬人化計画ギャラクシー☆デイズ】
[状態]:健康、なんだか触角と羽根の調子が悪い
[装備]:ショーテル×2@現実
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1
[思考・状況]基本行動方針:自分のタマゴを産みつけるにふさわしい子を見つける。
1:どこかに、肉付きのいい子がいないかな〜。
2:なんか触覚の調子も悪いし、うまく飛べないしで相手を見つけるのに苦労しそうです〜。
[備考]
制限により触覚の機能及び飛行能力が低下しており、半径20m圏内の電波しかキャッチできません。
また、10分以上の連続飛行ができなくなっています。
更に、彼女の『子供』は制限により成虫とはなりません。

【ショーテル@現実】
 両刃の刀身が大きく湾曲している剣で、主に敵の側面から切っ先を突き刺す目的で使われていた。


212 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/10(月) 20:20:47 Lpb.0NNs0
投下終了です

では、もう一作品投下させていただきます。


213 : 打ち捨てられた者たちの宴 ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/10(月) 20:22:07 Lpb.0NNs0
ここは会場内の海が見える場所……

そこには『怪物』がいた。

額に大きな一本の角、両手に大きなカギ爪を持った怪物だった。

そしてその怪物の身体でひと際目を惹くのは、縦セーターを思わせる衣装からはみ出た大きな乳房だった。

その怪物の名前は港湾棲姫、人類に敵対する「深海棲艦」の中でも『姫』と称される上位個体である。

そんな彼女は、今とても困惑していた。

「ナゼ……ナゼワタシハ、ココニイルノ……?ソシテ……ダレガワタシノソウビヲウバッタノ?」

何故ならば、彼女の身体から一連の装備が失われていたからだ。

「ソウイエバ…カバンノヨウナモノガクバラレテイタ……ナカミヲ、カクニンシヨウ」

そして彼女は、自身の身体から奪われた装備の代わりを探すためにデイバッグの中身を確認することにした。

そこで彼女はデイバッグから二つのチップを見つけた。

それは彼女にとってとても親近感のわくものが感じられた。

一つは、自身の存在を世の中に証明したいという強い感情。

もう一つは、自身を含めた仲間たちを害悪と断じて処分する、人類への怒り。

それは彼女にとって、まるで仲間たちといるような安心感を得られるものだった。

そして彼女はそれを取り込み、鉄くずを盾にする力とエイの形をした機械を発射する力を得た。

「コノチカラガアレバ……ジブンノミヲマモレル……タスケガクルマデココデマッテイヨウ…」

そうして彼女はこの場所で待ち続ける、この戦いが終わるまで生き残るために。

そして自分に近づいた者たちを返り討ちにするために、彼女はこの場所でほかの参加者を待ち続けることにした…。

【港湾棲姫@艦隊これくしょん】
[状態]:健康、自分の装備が没収されたことによる不安(大)
[装備]:ジャンクシールド@ロックマン7、グランドハンター@ロックマンX4
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1
[思考・状況]基本行動方針:積極的に戦うつもりはないが、危害を加えるなら容赦はしない。
1:ナカマタチノタメニ…セイカンスル……。
2:ホカノナカマ…キテナイカ…シンパイ……。
3:コノチカラ……ワタシタチニチカイモノヲカンジル……。
[備考]
制限により耐久力が下がっており、拳銃などの小火器でも十分なダメージを与えられるようになっています。


【ジャンクシールド@ロックマン7】
 ジャンクマンから入手できる特殊武器。
 周囲で回転する鉄くずを発生させ、一定時間後に三方向へ鉄くずを発射する。
 シールドとはいうものの防げる弾は少なく、ある程度敵に当てるか攻撃を防ぎ続けると崩れてしまう。
 どちらかと言うとまとった状態で体当たりして大ダメージを与えるなどに用いられている。


【グランドハンター@ロックマンX4】
 エイ型レプリロイドのジェット・スティングレンから入手できる特殊武器。
 地面を這うように飛んでいくエイ型メカを撃ちだす武器。
 威力は低いが連射が出来るうえ、足下を攻撃して相手を転ばせるなどできる。


214 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/10(月) 20:22:42 Lpb.0NNs0
投下終了です


ありがとうございました。


215 : ◆ytUSxp038U :2020/08/10(月) 23:13:08 MwmzuH2E0
投下します


216 : 灰と夢 :2020/08/10(月) 23:14:45 MwmzuH2E0
会場にある民家の一室。
琢磨逸郎はソファーに腰を下ろし、深々とため息を吐いた。

「はぁー……。何で僕を巻き込むんですか…」

オルフェノクである琢磨ならゲームに乗ると期待して参加させたのかもしれないが、率直に言って迷惑だ。

確かに少し前なら、特に躊躇することもなく優勝を目指しただろう。
だが今はもう違う。

ラッキークローバー最強の北崎を喰い殺した王のおぞましさを、そして人間の心を捨て去り変貌した冴子を目の当たりにし、
彼らと同じ側に居る事に強く恐怖を覚えた今、とてもじゃないがそんな気にはなれない。

「どうせそう遠くない内に死んでしまうんですから、放っておいてくれても良いじゃないですか…」

王が乾巧達によって倒された事でオルフェノクの寿命問題を解決する術は失われたと言っていいだろう。
冴子は諦めていないだろうが、琢磨自身はいずれ訪れる死の運命を受け入れている。

自分は冴子や村上のように生きられる程強くは無い。
ならば弱い自分らしく、人間として静かに余生を過ごすだけ。

そう決めたというのに。

「何でも願いを叶えられる力があるんなら、北崎さんでも蘇生して参加させれば良いでしょうに。あの人なら喜んで優勝を目指すんじゃないですか?」

愚痴を呟きながら、デイパックから支給品を取り出す。
愛読している詩集だ。
懐から消えていた時は焦ったが、支給品として配られたらしい。

「本当に…今更何をしろって言うんだ……」

ページを捲りながら、本日三回目のため息が出た。

【琢磨逸郎@仮面ライダー555】
[状態]:健康
[装備]:詩集@仮面ライダー555
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜2
[思考・状況]:基本行動方針:何をすれば良いのか分からない
1:とりあえず詩集を読む
[備考]
参戦時期はTV最終回後。

【詩集@仮面ライダー555】
アイルランドの詩人、ウィリアム・バトラー・イェイツの詩集。
琢磨は外出時には常に持ち歩き、愛読している。


217 : ◆ytUSxp038U :2020/08/10(月) 23:15:29 MwmzuH2E0
投下終了です


218 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/11(火) 02:18:19 ULtJu3L20
本企画への投下、ありがとうございます。

>偽りの王VS鏡の巨人featクリプトン人
多分一番スケールがでかい(物理)参加者たちだと思いました。
両者の戦闘だけでかなりの数のNPCや参加者がとばっちりで死んでそう。
これぞコンペロワ!って感じがしてすごく良いです。
何気にスーパーマンがロワに登場するの初なのでは無いでしょうか(全員に言える事だと思いますが……)

>二人は被造物
築城院とメテオラ、同作品のキャラでありながら思考も何もかも水と油そのもので一歩間違えば致命的にロワを引っ掻き回しそうですね。特に築城院がヤバイ。
メテオラも後方支援でかなり有能なので、対主催に重宝しそうで面白そうだと思いました。
他企画への応募作品でも大丈夫。コンペロワは書きたいものを書く場所なのです。

>吸血鬼すぐ死ねない
死ぬことに慣れすぎてるドラルクはしょうもない事で残機消費しそうですが、弱くても吸血鬼。一波乱起こしてくれそうです。
異教徒化け物絶対殺すマンのアンデルセン神父は、参加者のみならず怪物NPCが跋扈するこの環境だと過労死しそうですね。

>がんばれ零余子ちゃん
パワハラ会議の上に殺し合いに参加させられる零余子ちゃん可哀想。血鬼術や過去の描写がないということは、逆に無限の可能性があるという事でもあるので、伸び代は有るのかもしれません(あるとは言ってない)

>るりまの刃 チョコレート味
RRMさん完全な狂人にしか見えなくて草。ゴブリンに犯される寸前の島村さん可哀想だけど可愛いからね、しょうがないね。
助けてくれたRRMさんから逃走できたのは幸運なのか不幸なのか……

>ヒトコマユバチ
ダイオリウス、外見は女の子?でも、方針や言動から確かに彼女は怪獣なのだと戦慄させられました。
この時点で彼女が人間と解り合えるルートが欠片も想像できません。きっと怪獣のごとく暴れてくれそうです。

>打ち捨てられた者たちの宴
港湾棲姫は可愛い(真理)。
支給品もアタリの部類、積極的ではないとはいえ、この魔境のようなロワでも十二分に渡り合える予感がします。 噛み合えば対主催ルートにも持っていけそうで面白そうだと思いました。

>灰と夢
参戦時期の都合上、覇気のない琢磨。「どうすれば良いのかわからない」とは……
しかし逆に言えば色々な可能性があるという事なので、面白そうだと思いました。


219 : ◆4kMBNI9QkE :2020/08/11(火) 06:16:39 Hg9BL1uM0
投下させていただきます。


220 : 夜の愛し仔と怪獣娘と時々オバケ ◆4kMBNI9QkE :2020/08/11(火) 06:17:44 Hg9BL1uM0
「・・・」

血生臭い殺し合いが巻き起こりつつあるバトル・ロワイアル会場。
その片隅で、オレンジ色の髪にブレザー姿の寝ぼけ眼の少女がとぼとぼと歩いていた。

「・・・」

歩き続けた先に、寝ぼけ眼の少女は小さな公園にたどり着いた。
ブランコと滑り台とシーソーしか遊具が無く、あとは公衆トイレとベンチしかない本当に小さな公園だった。

「!」

公園に入ってすぐ、寝ぼけ眼の少女はベンチに人が座っているのに気がついた。
赤い髪に左手だけの手袋が印象的な同い年位の少女だ。

「・・・」
「あ、あの・・・」
「!?」

突然寝ぼけ眼の少女に話しかけられ、赤い髪の少女は目を丸くする。

「と、隣、良いかな?」
「ど、どうぞ・・・」

赤い髪の少女から許可を貰うと、寝ぼけ眼の少女は赤い髪の少女の隣に腰を下ろした。
ただし、二人の少女の間には一人分のスペースが開けられていたのだった。

「え、えっと・・・君も参加者、なんだよね?」
「うん・・・でも、人殺しをする気は無いから、安心して」
「あ、うん・・・えっと、ボクは宮下アキ。友達からは『アギラ』とか『アギちゃん』って呼ばれてるよ」
「私はチセ、羽鳥智世。よろしくね」

自己紹介を済ませると、二人の少女は再び口を閉ざした。

「「・・・」」

アキも智世も傍目からは冷静沈着に見えたが・・・

((き、気まずい・・・!))

内心ではもの凄く気まずい思いをしていた。

片や智世は、人ならざる存在を惹き付ける『夜の愛し仔(スレイ・ベガ)』にして、イギリス在住の本物の魔法使いの弟子(兼未来の嫁)。
片やアキは、『カプセル怪獣 アギラ』の魂をその身に宿した怪獣娘。

出自も能力もバラバラだったが、共通して『初対面の相手との能動的なコミュニケーション』という物が余り得意な方ではなかったのだ。
しかも今、二人がいるのは殺し合いの場。
初対面の相手と気軽に仲良くなれるような環境ではない。

「「・・・」」

相手とどんな話をすべきなのか分からず、智世もアキも黙りこんだままベンチに座り込んで数分が過ぎていった・・・。


221 : 夜の愛し仔と怪獣娘と時々オバケ ◆4kMBNI9QkE :2020/08/11(火) 06:18:39 Hg9BL1uM0

「もしもーし」
『?』

不意に背後から声をかけられ、二人はつい振り返った。
そこには・・・

「バアッ!!」
『うわああぁぁ!!』

大人の背丈程の巨大な髑髏が血走った目で二人を睨み付けており、二人は思わず悲鳴を上げたのだった。

「・・・へっへっへっへっへっへっ」

髑髏はまるでイタズラが成功した子供のような笑い声をあげると・・・

「・・・よっと!」

・・・一瞬にして繋ぎの服を着た金髪の少年に変化したのだった。

「驚かしてゴメンな。女の子が二人して思い詰めた顔してたから、和ませようと思ってさ」

金髪の少年は屈託の無い笑顔を浮かべていた。
突然の事態に智世もアキも言葉が出ない。
そこへ智世が少年に声をかけた。

「き、君は・・・?」
「オイラは、オバケの風郎太。よろしくな♪」
「お、オバケ・・・?」
「うん、オバケ」

少年-風郎太は満面の笑みを浮かべながら自身を『オバケ』と称した。

魔法使いの弟子(兼未来の嫁)として、普段から妖精や精霊といった『人ならざる存在』と親しくしている智世であったが、
自ら『オバケ』と名乗る者と会うのは初めての事であった。

「・・・でも足あるし、頭に三角形の布も無いよ?」

一方のアキは風郎太を指差しながら、
いささかトンチンカンな発言をしたのだった。

「いや、それは『オバケ』じゃなくって『幽霊』の特徴だから」

アキの発言に風郎太は真顔でツッコミを入れるが、アキはまたも首を傾げた。

「?『オバケ』も『幽霊』も同じじゃないの?」
「いや、全然違うから!」
「あ、あのね宮下さん・・・」
「『アギラ』でいいってば」

その後、アキに向けて風郎太と智世による解説が数十分程行われたのだった。



【羽鳥智世@魔法使いの嫁】
[状態]健康、少し気持ちがほぐれた
[装備]無し
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考]
基本:人殺しはしたくない
1:宮下さんとどう話せば・・・
2:オバケ・・・?
[備考]
原作『学院編』開始直前からの参戦です

【宮下アキ(アギラ)@怪獣娘〜ウルトラ怪獣擬人化計画〜】
[状態]健康、少し気持ちがほぐれた
[装備]無し
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考]
基本:人殺しはしたくない
1:『オバケ』も『幽霊』も同じじゃないの?
[備考]
アニメ第二期からの参戦です

【風郎太@コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜】
[状態]健康
[装備]無し
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考]
基本:人殺しはしない
1:オバケと幽霊は違うっつーの!
[備考]
第一期終盤(神化43年)から第二期序盤(神化46年)の間からの参戦です


222 : ◆4kMBNI9QkE :2020/08/11(火) 06:20:30 Hg9BL1uM0
投下終了します。


223 : ◆4kMBNI9QkE :2020/08/11(火) 09:31:52 Hg9BL1uM0
再び投下します


224 : 鬼畜戦士は微熱の魔法使いと朝チュンを迎える ◆4kMBNI9QkE :2020/08/11(火) 09:32:51 Hg9BL1uM0
「もぅ!何なのよこれは!?」

赤毛と褐色肌、グラマラスボディが印象的なエキゾチックな美少女・・・トリステイン魔法学院の生徒である『微熱のキュルケ』ことキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーは憤慨していた。

この殺し合いを開いた主催者に怒りを抱いたのだ。

彼女は貴族の例に漏れず、プライドが高い少女である。
爆弾入りの首輪を付けられて『殺し合え』などと言われて、
『はいそうですか』と大人しく従うような性格はしていない。

むしろ、このような蛮行を行う主催者に対して、
マグマのように熱い怒りを燃やしていたのだ。

確かに、魔法を使う為の媒介である杖を取り上げられた今の自分は無力かもしれない。

だが、だからといって理由も無く他人を殺し、自分だけ生き残ろうなどと考える程、キュルケは短絡的な女ではなかった。

ひとまずは信頼できる仲間を探し、ここから脱出しよう。
行動方針を決めると、キュルケは自分の支給品の確認を始めた。

☆☆☆

同じ頃・・・

「くそー!!アイツめー!!」

鎧を纏った冒険者の青年・・・『鬼畜戦士』として名高いランスも、主催者への怒りを燃やしていた。
と言っても、彼の場合は少々毛色が違っていた。

「何でわざわざ俺様のお楽しみを邪魔するんだー!?」

彼はここに来る直前、欲求不満が貯まってきたので奴隷のシィルで発散しようとしていた。
そしてシィルをベッドへ押し倒そうとした瞬間・・・この殺し合いに参加させられた、という訳である。

「くそぉ〜。どうせ呼ぶなら、俺様がスッキリしてからにしろというのだ!」

彼は殺し合いに忌避感などはない。
基本的に美女に目がなく、自分以外の男は不要と思うような鬼畜戦士なのだ。
今、彼の頭の中にあるのはただ一つ。
『おあずけ』を食らって暴発寸前な胯間の『ハイパー兵器』をどうやって静めるか、という事であった。

「どこかに美女はいないかぁ〜?この際、多少貧乳でも良いぞ〜?」

最低な事を考えながら、最低な事を口走るランス。
宛もなくさ迷っていると・・・

「・・・うん?」
「・・・あら?」

支給品の確認を行っていたキュルケと鉢合わせした。

「ウオオオオオ!美女、発見!!」
「えっ?ち、ちょっと?何?」
「もう辛抱たまらん!!ウオオオオオ!!」
「キャアアアッ!!」

そのままランスはキュルケを押し倒してしまった。

☆☆☆

東の空に太陽が上り、チュンチュンという小鳥達の鳴き声が聞こえ始めた頃-

ランスとキュルケの二人は一糸纏わぬ姿で原っぱに寝そべっていた。

「zzz〜」

欲求不満が解消されたランスは憑き物が落ちたような穏やかな表情を浮かべながら大いびきで眠っており、

「・・・///」

キュルケは強姦まがい・・・というか、強姦されたというのに、
顔を赤らめて、満更でもなさそうな表情を浮かべながら、
愛おしげにランスに抱きついていたのだった。


【ランス@Ranceシリーズ】
[状態]:健康、全裸、超スッキリ、睡眠中
[装備]:無し(全裸)
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考]
基本:美女は助ける、男はほっとく
1:zzz〜・・・
[備考]
参戦時期は『戦国ランス』期です。
周りに二人の衣服と支給品と体液が散らばっています。

【キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー@ゼロの使い魔】
[状態]:健康、全裸、脱力感
[装備]:無し(全裸)
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考]
基本:会場からの脱出
1:・・・///
[備考]
参戦時期はアニメ第一期頃。
周りに二人の衣服と支給品と体液が散らばっています。


225 : ◆4kMBNI9QkE :2020/08/11(火) 09:36:48 Hg9BL1uM0
投下終了します。

流石に本番シーンを書く度胸はなかった・・・すいません(何が?)
ちなみになぜに『ゼロ魔のキュルケ』なのかと言うと・・・
たんに普段から『股間の分身』がお世話になっているというだけです。


226 : ◆5qNTbURcuU :2020/08/11(火) 11:31:46 QMPGweF60
投下します


227 : 相棒/二人だけの正義 ◆5qNTbURcuU :2020/08/11(火) 11:35:21 QMPGweF60

鬱蒼と木々が生い茂る森林地帯。その中に佇む一つの人影。
トレードマークであるツインテールに薄茶色の制服、そして風紀委員の腕章。
学園都市のレベル4、風紀委員・白井黒子は殺し合いという異常な状況下でも冷静さを失うことなくそこに立っていた。

(やはりテレポートによる首輪の干渉は対策されていますか……)

鈍く光沢を放つ首輪をなぞり渋い顔を浮かべる。
想定の範囲内の事ではあったが、能力による首輪への干渉は封じられているらしい。
AIM拡散力場に何らかのジャミングを受けているのか、自分の知らない未知の技術なのか。
首輪をテレポートさせて外す、という選択肢が現時点では取れない事だけは確かだ。

(となれば、物理的に首輪を外すか、或いは爆破の信号を出す本営をハッキングするしかないですわね)

とは言え、その二つの選択肢は自分には得手ではない。
在籍しているだけで世界有数の才女の証である常盤台生として一定以上の工学知識はあるが、流石に爆発物の解除・解体までは行ったことはなかった。
ハッキングも風紀委員の同僚である初春飾利が主に担当しているのでそちらも難しい。
敬愛する御坂美琴の様に高レベルの電撃使いならともかく自分の知識で崩せるほど主催のセキュリティが脆弱であるとは思えなかった。
つまり、現在の白井黒子にはこの殺し合いを破綻させ得るだけのカードを有していない。

「となれば、他の参加者を保護し、そこから打開の道を探るしかありませんわね」

道程の困難さが明らかになっても彼女の方針は揺らがない。
他の参加者を保護し、殺し合いに乗った者は制圧し、最終的な脱出の道を探る。
それこそが、この殺し合いでの鉄の規範。それ以外の選択肢は存在しない。
己自身にそう定めた時、聞き覚えのある声が彼女の耳に響いた。

「保護、か…君はこの殺し合いでも変わらないんだね」

木の陰から少年が姿を現す。
上背のない黒子よりも一回りも小さい身体。あどけない顔立ち。
それなのに酷く大人びた、無感情そうな顔と声。

「貴方は…美山!?」
「うん、お互い災難だね、黒子」

間違いなく、少し前に黒子が助けた予知能力者の小学四年生、美山写影だった。

「貴方もこの悪趣味な催しに参加させされていたのですか?」
「…あぁ、どうしようと思ってたんだけど、黒子に最初にあえてよかったよ」
「その落ち着きよう…相変わらず子供らしくないお子様ですわねぇ」
「そうでもないよ。僕も結構動転してるんだ
……こうして見た目冷静でいられるのは、黒子に会えたお陰かもね」
「本当にそう思っているなら、もうちょっと感情をこめて言いなさいな」

出会ったときと変わらない無表情無感情さの少年を見て、黒子は苦笑する。
彼女は知っていた。一見達観した彼が強い他者への思いやりと正義の心を持っていることを。
紛れもなく、自分が守るべき存在だ。
心中で使命感を募らせる。そんな黒子を、写影は彼にしては珍しく様々な感情が入り混じった瞳で見つめた。

「…どうしたんですの?」
「その、黒子は此処でも前に行ってた正義を貫くつもりかい?」

尋ねる写影の瞳は、「動揺している」と言っていた時よりも揺れて見えた。
そして、写影は「その道はきっと茨の道になるよ」と続けた。
縋るような、詰問するようなその言葉。しかし黒子は微笑みを浮かべて受け止める。

「あら、貴方には私が問題が難しければ投げ出して、簡単なら挑戦する女に見えるんですの?」


228 : 相棒/二人だけの正義 ◆5qNTbURcuU :2020/08/11(火) 11:37:45 QMPGweF60

「……そうだな、それが君だ。ゴメンよ、黒子
つまらない事を聞いたお詫びと言っては何だけど…僕も、君に協力しようと思う」

そう言って、写影に支給されたと思しきデイパックからカメラとスマートフォン、そしてペンライトが取り出される。
彼の予知能力を十全に発揮するために…脳のリミッターを解除して能力を行使するのに必要な道具だった。
しかし、黒子は彼がそれらのアイテムを使って能力を行使し続けた結果、どの様な結末を迎えそうになったかを知っている。

「リミッターを外した能力の行使は禁止したはずですの」
「うん、僕も誰彼構わず能力を使うつもりはないよ。
それに、君も僕の能力の有用性は知ってるだろう?」
「…………」

他人の不幸な未来を念写することができる写影の予知能力。
三次元では不可避の未来も、11次元に干渉可能な能力である黒子の空間転移。
過去に二人は各々の能力を組み合わせ、多くの人間を数日という短い期間で救っている。
非常に強力な組み合わせというの熟知している。だが写影の身体への負担が大きすぎる事がデメリットとして横たわっていて。
黒子はその事を考え、少しの間黙考した後、一つの条件を出しながらも了承する。

「……いいでしょう。私が指示した時のみ、能力の行使を許可します。
ですが、それ以外の時は能力の使用は厳禁ですの」
「うん、その条件でいいよ。僕も使い過ぎであの時みたいに倒れたくはないしね。
お互い生き残れるよう、またよろしく頼むよ」
「えぇ、勿論ですの。では早速、他の参加者と拠点探しに参りましょうか」

力強く握手を交わす二人。
周囲の状況から察するに、此処は学園都市ではなく風紀委員やアンチスキルの介入は望めない。
つまり、自力での脱出しかない。それも、首輪で命を握られた状態から。
それでも、彼女のやるべき事は変わらない。
弱者は保護を。殺し合いに乗った悪漢には熱いお灸と、更生を。
過酷な道行にはなるだろう。しかし、一人ではない。
自分の正義を理解してくれている小さくも頼もしい味方が、少なくとも一人はいるのだ。
その事実は、少女に力を与える。

(お姉様…待っていてください。黒子は、必ず貴方のお傍へ戻りますの)

敬愛する電撃使いの少女に誓いながら、少女は少年を連れて動き出す。
学園都市を遠く離れた地で、二人だけの正義(ワガママ)が始まろうとしていた。


【白井黒子@とある科学の超電磁砲】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3(未確認)
[思考・状況]:基本行動方針:殺し合いを止める。
1:美山や無力な参加者の保護。殺し合いに乗った参加者の制圧。

※美山写影と出会った後、ペロ救出後より参戦です。


229 : 相棒/二人だけの正義 ◆5qNTbURcuU :2020/08/11(火) 11:38:55 QMPGweF60

(黒子、やっぱり君は…君の正義は変わらないんだね)

黒子の後ろを歩きながら、写影は服の内ポケットに隠した一枚の写真を握りしめる。
この会場に呼ばれて直ぐに、彼が念写したものだ。

(僕と君は似ている。君は以前そう言ったけど…僕はやっぱり君みたいにはなれないよ)

努めて、平静を保ちながら、もう一度、内ポケットの写真に視線を移す。
そこには―――身体に血の花を咲かせ、虚ろな目で横たわる、未来の白井黒子の姿があった。

(黒子、君の事は…僕が必ず生きて学園都市に返して見せる)

黒子は、この場でも多くの人を救おうとするのだろう。
だって白井黒子という少女は、殺し合いの場でも変わらぬ正義の味方(ヒーロー)だから。
けれど、殺し合いという異常な状況でその正義を貫こうとすれば危険度は確実に跳ね上がる。
弱肉強食の世界で弱者を守るという事は、全ての危険の矢面に立つという事だ。

安全な拠点に着いたらこの写真を見せて、まず自分の安全を確保できるような行動を提案するつもりである。
しかし、黒子はそれでもなお、人を救うために動くだろう。彼女の正義はそういうものだ。
けれど、それで彼女自身が死んでしまうのなら……

(―――僕の力は友達の君のために使いたい。君に生きていてほしい
うん、やっぱり僕の正義って、そういうものなんだと思う)

未来の不幸を読み取る能力と、空間転移があれば、きっと多くの人を救える。
それでも彼は、自分の友達のためだけに、支給品で新たに得た能力も含めて全てを白井黒子という少女のためだけに行使すると決めた。
救えたはずの犠牲に目を瞑って。
幼稚なワガママであるとは、分かっているけれど。
それでも、きっと。
そのワガママと呼ばれるものが、この場における、彼にとっての正義だった。

【美山写影@とある科学の超電磁砲】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、インスタントカメラとスマートフォン@とある科学の超電磁砲
イエロー・テンパランスのスタンドDISC@ジョジョの奇妙な冒険
[思考・状況]:基本行動方針:黒子を守る。
1:黒子を守る。自分の持つ能力の全ては、友達の彼女のために使う。

【インスタントカメラとスマートフォン@とある科学の超電磁砲】
写影の能力を使用する際に必要な道具。インスタントカメラに未来を念写し、
それをスマートフォンの念写アプリに通すことで未来を見る事ができる。
本編の描写から見れる未来は不幸な未来に限定されていると推察できる。

【イエロー・テンパランスのスタンドDISC】
相手に同化し、肉を取り込む不定形のスライムのようなスタンド。
直接触ると触れた部位に食いつき吸収しはじめる「攻撃する防御壁」としての性質を持ち、全身に纏う事で他人そっくりに変装することも出来る


230 : ◆5qNTbURcuU :2020/08/11(火) 11:39:14 QMPGweF60
投下終了です


231 : 名無しさん :2020/08/11(火) 12:41:41 XOmBChxI0
>>225
くっさ


232 : ◆ytUSxp038U :2020/08/11(火) 12:51:31 SRPoV78g0
投下します


233 : バトロワっすか!クマ吉くん :2020/08/11(火) 12:54:36 SRPoV78g0
「どうしてあんな酷い事を…」

森林エリアにて白い神官衣を纏った少女、女神官は震える声を漏らした。

彼女とて冒険者だ。
依頼に失敗して命を落とす者が常にいることは知っている。

けれど“これ”は違う。

大勢を集め殺し合いを要求し、見せしめと称して命を奪う。
同じ人間のやる事とは思いたくない程の悪行。

主催者のおぞましい悪意に、ゴブリンに殺されかけた時とは違った恐怖を女神官は抱いた。

「っ!駄目、しっかりないと!」

パチンと両頬を叩き、自身を鼓舞する。

今の自分に何が出来るかは分からない。
信頼し合うパーティーは傍に居らず一人だけ。

それでも地母神に仕える神官として、この地で起こるであろう惨劇を見過ごす事は出来なかった。

(地母神様。どうかあの方の魂に安らぎを…)

女神官はその場に膝を付き、見せしめにされた者の為に祈る。
名前も知らない相手だが、理不尽に殺されたあの者に少しでも救いがあればと思わずにはいられなかった。

やがて祈りを終え立ち上がろうとした時、背後から声が聞こえた。

反射的に振り向くと、木々に隠れて姿は見えないが、ハァハァという荒い息遣いが耳に入って来る。

(まさか、負傷した人が…!?)

デイパックから取り出した杖を構えて、慎重に声のする方へ近づいていく。
そこには地面に横たわる人影が見えた。

「大丈夫です……か…………?」

慌てて駆け寄る女神官だったが、横たわる者の姿がハッキリと見えた瞬間、急速に心配する声が小さくなった。

「ハァハァ……ニャン美…!ウォォォォォ!!ニャン美ー!!…ハッ!?」

そこには熊が居た。
何故か人語を喋り、寝そべりながら女性物の下着を一心不乱に嗅いでいる。

「……」
「……」

熊は女神官のゴミを見るような目が自分に向けられているのに気づき、慌てたように口を開いた。

「誤解だよ!このパンツが良い香りだったから嗅いでいただけで、いやらしい目的なんかじゃないよ!」

【女神官@ゴブリンスレイヤー】
[状態]:健康
[装備]:カメックの杖@スーパーマリオシリーズ
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜2
[思考・状況]:殺し合いには乗らない
1:ゴブリンスレイヤーさん達もここに居るのでしょうか…?
2:目の前の熊が気持ち悪い
[備考]
参戦時期は原作2巻以降のどこか

【クマ吉@ギャグマンガ日和】
[状態]:健康
[装備]:ニャン美ちゃんのパンツ@ギャグマンガ日和
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜2
[思考・状況]:基本行動方針:???
1:とにかく誤解を解く
[備考]
参戦時期はギャグマンガ日和GBでアニマル小学校に転校した後

【カメックの杖@スーパーマリオシリーズ】
シリーズお馴染みの敵キャラ、カメックが持っている杖。
振ると魔法が使える。

【ニャン美ちゃんのパンツ@ギャグマンガ日和】
クマ吉のセクハラ被害にしょっちゅう遭っている少女、ニャン美ちゃんが履いているパンツ。
名前も書いてある。


234 : ◆ytUSxp038U :2020/08/11(火) 12:55:31 SRPoV78g0
もう一つ投下します


235 : 復活へのプレリュード :2020/08/11(火) 12:59:42 SRPoV78g0
市街地に存在する小ぢんまりとした雑貨店。
その店の奥で長身の男がデイパックの中身を漁っていた。

「おっ、あったあった」

取り出したのは二つの物体。
奇妙な形の拳銃と、コブラの装飾がされたボトルのようなものだ。

男は満足気にそれらを眺めていたが、直ぐに口を尖らせ不満も露わな顔になる。

「どうせならエボルドライバーも渡してくれよなぁ〜。気の利かない奴だぜ」

戦闘手段は確保できた。
だが男の本来の力には遠く及ばない。

「ま、折角生き返らせてくれたんだ。会えたら礼くらいは言ってやるよ」

男は死んだはずだった。

かつて自分が利用してきた偽りのヒーロー、桐生戦兎。
彼との最後の戦いに敗れ、新世界創造の為のエネルギーとなり消滅した。

実際、己の肉体が消え失せる感覚は今でも覚えている。
あの最期は夢などではなく、自分は本当に一度消滅したのだろうと男は確信していた。

「『何でも願いを叶える』か…。デカく出るだけの力は持ってるみたいだな」

優勝すれば力を取り戻した上で新世界へ行く事も不可能ではないのかもしれない。
だが主催者が素直に願いを叶えてくれる、という確実な保証はどこにもない。
気まぐれ一つであっさり反故にされる可能性も十分ある。

(何とか出し抜く方法も考えねえとな…)

最低でも首輪の解除は必須だ。
それにエボルドライバーとトリガー、パンドラボックスも取り戻しておきたい。
戦兎との戦いで破壊されたのか、それとも他の参加者の元に支給品として渡っているのかはまだ分からないが、
後者ならば会場のどこかにあるはず。

「それはそれとして、このゲーム自体は楽しませてもらうけどな」

男は手早く荷物を纏めると、軽薄な笑みを浮かべながら雑貨店を後にする。

こうして彼、『地球外生命体エボルト』のバトルロワイアルが始まった。

【エボルト@仮面ライダービルド】
[状態]:健康、石動惣一に擬態中
[装備]:トランスチームガン@仮面ライダービルド、コブラロストフルボトル@仮面ライダービルド
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜1
[思考・状況]:基本行動方針:ゲームを楽しみつつ、主催者を出し抜く方法を考える
1:首輪を解除する方法、又はそれが可能な技術者を探す
2:あるのならばエボルドライバー、エボルトリガー、パンドラボックスを取り戻しておく
3:もしも1が不可能ならば優勝狙いに切り替えるか…?
[備考]
参戦時期はTV最終回で消滅した直後。
制限により参加者への憑依、フルボトルの生成は不可能になっています。

【トランスチームガン@仮面ライダービルド】
葛城巧が開発した拳銃型の変身ツール。
ロストフルボトルをセットする事でトランスチームシステムの怪人に変身できる。
武器としても使用可能で、エネルギー弾を発射する他、煙幕を張って撤退する、特殊なガスを散布し人間をスマッシュにする等の機能がある。

【コブラロストフルボトル@仮面ライダービルド】
トランスチームシステムの変身に使用する人口のフルボトル。
これをトランスチームガンにセットし、ブラッドスタークに変身する。


236 : ◆ytUSxp038U :2020/08/11(火) 13:00:18 SRPoV78g0
投下終了です


237 : ◇vz5mdokweg :2020/08/11(火) 14:12:47 caIKynUY0
初心者なので下手かもしれませんが投下します


238 : ◇vz5mdokweg :2020/08/11(火) 14:14:23 caIKynUY0
「...くっそ...なんで殺し合いなんかしなくちゃならねぇんだ...」

俺、野原ひろしは困惑していた。目が覚めると変な場所に居て主催と名乗るやつが殺し合いをしろと言ってきた

「一体どうすればいいんだ...」

殺し合いなんてもちろんできるわけがない、しかし殺し合いをしなければ自動的に首輪が爆発してしまう...どうすれば...

「考えてもしょうがねぇ、何か別の方法を探してみよう...それにひょっとしたら俺の家族も巻き込まれてるかもしれねぇ、いざとなればこのミライマンの力を借りれば何とかなるはずだ...」

俺がここにいるということはひょっとしたらみさえやしんのすけ、ひまわりやシロもここに居るかもしれない、そして探しに行こうとしたその時だった

「よっ!おめぇひょっとしてオラと同じ参加者か?」

『オラ』と聞こえて一瞬しんのすけかと思ったが声や喋り方が明らかに違うことからしんのすけじゃないことは分かった、振り返って見るとそこには俺と同じぐらいの身長でガタイが良く山吹色の道着を着ていた。

「あ、あぁ...俺も参加者だ...」
「そっか〜、でも良かったぞ!おめぇ殺し合いにはのってねぇみてぇだからな」

男は陽気に俺に話しかけてきた、まるでしんのすけみたいな性格だな...どうやらこの男も殺し合いにはのってないみたいだ

「あ、俺は野原ひろしです」
「おう、オラは孫悟空だ!よろしくなひろし!」

俺達はお互いに自己紹介した、自己紹介が終わったとたんに悟空さんが真面目な表情になって何かに集中している感じだった

「...何してるんですか?」
「スーパーサイヤ人ブルーになれっかなと思ってな...はぁーーー!!」

悟空がいきなり大声をあげたと同時に物凄い風がきて俺は飛ばされそうになりながらも必死に物にしがみついて耐えた。
そして風がおさまってから悟空さんを見ると先ほどの黒髪じゃなくて金髪になってオーラみたいなのも出ていた

「え...な、何が起こったんだ...?」
「...やっぱりスーパーサイヤ人までしかなれねぇな...力を制限されているのか...」

この人...人間じゃねぇ...俺は真っ先にそれが言葉にでた

【野原ひろし@クレヨンしんちゃん】
[状態]:健康、驚き
[装備]:シリマルダシ(ミライマン):クレヨンしんちゃん伝説を呼ぶブリブリ3分ポッキリ大進撃
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]:基本行動方針:家族がいるかもしれないから家族を探す
1:殺し合いはやりたくねぇ
2:悟空さん...人間じゃないな...
[備考]
参戦時期は伝説を呼ぶブリブリ3分ポッキリ大進撃から、ちなみにシリマルダシ(ミライマン)の変身回数は3回までとなっている

【孫悟空@ドラゴンボール超】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]:基本行動方針:この殺し合いを止める
1:スーパーサイヤ人までしかなれねぇか...
2:ひろしのやつなんであんなに驚いてんだ?
[備考]
参戦時期は力の大会終了からしばらく経った時期、あまりに強すぎるためスーパーサイヤ人までしか変身できないよう力を制限されている


239 : ◇vz5mdokweg :2020/08/11(火) 14:16:26 caIKynUY0
>>238
タイトルは「二人の勇敢な父親」です


240 : ◇vz5mdokweg :2020/08/11(火) 15:42:43 caIKynUY0
シリマルダシ(ミライマン)の説明書き忘れたので書きます

【シリマルダシ(ミライマン)@クレヨンしんちゃん伝説を呼ぶブリブリ3分ポッキリ大進撃】
3分後の未来からやってきた時空調整員、本来は光の玉みたいな見た目をしているがシリマルダシに憑依している。シリマルダシ(ミライマン)を持って「変身!」と唱えると自分が思い浮かんだ姿に変身できる。
野原ひろしに支給。変身回数は3回


241 : ◆4kMBNI9QkE :2020/08/11(火) 16:36:04 OT.PpLaU0
投下させていただきます。


242 : 乙女の危機!変態魔剣カオス! ◆4kMBNI9QkE :2020/08/11(火) 16:37:17 Hg9BL1uM0
「うわぁ〜!スッゴく綺麗!」

和服姿の少女・・・新生・帝国華撃団花組の隊員である天宮さくらは、
目の前に広がる大海原を眺めて思わずそんな感想を口にした。
とはいえ、ここは観光地でも海水浴場でもなく、殺し合いの場。
景色に見とれている場合ではない。
ボヤボヤしてると後ろからバッサリなのだ。

「誠十郎さん・・・は、いないか」

周囲にはさくらが思いを寄せる隊長や信頼する花組の仲間達の姿は無い。
参加させられたのはさくらだけなのか?
それとも会場のどこかにいるのか?
今の段階では見当もつかなかった。

ここは自分で何とかするしかない。
そう思ってさくらは支給品を確認した。

「・・・これは」

デイバッグから出てきたのは、黒を基調にグロテスクな装飾が施されたゴツい西洋式の大剣だった。

「西洋の剣か・・・できれば日本刀の方が良かったかな?」

多少の文句を言いつつも、さくらはその剣を手にして型通りに降ってみた。
愛刀である天宮國定に比べて少々重かったが、振るえない程ではない。
当面はこれで我慢するしかなさそうだった。

支給品の確認を終えると、さくらはいつもは天宮國定を下げている左脇に大剣を下げ、デイバッグを担いだ。

「よし!」

準備を終え、さくらが歩きだそうとした・・・その時だった。

「・・・きゃあっ!」

突然、尻を撫でられるような感覚がさくらを襲ったのだ。

「だ、誰かいるんですか!?」

慌て周囲を見渡すさくらだったが、先程確認した通り、周囲にさくら以外の人影は一つも無かった。

「・・・?」

気のせいだったのかな?
そう思ってさくらは再び歩きだした・・・が、

「キャアアア!!」

今度は胸を触られる・・・どころか、両乳房をグワシっ!と鷲掴みにされるような感覚に襲われ、さくらは胸を押さえて屈み込んだのだった。

「だ、誰!?誰なんですか!?」

さくらはまた周囲を見渡したが、やはり人影らしき物は全く見えなかった。

「???」

何が何だか分からず、さくらは少し泣きそうになりながらも、とぼとぼと歩きだしたのだった。

(ぐふふふふ・・・)

さくらの左腰で、ぶら下がる剣がほくそ笑んだ。
よく見れば、その剣の鯉口には顔のような物が見てとれるだろう。

(やーっと、やぁーっと、ピチピチギャル(死語)の使い手じゃ。いやぁ〜長かったのぉ〜)

この剣の名は『魔剣カオス』。
ルドラサウムというクジラみたいな超越存在が産み出したとある大陸において、
『最強』を誇る『魔人』と呼ばれる存在を傷つけられる意思を持つ伝説の剣の一振りである。
ただし、その中身はとんでもないスケベ親父。
長い剣としての一生で、
男ばかりに使われてきた鬱憤を、
この場で晴らす気満々であった。

(むふ〜。えぇの〜えぇの〜。ピッチピチのムチムチじゃわい。ではもう一回・・・)

カオスの刀身から目に見えない触手が伸びていく。
その先端はワキワキと卑猥な動きをして、さくらの柔らかな太ももを撫でようと・・・した所で空を切った。

(あれ・・・?)


243 : 乙女の危機!変態魔剣カオス! ◆4kMBNI9QkE :2020/08/11(火) 16:38:33 OT.PpLaU0

もう一度触手を伸ばしてみるも、やはりさくらの太ももにはたどり着かない。
というか、左腰にぶら下がっていたはずなのに、
何だか目線が高くなっていた。

(えぇっと・・・)

そこでカオスは自身の頭の上、すなわち柄の部分を掴まれている事に気がついた。
そして前を見ると・・・さくらの顔があった。

「へぇ〜・・・貴方の仕業だったんですか」

口調こそ穏やかだったが、さくらはまるで汚い物を見るような、軽蔑するような視線をカオスに向けており、
眉毛の端はピクピクと痙攣して、額にはうっすら青筋が浮かんでいたのだった。

「いや・・・あの・・・」
「あっ、喋れるんですか?喋る剣なんて初めて見ましたけど、あれだけやったんだから覚悟はできてますよねぇ〜?」

それだけ言うと、さくらはカオスの柄から手を離した。
カオスの刀身は重力に従って地面に落ち、
カキーンという金属音を響かせた。

「な、何を!?」

さくらはカオスの言葉に耳を貸すこと無く・・・
カオスの刀身を踏みつけし始めた。

「ちょっ!ちょっと待て嬢ちゃん!止めるんじゃ!」

カオスが止めるように懇願しても、さくらはカオスを何度も踏みつける。
何度も、何度も。
何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も・・・。

「ちょっ!本当、待ってくれ!!ワシが悪かった!ワシが悪かったから!!」

カオスが謝罪の言葉を口にしても、さくらの踏みつけは止まらないどころか段々威力が上がっていくようだった。
その姿はまるで、怒り狂う鬼神のようであった。

さくらがカオスを足蹴にし始めて10分程経った時である。

「ちょ、ちょっと貴女!何してるの!」

別の参加者がそこに通りがかり、カオスを踏みつけにし続けるさくらを見て唖然となった。
赤いビスチェと剣闘士の鎧を組み合わせたようなコスチュームを着た、さくらよりも年上の女性だ。
コスチューム姿の女性はさくらを羽交い締めにし、カオスに対する折檻を止めさせたのだった。

「ちょっと!何があったか知らないけど、落ち着きなさい!」
「離して!離して下さい!女の敵に誅伐を!」
「おぉ!お姉ちゃん頼む!助けてくれ!!この嬢ちゃん、話聞いてくれんのじゃ!」

喋る剣に折檻を行う和装の少女、そしてその和装の少女を羽交い締めにする鎧姿の女性・・・なんともカオスな光景であった。


244 : 乙女の危機!変態魔剣カオス! ◆4kMBNI9QkE :2020/08/11(火) 16:40:08 OT.PpLaU0

☆☆☆

それから15分後・・・

「ふぅ〜ん・・・なるほど。話は分かったわ」

ようやく落ち着いたさくらとカオス双方から話を聞いたコスチューム姿の女性・・・ダイアナと名乗った・・・はさくらと共に腕組みをして、地面に横たわるカオスに向けて軽蔑するような視線を送っていた。

「・・・私も意思を持つ剣なんて初めて見たけど・・・ここまでスケベな剣があったとは驚きだわ」
「全くですよ!」
「なんじゃいなんじゃい!ワシばっかり悪者扱いしおって!」

女性2名から蔑まれ、カオスは不機嫌そうにカタカタと刀身を振るわせた。

「ワシは魔人も切れる伝説の魔剣じゃぞ!良いではないか!ちょっと胸や尻、お触りするくらい!減るもんじゃなし・・・」
「・・・こいつ、叩き折りましょうか?」
「手緩いです!ドロドロに溶かしちゃいましょう!!」
「・・・すいません。調子乗りました。命だけはご勘弁を」

その後、カオスは『今後決してセクハラ行為を行わない』という条件を泣く泣く受け入れ、何とか助命されたのだった。

「良いですか!?今度またあんな事したら、重り付けて海に沈めますからね!?」
「は、はい・・・」

さくらの左腰にぶら下がりながら、カオスは情けない返事をしたのだった。
その様子を眺めながら、ダイアナは肩を竦めたのだった。
まる

【天宮さくら@新サクラ大戦】
[状態]:健康、不機嫌
[装備]:魔剣カオス@Ranceシリーズ
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]
基本:会場からの脱出
1:この剣サイテー!!
2:花組の仲間がいるなら合流する
[備考]
アニメ版からの参戦

【ダイアナ(ワンダーウーマン)@DCエクステンデッド・ユニバース】
[状態]:健康、呆れ
[装備]:ワンダーウーマンのコスチューム@DCエクステンデッド・ユニバース
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本:人を助ける
1:こんなエッチな剣があるとは・・・
[備考]
『ジャスティスリーグ』後からの参戦

【魔剣カオス@Ranceシリーズ】
老舗アダルトゲームメーカー『アリスソフト』製作の人気作『Ranceシリーズ』に登場する伝説の魔剣。
主に主人公であるランスが所持・使用し、ランスの事を『心の友』と呼ぶ。
作中世界において『無敵結界』を持つ『魔人』を切る事ができる意思を持つ剣だが、その中身はとんでもなく下品なスケベ親父。
本来は適合しない者が使用すると最終的に自我崩壊を起こすのだが、このロワにおいて誰でも使用できるように調整されている。
かつては『シーフ・カオス』という人間だったのだが、『魔人や魔王を倒せる力』を願った結果、現在の姿となった。
その他詳細はwikiを参照のこと。


245 : 乙女の危機!変態魔剣カオス! ◆4kMBNI9QkE :2020/08/11(火) 16:40:39 Hg9BL1uM0

☆☆☆

それから15分後・・・

「ふぅ〜ん・・・なるほど。話は分かったわ」

ようやく落ち着いたさくらとカオス双方から話を聞いたコスチューム姿の女性・・・ダイアナと名乗った・・・はさくらと共に腕組みをして、地面に横たわるカオスに向けて軽蔑するような視線を送っていた。

「・・・私も意思を持つ剣なんて初めて見たけど・・・ここまでスケベな剣があったとは驚きだわ」
「全くですよ!」
「なんじゃいなんじゃい!ワシばっかり悪者扱いしおって!」

女性2名から蔑まれ、カオスは不機嫌そうにカタカタと刀身を振るわせた。

「ワシは魔人も切れる伝説の魔剣じゃぞ!良いではないか!ちょっと胸や尻、お触りするくらい!減るもんじゃなし・・・」
「・・・こいつ、叩き折りましょうか?」
「手緩いです!ドロドロに溶かしちゃいましょう!!」
「・・・すいません。調子乗りました。命だけはご勘弁を」

その後、カオスは『今後決してセクハラ行為を行わない』という条件を泣く泣く受け入れ、何とか助命されたのだった。

「良いですか!?今度またあんな事したら、重り付けて海に沈めますからね!?」
「は、はい・・・」

さくらの左腰にぶら下がりながら、カオスは情けない返事をしたのだった。
その様子を眺めながら、ダイアナは肩を竦めたのだった。
まる

【天宮さくら@新サクラ大戦】
[状態]:健康、不機嫌
[装備]:魔剣カオス@Ranceシリーズ
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]
基本:会場からの脱出
1:この剣サイテー!!
2:花組の仲間がいるなら合流する
[備考]
アニメ版からの参戦

【ダイアナ(ワンダーウーマン)@DCエクステンデッド・ユニバース】
[状態]:健康、呆れ
[装備]:ワンダーウーマンのコスチューム@DCエクステンデッド・ユニバース
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本:人を助ける
1:こんなエッチな剣があるとは・・・
[備考]
『ジャスティスリーグ』後からの参戦

【魔剣カオス@Ranceシリーズ】
老舗アダルトゲームメーカー『アリスソフト』製作の人気作『Ranceシリーズ』に登場する伝説の魔剣。
主に主人公であるランスが所持・使用し、ランスの事を『心の友』と呼ぶ。
作中世界において『無敵結界』を持つ『魔人』を切る事ができる意思を持つ剣だが、その中身はとんでもなく下品なスケベ親父。
本来は適合しない者が使用すると最終的に自我崩壊を起こすのだが、このロワにおいて誰でも使用できるように調整されている。
かつては『シーフ・カオス』という人間だったのだが、『魔人や魔王を倒せる力』を願った結果、現在の姿となった。
その他詳細はwikiを参照のこと。


246 : ◆4kMBNI9QkE :2020/08/11(火) 16:43:33 OT.PpLaU0
投下終了します。

ちょっと手違いで二重投下してしまいました。
すいません。


247 : ◆ytUSxp038U :2020/08/11(火) 16:47:00 SRPoV78g0
投下します


248 : 小さな星の、ちっぽけな命の話 ◆ytUSxp038U :2020/08/11(火) 16:48:57 SRPoV78g0
「さぁて……」





「この空を守ったのは、一体誰なんでしょーか」





「……な、乾」


ーーーー


「……?」

土手に寝そべっていた乾巧はふと辺りを見回した。
知っているはずの声が聞こえたような気がしたからだ。

しかし周りには誰も居ない。
サラサラという川の流れる音だけがしている。

単なる気のせいと片付け、巧は再び寝そべる。

「……何で俺なんだろうな」

夜空を見上げながら、何となしに呟いた。

3号を中心に起こった戦いが終わり、少し経った後の世界。
そこで起こった「同じ一日が繰り返される」という不可思議な事件は、泊進ノ介を始めとする仮面ライダーたちの活躍によって、
歴史改変マシンが破壊され世界は正しき姿に修正されるという形で幕を閉じた。

即ち、詩島剛の死は無くなり。
仮面ライダー4号が誕生した事実も消滅し。

乾巧も本当の死を迎え、進ノ介たちの記憶から消え去った。

そのはずだったが、巧は生きて殺し合いに参加させられている。

主催者が何故そんな真似をしたのかは知る由も無い。
オルフェノクとして暴れ回る事を期待したのだろうか。
それとも死と生を繰り返し困惑する様を見て、嘲笑う為かもしれない。

「…悪いな。俺は俺のやりたいようにやるだけだ」

デイパックを掴み立ち上がると、自分に支給されたバイクに乗り込む。
チラリと後部を見れば、そこには見慣れた物が積んである。

この地でも“コレ”を使って戦えと言うのなら、戦ってやる。
但し、それは殺し合いに勝ち残る為では無い。

(木場……草加……)

かつて、「夢を守る事なら出来る」と言った時と同じ。
死人の自分と違い、生きて夢を叶えようとする人たちを守る。
その為の戦いだ。

(真理……啓太郎……)

エンジンを掛け、巧は新たな戦いへと赴く。
その瞳には、迷いなど無かった。

(俺は、もう少しだけ戦ってみるからよ)

【乾巧@仮面ライダー4号】
[状態]:健康
[装備]:ファイズギア一式@仮面ライダー4号、承太郎が盗んだバイク@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]:基本支給品
[思考・状況]:基本行動方針:ファイズとして最後まで戦う
1:参加者を探す
[備考]
参戦時期は歴史改変マシンを破壊し消滅した直後。

【ファイズギア一式@仮面ライダー4号】
スマートブレイン社が開発した三本のベルトの一つ。
ファイズギア、ファイズフォン、ファイズポインダー、ファイズショットがケースに収納されている。

【承太郎が盗んだバイク@ジョジョの奇妙な冒険】
空条承太郎がDIOを追跡する際に盗んだバイク。
DUCATI 750 GTと思われる。


249 : ◆ytUSxp038U :2020/08/11(火) 16:49:26 SRPoV78g0
投下終了です


250 : ◆ytUSxp038U :2020/08/11(火) 20:41:57 SRPoV78g0
投下します


251 : お姉ちゃんは弟が傍に居ないと寂しくて死んじゃうの ◆ytUSxp038U :2020/08/11(火) 20:44:21 SRPoV78g0
「ペーた〜〜〜ん!!どこに居るでありんすか〜〜〜!!」

会場のとある場所。
花型のマスクを着けた女が珍妙な語尾で叫んでいる。

仮にも殺し合いの場だというのに、知った事かとばかりに声を張り上げる者の名はうるティ。
百獣海賊団の真打ち、飛び六砲の一員である。

「ぺーた〜〜〜〜ん!!!うぅ、ぺーたんと離れ離れだなんて…あちき寂しくて死んじゃいそう……」

いきなり連れて来て殺し合えだの、勝手に首輪を嵌めるなどをしてくれた主催者への怒りもあるが、
それよりも溺愛する弟が傍に居ない事の方がうるティには一大事だった。

「それもこれもヤマトの野郎がぶん殴りやがったからだ!カイドウ様もテメエの子どもくらいちゃんと躾けとけよ!」

侵入者である麦わらのルフィとの戦闘中、乱入してきたヤマトに一撃を食らわされ視界が暗転した。
そして目が覚めたらこの状況。
流石に困惑したものの、共に麦わらと戦っていた弟が居ないと気付くや否や、慌てて探しているという訳である。
自分の傍に居たのだからきっと弟もこの会場に連れて来られていると、うるティは勝手に確信していた。

「どこの誰だか知らねえがあちきからぺーたんを引き離すなんて許せねえ!タダで済むと思ってんじゃねえぞ!」

主催者へあらん限りの怒りをぶつけると、再び弟を探すべくうるティは走り出した。

「ペーた〜〜〜ん!!お姉ちゃんはここでありんすよ〜〜〜!!!」

【うるティ@ONE PIECE】
[状態]:健康
[装備]
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]:基本行動方針:ぺーたんを探す。他は後回し
1:ペーたんに会いたい
[備考]
参戦時期はルフィとの戦闘中、ヤマトの雷鳴八卦を食らった後。
殺し合いにページワンも参加してると思ってます。


252 : ◆ytUSxp038U :2020/08/11(火) 20:44:56 SRPoV78g0
投下終了です


253 : ◆ytUSxp038U :2020/08/11(火) 23:42:28 SRPoV78g0
投下します


254 : Father ◆ytUSxp038U :2020/08/11(火) 23:44:59 SRPoV78g0
市街地に建てられたビルの屋上。
そこに街を見下ろす一人の男が居た。

「…凄いな」

呟かれた言葉には、驚きと感動が混じっていた。

男が眠りから目覚めた時、故郷は核により荒廃していた。
かつてのアメリカンドリームは失われ、略奪と殺戮、それに何とか抗う人々で構成された世界。
それが連邦だった。

だが今見ている光景は連邦とはまるで違う。
空気は淀んでおらず、街並みも綺麗なものだ。

「ショーンが見たら何て言っただろうな…」

男には子供がいた。
自分が冷却装置の中で身動きが取れないでいる間に攫われた息子が。

200年の眠りから覚めた後は連邦中を駆け回り、妻を殺した者に復讐を果たし、
ようやく再会した息子は、連邦を恐怖に陥れている組織「インスティチュート」のリーダーとなっていた。

それでも良かった。
困惑はしたが、ずっと探していた愛しい我が子にまた会えたのだから。

だがその幸せも長くは続かなかった。

息子は病に侵されていて、何時死んでもおかしくない身体だった。
そんな状態でもインスティチュートの為、己の夢を叶える為に無理を続け、男の目の前で眠るようにこの世を去った。
それでも息子は満足していた。
この世で最も信頼できる父親が自分の後を継ぎ、これから先もインスティチュートを引っ張って行くと約束してくれたのだから。
思い残すことは何も無いと、穏やかな顔で逝った。

「ショーン…。それでも俺は、お前に生きていて欲しかったんだ…」

インスティチュートに協力したのだって、別に彼らの思想に共感した訳では無い。
ただ、親子の時間を取り戻したかったから。
もう二度と家族とは離れたくないと思ったから。
たとえ連邦に住まう人々から恐れられ、B.O.S.やレールロードと敵対し、仲間達から失望されても、我が子と共に道を歩む方が男には何よりも大事だった。

今だってそうだ。
罪の無い一般市民や無力な女子供だろうと、家族とまた一緒に居られる為なら、躊躇なく殺せる。
自分以外の全員を死体に変えて、息子を生き返らせる。

「その為の力なら、俺はもう持ってる」

男は右手に持った銃のグリップの様なものを口元に近づける。

「変身」
『Standing by』

電子音声が発せられたグリップを、腰に巻いた銀のベルトに差し込んだ。

『Complete』

青い閃光に包まれた男は、一瞬にして黒いアーマーを纏った姿になっていた。
説明書を読んだ時は未知の装備に半信半疑だったが、これなら使えそうだ。
男が普段使用しているパワーアーマーとは仕組みが違うようだが、戦力としては問題ない。

「ショーン、少しだけ待っていてくれ。父さんが必ずお前を迎えに行くよ」

男の言葉に、迷いは微塵も見当たらなかった。

【ネイト(主人公)@Fallout4】
[状態]:健康、デルタに変身中
[装備]:デルタギア一式@仮面ライダー555
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]:基本行動方針:優勝してショーンを生き返らせる
1:参加者を探して殺す。
[備考]
参戦時期はインスティチュートルートED後。
入手しているPerkが何かは書き手にお任せします。

【デルタギア一式@仮面ライダー555】
スマートブレイン社が開発した三本のベルトの一つ。
拡張性は低いがスペックは最も高い。
デルタギア、デルタフォン、デルタムーバーがケースに収納されている。


255 : ◆ytUSxp038U :2020/08/11(火) 23:45:51 SRPoV78g0
投下終了です


256 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/12(水) 01:17:55 6yqm5A0g0
本企画への投下、ありがとうございます。

>夜の愛し仔と怪獣娘と時々オバケ
この人選もコンペロワ故に実現した感じがして好きです。
羽鳥の人ならざる存在を引き付ける特性はこのロワの環境では化学反応を起こしそうですし、羽鳥も怪獣娘なので戦闘もやればできる子なので意外に安定感があるチームになり得ると思います。
そんな女の子二人を打ち解けさせる切っ掛けを与えた風郎太、ムードメーカーとしてのポテンシャルを感じますね。

>鬼畜戦士は微熱の魔法使いと朝チュンを迎える
殺し合いの場でも下半身を優先するランスは鬼畜の鏡。
キュルケがちゃっかり堕ちてるのも流石ランスというべきか……。
SKB展開も万事OK!書きたいものを書けるのがコンペロワなのです。

>相棒/二人だけの正義
殺し合いの場でも正義を貫く黒子、冷静に首輪の解除方法も模索しており、実績・実力ともに実に安定感があります。
しかし、予知された未来は彼女の終わりを示していて、とても不穏なもの。
美山は果たして運命を乗り越えることができるのか、ワクワクさせられます。
さらに二人の優先順位の誤差も後々響きそうで、実に面白いです。

>バトロワっすか!クマ吉くん
よりにもよって最初に変態という名の紳士に遭遇した女神官可哀想。
ゆるい外見に誤魔化されそうですが、クマ吉はガチの性犯罪者なので、さらに色々やらかしそうで面白そうと思いました。
このロワはゴブリンがダース単位で跋扈している魔境なので、小鬼殺し一党としての知識と経験が発揮されやすい環境だと思います。

>復活へのプレリュード
殺し合いエンジョイ勢のエボルト、制限があるとは言え、それ込みでも活躍してくれそうです。
慣れている強アイテムを引き当てているのもそうですが、出会う参加者によっては対主催マーダーどちらのルートにも持っていけるタイプなので、実に面白そうだと思いました。

>二人の勇敢な父親
殺し合いの場でも家族を心配するひろしは父親の鏡。悟空は……まぁ多少はね?
間違いなく強い、というか強すぎる悟空なら、制限込みでもどんなマーダーともきっと戦えるという説得力がありますね。

初心者でも大歓迎!書きたいものをかく、それがコンペロワなのです。

>乙女の危機!変態魔剣カオス!
スケベ親父みたいな支給品渡されたさくら可哀想。しかし性格はともかく武器として非常に優秀なので、使いこなせばマーダーのジャイアントキリングもできそうです。
女の子がひたすら剣を踏み続けてる光景って普通にホラーなので、ダイアナ以外が通ったらスルーされてた可能性もあると考えたら笑えました。
ワンダーウーマンとさくらのコンビは実に安定感のある対主催と感じました。

>小さな星の、ちっぽけな命の話
盗んだバイクで走り出す乾巧、果たしてこのロワで彼は守るべき者を守り通せるのか……。
実力も信念も加味すると、実に今後期待できるキャラだと思いました。

>お姉ちゃんは弟が傍に居ないと寂しくて死んじゃうの
殺し合いの場でもまず最初にぺーたんを探すうるティは姉の鏡にして可愛い。
しかし可愛くても彼女は極悪非道な海賊団の幹部。弟が居ないとわかったら冷酷非道に殺し合いに乗る可能性も高く、実力も加味して非常に面白い人選だと思いました。

>Father
荒廃した世界に生きる彼には、例え殺し合いの場としても汚染されていない場所はさぞ輝いて見えるでしょう。
息子を生き返らせるために優勝を狙うネイトの姿に、父親としての覚悟を感じました。単純な善悪ではなく、他の参加者にとってはとばっちりでも、それもまた選択としてアリなのだと納得させられました。

コンペロワのwiki作成しました。
応募作品の収録なども地道にやっていこうと思います。

ttps://w.atwiki.jp/compe/


257 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/12(水) 09:59:56 6IVCALoU0
投下します


258 : 敗者たちの道 ◆SvmnTdZSsU :2020/08/12(水) 10:01:45 6IVCALoU0
「わ、私……生きてる…?」

 会場のどこかで、クレマンティーヌは己の命を実感していた。

「嫌だ……やだ……」

 同時に、とてつもない恐怖が彼女の四肢を震わせている。
 地面に体育座りし、震えている様子は、普段の彼女を知る人物では想像もつかないほどに衰弱していた。
 この催しに招かれる直前、クレマンティーヌは漆黒の戦士……いや、死の支配者の手によって命を絶たれた。

 格下と侮っていた相手は、その実、想像を絶する化け物だった。

 マジックキャスターでありながら、腕力だけで己と渡り合い、最後には魔法すら使われず、鯖折りにされた。

 彼女は常に強者だった。
 残酷な死を与える側であり続け、弱者を残酷に殺す傲慢な強者であったし、それを常に楽しんでいた。
 英雄級の実力を自負し、事実、人類種としては最高潮の実力を誇るクレマンティーヌ。
 その心は、無慈悲な死の経験と、越えられない壁により折れた。

 ここに居るのは、ただ死に怯えるだけの敗者の姿だった。

「GORB!GORBB!!」

 やがて、そんな塞ぎ込む彼女を取り囲む小柄な影が複数。
 耳障りながなり声で興奮したように喋るゴブリンの集団。
 それぞれ手に粗末な、しかし人の命を奪える最低限度の基準を満たす凶器を構え、眼前の獲物を包囲する。

 その様子を、クレマンティーヌは他人事のように感じていた。
 身に纏うビキニアーマーの下でも想像したのか、興奮した先頭の小鬼が凶器を片手に飛びかかった。

 
 ーー嫌だ。

 本能だった。
 戦士として鍛練し、体に染み付いていた技量が稚拙な攻撃を躱させる。

「ーーッ!!」

 クレマンティーヌは衝動的に、間抜け面を晒すゴブリンの顔面を殴り抜いた。

「GORB!?」

 無抵抗だった獲物の突然の抵抗に、小鬼は反応すらできず絶命する。
 撒き散らされる脳髄と糞尿。怒り狂ったゴブリンが飛びかかるも、奪い取った武器で呆気なく刺殺される。
 その動作、戦闘技術、練り上げられた動きは健在だった。

「GORB!?GORBB!!!」
「GORB!!GORBR!!」

 あっという間に半数の仲間を殺され、しかしなお頭数のあるゴブリンは脅すように威嚇を続ける。
 そんな小鬼どもの視線には、微かな、しかし確かに、獲物であった筈のクレマンティーヌへの恐怖が存在していた。
 
 他者の命を奪う感触と、向けられる恐怖の眼差し。
 それらが心の化学反応を経て、彼女の陰りきっていた胸に火をつけた。

(そうだ!そうに決まってる!あんな化け物、そう簡単にぽんぽん沸いて貯まるか!)

 脳裏に浮かぶ恐怖を誤魔化すように、クレマンティーヌは叫ぶ。
 覇気、怒り、嘆き、ごちゃまぜになった何もかもを乗せた気迫に小鬼はたじろく。

 その隙を見逃すほど、クレマンティーヌは甘くはない。
 しなやかな動作で飛びかかり、肉食獣のように機敏に、機械のように正確に、彼女は小鬼を処理していく。
 振り下ろされる短剣が、握り締められた拳が、群がる小鬼をズタズタに引き裂く。

「ハハ……アッハハハハッ!!!」

 悲鳴と血飛沫に染まるにつれて、クレマンティーヌは徐々に満たされていく。
 小鬼の悲鳴が、蹂躙される怪物の生き絶える絶叫が、彼女に生を実感させ、心の糧になっていった。

「GORB!!!GORBB!!!!」

 小鬼が叫ぶ。”こんな筈じゃ無かった!あの野郎、騙しやがったな!”と、理不尽な死に抗議しているようだった。
 小鬼が何を喚こうがクレマンティーヌにはどうでもいい。
 ただ、殺す。いつものように、愛して狂って狂おしいほどに殺すだけ。

 そうだ、自分は強い!英雄の領域に踏み込んだ絶対的強者!そうである、そうでなきゃおかしい!

 折れた心が、死に屈しかけていた精神に再び活力が漲る。

 クレマンティーヌは戻りかけていた。
 不死鳥のごとく復活をなしかけていた。
 少し前までの、己の実力への自信に溢れていた頃に。

「GOB!?」

「ハァ……ハァ……」

 最後の小鬼の脳髄を切り潰したクレマンティーヌは天を仰ぐ。
 血濡れで酷い有り様だったが、彼女の心は晴れやかだった。
 漲る決意は、優勝への渇望、強者としての復帰を望む覚悟である。
 優勝すれば、願いを叶える。あの声は確かにそう言っていた。

「殺ってやる……このクレマンティーヌ様が最強だって証明してやる!」

 全ての参加者を殺し尽くし、より強く、より高みに、あのエルダーリッチを片手で殺せるほどの力を手に入れる。
 そう決めたクレマンティーヌは、漸くデイパックを引っ掴むと、参加者を求めて歩き出そうとした。



「やぁ、クレマンティーヌ」


259 : 敗者たちの道 ◆SvmnTdZSsU :2020/08/12(水) 10:02:28 6IVCALoU0
その声を聞くまでは。
 歩みだそうとしたクレマンティーヌは、録画の停止ボタンを押した映像のごとく硬直していた。
 彼女の視線の先には”死”が立っていた。
 漆黒の鎧という装い、唯一前と異なる露出した顔は、皮も肉もない骸骨。

 アンデット。
 エルダーリッチ。
 漆黒の戦士。
 
 そこに居たのは、自らを殺した化け物だった。

 次の瞬間、クレマンティーヌは全身全霊を賭けて逃げた。

「ーーーっ!!?!」

 言葉の体を成さぬ悲鳴を上げ、ただただ足を動かす。
 復活したクレマンティーヌの闘争心は、再び完膚なきまでにへし折られたのだった。

【クレマンティーヌ@オーバーロード(アニメ版)】
[状態]:健康、死への恐怖(極大)、ゴブリンの返り血で血塗れ
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:死にたくない。
1:嫌だ嫌だ嫌だ……ッ!!
2:あの化け物も居るのかよッ!!
3:この……クレマンティーヌ様が……
[備考]
参戦時期は死亡後から。

ーーーー

 クレマンティーヌが去った後。
 残された死の支配者は、唖然としたように立ち尽くしていた。
 
 瞬間、その姿が変貌する。
 髑髏の顔はペンキで塗り固めたような白化粧に、漆黒の鎧は同じく白一色の道化服へと変化する。
 やがて現れたのは、見た者の不安を駆り立てるような雰囲気の道化師(クラウン)だった。

 ”それ”はオーバーロードでは無かった。

 名をペニーワイズ。
 デリーに潜む怪異であり、クレマンティーヌの知らぬ異世界の怪物であった。

「ウフフフ、アッハハハ!ギャハハハハハハハハハッ!!」

 クレマンティーヌの恐怖の形、死の支配者に擬態していた道化師は邪悪に笑う。
 強者でありながら、己から無様に逃げ出した人間(クレマンティーヌ)を、彼はただ嗤っていた。

「ウフフフ……そうさ、まさかあの子供たちのような人間が、そう簡単に居るわけがない!」

 この地に参加者として存在してから、ペニーワイズは一縷の不安を抱いていた。
 餌場として永く住み着いていたデリーの町で、唯一”それ”への恐怖を克服し、ペニーワイズを打ち倒した『負け犬たち(ルーザーズ・クラブ)』。
 もしやこの地はそういった人間ばかりを集めているのではないかと、ペニーワイズは不安だったのだ。

 だからこそ、最初は自らクレマンティーヌを襲うこと無く、この地に居た矮小な同類を体よくけしかけたのだ。
 しかし、それは全くの杞憂だった事が証明された。
 他ならぬ人間の手によって。

 ペニーワイズは視ていた。
 己よりもずっと下等で矮小とはいえ、人ならざる者を容易く殺害するクレマンティーヌの姿を。

 あの女は強い。少なくとも、あの子供たちとは比較にすらならないほどに。
 そんな相手も、ペニーワイズが少し本気を出せば、容易く恐怖に屈した。
 ペニーワイズは確信した。この催しでは、己こそが強者だと。

「ここは楽園!楽しい楽しい遊園地!皆が浮かぶ餌場だ!
 私は恐ろしい捕食者!決して狩られる側ではない事を証明してやる!」

 クレマンティーヌの見事な逃げっぷりに上機嫌になったペニーワイズは、新たな獲物を探し始めた。

 敗者復活戦。とりあえずの勝者はーーペニーワイズ!

【ペニーワイズ@IT それが見えたら、終わり】
[状態]:『ペニーワイズ』、健康、興奮
[装備]:赤い風船
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:捕食者として、この催しを楽しむ。
1:餌を探す。できれば子供が良い。
[備考]
参戦時期は『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』の前。
クレマンティーヌの恐怖を抱くもの(アインズ/モモン)を把握しました。


260 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/12(水) 10:02:59 6IVCALoU0
投下終了です


261 : ◇vz5mdokweg :2020/08/12(水) 14:40:02 24yxjgos0
投下します


262 : ◇vz5mdokweg :2020/08/12(水) 14:40:27 24yxjgos0
様々なところで主催を打倒するために動くものもいれば優勝を目指し動くものもいれば参加者同士が出会い共に動くものもいる...そして...

「ひいぃぃぃぃぃーー!!!!」
「怯えてばかりいないで早く来いって!男だろうが!」

この場ではまるで性格がお互い反対な子供が二人いた、さかのぼること数分前...

◆◆◆

「こ、ここどこ?しんちゃん達はどこ行っちゃったの...?」

彼の名前は佐藤マサオ、簡単に説明すれば気が弱く泣き虫なおにぎり君だ...だが自分に自信が持つと覚醒し気が強くなる、だが...

「誰もいないよ〜!怖いよ〜!」

見てのとおり今は怯えている...その時だった

「おーい、誰かいるのか?」
「ひいぃぃぃぃぃーー!!だ、誰!?」

近くで声が聞こえてマサオはもっと怯えた、声の正体は女の子だった

◆◆◆

「全く一体ここはどこなんだ?」

彼女の名前はヴィータ、簡単に説明すれば気が強く怒りっぽい性格だ

「支給品ってやつにあたしのアイゼンが入ってて良かったぜ、さてこれからどうするか...」

あの主催の言ってたことはただごとじゃないな...とヴィータは思った。そしてあることを決意した

「あんなやつの言いなりになってたまるか!あたしは主催をぶっとばす!」

女の子とは思えない発想だがヴィータは主催を打倒することを決めた

「とりあえず歩くか、誰かいるかもしれねぇからな」

そう思いヴィータは歩き始めた

◆◆◆


263 : ◇vz5mdokweg :2020/08/12(水) 14:41:26 24yxjgos0
そして

「おーい、誰かいるのか?」
「ひいぃぃぃぃぃーー!!だ、誰!?」

この状況に至る

「おいおいそんな怯えることないだろ?」
「だ、だって...」

ヴィータはマサオの反応を見て呆れた

「あたしはヴィータ、お前は?」
「ま、マサオです...」

マサオは話しかけてくるヴィータに怯えながら答えた

(このミャサオってやつ、気が弱い上に泣き虫なところを見ると全然使えなさそうだな...でも今は人手が少しでもほしいしな...よし!)

「なぁお前、あたしと協力して主催ってやつ倒しに行かねぇか?」
「え、えぇぇーー!?」

ヴィータは迷いながらもマサオを連れて行くことを決めた、しかし...

「ぼ、僕怖いから嫌だよ〜!あの人に勝てるわけないよ〜!」
「だからってここで止まってても何にもならねぇだろ?ほら、早く行くぞ!」

ヴィータはマサオの襟を掴み連れて行こうとするがマサオは近くの物にしがみついて行こうとしない、そしてヴィータはキレた

「ひいぃぃぃぃぃーー!!!!」
「怯えてばかりいないで早く来いって!男だろうが!」

やがてしがみつく力が弱まり、マサオは無理矢理連れていかれる

「やだよー!怖いよー!」
「いつまでも泣いてんじゃねぇよ!」

果たしてこの二人は上手くやっていけるのだろうか...

【佐藤マサオ@クレヨンしんちゃん】
[状態]:健康、怯え
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]:基本行動方針:怖いよー!やだよー!
1:ヴィータちゃんネネちゃんみたいで怖いよー!

【ヴィータ@魔法少女リリカルなのはA's】
[状態]:健康、イライラ
[装備]:グラーフアイゼン@魔法少女リリカルなのはA's
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]:基本行動方針:主催をぶっとばす
1:こいついつまで怯えてるんだ...
[備考]
参戦時期は闇の書事件が終わった後、デバイスのグラーフアイゼンを装備しています

(タイトルは気の強い女の子と気の弱い男の子です)


264 : ◇vz5mdokweg :2020/08/12(水) 14:41:41 24yxjgos0
【グラーフアイゼン@魔法少女リリカルなのはA's】
ヴィータが使用する長柄のハンマーで、主に両手で振るっての打撃に使用する。
この形態は魔法制御サポートの能力にも優れており、ハンマーフォルム専用の射撃魔法「シュワルベフリーゲン」の誘導管制のサポートを初めとして、ヴィータの魔法使用を強力に補助する。


265 : ◇vz5mdokweg :2020/08/12(水) 15:04:02 24yxjgos0
投下終了です


266 : ◆oUF53W6sMM :2020/08/12(水) 16:24:51 rhFgKdRQ0
『猫型ロボと吸血鬼の二重奏』の者です
投下させていただきます


267 : 格闘少女、見参! ◆oUF53W6sMM :2020/08/12(水) 16:25:33 rhFgKdRQ0
「殺し合い…そんなもの、しませんっ!」

この殺し合いのとある場所、烏丸超常探偵事務所の一員にして空手使いの少女、秋本楓は頬をバチンと叩きながら叫んだ。

「GOBBBBBB!」

そんな楓の前に、突如2体のゴブリンが現れる。

「押忍!」

しかし、探偵として活躍していくうちに様々な恐怖と対峙し、最終的には影とはいえ邪神と渡り合う実力を身につけた楓の敵ではない。

「はあっ!」

バシィ!

「「GOBB…」」

格闘技であっという間に2体のゴブリンを打ち倒し、ふぅ、と呼吸を整える楓。

ここにはもしかしたら探偵事務所の皆さんも呼ばれてるかもしれない。そう判断した楓は早速行動を開始する。

「秋本楓、出発!」

彼女がどんな結末を迎えるのか。それはまだ、神にしかわからない。


【秋本楓@クトゥルフ神話RPG 水晶の呼び声】
[状態]:健康、SAN59、不動の心
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いには乗らない
1:押忍!
[備考]
殺し合いに呼ばれたことによりSANが1減少しました


268 : ◆4kMBNI9QkE :2020/08/12(水) 17:25:07 2z8G6zuE0
投下終了宣言が無いので、投下して良いものかどうか・・・


269 : ◆4kMBNI9QkE :2020/08/12(水) 19:22:36 2z8G6zuE0
投下させていただきます。


270 : 日米スピードスター対決! ◆4kMBNI9QkE :2020/08/12(水) 19:23:55 2z8G6zuE0
そこかしこで血生臭い殺し合いの前哨戦が巻き起こりつつあるバトル・ロワイアル会場。
そこに・・・旋風が巻き起こっていた。

他の参加者の目には止まらぬ程の速さで会場各地を駆け巡る、二つの赤と黄色の旋風。
ビデオカメラで撮影してスロー再生しても、ぼんやりとした赤い影にしか見えないだろう。
それほどのスピードだ。

北へ南へ、東へ西へ。
会場内を一通り一周し終えて・・・二つの赤い旋風は動きを止めた。

そこには2人の人物が立っていた。
一人は黄色い大きなボタンが着いた赤い服を着て、端が地面につく程長い黄色いマフラーを首に巻いた十代後半程の栗色の短髪の日本人少年。
もう一人は胸元に稲妻のシンボルが着いた赤いジャンプスーツを着用し、顔を口元が露出するタイプのマスクで覆い隠した白人男性だ。

『・・・』

二人の赤い男は静かに視線を交わす。

「・・・同着、かな?」
「・・・そうみたいだね」

二人の赤い男はどちらともなく、笑いだした。
一対一の真剣勝負を終え、相手の力量を確認した戦士がするような笑みだ。

「しかし凄いなぁ、君は。『地上最速の男』である僕と同じ速さで走れる男が、日本にいるなんて・・・驚きだよ」
「いやぁ〜そんな・・・」

マスクの男に誉められ、日本人少年は照れ臭そうに頭を掻いた。

「僕は加速装置内蔵式のサイボーグだから・・・改造されてない生身の体で、あれだけのスピードで走れる君の方が凄いよ」
「そうかい?ハハハ!」

謙遜するような少年の言葉に、今度はマスクの男性が照れ臭そうに笑いだした。

「・・・そう言えば、まだちゃんと名乗ってなかったね」

マスクの男性はおもむろに自身のマスクを外した。
マスクの下から出てきたのは、20代半ば程の赤い髪の白人青年の顔だった。

「僕の名前はバリー・アレン。仲間からは『フラッシュ』って呼ばれてる」

自己紹介をしながら、マスクの男性・・・バリーは右手を差し出した。

「・・・僕は島村ジョー。仲間からは『009』って呼ばれているよ」

少年・・・ジョーも自己紹介して差し出された手を握り返し、二人のスピードスターは固く握手を交わしたのだった。

「・・・『009』?ジェームズ・ボンドみたいだね」
「・・・『フラッシュ(閃光)』なんて呼び名も安直だと思うけどね」
『ハハハハハハ!!』

既に二人は軽口が叩き合える程仲良くなっていた。
その姿は、さながら長年に渡る親友のようだった。

【島村ジョー(009)@サイボーグ009】
[状態]:健康
[装備]:サイボーグ戦闘服@サイボーグ009
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本:会場からの脱出
1:バリーと協力して仲間を集める
2:他のゼロゼロナンバーサイボーグがいるのなら、合流する
[備考]
平成テレビシリーズからの参戦です。

【バリー・アレン(フラッシュ)@The FLASH/フラッシュ(ドラマ)】
[状態]:健康
[装備]:フラッシュスーツ@The FLASH/フラッシュ
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本:人を助ける
1:ジョーと協力して仲間を集める
2:STARラボの仲間がいるなら合流する
[備考]
ファースト・シーズンからの参戦です。


271 : ◆4kMBNI9QkE :2020/08/12(水) 19:27:36 2z8G6zuE0
投下終了します。
エイトマンと009のクロスオーバーが製作されるんだから、こういうのがあっても良いと思う。


272 : ◆ytUSxp038U :2020/08/12(水) 20:14:30 r/48mc1E0
投下します


273 : 凶王出陣 ◆ytUSxp038U :2020/08/12(水) 20:17:44 r/48mc1E0
「………………は?」

会場のとある場所。

そこで石田三成は、部下の兵士達には絶対に見せないであろう間の抜けた顔で立っていた。

何が起きたのか。

思い出すのは敵味方が入り混じる合戦場。
石田軍と豊臣軍の全勢力がぶつかり合う関ケ原の戦い。
友である大谷吉継の支援を受け、遂に家康の元へ辿り着いた。

殺し合いに連れて来られる直前の光景が想起される。
同時に目が血走り、歯が砕けんばかりに噛み締められる。

豊臣秀吉の仇であるかつての友へ向け、ありったけの憎悪と共に刃を振るう。
対する家康もまた、絆などとほざきながら拳を振るった。
互いの武器が幾度となくぶつかり合い、とうとう家康の首に刃が届こうかという瞬間、気が付いたら殺し合えと告げられ――

「……ぁ」

状況は理解した。

「ふざけるな貴様アアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッ!!!!!」

感情が爆発する。

自分から秀吉を奪った家康をこの手で殺す。
豊臣の名を汚した徳川を完膚なきまでに叩き潰す。
その為の大戦を、こんな塵にも劣る催しに邪魔をされた。

「貴様の思惑など何一つとして知ったことか!!!貴様も、私の道を阻む者全てを斬滅してやる!!!!!」

デイパックから取り出した刀を強く握り締める。
普段使っている刀とは違うが、殺せるのならどうだっていい。

今の三成の頭には、目に映る全てを斬る事しか無かった。

【石田三成@戦国BASARA3】
[状態]:健康、ブチギレ、主催者への怒り(極大)
[装備]:秋水@ONE PIECE
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]:基本行動方針:主催者を殺し、合戦場に戻り家康を殺す
1:邪魔する者は全て殺す
[備考]
参戦時期は関ケ原の戦いで家康との戦闘中。
怒りで冷静さを失っている為、OPでのルール説明がほとんど頭に入っていません。

【秋水@ONE PIECE】
ワノ国の侍リョーマの愛刀。
大業物21工の一振りで非常に重いが、その分破壊力は高い。


274 : ◆ytUSxp038U :2020/08/12(水) 20:18:14 r/48mc1E0
投下終了です


275 : ◆oUF53W6sMM :2020/08/12(水) 21:09:16 RezyBOyk0
遅れましたが投下終了させていただきます


276 : ◆ytUSxp038U :2020/08/12(水) 23:05:28 r/48mc1E0
投下します


277 : クロちゃん、バトルロワイアルでも意外と活躍できる説 ◆ytUSxp038U :2020/08/12(水) 23:10:59 r/48mc1E0
「もぉ〜、ちょっと何なのこれぇ〜…」

森林エリアを坊主頭の男が歩いていた。
その表情には恐怖…というより、如何にも迷惑してますと言った感情が浮かんでいた。

彼の名はクロちゃん。
某お笑いトリオの一員であり、スケベな屑キャラとして視聴者に親しまれているお笑い芸人だ。

いつものように仕事を終え自宅で爆睡していたはずが、いきなり見知らぬ場所で殺し合えと言われた。
一般人なら震え上がりそうな異常事態だが、クロちゃんにとっては違う。

「どうせまたケンコバさんとかが持ち込んだ説なんでしょ?もー勘弁してよ…」

そう、クロちゃんは殺し合いをお馴染みのあの番組の企画と勘違いしていた。
寝ている間に拉致されたのだってこれが初めてではない。
散々同じような展開を味わって来たので、恐怖よりもうんざりした気持ちの方が大きかった。
殺し合いというのは流石に物騒だとも思ったが、何の説明も無しに放り出されるよりはマシだとすら思っていた。

「でも殺し合いってテレビ的に大丈夫なの?またお蔵入りになったりしない?」

過去のアレコレも知っているため心配しつつも、当然本当に殺し合う訳では無いだろうとクロちゃんは考える。
多分サバゲーのような企画だろうと結論付けると、背負っていたデイパックを地面に下ろした。

「ってか何時の間にか背負ってたけど何これ?武器でも入ってんの?」

疑問を口に出しながら中を漁ってみる。
入っていたカップ麺を見て、お湯は入れてくれない辺り如何にも水曜日らしいと不満を感じつつ、別の物を取り出す。
出て来たのは西洋の城が描かれた小さな容器だった。

「は?…いやいや、これ玩具じゃん…」

てっきりエアガンとかが入ってると思ってたクロちゃんは呆れながら容器を眺める。
中に液体が入っているようだが、何なのかは分からない。
試しに振ってみると、シャカシャカという音がした。

こんな物を渡して何の意味があるのかと、用意したであろうスタッフに文句を言いつつ他に何か無いのかとパックの中を探してみる。
しかし、枝を折るような音がクロちゃんの耳に聞こえた。

「うわっ!誰!?」

驚き音のした方へ声を掛ける。
まさか隠れて撮影していたカメラマンがミスったのではと思ったが、その予想は外れた。
大木の陰から恐る恐るといった様子で出て来たのは、赤毛の少女だった。

「ご、ごめんなさい…怖くて隠れてて……あっ!でもあたしは殺し合いなんてする気無いから!」

その言葉に嘘は無い。
少女は突如巻き込まれた殺し合いに困惑していた時、クロちゃんの姿を目にし咄嗟に建物の陰に隠れた。
様子を伺いながら接触しようか悩んでいる際にうっかり足元の枝を折ってしまい、それでクロちゃんにバレたという訳である。

不安気に話す少女をクロちゃんはねっとりと見回す。

(えっ、めっちゃ可愛いんだけど。この娘は仕掛け人か何かなの?)

整った顔立ちに服の上からでも分かる豊満な胸はクロちゃんのスケベ心を刺激した。
芸能人かとも思ったが見覚えはない。
大方、今回の企画の為に連れて来られたマイナーなグラビアアイドルだろうと考えたクロちゃんは、下心丸出しの笑みで近づく。

「いやいや!大丈夫大丈夫!ちょっとビックリしただけだし!」

これまでの経験からどうせ最後はロクな目に遭わないだろうと思うが、こんな意味不明な企画に乗ってやるんだから少しは良い思いしたって構わないだろう。
相手がそんな邪な思いを抱いてるとは知らず、少女はホッと胸を撫で下ろした。

「良かった〜…。それじゃあ貴方も、えっと…」
「殺し合いなんてしないって〜。それより立ったままだと疲れるし、どっか落ち着ける場所に行こうよ、ね?」
「えっ?あっ、う、うん」

いきなりの馴れ馴れしい態度にに困惑する少女。
その様子に気付くことも無く、「あわよくばこの機会にお近づきになれないかな〜」などと能天気な事を考えるクロちゃんだった。


278 : クロちゃん、バトルロワイアルでも意外と活躍できる説 ◆ytUSxp038U :2020/08/12(水) 23:11:40 r/48mc1E0
【クロちゃん@水曜日のダウンタウン】
[状態]:健康、上機嫌
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、キャッスルロストフルボトル@仮面ライダービルド、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]:基本行動方針:仕方ないから企画に乗っかって行動する
1:この可愛い娘と仲良くなりたいしんよ〜
2:殺し合い?結局何をすれば良いの?
[備考]
殺し合いを芸人が持ち寄った「説」による企画と思っています。
フルボトルをただの玩具と思っています。

【牛飼い娘@ゴブリンスレイヤー】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]:基本行動方針:殺し合いはしない
1:彼(ゴブリンスレイヤー)も居るのかな…?
2:とりあえずこの人(クロちゃん)と一緒に行動
[備考]
参戦時期は原作9巻終了後。

【キャッスルロストフルボトル@仮面ライダービルド】
ハードスマッシュへの変身に用いられる人口フルボトル。
成分を体内に取り込む事でキャッスルハードスマッシュへ変身出来る。
本来であればネビュラガスが注入されていない人間では変身不可能だが、主催者の手でガス無しでも変身可能に細工されている。


279 : ◆ytUSxp038U :2020/08/12(水) 23:12:27 r/48mc1E0
投下終了です


280 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/12(水) 23:22:17 xMyQ51O.0
投下させていただきます。


281 : お前は男じゃないのかー! ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/12(水) 23:23:04 xMyQ51O.0
ここは会場内の廃墟が立ち並んだ場所、そこには女騎士がいた。

竜をイメージした尾に角、そして胸元が開かれた上半身にハイレグというべき下半身といった、やけに露出度の高い恰好をした女騎士だった。

彼女の名前は岸部……、もとい、ラ・ピュセルといった。

そんな彼……彼女は、ここである男と戦っていた。

「自在に大きさを変える剣とは珍しい!俺にくれ!」

顔に隈取りを施し、また赤い鎧をまとった筋骨隆々の男だった。

そしてその男の手には、巨大な金棒ともいうべき大剣が握られていた。

その男は、彼女の持っている剣に興味を持ち襲い掛かったのである。

男の力はすさまじく、また彼が持っていた巨大な武器がそれを後押ししていた。

そしてラ・ピュセルも彼に対抗すべく魔法の力を駆使して戦っていたが、その差は歴然としておりついに膝を屈してしまった。

それは、この戦いが終わりを迎えようとしていることを意味していた。

「戦士としての情けだ、この最強の剣で倒してやるぜ!」

そう言うと男はデイバッグから『月の紋章が付いた西洋剣』を取り出して彼女の身体を切り裂いたのである。

しかしこの後、信じられないことが起こった。

切り裂かれた筈のラ・ピュセルの身体が、まったく傷ついていなかったのだ。

ラ・ピュセルは困惑した。何故なら、完全に体を切り裂かれたと思ったのに傷一つついていなかったからだ。

そしてそれは相対している男もだった。この剣をもってすれば確実に相手を倒せると思っていたからだ。

そして男は叫んだ。

「ば、ばかな!最強の剣じゃないのかー!!」

自分の持っている剣が真っ赤なニセモノだということに気づき、大きな声で叫んでいた。

そうしてこの白熱していた戦いは、かなり微妙な空気を漂わせた状態で終了した……。


282 : お前は男じゃないのかー! ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/12(水) 23:24:11 xMyQ51O.0
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「えっと、つまりあなたは自分のライバルと決着をつけるために元の世界に戻りたいと?」
「ああ、そのためにこうして様々な奴と戦い、そして武器と仲間を集めるつもりだぜ」

そうして、戦いが終わったところで双方とも話し合いを行った結果、お互いに脱出のために行動していることが分かった。

また、彼もまた戦うすべを持たないものを襲うつもりはないこと、そして生還するためにほかの参加者の実力を試していることが判明した。

「なるほど……それならば、目的も同じなのだから私とともに行動してはどうかな?」
「そうか、お前の『武器を大きくする魔法』のこともあるし、これからよろしく頼むぜ!」

そうしてともに行動することになった彼らだが、突如としてギルガメッシュが彼女にこう聞いた。

「……ところでなんでお前は、わざわざ女に化けて戦うんだ?ものまね士も性別までは変えないぞ?」
「………え?」

彼女……もとい彼、岸部颯太がなぜ『ラ・ピュセル』という女性に変身して戦っているのかどうかを聞いたのだ。


……このあと彼が魔法少女に関して説明をし、ギルガメッシュに理解してもらうことに時間を要したのは言うまでもない…。


【ラ・ピュセル(岸部颯太)@魔法少女育成計画】
[状態]:健康
[装備]:魔法の剣@魔法少女育成計画
[道具]:基本支給品、マジカルフォン、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:正義の魔法少女として、人々を守るために戦う。
1:まずは、ギルガメッシュとともに行動する。
2:自分は車に轢かれて死んだはずなのに、一体なぜここにいるんだろう?
3:『ギルガメッシュ』と名乗っているけど、どう見ても弁慶だよなこの人……。
[備考]
参戦時期は、クラムベリーに敗北し死亡した後。
魔法の剣は魔法少女への変身とともに召喚されるため、支給品には含まれません。


【ギルガメッシュ@ファイナルファンタジーV】
[状態]:健康
[装備]:エクスカリパー@ファイナルファンタジーV
[道具]:基本支給品、獣神の大剣、ランダム支給品×1
[思考・状況]基本行動方針:バッツと決着をつけるために、この戦いから生還する。
1:とりあえず、生還するためにラ・ピュセルと行動する。
2:この武器(エクスカリパー)、最強の剣じゃないのかー!
3:こいつ(岸部颯太)はなぜ、女に化けているんだ?
[備考]
参戦時期は、エクスデスによって次元の狭間に放り出され、魔物と単身戦い続けていた時期。
制限により、ギルガメッシュチェンジ(本来の姿である、八本腕の魔人への変化)は最大5分までしか使えず、再度使用するには5時間必要となります。
ラ・ピュセル(岸部颯太)を、『魔法少女』というジョブの戦士だと思っています。


【魔法の剣@魔法少女育成計画】
 ラ・ピュセルの変身とともに召喚される剣で、西洋の両手剣の形をしている。

 自由に大きさを変えることにより空中にいる相手を打ち落としたり足場にするなど様々な活躍をしている。

 ……なお、『自由に大きさを変える』部分についてはラ・ピュセル自身の能力であり、実際は只の剣である。


【マジカルフォン@魔法少女育成計画】
 卵のような形をした携帯端末で、魔法少女間の連絡などといった機能を持つ共通の変身アイテム。

 今回は制限により、魔法少女への変身以外に使用することはできない。


【エクスカリパー@ファイナルファンタジーV】
 『剣の中の剣』との誉れ高い剣………のニセモノで、どんな敵にも1しかダメージを与えることができない剣。

 しかし装備をしている場合自分の攻撃が必ず当たるようになるので、状況によっては比類なき威力を発揮する。


【獣神の大剣@ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド】
 『白銀のライネル』と呼ばれる魔物が使っている大剣で、巨大な金棒に爪のような突起が付いた形をしている。

 特殊な金属を使うことにより桁外れな重さを持った両手武器で、振り下ろされる一撃は比類なき破壊力を誇る。


283 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/12(水) 23:25:06 xMyQ51O.0
投下終了です


ありがとうございました。


284 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/13(木) 03:05:23 RMQnsz/k0
本企画への投下、ありがとうございます。

>気の強い女の子と気の弱い男の子
ヴィータの尻に引かれるおにぎり、しかし覚悟さえ決めたら普通にやれば出来る子なので、今後に期待できます。
慣れた武装を引き当てたヴィータ、頼もしいです。おにぎりが彼女との出会いからどうなるのか興味深い。

>格闘少女、見参!
邪神すら倒した経験ありの空手少女。これは強そう。殺し合いにのらない不動の心は素敵ですが、何かちょっと情緒がヤバそうに見えるのは気のせいかな(すっとぼけ)
SANが0になったらヤバそう。

> 日米スピードスター対決! 
日米の同能力者が会合している!
性格の相性も悪くなく、実力ともに安定した正義の対主催コンビ。これは強い。
しかし、基本方針の違いが後々響く可能性も残されていて面白いと思いました。

>凶王出陣
バーサーカーな戦国武将、業物の刀を支給される様は鬼に金棒ですね。
参戦時期がこのタイミングなら怒り狂うのも納得です。
しかしルートによっては対主催へ舵を切る可能性もあるので、そうなれば心強そうですね。

>クロちゃん、バトルロワイアルでも意外と活躍できる説
何故か違和感が全く無い時点で草。
バトロワに巻き込まれても平常運転のクロちゃん。普段からダウンタウンで無茶振りされてるからこの反応も仕方無い。
内心売れないグラビアアイドル呼ばわりされた上、下心丸出しの芸能人に出会っちゃった牛飼い娘可哀想。不安しかない。

>お前は男じゃないのかー!
そうちゃんの経験不足は否めない物の、魔法少女としての身体能力や魔法の成長性は十分にあります。やや剣に関しては暴走気味とはいえギルガメッシュも充分に強者。
実力ともにバランスの良いコンビだと思いました。
しかし、確かに魔法少女の概念がない世界だとそうちゃん奇異に見えますよね。
魔法で戦うのはわかるが、何故女の子なのかは説明がかなり難しそう。


285 : ◆4kMBNI9QkE :2020/08/13(木) 17:23:54 Qr1uGYdg0
投下させていただきます。


286 : 海中決闘!仮面ライダーXVSアクアマン ◆4kMBNI9QkE :2020/08/13(木) 17:26:28 Qr1uGYdg0
どんなバトルロワイアルも、大抵の場合は『絶海の孤島』で行われる(一部例外あり)。
しかし、全てのエリアが『陸地』とは限らない。
中には海に面する、または海のど真ん中に位置するエリアも存在するのだ・・・。

☆☆☆

会場の(地図から見て)左下に位置する海のエリア。
魚と海藻ばかりのその海中で、二つの人影がぶつかりあっていた。

1人は、銀の仮面に黒マフラー、額に輝くVとV。
黒い手袋、赤い胸・・・
人類の自由と平和の為に戦う『仮面ライダー』の一人である深海開発用改造人間『仮面ライダーX』である!

対するのは、
髭と髪を長く伸ばし、
黄金色に輝く魚鱗柄の鎧を纏った筋骨隆々とした威丈夫・・・海底王国アトランティスの女王と地上の灯台守との混血児『アクアマン』である!

「ウオォォォォ!」
「トリヤアアアア!!」

アクアマンが愛用の矛を振り下ろすと、Xライダーは自身の愛用武器であるライドルスティックでそれを受け止める。

「ウオリヤアアアア!!」

しかしアクアマンは矛にかける力を緩めず、矛を受け止めるライドルスティックに向けて渾身の力をかける。
原子力潜水艦もあっという間に浮上させる程の力を込められ、Xライダーの体はもの凄い速さで深海へと沈んでいく・・・だが、Xライダーも負けてはいない。

「ライドルロープ!」

グリップのボタンを操作し、ライドルをスティックからロープに変化させると、そのままアクアマンの矛を絡めとったのだ。

「なにぃ!?」
「Xキック!」

アクアマンの腹部にXライダーの蹴りが入り、アクアマンの体が大きく吹き飛ばされる。
しかしアクアマンは両足に力を込めて踏ん張ると、Xライダーから5メートル離れた場所に制止した。

「やってくれたなぁ!」

アクアマンは近くを泳ぐ魚達に向けてテレパシーを送る。
すると、それまでXライダーとアクアマンの戦いを無視して泳いでいた魚達の一部が、
まるで王に仕える近衛騎士団のように勇ましく、
アクアマンを攻撃しているXライダーに向かって行ったのだ。


287 : 海中決闘!仮面ライダーXVSアクアマン ◆4kMBNI9QkE :2020/08/13(木) 17:27:43 Qr1uGYdg0

「うわっ!?こ、この!?」

鯵やヒラメに尾鰭で顔を叩かれ、
猛スピードで泳ぐマグロや鯛に体当たりされ、
タコやイカやウナギに纏われつかれては、さしもの歴戦の戦士たるXライダーもたじたじであった。

「・・・ライドルホイップ!」

Xライダーはグリップのボタンを操作して、ライドルを細剣のホイップ形態に変化させると、自身に纏わりつく魚達を切り裂いていくが、魚の数は減らないどころか徐々に増えていった。

「ウオォォォォ!!」

Xライダーが魚達に纏わりつかれる隙を突き、アクアマンは矛を構えて猛スピードで突っ込んでいく。

「・・・はっ!オリャアアア!!」

アクアマンの突進に気づいたXライダーはライドルホイップを振るった。

そして二人の戦士の武器が交差した・・・。

『・・・』

アクアマンの矛とライドルホイップの切っ先は、相手の喉元の部分で止まっていた。
しばし二人は視線を交わし・・・構えを解いた。

「・・・中々やるじゃねぇか」

アクアマンは不敵な笑みを浮かべながらXライダーを賞賛した。

「あぁ、アンタも生身の割にやるじゃないか」

Xライダーもアクアマンの実力に感服し、右手を差し出す。

二人の海の戦士は、他に魚と甲殻類とプランクトンしかいない海中で、固く握手を交わしたのだった。



【神敬介(仮面ライダーX)@仮面ライダーSPIRITS】
[状態]:健康、仮面ライダーXに変身中、一勝負終えて清々しい気分
[装備]:ライドル@仮面ライダーSPIRITS
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本:参加者を助け、会場から脱出する
1:アクアマンと協力して仲間を集める
2:生身の癖にやるなコイツ・・・
3:他の仮面ライダーもいるなら合流する
[備考]
無印単行本第15巻当たりからの参戦です。
ライドルは変身と同時に出現するので、支給品ではありません。
支給品を入れたデイバッグは完全防水なので、支給品が水に浸かって使用不能になる事はありません。

【アーサー・カリー(アクアマン)@DCエクステンデッド・ユニバース】
[状態]:健康、一勝負終えて清々しい気分
[装備]:アトラン王の鎧@DCエクステンデッド・ユニバース、アトランナの矛@DCエクステンデッド・ユニバース
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]
基本:人を助ける
1:仮面ライダーXと協力して、仲間を集める
2:コイツ(仮面ライダーX)、やるじゃねぇか!
[備考]
単独映画『アクアマン』後からの参戦です。
鎧は支給品ではありません。
支給品を入れたデイバッグは完全防水なので、支給品が水に浸かって使用不能になる事はありません。


【ライドル@仮面ライダーSPIRITS】
仮面ライダーXの基本武器。
普段はXライダーのベルトにグリップ部だけを出した状態で収納されている。
グリップ部のボタン操作で、ホイップ(細身の剣)、
スティック(両端に握りのある長さ1.5メートル程の棒)
ロープ(縄)
ロングポール(最大10メートルまで高跳び用のような棒)
に変形する。
例え破壊されても、
グリップ部が残っていれば、ベルトに収納する事により修復可能。

【アトランナの矛@DCエクステンデッド・ユニバース】
アクアマンことアーサー・カリーの母『アトランナ』が使用していた五つ又の矛。
現在はアクアマンの愛用武器となっている。
単独映画『アクアマン』において、アクアマンの父親違いの兄弟との最初の決闘で破壊された。

【アトラン王の鎧@DCエクステンデッド・ユニバース】
アトランティス初代国王・アトランが着ていた鎧。
黄金色に輝く魚鱗柄の上半身と緑色の下半身で構成されている。
単独映画『アクアマン』で、アクアマンがアトラン王のトライデントを手にした時に同時に入手したもので、原作コミックスのアクアマンのコスチュームに似ている。

【魚@現実】
会場周辺の海にいるNPC達。
基本的に全て日本近海に生息する、もしくは一般的に漁獲されている魚類や甲殻類、プランクトンなど。
アクアマンは魚を初めとする水棲生物をテレパシーで操る事ができるので、全てアクアマンの味方と言っても良い。


288 : ◆4kMBNI9QkE :2020/08/13(木) 17:30:51 Qr1uGYdg0
投下終了します


289 : ◆NIKUcB1AGw :2020/08/13(木) 22:10:54 2mCzICCg0
投下します


290 : デッド オア イート ◆NIKUcB1AGw :2020/08/13(木) 22:12:42 2mCzICCg0
バトルロワイアル開幕早々、トルネコは死にかけていた。
厳密に言うと、死にかけた状態でバトルロワイアルに参戦させられていた。

彼は、ダンジョンでの冒険中だった。
しかしその途中で食糧が尽き、胃の中は空っぽ。
早く何か食べなければ、飢え死にしてしまう。
そんな状態の時に、トルネコは拉致されたのだ。

「しょ、食料……」

力なく呟きながら、トルネコは荷物に手を伸ばす。
殺し合いの場に連れてこられてしまった以上、考えなければならないことはいくらでもある。
だが、まずは何か食べてからだ。
飢え死にしてしまっては、殺し合い以前の問題なのだから。

「なんだこれは……。食料なのか?
 見たことがないが……」

カップラーメンを手に取ったトルネコは、困惑した表情でそれを眺める。
空腹でふらふらでも、そこは大商人のトルネコ。
すぐに、容器に書かれた注意書きに気づいた。

「なるほど、麺を乾燥させたものなのか……。
 お湯を入れて……3分!? 冗談じゃない、そんな悠長に待ってる余裕はないぞ」

いっそ、お湯で戻さずにそのまま食べてしまおうか。
おなかを壊すかもしれないが、腐ったパンよりはよほどましだろう。
そんなことを考えていたトルネコだったが、ふとカバンの奥に見慣れたものが入っていることに気づく。
それは、ダンジョンによく落ちている巻物だった。

「もしや、これは……!」

期待を胸に抱きながら、トルネコは巻物を手に取る。

「やった! パンの巻物だ!」

その巻物は、トルネコの期待通りのものだった。
「パンの巻物」。自分の持っている道具一つを、大きなパンに変えることができるアイテムだ。
トルネコはすぐさまそれを、カップラーメンに使う。
瞬く間に、それはおいしそうなパンに姿を変えた。

「助かったー! いただき……」

すぐにパンを口に運ぼうとするトルネコだったが、その手が止まる。
自分に、強烈な視線が向けられていることに気づいたからだ。
トルネコは、視線の元に顔を向ける。
そこにいたのは妙に頭がとがったピンクの肌の老人と、褐色の肌の少年だった。
二人とも人間にしては、少々外見が不自然だ。
ひょっとしたら未知のモンスターか。
そう考えて警戒するトルネコだったが、ふとあることに気づく。
彼らの視線は厳密には自分でなく、自分の持つパンに向けられていることに。

「ひもじいのう……」
「お・つ・ま・み〜」

二人の口から、つぶやきと共によだれがあふれ出す。
それを見て、トルネコは確信した。
彼らは、自分の生命線であるこのパンを狙っているのだと。

「うおおおお!! 盗られてたまるかーっ!」

気力を振り絞り、トルネコは走り出した。
略奪者を振り切り、安全なところでパンを味わうために。


【トルネコ@トルネコの大冒険シリーズ】
[状態]満腹度0%
[装備]なし
[道具]基本支給品、大きなパン@トルネコの大冒険シリーズ、ランダム支給品0〜2
[思考]基本行動方針:まずは餓死を回避する
1:二人組からパンを守り切る
[備考]
パンの巻物により、カップラーメン1個を大きなパンに変えています。


【パンの巻物@トルネコの大冒険シリーズ】
手持ちのアイテム1個を、「大きなパン」に変えるアイテム。使い捨て。
対象は剣だろうが盾だろうが指輪だろうが関係ない。
うっかりレアアイテムに使っちゃうと悲惨。


【ヒモ爺&つまみぐいのすけ@妖怪ウォッチ(TVアニメ版)】
妖怪たちの間で恐れられる、食いしん坊コンビ。
料理、あるいは食材になり得る生物(貝やウニなど)をモチーフとする妖怪が彼らに遭遇すると、もれなく食べられる。
今回は、参加者の食料を狙うNPCとして配置されている。
基本的に参加者自体には危害を加えないが、上記の条件に当てはまっている場合はその限りではない。


291 : ◆NIKUcB1AGw :2020/08/13(木) 22:13:57 2mCzICCg0
投下終了です


292 : 名無しさん :2020/08/14(金) 03:22:56 SDUjl7Mk0
未経験の者ですが、投下してもよろしいでしょうか?


293 : ◇ SDUjl7Mk0 :2020/08/14(金) 03:23:54 SDUjl7Mk0
名前にIDを入れたら良いのでしょうか?
亀レス申し訳ございません。とりあえず投下してみたいと思います。


294 : バトルロワイアルの流儀◇ SDUjl7Mk0 :2020/08/14(金) 03:25:26 SDUjl7Mk0
「テーマパークに来たみたいだぜ、テンション上がるなぁ〜」

サラリーマンがよく着ているであろうビジネススーツを纏い、「一般人」を装う男が、これから始まるであろう大惨劇に興奮を隠し切れずにいた。

男の名は野原ひろし………いや、野原ひろしなのだろうか、彼の「本当」の名前は実のところ誰も分かっていない。
今後、彼の名は「ひろし?」とする。

場所はどこか生活の跡を感じることができる商店街、目につく様々な店の中を不気味に真っ黒な目で観察しながら、堂々と道の中央を歩いていた。

そして、彼の手にはしっかりとデザートイーグルが握られていた。一見見ただけではポケットに手を突っ込んだまま歩いている男にしか見えない、これは、相手に武装状態を悟らせないようにする彼の殺し屋としての「流儀」である。
殺意を極限まで隠し通し、油断を誘い、そしてハンドインポケットの状態からコンマ1秒のロスも生じさせない早撃ちを眉間にぶち込む。殺し屋として歩んできた人生の中で培われたひろし?の業である。

「おっ、いたいた」

まるで昔ながらのそば屋を見つけたかのような表情をし、ついに他の参加者の姿をとらえる。

発見したの言葉と同時に、既にひろしの右腕はポケットから出ており、その銃口から乾いた破裂音と共に、店のガラス窓を突き破り目標の狙撃を終えていた。


「あああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」


【絶叫するビーバー:死亡】

野太い声が鳴り響いた後、その声の主の体が倒れる音が返ってきた。

生死確認のために店内へ侵入したひろし?であったが……。

「……あれ?動物じゃねーか」

倒れていたのが動物で拍子抜けしたひろし?であったが、その首元に首輪が装着されていることから、この動物も参加者の内の一人であったことを察し、これまた気が抜けてしまう。

「おいおい勘弁してくれよ〜?もっと歯応えのあるヤツじゃないと面白くないぜ」

ひろし?は再び銃を握った手をポケットに入れ、その店を後にした………。


【野原ひろし?@野原ひろし 昼めしの流儀】[状態]:健康、ガッカリした気分[装備]:右手にデザートイーグル[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2個[思考・状況]基本方針:他参加者の殺害1: テーマパークに来たみたいだぜ2:絶対するビーバーを殺害
3:他の参加者はもっと歯応えのあるヤツでいてほしい[備考]原作とは性格が大きく掛け離れてます。「自分を野原ひろしと思い込んでる一般人」「殺し屋ひろし」の両要素を含んでます。


295 : ◇SDUjl7Mk0 :2020/08/14(金) 03:25:54 SDUjl7Mk0
投下終了です。


296 : ◇SDUjl7Mk0 :2020/08/14(金) 03:27:56 SDUjl7Mk0
申し訳ありません。なぜかレス時に改行されてなかったので修正させていただきます。

【野原ひろし?@野原ひろし 昼めしの流儀】
[状態]:健康、ガッカリした気分
[装備]:右手にデザートイーグル
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2個
[思考・状況]基本方針:他参加者の殺害
1: テーマパークに来たみたいだぜ
2:絶対するビーバーを殺害
3:他の参加者はもっと歯応えのあるヤツでいてほしい
[備考]原作とは性格が大きく掛け離れてます。「自分を野原ひろしと思い込んでる一般人」「殺し屋ひろし」の両要素を含んでます。


297 : ◇SDUjl7Mk0 :2020/08/14(金) 04:31:12 SDUjl7Mk0
すみません、また投下させていただきます。


298 : ◇SDUjl7Mk0 :2020/08/14(金) 04:33:29 SDUjl7Mk0
「ぅお〜〜い!グルミット〜!どこだ〜〜い!」

既に殺し合いが始まっているというのにも関わらず、無用心に声を大きくしながら、自分の飼い犬であり、仕事仲間であり、大親友であり、家族であるグルミットを探すアホっぽい男、ウォレス。

まるで今、どれほど危険な状況に放り込まれているのか分かっていないかのように思えるが、一応彼は彼なりに考えて行動しているのだ。

「う〜〜ん参っちゃったなぁ、グルミットがいればこの首輪の解析もスムーズに行くって言うのに、肝心な時にいないんだから全くもぉ〜う!」

彼はこう見えても発明家なのである、機械に関する知識はかなり高く、これまでに数多くの生活を豊かにする発明品を作っているのだ。その知識があれば、この首輪の解除もまた容易であるはず、なのだが………。

「やれやれ、グルミットの首輪を引っこ抜いてバラバラしてみようと思ったのになぁ〜」

思考回路がかなり馬鹿なのである。首輪の構造を見るために手元に置こうとするまではいいものの、なぜかグルミットの首輪を引っこ抜いてから、その解除方法を探ろうとしてるのだ。支離滅裂である。

「はぁ〜困った困った……ややっ!?」

途方に暮れる中、ウォレスの視界に自分と同様に首輪を装着した参加者が映る。

「ラッキー!あの人の首輪貰いに行こ!ちょっとすみませーん!あなたもこの、えーっと、バトル・ロワイアルの参加者ですか〜?」

無警戒にその参加者へ近づくウォレス

そして、話しかけられた参加者もまた、ゆっくりとこちらを振り返るのだが………。

「ぎゃあああああああ!?!?ばばばば、バケモノ〜〜〜〜〜!!!」

その者の顔は、酷く歪んでいた。目と口が顔全体を覆う謎の器具によって強制的に開いたままにされており、不気味な笑顔を浮かべながら白く光る眼でじっとウォレスを凝視していた。

恐ろしい形相に思わずウォレスは飛び跳ね、そのまま回れ右し、逃げ出した。

この判断は正しかった、話しかけたこの男は殺し合いに乗る凶悪なマッドドクターであったのだ。

男は手に持っていた懲罰棒を振り上げ、脳内にこびり付く嫌な笑い声とともに、ウォレスを追跡し始めた。

「いやぁあああ〜〜ん!!誰かたぁーーすけてぇーーーーー!!!」


───チェイスが始まった。


【ウォレス@ウォレスとグルミット】
[状態]:健康、吃驚仰天、恐慌
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜3個
[思考・状況]基本方針:首輪解除方法の探索
1: グルミットはどこだい?
2:首輪を外してとっとと帰ろう!
3:ぎゃああああ!!バケモノに追われてるぅ〜〜〜!!
[備考]
「ウォレスとグルミット ペンギンに気をつけろ! 」の日本語吹き替え(cv:萩本欽一)のような喋り方をします。

【THE DOCTOR@Dead by Daylight】
[状態]:健康、興奮
[装備]:トゲ付き懲罰棒
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2個
[思考・状況]基本方針:他参加者の殺害
1: ウォレスを追跡中
2:目の前にいる男(ウォレス)を痛めつけたい
[備考]
「カーターの電流」は使えます。また、「圧倒的存在感」「観察&虐待」「オーバーチャージ」のパークも付けてますが、あまり描写には関係無いと思います。アドオンは無し。


299 : ◇SDUjl7Mk0 :2020/08/14(金) 04:33:50 SDUjl7Mk0
投下終了です。


300 : ◇SDUjl7Mk0 :2020/08/14(金) 04:48:05 SDUjl7Mk0
>>298
タイトルをつけ忘れてしまいました。
「ウォレス お医者さんで大ピンチ!」でお願いします。


301 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/14(金) 05:04:23 52eQhz1g0
当企画への投下、ありがとうございます。

>海中決闘!仮面ライダーXVSアクアマン
まさかの日米ヒーロー対決(三回目)。
水中戦というありそうでなかった場面を人選ともに充分に活用していると思います。
矛と拳で語り合った敬介とアクアマン、力強い対主催コンビだと思いました。

>デッド オア イート
普通のロワと違って食料が特殊なコンペロワ、餓えたトルネコにはキツそう。
実際カップ麺は出展によっては食べ方すらわからない物体ですよね。栄養はともかく生でも食えるのはまだマシですが……。
そんな未知の食べ物も、即座に説明に気づき理解するトルネコに大商人の貫禄と逞しさを感じました。パンの巻物を引き当てた事で食料事情は他の参加者に一歩リードしているのも幸運でしたが、同時にNPCの攻撃条件を満たしてしまったのは不運。

>バトルロワイアルの流儀
自分を野原ひろしと思い込んでいる精神異常者、すごい人選です。
ただの野原ひろしだと思い込んでいる一般人ではなく殺し屋としての能力を備えたひろし?は強マーダーになり得ますね。

酉の付け方ですが、名前の欄に「#◯◯◯」を付けてください。◯◯◯には好きなワードを英単語で書き込むと出来ます。
書き手の区別に使われるので、使ったワードは覚えておくかメモを控えることをオススメします。
未経験でも大歓迎!書きたいものを書く、それがコンペロワ!

慣れない中での投下、ありがとうございました。

ついでに【絶叫するビーバー】ですが、初登場のNPCに関しては簡潔でも良いので出展の明記や解説など付けて頂けると幸いです。

例)
【ゴブリン@ゴブリンスレイヤー】
 NPC。狡猾で残忍、かつ極めて自己中心的で執念深い。
 夜目が利き、暗所を好み、闇夜に乗じて害を振り撒く。
 弱そうな参加者を積極的に襲い、基本的に女性は「孕み袋」にする。上位種もいるかもしれない。

>ウォレス お医者さんで大ピンチ!
これぞコンペロワ!という感じがする人選で面白かったです。
ウォレス、最初に遭遇したのがキラーなのは不運。しかしどっちみちドクターの能力で発見される可能性もあったしチェイス開始は不可避ですね。
ドクターは最近全パークを揃えた思い入れのあるキャラです。まさか私の企画にDBDが投下されるとは思いませんでした。
バカっぽい男と言えど発明家。貴重な首輪解除要因になりうる人選かもしれません。


302 : ◆5RRtZawAKg :2020/08/14(金) 12:09:22 SDUjl7Mk0
名前欄に◆SDUjl7Mk0と書いたものです。了解です!以後はこっちの名前を使いたいと思います!
絶叫するビーバーの件、了解しました。

【絶叫するビーバー@meme】
[状態]:死亡
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜3個
[思考・状況]基本方針:不明
1: ひろし?の襲撃に遭い死亡
2:ああああああああああああああああ!!!!!!
[備考]
Twitterなどでよく見る、野太い声で叫ぶあのビーバーです。


303 : ◆.EKyuDaHEo :2020/08/14(金) 13:28:13 tffIM3yY0
自分も変えておきます、名前欄に◇vz5mdokwegと書いたもの、野原ひろし&孫悟空、佐藤マサオ&ヴィータを書いたものです、名前変わりますがよろしくお願いしますm(_ _)m


304 : ◆NIKUcB1AGw :2020/08/14(金) 14:51:31 umFfnY3.0
投下します


305 : 風が交わるとき ◆NIKUcB1AGw :2020/08/14(金) 14:53:01 umFfnY3.0
月光ハヤテは、気がつけば木の上にたたずんでいた。

(なんだ……いったい何が起きた……)

もとより病人のような顔に大粒の汗を浮かべながら、ハヤテは必死で状況を整理しようとする。
自分は砂隠れと音隠れの密会を目撃し、こちらに気づいた砂隠れの忍と戦闘になった。
そこまでははっきりと憶えている。
だが突然記憶がぷっつりと途切れ、次に意識が戻ったときには「これから殺し合いを始める」という宣言を聞かされていた。
そして、やはりまったく気づかぬうちにここにいた。

(改めて考えても、わけがわからない……)

人間をワープさせること自体は、時空間忍術を使えば不可能ではない。
だがそれほど大がかりな忍術を戦闘中にかけられて、気づかないわけがない。
しかも自分はいつの間にか首輪をつけられ、荷物を持たされている。
ただワープさせられただけなら、この事実に説明がつかない。

(仕方ない。今ある情報で結論が導き出せないというのなら、いったん置いておこう。
 考えるべきは、自分が何をすべきかだ)

木ノ葉隠れの忍としての月光ハヤテが、もっとも優先すべきこと。
それは、同盟国である砂隠れの裏切りを一刻も早く上層部に報告することだ。
だが、殺し合いの檻に閉じ込められた現状ではそれができない。
里に戻るには、殺し合いを終わらせなければならない。
つまりは、優勝する必要がある。
しかしそれは、本当に正しい行いだろうか。
殺し合いにいかなる者たちが参加させられているかは、まったくわからない。
ひょっとしたら、自分以外はみな戦うすべなど知らない一般人かもしれない。
それを虐殺してまで使命を果たすのが、本当に忍としてやるべきことだろうか。

(武器はある……。これまで汚れ仕事の経験がないわけじゃない……。
 それでも、この状況で人を殺すのはためらわれる……)

悩みながらも、ハヤテは自分の荷物をチェックしていた。
その結果出てきたのは彼が得意とする得物である刀と、飛び道具の「千本」が30本ほど。
戦闘を行うには十分だ。
だがそれでも、彼の中からは迷いが消えない。

(ならばもう、運を天に任せるか……)

最終的に、ハヤテはおのれの行動方針を偶然に預けることにした。
この地で最初に見かけた人間が攻撃してくれば、自分も殺し合いに乗る。
そうでなければ、殺し合いにあらがう。
そして数分後、彼がいる木の前を一人の参加者が通りかかった。
それは、車椅子に乗った少女だった。

(なるほど……)

接触するまでもなく、ハヤテは決断した。
参加者の中には、あれほどまでに無力な存在もいる。
それを切り捨ててまで任務を優先するなど、おのれの忍道に反する行為だ。
殺し合いにあらがい、主催者を倒して胸を張って里に帰還する。
それが、彼の選んだ道だった。

(では、まずは彼女を保護することから始めようか……)

ハヤテは勢いよく木から飛び降り、少女の前に着地した。

「ひゃあっ!」

驚愕の声を上げる少女に対し、ハヤテは淡々とした声で話しかける。

「失敬、一般の方には刺激の強い登場の仕方でしたか……。
 こちらに、あなたへ危害を加える意志はありません。けほっ、けほっ……。
 私は、月光ハヤテと申します。あなたのお名前も聞かせていただけますか?」

ハヤテの自己紹介に対し、まだ衝撃が抜けていない少女もたどたどしく返す。

「えっと、あの……。八神、はやてです」


【月光ハヤテ@NARUTO】
[状態]健康(?)
[装備]不死川実弥の日輪刀@鬼滅の刃、鶴嘴千本@魁!!男塾×30
[道具]基本支給品、ランダム支給品0〜1
[思考]基本行動方針:殺し合いを破綻させ、里に帰還する。
1:はやてを説得し、保護する
[備考]
参戦時期は中忍試験・第三次試験予選終了後、バキとの戦闘中。


【八神はやて@魔法少女リリカルなのはA's】
[状態]健康
[装備]車椅子@現実
[道具]基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考]基本行動方針:死にたくない


【不死川実弥の日輪刀@鬼滅の刃】
風柱・不死川実弥が使用する日輪刀。
鬼の首をはねることで、その命を絶つことができる。
実弥のものは刃の紋様、鍔の形状共に刺々しいのが特徴。


【鶴嘴千本@魁!!男塾】
三面拳の一人・飛燕が愛用する武器。
読みは「かくしせんぼん」。
長さ20センチほどの針で、投擲して敵を攻撃する。


306 : ◆NIKUcB1AGw :2020/08/14(金) 14:54:11 umFfnY3.0
投下終了です


307 : ◆4kMBNI9QkE :2020/08/14(金) 15:19:22 2IG5bBks0
投下させていただきます。


308 : Re:CREATORS外史 颯太、恋姫に出会うのこと ◆4kMBNI9QkE :2020/08/14(金) 15:20:15 2IG5bBks0
「そんな・・・どうして、あんな・・・うっ!うげっ!!」

眼鏡をかけたブレザーの学生服姿の少年・・・水篠颯太はついさっき起こった主催者による『殺し合いの開催宣言』と、
見せしめとして無惨に殺された人物の姿を思いだし、
胃袋の内容物を何度も地面に吐き下していた。

突然『物語のキャラクター』が現実に出てくるという異常事態に巻き込まれてしばらく経つが、
本来の颯太は投稿サイトにイラストの投稿を行っている事を除けば、
どこにでもいる平凡なオタク少年。
こんな何年か前に、
藤原竜也主演で映画化された高見広春の小説みたいなイベントに強制参加されて平常心を保てる程、
図太い精神など持ってはいないのである。

「ハァ・・・ハァ・・・」

胃の内容物を粗方吐き終え、颯太は荒い息を漏らしながら口を拭った。
とりあえずは、他の参加者に会う前にどこかに隠れなければ・・・。
とりあえずの方針を決めると、颯太は自身に支給品がされたデイバッグに手を伸ばし・・・その動きを止めた。
いや、『止められた』というべきか。

突如、颯太の首筋に冷たく硬い物が押し当てられ、颯太の動きは封じられてしまったのだ。

「動くな。動かなければ悪いようにはしない」

背後から若い女性の声が聞こえ、颯太は冷や汗を流しながら大きく唾を飲み込んだ。

「お前はこの殺し合いに・・・」
「の、乗ってないです・・・」

背後からの問いかけに、颯太は少々早口になりながら即答する。
しばしの沈黙の後・・・颯太の首筋から冷たい感触が消えた。

「・・・ハァ〜」

颯太は安堵のため息を漏らした

「驚かして申し訳ない。私も、無闇に人の命を奪うような真似をするつもりはない」
「い、いえ・・・こんな状況ですし・・・」

仕方ない、と続けようとして背後を振り返り・・・颯太は目を丸くした。

そこには緑を基調としたチャイナドレスのような服を着用し、長く美しい黒髪をサイドポニーテールでまとめた美少女が、包丁を手にして立っていた。
持っている武器こそ違うが・・・颯太はその美少女を知っていた。


309 : Re:CREATORS外史 颯太、恋姫に出会うのこと ◆4kMBNI9QkE :2020/08/14(金) 15:21:31 2IG5bBks0

「か、関羽雲長・・・愛紗?」

そう・・・今颯太の目の前にいるのは、
『三国志』をモチーフとしたアダルトゲームを原作とするメディアミックス作品『恋姫†無双』シリーズに登場するヒロインの一人『関羽』こと『愛紗』だったのだ。

「!」

颯太の呟きを耳にすると、愛紗は目の色を変えて颯太に飛びかかり、颯太の体を地面に押さえつけた。

「うわあぁぁ!?」

情けない事に、颯太はろくに抵抗らしい抵抗もできずに 大して歳の変わらない少女に地面に押さえつけられてしまい、その喉元に包丁を突きつけられたのだった。

「貴様・・・何故、私の『真名』を知っている!?」

愛紗は今にも颯太の喉に包丁を突き刺さんとするかのような剣幕で、怒りを露にしていた。
『真名』とは、『恋姫†無双』シリーズの大半のキャラクターに設定されている『モデルとなった三国志の人物のものとは違う、もう一つの名前』で、今颯太の目の前にいる蜀の武将『関羽雲長』がモデルの少女の『愛紗』という呼び名もその一つである。
この『真名』は『本人が心を許した証として呼ぶことを許した名前』であり、これを本人の承諾無しに呼ぶ事は、問答無用で切り殺されても文句が言えない程失礼な行為なのである。

「あ、あの・・・愛・・・」
「貴様に真名を許した覚えはない!」
「は、はい!ごめんなさい関羽さん!!」

とても自分と大して歳の変わらない少女とは思えない剣幕を見せる愛紗に、颯太は反論する事もできなかった。

「貴様、何故私の名を・・・真名までも知っている!?貴様はあの主催者の仲間なのか!?」
「いや・・・その・・・」
「貴様は何者だ!?」
「は、はい!み、水篠、水篠颯太!です・・・」

颯太は内心、『セレジアさんと最初に会った時みたいだなぁ・・・』などと現実逃避的な感想を抱きながらも、何とかこの場を切り抜けようとしていた。

「か、関羽さん!僕はあの主催者とは全然関係無いんです!僕も貴女と同じで、無理矢理連れて来られて・・・」
「・・・」

颯太は必死に弁解するが、愛紗は颯太の喉元から包丁を離そうとはせず、颯太に疑いの眼差しを向けていた。

「あ、あの!原作のゲームはやった事無いけど、ノベライズとコミカライズは読みましたし、アニメ版は全部見ました!『桃園の誓い』のシーンは凄くて・・・」
「原作?アニメ?何を言って・・・」

途中から弁解ではなく、『恋姫†無双』シリーズの感想を述べ始める颯太に、愛紗は首を傾げるが・・・

「!」

颯太の口にしたある言葉に気づいて目を丸くした。

「『桃園の誓い』だと!?姉上と義姉妹の誓いをたてた時の事か!?」

『桃園(とうえん)の誓い』とは、
三国志演義の序盤において、後に『蜀』を建国する事になる劉備、関羽、張飛の三人が
義兄弟の契りを結ぶシーンの事であり、
三国志をモチーフとする恋姫†無双シリーズにおいてはアニメ版第二期のオープニングテーマのタイトルのモチーフとなっているのだ。

「どういう事だ!?あの時、あそこにはお主のような者の姿はいなかった!どうしてお主が知っているのだ!?」
「そ、それは・・・」

颯太は恐る恐る語り始めた。
何故自分が愛紗の真名や義姉妹との誓いを知っているのかを、
そして『恋姫†無双』という物語についてを・・・。
ちなみに、念のため原作の主人公である『北郷一刀』を知っているか聞き、愛紗が『知らない』と答えたので、アニメ版を中心に話している。


310 : Re:CREATORS外史 颯太、恋姫に出会うのこと ◆4kMBNI9QkE :2020/08/14(金) 15:24:45 2IG5bBks0

☆☆☆

「・・・という訳なんです」
「・・・」

颯太が話終えると、愛紗は豊満な胸の前で腕組みをしながら神妙な表情を浮かべていた。
ちなみに現在、颯太は拘束を解かれて、愛紗と向かい合う形で共に地面に正座していた。

「つまり・・・私はお主の世界で造られた『物語』の『登場人物』だと、そういうのだな?」
「は、はい・・・いきなり信じられないかもしれませんけど・・・」
「・・・当たり前だ!!」

愛紗は地面に拳を叩きつけながら激昂し、颯太はビクリッ!と震え上がった。

「私のいた場所が、私の仲間や義姉妹が、私自身やその人生が・・・『娯楽』の為に造られた『絵空事』だと!?そんな世迷い言、信じられる訳ないだろう!!」
「いや、あの、僕に言われても!?」

いかに大して歳の変わらない少女とはいえ、相手は百戦錬磨の武将。
ただのオタク高校生に過ぎない颯太は、その剣幕に涙目を浮かべながら震え上がるしかなかった。

「・・・あぁ、いや、すまん」

激昂した後、愛紗は頭を抱えながらため息を漏らした。

「・・・正直信じられないのは本当だが、嘘をつくならばもう少し本当らしい嘘をつくだろうし、私や義姉妹達についてあそこまで詳しいとなると・・・信じざるえないようだ」
「そ、そうですか・・・ハァ〜」

愛紗がとりあえずではあるが納得してくれたので、颯太は安堵のため息を漏らした。

「・・・それで、話は分かったが・・・お主、これからどうするのだ?」
「えっ?そ、そうですねぇ・・・」

愛紗に今後の方針を問われ、颯太は黙りこんでしまった。

先ほどから何度も書いているが、颯太は平々凡々としたオタク少年。
友人であるセレジアやメテオラ等『被造物』と違い、戦う力など持っていない。
しかも、目の前にいる愛紗の存在から考えるに、
この殺し合いにはあの『軍服の姫君』・・・『アルタイル』が一枚噛んでいる可能性と、
他の『被造物』が参加している可能性も考えられる。
ますます颯太にはどうにも出来そうには思えなかった・・・。

「・・・」

颯太の頭の中は堂々巡りの考えばかりが過り、半ば思考停止状態に陥ってしまっていた。

「・・・ハァ、仕方ない」

黙りこんだままの颯太の姿に愛紗はため息を漏らすと、颯太の手を掴んで立ち上がった。

「な、何を!?」
「いつまでもこうしている訳にもいかんだろう。とりあえず場所を変えるぞ」

颯太は愛紗に引っ張られるまま、歩いていった



はたして、この殺し合いにおける彼らの『物語』はどのような結末を迎えるのか・・・
それはまだ誰にも分からないのだ。


【水篠颯太@Re:CREATORS】
[状態]:若干情緒不安定、
[装備]:無し
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本:殺されたくはない
1:・・・(思考停止状態)
2:他にも被造物が?
[備考]
アニメ第12話辺りからの参戦。
版権キャラやその出典作品に関する知識を持っています。
どの程度の知識があるかは、後の書き手さんに任せます。
この殺し合いに『軍服の姫君』ことアルタイル@Re:CREATORSが関わっているのでは?と考えているのでは?と考えています。

【関羽(愛紗)@アニメ版恋姫†無双シリーズ】
[状態]:健康、動揺(中)
[装備]:包丁@現実
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]
基本:殺し合いはしない
1:彼(颯太)と行動する
2:まさか自分が『物語の登場人物』だったとは・・・
[備考]
アニメ版第三期『真・恋姫†無双 〜乙女大乱〜』最終話後からの参戦です。
颯太の話を聞き、自分が『物語の登場人物』である事を知りました。


【包丁@現実】
どこの家庭にでも一本はある、ごく普通のステンレス製包丁。


311 : ◆4kMBNI9QkE :2020/08/14(金) 15:33:49 2IG5bBks0
投下終了します。
Re:CREATORSだからこそできる『現実に出てきた物語のキャラクター』という展開に、
初代アニロワのキョン&トウカコンビの話を参考にしてみました。


312 : ◆4kMBNI9QkE :2020/08/14(金) 16:18:05 2IG5bBks0
すいません。
状態表が少し変なので、修正いたします。

【水篠颯太@Re:CREATORS】
[状態]:若干情緒不安定、
[装備]:無し
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本:殺されたくはない
1:・・・(思考停止状態)
2:他にも被造物が?
[備考]
アニメ第12話辺りからの参戦。
版権キャラやその出典作品に関する知識を持っています。
どの程度の知識があるかは、後の書き手さんに任せます。
この殺し合いに『軍服の姫君』ことアルタイル@Re:CREATORSが関わっているのでは?と考えています。

【関羽(愛紗)@アニメ版恋姫†無双シリーズ】
[状態]:健康、動揺(中)
[装備]:包丁@現実
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]
基本:殺し合いはしない
1:彼(颯太)と行動する
2:まさか自分が『物語の登場人物』だったとは・・・
[備考]
アニメ版第三期『真・恋姫†無双 〜乙女大乱〜』最終話後からの参戦です。
颯太の話を聞き、自分が『物語の登場人物』である事を知りました。


【包丁@現実】
どこの家庭にでも一本はある、ごく普通のステンレス製包丁。


313 : ◆.EKyuDaHEo :2020/08/14(金) 18:19:18 tffIM3yY0
投下します


314 : 風間くん、闇統べる王と遭遇だゾ ◆.EKyuDaHEo :2020/08/14(金) 18:20:13 tffIM3yY0
「ここは一体?しんのすけ達はどこいったんだ?」

少年の名は風間トオル、春日部の平和を守る『かすかべ防衛隊』の自称リーダー。本人は否定するがマザコンで若干ツンデレ質もある、そして彼は魔法少女好きだ。

「おかしいな...さっきまでしんのすけ達とかすかべ防衛隊の会議をしてたのに...それにあの変な人の言ってたこと...」

変な人とは主催のことだろう、風間は幼稚園児だが小学生並の頭脳を持っている、なので殺し合いという意味は少しは分かっていた

「とりあえず支給品を確認しよう」

そう思い支給品が入ってるデイパックに手をいれ一つ取り出す

「なんだろうこれ?トランプみたいなカードだけど...あ、説明書がある」

説明書には「このスゲーナスゴイデスのトランプは一枚持って『スゲーナスゴイデス!』と唱えると自分が思い浮かんだものに変身できたり、物をだすことができる、しかし三枚しか入ってないため使用回数は3回まで」と書かれていた

「なるほど...これは結構使えるかもしれないな...使用回数は3回...しっかり管理しないとだな」

風間がスゲーナスゴイデスのトランプをしまい、別の支給品取り出そうとする、その時だった

「おい、そこの子供!」

いきなり声が聞こえてびっくりした風間だが、子供という言葉が聞こえ自分に言ってると気付き恐る恐る振り返ってみる、するとそこには風間より少し年上の少女がいた


315 : 風間くん、闇統べる王と遭遇だゾ ◆.EKyuDaHEo :2020/08/14(金) 18:20:40 tffIM3yY0
「な、何か僕に用でしょうか?」

すると少女は風間に近づきじーっと風間を見つめる、自分より年上の少女に見つめられ風間は顔を赤くして焦る

「な、な、何ですか!?///」
「お前首輪がついているということは我と同じ参加者か?」

少女との距離の近さに動揺しながらも風間は頷く。

「やはりか...名前はなんだ?」
「風間、風間トオルです」

すると少女は考え込んだ...

(この青髪...まだ相当幼い子供だな...あまり殺し合いについては理解できていないように見えるな...どうするか...)
「あ、あの〜...」

風間に声をかけられ振り向く

「どうした?」
「あ、その...お姉さんの名前は?」
「我か?我の名は...」

すると少女はカッコつけるようなポーズをする、そして...

「闇統べる王!ロード・ディアーチェだ!」
「・・・💧」

風間はディアーチェと名乗る少女の厨二病みたいな発言とポーズに戸惑い、冷たい目で見ていた

「む?どうしたのだ?」
「あ、いや別に...💧」(この人意外にヤバい人なのかな...💧)

風間はあえて口にはせず心の中にとどめた...するとディアーチェが話を切り出す

「まぁいいであろう、それで青髪、お前はこれからどうするつもりだ?」
「青髪じゃなくてトオルですよ💧そうですね...とりあえず僕はもしかしたら友達もここにいるかもしれないので友達を探そうと思います」
「そうか...」

するとディアーチェは再び考え込みあることを決めた

「よし!ならば我も一緒についていってやろう!」
「え!?いや別にそんな...」
「だが勘違いするではないぞ!別に青髪が心配で一緒に行動するとかそんなではないからな!///本当に違うからな!///」

あ...やっぱりこの人めんどくさそうだなぁ...と風間は心の中で思ったのだった、果たして二人は上手くやっていけるのだろうか...

【風間トオル@クレヨンしんちゃん】
[状態]:健康
[装備]:スゲーナスゴイデスのトランプ@クレヨンしんちゃんヘンダーランドの大冒険
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]:基本行動方針:しんのすけ達を探す
1:とりあえずこのお姉さん(ロード・ディアーチェ)と行動する
2:このお姉さん大丈夫かな...💧
[備考]スゲーナスゴイデスのトランプの使い方を知りました

【ロード・ディアーチェ@魔法少女リリカルなのはPORTABLE】
[状態]:健康
[装備]:紫天の書@魔法少女リリカルなのはPORTABLE
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]:基本行動方針:トオルと行動する
1:青髪(トオル)を守r...しかたなく一緒に行動する
[備考]
出展は魔法少女リリカルなのはPORTABLE-THE GEARS OF DESTINY-マテリアル娘から。お母さん属性に溢れた性格になっている


316 : 風間くん、闇統べる王と遭遇だゾ ◆.EKyuDaHEo :2020/08/14(金) 18:21:49 tffIM3yY0
【スゲーナスゴイデスのトランプ@クレヨンしんちゃんヘンダーランドの大冒険】
ヘンダーランドの大冒険に出てくる魔法のトランプ。一枚持って『スゲーナスゴイデス!』と唱えると自分が思い浮かんだものに変身できたり、物をだすことができる、しかし三枚しか入ってないため使用回数は3回まで。
風間トオルに支給。

【紫天の書@魔法少女リリカルなのはPORTABLE】
ロード・ディアーチェのデバイスの一つ。さまざまな魔法やデータが記されている、ちなみにこれは彼女(ロード・ディアーチェ)しか扱うことができない。
ロード・ディアーチェに支給。


317 : ◆.EKyuDaHEo :2020/08/14(金) 18:22:52 tffIM3yY0
投下終了です


318 : ◆ruUfluZk5M :2020/08/14(金) 20:10:52 plokByRE0
投下します。


319 : 情熱の風/探偵S/私の名は ◆ruUfluZk5M :2020/08/14(金) 20:14:47 plokByRE0
 湖からやや離れた、草木の生い茂る場所に巣食っていたゴブリンたちは困惑していた。
 無防備に出くわした人間を襲って殺そうとしたら、いきなり自分たちの動きがスローになってしまったからだ。
 その襲おうとした人間ふたりは平然とゴブリンたちをスルーしながらスタスタ歩いている。
 だがこのふたり、実は人間でさえない。その正体は人間に擬態した機械生命体、ロイミュードである。

 丸い黒のサングラスに白スーツと帽子と言う、チャイニーズマフィアのような格好の姿をしたロイミュード006。
 そしてテンガロンハットを被りティアドロップのサングラスをしたアメリカンな服装の姿のロイミュード008。
 ふたりは自分たちの能力に全く対応できないゴブリンたちを冷ややかに見下していた。
「つまらないね」
「全くだ」
 人に擬態こそしているが、ロイミュードの強化された鋼のボディは雑魚であっても弾丸を物ともしない。
 ましてや戦いに向いた幹部ともなれば十トン単位の鉄塊を叩きつけられても耐えるレベルだ。
 そしてロイミュードは皆、重加速というあたり一体のあらゆるものの動きをスローにしてしまう能力を持っている。
 これに対処できるのは耐性や巨大なエネルギーを持つ存在だけだ。

 008……その真の名「トルネード」は自分自身が風を操り、風を吹かせ、ピンポイントに竜巻を起こして攻撃もできる。怪人の姿である進化態を現せば強力なドリルも使える。
 006もその強力無比である中国拳法のような格闘術は、超音速の戦闘を可能とする仮面ライダーをも人間としての姿のまま圧倒するほどだ。
 全てにおいて負ける要素が無い。無防備なまま百体のゴブリンに囲まれ攻撃を受けても怪我すらできるか怪しいレベルの実力差がこのふたりとゴブリンにはあった。

「で、お前はこの戦い乗るのか?」
 重加速にたじろぐゴブリンたちを無視すると、トルネードは006へと今後の方針を聞く。
 殺し合いの場だと言うのに、まるで喫茶店で「お前は注文どうする?」と聞いてるような気軽な問いかけだった。006もまた気軽に返す。
「どうだっていいね。お互い死んだ身だ。強いやつが居るのなら戦うけど……乗るにしてもそっちみたいに同じロイミュードが来てるとなると困るねぇ」
「たしかに。仲間同士で殺し合いはボスも悲しむだろうしな。それに良い女が居るのなら殺したくはない」
 という訳で互いにスタイルがあるということで、好きにやろうとふたりは自然と別れた。

 ●

 006と別れ上空を人間体のまま風にのって飛行するトルネードは、このバトルロワイヤルをむしろチャンスだと捉えていた。
 仮面ライダーに倒されてコアごと爆散して死んだはずが、なぜか復活しているのだ、その時点で彼からすると儲けものである。
 何よりトルネードにとってうれしいのは支給品だった。とは言ってもなにか特別な武器やそれ自体に凄い効果のある道具ではない。


320 : 情熱の風/探偵S/私の名は ◆ruUfluZk5M :2020/08/14(金) 20:18:15 plokByRE0
 元々トルネードが持っていたが破壊されてしまったアクセサリー。自身が擬態し記憶を読み取った人間「ジョージ白鐘」が作ったネックレス。
 このネックレスが似合う女性と教会で結婚式を挙げる。それがジョージ白鐘の美学による望みであり、それに共感したトルネードの悲願でもあった。
 それを叶えた時にこそ自分の力は最強に高まる。現在の力が更に限界を超え金色の姿、超進化態となれる確信がトルネードにはあった。

 人の居そうな場所をめざして空をしばらく飛んでいると、何かを発見する。どうやらゴブリンと交戦している人間のようだ。
「あれは……!」
 トルネードは驚きを見せると、人の姿を捨て進化態の姿となって急いで向かった。

 ●

 学生服の高校生探偵である白鐘直斗はゴブリンの群れと出会い戦っていた。
 身体能力としてはただの人間である彼女は放っておけばそのまま犯されていただろうが、
 ペルソナ使いと言う一種の超能力者である彼女には自衛しゴブリンを簡単に蹴散らせるだけの能力があった。
 だが。
(くっ……殺し合いのみならずこんなおぞましいものまで配置するとは……!)

 獣としての本能か、美少年とよく勘違いされる容姿の自分を女性だとあっさり見ぬき無数に襲いかかってくるゴブリン。
 これらを斬り伏せて撃退し精神の分身として稼働し戦ってくれる「もうひとりの自分」たる直斗のペルソナだが、その動きはどこか精細を欠いている。
 理由は殺し合いの場という異常な状況のみならず、下卑た性的な欲望をあからさまに見せるゴブリンの存在。
 生理的な嫌悪感、そして思わず恐怖が先だってしまう今の白鐘直斗は最悪に近い精神コンディションであり、その動揺が戦闘全体のぎこちなさへと影響していた。


321 : 情熱の風/探偵S/私の名は ◆ruUfluZk5M :2020/08/14(金) 20:20:00 plokByRE0
 そして何匹もの切り伏せたゴブリンから漂う、滴る鮮血の匂い。
 野生動物を惨殺するような抵抗感もあってか、冷静ならすぐに全個体を瞬殺できるだろうゴブリンに対して彼女は手こずってしまっていた。
 本来の直斗ならば。万能属性攻撃や即死攻撃などいくらでも一掃する手段があったのだが、見せしめの死からの殺しあいを宣告されすぐゴブリンの襲撃という異常状況。
 動揺は動揺を生み、ペルソナの攻撃は鈍くなる。
 女性に対する欲望たぎらせ無数にやってくるゴブリンのうち一体が、その隙を狙って直斗の背後をとった。
「しまっ――」
 その瞬間。

「下衆な欲望だけのお前らにくれてやるには……もったいねえ女だな」
 竜巻のような風が吹き荒れ、直斗をガードするようにゴブリンたちを吹きとばす。
 気が付くと、水色の渦まく風を集めたようなフォルムの怪物が直斗の前に降り立っていた。
「モテねえやつほど見苦しいもんだ」
 と言うと、トルネードは突風による高速飛行を開始し、飛びまわりながらゴブリンを粉みじんにし吹き飛ばしていく。
 ゴブリンの血も肉も骨も、超音速の風の前に散り散りになってしまう。
 急な闖入者に、直斗は思わず驚くが――どうやら、敵ではないようだった。

「大丈夫か?」
 人間体へと戻ったトルネードは、風の衝撃に対し反射的に膝をついていた直斗の手を取って助け起こした。
「あ、ありがとうございます。あなたは……」
「俺の名はトルネード。世界を駆ける情熱の風さ」
「そう、ですか。僕は白鐘直斗です」
「白鐘? そうか……運命的な名前だ。素敵だな」
 奇しくもその名字は、ロイミュード008がその姿と記憶を擬態した人間と全く同じそれだった。
 このバトロワの切迫した状況の初対面でナンパじみた態度のトルネードに、直斗は内心ちょっと引いた。

 ●

「ペルソナ、ね。人間たちもおかしな超能力を持っているのか」
「機械生命体に仮面ライダー……そんな、別の世界だと言うのか」
 ゴブリンを全て殲滅し落ち着いて後に互いの情報交換をしていく内に、力や時代の違いがわかっていき、また主催の力の影響の大きさもうかがえた。
 全く別の世界から参加者をかき集めている事実。
「しかしよく僕が女性だとすぐ判りましたね。機械生命体だからこその観察力でしょうか……」
「いや、機械としての性能は関係無い。「俺」にはわかる。その学生服から覗く色気のある首は紛れもなく女だ」
「そ、そうですか……」
 マニアックに怖い答えが返ってきた。
(確かに僕はこの服装だと身体の起伏が目立たないけど……首に色気があると言う理由で気付かれたのは初めてだ……)
 妙なセックスアピールになっているのなら首を閉じた服の方がよいのだろうか? と直斗は少し悩んだ。


322 : 情熱の風/探偵S/私の名は ◆ruUfluZk5M :2020/08/14(金) 20:21:53 plokByRE0
「と、ところで学習、進化する機械生命体と言うのならこの首輪の解き方に心当たりは……」
「あるぞ」
「……! それは一体……」
「さっきも言ったが俺はトルネード……その名の通り風が俺の能力だ。風にのって高速移動や、突風で相手を攻撃したりな。その内の一つが全く使えないように制限されている」
 自らの能力や制限を平然と明かそうとするのは早々に信頼してもらえたのかそれとも自分の強さに対する自信か。
 このふてぶてしい言動からするとおそらくは後者だろうなと直斗はあたりをつける。
「風と同化する能力だ。これを使えば締め切った車の中だろうと風として入ったり、逆にその車の中から目当ての人間だけを浚って出たりできる」
 例えがなにやら犯罪的だが、そこは気にしないことにした。

「なるほど、つまり……例えばあなたが首輪を除いて風と同化してしまえば」
「そう、首輪なんて意味が無いんだよ。俺自身が風になって抜ければおしまいだ。他人の首輪だって同じことだ。一緒に風と同化して移動すればそれで首輪なんて取れる」
 シンプルだが、あまりにも端的な解決策。
「しかし制限されているとはいえ、あなたの持つその能力なら本当に首輪を外せる確証は?」
「ハッキリ言ってこの能力は俺が持つ風の力の中じゃそこまで強力な方じゃない。移動か逃走くらいにしか使えない力さ。なのにこの技だけが多少の制限どころじゃなく全く使えない」
「主催からすると逆説的な「使われては困る」能力としての証明になると……確定はしていないものの、根拠のひとつにはなりますね」
 明らかにそれだけでも異常な能力だがそれを大したことがない、と断言するトルネードの言葉は逆に奇妙な真実味があった。
 試す価値は大いにある。

「ああ。俺の制限を取っ払うことこそが全員の首輪を外す鍵だ。風は一度吹いたら止められねえ……そのためにはだ」
 思わず緊張した空気が流れる。そうだ、どれほど効果的な能力だろうとそれも制限された状態では意味が無い。トルネード自身の制限をまず解く手段が大事なのだ。
 果たして彼の制限を取り払うために必要な作戦とは。
「このネックレスを付けたお前と俺が海の見える教会で結婚式を挙げる――それにより俺は今の限界を超えた力へと到達するんだ」
「何を言っているんだ君は」
 思わず直斗はぞんざいにツッコミを入れた。


323 : 情熱の風/探偵S/私の名は ◆ruUfluZk5M :2020/08/14(金) 20:25:22 plokByRE0
「本気だ。俺たちロイミュードは個々の強烈な感情を極めることで自身の能力も極めることができるんだ。お前も精神が影響する特異な能力を持っているのならわかるだろう。俺の場合はこのネックレスの似合う最高の女との結婚なのさ」
「海の見える教会で?」
「海の見える教会でだ……もしここに無かったら困るな。建築のできる能力者でも居ればいいが」
「僕が……?」
「お前がだ。ウェディングドレスを着てな」
 唐突な結婚の申し出にふざけているのかと思ったが、トルネードの真剣なまなざしと言葉に本当だと理解せざるを得なかった。

 まずい、このひとほんきだ。

 だがいくらなんでも唐突すぎる事態に直斗も慌てる。
「いや、その……僕はまだ高校生で、しかも一年ですよ!?」
「高校生? なら俺たちロイミュードだって製作されて起動してからの年数はお前とほとんど変わらんと思うぞ。確か15年か16年くらいだからな」
「…………」
 どう見ても自分の倍以上は年齢がありそうな印象の大人の男性は、直斗とほぼ同い年らしかった。
 その頭脳と容姿から探偵王子との異名のある少女、白鐘直斗は今まで高校生探偵として全く直面したことのない、
降って湧いたような異常すぎる難問に茫然とするしかなかった――

 ●

 一方トルネードと別れた場所でぼんやりとしていた006は。
「トルネードの超進化の鍵は特定の女……か。ま、他所のやり方だしどうでもいいか。でも仲間とはいえ、手合わせの一つもしないのは惜しかったかな」
 と言いながら重加速を解くと、適当にゴブリンの群れに蹴りを入れていた。それだけでゴブリンが数十体は纏めて吹き飛んでいく。
 中には上位種じみた強い個体も中には居たようだが006にとってはあまり大差がない。
「こんなザコの下級にも遥かに劣るような連中が居るだけじゃ、私が超進化の頂に到達できるのはいつのことやら……蛮野が居ればな」
 かつて自分を殺した仇敵の名を言う。やつがこの戦いに参加していればリベンジもできるだろうにと恨みも込めた言葉だった。
 やがて、ゴブリンの相手に飽きた006はその場を去って行った。


324 : 情熱の風/探偵S/私の名は ◆ruUfluZk5M :2020/08/14(金) 20:26:45 plokByRE0
 さて。自身の個の感情が頂点に達したロイミュードは超進化態へと到達する。そのために強者の撃破を望む006は気付いていない。
 そのあまりにも強大な力を危惧されてか、真の力である怪人の姿とその恐るべき能力が全て丸ごと制限されていることに。
 いま彼が使えるのはロイミュードの基本的な能力である指先からのエネルギー弾攻撃や重加速、人の姿のままでも使える高度な格闘術だけということに。

 決して元々の世界で真の姿が不明なまま死んだからバトルロワイアルでも出せないわけではない。
 そういうことではないのだ。これはあくまで006の超強力な怪人の姿、進化態としての力を恐れた主催による陰謀なのである。
 全ては制限のせいなのだ。おのれ制限。

 原作だと進化態(怪人の姿)で戦う前に死んじゃったし公式設定でも不明なままなんだから、
制限とか関係無しに例えどの書き手だろうとどんな話になろうと006の怪人としての能力も姿も真の名前もわからないし出せっこないだろ――ということではない。
 ないったら、ない。


325 : 情熱の風/探偵S/私の名は ◆ruUfluZk5M :2020/08/14(金) 20:28:23 plokByRE0
【ロイミュード008(トルネード・ロイミュード)@仮面ライダードライブ】
[状態]健康
[装備]
[道具]基本支給品、ジョージ白鐘が制作したネックレス@仮面ライダードライブ、ランダム支給品1〜2
[思考・状況]
基本行動方針:ジョージ白鐘が作ったネックレスの世界一似合う女と、教会で結婚式を挙げて超進化態になる。
1:白鐘直斗……こいつは良いぜ。
2:制限さえ凌駕しちまえば俺の能力なら全員の首輪普通に外せるんじゃないか?
[備考]
 本編死亡後より参戦。
 制限により風との同化能力が封じられています。また風に乗っての超音速飛行戦闘はマッハ2が限界に定まってます。

【白鐘直斗@ペルソナ4】
[状態]健康、混乱、戸惑い
[装備]@
[道具]基本支給品、ダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本行動方針:バトルロワイヤルなんかに従いたくはない。
1:帰属する世界や能力が違うとなるとより詳しく調べなくては。
2:ぼ、僕は殺し合いの脱出のために会ったばかりの人外と結婚をしなければいけないのか……?
[備考]
 少なくともペルソナ能力に開眼してからの参戦。使えるスキルには特に制限はありません。どういったペルソナと能力構成になっているかはお任せします。

【ロイミュード006@仮面ライダードライブ】
[状態]健康、退屈
[装備]
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本行動方針:強いやつと戦って倒し超進化態となる。ザコはどうでもいい。
1:ゴブリンはいくら倒してもつまらない。強いのなら主催でも倒そうかな?
[備考]
 本編死亡後より参戦。
 制限により怪人としての姿(進化態)になれません。あくまで制限です。下級ロイミュード(怪人の力に覚醒して進化する前の戦闘員のような姿)にはなれます。
 他の部分に制限は特にありません。


326 : ◆ruUfluZk5M :2020/08/14(金) 20:29:20 plokByRE0
投下終了です。


327 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/14(金) 22:34:38 X0JVSnuI0
投下させていただきます。


328 : ドリルは男の浪漫 ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/14(金) 22:35:28 X0JVSnuI0
ここは会場内の、無数の廃品が置かれた場所。

そこには、どこか発明家を思わせる出で立ちをした、青い鎧の男がいた。

「主催者とやら!このガミガミ魔王様を意のままに操ろうなど、百億年早ーい!」
「こんなちゃちな首輪など、すぐに解除して見せるわー!」

彼の名前はガミガミ魔王、発明とお宝が大好きで、男のロマンを追い求める自称『悪の魔王』である。

彼は主催者たちに対し、全面的に立ち向かうことを宣言していた。

直ぐに首輪を解除して立ち向かうと、そう見栄を切った彼だったが、実はある懸念があった。

「……しかし、まずは道具がないとどうにもできんわな。何かないか確認してみるか」

そう、まずは首輪を分解するための工具がないことには、どうにもできないことである。

こうして彼は自分に支給されたデイバッグの中身を確認した。

「…酒にカップ麺か、ヤカンはないのか?そして後は工具箱と、このドリルが付いた小っちゃいロボットか」

彼がデイバッグの中で確認できたものは、酒と食料、工具箱、そして手のひらサイズのロボットだった。

そうしてロボットをデイバッグから取り出したところ、驚くべきことが起きた。

なんと、突如としてそのロボットがガミガミ魔王と同じサイズへと巨大化したのだ。

これには最初、ガミガミ魔王も度肝を抜かれたが特にあちらが何もしないとわかるとすぐに落ち着いた。

そしてそのロボットは、まるで彼の指示を待っているかのようにその場に立っていた。

「…まさか、オレの命令を待っているのか?じゃあ早速、そのドリルでガレキなどを破壊してくれ」

そう彼が命令すると、そのロボットは両手両足のドリルを使って周りにある廃品を破壊し始めた。

そしてしばらくして、ある程度物を破壊して小さめの建物を作れるだけのスペースを作ると、再びロボットは動きを止めた。

それによりガミガミ魔王は確信した、このロボットは自分の命令を聞くということを、そしてある程度自分で判断する能力を持っていることを。

「おう…オレにはちょっと劣るが、中々優秀なヤツじゃないか。ようし、まずはここを拠点としてほかの参加者が来るのを待つとしよう」

そしてガミガミ魔王はひとまずここに建物を作り、ほかの参加者を待つことにした。ともに戦う仲間を、そしてサンプルとなる首輪を解析するために……。


【ガミガミ魔王@ポポロクロイス物語】
[状態]:健康
[装備]:多段式工具箱@現実、ドリルロボ@ガチャフォース
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1
[思考・状況]基本行動方針:主催者をぶっ飛ばす。
1:どうにかしてこの首輪を解析しないとな……。
2:ひとまず、拠点となる建物を用意してからサンプルとなる首輪を探しに行く。
3:このロボット(ドリルロボ)についても解析してみたい。
[備考]
参戦時期は、ポポロクロイス物語(無印)エンディング後です。


【多段型工具箱@現実】
 開いたときに階段状に収納部が展開される工具箱で、中にはレンチとドライバー、ペンチなど基本的な工具が入っている。


【ドリルロボ@ガチャフォース】
 両手足及び頭にドリルが付いており、更にドリル付きミサイルが両肩に搭載されているなどドリル尽くしな機械生命体。

 その見た目通りドリルを回転させながらパンチをする、両手足のドリルを前に突き出して突撃する、
 地面に潜った後相手の足元から両足を突き出して突撃するなどドリルを駆使した戦い方をする。

 なお本来は最大で惑星サイズまで大きくなれるが、制限により手のひらサイズ〜人間サイズまでしか変化できない。


329 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/14(金) 22:36:38 X0JVSnuI0
投下終了です


ありがとうございました。


330 : ◆vV5.jnbCYw :2020/08/15(土) 00:35:30 fWee7iyk0
投下します。


331 : アンドロイドは人気漫画家の夢を見るか? ◆vV5.jnbCYw :2020/08/15(土) 00:36:08 fWee7iyk0
「どういうこと……?」
疑問を唱えたのは、ピンクの髪に、スカートの少女。
このバトルロワイアルに関する疑問ではない。目の前の水色の髪に、制服姿の少女が言っていることが理解できなかったのである。

「分からなかったんですか?私、『ホワイトナイト』のアシスタントをしているんですよ。」

制服の少女、藍野伊月は、屈託なく答える。

「そのことを聞いているんじゃないわ。あなたはどうしてその佐々木って人に大切なものを奪われて、笑っていられるの?」

「どうしてって……。嬉しいからですよ。私と同じ考えを持った佐々木先生の、アシスタントが出来るのですから!」

(言ってることが分からない……頭がおかしくなっているの?この状況で……。)
かつてメカトピアのスパイだった少女、リルルの思考回路はショートしそうになる。


彼女が出会った人間たちは、皆感情豊かだった。
自分達メカトピアのロボットが地球征服を企てていると話せば、間違っていると怒り、皆でキャンプを楽しみ、敵である自分でさえ危なくなれば助けてくれた。
しかし、目の前の少女は違う。
明らかに自分が描いた漫画の中身を盗まれているというのに、その相手を糾弾するどころか、尊敬の念を込めている。

彼女が見た地球人とは、全く違う部類だった。

「嬉しいって……あなた本気で言っているの?」
「この気持ちに嘘はありません!それよりも今度はリルルさんのことを教えてくれませんか?」

伊月はちらりと横に目をやる。
そこには、巨大なゴブリンが黒焦げになって倒れていた。

信じられないことだが、少し前にリルルの指から出た熱線によって、焼かれたのである。


「私があなたに話すことなんてないわ。ただの少女よ。」
リルルはそのまま立ち去ろうとする。

「ただの少女なら指からレーザーなんて出しませんよ。」
それを追いかけるアイノイツキ。

「私、漫画家としてあなたのことをもっと知りたいんですよね。」
「今どんな状況に置かれているのか分かっているの?」
「ええ。こんな未知の状況、10年分の取材にも匹敵する経験だと思いますよ!!」


(………。)
自分にとって、この少女は理解の範疇を超える存在だと認識した。
中学校に行っていないのに学校の制服を着ている点など特に。


332 : アンドロイドは人気漫画家の夢を見るか? ◆vV5.jnbCYw :2020/08/15(土) 00:39:19 fWee7iyk0
「それに、危なくなったらリルルさんが守ってくださるんで!!」
彼女はリルルが守ってくれることを前提に話を進める。誰も彼女のことを守ると言っていないのに。

―――時々理屈に合わないことをするのが人間ってものなのよ。


故障寸前になったリルルを、修理してくれた少女の台詞。
まだまだ自分は人間というものを知らないのだと、改めて認識させられる。

「……仕方がないわね。けれど、どこへ行くかはあなたが決めなさい。」
「はい。私に着いてきてくださいよ!!」

リーダーか何かのようなセリフと、それに似合わない弱い力を持って、伊月は勢いよく野を駆けて行く。

実は、リルル自身は、目の前の少女よりも自分自身に悩んでいた。
ロボットの味方に戻るか、人間の味方になるか。
地球人を奴隷にしようとするメカトピア軍総司令に自分達の非を説き、逆鱗に触れた上で処刑されそうになった。

それを地球人に助けられ、自分はこれからどうすべきか悩んでいた所、この戦いに呼ばれた。


メカトピアのロボットとして生きるなら、少なくとも人間の参加者は皆殺しにするべき。
そうでないなら、今のように人間を守るべき。


自分がかつて出会った地球人の少年少女は、皆欠点こそあれど良い人ばかりだった。
しかし、彼女から聞いた佐々木哲平という男は、どう考えてもそのような人間とは思えない。
メカトピアの神様が絶望したという、ずるくて弱い人間さながらだ。


人間が守るに値するか、そうでないか。
答えは、この会場にあるのかもしれない。



【藍野伊月@タイムパラドックスゴーストライター】
[状態]健康 好奇心
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本行動方針:リルルと共に、この世界で漫画の題材になりそうなものを探す
1:リルルさんってすごい人?ですね
[備考]6話終了後。

【リルル@ドラえもん のび太と鉄人兵団】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品 ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本行動方針:藍野伊月を守りながら、人間を守るべきか否か決める。もし守るべきでないなら……?
1:藍野伊月……何言ってるのこの人
2:佐々木哲平という人物が気になる
[備考]
アイノイツキとの会話で、彼女の過去、現在を知りました。
処刑されそうになっていた所を、ドラえもん達に助けられた直後からの参戦です。
原作版、羽ばたけ天使たち版どちらを参考にしても問題ありません。


333 : アンドロイドは人気漫画家の夢を見るか? ◆vV5.jnbCYw :2020/08/15(土) 00:39:30 fWee7iyk0
投下終了です。


334 : ◆ytUSxp038U :2020/08/15(土) 00:41:30 GynyrBL.0
投下します


335 : 歪められたディスティニー ◆ytUSxp038U :2020/08/15(土) 00:46:55 GynyrBL.0
どうしてこうなった。

そう思いながらゴブリンは必死に逃げていた。

背後からは仲間の悲鳴と、肉を斬り裂くような音が絶え間なく聞こえてくる。

最初に獲物を発見した時はは運が良いと喜んだ。
蜂蜜色の髪を二つに括り、端正な顔立ちをした年頃の娘。
しかも服装はボロ布を体に巻き付けているだけであり、布越しに浮き上がる娘の豊かな胸や尻がゴブリン達の劣情を煽ぐ。
そんな娘が一人でトボトボと歩いてきたのだから、それはもう喜んだものだ。

あの娘を初めに見つけたのは自分だ。
だからまず先に自分が楽しむ権利がある。

棍棒を振り回しながら口汚く熱弁するゴブリンを、仲間たちは鬱陶しそうに見た。
自分の主張が通ったと思い込んだのか、ゴブリンはウキウキとした足取りで娘に近づき、他の者らも後に続いた。

近づく気配に気づいた娘が足を止めた時には、あっという間にゴブリンの群れに囲まれていた。

ゴブリン達は卑しい笑みを浮かべながら娘の反応を待った。
怯えて泣き叫ぶか、生意気にも抵抗しようとするか。
前者ならば嗜虐性を刺激され、後者でも気取った顔が無様に泣き崩れる瞬間を見れるという楽しみが生まれる。

しかし、娘はどちらでもなく、ただ人形のような無表情で突っ立っているだけだった。
これにはゴブリンも少しばかりつまらなそうにし、されど獲物を見逃す気は毛頭無く、粗末な武器を手に襲い掛かろうとし――


「GOROB!?」

乾いた銃声と共にのけ反り倒れた。

見れば娘の手には何時の間にか奇妙な短銃が握られている。
それが仲間の命を奪ったのだと理解した瞬間、ゴブリン達は一斉に怒りを露わにした。
もっともそれは同胞の命を奪われたからではなく、相手が歯向かってきた事実に苛立ったという何とも身勝手なものだが。

一方で娘にも変化があった。
湧き立つゴブリンを前にし人形のようだった表情には憤怒の感情が現れ、両目には憎悪が宿る。

「ゴブリン……ゴブリンッ…!殺してやる……!!」

短銃を持つ手とは反対の手に握られたのはコウモリの装飾がされた小さな容器。
それを怒りのままに、叩きつけるように短銃へ差し込んだ。

――BAT

短銃から聞こえてくる奇妙な音に困惑するゴブリン達。
だがその行動は大間違いだった。
ほんの一瞬攻撃を躊躇った事が、ゴブリン達の運命を決定づけた。

「蒸血…!」

――MIST MATCH
――BAT…B・BAT…FIRE

短銃から吐き出された煙に包まれ、飛び散る火花と共に煙が吹き飛ばされた時、娘の姿は一変していた。


336 : 歪められたディスティニー ◆ytUSxp038U :2020/08/15(土) 00:48:47 GynyrBL.0
全身を覆う黒いアーマー。
羽を広げたコウモリのようなバイザーに、煙突のような角。
上半身に巻き付き、蒸気を噴射する複数のパイプ。

とある世界にて、‘ナイトローグ’と呼ばれた怪人が、そこに立っていた。

「OGA!?」
「GROOAB!?」

突如異形へと変貌した娘に混乱するゴブリンへ向け、ナイトローグへ向けトリガーを引く。
光弾が次々にゴブリンの頭部を吹き飛ばす中、数匹のゴブリンが仲間を盾にし接近する。
ゴブリンにとってその行為に後ろめたさは微塵も無く、むしろ自分の役に立って死ぬのは当たり前だとすら思っていた。

棍棒で殴り短剣で斬りかかるが、強固なアーマーの前に全てが無意味。
アーマーの硬さに耐え切れず折れた武器が跳ね返った挙句に、自分たちに突き刺さり却って傷を負う羽目になる始末だ。
痛みに呻くゴブリン達を、ナイトローグは左手に握るバルブの付いた短剣を振り下ろし両断していく。

仲間の間抜けな姿を嘲笑う余裕も失い、最初に娘を見つけたゴブリンは一目散に逃げていく。
その胸中にはどうしてこうなったという疑問が燻り続けていた。
本当ならば今頃は娘を巣穴に持ち帰り、そこで好きなだけオモチャにしていたはず。
それなのに何故。

そんな思考は唐突に右足へ走った激痛により中断された。
見れば足首から先が失われており、薄汚い血が噴き出している。
焼けるような痛みにのたうち回り涙を流すゴブリンへ、ナイトローグが近づく。
銃を撃ち足止めしたゴブリンを見下ろすバイザー越しの両目には、変わらぬ憎しみがあった。

「死ね…」

振り下ろした拳はいとも簡単にゴブリンの頭蓋を砕き、肉を潰した。

「死ね、死ね、死ね…!死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね!!!あああああああああああああああっ!!」

拳を何度も振り下ろす。
最初の一撃でとっくに死んでいるにも関わらず、何度も、何度も。
ゴブリンの死体が幾つも転がる場で、延々と肉塊に拳を振るう姿は異様だった。


ーーーー


変身を解いた令嬢剣士は昏い瞳で己の手にある支給品を見つめていた。

自分の知識にある短銃とは段違いの性能。
更には身体能力を底上げする鎧を纏い、奇妙な形だが剣も使う事ができる。
成程、大した武器だ。
もしもコレがもっと以前から自分の手にあれば、あんな目には遭わなかっただろう。

意気揚々と挑んだゴブリン退治。
全くの失敗に終わった兵糧攻めと、仲間からの責めるような冷たい視線。
吹雪の中一人ぼっちの自分を襲ったゴブリンと、仲間達の無惨な姿。
洞窟の最奥で裸に剝かれた自分に群がるゴブリン達の――。

そうして気が付いたら奇妙な場所で殺し合いをしろと言われ、見知らぬ廃屋で一糸纏わぬ姿で放り出されていた。


337 : 歪められたディスティニー ◆ytUSxp038U :2020/08/15(土) 00:50:36 GynyrBL.0
「ふふ……」

乾いた笑いが漏れる。
あの状況から助かったと思ったら今度は殺し合いと来た。
こんな運命に導くとは神様というのは随分と陰湿な性格をしているらしい。

冒険者としての自身。
貴族としてのプライド。
女の純潔。
家伝の宝剣。
その全てをいっぺんに失った。
もう一本の宝剣とて手元にない以上どうなったのかは分からない。
どこまでも惨めな、それでいてありふれた冒険者の末路と言ったところか。

「…けど、失ったのなら取り戻す」

殺し合いに招いた者はどんな願いも叶えると言っていた。
その言葉が真実かは彼女には分からない。
ただ令嬢剣士はどんな手を使ってでも元居た場所に戻る必要がある。
戻って、ゴブリンどもを殺し、宝剣を取り戻す。
それだけが、今の令嬢剣士を動かす原動力だった。

「……」

デイパックから刀を取り出すと、おもむろに自身の髪に当てる。
そして躊躇する事無くリボンで括った髪を二房とも切り落とし、ざんばらに短くした。
これは決意表明のようなものだ。
ここから先に進めば、もう以前の自分には戻れない。
それに生じる迷いを断ち切る為、蜂蜜色の艶やかな髪を自ら切った。

それは本来の世界にて、少し未来の令嬢剣士が行ったのと同じ行為だった。
ゴブリン退治に同行する際の、報酬の前払い。ゴブリンへの復讐を決意した証。
動機に違いはあれど髪を切り落とした彼女は小鬼聖騎士(ゴブリンパラディン)との戦いの果て、ゴブリンスレイヤー達によって心を救われた。

けれど今の彼女は一人だった。
同じくゴブリンを憎む男も、心の支えになろうとする少女も傍には居ない。
ここに居るのは一人ぼっちで、二度と引き返す事の出来ない道を進む、哀れな殺し合いの参加者だった。

彼女がどんな結末を迎えるのかは、天上で賽子を振るう神様にだって分かりはしない。

【令嬢剣士@ゴブリンスレイヤー】
[状態]:健康、ゴブリンへの強い憎悪
[装備]:トランスチームガン@仮面ライダービルド、バットロストフルボトル@仮面ライダービルド、古びたカーテン
[道具]:基本支給品、ちゅんちゅん丸@この素晴らしい世界に祝福を!(アニメ版)
[思考・状況]:基本行動方針:何が何でも元居た所へ戻り、宝剣を取り返す。
1:ゴブリンは見つけ次第殺す
2:使えるものは全て利用する
3:服が欲しい
[備考]
参戦時期はゴブリンスレイヤー達に洞窟から救出される前。
廃屋で見つけたカーテンを体に巻いています。
トランスチームガンは氷室玄徳が所持していた物で、エボルトが使っていた方とは別です。

【バットロストフルボトル@仮面ライダービルド】
トランスチームシステムの怪人に変身する為の人口フルボトル。
これをトランスチームガンにセットしトリガーを引くとナイトローグに変身できる。

【ちゅんちゅん丸@この素晴らしい世界に祝福を!(アニメ版)】
日本刀を模して異世界で作らせたカズマの愛刀。銘はめぐみんが(勝手に)付けた。
実用性の面からすぐにサイズ変更され、脇差のような長さになっている。


338 : ◆ytUSxp038U :2020/08/15(土) 00:51:31 GynyrBL.0
投下終了です


339 : ◆ytUSxp038U :2020/08/15(土) 01:15:27 GynyrBL.0
すみません、以下も追加で

【スチームブレード@仮面ライダービルド】
ナイトローグ、及びブラッドスタークに変身すると使える短剣型の武器。
中央部のバルブを回す事で冷気や電撃を刃に纏わせ攻撃が可能。それ以外にもネビュラガスを注入しスマッシュにする事もできる。
更にトランスチームガンと合体させればライフルモードと呼ばれる狙撃銃にもなる。


340 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/15(土) 04:55:34 6iJO0/rM0
本企画への投下、ありがとうございます。

>風が交わるとき
同じ名前という奇縁。車椅子というハンデのあるはやてをハヤテは守りきれるのか不安はありますが、早々に殉職したとはいえ上忍である彼ならば可能性もありますか。
忍道に従い弱者の保護を決意するハヤテは忍の鏡ですね。

>Re:CREATORS外史 颯太、恋姫に出会うのこと
一般人枠の水篠颯太、彼の原作知識は特定の参加者に特効が入りそうで面白そうです。
関羽、『物語の登場人物』と説明されれば混乱するのは致し方ないにしても、最終的に理解したのは偉人というべきか。
とんでもない無礼を働いた水篠を殺さない所か理解し難い弁解を聞き入れ、同行する関羽は実際凄い優しいのでは……。

>風間くん、闇統べる王と遭遇だゾ
幼くとも冷静に状況を把握する風間くん、流石かすかべ防衛隊のリーダーとも言うべき安心感があります。
しかし彼がこの殺し合いの洗礼を身をもって受ければどうなるのか興味深いです。
ツンデレなディアーチェ可愛いですね。最初に彼女のような優しい参加者と出会えた風間くん初手からリードです。

>情熱の風/探偵S/私の名は
トルネード、強力な人外でありながらも物騒な方針を持たないキャラクターは安定感がありますね。
ゴブリンに襲われる美少女を助けるトルネード、ヒーローかな(怪人だけど)。
しかし首筋の下りはやや変態的なの草。
しかもどこぞのぉ姫様のごとく唐突な求婚にまで漕ぎ着けるのは凄い。
直斗も満更ではなさそうなのでフラグがたっていますね。
ペルソナという超常の力を持っているものの、精神性が露骨に反映される様子に少し不安を感じます。
とは言え落ち着いたら充分に有望な人物ですので、トルネードが上手くフォローすれば抜群の対主催カードになりそうですね。実際制限から首輪解除のピースを考察しているのも有能そのもの。世界観の擦り合わせも初手で済ませているので種族の違いによる混乱も避けられそうです。

しかし006、さらりと告げられた大人の都合で怪人能力全部制限は草。
まぁ語られなかった歴史は引用できないからね、しょうがないね。それでも充分に強者なので問題はないかもしれません。

>ドリルは男の浪漫
自称『悪の魔王』、ギャグっぽく見えて道具さえ揃っていれば、貴重な首輪解除要員にもなり得ますね。
工具とドリルロボというロマン支給品を引き当てていますし、実際有能。

>アンドロイドは人気漫画家の夢を見るか?
人間とロボットの間で揺れるリルル、よりにもよって佐々木という存在を知ったのが痛いですね。
伊月ちゃんも彼女からしたら意味不明なのは納得です。普通なら盗作されてあの結論に落ち着くのはちょっと……
殺し合いの場で漫画のネタを探せると好意的に捉える伊月ちゃん、どこぞのスタンド使いの漫画家とどちゃくそ気が合いそう。
佐々木が間接的に伊月ちゃんに迷惑かけてるの草。

>歪められたディスティニー
復讐鬼と化した令嬢剣士、復讐を叶えられるだけの力と方法を手に入れた彼女がどのような道を歩むのかワクワクします。実に可哀想ですが可愛いですね。
映画版は最近見たのですが彼女の暴走時の演技凄く良かったです。
ゴブリンに尊厳も何もかも奪い尽くされた直前に、小鬼が蔓延する場に放り出すとか主催者の性格ヤバそう。


341 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/15(土) 04:58:53 6iJO0/rM0
>>302>>303
了解、wikiの作者名も此方で修正しておきますね。返答ありがとうございます。


342 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/15(土) 05:52:50 6iJO0/rM0
wikiの最新話までの収録と作者名の修正を行いました。投票やコメント機能も付けているので是非お試しください。


343 : ◆5RRtZawAKg :2020/08/15(土) 08:56:43 4ceNIP7A0
>>342
投票は選出の際に参考にされるものなのでしょうか?


344 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/15(土) 09:12:48 6iJO0/rM0
>>343
基本的に参考にはしません。応募してくださった方々が自分の作品に投票されたら喜ぶかなーという軽い気持ちで付けたものですので、深く考えないで大丈夫です。


345 : ◆5RRtZawAKg :2020/08/15(土) 16:29:35 4ceNIP7A0
>>344
了解です。
ちなみに、このスレ以外でこのロワに関する議論や雑談などができる場所はありますでしょうか?


346 : ◆NIKUcB1AGw :2020/08/15(土) 21:26:43 P6OqXKmM0
投下します


347 : ゴリラパワー! 禁じられた力! ◆NIKUcB1AGw :2020/08/15(土) 21:28:21 P6OqXKmM0
とある民家の一室で、青年と少女が神妙な顔つきで向かい合っていた。
青年の名は、不破諌。少女の名は、ビュティという。

「どう考えても、つじつまが合わん……」
「ですよね……」

二人は殺し合い開始直後に出会い、お互い敵意はないということで行動を共にすることにした。
その後自己紹介を行ったのだが、その過程でお互いの知る世界がまったく違うものであることが浮き彫りになったのだ。
不破の語る「ヒューマギア」。ビュティの語る「毛狩り隊」。
どちらも当人にとっては知らぬはずがないものであり、相手にとってはまったく未知の存在だ。

「考えられるのは、俺たちの記憶が主催者によってねつ造されてるって可能性だが……。
 仮にそうだとしたら、こんなわけのわからんねつ造をする説明がつかん。
 殺し合いを円滑に進めたいのなら、他にいくらでも植え付けるべき記憶がある。
 ただ混乱を招くような記憶操作をするなんて、主催者側にとって無意味だ」

実際にある人物の悪意により記憶を操作されていた経験のある不破は、実体験を踏まえてそう語る。
ビュティもそれにうなずき、同意を示した。

「なら、奇想天外な話ではあるが……。
 俺とおまえは本当に違う世界で生きていた、という可能性を考慮すべきだ」
「パラレルワールド、ってやつですね」
「ああ、そうだ。少なくとも俺の記憶では、机上の空論に過ぎない理論だが……。
 そう考えるのが一番納得できる気がする」
「たしかに……。それなら矛盾なく説明がつきます」
「ずいぶんあっさり受け入れるんだな。こんな荒唐無稽な話を」
「まあ、身の回りに不思議なことが多いもので……。
 そのくらいならあり得るかなー、と」

奥歯に物が挟まったような言い方をするビュティに首をかしげる不破だったが、追求することはせず話題を変える。

「まあその辺は、当面問題にしても仕方ない。
 今俺たちがやるべきことは……この殺し合いをぶっ潰すことだ」

拳を強く握りながら、不破は宣言する。
ビュティも真剣な面持ちで、それを肯定した。

「そのためにやることはたくさんあるが……。
 まずはこの首輪をどうにかしないとな」
「これがついたまんまじゃ、いつでも主催者は私たちを殺せるわけですからね。
 なんとかして外さないと……」
「試してみるか」
「え?」

不破の言っている意味がわからずきょとんとするビュティの前で、不破は自分の首輪に手をかける。
そして……。

「うおおおおお!!」

思いっきり引っ張り始めた。

「ちょっとー! ストップ! 不破さん、ストップ!」
「なんだ、なぜ止める」
「いや、なぜって! 衝撃与えて、首輪が爆発したらどうするんですか!」
「なるほど、その可能性もあるな」

ビュティの言葉に納得し、不破は首輪から手を離す。

「というか、そのまま続けてれば本当に壊せそうだったのが怖いよ!
 どういう腕力!? 不破さん、ゴリラの改造人間か何か!?」
「誰がゴリラだ!」

言い返す不破の表情は、いたって真剣である。

(ああ、私はボーボボたちと離れてもツッコミの宿命から逃れられないのか……)

そんな諦めの境地に達しそうになるビュティであった。


【不破諌@仮面ライダーゼロワン】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考]基本行動方針:殺し合いをぶっ潰す!
1:首輪を解除する方法を探す
[備考]
・参戦時期は少なくとも、自分が記憶操作されていたことを知って以降。
・首輪にヒビが入っていますが、機能には問題ありません。


【ビュティ@ボボボーボ・ボーボボ】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考]基本行動方針:とりあえず殺し合いをするつもりはない
1:今からでも別の協力者を探そうか……
[備考]
参戦時期は第1部終了後。


348 : ◆NIKUcB1AGw :2020/08/15(土) 21:29:59 P6OqXKmM0
投下終了です


349 : ◆vV5.jnbCYw :2020/08/15(土) 22:17:54 fWee7iyk0
投下します。


350 : アムールですが預かり所内の空気は最悪でした ◆vV5.jnbCYw :2020/08/15(土) 22:18:42 fWee7iyk0
「ぐはあ〜っ。」

森の中で、一匹のライオンの声が響いた。
しかしそのライオンは腕が四本も付いているため、ただのライオンじゃないことは誰でも簡単に分かる。


「ふん!!」
ライオンは自慢の四本腕で手ごろな大木を殴りつける。
頑丈な幹をしているからか、はたまたそのライオンが非力だからか、一発では倒れない。

「ふん!!ふん!!ふん!!ふん!!」
しかし、何発も殴っていく内に、次第に表面がボロボロになり、ついに大きな音と共に地面に倒れる。

「うむ。長らく預かり所暮らしだったが、この体は鈍ってはいないな。」
4つの手が、ややヒリヒリするも、身の丈以上の大木を倒せたことを自賛する。
とある世界ではアームライオン、はたまたアムールと呼ばれていた彼は、久方ぶりの外にやる気が漲っていた


「待ってろ………人間共……。」
今度は4つの手を上下で鳴らし、人間への闘志を滾らせる。


そんな彼だが、元々は人間に仕え、人間と共に悪と戦っていた魔物だった。
どうして再び彼が人間に対し憎しみを抱くようになったのかというと、それは彼のかつての扱いに合った。


2年前、魔族の生活に飽き飽きしていた彼は、アベルという人間の魔物使いが仲間を探していると聞いて、意気揚々と仲間に入った。
しかし、そこで彼は現実と理想のギャップを突き付けられることになる。


―――アムール、馬車のゴレムスと代わってくれ。

それを思い知ったのは人間と旅を始めて間もない頃だった。
エルヘブンという町の近くで仲間になったゴーレムという魔物に、早速スタメンの座を奪われる。


それでもまだその頃は、たまに戦闘に参加させてもらえたし、まだ良かった。


―――アムール、アンクルの空きを作るために、預り所へ行ってくれ。

エルフがいるという森で仲間になったアンクルホーンが加入すると同時に、馬車の居場所さえなくなる。


預かり所の中では、同じように使えないと見なされた魔物が大量にいた。
それでも、また預かり所から出してもらえるという一縷の望みを胸に、主人の到来を待っていた。


そして、何日、いや、何か月経ったか分からないが、そこに主人はやってきた。
とうとう出してもらえると目を輝かせた自分の前に、主人が吐いたのは衝撃の言葉だった。


―――魔王を倒した。キミ達も今までありがとう。


一瞬、何を言っているのか分からなかった。
しかし、そのまま有無を言わさず、野生に帰された。
かつて同じ馬車にいたキラーパンサーでさえ、王である主人の城内で飼われるようになったのにだ。


351 : アムールですが預かり所内の空気は最悪でした ◆vV5.jnbCYw :2020/08/15(土) 22:19:29 fWee7iyk0

これが人間か。
主人は無事に目的を果たして、自分の名前は王と共に戦った魔物の一匹として遺されるそうだが、本当にこれでよかったのか。


失意と絶望の中で彷徨っていた所を、この戦いに呼び出され、彼は新たに決意を固める。


「この戦いに勝って、オレこそが世界の王になれるように願いを叶えてもらうんだ!!」

その前に、彼は支給品袋を開ける。
食べられるものとは思えない食料が出てきたが、倒した参加者を食べるつもりだったので、どうでもよかった。
問題は武器。
いくら力があっても、武器や防具を、きちんと装備しないと心もとない。


「こ……これは……。」
出てきたのは、太い鎖。
片方には斧が、もう片方にはとげ付きの鉄球が付いている。

彼の世界にあった、破壊の鉄球にそっくりだ。


ためしにその鉄球を振り回してみる。
頑丈な鬼の首をも破砕するその鉄球は、倒れた大木を、一撃で粉砕した。
自分でさえ、殴り倒すのに何発も必要だったというのに。

本当は倒れた木ではなく、隣の木に当てたかったのだが、軌道は戦いに応じて修正していくことにした。


「やったぞ!!オレはもう補欠じゃない……!!これでオレのことを馬鹿にした奴らを、見返してやるんだ!!」

「ぐはあ〜っ。」

その実力に似合わぬ大きな野望を胸に、アムールはもう一度声を上げた。

(ところでこの鉄球、ちょっと重いな……。)



【アムール(アームライオン)@ドラゴンクエストV 天空の花嫁】
[状態]健康 漲る殺意
[装備]悲鳴嶋行冥の日輪刀@鬼滅の刃
[道具]基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]
基本行動方針:優勝し、自分の王国を作る
1:参加者は皆殺しだ
[備考]エンディング後からの参戦です。
レベルは10。使える技はマヌーサ、力ためだけですが、戦いに応じて新しい技を覚えるかもしれません。


352 : アムールですが預かり所内の空気は最悪でした ◆vV5.jnbCYw :2020/08/15(土) 22:19:40 fWee7iyk0
投下終了です。


353 : ◆ytUSxp038U :2020/08/15(土) 22:21:04 GynyrBL.0
投下します


354 : 怒りの刃 ◆ytUSxp038U :2020/08/15(土) 22:24:10 GynyrBL.0
「本気で怒らせちゃったね…おじさんの事ねぇ…!!(全ギレ)」

海沿いのエリアにて、一人の参加者が怒りに震えていた。

細身ながらも鍛え上げられた肉体に、剃刀のような鋭い目。
葛城蓮、或いは虐待おじさんとも呼ばれるこの男からは、近づく者全てを殺さんばかりの威圧感が放たれている。
何故おじさんはこれ程までに怒っているのか。
一人の大人として、命の尊厳を無視する主催者を許せないからか?
いや違う(自己否定)。

殺し合いに呼ばれる直前におじさんは自宅にて、とあるホモガキを虐待していた。
嘘をつき、クッソ不愉快な悲鳴を上げ、小学生設定を無視した台詞をほざくホモガキを、湧き上がる苛立ちに身を任せ痛めつけていた。
イライラすんならそんなガキさっさと追い出せよと言いたいホモの兄ちゃんたちも居ると思われるが、まま、そう焦んないでよ(神のお言葉)。
たとえクッソムカつくホモガキであっても、自分で選び拉致したのならば悶絶調教を完遂しなくてはいけない。
おじさんのホモとしてのプライドが、途中で投げ出す事を拒んだのだ(迫真)。

だというのに主催者はおじさんの意思を無視して、調教の途中にも関わらずこんな所へいきなり連れて来た。
己のプライドを踏みにじる行為に、元々気が長い方では無いおじさんが激怒するのも当たり前だよなぁ?

「おじさんはねぇ!お前みたいなクソ野郎のねぇ!惨めに死ぬ顔が大好きなんだよ!!(狂気)」

どこかで自分を嘲笑っているであろう主催者を、この手で斬り殺す。
支給された異様に長い刀を抜き放ち、おじさんはそう決意した。

「あっそうだ(唐突)。もしかしたらひでなんかよりも可愛い男の子が居るかもしれないよな…。絶好のチャンスだぞ(棒)」

それはそれとして自分の欲望には忠実なおじさんだった。

【虐待おじさん(葛城蓮)@真夏の夜の淫夢派生シリーズ】
[状態]:健康、主催者への強い殺意
[装備]:とんでもなく長ェ刀@彼岸島
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]:基本行動方針:主催者を殺す
1:好みの男の子が居たら調教したい(マジキチ)
[備考]
参戦時期はひでを虐待してる途中。

【とんでもなく長ェ刀@彼岸島】
太郎との戦闘時に加藤が見つけ、明さんに渡した刀。
「なんだこの刀、とんでもなく長ェ!!」


355 : ◆ytUSxp038U :2020/08/15(土) 22:24:55 GynyrBL.0
投下終了です


356 : ◆5RRtZawAKg :2020/08/16(日) 02:39:29 ZrzRhRaU0
投下します。


357 : ◆5RRtZawAKg :2020/08/16(日) 02:41:15 ZrzRhRaU0
この惑星の住民は本当にろくでもない。

生きるためには不必要であろう物欲。

絶えず競い合い決める無意味な順位。

今回もまたそれらに憑りつかれ、バトルロワイアルなどという血生臭い催しが開催された。

この惑星の調査を進めるためには、この惑星の住民と殺し合い、最後の一人になるまで生き残らなければならないらしい。

どうやらこの催しの主催者は、命の重さを知らないようだ。

私はこれまでに数多くのろくでもないものと出会ってきた。

しかし、それと同時に数多くの美しいと言えるものとも出会ってきた。

それらは全て、この惑星の住民によって作り上げられた結晶だ。

私には、それを壊すことなど出来ない。

このろくでもなく、すばらしき世界を守るために、私は立ち上がろう。

「シュッパツ!」

【宇宙人ジョーンズ@缶コーヒーBOSS】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜3個
[思考・状況]基本行動方針:打倒主催、地球人の保護
1:ろくでもなく、すばらしき世界を守る
[備考]
缶コーヒーBOSSのCMに出てる人です。
様々な超能力が使えますが、首輪によってある程度制限されています。


358 : ◆5RRtZawAKg :2020/08/16(日) 02:41:29 ZrzRhRaU0
投下終了です


359 : アムールですが預かり所内の空気は最悪でした ◆vV5.jnbCYw :2020/08/16(日) 11:15:17 gZ72v/r60
>>351
支給品紹介忘れていました

【悲鳴嶋行冥の日輪刀@鬼滅の刃】
アムールに支給された武器。「刀」と名前が付いているが、片手用の戦斧に鎖鉄球をつないだ特別な形状をしている。
元の持ち主である悲鳴嶋行冥はこれで岩の呼吸の技を使っていたが、もちろんアムールには使えない。


360 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/16(日) 12:24:28 ChqAyIcw0
当企画への投下、ありがとうございます。

>ゴリラパワー! 禁じられた力!
初手から冷静に異世界の認識を完了する様子は有能ですが、いきなり首輪を腕力で破壊しようとする不破にハジケリストの片鱗が感じられるw。
殺し合いの場でも安定のツッコミ担当ビュティ、果たして彼女は真面目な協力者と出会うことはできるのだろうか……

>アムールですが預かり所内の空気は最悪でした
人間に復讐を誓うアムール、あの扱いならそうなるのもしょうがないと悲しい気持ちになりました。タイトルの通り預かり所の空気ヤバそう。
少し間が抜けた感じがありますが、それでも魔物の端くれ。きっと活躍してくれるかもしれません。
鬼殺の剣が人に仇なす魔物に渡るのも皮肉が効いていて好きです。

>怒りの刃
主催者の殺害を決意する虐待おじさんは対主催の鏡。やっぱりおじさんもひでにはイラついてたのか……(困惑)
とんでもなく長ェ刀に草。やっぱりおじさんには刀なんだなって思いました。迫真一刀流かな?
さりげなく欲望を優先するおじさんは調教者の鏡にして参加者の屑。

>???
宇宙人ジョーンズ、懐かしい。あれまだCMやってるんですかね?これぞコンペロワって感じの人選で好きです。
この惑星には醜いものも美しいものもある、だからこそ守る決意を固めるジョーンズに感動しました。
というかジョーンズ超能力とか使えるのか……(無知)

>>345
無いです。しかし必要性はありそうなのでwikiに雑談枠を作成してみました。
ttps://w.atwiki.jp/compe/pages/99.html


361 : ◆5RRtZawAKg :2020/08/16(日) 13:10:48 ZrzRhRaU0
>>357
すみません、またタイトルをつけ忘れてしまいました。
「ろくでもない世界」でお願いします。


362 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/16(日) 18:11:53 26f1hmeM0
投下させていただきます。


363 : とってもウシナミ ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/16(日) 18:14:19 26f1hmeM0
ここはある会場内の住宅地、そこには何者かから逃げるように息をひそめている女の子がいた。

ホルスタイン柄の衣装を着ており、そしてとても大きなモノが胸に付いている女の子だった。

彼女の名前は及川雫、牛を愛する牧場娘であり、アイドルもやっている少女である。

そんな彼女は今、ある存在から逃げ隠れていた。

「何ですかあの怪物は…!あんなものに襲われたら、死んでしまいます……!」

そんな彼女の目の前には、馬の頭をした怪物が女性を襲っている光景が広がっていた。

襲っているといっても弱肉強食という意味ではない。もっと汚らわしい行為を、その怪物は行っていた。

そう、その怪物は女性に対し無理やり自分の子を作ろうとしていたのだ。

彼女、及川雫はこの会場に来てすぐに、窓の外からその光景を見てしまったのである。

そしてこの光景を見た彼女は、その女性の悲鳴から耳をふさぎながら、自分が『女性として最も屈辱的なことをされる』のを恐れて逃げてしまったのだ。

『他の人を見捨てる』という罪悪感にさいなまれながら、そして『自分の身だけでも守りたい』というエゴから、彼女はその場から逃げることを選んでしまった。

そうして彼女はこの建物の中で、怪物が自分の存在に気づかないことを祈りながら息をひそめているのである。


そんな彼女にこの後救いが訪れるのか、それとも目の前の光景を自分の身体で味わうことになるのかは、誰にもわからない………。


【及川雫@アイドルマスター シンデレラガールズ】
[状態]:健康、馬の怪物(ティクバラン)に対する恐怖(大)
[装備]:―
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:死にたくない。かといってほかの参加者を襲うつもりもない。
1:自分以外に呼ばれているアイドルがいないか心配。
2:あんなものに襲われたら、死んでしまいます……!
3:助けられなくて、ごめんなさい……!
[備考]
女性(NPC)を見殺しにしたことについて、強い罪悪感を感じています。


【ティクバラン@フィリピン神話】
 NPC。馬の頭に人間の胴体、馬の足を持つ半身半馬の怪物。

 旅人を道に迷わせる力を持ち、また人間の女性を(性的な意味で)襲うために徘徊し、
 更に被害にあった女性は彼と同じ姿の子供を産むことになると言われている。

 ……早い話が、同人界隈におけるジャミ様(ドラゴンクエストⅤ)みたいなヤツである。


364 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/16(日) 18:14:55 26f1hmeM0
投下終了です


ありがとうございました。


365 : ◆5qNTbURcuU :2020/08/16(日) 21:25:40 CTPgFSFo0
投下します


366 : NATURAL BORN DESTROYERS ◆5qNTbURcuU :2020/08/16(日) 21:27:10 CTPgFSFo0


少女は、お腹がすいていた。
とぼとぼと、独りぼっちで夜道を歩く。
マザーも友達も皆此処には居なくって、どうすればいいのか分からなかった。

「おれ、どうすればいいの?教えてよ、マザー…」

小山のような体躯の少女――シャーロット・リンリンが、ぽつりと一番の理解者を呼ぶ。
だけど、その呟きは闇に吸い込まれるばかりで決して返ってはこない。
気づけば、瞳の端には涙が浮かんでいた。

与えられた鞄をひっくり返してみても、出てきたのは乾燥麺とお酒だけで、あっという間に平らげてしまい。
甘いお菓子が欲しかった。孤独を癒してくれる甘い甘いお菓子が。
丁度その時だった。
くん、とリンリンの嗅覚があの愛してやまないセムラの匂いをかぎ取ったのは。

瞬時に、くんくんと匂いの元を辿って駆けだす。
その途中で足元に緑色の小鬼が沸き出てきたが、気にせず吹っ飛ばす。
「GOBUUUUU!!」「GBUOOOOO!!」
次々と断末魔の響きを奏でながら、ゴブリン達が轢死していくがリンリンの眼中にはない。
息を切らすほどの全速力で駆け抜け、匂いの元で止まる。

「セ〜ム〜ラ〜!!!」

辿り着いたのは、古びた映画館。
天井も入り口も高く作られているそこは、人間離れした体躯のリンリンでも何とか入る事ができた。通路を所々破壊しながらを突き進み、スクリーンのある一際大きな部屋へと出る。

スクリーンに映し出されている映像には眼もくれず、匂いの元を探す。
すると、匂いの元は直ぐに見つかった。
求めてやまなかった大量のセムラと―――その一つを手に取ってスクリーンをニヤニヤと眺める一人の青年。

「…やぁ、いらっしゃい。君も此処に来て一緒に見ようよ。
お菓子が欲しいなら、分けてあげるからさ」
「ほんと!!」

無邪気に青年の元へと駆けるとどっかと一帯の座席を破壊して、そこに積み上げられたセムラにむしゃぶりつく。
バクバクムシャムシャガツガツ。
足りない物を埋める様に、一心不乱で食い散らす。

「マナーは、守ろうか」

その喰いっぷりに流石に辟易したのか、ぽん、と青年の手がリンリンの身体に触れる。
リンリンは構わず食い続ける。
何も、起こりはしない。

「…マジか?」

落ち着いた声色ながら、確かに驚嘆を含ませて青年が声を上げる。
壊れると思ったものが、予想を遥かに超えて頑丈だった。その手の声だった。
その声を受け、ようやく人心地着いたリンリンが、隣に座る青年の方へと向き直る。
黒いローブに白い髪、そして何故か顔に横一文字のツギハギの走った奇妙な青年だった。
リンリンは面食らった様子の青年に、花の咲いたような笑顔を向けて、感謝の言葉を述べる。

「げっぷ…セムラ、ありがとう!お兄さん!それと、マザー知らない?」
「…いや、生憎。俺は此処に連れてこられてからずっと支給された『アレ』を見てたからね。
他の人間に会うのも、君が初めてさ」

そう言って青年はすっとスクリーンを指さす。
リンリンもその指に誘導されるように、スクリーンへと視線を向ける。
そして、見てしまった。

自分と同じ程の年齢の、子供が母親の目の前で殺される姿を。
明日殺されると分かっていて玩具にされる鬼の姿を。
それを笑顔で、鼻歌交じりで眺めている人間の姿を。
三人の裸の人間が同じ人間を強姦しながら奪った拳銃で射殺する姿を。
拘束された子供の前で、ゆっくりと足から捻り潰される妖獣の親子を。
生きたまま錆びた鋏を背に入れられ、腸を引きずりだされる人魚を。
そうして何分生きながらえるか賭けをする肥え太った人間たちの醜悪な笑みを。

それは地獄だった。それは悪夢だった。映っている中に人間は、一人もいなかった。


「あぁ、ああぁあああぁあああああ」


リンリンの喉から無意識のうちに声が漏れる。
もし、数十年後の、酸いも甘いも知り尽くした稀代の悪女にして女傑の彼女ならば、
この映像すら、笑い飛ばして「あと三倍はもってこい」と宣ったかもしれない。
けれど、この時のリンリンはまだ子供だった。
マザーという唯一の寄る辺さえ喪った、真っ白なキャンパスだった。
そこに、凝縮され切った悪意というドス黒い絵の具がぶちまけられたのだ。


映画館の半分が爆散したのは、その一秒後の事だった。


367 : NATURAL BORN DESTROYERS ◆5qNTbURcuU :2020/08/16(日) 21:27:37 CTPgFSFo0




「いやぁ、大した子供だった。魂のカタチは人だったけど…本当に人間なのかね?アレ
魂の輪郭も、無意識のうちに掴んでたみたいだし…」


映画館から優に一キロ近く吹き飛ばされてもツギハギの青年――真人はけろりと笑っていた。
折れた鼻をつまんでぼたぼたと流れる鼻血を止めると、大きく伸びをする。
特級呪霊に位置する自分の魂のカタチを自在に歪める能力・無為転変を使っても無事だった少女。
これから成長すれば間違いなく両面宿儺や五條悟に並ぶ強さになるだろう。
中々に刺激的で、インスピレーションが刺激される存在だった。

「あれを相手にするなら領域展開は必須かな。
ま、映画鑑賞もここまでにして、取り敢えず何人か殺しに行こうか」

人が人を恐れ憎み生まれた災厄。
そんな彼にとって、殺し合いなど自分の最も得意とする舞台だ。
だから、早々に、期待通りに踊って見せようと決めていた。
元々企てていた計画は思わぬ所で横道に逸れてしまったが、やるべきことは変わらない。
軸がブレようと。
一貫性がなかろうと。
偽りなく、欲求の赴くままに行動する、それこそが呪いなのだから。

「狡猾に行きたいところだね。呪いらしく、人間らしくさ」

我殺る、故に我呪い。





未だ映像の流れるスクリーンに背を向けて風通しの良くなった映画館を飛び出す。
リンリンは幼くて、無知ゆえに友達を傷つけてしまいそうになることも多々あったけど。
それでも喧嘩している熊と狼がいれば仲直りしてほしいと願える程度の良識は持っていた。
そんなリンリンにとってあの映像は途轍もなく醜悪で、不快で、腹立たしかった。
苦いお菓子と引き比べてなお、不快だった。

「人間は、殺さないと…マザーの夢のために」

あんな人間たちがいてはマザーの夢は成就しない。
差別もなく、争いもなく、住民全てが同じ目線で、家族として食卓を囲める国。
そんな平等な国を作る事こそ、マザーの、そして今はリンリンの夢だった。

(あれ?でもマザー達も人間で、どうやって見分ければいいんだろう?)

その事に気づき、うんうんと唸って考えるリンリン。
そうしてしばらく悩みぬいた後、ある一つの(彼女にとっては)冴えた方法を思いつく。
即ち、

「――そうだ!甘いお菓子をおれにくれて、おれのいう事を聞くのがマザーみたいないい人間!
それ以外はみんな悪い人間なんだ!!!」

LIFEorTERAT
何のことはない、本来彼女が辿る筈だった道で至った考えに、この彼女もまた行きついたと言うだけだった。
デイパックから取り出した武器――彼女の手には玩具の様な短剣を取り出し握ると笑顔で歩き出す。
その笑みは、彼女がつい先ほど嫌悪した『人間たち』の笑顔にとても良く似ていた。

【真人@呪術廻戦】
[状態]健康 漲る殺意
[装備]無し
[道具]基本支給品、ランダム支給品0〜1
[思考・状況]
基本行動方針:呪霊として殺し合いに参加する。
1:皆殺し、その過程で領域展開を取得したい。
[備考]原作16話より参戦です

【シャーロット・リンリン@ONE PIECE】
[状態]:腹八分目
[装備]:天逆鉾@呪術廻戦
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜2
[思考・状況]基本行動方針:人間は殺す。マザーの夢を叶える。
1:人間は殺しつくす。
2:お菓子が欲しい。
[備考]参戦時期は六歳の誕生日直後、シュトロイゼンに出会う直前より参戦です。

※半壊した映画館ではまだ黒の章@ 幽☆遊☆白書が上映されています。

【黒の章@幽☆遊☆白書】
真人に支給。今まで人間が行ってきた最も残酷で非道なものが何万時間も記録されている。
数分でも視聴すれば人間に対する考えが逆転してしまう。
即効性はあるが作中の描写を見るに強制力及び持続力については疑問が残る。

【大量のセムラ@ONE PIECE】
真人に支給。断食前にリンリンに与えられたものと同一の物。

【天逆鉾@呪術廻戦】
発動中の術式を強制解除させる短剣。
本ロワでは呪術だけではなく他の異能力についても解除が可能。
ただし、相手に異能力がなければただのナイフである。


368 : ◆5qNTbURcuU :2020/08/16(日) 21:28:41 CTPgFSFo0
投下終了です


369 : ◆4kMBNI9QkE :2020/08/16(日) 22:10:44 CzRImc7.0
投下させていただきます。


370 : リトルルーキー&ファースト・アベンジャー ◆4kMBNI9QkE :2020/08/16(日) 22:11:46 CzRImc7.0
謎の主催者による『殺し合い』という血生臭いイベントの会場となっている名も知らぬ孤島・・・。

その海岸の砂浜で、二人の男が対峙していた・・・。


一人は、まだ『少年』と呼べる程に若い、軽装の鎧にウサギを思わせる白髪赤目の男・・・迷宮都市『オラリオ』で最近知名度を上げつつある『ヘスティア・ファミリア』の眷属、ベル・クラネル。

もう一人は、アメリカの国旗を思わせる青を基調としたコスチュームを着用した筋骨たくましいベル・クラネルよりも年上の男・・・世界の平和を守るスーパーヒーローチーム『アベンジャーズ』のメンバー、キャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャース。

「ハァアア!」
「フンッ!」

二人は互いに徒手空拳の状態で戦いあっていた。
いや・・・それは『戦い』というより、格闘技道場などで行われる『組み手』のようだった。

「ハァッ!」

ベルは見ている方にも必死さが伝わるような表情を浮かべながら、
スティーブに向けて拳や蹴りを繰り出していく。

「・・・フンッ!」

しかし、一方のスティーブは汗一つ無い涼しい顔を浮かべながら、ベルの繰り出す拳や蹴りを軽々といなしていく・・・といっても、『全くの余裕』という訳ではない。
普通、超人兵士であるスティーブがベルと同い年くらいの少年と戦ったとして・・・
例え相手がなにかしらの格闘技を習得していたとしても、スティーブの体にはかすりもしないだろう。

「ヤアァァッ!」
「・・・ムッ!」

しかし、ベルの繰り出す拳や蹴りは的確な速度と威力でスティーブの体を狙い、スティーブはそれらを『両手』を使って防いでいたのだ。

ベルの知り合いがこの光景を見たならば、『ベル君、おしい!』と純粋な感想を述べるだろうが、
スティーブの知り合いがこの光景を見たならば、『信じられない』『あの少年は何者だ?』と驚愕するだろう。

「ハァアア!!」

ベルはスティーブの腹部に向けて回し蹴りを食らわそうとした。
しかし・・・

「フッ!」

スティーブはベルの渾身の蹴りを受け止め・・・

「ハァアア!!」

柔道で言う『巴投げ』によく似た態勢でベルの体を地面に叩きつけたのだ。

「グワッ!?」

場所が『砂浜』という事もあってベルの体には目立つ傷はなかったが、地面に叩きつけられた衝撃は軽いものではなかった。

「ハァ・・・ハァ・・・」

ベルが砂浜に大の字で横たわり、荒い息を漏らしていると、
スティーブがベルに右手を差し出してきた。

「・・・少し休憩しようか?」
「・・・はい」

スティーブからの言葉に、ベルは差し出された右手を掴みながら答えたのだった。



『・・・』ゴクゴク・・・

ベルとスティーブは、先ほど組み手を行っていた砂浜から程近い場所にある無人の海の家で水分補給を行っていた。

といっても、ベルが飲んでいるのは支給された酒ではなく、500ミリリットルのペットボトルに入ったミネラルウォーターだった。
これは『ティーンエイジャーに飲酒させる訳にはいかない』と思ったスティーブが、海の家の中を物色して見つけた物である。
ちなみに、スティーブ本人は一般的成人男性の5倍の代謝スピードを誇る超人兵士の肉体のおかげで、
アルコールを摂取しても酔わない(というより、酔えない)体質なので、支給された酒をまるでジュースか何かのようにらっぱ飲みしていた。

「・・・ベルって言ったっけ?君は中々見所があるよ。最初、『訓練してくれ』って頼まれた時は少し困ったけど・・・」
「ハァ・・・そうですか」

スティーブからの称賛の言葉に、ベルは曖昧な返事を返した。
普段の彼を知る者が見たならば、困惑するような姿である。

「・・・」

スティーブもスティーブで、あったばかりの少年に困惑していた。
何か上手い言葉を話そうとは思うが、ティーンエイジャーの少年にどんな言葉を掛ければ良いのか分からない。
こういう時ばかりは、トニーの軽口やロキの口八丁が羨ましいと内心で思っていた。
しかし、自分はトニーともロキとも違う。
なので、自分なりの問いかけをする事にした。


371 : リトルルーキー&ファースト・アベンジャー ◆4kMBNI9QkE :2020/08/16(日) 22:14:34 CzRImc7.0
「なぁ、ベル・・・君はどうして、僕に組み手を頼んだんだい?」

スティーブが一番気になっていた事がこれ。
会場内で知り合ってすぐ、ベルはスティーブが『歴戦の戦士』である事を知ると、即座に『自分と組み手をして欲しい』と頼んだのだ。
それも、土下座までして。
その事が、スティーブの心に引っ掛かっていたのだ。

「それは・・・強くなりたくて・・・」
「本当にそれだけかい?だとしても、どうして今すぐ強くなりたいんだい?」
「・・・」

スティーブからの問いかけに、ベルは一瞬うつむき・・・
そして、静かに語りだした。

「・・・許せないんです」
「『許せない』?あの主催者がかい?」
「いえ・・・確かに殺し合いなんて開く主催者も許せないですけど・・・」

「一番許せないのは・・・自分自身なんです」

そう語るベルの瞳には、怒りと悲しみと、深い罪悪感が宿っていた。

「・・・僕は、あの時・・・見せしめに殺された人の、すぐ近くにいました。なのに・・・僕はあの人の首輪が爆発するのを、見ている事しかできなかった・・・もし僕が動けていたら、助けられたかもしれないのに!」

ベルは手に持つペットボトルを握り締める。
あまりの力に、ペットボトルはグシャグシャに潰れてしまった。

「・・・それは僕も同じ気持ちだ。だが、もし君が見せしめにされた人を助けたとしても・・・その時は、代わりに君が殺されていただろう」
「・・・だとしても!」

ベルはスティーブに向けてやるせない気持ちを叫ぶ。

「僕は、あの時・・・動く事すらできなかったんです・・・あの人を、助けられたかもしれないのに・・・」

動こうとしなかった自分への『怒り』、
目の前でむざむざと人殺しを許してしまった『罪悪感』、
そして、名も知らぬ人物が死んだ事への『悲しみ』・・・
それらがない交ぜになって、ベルの両目からは一筋の涙が流れていた。

「・・・僕は物心ついた時から、おじいちゃんに英雄譚を聞かされて育ちました。もしも・・・もしも、物語に出てくるような英雄があそこにいたなら・・・きっと自分の命を犠牲にしてでも・・・あの場で主催者を倒して、あの人だけじゃなくて、みんなを助けてくれた・・・そう思うんです。だから!」

不意にベルは顔を上げる。

「僕が代わりに!『英雄』になれないとしても『英雄の代わり』として!この殺し合いから、みんなを救いたい!だから、少しでも強くなりたいんです!」

自身の気持ちを語るベルの顔は、先ほどまで泣いていた少年と同一人物とは思えない、覚悟を決めた男の顔をしていた。

「・・・」


372 : リトルルーキー&ファースト・アベンジャー ◆4kMBNI9QkE :2020/08/16(日) 22:17:54 CzRImc7.0
『英雄の代わりとして、みんなを救いたい』。
そう語るベルの姿に、スティーブはかつての自分・・・
超人兵士となる前、『戦争を早く終わらせたい』と強く思いながらも、
病弱な体が足枷となって何度も徴兵検査に落ちていた頃の自分・・・の姿が重なって見えた。

「『英雄の代わり』としてか・・・立派な志だ」

スティーブはベルを称賛しながらも、「・・・だけど」と付け加えた。

「『現実』は、『物語』とは違うんだ。誰もが幸せになる『ハッピーエンド』が、必ず来るとは限らない。時には強大過ぎる力の前に敗北する事もあるし、大勢の人間を救う為に犠牲を出さなければいけない事だってあるんだ」

かつてのレッドスカル率いるヒドラとの戦い。
スティーブはワルキューレ爆撃機を北極海に沈め、
ニューヨークとそこに住む何十万もの人々を救ったのと引き換えに、70年もの間氷付けで眠り続ける事になった。

サノスとのインフィニティストーン争奪戦。
スティーブを初めとするヒーロー達は、あと1歩というところでサノスによる『デシメーション』を許してしまい、
全宇宙の生命の半分が消滅する事になった。

それから5年後のサノスとの最終決戦(エンドゲーム)。
スティーブの盟友だったアイアンマンことトニー・スタークは、自らの命と引き換えにサノスとその軍勢を消滅させ、地球を救ったのだ。

「・・・ベル、君が進もうとしているのは終わりの見えない茨の道だ。一度進み始めたら、もう後戻りは出来ない。時には自分が無力に思えて、心が折れそうになる事もある筈だ」

スティーブはベルの肩にそっと手を置いた。

「ベル、君にその道を進む覚悟はあるかい?」

それは『ヒーロー』として、
『男』として、
何より『一人の大人』として、
スティーブの心からの問いかけだった。
だが・・・

「・・・えぇ、もちろんです」

ベルの心は変わらなかった。

「これくらいで諦めていたら・・・仲間や神様、憧れの人に愛想をつかれちゃいますから」

そう断言するベルの瞳には、迷いやためらいは一切無かった。

「・・・そうか」

ベルの返答に満足したのか、スティーブも覚悟を決めたような表情を浮かべ、デイバッグを担いで立ち上がった。

「・・・なら、いつまでものんびりしている訳には行かないな。一人でも多く、巻き込まれた人を助けに行こう!」

スティーブに続いてベルもデイバッグを片手に持って立ち上がった。

「はい!よろしくお願いします、スティーブさん!」

元気の良い返事をするベルだったが、スティーブは首を横に振った。

「・・・いいや、ベル。僕の事はこう呼んでくれ」




「・・・キャプテン・アメリカ」

後に、ベルはこう語る。
『この時のキャプテンは、まるで物語から抜け出した本物の英雄のようだった』、と。


373 : リトルルーキー&ファースト・アベンジャー ◆4kMBNI9QkE :2020/08/16(日) 22:20:07 CzRImc7.0
【ベル・クラネル@ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか】
[状態]:健康、若干の疲労、覚悟完了
[装備]:兎鎧@ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3、ペットボトル入りミネラルウォーター×3
[思考・状況]
基本:『英雄の代わり』として、参加者達を助ける
1:キャプテン(スティーブ)と共に行動する
2:キャプテン・アメリカ?スティーブさんの二つ名?
3:ファミリアの仲間がいるなら合流する
[備考]
アポロン・ファミリアとの戦争遊戯終了後からの参戦。
兎鎧は支給品ではありません。
ペットボトル入りミネラルウォーターは現地調達品です。
スティーブを『オラリオから遠く離れた国出身の戦士』と思っています。


【スティーブ・ロジャース(キャプテン・アメリカ)@マーベル・シネマティック・ユニバース】
[状態]:健康、体が程よくほぐれている
[装備]:キャプテン・アメリカのコスチューム@マーベル・シネマティック・ユニバース
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本:人を助ける
1:ベルと共に一人でも多くの参加者を救う
2:アベンジャーズの仲間がいるなら合流する
[備考]
『エンドゲーム』のトニーの葬儀後〜インフィニティストーンを元の時代に返却しに行くの間の時間軸からの参戦。
ベルを『ソーやロキのような、地球の神話のモデルとなった地球外惑星の出身』だと考えています。


【兎鎧@ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか】
ベル・クラネルの仲間である鍛冶士ヴェルフ・クロッゾ製作の軽装防具。
こう書いて『ピョンキチ』と読む。

【ペットボトル入りミネラルウォーター@現実】
現地の海の家から調達。
コンビニなどで1本100円くらいで売られているような天然水。
容量500ミリリットルが3本。


374 : ◆4kMBNI9QkE :2020/08/16(日) 22:24:17 CzRImc7.0
投下終了します。


375 : 名無しさん :2020/08/16(日) 22:41:00 n2HEvZWY0
テスト


376 : ◆2dNHP51a3Y :2020/08/16(日) 22:45:33 n2HEvZWY0
投下します


377 : 最強を望む者、最強に臨む者 ◆2dNHP51a3Y :2020/08/16(日) 22:46:30 n2HEvZWY0
「――気に食わぬ。何故余がこのような下らぬ催しに巻き込まれなければならぬのだ」

会場のとある場所、黒衣の男が苛立ちの言葉を吐き捨てそこに立っていた
男の名はベルゼバブ。空の世界において、『星の民』と呼ばれた種族の一人

「だが、手段はわからぬがあの封印から余を開放し、ここまで連れてきた連中の力は興味深い」

彼の最後の記憶、それは特異点とその仲間たちとの戦闘中、特異点の仲間の一人である錬金術師カリオストロの策によって星晶獣封じの結界によって次元の狭間に封印された時だ
もっとも、それは狡知の堕天司ベリアルによって仕掛けられた策であり、戦場となっていた実験場にあった資料に細工をし、それを特異点達に気づかせるというなんとも遠回しなやり方であった
だが、仮にも星晶獣を封印出来る結界から、自身に気づかれずにここまで連れ去るなど、余りにも不可解だ

「……狡知とルシファー、特異点どもはおらぬか。いや、もしかすれば余と同じく呼ばれている可能性もあるな」

だが、この考察がもし事実だとすれば、最低でも想定出来る相手は天司長か高位の星晶獣に引けを取らない、もしくはそれすら凌駕した存在だと考えられる
――だが、それがどうした?

逆を言えば、ルシファーや特異点に類する参加者が多数呼ばれている可能性があるかもしれないということだ。ならばベルゼバブにとっては好都合である。その参加者を、あわよくば主催共の力を手に入れ、今度こそ全てを超える存在として世界に君臨することだ

だがその前に最初に邪魔となるのはこの自身に課せられた首輪の存在だ。これがある以上忌まわしいことに反抗は不可能。故に

「まず手始めに羽虫どもの首輪を手に入れたい所か。それに、誰を殺すにしろ、会うやもしれぬ異世界の人間の実力とやらも確かめておくことも、な」

まずは首輪のサンプルだ。解除のためにはまずこれ以外の実物を調べる必要がある。どちらにしろ他の参加者を殺す必要性があるがそれは些細な問題だ
それに、もし仮にルシファーや特異点らがここに来ていると仮定して、やつらもまた同じように首輪を嵌められ、その力を制限させられている可能性がある
特異点はまだしもルシファーの実力はベルゼバブ自身が一番知っている。狡知との激闘の傷が響いていたとはいえ一撃で瀕死に持っていかれた。
もしルシファーがいると仮定し、やつを打ち倒すならば早々に自身の首輪を外し、奴の首輪が外れる前に奴を仕留める他ない。もし奴の首輪がすでに外れているのであれば、その時は力を蓄え、万全の状態を持って挑み仕留めればいい

そうこう考えてながら歩いてみれば、視線の向こうには一人の女性の姿だ

「ちょうどいい羽虫が一人―――いや、既に余の気配に気づいているな?」

「……そこまでわかりやすい敵意を向けられればな」

ベルゼバブの声に、黒髪の女は振り向く

静寂の夜空に、敵意という名の火花が静かに散る


378 : 最強を望む者、最強に臨む者 ◆2dNHP51a3Y :2020/08/16(日) 22:47:01 n2HEvZWY0
◯ ◯ ◯


恵羽千は『正義の味方』である

バスの転落事故をきっかけに辺獄に落ち、ある出来事を機に、幽者や幽鬼なる化け物を狩る代行者の一人となった

―――代行者。悪魔との契約の代価として理念(イデア)を集めたり、辺獄にて幽者や幽鬼を狩る存在

きっかけこそ巻き込まれたことが原因であるが、だからといって悪逆無道の輩を野放しには出来ないと、自らが信じる正義のために幽者や幽鬼を狩り続ける

「……ここは?」

そんな恵羽千が目を覚ませば、こんな素っ頓狂な場所であった。格好が代行者しての衣装だったからあの悪魔からの依頼なのだろうかと思っていたが、そもそも何の告知もなしに呼び出されるなんて流石におかしい
それに辺獄らしからぬ、まるで現実世界での都会の町並みとも言える光景が周囲に広がっている

「……悪い夢だと思いたかったのだがな」

確信せざるえなかった。あの時、主催なる人物の発言を、バトルロワイヤルという邪悪な催しを
戸増恐介の件が終わり、疲れが溜まって悪い夢を見てしまったのだと思っていた。だが、これは現実だ。
ここが辺獄なのか、本当に現実の世界なのかはわからない。

「けれど、私のやることは変わらない。」

やることは変わらない。こんな催しを許すわけにはいかない。恵羽千の意思はどこまでも固く尖ったものでる。故に

「ちょうどいい羽虫が一人―――いや、既に余の気配に気づいているな?」

「……そこまでわかりやすい敵意を向けられればな」

恵羽千は気づいていた。自らの背後にいる男の邪悪なる気配に

「――お前は、この下らない催しに乗るつもりなのか?」

「――この催しが下らないというのは同意見だ。だが、下らんからと言って自らの目的に活用できるかどうかは別だがな」

恵羽千の眼前に立つのは黒衣に身を包み、黒いフードとマントを被った若い男
フードから微かに見えるその若々しい顔と金髪からは、その美貌とは裏腹な禍々しさを感じられる

「――聞くだけ無駄だったか。乗っていないのれあれば、まずは話の一つぐらいとも思ってはいたがな」
「愚問だな羽虫、余は求めるのはただ力のみだ。下らん催しではある、混沌の坩堝に等しいこの殺し合いであれば、余が求める……否、それ以上の力が手に入るやもしれん」
「……そのために、何人もの罪のない命を奪ってでもか」
「羽虫を何人殺した所で価値がなければ意味がない。元より弱者なぞ余の餌にすらならん」
「……もういい。本当に話の無駄だったようだ」

恵羽千は察した。この男は悪だと。自らの欲望のために他者の命を何の感傷も抱かず蹂躙し尽くす邪悪だと
これ以上、対話は無意味だと―――

「――お前のような男を野放しにしてはおけない、今ここで貴様を断罪する」
「羽虫が、余との力の差を理解できないようだな。だが、その蛮勇に免じて――貴様の性能を検証してやろう」

双剣を構える。凍てついた刀身を持った双剣だ。少女の剣を見て、黒衣の男は眉を顰めながらも「ほう……」と呟いた。恵羽千にはその呟きの意味こそわからなかったが。そんな事を考える暇すら無い

その刹那――両者は衝突し、光が弾けた


379 : 最強を望む者、最強に臨む者 ◆2dNHP51a3Y :2020/08/16(日) 22:47:31 n2HEvZWY0
◯ ◯ ◯

火花は散る。赤蒼と黒紫の閃光は迸る

赤蒼の輝きは断罪の刃、宿善応報の剣

黒紫の眩きは混沌の魔力

「はあああああああああああっっ!」
「――ふん」

黒髪の少女の紅き剣戟を、黒衣の男は軽々と躱す。少女の斬撃を軽々と捌く
黒衣の男は黒紫の魔力をその手に込め、拳を振るう。それを少女は間一髪避ける。
力を込めて拳を振るう―――ただそれだけで地面は抉られ、建物の壁は粉砕される。シンプルかつ単純な行為であるがその破壊力は桁違い。それに――

(こいつ……見た目以上に身軽だ!)
「さっきまでの威勢はどうした羽虫? 余に傷どころか攻撃一つも当てられてないではないか」
(……しかも、どう考えても手を抜かれている)

明らかに手を抜かれている。まるで自分の実力を試すかのように。まるで食らう餌の品定めをされているかのように
恵羽千からすれば今、自分はほぼ全力で戦っている。だがそれでも黒衣の男はそれを簡単にあしらっている。これでは千日手だ。攻撃を繰り出し、避けられ、捌かれ、相手の攻撃を避けて

(――これではこちらが不利か。だったら)

魔力で剣を数本構築し、それを投擲。本来ならば牽制技なのだが、この剣の本来持っていた効果も相まってかそれはそれなりの大きさの氷柱として、弾丸の如く飛ぶ

「小癪な」

だがその氷柱は男の腕の一振りによって全て砕かれる。だが、これはあくまで『囮』だ

「……ぬ?」

黒衣の男が恵羽千の姿を見失う。彼女にとって、それが狙いであった。相手は明らかに格上、ならば真っ向からではなく

「―――ソクテラス!!」

既に黒衣の男の上空に、恵羽千の姿はあった。男の首を確実に斬り裂くために
叫びとともに、彼女の背後に黒き鎧の双剣士。――代行者恵羽千の守護者であるソクテラス
チャンスは一度きり、ソクテラスを顕現させ、渾身の一撃を持って全てを終わらせる

「これで、終わりだ―――」
「下らん、所詮羽虫は羽虫であったか」
「……なっ!?」

だが、恵羽千の攻撃は、黒衣の男の、背中より現出した機械の翼によって阻まれた
剣は翼によって完全にうちとめられ、動かせない

(動かせ、な……!)
「この程度の攻撃で、余のケイオスマターを砕けるとでも思っていたか?」
「……! しまっ――!?」

黒衣の男の言葉と共に、鋼鉄の翼は揺れ動き、少女の身体はその守護者ごと宙に浮く
自由落下により動きを制限された恵羽千の身体に

「――その身に刻め、このベルゼバブの力の一端を!」

その腹部に、男の拳が直撃した。何十もの衝撃が彼女の身体を貫通する。激痛に依る悲鳴すら上げる暇もなく、少女の華奢な身体は吹き飛ばされ、建物の壁を貫通して破壊し尽くし、それでようやく止まった

「ぁ……がふっっ……が……がぼっ……」

建物の残骸広がる光景の中に、まるで洪水被害の後の乱雑に打ち捨てられた家具の如く、倒れ伏した恵羽千の姿があった
先の攻撃で肋骨が何本も折れ、恐らくは内臓の方も損傷している。呼吸もまともに出来ず、吐き出されるのは空気ではなくどす黒い血の放流

「……やはり力が抑えられているか。忌々しい」

恵羽千の霞む視界に辛うじて映ったのは、自らの力が制限されていることを改めて実感しそう吐き捨てる黒衣の男――ベルゼバブ

「が……ばっ……」

思考もまともにままならない。もうすぐ死ぬという感覚。かつて遭ったバス事故の時と、同じ感覚

「もはや威勢すら張れぬか――ならいい。その下らぬ正義ごと、藻屑と消えろ」

ベルゼバブの拳が迫る。だが今の恵羽千には何も考えられない、何も。後悔もある。悔しさもある。遺してしまう人達もいる。だけど、動かない、動いてくれない。思考すらままならない

















「――バルディッシュ! ザンバーフォーム!」
《Yes Sir》

「……何ぃ!?」


それは、蒼い雷光であった


380 : 最強を望む者、最強に臨む者 ◆2dNHP51a3Y :2020/08/16(日) 22:49:43 n2HEvZWY0
雷光に気づいたベルゼバブはケイオスマターの翼を周囲に展開、雷光による一撃を防ぐも、ガチン!とい轟音音と共に吹き飛ばされる

「ぬうううう?!」
「ぁ……?」


天啓の如くベルゼバブの攻撃を間一髪受け止め、弾き飛ばした『蒼の雷光』
右側頭部をシニヨンにし、左側頭部には蒼い蝶々がそのままひっついたようなアクセサリーを付けた薄紫のロングヘアー、白いマントにやや黒い軍服調の衣装に身を包んだ、凛とした女性
魔力によるものなのか、それか別の力であるのか、蒼い電気が小さく女性の足元で迸る
女性の隣には、獣耳がついたセミロングの黒髪の少女。だがよく見ればその両腕はまるで獣のような黒い体毛で覆われており、さしずめ狼のようだ

「……大丈夫? ……なわけないよね。スズネちゃん、彼女を安全な場所まで避難させて」
「セリカさん、大丈夫なんですか!? あの人、絶対に強いですよ?」
「大丈夫よ、適当に戦ったらトンズラするから。だから安心してね?」
「……わかりました! 無事に戻ってきてくださいね、治療が終わり次第私も加勢しますから!」
「……ぁ」

恵羽千の思考がまとまらない内に、獣耳の少女――スズネと呼ばれた少女にお姫様抱っこされたまま連れ去られる
そして今この場に残ったのはベルゼバブと、セリカと呼ばれていた女性

「貴様――余の邪魔をするか?」

ケイオスマターの翼を展開し、黒衣の姿からその逞しい肉体美を顕にした金髪の男、ベルゼバブ
それに対するは、大剣を構え笑顔を向けるセリカ

「……そりゃ、あんな可愛い女の子をイジメてるおっさんを放ってるわけないもんねッ、だから邪魔させてもらったってわけ」
「……ふん、まあいい。さっきの羽虫よりはマシのようだからな。それに、貴様から感じるその力も興味深い」
「わたしはただの冒険オタクだよ? そーんな大層な力なんて持ち合わせないっつーのッ! というわけで帰れおっさん!」
「……そのふざけた口を叩けぬ様に痛めつけて、貴様を絶望させてになぶり殺しにしても構わんのだぞ?」

「……絶望、絶望。ねぇ……」

その呟きを引き金に、軽い態度をとっていたセリカの態度が一変する

「――お生憎様、もう絶望はこりっごりなのよ。残酷に真実にへし折られたり、敵に良いように操られて仲間を殺したちゃったりとか。……あんたが『絶望』するかもしれない覚悟は出来てんの、オッサン?」
「面白いぞ、ならば貴様の真の絶望を以って余は新たなる力を得ることとしようか!」

暴君ベルゼバブ 対 伝説の冒険家セリカ・クレイトン

―――開戦(オープン・コンバット)―――


381 : 最強を望む者、最強に臨む者 ◆2dNHP51a3Y :2020/08/16(日) 22:50:43 n2HEvZWY0
【ベルゼバブ@グランブルーファンタジー】
[状態]:健康
[服装]:いつもの姿
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、不明支給品3つ
[思考]
基本:他の参加者も主催をも打ち倒し、今度こそ全てを超える存在として世界に君臨する
1:目の前の羽虫(セリカ)の力は興味深い
2:まずは首輪のサンプルが欲しいところだ
3:もしルシファーや狡知、特異点等がこの会場にいた場合の対策も取らねばならぬ
[備考]
※封印後からの参戦となります

【恵羽千@CRYSTAR -クライスタ-】
[状態]:負傷(大)、肋骨骨折、内臓損傷、大量吐血
[服装]:
[装備]:霧氷剣ペルソス
[道具]:基本支給品一式、不明支給品2つ
[思考]
基本:主催を倒し、この殺し合いを止める
1:―――
[備考]
※第三章終了後からの参戦となります


【セリカ・クレイトン@Death End Re:Quest】
[状態]:健康
[服装]:バリアジャケット(バルディッシュ)
[装備]:バルディッシュ・アサルト@リリカルなのはシリーズ
[道具]:基本支給品一式、不明支給品2つ
[思考]
基本:まずは目の前の化け物を何とかする。隙を見つけたらトンズラ
[備考]
第10章終了後からの参戦です

【スズネ@ダーウィンズゲーム】
[状態]:健康、シギル発動中(両腕獣化)
[服装]:いつもの服装
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、不明支給品3つ
[思考]
基本:まずはこの子(恵羽千)を何とか安全な場所へ避難させて治療を……
1:セリカさん、無事で居てください……!
[備考]
※参戦時期は後続の書き手に任せます


【霧氷剣ペルソス@グランブルーファンタジー】
ランスロットの専用武器。凍てついた刀身を抜けば戦場の空気を一変させる。霧氷を纏い全てを切り裂き打ち砕く様は、さながら氷獄の爪である

【バルディッシュ・アサルト@魔法少女リリカルなのはA's】
フェイト・テスタロッサの所持するデバイス。ベルカの騎士シグナムとの戦いで大破したバルディッシュがベルカ式のカートリッジシステムを搭載して大きく強化して復活したもの


382 : ◆2dNHP51a3Y :2020/08/16(日) 22:51:12 n2HEvZWY0
投下終了します


383 : 東京、江戸、OEDO ◆Oamxnad08k :2020/08/16(日) 23:13:42 dHs.VOTo0
投下します。


384 : 東京、江戸、OEDO ◆Oamxnad08k :2020/08/16(日) 23:14:23 dHs.VOTo0
「……」
ザッ!ザッ!ザッ!…
「ウリ坊…美代ちゃん…鈴鬼くん」
ザッ!ザッ!ザッ!…
知り合いであろう人物の名を呟きながら砂の大地を歩く少女…

「殺し合い…私…どうしたらいいの…?」

殺し合いといわれても、それができる人間なんてごくわずか…
まして、戦後、様々な要因があれど戦争をしなかった国の少女がそう簡単に選択できるわけがない。
しかし、現実は無常である…

ザバァァン!!!それは、砂漠から飛び出してきた!!

「なッ!?何!?」
飛び出してきた何体かの生き物はサボテンの形をした生き物…「サンボ」と呼ばれる生き物。

「あ…あ…」

少女は腰が抜けたのか砂の大地…砂漠に尻もちをつく。
「……」
サンボは体をくねくねと動かしながら近づいてくる。
「い、嫌ぁ〜〜〜〜!!」
少女の叫びにサンボは臆することなく近づき…


385 : 東京、江戸、OEDO ◆Oamxnad08k :2020/08/16(日) 23:15:54 dHs.VOTo0
「こらぁ〜!小さな女の子一人に卑怯ですわ〜〜!!」

「だ、誰!?…えっ!?折り紙!!??」
叫ぶ少女のデイバッグから抗議の声を上げて飛び出してきたのは…折り紙。
「わたしはオリビアです!さぁ、おっこさん!!ハンマーで叩いてください!そうすれば楽勝に倒せますわ!!」
「え?えッ!?私、ハンマーなんて持ってないけど…」
「……」
おっこと呼ばれた少女の返答にオリビアは沈黙…

「そ…それでしたら、ジャンプして踏みましょう!!マリオさんのようにぴょ〜んと」
オリビアは機転を働かせておっこに倒し方のヒントを与えるが…
「えええええ!?マリオさんのようにジャンプして踏むっていったって、そんなに高く跳びないわ!」
「……」

「えええええ!!??そうなんですのーーーーー!?」

マリオのようにジャンプできないことを知ったオリビアは驚愕!
「ば…万事休すですわ〜」
「えええええ!?」

「「「……」」」
おっこと呼ばれた少女とオリビアのやり取りを眺めていた数体のサンボは歩みを再開する……
もう、駄目か!2人は目を瞑る。

…そのときッ!!
ドガッ!
鈍くて固い音がする…
おっことオリビアが恐る恐る目を開くと…

木刀を片手にサンボの体を吹き飛ばした老人がいた。
「とりあえず、叩けばよいんじゃな?」
「は、はい!そうですわ!左右にボカボカ叩いてください!」
「そうかえ」
オリビアの言葉を受け、木刀を持った老人はダルマ落としの要領でサンボの体を叩き飛ばして…
「これで、終いじゃ!」
頭だけになったサンボの頭を上から下へ振り下ろす!!

ドスン!!…チャリ〜ン♪

サンボの頭が潰れるとコインが出てきた!
「ふむ…元文小判…いや、花押などがない。これは、偽造小判かの?」
老人はコインを拾うと訝しく見ている。
「ゆだんは禁物ですわ!まだ、いますのよ!!」
オリビアの言葉に老人は意識を戻すと木刀を構える。
「いかん、いかん…さて、怪異なる者よ。向かってくるなら俺は容赦せぬぞ?」
老人の殺気にサンボは砂漠に潜り立ち去った……

「ふぅ…さて、童女に…折紙の子。わしの名は秋山小兵衛と申す。何処か休憩しながら情報を交わしたいが…」

秋山小兵衛と名乗る老人の提案にオリビアは…
「それでしたら、すぐ近くに水がある場所がございますわ!」
「うむ。それでは、まずはそこへ向かうとしよう」
3人は歩く。歩く。歩く-----

☆彡 ☆彡 ☆彡


386 : 東京、江戸、OEDO ◆Oamxnad08k :2020/08/16(日) 23:16:54 dHs.VOTo0
オアシスに辿り着いた3人は、情報交換も兼ねて休息する。
「さて、童女よ。そなた、名は名乗れるか?」
老人の武士の言葉に童女は…

「あッ、はい!私は関織子といいます!」

「なんと!?苗字付きとは、どこか名のある家の者かの?」
「名のある家!?い、いいえ!ただの普通の小学生です!」
「「ショウガクセイ」…?」
「おっこさんは、「ショウガクセイ」ですの?」
「ええと…小学生というのは-----」
…〜…

「ふうん…そうかい。すると織子は300年も未来、「平成」の日の本の人間なんじゃな」
「は、はい…」
「未来の人間と出会うなんて、いやはや…何とも不思議なことよ…」
小兵衛は織子からと情報を交換をして、自分よりも300年以上も未来の子だと知る。
「わたくしも、ペラペラでない方とお会いするのははじめてですわッ!不思議なこともあるんですね」
オリビアは自分やマリオとは違う体の2人に興味津々といった様子。

「…わしはお主の方が摩訶不思議に見えるがね…」
「まッ!?失礼ですわ!小兵衛さん!!」
オリビアは小兵衛の言葉にプンプンする。
「ま、まぁまぁオリビアちゃん。落ち着いて、小兵衛さんが不思議がるのは仕方がないよ。江戸時代の人なんだから…」
おっこはオリビアを宥め――――
「オリビアちゃんは、マリオさんという男の人と冒険していたんだよね?」
おっこの質問にオリビアは…
「そうですわ!兄上の野望を阻止するため、ピーチ城へ目指していましたの!
「その途中、OEDOランドのショーを観て、青のテープをマリオさんが手に入れようとステージに上がった瞬間、目の前が真っ暗になって気づいたらおっこさんのバッグの中に入っていましたの!!」
「じゃあ、オリビアちゃんは私や小兵衛さんとは別の世界の住人かもしれないね!」
「そうかもしれませんね…私が出会ってきた方々はみな紙のようにペラペラでしたから…」
織子の言葉にオリビアは否定しない。
「でも、どうして私の名前…それもあだ名を知っているのかしら?」
おっこの疑問。
「それは…わたくしもわかりませんわ。ただ、おっこさんの名がパッと浮かんだのですの」
「おそらく、わしや織子。それにオリビアをこの殺し合いの場へ呼び寄せた首謀者の仕業と考えてよいな…」
小兵衛はそういうと――――

「それにしても、江戸ではなく、OEDOとは…それに織子の日の本では東京と呼ばれておるのだな?」
「はい…」
(ううむ…300年も未来の童女とは、一見信じられんが、織子は支給品の食料について博識で、お上について、織子の年齢なら、知るはずがないことも知っておる…)

「さて、織子や。もう一度確認するが、この銀色の筒は酒で蘭学のようなものが印字されている白い筒は麺なのだな?」
「はい。スーパードライは蓋を開けると飲むことができて、カップヌードルはお湯があれば、食べることができます。」
「お酒にカップヌードル…どのような味がするんですの?わたくしも口に入れたいですわ!!」
「オリビアちゃん、食事ができるんだ…」

おっことオリビアのやり取りをしり目に――――
(オリビアと名乗る折り紙の怪異…普通なら妖術の類やと考えるが、織子の言葉でいうなら【別の世界】の住人…ううむ)
小兵衛はオリビアが申す【ピーチ城】【OEDOランド】などといった語に半信半疑に受け取るが、織子の言葉を否定できる情報がない。
(うむ。まずは、情報を集めよう。織子とオリビアについては他の参加者との情報で確信ができるはず…)
小兵衛は考えをまとめ―――

「よし。それでは、まずは近くの町へ寄るとするか。食料がお湯が必要な【カップヌードル】と酒だけでは、心もとないからな」

小兵衛の提案に。
「はい」
「わかりましたわ!」
おっことオリビアは賛成する。

東京に住んでいた童女。江戸に住む老剣客。OEDOランドにいた折り紙。

世にも奇妙な3人組の歩み―――――


387 : 東京、江戸、OEDO ◆Oamxnad08k :2020/08/16(日) 23:19:49 dHs.VOTo0
【H--8/砂漠(オアシス)】

【関織子(おっこ)@若おかみは小学生(映画版)】
[状態]:健康
[装備]:オリビア
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜2(本人確認済み)
[思考・状況]:基本行動方針:小兵衛・オリビアと行動を共にする
1:殺し合いなんて、私、できないよ…
[備考]
参戦時期は季節が秋。真月と喧嘩後、木瀬一家が泊まりにくる前。
秋山小兵衛・オリビアが自分とは別の時間・世界の人ではないかと推測する。
※オリビアは支給品扱い
※オリビアの参戦時期はOEDOランドで輪ゴムと戦う直前。

【秋山小兵衛@剣客商売(漫画 大島やすいち版)】
[状態]:健康
[装備]:木刀
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜2(本人確認済み) コイン1枚
[思考・状況]:基本行動方針:織子・オリビアと情報を集める
1:情報を集めたい
2:織子・オリビアを守る
3:町で食料を調達。
[備考]
参戦時期は天明4年
殺し合いの首謀者は妖術の類が扱えるのではと推測している。
織子とオリビアの言葉から、半信半疑ながら織子は未来の子、オリビアは別の世界の住人だと考える。
織子から簡単な歴史を知った(小学生の社会科の範囲)
オリビアからオリビアの世界について知った(若干、半信半疑)


388 : 東京、江戸、OEDO ◆Oamxnad08k :2020/08/16(日) 23:20:03 dHs.VOTo0
投下終了します。


389 : ◆ytUSxp038U :2020/08/17(月) 00:47:28 X2Gn2tbg0
投下します


390 : SYNERGY ◆ytUSxp038U :2020/08/17(月) 00:54:50 X2Gn2tbg0
「な、何ですかこれ……」

深い森の奥。
そこで橘ありすは一人怯えていた。
何時ものように事務所の扉を開けた途端、急に意識が遠くなり目が覚めたら殺し合いをしろと言われた。
加えて見知らぬ人間が首を吹き飛ばされる瞬間が目に焼き付いてしまっている。

「うっ…」

思わずこみ上げる吐き気を必死に抑える。
飛び散る血と肉片。
あれは一体何だ。これは本当に現実なのか?
様々な疑問がありすの脳内にグルグルと渦巻いている。

「ま、全くもう…Pさんったら、こ、こんな仕事やらせるなんて……」

口から出たのは、この状況をドッキリ企画のようなものだと思い込む言葉。
よくよく考えれば有りえないではないか。
突然人を連れ出して殺し合え?優勝者は何でも願いが叶う?
いったいどこの漫画の世界の話だ。
最初に殺された人だって特殊メイクか何かだろう。

「そ、そうですよ…きっとその……はず……」

しかしその一方で、ありすの冷静な部分はそんな現実逃避気味な考えを否定する。
幾ら何でもプロデューサーがこんな悪趣味な仕事を持って来るだろうか。
いつも自分たちアイドルの事を一番に考えてくれる、そんな優しいあの人が本当にこんな企画に自分を参加させるか?
それに見せしめと称して人が殺された時に漂ってきた血の臭い。
作り物と言うには、いやに生々しかった気が――

「いやっ!」

頭を抱えてその場に蹲る。
これがドッキリなどでは無い、本当の殺し合いだと言うのなら、自分もあの見せしめの人のように殺されるのか。
それが嫌なら殺される前に殺さなければいけないのか。

どちらも出来るはずが無い。
けれど死にたくは無い。一体自分はどうすれば良いのか。

「Pさん……」

助けを求めるか細い声がありすの口から漏れる。

その時、ガサリ、という雑草を踏む音が聞こえた。


391 : SYNERGY ◆ytUSxp038U :2020/08/17(月) 00:55:59 X2Gn2tbg0
「っ!?だ、誰ですか…!?」

ビクッとありすの肩が跳ね上がる。
そうだ、ここは殺し合いの場。
自分以外にも大勢が呼ばれているのだ。
姿を見せぬ者に怯えつつも、ありすはほんの少し期待してしまった。
ひょっとしたらプロデューサーや、同じアイドルの仲間が出てきてくれるのでは…と。
ありすのそんな思いを知るはずも無く、姿を現したのは…





「GRUUUUUUU…!!」

赤みがかった体毛の巨大なクマだった。
唸り声を上げながら、のっそりとありすに近づいて来る。

「ひっ…!」

予想していなかった猛獣の出現に、ありすは腰を抜かしてしまう。
クマはよく見ると皮膚の所々が剥がれ落ち、肉が露出している。
だというのに弱弱しさは微塵も感じられない。
ギラ付いた目でありすを睨みつけ、口の端からは涎が垂れている。

「ぅあ……」

そんな化け物のようなクマを前にし、恐怖で歯がカチカチと鳴る。
逃げなければと頭では分かっているのに、足に力が入らず立てない。

ここで自分は死ぬのだろうか。
殺し合いなんていう訳の分からないものに巻き込まれて。
怪物のようなクマに引き裂かれ、噛み砕かれて。

「や…いやぁ……」

ああもうだめだ。
もうこんな近くにまで来てしまっている。
生温かい鼻息が顔に当たる。

「ぁ……」
「GAAAAAAAA!!」

そうして熊は巨大な口でありすを――












「叩っ斬る」

ザンッ


噛み砕く直前で首を斬り落とされた。

「…………え?」

呆然とするありすの目の前には、一人の男が立っていた。
無精髭を生やし、顔には一筋の傷。
左手に握る血の滴る刀、足元に転がるクマの頭部。

自分が何とか助かったと理解し終えると、そこでありすは意識を手放した。


◇ ◇ ◇


392 : SYNERGY ◆ytUSxp038U :2020/08/17(月) 00:58:18 X2Gn2tbg0
オ オ オ ォ ォ ォ

冷たい風が自分のコートを揺らすのを感じながら、宮本明は考えていた。

(どうなってやがる…。こいつは雅の野郎が仕組んだのか?)

宿敵であるあの男ならば、こんなふざけた催しを開いたとしても不思議は無い。
だがあの奇妙な場で殺し合いを命じた者は雅でも、まして吸血鬼でも無かった。
あの雅が人間と手を組むとは、明には考えられないことだった。

そもそも殺し合いに参加させられているのは自分だけなのか。
鮫島達もどこかに居るのか。
自分の仲間だけではなく、雅の息子達も参加しているのか。
雅が主催者で無いのなら、一体誰が殺し合いを動かしているのか。

今の明には分からない事が多過ぎた。

「…ここで考え込んでも仕方ねえ。まずは森を抜けるか」

刀に付いた血を振り払い鞘に納めると、気絶したままのありすの胴に手を回し持ち上げた。
上等な運び方では無いが、生憎こっちは腕一本の身。
そこは我慢してもらいたいものだ。

獣の鳴き声を聞き駆け付けてみると、この少女が殺されそうになっている場面に遭遇し、即座にクマの首を刎ねた。
異様な見た目のクマは以前にも遭遇した吸血鬼化した動物だったのだろう。
少女の方は緊張の糸がプッツリと切れたのか、そのまま気を失ってしまったが。

(年の頃は勝っちゃんと同じくらいか…)

見ず知らずの、わざわざ面倒を見てやる義理も無い子供だが、あのまま放置して死なれるのも目覚めが悪い。
何にせよ今は森を抜けるのが先決だと、明は走り出した。

【橘ありす@アイドルマスター シンデレラガールズ】
[状態]:精神疲労(中)、気絶
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]:基本行動方針:死にたく無いし、誰かを殺したくも無い
0:……

【宮本明@彼岸島】
[状態]:健康、右腕欠損
[装備]:竈門炭次郎の日輪刀@鬼滅の刃
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]:基本行動方針:殺し合いをする気は無いが、向かって来るなら容赦しない
1:少女(橘ありす)を連れて森を抜ける
2:吸血鬼や化け物は殺す
3:居るかは不明だが鮫島たちを探す
4:これは雅が仕組んだ事なのか…?
[備考]
参戦時期は48日後…で姑獲鳥撃破後。
右腕の義手は没収されています。

【竈門炭次郎の日輪刀@鬼滅の刃】
本編の主人公、竈門炭次郎が最後に手に入れた日輪刀。
縁壱零式の内部に隠されていた戦国時代の刀を、鋼鐵塚蛍が研ぎ直し再び使えるように仕上げた一品。
鍔は煉獄杏寿郎の遺品が使われている。

【ヤオ・グアイ@Fallout4】
NPC。放射線によって変異したクマ。雨を妨げる場所に巣を作る。
変異した事で俊敏性、体力、狂暴性がただの動物だった頃より強化されており、油断していると一撃で殴り殺されるので注意。


393 : ◆ytUSxp038U :2020/08/17(月) 00:59:24 X2Gn2tbg0
投下終了です


394 : ◆2zEnKfaCDc :2020/08/17(月) 02:16:25 qdM/40Ww0
投下します。


395 : ウソつき達の物騙り ◆2zEnKfaCDc :2020/08/17(月) 02:17:39 qdM/40Ww0
 私は他人がウソを言うと、ウソだとすぐにわかってしまう。

 ウソを適当に流すのが疲れるので。人と話すのが面倒なわけで。

 それならば他人とは関わらないのが吉。それがかねての信条だった。

 だけどまあ、適度なウソも人間関係には悪くないスパイスとなる……こともある。そういう考えが湧いてきたのも確かだ。

 だからこそ、殺し合いを命じられたこの世界で如何なるウソを人は吐くのか、気になって。

 少なくとも私――佐藤アカネはその好奇心を後悔させられることとなった。

――ピクッ。

 いつもの、脳裏に電流が流れ込むかのような感覚が訪れた。それはたった今目の前の人物が"語った"言葉がウソであると示すサインである。ウソつきがいることくらい予想はしていたし、それ自体は特に驚きでも何でもなかった。殺し合いなんかさせられている時に騙されない体質で良かった、と胸を撫で下ろすだけ。だが、それだけではなかったのだ。

 そのウソひとつだけなら良かった。何せ、殺し合いなのだ。正直者ほど損をするし、ウソで乗り切れるのなら私だってそうする。しかし私は、かのようなウソを見たことがない。感じたことがない。

 同級生の大橋ミツキよりもいっそう白いロングヘアーをなびかせるその女。口から語られる言葉は、その全てがウソであった。名乗った名も、殺し合いにおける方針も、その他その口から語られる何もかもがウソで塗り固められていた。まるで、ウソを付くのが平常とばかりに。むしろウソに憑かれているかのように。

「それ、全部ウソ、なんでしょ。」

 脳裏に何度も何度も繰り返されるウソの感覚が擽ったくなって。積もりに積もったモヤモヤはとうとう抑えきれなくて。最終的に私はそれを突きつけた。

「なっ……何を言うか!」

 その指摘に対し、目の前の、『とがめ』を名乗った女は顔に火を付けたように激高しながら反論する。

「私は人のウソが分かる――ウソじゃないわよ。」

 その堂々とした態度に、とがめは気圧された。ウソが分かるなどという超能力地味た言葉など突拍子も無い。口から出まかせだとしらを切ることも可能だ。しかし、その意味内容は紛れもなく図星だった。全部ウソ――的を射た一言であり、とにかくぎくりとさせられた。老獪に弄した知恵を全て捨てさせられるが如く、とがめの全てを"否定する"一言だった。

 結果、とがめの答えは――

「……ああ、その通りだ。」

――認めること、それしか残されていなかった。


396 : ウソつき達の物騙り ◆2zEnKfaCDc :2020/08/17(月) 02:18:49 qdM/40Ww0
「分かった。それじゃあ。」

 とがめの答えにウソを感知しなかったアカネは、自身の感覚が正常であることを確認して内心でホッとしつつ、開口一番とがめに背を向けて立ち去ろうとする。認めた結果、とがめを待っていたのは妥当にして自明の末路、拒絶であった。

「ま、待たんか!」

 とがめは呼び止める。

「ウソが分かる、と言ったな。ならばわたしの言葉を聞き、その先を判断せよ。」

 奇策士とがめ。実の名を、容赦姫。彼女の唯一の目的は、父親を殺した尾張幕府への復讐だった。そのために、周りの全てを"駒"として利用し、生き抜いてきた。しかし、四季崎記紀の完成系変体刀十二本の収集の旅の最中、唐突に訪れたこの殺し合いという催し。何を隠そう、とがめはすべての参加者の中で最も弱い自信がある。それならば、友好的でなくとも対話の余地が最低限あり、ウソが分かるという真庭忍軍もびっくりな能力を持った"駒"を逃がすわけにはいかなかった。

「まずわたしは現在、そなたを殺す手を持たない。」

 電流は流れてこない。その言葉にウソは無いとアカネは理解する。その身体は障子紙の如く脆く、戦闘力はうさぎ以下と自称するとがめ。そんな彼女が何の武器も与えられなかったため、目の前のアカネをいかなる暴力を用いても殺すことは出来ないと自覚していた。

「それでも殺し合いを生き抜くため、そなたを駒として利用しようとしておった。」

 ピクッ。アカネに電流が走る。それを指摘すると、とがめは「今も利用しようとしておる」と訂正した。

「だがこのような世界、ウソを暴けるそなたとて暴力による蹂躙にはかなうまいて。そこで、だ。」

 優位はアカネが握っているはずなのに、一切それを感じさせぬほど力強く、とがめは言い放つ。

「その能力で裏切らない駒を判定してほしい。その対価に、生き残るための"奇策"を授けようではないか。」

「奇策……?」

「ああ。わたしの練る策はどれも真っ当なものではない。その全てに想定外を盛り込んだ奇策のみだ。」

 言葉の咀嚼を終え、続ける。

「わたしは常に、最終的に自分が生き残れる策を弄している。わたしに手を貸してもらえるならば――そなたの命、わたしの次に重きを置いて奇策を練ると約束しよう。」

 その言葉に、ウソは含まれていなかった。自分の命に関わる場合は見捨てるが、それ以外では生き残れる手段を提示してやる――要約するとつまりはこういうことだ。

「わたしは奇策のためならウソをつく。しかしそれを峻別できるそなたに対しては、常に正直であり続けるということよ。悪い提案ではあるまい。」

 とがめの言う通り、それは悪い提案では無かった。一介の女子高生に過ぎないアカネは誰かを殺す能力など持っていないし、殺人犯にもなりたくない。かといって当然、死にたくもない。しかし生きるためには群れる必要があったとしても、多くの人が保身のためにウソをつくであろうこの環境で、『自分を貶める意図でウソをつくワケではない』ことが保証されている同行者というのもそうそう得られまい。それを悪い提案ではないと自信を持って提示してくるとがめは、なるほど奇策士を名乗るだけのことはあり切れ者ではあるのだろう。

「分かった。その代わり、私に誰かを殺すのを求められても困るからね。」

 承諾。その結論に至るのに迷いは無かった。むしろ、迷いのないよう的確に誘導されていたともいえるかもしれない。

何にせよ、今宵の物語はここまでと致しましょう。続き語りが成されるか否か。それは、神のみぞ知る、といったところでございましょうか。

【佐藤アカネ@そんな未来はウソである】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]:基本行動方針:死にたくも殺したくもない
0:殺し合いなんて、笑えない冗談だわ。

※殺し合いが行われることや、優勝者の願いをひとつ叶えるといった主催者の言葉に対してウソの感知は行われておらず、それを信じています。しかし、その時に限って能力を制限されていた可能性もあります。

【とがめ@刀語】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3(武器の類は無し)
[思考・状況]:基本行動方針:自分だけは生き残る
0:佐藤アカネの命は自分の次に優先する。

※鑢七実に髪を切られる前からの参戦です。


397 : ◆2zEnKfaCDc :2020/08/17(月) 02:19:18 qdM/40Ww0
投下終了しました。


398 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/17(月) 07:19:49 y8c5dksY0
当企画への投下、ありがとうございます。

>とってもウシナミ 
馬姦される名も無きNPC可哀想。でもNPCは何でもありだからね、しょうがないね。
さらりと出されるジャミ様への熱い風評被害に草。
しかも神話出展とかたまげたなぁ……。
ホルスタイン柄の衣装で爆乳とか孕み袋化不可避。そもそもティクバランから逃げても、ここ、そこらじゅうにゴブリンが彷徨いてる魔境だからすぐ別の竿役NPCに捕まって薄い本みたいな事になりそう。

>NATURAL BORN DESTROYERS
善人の識別方法がガバガバすぎるリンリン、怖いですね……。
彼女からしたらマザーへの善意で殺戮を繰り広げようとしているので尚更質が悪い。真人も相変わらずヤバすぎるし、開幕からさらりと殺そうとするわとんでもない危険人物。これはマーダーとして期待大なキャラだと思いますし、黒の書を楽しく鑑賞してる時点で精神的な危険性をありありと感じさせられます。
流石にリンリンの身体能力には驚きますよね。時期的に一番弱い筈なのに特級呪霊も弾くリンリンはマジに人間のカテゴリに組み込んでいいのか悩みます。

>リトルルーキー&ファースト・アベンジャー
見せしめを助けられなかったベル、その苦悩を諭すキャップはヒーローの鏡。まさに英雄ですね。ベルも覚悟を決めれば化けるのでルーキーといえどまさに超新星(スーパールーキー)。
この二人なら、悪に屈せず真っ直ぐ正義を貫く最強の対主催チームだと思いました。どれだけ強大な悪と対峙しても、きっと彼らなら打倒してくれるという安心感があります。
ちなみに私はエンドゲームとアベンジャーズの合間をキンクリして観たので最初何か全生命体半分になってるし宇宙にいるしで大混乱しました。

>最強を望む者、最強に臨む者
中々ヤベー奴来てて草。ベルゼバブ、これは間違いなく強マーダーですね、間違いない。ただ暴れるだけじゃなく、冷静に首輪解除を目指す点も侮れない。
殺し合いの場でも正義を貫く恵羽千は正義の味方の鏡ですね。しかし初手の相手が悪かった……。
土壇場でセリカとスズネという友好的な参加者が乱入してきたのはラッキー。最強の冒険者は果たしてベルゼバブを打倒できるのかワクワクさせられます。

>東京、江戸、OEDO
マリオさんと同じ脚力を若女将に要求するオリビアに草。
おっこに助太刀してサンボを倒す小兵衛、流石プロ。時代のずれやぶっ飛んだ異世界の知識も状況証拠から冷静に受け止めているし、これは実に頼もしいですね。おっこが知識を補足し、小兵衛が力を貸す。良いバランスのチームだと思います。
オリビアも意思持ち支給品の中では普通に友好的で協力もしてくれるので、彼女たちの力になってくれそうです。

>SYNERGY
殺し合いというリアリティの無いイベントを、現実だと嫌でも認識してしまった上に、汚染された熊に襲われるありすちゃん可哀想。
そして颯爽と熊を一撃で両断する明さんでかした!これは救世主ですね間違いない……
鬼滅の刃が吸血鬼殺しの明さんに、しかも炭次郎の刀が渡るのは縁を感じました。

>ウソつき達の物騙り
嘘を見分けるという、色々致命的に相性の悪い相手と初手で出会ったとがめ、アカネもここまで嘘をつく参加者と序盤に出会うのも運が悪い。
しかし印象最悪な状況から有能な能力者の駒をもぎ取ったとがめは流石奇策師とも言うべきか。脆弱といえどその奇策でしぶとく生き残ってくれそうです。アカネの能力もステルスマーダーを一撃で見破れるので実際有益。
果たしてこの出会いがどう左右されるのか気になります。


399 : ◆2dNHP51a3Y :2020/08/17(月) 21:53:55 Yl6wf0zc0
投下します


400 : 届かぬ星に手を伸ばして ◆2dNHP51a3Y :2020/08/17(月) 21:54:34 Yl6wf0zc0
願いを求めてただ足掻く

それでも果てなく届かない

零れ落ちた未来を求めても

手を伸ばしても未だ届かぬ彼方の星


◯ ◯ ◯


「―――」

「―――」

静寂に包まれる夜の暗黒に包まれた森林の中。沈黙の中で睨み合うは二人の男女

男は女に銃を向け、女は男に剣を向ける――静寂の中に緊張のみがひた走る
ただ一つ共通点があるとすれば……両者ともその瞳は濁っていることぐらいだ

「一つ聞かせてくれませんか……どうして貴方はこの殺し合いに乗ったのか」

最初に沈黙を破ったのは女の言葉だった

「随分余裕そうだな……どうしてそんな事を聞く?」
「いいえ、ただの興味本位ですよ。知らないで公開するよりも、知って後悔するほうがまだ楽だと思っただけです」
「……随分と変わった奴だな、服装含めて」
「……服装は余計です」

男の言葉に、女は淡々と応える。事実、男からすれば女の格好はだいぶ変わったものである
蒼の装飾が施された白いドレス、スカートの後ろ部分には天使を思わせるような小さな翼。まるで天からの御遣いを思わせるような美しい姿だ

「……幼馴染が居たんだ」
「……幼馴染?」
「ああ、ガキの頃荒れてばかりだった俺の唯一の心の拠り所だった。……シークレッドゲームって知ってるか?……まあPDAや個人ごとの首輪の爆破条件が定められている以外はこの殺し合いとあまり変わらない、これと同じ様なくそったれなゲームだ」
「……」

男は淡々と語る。男は、その幼馴染を通してでしか世界を愛せなかった。自分と違って、誰にでも優しく接する人物であった。それは、シークレッドゲームなる催しに巻き込まれた時も変わらなかった

「その時に色々あったが、大雑把な所は割愛させてもらう。……でだ、そのゲームの最中、色々あって俺が殺されそうになった時にな……その幼馴染は、……琴美は、俺を守るために」
「まさか、貴方を守るためにその人は」
「……琴美の首輪爆破条件は『自分を中心とした5つ並びのナンバーのプレイヤーに危害を加えない』。俺を襲っていた男のナンバーは8。……あとはもう分かるだろ?」

その幼馴染――吹石琴美は、男を守るために、結果としてその条件を満たしてしまった。そして死んだ。男にとって、彼女は必要な存在であったのだから、故に

「琴美を失った後に、意識が戻ればまた別の……本当の殺し合いだ。滑稽すぎて笑えるだろ?」
「……そうでしょうか、私は笑えませんよ、残酷すぎて」

女は理解した。男は、恐らく一番の拠り所であった少女を失って、壊れたのだろうと

「……その、琴美さんって人が死んだ時、あなたは泣きましたか?」
「――? ……泣いたさ、そりゃな」
「……羨ましいですね、泣ける貴方は。――私は泣くことが出来ないんです。とうに流す涙なんて枯れ果ててしまって」

女の返答に、少しだけ首を傾げながらも男は答える。その答えに、女は目を細めて呟いた。呟きの後、女は構えた剣を何故か鞘に収めた

「……なんの真似だ?」
「気が変わりました。今は殺さないであげます。――もし殺し合うのだったら、また出会ったその時に、なるんでしょうね」

女のその言葉と同時に一陣の風が吹き荒れる。吹き荒れた風は木の葉を撒き散らし男の視界を一時的に遮る。風が収まった時、女の姿はどこにもなかった

「……何だったんだ?」

再び静寂が戻った森の中、男はただ呆れ果てたように呟き、歩き始める
全ては大切な幼馴染を取り戻す、そのためだけに。
戦う理由があるのだから、世界を敵に回したっていい
願いが叶うのならば、この手で彼女をまた抱きしめたい

そのためだけに、男はこの殺し合いに乗ったのだから


401 : 届かぬ星に手を伸ばして ◆2dNHP51a3Y :2020/08/17(月) 21:55:33 Yl6wf0zc0
◯ ◯ ◯


「――なんだ……私と、ほとんど同じじゃないですか」

森から少し離れた公園の中 月夜に照らされ女は呟く
女にも、取り戻したい人がいる。ヨミガエリをさせたい家族が、妹がいる

女は、自分の妹を、或る女の奸計によって自ら殺してしまった
故に彼女は、妹のヨミガエリを望み、ここにいる

自分に関わってくれる仲間たちもいたが、既に彼女たちとは決別した
心の拠り所だった愛犬がいた、だけどもう死んでしまった

彼女には、妹以外になにもない

「……」

月光の輝きの下で、女は沈黙とともに歩き続ける。その道行きが、破滅であろうとも



届かぬ星に手を伸ばして

届かぬ願いに手を伸ばして

終わりなき深淵へ堕ちてゆく


男の名前は藤田修平

女の名前は幡田零


両者とも、取り戻したいモノの為、二人は血に塗れた道程を征く


【藤田修平@リベリオンズ Secret Game 2nd Stage】
[状態]:健康
[服装]:いつもの服装
[装備]:ベレッタ 92@現実
[道具]:基本支給品一式、不明支給品2つ
[思考]
基本:優勝して琴美を蘇らせる。邪魔をするやつは容赦はしない
1:一体何だったんだあの女は……
[備考]
エピソードA、琴美死亡後からの参戦です

【幡田零@CRYSTAR -クライスタ-】
[状態]:健康、涙は流れない
[服装]:代行者の服装
[装備]:ショートソード@現実
[道具]:基本支給品一式、不明支給品2つ
[思考]
基本:優勝して、妹のヨミガエリを果たす
1:あの男とは、次にあった時は殺し合う事になる
[備考]
第四章、小衣たちと別れた後からの参戦です


402 : ◆2dNHP51a3Y :2020/08/17(月) 21:58:44 Yl6wf0zc0
投下終了します


403 : ◆2dNHP51a3Y :2020/08/17(月) 22:16:35 Yl6wf0zc0
修正 零の状態表の所
第四章→第五章


404 : ◆NIKUcB1AGw :2020/08/18(火) 00:32:02 C5/5S.gw0
投下します


405 : ヒーロー!? 俺? ◆NIKUcB1AGw :2020/08/18(火) 00:33:28 C5/5S.gw0
森の中、一人の青年が恐怖に震えてうずくまっていた。

「まさか、こんなことになるなんて……。
 あんなバイト、引き受けるんじゃなかったー!」

青年の名は、佐藤太郎。
インディーズバンドのメンバーとして活動している、バカだが気のいい男である。
彼は高額なアルバイトを引き受け、指定されたマンションに入ったところでこのバトルロワイアルに連れてこられた。
そのため、「バイトを引き受けたために殺し合いに巻き込まれた」と勘違いしているのだ。
もっともバトルロワイアルに参加していなかった場合、その後彼は殺されていたので「バイトを引き受けるべきではなかった」というのは間違っていないのだが。

「まだ死にたくねえ……。
 まだ夢も全然叶えてないのに、こんなところで死にたくねえよ……」

涙をこぼしながら、死への恐怖を漏らす佐藤。
その時、彼は初めて自分が持たされたカバンの存在に気づいた。

「なんだろう、これ……。
 なんか役に立つものが入ってるのかな……」

とにかく何かをして気を紛らわせたいという思いもあり、佐藤はカバンの中を調べ始める。
最初に出てきたのは、レバーのついた立方体の機械だった。

「何これ、何に使うの……? あ、これ説明書かな?
 ベルトなんだ、これ。えーと、腰に当てて同梱されてるボトルを……」

根が素直な佐藤は、説明書の文面どおりに行動していく。
ベルトを腰にセットし、一緒に入っていた謎のボトル二つをベルトにはめ込む。
そしてレバーを回すと、突如ベルトから音楽が流れはじめ、同時に佐藤を取り囲むように大量のパイプらしきものが出現した。

「え!? 何これ!? 何これ!?」
『Are you ready?』
「いや、準備も何もできてないですけど!?」

佐藤の返答を無視して、行程は進む。
パイプに続いて出現した鉄板が、プレスするように前後から佐藤の体に押しつけられる。
そしてそれが消えたとき、そこに立っていたのは平凡な青年ではなく、ツートンカラーの装甲をまとった戦士だった。

「えー!? どうなってんの、これ! 自分じゃよくわかんないけど、なんかすごいことになってない!?」

今このとき、ヒーローを生み出すための生け贄にされるはずだった男が、本物のヒーローの力を手にしたのだった。


【佐藤太郎@仮面ライダービルド】
[状態]健康、仮面ライダービルド・ゴリラモンドフォームに変身中
[装備]試作型ビルドドライバー(ゴリラ&ダイヤモンドボトル装填)@仮面ライダービルド
[道具]基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考]基本行動方針:死にたくない
1:鏡ないの、鏡!?
[備考]
参戦時期は葛城巧のマンションに入った直後。


【試作型ビルドドライバー@仮面ライダービルド】
仮面ライダービルドに変身するためのベルトの試作型。
ベストマッチ認識機能がないが、それ以外は後に制作されたビルドドライバーと性能的差異はない。
付属するフルボトルは、桐生戦兎が変身するときの基本である「ラビット」と「タンク」ではなく
葛城巧が頻繁に使用していた「ゴリラ」と「ダイヤモンド」になっている。
なおこれらのアイテムはそれぞれ単独では運用できないため、三つセットで一つの支給品扱いとなっている。


406 : ◆4kMBNI9QkE :2020/08/18(火) 00:34:02 Rr.kKxSE0
投下させていただきます。


407 : 誤解は更なる誤解を呼ぶ ◆4kMBNI9QkE :2020/08/18(火) 00:35:41 Rr.kKxSE0
「クソッ!どうしてあんな・・・」

フクロウをモチーフにしたコスチュームを纏い、仮面とゴーグルで顔を隠した男・・・ナイトオウル2世ことダニエル・ドライバーグは、巨木に拳を叩きつけながら主催者への怒りと憎悪を滾らせていた。

その見た目からもわかる通り、ナイトオウルことダニエルはヒーローである。
ヒーローの活動を禁じる法律『キーン条例』の制定によってやむなく引退したが・・・つい先日、とある理由から活動を再開。
不当に逮捕されたヒーロー時代の相棒・ロールシャッハの脱獄計画を実行しようとした矢先に、この殺し合いに参加させられたのだ。
しかも、ヒーロースーツ姿で。

ダニエルにはこれが、『主催者からの挑戦状』に思えてならなかった。
『お前が本当にヒーローだと言うのなら、ヒーローの姿でこの殺し合いを止めてみせろ』。
そう言われているように思えてならなかったのだ。

ダニエルは・・・いや、ナイトオウルは仲間のヒーロー達と比べると『平凡』な部類に入る人物である。
超人であるDr.マンハッタンのように超能力があるわけではない。
出世頭であるオジマンディアスのように『世界一』と評されるような財力と頭脳と肉体があるわけでもない。
盟友であるロールシャッハのような自分の信念に決して妥協を許さない狂気的な精神も、
大先輩であるコメディアンのような暴力行為を心から楽しむような衝動も、
紅一点のシルクスペクターのようなセックスシンボル的な魅力も持っていない。

あるのは、
銀行家だった亡き父が残したある程度は働かなくても生活していけるだけの財産、
ハーバード大学で手に入れた機械工学と動物学の博士号、
その知識を活かして作り出した様々な秘密兵器と、
その秘密兵器群を自力で作成できるだけの発明の才能、
一般人よりは鍛えられた肉体・・・
そして、少年のようなヒーローへの純粋な憧れと正義感だけである。

「・・・やってやろうじゃないか」

ナイトオウルは支給されたデイバッグを担いで動き出した。

ヒーローとして、ナイトオウルとして、一人でも多くの人を助ける為に。
それが彼なりの、主催者への反抗だった。

しばらく歩いて・・・茂みの中から声が聞こえてきた。
若い女性の叫び声だ。

「・・・!?」

まさか襲われているのでは?
ナイトオウルは駆け出した。

「大丈夫ですか!?」

そして声の主の下へと駆けつけて・・・

「・・・えっ?」

・・・呆然となった。


408 : 誤解は更なる誤解を呼ぶ ◆4kMBNI9QkE :2020/08/18(火) 00:36:59 Rr.kKxSE0
☆☆☆

少し前・・・

「・・・へっきし!まったくぅ〜」

グラビアモデルも裸足で逃げ出しそうなグラマーな美女・・・怪盗『ルパン三世』一味の紅一点・峰不二子は主催者に不満を募らせていた。
それもそのはず。

「なんで『こんな格好』で、殺し合いなんかさせようとするのよ〜!?」

現在、不二子は『裸』だったのだ。
豊満すぎる胸はピンク色の先端もむき出しで、括れたウエストもへそ出し。
唯一身に付けている衣類は股間を隠しているショーツだけで、両腕は後ろ手にロープで縛られているときた・・・。
第三者から見たら、『恥女』扱いされても仕方のない姿だが・・・これには理由があった。

この殺し合いに呼ばれる直前・・・不二子を初めとするルパン一味は、とある少数民族が残した財宝を目当てにモロッコにいた。
不二子はそこで、同じく財宝を狙う『結社』に潜入したのだが捕らえられてしまい、結社に雇われていたオカマの殺し屋に拷問にかけられ、パンツ一丁の姿で天井からつるし上げられ・・・その時に、この殺し合いに呼ばれたのである。

「もう・・・冗談じゃないわ!」

こんな姿では他の参加者から『変態』扱いされてしまうし、最悪『性的な意味で』襲われてしまう。
不二子は何とかロープを外そうと悪戦苦闘するが、中々きつく結ばれていて一向にほどける気配はなかった。

その時である。

「・・・大丈夫ですか!?」

☆☆☆

「・・・えっ?」
「・・・あっ」

突然の事態に二人は固まってしまった。

ヒーロー仲間の紅一点であるシルクスペクター以上のグラマーな美女が、裸で緊迫されているという状況にナイトオウルは唖然となり、
不二子もまさかヒーローみたいなコスチュームを着た人物が突然現れるとは思っていなかったので、呆然となったのだ

「・・・」

ナイトオウルはマスクから覗く口元を茹で上がったタコのように赤くし・・・

「し、失礼しました!」

・・・少々声を裏返させながら、回れ右して立ち去ろとしたのだった。

「・・・ち、ちょっと待ちなさいよ!」

立ち去ろうとするナイトオウルを、不二子は呼び止めた。

「は、はい!な、なんでしょうか!?」
「なんで立ち去ろうとするのよ!?ロープ外してよ!!」
「は、はい!ちょっと待って下さい!今、目隠しを・・・」
「バカ!見たって良いから、早くロープを外してよ!!」

不二子に急かされるまま、ナイトオウルは不二子を縛るロープに手をかける。
その時である。

「・・・どうしたんですか!?」


409 : 誤解は更なる誤解を呼ぶ ◆4kMBNI9QkE :2020/08/18(火) 00:38:56 Rr.kKxSE0
☆☆☆

「そんな・・・どうしてあんな事を・・・」

緑色の髪に蛙と蛇を模した髪飾りを付け、青を基調にした巫女服を着た少女・・・幻想郷は妖怪の山、守矢神社の風祝である東風谷早苗は、主催者によって見せしめとして殺された人物を思い、さめざめと涙を流していた。

早苗とて、幻想郷で妖怪退治を行う者。
これまで幻想郷で巻き起こってきた、様々な異変の解決に尽力してきたのだ。
だが、幻想郷の異変はあくまでも『お遊び』の範疇で済む物であり、死人はおろか重傷者が出る事も一度としてなかった。
この『殺し合い』はそんな生ぬるい『異変』とは全く違う。
文字通り命懸けの戦いなのだ。
いかに守矢の風祝とはいえ、早苗は年端も行かない少女・・・生き残れる可能性は限りなく低かった。

「・・・」

さめざめと泣いていた早苗は、急に涙を袖で拭い取り、頬を叩いて活を入れた。

「いけない・・・こんな時こそ頑張らないと。こんな姿、神奈子様や諏訪子様に笑われちゃう」

そう・・・自身の敬愛する祭神達ならば、きっとこの殺し合いを打破する為に動く筈。
そう考えた早苗は支給されたデイバッグを手に立ち上がった。

「神奈子様、諏訪子様・・・私、やります!」

あの主催者を退治し、参加者達を救う。
そう決意した早苗は移動を開始したのだった。


歩き始めてしばらくした頃・・・どこかからか年上の男女の諍いの声が聞こえてきた。

「!?」

早速誰かが襲われている。
そう確信した早苗は声のする方に駆け出した。

「・・・どうしたんですか!?」


410 : 誤解は更なる誤解を呼ぶ ◆4kMBNI9QkE :2020/08/18(火) 00:40:02 Rr.kKxSE0
☆☆☆

「・・・えっ?」
『・・・えっ?』

突然の早苗の乱入にナイトオウルと不二子はまたも固まってしまった。
しかし、それは早苗も同じだった。

映画に出てくるヒーローのような格好をした男性が、裸の女性を縄で縛っている姿を目にし、早苗の頭は一瞬真っ白になった。
(本当は縄を『ほどこうと』していたのだが、早苗には『縛っている』ように見えた。)

「あ、あの・・・」

早苗の顔は瞬時に熟れたリンゴのように真っ赤になり・・・

「しししししし失礼しましたぁぁ!!」

・・・顔を両手で覆って一目散に来た道をUターンしたのだった。

『ちょっと待ってぇぇぇ!!!』



その後、三者三様な誤解を解くのに丸々2時間かかったのだった。
まる



【ダニエル・ドライバーグ(ナイトオウル2世)@ウォッチメン】
[状態]:健康、動揺、困惑
[装備]:ナイトオウルのコスチューム@ウォッチメン
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本:ヒーローとして、参加者を助ける
1:この女性(不二子)の縄をほどく
2:少女(早苗)の誤解を解く
3:なんで彼女(不二子)は、こんな状況でSMプレイしているんだ?
[備考]
ロールシャッハを脱獄させる直前からの参戦。
コスチュームは支給品ではありません。

【峰不二子@ルパン三世】
[状態]:健康、裸にパンツ一丁で縛られている、困惑
[装備]:無し(裸)
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本:とりあえず服を着たい
1:なんで裸なのよ〜!?
2:コスプレ男(ダニエル)にロープを外してもらう
[備考]
テレビスペシャル『トワイライト☆ジェミニの秘密』で、貞千代に拷問されて五ェ門に助けられる直前からの参戦。

【東風谷早苗@東方project】
[状態]:健康、困惑、動揺
[装備]:無し
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本:主催者を退治し、参加者を救う
1:は、ハレンチな・・・!///
2:なんでこの人達(ダニエルと不二子)、こんな状況でイメクラみたいな事してるの?
[備考]
『東方鬼形獣』までの時間軸からの参戦。


411 : ◆4kMBNI9QkE :2020/08/18(火) 00:43:33 Rr.kKxSE0
投下終了します。
割り込みみたいになってしまってすいません。


412 : ◆EPyDv9DKJs :2020/08/18(火) 00:58:21 xAO8BQFo0
投下します


413 : ◆EPyDv9DKJs :2020/08/18(火) 01:00:24 xAO8BQFo0
 満足なんてできなかった。

 すごいところ見せたかったのに。

 千鳥のおねーさんと戦いたかったのに。

 邪魔されて、結局一度だって実現できなくて。

 覚えていてくれれば…それでいいんだよ───





 急ごしらえの建造物が並ぶ採掘場。
 シフティ・シャウトと呼ばれる場所には、
 至る所にゴブリンの死骸が転がっている惨状だ。
 凄惨な光景を、少し離れたちゃんとした形の家の屋根から見下ろす子供が一人。

 月明かりの下にいるのは、暗みのかかった黒茶色の制服の少女。
 殺し合いだなんだのに呼ばれるには早すぎるであろう、
 中学生になるかならないか程度でしかない年頃の子だ。

 だが、この惨状は彼女がやったものだ。
 それを証明するかのように握った刀は血が滴る。
 数十はいるであろうゴブリンの群れを、たった一人で。

「弱すぎ…つまんなーい!」

 しかも終わった一言が、癇癪の言葉。
 これだけではどう見てもやばい奴の一言に尽きる。
 いや、実際やばい奴と言われれば否定ができな人柄だが。
 それでも、ゴブリンを殺した彼女の気分は余りよくない。
 戦いに身を置かれた上で経験も豊富だが、基本的に戦う相手は荒魂だけ。
 荒魂は基本無機物に近い。生物を斬っていると言う認識は正直薄れてくる。
 今回のような相手は初めてで、異臭とか汚れも気になって屋根へ逃げ込んでる程だ。

「ッ…」

 癇癪して騒がしかったが、突如沈黙と共に胸を押さえて蹲る。
 少女───燕結芽は病人だ。しかも余命が僅かなレベルのもの。
 助かる見込みは完全に泣くなく、特殊な方法で生きながらえてはいるが、
 所詮延命処置に過ぎない。負担のかかる戦いをすればすぐにガタが来てしまう。

「折角生き返ったのに、もうちょっと親切設計にしてくれないのかな…」

 胸の痛みにいら立つ結芽。
 言葉通り、既に彼女は一度死んだ身だ。
 どうやって生き返らせたかは分からないし、正直それに興味もない。
 そんな彼女ではあるが、病を治す為に優勝を狙うかと言われれば違う。
 彼女は誰の力も頼らずに自分の強さを証明したい。それだけの為に戦っている。
 願望の成就で強くなるなど論外。病をなんとかしたいと言うのはあるが、
 そのためには参加者全員を殺すと言う問題点が浮上してくる。

 殺意は別として、人に刃を向けるのに彼女は抵抗感はない。
 彼女は親衛隊が仕える主の折神紫に刃を向けたことだってある。
 だが、強さの証明とは『戦って倒すだけ』だけではだめだ。
 相手を負かし、自分の存在を覚えてもらうことが最大の望み。
 つまりは生き証人が必要な目標。全員殺しては本末転倒と言うことだ。
 そんな強さの証明に意味はない。主催者が語り継ぐ気もないだろう。
 だから好戦的な性格の割には、思いのほか乗り気ではなかった。

「!」

 近く───否、下から響く雑多な音。
 此処は採掘場。下にも道があるのは当然のことだ。
 夜である以上下は暗く飛び込まないように避けたが、
 今の様子から生き残りがいたことを理解し、刀を構える。
 その寸前、

「チェストォ!」

「え?」

 穴からゴブリンが飛んで出てくる。
 いや、出てくると言うよりは吹き飛ばされた状態で。
 更に地下から轟く掛け声と共に、穴から光が漏れだす。
 バチバチと電気の音が鳴り響き、時には男の掛け声が響く。
 後はゴブリンが悲鳴を上げながら地下から逃げ出しており、
 結芽はついで感覚で出てきたところを切り伏せていく。
 数分もすれば静寂が訪れて、

「ねえ、誰かいるー?」

 レールが地下へと続く道を見つけて、そこから結芽は相手を呼ぶ。
 少なくともゴブリンを容易く蹴散らせるだけの実力。強い相手なのは間違いない。
 自分の強さの証明にはもってこいで、どんな人かと待ち構える。

 レールをたどって出てきたのは、黒髪の男だ。
 白と黒の軍服に身を包む、鋭い目つきの男性。
 風体から堅気の人間ではないことは伺える。
 騒がしかった割に相手はほとんど無傷の状態。
 結芽の期待値は更に高まっていく。


414 : ◆EPyDv9DKJs :2020/08/18(火) 01:01:54 xAO8BQFo0
「殺し合いに乗るつもりはあるのか?」

 淡々と、冷静に尋ねる。
 至って普通ではあるが警戒心が高い。
 油断はしない正確なことも理解できる。

「んー、単純に言えば優勝は目指さないんだけど…」





「お兄さんとは戦ってみたいなぁ。」

 微笑と共に切っ先を軍服の男へと向ける結芽。
 月明かりもあいまって、何処か小悪魔めいた可愛らしさがある。

「身の丈に合わぬ業物を持つものではないぞ。」

「───本当にそう思う?」

 笑みを強く浮かべながら、
 言葉が終わると同時に消える結芽。
 消えたと言うよりは、既に眼前まで間合いが詰められている。
 刀使の能力の一つ『迅移』。常軌を逸した高速移動ができる技だ。
 加減はしているが、それでも弾丸でも飛んだかのような速さの上に、
 そも彼女の流派は新選組の天然理心流。相手を仕留める実戦向けの流派で、
 殺意の塊に近いものが高速で近づいてくる。普通に考えて死を覚悟しかねない。

「なるほど、少なくとも不足はないようだな。」

 しかしこの男、アカツキも普通ではない。
 技官の立場でありながら武道の技能が高く、
 それをさらにブーストする電光機関の存在がある。
 肉体を強化したアカツキにとってはそう難しくはなく、
 横薙ぎの一閃を高速で後退しながら回避。
 服をかすめることすらない反応速度だ。

「チェストォ!」

 間髪入れずに右ストレートと共に踏み込み。
 迅移に見劣りしない高速の一撃を叩きこむ。
 結芽はそれを、すんでのところでサイドステップで回避する。

「お兄さんも、期待通りで楽しいよ!」

 アカツキの強さに結芽は高揚していた。
 刀使でも、荒魂でもないのに彼は自分と戦えてるのだ。
 今使っている刀、千鳥の持ち主───可奈美に並ぶかもしれない相手。
 最期の戦いは彼女からすれば弱い相手で終えてしまった結芽にとって、
 ちゃんとした強い相手と戦えると言うのは、すごく喜ばしいことなのだ。

 笑顔の表情で刀を振るう姿は怖いの一言に尽きるが、
 彼女の場合は邪気が余りない、子供っぽさ全開だ。
 おもちゃを手にした子供のように輝かせる瞳になっている。
 サイドステップから突きの構えで素早く攻撃を仕掛けていく。

「させん!」

 すんでのところでジャンプで回避と同時に、右腕から電気の球が放たれる。
 電光機関によって電力を自力で生み出すことができる都合使用できる電光弾。
 決して弾速は早いとは言えないが、結芽の身の丈に匹敵するほどに巨大だ。
 電気相手では普通は防げたものではない。よけるのが普通の考えだが…

「!?」

 次の展開に、アカツキは驚かされる。
 普段あまり表情には出さないが、これは予想外。
 電光弾が、縦真っ二つに切られたからだ。

「ねえお兄さん知ってる? 千鳥って刀。」

 真っ二つに割った結芽は静かに尋ねる。

「千鳥…まさか戦国時代のあの名刀か。」

 技官として博学なアカツキも知っている刀だ。
 千鳥は所謂旧名で、近年はその千鳥が起こした逸話によって、
 別の名前で親しまれている。それは───

「雷を断ち切ったことから『雷切』ってね!」

 両断された電光弾の間を通り抜けながら、空中のアカツキへと肉薄。
 まだ空中で隙の大きい電光弾の都合、身体の自由はかなり危うい状態だ。
 できることは刃が届く前に迎撃する。肉薄する結芽の顎に合わせて膝蹴りを狙う。
 結芽も首を狙うかのように刃を横薙ぎに振るい───





 互いに止まる。
 首を伝う強風と、顎を吹き抜ける強風。
 お互いにあと少しで一撃を叩きこむその寸前で止まった。


415 : ◆EPyDv9DKJs :2020/08/18(火) 01:03:45 xAO8BQFo0
「これ以上は、お互い本気になっちゃうから御預けだよね。」

「その先をするならば、此方とて容赦はできん。」

 互いに闘争の意思はなくなったことで、何事もなく着地する。
 結芽にとっては、自分の強さを彼は十分理解してくれただろう。
 今は一先ずそれでよしとして、これ以上攻撃するつもりはなかった。
 アカツキも同じだ。殺気のない相手に本気で立ち回るつもりはない。

 もっとも、刀使は写シによって物理攻撃の損傷を極限まで抑えられる。
 痛みはある程度あっても、顎を砕かれることはないのでまだ戦えた。
 自分の刃がその寸前に届くかどうかも分からないので、何とも言えないが。

「燕結芽。覚えておいてね、お兄さん。」

「アカツキだ。不律にも劣らぬ剣技、忘れないでおこう。」

 やることを終えると
 彼を放って適当に歩き出す結芽。

「どこへ行くつもりだ?」

「何処って…んー、強い人のところ?
 あ! 弱い人でもいいかなぁ。強いところ見せられるし。」

 地図も見てない彼女に行く当てなどどこにもない。
 とりあえず強い人を探せば戦って、弱い人なら強さを見せつけて覚えてもらう。
 単純な思考かもしれないが、彼女はまだ十二歳の少女。それぐらいが普通だ。
 何より、余命が僅かだったせいでそれ以外の目的や趣味を持ち合わせていない。

「不本意だろうが、同行させてもらうぞ。」

「え〜〜〜? 結芽群れるの好きじゃないんだけど。」

 弱い奴は弱いから群れる。
 自分は強いから群れたくはない。
 彼女はそういう考えを持っている。
 あくまでチームで戦うのが好きではないだけで、
 同じ親衛隊のメンバーには懐いているのだが。

「せめて地図を見ろ。人が多い場所を探すなら地図は読むべきだろう。」

『くびわ どうする とうちょうのかのうせい くちにするな』

 喋りながら、アカツキは近くに転がるゴブリンの槍で地面に字を書く。
 生殺与奪の権利が向こうにある以上は、下手なことは言えない。
 本音交じりの建前と共に、殴り書きで本音を書き記す。
 筆記用具はないようなので、手間がかかるがこれで話す。

「…あ、そっか。忘れてた。」

『きをつける』

 どの参加者も逃れられない最優先事項の問題、首輪。
 こればかりは強ければいいで解決するものではなかった。
 彼女にこれを解除できるだけの明晰な頭脳は持ち合わせてない。
 気にしておくべきだと、適当にゴブリンの武器で地面に文字を書く。

「此処は地図上ではD-7。位置的にすべての方角に街がある。
 最寄りは余り変わらないと思うが、西が最短距離になるだろう。」

『かいせき てつだえる』

 地図を広げながら、
 槍でそのまま会話を続けていく。

「アカツキのお兄さん、なんだか軍人みたいだね。」

『こうぐ さがす?』

 難なく建前と本音を分けており、
 服装も相まってそう認識していく。

「ああ、大戦時代は技官だからな。大体その通りだ。」

 体術に非常に優れているアカツキだが、
 実際は高級技術官僚と言うバリバリのエリート。
 この手の類は寧ろ領分とも言える立場だ。

『だが 一人ではこんなん 人をさがす』

 とは言え、あくまで半世紀前の話。
 時代は流れて、いろんなものが増えてきた。
 半世紀で様々なものが進化している以上、
 任務を優先してた都合も相まって把握は乏しい。
 ジェネレーションギャップとはこのことか。
 下手をすれば、その言葉すら理解できないかも。

「大戦って…お兄さん、大昔の人?」

 死んだ自分が参加してるなら、
 大戦の参加者も別にいてもいいだろう。
 斜め上な形でアカツキの話をすんなりと受け入れる

「冬眠制御で眠っていただけだが…ある意味そうかもしれん。
 それはそうと、今は北のディルデッド・タワーを目指すとしよう。
 名前から察するに、高層建築物もあるはず。参加者を探すものがあればいいのだが。」


416 : ◆EPyDv9DKJs :2020/08/18(火) 01:04:42 xAO8BQFo0
 本当ならば西に向かいたいのが本音だ。
 参加者と接触できることの方が首輪解除の進行になるはず。
 となると、最寄りなのは西の方角なのだがそうはいかない。
 結芽を先程の言動から察するに、戦いを好む傾向がある。
 縛り付けると後で暴走…なんて可能性も否定はできない。
 程々にガス抜きをしつつ彼女と行動を共にしていく。
 ある意味戦争と同じだ。部下の不満を解消して士気を上げていく。
 戦いにおいてはよくある話だ。

「人がいる場所を探せるなら、結芽はどこでもいいよ。」

「…そうか。」

 彼女の奔放さに、僅かながら不安を覚えるアカツキ。
 本当に大丈夫なのかとは思うが、ある程度の理性や常識は持ち合わせている。
 そこまで融通が利かない相手ではないことを思いながら、北へと歩き出す。

 刹那の時を過ごした少女は今一度戦いの舞台へ。
 半世紀の果てに戦鬼は今も変わらず戦いの渦中へ。
 眠りし戦士は目覚めて歩き出す。



【燕結芽@刀使ノ巫女(アニメ版)】
[状態]:不治の病、アカツキが少しお気に入り
[装備]:千鳥@刀使ノ巫女
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1〜2(確認済、ペン類ではない)
[思考・状況]基本行動方針:強さの証明。殺し合いは知らない。
1:北の街へ向かう。お兄さん(アカツキ)と行動はするけど、群れるのは好きじゃない。
2:弱い人には強さを見てもらう、強い人には挑みたい。
3:やること終わったらお兄さんとちゃんと戦う。
4:何処かにあるかな? にっかり青江

[備考]
参戦時期はアニメ版の死亡後から。
写シのダメージによる強制解除後の連続使用は、
短時間では多くても二回、それ以上はある程度時間が必要です。
本来は刀使でもその御刀に選ばれないと写シ等はできませんが、
この場では御刀を持てば種類を問わずに使用可能です。
不治の病は続いてる為、無茶な戦闘を何度もすれば寿命は縮みます。
また、瀕死になるとノロが表面化は自力で抑えられるものの、
死亡後は時間経過で荒魂に変化するかもしれません。



【アカツキ@アカツキ電工戦記】
[状態]:空腹(小)
[装備]:試作型電光機関+電光被服
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1(未確認、ペン類ではない)、ゴブリンの槍@現地調達
[思考・状況]基本行動方針:日本への帰還。
1:北の街へ結芽と向かう。
2:首輪の解除が当面の問題。道具が欲しい。
3:すべての電光機関を破壊する。この場にあっても例外ではない
4:食料の調達もしておきたい。腹が減る。

[備考]
参戦時期は少なくともアカツキ電工戦記ED後以降です
電光機関が没収されてない代わりに、ランダム支給品を減らされてます
槍は筆談用に持ってるだけなので基本使いません

※D-7に大量のゴブリンの死体があります

【千鳥@刀使ノ巫女】
珠鋼という特殊な金属で出来た日本刀
基本的には錆びず刃こぼれもすることはない
御刀に選ばれた者は刀使として写シなどの能力が使用できる
元は衛藤美奈都の御刀だが、娘の護藤可奈美が受け継いだ
結芽の本来の御刀『にっかり青江』より誤差程度で短い
作中通りアニメ本編でも雷を斬ったこともあるにはあるが、
雷に完全な耐性、メタができているわけではない
刀使以外には折れない錆びない剣と、それはそれで強い武器


417 : ◆EPyDv9DKJs :2020/08/18(火) 01:05:11 xAO8BQFo0
以上で『電光刹華・桜花爛漫』の投下終了します


418 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/18(火) 02:53:02 ZVNP4UWI0
本企画への投下、ありがとうございます

>届かぬ星に手を伸ばして
お互い大切な存在を失った者同士、通じ会うものもあったでしょう。
しかし同じ願いを求めているため、どうあがこうと再度の対面は必須。
彼彼女らの歩む道に果たして救いはあるのか……?
藤田の参戦時期に主催者の悪意を感じます。例え可能性が低いとしても彼にはその道しか残されていないのでしょう。
幡田も同じく、彼女のように大切な人のために優勝を目指すタイプは凄まじい執念を発揮する事が多いので、とことん道を踏み外してしまう予感がします。

>ヒーロー!? 俺?
何というか実に不運ですね佐藤。いや、どっちみちこの催しに参加しなくても死が確定しているし、逆に幸運なのかもしれませんが……。
チャラいけど普通に良い奴なのが尚更可哀想ww
等身大の目線で感情移入しやすく、好感の持てるキャラだと思います。
完全なとばっちりで死ぬ筈だった彼が、ヒーローの力を用いて何を引き起こすのか興味が尽きません。

>誤解は更なる誤解を呼ぶ
不二子ちゃんこの状態でゴブリンが蔓延る場所に放り込まれるとか、一歩間違えば薄い本展開不可避でしたね。
最初に出会ったのがヒーローの鏡であるナイトオウルで本当にラッキーでした。
早苗さんもあの場面見ちゃったらもう勘違いしてもしかたないww。
死に直面すると本能が高ぶるからね、しょうがないね。
マジに変態の風評被害が広がる前に誤解が解けて良かったです。

>電光刹華・桜花爛漫
余命わずかな燕結芽でも倒せるゴブリン、ゴブリンが弱いのか彼女が凄いのか悩みますが多分両方ですね。
死からの復活を経験しても、安易な願望成就という甘言にすがりつかず、己の信念を全うするその姿勢に、好戦的でありながらも独自の美学を持つ好人物であることを感じさせられました。
対するアカツキ、首輪解除要員としても、単純な戦闘でも破格に優秀です。
盗聴の可能性を即座に見抜き、筆談を試みる点からもその有能さが伺えます。
人を率いる立場としてメンタルケアもこなせるので、とてつもなく頼もしい御仁だと思いました。
燕結芽とも相性は悪くなく、彼ならばうまく彼女の手綱を握ってくれるでしょうし、実に安定したコンビだと思いました。


419 : ◆ytUSxp038U :2020/08/18(火) 21:27:41 QXuy8nOY0
投下します


420 : アーマー ◆ytUSxp038U :2020/08/18(火) 21:32:12 QXuy8nOY0
市街地の外れにある寂れた倉庫、そこが鮫島のスタート地点だった。
埃っぽい倉庫内にて‘一仕事’終えた鮫島は、隅に積まれた鉄柱に腰掛けている。

「チッ、クソ虫どもめ、気色悪いったらねェな」

悪態を吐く鮫島の視線の先には、倉庫に居た先客の死骸が転がっていた。
それは野良犬程の体躯を持つ数匹のゴキブリ。
倉庫内に散らばるガラクタの陰から飛び出たゴキブリに驚きこそしたものの、吸血鬼に比べれば雑魚も良いところ。
苦戦する事も無く転がっていた角材で全て叩き潰した。
もっとも、それはそれとして巨大化した害虫というビジュアルは気持ちの悪いものであったが。

「しっかし凄ェなこのアーマー…。ガキの頃に観たSF映画みてェだぜ」

鮫島は屈強なパワードスーツを装着した己の体を、感心したように見回す。
とある世界でアメリカ軍により開発された兵器、それが鮫島の支給品だった。
デイパックから出て来た時は流石に目を剥いて仰天したが、いざ装着してみると中々どうして悪くないと感じた。

「にしても殺し合いだぁ?訳の分からねえもんに巻き込みやがって…。あいつは雅の仲間か?」

現在の荒廃した日本でこんな大それた真似が可能なのは、本土を滅茶苦茶にした張本人である雅くらいのものだ。
大方、この殺し合いも奴にとっては暇つぶしの余興程度の理由で開催したのだろう。
ふざけた奴だと、鮫島は改めて雅に怒りをぶつける。

「待てよ?ってことは明たちも連れて来られてるかもしれねェな…」

明、勝次、ユカポン、左吉、ついでにネズミ。
皆心強い仲間だ。もし彼らも殺し合いに巻き込まれているのなら早めに合流しておきたい。
正直ネズミはそこまで大切でも無いが、ここまで一緒に来た縁もあるし最近は少し成長している気がする。
明達のついでに探すくらいはしてやろう。

一先ずの方針を決めた鮫島は出発しようと立ち上がる。
その時ふと、主催者の「願いを叶える権利」という言葉を思い出した。
もしもその言葉が本当ならば、雅に殺された弟を生き返らせる事も可能なのだろうが…。

「ハッ…クソッタレ主催者が、誰がテメェの言う事なんざ信じるかよ」

こんな殺し合いを命じる輩の言葉など信じられるはずも無い。
もし願いを叶えるというのが真実だとしても、仲間の命を犠牲に願いを叶えるなどまっぴらごめんだ。
善人を気取るつもりは無いが、そこまで落ちぶれるつもりも鮫島には無かった。

(それに…どの面下げて精二に会えってんだよ……)

自分は雅に怯え、守ると誓った弟を見捨てて逃げ出したのだ。
そんな最低の屑が今更兄貴らしいことなどできるかと、鮫島は自嘲する。

「まぁ、こんな凄ェアーマーを作れる奴もいるんだ。なら、首輪だって案外簡単に外せる奴がいるかもな」

それは確信があっての言葉ではない。
ただ一々主催者に恐れ戦くよりは鼻で笑い飛ばしてやる方が性に合ってると思いながら、鮫島は倉庫を後にした。

【鮫島@彼岸島】
[状態]:健康、パワーアーマーを装備中
[装備]:T-60型パワーアーマー(フュージョン・コア残量96%、各パーツへのダメージ無し)@Fallout4、角材
[道具]:基本支給品、フュージョン・コア×2@Fallout4
[思考・状況]:基本行動方針:殺し合いから脱出する
1:明たちを探す
2:首輪を外せる奴も探す
[備考]
参戦時期はI・R・T(アイドル・レイプ・タワー)を訪れた後。

【T-60型パワーアーマー@Fallout4】
米軍が開発したパワードスーツ。戦前に投入された中では最新のタイプ。
フレームに対してそれぞれ頭部・胴体・両腕・両脚のパーツを装備し、動力源としてフュージョン・コアを装填する。
生身の時よりも格段に防御力と格闘能力が上昇し、高所からの落下ダメージを完全に防ぐという恩恵も得られる。
パーツを装備してい無いフレームのみの状態でも落下ダメージを無効化し、そこそこの耐久性がある。

【フュージョン・コア@Fallout4】
パワーアーマーの動力源となる核電池。
アーマーの背中の部分に装填する事で起動するが、もしもアーマー起動中にコアを攻撃されれば大爆発を起こし、自分は勿論周りにも大きな被害が及ぶ。

【ラッドローチ@Fallout4】
NPC。放射能により巨大化したゴキブリ。
主に廃墟や下水道に住み着き、死体の下から這い出る事もある。
体力・攻撃力共にかなり低く大した脅威では無いが、噛みつかれると微量だが放射能ダメージを受けてしまう。


421 : ◆ytUSxp038U :2020/08/18(火) 21:32:56 QXuy8nOY0
もう一つ投下します


422 : 耳長 ◆ytUSxp038U :2020/08/18(火) 21:34:43 QXuy8nOY0
ハァ。ハァ。ハァ。ハァ。

帽子を被った少年が息を切らせながら森の中を走っている。
その背後からは数匹のゴブリンが口汚く喚きながら追いかけていた。

「チクショウ!何でいきなりこんな目に遭うんだよ!」

ゴブリンに追われている少年、山本勝次は己の不運に対し叫ばずにはいられなかった。
ただでさえ見知らぬ場所でいきなり殺し合えと言われ困惑していたというのに、荷物を確認する暇もなくいきなりゴブリンに襲われ逃げる羽目になったのだ。
とにかく何とか撒こうと走り続けているが、ゴブリンは相当しつこい。
何が何でも勝次の肉で腹を満たすつもりなのだろう。

「ふざけんな!お前らなんかに食われてたまるかよ!」

口では強がってみたものの、ゴブリンが諦める様子はない。
それでも止まる訳にはいかず必死に脚を動かしていたが、追いつけない事に苛立ったゴブリンの投げた棍棒が足元に当たりバランスを崩してしまう。

「うわっ!?」

勝次が転倒した隙に追いついたゴブリン達が取り囲んだ。
手間を掛けさせた生意気な子どもをいたぶろうと、どのゴブリンも耳障りな笑い声を上げている。。
その内の一匹が手にした短剣を勝次に突き刺そうと近づいた。

「舐めんじゃねェ!クソ緑色野郎!!」
「GOROB!?」

だが短剣に貫かれるよりも早く、勝次は咄嗟にデイパックから取り出した物で相手の頭を殴りつけた。
塗装の剥がれかかったパイプレンチを構えて、ゴブリン達を睨みつける。

「お前らなんかには絶対に殺されてやんねえからな!」

母が死んだあの日から強くなると決意したのだ。
こんな訳の分からない場所で、吸血鬼でもない連中に殺されてたまるか。
自分を奮い立たせるように勝次は叫んだ。
対するゴブリン達は殴られた仲間のマヌケぶりを笑いながらも、この生意気な獲物を仕留めようと襲い掛かった。
緊張により汗ばむ手でパイプレンチを強く握りながら勝次も迎え撃とうとする。


423 : 耳長 ◆ytUSxp038U :2020/08/18(火) 21:37:44 QXuy8nOY0
「ふーん。まだ子供だってのに度胸あるじゃない」

凛とした声が聞こえた。
と同時に数本の矢が飛来しゴブリンの頭を射抜く。
何事だと目を見開く勝次の目の前に、声の主が木の上から飛び降り華麗に着地した。

現れたのは一人の少女。
整った顔立ちだが、ピンと長く尖った耳は彼女が人間では無い事の印だ。
小鬼殺し一党の後衛、妖精弓主(エルフ)である。

「GOROB!GOROB!」

新たな獲物の登場にゴブリンは湧き立つ。
男よりも女の方が楽しみも多いし、孕み袋に出来る。
目に見えて下劣な欲望を露わにしたゴブリンを、妖精弓主はうんざりした思いで見ていた。

「こんなとこに来てまでゴブリンだなんて…。これもオルクボルグの影響かしらね…」

一斉に襲い掛かるゴブリンを大きく跳躍して躱し、木の枝に着地する。
ゴブリンが上を見上げた時にはもう遅い、軽やかな身のこなしで木々を移動しながら矢を放つ。

「GOA!?」
「GROOB!?」

矢は全て正確にゴブリンの急所を貫き、確実に絶命させていく。
気が付けば大勢居たゴブリンは、あっという間にその数を減らしていた。

「す、凄ェ…!あの姉ちゃん、とんでもねえ弓の腕だ…」

妖精弓主の立ち回りに勝次は思わず感嘆の思いが口から出る。
ふと、視界の端に緑の影が見えた。
仲間が次々に殺される事態に恐怖した一匹のゴブリンが逃げようとしていたのだ。
奇しくもそのゴブリンは、先ほど勝次に殴られた個体だった。

「待ちやがれこの野郎!」
「GOROB!?」

勝次は再び頭部を殴り逃亡を阻止する。
何度かパイプレンチを振り下ろすと、やがて動かなくなった。
相手が死んだ事を確信すると武器を下ろし、辺りを見回す。
あの腹の立つ声を上げていたゴブリンは、一匹残らず矢に射られ死んでいた。
ゴブリンを一掃した妖精弓主は、特に警戒する事も無く勝次の方へ歩み寄った。

「お疲れ。あんたも災難だったわね」
「へっ、これくらい別に平気だよ。けど助かったぜ姉ちゃん、ありがとな。」
「いいわよ、これくらい」
「姉ちゃん凄かったなぁ!明みたいにピョンピョン跳び回ってたし、弓だって百発百中だしさ」
「アキラって奴は知らないけど…ま、まぁこれくらは余裕よ」

ヒラヒラと手を振って返す妖精弓主。
とはいえ褒められて悪い気はしないのか、尖った両耳がピコピコと動いている。
それを見た勝次はずっと気になっていた疑問を口に出した。

「…ところで姉ちゃんって吸血鬼、なのか?それにしちゃあ目が赤くないけど…」
「はぁ!?」

【妖精弓主@ゴブリンスレイヤー】
[状態]:健康
[装備]:弓と矢@彼岸島
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]:基本行動方針:殺し合いをする気は無い
1:何言ってんのこいつ
2:知り合いも巻き込まれていないか気掛かり
3:こんな所にもゴブリンか…
[備考]
参戦時期は原作5巻以降のどこか。

【山本勝次@彼岸島】
[状態]:疲労(中)
[装備]:ビッグ・ジム@Fallout4
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]:基本行動方針:殺し合い何て絶対しない
1:何でそんな驚いてんだ?
2:明たちも居るのか気になる。
[備考]
参戦時期は金剛死亡以降のどこか。

【弓と矢】
彼岸島のレジスタンスや坂下ユキが使っていた弓と、矢筒に入った数十本の矢のセット。

【ビッグ・ジム@Fallout4】
パイプレンチのユニーク武器。
20%の確立で相手の足に重傷を負わせる。


424 : ◆ytUSxp038U :2020/08/18(火) 21:38:32 QXuy8nOY0
投下終了です


425 : ◆ytUSxp038U :2020/08/18(火) 21:44:18 QXuy8nOY0
あ、金床ちゃんの名前間違えてるやん
wikiでは修正するのでゆるして


426 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/18(火) 22:08:17 f2SEuSPM0
投下させていただきます。


427 : 仏契(ぶっちぎり)の特攻隊長 ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/18(火) 22:09:06 f2SEuSPM0
ここは会場内の草原地帯。

そこには無数のゴブリンたちの死骸と、その中心で嘔吐している少女の姿があった。

目を見張るほどに大きな胸にサラシを巻いた、ヤンキーみたいな恰好をした女の子だ。

「う、ううううう…ざまあみやがれってんだ、畜生……!」

彼女の名前は向井拓海、かつて暴走族の特攻隊長を務めていたアイドルだ。

そんな彼女がなぜゴブリンの死骸に囲まれた状態で嘔吐しているかというと、それは少し過去へとさかのぼる……。


428 : 仏契(ぶっちぎり)の特攻隊長 ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/18(火) 22:09:33 f2SEuSPM0
----------------
「ははは、何だよコレ………ドッキリにしても手が込みすぎじゃねえか………!」

広い草原の中で、ヤンキー姿の少女、向井拓海は乾いた笑い声を上げていた。

彼女はライブ会場へ向かう途中に突如として意識を失い、気が付いたらこの殺し合いに呼ばれていたのである。

そしてルール説明の際に人が死ぬ瞬間を見て、またその時飛び散った血の匂いによりこれがドッキリなどではなく、
本当にその人が殺されたことを彼女は理解してしまったのだ。

「何なんだよ!なんでアタシをこんな悪趣味なゲームに呼び出すんだよ!」

そうして彼女が叫んだ瞬間、草むらの中から突如として無数のゴブリンたちが飛び出してきた。

それはあまりにも突然で、なおかつこの異常な状況に混乱していたこともあり彼女は対応が遅れてしまった。

それでも最初は暴走族時代に培ったケンカ殺法で彼らに立ち向かえていたのだが、数の暴力はすさまじく彼女は押し倒されてしまった。

そしてゴブリンたちにつかまってしまった彼女に対して、彼らゴブリンたちは自分の下半身を露出し始めた。

それにより彼女は気づいてしまった。自分が今から、彼らの慰み者とされる未来に気づいてしまったのだ。

そして彼女は泣き叫んだ。普段の力強さはどこへ行ったのかと思うほどに、彼女は泣き叫んだ。

「やめろ…やめてくれ…お願いだからそれだけはやめてくれえぇぇぇ!!」

そう彼女が叫んだ瞬間、彼女が持っていたデイバッグの中から何者かが飛び出した。

それは、機械じみた姿をした赤い龍だった。

その龍が彼女にまとわりついたゴブリンたちを蹴散らした後、刀へと変形して彼女の手に収まったのである。

それにより彼女の身体に大きな変化が現れた。彼女の全身に強大な力が宿っていったのである。

その変化を見たゴブリンたちは恐れおののいた。自分たちが返り討ちにあうことに気づいたからである。

「……さっきはよくもやってくれたな、これからたっぷりお返ししてやるぜ!」

そして彼女は、全身にみなぎる力のままにゴブリンたちを叩きのめした。

さっき自分が受けそうになった屈辱を晴らすように、そして彼らに対する嫌悪感のままに彼らをなぶり殺しにした。

そうしてすべてが終わった後……

「う、ううう……うおえええぇぇぇっ!!」

彼女は嘔吐した。
自身の純潔を散らされかけた恐怖と、自分の身を守るためとはいえ相手を殺めたことに対するショックで彼女は嘔吐してしまった。

----------------

…そうして彼女は、ゴブリンの死骸に囲まれた状態で嘔吐していた訳である。

そしてある程度嘔吐した後、立ち直った彼女は歩きだした。

「まさか、他の奴らもあんな目にあっているのか……?だとしたら、早く助けに行かねえと……!」

他に呼ばれているアイドルたちがいるのではないかと思い、彼女はすぐに行動を起こしたのだ。

そしてその後ろを、先ほど彼女を助けた龍が付いて行った……。

こうしてほかの参加者を助けるために旅立った彼女の行く末は、いまだ誰にもわからないことである……


【向井拓海@アイドルマスター シンデレラガールズ】
[状態]:健康、精神的疲労(中)、衣服に若干の乱れ
[装備]:ZW-風神雲龍剣@遊☆戯☆王ZEXAL
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いに乗るつもりもねえし、他の奴らを守るために行動する。
1:もしかして、他のアイドル達もあんな目に……?だとしたら、早く助けに行かねえと……!
2:この龍(ZW-風神雲龍剣)は一体、何者なんだ?
[備考]


【ZW-風神雲龍剣@遊☆戯☆王ZEXAL】
 ゼアルウェポン(ZW)と呼ばれる、武器に変形するモンスターの内の一体。『風神雲龍剣』と書いて『ストームブリンガー』と読む。

 太刀への変形機能を持つ東洋龍の姿をしており、装備しているとき相手からの魔法や罠、モンスター自身の効果の対象にならないという能力を持っている。

 なお本来は「No.39 希望皇ホープ」及びその進化形態であるモンスター以外は装備できないが主催者らの手により誰でも装備可能となっている。


429 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/18(火) 22:10:04 f2SEuSPM0
投下終了です


ありがとうございました。


430 : ◆NIKUcB1AGw :2020/08/18(火) 23:35:17 C5/5S.gw0
>>411
こちらこそ、うっかり投下終了宣言を忘れたせいでそちらに気を遣わせてしまいすいませんでした

また投下させていただきます


431 : カナカナカナ(ひぐらしではない) ◆NIKUcB1AGw :2020/08/18(火) 23:37:04 C5/5S.gw0
アスファルトの上を進んでいく、小さな影が一つ。
愛らしい顔立ちとゴシックな衣服は、まるで人形のよう。
否、彼女は本当に人形である。
天才人形職人・ローゼンが作り上げた生きた人形、「ローゼンメイデン」。
その次女に当たるのが彼女、金糸雀だ。

彼女は、殺し合いに乗るつもりはなかった。
生まれながらにして姉妹と殺し合う宿命を背負わされた彼女たちローゼンメイデンだが、あくまで戦う相手は姉妹のみ。
無関係な人間を無差別に襲うことなど、誇り高きローゼンの娘として許される行いではない。
ゆえに金糸雀は、この殺し合いからの脱出を目標としていた。

(それにしても……。戦ってほしいなら、なんで武器を取り上げるのかしら?
 ヴァイオリンがないんじゃ、カナの戦闘力激減かしら……)

愛用のヴァイオリンから放つ音波で攻撃する。それが金糸雀の戦闘スタイルだ。
そのヴァイオリンがないのでは、攻撃方法のほとんどが失われてしまう。
剣のない剣士、乗り物のないレーサーのようなものだ。
乗る気がなくても、ここは殺し合いの舞台。
自衛の手段すらないのは、あまりにも心許ない。

(楽器屋さんにいけば、置いてあるかしらね……?
 でも人間用じゃサイズが合わないし……)

そんなことを考えながら、金糸雀は歩き続ける。
やがてある民家の前を通りかかったとき、彼女はその家の中から聞こえてくる何者かの声に気づいた。

(誰かいる……? いや、そりゃいるわよね。
 一人じゃ殺し合いは成立しないんだから。
 生き残るのを優先するなら、ここは無視して離れた方がいいんだろうけど……)

聞こえてくる声は、うめき声のように聞こえた。
ひょっとしたら、誰かが怪我か病気で苦しんでいるのかもしれない。
そう考えると、金糸雀は放置することができなかった。

(まったく、私もずいぶんと甘いかしら……)

軽く自嘲しつつ、金糸雀は扉を開け民家の中に入っていく。
そこで彼女が見たものは……。

「店長、カキフライ作ってくださいよ〜。
 あれ〜? 店長? いないんですか〜?」

支給された酒をがぶ飲みし、すっかり酔っ払った若い女の姿だった。

「……お邪魔したかしら」

虚無の表情でその場から立ち去ろうとした金糸雀であったが、その足首が女に掴まれる。

「水持ってきてくださいよ、水〜」
「ああもう、離すかしらーっ!」


◆ ◆ ◆


「カナは金糸雀かしら」
「金本香苗で〜す。ピチピチの女子大生です!」

数十分後、金糸雀は少しだけ酔いが覚めた女性となんとか会話を成立させることに成功していた。

「なんか名前似てますねえ、私たち! ここで出会えたのは運命かも!
 アヒャヒャヒャヒャ!!」
「うっとうしいかしら……」

酔っ払いの壊れたテンションに、あまり他人の悪口を言わない金糸雀の口からもつい罵倒が漏れる。

(こんなことなら、無視して先を急げばよかったかしら……。
 でも、関わってしまった以上放置したら目覚めが悪いかしら!
 もうどうしたらいいのかしら〜!)

頭を抱える金糸雀の傍らで、香苗はゲラゲラと笑い続けていた。


【金糸雀@ローゼンメイデン】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3(楽器類ではない)
[思考]基本行動方針:殺し合いから脱出する
1:どうしよう、この酔っ払い……
2:ヴァイオリンを入手したい


【金本香苗@クレイジー・キッチン】
[状態]酩酊
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考]基本行動方針:???
[備考]
基本支給品のストロングゼロを、全て飲みきりました。


432 : ◆NIKUcB1AGw :2020/08/18(火) 23:38:12 C5/5S.gw0
投下終了です


433 : ◆2dNHP51a3Y :2020/08/19(水) 00:10:33 pznLMa3Q0
投下します


434 : あのバカは荒野へ進む ◆2dNHP51a3Y :2020/08/19(水) 00:12:29 pznLMa3Q0
「――何故」

それは、純粋な疑問であった。喜びでも、怒りでも、哀しみでも、楽しみでも、憎悪でもない
ただ『死んだはずの』自分が生きているという、単純至極な謎

「何故だ、何故……私は生きている?」

黒きゴスロリ衣装に身を包んだ少女、リーゼロッテ・ヴェルクマイスターには、殺し合いを執り行う主催のことも、贄として殺された見せしめのことなど頭になかった。何故死んだはずの自分がここにいるという疑念のみが頭を埋め尽くしていた

「――何故……?」

何かがおかしい。自らに埋め込まれた『虚無の魔石』から魔力がごっそり抜け落ちている。
確認のためにまず第一に掌より魔力を使って暗黒の炎を出す。――出すには出せたが、出力はあの戦いの時よりも大幅に下がっている、内蔵している魔力の量そのものが少なくなっているのだろうか。
次に再生能力の確認、適当な樹木から小枝を引きちぎって、自分の腕を傷付ける。――再生能力は機能、ただし治癒力も速度も同じく低下している

「……なるほど、この首輪、ただの鉄クズというわけではなさそうか」

故に察する。この首輪は主催への反抗阻止以外に、装着者の力そのものを制限するという機能があるのだろうと
ただ殺し合いというだけであるなら前者の機能のみで良いのだろう。だが絶対的強者によるワンサイドゲームというものはかくもつまらないものだ。だからこそ、ある程度まで力量差を狭べるために、ゲームがより面白くなるように

「……度し難いな」

悪辣、全く以て下らない催しだ。あの主催とやらが享楽のためにか、それとも何かしらの目的のためなのか、どうでもいい
こんな催しの為だけに私は現世へと呼び戻された。唯一愛する者の手で殺され、今度こそ救われて、それで全てが終わると思っていたのに
だが現実はどうだ? 再び蘇ってしまった。やはり自分は赦されはしない存在なのだろうか、憎悪で積み重ねられた呪いは永遠に続くというのだろうか、それとも――
―――罪を贖うために、償うために、蘇らせられたというのだろうか?

だけれど、もしそうだとするならば。私はどうすればいい?
人類鏖殺のため、第三帝国とも接触し、同格の魔術師たちを集め結社すらも作り上げた。全ては自分のためだ。愛する男の願いを叶えるために、利用して、殺して、利用して、殺して、殺し尽くした
そんな悍ましい悪徳の魔女に、贖いを求めるなど滑稽にもほどがある。全てに絶望し、かつて信仰していた神ですら憎み呪ったこの自分自身に

この穢れた身に、一体何をさせようと――リーゼロッテはただ思いつめながら歩くだけであった
歩き続けてみれば道が見えた。森ばかりの風景には飽きていたので、道に沿って進んで見る
ある程度進んで見ればそこに広がっていたのは池だ。たどり着いた船着き場から見える綺羅びやかな草原と真夜中の満月を映す巨大な池だ
目の前にあったベンチの一つに腰を掛け、この神秘的な光景に身を委ねる

「……こんなに静かな日々は、あの時以来だったか」

呟いてみれば、思い出すのは過去の、魔女がまだ敬虔な教徒であった頃――リーゼロッテ・ヴェルクマイスターがリゼット=ヴェルトールであった頃だ
お世辞にも幸せとは言えなかったが、それでもあの地獄が来るまでは穏やかなものであった。もし運命が変わっていれば、樹木の日陰に腰掛け絵本を子どもたちに読み聞かせでもしたのだろう
―――そういえば、一定時間人を殺してなければ首輪が勝手に爆発すると言っていたこと思い出す。どうせ死ぬのなら、このように穏やかな気分のまま逝くのも悪くないだろう、などと思っていた

だが、そんな彼女の儚い願いは、いともたやすく打ち破られることとなる

「あっ、あぶっ、ちょっ、誰かっ! 誰か助けてぇぇぇぇ!!!」
「……」

真正面で溺れていたアホ毛ピンクによって


435 : あのバカは荒野へ進む ◆2dNHP51a3Y :2020/08/19(水) 00:14:20 pznLMa3Q0
◯ ◯ ◯


「ほんっっっと助かった、ありがとう!」
「…………」

助けてしまった。正直な話喧しいからこのまま放置して溺れ死んでくれたほうが良かったのだが、そんなことしたらなんか一生あの女の変な怨霊に付きまとわれそうな気がした(主に面倒くさい的な意味で)から助けてしまった。

「貴様は一体あんな所で何をしていたのだ?」
「あー、うん、そのね。あの説明の後に最初に飛ばされたのがあの船着き場の近くだったの。それでね。こんな夜中だし、……うん、ずっこけて溺れかけました、ハイ」

恐ろしくどうでもいい理由で溺れかけたというらしい、呆れた。

「というか何なのよこれ!? いきなり呼び出されたと思ったら殺し合い!? ふっざけんじゃないわよあたしがそんな事するわけ無いでしょ!! ……こんな下らないことのせいで星徒会長なのに出席不足で留年とか笑えないわよ!!!」
「……」

さらにこのアホらしい理由だ。当初の言い分からすれば正義感の強いほうだと思っていたが、後半からなんかおかしくなった。出席不足?留年?何を言っているんだこの小娘は

「冗談じゃないわ! さっさとこの殺し合いを終わらせて、元凶とっちめて、元の世界に帰るんだから!! せっかく選挙勝ち抜いて、宇宙救ってきて、やっと日常が戻ってきたと思ったらなんで殺し合いとかマジありえないんだから!!」

もはや呆れ果てを通り越して真顔だ。途中からなんかおかしい文言が聞こえたぞ。宇宙救って? 一体何がどうしたら宇宙救うのと選挙が繋がるんだ?
というかなんか無性に苛ついて来た。燃やそう、よしこいつ燃やそう

「待って!? 何その黒い炎!? 違うの機嫌悪くするつもりなかったのだから許してぇぇぇぇっ!!!」

暗黒の炎を出現させてみればすぐさま顔を青ざめ、即ガチ泣き土下座。もう呆れた、というか呆れの感情が顔に出ないぐらい呆れた。というか既に途中から真顔だった

「……はぁ」

燃やしてやろうと思っていた気分も苛立ちごと消え失せた。炎を消すと、少女はホッとした表情になり、改めて立ち上がってこちらの顔を見る

「……本当ありがとうね。私は翠下弓那、神撫学園で星徒会長やってるの、よろしくね。……ええと」
「……リーゼロッテ。リーゼロッテ・ヴェルクマイスターだ。溺れていたお前がやかましかったから助けただけだ、これ以上用がないのならさっさと行け」

何かと思えば自己紹介。こっちとしてはする義理は無いのだが相手側から来たのでこちらも簡単に名前だけ教えてさっさと立ち去って貰おうとこう言い切った。が

「……いやそういうわけにはいかないわよ。というか一人でこのまま行くとか寂しいし。それに服乾いてないし、あとどっちにしろリズにも一緒に付き合ってもらいたいし」
「そこの小屋にドライヤーやらの乾燥機の類はある、乾かし終わったら……ってちょっとまて。何故私が付き合う前提になってるんだ? というよりも何故『リズ』なんだ?」
「いやだって、リーゼロッテって微妙に長いしさ、だから短くして『リズ』」
「ふざけているのか貴様は……私はお前に付き合ったりするつもりはない。用事を済ませたらさっさと――」
「……こ・と・わ・る・わ。だってリズみたいな良い人を一人のままで放っておくわけにはいかないから」

……この弓那なる小娘は、私を事をなんと言った?

「……私が、良い人? だと?」

良い人、良い人だと。―――何故そう言い切れる?

「あは、あははは、あはははははははっ!!!」
「……リズ?」

滑稽だ、笑えてくる。翠下弓那なる女の、あまりのバカさ加減に


436 : あのバカは荒野へ進む ◆2dNHP51a3Y :2020/08/19(水) 00:15:14 pznLMa3Q0
「……私はリーゼロッテ・ヴェルクマイスター。リズなどと呼ばれるような女ではない。お前達人類の悪意のせいでこの身はこうも醜く生まれ変わった。望まぬ不死を得て、こうなった。私が望んだのは人類鏖殺だ。かつて唯一愛したウェラードの願いのために、数多の民を殺し尽くした悪徳の魔女だ。その私を貴様は良い人、良い人だと!? いくら知らぬからとはいえ滑稽だ、滑稽で……反吐が出る。貴様のような何も知らぬ小娘になにそれと言われる筋合いはない!!」
「……」
「――最終警告だ。ただの戯れで助けてやったが、次にまたふざけた口を開くのであれば、本当に殺すぞ?」

バカさ加減に思わず口走ってしまった。だが、これでいい。どうせ今の私はそのような生き方しか出来ない。誰も信じず、ただ一人のまま、己のためだけに生きる魔女として
本当の意味で殺意を込めて言い放ってやった。あの女のシュンとした態度からして早々に立ち去ってくれる事を期待したいのだが……

「……だから、何?」
「……は?」

だが、私の予想を、あの女は大きく覆した。その真摯で、ムカつくほどに煌めくその瞳で、私を視て

「……よーくわかったわ。アンタがあたしが思っていたのとぜんぜん違う奴だって。それに、アンタがそんな過去を背負ってたなんて。あたし、バカだからさ、人の都合なんて知ったこっちゃないから土足で入り込んじゃう事ばっかで。……あんたが過去にどんな悪行三昧してたのかこっちとら知らないわよ。だけど、過去は過去よ、今は今よ。それに、アンタがあたしを助けてくれたのは紛れもない事実なんだから」
「……だからどうした? あれはただの偶然だ。それを貴様にとやかく言われる筋合いは――」
「私にとってはアンタを信じるのにそれだけで十分よ」
「………ッ!? それだけ、だと……?」

信じられないことを女は言った。私を信じるのに、あの時助けられた時の思い出だけで十分だと
バカだ、余りにもバカだ、馬鹿の中の馬鹿だ。この翠下弓那という女は
平穏な村娘として暮らし、十字軍に心身共に蹂躙され、憎悪のままに魔女となる道を選び、そこでウェラードと出会い、愛し、失って、ウェラードの望みを果たすためだけに、私は世界の裏で暗躍し続けた。トゥーレなる魔術結社を作ったが、あそこに信頼も信用もない、ただ利用し利用されるだけの関係でしか無い。私はどこまで行っても独りだ。独りであった。
そんな不死の地獄がを、人類鏖殺を以て終わらせられると思っていた。結果として、人類鏖殺は、かつてそれを望んだ愛しきウェラードと、その眼を受け継いだある男によって阻止され、私の地獄は幕を引いたはずであった

だが目覚めればそこは地獄でも、天国でもなく、全く知らない場所だ。ようやく救われると思っていたのに、解き放たれたと思っていたのに!!

「たったそれだけで私を信じるに値するだと……巫山戯るな! 何も知らないただの小娘が、私の事を知ったような口をするなぁっ!」
「そりゃ知らないわよ! あたしは別に神様じゃないんだから! それでも、あたしは―――」
「――もういい。このままじっとしていれば首輪の爆破で楽になれると思っていたが、貴様のせいでそれも伸びることになったようだ」
「……ッ!?」

答弁は無意味だ。殺す。この娘は殺す。湧き上がる怒りの感情と共に、掲げた両手に宿る暗黒の炎は相応の大きさと膨張した

「……塵一つ残さず、消えてしまえ!!!」

その叫びと共に、黒き怒りの炎は、少女の身体を呑み込んだ


◯ ◯ ◯


437 : あのバカは荒野へ進む ◆2dNHP51a3Y :2020/08/19(水) 00:15:58 pznLMa3Q0
◯ ◯ ◯


「……何故、だ」
「ひどいじゃ、ないの、もう……。制服が、台無し、よ……」

女は――翠下弓那は生きていた。あの暗黒の炎を、今のリーゼロッテ・ヴェルクマイスターが出しうる限りの力を受けて

「……あはは。何よ、そんな、呆気な顔、して……」
「何故、避けなかった」

だが、その代償はあまりにも大きかった
ピンクの髪や、着ていたセーラー服はその肌ごと出血の赤と火傷の黒で所々が染まっている
立っているのもやっとなような姿に、リーゼロッテはただ唖然とする他なく

「……いやぁ、あのまま耐えれたら、信じて、くれそうって……なんかそんな、そんな気が、したから……あは……は……」

……そこまでして、信じようと、信じて、くれるというのか
何度も何度もそのバカさ加減に呆れたリーゼロッテ・ヴェルクマイスターであったが、今回ばかりは納得してしまった

「………バカだよ、お前は。どうしようもなく、バカだ。………全く、あのまま綺麗な景色を浸りながら静かに逝くつもりだったのだがな」

翠下弓那は、自分の知る誰よりも馬鹿でアホで間抜けで、―――自分が知る誰よりも優しい大馬鹿者だと
気が抜けてしまった魔女は、デイパックからある小瓶を取り出し、弓那に飲ませる
飲ませた途端、弓那の傷がみるみる癒えていき、髪やボロボロのセーラー服にこびり付いた血痕や焼け跡を残し治ってしまった

「……あ」
「……気が変わったよ、弓那。お前についていくことにする。お前が私を信じてくれると言ってくれたのなら、それを信じてみるのも一興だと思っただけさ。あくまで、お前の進む道の結末が、気になっただけだがな」
「……やっと、私の名前を、呼んでくれたわね」

やっと、らしい笑顔を見せたリーゼロッテに対し、弓那はただ満面の笑みで答えるのであった


【翠下弓那@輝光翼戦記 天空のユミナ】
[状態]:健康
[服装]:神撫学園指定のセーラー服(ボロボロ、血痕+焼け跡)
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、不明支給品3つ
[思考]
基本:こんな下らない事考えた奴らぶっ飛ばして、さっさと元の世界に戻らせてもらうわ!
1:ありがとうね、リズ!
[備考]
原作における弓那ルートEND後からの参戦です

【リーゼロッテ・ヴェルクマイスター@11eyes -罪と罰と贖いの少女-】
[状態]:健康
[服装]:いつもの服装
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、不明支給品2つ
[思考]
基本:このバカ(弓那)についていくことにする
[備考]
死亡後からの参戦です

【体力回復薬・壊@Death End Re:Quest】
何かしらバグった体力回復薬。ただし効果は抜群


438 : ◆2dNHP51a3Y :2020/08/19(水) 00:16:32 pznLMa3Q0
投下終了します


439 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/19(水) 01:29:22 GBDx2f8Y0
この企画への投下、ありがとうございます

>アーマー
あったよアーマーが!でかした!
鮫島、あの巨体にパワーアーマまで身に付けるとまさに鬼に金棒ですね。威圧感ヤバそうで所見勘違い不可避。
アーマーの弱点が不穏すぎる点を除けば対主催という意味で有望だと思います。

>耳長
小学生とはいえ壮絶な経験をしてきた勝次、ゴブリンに囲まれた程度では屈しませんね。彼ならばどんな場面でも逞しく乗り越えていきそうです。
金床ちゃんこの場もゴブリンまみれでうんざりしてそうですが、小鬼殺し直伝のゴブリンノウハウが豊富かつ銀等級としての実力もあり、非常に頼もしい冒険者の鏡と言えるのではないでしょうか。
四方世界にも吸血鬼はいるので尚更金床ちゃんからしたら意味不明そうですが、まぁ大事にはならなさそうなので多分大丈夫……?

>仏契(ぶっちぎり)の特攻隊長
向井拓海、暴走族でアイドルとはいえ女の子。いきなりゴブリンに囲まれた恐怖は相当なモノだろうし、何とか逆転できたのは最高ですね。
危険な目に遭った直後でも他人を心配できる姉御は人間の鏡。
強アイテムも引き当てていますし、覚悟完了すればかなり便りになりそうなポテンシャルを感じました。

>カナカナカナ(ひぐらしではない) 
安易な殺し合いに乗らない金糸雀は誇り高きローゼンの娘の鏡。
しかしヴァイオリンを没収されているのは痛い。かなり厳しい状況ですが、ここから巻き返しができるのか……?
殺し合いの場で泥酔する金本、まぁこの状況なら酒に逃げるのもしょうがない。

>あのバカは荒野へ進む。
相手の過去よりも現在の恩義を肯定し、その証明のために攻撃を耐えた弓那、彼女の芯の強さと和解の描写に感動しました。正しく優しい大馬鹿者という言葉がぴったりと噛み合っていると思います。
燃え尽きた復讐者のリーゼロッテ、一歩間違えば、あるいは危険人物になる可能性の高かった彼女が最初に出会ったのが弓那で本当によかったと感じました。
これは非常に対主催組にとって便りになる戦力ですね。


440 : ◆ytUSxp038U :2020/08/19(水) 11:30:06 ENKgHUWw0
投下します


441 : 魔・王・邂・逅 ◆ytUSxp038U :2020/08/19(水) 11:35:01 ENKgHUWw0
とある民家。
そこそこの広さがあるリビングにて、二人の男が向かい合い座っていた。

一人は黒髪の少年。
眉目秀麗という言葉が似合う顔立ちに豪奢な白い衣装を着こなす様は、まるでおとぎ話の王子様のよう。
その傍らには一匹の犬がまるで忠犬のように控えている。
支給品としてデイパック内に入っていた獣を撫でてやると、嬉しそうに一声吠えた。

もう一人は、体格からして男と思われる者。その姿は異様としか言えないものだ。
筋骨隆々の肉体をボディスーツと黒い装甲で覆い、同じ色の引き摺る程に長いマントを着用。
そして最も目を引くのは顔。そこには生身の顔ではなく、デカデカとしたレンズを貼り付けたような仮面があった。
両腕を組み、テーブルに足を投げ出すという尊大な姿勢を取っている。

「しかし…並行世界とはな。ギアスや不死の魔女をこの目で見て来たとはいえ、流石に驚いたよ」
「私とて知ったのはごく最近だがな」

男から齎された情報。
世界は一つではなく無限に枝分かれしている、いわゆるパラレルワールドの存在。
SF小説の読み過ぎだと一笑されそうな話を、少年は思いの外冷静に受け入れていた。
それは既に超常の存在を知っているからであり、何より男の存在そのものが並行世界の証明であったからだ。

「まぁ、たとえ世界が違ってもナナリーとは決別する事になるというのは、少しばかり堪えたがな」

苦笑いした少年の言葉に、男は沈黙で返した。
二人には妹が居た。彼女の為なら世界を敵に回しても構わないと思う程に愛していた妹だ。
だが戦いの果てに彼らと妹が共に歩む道は絶たれた。
一方は兄の行いを強く批難し宿敵の側に付き、もう一方は人々の優しさを信じ兄とは別の形で世界を変える事を決意して。
過程や動機は違えど、かつてのように兄妹仲良く暮らす事は不可能となった。

「だとしても、果たさなければならない使命が私にはある。お前もそうだろう?」

今度は少年が沈黙で返す。
男の言葉は正しい。少年には元の世界でなんとしてもやり遂げねばならない事があった。
こんな場所で呑気に殺し合いをしている暇など無い。

「…ああ、俺は何としても帰らなければならない。この地で更なる悪逆を犯してでもな。その為に、お前の力は十分利用価値があり――」
「そして私にとってもお前の力は利用価値がある、か」

少年にとって、男は厄介な参加者を片付けるのに使える手札(カード)であり、
男にとって、少年が行く先々で引き起こすであろう混乱は自分の使命を果たすのに都合が良かった。
お互いの目的を達成する為には、殺し合うよりは利用し合った方が良い。
それが彼らの出した結論だった。

「ではそろそろ行くとするか。精々己の能力を過信せぬようにな」
「それはお前にも言える事だろう。行くぞ、DD」

男はマントを翻し、少年は犬を引き連れて歩き出す。
二人の魔王が歩む先には何があるのか、その答えは闘争の中にしか無いのだろう。

【ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア@コードギアス 反逆のルルーシュ】
[状態]:健康
[装備]:D-Dog@METAL GEAR SOLIDV
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2(確認済み)
[思考・状況]:基本行動方針:ゼロレクイエムの為にどんな手段を使ってでも帰還する
1:参加者を探し、利用できるか排除すべきかを見極める
[備考]
参戦時期はR2でナナリーにギアスをかけた後。
並行世界の存在を知りました。
制限によりギアスは「死ね」などの直接自殺に追いやる命令は不可能。「〇〇を殺せ」等はOK。

【ゼロ@コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]:基本行動方針:全参加者・主催者を殺し、魔王の使命を果たす
1:参加者を探して殺す
[備考]
参戦時期は本編終了後。
制限により他者へのギアス発現は不可能。又ギアスにより直接首輪の機能を停止させるのは不可能。

【D-Dog@METAL GEAR SOLIDV】
ヴェノム・スネークが任務中に見つけ、連れて帰った子犬。愛称はDD。
現在ではすっかり成長し、周囲の探索、トラップ探知、敵への囮等々をこなす立派な相棒になった。
スニーキング・スーツを装着しており、命令すればナイフを咥えて敵を殺させる事も可能。
どこぞの博士が狼だなどとほざいていたが、犬である(迫真)。
基本的に支給された参加者の命令に忠実であるが、もしもヴェノム・スネークやダイアモンドドッグスのメンバーが居た場合、そちらの命令を優先する可能性がある。


442 : ◆ytUSxp038U :2020/08/19(水) 11:36:20 ENKgHUWw0
投下終了です


443 : ◆ytUSxp038U :2020/08/19(水) 14:10:24 ENKgHUWw0
投下します


444 : 復讐鬼と化した後輩 ◆ytUSxp038U :2020/08/19(水) 14:12:36 ENKgHUWw0
KMRは激怒していた(唐突)。
普段は人畜無害を絵に描いたような青年だが、今の彼は憤怒の形相を露わにしている。
彼がここまで怒っている理由、それは人を人とも思わない卑劣な主催者が原因…ではない。
殺し合いに拉致される前の出来事が原因だ。

所属している大学の空手部。
そこに居る汚物ステハゲと池沼ハゲという二人の先輩、彼らにレイプされたからだ(直球)。
確かにKMRは少しばかりホモの気があるし、先輩たちの裸をチラチラ見ていたのは間違いない。
しかし、だからと言ってクッソ汚いイチモツを無理やり押し付ける等好き放題やった挙句、自分を放置して盛り合うという最早何がしたいのか分からないガバガバなプレイをした二人の屑には堪忍袋の緒が切れた。

故にKMRは決意した。
必ずや殺し合いに生き残り、あの屑二人に復讐をすると。
そしてその為ならどんな手も使う、それこそ他人を殺す事も厭わないと。

「『シルバーチャリオッツ!!』」

KMRの叫びに応じて現れたのは、レイピアを構えた銀色の騎士。
支給品のスタンドDISCで得た力だ。
この力であの屑どもを串刺しにしてやると、KMRは復讐の炎を燃やした。

「オラァ、舐めてんじゃねーぞ!(威圧)」

【KMR@真夏の夜の淫夢派生シリーズ】
[状態]:健康、野獣とMURへの怒り(大)
[装備]:シルバーチャリオッツのスタンドDISC@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]:基本行動方針:殺し合いに生き残り、屑どもに復讐する
1:何でこの状況で他人を気に掛ける必要があるんですか(正論)
[備考]
『シルバーチャリオッツのスタンドDISC』を装備しています。

【シルバーチャリオッツのスタンドDISC@ジョジョの奇妙な冒険】
破壊力:C / スピード:A / 射程距離:C / 持続力:B / 精密動作性:B / 成長性:C
第3部のキャラクター、ジャン・ピエール・ポルナレフのスタンド。


445 : ◆ytUSxp038U :2020/08/19(水) 14:14:08 ENKgHUWw0
投下終了です
wikiの候補話の誤字修正ありがとうございます


446 : ◆2dNHP51a3Y :2020/08/19(水) 17:21:10 pznLMa3Q0
投下します


447 : シノヅカの奇妙な冒険 序章 ◆2dNHP51a3Y :2020/08/19(水) 17:22:19 pznLMa3Q0
「嘘だろ、オイ……」

どこともわからぬ暗闇の街の中で、篠塚ヨウタは目の前の現実に困惑していた

「いや、ありえねぇだろ……次から次になんだよこれ……」

変な連中によって連れ去られ両指切断されたと思いきや、友人の知り合いらしき女からスマホを渡され、そのスマホに友人からの伝言が伝えられるもパニクったあまりに思わず通話を切ってしまい、ヤケになっていたら……いつのまにか変な力に目覚めていた

「しかも切断された指いつの間にかもとに戻ってるし……いやそれは嬉しいんだけどこんな状況で素直に喜べねぇ!」

そして気づいたらここだ。港近くの倉庫にいたと思えば変な所に飛ばされ殺し合えだか殺さなかったら首輪が爆発して死にますやらもう意味不明だ

「ふっざけんじゃねぇぞ! こんなわけのわかんねぇ事で死んでたまるか!」

こうなったらもうヤケだ。せっかく最近手に入れた力もあるんだ。この際生き残るためなら何だってやってやる! などと決心しようとした途端、向こう側から女の悲鳴が

「……あーもうクソッ!!」

なんとしてでも生き残ってやる、などと思おうとした途端でこれである。それに女の子助けて初恋チャンスだ!などと欲望に忠実になってしまった自分の愚かさを恨みながらもシノヅカは声がした方向へと向かうのであった


448 : シノヅカの奇妙な冒険 序章 ◆2dNHP51a3Y :2020/08/19(水) 17:23:37 pznLMa3Q0
◯ ◯ ◯


大量のゴブリンや魔物に囲まれてしまっている一人の少女――ハーティス国王女ことリリィ・ホープスは絶体絶命の危機に陥っていた

殺し合いの事実や見せしめ等に動揺しながらも、こんな事を許してはおけないと奮起し、まずは巻き込まれているかもしれないということで仲間たちを探していた最中にゴブリンの群れと遭遇

ただしゴブリンの群れ自体はリリィ一人で何とか出来るほどであり、多少疲労しつつもゴブリンを全滅……した後が問題だった

その後にやってきた紫色の毛むくじゃらで1つ目の魔物……ムーンフェイスが唱えた呪文によりリリィの身体は麻痺。さらには赤い身体と青い身体を持った小さめの魔物に嬲られ続けるハメに

麻痺が解けた時には既に遅くボロボロ。さらにはリリィの身体を狙い生き残っていたゴブリン達が絶好のチャンスと言わんばかりに掴みかかってくる ゴブリンが自らの下半身を露出させた時点でリリィは自分がこれからどうなるかを察してしまった

どうせなら初めてはシイナとでよかっただとか、みんなと旅をしたりした時間は楽しかっただとか、そんな走馬灯が脳内で駆け巡り、絶望と諦めのまま運命を受け入れようとしたその時であった

「くたばれ、この化け物ども!」

救いはやってきた。かっこいいとは少し程遠い太っちょの金髪青年によって

「すげぇ、化け物どもがゴミのようだ!」

青年の見えない力で、魔物もゴブリンも吹き飛ばされていく。赤いのと青いのが襲いかかるも、青年の腕の一振りで吹き飛ばされ、壁や地面に叩きつけられ絶命する。最後に残った毛むくじゃら1つ目も、呪文を唱えようとした瞬間に、青年が吹き飛ばしたゴブリンがその大きい目玉に直撃、そのまま沈黙した

「……ええと、大丈夫か、あんた?」
「……え、あ……はい」

そして魔物を片付けた時点で青年に声を掛けられたリリィは、呆気にとられながらも素直に答えるのであった


◯ ◯ ◯


「……あの、助けてくれてありがとうございます、シノヅカさん」
「いや、俺だって偶然ここに来たわけなんだ。まじで訳わかんねぇ事ばかりだし、その、リリィちゃんだっけ……大丈夫なのか? あんなことされかけて」

自己紹介と情報交換を済ませた後、リリィの感謝の言葉に対して恥ずかしがりながらも答えるシノヅカ
ただし、シノヅカ的に気になっていたのはリリィの心の傷だ。ゴブリンの死体の状態から、こいつらが何をしでかそうとしたかはシノヅカでもわかる。そんな事をされかけた女の子の心情が心配であったのがシノヅカの本音だ

「大丈夫ですシノヅカさん。その、辛いこととかここに来る前に色々とありましたから、大丈夫です」
「……そう、なんだな」

彼を心配させまいとそう笑顔で答えるリリィに、シノヅカはただそう呟くしかなった
シノヅカ自身も結果としてやばい案件に巻き込まれたが、彼女、リリィ・ホープスは自分以上にいろんな事を経験しているということを察してしまった。そして彼女は自分なんかよりも強い、あの時は大ピンチであったが、もし万全であれば自分なんか相手にもならないだろうと

何をしてでも生き残ろうとしたついさっきまでの考えをシノヅカは恥じた。こんな女の子が、自分よりも立派な志で動いていることを知ったのもあって毒気が抜けてしまったのもあったのだろう

「……なぁ、リリィちゃん。あんた、仲間探してるんだよな。俺も手伝うよ」
「いいんですか? シノヅカさん。貴方だって……」
「いいってことよ。あんたみたいな女の子を一人で放っておけねぇからな」

シノヅカは、リリィの人探しの付き合うことにした。そもそも本当にいるのかすらわからないけれど、探さないよりも探した方が、もし無駄だったとしても意味があるからだ

「……ありがとうございますシノヅカさん。本当に優しいんですね」
「いや、男なら女を守るのが当然ってことよ。あ、リリィちゃん、もし生き残れたら一緒にデートとか」
「あ、いや、―――私にはシイナさんがいるのでお断ります、ごめんなさい」
「―――ハイ」

シノヅカの初恋は見事粉砕した。ついでにその場の思いつきの断り文句を言ったリリィは何故か顔を赤らめた


449 : シノヅカの奇妙な冒険 序章 ◆2dNHP51a3Y :2020/08/19(水) 17:24:07 pznLMa3Q0
※周囲にはゴブリンや魔物の死体が散乱しています


【篠塚ヨウタ@ダーウィンズゲーム】
[状態]:健康、失恋のショック(小)
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品3つ
[思考]
基本:とにかく生き残りたい、でもリリィちゃんが心配
1:リリィちゃんの手伝いをする
[備考]
※シギルに目覚めた以降からの参戦です
※切断された両指は復元しています


【リリィ・ホープス@Death End Re:Quest】
[状態]:負傷(中)、精神的疲労(小)、衣服に若干の乱れ
[装備]:ディースマナクロス@Death End Re:Quest
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品2つ
[思考]
基本:こんな殺し合いは許してはおけない
1:いるかもしれない仲間達を探す
[備考]
※参戦時期は後の書き手におまかせします

【ディースマナクロス@Death End Re:Quest】
マナの力を最大限引き出した、高い攻撃性能と魔法能力を持つ弓

【ムーンフェイス@ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁】
NPC。
濃い紫色の体毛を持ったビッグアイの最上位種。生態は不明で、月からやって来たとも言われている。

【レッドイーター@ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁】
NPC。
新手の獣とも悪魔とも思える謎の生物で、縦長い頭部と不気味な一つ目が特徴

【ブルーイーター@ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁】
NPC。
手の獣とも悪魔とも思える謎の生物で、全体的に雌っぽい外見が特徴


450 : ◆2dNHP51a3Y :2020/08/19(水) 17:24:46 pznLMa3Q0
投下終了します


451 : ◆4kMBNI9QkE :2020/08/19(水) 22:00:36 qb2xpN0k0
投下させていただきます。


452 : 友達は、作ろうと思えば簡単に作れる ◆4kMBNI9QkE :2020/08/19(水) 22:01:38 qb2xpN0k0
「・・・ウオリャアアア!!」
「・・・フムッ!!」

会場内のとある水辺・・・二人の少女が一体のNPCと戦っていた。

「・・・クッソ〜!中々手強いねぇ〜!!」

一人は、
褐色の肌に露出の多いネイティブアメリカンのような姿をした少女・・・
『カプセル怪獣 ミクラス』の魂を宿した怪獣娘・牛丸ミク。

「いや・・・『中々』どころじゃないと思うけど・・・」

もう一人は、
黒を基調にしたブレザーの学生服のようなコスチュームと甲冑の兜のようなヘルメットを身に付けた青い髪の小柄な少女・・・
『ロボットガールズ・チームZ』所属のロボットガール、グレちゃんことグレートマジンガー。

そして二人が戦っている相手は・・・

「グガアアアアア!!」

体長10メートル以上の、8本脚の赤いワニだった。
ワニは感情の見えない緑色の目で二人を見ており、下手な特撮映画の怪獣以上の恐ろしさを醸し出していた。

「ウリャアアアア!!」

ミクラスは拳を振り上げながら、ワニに向かっていく。
その健康的な焼けた肌には数えきれない程の傷ができており、その上数匹の蛭に噛みつかれていた。

「グガアアアアア!!」

自身に向かってくるミクラスに、ワニはその体と同じくらい巨大な尻尾を叩きつけた。

「うべっ!?」

ワニの尻尾の一撃に、ミクラスはホームランボールのように吹き飛び、20本近くの木々をなぎ倒しながら地面に叩きつけられた。

「・・・サンダー、ブレーク!」

一方のグレちゃんは、指先からワニに向けて雷撃を落とした。

「・・・グガアアアアア!」

だが、ワニは落雷の直撃を受けたというのにピンピンしており、それどころか先ほどよりもパワーアップしているように見えた。

「あ、アトミックパン・・・」
「グガアアアアア!!」

グレちゃんが再度攻撃しようとした瞬間、ワニは口から『何か』を吐き出した。

「・・・ヒッ!?」

ワニが吐き出した物が腕に付き、グレちゃんは顔を歪ませて小さな悲鳴を上げた。
『それ』は、掌サイズの蛭の大群だった。

「や、やだやだ!?」

慌ててグレちゃんは腕に纏わりつく蛭を払おうとするが・・・その一瞬の隙が命取りとなってしまった。

「グガアアアアア!!」

ワニはその巨大な尻尾を振り回し、グレちゃんの体を吹き飛ばした。

「・・・ぐぇっ!?」

グレちゃんの小柄な体はピンポン玉のように跳ね飛びながら、地面に叩きつけられてしまった。

「うぅ〜・・・」
「く、くぅ〜・・・」

もはやミクラスにもグレちゃんにも立ち上がるだけの力は無く、全身に広がる痛みから動くことすらままならなかった。

「グルルルルゥ〜」

ワニはゆっくりと地面に横たわる二人に近寄っていき・・・その巨大な口を大きく開いた。

「グガア〜!」

ミクラスとグレちゃんが巨大ワニに食べられようとした・・・その時だった。

「ケケェー!!」

二人と巨大ワニの間に何者かが立ち塞がったのだ。


453 : 友達は、作ろうと思えば簡単に作れる ◆4kMBNI9QkE :2020/08/19(水) 22:02:34 qb2xpN0k0
「・・・えっ?」
「な、何・・・?」

ミクラスとグレちゃんはズキズキと痛む体を押して、乱入者を眺める。

「ケケェー!ケケェー!」

そこには・・・緑地に赤いマダラ模様の体、首には白いマフラーを巻き、左上腕にコンドルの顔を模した腕輪を着けた『人型のトカゲ』のような姿をした怪人が、
奇声を上げながらミクラスとグレちゃんを守るように巨大ワニと対峙していたのだ。

「グガアアアアア!!」

ワニは突然現れた怪人に向けて、口から蛭の大群を吐き出した。

「ケケェー!!」

しかし、怪人はまるでコンドルのように高く飛び上がってワニの蛭攻撃を避け、ヒレの付いた手刀を振り上げた。

「大・切・断!!!」

雄叫びと共に怪人はワニに向けて手刀を振り下ろす。

ズバッ!!

ワニの首は見事に一刀両断され、周囲に真っ赤な血飛沫が飛び散った。

「ケケェー!!」

地面に着地した怪人は、勝利を喜ぶように体を震わせながら雄叫びを上げたのだった。

『・・・』

その一部始終を見ていたミクラスとグレちゃんは、ただ呆然と奇声を上げるトカゲの怪人の姿を眺めるしかなかった。

「・・・」
『!』

勝利の雄叫びを上げていた怪人は、地面に横たわっているミクラスとグレちゃんに視線を向ける。
すると・・・どうした事だろう。
『人型のトカゲ』のようだった怪人の姿が、一瞬の内に人間に変化した。
迷彩柄のベストと腰巻き、コンドルの顔を模したベルトを身に着け、黒い髪を長く伸ばした20代程の青年の姿だ。
だが、左上腕にはコンドルの顔を模した腕輪が装着されており、いやがおうにも先ほどの怪人と今ミクラスとグレちゃんが対峙している青年が同一人物である事を教えていた。

「お前ら、大丈夫か?」

青年は地面に横たわるミクラスとグレちゃんに一歩一歩近づいていく。

「え〜っと・・・」
「な、何て言うか・・・」

突然の事態にミクラスもグレちゃんもどうしたら良いのか分からず、しどろもどろになっていた。

「どうした?二人とも、元気ない!」
「!」

青年はグレちゃんの小柄な体を掴むと、まるで幼い子供に『高い高い』をするように軽々と持ち上げた。

「外出る!子供、太陽の下でたくさん遊ぶ!」

困惑しているグレちゃんを尻目に、青年は屈託の無い笑みを浮かべていた。

「オレ、アマゾン!二人とも、無事で良かった!」

「アマ・・・」
「ゾン・・・?」

『アマゾン』と名乗る目の前の青年に、ミクラスもグレちゃんも困惑の表情を浮かべていた。

「・・・ハッ!?」

と、そこでグレちゃんは『年上の男性に、幼い子供のように高い高いされている』という事に気づいて、顔を赤くした。

「お、下ろして!下ろしてってば!!」
「?どうかしたか?」
「い、いいから下ろして!」

グレちゃんの反応にアマゾンは頭上に大量の?を浮かべるが、言われるがままグレちゃんを地面に下ろしたのだった。

「・・・ハァ〜」

グレちゃんは地面に下ろされると、糸の切れたマリオネットのようにその場にヘタリ込んでしまった。


454 : 友達は、作ろうと思えば簡単に作れる ◆4kMBNI9QkE :2020/08/19(水) 22:03:28 qb2xpN0k0
「だ、大丈夫!?」
「う、うん・・・まだ少し痛いけど・・・」

駆け寄ってきたミクラスにグレちゃんは元々白い顔を更に白くしながら答えた。

その時である。

「お〜い!」

オートバイのエンジン音のような音と共に、若い女性の声が近づいてきた。

『?』

ミクラスとグレちゃんが声のする方に顔を向けると・・・
なんと、先ほどまでアマゾンが変身していたトカゲの怪人のような顔とヒレのような飾りの付いた一台の赤いオートバイがミクラスとグレちゃんに・・・いや、二人の前にいるアマゾンに近づいてきたのだ。

その生物的外見のオートバイは、獣の鳴き声のような音をたてながらアマゾンとミクラス・グレちゃんの前に停車した。

「アマゾンくん、大丈夫!?」

そのバイクには一人の女性が跨がっていた。
年はだいたいミクラスと同じか少し上くらい。
緑を基調にしたミニスカチャイナドレスのような服を着た桃色の髪の美少女だ。
そしてその胸部には、小柄でスレンダー体型なグレちゃんとは比べるのも可哀想なくらい豊満なバストを持っていたのだった。

「・・・いや、『比べるのも可哀想』だって思うんだったら、わざわざボクを引き合いに出さないでよ」
「・・・突然何言ってるのさ?」
『?』

『地の文』に対してツッコミを入れるグレちゃんに、ミクラスも、アマゾンも、バイクに跨がっている少女も首を傾げたのだった。

☆☆☆

『・・・』コクコク・・・

アマゾンの助太刀によって命拾いしたミクラスことミク、そしてグレちゃんの二人は、先程いた水辺から少し離れた林の中に移動していた。
二人とも変身を解いて私服に戻っており、
勢いよく燃える焚き火を囲みながら粉薬を口にしていた。

「に、苦い・・・」
「う〜ん・・・でも、我慢しようよ。こんな所に薬局があるわけないんだし」

粉薬を口にしながら、グレちゃんはその苦味に顔を歪ませ、同じく薬の苦味に渋い顔をしているミクが我慢するように促した。

この薬、実は支給品ではない。
アマゾンがその辺で拾った草や木の実などをすりつぶして、自作した物である。
しかし、その辺の草や木の実が原材料の割に効果は抜群なようで、二人の体の傷や痛みは少しずつではあるが癒えていったのであった。

「お待たせ〜!できたよ〜!」

二人が苦い顔で薬を飲んでいると、先程アマゾンに続いて変わった外見のオートバイに乗って現れた桃色の髪の少女が、
串代わりの木の枝に刺さった肉を二人に差し出した。
焚き火の炎によって肉は程好く焼けてジューシーな肉汁が溢れだしており、食欲を誘う美味しそうな匂いを醸し出していた。


455 : 友達は、作ろうと思えば簡単に作れる ◆4kMBNI9QkE :2020/08/19(水) 22:04:25 qb2xpN0k0
「うわぁ〜美味しそう〜!ありがとね、リュービちゃん!」
「どういたしまして」

桃色の髪の少女は、自らを『劉備玄徳』と名乗った。
聞く人が聞けば、『三国志』に登場する武将と同姓同名だと気づいただろうが、
あいにくアマゾンやミクには三国志はおろか、中国の歴史に関する知識などはなく、
唯一グレちゃんだけが、『無双シリーズにそんなキャラ、いたなぁ・・・』ぐらいに思っていたのだった。
ミクは口からよだれを垂らしながら劉備から肉の刺さった木の枝を受け取った。

「いただきま〜す♪」

早速ミクは木の枝に刺さった肉にかぶり付いた。

「・・・美味しい〜!!初めて食べたけど、中々いけるねぇ〜!このお肉!」
「・・・」

ミクは本当に美味しそうに肉をパクつくが、その姿をグレちゃんは『信じられない物』を見るように眺めていた。

「・・・よくそんな肉、美味しそうに食べられるね」
「だって本当に美味しいんだもん!グレちゃんも食べなよ?」
「嫌だよ。だって・・・」

グレちゃんはある方向に向けて指を指した。

「・・・それ、『あれ』の肉じゃん」

グレちゃんの指指した先には・・・先程ミクとグレちゃんを襲っていた巨大ワニの骨が置かれていた。

そう・・・今ミクが美味しそうに食べているのは、先程彼女達を襲っていた巨大ワニの肉なのである!

「MHじゃあるまいし・・・怪獣の肉なんて食べたくないよ」
「えぇ〜?だけど、お湯なしのカップ麺とお酒に比べたら100倍マシだと思うよ〜?」
「そうそう!食べ物の好き嫌いしてると、大きくなれないよグレちゃん?」
「いや、『好き嫌い』とか以前の話だから」

ワニの肉を食べさせようとするミクと劉備に、グレちゃんはきっぱり『No!』と宣言した。

「おーい!」

そこへ、バイクのエンジン音と共にアマゾンが戻ってきた。
アマゾンは先程、劉備が乗ってきた生物的外見のオートバイに跨がり、周囲の見廻りをしていたのだ。

「あ、アマゾンくんお帰り!」
「腹へった〜。肉、焼けてるか?」
「うん!スッゴク美味しいよ!ホラ!」

ミクは先程劉備が差し出したワニ肉の刺さった木の枝をアマゾンに手渡した。
アマゾンはその肉を何の抵抗も見せずに口にした

「・・・うん!ウマイ!」
「でっしょ〜?」
「まだまだあるから、いっぱい食べようね〜」
「・・・」

ワニの肉を食べながら楽しく笑い合うアマゾン達の姿に、グレちゃんは何だか体の痛みが引くのと反対に、頭が痛くなっていった。


456 : 友達は、作ろうと思えば簡単に作れる ◆4kMBNI9QkE :2020/08/19(水) 22:05:23 qb2xpN0k0

「グレチャン、お前も食うか?」
「・・・いい。食欲無い」

アマゾンからの誘いも拒否し、グレちゃんは別の方向に視線を向ける。

「・・・」

目に入ったのは、先程からアマゾンや劉備が乗り回している生物的外見のオートバイだった。

「あのさ・・・さっきから気になってるんだけど・・・『あれ』何?」

グレちゃんはオートバイを指差しながら、アマゾンに問いかける。

「『アレ』じゃない!『ジャングラー』!」
「・・・『ジャングラー』?」
「そう、オレのトモダチ!」
「と、友達・・・?」

アマゾンは満面の笑みを浮かべていた。

(バイクが・・・友達?)

アマゾンの返答に、グレちゃんはますます頭が痛くなっていった。

「グレチャン」
「?」
「リュービ、ミクラス」
「ん?」
「なになに?」

アマゾンは三人に呼び掛けると・・・両手を組んで、不思議な形を作った。
まるで手話か何かのサインのようだ。

「?」
「え〜っと・・・」
「・・・何それ?」

アマゾンの見せたサインの意味が分からず、ミクも劉備もグレちゃんも首を傾げるが、アマゾンはすぐにサインの意味を教えた。

「これ、『トモダチ』という意味。リュービもミクラスもグレチャンも、良い奴。みんな、オレの大事なトモダチ」
『・・・』

突然『大事なトモダチ』と言われて、アマゾン以外の三人は面食らってしまった。

「い、いや・・・会って少ししか経ってないのに、いきなり友達とか言われても困るんだけど。ねぇ・・・」

グレちゃんは少々ヘソ曲がりな発言をして、ミクと劉備の方を向いたが・・・

「・・・こう?こうだっけ?」
「うーん・・・中々難しいねぇ」
「」

ミクと劉備がアマゾンのトモダチサインを真似しようとしている姿を見て、固まってしまったのだった。

「・・・よしできた!」
「これで良い?アマゾンくん」
「うん!二人とも、オレのトモダチ!」
『トモダチ!』
「・・・」

仲良く笑い合う三人を見て、グレちゃんはこの流れについていけずにいた。


457 : 友達は、作ろうと思えば簡単に作れる ◆4kMBNI9QkE :2020/08/19(水) 22:06:11 qb2xpN0k0
次に口を開いたのは、劉備だった。

「それじゃあ・・・私も皆に『真名』を預けようかな?」
「?」
「まな?」
「なにそれ?マジックポイント的な奴?」

劉備の口にした『真名』なる物の意味が分からず、アマゾンとミクは頭上に大量の?を浮かべ、グレちゃんはゲーマーらしいボケを言った。

「えっと、『まじっくぽいんと』って言うのは分からないんだけど・・・『真名』って言うのは、私の国で『心を許した人にだけ呼ぶ事を許す特別な名前』なの。『真名』をその人の許しなく勝手に呼ぶのは、その場で切られても文句が言えないくらい失礼な事なんだよ」
「おー」
『・・・えっ?』

許可無しに呼べば切られても文句が言えない。
さらりととんでもない事を口にする劉備とあっさりと受け取るアマゾンだったが、ミクとグレちゃんはその言葉に顔を青くした。

「い、いやいやいやいや!ちょっと待ってよ!」
「そ、そそそんな大事な名前・・・なんで会ったばっかのボク達に教えようとするのさ?」
「えっ?だって皆は『トモダチ』なんだから」

『当然でしょ?』と何でもないことのように微笑む劉備に、グレちゃんは背筋に冷たい物が感じられた。

「・・・というわけで、私の真名は『桃香(とうか)』です。改めてよろしくね」
「おー!よろしくトウカ!」
「あー!なんかそっちの方がかわいいかも!」
「・・・」

その時、グレちゃんは思った。
『なんで皆、こんな状況で仲良くなれるの?皆おかしいの?それともおかしいのはボクなの?』と・・・。

周りについていけないグレちゃんは、一人苦悩するのであった・・・。



【山本大介(仮面ライダーアマゾン)@仮面ライダーSPIRITS】
[状態]:健康
[装備]:ギギの腕輪@仮面ライダーSPIRITS、コンドラー@仮面ライダーSPIRITS
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜2、ジャングラー@仮面ライダーSPIRITS、ガララワニの肉@トリコ
[思考・状況]
基本:トモダチを守る
1:トウカ、ミクラス、グレチャン、オレのトモダチ!
2:他のライダーがいるなら合流する
[備考]
沖縄での再生ガランダー帝国との戦い終了後からの参戦。
劉備(桃香)、ミクラス、グレちゃんを『トモダチ』と認定しました。
ギギの腕輪とコンドラーは支給品ではありません。
ガララワニの肉は現地調達品です。

【牛丸ミク(ミクラス)@怪獣娘〜ウルトラ怪獣擬人化計画〜】
[状態]:ダメージ中、回復中
[装備]:ソウルライザー@怪獣娘〜ウルトラ怪獣擬人化計画〜
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜2、ガララワニの肉@トリコ、アマゾン作の薬@仮面ライダーSPIRITS
[思考・状況]
基本:人殺しはしない
1:友達できた!
2:ワニの肉美味しい!
3:アマゾンとグレちゃんって、怪獣娘の仲間?
[備考]
アニメ第二期でシャドウガッツに襲われる前から参戦。
山本大介(アマゾン)とグレちゃんを『怪獣娘の亜種』、劉備(桃香)を『中国の人』と考えています。
ガララワニの肉とアマゾン作の薬は現地調達品です。

【グレートマジンガー(グレちゃん)@ロボットガールズZ】
[状態]:ダメージ中、回復中、困惑
[装備]:ブレーンコンドル@ロボットガールズZ
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜2、アマゾン作の薬@仮面ライダーSPIRITS
[思考・状況]
基本:早く帰ってゲームしたい
1:・・・なんで皆、簡単に仲良くなれるの?
2:なんで怪獣の肉を普通に食べられるの?
3:Zちゃんやグレンダさんがいるなら、合流する
[備考]
アニメ第二期『+』からの参戦。
劉備(桃香)を『無双シリーズのキャラと同じ名前の人』と認識しています。

【劉備(桃香)@アニメ版恋姫†無双】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3、ガララワニの肉@トリコ
[思考・状況]
基本:人殺しはしない
1:友達ができた
2:義姉妹達がいるなら、合流する
[備考]
アニメ版第三期『真・恋姫†無双 〜乙女大乱〜』最終回後からの参戦。
山本大介(アマゾン)、ミク(ミクラス)、グレちゃんに『真名』で呼ぶ事を許しました。
アマゾン、ミク、グレちゃんを『漢から遠く離れた国の人』、ジャングラーを『馬に似た生き物』と思っています。
ガララワニの肉は現地調達品です。


458 : 友達は、作ろうと思えば簡単に作れる ◆4kMBNI9QkE :2020/08/19(水) 22:07:10 qb2xpN0k0
【ギギの腕輪@仮面ライダーSPIRITS】
アマゾンこと山本大介の左上腕に装着されている腕輪。
古代インカに伝わる秘宝で、仮面ライダーアマゾンのエネルギー源。
対となる『ガガの腕輪』と一つになる事で超エネルギーを生み出す。
アマゾンの体と融合しており、これが外れるとアマゾンは死ぬ事になる。

【コンドラー@仮面ライダーSPIRITS】
アマゾンこと山本大介の腰に装着されているベルト。
他の仮面ライダーのベルトと違い、変身アイテムではない。
必要に応じて万能ロープやノコギリに変形できるほかに薬草を調合する際の薬研としても使用されるなど、サバイバルのための小道具的装備品。

【ジャングラー@仮面ライダーSPIRITS】
仮面ライダーアマゾン専用マシン。
インカ文明の末裔である長老バゴーの遺した設計図を元にして、おやっさんこと立花藤兵衛が製作した。
インカの秘宝『太陽の石』を動力源とし、最高速度は時速300キロメートル。
無人走行と滑空飛行が可能で、カウルの口を開いて銛を発射する事もできる。

【ソウルライザー@怪獣娘〜ウルトラ怪獣擬人化計画〜】
GIRLSに所属する怪獣娘が所持するスマホ型変身アイテム。怪獣だった時の本能「カイジューソウル」を実感することで変身できる。変身の掛け声は「ソウルライド」。なお、紛失した際の再発行には24,800円の手数料がかかる。
(以上、ウィキペディアより抜粋)

【ブレーンコンドル@ロボットガールズZ】
グレートマジンガー(グレちゃん)の変身アイテム。
本家本元のグレートマジンガーのコックピットとなる同名の戦闘機を模しており、これを「ボクは涙を流さない。容赦はないから、無慈悲だから。ファイヤー・オン」の口上と共に頭に乗せる事でロボットガールの姿となる。

【アマゾン作の薬@仮面ライダーSPIRITS】
現地調達・・・というか、現地自作品。
アマゾンこと山本大介が草や木の実をすりつぶして作った薬。

【ガララワニ@トリコ】
NPC。
本来はバロン諸島に生息。
「殺さない限り死なない」とまで言わしめるほどの生命力を持ち、性格は極めて獰猛。その筋力は直径76mmの鉄筋を割箸のようにへし折るという。
また、口の中には無数のバロンヒルと呼ばれる蛭を住まわせており、その蛭が取り付いた相手をニオイで探しだし、食い殺す習性を持つ。
成熟した個体の肉は非常に美味。


459 : ◆4kMBNI9QkE :2020/08/19(水) 22:09:52 qb2xpN0k0
投下終了します


460 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/19(水) 22:38:43 l4Ym4mMY0
投下させていただきます。


461 : ◆Oamxnad08k :2020/08/19(水) 22:39:26 BcegDt8w0
投下します。


462 : いのちがモリモリ、からだがギンギン ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/19(水) 22:39:54 l4Ym4mMY0
ここは会場内の住宅地、そこに一人の男がいた。

その男は尖った鼻に眼球の大きさに対して黒目が小さい目、やせ形だがお腹が膨らんでいるなどまるでゴブリンのような姿をしていた。

彼の名はガロン塚本、ある大学のSM同好会に所属している男であり、一回の〇精で1リットルのザ〇メンを流し込める男である。

そんな彼は今、この殺し合いの場所に呼ばれていた。

そして彼は、なんとか生き延びるためにデイバッグの中身をあさっていたのである。

「なんだよ、入っているのは酒とカップ麺、後はこのちびっこいニンニク位かよ。しゃあねえ、小腹もすいていたしちょっとニンニクつまむか」

そうして彼が支給されていたニンニクを食べると、彼の身体に驚くべき変化が現れた。

「な、何だこのニンニクは!とてつもなく美味くて、何か、凄まじい力があふれてくるぞ!」

そしてその言葉とともに、彼の身体が先ほどまでの貧弱な身体とは打って変わってとてつもない筋肉質な身体へと変化したのだ。

「お、俺の身体がものすごい筋肉モリモリのマッチョマンになってやがる!すごいぞこのニンニク!」

それにより彼は自信を持った。このニンニクがあれば、この戦いを生き残れるという自信を持ったのである。

そうして彼はこのギンギン☆モリモリとなった体でほかの人を探すことにした。

しかし彼は忘れている、体はともかく自分の顔がゴブリンそっくりであることを……。

そんな彼の今後は一体どうなるのだろうか……。


【ガロン塚本@親子の穴に出しまくり】
[状態]:健康、筋肉モリモリ
[装備]:―
[道具]:基本支給品、メテオガーリック(残り二かけ)@トリコ、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:生還する。あといいオンナがいれば××したい。
1:このニンニクがあれば、抜か八とも渡り合えるな……。
2:ともかく、生還するために人を集める。
[備考]
 メテオガーリックの効果で筋肉モリモリになっています。


【メテオガーリック@トリコ】
 別名ドーピングガーリック。隕石が落ちた土地に稀に生える不思議なニンニク。

 土壌の栄養をすべて吸いつくし育つため滋養強壮成分が半端では無く、食べれば途端に筋肉質な体になり1ヶ月不眠不休で動けるほどの力が得られる。

 本来は低温で炙りながら皮の筋に沿って包丁を入れて皮むきするなど複雑な調理法が必要になるため、食するまでにかなりの時間を要する食材であるが
 主催者の手により調理済みの形で三かけ支給されている。


463 : ◆Oamxnad08k :2020/08/19(水) 22:40:02 BcegDt8w0
すみません!後で投下いたします。


464 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/19(水) 22:41:34 l4Ym4mMY0
投下終了です


ありがとうございました。

◆Oamxnad08k さん、こちらこそかぶってしまい失礼しました。


465 : ◆Oamxnad08k :2020/08/19(水) 22:48:54 BcegDt8w0
◆L9WpoKNfy2様

いえいえ、こちらこそ本当に申し訳ありませんでした。

いのちがモリモリ、からだがギンギン
ガロン塚本…なんとも恐ろしい男ですね!
顔もNPCのゴブリンにソックリだから、なおさら女性参加者にとって、恐怖ですね!

改めて投下します。


466 : 日米同盟 ◆Oamxnad08k :2020/08/19(水) 22:49:53 BcegDt8w0
―――夢を見た。
母が脳溢血により倒れて帰らぬ人になった。
その後、新たな夢のために日本を離れニューヨークへと旅立っていった自分。
でも、それは夢。
なぜなら、母は元気である。それに【世界に通用する女優】を夢見る自分がそう目指す夢を変えるはずがないから――――

―――夢を見た。
とある島で美空小学校6年1組と2組の合計60人が【BR法】の対象クラスに選ばれて、殺し合いをすることとなった。
色々な出来事の果て、最後は長門さんのコルトM1911A1の弾を受け、どれみちゃんに謝ることができず無念の死を迎えた。
でも、それは夢。
なぜなら、この日本で生徒の殺し合いなんて政府が行うはずがない。なにより、自分は生きている。

パンッ! パンッ!! パンッ!!!

ただ、自分は夢と同じように銃を【撃てる】人間だった―――
そして、ブローニングHP…夢で自分に支給された武器と同じだった――――

☆彡 ☆彡 ☆彡


467 : 日米同盟 ◆Oamxnad08k :2020/08/19(水) 22:50:20 BcegDt8w0
時は少し遡り―――
「どういうこと…」
困惑しながら草道を歩く少女。
名は瀬川おんぷ―――
美空市立美空第一小学校6年2組在籍。
人気チャイドルにして魔女見習いとして日々を過ごしていた。
奇妙な夢を見て、目を覚ますと見知らぬ草道に立っていた。
ご丁寧にパジャマではなく、普段よく着ているワンピースに紫のスパッツの格好―――
「殺し合い…ってそんなことできるわけないわッ!」
女優なら、殺人犯の役を演じることもあるかもしれない…しかし、これはドラマや映画ではなく、本物の殺し合い。
殺しなんてしたら、大好きなパパやママを悲しませる。そして、どれみちゃん…MAHO堂の皆に顔向けできない――――
おんぷは殺し合いにのらないことを決めると同時にデイパックの中身を確認する…と。
「これ…ッ!本物!!??」
おんぷが手にしたのは、拳銃…ブローニングHP。
夢で見た拳銃を見て青ざめるおんぷ。
「大丈夫…あれは…夢」
そう言い聞かせながら、おんぷは弾を装填すると、銃を固く握りしめる。
どうして、スムーズに弾を装填できるんだろう…その疑問を振り払い、

暗闇の草道を歩く。歩く。歩く。

「人?」
人がしゃがみこんでいる…
「あの…大丈夫ですか?あと、お尋ねしたいのですがここ、どこでしょうか?」
おんぷはしゃがみこんでいる男性に声をかけると…
「アアア…」

振り向いた男性の顔は、ひどく腐っていた―――

「アアアアア〜〜〜〜〜!」
言葉にならないうめき声を上げてよろよろと歩いてくる。
「こないでッ!これ以上、くるなら撃つわよ!!」
おんぷの警告にも男は意に介さず近づいてくる。
「……ッ!!」

パンッ! パンッ!! パンッ!!!

☆彡 ☆彡 ☆彡


468 : 日米同盟 ◆Oamxnad08k :2020/08/19(水) 22:51:01 BcegDt8w0
「はぁ…はぁ…はぁ…」
銃弾を受け、地面に伏した男の人――――
(撃った…人に銃を向けて私は撃った…あの夢のように……)
おんぷは、呆然とその姿を眺め、銃口から煙が立ち上る。
だが、直後、衝撃が走る―――

「ア…アア…アアアア〜〜〜!」
「ッ!!??そんな!!」
撃たれた男の人が何事もなかっかのようにおき上がってきたのだ!!
「い…いや…こないで…」
おんぷは有り得ない出来事に腰が抜けたのか地面に座り込む。
「アアアアア〜〜〜〜!!」
男はおんぷに近づく……
「いやああああ!!!」
もう、駄目――――おんぷは死を覚悟する…そのときッ!!

「Hey, I borrow the gun」(ちょっと、その銃かりるわよ)
そう言うと、女性はおんぷの銃を取り―――

「Is the man letting a woman cry not popular?」(女を泣かせる男はモテないわよ?)

パンッ! 弾は男の眉間にヒットするッ!!
男は仰向けに倒れると、二度と起き上がることはなかった……

☆彡 ☆彡 ☆彡

時は少し遡り――――

「ここは…?ラクーンシティじゃない…?」
女性の名はジル・バレンタイン。
アンブレラが人間をゾンビ化させるウイルスや生物兵器を開発していることを知ったジル。
その後、住んでいるラクーンシティは様々な要因が重なり、ゾンビで溢れる死の街へと変貌し生き残るべく脱出を開始した。
アンブレラが【S.T.A.R.S.】抹殺するために投入した兵器【ネメシス】の追撃を逃げる最中、ジルはTウイルスに感染して意識を失った。

(Tウイルスに感染して、私は意識を失った…今のところ、私自身の体に変化は見られない…どういことかしら?)

ジルが意識を失っている間、カルロスの懸命な行動により、完成したワクチンの力でジルの体内に抗体ができ、九死に一生を得た。
残念ながら、ジルはそのことを知らない……

(ここが、どこかはわからないけど、殺し合いを容認するわけにはいかない――――)

ゾンビが闊歩する死の街から見知らぬ島に舞台が変わってもジルのやるべきことは変わらない。
罪なき市民を守る――――【正義の心】

(あれは…ゾンビッ!?)
草道を歩いていると、あの忌々しい洋館事件にラクーンシティで嫌というほど目にしたゾンビの姿があった。
(それに…あれは、子供!?)
ゾンビの歩行の先には子供が座り込んでいた。

「You ask, and be in time!」(お願い、間に合って!)

☆彡 ☆彡 ☆彡


469 : 日米同盟 ◆Oamxnad08k :2020/08/19(水) 22:51:29 BcegDt8w0
そして、今に至る――――

ゾンビを撃退して、ジルとおんぷは近くにある適当な大きさの石に腰を下ろす。
互いに簡単な自己紹介を済ませた後、ジルは話を切り出す。

「Is it good Onpu?(いいおんぷ?)
Though it is cruel, you of the primary schoolchild cannot survive when you cannot fight here」
(小学生のあなたには酷だけど、ここでは、戦えないと生き残ることができない)

「……」
ジルの言葉に耳を傾けながら真剣な表情で聴くおんぷ。
「Of course I protect you with every effort!」(勿論、あなたのことは私が全力で守るわ!)
「But I may die」(だけど、私が死んでしまうこともあるかもしれない)
「Therefore of course is it accepted ... ... that I am going to tell you as much as possible between time that I am told though I think that I will tell you strictly?」
(そこで、私が教えられることは、時間の合間に出来る限り教えようと思うの…もちろん、厳しく教えることになるとおもうけど…受け入れられるかしら?)
ジルの提案におんぷは……

「はい!…覚悟はできています!!私はどれみちゃん…友達に会うために生きます!!」

おんぷの覚悟を決めた姿に……

「O.K. Sure. Thank you! Onpu」(わかったわ!よろしくね!おんぷ)
ジルの差し出した手をおんぷは握り…
「こちらこそ、よろしくお願いします!ジルさん!!」

日米の同盟がここに組まれたッ!!

【C--3/草道】

【瀬川おんぷ@おジャ魔女どれみドッカ〜ン!】
[状態]:健康
[装備]:FN ブローニング・ハイパワー
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜2(本人確認済み)
[思考・状況]:基本行動方針:生きて帰る
1:ジルと行動を共にして強くなる
[備考]
参戦時期は33話以降43話前。
ジルには自分が魔女見習いであること・奇妙な夢のことは伝えていません。
FN ブローニング・ハイパワーを難なく扱えたこと・銃を撃てた自分に若干、戸惑いがあります。
ジルとは、会話が難なく行えています。(英語が日本語に訳されている)

【ジル・バレンタイン@バイオハザード RE:3】
[状態]:健康
[装備]:コンバットナイフ
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜2(本人確認済み)
[思考・状況]:基本行動方針:殺し合いを打破する
1:おんぷを守る
2:情報を集めつつ、時間の合間におんぷを鍛える
[備考]
参戦時期はカルロスがワクチンを打ち、意識を取り戻した直後
Tウイルスに対する抗体を持っている(そのことにジルは気づいていない)
おんぷが魔女見習いであることは知りません。
おんぷと難なく会話ができています。(日本語が英語に訳されている)


470 : 日米同盟 ◆Oamxnad08k :2020/08/19(水) 22:51:44 BcegDt8w0
投下終了します。


471 : ◆2dNHP51a3Y :2020/08/20(木) 00:02:57 f3rx9JLE0
投下します


472 : 黒蝶錬幻 ◆2dNHP51a3Y :2020/08/20(木) 00:03:34 f3rx9JLE0
会場を中心から見て北北西に位置する場所に、ジャンク・ジャンクションと呼称されたエリアが存在する

鉄板数枚で構成された簡易な住居エリアが立ち並ぶスラム街や廃ビル群、寂れた排気煙突からは黒煙すら噴出せず静寂を刻む小さな廃工場、他とは違い美しさと鳴り響く稼働音が特徴的な近代的な大型工場が一つだけ存在するも、それを除けば前述の施設か、ジャンクが乱雑に積み重なり複数のゴミの山の迷路が佇むのみだ

そんな古ぼけた場所も夜になれば月光に照らされ少しばかりはマシに見える。ゴミの山も視点を変えればアーティスティックな影を映すオブジェクトだ

勿論、そんな場所にもNPC……このエリアを住処として虎視眈々と獲物を狙うゴブリンや魔物たちが存在するのだが

――だが、ジャンクションエリアの南に位置するスラム街郡のゴブリンや魔物たちはほぼ全滅していた


このエリアに存在するモンスターは曲者揃い。弱いながら悪知恵のあるゴブリンの他

鋼鉄の巨躯を持つ竜種――メタルドラゴン

死の呪文を唱える氷の凶鳥――ホークブリザード

防御力に関わる呪文を巧みに扱う金色の竜戦士――シュプリンガー


他にも強敵となりうる魔物は存在は今はその説明を割愛させてもらう。だが、そんな魔物たちを一掃し、エリアの一地区に陣地を組み上げた参加者たちが、ここにはいた


◯ ◯ ◯

ジャンクション南、スラム街エリア
積み上げられ、燃やされているのはある参加者たちによって狩られた魔物たちの死体
そしてある程度内部を改装したであろう廃屋の一角に佇む三人の少女

「これで一先ずは、安心ということですわね」

右手に持った刀を眺めながら喋るのは、所謂ゴシックロリータと言われる黒い衣装に身を包んだ、さながら貴族の令嬢を思わせる風貌の少女

「でもちょっと疲れちゃったぁ〜。外に出たら団長さんが待ってくれていた、なんて事ないかなぁ……」

とゆったりとした口調で呟くのは、左目が隠れた形になった薄紫のロングヘアーを持つ、トランジスタグラマーな体型と中々に際どい服装が特徴的な、まるで羊のような角が頭から生えている女性

「……あなた、本当に呑気ですわね。ドラフ、と言いましたか。その種族は貴方のような埒外が沢山いるものなのかしら?」
「こいつが色々と特別なだけだから気にしないほうが良いぞ」

ゴスロリの少女の呆れたような呟きにそう答えたのは、胸元に大きなリボンが付いた外側が紅、内側が紺色をしたマントとひらひらしたミニスカートを身に纏う、幼児体型な金髪ロングの美少女


ゴスロリ少女の名は月読百合奈

薄紫髪の女性の名はナルメア

金髪ロングの美少女の名はカリオストロ


何故彼女たちが一緒に行動しているのか、少し時間を遡る



まずここに訪れていたのは月読百合奈。訪れていたというよりは、ルール説明後に最初に飛ばされたと言ったほうが正確だ

元より正義感の強い彼女がこのような殺し合いに乗るようなこともなく、この殺し合いそのものへの反逆を決意。支給品には自分の得物である愛用の黒傘はなかったものの、代わりにあったのは小烏丸天国なる漆黒の直刀。剣道の心得もある百合香からすれば結果として悪くはない武具ではあった

エリア内を捜索中に魔物の類に襲われ、シュプリンガーの呪文に苦しめられたりするも、一番のピンチはメタルドラゴンの硬さに手間取っていた所に、百合香の豊満な肉体を狙って襲いかかってきた時
彼女はある事件でその身体に快楽を刻み込まれており、ゴブリンの露出された下半身を見た途端に身体が疼いてしまい、あわやまたしてもマゾヒズムに目覚めようとした時であった

そんな彼女を助けたのはナルメアとカリオストロの二人だ。


473 : 黒蝶錬幻 ◆2dNHP51a3Y :2020/08/20(木) 00:04:19 f3rx9JLE0
ゴブリン以外のモンスターの束は二人にとっても少々手こずる程度であったらしいが、何とか戦線に復帰した百合香も含め、あっという間にこのスラム街周りのモンスターを一層してしまった
そこまで数が多くなかったというのも要因ではあるが、それでも百合奈からすれば二人の実力は想像の範囲を遥かに超えたものであった

魔法と剣を融合させた独自の剣技、刀を全く別の形状に変化させる力、ただ移動しただけにも関わらずまるで瞬間移動したかのような速さを持ち合わせるナルメア
その高飛車な性格と物言いに相応しい実力を持ち合わせ、様々な術を自在に使いこなすカリオストロ
自分のいた世界が、どれほどまでに狭かったのかを、二人の実力をその肌で感じることで思い知らされることとなった

そんなこんなで、一帯の魔物やゴブリン達をある程度殲滅した後、カリオストロがジャンクを材料に簡易的な魔物避けのオブジェクトを作成設置。勿論ありあわせで作った簡易なものであり、流石に殺し合いに乗った連中を避けるようなことは出来ない。だが、安定せずとも事実上の安全地帯というだけで十分に価値はあった

◯ ◯ ◯

「――さて、と。重要なのはこれからの方針だ」
[重要なことはこちらに書け。この首輪に盗聴及び監視用の映像録画機がないとは限らんからな]

廃屋の、簡素に置かれた机を挟み三人は今後のことを話し合う。カリオストロ曰くこの廃屋には監視の類に繋がる術式も器具もなかったらしい
まずこの話題に入る前にお互いの世界観に関する説明は済ませた。存外すんなりと異なる世界に対してカリオストロとナルメアの理解が早かったのは、かつて彼女たちがいた世界においても他世界から転移してきた人物たちの一件もあり、カリオストロ本人も別の世界に行ったことがある経験故であった
百合奈の方は当初はちんぷんかんぷんだったものの、ミステリー研究部故の知識の広さのおかげか何とか理解した

「私は団長ちゃんを早く探したいところなんだけど……」
「馬鹿か貴様、そもそもここに団長が呼ばれているかどうかすらわからんのだぞ」
「あ、すみません……」

「その団長さんというのは兎も角として、もっと便利な移動手段が欲しいですわ。この大きさだと移動するにも一苦労でしょうし」
[カリオストロさん、もしこの首輪の探知方法が電波か、もしくは魔法による独自術式の場合どう対処します?]

「……そうだな。飛空艇とまではいかんが……百合奈、お前の世界で言う所の自動車、だったか? それを作らせてもらう」
[……独自術式か。お前のいう事が事実だったら、それに対する対抗術式か、もしくは術式を阻害できる鉱石等を材料としたカバーか合鍵で首輪を……。まあただの人間にしては上出来だ。検討しておく]

「……車のデザインはこちらで考えておきますわ」
[……電波妨害の材料はある程度頭には叩き込まれていますわ、こっちは私が担当しますわ]

「いや、デザインも内部設計もオレ様に任せろ。超カワイくてイケイケな仕様にさせてもらうんだぞ☆」
[忌々しいが、そっち方面はさすがのオレ様でも不得意だ。もしもの時は任せるぞ]

結果として方針は決まった。表向きは移動手段の開発であるが、その実は首輪解除のための手段探し。案として現状挙がったのはこの2つ
余談であるが若干会話にハブられ気味というか若干ネガ入っていたナルメアであるが、材料探しと同時進行で団長を探すという提案で立ち直った


474 : 黒蝶錬幻 ◆2dNHP51a3Y :2020/08/20(木) 00:04:55 f3rx9JLE0
◯ ◯ ◯

ジャンクションエリア南部、少しだけ自然が見える場所、そこに月読百合奈とナルメアは、気分転換として外の景色を眺めていた。ちなみにカリオストロは徹夜漬けで移動手段の開発中

「……ねぇナルメアさん、貴女の言う団長って人は、どのような方ですの?」

あの時から疑問に思っていた事だ。どうにもこうにもナルメアは、その団長という人を弟みたいな扱いをしているように見えたから訪ねてみたのだ

「……そうねぇ。団長ちゃんは、あの人と重ねちゃうのよ」
「あの人?」
「そう、私が刀を使うきっかけになった親戚のお侍さんがいたの。私は、その人に近づこうとして必死に努力したの、だけどあの人は振り向いてくれなかった。力のなかった私なんかに、全然振り向いてくれなくて」
「……」
「私、必死に努力したの、魔法も覚えて、毎日毎日剣を振り続けて……でも、それでも……あの人は」
「ナルメア、さん……」
「でもね、私、ある時団長ちゃんに出会って、団長チャンやルリアさん達が認めてくれた時、とてもうれしかったの。……それから、色々あって、やっと、あの人に……ごめんなさいね。辛気臭い話になっちゃって」

あこがれの人に認めてもらいたくて血の滲むような努力して、それでも認められなかった。だけど新たな出会いを得て、大切な人が増えて、色々な積み重ねを得て、ようやく見てもらえた、認めてもらえた
ただ、それだけで十分だったのだ

「……いいですわ。……会えるといいですわね、その、団長さんと」
「……はいっ!」

月下の夜の中、黒の令嬢は、彼女と少しだけ仲良く慣れた、そんな気がしたのであった


475 : 黒蝶錬幻 ◆2dNHP51a3Y :2020/08/20(木) 00:05:33 f3rx9JLE0
【月読百合奈@黒衣の少女探偵 月読百合奈】
[状態]:健康、疼き(極小)
[服装]:いつもの服装
[装備]:小烏丸天国@11eyes -罪と罰と贖いの少女-
[道具]:基本支給品、ランダム支給品2つ
[思考]
基本:この殺し合いを止めて、主催には報いを受けてもらう
1:ナルメアさんのことが少しだけ別れた気がする
[備考]
※原作終了後からの参戦です

【ナルメア@グランブルーファンタジー】
[状態]:健康
[服装]:いつもの服装
[装備]:閻魔@ONE PIECE
[道具]:基本支給品、ランダム支給品2つ
[思考]
基本:この殺し合いを止めるために主催は倒す
1:団長ちゃん、今どこにいるんだろう……
[備考]
※最低でも最終再臨フェイトエピソードが終わった後からの参戦です

【カリオストロ@グランブルーファンタジー】
[状態]:健康
[服装]:いつもの服装
[装備]:シンフォーザベルゼ@Death End Re:Quest
[道具]:基本支給品、ランダム支給品2つ
[思考]
基本:殺し合い?下らん
1:移動手段の開発
2:首輪解除のための材料集め
[備考]
※参戦時期は後続の書き手におまかせします

【小烏丸天国@11eyes -罪と罰と贖いの少女-】
草壁五宝の一つ。妖力の蓄積・開放を行うことで高い攻撃力を得る事が出来る

【閻魔@ONE PIECE】
大業物21工の一振り。地獄の底まで切り伏せると称される、光月おでんのかつての愛刀。
持ち主の覇気を勝手に放出して必要以上に切断する特性を持ち、普通の剣士では力を吸われ干からびてしまう。

【シンフォーザベルゼ@Death End Re:Quest】
かつて神が用いていたとされる杖。複数の能力が大幅にアップする

【メタルドラゴン@ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁】
NPC。銀色のボディを持つ機械仕掛けのメカドラゴン。

【ホークブリザード@ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁】
NPC。身を切るような寒風とともに現れ、涼しげな水色の体に冷気をたくわえており、近づく者すべてを凍らせる

【シュプリンガー@ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁】
剣の扱いと補助魔法に長ける黄色い鱗の竜戦士。竜人族のエリート戦士らしい。


476 : ◆2dNHP51a3Y :2020/08/20(木) 00:06:02 f3rx9JLE0
投下しました


477 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/20(木) 02:18:25 h5oC70lk0
此方の企画への投下、ありがとうございます

>魔・王・邂・逅
パラレルワールドの同一人物が会合しましたか。お互い辿る仮定が違うとこうもビジュアルが変わるのかと困惑してそう。
しかし両者とも魔王と称するに相応しい存在。この催しで二人の辿る道は細部の違いこそあれど、死体と流血が積み上げられる点は共通していますね。

>復讐鬼と化した後輩 
おいKMRァ!お前さっき(スタンドを)チラチラ見てただろ(確信)
迫真空手部の面々に殺意を滾らせるKMR覚醒してそう。まぁレ○プされたら普通そうなるからね、しょうがないね。
勝手に誤字修正したの問題かなって思ってたけど大丈夫そうで良かったです。
金床ちゃんを妖精射手と勘違いしてた自分より全然ヘーキヘーキ!

>シノヅカの奇妙な冒険 序章
シノヅカ、参戦前の状況がヤバすぎてクッソ不憫ですね。
少し不安はありますが根は良い奴そうなのでまぁ大丈夫でしょう(好意的意見)。
ぐへへ……される直前まで言っても気丈に振る舞うリリィ、さすが王女。
経験豊富なリリィと力を得たばかりのシノヅカは意外とバランスとれてると思いました。

>友達は、作ろうと思えば簡単に作れる
開幕からの戦闘。トリコのワンシーンでも違和感がありません。
怪獣娘にロボットガールとTS武将、可愛くて戦闘もこなせるとは最強の布陣なのでは?
ワニに食われそうな女の子を颯爽と助けるアマゾンは最高に可愛いですね。まさにヒーローの鏡。
美味しく調理されるガララワニ、このロワは初期食料が貧弱なのでNPCを食べるのはそう悪い手じゃないけど何か草。食事シーンがほんわかしてて好きです。

>いのちがモリモリ、からだがギンギン
いやまさかガロン塚本が出されるとはこの李白の目をもってしても……
これがコンペロワ!って感じの人選で草が生えましたよ。
筋肉を手に入れたガロン塚本はまさに小鬼英雄に匹敵する名竿役になり得ると思いました。
調理にクッソ手間のかかる食材を丁寧に調理済みで出す主催者を想像すると草。

>日米同盟
おんぷ、並行世界の記憶混じってて草。まだ幼く生き残れるか不安が残りますが、逆に成長性は確かなので、ジルのコーチングでどれだけ化けるのか興味深いです。
ジル、ゾンビを撃ち殺すシーンは最高にイケメン。ラクーンシティを生き延びるテクニックとポテンシャルは相当に高く、正義の心に燃える彼女は実に頼もしい。

>黒蝶錬幻
ジャンク・ジャンクション魔境すぎて草。そしてそんな強NPCたちも開幕から駆逐されてるの大草原。
カリオストロ、ナルメア、月読百合奈のトリオ、あらゆる面で有能な参加者が集まっててこれはもう最強の布陣なのでは……?これは生半可なマーダーやNPCではまず返り討ちなのも納得。
グラブル世界はコラボによる異世界転移が多くて呑み込みが早く、 必然的にパロロワへの適応力も高いですよね。
月読の疼きは不安要素ですが、それにしてもカリオストロが頼もしすぎる。
首輪解除のための偽装ですが、実際にやろうと思えばさらりと車も作れそう。


478 : ◆ytUSxp038U :2020/08/20(木) 16:01:31 .HzFGE260
投下します


479 : 紅緑!復活の強敵! ◆ytUSxp038U :2020/08/20(木) 16:08:50 .HzFGE260
「オノレオノレオノレェェェェェエエエエエッ!!!」

小学校の体育館。
本来ならば体育の授業や部活動に勤しむ生徒の声で賑わっているであろうその場所で、紅い異形が暴れ回っていた。
まるで子どもが癇癪を起したかのように叫びながら、手に持った大剣を振り回す。
その度に壁や床が切り刻まれボロボロになっていく。

「チョット…いい加減にしておくれヨ。喧しいったらありゃしナイ」

興奮している紅の異形へ、もう一体の緑の異形がうんざりしたように言う。
スタート地点からそう遠くない位置にあった小学校から物音がしたので寄ってみると、同胞である紅の異形が八つ当たりのように暴れている場面に出くわしたのだ。
当初は向こうも同胞と再会した事で多少は落ち着いたが、直ぐに怒りがぶり返したのか結局こうなってしまった。

「コレが黙っていられるモノカ!我らフェムシンムを駒のようニ扱うナド、生かしテおけヌ!!」

緑の異形『レデュエ』に向けて、紅の異形『デェムシュ』が激情を剥き出しにして叫んだ。
弱肉強食の世界を生き延び人間を遥かに超越した自分たちフェムシンムがまるで飼い犬の様に首輪を付けられ、どこの馬の骨とも知れぬ輩に殺し合えと命令された。
これではフェムシンムの中でも特にプライドの高いデェムシュが激怒するのも無理のないことだった。

「オノレ忌々しイ…!アノ下等な猿とイイ、ドコまで俺をコケにする気ダ…!」
「…マァ、あの坊やを殺したイって気持ちハ、私にも分かるけドネ」

思い出すのは一人の男。
自分たちを倒したアーマードライダー、葛葉紘汰。
人間でありながら自らオーバーロードへと至った怨敵への殺意を内心で滾らせながら、レデュエはデェムシュに問う。

「ソレより、アンタの能力なラこの首輪ヲ外せるんジャないのかイ?」

デェムシュの持つ能力の一つに『自分の体を霧のように変化させる』というものがある。
それを使えば首輪など簡単に外せるはずだが。

「デキるならバとっくにそうしてイル!ダが肉体ヲ変化させても外れんのダ!」
「ソうかい。敵もソコまでバカじゃあないってことだネ」

自分から聞いたものの大して期待していなかったのか、レデュエの返事はあっさりしたものだった。
そもそもこうして蘇生して参加させているならば、当然その能力も把握しているだろう。
ならば何らかの対策をしても不思議ではないと納得する。

一人で勝手に納得する同胞を尻目に、デェムシュは壁に空いた大穴から外へ出ようとした。

「オヤ、ドコに行く気だイ?」
「決まッテいルだろウ!この地にハ下等ナ猿どもモいルのダ!マズは連中を全テ始末しテやル!!」

最初に集められた奇妙な場所で、人間たちが大勢いることは気配で分かった。
退化するだけの下等生物と見下している人間たちもまた、デェムシュにとっては生かしておける存在ではない。
まずは目障りな人間を残らず殺してやると息巻き、体育館を出て行こうとする。
そんなデェムシュを見てレデュエは、彼がデイパックを背負っていない事に気付いた。
辺りを見回すと隅の方に置き捨てられてあった。

「アレはアンタのだろウ?忘れモノだヨ」
「フン!あのよウな者カラの施しなド必要なイ!」

苛立ちの声を返すと、デェムシュはそのまま外へと出て行った。


480 : 紅緑!復活の強敵! ◆ytUSxp038U :2020/08/20(木) 16:10:13 .HzFGE260
「ヤレヤレ…一度死んダ程度じゃあアノ馬鹿さハ治らなイようだネ」

同胞への呆れを呟きながら、残していったデイパックを回収する。
静けさを取り戻した体育館でレデュエは考える。

(こうしテ生き返らセタってことは、黄金の果実かそレと同等の力を持ってルと見テ間違いないダろうネ…)

死者の蘇生が可能な力など、自分の知る限りではあの黄金の果実くらいのものだ。
王であるロシュオがどこかに隠していたのを、主催者は密かに回収したのだろうか。
それとも黄金の果実とは別の強力な力を保有している可能性もある。

(「何でも願いが叶う」カ。一体どんナ方法で叶エル気なんだろうネェ…)

主催者が強大な力を有しているのは分かった。だがその力の正体が分からない。
黄金の果実なのか。
主催者自身の能力なのか。
はたまた何らかの装置によるものなのか。
レデュエ自身としては是非とも主催者の持つ力を根こそぎ自分のものにしたいと思う。
たった一度願いを叶える程度では足りない、人間世界を永久に自分のオモチャに出来るだけの力が欲しいのだ。
そのためには主催者自身を殺す必要があるが、首輪がある以上それは難しい。

(トなると、やっぱり他の参加者ノ力が必要にナるカ)

沢芽市の人間たちが使っていた戦極ドライバーやゲネシスドライバー。
あれを開発した者のような技術力の持ち主ならば、この首輪も何とか外せるかもしれない。
デェムシュと違いレデュエは必要ならば人間とも手を組む。
以前呉島光実と密かに協力し合ったように、人間だろうと使えるものは全て利用する。
この地でもその考えは変わらなかった。

(けど確実に解除できる保証ハなイ…。その時は優勝しかなイだろうネ)

首輪が外せない時は素直に優勝を目指すのが手っ取り早いだろう。
何ならその後で主催者の部下にしてくれと取り入ってみる手もある。
ロシュオの時と同じだ。近くで力を奪う機会をじっくりと待てば良い。

「まァ、ついでにオモチャとして楽しませテくれル事にも期待してるヨ」

デェムシュのように人間全てを殺すなど勿体ない。
何せ人間は遊び甲斐のあるオモチャなのだから。
そう思うレデュエの口から低く不気味な笑い声が漏れる。

「さテ、あの馬鹿が騒いダせいで他の参加者ガ集まって来るかもしれないネ。どうしようカ…」

【デェムシュ@仮面ライダー鎧武】
[状態]:健康、苛立ち(大)
[装備]:シュイム@仮面ライダー鎧武
[道具]:なし
[思考・状況]:基本行動方針:皆殺し
1:人間どもを殺す
2:殺し合いを命じた者も殺す
[備考]
参戦時期は死亡後。
体を霧状に変化させても首輪は外れないようです。

【レデュエ@仮面ライダー鎧武】
[状態]:健康
[装備]:ダウ@仮面ライダー鎧武
[道具]:基本支給品×2、ランダム支給品2〜6
[思考・状況]:基本行動方針:主催者の持つ力を手に入れる
1:参加者が来るのを待つか、それとも移動しようか…
2:首輪を外せる技能を持った者を探す
3:2が不可能なら優勝に切り替える
4:主催者の持つ力の正体を確かめたい
[備考]
参戦時期は死亡後。
デェムシュのデイパックを回収しました。

【シュイム@仮面ライダー鎧武】
デェムシュが使う両手剣。
自在に出現させられるので支給品ではない。

【ダウ@仮面ライダー鎧武】
レデュエが使う戟。
自在に出現させられるので支給品ではない。


481 : ◆ytUSxp038U :2020/08/20(木) 16:10:40 .HzFGE260
投下終了です


482 : ◆4kMBNI9QkE :2020/08/20(木) 17:19:43 z.LHlqqI0
投下させていただきます。


483 : 雷神の戦斧!マイティ初穂誕生! ◆4kMBNI9QkE :2020/08/20(木) 17:20:34 z.LHlqqI0
「くっそ!気に食わねぇな〜!」

朱色の髪をサイドポニーテールでまとめた巫女装束姿の少女・・・新生帝国華激団・花組隊員の東雲初穂は、
左掌に右拳を叩きつけながら今自分の置かれた状況に苛立ちを見せていた。

帝都に住む人々の平和を守る事を使命とする自分を拉致し、殺し合いを強要する・・・
本来の華激団の敵である『降魔』達の行う悪行に、勝るとも劣らぬ残虐な行為だ。
かような場所に放り出されれば、恐怖のあまりに逃げ回るか、自分の命惜しさに殺し合いに乗るのだろうが・・・

「・・・へっ、この初穂ちゃんを舐めるなよ」

・・・初穂はそのどちらでもない道、すなわち『主催者への反抗』を決意していた。
例え腐っても、初穂は帝国華激団の一員。
人々の平和を守る事が使命なのだ。
確かに武器を取り上げられ、隊長である神山を初めとする花組の仲間達からも引き離されてはいるが・・・そのくらいで諦めるような初穂ではなかった。

「見てろよ主催者!絶対吠え面かかせてやるからな!」

初穂はどこかで見ているであろう主催者達に向けて堂々と反抗を宣言し、デイバッグを開いて支給品の確認を始めた。
いかに帝国華激団の隊員とは言え、丸腰では戦えない。
反抗を決意した相手から渡された物を使うのは癪にさわるが、
贅沢は言ってられないのだ。

「こいつは・・・斧か?」

デイバッグから最初に出てきたのは、大型の斧だった。
木製の柄だけでも初穂の肩までの長さがあり、初穂の肩幅程もある大きな刃のある戦斧だ。

「『斧』かよ・・・せめて、木槌か金槌渡してくれよぉ〜」

多少の文句を口にしつつ、初穂はその斧を手にし・・・
柄の先端を地面に勢いよくつけた。


とたんに、初穂の全身が光に包まれた。

「な、なんだ!?」

突然の事に初穂は思わず目を閉じた。
そして光が晴れて、初穂が目を開けると・・・

「な、ななななんじゃこりゃあ!!?」

なんと、初穂の衣装は紅白の巫女装束から、北欧神話の神々が纏うような甲冑へと変化し、背中には真紅のマントまで付けられていたのだ!

「ど、どうなってんだ、こりゃあ!?」

突然の事態に初穂の頭は混乱していた。

その手に捕まれた戦斧から・・・絶えず小さな稲光が発せられている事に気がつかない程に・・・。


【東雲初穂@新サクラ大戦】
[状態]:健康、甲冑姿、混乱
[装備]:ストームブレイカー@マーベル・シネマティック・ユニバース、マイティソーの甲冑とマント@マーベル・シネマティック・ユニバース
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜2
[思考・状況]
基本:主催者を倒して参加者を救う
1:なんじゃこりゃあ!?どうなってんだ!?
2:花組の仲間がいるなら、合流する
[備考]
アニメ版からの参戦。

【ストームブレイカー@マーベル・シネマティック・ユニバース】
『マイティ・ソー バトルロイヤル』で破壊されたムジョルニアに代わるマイティ・ソーの新たなる武器として、『アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー』から登場した戦斧。
ドワーフの職人・エイトリが作成し、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のグルートが自分の腕を柄にして完成した。
『王の武器』・『アスガルドの歴史上最強の武器』と称され、
ムジョルニアと同等の機能(飛行能力、投げても戻ってくる、ソーの持つ雷や天候操作の能力の補助、等々・・・)の他、ビフレスト(アスガルドの宇宙体系に属する惑星に移動する為のワームホール。別名『虹の橋』)を発生させる能力を持つ。
『斧』としても、マーベル・シネマティック・ユニバースにおけるラスボスであるサノスの強靭な肉体を
一撃で切断できるだけの破壊力を持つ。
ただしムジョルニアと違い、『相応しい者だけが持ち上げられる』機能はなく、その気になれば誰でも使用可能。


484 : ◆4kMBNI9QkE :2020/08/20(木) 17:22:22 z.LHlqqI0
投下終了します。


485 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/20(木) 21:32:20 eh4kaF9.0
投下させていただきます。


486 : だってサキュバスだもん♪ ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/20(木) 21:34:40 eh4kaF9.0
ここは会場内の深い森の中、そこでたくさんのゴブリンたちが一人の女性と交わっていた。

ゴブリンたちの息はとても荒く、今にも果ててしまいそうな状態だった。

それに対して女性の方は、彼らに対して余裕のある笑みを浮かべながら腰を動かしたり、彼らにキスをしたりなどしていた。

そうこうしているうちに、ゴブリンたちのほうが先に果ててしまい、彼らは力なく倒れ伏してしまった。

そうしてゴブリンたちはピクリとも動かなくなった。どうやら別の意味でも逝ってしまったらしい。

「う〜ん、やっぱりゴブリンたちくらいじゃ満足できないな〜。ほかにもっとたくましい人を探さなきゃ♪」

先ほどまで交わっていた女性はベビードールのような服装と、ふんわりした赤髪に赤い瞳、そして先端から火のついた尻尾が付いていた。

彼女の名前はメローナ。相手を柔らかくしたり興奮させる力を持った、サラマンダー系のサキュバスだ。

そんな彼女は今、とても欲求不満だった。

この会場に来ていきなりゴブリンたちに襲われてレ〇プされたのだが、彼らのテクニックは稚拙で全然興奮できなかったからだ。

要するに、満足いくセ♂♀スが出来なかったことが不満だったのだ。

「そういえば、何か支給されるといっていたし、何かないかな〜」

そう言って彼女は自分に配られたデイバッグの中身を確認しだした。そうして彼女が見つけ出したものは……

「あら〜、とってもよさそうなものが出てきましたわぁ〜。とってもとっても、逞しいモノが……♡」

とても逞しく、大きく、太くて固い、ものスゴイ代物が出てきた。それはまさに、馬の股間についているウマナミなモノだった。

そうして彼女はそれを装備した。これを使って、男性のみならず女性も虜にしようと思ったのだ。

そして彼女は動き始めた。自分を満足させられる人を探すために。

こうして、魔王すら恐れた『夜の魔物』が会場に放たれることになった……。

【メローナ@サキュバスクエスト】
[状態]:健康、物足りない
[装備]:馬のチンチン@魔界戦記ディスガイア
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:ゴブリンたちじゃ物足りないから、もっともっと交わりたいな♪
1:ここ、どこかしら〜?
2:ゴブリンたちじゃ満足できないし、他の人探そう♪
3:これ(馬のチンチン)……とっても、逞しいわぁ♡
[備考]
本来はサキュバスの特徴として物理的な方法では傷つけられず、セ♂♀スなどで絶頂させる以外では倒せないが、
制限により物理攻撃でもダメージが与えられるようになっています。
また、サキュバスに襲われた女性は新たなサキュバスになるのだがこちらも制限により変化しないようになっています。



【馬のチンチン@魔界戦記ディスガイア】
 ゾンビたちのボスに使われていたパーツの一つで、魔王すら恐れをなしたものスゴイ代物。

 装備すると攻撃力とスピード、命中率を上げることができ、また男女関係なく誰でも装備できる自慢の一品。

 ……どこに、どうやって装備するかは深く考えないほうがいいかもしれない…。


487 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/20(木) 21:35:13 eh4kaF9.0
投下終了です


ありがとうございました。


488 : ◆NIKUcB1AGw :2020/08/20(木) 22:34:41 efKwmsCo0
投下します


489 : 世の中に似た顔は3人いる ◆NIKUcB1AGw :2020/08/20(木) 22:35:51 efKwmsCo0
暗闇の中、全身黒ずくめの青年が立っていた。
彼の名は、左翔太郎。見た目はバッチリ決めたハードボイルド。しかし中身は半熟のハーフボイルド。
そんな私立探偵であり、地方都市・風都を守るヒーロー「仮面ライダーW」の片割れでもある。

「またやっかいな事件に巻き込まれちまったもんだな……。
 財団Xの仕業か、あるいは未知の組織か……」

独り言を漏らしながら、翔太郎は荷物を確認する。
出てきたのは左右非対称の機械と、USBメモリのような形状をした漆黒の物体だ。

「ロストドライバーだけか……。ダブルドライバーがあれば、フィリップと連絡が取れたんだが……。
 まあ、どっちもないよりはましだな」

仮面ライダーWへの変身アイテム、ダブルドライバー。
翔太郎と相棒・フィリップの精神を同調させるこのベルトは、副次的な効果として変身せずとも身につけているだけで相手とテレパシーで会話ができる。
フィリップも殺し合いに参加させられているにしろいないにしろ、会話ができれば非常に有益だったはずだ。
だが、無い物ねだりをしても仕方がない。
単独での変身が可能なロストドライバーで、なんとか戦っていくしかないだろう。

「さて……それじゃあそろそろ、出てきてもらおうか」

荷物の確認を終えたところで、翔太郎は背後に向かって話しかける。
数秒後、建物の陰から金髪の男がばつが悪そうに姿を現した。

「なっ……!」

その男の姿を見た瞬間、翔太郎は絶句した。
男の顔が、フィリップにうり二つだったからだ。

(い、いや、びびったがフィリップじゃねえ……。
 髪の色が違うとか、そういうレベルじゃねえ。
 あいつとは違うと、魂でわかるぜ)

文字通り相棒と一心同体になって戦ってきた翔太郎には、明確な確信を持って感じ取れていた。
目の前の男は顔こそフィリップにそっくりだが、魂のあり方がまるで違うと。

「あの……どうかしました?」
「ああ、すまねえ。たいしたことじゃねえんだ。
 あんたの顔がダチにそっくりだったもんで、面食らっちまってな」
「あー、そういうことでしたか。敵だと認識されてなくてよかったッすよ。
 なんせ自分、鬼ですけど荒事はあんまり得意じゃなくて……」
「鬼……?」
「ああ、自分、鬼なんすよ。よければ鬼ちゃんって呼んでください」

あっけらかんと衝撃の事実を告げられてフリーズしかける翔太郎だったが、今は深く考えないことにして平静を保つ。

「それで、鬼ちゃんとやら。あんたは殺し合いに乗り気じゃないってことでいいんだな?」
「もちろんッすよ。昔ならともかく、今は更生して真面目に働いてるんすから。
 人殺しなんてまっぴらごめんッす」
「オーケー、それなら俺たちは同志だ。手を組もうじゃねえか」
「あざーっす!」

翔太郎が差し出した手を、鬼ちゃんはすぐさま握る。

「ところで、お兄さんの名前は?」
「俺の名前か? 俺は左翔太郎。人々の涙を拭う、黒いハンカチさ」

バッチリとポーズを決めつつ、翔太郎はおのれの名前を告げた。

「うーん、40点ってところッすかね」
「何が!?」


【左翔太郎@仮面ライダーW】
[状態]健康
[装備]ロストドライバー&ジョーカーメモリ@仮面ライダーW
[道具]基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考]基本行動方針:殺し合いを止める
1:フィリップがいた場合、合流を目指す
[備考]
参戦時期はTVシリーズ最終回後。後続作品や「風都探偵」での出来事は、まだ経験していません。


【鬼ちゃん@AU 三太郎編】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考]基本行動方針:生き残る


【ロストドライバー&ジョーカーメモリ@仮面ライダーW】
ダブルドライバーの左半分を取り除いたような形状の変身ベルト(開発順はこっちが先だが)。
ガイアメモリをセットすることで、仮面ライダーへの変身が可能。
ジョーカーメモリならば、「仮面ライダージョーカー」へと変身できる。
翔太郎以外の人間でも使用は可能だが、ジョーカーメモリと相性のいい彼ほどの力は発揮できないだろう。


490 : ◆2dNHP51a3Y :2020/08/20(木) 22:36:34 f3rx9JLE0
投下します


491 : ◆NIKUcB1AGw :2020/08/20(木) 22:36:50 efKwmsCo0
投下終了です


492 : 超越者(ヴァンパイア)と少女たちと ◆2dNHP51a3Y :2020/08/20(木) 22:37:09 f3rx9JLE0
「……許せないよ、こんなふざけた殺し合いなんて」

勇者は誓った、この殺し合いを開いた邪智暴虐の元凶を打ち倒さないといけないと

四方世界における勇者、かの世界の歴史において数少ない『白金等級』の冒険者としての地位を持つ少女

並外れた才能と恐るべき強運を持ち合わせ、だからといってその2つに胡座をかかず、仲間から剣術や魔術、知恵や心得を学び、入念な準備を以ってして冒険に挑む

相応の努力を重ね、仲間の助けも借りて、だからこそ「世界を救える」。だからこそ彼女は勇者と呼ばれていた

「……でも、怒ってばかりじゃいられない。ボク一人じゃ出来ることは限られてるし、まず人を探して、考えて、助けが欲しい人がいたら助けてあげて、と」

勿論、一人で出来ることの限界を勇者は知っている。世界は救えても、それでみんなを救えるわけじゃない。それを勇者が一番知っている。いつもなら隣りにいてくれる賢者と剣聖は、今ではどこにいるかはわからずじまい
だからこそ、やれることから、自分の出来ることをしよう。そう考えた、その時であった

「……いい夜だ、本当にいい夜だ」

得体のしれない何かが、勇者の前に現れた

◯ ◯ ◯

血界の眷属――通称BB(ブラッドブリード)。ある世界に於ける、人界の伝承における吸血鬼そのもの
その実態は、人間のDNAに超常の存在が直接呪文を書き込む事で生まれた生物兵器
大体の眷属は人間と同じ形をしているが、鏡に映ることがことがないという共通点や例外が無い限りは事実上感知は不可能
特定の戦術で挑まない限りまともに対抗出来ず、対抗できたとしてもその傷は一瞬で美しく再生する

黒タイツのような外見に綺羅びやかに輝ける金色の長髪を持った美青年、ザメドル・ルル・ジアズ・ナザムサンドリカもまた、その血界の眷属の、その中で上位に位置する『長老級(エルダークラス)』に数えられる存在の一人だ

自らに科せられている首輪にかつて自身を密封した術式が施され、一定以上のダメージを食らうと自動的に『密封』される
かつて牙狩りを相手に『諱名』を知られ、『密封』された彼からすれば苦い経験ではあるが、こうして再び解き放たれたのなら問題はない
何故自分がこんな場所にいるのか、どのような神格存在が密封封印されていたはずの自分をここに呼び出したのかは検討もつかない。だが、『殺し合い』というゲームであるのなら、せっかくなので暇つぶしに楽しませてもらうのが、彼の流儀であり方針であった

「さて、お嬢さん。そんな怖い目をして、僕に何の用なのかな?」
「……それはそっち次第じゃないかな。あんまりこういうのを初対面の人に言いたくないんだけどさ……あなた、とてつもなく血の匂いがするんだね」
「……すまないすまない、愛犬の粗相が悪くて、餌やりの時に返り血がよく付くもので、ね」
「……ッ!!」

ザメドルの飄々とした言葉、ただその一言一言がまるで体に刺すような感覚として勇者は感じている。根本的に力の『質』が違う、今まで戦ってきた誰よりも、強いと、勇者はその身を以って実感していた
そして同時に悟った。この男は私を逃がす気などないと、そもそも『逃げられない』と

「――さて。実は僕も、流石にこの広さの会場を歩き回るには一苦労しそうだからね。――ちょうど斥候がほしかったところだ」

ザメドルの両肩から、骨のようなモノが生える。翼とも爪とも思える骨のようなナニカ

「魔物の仲間入りなんてお断りだよ」

勇者はその柄から剣を取り出す。聖剣ではなく天空の剣なる代物であるが、今の彼女には十分な代物

「―――そう、実に残念だ」

その言葉とともに、勇者の視界からザメドルの姿は消える






気づいたときには、勇者の身体は壁に叩きつけられていた


493 : 超越者(ヴァンパイア)と少女たちと ◆2dNHP51a3Y :2020/08/20(木) 22:39:59 f3rx9JLE0


結果だけいえば、戦況は勇者の惨敗に等しいものだった

奇跡的に避け続けている、避ける事ができている。だが、一撃が確実な致命傷。何度も喰らい、血溜まりが出来上がるほど血を吐き続け、根気だけで立ち上がり、血を吐き、覚醒してはすぐに突き刺され、立ち上がり、血反吐を吐く

いくら骰子を振りづつけて、どれだけ運が良かろうと、全てが6になることなどありえない。数十数百数千数万も振り続ければいつかは1の数字は出てしまう

なんとか渾身の一撃を当てても、当たった途端に再生。まるで攻撃そのものが無意味だと言わんばかりに
もはや勝敗は火を見るよりも明らかであった

「――87秒。牙狩りよりも持たなかったようだ」
「……まだ、だ。私、は」
「君も諦めが悪い。もう勝敗は決したんだ、大人しく僕の軍門に下るのが最善だと思うのだけれどね」
「誰、が、お前なんか、の、仲間、なんか、に……」

勇者はまた立ち上がろうとする。だけど、立ち上がれない。全身の骨という骨が折れたのか。視界も血で滲んでよく見えない。手足の感覚がまともに感じられない。手持ちの武器に至っては既に砕け散った

「……諦めたり、なんか、したくない。ボクだって、やりたいことがあるから、ボクにしか、出来ないことがある、から。それで誰かが笑顔になるんだったら、ボクはそれでいい。だってボクは、勇者、なんだから!」

だけど、だからといって、諦めたくなんかない。絶対に生きて帰って、元の世界に戻る。どこまでも諦めず、自分が選んだ道を、決して曲がらないままに歩み続けるのが、彼女の変わることのない在り方

「――勇者。その学ばぬ愚かさだけは、頭の端にでも覚えておくことにしよう」

故にザメドルは、その『愚かさ』に呆れ、トドメを刺すことにした。骨の槍が、死に体の勇者に迫る。もはや避けることも防ぐことも不可能。

―――しかし、ここで神の骰子は、『大幸運(クリティカル)』の目を出した

「え?」
「……何?」

突然、勇者の身体が、虚空に空いた『孔』に飲み込まれ、消えた
それを確認したザメドルは、周囲を見渡した後、展開させた骨を収める

「……空間転移の術式? ……誰の手引かは知らないが、どうやら深追いはしないほうが良さそうか」

この殺し合いにおいて、そのようなものがそう安々と罷り通るものではない。恐らくは移動距離に制限が掛けられていると予想される

「あの時の牙狩りの連中といい―――運のいい奴らだ」

人間とは愚かな生き物だ。実力差を分かっていながら、無謀だと分かっていながらも歯向かってくる。そしてその果てに自分のような超常存在に対し勝利をもぎ取ってしまう
どこまでも弱く、愚かな生き物。だが一度、この身はそんな人間どもに遅れを取った。故に

「……次はないぞ」

あの時は義眼持ちの小僧に諱名を暴かれ、封印されたが。封印の術式を使える牙狩りがいない以上、この首輪さえ何とかすれば、最低限自分をどうにか出来る連中はいなくなるだろう
もう二度も遅れを取るつもりはない。あの勇者を名乗った小娘は、次出会うならば必ず殺す。ザメドルはただ、次なる獲物と未知を求め、再び歩き始めるのであった

【ザメドル・ルル・ジアズ・ナザムサンドリカ@血界戦線】
[状態]:健康
[服装]:いつもの服装
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品3つ
[思考]
基本:せっかくだからこの殺し合いを楽しませてもらう
1:この首輪は忌々しいからさっさと外したい所
2:広い会場を一人で探索するのは骨が折れるから、有能な斥候は手に入れたいとは思う
3:
[備考]
※クラウスに「密封」された後からの参戦です
※首輪の制限により、一定以上のダメージを喰らった場合自動的に密封状態となり、事実上の脱落となります
※再生能力はある程度低下しています


494 : 超越者(ヴァンパイア)と少女たちと ◆2dNHP51a3Y :2020/08/20(木) 22:41:20 f3rx9JLE0
◯ ◯ ◯

「……しっかりしてください!」
「……ん、あれ……」

朧気な意識の中、勇者はその声を聞く。

「……ボク……って、うわぁ?!」
「あら、目が覚めたかしら?」

目を開けると、どこかの病室のような場所。そこにいるには、身体に包帯を巻かれている自分の姿。そんな勇者の姿を見てホッと胸をなでおろす黒髪の少女。そして目覚めた勇者に話しかけてきた所謂中華風の服装を来た金髪の女性

「あの、助けてくれ、たの、かな……?」
「まあ、そういう事になるわね。あと貴女の傷を治したのは私じゃなくて、そっちのあの娘よ」

勇者が再び黒髪の女性を見る。長い黒髪に白い衣装。何より目立つのはその右腕だ。包帯のようなものが巻かれた十字架のようなオブジェクト。義手、のようなものだろうか、と勇者は訝しむ

「いえ、私はそんな……ただ手助けをしただけなんです」
「手助け?」
「レリック……まあ魔法みたいなものだと思ってください。私のレリックは損傷してしまった傷を一時的にマナで代替えする力なんです。貴方の場合はマナではなく魔力で代替したそうですけど……」
「へぇ……優しい力なんだね」
「……治癒はあくまで患者自身の治癒力頼みなんです。それに部位の修復にも時間が限られていて。そんな褒められた事だなんて」
「いやいや、ボクからしたら……ええと」
「すみません、自己紹介が遅れていましたね。私はサーニャって言います」
「じゃあサーニャちゃん。本当にありがとうね。あとそこの金髪の人も。私のことは勇者でいいから」
「……ストレートに勇者でいいって言われても普通は困惑するわよ? ……私は八雲紫。幻想郷という場所で賢者をやっているわ。よろしくね、勇者ちゃん?」
「……(ええと、悪い人ではないんだろうけど、なーんか怪しそう)」

サーニャのことは兎も角、八雲紫の悪人ではなさそうだけどなんとも悪巧みしてそうな雰囲気に勇者、思わず心の内で怪しむ

「ねぇ、私ってそんなに信用ならないかしら?」
「紫さんはどちらかといえばその悪巧みしてそうな表情をやめるべ……いだだだだ冗談です冗談ですって、八雲紫さんは裏表のない優しい人です!」
「……よろしい」

勇者の表情に感づいた紫がサーニャに尋ねるも、返答が気に障るものだったのか頭ぐりぐり。思わずサーニャが急ぎ訂正の言葉を述べたことで納得する紫
そんな二人の顔を見て、聞き忘れたことを思い出した勇者が尋ねる

「あの、どうして助けてくれたんですか?」
「……ええ、私は元々助けるつもりなんてなかったんだけど、この子が色々と喧しくてね。それに私も私で貴女に聞きたいことがあったから、物の序でにって事よ」
「……見かけたのは偶然です。それに紫さんが断っていたのなら私が一人でも行くつもりでした。……私はこんな殺し合い、絶対に許したくありません。こんな不用意に犠牲者を増やすような悪質な催しを。それに、私は死にそうになっていた貴女を放っておけなかった、それだけです」
「……と、まあ。色々と癖のある子でちょっと扱いに困ってたのよね。……貴女もどちらかといえば構わず救って行きそうなタイプと見たわ」
「たとえ世界を救えても、全ての人々を救えるなんて思ってないよ、ボクは。でも、だからって助けられるはずの命を見捨てたくない、それだけかな」
「……」

勇者のその真摯な眼差しをみた紫は、目を閉じて呆れたようにため息をつく。そして再び目を見開くと、雰囲気を一変させて

「……じゃあ本題に入っていいかしら? 貴女が戦っていたあのバケモノ、何?」

勇者が先程戦ったバケモノの事を問おうとするのであった


495 : 超越者(ヴァンパイア)と少女たちと ◆2dNHP51a3Y :2020/08/20(木) 22:43:57 f3rx9JLE0
【勇者@ゴブリンスレイヤー】
[状態]:負傷(中・自然治癒中)、魔力消費(中)
[服装]:所々に包帯を巻いている
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品2つ
[思考]
基本:こんな殺し合いを許してはおけない
1:助けが欲しい人はなるべく助けたい
[備考]
※最低でも魔王を撃破した後からの参戦です

【サーニャ@UNITIA ユニティア 神託の使徒×終焉の女神】
[状態]:健康
[服装]:いつもの服装
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品3つ
[思考]
基本:出来るだけ生命を救う
[備考]
※参戦時期は後続の書き手にお任せします


【八雲紫@東方Projectシリーズ】
[状態]:健康
[服装]:いつもの服装
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品3つ
[思考]
基本:さて、どうしようかしらね?
[備考]
※参戦時期は後続の書き手にお任せします
※境界を操る程度の能力にある程度の制限が掛けられています。制限の度合いは後続の書き手にお任せします

【天空の剣@ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁】
伝説の勇者が装備していた剣。道具として使うと、様々な特殊効果を消し去る「いてつくはどう」と同じ効力を持つ


496 : ◆2dNHP51a3Y :2020/08/20(木) 22:44:23 f3rx9JLE0
投下終了します


497 : ◆ytUSxp038U :2020/08/20(木) 23:32:18 .HzFGE260
投下します


498 : chase ◆ytUSxp038U :2020/08/20(木) 23:35:14 .HzFGE260
「ハァ、ハァ…!」

草原地帯。
長髪を揺らし額に汗を浮かべて走る少女がいた。
彼女の名は新田美波。346プロダクション所属の現役アイドルである。
時折背後を振り返りながら、必死にナニカから逃げる美波。
後ろからは緑色の怪物、ゴブリンたちが同じく必死に走っている。

彼女はゴブリンから逃げているのか?
確かに‘最初は’そうだった。
抜群の美貌とプロポーションを持つ美波を発見したゴブリンは、下劣な欲望を隠そうともせず襲い掛かり、鬼ごっこが始まった。
とはいえ相手は優れた運動神経を誇るアイドル。
何とか捕まえようとしたが、全速力で走る美波には追い付けず徐々に引き離されていった。

折角女を見つけたというのに一向に手に入れられない。
捕まえられないのは他の奴らが手を抜いているからだ、と如何にもゴブリンらしい身勝手な考えで仲間を罵倒し出した時、
ソイツは現れた。

「オォ……ァ……」

「っ!?な、なに?」

突如地響きが起こったかと思うと、低く不気味な呻き声が聞こえて来た。
美波は思わず足を止めて声のした方に視線を向ける。
ゴブリンたちも謎の声には困惑しているのか、同じように声の主を探し出す。
彼らの視線の先には巨大なシルエットが浮かび上がっていた。

月の光がシルエットを照らした瞬間、美波も、ゴブリンたちも凍り付いた。

「オォォォンナァァァ!!!」

そこにいたのはゴブリンが遥かにマシに見える程の怪物。
巨大な裸の女の身体をしており、スラリと伸びた脚やたわわに実った乳房は、ただの人間であったならさぞ魅力的だろう。
だが本来あるべきの両腕と頭部は存在せず、代わりにエビの胴体が生えている。
何よりも目を引いたのは股の部分。
女性器からは巨大な老人の顔が突き出ており、眼下の者たちを見下ろしている。

その醜悪な姿に美波は呆然と立ち尽くしていたが、怪物が血走った目で自分を見ているのに気付いた。
怪物が自分に向ける視線は、美波にとってよく知るものだった。
大学の同級生や一部のファンの男性、更にはついさっき遭遇したゴブリン。
‘そういった’視線を自分に向ける人達がいるのは知っていたが、こんな化物にまで欲望をぶつけられるとは思ってもみなかった。

「い、いや……」

好色を露わにした目つきに嫌悪感が走る。
後ずさる美波へ化物が一歩近付き、偶然近くに居たゴブリンが踏みつぶされた。

「オンナァァァァ!!」

化物の絶叫を聞き、弾かれたように美波は再び走り出した。
その後ろからは化物に恐怖したゴブリンが、何かを喚きながら逃走している。
見つけた獲物を孕み袋にして楽しむ予定が、何故か自分たちよりも醜い化物と鬼ごっこをする羽目になったのだ。
ゴブリンとて喚き散らしたくもなるだろう。
だがそれも長くは続かない。
一匹、また一匹と化物に踏みつぶされゴブリンは瞬く間に数を減らしていった。
実際のところ現在の化物の標的は美波だけで、ゴブリンは単に進行方向にいるから踏まれているだけなのだが、逃げるのに必死でそこまで頭が回っていなかった。

ゴブリンに追われていた時以上に死に物狂いで走る美波だが、徐々に疲れが見え始め息が上がっていく。
どこまで逃げればこの化物は諦めるのか、もしも捕まってしまったら何をされてしまうのか。
そんな焦りと恐怖が精神を蝕み、脚が震え走る速度に悪影響を及ぼす。

「オォォォンナァァァァァ!!」

とうとう残りのゴブリンも踏みつぶされ、化物と美波の距離が近づいていく。
この化物からは逃げ切れないのかと、諦めの感情が浮かび上がる。


499 : chase ◆ytUSxp038U :2020/08/20(木) 23:36:50 .HzFGE260
その時、猛スピードで何かが向かってくるのが見えた。

それは黒塗りの自動車だ。
エンジンを唸らせながら美波の傍まで寄って来る。

「ちょっと新八!もうちょっとスピード出せないの!?」
「とっくに出してますよぉぉぉぉ!!っていうか何あの爺さん!?何であんなとこに顔生やしてんの!?何で頭にエビの尻尾生やしてんの!?」
「オ〇〇コォォォォォォ!!!」
「なに他人様の企画でとんでもねえこと叫んでんだこのジジイィィィィ!!二次創作だからって何言っても許される訳じゃねえからな!?」
「あークソッ!あとちょっと…!」

運転席では眼鏡を掛けた少年がよく分からない事を言いながら、ハンドルを操作している。
困惑する美波に向けて、後部座席のドアを開けた女がこちらに何かを叫んでいるのが見えた。

「手を伸ばして!早く!」

女の言葉に咄嗟に手を伸ばす美波。
次の瞬間、女性の右腕が複数の糸のように変化し、美波の腕に巻き付いた。

「え?えぇっ!?」

余りの出来事に混乱する美波を、女腕を引っ張り回収した。

「よっ、と。何とか助かったみたいね」
「あ、あの、あなたたちは…」
「徐倫さんまだ助かってないですよ!あの爺さんまだ追いかけてきます!」

少年の言葉通り、化物に諦めた様子は無い。
相も変わらず絶叫しながら車を追いかけて来ている。
徐倫と呼ばれた女は暫し化物を睨みつけた後、自身のデイパックからあるものを取り出した。
それは大きな壺だった。

「新八、一旦車止めて」
「ど、どうするんですか?」
「んー、ちょっとした思い付きってやつよ」

疑問を感じつつも眼鏡の少年、新八は速度を徐々に落とす。
このままではあの化物に捕まってしまうと不安気に目で訴える美波だったが、徐倫は窓から身を乗り出し壺の中身を地面にぶち撒けた。
徐倫の行動に美波と新八が困惑する中、知った事かとばかりに化物は大股で近付き、

「オンナァァァァァ!?」

壺の中にあった液体で滑り、仰向けに転倒した。
なんとか立ち上がろうとするも液体が足に絡みつき、起き上がれずにいる。

「倒れた…?徐倫さん!倒れましたよあの爺さん!」
「ええ。こんなモン何の使い道があるのか分かんなかったけど…。それより今がチャンスね」

言うや否や徐倫は車から降り、化物に向かって駆けて行く。

「ま、待ってください!近づいたら…」

慌てて制止しようとする美波は見た。
徐倫の背後から、サングラスを掛けたような青い人形が出現するのを。

「『ストーン・フリー!』」

自らの持つ力、『スタンド』を出した徐倫は老人の巨大な顔に向けて拳を放った。

「オラァ!!」
「オブォッ!?」

体格では大きく劣るはずのストーン・フリーの拳をモロに受け、老人の顔はのけ反る。
だが徐倫の攻撃はこれで終わりではない。
一息吸うと、目視するのが不可能な速度でスタンドの両拳を叩きつけた。

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァァァ――――!!」

ラッシュを受けた老人の顔は、最初の一発の時よりも大きくのけ反った。
数多の敵スタンド使いを叩きのめして来た拳は、この化物も効いただろうと様子を見る。

「ォ…ォ…オンナァ…!」

驚いた事に未だ絶命には至っていない。
顔面は血に濡れているが、恐らく致命傷には届かないだろう。

「徐倫さん!やっぱり今は逃げないと…!」
「あー、うん。今はそれしかないか…」

本音を言えばこの危険な怪物はここで仕留めておきたい。
しかしスタンドではこれ以上有効打を与えられそうにないし、他に使えそうな武器も無い。
モタついてたら再び化物が起き上がってしまう。
ひょっとしたら追われていた少女の支給品に何かあるかもしれないが、無ければ時間の無駄だ。
それに彼女をこの化物の傍に何時までも置いておくのも精神衛生上良くないだろう。
歯がゆい思いになりながらも、徐倫は車に乗り込む。
そして化物の未練がましそうな視線を感じながら、三人を乗せた車は走り去っていった。


500 : chase ◆ytUSxp038U :2020/08/20(木) 23:38:30 .HzFGE260
【新田美波@アイドルマスター シンデレラガールズ】
[状態]:疲労(大)、怪物への嫌悪感、軽度の混乱、搭乗中
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]:基本行動方針:殺し合いなんてしたくない
1:助かったの…?この人たちは…?

【志村新八@銀魂】
[状態]:健康、運転中
[装備]:黒塗りの高級車@真夏の夜の淫夢
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2(確認済み、重火器の類は無し)
[思考・状況]:基本行動方針:殺し合いから脱出する
1:今はあの爺さんから逃げる
2:銀さんや神楽ちゃんもいるのかな…
[備考]
参戦時期は将軍暗殺篇以降。

【空条徐倫@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:健康、搭乗中
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2(確認済み、重火器の類は無し)
[思考・状況]:基本行動方針:主催者をブチのめす
1:今はあの爺さんから逃げる
2:エルメェス達やプッチもいるのか気になる
[備考]
参戦時期はリキエルを倒した後。
支給品の一つは油に卵白を混ぜたもの@ギャグマンガ日和でした。

【黒塗りの高級車@真夏の夜の淫夢】
暴力団員のTNOKが乗っていたトヨタのセンチュリー。
恐らくは組の所有者と思われるが、疲れからか、不幸にも黒塗りの高級車に追突してしまう。
後輩をかばいすべての責任を負った三浦に対し、車の主、暴力団員谷岡が言い渡した示談の条件とは…。

【油に卵白を混ぜたもの@ギャグマンガ日和】
新選組の隊士、安藤早太郎が全身に塗りたくっていたもの。
大きめの壺に入っている。

【エテ公@彼岸島】
NPC。会場には一体しか存在しない。
人間時代は仙石原のススキ野原近辺に出没する痴漢だったが、雅が本土に侵攻した後に邪鬼と化した。
巨大な女体に性器から生えた老人の顔、頭部からはエビの胴体という醜悪な外見をしている。
邪鬼となってからも女好きは変わらず、人間だけでなく吸血鬼や亡者だろうと女の匂いには敏感で襲ってくる。


501 : ◆ytUSxp038U :2020/08/20(木) 23:39:04 .HzFGE260
投下終了です


502 : ◆BrXLNuUpHQ :2020/08/21(金) 02:24:00 wrqkmMMs0
投下します。


503 : ◆BrXLNuUpHQ :2020/08/21(金) 02:24:47 wrqkmMMs0

「こんなことをしている場合じゃないのに……」

 忌々しそうに首輪に手をやりながら青年、木場勇治は焦った顔で民家の並ぶ道を歩いていた。
 オルフェノクである彼の仲間であり、同じくオルフェノクである長田結花。警官の襲撃を受け返り討ちにしてしまった彼女は、少し前に警察に自首しにいってしまった。それを知り急いで警察へと向かっている途中でのこの殺し合い。焦らないわけがない。
 と、どうしたことだろうか、その耳に景気の良い音楽が聞こえてきた。
 もちろんここはいつ誰に襲われるかもわからない場所、気が急いているとはいえそれがわからぬ木場ではないが、その異常さに気づきながらもその音楽の鳴る方へと歩いていく。ここまで急ぎ足で歩いてきたが目的地もなく闇雲に行くよりかは、といったところだ。
 果たしていたのは三人の黒人男性だった。全員2メートル近くある大柄な彼らの周辺には、よく見ればいくつかの死体が転がっていた。それを見て咄嗟に変身しようとするも、死体が人間とは違った特徴を持つことで思いとどまる。

「だから言ったろ! 旦那のヒューマンビートボックスは最高だって!」
「君たちは……」
「怖がらないで。殺し合いなんてする気はない……君は、オルフェノクを知っているかい?」

 アフロの男の言葉に困惑を覚えた後、スキンヘッドの男の言葉に木場は警戒を再度強める。その様子を見てか、それまで言葉を発さなかった帽子の男が一歩前に出る。と同時に、顔に独特の影が浮かんだ。

「私はオルフェノクです……あなたと同じように。」



 スキンヘッドことマーカスと、アフロことMCチェケラ、そして帽子ことジェイ。それぞれそう名乗った彼らと共に、木場は民家の一室にいた。どことなく知人のクリーニング店を思わせる、いかにも日本的な内装のそこで、お茶の一つもなく四人でテーブルにつく。
 木場とジェイには面識が無かったが、互いにラッキークローバーやスマートブレイン周りの話題を出せば、少なくともそこに大きな嘘がないことはわかった。もっとも、長田のことが気がかりで気もそぞろな木場と元々寡黙で必要最低限のことしか喋らないジェイでは、互いが殺し合いに巻き込まれた時期に差があることにまでは気づいていはいない。そんな二人を置いて、話はスタンスへと、つまりこのゲームでどう動くかについて移っていた。

「だから人間なんか信用できねえ! アイツラは同じ人間にも首輪着けて殺し合わせるようなクソ野郎だ! オレはゼッテーこんなゲーム認めねえ!」

 そう息巻くのはMCチェケラ。彼は主催者の打倒を最も声高に主張していた。会場を回って人間以外で徒党を組み、殺し合いを破綻させるために動く、そう大きなジェスチャーで話す。

「重要なのはここから生きて帰ることだ。なるべく多くの仲間を保護したい。」

 冷静に、絞り出すように話すのはマーカス。彼は人間を含めて一人でも多くの参加者をこの場から解放することを重視していた。その為にまずは安全な隠れ家を作るというのがさしあたっての方針だ。

「……」

 そして、ジェイは無言で酒を飲んだ。話を向けられても、その目は遠くを見ている。自分を襲ったゴブリンを殺す時の雄叫びを挙げる様とは逆に、静かに酒を呷っていた。
 ――よく見れば、その視線の先に、犬の写真が入った写真立てがあったのだが、それに気づく者はいない。

「その長田ってやつがオルフェノクなら、オレが助けてやるよ。」
「まだ彼女が巻き込まれたとも限らないだろ。それに、彼女がオルフェノクとも。ユージ、君はどうしたい?」
「俺は……」

 そして必然、木場のスタンスについても問われる。もとい、マーカスとMCチェケラのどちらに着いていくかのような話になりつつあった。マーカスはまずこの民家の近くでゴブリンなどの外敵から身を守れる拠点を作る為に人手がほしい。特にジェイと同じく強大な力を持つような人材ならなおさらだ。一方MCチェケラも変身アイテムが無い以上、腕の立つ者は欲しい。今の彼ではゴブリンの集団ですら遅れを取る以上、単独行動が望ましくないことぐらいはわかっていた。とはいえ木場の協力が得られなければ一人で強行してしまっても構わないとも思っていたが。
 木場は迷う。この場に長田がいるのかはわからない。彼女以外に彼の知るファイズ達やスマートブレイン達がいるかもだ。そしてこの選択は、単に自分の行動を決めるものというだけではない。どちらと行動するかで自分も他の三人にも影響を与えてしまうと、今までの経験からわかっていた。例えるのなら、オルフェノクの姿で戦うかファイズの姿で戦うかのような。そして彼の出した結論は――


○ 人間の自由を守る
△ 人間とオルフェノクは共存できる
□ オルフェノクの笑顔を守る


504 : ◆BrXLNuUpHQ :2020/08/21(金) 02:26:45 wrqkmMMs0



【木場勇治@仮面ライダー555】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本行動方針:長田さんを探して、この殺し合いについて調べて、それから……
1:決断する
[備考]
参戦時期は42話。
他の三人は全員オルフェノクだと思っています。


【ジェイ@仮面ライダー555】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本行動方針:チャコの元に帰る
1:考えることが多いのでひとまず酒を飲む。
[備考]
参戦時期は死亡後。
他の三人は全員オルフェノクだと思っています。


【MCチェケラ@仮面ライダーゼロワン】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いなんかさせる汚え主催はぶっ潰す!
1:会場を回って人間以外の仲間を集める
[備考]
参戦時期はお仕事5番勝負で破壊後。
自分のことはヒューマギア自治都市構想のニュースで知られていると思っているためヒューマギアだと名乗っていません。


【マーカス@Detroit Become Human】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いから脱出する
1:拠点を作る
[備考]
参戦時期はストラトフォードタワーでの決意表明後。
自分達の決意表明が全世界でニュースになっていたためアンドロイドだと名乗っていません。


505 : ◆BrXLNuUpHQ :2020/08/21(金) 02:27:47 wrqkmMMs0
投下終了です。
タイトルはUnHuman Lives Matterでお願いします。


506 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/21(金) 04:33:57 o2fI920Y0
我が企画への投下、ありがとうございます

>紅緑!復活の強敵!
支給品すら確認しないデェムシュ、その慢心であっさり倒されそうですが、下手な人間よりフェムシンムが脅威なのは確か。果たして……
血気盛んな同胞とは異なり、冷静に主催者の力や立ち回りを練るレデュエ、これは強いですね。間違いない。
序盤の行動は異なれど、二人とも間違いなく人に仇なす怪物。これは混乱と恐怖を巻き起こしてくれそうです。

>雷神の戦斧!マイティ初穂誕生!
主催に屈せず反抗を誓う初穂は帝国華激団の鏡。しかし何が起こるのか最後までわからないのがパロロワというもの。
雷神の力を得た彼女が、果たしてその信念を貫き通せるのか興奮します。

>だってサキュバスだもん♪
ゴブリンすら吸い上げる悪食すぎるサキュバス、凄い。
これは別の意味で全参加者にとっての脅威になり得るのでは……?
支給品の装備方法は……ナオキデス(思考放棄)

>世の中に似た顔は3人いる
中の人ネタ!これもまたコンペロワらしい登場話だと思います!
ロストドライバーだけとはいえ使い慣れたアイテムを支給された翔太郎、これは頼もしい!
鬼ちゃんも秘めたポテンシャルは未知数。果たして翔太郎は鬼ちゃんとセットで殺し合いを止めることはできるのか…?

>超越者(ヴァンパイア)と少女たちと
勇者ちゃん、四方世界外とはいえクリティカルを引き当てる幸運は健在。パロロワで主人公補正は宛にならないとはいえ、覚醒すれば活躍してくれそうです。
勿論本人の実力は骰子の目だけに止まらないポテンシャルなので、最初はまさに相手が悪かった……。
白金等級の勇者すら倒す寸前まで追い詰めたザメドル、これは強い。実力・キャラともに良い強マーダーですね。
謙遜するサーニャ、しかしその力は殺し合いという場では重宝する有能株。ゆかりんも大妖怪として実力は保証されていますが、能力の制限や今後の方針でどう転ぶのか解らないのが不安要素か。

>chase
開幕からゴブリンに目をつけられる新田美波、それだけに限らずド変態邪鬼にまで見つかるとは不運。
切迫した状況を一瞬で銀魂に塗り替える新八に大草原。いやー何故か徐倫たちとの絡みに一切違和感がありません。スゴい!
油に卵白を混ぜたもの、こんな大ハズレな支給品を活用した徐倫、スタンド戦で練り上げられた経験の賜物か、さすがジョースターの血統!

>UnHuman Lives Matter
序盤にしては鍵盤な参加者グループですね。人外の参加者が多めになりそうなので、それほど摩擦は無さそう。しかし、ジェイ、チェケラ、マーカス、それぞれ方針の違いが後に響きそうですね。種族や世界観による勘違いもあるし。
いやヒューマギアとアンドロイドは同タイプですが、オルフェノクに関する勘違いは思わぬフラグになりそう。
木場の選択はどうなるのか、興味が尽きません。


507 : ◆.EKyuDaHEo :2020/08/21(金) 16:56:45 PmDDYWGM0
投下します


508 : クローン同士は惹かれ合う?だゾ ◆.EKyuDaHEo :2020/08/21(金) 16:57:30 PmDDYWGM0
「...ここは...オラは確か倒されたはず...」

彼の名前はしんのすけマン...いや、にせしんのすけマン...見た目は野原しんのすけがミライマンの力を借りて変身した姿に似ているが、あくまでもそれはコピーした姿、彼は怪獣なのだ...

「...」

するとにせしんのすけマンはあることを思い出す...それはまだ自分が世界最強になるためにしんのすけマンと戦っていた時のことだ...野原一家やアクション仮面、カンタムロボの連携でタワーに追突してしまう、にせしんのすけマンはその時には意識が朦朧としていた...そして地面にぶつかりそうになった自分をしんのすけが助けた...何故助けられたのかその時の自分は理解ができなかった、するとしんのすけはあることを言う

『強い人は弱い人をお助けするものだけど...強い人も弱い人もなくお助けできればした方がいいと思ったから...』

その言葉を聞いたとき、自分は表情を変えなかったが本当は心をうたれていた...自分はしんのすけに襲いかかった...それでもしんのすけは自分を助けてくれた...そしてその後しんのすけの母親のみさえにぐりぐり攻撃をくらった

『あんたがどれだけしんのすけに似ていてもしんのすけの方が何倍も!何十倍も!何百倍も!何千倍も!何万倍も!カッコいいんだからー!』

そして自分は光の粒となって消えていった...でも今思えばそうかもしれないとにせしんのすけマンは思う、しんのすけは敵であった自分でさえも助けてくれた...しかし自分はどうだ、世界最強になることしか頭に入っていなかった

「オラはしんちゃんのコピーだけど...全然違う...」

自分としんのすけの違いはたくさんある...だが主にあげるとしたら「正義感」「優しさ」「助けたいという気持ち」が自分にはない...そう考えてるその時だった

「ん?」
「...」

にせしんのすけマンは涙目になって座っている金髪のツインテールの少女を見つけた、正直自分はしんのすけと違い少女を見たことがないのでドキッとした、そしてにせしんのすけマンは考える

(こんな時...しんちゃんなら...)

しんのすけなら例え年上の人でも困っていたら助けるだろう...そして自分もそうしようと思った、いくらコピーとは言えしんのすけより強くなることはない、それでも自分はしんのすけのコピーだ、あの時しんのすけが自分をお助けしたように自分も誰かをお助けしたい...いつの間にかそういう想いができていた...そして...

「ど、どうかしたの?大丈夫?」

思いきって声をかけてみた


509 : クローン同士は惹かれ合う?だゾ ◆.EKyuDaHEo :2020/08/21(金) 16:57:56 PmDDYWGM0
「や、やだ!殺さないで!」
「あ、安心して!オラは君をお助けに来ただけだから!」

怯えられて一瞬戸惑ったが何とか事情を説明した...すると

「私を...助けてくれるの...?」

少女は涙目になりながらもにせしんのすけマンに問いかけた

「う、うん!だってオラは正義のヒーローだからね!」

にせしんのすけマンは自分でもなに言ってるんだろうと思った...元々は悪役として世界最強になると考えていた自分だ...正義のヒーローと名乗るのは間違ってると思う...すると少女は

「正義のヒーローなんだね...私より年下なのに助けてくれるなんてカッコいいよ?」
「そんなことないゾ...オラは元々悪役だったし、ある人の姿をコピーしたクローンみたいな存在だからね...」

にせしんのすけマンは少女の横に座り語る...すると少女は驚いたように話す

「え?君も私と同じクローンなの?」
「え?じゃあ君も?」
「うん...私もある人のクローンとして生まれたの...」
「そうだったんだ...」

お互いクローンであることを知った二人...すると少女は自己紹介を始める

「あ、そういえば自己紹介がまだだったね、私の名前はフェイト・T・ハラオウン、長いからフェイトって呼んでね♪」
「オラは...し、しんのすけ!しんちゃんって呼んでいいゾ!」

自分はしんのすけの姿をコピーした存在、名前などもなかった...だから自分が姿をコピーしたしんのすけの名前を名乗った、自分は確かにしんのすけとは違う...だがそれでもしんのすけの姿をコピーした存在だから...

「分かった、よろしくねしんちゃん♪」
「う、うん!よろしくだゾ〜...」

本当にこう名乗ってよかったのだろうか...と不安な気持ちもあったがとりあえずこの少女、フェイトを守ることを決意した

【にせしんのすけマン@クレヨンしんちゃん伝説を呼ぶブリブリ3分ポッキリ大進撃】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]:基本行動方針:お助けできる人はお助けしたい
1:フェイトちゃんを守る
[備考]
参戦時期はしんのすけ達に倒されて消滅した後。しんのすけに心を動かされ正義感溢れた性格になっている。
ミライマンの力を借りて変身したしんのすけをコピーしているため、常に変身状態になっている

【フェイト・T・ハラオウン@魔法少女リリカルなのはA's】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]:基本行動方針:殺し合いはしたくない...
1:しんちゃん(にせしんのすけマン)と一緒に行動する
2:なのは達がいるかもしれないから探す
[備考]
参戦時期は闇の書事件終了から数ヶ月たった時。


510 : ◆.EKyuDaHEo :2020/08/21(金) 16:58:20 PmDDYWGM0
投下終了です


511 : ◆.EKyuDaHEo :2020/08/21(金) 18:56:01 PmDDYWGM0
すみません、タイトルを「コピー同士は惹かれ合う?だゾ」に変更します


512 : ◆2dNHP51a3Y :2020/08/21(金) 20:30:49 JK6BjWZk0
投下します


513 : 煌めく涙は星に ◆2dNHP51a3Y :2020/08/21(金) 20:31:16 JK6BjWZk0
――少女は地獄を見た

極々ありふれて、それでいて少しだけ非日常があって

優しい母親がいて、実は恋い焦がれているクラスメイトがいて、自分は自分で魔法少女として魔罪人を倒すのに忙しかったけど、それでも充実した毎日で

そんな日常がいつまでも続くと思っていた







……最初はとある魔罪人との戦いで、初めて刻まれた快楽からであった

それから全て脆くも崩れ去ってしまった。学園での魔罪人ハクラクとの戦いで、母を人質に取られた事での初めての敗北。好きでもない男子に初めてを奪われ、性処理係にへと堕ちぶれた

唯一信じることの出来たボーイフレンド、清良トキのおかげでハクラクは倒すことは出来た、だけど何もかも、清良トキの……否、魔罪人ヨモギの紡いだ脚本どおりであった

母親は既に堕とされていた、唯一信じることの出来た、恋い焦がれたボーイフレンドは最初から敵だった。茶番だった、最低最悪の茶番だった。

心は砕け散った。自分から快楽を求めた。裏切られたと知っても、それでも大好きな人の子を宿せれるなら何でもいいと思った。

そんなささやかな、狂い壊れた願いすらも、いとも容易く踏みにじられた



目が覚めると、知らない夜空があった。周りには緑色の身体をした何かがいた。魔罪人なのか、それとも別の何かなのか、どうでもよかった

そういえば殺し合いなんて言っていた人がいた、みせしめとして殺された人がいた。でもどうでもよかった

何もかもどうでもよかった。このままこいつらの慰み者になってもいいと思っていた。狂った後の学園での日常と何も変わらないからだろうか

緑色の何かの性欲に下卑た視線が酷く心地よく思えた。慣れてしまったからだろうか


……どうしてなんだろう。どうして、もうどうでもいいと思ったのに。どうして泣いているんだろう
頭も、身体も、心も、どうにもならない程に壊れてしまったはずなのに


……ああ、そうだ。どれだけ快楽の淵に堕ちても、絶望しても、壊れても―――



――取り戻したかったんだ
あの優しかったお母さんを、ヨモギに壊され、私なんか見向きもしなくなってしまったけど、それでも取り戻したいと願っていた
でも、この身体で何が出来るのか。自ら快楽を貪る事を望んでしまうほどに身体も心もボロボロになった私に

そんな事を考えていた最中だ

「―――マジカル・スプラッシュ・フレアァァァッッッ!!!」

そんな誰かの大声と共に、目の前にピンク色のハートの形をした、大きな何かが輝いているのが見えた
その輝きは、今にも緑色の何かを飲み込んでいく。このまま動かないのであれば私も飲み込まれてしまうのだろう

だからなのか、それとも本当は私が諦めたくなかったと思っていたのか、わからないけど

「メン……タル・イル、シオンッ……プラク、ティ、エル・ラ、―――マギ!」

………私は、有栖川理愛は―――




◯ ◯ ◯

きっかけだけを言うならば、この私、煌樹まみかの盛大な勘違いであった

いやだって、なんか白い液体っぽいのまみれで座り込んでいた、焦点があってない眼の女の子に、それを取り囲む緑色の魔物なんて構図って、どう考えてもいやらしい何か案件じゃないですか!?って

「―――マジカル・スプラッシュ・フレアァァァッッッ!!!」

勿論怒りが途轍もなくこみ上げて、その感情のままにマジカル・スプラッシュ・フレアを放っちゃいました。……あ、勿論女の子を巻き込まないようには考慮はしたんだけど……

周りに居た緑色の魔物は消し炭になりました。……周りの草花ごと。周りが草原だから良かったにしても、もし市街地とか人が居たりとかだったら明らかに大惨事になっていたので、頭が冷えた後はちょっとだけホッとしました

なんて落ち着いていたら、目の前に光の玉かなんかが現れて、それが消えたと思ったら何だから衣装チェンジというか私と同じ魔法少女だったらしい、先程の女の子の姿です

「……えっと、あの」

まずいと思いました。多分ものすごーく怒ってるのかなぁ、って最初は思っていました。
いくら怒りで曇っていたとはいえ、実際やらかしかけたわけなので。やっぱり元いた世界と勝手が違うのは今でも慣れません
ですけど、どうやら――

「………あ、あの」
「……はい」
「……どちら、様?」
「……ほえ?」

……私の考えは、ただの杞憂で済んだようです


514 : 煌めく涙は星に ◆2dNHP51a3Y :2020/08/21(金) 20:33:49 JK6BjWZk0
◯ ◯ ◯

爆心地のような状態になった場所から少し離れた場所にあるとあるお寺の境内。一旦そこへ移動した二人は改めてお互いの事を話していた
まみかの話した創造主の世界やらに関しては、理愛は「とりあえずアニメの世界から来たのかな?」という軽い感覚で納得し
理愛の話した心の世界、魔罪人は、まみかからすればある意味自分の元いた物語と似たりよったりな世界だという認識で納得したのだが

「……あの、その。ごめんなさい」
「さっきのことでしたら大丈夫ですよまみかさん」
「いや、そっちじゃなくて……その、理愛ちゃんは」
「……いいんです。もう」

不用意に理愛の内情を聞いて、まみかはその不用意さ後悔することになった。あまりにも残酷すぎて、救いのない結末(ものがたり)。もし彼女のそれが誰かが書いた物語であったのならが、その創造主に思わずゼロ距離マジカル・スプラッシュ・フレアをぶちかましてやりたいと思ってしまうほどに怒りに打ち震えそうになる
そして話を聞くに、理愛は一度心が壊れたらしい。そこまで至った経緯がどれほどの地獄だったのか、同じ女性としてなんとなく理解できてしまうが故に

「……でも、許せないよ。好きだった人が、そんな酷い人だったなんて。そんな外道だったなんて」

それ以上に、煌樹まみかは彼女から聞いた清良トキ、もとい魔罪人ヨモギに対して特に強い怒りを抱いていいた。
理愛の母親を壊したばかりか、理愛を追い詰めるためだけにあんな酷い真似をした人の形をした、吐き気を催す邪悪に対して

「……ごめん。好きだったんだよね。そのトキって人のことが」
「良いんです、まみかさん。あの人は最初から敵だった、それに私もお母さんも気づけなかった。ただそれだけなんです」

憤っていながら理愛の方を見れば、彼女の目尻には涙が溢れている。また余計なこと言っちゃったのかなと思い謝罪するまみかであったが、理愛はそんな彼女を気遣うように、我慢して作っているような笑顔をまみかに向ける

「だから、私が止めないといけないって思ってます。この殺し合いにトキくんがいるのかはわからないですけど。いるにしろいないにしろ、まずはこの殺し合いを何とかして止めないと」
「身体は、大丈夫なの?」

殺し合いを止めたいという二人の気持ちは同じであるが、まみかからすればまだ快楽の痕跡が残り続けている理愛の身体の方が心配であった。事実、魔力を使ったのが原因なのか、理愛の身体は恐らく常温よりも高い。顔も赤らんでおり、気を抜いたらへなへなと座り込んで地面にシミを付けかねないほどだ

「……ちょっと、大丈夫、じゃない、かな。でも、足手まといにはならないぐらいには、頑張る、から。――ごめん、トイレ行ってくるね」

そう言い残すと、理愛は一先ず覚束ない足取りながらもトイレのある寺の小屋へと向かっていった
恐らくは抜けきっていない快楽を自ら慰めに行ったのだろう





「……はぁ」

一人取り残されたまみかは、ただため息をつく。『今の世界』の複雑さなんて今に始まった事ではないのは彼女自身が一番理解している。
自分のいた世界は優しかった。魔法で誰も傷つくことなく、悪しき存在を浄化し退治する。そんな法則で彩られた物語であった
だからこそ彼女が最初に創造主の世界を訪れ、軍服の姫君の話を鵜呑みにしていた頃は、まさに世間知らず、というべきだった
だからこそ、だったのだろう、世界を知って、その上で、元の世界に戻っても恥ずかしくない生き方を、最後までみんなの信じてくれたマジカルスレイヤー・まみかであり続けることを

耳を傾けると、理愛の喘ぎ声のようなものが聞こえる。あまり聞きたくはないものであるが、理愛も理愛で、自分の中に根付いた快楽と戦っているのだろうと、まみかはそう信じていた

「……こんな所で、私もいつまで落ち込んでばかりじゃいられないよね。……アリスちゃん」

沈黙の夜空の下、今はどこにいるとも分からぬ友人の名を呟く
結局死に別れてしまった形になってしまったけど、もし彼女ならこの殺し合いに巻き込まれても正しい道を進んでくれているんだろうと信じている。





少女は誓う、誰かに恥じない、みんなの信じた自分を貫き通すために

少女は誓う、一度は壊れてしまった自分だけど、今度こそ大切な母親を取り戻し、恋人だった男と決着をつけると

彼女たちは誓う。煌めく涙は星に、再び決意を胸に秘め


515 : 煌めく涙は星に ◆2dNHP51a3Y :2020/08/21(金) 20:35:03 JK6BjWZk0
【煌樹まみか@Re:CREATORS】
[状態]:健康
[服装]:魔法少女姿
[装備]:マジカルステッキ@Re:CREATORS
[道具]:基本支給品、ランダム支給品2つ
[思考]
基本:こんな殺し合いなんて止めないと
1:理愛ちゃんの身体が心配。無理をしてないといいけど
[備考]
※本編第九話「花咲く乙女よ穴を掘れ」で、死亡後からの参戦です

【有栖川理愛@魔法娼女理愛 獣欲に嵌まる母娘】
[状態]:発情(大)、快楽中毒(中)
[服装]:魔法少女姿
[装備]:魔法の杖(変身前はペンダントの形態)@魔法娼女理愛 獣欲に嵌まる母娘
[道具]:基本支給品、ランダム支給品2つ
[思考]
基本:殺し合いを止めたい
1:身体の疼きが……
2:もしトキくんと出会ったら、その時は……
[備考]
※本編第五章『砕ける心、隷属の刻』終了後からの参戦です
※トキによって仕掛けられた『道具』は解除されています


516 : ◆2dNHP51a3Y :2020/08/21(金) 20:35:15 JK6BjWZk0
投下終了します


517 : ◆NIKUcB1AGw :2020/08/21(金) 21:10:22 1t.nmCUs0
投下します


518 : ギャンブラー少女は半魚人の夢を見るか? ◆NIKUcB1AGw :2020/08/21(金) 21:11:36 1t.nmCUs0
会場内に存在する小学校。
その敷地内に設置されたプールの傍らに、一人の少女の姿があった。
彼女の名は、椎名桜子。巨大学園・麻帆良学園に通う女子中学生だ。

「えー……。何これ……」

桜子の口から漏れたのは、困惑の言葉だった。
彼女はごく普通の人生を歩んできた中学生である。
突然拉致されて殺し合いをしろと言われても、どうにも現実感が湧かない。
頭では危険な状況だとわかっているのだが、心が追いつかないのだ。

「なんか、こういう映画あった気がするけど……。
 いざ自分が参加させられると、何すればいいのかわからないなあ……。
 とりあえず、荷物の確認とかすればいいのかな?」

桜子はとりあえずデイパックを開け、中身を調べてみることにする。
まず出てきたのは、鈍色の筒だった。

「えーと、空気砲? 理科の実験でよく見かけるあれ?
 手にはめて『ドカン』と叫べば、空気が発射される、か……」

同梱されていた説明書に従い、桜子は試しにそれを右腕にはめて叫んでみる。

「ドカン!」

次の瞬間、猛烈な勢いで発射された空気弾が、彼女の正面にあった金網を突き破った。

「え……?」

予想を遙かに上回る破壊力に、桜子の思考は限りなく停止に近い状態に陥る。
彼女はただ呆然と、金網に開いた穴を見つめていた。
だが、その状態は長く続かない。
彼女の背後で、激しい水音が立ったからだ。

「まったく……。いくら俺が水棲超人だからって、水の中からスタートさせることはねえだろう。
 カバンがずぶ濡れじゃねえか」

続いて聞こえてきたのは、荒々しい口調の声。
桜子は恐る恐る、背後に視線を移す。
そこにいたのは、「半魚人」と表現するほかない生物だった。

「え、え?」

桜子の思考は、さらにかき乱される。
あんな生物が実在するはずがない。着ぐるみに決まっている。
そう思おうとしても、月明かりを反射する鱗の輝きが否応なくリアリティーを彼女に叩きつける。

「あぁん? なんだ、人間のガキか。
 ちょうどいい。景気づけに、いっちょ血祭りに上げてやるか」

半魚人はプールから上がると、まっすぐに桜子に向かって歩いてきた。
混乱の極みにある桜子は、ただ棒立ちでそれを見つめるだけだ。
「逃げなければ殺される」という認識はある。
だがそれはどこか他人事のようで、体を動かそうという意志に繋がらない。
やがて半魚人は桜子のすぐ前に到達すると、鋭い爪の生えた右手を振り上げた。

(ああ……。私、死ぬんだ……。
 せめて死ぬ前に、もう一回あの二人の顔が見たかったなあ……)

親友である柿崎と釘宮の顔を思い浮かべながら、桜子は死を受け入れる。
だが、半魚人の手は彼女の体を切り裂く寸前で止まった。

「なーんてなあ! 我ら悪魔超人、外道なれど獣にあらず!
 リングの外で、むやみやたらに殺生はしねえよ」

ケケケ、と笑うと、半魚人は金網の穴を広げてプールサイドから立ち去ろうとする。
うつろな目でそれを見ていた桜子だったが、ふと我に返り半魚人に話しかける。

「あ、あの!!」
「なんだ? 何か用か?」
「私を殺さなかったってことは、いい人なんだよね?
 それなら、ついていっていい?」
「あー? バカか、おまえ。
 たった今俺が言ったことを聞いてなかったのか?
 俺は悪魔だ。人間を守る義理なんてねえよ」
「守るつもりはなくても、殺すつもりもないんでしょ?
 だったら、一人でいるよりは安心じゃない。
 おねがい、お魚さん!」
「誰がお魚だ! いいか、俺の名前はアトランティス!
 名誉ある悪魔超人の突撃部隊、7人の悪魔超人の一人だ!」
「じゃあおねがい、アトランティスさん!」
「はあ……しょうがねえな……」

桜子の言動に毒気を抜かれたのか、アトランティスが表情を緩める。

「ついてきたいなら、勝手についてこい。
 別に俺は、おまえがどうなろうと助けねえからな」
「はーい!」

こうして、女子中学生と悪魔の珍道中が始まったのだった。


519 : ギャンブラー少女は半魚人の夢を見るか? ◆NIKUcB1AGw :2020/08/21(金) 21:12:21 1t.nmCUs0


【椎名桜子@魔法先生ネギま!】
[状態]健康
[装備]空気砲@ドラえもん
[道具]基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考]基本行動方針:生きて帰る
1:アトランティスについていく
[備考]
参戦時期は修学旅行から麻帆良祭の間。


【アトランティス@キン肉マン】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考]基本行動方針:適当に暴れさせてもらうか
1:正義超人か完璧超人がいたら、叩き潰してやる
2:無意味な殺戮はしない
[備考]
参戦時期はマーリンマン戦で死亡した後。


【空気砲@ドラえもん】
大長編でおなじみ、武器系ひみつ道具の代名詞。
腕にはめて「ドカン」と叫ぶことで、空気弾を発射する。
大長編ではたいてい叫んでないが、気にしてはいけない。


520 : ◆NIKUcB1AGw :2020/08/21(金) 21:13:19 1t.nmCUs0
投下終了です


521 : ◆4kMBNI9QkE :2020/08/21(金) 21:38:04 9OWHL4RU0
投下させていただきます。


522 : 勧誘のしつこいセールスマン ◆4kMBNI9QkE :2020/08/21(金) 21:39:08 9OWHL4RU0
「ねぇ君達、僕と契約して魔法少女になってよ!」
「・・・興味ない」
「・・・同じく」

突然現れたネコとウサギを合わせたようなファンシーな見た目をした白い生き物からの誘いを、
黄色い大きなボタンの付いた赤い服を着た銀髪の白人男性・・・ゼロゼロナンバーサイボーグの『004』ことアルベルト・ハインリッヒと
赤と青の2色で彩色されたクモの巣模様の全身タイツ姿をした中年白人男性・・・スパイダーマンことピーター・B・パーカーの二人は即座に拒否した。

「というか・・・そもそも俺達は『男』だし、『大人』だぞ?」
「そうそう。『大人の男』じゃ『魔法使い』にはなれても、『魔法少女』にはなれないだろうが?」
「・・・まぁ、確かに『いつもなら』そうなんだけどね」

ハインリッヒとピーターからの真っ当な意見に、『キュゥべぇ』と名乗る白いファンシーな生き物も一度は同意するが、気にせずに話を続けていった。

「でも、この『催し』の主催者の協力で、この会場内に限り、性別や年齢に関係無く誰とでも魔法少女の契約ができるようになっているのさ。そういう訳だから、僕と契約して魔法少女になってよ!」
「・・・だから、興味ないって言ってるだろうが」
「もう行こうぜ。付き合ってられねぇーよ」

ピーターとハインリッヒはキュゥべぇの言葉にあきれ果て、支給されたデイバッグを担いで移動を開始した・・・が、キュゥべぇもその後をとことこと付いていった。

「まぁ待ってよ。魔法少女になれば普通の人間以上の力が手に入るんだ。ここは『殺し合いの場』だろう?他の参加者よりも優位に立てると思うよ」
「間に合ってるよ。俺はサイボーグなんでね」
「俺なんか、放射性の蜘蛛に噛まれてから、20年もスーパーヒーローやってんだぜ?」
「・・・魔法少女の契約を結ぶと、どんな『願い』でも叶える事ができるんだ。あ、でも『殺し合いを無かった事にしたい』とか『会場から脱出したい』っていう願いはダメだよ。主催者側との契約で、その手の願いは叶えられない事になっているんだよ」
『それじゃ意味無いだろうが・・・』
「まあまあそう言わず、僕と契約して魔法少女になってよ!」
『・・・』

しつこく魔法少女になるよう勧誘してくるキュゥべぇに、ハインリッヒもピーターもだんだんイライラしていった。
しばらくして、ハインリッヒとピーターは足を止めた。

「・・・なぁ」
「あ、契約する気になったのかい?」

・・・ピーターはキュゥべぇに向けて手首から一筋の蜘蛛糸を発射し、キュゥべぇの足を地面に接着したのだった。

「あ」
「・・・それじゃあな」
「糸は2時間で消えるからなぁ〜」

身動きのとれなくなったキュゥべぇを残し、二人は去っていったのだった。

「・・・わけがわからないよ。どうして『殺し合い』に勝つ為のパワーアップを拒否するんだい?」

ハインリッヒとピーターの行動が理解できず、キュゥべぇは首を傾げた。


そうしてしばらくじっとしていると・・・また別の参加者が通りがかったのでキュゥべぇは営業スマイルを浮かべる。

「やぁ、僕はキュゥべぇ。早速で悪いけど、僕と契約して魔法少女になってよ!」



【アルベルト・ハインリッヒ(004)@サイボーグ009】
[状態]:健康、少し苛立ち
[装備]:サイボーグ戦闘服@サイボーグ009
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本:会場からの脱出
1:魔法少女?ヤダよ
2:ピーターと共に仲間を集める
3:ゼロゼロナンバーサイボーグの仲間がいるなら合流する
[備考]
平成テレビシリーズからの参戦。

【ピーター・B・パーカー(スパイダーマン)@スパイダーマン:スパイダーバース】
[状態]:健康、少し苛立ち
[装備]:スパイダーマンのコスチューム@スパイダーマン:スパイダーバース、ウェブシューター@スパイダーマン:スパイダーバース
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本:会場からの脱出
1:魔法少女?ざけんな
2:ハインリッヒと共に仲間を集める
3:他のスパイダーマンがいるなら合流する
[備考]
本編終了後からの参戦。
ウェブシューターはコスチュームの付属品です。

【キュゥべぇ@魔法少女まどか☆マギカシリーズ】
NPC。
言わずと知れたインキュベーター。
このロワにおいては年齢・性別・種族を問わず『参加者』であれば誰でも視認でき、才能があると判断すれば男性であっても魔法少女の契約を結ぼうとしてくる。
キュゥべぇと魔法少女の契約を結ぶと、魔法少女になれるだけでなく『願い』を一つ叶えられるのだが、このロワ中は『殺し合いの打破』、『会場からの脱出』などのロワの根幹に関わるような願いは叶えられない。
そして、魔法少女となった者が最終的にどうなるかは・・・ウィキペディアを参照のこと。


523 : ◆4kMBNI9QkE :2020/08/21(金) 21:42:21 9OWHL4RU0
投下終了します。
キュゥべぇの台詞が原作通りか、少し不安・・・。


524 : ◆ytUSxp038U :2020/08/21(金) 21:53:39 ahjWr9WU0
投下します


525 : 拳鬼 ◆ytUSxp038U :2020/08/21(金) 21:55:25 ahjWr9WU0
市街地にあるビルの屋上。
そこに胴着姿の男が一人仁王立ちし、冷たい夜風をその身に受けていた。
男の目は吊り上がり、眉間には深い皺を作っている。
怒っているのだ。人の命をゴミのように扱う主催者に。
あの奇妙な場所で、何もできなかった自分自身に。

「人間の屑がこの野郎…(憤怒)」

血管が浮き出る程に強く拳を握り締める。
主催者は殺し合えと言った。
確かに自分ならば、1145141919年もの歴史を持つ迫真空手の継承者である己ならば、この肉体を武器に全ての参加者を殺すことも不可能ではないだろう。
だが、こんなふざけた催しに乗る気など微塵もない。
仮に己の鉄拳を叩き込むとしても、それは主催者と殺し合いを肯定した奴にだけだ。
非力な女子どもに手を掛けるような外道に堕ちるために今まで鍛えて来た訳では無い。

「オラァッ!!!」

握り締めたままの拳を天へと向けて力強く突き出すと、大気が大きく揺れた。
周囲の建物のガラス窓が破れ、遥か上空にあった雲は散り月光が降り注ぐ。
これは宣戦布告だ。
どこかで自分たちを嘲笑っているだろう主催者に向けて、必ずやお前を倒し殺し合いを止めて見せる、と。

「今からお前に罰を与えっからなぁ…!(死刑宣告)」

こうして地上最強のホモ、AKYSの戦いが始まった。

【AKYS@真夏の夜の淫夢派生シリーズ】
[状態]:健康、主催者への怒り
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]:基本行動方針:主催者を叩き潰し、殺し合いを止める
1:殺し合いに乗った奴もぶっ潰す
[備考]
野獣先輩らと面識があるかどうかは書き手に任せます。


526 : ◆ytUSxp038U :2020/08/21(金) 21:55:57 ahjWr9WU0
投下終了です


527 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/21(金) 22:00:56 NDVRatfo0
投下させていただきます。


528 : かつての夢は闇の中に ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/21(金) 22:01:47 NDVRatfo0
ここは会場内の湖畔、ルート・レイクと呼称されたエリアの近くに無数の人影があった。

いや、厳密には人影ではなく、無数のゴブリンとそれに陵辱される一人の娘の姿があった。

「う、うげええぇぇぇ……もう、やめてぇ……お願いだからぁ……もう、出さ、な…でぇ…」

陵辱されている娘、女武闘家は嘔吐しながら力ない声でゴブリンたちへそう嘆願した。

しかし彼らが手を緩めることなどない。
それは彼女自身、自分の身をもって理解していることだった。しかしそれでも、その苦痛から彼女は嘆願せずにはいられなかった。

そしてゴブリンたちはそんな彼女をあざ笑い、またも彼女の身体に自らの精を流し込んでいった。

それにより女武闘家が再び悲痛な声を上げる、そんなおぞましい光景がここには広がっていた。

しかしそんな光景が突如として終わりを迎えた。

見回りをしていたゴブリンたちが、謎の黄色い球により吹き飛ばされたのだ。

それにより先ほどまで女武闘家を陵辱していたゴブリンたちはその手を止め、自らの武器を手に取りその場へと向かったのだ。

そしてそこには、奇妙な格好をした男がいた。

黒地に金の刺繍が施された着物にすだれのようなものが付いた冠、そして顔全体を巨大な呪符のようなもので覆っていた。

まるで中国の皇帝とキョンシーを混ぜたような見た目をした男が、そこに立っていた。

そしてゴブリンたちは気づいた。彼が自分たちを襲った者だと気づき、数の暴力に任せて彼に襲い掛かった。

しかしそれは悪手だった。男はそのまま彼らゴブリンたちを様々な技で葬っていったのだ。

丁度男の目の前にいたゴブリンは抜き手で無数の風穴を開けられ、

あるゴブリンは気弾を込めた掌底で身体を跡形もなく吹き飛ばされ、

またあるゴブリンは空中で繰り出された回し蹴りで周囲にいた仲間ごと頭をはね飛ばされ、

そして遠くにいたゴブリンは彼の手から放たれた気弾によってすべて薙ぎ払われてしまった。

中でも一番悲惨だったのはこのゴブリンたちを率いていたリーダーだろう。

彼は男の放つ無数の技を食らった挙句、全身を骨も残らずチリにされてしまったのだから。


529 : かつての夢は闇の中に ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/21(金) 22:03:27 NDVRatfo0
そうしてその男は体術のみでゴブリンたちをすべて殺害してしまった。

その光景を、女武闘家は一言も発さず、まばたきもせずに見つめていた。

魅了されていたのだ。彼の放つ技一つ一つに。

曲がりなりにも武闘家であるから分かったのだ、彼の放った技の美しさとその威力に。

そして、彼の衣服には一つたりともゴブリンたちの血が付いていないことに気づいたのだ。

そうして彼女が男の姿に魅了されていると、その男がこちらに近づいてきた。

全身を汚辱にまみれた姿を見られたくないと思った彼女は男から逃げようとしたが、男のほうが早く彼女のすぐ近くまで来てしまった。

そうすると突如男が口を開いた。

「其方、なかなかいい目をしているのぉ……」

「憤怒、絶望、憎悪、屈辱、………そして力に対する渇望が透けて見えておる」

「余はそのような淀んだ目をした人間が大好きでの、何なら其方に技を授けてやろうか?」

目の前にいた男は女武闘家にそう言い、彼女をじっと見降ろしていた。

お前に自分の技を授けてやると、彼はそういったのだ。

そして彼女はその言葉に対し、即座に答えた。

「……ぜひともお願いいたします……!貴方のことを、師匠と呼ばせてください……!」

師匠と呼ばせてくださいと、貴方の技を授かりたいと、そう答えたのだ。

そして男は高笑いをしながら彼女の答えを受け取ったあと、自身の名を教えた。

「はっはっはっはっ!余に師事を仰ぐか!余はマオタイ、我が剛の拳の極意を、とくと味わうがよい」

そうして彼女に自分の技を教えるといったマオタイだったが、彼女に対して顔をしかめた雰囲気でこう言った。

「まずは、そこの湖で体を清めよ。そのままでは栗の花臭くて、教える気にはならぬ」

その言葉に若干ショックを受けた女武闘家だったが、その通りだとも思ったので彼の言うとおり自分の身体を洗いに行った。

そして先ほどまでゴブリンに襲われていたため確認できなかったデイバッグの中に、丁度衣服が入っていたのでそれを着ることにしたのだ。

これからの自分の成長に胸を躍らせながら……。


530 : かつての夢は闇の中に ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/21(金) 22:05:44 NDVRatfo0
------------------------
そして彼女が体を洗っている間、マオタイは……

「ふむ、やはりあの白酒でなくては本来の姿に戻れぬか…」

「それに余の身体から力が失われておる…、これもあの主催者の仕業か……。全く、忌々しいものよ……!」

自分の身体に起きた変化について苦々しい雰囲気を出しながら確認をしていた。

(しかし、余の身体に起きた変化を確認するために小鬼どもを始末したが、とんだ拾い物をしたものよ)

しかし彼は呪符で隠した顔から笑みを浮かべていた。何故ならば、彼は面白い拾い物をしたからだ。

(あの小娘、女武闘家といったか?あれは、磨けば光る逸材よ……)

(必ずや、余の覇道を支える程の拳士、ひいては余の悲願たる"王楽浄土"の礎となる存在だろう……)

そう、彼は女武闘家の中にある才能を見出していたのだ。そしてその才能を開花させれば、必ず自身の役に立つ拳士となると、そう確信していた。

故に彼は女武闘家を助けたのだ。自身の覇道を助ける、一つの駒として、そして自らが求める『とこしえの楽園』のための礎として。

そして彼のもとに、身体についた汚辱を洗い流し、また新しい衣服を身にまとった武闘家が走ってきた。

「身体を清めてまいりました!では、稽古をつけさせていただけますか?」

「そうか、では早速稽古をつけさせてやろう。覇を掴む、最強の拳をその身に刻むがよい」

―― こうして、かつて小鬼により道を閉ざされた武闘家は仙界の魔皇によってその才覚を見出され、再び武の道を歩み始めた。

―― その先に待ち受けるのが、彼の意志によってすべてが決定される『偽りの理想郷』であっても、今の彼女にそれを知る由はない…………。


【女武闘家@ゴブリンスレイヤー】
[状態]:陵辱による疲労(中)、ゴブリンへのトラウマ(大)、マオタイの技に対する心酔
[装備]:カンフースーツ@現実
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:ゴブリンたちへの雪辱を晴らすため、マオタイに師事を仰ぐ。
1:何という技の数々……!この人に師事を仰げば私も……!
2:ゴブリンたちは皆殺しにする……しなければならないんだ……!
[備考]
参戦時期はゴブリンスレイヤーによって救出され、馬車で他の犠牲者とともに移動していた時期
元の衣服はゴブリンたちの手でズタズタにされたため、カンフースーツを着用しています。
また、マオタイを「異国の武闘家」だと思っています。


【魔皇マオタイ@モンスター烈伝オレカバトル】
[状態]:健康、力を封じられたことに対する怒り(大)
[装備]:邪帝の酒器@モンスター烈伝オレカバトル
[道具]:基本支給品(ストロングゼロ:残り2本)、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:主催者を打倒し、『どんな願いもかなえる力』を奪う。
1:余の覇道を邪魔するか、痴れ者め!
2:『どんな願いでも叶える』か……ならばその力、余がすべていただこう。
3:こやつ(女武闘家)は、磨けば光りそうだ……。
[備考]
本来は『無影暗殺拳』には一定確率で相手を即死させる効果が付いているが、制限により無効化されています。
同様に、必殺技である『七死七殺拳』には一定時間後に相手を即死させる効果が付いているがこちらも無効化されています。
また本来の姿である『邪帝』への変化もできません(正確にはそのために必要な『邪帝白酒』が没収されています)。

【邪帝の酒器@モンスター烈伝オレカバトル】
 黒と金の菱形模様をした盃で、彼が『邪帝』に変化するために必要な道具の一つ。

 これに彼特製の『白酒』を注ぐことで『邪帝』への変化を果たすのだが、
 肝心の酒とそれを作るための『魔麹』が手元にないので、今のところ只の盃である。


531 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/21(金) 22:06:23 NDVRatfo0
投下終了です


ありがとうございました。

余談ですが私は、かつての仲間が魔王の手先になってるという展開に興奮したことがございます。


532 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/22(土) 10:22:29 iarlemkk0
この企画への投下、ア…。アリ…ガ…トウ…。ございながら――

>コピー同士は惹かれ合う?だゾ
お互いコピー、アイデンティティーに悩む者同士の会合ですね。偽しんのすけマンは果たしてヒーローに成れるのか、オリジナルを考えると潜在能力ハンパなさそうなので今後に期待はできそう。フェイトちゃんやればできる子なので、意外といいコンビなのではないでしょうか?

>煌めく涙は星に
理愛ちゃんの過去えっっっっっげつなくて好き。対魔忍並みに興奮しました。
まみかちゃんは神的に魔法少女の鏡だけど、ド健全な日朝アニメ枠の世界観出身でよく陵辱経験者(状況証拠)に怯みませんでしたね。リアルの経験でメンタルが鍛えられている事が伺えます。同じ魔法少女なのにそういう意味でも世界観真逆ですが、実際の相性そう悪くないのも面白い。少女二人、誓いは達成できるのか……?

>ギャンブラー少女は半魚人の夢を見るか?
桜子の序盤の反応が等身大の視点なので共感できます。恐ろしい外見に反してむやみやたらな殺生を好まないアトランティスは悪魔超人の鏡。
JCと悪魔超人、意外な組み合わせですが相性は悪くないんじゃないでしょうか?

>勧誘のしつこいセールスマン
アルベルトとスパイダーマン。ここにも日米ヒーロー共闘が実現しましたか。これがコンペロワ!
NPCキュゥべぇ。これは早々に殺処分しなきゃならない地雷ですね間違いない。
男も魔法少女に成れる設定に草。魔法『少女』の概念が可笑しくなりそう……。
口調に関しては違和感を感じなかったので大丈夫だと思います(個人的感想)

>拳鬼
武神AKYS、開幕から聖拳突きぶっぱなしてて草。 BB劇場ではもれなく強キャラ扱いされる彼ならやってくれそうです(強いとは言ってない)
現時点で応募されてる迫真空手部の面々みたら激怒しそうですねこれは……

>かつての夢は闇の中に 
現時点で居そうで中々居ないゴブリン陵辱される女武闘家可哀想だけど可愛い。彼女がゴブリンに敗北するのは骰子をふるまでもなく因果で決定してそう。そしてそんな哀れな娘を颯爽と助けるマオタイ、これはヒーローですね間違いない。
実際は才能込みの打算もありますが、色々企みがあるとはいえ主催を倒す意思は本気だし武術家としての実力は確か。彼のコーチングで女武闘家がどう化けるのか期待できますね。
余談ですがわたしは正義の女ヒーローが悪堕ちする系の展開が好きで興奮します。


533 : ◆vV5.jnbCYw :2020/08/22(土) 10:56:20 SU.NmnMU0
投下します。


534 : 奇妙でおかしなトライアングル ◆vV5.jnbCYw :2020/08/22(土) 10:56:53 SU.NmnMU0
(え!?これってもしかして………。)


「また攫われてる〜〜〜っ!?」
そう叫んだのは、ピンクのドレスとボリューム豊かな金髪に身を包んだ女性。


「ちょっと地の文、もっと私の美しさを描写しなさいよ。」

そう叫んだのは、美しいピンクのドレスと流麗なウェーブのかかった金髪に身を包んだ女性。

「それだと私自身の美しさを褒めてなくない?」

そう叫んだのは、美しいピンクのドレスと流麗なウェーブのかかった金髪に身を包んだ、道行く男たち全てが振り返るような女性。

「まあ、これくらいで良しとするわ。」


彼女の名前はピーチ。
その攫われた回数はギネスブックに載るほどであるという。
時として、彼女のことを「さらわれマニア」と呼ぶ者もいる。(あ、否定しないんだね。)


しかし、彼女にとっての、「さらわれ」にもあるルールがあった。
一度攫われ、救われてからは、一定の期間を経ないと、攫われることはならない。
今回、彼女は月世界からマリオ、クッパと共に帰還を遂げて、そのまま城へ帰ることもなくすぐにこの戦いの会場へ呼ばれた。
すなわち、どこかおかしいということは彼女にも分かっていた。


(マリオ達がきっと助けに来てくれるけど、それまでは自分で身を守らないといけないのかしら。)
鞄を探ると、それなりに立派な剣が出てきたが、彼女は使ったことがない。
もう一つ出てきたのは、黒い筒のような物体。

レイガンというらしいが、どう使っていいのか説明書を読んでもいまひとつわからない。


しかし、のんびり説明書を読んでいる場合ではなかった。
「モジャ!!」
近くの茂みから、白い毛皮に覆われた嘴のある獣、ももんじゃが襲い掛かる。


使い慣れない鋼の剣を鞘から抜き、抵抗しようとしたところ、いつの間にか銃声と共にももんじゃが倒れていた。


「ケガはない?」
離れたところに、黄色いシャツに紺色の短パン、そして眼鏡の少年が立っていた。

「あなたは……。」
少年の右手にあるものは分からなかったが、モンスターはあの少年が倒したのだとピーチも分かった。


「僕、のび太っていうんだ。キミは?」
少年は辺りを警戒しながら、ピーチが立っている場所へと近づく。

「私……?ピーチよ。」
「へえ、おいしそうな名前……。」
「気を付けて!!まだ来るわ!!」

仲間の死を嗅ぎ付けて、多くのももんじゃが襲い掛かってきた。


535 : 奇妙でおかしなトライアングル ◆vV5.jnbCYw :2020/08/22(土) 10:57:11 SU.NmnMU0
「ねえ、ピーチ、今ぼくが持ってる、この銃みたいなもの持ってない?もう一つほしいけど……。」
「もしかして、これのこと?」

似たような形だったので、鞄からレイガンをのび太に渡す。

散弾銃と、レイガン。
二丁の拳銃を手にした彼は、鬼に金棒だった。
かつて保安官の星で、一つの空き缶に6発の弾丸全部を当てたり、ギャング集団を一人で壊滅させたりと、彼が銃を持った時のエピソードは枚挙にいとまがない。


瞬く間に、次々と二人に襲い掛かるももんじゃ達を倒していく。
わずか10秒かそこらで魔物を倒し切ってしまうと、二つの銃をクルクルと回し、ポケットにしまい込む。

「すごいわね。のび太さんだっけ?この戦いが怖くないの?」
その戦い方にあっけにとられたピーチは、ごく当たり前な問いをのび太にかける。
「そりゃあ、怖いよ。でも、ドラえもんもいない今、ぼくがしっかりしなきゃいけないからね!!」

いつもの大長編で言いそうな台詞を吐く。

しかし、ももんじゃの一団はまだ全滅したわけではなかった。
倒れた別のももんじゃに紛れて、隙を窺っていた一匹が生き残っていた。


「モジャアアッッ!!」
満を持した生き残りは、高く飛び上がり、のび太とピーチ、二人に大の大人をダンジョンから蹴り飛ばす蹴りを見舞おうとする。


「けしからん、私が喝を、入れてやる。」
突然何かに乗ってやってきた長身の男が、ガチビンタで最後のももんじゃを張り倒す。

「油断するな。勝利を確信した時こそ、死に繋がる。」
「あ、あなたは?」
「オーナーの、平野、源五郎です。」

なんとも格好のついた登場で現れた平野源五郎。
乗り物がバイクか電車なら仮面ライダーさながらなのだが、彼が坂道を駆け下りた乗り物は、なんと台車だった。

今度こそ辺りの雑魚を全て倒した三人は、互いの情報を交換することにした。


のび太と平野は同じ東京都に住居を構えていたが、時代が違っていた。
のび太がいるのは1970年「昭和」の東京で、平野がいるのは2010年「平成」の東京だという。

40年ほどとはいえ、異なる時代から人間が参加させられていることに平野はいささか驚く一方で、異なる時代の人間とも冒険した経験があるのび太は、特に驚きはしなかった。


しかし、のび太も驚いたのは、ピーチ姫の出身地を聞いた時。
彼女はキノコ王国という、全く二人の知らない世界の出身で、年号というのも何のことなのかさっぱりだという。
時には過去、時には未来、時には宇宙を冒険したのび太でさえ、全く知らない王国だった。


536 : 奇妙でおかしなトライアングル ◆vV5.jnbCYw :2020/08/22(土) 10:57:47 SU.NmnMU0


三人は情報の交換を終え、それぞれの知り合いを探すことに決めた。
のび太とピーチ姫は台車の上に乗り、平野がそれを押す。
ピーチ姫にはいくらのび太と平野がいるからといって丸腰では心もとないので、平野がナイフを渡した。
「平野さん!!わざわざ押してくれてありがとう!」
「なあに。同じようにこの戦いに反旗を翻そうとする参加者と繋がれて、感謝感激・平野源五郎です。」


天才銃使い小学生と姫を乗せた台車を、緊縛師が引くというシュールな風景が見えた。


【野比のび太@ドラえもんシリーズ】
[状態]:健康 大長編補正
[装備]:不死川玄也の散弾銃@鬼滅の刃(弾数12/20) レイガン@大乱闘スマッシュブラザーズX (エネルギー4/5)
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2
[思考・状況]:自分や平野源五郎、ピーチ姫の知り合いを探す
1:ピーチ姫……綺麗な人だなあ。
[備考]
少なくとも大長編16巻 「のび太と銀河超特急」完結後です。

【ピーチ姫@スーパーマリオくん(コロコロ版)】
[状態]:健康
[装備]サバイバルナイフ@バトルロワイヤル
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜1(確認済み)
[思考・状況]:基本行動方針:殺し合いから脱出する。マリオ達がいるなら探す。
1:のび太、平野と協力して会場を探索する。
2:ヒラノさん……女性に興味がないなんて不思議な人ね。

[備考]
参戦時期はオデッセイ編終了後(単行本55巻)


(ふふ……野比のび太君……か。)
(スケベなことしか考えない田舎少年もいいと思っていたが、都会少年もなかなか悪くないかもしれん。)
(命を取るつもりはないし、彼の望み通りに友達と再会出来れば嬉しいことこの上ないが、どうにかして彼を私好みの少年に調教できないものかな。)


しかし、忘れてはならない。
平野源五郎。彼は美少年を調教するのが大好きな男だということを。
彼ののび太を守りたいという意思は嘘ではない。
しかし、同時に少年を自分の思い通りにしてみたいという邪な欲望を、胸の内に抱える。

ここに、一つの奇妙な同盟が結成された。

【平野源五郎@真夏の夜の淫夢シリーズ】
[状態]:健康 
[装備]: 鋼の剣@ドラゴンクエストシリーズ
[道具]:基本支給品、台車@現実 ランダム支給品0〜1
[思考・状況]基本行動方針:主催者には正義の鉄槌で、その腐った心を強制してやろう。
1: のび太とピーチ姫を守る
2:自分かピーチ姫、のび太の知り合いを探す
3:か”わ“い”い“な”あ“の”び“太”く“ん”
[備考]
参戦時期は、悶絶少年 其の伍で「今日は逆さ吊り、鞭責めをしよう(提案)」と言った辺り


537 : 奇妙でおかしなトライアングル ◆vV5.jnbCYw :2020/08/22(土) 10:59:27 SU.NmnMU0
【不死川玄也の散弾銃@鬼滅の刃】
野比のび太に支給された銃。弾頭は日輪刀と同じ素材から製造しているようで、これで鬼を殺す事も可能。

【レイガン@大乱闘スマッシュブラザーズX】
ピーチ姫に支給されたレーザーガン。黒と青緑のスタイリッシュなデザインで、トリガーを引けばレーザーが撃てる。
レーザー自体の威力はさほどでもないが、何度も打てばそれなりに高いダメージになる。

【鋼の剣@ドラゴンクエストシリーズ】
ピーチ姫に支給された剣。ドラクエシリーズ皆勤賞。基本的に戦士ポジションのキャラクターや主人公が、序盤〜中盤にかけて装備している。
現在は平野が持っている。

【サバイバルナイフ@バトルロワイヤル】
平野に支給されたナイフ。原作のバトルロワイヤルにも支給された。
現在では鋼の剣と交換してピーチ姫が護身用に持っている。

【台車@現実】
平野に支給された工具。本来は人ではなく、荷物や道具を運ぶためにある。
かつて平野はこれを別の少年に引かせ、「平野チャリオット」として有効活用した。

【ももんじゃ@トルネコの大冒険シリーズ】
アヒルのような見た目をした獣で、脚力が発達している。
どちらかというと弱いモンスターだが、最初のうちは強敵である。
作品によっては、ダンジョンで倒れたトルネコを外へ追い出す役割も担っている。


538 : 奇妙でおかしなトライアングル ◆vV5.jnbCYw :2020/08/22(土) 10:59:40 SU.NmnMU0
投下終了です。


539 : ◆ytUSxp038U :2020/08/22(土) 21:47:28 Q8vthoyU0
投下します


540 : 蝶と龍のリスタート ◆ytUSxp038U :2020/08/22(土) 21:54:34 Q8vthoyU0
――Ready Go!
「ゥ゛オラアアアアアアアアアアアッ!!」

青い炎を纏った拳がホブゴブリンに叩き込まれる。
必殺の一撃を食らったホブゴブリンは、断末魔の叫びすら上げられず爆散。
骨の一欠片も残さずNPCとしての役目を終えた。

「しゃあっ!終わったみてえだな」

そう言ってガッツポーズを取るのは、青と黒の装甲に、龍と炎をモチーフにした仮面の男。
ある世界で「仮面ライダークローズ」と呼ばれていた兵器/ヒーローである。

「うっし、次はあっちに加勢を…」
「もう終わりましたよ」

そう声を掛けたのは一人の女性。
黒い制服のようなものを着用し、蝶の髪飾りを付けている。
百人中百人が美人と答える顔立ちをしているが、右手に持った血の滴り落ちる剣の存在が、女性がただの一般人では無い事を表している。
柔和な笑みを浮かべる彼女の背後には、ゴブリンたちの死体が転がっていた。
一匹残らず首から血を流し苦悶の表情で息絶えている小鬼を目にし、クローズは少しだけ背筋が寒くなった。

「恐っ…」
「万丈さん?何か言いました?」
「い、いや何でもねえって!」

どこか薄ら寒い笑みで問いかける女…胡蝶しのぶの言葉に、変身を解いた青年…万丈龍我は慌てたように答える。
クローズのアーマーが霧散すると、ドライバーに装着されていたクローズドラゴンも離れた。
キーキーと鳴き飛び回るのドラゴンをしのぶは優しく撫でてやる。

「あなたもお疲れ様」

愛撫されて気持ち良いのか嬉しそうに尾を動かす機械のドラゴンを、万丈は呆れたように見やる。

「お前なにデレデレしてんだよ…。戦兎のやつもこんなスケベなモンをって熱っ!ばかやめろ!熱いんだよ!」

万丈の言葉が気に障ったのか炎を吹いて威圧する。
そんな漫才のようなやり取りを微笑ましいものを見るような眼差しを向けるしのぶに、万丈は気恥ずかしさが出たのか誤魔化すようにゴブリンに目をやると、改めてこの緑の怪物に疑問が浮かんだ。

「しっかしこいつら何なんだ?スマッシュじゃねえみたいだし…。あんたの言う鬼ってやつか?」
「…いえ、人間とかけ離れた外見の鬼もいますが、これは……」

情報交換をしている最中、唐突に襲ってきたゴブリン。
幸い二名共に、こういった事態には慣れていたため難なく対処できた。

「鬼ではない異形に、奇妙な鎧を出現させる技術…。こうなると万丈さんが言った別の世界の存在は本当なのかもしれませんね…」
「おう。…って信じてなかったのかよ!?」
「仕方ないじゃありませんか。いくら何でも突拍子が無さ過ぎますし」
「そ、そりゃそうかもしれねえけどよ…」

大正時代の日本で、鬼殺隊の柱として、鬼舞辻無惨とその配下の鬼と戦ってきたしのぶ。
スカイウォールにより三都に分断された日本で、仮面ライダーとして、地球外生命体エボルトと戦ってきた万丈。
生まれた時代、それぞれの立場、敵対する相手、取り巻く環境。
何もかもが違う二人の話は当然噛み合わず、双方混乱する事になったが、万丈の頭にはこれに説明を付けられる言葉がふと浮かんだ。
即ち、「自分たちはそれぞれ違う世界の人間なんじゃないか」ということである。

万丈は以前、最上魁星という科学者が開発した装置『エニグマ』によってスカイウォールが存在しない別の世界に飛ばされた事がある。
その世界で万丈は仮面ライダーエグゼイドを始めとする異世界の戦士達と出会い、彼らとの共闘で最上の野望を阻止したのだ。

といった経験を万丈なりに説明してみたものの、案の定しのぶからは疑わしい目線が向けられた。
日頃仲間からはバカだの筋肉バカと言われている万丈にしては冴えていたが、いきなり「私は違う世界から来ました」と言っても信じるのは難しいのだろう。


541 : 蝶と龍のリスタート ◆ytUSxp038U :2020/08/22(土) 21:56:47 Q8vthoyU0
「まぁ、こうして死んだ人間を生き返らせたのですから、別の世界の人間を集める事なんて造作も無いのでしょう」
「…なぁ、あんたは本当に…」
「ええ。先程お話しました通り、本来ならば死んだはずなんですよ、私」

しのぶの言葉に嘘は無い。
姉の仇である上弦の弐との戦闘でわざと吸収され、あの世で首を落とされた鬼と再会した。
頬を染めて自分に愛を語りかけた上弦の弐への嫌悪感と苛立ちはハッキリと記憶に焼き付いている。
思い出したくも無い記憶につい青筋が浮かびそうになるのを抑える。

「そうか…。あークソッ、訳分かんねえことになっちまったなぁ」

苛立たし気に頭を掻く。
だが、ため息を一つ吐くと力強い眼差しになり拳と掌をパシンとぶつけた。

「ごちゃごちゃ考えたって仕方ねえ!この首輪も何とか外して、そんでもって殺し合いを開いた奴をぶっ倒す!」

シンプルで、如何にも筋肉バカらしい言葉。
けれど元々難しく考えるのは苦手なのだ。そういうのは得意な奴に任せて、自分は目の前の敵へ殴りかかる。
愚直な青年の姿に、しのぶは問いかけた。

「気にならないんですか?」
「へっ?何がだよ?」
「あなたの話では仲間の方がどうなったのか、本当に敵を倒せたのかも分からず仕舞い。…なのに気にならないのですか?」

殺し合いに参加する前の万丈の最後の記憶は、エボルトの体内で決死の抵抗をしている所だった。
ビルドの蹴りが宿敵を叩き込まれるまさにその瞬間、気が付いたらあの奇妙な部屋にいた。
だから戦兎があの後どうなったのかは知る由も無い。

「そりゃ全然心配してないって言ったら嘘になるけどよ。でもよ、あいつなら絶対大丈夫だって思えるんだよなぁ」
「…根拠は、なんですか?」

その質問に万丈はあっけらかんと答えた。

「何せあいつは、ラブ&ピース…愛と平和の為に戦うヒーローだからな」

その答えは笑ってしまう程に単純なものだった。
愛と平和なんて幼稚な言葉を万丈は平然と、むしろどこか誇らしげに口にした。
それは彼が能天気だからでも考え無しの馬鹿だからでもない。
桐生戦兎という人間をずっと間近で見て来たからこそ、誰よりも信頼しているからこその答え。

決して軽い気持ちでいったのではない、力強さの込められた返答にしのぶは暫し沈黙し、ややあって言葉を返す。

「その人を、信頼しているんですね」
「あん?おお、まあな」

万丈本人が強く信頼しているならば、その戦兎という人物と会った事も無い自分があれこれ言うのは野暮だろう。
そう思ったしのぶに、今度は万丈の方が問いかけた。

「あんたこそ気になんないのかよ?」
「何がですか?」
「その…無惨とかって奴だっけ?マジやべえっつーか、マジとんでもなく強いんだろ?」

戦兎が聞いたら呆れそうな語彙力だが、その言葉は間違っていない。
それ程までに鬼舞辻無惨は危険だ。
珠世との協力により勝利の為の布石は投じたが、確実に勝てる保証はどこにも無い。

「…そうですね。確かに不安はあります」

けれど、と続ける。

「あなたと同じですよ。私も…皆を信じてますから」

後を託したカナヲは伊之助と共に見事上弦の弐を倒してくれた。
たとえ志半場で倒れる者が出ても、鬼殺隊は彼らの無念を背負って突き進む。
だからきっと無惨も倒してくれる。
自分にしては何とも楽観的な考えなのは、目の前の青年に少しばかり感化されたからだろうか。

「そうか…。おし、ならそろそろ行こうぜ!」

しのぶの内面を知ってか知らずか、万丈は声を張り上げ出発を促す。
その姿にどこか伊之助を重ねながら、しのぶは亡き家族に誓う。

(ごめんなさい姉さん。私はまだそっちには行けない。もう一度、戦わなくちゃいけないから…)

相棒を信じ後を託した男。
妹を信じ後を託した女。
そんな二人が殺し合いの場で何を為すのか、それはまだ分からない。


542 : 蝶と龍のリスタート ◆ytUSxp038U :2020/08/22(土) 21:57:57 Q8vthoyU0
【万丈龍我@仮面ライダービルド】
[状態]:健康
[装備]:ビルドドライバー@仮面ライダービルド、クローズドラゴン@仮面ライダービルド、ドラゴンフルボトル@仮面ライダービルド
[道具]:基本支給品
[思考・状況]:基本行動方針:主催者をぶっ倒す
1:しのぶと行動
[備考]
参戦時期は最終回でエボルトの体内で抵抗している時。

【胡蝶しのぶ@鬼滅の刃】
[状態]:健康
[装備]:シェム・ドラウン・ソード@Fallout4
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]:基本行動方針:殺し合いを止める
1:万丈さんと行動
2:できれば自分の日輪刀が欲しい
[備考]
参戦時期はあの世で童磨と再会した後。

【ビルドドライバー@仮面ライダービルド】
仮面ライダービルド、及び仮面ライダークローズに変身する為のベルト。
普段はバックルの状態で携行され、腹部に当てることで自動的にベルトが伸長して装着される。
ライダーに変身するにはフルボトルやその他ツールが必要であり、これ単体では意味が無い。

【クローズドラゴン@仮面ライダービルド】
桐生戦兎が開発したドラゴン型自律行動ユニット。口からは青い炎を吐き出す。
元々は万丈を監視するために作ったものである。
背中にフルボトルを装填しガジェットモードと呼ばれる形態をドライバーにセットする事でクローズに変身が可能。

【ドラゴンフルボトル@仮面ライダービルド】
ドラゴンのエレメントが入ったフルボトル。万丈の恋人、小倉香澄の形見。
クロースへの変身に使用される他、ロックフルボトルとはベストマッチの組み合わせになる。
万丈とは高くシンクロしており、握り締めているだけで生身でも高い身体能力を発揮することができる。

【シェム・ドラウン・ソード@Fallout4】
銀細工師シェム・ドラウンの遺品である洋剣のユニーク武器。
蛍光緑に光る刀身を持ち、敵に放射能ダメージを与える。


543 : ◆ytUSxp038U :2020/08/22(土) 21:58:28 Q8vthoyU0
投下終了です


544 : ◆4kMBNI9QkE :2020/08/22(土) 22:41:57 l8Cf1tHo0
投下させていただきます。


545 : スパイダーマン:バトロワバース ◆4kMBNI9QkE :2020/08/22(土) 22:43:55 l8Cf1tHo0
暗闇の中に、『スパイダーマン:スパイダーバース』のBlu-ray&DVDセットのケースが置かれた。

☆☆☆

OK!じゃあもう一度だけ説明するね。
僕はマイルス・モラレス。
放射性の蜘蛛に噛まれてから、今まで数ヶ月間、この世にたった一人の『スパイダーマン』だ!
後は知ってるよね?
僕は他の次元からやって来た『スパイダーマン』達と一緒にキングピンの野望を打ち砕いて、
僕の世界の初代スパイダーマン『ピーター・パーカー』の代わりに、街とそこに住む人達を救う毎日を送っていたんだ。
そしたらある日・・・突然妙な事が起きたんだ。

本当に妙な事が。

どういう訳だか・・・僕は爆弾入りの首輪を付けられて、『殺し合い』に強制参加させられてしまったんだ!
まるで『ハンガーゲーム』みたいだよ!
説明の場所には、僕以外にも何十人もの人達が集められていた・・・何の罪も無い人達を誘拐して、殺し合いをさせるなんて許さない!
僕は絶対に、この『殺し合い』を止めてみせる!

☆☆☆

会場についてすぐ、僕は森の中をスイングしながら移動してた。
幸か不幸か、僕のスパイダーマンコスチュームのウェブシューターは取り上げられなかったんだ。
僕が会場に送られた時、周りには他の参加者達の姿はなかった。
一刻も早く巻き込まれた人を助けないと!
僕は木々の生い茂る森の中を急いで移動していく。
しかし、こうやって森の中をスイングしてると、アルケマックスに忍びこんだ時を思い出すなぁ・・・なぁ〜んて僕が考えていた時だった。

突然、目の前の空中に、背中から天使みたいな翼を生やした黒い服の女の子が現れたんだ。
しかも僕がスイングで移動しようとしていた場所に!

「うわぁっ!どいてぇー!!」
「・・・えっ?」

僕は女の子に向かって叫んだけど、少し遅かったみたいだ。
僕は天使みたいな翼のある女の子に、空中で正面衝突しちゃったんだ!

「うわあぁぁ!?」
「きゃあああ!?」

女の子の方も受け身が取れなかったみたいで、僕達二人は森の中に墜落しちゃったんだ。

「イタタタ・・・」
「うーん・・・」

幸い、小枝や落ち葉がクッションになっておかげで、僕も女の子にも目立つケガはついていなかった。
僕はぶつかってしまった女の子に覆い被さっている態勢になってて、女の子の方は地面に仰向けに倒れてた。

それにしても、改めて見てみるとキレイな娘だなぁ・・・。
歳はだいたい僕より少し上くらい。
銀色の髪を肩に付くか付かないかくらいに切り揃えていて、下手なアイドルやセレブ歌手以上に整った顔をしている。
背中から黒い羽根の翼が生えてる事と合わせて、なんだか教会の絵から抜け出したみたいな神々しさすら感じてしまう程の美少女だ。
グウェンやペニーとどっちが可愛いかなぁ〜・・・って、何を考えているんだ僕は。

「・・・大丈夫!?ケガしてない!?」
「う、うん・・・平気」
「ゴメンね!いきなりぶつかったりして・・・
「私こそ、よそ見しててゴメンね」

女の子が僕に謝りながら起き上がろうとした時だった。

ふにょん!

「きゃっ!」
「・・・えっ?」

僕の手が、なんだかものすごく大きくて柔らかくて手触りの良い感触を感じ、女の子が小さな悲鳴を上げた。
ま、まさか・・・。
僕は恐る恐る視線を女の子の顔から下げる・・・そうしたら・・・。
僕の右手は、
目の前の女の子の、
スパイダー仲間のグウェンやペニーよりも三回りは大きな胸を、
鷲掴みにしていたんだ。

「うわあぁぁ!ご、ゴメン!!」

僕は慌てて、女の子の胸から手を離したけど・・・これが余計に不味かった。

ビリリッ!

『・・・えっ?』

僕はあまりに慌て過ぎていて、パワーの制御ができていなかったらしい。
僕の右手のひらは女の子の服にくっついていて・・・
僕が手を離そうと瞬間、女の子の服の胸元の辺りの布が一緒に破けて・・・
女の子の、
僕の数少ない女子友達であるグウェンやペニーよりも遥かに大きな胸が、
剥き出しになってしまったんだ!

「・・・キャアアアアアアア!!!」
「うわあぁぁ!?ごごごごゴメン!!」


546 : スパイダーマン:バトロワバース ◆4kMBNI9QkE :2020/08/22(土) 22:45:07 l8Cf1tHo0
女の子は剥き出しになった胸を両手で隠しながら悲鳴を上げ、
僕も慌てて女の子から顔を背けた。
クソっ!何やっているんだ僕は!?
いくらわざとじゃないからって、これじゃあ『痴漢』と変わらないじゃないか!?
僕が自己嫌悪と罪悪感に震えていると・・・。

「・・・どうした!?大丈夫か!?」

・・・僕と女の子の前に、また別の参加者らしき人が現れた。
黒い詰襟の服と赤いマフラーを身につけて、左手に包帯を巻き付けたピンク色の短髪の男の人だ。
ペニーに似ている顔つきからして、アジア系・・・それも中国か韓国か日本辺りの人だ。

「・・・えっ?」

突然現れた男の人は、固まってしまっていた。
それはまあそうだろうなぁ・・・。
何せ今、僕は全身タイツにマスク姿という格好で歳の近い女の子に覆い被さっていて、その女の子は服が破かれて胸が丸出しの状態なんだから。
うわぁ〜・・・自分の事だけど、凄い犯罪チックな光景じゃないか。

「あ〜・・・」

男の人は僕達を眺めながら顔を赤くして、頬を指で掻きながら所在なさげにしていた。
そして・・・

「・・・す、すまない。邪魔をしたみたいだ。ちゃんと避妊するんだぞ」

・・・おもむろにそう言うと、僕達から背を向けて歩きだして・・・

「いや待って!ちょっと待って!!」

ここで変な勘違いされたまま立ち去られると、不味いんだけど!
僕、レイプ犯扱いされちゃうよ!!
僕は必死に男の人を呼び止めた。


547 : スパイダーマン:バトロワバース ◆4kMBNI9QkE :2020/08/22(土) 22:46:29 l8Cf1tHo0
☆☆☆

暗闇に置かれた『スパイダーマン:スパイダーバース』のBlu-ray&DVDセットのケースの両脇に、
テレビアニメ版『うたわれるもの』のDVDボックスと
『コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜』のBlu-rayボックスが置かれた。

☆☆☆

「ハァァァァ・・・」

僕は森の中で体育座りしながら深〜〜いため息をついていた。
後ろからはごそごそと衣擦れの音がしているけど、僕はまっすぐ正面を向いていた。
そこに、あのピンク色の髪の男の人が僕の背中にポンっ!と手を置いた。

「まぁ、その・・・悪かったな。色々勘違いして・・・」
「いや・・・元はと言えば僕が悪いから・・・」

ピンク髪の男の人から背中を擦られながら、何だか自分が無性に情けなく思えてきた。
『参加者を救う』とか息巻いてたのに、見ず知らずの女の子に、不可抗力とはいえ痴漢まがいのことをするなんて・・・大したヒーローだよ、僕は。
これじゃあ、ピーターやグウェンに笑われちゃうなぁ・・・。

「えっと・・・もう良いよ」

背後の衣擦れの音が止んで、あの黒い翼の生えた女の子の声がした。
どうやら支度が終わったみたいだ。
振り替えると、さっき僕がセクハラを働いてしまった翼の生えた銀髪の女の子が、大きな木の根元にちょこんと座っていた。
さっき僕が破いてしまった服の胸元には、隣にいるピンクの髪の男の人が首に巻いていた赤いマフラーが巻かれて、胸を隠していた。
まぁ、よく見るとだいぶ胸の谷間が見えるんだけど・・・丸出しよりはまだましな格好だ。

「・・・本当にゴメン!!わざとじゃないとはいえ、女の子にあんな真似しちゃって・・・本当にゴメン!!」
「もう・・・別にもう気にしてないって言ったじゃない。あれは事故!もう忘れようよ?ね?」

とんでもないセクハラをしてしまった僕を、女の子は軽く許してくれた。
優しい子だな・・・。
もし学校のクラスメートに同じ事したら、例えわざとじゃなくても一生口聞いてくれなくなっちゃうのに・・・。

「・・・あ」

そこで僕はまだ自己紹介をしていない事に気づいて、マスクを外した。
ピーターには『誰にも正体を明かすな』って言われたけど、あんな真似を働いちゃった相手なんだからしっかり顔を見せて挨拶しないと。

「えっと・・・遅くなったけど、僕はマイルス」

僕は女の子に右手を差し出した。

「・・・私はカミュ。よろしくねマイルス君」

女の子・・・カミュはニッコリ笑いながら僕の手を握り返し、僕らは握手を交わした。
散々な出会いだったけど、思えばグウェンの時も似た感じだったんだ。
きっとカミュとも友達になれる。
確証はなかったけど、僕にはそう思えた。

「・・・俺もまだ名乗ってなかったな」

それまで黙っていたピンク色の髪の男の人が、僕とカミュの手の上に自分の手を置いた。

「・・・人吉爾朗(ひとよしじろう)という。よろしくな」

男の人・・・爾朗さんの顔には、優しげな微笑みが浮かんでいた。
ヒトヨシジロウ。
やっぱり日本人なんだ。
日本人は黒髪黒目が多いって聞いたけど、ピンクの髪の人もいるんだ・・・僕は感心してしまった。

「うん!よろしくね、ジロウおじ様!」

爾朗さんに向けてカミュは笑顔を向けていたけど、それに対して爾朗さんはなんだか複雑そうな表情を浮かべていた。

「お、『おじ様』・・・俺はまだ20代なんだが・・・」

あぁ〜。
爾朗さんの呟きを聞いて、僕は爾朗さんの気持ちを理解してしまった。
確かに・・・20代の人が若い女の子から『おじ様』と呼ばれるのは色々複雑な気持ちだろう。
というか、『おじ様』というのは、単に『おじさん』と呼ばれるよりも老けているイメージがある呼び方だ。
僕の知り合いだと、ノワール辺りにピッタリなイメージがある。
まぁ・・・ノワールも若い女の子から『おじ様』なんて呼ばれたら、複雑な気持ちになりそうだけど。

「あっ!ゴメンね、ジロウ『お兄様』!」
「いや・・・その呼び方もちょっと・・・」
「・・・ハハハ」

カミュとコントみたいな掛け合いをする爾朗さんの姿が滑稽に思えて、僕は笑いを漏らしたのだった。


548 : スパイダーマン:バトロワバース ◆4kMBNI9QkE :2020/08/22(土) 22:48:36 l8Cf1tHo0
【マイルス・モラレス(スパイダーマン)@スパイダーマン:スパイダーバース】
[状態]:健康、罪悪感と自己嫌悪
[装備]:スパイダーマンのコスチューム@スパイダーマン:スパイダーバース、ウェブシューター@スパイダーマン:スパイダーバース
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本:人を助ける
1:カミュと爾朗と行動する
2:僕はなんて事を!
3:カミュの胸・・・柔らかかったな
4:スパイダー仲間がいるなら、合流する
[備考]
本編終了から数ヶ月後の時間軸からの参戦。
ウェブシューターはコスチュームの付属品です。

【カミュ@うたわれるもの】
[状態]:健康、服損傷
[装備]:人吉爾朗のマフラー@コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本:人殺しはしない
1:マイルスや爾朗と行動する
2:知り合いがいるなら合流する
[備考]
『散りゆく者への子守歌』〜『偽りの仮面』の間のどこかから参戦。
服の胸元が破けており、人吉爾朗のマフラーを胸元に巻いています。

【人吉爾朗@コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜】
[状態]:健康、首周りが涼しい、少しショック
[装備]:無し
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本:人を助ける
1:マイルス、カミュと行動する
2:『おじ様』と呼ばれてショック
3:知り合いがいるなら合流する
[備考]
第二期(THE LAST SONG)の中盤から参戦。
まだ『おじ様』と呼ばれるような年齢ではありません。
カミュに自身のマフラーを貸しています。


549 : ◆4kMBNI9QkE :2020/08/22(土) 22:51:01 l8Cf1tHo0
投下終了します。

『ボーイミーツガール』と『ラッキースケベ』は少年物の基本だと思ってます。


550 : ◆Oamxnad08k :2020/08/22(土) 22:55:16 CTml./KU0
投下します。


551 : まる子バトロワにまきこまれたの巻 ◆Oamxnad08k :2020/08/22(土) 22:56:21 CTml./KU0
「一体、殺し合いってどういうことなのさ…」
困惑しながら歩くおかっぱ髪の赤い吊りスカートの少女。
少女の名はさくらももこ。「まる子」「まるちゃん」の名で親しまれている。
普段通りに学校へ向かう通学の途中、意識を失い、気がつくと見知らぬ場所へ立っていて、なおかつ【殺し合い】をしろと命じられたまる子……
「殺し合いなんて、できるはずないじゃん!」

小学3年なら当然の反応である。

「とりあえず、何かないのかな?」
まる子はデイパックの中身を確認する。
「お酒にカップヌ〜ドルって、お父さん用のパックなんじゃないの〜…」
カップヌ〜ドルと缶ビールにまる子は父ヒロシを思い浮かぶ。
「他には何があるのかな〜ッ!?」
固い物があることに気づき、取り出すとそれは…

「これって…お巡りさんの拳銃!?」

まる子に支給されたのは、ニューナンブM60。
日本の警察官が支給されている拳銃。
「こんなので撃たれたら、死んじゃうに決まってるよ」

当然である。

まる子は青ざめてニューナンブM60をデイパックへしまう―――
「い…いやだよぉ〜殺し合いなんてしたくないよぉ…」
まる子の脳裏には、親友のたまちゃんに家族が浮かび上がる―――

☆彡 ☆彡 ☆彡


552 : まる子バトロワにまきこまれたの巻 ◆Oamxnad08k :2020/08/22(土) 22:56:51 CTml./KU0
ヒタッ―――

「くっくっくっ」
背後から聞こえる特徴的な笑い声……
「その笑い声は…もしかして野口さん!?」
まる子が級友と思い振り向くとそこには―――

「危なく、刺身になるとこだったぜぇ」

マグロの姿をした怪人だった……

「あ、あんたは一体だれさ!」
「オレか?オレの名前は【ツナデス】」
まる子の質問に答える怪人。
NPCであるが、人格が与えられている。が、まる子には知る由もない―――

「魚はおとなしくまな板に帰りなよ!」

まる子の言葉に…
「あ!」
ツナデスの低い声。
「え?」
やばい…まる子は直感した。
「ご…ごめん。いいすぎたよ」
ツナデスに謝るまる子。

遅すぎの行動である。

ドガァァァ!!!

「ガキが、まな板の上語ってんじゃねーよ」

シュウウウウ……煙が晴れるとそこには、何もいなかった…
「何ッ!?」

「…まさか、お前が生きていたとはな」
ツナデスからの攻撃からまる子を抱えて守る人物…
「あ…あんたは…?」
まる子の問いかけに…

「…ヒーローだ」

キュピン

「さぁ仕置きの時間だ!!」
それは、まる子にとってまぎれもなくヒーローだった―――


553 : まる子バトロワにまきこまれたの巻 ◆Oamxnad08k :2020/08/22(土) 22:57:57 CTml./KU0
「…ぶはははは!!!!!どこがヒーローだ!可愛い魔法少女じゃねぇか」
ヒーローと名乗る少女の姿に爆笑するツナデス。
「……いいたいことは、それだけか?」
スチヤッ!
少女は両腕に金属の指輪のようなのを嵌める…
それは、ナックルダスター。
メリケンサックとも呼ばれる武器―――
「お…おいおい…少女が、魔法少女が使うもんじゃないだろ…」
汗ダラダラな状態で後ずさりするツナデス…

「しょ…少女じゃないッ!!ヒーローだッ!!!」
ドカァ!!

キラァン☆
少女のアッパーカットがツナデスを地平線彼方へ吹っ飛ばす……

「はぁ…はぁ…」
息で肩を上下に揺らす少女…
「すご〜い!あのマグロの怪人を一撃で倒すなんて、あたしゃ感激だよ〜♪」
「ねぇねぇ、名前は何ていうの?」
「うッ!?」
まる子の質問に汗を流すヒーロー…

「…ルミナス・ガール」

「ルミナス・ガール!とっても可愛いし、その姿にピッタリな名前だねぇ〜!」
まる子はヒーローの名前を知ると…
「助けてくれてありがとね。あたしの名前は「さくらももこ」皆からはまる子やまるちゃんって呼ばれてるんだ!」
まる子は自分を助けてくれたヒーローにキラキラした目でお礼を言うと自己紹介をした。

「ああ…よろしく」
(…どうして、俺はルミナス・ガールの姿なんだ…?)
ルミナス・ガールこと十文字ハヤトは困惑している。
十文字ハヤトは幼い頃からヒーローに憧れていた。
念願のヒーローになることはできたが、ハヤトが夢見たヒーローの姿ではなく魔法少女のような姿…
(それに、ツナデスの反応はまるで俺のことを初めて見たような反応…?まさか、別の個体なのか)
ツナデスの自分に対する反応に訝しむルミナス・ガール…

「ルミナス・ガール♪ ルミナス・ガール♪」

まる子が笑顔でルミナス・ガールの名を連呼している姿を見て…
「…まっ!いいか。ヒーローとしてこの殺し合いを止めて見せるッ!!」
(だけど…この子に俺の正体がバレたら…どうしよう…)

負けるな!ルミナス・ガール!! 頑張れ!ルミナス・ガール!!

【B--6/池沿い】

【さくらももこ@ちびまる子ちゃん】
[状態]:健康
[装備]:ニューナンブM60
[道具]:基本支給品、
[思考・状況]:基本行動方針:ルミナス・ガールについていく
1:ルミナス・ガールについていく
2:たまちゃんや家族に会いたい…
[備考]
ルミナス・ガールの正体には気づいていません。

【ルミナス・ガール(十文字ハヤト)@俺とヒーローと魔法少女】
[状態]:健康
[装備]:ナックルダスター
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜2(本人確認済み)
[思考・状況]:基本行動方針:ヒーローとして殺し合いを打破する
1:まる子を守る
2:まる子に正体がバレたらどうしよう…
[備考]
参戦時期はダークヒーローに出会う前
主催者によりルミナス・ガールに変身させられた状態で呼び寄せられた。


554 : まる子バトロワにまきこまれたの巻 ◆Oamxnad08k :2020/08/22(土) 22:58:09 CTml./KU0
投下終了します。


555 : ◆ytUSxp038U :2020/08/22(土) 23:47:34 Q8vthoyU0
投下します


556 : 神ハココニ在リ ◆ytUSxp038U :2020/08/22(土) 23:52:48 Q8vthoyU0
バトルロワイアルの会場。
地上より遠く離れた上空に、その男はいた。

浅黒く日焼けした肌にロン毛。
俗に言うイケメンといった顔立ちのチャラい雰囲気の青年。
これだけならどこにでもいるTDNチャラ男だと思われるだろう。
だが背中に生えた6枚の羽はなんだ。
純白の翼はさながら天使の如き美しさだ。

否、彼は天使などではない(即否定)。

青年の全身から発せられる眩い輝き。
翼を生やし飛んでいるだけでも驚きだというのに、その輝きを前にすれば如何なる悪党ですら涙を流し首を垂れるに違いない(断定)。
古来より人々はこのような存在をこう呼んできた。

神、であると。

「すげぇ事になってんゾ〜」

神が見下ろす会場では早くも多くの混乱が生み出されていた。
殺し合いに抗う者。
優勝を決意する者。
まるでゲームのように楽しもうとする者。
クッソ汚いホモ。
四方世界の外でも元気に女の子を襲う小鬼。ゴブリンはスケベな事しか考えないのか(呆れ)。そうだよ(肯定)。

会場のあちこちから感じられる参加者の生命の息吹を、神は満足気に受け止める。
その顔には殺し合いへの憤りは微塵も無く、むしろ喜びに満ちた表情が浮かべられていた。

そうだ、それで良い。
闘争こそが人間の本質。
それに無理やり蓋をして口先だけの世界平和を謳うなど、何と愚かなことか。

「(俺まで参加させるなんて)良い度胸してんねぇ!道理でねぇ!」

神である己までもを参加させる主催者には恐れ入った。
されど負の感情は無く、このような催しに招待してくれた感謝があった。
参加者という立場ならば、この地で起きる様々な戦闘を、悲劇を、喜劇を、因縁を、間近で見られるのだ。
ならばどこに怒る必要があると言うのだろうか。

「そんじゃあ皆頑張って殺し合って、ハイヨロシクゥ!」

力の限り戦うが良い。
主催者を打倒し脱出する者が出るのか、たった一人の優勝者を除いて全てが死に絶えるのか。
どんな結末でも構わない。
ただ死力を尽くし、神である自分を楽しませて見せろ。

無謀にも挑もうと言うのならば相手をしてやる。
そして知るが良い、神に挑むとはどういう事なのかを。
力の差を思い知った時、お前達はきっとこう思うだろう。

GO is God と。

【GO@真夏の夜の淫夢派生シリーズ】
[状態]:健康、神
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]:基本行動方針:殺し合いだろうと楽しもうぜ、チャチャっと……大丈夫だろもう? よしっ、キマリッ!
1:楽しめそうな所はどこかなーっと
[備考]
神とはいえそれなりに制限されてると思うんですけど(名推理)


557 : ◆ytUSxp038U :2020/08/22(土) 23:53:18 Q8vthoyU0
投下終了です


558 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/23(日) 04:42:41 9dsATfok0
昔、世界は一つにつながっていて、あたたかな光が満ちていた。
この栄光を掴むための僅かなる手段への空爆、ありがとうございます。空爆乙です…そのためにも異国の戦士達『ライブラ』に助けを求めてほしい。

>奇妙でおかしなトライアングル
地の文にクレーム付けるピーチに草。さらわれマニアの彼女でもパロロワに参加するのは初なのではないでしょうか?とはいえ身を守る意識はちゃんとあるのは良いですね。
お姫様を助けるのび太、これは大長編ですね間違いない。外見に反してマリオに匹敵する大冒険を繰り広げてきた実績のある英雄ですので、意外にバランスのとれたチームになると思いました。
しかし平野店長、颯爽と助太刀したのは良いですが邪な欲望が暴走しなければ良いのですが……まぁ空手部の面々と比べると全然神的に良い人だから多少はね?

>蝶と龍のリスタート
開幕即死するホブゴブリン南無。
しのぶさん殺る時はがっつり殺る人なので万丈さんが怯むのも多少はね?
しのぶさんが異世界の存在を信じづらいのも時代的にしょうがないですけど、最終的に納得してくれて良かった。
参戦時期的に無惨様が無事無惨になった事を知らないので、その後の事をそれほど気にしない万丈の態度も気になったでしょうね。しかしお互い残された仲間は信用に足るものと認識しより信頼度が上昇したのを感じ、覚悟完了した様子が実に眩しく写りました。

>スパイダーマン:バトロワバース
危うくスパイダーマンの風評がコスプレレ○パーになるところでしたね。ラッキースケベすぎて羨ま…けしからん!
まぁ若いからね、こうなったら能力調整ミスるのも多少はね?
予期せぬアクシデントですが、まさか互いに空中で移動できる者が居るとは考慮していなかったのでしょう。胸揉まれて服破かれても許すカミュは人間の鏡。
人吉との誤解も溶けたし、なんやかんやで良いチームが結成できたのではないでしょうか?
独特のゲームやパッケージの描写はすごく印象に残る表現です。全体的に投下宣言で述べていた基本を押さえていると想いました。

>まる子バトロワにまきこまれたの巻 
まる子の地の文がキートンで再生されます。無力に思えますが、後々何かしらやらかしそうに見えるのはミーム汚染かな?
ルミナスガール、正体が男だと知ったら色々突っ込まれそうですが、間違いなくまる子にとってはヒーローそのものなので、結局のところ問題ないと想います。まぁ納得は全てに優先するからね、しょうがないね。

>神ハココニ在リ
空から下界を見下ろす様は正に神の風格ですね。一説によるとGOは太陽神の系統らしいのでその実力は唯一神に匹敵するのではないでしょうか?
神を参加者にする主催は神を越えた存在だと思うんですけど(名推理)

GO is God


559 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/23(日) 15:14:31 wZeZzvTU0
投下させていただきます。


560 : Wake Up.The ヒーロー ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/23(日) 15:17:04 wZeZzvTU0
ここは会場内の海辺にある都市部、パラダイス・パームズと呼ばれる場所。

そこには無数のゴブリンたちと戦う、一人の男がいた。

その目に正義の炎を宿す、白いジャケットを着た男だった。

彼の名は南光太郎、かつて『仮面ライダーBLACK』として暗黒結社ゴルゴムと戦っていた男だ。

そんな彼は今、ゴブリンたちに苦戦をしていた。

これを見ている諸君は、何故ライダーへと変身しないのかと思っただろう。

しかし彼には変身できない理由があったのだ。

何故ならば彼はこの会場に来る前、新たな敵である『クライシス帝国』により変身機能を破壊されてしまっていたのだ!

そして彼は生身の姿でゴブリンたちと戦っているのだ。しかし彼の目からは光が消え去ることはなかった。

「たとえ変身できなくても、俺は仮面ライダーだ!罪なき人たちのためにも、諦めはしない!!」

そう光太郎が叫ぶと、不思議なことが起こった!

彼が持っていたデイバッグの中から、光とともに時計のようなものが付いたベルトが飛んできたのだ。

そしてそのベルトが光太郎の体に装着されたのである!

<<バールクス!>>

その音と共にベルトが回転すると、光太郎の身体が変化し、新たな仮面ライダーへとなったのだ!

「俺は時空を駆け抜けし王子ッ!仮面ライダー!バーッ!ルクスッ!!」

その姿は、金色の懐中時計型の頭部に「ライダー」を模した複眼、そして深緑の胸部アーマーに革バンドを模したパーツが2つ巻かれた姿だった。

そしてその姿は、本来の未来にて彼が変身するはずだった『仮面ライダーBLACK RX』と酷似していたのだ!

バールクスに変身した光太郎を見て、ゴブリンたちは恐れおののいた。何故ならば、絶対的な力の差を感じたからだ。

中には逃げ出すゴブリンもいたが、半数以上のゴブリンたちは彼へと立ち向かう道を選んだ。

先ほどまで自分たちに苦戦していた男にいまさら何ができるか、
それにこれだけの数を相手に勝てるはずがない、と高をくくったのである。

しかしそんな彼らの予想は覆されることになる。

「ライダー、パンチ!」

その言葉とともに繰り出されたパンチにより、前方から突進したゴブリンたちが吹き飛ばされ、

「ライダー、反転キック!」

背後から奇襲をかけたゴブリンたちは、パンチの反動で跳ね返った光太郎から放たれたキックにより蹴り飛ばされ、

「リボルケイン!」

そしてゴブリンたちを率いていた巨大なゴブリンは、彼がベルトから引き抜いた光り輝く剣によって腹部を貫かれ爆散したのだ!

そうして先ほどまで光太郎と戦っていたゴブリンたちはすべて倒され、この場につかの間の平和が訪れた。

しかし光太郎は険しい顔をしていた。何故ならば彼らゴブリンの存在により、助けを求める人たちの存在を確信したからだ。

そして彼は走り出す。罪なき人たちを守るために、そして自分とともに主催者に立ち向かう仲間を集めるために……。


561 : Wake Up.The ヒーロー ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/23(日) 15:18:05 wZeZzvTU0
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クライシス帝国の手によりBLACKに変身できなくなった南光太郎。そんな彼をゴブリンたちが襲う!

しかし諦めなかったそのとき、彼に新たな力が宿ったのだ!

その名は仮面ライダーバールクス!

その力で南光太郎はゴブリンたちを倒し、パラダイス・パームズに平和をもたらした。

しかし彼らを倒したとしても、この会場には人々をさいなむ怪物たちや戦いに乗ってしまった者たちがいる。

急げ南光太郎!君の助けを、大勢の人が待っているぞ!

変身!仮面ライダーバールクス!

『熱き血潮が、いま燃えたぎる!』

ぶっちぎるぜぇ!


【南光太郎@仮面ライダーBLACK RX】
[状態]:健康
[装備]:バールクスライドウォッチ&ジクウドライバー@仮面ライダージオウ Over Quartzer
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:ともに戦う仲間を集めて、主催者を倒す。
1:これもクライシス帝国の仕業か!?
2:何の罪もない人々を集めて殺し合わせるなど……ゆ゛る゛さ゛ん゛っ!
3:このベルトからは、何か運命めいたものを感じる。
[備考]
参戦時期は、第1話でBLACKへの変身機能を破壊され宇宙に放り出された時です。
そのため現時点では仮面ライダーBLACK及び仮面ライダーBLACK RXへの変身ができません。
(今後変身可能にするかは、後続の書き手に任せます)

【バールクスライドウォッチ&ジクウドライバー@仮面ライダージオウ Over Quartzer】
 仮面ライダーバールクスに変身するために必要なアイテム及びベルトのセットで、合わせて一つの支給品としてカウントされている。

 『仮面ライダーBLACK RX』の力が宿っており、平成ライダーの力を無力化する能力を持っている。
 その他にも創世王の能力である長方形バリアの展開や、『リボルケイン』と呼ばれる長剣をベルトから出す能力も持っている。

 なお本来のバールクスには両腕にRX、ロボライダー、バイオライダーのライドウォッチが付いているが
 主催者の手によりRX以外のライドウォッチは全て外されている。


562 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/23(日) 15:20:48 wZeZzvTU0
投下終了です

ありがとうございました。

あと管理者(◆SvmnTdZSsU )様、性癖に対して回答してくださりありがとうございます。


563 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/23(日) 16:26:14 nUS/TADg0

不意を突かれ、一度は剣に貫かれた私の企画への投下、ありがとうございます。だけど……

>Wake Up.The ヒーロー 
光太郎、参戦時期ゆえに変身機能を失っているのは痛いですね。しかし怪物の群れに囲まれても彼の折れぬ曇らぬ信念に呼応して新たな力に目覚める展開は激熱!後半の呷りもカッコいいです!
しかしもし逃がしたゴブリンが居たら後々波紋を呼びそう。殲滅しなきゃ(小鬼殺し感)。まぁ全滅させてるみたいなのでヨシッ!

私としては全人類が性癖を語り合えば世界平和が実現すると想います。SKBは偉大なのです


564 : ◆2dNHP51a3Y :2020/08/23(日) 16:31:19 zNF1X1ac0
投下します


565 : モノクローム・ファクター ◆2dNHP51a3Y :2020/08/23(日) 16:31:58 zNF1X1ac0
幸せな結末(ハッピーエンド)の解釈なんて人それぞれであるが、彼女にとってのハッピーエンドとは、当の本人達が幸せであり、それを見た周りのみんなが、『二人は幸せ』であるということだ

ピカレスク主義やら鬱展開の積み重ねからなる、誰かの犠牲で成り立つハッピーエンドもある。だが、それはまたそういう考えというだけであり、そういうのは物語上の中だけでいい

そんなバッドエンドみたいな悲しいハッピーエンドが現実で起こるなんて許せない。
誰が見ようとハッピーエンドだと確信し、納得できる物語。それが彼女の望むべきハッピーエンド

それこそが悪戯好きな魔女であり、ハッピーエンドを願い導くお節介焼きでもある彼女の

『絢爛の紡ぎ手』たるドレスデザイナー、コルワの揺るぎない信念であった


◯ ◯ ◯

「……はぁ、最悪」

エリア東部、ロンリー・ロッジ。豊かな自然と散りばめられたかのように設置されたログハウスが目立つこのエリアにコルワはいた

「全くもって腹立たしいわね、ほんと」

エリア自体は避暑地としては快適な場所なので、こんな事態じゃなければ物語やドレスのデザインなどを考えながらゆったりとしているところでもあるが、全く以てそういう気分にはなれない。
怒りやら色々な感情がこみ上げてくるし、何よりこんなバッドエンド上等みたいな殺し合いなど認められるわけもないのだ
巻き込まれた参加者や、殺されてしまった見せしめに恋人とかいると勝手に思ってしまうとなおさらに怒りが湧いてくる

「ねぇ、あなたの言っていたレーティアちゃんって娘も好きな人いるんでしょ。大丈夫なの?」

愚痴るように、この会場に飛ばされて初めてであった女性に言葉を投げかける
艷やかな黒の長髪と、目元の泣きぼくろが特徴的な黒軍服の女性、『元』ドクツ宣伝相ことグレシア・ゲッベルスだ

「……ええ。最初の頃は認めなくなかったわよあんな遊び男のことなんて。でもあの娘が本気で惚れちゃったんだししょうがないでしょ」

ドクツ滅亡後、何かとレーティアが日本帝国海軍長官東郷毅となにかと親密関係になっていたのは知っていたが、まさかあそこまで事が運ぶなんて思わなかったため
グレシア本人が直接、彼がレーティアにふさわし男なのかを確かめに来たのだが、酒に酔って流れのままにガチンコ勝負を仕掛けたら見事に撃ち落とされたのである

「……本気で惚れて、本人たちが幸せならそれで良いと思うわよ、私は」

そんなゲッベルスに対しまあまあという感じで言い返すコルワ

「東郷は、あいつは何人も女抱いてるわ。小耳に挟んだ情報だと「幸せにしたい」とか。それとあいつ既に結婚してるわよ、嫁さんと死別したらしいけど、あと娘持ち」

ゲッベルズの冷めた返答にコルワの顔に若干青筋が入る
幼少期、結婚式でウェディングドレスを見たことが今の彼女の人格構成の根幹を担っていた以上、東郷の節操なしっぷりに怒りを顕にせざる得なかった
コルワにとって花嫁とはハッピーエンドそのものだ。未婚であるならレーティアと東郷なる男のハッピーエンドの演出の手伝いぐらいはしてやろうと持っていたが、既婚+嫁と死に別れ+既に娘いるとか真顔案件
しかも変にハーレム構成してるまではいいとして、もしそいつらがセフレ扱いってなるなら本当に絶許案件だ。他人から見たら狂気の沙汰そのものである。
まあ彼女の話を聞く限り、女子からの評判は悪くないのが唯一まともというべきか

「…………前言撤回、その東郷って奴に会う機会に訪れたら」

と言いかけた所で、背後から彼女ら二人を襲おうとするホブゴブリンの影が近づく
だがホブゴブリンはさらに近づこうとしようにも身体が動かない。まるで糸のようなもので全身を拘束されているかのように

「……彼には、きつーいお灸を据えないといけないわね」

そしてそのコルワの言葉とともに、何かに引き裂かれたの如くホブゴブリンの身体はバラバラのサイコロステーキ状に変わり果て地面に転がった


「さて、と。……なーんか面倒な事になってるわね、これ」


ホブゴブリンの死体に目をくれず、数あるログハウスの近くにやってきた二人であるが
そのログハウスの壁だったらしき木片が、樹木の数本をなぎ倒す勢いで何かにぶつかり飛ばされた痕跡があったのだ
そして、影に穴の空いたログハウスの、その穴から近づく人影。白い学ランを着込んたナスみたいな頭の青年と、彼にお姫様抱っこされているある少女の姿であった


566 : モノクローム・ファクター ◆2dNHP51a3Y :2020/08/23(日) 16:35:08 zNF1X1ac0
◯ ◯ ◯

壊れた心が戻ることなど奇跡以上の他にない。たとえそれが陳腐な奇跡であろうと、当人にとって救いとなるべきなのか地獄となるべきなのか、それこそ神のみぞ知るというしかないのだ


「……クソッたれ」

別の並行世界において、日本統一を果たし世界に危機を救った狼牙軍団の総長、白い学ランの青年、ホワイトファングこと斬真狼牙は、とあるログハウスの中で、目の前の光景に思わず怒りを抑えられなかった

「……たすけてにきたんですか、わたしなんかを」

彼のやり場のない怒りの元凶となっていたのは、あまりにもか細すぎる声を吐いたこの少女によるものだ
一人ポツンと座り込んだ少女。アイドル衣装風の卑猥な衣装を纏い、白い液体に塗れ、瞳に光を灯さない、金髪の少女。その腕には紫色に変色したであろう複数の注射痕
少女の隣にはデイパックから取り出されたであろう支給品が散らばっていた。その中に一つ、飲みかけの液体らしきものが入ったペットボトルと注射器が散らばっている

「……あなたがきにやむことなんてないんです。だって、わたしにはなにもないから」

その少女は、とある帝国の総帥であった。総帥として、そしてアイドルとして、破綻しかかった国を立て直し、民を立ち直らせた。稀代の天才少女であった

「てんさいなんていわれてたけど、おクスリうちすぎてばかになっちゃって、なかまやともだちのことも、ほとんどわすれちゃって」

だが、今はこの有様だ。敵国の内より生まれた、自我を持つ残虐非道の人形兵器『CORE』によって国は蹂躙された。そして彼女もまた彼らによりクスリを打ち込まれ、薬物中毒となった

この時が運命の分岐点であったのだろうか、元より一人で国を背負い、引っ張ってきた天才少女だ。
そんな少女の自尊心は、薬物とCOREによる度重なる陵辱によって粉々に砕かれた。いや、今の彼女からすれば『解放』された、と言うべきなのだろうか

自分はこんな情けない人間だから、駄目な人間だから、おクスリのために自分から快楽を貪る、頭も身体も駄目になったただの憐れな虫ケラだから

それが今の……かつてドクツ第三帝国の総帥兼アイドルと言われた天才少女。レーティア・アドルフの成れの果てであった

「………自分で、打ったのか?」
「……おクスリたりないから、ふくろのなかさがしてたら、ちゅうしゃきとぺっとぼとるがあって、ぺっとぼとるのなかにおクスリあるかなって、じぶんでうちこんだんだけど」

薬物の禁断症状に苛まれ、衝動のままにデイバッグの中にあった、液体の入ったペットボトルを見つけた。今のレーティアにそれの中身が判断できるほどの知力も失われていたため、覚束ない手元で、自分でそれを注射器に込めて自らの打ち込んだ

狼牙がペットボトルを拾い、ラベルを確認する。ラベルには『エルフが作った、どんな病気も治せる薬』なんて、「ここまで露骨な詐欺表記は見たことねぇぞ」と、吐き捨て呆れ果てる
だが、こんな怪しすぎる表記に対して、その効果は抜群であった。レーディアが薬物と勘違いして打ち込んだそれは、彼女の中にある中毒の元凶となった薬物を治癒。だが、馬鹿になった頭や刻み込まれた陵辱の痕跡、壊れた心までは治すことなど出来なかった

だが、クスリのみを求める思考が取り除かれたという事実ことにより、「自分が何をしてきたか」という事を否応無しに自覚させられてしまう結果になってしまったのだ

「……どうせなら、こわれたままでよかった。なんのやくにもたたない、ただのせいがんぐアイドルのままで、よかったのに。どうして。ああ、これはばつなんだ、みんなをうらぎった、わたしのばつなんだ」
「………」
「……ごめん、ゲッベルス。ごめん、デーニッツ。ごめん、みんな……ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」

壊れたラジオの如く、壊れた少女は涙を流しながら謝罪の言葉を繰り返す
馬鹿になった頭で、唯一思い出せた二人の名前に謝り続けていた


567 : モノクローム・ファクター ◆2dNHP51a3Y :2020/08/23(日) 16:35:50 zNF1X1ac0

「……クソがっ!!!」

少女の言葉を遮り、狼牙の拳がコテージの壁を殴り貫く。貫かれた壁はそのまま遠くへと吹き飛びすぐ近くにあった樹木の数本をなぎ倒す
斬真狼牙とて女には目がある。だが、他人の女を寝取ったり、無理矢理にやるなどそれこそ笑止千万だ。求められれば別ではあるが、陵辱まがいな行為など許してなどおけない

斬真狼牙は既に怒髪天だ。壊れた彼女に対し何も出来ない自分自身に、彼女がこんな事になるまで弄んだクソ野郎どもに、そしてこんな彼女を否が応にこんなくそったれな殺し合いに巻き込んだ連中に対し

だが、その怒りを一旦心のうちにしまい込み、狼牙はレーティアの体を持ち上げる

「……どうして」
「……それでテメェをこんな所においておく理由にもならねぇだろうが。それと、後味悪ぃんだよ。テメェをこのままほっとくのもな」

それは、ただの狼牙のエゴであった。だが、泣いてる女のそのままにしておくわけに行かないという一種のプライドみたいなものでもあった

「……ゲッベルズと、デーニッツだったか? もしかしたらいるかも知れねぇだろ、そいつら。ついでに探しといてやるよ」
「……ぁ」

レーティアには、狼牙の考えがわからなかった。どうしてここまで気をかけてくれるのか。だけど、COREにおクスリを恵んでもらう偽りのハッピーエンドよりは、なぜだかマシだと思った
マシだと思って、気疲れしたのか、そのまま眠りこけてしまった

「……さてと、つーかどんだけ広いんだこの会場。これじゃあおちおち兄貴や久那妓、こいつの言っていた二人を探すのに一苦労……あ?」

「……一つ、良いかしら? その子、大分あられもない姿になってるけど。……返答次第じゃ貴方、無事じゃ済まないわよ?」
「……レー、ティア?」

狼牙が開けてしまった壁の穴から外に出れば、二人の女性の姿

警戒するかのように眉を顰めながら狼牙に問う銀髪の女性と、まるで悪夢を見たかのような青ざめた表情で言葉を紡ぐ黒髪の女性の姿であった


【コルワ@グランブルーファンタジー】
[状態]:健康
[服装]:いつもの服装
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考]
基本:こんな悪趣味な殺し合いなんてぶっ壊す
1:もし東郷とかいうダメそうな女誑しと出会う機会があったらお灸をすえてやるわ!
[備考]
※参戦時期は後続の書き手におまかせします

【グレシア・ゲッベルス@大帝国】
[状態]:健康
[服装]:いつもの服装
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考]
基本:不明
1:レー、ティア……?
[備考]
※最低でも本編イベントフェイズ『アドルフに釣り合う男?』後からの参戦です

【斬真狼牙@大番長 -big bang Age-】
[状態]:健康、主催に対し強い怒り
[服装]:いつもの服装
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考]
基本:クソ野郎どもはぜってぇ許さねぇ、俺が必ず叩き潰してやる
1:この娘(レーティア)をほっとくわけにも行かねぇ
2:兄貴や久那妓を探す傍ら、この娘(レーティア)の知り合いらしき人物(ゲッベルズ、デーニッツ)も探す
[備考]
※最低でもナイトメアアイズ編終了後からの参戦です

【レーティア・アドルフ@大帝国】
[状態]:睡眠中、精液塗れ、精神崩壊(大)、罪悪感
[服装]:卑猥なアイドル風衣装
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1、注射器、『エルフが作った、どんな病気も治せる薬@銀魂』が入ったペットボトル(1/5消費)
[思考]
基本:ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……
1:???
[備考]
※キングコア編イベントフェイズ『おくすりください』後からの参戦です


568 : モノクローム・ファクター ◆2dNHP51a3Y :2020/08/23(日) 16:39:05 zNF1X1ac0
【エルフが作った、どんな病気も治せる薬@銀魂】
Owee専用ゲーム『ドラゴンハンター3』に登場する、文字通りの代物
妖魔宰相ベリアスによって占拠された城塞都市パレスにあったとされる


569 : ◆2dNHP51a3Y :2020/08/23(日) 16:39:19 zNF1X1ac0
投下終了します


570 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/23(日) 17:28:24 nUS/TADg0
これ程の企画へのアップデート、感謝する…ございさすれば褒めて遣わそうぞ !

>モノクローム・ファクター
絢爛の紡ぎ手コルワ、ハッピーエンドを望む彼女ですが、何が起こるのか分からないのがバトル・ロワイアル。その最たる例がこの展開かもしれませんね。
異なるルートを迎えたゲッべルスとレーティア、最速にしてまさに最悪の再開。とてつもなく興奮しました(直球)
狼牙はレーティアちゃんの惨状に普通に義憤する総長の鏡ですが、この状況だと一歩間違えばとんでもないルートにも持っていけそうですし好きです。
壊れた心は直せない。しかし癒すことはできるかもしれない(できるとは言ってない)ので、頑張ってほしいという気持ちになりました。勿論より悪化しても良いですが……


571 : ◆Oamxnad08k :2020/08/23(日) 17:59:56 J.mOPfvc0
投下します。


572 : スマイル・イズ・アンパン ◆Oamxnad08k :2020/08/23(日) 18:01:17 J.mOPfvc0
「「「かびかびー!」」」
「一体、どこまで追いかけてくるんデスか―――!?」
輝く金髪に長いまつ毛に大きな瞳、小さい体に高くて綺麗な声が特徴の女の子…
ハナ・N・フォンテーンスタンド。

「とりあえず、たちどまっちゃ駄目よ!ハナちゃん!!」
茶髪にキラキラした好奇心旺盛な目、「好き」「知りたい」のためならどこまでも突っ走る活発な女性…
清棲あかり。

彼女達は今、走っている―――

☆彡 ☆彡 ☆彡

時は少し遡る―――
「う〜〜…殺し合いって一体どういうことですか…?」
放課後、よさこい部の皆と屋上で部活動するはずが、屋上の扉を開くと見知らぬ場所へ立っていた…
「そうだ!とりあえず、中身を確認しないとッ!…これは!?」
デイパックの中身に入っていたのは、ワルサー P99
ハナが暮らしていたニュージャージー州の警察で採用されている銃…
銃社会アメリカ生まれなら、銃は生活に密着している……

「殺し合い…駄目デス!殺し合いは人を笑顔にしません!私は絶対に乗りませんから!!」

ガサガサッ!
「だ…誰デスか!」
草むらから聞こえる音に怯えるハナ…

「驚かせてごめんね。私も殺し合いには乗っていないわ―――」

☆彡 ☆彡 ☆彡


573 : スマイル・イズ・アンパン ◆Oamxnad08k :2020/08/23(日) 18:02:01 J.mOPfvc0
「キヨス先生は研究家なんデスねー!凄いデス♪」
「ありがとう♪私はハナちゃんの【ヨサコイ】見てみたいな♪」
互いに自己紹介をしたハナとキヨスは行動を共にして歩きながら談笑していた。

「「「「かびかびー!」」」
そんなハナとキヨスの目の前に現れたのは朱色・黄色・青色のピーナッツのような形に顔と細い手足がついた生き物が…ッ!!

生き物の名前は【かびるんるん】

「へーッ!面白い生き物ね♪」
キヨスはかびるんるんに興味津々にメモを取る。
「かびかびー…」
キヨスの行動に若干、戸惑うかびるんるん……
「あの〜…よかったら、私と一緒に【よさこい】踊りませんか…?」
戸惑いながらかびるんるんに【よさこい】を誘うハナ……
「……」
かびるんるんたちは聞いたことない言葉に?マークを浮かべて顔を見合う。

「かびかびー!!」

「やっぱりダメですか―――!?」
「逃げるわよッ!ハナちゃん!!」

☆彡 ☆彡 ☆彡

そして、今に至る―――

かびるんるんに追われながら逃げるハナとキヨス。
シャッ!シャッ!!シャ!!!
追われているから走ることとなっているのだが、アカリは逃げながらメモに情報を記す―――
「おー!?、キヨス先生!!逃げながら、メモをとっているんデスか〜!!」
驚愕したハナの問いかけに…

「うん?…生きた証をいっぱい残さなきゃいけないからね!」
清棲あかりは若くして次々とユニークな論文を発表する新進気鋭の研究者。
(この、殺し合い…私が生き残れるかはわからない…だけど、生きている証を集めなきゃッ)
自分が死んでも、100年後の未来へ届けるため、研究家として、自分がやるべきことをキヨスは見失わない!

あれから、時間がたつが、どうやら、かびるんるんは見逃す気がないようだ。
「私が、あれをひきつけるからその隙にハナちゃんは逃げて…!?」
「あうッ!?」
「ッ!?ハナちゃん!!」
暗闇の中、石に躓き、転んでしまったハナ…かびるんるんがハナを襲う―――


574 : スマイル・イズ・アンパン ◆Oamxnad08k :2020/08/23(日) 18:02:28 J.mOPfvc0
「だ…だれか、助けてくださいデス〜〜〜!!」
ザッ!!

それは、まるでヒーローのようにマントを翻して登場した―――

「やめるんだ!かびるんるん!」
ハナを守る…あんぱん?
「ア…アナタは?」

「ぼく、アンパンマン」

愛と勇気だけが友達の正義の味方

「「「「かびかびー!!」」」
かびるんるん達はアンパンマンの言葉に従わず、襲い掛かる!

「あ〜んパンチ!」

「「「かびかびー!!!」」」
かびるんるん達はアンパンチにより空高く吹き飛ばされた……

☆彡 ☆彡 ☆彡

「きみ、もう大丈夫だよ」
「はい、助けてくれて有難うございます♪アンパンマンさん♪」
ぐぅぅぅぅぅ〜〜〜〜……
アンパンマンにお礼を述べた直後、空腹の音がハナから聞こえてきた…

「お腹がすいているのかい?」
アンパンマンの問いかけに。
「あはは…支給品はカップラーメンにお酒しかないので…」
「そうね…材料があれば、パパッと作れるんだけど…」
「キヨス先生はお料理得意なんデスか!?」
「ええ。フィールドワークが日課で何日も張り込むことなんかザラだから…」
「すごい…でも大丈夫です!近くに街があるみたいですから、そこで食べるものを…」

2人の会話を聞いていたアンパンマンは事情を把握して…

「無理はいけないよ。なら、ぼくの顔をお食べ」

そういうと、アンパンマンは自身の顔をちぎるとハナとキヨス先生へ差し出した。

「え!?でも…」
「大丈夫。とっても美味しいよ!」
「わ…わかりました。それでは…いただきます…」
「私もいただきます♪」
パクッ!

「と〜〜〜〜っても!美味しいです!!今まで食べたあんパンの中で一番です♪」
「うん♪とっても美味しい♪」
ハナとキヨスの笑顔を見て…

「よかった」
笑顔になるアンパンマン。

☆彡 ☆彡 ☆彡


575 : スマイル・イズ・アンパン ◆Oamxnad08k :2020/08/23(日) 18:02:58 J.mOPfvc0
「そうだ!アンパンマンもいっしょに【よさこい】やりませんか♪」
「よさこいって何だい?」
先ほどの、かびるんるん同様アンパンマンも始めて聞く言葉に?マークが浮かぶ…

「よさこいってのは、こう…クルクルクルクル楽しく回って踊る不思議な世界です♪」
「高知県のダンスです。最近はロックにサンバと趣向を凝らした楽曲と振付もされています」
ハナの説明に補足するキヨス。
「へぇ…楽しそうだね。でも、ぼくは人前に出るのは恥ずかしいから遠慮するよ…」
申し訳なさそうに断るアンパンマン。
「え―――ッ!?そんな―――!?【ヨサコイ】は皆が笑顔になれる素敵なダンスなんデスよ―――!!」
ハナの様子を見たアンパンマンはハナに質問する……
「ハナちゃんは【よさこい】をするのが好きなんだね?」

「はい!多くの人と【よさこい】をするのが夢なんです♪」
「でも…この殺し合いをさせられる状況…私は【よさこい】ができるのデスかね…」
憂鬱気な表情を見せるハナ。
「ハナちゃん…」
キヨスもなんて言葉をかけていいか戸惑う。
しかし、【彼】は優しい口調で答える。

「大丈夫!きみの夢はぼくが守るよ」

誰にでも優しいヒーローはこの殺し合いの場でも正義を貫く。

【G--6/森林】

【ハナ・N・フォンテーンスタンド@ハナヤマタ】
[状態]:健康
[装備]:ワルサー P99
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜2(本人確認済み)
[思考・状況]:基本行動方針:みんなとヨサコイがしたい♪
1:アンパンマンとよさこいをしたいです♪
2:アンパンマン・キヨス先生と行動を共にする
[備考]
参戦時期はよさこい部が結成してから花彩よさこい祭までの間

【清棲あかり@へんなものみっけ】
[状態]:健康
[装備]:メモとペン
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜2(本人確認済み)
[思考・状況]:基本行動方針:研究家としてこの殺し合いに関わる人達の生きた証を残す
1:私の仕事は、100年後の未来に届けること
2:アンパンマン・キヨス先生と行動を共にする
[備考]
参戦時期は1話以降

【アンパンマン@それゆけアンパンマン】
[状態]:元気80%
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜3(本人確認未確認)
[思考・状況]:基本行動方針:お腹を空かせて苦しんでいる人を助ける
1:ハナの夢を守る
2:お腹を空かせて苦しんでいる人を守る
3:困っている人を守る
[備考]
一人にあんパンをあげるたびに元気が10%なくなる。


576 : スマイル・イズ・アンパン ◆Oamxnad08k :2020/08/23(日) 18:03:10 J.mOPfvc0
投下終了します。


577 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/23(日) 20:39:57 nUS/TADg0
光の世界を統べる企画へのコンペから送られた一通の手紙衝動の解放アップデート、感謝するごぜぇたいと願うことは赦されなかった――。アップデート大儀であったです。

>スマイル・イズ・アンパン
小鬼と比べると全然可愛げのあるかびるんるん。しかし二人にとっては手に余る相手だった。
危機的状況でも生きた証を残そうとするあかりちゃんに芯の強さを感じますし、率先して囮になるのも尊い人間性を伺えます。
そんな二人を助けた愛と勇気だけが友達のアンパンマン、まさにヒーローの鏡。
日本で尤も有名な英雄である彼なら、きっとこの催しでも輝いてくれる安心感があります。しかし顔の補給が期待できない現状、とてつもない困難が待ち受けることは必須。彼自身その点は気がついているでしょうが、それでも顔を分け与える選択をとる姿はまさにヒーローです。
よさこいを通じて交流しようとするハナちゃん可愛い。彼女の夢は果たして守られるのか……?


578 : ◆AuB05vm98I :2020/08/23(日) 20:52:28 0fQHdzUg0
投下します。


579 : 絶望が手招く世界に立ち向かう ◆AuB05vm98I :2020/08/23(日) 20:53:03 0fQHdzUg0
その男は、何度も何度も死の苦痛を味わってきた。
死んだ回数は数えていないが、何万は確実……下手をすれば何百万あるいは億にまで到達しているかも知れない。
しかし、その男は死ぬことができなかった。
死の苦痛は味わうが、死という結果にたどり着くことは決してない。
それが男……ディアボロにかけられたゴールドエクスペリエンス・レクイエムの能力であった。


ディアボロは数多の死を体験していく中で、死が訪れるシチュエーションが三つのパターンに分けられることを分析していた。
まずは、他人への干渉ができないパターン。
言葉を発することはできても、言葉が通じることはない。身体が動かないことすらある。
このパターンの場合は死を前にして取れる行動は無いと言ってもいいだろう。
次に、他人への干渉はできるパターン。
ある程度自分の意思で身体が動かせる。「オレのそばに近寄るな」と叫べば、人によっては近寄らずにいてくれる。
それでも死が訪れることは確実。全ての生命体を遠ざけることに成功しても、思いも寄らぬ何かによって死ぬことになる。

そして最後のパターン……殺し合いに巻き込まれる。
殺し合いのルールはある程度決まっている。
最後の一人が優勝、優勝者は願いが叶う、強すぎる能力には制限がかかる……といった具合だ。
ディアボロはこのパターンに光明を見いだしていた。
"強すぎる能力への制限"。この制限は、ゴールドエクスペリエンス・レクイエムの能力に対しても有効な場合が多いのだ。
殺し合い以外のパターンでは早ければ数秒後、遅くとも三分後には死が訪れるのだが、殺し合いの場では二日以上生き延びたことがある。
"優勝者の願いが叶う"。これも魅力的だ。最後の一人まで生き残ることができれば、死に続ける定めを解除してもらえる可能性もあるのだ。
また、殺し合いにはスタンドではない能力を持つ者も参加している場合が多いので、能力を無効化する能力者やアイテムを見つけるだけでもいい。

ディアボロは何度も殺し合いに参加させられ、殺し合いに抗う派閥が複数できることに気付いていた。
どうやら首輪が爆破されるリスクを負ってでも主催者に反抗しようとする者は一定数いるらしい。
であれば、自分も対主催グループの一員になってしまえばいい。
主催に刃向かうフリをしている者に気をつける必要はあるが、強敵が現れたら仲間を盾にして逃げれば良いし、能力無効化能力も探しやすい。
そして、能力の無効化ができそうにないなら……機を見て参加者を皆殺しにし、願いを叶える。

「……これはチャンスだ。このチャンス、絶対にモノにしてやるッ!」

キング・クリムゾンもエピタフも使えないしドッピオもいない。
再び帝王に返り咲くなどという大層な夢は持たない。ちっぽけなプライドも既に捨てた。
主催者の思惑もどうでもいい。誰が参加していようが、誰が死のうが関係ない。
永遠の死から解放されれば…………ディアボロはただそれだけで良かった。


【ディアボロ@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1〜3
[思考・状況]基本行動方針:ゴールドエクスペリエンス・レクイエムの能力を打ち破る。
1:対主催派を装い、能力を無効化できないか探る。
2:人数が減ってきたら優勝狙いに切り替える。
[備考]
参戦時期はゴールドエクスペリエンス・レクイエムの能力によって死に続けた後。
殺し合いに何度か参戦した経験あり。
スタンドやドッピオは現在使用不可。何かのきっかけで使えるようになるかも知れません。


580 : 絶望が手招く世界に立ち向かう ◆AuB05vm98I :2020/08/23(日) 20:53:34 0fQHdzUg0
投下終了です。


581 : ◆4kMBNI9QkE :2020/08/23(日) 22:15:00 lYbGwHCU0
投下させていただきます


582 : エピックonバトロワ 狂気のタイタン人! ◆4kMBNI9QkE :2020/08/23(日) 22:15:53 lYbGwHCU0
「・・・」

会場内のどこか。
一人の大柄な人物が、あてもなく会場内を歩いていた。

紫色の肌。
深い縦皺が複数刻まれた顎。
ゴリラを思わせる筋肉質で大柄な体格。
左手に嵌められた黄金色の籠手・・・。
もうお分かりだろう。

彼の名はサノス。
『宇宙の全生命の半分を消滅させる事で、残ったもう半分を生かす』という狂気の思想に取り憑かれ、
何年もの間、宇宙各地で残虐な大量殺戮行為を繰り広げ、
文字通り『数え切れない程の人間』から恐れられ、憎まれ、恨まれ、そして嫌われている男である。

「・・・」

今、サノスの顔には地獄の鬼神のような・・・いや、地獄の鬼神も泣きわめきながら逃げ出してしまいそうな程恐ろしい『憤怒』の表情が宿っていた。
サノスは長年の宿願である『全宇宙の生命の半分を消滅させる』ために、宇宙誕生以前に存在していた6つの特異点の残骸『インフィニティ・ストーン』の収集を開始。
インフィニティ・ストーンの絶大なエネルギーと力を制御するために作られた籠手『インフィニティ・ガントレット』を自ら装備し、宇宙各地に散らばる6つのインフィニティ・ストーンを探しだし、ようやく6つ全てが揃おうとした時・・・この『殺し合い』に参加させられたのだ。

幸いにも、インフィニティ・ガントレットは支給品としてサノスの手元にあったのだが、
『パワーストーン』以外の既に入手していた4つのストーンは外されており、本来想定していた力の6分の1しか発揮する事が出来なくなっていたのだ。

「・・・」

サノスは怒っていた。
自身の大望成就を邪魔し、犬猫のように首輪を嵌めて『殺し合い』を強要する主催者に。
そして、その主催者にあっさりと浚われて爆弾入りの首輪を嵌められた自分自身に。

「・・・」

サノスはあてもなく会場内を移動していく。
途中、両手両足の指を全て使っても数え切れない数のNPCと度々遭遇し、襲われたが・・・全て返り討ちにした。
『ストーンの力』を使わずに、『己の力』のみで。
それすらもサノスからしたら、八つ当たりにもならない些末な行為だ。
サノスの通り過ぎた後には、まるでその人生の縮図のように死体の山が出来上がっていたのだった。

「・・・」

ふとサノスは立ち止まり、自身の背後を振り返る、

「・・・いつまでコソコソついてくるつもりだ?姿を見せろ」
「・・・フッフッフッ。気づかれていましたか」

サノスの背後の木の影から、何者かが姿を現した。

青い体に蜘蛛の巣模様。
胸部には黄金色に煌めく円形の装飾がなされ、
頭はまるで僧侶の宝冠に羽根をあしらったような見た目をしている・・・。
紫色の肌をしたサノスに、勝るとも劣らないまるで『堕天使』を思わせる異形の怪人だった。

「・・・貴様、何者だ?」
「お初にお目にかかります。私はブラジラ。『救星主のブラジラ』と申します」

サノスからの問いかけに、怪人・・・ブラジラはうやうやしく一礼をしながら自己紹介をした。

救星主。
すなわち『星を救う者』。
その意味を理解すると、サノスは鼻をならした。

「フン・・・ずいぶんと御大層な二つ名だな」
「恐れ入ります」

サノスからの皮肉混じりの感想を受けても、ブラジラは顔色一つ変えなかった。


583 : エピックonバトロワ 狂気のタイタン人! ◆4kMBNI9QkE :2020/08/23(日) 22:17:51 lYbGwHCU0
「・・・まあいい。私の名はサノス。『タイタンのサノス』だ。ブラジラとやら、先程から私の後をつけていたようだが、私に何の用がある?」
「では・・・単刀直入に言わせていただきましょう」

ブラジラは一旦言葉を切ってから本題に入った。

「・・・サノス殿、私と『同盟』を結んでいただきたい」
「・・・何?」

ブラジラからの唐突な『同盟』の申し入れに、サノスは眉の端をピクリと動かした。

「あなたの力は、じっくりと拝見させていただきました。NPCごときでは足元にも及ばぬ強大な力・・・あなたと私が組めば、優勝はおろかあの主催者を打倒する事も不可能ではないでしょう」
「フン・・・笑わせるな」

ブラジラからの誘いをサノスは鼻で笑った。

「この『殺し合い』に優勝する・・・つまり『生き残れる』のは一人だけだ。言い換えるならば、『自分以外は全員敵』という事になる。そのような状況で徒党を組んだところで何になる?自分以外の参加者が一人でも残っていれば、待つのは『自身の死』だけだぞ?」
「・・・まぁ、確かにその通り、『生き残れるのは一人だけ』ですな」

ブラジラはサノスの意見を肯定しながらも、「・・・ですが」と付け加えた。

「・・・いかに強大な力や強力な支給品を持っていたとしても、たった一人で行動するよりも同等の力や武器を持った者達と行動した方が生存率も殺害数も高くなるでしょう?最終的に我々以外の参加者が全て死んだならば、その時に改めて我々が殺し合えば問題はありません」
「フム・・・なるほど」

ブラジラの一々相手を小馬鹿にするような話し方は気に入らなかったが、確かに一理あるとサノスは思った。
いかにたった一つだけで星を容易く破壊できるエネルギーを秘めたインフィニティ・ストーンを持っていたとしても、サノス一人だけでこの会場にいる参加者全てを殺すのは容易な事ではない。
一応『会場そのものをまるごと破壊する』という手段もあるが、サノス自身も巻き添えになりそうなので進んで行う気にはなれない。
それにサノスにはある懸念があった。
先にも書いたように、サノスが装備しているインフィニティ・ガントレットからは『パワーストーン』以外の4つのインフィニティ・ストーンが外されていた。
という事は、『他のインフィニティ・ストーンはサノス以外の参加者に支給されている』可能性が考えられるのだ。
サノス一人で全ての参加者の所持品を一つ一つ調べるよりも、複数人で探しあった方が効率が良いというものだ。

「・・・良いだろう。お前の提案を受け入れよう。ただし、条件がいくつかある」

そう言うとサノスはブラジラに向けて指を3本立てた。

「一つ、私とお前は『主従』でも『仲間』でも『同志』でもない。あくまで単なる『同盟相手』だ。お前が死にそうになっても私は助けないし、『足手まとい』だと判断すればその場で切り捨てる。二つ、私はこのガントレットに嵌められている物と同じ石を4つ探している。探すのを手伝え。三つ、例えどちらかが裏切ったとしても恨みっこ無しだ。以上だ」
「・・・えぇ、それで構いませんよ。ではこちらからも二つ。私は『オーブ』という物を探しております。そのガントレットの石の片割れを探すのと引き換えに、私の『オーブ』を探していただきます。それと、もしこの場で『護星天使』を名乗る者がいたならば、手出しは無用。私だけで戦います。よろしいですか?」
「フン、良かろう」

かくして、サノスとブラジラは互いの出した条件を飲み、同盟を結んだのだった。


584 : エピックonバトロワ 狂気のタイタン人! ◆4kMBNI9QkE :2020/08/23(日) 22:19:55 lYbGwHCU0
☆☆☆

(フフフ・・・まずは一歩といったところか)

ブラジラは心の中でほくそ笑んでいた。

自分は忌々しい見習い護星天使どもに『地球救星』を邪魔されて死んだはずだったが、何故か生きてこの場にいる。
主催者がどんな手段を使ったのかブラジラには分からなかったが、この『死者蘇生』の事実から考えて、主催者の『優勝者にはどんな願いでも叶える権利が与えられる』という言葉は事実の可能性が高いとブラジラは考えたのだ。

ブラジラの願いは決まっていた。
自分の計画を最後まで邪魔をし続けた『見習い護星天使達への復讐』と『地球救星計画の完全遂行』だ。
ブラジラは殺し合いに乗る事にした。

天装術発動の媒体である『オーブ』が没収されている為に『ブレドラン』の姿にはなれないが、それならそれで『ブラジラ』として暗躍すれば良いだけの話。
方針を決めたブラジラは手駒になりそうな参加者を探して・・・サノスを見つけたのだ。

サノスの力や左手に嵌められたガントレット・・・正確にはガントレットに嵌められているインフィニティ・ストーンから感じられるエネルギーは、
かつて『彗星のブレドラン』として仕えた『宇宙逆滅軍団ウォースター』の首領『惑星のモンス・ドレイク』を彷彿とさせた。
そして、サノスの動向を観察した末にその実力はモンス・ドレイクはおろか、これまでブラジラが『ブレドラン』として渡り歩いたどの組織の者と比べても並外れていると確信し、同盟を持ちかけたのだ。

もちろん、ブラジラにはサノスと仲良し子吉するつもりなどはない。
ある程度参加者の数が減ったら、隙を見て騙し討ちにするつもりなのである。

(フフフ・・・護星天使見習いども、首を洗って待っているが良い!)

ブラジラの脳内では、優勝した自分が見習い護星天使達をコテンパンにする姿がイメージされていたのだった。



【サノス@マーベル・シネマティック・ユニバース】
[状態]:健康、主催者への怒り
[装備]:インフィニティ・ガントレット@マーベル・シネマティック・ユニバース
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜2
[思考・状況]
基本:宇宙の生命を半分にする為に、生きて帰還する
1:ブラジラと行動する
2:インフィニティ・ストーンを探す
[備考]
『インフィニティ・ウォー』でインフィニティ・ストーンを6つ全て揃える直前からの参戦。
ガントレットにはまっているのは『パワーストーン』一つだけです。
他のインフィニティ・ストーンは他の参加者に支給されているかもしれないし、会場内に隠されているかもしれません。

【救星主のブラジラ@天装戦隊ゴセイジャー】
[状態]:健康、ブラジラとしての姿
[装備]:無し
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本:優勝し、見習い護星天使に復讐する
1:サノスと行動を共にし、手駒を増やす
2:オーブを探す
3:この場に護星天使がいるなら復讐する
[備考]
最終回でゴセイジャーに倒された直前からの参戦。
オーブが没収されており、天装術は使用不可能ですが、ダークサーベルの召喚は可能です。


【インフィニティ・ガントレット@マーベル・シネマティック・ユニバース】
インフィニティ・ストーンの力を最大限に発揮できる左手用の金色のグローブ。サノスの依頼を受けた惑星“ニダベリア”の“ドワーフ”たちが作成したもので、材質は“アスガルド”の武器にも使われている金属“ウル”であり、非常に強靭なものに作られている。全体的にドワーフ族風の分割模様の装飾が刻まれ、各指の付け根部分と手の甲に6つのストーンを収容する穴があり、ガントレットをはめた左手を閉じることでそれぞれのストーンの力を自在に使用できる。また、ストーンが発する強大なパワーを制御するため、ガントレット自体もストーンを埋め込むと、その直後にストーンの力が装着者に流れ込み、常人ではその衝撃に耐えるのは困難である。6つ全てのストーンを埋め込むと、ガントレットをはめた指を鳴らすだけで全てのストーンの力を同時に発動させ、全宇宙の半分の生命を消すことができる。
(以上、ウィキペディアより抜粋)


585 : ◆4kMBNI9QkE :2020/08/23(日) 22:24:52 lYbGwHCU0
投下終了です。

『悪役を増やそう』・『戦隊系のキャラで書いてる人、いないな』と思ったので、『ゴセイジャー』より『ブラジラ』に登場してもらいました。


586 : ◆5RRtZawAKg :2020/08/23(日) 22:59:34 GpEBIFyE0
投下します。


587 : 犬と虎とスタイリッシュ ◆5RRtZawAKg :2020/08/23(日) 23:01:40 GpEBIFyE0
どこまでも生い茂る草木の森の中、一匹の犬が支給されたデイパックの中身を器用に探していた。

この犬の名はグルミット、ただの犬のように見えて、実は大学を卒業しており、字を読んだり、人の言葉を理解したりすることができるのである。
そんな彼は自分の置かれた状況をすぐに把握し、まずは慌てず、支給品の確認を行なっていた。

中からは、参加者全員に共有して支給される安っぽい地図とルールブック
そして、食料であるインスタントラーメンと缶チューハイ………

これで飢えを癒すのか?と訝しげな表情をするグルミット。

続けて中を探け、ランダム支給品に手をかけた。手に伝わる硬い感触に、鋭利な武器を想像したグルミット。そのままデイパックの外に出すも……。
その手に持っていたものは、グルミットと、彼の飼い主であり、親友であり、家族であるウォレスととのツーショット写真入りの額縁であった。
また、他にメモ帳とボールペンも入っていた。

愕然し、もう片方の手を頭に当て揺らすグルミット。

こんなものを支給されて、どうしろと?
いや、そもそも彼は殺し合いに乗るつもりは毛頭も無いため、強力な武器が渡っても仕方ないとえば仕方ないのだが……それにしても、これらで一体何をしろと?自分を殺しに来る他の参加者に対してどう立ち向かえと?

完全に途方に暮れていたグルミット。しかし、すぐ頭を切り替え、まずはウォレスを探すことに決めた。
ポンコツながらも機械を弄る才能のある彼と協力すれば、自分達の首に装着されてある爆破機能を備えた危険な首輪を外すことも可能だろうと踏んだのだ。
首輪解体に必要な工具と施設探しも同時並行に行い、極力ウォレス以外の参加者とは出くわさないように行動すべく、地面に置いた支給品をデイパックにしまい込み、頭を下げ身を屈めながら颯爽と街を目指した。

暗い獣道の中、雑草を掻き分け進んでいくと……ボスン、と何かに頭をぶつけてしまう。
頭に手を当てながら、おそるおそる顔を上げると……

口周りの毛を赤黒い血で染めた、一匹の虎がいた。
その足元には、その虎によって殺され、捕食されている最中であろう緑色の生命体が横たわっていた。
目を丸くし驚くグルミット。すぐさま方向転換し逃走を始めた。
虎もまた、自分に突き当たり、食事の邪魔をした存在に目が移り、怒りの咆哮を上げながらグルミットを追った。

◇ ◇ ◇ ◇

虎のスピードは凄まじいものであった。何も無い平野であれば一瞬で追いつかれ、グルミットも捕食されてしまっていたであろう。
しかし、グルミットは機転を利かし、途中途中にある木々を直角に曲がりながら追跡を攪乱していた。スピードが速ければ速いほど直角方向の転換は難しく、慣性によって虎は体を前に押され、最大速度を殺されてしまうのだ。
また、図体の差も活かし、グルミットは自分の速度がギリギリ維持ができる、狭く、背の高い雑草が茂る道を選んで逃走した。これにより、虎の速度はさらに落ち、グルミットはスタミナ勝負に持っていけることができた。

虎の動きを確認するために、度々後ろを確認するグルミット、するとあることに気が付く。
自分を追う虎の首に、なんと自分が付けているものと同じ首輪が装着されていたのだ。つまり、この虎も参加者の内の一人、いや、一匹なのである。

「キャウンッ!?」

その時、自分の体がフワッ、と浮く。
そして、そのまま木の頂上付近で止まったかと思えば、また風を切って降下し、ジェットコースターのように単振り子運動を続けながら猛スピードで進んでいき、虎の追跡を完全に振り切った。

自分が何者かによって抱きかかえられていることがすぐ分かり、上を向くグルミット。

「お怪我はございませんか」

その正体は、七三分けの髪形とメガネが特徴の、スタイリッシュな雰囲気を醸し出す青年であった。そして、自分達は今、そこらに伸びている蔦を使ってターザンのように移動しながら進んでいたのだ。


588 : 犬と虎とスタイリッシュ ◆5RRtZawAKg :2020/08/23(日) 23:02:18 GpEBIFyE0
◇ ◇ ◇ ◇

安全な場所まで移動し、綺麗に地面へ着地する青年、そしてそっとグルミットを下ろした。

「スリリングな空の旅、いかがだったでしょうか」

独特な言い回し方に気を奪われ、思考が少し遅れてしまうも、デイパックからメモ帳とボールペンを取り出し、そこへ文字を書くグルミット

「ほう……これは驚きました。字を書く犬に出会えるとは。」

メガネの縁を触りながらグルミットを興味深そうに見つめる青年。

グルミットは書き終えた文章を見せる。
その内容は、自分を助けてくれたことに対するお礼、そして自分がこのバトルロワイアルの参加者の一人であり、殺し合いには乗っていないという旨、そして、青年の殺し合いに対する考えの質問であった。

「当然のことしたまでですよ。僕もこのような醜い争いには賛同しかねます。」

グルミットはメモ帳に続けて文章を書いて見せた。

「なるほど……この首輪を外せる可能性がある、と……それは実に興味深いですね。」

グルミットは最初こそウォレス以外の他参加者との接触は視野には入れてなかったが、先程の危険な参加者とのエンカウントに備え、対主催同士での協力関係の重要性を考え始めたのだ。
そこで、自分を助けてくれたこの青年と協力関係を結ぶべく、グルミットは首輪を外せる可能性を示し、自分と共に行動するメリットを提示した。

メガネを上へ動かす青年。

「この出会いも偶然では無いのでしょう。分かりました、全身全霊を傾け、あなたの安全を保障しましょう。」

どうやら、協力関係は無事結べたらしい……?

この青年の異様なノリには少しついていけないグルミットであったが、手を差し伸べ握手をする。
続けてグルミットは自分の名前をメモ帳に書く。

「グルミットですか、良い名ですね。」

「私の名は坂本と言います、共にこの地から生還いたしましょう。」

【グルミット@ウォレスとグルミット】
[状態]:疲労(小)
[装備]:メモ帳、ボールペン
[道具]:基本支給品、ウォレスとグルミットの写真立て
[思考・状況]基本方針:首輪解除方法の探索
1:ウォレスと合流したい
2:虎(李徴)に追われる
3:坂本に助けられ、協力関係を結ぶ
[備考]
メモ帳、ボールペンを使って意思疎通を図ります。

【坂本@坂本ですが?】
[状態]:健康、冷静
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜3個
[思考・状況]基本方針:殺し合いの終焉
1:殺し合いですが、興味ありませんね。
2:賢い犬ですね。
3:ウォレスという方を探しましょう。
[備考]


589 : 犬と虎とスタイリッシュ ◆5RRtZawAKg :2020/08/23(日) 23:02:41 GpEBIFyE0
◇ ◇ ◇ ◇

「あぁ、なんてことだ。また私はやってしまったのか。」

グルミットを追跡していた虎は、「意識」を取り戻した。

彼の名は李徴、博学才穎ながらもプライドの高さ故に役人の仕事を捨て、故郷で漢詩を作り続けていたのだが、大成せず。自分よりも才能の無い同期達が出世していく中、自分だけが取り残され、ついには発狂し、醜い虎に成り果ててしまった男である。

彼は一日の内、数時間はこうして人間としての心が戻るのであるが、それ以外は獰猛な獣と化し、虎としての残忍な行為を行なってしまうのだ。

口元を濡らす血を感じ、李徴はまた何かを殺して食ってしまったのだと自覚し、情けなく、そして腹立たしく、そして恐ろしい想いに駆り立てられていた。

李徴は、自身の状況については理解していた。どういう経緯かは分からないが、無作為に集められた者達同士で殺し合い、最後の一人になった者のみが、自分の持つ望みを叶えることができる、と。

李徴は一瞬、元の姿に戻りたいという思いが頭を過ったが、やめた。

また「李徴」に戻ったところで一体何があるのか。もう何もない。何も残っていないのだ。妻子には申し訳がないと思っているが、もう無気力なのだ。

もう少し時間が経てば、私は再び醜い獣になり、そして何かを殺し、食らうのだろう。

こんな日々はもう嫌だ。

李徴は望んだ。自分が虎になってしまっている間に、自分が他の参加者に殺されていることを………。

【李徴@山月記】
[状態]:健康、悲嘆
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況][李徴]殺されたい。[虎]腹が減れば食う
1:ゴブリンを捕食。
2:食事の邪魔をしたグルミットを追うも逃げられる。
3:自我が戻り、絶望に浸る。
[備考]


590 : ◆5RRtZawAKg :2020/08/23(日) 23:03:02 GpEBIFyE0
投下終了です。


591 : ◆8eumUP9W6s :2020/08/23(日) 23:30:12 4mPLyCGY0
初投下させて貰います。
先に書いておくと、文章がちょっと長くなり過ぎたかも知れませんので、その点についてはご了承して頂けると助かります…。


592 : その日、運命に出会う ◆8eumUP9W6s :2020/08/23(日) 23:31:53 4mPLyCGY0
「…なんで…なんであんなっ…ひどいことを…!」

儚げな雰囲気を纏った、銀髪の幼い少女は一人震える声を漏らす。

彼女の名はサーニャ・V・リトヴャク。本名はアレクサンドラ・ウラジミーロヴナ・リトヴャクで、第501統合戦闘航空団、通称ストライクウィッチーズに所属し、仲間たちと共に正体不明の敵であるネウロイと戦うナイトウィッチである。

夜間哨戒を終えた後、眠りについたサーニャが次に目覚めたのはこの殺し合いの場であった。
最初は眠っている間に殺し合いに呼ばれたのと、まだ脳が覚醒しきっていなかった為に、彼女はこの恐ろしい現実を夢だと思い込んでいた、いや…思い込もうとしていた。

しかしサーニャはすぐさま現実へと引き戻される。主催により見せしめの首輪が爆発されたのだ。見せしめはサーニャの…彼女のすぐ近くで死んだ。さっきまで確かに生きていた者が、たった一瞬の内に肉塊と化し散らばる様を目の当たりにする羽目になったのである。

サーニャの意識は覚醒した。いや───否が応でも覚醒せざるを得なかった。目の前の惨状を現実の物だと認識した瞬間、彼女の喉奥から吐き気が迫り上がってくる。必死にそれを堪えたが、涙と恐怖を堪えることは出来なかった。

軍人とはいえ彼女はまだ15歳の少女で、ネウロイと戦った経験こそ多いが、人と殺し合いになるような戦いをした経験も無ければ、先程まで命だったものが目の前で散らばった経験も、この時の彼女には無かったのである。

ルール説明が終わり、会場に飛ばされた後には、徐々に落ち着きを取り戻し始めていたものの、今度は先程認識出来ていなかった感情がサーニャの心の中に広がっていく。

「…助けられたかもしれないのに…私…何も…なにも出来なかった…。
…私の…バカ…なんで…動かなかったの……!」

それは罪悪感と、主催や自分自身に対する怒りであった。殺された見せしめは、サーニャにとっては名も知らぬ赤の他人であった。万が一見せしめを助けれたとしても、新たな見せしめに選ばれるのはサーニャ自身だっただろう。しかし…それでも彼女は助けたかった。

知らない人だったとしても、それは決して見捨てる理由にはならないのだと…そう思っていた。だからこそサーニャは怒りを抱く。理不尽に人の命を奪い、殺し合いを強要させる主催に。そしてあの瞬間、恐怖で足が竦んでしまい、助けることが出来たかもしれない相手を見殺しにしてしまった自分自身にも。

「…ごめんなさいっ…助けてあげられなくって……!
…きっと、すっごく怖くて、つらかったと思う……。
……償いになるかなんてわからないけど、せめてあなたの犠牲は…無駄にはしないわ…主催にいる人たちを倒して、こんなふざけた殺し合いなんて止めなくっちゃ……!」

犠牲になった名も知らない相手に謝りながら、サーニャは主催打倒の決意を固める。それが私にできることなのだと、彼女はそう思った。

その後、サーニャは支給されていたバッグの中身を確認する。中に入っていたのは安っぽさが拭えない地図と、基本的なルールが様々な言語で書かれていた本と、食べ物らしき何かに飲み物らしき何かと、武器にはなりそうにないアイテムが3つ。彼女が普段使用しているストライカーユニットであるMiG I-225も、強力な武器であり魔法を込めると威力が上がる特性を持つフリーガーハマーも、バッグの中には無かった。

「…そんな…ない…どこにも、ない…このままじゃっ…」

ウィッチの能力や魔法を十全に発揮する為には、ストライカーユニットが必要不可欠であった。それが無く、更に武器すら持たない今、彼女には誰かを助ける力はおろか、自らの身を守る力すらなかった。

「…こんな時、エイラや芳佳ちゃんやみんなが居てくれたら…。
…ううん、そんな弱音を言っちゃダメよ私…少なくともここには、私しか居ないんだから…しっかりしなくちゃ…とりあえず、まずは探しにいかないと…!」

つい弱音を吐きそうになるも抑え込み、ユニットとフリーガーハマーを探す為に、サーニャは行動しようと考える。仲間たちがもし巻き込まれているのなら、合流しなければいけないとも。

だが、この時の彼女は気付いていなかった。既に周りをゴブリン達によって取り囲まれている事に───。


593 : その日、運命に出会う ◆8eumUP9W6s :2020/08/23(日) 23:33:18 4mPLyCGY0
-------------

衛宮士郎は憤りを感じていた。

「もう少し近ければ、助けられたのに…俺はっ…また…!」

見せしめが殺された際、彼は離れた所にいた。助けようと動いたにも関わらず、間に合わなかったのだ。正義の味方になると決めたにも関わらず、彼は見せしめを救う事が出来なかったのである。

それ故に彼は、殺し合いを強要しようとする主催たちと、届かなかった自分に対しての憤りを抱えていたのであった。

その感情を抱えたまま、士郎はデイバッグの中身を確認しようとする。その時であった。

「あ、あぁっ……いやぁっ…だれ、かっ…誰か…助け…てっ……!」

士郎の耳に、少女の悲痛な叫び声が届く。その声を聞いた瞬間に、士郎の脳裏にある光景が浮かび上がった。目の前で英雄王ギルガメッシュに殺され、心臓を抜き取られたバーサーカーのマスターの少女───イリヤスフィールの姿が。

…あの時も、先程の見せしめのように士郎は止める事も、助ける事も出来なかった。だが───今は違う。

「っ…待ってろ!今、助けに行くからな!」

正義の味方として───今度こそ、助けてみせる。そう思いながら士郎は、居てもたってもいられずに、バッグの中身を確認する事をやめて、叫びが聞こえた方向へと走り出して行った。


-------------

「やっ…こ、来ないでっ…!」

サーニャはゴブリン達の手により追い詰められていた。この場から移動しようとしたところで、いつのまにか囲まれてしまっていたのである。当然彼女はその場から逃げようとしたが…ウィッチとはいえ彼女は15歳の子供、しかも武器になり得る物をなにも持っておらず、ゴブリンの数の多さもあって、あっという間にこの状況に追い込まれてしまったのだ。

「来ないでっ、お願い…来ないでよ……ひゃあっ!?」

涙目になりながら、サーニャは震える声でそう言う。しかしゴブリン達がそんな事を聞くはずもなく、彼女は地面に押し倒され、押さえつけられてしまった。

ゴブリン達は彼女を取り囲んだ後、醜悪な笑みを浮かべ、興奮を隠そうともせずに下半身を露出させ始めた。その様を見せられてサーニャは、これから自分がどうなってしまうのかという事に気付いてしまう。

「い、いやっ…そんなのっ…こんな形でなんて…いやぁっ…!」

涙を溢れさせながら、サーニャは必死に抵抗を試みる。しかし今の彼らの、ゴブリン達の前では、いくら抵抗を試みようとどうしようもなかった。サーニャが無駄な抵抗をしようとしている内にも、ゴブリン達は彼女を慰み者にしようとしていた。

「あ、あぁっ……いやぁっ…だれ、かっ…誰か…助け…てっ……!」

とうとうサーニャは泣き叫んでしまう。無駄だとわかり切っていても、それでも助けを求めずにはいられなかったのだ。その結果…彼女の助けを呼ぶ声は、無駄にはならなかった。

「───投影(トレース)、開始(オン)!」

ゴブリン達によって、サーニャが初めてを奪われそうになったその時であった。投影魔術の詠唱をし、手に双剣を出現させた青年がゴブリン達の首を斬り落としたのは。


594 : その日、運命に出会う ◆8eumUP9W6s :2020/08/23(日) 23:36:19 4mPLyCGY0
-------------

「はっ!ふっ!てやぁっ!」

叫び声を上げながら青年は双剣で、瞬く間にゴブリン達を斬り殺して行く。彼が不意を突いたのもあって、ゴブリン達は対応が遅れてしまい───最終的にはあっという間に全滅させられてしまった。

その一部始終を見ていたサーニャはというと…乱れさせられた服をある程度整えながら、助けが来てくれた事を喜ばしく思っていた。しかし彼女は、ある勘違いをしてしまっていたのである。

(…何もないところから、いきなり剣を…あの人、もしかして…男のウィッチ、なの…?)

ウィッチに志願する前、サーニャはピアノの勉強をする合間に、ウィッチに関する書物を沢山読んでいた。それ故に彼女は、ネウロイが攻めて来た際に、すぐに志願してウィッチになる事が出来たのだが、その書物の中のある本には「ごく稀にだが、男でありながら魔法力を持ちウィッチとして戦っていた人物も存在する」と記述があった。

彼女はそれを覚えていたが為、自分を助けてくれた目の前の青年を男のウィッチだと勘違いしているのである。

そんな事も露知らず、青年は心配そうにサーニャに声をかける

「おい、大丈夫か!?」

「…は、はい…なんとか…」

そうか、ああ───今度は、間に合ったんだな。士郎はそう思いながらも、目の前にいる儚げな少女に対して、優しげに自己紹介をする。

「俺は衛宮士郎。殺し合いには乗ってない。…君は…」

衛宮士郎…そう名乗った、無愛想に見えるが優しげな青年を、サーニャはあっさり信用する事にした。彼が居なければ、今頃自分はあの恐ろしい化け物達によって慰み者にされていた…というのもあるが、それとは別に、自分の無事を伝えた際に彼が、心底安心したかのように息をつき、安堵の表情を浮かべたところを見たからでもある。

少なくとも彼女には…彼が本心から自分の事を、自分の身を案じてくれたのだという事がわかったのだ。

「…サーニャ、サーニャ・V・リトヴャク…です…。…私も…殺し合いには、乗ってません。…その…サーニャって…呼んでください…」

照れ屋故に少し緊張しながらも、彼女はそう自己紹介を返したのであった。


595 : その日、運命に出会う ◆8eumUP9W6s :2020/08/23(日) 23:36:43 4mPLyCGY0
【サーニャ・V・リトヴャク@ワールドウィッチーズシリーズ】
[状態]:健康、精神的疲労(中)、ゴブリンに対する嫌悪と恐怖、衣服に若干の乱れ
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いを止める
1:衛宮さんに助けてくれたお礼を言いたい
2:ユニットとフリーガーハマーを探さないと…
3:もし、エイラや芳佳ちゃんたちまでこの殺し合いに巻き込まれているのなら…早く合流しなきゃ…
4:…この食べ物みたいなものと、飲み物みたいなものはなに…?
5:…助けられなくって…ごめんなさい…
[備考]
参戦時期は劇場版より後。
士郎の事を男性なのにも関わらず魔法力を持っているウィッチだと勘違いしています。また彼の事を扶桑の人間だと勘違いしています。
本人はまだ気付いてませんが彼女の固有魔法には制限がかけられています。(感知出来る範囲が大幅に狭まっている)
ランダム支給品の中には(彼女から見て)武器になりそうな物は無かったようです。
劇場版時点での作中舞台が1945年なので(現代基準で)それ以降に誕生・及び発展した物や技術についての知識はありません。


【衛宮士郎@Fate/stay night [Unlimited Blade Works] 】
[状態]:健康、肉体的疲労(小)
[装備]:現在はなし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜2、烈風丸@ストライクウィッチーズ2
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いを打破する
1:正義の味方として、一人でも多くの人を救う
2:とりあえず情報を交換したい
3:この子の声を聞いていると、何処となく彼女の───イリヤスフィールの事を思い出す…
4:…ところで、なんでそんな格好してるんだ…?
5:そういえば、バッグの中身を確認するのを忘れてたな…
[備考]
参戦時期は少なくとも16話よりは後で25話よりは前。
サーニャの事をロシア系の一般人だと思っています。また彼女が下に履いているのが短めのスカート(ベルト)とタイツ(ズボン)だけな事が気になっている様子です。
バッグの中には烈風丸が入っていますがまだバッグを開けていません。
詳しい参戦時期がいつなのかや、投影出来る武器の数や持続時間に制限がかかっているか否か、固有結界が使用可能な場合にどのような制限がかかっているかどうかは後続の書き手に任せます。
また魔術使いである彼が烈風丸を使用した際にどうなるのか、投影した際に烈風斬や真・烈風斬を使用できるか否かも後続の書き手に任せます。
干将・莫耶@Fate/stay nightを投影しました。
作中舞台が2004年なので(現代基準で)それ以降に誕生・および発展した物や技術についての知識はありません。

【干将・莫耶@Fate/stay night】
元は古代中国の呉の国の刀匠干将と妻の莫耶が作った夫婦剣でありアーチャー(エミヤ)のメインウェポン。
互いが互いを磁力のように弾き合う性質を持つ他、二つ揃いで装備した場合対物理と対魔力が上昇する効果がある。
UBWルートにおいては葛木戦にて士郎が不完全な状態ながらも投影に成功、以降この双剣は士郎の投影魔術の主力として使われ続ける事となる。
アーチャーはこの武器を用いる事で鶴翼三連や干将・莫耶オーバーエッジを使用可能だが、前者はこのルートの士郎は使う事が出来ず後者はどのルートでも使用されていない(恐らく不可能)。

【烈風丸@ストライクウィッチーズ2】
ストライクウィッチーズ2にて坂本美緒少佐が自らの魔力を込めて打った扶桑刀(現実でいう所の日本刀)。
刀身自体がシールドの役割を果たし、ネウロイのビームを切り裂けるほどの力がある。
しかし魔力を保有している者が使った場合、使えば使うほど使用者の魔力を吸い取って行く諸刃の剣である。
坂本少佐はこの刀で烈風斬(刀の切っ先に魔法力を一極集中させる事によりコアごとネウロイを両断可能な技)を使用している他、最終回にて宮藤芳佳がこの刀を手にした際には真・烈風斬という技により、それまで攻撃が一切通用していなかったコアが巨大化したネウロイの破壊に成功している。
(ただし使用した芳佳は魔法力(=ウィッチとしての力)を完全に失った。劇場版にて芳佳の魔法力が復活した際に、この刀は再び彼女の手に渡っている)。


596 : ◆8eumUP9W6s :2020/08/23(日) 23:37:38 4mPLyCGY0
投下終了です。
キャラの再現とかが出来てるかが不安…。


597 : ◆2dNHP51a3Y :2020/08/23(日) 23:38:35 zNF1X1ac0
【名無し】さんの代わりに代理投稿させていただきます


598 : ◆2dNHP51a3Y :2020/08/23(日) 23:40:03 zNF1X1ac0
木が倒れる。
電柱が倒れる。
ガラスの雨が降る。
ゴブリンが襲いかかる。
魔物が麻痺させる息を吐く。
突如舌を出した魔物に襲われる。
炎を纏った戦士が炎の魔法を放つ。
顔見知りを連想させる人形が踊り狂う。
飛んできた看板がギロチンのように飛ぶ。
世界が意思を持って彼女を殺そうとしている。
それが当然なように彼女の周り全てが襲いかかる。

この状態を一言で表すなら【災厄】だろう。

「……」

【災厄】を受けている彼女は何も言わない。
攻撃のタイミングに合わせて、避け、防ぎ、いなし、打ち消し、障壁を貼り、ただ淡々と対処する。
視界を塞ぐほどの帽子を被っているのに、まるで見えているかのような軽々しい動きを見せる。
そのような動きができる正体は、空想視<イマジナリーチェイン>と呼ばれる戦闘能力にある。空想力を共有し、敵味方の数秒先までの行動を予知する能力だ。

「…先輩……なんで……」

しかしだ。
そのような能力を持っているのに、彼女は自分から攻撃することはしない。
向かってくる【災厄】を淡々と対応するが、それどころではなさそうに。

彼女はここが殺し合いの場であることは認識している。心の中では。
たけど、目の前の景色が見えていないように、小さく何かを呟きながら、顔を下に向けたままである。

「うーん、『豹馬君』みたいにうまくいかないなあ」

この【災厄】を引き起こした、赤いマフラーを身に着けた少女が呟く。
彼女の名前はクロ。誰からも認識されない透明人間である。

誰からも見てもらえず、聞いてもらえず、孤独に生きていたクロは、一人の少年と出会った。
少年は彼女とは逆に、透明人間しか認識することが出来なかった。
少年はクロの協力があり、日常生活に復帰した。彼女もまた、少年に協力することに喜びを感じた。
そうして透明人間の少女と、透明人間しか認識できない少年―――クロと豹馬は恋人同士になった。

だけど、豹馬は殺されてしまった。だから、彼女は自殺して豹馬の後を追った。
しかし、彼女の世界はそれで終わらなかった、彼女は死後、幽霊となり世界を改変する力を与えられた。
彼女は平行世界を渡った、その力を使って『豹馬君』を生かすために。何度でも。

『豹馬君』以外には興味は無い。殺し合いなんてどうでもいい。
だから力を使って『豹馬君』の傍に戻ろうとした、しかし、不思議な力でかき消された。
『豹馬君』の傍に戻るために、優勝する事を選ぶのにそう時間はかからなかった。
この世界ではどういうわけか、改変の力を使って直接人を殺すことが出来ないようであった。
だから、事故を起こしたり、物音を立てて魔物の群れをおびき寄せ、出会った彼女を殺そうとした。

「早く『豹馬君』の所に戻らないと、『豹馬君』を助けてあげないと」

帰らないとまた、『豹馬君』が殺されてしまうから。
その、『豹馬君』に酷いことを言われても。何度でも。

「『豹馬君』が消えてしまわないように、私はもっともっと頑張らないと」

『豹馬君』、『豹馬君』と繰り返す。さながらそれは神様に祈る聖職者のよう。
神様に祈っても助けて貰えなかった彼女にとって、『豹馬君』は彼女だけの神様だった。

「私は『豹馬君』を嫌いになったり、見捨てたりなんかしないから」
「……なんで」

ふと、【災厄】を受けている少女が呟いた。
それは救いを、答えを求めているようであった。


599 : ◆2dNHP51a3Y :2020/08/23(日) 23:40:38 zNF1X1ac0
「なんで、貴方は、豹馬さんのことを信じられるんですか?」
「え、私のこと見えるの?まあいいや」

なら、教えてあげようと、彼女は笑顔で答えた。

「だって私は、『豹馬君』のことが大好きだから」

何を当たり前のことを、とでも言うように曇りなき目でまっすぐに。

「『豹馬君』は私に心配かけないように本音を隠してくれてるんだよ、バレてるのに」

クロの世界では自殺した者はウソを付くことが出来ない。

「私は『豹馬君』のことなら全部わかってる」

だから、これは、本心。

「だって『豹馬君』は私を救ってくれた人だから!」

彼女は信じていた。

「『豹馬君』は凄い人だから!私なんかには思いもつかないような理由があるんだよ!」

彼女は狂っていた。

「『豹馬君』は無理してるのかも知れない!はやく助けて、元のとっても優しい『豹馬君』に戻してあげないと!」

『豹馬君』を信じる。その言葉が『豹馬君』に否定されても。『豹馬君』は凄いから。

『豹馬君』『豹馬君』『豹馬君』『豹馬君』『豹馬君』『豹馬君』『豹馬君』『豹馬君』
『豹馬君』『豹馬君』『豹馬君』『豹馬君』『豹馬君』『豹馬君』『豹馬君』『豹馬君』
『豹馬君』『豹馬君』『豹馬君』『豹馬君』『豹馬君』『豹馬君』『豹馬君』『豹馬君』
『豹馬君』『豹馬君』『豹馬君』『豹馬君』『豹馬君』『豹馬君』『豹馬君』『豹馬君』

「『豹馬君』は凄いよ!『豹馬君』は格好良いよ!『豹馬君』は素敵だよ!」

その『豹馬君』像が幻想だとしても。彼女はそれに縋るしかなかった。


600 : ◆2dNHP51a3Y :2020/08/23(日) 23:41:19 zNF1X1ac0
〇〇〇


―――なに言ってるんですか?先輩はずっと一緒に居てくれますよ?

―――これからも私と一緒に居てくれますよね

先輩は「もちろんだ」と言った。

―――「俺がついてる」って言ってくれましたもんね、ふふ、先輩

だが、彼女は―――神楽鈴奈は、裏切られた。最悪のシナリオで。
この目ではっきり見てしまった。だけど、受け入れられなかった。
運命の人に銃口を向けられたことを。馬鹿にするように指を降る動きを。撃たれたことを。

―――夢?これは、夢?夢なんじゃないですか?ねぇ

先輩がそんなことするはずない、だからきっと操られているんだと。

―――そっか、夢じゃないのね

その矢先に参加させられたのがこの殺し合いだ。

人は常に正解を求める。
彼女も正解を見つけた。
どうしようもなく追い詰められた者は、正解を与えられた時、それに縋るしかなくなる。
それが、正しい答えでなくても。


〇〇〇


先輩が私を裏切るわけないですよね。
じゃあ、やっぱり、きっと、これは夢だ。
私は、先輩を、信じないと。先輩は、私を、騙さないから。
早く、覚めないと。

「クロちゃん、でしたっけ」
「何?」
「私と、協力しませんか?」

少しばかり考えた後、同意する。
他者から認識されないハンディを背負う彼女にとって、協力者が居ることで助かることは多い。
それに改変の力も何度も使えるものではない、使える容量は決まっている。
ならば、迅速に『豹馬君』の元に帰るためには、同意したほうが良いことは明白だ。

「うん、わかった、帰るまでね」
「ええ、よろしくお願いします」

人間には自分の心を守るための防衛機能が存在する。
辛いトラウマの記憶を封じ込めたり、自分の都合の良いように解釈することがそれである。
だから彼女達は思い込むことにした。縋ることにした。壊れてしまわないように。

二人は歩きだす、悪夢から覚めるために。想い人とずっと一緒に居るために。
その気持ちは愛か、執着か、依存か。整理なんてされてない。
一人の少年にぐちゃぐちゃに壊されたまま、そのことに気づかぬままで。


601 : ◆2dNHP51a3Y :2020/08/23(日) 23:41:53 zNF1X1ac0
【神楽鈴奈@Caligula Overdose-カリギュラ オーバードーズ-】
[状態]:健康
[装備]:ー
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:先輩と一緒にいる、ずっと
1:先輩のもとに帰る
2:これは夢、早く覚めないと
※参戦時期は楽士ルート最終決戦で主人公に裏切られ敗北した直後です。
※キャラエピソードは完遂済みです
※この殺し合いと元世界での主人公の裏切りを夢だと思い込みました。

【クロ(リーダー)@最悪なる災厄人間に捧ぐ】
[状態]:健康
[装備]:ー
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:『豹馬君』と一緒にいる、ずっと
1:『豹馬君』のもとに帰る
2:『豹馬君』のそばにいる
3:『豹馬君』と生きる
※参戦時期は少なくても「災厄に捧ぐ」にて後追い自殺した以降です。
※透明人間であるため普通の生物から彼女の声や姿を認識することは出来ません。
ただしこのロワでは「見えないものが見える」キャラであれば彼女を認識することが可能です。
※このロワでは世界改変の力で直接人を攻撃することが出来ません、結果的に攻撃を受ける形であれば可能です。(倒した電柱がたまたま当たった等)

【パペットマン@ドラゴンクエストV 天空の花嫁】
NPC。人形型モンスター。踊ってくるやつ。倒すと仲間になるかもしれない。

【ほのおのせんし@ドラゴンクエストV 天空の花嫁】
NPC。人型モンスター。火吹いてくるやつ。倒すと仲間になるかもしれない。

【しびれくらげ@ドラゴンクエストV 天空の花嫁】
NPC。くらげ型モンスター。麻痺させてくるやつ。倒すと仲間になるかもしれない。

【ベロゴン@ドラゴンクエストV 天空の花嫁】
NPC。こいつ何型モンスター?。舐めまわしてくるやつ。倒しても仲間にならない。

※NPCのまもののむれは空気読んでどっか行きました。


602 : ◆2dNHP51a3Y :2020/08/23(日) 23:42:27 zNF1X1ac0
投下終了です
タイトルは「大好きなキミにしてあげる、ずっと大好きでいてあげる」です


603 : ◆ytUSxp038U :2020/08/23(日) 23:49:09 sM.IJNOg0
投下します


604 : ◆ytUSxp038U :2020/08/23(日) 23:59:12 sM.IJNOg0
どうしてこんなことになってしまったんでしょうか。

その日はいつも通り事務所に行って、レッスンを受けて、アイドルの友だちとお喋りをして、
それからプロデューサーの車で家まで送ってもらってる途中でついうとうとしちゃって、
目が覚めたら薄暗い部屋で「ころしあいをしろ」と言われました。

仁奈も最初は夢を見ているんだと思いました。
前にアイドルの誰かが読んでいた漫画の内容に似ているな、なんて呑気に考えてたら何時の間にか原っぱに立っていたのでごぜーます。
何だか良く分からない夢だなぁと思っていたけど、顔に当たる風は妙に冷たくて、少し不安になって来て。
試しにほっぺたを強くつねってみたらとっても痛かったので慌てて手を放しました。

ずっと夢だと思っていたのにほっぺたが痛いのなら、これは夢じゃなくて本当のことになってしまいます。
そう考えると何だか急に怖くなって体がブルブルして来やがりました。
…仁奈はこれから誰かを傷つけたり、知らない人に傷つけられたりするのでしょうか?
そんなのは絶対に嫌…。

じっとしていられず、仁奈はプロデューサーを呼びながら走り出しました。

プロデューサー。プロデューサー。
どこにいやがるんでごぜーますか?
イタズラだったら仁奈はもう十分怖くなりました。今出てきたら許してあげますよ。
だからプロデューサー、早く出てきてください。
仁奈を一人にしないでください。

自分でも気が付かない内に涙がたくさん出ていました。
顔をぐしゃぐしゃにしながらプロデューサーを呼んでいたら、茂みの方から物音が聞こえました。
きっとプロデューサーだ!
そう思ったら、さっきまでの怖さが綺麗さっぱり無くなりました。
仁奈の頭にあるのはプロデューサーに思いっきり抱き着いて、イタズラへの文句を言ってやることだけです。
早くプロデューサーの顔が見たくて、茂みの方へと駆け寄りました。


「GOROB!GOROB!」


そこにいたのはプロデューサーじゃなくて、緑のおっかないたくさんのお化けでした。

お化けたちはビックリしている仁奈をあっという間に押し倒しました。
ビックリした仁奈が立ち上がろうとすると顔の近くに先の尖ったナイフを突き付け、変な言葉を話します。
言っていることは全然分からなかったけど、仁奈が動こうとしたらナイフで刺す気なんだというのは分かってしまいました。
無くなったはずの怖さが戻って来てまたブルブルし出した仁奈を見て、お化けは凄く嫌な顔で笑いやがりました。

仁奈が動けずにいるとお化けたちは、何と仁奈の着ているきぐるみをビリビリと破いてしまったのです!
どうしてそんなひどい事をするの?
大切なきぐるみを破かれて仁奈はとっても悲しくなって、でもそれと同じくらい緑のお化けが怖くって。
泣き叫びたいのに、上手く言葉が出ません。
ただ、また涙がポロポロ溢れるのを感じながら、お化けたちが仁奈の下着をキグルミと同じくビリビリ破くのを、黙って見ていることしかできませんでした。

仁奈はどうなってしまうのだろう。
なにをされるのだろう。

そしてお化けの一人が来ていた服みたいなのを脱ごうとした時――頭が無くなりました。

さっきまでニヤニヤ笑っていた顔があった所から、ピューって噴水みたいに血が噴き出すのを、仁奈はポカンと見ていました。
ふと周りを見たら、さっきまで仁奈を取り囲んでいたお化けはみんな頭が無くなっていて、同じようにピューってなってたのでごぜーます。

「少女よ、無事か?」

何が起きたのか全然分からなくて、頭がヘンになりそうになった時、目の前におっきな男の人が泣きながら立っていました。


◆◇◆


605 : ◆ytUSxp038U :2020/08/24(月) 00:05:11 aQ8Q1Pjk0
◆◇◆


全てが終わったはずだった。

お館様が命を落とした、あの一夜の決戦。
数多くの犠牲を払いながらも全ての十二鬼月と、鬼舞辻無惨を倒した。
鬼殺隊の長年に渡る戦いを、遂に終わらせる事が出来たのだ。

そして自分の命にも終わりが来た。
だが恐怖は無い。
もとより痣の代償は覚悟していたこと。
お館様の、仲間たちの仇を討てた今、後悔などあるものか。

意識が徐々に薄れていく中、とても懐かしい声が聞こえて来た。
あの日守れなかった子供たちの声だ。
貧しくも穏やかだったあの日々を想起しながら、命の灯が消えて――

気が付けば異質な空間で殺し合いを命じられた。

最初はよもやこれが死後の世界なのかと思いもしたが、感じられる空気は生きていた頃と同じもの。
俄かには信じられないが、この地に招いた者は自分を死の淵から拾い上げたということなのだろう。

と、近くに何かがいるのが分かった。

この身は盲目なれど、においで、音で、気配で、上弦の壱との戦いで開花した力で。
目で見る以上に捉えることができる。

そうして近づいて分かったのは、幼子を複数の異形が取り囲む光景。
何が起きているかを理解した瞬間、臓腑を焼き尽くさんばかりに燃え上がる怒りのままに、異形どもを斬り殺していた。
自分が使っていた日輪刀では無いが問題ない。
一度死んだ身とはいえ、この程度の相手に後れを取る程軟ではない。

何故自分を生き返らせたのか。
なんの目的で殺し合いなどをさせるのか。
疑問は尽きない。
しかし、自分がこの地で何をすべきなのかは分かる。

「少女よ、無事か?」

生前と同じく、人々を襲う鬼や異形を斬り、この少女のような力を持たぬ者を救う。
それだけは迷わずに言えることだ。

【市原仁奈@アイドルマスター シンデレラガールズ】
[状態]:精神疲労(大)、現状への恐怖、ほぼ裸
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]:基本行動方針:何が何だか分からない、怖い
1:誰でこぜーますか…?

【悲鳴嶼行冥@鬼滅の刃】
[状態]:健康
[装備]:ブラフォードの剣@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]:基本行動方針:鬼殺隊として鬼を斬り、人を守る
1:少女(市原仁奈)を保護する
[備考]
参戦時期は死亡後。

【ブラフォードの剣@ジョジョの奇妙な冒険】
黒騎士ブラフォードが生前から愛用していた剣。
死の直前、剣に刻まれた「Luck!(幸運を)」の言葉と、自らの血で書き足した「PLUCK(勇気をッ!)」をジョナサン・ジョースターに送った。
その後はディオ・ブランドーとの決戦にて使用された。


606 : ◆ytUSxp038U :2020/08/24(月) 00:07:02 aQ8Q1Pjk0
投下終了です
タイトルは「震える手は掴みたいものがある」です


607 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/24(月) 01:21:05 wUQKc6z20
投下させていただきます。


608 : 戦う君が教えてくれた、自分の道を信じること ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/24(月) 01:22:16 wUQKc6z20

―― あの時のアタシは慢心していた。

―― 将来有望な魔法使いとして周囲から期待され、天狗になっていた。

―― アタシを含めたみんなが、ゴブリンたちなんて簡単に倒せると高をくくっていた。

―― その結果アタシのいたパーティは壊滅し、アタシは毒のついたナイフを腹に突き刺されて……。

―― そしてアタシは……。

------------------------

……気が付くとアタシは、ベッドの中にいた。

そしてその近くでは、かまどを使って料理しているエルフがいた。

背中にこん棒を背負っている、精悍な顔立ちと筋肉が程よくついた身体をした、エルフの男だった。

どうやらそいつがアタシをここまで運んでくれたらしい。

そのお礼を言うために立ち上がろうとしたが、全身に力が入らず起き上がることすらできなかった。

「無理をしないほうがいい」

その男はアタシにそう言った。

どうやら今のアタシは、あの時受けた毒の影響が抜けきっておらず、動けなくなっていることが分かった。

やはりあの時アタシはゴブリンたちに負けてしまい、そしてアタシの初めては…………

そのことに気づいた瞬間、アタシは悲鳴を上げていた。アタシ自身こんな声が出せるのかというくらいの、化け物じみた声で叫んでいた。

そうやってアタシが悲鳴を上げていると、エルフがその手を止めて、アタシの手を握り締めてくれた。

「君に何があったかは分からないが、辛いことがあったことはわかる。落ち着くまでそばにいよう」

最初は、何も知らないくせに優しくするな、どうせ真実を知ったら汚いものでも見たかのように扱うんだろう、って思ってその手を振りほどこうとした。

しかし弱った体では当然力が入るはずもなく、振りほどくことなどできなかった。

それからしばらくすると、その手の温かさと彼の優しいまなざしによって大分アタシは落ち着きを取り戻し始めた。

そうしてアタシはポツリポツリと話し始めた。自分の身に何があったのか、そしてゴブリンたちに何をされたのかを。

アタシ自身不思議だった。この男と話していると、まるで自分の父親と話しているような感覚になっていたのだ。


609 : 戦う君が教えてくれた、自分の道を信じること ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/24(月) 01:23:32 wUQKc6z20
------------------------

「……そうか、そんなことが……。……済まない、こんなことを話させてしまって」

「いえ、良いんですよ。……もう、過ぎたことですから……」

彼はこう言って、申し訳なさそうな顔を、今にも泣きだしそうな顔をしてアタシに謝った。

その目には、アタシに対する嫌悪感など、ゴブリンに陵辱されたものに対する嫌悪感など何処にもなかった。

「……君は今、とても体力と筋力が落ちている状態だ。それを回復させる料理を作ってあげよう」

そういうと彼は再びかまどの方へと戻り、料理を再開した。

そうしてしばらくすると、彼がアタシに料理を持ってきてくれた。

キノコとバナナを一緒に和えた、とても独創的な料理だった。

はっきり言ってあまり美味しくなさそうだと感じたが、せっかく作ってくれたのにもったいないと思い、食べることにした。

「…………!……美味しい……!美味しいよ……!」

気が付くとアタシは涙を流していた。自分は今こうして生きているって、辛いことがあったけれども今こうして生きているって、
それを実感できたからだ。

そして涙を流しているアタシを、彼はとてもやさしいまなざしで見つめていた。
それは、先ほどアタシの手を握ってくれた時と同じまなざしだった。

------------------------

……かつて慢心からゴブリンに負けてしまったアタシだが、こんな自分にも夢ができた。

……それはアタシと同じような存在を増やさないためにも、生涯をかけてゴブリンたちと戦うことだ。

……あのとき自分に優しいまなざしを、手のひらの温かさを教えてくれた彼のように、ゴブリンに襲われた人たちの心を救うことだ。

……おそらくアタシは絶対に、どんな辛いことがあってもこの夢を捨てることはないだろう…!


【リンク@ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド】
[状態]:健康
[装備]:トゲボコこん棒@ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド
[道具]:基本支給品、ツルギバナナ(残り4房)、マックストリュフ(残り1本)
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いを止める。
1:首輪を外せるものを探し、一刻も早くこの殺し合いを打倒する。
2:この殺し合いも、厄災ガノンが関係しているのか?
3:この少女(女魔法使い)が回復するまでそばにいる。
[備考]
参戦時期は、四体の神獣を解放してハイラル城へ向かう途中。
また、ゼルダ姫及び英傑たちに関する記憶を取り戻しています。
なお、制限により英傑たちの力はすべて使用不能になっています。


【女魔法使い@ゴブリンスレイヤー】
[状態]:毒の影響による体力低下(大→小)、ゴブリンへのトラウマ(大)
[装備]:―
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:自分と同じような存在を生み出さないため、ゴブリンたちと戦い続ける。
1:アタシは、あの時死んだはずじゃ……?ここは一体……?
2:このエルフ(リンク)が、アタシを看病してくれたの……?
3:この料理……見た目に反して美味しいわね……。
[備考]
参戦時期は死亡後。
リンクが作った『果実のキノコあえ(マックストリュフ3本+ツルギバナナ1房使用)』を食べたことにより体力が回復しております。
また、リンクを『エルフの戦士』と思っています。

【トゲボコこん棒@ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド】
 厳選した素材で作られた特別なボコブリンのこん棒で、とがった骨が当たるとかなり痛い。

 威力としてはただのこん棒や木の枝に比べればマシ程度で、彼がかつて使っていた剣には遠く及ばない。


【ツルギバナナ@ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド】
 フィローネ地方の熱帯林に実るバナナで、皮に包まれた果肉には筋力増強効果があるとされる。

 今回の殺し合いでは5房支給されており、焼いたり揚げたり別の食材と組み合わせるなど料理に使うことで攻撃力アップの効果が発生する。

 余談だが『イーガ団』と呼ばれる暗殺集団はこのフルーツが大好きで、これを見つけた瞬間バカ丸出しのダッシュをしてくる。

 なお、会場内に自生しているかは不明。


【マックストリュフ@ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド】
 ハイラル大森林やハイラル平原で採れるキノコで、回復効果や体力の増強効果があるとされる。

 今回の殺し合いでは4本支給されており、焼いたり蒸したり別の食材と組み合わせるなど料理に使うことで体力の最大値を上げる効果が発生する。

 なお、会場内に自生しているかは不明。


610 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/24(月) 01:25:17 wUQKc6z20
投下終了です

ありがとうございました。

はっきり言うと、女魔法使いの一人称があっているか不安だったりします。

あと◆BrXLNuUpHQ 様、しばらく気づかなくて申し訳ございません。お久しぶりです。


611 : ◆EPyDv9DKJs :2020/08/24(月) 05:51:03 F2lwTzsw0
投下します


612 : ◆EPyDv9DKJs :2020/08/24(月) 05:53:54 F2lwTzsw0
 負けた。
 一回負けた。それだけだ。
 だがその負けは全てを変えていきやがった。
 満足に飯にありつけねえし、誰もついてきやしねえ。
 西へ歩き続けて、戦力をかき集めてる連中のとこへと行って、
 ようやくあのナス頭と戦えるかと思ったって時だ。

「なんでこのタイミングなんだよ、テメエ。」

 木々に囲まれた森の中。
 夜空を見上げながら、一人の男がごちる。
 禍々しいタトゥーに茶色のパンクファッション。
 さながらロックなギターリストとも言うべき恰好をしているが、
 彼はギターこそうまいが、今は別にそういうことは今はしてない。
 額には青筋が浮かび、憤怒の表情なのは明らかだ。

 彼は闇崎アキト…またの名を闇のアギト。
 魔界孔によって力が正義となった世界において、
 暴君としてある学園に君臨していた男だ。

 しかしそれも過去形。
 学園にやってきた転校生、斬真狼牙に倒された今となっては、
 香辺にある勢力へと転がり込んだ、所謂戦闘要員に過ぎない。
 彼は狼牙をぶちのめす。それ以外の目的は持ち合わせていなかった。
 もう一度君臨するとかではなく、一先ずはそれだけでよかったのだ。
 その機会を待ちに待ち続け、やっと見つかった機会。
 まさか、殺し合いに招いたのでまたの機会にしてくれ。
 なんて無理が通るはずがなく、更に青筋が浮かんでいく。

 だが、そんなことを考えてる暇はなかった。
 ゴブリンだ。しかも相当な数の群れが周囲にいる。
 聖城学園と言う全国から見れば一学園に過ぎない場所の、
 所謂お山の大将だったアギトも魔界孔の影響で異常な生物には覚えがある。
 こういうのとは初対面だが、そもそもこれは別世界の生物だ。

「チッ!」

 襲い掛かる一匹のゴブリンの襲撃を華麗に回避。
 憂さ晴らしとばかりにそいつに右ストレートを叩きこめば、
 ゴブリンは簡単に吹っ飛ばされて、大木に叩きつけられる。
 腐っても特待生。ゴブリン如きで倒せるような存在ではない。

 だからと言って状況が好転するわけでもなく。
 特待生と言う人間離れした能力こそあるが、多勢に無勢と言うものだ。
 故に逃げる。武器をろくに確認もしてない彼に、他の選択肢は残されていない。
 もっとも、軽快な速度で簡単に逃げることはできていたのだが。



「あ〜〜〜もうどうしてこうなっちゃってるの。」

 溜め息しか出てこない状況に頭を抱える一人の少女。
 異形の翼や羽などから、少なくとも人間から離れた存在だ。
 茶色いジャンパースカートに身を包む彼女の名前はミスティア・ローレライ。
 幻想郷に住まう夜雀の妖怪だが、はっきり言って彼女は強くはない。
 人間よりはずっと強いものの、幻想郷は自分よりもずっと強い妖怪はいるし、
 スペルカードルールと言う範疇でなら対等なルールがあるので戦えてる。
 ルール無用の殺し合いで勝てるのは、せいぜい弱小妖怪と人間ぐらいだ。
 いかに好戦的なミスティアと言えども、この状況では人は襲える気がしない。

 首輪をなんとかするだけの智慧もなく、
 殺し合いを勝ち抜ける実力も持ち合わせてない。
 逃げようにも長時間の飛行ができないと先程学んだ。
 変わったことがあるなら首輪なので、流石にこれは察した。
 飛べない参加者用の公平さなのだろうが、その公平さが疎ましい。

「はぁ〜〜〜どうし…」

「ちょ、テメエどきやがれ!!」

「え?」

 わき道から飛んでくるアギトは、
 ようやく至近距離になって飛んだ先に人がいることに気付く。
 気づいたころにはもう遅い。二人は衝突して転がりまわる。

「イタタタ…ちょっと! どこに目つけてるのあんた鳥目!?」

「はぁ!? テメエがよけねえほうが悪いんだろうが!」

「何その暴論!? 妖怪に向かって舐めた態度取ってんじゃあないわよ!」

「ハ? 妖怪? 首輪つけて飼いならされてるテメエの何処が妖怪だ!」

「同じ立場にいるあんたに言われたくないわ!」

 互いに鬱憤がたまっていたのが、
 衝突によって完全に限界を迎えしょうもない口論だ。
 およそ殺し合いでするにあたって程度が低い会話内容は、
 互いの性格や知能がにじみ出てると言ってもいいだろう。


613 : ◆EPyDv9DKJs :2020/08/24(月) 05:54:42 F2lwTzsw0
「大体テメエの何処が…あ。」

「何?」

「やっべ…忘れてた。」

 青ざめた表情で自分が飛んできた方向を見やる。
 どこから沸いてきたのか、それともこのファンブルが原因か。
 ゴブリンの群れは、いつの間にかホブまで混ざった百鬼夜行の状態。
 互いに絶叫を上げながら揃って同じ方角へと走り出す。

「何あれ何なの!? 何連れてきてるわけこのバナナ頭!」

「誰がバナナだ! 寧ろこいつらの存在を知れただけラッキーと思っとけ!!」

 確かにこれだけの集団を飛べない自分が相手しても限界はある。
 それを考えると、今後の心構えができるようになったのは大きな利点か。

 いや無理だ。
 利点だとしてもこの状況を持ち込んだこいつといられる気がしない。

「ああもう、付き合ってられない!」

 長時間の飛行は確かに無理だが、
 言い換えれば短時間の飛行は可能ということ。
 飛行自体も速度は常識的とは言え抑えられてるものの、
 ゴブリンを振り切るぐらいならば容易なのは間違いない。
 見失わせるように木々の密集する方へと大きく飛び上がりながら飛んでいく。
 人間のことなど知るか。餌食にでも勝手になっていてくれ。
 薄情だが、元々がそこまで情に厚いわけでもない。
 知人ならまだしも赤の他人なのだから。

「いつまでも追いかけっこしてなさ───?」

 飛ぶことはできた。速度も別に遅くはない。
 だが、少なくとも先程よりも遅い…と言うより重いのだ。
 まさかと思って足元を見やれば、

「何してんの!?」

 アギトが足にしがみついていたのだ。
 一人の大の男を脚一本で支えれば、どうあがいたって重い。

「離れなさいよ! 速度出ないじゃない!」

 落そうと足で顔面を蹴るが、
 飛行に集中したいせいで余り力が入れられない。
 蹴ってたら激突とか、こいつと同じ立場になってしまうのだけは嫌だ。

「うるせぇ!! テメエだけ逃げようとしてんじゃあねえ!!」

 どこまでも自分勝手な発言にミスティアも青筋が浮かぶ。
 もうめんどくさい。こいつ弾幕で振り落としてやろうかと。
 それが一番手っ取り早かったが、ミスティアは思いつく。
 この男を利用してみる方がいいのでは…と。

 少なくとも自分の足と同じぐらいには速度は出せて、
 反射的に自分の足を掴むことができるだけの動きはある。
 戦いが不得手ではなさそうで、その上見たところ外の人間らしき恰好。
 これなら機械に詳しくない自分よりも当てになる人材を探せるのではないか。

「と、取引よ!」

「へ?」

「私の首輪を何とかするのを約束するなら助けてあげる!
 言っとくけど口約束なんかしたら他の参加者にあることないこと言ってやるから!」

「はぁ!? なんでテメエが上の立場で仕切ってやがるんだ!」

 改心してた未来なら頷いてたかもしれないが、
 此処にいるのは改心も捕虜にもならなかった男。
 首を縦に振れるような心の広さははどこにもない。

「じゃあ今から目つぶししてでも降ろすけど?」

 そういって爪を眼前に翳すミスティア。
 人ではありえないようなレベルの伸びた爪は、
 刃物に匹敵しかねない鋭利さを見せつけてくる。
 そんなもので刺されれば回復の見込みすらないまま失明は必至。
 生き残る以前の問題であり、

「チッ、分かった! やりゃあいいんだろうがぁ!!」

 苦虫を嚙み潰したようなお顔ではあるが、
 この状況では背に腹は代えられなかった。
 此処から振り落とされれば確実にゴブリンの餌食になる。
 それだけは避けなければならず、仕方なく妥協する。


614 : ◆EPyDv9DKJs :2020/08/24(月) 05:56:04 F2lwTzsw0
 取引成立だと分かれば悪い顔になりながら、
 ミスティアは速度を上げて森を駆け抜ける。

(なんだ、こいつ…まじに妖怪か!?)

 ゴブリンなどでは到底追いつかない速度で、
 暗がりの上無数の木々を駆け抜けていく姿。
 特待生でもそうは見ないだろう姿を前に、
 アギトも妖怪と言う言葉は嘘ではないと思い始めていた。



「あー逃げ切れた…」

「死ぬかと思った…」

 少し離れた場所に海が見える丘の上。
 そこで二人は倒れるように草原へと寝転がる。
 殺し合いが始まって間もないのにこんなことで疲れるとは。
 それもこれも全部相手のせいだと信じて疑わない辺り、
 互いの仲と性格の悪さが伺える。

「さっきの約束覚えてる?」

「あ? 覚えてるわきゃねえだろ。」

「あらそう…」

 助かったならもうどうでもいい。
 用済みでおさらばだ。後は勝手にしろバーカ。
 内心で彼女を罵りながら丘を降りて行こうとする。
 思いのほかあっさり受け入れた彼女に疑問を持っていると、

「皆さーん! 闇のアギトは殺し合いに───」

「待て待て!? なんだその声量!!」

 とんでもない音量で周囲へと叫ぶミスティア。
 確実に周囲には知れ渡る程の声量とは思っておらず、
 全力でミスティアの口を塞ぎにアギトは急いで戻る。

「こっちは歌も嗜んでるからこれぐらい出るわよ。
 裏切るような行動したら即座に悪評ばらまいてやるんだから。」

「クソッふざけやがって…!!」

 殺して黙らせるかと思うが、
 今現在武器を持っていない状態であることに変わりはない。
 その上相手は妖怪であると言うことは間違いないようではある以上、
 このまま戦ったところでアギトに勝ち目があるかと言われればほぼない。
 彼女の言う首輪解除に、少なくとも付き合わなければならなかった。

 だったらこっちも利用する。
 仮にも首輪と言う厄介な代物があるのだ。
 それを解除できる手段を模索するならば、
 とりあえず人材が必要なのは分かっている。
 となればこうして誰かと集団行動する方が、
 まだ信用を得られる確率は高いとも言えた。

「…こっちも条件が一つある。」

「何?」

「狼牙っつーいけ好かねえナス頭がいんだがよ。
 もしそいつらと関係のあるや奴がいたらぶちのめす。
 俺の悪評なんぞよりも、あのナス頭をぶっ殺さねえと気がすまねえ。」

 驚くほど正直なカミングアウト。
 普通、こんなことを言えば信用を失いかねない。
 だが彼は元々散々身勝手な発言や行動をしてきてる。
 今更これを言わなかったところで信頼度は上がらないだろうし、
 寧ろ本当に該当者がいたときに勝手に行動するよりは信頼は得られる。

「復讐やらリベンジねぇ。別にいいわよ。」

 どうせ知らない人間同士のいざこざだ。
 人を襲うミスティアにとって人間の生き死について、
 別段何か思うところがあるわけでもない。
 妖怪からその辺は緩いと言う考えを持っていたが、
 その考えが正しい結果に落ち着いた。

「ついでに言っとくが、テメエが上の立場だなんて思うなよ。」

 先に首輪解除で優位に立ってやる、
 見事に小物の地を往く思考を持ってるが、
 改心しなければ元々こういう男なのだ。


615 : ◆EPyDv9DKJs :2020/08/24(月) 05:56:56 F2lwTzsw0
「はいはい。」

 本気に受け取らないで、
 生返事をかえすミスティア。
 いい加減な対応に露骨な舌打ちをするが、
 相手はどうでもよさげな状態で海を眺めていた。






 本来ならば、この男は素直に改心していた道がある。
 己の所業を省みて、不倶戴天たる存在に頭を下げてでも。
 或いは、捕まってから意外な形での仲間だった未来もあった。
 だがこの場に立つ闇崎アキトはどちらの道も選ぶことはなく。
 狼牙への復讐心を今も灯し続けたまま第三の道…妖怪と共に歩み始めることとなる。




【闇のアギト@大番長】
[状態]:狼牙への復讐心(特大)、主催者への苛立ち(大)、ミスティアへのいら立ち(中)、疲労(小)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1〜3(未確認)
[思考・状況]基本行動方針:首輪解除。狼牙がいたらぶっ殺す。
1:ミスティアと行動。まじかよ…
2:首輪解除の手段を見つけねえとめんどくせえことになったぞ…
3:気に喰わないやつはぶっ殺す。ミスティアは…使い道はあるか。
4:狼牙軍団と出くわしたら約束なんか知らん。ぶちのめす

[備考]
参戦時期は扇奈ルート、五十嵐軍団蜂起から間もなくです
BBBにおける無からナイフをばらまくようなことはできません…が、
特待生なので成長次第でできるかもしれません



【ミスティア・ローレライ@東方Project】
[状態]:疲労(中)、アギトへのいら立ち(中)、アギトへの不信感(小)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1〜3(未確認)
[思考・状況]基本行動方針:まずは首輪解除
1:こいつ(アギト)と行動する。
2:こいつに頼っていいのかな…まあ便利だしいいけど。
3:復讐? どうぞご自由に。

[備考]
参戦時期は少なくとも永夜抄以降です。
飛行は長時間飛行すると疲労が極端に増えます
また飛行速度は落ちてます。
能力の狂わせられる範囲は現時点では不明です

※森のどこかでゴブリン+ホブゴブリンの集団がいます


616 : ◆EPyDv9DKJs :2020/08/24(月) 05:57:26 F2lwTzsw0
以上で『最悪のバンド結成』投下終了です


617 : ◆EPyDv9DKJs :2020/08/24(月) 06:17:19 F2lwTzsw0

訂正
BBBにおける無からナイフをばらまくようなことはできません…が、
特待生なので成長次第でできるかもしれません

BBBにおけるナイフの遠隔操作はできません…が、
特待生なので成長次第でできるかもしれません


618 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/24(月) 10:17:39 LpGKkLjU0
この痛み、アンナの痛み…栄光を掴むための僅かなる手段へのアップデート、ありがとうございます。

>絶望が手招く世界に立ち向かう
帝王を捨てたディアボロ。スタンドもドッピオも失った悪魔はこの催しで望む結果に至れるのでしょうか。
レクイエムによるパロロワ経験者というのは面白い発想だと思います。ディアボロがいかに培ったセオリーを生かせるのかが重要になるでしょうね。

>エピックonバトロワ 狂気のタイタン人!
余生は農家おじさんサノス。凄まじいスケールのマーダーですね。6/1とはいえインフィニティ・ガントレットのパワーや本人の驚異度は健在、これはこの催しにおける最大の驚異になり得るキャラだと思います。
そんなサノスと巧く同盟を漕ぎ着けたブラジラ、狡猾にして有能な堕天使ですね。
信頼も信用もなく、裏切り上等とはいえ対主催にとっては厄介極まりないコンビだと思います。

>犬と虎とスタイリッシュ
グルミット、大学卒業してかつ意志疎通も図れる有能な犬とか思わぬダークホースになりそう。
殺し合いの終演を目指す坂本、言葉を話す犬という珍存在に動じることなく意志疎通を成立させ、冷静に状況を判断する様はまさにクール、クーラ、クーレスト!
虎になった李徴、彼もまた同情できる人物なので、この催しで再起できる機会を得られたら良いなと思いました。まぁ虎になってる時にやらかす可能性大ですが。

>その日、運命に出会う
ストライカーユニットを没収されたサーニャ、これは痛い。
頼れる仲間は居ない絶望的な状況で、彼女にとってのヒーローに出会えましたね。
早速NPCの魔の手にかかり危ういかと思いましたが良かった。
見せしめに心を痛め、見知らぬ女の子も助ける士郎。これは正義の味方ですね間違いない。
しかし士郎は善人ではあるのですが優先するあまり危うい一面もあるので、気を付ける必要はあると思います。

>大好きなキミにしてあげる、ずっと大好きでいてあげる
クロと神楽、両者の決定的な違いは大切な人を信じるか信じられないかだけなのかもしれませんね。クロちゃんの愛が重い。
引き起こされる厄災に難なく対処する神楽に、そもそも認識すら難しいクロ。この二人が手を込み、少なくとも片方は優勝を狙う状況は、他の参加者にとってはまさに厄災そのものですね。
神楽はともかくクロに関しては説得も無意味でしょうし、これは強マーダーだと想います。

>震える手は掴みたいものがある
怯える仁奈可愛い。鬼滅を達成した後の往生で殺し合いに放り込まれる悲鳴嶼さん可哀想。しかし彼には悪いですが盲目というハンデを考慮しても有能なので、対主催にとっては+でしょう。
小鬼とはいえ鬼から仁奈を守った悲鳴嶼さんは柱の鏡。初回から彼のような保護者ポジションを引き当てた仁奈は幸運というか、持ってますね。
ただ裸の女児を引き連れた巨漢という場面は外聞が悪すぎるので思わぬフラグになりそうです。

>戦う君が教えてくれた、自分の道を信じること 
女魔法使いちゃん、ルーキー特有の慢心を抜きにすれば魔法使いとして普通に有能というか才ある類なのでこれは有望。
メンタルケアもこなせるリンクは勇者の鏡、彼が側に居れば再び女魔法使いが失敗する事は無いでしょうね。

>最悪のバンド結成
改心も仲間を得る機会も経験していないアキト、そんな彼が最初に出会ったのが妖怪ゆえにそれほど人となりに関心を持たないミスティアだったのは逆に良かったのかもしれませんね。
信用も信頼も欠片もない薄氷の関係ですが、赤の他人同士が結成したものとしてはまぁ上場。打算込みの方が長続きするでしょうし。
優勝狙いではなく首輪解除を優先しているので、交渉の余地はある分マーダーよりは他の参加者にとってマシ。しかし手段を得られなければ普通に優勝に傾く事もありうるので立ち回り的に面白く動かせそうだと思いました。


Wikiでも質問がありましたが、コンペ作品で地図にない施設を追加するのは全然大丈夫です。ただその場合、どのエリアにあるかは明記してくれると助かります。
ついでにいうとキャラ被りも全然大丈夫です。書きたいものをかく企画なので。


619 : ◆ytUSxp038U :2020/08/24(月) 11:21:05 aQ8Q1Pjk0
投下します


620 : 強者 ◆ytUSxp038U :2020/08/24(月) 11:22:27 aQ8Q1Pjk0
クエエエエエエエエエエエエエエ!!

つんざくような絶叫が森に響き渡る。
怪鳥の鳴き声にも似た声を上げたのは、数メートルはあろうかという巨体に、これまた巨大な鳥の頭部を持つ化物。
名を姑獲鳥と言い、雅の息子と称されるアマルガムの一人である。

その手に握るのは姑獲鳥の体躯に見合ったサイズの薙刀。
今しがた試し切りを終えたのか、周囲には数本の木が切り倒されていた。

「ハ…矛の代わりにはなるか」

愛用していた武器は無かったものの、代用できそうな得物はあったので良しとした。
もっとも、たとえ武器が無くとも素手だけで十分な脅威となるのだが。

「殺し合え、か。貴様が何者かは知らんが、面白い真似をするではないか」

何故自分が生き返っているのかだとか。
何の目的で殺し合いなど開いたのかなどの疑問はある。
だが強者との殺し合いは望む所だ。
勝ち残り、更なる強さを手にし、帰還する。
やるべきことはいたってシンプルである。

早速意気揚々と獲物を探しに行こうとした時、脳裏にある男の姿がよぎった。
それは自分を倒した一人の人間。

「…明よ。お前との戦いを忘れた訳ではない。だが俺にはこの生き方しかできんのだ……」

東都ドームの上から見た景色と、自分の強さを認めてくれたあの言葉は今でもハッキリと心に刻まれている。
だが、だからといって今更違う生き方を選べはしない。
病弱で虐げられていた自分に力を与えてくれた吸血鬼の王。
あの方への恩義と忠誠を捨てることなど、出来るはずも無い。

僅かな迷いを断ち切るように頭を振り、未知の強者を求めて姑獲鳥は歩き出した。

【姑獲鳥@彼岸島】
[状態]:健康
[装備]:血吸@ONE PIECE
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]:基本行動方針:殺し合いに勝ち残る
1:参加者を探して殺し合う
[備考]
参戦時期は死亡後。

【血吸@ONE PIECE】
インペルダウンの副署長ハンニャバルが愛用している薙刀。
本気で戦う時にのみ使用する。


621 : ◆ytUSxp038U :2020/08/24(月) 11:23:00 aQ8Q1Pjk0
投下終了です


622 : ◆ytUSxp038U :2020/08/24(月) 12:23:41 aQ8Q1Pjk0
投下します


623 : 一万円 ◆ytUSxp038U :2020/08/24(月) 12:26:13 aQ8Q1Pjk0
「ひいいいいいいいいいいっ!」

悲鳴を上げて市街地を全力疾走する男。
死に物狂いで脚を動かす彼の名はネズミ。無論本名ではない。

「な、なんで、何で俺がこんな目にいいいいいいい!!」

数分前、いきなり変な場所に拉致された挙句殺し合えと言われ、見知らぬ街に放り出された。
元々小心者のネズミにとってはこれだけでも十分恐怖だが、不運はそれだけではなかった。

「くれ……って……るよ……」

唐突に路地の方から聞こえた何者かの声。
ガクガクと震えながらネズミは虚勢を張った。

「だ、誰だ!?こそこそしやがって…た、タダじゃおかねえぞ!?」

暗がりに向けて強気な声を掛けると、徐々に何かが姿を現し、

「ヒ、ひいいいいいいいいいいいいいいいっ!!」

ネズミは恐怖で失禁した。
ズボンが濡れ、悪臭が漂うがそんなものは気にならない。

何故なら今目の前には――


「一 万 円 く れ た ら しゃ ぶ っ て あ げ る よ」

デデドン!(絶望)

この世のものとは思えないほどクッソ不細工な顔の化物がいたからだ(迫真)。

化物は皺だらけの分厚い唇を吊り上げネズミに迫って来る。
そのクッソ汚い口でネズミをしゃぶり尽くす(意味深)つもりなのだろう。
ネズミは恐怖の余り言葉にならない悲鳴を上げて逃げ出した。

そして現在。
化物は未だに付いて来ている。
ネズミも全速力で逃げているが、このままでは捕まってしまうのも時間の問題だろう。

「ハァ!ハァ!ハァ!ハァ!明さあああああん!鮫島さまああああああああ!誰でも良いから助けてえええええええええっ!!!」

ネズミの運命は神のみぞ知る。

【ネズミ@彼岸島】
[状態]:疲労(中)、恐怖(大)、失禁
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3(未確認)
[思考・状況]:基本行動方針:死にたくない
1:化物から逃げる
[備考]
参戦時期はユカポンが仲間になって以降。

【ピンキー@真夏の夜の淫夢派生シリーズ】
NPC。会場には一体しか存在しない。一体も存在しなくて良いから(正論)
この世のものとは思えない程にクッソおぞましいシンメトリーフェイスをしており、全参加者・NPCに精神ダメージを与える。
但し主催者の手である程度は力を制限されている為、見ただけで心停止する程の効力は無い。
男を優先的に狙うが、時には女だろうと襲い掛かるので注意して、どうぞ。
尚別に一万円渡さなくてもしゃぶってくる。お前の判断ガバガバじゃねぇか…(呆れ)


624 : ◆ytUSxp038U :2020/08/24(月) 12:26:46 aQ8Q1Pjk0
投下終了です


625 : ◆vV5.jnbCYw :2020/08/24(月) 23:29:40 AG3srpVk0
投下します。


626 : 皇帝と切られた男達 ◆vV5.jnbCYw :2020/08/24(月) 23:30:26 AG3srpVk0
(何だか知らねえが面倒くせえモンに巻き込まれちまったな……。)
長身のガンマンのような男が、大きくため息をついた。
彼の名前はホル・ホース。
『皇帝(エンペラー)』のスタンドを持ったDIO配下の殺し屋の一人である。


(とりあえず、誰か他の参加者を見つけて、組まねえとな。)
彼としては、ゲームに乗る乗らないはあまり考えていなかった。
ただ、それよりも「誰と組むか」が重要だった。
自分のスタンドだけではとても参加者全員を全滅できそうにないし、自分の身を守るにしたって心もとないという自覚はあった。


(まずはそいつと組んで、それからどうするか決めるか。)
協力者がゲームに乗ると言えば、協力して参加者を狩り続ければ良いし、この戦いから脱出すると言えば、邪魔者を倒し続ければ良い。
彼はナンバー1よりもナンバー2を目指す性格だが、そのスタンスはここでも変わらない様である。


暫く歩くと、何かを踏みつけた。
(ん?何だこりゃあ!?)
靴底に付いたそれを、おっかなびっくり見てみると、それは紙人形だった。
夜の色に紛れた黒い紙を使っているため、よく見ないと分からなかった。


(誰だよ。こんな所にこんなゴミ捨てやがった奴は……。)
しかし、考え方を変えればこの近くに参加者がいる可能性が高い。
こんな会場に紙人形を作って捨てる奴なんてロクな奴でも無さそうだが、もし会って気に食わなければ捨て置くなり殺すなりすればいい。


そう考えていると、近くの大木の近くから鋏の音が聞こえてきた。

(あの辺りにいるな。まだ紙人形作り足りねえのかよ……。)
足音を立てず、息を殺して大木の裏側をのぞき込む。


(何だ……?あれ?)
ハサミの持ち主がいると思いきや、そこにいたのは巨大なハサミそのものだった。

(もしや、あれも一種のスタンドか?)
ハサミの姿をしたスタンドが、独り歩きしている。
そうでも考えなければ決してあり得ないような光景が、彼の前に広がった。


「あれ?」
ハサミはやや高い声を上げてぐるりと回転し、ホル・ホースを見つめる。
もっとも彼に眼はないのだが、ホル・ホース自身に見つめられているという感覚があった。

「おう、テメエは何者だ。ここで何をしている?」
異様な姿をした相手にも怯まず、聞きたいことを質問する。


「ボクはブンボー軍団の一人、ハサミさ。覚えなくていいよ。」
ブンボー軍団とは何のことか分からないが、それ以上に最後の言葉が分からなかった。


627 : 皇帝と切られた男達 ◆vV5.jnbCYw :2020/08/24(月) 23:30:45 AG3srpVk0

「キミはボクのオモチャになるんだから。」
言うが速いか、ハサミは体を水平にしてホル・ホースに斬りかかった。
いや、漢字で書くなら「切りかかった」が正しいかもしれないが。


「ッ!!」
ホル・ホースは強引に高く跳び上がり、斬撃、いや、挟撃を躱した。


「エンペラー!!」
西部劇の服装を身に纏った男はそう叫ぶと、メギャンという独特な音と共に右手に銃が現れた。

「銃は剣より強しってヤツだぜ」
そのまま走り、ハサミから距離をとったホル・ホースは発砲する。


「お!?」
突然現れた拳銃にハサミはいささか驚くも、弾の遅さに安堵した。
同じブンボー軍団であった、パンチが出した紙弾の速度の方が早いくらいだ。
この程度の速さの弾なら、容易にちょん切ることが出来る。


(かかったな!アホがッ!!)
弾はハサミの両刃に挟まれる直前、大きくベクトルを変えてハサミの背後に回り込む。
「マジ、マジ、マジ!?なにそれ!軌道が変わる弾丸とか、マジ〜!?」

自分の攻撃を過去にも避けられたことはあるので、それには驚かなかったが、軌道が変わる弾丸には驚かざるを得なかった。


「弾丸だって俺の能力の一部なんだよ。」
狙いはハサミの支点。
人間とは違う体型をしたハサミの、夜でもわかるほど黒光りするカシメが、彼の首輪代わりになっているとホル・ホースは認識していた。


しかし、ハサミもさることながら、体を横に回転させたり、縦に回転させたりして、エンペラーの弾丸を躱し続ける。

だが、このままでは勝利の軍配がホル・ホースに上がるのは時間の問題のように思えた。

「そういえばさあ、最初キミが聞いた、二つ目の質問に答えるの、忘れていたね?」
ちょこまか動く弾丸をあしらいながら、ハサミはホル・ホースに問いかける。


確かにホル・ホースの、「お前が何者か」という質問と、「ここで何をしている」という質問のうち、ハサミは前者しか答えていない。


「あ?そうだっけ?まあ、もう答えなくてもいいぜ。」
勝利を確信したホル・ホースは答えを待たずに弾丸を動かし続ける。


628 : 皇帝と切られた男達 ◆vV5.jnbCYw :2020/08/24(月) 23:31:10 AG3srpVk0



「ボクはね、オモチャを作っていたのさ。首の周りに何があるか見てみるといいよ。」

ハサミは伊達男の話を無視して、得意げに答える。
ふと見ると、ホル・ホースの首輪の周りに、2,3の紙人形がしがみ付いていた。


(これは……あの時の……!!)
ホル・ホースが最初に見たときから、ずっと靴にしがみ付いて、反撃の時を手ぐすね引いて待っていたのだ。

夜に紛れた黒い紙であったことと、目の前にいたハサミという敵に夢中であったことで、ホル・ホースさえも気づかなかった。


「そいつらはボクの兵隊さ。そいつらがちょっとキミの首輪を引っ張るとね……。」
「ちっ……ぬかったな……!!」

このままでは、自分は最初に見せしめにされた相手のような最期を迎えるだろう。

だが、せめて相打ちにしようとする。


「でも、ボクはキミが気に入った。だから、キミもその銃弾を止めてよ。」

突然、何かを思い出したかのように紙の兵隊がホル・ホースから離れた。


ホル・ホースも興味深くなり、言われた通りスタンドを消す。
消した瞬間また兵隊が襲い掛かってくれば、再度エンペラーを使えばいいだけの話だ。


「殺意マンマンで襲い掛かってきた後に、どういう風の吹き回しだぁ?」
「ボクは強いキミが気に入ったんだ。ボクに協力してよ。」

この状況で共倒れになるよりかは、彼としても数百倍ましではある。

「具体的におれに何をしろと?」
「簡単な話さ。ボクとオモチャ作りに協力すること。それと、もしこの会場で、ボクのオモチャ作りを邪魔した奴を見つけたら一緒に殺すこと。」
「なんだ。その程度のことでいいのか。だったら協力させてもらうぜ。」


「じゃあ、協力のための握手だね。」
ハサミは刃を開いた状態で、ホル・ホースの方に向ける。
「それじゃおれの手が切れるじゃねえか!!」
「ごめんごめん。冗談だよジョーダン。」

趣味と、復讐。ハサミが協力を持ち掛けた理由は、その二つだった。
かつてDIOの部下だった殺し屋は、別の世界の悪と共に歩むことになる。


「キミは強いし、イイやつって感じじゃなさそうだしね。」
(おれは女対しては誰よりもイイ奴なんだが、まあ今はいいか。それにおれはどこでも一番より、ナンバー2がいいしな。)
「それとボクにはいらないから、これ全部上げるよ。
ハサミは近くの木に引っ掛けていた鞄を器用に開け、中から飲食料を全部出す。


「食料は取っておくに越したことはねえけどよ。ハサミの旦那はモノとか食べねえのか?」
「ボクらはモノは食べないよ。」
「そうか。ならありがたく受け取っておくぜ。」


(さーて、この関係はいつまで保つでしょう?)

ハサミとしてはあの場所で相打ちになるよりも、男を利用できるだけ利用しておいて、確実に殺せる時に殺しておこうと思った。
いざとなれば、自分の刃先に支給品の睡眠薬を塗って、無抵抗のまま嬲り殺せばいい。
それに、紙の兵隊が一度に動ける数が何故か限られているこの世界で、紙の兵隊より強い協力者は貴重な存在だ。


おまけにこの世界の住人は、ペラペラではなく、妙に肉厚だ。
ペラペラじゃない奴等で、どうやって新しいオモチャを作っていくか。

久々に胸が高鳴り始めた。
最も、彼に心臓はないのだが。

【ホル・ホース@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダーズ】
[状態]:健康 疲労(小)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品2セット(ハサミの分)、ランダム支給品1〜3
[思考]:ハサミの旦那、中々やべえ奴だな。
基本:ハサミに協力する。
[備考]
※最低でもエンヤ婆戦後からの参戦です。


629 : 皇帝と切られた男達 ◆vV5.jnbCYw :2020/08/24(月) 23:31:26 AG3srpVk0

【ハサミ@ペーパーマリオ オリガミキング】
[状態]:健康 気分はハイ
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、折り紙セット(4/5 黒だけ使用済み)、睡眠薬入りアイスティー ランダム支給品0〜1
[思考]:他のブンボー軍団も参加しているのかな?
行動方針:この世界で新しいオモチャを作る
1:ホル・ホースと協力し、会場を荒らし回る
2:もしも自分を殺した相手(マリオ)がいれば復讐する
3:隙を見てホル・ホースも殺す
4:最終的には優勝
[備考]
※本編死亡後からの参戦です。
※ハサミの支点になるネジが、首輪代わりになっています。

【睡眠薬入りアイスティー@真夏の夜の淫夢】
ハサミに支給された飲料。とあるホモの先輩が後輩にこれを飲ませてレ〇プした。
これを刃物に塗って斬り付けた場合、飲ませた時に比べてどれほど効果を発揮するかは不明。

【折り紙セット@ペーパーマリオ オリガミキング】
赤・青・黄・白・黒の五枚1セットで入った巨大な折り紙。ハサミはこれで紙の兵隊や手を模した怪物を作ることが出来る。
※このゲームでは特別な制限があり、一度作ってから30分ほど経てばただの紙になる。
※折り紙1枚当たりで作れる最大数は、兵隊10+手1くらい。


630 : 皇帝と切られた男達 ◆vV5.jnbCYw :2020/08/24(月) 23:31:39 AG3srpVk0
投下終了です。


631 : ◆NIKUcB1AGw :2020/08/24(月) 23:41:16 .9tNH9Z20
投下します


632 : おまえらのようなJCがいるか! ◆NIKUcB1AGw :2020/08/24(月) 23:43:23 .9tNH9Z20
「はあ……」

天川ユカリは、同行者に聞こえないようにこっそりとため息を漏らした。

突然の異常事態を受け入れられず道端で震えていた彼女は、二人組の参加者に声をかけられ彼女たちに同行することになった。
巴マミと那波千鶴と名乗ったその二人は、おびえるユカリに優しい言葉をくれた。
さらに、貴重な食料まで分けてくれた。
そこまでしてもらっては疑ってもいられず、ユカリは彼女たちに同行することにしたのだ。

しかし、ユカリの心は晴れなかった。
二人に不満があるわけではない。むしろ逆だ。
殺し合いに巻き込まれるという状況であっても他人を思いやることができる二人と自分を比べ、劣等感にさいなまれているのである。
二人とも、本当に大人だ。自分と1学年しか違わないとは、とても思えない。
はっきり言って、年齢を聞くまではどちらも成人していると思っていた。
落ち着いた態度もそうだが、それ以上に、その……。


胸。


でかい、でかすぎる。とうてい中学3年生の体型とは思えない。
ユカリの学校にも大人っぽい同級生ならいなくもないが、あそこまでスタイルのいい生徒は見た覚えがない。

(って、何セクハラじみたこと考えてるんだ、私は!)

ふと我に返ったユカリは、大きく頭を振って思考を切り替えようとする。
その直後、先頭を歩いていたマミが突然足を止めた。

「巴さん? 何か……」
「止まって」

手を横に伸ばし、制止のジェスチャーを行うマミ。
困惑するユカリだったが、すぐにその意味を理解する。
襲撃者だ。

「じょうじ、じょうじ……」

現れたのは、5体ほどの怪物だ。
体型は筋肉質な人間のようだが、異様な顔立ちは明らかに人間ではない。
感情を感じさせない大きな目が、ことさらに不気味だ。
彼らの種族名は、「テラフォーマー」。
火星で異常進化したゴキブリであり、人類とは決して相容れない「敵」である。

「どうやら、お友達にはなれなさそうね……」

テラフォーマーから放たれる敵意を感じ取り、千鶴は呟く。

「は、早く逃げましょうよ!」

半泣きになりながら、ユカリは言う。
だがマミは、テラフォーマーたちを見据えたまま動かない。

「那波さん、天川さんをおねがいできる?」
「何か対抗策があるのね、巴さん」
「ええ。あまり人に見せるものではないのだけど……。
 この状況では仕方ないわね」

強い決意を感じさせる表情で、マミは跳躍する。
直後、彼女の体が光り輝いた。
そして、彼女の服装が替わっていく。
黒い帽子とコルセットが、白いブラウスが、黄色いスカートが、マミの体を彩っていく。

「あらあら……」
「な、何あれ!?」

余裕がある反応の千鶴に対し、ユカリは驚愕に目と口を限界まで開く。

「あれって……まるで、魔法少女じゃない!」


633 : おまえらのようなJCがいるか! ◆NIKUcB1AGw :2020/08/24(月) 23:43:58 .9tNH9Z20


◆ ◆ ◆


それは、戦いと呼ぶにはあまりに一方的だった。
テラフォーマーは投石を攻撃に用いることもあるし、銃を扱う知能もある。
だがここにある彼らが持っている武器は、石の棍棒だけだ。
距離を取って銃撃してくるマミには、なすすべがない。
一匹、また一匹と、テラフォーマーが弾丸を脳天に撃ち込まれていく。
だが脳を破壊されてもなお、テラフォーマーは動き続ける。

「なんであれで死んでないのよ〜!」

ユカリは眼前のグロテスクな光景に耐えきれず、目をつぶってうずくまってしまった。
一方のマミは、至って冷静だ。

「頭を打っても死なないってことは、やっぱり普通の生き物じゃないみたいね。
 なら……まるごと全部吹き飛ばす!」

どこからともなく、マミ本人と同程度、あるいはそれより大きそうな大砲が出現する。
その照準をゴキブリの群れに合わせ、マミは叫ぶ。

「ティロ・フィナーレ!」

轟音。そして宣言どおり、テラフォーマーたちは跡形もなく消え去った。


◆ ◆ ◆


「すごいわね、巴さん! まるで漫画のヒーローみたい!」
「そ、そうかしら? 面と向かって褒められると照れるわね」

戦いが終わり、朗らかに会話するマミと千鶴。
ユカリは、その光景を涙目のまま見つめていた。

(やっぱりこの人たち、すごすぎるよ……)


634 : おまえらのようなJCがいるか! ◆NIKUcB1AGw :2020/08/24(月) 23:44:55 .9tNH9Z20


【天川ユカリ@からかい上手の高木さん】
[状態]軽い鬱
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考]基本行動方針:生き残る
1:二人についていけるか不安
[備考]
アニメ版2期からの参戦です。


【那波千鶴@魔法先生ネギま!】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考]基本行動方針:生還する
[備考]
参戦時期は単行本8巻終了時点です。


【巴マミ@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]疲労(小)
[装備]なし
[道具]基本支給品、チョコボー@妖怪ウォッチシリーズ×9、ランダム支給品0〜2
[思考]基本行動方針:殺し合いを止め、できれば主催者も倒す
1:参加者は可能な限り助けたい
[備考]
・死亡する以前からの参戦です。
・テラフォーマーを、魔女のような超常の存在だと思っています


【チョコボー@妖怪ウォッチシリーズ】
ジバニャンの大好物である、スティック型のチョコ菓子。
食べるとちょっとだけ体力が回復する。
言うまでもないが、リアルの猫には絶対にチョコをあげてはいけない。
10本セットで支給されたが、1本はすでにユカリが食べている。


【テラフォーマー@テラフォーマーズ】
NPC。
テラフォーミングの一環として火星に送り込まれたゴキブリが、異常進化により人間のような姿になった生物。
捕食や交配のためではなく、「生理的嫌悪感」から人間を襲う。
肉体構造上、頭部を破壊しても即死はしない。
確実に仕留めたい場合は、急所が集中している首を狙う必要がある。


635 : ◆NIKUcB1AGw :2020/08/24(月) 23:45:48 .9tNH9Z20
投下終了です


636 : ◆4kMBNI9QkE :2020/08/24(月) 23:47:03 h7vJWudE0
投下させていただきます


637 : 涼宮ハルヒの歓喜、モグラ獣人の苦悩、ロックジョーの??? ◆4kMBNI9QkE :2020/08/24(月) 23:48:09 h7vJWudE0
G-2付近の草原地帯・・・。
突然そこの地面の一部が盛り上がったかと思うと・・・

「チュチューン!」

・・・人間の大人程の大きさがある巨大モグラが顔を出したのだった。

体色は明るいオレンジ。
鼻先は花のようになっており、
肩の部分には鉤爪状の部位が、
スコップ状の手には人間のような指があるなど、
明らかに普通のモグラではなかった。

彼の名は、モグラ獣人。
ただの巨大モグラではなく、動植物に人間並みの知能を移植する事によって生み出される『獣人』というカテゴリーの怪人である。
彼はかつて、世界征服を企む秘密結社の一つ『ゲドン』に所属していたのだが、任務に失敗して処刑されかかったところをゲドンと敵対する『仮面ライダーアマゾン』によって助けられた事で、アマゾンの『トモダチ』となったのである。

「はぁ〜・・・よっこいせ、と」

モグラ獣人は地面から這い出ると、頭上の空で静かに輝く満月を眺めだした。

「・・・なんで俺、生きてんだろうなぁ?」

月を眺めながら、モグラ獣人はふと先程から頭によぎる疑問をポツリと呟いた。

記憶が正しければ、自分はガランダー帝国のキノコ獣人の殺人カビで死んだ筈なのだ。
だというのに、五体満足の状態で『殺し合い』の会場にいる。
それがモグラ獣人には不思議でならなかった。

死んだと思ったのは自分の気のせいで、アマゾンが殺人カビの解毒剤を飲ませてくれたのか?
いや、あの体から『命』が抜け出していくような感覚は、絶対に気のせいなんかではない。
ならば何故、自分は無事なのか?
そして何故、『殺し合い』に参加させられているのか?

ひょっとしたら、ここは悪いことをした人間が死んだ後に行くという『地獄』と呼ばれる場所かもしれない。
自分はアマゾンの『トモダチ』だったけど、ゲドンの一員として散々悪いことをしてきたから『地獄』に落とされたのかも・・・。

「う〜ん・・・」

夜空に輝く満月を眺めながらモグラ獣人は考えを巡らせるが、情報が少ない現状では答えなど思い付くはずも無く・・・

「・・・はぁ〜」

モグラ獣人は深いため息を漏らしたのだった。
その時・・・

「も・・・モグラ怪獣!?」
「・・・チュチューン?」

人間の声が聞こえた。
若い女の声だ。

振り向くと、いつの間にかモグラ獣人の背後に水色を基調にしたセーラー服を着た高校生くらいの少女が佇んでいた。
その少女はモグラ獣人を見ながら驚いていると共に、好奇心旺盛な幼い子供のように目を輝かせていた。

「えっ!?嘘!?本物!?本物の怪獣!?」

少女はいかにも興奮している様子でモグラ獣人に抱きつき、モグラ獣人の体をあちこち触り始めたのだ。

「チュチューン!?」
「凄い!着ぐるみじゃないわ!!本当に生きてる!!」
「チュチューン!!」
「肌は結構すべすべしてるわね・・・鼻が花の形って洒落か何か?」
「チュチューン!お、おい!止めてくれよ〜!!」
「・・・喋ったぁぁぁ!!?」

その後、少女が落ち着くまでの30分間・・・モグラ獣人は少女に身体中をまさぐられたのだった。


638 : 涼宮ハルヒの歓喜、モグラ獣人の苦悩、ロックジョーの??? ◆4kMBNI9QkE :2020/08/24(月) 23:49:52 h7vJWudE0
☆☆☆

「チュチューン・・・」

少女に身体中を触られて、モグラ獣人はぐったりとしていたが、当の少女の方は何故だか元気になっていた。

「いやぁ〜ゴメンね!まさかこんな所で本物の怪獣に会えるなんて思ってなくて、つい興奮しちゃって・・・あ、私はSOS団団長の涼宮ハルヒよ!アンタはなんて言うの?」

少女・・・ハルヒは全く悪びれる様子を見せずに自己紹介すると、モグラ獣人にも自己紹介を促した。

「・・・俺はモグラ獣人だ。というか、俺は『怪獣』じゃなくて『獣人』って言う『怪人』なんだけど・・・」
「『怪獣』も『怪人』も大して変わらないわよ。ようは体の大きさがビル並みか人間並みかの違いじゃない。それより、聞きたい事があるんだけど・・・」

モグラ獣人の意見を一蹴りして、ハルヒは強引に情報交換を始めた。

ハルヒの話す『SOS団』なるグループとその仲間達との他愛ない日々の話を聞きながら、モグラ獣人は自然に『楽しいそうだな・・・』と思った。
次に、モグラ獣人がアマゾンやゲドン、そしてガランダー帝国の話をすると、ハルヒは『世界征服を企む悪の組織にそれと戦うヒーロー!?まるでテレビの特撮番組みたいじゃない!!』と、目を輝かせながら興奮していた。
しかし、モグラ獣人が自身の生死やそれに関するこの場での憶測を語ると・・・流石のハルヒも神妙な表情を浮かべたのだった。

「えっと・・・もしかして不味い事聞いちゃったかしら?」
「・・・いや、大丈夫だよ。本当のところは俺にもよくわからないから」

『自分は地獄に落ちたのかもしれない』と語るモグラ獣人の姿はなんだかとても悲しそうで・・・ハルヒは胸が締め付けられるような感覚があった。

「あぁもう・・・そんな辛気臭い顔しないの!断言しても良いけど、ここは『地獄』でも『死後の世界』なんかでもないわ!」
「・・・なんでそう言い切れるんだ?」
「だって私、まだ死んでないし」

あっけらかんと告げるハルヒにモグラ獣人は呆れそうになるが、ハルヒはモグラ獣人と目と目を合わせて「・・・それに」と続けた。

「・・・アンタはアマゾンって人の仲間・・・『トモダチ』だったんでしょ?昔はどうだったか知らないけど、正義のヒーローの『トモダチ』が死んだ後に地獄に落ちる訳ないじゃない!そんなの、閻魔様が許してもこの私が許さないわ!!」
「・・・」

何の根拠も、確証も無い言葉。
だがモグラ獣人には、何よりの救いの言葉だった。
そうだ、自分は悪者から世界を守るアマゾンライダーの『トモダチ』だ。
死んだ後に行くべきなのは『地獄』ではなく、『天国』の筈だ。
そう思うと・・・モグラ獣人の青い目からは自然と涙が流れ出していた。

「・・・ありがとう。お前、本当は良い奴なんだな」
「・・・『本当は』は余計でしょ!」

モグラ獣人の言葉にハルヒは頬を膨らませてそっぽを向くが、不思議と悪い気はしなかった。

「ほら!正義のヒーローの仲間が、そんなに簡単に泣いたりしないの!」
「チュチューン・・・」

ハルヒはスカートのポケットからハンカチを取り出すと、モグラ獣人の目から流れ出る涙を拭き取る。
その姿はまるで、幼子を慰める母親のようだった。

「・・・誰が『母親』よ!?せめて、『姉』って言いなさいよ!!」
「・・・チュチューン?」

地の文にツッコミを入れるハルヒの姿に、モグラ獣人は首をかしげたのだった。

その時である。
近くの草むらから、がさごそと何かが動くような音が聞こえてきた。

「えっ?な、何?」
「チュチューン!」

突然の物音にハルヒは固まり、モグラ獣人はハルヒを庇うように身構える。
そして、草むらの方からは・・・

「ワフゥ〜」

二人の思いもよらない者が姿を現したのだ。


639 : 涼宮ハルヒの歓喜、モグラ獣人の苦悩、ロックジョーの??? ◆4kMBNI9QkE :2020/08/24(月) 23:52:08 h7vJWudE0
「チュチューン!?」
「こ、今度はブルドック怪獣!?」

そこにいたのは、一匹のブルドックだった。
だが、ただのブルドックではない。

「ワフゥ〜」

それは額からフォークを思わせる触覚を生やし、牛かサイに匹敵する巨体を持つ巨大ブルドックだったのだ。
その首にはハルヒやモグラ獣人と同じく、金属製の無骨な首輪が嵌められている。
どうやらこのブルドックはNPCではなく、参加者のようだった。

「凄い!スゴいわ!モグラ怪獣を見つけたと思ったら、今度はブルドック怪獣に会えるなんて!!」
「いや、だから俺はモグラ『獣人』なんだけど・・・」

モグラ獣人の抗議がハルヒの耳に入る事はなかった。
ハルヒは巨大ブルドックに駆け寄ると、その大きな体に抱きついた。

「きゃあっ!スッゴいモフモフだわぁ〜♪ぬいぐるみみたい!」
「ワフゥ〜♪」

ハルヒにギュッと抱き締められて、巨大ブルドックは嬉しそうに鳴いていた。
一方、モグラ獣人は巨大ブルドックに対してビビりまくっていた。

「チュチューン・・・おいやめろよ。食われたらどうすんだよ?」
「フッフッフッ・・・本物の怪獣に食べられるなら本望よ!」
「チュチューン・・・」

ハルヒの様子にモグラ獣人は困惑するしかなかった。

「・・・ん?」

そこでモグラ獣人はある事に気がついた。

「おい、そいつ首になんか書いてあるぞ?」
「えっ?」

巨大ブルドックの首には『こんにちは、ボクの名前はロックジョー。ハグが大好きです』と英語で書かれた看板がぶら下がっていたのだった。

「へぇ〜、アナタ『ロックジョー』って言うのね?カッコいいじゃない!」
「ワフゥ〜♪」

巨大ブルドック・・・ロックジョーは、自身の体をなで回すハルヒの顔を体と同じくらい大きな舌でなめたのだった。

「きゃあ!くすぐった〜い♪」
「ワフゥ〜」

ハルヒとロックジョーは楽しそうにじゃれあっていたが・・・

「チュチューン・・・」

・・・それを眺めるモグラ獣人は困惑するばかりであった。


【モグラ獣人@仮面ライダーアマゾン】
[状態]:健康、困惑
[装備]:無し
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本:アマゾン達に会いたい
1:ハルヒの様子に困惑
2:なんで俺、生きてるんだ?
3:俺は『怪獣』じゃなくて『獣人』なんだけど・・・
[備考]
キノコ獣人に殺された直後からの参戦。
殺し合い会場は地獄なのでは?と考えています。

【涼宮ハルヒ@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:健康、歓喜、興奮
[装備]:無し
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本:生きて帰りたいけど、人殺しはしたくない
1:本物の怪獣がこんなに!!スゴ〜い!!
[備考]
『射手座の日』以降、『消失』以前の時間からの参戦。

【ロックジョー@マーベル・コミックス】
[状態]:健康
[装備]:自己紹介カード
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本:早く帰りたい
1:ワフゥ〜♪
[備考]
『Ms.マーベル』誌でMs.マーベルことカマラ・カーンと行動していた頃からの参戦。
テレポート能力を持っていますが、制限により一度に移動できる最大距離はエリア一マス分だけです。


640 : ◆4kMBNI9QkE :2020/08/24(月) 23:54:50 h7vJWudE0
投下終了します


641 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/24(月) 23:57:26 wUQKc6z20
投下させていただきます。


642 : 地球のチカラ、生き抜くチカラ、命の限り使うとき ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/24(月) 23:58:36 wUQKc6z20
ここは会場内の森林地帯、地図上ではダスティ・ディボットと呼ばれる場所

そこにはゴブリンたちから逃げ惑う少女がいた。

桃色の髪の毛をした、ゆるふわな雰囲気を醸し出す少女だった。

「え〜!何なのコレ〜!?ゴブリンなんてファンタジーの世界だけだよー!」

彼女の名前は各務原なでしこ、料理することも食べることも大好きなキャンプ女子である。

そんな彼女は今、ゴブリンたちから逃げていた。当然、身の危険を感じたからだ。

しかしゴブリンたちの様子はいつもとおかしかった。何故なら彼らの目はうつろで、とても意識があるようには見えなかったのだ。

そうこうしているうちに彼女は木の根に足を引っかけてしまい転んでしまった。

そしてゴブリンたちが彼女に襲い掛かろうとすると、突然赤い何者かが飛び出してきて彼らを吹き飛ばしていった。

「勇猛の騎士!コウ!!」

赤いジャケットの下に赤いベスト、赤い紋様の付いた白シャツに茶色の長ズボンをした男だった。

彼の名前はコウ、かつて『騎士竜戦隊リュウソウジャー』のレッドとして戦闘民族ドルイドンたちと戦った男だ。

そんな彼が、ゴブリンたちから彼女を守るために剣を手にして現れたのである。

そしてそんな彼を倒そうとゴブリンたちが襲い掛かったが、彼はいともたやすく彼らすべてを倒してしまった。

激戦を繰り広げ続けた彼にとって、ゴブリンなどに苦戦するはずなかったのである。

そうしてゴブリンたちをすべて倒しなでしこを助けた彼だったが、突如として地面が大きく揺れた。

地面の中から巨大な一本の角と青黒い棘で全身が覆われている巨大な怪物が現れたのだ。

怪物は倒れ伏したゴブリンたちに自分の舌を突き刺すと、そのゴブリンたちは全身が干からびていきまるでミイラのようになっていった。

そのあと怪物は、コウとなでしこを見つめた後自身の枝分かれした舌を伸ばしてきたのだ。

「早く逃げて!」とコウがなでしこに叫ぶと、彼は剣を振りかざし彼女に向かう無数の舌をはじき続けていった。


643 : 地球のチカラ、生き抜くチカラ、命の限り使うとき ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/24(月) 23:59:56 wUQKc6z20
そうしてコウは巨大な怪物と戦っているがその差は歴然としており、相手にほとんど傷をつけることはできず次第に剣にヒビが入っていくだけだった。

しかし彼は決してあきらめようとはしなかった。何故ならばいま彼の背中には守るべき人、戦う力のない人がいるからだ。

そして彼は叫ぶ。力強く吠えたのだ。

「限界は、超えるためにある!」

そんな中、突如としてなでしこのデイバッグの中から光が漏れだした。

なでしこは、その光が何なのかを調べるためにバッグを開けたところそこには緑色をした時計のようなものがあった。

このピンチの状況、そしてそんな状態の中光りだす謎のアイテム…。

彼女はこれを、いわゆる逆転の切り札だと確信しこれを届けることにした。

「これを使ってぇぇぇっ!」

なでしこがそう叫ぶと、彼女はそのままコウのもとにそれを投げた。

そしてコウがそれをキャッチしたところ、彼の身体に大きな変化が訪れた。

<<J!>>

その音とともにコウの身体が緑色の光に包まれて、目の前の怪物と同じ大きさへと変化したのだ。

「うおおぉぉぉ!俺の身体がでっかくなったー!!」

そうやって驚いているコウのもとに、怪物が自分の角を突き刺そうと突進してきた。

そしてコウがすれ違いざまに攻撃を繰り出すと……

パキン、という音とともに彼が持つ剣が折れてしまった。

そしてそれとともに怪物が倒れ、そして爆散した。

そうして怪物が死んだことを確認すると、コウの身体が元の大きさへと戻っていった。

------------------------
そして……

「これ……お゛い゛し゛い゛そ゛!」

「そっか〜、それは良かったよ〜」

二人はカレーを食べていた。

二人の支給品にはそれぞれニンジンやカレーのルー、そして鍋などの調理道具一式が入っていたので料理を作ることにしたのである。

ちなみに食器やスプーンは入っていなかったのでコウが岩を削るなどして作り、また入っている肉は近くを飛んでいた鳥をさばいたものである。

なお彼が鳥を仕留める瞬間を見たなでしこは若干涙目になっていたが、食料に乏しい現状はサバイバルする必要があるとも思っていたので何とか割り切ることにした。

「しっかしスゴイねコウさんは!まるでヒーローみたいだったよ〜」

「ああ、俺はリュウソウレッドだからな。……まあ、訳あって今は変身できないけどな」

そして彼は、自分のことをなでしこに話し始めた。まず自分のことを信じてもらうためにはそういったことを話していく必要があると思ったからだ。

……そうして彼は語りだす。リュウソウ族の歴史とドルイドンのことを、そして今まで自分が経験した戦いのことを………。


644 : ◆ruUfluZk5M :2020/08/25(火) 00:00:25 3Q.6hU/c0
投下します。


645 : 地球のチカラ、生き抜くチカラ、命の限り使うとき ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/25(火) 00:00:35 gZA/HU5E0
【コウ/リュウソウレッド@騎士竜戦隊リュウソウジャー】
[状態]:健康
[装備]:王家の剣(破損)@ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド
[道具]:基本支給品、ガッツニンジン(残り2本)、ハチミツ(残り98%)、Jライドウォッチ
[思考・状況]基本行動方針:主催者を倒す仲間を集めて、殺し合いを止める。
1:こんな殺し合い、リュウソウジャーの名に懸けて絶対に止めてみせる!
2:あの怪物(ギマイラ)は、マイナソーなのか?
3:この時計のようなもの(Jライドウォッチ)からは、リュウソウルとは異なる強い力を感じる。
[備考]
参戦時期は最終決戦後、ナダの眠る場所に向かったとき。
変身アイテムが封印されているため、リュウソウレッドに変身できません。
支給品である『王家の剣』はギマイラとの戦いで折れました。
また、巨大化した姿を別の参加者に見られた可能性があります。


【各務原なでしこ@ゆるキャン△(アニメ版)】
[状態]:健康
[装備]:―
[道具]:基本支給品、調理道具一式@現実、カレーのルー(残り2箱)
[思考・状況]基本行動方針:死にたくないが、そのために殺し合いに乗るつもりはない。
1:リンちゃんやあきちゃん、あおいちゃん、斎藤さんが呼ばれてないといいんだけど……。
2:コウさん、まるで特撮のヒーローみたい!かっこいい!
3:まさか調理道具一式が入ってるなんて、夢みたいだよ〜。
[備考]
参戦時期は、第12話(最終話)以降。
リュウソウ族に関する知識を得ました(完全には理解していません)。


【王家の剣@ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド】
 目覚ましい功績をあげた騎士に対してハイラル王家から与えられた剣で、最上級の攻撃力と美しい見た目を兼ね備えた逸品

 ……実は威力だけで言えば、近衛兵の持つ剣のほうが若干強かったりする。

 なお完全に余談だが、つばと刀身の色を除けばマスターソードとよく似た形をしている。


【ガッツニンジン@ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド】
 薬草としても珍重されてきた貴重なニンジンで、主にハイラル丘陵やフィローネ草原に生えている。

 活力の源となる成分を大量に含んでおり、焼いたり煮込んだりスープにしたりと調理することで持久力が限界を超えて回復する。

 今回の殺し合いでは5本支給されているが、会場内に自生しているかは不明。

 なお見た目は高麗人参によく似ている。


【Jライドウォッチ@仮面ライダージオウ Over Quartzer】
 大自然の力を借りて巨大化する能力を得た仮面ライダー、『仮面ライダーJ』の力が宿ったライドウォッチ。

 使用すると対象を巨大化させる能力を持つのだが、主催者の手で改造されており

  (1).対象が絶体絶命の状況であること。
  (2).戦っている相手が、対象の何十倍もの大きさを誇る存在であること。
  (3).森林地帯や山岳地帯など、自然豊かな場所であること。

 の三つの条件がそろっていない限り使用できなくなっている。

 本来はなでしこの支給品なのだが、戦うことのできる人として現在はコウが所持している。


【調理道具一式@現実】
 包丁やまな板、鍋やお玉に皮むき器、計量カップと菜箸などの基本的な調理道具のセット。


【吸血怪獣ギマイラ@ウルトラマン80】
 NPC。青黒い棘で全身が覆われており、額からは白く大きな一本角が生えているのが特徴的な宇宙怪獣。

 吸った生物の思考能力を低下させる催眠ガスや無数に枝分かれした伸縮自在の舌、光線を浴びた生物を怪獣化させてしまう角など
 多岐にわたる武器を持っている。

 なお今回の殺し合いでは主催者の意向により怪獣化光線が使えなくなっており、代わりに破壊光線を放つようになっている。


646 : ◆2dNHP51a3Y :2020/08/25(火) 00:01:13 LzZFgtsg0
投下します


647 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/25(火) 00:01:37 gZA/HU5E0
投下終了です

実はコウの現在の所持品については特撮ネタまみれだったりします(以下解説)。

・王家の剣
⇒ 『獣電戦隊キョウリュウジャー』のレッドのあだ名は、"キング"
・ガッツニンジン
⇒ 『爆竜戦隊アバレンジャー』の力の源は、"ダイノガッツ"
・Jライドウォッチ
⇒ 『恐竜戦隊ジュウレンジャー』のレッドと『仮面ライダーJ』は同じ人が演じている


以上、ありがとうございました。


648 : カケラは砕け、再び集まって ◆2dNHP51a3Y :2020/08/25(火) 00:01:40 LzZFgtsg0
拝啓、東郷さん、柴神様、お元気ですか

私は今でも元気です……いや、ちょっと元気じゃないかもです



隠しても仕方ないので先に言っちゃいますと、私は壊されてしまったようです

仕方なかったんです、気持ちいいのに耐えられなかったんです




心配しないでください、完全には壊されてはないからまだ大丈夫です。初めてをCOREに奪われちゃったのは悔しいですし

私が屈しっちゃったせいで国民のみんなが死んでしまったって事を理解した時、本当に死んでしまいたいなんて思ってしまいました




でも、利古里さんや平賀さんが無事逃げることが出来て、レジスタンスを結成しているなんて噂を耳にしたのをCORE達が話していたことを思い出しました

……諦めたくないと思いました。みんながまだ最後まで諦めていないのに、私だけ勝手に壊れてたらダメですもんね




私は取り返しがつかない事をしてしまいました。たとえそれを許してくれる人がいたとしても、私は永遠にそれに苦しみ続けることなるでしょう

だからこそ、最後の最後まで抗って、今度こそ勝ちたいと思うんです。
そして、全てが終わったら、今度こそ、みんなでお花見に行きたいですね。もうすぐ、桜の咲く季節ですもの



◯ ◯ ◯

会場屈指の森林地帯ウェイリング・ウッズ。この森の中で『何か』から逃げるように走り出している青年が一人

「クソッ!」

そう口走る青年の名はロック・ハワード。そしてその青年を追いかけるのは、棍棒を携え鎧を着込んだ巨大な緑色の怪物―――小鬼英雄(ゴブリンチャンピオン)と呼ばれるゴブリンの上位種

この会場に飛ばされた当初、こんな殺し合いなんかに乗るつもりもなく反逆を決意したロック・ハワードを襲ってきたのは数体のゴブリン。
養父仕込の格闘術でゴブリン程度など簡単に撃破。なのだが問題はこの次にやってきたこの小鬼英雄だ
意気揚々と倒そうとやったがいいが、思いの外タフであり、起死回生の手段として顔面にライジングタックルをぶちかまそうとしたがそこをカウンター気味に棍棒の一撃をお見舞いされるという始末

全身を捩って受け身をとったまではよかったが、ガードした際に右腕の骨が折れてしまい、この状態ではあの化け物相手は厳しいと判断し現在逃走中

「……右腕さえまともに動けばあんなデカブツ!」

などと悪態をつきながらも森の中を走り続けるロック。だが右腕骨折の状態でかつ、こんな身動きのしづらいあのデカブツを倒すのは至難の業だ。せめて広い場所に移動できれば
そんな事を考えていたロックの視界の前に広がるのは、中心に誰かの像が鎮座されている平原空間
そして森と平原の境目に、白い衣装を纏った少女の姿

「?!……あんた、そんな所にいてたらあぶねぇぞ! ……くそっ、もう追いつきやがったか!」

何故かいる少女にロックが逃げるように忠告するも、その直後に森の木々を押し分け小鬼英雄がロックに追いつく

「……ちぃ! だったら仕方ねぇ! こうなったら最後まで足掻いてや――」

右腕の骨折具合からしてどこまで叩けるかわからない。だが。見ず知らずの女の子が巻き込まれてしまうよりはマシだと、小鬼英雄に立ち向かおうとした直後

「――大丈夫です」

少女がそう言い溢すと、ロックの前に立ち、少女の姿を確認しさらに荒れ狂う小鬼英雄をじっと見据える
ロックが慌てて少女を引き留めようとするも

「(……刀?)」

彼女の手に握られた刀に一瞬目を留めてしまう。よく見れば鞘が二本。そのうちの一本を抜いているのである。更に

「(……何だ? 鞘の中、血に濡れて)」

血に濡れた鞘内に剣を仕舞った状態で、剣道で言うところの脇構えの格好をしている
そんな少女の姿に見とれている間にも、小鬼英雄は少女の真近くにまで接近――

「……な、あ!?」

した途端、小鬼英雄の胴体が真っ二つへに斬り裂かれ、上半身が地面に崩れ落ちた。
ロックには『視えなかった』。彼女が抜刀する瞬間を

「……ふぅ」

ロックの静かな驚愕に目をくれず、緊張の糸がほぐれたかのように溜息をつく

『……やべいわこれ。とんでもない才能持ちの子に持たれてもうた』
「………は?」

そして、その直後に鞘から抜かれていない方の刀の柄から出てきた目玉の発言により、ロックの思考は大混乱に陥った


649 : カケラは砕け、再び集まって ◆2dNHP51a3Y :2020/08/25(火) 00:02:16 LzZFgtsg0
◯ ◯ ◯

「エクスカリバー星人だぁ?」
『せや。わしらの種族はいろんな武器になれる流動金属体の傭兵種族や。……まあ今はなんの因果かこの娘さんに使われてるわけやけど』
「あと、持ち主の身体能力を強化してくれるらしいんですよね。今のはそのおかげです。」
「まあこっちの説明は分かったが、……そっちの刀は何なんだ」
『斬刀・鈍って名前の刀らしいで。切れ味に特化してるとか。刀を血に濡らすことで摩擦係数が下がって居合の速度を上昇させたりも出来ると』
「……おいまさか」
「大丈夫です。斬ったのは襲いかかってきたゴブリン達ですので、ちょっと心苦しい所もありましたけど、まあ正当防衛ですね」
「オイオイ……」
『つーかすごいんやわこの娘。帝って言ってたんやけど、いくらうちの手助けがあったからってゴブリン退治の時点でこの有様や。いくらワイが今まで倒してきた相手の技術等を帝ちゃんがインストールされる形になったんやけどな、それにしてこの呑み込みの速度はなんなんや。上達速度が半端ないやんけ!』

ロックの思考が落ち着いた後、お互い話し合うことになった二人
柄から目玉が生えた謎の生き物の名前はエクスカリバー星人のクサナギ。白衣装の少女は帝らしい。後者はそもそも役職名であるが。
刀の説明には呆れながら納得したロックであるが、事実クサナギ同様帝の戦闘技術には驚くしかなかった。クサナギ曰く本当に当初は剣術なんか覚えるはずもない箱入り娘だったらしいが、いくらクサナギの手助けがあったとしてもその強さはかなりのものだったとのこと

だが、クサナギもロックもその才能以上に気にかかっていたのが帝自身の事だ。白い衣装は「神風」なる現象を発生させるための儀式衣装というのまではよかった。
問題は彼女の瞳に光が灯っていないことだ。クサナギ曰く「心が半分ぐらい壊れている」との予想らしいが、彼女の内面に触れることは、今のロックにも、クサナギにも不可能であった

だが、そんな二人の心配に気づいていたようなのか、「私は大丈夫です」と言わんばかりに笑顔を振りまく帝。だが、ロックにもクサナギにも、そんな心残りな感情だけが二人の内に張り付いていた

◯ ◯ ◯


拝啓 利古里さん、平賀さん。お元気でしょうか? 無理をしていないですか?

私の心は半分ほど壊れてしまいましたが、私は何だかんだで元気です

ですけど私、バトル・ロワイアルという殺し合いに巻き込まれてしまいました

優勝すれば願いが叶うと言われましたが、『今の』私がそんな事を望むなんてありえないじゃないですか

私は私がやれることを頑張って、この殺し合いを止めたいと思います

誰か殺すことに抵抗はありますが、今更私にそんなことを言う資格はないと思いますので覚悟は決めました




そういえば私、生身で戦えるようになりました。それに手伝ってくれる仲間も増えました

ロック・ハワードさんって人と、クサナギさんという喋る刀です

私の心が半分ほど壊れていることに気づかれてしまいましたが、いつか時が来れば話すことにします

……なんて思いながら、二人には余計なことを背負い込んでほしくないと思っている私は、傲慢なのでしょうか






そうだ、もしすべてが終わりましたら。ロックさんやクサナギさんも花見に誘いたいと思っています

きっと、楽しい花見になりそうです


650 : カケラは砕け、再び集まって ◆2dNHP51a3Y :2020/08/25(火) 00:02:38 LzZFgtsg0
【帝@大帝国】
[状態]:健康、精神崩壊(中)
[服装]:「神風」儀式の衣装
[装備]:斬刀・鈍@刀語、クサナギ@銀魂
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1
[思考]
基本:殺し合いは止めないと
1:ロックさんとクサナギさんには余計なことを背負い込んでほしくない
2:東郷たちはいるのだろうか、いてくれたのなら嬉しい
[備考]
※キングコア編イベントフェイズ『振動実験』後からの参戦です
※自分の心がある程度壊れていることは自覚しています
※クサナギによって戦闘技術をある程度習得しました

【ロック・ハワード@餓狼 MARK OF THE WOLVES】
[状態]:右腕骨折
[服装]:いつもの服装
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1
[思考]
基本:殺し合いに対して足掻く
1:帝の事が心配
[備考]
※参戦時期は後続の書き手におまかせします

【クサナギ(支給品)@銀魂】
[状態]:健康
[思考]
基本:とりあえず心配やけど、この嬢ちゃん(帝)と一緒についていく
[備考]
※参戦時期は後続の書き手におまかせします

【クサナギ@銀魂】
エクスカリバー星人の一本

【斬刀・鈍@刀語】
四季崎記紀が作り上げた完成形変体刀十二本の一つ。切れ味に主眼を置いた刀で、特殊な刀身によって物質の分子結合を破壊し、文字通りあらゆる物質を一刀両断することができる。見た目は普通


651 : ◆2dNHP51a3Y :2020/08/25(火) 00:03:20 LzZFgtsg0
投下終了します


652 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/25(火) 00:08:13 gZA/HU5E0
◆ruUfluZk5M 様
◆2dNHP51a3Y 様

投下予告と重なってしまい、誠に申し訳ございません、


653 : 『D』の意志 ◆ruUfluZk5M :2020/08/25(火) 00:09:04 3Q.6hU/c0
 ここはソルティ・スプリングス、ダスティ・ディポット、シフティ・シャフト、テネルテッド・タワーの4つの中間辺りの草木がある中途半端な場所。
「清廉潔白〜っ! 純一無雑〜っ!」
 なぜか「清らかさ、純粋さ」を示す四字熟語を叫びながら長髪でハンサムな男が人ならざる存在を相手に拳を振るっている。彼の名はシャチ。
 世紀末の世で、修羅の国にて羅刹とまで言われたシャチは、人外の者らに苦戦していた。島に放たれた怪物たちに。

「なんなのよアイツら!?」
「…………アルター、じゃないみたいですけど……」
「そんな、こんなに敵が居るだなんて!」
 栗色の長髪をした高校生、シャーリー・フェネット。ルルーシュのもとで死んだと思えば自分はここに居て殺し合えと言われた彼女は、ひょっとしたら自分は地獄か何かに落とされたのかと絶望しかけていた。
 怯える少女、由詑かなみはアルター能力と呼べる超能力の片鱗があるものの、読心能力であり直接戦闘は不可能。なにより8歳という年齢では気絶していないだけでもよくやっていると言えるだろう。
 最後に「こういう」怪物に出会うことに唯一慣れている元アイドル26歳のユカポン。小学生に間違われる容姿だが、それなりに場慣れしている女性だ。

 歳も世界もそれぞれ違う彼女らと偶然出くわしたシャチは、女性を襲うように近場から発生したNPCたちとなし崩しに交戦していたのだった。


654 : 『D』の意志 ◆ruUfluZk5M :2020/08/25(火) 00:11:59 3Q.6hU/c0
 それが島のどこにでも発生するゴブリンだけならば、北斗神拳と並ぶ拳法である北斗琉拳の使い手であるシャチの敵ではなかっただろう。だが相手はそれだけではなかった。
 ビルのように巨大なタコに能面のような女の顔が付いた怪物、眠り姫。
 高熱の炎を吐くナマハゲ顔の巨大な犬、チワワ様。
 双頭の老いた餓鬼のような巨人、満腹爺。
 巨大カマキリ……カマキラス。
 その他、魚頭やら巨大な頭の怪物の数々。
 邪鬼だ。

「おかしいよ……邪鬼がこんな風にチームワークみたいな戦い方をするなんて」
 ただひとりこの中で邪鬼の存在を知るユカポンは別の意味でも混乱をしていた。
 シャチなどは知る由もなかったが、本来ならば邪鬼が争いもせず徒党を組んで襲うことはあまりない。だが主催によって操作されているのか、彼らは共食いをすることもなく襲いかかっていた。
 ……約一体、邪鬼じゃなくて完全な怪獣が混ざっているが。

(破孔がつけぬ! チッ、ここまで人間から遠い存在が相手では位置が根本的に異なるのか!?)
 経絡破孔と呼ばれる人体の破壊や記憶操作、治療に使えるツボを突こうにも邪鬼の肉体の構造は人間のそれからあまりにも乖離していた。
 闘気その物か物理攻撃による破壊に切り替えるが、人間の数倍から十倍以上の体躯のケダモノの群れが相手では分が悪い。
 百戦錬磨のシャチは逃走も視野に入れ始めたが。

(トランスフォームすれば俺一人ならば突破して逃げるのはたやすいだろう。だが――)
 シャチには、世紀末の世界で時に変装などをして潜入や離脱をしていく中で身に着けた、乗り物に変形して長距離移動を可能とする謎の特技があった。
 これらを活用すれば現状を打開できるだろうか……? シャチは頭脳を高速回転させ考える。

 マスクとマントをかぶった這いずるボロ(浮浪者)の姿へと変わっての羅刹高速ビークルモード――誰かを連れて逃げることには向いてない。
 バイクに変わっての長距離移動形態――彼女らはバイクに乗れそうに見えないし、数人は無理。この物量から安全に庇えるかも怪しい。
 ボートに変わっての移動――あれならば複数人を乗せられる。が、間近に水辺がないため逃げること自体ができない。
(クッ、こんなことならヘリコプターあたりのトランスフォームを会得しておくのだった……!)
 そういった常人には理解しがたい選択肢を却下し続けたあげく、彼が選んだ行為は。


655 : 『D』の意志 ◆ruUfluZk5M :2020/08/25(火) 00:15:30 3Q.6hU/c0
「逃げるんだ……こいつらはオレが食い止める。どうやらあの巨大な怪物どもは脅威である俺を第一目標に狙っているようだ。俺が囮になって戦っていればいずれはやつらの包囲網も切れ目ができるだろう」
「で、でも。どうしてそこまで――」
 会ったばかり、初対面の自分たちを助けてくれるのか。シャーリーは周囲を代弁して戸惑うように聞いた。
「……オレには愛する者が居る」
 え、と唐突な発言に皆は面食らう。だがシャチは構わず言葉を続ける。
「そいつのためにオレは純愛を通したい。愛を知らぬあんなゲスどもに、女が殺され汚されるのをむざむざ見逃せば、オレは愛するレイアに顔向けができん」

 それはあまりに純粋で不器用な論理だった。ここで自分たちを見捨てては愛する人に胸が張れないと、ただそれだけの理由で彼は命を賭けようとしている。
「シャチさん……」
 馬鹿とも言えるようなその生き方は紛れもない本音なのだと、感受性の強いかなみは理屈でなく理解した。
「純粋無垢ぅ〜っ!」
 シャチは士気を高揚させる掛け声を吼えながら、踊りくる魚頭の邪鬼を何体か粉砕する。が、周囲の邪鬼ごと巻き込むように眠り姫のタコ足がその跳躍の直後の脚を捕えた。
「ぐぅっ!」
 その隙を逃さずカマキラスの鎌が突き立てられる。浅くは無い傷にシャチはのけ反った。
(ダメだ、あまりにも数が多すぎる!)
 攻撃が途切れない。逃げるタイミングが上手く出ない。更には――
 GOBU GORBUBU……
 巨体の隙間を縫うように有象無象のゴブリンが女性陣の逃走の邪魔をする。

「も、もう……」
「諦めちゃダメだよ! あのシャチって人が……あんな風に戦ってるんだ……チャンスは来る、きっと……!」
 地獄を生き抜いてきたユカポン。彼女に特別な戦闘力は無いが、決して諦めぬ胆力があった。
 かつて吸血鬼に監禁された時、命惜しさに自分は従った。犯された。引きずり回された。そのせいで増長した吸血鬼に仲間のアイドルが殺されもした。
 弱い自分が嫌だった。
 だが、強く生きる仲間の存在が自分を変えてくれたのだ。そう、今のシャチのように。だからユカポンは諦めない……しかし。

「もう、いっそ死んだ方が……あの人だけでも逃げられるんじゃないかな」
「シャ、シャーリーさん!?」
 元々荒れた世界の出身ではあるが、自ら極限状況で死地を潜り抜けてきたわけでもなく年若い残りのふたりは、既に精神の方が耐えられるかどうか怪しい領域へと来ていた。
 何よりもう、シャチの戦いそのものが限界に近かった。


656 : 『D』の意志 ◆ruUfluZk5M :2020/08/25(火) 00:17:02 3Q.6hU/c0
 邪鬼たちにもてあそばれるように殴られ、蹴られ、炎を噴かれ切り付けられ。シャチの人間離れして鍛え抜かれた肉体も徐々に壊れていく。
 彼らは配置の運が悪かったとしか言いようがないだろう。まさか凶暴な邪鬼の群れが構成されていたホットスポットが開始時に隣接していたとは。
 元々こんな少人数相手に総がかりではなく、徐々に他のエリアにも散らばり広がって暴れるのを想定されていたであろう凶悪な規模のモンスターの数々。
(こんな人の形ですらないバケモノどもがうごめく殺し合いを、おれ一人で止めようと思ったのが間違いだったのか……? オレは……オレは……)
 シャチの意識が徐々に薄らいでいく。当初は邪鬼とシャチの壮絶な戦いを遠巻きに見ていたゴブリンたちが、その肉体を狙わんと女たちにジリジリと近付いていく。
(ただの弱い男だったと言うのか……)
 だがその時。

『待って……シャチ。あなたはまだ戦える筈よ……』
(この声は、レイア!)
 この殺し合いに参加していないはずのシャチが愛する恋人、レイア。それは思念かあるいは幻影か。定かではないが、そのレイアが彼に語りかけていた。
 ここで倒れるべきではないと。


657 : 『D』の意志 ◆ruUfluZk5M :2020/08/25(火) 00:19:15 3Q.6hU/c0
『シャチ、あなたは誇るべきだわ。そして思い出すべきよ。世紀末と言えど、最低限のコンプライアンスを護り全年齢の生き方を通した人たちを……』
 シャチの視界に見えたのは彼が元居た場所、世紀末に棲まうむくつけき男たちの姿だった。

『彼らの誇りのためにも、このような行為を認めていいの? こんな蛮行を許していいの?』
 その言葉が、シャチに力を与える。
『なにより――あんな者たちが女性を虐げ殺してしまうことにより、あらゆる世界の清く生きる人々の相手となり得る女性が更に減ってしまう……不幸の連鎖がうまれるのよ。あなたの拳はそれを断ち切れる筈』
(オレは、そうだ――そうだ!)
 直後、眠り姫のタコ足からシャチがすり抜けるように消えた。どうしたことかと邪鬼らが見渡すと。

 満身創痍だったはずの男、シャチがいつの間にか女たちの前に立っている。力は抜け、諦めたかのように――
 違う。
 先ほどまでの男とは、何かが根本的に違う。まるで何かを思い出したかのような……
「レイア。遠い場所であろうと、いつだってお前はオレを奮い立たせてくれる。忘れていた……オレは羅刹……修羅を食う鬼。だがそれ以前に――お前への愛に身を捧げるただ一人の――」
 童貞だ!
「「「「!!!!」」」」
 邪鬼たちは見た。そして――呑まれた。
 シャチの背後に像をなす無数の童貞(おとこ)たち。その誇り高き姿に。
 ただ存在するだけでその静かな闘気が、存在感がまともな知性もない邪鬼やゴブリンをも圧倒していた。それは、ゴブリンたちには決して理解できない存在。
 それはかつて、あらゆる『北斗の拳』に属する世界で彼以外が到達しえなかった幻の北斗琉拳が――否、北斗琉拳の技なのかも不明な究極奥義。

『無想童貞』

 空へと至る拳を誰も避けるはあたわず。受けるもならず。
 回避も防御もできず空へと消えたその身を捉えることすらできない。
 さらには、シャチ自身だけではなく童貞たちの動きや技までもが発動し、邪鬼の群れは瞬く間に削れとんだ。
 勝てない。誰も、何も。どれほどの数を合わせようと、どれほどの力を得ようとも。
 理性を失い、性欲や破壊衝動のままに襲い不幸をまき散らすような獣が――この愛に生きる童貞に勝てる筈がなかったのだ。
 邪鬼らはゴブリンと共に無数の拳によって散っていった――


658 : 『D』の意志 ◆ruUfluZk5M :2020/08/25(火) 00:20:40 3Q.6hU/c0
「あ、ああ……」
 ユカポンは、シャーリーは、そしてはかなみは涙を流し拝んでいた。
 目の前の事象が何も理解できないまま、その信念だけを直に受け取っていた。尊いものを見たかのように彼女たちは思わず手を合わせ拝む。
 それは神仏に対する畏敬にも似ていた――

 ●

 そこからやや離れた地で。ヒゲとオールバックの筋骨隆々の男、濃厚な存在感を持った男が、なぜか静止したゴブリンに囲まれたままある一点を見つめていた。それはシャチらが居るだろう方角だった。
「ほう。この闘気……成程、あの時の稚拙な愛を貫く童貞か。このような殺し合いでもなお信念を貫くというのか――期待に肌が粟立つわ」
 その男の名は羅将ハンと言う。ゴブリンを見渡し、彼は侮蔑の目線を隠さず問いかけた。
「オレに挑むその蛮勇は認めよう。だが所詮は女を愛でるのではなく犯すことしか脳に無い連中。いわば種族レベルで「素人童貞」も同然のやつらではこの拳に気付くことすらできんか。矮小なる童貞風情ではオレに触れることも叶わぬっ!」

 北斗琉拳――魔舞紅躁――

 言葉と共に無数のゴブリンがはじけ飛ぶ。高速の拳技の前に、この者らは自身が死んていることすら最後まで理解できなかっただろう。止まっていたのはそのためである。既に、死んでいたからである。

 そして、居合わせた男がもう一人。
「なんだかなあ。さっき誰かに呼ばれたような……どっかで戦っている誰かに力や想いを託したような。変な気分になったぜ。こりゃどうなってるんだ?」
 ひときわ大きなゴブリンをそのしなる剣で一刀両断する黒い帽子とタキシード。そいつの名はヴァン。あだ名は色々あるが――蛮刀使い(ガンソード)のヴァン。
 エンドレスイリュージョンという惑星から来た、ヨロイと呼ばれる巨大ロボットの乗り手だ。宿敵を切り捨てた後にアテもなく放浪している中、彼は呼ばれたのだ。


659 : 『D』の意志 ◆ruUfluZk5M :2020/08/25(火) 00:22:18 3Q.6hU/c0
「ほう……開始早々タキシードの童貞と出会うとは……ふふふ」
「俺の名はヴァン。あんたさ、この殺し合い。乗ってるのか?」
 張りつめた空気の中、ハンはヴァンの質問に対し傲岸不遜に答えた。
「ふん、バトルロワイヤル。修羅なれば強者を目指す殺し合いなど日常、是非を問うまでも無い。だが」
 修羅の頂点たる羅将、その中でもひときわ強き者との戦いを求めるハンには殺し合いなどあって当然の日常でしかない。
 しかし、だからこそ。この殺し合いに対する露骨な見下しが彼には存在した。

「そうかいっ!」
 じゃあ加減は要らねえなとばかりにヴァンは危険人物と思われた相手へと袈裟がけに蛮刀を振り下ろす、が。
「だが――まだ話は途中だ、先走るな童貞」
 指でぴ、と刀を受け止めるハン。
「童貞で何が悪い。俺はエレナに身も心も捧げたんだ」
 そのヴァンの言いざまから、シャチとはまた微妙に異なるニュアンスをハンは目ざとく感じとった。つまり。
「……死人に操を立てる、か。理解できん論理だ。オレは女を選ばん、女は女である時点でどれも素晴らしいからな。だが、汚らわしいあ奴等よりかは見どころのあるD(童貞)よ」
 右手の二指で蛮刀をつまんだまま、ハンは左手の親指で背後にはじけ飛んだゴブリンの残骸を指さす。

「このような首輪をはめ、ましてやあのような素人童貞どもを女にけしかける……正に無粋な女の扱いも弁えぬ童貞の発想。あの主催者もまた修羅にあらず、紳士にあらず! 『童貞』だな」
 ハンは自信満々にそう言った。明らかに破綻した論理である。が、彼の羅将ハンにとってはそういう独特な自分ルールによる童貞認定は常だった。
 勘違いしてもらっては困るのだが、修羅の国でも別に彼以外の修羅や修羅の頂点たる羅将は童貞認定しだすような言動の人たちではない。
 あくまで男子は成人になるまで100回以上戦い、それに勝った者だけが生き残り「修羅」を名乗ることを許されるという、戦いに狂った武人の国というだけである。
 というか、元の世界や修羅の国でもここまで童貞と連呼しだすような価値観の男はこの羅将ハンだけだったりする。
 約一名その理論に毒された宿敵の童貞(シャチ)は居たりするのだが。


660 : 『D』の意志 ◆ruUfluZk5M :2020/08/25(火) 00:24:05 3Q.6hU/c0
 そのハンは一体このバトルロワイヤルでどういうスタンスを取るのか。と言われればやはり元々の在り方と全く変わらない。
 気に入らない相手や見下した相手を童貞認定したり、女性に距離感を間違えた気安さでちょっかい出して遊んだり、戦って楽しそうな強者に襲いかかるだけである。
 かつて「わがままなポジティブ」とまで評されたハンは、今の殺し合いに対しても独自の思想と解釈を重ね一切譲らない。例え反論しても平然と(童貞と非童貞が基準の)屁理屈を重ねるだろう。

「ヴァン。貴様もまた童貞ならば覚えておくがいい。このような粗雑な催しをする愚かな童貞に屈するか? それとも童貞としての気概だけでも保ちその喉笛に食らいつくか?」
「……はっ。言われるまでもねえさ。こんなふざけた催しをやるやつは叩き斬る。そいつが童貞かどうかは関係なくな」
 無気力かと思いきやヴァンの顔に僅かに宿る修羅めいた気質に、ハンは笑みを深めた。
「面白い。僅かに粟立ちを感じたぞ、ヴァン。仲間が欲しくばシャチと言う男を訪ねるのだな。そいつもまたただ一人の女に愛を捧ぐ「童貞」……紳士としてはやつの生き方を承服はしかねるが、信念の強さは折り紙つきよ」
 そう言って蛮刀から指を離す。もはや張りつめた空気は霧散していた。
「そうかい。ありがとよ」
「礼は要らぬ。精々あがくがいい」

 蛮刀を収め、のそのそと立ち去るヴァンを見て、ハンは勝手に納得して笑った。ハンは善人だ悪人だと言うより根本的に困った人なのだ。
 逆にこういう図太い精神構造が他の羅将のように憎悪に狂う境地に堕ちなかった理由なのでは? とも分析されていたほどの……とにかくフリーダムに『濃ゆい』男。
 それが羅将ハンである。

「邪なる童貞の催し、そしてそれにまんまと乗る意志の弱き童貞ども。シャチ、だったか。奴やヴァンの純なる童貞としての信念がこの童貞のカーニバルでどこまで通じるか……精々見せてもらおう!」
 ハンの中ではこのバトロワは既に「女も抱いたことのない童貞が修羅の国を童貞特有の慣れない手順で真似た催しのようなもの」として自己完結してしまっていた。
 果たして「童貞カーニバルロワ」のレッテルからこのバトロワは名誉回復することができるのだろうか……


661 : 『D』の意志 ◆ruUfluZk5M :2020/08/25(火) 00:25:49 3Q.6hU/c0
【シャチ@北斗の拳イチゴ味】
[状態]疲弊、切り傷、打撲、火傷、童貞
[装備]
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本行動方針:レイアへの純愛を貫き通す。島の邪悪な者たちと戦う。
1:俺は羅刹である前に……童貞だ!
2:全ての世界の童貞たちよ、この島に集いし童貞たちよ! 俺に力を貸してくれ!
3:愛する女がまぶしすぎるがゆえ抱けぬ愛もあるっ!!!
[備考]
 究極奥義『無想童貞』を解放しました。背負ってるものが強敵(とも)ではなく全ての童貞であること以外は北斗の拳の無想転生と同じです。主催者側の力まで背負えるかは不明です。
 ※筆者が捏造した奥義ではなくちゃんと出典作品内で発動した奥義です。

【シャーリー・フェネット@コードギアス反逆のルルーシュ】
[状態]健康
[装備]
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本行動方針:もう死んだ方がいいのかもしれない。
1:ここは地獄なのかな?
2:助かった……!
3:でもなんであの人童貞っていきなり叫んだの!?
[備考]
 死んだ時系列の後からの参戦です。

【由詑かなみ@スクライド】
[状態]健康
[装備]
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本行動方針:カズ君の元に帰りたい。
1:シャチさん、凄い……
2:童貞ってなんだろう?
[備考]
 自分がアルター使いであることはまだ自覚がない時系列からの参戦。読心は元の性質もあってか不安定です。

【ユカポン(由香)@彼岸島】
[状態]健康
[装備]
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本行動方針:邪鬼や吸血鬼、主催なんかに負けない。仲間が居るのなら探す。
1:シャチさん、まるで救世主みたい。
2:童貞なんだ……
[備考]
 参戦時期はI・R・P(アイドル・レイプ・タワー)突入以後の時系列です。


662 : 『D』の意志 ◆ruUfluZk5M :2020/08/25(火) 00:26:37 3Q.6hU/c0
【羅将ハン@北斗の拳イチゴ味】
[状態]健康、ヒゲ、非童貞
[装備]
[道具]基本支給品、ランダム支給品0〜2 身だしなみセット
[思考・状況]
基本行動方針:この童貞どもの催しで童貞がどこまで足掻くのか見せてもらおう。
1:愚かなる素人童貞(ゴブリンをはじめとしたNPC)どもよ、オレが叩き伏せてやるわ。
2:紳士たるもの童貞とは違う余裕を見せ、女たちをエスコートせねばなるまい。ふっ、童貞どもに道を示すのも紳士の定めか。
[備考]
 非童貞です。

【身だしなみセット@現実】
櫛、ハサミ、手鏡、ヘアクリームやアルコール消毒スプレーなどが入った詰め合わせ。単に身だしなみや清潔さを保つための日用品の類であって特別な道具ではない。

【ヴァン@GUN×SWORD】
[状態]健康、童貞
[装備]蛮刀@GUN×SWORD
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本行動方針:主催をたたっ切って帰る。
1:エレナを愛している。
2:童貞で何が悪いんだよ、あのヒゲおっさんめ。
[備考]
 ヨロイ(巨大ロボ)召喚は制限されています。


663 : 『D』の意志 ◆ruUfluZk5M :2020/08/25(火) 00:27:28 3Q.6hU/c0
【眠り姫@彼岸島】
 ビルのように巨大なタコ型の邪鬼。頭部のみ能面のような女性型。
起きていれば本来は人であろうと人でなかろうと周囲の生物を見境なく食べるが、主催側の意図により優先して参加者を襲うようになっている。

【チワワ様@彼岸島】
 ナマハゲ状の頭を持った犬型の邪鬼。口から火炎を吐く能力があるが、その前に高熱を帯びる予兆がある。なぜか首の関節がグルグル回る。
 主催側の意図により優先して参加者を襲うようになっている。

【満腹爺@彼岸島】
 双頭の餓鬼型の邪鬼。下腹部からは無数の酸性体液のゴキブリを生むことができる。
 主催側の意図により優先して参加者を襲うようになっている。

【魚頭の邪鬼@彼岸島】
 頭だけがサンマのような魚の形をした人間の何倍も巨大な量産型邪鬼の一種。水場に適応しており、泳ぎが得意で妙にフォームの良いクロールで泳ぐ。

【カマキラス@ゴジラ FINAL WARS】
 身長90mのカマキリ。凶暴だが、あまり知能は高くない。
主催側の意図により優先して参加者を襲うようになっている。


664 : ◆ruUfluZk5M :2020/08/25(火) 00:29:49 3Q.6hU/c0
投下終了です。
>>652
いえ、こちらこそ重なってしまいすいません。


665 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/25(火) 05:27:59 wFPITzdw0
そうさ……俺は……
この企画へのTOUKA、ありがとうございます…なのさ……
これが……
新たな伝説の生まれた夜の話だ…

>強者
姑獲鳥、やるべきことも方針も実にシンプルで分かりやすい強マーダーだと思いました。
珍妙な外見ですが、市民の安全を願う心は本物なハンニバル、そんな彼の武器を姑獲鳥に支給したのは主催者の意志を感じます。

>一万円
小心者のネズミ、序盤からクッソ醜い化け物に追いかけられてて可哀想だけど草。
そしてピンキー、一万円渡さなくてもこんな化け物がしゃぶってくるとかお前の判定ガバガバじゃねぇか。

>皇帝と切られた男達
ハサミ、ペラペラな住人でデフォルメされてますが普通にやることえげつないですからね、これは見た目に反して狂マーダーですよ……
そしてそんな相手に認められたホル・
ホース、生き抜く力に関しては光るものがありますし、これは厄介なコンビですね。

>おまえらのようなJCがいるか!
胸に驚愕するユカリに草。
マミさんのスタイルは年齢詐欺ですからね。驚くのも無理はない。
テラフォーマーを容易く屠ったマミさん。熟練の魔法少女の風格を感じます。その筈ですが、精神的なあれで同行者二人を守れるのか若干の不安もあります。
余談ですがやる夫時代のゴブスレだと、ゴブリンのAAはテラフォーマーでした。

>涼宮ハルヒの歓喜、モグラ獣人の苦悩、ロックジョーの???
平常運転のハルヒと困惑するもぐら怪人、とてもほっこりします。ハルヒの言葉に救われるもぐら怪人、きっと彼はヒーローの『トモダチ』として誇らしく活動してくれそうです。
ロックジョーにもぐら怪人、いろんな意味でハルヒにとって最高の同行者かもしれませんね。

>地球のチカラ、生き抜くチカラ、命の限り使うとき 
NPCに追い詰められかけたなでしこ、それを颯爽と救ったリュウソウレッド、カッコいいですね。
「限界は、超えるためにある!」、このセリフは痺れました。まさにヒーローの風格です。
このロワは基本食料が貧弱なので、調理器具持ちかつ調理ができる点でなでしこは優位だと思います。

>カケラは砕け、再び集まって
壊れかけの帝、能力・素質ともに有望な対主催な筈なのに、参戦時期の都合上とてつもない危うさを感じます。というかモノローグが哀しい…
それを察したロック、果たして彼は帝を何とか癒せるのか……?
見ず知らずの女の子を巻き込むことをよしとしない彼は間違いなく善人ですが、そのための手段に乏しいのが残念。右手の負傷も痛いし前途多難と感じました。


>『D』の意志
チームワークのある邪鬼+怪獣にゴブリンの群れという絶体絶命の状況で、女の子たちを庇い囮すら請け負おうとしたシャチに侠を感じました。
というか全体的に不幸な女の子が集まってて草。多分一番開幕からハードモードですねこれは。主催の調整がガバガバすぎる。
ユカポンは戦う力こそ無いものの、I・R・Tの経験で培った意志の強さが光ってますね。
絶体絶命の状況で、愛するものの声援により覚醒するシャチ、普通にカッコいい筈なのに無想童貞の概念で腹筋が崩壊しました。そして各地で呼応し集う童貞たちにさらに大草原。童貞の概念が未知の何かに進化してしまいそうです。


666 : ◆ytUSxp038U :2020/08/25(火) 06:02:20 lsc8MQoQ0
投下します


667 : わんわんらんどと犬になった男 ◆ytUSxp038U :2020/08/25(火) 06:05:38 lsc8MQoQ0
何故こうなってしまったのか。

後輩の運転する車がヤクザの高級車に衝突。
免許証を奪われヤクザの事務所に連れて行かれた挙句、後輩を庇ったらそこで裸になり犬の真似をさせられた。
しかも庇ったはずの後輩は何かノリノリでプレイに参加してたし、もう一人の後輩は背景と化していた。
途中からは後輩がヤクザの銃を手に入れて一転攻勢。
ちゃっかり自分もそれに加わったのは…今思えば良くなかった。その時に免許証を取り返して逃げていれば良かったのだ。
散々犯した後、何をトチ狂ったのか後輩は手にした銃でヤクザを…

そして気が付いたら今度は殺し合いと来た。
こういうのをまさに人生最悪の日と言うのだろう。

「アッー!(落涙)」

青年は己の不運を、世の不条理を嘆く。
その身に纏っているものは何もない。
性行為の直後に連れて来られたからだ。

「せめて服は着させて下さい!オナシャス!」

このままでは変質者と勘違いされてしまう。
確かについさっきまでクッソ汚いホモセッ〇スに及んでいたが、普段から全裸でいるような変態とは違うのだ。
一抹の望みを掛けてデイパックの中をひっくり返すと、出て来たのはカップラーメンと酒の缶、ルールブック。
そして――

「アン!」
白い綿あめのような犬。

「クゥ〜ン」
つぶらな瞳のチワワ。

「GRUUUUU!」
緑色の化物みたいな生物。何か犬っぽくねぇなぁ?

求めていた服は影も形も無かった。

「ワン!ワン!」

青年はショックの余り人の言葉を忘れてしまったのか、犬のように泣いた。三回だよ、三回。

果たして青年に転機は訪れるのか、それともこのまま殺し合いの――哀れな犬として終わるのか。
今はまだ分からない。

【TDN@真夏の夜の淫夢】
[状態]:精神疲労(小)、全裸
[装備]:シロ@クレヨンしんちゃん、チャコ@仮面ライダー555、ミュータントハウンド@Fallout4
[道具]:基本支給品
[思考・状況]:基本行動方針:死にたくない
1:服が欲しい
[備考]
参戦時期はDBがTNOKを射殺した直後。

【シロ@クレヨンしんちゃん】
野原家のペット。元々は捨てられていたのをしんのすけが拾い、紆余曲折を経て飼うことになった。
特技は丸くなる綿あめ。

【チャコ@仮面ライダー555】
ラッキークローバーの一人、ジェイが溺愛しているチワワ。
ジェイの死後は以前見つけてくれた家出少女が拾い、連れて帰った。。

【ミュータントハウンド@Fallout4】
「FEV」という強制進化ウイルスを投与され変異した犬。
緑色のずんぐりした身体で、主にスーパーミュータントが連れ歩いている。
探索能力が高く狂暴。今ロワでは支給された参加者の命令には忠実に従うようになっている。


668 : ◆ytUSxp038U :2020/08/25(火) 06:06:18 lsc8MQoQ0
投下終了です


669 : ◆7PJBZrstcc :2020/08/25(火) 19:01:06 TDyCbFOA0
投下します


670 : まぞく大ピンチ! 救世主は冒険者と……ヒーロー? ◆7PJBZrstcc :2020/08/25(火) 19:01:41 TDyCbFOA0
 殺し合いの会場に広がる草原のどこかで、八個の影が疾走している。
 これだと一つの群れが走っているかに思えるが、実際は違う。
 正しくはこうだ。

 一人の少女を、七匹のゴブリンが追い回している。

「だ、誰か助けて下さ――――――い!!」

 少女は助けを求めながら必死にゴブリンから逃げる。
 彼女の名前は吉田優子。現在はシャドウミストレス優子、通称シャミ子である。
 高校一年生にもかかわらず小学生程の体格と身体能力、更に頭に生えた角と腰から生えた尻尾が特徴のまぞくだ。
 そんな彼女はへそ出しを中心に露出度の高い服装、正式名称危機管理フォームで全力疾走していた。
 断っておくが、この服装は彼女の趣味ではない。
 最近羞恥心が少し麻痺しているが、それでもこの露出度はどうかと思っている。
 にも関わらずこんな服装をしているのは、危機管理フォームになると身体能力が上がるのだ。
 五十メートル走のタイムが十一秒のシャミ子にとって、もはや羞恥心など大した問題ではない。
 捕まれば何をされるか分からないゴブリン相手から逃げる方が遥かに重大である。

 なお、シャミ子が危機管理フォームになった瞬間、ゴブリン達は一斉に舌なめずりしたがこれは余談である。

 そうやって火事場の馬鹿力で過去最高級の速度と持久力を見せたシャミ子だが、いよいよ限界が訪れる。
 足がもつれ転んだのだ。

「へぶっ!?」

 受け身を取ることもできず、顔を地面に叩きつけてしまうシャミ子。
 すぐに起き上がろうとするも、追いついてきたゴブリンの一匹に腹を蹴られ、思わず蹲る。
 そんな彼女をゴブリン達は地面に仰向けで押さえ込み、下卑た笑みを浮かべながら服を引き剥がそうとする。
 ここで何をされるか理解したシャミ子は必死にもがくが、数の差で抵抗できない。

「い、いや……やめてください……!」

 もはや無為と理解しつつも懇願するしかない、と思われたその時。

「あいや待たれい!!」

 一つの声がゴブリン達の享楽を止めた。
 ゴブリン達が声のした方を見ると、そこにはどこかの部族の民族衣装みたいな服を着たリザードマンがいた。
 彼は蜥蜴僧侶。
 ゴブリン達と同じ世界の住人にして、ゴブリンを狩り続ける小鬼殺しの冒険者パーティの一人だ。
 故にゴブリン達がシャミ子を押さえつけているのを見つけた瞬間、何をするか察した彼は声をあげることでそれを止めたのだ。
 そのまま彼は呪文を唱えながらゴブリンへ走る。


671 : まぞく大ピンチ! 救世主は冒険者と……ヒーロー? ◆7PJBZrstcc :2020/08/25(火) 19:02:31 TDyCbFOA0

「《伶盗龍(リンタオロン)の鈎たる翼よ 斬り裂き 空飛び 狩りを為せ》」

 呪文を唱え終わると、彼の手に奇跡で生まれた骨刀が現れた。


 一方、ゴブリン達は目の前の蜥蜴僧侶にどう対処するかで揉めていた。
 ゴブリンが七匹全員で掛かれば、相手が何者でもたった一人くらいどうとでもなるだろう。
 しかしここに押さえている孕み袋を放置する選択肢はない。
 故に一匹か二匹はそのまま押さえつけ、残りで戦うというのが最良だろう。
 じゃあ誰が行くんだ、という話になると全員がこう思った。

 ――俺がこの孕み袋を押さえつけておくから、お前らが戦ってこいよ。

 ゴブリンは基本的に自分こそが至上で、他など同族含めてもどうでもいい生き物だ。
 群れで行動するのは、単に都合がいいからに他ならない。

 だがそんな隙をさらしていいほど蜥蜴僧侶は甘い相手ではない。
 あっという間にゴブリン達に近づき、一番近かった一匹を斬り地面に倒れ伏させる。
 そのまま二匹、三匹と続けて斬り、残りは四匹。
 しかしここでゴブリンは、どこに持っていたのかナイフを取り出しシャミ子に突き付けた。
 火を見るよりも明らかな、所謂人質である。

 分かりやすい戦法だが、蜥蜴僧侶は一気に動けなくなった。
 いくらここで蜥蜴僧侶が無抵抗を貫こうとも、彼が死ねばゴブリンはシャミ子を孕み袋にする。それでもだ。
 冒険者とは人質を見捨てぬものである。見捨てたらそれは最早ただの臆病者(チキン)、冒険者ではない。
 もうこのリザードマンには何もできないと、醜い嘲笑を浮かべるゴブリン達。

 だがゴブリンはもう少し考えるべきだった。
 この作戦は人質が要であることを。
 そしてここはゴブリンのホームグラウンドである巣穴ではなく、草原であることを。


 新手が後ろから現れ、人質を取っているゴブリンが殺される可能性を。

「Huu……」

 白と黒の模様が絶えず動くも、しかし決して交わらない不可思議な覆面をかぶり、コートを纏った男はシャミ子を人質に取っていたゴブリンの頭を持っている刀でかち割る。
 そのまま近くのもう一匹も頭をかち割る。
 そして蜥蜴僧侶も負けじと残りのゴブリンを斬り、決着は着いた。

「あ、あわわわわわ……」

 しかし目の前で怪物とはいえ死体をモロに見てしまったシャミ子のキャパシティは限界に近かった。
 にも関わらず蜥蜴僧侶は倒れ伏したゴブリンに刀を刺していく。
 ゴブリンは死んだふりをすることもあるので、確実にトドメを刺しているのだが、シャミ子には刺激が強いのか

「……きゅう」

 その場でバタンと倒れ、気絶してしまった。
 これを見た二人はどちらともなく顔を見合わせる。
 シャミ子が気絶した理由を頭では理解できるが、共感するには二人のいた世界は殺伐としすぎていた。
 どうしたものか、と蜥蜴僧侶は悩むが覆面の男の行動は早い。
 そそくさとシャミ子を背負い、蜥蜴僧侶に対し一方的にこう言った。

「まずはこの少女を安全な場所へ運ぶ。情報交換は歩きながらするぞ」

 それだけ言って歩き始める覆面の男。
 普通なら怒りすら覚えそうな程相手の了承を取っていないが、蜥蜴僧侶はどこか仲間では小鬼殺しを思い起こさせた。


 そんな覆面の男の名前はロールシャッハ。
 彼が何を思い戦い、何を目指すのか蜥蜴僧侶が知るのは、もう少しだけ後の話。


672 : まぞく大ピンチ! 救世主は冒険者と……ヒーロー? ◆7PJBZrstcc :2020/08/25(火) 19:02:58 TDyCbFOA0

 
【ロールシャッハ@ウォッチメン】
[状態]:健康、シャミ子を背負っている
[装備]:ちゅんちゅん丸@この素晴らしい世界に祝福を!
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いを打破し、主催者を裁く
1:少女(シャミ子)を安全な場所へ運ぶ
[備考]
参戦時期は本編開始前

【蜥蜴僧侶@ゴブリンスレイヤー】
[状態]:健康、奇跡を一回使用
[装備]:竜牙刀(シャープクロー)@ゴブリンスレイヤー
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いを打破する
1:ひとまず彼(ロールシャッハ)と行動を共にする
2:少女(シャミ子)が心配
3:この方はどこか小鬼殺し殿に似ている
[備考]
参戦時期は三巻終了以降

【吉田優子(シャミ子)@まちカドまぞく】
[状態]:疲労(中)、気絶、ロールシャッハに背負われている
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いには乗らない
1:……
[備考]
参戦時期は四巻終了後


【ちゅんちゅん丸@この素晴らしい世界に祝福を!】
ロールシャッハに支給。
カズマが日本刀を模して鍛冶屋に作らせた刀。
だが雑な伝聞で作らせたせいか切れ味はぶっちゃけ普通の剣である。
名付け親はめぐみん。この為持ち主当人から名前への不満が結構ある。

【竜牙刀(シャープクロー)@ゴブリンスレイヤー】
蜥蜴僧侶が奇跡で作り出した、決して切れ味が落ちない骨刀。
支給品ではない。


673 : ◆7PJBZrstcc :2020/08/25(火) 19:03:23 TDyCbFOA0
投下終了です


674 : ◆2dNHP51a3Y :2020/08/25(火) 20:58:23 LzZFgtsg0
投下します


675 : 夜伽の王 ◆2dNHP51a3Y :2020/08/25(火) 20:59:11 LzZFgtsg0
「……へぇ。殺し合い。ねぇ」

荒野に囲まれた街の一角にて、中性的な風貌をした、長い銀髪をした外国人みたいな顔立ちの青年がただ興味深そうに呟く

彼の名は清良トキ。もとい、『魔罪人ヨトギ』とも呼ばれた魔罪人の一人。最も、彼はヨトギであってヨトギではないのだが
かつて『魔罪人ヨトギ』と呼ばれた存在は、魔法少女ミリカによって打ち倒された。
だが、ヨトギが虜にした女の一人を孕ませた、自分が将来入る器に、魔力と記憶を受け継がせた存在。それが彼、清良トキという青年の正体である
元々ヨトギは、自らに毒を呷り、己が魔力と記憶をそのまま別の生命に憑依させ生まれ変わる事を計画していた。だが、その毒は未完成だったため、記憶は残っていても、意思を引き継ぐことは出来なかった。
故に、だからこそ器であり、女が産んだ息子である清良トキ――今の『魔罪人ヨトギ』だった。
未完成の毒だったが故に、意思を引く継ぐことは出来なかった。故の息子だ。だが、そのおかげで、前の『魔罪人ヨトギ』よりもその魔力は格段に上であった

彼は『魔罪人ヨトギ』の望みのため、彼女の息子たる有栖川理愛と接触。信頼を得た上で、絶好のタイミングを狙いミリカを堕とす事に成功
唯一の懸念材料たるミリカの娘は長い時間を掛けて仕込みに仕込んだ上、魔罪人ハクラクを使い彼女の心をへし折れる寸前まで追い詰める。理愛が自身に恋心があることを利用し、ボロボロにまで追い詰められた理愛を口車に乗せ、ハクラクの後始末をさせて最終段階
すっかり堕ちきったミリカと自身の交わりを見せつけ、最後に理愛を心を砕き、彼の目的は完全に達せられた

そして―――このバトル・ロワイアル。殺し合いという舞台。最高の気分からこんな訳のわからぬ催しに巻き込まれた彼の心情は、「面白そう」であった

元より魔法少女の母娘が二人揃って堕ちた以上、自分が巻いた種によってあの世界は人の性欲のタガが外れた混沌にして無秩序な世界となるだろう
そのため、彼にとっては逆にこの殺し合いに巻き込まれた事は、新たなる遊びを見つけたと同意義でもあった。

「……面白そうじゃないか。誰だか知らないけど、こんな遊び場を用意してくれて。こんな首輪をつけてくれたのは少々不愉快ではあるけれど」

故に、清良トキからすれば、新たなる遊び場、新たなる享楽の舞台としてに興味心が上回っていた。首輪をつけられたことには不満ではあるが、飼い犬に手を噛まれたくない主催達の気持ちを考慮すればある程度は納得できる

「……そうだ、ミリカさんも魅力的だったけど、ここでもっとたくさんの女の子を堕とすのも悪くないかな」

こんな面白い事に巻き込まれれば、欲が出てしまうというもの。もしかすれば魔法少女ミリカと同じか、それ以上の魅力や肉体を持つ女性と出会えるかもしれない
元よりミリカに執着していたのは『魔罪人ヨトギ』だ。せっかく親の願いを果たしたのだ、少しぐらい自分の欲を満たしたいというものだ

「……ミリカさんやミリアもここに来ているのかな?」

ふと頭によぎるのはあの魔法少女母娘の事だ。だが、母親も娘も既に堕としてやった。なんら問題もない。もしいたとしたらラッキー程度でいいだろう。その時は上手く使って自分の目的をスムーズに進ませればいい

「……いいや。いてもいなくても僕のやることは変わりないからね」

少年は笑う。嗤う。嘲笑う。その中性的な顔立ちから浮かぶ笑みはまさに天使のように見える
――その少年の顔は、間違いなく人を堕落させる悪魔そのものであった


【清良トキ@魔法少女理愛 獣欲に嵌まる母娘】
[状態]:健康
[服装]:いつもの服装
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜3
[思考]
基本:せっかくだから楽しませてもらう
1:ミリカさん以外にいい女がいるかもしれない
2:あの母娘は……まあ見つけたら僕の手伝いをしてもらおうか
[備考]
※本編第五章『砕ける心、隷属の刻』終了後からの参戦です


676 : ◆2dNHP51a3Y :2020/08/25(火) 20:59:25 LzZFgtsg0
投下終了します


677 : ◆ytUSxp038U :2020/08/25(火) 21:50:11 lsc8MQoQ0
投下します


678 : 汚れちまった喜びに ◆ytUSxp038U :2020/08/25(火) 21:53:28 lsc8MQoQ0
やったぜ。  投稿者:参加者糞土方 (?月?日(?)?時?分?秒)

昨日の8月15日にいつもの浮浪者のおっさん(60)と先日メールくれた汚れ好きの土方のにいちゃん
(41)とわし(53)の3人で県北にある川の土手の下で盛りあう予定だったぜ。
ところがコンビニで酒とつまみをしこたま買いに行こうとしたら、突然目の前が真っ暗になり、
気が付いたら滅多に人が来なさそうな部屋で殺し合いをしろと言われたんや。嫌だねぇ。
主催者の野郎があれこれ説明して、少ししたらわしの近くにいた参加者の首輪がピコピコ鳴り出し、
必死に首輪を外そうと周りをぐるぐるしている。
そうこうしている内に首輪が爆発して、辺り一面に血をドバーッっと出して来た。
それと同時にわしの顔にも血が飛び散った。もう顔中、返り血まみれや。
するとまた何時の間にか見慣れない川の土手の下に立っていた。
主催者の野郎は願いが叶うとか何とか言っていたが、そんな事より早く岡山に帰してくれや。
楽しみにしていたはずの糞遊びが出来なくなって、もう気が狂う!
モタモタしてたらおっさんとにいちゃんからはドタキャンしやがったと責められそうで、腹の中がキリキリしている。
その時ふと視線を感じたんで振り返ってみると緑色の怪物、ゴブリンが数匹居た。
ゴブリンは口々に何かを言っていたが、これは糞遊びのお預けを食らってウズウズしていた性欲を解消する絶好のチャンスだぜ。
デイパックに大量に入っていたいちじく浣腸を三本ずつゴブリンたちのけつに入れてやった。
しばらくしたらゴブリンはけつの穴をヒクヒクさせ、腹の中で糞がぐるぐるしている痛みに悶え苦しんでいる。
わしも自らに浣腸を入れ、それからゴブリンたちに糞をドバーッと掛けてやった。ああ〜〜たまらねえぜ。
ゴブリンたちの出した糞を全身に塗りたくり、ゴブリンにわしの糞ちんぽを無理やり突っ込んでやるともう気が狂うほど気持ちええんじゃ。
抵抗するゴブリンのけつの穴にわしのちんぽを突うずるっ込んでやると、
けつの穴が糞と処女ケツから出た血ででずるずるして気持ちが良い。
逃げようとしたゴブリンのチンポをつかみ手を動かしてやると、思い切り射精したんや。
それからは、もうめちゃくちゃにゴブリンの糞ちんぽを舐め、
糞を塗りたくり、二回も男汁を出した。もう一度やりたいぜ。
やはり大勢で糞まみれになると最高やで。こんな、変態親父と殺し合いついでに糞遊びしないか。
ああ〜〜早く糞まみれになろうぜ。
会場の土手の下であえる奴なら最高や。わしは163*90*53、ゴブリンは糞遊びに耐えられなかったのかみんな死んでいる。とんだ玉なしどもや。
糞まみれでやりたいやつ、至急、メールくれや。
主催者の野郎にも浣腸して、糞だらけにしてやろうや。

【変態糞親父@真夏の夜の淫夢派生シリーズ】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、大量のいちじく浣腸@現実、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]:基本行動方針:バトルロワイアルを糞まみれにする
1:早くみんなと糞遊びがしたいぜ
[備考]
参戦時期はコンビニで酒とつまみを買う前


679 : ◆ytUSxp038U :2020/08/25(火) 21:54:14 lsc8MQoQ0
投下終了です


680 : ◆ruUfluZk5M :2020/08/25(火) 22:33:30 3Q.6hU/c0
投下します。


681 : 戦極はそ…怒り狂い…惨殺と相… ◆ruUfluZk5M :2020/08/25(火) 22:38:04 3Q.6hU/c0
「がああああああああ!」
「おのれぇーっ許さん! 許るさーんっ! 許さんぞぉーっ!」
 戦極は仮面ライダーデュークへと変身しながら駆けて叫んでいた。
 彼が一体なぜそこまで怒り狂っているのか。少しだけ時間をさかのぼってみよう。

 ●

『この私をこんな殺し合いに参加させるとはね……私だって研究があるし暇じゃないのだが』
 バトルロワイヤルに誘われても余裕綽々でいた戦極は、民家で優雅にティータイムを楽しみつつも支給品やマップの確認などをしていた。
 支給品はゲネシスドライバーと戦極ドライバー。どちらも科学者たる戦極が作りだした変身ベルトの一種だ。
 そして戦極ドライバーに使える変身アイテムの、やはり戦極が開発したレモンロックシード。最後に見慣れないロックシード。

「ふむ……ナンバーはE.L.S.-HEX? 見たところゲネシスドライバーに使えるエナジーロックシード。それもドラゴンフルーツのものだが、私の造ったものではないな。
主催が新たに作ったか……どこか未来、あるいは別の時空の代物か……?」
 戦極からしても興味深い謎のロックシードの方は後でゆっくり調べるとして、とりあえずレモンロックシードの方を試運転代わりに使おうと戦極ドライバーを使って変身したのだが。

 ギュィドカドンドカ
 ウァッ
 ドッドカッ
 ウァッ

 ●

「うぉーっくあーっ!」
 なんたる侮辱。なんたる愚弄。
 キレた戦極凌馬はドラゴンフルーツロックシードが得体の知れないロックシードであることも気にせず、ゲネシスドライバーでドラゴンエナジーアームズへと変身すると、市街地へと走り出した。
 見つけたゴブリンたちを主催の手先かと八つ当たりで切り刻みながらも周囲にエネルギーの矢を巻き散らし戦極の走りは止まらない。

「三流ですらこんなことはしなかった……まさか制作者の私にこのような模造品の! しかも舐め腐ったような出来の戦極ドライバーを作って渡すとはね!」
 この時、戦極凌馬はあることを決意していた。
 なんとしても主催を殺す。
 ぶち殺す。

 それは対主催と言うより、ただ単に自身の才能と発明に対するプライドから主催への殺意がみなぎっているだけの暴走状態だった。


682 : 戦極はそ…怒り狂い…惨殺と相… ◆ruUfluZk5M :2020/08/25(火) 22:40:01 3Q.6hU/c0
【戦極凌馬@仮面ライダー鎧武】
[状態]健康、激昂、暴走
[装備]ゲネシスドライバー&ドラゴンフルーツロックシード&レモンロックシード@仮面ライダー鎧武、カイウカマンライパー@現実
[道具]基本支給品、ランダム支給品0〜1
[思考・状況]
基本行動方針:主催をなんとしても殺す!
1:許さん! 許さんぞ主催ーっ!
[備考]
 参戦時期は少なくとも43話で死ぬより前です。

【ゲネシスドライバー&ドラゴンフルーツエナジーロックシード&レモンロックシード@仮面ライダー鎧武】
 ゲネシスドライバーは戦極ドライバーの上位版の変身ベルトで、エナジーロックシードを使って変身する。
 ドラゴンフルーツエナジーロックシードを使用した場合、仮面ライダーデューク・ドラゴンエナジーアームズに変身する。
 レモンロックシードはゲネシスドライバーではなく戦極ドライバーで仮面ライダーデュークに変身可能。
 ゲネシスドライバーとレモンロックシードの製作者は戦極凌馬。ドラゴンフルーツエナジーロックシードは彼の死後、ある機械生命体がデータから構築したものである。
 この通り一部互換性が無いアイテムもあるが変身セットと言う事で、全て1つの支給品扱いとなっている。

【カイウカマンライパー@現実】
 中国製のパチモンの戦極ドライバー(変身ベルト)のおもちゃ。色々とおかしい上に変身動作をしても打撃と奇声を組み合わせたような奇妙な音が鳴るだけ。


683 : ◆ruUfluZk5M :2020/08/25(火) 22:40:59 3Q.6hU/c0
投下終了です。


684 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/25(火) 23:34:48 gZA/HU5E0
投下させていただきます。


685 : ※車は、ライフスタイルに合ったものを選びましょう ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/25(火) 23:36:20 gZA/HU5E0
ここは会場内のとある道路わき、地図上でF-3と書かれている場所

そこには変なポーズで倒れ伏しているロボットがいた。

なぜこのような光景が広がっているかというと、それは数分前のこと……

------------------------
「何なんだこの殺し合いは……カーレンジャーの戦いはさっき終わったはずだろ?」

会場の中で、サル顔の一般市民がそう呟いていた。

彼の名は陣内恭介、税込み19万3千円の給料でテストドライバーをやりながら激走戦隊カ〜〜〜レンジャーのレッドを一年間勤めていた男である。

そんな彼は今困惑していた。ボーゾックとの戦いが終わって再び一般市民として仕事をしていた筈なのにいきなりこんな殺し合いに巻き込まれたからである。

「とりあえず……まずは支給品というやつを確認したほうがよさそうだな、なんかいいの入ってるかもしれないし」

そうして彼がデイバッグの中身を確認すると、彼にとってとてもなじみ深いものと車のおもちゃっぽいものが出てきた。

「アクセルチェンジャーが入っているなんて、なんて都合がいいんだ!あと、この車のおもちゃは……ってええ!!」

自分の変身アイテムが入っていることを確認した後、取り出したもう一つのものを確認しようとしたら驚くべき変化が現れた。

何とその車のおもちゃが、ちょうど人が乗れるくらいに巨大化したのだ。

「……何かとっても都合がいい状況が続いているが、とりあえず乗ってみるか!」

彼はなにか作為的なものを感じたが、この広い会場を回るためには足がいると思いそのまま乗ることにした。

そうして彼がしばらく走っていると……。

道路のど真ん中に、どことなく黒豚っぽい一つ目の怪物が寝ていた。

恭介はそれに気づき急いで止まったが、その時のブレーキ音により怪物が目覚めてしまったのである。

そしてその怪物は恭介の乗る車に気づくと、全速力で走ってきたのである。

彼はこれに大きく焦った。バックしても追いつかれると思ったし、道路の広さなどから切り替えしてUターンするわけにもいかなかったからである。


686 : ※車は、ライフスタイルに合ったものを選びましょう ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/25(火) 23:36:47 gZA/HU5E0
そうして彼は決断した。ずっと気になっていた、ハンドル近くの用途不明なレバーを使うことにしたのだ。

「一か八かだ!このレバーを倒してみるぞ!」

そういってハンドルから左上部の位置にあるレバーを倒すと、突如として車が変形しだした。

フロント部分が伸びたあと両足となり、リアの部分から腕が生え、そして運転席が縦に90度回転しだして立ち上がったのだ。

更にリアウイングが付いていた部分が起き上がって頭部になった。

そうして彼が乗っていたフォーミュラカーは、スタイリッシュなデザインの巨大ロボットへと変形したのだ。

あといつ装備したのかはわからないが、右手に巨大なハルバードを持っていた。

そして彼は、これなら立ち向かえると思い興奮しだした。

「これがロボットになるのなら百人力だ!早速……ってハンドルじゃなくなってる!?」

そう、操作盤がいつの間にかゲーセンでよく見るタイプのレバーと謎の歯車っぽいものになっていたのである。

それに困惑していると、すぐに一つ目の怪物から攻撃されてしまった。

相手からの攻撃に対し恭介は、レバーや歯車を適当にガチャガチャ動かしまくって必死に対抗していた。

そうしてしばらくするとどうやら操作に慣れてきたらしい。そりゃそうである、これは小学生でも直感的に動かせるよう作られているのだから。

「何とか操作に慣れてきたし、いきなりだけど必殺技っぽいのを使うぞ!」

そうして彼は、ロボットの身体を回転させながら怪物に突っ込んでいった。

「RVロボじゃない謎のロボット、激走斬り(仮)!」

その言葉とともに怪物を連続で切りつけると、怪物は倒れ爆散した。

そしてそれに対し、彼はロボットの右腕を回していつものあの名乗りポーズをやらせようとした。

「激走戦隊!カ〜〜〜レン……ってあれ?」

そうレッドレーサーが言ったが、突如としてロボットが動きを止めてしまった。

そしてモニターには……

「あ……、"オーバーヒート"って出てる……」

そう、さっき適当に動かしまくったせいでオーバーヒートを起こしてしまい、強制的に動きが止まってしまったのである。

それに恭介が気づくと同時に、だんだんとコックピットが傾き始めた。

変なタイミングで止まったため、ロボットが倒れ始めたのである。

「ちょ、うあおぉぉぉー!!」

そうして完全にぶっ倒れて、彼は思いっきり頭を強打して気絶した。


687 : ※車は、ライフスタイルに合ったものを選びましょう ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/25(火) 23:37:58 gZA/HU5E0
------------------------
まあ、そんなわけで……

ロボットが倒れているのは、陣内恭介ことあのバカが無茶な操作したせいでズッコケただけである。

そしてしばらくすると、再び動き始めた。どうやらあのバカが意識を取り戻したらしい。

「あいたたた……ちょっと危ないから車に戻しとくか、えっと……このレバーだったよな?」

そうして彼が左上部についているレバーを元の位置に戻すと、再び変形してフォーミュラカーに戻った。

「さてと……他の参加者を探しに行くか!もちろん、しっかりと法定速度を守ったうえで!」

こうして彼はまた走り出す。ほかの参加者を見つけて仲間にするために、そして明らかにやばそうなやつらを倒すために……。

【陣内恭介/レッドレーサー@激走戦隊カーレンジャー】
[状態]:健康、頭にたんこぶ
[装備]:アクセルチェンジャー、長槍人形ハーキン@超操縦メカMG
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いを止めるために仲間を集める。あと、悪い奴はとにかくぶっ飛ばしていく。
1:ボーゾックは解散して更生したはずだし、何者の仕業だ?
2:この車(長槍人形ハーキン)、なんで変形したらハンドルじゃなくなるんだ!?
[備考]
参戦時期は最終回のスタッフロール後。
車の形をした星座が(何故か)空に輝いているため、レッドレーサーに変身可能となっています。


【アクセルチェンジャー@激走戦隊カーレンジャー】
 カーレンジャーに変身するためのアイテムで、左腕に装備されているブレスレットとエンジンキーからなるアイテム。
 この二つを合わせて一つの支給品としてカウントされている。

 エンジンキーをブレスレットに差し込んでエンジンを掛ける時と同様のようにひねり、
 「激走・アクセルチェンジャー」と叫ぶことで変身する。


【長槍人形ハーキン@超操縦メカMG】
 近未来的なデザインのフォーミュラカーに変形する、ハルバードを持った巨大ロボット。
 ……厳密には「ロボット」という言葉が存在しない世界で作られており、その世界では「人形」と呼ばれている。

 孤高の侍“十文字禅岳”の協力によって完成した最強の人形。
 長槍を武器とし、接近戦では圧倒的な強さを誇る。またその見た目通りボディーは軽量で、動きも速い。

 ハンドル左上部にあるレバーを操作することで車形態と人型形態に変形する。
 また車形態では当然ながらハンドルで操作するが、人型形態だとレバーと歯車のようなもので操作することになる。


【ヒノックス@ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド】
 NPC。豚のような風貌をした巨大な一つ目の魔物で、魔物研究家曰く「森の巨人」と称されている。

 普段は寝ていて、起こすと戦闘に突入することになる。
 基本的には素手で攻撃してくるが、生えている木を引っこ抜いただけの丸太を武器にしたり、それを投げてきたりして攻撃をすることもある。

 なお弱点は見た目通り目玉であり、目玉を攻撃すると怯んで尻もちをつくなど隙だらけとなるのでそのすきに攻撃をすると吉。

 ちなみに陣内恭介が今回戦ったのは、実質的な最上位個体である「黒ヒノックス」である。


688 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/25(火) 23:38:27 gZA/HU5E0
投下終了です

ありがとうございました。


689 : 闇より産まれし輝き ◆vV5.jnbCYw :2020/08/26(水) 00:07:28 0de1B6xA0
投下します。


690 : 闇より産まれし輝き ◆vV5.jnbCYw :2020/08/26(水) 00:08:27 0de1B6xA0

ここは、闇夜が覆っているバトルロワイヤルの会場の中でも、最も暗い洞窟の奥底。
その闇に塗りつぶされた空間の中で、「それ」は動き出した。


いくつかある目玉のうち、一つをパチリと開き、赤い球体がドーナツ状に連なった体をもぞもぞと動かして、洞窟の中を動く。
支給品の袋が、彼の体に引かれて、ズルズルと動く。

どうみても動くのに向いて無さそうだが、ゆっくり、ゆっくりと体を動かす。
次第に、他の目玉も開き始め、瞬きも始める。
動くのに慣れてきたようで、カメのような歩みが、生まれたてのヘビくらいの歩みへと変わった。


彼は、本来ならとある世界の近い未来で、栄誉ある祭典の象徴になるはずだった。
しかし、何故かこのバトルロワイヤルに参加させられることになった。
オマケに、彼はロゴとしてではなく、一匹の産まれたての生き物として。


なぜこの生物は産まれたか。
なぜこの生物がバトルロワイヤルに参加させられているのか
なぜあのデザインが栄誉ある祭典のロゴマークに選ばれたのか。

それは誰も知らない。


生物は体を波打たせて、洞窟の地下1階から地上階へと、器用に上る。

せいぜい知っていることと言えば、その生物の名前が、「命の輝き」ということだけである。


栄誉ある祭典よりも禍々しさ極まりない殺し合いの方が向いているような気もしなくはないのは、本当に気のせいだろう。


「!?」
上に行くと、急に喧騒がどこにあるか分からない耳に入った。


洞窟の1階は、ゴブリン達の宴会の場だった。
しかし、宴会中だろうと、相手が産まれたてだろうと、彼らには参加者を見つければ襲うように言われている。


「GOB!」
「GOB! GOB!」
命の輝きを見るや否や、ゴブリン達が4匹襲い掛かってきた。


凶暴なゴブリン達に命の輝きは、幾分かの怯えを見せる。
産まれたてなのにも関わらず、殺し合いに参加させられて、挙句にゴブリンに襲われたら当然の反応だ。


「隱ー縺句勧縺代※縺上l??シ」
文字で表せない悲鳴を上げる。
いや、それは怒りの叫びかもしれないが。

発声器官が見当たらない以上、どこから声を出しているのか分からないが、
声を出した後に、目玉から一番最初に襲おうとしたゴブリンにビームを出した。


その威力はさほどでもないが、威嚇には十分だった。
「グギャア!!」
胸にヒットして、そのまま洞窟の奥へ転がっていった。
死んではいないが、蹲っている。

「GOB! GOB! GOB!」
一匹が動けなくなったのを見て、残った3匹のゴブリンが襲い掛かってきた。

しかし、今度は別の目玉から光を出す。
ビームとは異なり、広範囲に広がる光は、別の効果を及ぼした。


ゴブリン達は、目と頭を押さえて、悶絶している。
眼から出る光には、攻撃力はビームより劣るが、視覚に何らかの作用があるようだ。
敵に襲われたら抵抗する。
それもまた生物として当然の行動だ。


ゴブリンが洞窟の地下へと逃げると、彼は洞窟を出た。
初めて見る月夜は、彼をどんな気持ちにさせるのか。
まだ言葉さえ扱えない彼は、この戦いで何を残すのか。

それは誰にも知らない。

【命の輝き@大阪万博2025】
[状態]:健康 疲労(小) 好奇心 成長中
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜3
[思考・状況]:基本行動方針:とりあえず辺りを散策する

[備考]
参戦時期は産まれたて。
特技は今のところ「目から眩しい光を出す」、「大して威力はないがビームを出す」です。
今後の成長によって何か新しい技を覚えるかもしれません


691 : 闇より産まれし輝き ◆vV5.jnbCYw :2020/08/26(水) 00:08:38 0de1B6xA0
投下終了です。


692 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/26(水) 05:54:21 1oUPxVBo0
この呪われた栄光を掴むための僅かなる手段へのアップデート、……俺の夢と誇り、全部やるお前が……俺の生きた証だごぜぇ、それでも――人は生きる。その全てを捧げています(アンセムレポートIVより抜粋)

>わんわんらんどと犬になった男 
なんだこれは……たまげたなぁ。支給品の選出する主催絶対楽しそう。
パロロワは何が起こるのかわからないので、TDNがメジャーリーグに至るほどの活躍をしてくれる可能性も微レ存。

>まぞく大ピンチ! 救世主は冒険者と……ヒーロー?
シャミ子可愛い(真理)。
絶対妥協しないおじさん、女嫌いで差別主義者なヤバイ人だけど、子供だけには優しいから好き。蜥蜴僧侶の予感通りロールシャッハは戦闘スタイルも精神性も小鬼殺しと近しい存在なので、このチームは対主催の中でもバランスのとれたダークホースになりえると思います。

>夜伽の王
清良トキ、えげつない竿役きましたね…これは怖いですよ。天使の笑顔でやることは悪魔、彼を野放しにすればかなりとんでもないことをやらかしそうです。
全体的にキャラの把握や性格を理解できる登場話ですごいと思います。

>汚れちまった喜びに
変態糞土方、やってることが多分コンペで一番狂ってて好き。あ〜たまらねぇぜ。

>戦極はそ…怒り狂い…惨殺と相… 
ティータイムを楽しむほど余裕を保っていた戦極を一瞬でキレさせたパチモン、逆に凄いのでは?
いやーでもあれを渡されたら制作者なら怒って当然。対主催としてモチベーションを高めたという意味では意義のあるアイテムだと思います。

> ※車は、ライフスタイルに合ったものを選びましょう
陣内恭介、戦いを終え、一般人として生活していた最中のバトル・ロワイアル参加は不運ですね。やたら具体的な給与や猿顔呼ばわりに腹筋が割れました。しかし強アイテムを引き当て、かつ上位個体のNPCを倒している点から実力は凄そう。
一参加者のために正座を固定する主催想像すると草。

>闇より産まれし輝き
たぶんパロロワ参戦はこれが一番早いと思います。
完全なるネタ枠ですが、続々と付与される設定や能力といった無限の可能性があるので書くの面白そう。
このロワは2025年までに完結させたいですね。頑張ります。


693 : ◆ytUSxp038U :2020/08/26(水) 16:59:16 0VSSBSoU0
投下します


694 : ソレが残された道 ◆ytUSxp038U :2020/08/26(水) 17:07:59 0VSSBSoU0
「はは…何だよこれ……」

真新しい民家。
その一室で飛電或人は乾いた笑いを漏らした。

大勢を集めての殺し合い。
首輪を付けて人一人の命をゴミのように奪う。
まさしく「悪」と呼ぶに相応しい蛮行だ。
殺し合いが進めば罪の無い人々やヒューマギアが命を奪われるのは間違いない。
ならばこんな所でモタモタしていないで、直ぐにでも殺し合いを止めるべく奔走しただろう。

少し前の或人ならば、の話だが。

「何なんだよ…俺に今更どうしろって言うんだよ…」

あれ程声高に訴えていた人とヒューマギアの共存の道を自ら潰した。
大勢の人とヒューマギア達の信頼を裏切った。
託された願いを無視し、憎悪に身を任せた結果がこれだ。
そんな自分に今更何をしろと言うのか。

力なく床にへたり込む或人だが、ふと、ある言葉を思い出す。

「……願いが叶う…………」

殺し合いに優勝すればどんな願いでも叶えられる。
あの奇妙な空間で、確かにそう言っていた。

「優勝すれば、願いが……」

それはつまり、滅によって破壊された‘彼女’を復活させられるということ。
飛電の社長になったあの日から、秘書としてずっと支えてくれた‘彼女’にまた会える――

――さよなら…

「っ!なに考えてんだよ俺…!」

頭に浮かんだ考えを慌てて打ち消す。
優勝するということは即ち、この地に居る自分以外の全てを殺すという事だ。
今の自分にゼロワンになる資格があるとは思っていないが、だからといって虐殺に手を染めるなど出来るはずが無い。
それこそ人類滅亡を掲げるアークや滅と変わらないではないか。

だから優勝を目指すのは間違っていると、自分に言い聞かせる。


『えー?殺し合いに乗らないの?』


声が聞こえた。
自分の良く知る声が。

顔を上げると女が目の前にいた。
大切な‘彼女’と同じ顔の、しかし‘彼女’とは似ても似つかぬ邪悪な女が。


695 : ソレが残された道 ◆ytUSxp038U :2020/08/26(水) 17:10:06 0VSSBSoU0
「…消えてくれ。お前がここにいるはずが無いんだ」

今この民家には自分一人しかいないはず。
この女は荒んだ己の心が見せる幻覚に過ぎない。
そう吐き捨てる或人へ、女は無邪気な声で告げた。

『もしかして「罪の無い人やヒューマギアを殺すなんでできない!」、なーんて思ってるの?』

うるさい黙れ。
幻なんだからさっさと消えてくれ。

『そんな事考えたって何の意味も無いんだよ?わざわざ私が教えなくたって分かるでしょ?」

何なんだお前は。
幻覚の癖になんでこんなにしつこいんだ。

『だってあなた……迅を破壊しちゃったじゃない』

――…………

『ヒューマギアを守りたいっていう素敵な夢を持っていたのに…。誰かさんのせいで見事にスクラップになってかわいそー」

やめろ。

『あなたの考えを理解してくれて、人類滅亡にも反対してたのになーっ」

やめろ…!

『あっ、かわいそうと言えば滅もだよねぇ。大切な息子を目の前でバラバラにされたんだもん。でも仕方ないよねー」

やめろ…!!

『だって悪いのは先にイズを壊した滅だもんね。だからあなたが滅に同じことをしても……大切な存在を奪うっていうあれだけ憎んでいた奴と同じ風になっちゃっても、仕方ないことだもんね☆』

「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!」

自分を惑わす声をかき消すように、暴れ出す。
手当たり次第に物を投げ、蹴り飛ばし、壊していく。
黙れ黙れ頼むから消えてくれと枯れた声を上げ、偶然手にしたデイパックを激しく振り回し、壁に叩きつける。
その衝撃で口が開いたのだろうか、中身が床に散らばってしまう。

そして、でてきた‘ソレ’を見た。
白いベルトとプログライズキー。

「ぁ……」

思わず後ずさる或人だが、逃げることは許さないとばかりに女の声が囁く。

『願いを叶える為の力ならちゃんとある』
『ねぇ、だから優勝目指してみーんな殺しちゃおうよ。どうせもうゼロワンに戻れる道なんてどこにも無いんだし』
『大丈夫だよ。他の人から責められても、アズだけはあなたの味方だから。ね?アーク様♥』

そして女の姿は見えなくなった。
あれが幻だったのかどうか、最早或人にはどうでもよかった。
脱力したように倒れると、淀んだ瞳で天井を眺めた。

「爺ちゃん……父さん……イズ……」

大切な者達の名を、助けを求めるように呟く。
返事は返ってこない。当然だ、皆もうこの世にはいないのだから。

「俺は……どうすれば……」

答えを示してくれる者はどこにもいない。
今の自分には殺し合いに乗る以外に道は無いのか。
間違っているはずなのに、さっきのように強く否定できなくなっている。

一人ぼっちで迷い続ける或人の傍らで、ドライバーが怪しく光っていた。

【飛電或人@仮面ライダーゼロワン】
[状態]:精神疲労(大)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、アークドライバー ワン&アークワンプログライズキー@仮面ライダーゼロワン、ランダム支給品0〜2(未確認)
[思考・状況]:基本行動方針:???
1:俺はどうすれば……
[備考]
参戦時期は43話終了後。

【アークドライバー ワン&アークワンプログライズキー@仮面ライダーゼロワン】
仮面ライダーアークワンに変身する為のツール。
プログライズキーにはアークの概念がライダモデルとして組み込まれている。
またアークが破壊された後もアズの手で量産されている。


696 : ◆ytUSxp038U :2020/08/26(水) 17:11:06 0VSSBSoU0
投下終了です


697 : ◆NIKUcB1AGw :2020/08/26(水) 21:27:42 Kwbs.Hts0
投下します


698 : ああっ女神さまっ ◆NIKUcB1AGw :2020/08/26(水) 21:28:48 Kwbs.Hts0
「バトルロワイアルか……。
 いや、懐かしい! かつてはうちの板でも、乱立と言われるレベルで行われていたのだがな!」

森の中で、まだ幼さが残る少女が独りごちる。
否、それは独り言ではない。
彼女には、会話の相手となる存在がいた。
それは彼女の胸ポケットから顔を出す、手のひらサイズの少女だった。

「なんかめっちゃ余裕ですね、閣下……。
 いちおう、命かかってるんですけど……」
「所詮私は、数多の平行世界に存在する『ハルトシュラー』の一人に過ぎないからな。
 私が死んだところで、ハルトシュラーという存在が消えることはない」
「そりゃまあそうですけど……」

彼女の名は、ハルトシュラー。
かつて2chの創作発表板で生まれた、「創作の女神」である。
そしてポケットの少女も、同じく創作発表板で生まれたキャラクター……ハサミの付喪神「はさみさん」である。
なお、彼女はハルトシュラーに支給された意志持ち支給品という扱いだ。

「それでこれからどうするんです、閣下」
「まあ、そう焦るな。まずはこの世界における私の力を確認しておこう」

そういうと、ハルトシュラーは目をつぶって意識を集中し始める。
程なくして、彼女の外見に劇的な変化が起きる。
幼い少女だったその肉体が、一気に大人の女性にまで成長したのである。
なお、服もそれに合わせて大きくなっているのであしからず。

「これはできるのか。では、次だ」

ハルトシュラーはデイパックから支給された剣を取り出し、目の前にあった木に斬りつける。
木は、ものの見事に両断された。

「なるほどな……」

納得したように呟くと、ハルトシュラーはまた少女の姿に戻る。

「何かわかりました?」
「姿は自由に変えることができる。
 だが、剣術の技術を身につけたり筋力を上昇させたりはできなかった。
 こうも見事に木が斬れたのは、武器の力だな」
「直接的に殺し合いを有利にするような設定は生み出せないってことですね」
「そういうことだろうな」

はさみさんの言葉に、ハルトシュラーは嬉しそうにうなずく。

「なんか、楽しそうですね……」
「そうかもな。ああ、別に能力を抑えられているのが楽しいのではない。
 新たな物語に参加できるのが楽しいのだ」
「殺し合いなんですけどね……」
「ジャンルで創作に優劣をつけるつもりはないさ。
 大事なのは、そこに込められた思いだ」

そこまで言うと、ハルトシュラーは唐突に空を見上げた。

「そういうわけだ。君にも期待しているぞ、創作者よ」


【S.ハルトシュラー@創作発表板】
[状態]健康
[装備]破壊の気を纏いしはやぶさの剣@ドラゴンクエストモンスターズ+、はさみさん@創作発表板
[道具]基本支給品、ランダム支給品0〜1
[思考]基本行動方針:登場人物として、物語を創作させてもらおうか
[備考]
自分の設定を自由に創作することができますが、直接的な戦闘力の上昇などは制限されているようです。


【破壊の気を纏いしはやぶさの剣@ドラゴンクエストモンスターズ+】
サマルトリアの王子・サトリが使用する剣。
絶大な攻撃力と、2回攻撃の特性を併せ持つ。
元ネタは有名なバグ技、「はかぶさの剣」。


【はさみさん@創作発表板】
意志持ち支給品で、ハサミの付喪神。
見た目は燕尾服を着た三つ編みの少女で、両脚がハサミになっている。
今回は、普通のハサミと同程度のサイズ。


699 : ◆NIKUcB1AGw :2020/08/26(水) 21:29:55 Kwbs.Hts0
投下終了です


700 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/26(水) 21:45:50 WUVw1ipU0
投下させていただきます。


701 : 少年は今、戦士に変わる ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/26(水) 21:47:23 WUVw1ipU0
ここは会場内の森林地帯、地図上でロンリー・ロッジと呼ばれる場所

そこに、涙を流しながら走っている少年がいた。

少年の名前はポコ、かつてある青年らとともに吸血鬼と戦った少年である。

そんな彼が、なぜ泣きながら森の中を走っているかというと、それは少し前のこと……

------------------------
ここはある森の中、そこには無数のゴブリンたちに囲まれた状態の小屋があった。

「ポコ、お前はここから逃げて助けを呼んできてくれ」

その小屋の中で、異様に長い鼻をした男が少年にそう言った。

「ウソップ兄ちゃん、本当に大丈夫なの?」

少年が、ウソップにそう聞いた。

「当たり前だ!俺は勇敢な海の戦士、こんな奴らなんて本当はチョチョイのチョイで倒せるぜ!」

そういう彼の足はあり得ないくらいガクガクに震えていた。

「……本当に大丈夫?」

「だだだ、大丈夫!これはただの武者震いだ!」

少年が再度ウソップに対し質問をしたが、彼は自分の震えを武者震いだとごまかした。

そうしていると、彼らのもとに女性が近づいてきた。

茶色い髪を後ろで束ねた、優しげな雰囲気をした女性だった。

「心配しないで、お姉ちゃんたちは大丈夫だから、早く行って」

彼女はポコにそう言った。自分たちは大丈夫だから早く逃げて、とそう言った。

そしてポコは……

「姉ちゃん……ごめん!」

そう言って、裏口を使って小屋から脱出した。

そうして、小屋の中には女性とウソップだけが残った。

そして不意に、女性がウソップに話しかけた。

「ウソップさん、本当は分かっているのでしょう?ここにいたら助かる見込みが薄いことに……」

彼女はウソップにそう言った。このままこの小屋に残っていては、ゴブリンたちによって殺されるということを。

「……ああ、俺はうそつきだからよ。ついついアイツにウソを言っちまった」

それに対しウソップは、それを承知の上でここに残ったと、そう話した。

「……優しいんですね」

「よせやい、照れちまうよ」

そうして彼らは、小屋に向かいつつあるゴブリンたちを少しでも引き付けるために武器を取り出した……。


702 : 少年は今、戦士に変わる ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/26(水) 21:49:04 WUVw1ipU0
------------------------
そして舞台は現在へと戻り……

(ウソップさん、姉ちゃん……あの二人、俺を助けるためにあんなウソを……)

ポコは、彼らのついた嘘を見抜いていた。

自分を助けるために、嘘をついてまで自分を逃がそうとしてくれたことに気づいていた。

(……このまま彼らを見殺しにしていいの?)

逃げる途中、彼はそう思った。

このまま彼らを見殺しにして自分だけ生き残って、それでいいのかと、彼はそう思ったのだ。

(しかし俺に戦う力なんて……いや、勝てそうにないからって、ジョナサンが諦めたか?)

戦う力がないからとあきらめそうになっていた彼だったが、彼は思い出した。

かつて自分たちを助けてくれた、あのジョナサンのことを。

彼はどんな時でもあきらめようとはせず戦い続け、そしてあのディオを倒したのである。

(そうだ……たとえ勝てそうにないからって、諦める理由にはならないんだ……!)

そして彼は自分が持っていたバッグの中をあさりだした。自分でも何かできることがあるはずだと、そう考えて。

そうして彼は見つけ出す。彼らを救うことのできる『力』を……。

それは奇妙なベルトと、牛の絵が描かれた板状のものだった。

ポコはそれらについていた説明書から、これを使えばウソップたちを助けられると確信した。

「兄ちゃん……姉ちゃん……あしたって、いまさ!」

そう言って彼はバッグから取り出したベルトを着け、前方についた穴の中にに牛の絵が描かれたものを差し込んだ。

そして彼は…………。
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一方そのころ、ウソップたちのいる小屋では……

「くそう、玉も使えそうな小石ももう残ってねえ!すまねえけど、そっちは大丈夫か!?」

ウソップが女性にそう言った。彼の持つパチンコで飛ばせるものがなくなり、彼女の方はどうなっているかを聞いていた。

そして女性の方も……

「すみません……もう私の方も、矢が尽きてしまって……。打つ手なしの状態です……」

自分の方でも矢が尽きてしまって、ゴブリンたちを遠距離で攻撃する方法を失ってしまったと答えた。

「……仕方ねえ、できる限りのことはやって見せるから、アンタも逃げなよ」

「ウソップさん!」

ウソップはバッグからハンマーを取り出したあと彼女に、自分がしんがりを務めるから逃げろと、そういった。

「そんな訳にはいきません!最後まで一緒に戦います!」

「馬鹿を言うな!ここでアンタを助けられなきゃ、俺は……俺自身が許せねえんだ!」

彼女はウソップのその決断に異を唱えたが、ウソップはそれに怒った。

アンタを助けられなきゃ、自分で自分が許せなくなると、そう言ったのだ。

そうしていると小屋の扉が破壊され、ゴブリンたちが入ってきた。

「ややや、やれるもんならやってみやがれ!俺にはお前たちがかなわないようなやつを仲間にしているんだぞ!」

そういってウソップは、体を震わせながらハンマーをもってハッタリをかましながら彼らに立ち向かった。

しかしその瞬間、ゴブリンたちの背後から強い風が吹いてきた。

そしてゴブリンたちが後ろを振り返ると……

―― そこには、赤い角をした鋼鉄のミノタウロスが立っていた。

そのミノタウロスは剛腕でもってウソップたちに襲い掛かったゴブリンたちを薙ぎ払い、彼らを助けた。

そしてまだ小屋の周りに残っていたゴブリンたちへ、背中から炎を吹き出しながら突進をしていったのだ。

まるで重機関車が突っ込んできたかの衝撃で先ほどまで集まっていたゴブリンたちは蹴散らされ、残されたものは森の奥へと逃げていった。

それを確認した後、ミノタウロスはウソップたちの方へと歩き出した。

ウソップが女性をかばうように前に立つと、突如としてそのミノタウロスが喋りだした。

「姉ちゃん、兄ちゃん、良かった……無事だったんだね」

「ポコ!お前戻ってきたのか!それに、その姿は……?」

「ああ……バッグに入っていたベルトに牛の絵が描かれたもののを差し込んだらこんな姿になったんだ!」


703 : 少年は今、戦士に変わる ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/26(水) 21:49:26 WUVw1ipU0
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こうしてこの少年、ポコは自分を助けようとした二人をゴブリンたちから助け出した。

彼にも受け継がれたあの『黄金の精神』が、勇気を奮い立たせてくれたのだ…………。

彼は勇気により『只の少年』から、『戦士』になったのだ……!


【ポコ@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:健康
[装備]:レイドライザー&クラッシングバッファロープログライズキー@仮面ライダーゼロワン
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:この殺し合いを、絶対に止めてみせる。
1:あのときのジョナサンのように、みんなを助ける。
[備考]
参戦時期は第一部終了後。


【姉@ゴブリンスレイヤー】
[状態]:健康
[装備]:クロスボウ(残弾数:0/30本)@現実
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:死にたくないが、殺し合いに乗るつもりはない。
1:もしかして、弟(10年前のゴブリンスレイヤー)も巻き込まれているの……?
2:ポコ君……その姿は一体……?
[備考]
参戦時期は自分の弟を床下に隠し、隣の部屋でゴブリンたちに襲われた瞬間。
ポコの変身した姿を、一種の魔法またはマジックアイテムによるものだと思っています。


【ウソップ@ONE PIECE】
[状態]:健康
[装備]:ハンマー@現実、パチンコ(残弾数:0/50発)@現実
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1
[思考・状況]基本行動方針:麦わらの一味として、非道な行いはしない。主催者を打倒する。
1:ルフィやゾロたちが巻き込まれていないか不安。
2:今ここでこいつら(ポコ、姉)を見捨てちまったら、俺はアイツらに合わせる顔が無え!!
3:ポコ……おまえは勇敢な男だよ!
[備考]
参戦時期は新世界篇に入る直前、シャボンディ諸島に向かう前。
ポコが変身した姿を、『悪魔の実を食べたベルト』を付けたことが原因だと思っています。


【レイドライザー&クラッシングバッファロープログライズキー@仮面ライダーゼロワン】
 「レイダー」と呼ばれる怪人に変身する為のツールとバッファローの概念がライダモデルとして組み込まれたキーのセット。
 この二つを合わせて一つの支給品としてカウントされている。

 レイドライザーのスリットにプログライズキーを”展開せずに”差し込むことで変身できる。

 強い力を持つ半面、対象の恐怖心を軽減させるために破壊衝動や負の感情を呼び起こす効果があるため、
 それに見合う強い心がなければ暴走してしまう『危険な兵器』でもある。

 なおレイドライザー自体はバッファロー専用というわけではないため、別のプログライズキーを差し込んでも変身は可能。


【パチンコ@現実】
 正式名称はスリングショット。握りから角状に出る2本の棒にゴムを取り付けたもので、人力をもって引き伸ばして玉や小石を発射する武器。

 玩具としての印象が強いが、元々は狩猟用の道具であったためかなりの威力を誇る。


704 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/26(水) 21:49:48 WUVw1ipU0
投下終了です

ありがとうございました。


705 : ◆2dNHP51a3Y :2020/08/26(水) 22:09:58 oLykySKc0
投下します


706 : Alice in the BattleRoyale ◆2dNHP51a3Y :2020/08/26(水) 22:10:22 oLykySKc0
「また、か」

男は、この異常な状況をまるで日常茶飯事とも表すかのように感じ、一言呟く
いや、男にとってある意味これは日常の一つだ。「巻き込まれる」ことには慣れてしまったのだから

「ゆらぎ」と呼ばれる時空の歪曲現象。それによって別世界に飛ばされ、様々な出来事に巻き込まれる。
男、有栖零児にとってはある意味慣れてしまった出来事だ

そして、今回巻き込まれたのはバトル・ロワイアルなる悪趣味な催し物だ。数多の世界から参加者をかき集め、このような首輪を付けさせられ、殺し合いをさせられる

「……全く、今回もまた面倒なことに巻き込まれたものだ」

非日常も慣れてしまえば日常となりうる。だが、これはこれで異常というものでもある。首輪をつけられ、殺し合えなどと

「……何をするにしろ。この首輪をなんとかしない事には、どうにもならないか」

有栖零児にはこんな殺し合いに乗る気などまったくない
ただし、勿論のこと殺し合いに乗り、それでいて対話の余地なしな相手には容赦をするつもりもない

だが、主催への反逆に一番の壁となるのがこの首輪だ。それに「人を殺さずに一定時間が経過すると自動的に首輪が爆発する」というのもかなりの曲者である
そのため、殺し合いに乗らない方針を取るには、この首輪を取り外さず他ないというものだ
それ以前に、有栖零児が知りうる物質界、幻想界、魍魎界、魔界、神界。更に他の平行世界や並列世界まで引っくるめて参加者となる人物たちを集めた主催の規模こそ真に警戒するべき事実だ

恐らく、自分たち特務機関・森羅や、それと対立している組織『逢魔』よりも遥かに上の技術力を持った組織か、単体で次元規模の力を持ちうる『個人』か
そもそもの話、一部参加者が首輪をどうにかして外す、という前提の上での『何か』を仕掛けている可能性すらもあり得る

『蠱毒』という言葉がある。壺の中に毒蛇、毒蟲を入れ蓋をする。壺の中の蛇や蟲はそのうち食い合いをはじめ、最後まで生き残ったモノは『最も強い呪いの力』を得るという
日本においては魘魅と並び、最も恐れられた呪法の一つとして有名である。これを人間同士で行った逸話としては有名なものは両面宿儺だ

だが、この場合。主催が重要視するのはどちらか、である。唯一生き残ったモノが重要なのか。
それとも死骸の方が重要なのか。後者の場合であれば、『死した魂』が何かしらに関わってくる可能性がある

はたしてこの殺し合いを開いた連中は、この会場という名の壺を用意し、参加者という名の蟲を放り込み、真に何を企んでいるのか
ただ殺し合いを見たいだけなのか、はたまた死した魂を以ってして何かを為そうとするのか、それとも優勝者を何かに利用するか―――もしくは、この殺し合いの催し自体が、『囮』にして『時間稼ぎ』でしかないのか

「………深く考えすぎるのも、難儀なものだな」

数多の次元を渡り、5度も世界を救う結果となった有栖零児からすれば、思い当たる節がありすぎて、いざ考えれば深く入り込んでしまう

「……何にせよ、一人で出来ることなどたかが知れている。誰でもいいとは言わんが、協力者が欲しい所か」

まずは焦らず、人探しの方針だ。小牟か裏嶋博士がいる可能性にかけるのが一番であるが、最悪逢魔の連中……もしかすればこの殺し合いのためだけに沙夜が蘇らせられている可能性まである
『誰がいるのかわからない』という情報面での不足も、壁の一つとして立ちふさがる

協力者、と言ってもなるべくは殺し合いに乗らない人物と出会えるのが一番であるのだが
殺し合いには乗らずとも多少危険な人物とも出会う可能性はあるため、ある程度のリスクを覚悟しなければならない

「……流石にこれだけでは心もとないが、文句はいってられんな」

そう呟きながら、鞘に仕舞っておいた木刀を取り出し、それを眺める。支給品の一つ、『神木黒那岐丸(しんぼく・くろなぎまる)』
漫画『閉鎖区underground-dark night-』における、結社「荒塵」のリーダーである弥勒寺優夜の愛刀だ。衝撃波だけでなる氷も出せるというのは中々のものだが、零児の戦闘スタイルは刀と銃の両方を扱う、所謂ガン・カタだ。故に刀一本だけでは本領を発揮できないというもの

一旦木刀を鞘にしまい、歩き出す。このエリアはソルティ・スプリングスと呼ばれる、簡単な住宅団地のエリアだ。そんなエリアの中に一際目立つ、ショッピングセンターらしき建物にたどり着く

「ぬ……?」
「……えっ、誰?」

自動ドアがゆっくりと開いた先には、何故か季節外れにも程があるサンタの格好をした黒髪ロン毛の男性と、何故か所々白い液体らしきもので塗れたブレザーを着た黒髪セミロングの少女の姿があった


707 : Alice in the BattleRoyale ◆2dNHP51a3Y :2020/08/26(水) 22:11:09 oLykySKc0
◯ ◯ ◯

「……桂小太郎に愛崎亜美か。俺は有栖零児という」
「零児さん、ですね。こちらこそ宜しくおねがいします」
「こちらからもだ、零児殿。貴公のような主催への反逆を望む同朋と出会えたこと、感謝する」

男の方は桂小太郎。黒船では無く天人なる宇宙人がやってきた平行世界の日本において、倒幕のためにテロ活動を続けている『狂乱の貴公子』
少女の方は愛崎亜美。とある出来事を気に自らに宿る超能力の力を自覚、他界前の叔母に手渡されたお菓子箱の中に入っていたノートを見たことを機に、人知れず街のみんなを守る活動をしている『サイキッカー』

「……所で桂、どうしてサンタの恰好なんだ」
「サンタの回でずっとスタンバってました」
「いや待て、サンタの回とは何なんだ」
「詳しく知りたいのならアニメ銀魂第200話『サンタクロースの赤は血の赤』及び第201話『人類みなサンタ』をだな」
「誰がアニメの宣伝をしろといった」

軽く自己紹介も済んだ所で、まず桂が何故サンタの恰好をしているのか突っ込む零児であったが、色んな意味でわけのわからない返答に加えアニメの宣伝をされてさらに突っ込む

「……そしに、愛崎の方は、なんだその白い液体。だいたい察しはつくが」
「……あー。そこは気にしないで。最悪なタイミングで呼ばれた弊害というか。……せめて呼び出すなら風呂の後にしてほしかったわ」

零児の質問に、少しばかり顔を背け言葉を濁す
実は彼女、ここに呼ばれる前に女子高生誘拐の強姦事件に巻き込まれており、そこで見た少女の強姦現場や初めて見る男のイチモツを目撃した動揺が尾を引き、結果として強姦事件の元凶であるレイプ魔AVの集団にとっ捕まってしまう。
亜美が超能力を発揮するにはそれなりに落ち着いた精神、平常心が必要であり、混乱すると精神波が乱れ超能力が上手く使えなくなる、さらに言えば両手を自由に動かせないと力のコントロールすらままならない
結果、亜美はレイプ魔たちにAVの撮影として散々犯された。だが、いつの間にか両手が自由になっていたおかげですきを突いてレイプ魔達を一掃。精液塗れのベタベタをお風呂で洗い流すために家にテレポート使用としたら……この有様である

元々正義感の強い亜美はこんな殺し合いなんて絶許の絶許。だけどこんなベタベタ状態では気持ち悪すぎて気が滅入ってしまうため、このショッピングセンター内で変わりの服を拵えようとした時に出会ったのがこの桂小太郎だ
当初は桂のことをレイプ魔集団の仲間かなんかと勘違いして反射的にサイコキネシスを使ってしまったが、お互い冷静になり誤解は解決。その直後に有栖零児がやってきて今の状況に至るのである

「……まあまあ落ち着くのだ零児殿。亜美殿も亜美殿で色々と事情があるのだ……風俗での学生プレイとか」
「なんでそういう発想!? なんで風俗!? 仕方ないから身体売ってそうな言い方やめてくれません!?」
「何を言う、その年でそのような目にあっても平常心を保てるのは、恐らく相応の経験を詰んで」
「サイコキネシス!」

桂のバカさ全開の発言にブチギレ、亜美は思わずサイコキネシス発動。ヅラの身体に棚の一つが直撃し吹き飛ぶ

「……止まるんじゃ……ないぞ……」
「止まってください。永遠に止まっといてください」

どこかで見たことがあるポーズで倒れながら呟く桂に、出荷される養豚場の豚を見る目をしながら吐き捨てる亜美。その光景を見た零児は

「……こりゃ、前途多難だな」

と、これから待ち受けるであろう珍道中を思い浮かべながら、ため息を付くのであった


【有栖零児@PROJECT X ZONE2 BRAVE NEW WORLD】
[状態]:健康
[服装]:いつもの服装
[装備]:神木黒那岐丸@Re:CREATORS
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2(確認済み)
[思考]
基本:殺し合いに乗るつもりはない
1:協力者達を集める
2:首輪を外す手段を講じたい
[備考]
※本編終了後からの参戦です

【桂小太郎@銀魂】
[状態]:健康
[服装]:サンタ服
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜3
[思考]
基本:主催を倒し、殺し合いを終結させる
1:殺し合いに乗った参加者へはその都度適切な対処をしていく
[備考]
※サンタの回でスタンバってた頃からの参戦です

【愛崎亜美@サイキッカー亜美】
[状態]:健康
[服装]:ブレザー姿(精液塗れ、ノーブラ、ノーパン)
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜3
[思考]
基本:こんな殺し合いなんて許さない
1:さっさとシャワー浴びて着替えたい
[備考]
※レイプ魔集団を倒し帰路についた後からの参戦です


708 : ◆2dNHP51a3Y :2020/08/26(水) 22:11:21 oLykySKc0
投下終了です


709 : ◆OmtW54r7Tc :2020/08/26(水) 22:11:56 wbil6itw0
投下します


710 : ロトの奇妙な冒険 ◆OmtW54r7Tc :2020/08/26(水) 22:13:06 wbil6itw0
「ゾーマ…これがお前の言っていた闇だというのか?」

殺し合いの舞台に巻き込まれた一人の少年は、呟く。
彼の名はアルス。
大魔王ゾーマを倒し、二つの世界を救った勇者だ。

ゾーマは言っていた。
光があるかぎり闇もまたあると。
再び何者かが闇から現れると。

「何がその頃にはお前は年老いて生きてはいないだよ…あれから2週間しか経ってないぞ。世界弱すぎだろ…」

あまりにも早すぎる新たな闇の出現に思わず愚痴ってしまう。
とはいえ、嘆いていても仕方ない。
新たな闇が現れたというのならば…自分のやることは一つ。

「勇者として…この殺し合いという闇を、光で照らして見せる!」

かつてゾーマを倒した剣、【王者の剣】を天に掲げ、勇者アルスは再び立ち上がるのだった。


「えっ!?その剣は!?」


そんな決意の言葉の直後、背後からの声にびっくりしつつ振り向く。
そこにいたのは…

「なっ!?」

アルスは驚きの声をあげる。
一瞬、鏡でも見たのかと思った。
それくらいそっくりな人物が目の前にいた。
しかし、よく見てみればその人物は…女の子だ。
だが、その服装と容姿は…自分にそっくりだった。

「へ!?」

驚いているのはアルスだけではなかった。
少女もまた…アルスの姿を見て驚いていた。

「ど、どういうことなの…私にそっくりな男の人が、私の剣を持ってるって…どういう状況なの」
「な、何を言ってるんだ君は。これは僕の剣だ。この手触り…間違いなく、ゾーマを倒したあの剣だ」
「私だってその剣でゾーマを倒したんだけど…」


「……………」
「……………」


両者ともに、信じられないものを見るような目でお互いを見つめていた。
しかし、二人とも頭の回転はよかった。
すぐに頭の中で状況を理解した二人は…


「どういうことだ!?」
「どういうことよ!?」


711 : ロトの奇妙な冒険 ◆OmtW54r7Tc :2020/08/26(水) 22:14:14 wbil6itw0
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

「…とりあえず自己紹介。アリアハンの勇者、アリスよ」
「同じくアリアハンの勇者、アルス…名前は違うんだな」

自己紹介を終えた二人は、その後、元の世界での旅路についての復習をすることにした。
どちらも、相手が自分の偽物であるという可能性を疑っていたのだ。
だから、勇者としての旅路について、交互に話していこうという話になったのだ。
話の中で、食い違いがあれば、相手のことを偽物だと断じることができたのだが…

「…旅の仲間の編成が違うこと以外、僕の旅と違ってるところがほとんどない」
「…成りすましの偽物にしては、詳しすぎるわ。どうやら…認めるしかないみたいね」

その結果として、アルスもアリスも、認めるしかなかった。

「つまり、君は僕で」
「あなたは私ってことなのね」

事実を認識し、再び二人はお互いをまじまじと見つめる。
そしてしばらくすると、女勇者…アリスの方がニッと笑みを浮かべた。

「へえ〜、そっかあ、つまりあなた、私の男バージョンってことなんだ。へえ〜」
「う、嬉しそうだな…」
「うん!だって、ある意味私の理想に出会えたようなものだもの!」
「理想?」
「…私、親の教育方針で男の子みたいに育てられてきたからさ。私自身もそういう意識が今でも強いんだ。だから、男に生まれたかったなあってずっと思ってたの」
「なるほど、それで僕が理想…ね」

アルスは改めてアリスを見つめる。
なるほど確かにその容貌は女性らしさよりも少年らしさが強いようにも思える。
自分に似てるような印象を受けたのもそのせいかもしれない。
とはいえ、女性として見ても決して見劣りする容姿ではないし、それに男の自分にはない膨らみも…

「…男のように育てられたとはいっても、そういう視線に無頓着なわけじゃないからね」
「…ごめんなさい」


712 : ロトの奇妙な冒険 ◆OmtW54r7Tc :2020/08/26(水) 22:15:16 wbil6itw0
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

「あ、そうだ。ねえあなた、私と同一人物だっていうなら、もしかして」

そういうとアリスは、自分の持っていた剣を取り出した。

「この剣を握って、何か感じない?」
「?…見覚えはないが」

とりあえず言われるまま、その剣を握ってみると…

「!…これ、どういうことだ?確かに始めてみる剣のはずなのに…この感触は」
「やっぱりあなたも感じるのね」
「ああ、間違いない…これ、ゾーマを倒した剣だ」

その剣の名は、【ロトの剣】。
何百年も経ち、古びて姿形が変わってしまっているものの、間違いなく、かつて彼らがゾーマを倒した剣だった。

「性別の違う同一人物、おそらく時代の違う同一の剣…わけが分からないわね」
「…とりあえず、これは僕が持つから、アリス、君はこっちの僕が持ってた剣を使うといい」
「いいの?古いからなのか、その剣、威力も性能も下がってるみたいよ」
「ああ、同一人物とは言っても、腕力は男の自分の方が上だろうし、威力の高いこの剣は君が持つべきだ」
「むっ、勝手に決めつけないでよ」

力が下と言われて、ムッとするアリス。
どうやらアルスの述べた理由が、気に入らないようだ。

「そんなこと言うなら、腕相撲で決めましょう!勝った方が父さんの剣。負けた方がゾーマを倒した剣を持つのよ!」
「へえ、面白い…勝負だ!」


…1分後、そこには項垂れるアルスの姿と、喜びの表情を浮かべるアリスの姿があった。
結果、剣は交換せずそのままとなった。


【アルス(男勇者)@ドラゴンクエスト3】
[状態]:健康
[装備]:王者の剣@DQ3
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2
[思考・状況]基本行動方針:勇者として、殺し合いを止める
1:お、女の子に負けた…
2:アリスと行動する
[備考]
性格は不明ですが少なくともアリスよりは力が下です


【アリス(女勇者)@ドラゴンクエスト3】
[状態]:健康
[装備]:ロトの剣@DQ1
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2
[思考・状況]基本行動方針:勇者として、殺し合いを止める
1:女だからってなめないでよね!
2:アルスと行動する
[備考]
性格は【おとこまさり】です。

【王者の剣@DQ3】
DQ3の勇者専用武器。
勇者の最終武器になる可能性が高い関係上、後述のロトの剣である可能性が高いとされている。

【ロトの剣@DQ1】
DQ1の最強武器。
太古の昔、勇者ロトが使っていたとされる伝説の剣。


713 : ◆OmtW54r7Tc :2020/08/26(水) 22:16:06 wbil6itw0
投下終了です


714 : ◆OmtW54r7Tc :2020/08/26(水) 22:24:00 wbil6itw0
あ、>>712の最後のアリスのとこの台詞、父さんの剣ってなってるの、オルテガの兜を剣と勘違いして書いてた時の名残です(当初は王者の剣の代わりにオルテガの剣を支給予定だった)
この台詞の部分だけ修正です

「そんなこと言うなら、腕相撲で決めましょう!勝った方が古い方の剣(ロトの剣)。負けた方が私たちが使ってた剣(王者の剣)を持つのよ!」


715 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/26(水) 22:31:34 WUVw1ipU0
すみません、わたくしの方も訂正です。
>>702 の最終行に誤字がありましたので、以下の内容に訂正をお願いします。

「ああ……バッグに入っていたベルトに牛の絵が描かれたもののを差し込んだらこんな姿になったんだ!」
 ↓
「ああ……バッグに入っていたベルトに牛の絵が描かれたものを差し込んだらこんな姿になったんだ!」


716 : ◆2dNHP51a3Y :2020/08/26(水) 22:34:07 oLykySKc0
こっちも誤字がありましたので訂正します >>707
「……そしに、愛崎の方は、なんだその白い液体。だいたい察しはつくが」

「……それに、愛崎の方は……なんだその白い液体。だいたい察しはつくが」


717 : ◆ytUSxp038U :2020/08/27(木) 08:48:07 gMPrgisU0
投下します


718 : バトロワだよ!あげるくん ◆ytUSxp038U :2020/08/27(木) 08:49:29 gMPrgisU0
「殺し合い?うわー!めっちゃ面白そう!」

妙に高いテンションではしゃぐ帽子を被った少年。
彼の名はあげるくん。
普段からネットに動画を違法アップロードしているとんでもないガキである。

「ドラマやアニメなんかよりもウケるぞこりゃあ。動画に撮って皆に見せなきゃ」

彼には殺し合いへの恐怖は無く、むしろ皆の為というお題目でこれから起こる惨劇の動画をネットにあげる事しか頭に無かった。
幸運なことにデイパックからはビデオカメラが出て来た。

「よーし、早速撮影だ!皆の為に僕は危険を冒すのです」

準備完了したあげるくんは意気揚々とバトルロワイアルの撮影に乗り出した。
もしもここに普段から警告している犬のトメ吉がいたら、「だめだこいつ」と呆れていたことだろう。

【あげるくん@違法だよ!あげるくん】
[状態]:健康
[装備]:ハンディカム@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]:基本行動方針:殺し合いを撮影してネットに上げる
1:面白そうな場面を撮る

【ハンディカム@ジョジョの奇妙な冒険】
セッコが作中で使っていたビデオカメラ。
主にチョコラータの指示で色々と撮影していた。


719 : ◆ytUSxp038U :2020/08/27(木) 08:50:20 gMPrgisU0
投下終了です


720 : ◆j1W0m6Dvxw :2020/08/27(木) 13:54:12 HcU/MeLo0
投下させていただきます。


721 : ◆j1W0m6Dvxw :2020/08/27(木) 13:54:46 HcU/MeLo0
プレザント・パークにある某ドトールコーヒーに良く似た喫茶店。
そこのオープンテラスに風変わりな三人組が集まっていた。

一人は白いスーツと黒いネクタイを着こなしたダンディな青年。
一人は濃いピンク色の髪をポニーテールにした中学生くらいの少女。
そして最後の一人は、色黒の肌に赤いつなぎの服、黒いマントを身に着けた堀の深い顔の男性。

彼らはこの殺し合いの舞台に到着してすぐに出会い、互いに殺し合いを良しとしていないことを告げた後、
情報交換のためにこの喫茶店に腰を下ろしたのだ・・・が、

「ん〜・・・『プリキュア』に、『幻影帝国』か・・・悪いけど、一度も聞いたことがないな」
「同感だな。そのような事実があるのなら、GOD機関が把握していないなどまずありえない」
「そ、そんなぁ〜!私、嘘なんか言ってませんよ!」

少女―愛乃めぐみの語った話は、青年―アポロガイストと男性―ディーゴ・近藤にとって、まるでアニメか漫画のような内容だったのだ。

曰く、『幻影帝国』と呼ばれる一団が『サイアーク』という怪物を操って世界中で暴れている。
曰く、その対抗手段として『プリキュア』と呼ばれる少女たちが世界中で戦っている。
曰く、自分は日本の『ぴかりが丘』担当のプリキュアの一人・・・etc、etc。
とても信じられるような話ではないと二人は感じていた。

しかし、

「それにそれを言ったら、ディーゴさんやアポロガイストさんの話だって、私聞いたことありませんよ!」
「む・・・確かにそれはそうだが・・・」
「まぁ、否定はしないがな・・・」

めぐみからすれば、ディーゴやアポロガイストの話の方が何倍も信じがたいものだった。
ディーゴの語る『アーウィン家』という人々を中心に600年に渡って太陽系を統治している太陽系管理機構『ドメスチック・バクーフ』、
アポロガイストの語る改造人間を使って日本壊滅を企む秘密組織『GOD機関』と、それと敵対する『仮面ライダーX』・・・
どれもこれもおとぎ話のような物ばかりだ。

普通なら嘘を言っているか、正気を失っているかのどちらかだと思われるだろう。
しかし、こんな状況でおとぎ話のような嘘をつくメリットなど無いし、
実際にアポロガイストは怪人態へと変身してみせたのだ。

「ところでめぐみ君、今何年だかわかるかい?」
「えっ?2014年じゃあないんですか?」

ディーゴからの何気ない問いに、めぐみは首をかしげながら答えた。

「ふむ・・・」

めぐみからの答えを聞いて、ディーゴは鼻を掻いた。

「俺がここに連れられてきた時の日付は28世紀・・・2700年だったんだが・・・」
「・・・えっ?」

ディーゴの呟きにめぐみは目を丸くした。
続いてアポロガイストが言った。

「私の場合は1974年だったぞ」
「「「・・・・」」」

それぞれの発言の後、オープンテラスを沈黙が包んだ。そして誰とも無く口を開いた。

『どういうこと(だ)?』


722 : ◆j1W0m6Dvxw :2020/08/27(木) 13:55:14 HcU/MeLo0
三人は困惑していた。
知識や常識だけでなく、時間の認識まで異なっている。一体どういうことか?
そこにアポロガイストがある仮説を出した。それは・・・

「まさかとは思うが・・・あの主催者はタイムマシンのような物でも持っているんじゃないだろうな?」
「あ、なるほど!」

アポロガイストの出した仮説にめぐみは納得するが、逆にディーゴは余計に困惑していた。

「いや、だとしてもだ・・・俺の知る限り、『2014年にプリキュアと幻影帝国が世界中で戦っていた』なんて、
俺の時代の歴史の本には書いてないぞ?」

そう、もしめぐみの言う通り2014年に世界中でプリキュアと幻影帝国が世界中で戦っていたのならば、
28世紀の歴史の本にも書かれていてもおかしくないのに、
ディーゴはめぐみの話を聞くまで『プリキュア』について全く知らなかった。

「となると・・・為政者によって歴史が改ざんされているか、あるいは・・・」

アポロガイストは顎を擦りながら考えを巡らせ・・・更なる仮説を出した。

「・・・この殺し合いの参加者達は、『パラレルワールド』から集められているか、だな」
「『パラレルワールド』だと?」
「・・・ってSFとかに出てくるあの?」

突拍子も無いが、確かにこの状況を説明するには他に良い考えなど皆無だった。
GOD機関と仮面ライダーXが戦っている世界。
プリキュアと幻影帝国が戦っている世界。
『ドメスチック・バクーフ』によって地球のみならず太陽系全体が統一されている世界・・・。
少なくとも今この場に居る三人は、それぞれ三つの異なる世界から連れて来られたとしか言いようが無い。
これならば時間認識のズレや環境などが違っていることも納得がいくが・・・
流石に現実離れした発想だった。

「まあ、殺し合いを強要されとるという、今の状況からしてあり得ないしな」
「あははは・・・」

ディーゴの言葉にめぐみは乾いた笑いを漏らした。

◆◆◆◆◆◆

「さて、情報交換も済んだところで・・・二人とも、支給品の確認はしたのか?」
「あっ!そういえば、まだ見てなかった!」
「俺も、ここについてすぐに君たちと顔を合わせたからな」

アポロガイストに促され、三人はデイバッグを開けて支給品の確認を始めた。
アポロガイストには、
サーベル一本、ピストル一丁、緑色の石1個
という、割と当たりに近い武器が支給されていた。

めぐみにも、
プリキュアへの変身アイテムであるプリチェンミラー一つとプリカード数枚、そして馬上槍1本と、
同じく当たりに近い武器が支給されていた・・・が、

「・・・・」

ディーゴは自分のデイバッグから取り出したものを広げて、項垂れていた。

「あの・・・ディーゴさん、そんなに気に病むないでください。支給品なんてクジみたいな物なんだし・・・」

めぐみはなんとかディーゴを元気付けようとしたが・・・

「まっ、殺し合いの場でハズレくじを引いたのは命取りだと思うが・・・」
「アポロガイストさん!」

アポロガイストが要らぬ茶々を入れたので少し声を荒げた。

ディーゴに支給されていたのは・・・
中央に星のマークが描かれた円形の盾、「アクション仮面なりきり変身セット」と題された仮面とスーツ一セット、
そして怪獣図鑑が一冊・・・盾以外はどう見てもハズレです。本当にありがとうございました。

「・・・・」
「あの・・・私、プリチェンミラーあるんで、この槍使って下さい!」

めぐみは項垂れているディーゴを心配して、自分の支給品である槍をディーゴに渡そうとしてきた。

「あぁ、いや・・・大丈夫だよ。正直槍なんて使ったことないしな・・・」

しかしジョセフはその申し出をやんわりと断った。

「で、でも・・・」
「大丈夫、大丈夫・・・いざとなったら、コイツもあるしな」

ジョセフは外れを引いた苦しさを隠して笑みを見せながら円形の盾をコンコンと叩く。
めぐみも最初は気が咎めたが、ディーゴ本人がいいと言っているので渋々引き下がったのだった。

「あっ、でもできればアポロガイストのサーベルを貰えないかな?」

やはり少し気にしているようだ。

「やれやれだな・・・」

アポロガイストの呟きは風に乗ってどこかに飛んで行った。


723 : ◆j1W0m6Dvxw :2020/08/27(木) 13:57:23 HcU/MeLo0
【アポロガイスト@仮面ライダーX】
[状態]:健康、人間態
[装備]:無し
[道具]:基本支給品、ジャンボガン@ドラえもん、タイムストーン@マーベル・シネマティック・ユニバース
[思考・状況]
基本:Xライダーともう一度戦いたいが、そのために無駄な殺戮を働く気はない
1:ディーゴとめぐみと行動する
2:やれやれだな・・・
[備考]
Xライダーとの最後の対決に敗れた直後からの参戦。
怪人態は再生アポロガイストです。

【愛乃めぐみ(キュアラブリー)@ハピネスチャージプリキュア!】
[状態]:健康
[装備]:プリチェンミラーとプリカード数枚@ハピネスチャージプリキュア!
[道具]:基本支給品、アリステリアの槍@Re:CREATORS
[思考]
基本:殺し合いなんて、間違ってる!
1:ディーゴとアポロガイストと行動する
2:ディーゴさん可哀想・・・
[備考]
少なくとも、キュアフォーチュンが正式にハピネスチャージプリキュアに加入して以降からの参戦。
プリチェンミラーとプリカードは合わせて一個の支給品です。

【ディーゴ・近藤(ドン・コンドール)@銀河烈風バクシンガー】
[状態]:健康、少し精神的ダメージ
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、キャプテン・アメリカの盾@マーベル・シネマティック・ユニバース、
アクション仮面なりきり変身セット@クレヨンしんちゃん、円谷プロ全怪獣図鑑@現実
[思考]
基本:殺し合いには乗らない
1:めぐみとアポロガイストと行動する
2:トホホホ・・・
[備考]
少なくとも第21話以前からの参戦。


724 : ◆j1W0m6Dvxw :2020/08/27(木) 13:57:50 HcU/MeLo0
【サーベル@現実】
世界各国の軍や警察で採用されていた刀剣。現在も式典などの際に帯剣される。

【ジャンボガン@ドラえもん】
一見するとリボルバー式のピストルに見えるが、一発で戦車を吹き飛ばす威力がある。

【タイムストーン@マーベル・シネマティック・ユニバース】
インフィニティ・ストーンの一つ。
時間を司る緑色の石。

【プリチェンミラーとプリカード@ハピネスチャージプリキュア!】
作中のプリキュアが使用する変身アイテム。
プリチェンミラーにプリカードをセットすることでプリキュアへの変身の他、
フォームチェンジや変装などが行える。
変身後はキャリーケースに収納され、右前腰に装着される。

【アリステリアの槍@Re:CREATORS】
アリステリア・フェブラリィの武器。

【キャプテンアメリカの盾@マーベル・シネマティック・ユニバース】
ハウリング・コマンドーズ結成以降から現代まで長く愛用する、トレードマークの円形盾。ス
ティーブが盾を使う事にこだわってると知ったハワード・スタークが、同僚と共に所有していたヴィブラニウムを全て注ぎ込んで試作した。
ヴィブラニウムがレアメタルであるため、標準仕様にはできず置きっぱなしになり、
他の素材で数種類の形状で、電気ショック継電器などの装備品を搭載した盾が製作されたが、この円形盾をスティーブが見つけて気に入って使う事になった。
そのデザインには、星条旗があしらわれ、直径は2.5フィート(約76.2cm)、重さは同等サイズの鋼の盾よりも三倍軽い12ポンド(約5.4kg)である。
衝撃を吸収する作用があり、高温や放射線などへの耐性が非常に高く、ヒドラのビームパルスガンすら受け付けない[注釈 3]。高い硬度を活かして、防具としてだけでなく打撃・投擲武器としても多用され[注釈 4]、優れた攻撃力と破壊力を発揮する。投擲の際にスティーブは、投げ方や盾の弾道、敵や周囲に立つ物に命中させた時の跳ね返りの軌道を瞬時に計算し、自分の手元に戻って来るように投げつける。
しかしこの盾は、誰にでも使いこなせる代物ではなく、常人だった頃のバッキー・バーンズが咄嗟に敵の強力な攻撃をこの盾で防いだ際は反動で吹き飛んでしまったことから、超人兵士であるスティーブや、彼に匹敵する強靭な肉体を持つ者にこそ活用できると言える。だが現代では、ウィンター・ソルジャーとなったバッキーのほかにもクリント・バートン/ホークアイやナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウもこの盾を一時的に使用したり、スティーブに投げ渡す場面がある。
スティーブがS.H.I.E.L.D.に加入し、S.T.R.I.K.E.との共同任務に携わった際に、モノクロに近い青で塗装された。
ソーのムジョルニアの一撃も防げる性質から、ムジョルニアで打たせて周囲に衝撃波を反射するという連携攻撃が可能で、そのことが判明した『アベンジャーズ』以降、『エイジ・オブ・ウルトロン』『エンドゲーム』で披露された。
アベンジャーズの内乱時には、ライプツィヒ・ハレ空港での戦いでピーター・パーカー/スパイダーマンがウェブで奪い取って右腕に保持しながら自己紹介した挙句にスコット・ラング/アントマンに取り返されたり、ティ・チャラ/ブラックパンサーが着用するブラックパンサー・スーツのヴィブラニウム製爪攻撃で大きな傷跡を残すなどの一幕もあり、ヒドラのシベリア基地でスティーブは、トニーの強い訴えを呑んで手放す。その後、長らくトニーが保管していたが、『エンドゲーム』にて両者が和解した際に、傷を補修した上で、再びスティーブに返却された。『エンドゲーム』終盤にて、老いたスティーブからサム・ウィルソン/ファルコンへ受け継がれた。
(以上、ウィキペディアより抜粋)

【アクション仮面なりきり変身セット@クレヨンしんちゃん】
作中で放映されている劇中劇「アクション仮面」に登場する同名ヒーローのコスチュームセット。
あくまで『なりきり』なので、身に着けても強くなったりはしない。


【円谷プロ全怪獣図鑑@現実】
円谷プロの全怪獣をすべて収録した大図鑑!
(以上、アマゾンドットコムより抜粋)
税込価格5,250円。2013年3月6日発売。


725 : ◆j1W0m6Dvxw :2020/08/27(木) 13:58:19 HcU/MeLo0
投下終了します


726 : ◆j1W0m6Dvxw :2020/08/27(木) 18:30:11 HcU/MeLo0
すいません、アポロガイストの状態表を以下に変更します

【アポロガイスト@仮面ライダーX】
[状態]:健康、人間態
[装備]:無し
[道具]:基本支給品、サーベル@現実、ジャンボガン@ドラえもん、タイムストーン@マーベル・シネマティック・ユニバース
[思考・状況]
基本:Xライダーともう一度戦いたいが、そのために無駄な殺戮を働く気はない
1:ディーゴとめぐみと行動する
2:やれやれだな・・・
[備考]
Xライダーとの最後の対決に敗れた直後からの参戦。
怪人態は再生アポロガイストです。

それと、タイトルを忘れてました。
『三人寄れば文殊の知恵』です。


727 : ◆NIKUcB1AGw :2020/08/27(木) 21:28:27 cBmcnA7g0
投下します


728 : 悪意は続くよどこまでも ◆NIKUcB1AGw :2020/08/27(木) 21:29:42 cBmcnA7g0
「ヒャーハハハハハハ!」

全身タイツを着た十数人の屍の上で、一人の怪人が笑う。
その怪人は、スクラップの擬人化とでも言うべき外見をしていた。
あちこちの装甲が欠損し、むき出しになったコードも見える。
だがこれは、戦いによるダメージではない。
この怪人は、最初からそのような外見なのだ。

名を「アナザードライブ」。仮面ライダーの力を本来持つべきではない人間に与えることで生まれる、「アナザーライダー」の一体。
仮面ライダードライブの力を与えられた個体だ。
そしてこの度のバトルロワイアルでこの力を手にしたのは、本物の仮面ライダードライブと深い因縁を持つ男だった。

「実に素晴らしいね、仮面ライダーの力は!
 君が失ったこの力で、殺して殺して殺しまくってやるよぉぉぉぉぉ!!
 泊くぅぅぅぅぅん!!」

狂気に満ちた声色で、アナザードライブが叫ぶ。
彼の本名は、仁良光秀。
かつて警視庁捜査一課の課長を務めたこともある男だ。
だがその本性は、警察官にはまったくふさわしくない腐った魂の持ち主である。
何せかつて、銀行強盗事件に乗じて目障りな同僚を殺し、その罪を強盗に押しつけていけしゃあしゃあと刑事を続けたような男なのだ。
だがその罪も、後に暴かれる。
殺した同僚の息子であり、仮面ライダードライブの変身者である泊進之助によって。
彼に犯罪を立証された仁良は、法に裁かれ服役することになった。
だが、彼はまったく心を入れ替えはしなかった。
ある事件の中で仁良は脱獄をはたし、進之助への復讐をもくろむ。
されど、それは失敗に終わる。
すでに仮面ライダーの力を失っていた進之助にも勝つことはできず、仁良は刑務所へ送り返された。

しかし、仁良は再び野に放たれた。
何の因果か、進之助が手放したドライブの力を手に入れて。
仁良は迷わず、この力を殺戮に使うことを選んだ。
優勝し、優勝者特権を使って進之助に直接復讐してやるのもいい。
だがたとえ優勝できなくても、この力で多くの人を傷つければ十分あのヒーロー気取りへの復讐になる。
仁良はそう考えていた。

すっかり自分の世界に浸っていた仁良だったが、ふと我に返る。
パチパチという拍手の音が、耳に届いたからだ。
すぐに仁良は、音のした方向へ向き直る。
そこには、アナザードライブと似たような雰囲気の怪人がいた。
ただこちらはスクラップではなく、「ひび割れた宝石」を思わせる外見だったが。

「やるじゃん、おじさん」
「なんだ、おまえは!」
「ああ、そう警戒しないで。僕におじさんと戦うつもりはないから」

そう言うと、宝石の怪人は変身を解除する。
現れたのは、帽子をかぶった爽やかな外見の青年だった。

「おじさん、仮面ライダーのこと嫌いなんでしょ?
 僕も、あいつらには恨みがあるんだよね。
 似たもの同士、手を組まない?」
「手を組むだぁ?」
「このゲームの優勝者は一人だけど、逆に言えばそれが決まるまでは手を組んでもいいってことでしょ?
 僕ら以外全員殺したら、僕らで殺し合って優勝決めればいいじゃん」
「うーん……」

仁良は考える。
仮面ライダーの力は絶大だが、どんな相手にも勝てると断言できるほど絶対的ではない。
それに優勝できなくても十分復讐になるとは考えたが、死ぬよりは当然優勝して生き残る方がいい。
戦力の増強は、悪い判断ではない。

「いいだろう。チームを組んでやるよ」
「ありがとう、おじさん」

仁良は変身を解除し、青年と握手を交わす。
だが、二人は互いに気づいていた。
相手が自分を信用などしていないことを。
利用できるだけ利用し、利用価値がなくなったら見捨てる。
これはそんな、薄っぺらい同盟だ。
だが、それでいいと二人は考える。
なぜなら、彼らは外道なのだから。


光あるところに、影がある。善あるところに、悪がある。
ヒーローに何度倒されても、悪が滅びることはない。


729 : 悪意は続くよどこまでも ◆NIKUcB1AGw :2020/08/27(木) 21:30:22 cBmcnA7g0


【仁良光秀@仮面ライダードライブ】
[状態]健康
[装備]アナザードライブライドウォッチ@仮面ライダージオウ
[道具]基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考]基本行動方針:ドライブの力で殺戮を行う。
1:ソラは利用できるだけ利用する
[備考]
参戦時期は小説「マッハサーガ」終了後。


【ソラ@仮面ライダーウィザード】
[状態]健康
[装備]アナザーウィザードライドウォッチ@仮面ライダージオウ
[道具]基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考]基本行動方針:優勝を目指す
1:仁良は利用できるだけ利用する
[備考]
参戦時期は死亡後。


【アナザードライブライドウォッチ@仮面ライダージオウ】
仮面ライダードライブの力が封じられた、時計型アイテム。
起動して体内に埋め込むことにより、アナザードライブに変身できる。
強いダメージを受けると体外に排出されるが、再起動して埋め込めば再変身が可能。
破壊するには、同じ仮面ライダーの力が必要となる。


【アナザーウィザードライドウォッチ@仮面ライダージオウ】
仮面ライダーウィザードの力が封じられた、時計型アイテム。
起動して体内に埋め込むことにより、アナザーウィザードに変身できる。
アナザーライドウォッチとしての特性は、上記のアナザードライブウォッチの解説も参照。


【ショッカー戦闘員@仮面ライダー】
NPC。
日本人が抱く「悪の組織の下っ端」のイメージの原型となった存在。
誘拐してきた一般人を改造・洗脳して生み出されると思われるが、
「培養された人造生命体」とする資料もありその正体ははっきりしない。


730 : ◆NIKUcB1AGw :2020/08/27(木) 21:31:29 cBmcnA7g0
投下終了です


731 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/28(金) 00:24:40 J9lPsBsI0
投下させていただきます。


732 : 非情なる天使と優しい亡者、そして宝石の名を持つ戦士 ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/28(金) 00:28:14 J9lPsBsI0
ここは会場内の高層ビルが立ち並ぶ場所、地図上ではティルテッド・タワーと書かれている場所……。

そこには、傷ついた女性とそれを見下ろす天使がいた。

「この卑しい亡者めが、おとなしく浄化されて未来永劫消え去ればよいものを」

天使が、傷つき膝をついた女性に剣を突き付けながらそう言った。

白く光り輝く銀の鎧を付け、鮮やかな青と金色をした8枚の翼を生やした天使だった。

彼の名は聖帝エーリュシオン。地上を這う者達に救う価値など無いと断じ、全ての命を消し去ることを決断した『天界の統治者』である。

「……確かに私は、あなたが言うようにアンデッドではありますが、おとなしく浄化されるつもりはありません」

「それにあなたは、ここにいるありとあらゆるものを滅ぼそうとしています。そんなことは、絶対にさせません」

それに対し、膝をついていた女性が強い目をしながら彼に反抗した。

彼女の名はウィズ、ある町でアイテム屋を営む女性であり、かつて凄腕の魔法使いとして名をはせたリッチーである。

そんな彼女は先ほどまで、目の前にいる天使と戦っていた。

いくら自分がアンデッドのリッチーだからといっても、おとなしく殺されるつもりはなかったからである。

しかし彼の力は強大で、また彼が繰り出す聖なる炎により体の何か所かを焼かれてしまい、こうして膝をついてしまったのである。

そうしていると天使が、彼女の来ている服の胸のあたりを引き裂いた。

それにウィズが悲鳴を上げると、彼はとても汚らわしいものでも見たかのように口を開いた。

「穢れた亡者にふさわしい、実に卑しい肢体をしている。この身体でいったい何人の男を惑わしたのだ?」
「せっかくだ、貴様のような亡者にふさわしい、醜い身体に変えてやろう」

そういうと彼は、彼女との戦いで使った浄化の炎を放とうとした。
アンデッドを浄化する聖なる炎でその身体を醜く焼けただれさせると、そう言ったのだ。

しかし……。

「煌めきなさい! トゥインクルダイヤモンド!」

それは、突如現れた少女の放った無数の氷により防がれることとなった。

そうしてエーリュシオンが氷の飛んできたところに顔を向けると……

「人の心を踏みにじるなんて許せない! このキュアダイヤモンドが、あなたの頭を冷やしてあげる!」

そこには鳥の羽を髣髴とさせる飾りが付いたドレスを着た、水色の髪の少女がいた。

「……我の頭を冷やすだと?笑止!我は天界の統治者!我の行いすべてが正義なり!!」

エーリュシオンは彼女の名乗りに対し、頭を冷やす必要などない、自分こそが正義なり、と尊大な口調で返した。

こうして、宝石の名を持つ伝説の戦士と、天界の統治者の戦いが始まった……


733 : 非情なる天使と優しい亡者、そして宝石の名を持つ戦士 ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/28(金) 00:29:01 J9lPsBsI0
------------------------
そうして激しい戦いを繰り広げている最中……

「答えて。あなたは一体、この場所で何をしようとしているの?そして、ここを脱出した後何をするつもりなの?」

彼女が目の前の天使にそう尋ねた。自らの行いを正義と評する彼が、何を目的としているのかを訪ねたのだ。

「ふん、知れたことよ。地上にあまねくありとあらゆる存在を消滅させ、穢れた世界を浄化することよ!」

そして彼は、世界を浄化するために地上に存在する命をすべて消滅させると、そう答えたのだ。

全ての命を消滅させるという彼の目的を聞いた瞬間、彼女は激しい怒りを覚えた。

「アナタは……命を、この世界に住む者たちの意志を何だと思っているの!」

彼女は彼にその怒りをぶつけたが、それに対し彼はとても残酷な言葉で言い返した。

「たかが泥人形ごとき、気にかける必要などなかろう?」

その言葉に対し彼女はさらに怒り、目の前の天使に対し必殺技を使った。

「プリキュア、ダイヤモンドシャワー!」

そう叫び、彼に大量の氷のつぶてを放ったが、彼はいともたやすくその技を破ってしまった。

「ふん、下らぬ。貴様らに赦しなど必要無い!」

彼は剣の切っ先を彼女に向けると、そこから巨大な炎を放ち彼女の氷をすべて溶かしてしまった。

「この救いがたき世界、ひと思いに消し去ってくれる!『新世界創造』!!」

そのあと彼がそう叫び剣を天高く掲げると、彼女たちに無数の光の矢が降り注いだ。

「きゃああぁぁぁっ!!」

そしてキュアダイヤモンドはウィズをかばって吹き飛ばされてしまい、そのまま倒れてしまった。

「はっ、弱き存在のくせに我に立ちふさがるなど、傲慢この上ないわ」

それを見てエーリュシオンはあざ笑った。自分には向かった彼女を、あざ笑ったのだ。

もう立ち上がることができないほどに傷ついた彼女だったが、それでも彼女は立ち上がった。

「……何笑ってんのよ!アンタみたいなやつに、みんながいるこの世界を壊させなんてしない!」

その言葉とともに彼女は再び立ち上がったのだ。そしてそれを見た彼は、怒りで顔をゆがめていた。

「まだ我の前に立ちふさがるか…ならば今度こそ完全に滅してやろう!」

再びあの技を使うべく、彼は先ほどと同じように剣を天高く掲げ始めた。

「この光をもって、未来永劫消滅するがよい!『新世界創「クリエイト・ウォーター!」』………何の真似だ、卑しい亡者めが」

彼がキュアダイヤモンドにとどめを刺そうとしたところ、突如として大量の水が彼に降りかかった。

そしてあたりを見ると、ウィズが彼に杖を向けていた。彼女がエーリュシオンに水をかけたのだ。

「貴様……今すぐにでも滅ぼされたいと見え「今です!先ほどの技をもう一度彼に!!」……なにぃ!!」

「そうか、そういうことですね!プリキュア、ダイヤモンドシャワー!」

そう、エーリュシオンはウィズの魔法で大量の水を浴びていた。それをキュアダイヤモンドの技で凍らせて彼を封じ込めようとしたのだ。

そしてその作戦は成功し、彼の身体が次第に凍り始めてきた。

「ぐおおぉぉぉぉ、我の、我の身体が凍っていく!」

そうして彼の身体は完全に凍り付き、そこには巨大な氷柱が出来上がった。


734 : 非情なる天使と優しい亡者、そして宝石の名を持つ戦士 ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/28(金) 00:29:33 J9lPsBsI0
これで彼を倒したと思い安堵した二人だったが、それは大きな間違いだった。

なんと彼を封じ込めた氷がひび割れ始めたのだ。

『この程度で、天界の統治者たる我を倒せるなど思い上がりも甚だしいぞ!』

それを見たウィズが、キュアダイヤモンドにこう言った。

「……今すぐここから離れましょう」

すぐに彼から逃げるようにと、そう言った。

しかしその言葉に対し、彼女はすぐに反対した。

「しかしこのまま放っておけば「わたしを、信じてください」……分かりました」

それに対しウィズは、自分を信じて、と彼女に言った。

そうして彼女たちはその場からすぐに離れた。

そしてある程度彼との距離が離れたところで、ウィズが口を開いた。

「……ここなら巻き込まれそうにありませんね。今からあの天使に、強烈な一撃をお見舞いします!」

そういうと彼女は、ある魔法を発動するための呪文を唱え始めた。

そして……

「爆裂魔法<エクスプロージョン>!」

ウィズがそう叫ぶと、先ほどまで彼女たちが戦っていた場所に巨大な爆発が起きた。

そしてそれを見届けると、ウィズは力なく倒れた。

「ウィズさん、大丈夫ですか!」

キュアダイヤモンドが心配して彼女に駆け寄ったが、彼女は倒れたままで答えた。

「大丈夫です、呪文の反動で体が動かなくなっているだけです。……すみませんが、わたしを運んでくれませんか?」

先ほど使った爆裂魔法により体が一時的に動かなくなっただけだと、そう答えた。

そうして彼女たちは、あの非情なる天使に強烈な一撃をお見舞いしたのである。

------------------------
そうしてウィズの爆裂魔法により、クレーターの出来た場所では……

「あの汚らわしい女ども……絶対に許してはおけぬ……ありとあらゆる責め苦を与えたうえで未来永劫消滅させねばならぬ……!」

全身にススや土ぼこりを付けたエーリュシオンが立っていた。

そして彼は先ほどの戦いを振り返り始める。

(あの『キュアダイヤモンド』という女、かつて我の期待を裏切って地上に住む者たちのために反旗を翻した『光の戦士』によく似ておる……)
(全く……実に腹立たしい……!)

先ほどまで自分が戦っていた少女、キュアダイヤモンドがかつて自分を打ち倒した『光の戦士』によく似ていることを思い出していた。

(……どうやらあやつは我が手で滅せねばならぬ存在のようだ……首を洗って待っていろ!キュアダイヤモンドよ!)

そうして彼は、キュアダイヤモンドを倒さねばならぬ存在だとして彼女に対し、並々ならぬ怒りを燃やしていた……。


735 : 非情なる天使と優しい亡者、そして宝石の名を持つ戦士 ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/28(金) 00:29:58 J9lPsBsI0
【聖帝エーリュシオン@モンスター烈伝オレカバトル】
[状態]:キュアダイヤモンドとの戦闘およびウィズの爆裂魔法によるダメージ(中)、キュアダイヤモンドに対する怒り(極大)
[装備]:原罪(メロダック)@Fate/stay night
[道具]:なし
[思考・状況]基本行動方針:穢れた世界を浄化すべく、地上にいる全ての命を消し去り、不毛の砂漠にする。
1:救われない世界は消し去るのが最善、それが天命だ。
2:キュアダイヤモンド……この屈辱、決して忘れぬぞ!
3:あの穢れ切った亡者(ウィズ)は、一刻も早く消し去らねばならぬ!
[備考]
ウィズの爆裂魔法により、デイバッグ及びその中の支給品が消滅しました。
本来『七つの大罪』にまつわる様々な特攻効果を持っているが、制限により以下の2つの効果のみ発動しています。
・【色欲の罰】:女性と戦う際、攻撃力が2.75倍に上昇する。
・【傲慢の罰】:彼に最もダメージを与えたものに対して、攻撃力が約2.5倍近く上昇する。
また彼には自分の部下である天使たちを召喚する能力を持っていますが、制限により使用できなくなっています。
ちなみに彼が使っている『新世界創造』はあくまで地上の命を消滅させるための技なので、「天使」や「神」を傷つけることができません。


【ウィズ@この素晴らしい世界に祝福を!(アニメ版)】
[状態]:魔力切れによる脱力状態、身体に無数の火傷、服に破れ
[装備]:めぐみんの持っている杖@この素晴らしい世界に祝福を!
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いに乗るつもりはない。あの天使を倒すための仲間を集める。
1:回復次第、あの天使を倒すための仲間たちを集める。
2:リッカさん、申し訳ございませんがわたしを運んでいただけないでしょうか?
3:あの天使(聖帝エーリュシオン)は、一刻も早く倒さなければ大変なことになります!
[備考]
参戦時期は第二期最終回後。
先ほどの爆発により、人が集まる可能性があります。
また菱川六花のことを、『遠い国で活躍している冒険者』だと思っています。


【菱川六花/キュアダイヤモンド@ドキドキ!プリキュア】
[状態]:戦闘によるダメージ(中)、聖帝エーリュシオンに対する激しい怒り(大)
[装備]:ラケル&変身用キュアラビーズ、ラブハートアロー@ドキドキ!プリキュア
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いを止める。他のプリキュアたちを探す。
1:マナやありす、まこぴー、亜久里ちゃんもここに来ているの……?
2:動けなくなったウィズさんを守る。
3:あの天使(聖帝エーリュシオン)……命を、何だと思っているの!
[備考]
参戦時期は少なくとも円亜久里/キュアエースが加入した後です。あと、オールスターズの出来事も経験してます。
ウィズのことを、『かつてプリキュアとして戦っていた人』ではないかと推測しています。


【原罪(メロダック)@Fate/stay night】
 各地に伝わる「選定の剣」の原典であり、「聖剣」の象徴。「グラム」はこれの派生品とされ、
 そこからさらに流れていったのが「勝利すべき黄金の剣」とされる。

 「約束された勝利の剣」には及ばないものの、触れるモノを焼き払う光の渦を放つ事が出来る。


【めぐみんの持っている杖@この素晴らしい世界に祝福を!】
 その名の通り彼女の知り合いであるアークウィザード、めぐみんが持っている魔法の杖。


【ラケル&変身用キュアラビーズ@ドキドキ!プリキュア】
 雫型のふさふさした尻尾がある、水色の子犬のような姿をした妖精で、
 プリキュアの変身アイテム「ラブリーコミューン」に姿を変える能力を持つ。

 彼が変身したラブリーコミューンに変身用のキュアラビーズをセットし、
 掛け声とともに専用の画面に当たる部分を指で「L・O・V・E」の文字をなぞることでプリキュアに変身できる。
 
 なお本来はラブリーコミューン同士で電話のように通信することもできるが、制限によりこの機能は使用不能となっている。


【ラブハートアロー@ドキドキ!プリキュア】
 プリキュア4人の可変弓型共通強化装備で、弓状に展開した状態と収納状態の二つの形態がある。
 また必殺技発動用のアローラビーズも付属しており、合わせて一つの支給品としてカウントされている。

 中央のハートマークに発動用のアローラビーズをセットし、手前に伸びるタッチパネルに並んだ4つのハートを順番になぞって
 パワーをチャージすることで必殺技が発動可能となる。


736 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/28(金) 00:30:45 J9lPsBsI0
投下終了です

完全に余談ですが、エーリュシオンの言っている『光の戦士』はどちらかというとキュアハートやキュアフローラなどの「ピンク系プリキュア」の方が近かったりします。

以上、ありがとうございました。


737 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/28(金) 00:39:20 J9lPsBsI0
大変申し訳ございません。

>>733 に誤植がありましたので、すみませんが訂正をお願いいたします。

それを見てエーリュシオンはあざ笑った。自分には向かった彼女を、あざ笑ったのだ。



それを見てエーリュシオンはあざ笑った。自分に歯向かった彼女を、あざ笑ったのだ。

以上、よろしくお願いいたします。


738 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/28(金) 01:29:17 x82A4pE60
聖なる栄光を掴むための僅かなる手段への神々への挑戦およびアップデート、ありがとうございまち

>ソレが残された道 
無情な参戦時期により心が折れている或人、大切な彼女は確かに幻ですが、彼の心の闇であると思いました。アズの囁きが催眠音声みたいで好きです。
一人ぼっちで迷う或人は、果たして自力で答えを見つけられるのでしょうか?

>ああっ女神さまっ
メタの化身みたいなキャラで草。創作の女神にして物語を愛するハルトシュラーがこの催しに何をもたらすのか興味深いです。こういうキャラを出せるのもコンペロワといった感じで実に趣旨と合致してます。

>少年は今、戦士に変わる
ウソップ、やるときはやる男。2年間で培った彼の成長を感じました。まさに勇敢な海の戦士ですね。ポコ、ジョジョの黄金の意思を間近で見ていた存在なので急成長の可能性はありましたが、これは予想外。少年から戦士への成長に感動しました。そして姉、弟がへんなのになってるの知ったらどんな反応するのか気になりますね。

>Alice in the BattleRoyale
有栖零児、異世界の知識やこういう事ができそうな組織の情報がある分、ロワにおいて一歩リードしていますね。冷静に状況を考察する彼からは強い安定感を感じます。
しかしメタ要素のあるズラには流石に困惑する模様。こういう会話がロワの醍醐味ですよね。
そして亜美、絶対主催拉致するタイミング狙ってただろって感じがひしひしと伝わって笑えました。序盤はシリアスなのにもうギャグに塗り替えるテンポの早さに腹筋が爆発しました。

>ロトの奇妙な冒険
この発想は凄い。異なる自分と対面するアリアハンの勇者二人。勇者が合わさると最強に見えますね。
自分同士という事で他の参加者とはまた異なった信頼が実現するので、そういう意味でも安定感を感じます。腕相撲の下りは微笑ましいですが結果に大草原。

>バトロワだよ!あげるくん
人選に草。あげるくん、悪意無く無自覚に色々やらかしそうで好き。カメラの元の持ち主と似た空気を感じます。

>三人寄れば文殊の知恵
投下乙です。三人とも互いの世界の差が激しいのでパラレルワールドの概念にたどり着く速度が早く感じました。こういうお互いの常識のすりあわせ、ワクワクします。文字通り三人寄れば文殊の知恵ですね。
しかし毎回思うんですが、このロワの主催者って支給品を選ぶ時の感性が凄そう。

>悪意は続くよどこまでも 
仁良とソラ、危険人物の鏡のような二人が手を組みましたか。信頼どころか信用もない薄っぺらい同盟とはいえ、これは他の参加者にとって悪夢のような展開と言えるのではないでしょうか。

>非情なる天使と優しい亡者、そして宝石の名を持つ戦士 
エーリュシオン、アンデッド嫌いはどこぞの駄女神と共通していますが、ここまで印象が違うのかと驚愕します。
序盤から相性の悪い相手と戦うはめになった上に服を裂かれたウィズ可哀想。
同じ正義の立場にあるものの、敵対した相手にもまず対話を持ちかけるキュアダイヤモンドと、己の正義のため失われる命に敬意すら払わないエーリュシオン、これはとてつもない対比ですね。
二人のコンビネーションで封じ込め、かつ爆裂魔法の直撃を受けても五体満足なエーリュシオン、言動ともに正義というより悪役そのものですが、彼がそれに気がつくことは多分ないでしょうね。


739 : ◆NIKUcB1AGw :2020/08/28(金) 21:22:58 0JNWEmOU0
投下します


740 : 誠の旗に集いし者たち ◆NIKUcB1AGw :2020/08/28(金) 21:24:03 0JNWEmOU0
「世の中にゃあ、似た顔の人間が3人はいると言いますが……。
 似たような名前の組織もずいぶんとあるもんですねえ。
 しかも、所属する人間の名前も似てるときてる」

漆黒の制服に身を包んだ軽薄そうな青年、沖田総吾がぼやく。

「まったくです。
 ノッブと違って、私はフリー素材になったつもりはないんですけどねえ」

桜色の和服をまとった少女、沖田総司が同意する。

「そんなわけで、俺らも知り合いみたいなもんじゃないですか。
 そっちの土方さんも、そんな殺気むき出しにするのやめましょうや」

そして二人と向かい合っているのは、洋装に身を包んだ男……土方歳三だ。

「おまえたちが、それぞれの新撰組に所属する隊士だとしても……。
 俺の新撰組の隊士ではない。
 ならばおまえたちは、ただの敵だ。
 俺の新撰組のために死ね」

明確な敵意を口にすると、土方は禍々しい形状の剣を構える。
同時に、数十人にも及ぶ新撰組の亡霊たちが彼を取り囲んだ。

「あーらら、こりゃ説得できそうにねえや」
「やむを得ません。いかに土方さんといえど、私を斬るというのなら全力でお相手します!
 まあぶっちゃけ、単なる同姓同名の別人ですし!」

総吾と総司も、戦いは避けられぬと覚悟を決める。

「いけ」

土方の号令で、亡霊たちが沖田たちに向かって突進する。

「先手必勝!」

それに対し、総吾はどこからともなくバズーカ砲を取り出した。
そして、亡霊たちに向かって迷わずぶっ放す。
放たれた砲弾は、亡霊たちの中心で大爆発を起こした。

「おー、だいぶ減ったなあ。幽霊にも実弾が効いてよかったぜ」
「いやいや、なんで砲撃とかかましてるんですか、あなた!
 刀持ってるじゃないですか!」
「刀にこだわらないのが俺の武士道でねえ」

総司からのツッコミを、総吾は軽くいなす。

「まったく……。まあいいです。私は私のやり方でやりましょう!」

総司はあきれつつ、自分に支給された刀を抜く。
そして一瞬にして亡霊たちに接近すると、もっとも近くにいた一人を斬り捨てた。
総司の十八番である高速移動術、「縮地」である。
そのまま総司は動きを止めず、次々と亡霊を倒していく。

「なるほど、沖田と同じ名前を持つだけのことはある……。
 隊士だけでどうにかできる相手じゃないか」

総司の戦い振りを見た土方は、自ら相手しようと一歩踏み出す。
だがその時、彼はその場に現れた別の気配に気づいた。
沖田たちへの警戒を保ちつつ、土方は気配の方向に視線を向ける。
そこにいたのは、地面に何かを埋める白いロボットだった。

「貴様、何をやっている」

方向転換し、ロボットの方へ向かおうとする土方。
その足下で、「カチッ」と音がし……。


土方はバネを踏んだ!


土方ははるか上空に打ち上げられ、そのまま戻ってこなかった。

「えー……」

残された総吾と総司、そして亡霊たちはいずれも唖然とする。
やがて亡霊たちが消え、その場には沖田たちとロボットのみが残された。

このロボットの正体は、NPCの「カラクロイド」。
会場各地に、ランダムで罠を設置するモンスターである。
土方は彼が設置した「バネの罠」により、ランダムで会場のどこかに飛ばされてしまったのだ。

「どうにも締まらねえ結末ですねえ」
「とりあえずあのからくり……。処す? 処す?」

この後、カラクロイドは沖田たちがバッサリ斬り捨てました。


741 : 誠の旗に集いし者たち ◆NIKUcB1AGw :2020/08/28(金) 21:25:22 0JNWEmOU0


【沖田総吾@銀魂】
[状態]健康
[装備]どうたぬき@風来のシレン、パズーのバズーカ(残弾2)@天空の城ラピュタ
[道具]基本支給品、ランダム支給品0〜1
[思考]基本行動方針:お巡りさんが殺し合いに乗るわけにはいかねえなあ
1:他の真選組隊士や、万事屋のメンバーがいるようなら合流する
[備考]
参戦時期は最終回後。


【沖田総司@Fateシリーズ】
[状態]健康
[装備]浅打@BLEACH
[道具]基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考]基本行動方針:別に優勝狙ってもいいけど、ここはもう一人の沖田に付き合いますか
1:とりあえず悪即斬で
2:北海道で金塊探してる土方さんもいるんですかね
[備考]
経験値成分が強めです。


【土方歳三@ドリフターズ】
[状態]健康
[装備]毒濁刀@トクサツガガガ
[道具]基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考]基本行動方針:優勝し、新撰組を復活させる
[備考]
・参戦時期は単行本4巻終了時点。
・召喚した亡霊は物理攻撃でもダメージを受けますが、倒されても一定時間経過すると再召喚できます。
 また、土方本人と一定距離以上離れた場合も召喚解除されます。
・会場内のどこかに、ランダムで飛ばされました。


【どうたぬき@風来のシレン】
名匠・どうたぬき源馬に作られた刀。
特殊能力はないが基本攻撃力が高く、早めに手に入ると嬉しい逸品。


【パズーのバズーカ@天空の城ラピュタ】
ラピュタ上陸後、ドーラがパズーに渡したバズーカ砲。
威力は強力だが、原作同様砲弾は3発しかないので使いどころが重要。


【浅打@BLEACH】
死神候補生に支給される、プレーンな状態の斬魄刀。
これを使い続けることにより刀に宿る意志を感じられるようになり、やがて各人独自の斬魄刀に変化していく。
沖田さんは死神ではないので、たぶんどんなに使っても変化はしない。


【毒濁刀@トクサツガガガ】
劇中劇「獣将王」の重要アイテム。
戦いで死んだ者たちの無念の思いが込められた刀で、この刀で刺された者は刺した者に操られることになる。
ただし刺した側も、魂を刀に食われてしまう。


【カラクロイド@風来のシレン】
NPC。
高速で会場内を動き回り、地面に罠をセットしていく。
ただし罠は隠されていないので、狭い場所でもない限り避けるのは容易。
土方がかかったのは、単なる足下不注意である。


742 : ◆NIKUcB1AGw :2020/08/28(金) 21:26:14 0JNWEmOU0
投下終了です


743 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/28(金) 23:07:34 J9lPsBsI0
投下させていただきます。


744 : がんばれいわ!ゴエモン ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/28(金) 23:08:26 J9lPsBsI0
ここは会場内の住宅地、ラッキー・ランディングと呼ばれる場所

そこにある建物の上に、月代を伸ばした髪形と赤地の忍び装束、そして目尻と口の両端に赤い隈取を施した男がいた。

「てやんでい!この天下の大泥棒、ゴエモン様に殺し合いさせようなんて、なめんじゃねえ!」

彼の名はゴエモン、汚い悪党どもから大判小判を盗み出して町のみんなに振舞う義賊である。

そんな彼は今、主催者たちへの怒りを爆発させていた。

罪なき人々を誘拐し、互いに殺し合わせるこの催しに対し、激しい怒りを燃え上がらせていたのである。

そうやって怒りを燃やしていた彼だったが、実はあることで悩みを抱えていた。

「しっかし、黄金キセルを取り戻せはしたんだが…それ以外がよく分かんねえもんなんだよなぁ……」

そう、彼に支給されていたものの中に先祖代々伝わる純金でできたキセルがあったのだが、それ以外については彼にとってよくわからないものだったのだ。

缶に入った酒や乾燥した蕎麦が入った筒はまだいいとして、触るとネコの鳴き声がする黒い招き猫など妙なものが入っていたのである。

そうしていると突如として何者かの悲鳴が聞こえてきた。

そしてゴエモンがそこへ向かうと、奇妙な姿をした緑色の怪物たちとそれに襲われている僧侶がいた。

このまま見殺しにするつもりもなかったので、彼は僧侶に群がる怪物たちを自慢のキセルで倒すことにした。

「おうおうおうおう!このゴエモン様の前で殺しをやろうたあいい度胸じゃねえか!オレが相手になってやるぜ!」

そう彼が怪物たちに大見得を切ると、彼の後ろにいた僧侶が突如興奮しだした。

「あなた、まさかあのゴエモン殿ですか!こんなところで会えるとは思わなかったですぞ!」

その僧侶はなぜかゴエモンのことを知っているようだった。


745 : がんばれいわ!ゴエモン ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/28(金) 23:08:48 J9lPsBsI0
「誰だアンタ?なんでオレのこと知ってるんでえ?」

そしてゴエモンはなぜ自分の名を知っているのかをその僧侶に尋ねた。

「そりゃあ有名だからですよ!あなたの名前は遠い未来にも残っているくらいなんですから!」

それに対しその僧侶は「有名だから」という言葉で返した。

「まあ……確かにオレの名前が未来まで残っていることは知ってるけどよぉ…改めて言われると何かこっぱずかしいな……」

その言葉に対してゴエモンは少し顔を赤らめながら答えたが、怪物たちの鳴き声を聞いて今どのような状況に置かれているかを思い出した。

「おっと忘れてた。じゃあ、いっちょいくぜぃ!」

そうして、彼はそのキセルで怪物たちを蹴散らした。

そしてそのあと安全そうな建物の中に入った後、彼らは情報交換をすることにした。

「で、えーと……アンタ何者だい?」

ゴエモンが再び先ほどの僧侶にそう尋ねた。

「申し遅れましたな、拙僧は大天空寺の住職代理を務めている、御成と申しますぞ」

そしてその僧侶は、自分の名前と役職を名乗った。

「へえ、やっぱり坊さんなのか。で、さっき『遠い未来にも名前が残っている』って言ってたなアンタは」
「アンタ、本当に何者なんだい?ただ知ってたにしては、やけに反応が大きかったじゃないか?」

それに対してゴエモンは、先ほど引っかかった言葉について詳しく聞こうとしていた。

「やはり……そこが気になりますか。ではお話ししましょう、拙僧が経験してきた戦いのことを……」

そうして御成は語りだす。仮面ライダーゴーストこと天空寺タケルの、99日間の戦いのことを……。


【ゴエモン@がんばれゴエモン】
[状態]:健康
[装備]:黄金キセル@がんばれゴエモン
[道具]:基本支給品、黒い招き猫@どうぶつの森、ランダム支給品×1
[思考・状況]基本行動方針:正義の大泥棒として、非道な行いは許しちゃおけねえ!
1:エビス丸はともかく、ヤエちゃんやサスケも呼ばれてないか心配
2:何なんだこの坊さん(山ノ内御成)は……?
[備考]
参戦時期は、少なくとも『獅子重禄兵衛のからくり卍固め』以降です。
御成との会話で、カップラーメンの作り方を学びました。
また、仮面ライダーゴーストやスペクター、ネクロムのことを知りました。


【山ノ内御成@仮面ライダーゴースト】
[状態]:健康
[装備]:金剛杵@現実
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:この争いを止めるべく、仲間を集める。
1:タケル殿やマコト殿、アラン殿も来ていないか心配ですぞ……。
2:まさかあのゴエモン殿と出会えるなど、夢のようですぞー!
[備考]
参戦時期は少なくとも最終回後。


【黄金キセル@がんばれゴエモン】
 ゴエモンの家系に先祖代々伝わる純金でできたキセル。ゴエモンにとっては何よりも大切な物であり、盗まれてしまうのは一族の名誉を汚す程の恥とされている。


【黒い招き猫@どうぶつの森】
 その名の通り黒い招き猫の置物であり、触るとネコの鳴き声がする。


【金剛杵@現実】
 仏の教えが煩悩を滅ぼして菩提心(悟りを求める心)を表す様を、インド神話上の武器『ヴァジュラ』に例えて法具としたもの。

 基本的な形は棒状で、中央に柄がありその上下に槍状の刃が付いている。
 また刃の数や形によっていくつかのバリエーションがあり、それぞれ固有の名称をもつ。

 なお御成が現在所持しているのは五鈷杵(ごこしょ)と呼ばれる、中央の刃の周囲に四本の刃を付けたものである。


746 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/28(金) 23:09:19 J9lPsBsI0
投下終了です

ありがとうございました。


747 : ◆5RRtZawAKg :2020/08/28(金) 23:54:39 HedLbm3k0
投下します。


748 : フォールゴブリン イン バトルロワイアル ◆5RRtZawAKg :2020/08/28(金) 23:57:06 HedLbm3k0
「ホー」

「ギャアッ!?」

今にも崩れ落ちそうな崖の上で、ゴブリン3体とジェリービーンズに手足が生えたような、6フィートもの身長のある謎の生物が戦闘を行なっていた。

たった今ちょうど、1体のゴブリンがその謎の生物によって崖から突き落とされ、死亡した。

そのつぶらな瞳を、今度は他のゴブリンへ向け、彼らからの攻撃を受けて仰け反りつつも両手を突き出しては掴み、ひたすら崖の下へと堕とそうとしてた。

「ギェエエーーーッッ!!」

ゴブリンもそれに負けずと、その生命体を逆に落としてやろうと奮起し、2体のゴブリンは協力体制で崖っぷちへどんどん追いやっていた。

しかし、その生命体は寸前のところで自分の身長を遥かに凌駕するほどの高さまでジャンプし、ゴブリンの背後へ移動。

「ギャアアアーーーッッ!?!?」
「グギィイーーーッッッ!!?」

逆にゴブリンらを追い詰め、先程のゴブリンらの勢いを利用し、そのまま2体のゴブリンを崖下へと突き落とした……。

「ホッホー!」

崖の上での死闘を生き延び、万歳しながらジャンプし、喜びを体で表す謎の生命体────フォールガイ。

彼は殺し合いの意味を理解しているのかどうか定かではないが、とにかく優勝を目指していた。

何か叶えたい願いがあるわけではない、しかし彼が元いた世界にて日々、同種と競い合っていた時と同じように、彼は優勝を目指し、どこかへと走っていった……。

【フォールガイ@Fall Guys: Ultimate Knockout】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品0〜3
[思考]基本行動方針:優勝を目指す。
1:ゴブリンとの押し合いに生還
2:この調子で優勝を目指す。
[備考]
ゲーム内でどれほど吹っ飛ばされても傷つかないので、ロワ内でも防御力高めです。


749 : ◆5RRtZawAKg :2020/08/28(金) 23:58:13 HedLbm3k0
投下終了です。


750 : ◆7PJBZrstcc :2020/08/29(土) 09:39:24 0s1sZzP60
投下します。
以前、『白蛇ロワイアル』という企画に投下したものを手直ししたものです。


751 : 名もない星が空に落ちたら ◆7PJBZrstcc :2020/08/29(土) 09:39:57 0s1sZzP60
 目の前で見知らぬ誰かが死んだ場面を見て、殺し合いの説明を受けた後、数か月前まで住んでいた東京を思い出させるビル街に立っている。
 これほどの急展開を経て、雪の降る町に丁度いい冬服を身に纏った少女、野崎春花が行ったことは、胸に手を当て自分が生きているかどうかの確認だった。

「私、生きてる……」

 彼女にとって、殺し合い云々より自分がここで生きていることが異常事態だ。

 親の転勤についてきて田舎の学校に転校した春花は、そこでよそ者を理由にイジメられた。
 そしてイジメがエスカレートし、ついに彼女の家が燃やされる事態になってしまった。
 両親は死亡、妹は重傷を負い、さらには放火犯であるクラスメイトに放火の隠蔽目的で自殺を強要されてしまう。
 復讐を決意した彼女は、自身をイジメていたクラスメイトたちを次々殺害していく。
 そして最後には、信じていた少年に裏切られたショックもあって、イジメの主犯だった少女と少年二人と相討ちに近い形でこの世を去った。

 はずだったが、野崎春花はここにこうして生きている。
 『なぜか』を、彼女は考えなかった。
 物理的な意味でそれを問うても、死者蘇生という超常を体験した以上自分には理解できない何かだろう。
 殺し合いに自身を選んだ理由についてなら、火を見るよりも明らかだ。

 ――主催者は、野崎春花は殺し合いに乗ると考えてここに呼んだ。

 それを彼女は確信していた。
 彼女は家族を救うため、見も知らぬ人間を殺せると思われたからここにいるのだ。
 そして彼女は否定できない。
 彼女は家族に生きていてほしい。他の身も知らぬ他人よりもずっと。
 その為に殺し合いに乗ることは、きっと誰もが間違っているというだろう。

 だとしても、家族を愛した少女に罪はあっただろうか。
 春花はただ家族といたかっただけだ。それは悪だったろうか。

「スタープラチナ」

 春花は自分に支給されたスタンドを呼び出す。
 支給品を検めるといきなりDISCが出てきて、しかも使用方法が頭に差すと書かれた説明書きを見たとき、彼女は正直面食らった。
 それでもDISCを頭に入れ、試しとばかりに呼び出したスタンドで近くにあるコンクリートの壁を殴る。
 すると、壁は見事なまでに砕け散った。
 その後、色々試した結果彼女はスタープラチナを当たりと判断する。
 本来の持ち主の叔父に『無敵』と称されたスタンドは、彼女にとっても強力だった。

「待っててね。しょーちゃん、お父さん、お母さん」

 こうして春花は殺し合いの道を歩き始める。
 だが狙いは家族の蘇生ではない。彼女の狙いは過去改変だ。
 父の転勤が決まった日、彼女には東京に残る方法があった。
 父を一人で送り出すか、家族全員で行くかの二択だった。
 彼女は家族愛ゆえについていくことを選んだが、今度は第三の選択肢、一人で暮らすことを選ぼう。
 わがままだと言われるかもしれないが、何とかやってみよう。
 道は定まった。後はただ進むだけ。


 かくして、黄金の精神が宿るスタンドは、殺し合いの主催者というドス黒い悪により黒く滲んだシミができる。
 野崎春花は辛い過去を背負ってなお、屍を積み上げた末の願いに抗える『正義』にはなれなかった。
 自らの弱さを攻撃に変えて、世界を思うがままにすることを企むほどの『悪』にもなれなかった。

 なぜなら、野崎春花はただの人間だから。
 家族を愛し、友達もいた、どこにでもいる中学生でしかなかったから。



【野崎春花@ミスミソウ】
[状態]:健康
[装備]:スタープラチナのスタンドDISC@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]基本行動方針:優勝して、過去を改変する。
1:NPCってなんだろう……?
[備考]
参戦時期は死亡後です。
スタープラチナのDISCを装備しています。


【スタープラチナのスタンドDISC@ジョジョの奇妙な冒険】
空条承太郎のスタンド。
最強のパワー、スピードを持つ近距離パワー型スタンド。
更に時間停止能力を持つ。このロワで止められる時間は最盛期の時と同じく5秒。


752 : ◆7PJBZrstcc :2020/08/29(土) 09:40:23 0s1sZzP60
投下終了です


753 : ◇SO9ig3Wk7 :2020/08/29(土) 11:30:28 pLG3D4EI0
投下します。
初めてですがよろしくお願いします。


754 : ◇SO9ig3Wk7 :2020/08/29(土) 11:31:40 pLG3D4EI0
「俺は、勉強が嫌いだああああああああああ!!」

「でも、絶対合格してやるぞおおおおおおお!!」

「もう受かる気しかしねえぜええええええええ!!」

殺し合いの会場と化した島の地図から見ると右上、海の近くで一人の少年が海に向かって騒いでいた。

彼の名前は通称「亀井」と呼ばれている。

亀井がなぜこんなことを叫んでいるのか詳しくは分からないが、勉強や受験の関係であるという想像は付く。

「俺は、この殺し合いを優勝するううううううううう!!」

彼はこの殺し合いに乗る道を選んでいるようだ。

「そして、受験に合格させてもらうぞおおおおおおおお!!」

動機は単純、『何でも願いを叶える権利』を手に入れることが出来たら勉強せずとも受験に合格できると考えたからであった。

「待ってろキャンパスライフぅうううううううううう!!」

「俺は〜やるぜ〜絶対勝ち残ってみせるぜ〜」

「優勝してやる、ほあ、ほあああああああああああ!!」

亀井は一通り叫んで歌ってまた叫んだらどこかへ走り去ってしまった。

彼がどうやってこの殺し合いを優勝するつもりなのか、

それはまだ彼も考えていない。


【亀井@Z会CM】
[状態]:発狂
[装備]:無し
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:優勝して願いを叶える権利を得る
1:俺は、勉強が嫌いだああああああああああ!!
2:だから、願いを叶えて受験に合格するぞおおおおおおおお!!
3:待ってろ他の参加者あああああああ!!
[備考]
CMで叫ぶよりも前から参戦


755 : ◇SO9ig3Wk7 :2020/08/29(土) 11:33:03 pLG3D4EI0
投下終了します。
タイトルは「バトル・ロワイアルは、気合だけではのりきれない」です。


756 : ◆SvmnTdZSsU :2020/08/30(日) 01:29:39 7prkuBNw0
幾千の闇を超えた栄光を掴むための僅かなる手段へのアップデート、……俺の夢と誇り、全部やるお前が……俺の生きた証だごぜえたいところだが、な……

>誠の旗に集いし者たち
異なる世界、異なる経緯を辿れども、新撰組であることは確か。そんな三人が開幕から遭遇しましたか。
ぐだぐた時空でギャグ適正の高い沖田さんとギャグとシリアスもこなせる銀魂の沖田さん、戦力という意味でもこのコンビ最強なのでは?
ドリフターズの土方さんもシリアスな筈なのにギャグ的な展開で離脱は草。
新撰組は最高の素材ですからね、探せばもっと居そう。

>がんばれいわ!ゴエモン
天下の大泥棒ゴエモンと御成。シリアスな状況の筈ですがどこかコミカルに感じてしまう組み合わせ。
世界観と時代が絡み合って複雑な事になっていますね。しかしそう問題にはならなさそうなので意外と安定したコンビになるかもしれませんね。

>フォールゴブリン イン バトルロワイアル
いやこのロワってほんと独特な選出されるなぁって思いました。感無量ですよ。
優勝を目指すフォールガイ、普段とはルールの違うこの催しでどこまでいけるのか考えさせられます。

>名もない星が空に落ちたら
野崎、一般人枠でも漆黒の意思を持ちうる存在なので、スタープラチナという力を得た彼女がどのような修羅の道を築くのかワクワクします。堕ちるところまで堕ちても、それでも叶えたい願いがある。うーん実に素晴らしいです。

>バトル・ロワイアルは、気合だけではのりきれない
状態:発狂は草。コンペロワはニコロワだった……?状態表も何もかも騒がしい亀井が気合いでロワを乗りきれるか期待ですね。まぁタイトルがアンサーしてますが。

いや本当に皆様の人選に感動しっぱなしですよ自分は。投下ありがとうございます!


757 : ◆.EKyuDaHEo :2020/08/30(日) 02:47:45 FKTc368s0
感想で申し訳ないのですが、本当に凄いですね...これは誰が参加者に選ばれるか楽しみです!

感想失礼しましたm(_ _)m


758 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/30(日) 08:00:21 UmRCLYNw0
投下させていただきます。


759 : 忠義の老騎士、戦場に降り立つ ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/30(日) 08:01:10 UmRCLYNw0
ここは会場内にある住宅地……

そこには鱗状の鎧に身を包んだ、将というべき風格を備えた老騎士がいた。

「"殺し合い"じゃと……?まさかこれも貴様の策謀なのか、"エンリル"よ……!」

彼の名は老将エンキ、メソタニアと呼ばれる国の騎士団長を務める老騎士である。

そんな彼は今、この場において強い怒りに身を焦がしていた。

自らが仕える王子を発狂させた将軍"ネルガル"と参謀の"エンリル"を倒した後、狂気に堕とされ暴君となった主を止めるべく走っているさなかこの殺し合いに呼ばれたからである。

「それに、わしが使っていた剣が奪われ、それとは別の奇妙な形の剣が渡されておる……剣を変えたごときでわしを弱らせることなどできないのじゃがな」

そして、彼には普段使っている長剣ではなく、無数の穴と波打った溝が彫られた剣が支給されていたのである。

そうして彼が、渡された剣の感覚を確かめるべく振り回していたところ、何者かが戦闘を行っている音が聞こえた。

その音を聞いた彼が現場に向かうと、そこには盾を構えている銀髪の少女とそれに守られているやせこけた少女、
そして彼女らを襲う単眼の巨人と人のような姿をしたハエ、大量のゴブリンの姿があった。

そして襲われている少女たちを見る怪物たちの目は、明らかに彼女らを慰み者にしようというゲスな目線をしていた。

このまま彼女らを捨ておくことなどできぬ、としてエンキは彼女らを助けることにした。

------------------------
一方、こちらでは……

「マシュお姉ちゃん……私のことは良いから……早く逃げて……!」

アルビノの身体をしたやせこけた少女が、今まさに自分を守っている銀髪の少女に、自分を見捨てて逃げてほしいと言っていた。

「そういうわけにはいきません!あのときあなたを助けられなかったこと、今でも悔やんでいるんですから!」

そして彼女を守っている銀髪の少女は、その言葉に対し強く否定をした。かつて助けられなかったことを悔やんでいると、そう言って彼女を守り続けていた。

しかし怪物たちの攻撃は激しく、少女の身体には無数の傷ができ始めていた。

そうして次第にその猛攻に耐え切れなくなり、彼女はついに倒れてしまった。

そして怪物たちは、彼女らの身体、特に銀髪の少女の程よく実った胸やアルビノの少女の未熟な花弁に対していやらしい視線を送っていた。

これから自分たちが何をされようとしているのかを理解した彼女たちはおびえてしまったが、そこに救いの手が現れた。

突如として、彼女らの周りを飛び回っていたハエや、いきり立っていたゴブリンたちの身体が音もたてずにバラバラになったのだ。

そして彼女たちの前には、鋭いまなざしをした老騎士が立っていた。

「嬢ちゃんたち、よくぞ耐え抜いた。あとはこの老いぼれに任せてくれぬか?」

老人が彼女たちにそう言うと、ただ一人残っていた巨人に立ち向かった。

巨人はこの老人を一息につぶしてしまおうとこん棒を振りかぶったが、老人はそれよりも早く巨人の目の前に現れた。

「お主にこの攻撃、避けられるかの?」

そう言って彼が無数の斬撃を放つと、巨人は全身をバラバラにされたことにも気づかず、そのまま倒れていった。

「凄い……彼は一体……?彼は……サーヴァントなの……?」

不意に、銀髪の少女がそう呟いた。神話や歴史に名を遺す英霊なのか、とそう呟いていた。

そうして彼女たちのピンチは、一人の老騎士によって救われることになった……。


760 : 忠義の老騎士、戦場に降り立つ ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/30(日) 08:03:06 UmRCLYNw0
------------------------
こうして当面の危機を乗り越えた彼らは、だれも使っていないと思われる建物の中へと避難した。

そこはどうやら水道も使えるらしく、彼らは水分を補給するなどして休憩をとっていた。

そしてお互いに自己紹介を行うことにした。

「私はマシュ・キリエライトと申します。先ほどは助けていただき、ありがとうございます」

「私は……ラヴィニア・ウェイトリー……。おじいさんは……だれ…ですか……?」

彼女たちが自分の名前を教えると、目の前にいる老人に名前を尋ねた。

「ああ、名乗り遅れておったのう、わしはエンキ……まあ、ただの老いぼれよ」

彼がそう名乗ると、突然マシュが飲んでいた水を吹き出し、盛大にむせてしまった。

「……どうしたのじゃ?わしが何かおかしな事でも言ったかの?」

エンキが彼女にそう尋ねると、呼吸を整えたマシュが答えた。

「いえ、聞き覚えのある名前が出たからです。……すみませんが、"メソポタミア"という地名に聞き覚えはありますか?」

彼女はエンキに"メソポタミア"という地名を知っているかを尋ねた。

「ああ、少し違う気もするがそれはわしのいる国の名前じゃな」

そしてそれに対し彼は、微妙に違う気がするけれども自分の住んでいる国の名前だと答えた。

「では、"ティアマト"、"イシュタル"、"エレシュキガル"、"ギルガメッシュ"、"エンキドゥ"、……これらの名前に聞き覚えは?」

マシュは彼に再び質問をした。今自分が挙げた名前について知っていないかを質問した。

「そうじゃな、"テアマト"のことは知っておるが、それ以外は聞き覚えがないのう」

それに対して彼は、最初に挙がった名前は知っているがそれ以外については知らないと答えた。

「……そうですか。それでは最後の質問ですが、"マルドゥーク"については知っていますか?」

そうして彼女が彼に最後の質問をしたが、それに対しエンキは剣に手をかけ始めた。

「……お主いったい何者じゃ?まさか、"ネルガル"や"エンリル"の手のものか!?」

彼は鋭い目つきをしながらマシュにそう尋ねた。自身が仕えている王子"マルドク"を発狂させた裏切り者たちの手下なのかと尋問しだした。

「おじいさん、やめて!この人は……悪い人じゃ……ないから……」

そんな彼をラヴィニアが必死に止めようとした。

「いえ、貴方が『いつの時代のエンキ』なのか確認しようとしただけです」

そしてマシュは、毅然とした態度でそれを否定した。彼がどの時点での『エンキ』なのかを確認しようとしただけだと答えた。

「『いつの時代』……?お主はいったい何者なんじゃ?」

その言葉を聞いたエンキはひとまず剣を収めることにした。彼女の言った言葉が、まるで時代を超えてきたかのように聞こえたからだ。

「……分かりました。ではお話ししましょう、わたしと先輩が歩んだ『冠位指定(グランドオーダー)』のことを……」

そうして彼女は語りだす。自分と自分の先輩が歩んだ道のり、体験してきた数々の戦いのことを……。


761 : 忠義の老騎士、戦場に降り立つ ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/30(日) 08:04:39 UmRCLYNw0
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そうして彼女が話し終えた後……

「なるほど。つまりお主は、世界が滅んでしまう運命を変えるために時間を渡り歩き、そして戦い続けてきた、……そういうことじゃな?」

エンキは彼女の話した内容について理解したようだ。彼女がなぜ自分のことを知っていたかを理解したのだ。

「そういえば遠き大地にて、絶望の未来を変えるべく時を渡り歩いている戦士たちがいると聞いた気がする……それがお主か?」

そして彼はマシュに質問を返した。風の噂にて、同じように未来を変えるべく戦っている戦士のことを聞いていたからだ。

「それは分かりません……。事件が解決すれば私たちのことは忘れられる、出会ったという事実が消滅するはずですから……」

それに対し彼女は分からないと答えた。事件が解決すれば、その時代にいたという事実が消滅するはずなのでそういった噂になるとは考えにくかったからだ。

「……そうか。ではお主、この催しをどう見ておる?」

彼はマシュにそう尋ねた。この催しは何のために開かれたか、そしてその裏で手を引いているものに心当たりはあるかを尋ねた。

「それについてはわたくしからは何とも言い難いです……」
「可能性があるとすれば『聖杯戦争』ですが……そもそも彼らが何者かもわからない状態ですので……」

しかしそれに対し彼女は分からないと答えた。それらしい答えはあるものの、現状では判断材料に乏しいため答えを導きだせないと答えたのだ。

「ふむ、そうか。では、このような場所に呼ばれた場合お主はまず何をする?どうやって事件を解決してきたのじゃ?」

そしてそれらの回答を受けてエンキは、次に何をすべきなのかを彼女に質問した。

「まずは、『聖杯』に関する情報を集めていました。それを回収することで事件の収束をしてきましたので」
「後は、ともに戦う仲間たちを集めていました。聖杯を手に入れるために、争いは避けられなかったものですから」

エンキの質問に対し彼女は、まず情報を集めること、そして仲間を集めることだと答えた。

「『聖杯』か……すまぬがわしに心当たりはないのう。そちらは保留として、今は仲間を集めるほうを優先したほうがよさそうじゃな」

その言葉に対し、エンキはひとまず仲間たちを集めるべきだと進言した。

「そうですね……このままここに引きこもっていても、事態が解決するわけではありませんものね」

そしてマシュは彼の提案に賛成した。しかし彼女にはもう一つ気になっていたことがあった。

「そういえばラヴィニアちゃんは、自分の支給品って確認しましたっけ?」

それは、ラヴィニアが自分の持ち物を確認していたかどうかだった。

「まだ確認してない……これから確認する……」

そうして彼女が自分のバッグの中身を確認すると、中から何やらヌルヌルする触手のようなものが出てきた。

まさかモンスターが忍び込んでいたのかとマシュたちが武器を構え始めたが、その触手は彼らに何もしようとはしなかった。

そのあとバッグの中に入っている説明書によると、そういう武器であることが分かったのでラヴィニアはこれを装備することにした。

このまま自分だけが戦えず、彼らの足手まといになるのがイヤだったからである。


……その後、彼女が装備した触手がそのまま変なところに入り込もうとしたので全員でシメたのは別の話である……。


762 : 忠義の老騎士、戦場に降り立つ ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/30(日) 08:05:11 UmRCLYNw0
【老将エンキ@モンスター烈伝オレカバトル】
[状態]:健康、マシュたちの話に対する困惑(小)
[装備]:風斬り刀@ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:一刻も早く元の世界に戻りたいが、そのために無辜の人々を傷つけるつもりはない。
1:一刻も早く元の世界に戻り、王子を止めねば……!
2:これも"ネルガル"や"エンリル"の企みなのか……?
3:いくら未来から来たとはいえ、この嬢ちゃん(マシュ)はなぜここまで驚いたのじゃ……?
[備考]
参戦時期は、"エンリル"の策略により王子"マルドク"が狂王になってしまった後。
マシュの話から、今後訪れる未来について暫定的な内容を知りました
(人間関係などに細かい違いがあるため、心に留めておく程度です)。


【マシュ・キリエライト@Fate/Grand Order】
[状態]:体に無数の傷(中)、目の前の老人(老将エンキ)に対する驚愕
[装備]:いまは遙か理想の城(ロード・キャメロット)@Fate/Grand Order
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いを止める。
1:先輩や他のサーヴァントの皆さんがいれば合流したい。
2:『エンキ』って確か、メソポタミアの神様ですよね……?
3:"ネルガル"と"エンリル"……これが今回の黒幕でしょうか?
[備考]
参戦時期は少なくとも、第1部第六章「神聖円卓領域キャメロット」以降です。そのため自身の宝具などについて把握しています。
目の前の老人(老将エンキ)をその特徴から、メソポタミア神話の主神『エンキ(エア)』ではないかと推測しています。
老将エンキから、"ネルガル"と"エンリル"、"マルドク"に関する情報を得ました。


【ラヴィニア・ウェイトリー@Fate/Grand Order】
[状態]:健康、変なところをまさぐられたことによる動揺(中)
[装備]:あやしい触手@魔界戦記ディスガイア
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いに乗るつもりはない。元凶に立ち向かう。
1:アビー(アビゲイル・ウィリアムズ)も、ここに来ているの……?
2:これも、魔神柱の仕業なの……?
3:なにこれ(あやしい触手)!?アビーはこんなのを扱っていたの!?
[備考]
参戦時期は死亡後。そのためカルデアや魔神柱、アビゲイルの正体などを知っています。


【風斬り刀@ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド】
 『イーガ団』と呼ばれる暗殺集団の幹部が携える、無数の穴と波打った溝が彫られた風変りな刀。

 熟練した使い手が精神統一して振り抜くと、その特殊な形状によって真空の刃が作り出される。


【いまは遥か理想の城(ロード・キャメロット)@Fate/Grand Order】
 マシュの持つ盾の宝具。白亜の城キャメロットの中心、円卓の騎士たちが座る円卓を盾として用いたもの。

 その強度は使用者の精神力に比例し、心が折れなければその城壁も決して崩れはしないというが、それを支える使用者本人への加護は薄い。
 つまり守護対象には絶対の安全が保障されるが、これを使うものは敵が攻撃をやめない限り魔力を消費して耐え続けなければならず、全て反動として返ってきてしまう。


【あやしい触手@魔界戦記ディスガイア】
 その名の通り怪しくうごめく触手で、本来は魔物用の武器なのだが主催者の調整により人間でも使えるようになっている。

 ありえないところまでまさぐります(原文ママ)。


【ギガンテス@ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁】
 NPC。棍棒を左手に持つ一つ目の巨人。

 見た目どおりのパワーファイターで、大きな足で踏みつける強化攻撃もしてくる。


【ハエ男@ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君】
 NPC。人間のように巨大なハエの姿をしたモンスターで、その不快な羽音は相手の集中力を奪ってしまう。

 マホトーンという相手の呪文を封じる呪文を使ってくるが、MPがかなり少ないため一回しか使ってこない。

 あと牛のふんやチーズを落とすこともあるが、はっきり言って嫌がらせとしか思えない。


763 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/30(日) 08:05:41 UmRCLYNw0
投下終了です

ありがとうございました。


764 : ◆oUF53W6sMM :2020/08/30(日) 13:36:41 PJq.Cseo0
投下します


765 : 甘露寺蜜璃のだいじょうぶだぁ ◆oUF53W6sMM :2020/08/30(日) 13:37:30 PJq.Cseo0
「殺し合い、ですか…」

この殺し合いの場の一環、銀髪にメガネをかけた少年、ひろしはそう呟いた。

あの恐怖の館で、『青鬼』という未知の存在から逃げるために、謎を解き、ついにひろしは恐怖の館からの脱出に成功……したはずだった。

それが目が覚めたらこんな殺し合い。立て続けに起こる恐怖に、ひろしの心は疲弊しきっていた。

その時。

「GOBBBBB!」
「な、あれは!!?」

突如木影から、4、5体ほどのゴブリンが現れた。ひろしは逃げようとしたが、地面に足を取られて転んでしまい、ゴブリンは容赦なく、ひろしに迫る。

(そんな、せっかくあの館から逃げられたというのに……ここで、僕は死ぬのでしょうか…?)

そう思い、ひろしは目を強く閉じる。
その時であった。

「恋の呼吸 壱の型 初恋のわななき!」

どこからか女性の声が聴こえる。するとゴブリン達は一瞬でバラバラに四散。ひろしが驚きのあまり目を丸くしていると、眼前にピンクと緑のグラデーションの髪を三つ編みにし、胸元の開いた破廉恥な服装をした女性が立っていた。

「大丈夫ですか?」
「は、はい…」

女性、甘露寺蜜璃が手を差し出すと、ひろしも同じく手を差し出し、何とか立ち上がる。
もっとも、甘露寺の胸元を見ないように目を逸らしながら、ではあるが。

「? どうしたの、そんなに目を逸らしたりして」
「いや、あの……助けてもらったのは大変ありがたいのですが、目のやり場に困るというか……なんと言うか……」

その時、目を逸らしていたひろしの視界にもう1人、参加者と思われる者の姿が見えた。その姿は、シミのある顔に青髭、そしてその顔が全身にプリントされたピンクの服に腰巻をつけた、文字通りの『変なおじさん』であった。

「おっ? 良かった、人がいた!」
「うわああああああ!?」
「どうしたの……って、ええええええ!?」

思わずひろしが悲鳴を上げ、それを聞いた甘露寺もまた、叫び声を上げる。

「な、なにこの変なおじさん……」
「何ですかあなたは!?」
「なんだチミはってか? えぇ? そうです。私が変なおじさんです! 変なお〜じさんだから変なおじさん、変なお〜じさんだから変なおじさん……」

突如歌い出した変なおじさんにあっけに取られる2人。少しずつ冷静になったひろしが咳払いをすると

「だっふんだ!」

変なおじさんがそう叫んだ刹那、(ガラスもないのに)ガラスの割れる音がして、蜜璃とひろしは同時にずっこけた。

このおじさん、只者ではないのかもしれない。

【ひろし@青鬼】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いには乗らない
1:たけし君達も殺し合いに呼ばれているのでしょうか……?
2:何なんですか、このおじさんは……!?
[備考]
参戦時期は館から脱出した後です

【甘露寺蜜璃@鬼滅の刃】
[状態]:健康
[装備]:甘露寺蜜璃の日輪刀@鬼滅の刃
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いには乗らない
1:とりあえずこの男の子とおじさんと行動する
[備考]
参戦時期は刀鍛冶の里編終了後から無限城に落とされるまでの間です

【変なおじさん@志村けんのだいじょうぶだぁ】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]
基本行動方針:これからどうしようかねぇ
1:だっふんだ!


766 : ◆oUF53W6sMM :2020/08/30(日) 13:37:50 PJq.Cseo0
投下終了です


767 : ◇SO9ig3Wk7 :2020/08/30(日) 18:21:29 hj7q1TVQ0
投下します。


768 : レンズ越しにしか世界と向き合えない◇SO9ig3Wk7 :2020/08/30(日) 18:22:09 hj7q1TVQ0
「なるほどな、だいたいわかった」

青年が一人、そう呟いた。

青年の名は門矢士、様々な世界を旅する仮面ライダーディケイドの変身者である。

「どうやらこの世界での俺の役割は、殺し合いの参加者の一人らしい」

彼もまた、このバトルロワイアルに連れてこられた参加者の一人だった。

「だが、俺は世界の破壊者だからな。このふざけた催しも破壊してやる」

士はこの殺し合いには乗らないことにした。

口では悪ぶっていても、彼は人々の自由と平和を守る仮面ライダーの一人である。

この世界でも彼は仮面ライダーディケイドとして、このバトル・ロワイアルを止めるために動く。

そうなるはずだった。

「アナタの記憶、いただくよ」

「な!?」

士は背後から青白い光を浴びた。


――


時を少し遡る。


「なぜだなぜだなぜだなぜだ!?」

空中でてるてる坊主のような怪物が叫んでいた。

その怪物の名はミデン、プリキュアの世界に現れた思い出を奪う謎の敵であった。

ミデンが思い出を奪うのは自分に思い出がないためである。

プリキュアを狙ったのは彼の世界では彼女らがもっともキラキラの思い出を所持している存在だったためである。

ミデンはその思い出を奪う力で数多くのプリキュアから記憶と力を奪ってきた。

そんな時、突然ミデンはこの舞台に召喚されてしまった。

ミデンはバトル・ロワイアルの参加者として登録され、戦いを公平にするための制限を受けることになった。

その結果、ミデンが奪ったプリキュアの記憶と力は全て没収されてしまった。

彼が困惑しながら激昂していたのはそのためであった。

「どうして、どうして僕が集めた思い出が消えている!?」

ミデンは自分が集めた思い出を手放したくはなかった。

「こうなったら、誰からでも思い出を奪ってやる!」

再び思い出を手に入れるため、ミデンは手当たり次第に人から記憶を奪おうとした。

そしてここで最初に見つけた人物が門矢士であった。


769 : レンズ越しにしか世界と向き合えない◇SO9ig3Wk7 :2020/08/30(日) 18:22:52 hj7q1TVQ0
本来なら、士は自分を襲おうとするミデンに気付き、すぐさまディケイドに変身して戦うことができたかもしれない。

しかし士はそれができず、ミデンの思い出を奪う光線を浴びてしまった。

そうなってしまったのは参加者に共通するルールが原因だった。

このロワイアルにおいて、参加前に所持していた武装は没収される。

これは士が変身に使うディケイドライバーも例外ではなかった。

そのため士はディケイドライバーを取り出せず、その隙に光線を浴びることになってしまった。

一応、ディケイドライバーは士へのランダム支給品の一つとしてデイパックの中にあったのだが、それを確認する前に襲撃を受けてしまった。

こうして、ディケイドの力と門矢士の記憶はミデンに奪われてしまった。

――

「仮面ライダー、仮面ライダーって言うのか!まさかプリキュアの他にもこんな思い出を持っていた存在があるなんて!」

ミデンは記憶を奪った後、士がどうなったのか確認せずそのまま空を飛んで島の上を移動していた。

ミデンに記憶を奪われた者は誰でも赤子になってしまう。さっきの男もそうなっているだろうと思い気に留めずミデンは去っていった。

ミデンの興味は今、仮面ライダーという戦士にあった。

「ここには他にも仮面ライダーがいるのかな?なら、そいつらの記憶もいただこう!」

士の記憶を覗いたミデンはディケイド以外の仮面ライダーの存在にも気づいていた。

士は彼らと衝突することも多かったが、大切な仲間として記憶されていた。

士の記憶は仮面ライダーたちとの思い出に満たされていた。

だからミデンは他の仮面ライダーたちも狙うことにした。

ミデンはここで、プリキュアや仮面ライダー、それに多くの人々から記憶を奪おうとするだろう。

それが、本当に自分を満たすものではないことに気付かぬまま。


770 : レンズ越しにしか世界と向き合えない◇SO9ig3Wk7 :2020/08/30(日) 18:23:34 hj7q1TVQ0
ミデンに記憶を奪われた門矢士はまだ、初期位置から動かないでいた。

前述したように、ミデンに記憶を奪われた者は誰であろうと幼き頃まで戻ってしまう。

士もまた例外ではなく、その体は縮んでいた。

「…ううっ」

彼は意識を取り戻すと周りを見渡した。

「なんだここは、どうして俺はこんなところにいるんだ」

「いや、そもそも…俺は誰だ?」


門矢士はかつて記憶喪失で自分の過去というものがなかった。

この場において、思い出を奪われた士は自分の名以外の全ての記憶を失っていた。


(俺の名は確か門矢士…だが、それ以外のことが思い出せない)

士はそこまで思案して、自分の近くにデイパックがあることに気付いた。

それを開けると中からディケイドに変身するためのベルト、ディケイドライバーと変身に使うカードを収納するアイテム、ライドブッカーがでてきた。

(どういうことだ?俺はこれを知っている気がする)

士はそれらに見覚えがあるような気がした。

今のままではこれを使うことはできないが、士にはそれが自分のものであるという確信があった。

「…俺はここで何をするべきだ?」

今の彼は仮面ライダーディケイドではない。

しかしディケイドとは彼の存在そのものであるとも言える。

彼が自分の本当の使命を思い出す時は来るのだろうか。


【門矢士@仮面ライダーディケイド】
[状態]:幼児化、記憶喪失、変身不能
[装備]:無し
[道具]:基本支給品、ディケイドライバー&ライドブッカー@仮面ライダーディケイド、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いを破壊する(現在はその記憶を失っている)
1:自分が何者なのか分からない
2:これ(ディケイドライバー)をどうするべきか
3:自分が何をするべきか分からない
[備考]
参戦時期はMOVIE大戦2010以後、仮面ライダージオウ以前のどこか。
自分の名前以外の全ての記憶を失っている。
ディケイドの力をミデンに奪われている。


【ミデン@映画 HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ】
[状態]:門矢士の記憶とディケイドの力を手に入れている
[装備]:無し
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:キラキラの思い出を奪う
1:プリキュアや仮面ライダーといった者たちを優先して記憶を奪う
2:自分が元々持っていたプリキュアの記憶を取り戻したい
3:他にキラキラの思い出を持っていそうな参加者から記憶を奪う
[備考]
映画本編が始まる前の既に多くのプリキュアたちから記憶を奪った時点から参戦。
制限によりプリキュアの記憶と力は没収されている。
ディケイドの力と記憶を奪ったため、その力を行使したり、口癖を真似たりする。
他の参加者からも記憶を奪うことに成功すれば相手の能力を行使できる。
NPCから奪えるかは不明。



【ディケイドライバー&ライドブッカー@仮面ライダーディケイド】
門矢士が仮面ライダーディケイドに変身するために使うベルト。
ライドブッカーは変身アイテムであるライダーカードを収納したり剣や銃に変形して武器としても使えるアイテム。
二つで1セットの支給品となっている。
制限によりディケイド以外へのカメンライドによる変身は不可能になっている(ディケイド用以外の変身や必殺技のライダーカードが無い)。
ミデンに力を奪われたことにより、ディケイドのライダーカードが力を失っている。


771 : ◇SO9ig3Wk7 :2020/08/30(日) 18:24:07 hj7q1TVQ0
投下終了です。


772 : ◆5qNTbURcuU :2020/08/30(日) 23:05:20 npJAZECs0
投下します


773 : ◆5qNTbURcuU :2020/08/30(日) 23:07:01 npJAZECs0


――――憎い。憎い憎い憎い憎い憎いッッ!!!!!


シャガクシャ、と呼ばれる一人の男がいた。
男は、孤独だった。
生まれたその日、周囲の人間はみんな死んでいた。
周囲の何もかもが焼け焦げ、まるで流星が墜ちた様に窪んだ大地の中心で、シャガクシャだけが無事だった。
生誕は誰にも祝福されず、呪われた子としての生が始まった。

家族も、友も、財産も何も持っていなかったシャガクシャだったが、憎悪だけは相棒の様に、常に彼と共にあった。
誰かを憎む度に、酷く肩が疼いた。

月日は経ち、シャガクシャは国中に名を届かせる戦士となった。
憎悪を糧に戦うシャガクシャに敵う相手はいなかった。一人として。

戦場で憎悪を胸に敵兵を蹂躙するのは心地よかった。
一人殺すたびに肩が愉悦と快感を伴い疼いた。
だが、そんな快楽も決してシャガクシャを癒しはしなかった。
彼は、どれだけ強くなろうと、どれ程の憎悪を募らせようと、孤独以外に得る物はなかった。

だが、そんな彼にも転機が訪れる。
一組の姉弟が、シャガクシャと出会ったのだ。
その姉弟は英雄シャガクシャを畏怖するでもなく、媚び諂うでもなく。
対等に、しかし敬意を持ち彼と接した初めての人間だった。

初めて、憎悪と虚無以外の感情がシャガクシャの中で産声を上げた。
彼は初めて、誰かのために何かをしたいと思ったのだ。
だから、少女に贈るために花を買った。

全てが終わったのはそのすぐ後の事だ。
戦争がはじまり、自国の敗北を誰よりも敏感に予感したシャガクシャは姉弟だけを連れ逃げようとした。
だが、その時には全てが手遅れだった。
敵国の待ち伏せを受けたシャガクシャと姉は弓矢の雨の洗礼を受ける。
シャガクシャは生き残り、少女は事切れた。

待ち伏せした敵国の兵を皆殺しにしても、少女が生き返ることはなかった。
シャガクシャは泣いた。この世全てを憎み慟哭の叫びを上げて。
どす黒い涙で前が見えなくなった直後―――この、殺し合いに連れてこられていた。

シャガクシャの両手には、今しがたデイパックから取り出した木の実と一枚のDISCがある。
ゴロゴロ実と、のとぉりあす・BIGいうらしいそれは、悪魔と契約する代わりに強大な力を得られるという。

―――いいだろう。
願いを叶えると言うなら、叶えて見せるがいい。
その為なら、何人だろうと殺して見せよう。

迷うことなく、シャガクシャは殺し合いに乗った。


774 : 憎悪より来りて/快楽へと至るもの ◆5qNTbURcuU :2020/08/30(日) 23:11:01 npJAZECs0



「…
 ……
 …………」


身体の感触の確かめる様に、パーマの少年は何度か握りこぶしを作る。
今しがた支給されたサバイバーというらしいCDを一枚、頭に入れたためだ。
頭部に居れたというのに体に不調は見られない。安泰である。

効果のほどは眉唾物だが、これならば行動に支障はないだろう。

「……」

次いでデイパックから取り出したのは一本の古びた槍だ。
ハリセンよりはマシだが、できる事ならば銃器の方が良かった。
やや不満げに、槍を握りしめながらパーマの少年は行動を開始する。

少年――桐山和雄には恐れも戸惑いもなかった。
何故なら、彼は殺し合いの経験者であり、この殺し合いにも既に乗っているからだ。
殺した人間の数は両手の指の数を超えてからは数えていない。
きっと、これからも殺し続ける。人を殺すというのは、彼にとって何者より勝る快楽だった。

そうして、出会ったのは彼と同じ”殺すもの”だった。
浅黒い肌の偉丈夫。その顔は、常人ならば一睨みされただけで動け無くなるほどの憎悪と殺気で満たされていて。
しかして桐山和雄は常人ではなかった。笑みを浮かべながら、槍を構え。
人というよりは怪物と呼ぶのが相応しい者達が、睨み合う。


―――あぁ、これだ。こうでこそ、バトルロワイアルだ。
ぶつけられる殺気すら心地いい。精神が研ぎ澄まされていく。体中に力が漲る。
いつの間にか槍を握る桐山の髪が茶がかったパーマから整った黒髪へと変わり、腰まで伸びていく。
そんな変貌さえ今の桐山にはどうでもいい。今は目の前の極上の獲物へと集中する。


雷鳴が轟いた。


褐色の男から放たれた数千万ボルトはある雷撃。
それは人間に避けられる速度でも、耐えられる威力でもない。
しかし、標的は黒焦げの肉塊に変わってなどいなかった。

槍を振り上げ、桐山は人間を超えたスピードで褐色の男に迫る。
狙うは肩口。
狙いに深い理由はない。
ただサバイバーのスタンドの恩恵を受けた桐山の視界には、最も肩口が輝いて見えたからだ。


男の姿が変貌する。
褐色の肌は青白くスパークする雷廟へと変わり、槍から逃れようと眼にも映らぬ速度で身を翻し。
数十メートルを一足で移動する。だが、それでは相対者に対しては余りにも遅かった。

移動のために一瞬切った視界の端から槍が迫る。
「お前だけは逃がさない」
担い手ではなく槍自身が、まるでそう告げているかのような理外の速度。
本来自然系でも最強種の一つに数えられるゴロゴロの実の能力者であれば、物理攻撃を避ける必要はない。
だが、槍の持つ常軌を逸した存在感は、褐色の男・シャガクシャの脳内に警鐘を鳴らしていた。

槍が雷電の身体の実態を捉え、肩口を抉り、鮮血が舞う。


――――おぎゃあああああ!!!


それは本来のシャガクシャであれば実の能力がなくともかすり傷に等しい傷だ。
だが、その槍で肩口を抉られた瞬間――シャガクシャは撤退を選んでいた。
雷光で桐山の目を一時的にくらませ、戦闘を完全に放棄し再び雷と化した身体で逃走を開始する。
完全にシャガクシャの決意に反した行動であった。
だがまるで、己の体の中の別の意思が突き動かしたかのように、歩みは止まらず。


―――憎い。憎い憎い憎い憎い憎いッッッ!!!!!


久しく忘れていた、世界全てが敵と憎悪する感情に浸りながら、シャガクシャは槍から逃げ続ける。
肩の疼きは、止まらない。
まるで生誕を待つ胎児の様に、脈動を続けていた。


775 : 憎悪より来りて/快楽へと至るもの ◆5qNTbURcuU :2020/08/30(日) 23:12:44 npJAZECs0

【シャガクシャ@うしおととら】
[状態]:肩にダメージ(小)、憎悪
[装備]:ゴロゴロの実@ONE PIECE、ノトーリアスBIGのスタンドDISC
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜1
[思考・状況]基本行動方針:優勝して願いを叶える
1:憎しみのままに殺し続ける。
2:肩がひどく疼く。
3:―――おぎゃああああ

【ノトーリアスBIG@ジョジョの奇妙な冒険】
自動操縦型のスタンド。本体が死亡することによって初めて発現する。
本体がいないため射程距離がなく、肉体やスタンドなどのエネルギーを取り込んでいくので持続力も無限大である。
またエネルギーを取り込む度に巨大化していく。
近くにあるものの中で『最も速く』動くものをそれと同じスピードで最優先に追跡し攻撃するが、逆に速く動きさえしなければ攻撃されることもない。
細切れになっても破壊されても永遠に再生を繰り返し、実質的には不死のスタンド。完全殺害不可能。

【ゴロゴロの実@ONE PIECE】
悪魔の実の中でも最強種に数えられる実の中のひとつ。
食べる事で雷を自在に操る能力を得る。これにより、金属を熱加工することもできる。
自身の体を雷に変え、雷速で移動したり攻撃を無効化できる。
心臓が止まった時は電気の力で心臓マッサージを行い復活も可能。
不定形のものに変化することで攻撃を無効化するという自然系共通の能力に加え、下手に触れれば感電しダメージを負うという厄介な特性を持つ。



極上の獲物に逃げられてしまった。
黒の長髪から茶のパーマに戻った桐山和雄は、珍しく不快そうな表情を浮かべてそう判断した。

…だが、まぁいいだろう。
殺し合いはまだ始まったばかり、あれほどの強さを持った獲物であれば、また戦う機会も巡ってくる。
焦る必要はない。
そう結論付け。

「…………」

次なる血を求めて、桐山は行動を再会する。
だれかを殺さずには生きられない、きっと桐山和雄という人間はどんな世界でもそんな存在なのだろう。
生ある限り、彼は嗤う殺戮マシーンとして、このバトルロワイアルに君臨する。


【桐山和雄@実写版バトルロワイアル】
[状態]:肩にダメージ(小)、憎悪
[装備]:獣の槍@うしおととら、サバイバーのスタンドDISC
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜1
[思考・状況]基本行動方針:バトルロワイアルを楽しむ
1:快楽のままに殺し続ける。
2:殺し合いサイコー!
3:褐色の男(シャガクシャ)は次に会ったら殺す。

【サバイバーのスタンドDISC@ジョジョの奇妙な冒険】
かつてDIOがプッチ神父に渡したスタンド。
対象の脳内の電気信号に影響を与えることで闘争本能を極限まで引き出し凶暴化させる。
能力の影響下に置かれた者達は闘争心の赴くままに殺し合いを始める。
また凶暴化した者達は相手の「最も強い部分」が輝いて見え、ダメージを負った部分が消し炭のように黒く淀んで見えるようになる。
敵味方問わず乱闘を引き起こす能力を持つこのスタンドをDIOは「最も弱いが、手に余る」と評価している。

【獣の槍@うしおととら】
春秋・戦国時代に中国で作られた、白面の者を殺すための槍。
両親を白面の者に殺されたギリョウ、ジエメイの兄妹が命を込めて作成した。

(妹、ジエメイが溶鉱炉に身を投げ、それを材料に剣を打った兄の体が融合し槍となった)
獣の槍に選ばれた者が使うことで、使用者の魂と引き換えに身体能力、治癒能力が向上する。

ただし、魂を与えすぎると使用者は、字伏という妖怪に変化する。


776 : ◆5qNTbURcuU :2020/08/30(日) 23:13:08 npJAZECs0
投下終了です


777 : ◆IuB4aTDNuY :2020/08/31(月) 00:21:50 n2RQiAFw0
投下します


778 : show you guts say what 最高だぜ ◆IuB4aTDNuY :2020/08/31(月) 00:22:39 n2RQiAFw0
「ハァハァ……、どうにか撒いたか……」

暗がりの森の中――。
工藤新一こと江戸川コナンは背後を振り返り、ホッと胸を撫で下ろした。
額からは汗が大量に流れ、身体全体が酸素を求めているのか肩で呼吸を行っている。

コナンはゲーム開始早々に、明らかに人間のものではない真っ青な肌の兵士たちに、追い掛け回されて、この森の奥深くへと逃げ込んできたのであった。
生い茂る樹木のおかげかーー察するに槍を持つ兵士たちはコナンの姿を見失ったようである。

目下の危機は免れたコナンは、ようやく呼吸を整え、今後の行動について思考する。
当然ながら探偵として、このような殺人ゲームを看過することなどできない。

やるべきことは、たくさんある。
首輪の解除方法と、会場からの脱出手段の探索――。
志を同じくする他の参加者との合流――。
最初の会場で現れたあの主催者の情報収集――。

何にせよ、まずはこの森を抜け、人が集まりそうな市街地へ向かう必要がありそうだ。
先程の蒼い兵士たちの存在に注意しつつ、コナンは慎重に歩を進める。



――バチリ

「っ!!?」

と、コナンの側面より何かが枝を踏む音が響いた。
コナンが驚き、そちらに振り向くとーー。
そこには、一つ目の怪物が佇んでいた。

その一つ目とコナンの視線が交錯すると、その瞳は妖しく光った。

(な……か、身体が…)

その光を皮切りに、コナンは身動きが取れなくなった。
脳が信号を各部位に送ったとしても、手足は不動――。
口も動かせないため、叫び声をあげることすらできない。

その一つ目の怪物はのそりのそりとコナンに近づき、そのか細い首元へと手を伸ばしてくる。

(や、やられるッ……!!!)

相手は化け物――取って喰われるかもしれない。
コナンは死を覚悟したーー。


779 : show you guts say what 最高だぜ ◆IuB4aTDNuY :2020/08/31(月) 00:24:13 n2RQiAFw0
だが次の瞬間。

ぐちゃり、と。
コナンの眼前にはとてつもなく大きな岩が出現し、怪物はそれに押しつぶされた

(なッ……!?)
「やれやれ……とんだ化け物がうろついているようね……君、大丈夫? 」

怪物を押しつぶした大岩からひょっこりと顔を出したのは、少女であった。
お下げのように後ろで二つに束ねた長い赤髪のその少女は、サラシを胸に巻きその上にブレザーを羽織るーーといった、少し露出の高い恰好をしていた。

「――っと、その様子だと身体を動かすどころか、声を出すことも出来なさそうね……」

そう言うなり、少女はコナンの額に向けて懐中電灯の光を当てた。

「っ!?」

瞬間、コナンの視界は満天の星空へと切り替わり、同時にふわりと身体が浮遊していることを感じ取る。
コナンの身体は、そのまま落下していくが途中で何かに優しくキャッチされる。

(な、何だっ!? 一体何が……!)

混乱するコナンであったが、こちらを覗き込む女の顔を視認してから、自身が今この女にお姫様抱っこされていることを悟った。

「まあ、とりあえず何処か休めるところに行こうかしら。話はそれからね」
(首に俺と同じ首輪が付けられている…参加者か……。 それに今の現象は一体……?) 

コナンを抱きかかえたまま、少女は地を蹴り、駆けていく。
怒涛の出来事が連続して、コナンの頭はまだ整理が追いつていない。
しかしーー

(というか何で、こいつこんなにニヤついてんだ……?)

不気味に笑う少女を見上げ、コナンは確かな悪寒を感じた。



【江戸川コナン@名探偵コナン】
[状態]:健康、全身麻痺、結標にお姫様抱っこされている状態
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品3つ
[思考]
基本:殺し合いには乗らない、誰も死なせない
1:何だ、この女ッ!?
2:会場内を探索して、脱出手段を模索する
[備考]
※ムーンフェイスのパルプンテにより麻痺状態となっております。暫くすると快復します。


【結標淡希@とある魔術の禁書目録】
[状態]:健康、顔が異様にニヤついている、興奮状態
[装備]:懐中電灯@現実
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品2
[思考]
基本:自身の生存優先。今のところ殺し合いに乗るつもりはない
1:これが小学生男子の触感……。ふふふっ…うふふふふふ…。
2:ひとまず、この小学生男子とともに安全なところへ
[備考]
※主催側の力で『座標移動』の能力に制限を課せられております。どれほどの制限を課せられているかは、後続の書き手様にお任せします


【ランスアーミー@ドラゴンクエストV 天空の花嫁】
NPC。人型ではあるが全身が蒼く、明らかにモンスターの類。
人間を見掛けると、ヤリを手に突撃してくる。

【ムーンフェイス@ドラゴンクエストV 天空の花嫁】
NPC。全身が濃い紫色の毛に覆われた【ビッグアイ】の最上位種。
時折【パルプンテ】を唱えてくる。


780 : ◆IuB4aTDNuY :2020/08/31(月) 00:24:41 n2RQiAFw0
投下終了します


781 : ◆8eumUP9W6s :2020/08/31(月) 00:34:05 4rWnGWZI0
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782 : メンヘラなゴリラとグラマラスなウサギ ◆8eumUP9W6s :2020/08/31(月) 00:36:06 4rWnGWZI0
(俺は…どうしてこんな所にいるんだ…?)
それが男が…ライナー・ブラウンが最初にした思考だった。

ここに来る前の彼は、口に銃を咥えていた。様々な要因が重なった結果彼は心を病み、自殺したいという衝動にその身を任せようとしていたのである。

引き金を引こうとした際に彼の意識は途切れ…次に彼の意識が目覚めた時には、銃を持たぬままルール説明を受けさせられた。説明されたルールはあまり彼の頭には入らず、また見せしめとして誰かが殺されていたが、彼にとってはどうでもよかった。死のうとしていた所でこの事態に巻き込まれ、呆然自失といった状態に陥っていたからであるが、少なくとも殺された人物が彼の知り合いでは無かったから…と云うのもある。

そのままライナーは会場に飛ばされた。会場に飛ばされた後彼は、呆然としたまま、バッグの中身を確認する。

バッグの中には地図や食料らしきもの、それに飲み物と思わしきものなどが入っていた。しかし───彼の興味を惹きつけた物はそれらではない。彼の興味を惹きつけた物は…一つの銃であった。

説明書にはその銃は「M1918BAR自動小銃」と書かれている。ネウロイという存在を倒す為の武装らしいが、そんな事はどうでもいい。今のライナーにとっては、この銃は自らの命を終わらせる為には一番手っ取り早い手段であった。

本来の未来では、彼は後輩のおかげで自殺を思いとどまるのだが…彼がこの殺し合いに呼ばれたのはその前である。

ライナーはバッグの中身の確認を打ち切り、銃を自分の口に咥える。ようやく…ようやく終わる事が、終わらせる事が出来る…そう思いながら彼は、躊躇わずに引き金を引こうとした───その時であった。

「ちょっ…!?お、落ち着けっ早まるなぁぁっ!」

そう叫びながら背後から、上半身は軍服を着ているが、下半身は下着一枚という奇妙かつ、側から見たら痴女と認識されそうな服装をした少女が猛スピードで止めに入ったのは。

--------

(殺し合いには乗らない。…これでも軍人の端くれだからねぇ、万一乗っちゃったら、生きて帰ってもみんなに会わせる顔がないから。)

そう思考しながら少女は…シャーロット・E・イェーガー、通称シャーリーは、殺し合いには乗らない事を決意した。

(とりあえず、このバッグの中を見てみよう…おっ、わたしのストライカーがある…!早速履こう)

バッグの中に自らのストライカーユニットを発見したシャーリーはそれを装着する。そしてとりあえず近くに他の参加者が居るかどうかを探す為に、魔法力を発動させた。それに伴い、彼女に耳と尻尾が生える。どちらも彼女の使い魔である兎の特徴だ。

使い魔の性質はある程度ウィッチにも影響を及ぼす。シャーリーの使い魔である兎は…耳が良くなる影響を及ぼすのであった。彼女はこれを利用して、近くに参加者が居るのかを物音で判断しようと考えていたのである。

(うーん……ん?なんかバッグを開けたような音が聞こえた…ような…?…よし、ちょっと行ってみるか!)

音を聞いたシャーリーはそのまま自らの固有魔法『超加速』を使い、バッグを開けた音が聞こえた方向へと飛翔したのであった。


783 : メンヘラなゴリラとグラマラスなウサギ ◆8eumUP9W6s :2020/08/31(月) 00:36:34 4rWnGWZI0
--------

その方向へと向かったシャーリーだが、銃を口に咥えて引き金を引こうとしている男が居たのを発見し、彼女は大慌てで止めにに入った。そして今に至るのである。

(と…とりあえず動きを止めてはくれた…みたいだな)

息を少し荒げながら、(とりあえずとはいえ)男の動きを止める事に成功したシャーリーは一息をつく。

(…う、ウソ…だろ…?…あれ、わたしの銃だ…!?)

しかし彼が口に咥えていた銃をはっきりと見た結果、彼女は心の中で頭を抱える羽目になってしまうのであった。

【ライナー・ブラウン@進撃の巨人】
[状態]:健康、自殺衝動
[装備]:M1918BAR自動小銃@ストライクウィッチーズ
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜2
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いなんてどうでもいい…終わりたい…死にたい…
1:どうして俺を…死なせてくれないんだ…
[備考]
参戦時期は97話にて回想が終了した後、口に銃を突っ込み自殺しようとしている時から。
参戦時期の都合上彼の余命は残り2年程になっています。
会場に飛ばされるまでは呆然自失状態だったのでルールを把握し切れていません。
巨人化能力に制限が掛かっているかどうかは後続の書き手にお任せします。


【シャーロット・E・イェーガー@ワールドウィッチーズシリーズ】
[状態]:健康、肉体的疲労(小)、困惑
[装備]:ノースリベリオン P-51D“ムスタング”@ストライクウィッチーズ
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜2
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いには絶対乗らない
1:思いとどまって、くれた…訳じゃなさそうだなあ…
2:…とりあえずその銃返してよ…わたしのなんだぞそれ…
3:…放っとく訳にも行かなさそうだなぁ
4:もし宮藤やルッキーニたちが巻き込まれてたら…なんて考えたくはないけど…それなら合流しないとな…
[備考]
参戦時期は劇場版より後。
劇場版時点での作中舞台が1945年なので(現代基準で)それ以降に誕生・及び発展した物や技術についての知識はありません。

【M1918BAR自動小銃@ストライクウィッチーズ】
シャーリーが対ネウロイ戦で主に使っている銃。
丈夫で頑丈なので、少々乱暴に振り回しても使える利点があるが、それほど連続射撃が出来ないとはいえ弾数が40発しか無く、銃身が固定されているせいで加熱しても交換できない欠点もある。

【ノースリベリオン P-51D“ムスタング”@ストライクウィッチーズ】
シャーリーのストライカーユニット。
ブリタニアで不足していたストライカーユニットを補う為に、リベリオンで設計、生産されたんだ物の改良型。
元は魔導エンジンがイマイチであったが、ブリタニアにてマーリン60系の魔導エンジンに積み替えた事により高性能を叩き出すことが可能となった。本人曰く「速度も速く、飛行時間も長いし、高高度性能も優秀!まさに万能ユニットだね!」との事。


784 : ◆8eumUP9W6s :2020/08/31(月) 00:41:31 4rWnGWZI0
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785 : ◆Oamxnad08k :2020/08/31(月) 06:32:04 UBBtE7Ng0
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786 : 笑顔、満開、ハーイ・バブ―・チャ―ン ◆Oamxnad08k :2020/08/31(月) 06:33:33 UBBtE7Ng0
少年は歩く。歩く。歩く。
自らの興味の赴くままに―――

「ギシャアアア!!」
ゴブリンにとって、そのような者は格好の餌に過ぎない。
女でもないので、犯されることもなくただ殺されるだけなのが、救いかはわからないが……

少年はゴブリンが現れても興味がないのか素通りする……
「ギ!?」
これには、ゴブリンも戸惑いを隠しきれない……
「ギ!」「ギ!」「ギ!」
ゴブリン達は互いに顔を見合わせてどうするといった表情。
「「「……」」」

「「「ギシャアアアアア!!!!!」」」
出した結論は大声で襲い掛かり、気づいても気づかなくても殺す!
少年は流石に大声に気づいたのか振り向く………

「バブ――――!!!」

少年、波野イクラは不機嫌だった――――

「あぶなーい!」
少年のピンチに気づいた人物はゴブリン達よりも素早く跳躍して跳び、少年を抱きかかえた。
跳びかかってきたゴブリン達の魔の手から救った少女の名は―――

「輝く未来を抱きしめて!!みんなを応援!元気のプリキュア!キュアエール!」
キュアエール。

シースルーで包まれたようなスカートにへそが見え、瑞瑞しい唇には口紅―――

ゴブリン達の口元は卑しくニヤつく。
男よりも女。
それも、孕み袋となりえる極上の体をしているキュアエールの方に意識が向き、襲い掛かる。

「はぁああ!!」
プリキュアは徒手空拳で戦うのがメイン―――
左右のストレートでゴブリン達を難なく打ち払う。

「…ギ」
チラッ!
しかし、そこはゴブリン。女が手ごわいと知るや、イクラを人質にしようとナイフを片手に跳びかかる―――

「イケてない行動は絶対に許さない!!」

キッと力強い言葉でゴブリンに言い放つと―――
「ハート・フォー・ユー!!!!!」
手首の飾りがポンポンにかわり、大きなハートマークを描きピンク色の光線を受けたゴブリン達。

「ギシャアアアアア〜〜〜♪」
狡猾な心が浄化された……

「チャ――ン♪」
イクラはキュアエールの強さに大満足して両手をパチパチと叩いている。

☆彡 ☆彡 ☆彡

「ふぅ…もう大丈夫だよ♪」
キュアエールはイクラに近づき安心させる。

「ハーーイ♪」
イクラはキュアエールの言葉に答える。
「えっ…と、はぐたんよりは年は上のようだけど…」

そう、波野イクラは1才半。語彙力はもっとあってもよいはずなのだが、現在イクラが口に発する言葉は……

「チャーン」「ハーイ」「バブー」

そう3つの言葉のみ―――

「うん…成長は一人ひとり違うもんね!安心してねイクラちゃん!お姉ちゃんがパパとママに必ず会わせるから♪」
キュアエールのサムズアップにイクラは笑顔満開……

だが、キュアエールはまだ知らない。イクラは、はぐたん以上に好奇心旺盛な性格をしていることに―――

【E--5/森林】

【キュアエール(野乃はな)@HUGっと!プリキュア】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3(本人未確認)
[思考・状況]:基本行動方針:プリキュアとして殺し合いの主催者を浄化する
1:波野イクラをパパとママの元へ会わせる
2:私のなりたい野乃はなとして行動する
3:殺し合いに乗っている人物に遭遇したら説得する
[備考]
※プリハートがなくても必殺技は放つことが出来る(威力は弱まる)
※キュアエールの参戦時期は45話前

【波野イクラ@サザエさん】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3(本人未確認) コイン1枚
[思考・状況]:基本行動方針:興味が赴くままに行動する
1:ハーイ♪
2:バブ―♪
3:チャ―ン♪
[備考]
キュアエールへの好感度(高)


787 : 笑顔、満開、ハーイ・バブ―・チャ―ン ◆Oamxnad08k :2020/08/31(月) 06:33:47 UBBtE7Ng0
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788 : ◆EPyDv9DKJs :2020/08/31(月) 06:51:56 8JT1.0O60
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789 : ◆EPyDv9DKJs :2020/08/31(月) 06:52:46 8JT1.0O60
 廃墟と墓地が並ぶ、不気味な雰囲気を漂わせる場所
 この島の北西にあるホーンテッド・ヒルズにも参加者はいる。

「これが因果応報って奴か。」

 西側の廃墟の階段に腰掛けながら、
 立派なリーゼントを整える一人の男性。
 鍛えられた肉体は服越しでも十分すぎるほど伝わる。
 彼は殺し屋集団『ナイトレイド』の一人、ブラート。
 帝具と言ったとんでも技術が確立する世界でもあり、
 だからこの状況にもさほど困惑することはなかった。
 とは言え、気になるところは一つあるのだが。

「問題は…俺をどうやって生き返らせたかだな。」

 ブラートは既に死んだ身だ。船上で嘗ての上官との死闘の末に。
 死者を蘇らせる帝具が存在する? 否、それはあり得ない。
 タツミが友の復活の希望を見出した時もきっぱりと否定した。
 あるのなら、そもそも始皇帝が生きながらえてるのだから。
 命は一つだけ…だからこそ大事にしている。

「ま、普通に地獄と思うのが普通だよな。」

 櫛をしまい、決まったリーゼントを撫でるブラート。
 腐敗した帝国を早く終わらせるべく武器を取ったが、
 究極のところナイトレイドがしてたのは、ただの人殺し。
 天国に行けるような高尚な身ではない自覚はあったし、
 いつかは報いを受けると覚悟もして、現に死んでいる。
 だが、死んでも殺し殺されの関係を要求されるとは。

「後のことはタツミなら心配はいらねえが…どうするか。」

 地獄の沙汰も金次第ならぬ地獄の沙汰も殺し合い次第。
 弟分のタツミに全てを託したのに生き返って戻るってのは、
 男らしくないのもあるし、自分以上に生き返りたがってる人もいる筈。
 帝国に理不尽を受けたのは自分に限らず大勢いるだろう。
 自分が生き返るよりは、そういう人達に譲ってあげたくもある。

「となれば、俺のやることは変わらずだな。」

 とは言え此処が地獄の時点でそうはいない筈。
 寧ろ、優勝の為に弱者を虐げる悪党も必ずいる。
 つまるところ、目的はいつも通り『悪を斬る』と言うことだ。
 インクルシオはないが、百人以上を一人で切り伏せた実績もある。
 武器さえあればどうとでもなるので、適当に支給品を漁っていく。

「お、これは使えそうだな。」

 出てきたのは白の長剣と黒の長剣。
 インクルシオの鍵は長剣である以上、ブラートも扱っている。
 予備もあると言うのは非常に助かり、白い方を構えて軽く振るう。

「大剣ってわけでもないが、すぐになれそうだ。」

 十分に使いこなせるとわかると、
 残ったもう一本はしまった後に動き出す。
 目的は決めてない。近くの街から誰かと接触しよう。
 少し軽いノリで彼は歩みだした。

 ほんのちょっぴりだけ期待してることがある。
 もしかしたら、先だったかつての仲間…シェーレはいるのだろうかと。 
 最悪ここでもリヴァ将軍と戦うことになるのだろうかと言う不安もあるが。





「地獄ってのも、案外俗っぽいことをするんだな。」


790 : ◆EPyDv9DKJs :2020/08/31(月) 06:53:46 8JT1.0O60
 ブラートのいたところから離れた崖に佇む、
 蜘蛛の糸のようなラインが施されたスーツの男が一人。
 今の状況下については、彼と同じぐらい冷静な状態だ。
 当然と言えば当然だ。彼の名前はプロシュート。
 イタリアのギャングにしてスタンド使いなのだから。
 特にプロシュートは暗殺チームに所属しており、
 空間に関するスタンド能力は身内にもいるため身近な存在だ。

「優勝すれば何でも…か。」

 そんな美味しい話あるわけねえだろ。
 と一蹴したいが、そもそも彼も既に死んでいる身。
 死人に口なし…何もできないよりかはマシではあるだろうし、
 報酬も本物であれば、ボスからのなけなしの金よりはずっと大きい。
 本物と言う確証、本当に叶えてくれるのかという保障。
 この二つが確約できれば動き出すべきかと考えている。
 お互い地獄の民。殺して殺された連中のたまり場。
 だったら既に覚悟はできてると言うことに他ならない。

 もっとも、あくまで確実だと分かればの話。
 分かるまでは必要な行動は取らないでおく。
 確かな情報なしに動いて徒労に終わってた可能性は、
 列車に乗り込む際にあったかもしれない状況だからだ。
 あの時は余裕がなかったから勢いで行動したが、
 今は冷静だ。此処では余裕を持って行動する。

「ついでだ…探すとするか。」

 此処は死者が集う最期の場所。
 となれば、いるはずだ───ペッシが。
 確かにペッシは成長した。あの短時間で、
 あれほど覚悟を決めて戦ったのは褒めたくもある。

『オレはもう死ぬんだぜ…何やったって損はねえ…だろ?
 オメーの心に部下を失ったという『絶望』を残してくたばれるんなら…オレは喜んでやるぜ…』

 だが最後の最後だけは許せなかった。
 トリッシュを出したまでは別にいい。それが正しい。
 だが、最期はチームの為じゃなくてただの憂さ晴らし。
 それだけの為に亀を投げ捨てようとしていた。
 列車から這い出てでも言ってやりたかったが、
 それも叶うことなく途中で力尽きて今に至る。

 もっと言えば、亀を持っていたこと自体がおかしくもある。
 ブチャラティに襲われた時も亀の連中を優先するように言ったはず。
 チームが栄光を掴めればそれでよかった彼にとって、死を恐れない。
 なのに、ペッシは亀を持っていた…列車を止める前に始末できたはずだ。
 これが何を意味するか。つまりプロシュートのことを優先したということ。
 もう助からないとペッシも分かっていたはず…それでも列車を止めてしまった。
 心の弱さが問題なんだと指摘したのに、自分への依存…心の弱さが直結している。
 あの時は激励の言葉をつぶやいたし嘘ではないが、同時に忘れてはならない。
 チームではなく私欲を優先したペッシには、一発殴っただけでは気が済まない。

(俺自身も過保護だった気はするが。)

 私欲を優先してしまったのは、
 自分の存在がペッシにとって大きすぎたのもある。
 全てがペッシのせいかと言われると、そうとも言い切れない。
 その辺の反省も踏まえて、改めてペッシに出会うとしよう。
 それに、もしかしたら他のメンバー…二年前のソルベとジェラートは怪しくとも
 一日の間でなくなったホルマジオとイルーゾォ辺りはいるかもしれない。
 合流出来たらできたでどうするかは、今は考えてないが。

(列車の時とは違う。こういうのにも頼る必要があるな。)

 彼のスタンドは狭い場所で逃げられないときほど効果が発揮できる。
 だが此処はどう見ても広い。この先閉所での戦いは少なくなるはず。
 スタンド能力が頼れるのは接近戦か長期戦の二択になるだろう。
 だから、支給品の中に紛れ込んでいた短機関銃。これを頼る必要がある。
 スーツ姿に銃は、ある意味ギャングのテンプレートな姿だ。
 ギャングが握る銃にしては、少し長物すぎるところもあるが。





「…」


791 : ◆EPyDv9DKJs :2020/08/31(月) 06:55:58 8JT1.0O60
 プロシュートの位置からそこそこ離れた、
 ホーンテッド・ヒルズにしては廃墟らしからぬ小屋。
 そこにはヘルメットをかぶり、胸に七つの傷を持った男が寝転がる。
 ヘルメットで顔を隠しているが、その奥の瞳は堅気の顔ではない。
 実際にカタギではない。北斗神拳の伝承者争いに敗れた男、ジャギだ。

 最早言う必要もないだろうが、彼も死人である。
 ケンシロウにトキとラオウの存在を教えながら死んでいった身。
 ならばケンシロウに恨みつらみがある彼を知る人なら誰もが乘ると思うだろう。
 優勝、願い。これに縋るのがジャギ…だが、今の彼は違う。

「ハッ、勝手にやってろ。」

 もうどうでもよかった。
 奴は生きていようとどのみち地獄が目に見える。
 今更優勝してケンシロウ以上の腕になれたとして、
 ケンシロウの言葉を借りるならば、お前はもう死んでいる。
 生き返りはしないんだから、この腕を誰にも見せられない。
 では生き返るか? 生き返ったところで結局は実力不足。
 上の兄に甘んじて日陰者としての未来しか待っていないだろう。
 そんな結末しかないであろうあの世紀末に戻って何をすると? 何もない。
 勝っても一体何の意味があるのか。此処での殺し合いで成長するのか。
 しないだろう。そんなので済むのならあの世界でとうに成長している。
 何よりも踏んだり蹴ったりの人生だ。願いなんてものもどうせ嘘だろ。
 一つも願っても叶わなかった男が今度こそなんて、もう考えない。

「…」

 雑に支給品を探ってみる。
 出てきたのは歪んだ短剣…使えなくはないが得意でもない。
 やはり運はない。優勝できるならいいものが引けるだろうに。
 ショットガンでも引ければ多少はやる気が出ているのに。

「はぁ…」

 溜め息を吐きながら、ジャギは短剣をしまう。
 やっぱうまくいかねえ。いつもの俺らしくて笑えてくる。
 とりあえず身を起こし、地図を広げてどこへ向かうかを決めておこう。
 殺し合いは勝手にやってろだが、殺されるのも癪だ。
 一先ずは生存を目指して生き延びてみることにした。

 墓所に集いし三人の死者。
 各々はそれぞれの思いを胸に抱き、
 このバトルロワイアルへと巻き込まれる。

【ブラート@アカメが斬る!】
[状態]:健康
[装備]:無銘勝利剣・光の方@Fateシリーズ
[道具]:基本支給品、無銘勝利剣・闇の方@Fateシリーズ ランダム支給品×1(確認済)
[思考・状況]基本行動方針:悪党の優勝を避ける。話はそれから
1:シェーレや将軍はいるんだろうか。
[備考]
※参戦時期は死亡後からです。
※この殺し合いを地獄に墜ちた人同士で行うものと思ってます。



【プロシュート@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:ペッシに対する怒り(特大)、
[装備]:弾丸と銃@Fateシリーズ
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1〜2(確認済み)
[思考・状況]基本行動方針:乗るかどうかは保留。
1:仲間がいるか調べてみる。
2:ペッシに出会ったときはとりあえずまず殴る。
[備考]
※参戦時期は死亡後からです。
※この殺し合いを地獄に墜ちた人同士で行うものと思ってます。
※スタンドの制限は現時点では不明です。


【ジャギ@北斗の拳】
[状態]:無気力、不信
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1〜2(未確認)、破戒すべき全ての符@Fateシリーズ
[思考・状況]基本行動方針:どうでもいい。
1:好きにやっててくれ。
2:暫くは生き延びてやる。
[備考]
※参戦時期は死亡後から。
※この殺し合いを地獄に墜ちた人同士で行うものと思ってます。
※極悪ノ華は一応踏襲していませんが、
 具体的なとこは語ってないので後付けできます。


792 : ◆EPyDv9DKJs :2020/08/31(月) 06:57:06 8JT1.0O60
 具体的なとこは語ってないので後付けできます。




 実は、もう一人いる。
 三人の姿を、辺りで一番高い建造物から眺める少女がいた。
 ゴスロリの服に身を包み、マントニシルクハットは、さながら怪盗と言うべきか。
 しかし彼女は怪盗ではない。同時にまっとうな職業でもないのだが。
 彼女―――アンジェはスパイだ。それも、スパイ養成所では成績はトップの。
 アルビオン共和国の情報組織『コントロール』に属したスパイのエースだ。

(便利なものね。)

 殆ど見えない夜間の中、周囲の参加者を見渡して一考する。
 何十メートルと離れた相手を視認できるような驚異的な視力は彼女にはない。
 彼女が額に着けている、緑の瞳が埋め込まれたバンダナがその理由だ。
 五視万能スペクテッド。装着した者は五視と言う様々な効果を齎し、
 参加者の視認はそのうちの一つ『遠視』で、夜間でも霧でも関係なく見通せる。
 説明書を見たとき本当かと訝ったが、使ってみればその効果は事実だった。
 Cボールと言った非科学的なものに縁はあるので、適応は結構早い。

(でも全ては使えない。)

 本来ならば相手の表情や思考を読み取る洞視、
 筋肉の動きなどで攻撃を予測できる未来視等もある。
 だが帝具には相性があり、使用者によっては十全な発揮はできない。
 アンジェが明確に当てにできるのは今のところ遠視と透視の二つだけ。
 思考を読み取る二つは本当に機能するかどうか同課はまだ分からず、
 幻視に至っては相手に使わなければ効果自体が不明だ。
 現状ではこの二つだけでやりくりしていくほかないが、
 少なくともアこれだけでもアドバンテージがある。
 情報戦はこの手の戦いにおいて極めて戦況を有利へと持ち込む。
 これだけ多いと参加者同士での戦いが勃発する可能性がある。
 その中で誰と手を組むべきか…そこを考えなければならない。

 彼女は現状どうするべきかを決めかねていた。
 願いをかなえる力は、おおよそあるとは確信はある。
 仕事中の自分を何の脈絡もなく招くことができているのだから、
 少なくとも自分たちの技術を超えたものを持っているのだろう。
 ノルマンディー公もこの技術から関わっている線は薄いのも、
 行動をそこまで消極的にしなくてもいいのも地味にありがたい。
 確かに願いはある。彼女…プリンセスを王女にしたいと言う願いを。
 だが、それをこの屍の山で築いたもので叶えたいものではない。
 手を汚すのを忌避するわけではない。スパイの仕事をしてる以上今更な話だ。
 彼女が殺し合いに乗らないのは、それがプリンセスの行動を否定するからだ。
 あの革命の時に入れ替わってから、彼女は自分が別人だと気づかれないように
 あらゆる方面においてプリンセスと偽る為に、血の滲む程の努力をして今に至る。
 ただのスリが貴族として振舞えるように、誰の手も借りれず一人で戦い続けてきた。
 誰よりも彼女を想うアンジェが、努力を全て否定するような願いを叶えはしない。

 だからと言って優勝しないで脱出できる算段も不明だ。
 そもそも、プリンセスが参加してる可能性だってある。
 下手な行動をとってプリンセスに危害が及ぶことがあれば余計に。
 リーゼント、スーツ、仮面の男がそれぞれどのような思考を持つのか。
 スペクテッドがちゃんと発揮できないのがもどかしくもある。

 仮にプリンセスがいないとしても、これまた悩む。
 現状脱出の目処も可能性もこの広い地図の中から見つけるのは至難。
 しかも制限時間もいつまであるのかがよく分かっているわけではない。
 この曖昧さを考えると、余り悠長なことは言ってられないだろう。
 誰と手を組むかを、今のうちに決めなければならない。



 実は彼女も気づいてないが、
 この三人にとってアンジェは鍵になるやもしれない存在だ。
 アンジェだけは三人と違って、死者の身ではないれっきとした生者。
 生者が参加者として存在する。それはこの場にいる三人にとって極めて重要だ。

 ブラートに出会えば、今も生きてる無辜の民も巻き添えの事実を知ることになる。
 プロシュートに出会えば、自分が死者なのに蘇生する力があることが事実になる。
 ジャギに出会えば、自分は生き返った存在だと証明することになる。
 どれも彼らの行動方針を決定づけたり変える可能性が非常に高いのだ。
 アンジェが選ぶ選択肢次第で、三人の死者の道を変えていく。
 それがいい方向か悪い方向かは…誰にもわからない。


793 : ◆EPyDv9DKJs :2020/08/31(月) 06:58:25 8JT1.0O60
【アンジェ@プリンセス・プリンシバル】
[状態]:健康
[装備]:五視万能スペクテッド@アカメが斬る!
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1〜2(未確認)
[思考・状況]基本行動方針:生存
1:プリンセスの安否。ほかのメンバーもいる?
2:参加者の誰と接触するべきか…初対面相手に全員選ぶのは危険。
[備考]
※参戦時期は少なくともメンバー五人が揃った以降
 またスパイとしての仕事中


【無銘勝利剣(ひみつカリバー)@Fateシリーズ】
謎のヒロインXの宝具。光と闇の相反する属性らしい
身も蓋もないことを言ってしまうと、ライトセーバー
剣から噴き出るエネルギーをジェットエンジン代わりにして突撃できるが、
流石のブラートでも厳しいだろうし、そもそも一本しか使ってない
一応アルトリア特効はあると思うが、多分機能する相手が少ないと思う

【弾丸と銃@Fateシリーズ】
エミヤがバレンタインに送る礼装
…とは言うが、ぶっちゃけると短機関銃とその予備の弾
弾の予備は多くはない

【破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)@Fateシリーズ】
メディアの宝具。あらゆる魔術を初期化すると言う魔術においては最強の宝具
人一人殺せないナマクラとは本人の言葉だが、普通に凶器である

【五視万能スペクテッド@アカメが斬る!】
首切りザンクが獄長から奪った、始皇帝が作り出した帝具
再現不可能なトンデモ技術が組み込まれた道具で、これも例にもれずオーバーテクノロジー
額に装備することで五視の効果を齎し、環境の関係なしに遠くが見える遠視、
相手の表情や思考を読み取る洞視、筋肉の動きなどで攻撃を予測できる未来視、
衣服を透かす透視、相手が最も愛するものの姿を浮かび上がらせる幻視の五つを持つ
ただし帝具の適正(ブラート曰く第一印象)が存在しており、
彼女の場合は洞視、未来視、幻視の三つは正確性がない状態になる
ただタツミと違って眩暈を起こすほどのものではない


794 : ◆EPyDv9DKJs :2020/08/31(月) 06:59:08 8JT1.0O60
以上で『アサシン・グリード』投下終了です(誤字ではないです)
アンジェに関する一部文章はアニロワ17【殺し合いの中で・a】を流用してます


795 : ◆4kMBNI9QkE :2020/08/31(月) 15:46:59 xBKBSnTA0
投下させていただきます


796 : 正義の味方はピンチの時に現れる ◆4kMBNI9QkE :2020/08/31(月) 15:48:15 xBKBSnTA0
「ハァ・・・ハァ・・・」
「フフフ・・・どうした少年?君の力はその程度か?」

薄暗い森の中・・・民族衣装的な服を着た黄土色の髪の少年・・・ユーノ・スクライアは、
黒いドクロを思わせる仮面にマントを装着した野太い声の人物・・・スカールと対峙していた。

ユーノの体には数えきれない程の傷が刻まれており、左手で押さえている右上腕から赤い血が流れ出している。
一方、スカールは全くの無傷であり、満身創痍なユーノを嘲笑うかのように両腕を広げて大げさな笑い声を放っていた。

「・・・」

ユーノは自身の背後に視線を向ける。

「あ・・・あ・・・」

そこには左右の髪に×形の髪飾りを着けた制服姿の少女・・・ゆのが、涙目を浮かべながら地面にヘタリ込んでいたのだった。

☆☆☆

キッカケは些細なことだった。
『殺し合い』の会場に送られてすぐに、ユーノとゆのは出会った。
最初はお互い警戒していたものの、相手が殺し合いに乗るつもりがない事を知ると、互いの名前が似ていた事も合わさってすぐに打ち解けあった。
そして、詳しい情報交換を行うとした所に・・・スカールが現れたのだ。

スカールは二人との対話を行う事無く、問答無用で攻撃を開始した。
最初こそ、ユーノの使う防御魔法や拘束魔法によってスカールの攻撃を防いだ二人だったが、スカールはユーノが魔法を使う事を知ると二人の目には止まらぬ程の超スピードでユーノを翻弄し、まるでサンドバッグを殴るようにユーノに攻撃を加えていったのだ。

そして話は冒頭に戻る。


797 : 正義の味方はピンチの時に現れる ◆4kMBNI9QkE :2020/08/31(月) 15:48:54 xBKBSnTA0
☆☆☆

「ハァ・・・ハァ・・・」

ユーノは荒い息を漏らしながら、背後にいるゆのを守るようにスカールに向かい合っていた。

「・・・チェーン・バインド!」

ユーノの叫びと共に空中から緑色に光る魔力の鎖が出現し、スカールに向かっていく。

「・・・ふん」

しかし、鎖が届こうとした瞬間にスカールの姿は消え・・・

「・・・遅いな」
「!?」

・・・まるで瞬間移動したかのようにユーノの眼前に姿を現し、ユーノの腹部に膝蹴りを叩き込んだのだ!

「ぐあっ!?」

ユーノの体はまるでサッカーボールのように吹き飛ばされ、地面に転がった。

「・・・ユーノ君!」

慌てゆのは、地面にうずくまっているユーノに駆け寄った。

「ハァ・・・ハァ・・・」

ユーノは膝蹴りを叩き込まれた腹部に左手を当て、荒い息を漏らしていた。
ユーノの目はもはや焦点も定まっておらず、右上腕の出血と合わさって誰が見ても限界だった。

「ゆ、ゆのさん・・・逃げ、て・・・」

自身がもう限界だというのに、ユーノは自分ではなく知り合ったばかりのゆのの安否を気にしていた。
しかし・・・

「そんなの・・・そんなの出来ないよ!」

ゆのには己の身も省みずに自分を守ろうとしている少年を見捨てる事など出来ず・・・服が血で汚れる事も気にせずに、傷だらけのユーノを抱き締めた。

「ハハハ!美しい友情だな」

その様子を見ていたスカールは、ゆのとユーノを小馬鹿にするように呟くと、
自身のデイバッグに手を入れた。
デイバッグから出てきたスカールの手には、まるでSF映画に出てくる光線銃をライフルにしたような物が握られていた。
太く銀色の銃身が月の光に照らされて、怪しく輝いていた。

「さて・・・ではトドメといくか」

スカールはその手に握る光線銃の銃口をユーノとゆのに向ける。
ゆのはせめてもの抵抗とばかりにスカールを睨むが、スカールにとっては痛くも痒くもなかった。
引き金が引かれ、青白い光弾が放たれる。
ゆのはユーノを抱き締めながら目を瞑り、死を覚悟した。



(・・・?)


798 : 正義の味方はピンチの時に現れる ◆4kMBNI9QkE :2020/08/31(月) 15:50:49 xBKBSnTA0
しかし、どれだけ待ってもその瞬間は訪れない。
恐る恐る目を開けると・・・

「・・・大丈夫かい?」

スカールとユーノを抱いたゆのの間に、黒づくめのコスチュームを纏った人物が立っていた。
その人物は、頭のてっぺんから爪先まで、全身を黒と紫のコスチュームで包み、顔を豹を思わせる仮面で隠していた。
突然現れた謎の人物にユーノもゆのも呆気に取られてしまった。

「ほう・・・今の一撃を受けて無傷か。面白い」

一方のスカールは、手にした光線銃の銃口を黒づくめの人物に向け、再び引き金を引こうとした。
しかし・・・

「・・・御免!」
「!?」

スカールの背後からまた別の人物が現れた。
青い繋ぎのような服の上から薄水色の裾長の上着を羽織り、
長い黒髪を後頭部で纏めた鋭い目付きの男性だ。
その男性は、抜き身の刀を手にしてスカールを背後から切りつけてきた。
スカールは左腕で男性の刀を受け止めるが・・・

「ぐわぁ!?」

・・・スカールの左腕の肘から先は、見事に切り落とされてしまった。
切断面からは機械類が覗き、火花が飛び、血なのかオイルなのか判別しずらい液体が漏れだしていた。

「フフフ・・・二対一とは少し少し卑怯ではないか?」

スカールは切断された左腕を光線銃を持った右腕で抑えながらも、余裕のある振る舞いを見せる。

「黙れ!幼い子供を嬲りものにするような奴に、卑怯だなんだと言われる筋合いはねぇ!!」
「・・・同感だな」

しかし、コートの男性はそれに怯む事無くスカールに手にした刀の切っ先を向け、黒づくめの人物も指先から鋭い爪を出して今にも飛びかからんとしていた。

「フフフ・・・仕方ない。ここは引かせてもらおう」

言うが早いか、スカールの姿は一瞬にして消えた。

「何!?」
「消えた!?」

スカールの姿が消えると同時に、コートの男性と黒づくめの人物は周囲に警戒を向けるが・・・スカールが再び姿を現す事はなかった。

「ちっ・・・逃がしたか」

コートの男性は刀を鞘に納め、黒づくめの人物も指先の鋭い爪を収納した。
そして・・・二人は傷だらけのユーノとユーノの体を抱いているゆのに視線を向けた。

「!」

二人の人物に視線を向けられて、ゆのはユーノの体を強く抱き締めながら身構える。

「・・・心配しなくて良い。私たちは君達を傷つけるつもりはない」
「・・・本当、ですか?」

スカールの件もあり、ゆのは黒づくめの男性の言葉をすぐには信用できなかった。

「ああ、もちろんだ」

ゆのに語りかけながら、黒づくめの人物は顔を覆い隠す黒豹を思わせる仮面を外す。

「・・・約束しよう」

仮面の下から出てきたのは、口髭を生やしたアフリカ系男性の顔だった。
その風貌は日本人とはかけ離れた威圧感があったが、
その瞳には弱者を思いやる優しさが込もっているように
ゆのには感じられた。

「・・・自己紹介が遅れたな。私はティ・チャラという」

黒人男性・・・ティ・チャラは微笑みを浮かべながら自己紹介した。

「俺は銀河烈風隊副長・シュテッケン・ラドクリフだ」

続いて、コートの男性・・・シュテッケンが名乗ったので、ゆのも名乗ることにした。

「は、はい。私の名前はゆのです。こっちはユーノ・スクライア君です」
「・・・うぅ」

その時、ゆのに抱かれていたユーノがうめき声を漏らした。

「!ユーノ君、大丈夫!?」

ゆのは苦悶の表情を浮かべるユーノに声をかける。
次の瞬間・・・ユーノの体は緑色の光に包まれた。

「・・・えっ?」
「こ、これは?」


799 : 正義の味方はピンチの時に現れる ◆4kMBNI9QkE :2020/08/31(月) 15:53:20 xBKBSnTA0
突然の事態に、ゆののみならずティ・チャラやシュテッケンも困惑する。
光が晴れると・・・先程までユーノが抱かれていたゆのの手の中には、
傷だらけの黄土色のフェレットが横たわっていた。

「ゆ、ユーノ君が動物に!?」
「そんな!信じられねぇ!?」

突然人間が動物に変わるという異常事態に、ゆのは目を白黒させ、シュテッケンも呆気に取られた。

「・・・ちょっと良いかな?」

そんな中で、ティ・チャラは冷静にゆのに近づくと、ユーノが変化したらしいフェレットの小さな体の脈を測った。

「・・・よし、微弱だが心臓は動いている。早く手当てすれば、助かるかもしれない!」
「!お、お願いします!ユーノ君を助けて下さい!」

ゆのは涙を流しながら、自分を守るために傷ついた少年を救う事を願ったのだった。



【ユーノ・スクライア@魔法少女リリカルなのは】
[状態]:フェレット形態、気絶、ダメージ高
[装備]:無し(フェレット形態)、バリアジャケット@魔法少女リリカルなのは(人間形態)
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本:巻き込まれた人を助ける
1:・・・(気絶中)
2:ゆのを守る
3:なのはやフェイトがいるなら、合流する
[備考]
無印最終話からA's第一話までの間から参戦。
はやてやヴォルケンリッターとはまだ面識がありません。
バリアジャケットは支給品ではありません。
フェレットの姿になっても、首輪は外れません。
ゆのを『自分やなのはと同い年か一つ上くらいの年齢』だと思っています。

【ゆの@ひだまりスケッチ】
[状態]:緊張、精神的ダメージ(中)
[装備]:無し
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本:人殺しはしたくないけど、殺されたくもない
1:ティ・チャラ、シュテッケンについていく
2:ユーノ君が動物になった!?
3:今度は私がユーノ君を助けなくちゃ!
4:宮ちゃんや紗英さんもいるのかな?
[備考]
2年生の中盤付近からの参戦。
ユーノを『自分と同い年くらいの少年』だと思っています

【ティ・チャラ(ブラックパンサー)@マーベル・シネマティック・ユニバース】
[状態]:健康、少し動揺
[装備]:ブラックパンサースーツ(アップグレード版)@マーベル・シネマティック・ユニバース
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜2
[思考・状況]
基本:人を助ける
1:シュテッケンと行動する
2:ユーノの手当てをする
3:人が動物になるとは・・・
4:知り合いがいるなら合流する
[備考]
『アベンジャーズ:エンドゲーム』以後より参戦。
ゆのを『小学生』だと思っています。

【シュテッケン・ラドクリフ(諸刃のシュテッケン)@銀河烈風バクシンガー】
[状態]:健康、困惑
[装備]:斬鉄剣@ルパン三世
[装備]:基本支給品、ランダム支給品1〜2
[思考・状況]
基本:殺しあいだと?ふざけるな!
1:ティ・チャラと行動する
2:ゆのとユーノを助ける
3:人が動物に!?どうなってんだ!?
4:銀河烈風の仲間がいるなら合流する
[備考]
銀河烈風が正式にキョーラーク星警備隊となった辺りから参戦。
ゆのを『ジャッキーやファンファンと同い年くらいの少女』だと思っています。



さて、その頃スカールはというと・・・

「むぅ〜ん・・・」

手近な民家の中で、切り落とされた左腕の応急修理を行っていたのだった。

【スカール@サイボーグ009】
[状態]:ダメージ小、左腕欠損、修理中
[装備]:アーニミレーション99L 攻撃用武器@マーベル・シネマティック・ユニバース
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜2
[思考・状況]
基本:総統の下に帰還する
1:帰還の為に自分以外全員殺す

[備考]
『地下帝国ヨミ編』での009との決戦直前からの参戦。


800 : 正義の味方はピンチの時に現れる ◆4kMBNI9QkE :2020/08/31(月) 15:54:13 xBKBSnTA0
【バリアジャケット@魔法少女リリカルなのは】
「魔力」によって構成される一種の防護服。
これも一種の魔法であり、大気や温度等の劣悪な環境だけでなく、
「魔法」や物理的な衝撃などからも着用者を保護する。
そのデザインは着用者のイメージによって決定されるが、着用者以外によるデザインの調整も可能。
(以上、ウィキペディアより抜粋)
ユーノ・スクライアの物は民族衣裳的な外見をしているのが特徴。

【ブラックパンサースーツ(アップグレード版)@マーベル・シネマティック・ユニバース】
『ブラックパンサー』において、ティ・チャラの妹である『シュリ』が製造した新型スーツ。
旧来のスーツ同様ヴィブラニウム製だが、通常時はナノサイズに分解されて豹の爪を模したネックレスの内部に収納されており、使用者の意思によってスーツが形成・装着される。
衝撃を受けるとそのエネルギーを吸収・蓄積し、任意のタイミングで蓄積したエネルギーを周囲に放出する機能がある。

【斬鉄剣@ルパン三世】
言わずと知れたルパン一味の一人『石川五ェ門』の愛刀。
文字通り何でも切れる刀だが、コンニャクを初め切れない物も一部存在する。

【アーニミレーション99L 攻撃用武器@マーベル・シネマティック・ユニバース】
『キャプテン・アメリカ:ファースト・アベンジャー』において、レッドスカル率いる秘密結社ヒドラの兵士が使用しているアサルトライフル。
四次元キューブ(スペース・ストーン)のエネルギーを利用したビームパルスガンで、一発で人間一人を跡形もなく消滅させる威力がある。


801 : 正義の味方はピンチの時に現れる ◆4kMBNI9QkE :2020/08/31(月) 15:58:07 xBKBSnTA0
投下終了します。
本当はブラックパンサーを登場させるつもりはなかったのですが、MCUでブラックパンサーを演じられたチャドウィック・ボーズマンさんが亡くなられたとニュースで知り、急ピッチで書き出しました。
チャドウィック・ボーズマンさんのご冥福をお祈りします。


802 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/31(月) 19:34:34 3Ouf.3Xs0
投下させていただきます。


803 : 心というものは…… ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/31(月) 19:36:36 3Ouf.3Xs0
ここは会場内の森林地帯、そこには一人の男がいた。

白銀の鎧に光り輝く宝玉、そして強い意志を感じさせるまなざしをした青年だった。

彼の名は天地騎士クレイ、かつて『天界の統治者』の傍らでともに邪悪な存在と戦い続けてきた天使であったが
『地上にいる全ての命を消し去り、世界を浄化する』という決定に異を唱え、自らの翼を捨てて地上に降り立った気高き戦士である。

そんな彼は今、この殺し合いについて憤りを感じていた。

確かに彼自身天使であった頃に終わりの見えない戦争やそれに伴う悲劇などを見てきたが、このような無辜の人々を巻き込んだ無意味な殺し合いは初めてであったからだ。

「この世界は確かに救いがたいかもしれないが、それでも息づく命がある限り…私は戦う!!」

彼は少なくない人々の命を救うためにも、戦い続ける道を選んだ。たとえそれが偽善と称されようとも、それが自分の信念だから、それを違えるつもりはなかった。

そんな中彼は、無数のゴブリンたちによって襲われている、茶色い短髪の女性を見つけた。

ゴブリンたちの存在によって絶望しているのか、その女性は一切逃げようとはしなかった。

そうして彼は自分の持つバッグの中にあった、自分が普段使っている剣を手にしてゴブリンたちに立ち向かった。

「手出しはさせない!『セイクリッドスライサー』!」

そして聖なる光を宿した斬撃を飛ばすなどしてゴブリンたちを蹴散らし、彼女に手を差し伸べようとしたが……


804 : 心というものは…… ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/31(月) 19:37:04 3Ouf.3Xs0
「……あはは、あははははははははは!」

その女性は全身に白濁液を付け、女性にとって大切な場所を赤黒く腫れ上がらせた状態で力なく笑い続けていた。

彼女が身に着けていたであろう鎧は無残にも壊されており、またその周囲には黒焦げにされた女性の死体や無数の矢に貫かれた死体があった。

それらはおそらく、目の前にいる女性の仲間たちだったのだろう。

そしてそれらの死体に対し彼女は焦点の合っていない、光を宿していない目でそれを見つめていた。

「みないで、わたしをそんなめでみないでぇぇぇーっ!!」

そうして彼女は悲鳴を上げた。それらの死体に対し、自分を見るなとそう叫んでいた。

―― その女性の心はすでに、壊れていたのだ。

そんな彼女を見て彼は、心の底からの涙を流した。

自分の身体が汚れるのもいとわずに、白濁液にまみれた彼女の身体を抱きしめていた。

自分はもう"天上の存在"ではないことを理解していながらも、彼女たちを助けられなかったことを悔やんでいた。

自分の持つ"癒しの力"で彼女の心を元に戻すことはできるが、そうした場合彼女が自殺を選んでしまうことに気づいていた。

―― 今の彼に、彼女を助けることなどできなかったのだ。

「……すまない、君たちを助けられなくて……本当にすまない……!」

クレイは彼女に謝っていた。たとえその言葉が彼女に届いていなかったとしても、謝らずにはいられなかったのだ。

「……よごれちゃいますよ?それでもいいんですか?」

そして彼女は、彼がなぜ謝っているのかを理解していなかった。むしろ、彼の着ている服が汚れてしまうことを気にしていた。

そんな彼女に対し、彼は自分が付けていたマントを外し、彼女の身体に掛けてあげた。

「……これから君を安全な場所へと連れていきたい、それでいいかな?」

彼は、おかしくなってしまった彼女を放っておくことなどできなかった。

生きている限りまだ希望はある。彼はその言葉を胸に彼女が回復するまでそばにいることを決めたのだ。

そのためにまず、彼女を安全な場所まで連れていくことにしたのだ。

「……別のところでシたいんですね。いいですよ、もう"コワサレちゃった"あとですから」

そして彼女は、相変わらず光を宿していない目のまま彼の言葉に答えていた。

彼の言葉の真意に気づいていないまま、別のところで自分を抱きたいのだと、そう解釈していた。

そうして彼女は彼に付いて行った。彼女にとってはもう、全てがどうでもよかったのだから。


805 : 心というものは…… ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/31(月) 19:39:08 3Ouf.3Xs0
しかし彼女とともにいるクレイの顔はいまだに怒りに震えていた。それはこの殺し合いのことでも、間に合わなかった自分に対するものでもなかった。

それは……

(天上の者たちよ……人の未来はその人自身が作り上げるべきだ……天は見下ろすためにあるのではない!)
(地上に住む者たちの命は……貴方たちのおもちゃではないのだ!!)

彼女たちのような、地上に住む者たちの運命を徒にもてあそぶ『天上の存在』への怒りだった。

彼女の身体を通して感じ取ったのだ。彼女たちの運命をもてあそんだ「何者か」の存在を。

それらが、自らが動かした骰子によって変化する状況を『一種の娯楽』として楽しんでいることを。

それらすべてをクレイは感じ取り、そして憤っていたのだ。

自分たちの娯楽のために他の命をおもちゃにする、それが天に住む者の行いとは思えなかったからだ。

かつて自分と袂を分かつようになった主や親友たちは、『救われない世界を救う』という使命に準じた結果凶行に及んだのだから。

それゆえに彼は、彼女の世界に住まう『神々』に対して激しい怒りを燃やしたのだ。

そんな、どこまでも誠実な彼が今後どのような道をたどるかは、いかなる神様でもわからないだろう……。


【天地騎士クレイ@モンスター烈伝オレカバトル】
[状態]:健康、発狂した貴族令嬢に対する強い悲しみ、"《幻想》と《真実》"に対する強い怒り
[装備]:白銀のクラレント@モンスター烈伝オレカバトル
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いを止める。人々のために戦い続ける。
1:天上の者たちよ……天は見下ろすためにあるのではない!
2:自分の能力で彼女の心を元に戻してあげたいが、そうした場合彼女は……!
3:とりあえず今は、自然に彼女の心が回復するのを祈るしかない……。
[備考]
貴族令嬢の身体を通して四方世界の神々及び"《幻想》と《真実》"の存在、そして彼らの行いについて知りました。


【貴族令嬢@ゴブリンスレイヤー】
[状態]:精神崩壊、マントで体を隠している
[装備]:―
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:不明。
1:みんな、みんなしんじゃった!あはは、あははははははははは!
2:わたしのせいだわたしのせいだわたしのせいだ!
3:あなた(天地騎士クレイ)は、けがれてしまったわたしをだきたいのですか?
[備考]
参戦時期は、ゴブリンたちによって仲間を皆殺しにされる光景を見続けたことで発狂した後。
(今後の展開で彼女の心が回復するかは、後続の書き手にお任せします)


【白銀のクラレント@モンスター烈伝オレカバトル】
 クレイがまだ天使であった頃から使い続けている剣で、聖なる力が宿っている。

 その力でもってアンデッドを浄化することもできるが、天使でなくなったときに彼らの凶行を止めるためなのか
 天使の動きを封じる力も宿った。


806 : 心というものは…… ◆L9WpoKNfy2 :2020/08/31(月) 19:42:50 3Ouf.3Xs0
投下終了です

各作品について知らない人にとって誤解を招きそうな部分が2つほどありますので、補足説明を下に記載します。

1.今回の話に登場した「貴族令嬢」は、>>335>>337までの候補作に登場した「令嬢剣士」とは別人です。
2.今回の話に登場した「天地騎士クレイ」は、>>732>>734までの候補作の中で挙げられていた『光の戦士』ではなくその相棒に当たる存在です。
 (『Yes!プリキュア5』で例えると、妖精である「ココ」にあたる存在です)

以上、ありがとうございました。


807 : ◆ytUSxp038U :2020/08/31(月) 20:15:58 bBlEF3xo0
投下します


808 : 水の為なら鬼となる ◆ytUSxp038U :2020/08/31(月) 20:17:55 bBlEF3xo0
とある廃墟。
そこで水好守男は血走った目で自分のデイパックを漁っていた。

「違う…違う…!クソッ、酒なんかいるかよ…!」

カップ麺や缶の酒を乱暴に投げ捨てて、奥まで手を突っ込む。
すると手が何かを掴んだ。
その感触に期待を込めて手を引っこ抜くと、喜色満面の表情になった。

手に持っているのはペットボトルに入った水。
2ℓのどこにでも売っていそうな代物だが、今の水好にとってはこの世のどんな宝よりも価値があるものだった。

「あった……はは…やった、やったぞおおおおおおおおおおっ!!水!俺の水だあああああああああああああああああああ!!!」

水好は狂ったように喜び、ペットボトルに口を付ける。
ゴクリ、ゴクリと喉を鳴らしながら水を流し込み、半分近く無くなった所でやっと口を離した。

「〜〜〜〜っかー!!これだよこれ!やっぱり俺にはこれが無いと…!」

まるで愛おしい恋人のように水を抱きしめる水好。
デイパックにはあと2本入っていたが、これだけでは足りない。
この水が無くては生きていく事が出来なくなっている以上、100本あろうと全く足りないくらいだ。
ではどうするかと暫し悩む水好だったが、結論は直ぐに出た。

「…ああそっか。優勝すれば良いだけの話じゃないか」

こうして水を支給するという事は、殺し合いを開いた者はこの水を大量に確保しているに違いない。
ひょっとしたら水の採水地である鬼神泉の所有者という可能性もある。
いずれにしろ水が手に入らなければ生きて帰る意味が無いのだ。
それに自分は既に、水を独り占めする為に殺人を犯している。
今更罪悪感を感じる事も無い。

「そうだ…!水は全部俺だけの物だ!やってやる…やってやるよ…!!」

決意を新たにする水好の顔は、明らかに正気とはかけ離れたものだった。

【水好守男@誘い水(世にも奇妙な物語)】
[状態]:健康、誘い水への中毒症状
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、誘い水×3(内1本は半分消費)@世にも奇妙な物語、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]:基本行動方針:優勝して一生分の水を手に入れる
1:参加者を探して殺す。水を持っていたら奪い取る
[備考]
参戦時期はタンクトップの男を殺した直後。

【誘い水@世にも奇妙な物語】
2ℓのペットボトルに入った水。ラベルには鬼の顔が描かれている。
会員制の通信販売でしか手に入らず、ある日突然「合格しました」という電話が来た者だけが買う事ができる。
強力な中毒症状があり、飲み続けていると普通の水や飲料は受け付けない体になってしまう。
鬼神泉と言う山奥にある湖が採水地だが、鬼神泉一帯の山々はラベルに描かれた巨大な鬼の顔になっており、鬼神泉は丁度口の部分になっている。
渇きを抑えられず鬼神泉に誘われた人間は皆この口の部分に吸い込まれ命を落とす事となる。


809 : ◆ytUSxp038U :2020/08/31(月) 20:18:51 bBlEF3xo0
投下終了です


810 : ◆NIKUcB1AGw :2020/08/31(月) 21:57:02 CwB0GiEE0
投下します


811 : 狛【こまいぬ】 ◆NIKUcB1AGw :2020/08/31(月) 21:58:22 CwB0GiEE0
暗い森の中を、血まみれの服を着た青年が歩いて行く。
その目は濁りきり、表情にも生気がない。
まさに、亡者がごとき有様である。

(もう……何もかもどうでいい……)

そんな言葉を脳裏に浮かべながら、青年は惰性で足を動かしていく。
彼の名は狛治。とある武術道場の門下生であり、師範の娘と結婚して道場を継ぐはずだった男だ。
だが彼の幸せは、醜い感情に支配された者たちによって奪われた。
狛治が不在の間に、隣の剣術道場の連中によって師匠と愛する人が殺されたのだ。
狛治は怒り狂い、剣術道場の人間を皆殺しにした。
その後当てもなくさまよっていたところを、殺し合いに参加させられたのだ。

狛治は、殺し合いにまったく興味を抱いていなかった。
すでに大切な人たちは、命を奪われてしまった。
今更誰が死のうと、知ったことではない。
優勝すれば願いが叶うという話も、感情を動かすことはない。
どうせ、死んだ人間を生き返らせることなどできないのだから。

(いっそ、さっさと誰がか殺してくれれば楽になれるものを……)

破滅願望さえ抱きながら、狛治は歩き続ける。
その前に、何かがふいに姿を現した。

「もんげーっ!!!」

その何かは、狛治を見た途端素っ頓狂な声で叫ぶ。
それは、ずんぐりむっくりした二足歩行の獣だった。
猫……いや、犬だろうか。

「お兄さん、血まみれずら! いったい何があったずら!?」

獣は狛治を心配する言葉を口にしながら、彼にかけよる。
だがそれですら、今の狛治には煩わしくしか感じられなかった。
狛治は右手を振り上げ……それを振り下ろすことなく、過労で意識を失った。


◆ ◆ ◆


次に意識を取り戻したとき、狛治は布団に寝かされていた。

(ここは……どこかの家の中か……)

上半身を起こし、周囲の状況を確認する狛治。
そこへ扉を開け、先ほどの獣が入ってきた。

「あっ、目が覚めたずらか? 突然倒れたから、慌てたずらよ。
 何か食べられそうずらか? よかったら、オラの荷物に入ってたおにぎりを食べるずら」

笑顔でおにぎりを差し出してくる獣を、狛治は不思議そうに見つめる。

「一つ聞かせろ。二本足で歩き、人の言葉を話す獣など俺は見たことがない。
 おまえは、物の怪か何かか?」
「物の怪……間違ってないずらね。オラは妖怪ずら。
 あ、名前はコマさんずら! よろずら!」
「では妖怪よ、なぜ俺を助けた?」
「なぜって……困ったときはお互い様ずら。
 オラも殺し合いはもんげー怖いけど、だからといって困ってる人を見捨てるわけにはいかないずら」
「俺に……助けてもらう資格などない」

狛治は、拳を固く握りしめる。

「な、なんでそんなこと言うずらか?」
「俺はここに来る前に……すでに人を殺している……。
 それも、何十人もだ」
「もんげーっ!!」

衝撃的な告白に、コマさんは全身を使って驚きを表現する。

「い、いったい何があったずら!?」
「聞きたいのなら聞かせてやる。なんともつまらない話さ」

狛治はコマさんに対し、自分の身の上を包み隠さず話し始めた。
なぜ会ったばかりの、しかも得体の知れない存在に話す気になったのか、狛治自身もよくわかっていなかった。
ひょっとしたら、一種の懺悔だったのかもしれない。


812 : 狛【こまいぬ】 ◆NIKUcB1AGw :2020/08/31(月) 21:59:33 CwB0GiEE0

「……というわけだ。わかっただろう。
 俺に救われる資格など……」
「うわあああああああん!!」

話を終えた狛治は、コマさんの反応にぎょっとする。
コマさんは、滝のような涙を流していたのだ。

「……なぜおまえが泣く」
「だって、かわいそうすぎるずらぁぁぁぁ!!
 もちろん、それで人を殺すのが許されるわけじゃないけど……。
 こんなのあんまりずらよぉぉぉぉぉ!!」

泣きわめくコマさんの姿を見て、狛治はすでに失ったはずの何かが自分の中に満ち始めているのを感じていた。

「おまえは……」
「え?」
「おまえは、会ったばかりの……人殺しの俺のために、泣いてくれるんだな」
「それがどうかしたずらか?」

なぜそんな当たり前のことを言うのか、とばかりに、コマさんは首をかしげる。

「俺は……俺のために泣いてくれたおまえを守るために、この命を使いたい。
 共に行動させてはくれないか?」
「もちろんずら! 一緒に、殺し合いをなんとかするずら!」

先ほどまでの涙が嘘のように、朗らかな笑顔を浮かべてコマさんが言う。

(師匠、恋雪……。俺は……もう少し生きてみようと思う。
 師範から教わった技、人を殺すために使ってしまったが……。
 もう一度、守るために……)

決意を固め、狛治は目の前にあったおにぎりを口に運ぶ。
心なしか、体の奥から力が湧いてくる気がした。


【狛治@鬼滅の刃】
[状態]疲労(中)、筋力上昇
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考]基本行動方針:コマさんを守る
[備考]
参戦時期は、無惨と遭遇する直前。


【コマさん@妖怪ウォッチ(TVアニメ版)】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考]基本行動方針:殺し合いを止めるずら!
1:家族や友達が巻き込まれてないことを祈るずら
2:そういや狛治さん、普通にオラが見えてるずらね
[備考]
・参戦時期はTVアニメ第1シリーズ終了後。
・制限により、霊感のない人間にも姿が見えます。
・支給品の一つだった「特製おにぎり@風来のシレン」は、狛治が消費しました。


【特製おにぎり@風来のシレン】
何らかの特殊な力が込められたおにぎり。
普通のおにぎりより満腹度の回復具合は小さいが、食べると複数のプラス効果の中からランダムで一つが発動する。
狛治の場合は、「ちから+1」が発動した。


813 : ◆NIKUcB1AGw :2020/08/31(月) 22:00:39 CwB0GiEE0
投下終了です


814 : ◆8eumUP9W6s :2020/08/31(月) 22:50:18 4rWnGWZI0
>>783に誤字がありましたので、該当箇所を以下の通りに修正させてもらいます。

「その方向へと向かったシャーリーだが、銃を口に咥えて引き金を引こうとしている男が居たのを発見し、彼女は大慌てで止めにに入った。そして今に至るのである。」

「その方向へと向かったシャーリーだが、銃を口に咥えて引き金を引こうとしている男が居たのを発見し、彼女は大慌てで止めに入った。そして今に至るのである。」

「シャーリーのストライカーユニット。
ブリタニアで不足していたストライカーユニットを補う為に、リベリオンで設計、生産されたんだ物の改良型。
元は魔導エンジンがイマイチであったが、ブリタニアにてマーリン60系の魔導エンジンに積み替えた事により高性能を叩き出すことが可能となった。本人曰く「速度も速く、飛行時間も長いし、高高度性能も優秀!まさに万能ユニットだね!」との事。」

「シャーリーのストライカーユニット。
ブリタニアで不足していたストライカーユニットを補う為に、リベリオンで設計、生産された物の改良型。
元は魔導エンジンがイマイチであったが、ブリタニアにてマーリン60系の魔導エンジンに積み替えた事により高性能を叩き出すことが可能となった。本人曰く「速度も速く、飛行時間も長いし、高高度性能も優秀!まさに万能ユニットだね!」との事。」


815 : ◆fRshxOv6Kg :2020/08/31(月) 23:02:15 p802gBM60
投下します。


816 : こいつ、誰なんだ!? ◆fRshxOv6Kg :2020/08/31(月) 23:04:25 p802gBM60











放たれた光の筋は今まさにうら若き少女を襲おうとしていた小鬼達を焼き払った。
光線を放った黒い怪人は少女に対して向き直り、何も言わずにただ視線を投げかけた。
だが、その物言わぬ表情は、何故かドヤ顔に見えた。

(こいつ例のパチモンじゃん…)

少女もまた、ただ俯くだけであった。

ダーク・ウルトラマンは本質的には善の心を持っているが、自分の意志ではロワを通じて円谷公式キャラであるアカネちゃんにお近づきになりたい心も、あわよくば優勝して公式キャラにしてもらおうかなと思う心もコントロールできない…。

【ダーク・ウルトラマン@プロジェクト・ウルトラマン】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考]基本行動方針:殺し合いを止める
1:どうせならアカネちゃんとお近づきになりたい
2:優勝も視野に入れる心をコントロールできない…

【新条アカネ@SSSS.GRIDMAN】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品、ダークダミースパーク@ウルトラマンギンガ、ウルトラマンのスパークドールズ@ウルトラマンギンガ、ランダム支給品0〜1
[思考]基本行動方針:ツツジ台に帰りたい
1:チャイヨーのパチモンがクソムカつく
[備考]
・参戦時期は原作7話以前
・ネットで某所を見ているためダーク・ウルトラマンの存在を知っています

【ダークダミースパーク@ウルトラマンギンガ】
闇の支配者ダークルギエルの配下の闇のエージェントたちが人の持つダークな心から作り出す闇のアイテム。
怪獣やウルトラマンのスパークドールズをリードする事で、その怪獣やウルトラマンに変身する『ダークライブ』を行う事が出来る。
またウルトラマンにダークライブした場合、そのままのウルトラマンになるのではなく、ダーク化したウルトラマンになってしまう。

【ウルトラマンのスパークドールズ@ウルトラマンギンガ】
初代ウルトラマンがダークルギエルの持つ全ての生命の時を止める闇のアイテム・ダークスパークによって人形に変えられてしまったもの。
ダークスパークと対を成す光のアイテム・ギンガスパークやギンガライトスパークでリードする『ウルトライブ』を行った場合初代ウルトラマンに変身出来るが、
ダークライブされた場合闇の戦士・ウルトラマンダークに変身してしまう。


817 : ◆fRshxOv6Kg :2020/08/31(月) 23:04:39 p802gBM60
投下終了します。


818 : ◆SvmnTdZSsU :2020/09/01(火) 06:03:22 94t3zF460
アップデート、ごクロウ・アルティウス様だろうと、そのグルガン族の男は静かに語った……。プリンスリソード!オティンポニクス、早くザナルカンドに行こうって!『シン』を倒そうっ……!超えてはいけない一線―――ッ!!ガガンボの血肉浄化の魔導器!この俺を怒らせて、ただで済むと思うなよ!!この、薄汚ねェ栄光を掴むための僅かなる手段への空爆、チッ、余計なマネを……御座いながら、それでも人はあがき続けるのか………本気だ!

>忠義の老騎士、戦場に降り立つ 
老将エンキ、老いてなお健在の力量と熟練の経験を併せ持つ風格が頼もしいキャラクターですね。例え武器が変われども彼ならば問題なし。
マシュとラヴィニア、いきなり強NPCに襲われる不幸に見舞われるも、エンキと出会えたことは幸運ですね。マシュのセイレムの後悔も含めてラヴィニアを守ろうとする姿に感動しました。
歴史的な名前の共通点による勘違い、これは面白いです。シリアスな空気のオチがまさかの触手プレイ。まぁ原典だと旦那が触手だからね、しょうがないね。もっとまさぐれ(欲望)

余談ですが今年の水着マシュに大人の成長を感じ、彼女の成長と時の経過を実感しました。あと運営は水着ラヴィニアちゃんを実装しろ(命令)

>甘露寺蜜璃のだいじょうぶだぁ
ひろし、一般人ですが普通に有能なので謎の安心感があります。館から脱出できた実績もそうですが、危機的状況で甘露寺を引き当てた運もすごそう。
そして甘露寺の隊服のデザインを考えた人にはノーベル平和賞を授与するべきと思うんですが、どうでしょう?
変なおじさんは変なおじさんですが只者ではない風格……懐かしさに脳が震えました。

志村けんさんに御冥福をお祈りします。

>レンズ越しにしか世界と向き合えない
ディ、ディケイド!?これは衝撃的な展開です!幼児化、記憶喪失、変身不能という三重苦を背負った門矢士!
名前以外の全てを失った彼がどうなるのか興味深いです!
思い出を奪うミデン、プリキュアの敵としては最強なのでは?

>
シャガクシャの支給品ヤバイの揃いすぎてて大草原。
物理無効のロギアを攻略しても倒したあとに控えたノトーリアスBIG、そして……
これは倒されても厄ネタ満場ですね!修羅であった彼が人として初めて得た大切なものを失った直後の参戦、これはヤバさマシマシな参加者です。
そしてそんなシャガクシャと渡り合える桐山和雄、実写版の彼もやべー狂人な上に支給品がまさかのサバイバー!これは両者ともにこの催しを盛り上げてくれそう。

>show you guts say what 最高だぜ
江戸川コナン、読者からは死神と恐れられる彼ですが、探偵としてのポテンシャルは最上級。首輪解除や考察員として優秀なので期待大です。
男子小学生に興奮する結標淡希、別の意味でやべー奴!助けてもらったコナンくんに別の意味の危機がッ!?

>メンヘラなゴリラとグラマラスなウサギ 
いきなり銃フェラをかますライナー、とても興奮します。自分の銃がこんな用途に使われかけてシャーリー可哀想。格好はまぁあれというか痴女ですが、軍人として真面目な彼女との交流がライナーをたち直させられるのか期待。


819 : ◆SvmnTdZSsU :2020/09/01(火) 06:04:01 94t3zF460
>笑顔、満開、ハーイ・バブ―・チャ―ン
波野イクラ、何か普通にやらかしそうな雰囲気があって好き。好奇心の赴くままに行動する結果何を引き起こすのか興味深いです。キュアエール、安心できる保護者ポジですが、果たして無事でいられるのか妙な不安が燻ります。

>アサシン・グリード
死んだ男三人と女一人。アンジュの選択がいかなる結果を彼らにもたらすのか、これは面白い状況です。
ロワの優勝賞品の「願いを叶える」はやはり大なり小なり動機への影響が凄いですから実際便利。
ブラートとプロシュートはともかく、ジャギは完全に折れかけているというか萎えきっているので不安が残りますね。
まぁ少なくともブラートは対主催的ですし、兄貴も無差別に好戦的では無いし、ジャギは……まぁ、うん。

>正義の味方はピンチの時に現れる
ゆのとユーノくん、打ち解けてた最中、いきなり遭遇したのがスカールなのが不幸すぎる。結構重傷ですが、まさにヒーローは遅れてくる状況で助かって良かった。
強マーダーの風格を携えたスカール…いきなり左手を持っていかれましたが、それでも驚異度は健在。これは暴れてくれそうです。
現物ヒーローのブラック・パンサーもといティ・チャラとシュテッケン、このコンビはとても頼もしいですね。
チャドウィック・ボーズマンの御冥福をお祈りします。

> 心というものは……
天地騎士クレイ、間違いなく正義というか人類の味方ですね。これは頼もしい対主催です。
人のために主や天使と敵対した彼からしたら、四方世界の神々は娯楽で人間を弄ぶ悪辣な輩と捉えられてもしょうがないですね。多分真実と幻想とかに対峙しても理解し会うことは無さそうです。
貴族令嬢、洗えば使える(鬼畜発言)。
冗談は置いておいて、仲間も尊厳も何もかも失った彼女ですが、熟練の冒険者としての技能はあります。立ち直ったら有望ですが、それもまた骰子の目次第。
やはりゴブリンは皆殺しにしなきゃ…(使命感)

>水の為なら鬼となる 
水は生きるためには必須なので支給品にこれが当たったのは普通にラッキー。
まぁ口にするともれなくジャンキーになるんですが……。
水好守男、もはや水に呑まれた彼は躊躇無く手を汚すでしょうね。怖い!
世にも奇妙な物語とか、これもまたコンペロワ的な選出で好きです。

>狛【こまいぬ】 
狛治、鬼になり研磨を積む前からも凄まじい才気と武術をもつ人物なので、正しい道を歩めば実に頼りになります。
絶望の果てに出会ったのは正史と同じく人ならざる者。しかし、同じ人外でも無惨とは天と地ほどの差がありますねこれは。
殺しあいの場で見ず知らずの狛治を助け、その境遇に涙するコマさん。
本編では色々幸の薄い狛治にとって彼と出会えたのは最大級の幸運といえると思います!

>こいつ、誰なんだ!?
タイトルが全てを表していますね。
ダーク・ウルトラマンの方針ガバガバで草。これは本家とは天と地ほどの差がありますね……。
そして助けてもらったアカネちゃんの反応に草。
特撮ファンであるアカネちゃんからしたらパチもんは許せないですよね……大草原です。これもまたコンペロワですね!
まぁ若干のメタ視点もありそうなので普通に有能……かなぁ?


820 : ◆Oamxnad08k :2020/09/01(火) 06:21:10 YsAcLYEM0
投下します。


821 : 登り登る姫と戦火を交えて ◆Oamxnad08k :2020/09/01(火) 06:21:54 YsAcLYEM0
「う〜〜〜ん……」
A-6の壁前で腕組しながら悩んでいる少女―――

名は夏目登姫。
TVでも取り上げられているボルダリングの期待の金の卵。

入学した黒桜学園は、在校生から金メダリストを出したい理事長の思惑により、学校のいたる場所にボルダリングの練習ができるよう設計されている。
入学式の夕方、さっそく練習に取り組んでいた登姫の頭上から、見知らぬ男子生徒が落ちてきたので、救おうと手を掴むが、重さに耐えきれず共に落ちてしまう……
幸い、練習のため下にマットが敷いてあるため安全のはずだったが、着地した瞬間、見知らぬ場所に立っていた。
それだけならまだ、ましだが殺し合いをしろとのこと…登姫はどうするべきか悩んでいた―――

「あなたはなぜ壁をのぼるのですか?」
TVの取材で聞かれた質問……

「会いたい人がいるから」
私はそう答えた―――

殺し合いというありえない状況。
登姫が選んだのは―――壁に登ること。
自分にはそれしかないから―――

高い―――高い―――壁を登るとそこは、一面の綺麗な景色が見えた。

「…うん。新しい自分に出会えた」

登姫は満足げな顔。

「…ん?」
なにやら争っている声が聞こえたため、登姫はその声の方向へ誘われるかの如く歩く―――

トゥルルル、トゥルルル、トゥルルル、トゥルルル、ジャジャジャーン、ジャジャジャーン、ジャジャジャーン、ジャジャジャーン

あきらかに日本の生き物ではないモンスターの集団と戦っている人物が……

「あれは!?ミッキー!!??」

登姫が目撃した人物は、世界中の人が名前は聞いたことはあるであろう有名なネズミだった―――

とげぼうずの体当たりを避けつつ手に持つ木の棒らしきもので、薙ぎ払うミッキー。

地面からはせみもぐらがミッキーの足元を狙いに襲い掛かるッ!!
「ハッ!!」
ミッキーはジャンプして攻撃を避けると、せみもぐらをモグラたたきのように叩く!!

ブォッッッ!!!
おおきづちの勢い強い木槌が振り回される。
「ハハッ!!」
ミッキーはとんぼ返りで避けると、おおきづちの顔面にひのきのぼうを勢いよくブチ当てる―――

ボォォ!!!
メラリザードのメラが迫るッ!!
すると、ミッキーはひのきのぼうを火球に当て、松明へと武器を改良した。
「!!??」
まさか自身の攻撃をそのようにするとは思いもよらず、メラリザードの困惑を見逃さないミッキーは松明でメラリザードをぶん殴るッ!!

その姿はまるで歴戦の勇者の如く―――

モンスターたちのリーダーらしきものが、ミッキーに襲い掛かるッ!!

セルゲイナスの痛恨の一撃!

ミッキーの松明は斧で斬られ使い物にならなくなってしまった。
ミッキーの窮地に……

「ミッキー!!これ使って!!」

戦いの一部始終を見ていた登姫。
自分も何か手助けできることがないかデイパックの中身を確認していたのだ。
そこで、見つけた武器らしきものをミッキーに投げる。
それをキャッチしたミッキー。

「これは、キーブレード!?」
それは、ミッキー達キーブレード使いが本来使う武器だった。
キッ!と表情を引き締めたミッキー。

セルゲイナスのマヒャド!

極太の氷の無数に湧き上がる―――が

「アルテマッ!!」

ミッキーの究極呪文がマヒャドごとセルゲイナスを包み込む―――

トゥル〜ン♪ チャチャチャ、チャ、チャ、チャ、チャーン!

「すごい!おめでとうミッキー♪」

登姫は勝利したミッキーに駆け寄り抱き着く。
心なしか顔を赤らめ嬉しい表情のミッキー。

「キーブレードをありがとう。…ところで君は?」

☆彡 ☆彡 ☆彡


822 : 登り登る姫と戦火を交えて ◆Oamxnad08k :2020/09/01(火) 06:23:23 YsAcLYEM0
自己紹介を終えた二人―――

「じゃあ、ミッキーは別の世界に存在する本物で王様なんだね?」
「うん。本当は世界が無数にあることを話てはいけないんだけど、この状況だから…」

登姫はミッキーこと王様から聞かされた話は衝撃的だった―――

「ところで登姫は、これからどうするんだい?」
ミッキーの質問に登姫は―――

「…新しい自分に会うかな」

「新しい自分?」
首を傾げるミッキー。

「うん。ミッキーいや王様と呼んだ方がいいかな?一緒についていっていい?」
登姫の言葉に……
「かまわないよ。一緒にこの企みを阻止しよう!それと、僕のことは王様じゃなくてミッキーでいいよ」
ミッキーの差し出す手を―――

「うん。よろしくね♪ミッキー」

握りしめた。

登姫はミッキーと共に殺し合いという壁を完登できるのか…それは、まだ誰にもわからない―――

【A--6/壁の上】

【夏目登姫@壁ドン!】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜2(本人確認済み)
[思考・状況]:基本行動方針:ミッキーと協力して完登する
1:ミッキーと行動を共にする
2:ミッキーは、本当にいたんだ♪
[備考]
参戦時期は1話の途中
※ミッキーとの自己紹介でミッキーが本物であること。世界が多数にあることを知りました。

【ミッキー(王様)@キングダムハーツ】
[状態]:健康
[装備]:キーブレード(ノーマル)
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜2(本人確認済み) 
[思考・状況]:基本行動方針:登姫と情報を集めて企みを阻止する
1:情報を集める
2:登姫を守る
3:新しい自分…いい言葉だね。
[備考]
参戦時期はキングムハーツ3のキーブレード墓場のイベント前


823 : 登り登る姫と戦火を交えて ◆Oamxnad08k :2020/09/01(火) 06:23:35 YsAcLYEM0
投下終了します。


824 : ◆5RRtZawAKg :2020/09/01(火) 14:23:59 niaGCJ1g0
投下します。


825 : ◆5RRtZawAKg :2020/09/01(火) 14:24:31 niaGCJ1g0
「発電機、発電機は一体どこなんだ……!?」

薄暗い森の中、毛の無い丸い頭と眼鏡が特徴的な男がオロオロと静かに歩き進んでいた。

この男の名はドワイト・フェアフィールド。彼もまた、このバトルロワイアルに巻き込まれた犠牲者の一人であるが、彼の場合少し事情が違った。

というのも、過去に彼は同じような「ゲーム」に参加させられ、今もまたその延長線上にいるようなものだからだ。

そのゲームは、儀式と呼ばれ、4人の生存者達が1人の殺人鬼から殺されないように逃げ惑い、一定数の発電機を回すことで閉鎖されたエリアから脱出するといったものだ。

その儀式を彼は何度も幾度となく経験し続け、時には脱出に成功し、時には殺されてしまい……を繰り返し、サバイバーとしての技術が向上していた。

昔はちゃんと生えそろっていた髪形も、ハゲ散らかしてしまっている。ストレスによるものなのか、それとも……?


ドワイトはこのバトルロワイアルにおいても同様に考えていた、エリア内にある発電機を回し終えれば脱出できるだろうと踏んでいた。

「あった!よし……回そう」

そして遂に、視界の広い場所にポツンと置かれた発電機を見つけ、周りにキラーの気配が無いことを確認した後、回し始めることにした。

「それにしてもまた新マップが追加されたのか……窓枠に板に、この試合内でなるべく多く覚えなきゃ……」

静かな森の中、発電機の修理音が静かに響く中、彼は淡々と作業を進めていった。

するとそこへ……。

「あの……何をしてるんですか……?」

ドワイトの背後に黒髪ショートの少女───船見結衣が現れ、話しかけられた。


826 : 賢い生き延び方? ◆5RRtZawAKg :2020/09/01(火) 14:25:28 niaGCJ1g0
◇ ◇ ◇ ◇


殺し合いの舞台に放り込まれた結衣は何としても生き延びようと、いつ、誰に襲い掛かられても迎撃できるように、手に支給された鉄パイプを握り締め、森の中を慎重に進んでいった。

人殺しなんて本当はやりたくない、でも、ごらく部に帰るためにはやるしかない。結衣は覚悟を決め、この殺し合いに乗るつもりでいた。

そんな考えの中、前方に一人のハゲた男が無防備に謎の機械を直している様子が見えた。

この緊迫した状況下で、あの人は何をしているんだ。あの機械が殺し合いを有利に進めるための何かなのか、それとも別の意図があって修理しているのか……。

気になった結衣は、いきなり後頭部を殴るという考えを引っ込め、その真意を確かめることにした。

「あの……何をしてるんですか……?」

もし、行なっている作業が自分に危険なことであれば、この男を殺る。でも、違った場合は………どうしようか。

「よかった!早速生存者と合流できた!君も一緒にこの発電機を直してくれ!」

「……はい?」

自分が頭の中で想定していた数々の返答と違った答えが返ってきて動揺する結衣。

結衣は続けて質問した。

「発電機って、何のことですか……?それを直して何か意味があるんですか?」

「そうか、君は初めてこの儀式に巻き込まれた子なのか、可哀想に……でも説明してる暇は無いんだ!この発電機を直さなきゃここから脱出できない!一緒に手伝ってほしい!」

「脱出……!?」

結衣はそのワードに関心が向かれた。

そして同時に、この男がこの状況下に慣れた雰囲気を醸し出していること。自分に協力を要求していること。

それらを加味し、一旦この人の言うことを聞いてみても良いのではないか、と思い。手に持った鉄パイプを地面に置き、一緒に発電機修理を手伝うことにした。

「あの……私、こういう機械触ったことないので、直し方分からないんですけど……」

「大丈夫、適当に同線をくっつけたりしてたら直るから!」

「は、はぁ……」

……本当にこんなことをして脱出できるのだろうか、と疑問を抱きつつも発電機修理を始める結衣であった。


【ドワイト・フェアフィールド@Dead by Daylight】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜3 
[思考・状況]:基本行動方針:脱出したい
1:バトルロワイアル=儀式と思考
2:発電機の修理を行う
3:船見結衣と協力?
[備考]
熟練プレイヤーです。ハゲドワイトスキンを使ってます。
パークは、「陽動」「デッドハード」「セルフケア」「真っ向勝負」です。

【船見結衣@ゆるゆり】
[状態]:健康、疑念
[装備]:鉄パイプ
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2 
[思考・状況]:基本行動方針:どんな手段を使ってでも元の世界に帰りたい
1:殺し合いに乗るつもりであったが、ドワイトの言葉に従い、ひとまず協力
2:発電機の修理中
3:……本当にこんなことで脱出できるの?
[備考]
「ゆるゆり さん ハイ!」12話以降からの参戦です。


【発電機@Dead by Daylight】
一定時間修理を行うことで発電します。
修理完了時に全参加者、全NPCに通知が入ります。


827 : ◆5RRtZawAKg :2020/09/01(火) 14:25:51 niaGCJ1g0
投下終了です。


828 : ◆vV5.jnbCYw :2020/09/01(火) 18:01:03 KECAOXuQ0
投下します。


829 : コーガ様の腹の内 ◆vV5.jnbCYw :2020/09/01(火) 18:02:20 KECAOXuQ0
ここは、バトルロワイヤル会場の中で、ただ一つだけある神社。
そよ風が高い木の葉を揺らし、正面に鳥居がでんと構え、苔むした灯篭が並ぶ、血生臭い儀式の会場とはとても思えないほど神聖な雰囲気だ。


そんな神聖な場所にとても似つかわしくない男が、スネていた。


「はあ〜〜〜〜〜〜〜〜っ。」
目玉のマークの覆面をつけ、だらしなく地べたに寝そべる男が、肥えた腹から大きなため息を出す。
男の名前は、コーガ様。
何故地の文でも様をつけなきゃいけないのかは永遠の謎である。


おおよそ様付けされるような人間とは思えないが、そんな彼でもイーガ団という組織の総長であった。
総長として、彼は多くの部下を持ちながら、部下たちにハイラル王家の関係者への嫌がらせを指示していた。


何だかんだでグータラしながらも尊敬してくれる部下に囲まれ、食っちゃ寝食っちゃ寝楽しい日々を送っていた彼の人生は、突如暗転する。
ある日自分たちが首を求めていた男、リンクが単身で自分のアジトに潜入してきた。


彼は任〇堂のキャラの癖して、コ〇ミの有名ゲームの主人公さながらに、蛇のように自分の昼寝場所に侵入してきた。
彼は持ち前の術を使って戦うも、どの術も通用せず、挙句の果てには自分の術の使い方を間違えて死んでしまったのだ。


そんな彼だが、いつの間にやら生き返り、殺し合いに参加させられていた。
だが、生き返ったからと言って、特にやりたいことはない。
いや、正確に言えば、生き残ってリンクへの復讐や、この会場でイーガ団の新メンバーの勧誘など、やらなければならないことはあるはずだが、彼は動いたら負けかなと思っていた。


(術に失敗して死んでしまうし、殺し合いに参加させられるし、訳の分からない首輪は付いているし、次回作には出られそうにないし、俺様の人生って、一体なんだろうな……。)


そんな彼だが、動かなくても腹は減ってきたので、支給品袋を開けた。
好物のツルギバナナが入ってくれればラッキーだが、この際何でもいい。
しかし入っていたのは、カップラーメンという、お湯を入れて三分待たねばならない代物だった。
(お湯を入れて三分間待てだと?湯を調達するのも待つのも面倒だぞ……。)


食事をするにもひと手間だと知り、せめて飲み物だけでもと袋の中を探る。
幸いなことに、見たことのない入れ物に入った飲み物は、飲むのに手間はかからなそうだった。
缶を開け、説明書を読む手間も惜しんでストロングゼロを飲み干す。


830 : コーガ様の腹の内 ◆vV5.jnbCYw :2020/09/01(火) 18:02:49 KECAOXuQ0

(ん?何だかよい気分になってきたな……。)
酒というものを飲んだことのないコーガ様は、良い気分になり千鳥足になって辺りをふらついた。
怠け者が酔っ払いになっただけなのだが、愉快そうにしているので良しということにする。


「お〜れはコ〜ガ〜♪おっとこ〜まえ〜。」
持ち前のステップの良さも相まって、いよいよやること成すこと奇妙になってきたが、石畳に躓いて転んでしまった。

「くそ!!誰だ!!こんな所に石を置いた奴!!」
愉快な気分が冷め、地面に対して怒る。


「あ〜〜〜〜〜。誰かこの戦い終わらせてくれねえかな〜〜〜〜〜〜。」
時間と共に酔いが冷めていき、それに反比例して頭痛が強くなり、いよいよやる気がなくなってきた。


「キミ、その願い、叶えてあげようか?」
後ろを見ると、黒くて長い髪を持った、誰もが振り返るような美しい少女がほほ笑んでいた。



「コーガ様に向かってキミとはどういう口の利き方だ!イテテ……。」
キミ呼ばわりしてきた少女に食って掛かるも、酒による頭痛に悶える。

「じゃあコーガ様。ここに大事なものを置けば、アンテン様が願いをかなえてくれるよ。」
少女は神社の奥にある祠を指さす。

「ほ、本当なんだな?この殺し合いから脱出出来て、あのいけ好かない主催者も倒して、リンクとかいう若造にも復讐出来て、イーガ団再結成できて、スマ〇ラにも出演できるんだな?」
アンテン様だかカンテン様だか知らないが、自分の力以外でこの状況から脱却できるならどうでもよかった。

(確かに旨い飲み物だが、願いのためなら……!!)

それまでとは全く異なるステップで、コーガ様はまだ開けてないストロングゼロを祠に収める。
一瞬、黒い何かが映り、缶は消える。しかし、何も起こらなかった。

「おいキサマ!!何も起こらないじゃないか!!」
「じゃあ足りなかったんだね。」

少女はニヤリと口を大きくゆがめ、笑う。


「足りなかった……?」
コーガ様は話が分からず、オウム返しにつぶやく。
「アンテン様に願いを叶えてもらうには……
その願いと同じだけ強い想いが込められている、「大事なもの」をお供えしなきゃいけないんだ。」

「想い……!?」

「今回コーガ様の願いが叶わなかったのは、捧げたものがさほど大事じゃなかったからよ。」

「わけの分からないことを言うな!!願いをかなえられないのなら、あの飲み物を返せ!!」
ズキズキする頭を無視して、少女を怒鳴りつけた。

「しょうがないなあ。でもアンテン様は、お供え物のお礼だけはしてあげるみたいだよ。」

「お!?」
気が付くと、頭痛がすっかり収まっていた。
しかも、この戦いが始まってからずっと身に纏わりついていた気だるさも消えた。


831 : コーガ様の腹の内 ◆vV5.jnbCYw :2020/09/01(火) 18:03:06 KECAOXuQ0

「もし大切な物が無いなら、今回だけは他の物でもアンテン様は許してくれるみたい。」
「何だ……それは?」
「こんな場所だからね。「参加者の死体」でも良いってアンテン様は言っているよ。」

その時、少女の顔は今までで一番、残忍に輝いていた。

「もちろん、願いを叶えるには、死体の「質」が重要だけど。
それはあなたにとって大切な人だったり、この戦いの中でとても強い人だったり。まあいろいろあるけどね。」

コーガ様は、目の前の少女が言っていることに、恐れおののく。

「この俺様に、生贄を捧げろということなのか!?」
「やりたくなければ別にいいよ。でも、あなたは誰かに願いを叶えてもらいたいって言ってたから、アンテン様の力が必要なのかなって。」

瞬く間に頭痛や倦怠感が治ったことから、アンテン様とやらはただの名ばかりの神ではないことは分かった。


(仕方がない……俺様の願いのためだ!!)
少女の言葉には何も答えず、そのまま少女から背を向け、軽くなった体で、神社の後を出る。
この神社は地図に書いていなかったので、道の形、月の場所から居場所を逆算して、地図にメモをしておいた。
暗い場所を好むコーガ様は、このようなことは朝飯前だ。


改めて食料以外に何かないのかと支給品袋を漁る。
中から出てきたのは、子分たちの多くが愛用している首狩り刀。
これで彼らは、多くのシーカー族やハイラル王家に味方する者たちの血を吸ってきた。


しかし、コーガ様自身は誰かのために人殺しをするという経験は全くなかった。
おまけに、人殺し自体は、部下に任せていて、自分自身が手を下すのは随分とやっていない。
これから自分がしようとしていることにわずかな恐怖を覚えながらも、願いを叶えてもらう未来を胸に、イーガ団の元総長は動き出した。



自分がこれから人殺しをするという考えを胸に抱いて。


【コーガ様@ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド】
[状態]:健康 若干の恐怖
[装備]:首狩り刀@ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド
[道具]:基本支給品(ストロングゼロ2個消費)、ランダム支給品0〜2 
[思考・状況]:基本行動方針:願いを叶えるために死体を集める。
1:アンテン様に願いを叶えてもらって、脱出したい。
2:誰かをイーガ団のメンバーに加えたい。
3:このストロングゼロという飲み物、中々旨いな……。
[備考]本編死亡後の参戦です。

【アンテン様@アンテン様の腹の中】
このバトルロワイヤルの地図にはない神社を拠点に構えており、少女の姿をして、願いを叶えてくれることを説明してくれるNPC。
その人にとっての「大事な物」を神社の祠に備えると、「大事な物」の価値に応じて願いを叶えてもらえる。
今回の場合は特別ルールで、「参加者の死体」でもOK.
ただし、「参加者の死体」でも、死者が強い人物であるか、死者がその人にとって大事な存在であるか、などにも影響する。
「ゲームからの脱出」、「首輪の解除」などを願う場合は、相当に価値のある対価が必要。

【首狩り刀@ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド】
コーガ様に支給された三日月状の小刀。主にイーガ団の下っ端が使っている。
攻撃力はそこそこだが、脆くて壊れやすい。


832 : コーガ様の腹の内 ◆vV5.jnbCYw :2020/09/01(火) 18:03:16 KECAOXuQ0
投下終了です。


833 : ◆4kMBNI9QkE :2020/09/01(火) 18:52:42 SZNKsxZ.0
投下させていただきます


834 : 妖怪の飼育員さん、快獣と出会う ◆4kMBNI9QkE :2020/09/01(火) 18:53:56 SZNKsxZ.0
「はぁ〜・・・どうしよう?」

イヤーマフ付きの帽子に繋ぎ姿の女性・・・西東京妖怪園に勤める妖怪の飼育員さん・鳥月日和は、
『殺し合い』会場をあてもなくトボトボと歩きながらため息を漏らした。

「・・・明日までに帰らないと、無断欠勤になっちゃうよ。はぁ〜」

ここが『殺し合い』の場だと分かっているのかいないのか、
日和はわりと呑気な悩みをぼやいた。

「・・・そんな呑気な事を、言っている場合ではないじゃろうが!」
「あ、すみません」

そんな日和の肩には、小人か人形のように小さい者がついていた。

人間の眼球に、そのまま小さな胴体をつけたような外見をした生き物・・・
言わずと知れた水木しげる御大の代表作『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する主人公・鬼太郎の父親『目玉おやじ』である。

どういう訳かは不明だが、日和のデイバッグの中に『支給品』として入れられており、
こうして日和と行動を共にすることとなったのである。

「いやあ〜。でも、あの目玉おやじさんが実在していて、一緒に行動する事になるなんて・・・信じられないくらい光栄ですよ!」
「・・・わしからしたら、人間が『妖怪園』なんて物をやっている事の方が信じられんがな。しかも、わしや鬼太郎がそんなに有名になっておるとは・・・」
「まぁまぁ。世の中は目玉おやじさんが思っているより、結構広いって事ですよ」

日和と目玉おやじが呑気に話していた時だった。

グゥゥゥオォォォォ!!!

突然、物凄く大きな唸り声のような音が聞こえて、日和はずっこけてしまった。
まるで地獄の奥底に封じ込められた大悪魔の苦悶のうめき声のようだった。

「え?え?」
「な、なんじゃ今のは!?」

突然の謎の音に日和は目を白黒させ、目玉おやじも目を見開いた。
まぁ、『見開く』も何も元々目玉だけなのだが。

グゥゥゥオォォォォ!!!

またしても、謎の大音が周囲に響き渡った。
日和は唾を大きく飲み込むと、恐る恐る音のしてきた方へと近づいていく。

そして、そこには・・・



「・・・シオシオシオシオ」

人間大の黄色いタヌキか黄色いレッサーパンダみたいな、
なんとも表現し難いゆるキャラチックな外見をした生き物が、木の根本でうずくまっていた。
その生き物の頭には王冠のようなヒレのような物が乗っかっており、腹部には大きな出べそが出ていた。
そして何より、その生き物の首には日和と同じく金属製の無骨な首輪が嵌められていた。
どうやらこのゆるキャラチックな生き物は、日和と同じくこの『殺し合い』の参加者のようだった。

グゥゥゥオォォォォ!!!

また再び、あの唸り声のような音が響き渡り、日和はその正体に気づいた。
唸り声のような音の出所は・・・





目の前のゆるキャラチックな生き物の腹部だった。

ようするにあの音は、いわゆる『腹の虫』の音だったのである。


835 : 妖怪の飼育員さん、快獣と出会う ◆4kMBNI9QkE :2020/09/01(火) 18:55:11 SZNKsxZ.0
「・・・あれ?」
「・・・あ」

そこで、ゆるキャラチックな生き物と日和の目があった。
ゆるキャラチックな生き物は木の根本から立ち上がって日和に近づくと・・・

「・・・こ、こんばんは」

・・・丁寧に挨拶したのだった。

「あ・・・こんばんは」

慌て日和も頭を下げて挨拶を返す。

「えっと・・・私は西東京妖怪園の鳥月日和です」
「わしは目玉おやじじゃ」
「あなたは?」
「・・・僕、ブースカれす!」

日和と目玉おやじが自己紹介すると、ゆるキャラチックな生き物・・・ブースカも元気に自己紹介した。
しかし・・・

グゥゥゥオォォォォ!!!

「・・・シオシオシオシオ」

・・・またもあの地獄の奥底に封じ込められた大悪魔の唸り声を思わせる腹の虫の音が響き渡り、ブースカは力無くうずくまったのだった。

「えっと・・・お腹、空いているの?」
「・・・うん」

日和は幼稚園の先生が子供に話しかけるようにブースカに話しかけ、ブースカも幼い子供のように答えた。

「えっと・・・渡されたカバンの中に入ってたカップ麺は?」
「・・・もう、みんな食べちゃった」
「それでも足りないの?」
「・・・うん」

ブースカからの返答を聞いて、日和は苦笑いを浮かべた。
インスタントとはいえ、ラーメンを一杯食べたら大人でも満腹になるというのに、
ブースカはデイバッグの中に入っていたカップ麺を全て平らげてもまだ空腹だという。
その大食漢ぶりに、日和は苦笑するしかなかった。

「・・・仕方ないなぁ」

日和は苦笑いを浮かべながら自身に支給されたデイバッグに手を入れると、カップの『サッポロ一番塩ラーメン』を取り出した。

「はい。あたしの一つあげるよ」
「・・・バラサバラサ!!」

日和から『サッポロ一番塩ラーメン』を受け取ったブースカは、大げさに喜びながら早速『サッポロ一番塩ラーメン』の蓋を開けようとした・・・が、

「・・・はい、ストップ!」

・・・日和は生のままカップ麺を食べようとするブースカを制止した。

「・・・生のまま食べたらお腹壊しちゃうから、先にお湯を探そうか?」
「はーい!」

日和の言葉に、ブースカはまるで子供のように素直に返事をし、そのまま日和と共に移動を開始したのだった。

「おい良いのか?大切な食糧を見ず知らずの妖怪に渡したりして?」
「まぁ良いじゃないですか。『困った時はお互い様』ですよ」
「・・・はぁ」

日和の呑気な答えに、目玉おやじはため息をつくしかなかったのだった。


836 : 妖怪の飼育員さん、快獣と出会う ◆4kMBNI9QkE :2020/09/01(火) 18:56:25 SZNKsxZ.0
【鳥月日和@妖怪の飼育員さん】
[状態]:健康
[装備]:目玉おやじ@ゲゲゲの鬼太郎
[道具]:基本支給品(カップ麺一つ減)、ランダム支給品1〜2
[思考・状況]
基本:早く帰りたいけど、人殺しはしたくない
1:ブースカとお湯を探す
2:まさかあの目玉おやじが実在していたなんて!
[備考]
単行本8巻時点からの参戦。
ブースカを『妖怪』だと思っています。
基本支給品のカップ麺は全て『サッポロ一番塩ラーメン』です。

【ブースカ@快獣ブースカ】
[状態]:空腹、シオシオのパー
[装備]:無し
[道具]基本支給品(食糧は全滅)、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本:早く帰りたい
1:お腹減った。シオシオのパー
2:大ちゃんやチャメゴンもいるのかなぁ?
[備考]
少なくとも、最終回でR惑星に旅立つよりも前からの参戦。


【目玉おやじ@ゲゲゲの鬼太郎】
鳥月日和に支給。
言わずと知れたゲゲゲの鬼太郎の父親。
体は小さいが、妖怪に関する豊富な知識と幽霊族特有の様々な妖力、ぺしゃんこにされても生き残る生命力を持つ。
関係ないが、僕は野沢雅子さん声の目玉おやじより、田の中勇さん声の目玉おやじが好きである。


837 : ◆4kMBNI9QkE :2020/09/01(火) 18:58:58 SZNKsxZ.0
投下終了します。

ブースカが参戦するパロロワを見るのが、長年の夢の一つです。


838 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/09/01(火) 19:34:30 g.G9x7Zs0
二作品ほど、投下させていただきます。


839 : ジードのヒロインって誰だろう? ◆L9WpoKNfy2 :2020/09/01(火) 19:35:44 g.G9x7Zs0
ここは会場内の住宅地に当たる場所……

そこには二つの人影があった。

一人は青いジャケットを羽織った好青年。

そしてもう一人は、先ほどの人より背の小さい、黒いパーカーを羽織った人だった。

「まさか、こうしてすぐにペガと出会えるなんてね」
「それはこっちもだよ。ボクも、すぐにリクと合流できてうれしいよ」

青年の方の名は、朝倉リク。自らの血に隠された宿命と戦う、正義のヒーローである。

そしてもう一人の名は、ペガ。リクとともに生活をしており、常に彼を支え続けてきた親友である。

彼らは、ともに出会えたことを喜び合っていた。

しかし朝倉リクにはある疑問があった。

「そういえば、ペガはなんで女の子の姿になっているの?」
「……え?」

そう、ペガの姿が普段自分が見ているペガッサ星人の姿ではなく、人間の女の子のような姿になっていることだった。

朝倉リクのその言葉を聞いたペガは、急いで自分の姿を近くにあった窓ガラスなどで確認をした。

そして彼、いや、今は彼女と言ったほうが正しい状態のペガは目撃した。

本来の目に当たる部分がハネた髪の毛のようになっており、また胸のあたりが発光体を模した物凄い巨乳へと変化している自分の姿を。

そしてそれとともに、彼女の顔はものすごい勢いで赤く染まっていった。ほかならぬ、自分の身体の変化に対する恥じらいによるものだ。

無理もないだろう、男の子のはずだった自分の身体が、いつの間にか女の子の身体へと変わっていたのだから。

そうして彼女はその場にうずくまってしまった。そしてそのまま誰にも見られないようにダーク・ゾーンへと引きこもろうとしていた。

しかしそれを止めた者がいた。朝倉リクだ。

朝倉リクは恥じらいから顔を伏せてしまったペガにこう言った。

「ペガ、君は前にこう言ってくれたよね。『君はベリアルの子供。でも君は君だ』って」
「だから僕も君に言うよ。どんな姿になっても、ペガはペガ。僕の大切な友達なんだ、って」

それを聞いたペガはより顔を赤くしてしまった。しかしこれは恥じらいからではない。

どんな姿になっても友達だと、そう言ってくれたことによる喜びからだった。

「じゃあ、えっと……ここじゃなくて別の場所、リクの影を貸してくれる?」
「まあ……他に誰も入れるつもりはないし、今まで通り僕の影に隠れていいよ」

こうして彼らはこの会場の中で更に絆を深めあった。


……何故か甘酸っぱい空気を感じるのは、おそらく気のせいだと思われるが…。


【朝倉リク@ウルトラマンジード】
[状態]:健康
[装備]:ジードライザー@ウルトラマンジード
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:ウルトラマンとして、人々を守るために戦う。
1:ほかの参加者を見つけるために会場を探索する。
2:これも、父さん(ウルトラマンベリアル)が関係していることなのか?
3:どんな姿になっても、ペガはペガ。僕の大切な友達だよ。
[備考]
制限により、ウルトラマンジードに変身しても人間大の大きさとなります。
ペガが女の子になっていることをあまり気にしていません。


【ペガッサ星人ペガ@ウルトラマンジード】
[状態]:健康、女の子になったことに対する困惑と恥じらい(大)
[装備]:―
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:リクとともに、人々を守る。
1:リクとともに、他の人を探す。
2:レムはともかく、こんな姿をモアやライハに見られたらどんな反応するんだろう……。
[備考]
『ウルトラ怪獣擬人化計画ギャラクシー☆デイズ』の番外編に出た時の姿になっています(本来の姿に戻れません)。
また、制限によりダーク・ゾーンには30分間しか入れず、再び入れるようになるには3時間待たなければなりません。


【ジードライザー@ウルトラマンジード】
 ウルトラマンジードの変身アイテムで、カプセルの読み込みに使う「スキャナー」とカプセルを装填する「ナックル」の2つの装置のセット。

 トリガーを引いて待機状態にしてから、装填したウルトラカプセルを2個スキャンすると「フュージョンライズ!」の音声が鳴り、
 その状態で再度トリガーを引く事で変身ができる。

 また、付属品として「ウルトラマンカプセル」と「ベリアルカプセル」が付いている(支給品には含まれない)。


840 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/09/01(火) 19:36:08 g.G9x7Zs0
投下終了です

では引き続き、もう一作品投下させていただきます。


841 : 下ネタまみれの、全く退屈しそうにない世界 ◆L9WpoKNfy2 :2020/09/01(火) 19:37:03 g.G9x7Zs0
ここは会場内の森林地帯、そこには一人の男……もといヘンタイがいた。

右腕には血管のようなものが浮き出たピンク色のバット、左腕には女性ものの下着を握り締めた男だ。

そしてそんな男の容姿もかなり変態チックだった。

頭を除いた全身の毛がボーボーで、さらに中年太りしているなどまさに汚っさんというべき姿をしていた。

彼の名前は前田郷介、バカでデブでスケベで見栄っ張りで大食らいという、全くいいとこなしの中年男である。

そんな彼は今、この殺し合いに優勝する気マンマンだった。

彼は最初殺し合いには乗り気ではなかったのだが、主催者から『優勝すればどんな願いでも叶える』と言われた瞬間乗り気になったのだ。

彼にはどんな存在を犠牲にしてでも、どうしても叶えたい願いがあったのだ。

そんな彼の『優勝すればどんな願いでも叶える』と聞いた時の頭の中は……

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※とてつもなくオゲレツな映像が流れております。しばらくお待ちください。

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自分が優勝した際に叶えてもらう、とてつもなくお下品な妄想に満ち溢れていた。

まあ、はっきり言うと××××なことをしまくりたいと思っているのだ、この変態オヤジは。

「ペニセスト〜!」

彼はそう叫びながら、両手を前にかざしては戻すという謎の動きで喜びを表現していた。

こうして彼は、自分の欲望に凄まじく忠実になりながら走り去っていった……。


……こんなわけで、どういうわけだか、理由は定かではないがこの性獣がこの会場に解き放たれたのである……。


【前田郷介@えの素】
[状態]:健康、いやらしい妄想まみれ
[装備]:怪しいバット@セインツロウ ザ・サード、ギャルのパンティー@elona
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1
[思考・状況]基本行動方針:優勝して、××××なことをする。あといい女がいれば××××なことしまくる。
1:絶対に優勝して、××××なことをしまくるぜ〜!
[備考]
参戦時期は少なくとも、後輩の息子として生まれ変わる前。


【怪しいバット@セインツロウ ザ・サード】
 血管のようなものが浮き出ており、またキノコ状に膨らんだ先端と、根元には二つの玉みたいなものが付いたバット。
 どんな時もうねうねと動くなどかなり卑猥な姿をしている。

 見た目に反して威力はかなり高く、また本来は相手を即死させる効果も持っているがそちらについては制限されている。

 余談だが日本語版では規制によりバットの先端と根元が変更されている。


【ギャルのパンティー@elona】
 その名の通り、ギャルのパンティー。投擲武器の一つであり、当然のことながら腰にも頭にも装備できない。

 ジョークアイテムと見せかけて強力な精神的ダメージの追加攻撃が必ず発生する上に性能自体もかなりいいなど侮れない武器。
 ただし唯一のネックとして所詮パンツなので有効射程がかなり短いのが挙げられる。

 なお誰が使っていたものかは不明(誰が使っていたモノか判別できる場合は、その人の名前が付けられているため)。


842 : ◆L9WpoKNfy2 :2020/09/01(火) 19:38:08 g.G9x7Zs0
投下終了です


ありがとうございました。


843 : ◆2dNHP51a3Y :2020/09/01(火) 19:41:34 KQU3MKgI0
投下します


844 : ◆2dNHP51a3Y :2020/09/01(火) 19:41:47 KQU3MKgI0
「オイオイオイ、こりゃ何の冗談だ?」

その男は、荒野の見える町並みの中にいた
それはまさに『悪魔』であった。胸元を開けた黒のドレスシャツの上に黒のファーストールを纏う、黒短髪の青年。その紅き瞳は、見るものを堕とす蠱惑的な輝きを放つ

「ファーさんはいない、か。それにこの首輪と来た。多人数プレイは別に構わないが、ここまで広いと相手を探すのに一苦労じゃないか。……それに特異点やサンちゃんの姿もない。となりゃ、こりゃ完全に『呼び込まれた』わけだな」

妖しき瞳で荒野の風景に映る幾何学模様な夜空を見据え、男は呟く

「……さてと、俺はこの大乱交パーティでどうするか」

男は思慮する。自分のような存在すら呼び込んだこの殺し合い。恐らくは対それた力の持ち主か、それに類する組織か、開いた連中の顔色を窺ってやりたいところだ
あの時の自分の状態、そして今の自分の状態。混沌の坩堝とも言うべきこの殺し合いの舞台。首謀者は何を考えているか、今はわからずじまい。

だが男は別に殺し合いに対しては積極的でも消極的でも無い。必要ならば手を組む、必要ならば殺す。それが『狡知』と呼ばれた男の在り方。
だがそんな彼でも、ある男(ルシファー)に対する思いは何も変わらない。彼にとっての救世主。
あの時、未だ知らぬ未知への同行者として彼とその生命を共にするつもりだった、彼にとっての救世主

「万に一つの可能性だが、もしかしたらファーさん、いるのか?」

男は思案する。己が唯一求めた男がいる可能性を

「……いや、もしかしたら特異点の仲間や、サンちゃんか……バブさんもいる可能性も、か」

男は考える、宿敵や特異点、そしてかつての同盟者がいる可能性を

「……ハハッ。いいぜ、あんたらの思い通り、乗ってやるよこの乱痴気騒ぎ。さっきまで賢者モードになってたところだ、いまのでイキリ勃ったこの熱さを覚ますのにはもってこいじゃないか」

男は決める、この殺し合いに乗ることを。だが、素直に乗るつもりなんて毛頭ない
必要ならば殺す。必要ならば情報を抜き出す。必要ならば手を組む。そしてもし救世主がいるのならば―――その時はその時だ

「……さぁ、仕切り直しと行こうじゃないか。俺たちのクライマックスを」


男の名はベリアル、星の民ルシファーによって産み落とされた『狡知の堕天司』
狡知の悪魔が嗤う先に、何が起こるかなど、例え神だろうとわからない


【ベリアル@グランブルーファンタジー】
[状態]:健康
[服装]:いつもの服装
[装備]:
[道具]:基本支給品、不明支給品3
[思考]
基本:程よく殺し合いに乗りながら情報を集める。場合によっては対主催方針も
1:いるかどうかは分からないがファーさんを探してみる。もし居た場合は……
2:特異点やその仲間たち、バブさんのいる可能性を考慮し下準備はしておく
[備考]
『000』どうして空は蒼いのか Part.Ⅲ、ルシファーと共に異次元に呑まれそうになった後からの参戦です


845 : ◆2dNHP51a3Y :2020/09/01(火) 19:42:03 KQU3MKgI0
投下しました
タイトルは『堕ちてきた悪魔』です


846 : ◆ytUSxp038U :2020/09/01(火) 20:51:01 B36p9KBA0
投下します


847 : 殺人日和 ◆ytUSxp038U :2020/09/01(火) 20:52:03 B36p9KBA0
殺し合い、見せしめ、爆弾付きの首輪。
それら全てがどうでも良かった。

ここが普段狩り場にしているキャンプ場では無い見知らぬ場所であり、
愛用している鉈が手元に無いのは、ほんの少しだけ不満であった。

何時の間にか背負っていた袋を漁ったら出て来た巨大なハンマー。
凶器としては十分使えるだろう。

意味不明な事を喚きながら襲ってきた緑色の怪物たち。
見た事の無い連中だったが、深く考えはせず全員斧で頭を叩き潰してやった。
幾つか傷を付けられたが何の問題も無い。

まだ足りない。
こんな連中では満たされない。
もっと大勢を殺す必要がある。
ここはどこなのかとか、何の目的で自分を連れて来ただとかはどうだっていい事だ。

どうせやるべきことは変わらない。

ふと、願いを叶えるという言葉が頭をよぎる。
本当に叶えられるのならば、子どもの時からずっと味方でいてくれた母が帰って来てくれるのだろうか。
…いや、信じられるはずが無い。
どうせあのエルム街の殺人鬼と同じく、自分を利用する為の嘘に決まっている。

もう騙されはしない。
自分はただ、何時ものように殺すだけだ。

【ジェイソン・ボーヒーズ@13日の金曜日】
[状態]:全身の数ヵ所に切り傷や刺し傷
[装備]:アトムの審判@Fallout4
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]:基本行動方針:皆殺し
1:目に入る者を全て殺す
[備考]
参戦時期はフレディvsジェイソン終了後。
首輪の爆発か全身を消し飛ばされない限り何度でも復活します。
part9でやった他者の肉体乗っ取りは制限により使用できません。

【アトムの審判@Fallout4】
解体工事用のハンマーにジェット推進機を取り付けた「スーパースレッジ」と呼ばれる武器に、核燃料電池の「フュージョンコア」を4つ装着した巨大なハンマー。
単純な破壊力に加え、非常に高い放射能ダメージを敵に与える。


848 : ◆ytUSxp038U :2020/09/01(火) 20:54:12 B36p9KBA0
投下終了です
ノベライズ版のフレディvsジェイソンではジェイソンの心情も描写されてるので読んで、どうぞ


849 : ◆ytUSxp038U :2020/09/01(火) 21:02:33 B36p9KBA0
すみません誤字がありました

×見た事の無い連中だったが、深く考えはせず全員斧で頭を叩き潰してやった。
〇見た事の無い連中だったが、深く考えはせず全員ハンマーで頭を叩き潰してやった。


850 : ◆NIKUcB1AGw :2020/09/01(火) 21:26:50 5M9wJdY60
投下します


851 : 先輩に勝てる後輩など存在しねえ! ◆NIKUcB1AGw :2020/09/01(火) 21:28:12 5M9wJdY60
市街地の真ん中で、青年と少女が向かい合っていた。
長髪と眼鏡が特徴的な青年の名前は、鳥坂。東京都の公務員として働く、傍若無人な男だ。
ツインテールがかわいらしい少女の名は、まどか。
なぜか本来の彼女からかけ離れたフリーダムな性格になってしまい、ついでに声もしゃがれた魔法少女だ。

「だから、何度も言ってるじゃないですか! 私は、本当に魔法少女なんです!」
「はっはっは、大人をからかうにしても少々しつこいぞ、まどかとやら。
 この鳥坂、そのような非現実的な主張を受け入れるほど愚かではないわ」

どうやら二人は、まどかが本当に魔法少女なのかどうかで揉めているらしい。

「そこまで主張するのであれば、実際に魔法をみせてみるがいい!
 それ以外で私を納得させることなどできんぞ!」
「むう、わかりました……。ならば、お見せしましょう!」

まどかは真剣な表情になると、両手を掲げる。

「まどキャンサー!」

叫びと共に、彼女の両手が輝く。
そして輝きが収まったとき、そこには立派な蟹のハサミがあった。

「なんと!」
「これで終わりじゃありませんよ!」

驚く鳥坂を尻目に、まどかは近くの街灯に歩み寄る。
そして、ハサミで街灯を切断してみせた。

「どうです、このパワー!」
「ううむ、魔法というにはいささか物理に偏っているが……。
 普通の人間にはない能力だというのは認めよう。
 疑って悪かった」
「分かってくれればいいんですよ」

まどかは鳥坂と握手を交わそうとし……このままでは鳥坂の手をぶった切ってしまうことに気づき急いで手を戻した。

「では行くぞ、まどか! 我らの手で、極悪非道の主催者を成敗するのだ!」
「おー!」

そして二人は自転車にまたがり、颯爽と走り去るのであった。
特に目的地も定めずに。

「ところで、魔法少女と名乗っておいて実はロボットだったなんてオチはないよな?」
「ロボットじゃないし、アンドロイドでもないよ」


【鳥坂先輩@究極超人あ〜る】
[状態]健康
[装備]轟天号@究極超人あ〜る
[道具]基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考]基本行動方針:殺し合いには乗らず、主催者を打倒する(そっちの方が面白そうなので)
1:後輩たちは……まあおるまい
[備考]
参戦時期は高校卒業後。


【まどか先輩@マギア☆レポート】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考]基本行動方針:殺し合いを止める(主人公だし)
1:見滝原や神浜のみんなは大丈夫かな


【轟天号@究極超人あ〜る】
R田中一郎が愛用する自転車。
たまに無茶な使い方をされるが、すごいのは持ち主の方であってこっちは普通の自転車である。


852 : ◆NIKUcB1AGw :2020/09/01(火) 21:29:33 5M9wJdY60
投下終了です


853 : ◆2zEnKfaCDc :2020/09/01(火) 21:40:53 QqbI/nMI0
投下します。


854 : ◆2zEnKfaCDc :2020/09/01(火) 21:41:46 QqbI/nMI0

 この世界に、正義の味方なんていない。

 お母さんを轢いて殺した男は、今も捕まることなくのうのうと生きている。警察の皆に、お父さ――ううん、『あいつ』に、その男の名前を訴えても何もしてくれなかった。

 悪党ばかりがのさばる世界。それが、"私"の生きる世界なのだと。いつしか、"私"は正義というものに対して諦観していた。

 そんなある日のことだった。本当の正義の味方が現れたのは。

『――突然罪を告白した秀尽学園の体育教諭、鴨志田卓 容疑者には"心の怪盗団"を名乗る予告状が届けられており……』

『今回逮捕された斑目一流斎の元にも、"心の怪盗団"からの予告状が……』

『"心の怪盗団"が、今度は渋谷のマフィアグループの頭領を……』

 正義の味方、"心の怪盗団"は、警察にも手が出せないような悪党を、次々に捕まえてくれた。世の中に諦めていた"私"は、彼らに強く、強く惹かれていった。怪盗団を題材とした配信で多くの同好の士と出会い、怪盗団のグッズもたくさん買って。この世界に希望を見出したのは、怪盗団のおかげと言っても過言ではなかった。

――そして、だからこそ。

 彼らに裏切られた時の反動は、とてつもなく大きかった。心の怪盗団が世を乱し、殺しまでするテロリストであるとの指名手配報道。その際に近衛社長が語ったこれまでの改心事件の手口も凡そ納得がいくもので。これまで怪盗団を一緒に応援していた皆も、全員ではなかったけれど、大衆に迎合していくように一人、一人と怪盗団を悪党呼ばわりし始めて。

――そして、だからこそ。

 "私"――長谷川茜の心の影として、私が生まれた。

「人に殺し合いを強いるなんて……悪党だね……改心させなきゃ。」

 私――『シャドウ茜』は、『ジェイル』で怪盗団を待ち伏せしている最中だった。それが、いつの間にかこのような世界に呼ばれていた。怪盗団を改心させるための罠の邪魔をしたのが誰なのかは分からないが――絶対に、許せないと思った。

「それに、殺し合いでしょ?ㅤどうせ悪党しかいないんだもん。それならみんな、改心させてやるわ。」

 だからといって殺し合いに反目するわけでもない。茜は、誰も信じない。警察も、あいつ――長谷川善吉も、心の怪盗団を騙る極悪人どもも、指名手配されるや否や心の怪盗団に罵声を浴びせ始める大衆も。信じられるのは、本物の『怪盗団』だけ。

 方針を定めた茜は、支給品として配られた短剣を手にする。それを、クルクルと手のひらで弄んで――

「私の怪盗団……私を守って!」

――そして唱える。すると間もなく、茜の眼前にひとつの影が現れる。その影が模すのは、たくさんの怪盗団グッズに描かれた、黒い衣装と白い仮面の男。しかしグッズとただ一つ異なる点として、茜の名をなぞる様に、茜への忠誠を表すかの如く、紅い髪をしている。

 茜の手に収められていた短剣は、まるでマジックのショーのように、一瞬の内にその影――『マイ・ディア・ジョーカー』の手のひらに移る。

「正義の味方なんていないのなら、私と、私の怪盗団がなってやるの。」

【シャドウ茜@ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ】
[状態]:健康 『マイ・ディア・ジョーカー』の顕現
[装備]:アサシンダガー@ドラゴンクエスト3
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]:基本行動方針:『悪党』を全員殺す。
1.どうせ皆、悪党なんでしょ?
2.本物の怪盗団は、私を裏切らない……。
[備考]
心の怪盗団を京都ジェイルに誘い込むまで待っている時からの参戦です。
認知の怪盗団は、複数体同時に顕現させることはできません。

【アサシンダガー@ドラゴンクエスト3】
毒の塗られた短剣。うまく急所に刺されば、即死するほどの効き目がある。


855 : ◆2zEnKfaCDc :2020/09/01(火) 21:42:36 QqbI/nMI0
以上でタイトル『My Dear……』の投下を終了します。


856 : ◇SO9ig3Wk7 :2020/09/01(火) 21:57:12 nuYfO.uM0
投下します。


857 : ◇SO9ig3Wk7 :2020/09/01(火) 21:57:49 nuYfO.uM0
島のとある民家の中で眼鏡をかけた男が1人ソファに座っていた。

「どうも『オペラ座館殺人事件』犯人の有森裕二です」

「俺は殺し合いの参加者の一人としてこの島に連れてこられました」

「………」

「…なんでだよ!!」

「なんで俺が殺し合いに参加しなくちゃいけないんだよ!」

「『金田一少年の事件簿』の殺人事件とはわけが違うんだぞ!」

「というかそもそも俺死んでたんだよ!」

「なんでわざわざ生き返らせるんだよ!」

「二度も死にたくねえわ!」

「…だが、案外これはこれでいいかもしれない」

「たくさんいる金田一と戦った犯人たちの中から参加者として選ばれたからな」

「まあ、一番最初に戦っただけだがな」

「とにかく、この場に呼ばれたからには勝つことしか生き残る術はない」

「ならば俺は金田一少年の事件簿犯人代表としてこの殺し合いを勝ってみせる!」

「そして俺には他の犯人が考えたトリックを知る機会があった!これも利用する!」

「一度金田一に負けたこの身だが、他の参加者を全て殺すという完全犯罪を俺は成し遂げてみせる!」

「きっと金田一にも解けないだろうこの難事件を俺は乗り越える!」

「犯人たちの名にかけて!」

【有森裕二@金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いに優勝という完全犯罪を達成する
1:まず誰から殺すか決めよう
2:ターゲットが決まったら殺害トリックを考えなくては
3:まさか名探偵が現れることはない…よな?
[備考]
参戦時期は原作最終回後
犯人たちの事件簿に収録された分の事件のトリックは知っている


858 : ◇SO9ig3Wk7 :2020/09/01(火) 21:58:06 nuYfO.uM0
投下終了します。


859 : ◇SO9ig3Wk7 :2020/09/01(火) 21:58:43 nuYfO.uM0
タイトルを付け忘れました。
「有森少年の事件簿」です。


860 : ◆2dNHP51a3Y :2020/09/01(火) 22:00:16 KQU3MKgI0
投下します


861 : Pluto Relinquish ◆2dNHP51a3Y :2020/09/01(火) 22:00:52 KQU3MKgI0
『ヒナちゃん』
「……!」

ティルテット・タワーと地図上で表記されるエリア、その道路の上で。少女、白井日菜子はその頭の中に聞こえた声と共に意識を取り戻した

「……今の、声。それに、ここって……」

数刻前、彼女は何もかも忘れていた。
『原種』と呼ばれる世界を滅ぼす存在を打ち倒せる『リフレクター』と呼ばれる存在として原種と戦った記憶。
全ての原種を、そして最後に現れたダアトをもみんなの力を借りて打ち倒し、大切な二人の友人と永遠の別れをした時の記憶。

……忘れていたはずの記憶が、思い出せていた。辛いことも、苦しいことも、楽しいことも、悲しいことも、嬉しいことも、何もかも


「……覚えてるんだ、私」

今、自分がどのような状況にいるのか一時忘れるほどに、瞳から雫が零れ落ちる
ぽろぽろ、ぽろぽろと
あの時唯一望んだ願いが、叶ってくれたんだと
ユズとライムの事を、忘れないでいた事を

「あはは……。良かった、良かった……思い出せた……覚えていた……!」

嬉しかった。大切な記憶を、忘れないでいた事が
彼女は泣いた。一時我を忘れ、ひと目を気にせず、泣いた


862 : Pluto Relinquish ◆2dNHP51a3Y :2020/09/01(火) 22:01:27 KQU3MKgI0
「……うん。泣いてばかりも、いられないよね」

涙を拭い、気持ちを落ち着かせ、さっきまでの状況を思い出す。悍ましい殺し合いの舞台、一定時間人を殺さない状態が続けば装着者を爆殺させる首輪
自分が生き残るためだけに誰かを殺すなんて絶対に嫌、じゃあこのまま死ぬか殺されるかなんてまっぴら御免。せっかく新しい一歩踏み出せたというのに、こんな事に巻き込まれるなんて思わなかった

「……」

デイバッグを確認し、中にあった指輪を見つける。何かを確信しその指輪を指に嵌め、ある事を試すために目を閉じて念じてみる。すると、光りに包まれた彼女の姿は蒼とピンクを基調としたチュチュのような衣装姿へと変身。髪色は黒から金へと変貌し、目は水色と金のオッドアイに

「……リフレクターの力が、使える?」

自らの姿を再確認し、困惑。この衣装はかつてリフレクターとして戦っていた時の衣装そのものだ
原種との戦いの時か、コモン世界での活動時のみでの姿だったのだが、何故か今この姿に変身できている
もし主催を名乗る何者かが、殺し合いのためだけに変身できるようにしたというのなら、なんとも複雑な気分だ

「でも、これなら」

戦える。無力な一般人としてただただ怯えるよりは数段マシ。心配なのは対人戦なんて、リフレクターの時には経験しなかった事を最悪否応なしにしなければならないかもしれない、ということだ

「へぇ、中々に面白いじゃないの、それ」
「……誰っ!?」

などと思案している日菜子の背後に、並々ならぬ気配がその声を共に露わとなる
黒の服とハイソックスを着こなした白い肌の女性。淡いピンクのショートヘアとは裏腹にその赤い瞳はまるで獲物を見極める狩人の眼光

「……悪いわね。こっちにも事情があって、本名は明かせないのよ。まあ、BBなんて呼んでくれればいいわ」
「……BB」

自らを『BB』と名乗った女性に対し、怪訝な表情を浮かべ見つめる日菜子
何故本名を明かせないのかは気になるところであるが、それ以上に彼女から感じる何かは、本当に異質であった
コモンの怪物たちとも、原種とも違う。―――根本的に自分たちとは違うもの。別次元のナニカ。
日菜子は幻視する、見渡す限りを真っ赤に染め上げる神々しいまでの緋色の光を。その幻視した光景が一瞬の瞬きと共に消えるも、彼女からはそのような幻を見たように錯覚するほどのナニカを感じる

「……乗って、いるんですか?」
「さぁ、どうしようかしら? トーニオのやつもいないし、どうやって私ここまで連れてきたのかは気になるところだけど。……まあいいわ」

日菜子の問いに、女は淡々と答える。まるでその身を劈く様な感覚。リフレクターの衣装でなければその冷たさを感じる禍々しさに思わず失神してしまいそうになるほどに

「――暇つぶしぐらいには、なりそうね」

女の言葉を皮切りに、女の右腕から、紫色のナニカで構成された骨のようなモノが、狼の口の形を複数体生成して日菜子に襲いかかる

「……ッ!」

事前に危機を察していた日菜子は、剣を正面に構え魔力を込める。魔力を込めた剣先から一気に魔力の弾丸が放たれ、骨のようなモノに直撃。衝撃で日菜子の身体は背後に吹き飛ぶが、女は骨のようなモノにヒビが入った程度。だがその骨のようなモノは即座に女の右腕に収まり元の形へと戻る

そして日菜子は理解した。―――彼女は自分を殺す気だと、そして戦う以外に逃れるすべはないと
そして自分では到底勝つことは出来ないと。

「……へぇ。あなた、中々にセンスあるじゃないの? 今のでも十分及第点よ?」
「貴方に褒められても嬉しくないです。それに、この力は人を傷付ける為のものじゃない」

女の言葉に日菜子はただ不満そうに言い返す。実際、この力は誰かを傷付けるためにある力じゃない
だけど今の状況、自分の力でもどうにもならない相手。逃げるにしても、戦うしかない相手
それに、彼女を放っておいたら、無関係な人にも被害が出てしまう

「―――けど、あなたがその気なら私は容赦しない。怪我ぐらいは我慢してください」
「あら、そう。だったらやってみなさい。それで私を倒せるのかは別だけど」

だからこそ、白井日菜子は覚悟を決めた。戦って、すきを見て逃げるしか無い
足が恐怖で細かく震える、死ぬのは怖い。だけど、そんな所で立ち止まってなんていられない

「……私はリフレクターだから、倒すんじゃなくて、撥ね返してあげる!」
「じゃあ、撥ね返してみなさい。―――出来るものならね、『人間』」



再起のエトワール、『リフレクター』白井日菜子

長老級『血界の眷属』が一人、ヴァルクェル・ロッゾ・ヴァルクトヴォ・エル・ギリカ

―――ここに、二人の戦いの舞台が開演を迎える


863 : Pluto Relinquish ◆2dNHP51a3Y :2020/09/01(火) 22:02:15 KQU3MKgI0
【白井日菜子@BLUE REFLECTION 〜幻に舞う少女の剣〜】
[状態]:健康
[服装]:リフレクター衣装
[装備]:リフレクターの指輪指輪@BLUE REFLECTION 〜幻に舞う少女の剣〜
[道具]:基本支給品、不明支給品0〜2
[思考]
基本:殺し合いには乗らない
1:目の前の女からなんとかすきを見て逃げる
[備考]
※原作第12章「最後の一歩 the First Step」で、ユズとライムとの最後の別れをしてリフレクター絡みの記憶を全て忘れた後からの参戦です
※忘れていた記憶は思い出しました

【ヴァルクェル・ロッゾ・ヴァルクトヴォ・エル・ギリカ@血界戦線】
[状態]:健康
[服装]:いつもの服装
[装備]:
[道具]:基本支給品、不明支給品0〜3
[思考]
基本:殺し合いを程々に楽しませてもらう
[備考]
※原作第三巻『BLOOD LINE FEVER』で、クラウスに『密封』された後からの参戦です

【リフレクターの指輪@BLUE REFLECTION 〜幻に舞う少女の剣〜】
リフレクターへの変身のために必要な指輪。白井日菜子の場合、指輪を嵌める手でフラグメントに触れることで、指輪を通じてフラグメントから伝わる人間の気持ちや思いを理解することが出来る
そうしてフラグメントの形を整え、破壊されないよう補強する「固定化」を行うことで、そのフラグメントの持ち主である人間を守ることができ、同時に力を手に入れることもできる。


864 : ◆2dNHP51a3Y :2020/09/01(火) 22:02:27 KQU3MKgI0
投下終了します


865 : ◆2dNHP51a3Y :2020/09/01(火) 22:20:13 KQU3MKgI0
ちょっとギリカの状態表に追記

【ヴァルクェル・ロッゾ・ヴァルクトヴォ・エル・ギリカ@血界戦線】
[状態]:健康
[服装]:いつもの服装
[装備]:
[道具]:基本支給品、不明支給品0〜3
[思考]
基本:殺し合いを程々に楽しませてもらう
[備考]
※原作第三巻『BLOOD LINE FEVER』で、クラウスに『密封』された後からの参戦です
※首輪の制限により、一定以上のダメージを喰らった場合自動的に密封状態となり、事実上の脱落となります
※再生能力はある程度低下しています


866 : ◆.EKyuDaHEo :2020/09/01(火) 22:24:32 SGwKxa0.0
投下します


867 : 無邪気な少女─ロボでも涙は流す─ ◆.EKyuDaHEo :2020/09/01(火) 22:25:01 SGwKxa0.0
「...俺は...何でこんなところに...?」

彼は野原ひろし...の姿と記憶をコピーした存在、ロボひろし。彼はある少年との別れの際に機能が停止し、動かなくなった...しかしどうだろう、機能が停止していないどころか自由に体を動かすこともできる

「あの主催とか言うやつ...絶対許せねぇ...」

主催が放った「殺し合い」という言葉、ロボひろしはその言葉に腹を立てていた。何故そんなことをしなくてはならないのか理解ができなかった...

「考えても仕方ねぇな...これからどうするか考えねぇと...」

とこれからのことについてロボひろしは考えはじめた...その時だった

「おー!ロボットだ!カッコいいー!」
「な、何だ!?」

いきなり大はしゃぎされながら自分のことを興味津々に見つめる水色のツインテールの少女が現れ、ロボひろしは驚いた

「き、君一体誰なんだ?ていうかどっから出てきたの?💧」
「僕?僕は雷刃の襲撃者!レヴィ・ザ・スラッシャーだよ♪」

レヴィという名前の少女は、見た目は女の子だが一人称が「僕」というところからいわゆるボクっ娘というやつなんだろうとロボひろしは思った

(何だかしんのすけに似てるな〜...思えばしんのすけも俺の姿を見たときはこんな反応してたっけな〜...)

彼の言うしんのすけとは息子のことであり、よく一緒に遊んだり一緒に笑ったり楽しく過ごしていた...しかし自分は野原ひろしの姿と記憶をコピーした存在だと言われた...最初はとても信じられなかった、しかし本当は薄々分かっていた...そして機能が停止する前にロボひろしは野原ひろしと腕相撲対決をした...その時ロボひろしは気づいた、ひろしが家族から応援され絶対に勝つと言わんばかりに父親の意地を見せた...そしてロボひろしは敗北した、家族のために本気になれるひろしを見てロボひろしは悲しいのもあったが何よりも安心した、自分はもう動けない...これからはひろしがしんのすけ達家族を守っていけると...するとしんのすけはロボひろしに歩みより心配してくれた...ロボひろしは、自分は本当の父親ではなかったと言う、しかししんのすけは...

『とーちゃんもロボとーちゃんも、どっちもオラの大好きなとーちゃんだゾ!!』

例えコピーである自分でもしんのすけは大切な父親だと言ってくれた...その時ロボひろしは初めて涙を流した...本来ロボットは涙を流せない...しかし本当に悲しければロボットでも涙は流す...ロボットにも『心』があるから...
その時のことを思い出すとロボひろしは微かに涙を流した...するとレヴィは不思議そうに聞いてきた

「あれ?ロボットでも涙を流すこともあるの?」
「あぁ...思い出を振り返ったり悲しいことがあるとロボットでも涙は流すよ...俺達ロボットにも...心があるからね...」
「そうなんだ〜♪」

レヴィはニコッと微笑んで納得した
ロボひろしは決意した...我が子のように優しいこの子を守ると...辛い思いをさせないということを...あの時息子を辛い思いにさせてしまったことをロボひろしは悔やんでいた...幼い子供にはまだ辛い思いをさせたくない...楽しい思いをしてほしい...そう思いロボひろしはレヴィを守ることを決意した...

【ロボひろし@クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶガチンコ逆襲のロボとーちゃん】
[状態]:健康、悲しみ
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品
[思考・状況]:基本行動方針:出来れば殺し合いを止めたい
1:レヴィちゃんを守る
2:しんのすけ...
[備考]
機能が停止し動かなくなった後から参戦。機能などは回復して動けるようになっている

【レヴィ・ザ・スラッシャー@魔法少女リリカルなのはPORTABLE-THE GEARS OF マテリアル娘-】
[状態]健康、興奮
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品
[思考・状況]:基本行動方針:このロボット(ロボひろし)と行動する
1:ロボットだー!カッコいいー!
2:ロボットでも涙を流すのか〜♪


868 : 無邪気な少女─ロボでも涙は流す─ ◆.EKyuDaHEo :2020/09/01(火) 22:25:23 SGwKxa0.0
投下終了です


869 : ◆5qNTbURcuU :2020/09/01(火) 22:33:51 7sfMXfU.0
投下します


870 : ◆2dNHP51a3Y :2020/09/01(火) 22:39:18 KQU3MKgI0
投下します


871 : 惡の華 ◆2dNHP51a3Y :2020/09/01(火) 22:39:38 KQU3MKgI0
「殺し合い、なるほどな……。奴ら、中々に面白い催しを考えたものだ」

和風感漂うエリアに、白い道着と真っ赤な袴を身に着けた金髪オールバックの男
かつてサウスタウンの支配者とも呼ばれた悪のカリスマ、ギース・ハワードはこの異様な状況に対し、興味津々と言わんばかりに笑みを浮かべ言葉を呟いていた

「まさか死人すらも蘇らせ、呼び出すのだからな……」

ギースの最後の記憶、ギースタワーの頂上にて自らが殺したジェフの仇を取りに来たテリー・ボガードと、その弟アンディ・ボガードとの戦いに敗れ、タワーの頂上から落下した事だ
あの高さだ、明らかに自分は死んだだろう。だがこうして生きている。恐らく主催が持ちわせているであろう死者を蘇らせる力、そして優勝時に得られる何でも願いを一つだけ叶える権利

「その力、実に興味深い―――ならば」

『殺し合いに乗り優勝し、あわよくば主催すら越えて自らが最強であることを示す』
ギースの望みはこの言葉に尽きる。元々格闘大会を開いていたギースにとってこの様な催しに巻き込まれる事自体が新鮮な体験だ。だからこそ燃える、滾る、昂ぶる

「では、このひと度の悪夢、存分に堪能しようではないか!」

『悪のカリスマ』ギース・ハワード。男が魅せる悪夢は、どの様な道を示すのか、今の彼にも、誰にも、その先はわからない

【ギース・ハワード@餓狼伝説シリーズ】
[状態]:健康
[服装]:
[装備]:基本支給品、ランダム支給品0〜3
[道具]:
[思考]
基本:殺し合いに乗り優勝する。あわよくば主催すら越えて最強を示す
[備考]
※ギースタワーでの決戦で頂上から落下して死亡した後からの参戦です


872 : ◆2dNHP51a3Y :2020/09/01(火) 22:40:06 KQU3MKgI0
投下終了します
>>869氏 割り込む形になってしまい申し訳ございませんでした


873 : 奔る奴隷に勝利を ◆5qNTbURcuU :2020/09/01(火) 22:41:06 7sfMXfU.0

少年は海が見たかった。
狭い壁内を出て、潮風を浴び、無限に続く水平線を目にする。
きっと、それを叶えた者は、この世で最も自由を手に入れたものだと信じていた。

多くの骸を踏み越えて、少年はその奇跡異に到達した。
鼻孔を擽る潮の匂いも、初めて耳にする波音も、無限に広がる蒼の地平も全てが輝いて見えた。
これこそが自由なのだと、これから全てが始まるのだと無邪気にそう思い。

その幻想は、残酷な世界に打ち砕かれた。
鳥かごの外にはより大きな鳥かごが待っていただけだった。
少年は青年となり、それを知った。

今、青年の手には一つの果実がある。
食べれば海に嫌われるのと引き換えに、世界を滅ぼせる程の力が得られるという。
青年に迷いはなかった。あんぐりと咢を開き、咀嚼し、嚥下した。
例え帰った先で海に嫌われるのだとしても、この場で死ねば同じことだ。
青年は力を欲していた。慣れた力に変わる力を。
生きるために、戦うために、進むために。
そのためならば、少年の頃の憧れとも決別できた。

彼は決して諦めない。
どんな時代であろうと、どんな場所であろうと、自由のために戦う。
自由のために、進み続ける。

例え、世界を敵に回したとしても。
例え、壁の外の全ての命を駆逐したとしても。





「―――これを使うのも、久しぶりだな」


巨人の姿で戦闘を行うことが増え、最近はあまり身に着けていなかった立体起動装置。
しかし身体は覚えていてくれたらしい。今も淀みなく、身に着ける事ができる。
背に背負う、自由への翼は以前よりも重く感じた。
装置の装備が終わり一息ついた時、彼の視界の端に、小鬼の姿が映る。
ヒュッ、と空気の裂く音と共に、石礫が飛んできたのはその直後の事だった。

青年―――エレン・イェーガーは何の感情も映さず、静かに手で石礫を受け止める。
勢いよく石が当たった手の甲はぽたぽたと赤い雫を垂らすが、何も起こらない。

「やっぱり巨人にはなれない、か」

進撃の巨人の能力で未来を見た際、こんな記憶は存在しなかった。
今のエレンはまるで始祖ユミルから切り離されていると言わんばかりに、巨人になる事ができない。
故に、これから起きる事は今までエレンが見てきた未来に繋がるのかさえ分からない。
完全なるブラックボックスだ。
未来は誰にも分らない。

…それでも、前には進まなきゃいけないよな。

エレンはぽつりとそう呟いて、錆びたナイフを手に躍りかかってくる小鬼へ向けて掌をかざした。
ぴしり、と空間に罅が入る。大気が揺れ、大地が脈動する。
そして、崩壊が訪れる。
地震、という大地のエネルギーを直接浴びたゴブリンは、潰れた虫の様に身体を崩壊させて崩れ落ちる。

まるで近い未来、エレンが踏みにじる筈だった少年たちの様に。


874 : 奔る奴隷に勝利を ◆5qNTbURcuU :2020/09/01(火) 22:41:43 7sfMXfU.0


「―――さて、行くとするか」


小鬼の末路に何の感慨も示さず、エレンは立体起動装置を起動する。
優勝し、願いを叶えるために。
ただこのゲームから脱出するのではダメなのだ。
例え手ぶらで帰った所で、エレン達に、エルディアに、或いはエルディア以外の国家に未来はない。
だが、もし…願いを叶える力が本当であるなら『地鳴らし』なんて虐殺を行う必要もなくなる。

この場に呼ばれた数十人、エルディアと世界。
天秤などかけるまでもない。

昔の自分が、今の自分の選択を見たらどう思うだろうか、エレンはふとそんな事を考えた。
きっと、軽蔑するだろう、憤怒するだろう、憎悪さえ、するかもしれない。
だが、最早自分は余りに多くの物を背負い過ぎた。
この世界は残酷だ。何一つ犠牲を背負わないまま叶う事など何もない。
だから殺す。エレン自身の殺意によって。


―――さぁ、進撃を始めよう。
自由を求めた前進、無限に続く殺し合いの連鎖を終わらせるための前進だ。
そのためなら全てを、駆逐する。この会場にいる全ての命を、地獄へと導こう。

【エレン・イェーガー@進撃の巨人】
[状態]:進撃の巨人(脳内のみ)
[装備]:グラグラの実、立体起動装置
[道具]:基本支給品、ランダム支給品
[思考・状況]:基本行動方針:パラディ島を救うために、この場の全ての命を駆逐する。
1:全ての命を駆逐する。
[備考]
30巻で座標に辿り着く直前より参戦です

【グラグラの実@ONE PIECE】
悪魔の実シリーズの1つで、食した者は「振動」の力を操る「振動人間」となる。
特にこの実を食した白ひげはその規格外の強さから、地震人間とも呼称されていた。

超人系の中でも際立って破壊力の高い天災を操ることができる能力であり、振動のエネルギーを自在に操り、ありとあらゆるものを揺り動かす。

超人系悪魔の実の中でも最強の攻撃力を有すると言われ、その力は「世界を滅ぼす力」とまで称される。


【立体起動装置@進撃の巨人】
巨人によって絶滅寸前まで追い込まれた人類が開発した、兵士の腰部周辺に装着する一揃いの装置。


875 : ◆5qNTbURcuU :2020/09/01(火) 22:42:00 7sfMXfU.0
投下終了です


876 : ◆ytUSxp038U :2020/09/01(火) 22:51:43 B36p9KBA0
投下します


877 : そして過ちは繰り返される ◆ytUSxp038U :2020/09/01(火) 22:55:05 B36p9KBA0
海沿いのエリア。
そこでスキンヘッドの男が煙草を吹かしていた。

ゆっくりと吸い込み堪能すると、煙を吐き出す。
天へと昇りやがて薄っすらと消えていく紫煙を眺めると、淡く輝く月が視界に入った。

「…見事な満月だな」

波の音だけが聞こえる場所で、月を眺めながらの一服。
悪くないシチュエーションだ。
これで手元に美味い酒があったら、ついでに言えば今が殺し合いなんて状況でなければもっと良かったのだが。

「全く…神様ってのも意地が悪い。まだまだ生きて血と糞にまみれろって言うのか」

アジトに使っていた戦前の軍事基地。
そこに乗り込んできたのは、かつて自分が誘拐した少年の実親。
子どもを取り戻す為、そして愛する伴侶を奪った復讐の為に執念で連邦を駆けずり回り自分の元に辿り着いたのは恐れ入った。
無論、タダで殺されてやるつもりは無かったが、勝利の女神が微笑んだのは相手のほう。
自分はと言うと、脳みそを吹き飛ばされて呆気なく死亡。

ただまぁそれでも良かった。
妻子を失ったあの日から何もかもを忘れたくて殺し屋になった。
その過程で悪人だろうと善人だろうと関係無しに、大勢殺してきたのだ。
いい加減報いを受ける時が来た。ただそれだけの事だろう。

と思ったのに何故か生き返り、おまけに殺し合えと来た。

「まぁいいさ。どうせやる事は一つだ」

そうだ。
一度死んだからと言って、今更生き方を変えられる訳じゃない。
依頼人は殺し合いをお望みだ。
報酬は全員を殺さなければ手に入らない。
笑ってしまうほどに酷い依頼だが、今の自分にはお似合いな気がした。

デイパックには愛用の銃は入っていなかった。
だが代わりになりそうなものならある。

「それじゃ、試してみるか」

煙草の火を踏んで消すと、腰にベルトを巻き付ける。
右側にレンチのようなものが取り付けられた奇妙なベルトだが、説明書の内容が本当ならば立派な武器だ。

――DANGER

懐から取り出した紫色のボトル。
電子音声が鳴り響くソレをベルトに差し込み、レンチを押す。

――CROCODILE

「確か…変身、だったか?」

――割れる!食われる!砕け散る!
――CROCODILE IN ROGE!
――オールァッ!!
――KYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!

液体の入った巨大な容器に包まれたかと思うと、その姿は変貌していた。
紫と黒のアーマーを全身に纏い、顔は動物の顎に噛みつかれたような奇妙な仮面で覆われている。
試しに動いてみると生身の時よりも遥かに身軽になっている事を実感する。
ついでにもう一つの支給品である紫色の銃も何発か試し撃ちしたが、こちらも悪くない性能だった。

成程、これは当たりを支給されたと思ったが、直ぐに仮面の下で苦笑いを作った。

「…まぁ、この姿になる度に喧しいのが欠点だな」

【コンラッド・ケロッグ@Fallout4】
[状態]:健康、ローグに変身中
[装備]:スクラッシュドライバー+クロコダイルクラックフルボトル@仮面ライダービルド、ネビュラスチームガン@仮面ライダービルド
[道具]:基本支給品、煙草とライター@現実
[思考・状況]:基本行動方針:優勝する
1:まずはどこに向かおうかね
[備考]
参戦時期は死亡後。

【スクラッシュドライバー+クロコダイルクラックフルボトル@仮面ライダービルド】
葛城巧が残したデータを基に桐生戦兎が開発した変身ベルト。
スクラッシュゼリーと呼ばれるパウチ型のアイテムが必要となるが、仮面ライダーローグの場合は専用のフルボトルであるクロコダイルクラックフルボトルを装填し変身する。
それぞれ単体では使えないのでドライバーとボトルのセットで一つの支給品扱いになっている。

【ネビュラスチームガン@仮面ライダービルド】
拳銃型の変身デバイス。
ギアと言う専用のボトルを装填すればリモコンブロスやエンジンブロスに変身可能。
又ボトルが無くても武器として使うことができる。


878 : ◆ytUSxp038U :2020/09/01(火) 22:56:13 B36p9KBA0
投下終了です


879 : ◆EPyDv9DKJs :2020/09/01(火) 23:02:42 YgilquWo0
投下します


880 : ◆EPyDv9DKJs :2020/09/01(火) 23:03:21 YgilquWo0
 浜辺を歩くペンギンがいる。
 NPCか野生動物だと思われるが、
 首には参加者の証である首輪がしてある。
 ずんぐりむっくりの丸い身体つきなのと、
 歩きの速度はペンギンとは思えないところ以外はペンギン───

「やれやれ、困ったな。」

 前言撤回しよう。彼は喋るペンギンだ。
 株式会社某企画に努める社畜ペンギンである。
 何を言ってるか分からないと思うが事実だ。

 ペンギンは最初はクソ上司のしょうもない企画かと思ったが、
 どうやらそうではないことは雰囲気から気づいてすぐに行動をとった。
 社畜を鍛えるための上司がやったデスゲームは大方社員も生きているだろうから、
 余り真には受けなかったが今回は正真正銘の殺し合いであるのなら話は別だ。
 (と言うかそんなことすれば会社が潰れる。他の要因で潰れた世界線もあるが。)

 彼は何をしてたのかと言うと、海から脱出できるかだ。
 お約束で出られないと思うが念のために試みた。
 だが見えない壁なのか何かの特殊な技術か。
 会場から一定の距離から離れることができなくなっている。
 どうやら会場を脱出と言う形で何とかするのは無理だと気付く。
 もっとも、首輪のことを考えればできたとしても問題だが。

 となれば首輪の解除だが、これが困る。
 首輪のサンプルが必要、すなわち一人は殺す必要があるのだ。
 上司のデスゲームは前述のとおり生き死にはなかっただろうから遠慮はなかった。
 だが、因果応報の言葉通り、同僚のパンダが何度報いを受けたか忘れるぐらいやらかしているのだ。
 同時に無暗に人の命をぞんざいに扱う上司やパンダと違って、道徳的な彼は殺し合いも抵抗する。
 でなければテイコウペンギンの企画などやっていない。

「これは…ペンギン、なのか?」

「ん?」

 困惑の色が隠せない声に反応し、振り返るペンギン。
 白を基調としたおかっぱ頭の男性が、そこに立っている。
 どこかで見おぼえがあるような気がするが、多分思い出してはいけない。
 謎の強迫観念が襲いかかり、

「殺し合いで自分から存在を知らせるところから、
 おそらく殺し合いには乗ってないと思うんだが…誰だ?」

 そのことは尋ねないでシンプルに尋ねる。
 見知った間柄ではないのは確かだ。会社にこんな目立つ男はいないし、
 おそらく外国の人間であろうことはなんとなく察している。
 殆どシロと思っていたが、いよいよ某企画とは無縁らしい。

「俺はブローノ・ブチャラティ。あんたと同じ参加の一人だ。」

 一先ず殺し合いには乗ってないと言うことで、
 お互いに情報交換をしながら他の参加者を探して浜辺を歩く。
 と言っても開始早々。得られたのはNPCが友好的でないのが多いぐらいで、
 精々お互いの身の上話を少ししていることぐらいだ。

「本当にそれは裏社会の組織ではないのか?」

 ブチャラティは某企画の内情に驚かされる。
 表社会ではとてもできないような無茶苦茶な行動、
 と言うより犯罪にすら思いっきり手を染めてるではないか。
 ボスに匹敵するかのような吐き気を催す邪悪の組織。
 それでどうして株式会社をやっていけてるのか不思議でならない。

「俺もそう思うが、あの手この手で回避してるからな。」

 クソ上司は無能ではあるが変なところで頭の回転がいい。
 どんな手段を持ったら対処できるのか、ペンギンですら疑問だ。
 失敗してることもあるが、これもやはり別の話である。

「あんたもあんたでギャングとはな。
 理由は複雑だろうから、あまり聞かない方がよさそうだが。」

「…否定はしない。」


881 : ◆EPyDv9DKJs :2020/09/01(火) 23:03:39 YgilquWo0

 ブチャラティは今後の信用にかかわると思って、
 自分がギャングであり、スタンド使いであることは伝えている。
 流石に能力は伝えてないが、そのことはペンギンからも確認はした。
 とは言え全てではなく、自分が父を守るために組織に入団したことなどは話してない。
 父を大事に思うからこそ、父を言い訳には使おうとはしなかったのだ。

「ペンギン…でよかったか、名前は。」

 動物の名前が彼の名前である為、
 少々悩んだかのような沈黙が入る。

「ペンギンでいいぞ。なんだ?」

「俺はボスのような邪悪をこのまま放っておくわけにはいかない。
 それに、早く戻らなければトリッシュが危ない…協力者が必要だ。
 残念だが、俺には一人で解決できる目処はない。首輪も脱出手段も不明だが、
 この戦いを必ず終わらせる…だが、俺は俺はあんたに一緒に来いとは言わない。
 常に守り続けれる保障もできないし、危険で困難である道なのは間違いない。
 命を落とす危険は高い。だから俺についてくるかどうか、此処で答えてほしい。」

 ブチャラティの発言を聞いたペンギンは、彼が眩しく見えた。
 例えるならば暗闇の大海原に照らされた、灯台の明かりと言うべきか。
 登り行く朝陽ののように自分の向かうべき正しい道を導いてくれるような光を。
 少なくともあのクソ上司ではこんな印象を抱くことはなかっただろう。
 こんな上司に出会っていれば、どれほど良かっただろうか。

「長居して仕事を遅らせるわけにもいかないからな。
 それに、何もしないよりは何かした方がいいだろう。
 こんなペンギンでもいいのであれば、俺は協力するぞ。」

 一応大の大人を昏倒させる程度のペチペチができたり、
 意外とパワフルなことはあれど荒事は得意ではない。
 それでも、安全が訪れるまで待つわけにもいかない。
 仕事が停滞して困る人達が必ずいるはずだ。
 (パンダと上司は知らんが)

「その覚悟に礼を言おう。」

 ギャングとペンギン、
 少なくとも異様な光景でしかないが、
 その志は殺し合いと言う荒波に立ち向かう、
 嘗て海に生きてきた者達の姿だ。




「ところで、本当にスタンド使いではないのか?」

「ないぞ。」

「…そうか。」

【ペンギン@テイコウペンギン】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1〜3(未確認)
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いに抵抗する
1:ブチャラティについていく。こんな上司であればな。
2:パンダとシャチがいるなら助ける。上司は…余裕があれば。

[備考]
※参戦時期はデスゲームに参加させられたらどうなるのかを経験済みです。

【ブローノ・ブチャラティ@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1〜3(未確認)
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いの打破
1:ペンギンと共に参加者を探す。乗った相手には容赦しない

[備考]
※参戦時期は教会でのボスとの戦いの中です。
 まだ致命傷は受けてないので体は普通です。


882 : ◆EPyDv9DKJs :2020/09/01(火) 23:04:19 YgilquWo0
以上で『いい上司に巡り合えた社畜の始まり』投下終了です
ペンギンの強迫観念については社畜が定時で帰るとどうなるのか? 参照です


883 : ◆2zEnKfaCDc :2020/09/01(火) 23:30:28 QqbI/nMI0
書き終わって良かった……。投下します。


884 : Shall we Walk? ◆2zEnKfaCDc :2020/09/01(火) 23:31:37 QqbI/nMI0
「ひぇぇ。殺し合いに巻き込まれたよ。もう、野蛮だなあ。」

 青く、丸く、愛らしく。どう見てもNPCのように見えるが、しかし首輪を体内に埋め込まれたいち参加者である。背中のコンパスがトレードマークのスライム、スラミチ。彼は恐れるでもなく、奮い立つでもなく、現状を認識していた。

「アルクは……いないみたいだね。戦いになったらどうしよう?」

 まずスラミチが探したのは、女神に導かれ、共に冒険の道のりを歩んできた男、アルク。しかしその姿は無い。スラミチが道案内し、アルクがたたかう。そんな役割分担は、封じられてしまった。

「うーん。コンパスが動かないから道案内もできないや。」

 そして、導きのかけらが無い今、背負った魔法のコンパスは動かない。動かないから、自分の役割も果たせない。

 スラミチは困っていた。

 そんな彼に、背後から忍び寄る影がひとつ。

「わあ、何でしょう?ㅤこれ。」

 その影は、スラミチをヒョイと持ち上げた。

「わわっ!ㅤ持ち上げられちゃった。」

「わあっ!ㅤ喋りましたよ!?」

 突然喋り出したスラミチに、手にしたスイカがスイカ岩だった時のように驚いて手を離し――スラミチは重力の導くままに地に落下していった。スイカ岩だったら真っ二つになっていた場面だ。

「イテテ……。」

「あわわ……ごめんなさい!」

 スラミチが顔を上げると、そこには綺麗な赤髪をした、仮面の少女が慌てていた。仮面をしている地点で怪しいが、腰につけた銀色の薔薇の飾りや黒いレオタード姿が妖美な雰囲気を引き立てており、ある意味一貫していて怪しさは紛れている。


885 : Shall we Walk? ◆2zEnKfaCDc :2020/09/01(火) 23:32:15 QqbI/nMI0
「謝ってるってことは殺そうとしてきたわけじゃないんだね。じゃあ許すよ。」

「……ありがとうございます!」

 淡々と許され、キョトンとしながらも、少女は礼儀正しく一礼する。そして、スラミチに向き直る。

「……ええと、ところでアナタは……ああっ!」

「わあっ。ビックリしたぁ。」

 少女は突然大声を上げて、そして間もなく、再び頭を下げる。

「ごめんなさい!ㅤ不躾なことをしでかしておきながら、私、まだ名乗ってもいませんでしたよね!」

「うん。名乗ってないよ。」

 そして少女――芳澤かすみは、名乗る。

「私、芳澤といいます!」

「僕はスラミチ。よろしくね、ヨシザワ。」

「よろしくお願いします!ㅤ……ええと、ところで……」

 かすみはスラミチの頭のコンパスを覗き込む。

「何ですか、これ。」

「魔法のコンパスだよ。これがあれば道案内できるんだけど……ここじゃあ意味がないみたい。」

「うーん……確かに私も地図は持ってますからねえ……。」

 少し気まずそうな顔を見せるかすみ。彼女もまた、かつては順調だった新体操においてスランプに陥っていた。新体操で特待生として秀尽学園に入学し、周りの期待の目に晒されながらも、結果はまるで着いてこない。勝手に押し付けられた期待はだんだん、冷めたものに変わっていって。新体操にしか己の価値を見出せなかったからこそ、そんな気持ちのやり場もなかった。でもそんな時、傍にいてくれる人がいた。新体操の期待の星としての芳澤かすみではなく、後輩の芳澤かすみとして、接してくれる人がいた。

 そして彼が居たからこそ前を向くことが出来た。反逆の意志を胸に宿し、抑圧と戦う事で、胸の中にあった何かに踏ん切りを付けることができた。同時に芽生えたペルソナ『サンドリヨン』はその形だ。

「でも、大丈夫です。やまない雨はありませんから。きっと道案内が役に立つ時も来ますよ!」

「うん、そうだね。ありがとう。」

「あっ……そうだ!ㅤわたし、方向音痴なんです。良かったら代わりに地図を読んでもらえませんか?」

「分かった。じゃあボクがヨシザワを先導するよ。」

 こうして、一人と一匹は手を合わせる――ことはできないが、共に一歩を踏み出した。


【スラミチ@ドラゴンクエストウォーク】
[状態]:健康
[装備]:魔法のコンパス@ドラゴンクエストウォーク
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]:基本行動方針:ヨシザワと歩く。
1.アルク(ドラゴンクエストウォーク主人公)がいるのなら探したいな。

【芳澤かすみ@ペルソナ5 ザ・ロイヤル】
[状態]:健康
[装備]:ファントムダンサー@League of Legends
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]:基本行動方針:殺し合いに反逆する

[備考]
参戦時期はペルソナ覚醒以降、3学期突入以前。



【魔法のコンパス@ドラゴンクエストウォーク】
魔物を倒したり、目的地にたどり着いたりすると手に入る『導きのかけら』を集めると、新たな目的地を示すコンパス。このロワにおいてどのような役割を果たすかは分からないが、これが無いと普通のスライムと見分けがつかないので衣服の代わりのようなものと扱ってもらっても良い。

【ファントムダンサー@League of Legends】
機動力と耐久力に優れた長剣。原作では以下の特殊効果を持つ。(一部改変あり)
幽霊のワルツ: 攻撃すると、2秒間移動速度が7%上昇する。
ライフライン: 体力が30%未満になるダメージを受ける際に、最大240 - 600の耐久値を持つ徐々に減衰するシールドを2秒間獲得する。


886 : ◆2zEnKfaCDc :2020/09/01(火) 23:32:42 QqbI/nMI0
投下終了します。


887 : ◆8eumUP9W6s :2020/09/01(火) 23:51:29 NkYvZvZQ0
投下します。先に言うと非R-18作品キャラのR-18描写があるのでご了承下さい。
また非難や批判が多いようなら取り消させて貰えると嬉しいです。


888 : 翼はある、心は─── ◆8eumUP9W6s :2020/09/01(火) 23:52:36 NkYvZvZQ0
「あっ……うぅ…ぐすっ…やめ…てぇ……だれ、かぁっ…!ゃ、ひぎぃ…!」

会場内にある森林地帯の中、少女がゴブリン達によって慰め者にされていた。少女の名は宮藤芳佳。第501統合戦闘航空団、通称ストライクウィッチーズ
(或いは501JFWとも呼称される)
に所属している扶桑のウィッチである。

本来の歴史では後に様々な功績を挙げエースの一人となる彼女が、何故このような目に遭っているのか…それには複数の理由がある。
第一に、彼女がこの殺し合いに呼ばれた時期の問題があった。
自らの独断行動を理由に501JFWを解散させる…そう告げられた際に、宮藤は気を失い倒れてしまう。本来の歴史とは違い、彼女が次に目を覚ましたのは───よりにもよってこの殺し合いの場であった。これにより心が不安定な状態のまま、彼女は殺し合いに臨む羽目になってしまったのである。

第二に、見せしめの死もあった。
宮藤はこれまで「多くの人を守りたい」という理由でネウロイと戦って来た。しかし、見せしめの首輪が爆破された際…距離の問題もあったが、彼女は何も出来なかった。みすみす人を死なせてしまったのである。彼女にとっては名も知らない人間ではあったが…それでも、彼女にとっては「守るべき相手」の一人だったのだ。こんな残酷な死に方をしていいと思う事は、彼女にはとてもじゃないが出来なかった。
それ故に彼女の心は怒りや無力感、罪悪感などを抱いて、更に不安定になってしまった。その結果彼女は…普段の状態なら簡単に防げるであろう不意打ちに気付けず、バッグの中身を見る前にゴブリンによって押し倒されてしまったのである。

第三に、開始位置の悪さもあった。宮藤が飛ばされた場所の近くには複数のゴブリンが周りを彷徨いていたのである。
これらの理由により、必死の抵抗も虚しく…宮藤芳佳の純潔は散らされてしまった。

「ゃ、そ…そんなの入らなっ……ひぐぅっ…!?い…いやぁぁっ…!い、痛いよっ…血が…血が出っ…あ、ぁっ…!」

--------

汚らわしい形でゴブリン達に初めてを奪われても、今に至るまで宮藤は諦める事は無かった。しかし、一度彼らの精を流し込まれた後からは…彼女の心は着々と折れ始めていて、涙を溢れさせる目からはハイライトが消え始めていた。

「あっ……うぅ…ぐすっ…やめ…てぇ……だれ、かぁっ…!ゃ、ひぎぃ…!」

それでも彼女は助けを求めていた。その声が誰かに届くのか…それとも届かないまま終わってしまうのか、それはまだ…誰も知らず、誰にもわからない…。

【宮藤芳佳@ワールドウィッチーズシリーズ】
[状態]:陵辱による肉体へのダメージ(小)、陵辱による肉体及び精神的疲労(中)、ゴブリンへの恐怖、絶望しかけ、衣服が乱れている
[装備]:無し
[道具]:基本支給品、ランダム支給品が3つ
[思考]基本行動方針:殺し合いを止めて、出来る限りたくさんの人達の命を守りたい…でも…守れなかった…助けられなかった…。
1:……誰か…助け、て……。
2:…いやぁ…痛いよぉ…口のなか…にがいしっ…お腹のなか、あついよ…こんなの…もういやっ…。
3:……このままじゃ私…おかしく、なっちゃう……。
[備考]参戦時期は1期の第11話にて、501JFWの解散を告げられた直後に倒れた時から
ウィッチは純潔でなければ魔法を使えない
(=魔法を使う為の魔法力を失う)
という設定がこの作品には存在しています
(アニメ1期の時点で記述や監督による言及がされている。今もこの設定が生きているのかは不明)
が、この設定を考慮するか否かは後続の書き手にお任せします。
ただし宮藤芳佳の場合、経産婦かつ20歳以上であるにも関わらず祖母や母親は魔法を使用している描写がある為、純潔を失っても治癒魔法は使用可能で飛ぶ事もシールドを使う事も可能だと思われます。
(ウィッチは20歳付近になると魔法力の減衰が始まるが、減衰を迎えない家系も存在する。その内の一つが宮藤家)
劇場版時点での作中舞台が1945年なので
(現代基準で)
それ以降に誕生・及び発展した物や技術についての知識はありません。


889 : 翼はある、心は─── ◆8eumUP9W6s :2020/09/01(火) 23:53:43 NkYvZvZQ0
投下終了です。芳佳ちゃんのファンのみなさんごめんなさい。
ついでにもう一作品も投下します


890 : 帰ってくれウルトラマン ◆8eumUP9W6s :2020/09/01(火) 23:55:15 NkYvZvZQ0
ウルトラマン。それは光の国から初めて地球にやって来たヒーローである。
彼は護送中だったが逃亡した怪獣ベムラーを追って地球にやって来たのだが、その際たまたま現場に居合わせた地球人のハヤタと衝突事故を起こし死なせてしまう。ウルトラマンはその償いの為、ハヤタと一体化する形で彼の命を繋ぎ、地球を守る事にし、そして最期に敗れこそしたものの、結果見事に地球を守り切り光の国へ帰り、ジャック以降のウルトラ兄弟達が地球に来るきっかけをセブンと共に作ったのだ。

そんな彼は今、主催に対してとてつもない怒りをぶつけていた。

「レオ!俺たちは!!主催に居るであろうアストラを!!!殺す!!!!」

…何故こうなったかというと、ウルトラマンレオの弟アストラが、光の国がある惑星ウルトラの星の軌道などをコントロールする為に必要なウルトラキーを盗んだ事が原因なのだ。
軌道が狂ったウルトラの星はこのままでは地球と衝突してしまう危機的状況に陥っていたのであった。
ウルトラマンはその件で焦燥しながらもアストラからウルトラキーを取り返そうと動いている時に、この殺し合いに呼ばれてしまったのである。
しかも焦りによる勘違いで、彼は殺し合いの主催にアストラが居ると思い込んでしまっていたのであった。
もしこの場にウルトラマンレオが居たら

「待ってくれ!人質にされてるだけかもしれないから時間をくれ!!」

などと言っていたかもしれない。

それはともかく、われらのウルトラマンはこの会場を行く。主催を打倒する為、そして地球と光の国を救う為にアストラを殺すという目的を果たす為に…。

【ウルトラマン@ウルトラマンレオ】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:俺たちは!!アストラを殺す!!!!
1:マーダーは殺す!!!
2:他のウルトラマンが居るなら協力を呼びかける
3:タイのパチモンが居たらついでに殺す!!!
[備考]
参戦時期はレオの第38話で「アストラを殺す!!!」する前。
某所成分が入っているので、原作での該当場面以上に性格が過激になっています。またそれが理由でチャイヨー関連のゴタゴタについての知識もあります。
制限により、人間大の大きさとなってます。
またハヤタ隊員の姿を借りる事が出来ません。
テレポーテーションは制限により使用不能です。他の技に制限がかかっているかどうかは後続の書き手にお任せします。


891 : ◆8eumUP9W6s :2020/09/01(火) 23:55:55 NkYvZvZQ0
投下終了です
ダーク・ウルトラマンがありならいいかな…って思った心をコントロールできない…


892 : ◆5qNTbURcuU :2020/09/01(火) 23:57:30 7sfMXfU.0
投下します


893 : jasdac15 :2020/09/01(火) 23:59:24 tY3KrK4A0
投下します。


894 : ◆2zEnKfaCDc :2020/09/01(火) 23:59:36 QqbI/nMI0
駆け込み投下します!


895 : ◆5qNTbURcuU :2020/09/01(火) 23:59:57 7sfMXfU.0

冒険者になりたかった。
この世の全ての魔導を修め、竜殺しを成し遂げ、国中に名を馳せる、そんな冒険者に。
途方もない道程であることなど百も承知だった。けれど、自分の才覚なら成し遂げられるはずだと信じていた。
魔術学園を首席で卒業し、教師からは自分は大成すると太鼓判を押された自分ならきっと。
少し考えればわかる事だ。
魔術学園を優秀な成績で卒業した程度で英雄になれるのなら、この世は毎年英雄が現れているだろう。
だけど、いいやだからこそ。
自分は特別な存在なのだと、無邪気に信じていた。

私にとって初めての冒険、ゴブリン退治を迎えるまでは。

そこで無邪気な幻想に浸っていたすべてのツケを支払わされることとなった。
ゴブリンに腹を抉られ、糞尿で作られた猛毒を臓腑にかき回された時。
私は全ての勘違いを悟ったのだ。
四方世界の神にとって、私は愛すべき駒などではなく、
使い捨てても惜しくない、あれふれた駒の一つでしかなかったことに。
自惚れた勘違いに気づいた時には全てが手遅れで。

猛毒で意識も朧げになっているというのに、嫌になる程鮮明ににじり寄ってくるゴブリンの姿を視界に焼き付けながら私は意識を失った。
それが私の、殺し合いに連れてこられる前の最期の記憶。

そして、この殺し合いに連れてこられて初めて出会ったのもまたゴブリンだった。
きっと、此処でも自分は哀れな犠牲者でしかないのだろう。
刺された傷が治っているのも、体中に巡っていた毒が癒えているのも、
もう一度蹂躙されるためでしかない。諦観と共に、私はそう考えた。

「GOBGOOOBBUUUUU」

ニタニタと、見慣れない街の陰から姿を現して近づいてくるゴブリン達。
その下種な笑みをみれば嫌でも自身の末路を悟らざるを得ない。でも、もう終わる事だ。
私はゴブリン達に折られた、かつて誇りであった杖を握り、首筋に当てる。
蹂躙されるしかないなら、先に死んでやろう。
きっと自身に見ていた頃の私なら蔑んでいただろう選択。
きっと、既に私の心は壊れているのだろう。
その、はずなのに。

「……いきたいよ」

間近に近づいてくるゴブリン達を前に本音が漏れてしまった。
牙も杖もおれている。それなのに、終わりたくはなかった。
だって、自分はまだ何も。
何も成し遂げてはいないのだから。

ゆらりと立ち上がって、下卑た表情が鮮明に見える程の距離に来たゴブリン達を見据える。
これは確実な自殺だ。惨死に向かう旅路だ。
そんな事は分かっている。でも、
ぎゅうと、折れた杖を握りしめる。ゴブリンに刺された腹から溶岩の様に熱い感情が噴出する。

「――――あ、あああああああッ!!」

噴き上がってきた来た熱のままに、私はゴブリンに突進する。
先頭のゴブリンは怯えていた筈の孕み袋が突如息を吹き返したことに困惑し、つんのめる。
虫けらだと侮っていた相手が突如龍に化けたら自分もきっと同じような反応をするだろう。
そんな事を考えんながらも思考はクリアだった。
冷静に冷徹に、私はゴブリンの頭蓋に尖ったほこりの残滓をたたきつけた。

断末魔の響きを上げるゴブリンを蹴り上げ、後続のゴブリン達にぶつける。
その時に、うまくバランスが取れず尻もちをつく。
一匹仕留めた。ここまではあの時と同じ。そして、私の限界。


896 : ◆SvmnTdZSsU :2020/09/02(水) 00:00:03 hgLo7yoY0
終了です


897 : 本当の『化け物』 ◆2zEnKfaCDc :2020/09/02(水) 00:00:13 gynjo2FA0

魔界の門を開き、魔王ミルドラース様を復活させる。その悲願がまさに叶わんとするその時に。世界は静止する。

そして気がつけば、殺し合い――死んだはずのゲマは、招かれていた。

そして、対峙する。
かの勇者アルスと、その父親アベル。そんなものよりも、さらに恐ろしく、己に迫る存在に。

「じゅうじゅうやきにくコース。」

煉獄の火炎の如き威力を宿した火の粉が、ゲマの視界を紅く染め上げる。

かつて殺したパパスよろしく灰になって消えたゲマは、再び灰へと化した。

【ゲマ@ドラゴンクエスト ユアストーリー 死亡】



ゲマを殺した獣――いきなりおそってくる彼はまろうこん。次の獲物を探す。願いは……ワシのものだっ!

【まろうこん@バケモン混沌のダンジョン 罵愚の探検隊】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜3
[思考・状況]:基本行動方針:殺し合いに優勝する
1.願いはワシのものだっ!


898 : ◆5qNTbURcuU :2020/09/02(水) 00:00:23 yviAnQwM0


ゴブリン一匹と等価とは安い命だ。
私は自嘲しながら、これから待ち受ける惨劇から逃れる様に瞼を閉じた。
どこかでサイコロが振るわれる音を聞いたのは、その直後の事だった。

「伏せて!!」


建物の上から、少年の声が響く。
鈴の音の様な響きだったが、勇ましく少年であることは直感的に分かった。
直後、私に飛びかかろうとしていたゴブリン三匹が一射のうちに射抜かれた。

「GOOOOOBBBBBB!!!!」


状況を理解するまでに五匹。理解した後に七匹。次々とゴブリン達が弓矢の餌食になっていく。
状況を理解したゴブリン達も弓矢を放ったり、石を投げるがまるで当たらない。
あっという間に数を減らし、壊乱状態に陥った。
最後に頭目と思しきホブゴブリンの頭蓋が、ゆみやですらない、砲撃で吹き飛ぶ。
僅か二十秒足らずで、私にとっての絶望の象徴であるゴブリン達は残らず躯を晒していた。
いともあっさりと、圧倒的に、決着はついた。


「怪我は…ないみたいですね。よかった…」

未だ尻もちをつく私の前に、弓兵の少年がふわりと降り立つ。
頭上に小さな羊を乗せて、同じく羊の角を頭部に生やした少年。
少女の様に小さく愛らしい外見からは、先程の卓抜した弓の腕は想像できない。
彼は私の身体に怪我がないのを確認すると、ほっと胸をなでおろし、そして尋ねてきた。

「召喚に応じ参上しました!弓兵(アーチャー)です!
問いましょう――貴方が僕のマスターですか?」
「……は?」
「えっ」

頭の回転には自信のある方だったが、その時の少年の問いの意図は分からなかった。
自分は当然、目の前の少年の主人になった覚えなどない。
そもそも、まだ駆け出し冒険者である身が間違いなく銀等級以上の弓の腕を持つ彼を従えられるはずもない。
決まずい沈黙が流れる。
助け舟は、意外な事に彼の頭の上からやってきた。

「あー…パリスちゃん?その子、魔術師ではあるけど君のマスターじゃないね。令呪ないし」
「えぇッ!?じゃ、じゃあ僕のマスターは…」
「うん、はぐれサーヴァントじゃないかな。今のパリスちゃんは」
「そんな〜」

言葉尻に「今は単独行動で持ってるけど、そのうち消えるね」と流ちょうに付け加える羊。
その言葉にアーチャーは頭を抱えて私の前に座り込む。
話を聞くと、アーチャーはサーヴァントと呼ばれる、使い魔の一種であるらしい。
そして、このままでは現界のための魔力が足りず、消えてしまうのだとか。

「…‥まぁ、その子と契約すればいいんじゃない?
ダメなら他の子を探すしかないけど」
「そ。そうか!!流石アポロン様!!」

羊の言葉に抱えていた頭を上げて、つぶらな瞳で見つめてくるアーチャー。
その後、勢いよく頭を垂れて、

「あの…もしよければ僕のマスターになってくださいませんか?」

そう懇願してきた。


899 : ◆2zEnKfaCDc :2020/09/02(水) 00:00:56 gynjo2FA0
投下終了です。
駆け込みand割り込み、申し訳ありませんでした。


900 : 問おう―――、 ◆5qNTbURcuU :2020/09/02(水) 00:01:24 yviAnQwM0

私にとっては願ってもない話ではある。
彼が私のサーヴァントとして戦ってくれるなら、私が生き残れる望みは上がるだろう。

けれど、いいのだろうか…
ゴブリンにも勝てない私が、彼を従えても、いいのだろうか…?
そんな私の思考を読み取ったかのように、アーチャーはとことこと私が倒したゴブリンの亡骸へと近づき。
刺さったままの杖を引き抜くと、服が汚れるのも構わずごしごしと吹いて。

「いいんですよ…僕だって、ヘクトール兄さんに比べれば全然未熟なサーヴァントですから」


だから、一緒に強くなりましょう。
そう言って、彼は私の杖を差し出してきた。

「……」

私は無言のままに杖を差し出す彼の手を握って、そし手改めて問い直した。

「アーチャー…私は、生きたい。生きて、冒険者になりたい。
でも殺し合いには乗りたくない…私が今、生きているのは貴方のお陰だから。
貴方を殺してまで生き残りたいと思わない。私は貴方や、他の人達と生きて帰りたい。
そのために…お願い、力を貸して」
「はい!勿論です。マスター!!」


アーチャーが花が咲くように笑うのと同時に、私の手の甲が熱を帯びる。
サーヴァントとはどんな存在か聞いた時に説明された令呪と呼ばれる魔術。
その紋様が刻まれるのを見た瞬間、何か胸の奥からこみあげてくるものがあった。
諦めなくていいのだと、生きていていいのだと言われた気がして。



―――もう、自分でいいのかとは尋ねない。を従えるのに相応しい自分になる。そう、決めた。






――少し聞いてもいいかい?パリスちゃん。

なんですか?アポロン様。

私はさっき確かにあぁ提案したけど、彼女がこの、聖杯戦争ですらない殺し合いに乗ってる可能性はちゃんと考えたの?

……あっ

―――あーもー!やっぱり可愛いなぁパリスちゃんは!!

うぅ…でも、考えてたとしても、僕はやっぱり、マスターと契約してたと思うんです。

ほう、その心は?

―――彼女、生きたいって泣いてましたから…ここで涙を拭って上げないとトロイア戦争の原因まで間違いになる様な、そんな気がしたんです。
あの戦いは皆が僕が間違ってたと言っていますし、実際そうだったのかもしれません。
でも…あの時ヘレネ―を助けたいと思った気持ちまで、間違いにしたくなかったんです。
何より、やっぱり女性には笑っていてほしいと思ったんです。

―――そう、やっぱりパリスちゃんは推せるねぇ。


【女魔法使い@ゴブリンスレイヤー】
[状態]:令呪三画
[道具]:基本支給品、ランダム支給品
[思考・状況]:基本行動方針:アーチャーに相応しいマスターになる。
1:殺し合いから脱出する。
[備考]
パリスと契約しました。

【パリス@Fate/Grand Order】
[状態]:女魔法使いとい契約
[装備]:アポロン様
[道具]:基本支給品、ランダム支給品
[思考・状況]:基本行動方針:殺し合いからマスターを脱出させる。
1:マスターを守る。
[備考]
女魔法使いと契約しました。


901 : ◆5qNTbURcuU :2020/09/02(水) 00:01:39 yviAnQwM0
投下終了です


902 : jasdac15 :2020/09/02(水) 00:03:11 OFw.QI6Q0
 その少女には頭の横ではなく上に長い耳がある。
 その少女には毛の生えた長い尾がある。
 その少女には超人的な脚力がある。
 その少女はウマ娘。別世界に存在する名馬の魂と名を受け継ぐ少女。

 灰色髪のウマ娘、その名はオグリキャップと言った。

 殺し合いと言われ、別の場所に転移されるという未知の現象で全く状況が掴めないオグリキャップがまず行ったのは、支給されたバッグの中身の確認だった。
「……足りない」
 支給品の中の食料は軽く10人前は食べるオグリにとって少なすぎた。
 そのほかに何かないかとバッグの中を奥まで確かめ、食料品が無いと分かると興味があるものを除いて全てしまった。
 確認を終えたオグリがふと、辺りを見渡すと周囲はモンスターで囲まれていた。
 手に斧を持ったゴブリンや槍を持ったオークが下卑た声を漏らし、下劣な瞳でオグリを見つめている。
 その瞳に一瞬たじろいたオグリは、囲いにできていた隙間へ向けて走り出した。
 それはオグリにとっては流す程度の足だが、ゴブリンたちにとっては全力疾走に等しい速度だった。
 突然の出来事にゴブリンたちは慌てて追いかけようとしたが、すでにオグリははるか遠くへと逃げてしまっていた。
 悔しさの余りゴブリンたちは得物を地面に叩きつけた。

 ゴブリンたちから逃げた後、草原をオグリは走り抜けている。
『どうしよう……』
 あんな連中がいるなら殺し合い云々の前に、何が起きるか分からない。
 迷いのまま走っていると、右方向からエンジンの音と、地面を鳴らす足音が聞こえてきた。
 一つはバギーで天井が吹き飛ばされたかのように断面がギザギザのオープンカー状態になっていた。
 車体後部にシートとマシンガンが搭載されている。
 そのシートには浅葱色の羽織を着た男が座っていた。
「おい、もっと速度出ないのか!? 追いつかれるぞ!」
 そう叫ぶ男の後ろでは、ゴリラに似た体高10m以上の怪物がバギーを追いかけていた。
「これ以上出したら、あなたが振り落されるでしょ!」
 運転席にいる、紫を基調としたジャケットを着た女性が怒鳴る。
「後ろの艦装ってやつ、付けられてるとこっち狭いんだけど!」
 助手席にいる白の制服らしき衣装を着た赤毛の少女もまた怒鳴る。
「文句言わない! チャンスを狙ってるんだから!」
 言い合いしている最中、少女とオグリの目が合った。
「乗って!」
 赤毛の少女がドアを開け、手を伸ばす。
 それに対し、オグリはバギーとの並走を始めた。
 今までの走りとは違う。地面と上半身がほぼ平行になるほどの、超前傾姿勢によるオグリの全力疾走だ。
「嘘!?」
 少女は驚いた。オグリは時速60km以上は出しているバギーと完全に並んで走っているのだ。
 バギーに乗った者も含めた四人は、怪物から全力で逃げる。


903 : ◆SvmnTdZSsU :2020/09/02(水) 00:04:21 hgLo7yoY0
>>892>>893>>894
何か奇跡的なタイミングで凄いことになってますが、上記は締め切り前の投下宣言なのでコンペ作品は有効です


904 : ◆SvmnTdZSsU :2020/09/02(水) 00:19:14 hgLo7yoY0
>902の方の作品ですが、本日の午前一時(一時間後)まで投下されれば選考対象となります。ご応募ありがとう!


905 : ◆Mti19lYchg :2020/09/02(水) 00:43:24 OFw.QI6Q0
◆◆◆

 少し時間は遡る。

 この四人が初めて出会ったのはカルデアのマスター、藤丸立香と艦娘の足柄の二人からであった。
 立香が支給品にあった支援礼装を装備していると、近くから爆音が響いてきた。
 一瞬関わるのはどうかと思ったが、逆に向こうから近づいてきた。
 それは天井が吹き飛び、後部にマシンガンが備え付けられていた、イカれた造りとしか言いようがないバギーだった。
 それに乗っていたのは妙齢の女性。背後に艦を模した装備をしていた。
 立香の近くでバギーを止めた女性は、立香に尋ねた。
「私は足柄。いきなりだけどあなたは殺し合いに乗ってる?」
『……どう見ても乗ってそうなのはあなたの方っぽいけど』
 そのツッコミを入れず、立香は自分の名を名乗り、殺し合いには乗らないことを宣言し、足柄の事情を聴いた。

 足柄は、いきなりゴブリンの巣の中に放り出されたという。
 『飢えた狼』の異名を持つ足柄がたぎる性欲のまま襲おうとするゴブリン相手に黙っているはずがなく、艦砲で全員吹き飛ばした。
 そして、こんな化物連中が跋扈しているのなら少しでも減らせば殺し合いに乗らない参加者の為になるのではないかと思い、怪物退治に乗り出したのだ。
 さらに支給品にあったバギーを見た足柄はよりテンションが上がって、屋根を艦砲で吹き飛ばしてオープンカー状にし、艦装をつけたまま乗り、化物を追い掛け回して砲撃していたのである。
 
「おい! なんだこの馬鹿騒ぎは!」
 そう言って掛けつけてきたのは、浅葱色の羽織を着た青年。
 手に持つ刀には血の跡がある。
「騒ぎは怪物を倒したから。私は藤丸立香でこっちは足柄さん。あなたは殺し合いに乗ってる?」
 立香は先制して言葉を発し、話の主導権を握ろうとした。お互い興奮した状態ではそれも出来ない。まずはそれを押さえようとした。
「乗るわけないだろ。こいつはお前たちと同じ怪物を斬った跡だ」
 男は刀の血振りをして答えた。
「ああ、あと俺の名は和泉守兼定だ」
 名乗る兼定に立香は手を伸ばした。
「よろしく、兼定さん、足柄さん」
「なんかこういう状況に慣れてるって感じだな、嬢ちゃん」
「よろしくね、立香」
 三人が手を繋いだところで、何か巨大な足音が聞こえてきた。
 それはゴリラに似た、10m以上の単眼の怪物。
 どうやら足柄の砲撃の噴煙が目について、近づいてきたようだ。
 唖然とする三人。
「……勝てる?」
「無理だ」
「逃げましょう!」
 三人はバギーに乗り込み、怪物から逃げ出した。


906 : ◆Mti19lYchg :2020/09/02(水) 00:46:20 OFw.QI6Q0
◆◆◆

 逃げる4人。その中で足柄は一点を狙ってバギーを走らせていた。
 そうしてようやく見つけた。地図に合った砂の窪み。 

 足柄はドリフトで横向きにスライドし、艦砲で怪物の左足元を撃った。
 狙いはバランスを崩し、砂の窪みに落す為。
 その計算は見事に当たった。怪物の足が滑り、倒れこむ。

 ――オグリキャップの方向へ。

 オグリは自分に向かって倒れ込む怪物を見て、一瞬死の気配を感じた。
 同時に、心の奥底から湧き上がる感情、身体から吹き上がる自分も知らない力を感じた。

 こんな所で死にたくない。死んでたまるか。
 トレーナーのキタハラが、友達のベルノが、ライバルのマーチが待っている。
 そして何より、東海ダービーで優勝するという目標がある。
 それまで――誰にも負けない!

「ぜっ……たい……に……」

 それを聞いた立香、足柄、兼定の三人は感じ取った。
 オグリの内にある獣じみた闘志を。一瞬背筋が凍るほどの何かを。

「負けん!!」

 そこから限界と思われていたオグリの足がさらに加速し、倒れ込む化物から猛烈な勢いで離れていった。 
 轟音を立てうつぶせに倒れ、窪みにはまった怪物を背に、オグリは立香が手招きするバギーへと飛び込むように入り、足柄と立香の腿の上に乗った。
 そのまま足柄はバギーを再発進させ、怪物から離れた。
「ありがとう」
 息を切らしながら、オグリは二人にお礼を言った。

「まずは改めて自己紹介からしようか。私は藤丸立香」
「私は足柄よ」
 バギーから降りた二人がまず名前を告げた。
「俺は和泉守兼定だ」
 バギーの後部席から降りた、黒髪の男は刀の柄に手を置いて名乗った。
「オグリキャップ」
 最後にオグリは後ろ髪を結んだ糸をほどいて、首を振り髪についた汗を飛ばして名乗った。


907 : ◆Mti19lYchg :2020/09/02(水) 00:58:36 OFw.QI6Q0
◆◆◆

 四人は建物の中でたき火を起し、そこで肉を焼いていた。
 なぜこのような状況なのかは、また少し時間をさかのぼる。

 バギーで地図にある建物の密集地らしきところを目指していた四人。
 理由としては、化物が跋扈する平原よりは隠れ家となり、目指す参加者も多いだろうという理由だ。
 その途中で5つ首のダチョウのような鳥と出会った。
 だが、先歩との化物と比べれば大したことは無いと4人は判断。
 鶏は5つの嘴でつつきにかかるが、二つの首は兼定が切り落とし、二つの首を足柄が砲撃で吹き飛ばした。
 だが、残り一つの首で鳥は襲い掛かってきた。
 その首が唐突に跳ね飛ばされた。オグリの指から発射された爪によって。
「……何、いきなり爪なんか飛ばして。そんな能力持ってたの?」
 呆然とオグリを眺める立香が質問した。
「初めてここに来た時、バッグの中を確かめたら中にスタンドDISCというのが入っていた。それを頭に差し込めば能力が使えるようになるとあったから入れてみた。
 能力を使ったのは初めてだ」
 だがその鳥は首が刎ねられたまま、全力疾走をして逃げた。
 全員がバギーに乗り込み、数キロ以上追いかけた先には、建物の壁を突き破り息絶えた鳥の姿があった。
 建物の内部は案外広く、都合よく調味料や薪などもあったため、4人は基本支給品では食糧が足りないと判断し、鳥を捌いて焼くことにしたのである。

 食事をし、落ち着いたところで4人は自分がどういう身の上なのか話し合い、立香が一つの結論を出した。
 4人はそれぞれ別の世界、並行世界からやってきた存在なのだと。
「並行世界か……確かに時間遡行とは違う現象である以上、そう考えるしかないか」
 兼定は時間遡行という超常現象を体験しているため、立香の推測に頷いた。
「私も刀剣男士やウマ娘なんて聞いたことないしね。そういう経験をしたっていう立香の推測を支持するしかなさそうね」
 足柄もまた、立香に賛同した。
『ヘイコウセカイってなんだろう?』
 その中でオグリだけは話の内容が理解できずに肉をほおばっていた。

「ところでオグリちゃんは大丈夫? 変な物差し込んで異常とかない?」
 オグリは立香より背が高く、顔つき体つきも立香より年上っぽいが、どことなく幼げな所を立香は感じたため、気になって尋ねた。
「おかわり」
 理由はオグリが膨らんだ下っ腹をジャージからはみ出させ丸見せにしながら食べ続けているからである。
「レース後のようにお腹がすいた……不思議だ」
「不思議なのはあなたの食欲と胃袋よ。限度ってものがあると思うわ」
 艦娘にも大食いはいるが、ここまでの者はいなかったので、足柄が突っ込んだ。


908 : ◆Mti19lYchg :2020/09/02(水) 00:58:55 OFw.QI6Q0
「しかし、わざわざ殺し合いをさせたいのなら、何でこんな怪物を島の中に放つ必要がある?」
 兼定が今までの状況から抱いた疑問を口にした。
「あんな怪物共がそこら中徘徊しているなら殺し合いどころか、自分の命を守るのさえきついだろう。
 その上で尚殺し合いに乗る奴なんてのはよっぽどの馬鹿かバケモノだけだ」
「全くその通りよね……私だって戦闘も勝利も好きだけど、殺し合いをする気は無いし、何より化物に殺される可能性の方が高いじゃない」
「……多分だけど……怪物と殺し合うのも主催者の計画の内なんだと思う」
 そう言って立夏はかつて経験した並行世界での出来事を話した。
 七体の英霊剣豪を召喚し、厭離穢土をこの世に顕現しようとした計画。
 それは英霊を不死身の殺戮兵器に落とし、町村の人々を皆殺しにして怨念を一点に集め、魔界を召喚しようとするというもの。
 最後の方では民衆も怨念の影響で化け物と変じ、正に地獄があふれ出ようとしていた。
「参加者同士で殺し合いをしても、化物を殺しても同じで、この地に怨念を溜めて集めて何かの儀式をしようとしているんじゃないかな」
 立香の推測に全員反対しなかった。その知識が無かったというのもある。
「どう、この先も一緒に行動しない?」
「そうだな、俺は構わない」
「私も賛成よ」
「オグリちゃんは?」
「正直殺し合いなんて言われても実感できないし、私は戻ってレースに出たい。だからみんなと行動する」
 そうオグリが言った事に三人は胸をなでおろした。

 この灰髪の少女の中には、恐らく本人も知らない『怪物』が棲んでいる。
 丁度兼定の持ち主であった土方歳三の『鬼』のような、『飢えた狼』と呼ばれる足柄のような、立香が出会ったサーヴァントの戦士、武術家にいたような貪欲に勝利を求める人ならざる闘争心を持つ化生が。
 そんな少女が殺し合いに巻き込まれ、人を殺して後戻りできなくなり『怪物』が目覚めたらどうなるか。
 彼女の超人的な筋力、脚力、それに与えられたスタンドを用いれば惨事を引き起こしかねない。
 故に三人は警戒していたのだ。

 刀剣男士、艦娘、ウマ娘。
 三者とも各世界で勇名を残したモノたちが、人の姿を取り転生した者たち。
 その中で自身の前世『葦毛の怪物』を知らないのはオグリキャップだけだった。
 それ故、この中で一番未知の可能性を秘めているのはやはりオグリキャップだった。


909 : ◆Mti19lYchg :2020/09/02(水) 00:59:16 OFw.QI6Q0
【和泉守兼定@刀剣乱舞】
[状態]:健康
[装備]:和泉守兼定
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:生存、帰還優先。
1:殺し合いをする気は無い。
[備考]
 和泉上兼定極にランクアップ済み。

【足柄@艦隊これくしょん】
[状態]:健康
[装備]:20.3cm(2号)連装砲×2
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:戦闘、救出優先。
1:殺し合いをする気は無い。
2:化物退治なら大歓迎!
[備考]
 足柄改二に改装済み。

【オグリキャップ@ウマ娘 シンデレラグレイ】
[状態]:健康
[装備]:スタンドDISC『タスク』、特別製蹄鉄付シューズ
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:とにかく生き残ろう。
1:いったいここはどこだろう……。
2:ヘイコウセカイって何だろう……?
[備考]
 時間軸は西京盃後。

【藤丸立香@Fate/Grand Order】
[状態]:健康
[装備]:支援礼装
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:仲間を集めて殺し合いを止め、推測される儀式を防ぐ。
1:ここから殺し合いに反対の人たちを説得する。
2:恐らくこれは何らかの儀式では?
[備考]
 ここでは漫画版「英霊剣豪七番勝負」の女性主人公をベースにしてます。
 最低でも人理修復後の時間軸です。

 

【スタンドDISC『タスク』@ジョジョの奇妙な冒険】
 オグリキャップに支給された。
 能力は爪弾を打ち出し、回転した爪で切り裂くというもの。
 爪の回転は人体を切断する程鋭く、爪の再生速度も非常に早い。
 オグリキャップの精神により、進化する可能性が有る。

【支援礼装@漫画版Fate/Grand Order -Epic of Remnant- 英霊剣豪七番勝負】
 藤丸立香に支給された。
 腕輪状の、様々な魔術礼装の機能を回数限定で使用できる装備。

【バギー♯9@マッドマックス 怒りのデス・ロード】
 オーストラリア産のスポーツカー「パーレンティ」をベースとした車。
 車体後部にシートとマシンガンが搭載されている。

【クレイジーソルト@現実】
 岩塩をベースにスパイス・香草等を調合した調味料。

【縄張りバルバロッサ@ゼノブレイド】
NPC。ゴリラに似た軽く体高10mを超える巨体のモンスター。一定のフィールドを広範囲に移動する。参加者を見つけると追いかけて攻撃してくる。
転倒時に攻撃すると逆にダメージを負わされる。

【オーク@ドラゴンクエスト】
NPC。槍を持った猪顔の毛むくじゃらなモンスター。

【ゲロルド@トリコ】
NPC。5つの首を持ち身体はダチョウ似。羽があって短時間なら飛べる。
肉をミンチにしケバブにすると旨い。


910 : ◆Mti19lYchg :2020/09/02(水) 00:59:32 OFw.QI6Q0
投下終了です。


911 : ◆SvmnTdZSsU :2020/09/02(水) 01:12:15 hgLo7yoY0
現時点をもってコンペ作品の応募を締め切ります!書き手の皆様、総勢約370人以上の登場話を応募いただき本当にありがとうございました。
これほどまで盛り上がるとは予想外で、とても感動しております。本当に、本当にありがとうございます!

これより本編開始のため、>>1による作品の選出を行います。
最大で一週間ほどお時間をいただきますが、名簿が決まり次第放送話と同時に次スレ作成&名簿告知を行います。


912 : ◆Mti19lYchg :2020/09/02(水) 01:20:37 OFw.QI6Q0


間違えたところがあったので修正します。
【足柄@艦隊これくしょん】
[状態]:健康
[装備]:20.3cm(2号)連装砲×2→3
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3→2

【藤丸立香@Fate/Grand Order】
[状態]:健康
[装備]:支援礼装
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2、クレイジーソルト

【バギー♯9@マッドマックス 怒りのデス・ロード】
 足柄に支給された。
 オーストラリア産のスポーツカー「パーレンティ」をベースとした車。
 車体後部にシートとマシンガンが搭載されている。

後、タイトルはunbreakableでお願いします。


913 : ◆SvmnTdZSsU :2020/09/02(水) 04:23:11 hgLo7yoY0
この企画へのアップデート、ありがとうございます。総勢379キャラクターネームもの英雄の魂が、ヴァナ・ディール(ここ)まで力作のカズ=カズ<絶望のクオリア>が神に導かれ幸運を手にされた類の話、感謝の内のひとつが、迫害ともいえる感激といいなさる言葉では言い表せません―――ッ!!最高にクリスタルの導きものであるような…そんな気がしたよ!

>登り登る姫と戦火を交えて
夢の国チキンレースかな?そのネズミはまずいですよ!(著作権に)消される!消される!
ネタを抜きにしてもミッキー強いですね。さすが夢の国の王。まさに地の文の通り歴戦の勇者のようです!
夏目とミッキー、独特な感性の持ち主が合わさって最強に見える。キーブレードを引き当てた運もそうですし、支給品によるものとはいえコンビネーションも抜群で何だか感動しました。

>賢い生き延び方?
ハゲドワ、少なくとも煽るタイプのプレイヤーじゃ無さそうなのが救いか。
これで煽り+ライト持ちならもう赦さねぇからなぁ…ッ!!
とはいえ、儀式による経験はパロロワにも応用できそうなので、固有パークの有能の証明のごとく活躍はできそう。
何気に覚悟決まりすぎな上にハゲドワと発電機を修理する結衣ちゃんを想像すると草。しかも修理が全参加者に通知されるとかマーダー包囲間違いなしですねこれは……

>コーガ様の腹の内
NPCの扱いが上手いですね、ウマアジです。コーガ様、全体的にやるき無い上にもう普通の酔っぱらい同然でしたが、アンテン様のお陰でやるきが出たのがどう転ぶのか興味津々です。
アンテン様、死体は参加者に限定されているのでゴブリンの死体×10000で叶え放題的な運用はできないのは温情。しかし殺し合いからの脱出手段という意味でも非常に有用かつ現実的な手段になり得るNPCなので面白いと思いました。

>妖怪の飼育員さん、快獣と出会う
殺し合いよりも無断欠勤を気にする鳥月日和、社会人の鏡にして大物の風格を感じますね……。普段から妖怪と接している彼女は異形の参加者とも外見による争いになりにくいので、その点も注目できます。
目玉おやじとのコンビがそもそも違和感がないし、すごく面白いです。
ブースカとのやり取りは微笑ましいですし、そして何より懐かしい!他の悲惨な参加者と比べるとめっちゃクリティカル引いてそうですね。

>ジードのヒロインって誰だろう?
序盤から知り合いと出会えた幸運のしっぺ返しかのごとく女体化しているペガ。混乱するのも無理はないですが、リクくんの対応がイケメンすぎる。性転換の混乱中にこんな事言われたらこれは堕ちますわ。
全体的に微笑ましい尊さを感じます。

>下ネタまみれの、全く退屈しそうにない世界
変質者のランクが限界突破している前田、これは性獣!!
女性の参加者にとってはゴブリン並に出会いたくない手合い。しかも支給品の選出に主催者の悪意と悪戯心をひしひしと感じてきて草生えますよ。

>堕ちてきた悪魔
全然関係ないキアラさんと一緒にTwitterのトレンド入りしていたベリアルさんは記憶に強烈に残っています。これはものすごくこの催しを盛り上げてくれそうなキャラですね、間違いない。
台詞からもうやべー奴感がひしひしと伝わってきて震える。

>殺人日和
ジェイソン、マーダーにぴったりなキャラですが、ホラー映画の宿命か弱点も明確なので対象されやすいのが欠点か。
ただ意志疎通がとれない訳ではないので、子供の参加者や母親似な人物がいればワンチャン対主催も……駄目だ想像できん。
ノベライズ版のフレディvsジェイソンは名作ですね。ちなみに映画版はNetflixにて配信中ですので未視聴の方はオススメです。


914 : ◆SvmnTdZSsU :2020/09/02(水) 04:24:05 hgLo7yoY0
>先輩に勝てる後輩など存在しねえ!
鳥坂とまどか先輩、やり取りがコントみたいで微笑ましい。
魔法少女であることは納得させられたものの、この先もドタバタやりそうで面白いですね。実にコンペロワ的な選出で良いと思います!

>My Dear……
シャドウ茜、信じるものを二度も打ち砕かれた彼女の闇に、ただ悲しい気持ちになりました……。
正義無き世界に絶望し、しかし確かに正義の味方は居たのだと希望を持ったのも束の間、それすらも失った彼女が掲げる正義は果たしてどこに向かうのか、とても興味がそそられます。
『悪党』とシャドウ西の立場は、少し見方を変えれば同じものになりうるのがまた辛い……。

>有森少年の事件簿
やるきに満ち溢れる犯人の構図に草。
全参加者皆殺しは確かに成し遂げれば世紀の偉業と言えますが、有森にそれができる光景が少しも浮かばないww

>Pluto Relinquish
大切なものを忘れずにいられた事に歓喜し、涙を流す日菜子。しかしその喜びも束の間、厄介な相手と遭遇してしまいましたね……。
ヴァルクェル、これは間違いなく強マーダーの風格を感じます。ただ方針が『ほどほど』に楽しむなので一応はルート分岐の可能性もあるのが救いか。
リフレクターと血界の眷属、両者の戦闘がどういう目を出すのか興味深い引きでした。

>無邪気な少女─ロボでも涙は流す─ 
ロボひろし、オリジナルの自分と決着をつけた後からの参戦。
コピーとはいえロボひろひは間違いなく父親の鏡でかつオリジナルよりも戦えるので、レヴィとのコンビは保護者ポジとして実に相性が良いと思います。
思い出をふりかえり涙を流すロボひろひの姿は、彼もまた『ひろし』であることの証明であり、『心』があるのだと納得させられるものでした。感動です。

>惡の華 
死者すら蘇らせる主催の力に臆すること無く、それどころか越えることを宣言するギース。その姿は間違いなく『悪のカリスマ』だと思いました。
これはこの魔境なロワでも大活躍してくれそうなポテンシャルを感じます。

>奔る奴隷に勝利を 
全てを駆逐する決意を固めたエレン。支給品のコンボも相まって、マーダーというよりこれはもう厄災そのものですね。
そりゃ世界と参加者を天平にかけたら前者に傾くのは理解できますが、納得とは別物なので……うん。
進撃の果てにエレンが何を得るのか、実に興味深いです。

>そして過ちは繰り返される 
夜空をあおぎ煙草を嗜むコンラッド、ハードボイルドで好き。一度死んだとしても、彼が生き方を変えることはない。文字通りタイトルそのものです。
仮面ライダーの力を得たコンラッドが何をもたらすのかワクワクしますね。
そして最後の感想には思わず草生えました。

>いい上司に巡り合えた社畜の始まり
ブチャラティとペンギン、コンペロワでしか見られない人選で好きです。
ギャングとして裏社会を生きてきたブチャラティからも邪悪認定されるペンギンの会社はどんなものなのか興味をそそられました。
現状で手が足りないことを自覚しつつ、しかし同行を強要しないブチャラティ、やはり筋は通す男なのだと再確認しました。実にカッコいいですよね。
日頃からクソ上司に散々振り回されていそうなペンギンにとってはまさにクリティカルでしょう。しかしおかっぱの男とペンギンが会話している光景を想像すると腹筋が崩壊しそうになりました。

>Shall we Walk?
スラミチとかすみ、出会いからして微笑ましく、実に良いコンビです。
一度挫折したかすみが再起したように、まさに『止まない雨はない』のでしょう。心を折らず、この残酷な催しでも精一杯足掻いて欲しいと思いました。

> 翼はある、心は─── 
洗えば使える(鬼畜)
いやーここまでガッツリ凌辱されちゃうと悲惨ですね。
しかも処女を失うと力を無くしてしまうウィッチには辛い展開。
いや(何がとは言わないけども)再生して再起する可能性もありますが、うーん実にハードモード!
なんと言うかとことん骰子の目が悪かったですね彼女は。興奮しました。

>帰ってくれウルトラマン
無辜の怪物で汚染されてますねこれは……タイトルが直球の感想になるのは中々無いですよ。
まぁ性格が過激になったとはいえ、方針は対主催なので頼りに……なるのか?(困惑)


915 : ◆SvmnTdZSsU :2020/09/02(水) 04:25:16 hgLo7yoY0
>問おう、ーーー
居そうで居なかったキャラ被りがまさかの女魔法使いとは予想外。両者とも再起の方向性が違って実にワクワクしました。
魔法使いとしての才は確かなので、ゴブリンという洗礼を結果的に生き延びた女魔法使いちゃんは凄まじいポテンシャルを秘めていると思います。
彼女は神々にとって特別な駒ではありませんでしたが、その意志は尊いもの。きっとそれがこの骰子の目を引き当てたんでしょうね。
ゴブリンを颯爽と倒すパリスくん可愛い。サーヴァントにとってのマスターの必要性を上手くロワに落とし込んでいて良いと思いました。彼女に手を差しのべるパリスは、未熟と言いつつも間違いなく英霊であるのだと感じさせます。
二人の行く末がどうなのか興味深いです。

>本物の化け物
瞬殺されるゲマに草。まろうこん、見た目に反して凶悪でいやもう展開のスピード感も相まって大草原ですよww。

>unbreakable
ウマ娘、カルデアのマスター、艦娘、刀剣男士という実に豪華な組み合わせ。
『牙』を得たオグリキャップはどうなるのか完全に未知数で興味深いですし、立香のこれまでの経験はこのロワでも大いに応用できるし期待もできるもの。
足柄と兼定は熟練の戦士で、かつ移動手段まで確保しているとか、もう中々のド安定グループでは無いでしょうか。
記念すべきコンペロワの最終応募に相応しい作品だと思います。


投下作品192話、総勢379名+NPC54体という壮大な結果に感動しております。

これからもコンペロワを宜しくお願いします!


916 : ◆EPyDv9DKJs :2020/09/02(水) 12:38:12 xQ.2Se/M0
拙作の状態表の変更の報告です
Wikiでの差分を見れば分かりますが、
手間もかかる為此方に状態表の変更だけ纏めておきます
『』が修正内容

>電光刹華・桜花爛漫
燕結芽
備考に消し忘れ

アカツキ
【アカツキ@アカツキ電『光』戦記】
[状態]:『電光機関の使用による』空腹(小)
参戦時期は少なくともアカツキ電光戦記『アカツキ編』ED後以降です。


>最悪のバンド結成
ミスティア・ローレライ
参戦時期は少なくとも永夜抄以降『〜響子とバンドを組む前』です

>アサシン・グリード
【アンジェ@プリンセス・プリンシ「パ」ル】
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1〜2『(確認済み)』


917 : ◆2dNHP51a3Y :2020/09/02(水) 22:51:15 BoX6UXtE0
拙作の状態票を修正しました

・修正点
『最強を望む者、最強に臨む者』
セリカ・クレイトン
+基本:『???』
+1:まずは目の前の化け物を何とかする。隙を見つけたらトンズラ

スズネ
+基本:『???』
+1:まずはこの子(恵羽千)を何とか安全な場所へ避難させて治療を……
+2:セリカさん、無事で居てください……!
[備考]
『※最低でも原作第九巻game#33後からの参戦です』

『超越者(ヴァンパイア)と少女たちと』
ザメドル・ルル・ジアズ・ナザムサンドリカ
※『原作第八巻『幻界病棟ライゼズ(後編)』より』、クラウスに「密封」された後からの参戦です


918 : ◆.EKyuDaHEo :2020/09/02(水) 23:29:06 58hXwlzs0
修正です

ロード・ディアーチェ
変更前[装備]紫天の書@魔法少女リリカルなのはPORTABLE
変更後[装備]エルシニアクロイツ@魔法少女リリカルなのはPORTABLE

ディアーチェの装備を紫天の書からエルシニアクロイツに変更しました


919 : ◆8eumUP9W6s :2020/09/03(木) 05:51:28 16TbNHxU0
拙作の状態表を修正しました、修正したところは『』で囲っています。
・修正点

『その日、運命に出会う』

衛宮士郎
[状態]:健康、肉体的疲労(小)『、安堵』

3:この子『(サーニャ)』の声を『聞くと』、何処となく彼女の───イリヤスフィールの事を思い出す…

詳しい参戦時期がいつなのかや、投影出来る武器の数や持続時間に制限がかかっているか否か、固有結界が使用可能な場合にどのような制限がかかっている『か、などについて』は後続の書き手に任せます。

『メンヘラなゴリラとグラマラスなウサギ』

シャーロット・E・イェーガー
4:もし宮藤やルッキーニたちが巻き込まれてたら『、なんて考えたくはないけど…それなら早く合流しないとな』

『翼はある、心は───』

宮藤芳佳
ただし宮藤芳佳の場合、『彼女の祖母や母親は経産婦かつ20歳以上であるにも関わらず』魔法を使用している描写がある為、純潔を失っても治癒魔法は使用可能で飛ぶ事もシールドを使う事も可能だと思われます。

『帰ってくれウルトラマン』

ウルトラマン
[状態]:健康『、主催及びアストラ及びチャイヨーに対する強い怒りと殺意、焦燥』

[備考]
『主催陣営にアストラが居ると勘違いをしています。
ウルトラキーを盗んだアストラは実はババルウ星人が変装した姿ですが、参戦時期の都合上その事を知りません。』


920 : ◆Mti19lYchg :2020/09/03(木) 06:02:32 Z3N.XcT.0
状態表をかなり変更したのでこちらでも報告しておきます。

【和泉守兼定@刀剣乱舞】
[状態]:健康
[装備]:和泉守兼定
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:帰還、救出優先。
1:殺し合いをする気は無い。
[備考]
 和泉上兼定極にランクアップ済み。

【足柄@艦隊これくしょん】
[状態]:健康
[装備]:20.3cm(2号)連装砲×3
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2、バギー♯9
[思考・状況]基本行動方針:戦闘、救出優先。
1:殺し合いをする気は無い。
2:化物退治なら大歓迎!
[備考]
 足柄改二に改装済み。

【オグリキャップ@ウマ娘 シンデレラグレイ】
[状態]:健康
[装備]:スタンドDISC『タスク』、特別製蹄鉄付シューズ
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:とにかく生き残ろう。
1:いったいここはどこだろう……。
2:ヘイコウセカイって何だろう……?
[備考]
 時間軸は西京盃後。

【藤丸立香@Fate/Grand Order】
[状態]:健康
[装備]:魔術礼装・カルデア、支援礼装
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2、クレイジーソルト
[思考・状況]基本行動方針:仲間を集めて殺し合いを止め、推測される儀式を防ぐ。
1:ここから殺し合いに反対の人たちを説得する。
2:恐らくこれは何らかの儀式では?
[備考]
 ここでは漫画版「英霊剣豪七番勝負」の女性主人公をベースにしてます。
 最低でも人理修復後の時間軸です。


【スタンドDISC『タスク』@ジョジョの奇妙な冒険】
 オグリキャップに支給された。
 能力は爪弾を打ち出し、回転した爪で切り裂くというもの。
 爪の回転は人体を切断する程鋭く、爪の再生速度も非常に早い。
 オグリキャップの精神により、進化する可能性が有る。

【支援礼装@漫画版Fate/Grand Order -Epic of Remnant- 英霊剣豪七番勝負】
 藤丸立香に支給された。
 腕輪状の、様々な魔術礼装の機能を回数限定で使用できる装備。

【バギー♯9@マッドマックス 怒りのデス・ロード】
 足柄に支給された。
 オーストラリア産のスポーツカー「パーレンティ」をベースとした車。
 車体後部にシートとマシンガンが搭載されている。

【クレイジーソルト@現実】
 岩塩をベースにスパイス・香草等を調合した調味料。

【縄張りバルバロッサ@ゼノブレイド】
NPC。ゴリラに似た軽く体高10mを超える巨体のモンスター。一定のフィールドを広範囲に移動する。参加者を見つけると追いかけて攻撃してくる。
転倒時に攻撃すると逆にダメージを負わされる。

【オーク@ドラゴンクエスト】
NPC。槍を持った猪顔の毛むくじゃらなモンスター。

【ゲロルド@トリコ】
NPC。5つの首を持ち身体はダチョウ似。羽があって短時間なら飛べる。
肉をケバブにすると旨い。


921 : ◆5RRtZawAKg :2020/09/03(木) 12:54:20 MAGenJRA0
71「バトルロワイアル」の誤字修正(絶対→絶叫)、絶叫するビーバーの状態表追加。
【絶叫するビーバー@meme】
[状態]:死亡
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜3個
[思考・状況]基本方針:不明
1: ひろし?の襲撃に遭い死亡
2:ああああああああああああああああ!!!!!!
[備考]
Twitterなどでよく見る、野太い声で叫ぶあのビーバーです。

122 「犬と虎とスタイリッシュ」、171「賢い生き延び方?」の状態表を変更しました。
ドワイトに高性能懐中電灯@Dead by Daylight装備。
【高性能懐中電灯@Dead by Daylight】
相手の目元に光を当てることで効果を発動、相手の視界に靄が入り、数秒間スタンします。
結衣の鉄パイプの出展をファイナルファイトに。

坂本はアニメ最終回終了後からの参戦。
李徴は虎になり、兎を食べてしまったあたりの時間軸からの参戦です。


922 : ◆vV5.jnbCYw :2020/09/03(木) 16:02:14 Uenh.VZA0
加筆・修正報告します。変更箇所は『』で表示しておきます。

>皇帝と切られた男達

(おれは女対しては誰よりもイイ奴なんだが〜)

(おれは女『に』大しては誰よりもイイ奴なんだが〜)

コーガ様の腹の内

アンテン様の能力の追加。
※いかなる大事なアイテムを供えても、死者の蘇生、新たな参加者の外部からの導入は出来ません。
※強い武器など、アイテムを出してもらった場合、願いを叶えて貰った参加者が死んだ際にそのアイテムは無くなります。


923 : ◆vV5.jnbCYw :2020/09/03(木) 16:07:08 Uenh.VZA0
もう一点、変更点がありました。
「コーガ様の腹の内」で


彼は任〇堂のキャラの癖して、コ〇ミの有名ゲームの主人公さながらに、蛇のように自分の昼寝場所に侵入してきた。
彼は持ち前の術を使って戦うも、どの術も通用せず、挙句の果てには自分の術の使い方を間違えて死んでしまったのだ。
そんな彼だが、いつの間にやら生き返り、殺し合いに参加させられていた。


彼は任〇堂のキャラの癖して、コ〇ミの有名ゲームの主人公さながらに、蛇のように自分の昼寝場所に侵入してきた。
『コーガ様』は持ち前の術を使って戦うも、どの術も通用せず、挙句の果てには自分の術の使い方を間違えて死んでしまったのだ。
『自業自得のような気がしなくもないコーガ様』だが、いつの間にやら生き返り、殺し合いに参加させられていた。


924 : ◆Mti19lYchg :2020/09/04(金) 02:29:54 m7/zQVzY0
ルールを見返して、おかしな部分があったので修正しました。
後、いくつかの文章を修正しました。

艦砲で全員吹き飛ばした。→襲われる前に急いで支給品を確認し、中にあった足柄専用の艤装の艦砲で全員吹き飛ばした。

そして何より、東海ダービーで優勝するという目標がある。→そして何より、東海ダービーに出場して優勝するという目標がある。

だが、残り一つの首で鳥は襲い掛かってきた。→だが、残り一つの首で鳥はオグリに襲い掛かってきた。

だがその鳥は首が刎ねられたまま、全力疾走をして逃げた。→すべての頭を失った鳥。だがその鳥は首が刎ねられたまま、全力疾走をして逃げた。

だからみんなと行動する→だから殺し合いに反対なみんなと行動する

【足柄@艦隊これくしょん】
[状態]:健康
[装備]:20.3cm(2号)連装砲×3→艤装(20.3cm(2号)連装砲×3)
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2→1、バギー♯9


925 : 名無しさん :2020/09/04(金) 18:39:28 /u4g1pLI0
本編新しいスレで始まってるんで、こっちしか見てなかった人は移動してね


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