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ゲームキャラバトル・ロワイアル【第二章】
533
:
エレクトリック・オア・トリート
◆vV5.jnbCYw
:2021/09/07(火) 16:44:41 ID:das02p0w0
「いい加減にしてよ……」
中々喫茶店から出ようとしないゲーチスに辟易しながら振り向く。
そんな彼女に対し、ゲーチスは静かに呟いた。
「じゅうまんボルト」
エアリスの失敗は3つ。
まずは前方にある危険のことを気に掛け過ぎて、後方からの危険に対する警戒が弱まっていたこと。
彼女はゲーチスを警戒していなかったわけではない。
しかし、今のなお行方不明のカイムに、同じく行方不明の千早と、気にしなければならない人物が増えると、相対的に1人の警戒心は弱まる。
第二に、ギギギアルという、エアリスにとっては未知の、ゲーチスにとってはどこまでも詳しく知っている存在が介入していたということ。
「くっ……!」
後ろから響いていた機械音が激しくなったと思いきや、完全に不意打ちと言う形で電気攻撃を受け、蹲るエアリスの前で、ゲーチスが仁王立ちしている。
「やはりアナタとは共に行動は出来ない。そんなに千早とかいう女を探したいなら、自分1人で探しなさい。」
少なくともギギギアルだけでも無力化させようとするも、思うように体が動かない。
第三に、彼女の世界の「麻痺」とポケモンのもたらす「麻痺」の違いだ。
彼女の世界のまほうマテリアや召喚マテリアから繰り出される雷を受けても、ダメージこそはあるが、身体がまひすることは無い。
更に言うと、彼女の世界で麻痺の力を持つモンスターも、電気ではなく、「にらみ」を使う魔物ぐらいだ。
少なくとも、神羅兵の機械が麻痺攻撃をしてくることは無かった。
そのままゲーチスはエアリスが上手く動けないまま、彼女が持っていた弓に手を伸ばす。
興味があるのは豪奢なデザインが印象的な弓ではない。
絢爛な装飾の中でも、ヒスイ色に美しく輝くマテリアだ。
それをすぐさま自分のスコップに付け替える。
「スリプル!」
放送前、エアリスがカイムに対して行ったことを、見様見真似でやった。
「ゲーチ……ス………。」
抵抗の意思を見せようとするが、むなしく眠りに落ちてしまった。
「ハハハ……そのままそこでじっとしていれば良いです……痛………。」
同時にゲーチスにも虚脱感と頭痛が襲う。
元来魔力を持ち合わせていない彼には、マテリアは代償として体力を著しく奪った。
とは言え、歩くのに差し支えるほどではない。
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