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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第115話☆

452太陽と明星:2013/02/12(火) 22:51:11 ID:aRkxnGuM
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「柄にもなく、取りとめも無く、想うことはあります。
 ……我らマテリアルの出自や、そのパーソナリティの在り方について。
 理のマテリアルとしての理論ではなく、正反対の―――感傷と情動な物言いですけれど」

「……」

マテリアルの出自。
古代ベルカの時代に、紫天の書の構成体として創られたプログラム。
後に夜天の書に組み込まれ、闇の書の中に沈み、けれど意識は保ちながら、外界を観察し続けた日々。
その頃から『星光の殲滅者』の名もパーソナリティも確立し、胸に灯る『火』も確かにあった。

けれど、とシュテルは続ける。

「闇の書の枷から放たれてこの駆体を得たのは、3ヶ月前―――あの街の、冬空の下。
 ナノハのデータを得た『今の私』は、それ以前の私とは明確に異なる存在として顕現しました。
 だから今の私の故郷は案外、あの街と言えるのかもしれません。
 ……ナノハと同じ街の生まれという事になりますね」

永きを過ごしたはずの本来の駆体の感覚を思い出すことさえ出来ないほどに、新たな体は心地良くシュテルに馴染む。
あるいは元来のデータと、高町なのはのデータとの整合性が良かっただけの、単なる偶然の結果なのかもしれない。

ただ唯一、自分のものではないという違和感を感じるとすれば、それは―――胸の内で燃える、炎の熱さだ。
魔力と熱情の双方の源である胸の内の火は、時にシュテル自身が持て余すほどに熱く、強い。

確かに、覚えているのだ。
過去の自分はもう少し冷徹で―――御しきれぬほどに、熱くはならなかった。

原因を求めるとすれば、それは外からの要因。
つまりシュテルは、炎熱変換ではない心の熱を、高町なのはから受け継いだとも結論付けられる。

ゆえに、これはただの憶測であり、叙情であり、あるいは願望であるやもしれませんが、とシュテルは前置きした。

「レヴィは、闇の書に蒐集されたフェイト・テスタロッサが抱えていた心の『痕』から。
 ディアーチェは、闇の書が記録していた八神はやての拭い得ぬ心の『罪』から。
 そして私は―――
 闇の書の管制人格や騎士たちがナノハとの戦いの中で感じ取った、心の『火』から生まれたのではないのか、と」

だから、私の胸の内に在る、想いの源である『火』は、ナノハ自身の輝きなのかもしれません。

少女は、夜天を見上げながら呟いた。




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