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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第115話☆
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お互いにお互いがどうかしていると解するには、お互いが共にまともな状態ではなかったので判らなかった。
「ともかく、ヴィヴィオは関係ないようなので私はそろそろ失礼する。じゃあな」
普段ならば絶対に見せないような羞恥の赤ら顔を隠すように、シグナムはくるりとポニーテールの髪を舞わせながら振り返り、立ち去った。
その後姿を見ながらしかし、視界が暗転しそうなほどの狼狽を覚え、ユーノは頭を抱えたい気分になっていた。
もちろん、そんな事を知るのは、当のユーノ本人だけしかいないわけだったが。
□
「あーもう!!」
自宅の寝室のドアを開けるや、ユーノは白いベッドシーツに飛び込んでスプリングを軋ませながら、身悶えして叫んだ。
外気温の暑さにも寒さにも耐えうる壁は防音もしっかりとしており、彼の嘆きの叫びは誰知る事もない。
それを最低限の理性で弁えているからこそ、ユーノは思う存分に嘆き喚いた。
「どうしてこんな……ああもう! ああもう!!!」
枕に顔を押し付けたままごろごろと転がり、ベッドからぼすんと落ちてもまだ転がり、転がり、ついにはクローゼットの戸にぶつかって止まる。
とてもじゃないが、そのアホらしい狼狽ぶりは、考古学や諸学に通じた無限書庫の司書長というインテリ的地位に就いている若き才人という肩書きからは程遠い有様だった。
顔を枕に埋めながら壁にばんばんぶつかり悶え、悶え、悶え……ようやくユーノの脳細胞はまともな思考に戻りかけた。
「うう……」
半泣きの呈で立ち上がり、ユーノは枕を床に投げ捨てて、クローゼットの戸を開けた。
ハンガーに並ぶ衣装。
いつも纏っているスーツの換えや、冬用のコート、その奥に隠すように仕舞われているもの。
それは誰見紛う事もない――女性用の服。
一着や二着どころではない、何着もの女性向け衣類、その中には白いワンピースとカーディガンの姿もあった。
ヴァイスが出会ったあの美女と、同じ服。
「まさか……まさかヴァイスさんに会うなんて……」
あの時の衣装を見ながら、ユーノは記憶を反芻し、より一層に嘆きを呟く。
髪を解き、眼鏡を外し、化粧を施し、この服を着れば出来上がる。
ヴァイスの出会った謎のブロンドの美女、ユーナ。
そう、正にあの日あの時、ヴァイスの出会った美女の正体とは……女装したユーノ・スクライアに他ならなかった。
かれこれ数年来の事である。
ユーノの密かな趣味、ストレス解消法。
最初は隠れて自室で服を着替える程度であった。
徐々に化粧をし、女性下着を付け、より完璧なものに仕上げるうち、次第に外を出歩くスリルを楽しむようになった。
元から顔立ちが女性的な美男子である彼が女装すると、外見から男性である事を見抜くのは不可能に近い。
何より知り合いに出会う可能性など確率的に言ってそうありえないのだから、彼も今では大胆に女装して外出するようになる。
女装したユーノは美しく、男にナンパされる事も少なくなかった。
人を完璧に欺ける事は、なかなかの快感だった。
しかしそれも絶対に知人などに出会わないのを前提にしての事だ。
それがまさか……こんな形で脅かされるとは。
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