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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第115話☆

508名無しさん@魔法少女:2013/02/15(金) 18:36:20 ID:zTH1BJ/s



 その後、どのように道場までたどり着いたのか、一体どんな練習をしたのか、記憶には一切残っていない。ようやくものを考えられるようになったのは、人のいなくなった道場でザフィーラの前に立っていることに気がついた時だった。

「どうした、ミウラ?今日は少々様子がおかしかったが、そのことで相談でもあるのか?」

 この期に及んで告白ということに考えがいかない朴念仁に、多少恨めしい思いを抱えながら、今朝自分の包んだチョコレートを差し出した。告白の言葉は出てこない。頭が真っ白になって、再び自分がいる場所すらあやふやになってしまう。

「これは…チョコレートか」

 対するザフィーラはあくまで冷静であった。そう言えば今日はバレンタインデーなる日であったなどと考えながら、律儀な弟子にお礼を返す。

「感謝する、菓子作りなど大変だっただろう。このチョコレートは皆でありがたくいただくとしよう」

 ザフィーラの中では、当然のように義理チョコであって、自分個人ではなく、八神家全体へ向けられたものであるのだと了解していた。だからこそ、皆で食べるという発送にたどり着いたわけだが、ミウラにとってその言葉は、死刑宣告に近いものであった。
 届かない想いであると分かってはいても、涙は止まらなかった。せめて自分の気持ちに気がついて欲しいと、目の前でいきなり泣き出した弟子に困惑するザフィーラにむかって、必死で声を張り上げる。

「……!?一体どうし…」

「ちがっ、違う、んです…それは、師匠に、師匠のためだけに、作った、もので…」

 ここに至っては、ザフィーラもミウラの気持ちに気がつかざるを得なかった。ひとまず弟子が落ち着くのを待ってから、勘違いをした謝罪を口にする。

「先程は、申し訳ないことを言ってしまった。許してくれ」

「あ、そんな」

 気持ちが落ち着いてみると、自分がどれほど恥ずかしい真似をしたのかに気づき、ミウラは真っ赤になってしまった。師匠の謝罪にも言葉を返すことなどできず、ただ答えを待つことしかできない。

 そして、ザフィーラの答えは、予想取りのものであった。

「しかし、すまない、お前の気持ちに答えてやることはできない」

 実直なザフィーラらしい真っ直ぐな答えに、やはりと思いながらも、つい質問が口をついて出る。

「……やっぱり、前の人のことが忘れられないですか?」

 はやてに聞いた話を思い出しながら、そしてはやてに言われた言葉を信じながら、今度は自分を師匠の隣に居させて欲しいと言外ににじませたつもりだった。もし、忘れられないのだと言ったのなら、自分もまた、この思いに殉じようと、そのミウラの尊い決意は――



 ザフィーラの次の一言でもろくも崩れ去った。

「前の、とは一体どういう意味だ?」




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