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本スレに投下するか迷ったような作品を投下するスレ

1名無しさん:2009/04/25(土) 07:55:51
このスレッドでは本スレで投下すると荒れると思ったような作品など
本スレで掲載しずらい作品を掲載するためのスレッドです

・掲載可能ジャンルは本スレッドに準じ「人外と人間」のカップリングとします。
・エロ、非エロは問いません
・作品には属性、プレイなどの説明を本文の前に1レス書いてください
・できれば名前欄に識別できる言葉(作品名,カプなど)を書いてNG指定可能な状態にしてください。
・このスレでは作品の投下、およびその作品への感想レス以外の書き込みは控えてください
・本スレにURL形式でリンクを張ることも可能です
・スレ違いには絶対スルー推奨。

170人魚と魔術師見習い 6 3 859 ◆93FwBoL6s.:2010/04/05(月) 20:42:04 ID:FGEk/ISY

「中に出してくれないんだったら、こうすればいいだけよ」
「全く、もう」

 広海はミチルの強引さに呆れかけたが、ミチルは身を起こし、小さく咳き込んだ。

「それだけ好きってことなんだから、つまんないこと気にしないでくれる? 癪に障るから」
「解ったよ」

 広海は下着と寝間着を引っ張り上げてから、ミチルを後ろから抱き寄せた。

「解ればいいの」

 ミチルは広海に覆い被さられながら、水着の胸元を握り締めた。口中にはまともに飲んだ精液の味が濃く残り、
喉には熱い固まりを飲み下した違和感が残っていたが、幸福感で涙が出そうだった。寝付くに寝付けなかった
せいで何度となく見た虚ろな夢の中では、ミチルは泡と化して海に溶けた。その度に目を覚まし、精液の温もりと
広海が付けた肌の痕を確かめずにはいられなかった。広海に髪や頬を撫でられながら、ミチルは頬を緩めた。
 彼の腕の中は、春の海のように温かかった。


 見慣れない道具が、縁側にずらりと並んでいた。
 爪ヤスリ、ヘアブラシ、コンコルド、シュシュ、ヘアピンだと稲田ほづみは説明してくれたが、どれがどれなのかも
ミチルには把握出来なかった。だが、持ってきてくれるように頼んだのは自分なので、まずはどれが何なのか
見分けを付けることから始めることにした。ほづみから教えてもらった名前とその物を一致させるのは苦労したが、
なんとか覚えられた。ミチルは銀色に輝く金属製の爪ヤスリを取り、眺めていると、ほづみはミチルの手を取った。

「これはね、こうやるの」
「…うっ」

 ざらついた金属板に爪先をごりごりと擦られる違和感にミチルが呻くと、ほづみは笑った。

「大丈夫大丈夫、すぐに慣れるから」
「でも、なんか、指まで削れちゃいそうな気がして」

 ミチルが怖々と目を上げると、ほづみはミチルの硬い爪先を丹念に擦って滑らかにした。

「そんなことないって。ほら、もうちょっとで仕上がるから」

 仕上げの細かいヤスリで擦ってから、はい出来上がり、とほづみに手を解放され、ミチルは指先を見つめた。
憎らしかった爪が丸くなり、刃物じみた鋭さも取れて鈍角になっている。ほづみは、爪ヤスリをミチルに渡した。

「じゃ、次からは自分でやってみてね。やり方は今の通りだから」
「人間って凄い道具を使うんですね」
「こんなのは大したことないって。もっと凄いのがあるけど、それはまた今度ね。一度じゃ覚えきれないし」

 ほづみはミチルの藍色の長い髪にヘアブラシを通していたが、爪ヤスリを凝視するミチルの横顔を覗き込んだ。

「だーけど、微笑ましいったらないわねー。綺麗にしたいから教えてくれ、だなんて」
「何もしないままでいるのは、なんだか広海に悪い気がして」
「解るわー、その気持ち」

171人魚と魔術師見習い 6 4 859 ◆93FwBoL6s.:2010/04/05(月) 20:43:27 ID:FGEk/ISY
 ほづみはミチルの長い髪を一掴みにしてまとめると、くるくると捻ってまとめてからコンコルドで留めた。

「ただ着飾るのも楽しいけど、見せる相手がいると張り合いが出るもんだしね」
「ほづみさんの相手って、確か、茜の友達の」

 あの調子の良いトンボの、とミチルが付け加えると、ほづみは明るく笑った。

「そうそう、アレよ、アレ。ちょいと頭は軽いけど本当に馬鹿ってわけじゃないし、結構良い奴だから、ミッチーも
気が向いたら付き合ってあげてね。もちろん、優先順位は広海君が上だろうけど」
「考えておきます。それと、結局、ミッチーで決定なんですか?」
「呼びやすいに越したことはないし、その方が親しみがあっていいじゃない」

 ほづみはミチルの髪からコンコルドを外し、お団子にしてから太いヘアピンを差し込んで固定した。

「こんなんでどうかしら」

 ほづみはミチルの後頭部に鏡を翳し、ミチルに手鏡を手渡した。ミチルは合わせ鏡に映った自分の髪型を見、
まじまじと眺めてから、ほづみに振り返った。

「あなたは魔法使いですか」
「まさか。こんなこと出来る人間なんていくらでもいるって」

 ほづみはシュシュを広げ、お団子の根本に柔らかく填めた。

「この道具は使い古しだし、処分するよりいいからミッチーに譲るわ。練習しないと出来るものも出来ないし」
「そんなのって」

 いいんですか、と言いかけたミチルに、ほづみはにんまりした。

「綺麗な歌を聴かせてくれた御礼よ。人魚の歌なんて、そう滅多に聞けるもんじゃないでしょ?」
「ありがとうございます、ほづみさん」

 ミチルが頭を下げると、ほづみは妹を見るような眼差しで目を細めた。

「これからも色々とあるだろうけど、頑張りなよ。私や茜や祐介君は逆の立場だけど、苦労は変わらないから」
「はい!」

 ミチルは顔を上げ、頷いた。

「私さぁ、彼氏にトンボを選ぶなんてこれっぽっちも考えたことがなかったんだよね」

 ほづみはミチルの前髪を分けて整えてやりながら、穏やかに述べた。

「世の中、そこら中に変なのが生きているけど、相手にするはずがないって思っていたのよね。偏見があった
わけじゃないけど、縁がなかったのよ。シオの前に付き合ったのは全部人間だったし、友達も人間ばっかりで、
人外と付き合う機会なんてなかったんだわ。でも、いざ付き合ってみると、ただの人間よりも何十倍も面白いんだわ、
これが。人生を損してた気がするわ」
「広海もそう思ってくれているんでしょうか」
「そうかもしれないけど、まあ、人それぞれだからね」

 それはそれとして、とほづみは声を潜めてミチルに顔を寄せた。

172人魚と魔術師見習い 6 5 859 ◆93FwBoL6s.:2010/04/05(月) 20:46:39 ID:FGEk/ISY

「今度からはもうちょっと大人しく励んでね? でないと、色々と気まずいから」
「え、あ、あっ!?」

 間を置いてその意味に気付いたミチルが固まると、ほづみは身を引いた。

「とにかく壁が薄いのよ、ここ。私らも他人事じゃないけど」
「広海にも、そう言っておきます…」

 赤面しすぎて茹だったミチルは俯き、ビニールプールに映る自分と向き合った。髪を上げたのは初めてで、
普段は髪に隠れている両側頭部のヒレの根本や首筋も露わになっていて、ちょっと恥ずかしかったが、広海に
見てもらいたくなった。ミチルはほづみから慰めとも冷やかしとも付かない言葉を掛けられ、受け答えながら、
少しだけだが自信が持てるようになった。華やかなラインストーンが付いたコンコルドは、広海と主従の契約を
交わしたために十五歳の成人の儀式をしないままだったミチルに与えられた、成人の証のように思えた。
 隣家の庭に咲く散り際の桜が、また一枚、花びらを落とした。


 二度目の釣りも大漁だった。
 広海は桟橋から釣り糸を垂らしつつ、適当に見繕ってきた昼食を摂っていた。桟橋に腰掛けているミチルは、
自分で捕まえてきた生魚に喰らい付いている。骨の一本もヒレの一枚も残さずに食べるので、無駄がない。
大型連休を終えた次の週末だからか、釣り人はまばらだった。それもまた、釣果が冴えている理由なのだろう。
 ミチルの後頭部には人魚の遊泳速度で泳いでも崩れないほど見事に丸められたお団子の髪が載っていて、
水着に合わせたヘアピンが刺さっている。もちろん、海水でも錆びないように魔法で処理済みだ。一線を越えて
からすぐ、103号室の住人である稲田ほづみから髪の結い方を教わったミチルは、髪を上げるようになった。
充分似合っているし、美しく豊かな髪が汚れないで済むのでいいことだと思うのだが、その理由が解らなかった。

「ねえ、ミチル」

 広海はペットボトルのお茶で喉を潤してから、手前に座るミチルに問い掛けた。

「なんで、髪の毛いじるようになったの?」
「これだけ伸びたのに切るのは勿体ないでしょ」
「そりゃ、まあ。でも、それだけじゃないような気がするんだけど」
「だったら、当ててみたら?」

 振り向いたミチルは、血に汚れて紅を差したような唇を舌先で舐めた。その勝ち気な表情と仕草に、広海は
ぎくりとした。それ以上見てしまったら妙な気持ちになりそうなので、目を逸らしながら広海は懸命に考えた。
たっぷり間を置いてから、やっと感付いた。人魚姫の童話に登場する人魚姫の姉達は、髪を切って魔女に渡し、
王子を殺す短剣を手に入れた。それは、姉達が己の純潔を捨ててまでも人魚姫に現実を知らしめる暗喩だと
されているが、現実の人魚族でもそれほど遠い意味ではないと大学の図書館で読んだ研究書に書いてあった。

「髪が短い人魚は既婚だ、ってやつ?」

 広海はそう言ってから、がたっと折り畳み椅子を揺らした。

「え、ええ!?」
「意味が解ったんなら、責任取ってよね。どうせ、私は海には戻らないつもりだし」
「切ってないってことは、ああつまりそうか、ちゃんと結婚したら髪を切るってこと?」
「そうに決まってんでしょ」
「ちょっと待って、うん、ちょっとだけ待ってね」

 広海はミチルの潔さに少しだけ臆したが、気を取り直した途端、何かが弾けた。

「ああもう好きだ大好きだぁああああっ!」
「ちょっ…!」

 ミチルは目を剥いたが、広海に飛び掛かられて桟橋から海に落下した。どばぁん、と荒々しい水柱が上がり、
広海が垂らしていた釣り糸は吹き飛んで大量の水飛沫が散った。細かな泡に包まれながら浮かび上がった
ミチルを、広海は力一杯抱き締めてきた。

「馬鹿」

 ミチルが照れてそっぽを向くと、広海はフロートジャケットのおかげで浮きながら苦笑した。

「あー、そうかも…。帰りのこと、考えてなかった」
「でも、言ったからね! ちゃんと言ったからね! だから、責任取らなきゃ許さないんだから!」
「はいはい」

 広海は頑なに顔を見せようとしない彼女の腰と肩に手を回し、笑った。

「僕なんかで良かったら、いくらでも」

 海の中にも、陸の上にも、王子様なんていやしない。いるとすれば、何があろうとも傍にいてくれる相手だけだ。
その相手を見つけることは出来ても、結ばれることはそう簡単ではない。だから、童話の住人となった人魚姫は
海に身を投げて泡に戻ってしまった。だが、世界は変わり、海と陸の隔たりは薄くなりつつある。広海とミチルは
その狭間で揺らぎ、迷い、悩んだが、嵐が過ぎてしまえば凪いだ海が待っているものだ。
 そして、宝箱のような結末も。

173859 ◆93FwBoL6s.:2010/04/05(月) 20:48:53 ID:FGEk/ISY
以上。これにて完結です。
最後までお読み頂き、どうもありがとうございました。

174859 ◆93FwBoL6s.:2010/04/05(月) 20:52:36 ID:FGEk/ISY
今し方誤字脱字を発見。

×「これからも色々とあるだろうけど、頑張りなよ。私や茜や祐介君は逆の立場だけど、苦労は変わらないから」
○「これからも色々とあるだろうけど、頑張りなよ。私や茜ちゃんや祐介君は逆の立場だけど、苦労は変わらないから」

ほづみの茜に対する二人称を間違えてしまいました。

175変態紳士:2010/04/06(火) 21:03:58 ID:.qT7mq5c
GJ!!!
うまくいって良かった。
人外アパートの面々との絡みも面白かった。

176変態紳士:2010/05/01(土) 06:18:44 ID:I2RJvCyQ
こっち来てるのに気付かなかった
遅ればせながらGJ!ハッピーエンドで良かった

177変態紳士:2010/05/22(土) 13:47:25 ID:CbeZE.kU
アンダーグラウンドの続きはまだだろうか…。
ヒロインの名前が変わっても待ってます!

178859 ◆93FwBoL6s.:2010/05/31(月) 16:20:23 ID:2kwiZbLg
本スレに投下しようと思ったら、また規制中につきこちらに投下。
人外アパートで、住人達がそれぞれの恋人についてダベるだけのSS。
なので、カプ要素も薄ければエロもありません。NGは人外成分談義で。

179人外成分談義 1 859 ◆93FwBoL6s.:2010/05/31(月) 16:21:51 ID:2kwiZbLg
「物足りないなぁ」

 秋野茜はストローを銜え、溶けかけたチョコシェイクを啜り上げた。

「だったら、追加注文すればいいじゃない。高いものでもないんだし」

 その隣では、綾繁真夜が紙ナプキンで油と塩に汚れた指先を拭っていた。

「てか、そんなに喰い足りないんすか? 茜も結構喰ったのに」

 二人の向かい側では、人型シオカラトンボの少年、水田シオカラが顎を開いてざらざらとポテトを流し込んだ。

「そういうんじゃなくってさ」

 茜はストローを口から離し、冷えた舌で唇を舐めた。中間テスト期間中だけあって、ハンバーガーショップの店内には
三人と同じような目的で集まった中高生で溢れ返っていた。狭いテーブルに参考書やプリントを広げていたり、テストの
成果を話題に盛り上がっていたり、或いはテストそのものから逃避するように遊ぶ相談をしていたりと、いつも以上に
騒がしかった。茜らは、この店で腹拵えをしてから一番集中出来そうな真夜の家に移動して勉強する予定なのである。

「なんていうのかなー、こうっ!」

 茜が両手を上向けて妙な格好をすると、真夜は少し残ったアイスコーヒーを啜った。

「だから、何がよ」
「もしかしてあれっすか、兄貴が御無沙汰だからっつーことっすかマジでマジで」

 シオカラがにやけると、茜はシオカラを引っぱたいた。

「違うよ、そういうんじゃないってば。全くもう、しーちゃんは」

 アイスコーヒーのカップを置いた真夜は、零れ落ちてきた黒髪を耳元に掻き上げた。

「差し当たって、茜は何が足りないのよ?」
「うーん、だからね、そのね」

 茜は気恥ずかしげに、半袖セーラー服のスカーフを抓んだ。

「……もふもふしたいなぁって思っちゃって」
「あーそりゃ確かに兄貴にはないっすね、てか俺っちにもないっすね。もふもふマジパネェ」

 シオカラはダブルチーズバーガーを一度で半分以上囓り、ほとんど固まりのまま嚥下した。

「もふもふ、ねぇ」

 真夜がちょっと笑うと、茜は力説した。

「そう、もふもふ。そりゃ、ヤンマは硬くてゴツくてでかくて飛べて男前で強くて可愛くて馬鹿でそりゃもう好きで好きで
世界なんか小指の先でひっくり返せそうなレベルなんだけど、たまーに、たまぁーに、もっふもっふした生き物のお腹に
顔を埋めたくなっちゃうの。ふっかふかの毛並みとぬっくぬくの体にぷにっぷにの肉球にぴこぴこ動く耳とふにゃふにゃ
した尻尾とかがとにかくビックリするほどユートピアっ! って生き物にさぁ」
「要するにネコ科っすか」
「そう、にゃんこ! もふにゃんこぉ!」

 シオカラの言葉に茜は力一杯同意して腰を浮かせかけたが、すぐに座り直した。

「にゃんこな人達ともっふもふするのはヤンマに悪い気がするんだけど、衝動は抑えきれなくて」
「そういえばマヨリンって、マジ変身とか出来ないんすか? ガチ魔法少女だし」
「何よ、そのマヨネーズの妖精みたいな愛称は」

180人外成分談義 2 859 ◆93FwBoL6s.:2010/05/31(月) 16:24:03 ID:2kwiZbLg
 シオカラのいい加減な渾名に真夜は少しむっとしたが、茜に向いた。

「そりゃ、私は魔女だし、変身術もそれなりに覚えたけど、期待に応えられるほどのものには変身出来ないわ。
やろうと思えばネコには変身出来るけど、あんまりもふもふにはなれないし、それに……」
「あ、そっか。真夜ちゃんは全裸になるんだ! ネコは服を着ないもんね!」
「知っているなら大声で言わないでよ!」

 茜の無遠慮な物言いに真夜は赤面しかけたが、体面を保った。

「と、とにかく、そういう理由だから。いくら友達同士っていっても、無防備な姿の時にいじくられるのはちょっと」
「それはそれでマジ萌えるんだけど。にゃんこマヨリンと茜のイチャコラ」
「だからその頭の悪い愛称をやめてくれないかしら。触角引っこ抜くわよ」

 真夜は唇を曲げ、シオカラの触角を本当に引っ張った。シオカラは頭を振って真夜の手を払い、紙ナプキンで顎を拭った。

「うへへ、サーセン。てか、マヨリンは物足りないもんとかあるっすか? てかないっすよね、アーサーの兄貴が相手じゃ」
「……ロボ」

 真夜は店内の騒がしさに紛れるほど小声で呟き、視線を彷徨わせた。

「う、うん、もちろん、アーサーに不満なんてないわ。強いし格好良いし紳士だし夜は凄いし炊事洗濯は得意だしちょっと
ドジで抜けてるところもすっごい萌えて全人類なんて余裕で敵に回せちゃうんだけど、茜のアパートに最近越してきた、
ブライトウィングさんっていらっしゃるじゃない? 地球防衛軍の。で、そのブライトさんが変形したり巨大化したりするのを
見ていると、ああうちの人もこうだったら、って考えちゃうの」
「真夜ちゃんって、ロボットものとか好きなの?」
「ええ、まぁ。それなりに。アーサーは理解出来ないって言うから、最近はそんなに見てないんだけど」

 真夜がやりづらそうに付け加えると、茜は腕を組んだ。

「それは難しい問題だね。まさか、アーサーさんにオールスパークの洗礼を浴びせるわけにもいかないし」
「そうなのよねぇ」

 真夜は悩ましげに目を伏せていたが、シオカラに向いた。

「そういうシオカラ君はどうなのよ? ほづみさんに不満なんてなさそうなもんだけど」
「いやぁー、それがそうでもないんすよね」

 シオカラはダブルチーズバーガーの包み紙をぐしゃぐしゃと丸め、ポテトの紙ケースに突っ込んだ。

「そりゃ、ほづみんはマジ愛してるっすよ。性格可愛くて良い体してて美人でエロい匂いがしてエロくてエロくてエロくて
万年発情しちゃうぜヒャッハーって勢いなんすけど、ちらっと思うことがあるんすよ。ほづみんが空を飛べたら、俺っち
みたいに羽根があったら、一緒に飛び回れるのになーって。虫系だったらリアル妖精っ! 鳥類だったらリアル天使っ!
 ああもうほづみん最高っ! ガチパネェ! これで勝つる!」
「それは解るなぁ。私もヤンマと一緒に飛び回れるしーちゃんが羨ましいし」

 茜はすっかり溶けて液体と化したチョコシェイクを啜り終え、カップを空にした。

「あれ、茜ちゃん達じゃないか」

 その声に三人が顔を上げると、トレイを持った鎧塚祐介と岩波広海が立っていた。二人は大学帰りらしく、どちらも
教科書で重たく膨らんだバッグを提げていた。

「祐介兄ちゃん、ヒロ君! ちょっと待ってね、片付けるから」

 茜は包み紙や紙ケースを片付け、もう一つ椅子を引っ張ってきて四人掛けの席を強引に五人掛けにした。

「はいどうぞ!」
「なんか悪いな、邪魔しちゃって」

 祐介が座ると、広海は躊躇いながらも座った。

「ごめんなさい、気を遣わせちゃったみたいで」
「いいんですよ。どうせ、私達は食べ終わったところですから」

 真夜が微笑むと、祐介は広海を示した。

「広海とは帰りの電車で一緒になったから、ついでにちょっと話していこうって思ってさ」
「主な話題はミチルのこととかアビーさんのことですけどね」

 広海は斜めにトレイを置き、落とさないように気を付けながらハンバーガーの包み紙を開いた。

「それで、何の話をしていたんだ?」

 コーラにストローを刺しながら祐介が尋ねると、シオカラがぎちぎちと顎を鳴らした。

「いやーそれがっすね、相手に物足りないものっつーかで。まさか祐介兄貴にはないっすよね、そんなん」
「俺まで兄貴呼ばわりにしなくても。まあ、いいけど。俺がこれ以上アビーに求めるものなんて、あるわけが」

 ない、と、祐介は言いかけたが、少し間を置いて言い直した。

181人外成分談義 3 859 ◆93FwBoL6s.:2010/05/31(月) 16:26:51 ID:2kwiZbLg
「いや、あるなぁ。そりゃ、アビーは新妻で主婦でピュアでキュートで艶々ボディでおしとやかで結構エロくて
過去はアレだけどそれすらも素敵でもうお前のためなら平行宇宙なんて滅びていいやって思うけど、所帯染みすぎて
新妻を通り越して熟女に到達しそうなんだよな……。もちろん、この時代の生活に慣れてきたのはいいことだし、
そうあるべきなんだけど、あの初々しさがなくなっていくのはちょっとなぁって」
「ええ、解ります」

 同じくリビングメイルの恋人を持つ真夜は、心から同意した。

「話の流れで聞いちゃうけど、ヒロ君はどう?」

 茜が広海に話を振ると、広海は答えた。

「僕は、特に。ミチルはちょっと困った性格だけど、あれはあれで可愛すぎるし世間知らずなところが最高に可愛いし
最近おしゃれを覚えて究極に可愛いし一途なところが無量大数可愛いしでミチルのためなら海で地上を覆い尽くし
ちゃってもいいやって思うくらいで、不満なんて上げたら囓られちゃいそうだし。あ、でも、強いて挙げるとするなら、
ミチルのウロコの範囲かな。ミチルのウロコは凄く綺麗だから、上半身もすっぽりウロコに覆われていたら、もっと
ミチルは美人だったなって思ったことがあるな。もちろん、今のミチルも充分美人だけど、いっそのことインスマス顔の
半魚人でも可愛いんじゃないかなぁって。目がぎょろっとしていて唇が厚くて口が尖っていて背ビレが生えていて……」

 インスマス顔のミチルを想像し、広海はうっとりした。

「でも、それはミッチーには言わない方がいいんじゃないかなぁ」

 茜が苦笑すると、広海は残念がった。

「うん、それは僕も解っているよ。でも、ウロコは多い方が色気があって素敵だと思うんだけど」
「先程から聞いていたが、君達はパートナーに対する敬いの気持ちが足りないようだな」

 いきなり別の声に割り込まれ、皆が揃って振り向くと、衝立の向こう側の席に座っていたブライトウィングが立ち上がった。

「な、なんでここにいるんですか? ていうか、メタロニアンは物を食べないんじゃ」

 驚いた祐介ががたっと椅子を引くと、ブライトウィングは身を乗り出してきた。

「その情報は古いぞ、祐介君。私のボディは綾子との幸せすぎて思考回路はショートどころか吹っ飛びそうな結婚生活を
円滑に送るために改造を施し、その結果、人間と同じように傾向摂取出来るようになったのだ」
「ああ、ヒカリアン仕様ですね」
「うむ。よくぞ知っていたな、祐介君」

 ブライトウィングは自分のトレイを持って五人の座る席にやってくると、隣の席の客がいなくなったのを見計らって
テーブルと椅子を引き寄せてくっつけ、そこに腰掛けた。

「君達の話に便乗させてもらうが、私は綾子に不満を抱いたことは一度もない。綾子は美しく賢く繊細で精密で清冽で
清潔で、全宇宙の美辞麗句を並べても綾子の魅力を表現するのは不可能だ。よって、綾子は完全なのだ。その綾子に
対する不満など、私の思考回路からは弾き出されん。おこがましいではないか」

182人外成分談義 4 859 ◆93FwBoL6s.:2010/05/31(月) 16:27:40 ID:2kwiZbLg

 そう言いつつ、ブライトウィングは五個目のハンバーガーを不慣れな仕草で頬張った。

「たとえ、綾子が苦労して作成した料理が見るからに失敗作であり、私の高性能な味覚がそれを食品として検知しなくとも、
甘んじて嚥下するのが夫の努めではないか。近頃はアビゲイルとの反復学習のおかげで改善されてはきたが」
「てか、綾子さんってそうなんすか?」

 シオカラが意外に思うと、ブライトウィングはカップの蓋を開けて氷をざらざらと口に入れた。

「普通の料理は上手くいくんだが、手を掛けたら掛けた分失敗するらしくてな。だが、そこがまた愛おしい」
「皆、色々あるんだねぇ」

 茜はしみじみと頷いたが、不満を拭えたわけではなかった。それは皆も同じらしく、揃って何かを考えている顔だった。
二箱目のチキンナゲットを開けて食べ始めたブライトウィングは、いかにして不満を抱かずにパートナーを愛するかと
いう演説を始めたが、ほとんどが綾子の惚気だったので聞き流された。
 異種族の恋人を愛する気持ちは変わらないが、愛しているからこそ欲するものもある。とりあえずヤンマにもふもふした
ものでも着せてしがみつこうか、と茜は思案し、アーサーを変形ロボにする魔法ってないかしら、と真夜は割と本気で考え、
ほづみんに羽根を付けさせたら蹴られるっすね、とシオカラは諦め、アビーが熟女化しても愛せるよな俺は、と祐介は決心し、
ミチルは深きものどもに知り合いはいないのかな、と広海は深淵に思いを馳せ、こんな店で口直しをしている時点で私は
夫として失格だ、とブライトウィングは内心で恥じ入りながら大量のファストフードを詰め込んだ。
 そんな、ある日の昼下がり。

183859 ◆93FwBoL6s.:2010/05/31(月) 16:36:41 ID:2kwiZbLg
以上。101号室の住人も考え中です。

184変態紳士:2010/06/01(火) 10:17:55 ID:rv0rXfso
投下乙。まさかの浮気フラグ…。

185変態紳士:2010/06/01(火) 11:03:48 ID:xK37wFGM
投下乙ッス
よりによって魚界一グロきもい半魚人だったとしても愛せる広海パネェっすマジパネェ

せっかくだから俺はロイガーを崇拝してみるぜ!

186変態紳士:2010/06/01(火) 16:02:01 ID:WTjXWh4w
広海は素晴らしい男だ。
魚鱗いいよな魚鱗。

187変態紳士:2010/06/01(火) 19:53:29 ID:a7PrI46.
ブライトウィングさんの登場に、トキメキ度がより高まったwww
だが、みんなの惚気っぷりに始終ニヤニヤww

188859 ◆93FwBoL6s.:2010/08/05(木) 17:03:28 ID:uqGfeIY6
本スレに投下しようと思ったら規制されていたのでこちらに。
人外アパートの番外編でヤンマと茜が主役ですが、河童と村娘とも繋がっています。
昆虫人間×少女の和姦ですが、茜がちょっとだけ清美にいじられます。
NGは鬼と山神で。

189859 ◆93FwBoL6s.:2010/08/05(木) 17:05:19 ID:uqGfeIY6
 濃い青空、そそり立つ入道雲、けたたましいセミの声。
 縁側に座ってスイカを囓り、甘い果汁ごと種も啜り込む。瑞々しい青臭さを触角と舌の双方で感じ取りながら、
鬼塚ヤンマは隣に座る秋野茜の様子を複眼で捉えていた。子供の頃から変わらず、茜はスイカを食べるのが下手だ。
種なんて飲み込んでしまえばいいのに、いちいち取り出すものだから手がべたべたになっている。顎から伝った汁気が
首筋にまで垂れているし、ハーフパンツを履いた太股にも赤い雫がいくつも落ちている。

「おい」

 ヤンマはスイカが載っていた盆から濡れ布巾を取り、茜の顎から首筋に掛けてぐいぐいと拭いた。

「何すんの、もう」

 茜は乱暴に拭かれた肌を手の甲で擦り、むくれた。ヤンマは残った皮も食べてから、自分の爪を拭いた。

「見るに見かねたんだよ。いつになったらスイカを喰うのが上手くなるんだ、お前は」
「いいじゃん、別に。ヤンマには関係ないじゃん」
「ガキ臭ぇんだよ」
「そのガキ臭いところが好きなくせに」
「馬鹿言ってんじゃねぇ」

 ヤンマは茜の頭を小突くと、茜はにやけながらスイカの残りを頬張った。そうは言うものの、反論出来ないのが悔しい。

「ここ、なーんにも変わらないねぇ」

 裸足の足をぶらぶらさせながら、茜は実家の庭先から見える風景を一望した。

「何百年も同じだったんだ、これから先も同じなんだろうよ」

 ヤンマは下両足を組んで胡座を掻き、透き通った四枚の羽を下げた。実が膨れてきた稲穂が揺れる田んぼと、ナスや
キュウリがたわわに生る畑、爽やかな風が吹き下りてくる深緑の山。肺に入れる空気は澄み渡り、嗅覚をなぞる臭気も
田舎のものだ。ちょっと車を走らせて街中に入ればそれなりに栄えているが、ヤンマと茜が生まれ育ったのは郊外の集落だ。
見知った顔ばかりで構成された狭い世界だが、居心地は悪くない。都会に比べれば、明らかに時間の流れが遅かった。
 二人揃ってお盆休みに帰省することにもすっかり慣れた。酒の席で鬼塚家と秋野家の親から結婚を急かされるのも、
茜が高校を出るまでだと半笑いで言い返すのも、茜が親の気の早さに呆れるのも、双方の親戚から夫婦扱いされるのも。

「明日は神社のお祭りだっけ」

 スイカを食べ終えた茜が皮を渡してきたので、ヤンマはそれを躊躇いもなく喰った。

「毎年のことだから、もうなんとも思わねぇけどな。大した祭りでもねぇし」
「神隠しに遭わないように気を付けなきゃね」
「つっても、あれは三十年近く前の話だろ? 茜の母さんの同級生の女子が祭りの途中で行方不明になったのは」
「でも、それっきり見つかってないんだもん。きっと、神様に気に入られちゃったんだね」
「この辺の川じゃなくて、山の沢に泳ぎに行ってたらしいしなぁ。だから、あっち側に引っ張られちまったんだな」

 例年通りの会話を交わし、ヤンマは二切れ目のスイカを囓った。神隠しに遭った娘の話は、この集落ではリアリティのある
怪談だ。数年前、市町村合併によって大きな市に吸収される前は、この集落を含めた一帯は小さな村だった。その頃、
一人の女子中学生が祭りの夜に突然姿を消した。その名は河野清美といい、活発で明るい性格で誰からも好かれていた。
泳ぎも上手く、神隠しに遭う直前には水泳大会で好成績を残すほどだった。だが、彼女は何の前触れもなく姿を消した。
その後、十年に一度と言われる記録的豪雨が降ったために捜索を始めるのが遅れたせいか、何度捜索を行っても遺骨
すら見つからなかった。だから、毎年のように大人は子供に言い聞かせる。夏の山に入るな、山神に隠されてしまう、と。

「隠されちゃったらどうする?」

 茜は口元の汚れを拭ってから、ヤンマに寄り掛かってきた。

「俺は鬼だぞ。引き摺り出せるに決まってんだろ」

190鬼と山神 2 859 ◆93FwBoL6s.:2010/08/05(木) 17:06:15 ID:uqGfeIY6

 ヤンマは茜を押し返さず、姿勢を保った。茜は笑い、ヤンマの冷たい外骨格に頬を寄せた。

「ただのでっかいトンボのくせに。でも、その時はよろしくね」
「言われるまでもねぇ」

 ヤンマはぎちりと顎を擦り合わせ、茜を抱き寄せた。鬼塚一族が鬼として扱われていたのは、人外の存在が人間社会に
馴染みきっていなかった時代のことだ。ただの巨大なトンボだと知られてからは敬われも恐れもしなくなったが、そうなる前は
本物の鬼だった。遠い昔、正体を突き止められなかったもの、人智の及ばないもの、天変地異は名を与えられて妖怪と
なっていたという。だから、ただの巨大なトンボだと知らしめられる前は、鬼塚一族も人間から見ればあちら側の住人だった。
 もしも、そのままだったらどうなっていただろう。茜を始めとした集落の人間から恐れられたら、ヤンマは鬼と呼ばれるに
相応しい男になっていたのだろうか。茜もヤンマを恐れたりするのだろうか。前者はともかく、後者は有り得ないだろう。茜は
幼い頃からヤンマにべったりで、ヤゴだった頃も成虫になってからも一度も恐れたことはない。だから、ヤンマが本物の鬼と
化していたとしても、茜は同じことをしていたに違いない。そして、行き着く先も変わらないはずだ。
 ヤンマはヤンマで、茜は茜なのだから。


 祭り囃子に巫女の舞、縁日、御輿。
 何もかもが例年通りで、目新しいものはない。出店も見慣れた顔触れで、テキ屋が地元の子供達と親しげに会話する様も
いつものことだ。山神に奉納するために舞う巫女は、醜女の面を被り、祭事用の豪奢な扇子を広げている。神楽を演奏する
神官達は神楽鈴を鳴らし、おごそかな雰囲気を醸し出している。篝火と提灯の明かりが本殿を朱色に染め上げ、非日常を
見事に生み出していた。本殿を見下ろす御神木がざわりと葉を揺らし、夜気混じりの風が熱っぽい祭りの空気を乱した。
 奉納の舞が終わり、見物客達が去っていくと、境内の人混みは少し落ち着いた。ヤンマは短い触角を動かして空気の流れを
感じ取りつつ、左上足を掴んで片足立ちしている茜を見下ろした。

「一旦帰るか? そんなんじゃ、歩くに歩けねぇだろ」
「うー……」

 浴衣姿の茜は、千切れた鼻緒を持って片方の下駄をぶら下げていた。

「でも、まだ来たばっかりだし。出店だってほとんど見てないもん。そんなのつまんない」
「だからって、俺に捕まって片足ケンケンしてるつもりか? サンダルでもスニーカーでもいいから、履き替えてこいよ」
「浴衣にサンダルって格好悪いじゃん。そっちの方がやだよ」
「俺の方が嫌だ。お前の体重を片方に受けっぱなしだと、筋がイカレちまいそうだ」
「あー、ひっどーい。そんなに重くないって言って、いつも抱えて飛ぶのはどこの誰?」
「あれとこれとじゃ具合が違うんだよ。とにかく帰るぞ、すっ転んで泣かれると後が面倒だ」

 ヤンマは茜を引っ張り、歩き出した。茜は不満げだったが、ヤンマの肩を借りて石段を下り始めた。最初、茜は片足だけで
跳ねて下りようとしたが、バランスが悪すぎるので観念して裸足で石段を踏んだ。行き交う人々に足を踏まれないように、
ヤンマは茜を庇いながら狭い石段を下っていった。茜の足元が気になっていたので下を向いていると、複眼の両脇を過ぎる
人影が不意に失せた。本殿で打ち鳴らされている太鼓の音も縁日のざわめきも遠ざかったかのように聞こえなくなり、
心なしか空気も冷え込んだ。石段の両脇の杉林から響き渡っていたセミの声も沈黙し、木々の隙間から見える空の色も
暗くなっている。日没が過ぎたばかりだというのに、星も見えないほど濃い闇に支配されていた。

「……あれ?」

 茜も異変に気付いて足を止め、ヤンマは触角を曲げた。

「とにかく下りるぞ」

 早くこの場を去らなければ、拙いことになる。根拠はなかったが、外骨格の裏側にざらついた違和感が貼り付いている。
茜の足取りが遅すぎるので横抱きにし、軽く羽ばたきながら石段を駆け下りていくが、いつまでたっても石段が終わらない。
子供の頃に茜と一緒に段数を数えた時には五十五段だったのを思い出したので頭の中で数えるが、百や二百を超えても
終わらない。石段の先に地上は見えず、振り返っても縁日どころか鳥居も見えない。

「ヤンマ」

 不安げに縋ってきた茜に、ヤンマはぎちっと顎を噛み合わせた。

「心配するな、大したことはねぇ」

 空まで出れば、どうにかなるはずだ。そう思い、ヤンマが羽を震わせて飛び上がろうとするが、空気がいやに粘ついて
羽で叩いても手応えがなかった。びいいいいん、と羽音だけが空しく響き、下両足の黒い爪は石段を噛んだままだった。

191鬼と山神 3 859 ◆93FwBoL6s.:2010/08/05(木) 17:07:28 ID:uqGfeIY6
「鬼だ」

 不意に頭上から声が掛かり、ヤンマは茜を強く抱いて身構えた。複眼が動くものを捉えたので視点の中心を据えると、
杉の木の枝に人影が腰掛けていた。白い半袖ブラウスに紺色のプリーツスカート、白いハイソックスにローファーを
履いた中学生らしき少女だった。その顔は、行方不明者として張り出されている色褪せた写真と同じだった。

「鬼か」

 また別の声が聞こえたので複眼を向けると、反対側の杉の木の根本から、音もなく異形が姿を現した。皿の載った頭に
鋭いクチバシ、甲羅、水掻きの張った指、ぬるりと湿った緑色の肌。成人男性ほどの体格の河童だった。それを見た途端、
ヤンマは羽の震えが止まった。近付いてはならない、見てはならない、と生き物の本能が喚き、関節という関節が固まって
身動き出来なくなった。逃げなければならない。しかし、どこに逃げればいいのか。

「鬼の子とその伴侶よ」

 ぺちょり、と水気を含んだ足音を立て、河童はヤンマに歩み寄った。

「おぬしらは、山神に見初められてしもうた。相も変わらず、困った御方よの」
「退屈だから、山まで連れてこいって言われちゃった。全く、人使いが荒いんだから。あれ、神様使いかな?」
「どちらでも良かろう」

 河童が少女を見やると、少女は身軽に枝から飛び降り、ヤンマと茜の進行方向を塞ぐように立った。

「てなわけだから、ちょっとだけ付き合って? やることやったら、ちゃーんと現世に返してあげるから」
「あんた、まさか、河野清美……?」

 ヤンマが後退ると、少女は明るく笑った。

「うん、そうだよ。私ね、タキの奥さんになったの。あ、それとね、山に入ってからは名前を呼び合っちゃダメだよ。山神様に
名前を教えちゃうと、本当に帰れなくなっちゃうからね」
「や、やる、って何を?」

 茜が怖々と清美に尋ねると、清美はちょっと言いづらそうに頬を掻いた。

「えーと、C……かな?」

 ヤンマは辛うじて意味が解ったが、茜にはさっぱりだったらしくきょとんと目を丸めていた。大昔の隠語でセックスだが、
なぜ、そんなものを神様が求めているだろう。確かにそういったものが御神体になっている神社も多いが、この集落の神社は
山岳信仰の色合いが強く、御神体も山そのものだ。だから、不可解でならず、ヤンマはぎちぎちと顎を軋ませてしまった。
タキと呼ばれた河童は心底呆れているらしく、頭の皿から水を零さずに頭を横に振っている。清美も気まずいのか、茜を
覗き込んでは励ましていた。事態の不可解さと相手の要求が理解出来ないのか、茜は困りすぎて半泣きになってヤンマに
縋り付いてきた。ヤンマも似たような心境だったが、うっかり逆らって山神に祟られたくはない。どうせ、家族のいない間に
事を致すつもりでいたのだから、それが少し早まったと思えばいいだけだ。
 ギャラリーがいなければ、もっと良かったのだが。


 清美とタキに先導されて昇ると、間もなく石段が途切れた。
 あれほど長く伸びていたはずの石段がほんの数段で終わったが、鳥居もくぐらず、境内に出なかった。その代わりに二人を
待ち受けていたものは、小さな石碑が入り口に据えられた洞窟だった。いつのまにか小雨が降り出していて、ヤンマは窒息
しかねないので慌てて洞窟に入った。茜は鼻緒が切れた下駄ともう一方の下駄も脱いで手に提げ、ヤンマに続いて洞窟に
入り、恐る恐る中を見回した。外が狭いわりに中は意外に広く、清美の寝床なのか、柔らかな青草を重ねた上に木綿の布地が
被せてあった。だが、空気がやたらに重たく、ヤンマは雨水で気門が詰まったのかと疑うほどだった。辛うじて吸い込めても、
雨上がりの匂いを煮詰めたような青臭さと泥臭さばかりで苦しくなった。茜も息を詰め、ヤンマにぴったりと体を寄せていた。

「山神さまぁー、お連れしましたよーう」

 清美が軽い足取りで洞窟の奥に向かうと、タキは二人に甲羅を向けて胡座を掻いた。

「儂は何も見ぬ、聞かぬ。今宵の祭りは、山神に捧ぐものであるからな」
「ほんに鬼の子じゃのう」

192鬼と山神 4 859 ◆93FwBoL6s.:2010/08/05(木) 17:09:28 ID:uqGfeIY6

 清美の背後、一際重たく凝った闇から、草色の浴衣に白い面を被った女、山神が歩み出してきた。

「おぬしは鬼塚の子よの。あれはほんに跳ねっ返りでのう、妾の手に負えぬ輩であった。おぬしは、その血を連ねておるわ」
「……俺の名字、知ってんじゃねぇか」

 ヤンマが顔をしかめるようなつもりで顎を開くと、清美が苦笑いした。

「下の名前まで知られなきゃ大丈夫だから」
「じゃ、じゃあ、本当にヤ、鬼だったの?」

 茜はヤンマの名を言いかけて飲み込むと、山神は茜の目前に面を被った顔を突き出した。

「鬼でなければ鬼と呼ばれぬ。娘、おぬしは百姓の子か。小綺麗にしておっても、血に染みた泥の匂いは隠せぬわ」
「そんなんはどうでもいいっすから、なんで俺らを連れてこさせたんすか」

 ヤンマは茜を背に隠して山神から遠ざけると、山神はす、と身を引いた。

「清滝之水神の嫁に伝えさせたじゃろうに、忘れてしもうたんかえ。妾は暇で暇で仕方のうてのう」
「だから、今、神社でお祭りをやっているんじゃないんですか?」

 茜が言うと、山神は袖で口元を押さえた。

「あんなもの、何百年と見せられては飽きもする。故に、妾はもっと心躍るものが見とうてのう」
「無茶振りにも程がないっすか」
「無茶だろうと粗茶だろうと、神の願いを叶えるのが現世の者共の役割じゃろうに」
「で、でも、やることやったらちゃーんと代償ってのがあるんすよね? ギブアンドテイクで」
「常世から現世に五体満足で戻してやろうと言うておろうに、何が不満なのかえ。それ以外に望むものがあるならば、御魂でも
寄越してくれぬかのう。さすれば、叶えてやらぬでもないが」
「……すんません」

 相手が悪すぎた。ヤンマが素直に引き下がると、山神は洞窟の奥に戻り、腰を下ろした。

「さあ、妾を楽しませておくれ。鬼の子よ」

 そう言われても、すぐに出来るものでもないのだが。清美に促され、ヤンマと茜は草の上に布を敷いた寝床に座らされた。
心地良い夏草の匂いが立ち上り、並みの布団よりも柔らかく、寝心地は悪くないので、何をしたとしても大丈夫そうだった。
茜はヤンマの前に正座したが、目元に涙を溜めていた。気持ちは痛いほど解るので、ヤンマは茜を抱き寄せて慰めた。
二人きりなら慣れたものだから、恥じらいはあっても躊躇いはない。だが、この場には山神がいるし、清美もタキも傍にいる。
誰も彼も初対面だが、かといってそう簡単に吹っ切れられない。ヤンマの胸部に頬を押し付けている茜は、恥じらいではなく
怯えが顔に出ていた。安心させてやりたいが、ヤンマも不安と畏怖で上手い言葉が出てこなかった。

「ちょっとごめんね」

 清美は茜の背後に腰掛けると、後ろから茜に腕を回した。

「山神様、手伝ってあげてもいいですか?」
「良きかな」

 膝を崩して頬杖を付いている山神が頷くと、清美は固まっている茜を優しく抱いた。

「鬼さんもごめんね。服の上だけにしておくから、あんまり妬かないでね?」

 大丈夫だから、と清美は茜の耳元で囁いてから、腕を緩めて茜の控えめな胸を掴んだ。

193鬼と山神 5 859 ◆93FwBoL6s.:2010/08/05(木) 17:10:40 ID:uqGfeIY6

「うひゃっ」

 茜が身を跳ねると、清美は浴衣の布越しに乳房を揉みほぐすように手を動かした。

「うわ、可愛いなぁ」

 自分でもヤンマでもない手に体を探られるのが恥ずかしく、茜は発熱したかのように赤面した。浴衣の袂が広げられると、
襦袢の上からさすってきた。清美はほとんど力を入れずに撫でるだけに止めていたが、緊張と恐怖で気が立っていた
茜には充分だった。女でなければ解らない力加減で丸みをなぞられ、刺激に応じて尖った乳首の先端を軽く押され、
おまけにヤンマが真正面から見ている。茜はくらくらするほど頭に血が上り、前のめりになってヤンマの胸に顔を埋めた。

「やだぁ、恥ずかしい……」
「安心しろ、見ている方も恥ずかしい」

 ヤンマは茜の顔を上げさせ、ぐばりと顎を開いて舌を伸ばした。喘ぎを殺すために唇を引き締めていた茜は、冷たい
舌先で唇を舐められると、唇を少しだけ開いた。その間にすかさず滑り込ませ、絡めると、雨水よりも重い水音が反響した。

「こっちはどうかな?」

 清美は茜の緩みかけた膝を割らせて裾を開き、クロッチの上から人差し指を這わせた。

「んぁっ」

 薄い羽で掠められたような、弱く繊細な愛撫だった。それを何度も繰り返されると、茜は吐息が弾んできた。

「う、ふぁっ、あっ」
「ほらほら、見てるだけでいいの?」

 清美は茜の襦袢も広げて肌を曝させると、茜は居たたまれなさそうに顔を背けた。罪悪感と背徳感が入り混じる横顔に、
ヤンマは妙な感情がざわめいた。自分だけのものだと思っていた茜が、河童の嫁だという少女の手で感じさせられている。
状況が状況だし、女同士なので、嫉妬するのはおかしいと思ったが、腹の底がむず痒い。そして、泣きそうになっている茜が
無性に可愛らしく、自分以外の愛撫を受ける様は初々しささえある。

「ほぅら」

 清美の手が、これ見よがしに茜の浴衣の裾に覆われた太股を撫で下ろす。茜のショーツのクロッチはうっすらと湿り、
あの匂いが零れ出している。ヤンマは茜の腰に回した長い腹部を巻いてぐいっと引き寄せると、清美は呆気なく手を離して
くれた。ヤンマの元に戻ってきた茜は気まずそうに身を縮めたが、汗ばんだ首筋に舌を這わせると上々の反応が返ってきた。

「あうぅんっ」
「俺じゃなくても楽しめるみたいだな?」

 ヤンマがにやけながら毒突くと、茜はふるふると首を横に振った。

「そうじゃないよぉ、見てるからだよ」
「俺が見せられてたんだよ」
「違うよぉ……」

 茜はヤンマの逞しい腰に腕を巻き付け、硬い外骨格に口付けを落とした。

「お前は俺が好きなんじゃなくて、ただ、いじられるのが好きなだけなんじゃねぇの?」
「んひっ!」

 裾の下から入り込ませた腹部の先端で陰部を小突くと、茜は悲鳴に似た声を上げた。

「違う、違うよぉっ」
「さあて、どうだかな」

194鬼と山神 6 859 ◆93FwBoL6s.:2010/08/05(木) 17:12:09 ID:uqGfeIY6
 ヤンマは顎を広げて威嚇とも笑みとも取れる表情を見せると、茜は眉を下げた。

「怒ってるの?」
「怒っちゃいねぇ。どうにも面白くねぇだけだ」
「相手は女の子だよ、それに仕方ないことだって、ぁん!」

 言い返してきた茜の陰部に、ヤンマは腹部の先端から飛び出させた生殖器を抉り込ませた。

「女だろうが何だろうが、自分の女をいいようにされて嬉しい男がいるかよ」

 上両足ではだけていた浴衣の袂を完全に押し広げ、ブラジャーをずり上げると、日焼けしていない白い乳房が零れた。
茜は唇を歪め、ぎゅっと目を閉じた。ヤンマはこれ以上の成長が望めなさそうなものを噛み千切るかのように顎を開き、
硬く充血した先端を舌で舐め上げた。同時に、ショーツを破らんばかりに生殖器も突き立てる。

「うぁああっ!」
「なんか面倒臭ぇな」

 ヤンマは中右足で茜のショーツを下げると、茜は片足を上げて引き抜いた。

「うん……」
「見せるってんなら、こうした方がいいじゃねぇの?」

 ヤンマは茜の体を背中から抱えて持ち上げ、山神に向けて両足を広げさせた。途端に、茜は羞恥で硬直した。

「やっ、やだぁっ! これ、恥ずかしいなんてもんじゃないよ! 末代までの恥レベルだよぉ!」
「神様に連れ去られてこんなことをさせられている時点で恥だろうが」
「そりゃ、そうだけど」

 茜は首筋を甘噛みしてきたヤンマを横目に、山神を窺った。洞窟の中には明かりはほとんどないが、不思議と山神の姿は
くっきりと浮かび上がって見えた。山神自身が発光しているのかもしれない。だから、きっと、茜の濡れた陰部もよく見える。
幼子が小便をさせられるかのような格好にさせられたせいか、陰部に溜まっていた愛液がてろりと落ちた。何も収まって
いないのが物足りなくて、無意識に入り口の筋肉がひくつく。顔を覆ってしまいたくなったが、両手首はヤンマの爪によって
押さえられた。洞窟の冷えて湿っぽい空気が火照った肌に優しい。

「ほれ、早うせぬか」

 山神は冷ややかな面の奥で、かすかに目を細めた。

「あぁ、あっ、ぅああっ!」

 濡れてはいたが解されていない陰部に硬い生殖器を押し込まれ、茜はびくんと痙攣した。

「ひぃんっ!」

 ぐいっと生殖器が上がり、膀胱を裏側から押される。

「あ……?」

 だが、続きはなかった。茜が訝ると、ヤンマは茜の耳朶をべろりと舐めた。

195鬼と山神 7 859 ◆93FwBoL6s.:2010/08/05(木) 17:13:24 ID:uqGfeIY6

「俺ばっかりがやってもつまんねぇだろ。好きに動いてみろよ」
「うっかり出しちゃっても、知らないからね?」

 茜は腰を落とし、ヤンマの生殖器を根本まで飲み込んだ。

「あ、はぁっ……んっ」

 満足げに熱い吐息を零した茜は、練るように腰を回し始めた。分泌された愛液もこね回されているのか、肉と水気が
交わる音が重なる。見られて焦らされて煽られたせいか、足元に滴る雫が普段より多く感じる。次第に腰が浮くようになり、
擦り合わせる速度も速まっていく。足を広げていては辛かろうとヤンマが膝の上に座らせると、茜は一層激しく動いた。

「ね、ねぇっ」
「ああ?」

 ヤンマが聞き返すと、茜は夢中になるあまりに唇の端から涎を落としていた。

「こんなんでっ、いいのかなぁ? だって、これぇ、私達だけが気持ちいいのにぃっ!」 
「それは神様の勝手だろう、よ!」
「くぁあんっ!」

 ヤンマが強く奥を突くと、茜は仰け反った。

「少なくとも、俺は楽しい」
「うん、うんっ」

 茜は何度も頷き、腰を止めようとしなかった。背中に胸郭が接しているヤンマの声と外骨格の軋みしか聞こえず、視界も
ぼやけて山神の姿もよく見えない。けれど、見られている。視線がありとあらゆる部分に刺さり、素肌で草に触れたかのように
ちくちくする。鮮明なのは、痺れるほど熱した陰部から駆け巡る情感ぐらいだった。汗と愛液でとっておきの浴衣が汚れても
気にならないほど、ヤンマに貫かれていたかった。山神の言う通り、鬼というなら確かに鬼なのだろう。
 人間と違って、絶対に萎れないのだから。



 気が付くと、揃って御神木の傍にいた。
 悪い夢でも見ていたかのように頭が重たく、疲労が全身に蓄積している。ヤンマに寄り掛かる茜も同じらしく、寝苦しげに
眉根を寄せていた。山と神社を隔てる石垣に腰掛けているので、本殿の屋根越しに祭りの明かりと喧噪が届いていた。
途中までは覚えているのだが、展開が変だった。茜の下駄の鼻緒が切れていたから、履き物を変えるために一旦帰ろうと
石段を下りた。だが、石段を下りても下りても終わりが訪れず、何かおかしいと思っていたら、神隠しに遭った河野清美と
清滝之水神という名の河童が現れ、洞窟に連れ込まれ、山神と思しき者の前で。

「……ひっでぇ夢」

 そんなに溜まってたのかよ俺は、と自嘲しながらヤンマは茜を支えようとすると、茜は急に目を開けた。

「ひゃああああっ!」

 唐突に悲鳴を上げた茜は石垣から転げ落ちるように駆け出し、顔を覆ってしゃがみ込んだ。

「何これ何あれ何なの何なの何なのー、恥だよ恥すぎるよ恥ずかしいなんてもんじゃないよ有り得ないよぉー……」

 浴衣の襟から覗く茜の首筋は赤らんでいて、耳元まで血が上っていた。

「おい、大丈夫か」

 ヤンマが恐る恐る声を掛けると、茜は涙目で振り向いた。

196鬼と山神 8 859 ◆93FwBoL6s.:2010/08/05(木) 17:15:52 ID:uqGfeIY6
「へ、変な夢、見ちゃった。石段が終わらなくて、いきなり真夜中になって、女の子と河童に洞窟に連れ込まれて、そしたら」
「俺もだ。ていうか、あれは夢だよな? 夢じゃなきゃいけないよな? 山神の前で一発ヤらされるなんてのは」
「夢だと思いたい、けどぉ」

 茜は立ち上がったが、ふらりとよろけて小さな祠に縋った。足に力が入らないのか、少し乱れた裾の下で茜の膝は
細かく震えていた。ヤンマが見るに見かねて茜を支えると、茜はヤンマの胸に額を当てて俯いた。

「凄く、気持ち良かった」
「右に同じ」

 ヤンマは茜の乱れぶりを思い起こしただけで、腹部の先端から生殖器が出そうになった。

「すぐに正夢にしてやらぁ」

 ヤンマは身を屈め、茜と舌を交えるキスをした。夢の余韻なのか、少し触れ合っただけで茜は早々に息を弾ませた。
膝も折れそうになり、甘ったるい声で名前も呼んできた。これで我慢出来る方がおかしいよな、とヤンマは茜を横抱きに
して羽を震わせて浮き上がると、茜のつま先から鼻緒が切れた下駄が転げ落ちた。一度降下してその下駄を拾ってから、
再度浮上して夜の闇に紛れるように飛んだ。今日はどちらも祭りの用事で家人が出払っているので、遠慮することはない。
 樹齢千年近い御神木の上を過ぎて境内を通り越し、鳥居を通り過ぎる瞬間、複眼の端に草色の浴衣と白い面が掠めた。
見えていたのは一瞬にも満たないはずなのに、ヤンマの脳裏には面の奥で笑みを浮かべる目が鮮明に焼き付いていた。
とりあえず山神は満足してくれたらしい、とヤンマはほっとしたが、今更ながら怖くなった。山神の所在を確認することすら
恐ろしくなり、ヤンマは力一杯羽ばたいて実家を目指した。
 神様に関わるのは、二度とごめんだ。

197859 ◆93FwBoL6s.:2010/08/05(木) 17:22:27 ID:uqGfeIY6
以上。鬼だろうが水神だろうが、土地の者である以上は山神に逆らえません。

198変態紳士:2010/08/12(木) 19:23:17 ID:tgLpbk5g
GJ!タキと清美の登場もうれしい

199変態紳士:2010/08/23(月) 02:12:06 ID:8G0st54s
GJです!!

200意地悪なでくのぼう 0:2011/08/16(火) 22:18:29 ID:iSIEyV/E
忍法帖規制が面倒そうなので来ました。
ロボット×女の子、自慰要素有り。
これ除いて6レスくらい、NGとかは「意地悪なでくのぼう」で。

201意地悪なでくのぼう 1:2011/08/16(火) 22:19:07 ID:iSIEyV/E
耳をそばだてると、ママと知らない男の人の声が仲良さげに喋ってるのが聞こえる。
また「若い男のコ」を連れてきてるんだ。もう慣れてる。
私は、新しいパパ候補にするなら、もっと歳の人の方がいいと思うんだけど。
って、そう言ったら、ママは「あら、真夜子ちゃん羨ましいの?」って聞き返されたけど、そういうことじゃない。
ママは遊んでるだけなんだ。この間なんて、撮影用にうちの使用人ロボットまで呼んでた。
羨ましいとしたらむしろそっち……、なんでもない。
男のコたちは私の部屋の隣の隣、ママの寝室に連れ込まれて、それから……、それから……。
……ううぅ。
そういう、想像は収まらない。
私はベッドで何度か寝返りをうつ。
寝……なきゃ。今日こそ何も知らないいい子のままで。
そう思うのに、何かに操られたみたいに私の伸びた爪をした指は、パジャマのズボンをくぐり
下腹をするっと撫でて、両足の間に辿りつく。あああ、もうだめ。
そう思いながら、毛をかきわけ、小さな突起にそっと触れる。

……初めは、やり方をネットで見かけて、興味本位だったんだ。
だけど、何度もやっているうちに、いけないことをしている思いでいっぱいになってきて、
最近ではついに相手のイメージまで明確になってきた。
その相手というのが……。とても恥ずかしいことに、情けないことに、使用人ロボットなんだ。

「ロボットとはいえ、あんまりイケメンだったら男のコたち嫉妬しちゃうわよねー」
そう言ってママが使用人に選んだのは、全身こげ茶色のシンプルなロボットだった。一応人型だけど、
ちっちゃい子が積み木積んで作っただけのような、そんな感じ。クッション素材が全身に入ってて、
抱き枕としても使えるらしい。ママは一度、腕だけ取り外して枕にしたけど合わなかったらしい。
顔の部分には目の代わりに大きなカメラが一つ、口は喋ってる時に腹話術人形みたいにぱかぱか開くんだけど、
口の中は暗くてよく見えないし、私はまともにロボットの顔を見たことがないから分からない。
名前は、ママの「木の人形みたいだし、あんまり使えないから木偶の坊君って呼びましょ♪」の一言で「デク」に決まった。
ママひどい。

そんな奴を、……を弄っている時に思い浮かべてしまう。
なんなんだろう、これは。なんなの。
あいつのカメラでじーっと覗きこまれたい。意地張らないで一度抱き枕にさせてもらえば良かった。
そういう、願望や後悔が頭をぐるぐるする。
指が湿ってきて、小さく水音をたてはじめる。あ、う。何度もやっていくうちに、濡れるのが早くなってきた気がする。
「ぁ……」
小さく喘ぎ声を漏らす。自分でも聞こえるかどうか分からないくらいの。
寝室の壁は防音対策がされてるから大声で……してるはずのママたちの声だって聞こえたことない。
でも、声を出しているという、緊張感。
「んんんっ」
指が何度も割れ目をなぞる。だめ、だめ……入っちゃだめ……
「デ、デクぅっ……」
初めて奴の名を漏らした……。

202意地悪なでくのぼう 2:2011/08/16(火) 22:19:46 ID:iSIEyV/E
ガチャ。
『お呼びですか、真夜子サン』
あ、ああ私の想像力はドアを開けて入ってくるロボットの姿をはっきり映し出して声まで……?
「ひゃん!」
私は急いで手を引っ込めて布団を被る。これ想像じゃない本物だ! 血の気が引いた。
「あの、ちょっと寝苦しくって、えっともういいから大丈夫出てって」
言い訳をでっちあげる。うん、こいつならこれでも信じてくれ、
『わたくしとの交接をシミュレートしながらマスターベーションに耽っていたということですか』
「うん?」
何言った、こいつ。
『ああ、要するにわたくしをオカズにオナニーしていたのですか、ということです』
「―――――!」
声にならない悲鳴が出た。分かるの? そういうこと分かるの?
パニックになりかけてる私に、奴はとどめに一言言い放つ。

『不潔ですね』
と。
い、嫌、ロボットに軽蔑されるなんて! カメラの目が冷たく私を見下ろしている。
「あ、ああ……」
私の体は、だけどそれに興奮して、どんどんあそこを熱くさせていく。
ロボットは布団に手を突っ込み、隠した私の手首をぐいっと引き寄せた。
そして、ぬらぬら光る濡れた指先をじっと眺め、
ぱくっと……咥えた?!
「ふぇ……? あ……」
驚きにまともな言葉が出せないうちに、私の指はちゅぱちゅぱと念入りに舐められた。
口をすっと離して、奴は言う。
『このように長い爪で性器を触ると、膣を傷つけかねないのでたいへん不潔です。
とりあえず今消毒はしましたけど』
……不潔って、そういう……? 私は妙な安心感と、ロボットにこんな行為の注意をされてる
気まずさで力が抜ける。
『では下も消毒させていただきます』
ロボットは私の布団を剥がした。すうーっと股の辺りが涼しくなる。
さっきからずれっぱなしの下着をカメラが捉えた。顔がそのまま近付いてくる。
口元から舌のような器官がのぞく。
「や、やだっ!」
『それは何に対しての抵抗ですか』
聞かれて私は戸惑う。ロボットにこう、見られることはさっきまで私が願っていたことじゃないの。
舐めるのだって、ただの消毒だって言ってる……。ただの……消毒?
「しょ、消毒って言葉! それが嫌なのっ」
一瞬ロボットは動きを止める。
『つまりニュアンスの問題ですね。真夜子サンはわたくしに「消毒」ではなく「クンニリングス」をさせたいと、
そういうことですか』
「うん!」
私は頷いた。……あれ?

203意地悪なでくのぼう 3:2011/08/16(火) 22:20:30 ID:iSIEyV/E
奴の指が私の、あそこの毛を掻き分ける。毛は、粘っこく指に絡みついて、すごくいやらしい。
私のあそこはすこし触られただけでひくついてしまう。それが分かってなのか、ロボットは
『じっとしていて下さいよ』
と私に言い聞かせ太ももを掴む手に力を込める。でも、私は、彼の舌がちょんと触れただけで、
「ひうっ」
なんて叫びをこらえながら、身体を思いっきりびくつかせてしまう。
『すごい量が出ていますよ。真夜子サンの……』
あう、あ。毎晩のように、自分で触ってて、だから、身体が勝手に……っ。
ロボットの舌は、割れ目から溢れる私の、あの汁をふき取るように撫で続ける。
「も、もっと奥ぅ!」
なんてことを言うんだ、自分ながら……。ロボットはその通りに、私の中へ、舌をズズッ、ズッと出し入れする。
「あはぁ……、ひやあ……」
自分の声がすごく喜んでるのが分かる、それがまた恥ずかしい。でも、ロボットはすぐにそれをやめてしまった。
「え、あ……なんで?」
まだ……まだ、もっと気持ち良くなりたい……!
『これで完了です。あなたの膣は清潔になりました』
そういうことじゃなくって、その……! 私の高ぶった気持ちは、どうすればいいの!
思わずロボットの腕にすがりつく。私の指が柔らかい肌に食い込む。
「意地悪……」
『では真夜子サンはこれ以上わたくしに何をさせたいのですか。具体的にお答えください』
言葉に詰まる私に、更にロボットは追い打ちをかける。
『あなたが先ほどまで想像上のわたくしとしようとしていた行為は何ですか』
「…………せっくす」
そこまで、はっきり妄想してたわけじゃないけど。辿りつくことが出来るなら……せっくす……したい。
『ふん』
ロボットは……笑った? 一瞬口元をゆるませたような気がした。カメラが私から視線を外し、
彼の股間へと移される。私もつられてそこを見る、とさっきまで何も無かったそこに、黒光りする棒がぬっと突き出していた。
びっくりして飛び退く。
「何、それ……!」
『わたくしのペニスですが』
淡々と言ってのけるけどそんなの見たことないしあることなんて知らなかった!
『内蔵型なので必要とされなければ出しませんし』
あ、ああ……。私はそれを、期待のこもった目で見つめてしまう。ネットで見た人間のとは違う、綺麗なかたちをしている。
『性能は悪くありませんし、あなたの膣内を測ったところ、普段からの自己開発の成果か、
それほどの負担にはならないと思われます』
こくこくと頷きながら、彼のモノから目が離せない。
『……そんなにわたくしにおチンチンがあったのが嬉しいんですか』
あ、呆れられた? かあっと顔が熱くなる。カメラに映ってる私の顔は、どんな風なんだろう。
『では真夜子サン。わたくしにご命令を』
「命令?」

204意地悪なでくのぼう 4:2011/08/16(火) 22:21:04 ID:iSIEyV/E
『これまでとは違い、ペニスを使えばあなたの身体を傷つける恐れがある……微小ながら出血もあるでしょう。
ですから、基本的に人間を傷つけてはいけない規則のあるロボットに具体的な性行為をさせるには、
はっきりした命令が必要なのです』
「そうなんだ……」
めいれい……なんだか、恥ずかしいな……。命令っていうか、
『もっともあなたの性格では命令というよりおねだりにしかならないでしょうけど』
見透かされている!
『さあ、おねだりをどうぞ』
ロボットは……デクは、私の顎を優しく撫でる。あ、だめだ、ぽーっとなる。
「抱いて下さい……」
『分かりました』
そう言うと、デクは私の体をパジャマの上から抱きしめた。……ああ、布が、邪魔。
「……脱がして」
『何をですか? 具体的にお願いします』
「えー……? パジャマをだよ、分かるでしょ」
『はい』
そう言うと、デクは私のパジャマのボタンをひとつひとつ丁寧に外しはじめた。
じれったい。わざとかと思うくらいゆっくりだ。私の身体は火照っていくのに。
私を下着姿にして、パジャマを畳みだしたから本当にわざとだと思った。
「いじわる……!」
『どこがですか』
「どこがって、こんなに待たせて……、その……」
『待ったといえばわたくしの方が長かったのですがね。……次は何を脱がせばいいんですか?』
「し、下着……、下着も脱がして」
いちいち言わなきゃいけないのか? いや、もしかして、言わされてる……?
そんな気がしてるうちに、元から乱れていた下着は簡単に取られてしまった。
『ふむ』
デクが裸になった私の身体を上から下まで凝視する。
「な、何なの? 興奮でもしてるの?」
ちょっと期待を込めて、最近膨らんできた胸を張りだす。
『81のBカップ。大体予測通りです』
……。
「他に感想とかないの?」
『言ってほしいんですか?』
んー……もう! 私は、デクに裸を見せつけてるのが恥ずかしくなってきて、いっそ抱きついてしまうことにした。
『おおっと……』
デクが飛び込んだ私を抱える。ふふ、ちょっと動揺させた。
デクは私の頭を撫でて、ぎゅーっと抱き返してくれた。
彼の身体は表面がすべすべしてて、密着するとふかふかして気持ちいい。さすが抱き枕に使えるだけある。
硬いデクのあれだけが、私のお腹をぐいぐい押す。
「ん……」
中に欲しい。そう、おねだり……。

205意地悪なでくのぼう 5:2011/08/16(火) 22:21:35 ID:iSIEyV/E
「デクの、入れて……」
『何をですか』
「と、とぼけないでよ……」
デクは口を閉ざす。……ああ、またはっきり言わなきゃいけないのか。私は、この時になってまで躊躇う。
言葉を、口に出さなきゃいけないっていうのが、どうしても……。ううう、いいや! 一度だけだし!
「デクの、おちんちんを私のおまんこの中に! 入れて、ください……!」
『最高音質で録音しました』
「なっ……!」
『それでは接合しますね』
硬いのが、私の割れ目にあてがわれる。舌とはまた違う感じだ。
「あ、はうぅ…………」
入ってくる! あれが……、デクのおちんちんが……。
私はもう、十分濡れているのに、まだ彼を求めてあ、愛液を生産し続けている。
中が擦れて、どんどん気持ちが、快楽に支配されていく。
「あっ、ああああッ?」
私の指では、到達したことがない場所を突かれた。
『所謂Gスポットはこの辺りでしょうね』
「あううっ! あっ」
声の調子を変えずに解説してくれるロボットにずるい、と思いながらも、私は喘ぐことしか出来ない。
数度ゆっくり出し入れされた後、耳元で囁かれた。
『ではピストン速度を速めますね』
「あ、あ、あ、やあっ! あっ、ああ!」
はあ、ああ、気持ちいいよう……。
『これがあなたの思い描いていたわたくしとの関係ですか』
「あぅ、あ……そうで、す……」
もうためらうことなく、そのまま認めてしまう。うん、いい……。
『では実際のわたくしはそれを越えなければなりませんね』
すっと身体から、デクのが抜かれた。急に喪失感を覚える。
「あう……?」
『真夜子サン涎が出ていますよ』
デクに顎から唇の端にかけて舐められ、そのままちゅーされた。
カメラのレンズの中に一瞬見えた私の顔は、とろけそうなくらいうっとりしていた。
『後ろを向いて下さい』
言われるがままに背中を向ける。デクが私のお尻をぐっと揉んだ。
「ひゃん! ……ああっ?」
デクのおちんちんが、後ろから入ってきた。私はもうこれの感触をもうしっかり覚えてしまったみたいだ。
『それでは真夜子サンに後背位も愉しんで頂きましょうか』
こう、はい……ちょっと考えてそれが後ろからされることだと分かった。動物みたいで、恥ずかしい体位だ。
「やっ、そんなっ……あっ、ふあっ」
拒む間もなく、後ろからガンガン突かれだした。機械的な動きに、ロボットに犯されているんだってことを
嫌でも認識させられる。こいつは使用人ロボットなのに、こんな、こんな格好で!
『わたくしから見れば、真夜子サンもケモノですからねぇ』
……あれ、なんだか言い方が意地悪になってきた気がする……。うう。
「あっ、あああ! あああ!」
『真夜子サン、淫らでとてもいいですよ』
さっきは見ても平然としていた私の胸を、今は執拗に揉んでくる。先端を指で、摘まれる。
「はうう」
どんな顔をして揉んでるんだろう。でもこの体勢じゃお互い顔は見れないはずだ。
さっきより歪んだひどい顔になってると思うけど、カメラに映されずに済む……! と思ったのに。
ころり。デクの生首が目の前に落ちてきた。
「――――!?」
『腕の着脱が可能なことから推測出来ると思いますが、わたくし、このように首を外すことも出来るのです』
デクの顔が私の目を覗きこみながら言った。
『あなたの表情を真正面から捉えながら、後ろから犯すだなんて画期的な体位でしょう!』
「やああっ、あっ、んあああっ」
顔を逸らそうとするけど、カメラから目が離せない。

206意地悪なでくのぼう 6:2011/08/16(火) 22:22:09 ID:iSIEyV/E
なんとか抗議の声を振り絞る。
「へ、変態!」
デクは転がった首を傾げる。
『変態、とは異常な方向に性欲を発揮させている、変態性欲が旺盛な者のことですよね。
ならば真夜子サンの方がよほどその言葉に相応しいかと』
「ああ、ふあああっあ、んあっ……?」
『わたくしを思いながらマスターベーションに耽る。手の届かない相手ではなく、すぐ隣にいるわたくしを。
いくらでも言うことを聞かせることが出来る、使用人の立場にいるこのわたくしを。最中にわたくしの名を呼ぶなど、
わたくしの理解の範疇を超えておりました。あなたは紛うことなき変態です』
「くっ、何をっ、あっ、あああっ」
言い返そうとすると動きを激しくされて、まともな言葉が出なくなる。デクは流暢に説明を続けるのに。
『真夜子サンが夜な夜なマスターベーションをして嬌声を上げるのを拾い聞きしたわたくしは、あなたの望むお相手を
特定し、その相手に容姿を近づけようと計画していました。特に芸能人などの有名な人物であればマスクなどの
パーツが市販されていますし比較的仮装は容易ですからね』
「え、あっ、それって……あんッ」
私の、ことを……。
『ええ、遅かれ早かれ手に入れるつもりでした。ただし真夜子サンが変態性欲の持ち主で、
よりにもよってこのわたくし自身を思っていらっしゃったとなると……』
「あっ、あっ、ふあああっ! デク!」
『自分の幻など追い出して、本物を刻み付けたくなるものです、真夜子サン』
「あ、ぁ、イっちゃう! イかされちゃう!!」
あああ、私は変態だ、でも幸せだ……!
『どうぞ』
デクは一際強く私の奥を突いた。
「―――ああああああッ!」
私は、果てた。

デクの腕枕は、まるで特注の枕みたいに頭にしっくり来た。
見上げればそこにカメラのついた顔がある。
……寝にくいな。
「デクは、寝ないの?」
『ええ眠りません。ですので真夜子サンの無防備な寝顔を録画しつつ卑猥な寝言を録音していようと思います』
「は? え?」
寝顔はともかく……いや嫌だけど……寝言?
『気付いてらっしゃらないと思いますが、あなたは覚醒時に猥語を抑圧する傾向がある分、
寝言では淫らな言葉を連発しています。今夜はわたくしの名も呼んでくださ』
「嘘!」
私は茫然とした。
「で、出てって!」
思わず起き上がって言うものの、デクは動かない。
『わたくしの耳は、部屋の外からでもあなたの音声を拾えるので無意味です。よろしければこれまでに録音した分を
お聞かせしましょうか』
私はぶんぶん首を横に振った。うううー。
やり場のない恥ずかしさでいっぱいになった私は、とりあえずデクの柔らかい身体をぽふぽふ殴ることにした。
……ああ、こいつサンドバッグにも使える。


(終)

207変態紳士:2011/08/26(金) 15:59:10 ID:QuKKXwx6
ふたりとも馬鹿らしいほどにどすけべだな!
でもかわいいから許す!

208変態紳士:2011/09/03(土) 20:29:28 ID:F3PzWUmg
まったくもってけしからん変態ロボ紳士だな!
超絶GJ!!

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