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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第115話☆

503夜刀浦奇譚03:2013/02/15(金) 10:14:09 ID:/x6EBKpc
「ォ、オレのカラダがぁ・・・のっとられるぅ・・・うぼぁ・・・ク、クトゥ・・・ル、ルルイエ・・・」
異変はそれだけでは収まらなかった。まるで蝉が脱皮する様に、男の背中からも触手が何本も溢れ出てくる。それなのに血は一滴も出ていない。男の身体の中身が別の‘何か’に取って代わられたかの様だった。
「・・・グボボ、フシュル・・・・サ、ヤ、フミ・・・・ノリ、ノリ・・・・」
“肉のスーツ”――人間の肉体を脱ぎ捨て、汚らわしい体液に塗れた海魔が、ゆっくりと身の丈三mにも及ぶ巨体を蠕動させる。顔も最早、人の物ではなく、鮫の様に鋭利な牙を備えた、環状の口腔があり、物欲しそうに開閉している。


――そう、空腹で仕方が無い。海の底から“食事”に招待されたのだ。
欲求を満たすべく、海魔は触手を伸ばし、眼前の‘ご馳走’を絡め取る。
何やら、喚いているが、別に気にならない。
‘ご馳走’を食べやすくしようと、触手に力を込める。
ベキベキという音と共に、団子状になった‘ご馳走’から赤い汁が零れる。
‘ご馳走’を口に運び、ボリボリと咀嚼する。
瞬く間に‘ご馳走’を平らげると、数mに成長した海魔はまだまだ物足りないとばかりに、次の‘ご馳走’に触手を伸ばした。


――――‘ご馳走’を平らげる毎に、海魔の身体は巨大化していった。






「フハハ、いいぞ、いいぞ、実に頼もしい異形の軍勢だ!!」
上空に佇み、仮面の男は心から愉快そうに笑った。
夜闇を背景に浮かび上がる、身の丈、20mに迫ろうかという異形。その数、四体。
生贄として捧げられた少女達だけでなく、本来は‘同胞’ともいえる夜刀浦南部の住人すらも、手当たり次第に捕食し、急成長したのだ。
「む、四体だと・・・本来では六体召喚される筈・・・」
部下の身体を苗床に、生贄の少女達を餌にして六芒星の頂点毎に、一体ずつ海魔は召喚される筈だが、二体足りないのだ。
怪訝に思って、視線を巡らせると、その理由に思い当たった。
「ち、退魔機関の連中か・・・」
元公民館、廃工場――この二箇所の海魔は退魔機関の者達の猛攻に晒されている。如何に強大な海魔といえど、召喚直後、かつ、凄腕の退魔師ならば、撃退する事も可能だろう。更によく見てみれば、その二箇所では、救出された少女達を守護する様に、一般人らしき少年達がそれぞれ霊剣や霊槍を手に奮戦している。
あの二箇所に赴いた、退魔師はかなりの凄腕らしく、海魔は調伏される寸前だ。
残りの四箇所には、手が回らなかった様だが。


「まあ・・・四体でも充分だがな。この辺り一帯を滅ぼすのには」
仮面の男は手の中の『瑠璃城経典』に刻まれた術式を起動させ、4体の海魔を支配下に置く。元公民館及び廃工場の海魔――この2体は退魔機関の連中を足止めする囮と考える事も出来る。2体の戦力減は痛いが、致命的という程でも無い。

というより海魔ですら仮面の男にとっては、ある意味では‘捨て駒’に過ぎない。


「さあ、進め、海魔達よ・・・くだらん日常を貪る有象無象共に思い知らせてやれ」
号令に従い、4体の海魔達は、巨躯をうねらせ、従順に進撃を開始した。
夜刀浦北部に異形の群れが迫る。
傲慢なる人間の領土を侵し、脆弱なる人類を海の深淵に引きずりこむ為に。



夜刀浦北部を取り囲む様に配置されていた、五芒星を刻んだ石碑群――超古代から海よりの異形の侵略を阻止してきた結界――が迫り来る海魔四体の圧力によって、粉々に砕け、無意味な破片となって散らばった。




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