レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第115話☆
-
▼▼▼
「……シュテル、少し訊きたいことがあるんだ」
「なんなりと、どうぞ」
シュテルはルシフェリオンをユーノへと照準しながらも、さして戦い自体の続きを促すわけでなく、淡々と答えた。
それを受け、ユーノは息を整えながらゆっくりとシュテルへ問いかける。
「僕と君が戦う理由なんだけれど。
……別に僕を倒さなくても、なのはとは何の憂いも無く戦えるはずだよ。
君自身も最初に言っていた通り、感情の区切りとしてなのはと戦うのであって、勝敗は関係ないはずだから」
「……?」
「だから改めて訊いてみようと思う。その上でで答えが変わらないなら、それでかまわないよ。
―――君は、何のために僕と戦うの?」
そう、ユーノはシュテルの言動に齟齬を感じた。
シュテルの言葉通りなら、ユーノを殺すのは、なのはとの戦いに勝利するため。
けれど戦いに勝敗は無関係であると、直前にシュテル自身が口にしているのだ。
「……」
ユーノの問いかけに、シュテルはルシフェリオンをユーノへと向けたまま沈黙した。
なぜこの局面で訊くのかという、疑問からではない。
その言葉を、時間稼ぎや命乞いと受け取ったわけでもない。
自らの言葉と行動の乖離を指摘され、それを否定する言葉が出なかったのだ。
何ら疑念を抱かなかった想いが、ユーノの一言でゆらぐ。
糧を得ねば、なのはに勝てないのか。
そこまでなりふりかまわずに勝たねばならぬ戦いなのか。
そもそも、その相手がユーノでなければならないのか。
改めて理論的に考えれば、導かれる答えはすべて『否』だ。
なのはとの戦いに、勝敗は無関係。
勝つに越したことは無いが、負けてもそれは己の未熟であり、それは受け入れられる。
なのはとの前哨戦であれば、盾の守護獣とすでに戦っており、それでも足らぬのならば、強者はまた別に居るだろう。
いかに技巧者でなのはの師といえ、戦う手段を持たない結界魔導師を戦闘の相手に選ぶ必然性は皆無だ。
ならばなぜユーノと、だまし討ち同然の行為を行ってまで戦いたかったのか。
「……」
「理由は、見つかったかい?」
シュテルが、仮にも戦いの中で無防備に内面を見返す経験は、後にも先にもこの時だけだったかもしれない。
そしてユーノはそんな少女をただ、見守っていた。
友人を気遣う少年の表情であると同時に、弟子の自覚を促す師のような面差しでもあった。
ユーノには、シュテルの行動に対して、ある程度の確信めいた推測がある。
例えば、彼女のオリジナルである高町なのはが戦うには、いつも確固たる理由があった。
なのはにとっての戦いとは、話し合えない相手との対話手段。
伝えたい想いを伝え、伝えきれない想いを読み取るための、声にならない言葉なのだ。
ならば、シュテルがこの戦いを仕掛けた理由は―――
「そう、ですね……見つかりました」
考えに沈んでいたシュテルの瞳に、意思の光が戻る。
けれどその表情は直前までのクールさとは違い、いささか朱が差しているようにも見えた。
「私ですら気付かなかった真意に気付かせていただいた、師の慧眼には感服いたします。
しかしながら―――同時に、いささか業腹でもあります」
「……え? えぇ?
なにか僕が、気に障るようなことでも……!?」
それは、ひょっとしたらユーノが初めて間近で見る、シュテル個人の静かな『怒り』だったかもしれない。
そしてその激情は、目の前のユーノへと向けられていた。
「ナノハを越えるため。
最初に出会ったときにつかなかった、貴方との決着をつける為。
理由はいくらでも後付けができますけれど、本当のところは……」
足を前後に広げて腰を落とし、ルシフェリオンを水平に構えた、全力砲撃を行う際の、なのはと同じ構え。
その切っ先に、全開の炎熱の魔力が問答無用ともいえる勢いでチャージされていく。
「ちょっと、話を聞いてくれるんじゃ……!?」
「聞きました。答えです。
とりあえず1度、その記憶も体も余さず焼滅されて下さい。すべてはそれからです」
それまでのクールな言動を翻し、突然感情的になったシュテルによる極大砲火が、ユーノへと放たれた。
|
|
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板