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聖杯戦争異伝・世界樹戦線 第二幕
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指輪を担いしジークフリート、大神てオーディンの槍を断つ。
役目を終えた世界樹は、神の手によって砕かれ、金の炎へと変わるだろう。
全ては神々の世界を、黄金の黄昏へと誘うために。
Wiki
ttp://www9.atwiki.jp/yggdrasillwar/
前スレ
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12648/1436199064/
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【概要】
・当企画はTYPE-MOON原作の「Fateシリーズ」の設定の一部を元にした、リレーSS企画です。
同作中の魔術儀式「聖杯戦争」を元にし、参加者達が聖杯を賭けて戦う企画となっております。
【設定】
・「Fate/EXTRA」に登場する月の聖遺物・ムーンセルによって形成された、電脳空間が舞台となります。
・高さ数百メートルの巨大な「世界樹」の上に建造された、「魔術都市ユグドラシル」という舞台設定です。
・ユグドラシルは「Fateシリーズ」設定における、現代の魔術師達が作り出した街という設定です。街並みも現代の欧州のものです。
文化水準は現代のものですが、科学よりも魔術の産物によって支えられています。
特に通信技術は顕著となっており、固定電話がせいぜいで、インターネットや携帯電話は存在していません。
・世界樹自体が莫大な魔力を内包しており、その魔力によってユグドラシルでの生活が成り立っています。
電線は通っていませんが、魔力の伝達によって代用されています。
また、この魔力が守りとなっているため、滅多なことがない限り、火事で世界樹が全焼したりはしません。
・街の足元は石畳で舗装されており、自然保護区エリアには、植物を植えるための土もあります。
立地が立地なので、ところどころにクソデカい枝が飛び出してたりします。
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【参加者名簿】
《剣騎士(セイバー)》
葛葉紘汰@仮面ライダー鎧武 & アルファモン@DIGITAL MONSTER X-evolution
鯨木かさね@デュラララ!! & アヌビス神@ジョジョの奇妙な冒険
美樹さやか@[新編]魔法少女まどか☆マギカ 叛逆の物語 & レオン・ルイス@牙狼-GARO- 炎の刻印
《弓騎士(アーチャー)》
シノン@ソードアート・オンライン & シエル・アランソン@GOD EATER 2
湊耀子@仮面ライダー鎧武 & 円環の理@[新編]魔法少女まどか☆マギカ 叛逆の物語
東郷美森@結城友奈は勇者である & ゲルトルート・バルクホルン@ストライクウィッチーズ
鹿目まどか@[新編]魔法少女まどか☆マギカ 叛逆の物語 & 星矢@聖闘士星矢Ω
《槍騎士(ランサー)》
黒咲隼@遊戯王ARC-Ⅴ & 駆紋戒斗@仮面ライダー鎧武
《騎兵(ライダー)》
犬吠埼風@結城友奈は勇者である & 剣鉄也@真マジンガーZERO対暗黒大将軍
雅緋@閃乱カグラ SHINOVI VERSUS -少女達の証明- & ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア@コードギアス 反逆のルルーシュR2
《魔術師(キャスター)》
立花響@戦姫絶唱シンフォギアG & スバル・ナカジマ@魔法戦記リリカルなのはForce
小日向未来@戦姫絶唱シンフォギアG & パスダー@勇者王ガオガイガー
衛宮士郎@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ドライ!! & 神崎士郎@仮面ライダー龍騎
《狂戦士(バーサーカー)》
天羽奏@戦姫絶唱シンフォギア & トーマ・アヴェニール@魔法戦記リリカルなのはForce
忌夢@閃乱カグラ SHINOVI VERSUS -少女達の証明- & 呀@牙狼-GARO-
サガラ@仮面ライダー鎧武 & 乃木園子@鷲尾須美は勇者である
《暗殺者(アサシン)》
キリト@ソードアート・オンライン & ヘルマン・ルイス@牙狼-GARO- 炎の刻印
《門番(キーパー)》
マリア・カデンツァヴナ・イヴ@戦姫絶唱シンフォギアG & エデン@聖闘士星矢Ω
両備@閃乱カグラ SHINOVI VERSUS -少女達の証明- & ハービンジャー@聖闘士星矢Ω
《製作者(クリエイター)》
憤怒のラース(キング・ブラッドレイ)@鋼の錬金術士 & アルバート・W・ワイリー@ロックマンシリーズ
《指導者(メンター)》
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール@ゼロの使い魔 & 高町なのは@魔法少女リリカルなのはシリーズ
《盾騎士(シールダー)》
羽佐間カノン@蒼穹のファフナー EXODUS & 我愛羅@NARUTO
《救世主(セイヴァー)》
暁美ほむら@[新編]魔法少女まどか☆マギカ 叛逆の物語 & 美国織莉子@魔法少女おりこ☆マギカ
《裁定者(ルーラー)》
アンドレアス・リーセ@聖闘士星矢 黄金魂 -soul of gold-(マスター不在)
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前スレがまだ残っていますが、書き上げた第一回放送の内容が、ギリギリ投下限界数をオーバーしたため、次スレを用意させていただきました
第一回定期放送は、本日23時より、こちらのスレにて投下予定です
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それではこれより、第一回放送を投下します
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決められた枠組みの中に留まることに、人は窮屈さを覚える。
幼少の頃には学生として、成人を迎えれば組織人として、出世を重ねれば管理者として。
どのような立場に置かれても、人は相応の責務を課せられ、自由に振る舞うことを許されない。
真実、人が束縛を受けず、自由でいられる瞬間など、責務をこなす力のない、赤子か老人の時分くらいだろう。
しかし人には、その枠組みを、放棄する権利も与えられている。
学校に通うことを嫌うのならば、学校を辞めてしまえばいい。
仕事に縛られることを嫌うのならば、仕事を辞めてしまえばいい。
それでも人は、その選択を、滅多に選ぶことをしない。
何故ならば、人は枠組みの中に在る限り、責務の見返りとしての保障を、常に与えられているからだ。
学生であれば、将来の進学や就職について、ある程度の面倒を見てもらえる。
会社員であれば、生きていくための資金を、給料としてもらうことができる。
反対に、それらを失えば、人は生きていく上で、大きな不利益を被ることになる。
それを恐れているからこそ、人は社会の規範や枠を、飛び出すことができずにいるのだ。
なればこそ。
なればこそ、だ。
もしもその枠組みを、踏破してしまえる者がいるのなら――
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◆
一通りの外回りを終えて、壁をすり抜け部屋へと入る。
ここに至るまでの間に、念話による呼び出しはなかった。ということはつまり、全てが万事、平穏に片付いたということなのだろう。
「………」
昼間からホテルのベッドで眠る、己がマスターの顔を見て、キーパー――オリオン座のエデンは安堵した。
思えばここに至るまでに、マリア・カデンツァヴナ・イヴが辿った道は、正しく激動の茨道だった。
開幕早々何者かに、仮の住居を特定されて、謎の使い魔の襲撃を受ける。
自らの頼みの綱だった、シンフォギアシステムに不具合が生じ、己が足場が揺らぎかける。
そしてそこへ立て続けに、ライダーとそのマスターが襲いかかり、絶体絶命の窮地を味わう。
これらに数時間のうちに見まわれ、ようやく寝床へありついたのだ。できることならこのままずっと、眠らせてやりたいとも思う。
(しかし)
だがそれでも、状況は未だ予断を許さず、マリアを苛み続けている。
恐らくは最初の襲撃者の主人が、軍や警察の関係者だったのだろう。
先ほどから周辺のあちらこちらに、彼女の名前と顔写真が載った、指名手配書が貼り付けられている。
その上遠目に見る限りでは、検問らしきものまでもが、準備を進められているように見えた。
このままここに長居していては、思うように逃げられなくなる。
なればこそ、早急な対応が必要だった。心苦しくも、平和な寝顔を、揺り起こすことになったとしてもだ。
「マスター、そろそろいいだろうか」
幸いと言うべきかは微妙なところだが、もうすぐ定時放送が始まる。
今回の聖杯戦争においては、人数が多すぎることもあってか、脱落者などの情報が、12時間ごとに告知されるようになっているのだ。
エデンが代理で聞いてもよかったが、これを聞くためということであれば、起こすきっかけとしても角が立たないだろう。
故に彼は、己がマスターを、目覚めさせることを選択した。
これから迫り来る過酷な運命を、くぐって切り抜けるためにも。
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◆
――さーて、前置きはこのあたりにして、いよいよ本題のスタートだ!
既に開戦から12時間! といってもここまでの半日は、俺的には序盤も序盤って考えでいた。
だけどこの街のあちらこちらで、ホットなバトルが見られたっていうのは、やる気たっぷりって感じで嬉しいねぇ。
ユグドラシルを騒がせる、超人サーヴァント同士の激戦、激戦! どれもこれも見応えバツグン、まさに群雄割拠ってやつだ!
そしてそいつを証明するように、ここまでの12時間で遂に、初めての脱落者が登場した!
エクストラクラスのサーヴァント・メンターと、そのマスター・ルイズ・フランソワーズ!
当人達にしちゃ残念だったが、彼女はサーヴァントを失って、敢えなくリタイアしてしまった。
ゲームの駒がなくなった以上、出場権は取り消しだ。今はもうこのユグドラシルには、彼女の姿はないはずだぜ。
もっとも、こいつは聖杯戦争を戦う、ハリキリボーイズ・アンド・ガールズにとっては、嬉しい知らせかもしれないな?
何にせよ、ここまではいいペースだぜ! この調子でボルテージを高めて、聖杯をゲットするその瞬間まで、頑張って戦い抜いてくれ!
さてと、ここからはインフォメーションだ。
今度は良いニュースかもしれないし、悪いニュースかもしれない。
残念なことに俺達からすりゃ、バッドなニュースになっちまうんだけどねぇ。
実は今回出揃った、23人のマスターの中には、何の因果か偶然か、インチキで生き残っちまった奴がいた!
ホントはいちゃあいけないはずの、バグで現れたサーヴァントと、うっかり契約しちまったんだそうだ!
こいつがなかなかの曲者でな。学術地区の学校で、とんでもない大騒ぎを起こして、サーバーに大きな負荷をかけちまってる。
おまけにこいつ一人のおかげで、聖杯とサーヴァントのリンクに不具合が生じて、情報伝達が困難になっちまった!
宝具や真名が明らかになっても、相手がどんな奴か分からないし、そいつを調べる方法もない――ホントだったらこんなこと、起こるはずもなかったんだけどねぇ。
とにかくも、きちんと聖杯と繋がってない以上、こっちとしても強引に、そいつを消しちまうこともできない。
だから本当に申し訳ないが、ここでエクストラ・ミッションだ!
会場の不具合を解決するため、この勝手放題やってるサーヴァントを、優先して退治してほしい!
もちろんただお願いするだけじゃ、やる気も湧いてこないだろうからな。お楽しみのポイントと、ボーナスも用意させてもらうぜ。
ルールは簡単、早い者勝ちだ! こっちが与えたヒントを元に、目的のサーヴァントを探し出して、素早くぶっ飛ばしてやってくれ!
そうすればこのDJサガラが、素敵な特典をプレゼントする! どうだい、簡単だろ? ワクワクしてきただろ?
どうやら相手のサーヴァントは、珍しく霊体化が使えないらしい。
だから見つけたらその時がチャンスだ! 絶対にどこにも逃さずに、一気呵成にフィニッシュしてくれ!
みんなが探すサーヴァントは、ゴールデンな鎧を纏った、アーチャークラスのサーヴァントだ!
ミッションも、もちろん通常のバトルも、きっちり楽しみにさせてもらうぜ!
それじゃ、今回はここまでだ! DJサガラのユグドラシル・ホットライン! 次回も無事にチェックしてくれ!
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◆
ある者は仮初の自宅にて。ある者は与えられた勤め先で。
ある者は戦場から逃れながら。ある者は戦場の只中にいながら。
その時、生き残った22組の、全てのマスターとサーヴァントとが、同時に放送を耳にしていた。
受け止め方は人それぞれだが、それでも単純な情報だけは、平等に届けられていた。
「すぐさまサジタリアスの元へ、乃木園子を向かわせよ」
そしてそれは、ユグドラシル市長――ルーラーのサーヴァント・アンドレアスもまた、同じように耳にしていた。
収録された定時放送が、流れ終わったのを確かめた後に、目の前のサガラへと告げる。
彼に割り当てたバーサーカーを、件のアーチャーの元へと派遣せよと。
「要するに、特典なんてのはハナから嘘で、俺にバーサーカーを使って、アーチャーにとどめを刺させろと?」
「無論、それがかなわなかった場合は、倒したマスターへと便宜を図る。お前と乃木園子に求めるのは、ミッションとやらの円滑な進行だ」
「なるほどね……情けをかける奴が出ないように、上手いこと引っ掻き回せってことか」
サガラの解釈に、アンドレアスが頷く。
要するに、彼が求めるのはこういうことだ。
鹿目まどかの実態を知れば、中には彼女らの境遇に、同情を覚える者がいるかもしれない。
そうして、射手座の星矢に同調して、同盟関係を結ぶことにでもなれば、排除は更に困難になるはずだ。
そうならないよう、場をかき乱して、星矢を倒すべき悪者に仕立てる。
不意打ちなり何なりをしたように見せかけ、奴は討伐対象になるような悪党なのだと、取り込まれかかった者に刷り込ませるのだ。
「恐らく奴めとの戦いとなれば、犠牲が出ることもあるだろう。であれば聖杯戦争は、終結に向けてまた加速する」
「了解だ。余裕があれば、集まった連中も、それなりに間引いておくことにするよ」
そう言うと、サガラはくるりと踵を返し、手をひらひらと振りながら、市長室を後にした。
とはいえ、システムの管理側に立ち、制約の壁を超えたサガラにとって、人並みの振る舞いをすることに、さしたる意味も必要性もない。
行政府の人間に見つかる前に、霞のごとく姿を消し、周りの風景へと溶けこむ。
(どっちのやり方にしたって、俺の趣味ってわけじゃないんだけどな)
肩を竦めながら思い返すのは、先のアンドレアスのオーダーだ。
特定のアーチャーを排除するために、他のマスター達を差し向けよ。
アーチャーの協力者が出ないように、戦況を掻き回し分断せよ。
どちらにしても、特定の誰かに、意図的なペナルティを与えることで、不利な状況を作るやり口だ。
誰かを贔屓することで、ゲームの加速を狙うことならある。結果的にそのことで、不利になる人間も出てくる。
しかしこのやり方の場合は、有利になる人間は出てこない。誰かだけが一方的に、不利益を被ることになる。
五十歩百歩の話だろうがと、ツッコミを受けることになるかもしれないが、少なくとも、嫌いな手ではあった。
(まぁ仕方ない。今は奴の顔を立てておくさ)
それでも、ここで歯向かったところで、サガラに利益がないのも確かだ。
元々そういう類の利など、求める柄でもなかったのだが、議論が紛糾することで、ゲームが停滞することはよくない。
預かり知らない埒外の事態に、一方的に邪魔されることほど、プレイヤーを苛立たせることもあるまい。
どうせ損な役回りも、ゲームが終わればそれまでなのだ。
そうやって自分に言い聞かせながら、サガラはバーサーカーへと念話を送った。
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暗黒の中に、光が瞬く。
されど光明は必ずしも、希望と結び付けられるものではない。
天の威光と同じように、地獄で燃え盛る業火もまた、光っていることに変わりはないのだ。
不気味に明滅するランプは、張り巡らされた鋼鉄の血肉を、禍々しくてらてらと照らし上げていた。
「奴めの接触したサーヴァント……異様な気を放つ者ではあったが、よもやこのような結果になるとは」
未だ戦いをマスターに任せ、自身は沈黙を保つサーヴァント・パスダー。
彼は放送で告げられた、黄金のサーヴァントについて、事前に情報を握る者の一人だった。
元々がゾンダーの主である。ゾンダーの存在するところ、すなわち東郷美森のいるところを、監視できない道理などないのだ。
「我が身に力が満たされれば、奴らの施しなど無用ではあるが、心弱き者にとってはそうもいかぬ」
『Extra-Intelligence-01(パスダー)』自身の肉体は、宝具として正確に機能すれば、間違いなく全サーヴァントの中でも最強だ。
しかしその力を解き放つには、今少しばかりの時間がかかる。
そしてそれまでの間に、自身のマスターである小日向未来に、情けなく死なれるわけにもいかない。
であれば、エクストラ・ミッションとやらの特典も、獲得を目指さない道理はなかった。
何とも情けない話ではあったが、これも自らの生命線を、有利な状況へ導いて、生きながらえてもらうためだ。
「最善の結果とまではいかなかったが、既に策も整っている」
もちろん、あの絶大な魔力を有したアーチャーに、その気配に釣られてやって来た、他のサーヴァント達の存在もある。
想定される大乱戦は、シンフォギアとゾンダー人間だけでは、到底切り抜けることは不可能だろう。
東郷とそのサーヴァントを利用したとしても、彼女らが未来の生命を、確実に守り抜けるという保証はない。
なればこそ、別の手が必要だった。
同盟関係などでなく、数頼りの雑兵などでもなく、着実に任務を遂行しうる、強力な手駒が必要だった。
故にパスダーは、それを用意した。
その策がルールに抵触しかねない、危険な賭けであることも理解している。しかしそれを恐れる心は、ゾンダーには存在しなかった。
「やはり完全に掌握せねば、これが限度ではあったが――」
彼が根を張る世界樹の魔力は、すなわち聖杯そのものの魔力だ。
ムーンセルが形成した、このフィールドに干渉することは、言うなればムーンセルそのものの一端に、干渉することを意味する。
完全覚醒には未だ遠い。それでも世界樹に巡らされた魔力の、その一部を汲み取ることは容易い。
なればこそ、できることもある。
試行するだけの価値があり、そして限定的とはいえ、得られた成果も存在する。
ここからは誰にも明かしていない、トップシークレットの領域だ。
他のマスターも、未来自身も、これの存在には気付いていない。
彼女が遅刻した学校から、休校を受けとんぼ返りし、ここにたどり着くまでには、今しばらくの時間を要する。
なればこそ、カードは今のうちに切るべきだろう。
最強のサーヴァント・パスダーが、その手に掴んだ大いなる力を、今こそ世に解き放つ時だ。
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「目覚めよ――機界四天王よ」
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奇機怪械と蠢くものは、暗がりよりもなお深き闇。
漆黒そのものと形容すべき、四つの風が巻き起こり、瘴気となって形を示す。
空間から何者かのシルエットを、そっくりそのまま切り抜いたような、異様な黒点がそこにはあった。
機械の広間に等間隔に、パスダーを囲みながら見上げるように、姿を現す異形があった。
「ポロネズならここにおります、パスダー様」
最初に口を開いた声は、低く落ち着いた男のそれだ。
ぽうっ――とけたたましく鳴り響くのは、蒸気機関車の嘶きか。
まるで醜い芋虫を、何十倍にも巨大化したようなそれは、臭覚のように伸びた器官から、勢いよく蒸気を噴き出していた。
されど、異様なそのシルエットにも、人間の手足が生えている。
その芋虫を己が頭部として、そのまま載せたような形をしながらも、下で支える胴体は、間違いなく人間のそれだった。
「プリマーダ、もう待ちくたびれましたわ」
続けて響き渡った声は、妖艶な女性のものだった。
回る、回る、くるくると舞う。
全身に円形の意匠を纏う、グラマラスな曲線の肢体が、その身を見せびらかすように踊る。
ひときわ大きく太いリングが、腰まわりを巡るそのシルエットは、さながらバレリーナのそれか。
美しくそして艶やかに、それは存在を示していたが、しかし絢爛なその見せかけが、毒へ誘う誘蛾灯であることは、誰の目にも明白であった。
「ピッツァ、ただ今到着」
その次に空気を揺らした声は、若く鋭い青年のものだ。
鳥か、飛行機か、否これも人だ。
羽毛のように広がったのは、恐らくは羽織った外套であろう。そうした印象を強固にするのは、猛禽のような頭部の形だ。
鷹のように尊大な自信と、烏のように狡猾な野心。
それらを孕んだ声色が、己を射落とすものなどいないと、そう暗示させているかのように、影は静かに現れ佇む。
「このペンチノン、すぐにでも出港可能です」
最後に発せられた声は、もはや人間のそれではなかった。
調子の外れたノイズのように、感情無き合成音声のように。
これまでのどの声とも違った、怖気を孕んだその声は、地響きと共に姿を現した。
そのシルエットもまた、人ではない。何かのようだと言うまでもなく、船のものだと言う他ない。
おおよそ人間に倍する程度の、船のような巨大な異形から、両足とマシーンアームが伸び、がちんと音と火花を散らした。
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「マスターと同盟を組んだ者が、先刻遭遇したサーヴァント……それが監督役によって、優先する討伐対象に指定された」
「それは愉快な話ですわ。獲物の匂いに引き寄せられて、舌なめずりをする者達は、さぞ楽しく踊ってくれることでしょう」
「なればこそ、目覚めたばかりの我々が、呼び集められた理由ともなるわけか」
くつくつと笑う女の声に、不敵な鳥頭の男の声。
理性のあるように振る舞っていても、それはあくまでも見せかけに過ぎない。
これなるは機界四天王。
かつて在りし日のパスダーが、星々の生命の在り方を歪め、手駒とした最強の四人衆。
観測された記録こそあれど、その形を失った魂が、英霊の座に留まることは、絶対にありえない存在である。
ありえならざる者達を、ありえならざる方法で、この世に蘇らせたとあれば、それは形だけのフェイクということ。
英霊召喚のプロセスを経ながら、実現性、ないし出力に不都合を生じ、不完全な影としてしか生み出されなかった、サーヴァント手前の失格者達。
影、あるいは幻とあれば、その存在を表す呼び名は――『シャドウサーヴァント』とするのが相応しいか。
「まともに取り合えば敗北は必至。されど並のゾンダーを超えた、お前達の力あればこそ、達成しうる目標もある」
「かしこまりました。我ら機界四天王、この身この力を尽くして、必ずや成果を持ち帰りましょう」
「戦況が大きく乱れれば、孤立したアーチャーのマスターを、仕留めることも容易いこと……ウィィィィ!」
慇懃な芋虫男の声と、奇天烈な笑いを上げる巨人の声。
シャドウサーヴァントに自我はない。これまでのパスダーとのやり取りにも、その実意味は全くない。
人間の思考回路をロールしながらも、彼らの本質はただ単純に、主の命令を実行する人形。
されども、サーヴァントの機能と証がなくとも、サーヴァントに届きうる力を持つ彼らは、地獄の戦線を切り抜けることができる。
孤立したマスターに狙いを絞り、直接交戦を避けさえすれば、一点突破の暗殺も、達成することが可能だ。
それはパスダーの思惑を、誰よりも正確に反映する、彼らなればこそのミッションでもあった。
「すぐさま準備を整えよ。来たるべき戦いの成果を、我が元へと持ち帰るのだ」
「は――!」
容姿も声音もばらばらであったが、返答を発するタイミングまでは、不気味なまでに一致していた。
そして四つの影全てが、完璧すぎるタイミングで、一斉に同時に姿をかき消す。
当然だ。自我のない人形同士であるなら、衝突する個性など持つはずもない。
彼らは完璧な統率のもとに、黄金のサーヴァントのマスターを追い詰め、その命を確実に奪い去るだろう。
後は準備が整うまで、ゆるりと待ち続ければいいだけのこと。
マスターを、同盟を結んだ相手を。そして聖杯の力ですらも。
全てを矢面に立たせて、遠い安全圏から糸だけを伸ばし、我が意のままにと操りながら。
暗く冷たい深淵の中で、自らの完全覚醒の時を、パスダーは悠然と待ち続けていた。
【聖杯戦争異伝・世界樹戦線――――――残り22組】
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※全マスターおよびサーヴァントに、念話にて定時放送が行われました
※アーチャー・星矢の討伐令が発令されました。
星矢を討伐したマスターには、監督役から特典が贈られることになります。
またアンドレアス・リーセおよびサガラは、星矢を討伐することで、英霊の情報が公開されると踏んでいます。
全マスターおよびサーヴァントには、星矢について、
「金色の鎧を着たアーチャー」「学術地区に出現している」「霊体化を行うことができない」という情報が与えられています。
※市内各所における検問の準備と、マリア・カデンツァヴナ・イヴの指名手配が完了しました。
※中学校での戦闘を受け、学術地区の各学校が、休校体制を取りつつあります。
少なくとも午後1時までの間に、全ての学校が休校となる予定です。
※E-8のホテルに、マリア・カデンツァヴナ・イヴが宿泊しています。
※パスダーがシャドウサーヴァント「ピッツァ」「ポロネズ」「プリマーダ」「ペンチノン」を召喚し、自らの手駒としました。
シャドウサーヴァントは自我を持たないため、独立した参加者にはカウントされず、状態表を持ちません。
神埼士郎の使役するライダーや、アルバート・W・ワイリーの生み出したナンバーズのような、使い魔型宝具と同様のものとして扱います。
『シャドウサーヴァント・機界四天王』
シャドウサーヴァントとは、サーヴァントとして召喚されながらも、様々な要因から完遂に至らず、不完全な形で誕生した霊体である。
本来の聖杯戦争では召喚されるはずのない存在であり、
彼方の並行世界において、聖杯が引き起こした特殊な事例の最中に、その存在が確認された。
そして今回、世界樹を部分的に侵食し、その魔力と情報を悪用したことで、
同様の状態に至ったパスダーが、独自に召喚したものが、この機界四天王である。
機界四天王は、飛行機の特性を持つ「ピッツァ」、列車の特性を持つ「ポロネズ」、
自動車の特性を持つ「プリマーダ」、船舶の特性を持つ「ペンチノン」からなる、四体の生機融合体・ゾンダリアンである。
元々肉体と自我を有していた生命体を、ゾンダー化し捻じ曲げることで生まれた存在であるため、
これら機界四天王の魂は、英霊の座に存在しておらず、正規の方法でサーヴァント化することはできない。
今回召喚された四体にも、生前の魂は宿されておらず、
あくまでパスダーとムーンセルに記録された情報を元に、それらしい振る舞いを演じているに過ぎない。
完全なサーヴァントになることがかなわなかったため、彼らはクラス・スキル・宝具を有していない。
しかしサーヴァントになるはずだった彼らは、サーヴァントに匹敵するだけの魔力を有している。
まともに戦えば、サーヴァント相手には押し負けてしまうが、それでも並の使い魔ならば、遥かに凌駕するほどの力を発揮するだろう。
また、シャドウサーヴァントの特徴の一つとして、そもそもが粗悪品であるが故に、大量召喚が容易である点が挙げられる。
今でこそ四体で構成されている機界四天王だが、この先パスダーの力が増大した時に、数が増えないという保障はどこにもない。
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投下は以上です
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投下おつー
パスダーは原作的には中ボスなんだけど、流石は前期ラスボスの風格だよな
目覚めよのところがかっこよかった
四天王は偽物だからこそ四十天王とかになりかねないのは怖い
一つの騒動の目になってしまったまどか星矢たちは果たしてどうなるか
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投下お疲れ様です
こうも簡単にかつての軍勢の最高幹部を疑似的とはいえ全員召喚されるって
本編だけでも78人いたナンバーズを制約付きで8人しか呼べなかったワイリーが涙目だな…
(しかも無制限に再召喚される可能性も否定できない)
DWNに人格の描写をつけるとしたらどの作品を準拠にするかで混乱する事は
間違いなしだろうから仕方ないんだけれど
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一つ言い忘れていたことがあったので、ここで告知
今回の第一回放送から、予約期限を延長させていただきます
従来の5日から7日、延長期限は2日から3日
これからは最大10日間予約を維持できるようになります
今後も世界樹戦線を、よろしくおねがいします
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一年ぶりですが放送投下乙です。
それでは私も、
衛宮士郎&キャスター(神崎士郎)
雅緋&ライダー(ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア)
予約します。
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おおー、世界樹も復活か!?
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投下します。
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自室のホテルで士郎は、あのDJからの放送を聞いた後、暫く考え込んでいた。
いや、別段躊躇があるわけではない。只、その誘いに乗るかどうかの話だ。
(令呪は多ければ多い程良い……)
魔力消費が膨大なオーディンなら、尚更だ。
もし令呪の魔力をデッキに喰わせれば、オーディンの戦力は上昇する。
そうすれば、士郎の力は格段に上がる。
(だが、その分乗り越えるリスクも倍になるはずだ)
現状では、士郎の戦力はとてもではないが高いとは言えない。
頼みのオーディンのデッキは魔力を喰い、まともに扱えるデッキも三枚。
後はキャスターが手駒を増やし、そして、あの切札が完成すればの話だが……
(……そう言えば、キャスターからの報告がまだだったな。)
士郎は念話を掛け、キャスターに何かあったか、と念話で問う。
『どうした、マスター。』
キャスター……神崎の声が、衛宮の脳内に響く。
何時もなら、少なからず金属音の様なノイズが走るはずなのだが、そんな物も無くサーヴァントの声はマスターに伝わる。
『何か、分かったことはあるか?』
『現状では有るが、幾つかの事は教える。』
キャスターは、繁華街で見掛けた幾つかの事例を話す。
まずは、此処らを仕切っていたマフィアのリーダーが負傷した事。
「じゃあ、あの空気は……。」
『恐らく、リーダーを失い、彼等も騒然としているのだろう。
そして―
『赤い目をした住人?』
『そうだ、俺が繁華街の周囲を探索した所、幾つかの人間の目が、時折紅い光を見せていた。』
赤い目と聞けば些細なことかもしれないが、念のため聞いておくべきだ。
もしかしたら一種の呪いの様な魔術も掛かっているかもしれない。
『それで、その特徴は。』
『2つある、一つは眼球がルビーの様に光るタイプ、もう一つは、目の周りから光を発するタイプだ。』
『もしかしたら、何か暗示を掛けられている可能性は。』
『恐らくだがな。少なくとも、そのようなNPCにはデッキは渡していない。』
『……済まないな、其処も引き続き調査を頼む……それと。』
『何だ。』
『……お前にも聴こえたか、先程の討伐令。』
『乗るのか、だが我々の現状の戦力は些か心許ないぞ。それだけではない。多くのマスター達が討伐令に食らいつくはずだ。
その中には対聖杯派が含まれる可能性すらある。』
嘗て戦いに消極的だったものに力を与えた神崎なら、分かる話だ。
自身も幾つかのループで、戦いたくないと思っていた者二人に、ある特別なカードを渡した物だった。
その名は「SURVIVE―サバイブ」、ライダーデッキの力を極限にまで高める、正に生存するための切札。
マスターに渡しているオーディンのデッキも、サバイブのカードを組み込んで構成されている物だ。
『……作れるか、サバイブのカードを。』
確かに、神崎はミラーモンスターを捨てた。
彼が鏡に描き続けたのを怪物から、人々の笑顔へと変えたのを切っ掛けに。
だが、アドベントカードの製作なら決して難しくはない。
事実、オリジナルなカードを作成した教授も存在するのだ。
十三枚のカードデッキと全く同じ環境下でなら、作成することなど屁でもない。
それに他の十二枚―現在残っているのは九枚だが―は、オーディンと比べると然程魔力は喰わない。
NPCでも問題なく動かせるだろうし、何より、自分達の存在を秘匿できるのは、大変都合がいい。
『作るのは不可能ではない。だが問題はいくつか存在するぞ。』
『……そうだな。』
-
顎に手を置き、士郎も肯定する。
確かに、いくつかの欠点も出てくる。
一つは、やはりオーディン程サバイブの力は発揮できないこと。
オーディンには、契約モンスター・ゴルドフェニックスの力がある程度残っている。
が、他のブランクデッキとなればそうは行かない。
況してや十二枚のデッキは程度の違いこそあれどオーディンよりも弱めに設計されている。
力はあるが、頼りすぎるのも良くないことだ。
『それに、サバイブはオーディン程ではないが、魔力は相当に喰らう。
事実、サバイブ形態は体力の関係から時間制限が掛けられている。』
『そうか……そうなれば実戦投入は。』
『今揃っているライダーだと難しいだろうな。寧ろ、仮面ライダーの数を増やしていった方が、よっぽど効率が良い。
……使う用意は整っているがな。』
―討伐はお預けか。
その結論に至った後、士郎はキャスターと共に、その次の話に移行する。
『で、サバイブを入れるデッキは……。』
『俺が勧めるのは龍騎、王蛇、そしてリュウガの三体だな。』
何れもパワーバランス的には、非常に高いスペックを有した仮面ライダーだった。
数値的に最も高いのはリュウガ。
だが極めて高い精神性と肉体を有した犯罪者に与えた王蛇は、多くのライダーにとって脅威になったものだった。
また龍騎も、ポテンシャルは非常に高く、とあるループにおいてはリュウガをいなした程の高いポテンシャルを有し、神崎も散々手を焼かされた経験を持っている。
この3人のデッキの基本スペックの高さはライダーバトルの均衡にも大きく関わった。
『金棒を持たせるなら鬼が一番、てことか?』
『作成できるのは烈火・疾風のカードだが、高性能なデッキに与えれば戦闘力は向上するだろう。だが……。』
その理屈は、ライダーバトルでなら尚更通じただろう。
だが、この戦いにおいて仮面ライダーは、蹴り落とす者ではない、生き残らせる者なのだ。
殺すために戦わせるのではなく、生き残るために戦わせるのだ。
なるべく生き残らせるためにも、比較的弱めのデッキにカードを渡すと言う手もあるはずだ。
『じゃあ、デッキは他の……』
『性能が低めのライダーに優先して渡すと言う手段が、戦力バランスとしては最適だろう。』
事実、最後のループでオーディンを討ったナイトサバイブの基本スペックは比較的低い方にある。
それに、上に挙げた三枚を切札として隠匿する手段もある。
金集め役のベルデに渡すと言う選択肢すらあるのだ。
『とにかく、今動く訳にはいかないが―。』
『念入りは必要だな、分かった。サバイブのカードは出来る範囲内で作成しておく。
同時に、それを扱うライダーもな。』
『ああ、引き続き頼む。』
-
ケットからオーディンのデッキを取り出す。
電灯の薄明るい光に、デッキの金メッキが反射する。
試しに士郎は、デッキからカードを一枚、取り出してみる。
捲れば其処には、先の羽が描かれていない、不死鳥の胴体を象ったカードが、一枚。
(SURVIVE、か)
カードをデッキに仕舞い、士郎はそのまま横になりながら何かを考える。
【B-8/歓楽街・安ホテルの一室/一日目 早朝】
【衛宮士郎@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ドライ!!】
[状態]健康
[令呪]残り三画
[装備]干将・莫耶
[道具]オーディンのライダーデッキ
[所持金]数日寝泊りできるほど
[思考・状況]
基本行動方針:優勝狙い
1.情報収集に出た神崎が帰還するのを待つ
2.宿を拠点として、他のマスターを探す
3.赤毛のマスター(=羽佐間カノン)を警戒。多分ミラーワールドからの奇襲は、二度と通用しない
[備考]
※護衛として、仮面ライダータイガ、仮面ライダーインペラーに変身するNPCが近くにいます。
戦闘時には即座に現れ、士郎を援護するように洗脳されています。
※シールダー(=我愛羅)およびそのマスター(=羽佐間カノン)の外見特徴を把握しました
【キャスター(神崎士郎)@仮面ライダー龍騎】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]ライダーデッキ×7
[所持金] なし
[思考・状況]
基本行動方針: マスターの戦いを見届ける
1.歓楽街が騒がしい。緊張の原因を調査する
2.ユグドラシル全域からNPCを選別し、仮面ライダーを増やす
3.赤毛のマスター(=羽佐間カノン)を始末する
4.サバイブカードの作成を考慮する、デッキの選定は状況に併せて
[備考]
※町のNPC3人を洗脳し、ベルデ、インペラー、タイガのデッキを渡しています。
また、現時点でガイ、ライアのデッキが破壊されています。
【『ライダーデッキの仮面ライダー』】
【仮面ライダータイガ(歓楽街のゴロツキNPC)】体力100%・現在地 B-8 歓楽街・安ホテルの一室
【仮面ライダーインペラー(歓楽街のゴロツキNPC)】体力100%・現在地 B-8 歓楽街・安ホテルの一室
[備考]
士郎の護衛として、常に近くで行動しています。
戦闘時には即座に乱入し、士郎を守りながら戦闘を行います
【備考】
・サバイブカード
ライダーバトルを加速させるための切札として作り出された三枚のアドベントカード。
それぞれ「疾風」「無限」「烈火」の三枚の名を持つ。
これをカードから引き抜くだけで余波エネルギーが巻き起こる(烈火は炎、疾風は風)程のパワーを有する。
強化された召喚機に装填することで「サバイブ」へと変化し、パラメータが向上する。
アドベントカードが強化・追加され、契約モンスターも新たな形態へとパワーアップする。
ただし、その分エネルギーの消費も激しく、ある程度の時間しか変身できない。
その上デッキには一枚しか入っていないので、一度使えば再変身時まで変身不能。
因みにオーディンのデッキには「無限」のサバイブが常時発動していると言う状態になっており、他のライダーを圧倒するほどの戦力を発揮できたのはそれも関与している。
最も、例えサバイブを使おうとも、オーディンには敵わぬ様に設計されているのだが。
ただし、この聖杯戦争において再現されたサバイブカードは、ミラーモンスターがいない関係から戦闘力が大幅に減少している。
-
◆ ◆ ◆
「学校に討伐司令……それに、ロボットのサーヴァントか。」
朝方の閉された病院。
その一室にて、雅緋、それにライダー……ルルーシュもまた、現状において入ってきた情報の整理を行っていた。
ベッドの側にあるデスクに腰掛けたルルーシュはファイルに挟まった紙をパラパラと捲り、ペンをくるりと一回しして情報を整理する。
ファイルには、部下からの話をメモした情報が、筆記体の英語で記されている。
生涯の半分以上を日本……エリア11で過ごしていたとは言え、ルルーシュもブリタニアの人間だ、癖とは付く物である。
「しかし、お前以外にロボットを使う者がいたとは、つくづく奇妙な話だ。」
「KMF(ナイトメア)等、私がイレブンに送られた頃には既に開発が始まろうとしていた。
寧ろ、私からすればお前の忍転身とやらが驚きものさ。」
「まあ良い話を戻すぞ、それで、あのロボットの外見だが……」
メモを見直しながら雅緋は、ルルーシュと共にそのロボットの情報を整理する。
「特級住宅街にロボット……大きさは、ざっと50m。」
苦虫を噛み潰したような笑みで雅緋はライダーに顔を向ける。
「驚いたなぁライダー、確かお前のロボット軍団は5m前後だったはずだぞ……行けるか?」
「戦術面では確かに困難だろう、だが、情報さえ揃えば、後は戦略で徹底的に叩きのめすだけだ。
戦略が、戦術に負けるはずは……無い、はずだ。」
その言葉に雅緋はハァと溜息を付き、話題を切り替える。
「ロボットに関しては……情報の整理が必要だな、ライダー。」
「後で偵察を頼む。それはNPCからでも、お前の部下からでも構わん。」
ファイルのページを捲り、部下の名簿、及びギアスを掛けた人間の身元が書かれたファイルに一旦互いに目を通す。
それを閉じた後、先程の討伐司令について話し合う。
「戦力は出来る限り蓄えておいた方が良い。何なら、学校にトラップを仕掛けると言う手もある。」
「だが、私の魔力はあまり多い方ではない。令呪が再び手に入る、というのは嬉しい話ではあるのだが……。」
「となれば、まずは下準備……魔力の問題だな。直に書物が届く、後はそれを調べ上げるだけだ。」
現在、図書館に人間を三人、向かわせている。
魔力関係における書物を持ってこさせるためだ。
やってきた後は取りに行くだけだ。その為にも、地雷の類たるトラップは周囲に設置していない。
「済まないな、やはり知識が我々には足らんか。」
雅緋もライダーも、互いに神秘の類に近づいた人間では有る。
が、このユグドラシルシティに浸透しているそれは、ギアスともコードとも、忍ともカグラとも、全くの別物だ。
聖杯に送られた一握りの知識では足りない、情報の整理が必要だ。
「それに、図書館は討伐主従が隠れ住む学府にも近いはずだ。
道の周りの情報も聞ければ良かったな。」
しかし、雅緋とライダーは知るだろうか。
先程まで図書館に、彼女の仲間がいたという事実を。
-
【B-8/歓楽街・病院/一日目 午前】
【雅緋@閃乱カグラ SHINOVI VERSUS -少女達の証明-】
[状態]胴体にダメージ(中・回復中)、魔力残量7割
[令呪]残りニ画
[装備]病院着
[道具]妖刀、秘伝忍法書、財布
[所持金]そこそこ裕福(マフィアの運営資金を握っている)
[思考・状況]
基本行動方針:優勝を狙う
1.傷の回復に専念する。動けるようになったら、再び戦場へ赴く
2.万一襲撃されてもいいように、部下からの報告には、慎重に耳を傾ける
3.聖杯にかける願いに対する迷い
4.討伐令は見送りたいが、令呪は必要だと思う
[備考]
※ランサー(=駆紋戒斗)の顔を見ていません
※黒咲隼がランサー(=駆紋戒斗)のマスターであることに気付いていません
※投薬により、肉体の回復速度が上がっています。
そのかわり、無理に治癒能力を高めているため、反動で傷の痛みが強くなっています。
【ライダー(ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア)@コードギアス 反逆のルルーシュR2】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]各種トラップの起動スイッチ、無線機
[所持金]なし
[思考・状況]
基本行動方針:雅緋を助け、優勝へと導く
1.なるべく雅緋の傍に控え、身の安全を確保する
2.魔力確保の方法を探る
3.雅緋の迷いに対して懸念
[備考]
※ランサー(=駆紋戒斗)の顔を見ていません
※黒咲隼がランサー(=駆紋戒斗)のマスターであることに気付いていません
[全体の備考]
※歓楽街全域で、雅緋の息がかかった組織のマフィア達が、敵マスターの襲撃に備え見回りをしています。
D-9にある雅緋のアジトには、雅緋本人はいませんが、外敵をごまかすために、周辺に多めの人員が配置されています。
不審な人物がいた場合、それぞれが所有している無線機を通じて、すぐさまルルーシュへと情報が伝えられます。
※B-8の病院周辺に、ルルーシュが破壊工作スキルによって設置した、無数のトラップが仕掛けられています。
罠にかかった場合、サーヴァントであっても、ダメージを負うことになります。
※行政地区にて敵マスターを捜索していた、マフィア達が撤収しました
※NPC三名に、魔力関連の書物を持ってこさせています。
それぞれ別のルートを通らせて病院に向かわせています。
途中で殺されそうになりそうな可能性は頗る高いですが、なるべく動くべき。
ギアスに操られた一般人か雅緋の部下かは、後述の書き手にお任せします。
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投下終了です。
追記、修正はWiki収録後行います。
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先程Wikiに収録、及び追記、修正を行ったことを表記致します。
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本スレッドは作品投下が長期間途絶えているため、一時削除対象とさせていただきます。
尚、この措置は企画再開に伴う新スレッドの設立を妨げるものではありません。
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